ファルコムでエロ小説PartY

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1名無しさん@ピンキー
ファルコムの女性キャラで妄想の限りを尽くしましょう。
英雄伝説・イース以外のファルコム作品も大歓迎です!

前スレ
ファルコムでエロ小説PartX
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1177856278/l50

初代スレ
【イース】ファルコムでエロ小説【英伝】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1068830344/l50

2代目スレ
【イース】ファルコムでエロ小説PartII【英伝】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1092527856/l50

3代目スレ
【イース】ファルコムでエロ小説PartV【英伝】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1106482479/

4代目スレ
【イース】ファルコムでエロ小説PartW【英伝】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1146483556/l50
2名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 22:40:56 ID:n5AjaHEV
>>1

3名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 23:55:17 ID:fda/MzSP
>>1
っていうか容量全然気付かなかった件wwww

>>前スレRPGの人
うp乙です。まじこいから抜け出せてなかったらどうしようと思ってたけどそんなことはなかったw
自分もエロ無しの部分はあっていいと思ふ。一種の焦らしプレイってやつですね(ビクンビクン
4名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 20:24:11 ID:LRKqzHnU
新スレに移行したことに全く気付かなかった。

>>RPGの人
毎度うp乙です。

あと>>1
5名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 10:31:42 ID:zIpnukxN
<保管庫>
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/
6名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 02:19:19 ID:gRG7wczL
ティータちゃんの下痢糞クリーミー・ウンコピザ、ゆきたい
7名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 23:23:56 ID:sKcLH8N3
保守
8名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 21:35:43 ID:fKB707tu
例えエロが無くても紳士のたしなみとして全裸待機・・・といきたいが、靴下は履いておくか
9名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 00:06:52 ID:Bom/EBD9
残念、今週のwktkはここまでのようだ。

来週に期待することにしよう。
10名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 11:31:11 ID:AXves8Em
ageておく
11名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 09:54:15 ID:MOxO+Hhc
保守参戦

容量で前スレ埋まったから、スレ移ったこと気付きにくかった。
12名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 15:45:34 ID:0ZS9xvs7
スレたて乙
13名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 15:41:02 ID:bs3tbmiH
紫煙捕手
14名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 18:12:29 ID:2Dnzy0lG
 ウズウズ…
      I'm ready
 =ニ= ∧_∧
 / \(・∀・ )/
〆|  _⊂  つ∈Z∋
 | /⌒丶丶コノ  |
 | |  | |∪〓 |
/|\ヘ_ノノ‖_/|\
15名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 23:52:51 ID:xwUuiW4P
  ♪
♪  ☆チン  ☆ジャーン
☆チン 〃 ∧∧ ___
 __\(∀・#)/\_/
チン\_/⊂  つ |
`/ ̄ ̄ ̄ ̄ /| |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |/|\
|愛媛みかん|/
` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
16名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 01:09:28 ID:i7oW4ZHJ
       ∧_∧
       ( ・ω・)
        (====)
     ______( ⌒) )
   /\   ̄`J ̄ ̄ ̄\
    ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄
           | |
         / \
17名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 00:17:37 ID:PZK/WXxV
木曜が終わってしまった・・・なんということでしょう
18名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 18:40:00 ID:kjuC+cdT
空の軌跡Web漫画始まった。
個人的に絵は良いなと思った。
エロの方向では妄想が具体的な絵になって(ry

皆様はどうですか?
19名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 20:31:34 ID:PUFub0le
捕手
20名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 12:47:10 ID:oefLB3nv
毎日チェックしに来てるけど、たまにはカキコ
21名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 01:14:00 ID:lbO1FFSq
ティアルナに逆レイプされるアドルまだ?
22名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 09:44:17 ID:L/VJJJIe
木曜日だし期待age
23名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 23:00:57 ID:t5yzME13
ガッシュと3妖精の4Pマダー??
24名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 23:25:14 ID:eFzDN97v
       ∧_∧
       ( ・ω・) <まだまだ慌てるような時間じゃない…
        (====)
     ______( ⌒) )
   /\   ̄`J ̄ ̄ ̄\
    ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄
           | |
           | |
         / \
25名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 00:03:28 ID:eFzDN97v
       ∧_∧
       ( ・ω・) <(RPGの作者さん…どこに行ってしまったんだ)
        (====)
     ______( ⌒) )
   /\   ̄`J ̄ ̄ ̄\
    ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄
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         / \

さて、また来週を待つか…
26名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 00:16:40 ID:S6I2nrrU
残念。今週もおあずけか……

下手なergよりよほど好みな内容だから毎週待ってしまう(ビクンビクン
27名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 12:21:55 ID:ZzdhTZej
つーかZWEIUのを書いてるゴッドがここを見てるのか疑問
28名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 03:37:09 ID:2CfWFNAB
ほしゅ
29名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 18:12:22 ID:hYNf8PF9
今日は木曜日だったか。保守保守
30名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 23:42:06 ID:ry10iqum
イース7やっと終わった――のでちと妄想。



(ネタバレ注意)












五大竜の加護を失ったアルタゴの地――しかし今や人の手で急速に復興をしつつある。
容疑が晴れ、復興を手伝うアドルに降りかかる新たな災難とは――?

アルタゴの危機を救い、竜の戦士となったアドルの子を授かり、
今後の里存続の政(まつりごと)の基盤にしようと考え、孕授の符術を用いて
アドルと関係を持とうとするマイシェラさん(27歳)の淫謀――もとい陰謀。

そんな二人の蜜会をたまたま目撃し、自分の気持ちに気付いたアイシャはある夜、
思い切ってアドルに告白をする…

というアドル×アイシャ妄想をクリアした勢いで思いついたが
仕事が忙しくて書く暇がないw
31名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 23:54:40 ID:wESoMLvQ
       ∧_∧
       ( ・ω・) ぐっばい木曜日。うぇるかむ金曜日
        (====)
     ______( ⌒) )
   /\   ̄`J ̄ ̄ ̄\
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32名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 19:33:28 ID:1kMGGtCk
木曜前に期待あげ
33名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 23:02:40 ID:2U0Vh+sC
代理スレ
34名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 20:24:12 ID:CWNQgsuQ
35名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 20:39:37 ID:1wwwCX0e
うp主規制かー! 誰も転載しないなら俺が家に帰り着いたら転載する!

とりあえず見ていることを信じて作成乙。
36名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 20:40:19 ID:1wwwCX0e
やだwwwなにこのIDwww
37名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 22:35:58 ID:BtWNbQx5
消えてね?
38名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 00:37:25 ID:AyjvHpPU
消えてるのか。再うp + 代行カキコ見かけたらこっちにはっつけるけど・・・消えたのってタイムリミットのせい?
39名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 22:35:46 ID:AyjvHpPU
代行スレでも反応ないかー。来週までお預けなのかな……くっ、無念だ
40名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 00:05:08 ID:ZGKiT15M
こっちもあっちも反応無しか。こりゃ本当に木曜日までお預けか。
41名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 00:03:44 ID:9axQ5Kk2
  ♪
♪  ☆チン  ☆ジャーン
☆チン 〃 ∧∧ ___
 __\(∀・#)/\_/
チン\_/⊂  つ |
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|愛媛みかん|/
` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
42名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 23:34:03 ID:qlXdZXot
よ、ようやく帰ってきた・・・が、代行もこっちも反応ないか。とりあえず寝るまで張り付いておくか
43名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 00:28:39 ID:CyYQ1chC
木曜日あげ
44名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 00:09:57 ID:Nbrv2dQx
木曜日\(^o^)/
45名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 00:05:44 ID:wk6+KjVA
また木曜きた! RPGの人まだスレにいんのかな・・・と思いつつ保守
46アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:33:32 ID:lS/Xxq5h
 金闇の森はセクンドゥム廃坑やオルディウム神殿と比較すればまだ慣れた道であり、そこそこ順調に進むことができた。と言っても、ラーライラは城まで来る事が多かったので、百余年の人生の内僅か数回だが。
 魔物も大概は知った種類であり、戦闘に困難する事はない。
 人為的に手の入っていた廃坑と神殿とは違い、こちらは自然のままに発展している。見通しは悪く視界での索敵は困難だった。当然道は悪路であり進むのに困難したが、何度も迷うような道に比べれば遥かに気がらくだ。
 土地が風の魔力に支配されている為、地属性の魔法はあまり威力を発揮できない。それでも風の魔力に恩恵を受けている敵にはそこそこ威力を発揮できるのだが。
「魔力が回復しつつあるから分かり辛いが……、やはりここの魔物は随分強い」
 魔法の直撃を受けてもなお立ち上がる大型の魔物、あばどんを見ながらぼやく。あばどんは鈍足な敵ではあるが、代わりに耐久力とパワーが桁違いだ。魔力が完全な状態のアルウェンでも、力で勝負をしたら絶対に勝てないだろう。
 他にも魔法を使う敵、速度の速い敵、姿を消す敵など、能力の多彩さではイルバード随一だ。同属で攻防遠近の役割を分担し、集団先方を使う魔物だっている。
「しかし、今の私の敵ではない」
 アルウェンの口調はひたすら平坦であり、そこには自信も傲慢も感じ取れない。事実、群れを成して襲ってくる敵はたった一人の吸血鬼に近づくこともできないのだ。
 順調に道を進んでいき、中継地点近くまで差し掛かったのはまだ翌日になる前だった。この頃になると魔物も恐れをなしたのか、アルウェンに近づこうとせず随分楽な道中になる。
「しかし、これだと早く着きすぎてしまうな」
 このペースで進んでいけば、魔女の住居に着くのは日の出を何時間も待つ頃になるだろう。魔女とは言え元は人間、活動は基本的に昼である。夜中に押し入るのは礼儀に欠く。
 事は一刻を争うのだが、事情を知らないかもしれない相手にまでそれを押し付けるわけには行かない。なにより、アルウェンはラーライラに幾度も世話になっている。無礼な体を晒したくはない。
「仕方がない。中継地点で長めに休むとするか」
 金闇の森にある中継地点はラーライラ直々に結界を敷いた場所であり、安全は保障されている。それでも危険がある可能性は零ではないのだが、アルウェンは起きているつもりなので問題ない。
 警戒をしつつも気楽に気楽に足を進めていく。魔法で発動している知覚に魔物の反応は無く、中継地点は目と鼻の先だ。だからこそ周囲を見ながら歩く余裕があり、ある物を発見した。
 流石に中継地点付近であれば、道らしきものはある。その脇に、一輪の小さな花があった。
「ん? 毒草か?」
 斑点模様の少々きつい色をした花が、まだ蕾のままそこに生えている。
「危ないな」
 中継地点までであれば、まだ人間も入ってくるのだ。その先は魔女の住処と知れ渡っているので侵入者はいないが、手前までならば資源を採取しに来る者はいる。
 もし草木に知識のない人間が誤ってこれを採取してしまうと、下手をすれば死んでしまうだろう。そういう可能性があるのに毒草を放置するのは、少し目覚めが悪い。時間的な余裕もあるのだし、これを森の中に返す事に決めた。
 その辺の木の枝を拾い、花の周囲の土を掘る。慣れないながらも何度か木を刺しこむと、その内花がぶるぶると震えだした。
 危険を感じたアルウェンは飛びずさろうとしたが、それより早く花の頂点からガスが噴射される。
「うっ!?」
 ガスを思い切り吸い込んでしまったアルウェンは膝を付く。重いまぶたを懸命に開きながら、杖に縋ってなんとか体を起こしている状態だ。
 体に力が入らず、強烈な眠気が襲う。麻痺と催眠のガスだった。
「し、ま……」
 眠気に支配される頭で、なんとか動こうとする。既に麻痺で体が思うように動かない事すら考えられなくなっており、もう一度噴出されたガスを吸わぬように気をつける事はできなかった。
 強靭な吸血鬼の肉体もガスにまで強い耐性を持つことはできず、杖だけは大事に抱えながらその場で眠ってしまった。





 肉体の窮屈さを感じ取り、アルウェンの意識は急激に覚醒する。最初に見えたのは、所々夜空が浮かぶ天井だった。僅かに見える月はまだ上りきっておらず、あれからどれほども時間が経ってないことが分かる。
「ここは何処……なんっ!?」
 周囲を観察していたアルウェンの目にまず入ったのは、自分の恥丘だった。あおじぇりーによって随分女らしくなってしまったそこは、しかし羞恥心しか思い起こさない。よく見れば足や腹も露出している。恐らく一糸纏わぬ姿だろう。
47アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:33:54 ID:lS/Xxq5h
 怒りに顔を赤らめながら周囲を見ていくと、頭の上で手首と足首が拘束されているのが分かった。四つの穴が開いた木の板は分厚く、その中心部分に鎖が取り付けられ壁に張り付いている。
 藁か何かの上に布を置いた場所にアルウェンは放置され、裸にされて手足の自由を奪われた。何をするつもりかは分からないが、良からぬ事であるのは違いないだろう。
 服は破かれている可能性が高いが、杖まではそうもいかない。真祖の吸血鬼の膨大な魔力に耐え切れるだけの強度を持つアルウェンの杖は、魔力強度に比例して物理強度も高い。魔物どころか古に存在した魔王ですら破壊は困難だ。きっとどこかにある。
 場所までは分からないが、方向だけは分かる。杖がなくとも全く魔法が使えないわけではなく、拙い知覚魔法でも方向くらいは掴める。そちらに向かって進んでいけばいい。なんにしろ、逃げ出さねば始まらない。そう思い、手足に力を入れたのだが。
「……なに?」
 木の板は壊れるどころか軋みもしなかった。おかしいと思い何度も力を入れるが、やはり代わらない。
 人間であればこれほど木枷に厚さがあれば破壊は不可能だろうが、吸血鬼であれば容易いはずだ。しかし、実際は影響など殆ど無い。
「くっ、まだ麻痺の方は影響があるのか」
 全力で力を入れているつもりでも、実際は人間ほど、下手したらそれ以下の力しか出ていないのだろう。ガスがある程度抜けるまでは、ここから逃げる事もままならない。
 無力に歯噛みしていると、がちゃりとドアらしき板が開いた。アルウェンが暴れた事で、目を覚ましたことに気付かれてしまったのだろう。
 入ってきたのは、十匹以上のこぼるとだった。その事実に、アルウェンは舌打ちする。
 ここはこぼるとのコロニーだ。金闇の森では二つの種族が群れをなしている。一つはもりおこじょであり、もう一つがこぼると種族だ。
 コロニーにはアルウェンが道中遭遇した魔物の十倍は数がいるだろう。しかし、それ以上に拙いのが攫っていったのがこぼるとだと言う事だ。
 こぼるとには低いながらも知能がある。それは、こぼるとがちゃりおっとという木製戦車に乗っている事で分かるし、拙いながらも木で家を作っている事からも分かる。この手枷も、こぼるとが作ったのだろう。
 知能があるという事は、相手が逃げないように手を尽くすという事だ。もしかしたら手枷だけで逃げないようにしているのではないかもしれない。
 しかし、腑に落ちないこともある。
 こぼるとは比較的生息地域が広く、発見に事欠かない。だからこそその生態は研究し尽くされている。アルウェンも魔物の生態を記した書物を読んだことはあるが、こぼるとが人間、もしくはそれに類する雌を攫ったという話は効いた事がない。
 思案するアルウェンを無視して、こぼるとはアルウェンの周囲に集まった。アルウェンの頭を持ち上げて枕のようなものを置く。自分の肩と枕に首を限定され、視線は強制的に自分の下腹部を見せられる形になった。
「くっ! 貴様ら、後で覚えておくがいい……!」
 呪詛を吐くが、こぼると達は反応しない。アルウェンが抵抗できない事を分かっているのだろう。
 皮袋に詰まった透明感のある緑色の粘液を陰部に垂らし、無数の手が揉み解すように柔らかく触った。それに対しアルウェンは、余裕の表情で受け流す。
 アルウェンの股間は魔法により、感度を著しく減衰している。正確には感覚ごと減衰しているので、力を入れ辛い代わりに手の感触さえ希薄だ。触れられても羞恥心と怒り以外何も感じない。
 杖を手放しているために新たに魔法をかける事はできないが、既に処置済みの場所はアルウェンでさえ杖が無ければ戻せない。
 こぼるとはアルウェンの反応に首を傾げながら、次第に揉み解す場所を広げていく。陰唇を啄ばむように触れていたのが恥丘まで広がり、やがて上下へと分かれていった。一つの手の固まりは下腹部へ、もう一つは。
「ひゃあっ! お前、何処を触っている!」
 谷間を下って会陰を通り、そのすぐ下にあるアナルに触れていた。
 自分の性知識に全くな居場所に触れられ、アルウェンは体を大きくよじる。しかし、こぼると達はここが弱点であると判断し、臀部を両脇からがっちりと押さえるとアナルを集中的に弄りだした。
「うああぁぁ……、やめ、やめよ!」
 未知の感覚にびくびく震えるアルウェンに、こぼると達は僅かな手加減もしない。むしろその反応を喜ぶかのように激しくしていく。
 アナルの反応がいいと知ると、こぼるとの手は全て後ろに移っていった。臀部を集中的に撫で上げ、美尻を淫靡な魅力を発するものへと変えていく。中心で慎ましやかにしている窄まりは、指先で撫でられ肉の蕾が開こうとしていた。
48アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:34:41 ID:lS/Xxq5h
 粘液と愛撫はアナルの力を解し、アルウェンの抵抗に関係なく受け入れの準備を整える。桃色の窄まり周囲の肉が盛り上がり、愛撫の反応に迷いひくひくと動く。
「やめるのだ! そこは違う!」
 アルウェンは自分の体が開拓されていく恐怖に絶叫する。アルウェンとて膣や子宮が子を成す為の器官である事くらいは知っているし、そのためにはどういう行為を行うのかも知っている。
 だからこそ不浄の穴が犯されているという事実に混乱した。あおじぇりーの時のような不意打ちではなく、しっかりと状況を見せて理解させるという被虐的な行為は、とても耐えられるものではない。
 人間より遥かに適応能力に優れた吸血鬼の体は、短時間で屈辱の愛撫に対応する。堅く閉ざされた蕾は花開き始め、魔物の指を受け入れる体制を整え始めた。
 全力で力を入れて耐えているはずのアナルは、締め付けをそのままに伸縮性を大きく拡張する。異物進入の際の抵抗感を失い、柔らかく受け入れてはきゅうきゅうと締め付ける、そういう器官になってしまう。
 ついにこぼるとの粘液に塗れた指が、アルウェンのアナルにするりと進入した。
「ああぁ……っひぃ! 気持ち悪い、やめるのだ!」
 ぶちゅぶちゅと音を立てながら、こぼるとの指がアルウェンの腸内で暴れまわる。こりこりと腸壁のしこりを撫でる事で快楽が発生し、同時に指を出し入れして排泄と快楽を結び付けられた。
 アルウェンは自分の排泄器官が好きなように弄ばれ、さらに快感を覚えさせられるところまでを見せ付けられる。首を背けられないとはいえ、目を閉じれば見ない事はできるだろう。しかし、そうする事で体を我が物のようにされるのは耐えられない。
 アナルが左右から楕円形に大きく広げられる。伸びきったすぼまりの内側からは、桃色をした蠢く肉が顔を覗かせた。その光景に、アルウェンは屈辱以外で顔を赤くする。
 こぼるとはわざとアルウェンに自分の惨状を見せていた。サディスティックな感情からではなく、相手に自分の状態がどういうものかを理解させるために。ここはもう自分達の道具である、と。
「ううぅっ……く、まだなのかっ……」
 自分のものとは思えないほどだらしなく広がるアナルを見せられながら、なんとか枷を破壊しようと手足を動かす。しかし麻痺ガスの効き目は長く、未だに人間以下の力しか入らなかった。がたがたと揺れるだけで、軋む気配すらない。
 こぼるとの一体が木製の漏斗を取り出し、開かれたアナルにそっと差し込む。アナルが漏斗を受け入れるのを確認すると、アナルはそっと閉じられた。
 次に取り出されたのは先ほどとは別の皮袋。紐が解かれると、中から植物特有の甘いにおいが漂ってくる。何かの樹液なのだろうか。
 漏斗と樹液、この二つを見てアルウェンはとてもいやな予感がした。ばたばたと暴れて逃げようとするが、やはり体をずらす事もできない。排泄するような感覚で漏斗を出してしまおうかとも考えたが、それは恐ろしくてとても実行できなかった。
 漏斗に樹液が流されていくのを、アルウェンは恐怖しながら見る事しかできなかった。どろどろした冷たいものが漏斗を通り、直腸へと流されていく。ひんやりとした感覚と逆流する不快感に、アルウェンの背中に冷たいものが走る。
「――――っっっ!! ふっ、うううぅぅぅっ!」
 せめてもの抵抗に何とか声だけは出すまいと堪えたが、全て顔に出ている以上どれほども効果は無い。顔を真っ赤にして歯を食いしばる様は、こぼると達に効果があると思わせるには十分すぎる。
 やがて樹液はアルウェンの腸内にきっちりと溜まり、漏斗に樹液が溢れる。こぼるとが乱暴に漏斗を引き抜くと、腸内の樹液が一気に溢れそうになった。
「うぐううぅああぁぁぁ! っっ!」
 性的には純情極まりないアルウェンに人前での粗相など許せるはずが無く、全力で肛門に力を入れて耐えようとする。それでも直腸内にぎっしり詰まった樹液を全て封ぜるわけが無く、入り口からぴゅぴゅっ、と小さな噴水のように噴出した。
 肛虐の苦痛とあまりの羞恥に、アルウェンは泣きそうになる。涙目でこぼるとを睨み付けるが、魔物はアルウェンの鋭い視線も全く介さない。
 中の樹液を漏らさないようにと、アナルに栓が差し込まれた。愛撫と粘液ですっかり柔肉に変貌したアナルは、抵抗どころか喜ぶように線を飲み込んだ。半ばほどが大きく括れており、そこに肛門が強く食い込む。
「ほおおおおああぁぁぁ! っあぁ、なに、をっ!」
 いきなりの異物挿入に焦り、それを押し出そうとしたが無理だった。肛門は自力では栓の最大直径まで広がらず、無様に尻肉を強調するだけだ。
49アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:35:14 ID:lS/Xxq5h
 こぼるとは余った樹液を臀部に全て垂らし、丹念に塗りこんでいく。性の快楽は知っているがそれに対する抵抗方法は全く知らないアルウェンは、そっと撫でる柔らかい快楽に身を任せるしかない。
 尻や腹、太腿をくすぐられながらそれに合わせて震え、快楽に息を荒くし耐える様はとても淫らで美しい。本人に自覚はないが、その光景は男を狂わせる。
「くぁ、っ、ふくっ、なぜ、こんなに、きもち、いいんだ……!」
 悦楽に翻弄されるアルウェンは気付かなかった。彼女の肌の上を滑る樹液がかなり減っている事に。腹も樹液を溜め込み張っていたのだが、かなり吸収されたのか元にもどっている。
 そしてもう一つ、こちらは彼女自身が意識して気付かないようにしていた。尻穴の奥が疼き、栓と腸壁が擦れるのを楽しみにして尻を振っている事に。樹液を吸収した場所は、快楽をかなり増幅していた。
 肌の上で滑る樹液が殆どなくなる頃、アナルの栓が引き抜かれた。異物がなくなった事に喜びと寂しさの両方を感じる。しかし、その感情に浸る事はできなかった。
 こぼるとの一体が、アルウェンにのしかかりすっかり出来上がったアナルに陰茎を差し込んだ。
「んいいいいぃぃぃぃ!」
 全く予想外の衝撃に、アルウェンは絶叫した。歯を食いしばり、点滅する意識に叱咤する。目を凝らせば、そこには醜悪な肉棒を美味そうにくわえ込んだ自分の排泄穴があった。
 こぼるとはアルウェンの様子など全く考慮せず、勢いよく腰を振る。樹液によって性感帯に変化した腸内は、その力強い陵辱に歓喜の涙を流す。引き抜かれるたびに肛門がめくれ上がり、赤々と茹った様子を垣間見せる。
「ち、がう! これは、違うんだ! こんなの、んううぅぅっっっ! 違うぅ!」
 アルウェンは自分に言い聞かせるように、必死になって現在の光景を否定した。
 あおじぇりーの時のように余裕が無かったわけでもなく、えれくとくらげの時のように半ば意識が無かったわけでもなく。ましてや相手は曲がりなりにも同属と同じような形をしているのだ。無理矢理犯されて、しかも感じているという感情は今までで一番だった。
 アルウェンが犯され乱れる様子を、複数のこぼるとが注目する。肉棒を咥えるアナルだけではなく、淫らに揺れる腰、小さく震える小ぶりな胸、快楽の色をした顔まで。
「っ、見るな! 私を見るなぁ!」
 アルウェンを犯している一匹以外は、誰も触れてこない。その代わりに見られる少女の様子を嘗め回すように注視するのだ。
 恥辱と被虐の感情を限界まで高めながら、同時に肛門性交のありえないほどの快楽を感じる。感情は快楽と結び付けられ、少しずつ露出とマゾにまで性感を高めていることに、アルウェンはまだ気付かない。
 アルウェンの瞳が周囲の目から逃げ、自分を犯しているこぼるとと交差する。その感情の動きが読み取れない視線に背筋を凍らせた。それがきっかけとなり、アルウェンのアナルがぎゅっと肉棒に絡みつく。
 緊張による一撃が、こぼるとに止めをさした。どくどくと熱い液体が腸内で出され、それにアルウェンは青ざめる。
「嫌だああああぁぁぁ!! 出すな、中で出すなぁ!」
 尻穴にポンプを差し込まれたかのような感覚を知り、奥に灼熱の水溜りができた事まで感じ取ってしまう。排泄穴を犯され、しかも射精までされてしまった。
 また、アルウェンが何かをする暇もなく、先ほど犯していたのとは違うこぼるとに肉棒を差し込まれる。ついにアルウェンは喘ぎ声を止められなくなり、淫らな美声を下等な魔物に披露する羽目になった。
「うあああぁぁぁっ、ひいいぃぃ! あああぁぁ……んあああぁっぁ!」
 目尻からぼろぼろと涙が流れる。ただ犯される事しかできない自分も、それに喜んでいる自分も許せなかった。
 下半身はこぼるとの腰に同調して動き、自分のものではないように感じる。アナルはアルウェンの支配を離れて勝手に快楽を貪り、その快楽をアルウェン自身にも酔うように強要する。
 再び自分を犯す魔物と目が合い、アルウェンはひっ、と小さく悲鳴を漏らした。戦えば脆弱でしかない魔物は、いまや最も恐ろしいものになっている。
 こぼるとは喋らない。ただ自らの欲望の赴くままに快楽を得ているだけだ。それなのに、アルウェンには自分を蔑んでいるような気がした。ほら、ここはもう我々の物だよ、と。
「違っうぅ! そこはっ、私のものだ! 貴様らの――ううああぁ! ものではない!」
 絶頂に腸液を撒きながらも、必死になって否定する。またどくどくと射精され、腸の奥に溜まる精液にまで心地よさを感じ、自分の言葉に自信が持てなくてもそう言い続ける。
50アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:35:39 ID:lS/Xxq5h
 射精したこぼるとが離れても、すぐに別のこぼるとが細い腰に食らいつく。アルウェンは目をそらしたくても、もう自分の陰部とこぼるとの瞳から目をそらす事ができない。
 ほら、こんなに嬉しそうに腰を振ってる。君は嫌がっているのに。そんなに嫌なら動かなければいいだけだよ。こぼるとの瞳が語りかける。
「勝手に気持ちよくなる、うううぅぅ! 勝手に腰が振れるんだ! 勝手に欲しくなるんだあぁ、うあああぁぁぁ!」
 絶叫と同時に絶頂し、また肉棒に食らいつく。次の肉棒を受け入れる頃には、醜悪なそれも愛しく感じ始めていた。
 じゃあやっぱり我々のものだよ、嘘つき。この穴は無理矢理犯されるのが嬉しいのさ。大丈夫、君もそのうちこの穴と同じように、組み伏せられるのが大好きになるさ。
「そんなわけ、ないいぃぃぃ!」
 また絶頂し、腸壁に灼熱の精液を浴びせられる。精液はもう腸から溢れんばかりに溜まり、腹がぽっこりと膨らんでいた。本当ならば異物感が強いはずなのに、しかしアルウェンは精液の熱さに安心感すら感じていた。
 尤も、吐き出そうとしてもすぐに次の肉の栓が挿入されるので、そんな暇はないのだが。
 無数の目が針のように突き刺さり、胸や陰部から感じている筈のない快楽を意識する。刺激を全く受けていない性感帯は、ふるふると震えて赤みを帯び、瑞々しい潤いが現れた。
 視線の針が突き刺さる度に思い出されるのは、二度の陵辱。視姦を受けるたびに過去の快楽を脳が再生し、肉体が歓喜に打ち震える。その光景は、犯される姿を鑑賞されるのを喜んでいるようにも見えた。
 事実、多少なりとは言えアルウェンの心は羞恥に苦しみながらも楽しんでいる。
 へんたいだ。どろどろ出てる。すごい喜んでる。見られると嬉しいんだよ。じゃあもっと見てあげよう。お尻の穴ぐちゃぐちゃ。きっとわざと捕まったんだ。犯されるのクセになっちゃったんだね。
「うるさい! 黙れ、だまれぇ! 見るな、私を見るなああぁぁ! ふわああぁぁ、うぅ、ひいいいぃぃ!」
 数々の視線が雄弁に語る。本当はそんな事語っていないとしても、アルウェンはそう感じ取っているのだ。
 彼女の被害妄想は性交を盛り上げると共に、アルウェンに新たな快楽、精神的な性的興奮を作り上げる。今まで肉体的な快楽と、それを受け入れる下地を急速に作り上げられた。こと快楽に対する抵抗が、恐ろしく低いのだ。
 それでも今までは、肉体的な快楽だけであった。前後不覚な状態での快感ばかりであったために、精神的な充実は味わっていなかったのだから。
 しかし、こぼるとに犯されてまず心から快楽を得る事を知ってしまった。もう肉体感覚を鈍感にしようと関係ない。快楽は精神的な興奮に比例してしまうのだから。
「ふううぅぅぅ……、いやだ、いやだぁ……!」
 幼子のようにぼろぼろと泣き否定する。もう自分でも何を否定したいのか分からなくなっていた。今のアルウェンはそれほど多種の快楽を得ている。
 こぼるとの肉棒が痙攣するのに合わせて、アナルも絡みつくように蠢動。当初より遥かに味わいがいのできた排泄穴改め性器は、どんな名器にも勝る《道具》になった。ただの排泄穴だったものが性を覚え、使用され続けたのだからそれも当然と言えるかもしれない。
 穴の具合が遥かに増したせいか、こぼるとの射精量も最初のものとは比べ物にならなくなっている。少女の媚肉は既に精液の水溜りと化しており、白濁に穢されていない場所は無い。
 アナルを穢される度に陵辱を強く実感し、それは快感へと直結する。その姿をくまなく鑑賞されている事で羞恥を覚え、増幅した快楽がまた跳ね上がる。盛り上がった感情はそのまま肉棒への奉仕の熱心さに変換され、直接的な快楽と次の強姦への足がかりとなった。
 アルウェンは自分の精神的な変化を正確に感じ取っているわけではないが、漠然と決定的に変わりつつある事は理解していた。今だ自らが汚辱に塗れる姿を脳裏に焼きつけ、新たな性感を開拓している事に気付かない彼女がどれほど理解しているかは甚だ疑問であったが。
 もう僅かな猶予も無い、一刻も早く逃げ出さなければ。焦燥感に急かされ手足を動かすが、麻痺ガスがまだ効果を発揮している上に快楽で腰が抜けている。射精される度に絶頂を迎えていては、体力を根こそぎ奪われるのも無理は無い。
 アルウェンを穢したこぼるとの数は二桁を超え、最後の一匹が腰に食らいつく。今までのこぼるとよりも一回り小さく華奢な個体だった。
「ぅあ!? っひいいいぃぃぃ! ああぁっ、つっ、ちょ、まっ……あああああぁぁぁぁぁ!」
 背が低いためか、それとも他のこぼると達にはなかった技巧を持っているのか。アルウェンは挿入された瞬間に絶頂した。
51アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:35:59 ID:lS/Xxq5h
 肉棒の先端が子宮を媚肉ごと裏側から抉り、ずんずんと振動を与える。ただ挿入を繰り返すだけではなく、アルウェンの反応に合わせて緩急を付ける。機械的な挿入だけで絶頂を繰り返したアルウェンに、抵抗する術はない。
「うあああぁぁぁ! っいいいいいぃぃぃ! きゅううぅ! あああぁぁぁ!」
 鈍っていた腰の反応は再び最盛期の動きを取り戻し、見せ付けるような淫らな動きを淫靡な芳香と共に実行する。
 アナル内の肉壁が肉棒に纏わりつく。今までのこぼるとはそれだけで射精してたのに、この個体はそれでも平気な顔で犯し続けた。
 こぼるとの攻勢はそれだけで終わらない。いつの間にか指が陰部と肛門の中間部分、会陰を撫でていた。最初は優しく、次第に揉むように、やがて押し込み抉るように。巧みな指使いに刺激され、アルウェンはあるものが競りあがって来る感覚に恐怖した。
「ま、待っ……うひいいいぃぃぃ! そこ、やめ……あああぁぁぁ! 漏れる! 漏れるのだ……きゅううぅぅ!」
 眼を見開き必死になって訴える。アルウェンの視点からは、自分の尿道口がひくひく痙攣しているのが見えているのだ。ただでさえ長時間用を足していないのに、こんな真似をされては耐えられる訳が無い。
「待っ……うひぃぃ! お願……ひゃああぁぁ! なんでも……するからっ……っああぁっ! それだけは……ああぁっぁぁ! やめて、くれええぇぇぇ!」
 アルウェンがどれほど懇願しようと、魔物どもが聞き入れないことなど分かりきっている。しかし、それすら考えられないほど切羽詰っていた。
 本当にこれを止めてもらえるのならば、どんな事でもできる。本気でそう考えられるほど、強制された粗相は忌避すべきものだった。
 今でさえ魔物に拘束され、組み伏せられながら無理矢理犯されているのだ。この上排泄穴を犯されながら汚液を噴出するなど許せるはずがない。そう。
 下級の魔物風情に奴隷のように扱われ、尻穴をぐじゅぐじゅに犯されながら、絶頂しながら尿を漏らし、己の痴態を一時たりとも逃さず鑑賞される事など――。
「――っっっ! うあああぁぁぁ!」
 自分にとって最悪の未来を想像したのに、妄想の中の哀れな姿に酷く興奮する。徹底的な陵辱を受けて横たわる自分の顔は何故か満足そうで、同時に背骨に電撃が走るほど性感を刺激した。
 理解不能な間接的な快感に、股間からぴゅっ、と少しだけ液体が漏れる。それを見たこぼるとは止めと言わんばかりに肉棒を叩きつけ、腸壁に刷り込むように灼熱の精液を放った。
「うあああああぁぁぁぁぁぁ!! っひいいいいいぃぃぃい! ひゃあああぁぁぁぁぁ! でてる、見られてるううぅぅぅぅ!」
 絶頂。射精。露出。被虐。数々の快楽に真祖の姫の誇りが狂う。気高く強く、という意思を押しのけて幾多の快楽が占拠し、最大級の快楽を貪った。
 尿も出てしまったのではなく、自分から緩めてお漏らしを鑑賞してもらってすらいる。ばちゃばちゃと金色の液体が胸元を汚し、その生暖かい感触にすら充実感を得ていた。
 こぼると達の鑑賞会はアルウェンの意識を繋ぎとめ、そこに侮蔑を感じ取りまた小さな絶頂。尿の勢いがなくなった後も絶頂するたびにぴゅぴゅっ、と液体を撒き散らす。
 体から漂うアンモニア臭は不快感を与えるはずのものなのに、その臭いは穢れた事を認識させまた興奮する。
「ひゅー……、ひゅー……、はあ……、ふぅ……」
 アルウェンは息も絶え絶えに、抵抗する事も忘れて現実離れした光景を見続けた。先ほどまで枷を揺らしていた手足はぐったりと脱力し、時折絶頂の余韻に震えるだけだ。
 堅さを失った肉棒が引き抜かれ、その衝撃でアルウェンは現状を理解する。下半身の力を肛門に集結し、急いで出口を閉じた。それでも僅かに間に合わず、白濁液が皺に沿うようににじんでしまう。
 十匹以上のこぼるとに射精された腸内には、大量の精液が詰まっている。肉棒という栓が失われた事で排泄されようと上ってきて、アルウェンに苦痛を与えた。
 湧き上がる排泄感に、歯を食いしばりながら耐える。十数回の連続性交、絶頂はいくら吸血鬼の肉体といえども体力を残す事は適わない。今はこれ以上恥を晒すまいと耐えているが、それも長くは持たないだろう。
 こぼると達は集まって何かをしていたが、苦痛に悩むアルウェンはそれを気にする余裕などなかった。窮屈な体勢でただ排泄感に耐えながら、ふと、じんわり腹の奥から何かが湧き上がるのを感じる。
 それは疼きではなく快楽でもなく、もっと形容しがたいものだ。腹の内側からじわじわと広がり、体内を侵食する。うねる様な感覚のそれは体の隅々にいきわたり、やがて一つの指示を下した。即ち、欲しい、と。
「はあ……はあ……はあ……、はあ、はあ、はあ、はぁはぁはぁ」
52アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:36:20 ID:lS/Xxq5h
 呼吸がどんどん荒くなり、欲求はとどまる事を知らない。
 何が欲しいのか、アルウェン自身にも分からなかった。少なくとも、今気が狂いそうなほど要求したいのは快楽ではない。
 吸血鬼の体にありえるはずの無い疼痛を覚え、めまいで視界が常に不安定だ。思考は欲求に阻害され、何かを考えようと言う気にすらなれない。そして、最も影響が顕著だったのは魔力だ。主の操作を離れ体内で淀み、全く操作が不可能な状態に陥る。
 魔力の操作ができないと言う事は、戦闘能力の全てとも言える杖の方向を見失うという事だ。アルウェンは索敵や感知を、全て知覚魔法に頼っているのだから。その上魔力すら乱されては、身体能力に至るまで人間の少女と変わらない。
 アルウェンは自分がどれほど危機的状況にいるのかも理解できず、欲求を持て余して何もできない。空ろな瞳で自分が欲しがっている何かを探し、視線を這わせる。
 いつの間にか、部屋の中のこぼるとの数は三十匹を超えていた。開かれたドアの向こうにもこぼるとがおり、合計で何匹がここに集っているのか検討もつかない。
 アルウェンの正面にいるリーダーと思わしきこぼるとが、手を掲げて皮袋を見せた。それが振られるとぴちゃぴちゃと音がし、甘い芳香が鼻腔をくすぐる。
 その魔性の香りを嗅いで、アルウェンは理解した。あれが自分が欲していたものだと。
「それ、それを私にくれぇ! 早く、早く!」
 アルウェンはもうとっくに分かっていた。あの布袋に入っている液体、何かの樹液は麻薬に近いものだと。それも強い催淫性と中毒性を持ち、魔力にまで干渉する悪魔の液体だと。
 しかし、今の渇きはその程度の事で諦められるほど弱くはないのだ。精神すら狂わせ麻薬の虜にしてしまう、強い意志を持った者をどこまでも弱くし、奈落の底に突き落とす。樹液はそういう物だった。
 一度認識してしまったが為に、皮袋の中身が欲しくてしょうがなくなる。歯はかみ合わずかちかちと鳴り、食い入るように悪魔の薬を見つめた。
 こぼるとは獲物が禁断症状に陥っている事を確認すると、アナルにそっと触れてくいっ、と引っ張る。しかしその後すぐに手を離し、また布袋を揺らした。
「まさか……漏らせと、言うのか……」
 今までのように無理矢理痴態を演じさせるのではなく、自分から恥を晒せと、そうこぼるとは言っている。その見返りは、何よりも欲している麻薬だ。
 ぐっと歯をかみ締めようとするが、上手くかみ合わない。最低の羞恥を披露しなければ魔の樹液は手に入らず、それは誇りを投げ捨てるという事だ。逆に言えば、命に従い恥さえ晒せば麻薬が手に入る。
 アルウェンの思考は一瞬だった。いや、もしかしたら思考とすら言えなかったかもしれない。
 どうせこのままならば遠からず同じ姿を見せるのだ。そうあっさりと妥協し、この世で最も強い種族の、さらに頂点に立つ真祖の姫の誇りを捨てた。
「ふあ、あああぁぁぁぁ! 見られ、てる! 見られてるううぅぅぅ!」
 小さな窄まりは爛漫に咲き、白濁した花粉が吐き出された。その量は信じられないほどであり、体を伝って股から腰辺りまでを真っ白に染め上げる。
 噴火のようだった排出はすぐに勢いを失い、小さな流れになる。しかし、それでもこぼるとは満足せずに少女の小さな臀部を叩いた。もはやその命に逆らうはずもなく、腹部に力が入り残りを搾り出す。
 命じられる、見られる。触れられもせず、この二つだけで軽く絶頂する。開花した変体性を証明するようなそれにも、禁断症状の苦痛と絶頂の余韻で何も感じられない。
 木桶に入っていた水がアルウェンにかけられる。白濁液や淫液、尿を洗い流すと綺麗に拭かれた。
 体が清められるのと同時に、アナルには漏斗が取り付けられる。入れられる事に慣れきった小穴は、最初のように広げられなくとも易々受け入れた。
 どくどくと体内に麻薬が注がれ、冷たさに意図せず微笑む。やっと欲しかったものが与えられ、喜びを隠せる筈がない。
 樹液は通常の麻薬ではありえないほど急速に染み渡り、即座に肛門から直腸までじんじんと熱を発生させる。同時に禁断症状で塗りつぶされていた意識が急速に目覚め、己が下した決断を認識する。
 それに対し、アルウェンはどんな感情も持つ事はできなかった。なぜなら、その前にこぼるとの肉棒が挿入されたのだから。
 快楽で他のすべてが消えうせ、またこぼると達の《道具》に成り下がった。強制された歌声を淫靡に奏で、体全体が雄を誘う花となる。
 もう麻痺ガスの効果が消えているのにも気付かずに、麻薬とアナルセックスに翻弄され続けた。





 明け方、まだ空がうっすらと白む程度の頃に、アルウェンは移動させられていた。
53アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:36:41 ID:lS/Xxq5h
 こぼるとが作った木製戦車、ちゃりおっとに手足を拘束されたまま掲げるように乗せられている。一本の柱に枷を吊るされ、陰部がさらけ出されるような体勢だ。
 ちゃりおっとはコロニーの広場中心に向かい、ゆっくりと移動していた。
 広場には千匹を超える多種のこぼるとが集まっており、視線は全て淫らに染まった少女の裸体に向いている。そんな真似をされてなお、アルウェンは無抵抗だった。いや、既に抵抗する気力も体力も既に失われていた。
 夜が明けるまでの数時間、アルウェンは一時たりとも休まずに犯され続けた。三桁に迫る数のこぼるとに中出しされ、腹をぷっくりと膨れさせる。犯される合間にも、五回も禁断症状を起こし麻薬樹液を注入された。
 二度目以降の樹液の量は少なく、すぐに薬の効果は切れる。その度に自ら痴態を披露する事を選ばさせられた。
 魔の樹液は量が少なくともその効力を損なう事はなく、むしろ複数に分けて使う事で効果を増した。催淫麻薬に高められた性感は決して下がらず、むしろ使用されるごとに感度を足していった。
 最後には漏斗を入れられるだけでも絶頂し、挿入などされた時は気が狂う程だ。尻穴は短時間ながらも濃い性交に、性欲処理として使われる器官として高度に発展した。もはやこぼるとに奉仕するための道具と言っても過言ではない。
 尻もアルウェンの反応がよかった事から、樹液を用い徹底的な性感教育を施された。硬さと幼さを残していた尻は幼さをそのままに色気を振りまく桃尻に変化したのは、今晒されている臀部を見ただけでも分かってしまう。
 変化は肉体面に留まらず、精神面にも大きな影を残した。露出と被虐の目覚めは言うまでもない。その上で、こぼるとの容赦の無い性交に恐怖感を覚え、同時に従属を約束する。
 精神的な屈服があれば、己の好みに仕込むというのは楽なものだ。実際、アナル絶頂を迎えると尿を漏らすように調教が行われた。既に彼女では絶頂と同時の粗相を止められなくなっている。
 永遠に続くと思われていた陵辱も、夜明けと共に終わりを迎えた。体は綺麗に拭き取られ、腸内まで洗浄される。
 ちゃりおっとに吊るされてやっと正常な思考能力を取り戻したアルウェンが最初に考えたのは、自分の心の弱さに対する絶望だった。
 犯された事よりも、幾度も繰り返した屈服。自分で自分を穢した事は元より、こぼるとに心から恐れている。禁断症状のない現在でも、相対すれば逆らおうとは思えないのだ。杖を持ちちょっと強くなっても、叩き折られた心が抵抗心を呼び覚ましてくれるとは思えない。
 ちゃりおっとに乗せられ晒し者になっている間も、決して抵抗すまいと思っているのだ。
 木製戦車が振動するだけで、アナルは刺激にひくひくと喜ぶ。腸液が大量に分泌され、少量入れられていた樹液と混ざり合っている。さらに、突き刺さる千のこぼるとの視線に股を潤ませた。
 もう自分はこういう存在になってしまったのだ。全て諦めていい子にすれば、優しく飼って貰えるだろう。そんな妥協が、逃走の手順を考える脳裏に常によぎる。
 どちらにしろ、今枷を砕いた所で逃げ切れるわけが無いのだが。すぐに捕まり、酷い仕打ちを受けるだろう。だからできるだけ大人しく従順に振る舞い、ついでに突き刺さる視線に股を緩ませるのだ。
 広場の中心に着く頃には、アルウェンの陰部は愛液に塗れていた。最早感覚が鈍い事など何も関係なく、性器として正しく機能する。ごく自然に露出の快楽を楽しんでいたアルウェンは、いつの間にか目的地に着いた事に気付く。
 中心には台が立てられており、そこに一匹のこぼるとがいた。他のこぼるととは明らかに違う風体をしている。
 体躯は大きく、アルウェンと比べて頭二つは大きい。他のこぼるとがアルウェンより大きな者はいなかった事を考えれば、このこぼるとの大きさがどれほど常識はずれかわかる。頭には王冠をかぶり、不似合いな白いひげを蓄えている。間違いなく、このコロニーの長だろう。
 こぼるとの長、こぼるときんぐは手に持っていた金属性の杖を振るい、アルウェンの枷を砕いた。
「うあっ! っひぃ!」
 いきなり開放された事に驚き、さらに尻餅をついて快楽が背筋を上った事に驚く。
 こぼるときんぐはアルウェンを軽々と持ち上げ、ちゃりおっとは撤収されていった。急な展開に驚き咄嗟に逃げようと考えたが、すぐに取りやめた。こぼるときんぐの力はアルウェンよりはるかに強い。今の力が入らない状態では話にならないだろう。
 対面を向くような体勢から、背中から抱きかかえられるようになり、両膝を抱えられた。子供が用を足すような恰好になり、すべてが集まるこぼると達に披露される。
54アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:37:01 ID:lS/Xxq5h
 アルウェンの中で、恐怖と期待が同時に渦巻く。もう暗い小屋の中で痴態を広げるのではない。コロニー全体に見せしめるために、空が明るい時に犯される。
 こぼるときんぐの、今までのどんな肉棒よりい太く長いそれが、アルウェンのアナルをつついた。つんっ、つんっ、とその存在だけを意識させるように。
 何を要求しているのか、はっきりと分かる。こぼるときんぐは宣言をさせたいのだ。自分の主が誰なのかを。
 絶対に言わない、とは断言できない。今宣言をしなければ、また先ほどまでのような教育が待っているだろう。しかも、今度は数時間ではなく丸一日かけて。
 また、完全に刷り込まれた恐怖心に抵抗するのも難儀だった。こぼるとへの反抗は泣きたくなるほど恐ろしく、気を抜くとすぐに宣言をしてしまいそうになる。
 悩んで、恐れて、また悩んで。無意味な巡回を繰り返す。それが終わりを告げたのは、アルウェンを連れてきたちゃりおっとがまた中心に近づこうとしたからだった。
 恐怖心が限界に達し、心はあっさりと折れた。既に恐怖を刷り込まれていた以上、抵抗は無意味だったのだ。
「わ、私はこぼると様に忠誠を誓います! 家畜として懸命に尽くします!」
 宣言の終了と同時に、アナルが串刺しにされる。その衝撃はとてつもなく、脳天まで貫かれたのではという程だった。ただの一撃で絶頂し、千の瞳が見る中で子供のようにお漏らしをする。
 こぼるときんぐは流れる黄金水も気にせず、激しい挿入をした。アルウェンの体が上下に揺れる度、黄金の水流も合わせて飛び散る。
 アルウェンにとって千の瞳で見られるという事は、千匹に犯されるも同じだ。視線の数だけ快楽を増幅し、尿と一緒に淫液も撒き散らす。顔つきはだらしなく、遊女以外には見えない。
 当初の抵抗感が薄れていき、恐怖を遠ざけるために自分から快楽に溺れていく。アナルをきゅうきゅう絡め、挿入に合わせて腰を左右に振る。
 こぼるときんぐの肉棒がぐんと膨れ上がる。こぼるとの射精タイミングを完全に覚えたアルウェンは、それに合わせて腸壁を渦状に絡ませ、同時に自分も絶頂した。
「うあぁ、イくぅ! イきますうぅぅ!」
 ごぼごぼと腸を満たされながら、背中を反らして痙攣。陰部が自然と開き、ぴゅぴゅっと濃い匂いを発する潮を吐く。肉棒を抜かれこぼるときんぐから手放されると、アルウェンは脱力したまま床に転がった。
 壇上にすぐに数匹のこぼるとが上がってくる。すぐにアルウェンを抱え上げて、新たな枷をつけた。しかし、今度は木製のものではなく、金属製のものだった。
 手首が背中で合わされ、8の字をした手錠で拘束される。手首同士が殆ど触れ合った状態のため、稼動範囲はごく限られた。
 足首には鉄の輪が取り付けられ、その間には鎖がある。手首よりは大分余裕があるものの、徒歩でせいぜい半歩分の余裕しかない。
 ご丁寧に翼用の拘束具まで用意されていた。一対の翼を束ねられ、根元近くで小さな楕円形の輪が取り付けられる。それら全てが、吸血鬼の腕力でも破壊できない代物だ。
 拘束具を手早く付け終わると、こぼると達は退散していった。
 最後まで残ったのは、最初からいた一人と一匹だけだ。こぼるときんぐは転がるアルウェンを見下ろし、両手に持っているものを見せた。細い鎖でできたリードのついた、鉄製の首輪だった。
 それを見た瞬間、アルウェンは自分がどうするべきかを理解した。倦怠感に包まれた体を起こし、こぼるときんぐの前に跪く。そして、自分の首を差し出してこう言った。
「お願い、します……。私を……しょっ……! ……所有、してください」
 自分の心が分からない。今感じているのは、屈辱か、幸福か、怒りか、快楽か。ただ分かるのは、ここで家畜の儀式を跳ね除けられないほどに、自分が隷属していると言う事だ。
 家畜に堕ちた少女の首に、厳かに王から首輪がはめられる。がちん、と音がして施錠された瞬間、こぼるとコロニーの新たな家畜が《一匹》生まれたのだ。
 広場に集まったこぼると達は解散し、アルウェンは自分を引き連れてきた一匹にリードを引かれる。それに従い歩き出し、促されるままにちゃりおっとに乗った。
 がたがたと揺られながら、己の今の身分について考える。家畜にされたのは、仕方なかったのだと必死に自分に言い聞かせた。抵抗しても、またあの苛烈な教育が待っているだけだ。従うより他ない。
 しかし、アルウェンは首輪をはめられるまでも、はめられた後も自分が家畜であるという事に違和感を感じられない。既にこの待遇に順応してしまったのだ。首輪をはめられた瞬間など、安らかさすら感じてしまう。
 猶予がそれほどない事は、身に染みた。いつか、逃げる事すら考えられなくなるだろう。
55アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:37:43 ID:lS/Xxq5h
 だが、杖を手に入れても魔の樹液の効果が切れている時では意味が無い。魔力が乱れてろくに魔法を使えないだろうし、第一ものを考える事すらままならない。しかし、あまり間を置き過ぎれば性感はどんどん上昇していく。
 迅速に杖を手に入れ、コロニーを脱出。その後魔法で禁断症状と臀部の感覚を抑える。これ以外に手はない。
 そんな事を考えているうちに、ちゃりおっとは目的地に到着していた。
 目の前の建物は、最初のボロボロの小屋ではなく、もっとしっかりした造りをしていた。ただし、その小屋には壁がなく、木枠で辛うじてしきりを作っているという物だったが。
 数十匹を同時に収容できる、本当に家畜の為の小屋だった。アルウェンが最初の一匹のようで、他のしきりは埋まっていない。
 アルウェンがそこに着いてまずやらされたのが、首輪の処置だ。材質不明の円柱が、首輪に差し込まれる。すると、円柱は溶ける様に首輪に吸い込まれ、繋ぎ目を完全になくしてしまった。
 さらに机の上に上半身だけ寝かせて、尻を突き出す体勢になる。中まで綺麗に洗われた後、大量の樹液が注入された。
 漏らさぬようにと尻を絞めていると、眼前に何かが差し出される。緑色をした小さな壷のような形で、中からうねうねと触手が飛び出している。
「っひ! な、なんだ……?」
 あまりな第一印象に驚いたが、それは植物型の小さな魔物だった。僅かな魔力しか感じないあたり、この大きさで成体なのだろう。
 机の上に転がされると、両足首を頭の上で抑えられる。自分の陰部が丸見えな、小屋でされていた体勢だ。小壷型の魔物は尻穴に密着されると、四本の触手を出して脚に絡みついた。二本ずつ腰の横で交差され、ぴったりと張り付く。
 見えない壷の中では、無数の細い触手が肛門を撫で上げる。
「うひぃっ!」
 繊細な愛撫に、アルウェンは思わず悲鳴を上げた。快楽はどんどん上昇するのに、絶頂に達する事はできない。
 小壷型の魔物は二つの役目を持っていた。一つが対象の性器をより高度で淫靡なものへと変化させる役目。もう一つは、いつでも使用可能なように家畜を高めておく事。
 そんなおぞましいものが、アルウェンの唯一にして新しい下着だった。
 地面に立たされるが、快楽でまともに足が動かない。その癖に絶対に高みまで上れないのだ。家畜に立場を教える役割を持つと考えれば、かなり有効な道具かもしれない。
 小さなポンプを尿道に当てられる。顔が一瞬青ざめたが、抵抗はできない。大人しく液体を注入され、排泄の欲求に耐える。
 トイレの場所でも教えるのかとアルウェンは思ったが、リードを引かれ小屋の外にまで出てしまう。外には数匹のこぼるとが待ち構えていた。
 いくら露出に快楽を感じるようになったからとは言え、羞恥心をなくしたわけではない。いや、むしろ露出の快楽を知ったからこそ羞恥心も増した。だからこそ体をうつむかせ足を閉じ、少しでも見える面積が減るようにしたのだが。
 リードを持ったこぼるとが、アルウェンの尻を叩いた。ばしん、と高い音がし、その衝撃にアルウェンは腰を前に突き出す。股間に視線が集中するのを感じて腰を引こうとしたが、こぼるとが手を振りかぶるのを見ると慌てて突き出した。
 股間を強調する体制のままぷるぷる震えるアルウェンの恥丘を左右に開き、尿道口を撫でる。このまま出せ、という事だ。
「ううぅ……。くっ、っつうっ!」
 声を押し殺しながら、勢いをなるべく殺してちょろちょろと漏らす。あまりに勢いの無い尿は、股間に張り付いた淫液を洗い流しながら、太腿を伝い流れた。
 またばしん、と尻が叩かれる。尿も声も、堪えるなという事だろう。
「っああぁ! 見て、下さい! 私のはしたないお漏らし、見てくださいっ!」
 膀胱の限界まで溜め込まれていた液体が、びちゃびちゃと迸り地面にながれていく。羞恥が法悦を呼び、それだけで絶頂できそうだったのに下着に阻害される。誰かにイかせて貰わなければイけないようになっているようだ。
 腰は動かさぬまま、リードを持ったこぼるとに布でゆっくりと尿を拭かれる。勝手に排泄する事も清める事も許されない。誰かに披露し、誰かに拭き取ってもらう。自分で何かをするのは許されない、それがアルウェンの家畜としての待遇だった。
 排尿の欲求こそなくなったものの、変わりに絶頂への欲求が首をもたげる。自分で触れず、絶頂しそうになっても魔物に阻害される。欲望に支配されていく脳がこぼるとに媚びた視線を送らせた。
 アルウェンの視線を受け取っても、こぼるとは何もしない。股を擦り合わせてみたものの、そんなもの僅かな足しにもならなかった。性奴隷の媚態をあらわした視線を送るうちに、こぼるとは待っているのだと気がつく。
56アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:38:04 ID:lS/Xxq5h
 実行するには、勇気がいた。いや、勇気と誇りを捨てる必要があった。
「お……お願いだ。私を、犯して……くれ。お願い……します。お、犯して、下さい」
 自分から穢される事を要求する言葉。アルウェンはそれを、顔を真っ赤にしながら言った。
 こぼるとは心得たとばかりに、アルウェンをうつ伏せに寝かせた。ただし、膝をたてて犬のように尻を大きく突き出すような恰好でだが。
 草むらの上に直接寝転がる事になるのだが、今更そんな事は僅かも気にならない。汚れる事も、陰部をじっくり観賞される事も、当たり前のように感じる。
 うっすら桃色をした尻を振って、雄を誘惑するダンスを踊る。その姿にこぼると達は勃起したが、やはりまだ犯そうとしない。今度も、ちゃんと言わなければいけないのだ。
「わ、私のお尻の穴が疼いて仕方ないんです! ぐちゃぐちゃに犯してイかせて下さいっ!」
 羞恥に目をつぶり、欲望に正直に絶叫する。こぼるとはやっと動き出し、尻穴の魔物を引き抜いた。
 ずぼん、とアナルを拡張されながら、家畜とはどうすればいいかを反芻する。つまるところ、全て求めなければいけないのだ。
 自分で何かを成してはいけないのだ。それは家畜の領分ではなく、飼い主の領分だ。家畜の役割は求める事だ。それに答えるかどうかは主次第。
 排泄を見ていただく、汚れを落としていただく、犯していただく、飼っていただく。その代わりに、自分は性処理用の家畜として奉仕する。主を体の全てを使い楽しんでいただく、それだけが存在の全てだ。
 ぬぽぬぽとアナルが立てる音を聞きながら、忘れないようにしっかりこぼると様はご主人様だと刻む。維持していた誇りも、ご主人様に比べれば塵に等しいのだ、と考えを改める。
 その後、二回ずつ射精されてから開放された。犯されている最中、ずっとアルウェンはご主人様への感謝を唱え続け、快楽を心の底から楽しんだ。
 魔物の下着を取り付けられ、転がったまま余韻に浸り、やがて呆然とする。こぼるとの望む姿になっていた事に、そして自分の姿に悲しみや悔しさが湧かない事に。
 残された猶予は、自分が思っているより遥かに短い。すぐに行動しなければいけないと、絶頂寸前で責められる体を引きずって歩き出した。
 一人で歩いている所を見つかっては拙いと思い、隠れながら移動した。それでもすぐに見つかってしまったのだが、とがめられるような事はなかった。首輪やリードがあるものの、基本的には放し飼いらしい。
 とは言え、好んでこぼるとが多くいる方に向かいたくはない。誇りをなくしかけている心は、求められれば二つ返事で股を開いてしまうだろう。なるべく人気がなさそうな方面を選び、快楽に疼く尻穴を意識しながらゆっくり歩く。
 こぼるとの風習は幸運だと言えたが、代わりに問題になったのは知覚魔法が上手く作用しない事だ。方向が曖昧で、漠然と歩みをすすめるしかない。
 妨害している可能性がある要素には心当たりがありすぎる上に、どうしようもないものばかりなので諦めた。連続絶頂、麻薬のような樹液、精神的な屈服、絶頂禁止の肉体。一つも現状で打破できるものはない。今ですら欲求に耐える事だけに苦心しているのだから。
 本当にそうなのだろうか、本当は逃げたくないだけで、その言い訳にしているのではいだろうか。アルウェンは強く首を振って、その疑念を打ち払う。知ってしまったら全てが終わってしまいそうで、答えを追及する事ができない。
 股から溢れる淫靡な芳香が、今すぐ絶頂を求める。今すぐ絶叫して求め、尻穴がめくれ変えるほど犯されたいと思ってしまう。しかも、その思考を必死で抑えるアルウェンを他所に、盛ったメス犬のような行為を家畜だから当然だと認識もしている。
 こんな事を平然と考えてしまうようになっているのだ。もし今急いで答えを出した場合、間違った方にたどり着いたらもう抵抗できない。
 また、精神がどれほど変わってしまったのかも追求は絶対にせず、それは元からだと念じる事にする。自分の心がこれ以上折れないための、かすかな自衛行動だった。
 そう。全て当然であり、何もおかしい事などない。真祖の姫には真祖の姫の振る舞いがある。別の立場になれば、それに見合った振る舞いがある。今の自分は飼われているのだから、立場に相応しい心構えと行動をするのは当然なのだ。
 だから。
「こぼると様、ご主人様ぁ。お尻の穴がくちゅくちゅして耐えられないんです……。私のここで、たくさん射精して精液漬けにしてくださぁい」
 通りがかりの飼い主にひれ伏して尻を振り、媚びた視線を向けながら寵愛を懇願するのも決しておかしい事ではない。
57アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:38:25 ID:lS/Xxq5h
 アルウェンにはこの時点で、屈辱や拒否感という感情を無自覚に捨てている。目標を達成する代わりには自己の意思を保護する必要があった。しかし、現状のあらゆるものを拒絶し続ければ、心は確実に砕けてしまう。
 大切な事は杖を手に入れてここから出る事であり、その他は全て瑣末である。そう言い聞かせながら、他の出来事全てから目を背けて逃避した。
 その結果が主従関係と快楽を全肯定してしまう事であった。命令には逆らわず主を愛し、淫欲が溢れれば拒絶せず股を開く。コロニーでは最下層に位置し、性欲処理という立場を与えられたのだから当然だ。
 こぼるとの苛烈な家畜調教の結果、望んだ通りに心を変えた姿がそこにあった。
 その選択は、心がさらに折れたからかもしれないし、絶頂寸前の狂おしい快楽が理性を超えたからかもしれない。どちらにしろ、既に決定してしまったアルウェンには関係ない仮定でしかなかった。
 魔物の下着が引き抜かれ、ねっとりとした糸を引きながら離れていく。アナルと魔物の濃厚なキスが終わったのだ。
 継続的な快楽が終わった事で、いよいよアルウェンの期待が膨れ上がる。今度はご主人様のが差し込まれるのだと。
 差し込まれた瞬間に、尿とも潮ともつかない液体を噴出。叩きつけるように草を濡らした。
「ご主人様、ご主人様ぁ、ごしゅじんさまああぁぁぁ!」
 決して出すまいとしていた言葉と声をあっさり吐き、艶やかな声色で忠誠心を絶叫する。それは最もアルウェンの心の状態を正確に表す。
 相変わらず、基本的に技巧というものが存在しないこぼるとの性交だった。しかし、再び魔の樹液に影響されて一回り感度を増したアナルと、こぼるとへの拒否感がなくなった事により遥かに大きな快楽と、新たに満足感を得ていた。
 アルウェンが意識せずとも、アナルは肉棒が最も快楽を得る動きをする。魔物の下着の効力は絶大で、細やかでありながら大胆に奉仕できるよう機能を作り変えていた。
 どくどくと射精されると、内側から広がる熱に頭が朦朧とする。ぐちゅぐちゅと中をかき混ぜながら精液を味わう腸は、中毒と言ってもいいほど精液が大好物になっていた。精神的な充足もあり、表情は蕩けている。
 中出しされてすぐに尻穴を閉めたのは、樹液を零さないためだけでないのが丸分かりだ。
「はぁ……はぁ……ありがとう、ございました」
 家畜の作法、ご主人様への感謝を忘れず、笑顔でこぼるとに笑いかける。
 教育の成果で随分可愛らしくなった家畜少女に、こぼるとの肉棒がぴくりと反応する。しかし、それは硬さを取り戻すには至らない。それでもまだこの家畜で遊びたかった。
 こぼるとは肉棒の代わりにと、指を中に差し込んだ。絶頂に弛緩していた腸壁は即座に指に絡みつき、ちゅくちゅくとディープキスをするように絡ませる。
 肉棒より太さも長さも無い指は、当然快楽で劣る。しかし、ご主人様の指にご奉仕させていただけるというのは、従順な家畜を興奮させるのに十分な効果だった。
「うああぁっ! っひいいぃぃ! あああぁぁぁぁっ!」
 媚びる腰を妨害するものはなく、快楽と忠誠心の赴くままに指の根元まで擦り付ける。彼女が人型でなく、不浄の穴に挿入されていなければ、主に擦り寄るペットに見えただろう。
 片方の手で尻を撫で、もう片方で挿入を加速させるこぼるとの姿は、明らかにアルウェンの痴態に興奮していた。指を押し込む方向を変えては反応を楽しむ。
 しばらく愛撫を続けられていると、近くの草むらでがさごそと音がした。草が掻き分けられ出てきたのは、三匹の小さなこぼるとだ。
 身長は通常のこぼるとの半分程度しかなく、恐らく子供のこぼるとであろう。アルウェンの淫声を聞きつけてやってきたのだ。もっとも、あれだけ喘ぎ声を漏らしておきながら誰にも聞かれないなどありはしないのだが。
 子供たちはどういう状況か理解できず硬直してたいが、アルウェンを犯すこぼるとが手招きすると恐る恐るよっていった。視線はアルウェンを捕らえたままだった。
 こぼるとは一旦指を引き抜くと、アルウェンを仰向けにした。陰部が上を向くように足を持ち上げられ、足をこぼるとの子供が抑える。
 こぼるとが尻たぶを掴みぐっと左右に開けば、中心の穴が良く見えるように露出しかすかに口を開く。子供はそこを興味深げに見つめる。その様子は、完全に性を知らない子供の姿だった。
「うあ……こんな、子供に、見られてるぅ……。何も……知らないのに……あぁっ」
 こぼるとはアナルをつんつんつついたり、尻を掴んだりなどする。声も発さぬこぼるとがどうやって意思を伝えているのか分からないが、子供達はしきりに頷いていた。
58アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:41:12 ID:lS/Xxq5h
 つまり、アルウェンは教材なのだ。性教育と家畜の使い方を兼ねた。尻穴に指を入れても、先ほどのように激しく動かすのではなく絶頂できない程度の動きも、子供達の気を散らせないためだろう。
 穏やか過ぎる指使いと子供の無垢な視線、露出快楽の為に肥大化した羞恥心がアルウェンの脳にめまいを起こさせるほど法悦に痺れさせる。
 ご主人様の邪魔をする事は許されず、できる限り静かにしながら、生殺し状態に悶える。尻穴はひくひくと動きながらも健気に耐え、しかしその中身は激しくうねっていた。
 子供達はともかく、こぼるとは間違いなくアルウェンの状態に気付いていた。その上で嬲る事を楽しみ、説明をしながら淫欲に狂う様を観賞する。
 アルウェンは快楽と戦いながら、もう一つ堪えているものがあった。それは尿意だ。
 これは当然の話なのだ。アルウェンの腸には常に樹液や精液などの液体が溜まっている。そして、吸血鬼の体は人間の器官よりも遥かに高効率、高速に吸収をするのだ。
 少女の体は常に大量の尿を生産され、排泄しなければいけない。しかし、今は排泄許可を貰う事すらできないため、尿はどんどん溜まり膀胱圧迫の攻撃に晒され続けた。
 天国とも地獄ともつかない責め苦の中、いつのまにかこぼると達が自分の顔に注目している事に気がつく。今度は何を求められているのだろう、と考える。
 視線を落とせば尿道口の肉が盛り上がり、肉欲を欲する淫穴のようにざわめいていた。それを確認すると、そうか、とやっと気付く。
 今のアルウェンは教材であり、これは教育の一環になる。つまり、もう求めてよいのだ。いや、求めなければいけないのだ。
「ご主人様、私にはしたないお漏らしをさせてくださいませ」
 じゃりり、と音を立てながら鎖のリードが引かれ、それに合わせて立ち上がる。子供達に向きかえり、足を広げて腰を突き出す。淫らで浅ましい、家畜のトイレ準備ができた。
 だが、まだ出してはいけない。アルウェンは大人のこぼるとにおねだりをしたが、まだ子供のご主人様達におねだりをしていないのだ。
 こんな子供にいやらしいお願いをして、正しいトイレを済ませる。それは大人のこぼるとの前でした時感じた羞恥心と違い、純白である筈のものに無自覚に穢される禁忌感があった。それを想像するだけで、体が喜びに打ち震える。
 淫丘は自然と綻び開き、中の艶かしい花が少しだけ顔を覗かせた。当然尿道口も見づらくはあったが確かに見え、痴態を観賞されるのに不足ない状態にする。
「ご主人様方、私は新しくこぼると様に飼われる事になりました。私はご主人様にお願いしなければお漏らしも後始末もできません。ですが、生涯皆様の家畜である事を誓います。この性欲処理家畜に、どうか淫らな粗相をさせてくださいませ」
 過去の自分が聞けば怒りを通り越して青ざめるような事を、とても嬉しそうに、家畜である事を誇らしそうに言う。仕方がないのだ。これが今の普通なのだから。
 ばん、とアルウェンの尻が叩かれる。それは漏らしていいと言う合図だった。膀胱破裂寸前まで溜めた尿を一気に放出し、開放感に顔を緩ませながら子供に排泄を見ていただく。
 真祖の吸血鬼であり姫だと言う事に強い自負心と誇りを持っていたアルウェン。今は何をするにも命令を求め、人前で平然と痴態を披露する変態。牙を失った強者に、しかしこぼるとは満足しなかった。
 排泄途中のアルウェンのアナルにいきなり指を刺しこみ、ぐちゅぐちゅにかき回したのだ。
「うあああぁぁぁぁっ! ふきゅううぅぅぅ! だ、だめぇぇっ! おしっことびちっちゃいますっご主人さまあああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 口で拒絶しながらも表情には喜悦の色しかなく、よりはしたない姿を楽しむ。腰もアナルも自分から指に合わせて踊り、尿と淫液の混合液を足や地面に見境なく撒き散らす。
 待ちに待った絶頂は脳の回路をまた一つ狂わせるほど強く、恥辱と淫悦のダンスを永久に脳に保存する。
 尿は吸収した樹液の影響なのか、不快な異臭はない。むしろ樹液のように甘い香りで、ひと嗅ぎすればそれだけで種族選ばず雄を誘惑しそうだった。
 お漏らしが終わる頃には、大人のこぼるとも子供のこぼるともぎちぎちに勃起し、アルウェンを血走った目で見ていた。今にも襲い掛かりそうな風体だったが、それでもこぼるとは自分の責務を忘れなかった。
 子供達に布を渡し、アルウェンの汚れた場所を拭かせる。足元から少しずつ拭いていき、三つの手が同時に股に差し掛かる。
 既に拭き終わっていても子供達は止めず、執拗に股間を拭いて捏ねた。指先が尻穴に触れ、ぴゅっと尿を出せばお仕置きだとばかりに布ごと指を差し込んだ。また絶頂をすれば、お仕置きとして尻穴をほじられる。
59アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:41:44 ID:lS/Xxq5h
 そんな事が何度も繰り返され、こぼるとに止められるまで遊戯は続いた。
 こぼるとは我慢できないと言わんばかりに突き倒し、寝転がったアルウェンの尻を叩く。アルウェンはいつもの屈服して犯される雌の格好をとり、尻を高く上げて言った。
「粗相中にはしたなく絶頂し、ご主人様のお手を煩わせ申し訳ありません。どうか私のこぼると様専用の穴で、猛りを抑えてくださ……ふぁあああぁぁぁぁぁ!」
 アルウェンが全て言い切るのを抑えきれず、肉棒に小さな穴を襲わせる。穴は棒の太さに完全に合わせて開き、表面を舐めるように柔らかく愛撫、根元まで差し込まれればぎゅっと締め付けた。
 二度目の射精は、やはりあっという間だった。一度目と遜色ない量と濃さを維持している。しかし、今度は硬さを失わず、そのまま三回目に突入した。
 後ろから激しく突かれながら、全身を子供達の指が這う。掌を追うぞくぞくという快楽を感じながら、しかし今一つ物足りない。最も高い感度を持つ胸と陰部が感覚を封印されているためだ。それが残念でならなかった。
 手が首筋を上り、口の中に入ってきた。ぴちゃぴちゃと指を舐めて、尻から口まで一直線に犯されている気分を味わう。
 性に未熟だった子供はそれだけで耐え切れず、アルウェンの顔に精液を撒き散らした。口の中にも少なからず入ってきて、それを舌で転がしてよく味わう。初めて味わう男精は、屈服の喜びをさらに強めた。
 こぼるとの三度目の射精が終わると腰から離れ、子供達がこぞって飛びつく。挿入するだけでどぴゅどぴゅと射精し、すぐに次に変わる。
 すぐに終わりかと思いきや、子供達の体力は無尽蔵と言えるほどであり。交代してはアルウェンを触って遊び倒す。何度か出せば射精間隔が伸びるかとも思われたが、アルウェンの名器の前にさしたる差にはならない。
 都合五回ずつ射精し、子供達の体力が尽きる頃にはアルウェンの腹は精液でぽっこり膨らんでいた。地面は汗と愛液とその他の液体で、濡れていない場所がないほどだ。
「ぁ……ごひゅじんひゃま……ありがひょう……ごりゃいまふぅ……」
 大量の精に絶頂を続け、ろれつが回らないほどになっても感謝の言葉を忘れない。例えそれを相手が聞いてなかったとしても、心から感謝する事は忘れないのだ。
 腰が抜けてひれ伏したままのアルウェンに、魔物の下着が取り付けられる。取り付けたのは子供らしく、いつのまにか大人のこぼるとはいなくなっていた。
 アルウェンは汚れた格好のまま近くの小屋に連れて行かれる。中は水場であり、恐らく公衆浴場みたいなものだろう。こぼるとは冷気に強いのか、中は冷水のようだったが。
 冷たすぎる位の冷水を頭からかけられ、アルウェンの頭に少しだけ正気と目的が帰ってきた。残念ながら何かを考えるまではできなかったが。
 こぼるとの子供達は、アルウェンの体を一通り洗うと洗浄に格好をつけて尻を撫で回し始めた。アナル以外では、現在の体で一番感度が高い場所だ。座るのも難しくなり転がってしまったところを、こぼるとは面白がって責めたくる。
 魔物の下着があると絶頂を制御されてしまう以上、これは地獄の責め苦だった。それを拒絶する権利も回避する方法もないアルウェンは、飽きるまでいいように弄ばれるしか方法がない。
 家畜の淫声を聞きながら股間を弄っていたが、やがてもう勃たない事を知ると手を止める。最後に一度冷水をかぶせ、アルウェンを放置して三人の子供も去っていった。
 取り残されたアルウェンは小屋で一人、暫くひくひくと痙攣し続けた。魔物の下着を剥ぎ取って、自分でぐちゃぐちゃにかき回せば楽になれたかもしれないが、それはご主人様を裏切る行為の一つ。そうする考えすら浮かばなかった。
 倦怠感が重くのしかかる体を半ば引きずりながら、濡れたままの体で小屋を出る。瞳は朦朧としていて、意識があるのかすら余人には分からない。そんな姿になってまでも、彼女は己の役割を忘れなかった。
 知覚魔法を展開、大雑把な杖の方向を割り出す。そちらの方に向かってふらふらと歩き続けた。
 たどり着いたのは、少し大きめの建物だった。広さよりも堅甲さに重点を置いて建設された、こぼると達の宝物庫だ。
 そこの開いている扉に、確実に中にこぼるとがいる事も考えられず、当然のように入っていく。そしていくつかの通路を通り、知覚魔法に強い反応がある部屋へと入っていった。
 アルウェンがここまで誰にも見つからなかったのは、はっきり言って奇跡だろう。もちろん他にも要因はある。金闇の森で一大勢力を築くこぼるとに敵対する存在などおらず、宝物庫だとしても警備を厳重にする必要がなかったなど。
60アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:42:31 ID:lS/Xxq5h
 それでも、もしアルウェンがある程度意識を保って進入していたならば、途中で淫欲に負けて捕まっていただろう。そして、今度は最初の調教など比べ物にならない教育を受け、完全に堕落していたに違いない。
 体力も精神力も意思も、全てがほぼ底をつき、頭の片隅に残っていた使命のために残りを全てをつぎ込んだのが上手く作用した結果だ。
 後ろを向きながら、ついに己が愛用してきた杖を手に取る。濁った瞳は次第に力を取り戻し、表情に理性の火が灯る。なんとか現状だけを理解したアルウェンは、即座に魔法で枷を破壊し自由を取り戻した。
「私……は。ぁ……や……やったっ……!」
 薄い現実感が後から湧き上がり、やがてそれを正確に理解したとき、少女に笑顔と握りこぶしを作らせる。法悦に彩られたものではない、アルウェン本来の月のような笑顔だった。
 数々の陵辱、恥辱に屈しその身を雌に貶めながらも、最後の一線が勝利をもたらしたのだ。多くのものを失ったが、それでもアルウェンは最後まで立ち続けた。立ち続けられたのだ。
 目尻から流れそうになる、歓喜の涙を堪える。それは、脱出に成功するまでとっておくべきものだ。
 杖と一緒に放置されていた服を一緒に回収する。右手に杖を、左手に服を抱えて部屋の外に出て。
「――え?」
 扉の外に、四匹のこぼるとが待ち構えていた。

