キモ姉&キモウトの小説を書こう! part23

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1名無しさん@ピンキー
ここは、キモ姉&キモウトの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○キモ姉&キモウトの小説やネタやプロットは大歓迎です。
愛しいお兄ちゃん又は弟くんに欲情してしまったキモ姉又はキモウトによる
尋常ではない独占欲から・・ライバルの泥棒猫を抹殺するまでの

お兄ちゃん、どいてそいつ殺せない!! とハードなネタまで・・。

主にキモ姉&キモウトの常識外の行動を扱うSSスレです。

■関連サイト

キモ姉&キモウトの小説を書こう第二保管庫@ ウィキ
http://www7.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1.html

キモ姉&キモウト小説まとめサイト
http://matomeya.web.fc2.com/

■前スレ
キモ姉&キモウト小説を書こう!part22
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1248699625/
2名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 17:30:50 ID:5BUSR7Lh
3名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 17:31:11 ID:5BUSR7Lh
■20スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242318704/
■19スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237810118/
■18スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234811862/
■17スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1231856153/
■16スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1228375917/
■15スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225361041/
■14スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1219681216/
■13スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214584636/
■12スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1211102097/
■11スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208334060/
■10スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204530288/
■9スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part9
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1202484150/
■8スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part8
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200062906/
■7スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part7
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196281702/
■6スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part6
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193888223/
■5スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190487974/
■4スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187005483/
■3スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1181762579/
■2スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179863962/
■初代
キモ姉&キモウト小説を書こう!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176013240/
4名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 17:31:39 ID:5BUSR7Lh
■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありません
5名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 17:32:05 ID:5BUSR7Lh
■誘導用スレ

嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 第55章
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1241841361/
ヤンデレの小説を書こう!Part25
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1248569652/
お姉さん大好き PART6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1216187910/
いもうと大好きスレッド! Part5
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1230646963/
6名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 19:08:18 ID:sJRttNuV
>>1
キモスレ姉ちゃんももう23か……
そろそろ結婚とか考えてほしいな
7名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 19:26:05 ID:bcZXit7i
>>1乙 
8名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 20:46:13 ID:GX6gGfLg
>>6
結婚相手が既に目の前にいるから
考える必要が無いんだろう
9名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 22:47:38 ID:hVaF5dbo
オネーチャンズ23
10名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 00:19:17 ID:2SEqwYRW
今日も妹から逃げる作業が始まるお・・・
11名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 01:03:09 ID:lFm4xyCY
キモウトに追われるなんてそんな
むしろ自分から向かっていきますよ
12名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 23:12:10 ID:I1aW6hg/
才色兼備で品行方正でスポーツ万能な自慢の姉、でも彼女は…その全スペックを
僕へのストーキングに費やすキモ姉だったのです!

憧れも百年の恋も一気に冷めるな……まあキモ姉には、んなもん関係ないだろう
けど…廃スペックなキモ姉怖い。
13名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 23:43:46 ID:zT3ZD18U
>>12
廃スペックだと?

ヒキオタプーでホモスキーでショタスキー。
弟大好きが高じて盗聴器を仕掛けたり、ゴミ箱のティッシュやベッドの上の毛を漁る美人でナイスバディの姉か。

14名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 02:17:05 ID:/9Nl84ih
>>13
世間から見たら残念な人間だけどこのスレにとってはご褒美な人間だな
15名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 04:06:09 ID:LU61HW00
やっぱりキモ姉キモウトスレの住人でもキモ姉萌えとキモウト萌えにわかれるの?

ちなみに俺はキモ姉もいけなくはないがキモウトのほうが好物だ
リアル姉がいるのが関係してるのかもしれん
16名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 04:51:14 ID:0oRPGeU/
俺は全く逆の理由でキモ姉の方だな
17名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 05:27:24 ID:lrdGncTO
廃…廃ねぇ…
廃と聞くとまずネトゲを連想するネトゲーマーな俺

一緒にネトゲを始める兄とキモウトとか…
1:可愛いキャラグラフィックに見惚れて最初は女キャラでスタートしようとする兄
2:しかしキモウトの猛烈な抵抗に遭ってしぶしぶ男キャラでスタート
3:他のプレイヤーが操作してる女性キャラとのフラグはキモウトが片っ端から破壊
4:そのうちゲームに用意されてる結婚システムによって兄とキモウトのキャラが結婚
5:ここからキモウト壊れ開始。まずリアルでも兄の事をネトゲの兄のキャラ名で呼ぶようになる
6:それと並行してキモウトのキャラ名で呼びかけないと反応が無くなる
7:キモウト、重度のネトゲ廃人と化す。最早ネトゲ>>>リアルの状態
8:当然家族が止めに入るも兄と自分は夫婦だと信じて疑わないキモウト
9:リアルとネトゲの区別がつかなくなったキモウトに兄が逆レイープされる
蛇足:↑の結果兄の子を妊娠することでようやくリアルに帰ってこれたキモウト

うーんダメか
18名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 07:21:38 ID:6hYna+K5
いや、完璧だ・・・
19名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 07:49:41 ID:8F5BFN4Y
頭の回転、ハンニバル=レスターの如く
用意の良いこと、ルパン三世の如く
潜入すること、ソリッド=スネークの如く
執念深きこと、山村貞子の如く

ありとあらゆる障害や妨害を、知恵と勇気と策略と姦計と美貌と執念とその他もろもろ
で乗り越えて、愛しの弟君に夜這いを掛ける廃スペックキモ姉。
20名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 09:03:34 ID:793icTSD
なんたるハイスペックw
21名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 09:25:05 ID:/9Nl84ih
>>19
ライバルを排除する能力=デューク東郷
変態っぷり=変態仮面

十分フュージョンしてるがこれも加えたら無敵だな

とあるスレの女の変態名ゼリフ
ナプキンを投げつけて受胎能力をアピール
「ヌシの子、三日で産んでくれようぞ!ポロポロモリモリじゃ、がははは!」
22名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 15:43:38 ID:Ttls7w/o
前スレ姉さんが無事完走したようだ

……僕もそろそろ自立しなきゃ
23名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 16:49:24 ID:0EvssPil
>>22
兄さんはだらしない生活が身に付いてます。
だから私がキチンと監督しますからね!

そう言って一人暮らしの兄の家に乗り込むキモウト。
24名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:47:56 ID:xZjk+szr
前スレの埋めネタとして書いたんだけど、もう埋まってた…
一応投下しますね〜。
前スレ>>328の続きです。
25名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:48:49 ID:xZjk+szr

「はぁ〜、疲れたぁ〜…」
車の鍵をテーブルに置き、リビングのソファーに無防備に倒れ込む。

お風呂から、シャワーの音がリビングまで響き渡ってくる。
愛しの兄が今、汚れをとるために身体を洗っている最中なのだ。

――兄を連れて帰って来た私は、まず兄をお風呂に連れていった。
臭い香水の匂いが兄の体からいつまでこびりついてたので、ご飯より先にシャワーを浴びてもらうことにした。

「あの服は明日捨てよう…あっ…お兄ちゃんの携帯も替えなきゃ…それから…それから…。」
考えれば山ほど出てくる悩みの種。
お兄ちゃんの事だから苦にはならないのだけど、汚れを取るのは私なのだから少しは考えてほしい。

――「でたぞ?」
ソファーに顔を埋めていると、お風呂から出てきたお兄ちゃんがリビングに入ってきた。

「そう…それじゃ、チェックするね。」
お兄ちゃんにそう言うと、ソファーから立ち上がりお兄ちゃんに近づく。

「ちょっ!?」

「なによ?」
兄の体臭をチェックしていると、何故かお兄ちゃんが私から逃げるように離れた。

「な、なんで頭に鼻を押し当てるんだよ!?」
26名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:49:34 ID:xZjk+szr

「こうしなきゃ、わからないでしょ?」
もう一度首を片手で掴み、此方に引き寄せる。
少し抵抗されたが、逃げないようにもう片方の手をお兄ちゃんの背中に回し、しがみついたままお兄ちゃんの頭に鼻を擦り付けた

「すぅ〜はぁ〜…すぅ〜〜〜〜はぁ〜…」
お兄ちゃんの匂いが私の鼻を通って身体の中を支配する。

私が幸せを感じる数少ない時間…。

「うん、臭いのは無くなったねっ!」

「お、俺ってそんなに臭かったのか?」

「違う、違う。お兄ちゃんが臭いんじゃなくて、周りの虫が臭いの。」

「虫?」

「まぁ、いいじゃない。もう無くなったんだし……あっ、そうだっ!」

「はぁ〜、次はなんだよ?」
ため息を吐き、軽く私を睨むお兄ちゃん。

「歯も磨いた?」

「歯?磨いたけど…」

「それじゃ、チェックねっ!私の鼻をパクって口でくわえてみて♪」

「はぁっ!?」
驚いたように私から離れようとするお兄ちゃん……だけど逃がさない。

「ほらっ!あ〜んってして、あ〜んって」

「うッ……あ、あ〜ん」
私の顔を恥ずかしそうに見たあと、ゆっくりと目を瞑り口を小さく開けた。
27名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:50:19 ID:xZjk+szr

「ふふっ、可愛いい…それじゃ、失礼しま〜す♪」
このまま口の中に私の舌を入れたらどうなるかしら…?ビックリして私の舌を噛むかも…。

色々な事を考えたが、匂いチェックにならないので、仕方なく鼻を口の中に入れる。

「ウゥッ…」
苦しそうに嗚咽する兄の口から息が漏れてくる…。
唾液が私の頬をつたい、私の唇に到達する…。それを優しく舐めとると、身体に電気が走ったような感覚に見舞われた。
歓喜で足がガクガクッと震え、崩れ落ちそうになるのをお兄ちゃんにしがみついて耐える。

「ぷはぁっ…ゴホッ、ゴホッ!もういいだろ…」
私の鼻から口を離すと咳き込みながら喉を押さえて涙を流した。

「ふふっ、そうね。大丈夫みたい。」
お兄ちゃんの唾液でベトベトになった鼻を手で拭き取る。
けしてタオルでは拭き取らない…後でこの手を使ってオナニーするからだ。

「それじゃ、次は私の番ね。」

「ふぇっ?」
よく分からない声がお兄ちゃんの口から出てきた。

「だって、不公平でしょ?お兄ちゃんばっかり…だから私もお兄ちゃんの鼻を噛むからこっちに来て。」
そうしないと私の身の潔白を証明できない。朝と夕方の食事は私達二人で食べると決まっている。
28名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:51:11 ID:xZjk+szr
…まぁ、私が勝手に決めたルールなのだけど、私が作ったルールを私自身破ることは絶対にしてはならない。

お兄ちゃんに疑われるのだけは絶対に嫌……って言う建前はおいといて。単純な話、お兄ちゃんの体を味わいたいのだ。

「ほら、こっちに来て…来ないと…」

「わ、わかった、わかったからッ!」
私の話を聞く前に慌てたように此方に走り寄ってきた。
やはりお兄ちゃんは私の宝物…いつも私のワガママを聴いてくれて、いつも私のそばに居てくれる。

お兄ちゃんも私と同じ気持ちに違いない。
ただ、今日はちょっと魔が射しただけ…。
お兄ちゃんは純粋な心の持ち主だから騙されやすいだけなのだ。

「ふふっ……あ〜ん…」
パクっとお兄ちゃんの鼻をくわえる。
くわえ込んだ瞬間、お兄ちゃんの鼻に私の舌を擦り付けた。

「うっ、ちょっ!」
お兄ちゃんの声を無視し、舌でお兄ちゃんの汗を舐めとる。

「う〜、おいひぃ〜っ!はむっ、むちゅっちゅ…おにぃちゃッ!れろっ…はむっ、ちゅるるる〜。」

「ひゃっ!?や、やめッろ!」
絶対に離さない。
暴れるお兄ちゃんを押さえつけて、鼻の穴に舌をねじ込み唾液を送り込む。
29名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:51:59 ID:xZjk+szr

お兄ちゃんの鼻を舐めれば舐めるほど私の股は愛液でヌルヌルになっていく。
このままオナニーしたいが、流石にオナニーしている場面なんてお兄ちゃんに見られたくない…。身体の底から持ち上げてくる欲望を押さえつけ舐めることに専念する。

――「っぷはぁ……ふぅ〜…ふふ……ちゅっ…」

「はぁ…はぁ…」
10分ほど丹念に舐め、鼻から口を離す直後小さくお兄ちゃんの鼻にキスを落とした。

名残惜しいが私も風呂場に向かわなければフローリングが水浸しになりそう…。
愛液が私の足をつたって徐々に下に垂れてきているのだ。

「ちょ、ちょっとお風呂にいくね。」


「はっ?」
意味が分からず私をポカ〜ンと眺めている。
その目線だけでイキそうになる…お兄ちゃんは隠れSなのだろうか?
スカートの中に手を突っ込んで激しく動かしたい衝動に刈られるが風呂場まで我慢しよう…。
「はぁ…はぁ…ふぅ〜…我慢できるかな…」
廊下の壁に手をつきながらフラフラと風呂場を目指す。

風呂場まで無理なら途中にあるトイレで静めれば…




「……トイレ?」
そうだ、忘れてた…。
家に帰って来たら一番始めにしなきゃいけないことがあったんだ…。
30名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:52:45 ID:xZjk+szr

「ふふ…あははっ…」――振り返りもう一度リビングに向かう。

今からすることを考えると自然と笑みがこぼれてくる。
その時、お兄ちゃんに体をすり寄せてオナニーしよう…。

「ふふっ、お兄ちゃ〜ん♪」
リビングの扉から顔を覗かせると、私が風呂場に向かったと思っていたのだろう…ソファーに項垂れるように座っていたのに、私の声にビクッと反応した。

「私と一緒に……トイレに行こっか?」

31名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:55:14 ID:xZjk+szr
ありがとうございました。
終了ですよ。
32名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:58:30 ID:ADSVNQy7
>>24
おぉ!リアルタイム投下GJ!
これまたキモイなwww
33名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 01:02:07 ID:wapXTILY
エンドレス夏厨
34名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 02:39:50 ID:G2ST1k/p
>>31
GJ!これは続きがあると見て宜しいのですね!?

妹さん、トイレに連れ込んで何する気なのか・・・まさか飲にょ(ry
35名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 03:29:36 ID:69KKDK6W
鼻か。そのハッソーにフットーしそうだよぉっ!
36ポン菓子製造機 ◆lsywFbmPjI :2009/08/30(日) 04:47:57 ID:A3r/7N0h
最近solaを見て蒼乃姉さんに激しくキュンキュンした私がキモウト長編ものを投下したいと思います。
題名は「青年の詩、少女の季節」です。

 初夏の緑に包まれた山々。その中を無粋に横切る国道の中腹。トンネルの手前で、俺は買ったばかりの中古のスクーターを路肩に停めた。
「……ここまできてやっと半分か」俺はポケットに突っ込んでいたくしゃくしゃの携帯地図を広げ、トンネルの位置を確認する。
かなり進んだ気がしたと思ったが、実際それほど進んでいなかったようだ。
山道ばかりだったのが進んだと錯覚させた原因なのかもしれないが。
「まだ半分?」俺の背後から妹の文句が飛んでくる。「遅いー」
「原チャリに毛が生えたようなスクーターじゃこれが限界だっつの」
実際隣町に行くだけの小旅行だって、もう十分長距離ツーリング状態だ。
目の前でぽっかりと口を開けるトンネルからは、大量の自動車の吐き出す排ガスの熱気が目に見えて漂ってくるようだった。
と言うか、確実に熱気がこっちに来ている。
「……そら」はぁ、とため息をつき、俺は背中につかまる妹の名を呼んだ。「ちょっと休憩しようか」
「うん」そらは答えた。
よっ、と声をあげてそらは歩道に降り立った。
俺も続くようにして歩道に降りたつ。
「うひゃー」そして、まるでアホのような声を上げた。「こりゃすごいわ」
歩道は海に面しており、急な斜面の下には新緑の原生林に混じってぱらぱらと集落らしき青や赤の屋根が見える。
真夏の晴れ渡った空と、北国の海は夏らしい色に染まり、それらを一望できる柵越しの目に映る景色全てがひどく綺麗だった。
「これはすごいわー」そらも俺と同じように妙に呆けた感想を口にする。
ふと、熱気を包んだ自動車の生み出した風とは違う、心地よい潮を孕んだ風が山間の国道に吹きわたった。
「きもちいー」横に立つそらは、んー。と声をあげて風を感じていた。
風はヘルメットからはみ出したそらの髪をさらう。そらの細い髪の毛は風を受け、ぱらぱらと宙を舞った。
「お兄ちゃん」不意にそらはこちらを向く。
普段兄貴と俺を呼ぶそらから、久々に聞けた言葉だった。
風の中、そらは笑っていた。俺の好きな、そらのいっぱいの笑顔。
そして多分これが、そらの笑顔を見た最後だと思う。
37ポン菓子製造機 ◆lsywFbmPjI :2009/08/30(日) 04:48:27 ID:A3r/7N0h
「ぁー……あじぃー」
照りつける夏の太陽の下、夏休みにもかかわらず夏季講習のために学校にやって来るはめになった哀れな学生たちで溢れる電停。
その哀れな学生の一人として、俺は電車を待っていた。
体をぐっと伸ばすと、講習でダレた体はそれに呼応するようにグキグキと嫌な音を鳴らす。
最近運動不足なのかもな。とひとりごちに思っていた時、俺は肩を叩かれた。
「千歳、お前も今帰るのか?」
「ああ、健史」
交友関係の広くない俺の数少ない友人、藤野健史は厚い眼鏡の向こうの目を緩ませ、にやりと笑みを浮かべていた。
「どうだった?今日の試験問題」
「とにかく英語が壊滅的だった。それ以外は上々だったけど」
「お前もか」
はぁ、と健史は肩をおとす。
「お前もか、と言うことはお前もか」
「残念なことにな」
俺もはぁ、と肩を落とした。逆に健史は少し救われたような表情になっていた。
「と言うか、アレって本当は特進科連中の問題じゃないのか?」
「言えてる。進学科の問題があんな難しいわけがない」
うんうん。と二人でうなずく健史と俺だった。
「って、そんなことはいいとして、千歳」健史はすぐに立ち直ったかのように、俺に言う。
「今日のカラオケ、結局どうする?」
お前本当に受験生かよ。と言うほどに健史は大学受験への緊張感がない。
と言うか、俺と健史の友人はほとんどそう言う危機感を持ち合わせていない。
なんせ定期テスト前にカラオケに行ってた連中だ。俺はそらが無理矢理連れ帰ってくれたおかげで助かったが、後のメンバーはかなり悲惨な状況だったらしい。(藤野はお得意の現代文と世界史でなんとかぶら下がっていたが、大の苦手の英語は補習ギリギリだったと言う)
「お前ら……まだこの前の定期試験で懲りてなかったのかよ」
ちっちっち、と健史は指を振る。
「千歳、俺たちは確かに受験生だ。だが勉強ばかりやっていたら考えが煮詰まっていずれ空気が限界まで入った風船のようにパンクする。つまり、だ。俺たちは勉強もいいが、息抜きとしてきっちり夏をエンジョイしなきゃいけないのだよ」
思いっきり屁理屈だ。
大体夏をエンジョイするのにカラオケ行くのか?と無性に訊きたい。
しかし、この後特に予定もないし、一応我が親友の誘いとあらば受ける他ないだろう。
「…………まぁ、お前が行くなら行ってもいいけどな」
「流石千歳……っと、やっと来たな」
道路の向こうから二両連節の路面電車が草色の車体を揺らして、風と共に縁石で築かれた電停へと舞い込んだ。
俺たちが乗り込んだ時にはほとんどガラガラだったはずの連節車は、学生服の集団で全ての座席が埋まっていた。
仕方ないな。と、俺と健史は渋々吊革につかまる。
電車は大げさなモーター音を響かせ、しかしゆっくりと動き出した。
38ポン菓子製造機 ◆lsywFbmPjI :2009/08/30(日) 04:49:26 ID:A3r/7N0h
「ところで、他の奴らは?」
「雄ちゃんとヒロシは理系だからまだ試験、杉ちゃんはなんか進路のことで調べ物だって」
「安田は?」
まだ説明されていない友人の名を訊くと、健史は何も言わずに携帯を取り出すと、何やら画面を操作する。
「電車の中は携帯はダメだろ」
「優先席付近だけだ。それ以外はマナー推奨ってだけであって」
一通り屁理屈をこねると、健史は携帯を俺に突きつけた。
脂で汚れた液晶画面には『今着いたから、先に部屋取っておくZE』とだけ書かれた、俺もよく知る友人のメールが表示されていた。
送信時間は一一時四二分。俺たちがちょうどあの非情なる英語の模擬試験を受けていた時間帯だ。
「…………そういや、今日あいつ見てないな」
「そう言うこった」
早い話が夏季講習ブッチだ。
「ふざけんな」苦笑交じりに呟く。
「後で講習メンバーで安田ボコろうぜ」健史は冗談なのか本気なのかわからない口調で言った。
俺はいやに健史のさわやかな笑顔を眺めながら、電車の振動に合わせて身を揺らしていた。
「…………あ」
ふと、俺はそらの事を思い出した。
一応同じ高校に通っているものの、ある部分では俺以上にズボラな我が妹は夏季講習なるものを受ける気すらなかったようで、今日も俺が出る時にはまだ布団の中だった。
「……のクセに放っておくとしっかり俺の分も昼作るからなぁ」
俺はブレザーのポケットから携帯を取り出し慣れた手つきで展開すると、メール画面を呼び出す。
「電車の中は携帯はダメなんだろ?」
「お前も開いてたし、マナーモードにして、通話はおやめ下さいって言ってるんだ。メールはダメとは言ってない」
そう言っている間にも予測変換を多用した、短いメールが出来上がった。
『今日カラオケ行くんで昼いらないから』
作成時間一分にも満たないメールを妹の携帯に向けて送信すると、俺は再び携帯をブレザーのポケットに押し込んだ。
冷房こそないが、窓を全開にして走っているからか、電車が進むたびに窓の外から涼しい風が車内へと入ってくる。開いた窓の斜め後ろと言うのは風の当たるベストポイントだ。
車窓には見なれた景色が流れてゆき、俺も健史もあまり変わり映えのしないその景色を眺めていた。
不意にポケットの携帯が、着メロの節に合わせるようにして震える。俺は携帯を取り出すと、慣れた手つきで携帯を展開する。
そらからのメールだった。少し待たせたにも関わらず、内容は『了解』の二文字と言う手抜きである。
まぁ、そららしいと言えばそららしいが。
携帯をしまうと、流れる車窓に行きつけの東急ストアが映った。
「…………後で本でも買っていくか」遠ざかってゆく東急ストアを眺めながら、俺はそう呟いた。
39ポン菓子製造機 ◆lsywFbmPjI :2009/08/30(日) 04:50:02 ID:A3r/7N0h


「バカ」
時計の音以外、何も聞こえないようなダイニングで私は呟く。
手元にはまだ買って間もない携帯が無造作に置かれている。
兄貴からのメールを返して以来、ずっとそこに置きっぱなしの携帯電話。
「お昼どうする気よ、バカ兄貴」
あの兄のことだ、どうせコンビニでおにぎりか何か買って済ませて、帰ってきてから買い置きのお菓子を貪るに違いない。
「ほんと、バカ」
私は食卓テーブルに伏せた。
「私、なんであんなバカ兄貴のこと好きなんだろ」

私が兄貴を好きになったのは、まだ私が兄貴のことを「お兄ちゃん」と呼んでいた頃。
母さんがまだ生きていて、父さんがまだ壊れていなかった、私たち家族が今より幸せだった時代。
どうも私は天性的にブラコンのケがあったのか、物ごころついたときからいつの間にかほんのりと兄貴のことが好きだった。
しかし、確定的に兄貴に恋してしまったのはきっとあの時だろう。
私が七歳の夏休み、父さんが久しぶりに連れてってくれた隣町の水族館。あの日、私は兄のとなりでイルカショーを見ていた。
ショーの中盤、調教師の女性がショーのエキストラを観客の中から探し始める。期待に満ちた視線が周りからいっぱいに溢れるのを感じながら、私も同じように視線を注いでいた。
『あ、そこの女の子。キミに決めた!』
女性はそう言って私を観客席からイルカのプールの前に連れ出す。後ろからはよかったな、そら。と父さんと母さんの声。
エキストラの仕事はプールの前に並んだイルカに餌をあげるコトで、女性から餌の魚が入ったバケツを手渡された私はちょこちょことイルカの近くに寄る。
と、イルカの前までやってきて、私は立ち止まった。
間近に見て、イルカが怖くなったのだ。
鋸のような歯を備えた、大きな凶悪な口が今にも私のことを食べてしまいそうな錯覚が一瞬にして私の中を駆け巡る。
餌をやったら一緒に食べられるんじゃないか。そう思うと、私は怖くて仕方がなかった。
私はぺたんと膝をついて、よそいきの服を濡らしてしまうのもかかわらず泣き出しそうになった。
何分、いや、きっと何十秒だったのだろうが。とにかく私には何分もかかったように感じられた時間を終わらせたのは、右肩をたたく、私よりも少し大きな手だった。
涙を浮かべた顔で振り向けば、そこには兄の姿があった。
『大丈夫』兄は優しい声で言い聞かせる。『ぼくがついてる』
そのとき、兄は私にとっての無敵のヒーローのように思えた気がする。
半泣きのまま私はうなずくと、震える手を兄に支えてもらいながらもイルカへ餌をやっていった。
結局イルカは私を食べず、魚を与えられたお礼に宙返りジャンプを披露してくれた。
だが、私はイルカのジャンプのことをよくは覚えていない。
ずっと無敵のヒーローの顔を眺めていたから。
そのとき胸がくぅっと抑えつけられるような奇妙な感覚を、私は初めて知った。

「あの時の格好良かった兄貴はどこ行ったのよ……」
よく家に訪れる濃い友達たちとキーの合わない声優ソングを熱唱する兄貴の姿を思い浮かべると、私はため息をつきたくなった。
「ほんっと、バカ」
40ポン菓子製造機 ◆lsywFbmPjI :2009/08/30(日) 04:50:24 ID:A3r/7N0h


結局俺が古マンションの八階に位置する自宅に帰ってきたのは、午後五時を回ったころだった。
エレベーターを降り、陰気な長い廊下の途中の重い鉄製の扉を引く。鉄扉はまるでホラーゲームの演出のごとき音を立てて、ゆっくりと開いてゆく。
靴を脱いで早々に俺は入ってすぐの自室へと足を運んだ。
「お帰り、兄貴」出迎えたのはそらの声。
「ああ、ただいま。そら」
兄妹兼用の自室で、そらは二段ベッドに寝転がってDSに興じていた。
静まり返った部屋に、そらがボタンを鳴らす音と、ゲームのそれらしい技名を叫ぶ賑やかな声が響いていた。
「なにやってるんだ?」
「兄貴がこの前クリアした奴」
そうか。と俺は適当に答える。この前クリアしたのと言えば、途中でダレて時間かけたあのRPGだろう。
と言うかこのハードで恥ずかしげもなく技名を叫ぶゲームなど、俺の持ってる中ではあれしかありえない。
「楽しいか?」
「結構。言ってること自体はさぶいけどね」
「ま、最近のRPGなんてそんなもんだろ」
戦闘が一段落したらしく、そらは顔を俺の方に向ける。
「カラオケ、楽しかった?」
「ん、まぁな。いつものごとくみんな暴走してたけどな」
「ふーん……」
どうもまた戦闘に巻き込まれたらしく、そらは顔をまたゲームに戻し、技を連発する。
「あ、そうだ」俺はごそごそと鞄をあさると、小さめの書店の紙包を取り出した。
「前にお前から借りた本の続編、帰りに東急ストアで買って来た。先に読んでもいいぞ」
俺はそらの机の上に本を置くと、二段ベッドの上段へよいしょとへりに足をかけて昇る。
そして制服のまま二段ベッドの上段にダイブした。
例えいかなる状況でも、布団に寝転がってる時は至福の時だと思う。
「兄貴」そらが言う。「中華と洋食、どっちがいい?」
「中華」一瞬の隙も与えない即答だ。
「オーケー」
ゲームの電源が切られたのか賑やかな音楽が消え、すぐにそらがベッドの下段からのっそりと這い出してきた。
「飯なら手伝うぞ」
俺はベッドの縁に手をかけようとする。
だが、俺の手がベッドの縁を掴むよりもそらの口の方が早かった。
「いらないわよ、バカ」そらはそう言い残して、食堂の方へと走り去ってしまった。
41ポン菓子製造機 ◆lsywFbmPjI :2009/08/30(日) 04:51:08 ID:A3r/7N0h


「ったく、ロクな番組やってねぇなぁ」
せわしなく番組の入れ替わる居間のテレビを眺めながら、リモコンのチャンネルボタンを連射する。
しかし、そのままリモコンを連射していても埒が明かないのでとりあえず適当なチャンネルに固定して、しばらくその局を眺めることにする。
運の悪いことにランダムに入った局でやっていたのは、俺が嫌いな最近流行りの馬鹿馬鹿しいクイズ系バラエティだった。
「…………やっぱ変えよ」俺はリモコンを握り、再び別の局に変える。
そのとき、玄関扉がまたホラー映画のような音を上げて開く。
誰が入って来たのかは見ないでも分った。
と言うか、俺とそら以外でこの家の扉をインターホンもなしに気安く開けられる人物など一人しかいない。
そして、その一人は居間のドアを開けた。
「ただいま、千歳」
「ああ、お帰り。父さん」
父さんは隣の和室へ向かい、やれたスーツを掛けると居間に戻ってソファに腰掛ける。
その横顔はまるでこの前やっていた映画の、追い詰められた独裁者に似ていた。顔自体は別に不健康な兆候はないが、威厳と言うものを感じられない、どこか疲れた表情。
それが母さんが死んでからの、壊れた父さんの横顔だった。
「これ」父さんは口を開く。「面白いのか?」
「見てればすぐわかるよ」
俺は麦茶を注ぎに台所に向かう。しばらく父さんはテレビを眺めていたが、やがてチャンネルを変え始める。
「わかった?」
「ああ、よくわかった」呆れ顔で親父は言った。
「…………ところでそらは?」
「シャワー」
そうか。と答えると父さんは台所へ向かう。
「今日の飯、マーボー茄子だから」
父さんはこくりとうなずく。
そして食器の鳴る音がしばらくすると、父さんは食器の入った盆を持って再び居間に戻ってきた。
「どうしたの?」
「いや……なんとなくな」親父はテーブルの前に腰を降ろし、黙々と夕食をとりはじめた。
「家のことでなんか変わったこととかないか?」
父さんは味噌汁をすすりながら、いきなり訊いてきた。
「何もないよ」
「そうか……」父さんは今度はマーボー茄子をつつく。「……そらの様子はどうだ?」
「なんでいきなりそんな事を?」
「いや、なんとなくだよ」柔らかくそうは言ったが、父さんは煮え切らないような、どこか焦りに似た含みのある表情をしていた。
なんとなく、なんかじゃない。とすぐに俺は思った。
「…………そらはいたっていつも通りだよ」
「…………そうか」父さんの顔から含みが消える。
「大体、なんで俺に聞くの? そらの事ならそらに聞けばいいじゃん」
「……俺じゃ駄目なんだよ」
父さんはほとんど具の無くなった味噌汁を飲み干して、言った。
「お前じゃないと駄目なんだ。俺だと、色々とまずいことになるからな」
そして、父さんは一言も口を発さないまま、黙々と夕食をとり続けた。
「……なんなんだよ」俺は何が何だか分からないままだった。
「時が来ればわかるさ」
父さんはごちそうさま。と小さく呟くと、食器の入った盆を持って、立ち上がる。
台所に食器を置くと、そのまま何も言わずに父さんは自分の寝室に使っている隣の和室へと消えていった。
いったい何が言いたかったのか。と思ったが、あの壊れた父のことだろう。どうせあまり大したことじゃないはずだ。
そのうちに和室からかちゃかちゃと音が聞こえ始めた。恐らく仕事の続きを始めたのだろう。
俺も部屋に戻ろうと思い居間の扉へと向かおうとすると、不意に脱衣所の扉が開く。
「兄貴ー」扉からは風呂上がりの濡れた髪をタオルでまとめた、パジャマ姿のそらが現れる。「父さん帰って来たの?」
そらの間延びした声に、首を縦に振って答えた。
「とっとと飯食って仕事の続き始めちゃったけどな」
「ふーん」そらは迷わず台所へと向かい、流しの横に伏せられたコップに水を注ぐ。
コップの中の水道水を飲み干すと、ぷはぁっ。と大げさな声をあげて、口の周りの水滴をぬぐった。
42ポン菓子製造機 ◆lsywFbmPjI :2009/08/30(日) 04:52:15 ID:A3r/7N0h
「サウナの後でビール飲む親父かよ」
「いいじゃん、どんな飲み方したって」
そらがまさにいー! とでも言わんばかりの顔で、俺を睨む。
不意に俺はテレビの方を振り返ると、テレビの中ではまた最近売れだした芸人が下ネタを飛ばしている。
「そら、消していいか?」
「うん」いつものように即答だった。
俺は何も言わずにテレビの電源を落とすと、もう用はないとばかりに居間を出る。
そらもそれに続いて、俺たちは二人揃って共用の寝室に戻ってくる。
俺はすぐにベッドのへりに足をかけ、上段に上った。この二段ベッドには階段なんて上等なものは付いていないので、上段を使うのは実は意外と面倒だったりする。
こんなことならどちらか上段か喧嘩せず、そらに大人しく上段を譲ってやればよかった。と使い始めてから三年くらいから思い始めていたりする。
同じように下段にそらが下段にもぐりこんだようで、もそもそと布団のずれる音が俺の耳に入った。
不意にとんとん、とベッドの天板が蹴られる。
「どうした?そら」俺は訊く。こうやって天板を蹴る時はそらが俺に何か言いたいときだ。
「あのさ、兄貴」しばらくの沈黙の後に、そらは呟くように言う。「本。ありがとうね」
「ああ、俺は読めればいいから」俺は生返事をすると、パイプ枕に手首を添え、DSの電源を入れた。
ソフトはピンクの球体が冒険するアクションゲーム。少し古いソフトだが、俺の中での鉄板だ。
「兄貴」再びそらの声。「わたしもやっていい?」
「むしろやってくれた方が助かる。一人じゃヘルパーマスター出来ないし」
「了解ー」間延びした声でそらもDSに電源を入れる。
結局、俺たちがゲームをやめて寝たのは一時を回って少ししたころだった。
43ポン菓子製造機 ◆lsywFbmPjI :2009/08/30(日) 04:55:02 ID:A3r/7N0h
ここで投下終了です。
実はこの話、結構実話成分が高いです。どの辺が実話なのかがご想像にお任せしますが。
あとこの作品内では演出のため路面電車内で携帯を使っているのであって、実際に電車の中で携帯をいじるのは絶対にやめてください。
44名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 08:51:58 ID:G2ST1k/p
>>43
GJだ!
この時点では妹はまだブラコンってだけっぽいね
てか半フィクションなのか……三次キモウトも探せば見つかるもんなのかな
45名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 11:53:45 ID:zBwgTn+p
>>43GJ
46名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:24:25 ID:wpeo47Nr
関係ないけど作中で現実のメディア非難多いな
下らないのは分からんでもないが
47名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 13:50:43 ID:ZYkcQOJl
ていうか深夜からゴールデンに移ると急に面白くなくなる
黄金伝説とか深夜だった頃の方が絶対面白かった
48小ネタ キモウト戦争:2009/08/30(日) 14:06:38 ID:7hz5OVcO
なんだか毒電波が来たので投下します

西暦20XX年
世界中のキモウトは泥棒猫その他を抹殺し、愛する兄達を追い詰めつつあった
その動きにただ貞操が奪われるのを待つだけとなった兄達は一斉に蜂起し最期の防衛線を旧日本国某所に展開し徹底抗戦の意思を見せる
次々と犯されてゆく盟友達に黙祷を捧げ、地下に潜りながら戦い続ける兄達
そして、その貞操を終わらせようとしている兄達がここにも二人

「ここももう保ちそうにないな・・・」
「そうだな」
俺は幼馴染のユウヤとこの地下シェルターに立て籠もっていた
俺の妹のチナツとユウヤの妹のユウナギから逃げ回って二日、よくやった方だろう
「へっ、まさか最期の最期まで腐れ縁とはな」
ユウヤが苦笑する
「まったくだ」
俺もユウヤに笑い返す、恐怖をひたすら虚勢を張って隠したぎこちない笑みだった
二人のキモウトが俺達を探してこのシェルターに勘付き始めている
キモウトの接近を前にしてへらへらと笑っていられるユウヤが俺は少し羨ましかった
「兄さん、そこに居るんですね?」
どこかからチナツの声がする、遂に見つかったようだ
「鬼ごっこは終わりですよ、ふふっ・・・美味しそうな兄さんの匂いがする・・・」
「お兄ちゃん、どこぉ?あたしもう我慢できないよぉ・・・んっ」
最後の声はユウナギのものだ、ユウヤの顔からも余裕の色が消えている
しかし何か覚悟を決めるとユウヤは支給されていたライフルを取り立ち上がった
「どうせ最期だ、思い切り抵抗してやろうぜ」
立ち上がった幼馴染の顔には最早何の迷いもなくて
俺もいつしかライフルを手にしていた

以上でした選挙ダルいな
49名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:07:42 ID:pNH73ULh
ていうかたまに勘違いしてる奴いるが
電車の中で携帯いじること自体はマナー違反でもなんでもないから
50名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:14:42 ID:KZqO5R8S
電車の中で新聞を広げて読んだりゲームやってたりiPod聴いてる音が洩れてたりはどうよ?
よくわからんが携帯以外はOKなのか?車内での携帯通話はアウトってくらいだと思うんだがな
51名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:14:37 ID:SF5+pYI2
>>31
ああ、この前の人だったのか。GJです。
しかし話数が進むにつれて、どんどん妹がキモくなるな……

>>43
兄妹の日常的な会話の部分がノンフィクションだと邪推しつつ、GJを。
まだただの強ブラコンって感じなので、以降の話でどう変化するか、楽しみにしています。
あと関係ないけど、投稿中にまでコテ名を名前欄につけなくてもいいんじゃないかと。
ごめんなさい。正直レス進めるたびに見える「ポン菓子製造機」の文字が気になる……

>>48
まさに毒電波。選挙ダルいけど、こんな近未来戦争はいやすぎる。GJです。
……ってアレ? さりげなく日本が旧国になってる、だと……?