 これは当然の話なのだ。いくらこぼるとのコロニーが平和だと言っても、警戒している者がいないわけが無い。ましてや宝物庫に侵入者がいるのであれば、すぐに気がつく。
 犯人の特定は難しくなかった。床に水滴の跡と淫靡な芳香を残すものなど、金闇の森中を探してもこぼるとの家畜しかいない。そして、家畜は今一匹しかいないのだ。
 荷物を取り戻しに来たのは分かりきっており、最短距離で取り上げたものを保管している部屋を目指し、アルウェンが出た所でかち合わせたのだ。
 こぼるとの誤算はアルウェンが既に枷を外していた事だったが、それも彼らの中では瑣末事だった。こぼるとを見た家畜は、自由を手にしながら明らかに怯えていたのだから。

 アルウェンは即座に服を投げ杖を突き出し、魔法を放とうとした。しかし、それは現象として表れ、こぼるとを倒す事はなかった。
 杖を向けた瞬間に、激しい拒絶感が現れて魔法の発現を阻害したのだ。魔力が上手く練れない、標的が定まらない、魔法を形にできない。それは、こぼるとを自分の上位の存在と認めた家畜の精神の表れだった。
 精神的な屈服はここでアルウェンに絶望的な影を落とす。この場面は決定的なピンチであると共に、チャンスでもあったのだ。チャンスの機は家畜が主を守るために雁字搦めに拘束し、ついに機会を逃してしまう。
 こぼるとの一匹が何かを振り、ぴいぃっ、と音がした。
「うあ!? ふぉ、おああああぁぁぁぁぁ! う、ひいいいいぃぃぃぃ!」
 アルウェンの尻穴に食らい着いていた魔物が、ぐっと触手に力を入れて暴れだす。腸の括れを隅から隅までじゅるりと舐め、肉棒では届かなかった部分が一斉に刺激される。
「うああ! ふぅ! ひいぃ! っあああぁぁ!」
 腰ががくがくと震え、愛液は大量に生産され恥丘を彩り内腿を艶かしく強調する。その姿はもう戦闘をしようとしていたものではなく、激しいストリップショーにしか見えない。
「う、ううううぅぅぅっ! っ! くああぁぁぁ!」
 それでも何とか正気を保ち、魔法で魔物の下着に一撃をくれてやった。その脆弱な一撃でも、もろく弱い魔物を絶命させるには十分な威力。魔物は即座に死に絶え、アルウェンの腰からするりと落ちた。
 同時に、家畜のだらしない尻穴を塞ぐ物もなくなった。
「あ、あああぁぁ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁ! いやいやいや、いやあああああぁぁぁぁ! 見るな、あああぁぁぁぁぁ!」
 アナルから大量の精液がぶちゅぶちゅと吐き出される。杖に捕まりなんとか体を支えたが、それは精液のお漏らしをした事の慰めにはならない。
 腰を振り乱れるところも、はしたなく開いた尻穴も、足を流れる白濁の滝も、足元に溜まる精液の池も全て見られた。こんなに浅ましく淫らな姿を、観賞されている。
「うあああぁぁ、漏れる、漏れますうううぅぅ!」
 そして、露出と被虐の快楽で止めを刺され、絶頂して放尿しながら白濁の池に尻を付く所まで全て見られた。それでも杖だけは手放さない。これを放してしまったら、それこそ全て終わりだ。
 こぼるとは家畜のショーの一部始終を観賞し終えると、リードを引っ張って無理矢理立たせた。どれほどの痴態を見せられても、容赦などする気は全く無かった。
61アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:42:51 ID:lS/Xxq5h
 アルウェンは即座に立ち上がり、怯えた目でこぼるとを見ながら震えた。思い出してしまったのだ、こぼるとはとても怖い存在であると。逆らえば、また絶え間ない調教が待っていると。
 その精神は幼子のように縮こまり、抵抗などとてもではないができそうにない。アルウェンの心はなぜ逆らってしまったのだろう、という事しか浮かばなかった。
「ご……ごめんなさい。許してください。もう二度と逆らいません、だから、許して……」
 かちかちと歯を鳴らしながら、惨めに懇願する。それは、今の精神状態でできる事の全てだった。
 こぼるとがアルウェンの左右に周り、それを怯えた目で追う。尻が両側から掴まれ、左右に開かれた。まだ尻の中に溜まっていた精液や樹液がごぽごぽと漏れて落ち、足をゆっくりと流れて池の一部となる。
 怯えたアルウェンには何もできない。ただ黙って沙汰を待ち、それに首を縦に振るだけの存在になってしまう。そんな状態でも杖を手放さなかったのは、最後の抵抗なのかもしれない。
 左右から指がするりとアナルにはいり、浅瀬をくにくにと刺激する。今までの仕打ちを何度もリプレイさせ、ますます体を強張らせた。
 アルウェン正面のこぼるとが、手を差し出した。杖をよこせと言う事だろう。アルウェンが逆らうとは、欠片も思っていないようだ。
 その手に杖を渡せば、アルウェンは再教育を受けるだろう。今度はどこかに繋がれて逃げられないようにされ、徹底的に薬と快楽漬けにされる。杖はどこかへと処分され、そして二度と逃げられなくなるだろう。
 杖がゆっくりと差し出される。逃げたいと思う心と、逆らわず行動する体は既に離反していた。こぼるとへの恐怖と尻穴の快楽に、アルウェンは恐慌状態をさらに加速させる。
 そして、杖が主の手に渡る寸前、杖が爆発を起こした。
 それは魔法により起された現象ではない。精神に呼応した魔力が暴走し、杖を介してただ周囲に流れ出ただけだ。問題は、アルウェンの常識を遥かに超える魔力量が暴れながら撒かれれば、暴風と言えるものになった事だった。
 四匹のこぼるとを吹き飛ばすだけでは足りず、周囲の頑丈な木も吹き飛ばす。それですら収まらず、建物を半壊させ破片は勢いよく周囲に飛び散った。そんな中で、当然のように立っているのはアルウェンだけだ。
 突然の事に何が起こったか理解できず、呆然と佇む。脳の追いつかぬ自体にしかし、アルウェンは弾かれるように動き出した。
 床に落ちていた服を乱暴に掴むと、知覚魔法を展開、索敵。急いでこぼるとがいない方へと駆け出した。少し走ったところで背後から喧騒が流れてきたが、決して振り向かない。
 途中何度かこぼるとに見つかりそうになったが事なきを得、コロニーの外へと脱出できた。まだ追いつかれるかもしれないという恐怖はアルウェンの足を止めさせず、自分でもどれほど走ったか分からないでいた。
 やがて小さな泉へと着くと、そこでやっと足を止める事ができた。恐怖と安堵にぼろぼろと涙を流しながら、力なくその場に座り込む。
「ううぅ……ぐす……っ、はぁ……はぁ……」
 疲れなどないはずの吸血鬼が呼吸を荒らげているのは、間違いなく精神的な疲労からだ。恐ろしい主から逃げ出すと言うのは、それだけの労力を要求された。
 多少心が落ち着いた時点でまず行ったのは、禁断症状の封印と尻の感度の鈍化だった。既に樹液が切れ掛かり、魔力が乱れ始めている以上これは急務だ。
 禁断症状の方は問題ない。完全に封印できるし、対応能力の高い吸血鬼の体は、異常があればすぐに正常化してくれるだろう。半日もあれば、魔法を解いても問題ないはずだ。
62アルウェンRPG 03.金闇の森編:2009/11/12(木) 20:43:21 ID:lS/Xxq5h
 重要なのは、尻と尻穴の感度だ。感覚を鈍らせれば、力が入っているかどうかも分かりにくくなる。何度も排泄を視姦をされた事で漏らす事に強い忌避感を覚えたアルウェンは、それほど強い鈍化を実行できない。強く魔法を使えば、漏らしてしまうかもしれないのだから。
 体を洗い流すために、泉に入っていく。水で精液を流そうと思ったところで、ぴたりと手が止まった。
 太腿の精液を掬い、鼻先に自然と差し出された。生臭い香りが、アルウェンの背筋をぞくぞくとさせる。また犯されたい、尻の中を精液で満たされたい、そう考えてしまう。
 手に付着した精液を舐めようと舌を差し出す。これを舐めれば、あの快楽の数分の一でも思い出せるのだろうか。
「っ! 私は何をやっている!」
 舌が精液に触れる直前、アルウェンは自分がやろうとしている事に気がつく。精液を投げるように泉に落とし、変な事を考えられないように体を洗い流した。
 こんなはしたない真似をして、心は惜しかったと思ってしまう。心身にはそれだけ強く、快楽と従属が染み付いていた。
 苦痛に涙を流しながら、服を着ていく。飼いならされた自分を見るというのは、一体どれほど惨めなのだろうか。
 着替え終わって初めて、まだ首輪がついていることに気がついた。魔力に抵抗があるらしく、破壊する事ができない。
 仕方無しに放置し、鎖を外して服の中にしまいこむ。今前の事を振り払うように、森の中心、魔女の住処へと向かっていった。
 アルウェンは気付かない。首輪の魔力抵抗など微々たるもので、アルウェンほどの魔力があればさしたる苦もなく破壊できた事に。鎖のリードを捨てるのではなく、大事に保管していた事に。
 それはアルウェンと同じように、誰かの奴隷となる事を望むアルウェンの最後の抵抗だった。いつか、自分の首輪を差し出す相手が出てくる事を望んで。
 アルウェンの心に深く静かに潜み、その時を待ち続ける。
63アルウェンRPG:2009/11/12(木) 20:45:56 ID:lS/Xxq5h
以上です。
投下が遅れて申し訳ありませんでした。仕事が忙しくなったり、規制に巻き込まれたり、インフルエンザにかかったりしてました。
そのためか、今回の出来は正直微妙です。好きなシチュではあったんですけど……。
あと、少なくとも年内は忙しいままです。下手すると四月あたりまで忙しいので、それまでは更新遅くなると思います。申し訳ありません。
最後に、作者はド変態です。あ、作品見れば分かりますね。
64名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 21:38:03 ID:wk6+KjVA
 *     +    巛 ヽ
            〒 !   +    。     +    。     *     。
      +    。  |  |
   *     +   / /   イヤッッホォォォオオォオウ! うp乙!
       ∧_∧ / /
      (´∀` / / +    。     +    。   *     。
      ,-     f
      / ュヘ    | *     +    。     +   。 +
     〈_} )   |
        /    ! +    。     +    +     *
       ./  ,ヘ  |
 ガタン ||| j  / |  | |||
――――――――――――

べ、別に>>63氏を待つために専ブラ導入したわけじゃないんだから!
たまに安否が気になるから月に一度くらい1レス欲しいと思ったわけじゃないんだからね!
65名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 22:05:43 ID:PbX3Woe6
待っててよかった木曜日!!!!!
66名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 00:16:10 ID:9yskRrlE
木曜オワt

来てるじゃねーか! RPG氏うp乙。次回も楽しみにしてるぜ
67名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 07:48:31 ID:0N3MLXnb
本当に待っててよかったよ木曜日。しかし素晴らしく変態的な内容だな。 だ が そ れ が い い !

グロくさえならなければ大概バッチコーイなので突っ走って貰いたいなww
68名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 14:39:30 ID:ARFIhHCG
HENTAIだー!

…ふぅ。うp乙
69名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 21:26:15 ID:GvMsszPa
イースクロニクルのEDムービを見て
アドルがフィーナをやっちまう
話が浮かんだ
70名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 22:48:45 ID:34IFVkrs
>>69
期待してるぜ
71名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 00:27:08 ID:E0Rl23I7
あまり、期待せんでくれ
漠然とおもついただけだからな
72名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 21:55:59 ID:vfaJvCja
忙しいから投下スパンは長くなるかも宣言出てるけど木曜日保守
73名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 04:49:10 ID:vR6C9F1Z
ミアのエロ小説キボンヌ
74名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 15:50:17 ID:o/5Tjw5k
You書いちゃいなよ
75名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 22:45:22 ID:nFtJUA8b
ラグナ×ミアキボンヌ
76名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 21:29:10 ID:qSW8ScPR
定期保守
77名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 15:04:45 ID:tLAXwaQS
ミアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
78名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 20:51:44 ID:KojR4nI2
保守支援
79名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 21:23:24 ID:9NJxsLyB
兄×妹キボンヌ
80名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 21:50:16 ID:i3Jlu/rk
>>79
自分で書いてもいいんじゃよ
81名無しさん@ピンキー:2009/12/07(月) 13:54:58 ID:t5qt9qVj
ミア
82名無しさん@ピンキー:2009/12/07(月) 23:19:07 ID:hHyQChWl
sage
83名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 00:44:04 ID:3V7DxzFi
木曜定期ほす
84名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 21:10:58 ID:H90E6ws6
今日はどうじゃろ。
85名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 21:58:13 ID:PQE3W7lv
そろそろ一ヶ月だからなんかあるのではと期待する俺ガイル

でも年内はミリかなぁ
86名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 22:33:15 ID:C53RsKMq
ぼ…僕はドラスレ(英伝)Uのフローラちゃんが…好きだっだな…

PCエンジン版の彼女が可愛いかった…
87名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 02:31:53 ID:AWevwAG6
くるみんのパリンに萌えるのは







俺だけで良い。
88名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 12:47:25 ID:Ji3FBsWD
俺は昔、白き魔女のフィリーちゃんに萌えたな…

今は、ルフィナ×セルナートの組み合わせの純愛肉欲小説を読んでみたい
89名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 14:07:30 ID:PBWzHN1G
そろそろ一ヶ月経つし、変態さn…もといRPGの人が姿を見せるのに期待。期待するだけはタダさ!
90名無しさん@ピンキー:2009/12/19(土) 21:34:33 ID:DrgyVGef
クローゼちゃんが大便をした後のトイレに入ってご飯をモリモリと食いたいぜ。
91名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 19:11:59 ID:5l5+m/Tb
まぁまぁ、中の人が忙しいんだからまったり待とうぜ
92名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 04:39:49 ID:iJye2QEO
ティータちゃんの“こく旨”ウンチパスタ、ゆく。
93名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 19:02:31 ID:n/P+WiKk
ミア
94名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 08:46:50 ID:+CDA9kRt
ティータちゃんの“こく熟”ウンチミルク、呑む。
95名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 11:58:31 ID:+64ha4hs
なんかもう日本語になってねえな…。
96名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 11:42:41 ID:4uRa4xfT
ミア
97名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 12:40:33 ID:4IsP4TRP
リースちゃんの下痢煮込み鍋、食うぜ。
98名無しさん@ピンキー:2010/01/04(月) 02:49:28 ID:bBCX6EO5
ミアアアアアアアアアアアア
99名無しさん@ピンキー:2010/01/06(水) 04:48:24 ID:jSoc3250
クローゼちゃんの高貴な野糞、ゆきたいぜ
100名無しさん@ピンキー:2010/01/06(水) 15:00:43 ID:xEnqfwXh
ミアアアアアアアアアアッァァァァァァン
101名無しさん@ピンキー:2010/01/07(木) 10:12:26 ID:YLKOVKPf
クローゼちゃんのリッチ・グレードなウンコ、喰うぜ。
102名無しさん@ピンキー:2010/01/08(金) 05:34:52 ID:htcYW1aZ
クローゼちゃんの可愛らしい控えめなオナラを顔で受け止めたい
103名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 10:14:22 ID:p7Cx4Am0
ほしゅ
104名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 04:27:55 ID:+zl8LVbW
レンの下痢、呑むぜ。
105名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 00:34:47 ID:dcJObWaH
106名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 20:15:24 ID:5Nh8qaBQ
キュートなおにゃのこの尻穴は異物を挿入するところではない
指先や舌先で愛撫してやるところだろJK
107名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 20:45:15 ID:0giz/f/S
そうそう
108名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 11:00:31 ID:MXzVOkZI
尻穴を愛撫されて
羞恥に悶えつつも快感を抑えきれずに嬌声を漏らす
これがいいのです
スバル愛してるよスバル
109名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 18:41:47 ID:lVjzXTln
マンコより先にアヌスを開発される、これが萌え
110名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 03:47:29 ID:keJEK7YW
ティータちゃんの黄色い軟便をモシャリとゆきたい
111名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 12:15:30 ID:XlPP7its
ところでばぁさんや。アルウェンRPGの人の復活はまだかね
112名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 13:38:16 ID:ejr81zM5
陵辱セックス文学も良いが
純愛セックス文学も読みたい
であります!
個人的には
おにゃのこは虐めるものではなく
可愛がり愛撫するものだと思っている
であります!
113名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 13:42:33 ID:Sq655kln
スカトロばっかりすなぁ
114名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 17:56:41 ID:4hplNtY0
RPGの人が来なくなってからはさらにブレーキがかかってるな。


マダー(AA略
115名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 15:16:59 ID:F70ocveh
保守
116名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 00:58:39 ID:2E+UaqJT
じゃあ俺もほす。

せめてうp主がまだいることさえ分かれば……
117名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 10:18:46 ID:1eIwnMqF
保守保守
118アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー前編:2010/03/18(木) 23:05:20 ID:8/Ji2lnI
 道中はアルウェンが急いだ事もあってか、かなり呆気なく魔女の家へと着いた。
 魔物の数が多い金闇の森に似合わず、遭遇するモンスターは極少ない。そして、どの魔物も遭遇するアルウェンを無視し、どこかへと行ってしまうのだ。背後からは知覚を伸ばさずとも、喧騒に包まれているのが分かる。
 その原因をできる限り考えないようにして走り抜けたのだ。アルウェンは特定の、言うも憚られる魔物に対してのみ無力になる。それにできる限り遭遇しないためだ。
 それも、ここで終わる。魔女の住処近くに入ってしまえば、魔物が入って来れない結界が張ってある。強烈な緊張を忘れ、やっと心休まる時を味わいながら魔女の家の戸を叩いた。
「失礼、魔女ラーライラどのはいるか?」
「やっと来たかね。開いとるよ、入っといで」
 その回答に多少驚きながら、アルウェンは戸を開いた。やはり、イルバードの異常事態に気付いていたのだ。
「お邪魔する」
 中に入ったその先には、黒いサングラスをかけた一人の老婆がいる。幼少の記憶よりかなり老いてはいるが、まちがいなく魔女ラーライラだった。何故か違和感を感じたが、それはまだ体調が完全ではなく、乱れる魔力のせいだろう。
「壮健そうでなによりだ、ラーライラどの」
「ふぇっふぇっふぇっ、随分と体の自由が利かなくなったけどね。それでも人間にしては長生きさせてもらってるさ。さ、座ってゆっくりしなさい。ババが今お茶を入れよう」
「心遣い、痛み入る」
 椅子の一つに座り、用意されたお茶に心身が休まるのを感じる。このお茶にも違和感を感じたが、こまかい知覚に自信が持てない状況である以上、気にしない事にする。
「さて、アルウェン様は城を奪った者の事を聞きに来たんだね」
「うむ、その通りだ。強力な真祖だと言う事だけは分かっているが、それ以上は何も分からん」
「なら単刀直入に言わせて貰うよ。姫様、あんたはこの件に関わるのはもう止めたほうがいい」
 なっ、とアルウェンは激昂しそうになった。あれだけの屈辱を受け、道中で数々の辱めを受け、その上で自ら敗北を認めるなど許せるはずが無い。
 しかし、と一度深呼吸をし、お茶を飲んで心を落ち着かせた。偉大な父が相談役に迎えたほどの人物なのだ、言うのにそれだけの理由があるのだろう、と。
「訳を聞かせてもらってもよいか?」
 アルウェンの静かな、しかし激情を感じられる言葉に、ラーライラはお茶を継ぎ足しながら答えた。
「簡単さ。相手が悪すぎるんだよ。姫様じゃあ太刀打ちできないくらいにね」
 回答を聞きながら、アルウェンは顔をしかめる。これは相手が強いからと言って、簡単に断念していい問題ではないのだ。とは言え、ラーライラが言う事ももっともである。
 猫魔人モンブラン、あれは中身が小物であるから問題にならないが、内包する魔力は真祖が従えるに不足があるわけではない。それ以上に人狼ダイガルドは、今のアルウェンでは従える事はできないだろう。それだけの力と誇りを持っていた。
 容易くないのは分かる。いくら力を減じたとは言え、人が攻略するような遺跡ですら不覚を取る有様なのだから。吸血鬼の真祖の姫として、不甲斐ないと言う外ない。
 しかし、力押しができないからこそ戦術を覚えたとも言える。ただ戦うだけで最強である真祖にはない力だ。アルウェンが力を全て取り戻し、さらに拙いながらも戦術を使えれば、結果も変わるのではないだろうか。
 ラーライラが事態を現実的に見ての助言である事は、アルウェンも重々承知している。少なくとも、少し前までのアルウェンでは勝ち目が無かったのだろう。しかし、アルウェンの意思が変わることはなかった。
「すまない、ラーライラどの。それでも私は賊等に我が城で大きな顔をさせるつもりはない。あ奴らは、今も父上と母上の顔を踏みにじっているのだからな」
「……どうしても、かね?」
「ああ、どうしてもだ。ラーライラどのには迷惑をかけんと誓う。だから敵の目的や情報を、少しでも多く教えてくれ」
「そうかい。仕方がありませんね」
「ラーライラどの……? いや、これは……」
 ラーライラの声色が急に変わり、先ほど感じた違和感が急激に膨れ上がる。反射的に距離を取ろうとしたが、その前に体は脱力しテーブルに突っ伏してしまった。
 力を入れて立ち上がろうとするが、意識すら眠気に押されている状況ではそれも不可能。せめてできる事と言えば、重いまぶたを必死で開き、ラーライラの偽者を睨む事だけだ。
 魔女の姿が一瞬ゆがみ、現れたのは声に相応しい年代の少女だった。フードを深く被っている為に表情は見えなかったが、その佇まいからは意思が希薄にしか感じられない。
「くっ、ぬかった。やはり入れ替わっていたのか」
119アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー前編:2010/03/18(木) 23:05:53 ID:8/Ji2lnI
「はい。貴女が体調不良で助かりました。そうでなければ、騙しきる事はできなかったでしょうから」
 必死で杖だけは手放すまいとするが、それもフードの少女に簡単に奪い取られる。なんとか眠気に抵抗するものの、体が言う事を聞かない現状でどれほど意味があるだろうか。
「お茶にパンデモニウムの粉末を混ぜました。いくら真祖の吸血鬼と言えど耐えられるものではありません。ゆっくり、眠ってください」
 すっと、少女の手がアルウェンにかざされる。意識を保てたのはそこまでだった。





 アルウェンは夢を見ていた。随分と昔の夢だ。
 まだ父と母が健在で、幸せに満ちていた子供の頃。やがてその時も終わり、大きな城に一人取り残された数十年。ルゥという従者が来て、かつての騒がしさが少しだけ戻った数年前。最後につい最近、卑劣な昼討ちにより城を追い出された事まで。
 父と母に誓う、あの時を誰にも踏みにじらせはしないと。たとえ一人でも城を取り戻すと、覚悟を決めて魔力の奪還に邁進し。
 そこでアルウェンの意識は覚醒した。地に足が着かない浮遊感に違和感を覚えながら、手を動かそうとする。しかし、手はがっちりと拘束されており、動かす事ができなかった。
 慌てて周囲を見回してみると、腕に木の枝のようなものが絡まっており、それで吊り下げられている事がわかった。ご丁寧に強化の魔法までかけてあるらしく、吸血鬼の腕力でもびくともしない。
「ニャハハハハハ! 随分簡単に罠にひっかかってくれたニャ!」
 虚空から声がしたかと思えば、現れたのはいつかの猫魔人、モンブランとフードの少女だった。さしたる強敵という訳ではないが、舐めてかかっていい相手でもない。ましてやフードの少女の実力は知れていないのだ。
「ふん、つまらぬ真似をする」
「ふふふ、いくら弱体化してるからと言って、真祖の吸血鬼と正面から戦うほど自信家ではないのでニャ」
「貴様、ラーライラどのはどうした?」
「不意を討って眠ってもらったニャ。奴の知識は脅威だからニャ、早めに退場してもらうに限るニャ」
 ちっ、と舌打ちしながらも、殺されてはいない事実に安堵する。
 なんとか挽回の手を考えなければいけないが、その方法など無きに等しい。そもそもアルウェンの最大の欠点である、杖がなければ満足に魔法が使えない点を突かれたのだ。拘束されていては力任せの接近戦すらできない。
「さて、どうするかニャ。廃坑の借りを今ここで返してやるのもいいニャ」
「そんな事は命令されていません」
「うるさいニャ。少々痛めつけるくらい、何も言われないニャ」
 フードの少女の言をばっさり切り落とし、アルウェンをげひた目で見る。こんな状況でしか勝ち誇れぬ誇りの欠片もない相手に、心底不快感を覚えた。
 こんな小物にいいように言われなければいけないとは。アルウェンのプライドを少なからず刺激していた。もし自由に動けたなら、即座に心臓を抉り取っていただろう。
 以前ならばそれでも口を開いていただろうが、今は抵抗できない時に行動を起しても悪い結果しか呼ばない事を知っていた。無関心を貫き弱者の戯言と割り切り、勝利に溺れるモンブランを冷めた目で見る。
「んふっふっふっふ! アルウェン姫はどんな声で悲鳴を上げてくれるのかニャ!」
 モンブランが杖を回すと、その先端から魔力の光が迸った。光はどんどんと伸びていき、やがてしなりを作る。杖が一閃されると光は地面を叩き、地は抉られたかのように弾けとんだ。
 魔力抵抗も耐久力も高い吸血鬼に有効な攻撃手段とは言えないが、痛めつけるのが目的ならばそれでも十分だ。いや、わざと殺さないようにその程度に威力を調整しているのだろう。つくづくアルウェンとは性質の合わない相手だ。
「さあ! 泣き叫ぶがいいニャ……ニャアァ!?」
 光の鞭がアルウェンに振られようとした瞬間、数個の火の玉がモンブランとフードの少女に向かって放たれた。大した威力ではなく、簡単に防御されるが行動を止めるには十分だ。
 火の玉の爆発が起こるのと同時に、アルウェンを拘束していた木の枝が断たれる。急な事態に対応しながら事の流れを見ていると、さらに何かが二人に投げつけられて牽制していた。
「アルウェンさん!」
「そなたは……スバルか!」
 いつの間にか自分の隣まで接近していたスバルに、アルウェンは驚きの声を上げる。これだけすぐにここまで来たと言う事は、相当近くに潜んでいたのだろう。
 杖のないアルウェンはともかく、モンブランやフードの少女にまで気取られない手腕は驚嘆である。特にモンブランは、補助魔法の使い手としてはアルウェンより遥かに格上なのだから。
120アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー前編:2010/03/18(木) 23:06:16 ID:8/Ji2lnI
「里から戻ってきたら、アルウェンさんが捕まってるのに気付いたんです。どうしようかと考えてたら、拘束されてたおばあさんを見つけて、協力することになったんです」
「そうか」
 見つけたのは、恐らくラーライラだろう。対策を立てているスバルを見つけ、機会を待ちながらタイミングを窺っていた、そんな所か。
「スバルが来なかったならば、私もどうなっていたか分からん。恩に着る」
「は、はいっ! ボクもお役に立てて!」
 スバルの事は少しばかり苦手であったが、それでもこうして力を貸してくれる。世の中何がどう作用するのか分からない。何よりもまず、この窮地を救ってくれたスバルに最大級の感謝を送った。
「っ、とんだ邪魔が入ったニャ。人形娘、先に邪魔者を片付けるニャ!」
「行かせると思うのか」
 ぎちり、と杖を構えて、モンブランに怒りを叩きつける。散々虚仮にしてくれた相手を逃がしてやるほど、アルウェンは優しくない。
 アルウェンの激昂に当てられてもモンブランはひるまず、再度杖を回し、今度は地面へと叩き付けた。
「アルウェン姫の相手はちゃーんと用意してるニャ。いでよ、アビスフラワー!」
 ごごん、と地震が鳴り地が割れる。中から出てきたのは大きな蕾で、瘴気を撒き散らしあたりを腐食しながら、禍々しい食人植物が触手のような蔦を振りかぶった。
 一割近くの魔力を取り戻したアルウェンに比べてなお、莫大な魔力を持っている。アビスフラワーの身に収まりきらない魔力は周囲に流れ出て、あらゆる物を狂わせようとしてた。
 アークシェロブとエフェメルガはまがりなりにも魔力を使えていたが、アビスフラワーは完全に持て余している。矮小な存在の器に、吸血鬼の真祖の質と量共に桁違いの魔力は身に余りすぎた。
 同時に、この不愉快な風には覚えがある。金闇の森を包み、魔物を大なり小なり狂わせていたのは、これが原因だったのだ。
「また醜悪な存在を作ってくれる……!」
「アルウェン姫の魔力が使われている以上、それに対抗できるのはアルウェン姫しかいないニャ」
 このままアビスフラワーを放置すれば、反撃不可能な距離から一方的に攻撃される恐れがある。スバルやラーライラと協力しながら戦っても厳しいだろう。
 二人がアルウェンの戦闘空域まで来てくれればいいが、それも不可能。モンブランは小心者であるが、だからこそ慎重でもある。戦力を集中させるような真似を許すとは思えない。
 結局、アルウェンが速やかにアビスフラワーを倒して増援に向かうしかないのだ。
「スバル、早く行け! ラーライラどのに加勢するのだ!」
「えっ? でも、アルウェンさんが……!」
「ニャハハハハハ! それでいいニャ!」
 スバルは歯軋りを立てながら、身を消すように移動する。それを追って、モンブランとフードの少女も転送魔法で消えていった。
「さて、あまり時間をかけてはやらぬぞ」
 アルウェンの言葉に、咆哮の代わりに地鳴りを起してアビスフラワーが蔦を振るう。大地が捲れ上がるほどの衝撃で叩きつけられるが、既にそこには誰もいなかった。
「強力ではある。しかし、遅い」
 すれ違いざまにフォースアローを連発、頭部と思わしき蕾の部分に叩き込む。相手が風属性である以上、地属性の魔法が最も有効なのだが、それは不可能だった。蔦は基本的に宙に浮いているし、本体には荒れ狂う風に消されてしまう。
 蕾に放たれたフォースアローは、当然と言うようにかき消される。魔力差が対アークシェロブ時ほどあったので、それほど期待はしていなかった。
 地道に蔦を潰していき、消耗した所で一気に押し込むしかないだろう。魔力を食う生き物である以上、それさえあればいくらでも再生できるだろうから。
「攻略法はある。だからこそ、貴様はもう問題にならん」
 魔力の上昇により、身体能力だけでなく再生能力、反応速度とあらゆる面で上昇しているアルウェンに、蔦の攻撃はいくら放たれようとも届かない。
 なぎ払われる蔦を飛んで回避し、振り下ろされる蔦を横に移動して避ける。同時に杖を突き出して、フォースアローを連発。これで数ある蔦の一つが破壊された。
 しかし、そこでアルウェンにも予想外の事が起こる。蔦の先端が破壊されると同時に、小さな爆発を起したのだ。それでダメージを受けるほど柔な肉体ではないが、先端が撒き散らした黄色い粉に体が異常を来たす。
「なんだ、これ、は……」
 一息すっただけで、アルウェンの体に熱が帯びたのだ。それは戦闘での運動と高揚で現れたものでは、決して無い。足からほんの少しばかり力が抜け、胸が高鳴り、そして股が濡れた。
「あ……っ! くっ、あれは、こいつのだったのか!」
121アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー前編:2010/03/18(木) 23:06:37 ID:8/Ji2lnI
 この感覚には覚えがある。こぼるとのコロニーで使われた、あの樹液と感覚がそっくりなのだ。しかし、向こうでは大量に使われたのに、こちらではただの一呼吸。それですらあの時以上の効果があるのだから、純度は桁違いだろう。
 同時に、思い出してしまった。こぼるとのコロニーで起こった事を。恐怖こそないが、骨の髄まで家畜と言う立場を覚えさせられた事が、明確に脳の中で流れる。同時に、その想像を絶する快楽までもが。
「ま……まずい」
 膝が笑い始め、背筋がぞくりと痺れる。いまだ戦闘は継続できているが、体が反撃どころの話ではない。溢れる欲情と屈服を抑えるのに精一杯なのだ。
 攻撃を避けながら、すうっと呼吸をして、心と魔力を整える。なんとか戦えるまでには整えたが、それでもあの粉末を何度も食らえば分からない。
 戦術を変える必要があるだろ。一つは遠距離攻撃に徹し、やはり蔦から少しずつ相手を消耗させる方法。もう一つは、蔦を全て無視して大火力で本体を滅ぼす方法。
 前者は予想外の奇襲を受けやすく、先ほどよりもさらに時間がかかる恐れがある。また、風に乗ってくる花粉を防げない。ただし、効果は拡散する分下がるだろうし、攻撃を受ける可能性は低いので、安全ではあるのだ。
 後者は蔦の接近を許す可能性が高くなるが、その代わりに花粉での自爆を防げる。問題はそれなりに接近しなければ魔法に抵抗されるから、常に蔦の攻撃範囲に入っていなければならないと言う点だ。蔦自体の攻撃は遅いのだから、自信はある。
 スバルとラーライラも心配な以上、長々と思考をしているわけにはいかない。リスクとリターンを考慮した上でアルウェンが決定したのは。

 ・遠距離から末端を潰していく
 ・蔦が問題にならないなら本体を潰す
122アルウェンRPG:2010/03/18(木) 23:10:37 ID:8/Ji2lnI
以上です。
仕事ってあるだけでも幸せですよねウフフ。全然楽になる気配がない。出費を割くために人を減らすとか本気で止めてください。
花粉と仕事のダブルパンチは本当にキツいです。どれくらいかと言うと、点鼻薬と間違えて目薬差すくらい。
それではみなさん、体に気をつけておやすみなさい。
123名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 23:16:06 ID:SWpPI4CC
保守しようと思ったらなんか来てるんですがー!? 超乙

次は一ヶ月後くらいを目安にしていいんだろうか
124名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 01:08:54 ID:UsxRwuAs
定期巡回コースから外れてたからちと遅れたけど、うpおつでござんす

ひゃっはー、本体攻撃するしかねぇ!
125名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 15:18:49 ID:ILx0MyeM
Janeから外して久しかったから気づかなかった。一週間遅れだけど投下お疲れ
先走ってズボン脱いでしまった・・・次回マダー
126名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 23:53:27 ID:npkr0Six
>>125
そのまま次回投下があるまで待機
127名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 04:15:59 ID:ArvG2nvI
GJ
ありがたやありがたや
128名無しさん@ピンキー:2010/04/06(火) 19:52:14 ID:S48XPOPE
大規模規制だからきっと投下はないだろうけど保守
129名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 22:28:05 ID:4DuSE05g
規制解除だ保守
130名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 07:07:55 ID:tUHaX8Q0
木曜だから干す
131名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 05:47:09 ID:f9nsOEmY
木曜日よ私は投下があるまで全裸待機しつづけよう
132名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 19:25:53 ID:01pDS2AC
>>131
一日に二人以上保守するなんて珍しいな、俺も混ぜろよ
133名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 19:33:40 ID:wOozjsKy
なにおまえら楽しそうなことしてんの?
おまいらだけには任せておけないな。だが規制だから携帯からだ
134名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 21:56:39 ID:LVitntYH
じゃあボク四番目の保守!
135アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:10:31 ID:ZNr3qPvk
 ・蔦が問題にならないなら本体を潰す

 アルウェンは蔦が荒れ狂うアビスフラワーの暴風圏内に飛び込み、巨大なフォースアローを叩き付けた。効果は十分、とは言えないが確かに蕾を抉っている。
 知覚魔法を展開しながら、蔦を紙一重でよけていく。魔法により背後に目があるも同然で、攻撃を食らう事はない。しかし、それでも数だけは多く、あまり大きく避けていては回避はまだしも攻撃に移れない。
 服に接触しながら、耳の横で音を立てながら、アルウェンの矮躯など軽々吹き飛ばす豪腕が振るわれる。そんな緊張感のある戦場でも、快楽に膝を折るのに比べれば遥かにマシだ。
 アビスフラワーの蔦はもう飽和状態であるのか、増える様子を見せない。常に数本の蔦が襲い掛かる状況でもアルウェンには余裕があり、食人植物は悲鳴を上げながら緑色の液体を撒き散らしていた。
 魔法抵抗こそ脅威を感じるレベルではあるが、それ以外は全く問題にならない。他の二対のように魔法も使えるわけでもなく、攻撃は単調そのもの。はっきり言ってしまえば、弱かった。
 油断していた訳ではない。どんな相手でも油断をすれば惨めな結果が待っている事を、アルウェンは知っていたのだから。
 それでも、予想外の事態までには対応しきれなかった。もし問題点を上げるのだとすれば、それは敵の戦力に集中しすぎた事。真祖の吸血鬼すら狂わせる存在を忘れていた事だ。
 特大のフォースアローがアビスフラワーの傷口をえぐり、一際けたたましい悲鳴を上げて悶えた。既に根元半ばまで抉られ、あと少しで倒せると確信させる。
 敵の危機、蔦の攻勢で、アビスフラワーに近づきすぎていた。こぼるとのコロニーで投薬されていた樹液が、何から採取されたと予測したのか忘却して。
 アビスフラワーの体液が跳ねて飛び、その一滴がアルウェンの頬についた。それにすら気付かずに次の魔法を放とうと呼吸をして、どくんと心臓が叩かれる。
「あ……ああ、ぁ……ぁあ……」
 何度も嗅がされた甘くて少し生臭い香り。それは依然嗅いだ時よりも数倍強い匂いを放っていた。思い出す。強制的に思い出させられる。忘れようとしていた、つい先ほどまでの自分を。
 それがとても欲しくて、誇りなんて捨てて何度も尻を振った。お願いします、お願いしますとはしたなく懇願し、尻の穴を抉られて恍惚とした笑みを浮かべる。言う事を聞くのが本当に嬉しくて、何度も絶頂して。
「っ、それ以上は駄目だ!」
 自分を叱咤し、意識を取り戻す。しかし体はそうもいかなく、膝ががくがくと震えて動かない。下着は愛液でどろどろに汚れ、見るも無残な姿になっていた。杖に支えられながら尻を後ろに突き出し、控えめに、しかし淫らに振る。
 アルウェンが意識を溶かした僅かな時間に、アビスフラワーは再生を始めていた。周囲には樹液の香りがむわっ、と広がり、アルウェンの体勢を立て直させない。再生中は蔦を動かせないのか、攻撃がないのが唯一の救いだった。
 しかしその救いも、悪魔となって牙を突きたてる。膨大な魔力に依存した異常再生は、末端の崩壊という結果を引き起こした。花粉がアルウェンの周囲で撒かれ、視界すら黄色く染まる。
「うああ、あああっ……! っひぃ、ぃぃぃっっ!」
 媚薬を大量に吸い込んだことで、ついに耐えられなくなった。ショーツを突き破らん勢いで潮が排出され、地面にびちゃりと落ちる。
 アルウェンは完全に腰が抜けてその場に座り込んでしまったのを、いつの間にか完全に再生したアビスフラワーが見下ろしている。その姿は、勝利を確信しているようだった。
 アビスフラワーが大きな口を開く。そこに魔法を叩き込めば倒せるかもしれない。しかし、絶頂したアルウェンには魔法に集中できず、それを見ているしかなかった。
 アビスフラワーの蔦を束ねたような首から、何本もの触手が出てくる。外見には攻撃的な様子が見えず、先端は丸く中心に小さな穴が開いている。
 触手はアルウェンに照準を合わせると、びちゃびちゃと樹液を放った。敏感な場所に直接放たれた訳でもなく、ただ服の上から浴びせられただけ。それなのに、アルウェンはめまいがするほどの陶酔感を味わった。
 間違いなく、これはあの樹液の原液だ。それも何倍も効力が強いもの。こんなものを性感帯に浴びせられてしまったら、それこそ一瞬で正気を失い、もう二度と戻れない。
「や……やめろ! やめろおおお!」
 絶叫しながら体を抱え、亀のように体を隠す。それで体の正面や顔は隠せるだろう。しかし、尻が丸出しである事に気付かない。あるいは、そこに欲しくて突き出したのかもしれない。
136アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:11:03 ID:ZNr3qPvk
 触手はスカートをめくると、薄い下着にのみ守られた美尻を露出させた。調教された尻はまだ幼さを強く残しながらも、雌となった事を窺う事ができる。そこに樹液が吐き出され、淫靡な尻をさらに美しく彩った。
「もほ……やめ……やめ、へぇ」
 全身が疼くのが怖い。しかし、それ以上に怖いのが、その事に期待もしている事だった。感覚が妙に敏感で、尻と膣がどれだけ震え、どれだけ求めているのかが分かってしまう。
 下着の上から穴という穴に、それこそ尿道まで触手が押し当てられる。ぴったりと密着したままびゅくびゅくと樹液が吐かれ、体内にまで浸透していった。ただの下着では樹液を広げる役には立っても、守る役には立たない。
 樹液はすぐに効果を発揮し、感覚が薄くなった場所でさえじんじんと熱を帯びる。ぴりぴりとだけ背筋を走っていたものがやがて大きくなり、体を守る事さえできなくなった。
 背中が反応するままに体を跳ね上げ、正面が無防備に晒される。同時に胸に、下腹部に、股に、そして顔に樹液が大量に染みつき、もう体で粘液に塗れていない場所は無い。
 唇の根元から僅かに流れる樹液を、舌で舐め飲み込んだ。無自覚に行った事だった。
 じんじんと火照る体を持て余し、いつの間にか感覚鈍化の魔法を切る。他者の数倍の感度を持つ各所に樹液を吐かれ、そのあまりの心地よさに酔いしれた。
 口を開いて呆けるアルウェンに、少しだけ樹液が流される。口内でとろけて広がり、喉の奥に流されればそこですら心地よさを感じる。
 触手が口に差し込まれた時、もうアルウェンは抵抗しようと思わなかった。素直に出される樹液を飲み込み、与えられる快楽に尿を漏らしながら震える。
 それが気高い吸血鬼の姫君の末路だった。





 数ヵ月後、アルウェンはまだ金闇の森を歩いている。
 ここ数ヶ月で、金闇の森は依然とは全く別の場所に変わっていた。ただでさえ鬱蒼とした森を霧が包み、光を乱反射して侵入者の方向感覚を奪う。
 霧には強烈な魔力が篭っており、それを浴びたものは人であろうが魔物であろうが差別なく狂わせる。もう金闇の森に近づくイルバートの人間は存在しなくなっていた。
 そんな中でアルウェンが歩き続けているのは、一重にまだやる事があるからだ。風の魔力と火の魔力、両方とも取り戻せてはいなかった。
 ルゥとは今まで一度も接触がなく、スバルとラーライラがあれからどうなったのかも杳として知れない。完全に手詰まりとなりながらも、まだアルウェンは諦めていなかった。
 とは言え、今や金闇の森から出る事もままならない。それでもこうして、森の中を歩き続けた。
 ――魔力を探すと同時に、犯していただく為に。
 なぜ魔力を探していたのか既に分からなくなり、もう思い出す気もない。魔法の使い方を忘れ杖もなくしてしまったが、自分の体に掛けた魔法は解除してあるのでもう必要なくなっている。
 服はいつのまにかなくなっており、全裸になっている。唯一の装飾品は、首輪とそこから垂れる鎖のリードだ。なぜ持っていたのかは不明だが、大事な気がしたので首につけておいた。
 さらに、その裸体には数々の刺青がある。狂った魔物が好き勝手につけていったものだ。
 本来、吸血鬼の体はその圧倒的な再生能力から、刺青など入れる事はできない。しかし、数少なくも例外はある。その一つに本人が心から受け入れる事というのがあり、それによってアルウェンの体に刺青が掘られていた。
 刺青が示すものとは簡単、性奴隷の立場である。彼女は金闇の森で最下層の存在である事を認め、その刺青を晒していた。どの魔物がいつ犯しても構わないという、最も美しく下賎な奴隷の証明。
 今も、そう。
「んあぁっ! ふあああぁぁぁぁ! んんんっ! ひゃあああぁぁぁ!」
 ご主人様の一人、こぼるとに犯されている。
 数ヶ月前に心を入れ替えたアルウェンはこぼるとのコロニーに赴き、脱走した事を真摯に謝罪して再教育を受けた。さらに処女穴も犯してもらい、反省の意を示す。辛いはずの調教にも従順に耐え、今では立派な家畜だ。
 とは言えアルウェンは金闇の森に存在する全ての奴隷、こぼるとにだけ尽くす事はできない。だから一ヶ月のうち三日だけ完全に占有され、一睡もせずに犯してもらうのだ。残りは森で求められた時に股を開くようになっている。
 こぼるとの最後の一匹が、どぷどぷと射精する。肉棒が引き抜かれると、アルウェンは腹が精液で妊婦のように重たくなっている事を自覚しながら反転し、這いつくばったままこぼるとを見た。
「私の口で清めてよろしいでしょうか」
137アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:11:24 ID:ZNr3qPvk
 こぼるとが頷き、アルウェンは嬉しそうに顔を緩めながら肉棒に舌を出した。ゆっくりと舌を滑らせて、自分の淫液ともども精液を舐め取る。舌の上に混合液を溜めて、じっくり味わいながら租借した。
 口全体で楽しんでいただきながら、尿道に残る精液をちゅっちゅと吸い取る。途中で射精された場合は、それも一滴残らず飲み込んで綺麗にするのだ。
 糸を引きながら口が離されれば、今月の専門奴隷は終了だ。リードを引かれるままに歩いていき、今度はアルウェンが清められる番である。もちろん勝手に行動せず、全てお願いする事を忘れない。
 それが終わればコロニーの外に出され、また金闇の森を歩く事になる。ご主人様の性処理は大丈夫だろうか、と考えるが、もう問題ないことに気付く。
 昔はがらんとしていたコロニー内の家畜小屋は、今では入りきらないほどのメスが収容されている。アルウェンの経験を生かして放し飼いはせず、樹液付けにして繋がれていた。今では皆、アルウェン同様立派な家畜だ。
 迷いを振り払い、森の奥へと歩いていく。いつもはふらふらと歩き、ご主人様がいれば股を開くのだが今は違う。そろそろ切れてしまうのだ。
 一昔前はどれほど持つのかが分からなく、何度も苦しんだものだ。今では事前に察知し、頭が狂う前に向かう事ができる。
 歩きなれた道を進み、アルウェンは広場へと出た。その中心には巨大な植物、アビスフラワーが咲いている。当初と比較してもなお大きく、至る所に巨大な花が姿を見せていた。花からは霧を常に放っており、それが森全体にいきわたる。
 金闇の森の主として雄大に、そして禍々しく咲き誇るアビスフラワーを睨み付ける。彼女の憎き怨敵は、日に日にその力を拡大していた。
「今日、こそ、お前を倒して、やるぞ」
 既に何度も繰り返した文句を、また今日も繰り返す。今度こそは倒して見せるという意思を、もう碌に働いていない脳に言い聞かせて。
 アルウェンが進み出ると、幹から一本の棒が生えてくる。木のように硬い物ではなく表面には僅かな弾力があり、全体が粘液でぬめっている。
 棒の前まで来て膝立ちになり、ぬめるそれを柔らかく握った。ゆっくりと手を前後に動かし、先端の楕円形を桜色の舌でちろちろと舐める。まるで男に奉仕でもしているような姿なのに、瞳は相変わらず敵を見る目だった。
 暫く続けていると、表面の粘液量が多くなる。同時に先端部分についた穴から色の違う粘液がこぼれ出すのを確認すると、アルウェンはにやりと笑って攻勢を強めた。
 これはアビスフラワーを倒すのと同時に、己の耐え難い欲求を満たす事ができる一石二鳥の戦闘だった。さらにこの粘液を獲得すれば、自身の体はさらにご主人様好みに改造される。いい事尽くめだ。そこに疑問などない。
 単調だった手の動きを変更、指の一本一本が踊るように別の快楽を作り出す。さらに口を大きく開き、太く長い棒を飲み込む。強く吸い上げながらも舌は棒の全面を滑り、粘液をこそぎ落として奪っていた。
 口の中に溜まった麻薬をじっくりと唾液と混ぜ合わせ、程よく喉に絡みつく程度まで薄めるとこくこくと少しずつ飲み込んでいった。
 じんじんと熱と多幸感が押し寄せて、その刺激に思わず口を離した。開かれた口の端からは粘液まじりの涎が垂れて胸にぽたぽたとかかり、顔は悦楽に溶けている。それでも手だけは別の生き物のように、棒を扱きあげていた。
「……ふふっ。これで、ご主人様に、また……」
 さらに淫らに変身するであろう自分の体に思いをはせて、アルウェンは微笑を浮かべた。アビスフラワーという禍々しい敵も、この液体を生産するという一点だけはとても評価できる。
 淫乱に体が改造されるというのは、己にとっても主にとっても喜ばしい事だ。飼いならされたメス犬の膣や快楽に泣き叫ぶ姿をより堪能してもらえると思うと、アビスフラワーと戦う事など苦でもなんでもない。
 完全に奴隷と化したマンコとアナルから透明な液体が滴っているのは、肉体・精神改造を施す薬物だけのせいではないだろう。
 股間から排出された淫液が太腿をしたたり、アビスフラワーの上にぽたぽたと垂れる。すると、表面がめきめきと音を立てながら蠢いて、枷をつくり膝立ちの状態を解除できないよう拘束した。
「ふん、毎度毎度余裕な事だ」
 アルウェンに動揺はなかった。足首と膝だけを拘束し動けなくするのは、アビスフラワーの常套手段なのだから。
 全身を拘束するのではなく膝から下だけ。それも最近では一度二度濃い粘液を吐き出してからでなければ捕まる事はない。舐められたものだ。
138アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:12:21 ID:ZNr3qPvk
 とは言え、アルウェンは既に何度も負けている。相手の見下すような余裕は屈辱に感じながらもありがたかった。例え僅かだけでも搾り取れるのだから。
 再び棒を口に含み、ご主人様に鍛えていただいたご奉仕フェラチオで攻勢を強める。さしものアビスフラワーも堪えられなくなったのか、どくどくと粘液を吐き出す。攻撃が効いている、それを自覚してさらに気合を入れた。
 じんじんと熱を強める体に、搾取のペースがいつもより速いことを悟らせる。しかしアルウェンは内心焦り、早く倒れろと念じながら指と舌を動かした。
 彼女が追い立てられる理由、それは足と足の間から音を立てて盛り上がる枝が理由だ。股間の真下には枝の表面に沿って背の低い葉が生えており、それは柔らかく弾力がありなによりよく絡みつく。
 毎度これでご主人様専用の陰部をねっとりと犯され、最後には潮を何度も吹いて倒されてしまうのだ。自分すら自由にできない、主に奉げた聖域を嬲られるだけでも許しがたいのに、さらに達せられる恥辱を味わう事になる。
「じゅう……ぢゅうううぅぅぅーー! はやく、ちゅう、出し尽くしてしまえ……! くちゅ、ちゅうぅ!」
 限界速度でご奉仕フェラチオと娼婦の手淫を繰り出すが、その努力を嘲笑うかのように枝は少女の急所へと到達した。
 先端が軽く触れた瞬間、ひうぅ、と小さな悲鳴が上がり腰が跳ね飛ぶ。枝はそれを追うような真似はせず、僅かに触れた場所で構えたままだ。
 腰は恐る恐ると言った風に落ちていき、やがて陰部は葉の茂みに隠される。股間は陰部の形が変形するほどぴったりと茂みに密着しており、まるで決して放すまいとしているようだ。
 少しずつ、むずむずと下半身が蠢き始め、女芯は葉にねっとりと舐められる。背後からその姿を見れば、少女が必死に奉仕をしながら男を誘うダンスを踊り、貪欲に寵愛を欲しがるメス犬奴隷にしか見えない。
「く、ううぅ……。こんな奴に……いい、ようにっ!」
 しかしアルウェンには、自分から擦り付けていると言う自覚はなかった。あくまで体はご主人様たちのものであり、アビスフラワーに渡す物など愛液の一滴すらない。ゆえに彼女から腰を振る事などありえず、これは敵からの攻撃であるべきなのだ。
 腰の淫らな踊りは次第に激しくなり、クリトリスからアナルまで満遍なく味わえるよう前後する。ねっとりと絡みつく葉は決して強い刺激ではなく、だからこそ派手に尻を動かして強い刺激を得ようと動いていた。
 緩い刺激を与える自慰椅子、たったこれだけでアルウェンには大きなダメージが与えられていた。しかし、アビスフラワーの攻撃はこれだけではない。
 アルウェンの前方、棒が生えている部分の少し下から二箇所、木が変形しだす。その二つは半透明なおわんのような形であり、とても柔らかい。さらにおわんの根元、アビスフラワーと繋がっている部分から数本の触手が生えた。
 はけのような触手はアルウェンの胸に粘液を塗りこみ、針のような触手が胸に刺さって何か液体を注入した。針からは痛みも快楽も感じず、アルウェンは無視して攻撃を続行する。
 この胸への一連の動作も毎回行われている事だ。はけと注射で胸の表面も奥も熱くなり、おわんに乳房を吸われると背筋まで突き抜ける快楽が生まれる。
 しかし、その刺激も股座の卑劣な責め苦ほどではないし、なにより辱められる度に感度が上がり耐えられる時間が短くなっているのだから悪い事ではない。アビスフラワーに負けるまでの時間が毎回短くなるが、用はそれまでに倒せばいいのだ。
 股下に生えている枝は淫液で変色していない所は既になく、陰部自体もいつもの白い肌ではなく淫欲に浸りきった桃色に変わっている。おわんに胸を弄ばれる度、少女の艶やかな背中がびくびくと跳ねる。
  そして、背と同じように顔も快楽に反応し、ただでさえとろんと溶けていた瞳はさらに視点が怪しくなる。
  既に棒から吐き出される樹液は刺激がなくとも勢いを落とさず出され続けたであろうが、それを理解しているのかいないのか、ご主人様へのご奉仕で鍛えぬいたフェラチオを続行している。
「んふぁあぁぁ……ちゅぶ……ちゅううぅ……ちゅぐ……ちゅぷ……」
 もう悪態をつく余裕すらなく、殆ど義務のように全身を動かす。本人は気付いていなかったが、その姿はご主人様に全身全霊の奉仕をしているのと全く同じだった。尤も、自分だけはそれを敵への攻撃と信じて疑わなかったが。
 今まではこの後連続絶頂に追いやられ、気絶しても延々と嬲られて意識のない内に捨てられる。すっかり負け犬精神を植えつけられたアルウェンは、自覚せず今回もそうやって終わるものだと思っていた。
 しかし、その当然は覆される。全く注意を向けていなかった胸責めによって。
139アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:12:42 ID:ZNr3qPvk
 おわんが今までになかった動きに変化し、ぎゅむぎゅむと膨らみの小さい乳房を悩ませる。じんわりと熱が中心に集中していき、やがてそれは桜色の乳首に収縮して、そして絶頂した。
 乳房で絶頂したのではない。乳房を責められて、乳頭がぷくっと膨らみ潮を吹くように白濁した母乳を噴射して、胸そのものが絶頂したのだ。
「う……え……? あ? な、に?」
 まるで乳首がクリトリスに、乳房が膣になったかのような感覚に思わずフェラチオを止めて呆然と胸を見る。
 少女の胸部は相変わらずささやかで幼い膨らみしかないのに、母乳は潮を吹き続けている。まるで覚醒したかのように感度が急激に上がり、恥丘にある最大の性感帯に勝るとも劣らない快感を脳に伝えた。
 母乳はおわんから吸い取られ、アビスフラワーに吸収されている。絞られ続けている淫濁液は、既に少女の胸で生産可能な量を超えていた。その浅ましい光景を、棒から射精される樹液が顔にかかるのも気にせず見続ける。
 魔の森の王が数ヶ月に渡り吸血鬼の姫に施した肉体改造が、ついにその姿を現したのだ。長い時間をかけて胸が魔力を母乳に変換する機能に作り変え、膨大な魔力を森の生き物に与える。そうすれば魔物はさらに強大になるだろう。
 感度の上昇は副作用でしかない。しかし、肉体の変化に精神的な影響が強く出るアルウェンの体が、肉体改造された時にどういう影響がでるかを考えれば他の可能性などなかっただろう。
 今や双乳とも女陰・アナルと同等の性感帯へと変化し、さらにその快楽に限界がない。膨大な魔力は尽きることなく母乳へと変換され、射精し続ける限り絶頂を味わい続ける事ができるのだ。
 アルウェンは絶頂の海に沈められながら、きりきりと奥歯を食いしばる。これがご主人様からもたらされた変化ならば全力で受け入れられただろう。しかし、これは敵の恥辱改造である。受け入れるわけにはいかなかった。
「まけにゃ、いっ! おまえ、なんかに、まけにゃいぃ……!」
 アビスフラワーは敵である、その義務に似た意識だけで抵抗する。フェラチオを再開し、樹液をごくごくと飲み込む。これだけでは足りない、さらに強く攻撃しようと尻を前後左右に振りながら葉に擦り付けた。もう何が攻撃なのかすら思い出せない。
 長きに渡る性奴隷生活で、アルウェンの快楽の許容量は爆発的に増えている。しかし、それすら叩き折られそうな強い快楽が淫乳から与えられるのだ。あれほど感じていた淫丘は物足りなさすら感じ、股間の両穴が削り取られるほど太い物を入れて欲しいと蠢く。
 家畜淫乳となった胸はおわんの動きなど全く変わっていないに関わらず、母乳の量は少しずつ増えている。肉体は既にこの無常な牛の乳搾りを歓迎しており、奴隷の惰弱な精神など全く意に介さず変化を促進する。
 いつの間にか少女のフェラチオ奉仕は、乳搾り運動にあわせたものになっていた。楽しそうに舌を動かし、もっともっととおねだりしているようにしか見えない。
 手コキをしていた手はいつの間にか離され、口からこぼれた麻薬をたっぷり手に塗りこんで物足りない下腹部に移動していた。膣に、アナルに、それぞれ二本の指を激しく挿入し、それでも搾乳の快楽に及ばずもどかしげだ。
 敵対しているのか隷属しているのか、境目が曖昧になっていく。アビスフラワーを倒したいのか、それともこのままされるがままになりたいのか。それすら分からない。
 おわんから漏れる、甘い乳液が鼻腔を刺す。魔力から変換された母乳は他者に魔力を与える力と同時に、性別の区分なく発情させる力を持っていた。僅かに漂う香りですらこれほどの影響力を持っているのだ。完全に放たれたら想像も付かない。
「っくうぅ……じゅる……うあ、あああぁぁぁっ! っじゅううぅぅ、ひゃあぁ……」
 喘いでは飲み、飲んでは喘ぐ。口の端から大量に樹液を零しながらも、それ以上の量を啜る。無尽蔵の体力を誇る吸血鬼の体すらその法悦に体を焼かれ、顎や舌が上手く動かなくなっていた。
 力をなくし始めた少女の体に気付いたアビスフラワーは、するすると枝を伸ばして後頭部に巻きつき、頭を固定する。こうされてしまえば、少女の口はいくら頑張っても棒を離すことはできないだろう。
 奴隷少女を逃さぬために行ったのか、それとも森のペットの被虐肉体改造を助けているのか。アビスフラワーは語らず、機械的に淡々と嬲り者の少女をよりそうなるように調教し続けた。
 自慰をしていた手すら力を失い、だらんと垂れ下がる。指が引き抜かれた穴はすぐにきゅっと閉じて、いかにそこがメスの器官として優れているかをあらわしていた。
140アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:13:03 ID:ZNr3qPvk
 今更、本当に今更、アルウェンはこの状況が危険であると悟った。これは最早勝負などと言えるものではなく、一方的な蹂躙だ。攻撃をしていた口ですら今は道具として使用されているのだ。
 足を暴れさせてなんとか枷を破壊しようとするが、ただの木で出来た枷はヒビ一つ入らない。いくら脱力しているとはいえ、吸血鬼の力であれば軽々破壊できるはずの物が。
 この枷は特別堅牢に出来ている訳ではない。少し力の強い魔物であれば軽々破壊できる程度のものでしかないのだ。ならば、事実は一つ。アルウェンの力が弱体化してるのだ。
 魔力によって運営される吸血鬼の体に力が入らないと言う事はありえない。いくら魔力が体外に出されていると言っても、それは莫大な魔力の総量から見れば微々たるものでしかない。魔力はまだ有り余っているのだ。
 ならば、理由は一つ。肉体は魔力によって運営され、魔力は精神によって運営される。精神が例え敵であっても反逆する事を良しとせず、淫らなメス犬として傅けと言っているのだ。
 誰かに使われる事に慣れすぎてしまった心は、もうどのような相手であろうと選んではくれない。
 肉体に回す分の魔力があるのであれば、それを全て快楽に回す。たとえその魔力を切ったとしても、母乳生成に影響は出ないだろう。そこまでいじましい性奉仕を、敵である存在にまで見せ付けていた。
 悔しさに目を潤ませて、ならば何とか別の方法でアビスフラワーを倒そうと考える。しかし、その瞬間にアルウェンの脳は漂白されたかのように真っ白になった。
 過剰な麻薬に犯され、あらゆる相手に頭を垂れる事を強要され、快楽を刷り込まれ、精神を破壊する。そのサイクルを幾度も繰り返されたアルウェンの思考回路は、既にあらゆる問題を性行為で解決するように出来ていた。
 ここで振り払ったとしても、また遠くない未来にアビスフラワーにむしゃぶりつきに行くのだ。そして同じ目に合うのだが、かと言っても別の方法など思いつかない。
 昔はどんな戦い方をしていたかと思い出そうとするが、そんな事よりも体と精神を奴隷として熟成させる方が重要だという思考が邪魔をする。なにより、アルウェン自身もその意見に賛成なのだ。労力を使うならば、ご主人様のためになる事を、と。
 牙を引き抜かれて飼いならされた少女に今更出来る事など、考えているふりをして自分を惑わす逃げの一手だけだ。少なくとも納得はしていないのだから、まだ負けたわけではないと。
 アルウェンの攻撃と言う名のご奉仕フェラチオが鈍くなると、それが気に入らなかったのか、後頭部に回されていた触手がぐっと頭を引き寄せた。どろどろの棒はずるりと滑り込み、喉の奥にまでしっかりと進入する。
「ふぐうぅぅ! ゅゃああぁぁ、ふぁあああぁぁ、っぐうぅ!」
 苦痛と快楽が混ぜ合わさった声を上げる。アルウェンの喉は奉仕のために喉奥まで開発されており、苦痛とそれ以上の快感を感じ取れるようになっていた。
 人形のように頭を振り回され、その動きと同時に喉もぽこぽこと収縮を繰り返す。圧倒的な太さに頭蓋骨の隅まで支配され、その雄雄しいリードに逞しさすら感じ、奴隷の喜びを覚える。有無を言わさぬ力強さは、否応にも奴隷の嗜虐精神を突く。
 いままでにないアビスフラワーの強引さに、抵抗しようという思考が急激にしぼんでいく。敵意こそなくならないものの、ご主人様と同じように道具として、メス犬として扱われる事に少なからず心を淫らに潤ませてしまう。
 さらに垂れていた手が拘束され、これでもう自慰すら許されない。一つ不自由になるごとに、一つ抵抗心を奪われる。無理矢理犯されご奉仕することに喜びを感じる少女には、今の状況は待ちに待ったご褒美にも似ていた。
 喉奥から無理矢理流される麻薬は、いつもより濃く感じられる。また、遥かに早いペースで体に吸収され、精神と肉体の改革を早めていく。
 ひゅっ、ひゅっ、と呼吸すらままならなくなり、意思に霞がかかる。意識を元として動かなくなった体は、無意識に慣れた状態を再現、つまりご主人様にするような献身を心身に再現した。アルウェンの瞳からは敵意が薄れ、茫洋とした濡れた瞳が顔を見せる。
 股間にあった枝がアビスフラワーに沈んでいき、淫猥なメスの中心を刺激するものがなくなった。それでも振られる尻はオスを楽しませ、時折くぱぁと開く女陰とアナルからは粘液とフェロモンの強い雌臭が漂う。
 棒を労わりながら刺激する口淫は樹液を一滴も逃すまいと強く吸い付き、下半身の快楽がなくなった分、胸の搾乳に意識を集中。白濁液が吹かれるたびに、意識もその白で染め上げた。
141アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:13:52 ID:ZNr3qPvk
 しかし、母乳改造もまだ完全ではないのか、最初に比べ明らかに勢いが衰えている。魔力量を考えれば常に射乳し続けても問題ないのだ。
 おわんの内側から半透明の筒が現れて、そっと乳首を摘む。触れているのかどうかすら分からない、性的な刺激というにはあまりに弱弱しい接触。乳搾りはおろか、喉奥レイプに比べてすら及ばない。
 しかし、その行為の真価は直後にやってきた。
「んぐ! んうううぅぅぅ!」
 あまりに突然の出来事に、アルウェンは目を白黒させる。びくんびくんと体が跳ねて、現状に理解が追いつかない。そして次に、焦りと混乱が襲い掛かってきた。
 少女を焦燥させた原因、それは乳首での連続絶頂、つまり射乳が強制的に止められていたからだ。牛の乳搾りはそのままに快楽の度合いも変わらないのに、無理矢理出口を縛られているわけでもないのに母乳が出ない。
 おわんがぐにぐにと淫乳を攻め立てる度に、胸をかき回されるような感覚。行き場のなくなった母乳が内側から圧迫し、未知の快楽を呼び覚ます。
「んあ、ぐぇっ! っぷううぅ、へえぇ! こえあ……な、にぃ!」
 その鋭い刺激は脳にまで届き、おぼろげだった少女の意識を取り戻させる。
「くぅ、っあ! っつうううぅぅぅ!」
 しかし、それはよい事ではなかった。少女の敵意が快楽に押し流されようとしていたから。
 奴隷として過ごしてきた期間に行った性行為は全て、嬲り者にされる、だったのだ。当然持ちうる性技を駆使して奉仕をしてはいたのだが、使われる存在であったのに代わりはない。同時に己を弄ぶ者に深い忠誠を誓うように精神調教されていた。
 いままで幾度敗北してもアビスフラワーに屈服しなかった最大の理由、それはアルウェンに対し受動的な姿勢を崩さなかった事だ。結果、快楽は彼女の予想の粋を出ず、組み伏せられる充実感を味わう事はなかった。
 しかし、今のアビスフラワーは能動的に責めている。森に住む魔物に比べれば温さすら感じる程度の行為だったが、犯されているという状態に僅かならず屈服と隷属の嘉悦を覚えてしまう。
 それがないからこそ敵意を保ち続けられたのだが、今その根元の部分を掘り返されているのだ。
 怨敵に負けるわけにはいかないという意識はいまだあるが、それ以上に敵に這い蹲らされ惨めに喘ぎ声を上げさせられるのはどれほど屈辱的なのかと考え、それに背筋を震わせてしまう。
「んぐっ、ひゃめ……もう、ぢゅぶうぅ! んんっ、ひゃめ、へ……んああぁぁん!」
 自分の精神が折れそうになっているのを知り、惨めに哀願する視線を向けるアルウェン。しかしそれは、口奥まで擬似男根を押し込まれて中断させられた。
 強制フェラチオに反射的に舌を纏わせ、同時に喉を締め付ける。強引な手法に、しかし少女の体は反射にまで高まった奉仕を実行する。
 ぶちゅぶちゅと音を立てて口の中を犯される。そこにいたわりなどあるわけもなく、機械的で強制的。アルウェンのささやかな抵抗を叩き伏せるのに十分すぎる効果があった。
 顔を粘液と唾液で穢した少女の顔は喜びに満ちており、まるで今日この瞬間を待ちわびていたようにすら見える。あるいは、二者の関係はずっと以前から主従関係があり、またいつものように楽しんでいるだけにも。
 下半身は放置され射乳も禁じられれば絶頂できるはずもなく、欲求が湖のように溜まっていく。そのもどかしさすらも嗜虐心を煽り、さらに心の天秤が傾いてしまう。早くイかせてほしい体は精神の楔を破壊し、媚びるようなフェラチオと視線を敵に送った。
 ください、くださいとねだる様な性奴隷のフェラチオに、アルウェンは悲鳴を上げそうになる。ぐちゅぐちゅと鼓膜を刺す淫音が、少女のささやかなプライドを刺激してやまないのだ。
 これはちがうと心の中で唱えながら、悪魔の薬物に舌鼓を打つ。ちゅーちゅー吸いながら喉にねっとり張り付き、犯されていると言う実感を強制的に覚えさせられた。
 このままではイけない。負けたくない。もっと犯して欲しい。この敵を倒したい。様々な感情が脳裏を横切り、なんとか現状を打開しようとした。しかし結果は出ずに、結局されるがまま犯される。
 いや、性行為でしか戦うことができなくなっている少女は、悩んだふりをしていた。飼いならされて自分の意思を剥奪された少女には、もう自分の行動を決定する能力を著しく欠いている。あとはされるがままになるだけか。もしくは。
 ――どうやって敗北の妥協をするかだ。
 もどかしさばかりが募る快楽拷問の時間は、急に終わりを告げた。手足と後頭部を拘束していた枷がゆっくりとアビスフラワーの中に戻っていき、口から棒も抜き取られる。乳房を包むおわんも脈動をやめていた。
142アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:14:15 ID:ZNr3qPvk
 アルウェンは暫く現状が理解できずにただ呆け、やがて今日はもう終わりだと言う事に気づくと愕然とした。達する事を許されず体の内に蓄積され続けた熱は、いままでの悦楽を絶望的なものに変える。
 いち早く自由になった手を使って、まだおわんの取れていない自分の胸を揉みしだく。植物とは思えない柔らかさを持つそれの上からならば十分な刺激を得られたが、やはり乳射はできずさらに熱と絶望を帯びるだけだった。
 背筋に貫く快楽と共に、恐怖の寒気が走った。最悪の場合、これは次にここに来るまで治らない。いや、もしかしたら次でも駄目かもしれない。この状態で一人の時に官能に熱が入ってしまったら、あとは狂うまで淫熱に踊るしかないだろう。
 アビスフラワーからしてみれば、急ぐ理由などないのだ。時間は無限に等しく、例え数十年かかろうが困る事はない。いや、己の魔力があればアルウェンを逃した所で問題はないのだ。
 魔花の勢力は日に日に拡大を続けている。少女が森の礎とならずとも魔物たちの力は少しずつ増していくだろうし、浮遊大陸を全て自分で覆ってしまうのもそう遠い未来ではない。一人の、いや、一匹の家畜吸血鬼など時間が僅かに早くなるかどうかの違いしかない。
 仮に強大な力を持つ少女が逃げ、正気を取り戻し挑んできたとしても、やはり問題はなかった。麻薬と調教により精神を犯されつくした女など、僅かなきっかけでまた坂を転げ落ちるだろう。既に奉仕する事こそが己の喜びだと信じて疑わないのだから。
 尤も、仮に抜け出せたとしても他の誰かに鎖を繋がれる可能性の方が高いのだが。なんにしろ、アビスフラワーにとって最低限必要な、脅威の無力化にはもうとっくに成功しているのだ。
 アルウェンが壊れようが逃げようが大した問題ではない。そう思っているアビスフラワーに気付かずに、少女は焦りを募らせた。
 既にアビスフラワーに勝とうなどという考えは湧いてこない。今はただ、どうすれば自分の感情に折り合いをつけつつ調教を続けてもらえるのか、そればかりを考えている。
 薬物と快楽により鈍った思考からは考えられないほど高速で頭を回転させ、自分を妥協させるに足る理由を探し出す。己の欲望の為に全盛期の思考能力を取り戻した脳は、すぐにその結果を導き出した。
「わ、私の負けだ。だから、その、私を……、敗者として、嬲って……くれ」
 アルウェンの顔色が真っ青になる。アビスフラワーと戦って始めての、いや、人生で始めての敗北宣言。彼女の正常な部分が、自分は取り返しの付かない事をしてしまったのだと自覚させた。
 一瞬、アビスフラワーの動きがぴたりと止まる。しかし、再び撤収を始める姿にアルウェンの後悔は吹き飛んだ。
「お、犯してください! 敗者に相応しく惨めで無様に鳴かせて、私をメス犬に相応しい淫らではしたない姿にしてください、お願いします……!」
 自分が何を言っているかも理解できず、口から紡がれるのは勝者の気を引くための媚びた言葉。それらを脳裏に浮かぶままに羅列し、誇りなど欠片も見当たらない瞳で哀願した。
 言葉が通じたのか、または通じてないのか。アビスフラワーの姿からは分からない。しかし、少なくとも少女の懇願する姿からまた一つ精神が犯されたのは理解できたのだろう。
 閉じかけていた足の枷は再び閉じられ、正面から細い一本の蔦が伸びる。蔦は首輪に絡みつき、少女の飼い主であるかのように見えた。首元から伸びるそれはとても儚く、人間の子供の手ですら軽く引きちぎれる程度のもの。しかしアルウェンにはもうそれを壊す事はできない。
 手枷は幹に沈んでいくが、かわりに床が盛り上がり二つの輪が現れる。そこに手を置けと言う事だろう。一瞬、まだアビスフラワーに勝とうという少女の精神が手を止めさせたが、それも胸の熱が脳を刺激すると淘汰され、手を床に置いた。
 四足で立ち首輪で繋がれるその姿は、まさしく飼われる者の姿だ。屈辱的であるその姿に、アルウェンは快楽とは別の熱で胸を熱くした。
 少女の眼前に蕾が出てきて、それはすぐに花を咲かせた。ぶわり、と視界が黄色くなるほど濃い花粉を舞わせる。鼻腔の奥までたっぷりと人を狂わせる魔粉を吸い込み、体の隅々まで敗北の烙印を充実させる。
 ただの一吸いで少女の瞳から光が消え、犬のように舌を出しながら深くゆっくりとした呼吸を繰り返す。花の中心に舌を差し出して、子犬がミルクを啜る様にぴちゃぴちゃと舐めだした。
 美しい深紫色の髪に黄色の粉が付く事も気にせずに、一心不乱にすすり続ける。
「んあ、ぺちゃ……ぴちゃ。んん……すごい、な。ぺちゃ……ぺちゃ」
 顔に喜びの表情を貼り付けたまま、屈辱の行為に身を沈めた。花粉の効力は樹液とそう大差ないものだったが、その効果は桁違いだ。
143アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:14:38 ID:ZNr3qPvk
 アビスフラワーに敗北を認めたアルウェンは、どこか心の中で受け入れてはいけないと思っていたそれを、今は完全に容認している。もはや薬の効果を阻害するものはなく、それが今の差に繋がっていた。
 そして、同時に自覚する。敗北とはかくも屈辱的で、気持ちのいいものだと。
 こうして無理矢理屈服させられる、強制的に飼いならされる快楽は、今までにないものだった。屈辱の嘉悦に味を占めた少女は、さらに自らを貶めるべく舌の動きを早くする。同時に恥丘とアナルがくぱりと開き、だらだらと淫蜜を垂れ流す。
 未だに絶頂するような刺激は与えられていないのに、陰部から一際激しくぴゅくぴゅくと白濁液が爆ぜて地に落ちる。これだけで達する事のできる敗北という甘美な毒は、もう手放せるものではなくなっていた。
 追い討ちをかけるように、乳房を柔らかく包むおわんの上から数十本の針が刺される。ゴムのような質感を持つおわんは、穴が開いてもささやかな乳房を包み続けた。
 小さな淫乳に大量の薬液が注入され、胸裏でぐるぐると渦巻く。まるで柔肉をかき回して、極上の淫肉に作り変えられるような感覚。いつのまにか平均以下だった胸は一回り大きくなり、掌で包めるほどにその存在感を増していた。
 特に小さく、しかし強く自己主張をする乳首には念入りに薬液が注がれ、さらにおわんの中心部分からも柔らかい糸が逆流して進入、内側から改造すると言う徹底ぶりだ。姿形は変わりないものの、そよ風の刺激すらなくとも快楽を感じられるようになっている。
 薬液を注入し終えると、針は媚肉を傷つけぬようゆっくりと引き抜かれる。細い針が引き抜かれた後には傷跡すら見えず、改造行為が行われた証は淫らに膨らんだ乳房だけだ。
 メス牛改造が終わる頃と同じくして、花の中心から雄しべが出てくる。樹液と花粉の混合物が出てくるそれを、口に含んで舌を転がした。
 行為こそ今までと同じだったが、その精神は全く違う。敵愾心でも無意識でもなく、ただ敗者の仕打ちとして当然の奉仕行為。自他にそれを認めさせる羞恥刑罰。尊厳を踏みにじられ全ての要求に諾々と従うしかないその姿は、まさに敗者に相応しいものだった。
 おわんが程よい大きさになった淫乳を根元から締め付け、乳首を吸いながらぎゅっと下に締め付ける。いともあっさりと母乳が噴射され、少女をかつてないほどの高みへと追いやる。
 今までとは比べ物にならないほどの量と勢いの乳射は、おわんの内側を一瞬で白く染め上げるほどだった。母乳の量に比例して高まった絶頂快楽に、アルウェンは思わず目を見開いた。体全体が痙攣し意識を別世界へと連れ去っていく。
「んんっ――! んんん〜〜〜〜〜!!」
 その刺激たるや、もはや性器を超えていた。これを味わえるならば何でもすると思えるほどで、陶酔感も追いつかない連続乳搾りに酔い浸る。
 淫らに作り変えられた乳房から白濁液を垂れ流し、その刺激に逆らわない。陰部はぱっくりと開ききり、犬の尻尾のように左右に振られて淫液をあたりに撒き散らす。当然ご奉仕フェラチオも続け、その表情は従順さを演出する媚びた色をしている。
 理性などどこかに忘れてしまったかのような姿からは、かつて彼女は誇り高い吸血鬼の真祖であったなど誰も予想できないだろう。標的を一瞬で絶命せしめていた牙はもうなく、狩りを忘れて餌をねだる惨めな飼い犬。
「んぢゅぅ、じゅううううぅぅぅーーー! ん、もっほぉ、もっとしぼってぇ!」
 搾乳調教に絶頂し続ける。胸が母性の表れであった事も忘れ、ただ搾取される快楽を刻み込まれる作業。魔力を快楽と共に奪われても、僅かも拒否感を感じられなかった。欲望と献身のままに吼え地に伏せる姿は、獣以外の何者でもない。
 口を動かせば樹液を飲み、呼吸をすれば花粉を吸う。舌を動かす、息を吸う、ただそれだけで快楽を感じるように、そういう生き物にすらなりつつあった。
 乳房の根元付近にまた大量の針が刺される。今度は搾乳行為を続けたままで。
 薬液を注入されながらの家畜搾乳は、また格別だった。絶頂の空白すら越えて、頭の中が白と黒で点滅を繰り返す。次々にアルウェンの中身が壊れていった。
 少し記憶を失う。乳射する。言葉を忘れそうになる。奉仕する。魔力を取り戻さなければいけない事を忘れる。乳射する、絶頂する。自分が吸血鬼であった事を忘れる。奉仕する、絶頂する。
 もう何がなんだかわからない。乳射する。奉仕する。絶頂する。下半身が疼く。尻を振る。誘う。おねだりする。搾乳していただく。奉仕させていただく。絶頂させていただく。調教していただく。飼っていただく。ご寵愛をいただく。
144アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END:2010/04/22(木) 22:14:58 ID:ZNr3qPvk
 自分は森の全ての性奴隷である事を刻み込み、過去の全てを消し去っていただき、変態ペットとして精神と肉体を全て作り変えていただき、どうか、新たな自分に生まれ変わるように――
 そして、アルウェンは意識を失った。



 アルウェンが目を覚ました時、それはすがすがしい気分だった。もし今生の内に生まれ変わる事ができたのなら、こういう気分なのかもしれない、と考える。
 あたりを見回すと、そこはアビスフラワーの根元だった。いつもは森のどこかで起きていたのだから、今回もそうだと思っていたのだが。
 ふと魔花を仰ぐと、その存在はとても雄大に感じられた。つい先ほどまではあれほど禍々しく思っていたのに。その雄大さは、先ほどまでの夢のような調教を肯定しているようで、なんとなく嬉しくなった。
 胸を見下ろせば、人並み程度に膨らんだ形のいい乳房。じんじんする胸はとても窮屈で、ただそこにあるだけで絶頂してしまいそうなほど感度がいい。
「ああぁっ! っぁ、あああぁぁぁぁ、っひいいぃぃぃ!」
 ためしに自分で触れてみれば、桁違いの快楽が生まれるものの絶頂も乳射もない。しかし、これでいいとアルウェンは思う。己がはしたない生き物で、すぐに自分を慰めて達してしまう浅ましさを自覚していたのだから。
 生まれるもどかしさに満足しつつ深く感謝し、アビスフラワーを見る。
「……また、戦いに、来ます」
 ご主人様に窺うような、丁寧な言葉遣い。もう乱暴な口など聞けるはずがなかった。
 もう次は勝つ、などという大口は叩けない。それにもう勝つ気などないのだから。戦うだけ。戦って負けるだけ。戦って負けて、また調教していただくだけ。ただ、敗北の悦楽を味わいたいのだ。
 アルウェンはすくりと立ち上がり、アビスフラワーにお辞儀をする。
「また戦って負けますので、その時に哀れなメス犬を調教してくださぁい」
 淫靡に濡れた瞳で、お願いをする少女。その顔に、かつての面影はなかった。そして、待たせてしまっているご主人様に犯していただくため、期待に股を濡らしながら森の深みへと消えていく。
 真に雌奴隷として完成されつつある姿に、アルウェンの個性など一体どれほど意味があるだろう。どちらにしろ、その問いになど意味はないのだが。
 そのメスが自分の名前すら思い出せなくなるのは、そう遠い未来の話ではないのだから。
145変態:2010/04/22(木) 22:18:51 ID:ZNr3qPvk
以上です。
本当はもうちょい前に完成していたのですが、規制に巻き込まれて投稿不可能に。DION軍は地獄だぜ。
正直今回のエロの出来は微妙だと思います。やっぱりフェラとか搾乳とか好きなシチュじゃなかったからだろうか。
でも、やっぱりそこらへんは自重しないと凄い事になるんですよね。処女のままアナル苛めたり、鏡で見せながらアナル観賞させたり、イかせまくりアナルにしたり。
あれ、全部お尻になってしまった。
146名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 22:22:38 ID:LVitntYH
  i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
  |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |     < 「とりあえず保守の流れにのっておくか
  fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人.    |  と思って保守したら直後に投下されていた」
 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ   | 催眠術だとか超スピードだとか
  ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉.   | そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

ちょうおつですん。っていうか名前が変態になってるしwwうp主はジオン軍だったのか。おぉ同士よ・・・

快楽に溺れて敵に負けに行くというシチュエーションは大好物なのでペロリでした
またいつかの投下を心待ちにしつつもう一度熟読してきますん
147名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 23:27:59 ID:wOozjsKy
うp乙……今度からは変態氏って呼んだほうがいいのかw?

ヤバい、こういうシチュは興奮し過ぎて大好き。ただうp主も言ってる通り本番描写が
少な目で泣いた。でも超興奮した

しかし相変わらずうp主とは好みが合いそうだ。クォリティ高いし。小スカがちゃっかり入ってていいわw
BADENDだけなら大スカあっても余裕だけど、人を選ぶしねぇ

次回もまっとります
148名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 10:39:29 ID:M8pPaK2J
投下きてるじゃないか乙っと。アビス花よりコボルトの再調教のほうが興味あったのは内緒。次の投下もまってるよ

>>147
二次元は許容だけど三次元なら氏ねばいいのにですね、わかりません
149名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 01:36:11 ID:n3IEQVex
 そこはカオスの流れが集中する場所だった。偉大なる王、クーブラ・カーンが築いた聖なる洞窟は今は魔王ガルシスの住み処となり、暗黒界のカオスで満ちていた。
このガルシスの負の波動により男達は欲望で溢れ姦淫に染まっていた。うら若く清い乙女、貞淑な人妻、まだ未発達な躰の少女、たとえそれが自分の娘であっても女であれば犯された。
かつての美しく平和だったXANADUを取り戻すため、啓示によって選ばれた若者をガルシス討伐に送り出したのだった。

 魔王ガルシスを打ち倒すために選ばれた勇者はあと一歩のところまで来ていた。かつてガルシスに奪い去られたレビック、クォージィ、タイタン、サグリュイレスの4つのクラウンを手にし、
ガルシスを打ち倒すため伝説の剣ドラゴンスレイヤーを手に入れるためにLevel10に来ていた。

 ああ、なんたる不運であろうか。それとも、それすらもガルシスの思惑の内であったのか。この暗黒界のカオスで溢れる洞窟内で美しい妖精であるシルフに出会ってしまったことは。
ガルシスの負の波動を浴び続けてきた勇者は溢れてくるどす黒い衝動を抑えることができず妖精達に襲いかかっていった。
「いやああああああぁぁぁっっ、やめてっ、お願いだからやめてぇ!」
シルフを無理矢理押し倒し、先走り汁の迸る剛直を未だ男を知らない乙女の秘所に押しつけ、ねじ込んでいった。
「あぐぅぅっ!っ、痛い!痛い!やめてっ!」
処女であるうえに濡れていない膣を慈悲のかけらもなく剛直で犯されるシルフは痛みを訴え、残りのシルフ達は仲間を助けようと抵抗するが数多の魔物を打ち倒してきた勇者にとっては己の嗜虐心を高ぶらせるだけだった。
「あっ…あっ…あぐぅっ…あっ…あっ…ひぐぅ…」
勇者はシルフ達の抵抗を無視して人形のように扱い腰の動きを速めていった。
シルフの躰を貪り続けていた勇者は終わりの時が近づいてきたことをシルフの耳元で囁くとシルフはそれまで以上に激しく抵抗してきた。
「いやっ!中はいやっ、妊娠いやなのっ!赤ちゃんできちゃう!」
欲望に染まった勇者に慈悲の心は無く、シルフの抵抗を押さえつけ勇者は欲望の迸りを妖精の子宮に叩きつけた。
「 ぁ… 出てる…、 赤ちゃんできちゃった…   」
欲望の塊を躰の奥の部屋に植え付けられたシルフは心が折れ、人形のようにぐったりとした。
勇者はそんなシルフを捨て置き、次の獲物へと襲いかかっていった。

 ことの起こりは混沌たる流れにあり。そのものに善悪の概念なくただ性欲、溢れるのみ。性欲は命果てるまで尽きず、創生の源として妖精達の子宮へ注がれていった。
150名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 01:39:18 ID:n3IEQVex
エロって難しいね。
書いているうちに賢者タイムに突入して文がどんどん短くなる。
151名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 14:38:19 ID:FB79dPSo
レンちゃんの軟らかいウンチを全身に塗り込みたい
152名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 00:30:02 ID:h1U6b4lT
エリィちゃんのクッサイうんち、食べる。
153名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 23:06:37 ID:SQleZOxB
ピンキィスターにエロスを刺激されますね
154名無しさん@ピンキー:2010/05/21(金) 05:24:34 ID:0T0jBVre
クローゼちゃんとシェラ姉の混ぜ大便、喰うぜ。
155名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 07:08:16 ID:bxBlcdBZ
今日は5/22
おにんにんの日です
156名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 00:11:34 ID:wxTFPRu/
クローゼちゃんの極上一本ウンコ、かじる。
157名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 10:10:37 ID:l8A8+d6R
クローゼちゃんの極上一本ウンコ、舐る。
158名無しさん@ピンキー:2010/05/28(金) 01:15:01 ID:2+g9K2Rt
リラちゃんのスパイシー・ウンコドッグ、ゆく。
159名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 00:27:15 ID:uJjjfYAd
レンちゃんの太くて臭いウンチを喰いたい
160名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 01:07:13 ID:NWYOCCIz
ティオちゃんの太くて旨いウンチを喰いたい
161名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 23:14:52 ID:AkCXP/1z
久しぶりに保守
162名無しさん@ピンキー:2010/06/13(日) 05:12:00 ID:bSPHl4Zu
レンちゃんの太くて長いウンチを喰いたい
163名無しさん@ピンキー:2010/06/14(月) 03:11:40 ID:k3oh52Pf
クローゼちゃんの太くて硬いウンチを喰いたい
164名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 00:34:58 ID:9Q47jfki
クローゼちゃんの太くて苦いウンチを喰いたい
165名無しさん@ピンキー:2010/06/22(火) 12:03:28 ID:2dRWs+fm
クローゼちゃんの太くて軟いウンチを喰いたい
166名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 20:40:34 ID:e6fXmnCB
久しぶりの保守
167名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 21:09:02 ID:IcVvNoid
久々の保守
168ザキラ:2010/07/31(土) 04:36:12 ID:pmB9h6we
ラグナ×ミアキボンヌ
169名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 12:30:34 ID:UYQW8UDo
リラちゃんの太くてヤバいウンチを喰いたい
170名無しさん@ピンキー:2010/08/26(木) 02:14:46 ID:SqmWlVy2
ほしゅ
171名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 22:41:59 ID:nCPnGC7Q
保守
172名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 20:28:29 ID:eRMxHzqM
ほっしゅっしゅ
173名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 06:44:36 ID:xaJjN0qu
ほす
174名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 22:38:13 ID:/OQfhOG1
保守
175名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 06:33:39 ID:viv6Rhwu
ほっほす
176名無しさん@ピンキー:2010/09/19(日) 21:15:55 ID:wwNIzCTT
零の軌跡に期待だな

特にエリィの巨乳に・・・
177名無しさん@ピンキー:2010/09/27(月) 18:51:16 ID:32VGZ2BA
h
178名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 21:14:06 ID:AXaVT+yJ
エリィ……
179名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 22:01:54 ID:Z45j81rB
ドギ……
180名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 22:19:05 ID:D6CAJ90p
ドギ……
181名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 22:25:15 ID:DZpEXI9l
ドギ……
182名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 22:33:16 ID:2bTgv8I2
ドギ‥‥
183名無しさん@ピンキー:2010/09/28(火) 23:08:58 ID:4PsyxKBj
クローゼの清楚な大便を喰らう。
184名無しさん@ピンキー:2010/09/29(水) 17:32:10 ID:xbRcrojO
確かにエリィの乳は鷲掴みしたくなるよね
185名無しさん@ピンキー:2010/09/29(水) 21:59:19 ID:b2NWJ8je
ドギ…
186名無しさん@ピンキー:2010/10/01(金) 00:16:59 ID:ZAO/CtsS
ドギ…
187名無しさん@ピンキー:2010/10/01(金) 00:38:01 ID:xqIu3wKC
ドギ…
188名無しさん@ピンキー:2010/10/01(金) 20:11:06 ID:xqIu3wKC
ドギー
189名無しさん@ピンキー:2010/10/02(土) 10:16:28 ID:ZO60j6Yr
ドギッ
190名無しさん@ピンキー:2010/10/02(土) 22:22:55 ID:z0IUteQS
おまえがドギの婿ってのは理解した
191名無しさん@ピンキー:2010/10/02(土) 23:43:10 ID:1IUCalVJ
ロイドって絶対セシルに童貞奪われてるよね、
お兄さん死んだ後でセシルが寂しさに耐えられず、面影と温もりを求めて押し倒してきた感じで

しかしティオのやられ声が色気あり過ぎて困る
あの声だけなら十分に大人のオンナだ
192名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 05:51:49 ID:GZYHopqo
違うよセシル姉は天然だから
ロイドに性的刺激を与えてしまっていることすら気づいてないんだよ
でもセシル姉には幸せになって欲しいロイドの姉さん女房になってほしい
193名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 01:49:36 ID:4iEWQoto
ティオすけ拉致って拷問にかけたい…
194名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 02:05:43 ID:lY1LhDw0
ブルブランはぁはぁ
195名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 14:04:42 ID:sBzSsYWC
>>193
ちょっとだけ分かるw
拘束してマイク向けてお尻全力でつねって出てきた声を録音したい
196名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 23:18:09 ID:4iEWQoto
序盤は敵がマフィア見たいだし、
見せしめ展開多いにアリやで
197名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 08:59:59 ID:NMdGCan9
マフィア
チンピラ
腐った政治家
警察上層
わんこ

今回は本当相手に困らないな
支援要請で署の男子便所に設置されるエリィとティオすけ美味しいです
198名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 13:15:43 ID:PclE47AX
俺としては、姉・お嬢をおいといて
ロイド&リーシャで一発だな
199名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 21:40:48 ID:POFSg8ha
フラン×ノエルでどうよ
200名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 22:30:23 ID:YGAzIr64
リースちゃんのウンコ、200ばかり。
201名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 20:24:23 ID:tn8vl1Ga
誰かヨシュアとエステル頼む
202名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 13:32:57 ID:PNvf6e2f
ヨシュエスならここに色々あるだろ・・・

ttp://sslibrary.gozaru.jp/
203名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 16:00:00 ID:aQjaFsp9
>>202
ここ以外でないかな
204名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 17:13:51 ID:Yz8sNZyR
リースちゃんの程良い硬さのウンチッチ、いっぱい食べる。
205名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 22:31:42 ID:tuNsvGIk
ランティオが俺の脳にクリティカルヒットしたぜ
子ども扱いを嫌がるティオの妄想でご飯三杯いけます
206名無しさん@ピンキー:2010/10/10(日) 04:53:26 ID:oTv9vcQP
練習後の汗びちょの肉体でレズ行為に耽るイリアさんとリーシャが美しい
207名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 04:35:49 ID:pnDFRMAZ
エリィ
リーシャ
208名無しさん@ピンキー:2010/10/14(木) 21:26:50 ID:2dv5GWxe
流されるままいろんな女性と関係を持ってしまい、
気がつけばハーレムを形成しているロイドw

しかし、「身分違いの恋」ってどういうことやねん!w
クロスベルて身分制度あんの?w
209名無しさん@ピンキー:2010/10/14(木) 22:17:52 ID:MxGkCyyl
エリィお嬢様だし
210名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 01:08:59 ID:9dsm9LRT
そういう設定の演技だろアホ
211名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 02:33:38 ID:oH1Mnr+L
ロイドとエリィじゃ身分は違う
別に国に身分制度が無きゃ身分違いが成り立たないわけではないでしょう
212名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 09:20:59 ID:EdIOLf/6
現代日本でも大企業の社長の一人娘とニートヲタ青年とかなら身分違いだろ
213名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 10:31:01 ID:XP7fxAOw
>>210
ティオが世慣れぬ兄妹だからそういうことだろうね。
214名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 13:59:46 ID:VqtZsfzh
まあエリィはクローゼ程の超VIPってわけでもないから十分望みはある。
215名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 15:41:10 ID:WHdOj0OO
名家ではあるが中立派で政治的なしがらみとは割と無関係っぽいしな。
身内も気さくな爺様ひとりだしそのあたりは大して問題にならないと思う。
216名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 17:14:55 ID:eUC+Zrzx
一応両親も健在だが
今となっては散々言われてたヘイワース夫妻より余程酷いな
217名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 17:18:33 ID:oH1Mnr+L
借金を抱え売られるエリィ
218名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 20:13:44 ID:EdIOLf/6
ノエルとフランで借金姉妹
219名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 09:18:41 ID:8+AODmEw
>>216
星の扉15でレンがあのまま両親ぶっ殺してたら救い無くて面白かったのに。
220名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 14:06:15 ID:7oiHxEqx
SCから数日後、とりあえず一緒に寝るまで進展したエスヨシュ

しかし一向に触れてこないヨシュに悶々としたエスはある日とうとう泣き出す

初ベロチュ、πタッチ、手万でイかせて終了

後日、何故かタオルが敷いてある。手万でいかせたあと朦朧としたエスをやさしくいじり続けて放尿

数日後、朦朧としたエスにやっぱり室内放尿はマズイと諭し、全裸のまま庭に連れ出していじり、放尿。ここらへんから恥の概念が薄れる。

さりげなーく暗示をかけて放尿に制限をかけて自分だけでは放尿ができなくなる。

任務中草むらで初いじり放尿。オンオフが極端だったのが徐々に崩れ始める。それでも人前では快活なエス。

室内。下が緩くなってきたのを理由にオムツを提案。エスに判断能力なし。オフ時夜にお漏らしプレイが追加。以下赤ちゃんプレイ。

後日、おむつ替え時にさりげなく間違えてアナルいじり。エス朦朧としながらもそこ違うとさすがに拒否。

数日後、とうとうなにも言わずに受け入れる。便秘に指があたりエス泣き出す。解消の名目で浣腸提案。

後日、たまたま先にエス帰宅。目に入った浣腸でスイッチが入り、クリムゾン状態で浣腸実行。ヨシュ何も言わずいじり倒す。

バイブがあるかはわからないのでパールで。クリをブーストにしてパールでフィニッシュ。改めて書くが赤ちゃんプレイ。

そういえばあたしヨシュになにもしてない。おしゃぶりさせるかは考え中。とりあえず完
221名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 14:07:26 ID:7oiHxEqx
ここまで練ったけど文章が打つやる気がおきない
222名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 15:53:09 ID:BcW9KiL3
ロイドの童貞を天然セシル姉が本気で心配する
「女性のコトをちゃんと知っておかなければ女性を心から助けることは出来ない」
と諭して寝室に寝かせたロイドの上にフワリと覆い被さってキスから最後まで教えるセシル姉
その際にロイドからセシル姉に告白して純愛子作りセックスへ

ちょっと無理かなあ
ロイドにもセシル姉にも幸せになって欲しいんだよなあ
俺は無理矢理強姦とか異物挿入とか大嫌い
とろけるような相思相愛の純愛セックスが読みたいのです
223名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 16:43:43 ID:PHAIg02L
ブログに書けカス
224名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 20:48:27 ID:tSfTlrd/
エリィとティオはすでにランディに喰われてます。
225名無しさん@ピンキー:2010/10/20(水) 23:20:05 ID:jJMYkFjx
ロイド無双はじまる
226名無しさん@ピンキー:2010/10/20(水) 23:22:08 ID:jJMYkFjx
にぶいところも昔とぜんぜん変わらないから油断してたみたい・・・
私のスロット、二つとも開封されちゃった。(GENTEN 技術者)

彼のエニグマ、カバーがなかったから、私ので包んであげたら、
勢いよくハイドロカノンが発動しちゃいました。
そのまま全身にアラウンドノアも♪ (GENTEN 店員)

しえんかのおにいさまはとてもやさしいおかたなの。
おとうさまがいなくてさみしいとき、わたくしをあやしてくださるの。
こ、このまえもうらのかだんで…/// (住宅街 某宅の少女) 

あのヒト、食事のたびにデザートを食べてくんだ。
それもたっぷり時間をかけて、よく味わって(ぽっ)。
お父さんにばれたら殺されちゃうかもね♪ (龍老飯店 看板娘)

ヴァルドに勝っちゃうくらいつよいのに、わたしがのっかると、
すごくカワイイ声だすの。クスクス…ひみつだよ。 (旧市街 少女)

すっげーぞ、ウチのどの銃より太いぞ。かあちゃんもいってたけど
「ぜつりん」っていうらしーな。
おれがきぜつするまではなしてくんねーもん。 (ナインヴァリ 留守番娘)

甘そうなツラして、なかなかどうしてあいつはたいしたもんだねエ。
久々に男のなかの“獣”ってやつを見せてもらったよ。 (ナインヴァリ 店主)

彼、あまり酔わせるものじゃないね。僕はべつにそんな気じゃなかったんだけど…フフッ、
あの目は危険だ。ステキな夜だったよ。 (テスタメンツ ???)

お兄たんをいっしょにさがしてくれたの。おんぶしてくれたの。
だっこもしてくれたの。じゅーすもかってくれたの。
でもそのあとのことおぼえてないの。 (東通り 幼女)
227名無しさん@ピンキー:2010/10/20(水) 23:42:46 ID:jJMYkFjx
ツキの欠片も見えなかったあのお客様が、私をご所望した数字…
そこに無意識に落としてしまうなんて。
彼の魔性は私の腕では避けられないようですわ。 (カジノハウス ディーラー)

魔獣との戦いで重傷を負ってたのに、注射にいくたびに逆に
「お注射」されちゃった♪ (ウルスラ病院 看護師三人組)

ん〜おかしいな〜。あの患者さんの検温にいったはずなのに〜…
いつも検温につかう体温計がすごく大きくなっちゃってるんですよね〜。
それも計ってるのは私だし〜。おかしいなあ。 (ウルスラ病院 看護師S)

若いってのはいいねえ。昔を思い出しちまったよ! (ウルスラ病院 看護師長)

背後からのタイガーチャージ、下からのライジングサン…。
何回稽古してもらっても耐えられません。もっと精進しなくっちゃ。 
(タングラム門警備隊 軍曹)

お姉ちゃんが毎晩お世話になってるから、私もお稽古つけてもらいました。
彼のトンファーも最初は怖かったけど、今ではすごくかわいくてお気に入りです♪ (クロスベル警察本部 受付嬢)

ほんとに気に喰わないヤツ!俺を女だって認めさせるために、あ、あんなことまでしたのに、
いまだにやんちゃ扱いしやがって。俺だっていつかは、イリアさんみたいに…。 (アルカンシエル 下働き)

リュウくんみたいにげんきになれるおまじないをしてもらったの。
あんなにはずかしいかっこうで、おっきなこえがでちゃうなんて…。
おまじない、もっとしてほしいな。(タリーズ商店 少女)

ああ女神様、お許しください。今晩もまた、昔の教え子の夜這いを受け入れてしまう私を…。(クロスベル大聖堂 シスター)

フッ、フフ、負けませんわ。エリィにかかる前に、あの牙、毒を抜ききって差し上げてよ。
昨晩は私が先に落ちましたけど、今日こそは!(IBC 令嬢)
228名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 13:16:56 ID:TsIICo+r
ロwwwwwwwwwイwwwwwwwwwwwwドwwwwwwwwwwww
229名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 13:39:31 ID:WRHEgZel
ロイドさんならしょうがないな
230名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 16:03:59 ID:jEdjFHTX
ヴァルドさんと銀ちゃんのほのぼのHお願い
231名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 16:48:18 ID:PuaDuRbV
>>220
誰かこれを小説にしてくれ
232名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 19:09:08 ID:So/DpaC/
>(テスタメンツ ???)
おいwwwwwww
233名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 22:22:03 ID:hxcrOtEX
大作戦の続きまだですか?
俺はいつになったらパンツ穿けるんですか?
234名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 13:17:33 ID:3jh4NmRp
???がアッパスだったらと思うと・・・
235名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:14:50 ID:5pZa9oyq
釣聖の人が、丁寧に釣り竿の使い方を教えてくれたんだ。でも、いつのまにか彼の剛竿ホライズンで、
私が吊り上げられちゃってた。(アルモリカ村 釣公師団に憧れる少女)

ろいど君にとくむしえんかってちゃんと覚えたらえらいえらいしてもらえたの。
うれしくてぎゅってしたら、ずぼんのなかからおっきなとんふぁーがでてきて、
もっとえらいえらいしてもらえたの。 (中央通り 少女)

こんなイヤミな女のことを、ユニークで素敵だなんて…。
ほんとチープで見え見えな口説き文句だったわ。ま、まあ、彼と過ごして退屈はしなかったけど。
…別に惚れたわけじゃないわよ。 (カフェー「ヴァンセット」 常連客)

支援課のおにーさん、かわいい顔して凄いよね。
タイムズで顔をあわせるたびに挨拶代わりにって、わたしたちまとめて裏通りで…するんだもん。
買い物のたびにこれじゃ身が持たないわ♪ (タイムズ前 仲良し二人組み)

白馬の…王子様。(ぽっ)…でも、一部だけ白馬そのもの……(ぽっぽっ) (タイムズ 案内人)

特性にがトマジューのお礼にっていうからついていったら…。
上も下も沢山ご馳走になっちゃいました♪ (ジュース売り場 少女)

泰斗流と制圧術の演習試合、まさか、獲物は二本だけじゃなかったなんて…
油断したわ。あいつ、できるわね。 (遊撃士)

レミフェリアの救命技術を知りたいとかいって、だんだん話が変なとこにいっちゃって。
最後は結局、生命の誕生について、実践して教えちゃった。責任とってもらわなくっちゃ。 (遊撃士)
236名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:16:12 ID:5pZa9oyq
ロイドちゃんの成長を確かめるつもりだったのに、おばさんのほうが隅々まで確認されちゃったわあ。
お父さんも大きいけど、ロイドちゃんは倍くらいあったわね。ほんと立派になっちゃって。 (ペルハイム 人妻)

あの虎のような責め苦に、お嬢様が犠牲になるまえに…。
私があの方の…せ、性のはけぐちに…。 (マグダエル家 メイド)

いつもみたいに港を散歩してて、あの人とすれ違ったら、いつのまにかスカートの中が
凄いことになっちゃってたの。毎日こんな散歩してたらしらないうちにママになっちゃうよ〜。 (港湾区 散歩少女)

…ガイの弟か…なかなか熱くいいモノを持っている…。でも、まだまだね…。
(捜査一課 女性捜査官)

戦闘手帳コンプリートの記念に、私の情報を最後に飾りたいだなんて、あんな顔でせがまれては断れないわ。
彼の気が済むまでアナライズしてもらいました。 (クロスベル警察本部 受付嬢)

ああ、あんなステキな「交渉」術があったなんて。フフ、みっちり叩き込んでもらいましたわ。
これでマインツ鉱山どころか、世界のセピスは私のものよおーっほっほっほ! (旅の商人)

あうう、大変な事になってしまいました。お屋敷に戻ったらなんて言い訳すればいいんでしょう。
私だけじゃなく、お嬢様も身重で帰ることにならなければいいのですけど…。 (旅のメイド)

…わたしの笑顔見るまで帰らないとか、頭がおかしいんじゃないかしら。私のほとんど全て、見たくせに…。せめて二人になれる場所に呼ぶくらいの甲斐性は見せなさいよ。 (赤レンガ亭 ウェイトレス)

都会のかっこいいおにーさんがきたので、呼吸ついでに攻略されちゃいますね。 (マインツ鉱山 少女)

危険日ってうったえても○○○○余裕でした。 (裏通り ホステス)
237名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:29:11 ID:5pZa9oyq
***

『以上、弟系草食男子を装った喰いまくりのリア充野郎レポートでしたー。』

「なにかしら・・・これ。」

特務支援課の朝は早い。
支援要請を確認すべく二人が覗き込んだ端末に、妙なデータが入っていた。

「誰かが流した低俗な情報みたいです。犯人は察しがつきますが。」
「たぶん、ここに書かれてるのってその、彼の、ことなんだろうけど。」
「信憑性ゼロのたんなる妄言かと。おおかた嫌味を言われたことへの反撃でしょう。」
「なるほどね。でも、そうね。」

エリィがちらとティオを見ると、こちらを見上げている。

「ありえないわ。だって、毎日…」

ガチャッ。

「ただいまー。はは、ちょっと買いすぎたかな。」

玄関から陽気な声が聞こえた。
豪快に食材のはみ出た袋を両手にかかえ、男が立っている。

「おかえりなさい、ロイド。」
「おかえりなさい。」
「おはよう。ランディはまだ寝てるみたいだな。」

どさりと荷物をテーブルに置き、ロイドが二人を割って、端末を見る。

「支援要請の項目確認しててくれたのか。お、結構きてるな。」
「え、ええ。そうね。」

すでに画面は切り替わり、いくつかの依頼が表示されている。
あの長い一日以来、仕事の内容もかなり充実したものになってきていた。

「これは今日も忙しくなりそうだ。」
「遊撃士の皆さんも仕事が減っているそうですし、やはり先の事件の影響かと。」
「ああ。ようやく俺たちも認められてきたんだ。これからが本当の意味での頑張り所だな。
気合をいれていかないと。」
「ふふっ、頼りにしてるわよ。リーダーさん。」
「ああ。任せてくれ。」

ロイドが体を起こし、おもむろにエリィの肩を抱き寄せる。
238名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:29:49 ID:5pZa9oyq
「ロイド?あっ…」
「…!」
「エリィ、今さらこんなこと言うのもなんだけど、礼を言わせてくれ。」
「やだ、何?急に…あんっ。」

もぞもぞつぷっ
くちゅくちゅ…

「あの日も言ったけど、俺はエリィがいてくれるだけで頑張れるんだ。買い物に出かけて、
戻った今でさえ、君がいるのを見ると、すごく安心する。」
「そんな、どうせまた仲間だからとか、そういう…ひゃうっ!?」

かちゃかちゃするっ
ずぷずぶっ

「うーん、なんていうんだろう。仲間というか、この安心感は、
昔俺が感じてたものと似てるのかもしれない。」
「あ、ああんっ、やだ、こんないきなり、ロイド、はぁっ。」

もみもみもみ
ずっぷずっぷずっぷ

「うん、そうだな。エリィに、家族のぬくもりを、感じてるのかもな。」
「え、そ、それって、つまり…あっ!そこは…」

くりくりぬぷぬぷじゅぶじゅぶ

「だから、ありがとう。出来ればこのまま、ずっと一緒にいて欲しい。それだけで俺は嬉しいんだ。」
「ひあっ…だめっ、ろいど、てぃおちゃんがみてるから…やああっ」
「好きだ、エリィ…。」

ちゅっ。

「!?…あっ…くぅぅぅんんん……!!」

どびゅどぴゅどぴゅるるるるるるっ!…どぴゅるるるっ…ぴゅるっ…

「はうぅ…ろいどぉ…」

…ずるり。
ごぽぽっ…ぴゅっ…

「んん…」

がくりと崩れ落ちるエリィ。この間わずかに一分。
彼女の中を暴れまわった凶棒が、固まったまま顔の茹で上がったティオに向けられる。
239名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:30:21 ID:5pZa9oyq
「!」
「ティオも、いつも世話になってるな。感謝してもしきれないよ」

かぱぁ…

「あ…」
「俺、頑張るから。兄貴に負けないくらいに、ティオに希望を与えられるくらいにデカくなるから。」
「で、ですが、もう十分大きくなって…んぁぅっ!」

ぬぷぷぷっ…

「はああっ…」
「だから、いつでも頼ってくれ。まだまだ小さな背中だけど、全力でティオを守るから。」
「あっ…は、はいっ…わたしも…ろいどさんをっ……ろいどさんをっ…!」

くっちゅくっちゅくっちゅ

「ところで今日は俺が当番だな。何が食べたい?ティオ。」
「あふぁ…ろいどさんのなら、なんでも、なんでもほしいですっ…んんっ!」
「ははっ、そういってもらえると嬉しいな。分かった。沢山ご馳走するよ。」

ちゅっ。

「〜〜〜!!」

どぴゅ!どぴゅるるる・・・ぴゅるるるっ…

「…ふあぁっ…!」

ぬぽんっ…
こぽっ

「はぁっ…はぁっ…」
「ティオはやっぱ可愛いな。笑顔だけじゃない、全部可愛いよ。」

ティオも椅子に深く沈みこんだ。
二人を平らげ、尚も天を衝かんとそそり立つロイドが、差し込む朝日にテラテラと光る。

「よし、朝食を作る前にランディを起こしてくるか。
いっつも寝起きが悪いから困るんだよなあ。」

ロイドはそのまま二階へと移動していった。
残された二人は、息も絶え絶えに、同じことを考えていた。

『あっ、ろいどおはよー!えいっ!』
『おっと、ははっ、おはようキーア。』
『きょうもろいどげんきぃ。わあ、いっぱいでたー。』
『下でまっててくれ。すぐに朝食つくるから。』

あの情報はまずありえないことだと。
仮に事実だとすれば

『アッー!』

特務支援課には鬼が居る、と。

-End-
240名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:34:59 ID:5pZa9oyq
規制やら何やらで書き込めずぶった切りでごめんなさい。

あとアッパスはワジの嫁
241名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:42:23 ID:0HYCVsjK
は?
242名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 00:04:44 ID:8kwdCrr8


ティオかぁいいよ
243名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 16:02:05 ID:mHOZouGa
連投が過ぎますが、また規制が来ると面倒なので書き溜めてたもう一つの物語、貼っておきますね。
少しでも楽しめていただけたら幸いです。
244特務支援課の長い一日(1):2010/10/27(水) 16:06:32 ID:mHOZouGa
クロスベル市長選挙より、数週間後のある日。

「はぁ。」

特務支援課ビル一階のテーブルに、彼女は腰掛けていた。
眼前に並べられた支援要請の案件を一枚一枚確認し、全部に目を通すと、再びため息をもらす。

「確かに大きな問題があるわけではないみたいだけど…。」

エリィ・マグダエルは憂鬱な朝を迎えていた。
原因は、臨時でリーダーを任されたことでも、案件の枚数の多さでもない。
そっと髪をかきあげ、耳に手を触れる。そこにはセピスの深い輝きがあった。
選挙が終わる頃に、彼がエリィの部屋を訪ねてきて、一そろいのイヤリングを手渡した。
常に身につけておいてほしい、という言葉と共に。
デザインはシンプルながらも、おちついた時属性の黒が、エリィのまだ可憐さの残る表情に
女性としての美しさを気付かせる。
突然のプレゼントに、動揺しながらも頬を赤らめ、素直な反応をかえしてしまう彼女に対し、相手の行動は淡白なものだった。

(――あんな夜に訪ねてきておいて、渡すもの渡したらそれまでってのは、さすがにどうなの?ロイド。)

件の夜以来、二人にはいまだ進展が見えない。
事後処理の多忙な日々をおくるにつれ、だんだんと気恥ずかしさが浮き出てきたのか、あの時の出来事も風化しつつあった。
だがそれは、はたから見れば二人のはがゆい距離を演出しており、周囲をおおいにやきもきさせる原因にもなっている。
当然そのことに本人たちは気付くはずもなく。
そんな中、特務支援課のリーダーにしてもう一人の当事者、ロイド・バニングスは、一人だけ早く朝食を終えたあと、支援課を留守にしていた。

「あーあ。ほんとなんで私、あんな人のこと…」

三度目のため息をもらし、エリィは頭を抱えた。

***

「本当に助かっちゃったわあ。ロイド君によろしくね。」
「はい。お役に立てて良かったです。また何かありましたらいつでもお気軽に。」
「失礼します。」

西通りのアパルトメントにて、大量に山積みにされた新刊書籍との格闘を終え、エリィ、ティオ、ランディの三人は、玄関まで見送りにきたレイテと挨拶をかわし、帰路についた。

「っかあぁー!しっかしとんでもない量だったな。部屋の半分が本でうまってたぜ。」
「腰が痛いです…。」
「二人ともありがとう。一番重そうな案件だったから最初に片付けたかったの。」

首をならし、腰をさすりながら、三人は報告を済ますべく、支援課へと足を運ぶ。

「こりゃあの弟貴族が帰ってきたら、うんと嫌味をいってやんねえとな。」
「そうですね…共和国議員との会談、ガイさんに関する情報を含めたものだそうですから、仕方ないですけど。」
「んー。そうだな。」
「…でも、いくのは構いませんが、せめて朝食は一緒にとってほしかったです。」
「お、なんだティオすけ。あいつと一緒じゃなかったからすねてるのか?」
「ちがいます。ミーティングくらいはリーダーこみでやるべきだと…。キーアも寂しがってましたし。」
「はっはっは!まあ今日の当番はティオすけだったしな。そこんとこの感想も欲しいところだよなあ。」
「…!?」

振りかざした魔導杖をひらひらとかわしながら、ランディがけらけらと笑う。
エリィはその光景に、ひと仕事を終えた充足感と、静かな安堵感、そしてどこか、かすかな虚しさを感じていた。
彼がここまで心を掻き乱されるほど大きな存在になっていたことに、驚きを隠せなかった。
245特務支援課の長い一日(2):2010/10/27(水) 16:12:45 ID:mHOZouGa
「お嬢?大丈夫か。」
「…エリィさん…?」

いつのまにか二人がエリィの顔をまじまじと見つめている。

「あ、ううん。大丈夫よ。重いものは率先してランディが持ってくれたし、私も体力はついてきたみたい。あまり疲れは感じないわ。」

微笑むエリィに、ランディはおう、と返す。

「ああいう仕事は野郎の本分だからな。ところで残りはどうするよ。もう日はかなり高いみたいだが。」
「そうね、時間も時間だし、報告もかねて昼食を済ませましょ。
 あとの仕事はこまかいものだけど数はあるから、しっかり食べておかないとね。」
「…そうですね。ではお昼は…」

裏口につながる階段を下り、三人は支援課へと到着する。
そしてそれぞれの希望を交えつつ、昼食のメニューを決めながら、一階へと降りてきた。

「あ、かえってきた!おつかれさまでした〜!」
「おーうキー坊!今かえったぜ。」
「ただいまです。」
「ただいまキーア。ツァイトもお留守番ありがとうね。」
「グルル…」

屈託のないキーアの笑顔に、一同は疲れを吹き飛ばされ、部屋も一気に賑やかとなる。

「さーてメシだメシだ。ほらきなツァイト、お前もたっぷりくっとけ!」
「キーア、昼食の準備また手伝ってくれますか?」
「うん!あ、そういえばさっきゆうびんのひとがきて、てがみをとどけてくれたよ!」
「まあ、ありがとうキーア。受け取ってくれたのね。」
「えへへ。キーアえらい?」
「ええ。とっても。」

頭を撫でてもらい、ご満悦のキーアがキッチンに入っていく。
エリィは応接用の机に、お礼にとレイテに押し付けられた日用品とお菓子を置くと、郵便を手に取った。

「あら?」

何通かの手紙に混じり、一通の、無地の手紙に目がいった。
どれも宛名が特務支援課となっている中、これだけが個人名になっていた。

「私宛だわ。誰かしら。」

封を切り中を確認する。
余白の多い、短い文章だったが、その内容に彼女はおもわず声を漏らした。

「え…?」
「おっ、なんだお嬢、妙な手紙でもきたか?」

はっと振り返ると、ランディがテーブル向こうから身を乗り出していた。
その足元で、ツァイトが猛烈な勢いで昼食をとっている。

「あ、その、いえ…ジョアンナからみたい。」
「ははっ、みたいってなんだよ。まあいいや、ちょいと俺は部屋に戻るから、出来たら呼んでくれい。」
「うん。わかったわ。」

ランディの鼻歌が二階に消えたあとも、エリィはしばらく手紙を持ったまま、立ち尽くしていた。

***

昼食後、エリィは休憩時間を設け、自分は出かけることを伝えた。
246特務支援課の長い一日(3):2010/10/27(水) 16:16:06 ID:mHOZouGa
「このあとに備えてゆっくり休んでてね。戻ったらすぐに仕事にとりかかりましょ。」

キーアが少し顔を曇らせたが、それに気付かないほどに、エリィは平静を装うのに必死だった。
玄関を出ると、自然と小走りになり、駅通りへと向かう。

(あの手紙…。)

先ほどの手紙には、タイプでこう打たれていた。
『会談はおもってたより早く終わりそうだ。戻る前にエリィ、一度話しておきたいことがあるんだ。
 午後に、駅通りのジオフロント入り口で待ってる。』
そして送り主は…。

(ロイド…話って何なのかしら。)

まっ先に浮かんだのがあのIBCの夜のこと、そして自分の耳に輝くイヤリング。
『続き』、あるいはこれを贈るときに言いそびれた甘い言葉を、改めて伝えてくれるのかもしれない。

(まさか…まさかね。)

はたして彼にそこまでの甲斐性があるかとの疑問を感じながらも、淡い期待を感じずにはいられなかった。
一方、彼女とて旧市長の孫娘である。このタイミングに、しかも自分だけに伝えることの重要性を考え、
政治に関わる事を想定していないわけではない。
あの事件によって帝国派閥がなりをひそめた今、共和国の議員の鼻息が荒くなっているという噂はそこかしこで聞こえる。
いずれにせよ、彼女は冷静を欠いていた。
しまいにはほとんど全速力で、ジオフロントA区画入り口にたどり着りつく。

「はぁっ・・・はぁっ・・・」

息を切らし、辺りを見るがそこに人影はなく、駅構内と通りのざわめきがわずかに聞こえるだけだった。
壁に背をつけ、呼吸を整える。

(まだ、きてないみたいね。)

仰ぎ見れば、目を細めるほどの快晴の空、昼食時のせいか、人通りは穏やかだった。
徐々におちつきをとりもどし、乱れた髪を整えると、くすりと笑みがこぼれる。
姿を目で追うようになったのを自覚したときから、彼女はペースを崩されていた。
その視線も、ロイドが他の女性に好意的に接するたびに、温度を失っていく。
そして今もまた、予想外の手紙に、なりふりかまわずここに来ている。
まるでせせらぎに落ちた一枚の花びらのように、彼の流れに弄ばれているようで、静かな苛立ちがちくちくと胸を刺した。
こんなに悩ましい日々を送る自分に対し、ロイドはいたって平静であり、はっきりとした態度も示してはくれない。

(それなのに…。)

彼を好きな気持ちは変わらないどころか、日増しに募っていく。

(ほんとバカみたい。)

ツン、と鼻が痛くなり、うなだれる。
そこには、今にも不安に押しつぶされそうな少女がいた。
特務支援課ビルの屋上で、夜のクロスベルを眺めた、あの時のように。
あの時と同じ救いを、彼女は待っていたのかもしれない。
人の気配を感じると、開口一番その名を呼んだ。
247特務支援課の長い一日(4):2010/10/27(水) 16:26:59 ID:mHOZouGa
「ロイド?」

顔を上げた瞬間、両脇を押さえ込まれ、エリィは小さな悲鳴をあげる。

「な、何?あなたたち・・・ングッ!」

口元を強く押さえ込まれたかと思うと、急激な眠気が彼女を襲う。振りほどこうとした腕も、しだいにぐったりと力を失っていった。

(…なん……で?……ろ……い………)

混乱する暇もなく思考は途絶え、意識は深淵にへと吸い込まれていった。

***

「よおティオすけ。なんだ、キー坊も一緒か。どうした。」

一階でくつろいでいたランディが、降りてきた二人の面持ちがどこか暗いのに気付く。

「どうした?…お嬢のことか。」
「はい。少し気になりまして。」
「エリィ、なんかヘンだった。」

グラビアのページをめくる手がとまる。

「俺もちょっと気になってな。さっき見たんだが、この封筒。」

雑誌を放り出し、机の上に残っていた空の封筒を手にとり、くるくると両面を確認する。

「どうやら出かけるってのはコイツのことらしいが、妙なことに宛名だけで、切手が貼ってねえ。どうやって届いたのか不思議なくらいだ。」
「…たしかに変ですね。誰かが郵便受けにいれたのならともかく。」
「ああ、それに差出人の名前も書いてない。これじゃ中を見るお嬢以外に、誰から届いたかもわからねえぜ。実家のメイドからとか言ってたが、こいつはひょっとすると…。」

便箋をトン、と机に立て置き、ランディがつぶやく。

「やばい手紙だったのかも、しれねえな…。」

三人が囲む机に、緊張が走った。時計の秒針が、大音量で時を刻む。

「―――なーんて思ったりしてな!」

ぱっとランディが顔を緩ませ、雑誌を手にとると深く椅子に腰掛けた。

「お嬢もいい年だ。ラブレターの一つ二つあってもおかしかないし、この白昼堂々、サツにカマかけるバカもそうそういねえよ。
いるとしたら今ごろブタ箱でくさいメシ喰ってるあのルバーチェの連中ぐらいなもんだ!」

豪快に笑いながらグラビアのページをぱらぱらとめくっていった。キーアがティオの袖を、きゅっと握り締める。
彼女達の敏感な知覚は、エリィの混沌とした心境を、正確にではないが捕らえていた。

「…ランディさん、雑誌が上下反対です。」
「……。」

ランディが足を組んだまま固まる。

「わたしも…おかしいとは思ってました。朝からへんにそわそわしてましたし…でも、それは臨時リーダーを任されたからだとばかり…。」
「でも、でもさっきエリィがでてくとき…。」
「ええ、あの時のエリィさんは、焦りを感じていたように見えました…。なにかおもいつめていたような・・・。」

ランディが上体を起こし、ガシガシと髪をかいた。
248特務支援課の長い一日(5):2010/10/27(水) 16:31:33 ID:mHOZouGa
「まったくなあ、行き先くらい言えばいいのによお嬢も。」
「そうですね…それも気になります。なので少し無神経ですが…」
「あ、かえってきたよ。」

器用に玄関の扉を開け、ツァイトが入ってくる。

「ツァイトに足取りをつかんでもらいました。」
「グルル…。」

キーアに胸元を抱きしめられながら、ツァイトが喉を鳴らし報告する。

「グル…ウォン!」
「…なるほど。ありがとうです。」
「どうよ。」
「駅通りのジオフロント入り口で、完全に途絶えていたそうです。本人は居なく、中に入った様子も無いと。」
「おいおい、なんだってあんなとこに一人で行く用事があったんだ?」
「…ランディさん、思い出しませんか?前もこんなことが。」

ランディが顎に手をやり、確かに似たような場面があった事件を思い返す。

「コリンを探したときか。」
「はい。ロイドさんはあのとき車両の中に入ったと推理しましたが…。」
「あそこは車が入れる場所じゃないしな。こりゃだんだんキナ臭くなってきたぜ。」
「どうしますか?課長と本部に連絡をいれるべきでしょうか。」
「ああ、それとロイドも呼び戻したほうがいいな。」
「わかりました。」

ティオがエニグマを取り出す。
ランディは、以前ロイドが言っていた事を思い出していた。

――議長が失脚し、ルバーチェが解体した今、なんらかのひずみが生まれる可能性がある。報復という意味では、この特務支援課も物騒な事がおきるかもしれない。
そしてその後、ティオとランディを呼びとめ、こう付け加えた。
――市長との繋がりがあるエリィには、特に注意してあげてくれ。

「ロイド、お前の予感が的中しちまったのかもしれねえぞ。」

食後の休憩は、すでに一時間を越えていた。

***

闇に包まれ、少女は佇んでいた。前方に、女性と男性が、並んで立っている。

(お父様…お母様?)

少女は二人に問いかけた。だが返事は返ってこず、背を向けたまま、それぞれ反対の方向へと、歩みだす。

(待って!お父様なんでしょう?なんで応えてくれないの?お母様、私です、エリィです!)

エリィの言葉は、届かないというよりも声として存在していなかった。二人は次第に闇に溶け、視界は霞んでいく。

(そんな…なんで…)

彼女が心の奥底に封じていた、両親のぬくもりに対する渇望を、無理矢理引きずり出される。
―ヒトリニシナイデ。
人影は完全に消失した。どちらを追う気力もなく、その場にぺたりと座り込む。
249特務支援課の長い一日(6):2010/10/27(水) 16:35:19 ID:mHOZouGa
何故あれほどに幸せだった日常が、壊されないといけなかったのか。
裏切り、腐敗、欺瞞。魔の都、クロスベル。自分を奮い立たせてきたキーワードが、今は重く、容赦なくのしかかってきていた。
ティオやキーアに心配させるまいと強がってはきたが、彼女もまた、人の子なのだ。
やがて闇は彼女自身をも包み、次第にその輪郭をも侵食していった。

「…私も……きよ……」

ふと、女性の声が聞こえる。エリィの、かろうじて残った眼に、寄り添う女性と青年が映る。
その女性がセシルであることが分かると、彼女はうっとりと青年を見つめ、告白する。

「私も好きよ。愛してるわ、ロイド。」
(え…?)

目を閉じたセシルを抱き寄せ、背を向けたままの青年が、静かに顔を近づけていく。

(だめ、そんなのだめ!)

エリィはもがいたが、手を伸ばすことすら叶わない。


「――――〜っ!!」

突然全身の感覚が戻り、にぶいランプの光と、がらりと変わった景色が、エリィの目に飛び込んできた。
広さこそ支援課の一室並だが、まったく見覚えがなく、自分が横たわる簡素なベッドと扉一枚以外、窓すらもない。
体を起こそうにも腕を後ろに組まれ、両足ともどもきつく縛られていた。

(…そっか、私駅通りで…)

彼女の意識を奪った薬のせいか、軽く頭痛がする。

(なんて悪夢だったのかしら。)
 
エリィは本日四回目のため息をさるぐつわの隙間からもらし、仰向けの姿勢をとると、低い天井を見つめた。
耳が痛くなるほどに静かで、ひんやり冷たい空気と湿り気を肌で感じる。どこかの地下倉庫だろうか。
ぼんやりと、正面から押さえつけてきた男を思い出すが、それは黒月でも、ルバーチェの残党でもなかった。

(少なくともクロスベルでは見ない格好だったわね…新勢力か何かかしら。)

エリィは落ち着いて現状を把握していた。ここまで平常心を保てるのも、どこかこの事態を予測していたからかもしれない。
ロイドの読みが、彼女の日常に警戒心を与えていた。

(それなのに、あなたのせいで油断しちゃったじゃない…。)

ぽそりと八つ当たり。子供っぽいと思いながらも、そうせずにはいられなかった。

(セシルさんかあ…。ロイド、今でもあなたは、彼女のことを?)

やや場違いの疑問を浮かべていると、ドアノブが音を立てる。エリィが反射的に身を屈め、ベッドの隅へ体を寄せた。

「おや?お目覚めでしたか…。」

入ってきたのは全身黒ずくめの、ひょろりと細長い男だった。短髪に、壮年にしてはくたびれた顔をしているが、目つきは鋭く、その眼光は彼が平凡な人生とかけはなれていることを語っている。

「フフ、そんなに警戒されなくとも、とって喰ったりはしませんよ。…おい。」

背後からさらに二人の男が現れ、エリィの背後に立つと、さるぐつわと、足の枷を外す。
250特務支援課の長い一日(7):2010/10/27(水) 16:38:13 ID:mHOZouGa
「いーー目をしていますな。流石はマグダエル議長のご令嬢といったところですか。」
「貴方たち、クロスベルの住民ではないわね。一体何者なの?」
「それに度胸もある。なるほど、女としておくのがもったいない。」

男は、ぶらりと下げた両手を、ゆっくりと、きつく握り締めては、開く動作を繰り返していた。

「ここは少し暗すぎますな。お嬢様を客間にご案内しろ。」
「つっ…。」

強引に立たされたエリィは、三人の男に挟まれたまま、ドアの外へ押し出された。
長い階段を上ると、そのまま広い部屋へと出る。中央に大きなソファーがあり、ズラリと、黒装束に身を包んだ男が、壁を背に四方に並んでいる。窓の外をみると、草木の茂る地表が近く、やはり先ほどは地下に居たことが分かる。
乱暴に座らされ、エリィは顔をしかめた。

「さて、質問にお答えしましょう。いかにも我々は魔都の民ではありません。」

コツ、コツと男がエリィの正面を横切る。そのまま壁に掲げられる旗の前で立ち止まると、それを仰いた。
灰を基準にした、目の無い顔が描いてある不気味なデザインだった。

「エンジシ運輸…まあ共和国ではちょっと名のしれた会社なのですが、さすがに貴方はご存知ないでしょうな。私はその総取締りのセギンと申します。どうぞお見知りおきを。」

セギンと名乗った男は、旗を背に、うやうやしくお辞儀をする。

「目的は、何?」
「目的ですか…フッフ。」

男は、お辞儀の姿勢で含み笑いを漏らすと、頭をあげ、胸にあてていた手で、再び癖の動作をする。

「警察には警察、遊撃士には遊撃士、社会には社会の法があるように、われわれの稼業にもルールというものがありましてね。
商売への干渉もほどほどならかまいませんが、いきすぎるのは困るわけですよ。」
「…」
「いやあーー、その点あなた方はとても困ったお方たちですね。懇意にしていたルバーチェを、いとも簡単に解体してくださるのですから。」
「ルバーチェ…そう、ということは貴方たちも。」
「端的にいうとマフィアですな。」

セギンは眉をひそめた。

「ま、ですから、貴方達、つまりは魔都の連中にはけじめをつけていただく必要がある。
 そのはしりとして、お嬢様をここにご招待した次第です。」
「人質として、お爺さまと交渉する材料にする、といったところかしら。」
「察しが良いですな。現議長となったあなたの祖父には退いてもらい、共和国議員をその後釜にしていただく。簡単な話でしょう。」
「はたしてお爺さまが聞き入れるかしら。」
「いれますとも。氏は貴方に対して罪の意識がある。この上また貴方を不幸にする真似はしないでしょう。」
「…。」
251特務支援課の長い一日(8):2010/10/27(水) 16:42:14 ID:mHOZouGa
(ずいぶんと調べてるじゃない…。)

エリィが奥歯をかみ締める。父を失脚させたのも、こうした弱みにつけこんだ姑息な手段だった。
セギンが懐中時計を取り出す。

「そろそろ市長のところに伝がついたところですな。」
「伝?」
「クロスベル市庁舎へ直々に、本社の導力車でね。手紙や導力メールでもよかったのですが、我々は運輸業者ですから。」
「ずいぶん無用心ね。社名まで明かして、足取りをつかまれるわ。」
「ええ、そして共和国方面への検問は徹底されるでしょうね。かの高名なソーニャ司令の指揮のもと。だが、帝国側はそうはいかない。十分に暗くなるのを待って、我々は悠々と西を目指させていただく。」
「帝国側にもアジトがあるというわけ?マフィアにしてはずいぶんと手広いのね。」
「そのようですな。」

セギンが時計をしまい、手を顔の横に掲げ、手首から上を前に折る。男たちが列をつくり部屋を出て行き、セギンと二名の見張りが残った。

「日が完全に落ちるまでまだ時間がある。それまでどうぞごゆっくり。」

セギンが豪華な装飾の施された机に腰掛ける。携帯型の導力通信機をとりだすと、兵隊に指示を出し始めた。

(脱出は難しいわね…。)

自分に向けられた二挺の銃は、エリィの愛用するそれよりも正確性にはかけるが、どちらも殺傷能力は高い。
彼女は先ほどのセギンの言葉から、いくらか状況を整理していた。帝国側に向かうということは、ここは西クロスベル街道方面なのだろう。
確かに国境を封鎖するというのは、強国に挟まれた自治州の特性上、それ相応の理由が必要だ。短時間で共和国、帝国、双方をふさぐのは難しい。しかも帝国側は、司令の更迭によりまだ情報系統が固まっていない。
そして、彼らには、細工をしてまで、まだここにとどまる理由があるということだ。

「さて、これでしばらく時間ができましたな。お食事でもどうです?いまのうちに体力をつけておいていただきたい。」
「結構よ。」
「いけませんな。美は食にあり、ともうしますよ。簡単なものを用意させましょう。」

セギンが目配せで男に指示をする。エリィは窓の外で、日がかなり高度を下げているのに気付き、焦りを感じる。

(暮れるまえに、なんとかしなくちゃ…。)

***

「国境の封鎖、完了しました。各員これより、主犯の関係者と思われる車両を追跡、確保し、被害者の捜索にあたります。」
「報告ご苦労様。下がっていいわ。」
「はい、失礼します!」

敬礼とともに警備隊が部屋をあとにすると、ソーニャは通信機を手に取る。

「ミレイユ?そちらの状況はどうかしら。…そう。そうね。せめて検問を厳重にして頂戴。向こう側の議員から文句が来ない程度にね。また何かあればすぐに連絡を。」

通信を終え、ソーニャは組んだ手に額を落とした。ノエルが部屋に入ってくる。

「司令、ただいま戻りました。」
「おかえりなさい。どうだったかしら?」
「アルモリカ方面に怪しい車両は見かけられませんでした。やはり例の輸送車両が手がかりかと思われます。」
「でしょうね…んー、ノエル、貴女はどう思うかしら。あの脅迫状。」

さきほど市庁舎に直接包みを届け、エンジシ運輸のトラックは今、東の街道をのんきに走り続けている。

「そうですね、露骨すぎます。」
「いかにも自分がこちらに逃げてますって伝えるようなものだもの…。本当なら帝国方面も封鎖したいところなのだけど…。」
「あと、何でこのタイミングなんでしょうか。すでに国外に逃げている可能性もありますが、それにしても早すぎます。」
「確かに何をしても逃げ切る自信を感じるわね。それに…」
252特務支援課の長い一日(9):2010/10/27(水) 16:43:18 ID:mHOZouGa
ソーニャは目を細め、届けられた脅迫状のコピーを見つめる。

「理屈では分かっていても、杓子定規にしか動けない私たちを、あざ笑ってるかのよう。」

ノエルが無言でソーニャの横顔を見つめる。

(共和国への封鎖すらも長くは続けられない…。忌々しいわね。本当になんの為の警備隊なのかしら。)

政治体制が動いた今も、相変わらずしがらみにとらわれ続けている現状に、自嘲の笑みが漏れる。

(私たちに出来ることはおそらくここまで…セルゲイ、やっぱり貴方のチームの力が必要みたいね。)
「ノエル、私たちも検問に向かいましょう。混乱を防がないと。」
「アイ、マム!」

二人が一階のゲートへと向かう。司令室の机には、脅迫状に加え、いくつかの写真のコピーもおかれていた。
そこには、拘束されたマグダエル旧市長の娘、エリィの姿が映っていた。
253名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 16:48:40 ID:mHOZouGa
とりあえずはここまで。
ロイド無双のほうにコメントくださった方ありがとうございます。
正直、初めての投稿でビビってたので嬉しかったです。
254名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 21:05:04 ID:idZYmCuK
分かったから早く続きを書くのだ
255特務支援課の長い一日(10):2010/10/27(水) 23:12:36 ID:sxx3tBXn
***

エリィがあれこれと知恵をめぐらすほどに、脱出の可能性が無いことに気付かされていた。
立地は良く分からないが、街道からはほど遠いようで、導力車はおろか、鉄道の音すら聞こえない。
この包囲網をくぐり、逃走に成功したとしても、逃げ道が分からないのではどうしようもない。

「強情なお方だ。召し上がってくださらないのですな。」

スプーンにすくったスープをエリィの鼻先で揺らしながら、セギンが残念そうに言う。

「この縄を解いてくれたら、自分で食べさせていただくわ。」
「フフ、仮にそうしたところで何の支障もないのですが、遠慮させていただきます。」

食膳を戻し、セギンが再び机に戻るべく立ち上がる。

「そろそろ国境の封鎖も完成したころですかな。」

まるで他人事のように言う。エリィはその不気味な余裕に、疑問を口にする。

「ずいぶん悠長なのね。いいのかしら、国境もまだ越えないうちからこんなに時間をかけても。」
「ん、まーーそうですな。普通この様なプロセスは踏みませんね、こういったミッションは。」
「相当な自信があるみたいね。」
「自信ですか、くっくっく。」

セギンが顔を押さえ、歯を鳴らす。

「自信といいますか、不可能なのですよ。我々を見つけ出すことは。」
「不可能?」
「例え双方の国境を封鎖したところで、我々の国外逃亡は阻止できないでしょうな。クロスベルが出来るずっと前から、帝国、共和国における我々の動向を押さえることが出来た組織は、一般には存在しませんから。」

彼の癖が再び出る。

「一般…ただのマフィアじゃなさそうだけど、貴方たちも元猟兵なの?」
「おお、そうか、お嬢様はガルシアをご存知でしたな。」
「肯定、なのね。」
「フフ、いかに情報網が発達し、警察が有能になろうと、そんなことは関係ないのです。
 魔都の領内にあるこの支部でさえ、過去五十年、誰一人気付いてはいない。人の虚をつき、闇に生きる我らを見つけだすことは絶対不可能。
 この「インビジブル(不可視)」である我々を、ね。」

セギンが両手で目を隠すしぐさをする。
旗のデザインの意味を理解すると、エリィは質問を続けた。

「共和国派の議長をバックにして、何が望みなの?」

その問いかけにしばらく沈黙が流れる。
やがて目を隠したままのセギンが、静かにその言葉を口にする。

「戦争、ですよ。」
「!?」

にやり、とセギンの口角がつりあがる。

「我ら猟兵にとって、もっとも商売となるんですよ、このイベントは。それを起こしやすい環境を、内部から作っていただく。もっともこの計画は、ルバーチェを介して我々が打診する予定でしたが。」
「でも不戦協定が結ばれた今、そんなにうまくいくかしら。」
「うまくいきます。そのための貴方ですから。マグダエル氏の発言権は想像を絶する大きさだ…その口ぞえがあれば、無能な帝国議員の怒りを買う事など、わけはない。」

(こんな男に…!)