ところで、メディア批判談義も電車内携帯談義も、この場では心底どうでもいいと思う。
52名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:53:08 ID:G2ST1k/p
だな
お姉ちゃんや妹がキモけりゃカラスが白でも関係ない
53名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:54:07 ID:bEpfiVgJ
>>46
全体的になんというか若さあふれる感じがw
54選択:2009/08/30(日) 18:11:37 ID:SH/ERsU0

流れがよく分からないけど投下

1レスコピペ改変ネタ
『選択』



あるところに、キモ姉キモウト、そしてヤンデレな幼馴染に求婚されている男がいたそうな。
ヤンデレな方が三人も揃えば、血を見ない日が無く。
男は警察と病院の厄介になるような日々にうんざりしていた。
ある日、そんな日々に終止符を打つためこのなかから伴侶を選ぼうと決心した。

そうはいっても、どうやって選んだものか。
一人を選んだら、残りの二人がどのような行動をとるか。
惨劇が待っていることが簡単に想像ができた。

とりあえず、男は女たちに何故自分に惚れているのか訊いた。

姉は言った。
「なんでかって? なんか昔からずっと一緒だったからなんか欲情できるようになっちゃったのよ。
 欲情する……そう、それは本能! つまり本能が弟という存在を求めているのよ!
 さあ、ヤろう!」

よく分からなかった。
とりあえずこの姉は常に貞操を狙っていることは分かった。


幼馴染は言った。
「幼稚園のとき言いましたよね。私のことずっと守ってくれるって。
 そのときからずっとあなたのことを想っていました。
 だから責任取ってファックしてください」

幼馴染と初めて会ったのは小学生のときだったはずだが。
過去を捏造していることと、こいつも貞操を狙っていることは分かった。


妹は言った。
「……なんていうか、兄さん放っておけないのよ。
 だって兄さんの周りの女、頭のCPUが2bitしかないような奴しかいないんだもん。
 だから私が責任を持って兄さんの お 世 話 をしようかな、って思ってね」

他の二人と比べてまともそうなことは分かった。
が、『お世話』という単語にやたらと力が込められていたことに何か不安を感じた。


男は考え、そして選んだ。
この中で一番おっぱいが大きい幼馴染を。


血が、舞った。
55名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:33:15 ID:nfVoU0LR
>>54
聞いた意味ねぇwww
56名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:53:23 ID:lCJjPhpk
>>54
最終的な判断材料は胸かw

姉&妹「胸なんて飾りです!エロい人にはそれが解らんのです!」
57名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:34:03 ID:N9MaFpre
>>56
それはエゴだよ
58名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 21:52:00 ID:C0HhoqlT
>>54
随分と大掛かりなコピペ改変だなw
59名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:20:00 ID:Ura1BLlh
白いカラス……

何だかすごくときめく言葉だ
くそっ、このワードで何か思い付きそうなのに
60名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:22:24 ID:lCJjPhpk
>>59
狂から魔王だっけ?

俺は「キモ姉妹の、キモ姉妹による、兄or弟のための組織」を思いついたぞ
61 ◆EY23GivUEuGq :2009/08/30(日) 23:34:13 ID:tPAE6FSU
>>59
「お姉ちゃんがカラスは白いといったら白なの。だってお姉ちゃんは絶対に正しいもの
 だから弟君はお姉ちゃんとセックスしないといけないの。だってお姉ちゃんは絶対に正しいもの」

駄目だ、メンヘラしか思いつかん・・・


今回はちょっと長編っぽいのを投下しますよ
62贖罪 第1話 ◆EY23GivUEuGq :2009/08/30(日) 23:36:17 ID:tPAE6FSU
父と母が離婚をしたのは僕がまだ3歳の頃だった。
理由は良く知らない。母の不倫とか借金の問題とか、果ては両者の親同士の確執とか。詳しく聞いたわけでも話してくれた訳でもない。と
にかく二人は離婚し、僕とまだ2歳だった妹は離れ離れとなった。
僕は父に引き取られ、その後は生まれ育った街を出て田舎の小さな集落に移り住んだ。ここは父の姉、僕にとって伯母さんの家があり、僕
と父は叔母の家族に迷惑をかけぬ様に離れの小屋を借りて生活した。
父は元々トラックの運転手をしており、こちらに移ってからもその仕事を続けた。が、近くの大きな街から車で3時間以上かかるこの集落は
交通の便が非常に悪い。父も、そして叔母の旦那さんも基本は街の寮に住み込み、月に何度かこちらに戻ってくるといった生活を余儀なく
された。というわけで僕はほとんど父に会えず、叔母と叔母の一人娘、従姉妹の梢姉に囲まれて幼少期を過ごした。


「圭太〜! 飯の時間だぞ〜!」
小屋の一階から梢姉の大きな声が響いてくる。この小屋は一階が農作物や農耕器具等を収納する物置と化しており、二階部分にトイレ、小
さな台所といった生活部屋がある。小さな部屋ではあるが、父のいない平日などは一人で過ごすには中々快適と言え、特に不便は感じなか
った。それに食事や風呂、その他生活必需品は叔母の家が出してくれる為、「離れで暮らす」というよりは「一人部屋を貰っている」とい
った感じで生活していた。
叔母や梢姉も僕に良くしてくれ、特に梢姉は歳も近いせいか僕のことを本当の弟のように可愛がってくれているのだ。僕自身、3歳の頃から
こちらで生活している為、2人を本当の家族のように感じる部分もあった。
「あー・・・今行く」
寝起きの瞼を擦り、階段を下りていく。小屋の玄関の前では梢姉が携帯電話をいじくりながら待ってくれていた。
「寝起きか? 酷い顔してるな」
手を伸ばし僕の頬をグニグニと引っ張る。高校でバレーボール部部長を担っているだけあって、その攻撃は強烈だ。後で頬が赤く腫れるの
が簡単に予想できる。
「おお、男前になった」
「ひゃめい(やめい)!」
グイッと腕を振り払う。頬が熱でジンジンしているところを見ると案の定赤く腫れているようだ。口内炎になったらどうしてくれる。
「ははは、悪い悪い。圭太の顔見てるとつ〜い苛めたくなっちゃうんだよね〜」
片腕で僕を抱き寄せ頭を乱暴にぐりぐり撫で繰り回される。その際背中にEカップの巨乳が押し付けられるが気にしない。きっと梢姉も気に
していないだろう。学校では美人・巨乳・おおらかな性格で男女共に人気の八木梢。だが、僕にとっては小さい頃からずっと一緒に生活して
きた乱暴で、おせっかいで、それでいていつも僕の味方でいてくれる優しい梢姉なのだ。憧れの念はあっても女性として欲情してしまう、と
いった感情は抱いていない。
「さっ、飯だ飯。今日の肉じゃがは私が作ったんだ〜。食った瞬間『梢お姉ちゃん結婚して!』って言うこと間違いなし!」
「・・・前作ったカレーの時もそんなこと言ってたような・・・? そんでもって結局味は普通だったし・・・」
「お、おおう・・・あれは・・・その・・・ぜ、前哨戦ってやつ! 今度のはマジで凄いから!」
じゃれ合いながら家へ向かう僕達。僕も梢姉もこの生活が、空間がずっと続くと思っていたんだ。こんな風に笑い合いながら、いつまでも
幸せに過ごしていきたかったんだ。
だが僕は知らなかった。こんなにも幸せな生活を送る僕とは対照的に孤独と絶望に包まれながら生活を送る彼女のことを。母の親戚中をた
らい回しにされた挙句、施設に追いやられどこの誰ともわからぬ富豪に養女として引き取られた僕のたった一人の妹・沙織のことを。
まだたった2歳だった彼女がその後どんな体験をし、考え、生きてきたのかはわからない。ひょっとしたら幸せな生活を送っているのかもし
れない。富豪の家に引き取られたということは少なくともお金には困ってはいないはずだ、と、そんな風に考えていた時期もあった。が、
父と別れ、兄と別れ、母に捨てられ、人々に蔑まされた人生の中で彼女の幸せなんてあるはずが無かった。
そんな彼女の心に映っていたものは一体なんだったのだろうか。孤独と絶望しか知らぬ彼女がそれでも生きている理由。まだ幼い子供の彼
女を支えた「何か」。
それを知ったとき、僕はこの幸せな日常を捨てる道を選んだ。いや、選ばざるを得なかった、と言ったほうが正しいか。困っている人がい
たら手を差し伸べて助けてあげる、なんて生ぬるい偽善心なんかじゃない。「そうしなければならなかった」のだ。
63贖罪 第1話 ◆EY23GivUEuGq :2009/08/30(日) 23:38:15 ID:tPAE6FSU
写真の中の兄様はいつだって沙織に笑いかけて下さいました。黒い髪、クリッとした瞳、紅い唇。その全てが沙織にとって何にも変えがた
い大切な存在でした。
母の・・・いえ、「元母」の親族を転々としていたときの記憶はあまりありません。ただ、害虫を見るようなあの憎悪も瞳と元母のすすり
泣く声だけは今でもはっきりと覚えています。その母が病にかかり、泣く泣く沙織を施設に入れたのが4歳の誕生日の日。誕生日のプレゼン
トを買いに行く、と言って沙織を施設の門の前に残し、そのまま帰っては来ませんでした。
施設での生活はそれはつらいものでした。小学生の子供達同士で派閥が出来上がっており、新米の沙織はまるで奴隷のように扱われました。
施設の大人達も基本的に放任主義のようで、私が殴られようが蹴られようが助けに来ることは無く、お構いなしでしたね。神などいない、
他人はどこまでいっても所詮は他人。たった4年の人生で沙織が学んだのは「孤独」「憤怒」「絶望」。でも、兄様だけは、沙織のたった一
人の圭太兄様だけは沙織の味方だと信じておりました。どんなに辛い事があっても、痛くても、臭くても、不味くても、写真の中の兄様は
ずっと沙織に笑いかけて下さいました。兄様の顔を見るだけで、沙織は生きる勇気と明日への希望を心に蓄えることが出来ました。
きっと明日は兄様がここにやってくる。こんなにも虐められている沙織を助けにやってくる。兄様が、兄様がいるから、沙織はまだまだ頑
張れる。くじけずに、明日を信じて生きて行けました。

そんな沙織に転機が訪れました。
とあるお金持ちのおじさんがこの施設の子供達を買い取って下さったのです。このおじさんというのが今の沙織のお父様でいらっしゃる、
御門成之その人でございます。
買い取られた沙織たちはお父様が運営する、孤児専用の寮に入れられました。食事や衣服、その他生活水準が前とは比べられないくらい良
くなり、心に余裕が出来たせいか沙織を虐めていた子達はその後ぱったり沙織には手を出さなくなっていきました。ここには沙織たちの施
設以外の施設や孤児院から来た子供達も大勢おり、ここで生活をしながら自立を目指す者、養子・養女に行く者といったように各々が未来
ある生き方を選ぶことが出来ました。
沙織もここで兄様が迎えに来てくれるまで待つことに決めました。ですが、様々な虐めや体罰のせいで沙織は口も聞けず、人とも関わらな
い暗い人間になっていました。対人恐怖症、とでも言うのでしょうか。とにかく沙織は食事もせず、部屋からも出ずにずっと兄様を待ち続
けました。
そんな沙織を見兼ねたお父様が、沙織を御門家の養女として引き取ってくれたのがここに来てから1週間が経った日のこと。栄養失調の上、
対人恐怖症の沙織をゆっくり癒し、様々な知識を教えてくれ、まるで本当の娘のように愛を注いでくださいました。おかげで沙織はこの通
り、普通の人間として毎日が送れるようになりました。
ですが―――所詮お父様も「他人」です。お父様には敬愛の念、尊敬の念、感謝の念・・・言葉で表すのが勿体無いほどに溢れる思いで一
杯です。それでも、それでも沙織には兄様しかいません。沙織にとって本当に大切で、必要で、傍にいて欲しいのは他でもない兄様だけな
のです。
兄様は沙織の全てでした。辛い時も悲しい時も、ただただ兄様だけを想い、いつか一緒になれると夢に見ていました。兄様と共に暮らせる
のであれば、他には何もいらない。兄様と共に生きていけるのであれば、悪魔に魂をも捧げることだって出来ます。
会いたい。
会いたい。
会いたい。
会いたい。
会いたい。
あいたい。
あいたい。
あいたい。
アいタい。
アいタイ。
アイタイ。
アイタイ。

そして、ついに兄様を見つけることが出来ました。本当は兄様から会いに来て欲しかったのですが、この際そんなことはどうでもいいです
よね。ああ、ああ、ついに会える。兄様。兄様。兄様―――。
64贖罪 第1話 ◆EY23GivUEuGq :2009/08/30(日) 23:40:16 ID:tPAE6FSU
『1年B組の早瀬圭太君。至急職員室までお越し下さい。繰り返します。1年B組の―――』
お昼の弁当を食べようとした矢先に教室に響き渡る校内アナウンス。クラスの人たちが一斉にこっちを向き、何事かと言う目を向ける。そ
んな目で見られたって僕にもなんだかさっぱりだ。友人にちょっと行ってくる、と手を振り木造の校舎を駆け出した。
職員室に到着すると、扉の前では息を切らしている梢姉がいた。どうやら先程のアナウンスを聞き、急いで駆けつけたらしい。
「ちょ、ちょっと圭太、あんた一体何やらかしたの!?」
「いや、こっちが聞きたいくらい思い当たることが無いんだよ。・・・って、もしや!?」
「!! な、何!?」
「・・・恭介達と体育倉庫に隠したエロ本の山がバレたんじゃ・・・」
ガツン!! と脳天に雷が落ちる。が、梢姉の顔は幾分か安心したようにほっとため息をついた。
「ま、とにかく行ってみましょ。大した事じゃなきゃいいんだけど・・・」
「って別に梢姉まで行かなくてもいいんじゃ・・・」
「バーカ、私は圭太の姉代わりなの! 何かあったときは私も一緒に謝らなきゃ」
僕の腕を引っ張りながら職員室の扉をノックする。・・・やっぱり梢姉は優しい。こうやって一緒に来てくれるだけで、とても心強くなる。
昔から、何かあるといつも梢姉が隣にいてくれた。父がいなくて寂しい夜は一緒に寝てくれたし、嬉しい時は共に喜び、辛い時は励まして
くれた。梢姉に甘えていることはわかっている。だが、ぬるま湯に漬かりきったこの身を持ち上げるのを、もう少し、もう少しと引き伸ば
し、このまま包まれていたいと願う自分がどうしても存在していた。
結局僕は甘ったれで、弱虫で、何かにすがりついていなければ生きていけない卑怯者なのだ。「甘えていればいいじゃない」と梢姉は言っ
て、抱きしめてくれるだろう。だが、いつまでもそんなんじゃ駄目なんだ。人というのは人生のどこかで必ず、自分で決め自分で進む場面
に出くわすはずだ。だからこそ、僕の腕に伝わる梢姉の温かさがとても辛くて、プレッシャーとなって押し寄せるのだ。
「失礼します」
梢姉と僕が職員室へ入ると待ち構えていた国語の佐伯先生が寄ってきた。
「お、来たか早瀬・・・と八木? なんでお前まで付いて来とるんだ?」
「私は圭太の保護者兼姉ですから。で? 圭太は何をやらかしたんですか?」
「はぁ? ・・・いや、やらかしたってかそんなんじゃ無くてだな」
佐伯先生がこちらに向き直る。コホンと咳払いを一つ挟み用件を伝えた。
「早瀬、お前にお客さんだ」
僕も、梢姉も一瞬ポカンと口を開く。てっきり何か悪いことをしたのでは、と身構えていた為、一気に体の力が抜けた。
「客・・・ですか? 僕に?」
「ああ。それも黒い服を着た、いかにも『あっち系』の方が数人だ」
フゥ・・・と息を吐きながら佐伯先生は話した。というか訳が分からない。黒服? あっち系? 数人? 思い当たることなど何も無かっ
た。ただ、そんな方々が僕をご指名ということは・・・考えただけでチビりそうだ。
「誰かと間違ってるんじゃないですか? だいたい、そんな人たちが圭太に何の用で―――」
「会わせたい人がいるらしい」
梢姉の言葉を遮り、佐伯先生は答える。
会わせたい人? 何だと言うのだろう。父とこちらに来てから13年、そんな類の話は聞いてこなかった。それもヤの付く人たちが僕に会わ
せたい相手って・・・? 僕にそんな知り合いは・・・!! まさか、ひょっとして!!?
「早瀬、お前の妹さんだそうだ」
僕が気づくと同時に佐伯先生の言葉が耳に入った。
―――この時、本当に沙織には申し訳無いのだけど、僕は沙織のことなんてすっかり忘れてしまっていた。この集落での13年で、僕は母と
妹を完全に記憶の隅に追いやり、新たな生活こそが今の自分そのものであると信じ込んでいた。
だから、兄失格と言われるかもしれないが妹のことを思い出したとき『ああ、そんな人間もいたな』と、まるで他人事のような考えが脳裏
に一瞬でも横切ってしまったのだ。
「・・・今、来てるんですか? ここに・・・」
「どうやらそうらしい。黒服の連中に囲まれて、チラッと女の子が見えたからな」
唇は乾き、身体が沈む。何より、自分が妹の存在自体をすっぽりと忘れていたことに怒りと驚嘆を覚えた。
―――謝らねば。
それが瞬時に脳に浮かんだことだった。
65贖罪 第1話 ◆EY23GivUEuGq :2009/08/30(日) 23:42:11 ID:tPAE6FSU
職員用の玄関に向かう間、梢姉はずっと手を握ってくれていた。どうやら僕がかなり気落ちしていることを肌で悟ったらしい。理由は聞か
ず、こうして黙って励ましてくれるあたりが梢姉らしい。
「ありがと梢姉。もう大丈夫だよ」
職員用玄関に至る、最後の曲がり角で僕は手を離した。梢姉は名残惜しそうに手を引っ込めなかったが、やがてため息を吐きつつもそれに
従った。
「大丈夫。何かあっても私がいるから」
どうやらこのまま沙織との対面に付き添いをするつもりらしい。もうそろそろで昼休みは終わり、授業が始まるはずだ。一応授業に出なく
てもいいのか確認はしたが、「授業よりも圭太のほうが心配」と言われてしまった。その言葉に胸が温かくなる。自分は一人ではない、隣
にいて、見守ってくれる人がいる。
「・・・ありがと梢姉」