かつての父のように、祖父が利用されようとしている。家庭と両親を奪った、あの裏切りのように。
256特務支援課の長い一日(11):2010/10/27(水) 23:14:35 ID:sxx3tBXn
「分かりますか?平和など所詮、薄い氷のようなものなのです。手さえ届けば、触れるにまかせて溶けていく。」
「下らないわ…そんなことの為だけに、無実の人を何人巻き込むというの?」
「さぁ、どれだけでしょうな。」
「あなたのような…あなたたちのような稚拙で姑息な人達に、お爺様が屈服するはずないわ。」

エリィが怒りにまかせ、はき捨てる。セギンの眉がぴくりと動いた。彼の目を隠していた手が下げられ、胸の前で組まれる。

「お嬢様、私はあくまで貴方の立場を理解したうえで、丁重に扱っているのです。したがって、あまり刺激していただきたくはありませんね。」
「本当のことじゃない。猟兵だかなんだかしらないけど、こそこそと隠れてうごきまわる、ネズミそのものだわ。」
「…ふふ。言いますね。しかし何度も…」
「いいえ、ネズミのほうがまだマシかもね。女を盾にしないと自分の本望も満足に果たせないような集団なんですもの!」
「黙れと言っているっ!!」

突然の怒号に、エリィは一瞬たじろぐ。

「貴様のような小娘に何が分かる!引きずり落とされた栄光の舞台に戻るべく、水面下で念密な計画をねってきたのだ。
 それなのに貴様らのせいで、その計画網の一端が崩れたっ!」

椅子から勢いよく立ち上がり、セギンが旗の前に歩み寄り、手を大きく広げる。

「だからこそ、もはや一切の妥協はしない!我々は再びあの戦慄の地に足を踏み入れ、血生臭い歴史を、多くの死体と共に山と積み上げる!
 それが人という獣として生まれた使命なのだ!」

ぐりんと捻り返ったセギンは、表情が崩れ、見開いた眼は、狂気と殺意に満ちていた。

「ふーっ、ふーっ…我々には我々の正義があるのです。理解しろとは言いませんがね。」

荒げた息もそのままに、エリィの眼前に、セギンがぐいと近づく。

「しかしお嬢様も対した剣幕ですな。その勇気、よほどの根拠がある様子だ!」
「…。」
「フフッ、当てましょうか。ロイド・バニングス。彼の存在ですな?」
257特務支援課の長い一日(12):2010/10/27(水) 23:20:59 ID:sxx3tBXn
エリィが顔を背けると、セギンに満面の笑みが浮かび上がる。

「ハァーッハッハッハァ!そうでしょうなあ、あんな手紙一つでいともたやすく…クック。しかしその頼みの彼も、今頃は貴方の事など考えもつかないでしょう。」
「どういうこと?」
「面会を頼んでおいた議員には、あらゆる手で彼を足止めするように伝えてあるのですよ。そのうちの一つがこの薬です。」

机の裏に備えられた引き出しから、錠剤のはいったビンを取り出す。

「まさか、私に使った…。」
「いいえ、もっと面白い薬ですよ。これ一錠で、精力を数十倍に強めることができるのです。ま、いわゆる媚薬ですな。」
「び、媚薬?」
「クク、彼が優秀な捜査官とはいえ、弱冠十八の青年。たまらんでしょうなあ。こんなものを飲まされ、裏通りに招待された日には。」
「やめて…。」
「彼は今やクロスベルの英雄。英雄といえば好むは色。さて何人の女性にのしかかっているのやら。」
「やめてえっ!」

エリィが上体をおこし、セギンに体当たりをする。が、ひらりとかわされ、髪を掴まれると、そのままのけぞらされた。
白く、艶やかな喉をさらされ、エリィは苦痛の声をあげる。

「あうぅっ…」
「クククッ!いい声ですなあ。ちょうど時間もころあいですから、我々の趣向も始めるとしましょう。」

セギンの手がエリィの襟首をわしづかみ、鍛えられた握力で一気に引きちぎった。

「!!」

質の良い繊維が無残に引き裂かれ、エリイの豊かな上半身があらわになる。清楚な白の下着に包まれた肌を眼前に晒された屈辱に、彼女は思わず唇を噛んだ。

「おおっと、暴れていただいては困ります。まだ宴は始まったばかり、怪我でもされては面倒です。舌を噛もうなどと物騒なことは考えないことです。」

手早く、再びさるぐつわをかまされ、顔を強引にセギンの前に向けられる。

「いろいろと資金繰りも大変でしてねえ、貴方も組織の上を知っているのなら良くご存知でしょう。
 部下の忠誠を保つために、様々な“施し”を与えないといけないことを。」
「むううぅっ!」
「目的の一つに落とし前、とあったでしょう。これを報復の一つとさせていただきますよ。
 あなたの希望の光が別の女を抱いているこの瞬間、我々は同じこのクロスベルの地で、貴方を犯させていただく。
 ああ、ゾクゾクしますなあ。空の女神も目を背ける悲恋の物語というわけです。」

エリィをソファに放り投げ、セギンは二人の見張りに顎で指示した。

「まずはこの二人の相手をしていただきましょう。満足いただけなくとも、ご安心ください。
 まだ沢山、この者たちのあとに控えておりますから。」
「〜〜〜!!」

二人の男がエリィを押さえ囲む。彼女ははらはらと涙を落とし、顔を激しく左右に振った。
両耳のイヤリングが、チャリチャリと音をたてる。彼に繋がるかすかな感触も、今は冷たくぶら下がっていた。

(ロイド!…ロイド……!!)

声無き叫びで、何度も愛しい人を呼ぶ。だが心に浮かんだ彼のその隣には、セシルの姿が、数多くの女性の影があった。

「良い眺めですな。」

乱れた自らの装束を整え、セギンが椅子に腰掛けるべく、手を掛ける。
258特務支援課の長い一日(13):2010/10/27(水) 23:52:05 ID:sxx3tBXn
男達の手が、エリィの衣類をさらに引き剥がそうと伸びていった。

タタ…タタ…タ!

「む!?」

部屋の時が一瞬止まる。耳を澄ましたセギンに、再びその音は聞こえた。

タタタタタタ!カッシャーン!

「何事だ!」

エリィに襲い掛かっていた男達が、あわてて銃を手に取ると、入り口と窓側にそれぞれ陣取る。
やがてけたたましい足音が聞こえ、ドアが勢いよく開けられる。

「どうした、今の銃声はなんだ!」
「侵入者です!見張りによれば、十近い車両が見えるとのことです!そのうちのいくつかは、ベルガードのものと!」

報告をうけ、セギンが開けた口をふさぐのも忘れていた。やがて思い出したように、手を振りかざし怒鳴りちらす。

「ええい、蹴散らせ、不可視の我らが、視えるものすら捕まえられん警備隊風情に遅れを取るものか!」

男が部屋を出た後も、セギンは歯軋りをし、机に拳を叩きつける。

「どういうことだ。何故だ、何故わかった。どういう魔法を使ったんだ!」

彼は混乱していた。五十年、彼が生まれる前から、概念として存在していた不可視の要塞。それがたった今、看破されたのだ。
それは今まで狂気の中生きてきた彼が、人としての理性を保つ最後のタガだったのかもしれない。
エリィも何が起きたのかわからず、頑丈に鍵をしめられた扉を見つめていた。

「く、おのれえ…。」

セギンがエリィに歩み寄ると、そのしなやかな肢体にのしかかる。

「むぐっ!?」
「もはや順序など関係ない!私自ら貴様を辱めてくれるわ!フハハハ、みせしめだ!」
「んんーっ!」

完全に錯乱状態におちいった彼は、もはやその瞳に人の光を失っていた。エリィの首筋に舌をはわせ、内股へと手を伸ばす。

「んうーっ!」
「ははっはははっ!やつらを皆殺しにした後、帝国につれていった貴様は我らの永遠の慰みものとなるのだ!」

ドオオォッ!

「うおっ!?」

突然の爆音とともに、扉が吹き飛び、側に陣取っていた男がもんどりうって倒れる。大量の土埃がまきあがり、部屋を包み込んだ。

「ゴホッ、ゴホウッ!ぐっ…!」   

もやの中に、影が映る。

「何をやっている、撃て、撃ち殺せ!」

むせながら、窓側で待機していた男が銃を構えた。カチャリ、と金属音が響いた瞬間、セギンの真横を風が切っていった。
259特務支援課の長い一日(14):2010/10/27(水) 23:55:31 ID:sxx3tBXn
(え…?)

背後で男のうめき声が聞こえ、ソファの上の二人が振り向く。猟兵であるセギンにすら捕らえられない一瞬の出来事、だがエリィには電光石火の正体が解かった。
それは、彼女が心で求めてやまない存在だったからかもしれない。窓が煙をすいこみ、その後姿が、薄暗くなった部屋にゆっくりと浮かび上がる。

「なっ、貴様、何故ここに!」

(ロイド!)

勇壮なる突進、その残心を取ったまま、ロイド・バニングスが立っていた。セギンが机の下に手をやり、火薬式の大型ショットガンを取り出すと、エリィの首を腕で絞め、顎に銃口を突きつけた。

「んむぅっ…!」
「動くな!」

ひゅう、ひゅう、と、セギンの食いしばった歯から呼気が漏れる。まるで虎に対峙した狐のように、彼はおびえ、だが自分の優位を確信していた。

「フフ、動くなよ。そのままそこに突っ立っていろ。」

じりじりと扉にむかって後退する。ロイドはゆっくりとこちらに正面を向け、構えを取った。

「ひっ!?う、動くな、見えないのかこの銃が!死ぬぞ!この女が死ぬぞ!」

ガチガチとセギンの歯が鳴っている。エリィも、いかなる場面でも冷静さを失わなかったはずの、ロイドの怒り一色に染まった顔を見て、背筋に寒気が走った。

「…はなせ。」

落ち着いてはいるが、伝わる空間を焼き尽くさんばかりの怒気を含んだ声が、彼の口から発せられる。
深く大きく息を吸い込むと、ロイドが眼を見開き、咆哮をはなった。

『俺のエリィから手を離せぇっ!』

「ひっ!く、くははっ!いいだろう離してやろう!!離してやるともっ!」

エリィを突き飛ばし、その眉間に銃口を押し付け、セギンが引き金に指をかけた。

「これでこのゲームは、私の勝ちだああああっ!」
(―――!!)

ズン、と鈍い音をたて、ショットガンの薬莢が飛び出す。だが、硬く眼をつぶったエリィの顔に、銃弾は届かなかった。

「なにぃ!?」

放たれた弾が、すべてエリィに達する前に、勢いを失い、空中で止まっている。そしてビデオの再生ボタンを押されたように、ぱらぱらと床に落ちた。

(こ、これはアダマスガード?)

そのまま室内はスローモーションに移り、彼はロイドのほうにゆっくりと首を戻す。
宙を駆ける彼の腰に、光を放つエニグマがあった。

(何時の間に詠唱を…!)

「うおおおぉぉ!!」

すでに飛び掛った虎は、哀れな犠牲者に襲い掛かると、二本の牙で、瞬時にセギンの人中、喉、肘、肋骨、みぞおち、膝を砕き、最後に全身の体重をのせた体当たりを食らわせた。

「ぶらぇっ!!」

強烈な連打と一撃を受け、きりもみに吹き飛んだセギンは、扉の前に倒れる男に派手に衝突し、がくん、と糸の切れた人形のように倒れこむ。
260特務支援課の長い一日(15):2010/10/27(水) 23:59:43 ID:sxx3tBXn
(…このスピードと破壊力……ロイド・バニングス………これがかつて………
 ……あらゆ…る……組織をおびやか…した……しゃくね……つ……の………)

彼の思考はそこで途絶え、眼球をのけぞらせると、そのまま完全に気を失った。

正常な時の流れが戻り、白目を向いたセギンをぼんやりと見ていたエリィが、我にかえる。
室内の制圧を終え、ロイドが構えを解き腕を下げると、トンファーが重心を下へと半回転し、するりと落ちた。半身をずらしエリィの姿を確認すると、彼女に向かって地面に叩きつけるように膝を落とし、戒めに手をかけ、解いていく。
その顔は今にも泣きそうで、あどけなさを残す顔が、よけいに幼く見えた。

「ぷはっ…」

開放された口で、エリィが救い主の名を、今度は肉声で呼ぼうとするのを、ロイドが遮るようにまくしたてた。

「エリィ、無事か!ひどい扱いは受けなかったか!」

彼女の肩を強く抱き、ロイドが正面から見据えてくる。眉は急降下し、その間に深いしわをたくわえ、先ほどの殺意をたぎらせる彼とはまったく正反対だった。
エリィは一気に全身の緊張が解け、安堵のため息とともに、優しく応える。

「ええ、大丈夫よロイド。乱暴な事はされてないし、傷一つないわ。」
「そうか、良かった…本当に…。」

ロイドが力なく笑うと、肩を掴んだ手の力が抜け、エリィに崩れかかりそうになる。あわててエリィが、その上体を支えた。

「ロ、ロイド、大丈夫?」
「あ、ああ…反動がきたみたいだ。でも問題ない。ちょっとクラっときただけ…。」

体を起こそうとしたロイドが、ぴくりと止まる。エリィが彼の顔を覗き込んだ。

「どうしたの、やっぱりどこか怪我を…」

はっと、彼女は自分の格好を思い出した。
ロイドの顔面間近に、彼女の下着姿が、めしあがれとばかりに披露されている。迫力ある双丘に、ロイドは瞬きも忘れ見入っていた。

「ちょ、ちょっとロイド、そんなにまじまじと見ないで!?」
「ごごごごめん!つい、その、あまりに綺麗で柔らかそうで…!」
「や、柔らかそう?…綺麗?」
「あ、いや違っ!そういうつもりじゃ…!」

顔を離し、あたふたとしながら、ロイドが上着を脱ぐ。あさっての方向を向いたまま、それをエリィの肩に掛けると、ロイドがばつの悪そうに頭をかく。

「とにかく!無事で良かったよ。うん。ハハ…。」

正座をしながら、必死に取り繕う彼に、エリィがくすりと微笑む。今日一日、あれだけぽっかりと空いていた心の隙間が、彼の仕草、言葉、労りに、満たされていく。あまりに単純な自分に、呆れるほどだった。
彼のぬくもりを感じながら、ふと、エリィは質問する。

「そういえば、よくこんなに早くこの場所が解ったわね。」

セギンは、この場所を不可視の要塞と言っていた。それを、半日とかけず見つけ出した、まさに魔法のタネが気になったのだ。

「ん、ああ。あまり不安にさせたくなかったから、黙っていたけど…。」

ロイドがエリィの耳に手を伸ばす。
261特務支援課の長い一日(16):2010/10/28(木) 00:02:30 ID:sxx3tBXn
「カラクリはこれだよ。」
「え?」
「このイヤリングには、情報のクォーツを、そっくりそのまま逆の構造にしたものが入ってるんだ。身に着けた人の位置を、周囲にばらまく特性があるらしい。
 さすがに位置の特定をするのには時間がかかったけど、露骨な誘導があった共和国側の逆方向にしぼりこんで、なんとかここにたどり着いたという訳さ。」

キラリと、傾けられたイヤリングが淡く光を反射する。

「前に旧市街の様子を見に行ったとき、ナインヴァリの店主から貰ったんだ。要人護衛に使えるものは無いか、と聞いたら、珍しくタダで譲ってくれたよ。
 たぶん、例の一件の、彼女なりの評価なのかもしれないな。」
「じゃあ、あんなに前から…。」
「でも、ツメが甘かった。肝心の本人から、目を離すなんて。」

――そこまで、私のことを心配して?

それなのに自分は、素っ気無いな彼を恨みもした。
満たされた心が、今度は一気にあふれ出す。

「でも、捜査一課と、ベルガードの警備隊がすぐに行動してくれたのが大きかったかな。IBCのスタッフも全面的に協力してくれたし。
 結局は、いろんな人の助けがあったからこうして…っと、どうしたんだ?」
「うん…ふふ、ごめんね。安心して、気が緩んだみたい。」
「エリィ…。」

エリィが目じりを拭う。ロイドが彼女ににじり寄り、優しく、力強く抱きしめた。

「ごめん。君にこんな怖い思いをさせたのは、俺のミスだ。支援課を離れて、君と離れて、行動すべきじゃなかった。どうか許してくれ。」
「ロイド…。」

突然の抱擁に、ぱちくりとさせた目を伏せると、エリィの頬を光が伝った。彼に身を預け、その背中に手を回す。
うずめたロイドの胸に、情愛で満ちた魂の鼓動を感じながら、いつまでもこうしていられたら、どれだけ幸せだろう、とさえ思えた。
そんな満ち足りた心の中、隅に引っかかる不安の欠片を、彼女は無意識に口にしていた。

「ロイド…貴方はまだ、セシルさんの事が、好きなの?」
「へ?」
「…。」
「ランディに聞いたのか。」

エリィがロイドの胸の中で、首を横に振る。

「なんとなく、そうなのかな、って。」
「そうか。ハハ、解かっちゃうか。」

ズキン、とエリィの心が痛む。

「そうだな、好き、かな。」
(ああ…。)

さーっと、全身の血の気が引いていく。耳に入ってきた返事を、エリィは拒否しながら後悔した。
聞かなければ良かった、と。

「でも、今までの俺は、子供だったんだな。女性としてじゃなく、家族としての愛情を、恋と勘違いしてたんだ。
 絶対に守りたくて、同じくらい大事で、同じ『好き』でも、こんなに違うんだって、こうしてここに来て思い知ったよ。」
「え…?」

エリィがロイドを見上げる。

「それって…。」
「ああ、うん、ま、そういうわけでセシル姉は変わらず好きだけど、つまり、大事な家族っていうか…」
「じゃあ、もう一つの『好き』、の相手は、誰?」

うるんだ上目遣いで、じっと見つめてくるエリィに、ロイドはたじろぐ。
262特務支援課の長い一日(17):2010/10/28(木) 00:04:13 ID:sxx3tBXn
「うっ…それはだから、いつも俺の側にいてくれる人で、俺に大事な事を気付かせてくれた人で…。」
「さっき、叫んでくれたよね。お、俺の…って。」
「や、あれはいろいろはしょっちゃったっていうか!とっさの事で!」
「お願い、はっきりと、貴方の口から聞きたいの!」

いじらしくねだるエリィにクラクラとしながら、ロイドが口をもごつかせ、やがて意を決したように視線を真っ直ぐ彼女に注ぎ、その顔に片手を添える。

「あ…。」
「俺は、エリィ、君の事が…。」

ゆっくりと迫る顔に、エリィは目を閉じた。再び、瞳にたくわえた涙が落ちる。
ロイドもそれにならい、二人の距離はやがて零に近づく。

「あー。お取り込み中のところ申し訳ござんせんが。」

びく、と二人が同時に目を開き、声のほうに向き直る。

「ちょっとどいてくれませんかね。証拠品の弾ァ、とりたいんで。」

しゃがみこんだランディが、ススけた顔に悪戯な笑みを浮かべ、二人を眺めていた。

「ラ、ランディ?いつのまに…!」
「いつのまに、じゃあねえよ。周りを良く見てみろよ。」

顔を上げると、部屋にはぞろぞろと警備隊と一課の人員が踏み込んでおり、気絶した男の確保、証拠品の押収にいそしんでいた。

「…ずいぶんと迂闊ですね。残党が来ていたらどうなっていたことか。」

聞きなれた声がしたかと思うと、ティオが押収した書類を手に、いつも以上に嫌味全開でスタスタと歩いていく。

「その余裕を突撃前に見せて欲しかったところです。」
「まったくだ。独りで突っ込んで、この司令室まで一直線だからな。フォローするのがやっとだったぜ。
 ま、この暴れようを見たら、あのガルシアも驚くだろうがな。」
「ご、ごめん。」
「しかもそのあと二人の世界全開だもんなあ。こりゃ猟兵もかたなしだ。」

エリィが顔を湯気の出るほど沸騰させ、うつむく。

「単独行動が目立ったっていうガイさんと兄弟なのも頷けますね。まったく本当に…うちのリーダーときたら…。」
「ハハッ、そう言いつつゼロ・フィールドちゃっかりかけてやるあたり、ティオすけもこいつの馬鹿に呼吸があっちまってるな。」
「…!?」

わざわざくぐりかけた扉から戻ってきて、手にもった書類で殴りかかるティオを片手でいなしながら、ランディが弾丸を回収する。

「ま、ほんとに良かったよお嬢。無事でよ。」
「ごめんね、心配かけて。」
「ははっ!お嬢の為なら火の中水の中ってな。おっと、ロイドにとっちゃお姫様だったか?」
「…!」
「おい!?」
「エリィ、俺は、俺は君のことがぁ〜!」
「ラ、ランディ!」

笑いながら走り出すランディを、ロイドが立ち上がり追いかける。それはさながら、からかう兄とその弟のようだった。

「きゃあっ!ちょっと、ランディ!へんなとこ触らないで!」
「へっへー!今日はありがとなミレイユー!」

遠ざかる声を聞きながら、あとに残ったエリィがロイドの上着を肩にかけなおすと、ティオがその目の前にしゃがみこんだ。
263特務支援課の長い一日(18):2010/10/28(木) 00:06:24 ID:sxx3tBXn
「ランディさんこそ…自分も相当な無茶をしておいて、よく言います。」
「ティオちゃん。」
「…凄く、心配しました。本当に…本当に無事でよかったです。」
「ありがとう。貴方たちのおかげよ。」
「エリィさん…。」

甘えたがる仔猫のようにしがみついてくるティオを、エリィが優しく抱き留める。
室内に様々な人が行き交い、黙々と作業は続いている。
音の無い稲妻のように降り注いだ騒動は、穏やかに幕を引こうとしていた。

***

「まったく!勝手な行動は慎めと言ったはずだぞ!」

ダドリー捜査官が、撤収準備を始めた警備隊、捜査一課の車両の前で、大声を張り上げる。

「人質の確保及び室内の制圧に、協力するのはともかく単独で突っ込むとは!まったくセルゲイさんの子飼いは揃いも揃って今も昔も強引な連中ばかり…!」
「まあまあダドリー捜査官。あんまり怒るとしわが残るぜ?」
「そろそろ血圧も気になるお年頃ですし。」
「私はまだ二十七だ!」

ランディとティオに並び、ミレイユ以下警備隊数名を前に、ダドリーは眼鏡を直した。

「無事だったから良かったようなものを、彼奴の兄の様な身内の犠牲は二度と御免被る!
 今回は当事者が関係していたから黙認したが、今後このような危険な事件がおきたときは、今度こそおとなしく引っ込んでいろ!いいか!」
「へいへい。」
「相変わらず不器用ですね。」
「ええい黙れ!全員乗車しろ。引き続き残党の捜索に移るぞ!」

腕を振り回しながら、ダドリーが号令をかける。車両に一課の人員が次々と乗り込み、ガタガタと悪地に車体を揺らしながら、順番に出発していった。

「しかし、こりゃとんでもない隠れ家だな。普通に探したら見つからないはずだわ。」
「巨木をくりぬいて、中から建造物を作成…。カモフラージュも完璧です。」
「そうね…『インビジブル』か。彼の機転が無かったら、大変な事になっていたかもね。」

ランディ、ティオ、ミレイユが、占拠したアジトを改めて眺める。
相当な年月を経た巨木の一角に扉があり、その周囲を大量に茂った草が囲んでいた。低い木々に囲まれ、街道から通る獣道にのこる車両の跡以外、人の気配を感じさせるものはない。

「悪いな、帰りの足まで借してもらって。」
「もともと安全が確保されるまで、私たちや警察が保護する対象だから、当然の手配よ。街に戻ったら、あとは警察本部が護衛をまわしてくれるから、それまでご一緒するわ。」

ミレイユが、それにしても、と続ける。

「エリィさん、本当に大丈夫?カウンセラーをつけるべきだと思うけど。」
「あーそんなら心配いらねえよ。専門の特効薬があるんでね。」
「とびっきりにぶちんでヘタレで甲斐性無しで向こう見ずですが。」
「あは…そうみたいね。」

三人が振り返ると、あわただしく警備隊の行き交う中、扉の開いた車両の座席に、ロイドとエリィの姿があった。

「のんきなもんだよな。しかしなんでまた、あんな距離あけて寝てんだか。ロイドも肩くらい貨しゃいいのに。」
「…一応、人目を気にしてるんじゃないですか。まあ、あれではまったく無意味ですが。」
「ははっ。そうだな。」
「ふふっ。」

その車内では、二つの静かな寝息がリズムを刻んでいた。
反対の窓にそれぞれの頭を預け、しかしその間には、しっかりと繋がれた二人の手があった。
264特務支援課の長い一日(19):2010/10/28(木) 00:08:39 ID:ArMpw4Jz
やがて押収されたメンバーリストから関係者が割り出され、「残党狩り」は行われる予定だったが、アジトの隠蔽性能を過信していたのか、制圧時に壊滅していたらしく、数時間であっけない結末を迎えることとなった。
ロイドを呼び出した共和国議員も事情聴取を受けることとなり、再びクロスベルタイムズの政治面を賑わすであろう事は、想像に容易い。
堅固な警備隊の護衛により、警察本部に無事到着したエリィが、身を清め、実家から届いた新調の服に身を包んだ頃、ヘンリー議長が来訪し、祖父と孫娘は堅い抱擁を交わした。
議長の感謝を受け、手帳内容の報告を終えた後、特務支援課のビルへと四人が帰宅したころには、夜はすっかり更けていた。

「おう、帰ったか。」
「課長、戻ってたんスか。」
「ああ。お前たちが戻る少し前に、本部から先に引き上げさせてもらった。」
「エリィーーーっ!」

課長と向き合って座っていたキーアがはじけるように立ち上がり、四人の方へ走り寄ってきた。

「エリィ!よかったあ、おかえりなさいっ…!」
「ただいま。キーアちゃん。」

しゃがんだエリィに、キーアが飛びつく。セルゲイが四人の顔を見渡し、タバコに火をつけ、一服ついた。
その足元で、相変わらずのツァイトがあくびをする。

「ただいま戻りました、課長。」
「…ただいまです。」
「全員無事で何よりだ。念のため本部が、このビルに守衛をつけてくれた。今夜のところは安心だろう。
 明日エリィは改めて本部に事情聴取に行くだろうが、他の三人は通常業務につけよ。」
「うへえ、俺たちも聴取してもらいてえなあ。」
「…まあ、わたしたちに関して報告することは先ほど済んでしまいましたし。」

セルゲイが、こんなとき率先して全員を激励するロイドが、珍しく静かな事に気付く。

「どうしたロイド。どこか怪我でもしたのか?」
「あ、いえ。課長、ご心配をおかけしました。」

深く頭をさげるロイドに、他の三人も自然とならう。

「ああ。本当に上司泣かせな連中だな。」
「それを課長が言いますかねえ。」
「クク。さて、俺は先に寝るぞ。お前らもさっさと休めよ。」

どすどすと二階に上る課長を見送ると、エリィの名を呼びながら抱きついていたキーアが、その腕の中で、うっつらうっつらと首をゆらす。

「ははっ。緊張の糸が切れたってやつか。安心したんだろうな。」
「もうこんな時間だものね。」
「……。」

ティオがキーアを見つめ、エリィの正面に立つ。

「…今夜は…わたしがキーアと寝ます。構いませんか?」
「え?」
「うーむ。この顔見ると、流石のティオすけも辛抱できないか。」
「…ロイドさん?」

三人がロイドを見る。課長を見送ったまま固まっていたロイドが、はっと視線に気付き、振り返る。

「あ、ああ?」
「キーアを頂いてもいいですか。」
「ああもちろん。キーアも喜ぶだろう。」

どこか無理矢理な笑顔を、ティオはしばらく見つめ、ふう、とため息をつくと、改めてエリィに向き直った。
265特務支援課の長い一日(20):2010/10/28(木) 00:12:03 ID:ArMpw4Jz
「では、お先に失礼しますね。」
「はい、じゃあキーアちゃんをお願いね。」
「ありがとうございます…キーア、歩けますか?今夜はわたしと寝ましょう。」
「んー…てぃおとぉ?」
「はい。だめですか?」
「ん…だめじゃなあい…てぃおとねるー…。」
「おっし、俺もさっさと寝るかな。お疲れさん。」

三人も階段へ消え、あとにロイドとエリィが残る。

「…。」
「…。」

沈黙が流れる。エリィが言葉をかけようと、ロイドのほうを見ると、再び固まっていた。

「ロイド、大丈夫?さっきから様子が変よ?」
「…ん?そうかな…なんか、俺も疲れたみたいだ。」
「そ、そうね、いろいろあったものね…。」
「えっと、エリィも明日に備えて、早く休むといいよ。」
「うん、ロイドも…。」

ぎくしゃくとしながら、二人も部屋に向かう。

「おやすみ、ロイド。」
「ああ、おやすみ。エリィ。」

二階に上ったところで挨拶をし、ロイドが部屋に入ったのを確認すると、エリィはしゅん、と肩を落とした。

(あーあ、またおあずけかあ。)

エリィは、自分がはしたない事を考えているのに気付き、一人赤面する。

(わ、わたしったら、何を期待して…明日も長くなりそうだし、早く寝なくちゃ。)

そのままぱたぱたと三階へ向かった。

***

ベッドに体を沈めたロイドが、ゴロゴロとその上を転がっていた。上に下に姿勢を変えては、そわそわとしている。

「うーん、何か落ち着かないな…。」

いつも一緒のキーアがいないのもそうかもしれないが、何か、彼の中に、もやもやとしたものが蔓延していた。

「…エリィ。」

そうつぶやきながら、しかし彼が思い出したのは、彼女のはだけた胸の記憶だった。
みるからにふんわりと、下着に包まれたそれは、彼が知る、あらゆる質感の中で、最も柔らかそうなものであり、それを照れながら隠すエリィの姿まで思い返すと、もやもやが更に大きく膨れ上がった。

(だぁぁぁっ!お、俺は一体何を考えて…!)

跳ね起きると、顔を大きく左右に振った。呼吸が深くなっていることに気付き、胸を押さえる。

「だめだ。これじゃとても眠れない…。とりあえず、屋上で風にでも当たろう。」

ベッドから立ち上がり、部屋を出ようと扉を開けたときだった。
266特務支援課の長い一日(21):2010/10/28(木) 00:13:19 ID:ArMpw4Jz
「あ…。」
「え?」

そこには二人の少女が、眠そうな目をこちらに向けている。

「ティオ、どうしたんだ?」
「…いえ、ちょうどいいです。ロイドさん、今日はわたしの部屋で寝てください。」
「へ?」

ロイドがしばらく言葉の意味を汲み取れず、キーアとティオを交互に見る。

「そのかわりわたしたちは、ロイドさんの部屋で休ませていただきます。」
「ああ、つまり部屋を交換するわけか。」
「だめですか?キーアが、どうしてもロイドさんのベッドじゃないと、眠れないらしく。」

目をしょぼしょぼとさせ、キーアがロイドの声を聞き取れないくらい小さな声で、繰り返し呼んでいる。

「えっと、俺は構わないけど。」
「そうですか。ありがとうございます。では遠慮なく。キーア、こっちです。」

すたすたとキーアをベッドに連れて行き、ティオが寝支度を始める。

「お、おい?」
「……なんですか。ロイドさんもご一緒したいんですか?」
「いや違うけど!」
「…じゃあ早く扉をしめてください。寝巻きに着替えるので。」

ティオが服のボタンを外していく。

「あ、お、おやすみ。」
「おやすみなさい。ロイドさん。」

あわてて扉を閉めると、ロイドがため息をついた。

(な、何なんだ…。ティオ、またちょっと怒っていたけど。)

中から彼女の着替える気配を感じ、その場を急いで退散した。

(さすがに女の子の部屋を借りるわけにはいかないな。一階のソファで寝るとするか。)

そう考えながら、とりあえず屋上へと足を運んだ。
手すりにつかまりながら、重い足取りで三階にたどり着いたところで、声を掛けられる。

「え、ロイド?」
「エリィ、どうしたんだ?」

ぱたん、とエリィの部屋の扉がしまる。どうやらいましがた出て来たところのようだ。

「その、なんだか落ち着かないから、あ、貴方の…。」
「ん?」
「部屋に行って、その、改めてお礼を言おうかなと。」

もじもじとする彼女の姿に、再びロイドの中の妙な感覚が蠢く。

「う…。そ、そうか。」
「ロイドは、どうしてここに?」
「いや、どうやらここに来てぶり返した興奮が冷めないみたいで、屋上の風に当たろうかなと思って。」
「あ、じゃあハーブティーを入れるわ。心が安らぐわよ。」
「え、でも。」
「それくらいさせて。ね、いいでしょ?」
267特務支援課の長い一日(22):2010/10/28(木) 00:16:42 ID:ArMpw4Jz
手を合わせ、首を傾げて聞いてくるエリィに、ロイドは困ったような笑みをこぼし、観念した。

「じゃあせっかくだし、いただこうかな。」
「ふふ。じゃあ、入って。」

エリィの部屋に招待されると、清涼感のある香りと、女性特有の甘い匂いが、ロイドの鼻孔をくすぐる。ズキ…と、例の感覚を感じながら、ロイドは考えていた。

(そういえばこの部屋に入るのは、あの日、イヤリングを渡して以来か。)

てきぱきとお茶を淹れる彼女の後姿を見つめる。
女性へのプレゼントなど、生涯初めての事だった。しどろもどろに彼女にイヤリングを突き出し、そのまま逃げるように部屋を出てしまったあとで、冷静になり、後悔した。

(もう一言二言、かける言葉があっただろうに。)
「おまたせ。どうしたの、そんな思いつめた顔して。」
「いや、なんでもないんだ。ちょっとね。」
「ふーん。私に言えないようなこと?」
「そういう訳じゃ!」
「ふふ、冗談よ、ごめんなさいからかって。はい、どうぞ。」

エリィがロイドの前にハーブティーを置く。ふわ…と、彼女の髪がロイドの鼻先を撫で、彼は思わずエリィの腕を掴んだ。

「きゃっ…ロイド?」
「くっ…エリィ。」

顔をしかめたロイドに、エリィがおもわず身をこわばらせる。

「ごめん、その、イヤリング。」
「え?」
「き、気の利いた言葉を、かけてあげられなかった…。」

搾り出すように彼の口から出た謝罪の言葉に、エリィは全身にいれた力が緩んだ。

「ううん、いいの。私を心配して、渡してくれたんだってわかったし、凄く嬉しかったから。」
「エリィ…。」
「ありがとうロイド。私を、守ってくれて。」

二人が見つめあう。席を立ったロイドが、彼女を抱きしめ、その髪を撫でる。

「好きだ、エリィ。」
「…私もよ、ロイド。あなたが好き、大好き…。」

エリィは子をあやすような手櫛を感じながら、再び、やや早い彼の鼓動を聞いていた。
ゆっくり顔を離した二人は、自然に瞳を閉じ、今度はそれを阻止するものは現れなかった。

時が止まる。

「――はぁっ。」

永遠に思えた時間の後、やがて影は分かれ、二人の間をつうと銀が引き、ぷつりと切れた。
頬を桃色に染め、開放された彼女が、熱っぽい目でロイドを見つめる。

「続き、できたね。」
「え、エリィ…。」
「ロイド、当たってる…。」
「…こ、これはその!…ぐっ…。」
「くすっ。嬉しいな。やっとロイドに女の子として見てもらえた気がして……ロイド?」

肩を震わせる彼を、エリィは最初、自分と同じ、緊張しているものだと思った。だが明らかに様子がおかしく、唇をわなつかせ、目の焦点もあっていない。
268特務支援課の長い一日(23):2010/10/28(木) 00:19:22 ID:ArMpw4Jz
「大丈夫?ひどい汗よ。」
「いや、なんでもないんだ…。」
「なんでもないこと、ないわよ。具合を悪くしてるんじゃ…」

ここへ来て、エリィがセギンの話を思い出す。

(まさかロイド、あの薬を…!)
「今日、無理矢理付き合わされたバーで…似たような感覚になったんだ。いきなり女性に囲まれて、めまいがしたけど、その時は気合で何とかなったのに…!」
「ロイド…。」
「体が熱い…。今俺は、すごく、君が欲しい。でも、やっぱりダメだ。こんな、変な俺のまま、君を…。」

錆びた鉄のように体をきしませ、エリィから離れたロイドが背を向ける。

「き、今日のところは、帰るよ。ハハ、何やっても中途半端で…ごめん。」

そのままふらふらと、机に置いた手で体を支えながら、部屋を出て行こうとする。不恰好な彼の背中を、今度はエリィが駆け寄り、抱きしめた。

「え、エリィ?だめだ、今は…」
「謝る必要なんかないわ。」

エリィは、しっかりとした声で彼の言葉に反論する。

「あのアジトで聞いたの。ロイドのことを、薬でたぶらかして、足止めをする計画…。」
「…。」
「私はあの時、怖かった。自分の状況よりも、あなたが誰かを抱きしめる姿を想像して、ずっと怖くて悲しかったの。
でも、あなたは、誘惑をはねのけ、いつもみたいに真っ直ぐな心で、私を救いにきてくれた。そんなあなたを、変だなんて、ましてや中途半端だなんて、絶対に思わない。」
「エリィ…。」
「今の貴方も、他の誰でもない、ロイド・バニングスだわ。私がこんなに…理解できないくらい大好きな…。」

悲痛な告白は続く。

「お願い。今夜は、一緒に居て。私と…。」

背中にしがみつき、必死に訴える彼女に、ロイドは額の汗が引いていくのを感じた。じんわりと広がるぬくもりが、ざわめく彼の心に、確かな安らぎを与えていく。
彼女のほうを向き直ると、その肩に手を置いた。

「ありがとう、エリィ。ちょっとだけ落ち着いたよ。」
「ロイド…。」

健気な笑顔に、ロイドの心の瘴気は塵となって消えた。だが、その肉体は、心とは裏腹に、彼女に向け欲望の矛先を向けている。

「その、あなたが嫌なら、無理はしないで。でも…」
「エリィ…。」
「私、あなたがいつか言ったように、今のあなたの辛さを、分かち合いたい…。」

そっとエリィが、ロイドの頬に口付ける。
そして尚も心身の葛藤が続く彼の耳元で、その理性にとどめの一言をささやいた。

「だから、私で…あなたを蝕む毒を…抜いて…。」
269名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 00:23:17 ID:ArMpw4Jz
話のほうは完成してるのですが、推敲を重ねてるので、もう少しお待ちください。
Get over〜聞きながらなので、勢いばかりの展開になってますがご容赦のほど。
270名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 00:32:57 ID:RQu2hk6Z
>>269
リアルタイム投下キター!
みんな仲良しで可愛すぎる続きも楽しみにしてる
271名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 00:53:46 ID:h1RVb13O
ロイド無双と同じ人が書いたとは思えないほど一途なロイドさんだなw
ところでミレイユさんがどこを触られたのか気になるのだが天眼のクォーツを装備すればわかるのかな
272名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 00:56:42 ID:3pFiOuPm
このスレあるまじき可愛さ・・・!

だが俺はアルウェンRPGの人の帰還を願い続ける作業に入る・・・!
273名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 01:06:30 ID:cIbcI5+4
>>269
GJ ロイドとエリィいいね
続き待ってます
274名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 11:59:40 ID:O23TUUXO
ロイエリ!ロイエリ!
275名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 14:43:24 ID:ySL/dYXM
分かったから早く続きを書くのだ
276特務支援課の長い一日これまでのあらすじ:2010/10/28(木) 19:15:57 ID:C6C8J/XK
文章の誤り…あれだけ見返したのに。(21)の訂正。

×目をしょぼしょぼとさせ、キーアがロイドの声を聞き取れないくらい小さな声で、繰り返し呼んでいる。
◎目をしょぼしょぼとさせ、キーアがロイドの名を、聞き取れないくらい小さな声で繰り返し呼んでいる。

あと、能書きがやたら長いのではしょりたい方の為に。(1〜23の内容)
↓スタート↓
数週間前ロイドからエリィにイヤリングの贈り物
ロイド共和国議員から面談の誘いをうけ留守
エリィ、ロイドからの手紙によりジオフロントA地区へ、残念ニセ手紙でしたそのままエリィ誘拐
ロイド媚薬ごっくんでおにゃのこの集団に足止めをくらうが気合で脱出
ティオランディ異変に気付きロイドへ連絡
犯人はルバーチェ商会の取引相手「エンジシ運輸」で元猟兵団「インビジブル」
目的はマグダエル現議長に対する共和国議員への議長譲渡
団長「セギン」の野望は共和国議員の発言権を拡大し武器商法の拡大、はては帝国との戦争へと発展させるため、ひいては猟兵団の名誉の復活
ルバーチェ商会とのルートを潰された落とし前として部下への賃金をエリィの体で代価
エリィが彼らの手にかかる寸前突入したロイドのバーニングチートがライジングサン
エリィ救出
駆けつける速さに???のエリィにネタバレ「そのイヤリング実は探知機でした。」
その日の夜エリィの部屋でロイド媚薬効果がぶりかえす
退散しようとするロイドの理性に抱きとめたエリィがSクラフトを叩き込む(いまここ)

>>271
前と上にいく度胸は、たぶんランディには無いです。
277特務支援課の長い一日(24):2010/10/28(木) 21:00:23 ID:C6C8J/XK
***

ベッドに腰掛けたエリィに、その両手に顔を包まれたロイドが、ついばむようなキスを繰り返しながら、上着とシャツを脱ぎ捨てる。

「ちゅ…んん……ちゅるっ…」

いつまでも餌をねだる雛とその親鳥のように、ロイドは優しく、しかしファーストキスとは比べ物にならないほど激しく、彼女の唇をくわえ、口膣に侵入し犯していく。
じゃれるように絡まる舌が、ちゅぷちゅぷと淫靡な音を立て、ロイドの欲情を急速に駆り立てていった。
彼にむさぼられ、悦びの灯るエリィの目に、ロイドのはだけた上半身が映る。バランスのとれた肉付きは、まさに健康体そのもので、その筋肉は相当鍛えられている事を物語っていた。
ガイの背中に追いつこうとする努力が、そこにも垣間見える。

「…はむちゅ…んちゅ……やあ…。」

エリィを堪能したロイドの舌が彼女の濡れた下唇をしゃぶり、つつ、と首筋をうなじのほうへ下ると、そのまま耳までじわじわと舐め上げる。

「ひゃうんっ。」

びくびくと体を震わせ、紅潮したエリィの横顔に、ロイドはそのまま激しく押さえ込み、乱暴に犯したくなる衝動を必死に抑え、下の脱衣にうつった。
かちゃり、とベルトと止め具をはずし、重力にまかせてズボンを落とす。その下から、張り詰めた彼の下着が現れた。

(…あんなに…ロイド、苦しそう…。)

強い正義感と意志をもつ彼が、盛んなお年頃ながら、淫らな謀略をはねのけたのは、まだどこか納得がいく。
しかし、内から湧き出る誘惑に耐え、事件解決から今この瞬間までも、彼女を気遣ってくれるその姿に、並ならぬ深い愛情を感じ、その苦痛を少しでも早く取り去ってあげたかった。
彼の腰に、エリィの両手が伸びていく。

「…エリィ…?」

そのまま腰紐に指を差しこむと、するすると、彼の下着をおろしていく。張っていた頂点が下へと移動し、たくましい茎があらわになる。

(…あ、すごい…こんなに太いんだ…。)
「え、エリィ、そこはまだ…それに自分で脱げるから……っつ!?」

先端まですっかり脱がし終えた瞬間、うなりをあげ飛び出した彼の剛竿が、へそを打ちぺちんと鳴った。ぴゅっと透明な飛沫が飛び、エリィの上着の胸部に付着する。

「きゃっ…!」

そのあまりに凶暴な全貌に、エリィが思わず手を引っ込める。彼女の愛用する導力銃を上回る体格に、太い血管がいくつも浮き出たそれは、上下に小刻みに脈打ち、皮を被ったヘビの頭のような先端が、ヌラヌラと光る一つ目でエリィを睨んでいた。
ロイドは、自分の恥部を暴くべく腰をなぞっていったエリィの指の感触、エリィの眼前に晒してしまった羞恥心、布すれの刺激に、今にも達しそうになるのをこらえる。

(…お、男の人って、こんなのをいつもしまっているの!?)

やや混乱しながら、その先端を指でつついた。

(や…なんか…でちゃってるよ、ロイド…。)
「…!?」

そのまま円を描くように正面を優しく撫でる彼女の指を、ロイドがあわてて押さえる。

「あっ…ご、ごめんなさい、痛かった?」
「いや…!」

危なかった、今のは危なかった、心で呟きながらロイドは冷や汗が量産されたのを額に感じ、エリィの手をそっと押し返す。

「…その、私……こんなにしながら、助けに来てくれたんだって思うと嬉しくて……。楽にしてあげたくて…。」
「いいんだ、気にしないでくれ…」

――むしろ拷問だったのは君を見つけてからだったよ。
などと、とても直接言えるはずもなく、ロイドは不安そうなエリィに顔を重ねる。いよいよ彼の精神力も限界が近かった。焦るように彼女に向けて、請う。
278特務支援課の長い一日(25):2010/10/28(木) 21:02:53 ID:C6C8J/XK
「え、エリィ…君の…」
「うん。」
「む……胸を見たいけど……いい、かな?」

こんなときまで律儀なロイドに、エリィはくす、と微笑み、彼の頭に手を回すと、気品ある鼻先を、ロイドのそれにくっつける。

「いいわよ…私はもう、あなたのものだから…見たいところ、全部見て?」

いちいち崖から突き落とすような言動を容赦なく振舞う彼女に、ロイドは少し恨みながら頷く。
彼女が纏う外套に手をかけ、ゆっくりとそのボタンを外し終えると、内側からの反発をうけ自然にエリィの前がはだけた。
谷間を形成する女性の肌を見て、ロイドの下半身が歓喜したようにまた腹を打つ。改めて見る迫力に、彼は盛大に喉を鳴らすと、おずおずと、下着に包まれた豊かな膨らみを下から持ち上げた。

「ん…。ロイドの手、あったかい…。」
(や、やわらかい…!)

IBCの夜から、何度か夢にまで見た感触。やわやわと指に力をいれるたびに、整った半球が歪に形を変える。下着の上からこれなら、直接触ったらどうなってしまうのだろうか、ロイドの頭の中は一瞬でその一点に埋まりきった。

「…いい、よ。」

察したように、エリィが促す。
ロイドが、手を上に移動し、下着の隙間へと滑り込ませる。するん、とブラジャーがその甲に追いやられるように外れ、掌をささやかに衝いてくる存在を感じた。

「…あん…。」
「〜〜〜っ!」

思わず漏れたエリィの甘い鳴き声と、握るに任せ沈んでいく右手に、ロイドは腰を引いたが、もう遅かった。
睾丸が上昇し、透明な涙を流していた鈴口が、びゅるっ…、と粘度の高い劣情を吐き出す。たまらずロイドは、エリィの胸を激しく揉み、敏感な若芽を指の腹でつまみあげた。

「あっ、やぁんっ!」

突然の乱暴な愛撫に身をよじり、太股の表面に熱を感じ目を遣ると、ロイドの中心がゼリー状の液体をリズム良く放ち、エリィの閉じた足に撒き散らす。すらりと伸びた彼女を包むストッキングに、ぼた、ぼたと白い塊が落ち、じわりと染みを広げた。

「……んんっ…。」
「くっ…はぁっ……。」

歯を食いしばり、尚も胸をまさぐる彼の手を感じながら、エリィが眼下の惨状に息を呑む。

「…ロイド…私の胸、そんなに気持ちよかったの……?…」
「…うぅ…。」
「すごく熱い。これが…」
(ロイドの…なのね。)

最後の一滴まで搾り出すように肉棒が上下運動を繰り返し、エリィの太股に糸を垂らす。脚と脚の谷間を孕ませんばかりの濃さと量に、彼女が手を伸ばした。ぬる…とした感触が指を伝い、顔の前にもってきたそれを、手の中で弄ぶ。

(…ロイドのにおい…。)

下腹部を血がめぐり、熱を帯びるのを感じ、エリィは自分が発情しているのを改めて実感した。
ロイドと同じように、自分も彼を激しく欲しがっている。それは、肉欲からくるものというよりは、エリィの心が放つ、彼にとって特別な存在でありたいという願望を、若い肉体が屈折して受け止めている結果だった。

「はぁっ…ご、ごめんエリィ…せっかくの新品なのに、汚して…」
「ロイドのなら、全然気にならないわ。私で感じてくれて…うれしい。」
「エリィ…っ。」
279特務支援課の長い一日(26):2010/10/28(木) 21:06:36 ID:C6C8J/XK
外部からの刺激なしの射精とはいえ、激しく果てたのにも関わらず、ロイドは血管の締め上げる音が聞こえてきそうなほどに、今だ怒張していた。その息遣いも、前にもまして荒くなっている。
エリィは、この程度では彼がまるで十分ではない事を理解し、胸に張り付いたロイドの手に自分のを重ねる。

「…だ、だめだ、君の全てを見たい。…脱がすよ。」

返事の変わりに、エリィが目を伏せる。
彼女の腰のベルトが抜き取られ、外套を脱がされると、美しいシルエットが現れた。ロイドは息を荒げながらもエリィを優しく押し倒し、ストッキングをショーツごとつかむと、一息に引き剥がす。
エリィも、脱がしやすいように、両足をあげ彼に協力すると、つま先から最後の遮りが取り払われた気配と共に、上下の恥じらいに、隠さない程度に手を添えた。

「…ロイド…。」

無言で視線を落とすロイドに、エリィはかーっと音を立て顔が赤くなっていくのを感じた。
はだけた胸は、片手で全て隠せるはずもなく、二つの蕾もぷっくりと、彼の愛撫により固く勃たされている。
Y字に閉じた内股には、軽くそえられた指の間から、羽のように広がった彼女のロングヘアーと、同色の産毛が見え、その下にちらりと、柔肉にくるまれ充血した肉豆が顔を出していた。
そこに彼は特に興味津々らしく、何度も他の場所に浮気しては、食い入るように見返している。

これで、本当の意味で、彼に全てを暴けだしたことになる。ずっと以前から覚悟していたとはいえ、いざ現実に直面すると、その羞恥は想像を絶するものだった。
彼の視姦に、脚をもじつかせ、エリィが顔を背ける。

「もう…そ、そんなにじっくり観察して……えっち。」
「あ、ああ!すまない…!」
「…ロイドったら、そんなすぐにあやまらないの。別に責めてるわけじゃないんだから。」

エリィが片肘をついて身体を起こす。添えられたもう片方の腕から、たわわにこぼれる胸に、ロイドの肉棒が大きく反応を示した。

「これで服にかかる心配もないから、遠慮なく…いっぱい出していいのよ?」

いじらしく囁きながら、ちゅっ、と可愛いキスの不意打ちを受ける。人差し指でつん、と唇をはじかれ、ロイドはお返しとばかりに彼女にむしゃぶりつき、二人してベッドに身を沈める。

「んんっ…。ひゃむん…」
「綺麗だ…可愛いよ、エリィ。」
「あん…どっちなの?」
「両方さ…。エリィは、綺麗で、可愛い…。」

エリィの顔にキスの雨を降らせ、ロイドは再び、彼女の豊かな実りを、今度は両手で吟味した。
それは彼の指と指の間に、牛皮に覆われたプリンのようにあふれ、それでも彼の掌には余り、そのまま円を描く動作に蹂躙される。キスはいつしか顔から、胸のほうへ徐々に下降し、その場所へと到達する。

「ひううぅ…!ロイド、そんなに強く…あぅっ。」

ロイドが、くわえたしこりを丹念に舌で磨きあげる。ざらざらとした舌に、敏感な部分を執拗に責められ、エリィが、普段の彼女と聞き違えるほどに淫らな声を上げ、よがる。
そのままロイドの舌使いに抵抗してきたピンと硬い存在を、彼はこらしめるように、ねぶり、つつき、転がして、高く吸い上げた。

「ひゃあん…っ!」

エリィが背をそらす。そのまま彼女を解放すると、乳房が水のように波うち、形を戻す。彼の寵愛を受けた場所は、唾液にまみれ、痺れるほど勃起していた。
280特務支援課の長い一日(27):2010/10/28(木) 21:11:45 ID:C6C8J/XK
「も、ばかあ…。」
「い、痛かった?」
「…ちが…へんな声でちゃうから、やだったの……。」

消え入るような声で訴えるエリィの横顔に、ロイドが口付け囁く。

「へんな声なんかじゃないよ…。もっと聞かせて欲しい。俺だけが知ってる、エリィの声…。」
「もう…とっくに、あなたしか知らない私ばっかりで、いまさらそんな…あぅん!」

再びロイドがエリィの胸に顔をずらすと、今度は反対を頬張る。

「わたしなんか…あん、いいから、ロイドの…しないと意味、ないじゃないっ…!」
281特務支援課の長い一日(28):2010/10/28(木) 21:12:12 ID:C6C8J/XK
エリィが必死に伸ばした両手で、彼の象徴を包み込む。
びくっ、と背を反り、ロイドが予想外の刺激に跳ね起きる。

「っ!…かはっ、エリィ!?」
「やあ、こんなに膨らんで…。」
「だ、だめだ、今君に、そんな、されたら…!」

彼を包んだエリィの手が、ゆっくり上下し、さする。

「私ばっかり、あなたに救われるのは嫌…だから、我慢しないで…」
「そんな、俺は既に君にっ…ってぇ、ダメだ、そんな両手でなんて!」
「こうすれば、きもちいいの?」

グロテスクな肉の表面を、雪のように白く美しい十の指が、優しく撫で回す。
今放てば、彼女の上半身に自分の汚濁が降り注いでしまう…そう考えながらも、さきほど一本で撫でられただけでも厳しかった彼にとって、それはもはや地獄の責め苦だった。

「いや、本当にまず…いっ!?」

しゅるん、と、ロイドの頭を覆う皮が、半分ずれる。
エリィの顔の両側に手をつき、身体を倒すと、目を硬く閉め、打ち寄せる波をなんとか退ける
ロイドが息をつきながら視界を回復すると、その先で残酷な仕打ちを続ける腕を揺らしながら、エリィが蕩けた目でこちらを見つめ、無垢な感想を述べた。

「ロイドの、あつくて、かたぁい…。」

きゅっきゅっ、と、エリィの手が彼の竿を握り締める。
細い感触が雁首にからまり、覆う皮を完全にめくりあげた。神経をむき出しにした部位に、彼女のうねく指が触れ、退けたはずの波が、今度は数倍も高さを増し、跳ね返ってくる。

「え、エリィっ…!」
「きゃっ…すごい、まだ大きく…あんっ!?」

ロイドがエリィの手膣の中で二、三、激しく腰を前後する。
エリィの手が、彼の中を何かが突き抜けるのを感じたのと同時に、彼女の腕に挟まれ張っていた彼女の胸に、大量の精液が打ち付けられた。
どくん、どくん…と、心臓が血液を吐き出すように、次々と排出される粘液が、彼女の母性の象徴に降り注ぎ、白く陵辱していく。

「はぁあっ…。」
「あんっ…さっきよりもいっぱい…。」

相変わらず加減を知らない悪戯をうけ、彼の弱点は痙攣し、蓄えていた子種を搾取されていく。
陵辱の標的は次第に下腹部へ及び、エリィの指を伝うと、彼女のささやかな陰毛にも、断末魔のような雫を落とした。

「…ふふっ…私の手でこんなにだしてくれた……。」
「はぁっ…はぁっ…。」

エリィが、薄紅色に染まった胸からへそにかけて、つー、と伝ういくつもの感触に、うっとりとした声をあげる。
その目の前で、ロイドが呼吸を整えるべく、一人奮闘していた。
目の前で扇情的な痴態をさらす彼女を見ないよう目を閉じ、深呼吸をする。

「…ん…。ロイドのミルク、美味しい♥」

そんな彼のことなどそしらぬ顔で、エリィが自分の胸に注がれた彼の劣情を指ですくい、口に運びながらとんでもないことを言い放った。
ロイドの、波がようやく引き、穏やかになった水面に稲妻が走り、無数の竜巻と津波が台風をバックに押し寄せ、ロイドは諦めるように、彼女に襲い掛かった。
282名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 21:15:12 ID:C6C8J/XK
ひいい…修正前のを送信してしまった。
↑の文

×目の前で扇情的な痴態をさらす彼女を見ないよう目を閉じ、深呼吸をする。
◎扇情的な痴態をさらす彼女を見ないよう目を閉じ、深呼吸をする。
283名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 21:32:21 ID:8NvIKFA3
特務支援!兄貴とティオ助も協力して!
284名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 23:50:04 ID:Db542jXw
ロイド火星人かwww
285名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 23:51:57 ID:h/nwx9m2
前と上はなしってことは後ろで下?
軽く抱きつきでもしたのかなーと思ってたけどラニキどこ触ってんのw
286名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 23:46:39 ID:uBvQHJFq
早く続きを…

俺のトンファーがチャージしっぱなしだ
287名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 13:38:08 ID:9sJV4A6R
やっぱりロイド×エリィは純愛甘々ラブイチャ和姦が似合いますね
ぜひエリィの尻肉をそっと開いて尻穴を優しく舐めてあげるシーンも欲しいです
288名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 21:04:19 ID:KENzvCNM
>>257の続きで
そのままエリィが犯されてしまう話もお願いします。
289名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 21:08:56 ID:tS/yre9V
その続きでエリィにチンコ生える話もお願いします。
290名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 21:11:54 ID:I0QBDxn2
その続きでエリィがペット化されてしまう話もお願いします
291名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 21:52:18 ID:hfCRz5tX
ロイドとエリィがラブイチャの日常が読んでみたいです。
また、キーアか子供に嫉妬するエリィの話がよんでみたいです
292名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 22:33:22 ID:To6nrPQg
俺も>>288の展開キボン
293特務支援課の長い一日(29):2010/11/01(月) 00:09:29 ID:DzL4F6cz
***

「あふっ…あむちゅ……ロイドぉ…。」

ロイドが、彼の歯止めを狂わせる子悪魔の口を塞ぎ、その脇腹をくすぐる。

「はうっ……っ!やあんっ、ひゃめっ…!」

子供のような戯れから逃れようと身をよじると、反対側で待ち構えていた彼の手に、すっぽりと乳房が収まり、その先端をひねり上げられた。
虚を突かれ、肩をすくめたエリィが、ひときわ大きな嬌声をあげる。

「んんっ!やっ、そんなつよくしたら…形かわっちゃうっ…。」

彼の手を掴みイヤイヤをするが、責め立ては勢いを増すばかりだった。
脇腹を撫でていた手が、するするともう片方にもしのびより、絞るように揉み上げる。

「くぅうん…!」
「エリィっ……。」

エリィのふくよかな感触を楽しみながら、ロイドが大きく姿勢を動かし、体重をかけないよう彼女に跨る。

「ふあ…。」

押し付けられた硬い熱を感じ、エリィが、自らの谷間の向こうに、さんざん粗相をした犯人を見つける。
彼女の手で致命傷を受けたばかりのそれは、しかしまるで何事も無かった顔で起立していた。
その持ち主はというと、血走った目で、鷹の如く両手に捕まえた獲物を凝視している。

「くすっ…。ロイドったら、そんなに……おっぱいが好きなの?」
「…え゛っ。」

彼は思わず両手に力を込め、図星ですと言わんばかりの反応を返す。

「きゃあんっ!…ほらぁ、そんなにしっかり掴んで…。解かってるのよ。ロイド、いっつも女の子の胸ばかり見てるの。」
「い、いや、大体はその、不可抗力というかっ。」
「そのくせ、私のは、ちっとも見てくれないんだから…。」

エリィが拗ねたように、背けた顔から見上げてくる。

「でもそれは…大切にしたいからであって。」
「…ま、またそうやって調子のいいこと言って。」
「いや、本当だよ!なんていうか、手が届かないって言うか、それこそ、女神みたいな、汚してはいけない存在っていうか…うっかり見たら、いろいろ我慢できなくなりそうで…。」

無自覚もここまで来ると凶器のようなもので、からかい半分の嫉妬を吹き飛ばされると、エリィは思わず彼から目を逸らした。

「そんな、大げさよ。なにもそこまで…。」
「いや…俺も、自分でも驚くけど、君に関しては、これがまったく大げさじゃないんだ…。」
「ロイド…。」

エリィの反撃も、そこであっさり終了する。最後に、今まで蓄積してきた鬱憤の反動が、少しだけ出た。

「それで…その女神だなんて言ってくれた私の胸に、そんな立派なものくっつけて…ロイドは何をするつもりなのかしら?」
「うぐっ…。」
「ふふっ。」

寄せ集められ、彼の中に窮屈そうに収まる自分の胸に手を置き、エリィはロイドに真っ直ぐ向かって、彼の正気にとって天敵となる笑顔を見せた。
294特務支援課の長い一日(30):2010/11/01(月) 00:11:21 ID:DzL4F6cz
「ロイド、かわいい…。皆がつい意地悪したくなっちゃう気持ち、わかるなあ。」
「え、エリィ…、君はわかってて…!」
「あっ…やぁっ…。そうよ、好きな人に…んっ…わかっててこんなこと言っちゃう悪い女なの…だから、私の胸に、気がすむまでおしおきして…。」

ロイドが狙いを定め、彼女の要望に応える。すでにたっぷりと淫油が塗られたそこは、貫く槍を難なく通していった。

「ああ…すごい、びくびくしてる…。」

やがて彼女の中から顔をだすと、その先端ははちきれんほどに充血し、新たな分泌液を生み出していた。
ロイドが顔をしかめながら、動作を開始する。

「はあっ………。」
「ううっ…くっ、やわらかいよエリィ…。」

彼の中で禁忌としてきた場所に、自らを突っ込む背徳と、妄想をはるかに凌駕する快感に、腰の速度を徐々に増していく。
谷間に溜まっていた濁流が、ロイドのその化身にまんべんなく纏わり、行為を助けた。

「やだあ…これ、やらしい…」

打ち付けられるたびに彼女の胸がはじけ、その衝撃が波となり表面を伝った。腰との接触部分は早々に赤みを帯び、その間で濁流の余りが蹂躙され、粘りを含んだ音を立てる。
彼の手も、拘束した対象に、やわやわと愛撫を続けるのを忘れていない。

「はっ…くっ…はぁっ…!」
(こんなに必死になっちゃって…ほんと、かわいい。)

引っ込んだかと思うと、顔を出しては、エリィの鼻先まで飛び出してくるそれを、彼女が色情を孕んだ目で見つめていた。
やがてその下で、彼との『続き』を果たし、女性の艶をおびた唇が、おずおずと開く。

「んっ…。」
「…つっ…!?…くあぁっ、エリィっ…!」

彼女がだらしなく伸ばした舌の上を、つるん、と亀頭が滑る。
たっぷりの唾液を塗りつけられ、ロイドに電撃が走り、精巣がぎゅる…と音を立てて発射を警告するが、それを止められるほどの理性は、既に彼には残っていなかった。

「ああっ、え、エリィ…!そんなっ……!」
「うゆっ…ろいろ…ひもひいい?」
「…っ!」

彼女の前に突き出すたびに、柔肌に搾り出された透明な我慢の証を、可憐な口から伸びた舌が拭うように舐め上げる。
あまりに淫乱な女神の姿に、ロイドの、既に超えている臨界点へ、快感が上乗せされる。
同時に、ずくん、と全身の血が巡る。一度切られた堰が戻るはずもなく、ロイドは昂みへ上っていった。

「あああっ、エリィッ!」

数回の短い助走を繰り返し、ロイドが両手に満身の力を込め、大きく身を乗り出し、腰を突き出す。

「きゃむんんっ?…はむっ!」
「…うあっ!?」

滑り込んできた舌の上で、ぷくっ、と膨張した傘の部分を、思わずエリィがくわえた瞬間、彼は絶頂を迎えた。
それが何の感触なのか理解した途端、だめ押しの一撃がロイドの煩悩を直撃し、一度に通過できる容量を遥かに超えた精が暴発する。

「…うぐうっ…!ううっ…!」
「ん、んんーっ!…むぅう…っ。」
295特務支援課の長い一日(31):2010/11/01(月) 00:12:13 ID:DzL4F6cz
ロイドが、痛いほどの射精感にうめきながらも、エリィの口内へと子種をぶちまけた。
びゅるりと、紐状の粘液を次々に打ち付けられ、彼女は涙をにじませ、何度もむせそうになるのをこらえる。

「んっ…んくっ。んくっ。」
「くっ…ああっ、エリィっ……!」

乳飲み子のように鼻を鳴らし、それを嚥下していく彼女を見て、ロイドの背徳感はピークに達した。それでも彼の分身は、壊れたポンプの様に、くみ出すのをやめない。
普段の聖母のような彼女とのギャップも拍車となり、射精は長く続いた。

「んっ…ぷぁぇ…っ。」
「ふ、ううっ…ふうっ…はぁ………」

ようやく下火になったロイド自身が、エリィの上唇から開放される。
ちろちろと敷いたままの舌を動かされ、その上で今にも息絶えそうな紅茸が、情けなく精の残りを放つ。

「…れろ…んちゅっ。」
「はあっ…うっ!」

最後の接吻を受け、大きく反り返ると、エリィが離れたそれをうっとりと見つめた。

「…けふっ…。……あは…お仕置き、たくさんうけちゃった…。」
「く、苦しくなかったか…?抑えが、利かなくて…。」

ロイドが彼女から身体を離した。
たっぷり彼女の胸を堪能した肉棒が、満足そうに宙へ浮く。

「…ロイド……。」
「え、エリィ!?」

それを追うように体を起こし、エリィが再びそこへと口付けた。

「ん…ロイド、べたべた…。」
「これは、じ、自業自得だから…。」
「綺麗にしてあげる…。」

つぶやく様に告げ、ゆっくりとその全身を飲み込んでいく。

「うっ、くああっ!?」

そのまま根元までくわえ込むと、エリィは全体をねぶるように、丹念に舌を絡ませていった。
たった今出したばかりだと言うのに、なんのためらいも無い彼女の奉仕を受け、あっというまに再充填が完了する。

「!?…んあぷっ。」

突然口の中で倍に膨れ上がったのに驚き、エリィが口を離した。
ぶるんっ、と飛び出したやんちゃなロイドを見て、彼女が改めてその大きさに目を丸くする。

「んっ……ちょっと、大きすぎよ?ロイドのここ。」
「そ、そんなこといわれても…。」

片手で竿を握り、一方の指でてかりを放つ頭を撫でながら、エリィが不服そうに見上げてくる。

「これじゃ、はいりきらないじゃない…。」

文句を言いながら、直立したそれを丁寧に舐めあげる。
慈しむような優しい舌使いに、ロイドは彼女の肩に手を置きながらも、それを突き放すことは出来なかった。
296特務支援課の長い一日(32):2010/11/01(月) 00:16:39 ID:DzL4F6cz
「はあっ…エリィ…。」
「はむっ…ちゅむっ……まだ、辛い?ロイド……。」

ひととおり舐め終わり、小さなキスを繰り返しながら、エリィが聞いてくる。返事をするべく彼女を見下ろすと、たわわな胸の隙間からそれは見えた。

「ちょ、エリィ…。」
「どしたの?」

自分が何も着ていないのを忘れているかのように、油断しきり半開きにした脚に気付かず、エリィがきょとんとする。
先ほど確認した肉芽の下に、まだ穢れをしらない固く閉じたスリットが伸び、その上にぽつんと一つの雫が珠となって佇んでいた。
なんの覚悟もないまま、彼女の秘所の全貌を目の当たりにしてしまい、ロイドの中心に煩悩が集結していく。

「くっ、手を…は、はな…。」
「あ、またふくらんだ…出そうなのね。」

エリィが絡ませた手を上下させ、つぶやいた。

「全部は、無理だけど…。」

彼女の縦一文字を凝視し、そこに無理矢理ねじ込むロイドの妄想に、視界ごと重ねるように、ぱくりと彼の剛直は咥えられる。
エリィの口内と膣内を同時に突き進み、四度目は驚くほどあっけなく訪れた。

「…くっ…ああっ!」
「んむっ…!」

頭を両手で掴まれたかと思うと、エリィの口に、限界までロイドの欲望が差し込まれる。
そのまま直接食道に向けて射出されたものを、再びエリィは健気に飲み干していった。彼女の白い喉が音を立てるたび、貫く先端の表面を、粘膜がうねき締め付ける。