「お待たせしました」
玄関口には佐伯先生の言った通り、黒い服にサングラスをかけた男達がずらりと並んでいた。僕も、梢姉も一瞬たじろいたが、その真ん中
に佇む制服姿の一人の少女を見つけると僕らの動きも思考も停止した。

「お久しぶりでございます、兄様」

透き通るような可憐な声、長く美しい黒髪、人形のように洗練された顔。目の前に立つ妹・御門沙織は今まで見たどんな女の子よりも美し
く、優雅であった。女顔、とよくバカにされてはいたが、こうして見ると僕と顔が良く似ている。目元なんかが特に顕著だ。・・・と、そ
んなことを考えている場合ではない。とりあえず挨拶をするとしよう。
「え、と・・・。久しぶり、だね、沙織。元気そうで何よりだよ」
もう少し気の利いた台詞を吐けないものなのか。13年ぶりの兄妹再会だってのに、こんな挨拶をする兄がどこにいる。しかし、沙織の反応
は僕も梢姉も、周りの男達も吃驚するものだった。
「あ、ああ・・・兄様。に、兄様が沙織の名前を・・・」
人形のように整った顔をぐしゃぐしゃにさせ、沙織が僕の胸に飛び込んできた。そしてそのまま子供のように泣きじゃくりながら僕を力い
っぱい抱きしめる。
「あ、会いたかった・・・! ずっと、ずっと会いたかった! 兄様っ、にいさまぁっ!!」
こんな時、僕も涙を流し再会を喜ぶべきなのだろう。しかし、空気の読めない僕の瞳からは一滴の涙も流れなかった。

―――嬉しくない?
―――愛おしくない?
―――会いたかったわけじゃない?

沙織と再会できたのは素直に嬉しい。たった一人の妹だ、愛おしいに決まっている。・・・だが「会いたかったか」と問われて即座にイエ
スと答えられたかというと・・・正直分からない。多分僕はこう思っていたのだろう。「会えなくても元気でやっているとわかればそれで
いい」と。
彼女の、沙織の涙には僕のことをどれほど大切に思ってきたかが痛いくらいに伝わった。きっと、何年もずっと僕に会いたいと、そう思っ
ていたに違いない。こんな、たった一人の妹との再開に涙一つ流すことも出来ない僕なんかを・・・。
梢姉は黙って僕らを見つめている。その目にどんな思惑が宿っているかは分からないが、少なくとも僕らの再会を祝福してくれていること
はわかった。じんわりと目に涙を浮かべ、ぐっと唇をかみ締めている。こんな他人同士のことにも涙を流してあげられる梢姉を、僕はとて
も羨ましく思った。
「・・・沙織?」
「ぐすっ、も、申し訳ありません兄様。沙織としたことが取り乱してしまいました」
よれた衣服を整え、僕らに向かってゆっくりとお辞儀をする。優雅な仕草が特徴的な、見事な一礼だ。
「御門沙織、旧姓早瀬沙織。本日は兄様に会えて誠に感激です。ずっと、この日を待ちわびておりました」
66贖罪 第1話 ◆EY23GivUEuGq :2009/08/30(日) 23:48:25 ID:tPAE6FSU
授業開始のチャイムが鳴り響く。が、僕も、梢姉も、沙織も微動だにしない。そんな中、ふと沙織が梢姉の方に目をやる。
「そちらの方は?」
静寂を打ち破るような、凛とした沙織の声。勿論梢姉は沙織とは初対面だ。僕自身、何度か妹がいると話した程度である。ここは僕が両者
の間に立って、話を進めていかなくてはならない。
「今僕がお世話になっている、伯母さんの家の娘だよ。ずっと一緒に暮らしてきたんだ」
「はじめまして沙織ちゃん。八木梢といいます。よろしくね」
一歩前に出てスッと手を差し出す梢姉。ニコリと愛想のよい笑顔で沙織を見つめる梢姉は流石と感じた。僕は人と話すとき、相手の目を見
ていないとよく言われる。恥ずかしいのか何なのか分からないが、コミュニケーション能力の低い人に見られる傾向なのだという。だから、
初対面の人間にもこのようにしっかりと目を見て話をすることが出来る梢姉を、僕はいつも尊敬していた。
「こちらこそ宜しくお願い致します。兄が長い間お世話になり大変ご迷惑をおかけしました」
沙織は深々と腰を折り、もう一度丁寧にお辞儀をする。膝を地面につき、両手を前で合わせ、まるで殿様と家来のような対応の仕方だ。
この方法のお辞儀の為、梢姉と目を合わせることも、差し伸べられた手を握り返すことも出来ないのは仕方が無いといえば仕方が無いのか。
「ちょ、ちょっとちょっと。そんなに畏まらなくてもいいってば!」
梢姉が慌てて沙織を引き上げる。
「圭太の妹ってんなら私にとっても妹みたいなもんだよ。これからは私のことを姉だと思ってくれて構わないからさ」
ピクリ、と沙織の身体が僅かに反応したのは気のせいだろうか。こちらも愛想のよい笑顔で梢姉を見つめ返し、もう一度頭を下げた。
「お心遣い感謝いたします。ですが、兄の恩人様を「姉」などと、無礼千万な呼び名で呼ぶ事なんてできません」
「気にしなくていいってばー。あっはっは」
どうやら梢姉はすっかり打ち解けてしまったらしい。この性格はいつ見ても羨ましいと思う。
「それにしても随分急だったな。前もって連絡してくれれば良かったのに」
僕はと言うと、未だぎこちない台詞を吐くのが精一杯だ。彼女が今までどのようにして暮らし、どのようにして僕を探し出したのかはわか
らない。が、こうして僕の前に現れ”妹だ”と言われたところで、この初めて目にする人形のような女の子をすんなりと「家族である」と
認めることはできなかった。つまるところ、現時点で彼女は僕にとって「他人」という認識でしかないのである。
「突然の訪問は迷惑だと思っておりました」
目を伏し、謝罪ぎみに呟く沙織。僅かに手が震えているのは兄と巡り逢えた感激か、あるいは迷惑をかけたという罪の意識からか。僕と一
つしか歳が違わないはずの妹は、僕より遥かに心の激動に敏感で喜怒哀楽がはっきりと伝わった。
「ですが、兄様がここに居ると聞き、沙織は居ても経っても居られなくなりました。これまで13年間、片時も忘れたことはございません。
 兄様は、兄様は沙織にとっての生きる希望、心を支える精神そのものなのです」
こちらに擦り寄り僕の手を握る。吐き出される言葉の一つ一つが僕とは対照的で、いかに僕の事を想い、愛し、生きる糧としてきたかを鮮
烈に物語っていた。
「辛かった・・・。苦しかった・・・。孤独と絶望、痛みと嘆き。殴られ、蹴られ、罵られました。蠅の集るトイレの便器に顔を沈められ
 た事もありました。嘔吐物を無理矢理食べさせられた事もありました」
黒服の男達の何人かが口を押さえる。僕も正直こういった話は得意ではない。がしかし、このお嬢様のような容姿と風貌の妹が体験してき
た地獄のような出来事は、小さな頃から愛され、甘え、優しさに包まれて生きてきた僕が、いかにぬるま湯に漬かりきった人生であったか
を思い知らされるものだった。沙織はもう一度きつく僕を抱きしめる。
「殺される、と思いました。そして何度も死のうと考えました。でも、でも兄様が助け出してくれる。きっと沙織を迎えに来てくれる。そ
 う信じて、ずっとずっと信じて生きてきました」
言葉は重く、深く僕の心に突き刺さる。そんな風に僕を想いながら生きてきた沙織。
対して僕は? そう、妹のことなどまるで考えてこなかった僕。今日ここに沙織が来るまで、その存在自体を忘れていた僕。僕が育んでき
た幸せな日常の裏で、想像も出来ぬ地獄を味わってきた沙織。
―――何故忘れていた? どうして探さなかった? たった一人の、大切な妹の事を・・・。
67贖罪 第1話 ◆EY23GivUEuGq :2009/08/30(日) 23:50:15 ID:tPAE6FSU
「ごめん、な・・・沙織・・・」 
僕という人間はこんなにも愚かで、阿呆で、無知で、恥知らずだ。目の前の少女に兄と名乗る資格すらないだろう。謝ろう、と思っていた
が、こんな僕の謝罪など一体何になるのだろう。言葉一つで人の心を救えるのなら、どれだけ楽だろうか。彼女の魂を癒せるのであれば、
どんな贖罪も受け入れよう。それが今までのうのうと生きてきた僕が、兄としてしてやれる唯一つのことではないだろうか。
「迎えに行ってやれなくて・・・本当に・・・ご、めん・・・!」
涙を流したわけではなかったが、僕の放つ言葉は綺麗な文章にならず聞き苦しかった。今の僕にはしがみ付く妹を抱きしめてやることしか
できない。もっとも、そんなことをする資格さえ今の僕には無いかもしれないが。
「兄様・・・! もう、もう離れたくありません! ずっと、沙織の傍に居てください・・・!」

人が自らの生死について考えるのはいつだろうか。
大体の人間は、死と向き合ったときに初めて「生死」と言う概念に目覚める。それは肉親の死だったり、動物の死であったり、テレビ番組
の死に纏わるエピソードであったり。死を前にして、初めて生について考える。そしてその概念をもう少し深く知ると、人は考える。自分
は何のために生きているのだろうか、と。
苦しいことから逃げ出すのは生命体が持つ本能である。僕だって誰だって、目の前の辛い現実から目を背け、逃げ出したいこと思ったこと
があるはずだ。そのような場面でも逃げ出さず、乗り越えてゆくことで人は前に進むことが出来る。後ろにある安らかなの現実に逃避せず、
前に向かって歩き続けるのだ。
この時、「自分は何のためにこの壁を乗り超えねばならないのか」と考えるはずだ。学校のテストなら将来の為、病気の治療なら健康の為。
何か支えとなるもの、夢、願望。これを持っていなければ、人は何のために苦労を乗り越え、何のために生きているのかわからない。
沙織の場合、それは僕だった。僕が居るから、いつか会えると信じていたから生きていた。15歳の少女が持つ、生きる為の希望。これまで
地獄を見てきた彼女のために、僕は今決めねばならない。ぬるま湯を出て、一人で決断せねばならないのだ。

「わかった」
妹の為にしてやれること。妹の願望を叶え、答えていくこと。彼女が僕と共に居たいのだと言うのなら、そうしよう。これは贖罪、僕が負
わねばならない兄としての責任なのだ。
「ずっと傍にいるよ」
沙織は歓喜のあまり、人目も気にせず号泣した。耳に響く泣き声はこれまでの僕の罪。この哀れな妹を、僕は一生をかけて幸せにしていか
なければならない。
―――これでいい。
人というのは人生のどこかで必ず、自分で決め自分で進む場面に出くわす。これで、いいんだ。人生を賭けて、この道を進んでいこう。


「長い間、お世話になりました」
旅行バッグに詰めた荷物を抱え、僕は伯母に頭を下げる。一刻も早く一緒に暮らしたい、と願う沙織の言葉を聞き、とりあえず必要最低限
の準備をして、昨日の今日13年間育ったこの集落を後にした。

『本当の父様にはこちらから連絡を入れておきます。では明日の朝お迎えに上がりますね』

あの後、支度をする僕の隣で梢姉はしつこく食い下がった。ここで一緒に暮らせばいいじゃないか、一人くらい増えたって構わない、と。
しかし、沙織はもう御門家の人間。彼女と一緒に暮らすとなれば、居候の身であり本籍を八木家に移していない僕が御門家へ行かなければ
ならなかった。散々駄々をこねた梢姉であったが、やがて”わかったわ”とため息を吐き僕を抱きしめた。
『体には十分気をつけなさい。それと何かあったらいつでも戻ってくること。メールも電話も一杯するから。それから、それから・・・』
最後は声にならなかった。僕を抱きしめながら声を殺してすすり泣く梢姉に、僕はここでも気の利いた台詞を言えず、ただ一言「ありがと」
と答えた。

沙織の待つリムジンへ足を運ぶが、その足取りは重かった。僕の大切な場所、大切な人たち。この場所は、人々はこれからも変わらずに僕
を待っていてくれるだろうか。名残惜しさに振り向くが、そこに梢姉の姿は無かった。

「さあ兄様、参りましょう。これからはずっと一緒ですよ」
68 ◆EY23GivUEuGq :2009/08/30(日) 23:53:10 ID:tPAE6FSU
とりあえずここまで。
途中文字数制限引っかかって焦ったわ・・・
69名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:58:41 ID:pNH73ULh
GJです
70名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 00:07:48 ID:N0tdDc/a
GJ!

さて、どうなることやら…
71名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 00:45:45 ID:Mvg0+N+L
GJなんだぜ?

早くもキモさ加減が抑え切れてない感が良かった

72名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 01:33:16 ID:IJh8hQQJ
まだ導入部なのに背筋がゾクゾクするのはなぜだろう?
GJ
73名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 01:41:56 ID:Syivn+l3
>>68
GJ
血がつながっているのに他人の匂いがする妹。13年間を共に過ごしてきた姉のような他人、か。良いバトルが拝めそうだな。
これだからエロパロ板巡りはやめられん。
74名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 01:56:14 ID:2msjfCvt
沙織の梢姉に対する言葉や態度が一見礼儀正しいようで
実は強く拒絶しているのがいい。
これからの展開に期待だな。
75名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 02:20:23 ID:JfCjow1z
梢姉が蛸姉に見えたのは俺だけか
76名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 03:22:23 ID:OSbuwqvs
蛸てあんたw
台無しw
77名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 03:31:42 ID:Jj14F5TZ
投下します。
4レス消費。
78マユの日記:2009/08/31(月) 03:33:21 ID:Jj14F5TZ

 おにいちゃんが、まるでぶたさんみたいなこえですすりないてます。
 でも、ゆるしません。
 ゆるしてあげません。
 ここでやめたら、マユのおにいちゃんは、まともにしつけもされていない、だめにんげんになっちゃいます。
 せけんから、しろいめでみられて、どこにもしゅうしょくできない「にーと」とかいう、ざんねんないきものになってしまいます。
 だから、こころをおににして、マユはつづきをします。
 みぎてににぎったなわとびをふりあげ、おもいっきり、おにいちゃんにたたきつけます。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!」

 おにいちゃんが、まるでおさかなみたいに、びくんびくんとのたうちます。
 おにいちゃんのはだかに、くっきりと、あかいせんがあとになってのこります。
 すっごくいたそう。
 はだかのうえから、なわとびなんかでぶたれたら、マユだったら、しんじゃうかもしれません。
 でも、ぎゃくに、いたくなかったら、おしおきにもしつけにもならないって、てれびでいってました。あいじょうがあれば、きびしくてもへいきだって。いたくてもわかってくれるって。そうもてれびでいってました。
 だから、マユはてかげんしてあげません。
 なんどもなんども、なわとびをおにいちゃんにたたきつけます。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」

 おにいちゃんは、そのままごろんごろんところがって、マユからにげようとしますが、りょうてとりょうあしを、てじょうでしばられているので、にげることもできません。
 でも、マユはやめません。
 きっと、おにいちゃんも、いつかはマユにかんしゃしてくれるひがくる。
 マユはおにいちゃんをしんじているからです。
79マユの日記:2009/08/31(月) 03:34:29 ID:Jj14F5TZ