「はあっ…!はあっ…!」
「んっ…んんっ…!」

目を閉じ、その脳裏で、エリィに容赦ない膣内射精を行いながら、ロイドが快感に身を任せる。
想像の中で彼に犯されているとは露知らず、エリィはその情けをすっかり飲み干し、彼の手が緩んだのを感じ取ると、貫かれていた口を引き抜いた。

「んっ、けほっ。ロイドったら、強引なんだから…。」

自分の事を棚に上げて、エリィが彼女の中で痙攣を続けるロイドの先端を指でちょんとはじき、めっ、をする。

「…ロイドので、おなかたぷたぷになっちゃった…。」
「はあっ………エリィ…!」
「あ、まって、まだ私口の中に…んっ。」

構わずエリィの唇を奪うと、彼女の中を舌でなぞり、その名残を確かめる。

(にがい…。)

顔をしかめ、お世辞にも美味しいとは言えないその味を確認していると、エリィが口を離し、ロイドと額をくっつけた。

「…だから言ったのに…。」
「エ、エリィ、こんなものを俺は君に、二度も…。」
「ふふっ…私にとっては、大事なものよ。」

申し訳なさそうなロイドに、エリィが、自らのお腹を撫でて見せる。

「ロイドが、私で気持ちよくなってくれて、だしたものだもの…。それに、あなたが中で溶けて、私の身体になるんだって考えると、凄く嬉しいの。」

ぽっ、と顔を赤らめ続ける。
297特務支援課の長い一日(33):2010/11/01(月) 00:18:26 ID:DzL4F6cz
「あなたの赤ちゃんの素でも、あるわけだし…。」
「エリィ…。」
「あっ…ロイド…。」

彼女を抱きしめ、倒れ掛かる。
二人の間で、往生際を知らない肉棒が、再び存在を主張していた。

***

「見るよ?エリィ…。」

こく、とエリィは目を閉じたままうなずく。ロイドは彼女の両膝に手を置くと、壊れ物を扱うかのように、ゆっくりと押し開いていった。

「やぁぁっ…。」

脚を大きく開かれ、その中心部に彼の熱い視線を感じ、エリィは羞恥の声を挙げた。
そろりそろりと、その場所を隠そうとする彼女の手を、彼が阻止する。

「だめえ、そんなじっくり…。」
「…濡れて、光ってる…宝石みたいだ…。」

先ほど事故で見てしまったときに確認した水気は、間近でみると内股にまで及んでいた。
太股の間に顔を割り込ませ、細部まで観察する。

(そ、そんなに顔ちかづけて…。)

毛穴すらほとんど無いそこは、絹のように白く滑らかで、肉厚の表皮が控えめに開き、ピンクのひだが見え隠れした。
恥ずかしさのあまり声も出ないエリィをよそに、ロイドが荒げた呼気を吹きつける。
そっとその割れ目に親指と人差し指を押し当てると、Vの字に開いた。

「……っ!」

顔を隠し、エリィが声無き声をあげる。ぱっくりと開いた部位を、ロイドは心臓が張り裂けそうなほど暴れるのを感じながら、食い入るように見つめた。
全体はしとどに濡れ、血は十分に巡り、サモーナピンクに染まった表面が誘うようにうねっている。
ロイドに見つめられ、その指の間で愛液を吐露する場所に彼は最初の興味を示すと、溜まった蜜を指で掻きとる。

「…やぁっ…。」

すくう度にエリィがぴくんと反応を返し、新しく蜜が玉となり溢れる。ロイドがその姿に興奮を覚えつつ、三度繰り返し絡め取ったものを舐めた。
酸味を含んだ、薄い塩味のそれを、彼は丁寧に味わうと、足りないとばかりに直接分泌される場所へ勢い良く口付けた。

「…やっ、ちょっと、ロイド!?…むゃあんっ…!」

唐突な彼の密着に、抗議の声をあげるが、ぴったりと付けられた唇から吸い上げられる感触を得ると、甘い声に転じる。

「だめ…あうっ!そんなとこ、吸っちゃいや…。」

待てを解かれた犬の様なロイドの口周りに、エリィの愛液がまぶされていき、鼻腔を甘酸っぱい香りが包み込む。
入り口を舌で押しつぶすように撫で、細くすぼめると、穴の中へと訪問を開始する。
ちゅる、と先端が入ると、まるで吸い込まれていく感触にロイドは背筋をざわめかせ、ずるりと半分ほど彼女の中へ侵入した。

「ああっ…やだ、ろいどぉ…。」

ロイドの舌により入り口の形を卑猥に歪められ、内側をねぶられる快感が、エリィの脊髄を電気となって伝わり、天辺まで突き抜ける。
泣きそうな声でその仕打ちに耐えながら、もどかしげに彼の頭を両手で抱え込むと、艶やかな鳴き声をあげ、ロイドの耳を楽しませた。

「やっ…いゃぁっ……!…ふあんっ…」
298特務支援課の長い一日(34):2010/11/01(月) 00:19:08 ID:DzL4F6cz
エリィの股間にすっぽりと沈んだロイドの頭が、水っぽい音を立てる。
その音すらも、今のエリィにとっては彼の愛撫の一部であり、歓迎の涙となって、内部で暴れる舌先の戯れを助長させた。
彼の所業はそのまま縁取りの外側に及び、存在もおぼつかない小陰唇をめくりあげると、唇で甘く挟む。

声を必死に抑え、悩ましげに鼻の奥を鳴らすエリィに、ロイドはその起因が自分の行動にあるのかと思うと、愛しさが一層増して行った。
それはやがて悪戯心を生み出し、打ち震える性器のさらに下にある、たっぷりの肉厚の谷を、彼がなぞりながら降下していく。

「んっ…や、やだっ、ロイドっ!」

ロイドの愛撫の行き先が怪しい場所へ向かったことに気付くが、エリィの腰は彼の腕にがっちりと固定され、微動だにしない。
抵抗さえ許されず、期待と不安が入り混じった寒波が彼女の中を突き抜けていく。

「ああっ、そこは、だめえぇ!?」

やがてロイドの舌先がぷりぷりの白身のような感触をとらえ、思わず彼は手を差しこみ、強引に開いた。
エリィの慎ましい菊門が、押しのけられた重厚な包みの奥にひっそりと露わになり、先客は既にその中心にまで伸び、丹念に舐め上げていた。
小さな円をなぞるようにロイドが舌を滑らせ、花びらの数を数えていく

「も、や…そんなきたないとこ……あんっ!ろいどのばかあっ……!」

普段の日常で自分が、そこを露出して及ぶ行為の感触とは別次元の、外部からの刺激に責め立てられ、エリィは憤慨しながらも、思いもよらぬ悦楽に身をよがった。
ロイドも、彼女が下だけをはだけて生理現象を処理する姿を想像し、その脚の間に割り込んで剥き出しになった部位を嬲っていると考えると、異常な興奮を覚えた。

「ふゃんっ…!」

ロイドにふやけるほど愛してもらった場所がきゅうとすぼまり、彼は上から伝う愛液を、陰核に至るまで一気に舐め上げた。
その舌に引きずられるように、エリィの腰が跳ね上がる。

「あっ!…ふうぅん…。」
「綺麗だ、エリィ…。」

痺れるような感覚を舌に残し、ロイドが素直に感想を述べると、エリィの口からため息が漏れた。

「も、もうっ!どこに向かって言ってるの…あぁうっ!?」
「うあ…すごい、勝手に入っていく…。」
「あ、やっ、だめ、ゆびはゃめえっ…!」

ロイドが膣口にあてがった人差し指が、軽く力を入れると同時にエリィに勢い良く飲み込まれ、その根元まですっぽりと包まれた。
舌とはまた違う異物の乱入に、エリィが思わず脚を閉じ、ロイドの腕を挟みこむ。
おかまいなしに彼が抜き差しすると、秘所全体が彼の指に合わせて妖しくうねった。

「きゃうんっ!そんな、いきなりっ…あうっ!?」

動き出したかと思うと、一気にハイペースに移り、突然の仕打ちを受けた膣口と、ロイドの指の隙間から、ぴっぴっ、とつゆが吹き出る。

いたいけな女性の脚を割って、開いた穴は全て味見し、秘密の場所へ指を差しこみ蹂躙する。
どれ一つとっても、普段のロイドには考えられない行動であり、それをまるごと一身に受けて、エリィは乙女心を直撃され、恥ずかしさと同時に、底知れぬ悦びを感じてしまっていた。
299特務支援課の長い一日(35):2010/11/01(月) 00:20:48 ID:DzL4F6cz
「んっ、あっ、だめ、だめよろいど…わたしっ……、なにか、きて……!」

必死で訴える彼女の声は、ロイドの次なる好奇心の前にはまったくの無力だった。
再びエリィの片脚を押し開き、彼の指に穿たれる亀裂の上端に、ひくひくと蠢く小さな存在を見つける。

「あ、やあっ、んやっ……ゆび、ぬいてぇ……!じゃないとわたし、ヘンにっ…!」

うすく覆われたそこを、ロイドが唇で器用に剥き、恥辱に怯える暇を与えず容赦なく咥える。
捕らると同時に待ち構えていたように舌が襲い掛かり、舐め回した。

「ひゆんっ!?」

ぎゅっ、とロイドの指を、肉壁が圧迫した。がくん、とエリィの腰が沈んだかとおもうと、バネに跳ね返されるように突き出され、彼の顔に押し付けられた。

「くうううぅんんっっっっ…!」

痙攣しながら浮かせた腰を押し付けられ、彼女の思わぬ反応に、二つの愛撫は勢いを増す。
ロイドにマーキングをするかのように、激しく攻め立ててくる指の合間からスプレーを吹きつけるエリィに、動作にえぐるような回転を加え彼が応えた。

「はううぅぅ…ぅぅ…ろいどおぉっ………!」

自らの胸を抱きしめ、エリィは初めての絶頂に身を任せた。

「はあぁっ…ふぅぅぅ…っ!」

やがて律動の周期がおさまり、二三度大きく腰をのけぞらせ、彼女はベッドに沈み落ちる。
指に感じていた緊張が緩んだのを確認すると、ロイドが両方の魅惑から名残惜しそうに撤退した。
そこは共にすっかり充血し、ぱっくりと割いた果物のように、果汁をしたたらせている。

「あ、はあんっ…。」
「可愛かったよ…。」

彼女の耳元で囁き、その首筋をキスしながら伝っていき、彼女の唇を吸い上げる。
肩で息をし、すっかり上気した彼女の媚態に、ロイドの凶器はメキメキと鳴り、最終段階へと進化を遂げていた。

「エリィ、君を、抱きたい…。」

ロイドが静かに告げると、エリィは息も絶え絶えに、承諾するように目を伏せ、顎を差し出しもう一度とねだった。
それに応え、彼女と舌を絡ませながら、ロイドはその中心へと再び手を滑り込ませる。
手で全体を撫でると、エリィが口の中で反応を返し、彼の征服欲をくすぐった。

「ぷあ……ろいど…。」

ロイドはエリィの上気した視線を感じながら、その正面に移動し、膝を押し込み、浮いた彼女の桃のような臀部を大腿に乗せ固定する。
すぼみすらもあらわになり、エリィの秘め所はあますことなく晒され、もろもろ剥きだしになったそこは、ふんだんに湧き出るシロップに包まれていた。

あまりに強烈なその光景は、思春期の男性ならば、目にした瞬間勃起するのも待ちきれず射精しかねない。
まして媚薬すら効能を及ぼしたとなれば、獣のように突き立て、思う存分蹂躙するだろう。
すでに何度か果てているとはいえ、ロイドの息子はまるで満足していない。それでも誠実に段階をふむ彼が、いかに強靭な精神力を持っているかが解かる。
無防備な彼女の肉ひだに、われ先にと割り込む欲望の権化を、たしなめるように自らの手で目的の場所へ導く。

「あぅっ…。」
(これは…本当にこんなところに入るのか?)

圧倒的な径の差に、ロイドがまっとうな疑問を浮かべる。まるで海亀が蟻の巣の入り口を見つめるようなものだった。
頭で入り口の周辺をなぞると、かすかに広がって見せるが、すぐに元に縮んでしまう。

「…い…よ、ロイド…。」

ためらうロイドを、ようやく呼吸も整ってきたエリィが後押しする。
300特務支援課の長い一日(36):2010/11/01(月) 00:21:33 ID:DzL4F6cz
「でも…これはとてもじゃないけど…。君に苦痛を与えそうで…。」
「ううん…むしろ、私が…それを望んでるから。」

エリィが震える手を伸ばし、ロイドの汗ばんだ額を撫でる。

「今まで、あなたのぬくもりに触れて、私は頑張ってこれた…。でも、優しくされるばかりじゃ、いつまでも、あのときの無力な少女のままのようで、怖いの。」
「…。」

ロイドは、支援課のビル屋上で、灰色の街を眺める彼女を見つけたときの、小さな後姿を思い出していた。
それは今にも消え入りそうで、微かな存在だった。声をかけただけで、その闇に吸い込まれてしまいそうなほどに。

「あなたになら、何をされても平気よ…。だから、この先私が受けるいろんな苦しみと、比較にならないくらいの痛みを、あなたの手で、与えて欲しい…。立派な女として、ロイドの隣を、歩いていけるように。」
「…エリィ…。わかった。」

ロイドが力強く返事を返す。
彼は、エリィの望む選択肢が一つしかないことを改めて知り、添えられた手に、自分の手を絡ませると、上体を傾けた。再びその場所へとあてがい、腰に力を入れる。

「…いくよ。」
「うん…、きて、ロイド…。」

うわずった声に誘われるがまま、彼はゆっくりとエリィを貫いた。

「――っぁ…!」

真っ赤に欲情したロイドが、彼女を押し広げ、その全身に激痛を走らせる。
徐々に増す太さにあわせ、エリィの膣口はささやかな口を広げていくが、すぐに許容範囲を超え、ぷちりと裂けた。

「…いっ……!」
「…く、エリィ、大丈夫か?」

絡めたロイドの手を力いっぱい握り締め、溢れそうになる悲痛の声を必死に抑えこみ、エリィが耐える。その姿に、ロイドは心配そうに声をかけるが、彼自身も今までとは桁の違う快感に、ほとんど余裕がなかった。

「うっ……んっ…ぁっ!…」

必死に頷くエリィに、ロイドは彼女の言葉を反芻し、再び挿入を進める。
今の彼に思いつく最良の行動は、事を済ませ、彼女をなるべく早く解放することだけだった。やがて高い丘をこえ、先端部分がすっかり収まると、彼は一息つく。

(…っ…これで、あとは…)

エリィの感じる痛みに比例するように、ロイドは激しい締め付けをうけ、何度も達しそうになるのをこらえ、さらに奥を目指した。
山を乗り越えた後は、存外すんなりと彼女の中へめり込んでいく。

「あっ…ふぅっ………ふゃうっ…」

痛々しいほどに広がった肉穴に飲み込まれていき、奥に抵抗を感じると、ロイドが腰を止めた。

「は……あっ…。」
「…エリィ…。」

呼吸すらも辛そうにしながら、たっぷりと涙をためたエリィの目に、ロイドはキスを落とし、涙を舐め取る。

「ん…あ…。ろい…。」
「凄いよエリィ…こんなっ、くっ…。」
「ああっ……ろいどの、はいっちゃって…る…。」

苦痛に顔を歪ませながらも、エリィが嬉しそうに微笑む。
口元を手で押さえ、小刻みに肩を震わながら、必死に笑顔を作る姿に、ロイドは罪悪すら覚えた。しかしそんな彼女のものとは思えぬほどに、下半身はロイドを凶悪に締め上げ、伸縮している。
彼の煩悩と血流が集中した場所を、エリィのしっとりと濡れた柔肉が隙間無く包み込み、射精に至る快感のプロセスをことごとく省かせていた。
301特務支援課の長い一日(37):2010/11/01(月) 00:23:08 ID:DzL4F6cz
「……だめぇ…がまん、しちゃやだあ……。」

ロイドが顔をしかめ、警察試験で叩き込んだ数式を思い浮かべ、無数に伸びてくる限界の一撫でを避けていると、エリィがその耳元で囁いてくる。
彼女は、ジンジンと火傷のような鈍痛に堪えながら、ゆっくりと腰をくねらせた。

「な゛っ…え、エリィ!やめっ…!」
「ひうっ…だして……んっ…!……わたしのなかで…きもちよくなってぇ…!」

晴れて心身ともに本懐を果たし、理性の崩壊したエリィが、ロイドの顔を抱き寄せ、虚ろな目で見上げてくる。
静かに彼自身をしゃぶっていた肉壷が、その精を絞りだすべく本性を露わにした。
まるで差し込んだエリィの中から異次元へ繋がっており、無数の舌を持つ別の生き物に貪られているかような感覚に陥ると、ロイドは思わず腰を引き、若茎が半分ほど姿を現す。

「うあっ…!?」
「つうっ…ぬいちゃ、だめぇ……!」

しかしエリィの両足に、獲物を捕らえる蟷螂のように腰を掴み戻され、ロイドを再び根元まで咥え込んだまま、彼女が腰を使う。

「ったぁいい……あうぅっ…んんっろいどぉ…っ…!」
「くっ…ああっエリィッ!」

必死で避けていた快感の一撫でが、淫らに濡れた手で、一斉に彼の臨界点に襲い掛かった。
エリィの首筋に喰らいつき、背中に手を回し全身を抱きしめると、尚も壊れたように動く彼女の下半身へ、思い切り突き立てた。

「ひああんっ!」

ごりっ、と最奥をえぐられ、エリィが一オクターブ高く鳴き、彼にしがみつく。
ロイドの爆発した根幹が、マグマをのような欲情の塊を吐き出し、食い込んだ子宮口から、その内部に直接打ちつけた。
熱い迸りをうけ、あながう術もなく、その場所はロイドを飲み干していく。

「あっ…くうっ…!」
「はっ…あ…なかで……でてるよぉ…」

目を閉じ、彼に満たされていくのを感じながら、エリィはうっとりと打ち付けられる精を受け入れていた。
彼女が絡ませた脚は、ぐいぐいとロイドをたぐりよせ、局部同士の接吻をさらに深くする。
貫かれたエリィの秘めどころは、外観の穏やかさが嘘のように、その内部で最後の一滴まで搾り出さんばかりに、肉棒をしごき上げていた。

「くっ…はぁっ…はぁっ…エリィッ…。」
「…あっ…んむっ…。」

ロイドが鎮まらない射精感に堪えきれず、エリィの唇を乱暴に奪う。
容赦ない、それでも減衰を開始した射精を続けながら、彼女の口内を同時に犯した。

「んむぷっ…くはぁっ!」
「はうぅっ………ん……。」

容量を超えた精液を受け膨らんだ彼女の子壷に、節操なく追加を注入しながら、長い絶頂は幕を引いていく。
五度目にして最も長い法悦の余韻に浸り、ロイドは一日中走り続けたような疲労感と同時に、この上ない至福を感じていた。
エリィもまた、愛しい人の子種が大事な場所に行き渡っていく幸福感に身を震わせ、じわじわと広がる彼の温もりが、鈍い痛みを忘れさせた。

息をあらげながらも、ロイドはエリィにすっかり身を預けていたことに気付き、急いでひじをつく。

「はぁっ…くっ…す、すぐどくから…。」
「あっ…やあっ。」

起こそうとした身体を、その背に回されたエリィの手が抱きとめた。

「はなれちゃいや…。」
「え、エリィ…。」
「あなたの心臓の音、とても落ち着くの…おねがい、こうしてて…。」
302特務支援課の長い一日(38):2010/11/01(月) 00:23:58 ID:DzL4F6cz
豊かな胸を押し当てられ、ロイドの身体から力が抜ける。
完全に体重をかけない様に気をつけながら、彼女を抱きしめ、その首筋をついばんだ。

「ふっ…あ…。」
「ごめん、エリィ……。その、中に…。」

くすっ、と彼女の微笑みが聞こえる。

「考えなしにしたわけじゃないわ…。ちゃんと管理してるから、大丈夫よ。」
「そ、そうか…。」
「…つづき…待ってたんだから…。」

かーっと顔を赤らめ、エリィが白状する。
こんなに美しく、可愛く、心を逸らせる存在は、ロイドには他にまるで思い当たらなかった。
改めて、彼女を無事に救い出すべく協力してくれた様々な人達、そして空の女神へと感謝をする。

「まだ、夢みたい…あなたとこうして、ひとつになれたこと。」
「俺もだ…。最近は特に、君がとても眩しくて、近づくのすら躊躇ってしまっていたから…。」
「…も、もう、ロイドったら…。この先も、いったい何人がその無自覚な言葉に、だまされるのかしら。」

照れながらも冷ややかな視線を送られ、ロイドが焦ったように取り繕う。

「い、いや、ほんとに正直に言ってるだけだよ。」
「…嬉しいけど、だからこそ不安だわ。前例も沢山あるし。」
「またそうやって…俺がこんなに夢中になれるのは、君だからなんだ、エリィ…!」
「ロ、ロイド…。」

素直な告白に、エリィは毒気を抜かれ、巡る血に、下半身が悦び濡れるのを感じた。

「好きだ、愛してるよ、エリィ。」
「…ろいどぉ…。」

たるん、と潤んだ目を緩ませ、甘えるように突き出されるエリィの唇を、ロイドが愛でる。

「んちゅ…。」
「はむっ…んっ…。」

どれだけ思いを伝えても、どれだけ唇を重ねても、二人の想いは次から次へと生み出され、行き場を失い、血流に乗り全身を駆け巡った。
窮屈そうに身体の中を暴れまわる感情に、身を擦り合わせ、お互いを感じあう。

「んっ…エリィ…。」
「はぁっ…ろいど…。」

見つめあう二人も、未だ初々しく、熱い視線を交わした。

「ふゃんっ…ロイドの…ぜんぜんおさまらないね…。」
「す、すまない…」
「…んーん、うれしいな…。わたしのなか、んっ…きもちいい?」

小さくのの字を描くように、エリィが腰を揺する。

「わった、タンマ、エリィっ…。」
「やぁん…いったでしょ…つらいの、ぜんぶだしてって…。」

これまで幾度となく、ロイドは窒息しそうな欲望の水面から顔を出すたびに、何度も押し返されていた。
そしてまた再び、彼はその仕打ちを受ける。

「あなたが、満足するまで…わたしを、犯して♥」
303特務支援課の長い一日(39):2010/11/01(月) 00:24:37 ID:DzL4F6cz
***

けたたましい音が響く。
顔をしかめ、ロイドがうめきながら、薄目を開いた。
九十度傾いた景色を確認し、目を閉じると、それをぼんやりと頭の中で分析し終え、彼は飛び起き、あたりを見渡す。

隅々まで整頓され、清潔に保たれた部屋は、窓から差し込む朝日に所々輝きを放っていた。
自分の寝ているベッドの持ち主は既に不在で、隣に備え付けられた机の上で、目覚ましが喚いている。
それを黙らせると、彼は下着を身に付けているのに気付いた。おそらく彼女が着せてくれたのだろう。
移動し腰掛けると、そのまま起き上がった。

テーブルの上に淹れたてのハーブティーと、書置きを見つける。

『 一足先に本部へ行ってくるわ。ねぼうしちゃだめよ 』

しめくくりに、キスマークが添えてあった。
色っぽいピンクの口紅に、彼女の唇の感触を思い出し、昨晩の情事までもが一気に記憶に蘇り、ひとり赤面する。
あの後、結局彼女の中に収めたまま、何度果てたのかも思い出せなかった。

「エリィ…。」

彼女の名をつぶやき、手紙を手にとると、そっとそのマークに口付ける。自分の行動にさらに顔を赤らめ、ロイドは身支度を始めた。
上着を着ながらカレンダーを確認すると、前日の日付が、赤くハートで囲まれている。
そしてその下に小さく、『L l o y d』と、美しい文字で綴られていた。

(流石にこれは…普段は隠しておいてくれよ、エリィ。)

ロイドの口から苦笑がもれる。
いかに彼女が彼のことを想っているのかを、その痕跡から逐一思い知り、彼は心で何度も決心していたことを、改めて呟いた。

「命ある限り、君を守り続けるよ…エリィ。」

彼は書置きと共に置いてあった合鍵を握り締め、勢い良く部屋を飛び出していった。
304特務支援課の長い一日(40):2010/11/01(月) 00:26:24 ID:DzL4F6cz
***

彼女は携帯型の端末の上に手を滑らせ、データベースを照会していた。
各所の導力ネットワークの状態を確認し、情報を取り入れると共に、その伝達が正常に行われているかを、チェックしていく。
その傍らには、滅多に使うことのなかいヘッドフォンが置いてあった。

「…ろいどぉ…。」

ベッドの上から、キーアの寝言が聞こえた。珍しく寝坊をする彼女に、昨晩の気疲れが窺われる。
少女は一瞬とめた手の動きを再開させ、夜中にふてぶてしく入ってきて、背中で丸くなっている存在に声をかけた。

「…全部、知ってましたね?ツァイト。」

返事が返ってこないのを受け、彼女は続ける。

「現場に、あなたの仲間と思しき足跡が沢山のこっていました。有事の際は私たちの変わりに…。違いますか?」

なおもだんまりを決め込まれ、ふう、とため息を漏らすと、少女は手を止め、時計に目をやった。
その目の下は黒味を帯び、彼女が一睡もしていないことを物語る。

(もうすぐ皆、起きてくる頃ですか。)

端末を畳むと、エニグマを取り出し、キーホルダーにぶらさがるみっしぃに手を這わせる。

(…ロイドさん…。)

静かに目を伏せ、ティオは心で呟いた。

特務支援課の長い一日は過ぎ去り、生まれ変わりを告げるように、窓の外を、陽が昇っていく。



-End-
305名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 00:26:57 ID:j8XyRMbc
一方その頃、エリィにチンポが生えた。
306名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 00:30:28 ID:d3KuP+w+
GJ!
いいもの読ませてもらいました。
きちんと「物語」になってるのがすばらしい。

ロイドもエリィも可愛いよハァハァ
307名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 00:34:05 ID:DzL4F6cz
以上で終わりです。
もうどんだけ見直しても追いつかないので(誤字、表現のくりかえし等)、変なとこあったら脳内変換お願いします…。

>>284 遊んでないのと、まだまだ成長するイメージを含めるべく、火星に飛んでもらいました。

>>287 無理矢理の追加なので微妙でごめんなさい

>>288 私が書くと誰が拉致っても間一髪でロイドが突撃してくるので無理ですごめんなさい

>>291 じゅるり。

ぶっちゃけ熱いロイドと可愛い四人組が書きたかっただけなので、他は適当ですが堪忍してください。
零のメンバーはどれも素晴らしい。ありがとうファルコム
308名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 00:36:22 ID:R4Z4ori6
ちょ、なんというGJ!!
ほんとに可愛いな、そして若いなw

ティオに聞こえちゃうんじゃと思ってたけど、ヘッドホンしてたんだね。セツナス
309名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 01:02:06 ID:706bLrdk
GJ
ロイドにはやっぱりエリィがお似合いだなあ
310名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 15:00:08 ID:beJXFX1L
これはGJと言わざるを得ない!
素晴らしい作品でした。
恋人になってからの二人も見てみたいです。
311名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 18:56:29 ID:6tP61amp
恋人同士になるとロイドが他の子とかに目が行くだけでエリィが嫉妬しそうな
感じがしますね
312名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 02:57:30 ID:jjHUPfnU
エリィ「受けて立つわ」(キラッ☆)
313名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 04:14:39 ID:U5crRueD
エリィが銀コスで恋敵を誅殺するのか
胸が熱くなるな
314名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 19:47:04 ID:1DVL+k7L
>>298
舌先でお尻を愛するところが嬉しいです
315名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 20:04:29 ID:tmhGixl5
ロイドってセシル姉にふられたら
エリィにナース服着させて妥協しそうだよね
316名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 17:15:04 ID:1eQVEAlR
ロイドとエリィが結婚して子供は出来たら、支援課のメンバーから、子供が2人に
そっくりとか言われてそう。とくにロイドに(無意識に女性を口説く) 
317名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 23:32:43 ID:WBDM1N0w
>>316
生まれてきた子供は赤髪でした
318名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 23:38:36 ID:7shJtZzH
堪能させてもらいました!

それにしても全員のキャラが良かった
次はティオがクローズアップされた話も見たいぜ
319名無しさん@ピンキー:2010/11/04(木) 02:25:16 ID:Uu3c5AKG
>>312
エリィが警察を辞め世界的トップシンガーになるとな?
320名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 15:29:24 ID:wEGfW+9D
ティオ「……以前、ロイドさんがしてくれるといった“約束”……覚えていますか?」
ロイド「あ、ああ……兄貴との約束じゃなくて、俺自身の言葉でってやつか。
    ゴメン、あれから色々と考えてはいるんだけど良いのが思いつかなくてさ。」
ティオ「でしたら……わたしの方から希望があります。それでもいいですか?」
ロイド「あ、ああ……もちろん構わないけど。よし−−−どんと来い!」
ティオ「……みっしぃの子供が産みたいので、協力してください。」
ロイド「へ……ええっ……!?ちょ、ちょっと待ってくれ!」
ティオ「……捜査官の資格があるのに、ずいぶん察しが悪いんですね。
    みっしぃの子供が産みたいと言いましたが……?」
ロイド「すまない、ティオ。気分を悪くしたら謝るよ。」
ティオ「別に……あなたの反応は常識的だとは思いますから。」
ロイド「…………………………………」
ティオ「具体的には、ロイドさんにミシュラムで交渉していただいて、みっしぃの着ぐるみを借りていただきます。
    そしてロイドさんに着ていただいて、みっしぃに性行為をしていただきます。
    ……ロイドさん。ご理解いただけましたか?」
ロイド「……みっしぃの着ぐるみの中の人は、俺でいいのか?」
ティオ「問題ありません。」
ロイド「……分かった。よし−−−約束だ。」
ティオ「ふふっ……楽しみにしていますね。」

……ちゅっ……

ティオ「!!」
アナウンス「−−−ビル内に残っている皆さまにお知らせいたします。非常時につき、これより−−−……」

……ちゅっ…ちゅっちゅっ……

ティオ「……ロ、ロイドさん、まだ早いです!事件が解決して、みっしぃの着ぐるみを借りてきていただいてから……っ!!……」

……ぺろぺろ……

ティオ「……もう……ロイドさんったら……」

……なでなで……さわさわ……
321名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 15:34:44 ID:wEGfW+9D
ジオフロント潜入前とIBCイベントのセリフをほとんどそのまま流用し
順番を入れ替えて、ちょっとだけセリフを足して作っただけですが
どなたか続きを書いていただければ幸いです
出来れば、ティオちゃんに無理矢理とか強姦は似合わないので
純愛甘々子作り和姦でお願いします
322名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 18:45:54 ID:o1xFaCWb
ふと思ったが、

フォルト・マクベイン
エステル・ブライト
ロイド・バニングス


5以降の主人公って、みんな苗字が設定されているんだな。
だからどうというわけでも無いが…
323名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 02:42:33 ID:rLMFRjDo
エリィ・バニングスになる日も近いな。
324名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:22:09 ID:QP2sxcNJ
男を知らないシーカー姉妹がラブラブレズシーンをロイドに見せつけながら
二人でそろって「男を教えてください」と懇願する漫画が見たいです
325名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 03:22:31 ID:QP2sxcNJ
ごめん、漫画じゃなく小説が読みたいです
326名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 22:05:48 ID:7u7r+AiZ
エリィ・バニングス
ティオ・バニングス
キーア・バニングス

・・・なんかどれも違和感ないなw
327名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 22:28:23 ID:lzKT9pCc
ランドルフ・バニングス
ロイド・オルランド

うむ
328名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 22:29:18 ID:CgaDUo+I
きめえ
329名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 23:17:00 ID:rLMFRjDo
アッーはどうでもいいが、ティオ・マクダエルとかエリィ・プラトーなら興味ある。
330名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 05:46:05 ID:9lX/abRV
ティオ「…その時、まだ幼かった私は、ガイさんの言葉を思い出して、
決意を新たにしたのです。『わたしは、幸せになりたい!過去の分を取
り戻すくらいに幸せになりたい!』…気づいた時には、わたしはいつの
間にか、夜行特急電車のノビノビ座席に乗って、ZTB時刻表を枕にし
て横たわっていました。『ガイさんにお願いして、お嫁さんにしてもら
って、幸せを感じたい!』ただその一心で、他に何ひとつ考えず、クロ
スベルに向かっていたのです。…しかし、既にその時には、ガイさんは
…。そして、セシルさんという婚約者さんが居たことも知って…。わた
しは呆然として、途方に暮れ、昨今に至りました。…考えに考え抜いて
、今になって、わたしは気づいたのです。ガイさんがセシルさんと結婚
して既婚者となってしまった後であれば、ガイさんの心に入り込む余地
は、無きに等しかったです。しかし、惜しくもガイさんは既に亡く、セ
シルさんは結婚前の婚約者同士であったに過ぎず、まだ籍を入れていま
せん。そしてわたしも、ガイさんと結婚するつもりでクロスベルに来た
のに、結婚出来ずにいる。つまり、ロイドさんにとって、セシルさんは
義姉になりうる人であったとともに、坂本九的な素敵なタイミング如何
によっては、ロイドさんにとって、わたしも義姉になりうる人であった
ということです!それも、年下の義姉という、蠱惑的な立ち位置です。
今となっては、セシルさんとわたしには、義姉としての資格の差は皆無
に等しいです!さあロイドさん、私に抱きしめられてください!ロイド
さんの、セシルさんに対する淡い恋心は、わたしが全て受け止めてあげ
ます!さあ!」

ロイド「…えっと…ティオさん?」
331名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 07:42:44 ID:OctY5SLb
今回は暴走属性がぴったりくるのがあんま居ないな
空だとティータとクローゼが居たが
332名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 18:17:41 ID:Vrcz1CKI
ノエルさんは妹のことに関してなら暴走しまくりだと思うの
333名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 18:28:32 ID:OctY5SLb
そういやノエルがいたな
依頼のをすっかり忘れてた
334名無しさん@ピンキー:2010/11/10(水) 23:24:41 ID:Xuczs4Kb
二周目やってて気づいた。

なにげにNPCのロリキャラ多いなw
他のゲームより子供キャラが多いのか、割合的に。
335sage:2010/11/13(土) 17:55:46 ID:ek0DVH2Z
>>323
>>326
ロイド=マクダエルって線はないのか?
エリィの家って名家だし。

>>331
エリィは「キレたら怖い」って攻略本の設定資料にあったんだが…。
336名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 17:59:55 ID:ek0DVH2Z
>>335です。
"sage"って書くトコ間違えたorz
337名無しさん@ピンキー:2010/11/16(火) 23:24:01 ID:VC72AmUW
期待あげ
338名無しさん@ピンキー:2010/11/19(金) 05:55:36 ID:YCACNPCh
エリィ×ベルの甘甘レズキスください
339名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 16:43:57 ID:OeMBvnde
期待sage
340名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 23:09:26 ID:z47x8Nyn
長い一日楽しんでいただけたみたいで安心しました。
性懲りも無く再び思いついたものを、さわりだけですが張っておきます。
零は既存キャラのバランスが良いので、正直設定で新しい人物を出すべきではないとは思うのですが、
ロイドの洞察力を考えると、クロスベルに来る前にも何かしら武勇伝あってもいいじゃないと思ったので…。
いろんな意味でベタベタな展開ですが温い目で再度お付き合いいただけたら幸い。
341共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 23:10:15 ID:z47x8Nyn
「脱獄だァっ!」

雷雨の夜、暗雲を切り裂く稲妻を背に、看守は叫んだ。

「出してくれえ!悪魔だ、悪魔が雷を担いで、こっちに来るゥ!」

頑強な造りの牢屋には、いくつもの影が、あるいは格子に抱きつき喚きたて、あるいはベッドに堅く寝そべり、あるいはかかえた膝に独り言を延々とつぶやいていた。
その一番奥の、格子が特別に二重にされた部屋の壁に、ぽっかりと小さな穴があいている。中に人の姿はない。

「ロジセルの犬だ!ヤツが、ヤツが逃げたぁ!」

看守は松明を手に大声を張り上げ、小さな街を駆け抜けていった。
雨はさらに勢いを増し、街のいたるところに激流の根を伸ばす。

その街を遥かに望む森の中、彼は息を切らせ、走っていた。
この一年。復讐という二文字だけが、彼に強い意思を与え、気の遠くなる虚無の日々から、精神の崩壊を防いできた。

「…ロイド・バニングス。」

再び雷鳴が轟き、真っ白な腕が大地に爪を立てる。取り戻した昼間の景色に、その名をつぶやく彼の姿が不気味に浮かび上がった。
片目に光はなく、閉じた瞼が歪にへこんでいた。

やがて気配は蘇った闇に溶け、降りしきる雨が息遣いもかき消す。ぬかるみ、草木の妖しく煌く小道に足跡は続いていた。
魔都、クロスベルへ向けて。

***
342共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 23:11:27 ID:z47x8Nyn
「ようやく今週も終わったって感じだな。」
「ああ、お疲れさまランディ。」

特務支援課のメンバーは、日曜午前の仕事を終え、午後からの休暇を迎えていた。
帰宅の途中に購入したクロスベルタイムズを開き、ランディが開放感たっぷりにこぼす。

「たまの休日くらいはゆっくりしたいもんだが、魔獣の連中も日を選んでくれないもんかねえ。」
「緊急の手配だったから、遊撃士にも依頼はいっていたかもしれないけど…。人手が減った今、俺たちに出来ることは、なるべく負担したいしな。」
「んだな。あの三人、向こうでも元気みたいで何よりだ。」

テーブルの上には、ヨシュアからの手紙があった。エステル、レンと共に、再びリベールの各地を巡り、遊撃士の仕事をこなしているらしい。

「ロイドさん…ちょっといいですか。」

端末の前に座っていた少女が、ロイドを呼ぶ。

「すぐいくよティオ。俺達も、彼らに負けてられないな、ランディ。」
「おお、せいぜい精進するとしようぜ、相棒!」

拳を打ち付けあうと、ロイドはティオが待つ端末へと席を立つ。同時にキッチンの扉が開き、エリィがお茶を点て終え、出て来た。

「皆、お疲れさま。お茶にしましょう。」
「おっ、ありがたいねえ。」

手際よく食器を机に置いていき、エリィがポットのふたをとると、ミントの香りが湯気とともに広がる。

「先の住宅街のボヤ騒ぎ…警察は愉快犯の仕業と判断、か。空家だったしなあ。」
「大事になる前に発見されて良かったわ。隣には共和国議員の邸宅もあったし。」
「正しい火遊びは美人とするもんだぜ。おっと、ありがとよお嬢。」
「ふふ、どういたしまして。」

ランディの目の前のコップにお茶をつぎながら、エリィはちらりとロイドを見た。
彼は端末の前でティオと話し合っている。その姿は以前にも増して凛々しく見え、絶え間無く小さな光が粒となって全身から弾けだしているようだ。
そんな彼に思う様愛された夜から、はやくも二週間が過ぎていた。
343共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 23:12:10 ID:z47x8Nyn
エリィ誘拐事件の始末、多忙な通常業務に加え、休日はキーアをつれて、皆での小旅行。
相変わらず日常は、エリィとロイドの関係をより深めるには健全的すぎた
唯一、各自の時間が作られる夜でさえ、ロイドは入浴から、着替え、睡眠に至るまでキーアにつきっきりである。
キーアがロイドにつきっきりと言ったほうがいいのかもしれない。

(仕方ないことだけど…。)

再びお互いの肌を感じる暇も、もちろん無い。
エリィとて平和な日々に不満はなく、むしろ神に感謝していたが、ロイドに対する恋しさも山と積み上げられていた。
心の内の要望すら、暴走気味になるほどに。

――今すぐ私を部屋にさらって、抱きしめて欲しい。

「わっちゃ!お、お嬢!?こぼれてるこぼれてる!」
「え?あっ…ご、ごめんなさい!」

気付けばコップにお茶がなみなみと注がれ、追加されるままにテーブルにおすそ分けをしていた。
そのまま角をつたってランディの膝へと落ちている。

「わたしったらうっかり…今拭くから!」
「ふー、ふー。や、いいさ、ほっときゃ乾くって。それよかお嬢、疲れてんじゃねえのか?あの日からまだそう経ってねえし。」
「え…。」

考えてみれば、例の事件で自分は拉致され、まだ皆の記憶にも新しい。
周囲の気遣いも、様々な言動から感じ取っていた。それら全てを差し置いて、ロイドを求めていたことに気がつき、彼女は急に恥ずかしくなる。

「ううん、大丈夫よ。ちょっと考え事をしていただけ…ありがと、ランディ。」
「なら良いけどよ。んー、やっぱお嬢の淹れた茶はうめえ!」

ランディが小皿にこぼれた分まですする。行儀が悪いながらも、その仕草にエリィは思わず微笑んでしまう。
今こうして支援課に身を置き、ロイド、ティオ、ランディ、課長と…そしてキーアと出会えた事に、再び空の女神に対し心で手を合わせた。
344共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 23:13:08 ID:z47x8Nyn
「…以上が報告の内容です。さきほど退治した魔獣から入手した情報も、この端末から参照できるようにしておきます。」
「サンキュー、助かるよ、ティオ。」
「まあ、もともと膨大な情報を管理するのが主な役目ですから。対したことではありません」

端末を操作しながら、相変わらず素っ気無いティオに、その隣に立っていたロイドはもう慣れっこだった。
しかし何処かいつもと違う彼女を感じ取り、ロイドはその細い肩に手を置く。

「ティオ、体の調子は大丈夫か?」
「…?なんですか、やぶからぼうに。」
「いや、何か目の下がいつもより少し青いような。唇のつやも、少し鈍いし。」

ティオが横目でロイドを突き刺す。

「……ロイドさんって、いつもそんなところ見てるんですか?」
「た、たまたま目に入っただけだよ、そんないつもってわけじゃ!」

ティオは作業を再開しながらつぶやく。

「別に、睡眠時間も確保してますし、疲れてるわけでもありませから、気のせいです。」
「そうか、ならいいんだけど。」
「相変わらず自分のことを棚にあげますね。わたしたちの分まで、やたら走り回ってるロイドさんこそ、もうすこし自分を労わったほうが良いんじゃないですか?」
「え?」
「わたしたちは全員で一つのチームなんです。頼れるときは無理せず頼ってくださいということです。
…責任をひとりでしょいこもうとする悪いクセが、まだ少し直ってません。」

そっぽを向いたまま淡々と続く説教に、まるで反論できず、ロイドが頭をかく。

「ああ、悪い、気を使わせたな。そうだな、これからもずっと、頼りにさせてもらうよ、ティオ。」
「……はい。話は、以上です。」
「わかった。じゃあ、そのへんで切り上げてくれ。お茶にしよう。」

ロイドがテーブルに戻っていく。端末の導力を落とす操作をしながら、ティオはそっと唇に触れた。

「…これからも、ずっと。」

漏れた言葉は、他の三人の会話に吸い込まれてく。ティオはそのまましばらく画面を見つめ、どこか遠くで、玄関の開く音を聞いていた。
345共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 23:14:41 ID:z47x8Nyn
「よう。」
「課長、お帰りなさい。」
「ウイーッス!」
「休日の朝からご苦労だったな。働き者のお前らのおかげでこっちの呼び出しまで増えちまったぜ。」

毒づきながら、セルゲイが入ってくる。そのまま、外に向けて指で誘い込む仕草をした。

「ま、それはそうとロイド、お前に客だ。」
「俺にですか?」
「駅から来たところに偶然出くわしてな。話は本人から聞いてくれ。俺は少し寝るぞ。」

ロイドが何か言いかけるのも待たずに、セルゲイは二階へと上っていく。

「ほんと取り付く島もねえなあ。」
「でも課長、小言を言いながらも、どこか嬉しそうだったわね。」
「うーん。」

階段の前まで歩いていったロイドが、玄関を見ると、彼女は立っていた。
ひまわり色のつば広帽子を深くかぶり、純白のベールからは黒の長髪が、ゆるくウェーブがかってすらりと腰まで伸びている。
帽子と同色のワンピースは、ゆったりとしているが、着ている人物のスタイルの良さを物語っていた。
玄関を一歩、室内に入ってくると、一同の視線は彼女に集中する。ランディは彼女の魅惑的なラインを、思わず席を立ち確認した。

「ロイド様…。」
「はい?」

つぶやき、面をあげると、感極まったように眉をしかめ、はじける笑顔とともに、もう一度彼女はその名を呼んだ。

「ロイド様ぁ!」
「え、うわっ!」
「!」

帽子が高く舞い、端正な顔が現れたかと思うと、彼女は突然ロイドに飛びついた。彼はよろめき、その肩を掴む。
美しい来客の奇襲に、ランディは口笛を鳴らす。エリィとティオは銅像と化した。

「ああ、再びあなた様にこうしてお会いできるなんて…感激ですわ!」
「ちょ、ちょっと、お嬢さん?」
「お嬢さん、だなんて。昔みたいに、名前で呼んで下さいませ?」

女性はロイドに、片目にかかった髪をかきあげて見せた。しばらく記憶と相談していたロイドが、はっと顔をあげ、彼女をもう一度見る。

「もしかして、アロネ?」
「ああ、やっぱり覚えててくださったのね!嬉しい!」

今度は首に抱きつかれ、ロイドは大きくバランスを崩し、思わず腰に手を回してしまう。
瞬間エリィが握るポットの取っ手が、みしりと音を立てたのを、ランディは確かに聞いた。
ティオの目も、さきほど画面に落としていた表情の面影もないほどに、毒気に濁っている。
支援課の平和な休日は、早くも終わろうとしていた。


以上です。
346名無しさん@ピンキー:2010/12/09(木) 13:13:47 ID:92OUgL6W
新作キター

エリィさんも大変だなw
肉体関係もっても全く安心できない攻略王www

347名無しさん@ピンキー:2010/12/09(木) 17:37:51 ID:yHWP6Z0P
さすが俺らの攻略王!エリィさん頑張れ、マジ頑張れ
348名無しさん@ピンキー:2010/12/10(金) 13:34:31 ID:GPJ1XN3R
投下乙
>瞬間エリィが握るポットの取っ手が、みしりと音を立てたのを、ランディは確かに聞いた。

猟兵時代の経験と能力が聞き取らんでもいい音まで聞き取ってしまったんですね。
ランディマジ不憫w
349共に歩みぬく意志:2010/12/13(月) 20:27:52 ID:dLoiwscR
***

「皆様はじめまして。わたくし、アロネ・パスキューブと申します。共和国の外れにある、小さな鉱山街から来ましたの。どうぞよろしく。」

テーブルを囲む面々に、席についたまま深く頭を下げ、アロネは自己紹介をする。

「…エリィ・マクダエルです。」
「…ティオ・プラトーです。」
「ランディ・オルランド、だ。よろしくなお嬢さん。」

やけに温度差がある声と共に各自名乗り終えたのを確認し、ロイドが切り出す。

「ロイド・バニングスです。ここ、特務支援課のリーダーを務めていますが…、今日はどういった用件で、こちらに?」
「どうしてそんな言葉遣いですの?嫌ですわ、そんな他人行儀な聞き方。」

そっぽを向くアロネに、ロイドはため息をこぼし、改めて聞いた。

「じゃあその、アロネはなんで、ここに?あんな遠くから来たんだ、よっぽどの事なんだろうけど…。」
「ふふ、ロイド様ったら、相変わらず鈍いのね。決まってますでしょう?」

アロネはロイドにまっすぐ向き直ると、彼のほうに身を乗り出す。

「ロイド様の妻になるため、ですわ。」
「――!?」

鼓膜が鳴るほどに空間が張った。

「妻って、どうしてそんな?」
「おいロイド!おまえこんな綺麗な婚約者がいたのかよ?」
「いや、違うよランディ、彼女には以前、お世話になって…」
「あら、でも約束したはずですわ。いつか私を迎えに来てくださるって。どうしても待ちきれなくて、こうして来てしまいましたけど。」
「確かに再会する約束はしたけど、そういう意味で言ったんじゃないから!」

ロイドがうろたえながら、さきほどから正面で冷ややかな視線を突き刺してくるエリィに何度も振り向きながら、必死に弁解する。
無表情な笑顔が、やたら恐ろしい。ティオも、まるで汚物を見るような眼差しで、ロイドを見つめていた。

「でもみたところ、クロスベルで知り合ったって訳じゃなさそうだな。」
「ああ、以前外国を回ってた頃、彼女の故郷を訪れた事があってさ。」
「ほほう。馴れ初めはそこからというわけか。」
「わたくし、忘れもしませんわ。あれはもう、一年も前のこと…。」

それは小さな鉱山街の出来事だった。
属性は限られるが、大量の七耀石が採掘されるその地で、盗難事件が発生した。
街の宝である、火、水、土、風の四属性が美しい十字を象った、「四方石」が、その中央に位置する広場から跡形も無く消えていたのだ。

疑いは、領主として代々街をおさめてきたバスキューブ家に集中した。
理由は単純なものだった。広場の小屋にある四方石を覆う二重のカバーの鍵は、それぞれパスキューブ家と、それに次ぐ権力を持つ、ロジセル家が持っていたのだが、
事件発覚のその日のうちに、四方石とともに、二つの鍵がパスキューブ家から見つかったのである。

街の人間は、けして裕福とは言えないながらも、善良な事業を打ち立ててきた領主が、事件の犯人であるという追及に、懐疑的ではあった。
しかし徐々にロジセル家に言いくるめられ、パスキューブ家の名誉と歴史が崩れようとしていたその時、たまたま同家に滞在していた一人の青年により、事体は急速に解決に向かうことになる。
彼は、鉱山の見学の際、ロジセル家が雇っているという発破行員が隻眼であることと、パスキューブ家の使用人の目の動きのクセから、両者が同一人物であることを見抜いたのだ。
その使用人は領主を陥れるために、義眼をはめ巧みに変装し、長い間紛れ込んでいたのだった。鍵の管理も、つい最近は彼が任されていた。

その後の取調べにより、真犯人は青年の推理どおりであることが明らかになり、領主の名誉は守られ、ロジセルは取り潰しとなった。
パスキューブ家の令嬢は、訪問当初から困っている街の人々をよく助け、もとから好印象だった青年に、この件によりすっかり虜となり、生涯慕うことを誓ったのであった。

彼が出立の意思を伝えると同時に、令嬢はその熱い胸のうちを語った。
かくして青年と領主の一人娘は、離別するまでの数日の間に、幾度も逢瀬を重ね、昼夜問わず愛し合ったのだった。
350共に歩みぬく意志:2010/12/13(月) 20:28:59 ID:dLoiwscR
「それはもう濃密に、わたくしを何度も、やさしく…。」
「ちょっ、待った待った待ったぁ!」

ロイドがあわてて、両手を頬にあてうっとりと回想にふけるアロネを止めにかかる。

「他はともかく、最後の部分は完全に記憶にないんだけど!」
「あら。じゃあ今からあなた様のお部屋で、思い出させてあげてもよろしくってよ?」
「いやだからあの事件の後俺は普通に、いつかお互いの故郷に来たとき再会しようと約束して、そのまま帰ったじゃないか!」

寄り添ってくるアロネを食い止めながら、ロイドは彼女の話を訂正した。

「はっは、ロイド、やっぱりタダもんじゃないなお前は。こっちに来る前から武勇伝ばら撒いてたってわけかよ。ついでに嫁までゲットしちまうなんてな!」
「うふふ、まんまと捕まってしまいましたわ。;」
「ランディ、話をかき混ぜないでくれ!」

エリィは表情を固めたまま、話の最中も延々とカップに突き刺したスプーンを廻していた。なぜかその中の紅茶が激しく泡立ち、沸騰している。
ティオはというと、こちらは加えたミルクごと凍り付いてしまった内容物を、削っては食べていた。

(うひゃー、こいつは血を見そうだ。)

もみくちゃになる二人と、殺気を漲らせる二人を交互に見ながら、ランディはほくそ笑んだ。
彼は内心、ロイドがこういった状況に陥ることに何処か期待していたのかもしれない。
それは意地悪な意味合いも含んではいたが、そうして慌てふためくロイドを眺めるのもまた、今のランディにとっての役目な気がしていたのだ。
そんな荒れ狂う海原に、一羽のハトが飛びこんできた。

「たっだいまー!」
「やや、お姫様のお帰りだ。」

玄関を勢いよくあけ、めまぐるしい足取りで、キーアが走ってきた。

「ロイドーー!」
「おかえり、っと!学校は楽しかったか?」
「うんっ!」

席を立ったロイドにキーアが飛びつく。抱き上げられその頭を撫でてもらい、彼女の笑顔は最高潮を迎えた。

「まあ、かわいらしい!」

キーアが歩み寄ってきたアロネを見て、丸い目をさらに丸くした。

「ロイド、このおねーちゃん、だあれ?」
「ふふ。わたくしはロイド様の…。」
「お・客・様、よ。キーア。」

沸騰した紅茶を涼しい顔ですすりながら、エリィが割り込む。アロネの眉がぴくりと動いた。

「こんにちはおきゃくさま!」
「こんにちは。キーアちゃんっていいますのね。この子はどうして、こちらに?」
「ああ、ある事情でうちで預かることになったんだ。今となっては家族みたいなもんかな。」
「…みたいな、というか、すっかり家族ですね。“私たち”は。」
「あらそうですの。家族、ねえ。」

ティオがぼそりとこぼした言葉に、アロネの眉が再び動く。三人の乙女の間に見えない火花がいくつも散り、その闘志の熱により背景が歪む。
キョロキョロするキーアを抱いたまま、その中心に立たされて、ロイドは滝の汗をかいていた。

(うーん、カメラにとっときてえなあ。)

ランディはしげしげとその様を見守る。
351共に歩みぬく意志:2010/12/13(月) 20:30:01 ID:dLoiwscR
「キーア。とりあえず部屋にもどって、荷物をおいてくるんだ。もうすぐ昼食だからな。」
「はーい。」

キーアがするりとロイドから離れ、階段を駆け上がっていった。
笑顔の二人と、ひたすら表情の無い一人が、目で抗争しているのをなだめ、アロネを座らせるとロイドがきっぱりと言った。

「とにかく。俺はまだ結婚する気もないし、遠くから来てもらって悪いんだけど、そういう用件なら受けられないよ。」
「あら、わたくし、ロイド様に嫁ぐのはもちろんのことですけど、他にも目的がありましてよ?」
「他にも?」

アロネが真剣な面持ちになる。

「一週間前に、故郷の牢が破られ、囚人が脱走しましたの。その男の名はシェバルド。ロイド様が解決してくださったあの忌々しい盗難事件の、実行犯です。」
「なんだって?」
「彼は、一番頑丈な牢で、この一年、おとなしく服役していました。私の街では、特に問題を起こさない囚人は、年ごとに一つだけ、本人の望む物が届けられるのです。
彼が望んだのはあの義眼、ただ一つだけ。」

シェバルト…ロジセルの発破工員は、渡された義眼を常に肌身離さず持っていた。それは彼にとって、相当大事なものだったようで、その慈しみ方は異常なほどだったという。

「もちろん念入りに調べた上で、義眼は彼のもとに届けられたのですけど…その数日後の雷雨の夜、牢は破られ、彼は脱走したのです。」
「オイオイ、どういうことだ。」
「爆弾、だったのですわ。その男の義眼は。」

アロネが、今も信じられない様子で、その時の事を語った。
牢屋は旧式のものだったが、それでも人外の力でもないかぎり突破できるはずのない造りになっていた。
その牢の壁が、雷雨に紛れた爆音と共に、穴が穿たれていたのだった。

「義眼サイズの爆弾なんて…そんなもの、作れるのかしら。」
「戦場じゃあ珍しいものじゃあないな。俺が見た中じゃ、義眼よりも小さくて軽い爆弾なんて腐るほどある。ただ、一般に出回ってないのは確かだ。」
「となると、その男も戦争を経験している人間だったのかもしれないな。」
「かもしれませんわね、彼も流れ者ですし。少なくとも、わたくしの街には、そんな事考え付く人間はひとりもいませんでした。」

アロネがかぶりを振る。

「脱走後の足取りもまったくつかめませんでしたわ。ロイド様が来るまでの間だまされていたほどに、変装の名人だったようですから。」
「厄介な相手ですね。」
「私は考えました。プライドの塊のようだったあの男が、私たちパスキューブ家に対する復讐以外に、脱獄の目的となりうる対象。」
「おいおい、そりゃもしかして…。」

全員の視線が、ロイドに集まる。

「俺に対する、報復、というわけか。」
「その通りですわ。わたくしのもう一つの目的、それはその企みを阻止し、あなた様をお守りすること。おわかりいただけまして?」

にっこりと微笑む彼女に、ロイドは頭を抱えた。

「モテモテじゃねえかロイド。領主様のご令嬢のお次は爆弾魔とは恐れ入るぜ。」
「…人間磁石です。」
「ホント、節操というものが無いのかしら。」

全員につつかれ、ロイドはその針のむしろから逃れるようにアロネに質問を浴びせた。

「それで、このことを君のお父さんは?」
「もちろんご存知です。あなた様との事も含めて背中を押してくださいました。」
「仮にこの街に滞在するとして、宿のあてはあるのか?」
「あら、そんなもの必要ありませんわ。」
352共に歩みぬく意志:2010/12/13(月) 20:30:48 ID:dLoiwscR
アロネがロイドの腕にしがみつき、指先でつつ、とその胸をなぞった。

「あなた様と同じ場所で…寝泊りいたしますから。」
「!?」

限界まで張り詰め、溶けるほど炙られたかと思えば、急激な冷却をうけ、空間は悲鳴をあげるようにひび割れた。

「はっはっは!大胆だねえ、お嬢さん。」

ランディが笑い、エリィとティオの太いつららのような気迫に貫かれ、ロイドはしがみついてくるアロネを振りほどくこともできず、固まっていた。
初めて経験する、犯罪者に狙われるというオプション付きの修羅場に、彼にしては珍しく、弱気に祈っていた。
夢なら醒めてくれ、と。
353名無しさん@ピンキー:2010/12/13(月) 20:31:41 ID:dLoiwscR
とりあえず例によって物語は完成してますが推敲してますのでしばしおまちください。
実は一ヶ月前にほぼ出来上がってたんですが今の今まで規制されていてぐったりです。
しかも前置きがめちゃくちゃ長いので、当分えろくないです。ごめんなさいごめんなさい。
354名無しさん@ピンキー:2010/12/13(月) 21:05:54 ID:s75uFR7w
>>353
待ってます
355名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 00:12:50 ID:rNx+nj95
>>353
大丈夫だ、問題ない。
楽しみにしてます。
356名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 03:35:27 ID:NwUY4wzm
>>353
気長に待ってますよ
続きが楽しみだ
357名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 07:04:25 ID:nMN+MDmF
>>353が!書くまで!!待つのを!!!止めない!!!!
358名無しさん@ピンキー:2010/12/15(水) 04:48:37 ID:stLPJMMD
>>353
待ってます!
359名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 21:31:09 ID:/pxZf3sm
とても面白いです 早く続きを!
360名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 15:20:48 ID:HaSFN0uT

「もうすぐクリスマスね、ロイドにプレゼントをして、ちょっとは意識してもらえるようにしなくっちゃ
う〜ん、どんな物が喜ばれ、かつ『性的』に私の事を見てくれるようになるかしら?」
 自室でぼ〜っとそんな事を考えていたエリィの脳裏に、昔小さい頃、父に送った肩叩き券の事が思い浮かんだ
 あの時の父の嬉しそうな笑顔は今でも忘れられない
「そうね! これでいきましょう! 少し幼稚だけど、ロイドにはこういう真心の篭ったプレゼントのがきっと有効だわ!」
 ポンと両手を叩き、工作に取り掛かる。ふんふんと鼻歌を口ずさみ、楽しそうに厚紙を切り、マジックで文字を書いていく
「ふふっ、ロイドったらどんな顔するかしら? 『嬉しいよ、エリィ、早速今晩使うから、僕の部屋にきてくれるかい?』
そして二人は……。な〜んつって! きゃ〜!」

―クリスマス当日―

 エリィは、支援課の屋上の手すりに寄りかかり、白い息を吐きながら顔をほころばせていた
 冷えた風が酒で火照った体を心地よく撫でてくれる
 支援課でのささやかなパーティが終わり、ロイドに屋上でまってるからと言って待ち合わせているのだ
「エリィ、待たせた。どうしたんだい? こんな所に呼び出して。また何か壁にぶつかったのかい?」
 その言葉でエリィは思い出した。支援課をやめようかと悩んでいた時の事、ロイドに元気付けられた時の事を。
 そう、思えばあの時以来だ。ロイドの事を異性として意識し、好意をもつようになったのは
「もうっ、違うわよ。もう私を遮る壁はないわよ」
「……それに、たとえ壁ができたとしても、私にはロイドがいる。またあなたに――あなたが壊してくれるでしょ?」
 素面じゃとても言えないような台詞。顔が熱いのは酒のせいだけではないだろう
 真っ赤に染めた顔で真直ぐにロイドを見つめ少しドキドキしながら返答をまつ
「ん? 勿論、エリィが困っているなら僕はいつでも力になるよ、大切な同僚だからね。それに、ランディや課長だって
頼りになるからね。きっと適切なアドバイスをしてくれるはずだよ」
「そ、そうね……。ま、まぁそうよね……。ロイドだもんね、分ってたけどね、アハハハハ」
 溜め息まじりの乾いた笑いがエリィの口からもれた

「コホン、それでは本題に入ります」
 右拳を口にあて一呼吸し、自身に活を入れ、プレゼントを後ろに回した左手の中で確かめる。
 トクントクン。鼓動が早くなる。これほど緊張するのはいつぶりだろうか
「えっと、コレ、あなたへのクリスマスプレゼント。受け取って」
 両手でプレゼントをロイドの前へ差し出す
「……ごめん」
「え?」
 いきなりの言葉に心臓が握り潰されそうになる。どういう事? 私のプレゼントは受け取れないの?
「実に申し訳ない。エリィからクリスマスプレゼント貰えるだなんて、思ってもなかったし、僕のほうは何も用意してないんだ
本当にごめん!」
「…………」「もうっ! いいのよ、そんな事、私が勝手に用意したんだからっ。それより、差し出した私の手、
プレゼント、なんとかしてくれるかしら?」
「あ、ごめんごめん。ありがとう、本当に嬉しいよ。女性からプレゼントを貰うだなんて、セシル姉以来だよ」
「あら? ロイドってば顔が赤いわよぉ? 照れちゃってる? ひょっとして照れちゃってる?」
 明らかに真っ赤になって照れくさそうにしているロイドを見て気をよくしたエリィは、意地悪く笑ってみせた
「ああ、こういうの慣れてないからね、それにエリィからだからね、本当に嬉しいんだ」
「え……」
 ちょっと、ちょっと、何この雰囲気。すごいドキドキするんですけど!
「開けてみていいかい?」
「え、あ、はい! どうぞどうぞ!」
 予想外のラブフィールド発生に戸惑い、思わず声が裏返ってしまう
「ん? なんだろう、カードが一杯入ってる。どれどれ」

『1日性欲処理券。エリィ・マクダエルが真心を込めて御奉仕致します(生中おK)』

それからすぐの事だった、ロイドが捜査一課に移転したのは。
361名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 21:09:05 ID:MJ9VE1PR
エリィさんェ…きっとお酒が廻り過ぎていたんだな…いt可哀相に…
362名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 21:42:16 ID:xsuNnTFV
お嬢・・・
363名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 20:50:09 ID:lYH8pew/
ラグナ×ミアのラブラブ近親和姦が読みたいですネ申様!
364名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 00:52:03 ID:rR1UBInA
てかロイドの一人称が「僕」なのが地味に気になった
365名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 03:27:56 ID:DfKLiGt+
一人称が「僕」の主人公って、アトラス、ジュリオ、フォルトの三人…で全部だっけ?
366名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 10:22:41 ID:iLZIW2ad
アッシュは?
367名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 13:38:45 ID:xZBjQz0t
屑が!
368名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 11:22:51 ID:lAQu/C2E
俺も一瞬思ったけどそっちのアッシュじゃないからw
369名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 01:26:36 ID:tfyCE8Mj
あけおめ

零クリアして「零」「軌跡」「英雄」のどれで検索しても出てこないから
エロパロないのか(´・ω・`)と一度はスゴスゴ引き返したんだが
最近、もしかしてこれじゃね!?と検索した「ファルコム」でやっとこさここに辿り着いた

何が言いたいかというと>>352の続きマダー?

あとティオルートというかもうこの際ハーレムでもいいからティオ成分を!!!!
370共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:24:13 ID:yZFMe3kg
***

「先ほども見ましたけど、車が沢山ですわ。」
「この通りでは、似たような感想を良く聞くよ。」

午後もしばらくすぎた頃、ロイドは街の案内を彼女にせがまれ、中央広場へと来ていた。
休日なだけあり、人通りも多い。

「私の故郷とはまるで別世界ですわね。鉄道がいくつも敷かれてますし。」
「俺も驚いたよ。数年でこんなに様変わりするなんてね。」
「でもこの街が、ロイド様を育んだのだと思うと、なんだか愛しく思えてきますわ。」
「はは…。俺も、なんだかんだいって好きだな。この街の事が。」

日差しに手で影を作り、景色を見上げロイドが微笑む。
素朴な乙女ならばめまいもしかねない光景に、アロネは熱い眼差しを送った。

(ああ、たっぷりと陽を受けて、まるで一つの絵のよう…!)

「ロイド、キーアちゃんに新しい靴、買ってあげましょ。今のもけっこう痛んできたわ。」
「…エニグマの更新が出来るかもしれませんし、GENTENにも行くべきかと。」
「カジノに、アルカンシエルも通ってこうぜ!」
「ロイドー、だっこー。」

額の中に大量の乱入者が混じり、アロネの体勢が盛大に崩れる。

「ま…まったくもう!わたくしはロイド様に案内を頼んだのに、なんで皆様まで付いてきて下さるの!」
「ふふっ。特務支援課は万全のサービスでお客様の依頼を果たしますから。」
「チームワークが売りですので…。」
「どうせ家にいても退屈だしな。」
「ロイドのほっぺよくのびるー。」

完全に所帯の一端にひっかけられ、アロネは別の意味でめまいがしていた。
が、すぐに気を取り直し、キーアの遊具にされているロイドを見つめる。

(が、我慢よ我慢。まだこちらには来たばかりですし、チャンスはいくらでもありますわ。)

そしてちらりと、その前をつかつかと歩いていく二人を素早く観察した。

(あの二人、ロイド様とずいぶん親しいようですけど、一人はまだ幼いですし、あと一人も胸だけ先に育ちきったような小娘に過ぎませんわ。わたくしの大人の色香で攻めれば、ロイド様はおのずと。あわよくば、今夜にでも…きゃっ。)

「ねえ、おきゃくさまが、一人でがっかりしたり、てれたりしてるけど、どうしたのかな?」
「さぁ。病気なんじゃないかしら?」
(言うねえお嬢。)
「ほ、ほりはへず、げんへんによろう。…キーア、人の顔で遊ばない。」
「はーい。」
371共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:25:02 ID:yZFMe3kg
かくしてアロネの案内を兼ねた、クロスベル街めぐりは始まる。

――オーバルストア<<GENTEN>>。

「いらっしゃい。あ、ロイド。」
「やあ、ウェンディ。」
「皆さんもこんにちは。あら?見慣れない方だね。」
「はじめまして。ロイド様の妻になるアロネですわ。今後ともよろしく。」

ぞくりと背筋に悪寒を感じたロイドと腕を組みながら、アロネがお辞儀する。

「あはは、ロイドってそんな甲斐性あったっけ。」
「いや…そう言われるとなんか府に落ちないけど。彼女は観光でここに来てるんだ。もちろん婚約はしてないよ。」
「わかってるって。出来るくらいなら今頃何人泣かしてるか知らないし。お姉さん、この人追っかけるなら、それ相応の覚悟したほうがいいかもよ。」

ころころと笑いながら、ウェンディがアロネに目配せする。
あっさりと受け流されて、拍子抜けしたアロネがふと感じたままに口にした。

「もしかして貴女も、ロイド様のことを…?」
「え?わたしがロイドを?ないない!とても幼馴染っておもえないくらい可愛い弟分だし。」

顔の前で手を振り、ウェンディは否定した。

「可愛いとか言うなよ!年だって同じじゃないか。」
「しょうがないじゃない。それにロイドとくっついたって、どうせこのお人よしさんは、いろんなとこで別の人釣り上げちゃうだろうし。
…でもそうだなあ。」

カウンターに肘をついたまま頬に手をあて、ロイドを見上げながら、彼女はつぶやく。

「貰い手に困ったら、受け取ってもらおうかなあ。」
「なっ!?」
「絶対だめですわ!」
「あはは。あせってるあせってる。冗談よ冗談!」

思いがけない玩具が転がり込んできて、ウィンディが愉快そうにロイドとアロネを手玉にとる。
その間に割り込み、ティオとエリィが、エニグマを差し出した。

「ロイド。当初の目的を忘れてもらっては困るわね?まだ予定は一杯あるのよ。」
「エニグマのメンテナンス、お願いします。」
「あ、はーいオッケー。すぐ済むから待っててね。」

立ちはだかった二つの背中から、確かな威圧感を感じ、ロイドはたじろいだ。
アロネがまだ疑わしそうにウェンディの作業を眺めている。

「ランディ、これかってにおゆわかしてくれるんだって!すごいね!」
「ああ、優れモンだ。…なぁキーア、平和って、いいもんだよなあ。」
「?へーわってなあに?」
「あっちじゃなくて、こっちってことさ。」
「???よくわかんないけど、ランディ楽しそう。」

ランディはキーアと顔を見合わせて、二人してにししと笑った。
結局メンテナンスが終わるまで、カウンター前は時が息絶えたように静まり、来客を一歩も近寄らせなかった。
店を出るときにオーナーがこちらを睨んでいたのは言うまでもない。
372共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:25:52 ID:yZFMe3kg
――百貨店<<タイムズ>>。

「いろんなものが売ってますのね…。このお店があれば、他には何もいりませんわ。」
「ここは大抵のものはそろってるからね。どうだ、キーア。履き心地は。」
「うん、すっごくいいよ。ほら。」
「…あ、キーアだめです。急にはしりだしてはいけません。」

新品の靴を買ってもらってご機嫌のキーアが、出口をまっさきに飛び出してティオにつかまり、くるくるとその腕のなかで回っている。
微笑ましい画を見守る一同に、二人の少女が駆け寄ってきた。

「あ、やっぱりロイド君だ。」
「やっほー。」
「ああ、君達はいつもここにいる…って、一応二人より年上なんだから、ロイド“君”っていうのはよしてくれないか?」
「だってロイド君、なんだかほっとけないし、弟みたいなんだもん。」

きゃあきゃあとあっという間に囲まれ、三対のジト目が出来上がった。

「う゛っ…じゃ、じゃあ俺は用事があるから。」
「えー、これから一緒に買い物してほしかったなあ。」
「水着選ぶの、手伝ってもらいたかったのに。」
「ご、ごめんな!皆、行こう!」
「あーん。また今度付き合ってねー。」
「ばいばいロイド君。」

ロイドは先頭となって東通りを目指した。
なるべく後ろを振り向かないようにしながら。

――東通り。

「あら、一風変わってますわね。この通りは。」
「東方の町並みってのはいつみても雰囲気あっていいねえ。この渋さはたまんねえよ。」

足を止め、異国情緒を楽しんでいると、後ろから声をかけられる。

「こんにちは!皆さんお出かけですか?」
「よお、フランちゃん。」
「今日はあなたもお休みなのね。」
「はい。これからお姉ちゃんのところにいこうかなって。あれれ、はじめまして、ですよね。私、フランっていいます。」
「はじめまして、わたくし、アロネと申します。この街には今日来たばかりですの。」
「そうなんですか、ようこそクロスベルへ!」
「フランだー!」

キーアがフランに駆け寄る。

「あ、キーアちゃん!いいなあ、皆さんとおさんぽ?」
「うん!あたらしいくつ、かってもらったの!」
「いいなあーわたしもご一緒したいなー。」

うらやましそうな視線を一行に注ぎながら、フランは、思い出したようにロイドを見た。

「あ、ロイドさん、今度の休日って空いてますか?」
「今のところは予定はないな。俺に出来ることなら、何でもするよ。」
「あ、いえ、お姉ちゃんと合わせて三人で行く予定だったライブのチケットが、友達のキャンセルで一枚余っちゃったので、一緒にどうかな、なんて。」
「へ?」
「ほら、記念祭でご一緒したときの、あのバンドです!」

てっきり手伝い事だと思っていたロイドが、再三吹き出る冷や汗を感じながら、しどろもどろに返事をする。
373共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:26:38 ID:yZFMe3kg
「いや、でも前もそうだったけど、せっかくなんだから姉妹水入らずで…。」
「でもお姉ちゃんも来て欲しそうでしたし、私もロイドさんなら大歓迎ですから、考えておいてくださいね。」
「気持ちはありがたいんだけど!もっと他に相応しい人が…」
「あ、いけない、そろそろバスが出ちゃう!皆さん、これで失礼しますね!キーアちゃん、ばいばい!」
「おーう。姉さんによろしくなー。」
「ばいばいフランー!」

走り去るフランを見送り、ロイドは言い訳するのもあきらめ、キーアと手をつなぐと、港へと向き直った。

「さあ、次へ行こう。」
「はーい。」
(見事に手と足が揃ってるぞ、ロイド。)

だんだんと口数の減ってきた数名に反して、ランディは自然と口元がゆるんでしまっていた。

――行政区。

「なるほど。」

一行は、図書館に入るや否や、タイミング悪くアロネがロイドの腕に抱きついた瞬間に、マリアベルと遭遇していた。

「エリィのことをさんざんたぶらかしておきながら、他の女性も口説いていた、ということ。」
「いや、これは違っ!?」
「ベル、大丈夫よ。このお方はただのクライアントで、ただの観光客だから。」
「そうそう。ロイド様と同じベッドを幾晩も共にした程度の仲に過ぎませんわ。」
「…じー。」

書籍に霜が降りるほどの吹雪が巻き起こり、ランディとキーアはカウンターへと避難していた。

「だ、大丈夫かね、ロイド君は。なにやらもめてるようだが。」
「ああ、大丈夫ですよおやっさん。いつものことですから。」
「ロイドに本よんでほしいのにー。」

心配そうなマイルズをなだめ、ランディは童話の新作のチェックをしながら、十字架にはりつけ状態のロイドを遠目に、猛烈にうなずいていた。

――歓楽街。

「あら、弟君じゃなーい!」
「あ、イリアさん、おひさしってムグッ!?」

相変わらず遠慮のない突然の抱擁に、ロイドはよろめき後ずさる。

「い、イリアさん!あなたは劇団の看板女優だし、俺は子供じゃないんですから、所構わずこういうことはちょっと!」
「あら、しばらく会いにきてくれなかった上にそういう生意気な事言うわけなの?これはきつーいオシオキが必要ね。」

ぐいぐいと抱きしめられていると、後ろからもう一人の女性も現れた。

「こんにちは、皆さん。」
「ああ、リーシャ、ちょうどよかった。イリアさんに離れるようングーッ!」
「えいえい!どうだ、参ったか!」

私服に包まれた豊かな女体の中でもがくロイドを見て、今度ばかりはランディも冷ややかな視線をあびせながら、うすら笑いを浮かべていた。

「なんだか皆かおがこわーい。」

そういいつつも、キーアがけたけたと笑う。
ロイドは今すぐ彼女と立場を交換できたら、どれだけ楽だろうと心から思った。
374共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:27:18 ID:yZFMe3kg
――住宅街。

「けほっ…そ、そういえばエリィ、今日は実家には顔を出さないのか?」
「そうね。挨拶くらいしないとね。」

磨かれた三本槍に貫かれ、そのまま押されるように歩きながら、ロイドが提案する。
マクダエル家に向かうべく、通りの階段を下りると、一匹の仔猫が横切っていった。

「まあかわいい仔猫ちゃん。」
「あら、この子は確か。」
「マリー、いらっしゃい!」

階段の上り口にある住宅から、一人の少女が駆け出してきた。彼女はロイド達をみつけると、ぱっと顔を弾かせ、お辞儀をする。

「こんにちは、しえんかのおにいさまがた。」
「こんにちは。礼儀正しいお嬢ちゃんね。」
「やあサニータ。マリーも元気そうでなによりだな。」

ロイドがしゃがみこんで、マリーの鼻先をちょいちょいとなでると、仔猫はその指に喉をならして擦り寄った。
サニータはその傍らに歩み寄り、ロイドの顔をじっと見つめる。

「ああ、ごめん。お邪魔だったかな。」
「…そういえば、おにいさまに、マリーをみつけてくれたおれいを、まだしてませんでしたわね。」

ロイドが疑問符を浮かべる間もなく、その頬にサニータが口付けをした。

「え…。」
「お、おとうさまだけにしてあげる、げんきのでるおまじないですけど…おにいさまはとくべつですわっ。」

そのままマリーをかかえあげ、顔を真っ赤にさせると、再びお辞儀をして、彼女は家の中に走っていった。
呆然とする一同と、口を半開きにしてサニータを見送るロイドの側に、キーアがいつのまにか立っている。

「ロイド、今のげんきが出るの?」
「え?…ああ、そうだな。大事な人にしてもらうと、これ以上ないおまじないだろうな。」
「ふーん。」

目をぱちぱちと瞬きした後、キーアもロイドの首にしがみつき、その頬にキスをした。

「お、おい、キーア?」
「えへへ、ロイドげんきでた?」

屈託なく笑うキーアに、ロイドは言いかけた言葉も忘れ、その頭を優しくなでた。

「じゃあつぎはキーアにもして?」
「え?や、それは…。」
「イヤなの?」

顔を曇らせたキーアを、背後の若干名の影に、めりめりと音を立てて角が生えるのを感じつつ、ロイドが必死でなだめる。

「いや、このおまじないは、女の子が男の子にすると、効果があるものなんだ。かわりに男の子は、女の子を守ってあげるっていう約束をするのさ。」
「…ふーん。」
375共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:28:11 ID:yZFMe3kg
どこか納得しなさそうに口を尖らせながら、キーアがじっと見上げてくる。
ロイドはすっくと立つと、目的地へと向き直った。

「さ、さて、挨拶に行こう。執事さんたちも、エリィの近況を気にしてるだろうし。」

ランディは吹き出しそうになるのを必死で堪えながら、ズンズンと地響きが聞こえそうな足取りでロイドの後をついていく三人を見ていた。

(ああ、こりゃもう、犬にじゃれられただけでも、大惨事だな。)

――某所。

「ロイドさーん♪」
「うわぁ!」

――某宅。

「ロイドちゃーん♪」
「ちょ、ちょっと!」

――某通り。

「ロイドくぅ〜ん!」
「だああ!」
(うへえ、こればっかりはうらやましくないな。)
(…オカマさんです。)

――西通りベーカリーカフェ<<モルジュ>>前。

「さすがロイド様ですわ。沢山の街の人に慕われてますわね。」
「…アロネさん、顔がひきつっています。」

椅子に腰掛け、エリィ、ティオ、アロネの三人は、買い物をするロイド達を待っていた。

「まあ、どうせロイド様の愛くるしい容姿にばかり目がいってのことでしょうけど。その内に秘める情熱も全て知った上での、純粋な愛情をもつこのわたくしの敵ではなくってよ。」
(…そういえば確かに…教団摘発の後から、あの手の人達が熱を増しましたね。)

アロネが自分に言い聞かせるようにひとりごつ。対照的に冷静なエリィがカフェの入り口を見つめている。
鋭く伸びた細目から、それはさながら雲間から覗く真夏の太陽のような瞳で、その焦点から煙を噴出しかねない。

「そういえばお二人とも、わたくしに対してかしこまる必要はありませんわ。普段の口調で話していただいたほうが、わたくしとしても嬉しいですし。」
「…わたしは元からこれが普通なのですが、一応、了解です。」
「ありがとう、ティオさん。…エリィさんは、どう?」
「えっ?あ…解かりました。アロネさんがそうおっしゃるなら。」
「うふふ。改めてよろしくね。」

カフェの扉が開き、ロイドとランディが、その間で満足そうにパンをほおばるキーアと共に出て来た。

「おまっとさん。」
「ごめん待たせて。オスカーは顔が広いから、あまりアロネの事も教えないほうがいいと思って。」

キーアを椅子に座らせ、抱えていた袋包みをガーデンテーブルに置くと、ロイド達も席に着いた。

「冷やかされるのも嫌だったし、だろ?ロイド。」
「うっ。まあ、無いといえば嘘になるけど。」
「オスカーのパン、おいしー。」
「もうすぐ夕食だからあまり食べ過ぎたらダメだぞ、キーア。」

キーアをたしなめるロイドとエリィの目が合った。彼女はついと顔を逸し、紙袋からパンを取り出すと、小口で噛り付く。
376共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:28:49 ID:yZFMe3kg
「そ、そういえば今日の夕食はエリィの当番だったな。今から楽しみだよ。」
「あら、当番制ですのね。ロイド様、お料理もなさるの?」
「ああ、難しいものじゃなければ、一通りは一応作れるかな。」
「家庭的な一面もあるなんて、素敵ですわ。」

アロネがエリィをちらりと一瞥し、掌を打ち合わせた。

「そうですわ。案内してくださったお礼に、今日のディナー、わたくしが作らせていただきます。よろしくて?」
「お、自信たっぷりだねえ。」
「もちろん皆様と、エリィさんさえよければ、ですけど。」

話をふられ、パンを咥えたままテーブルを睨んでいたエリィが、顔を上げる。

「ええ、構わないわ。でも全部お任せするのもなんだし、デザートは私が作るわね。」
「ありがとう、お願いしますわ。」
「とくると、晩飯は共和国の家庭料理って訳か。」
「ロイド様、楽しみにしててくださいね。わたくし、愛情たっぷり込めますから。」
「ああ…。」

再びエリィがテーブルに視線を落とした。
ティオがその隣で、シェイクのストローを口にしたまま、平たい表情もそのままに、少しずつ吸い上げている。

「よおし、そうと決まったら材料も買わねえとな。ちょうど一週巡ったとこだしよ。」
「そうだな。帰りにタイムズにもう一度よろう。」

一行はそのまま、オスカーのパンをつまみつつ、アロネの故郷の話題などを交わしながら休憩をとり、買い物へと繰り出した。
やがて大量の食材と日用品をかかえ、特務支援課ビルに戻ってきたときには、陽は茜色に染まっていた。

***

「おいしー!」

支援課は夕食時を迎えていた。
テーブルに並ぶ料理はどれも素朴ながらも品があり、その味も申し分のないものばかりだった。

「こいつはおどろいたな。どれも食べた事の無いもんだが、いけるぜ!」
「…おいしいです。」
「ふむ。クロスベルと共和国じゃあ味の濃さの違いが顕著に出るもんだが…こいつはちょうど良いな。」
「どれもわたくしの国では代表的な料理ですの。皆様の口に合うかどうか心配でしたけど、そういっていただけてひと安心ですわ。」

セルゲイ含める一同の反応に、アロネは嬉しそうに微笑む。
エリィも黙ってはいたが、口に運ぶ料理に対しては率直な反応を返し、頷いていた。

「でも、わたくしとしてはもっと上手に作りたいですわ。でなくてはロイド様の伴侶は務まりませんもの。」
「伴侶?」
「はんりょってなーに?」
「いや、そういえば課長、どうでしたか?本部の返事は。」

ロイドがあわてて話の腰を折る。

「ああ、まあ当然といえば当然だが、動くのは難しいそうだ。確証もないし、いかに領主の娘の言でも、憶測の域は出ない訳だからな。」
「やはりそうですか…。警戒態勢をしいてもらうだけでも助かるんですが。」
「市民の不安をかきたてるからな。簡単にはいかん。」

ロイド達の帰宅後、起床してきたところで説明を受け、セルゲイは一応本部への報告もしていた。
幾度の事件の解決により、支援課の情報は警察としても無視できないものにはなっていたが、やはり信憑性の問題から、前述のような判断が下されたのだった。

「ま、連中の耳にいれておくだけでも、それなりの効果はある。遊撃士のほうには連絡はいれたのか?」
「はい。こちらも注意の喚起のみですが。」
「気を張り詰めてももたんしな。相手が着の身着のままの脱獄犯なら、すぐには行動にうつせんだろう。」
377共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:29:43 ID:yZFMe3kg
二人のやりとりを聞いていたアロネが、問いかける。

「セルゲイさん…ロイド様もそうでしたけど、わたくしの狂言ということを疑いはしませんの?」
「ん?」
「ロイド様と面識があるとはいえ、わたくしは今日こちらに着いたばかりの来訪者に過ぎませんわ。なのに、そこまで考えていただけるなんて、少し意外で…。」
「そうだな。正直半信半疑ではあるが。」

セルゲイが肉料理を小さく切り、ロイドを手にしたフォークで指しながら言った。

「そこの男とこいつらは、今までこういった感じで事を運んできては、それなりの成果をあげてきた。お嬢さんの言う事が本当かどうかも、解かるんだろうよ。だから俺はそれに乗っかってるまでだ。」
「課長…。」
「…ようするに。」
「自分で考えるのがめんどくさいんだな。」
「クク、そういうことだ。」

ワインの蓋をあけ、グラスに注ぎながら、セルゲイは頷いた。ロイドが根拠を付け足す。

「俺が一年前厄介になったパスキューブ家の人々は、温厚で誇り高い人達ばかりだった。犯人が解かったのも、そうした中、存在が浮いていたからなんだ。
その一員である君がこうして、遠路はるばる訪ねてきてくれたわけだから、疑いようが無いよ。」
「ロイド様…。」
「仮に嘘だとしても、俺達を不安にさせるようなことは絶対に言わないだろうし。」

ロイドが料理を口に運び、続けた。

「こんな美味しい料理は、狂言を企むような人間には作れないさ。」

彼は笑顔で言葉を結ぶ。一瞬、食卓が静まり返った。

「あれ、何か変なこと言った?」
「ロイド様、やっぱり貴方様は…」
「うん?」
「わたくしの、王子様ですわぁっ!」
「って、アロネ、あぶなっ!?」

ロイドが座った体勢でしがみつかれ、あやうく転げ落ちそうになりながら、胸の中のアロネを支える。
ティオがキーアの口を拭きながら、あきれた様に目を伏せ、ランディが遠慮なく笑った。
エリィが、唐突に席を立つ。

「え、エリィ?」
「皆そろそろ食べ終わるみたいだし、デザートを持ってくるわ。少し待っててね。」
「わーい!でざーと!」

空の女神が実在するとすれば、今の彼女がそうだろう。それほど美しく、優しい声だった。
しかしキッチンに消え行く姿は、虎もすくむ威を放っている。
ロイドは尚も纏わりついて来るアロネを押しのけるのがやっとで、その背中に声もかけられなかった。

「お嬢のデザートは絶品だからな。きっとアロネのお嬢さんも気に入るぜ。」
「まあ、そうなの?今度教えていただこうかしら。」

のん気な会話の隣で、ロイドは気が気ではなかった。
彼とて、今日一日のエリィの様子がおかしい事に気付かないほど末期ではない。
だが、自分に対して好意的な相手を無下に扱えないという、長所とも短所とも言い難い部分が彼にはあった。
半ば自覚しつつも、アロネを無理矢理突き放す事が出来ない。だから目の前に出て来たデザートも、ある程度覚悟はしていた。

「エリィ、その、何か怒ってるか?やっぱり。」
「あら、どうして?私そんなふうに見える?」

シチェーションさえ違えば、迷うことなくロイドはエリィを優しく抱きしめるだろう。腕の中の彼女を見つめ、幸福に酔いしれるだろう。
それはそんな笑顔だったが、彼はそれ以上何も言えず、出された皿に乗っているものを見た。
378共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:30:30 ID:yZFMe3kg
「凄く美味しいですわ!」
「エリィさんのデザートはわたしもいつも楽しみです。」
「甘いものはあまりくわんが、なかなかのものだ。」
「ありがとう。余分に作ってあるから、足りなかったら言ってね。」

口の中で滑らかに溶け、ほろ苦いカスタードとの相性抜群の甘さのプリンを、一同が賞賛する。
ロイドの目の前にある物は、見た目はそれとまったく同じなのだが、なぜかスプーンでつつくと金属音がした。
彼はナイフとフォークを使って強敵を一口サイズに切り取り、派手な音を立てながら黙って食べていく。

「そういえば、特務支援課、でしたかしら。普段はどういった仕事をしてらっしゃるの?」
「おう、いい質問だ。」
「簡単に言えば遊撃士協会と似たイメージですが。」

食後の話題が提供され、話は支援課発足から、教団壊滅にまで広がり、数々の武勇伝にアロネは目を輝かせた。
特にキーアが目立ついくつもの笑い声と、ロイドが奏でる剣戟の中、団欒の時は過ぎていく。

***

(バカねロイド…全部食べることないのに。)

エリィは、ロイドが死闘を繰り広げた会場を洗いながら、そっとその真ん中を、彼の頬に当てるように撫でる。

(私ったら、なにしてるのかしら…。)

彼らが想いを確認し合ったことを明言しないのは、暗黙の了解であった。奥ゆかしい二人は、わざわざ報告するような事ではないと判断していたのだ。
そんなロイドがどれだけ他の女性と懇意にしていようと、エリィにとってはそれは、既にほとんど日常の一部のようなものだった。
彼の人柄を思えば、当然の事だと思っていたからだ。あるいは、彼女自身にそう言い聞かせていたのかもしれない。
しかしその具体例を一日中見せ付けられた事で、複雑な心境に無意識のジレンマが生まれ、彼女が料理する手に、悪戯をさせていた。

「…やっぱりエリィさんも、ロイド様の事を、お慕いしてらっしゃるのね。」

隣で同じく洗いものをしていたアロネに不意をつかれ、エリィはあやうく手にした皿を落としかける。

「突然に、なんのこと?」
「あら、とぼけなくてもよろしくてよ。それだけじゃないわ。ロイド様も、エリィさんのことを憎からず思っている。
もしかしたら、すでにお二人は恋人同士なのかしら。」

心を読まれたかのように言い当てられ、エリィは手が完全に止まっていた。

「ふふ。こう見えてもわたくし、領主の娘ですもの。人と人の繋がりを観察するのには慣れてますの。
といっても、あなた方は誰の目で見たとしても、初々しくて解かり易いですけど。」

くすりとアロネが笑みをこぼす。エリィはあわてて作業を再開し、明らかに変わってしまった自らの顔色を隠した。

「でも、貴女には悪いですけど、わたくし、あきらめませんわよ。例えお二人の仲が深いものであったとしても。」

アロネはエリィの横顔に向かい、はっきりと宣言した。

「彼の若さなら一人や二人、加えてあの魅力でしたらそれこそ十数人、お相手がいてもおかしくはありませんわ。でも最後に、死ぬまで一緒にいてくださる…その相手にわたくしを選んでくだされば、それで構いませんもの。」
「そんな…どうしてそこまで、ロイドのことを。」
「ふふ。自分でも、おかしいと思いますわ。でも、仕方ありませんわね。ロイド様を愛しているということ以外、理由が見つかりませんもの。
正直恐ろしいですわ。あの吸い込まれるような瞳と、燃え盛る魂を持ち合わせたあのお方が。」

エリィは愕然とし、あえて考えないようにしていた一点が急浮上してきたのを感じ取り、あわてて押さえ込んだ。
ロイドはあの日、媚薬を飲んでいる。その言葉に嘘偽りがあったとは思えないが、彼自身が心から望んでいた事なのかどうかも断定できない。
純粋な好奇心と色欲の結果が夜の出来事だとしたら、エリィは今の彼にとって特別であると言えるのだろうか。
379共に歩みぬく意志:2011/01/06(木) 15:31:21 ID:yZFMe3kg
「なぜ私に、こんな話…。」
「べつに他意はありませんわ。わたくし、フェアな勝負がしたいだけですの。ロイド様が決めた相手を、お互いが認め合い、後腐れが無いように、ね。
その為の宣戦布告と受け取っていただいてよろしくてよ。」
「私がそのルールに従わなかったら?」
「貴女がロイド様を困らせるような事をしないということくらい、わたくしにも解かりますわ。」

銀器を磨きながら、アロネが付け加える。

「それから、ティオさんも、貴女と同じくらいロイド様のことを好いてらっしゃるわね。」
「え?」
「霧に沈んだ湖のように表情を映さない子ですけども、あのお方を見つめる時だけ、その内に火が灯りますもの。あれは、恋する乙女の瞳ですわ。」

ティオがガイに救出され、彼の亡き今、ロイドがその約束を受け継いだことは、すでにエリィも聞かされていた。
しかし、ティオのロイドに対する態度は、作戦行動中は良好だが、それ以外はあまり際立たず、彼を立派なリーダーとして認めているのは見て取れても、好意にまで発展しているとは思わなかった。
それ故に、エリィには解からなかったのかもしれない。その変化は、ティオがロイドに異性を見ていると意識して、ようやく見ることが出来るほど微細なものだった。

「ライバルは多いですけど、しかたないですわね。お互いに頑張りましょう?」
「ええ…。わ、私、クロスを片付けてくるわね。」

作業を終え、逃げ出すようにエリィがキッチンを出て行く。

(やはり何か、訳ありのようですわね。)

その後ろ姿を眺めながら、アロネは磨いていたフォークに口付け、ほくそ笑む。それはロイドが先ほどの決闘に使用した獲物の一つだった。

(ごめんなさいね、エリィさん。わたくしもこればかりは負けられないの。卑怯といわれても、品がないと罵られても。)

一方で、エリィは混乱していた。
片付け後のシャワーを使い終え、二階の廊下からビルの前を見下ろすと、ロイドとランディが街灯の側で稽古をつけている。
その姿が、再び遠くなっていくのを、肉眼で確認した途端に実感していた。

(ロイド…。)

窓に額を付け、イヤリングを指の背で慈しむ。
それは彼からの真心の贈り物であり、唯一形として残っている物だった。そして命を懸け、エリィを救ったのも、違いようの無い事実である。
そんなロイドの想いを、エリィは一切疑っていなかったが、それもまた単なる独りよがりに過ぎないと、アロネに気付かされてしまう。
もしティオが議長の娘なら、イヤリングは彼女に贈っただろう。もちろん誘拐の危機からも、同じように救っただろう。

エリィは今、巧みな言葉の罠にすっかり陥っていた。
部屋に向かうと、外したイヤリングを机に置き、ろくな寝支度もしないままにベッドに身体を預ける。
あの日以来、感じることの無かった精神的な苦悩をえぐりだされ、うずくまる。やがて泥沼に沈むように、深い眠りについていた。

しばらくの時間のあと、まるでティオに連行されるようにして、アロネが三階へと上ってきた。
どうやらロイドの部屋に忍び込もうとしていたようだが、すでに彼女の部屋はティオの隣に確保されている。
二人が挨拶を交わし、部屋へと入っていく。

やがて街がすっかり寝静まった頃、足音を押さえ、一つの気配が廊下を歩いていた。
それはエリィの部屋の前でとまり、小さく三度ノックをする。間を置き、今度は一度だけ、ノックをした。
部屋の主は、夢の何処かでこの音を聞いていたのだろうか。声には出ず、しかしその唇の動きは、愛しい人の名を呼んでいた。
気配は小さな鎖のような音を立て、しばらく黙っていたが、何もせずにその場を離れる。その正体は、窓から足元を照らす月だけが知っていた。
380名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 15:32:02 ID:yZFMe3kg
あけましておめでとうございます。
反応ありがとうです。凄い励みになります。
皆さんのコメントは、地味にストーリーのネタとしても拾わせて頂いています。そこで少しでも「おっ、こいつは」と思っていただけたら、私としても嬉しいです。

以下は、私事なので、読み飛ばしてくださっても構いません。チラ裏というやつでしょうか。
11月中旬からの規制巻き込みが、未だ続いている状態で、実はこの書き込みも、>>34で代行していただいています。
あまり代行スレを消費するのもよろしくないので、これ以上頻繁に続くようでしたら、避難所に、Falcomスレのみの代行場所をつくろうかなと思っています。
(私としてもこのスレに枯れ木を生やしたいので、どうしてもこのスレに書き込みたくて考えている事です。)
2chは初心者で、新規スレとか作るの初めてなので、タブーなどを調べ慎重に事を進めるつもりですが、何か軽くアドバイスをいただけるとありがたいです。
381名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 10:22:26 ID:Q/v8Dy4/
>>380
乙&GJ! ロイドのモテ王っぷりにワロタw

2ちゃん自体が色々ヤバい今、外部避難所が立つのは嬉しい
立った時はこっちにもアド貼ってくださいな
382名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 12:21:03 ID:duj5UP66
>>380
乙でした!これからの展開がとても楽しみです。
383名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 14:08:05 ID:KmlYbeWh
GJ!
嫉妬してる女の子は可愛いなやっぱ
ギャグ調もシリアスもどっちも素敵だ。
一筋で行くのかハーレムになるのか分からんけど、どっちにしても楽しみにしています!

避難所云々は申し訳ないが俺もよく分からない・・
でもまあ立てちゃってもいいんじゃないかな、とか無責任に言ってみる。
というかもう早く続き読みたいんでなんで(ry
384名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 19:10:45 ID:Zyy0o/gd
いっそのことSSサイト作ってくれたら嬉しいな
385名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 20:20:18 ID:40DnCuj+
避難所にファルコムスレ立ってるね
誰か知らんがありがとう
はやく続き見たいっすよ
386名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 20:36:32 ID:kVGiTiZ7
>>380
乙!
次のエロス相手はノエル曹長でもティオでもエリィでもノエル曹長でもいいんだが
出来ればオリキャラは避けて欲しいな…いいキャラだとは思うんだけどね。

>>385
よければ貼ってくれる?
387名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 20:58:17 ID:40DnCuj+
>>386
俺でよければ喜んで貼らせていただきますよ
388名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 23:12:23 ID:kVGiTiZ7
>>387
あ、ではお願いします。
389名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 23:44:01 ID:iDwOpoPd
一夫多妻でもいいじゃん!
ロイドがセシル姉とかエリィとかセシル姉とかティオすけとかセシル姉とかノエル曹長とか
セシル姉とかウェンディとかセシル姉とかフランちゃんとかセシル姉とかイリアさんとかセシル姉とか銀ちゃんとかセシル姉とか
複数とラブラブでも許容出来るじゃん!
390名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 23:54:13 ID:iDwOpoPd
ってか、エリィは優しいから
もしロイドとエリィが二人でラブラブセックスしてる最中に
ティオすけが「混ぜてください」とか言ってきても、エリィは意を汲んで「ええ、いいわよ」とか答えてティオすけの参戦を許して3Pに突入しそうなんだが
391名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 23:57:07 ID:40DnCuj+
>>388
とりあえずこれから毎日避難所のスレはチェックさせて頂きますが
俺もさすがに1日中2chやってるわけじゃないし昼間は普通に仕事ですんで
俺じゃなくても先に避難所の書き込み見つけた人がいれば
その人にここに貼ってもらうという形でいいんじゃないですかね
392共に歩みぬく意志:2011/01/08(土) 08:30:14 ID:hEiGXtQA
***

「おお?」
「これは…。」
「ぴかぴかー。」

ロイドとキーア、ランディの三人は、たまたま同じ時間に起き合わせ、一緒に一階へと降りてきていた。
はじめは日光による錯覚かと思ったが、よくよく見ると部屋においてある家具、窓、壁にいたるまで、見事に磨き上げられている。
手入れの方法も完璧で、クリームで保護された皮のソファは美しい光沢を放ち、壁紙は傷一つ付けられることなく油煙が拭き取られていた。
気配を感じ取ったのか、キッチンからエプロンドレスを身につけたアロネが出て来る。

「おはようございます、ロイド様。今朝は良い天気ですわね。」
「おはよう、アロネ。」
「アロネのお嬢さんが、コイツを?」
「ええ。宿を提供してくださった、せめてものお礼ですわ。」

その後ろから、ティオも顔を覗かせる。ロイドが彼女を見つけると、いきなり睨みつけられた。

「お、おはよう、ティオ。な、何か?」
「いえ…。おはようございます。朝食はもう出来てますので、座って待っててください。」
「おう!キー坊、手あらってこようぜ。」
「はーい。」

セルゲイは既に出かけているようだった。テーブルに料理が並び終わる頃に、エリィが起きてくる。

「よお、お嬢。珍しく遅いじゃねえか。」
「おはよう、皆。」
「エリィ、どうしたの?元気ない?」
「ありがとキーアちゃん。ちょっと寝すぎちゃったみたい。」

椅子から乗り出すキーアを、エリィが抱えるように優しく抱きしめる。そのままロイドの前に座るエリィに、彼は少し遅れて挨拶を送った。

「おはよう、エリィ。」
「…。」

エリィは口を開き、何かを言いかけたが言葉には出ず、返事の変わりに小さく首を傾けた。その様子にロイドが再び声をかけようとしたとき、アロネの腕が横から絡まってくる。

「ロイド様、今日のお仕事はいつまでかかるのかしら?」
「え、いつまでっていうか、仕事の量にもよるけど夜までかかるかな。」
「まあ。それなら、今のうちに沢山食べて、体力をつけませんと。」

アロネがグラタンをすくって、ロイドへ差し出す。

「ロイド様、あーん。」
「ちょ、まってくれ。そんなこと出来るわけないだろう!?」
「未来の予行練習ですわ。照れなくてもよろしいのですわよ?」
「予行練習って、だから昨日も言ったけどそんなつもりは…」
「ふふ、ロイド様ったら。お顔が真っ赤。」

相変わらず会話のかみ合って無い二人を正面に、しかしエリィには覇気が無い。ティオがその姿に、いつかの彼女を見ていた。

「ロイドおきゃくさまと、なにのれんしゅうしてるの?」
「ああ、そいつはだな、前言ってたパパとママっていうやつの」
「ランディさん舌に張り付くほどよく冷えたグラタン、食べたいですか?」
「ああなんてこった!たったいま忘れちまったよ。悪いなキー坊。」
「えー。」
393共に歩みぬく意志:2011/01/08(土) 08:30:44 ID:hEiGXtQA
銀器が食器を打ち、紅茶を注ぐ、それら朝食の音に機械音が割り込んでくる。

「っと。端末か。」
「新規の支援要請が着たようです。」
「そういえばまだ今朝は確認してなかったな。軽く見ておこう。」

しぶるアロネを定位置に戻し、ロイドが端末まで移動した。ランディがパンをむしりながら椅子の背中に顎を乗せる。

「どうだー、ロイド。今日の散歩コースは。」
「ああ、今見て…。」

言葉が途切れた。

「ん、でっかいヤマでも来たか?」
「いや、どうやら今日の帰りは相当遅くなりそうだ。緊急の要請が十件以上ある。」
「十件!?おいおい、とうとう二桁かよ。」

ランディとティオが席を立つ。続いて通信機も鳴り響いた。

「はい、特務支援課捜査官、ロイド・バニングスです。ああ、フランか。」
「こりゃたしかに遅くなるっつーか今日中におわんのか。」
「朝見たときにもすでに多めでしたけど、まさかここまで追加されるなんて。」

端末を囲む三人の中央で、ロイドが表情固く通信を続ける。案件を目で読みながら、何度も確認をしていた。

「住宅街のヘイワース家で最後だ。そうか、うん。解かった、何とか当たってみるよ。またあとで連絡する。」
「どういうこった。」
「昨日の夜のうちに、クロスベル中で盗難や器物破損等の小犯罪が発生したようだ。」
「こんなに一度に…。」
「被害状況で派遣する人員を決めるためにも、捜査の前哨として、簡単な聞き込みに協力してほしいらしい。
あまりゆっくりとはしていられないな。」

ロイドが時計を確認すると、素早く手帳に被害のあった場所を書き込んでいく。
すでに彼の顔つきは、今巷で噂の的となっている敏腕捜査官のそれとなっていた。

(昨日の事も、怒ってはくれないのね、ロイド。ただ真っ直ぐ前だけ見てる…。)

エリィは始終席についたまま、その姿を見つめる。こんな時、彼の頭の中が事件一色に染まることは、良く分かっていた。

(…今は、悩んでなんかいられない。しっかりしないと、彼を支えないと。)

エリィが姿勢を正し、食器を持つ手に力を込める。再び彼らが食卓を囲んだとき、長閑な雰囲気は消えていた。

「朝食が済んだらすぐに出かけよう。他の仕事もあるから、なるべく夕方前には一通り回っておきたい。
アロネは留守番をしててくれ。なるべく外出も控えて欲しい。」
「わかりましたわ。ロイド様。」

若輩ながらも堂々たる威風で頼まれ、アロネは快諾とともにその眼差しにため息を漏らす。
無茶を言うのでは、と懸念したロイドも、その了承に彼女が現状を理解しているということに安堵した。今この街のどこかに、既に「彼」が居る可能性もある。
一同は早々と朝食を済ませ、支度を終えると、玄関に集合した。

「ツァイト、アロネのことを頼んだぞ。キーア、いい子で待っててくれ。」
「ウォン。」
「うん。いい子で待ってる!」
「ロイド様、いってらっしゃいませ。」
「ああ。行こう、皆。」
「んじゃいってくらー。」
394共に歩みぬく意志:2011/01/08(土) 08:31:08 ID:hEiGXtQA
見送りを背に、四人は中央通りへと出た。ロイドが辺りを見渡しながら、もう一度時計を見る。

「分担を決めよう。ランディとティオは、被害のあった部屋や箇所をしらべてくれ。簡単な痕跡程度は伝えたいんだ。」
「ほいきた。ティオすけ、マヌケな忘れ物ごっそりせしめてやろうぜ。」
「了解しました。」
「エリィは聞き込みに立ち会って欲しい。気が付いたことがあったら質問をどんどん追加してくれ。」
「ええ。解かったわ。」

過剰に力んだエリィの声に、ロイドはまるで気付くそぶりを見せず、しかし若干の間を置いて通りを東へと歩きだした。

「この件数は只事じゃない。しっかり調べていこう。まずは東通りのアパルトメントからだ。」

捜査は順調に進んでいった。
ランディとティオは現場の怪しい箇所をざっと見て周り、靴跡などの痕跡を捜索し、聞き込みで得られた情報と照らし合わせながら要所を押さえていった。
質問の内容は被害にあった金品、時間、前後で出入りした人間だったが、エリィも良く気付いた点を述べ、より精密な情報を得て行った。

「二日連続でこの街の観光した気分だな。」

途中ランディがこぼしたのも無理はない。
調査は文字通りクロスベル中に及ぶことになり、終盤に近づいた頃にはすでに正午も半ばを過ぎていた。

「こうしてみると…どれも被害自体はたいしたことがありませんね。」
「窓が割られたりもしてたが、盗まれたものは衣類だの化粧品だの、日用品がほとんどだしな。これじゃまるでガキの悪戯だぜ。」
「犯行時間の推移から大体このルートでぐるりと街を回ってるな。同一犯の可能性は高い。」

手帳を覗き込みながら、四人はヘイワース家に到着した。

「ここが最後だな。」
「大丈夫かお嬢、ティオすけ。かなり歩き回ったけどよ。」
「ええ、なんとか…。」
「街道巡りよりは、いくらか楽です。」

呼び鈴を鳴らすと、ほどなく覗き口が開いた。
ロイド達の姿を一目確認すると、慌てたように鍵を開ける音が聞こえる。
やがて迎えてくれたのは、この家の主人、ハロルドだった。

「ようこそ、皆さん。さきほど警察の方から連絡があって、あなたたちが来てくださると聞いて、お待ちしてたんです。」
「こんにちは、ハロルドさん。早速ですが、いくつかお聞きしても良いでしょうか?」
「ええ、どうぞ!遠慮なく中へ入ってください。お茶も用意してありますからそちらで。」
「えっと、じゃあ遠慮なく。」

エリィとティオの疲れた表情をちらと見て、ロイドは甘えることにした。
奥の客間に通され、それぞれ席につくと、ハロルドのかけた声に、ソフィアとコリンも二階から降りてくる。

「ようこそ来てくださいました。」
「こんにちわー。」
「お邪魔してます。」

二人はハロルドの隣に座った。
聞けばこの家ではこじ開けられた鍵と窃盗のみの被害らしく、現場を聞き許可を得ると、ランディとティオは調査のために席を離れた。
一通り質問が終わり、ロイドが手帳に書き込んでいく様子を、ソフィアがどこか落ち着かない様子で見ている。
先日から散々似たような光景を目にしたせいもあってか、エリィは気になって仕方なかった。
395共に歩みぬく意志:2011/01/08(土) 08:31:36 ID:hEiGXtQA
「あの、ソフィアさん。ロイドが、何か?」
「え?」
「いえ…なにか、彼を気になさっていた様ですので。」

ロイドが顔をあげる。ソフィアがためらっていると、ハロルドが変わりに話しだした。

「実は、家内が夜明け近くに起きてきた時、庭の柵を越えていく人影を見たというのです。」
「人影ですか?」
「ええ、茶髪の若い男だったそうです。その姿が、言いにくいのですが…。ロイドさんとそっくりだったと言うのです。」
「え?」

ロイドが思わず間の抜けた声を出す。エリィもまさか彼の名前が出るとは思わず、またハロルドが冗談を言うような人間ではないだけに、耳を疑う。

「昨晩は良く晴れていたとはいえ夜ですから、髪の色も、顔の形もしっかり見たというわけでもなく、見間違いだとは思うのですが。
 声をかけようか迷ったほどだと言うので。」
「そ、そんなに。」
「私も、意識がはっきりしていないのだと、自分に言い聞かせましたけども…。でもどうか誤解なさらないで。」
「もちろん私たちはロイドさんを疑っているわけではありません。ただ、気にかかることは全てお話したほうが良いかと思って…。気を悪くしたのなら申し訳ない。」
「いえ、むしろ助かります。少しでも情報は多いほうが良いですから。」
「そういっていただけると。」

やがて調査の終了したランディ達と合流し、彼らは玄関でハロルドと握手を交わしていた。

「捜査のほう、頑張ってください。」
「ええ、必ずご期待に副えます。」
「ばいばい、おにいちゃんたち!」
「…お邪魔しました。」

敷地から通り道に出ると、ランディが最初に口を開く。

「で、ロイド。正直なところどうだんだ。」
「いや、俺が一番驚いたよ。まったく心当たりが…。」
「んー。怪しいな。たしかにここの奥さんは美人だからよ。」
「はぁ?」
「しかし夜這いの相手は選んだほうがいいぜ。それこそもっと当たり障りのない相手にな。」
「どうしてそうなるんだよ、ランディ!」

噴き出すランディにロイドがつっかかる。彼らがこんな冗談を言い合えるようになったのも、やはりあのIBCの夜が大きなきっかけとなっている。
このやりとりですら、今のエリィには眩しかった。

「ランディさん。先日の腹いせをしたくなる気持ちはわかりますけど…冗談を言っている場合ではないです。」
「はっはっは、やあ、悪い悪い。にしても変な話だな。ロイドを見かけたなんてよ。」
「ロイドさんが犯人だとしたら目撃者を残すなんて事はしないと思いますが。」
「いえてるな。密室トリックとか得意そうだ。」
「あのなあ。一応信用してもらってるって思ってもいいのか、それは。」
「当たり前よ、なあお嬢。」

話を振られ、エリィが思惑を語る。

「そうね。あの人達が嘘をつくとも思えないけど、見間違いだとしか…。」
「はは。ありがとう、エリィ。」
「べ、べつにお礼を言われる事でもないんじゃないかしら?」
「いや、やっぱりこういう時、信じてもらえるってのは嬉しいもんだよ。特にエリィには、さ。」
「え?」

いつも通りな予想外の言葉にエリィがたじろぐ。
396共に歩みぬく意志:2011/01/08(土) 08:31:59 ID:hEiGXtQA
「だってそうだろう?俺と、君の故郷なんだ。そんな大事な場所を穢すやつだなんて、思われたくないよ。」
「ロイド…。」
「おーおー。すっかり蚊帳の外だ。」
「…ですね。」
「ああいや。もちろん二人を別扱いしてるわけじゃないよ!」

あわててロイドが手帳をしまい、中央へと向き直る。

「とりあえず一度、報告に戻ろう。まだ残りの仕事もあるしな。」
(相変わらずごまかすのがヘッタクソだな。)
(露骨すぎます。)

やがて本部からの人員の派遣により、被害のあった家庭の本格的な捜査が開始された。いたるところに捜査官がたむろし、街は騒然となる。
ヘイワース家の証言も、どこから流れたのか一部で噂となるが、ロイド達はそれに気付くこともなく、市外にも及ぶ残りの支援要請を片付けていった。

「ああ、ロイド様、皆さん。おかえりなさいまし。」
「ただいま、アロネ。」
「あー、帰ってきたぜ。」

夕食時もとうに過ぎたころに、ようやく支援課に戻ると、テーブルに座っていたアロネがいそいそと駆け寄ってくる。

「キーアちゃんはお部屋でねんねしてます。あの子、本当に可愛らしいのね。おかげで退屈しませんでしたわ。」
「留守番ありがとう。ツァイトは屋上か。」
「ええ。皆様、もう食事は済ませましたの?」
「そういや喰う暇もなかったな。」
「バスの最終便も近かったですしね。」
「ちょうど良かった。簡単なものですけど用意しましたから、お持ちいたしますわね。」

ほどなく暖かいスープとパンが食卓に並び、遅めの夕飯を取ると、それぞれの自由時間となった。
流石に疲れたのか、エリィとティオは洗い物を済ませると早々に部屋へ戻り、ランディとロイドも稽古を取りやめる。
分室のソファーで、二人はお互いの武器を交換し、手入れを始めた。
これはお互いの武器の特性を知る為にと、ロイドが提案した事であり、毎日欠かさず行っている事だった。

「改めて思うが、このトンファーってやつは万能だがリーチが短いな。ほとんど徒手空拳に近いんじゃねえか。」
「そうだな。でも懐に入れば、それなりに格上の相手でもなんとかなるもんだよ。まあ、入るまでが大変なんだけどね。」

お互いの得意武器を磨きながら、二人が会話を交わす。
アロネはその様子を、先ほどロイドから強引に剥ぎ取った、上着のほつれを直しながら眺めていた。

「フットワークの軽いお前にぴったりだな。調子が乗ってくるとたまにアホみたいなスピードになるのは、俺も初めて見るぜ。」
「あれは、自分でも良く分からないけど、なんだろう。全身が燃えるように熱くなって、気が付くと周囲の時間がゆっくりに感じるんだ。ランニング・ハイに似てるのかもしれない。」
「なるほどな。」

ランディが手に取ったトンファーで構えをとり、縦に横に薙ぐと、半回転させて正面を突いた。

「あまり無茶はするなよ、ロイド。」
「え?」
「お嬢がさらわれたときもそうだったが、あの時もなったんだろ。帰りの車の中じゃ死んだように眠ってたじゃねえか。」
「確かにいつもはめまい程度だったんだけど、急に眠気が来たな。」
「戦いのプロは、戦闘のオンとオフを自在に変えられるように訓練されてるもんだが、お前はまだ実戦経験も浅いんだ。その力は慣れるまで乱発するんじゃねえぞ。
特に気分の高揚もなしに使ったら、それこそ意識不明になりかねねえ。」
「そ、そんなに危険なものなのか?」
「ああ。おそらくお前のそれは先天的な力なんだろうがな。使いこなせるまでじっくり慣れてくんだ。いいな。」

研ぎ澄まされたナイフのようなランディの眼差しに、改めてその過去を垣間見る凄みを感じ取り、ロイドは無言で頷く。
そのあまりに真剣な表情を、ランディはしばらく睨み、急に歯を見せ笑った。

「ま、お兄さんの忠告はありがたく聞いておくもんだぜ?お前が今ぶったおれたら、最低でも十人ほど泣いちまうレディがいるんだからよ!」
「まあ、皆に心配はかけさせたくはないし。せいぜい気をつけるよ。」
397共に歩みぬく意志:2011/01/08(土) 08:32:21 ID:hEiGXtQA
背中を何度も叩かれ、態度のギャップに苦笑しながらロイドが応える。作業を終えたアロネが、その笑い声に誘われるようにこちらへきていた。

「さ、出来ましたわ。ロイド様、ランディさん、楽しそうに何のお話をしてましたの?」
「あー、野郎と野郎の野暮な話ってやつですよ!このあと歓楽街にでもくりださねえかっつー類の…」
「まあ、ロイド様。わたくしというものがありながら。」
「いや、してないからそんな話。」

談笑の後、ランディはロイドからハルバードを受け取り、二階へとあがっていった。ロイドがトンファーをしまいながら、残ったアロネに問いかける。

「…何をしてるんだ、アロネ。」
「うふふ。やっと二人っきりになったんですもの。夫婦のスキンシップの一環ですわ。」
「夫婦でもないしスキンシップもしないってば!」

膝の上に乗っかってくるアロネをかわしながらロイドは続けた。

「それよりも君に聞きたいことがあるんだ。シェバリエについてなんだけど。」
「例の脱獄犯の事ですわね。」
「ああ。プライド高いって言ってたけど、どういうことなんだ?」

ロイドの本職の声色に、しだれかかるのを諦めアロネがその隣に座りなおす。

「シェバリエというのは、私の家にいた時の名前ですわ。その姿ではおとなしくて掴みどころがなかったのですけど。
隻眼の発破工員としては、ピデロという名前でしたけど、彼については色々と問題があったのを聞いてるのです。」
「問題?」
「ええ。それはもう、異常なほどに。」

ピデロは火薬に関する知識が豊富で、優秀な工員だった。ただその言動がどれも鼻にかかるもので、仲間うちの評判はあまり良いものではなかったという。
ある日彼のヘルメットに水袋がしこまれていて、それを被ったピデロは驚き悲鳴をあげた。その様子を他の作業員がせせら笑う中、彼は実行犯を聞きだす。
名乗り上げた者につかみかかると、水瓶に頭を押し込み、あやうく溺死させるところだったという。

「これはほんの一例に過ぎませんけど、どこか子供じみた面があったようですわね。
自分の仕事に文句をつけられる事も嫌ってましたけど、相手にされた仕打ちをそのまま仕返さないと気がすまないようですわ。」
「なるほど。」

ロイドが顎に手を添える。なにかを探るように目を泳がせる彼に、しばしアロネも沈黙する。

「わかった、ありがとう。参考になったよ。」
「お役に立てて幸いですわ。それじゃあ…。」

顔をあげたロイドに、アロネが唇を差し出した。

「な、なんだい?」
「ご褒美を下さいまし。」
「ご褒美って…ちょっと待った!」

そのまま迫ってくるアロネを止め、ロイドが席を立つ。

「もう時間も時間だし、君の部屋まで送っていこう。それで勘弁してくれ。」
「むー。腕を組んでくださるなら妥協しますわ。」
「はは…ありがとう。」

差し出された手を戸惑いながらも優しく引き、ロイドはアロネをエスコートする。
女性の肌を何度も押し付けられては、ロイドの若さとしてはたまったものではないが、それよりも彼にはもっと重大な問題があった。

「なあ、アロネ。一度真面目に話しておきたいんだ。」
「なんですの?」
「君が言う、結婚の事なんだけど…」

三階に登ったところで、彼にしては精一杯の説得を開始するつもりだったが、場所が悪かった。窓の外を眺めていたエリィと出くわしてしまう。
398共に歩みぬく意志:2011/01/08(土) 08:32:45 ID:hEiGXtQA
「え、エリィ!?」
「ロイド…結婚って、何の話?」
「いや、違うんだ。今はその、彼女だけに伝える事があって…。」
「あら、わたくしだけに?じゃあ今からお部屋でたっぷりと聞かせて欲しいですわ。」
「たっぷり聞かせるような話じゃないよ!」

アロネは彼の慌てる姿を堪能し、満足したようにその腕から離れると、部屋のほうへと後ずさった。

「ふふ、じゃあ今度是非、お聞かせ願いますわ。わたくし、お先に失礼いたしますわね。ありがとう、ロイド様。」
「ああ、アロネも、いろいろありがとう。」
「エリィさんも、おやすみなさい。」
「おやすみなさい、アロネさん…。」

エリィに挨拶を告げながら、その側を素通りするときに、アロネが小さくつぶやく。

「あくまでフェアに、ですもの。今なら、二人きりになれますわよ?」

彼女はそのまま、自分の部屋の扉を開き、もう一度こちらに手を振ると、その向こうへと姿を納めた。
二人はしばらく黙りこむ。お互いの顔を見るのもためらうように、床や壁に視線を逃がしている。

「なあ、エリィ…。」

ロイドがおそるおそる声をかけると、エリィは返事をする変わりに、彼のほうへと頭を下げる。

「ロイド、ごめんなさい。」
「へ?」
「昨日の、その、デザート…。」

ぽつりとつぶやく言葉に、しかしロイドは顔を緩ませた。

「や、そんなことか。まったく気にしてないよ。結構いけたしね。」
「でも…。」
「俺にも原因があったわけだしな。でもなきゃ、エリィがデザートを失敗するなんて、まず無いよ。」

エリィは今日のロイドの言葉も思い出し、その胸に飛びつきそうになる。だが、何故かそれが出来ない空気が、彼にはあった。
アロネとの会話の事もあったが、何処と無く彼の仕草が自分を避けている気がする。腕を組んだロイドを見るのは、滅多に無いことだった。

「でも今日は大変だったな。あの数もさながら、まさか俺が目撃証言にあがるなんて。」
「そうね…。」

会話が続かない。エリィは言葉を紡ごうとすればするほど、絡まる鎖に心を縛られていき、そのもどかしさに張り裂けそうになった。
だんだんと重い空気を吸うのも辛くなり、涙をうっすらと浮かべてしまう。

「私、そろそろ寝るわね。ロイドも早く休んだほうがいいわ。」

逃げるようにノブに手を掛ける。彼女は今一刻もはやく、この息苦しさから開放されたかった。

「エリィ!」

突然の叫び声に、扉を開く手が止まる。振り向き見た彼の顔も、眉間がしわくちゃになっていた。
エリィは、こちらに手を伸ばしたまま、明らかに豹変した彼の態度に、思わず岩のように動けなくなる。

「どうしたの?」
「エリィ、俺は…」
399共に歩みぬく意志:2011/01/08(土) 08:33:06 ID:hEiGXtQA
ロイドがエリィの両肩に手を置く。久しく無かった彼の接近に、エリィは反射的に身をすくめてしまう。

「ろ、ロイド?」
「俺は、君の…君の料理、楽しみにしてるから。」
「え。」
「いや、君が次の当番の時、楽しみにしてるよって意味で…。君の料理を。」

やけに気合の入った剣幕のわりに、拍子抜けする事を言われ、しばしエリィはあっけにとられる。
ロイドも頑張った顔もそのままに、困惑の色を浮かべていた。

「ん…ロイド…えりなさぁい。」

声とともに、突き当りの扉を開き、キーアが隙間から顔をのぞかせる。眠そうに目を擦りながら、裸の足音を立てて、おぼつかなく歩いてきた。
慌てて二人してかけより、その身体を支えると、ロイドが彼女を抱き上げる。

「起こしちゃったか、悪いな、キーア。」
「ごめんね、キーアちゃん。」

目をしょぼつかせるキーアを、彼はあやす。エリィもその乱れた寝巻きを調え、優しく髪をなでた。
共にいつもの習慣故に自然と出た行動だったが、キーアを挟んだ姿に、エリィは以前セシルの暴想により三人が家族に仕立て上げられたのを思い出す。
愁眉の彼女に、ロイドは目を合わせ狼狽し、キーアを抱えなおす。

「じゃあ、俺はキーアと部屋に戻るよ。エリィも、おやすみ。」
「うん…おやすみなさい、ロイド。」

そうして彼は、まるで逃げるように二階へと退散していく。人気の無くなった廊下で、エリィはしばし呆けたように立ち尽くし、部屋へ入った。
矛盾だらけの彼の言動に戸惑いながらも、彼女はロイドが肩に残した感触を両手に抱きしめる。

(ロイド…本当は何を言うつもりだったの?)

彼がとっさにあつらえたのであろう不自然な行動が、彼女の脳裏に鮮明に残っていた。苦悶ともとれる表情がどこか痛々しい。
しかし彼女は、悲観に包まれながらも、どこか喜びを隠せずにいた。彼は、かつて自分を救いに来た時も、似たような表情をしていた。およそ想像のつかないほどに情けの無い顔である。
ロイドの見せた弱みが、エリィに決心を思い出させる。彼女もまた、自分自身に誓っていたのだった。温もりから痛みまで、全てを与えてくれた人に対する、ひとつの決意を。

開かれた瞳には、一等星の如き輝きがあった。
400名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 08:34:36 ID:hEiGXtQA
避難所は、私が一応作成しました。注意書きなど、不足してると思われる点は、指摘してくださるとありがたいです。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2964/1294382964/

>>384 これは、私も思いつきました。
サイトだと、書き手と読み手の立場がはっきりと区別されてしまうので、この掲示板のような、誰でも意見し、誰もが好きなときに小説をばらまけるという、雰囲気は出来ないと思うのです。
私はこういった西部の酒場のような(嗜むものは、ちょっと大声でいえるものではないですがw)雰囲気が好きなので、ここで書こうと思った次第です。
さらに言えば、スレッドの活気の足しになればと思い、書き込みもあえて避難所ではなく、本スレに残したいのです。
ただ、その考えのせいで、代行で幾たびも手を煩わせているので、その点、問題があればお伝え下さい。サイトを立ち上げるかどうかは解かりませんが、別の手段を考えます。
読みにくいという点もありますが、そこは、ごめんなさい。

尚、ここまでの書き込みで、「共に歩みぬく」に関しては、終盤までのフラグがほとんど出尽くしています。
推理ものというにはあまりに稚拙な単純なものなので、結末を予想していただけると、嬉しいです。
401名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 01:18:47 ID:fgCmfAzq
お、もう続き来てた
エリィさんが切ないなあ・・・
何処でやるにしても続きまってます
402名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 22:39:16 ID:fopH6Ngx
ただセックルさせるよりストーリーあった方が好みなんでこれ自体は嬉しいんだが
結末予想はまあまんまだよなぁと思うw

それよりエリィさんの決意の内容のが気になるハァハァ

>問題があればお伝え下さい。
規制解けるまではこの体制でいいと思うよ。転載はまあ俺も気付いたらやってもいいし
403名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 11:03:15 ID:k60TgL0C
久しぶりに板垣あずさのAVを見た
あの娘ってすっげえ良い尻してんだよね
尻穴まる見えの状態で後ろから犯されてあんあん嬌声上げてる姿を見てると

良い尻持ってるエリィがロイドに後背位で愛される時はこんな感じなんだろうなって思う
愛するロイドに尻穴をガン見されて死ぬほど羞恥を感じているのに
ロイドのライジング肉トンファーでゆっくりねっとり抜き差しされて快感を押し殺すことが出来ず声を漏らしてしまう

なんて愛くるしいんだ俺の脳内エリィ!
404名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 22:41:56 ID:3J0MsgTI
続ききてたー!
何となく結末は予想できるけど、
やっぱり実際に読んでハァハァしたいです


ところで、自分もロイド×エリィのSS書いたんだけど
今の状況で投下しても大丈夫かな?
405名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 22:47:18 ID:UaP9xBrk
いいんじゃないでしょうか
ていうか是非読みたいです
406名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 23:27:12 ID:3J0MsgTI
即レスthx
規制されてないうちに早速貼らせて貰います
407しー'ず ふれーばー【1】:2011/01/14(金) 23:28:30 ID:3J0MsgTI


 ぷにゅん、という音がしそうな動きで、オレンジが生クリームの土台に埋もれていく。
 最後の盛りつけも無事に終え完成したスイートケーキを前に、エリィは唇を綻ばした。
「後はキーアちゃん達が帰ってくるだけね」
 戸棚にケーキを仕舞うとエリィはエプロンを外す。
 今日は久しぶりの休暇。キーアは日曜学校の一日遠足で、ティオとランディはその付き添い。課長
も朝から本部会議。ロイドはというと、台所のすぐ外、一階の共有スペースを掃除していた。
(皆が帰ってくるまでまだ時間もあるし、私も台所の掃除をしましょう)
 掃除用具を借りにエリィが向かおうとした矢先、ドアが開いた。
「お掃除お疲れさま、ロイド。何か飲む?」
 入口の方を見て微笑むエリィ。が、ロイドは突っ立ったまま、何の反応もしてこない。
「……ロイド?」
 訝るエリィの声に、ロイドがはっと身じろいだ。
「大丈夫? もしかして疲れてるの?」
「あ、いや平気さ。この部屋の、この甘い匂いに、少し驚いただけだから……」
 小走りで駆け寄ったエリィから、ロイドが目を逸らす。
「あ……確かに……」
 指摘されて初めてエリィは気付く。焦げる寸前まで焼いた小麦粉と砂糖の匂い。生クリームの匂い。
飾りに使ったフルーツ類の匂い。それぞれ系統の違う甘さをもった匂いが渾然一体となって台所に充
満しているのに。
「こんな甘い匂いの中で今日の夕飯を作らせたらランディに悪いわね」
 エリィが窓を開けに行こうとした矢先、ロイドに左手を掴まれた。
「もう少し、このままで……してくれないか」
 今まで顔を逸らしていたロイドが、エリィをじっと見つめてくる。
「この甘い匂いを嗅いでいると……何だかエリィの中に入ったような気がするから、だから……」
 上気した顔で告げられた言葉に、エリィは一瞬ぽかんとした後、ぼっ! という音が似合う勢いで
頬を赤らめた。
「やっ、やだ、いきなり変な事をいわないでよ」
 慌ててロイドから顔を逸らし、エリィは右手で髪をかきあげる。掴まれたままの左手を通して、彼
の肉体の感触や熱の記憶が鮮やかに蘇ってきて、疼きにも似た震えが止まらない。
 アッシュブロンドの髪が甘い風を起こして揺らぎ、彼女の白い首筋についたキスマークを晒した。
「……変な事じゃないさ」
 熱と強さの篭もった囁きと共に、エリィはロイドに抱き締められる。鍛えられた彼の腕に触れ、彼
女の豊かな胸が、むにゅん、と動く。
「ちょ、ちょっとロイド……」
 惑うエリィに構わずロイドは彼女の首筋や髪の毛に鼻先を這わせる。
 彼女の愛用する香水の匂い――草原の片隅でひっそりと咲く花を思わせる香りが、鼻腔を通して
ロイドの頭の中を刺激してくる。
「……やっぱり、エリィの匂いも甘いな……」
 うっとりした声で口ずさむと、ロイドはエリィの耳たぶをそっと噛んだ。
408しー'ず ふれーばー【2】:2011/01/14(金) 23:29:00 ID:3J0MsgTI
「――っ……!」
 彼の吐息と唇のくすぐったさに、エリィの口から声がこぼれる。
 それを了承ととったのか、ロイドが、慣れた手つきでエリィの服のボタンを外し始めた。
「ちょ、ちょっとロイド……!」
 エリィの抗議をロイドは自身の唇と舌でもって塞ぐ。彼女の吐息がダイレクトに口に入り、鼻腔が
新しい甘い匂いを感知する。
(やっぱりここも甘い匂いがするなぁ……)
 ロイドは目元を綻ばせながら、自分の舌をエリィの舌や歯に絡めて舐め回す。その間に彼女の服の
ボタンを全て外した。
 ピンクのシルク生地に白いレース飾りがついたブラジャーが露わになる。ロイドが慣れた手つきで
ブラのフロントホックを外すと、まるで蕾が花開くようにブラが左右に分かれ、エリィの豊かな乳房
が現れた。
 花びらのようにきめ細かくて滑らかな白い肌に、淡いピンク色した小さな乳首。それと複数のキス
マーク。
 ロイドは、キスマークを順番につついた後、乳首に触れた。
「……んっ!」
 エリィがぎゅっと目を閉じ体を逸らす。その背中を右手でしっかり抱えると、ロイドは掌で乳房全
体をゆるゆると揉みながら指で乳首を転がし摘んだ。
 柔らかかった乳首が、指の中で堅く尖ってくる。
「っ! んっ、んあっ……!」
 エリィの頬の赤みがさらに強まり、体が何度も揺れ動く。
 互いの唇で繋がった口の中でも彼女の舌が激しく飛び跳ね、ロイドの舌にすがりつくように絡んで
くる。
 そんなエリィの反応を心行くまで楽しむと、ロイドは口を離した。
 ぷはっ……と、息の塊がこぼれ、二人の口の間で唾液が糸を引いて伸びる。
「ロ、イド……」
 潤んだ瞳と真っ赤に染まった頬で呟くエリィを壁に押し当てると、ロイドは両手を離し、その場に
膝を折る。
 タイトスカートの裾をめくると、そのまま彼女の股下に顔を潜らせた。
「!! だ……!!」
 エリィが両手で押し戻すより先に、ロイドの鼻先が彼女の股に触れる。
「……ああ、やっぱりここも甘くて良い匂いがする……」
 うっとりとした声で口ずさむと、ロイドは鼻から思い切り息を吸い込んだ。
 タイツとパンツの布地を越えて、湿り気を含んだ彼女の匂いがロイドの鼻腔に飛び込んでくる。
 たまらずロイドがむしゃぶりつくと、上から彼女の矯声が返ってきた。
「やっ……ちょ、止めてっ……!!」
 顔を真っ赤にして悶えるエリィに構わず、ロイドは咀嚼するように口を開閉させながら顔を動かす。
彼の唾液でタイツとパンツの布地が濡れ、その向こう側に隠れている花弁の凸と密壷の入口の凹が、
露わになってきた。
「……本当に止めて欲しいのかい?」
 顔を離して問うた後、ロイドは両手で彼女のタイツとパンツを一気に引きずり下ろす。
 彼女の股とパンツの間で透明な水の糸が伸び、部屋の明かりに照らされ煌めく。 
「とてもそうには見えないんだけど?」
 ロイドが露わになった花弁を指でちょんとつつくと、密壷の入口から愛液がこぼれ出て、パンツの
上にぽたりと落ちた。
409しー'ず ふれーばー【3】:2011/01/14(金) 23:29:59 ID:3J0MsgTI
「だ、って、掃除の前にも……した、でしょう……!」
「いや、回数とか間隔ってあんまり関係ないから。むしろ、さっきしたばっかだから止まらないと言
うか……」
 顔を真っ赤にして反論するエリィに、ロイドは苦笑いで返すと、再び彼女の股へ顔を寄せる。
 微かに震える花弁へ優しく口づけすると、舌を突き出した。
 猫がミルクを飲むように、ぺろり、ぺちゃりと、ロイドの舌がエリィの花弁や密壷の入口を舐めて
いく。
「や……あ、あんっ、んふあっ、あ!」
 エリィが顔を真っ赤にしてのけぞり、両膝をガクガク揺らす。舌のザラザラした感触と弾力に舐め
られる度、くすぐったさが体の中心でふわふわ膨らみ、お腹の中が炙られる。
 花弁もピクン、ピクン、と喘ぐように震え、密壷も愛液を垂れ流す。
 ロイドの口元はエリィの愛液でびしょびしょに濡れ、留まりきれなくなった分が顎先から滴として
垂れ落ちていく。
(……もったいないな……)
 首筋を伝う愛液の感触にロイドはそう思うと、口を大きく開いた。
 花弁から蜜壷までの間を口で覆うと、舌先を丸めて尖らせ、蜜壷の中へ差し込む。滑らかな弾力と
熱を持った肉壁がロイドの舌を押してきた。
「!! あぁあああっ!!!」
 エリィの声が一際大きくなるのと同時に、肉壁がきゅっと締まって、ぶるるっ! と震える。愛液
が一気に噴き出し、ロイドの口の中へ流れ込んでくる。
 それを喉を鳴らして飲み干すと、さらに求めてロイドは蜜壷に挿れたままの舌を動かし始めた。
「や! あ、んっ! んんんっ!! あ……っ……!!」
 喘ぐエリィの顔が更に赤まり、目尻に涙がうっすら浮かぶ。ロイドの舌が自分を内側から舐めてな
ぞってつつく度、お腹の中が激しく煮えたち溶けていく。
「ああぁっ! やっ……あ、あ! はぁっ……あんっ!!!」
 気持ちよさで体は下へ引っ張られ、一瞬でも気を抜けば彼の顔の上に座り込んでしまいそう。
(やだ……他に人がいないとはいえ、こんな所で……)
 エリィの視界に入るのは、見慣れた台所の光景。自分やロイドだけでなく、ティオやランディも交
代で食事を作る場所。
 そんな所でロイドに大事な部位を舐められ弄ばれている現実にエリィの体が罪悪感に震えた刹那。
ロイドの舌が蜜壷の中にある突起を突いた。
「――!!」
 瞼の裏にフラッシュがたかれたかと思うと、体の内側から爆発するような衝撃が走る。
「ああああああぁああああっ!!!!」
 エリィが全身を震わせ絶叫あげる中、彼女の蜜壷が大量の愛液を勢いよく噴出した。
「あ……あ、ぁ……」
 エリィの上半身が力を失い、その場で崩れる。完全に倒れる前にロイドが口を離し、彼女の背に手
を回して支えてあげた。
410しー'ず ふれーばー【4】:2011/01/14(金) 23:32:41 ID:3J0MsgTI
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
 肩を大きく上下させながら、豊かな乳房をぷるんぷるんと揺らしながら、エリィがその場に尻餅を
つく。解放された花弁と蜜壷は未だ震えて愛液を吐き続け、スカートはもとより床まで濡らす。
「エリィ……いいかな……?」
 ロイドがズボンのジッパーを下ろす。途端に彼の男根が中から飛び出し、天に向かってそそり立っ
た。
「――! だ、だめよこんな所で!」
 彼の男根を見て、エリィは理性を取り戻す。
「第一、ロイド、着けてないでしょ!」
 羞恥に悶えながらも、エリィが竿に幾筋もの血管を浮かせた男根を指さすと、ロイドがはっと息を
のんだ。
「……そっか……そうだよね……」
 ごめんと頭を下げると、ロイドはズボンの中に男根を仕舞い、台所から出ていく。
 その後ろ姿を見送って、エリィの胸がズキリと痛んだ。
(悪い事……しちゃったわね……)
 彼を傷つけてしまった――そんな罪悪感にエリィは目を伏せ、自分の体を抱えて縮こまる。こぼれ
出たため息は、すぐに部屋の甘い匂いに混ざって消えていくが、気分はどんどん落ちていく。
 その重たさにエリィの瞳が涙で歪んだ刹那、ドアが開いた。
「エリィの言う通り、こういうのはちゃんとするべきだよな」
 コンドームを手に爽やかな笑顔で戻ってきたロイドに、エリィが思わずずっこける。
「え、エリィ?!」
 わたわた慌てるロイドの声に、エリィは、どこから突っ込んだらいいのか解らず震えていると、視
界に彼の顔が入ってきた。
(あ……)
 心配そうに見つめてくる彼の瞳に。
 一途に、真摯に、純粋に、自分の事を心配してくれている彼の姿に。
 エリィの胸は強く高鳴り、気持ちを沈ませていた重石が外れる。唇が自然と綻び、ロイドに微笑み
を返す。
「ごめんなさい、ちょっと気が抜けちゃっただけなの」
 エリィがロイドの頬をそっと撫でると、ロイドも表情を緩めて微笑んできた。
 ロイドの両手がエリィの背中に回り、抱き締めてくる。
「ところで……どうしても、ここでなの?」
 エリィも両手を彼の背中に回しながら問うと、肩に彼の頷いてくる感触が返ってきた。
411しー'ず ふれーばー【5】:2011/01/14(金) 23:33:14 ID:3J0MsgTI
 甘い匂いの中に、熱い吐息が溶けていく。
 その中心には、立ったまま抱き合い腰を揺らす二人の姿。タイツを脱いだ左足を腰の高さまで持ち
上げて彼に持って貰っているエリィと、右足だけで立つ彼女をしっかり支えながら己の男根で彼女の
蜜壷を突き貫き擦り上げるロイドの姿。
「はっ……あ……あっ……」
 すぐ下で響くグチュネチャと粘りけのある水音を聞きながら、エリィが悩ましげな声を漏らす。
 彼の腰がぶつかる度に、彼の男根が根本まで潜り込んで自分を内側から擦りながら昇ってくる度に、
気持ち良いという感覚が花弁と臍の辺りで弾け、全身に拡散していく。
「あっ、ああっ、あんっ……!」
 タイトスカートは腰の上までめくられ、卵のように滑らかで引き締まったエリィのお尻が挿入のリ
ズムに合わせて小刻みに揺れる。時折、お尻の間から透明な愛液がゴポリと垂れ落ち、右足首に引っ
かけたままのタイツやパンツを濡らしていった。
「エリィ……」
 耳元で囁くロイドに、エリィは大きく頷き返すと、知らずに緩んでいた両手に力を込めて抱きつく。
開いた服から出ている乳房が彼の胸板に強く密着し、形が少し潰れた。
(上着、脱いでおけば良かったな……)
 服越しで伝わる乳房柔らかさに、ロイドは少しだけ後悔する。
 立った状態での出入り故か、いつもよりも男根がエリィの中へ深く入っていく。根本までめり込ま
せる度、プリンよりも柔らかく鮮魚のように弾力のある肉壁の感触が、竿だけでなく亀頭まで咥えて
くる。その気持ち良さに、ロイドの腰は痺れ、全てを吐き出してしまいそう。
 だけど。
(俺だけが気持ちよくなる訳にもいかない……)
 心と身体がとろけそうになるのを必死に堪え、ロイドは腰の動きに変化をつける。貫く角度を微妙
に変えて、彼女が最も強く反応する箇所を見定めると、そこを徹底的に攻めて、えぐって、突き上げ
始めた。
「あっ! あぁっ! や……ま、待っ……あああっ!!」
 響く水音が激しさを増し、エリィの声も差し迫ったものになる。床に立つ右足が大きく揺れ動き、
時折浮き上がっては落ちて、ヒールで床を打ち鳴らす。
 蜜壷はしゃくりあげるような痙攣をし始め、結合部の隙間から垂れ出る愛液の勢いと量も増える。
「ろ、ろいど……も、もう、だ、めぇっ……!!」
 ロイドの背中にしがみついていたエリィの両手が力を失い、ずり下がる。身体もぐんにゃりと柔ら
かく崩れ、ロイドに伝わる重みが増える。
 それと反比例して、蜜壷の痙攣と締め付けは益々強まり、緩急つけて蠢き始める。出入りを繰り返
すロイドの男根全てを飲み込もうとしてくる。
 そんなエリィをロイドはしっかり抱き返すと、奥歯をぐっと噛み締め、腰を振るった。
「あっ! んあっ! あふぁあっ!!」
 エリィの絶叫に近い声に合わせて、男根と蜜壷の間でパシン、パシッ、と叩きつけるような音が出
る。
 彼の一突きがくる度に、真っ白な爆発がエリィの意識を吹き飛ばし、快楽の感覚以外何も考えられ
なくしてくる。
「あああぁっ! ああんあっ! はあぁあんっ!!」
 エリィが、髪を、乳房を、尻を振り乱して悶える中、彼の呻く声が耳に届いた。
 ズンッ! と、重たい一突きと共に、蜜壷の最奥にある肉壁に彼の男根がめり込む。
「ああぁああああああぁぁああっ!!!」
 エリィの絶叫が部屋の甘い空気を揺らす中、肉壁に挟まれた亀頭が悶えるようにヒクつき、白濁液
を噴き出した。
412しー'ず ふれーばー【6】:2011/01/14(金) 23:33:47 ID:3J0MsgTI