「あ――」

 おにいちゃんのくちもとをしばっているタオルから、ちがにじんでます。
 つよくかみしめすぎて、はがおれたのかもしれません。
(ちょっと、やりすぎちゃったかな……?)
 きがつけば、マユはおにいちゃんのからだを、なんどたたいたのか、わからなくなっていました。
 とちゅうから、もがきくるしむおにいちゃんをたたくのが、なんかたのしくなってきちゃって、かいすうをかぞえるのをわすれていたみたいです。
(ま、いいか。これも、おにいちゃんのためなんだから)
 マユは、そのままたたくのをやめると、おでこのあせをぬぐいます。
 たいいくのじかんのあとみたいに、からだがとてもとてもあつくなっているのをかんじます。あと、おまたが、じゅんってなってて、おへそのしたから、なにかがうずくようなかんかくがあります。
――おにいちゃんにおしおきをしたあとは、さいきんはいつもこんなかんじなのです。
 マユは、おにいちゃんのじょうはんしんをだきかかえて、ひざまくらのたいせいにしてあげると、おくちをしばってあったタオルをはずしてあげました。

「マユッ! マユッッ!! マユゥッッ!!!」

 おにいちゃんがなきさけびながら、マユのおひざに、おかおをこすりつけてきます。
 とってもこわくて、とってもいたかったんでしょう。ぜんしんに、とりはだがたっていました。

(うふふ……かわいいかわいい、マユのおにいちゃん……)

 マユは、あまえんぼうのおにいちゃんのあたまを、やさしくなでてあげました。
 さっきまでとは、ちがうかんじのきもちよさが、あります。
 そうやって、いっぷんくらい、マユはおにいちゃんにあまえさせてあげました。
 でも、やっぱり、いうべきことはいわねばなりません。ちゃんとしかってあげないと、おにいちゃんはだめにんげんになってしまうからです。

「ねえ、おにいちゃん」

 おにいちゃんが、とたんに、びくってなりました。
 そんなにこわがらなくてもいいのに。
 おにいちゃんが、きちんとわかってくれたら、マユもこれいじょう、おこったりしないのに。

「おにいちゃんは、なんでマユにおしおきされたか、わかってる?」

 おにいちゃんは、おそるおそるマユのおひざから、ごろんところがってからだをはなすと、――でも、そのめはマユじゃなくて、きまずそうにゆかのほうをみていましたけど――まだ、ちがにじんでいるくちびるをうごかして、いいました。


「俺が……マユのうんこを……食べなかったから、ですか……?」


80マユの日記:2009/08/31(月) 03:35:34 ID:Jj14F5TZ

 そのしゅんかん、マユは、またまたおにいちゃんを、なわとびでぶっていました。
「ちがうでしょっ! これは『ごちそう』でしょっ! マユがおにいちゃんのためにだしてあげた『ごちそう』でしょっ!! なんでそれを、うんこなんてきたないなまえでよぶのっっ!! おにいちゃんのばかぁっっ!!」
「ごっ、ごめんなさいっ!! ごめんなさいっ!! 『ごちそう』ですっ!! これはマユが俺のために用意してくれた『ごちそう』ですぅっ!!」
 ひめいみたいに、おにいちゃんがさけびます。
 でも、それはともかく、おにいちゃんが『ごちそう』をたべなかったのがおしおきのげんいんなのはただしかったので、いちおう、ぶつのをやめてあげました。

「で――?」
「は、はい……。マユが俺のために折角用意してくれたご馳走を無下にして、マユの優しい心を傷付けてしまいました。……ごめんなさい。本当に、本当にごめんなさい……」

 おにいちゃんがなきながら、あやまってくれています。
 マユは、そんなおにいちゃんをみていると、また、むねのあたりがきゅんってなって、おまたがじゅんってなるんですけど、とりあえずがまんします。
「じゃあ、たべるの? マユの『ごちそう』」
「はっ、はい……食べさせて頂きます……」

 おにいちゃんは、そのままいもむしみたいに、じゅうたんのうえをはいずって、へやのすみにいくと、おさらにもられた、やまもりのマユのうん――いいえ、『ごちそう』にかおをよせて、……そこからまた、おびえたようにマユをみました。
(まだ、ためらうんだ……!)
 マユは、いつまでたってもグズなおにいちゃんに、ちょっとむっとして、なわとびでじゅうたんをたたきました。

「ッッ……!!」

 びくっとしたおにいちゃんは、そのままふるえながらおさらにむきなおると、……やがて、がつがつとマユの『ごちそう』をたべはじめました。

81マユの日記:2009/08/31(月) 03:37:48 ID:Jj14F5TZ



 おにいちゃんはいま、マユのまえでねむっています。
(よかった。おにいちゃんがやっとたべてくれて……)

 ちらりとマユがめをうごかすと、そこになわとびのあとでまっかになった、おにいちゃんのはだかがあります。
 おにいちゃんはもう、マユの『ペット』なので、ふくをきることはできません。だから、おにいちゃんのからだは、とてもがりがりにやせこけて、むねのほねがうきでているのが、よくみえます。
 まるで、しゃかいのきょうかしょでよんだ、アフリカのなんみんのひとみたいです。
 でも、それも、おにいちゃんがいけないのです。
 おにいちゃんが、マユの『ごちそう』をたべるのをいやがったので、たべるというまでごはんをぬいてあげたのです。――もう、おにいちゃんは、にしゅうかんくらいなにもたべていません。
 さすがに、マユのおしっこ――もとい、『みず』だけはいっしゅうかんで、のんでくれるようになりましたが。

 でも、いくらおにいちゃんのすききらいがはげしいといっても、そろそろたべないと、おにいちゃんがしんでしまうとおもったので、きょうはマユも、じつりょくこうしにでたのです。
 だしたてのほかほかの『ごちそう』を、おにいちゃんのめのまえにおいて、なわとびでたたいて、おにいちゃんのはんせいをうながしたのです。
――で、しつけのかいあって、おにいちゃんもわかってくれました。
 でも、まだまだ、おにいちゃんは『ごちそう』がにがてみたいなので、あしたからも、なわとびのでばんが、とうぶんつづきそうです。


 でも、なぜ、おにいちゃんはマユの『ごちそう』をたべてくれなかったのでしょうか。
 あいするひとに、じぶんのからだでつくった『ごちそう』をたべさせたいとおもうのは、あたりまえだとおもうのですが。なぜ、おにいちゃんはマユの『おんなごころ』をわかってくれなかったのでしょうか。
 そうかんがえると、マユはなんだかとてもせつなくなります。

82マユの日記:2009/08/31(月) 03:40:09 ID:Jj14F5TZ
以上です。
後悔はしていません。
83名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 03:43:00 ID:JaZgKFVP
GJだけど
スカトロ注意が欲しかったなー
まあそれ書いちゃうとネタバレになっちゃう部分はあるけど
84名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 04:23:31 ID:vxvNFiSN
>>62
近しい義姉、遠い実妹、ヘタレ少年の三竦み泥沼バトルか……
GJです。次の展開を楽しみにしています。

>>82
あ〜うん、まあキモさも愛も伝わったし、内容はいいんだけど……
やっぱり、事前注意を怠ったあたりは、後悔してほしいです……
まあネタバレと注意書きって、相性悪いのはわかってるんだけど、ね……
85マユの日記:2009/08/31(月) 07:29:59 ID:Jj14F5TZ
すみません
後悔してます
ちゃんと注意書きをすべきでした
86名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 08:28:12 ID:OSbuwqvs
縄跳びっていうのがいい
87名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 12:09:55 ID:v5xWa4J8
>>85
どんまい
話事態は面白かったので、また気が向いたら投稿して下さい

明日で夏休みが終わる…ようやく姉ちゃんと四六時中顔を合わせずにすむぜw
88名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 12:39:59 ID:FpuR56R3
途中で茶吹いたじゃないかw
89名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 16:09:45 ID:l6a/Epn2
>>82
キモウトの名前が新シャア板の某キモウトスレのと同じだから一瞬板間違えたかと思ったわw
90名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 16:18:50 ID:JfCjow1z
マユのケータイ…
91名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 16:34:12 ID:lqNoMWqn
手首から全身が再生するんですね
92名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 17:44:11 ID:v5xWa4J8
>>89
お前は俺かw
でもあっちのスレでは、ライバルや泥棒猫達を抹殺しないから、キモウトと言うよりは重度のブラコンレベルなんだよな
93名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:29:21 ID:KsD2M1sK
さて、夏休みの終わりだがいまさら夏休みネタを投下する。
タイトルはただの子ネタだからいいよね?
94名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:30:51 ID:KsD2M1sK
八月三十一日
この日付は、一般的な学生にとってはなるべく先延ばしにしたいもののはずだ。
そう、夏休み最後の日である。
それは、一介の高校生である俺にとっても同様の話。
しかし、俺にはもう一つの意味がある。監禁生活の終焉だ。

俺の家庭は両親ともに若年カップルのような熱さで、倦怠期などどこ吹く風だ。
休みが取れない普通のお父さん方などどこ吹く風で
長期休暇でヨーロッパ縦断旅行に、俺と妹を置いて出て行きやがった。
クソ、おれも連れて行けっての。
その原因は妹にある。奴が旅行に猛反対して、それで俺も残されることになってしまった。
もう奴も高校生だというのに、俺まで残すことはないじゃないか。
妹が普段から俺と離れようとしないからかもしれないが、だからこそ俺も連れて行くべきだったと思う。
だが、それはそれで好都合でもあった。
親がいない現状で、いろいろハメをはずして遊べるはずだった。
すでに親しい友人(残念なことに男どもだ)といろいろ約束していたし
どうやって遊ぼうか頭がいっぱいだった。
夏休み初日の朝までは。

前日からすでに日本から飛び立っていた両親を尻目に
駅前のゲーセンで友人と遊びほうけて帰宅し、そのままベッドに倒れこんだのが前日の記憶だった。
そして、目が覚めてみるとどうにも身動きが取れない。
仰向けのまま顔だけを動かし周りを見渡すと、多少片付いたように感じるもののたしかに俺の部屋で。
アブダクトされたわけでもないようだ。
にもかかわらず、両手足をベッドに縄のようなもので固定されていた。
十分ほど叫び声をあげつつ、どうにか拘束から逃れようとジタバタしていたが、一向に解決の兆しが見えない。
どうしたものか、どうしてこうなったのかいろいろ考えているうちに扉がいきなり開いた。
おそらく、妹だろう。この状況で他人だったら強盗に入られたとでも考えざるを得なくなる。
確認したいが、仰向けで固定では視界が狭く、特に入り口は足元側なのでよく見えない。
「兄さん、やっと起きたね。」
妹の声だ。少し安心する、人がいればどうにか縄をほどくことができるだろう。
「そんなことよりこの縄をほどいてくれ。だれがやったか知らないが身動きが取れん。」
が、俺の安堵を打ち砕く一言を直後に放ちやがった。
「ほどいてほしい?それは無理な相談だね兄さん。だってその犯人は僕だし。」
しばらく思考が停止した。
何故?いままでこんなことはなかったぞ(あってたまるか)。
それどころか、どんなに俺の一方的な要求でも妹は受け入れて見せた。
喧嘩など起こるはずもない。あるいは、それが積もり積もって爆発したか?
ともかく、理由を尋ねる。
「この馬鹿!いったい何がしたくてこんなことを。とにかく開放しろ!」
ちょっと荒いい方になったが当然だろう。自分が拘束されているんだ。
「ふむ、僕はできる限り願いを叶えてあげたいけれども、こればかりは引くわけには行かないね
 兄さんは何がしたいかと聞いたけれど、正直に答えよう。なんだとおもう?」
非常にムカつく質問だが心当たりがないでもない。というか、数え切れないほどある。
「昨日、お前の財布から一万円を取った件か?それともお前が取っていたカレーパンを勝手に食べた件。それとも・・
俺が思いつく限りの心当たりを述べていたところで、妹が話をさえぎる
95名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:32:05 ID:KsD2M1sK
「兄さん、僕の目的はそんなくだらないことの報復なんかじゃない。
 もっと崇高な。僕たちの輝かしい未来のためさ。」
崇高な輝かしい未来だって?そんなモンは怪しい宗教家にでも語らせておけ。
おれは妹が狂ったんではないかと思い始めたが、次の一言で確信に変わる。
「ズバリ言うよ兄さん。僕は正直、はっきり口に出して言うのはすこし恥ずかしいけれど。
 愛のためにだよ。貴方を心から愛している。繋がりたい。幸せになりたい。ともに歩みたい。だからだよ。」
しばしの沈黙が訪れる。
そして理解した。こいつは頭がどうかなったんだ。
まず年は一つしか離れていないが兄と妹だし。
そんな片鱗は…いや、俺の言うことを何でも許したのはそういうことだったのだろうか?
とりあえず聞いておこう
「いったい何時からだ?」
「生まれたときから。と、心情的には言いたいしある種の真実だがが、実際のところ物心つくころからだね。
 幼少期に形成された僕の人間性に兄さんへの愛が含まれているんだ。」
こいつは何を言っているんだ?そう漠然とした疑問が募る中でとりあえず質問を続ける。
「なら、何でこんなことをする?俺の態度を硬化させるだけじゃないのか?」
そうだ。これでは話し合いにならないではないか。
受け入れるつもりは毛頭ありはしないが、それでも交渉にはなったはずだ。
「それはだね兄さん。僕に自信がなかったからだよ。この一日で受け入れてもれるね。
 だけど、一ヶ月あれば僕以外の女なんか考えられなくしてあげる自信はある。
だから…こんな言い方は変だけど、兄さんをいわば調教するつもりなんだよ。」
こいつ…どうかしている。俺が陵辱系のエロゲを勝手にやったんか?
こんな現実と妄想の区別がつかないののせいで、エロゲが規制されてしま…いやなんでもない。
「今すぐ離せ。さもなくば一生、お前のことを軽蔑することになる。そんなこと、現実にうまくいくわけないだろ。」
こんなことが成功すると思うなど頭が沸いている。これで告白が成功するなら世界中で監禁事件が多発するわ。
しかし、妹には通じない。次の一言で決定的になる。
「いっただろう?一ヶ月で兄さんを完全に僕の虜にする自信がある。
 そうでなければこんな策はとらないよ。ちょっと待ってて。」
そういうと妹が近づいてくる。足音はあまりたたない。下はカーペットだから。
これから何が起こるかは、なんとなく予想がつく。そりゃ、こういうシチュは妄想したこともある。
俺だってまだ童貞だし、そういう妄想は頻繁だ。だが、妹となると話は別になってくるだろう普通。
「兄さん、前から言いたかったんだけれど、パンツとシャツだけで寝るのはやめたほうがいいと思うよ。
 毎朝、目に毒だ。それとも誘っていたのかな?それはないと思うけれど。
ともかく、勃起しているのが一目瞭然だよ。これからどうなるかわかったんだね。期待してくれてると思っていいのかな?」
そう、俺はこんなシチュエーションでかつて無いほど勃起していた。
昨日は外で遊び続けて、毎日三回はするはずのオナニーをしてないし。
なんだかんだで妹はその、非常に“そそる”体をしているんだ。
中学から大きくなり始めた胸はDカップに近づいているし、顔だって学校では有名なほうだ(むろんよい方向で)。
尻はちょうどいい手ごろな大きさで、太すぎず貧相すぎずといったところで・・・
いろいろ言いたい事はあるが、俺の貧相な語彙で要約すれば一人や二人はコイツをズリネタにしてる奴はいそうな感じだ。
確かに妹ではあるが、肉体はそんなことを関係なしに快楽を感じてくれるはずだ。
だから、この先に待ち受けることに多少なり期待するのは当然だろう。
96名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:33:06 ID:KsD2M1sK
絶対に受け入れるつもりは無いって言葉と矛盾はしない。
要は体だけってやつだ。そういう面で受け入れるつもりは絶対に無いし。
強制されてなければ断ったと思う。
そんなことを考えるうちに、パンツを下にずらされる。
がんばって、妹を見ると学校の制服を着ているようだった。
妹が少し気味の悪い、鼻で笑うような笑みを浮かべた。
「ふふふ、これは予想より早く堕ちてくれるかもしれないね。
 僕はうれしいよ、さわってもいないうちからヌレヌレじゃないか。
ガマン汁っていうんだよね?ボクとセックスすることを期待してこんなにしてるんだね?
なんだかんだで、このペニスを使って僕を狂わせたいんだね?
そうか、そうなんだ。じゃぁ、正直だからご褒美をあげなきゃね。」
「むぐぅっ!」
そう言うと、妹はおもむろに俺の陰茎を鷲掴みした。
妹の手は俺より小さくて、すこし温かい。
恥ずかしい話だが、それだけで本当に気持ちいい。
やはり自分でするのとはずいぶん違う。つかまれるだけでこれなら、いつも自分でするようにすられたらどうなんだろう。
それどころか、同時に睾丸まで握られた。
これで精液が大増産されてるかのような感覚が脳に送られている。
しかし、いつまでたってもそれ以上の進展が見られない・・・
もしかして焦らしているつもりなのだろうか?
俺の頭の四割はどうやって精液を放出しようかということで埋まってしまっている。
悔しいことに、もしそうだというならかなり成功してるといえよう。
俺はたまらず妹に呼びかけてしまう。
「どうしたんだ、動きを止めて?」
だが、催促すると自分が負けたような気持ちになるからはっきりとはいえなかった。
すると妹は。個人的に衝撃を与える一言を放った。
「すまない兄さん・・・ボク、もうイっちゃったみたいだよ。」
「はぁ!?」
いや、知らない間にオナニーでもしてたのだろうか?
まだ何もしていないし、ここで終わりとかなったらその、むなしすぎる。
「だって、兄さんのペニスがビクビクと脈うって、オスの精力が自分に向いているように感じるんだ。
 この僕の子宮に精液を流し込みたい、孕ませたいってペニスがいっているように感じる。
そうしたら、胸が、おまんこが、子宮が疼いてたまらなくなって…イっちゃたんだ。」
そういえば、女は男に比べ精神的エクスタシーが重視される場合があると聞いたことがある。
童貞知識だが、去年に脱童貞した悪友の言葉だからエロゲ知識よりは役立つはずだ。
だがな・・・
「勝手にイくな馬鹿!せめて手コキくらいはしてくれ・・・」
多少、下手に出てしまう。シモを握られた男はかくも弱いものなのだろうか。
「兄さん、僕に手コキしてほしいの?精液を出させてほしいの?
 卑怯だな兄さんは、その言葉だけでまた…わかったよ。僕だけじゃなくて兄さんも気持ちよくなってね。」
言い終わるや否や、妹は皮オナニーの要領で手を上下に動かし始めた。
最初は弱弱しく、探るようなものだッたものが次第にペースをあげていく。
その快楽は、自分でこするのとは別次元だった。
快感が睾丸を通じてゾクゾクと脳に送られ、精液がいまにでも放たれそうだ。
「うぅ・・うう。」
思わず息が上がりうめき声を上げてしまう。
「僕の手でこんなふうになってしまうなんて。本当にうれしいよ兄さん。」
なんとなく要領をつかんできたのだろう。与えられる刺激が的確になってきた。
97名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:34:00 ID:KsD2M1sK
もう限界だった。そう思ったとき、突然刺激が失われた。
妹の手が俺から離れていく。
いったい、どうして?
「兄さん、イきそうだったんだね。わかるよ。だけど、僕には前から思ってたことがあるんだ。
 兄さんから僕に与えられる最初の精液は、ココに子宮にって。
こんなベッドにシーツに与えるなんて、もったいなさすぎるよ。」
そんな妹の自己満足のために出させてくれないなんて。
もう気が狂いそうだった。はやく、なんとしてでもイきたい。
「なんでもする!だから、イかせてくれ!」
そう言うと、以外にも妹は要求を出してきた。
「なら、僕にも肉の快楽を感じさせてほしい。もうおまんこは大洪水で、いつでも繋がることができるけど。
 まだ精神的快楽だけだし、繋がるのはクライマックスにしたいんだ。だから・・・」
そう言うと、妹は制服のボタンを外し胸だけを露出させる。
ブラジャーは着けていなかった。
張りのある白い胸が眼前に迫ってくる。
ピンク色の乳首が可愛らしく勃起していて、正直言ってむしゃぶりつきたい。
だが、それではマザコンのようだと変な意地が働いて、指示を待つことにした。
「舐めて。」
それを聞いた瞬間、俺は右胸の乳首に吸い付いていた。
「あんっ!兄さんが…ボクのおっぱいを舐めてる・・・すごく、上手いよ」
そんなわけないのに、心なしか甘い味がする。
やわらかい感覚が唇全体に広がって、舌には硬くなった甘酸っぱい乳首の感覚。
チロチロと舌を動かすたびに妹が艶っぽい声をあげている。感じてくれてるのだろうか。
手が使えれば左胸の感覚も思う存分に味わうのだが・・・
こうして胸を吸っていると、胸には男を子供に戻す魔力があるのではないかとさえ感じてくる。
温かい安心感と興奮に包まれて、一生こうしていたいと考えてしまう。
「ふぁ、ああ!いい!もういいよ兄さん!次に移ろう。」
妹は耳まで真っ赤にした顔で上半身を上げて胸を離す。
あまりの名残惜しさに俺は、情けなさすぎることを口走ってしまった。
「もうちょっと、もうちょっとこのままでいないか?」
言った後で恥ずかしくなってしまう。沈黙が痛かった。どんな言葉もありがたい。なにか言ってくれ・・・
そう思っていたころ、ふいに笑い声がおこる。
「ふふふ、はははははは。なるほど。兄さんは僕のおっぱいがそんなに恋しいんだ。
 わかったよ、ではこうしよう。繋がりながらおっぱいを吸ってほしい。
本当はキスしながら上と下で繋がりたかったのだけれども。そんなにいいならしかたがないね。」
そう言うと、俺に全身をさらすためかベッドの上に立ち上がり、スカートをたくし上げた。
妹の下半身は膝まで愛液がたれていることが容易に確認できる。
その出所であるアソコは淡いライトブルーのショーツに包まれていた。
しかし、愛液を飽和するほど吸収してピッタリと張り付いている。
ぷっくりと膨れた恥丘も、ラビアがパクパクと動くのもすべてが見えた。
そのすばらしい眺めに、これ以上は無いかと思った勃起がさらに激しくなる。
「兄さん、見えるかい?さっきからペニスがビクビクしているから興奮しているらしいことはわかるよ。
 ボクのおまんこに精液をびゅるびゅる出したいんだね?いいよ。
ボクのおまんこで、じゅぽじゅぽしごいてあげる。ボクの…ほかの誰でもない。ボクの。」
さっきから心臓がバクバクいってる・・・陰茎に血液をまわそうとしてるに違いない。
スカートをたくし上げたまま腰を下ろし、女陰を亀頭とを触れさせる。
俺は一枚の布越しで、入れてもいないうちから妹の子宮の引力を感じ取っていた。
98名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:35:11 ID:KsD2M1sK
精液を睾丸ごと引き抜かれそうな感覚がする。布越しのラビアの刺激だけで射精しそうだ。
だが、ここで俺は重大な事実に気がついた。
「待て、避妊は?」
「兄さん、そんなものいま関係あるのかい?」
そう言うと、妹は右手でショーツをずらし一気に挿入した。
「ぐ、あああああああぁっー!」
「っーーーーーーーーーーーーーーーー!」
あまりの刺激に俺は絶叫してしまう。
熱い女陰の中で肉ヒダが亀頭に、カリに、根元にあらゆる場所に絡みついてくる。
それだけで即座に射精してもおかしくなかった。
だが、避妊していないこの状況で射精するわけにはいかない。
動いていなくとも膣が激しく妖しくうねり、陰茎が揉み解される。
本能が激しく叫んでいる。子宮に精液を吐き出せ。この女を孕ませろ。
だが・・・
妹が俺の上にのしかかってくる。
驚くほど軽く感じた。人間一人分がかかっているというのに、やはり女だからだろうか。
「兄さん、ボクはイキっぱなしだ…ほんとうにすごい。兄さんもイっていいんだよ?
 愛する人の精液を子宮に流されて絶頂を迎える。女の悦びを感じたいんだ。
避妊が心配なのかなら大丈夫な日だから。安心して。」
その言葉と同時に、妹が腰を振り始めた。
先ほどまでの刺激とともに膣全体の動きが伴う。
それだけで解き放ちそうになるが、大丈夫な日。
その言葉が脳内にリフレインして、理性を決壊させてしまう。
「イク!中に出すぞ!」
強烈な快楽が、巨大な咆哮となって爆発した。
陰茎がめいいっぱいひねった蛇口のように精液を吐き出している。
「ふぎゃぁ〜〜っ!イッた!中に出したね!さっきからずっとイキッぱなしだけどっ!もうボクッ死んでもいいよ!」
射精の直後から、膣の締め付けがさらに強烈になる。
まるで一滴残らず搾り出そうとしているようだ。
脳が焼けるような快楽が数分続き、波が去った後も互いに無言で熱を感じあってた。