 数日後――。
「ロイド、エリィ、ティオ、ランディ、おかえりなさーい!」
 支援要請を一通りこなして帰ってきた四人を、満面の笑みを浮かべたキーアが両手を広げて出迎え
る。
「ねね、エリィ! この前エリィが作ったケーキ、また食べたい!」
 四人と一通りじゃれあった後、キーアがエリィの服の裾を掴んでせがんできた。
「えぇいいわよ。キーアちゃん、手伝ってくれる?」
「うん!」
 微笑むエリィに、キーアも眩しい程の笑顔で頷く。
「あ、じゃあ私も手伝います。今日の夕食当番、確かエリィさんでしたよね?」
「えぇ。ティオちゃんもありがとう、助かるわ」
 じゃれ合いながら台所へ入っていく三人の姿にロイドが思わず目を細めた。
「それじゃあ俺はメシが出来るまで部屋で休むとしますかな」
「え?! 今日の報告書の作成はランディの担当だろう?」
 背伸びしながら階段へ向かおうとするランディに、ロイドが泡食い、止めに入る。
「んー、任せたリーダー」
「そんな訳にはいかないだろう。こういうのはきちんとしないと!」
 ひらひらと手を振って笑ってくるランディに、ロイドが声を少し尖らせる。と、ランディの浮かべ
ている笑みの雰囲気が変わった。
「ほぉお……この前の休暇日、俺らが留守してたのをいい事に台所でイチャついた人間が、きちんと
なんて言うのかー?」
 ロイドの元まで戻ってくるや、ランディが囁くように言ってくる。
「なっ……?!」
 使用したコンドームは自室に持ち帰って処分した筈……。
 動揺で血の気が引いたロイドに、ランディがしてやったりと唇を歪ませた。
「残り香ってもんかな? 明らかに違う雰囲気があるんだよ、恋人がいちゃついた空間とそうでない
場所にはな」
 まあ半分はカマかけだったんだけどなーと笑うランディに、ロイドは完全に沈黙する。
「ま、そっちの情事にとやかく言うつもりはないが」
 ここでランディの言葉と笑顔が止まる。
「……いちゃつかれた後の台所で料理させられた身にもなれ」
「……今日の分の報告書、謹んで書かせて頂きます……」
 声のトーンを低くして呟くランディに、ロイドは頭を下げるしかなかった。
413名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 23:38:02 ID:3J0MsgTI
以上です
スレに貼り付けて投下するは初めてなので
変なミスしてないかgkbl中
もしあったら嗤ってやってください
414名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 00:05:46 ID:/2gz0bx7
GJ
ミスも無いよー!
415名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 01:37:33 ID:bJYqp96F
ごちそうさまです
軌跡尻ーズファンのエロおじちゃんな俺としては
いい書き手の先生が多いのはうれしい限りでございます
相思相愛ディープキス描写がもっと長く濃く続くとおじちゃんもっとうれしいです
自分に才能が無いので他力本願で申し訳ないですが期待してます
416名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 22:39:09 ID:nxb9tk9/
乙です。エロくてよかった
417名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 23:17:18 ID:o7f9DIOj
ガガーブ3部作がPSPで出てたことをつい最近知った。。
でもPSP持ってない
418名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 09:31:10 ID:Ogct0eiD
じゃあリンクス買えばいいじゃない
419名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 11:05:25 ID:KzfP9pHR
処女シーカー姉妹のガチレズ(道具使用一切無し・手技舌技だけを駆使した甘甘百合百合ラブラブもの)が読みたいなあ
構想はあるんだけど文才が無いから文章化出来ないのが悔しいわ
420名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 15:37:52 ID:elDX1ik1
構想晒してみ
気が向いたらそれで書いてやんよ
421名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 20:20:20 ID:uvJNIGHh
百合専門作家(笑)の俺も興味あるので、さあ構成をどうぞ。
422名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 14:23:23 ID:XSJw4kxC
某所でエステル×ティータのガチキス絵(FC衣装)を見つけてから妄想が
止まらん。百合は正義ですよねアネラスさん。
423名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 17:16:01 ID:cW9ONK+j
>>422
どこだか教えてください神様!
424名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 19:44:44 ID:ZSx9SAbX
某支部にて「空の軌跡 百合」と検索すると幸せになれるよ!YO!
425名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 20:42:07 ID:cW9ONK+j
恵寿照留が生まれる前のカシウスさんとレナさんのイチャラヴ無双も読んでみたいです
426名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 23:24:34 ID:EXJpYoT0
共に歩みぬく意志の続きはまだかのぅ。。。
427名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 23:30:05 ID:TQmdtGN3
俺はRPGの人を待ち続ける…
428名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 23:49:22 ID:LksEtPOs
ティオが画面から出てくるのを待ち続ける・・・
429名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 23:56:07 ID:2WDBCxz/
代行スレは毎日チェックしてますのでいつでもどうぞ・・・
430名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 00:07:58 ID:Wg3EOuMk
結局ツヴァイ2の作品はほとんどこなかったなぁ
431名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:00:48 ID:WkL/FJrq
このスレにもようやく賑わう時がきた


  ,j;;;;;j,. ---一、 `  ―--‐、_ l;;;;;;
 {;;;;;;ゝ T辷iフ i    f'辷jァ  !i;;;;;  
  ヾ;;;ハ    ノ       .::!lリ;;r゙
   `Z;i   〈.,_..,.      ノ;;;;;;;;>  そんなふうに考えていた時期が
   ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',.    ,f゙: Y;;f.   俺にもありました
   ~''戈ヽ   `二´    r'´:::. `!
432名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:24:21 ID:Y3WLdiuE
まだだ
まだ諦めんよ
433名無しさん@ピンキー:2011/02/04(金) 07:46:13 ID:uJo5HMMZ
共に歩みぬく意志
の続きはまだかー
434名無しさん@ピンキー:2011/02/04(金) 16:45:28 ID:1lZLtWvc
ひたすら待つのみ
忍耐力も養えて一石二鳥
435名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 10:51:49 ID:oHp0fZjP
ティオが14歳の子どもらしく振る舞うことはもうないのだろうか
436名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 11:04:49 ID:YXR1oa8Y
 /   ━☆━ ヽ  
 |  ,ィェュ、  rェュ、|  
 |     )●(  | 
 \  ."ヒュュュズ ノ
   \____/
437名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 23:05:20 ID:A3NNGhp/
共に歩みぬく意志の続きを待ちつつ
ロイエリSS投下ー
438あまやどり【1】:2011/02/07(月) 23:07:28 ID:A3NNGhp/

 土砂降りの雨が屋根に当たって、ドラムロールのような音を奏でる。
「それじゃあ、今日の支援要請は全部片付いて、他に緊急の案件も入ってないんだな?」
『ロイドさん達が担当した分も終わったのならそうなります』
 耳にあてたエニグマへ声を張り上げるロイドに、ティオの淡々とした声が返ってくる。
「そうか……じゃあ、緊急要請が入らない限り、今から休暇扱いという事にしよう。いいかな?」
『賛成です。この雨の中を働くのはめんどくさいです』
 返ってきた答えと、それをジト目顔で呟いたであろうティオに、ロイドは思わず苦笑した。
『そういえば、私とランディさんは支援課のビルに戻れましたが、ロイドさん達は大丈夫ですか?』
「あぁ。少し濡れたけど、裏通りの喫茶店に入れたから大丈夫だ。落ち着くまでここで雨宿りさせて
貰うよ。店の名前は……」
 髪の毛から肩に落ちた滴を手で払いながら、ロイドはドアにペイントされた店名を読み上げた。
『では、本部への休暇申請はこちらで行っておきますね』
 ティオの申し出に頼むと伝えると、ロイドはエニグマの通信モードを切って、店内へ戻った。
439あまやどり【2】:2011/02/07(月) 23:08:03 ID:A3NNGhp/
 たちまち雨音が消え、大音量で鳴り響くロック音楽がみぞおちを揺さぶってくる。
(えっと、俺達の席は、と……)
 薄暗い照明の下、ロイドは慎重に歩く。一つ一つのボックス席の周りを、彼の背丈と変わらぬ高さ
の観葉植物がびっちり並べられているので、まるで森の中を歩いている気分だ。
(この店内だと、席の場所を忘れたら戻れないよな……)
 せめて席の出入り口のカーテンは外せばいいのに……と考えながら、ロイドは自分達の席に戻った。
「お待たせ。ティオとランディは支援課のビルに戻ったそうだよ」
 長ソファーにロイドが腰を下ろして告げると、対面に座っていたエリィが安心したように表情を緩
める。
 テーブルには、ホットコーヒーの入ったカップが二つ、紫煙のような湯気と香ばしい香りを立ち上
らせていた。
「ティオが今から本部へ休暇申請してくれるそうだし、雨が止むまでここで休んでても問題なさそう
だ。……まぁ、あまり長居する雰囲気じゃなさそうだけどね」
 声をかき消さんばかりのロック音楽にロイドが苦笑していると、エリィが微妙に顔をしかめた。
「あのね、ロイド……さっき、店員さんがコーヒーを持ってきた時、何時間休憩するか聞いてきたん
だけど」
「え?」
 エリィから出た休憩の単語に、ロイドも思わず顔をしかめる。
「それは……長居するなって事か?」
「判らないわ。でも……ここ、何か……変、じゃない?」
 エリィがロイドの方に身を乗り出し、テーブルの隅を指さす。メニュー表に砂糖壷、紙ナプキンに
加えて、箱ティッシュが置かれてあった。
「紙ナプキンの代わりって訳でもないのに、何で箱ティッシュがあるのかしら……」
 意味が解らないといった感じでエリィが目端をひきつらせる。
 ロイドは表情を堅くすると、エリィの耳元に唇を寄せた。
「……前に警察学校で学んだ事がある。表向きは普通の店を装いつつも、あるキーワードを知ってい
る客には違法な物を売りつける場所があると」
「つまり……ここもその一つだと?」
 瞳を鋭くするエリィにロイドは解らないと前置きしつつも、続けた。
「だが、状況によっては、今から強制潜入調査を行う事になるかもしれない」
 もう一度エニグマでティオに連絡を取ろうとロイドが席を立つ。が。
「待ってロイド。そんなに短時間に何度も店外に出たら怪しまれるわ」
 先にエリィが服の裾を掴んできた。
「確かにそうだな……」
 ロイドは長ソファーに座り直すと、手掛かりを求めてメニュー表を取った。
 妙なひっかかりがきた後、メニュー表が持ち上がる。どうやら、下の方に物が挟まっていたらしく、
それがテーブルの上に、ころんっ、と転がり出てくる。
 何だ? と、二人が目で追うと、新品のコンドームだった。
「……」
 一拍の空白の後、ぼんっ! という擬音が似合う勢いで、ロイドとエリィが顔を赤らめ後ずさる。
(ま、まさか……)
 大音量のロック音楽。
 観葉植物とカーテンで目隠しされた席。
 そして、テーブルの隅に置かれた箱ティッシュと、メニュー表と一緒に出てきた新品のコンドーム
……。
(まさかここは……違法な物を売買するとかじゃなくて……)
 ロイドの顔色が赤から徐々に青くなっていく。
 そこへとどめとばかりに、すぐ後ろの席から、喘ぎ声が聞こえてきた。
440あまやどり【3】:2011/02/07(月) 23:08:49 ID:A3NNGhp/
「!」
 ロイドの顔が真っ赤に戻り、下腹部に熱と血が集まり出す。
(ま……ま、まずい……!)
 雨はしばらく止みそうもない。
 勤務中だから抑えろ、という理屈も使えない。
 唯一、対面に座るエリィの、顔を真っ赤にして怯えている顔が、かろうじて踏みとどまらせてくれ
ている。
 が。逆にそれは、最大の誘惑でもあって。
 両手で抱えて縮こまっているから豊かな胸元が一層強調されていたりとか。
 雨で少し濡れた彼女のパールグレーの髪の毛先が耳元に貼り付いているところが何ともいえぬ色香
を放ってたりとか。
(あの少し乱れた状態でくっついている髪の毛を、終わった後に指で剥がすのがいいんだよなー…
…)
 そんな事をぼんやり考えていたロイドが、はっ! と我に返る。
(――って! ダメだダメだ!! 何を考えている!!)
 本能に飲み込まれかけた頭を何度も振り回し、ロイドが何とか理性を取り戻した矢先。
「ロイド……?」
 不安げな眼差しを浮かべ、エリィがか細い声で尋ねてくる。その仕草がまた魅力的で、せっかく取
り戻したロイドの理性は簡単に霧散していく。
(だ、駄目、だ……)
 心臓は早鐘を打ち、下腹部に熱と血液を送り込む。
 男根はむくりと起き上がり、下着とズボンを押してくる。
「ロイド……?」
 俯き押し黙るロイドに、エリィがこわごわと話しかけた瞬間、ロイドが自分のホットコーヒーを一
気にあおった。
「悪い、俺、先に帰る!」
「えっ? ちょ、ちょっと待ってよ!」
 空のカップを戻す暇も惜しんで立ち上がるロイドに、エリィが目を丸くし、慌てて手を伸ばす。
「で、でも、このままだと、俺、理性が保たない……!」
「なら、それでもいいから!」
 だから、とロイドが入口から飛び出すより先に、エリィが顔を真っ赤にして叫んだ。
 会話が止まり、大音量のロック音楽が間に入ってくる。
「私のせいで貴方が大雨の中を走って風邪をひくくらいなら、理性を無くしてもいいから……!」
 ぎこちなく振り向くロイドから、エリィが表情を隠すように俯き、涙声で呟いた。
「エリィ……」
 ロイドがエリィのすぐ隣に腰掛ける。二人分の体重を受けて、長ソファーが大きく凹む。
「ごめん……ありがとう」
 かすれるような声で、ロイドはエリィの体をそっと抱き締めた。
 雨の匂いに混じって、甘くて少し凛とした香りが――いつもの彼女の香りが鼻先を優しくくすぐっ
てくる。
「ううん、いいのよ別に」
 エリィが首を横に振って微笑むと、ロイドの胸に顔を預ける。
「よくよく考えたら、休暇の時に台所で襲われた事だってあったんだし。ね?」
「……すいません、反省してます……」
 笑顔と言葉の裏に仕込まれた棘にロイドは思わず頭を下げる。が、抱き締めた手は離さず、彼女の
腰へと滑らせた。
 腰の飾りを外し、タイトワンピースの裾を捲り、彼女の下半身を露わにさせる。それから、タイツ
の裾に指をひっかけて脱がせようとした矢先、ぴりっ、と電流にも似た感触が指に帰ってきた。
 見ると、黒いタイツに破れ目が出来、真っ白な彼女の肌が露わになっている。
「あ……ご、ごめん……!」
「別にいいわよ。たぶん、雨でいつもより貼り付いちゃったんだと思うから」
 焦るロイドに、エリィが気にしないでとフォローした。
「え! そ、それじゃあ……」
「悪いけど、替えは持ってきてないの」
 新しい玩具を貰った幼子のように顔を明るくしたロイドに、エリィがすかさず釘をさす。
 ロイドの表情とテンションが一気に曇った。
「でも、まぁ、スカートで隠せる範囲ならいいわよ」
 ロイドの反応に思わず苦笑しながら、エリィは軽い気持ちで告げた途端、ぞくり、と背中に悪寒が
走った。
441あまやどり【4】:2011/02/07(月) 23:09:39 ID:A3NNGhp/
(え……?)
 エリィが悪寒の理由を確かめる暇もなく、ロイドの右手が彼女の股下のタイツを裂く。最初に出来
たのより数倍も大きな穴が出来、履いているパンティーがさらけ出された。
「ちょ、ちょっと……!」
「スカートで隠れる範囲ならいいんだろ?」
 抗議してくるエリィに、ロイドがきょとんとした顔で言い返す。
「それに、雨でいつもより貼り付いているのなら、下手に脱ぐのも危険な筈だ」
「……それってまさか、今日はこのままやるつもりなの!?」
 驚くエリィに、ロイドは素直に頷き、唇で彼女の口を塞いできた。
「っ……!」
 またいつものようにキスで誤魔化して……!
 エリィの怒りは、侵入してきた彼の舌で舐めとられてしまう。
 逃げようとしても、彼の左手が背中に回ってて動けない。
「んっ……む、んんっ……んっ……!」
 ぴちゃり、くちゃりと、二人の口元で水音が響くにつれてエリィの表情がとろけ、やがて、自らも
ロイドの舌を貪り始めた。
 啄み、絡み、舐め合って。密着した口の中で二人の舌がダンスを踊る。溢れ出た涎が顎先から垂れ
て洋服を濡らすのも構わず、強く深いキスを続ける。
「ん、っん、ん……」
 瞳に恍惚とした色を浮かべて声を漏らすエリィの手が力を失い垂れ下がる。
 一方、ロイドは、右手を彼女のタイツの裂け目に近づけ、指先でパンティーをつついた。
「――んっ!」
 ピクッ、と、エリィが舌と体を震わせる。ロイドの指先に微かな湿り気が返ってくる。
(……キスだけで、もう濡れてるのか)
 ロイドは動きを止めた彼女の舌を優しく舐め上げると、秘部を覆っているパンティーを脇へどかし、
蜜壷の入口へ中指を突っ込んだ。
 ぐちゅっ、と、熱くて粘っこい感触がロイドの指先をくわえてくる。
「んんっ!」
 エリィがさっきよりも大きく震え、ロイドの中指をくわえた蜜壷が熱い愛液を噴き出す。
 ロイドは思わず目元を綻ばすと、薬指も蜜壷に差し込み、そのまま動かし始めた。
「んっ、ん、んむぁ、ぁんむっ……!」
 ぴくんぴくんとエリィの身体が跳ね回る。
 深く重なり合った口の中では、硬直と痙攣を繰り返すエリィの舌をロイドの舌が一方的に突いて舐
めてなぞり。その下では、ロイドの中指と薬指がエリィの蜜壷を擦って広げて時々抉って、親指と人
差し指が花弁を摘んで弾いて時々押し潰す。
「ん、ぁあっ! ぅっ……んっあ!」
 エリィの身体の跳ねが大きくなる。口づけが時々離れて澄んだ声が響く。蜜壷の入口からは愛液が
とろとろ流れ出し、ロイドの指先はおろか、彼の掌にまで濡らしていく。
 やがて、キスの時間より矯声の響く時間が多くなってきた頃。ロイドはエリィから顔と右手を離し
た。
 どろぉ……と、二人の口の間で唾が、右手と秘部の間で愛液が、透明な橋を造って落ちる。
「ろ、ろい、ど……」
 口端に涎を残したままエリィが声を漏らす。瞳は快楽に艶めき、頬はしっとりと赤い。タイツの股
下に出来た裂け目の向こうでは、今にも湯気が立ち上ってきそうな程に上気した彼女の秘部が愛液で
ベチョベチョに濡れ、今も新しいのを垂らしていた。
442あまやどり【5】:2011/02/07(月) 23:10:40 ID:A3NNGhp/
 ロイドはにこっと微笑むと、愛液でテカる右手で彼女の胸元に触れる。
 服のボタンをリズムよく外して襟を開く。中に隠れていた乳房が驚いたようにビクッと震え、ブラ
ジャーの布地にプリントされた色とりどりの小さな花が風であおられたかのように動いた。
「今日のはレースなしの奴なんだな」
 妙な感心をしながら、ロイドがブラの上に人差し指を滑らせる。
「だって、今まで仕事だったし……」
「じゃあ、俺との時と下着を使い分けているのか?」
 少し俯いて口ずさむエリィにロイドが目を丸くした。
「……」
 恥ずかしそうに唇を結んだままエリィが頷く。
(それってつまり、そういう時は、俺が好きそうな下着を選んでくれてるって事だよな……)
 その心配りに、ロイドの胸は感動で震えが止まらなくなる。でも、それを指摘したら、きっと彼女
は恥ずかしさで真っ赤になってしまうだろう。
 だから、心の中でありがとうと囁いて、ロイドはブラのフロントホックを外した。
 花の蕾が開くようにブラが外れ、彼女の豊かな乳房が飛び出してくる。白百合のように滑らかな肌
の上に咲いた薄ピンクの乳首は、薄暗い照明の下でもはっきり見えた。
 ロイドは右手で彼女の左脇から乳房を持ち上げると、顔を落とし、薄ピンクの乳首に音をたてて吸
いつく。
「あっ……!」
 エリィが仰け反り、下の口から愛液がこぽりと垂れた。
「あ、っ、んっ、ぅあっ……!」
 ロイドが唇をすぼめたり挟んだり、舌で大きく舐め上げたりする度、エリィが声を漏らして身悶え
る。
 ロイドは乳首だけでなく、乳房のあちこちにも唇と舌を這わせ、ブラの布地とお揃いの花柄をキス
マークで描くと、右の乳房に顔を移した。
 左の時と同じように、存分に愛して、堪能する。
 すぐ上で何度も響く、彼女の矯声。しっとりと艶やかな声色は、胸の中を暖かな光に満たして、下
腹部に熱と力を与えていく。
 そうして、ロイドが右の乳房から顔を離した時。彼女の秘部は愛液にまみれ、履いているタイツや
パンティーはおろか長ソファーに接触している部分までグチョグチョに濡らしていた。
「エリィ……そろそろいいかな?」
 ロイドはズボンのジッパーをおろす。待ちくたびれたとばかりに飛び出した男根に、テーブルの上
に転がっていたコンドームを被せる。
「……うん……」
 悦楽に惚けた顔でエリィが頷いたのを見ると、ロイドは長ソファーに深く腰掛け、その上にエリィ
の身体を、お互い向かい合う形で乗せた。
 男と女の部分が触れ合い、そのまま深く交わっていく。
「あっ……んんんっ……!」
 蜜壷の肉壁を開いて潜ってくる男根の感触にエリィが悩ましげな声を漏らして背を反らす。
 それをロイドは両手で抱き締め支えると、彼女の胸の谷間に顔を埋め、腰を動かし始めた。
 ぎっし、ぎし、と、長ソファーのスプリングが軋み、重なって座る二人の腰が波にもまれる小舟の
ように上下する。
「あ、んぁ、っう、ふぁあっ……!」
 蜜壷の中を泳ぐ男根の気持ち良さに、エリィが目端に涙の粒を浮かべて悶える。重力で腰が下がる
度、ロイドが容赦なく突き上げ浮かせてくるので、身体が休まる暇がない。豊かな乳房も腰の動きに
合わせて揺れ、谷間に挟んだロイドの顔に沿って形を変える。
「ああっ、ぅああっ、あんっ、ぃゃんっ!」
 零れる声が自然と大きくなって、場に鳴り響く大音量のロック音楽が気にならなくなってくる。
 エリィが瞳をとろけさせ、ロイドの方へしなだれかかろうとした矢先。長ソファーのすぐ後ろ、席
と席を隔てている観葉植物の壁の隙間に気が付いた。
443あまやどり【6】:2011/02/07(月) 23:11:13 ID:A3NNGhp/
「――!」
 大きく息を呑んだエリィの顔から赤みが消える。
「ん、んっ……! んん……!!」
「……? エリィ、大丈夫か?!」
 両手で自分の唇を押さえて顔をしかめるエリィに、ロイドが腰を動かすのを止めた。
「ち、ちがう、の……声、隣に聞こえちゃう、から……!」
 だからロイド止めないでと、エリィが涙をぽろぽろ零しながら腰を揺する。
「いや……君一人に我慢させる訳にはいかない」
 ロイドがエリィの頬に流れた涙をそっと拭うと、竿の根本まで挿入した体勢のまま彼女を長ソフ
ァーに押し倒した。
 パールグレーの髪がさらりと広がり、長ソファーから滝のように零れていく。
 ロイドは唇と舌で彼女の口を塞ぐと、再び腰を振り始めた。
 小刻みに前後して揺さぶりかけつつ、時折亀頭ぎりぎりまで引き抜いては一気に奥まで切り替えす。
 長ソファーのスプリングが挿入のリズムに合わせて軋み、じゅぷっ、ずっぶ、と、濁った水音と合
わせて快楽の音を奏でる。
「んっ、んむぁ、ううっ、うんぁっ!」
 上も下もロイドのに塞がれ突かれ、エリィがたまらず矯声をあげる。が、彼の唇と舌のお陰で声は
外に広がらず、隙間から涎と愛液が垂れ落ちていく。
 その安心感は、彼のもたらしてくれる悦楽に素直に堕としてくれた。
「んっ、あ、んんっ、んっ……!」
 口の中に入って啄み舐めてくるロイドの舌へ、エリィの舌が絡みすがりつく。
 一つ一つの突き上げに、蜜壷が緩急つけて痙攣収縮する。出入りするロイドの男根をキュっとくわ
えたり、優しく抱き締めたり。
 深く交わり貪り合う蜜壷と男根から電流にも似た快楽が広がりだす。二人の全身を駆け巡る。
 頭の中に霞みが広がり、身体の芯が快楽で溶けていく。
 周囲に鳴り響く大音量のロック音楽が二人の耳から完全に消え、互いの唾がぴちゃぴちゃ絡み合う
音と、腰と腰が動いて当たる音だけが届く。
 理性も意識も全て曖昧になって攪拌される一方、深く結び合った口づけとインサートの感触は鮮や
かに浮き上がり、そこに二人はすがりつく。唇を啄み貪り合って、腰を揺らして打ちつけ合って、高
波のように何度も押し寄せる絶頂の波を共に浴びて――。
 果てた。
「……っ……!」
 蜜壷の一番奥を亀頭が強くノックしたのをきっかけに、男根が大きく身じろぎ、鈴口から白濁液を
迸る。
 射精の熱に気付いた蜜壷が、肉壁を男根に寄せ、吸い突き飲み干すように蠢きだす。
「んんんっ……!!」
 エリィが大きく身じろぎ、全身を小刻みに痙攣させる。快楽で意識や視界は白く塗り潰され、気を
失わないのが不思議な位だ。
「く……っ……!」
 ロイドも苦しげに息を零しながらも腰を震わせ、射精を続ける。そして全てを吐き出した後、唇を
離してエリィの上にしなだれかかった。
 男根が蜜壷から外れ、追いすがるように、大量の愛液が、ごぽっ――と音をたてて零れ出る。
 声が消え、互いの荒い呼吸がしばらく続く。が、それも徐々に落ち着き、やがてロイドがエリィの
上から体を浮かせた。
「エリィ……」
 全てが抜け落ちた表情で微笑むと、ロイドはエリィのこめかみに貼り付いた乱れ髪を指ですくう。
 エリィも同じように微笑み返すと、指で彼の唇をそっとなぞった。
444あまやどり【7】:2011/02/07(月) 23:11:47 ID:A3NNGhp/

※※※

 雨音は尚も続く。
「いやー、雨さまさまだねぇ」
 ランディが上機嫌に笑いながら、一階の食事テーブルに腰掛け、部屋から持ってきたビール瓶を開
ける。
「ランディさん、まだ夕食前ですよ」
「固い事言わないの、ティオすけ」
 端末で作業をしていたティオが椅子を回してとがめてくるが、ランディはからから笑ってスルーし
た。
「おっ、こんな時間からいい身分じゃねぇか」
「課長も一杯いきますか?」
 隣の部屋から出てきたセルゲイ課長に、ランディが空のグラスを渡す。
「全く……」
 食事テーブルで酒盛りを始めた大人二人に、ティオがジト目でため息ついていたら、すぐ傍でお絵
かきしていたキーアが顔を持ち上げた。
「ねぇねぇ、ティオ。ロイドとエリィのお迎え行きたい!」
「……確かに、この勢いだと、夜までに止むかどうか怪しいですしね」
 口ずさみ立ち上がるティオにキーアもぱっと顔を輝かせた。
「ん? せっかくシャワー浴びたのにまた外に出んのか?」
「ええ。喫茶店なら私達も何か食べられるでしょうし」
 グラスに口をつけたまま声をかけてくるランディに、ティオが答えた後、ふと思い立つ。
「そういえば、ランディさんは知ってます? 裏通りにある――」
 ティオがロイドから教えて貰った喫茶店の名前を告げた途端、ランディとセルゲイ課長が同時に
ビールを噴き出した。
「? ランディとかちょー、どうしたの? 大丈夫?」
 盛大にむせながら椅子から転げ降りてのたうつランディとセルゲイ課長に、キーアが不思議そうに
小首を傾げる。
「……キーア、お迎えに行くのは中止です」
 全てを悟ったティオが無表情でぼそりと呟くと、ビールまみれになった床を拭く為のモップを取り
に向かった。

445名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 23:16:29 ID:A3NNGhp/
以上です
>>415氏のリクの、ディープキス描写を
長め濃い目に頑張ってみました

皆さんの、心のタイガーチャージに少しでもなれば幸いです
446名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 07:53:27 ID:2z7UK2yh
GJ!
羞恥とディープキス無くして純愛シーンは語れない!
…と、元カノと夜通し7時間キス&抱擁を続けた俺がお礼申し上げます
447名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 10:23:02 ID:bPPJZKgz
GJ!
久しぶりの投下!
448名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 10:26:36 ID:dZ1Kw+is
投下乙です。
今回もお腹一杯になりました。
449名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 03:47:21 ID:5V37VTj4
乙です!
股間のタイガーチャージのお陰で幻のセピスがいっぱい出ました
450名無しさん@ピンキー:2011/02/13(日) 23:41:35 ID:up7pBHuP
>>449のアレが
タイガーチャージの猛攻を
受けて幻のセピスを吐き出す様子を想像した

 ∧_∧
( ;´∀`)
人 Y /
( ヽ し
(_)_)
451名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 10:54:24 ID:NgXd83Bd
昨日、姦染と零の軌跡を混ぜた話を想像してしまったよ。
《グノーシス》に似た薬のせいで性欲で理性が消されてクロスベル全体がそういう感染者で溢れてしまったという話。

気が向いたら書いてみたいけど、書いたらある意味問題だよな…
452名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 11:21:39 ID:8WZfkIYS
どっちかと言うと鬱より甘い話が見たいなと。
453名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 17:52:29.11 ID:GuRFNx5O
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        ,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`":    │ `i、
      、、::|、、、ヽ,、、.    ```: : : ```      、.、'`  .|丶、
     .l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´    l゙  ゙).._
    ,、':゙l:、、`:ヽ、`:、  : `"```¬――'''"`゙^`     : ..、丶  .l゙ `ヽ
   ,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、           、、...,,,、−‘`   、‐   |゙゙:‐,
  ,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".`   `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'":      _.‐′  丿  ,!
 j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、           、._,、..-‐:'''′   .、,:"  丿
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  `'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: :                   、.,-‐'`   、/`
   ``ヽン'`"`  : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^    ,、‐'"`
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           : `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
454名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 16:36:07.23 ID:5AgIHsNQ
イリアさんの女性キャラへのセクハラ日記が浮かんできた。
455名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 16:39:16.08 ID:12Qi47qu
           ゙'.    '.;`i  i、 ノ  .、″
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        ,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`":    │ `i、
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     .l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´    l゙  ゙).._
    ,、':゙l:、、`:ヽ、`:、  : `"```¬――'''"`゙^`     : ..、丶  .l゙ `ヽ
   ,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、           、、...,,,、−‘`   、‐   |゙゙:‐,
  ,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".`   `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'":      _.‐′  丿  ,!
 j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、           、._,、..-‐:'''′   .、,:"  丿
 ゙l,"`"`''ヽヽ"`"`  ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": `      、._./`  ._/`
  `'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: :                   、.,-‐'`   、/`
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           : `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
456名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 07:15:27.45 ID:6UEx44fv
    / ̄ ̄ ̄ ̄\,,      /−、 −、    \
   /_____  ヽ    /  |  ・|・  | 、    \
   | ─ 、 ─ 、 ヽ |  |   / / `-●−′ \    ヽ
   |  ・|・  |─ |___/   |/ ── |  ──   ヽ   |
   |` - c`─ ′  6 l   |. ── |  ──    |   |
.   ヽ (____  ,-′   | ── |  ──     |   l
     ヽ ___ /ヽ     ヽ (__|____  / /
     / |/\/ l ^ヽ    \           / /
     | |      |  |     l━━(t)━━━━┥
   ┝━━━━(f)━━l    |  |      | |
.   / /           \   ヽ., l /\/| /
.  / /   ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄) ヽ    ヽ/  ̄ ̄ ̄ ヽ
. l   |     ──  | ── |    ,-'    ̄ ̄ ̄) ヽ
 |   |    ──  | ── .|   l 9   , ─,っ - |
. |   ヽ   ──  | ── /|   / ̄| ─|  ・|・  |
  ヽ    \  ,−●-、 / /   |  | ヽ ` ─ ` ─ |
   \    ` |  ・|・  |  /    ヽ   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
     \    `− `−/      ''\____/
    / ̄ ̄ ̄ ̄\,,      /−、 −、    \
   /_____  ヽ    /  |  ・|・  | 、    \
   | ─ 、 ─ 、 ヽ |  |   / / `-●−′ \    ヽ
   |  ・|・  |─ |___/   |/ ── |  ──   ヽ   |
   |` - c`─ ′  6 l   |. ── |  ──    |   |
.   ヽ (____  ,-′   | ── |  ──     |   l
     ヽ ___ /ヽ     ヽ (__|____  / /
     / |/\/ l ^ヽ    \           / /
     | |      |  |     l━━(t)━━━━┥
   ┝━━━━(f)━━l    |  |      | |
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.  / /   ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄) ヽ    ヽ/  ̄ ̄ ̄ ヽ
. l   |     ──  | ── |    ,-'    ̄ ̄ ̄) ヽ
 |   |    ──  | ── .|   l 9   , ─,っ - |
. |   ヽ   ──  | ── /|   / ̄| ─|  ・|・  |
  ヽ    \  ,−●-、 / /   |  | ヽ ` ─ ` ─ |
   \    ` |  ・|・  |  /    ヽ   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
     \    `− `−/      ''\____/
457名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 16:03:34.52 ID:cuHTKRwq
イリア×リーシャの百合とか・・・
458名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 16:49:30.26 ID:ebyhjBEA
祖父の為に悪徳議員に体を張るエリィとか…
そして傷ついた心をロイドに慰めてもらうとか。
459名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 17:40:03.58 ID:xJPZFHaP
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        ,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`":    │ `i、
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460名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 22:44:04.49 ID:USkNjZQU
>>458
なんかノリノリで体を張った挙げ句
口直しと称してロイドを押し倒すエリィさんの幻影が見えた
461名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 10:06:04.74 ID:KS1bMZWw
>>460
エリィさんが一日性欲処理件をロイドに差し出してロイド失踪とかあったね。
462名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 22:06:47.58 ID:S56gCyIA
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        ,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`":    │ `i、
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 j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、           、._,、..-‐:'''′   .、,:"  丿
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  `'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: :                   、.,-‐'`   、/`
   ``ヽン'`"`  : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^    ,、‐'"`
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           : `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
463名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:15:00.47 ID:/m3/EO8U
>>461
あったね
また読みたいなと思ってスレをさらったついでに
今まで投下されたSSのレス番をまとめてみた

アルウェンRPG 03.金闇の森編>>46-62
アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー前編>>118-121
アルウェンRPG 03.VS アビスフラワー編 BAD END >>135-144
>>149
>>226-227 >>235-239
特務支援課の長い一日>>244-252 >>255-268 >>277-281 >>293-304
>>320
>>330
共に歩みぬく意志 >>341-345 >>349-352 >>370-379 >>392-399
>>360
しー'ず ふれーばー >>407-412
あまやどり >>438-444
464名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:20:01.66 ID:0n0DO54I
アルウェンRPG一年も前なのか……未だに待ち続ける俺
465名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 02:16:57.15 ID:i1Da5s3B
   
                         ,,==≡ミヽミヾミミミ、ヾ、
                       _=≡≡三ミミミ ミミヾ、ソ)),,》  .
                     彡彡二二三≡ミ-_ ミミ|ノノj )||ヽ, )、
                 __,,,,,,,,,/彡二二二    ,- __ミ|/ノ ノノノノ) ||
                -=二ミミミミ----==--'彡 ∠ミミ_ソノノノノ ノ
                  //>=''"二二=-'"_/   ノ''''')λ彡/
466名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 00:06:44.70 ID:0ZgpoUif
ところで相談なんだが
次スレ立ててもいいかな?

今のスレ容量が407KB
で、後ちょっとで完成するSSが50KB近くあるので
ここに投下すると、一気にdat落ちしやすくなりそうなんだ
467名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 00:10:27.92 ID:HsYHkkhg
そういうdat落ち判定だっけ? 500KB越えるのと、900後半でしばらく放置すると勝手に落ちるのくらいしか
知らないんだけど

で、何のSSですかwktk
468名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 00:10:51.57 ID:Fg1QNs54
          ゙'.    '.;`i  i、 ノ  .、″
             ゙'.     ,ト `i、  `i、    .、″
                |    .,.:/""  ゙‐,. `    /
             `  .,-''ヽ"`    ヽ,,,、   !
                、,、‐'゙l‐、      .丿 : ':、
               、/ヽヽ‐ヽ、;,,,,,,,,,-.ッ:''`  .,"-、
              ,r"ツぃ丶  ``````   ../  `i、
          ,.イ:、ヽ/ー`-、-ヽヽヽ、−´    .l゙`-、
         _,,l゙-:ヽ,;、、             、、丶  ゙i、,,、
        ,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`":    │ `i、
      、、::|、、、ヽ,、、.    ```: : : ```      、.、'`  .|丶、
     .l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´    l゙  ゙).._
    ,、':゙l:、、`:ヽ、`:、  : `"```¬――'''"`゙^`     : ..、丶  .l゙ `ヽ
   ,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、           、、...,,,、−‘`   、‐   |゙゙:‐,
  ,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".`   `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'":      _.‐′  丿  ,!
 j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、           、._,、..-‐:'''′   .、,:"  丿
 ゙l,"`"`''ヽヽ"`"`  ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": `      、._./`  ._/`
  `'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: :                   、.,-‐'`   、/`
   ``ヽン'`"`  : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^    ,、‐'"`
      `"'゙―-、,,,,..、、               : ..,、ー'"'`
           : `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
469名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 00:21:10.61 ID:0ZgpoUif
>>467
余所のスレとかでは
よく容量が450越えた辺りで
次スレを立てるまで雑談自重とかって書かれていたから
越えたら落ちやすくなるのかなーっと思って

でも今調べたら、特にそうだと明文されてなかった
勘違いすまん


SSはロイエリです
エロに入るまでの前振りが長くなってこの容量(ノ∀`)
470名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 01:09:48.61 ID:cxdTu2VD
アルウェンRPGとかもう需要無いからこなくていいよ
無駄にスレ埋めて要領の無駄遣いだし
471名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 01:11:10.57 ID:HsYHkkhg
読者様カッコイイw
472名無しさん@ピンキー:2011/03/12(土) 00:49:24.37 ID:+91iESow
>>470
おまえが勝手に決めるな。
待ってる人間はいるんだぞ、ここに。
473名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 22:07:03.17 ID:IvMZ6tTu
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474名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 22:19:41.71 ID:VCGZ/BsX
>>469
いいから投下するんだよおう早くしろよ(切実)
475469:2011/03/19(土) 22:47:20.54 ID:bneWAPWo
>>474
投下してもいいかな……と尋ねようとした矢先に
素敵な返答ありがとう

さっそく投下させて貰います
476『ただいま』【1】:2011/03/19(土) 22:48:00.64 ID:bneWAPWo

「ただいまー!」
 キーアの朗らかな声と共に、支援課ビルの中へ暖かな風が流れ込む。
 一階の共有スペースの掃除をしていた四人も掃除用具を動かす手を止め、キーアを見ておかえりな
さいと返した。
「あれー、ロイド、なにやってるの?」
 ソファーの傍に置かれた脚立に載っているロイドを見上げて、キーアが小首を傾げる。
「導力灯を交換するついでに、照明器具の掃除をと思ってね」
「そのついでに一階の掃除を皆でやろうという事になったんです」
「俺としちゃ、せっかくの休暇はカジノで潰したかったんだけどなー……」
 ロイドの言葉を引き継いだティオの横で、ランディが肩を落としてぼやいた。
「まぁまぁ。もうすぐ掃除も終わるし、そうしたらお茶にしましょう。今日はクッキー焼いてあるの」
「エリィのクッキー?! 食べたい、食べたーい!」
 台所を指さしたエリィにキーアがぱあっと顔を輝かせ、持ってた鞄を振り回す。
「あ、キーア。そこで鞄を振り回したら……」
 ティオが言い終わるより先に、鞄が脚立にぶつかった。
 ガツッ! と、音をたてて脚立が動き、勢いでストッパーが外れる。
 皆が息を呑んだ次の瞬間、耳を劈くような物音をたてて脚立が倒れた。
 上にいたロイドもバランスを崩し、脚立に足を引っかけた状態で後頭部から床に落ちる。
「! ロイドっ!!」
 皆が掃除用具を放り捨てて駆けつけるが、ロイドは床に倒れたままピクリとも動かなかった。
「ろ……ロイド! やだ、起きてロイド!」
「ダメだキー坊、揺するな!」
 涙をボロボロ零してロイドにすがりつくキーアをランディが抱きかかえて止める。
「私、ウルスラ病院に連絡して救急車を呼びます……!」
「頼むティオすけ! ついでに遊撃士協会にも連絡して、エオリアさんがいたら今すぐ来て貰ってく
れ!」
「解りました……!」
 ランディの指示にティオが頷き、通信機に飛びついた。
「お嬢はキー坊を頼む!」
 ランディの声に、真っ青な顔で立ち竦んでいたエリィがはっと我に返る。
「え、ええ。解ったわ!」
 青い顔のまま駆け寄り、大声で泣きわめくキーアをぎゅっと抱き締めた。
「大丈夫、大丈夫だからね……!」
 自分にも言い聞かせながら、エリィはキーアを必死で宥める。その横ではランディが脚立を脇にど
かし、ロイドの姿勢を楽なものにする。
 騒然とした雰囲気に満ちる部屋の中、ロイドは全く動かなかった。
477『■■■■』【2】:2011/03/19(土) 22:48:33.49 ID:bneWAPWo

 瞼に微妙な揺れがきた後、瞳が開く。
「ロイド、起きたのね!」
 ベッドに寝転がったまま白い天井を見つめるロイドに、横に座っていたエリィが気付いて表情を綻
ばした。
「良かった、検査では異常なしと聞いてたけどなかなか起きなかったから……」
「? ……??」
「ここはウルスラ大病院の個室。貴方、頭を打って半日も気絶していたのよ」
 エリィを見て戸惑うロイドに、エリィが目尻に涙を浮かべて微笑む。
「頭を……?」
 ロイドがオウム返しに繰り返した途端、頭の中に鈍痛が走った。
「! ロイドっ?!」
「いや、大丈夫……もう痛みはおさまったから」
 椅子から腰を浮かして騒ぐエリィを、ロイドは手で制する。実際、鈍痛は一瞬で頭の中から駆け抜
けていった。
「それならいいけど……」
 エリィが椅子に座り直し、胸に手をあてる。動揺で鼓動が未だに収まらない。が、ここで自分が不
安がっていたら彼に心配かけさせてしまう。
 だから、エリィは務めて明るい表情を作ってから、ロイドの方を向いた。
「……」
 きょとんとした顔でロイドが見返してくる。いつもとは明らかに違う視線。戸惑いを隠しながらこ
ちらを伺って――。
 まるで、全く知らない他人を見るような目。
「ロイド……?」
 エリィの鼓動が再び跳ね上がる。全身に電流のような悪寒が走る。
(まさか……)
 こんな可能性、考えたくはない。
 でも彼は、起きてから一度も自分の名前を呼んでない。
 激しさを増す鼓動でエリィの身体が震え出す。そこへ、ロイドが思い切ったように問うてきた。
「ごめん、君は……俺の事知っているようだけど、誰なんだい?」
478『■■■■』【3】:2011/03/19(土) 22:49:00.46 ID:bneWAPWo

「じゃあ、丁度クロスベルに帰ってきた日からの記憶がすっぽり抜け落ちたって事かよ!」
 騒ぐフランツにロイドは曖昧な笑顔を浮かべて頷く。
「支援課に配属されてからのすっげぇ活躍も覚えてねぇって事か……」
 何てこったと嘆くフランツからロイドは無言で顔を逸らすと、目の前に停まっている導力車のナン
バーを書類に控えた。
「……一応、同僚の皆からも教えて貰ったし、クロスベルタイムズに載っている記事も読んだから、
知識としては知っているよ」
 記入を終えた書類をフランツに手渡しながらロイドは答える。
「知識として……って事は、記事を見ても自分だって実感が湧かないのか」
 フランツの指摘に、ロイドは沈黙でしか返答できなかった。


 ――記憶を失ったという自覚はある。
 自分の自覚している時間軸と現実が半年以上もズレているのだから。
 同僚達。上司。一緒に住んでいる女の子。他にも、自分は知らないのに自分の事を知っている他人
が沢山いるのだから。

 ……失った記憶の間に何が起きたのかは全て教えて貰った。
 クロスベルタイムズに書かれた自分の記事も全て目を通した。同僚達も、記事を書いたグレイスと
いう女性記者も、確かにこれは自分の事だと、自分がやってきた事だと断言してくれた。

 でも。

 確かに自分の筈なのに。自分の起こした軌跡である筈なのに。
 今のロイドには、何度読んでも、記事の向こうにいるのは自分そっくりの他人にしか思えなかった。

479『■■■■』【4】:2011/03/19(土) 22:49:22.49 ID:bneWAPWo

「キーアのせいなの……ロイドが思い出を忘れちゃったのは」
 暖かな日差しが降り注ぐ支援課ビルの裏口にて、暗い顔をしたキーアがツァイトの毛を指でいじく
る。
「あの時、キーアの鞄がロイドの脚立を倒しちゃって上にいたロイドが落っこちた……。でも本当は、
脚立はキーアの方に倒れてきそうだったの」
 もしそのまま倒れていたら、病院に担ぎ込まれていたのはロイドではなくキーアの方だっただろう。
「だから、ロイド、脚立にわざと足を引っかけたまま、キーアの方に脚立が倒れないようにして倒れ
たの……」
 見た事もないキーアの暗い表情に、傍で話を聞いていたリュウとアンリとモモの表情もひきずられ
た。
「で、でも、今は兄ちゃんも元気で仕事してるんだろ?」
「だったら記憶が戻ればいいって事だよね、キーアちゃん?」
 リュウとモモが気を取り直して言い返した後、二人でアンリの方を見る。
「僕、調べてきたんです。教会には、失った記憶を回復させる術があるって!」
 誇らしげな顔で胸を張るアンリに、キーアが静かに首を振った。
「それ、ロイドも試した……」
 ぽつりと出た言葉は、アンリ達の希望を一瞬で打ち砕く。
「物理的なショックで無くしちゃった記憶は術で戻すのは難しいって先生、言ってた……」
 キーアが目に涙を溜めてツァイトをぎゅっと抱き締める。
 何の言葉もかけられず、石像と化す子供達。そこへ、
「なら同じショックを俺様が与えてやろうか?」
 含み笑いを含んだ声と共にヴァルドがキーア達の元にやってきた。
「それで治るのは、ポンコツの導力機械か君ぐらいなものだと思うけどね?」
 やれやれと肩をすくめながら、ワジも歩いてくる。
「テメェ、誰がポンコツだぁ?!」
「おや、僕は別に誰がと言った覚えないけど」
 歯を剥き出して怒るヴァルドに、ワジがすっとぼけた顔で返す。
「っざけんな! 同時に出した時点で言ったようなもんじゃねーか!」
 ヴァルドが吠え、持ってた鎖バットを振り上げた瞬間、ガキィン! と、派手な金属音が鳴り響い
た。
「子供達がいる傍で武器を振るうのはよさないか!」
 ヴァルドの鎖バットをトンファーで抑えたままロイドが責める。フランツの所での仕事を終えたの
で、他に支援要請が来ているか確認しようと戻ってきた所だった。
「……フン、身体の方はなまっちゃいないようだな」
 トンファー越しに伝わる力にヴァルドが鼻を鳴らすと鎖バットを収めた。
「やあ、久しぶりだね。今日は一人で仕事なのかい?」
 ほっと息をついて構えを解いたロイドに、ワジが爽やかな笑顔を向ける。
「あ……ああ。三人は手配魔獣の退治に行っててね。俺も行きたかったけど、医者から戦闘は控えた
方がいいって言われて」
「確かに、また頭を打ったら大事だしね」
 落ち着かない様子で述べるロイドにワジがうんうんと相槌打った後、ふ、と笑った。
「ところで……僕達は誰だと思う?」
 挑むようなからかうようなワジの視線に、ロイドがぐっと息をつまらせる。
 ワジとヴァルドを交互に見やってから数秒後、
「……もしかして、遊撃士の人ですか?」
 おそるおそる述べたロイドに、ワジがお腹を押さえて笑い出した。
「ゆ、ゆう、げき、し! 良かったねヴァルド! 君も遊撃士に見えるってさ!!」
 ワジがケタケタ笑いながら、憮然と唖然を混ぜた顔で立ち竦むヴァルドの背中をバンバン叩く。お
かしくてたまらないのか、目尻には涙の粒まで出ていた。
「ロイドを笑っちゃだめー!」
 キーアがツァイトから離れて、ワジの身体をぽかぽか叩く。
「だ、ダメだよキーアちゃん! 危ないって!」
 アンリが慌ててキーアを止め、遅れてリュウもキーアを抑える。
「え、えっと……」
 一連の流れにロイドがモモと一緒にまごついてたら、
「別段おかしな事でもないだろう」
 呆れるような物言いと共に、通りの方からダドリーが降りてきた。

480『■■■■』【5】:2011/03/19(土) 22:49:51.33 ID:bneWAPWo

「リベールの方では不良が遊撃士になった例があると聞く。お前らも少しは世の中の為になるような
事をしたらどうだ?」
 ワジとヴァルドをちらと見やってから、ダドリーはロイドの方を向く。
「フン……記憶喪失というのは本当らしいな」
 自分の警察徽章にくるロイドの視線に、ダドリーが少し不機嫌そうに息を吐いた。
「あ、あの……すいません……」
「謝るな。事実を確認しただけだ」
 縮こまるロイドにダドリーが再度息をついた後、持ってた書類をロイドに手渡す。
「? これは……」
「ガイ・バニングス殉職事件についての捜査資料だ」
 ダドリーの言葉が出た途端、ロイドの表情に残っていた戸惑いが消えた。
「容疑者の一つだったルバーチェが完全にシロだったから改めて洗い直してみたのだが……結局、前
の捜査の焼き直しだった」
 そう言ってため息を付いた後、だが、とダドリーが続けた。
「お前達が己の責務と正義を全うして前へ進み続けた結果が、ルバーチェの壊滅に……長い間クロス
ベルに巣くっていた闇の一つを晴らすきっかけになったんだ」
 ならば。
「ガイ・バニングスの事件も、お前の失った記憶も、そのようにして突き進んでいけばいつかは光明
が見えてくる筈だ」
 そう言って微かに唇を綻ばしたダドリーに、ロイドも少し間をおいてから、そうですねと微笑んだ。
「……へぇ、一課のエース・ダドリー捜査官はこんなサービスもやってるんだ」
「見舞いに来たのは貴様らもだろう」
 ヒュウッと口笛を吹くワジにダドリーが憮然とした顔で切り返す。
「ハッ、誰がサツの見舞いなんか行くかよ。噂を聞いたから様子を見に来ただけだ」
「それをお見舞いを言うんじゃ……」
 ヴァルドの言い分にアンリがぼそりと突っ込む。
「ああ? 何かいったか?」
 ヴァルドがアンリの方を向くより早く、アンリがツァイトの背中に逃げた。


(そうだよな……)
 皆の顔を見ながら、ロイドはダドリーの言葉を頭の中で反芻する。
(俺が記憶を失った事を、こうして心配してくれる人達がいるのだから)
 だから今は。
(今は己の責務を――記憶を取り戻す事を頑張ればいいんだ)
 自分のせいだと泣きじゃくり、今も表情が晴れない女の子――キーアの為にも、記憶を取り戻す事
を頑張ればいいんだ。
 目の前を覆っていたもやが晴れて道が見えてくる。そんな開放感がロイドの心に広がっていく。
 が、一方で、妙なざわめきと鈍痛も頭をかすめていった。

481『■■■■』【6】:2011/03/19(土) 22:50:14.20 ID:bneWAPWo


 『――今の俺に出来る事。今の俺がやるべき事――』

「記憶といえば味! っつー訳で、ロイドがクロスベルに戻ってきてから試食してくれた俺の新作パ
ン全部用意したぜ!! 順番に食ってってくれ!」
「ありがとう、オスカー……でも流石に一人でこの量は無理だ……」
「日をまたいだとしても、ここ数日の気温では先にパンが傷むかと思います」
 結局、皆で等分して日を分けて食べていった。が、しばらくパンを食べたくないと思っただけだっ
た。


 『――無くした記憶を早く取り戻す事。自分のどこかに落ちたままの思い出を早く拾い上げて、心
配している人達にもう大丈夫だよと安心させる事――』

「兄ちゃん、記憶を取り戻したいんだってー? なら丁度いいの入ってるよー、試してみる?」
「いいのが……?」
 巡回中に立ち寄ったナインヴァリ。カウンターからおいでおいでするジンゴへ近寄ろうとしたロイ
ドを後ろから三人ががっしと止めた。
「だから、俺んちでグノーシスみたいなヤバいモンは扱ってないってー。これ、ちゃんと猟兵団で採
用されている奴で……」
「別の意味でもっとヤバいだろそれは!」
 ぶーたれるジンゴにランディの突っ込みが被さった。


 『――だから早く……思い出して安心したい――』

「えーっと、ロイド君、と言ったね。魔導杖に搭載予定の新機能を応用した記憶回復クラフト、試し
てみるかい?」
「! 是非お願いしま……」
「主任。それは未完成な上に、魔獣のアーツ発動を解除する為のクラフトでしょう? 魔獣相手なら
ともかくロイドさん相手に実験しようとしないでください」
「それでも上手くいけば……」
「ロイドさん?」
 尚も食い下がろうとしたロイドと主任を、ティオが、視線だけでも凍り付きそうなジト目で睨む。
 かくして、エプスタイン財団初の非人道的人体実験は寸前で食い止められた。


 『――そうでなきゃ、俺は、俺とセシル姉をおいて逝ってしまった兄貴と同じなままだから。大切
な人を置いてけぼりにして、傷つけてしまった兄貴と同じになってしまうから……――』

「記憶の回復といえば、ぱふぱふ! 懐かしのぱふぱふの感触で記憶回復! という訳で、リーシャ、
一緒にやってみるわよ!」
「んなっ! イリアさんとリーシャさんのだとぉっ! 代われこの弟貴族弟ブルジョワジー!!」
「や、やらない! いくら何でもそれはやらないーーー!!」
 ランディのヘッドロックにもがきながら否定するロイドに、イリアがつまんなさそうに唇を尖らせ、
リーシャがほっと胸を撫で下ろす。
「んー、しょうがないわねぇ。シュリを呼んできましょうか」
「だからやりませんって!!」
 懲りないイリアにロイドがたまらず叫ぶ。が。
「あら、シュリちゃんには実際やってたじゃない」
「え?」
 きょとんとした顔で返され、ロイドが目と口を丸くする。
「確かに、『どうみても男の感触』とか言ってましたね……」
 続けてきたリーシャの言葉と、うんうんと相槌をうつ皆の姿に、ロイドが固まり、脂汗をだらだら
流す。
 ……結局、どう言って申し出を断ったか忘れてしまった。

482『■■■■』【7】:2011/03/19(土) 22:50:39.97 ID:bneWAPWo

(……兄貴も悔しいのかな……辛いのかな……)
 大切な人を置いてけぼりにしてしまったと、傷つけてしまったと、エイドスの元で歯噛みしている
のだろうか。
 夕焼けが彩る兄の墓標の前にて、ロイドが立ち竦んだまま物思う。
(でも、俺はまだやり直せる……)
 記憶は取り戻せる。命は取り戻せない。
(……ごめん、兄貴の事を責めるつもりじゃないんだ)
 ロイドは慌てて心で詫びると、目を少しだけ伏せて俯く。
(ただ……正直、どうすればいいのか解らなくなってきて……)
 どうすれば無くした記憶が戻ってくるのか、解らなくなってきて。
 本当に記憶は戻ってくるのか、解らなくなってきて。
「……」
 日光の恩恵を失い始めた風は徐々に夜の寒さを宿し始め、ロイドの体と心から熱を奪っていく。
「……また来るよ」
 ため息混じりの声でロイドが告げ、踵を返す。と、夕焼けに染まったパールグレーの髪が視界に流
れてきた。
 一際強い風と共に、ずきり、と鈍痛がロイドの頭を過ぎる。
「ごめんなさい、お墓参りの所にお邪魔して……」
「いや、丁度帰ろうとした所だから大丈夫だよ」
 風に乱れる髪を手で押さえながら寄ってくるエリィに、ロイドは明るい声で返す。突風のお陰で鈍
痛で顔をしかめた所は見られなかったのは幸運だった。
「わざわざ呼びに来てくれたんだろ? 今日の夕食当番は俺だから」
 ありがとうと微笑むロイドに、エリィの表情が少し曇る。
「……それも少しあったけど……」
「けど?」
 ロイドが先を促すと、エリィが少し沈黙を置いた後、思い切ったように顔をあげてきた。
 緑耀石のような彼女の瞳に見つめられた途端、ロイドの頭に再び鈍痛が走る。
(何だ、また……)
 表情には出さずにロイドが戸惑っていたら、夕暮れの風に乗ってエリィの声が届いた。
「心配だったの、貴方が」
「……ごめん、中々思い出せなくて……」
 目を伏せて謝るロイドに、エリィが違うわと首を横に振る。
「私が心配なのは、貴方が記憶を取り戻そうとして必要以上に焦っている、その部分。取り戻す事に
焦り過ぎて貴方が貴方を見失う位なら、記憶がなくてもいいからそのままの貴方でいて」
 続けてきた予想外の言葉に、ロイドは目を丸くした。
483『■■■■』【8】:2011/03/19(土) 22:52:08.50 ID:bneWAPWo

「……どうして……」
 だって、皆、あんなに俺の記憶が戻る事を望んで、期待しているのに。
 だから、俺は何とか取り戻そうとしているのに。これ以上、兄貴のように大切な人を置いてけぼり
にして傷つけたくないのに。
「どうして、そんな事を言うんだ……?」
 問い返すロイドの胸の中に戸惑いと冷や汗が噴き出てくる。
「……確かに記憶は大事よ。でも、それ以上に、貴方が貴方であるのが大事なの」
 一つ一つの言葉を丁寧にすくい上げるようにエリィが述べる。
「俺が俺である事……?」
 オウム返しに繰り返すロイドに、エリィがゆっくりと頷いてきた。
 ずきり、と三度目の鈍痛が頭の中を駆け抜ける。
「そんなの……いきなり言われたって……!」
 すぐ傍にある兄の墓標を背中で感じながらロイドが呻く。過ぎった痛みから表情を隠すのを忘れて。
「……ごめんなさい。確かにいきなり言われても戸惑うだけよね」
 ロイドの表情の変化に気付いたエリィがはっと息を呑み、頭を下げてくる。
「なら、何で今そんな事を言ってくるんだ……!」
 ここ数日の努力が無駄だったと言われた気がして、脳裏を通過する四度目の鈍痛と合わさって、
ロイドの苛立ちが一挙に膨らんでくる。
「俺が病院から戻った夜、あの子が……キーアがどれだけ泣いたのかもう忘れたのか? 俺から思い
出を奪ってしまってごめんなさいって泣きじゃくって、皆で宥めるのにどれだけ大変だったのかもう
忘れたのか?」
 戸惑うエリィの顔に怯えの色が混ざってきているのが解るのに、言葉を止める余裕も気持ちもなく
て。
 ついに抑えきれなかった苛立ちが、言ってはならない言葉を口から引きずり出した。
「それとも、君は、俺に思い出して欲しくないのか?」
 夕焼けの光の中でも解るほど、エリィが顔を青ざめる。
「――! ち、違うの、ロイド……!」
 か細い声でエリィが手を伸ばしてくる。が、ロイドはその手を、苛立ちのまま払いのけてしまった。
 ぱしっ――と、二人の手から出た物音が、黄昏時の墓場でいやに大きく響く。
 ロイドが苛立ちから我に返り、慌てて謝ろうとエリィの顔を見た刹那。彼女の上に、喪服を着た
セシルの姿が被さった。
(なっ……――!!!)
 彼女は無理に笑ってもいないし、涙が頬をつたっている訳ではない。でも、悲しそうな顔でこちら
を見つめる瞳は、兄の葬儀でのセシルの瞳と全く同じで。
 自分がしっかりしなければならなかったのに、何も出来ずに泣くしか出来なかったあの時を嫌でも
思い出させて。
 今までになく大きな頭痛と、心臓が体中を跳ね回るような動悸がロイドを襲う。
「っ……!!」
 そんな目で見ないでくれ!
 喉元から出かかった叫びを抱え、ロイドが駆け出す。
 今は早く、この場から離れたかった。兄の墓標から、セシルと姿が重なる彼女から、逃げたかった。
484『■■■■』【9】:2011/03/19(土) 22:54:15.32 ID:bneWAPWo

 薪の切れた炎と苛立ちは似ている。どちらも時間がたてば消えていくから。後に残るものが炭か強
烈な自己嫌悪かの違いなだけで。
 夕食に使った食器を洗いながらロイドはそんな事を考える。
(後で謝りに行かないと……)
 ロイドから遅れて、夕食の直前に戻ってきた彼女。墓地での一件を全く触れず、ただ買い足したい
物があって寄り道して遅くなっちゃったと皆に言い訳して、いつものように接してきた。
 でも、墓地の時よりも濃くなった化粧で覆った目元を――僅かに赤く腫れた目元を見れば、本当の
理由は嫌でも解った。
「――っ……!」
 彼女の横顔を思い出した途端、ずきり、と鈍痛が頭を襲う。
(何で、また……?)
 洗い物を中断した手でロイドが頭を抑えて訝る。どうも墓地で彼女と会った頃から――いや、もっ
と前から、彼女と接したり彼女の事を思い浮かべる度に、鈍痛が頭に走っているような気がする。
(気のせい……ではなさそうだよな……)
 ロイドが今までの事を順に思い返して確認していたら、台所の扉が開き、ランディが入ってきた。
「洗い物、手伝ってやろうか?」
「いや、あと少しで終わるから大丈夫。ありがとう」
 ランディの方を向いて述べた後、ロイドは棚の一つを指さす。
「酒のツマミなら、そこの棚にサラミが入っているよ」
「その辺のオカンっぷりは相変わらずだな、お前」
 ランディが朗らかに笑いながら棚のサラミを取り出すと、ロイドの方を向いた。
「……?」
「ん、いや、何か話したそうな顔をしてたからさ」
 きょとんとするロイドにランディが軽い調子で――でも眼差しは優しく――水を向けてくる。
 ロイドは少し逡巡した後、言葉に甘える事にした。
「……ランディはさ、俺に記憶を取り戻して欲しいと思っているかい?」
「いきなり直球きたねー。勿論、yes! しかないだろ」
 きっぱり言い切られて、ロイドは少しだけ心が軽くなる。が。
「……でも、俺以上にキー坊やお嬢が願っているだろうな」
「へっ?」
 続けてきた答にロイドは思わず素っ頓狂な声を漏らした。
「あの子……キーアはともかく、何で彼女までランディ以上なんだ?」
 ロイドが素直な気持ちで返せば、ランディがマジかよ……と顔を青ざめる。
「そりゃ同僚より恋人の方が、回復を願う気持ちが強いのは当然だろうが」
「恋人……誰と誰が?」
「お前とお嬢に決まっているだろ」
 何となく予想しつつも確認すると、ランディが盛大なため息をついて断言してきた。
「なっ……!」
 夕暮れの墓地で、彼女は、記憶を取り戻さなくてもいいって言ってきたのに?
 ロイドの全身に痺れが走る。
「まぁいきなり言われたら驚くよなー。さんっざん愛し合った記憶とかも全部忘れてるんだから」
 驚愕で上手く言葉が出ないロイドの様子を別の意味に捕らえたのか、ランディが腕組みしながらう
んうん相槌うってきた。
「あ、愛し合う……?」
「年頃の男女が恋人同士になったらヤる事は一つだろ?」
 ランディが両手の人差し指をくつけ、ニヤリと怪しい笑みを浮かべる。
「前に俺らが留守してた日なんか、台所でもヤってたみたいだしなー」
「じょ、冗談はよしてくれよ! 台所でなんて、そんな破廉恥な……」
「……後日お前にカマかけたら、結構素直にゲロってくれたんだけど」
 顔を真っ赤にして怒るロイドにランディが少し呆れた顔をした後、そうだ、と手をぽんと叩いた。
「お前、思い切ってお嬢に頼んでみたらどーだ? そーゆー刺激で記憶が戻るかもし……」
「ふざけないでくれ!」
 たまらず怒鳴るロイドから、ランディがおーこわーと笑いながら台所から出て行く。
「……」
 もやもやする気持ちを抱えたまま、ロイドは洗い物に戻った。
485『■■■■』【10】:2011/03/19(土) 22:56:07.04 ID:bneWAPWo

(俺と彼女が恋人同士だって……?)
 確かに素敵な女性だなと思った。
 真珠をそのまま梳いたようなパールグレーの髪に、磨きぬいた緑耀石のような瞳。整った顔が浮か
べる微笑みは花のように柔らかくて、気を抜くとつい見とれてしまう。外見だけでなく、物腰も言葉
遣いも気品があって、後でマグダエル前市長の孫娘だと聞いた時は、さもありなんと思った。
(そんな彼女と俺が恋人同士だなんて、釣り合わないだろ……)
 第一、本当に恋人ならあんな事――記憶を取り戻さなくてもいいだなんて言うだろうか?
 洗い物を終えて自室に戻ったロイドが、ベッドに寝転がりながら自問する。
(ランディが冗談で言ってるのか?)
 記憶を失う前に片思いしてた事を見抜かれてて、それでけしかけられたのか?
(でも、ランディって、そんな洒落にならない嘘を言うような奴には見えないんだよな……)
 むしろ、わざと軽薄な雰囲気を演出しているような気がする。
「……」
 考えれば考えるほど、彼女の事を思えば思うほど、鈍痛が頭を揺さぶってくる。色んな感情が混ざ
り合って、それがまた頭痛の種になる。
「……寝よう」
 こんな状態で彼女へ謝りに行ってもぐだぐだになるだけだ。それに、洗い物に結構手間取って、時
間も遅い。
 自分に言い訳しながらロイドはベッドから降りて部屋着に着替え、机でエニグマの調整をする。そ
して警察徽章と一緒にエニグマを仕舞おうと引き出しを開けた際、妙な引っかかりが来た。
「?」
 ロイドが引き出しの中を覗き込むと、奥の方に紙の小箱がある。
(これが引っかかったのか……)
 記憶に無いので、多分こっちへ戻ってきた後に手に入れた物だろう。
 ロイドが中身を確認すべく、小箱の蓋を開けて机の上に引っ繰り返すと、衣擦れにも似た音をたて
てコンドーム達が散乱した。
「!!」
 ロイドの顔が沸騰し、持ってた小箱を握り潰す。
「な、な……!」
 握り潰した小箱をさらに強く握りながらロイドが泡食う。物が物だけなのもあるが、それ以上に驚
いたのは、何個か使用した形跡がある――。
(まさかオナニーで使うって訳はないよな……)
 だとするとランディの言ってた通りだったのか?
(俺は彼女と恋人同士で、機会がある度に愛し合ってたのか……?)
 自問した刹那、ずきっ! と、いつもより強い鈍痛が頭を軋ませた。
「痛っ!」
 ロイドがたまらず呻いて頭を抑えた途端、扉の外から焦る声が届く。
「ごめんなさい、入るわねロイド!」
 ノックもそこそこに、書類を抱えたエリィが扉を開けて入ってきた。
486『■■■■』【11】:2011/03/19(土) 22:57:26.65 ID:bneWAPWo

「? ?! !!!?!」
「大丈夫? 頭が痛むの?!」
 沸騰した顔のまま慌てふためくロイドの元へエリィが駆け寄り、まくしたてるように問うてくる。
見つめてくる瞳は、心の底から心配していた。
 が。
 その視線が机の上へ――散乱しているコンドームへ向かった途端、ぼんっ! という効果音が似合
いそうな勢いで彼女の顔が茹で上がる。
「ご、ごごごめん! 見覚えのない小箱があったからなんだろうと思って開けたら……! 別に見せ
るつもりはなかったんだ! ごめん!!」
「ううん、勝手に飛び込んできた私に非があるから……ごめんなさい」
 棒状にまで握り潰した小箱を真っ赤な顔で振り回すロイドに、エリィが気まずそうに目を逸らしな
がら、抱えていた書類を手渡してきた。
「あの、これ……ティオちゃんから今日の分の報告書、預かってきたの」
「あ、ああ……ありがとう……」
 ぎこちない動作でロイドが書類を受け取り、机に置いてコンドームを隠す。
 会話が終わり、気まずい雰囲気と沈黙が部屋に満ちる。
「あ、あのさ。夕方の時は、ごめん。君なりに俺の事を心配してくれてたのに無下にするような事を
して……」
「ううん、私の方こそごめんなさい。ロイドの気持ちも知らないで……」
 お互い、言いたい事を言って頭を下げる。
 また会話が終わり、気まずい雰囲気と沈黙が降りてきそうになった時、
「あ、あの、さ……」
 ロイドは椅子から立ち上がり、エリィと向き合った。
487名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 22:58:05.10 ID:RP/Itr38
レンたん可愛すぎるよ・・・
もうほんとに抱きしめてなでなでして髪の香りくんくんして死ぬまで愛でたい・・・
ああもうレンたんといちゃいちゃしたいよ!! レンたんが一回くちに入れたお菓子食べたい!!
チョコなんかいいね♪レンたんがちゅぱちゅぱ舐めて溶けかけたチョコを口移しでもらいたいな^^
一緒にひとつのチョコを交互に口移ししあって溶かしあおうよー><
いつも指しゃぶってるみたいにちゅぱちゅぱすればいいんだよ^^ちゅぱちゅぱ
指ちゅぱちゅぱしてるときのレンたんすっごくかわいいよ^^お兄さんも一緒にちゅぱちゅぱしていい?
レンたんの指ちゅぱちゅぱしたいよしかもレンたんがちゅぱちゅぱした後のレンたんの指なら更にちゅぱちゅぱしたいよ
じゃあお兄さんといっしょにちゅぱちゅぱしようか?ちゅぱちゅぱ♪
一緒にちゅぱちゅぱしようよ〜レンたん☆ちゅぱちゅぱ^^
本当はお兄さんね、レンたんのお尻の穴が舐めたいの^^ ジュルリ♪
レンたんのお尻の穴を舌先でチロチロしたらどんな反応するのか興味あってね^^v
できればレンたんにもお兄さんのお尻の穴舐めて欲しいんだ! こう舌先でチロチロチロッ!とね^^
レンたんにお尻の穴なんて舐められた日にはもう本当の意味でも昇天しちゃうかもね^^てへへ☆
レンたんと一緒にお互いのお尻の穴を舐めあう関係になれたら嬉しいなっ^^v
僕がレンたんのお尻の穴ぺろぺろ♪
レンたんが僕のお尻の穴ぺろぺろ♪
僕がレンたんのお尻の穴ぺろぺろ♪
レンたんが僕のお尻の穴ぺろぺろ♪
二人で体がとろけて一つになっちゃうくらい気持ちよくなろ〜ねっ^^
え?いや? そうだよねーお尻の穴舐めあうなんていやだよね〜^^; ごめんね><
じゃあ髪の毛は?レンたんのおいしそうな髪の毛も舐めていい? だめ?
おねがい! ちょっとでいいから! レンたんの髪の毛しゅごいおいしそう・・・
じゃあペロペロはしないから! ちょっとペロッとするだけ! 毛先だけで我慢する!
ほんとは頭皮から毛先までベロンベロンジュルリジュルリしたいけど我慢するから!
じゃあ一本だけちょうだい! 髪の毛一本だけ抜いてちょうだい! 家宝にしますから!
おねがぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い><
488『■■■■』【12】:2011/03/19(土) 22:58:40.38 ID:bneWAPWo