その後はあまりにあっけなかった。
その一日はずっと繋がったまま妹の胸にしゃぶりついて終わった。
奴は満足しきった、満たされた顔で苦笑してこう言っていた。
「まさか一日目でこんなふうになるなんてね。意外と早かったよ。終わることにはどうなっているんだろうね?」
そして、今日が最終日であったが。
思えば、一ヶ月間ずっと獣のように互いをむさぼりあった。
自慢じゃないが腰使いのテクニックは相当磨かれたと思う。
膣内射精回数は三桁に突入してるかもしれない。
妹のバストはDも半ばごろまで膨らんでいた。吸い続けた成果だろう。
生まれたばかりの赤ん坊かとどちらが長いかと思うほど胸を吸い続けたからな。
セックスか胸を吸うか、あるいは食事と排泄しかしなかったな。
さて、おれはどうすればいいか迷っている。
明日になれば両親も帰ってくるし、学校にも行かねばならん。
まさか胸を吸いながら授業を受けるわけにもいかないし、夜もあんな激しいセックスを毎晩ではいつかばれる。
そのことを妹に告げたらこう返事が来た。
「兄さんさえいてくれれば、僕に不可能など無いよ。」
頼もしい話だが…大丈夫か?
99名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:36:16 ID:KsD2M1sK
終わりです
感想とかあったら嬉しい
どうも失礼しました
100名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:47:22 ID:PJXGeyKM
ボクっ娘といえば貧乳が相場だろうに…
GJ!
101名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:50:46 ID:JaZgKFVP
僕っ娘+男言葉+理屈っぽい は佐々木を思い出す
あ 胸が違うのか
102名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:51:56 ID:PqkglwRi
>>68
内容はいいが、文が変なところで区切ってあるから読みにくい。
103名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 19:03:27 ID:2894D7+N
>>99
GJ! しかし
>毎日三回はするはずのオナニー
やり過ぎw しかも墜ちるの超早いしw
104名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 19:17:02 ID:v5xWa4J8
>>99
キモウト監禁キターー( ゜∀゜)ーー!!
ボクっ娘だったりきょぬーだったりクールで理論家だったり色々とツボ過ぎるw
しかし夏休み中ずっとか…宿題はALL白紙だなw
とにかくGJっした!
105名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 19:36:27 ID:Ph7+BZY+
>>99
GJ!
精神力弱いな兄w
ところでバストの増加はもしやにん(ry
106名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 19:43:42 ID:y25UTNa8
>>99
全国の兄がお堅いキモウトが羨むスピード決着だなw
しかし、この様子だと妊娠しただろ
どうするんだよこれからw
というわけで続編希望
107名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 19:56:55 ID:Mvg0+N+L
お兄ちゃん、完全に堕ちたwww

108歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:10:01 ID:ovH043UR
歪な関係第二話投下する。
二話目にしてはやくも迷走してる気がするけととりあえず最終話まで書くか……。
109歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:10:23 ID:ovH043UR
 俺は動けなかった。
 そして、美里は動かなかった。

 ただぐるぐると、頭の中に美里の言った言葉が響いていた。
 離れられない。美里から、俺が。
 それも俺の意思でと、美里は言う。
 信じられないのは当然で、そして信じたくないのも当然だった。

 呆然とする俺の耳元で、美里の動く気配がした。

 ――ベロリ。
「……っ!!」
 俺の耳に、美里の舌が触れた。
 ピチャ。ピチャ。
 水音が、耳に響く。
 まるで俺に聞かせるかのように。音をたてて、舌が這う。
 ゾワリ、ゾワリと。舐められる度に、俺の全身に嫌な感覚が走った。
「やっ……」
 ……ピチャ。ピチャ。
「や、やめてくれっ!!」
 俺は腕を伸ばして、美里を突き飛ばした。
 ドンッと音をたてて、美里がフローリングの床に尻餅をつく。

 はあはあと、俺は荒い息を吐いた。
 頭はもはや正常に働かず、夕刻の告白が、目の前の美里の顔が、過去の記憶が、ぐちゃぐちゃに混ざり合

い浮かんでは消えた。

 美里は、笑っていた。床に打ちつけた肘を痛そうに撫でながら、笑っていた。
 右手をついて、美里がゆっくりと立ち上がる。まるで振り子のように体を左右に揺らすその様は、俺に汗をか

かせた。

 目の前の恐怖に屈しまいと、俺は何とか言葉を見つけようとした。
「美里が」
 言いかけて、俺は言葉を改める。
「俺が……俺は、違う。そ、そうだ、違う」
 辿々しく言う俺の様子に、美里がクスッと笑った。
「いったい、何が違うの?」
 無意識に、俺は両の手を握りしめていた。
「俺が……俺が美里から離れないんじゃない」
 そこで一旦言葉を切り、唾をゴクリと飲み込む。
「美里が俺を、離さないんだ」
 必死な俺とは対照的に、美里の顔は笑ったままだった。
「何にも、なあんにも、違わない」
 まるで俺をからかうかのように、美里のその調子は楽しげであった。
「違う」
 その言葉を、俺はただ繰り返した。
「いいえ、兄さんは」
「違う!」
 俺の声が、静かな室内に響いた。
「狂ってる!」
 叫ばずにはいられなかった。
 できるだけ強く聞こえるように、俺はただただ叫んだ。
「お前は狂ってる!!」
 俺の叫び声の前に、いつの間にか美里はその笑みを引っ込めていた。
 深く息を吸う。頭に浮かんだままに、言葉を叫ぶ。
「親父も! お袋も! 伯父さんも! 叔母さんも!! 他の皆も!! ただ邪魔だからっていう理由だけで、

お前は親戚を皆殺しにしたんだ!!」
110歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:11:00 ID:ovH043UR

 遠くで、自動車の走る音が聞こえた。
 ――外に、聞こえてしまっちゃいないだろうか。
 いまだにうまく回らない頭で、そんなことを考える自分がいた。

「……皆殺しじゃないわ」
 俺の怒鳴り声にも、美里は平然としていた。
「兄さんと私の他に、一人残したもの」
 その様子が、俺をより一層イラつかせた。
「そ、そういうことを言ってるんじゃない!!」
 自分を納得させるように、俺は続けた。
「狂ってる……! そうだ、お前は狂ってるんだ! だから俺はお前が怖くて……それで俺は従うしかなくて

……!」
 それは、俺が今まで思っていたことだった。
 俺が美里の傍にいる理由。愛ではなく恐怖。
 俺にとってはそれで当たり前であったし、てっきり美里も自覚的に俺を縛っているものだと、そう思っていた。

 反応を待つ俺の前で、美里はゆっくりと瞼を閉じた。真っ直ぐに伸びた睫毛が下を向く。
「そうね、私は狂ってる」
 美里は、事も無げに言った。
 それをあっさりと認めたことに、俺は逆に狼狽えた。
 閉じていた目を見開き、真っ直ぐに俺を見つめて美里が続けた。
「そして兄さんは、その狂った私を愛してしまったために、理性に嘘をついた」

「は」
 俺は、思わず間抜けな声をあげた。
「狂った殺人者の、親の仇の、実の妹を愛してしまったことを認めたくないから、自分に嘘をついた。自分が妹

の傍にいるのは、ただ妹が怖くて従っているだけだと。自分から妹の傍にいるわけではないと」
 その口調は力強く、俺に事実を突きつけるかのように、視線と共に俺を射抜いていた。
「そ、そんなわけが……」
「いいえ、そうなの」
 美里が即座に俺の言葉を否定する。
「兄さんは、私を愛しているのよ」
 俺が美里を愛しているわけがない。そう訴える思考を、美里の強い語気が押し潰していった。
「ち、違う……」
 俺は、弱々しく否定した。握った拳は、汗でぐっしょりと濡れていた。
「違う……!」
 俺の言葉にも、美里の表情はまったく揺らがなかった。崩れないその表情が憎く、そして恐ろしかった。
「それなら、何故兄さんは」
 美里が話す。今やその口から発せられるであろう言葉のひとつひとつに、俺はビクビクと怯えていた。
「何故兄さんは、あの時、嘘をついたの?」
 嘘。その言葉に、何故か俺の脳が震えた。
「あの時、五年前、私が皆を殺したとき。警察に、兄さんは嘘をついた。嘘の証言で私の現状不在を訴えて、

私があげた証拠のことも言わなかった」
「それは……!」
 思わず何か言おうとして――何も出てこなかった。
 自分でも、嘘をついた理由がわからなかった。
「それは……何?」
 美里のその言い方は、俺の思考がわかっているかのようだった。
「それは……」
 俺は、頭の中から必死にその理由を探した。
「……あの時は……お前がまだ、捕まる年齢じゃなかったから……」
「でも兄さんが警察に事実を話した上で私と離れたいと言っていれば、あとは勝手に私と兄さんを離してくれ

るはずだった。そうでしょう?」
 ――自分でも、それが言い訳だということはわかっていた。
 だが俺が美里を愛しているなど、認めたくなかった。それはずっと、俺が拒み続けてきたことだった。
111歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:12:38 ID:ovH043UR

「……違う」
 俺には、ただそう繰り返すことしかできなかった。
「……だけど、違う……違うんだ……」
 そんな俺の様子に、美里は少し呆れた顔をした。
「……兄さんも、意外と頑固なのね。認めてしまえばいいのよ、私のことを愛していると」
「違う! 俺が美里を愛しているなんて、そんなわけ……」
「……じゃあ、こんなのはどうかしら?」
 再び顔に笑みを浮かべ、美里はその顔をズイッと俺の前に寄せた。
 俺は思わず後ずさろうとして、後ろが壁であることを思い出す。
 美里が左手の人差し指を掲げて、ニンマリと笑う。日本人形のような整った顔に浮かぶその笑みは、まるでホラー映画のようだった。
「兄さんに告白した女の子を、殺してみるっていうのは」
「は……!?」
「ふふ、嫌?」
 そう言う美里の様子は、心底この状況を楽しんでいるようだった。
「あ、あの子は関係ないだろ!!」
 俺は思わず美里の肩を掴んだ。だが美里は動じない。
「進藤さんっていうのよね、その子」
 美里はふふっと笑って、顔を傾けてみせた。
「何で知って……!」
 美里は俺の質問には答えずに、肩を掴む俺の手を外して、そのまま俺に背を向けて歩き出した。壁際に置かれたベッドの傍で止まり、くるりとこちらを向いてそこに座った。
「実はね、あなたのクラスの河平先輩から、全部聞いてあったの。友達があなたのお兄さんのこと好きなんだけど、ちょっと協力してくれないかって。……まあ、今日告白するっていうのは知らなかったんだけど。
 だから今日兄さんがなかなか帰ってこなくて、もしかしたら、とは思ったわ。そして帰ってきたらいつもと様子が違うから、ああ、告白されたんだな、って。そう、兄さんに言われる前にわかってたの。ごめんなさいね、いじわるして」
 美里はそこで口に手を当てて、小さく笑った。
「まあ、あそこまでの狼狽えぶりは予想してなかったから、少し驚いたけど。おまけに許可が欲しいなんて言うものだから。ふふっ……あはは、あの時は本当におかしかったわ」
 美里のその様子に、俺は改めて恐怖を覚えた。
 だがそれでも、俺は聞かなければいけなかった。
「お、お前が何で進藤さんのことを知ってるのかはわかった。それより……」
「ああ、ごめんなさい。少し話が逸れちゃったわね。そう、その進藤さんっていう子を、殺してみようかなって。兄さんを愛する私としては、その子に感じるものがないでもないし。……でもそれよりも、これではっきりすると思うの」
「はっきり?」
 俺は怪訝な声をあげた。
「兄さんが私を愛してる、っていうことがよ。もう一度、機会をあげるって言ってるの」
 美里の言う言葉の意味が、俺にはわからなかった。
「機会って、何の機会だ?」
「兄さんが私から離れる機会と、兄さんが自分の気持ちを知る機会よ」
 まだ理解できないでいる俺に教えるように、美里が続けた。
「進藤さんを殺すにしても、もちろんそれがバレずにできるとは限らない。もちろんバレないようにはやるつもりだけど、何かミスをするかもしれない。そしたら私は牢屋行き、めでたく兄さんは私から離れられる。
 ……そしてもし私の犯行がバレなかったとしても。あなたが今日のことを警察に話せば、やっぱり私は牢屋行き」
 その話は、進藤さんを殺すことを前提としていた。
「それじゃ、進藤さんは……!」
「……それが嫌なら、兄さんが今すぐ警察に話しに行ってもいいわ。まあ今さら五年前の証言は嘘でしたって言うだけじゃ、相手にしてくれないかもしれないけど。……でも、今も手元に持っているんでしょう? あの時にあげた、血塗れのペンダント」
 その言葉に、俺はビクリと体を震わせた。ズボンの生地を通して、左の足に触れる硬い感触に、俺の意識が集中する。
「あれを見せれば、警察も相手にしてくれるでしょうね。そして一緒に、今日のことも話してしまえばいい。そうすればさすがに私は進藤さんを殺せないし、それにこの五年間脅されていたのだと兄さんが言えば、保護ぐらいはしてくれるでしょう」
112歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:13:55 ID:ovH043UR
 俺の頭が、必死に美里の言うことを理解しようとしていた。
「どうするの? 今警察に話しに行けば、すぐにあなたが私を愛していないということが証明されて、進藤さんも死なない。
 でもその勇気がないと言うのならば、私は準備ができ次第明日にでも進藤さんを殺しに行くわ。そしたら私はすぐに警察に捕まるかもしれない。もし捕まらなくても、今日進藤さんに告白された兄さんは、否が応でも事情を聞かれることになるでしょう。
 あなたが私を愛していないというならば、そうすればさすがに警察に事情を話せるでしょう?」
 話し終えた美里が、その黒い瞳で俺の顔をじっと見つめた。
「どうするの? 兄さん」
 美里が繰り返した。
 俺はチラリとキッチンのほうを見てから、ベッドに座る美里を見た。それに気付いて、美里が言う。
「ふふ、大丈夫よ。私がどう頑張ったって、この距離なら兄さんが玄関から出るほうが早いわ」
 警察に行くと言った途端に、刺されるのではないか――。そう有り得ない心配をしたことに気付かれて、俺の顔が赤くなる。
「まあ、もちろん兄さんを刺すつもりなんか微塵もないけどね」
 美里は軽く手をあげて、俺をからかうように言った。
「まだ心配だって言うなら、服を脱いで何にも隠し持ってないって見せてあげてもいいわよ」
「べ、別にいい……」
「そう。それで、どうするの?」
 うまく働かない頭で、俺は必死に考えた。
 ……今俺が警察に行かなければ、進藤さんは美里に殺される。理性の訴えに従うなら、俺が警察に行く以外に選択肢はなかった。
 しかし……。しかしそれでも、俺は動けなかった。
 それが恐怖によるものなのか、はたまた――愛によるものなのか。俺にはわからなかった。
「俺は」
 それに続く言葉が、俺には見つからなかった。
 進藤さんを助けたい。それは本心だった。
 そしてその機会を前にして何も出来ないでいる自分を、認めたくなかった。
 矛盾する心と行動に、俺はどうすればいいのかわからなかった。
「俺は……」

 ――――ぷっ。
 美里が、小さく吹き出した。
「ふふっ……あははっ。あはははっ!」
 目を丸くする俺の前で、美里は笑い転げていた。
「な、い、いったい……」
「冗談よ、冗談」
 美里はあっけらかんと言ってのけた。
「兄さんの反応があまりに面白かったから、少しからかってみただけよ。進藤さんを殺す気なんてないわ。本当に殺すと思った?」
「じょ、冗談……」
 気が抜けた俺は、壁に寄りかかってペタンと座り込んだ。
「だいたい、進藤さんを殺しても私には何のメリットもないもの。五年前とは状況が違うの。殺す理由がないわ」
「よ、よかった……」
 進藤さんを殺さないということに、俺はただただ安堵していた。
 そして同時に――俺の気持ちを確かめないのだということにも、俺は内心安堵していた。

 だがそんな緩みきった心は、
「でもね」
 美里の言葉で、すぐに縮こまった。
「兄さんの気持ちを確かめる方法は、別にあるの」
113歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:14:27 ID:ovH043UR
 油断しきっていたところを、ガツンと殴られた気分だった。
 立ち上がった俺は、思わず声をあげた。
「はっ、な、何で」
「ふふ、意外?」
 美里は、明らかに俺をからかっていた。
 だがそれよりも、明らかに狼狽えた自分に対して、俺は思わざるを得なかった。
 ――俺は、自分の気持ちを知ることを恐れているのか?
 頭に浮かんだそんな考えを、俺は必死に否定した。
「それで、どういう方法なんだ……?」
 とにかく、俺は聞くしかなかった。俺の問いに、美里がもったいつけて言った。
「許可が欲しいって言ってたでしょ? 進藤さんと付き合う許可が」
 許可。俺の使った、気弱な表現だ。
「それがどうしたんだ?」
「兄さんが欲しいって言うなら、あげるわ、許可」
 俺はいまだに話の流れが読めずにいた。
「試しに進藤さんと付き合ってみれば? って言ってるの。もし兄さんが私を愛しているなら、すぐに私の元に戻ってくることになるわ」
 美里はベッドに腰掛けたまま、俺のほうに身を乗り出した。
「どうする? やるでしょ? これなら、引き返すのも簡単だものね」
 美里の提案を理解した俺は、自然に言葉を発していた。
「い、いいんだな……?」
「いいわよ。まあさっきから言ってる通り、そもそも傍にいるように私が強制した覚えはないんだけどね」
 美里から離れる。それを今、美里が許可したのだ。
「俺は離れるぞ……!」
 俺の声はいつの間にか大きくなり、手を広げて叫んでいた。
「離れる! 俺は! お前から!! 離れるからな!!」
 興奮する俺の前方で、美里はベッドから立ち上がるとツカツカと俺の前まで歩いてきた。
 真っ直ぐに俺の瞳を見つめる美里に、俺は勇気を出して睨み返した。
「……どうぞご自由に。できるものならば」
「やる! やってやる!!」

 それを聞いた美里は、くるりと身を翻してキッチンに向かった。思わず身構える俺に、美里が言った。
「時間、すっかり遅くなっちゃったわね。夕御飯、もう少しでできるから座って待ってて」
 拍子抜けした俺は、返事もせずにそこに立ち尽くした。


 夕食の間、会話はまったくなかった。
 ただ最後に一言だけ。黙々と食べる美里の様子をチラリと窺った俺に、美里が言った。
「何?」
「え、あ、何でもない」
「そう」

 夕食の後も、俺たちは互いに距離をとっていた。もちろん1DKの家の中では限界があるが、一緒に何かをすることはなく、会話も用事のあるときのみで、それも素っ気なかった。
 美里から離れると言った俺が美里から距離をとろうとするのは、ある意味で当たり前だった。
 もっともそれは今までであれば到底できなかったことで、美里による“許可”が、情けなくも俺を自由にしていることを意味していた。
 そして美里も、そんな俺にあわせるかのように俺に対して距離をとっていて、それが俺には不思議だった。てっきり俺が美里の元に戻りたくなるように、俺の傍にいようとするものだと考えていたからだ。

 夜、俺は床に布団を敷いて寝ることにした。ゴロンと転がり、ベッドで寝る美里に背を向ける。
「兄さん」
「ん」
 俺は出来る限り無愛想に返事をした。
「明日のお弁当は、いるの? 一応、作る都合があるんだけど」
「いらない」
 俺は即答した。
 やや間があって、美里が返事をした。
「……そう。じゃあ、おやすみなさい」
 俺は答えずに、そのまま眠った。
114歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:14:51 ID:ovH043UR

 俺が目を覚ましたとき、美里はキッチンに立っていた。
 顔をあげて枕元に置かれた目覚まし時計を見る。こんな早い時間に俺の目が覚めるのは、かなり珍しかった。
 俺は二度寝しようとして、再び目を瞑った。しかし美里の動く音が聞こえてくると、まったく眠れなかった。これもかなり珍しいことである。
 そうやって眠れず悶々としている間に、美里が玄関に向かう音が聞こえてきた。普段は俺の起床時間の四十分後ぐらいに一緒に家を出るのであるから、かなり早い出発である。
 そのまま家を出るのかと思ったら、突然美里の声が聞こえた。
「いってきます」
 もしかしたら、寝ているフリがバレているのかもしれない。そう思ったが、俺はドキドキしながらも何も答えなかった。
 少しの間何の音もしなかったが、やがて玄関のドアが開く音がしたあと、ドアが閉じてガチャリと鍵の閉まる音がした。

 美里の足音が遠ざかるのを確認してから、俺は布団から起き上がった。窓から差し込む日差しに目が痛い。俺は大きく伸びをしたあと、洗面所に向かった。
 顔を洗って戻ってくると、テーブルの上に朝食が置かれているのに気付いた。
 焼魚の載った皿とサラダの盛られた皿にラップがかけられ、その横にはお茶碗と味噌汁のお碗が伏せられている。
 キッチンを見ると、コンロの上にはいつも使っている鍋が置かれていた。
 俺はキッチンまで歩きコンロに火をつけたあと、炊飯器からお茶碗にご飯を盛り、味噌汁が温まるのを待ってお碗に入れた。
 座って箸をとり、誰にともなく言った。
「いただきます」
 お茶碗を手に持ち、ご飯を一口、口に運ぶ。

 いつものことながら、凝った朝食だと思う。専業主婦ならともかく、それは高校生が学校に行く前に作るような朝食ではなかった。
 考えてみれば、美里は毎日頑張りすぎなぐらいに家事をしていた。
 学校に通う身でありながら、二人分の食事を作り、掃除をし、洗濯をし、買い物をし……。本来ならば互いに助け合うべき高校生二人きりの家庭において、美里はそれらの家事をすべて一人で行なっていた。
 そんな知っていたはずの事実を改めて認識して、俺は心にズキンと来るものを感じた。
 今までは、俺には美里に従わされているという意識があった。それは被害者意識のようなもので、美里に頼りきっていることに対して、まるで免罪符のように働いていた。
 だが進藤さんと付き合うということは、美里から離れるか、あるいは美里への愛を知る結果になったとしても、美里と対等な立場に立つことを意味していた。
 そしてその対等な立場で見て、初めて俺は罪悪感のようなものを感じたのである。
 そして同時に、俺は美里への感謝の念を感じていた。
 もちろん二人きりで暮らすようになったのは、美里が両親を殺したためであり、それによって生じた苦労を美里が背負うのは当たり前かもしれない。
 だがそれでも、今回のことがきっかけとなって、美里に対する認識が変わることになるだろうと、俺はそう感じていた。

 食事を終え、学校へ行く準備を済ませて、俺は家を出た。
 アパートの階段を降りると、まだ五月だというのに強い日差しが体を照らし、汗をかく。
 俺はなんとなく横を見て、そこに美里がいないことに変な感覚を覚えた。


 学校に着き教室に入ると、俺は真っ先に進藤さんの席を見た。そこにはいつもと変わらず、本を読んでいるらしい進藤さんの姿があった。
 普段なら真っ直ぐに自分の席へと向かうところだが、俺は進藤さんの席によって一声かけた。
「おはよう」
 進藤さんは一瞬ビクンと震えたが、本から目をあげて俺の顔を確認すると、その顔に笑みを浮かべた。
「お、おはよう、菊池くん」
 その調子は相変わらず辿々しかった。
 俺はそのまま自分の席に向かい、鞄を机の横にかけて椅子に座る。何となくまた進藤さんのほうを見てみると、進藤さんは先ほどのやり取りを見ていたらしい河平さんにからかわれていた。
115歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:16:15 ID:ovH043UR
 退屈な午前中の授業を終え、昼休みになると俺はすぐに購買部に向かった。今日は弁当がないので、何か食べるものを買わなければいけなかった。
 購買部に着いたときには、俺と同じく昼食を求める生徒が列になっていた。結局俺の番が回ってきたときには残っているものは少なく、適当に惣菜パンを二つ買ってお金を払った。
 教室に戻ると、クラスメートはいつも通り数人ごとにグループになって昼食をとっていた。
 俺は自分の席に座り、先ほど買ったパンの封を開けて一人で食べ始める。
「今日は美里ちゃんと一緒じゃないのか?」
 見ると、既に弁当を食べ終えたらしい郷田の顔があった。
 俺は口の中のパンを飲み込んでから答えた。
「うん、ちょっとね」
「なんだ、喧嘩でもしたのか?」
 喧嘩と言えば喧嘩なのだろうか。だが、喧嘩と言うよりは俺の反抗と言うほうが近いかもしれない。
 どちらにしろ、ただのクラスメートである郷田に話すつもりはなかった。
「いや。別に何にも」
「そうか」
 そう言って郷田はどこか行こうとしたが、くるりと振り返り、また俺のほうを向いて言った。
「何かあったら、相談しろよ?」
 俺は思わず郷田の顔を見た。ただのお調子者だと思っていたクラスメートの言葉に、俺は少し驚いていた。
「何だよ、意外そうな顔して。友達なんだ、当然だろ?」
 友達。二日前にも同じ口から聞いた言葉が、何だか違って聞こえた。
「……うん。ありがとう」
 その場の会話は、そこで終わった。

 五年前のあの頃から、俺には友達がいなかった。
 事件のことを知って気まずそうに俺から離れていく奴も少なくなかったし、俺のほうから距離をとった奴も大勢いた。
 友達を作らなかった、と言えば少し傲慢だろうか。
 事件のショックが俺に何かしらの影響を与えたのかもしれないし、美里との関係が俺を人間不信にしたのかもしれない。いずれにせよ、俺には進んで友達を作ろうという気力が湧かなかった。
 だが美里から離れようと考えて、俺の心に何か変化があったのかもしれない。友達と言ってくれた郷田を、その時俺はひどくありがたく感じていた。

 午後の現代文の授業の後、ホームルームを終えて放課後に入った。皆でいよいよ明日に迫った文化祭の準備を始める。
 俺のクラスは昨日までの努力の甲斐あって、やるべきことはほとんど残っていなかった。教室から机を運び出し、手作りプラネタリウムの機材をセットするだけだった。
116歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:16:42 ID:ovH043UR

 作業はかなり早く終わった。時計を見ると、下校時刻までまだ一時間以上ある。
「よし! みんなお疲れさまー!」
 河平さんが、皆に大きな声で言った。
「あとは明日、頑張るだけ! あ、これ明日の当番表。前に言っておいたのと基本的に同じだけど、少し変更もあるから」
 そう言って、河平さんは持っていたプリントを皆に回した。
 受け取った当番表から俺の名前を辿ると、前に聞いたのと当番の時間が変わっていた。だからといって、特に不都合があるわけではなかったが。
 解散した後、河平さんが顔に笑みを浮かべて俺に声をかけてきた。
「時間、あわせておいたから」
 その言葉に、俺は再び当番表を確認する。進藤さんが、俺と同じ時間に入っていた。
「明日、理沙と一緒に回ってくれるんでしょ?」
「今から進藤さんに言うとこ」
「そう。じゃ、私これからまた委員会の仕事だから。理佐をよろしくね」
 そう言うと、河平さんは手を振って帰っていった。
 俺は進藤さんはどこかと辺りを見回し、教室の隅のほうに彼女を見つけた。
 進藤さんはそこに下を向いて立っていた。おそらく明日の誘いに対する、俺の返事を待っているのだろう。
 俺が進藤さんに近づくと、彼女は怖々とした様子で顔をあげた。
「進藤さん」
「は、はい……」
 進藤さんは、まるで運命の刻を待つかのように身構えていた。大げさな、と俺は思ったが、進藤さんの性格を考えると当然かもしれない。
「明日のことだけど、いいよ。一緒に文化祭回ろうか」
 承諾の返事に、進藤さんの表情が一気に笑顔に変わった。
「い、いいの!? あ、ありがとう、菊池くん!!」
 そう言う進藤さんは本当に嬉しそうで、まさに今にも飛び上がらんばかりの喜びようだった。
 そんな進藤さんの様子に、俺は少し罪悪感を感じた。
 ――美里から離れるために、俺は進藤さんを利用しているのだ。
 進藤さんのことを嫌いなわけではない。むしろ可愛らしい女の子だと思っているし、ちょっとしたことに慌てたり喜んだりする仕草に、野暮な言い方をすればキュンと来るものも感じていた。
 だがそれでも、それは異性への好意とは違っていた。今後それに発展することがあるとしても、現状では違うのだ。
 もちろんまだ明日の誘いを承諾しただけで、進藤さんからの告白に返事をしたわけではない。
「あ、あの、今日、途中まで一緒に帰ってもいい……?」
 気がつくと、進藤さんが俺の顔を見上げておどおどと尋ねていた。
「……うん、いいよ」
 そう、まだ文化祭を一緒に回る約束をしただけだ。だが美里から離れるために、俺は近いうちに告白も承諾するだろう。

 ――美里から、離れるために。
 今や俺のすべての意識は、それに向いていた。
 進藤さんに対して悪いと思う気持ちは確かにあったが、それでも俺は美里から離れたかった。

 だがしかし、そもそも“誰かと付き合う”という形をとらなければ、美里から離れられないということが何を意味するのか。
 嬉しそうにする進藤さんの前で、俺は頭に浮かんだ考えを必死に打ち消そうとしていた。
117歪な関係 ◆YMBoSzu9pw :2009/08/31(月) 21:17:40 ID:ovH043UR
投下終わりです。
ごめんなさい最初の2レス、ミスって改行がおかしいですね。すいません。
118名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 21:42:47 ID:j83hqWnZ
>>117
狂気のいも――兄妹GJ!
どっちも歪で狂っているなら、迷走も致し方なしさね。