「さっきランディから聞いたんだけど……俺と君が恋人同士というのは本当なのか?」
 未だ信じ切れないロイドに対し、エリィがこくんと頷いてくる。ほんのり赤く染まった彼女の顔に
浮かぶ切実な表情。それを見て、ロイドは彼女と自分が恋人同士だったんだと確信し、同時に強い悲
しみが心を襲う。
「……なら何で、俺に記憶が戻らなくてもいいって言ってきたんだ……?」
 恋人同士なら、尚の事、記憶を戻して欲しいと願うものじゃないのか?
 なのに、言われたのは真逆の事。
 ロイドの顔が悲しみに歪む。
「……貴方が苦しむのは見たくなかったの……」
 長い沈黙を経て彼女から零れたのは、この答と一筋の涙だった。
489名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 22:58:49.39 ID:RP/Itr38
真夜中にティータたんのお部屋にお邪魔したい。
ティータたんはおねむの時間が来ても頑張って設計図を描いてたんだけど、
だんだんトロ〜ンとしてきて寝ちゃいました。
だから、僕はそんなティータたんに毛布を掛けてあげたんだけど、
凍死しちゃう可能性も否定できないから、全裸になってティータたんのほっぺにチューしました。
それでも目を覚まさなかったので、仕方ないからティータたんの未成熟な肢体を弄る様に抱きしめながら、
ベッドに運んであげました。
ふと見ると、机の上の設計図はもう少しで完成です。
僕はティータたん専属の妖精さんなので、代わりに設計図を完成させる為に、
二人の愛の軌跡を書き込みました。最後にチン拓を貼って出来上がり!
きっと、ティータたんが起きたら僕に感謝してくれます。ラブラブハッピーです。
でも、僕は人知れず手助けをする妖精さんなので、ティータたんと一緒にはなれません。
だから、せめてティータたんのぱんつと僕のぱんつを交換して今日の思い出にしようと思いました。
抜きすぎてちんちんが痛いです。
ちんちん拭くのに使ったティッシュでこよりを作って、眠ってるティータたんのお鼻にフガフガしてくしゃみさせたい。
僕のせーし塗れのティッシュの先端に付いたティータたんのお鼻ウンチはどんな味なんだろう?楽しみ!
490『■■■■』【13】:2011/03/19(土) 22:59:17.30 ID:bneWAPWo

「そう、か……」
 ごめん、とロイドが掠れる声で口ずさむ。と同時に、何故、彼女に葬儀の時のセシルが重なって見
えたのかを理解した。
「ごめん……君自身が一番辛いのだろうに、俺が不甲斐ないせいで……」
 葬儀の時のセシルのように、悲しみにひたる事も出来ず、逆に気遣わせてしまっている。
「俺が……俺が君との思い出を忘れてしまったから……」
 彼女の事を考えたり見つめたりする度に起きて、今も止まらない鈍痛。それはきっと、彼女への想
いが記憶と一緒に心から抉れてしまったから、その傷痕が疼いていたんだとロイドは悟る。
「俺が忘れなければ……いやせめて、思い出していれば、ここまで君を傷つける事もなかったのに」
 悔しさと情けなさに、ロイドの両目が熱く煮立ってくる。鈍痛が頭の中を何度も貫いてくる。
 奥歯が折れそうな程歯を食いしばり、なんとか涙は零さぬよう堪えていると、彼女の手が頬に触れ
てきた。
 彼女の手に導かれるように、ロイドの目から涙が落ちる。
「ねぇ、ロイド……貴方は、大切な人が自分との思い出を忘れたからといって嫌いになるの?」
 涙を掌に受け止めたまま、エリィが静かに問うてきた。
「……」
 頬を濡らす涙をそのままに、ロイドは素直に首を横に振る。
「私も一緒よ。貴方が私との思い出を忘れたって、私の想いは変わらない」
 だって。
「私が愛しているのは思い出ではなく、ロイド、貴方なのだから」
 全てを包み込むような笑顔でエリィから言い切られた刹那、ロイドの心の中で何かがすとんと抜け
落ちた。
「俺、を……?」
 口ずさむロイドに、エリィが笑顔で頷く。
「思い出を失ったというのなら、また新しい思い出を作っていけばいい。想いを忘れたというのなら、
もう一度……ううん、何度でも恋人同士になればいい」
 彼女の口から謳い紡がれる言葉は、ロイドの心で渦巻いていた悔しさ情けなさを霧散させる。頬を
濡らしていた涙が自然と止めて、表情を穏やかにさせていく。
「たとえ、今の貴方が私の事を好きでなくても私は諦めない。絶対、振り向かせてみせるわ」
 そう言って不敵に笑うエリィを、ロイドは思わず抱き締めた。
「大丈夫……そんな心配も時間もいらないよ」
 パールグレーの髪がさらりと揺れ、日を一杯に浴びた野原で咲く花を思わせる香りがロイドの顔を
撫でてくる。
「……病院で目覚めてからずっと、素敵な女性だと思ってた」
 真珠をそのまま梳いたようなパールグレーの髪も。磨きぬいた緑耀石のような瞳も。整った顔が浮
かべる花のように柔らかい微笑みも。
 豊かな胸元、キュッと締まったウエスト、卵みたいな丸みをおびたお尻という、メリハリのついた
魅惑的なボディも。
「全てが素敵で、眩しくてたまらなかった」
 頭の中の鈍痛は今も止まらないが、さっきと違って不快感がなく、むしろ心地よい位。
「……もし、こんな俺でも良いと言うのなら。もう一度、恋人になってくれないか……エリィ」
 彼女の顔を真正面から見据えてロイドが告げた途端、目と口を丸くしていたエリィが弾けるような
笑顔を浮かべて頷いてきた。
 受け入れて貰えた安心感で、彼女を抱き締めていたロイドの両手の力が緩む。
「ありがとう」
 精一杯の気持ちを込めて囁くと、ロイドはエリィの方に顔を寄せた。
 距離が狭まるにつれてロイドの顔が赤くなり、汗もうっすら浮かんでくる。
 エリィも頬を赤らめつつも、ロイドの方へ顔を少しだけ上向かせてくる。
 そして、月と星と街のネオンが彩る部屋の窓の中に、顔を赤らめながら唇を重ねる二人の姿が映し
込まれた。
491名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 22:59:52.17 ID:RP/Itr38
「女の子にひざ枕してもらうのって男の夢だよなあ」
なんて話してたらエステルちゃんが「そんな事でよかったら私がしてあげるわ」って。
なんか断りにくい雰囲気だったから、仕方なくひざ枕してもらったら、
その瞬間、鼻を突くような刺激臭が!そう、エステルちゃんのマン臭だ!
こりゃタマラン!と起きようとするも、マン臭の「毒」に俺の体は痺れたらしく
起き上がることもかなわない。
その内、ひざ枕してるエステルちゃんがウトウトしだし、上を見ると口からたら〜と涎が。
これを受けたらとんでもないことになる!それは分かれど体は動かず!
なんとかしないと!俺は全身の力を振り絞ってエステルちゃんに「起きてよ!」
と怒鳴りつけた。
すると突然の大声に驚いたエステルちゃんは勢いでブリッとオナラをしてしまいました。
私は死んだ。
492『■■い■』【14】:2011/03/19(土) 23:00:27.56 ID:bneWAPWo

 室内灯が消え、ベッドライトの暖かな色の明かりがロイドの部屋の中を彩る。
「本当に、いいのか……?」
 机の上から回収したコンドームを枕の下に押し込みながら問うロイドに、ベッドに腰掛けてブーツ
とタイツを脱いでいたエリィが顔を上げる。
「ロイドこそ、本当に、私でいいの……?」
「……ごめん、愚問だったね」
 口真似して問い返してきたエリィにロイドは軽く目を伏せて謝ると、彼女の太股が視界の丁度真正
面にきた。
 黒いタイツの下から出てきた真っ白な生足。そのコントラストが放つ色香にロイドはたまらず酩酊
する。まだ触れてもいないのに下腹部には早くも熱と血流が集まってきた。
(俺だけ先に果てないようにしないとな……)
 少しでも熱を逃がそうと、ロイドは乱雑に部屋着を脱ぎ捨て、トランクス一枚になる。そして、腰
のベルトを外してワンピースの襟に手をかけていたエリィを止めた。
「エリィ。そこから先は、俺に脱がさせてくれないか……?」
 頬がかあっと熱くなるのを自覚しながらロイドが請うと、エリィが唇を少し綻ばせて頷き、両手を
そっと開いてくる。
 ロイドは遠慮無く飛び込むと、彼女の服に指をかけた。
(えーっと、今まで見た感じだと、まずスカーフを外してから、ボレロの留めボタンを取って……)
 鈍痛の続く脳細胞をフル回転させてロイドがエリィの服を脱がしていく。質の良い布地が奏でる衣
擦れの音と共にワンピースの胸元が左右にズレ、暖かみのある白い肌と、胸の谷間が現れた。
「あ……」
 柔らかさと柔らかさの間に存在する凜とした直線。矛盾しながらも両立する奇跡の概念。豊かな乳
房と乳房が織りなす胸の谷間に、ロイドが思わず手を止め見惚れる。
 桜色の布地にクリーム色の飾り紐が縫いつけられたブラジャーも、彼女の白い肌を一層引き立たせ
て、ロイドの理性をガンガン揺さぶってくる。
(俺、堪えきれるのかな……)
 エリィの身体が少し見えただけでこんな有様な自分に、ロイドは本気で心配になってくる。が、表
には出さずに淡々とタイトワンピースを脱がすと、ベッドに彼女を押し倒した。
 スプリングが弾み、彼女の豊かな乳房も揺れる。
 シーツに広がっていくパールグレーの髪の方へ意識を集中させて――でないと理性が焼き切れそう
だったので――いると、ブラジャーと同じ桜色の唇が目に留まった。
「んっ……」
 たまらず唇を重ねると、エリィが僅かに声を漏らして目をそっと細めてくる。
 ロイドの頭で鈍痛が起きたかと思うと、舌が自然と飛び出て彼女の唇の隙間へ潜り込んだ。
 歯の固い感触の向こうに、舌のザラっとした弾力が触れる。
「んっ……あ……」
 エリィの口元が動いたかと思ったら、自らも舌を絡めてきた。
 舐めて、突いて、啄んで。唾の混ざる音をBGMに、二人の唇と舌が踊り舞う。お互いの身体も自
然と揺らぎ、唇を摺り合わせる動きと一緒に身体を擦りつける。
「んっ、ん、ぁ……むっ……」
 口の中で響く彼女のくぐもった声。舌と唇から広がるこそばゆい気持ち良さ。
 それら全てが愛おしくて、そしてもっと欲しくなって、ロイドはひたすら口と舌を動かす。
 エリィもそれに応え、ロイドの唇と舌を優しく包み込む。体勢と重力の関係でロイドの唾液が一方
的に流れ込んでいくにも関わらず、口から零す事なく飲んでいく。
 お陰で、ようやく唇が離れた時には、ロイドは唾の出し過ぎで喉が渇いていた。
(少し飲みたいけど今離れるのは勿体ないな……)
 迷った矢先、鈍痛がロイドの頭を駆け抜ける。
 それに突き動かされるままロイドが後ろへ――彼女の股の方へ下がっていくと、ブラジャーとお揃
いのデザインのショーツが、真正面にきた。
493『■■い■』【15】:2011/03/19(土) 23:01:06.68 ID:bneWAPWo

「えっ? や、やだいきなり……!」
 エリィの焦る声を頭上で聞きながら、ロイドはエリィのショーツを脱がす。
 むわっと暖かな臭いが顔を撫でたかと思ったら、うっすら生えた茂みの向こうに潜む花弁が見えた。
(これがエリィの……)
 女性にとって一番大事な場所。男性を受け入れて、新しい命を育む場所。
 綺麗なサーモンピンクに染まった花弁を目の当たりにして、ロイドは思わず息を飲む。
 前に、ここを女神様と例えているのを聞いた時は不謹慎だと思ったが、こうして目の当たりにする
と、例えたくなる気持ちも解った。
「ろ、ロイド……お願い、そんなに見ないで……」
 エリィが恥ずかしそうに身をくねらせ、両足で隠そうとしてくる。が、それよりも早く、鈍痛と本
能に突き動かされるままロイドは彼女の股に顔を差し入れ、花弁へ口をくつけた。
「やぁんっ!」
 エリィが声を上げて背中を反らす。
 ぬらっとした感覚が唇にきたかと思ったら、花弁から零れた愛液がロイドの口の中へ入ってきた。
(ああ、これ、いいな……)
 喉と心にもたらされる潤いにロイドは思わず目を綻ばす。さらっと流れてきた割には粘度があるの
も面白くて、もっと呑んでみたくなる。
 だから、ロイドは舌でエリィの花弁を弄くり始めた。
「あ、あんっ! んく……っあ!」
 釣り上げた鮮魚のように、エリィの身体が何度も跳ねる。ベッドのスプリングがギシギシ音をたて、
ロイドの身体も一緒に揺れる。
 反動で口が花弁から離れそうになったので、ロイドは両手をエリィの太股に回す。と、発酵したパ
ン生地にも似た柔らかさが返ってきた。
(不思議だなぁ……)
 それなりに筋肉がついているのに柔らかさを失ってない太股に、ロイドは思わず舌を巻く。
 不思議といえば、今自分がむしゃぶりついている花弁もそうだ。自分の唇にすっぽり入ってしまう
程小さくて可憐なのに、舐める度にビクンビクン震えて愛液を吐き出してくる程かよわそうに見える
のに、膨張して屹立した男のアレを丸ごと受け入れる事が出来るなんて。
(女の子の身体って、ほんと不思議だなぁ……)
 ロイドがそう思いながら舌で花弁の窪みをつついた途端、舌先がぎゅっと掴まれ、そのまま中へ吸
い込まれた。
 ぬるっとした肉壁が吸盤みたいに舌へ強く吸い付いてくる。
「あぁあっ!」
 脳髄を直に殴られるような快楽にロイドが驚く一方、エリィが一際大きな嬌声をあげて全身を震わ
せる。
 ごぽっ、と大量の愛液が飛散し、受け止めきれなかった分がロイドの口の周りやエリィの股を濡ら
した。
(……とりあえず、これで飲むのは止めておこう……)
 ロイドがエリィの花弁から口を離す。喉が充分潤ったのもあるが、今の不意打ちでトランクスの中
の男根が暴走しかけている。このまま続けて暴発なんかしたら目も当てられない。
「あぁ……あ、ぁ……!」
 ロイドが視線をあげると、エリィがベッドの上で身体を縮めて震えていた。
 未だ痙攣が止まらないのか、羞恥と心細さの混ざった感情が浮かぶ瞳は涙で少し潤んでいる。だけ
ど、その奥には信頼の光が――恥ずかしくても心細くても止めないでと訴えてくる光があった。
494『■■い■』【16】:2011/03/19(土) 23:01:34.83 ID:bneWAPWo

(えーっと……)
 次はどうしようかロイドが迷った矢先、エリィの豊かな乳房と、それを包み支えるブラジャーが目
に留まる。
(そういえば……ブラジャーってどういう構造になってるんだ……?)
 好奇心にかられてロイドがエリィの胸元まで顔を寄せた。
 香水に混じって彼女の汗の臭いが鼻腔をくすぐってくる中、ロイドはブラジャーをまじまじと観察
してみる。
 布の光沢と質感からすると、素材は絹か。肩紐や胸下のベルトには指が入るけどゴムのように伸び
る訳ではない。とすると、どこかにボタンなり留め金があってそれで固定している筈……だが……。
(どこで外すんだこれ……?)
 いくら見回しても見当たらない留め金にロイドが焦っていると、エリィが両手を自分の胸の合間に
置いた。
 ロイドの前でブラジャーのカップを両手で摘むと、そのまま中央に寄せて持ち上げる。
 まるで花が開くようにブラジャーが左右に分かれ、豊かな乳房と一緒に広がった。
「え?!」
 ロイドが思わず声をあげてブラジャーを見ると、カップの裏側に小さなホックがついている。
「これで留めていたのか……?!」
 驚きを隠せないロイドに、エリィが頷き、くすりと笑ってきた。
「ごめんなさい。初めて愛し合った時の貴方の反応と全く同じだったから……」
 笑った顔のまま説明した後、エリィがふと目を細める。
「記憶はなくても貴方は貴方。心は何も変わってない……」
 今にも嬉し泣きしそうなエリィに、ロイドも心がじんと痺れ、脳裏に鈍痛が駆け抜ける。
「……前に言われた事、今は不思議と納得できるよ」
 ――貴方は貴方であるだけでいい――。
 言われたのは数時間前の筈なのに、何故か、かなり前の出来事のような懐かしさがある。
「――ありがとう、エリィ」
 ロイドは微笑みながら告げると、エリィの乳房に触れた。
 乳房に乗っかっていたブラジャーのカップが身を引くように脇に外れ、薄ピンクの乳首をロイドへ
差し出してくる。
 小さな宝石みたいな乳首と、想像を絶する乳房の柔らかさに、ロイドが目を大きくして息を飲んだ。
(こ、こんなに柔らかくても形を保っていられるのか……?!)
 例えるならば風の塊。指で押せば凹むし、手で揉めば指の隙間からはみ出す程柔らかいけど、力を
緩めればすぐ弾んで元の形状に戻るほど存在感もある。
「ん……っ……」
 押されて揉まれて、エリィが気恥ずかしそうに視線を逸らす。
 ロイドの心臓が一際大きな鼓動をうつ。脳裏に鈍痛が通過し、二つの欲求を置き土産に残していく。
(もっと……)
 彼女に触れたい。
 もっと、彼女を気持ち良くさせたい。
「あっ……!」
 欲求のままロイドがエリィの左乳首に口づけをした途端、悩ましげな声があがった。
「ん……ぅ……!」
 ぢゅっ――と、音をたてて唇をすぼめ乳首を挟みあげると、さっきよりも少し大きな声をあげて背
中を逸らしてきた。
「あ、んっ、あぅ……ん、んっ!」
 乳房をゆるゆると揉みほぐしながら、咥えた乳首を唇で挟んで甘噛みして舌で突くと、艶めいた声
が何度もあがり、こちらへ身体を押しつけるように何度も身悶える。
 口の中では、咥えた乳首が盛り上がって固くなってきた。
「すごい……ここも起つんだ……」
 ロイドは口を離すと、涎をまとって尖ったエリィの乳首を眺めて素直に驚く。
「ここ以外にも吸い付いたりしたら固くなるのかな?」
「! いくら何でもそれはな……!」
 真っ赤な顔で否定しかけたエリィの声は、左の乳房に吸いついたロイドの唇で中断された。
495『■■■■』【17】:2011/03/19(土) 23:01:59.07 ID:RP/Itr38
ブライト家の生活費はカシウスの稼ぎだけじゃ凌げないだろ
ロレント郊外の住居の維持管理費だけでも高くつくはず。
みんな出ずっぱりなのにペンペン草も生えないってことは、どっかの業者に年間を通して契約しているはず。
あとカシウスの隠密行動費だな。中にはリベール王国にすら秘密のものもありそうだから、
王国から予算がでるとは思えない。遊撃士協会にしたってクルスの治療代やボートの修繕費にてんやわんやだ。
さらにエステルが各地で起こした騒動の金銭的尻拭いを協会がしていると見ると、そんな余裕は無いし、娘の不始末代金を
父カシウスが払っている事は疑いない。
じゃあ、どうやってブライト家は破産せずにすんでいるか。
やはり養子にしたヨシュアの盗賊行為とカプア盗賊団の後ろ盾があるからだろう。
ヨシュアの後ろにはクローゼ様とジョゼットたんがいるから、彼自身は金には困っていないはずだ。
なのに盗賊行為も行っているのは何故か。自分以外の浪費癖のある父娘を養うために他ならない。
また、遊撃士はお礼は頂かない、とは言っても日の光の当らない場所でなら話は別ではなかろうか。
カシウスもエステルも、王国中のクエストをこなすうちに、人の弱みも色々握っているはずだ。
古代文明を駆使して迫り来るテロ組織から腐敗した王国を守った彼女だ。
脅迫、泣き落としなどは朝飯前であるのは明白である。

このようにリベール王国の治安維持は、エステル一門の無法行為によって支えられている。
人々の怒りは爆発寸前であるからこそ、3rdでは異国の神父を主役に抜擢したのである。
リベール市民の志は主役交代にあった。だが神父はそれにしくじった。
失敗したものの行き着く先は、「もう続編は無い」ということであろう。
496『■■■■』【18】:2011/03/19(土) 23:03:06.48 ID:RP/Itr38
俺は今から聖騎士になる
もちろん聖騎士だから童貞を守り続ける
そんな俺をレンたんは誘惑するだろう
しかし、俺は挫けない
レンたんがおまんまんをくぱぁして、自分でペロペロして
「見て、こんなに濡れちゃった」って言っても相手にしない
すると、レンたんはそんな俺の食事に媚薬を盛ってムリヤリ発情させるだろう
俺は自分の意志とは裏腹に、レンたんのおまんまんに
勃起した童貞チンコを挿れたくなるに違いない
だが、唇を噛み締めて、口の端から血を流しながら
「さぁ、このマントを身に着けるんだ。はだかんぼでいたら、風邪をひいちゃうからね」
と、無理に微笑んで見せるんだ
そんな俺の態度にプライドを傷つけられたレンたんは雨の中、外に飛び出していってしまう
心配になった俺は、チンコが勃起しているにも拘らず、レンたんを捜しに行くだろう
やがて、橋のたもとで蹲るレンたんを発見し、今日はウチに泊まるように説得する
部屋に戻ったら、レンたんに、先にシャワーを浴びるように勧め、
出てくる前になるべくキレイっぽい自分の服を準備する
「洗濯してあるやつだから。あ、パンツは一応未使用だから」
と、俺の服を渡す。レンたんはツンツンしながらも、
しょうがないなぁと頬を染めながら、俺の服に袖を通すんだ
そして、俺はシャワーを浴びる前に
「レンたんは俺のベッドで寝ろよ、俺はソファで寝るからさ」と、さりげなく気を使う
レンたんは、私がソファで寝る!と言い張るけど、
女の子にそんな真似はさせられない、と俺はきっと譲らない
根負けしたレンたんがベッドで寝るのを確認し、俺は浴室に入る
そして、浴室内のレンたんの抜け毛を集めて、もぎゅもぎゅと美味しく頂きたい
497『た■い■』【17】:2011/03/19(土) 23:03:33.24 ID:bneWAPWo

 ぢゅっ! と、乾いた音がたち、白百合のように滑らかな肌へ赤いキスマークの花が咲く。
 まるで判子でも押すように、ロイドが音をたててエリィの乳房に吸い付き、キスマークの花を増や
していく。
「あんっ、や、あっ、あ……」
 エリィが身を竦めて声をあげ、シーツの上に広がったパールグレーの髪がさざ波のように揺れる。
 右の乳房も切なそうに揺れて、ロイドの頬へ何度もひっつく。その動き――こっちも忘れないでと
アピールしてくる動きに、ロイドも顔をあげると、そのまま右の乳房へ飛び込んだ。
「あ……っ!」
 ベッドのスプリングが微かに軋み、エリィが頤を大きく逸らす。
「大丈夫。こっちもちゃんと可愛がるから……」
 ロイドは熱の篭もった声で囁くと、ほんの少し盛り上がって固くなっていた右の乳首を咥えた。
「あぁっ!」
 ちゅぅっ、と一回吸うだけで、エリィが大きな声をあげ、右の乳首がぴんと起つ。
 その反応が面白くて愛おしくて、ロイドは赤子のように唇をちゅぱちゅぱ窄めてみた。
「あっ、んっ、ふ……ぅっ!」
 悶えるエリィの顔の赤みが増し、肌がじっとり湿ってくる。左の乳房を手で揉みしごきながら右の
乳房へキスマークを刻む口の中に汗の塩味が入ってくる。
(エリィ……気持ち良く、なってくれてるのか……?)
 右の乳房にも一通りキスマークを刻んだ後でロイドが上体を起こして様子を見ると、エリィと目が
あった。
 潤んで艶めいた瞳で見つめられ、ロイドの心臓が大きく脈打つ。頭の中で起きた鈍痛が背骨をつた
って下半身へ降り、男根に集まっていた血液と熱を破裂させかける。
(ヤバい……これじゃあ、エリィを気持ち良くさせる前に俺がヘタれる……!)
 ロイドの頭の中に冷や汗が垂れる。
 呼吸の度に豊かな乳房がふよふよ揺れる所とか、自分がいつも寝起きしているベッドの上にエリィ
が一糸まとわぬ姿で無防備に横たわっているという状況とか、気付けば気付くほど、男根の暴走具合
が増していく。
 慌ててトランクスを脱ぎ、枕の下に仕舞ってあったコンドームを男根に被せるが、血管を浮かせて
怒張した男根がそれで収まる訳もなかった。
498『た■い■』【18】:2011/03/19(土) 23:04:09.77 ID:bneWAPWo

(どうしよう……)
 途方に暮れるロイドの脳裏に鈍痛が過ぎる。それに導かれるように視線が彼女の股の方へと下がり、
しっとり湿った茂みと、ぬらっとした光沢をまとった花弁が目に留まる。
(……そうだ……)
 もっと気持ち良くさせればいいんだ。
 鈍痛と共にロイドは悟ると、右手をエリィの股へ差し込む。そして、花弁の中へ中指をぐっと突っ
込んだ。
 愛液のぬるっとした感触の後に、蜜壷の肉壁が中指をぎゅっと締めてくる。
「ぁっ!」
 エリィが短い悲鳴をあげて、シーツの上に投げ出していた手足を大きく跳ねさせる。
 そこへのし掛かるような形でロイドがエリィの身体を抑えると、人差し指と薬指も蜜壷へ差し込み、
先に入れてあった中指と一緒にぐねぐね動かし始めた。
「っや! ぁんっ! んんっ! っくっ……ぅ!」
 ロイドの右手に操られ、エリィが悲鳴のような嬌声を上げて身悶える。それはまるで楽器を奏でる
かの如く。三本の指で蜜壷の肉壁を擦って抉って突き上げる度に、外に残った親指で花弁を弾く度に、
エリィの肉体が愛液という音色を吐き出していく。
 噴き出す愛液はロイドの右掌やエリィの股をグショグショに濡らし、シーツの方にも飛び散って染
みを作る。
(これで気持ち良くなってくれれば、俺だけ先にヘタれる事もない……)
 手首まで飛んでくる愛液の飛沫を感じながら、ロイドはじっとエリィを観察する。
「あっ! あ! んあっ、ぁんっ!」
 両目をぎゅっと閉じて叫ぶエリィの顔に珠のような汗が浮き出て、パールグレーの乱れ髪がこめか
みに張り付いていく。
 指を咥え込んだ蜜壷が内部の肉壁を蠢かせ、微かに痙攣をし始める。
 花弁もピンと尖って固くなり、親指の腹を凹ませてくる。
 それら一連の変化をロイドが固唾を飲んで見守っていると、蜜壷の肉壁をしごいていた中指に、こ
りっと固い突起が触れた。
「あっ――!!」
 エリィが一際大きくて切迫した声を上げるや、背中を弓形に逸らす。
 次の瞬間、彼女の内と外が一斉に痙攣したかと思うと、ぶしゃっ! と、くしゃみににも似た音を
たてて大量の愛液が噴出した。
499『た■い■』【19】:2011/03/19(土) 23:04:40.28 ID:bneWAPWo

 ロイドの見ている前で、エリィが何度も痙攣しながらベッドに身を沈めていく。
(良かった……エリィ、気持ち良くなってくれた……)
 ロイドはほっと安心すると、蜜壷から右手を引き抜いた。
 指先から愛液の塊が滴り落ち、シーツに大きな染みを作る。それでも尚、右手は大量の愛液で濡れていた。
 ロイドは彼女の足を左右へ広げ、露わになった股の前へ腰を寄せる。そして、陸にあがった魚のよ
うに口をパクパクさせている花弁へ男根をくつけると、そのまま前へ突き進む。
 じゅぶっ……と、濁った水音をあげて、蜜壷の中へ男根が侵入を開始した。
「あぁっ……!!」
 エリィが切なそうな声をあげて上体をよじらせる一方、蜜壷がロイドの男根にぴったり寄り添い、
引きつけるように震えだす。
(くっ――!)
 想像を遙かに超えた気持ち良さに、ロイドの意識が一瞬ホワイトアウトする。すっかりお馴染みに
なった鈍痛で揺り戻されなかったら、そのまま暴発していたかもしれない。
(まだ、だ……まだ、ダメだ……!)
 男根から駆け上ってくる快楽を必死で堪えながら、ロイドは腰を進めた。
 ぱしっ――と、小さな水音と共に二人の下半身が深くくっつき、男根が根本まで蜜壷に入る。
「んっ……ろ、いどぉ……」
 熱い吐息を零しながら、エリィがロイドを見上げてくる。少し苦しげに震えながらも喜びに満ち溢
れた笑みをたたえて。
 彼女の蜜壷も、まるで風に吹かれた草原のように肉壁を揺らし、入ってきた男根を歓迎してくれた。
「エリィ……愛してるよ」
 ロイドはそっと囁くと、エリィの脇の下に両手をついて腰を揺すり始めた。
「あっ、あんっ、ん、あっ……」
 ベッドのスプリングが軋むリズムに合わせて、エリィの口から嬌声が、蜜壷から愛液が零れていく。
 花弁は出入りを繰り返す男根の竿に沿って形を微妙に変え、じゅぷずぷっと卑猥な水音をたてる。
 でも、それでも。
(まだ足りない……)
 中指が蜜壷の突起を探り当てた時のような激しい反応からは程遠い。
(女の人って……こんなに、何度でも、気持ち良くなれるんだ……)
 ロイドは驚きつつ、自分の見通しの甘さに臍を噛む。こちらは快楽と鈍痛が頭を絶えず揺さぶって、
いつ爆発してもおかしくない。自分だけが一方的に気持ち良くなって終わってもおかしくない。
(そんな訳にはいかない……!)
 誰よりも大切で愛おしい人だからこそ、共に気持ち良くなって貰いたいんだ。
 ロイドは腰を振りながら、手でなく肘で体を支える体勢に変えると、彼女の口に唇を落とした。
「んっ……」
 腰元で響く水音と競うように、ロイドがエリィの唇を、歯を、舌を、己の唇と舌で突いて舐めて絡
めていく。同時に、こちらの腰の動きに合わせて揺れている乳房を両手で掴むと、掌で全体を揉みな
がら指で乳首を挟んでしごき始めた。
「んぅ……!」
 エリィがぴくっと目端を動かしたかと思うと、蜜壷がしゃくりあげるような動きをみせる。
 不意打ちによる暴発に注意しながら、ロイドは口を動かし、両手を動かし、腰を動かした。
「ぁん、む、ぅう……!」
 塞いだ口から漏れ出る嬌声が、少しずつ切迫したものになってくる。
 指の中でたっていた乳首が固さを増し、掌が彼女の汗で湿ってくる。
 ずぽっ、ぐぽっ、じゅぐっ、ずぷっ、と、インサートの音程が微妙に変わり、男根へくる締め付け
も少しきつくなる。
 でも、まだ、後もう一押しが欲しい。
 ロイドがそう思った時、彼女の乳首をしごく右手の中指に、蜜壷の突起へ触れた時の感触が蘇って
きた。
(……もしかしたら……)
 ロイドは一端腰をひくと、あの時の中指の位置へ向かって男根を突き立ててみる。
「!!!」
 こりっとした感触が亀頭と竿を擦っていったかと思うと、エリィが目を見開き、蜜壷が悲鳴のよう
に揺れ動いた。
500『た■い■』【18】:2011/03/19(土) 23:04:58.57 ID:RP/Itr38
ティータたんとデートをしたいなあ。
おれからデートを申し込まれて、顔中を真っ赤にするティータたん。モジモジとして
いるのだけれども、コクリと頷くのがわかる。じゃあ、決まりだね、とおれが言うと、
ティータは一瞬だけ時がとまったかのように文字通り固まってしまい、そのあと力強く
ウンウンと二回、また頷くのである。どこでデートをしよう?もちろんティータたんの住
んでいる街もいいところではあるのだけれども、彼女はここでは有名人なので、
至る所で知り合いと出くわしてしまい、気の休まる暇もないだろう。だからおれと二人き
りになることを望んでいるティータたんのために、明るく華やかなルーアンとか王都とか
をチョイスしてあげるのだ。いやここはあえてロレントみたいな小さなのどかな街で、い
つまでもじっとお話をしてみるのもいいのかもしれない…。
デートの当日、待ち合わせの場所できょろきょろとおれを探すティータたんの姿が目に入
る。いつものような、暗い色のゴーグルに帽子に前掛けに長靴にといったものものしい装
備ではもちろんなかった。自然な素材感を感じさせるような淡い色のノースリーブのワン
ピースに、これもまたシンプルな意匠のサンダルをつっかけているだけであった。ティー
タたんの、ほっそりとした足首、ティータたんの少女らしい、柔らかさを感じさせる腕、
ティータたんの真っ白な首筋、ティータたんのすべすべとした、磨きあげられた大理石の
ような肌、ティータたんのはかなげなからだの線…。そういったティータたんの、
おれがまったく目にしたことがない諸々が、惜しげもなく披露されている。また、ティー
タたんの豊かな金髪は、控えめな髪飾り(おれが前にティータたんにプレゼントしてあげ
た)が添えられているだけで、ふだんの帽子と髪留めから開放感を感じているかのように、
サラサラと自由に気持ちよく風にたなびいていている。煤けた空気に機械音があふれ重苦
しい金属の固まりが林立するなか、そんなティータたんの姿はあきらかに異質なものであ
った。おれはティータたんの、一輪の野の花のような可憐な美しさに思わず立ちすくみ
深いため息をもらすのである。そうしておれを見つけたティータたんは満面の笑みを浮
かべて、駆け寄ってくる。相変わらず、ティータたんの頭からつま先までを、ジロジロ
とみつめるおれ。ティータたんはおれの気持ちを知っているのか知らないのか、「エ
ヘヘ…」と照れたような笑みを浮かべる。おれはティータたんの愛らしさにもうそ
の場で抱き締めてしまいたくなるのである。
飛行船の搭乗を促すアナウンスが流れる。おれとティータたんは目を合わせて、乗り場
までぴったりと並んで向かうのだ。途中、何か工事を行っているのであろう、
見慣れない重機械がガンガンと鈍い音を響かせているのが目に止まる。おれの視線
の先に気付いたティータたんは、何かをおれにいいたそうだったのだけれども、
思い直したかのように、出かけた言葉をひっこめるように、うつむいてしまう。お
れはティータたんの気持ちを即座に理解した。ティータたんにそれについてたずねるの
をやめた。ティータたんがいかにこの日を特別なものと思っているかを知ることができ
、おれはこの上もない喜びを覚えるのである。もちろんおれは、そのことに脇目もふら
ずに没頭しているときのティータたんの姿も大好きなのだけれども…。
92 名前: 名無したんはエロカワイイ 投稿日: 2008/04/15(火) 00:11:03 ID:5At3OyhF0
ああ可愛い可愛いエステルちゃん。そんなに漏れを見ないで。
漏れに笑いかけないでおくれ。不思議そうに微笑むエステル
ちゃん。イタズラっぽく笑うエステルちゃん。フフン、といった具合に
挑戦的なエステルちゃん。お気楽に表情をゆるめるエステルちゃん
エステルちゃんを見るたびに、漏れはもう辛くて辛くてしょうがなく
なるんだよ!エステルちゃんと漏れとを隔てる、深い深い断裂。
あとほんの少し手を伸ばせばエステルちゃんに触れることが出来そう
なのに・・・。
501『た■い■』【20】:2011/03/19(土) 23:05:40.76 ID:RP/Itr38
散歩をしていたら泣いている女性がいたので、何事かと話しかけたら、
なんとエステルだった(むこうは私を覚えていない)。
聞けばエステル、父親が病気なのだが治療費が高すぎて払えないという。
なんてこった。エステルの奴、今度は泣き落とし詐欺か…。
何も知らない奴なら騙せたかも知れないが、カシウス氏をよく知っている私は、
騙せるわけがない(彼が元気なことも当然知っている)。
だけど、ここまで落ちぶれたエステルを見ていたら、怒りよりも逆に哀れに思えてきて、
詐欺だとは分かっていたが、彼女の言う『治療費』を出してやることにした。
するとエステル「ただではお金を貰えない」と突然服を脱ぎだした。
背筋に走る悪寒――
「さあ、好きなだけ私を抱きなさい!」
予感的中――!
「結構です」と言うが「そうはいかない」と食い下がるエステル。
アンタがセックスしたいだけだろう! …と言いたかったが言うより早く
エステルにひん剥かれてしまった。そして三日三晩のセックス漬け…(しかも青姦!)。
衰弱するまで搾り取られた私は、自分の『治療費』まで出さないといけないはめとなった。
502『た■い■』【20】:2011/03/19(土) 23:06:00.16 ID:bneWAPWo

 ベッドの軋むリズムが乱れ始める。ロイドが腰を打ち込む度に、エリィが口端から涎を零しながら
手足や尻をベッドにぶつけて悶えるようになったから。
「んあっ、あ、あっ、ぅ……あぁっ!」
 悶える動きで口吻が外れ、エリィの澄んだ嬌声が室内に響きだす。
 パールグレーの髪がベッドの上でさざ波を起こし、ベッドライトを浴びて星屑のような煌めきを周
囲に散らしていく。
 そんな彼女に――胸を揺らし、尻を揺らし、男根と花弁の隙間から涎のように愛液をまき散らして
いく彼女の痴態に、ロイドの心は否応なく燃え上がり、男根も更に膨張する。
「あんっ、あ、んふぁあ、ああっ!」
 もっと、気持ち良くさせて。もっと、乱れる様を見たい。
 燃え上がった心に突き動かされ、ロイドが腰を振るペースを早める。男根が蜜壷を擦って抉って押
し開き、突起の部分だけでなく、ありとあらゆる角度へ亀頭を容赦なくめり込ませていく。
 暴発を恐れる気持ちは掻き消され、鈍痛が頭の中に霞のように広がっていく。
 ぐじゅっ、ずぶっ、ぐぶぶっ、と、愛液を媒介にして響く結合の音色に、ぱしっ、ぱしっ、と、肉
同士のぶつかり合う音が混ざりだす。
「ろ、ロイ、ド……ぉ! そん、な……すごい、の、された……ら……」
 エリィが息も絶え絶えに言いかけた刹那、ロイドの男根が根本までめり込んだ。
「!!!」
 エリィが目を大きく見開き、身体を勢いよく縮める。勢いで蜜壷から男根が抜けそうになるのを、
ロイドは両手で彼女の腰を抑える事で阻止していると、彼女の身体の外側と内側で、今まで一番大き
な痙攣が走った。
「あぁああっ!」
 か細い悲鳴があがる下では、花弁が濁流のような勢いで愛液を吐き出し、蜜壷が絶叫をあげるよう
に揺れ動く。今までの締め付けと合わさって、男根に強烈な快楽をもたらす。
(くっ……!)
 触れているこちらが痺れそうになる位の震えに、ロイドは魔獣の麻痺攻撃を耐える時と同じ心構え
で我慢していたら、エリィの全身から力が抜けた。
503『た■い■』【21】:2011/03/19(土) 23:06:42.41 ID:bneWAPWo

「……あ、はぁっ……はぁぅっ……!」
 苦しげに息をしながら、エリィが縮めていた身体を緩める。お尻の下のシーツは愛液でぐっちょり
濡れて、子供のおねしょみたいになっていた。
(……良かった、エリィが気持ち良くなってくれた……)
 緑耀石のような瞳が快楽で澱んでいるのを見て、ロイドは思わず笑みを零すと、彼女の股へ埋めた
ままだった腰を離し、また切り返す。
「ああっ!」
 もう暴発を恐れる必要はない。
 蜜壷の締め付けと震えがもたらす快楽に堪え忍ぶ必要はない。
 後は――こちらが果てるまで、共に、心ゆくまで楽しもう。
「あっ! ん! ふぁあっ! あぁっ! んぅっ!!」
 ロイドは腰を振り、エリィの花弁と蜜壷を貪り食らう。痙攣が止まぬ蜜壷を削ぐような勢いで男根
を押し込み、最奥の肉壁へ何度も何度も叩き込む。
「あぁっ! ぅうっ! ふぅ、んっ!!」
 愛液が飛沫となって周囲に飛び散り、ロイドの股や太股をしとどに濡らしていく。
「ああぁっ!! あああ! あんっ! んんんっ!!」
 顔を真っ赤にして悶えるエリィの舌を、ロイドは自分の舌でちょんと突いて、彼女の味を確かめる。
 こちらの動きに合わせて上下するエリィの乳房を、手でそっと掴んで、揺れ具合を触れる。
 風にあおられるようにパールグレーの髪が翻り、ロイドの鼻先を掠めて、彼女の匂いを伝えていく。
 すぐ傍で響く彼女の嬌声も、触れる箇所から伝わる彼女の温もりも、普段の様子からは想像もつか
ないほど乱れた痴態も、全てが愛おしくて、そしてもっと欲しくなる。
(俺……こんなに我が侭な奴だったんだな……)
 彼女の口の中へ舌を差し込んで舐め回しながら、ロイドはそんな事をぼんやり考える。頭の隅々ま
で鈍痛が広がり、源泉のように溢れ出る彼女への愛おしさと混ざり合って、視界も意識も曖昧になっ
てくる。
 それでも、彼女の中を出入りする男根からくる感触は鮮やかなままで、それを寄り縋りにして、ロ
イドは己の身体を突き動かしていると、ある時、頭の中のものが全て引き摺り出されるような感覚が
きた。
「っ……!」
 立ち眩みにも似た感触にロイドが思わず腰を止める。
 意識も記憶も全てが表へ引き摺り出される感覚の中、下腹部が急激に熱くなって膨らみ、男根が白
濁液を吐き出した。
504『た■い■』【22】:2011/03/19(土) 23:07:01.24 ID:RP/Itr38
とある村のはずれでエステルがゴザを敷いて芋を売っていた。
寝転がって鼻をほじりながら芋を売るその姿には、かつての面影は全く無く、
浮浪者のようなみすぼらしい姿は正直見ているのが辛かった。
だけど見て見ぬふりをするのも気が引けたので
「その芋ください」と彼女のそばに歩み寄った時だった。
「またおめえか!この芋泥棒が!」
どこからともなく現れた農夫。どうやら芋畑のおっさんらしい。
そうか…この芋はおっさんの畑から盗み取ったものだったのか…。
ショックだった。
「相変わらずうるさい奴だね。わかったよ、体で払えばいいんだろ!」
「おまえみたいなアバズレ抱いても1ミラの得にもなりゃしねえんだよ!」
「あんですって〜」
これ以上は聴いてられない。
そう思った俺は口論する二人の前から逃げるように立ち去った。
505『た■いま』【22】:2011/03/19(土) 23:07:04.10 ID:bneWAPWo

 胸に当たる二つの柔らかい感触でロイドは我に返る。
 どうやら射精と同時に少し気を失っていたらしい。勢いの収まった男根はいつの間にか蜜壷の外に
抜け落ち、エリィの上にのし掛かる格好で寝ていた。
「大丈夫、ロイド……?」
 慌てて身体を起こして横へどいたロイドに、少し惚けた目のエリィが心配そうに尋ねてくる。
「あ、ああ。すまない、少しぼーっとしてて……」
 ロイドは軽く頭を下げた後、エリィのこめかみに張り付いていた乱れ髪を指ですくった。
「……記憶がなくても、終わった後に私の髪の毛をいじるのは好きなままなのね」
 エリィが、嬉しさに少しの切なさを混ぜた微笑みを浮かべて、ロイドの唇をなぞってくる。
「……そう言うエリィだって、終わった後は、よくこうして俺の唇に触れてくるじゃないか」
 少し間を置いてからロイドが笑みを返すと、エリィの表情が凍り付いた。
「よくこうして……って……?!!」
 まさか……と目と口を大きくして息を呑むエリィに、ロイドはしっかりと頷き返すと、笑顔で告げ
た。
「思い出したよ、全部」
「……!!!」
 エリィの顔がくしゃっと歪み、大粒の涙をボロボロ零しながら眩しいばかりの笑顔を浮かべる。
 感極まって抱きついてきたエリィを、ロイドもしっかり抱き返した。
506『ただいま』【23】:2011/03/19(土) 23:07:32.40 ID:bneWAPWo


 朝になったら、キーアに会いに行って、思い出を取り戻したよと教えよう。
 それから、心配かけた皆にも記憶が戻った事を知らせないと。
 ああ、そうだ。記憶を取り戻すのを手伝ってくれたオスカー達にもお礼を言わなければ。

 でも、その前に。
 今回の件で一番辛い思いをしていた彼女へ。
 傷つけてしまったにも関わらず、変わらずに愛し続けてくれた彼女へ。



 『ただいま』を、伝えよう――。


507名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 23:07:54.28 ID:bneWAPWo
本編は以上です。

続けておまけ(非エロ)いきます。
508『ただいま』【24】:2011/03/19(土) 23:08:28.31 ID:RP/Itr38
一度は心を開きかけたレンが再び心を閉ざしたのは、
エステルからヨシュアとの濃厚なSEXを見せ付けられたからだ。
これによりレンの中の性的トラウマにスイッチが入り、
レンは逃げ出すようにエステル達の元を去っていった。

それから3年――――
発着場近くの倉庫街に彼女の姿はあった。
『立ち飲み喫茶 黒蜜』
それが今、彼女が切り盛りしている店の名前だ。
喫茶店なのに客を座らせないというコンセプトは最初こそ敬遠されたが、
その物珍しさとレン自身のかわいさで見る見るうちに人気スポットとなった。
彼女は言う、
「どうして客を座らせないかって? 男なんて私に立たされてりゃいいのよ」
そう、客を座らせないのはかつて自分を虐げた『男』という生き物へのささやかな復讐だったのだ。
しかし彼女は知らない。
この、「男なんて私に『立たされて』りゃいいのよ」
…という発言を聞くために男子客がやってきているということを。

今日もまた多くの男性客が彼女に『立(勃)たされ』に店へと集まっている。
509『ただいま』【おまけ1・前編】:2011/03/19(土) 23:08:35.56 ID:bneWAPWo

 ロイドが洗い物を終えて自室に戻った頃――。

(……私は何を期待しているのかしら……)
 夜風が吹き、支援課ビル屋上に立つエリィのパールグレーの髪が軽やかになびく。
 自分の進む道を見失いかけて、今のように一人で屋上から街を眺めていたあの時。彼が来てくれた
お陰で、また前へ進む事が出来た。
 でも、今は、その彼が来てくれる事はない。自分が傷つけてしまったのだから。
「っ……!」
 エリィの膝が崩れ、手すりにしがみつくようにしゃがみ込む。下を向いた瞳からは自然と涙が零れ、
コンクリートの地面にポタリと落ちる。
 あの時の彼の顔――迷子になった子供そのものの顔だった。独りになった事を認めたくなくて、恐
怖と悲しみから必死に耐えている顔だった。
(なのに私は……!)
 嗚咽するエリィの胸元で、チャラッと金属音が微かに響く。
 音に誘われるようにエリィが胸元からエニグマを取り出すと、ストラップにしているペンダントの
蓋を開いた。
 幼い頃、まだ家族がバラバラになる前に撮った写真がエリィの目に映る。
(あの時と違って何かが出来るかも……そう思ったのは、私の驕りでしかなかったわね……)
 エリィが泣きながらため息をついていると、持ってるエニグマが鳴り響いた。
『すいません、今そちらに伺っても宜しいでしょうか?』
 エニグマからティオの声が流れてくる。
「え? あ、ごめんなさい、今部屋にいないの。私がティオちゃんの部屋に行きましょうか?」
『大丈夫です。……私も、屋上に来てますから』
 エリィが慌てて涙を拭って立ち上がると、ティオが少し間を置いて返してきた。
「……え……?」
 エリィが振り向くタイミングに合わせて屋上の扉が開き、エニグマを手に、書類を脇に抱えたティ
オがやってくる。
「すいません、連絡してからでないとエリィさんを落胆させてしまうかと思って……」
 エニグマを仕舞いながら頭を下げてくるティオに、エリィもいいのよと首を横に振ってエニグマを
仕舞った。
「ティオちゃんは、コッペにご飯あげにきたの?」
「……いいえ。エリィさんにお願いがあって来ました」
 そう言うと、ティオが書類をエリィに差し出してきた。
「今日の分の報告書です。私の代わりに、ロイドさんへ提出して頂けませんか?」
「え? だ、だって……」
 惑うエリィに、ティオがお願いしますと言葉を重ねてきた。
510『ただいま』【おまけ1・後編】:2011/03/19(土) 23:09:02.61 ID:bneWAPWo

「ロイドさんは、朴念仁の自覚のない朴念仁です」
 ティオが呆れた風に息をついて語り出す。
「そして、天然の一級フラグ建築士でありながらフラグクラッシャーでもあります。記憶を無くした
せいで、その傾向が悪い方に強くなっています。どうせ、夕方の時も、エリィさんに酷い事言ったん
でしょう?」
「いいえ、あれは私が悪かったの! ロイドがどんなに追い詰められていたのか気付かないで……」
 声を張り上げ否定してから、エリィははっと息を呑む。
「やっぱりそうでしたか」
 淡々と相槌をうつティオに、エリィは気まずそうに唇をすぼめて俯いた。
 少し冷たい夜風が屋上を吹き抜けていく。
「……もし、エリィさんがロイドさんに会いたくないというのでしたら、お願いはしません」
 ライトブルーの髪の毛を夜風になびかせながら、ティオが唇を開いた。。
「報告書は私が出してきます。でも、もし、少しでも会いたいという気持ちがあるのなら……お願い
します。ロイドさんに会って、はっきり教えてやってください。貴方がどれだけロイドさんの事を愛
しているかを、あの朴念仁に叩き込んでやってください」
 そう言うと、夜風で乱れる髪を抑える事もせずにエリィへ頭を下げてきた。
「ティオちゃん……」
 頭を下げたままのティオを見つめるエリィの瞳から、今まで巣くっていた心細げな光が消えていく。
「……そうね。自分に向けられる好意については恐ろしい程に鈍感な人間だったわよね、ロイドは」
 恋人同士になったのだって、私から直に想いを伝えてを何回も何回も繰り返してようやく……だっ
たのに、何で忘れていたのだろう。
 エリィはため息をつくと、差し出されていた書類を受け取る。
「ありがとう、ティオちゃん。私、ちゃんと伝えてくる」
 ぱっと顔をあげて嬉しそうに口元を緩めたティオに、エリィも目元を優しく綻ばして笑った。
「今回も上手くいかないかもしれないけど……でも、もう諦めたくはないから」
 その言葉を残して、エリィがビルの中へ戻っていく。
「……健闘をお祈りしてます」
 静かに閉まっていくドアへ向かって言うと、ティオは視線をあげた。
 月明かりが夜空にほわっと広がっていて、包み込まれるような安らぎを覚える。
「……私達にとっても、お二人は希望なんです……」
 夜風に吹かれるままティオが月を見上げていると、エニグマが鳴った。
『よっ、こちらランディ。お嬢はロイドを攻略したぜー♪』
 ティオがエニグマの通信モードを起動すると、ランディの陽気な声が返ってくる。
「上手くいきましたか。それで今はどうなってます?」
『今はイヤホン外したから気配ぐらいしか解らんが……まぁお盛んな事でって事だなこりゃ』
 表情を明るくするティオに、ランディは少し言い淀みながら答えてきた。
「解りました。では、私はキーアのフォローへ向かいますので、ランディさんの部屋の壁に設置した
盗聴用導力レコーダーはそのままにしておいてください。録ったブツは後で楽しませて貰います」
『楽しむのかよ!』
「勿論です。恋人同士の愛し合う声が……世界で一番優しい音楽がクリアーに聴ける絶好のチャンス
です」
 ランディの突っ込みにティオが堂々と切り返すと、音しか届けない筈のエニグマのスピーカーから、
何とも言えぬ雰囲気が伝わってきた。
『……お互い、馬に蹴られんように気をつけねぇとな』
「何を言っているんですか。私達は、内緒で見守っているだけです」
『ははっ、それもそうか』
「そうですよ」
 そう言って軽く笑いあうと、エニグマの通信を切る。
 そして、スキップしそうな程軽やかな足取りで、ティオも屋上から立ち去っていった。
511『ただいま』【おまけ2・前編】:2011/03/19(土) 23:09:26.65 ID:bneWAPWo

 それは、太陽が少しだけ西に傾いたある午後の事。
「リュウ、やっぱり止めようよ〜」
「そうだよ、それでもっと悪化したら、キーアちゃん、ほんとに泣いちゃうよー」
 支援課ビル裏口に繋がる階段の手前で、アンリとモモが困った風に眉を下げて騒ぐ。
「でもよぉ、ツンツン頭の怖そうな兄ちゃんも言ってたじゃねーか。同じ刺激を与えればいいんじゃ
ないかって」
 二人の視線にリュウも困った風に顔をしかめつつも、手にしたフライパンは離さなかった。
「上手くいけば、兄ちゃんの記憶が戻ってキーアも元気になるんだぜ?」
「本当にそうなら、先生だって試していると思う……」
 試してみる価値はあるだろと笑うリュウに、アンリが冷静な突っ込み入れる。
「モモもそう思う〜」
 うぐ、とリュウが息を詰まらせた所へ、モモからの追撃も入った。
「……じゃあお前らは勝手にしろよ! 俺は一人でもやるからな!」
 リュウが声を荒げてフライパンを構え直した時、支援課ビル裏口の扉が開く。
 扉の開く音を聞きつけた三人が振り向くのに合わせるように、キーアがツァイトと一緒に外に出て
きた。
(……あれ?)
 キーアの表情を見て、三人が同時に首を傾げる。ちょっと前、お昼ご飯の時間だからと解散した時
はあんなに暗かったのに、今は妙にさっぱりとして晴れ晴れとしている。
「みんな、どうしたのー?」
「キーアちゃん……もしかして、あのお兄ちゃんの記憶が戻ったの?」
 ビル裏口の前で丸まって昼寝の体勢に入ったツァイトを置いて寄ってきたキーアに、モモがおそる
おそる尋ねた。
「……ううん、まだだよ」
 キーアが、元気のない声で首を横に振った後、でもね……と話を続けた。
 お昼ご飯を食べる為に、キーアがリュウ達と別れた後の出来事を――。
512『ただいま』【おまけ2・中編】:2011/03/19(土) 23:10:19.45 ID:bneWAPWo

 大聖堂から昼を告げる鐘が鳴る。
 支援課のビルのいつもの席にいたセルゲイは、読んでた医学書を閉じると、部屋を出た。
 皆で食事をするテーブルの脇で、キーアが昼寝中のツァイトの背中に抱きついている。普段ならク
レヨンに落書き帳、図書館から借りた絵本などが散乱しているのだが、今は綺麗なものである。
「キーア、何が食いたいモンあるか?」
 手持ちの携帯灰皿でタバコの火を消すと、セルゲイはキーアの顔を覗き込む。と、鉛色の雲が覆わ
れた空のように暗い表情をしていた。
「……いらない……」
「おいおい、その年でダイエットか?」
「……いらない……」
 ぽつりと繰り返してツァイトの背中に顔をうずめたキーアに、セルゲイは天井を仰ぎ見る。
 出かかったため息を腹の奥に押し返すと、キーアの首根っこをぐいっと掴んで持ち上げた。
「きゃっ!」
 ツァイトから引き剥がされ、キーアが小さな悲鳴をあげる。
「いいか、アレは事故だ。アイツ……ロイドが記憶喪失になったのは、お前のせいじゃない。俺だっ
て派手に頭ブン殴られて気絶した事があったが、記憶は無くさなかったぞ?」
 ツァイトが寝たまま両耳を鋭く立たせる中、セルゲイはキーアと真正面から向かい合いながら述べ
た。
「でも……キーアが鞄を振り回さなかったらロイドがいた脚立が倒れる事は無かった……」
「そりゃそうかもな」
 セルゲイは素直に認めた後、だけど、と続ける。
「それは過去の事だ。過去に起こっちまった事は女神様だって変えられない。でも、今と未来は誰に
でも変えられる。ならばそれで過去に起こっちまった事を訂正していけばいい」
 そう言ってセルゲイがニヤリと笑うと、キーアも少しだけ表情を緩めた。
「……でも、キーアにはロイドの思い出を取り返す方法、解らない」
「それは当事者であるアイツ自身の仕事だ。今のお前さんがやる事は違う。それはな……」
 ここで一拍間を置くと、セルゲイはキーアの瞳をしっかり見つめながら告げた。
「元気を出す練習だ」
 言われて、キーアがきょとんとした顔をする。
「何で? と言い足そうな顔だな」
 少し愉快そうに笑うセルゲイへ、キーアは素直に頷くと、いいか、と、セルゲイが説明してきた。
「気持ちっつーのは伝播していくもんだ。暗い気持ちのままで居続ければ、周囲にいる人達もやがて
暗い気持ちで包まれてしまう」
 この言葉に、キーアは、さっきまで一緒にいたリュウとアンリとモモを思い出す。
 三人とも、最初は明るく振る舞ってキーアを元気づけようとしてくれて、アンリは教会の施術につ
いて教えに来てくれたのに。お昼時だからと別れる頃には三人とも表情がキーアと同じように曇って
いた。
(かちょーの言う通りだ……キーアの暗い気持ちがうつっちゃったんだ……)
 三人への申し訳なさにキーアが思わず俯きかけた矢先、セルゲイに頬をむにゅと掴まれて止められ
た。
「逆もまたしかり」
 セルゲイとキーアの視線が再び合わさる。
「明るい気持ちで居続ければ、周囲にいる人達もやがて明るい気持ちに包まれる」
 セルゲイは不適に笑うと、キーアの頬から指を離して問いかけた。

「……キーア、お前さんは、周囲にいる人達に、どんな気持ちでいて欲しい?」

513『ただいま』【おまけ3・前編】:2011/03/19(土) 23:10:27.35 ID:RP/Itr38
気軽に永遠なんて言葉使っちゃってるけど、、その言葉の重み、考えた事あるか?

俺も昔、レンたんのおまんこに永遠の愛を誓ったさ
でもな、こないだ、レンたんのおまんこは初潮になっちまったんだ

ビックリしたね
おまんまんから血が出てきてさ
俺は思わず、両手でおまんまん押さえて
『生理くんなーーーー!!!』って叫んだよ

でも、一度放たれた経血は止まることなんて無かったんだ
仕方なくレンたんのおまんまんペロペロして、下り物を舐め取る時の気分と言ったら…

結局ね、レンたんのおまんことはそれっきりだよ
永遠の愛なんて、幻に過ぎなかったんだ
少なくとも、俺とレンたんのおまんこの間ではね

今はアルウェンたんのおまんこに永遠の愛を誓ってる
でも、これも何時まで続けられるか…
そう考えると、不安になるのさ

思えば、エステルちゃんはすげーよ
エステルちゃんのおまんまんは、言うなればクロスロード
誰とでも仲良くなれるし、ヤッたら即ポイできる

だから、彼女は風なんだよ
俺の上に騎乗位で繋がって、グルグル回って、イクと同時に飛んでった

まっしろい俺たちの精液を撒き散らしながらね
アレ見てたら、あー綺麗だなーって心の底から感じたよ
514『ただいま』【おまけ2・後編】:2011/03/19(土) 23:10:41.34 ID:bneWAPWo

「……それで、キーアちゃんは答えたんだね」
 口角を持ち上げ、笑顔を浮かべているキーアにアンリが微笑むと、キーアも笑顔をたたえたまま大
きく頷く。
「キーアは、みんなに笑っていて欲しいから、元気でいて欲しいから、だから、こうする事に決めた
の」
 そう言ってキーアは笑みを続ける。いつもの天真爛漫な雰囲気たっぷりな笑顔と比べると少しぎこ
ちないかもしれないが、それでも三人には充分気持ちは伝わってきた。
「ならこれは必要ねーな」
 リュウが笑ってフライパンを地面に置く。
「だめだよリュウくん。ちゃんとおうちに戻さないと」
「そうだよ、ばっちいよー」
 たしなめるモモに、キーアも同調して騒ぐ。
「でもこれから遊ぶのに持ってくのやだよー」
「なら一端、皆でリュウのおうちに行ってから遊ぼうよ!」
 げんなりするリュウに、アンリがぱっと顔を輝かせて提案してきた。
「さんせーい!」
 青空の下に、子供達の朗らかな声が響き渡る。
 そのままはしゃぎながら歩き出した四人へ、ビルの裏口の前で寝ていたツァイトが、今まで閉じて
いた瞳をそっと開いて、微かに笑いかけていた。

515名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 23:12:22.95 ID:bneWAPWo
以上です。

今回の大震災で亡くなられた方のご冥福と被災地の一日も早い復興を、
心からお祈り申し上げます。
516名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 23:16:02.67 ID:L89tE8qi


零だとエリィは人気なんだな
517名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 00:55:14.90 ID:cmxWJErv
乙。読み応えがあった。
518名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 11:38:30.70 ID:NqlQy96b
乙です
途中で糞つまらん真似したID:RP/Itr38は死ね
519名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 21:44:12.78 ID:oaKtRB1S
     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
  /::::::::::::::/|:::::::::/ノ::::::::/ヽ人:::::::::::::ヽ
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 |:::::::::::/ ;;;;;;;;;;;;      ;;;;;;;;;;;;; V .|:::::|
 |::::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ===/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ ヽ:::|
 | ::=ロ  -=・=-  |  |  -=・=-  ロ=:::|
 |:::/丶      /ノ  ヽ      / ヽ|
 |/  `─── /   ` ───    .|
...|         (●_●)        .|
..|           l l          |
.|       .__-- ̄`´ ̄--__      .|
|         -二二二二-        |
.\                     /
  \      _- ̄ ̄ ̄-_      /
    \              /
    /| \________/ |\
  / ̄\ \       /  / ̄\
520名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 22:29:36.46 ID:WxOzHpCN
>>515
おつおつ
エリィいいね
521名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 01:08:23.25 ID:NJceU+v9
         /ノ^,  ^ヽ\
         / (・))  (・)) ヽ
        / ⌒(__人__)⌒::: l
   ⊂ ̄ヽ_|   |r┬-|    |
    <_ノ_ \   `ー'´    /
        ヽ  ̄V ̄ ̄ ⌒,
        /____,、ノ /
        /    (__/
       (  (   (
        ヽ__,\_,ヽ
        (_/(_/
522名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 04:27:52.98 ID:zvtuk6mZ
            ____
         /     \
   n      / ⌒   ⌒ \
   | |   /   (⌒)  (⌒)  \ 
  i「|^|^ト、|      __´___     | 
 |: ::  ! } \.     `ー'´     /
  ヽ  ,イ
523名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 04:29:54.66 ID:foT0aVvw
     n: ./  _, ,_ヽ
     ||/ (●) ..(●
    f「| |^ト、 ,-=‐ i
    |: ::  ! }     く
    ヽ  ,イ
524名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 04:17:03.48 ID:v8Gw69kR
        /\__/ヽ
       /;:''''/ '''' \\
   n:  |::::::(●)  ,、(●)|
   ||/    (__人__)  \  
  f「| |^ト、    ` ⌒´     |
  |: ::  ! }________/
  ヽ  ,イ    /\/▼\|\
525名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 22:51:03.04 ID:c6iQyOY4
>>515


エリィの「何度でも〜」の台詞が本スレ見た後だとめっちゃ意味深にみえるw
526名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 17:05:38.04 ID:ZYkoXUFn
 l川川川川川川川川云三、:::::::::::::::ヾミ从从川川川川川川川川川川  
  l川川川川川川 У 二二”'''=::::::::::::::::=''”二ヽ从川川川川川川川 |
  川川川川川У:: =三エェミ }:::::  :::::::zェエ三  ̄^ヽ川川川川川
  川川川川/::::::    `ー‐” /:::::  :::::“ー‐      V川川川川
  川川川川::::::...       /::::::              l川川川
  Y川川川::::::::::...      ノ:::::::::    、::....        l川川 
    ヾ川川|:::::::::::::..    (_:::::    _)ヽ::.....      川川
    ヾ川川ヽ、 :::::::......./::::::::⌒ー―⌒ .....\::::::...... .  川
     `"'''''l::::::::::::   {::::ZZzzzzzzzzzzzzZZ:::}      川
        ヽ:::::::::::  ::::`=エエエエエ=´       /-、
         ヽ::::::::::::    `====´        / 三`丶
527名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 01:05:11.06 ID:Xt2uCO86
 l川川川川川川川川云三、:::::::::::::::ヾミ从从川川川川川川川川川川  
  l川川川川川川 У 二二”'''=::::::::::::::::=''”二ヽ从川川川川川川川 |
  川川川川川У:: =三エェミ }:::::  :::::::zェエ三  ̄^ヽ川川川川川
  川川川川/::::::    `ー‐” /:::::  :::::“ー‐      V川川川川
  川川川川::::::...       /::::::              l川川川
  Y川川川::::::::::...      ノ:::::::::    、::....        l川川 
    ヾ川川|:::::::::::::..    (_:::::    _)ヽ::.....      川川
    ヾ川川ヽ、 :::::::......./::::::::⌒ー―⌒ .....\::::::...... .  川
     `"'''''l::::::::::::   {::::ZZzzzzzzzzzzzzZZ:::}      川
        ヽ:::::::::::  ::::`=エエエエエ=´       /-、
         ヽ::::::::::::    `====´        / 三`丶
528名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 02:46:36.93 ID:/H67h+JZ
HEY
529名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 01:09:59.98 ID:L56dgJ82
 l川川川川川川川川云三、:::::::::::::::ヾミ从从川川川川川川川川川川  
  l川川川川川川 У 二二”'''=::::::::::::::::=''”二ヽ从川川川川川川川 |
  川川川川川У:: =三エェミ }:::::  :::::::zェエ三  ̄^ヽ川川川川川
  川川川川/::::::    `ー‐” /:::::  :::::“ー‐      V川川川川
  川川川川::::::...       /::::::              l川川川
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    ヾ川川|:::::::::::::..    (_:::::    _)ヽ::.....      川川
    ヾ川川ヽ、 :::::::......./::::::::⌒ー―⌒ .....\::::::...... .  川
     `"'''''l::::::::::::   {::::ZZzzzzzzzzzzzzZZ:::}      川
        ヽ:::::::::::  ::::`=エエエエエ=´       /-、
         ヽ::::::::::::    `====´        / 三`丶
530名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 13:22:51.23 ID:PNTRPOxa
終章で捕まって輪姦されるノエルさんとかどっかに無いかな。
531名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 18:27:50.21 ID:rQcdK3Dk

           /   , -――――‐-、\
          /   ./          \ヽ
          ,'     |            'Y
           |    ./  ,,;;;;;,,,      ,,;;;;,,,'、
          |,...、 ./  "´__`    ´ _`'}
           | i^.ヽ|   ノ―・ゝ  .; { .ノ.‐・ヽ',   
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          \__ィ  ::::::  , -(_c、,ィ.)、 :::::|
            || |   /ィく_ ,. -┴'- 、_>、 /
           .|. '、    ヽヾl工l工lア/./
          /\\   `  \__ノ /
       ,,-<´\  `''-`''-.、   '⌒ / \
    ,,-''´`"'-、\ .\     ` ――-´    \
532名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 19:37:43.82 ID:iyXMb8GV
とりあえずイリア×リーシャの百合書いてます。>>419さん構想マダー?
533名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 07:02:20.58 ID:XR8yX+KD
>>532
超待ってる
534名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 16:28:55.56 ID:ueiK9d2+
暴走したマリアベルがエリィに襲い掛かるとか。
535名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 16:30:40.25 ID:mwQTk2uS
マリアベルは「5年程成長して落ち着きと分別を大きく持つようになった白○黒子」
って感じだなw
536名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 23:21:10.38 ID:FkfP24n4

           /   , -――――‐-、\
          /   ./          \ヽ
          ,'     |            'Y
           |    ./  ,,;;;;;,,,      ,,;;;;,,,'、
          |,...、 ./  "´__`    ´ _`'}
           | i^.ヽ|   ノ―・ゝ  .; { .ノ.‐・ヽ',   
          '、.( .||.     ̄ ノ   '、  ̄  |   
          \__ィ  ::::::  , -(_c、,ィ.)、 :::::|
            || |   /ィく_ ,. -┴'- 、_>、 /
           .|. '、    ヽヾl工l工lア/./
          /\\   `  \__ノ /
       ,,-<´\  `''-`''-.、   '⌒ / \
    ,,-''´`"'-、\ .\     ` ――-´    \
537名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 03:16:27.67 ID:8wYA+/OB

         ____            / ̄ ̄ ̄\
       /     \         /◞≼◉≽◟◞≼◉≽◟ヽ
    / ≼◉≽◟◞≼◉≽◟  \      /   ⋌⋚⋛⋋    \ 
   /    ⋌⋚⋛⋋       \  /       
538名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 09:58:16.11 ID:ogvx2ApS
>>532 期待

碧情報みてワジノエを妄想しようと思ったがワジについてるのが想像できん
539名無しさん@ピンキー
  i、  |    _;;;;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii||||||iiiiiiiiiiii;;;;;、、、、、
  ヘ、 \    ~i||~~~~~~'~~~||||||||||||||i||||ii||||||||||iii;、
   ヘ  ;|     ~(|iii||||||||||||||||||||||||||iiiiiiiii;|||||||~ヘi|||ii;、
 ;ノ'~ノ''~       ~||||~~~~~'')||~~~~~~~||(iii||||||||iii;、~||)|、
/~ /´        _i||||    /|        :|||||||||||||ii||;\
ゝ '|         _'i|~、、、、、、イ|        _;|||||||||||||||||||||i
_`、)、        _|    _ノ  'i、  ~~゙゙ヘ、  ~|i|||||||||||||||||||、
  \ゝ        |  _;ii~   _`         ~'i|||||||||||||||||
   ´\       | _i|||||i   _ii、_       _;|||||~~'|||||||
     イ|i;、    i||  ~||~    `~~''ヘ、    _i|||||'')i _|||i||   
     ~'(~'(、   ||           _|   __i|||~|i;i| |||||
       ~i;\、 _||           | _ノ'~/|||__i)'ノ|||||  
        ~(i~iiノ´          /  '~ _i||||~~ノ|||||||  
         ノ||ii|i;、____        /    ii|||||i||i|||||||||  
         ~ヘii;、~~~~''ヘ+;、、  _/   ;ノi||||)|||||i||||||||  
           ノ|      ~'ゝ _~ ;;ノ~~i||||' ||||||||||||||
      ___ ______;|||;、______   ___ノ+~、 ;i||||||'|~|||||||||||     
    iii(i|')''i~|'i~i~|~レ(ii~|'i~ii||'''''~~~  /  iiiii)i|i ii(i)iiiiiiii