次回、血飛沫が舞うのか、楽しみにしています。
119名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 23:59:32 ID:TU5rvAiW
面白かったっす
だいぶ詰まってるみたいだけど自分が書きたいものを自分のペースで書けばいいと思うよ
120名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 01:10:59 ID:QbpTsNku
>>117
とても良い。正に理想の妹。
121名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 01:59:26 ID:WD83JkPP
>>117
面白かった
122名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 02:01:37 ID:2mIrL6I9
>>117
続きすげー気になる
GJだ!
123名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 02:29:02 ID:qwFRu+b0
>>117
やっべ興奮した
GJ!
124名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 11:50:49 ID:MxbXRuG1
>>117
本妻の余裕か…
125名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 14:18:16 ID:yVofKBZS
GJです。
うーんサスペンス。

>>89
普段ここしか見ないので教えて欲しいんですが
キモウト系のスレってここ以外にどんなところがあるんでしょうか。
126名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 15:01:23 ID:Ksg8f3X0
『新ジャンル』系スレならキモウト(レベルの妹)がそろってるぞ。
釣りに注意な
127名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 19:42:31 ID:OMMZr+5p
ヤンデレスレとか、いもうとスレもたまには覗くと良いかも…ってヤンデレスレはまだあるか?
128名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 19:58:17 ID:7TWz4lgH
ってヤンデレスレを見てないのかい。
このスレをあっちに統合してもまったく問題ないぐらいなのに。
129名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 20:15:37 ID:K8ECHdHU
キモ姉妹の基本形は近親+ヤンデレの複合だからなぁ。
130私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:24:55 ID:SE784J3q
二日連続投下。
今回は短編です。
思いついて一日で書き上げた。
歪な関係の続きはちょっと待って。

キモウトのつもりだけど、ちょっとこのスレっぽくないかも。
131私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:25:33 ID:SE784J3q
 ある梅雨の時期の、じめじめと蒸し暑い日の午後。
 私は通う高校の校長室にいた。

 呼び出された理由は簡単である。
 私が他所の高校の生徒を殴って、怪我をさせたのだ。
 相手は二人。一人は打撲で済んだが、もう一人は足を骨折した。
 校長室には私と殴られた二人の他に、先生方、そしてそれぞれの保護者。
 私が殴った事実を認める一方で、殴られたうちの一人は必死に私を庇った。

 ――私が怪我をさせたのは、兄とその彼女であった。


 それは、三日前のことである。私は母と喧嘩していた。
「こないだも! その前も! 何なのよこの成績は!! あんたちゃんと勉強したの!? どうせ毎日遊び呆けてたんでしょ!!」
 喧嘩の話題は、その日返ってきたテストの結果のことだった。
 母の一方的な物言いに、私も声を荒げた。
「してたわよちゃんと!!」
 実際、私は今回いつも以上に勉強を頑張った。
 テスト前に帰りが遅い日が続いていたので、母は遊んでいたのだと決めつけているが、実際は学校の図書室で勉強をしていただけである。この家族のいる家で、勉強する気になれなかったのだ。
「じゃあ何なのよ、この成績は!!」
 そして母はそう言うが、前回に比べればかなり成績は良くなったし、全体から見てもそれほど悪いほうではないのだ。それでも母には不満だった。
 母の言い分は、決まっていつもと同じである。
「まったく! 隆史に比べてあんたは!!」
 隆史――私の兄は、頭が良かった。県内で一番頭の良い進学校に通い、その中でも上位をキープしている。
 母は、そんな兄を自慢に思っていた。そしてその兄と私を比べ、いつも私を非難する。
 私にはそれが、我慢ならなかった。


 その夜、私は家を飛び出した。
 小さい頃からの親に対する不満が、私の中に積み重なっていた。兄ばかりを褒め、私の努力を見ようとしない親が嫌いだった。
 私だって、努力はしているのだ。いつも褒められる兄に少しでも追いつこうと、毎日勉強を頑張っていた。
 そして、自分としては結果を残しているつもりでもあった。
 兄の通う高校には及ばないとは言え、寝る間も惜しんだ受験勉強の末、担任に無理だろうと言われた高校に合格することもできた。その高校の授業にも、毎日の勉強を欠かさずについていくことができていた。
 だがそれでも、親は私を褒めてはくれないのだ。そして私の努力を認めてくれないばかりでなく、まるで私を不良少女のように扱うのである。
 勉強が出来ないから、裏で煙草でも吸ってるのだろう。勉強が出来ないから、変な奴らとつるんでるんだろう。勉強が出来ないから、駄目な人間なのだろう。
 そう謂れのないことを言われるのが、私はひどく嫌だった。


 家を出た私は、適当に街をブラブラと歩いていた。衝動的に飛び出してきてしまったが、行く宛があるわけでもない。
 結局すぐに家に帰ることになるのだろうと思ったが、帰ったとき親がどんな反応をするのか、それを考えると怖くて仕方がなかった。

 賑やかな商店街を離れしばらく歩いていると、やがて小さな公園があった。
 疲れていた私は、そこにあったベンチにポツンと座った。公園に設置された時計を見ると、時刻はちょうど十一時を回ったところである。
 空気が冷えてきているのを感じて、空を見上げる。
 黒い雲が一面に広がっていて、
 ――ポタ。
 雨が、降りだした。
 最初は小降りだったそれもだんだんと強くなり、やがて打ち付けるような強い雨になった。
 私は周囲を見回した。しかし雨宿りできそうなところはなく、しょうがなく葉の生い茂った樹の下に移動する。
 何もないところよりはマシだったが、それでも葉から滴る水滴が、体を濡らした。
132私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:25:55 ID:SE784J3q
 寒い。私はしばらくそこに居た。
 雨は強くなる一方で、まったく止む気配がなかった。
 体が震える。思わず手で体を擦ったが、気休めにしかならなかった。

 寂しかった。
 そして家を出てこんなところで震える自分が、滑稽だった。

 ――結局、私は親の言う通りの駄目人間なんだ。
 心が弱っていたからだろうか、そんな考えが頭に浮かんだ。


「優奈!!」
 突然、私の名前を呼ぶ声がした。
 眩しい光が私に向けられ、ぬかるんだ地面を駆ける足音がした。
 私が顔をあげると、そこには走り寄る兄の姿があった。

 兄が、憎かった。
 いつも親に褒められ、そして私には決して手の届かない兄が、私は大嫌いだった。

 だからその時も、
「何で来たの!!」
 私は叫んだ。

 私の近くに来た兄は、おそらく走り回っていたのだろう、荒く息を吐いていた。
「優奈……! 見つかってよかった……!!」
 兄は私の言葉には答えず、自分の差している傘とは別に、腕に提げた袋から傘を取り出し私に差し出す。
「これ、使って」
 その手を私は無視した。
「私はお兄ちゃんに来てくれなんて行ってない!!」
 私の剣幕に、兄は少し狼狽えた。
「お、俺は優奈が心配で……」
「隆史くん! 優奈ちゃん見つかったの!?」
 兄の来たほうから、高い女の声がした。
「舞! こっちだ!」
 その女は跳ねた泥に服が汚れるのも構わず、ぬかるんだ地面をこちらに向かって走ってきた。兄と同じ学校に通う、兄の彼女の舞さんであった。
「はあ、はあ、よかった……優奈ちゃん無事で……」
「来ないで!!」
 舞さんの顔を、私はキッと睨みつけた。
 だが兄と違って、彼女は動じなかった。
「傘、差さないと風邪引いちゃうよ?」
 そんな舞さんの様子が、私の癪に触った。
「来ないでよ! 母さんも! 父さんも! あんたたちも!! 私は大嫌いなの!! お兄ちゃんやあんたなんかに、私の気持ちがわかるもんか!!」

 兄に助けられるのが、嫌だった。
 私では決して敵わない、兄に助けられるのが、情けをかけられているようで嫌だった。
 私のことなんて、放っておいてくれればいいんだ。

「……帰ろう、優奈」
 だがそれでも、兄は私に手を差し伸べた。

 カッとなって、気付いたときには拳を振り上げていた。

「隆史くん!」
 舞さんが悲鳴をあげる。
 殴られた兄は吹っ飛び、近くにあった遊具に思いきり足を打ち付けた。
 私は倒れた兄に覆い被さり、さらに何発も殴りつける。
133私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:26:22 ID:SE784J3q

「やめて! やめて優奈ちゃん!!」
 舞さんが傘を手放し、私の腕を抑え付けた。私は抵抗し、勢いなく彼女の顔にも拳を当てたが、それでも彼女は手を離さなかった。
「放して! 放してよ!!」
「お願い、落ち着いて! 優奈ちゃん!!」
「あんたなんか……! あんたなんか!!」
「おい! お前ら何してる!!」
 突然遠くから声がして、懐中電灯を持った警官がこちらに走ってきた。
 それを見て私の気持ちが、何だか急に覚めていった。

 結局私はその警官に抑えられ、兄と舞さんとともに近くの交番に連れていかれた。
 兄は足をひどく痛めたようで、舞さんに支えられながら歩いていた。

 交番では、痛さに呻く兄に変わって、舞さんが事情を話した。
 やがて救急車が来て、兄はタンカに乗せられて運ばれていった。
 それからしばらくして、連絡を受けた私の両親が来た。交番に入ってきた母に、私は真っ先に頬を叩かれた。

 母のことは嫌いだが、これに関して彼女を責める気はない。家出した挙句、兄を殴って大怪我をさせたのだ。彼女の反応は当然だった。

 私は、自分が惨めだった。
 親に不良少女と罵られても、実際にそうはならないことで守っていたプライドを、私は自らの手で崩したのだ。
 公園で考えていたことが、再び頭に浮かぶ。
 結局、私は本当の駄目人間だったのだ。


 舞さんも怪我はしていたがひどいものではなく、兄とのことは身内のイザコザだということで、幸い警察沙汰にはならずに済んだ。
 警察に厳重注意を受けた後、私たちは舞さんと一緒に父の運転する車で病院に向かった。
 兄は足をギブスで固定し、松葉杖をついて出てきた。時折顔をしかめ、足を痛そうにする。
 兄は、右足を骨折していた。おそらく私が殴った衝撃で兄が倒れ、遊具にぶつかったときに折ったのであろう。
「ああ、隆史、大丈夫? 優奈のせいでこんなことに……」
「う、うん、大丈夫だよ、母さん」
 兄はそう言った後、ちらりと私のほうに顔を向けた。私はすぐに顔を背けた。
 兄と目を合わせるのが、何故だか怖かった。


 ついでに病院で舞さんの顔の傷の手当てもしてもらった後、私たちは舞さんと別れ、兄と一緒に家に帰った。
「この馬鹿娘が!!」
 家に入った途端、予想した通りすぐに父親から殴られた。
「まったく! 兄妹だってのに、隆史と違って何でお前はそうなんだ!!」
 父の怒号が家に響き、それに母の声も加わる。
 いつもと違って、さすがに今日ばかりは私も何も言えなかった。ただ黙って、親の言葉に身を小さくする。
 だが、私は泣けなかった。家に着くまでは、今日は今まで親に見せたことのない涙を見せてしまうことになるだろうと、何となくそう思っていた。
 だが何故だかその日、私は泣けなかった。

 結局親の説教は、日が昇り始め、兄が止めに入るまで続いた。
134私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:26:48 ID:SE784J3q

 舞さんの親から電話があったのは、その次の日だった。
 顔の傷を見た親が彼女に問い詰め、舞さんは渋々事情を話したらしい。
 舞さんの親は被害届を出すとこそ言わなかったが、私の学校に連絡すると言っていた
 加害者側である私とその家族は何も言うことが出来ず、そうして今日、私たちは校長室にいるのである。

「この度は私の娘が、おたくの娘さんにお怪我を負わせてしまって、本当に申し訳ありませんでした」
 母が舞さんの親に、深々と頭を下げた。
「申し訳ありませんでした」
 その横で、私も頭を下げる。
「まあ、そんなかしこまらずに」
 だが舞さんの父親はそう言って、私たちに頭を上げさせた。
 彼は、娘とおたくの隆史くんがお付き合いしていることは知っているんだがね、と前置きして、私に向かって話し始めた。
 その話をまとめると、こんなところだった。
 娘が付き合っている相手の家族に、他人を殴るような人間がいるということは、正直親として心配でならない。
 だが娘も、そして隆史くんも、君は本当はいい子なのだと言っている。
 隆史くんのことは娘からよく聞いて知っているし、実際に何度か会ったこともあるが、根の真っ直ぐな非常に優しい子だ。
 その隆史くんが、骨折をしておきながら君を優しい子だと言っている。そして私たちの娘も、同じように言う。
 だから私は彼らと君を信じて、責めることはしない。
「でもね」
 最後に、東条さんの父親はこう締めくくった。
「どんな事情があったにせよ、君が人を殴ったという事実は変わらない。だから私は君を責めないけど、学校には連絡させてもらうことにした。悪いことをすれば、罰を受けなきゃいけない。それが社会のルールだ」
 私は、聖人君子のような目の前の男に感服した。そして同時に罪悪感を感じた。
 いくら信じてもらっても、私はそんないい子ではない。駄目人間なのだ。

 その後は、先生方を中心に私の処分をどうするかという話になった。
 兄が一人、処分をしないように訴えた。
「自分が妹を怒らせてしまっただけなんです! 妹は悪くないんです!」
 だが舞さんの父親が言うように、私が誰かを殴った事実は変わらない。
 私は、一週間の停学処分になった。


 処分の決定した次の日、私は家にいた。
 父は仕事で、母はパートに行っている。
 そして兄は、学校を休んでいた。ギブスをしていても少し動く度にまだ足が痛み、一人で行動するのはきついらしい。
 もう二、三日休むことになるだろうと、そう言っていた。


 ベッドに横になりながら、私は考えていた。
 ――何故私は、こんなに駄目人間なのだろう。
 頭に浮かぶのは、兄のことだった。
 駄目人間でない兄が、羨ましく、妬ましい。
 親に褒められる兄。私には決して手の届かない兄。

 だがそれでも、兄は小さい頃から私に優しくしてきたのだ。
 私が親に理不尽なことで怒られる度に、お前は悪くないと、私を慰めてくれた。
 そしてその度に、私は兄を嫌いになっていったのだ。
 私が欲しくても貰えない、親からの愛情を独り占めしておきながら、どの口でそんなことを言うのだと。
 兄が私に優しくすればするだけ、浅ましい嫉妬で、私は兄への憎しみを募らせてきたのだ。

 ――コン、コン。
 不意にドアを叩く音がして、それから兄の声が聞こえた。
「優奈。話があるんだ。入っていいか?」
 私は答えずに、ベッドに寝たまま天井を見上げていた。
 その沈黙を肯定の返事ととったのであろうか、兄がドアノブを回した。滑りの悪いドアが、ギィッと嫌な音を立てて開く。
 松葉杖をついた兄が部屋に入り、後ろ手にドアを閉めた。
「優奈」
 兄が呼びかける。
 事件のあった日から、私は兄と会話をしていなかった。どんな顔をして、何を言えばいいのかわからなかった。謝罪の言葉さえ、一言も述べていなかった。
135名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 20:27:08 ID:fGX15lPX
ここ最近のキモウトSS攻勢……これは国策投下ではないのか…?
136私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:27:27 ID:SE784J3q

「こないだのこと、話しにきたんだ」
 黙ったままの私に、兄は続けた。

「その、こないだはごめん」

 何で、お前が謝るのか。
 私はすぐにそう思った。

「俺が優奈の気持ちを全然わかってなくて、優奈を怒らせちゃって……」

 違う、悪かったのは私だ。
 兄のことが憎くても、それに関しては私は自分の非を認めていた。

「ごめん。本当に悪かった」

 違う、謝らなければいけないのは私なのだ。
 私が、憎いお前に謝らなければいけないのだ。

「ごめん、何度でも謝る。許してくれ」

 繰り返す兄に、私はベッドから起き上がった。

「そんなことで、お兄ちゃんを許すと思ってるの?」
 だが口をついて出てきた言葉は、思っていたのとは正反対のものだった。

「私が! 謝られただけで! お兄ちゃんを許すと思う!?」

 違う、私は謝らなければ……。
 そう思えば思うほど、私の口からは兄を非難する言葉が出てきた。

「お兄ちゃんのことがどれだけ憎かったか! 私がどれだけ惨めな思いをしてきたか!! お兄ちゃんにわかる!?」

「ごめん! ごめん優奈! 何でもする!!」
 兄はさらに声を大きくし、必死に謝り続けた。

 違う。違うのだ。
 何でお前が謝るのだ。
 お前は、怒ればいいのだ。
 人のことを殴っておきながら、何だその態度はと、私を怒ればいいのだ。
 お前がそんなに優しいから……。

「うるさい!!」

 ――お前がそんなに優しいから、私はお前が憎いのだ。

 私はベッドから飛び降り、兄の胸ぐらに掴みかかった。
 兄の体が壁に打ちつけられる。
 その拍子に兄は持っていた松葉杖を手放し、バランスを崩した。
 兄は床に崩れ、私は引っ張られて、その上に馬乗りになる形になった。

「つっ……!」
 兄が呻き声をあげた。おそらく、骨折している右足が痛いのだろう。

 それでも兄は、私に謝り続けた。
「ごめん、ごめん優奈……」

 ――パチンッ。
 思わず、私は兄の顔を平手で打ち付けていた。
137私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:28:12 ID:SE784J3q

「何で……!」
「なっ……!?」
「何で!!」
 私は叫んだ。

 何で。何で。何で。何で。何で。
 私の頭の中で、その言葉が渦巻いていた。
 何でお前は、そんなにも優しいのだ。
 何でお前は、私を慰めるのだ。
 何でお前は、駄目な私に優しくするのだ。

 何でお前は……。

「……っ!」

 私は兄の顔を両手で掴み、
「ゆ、優奈……!」
「黙れ!!」
 その口に、私の唇を押し当てた。

 激しく口を吸い、舌で口内を蹂躙し、唾液を飲ませる。
 兄がジタバタと暴れたので、私はギブスに巻かれた右足を軽く叩いてやった。
 しばらくそんなことを続け、やがて兄が諦めたように抵抗をやめてから、私は口を離した。

「ぷはぁっ、はぁっ……! ど、どうして……!!」

 兄の問いに、私は答える術を持たなかった。
 私にも、その理由がわからなかったからだ。

 だがそれでも、私は衝動に任せて手を兄の股間に伸ばした。

「や、やめろ! やめてくれっ! ゆ、優奈!!」

 兄の制止の言葉など、聞く気はなかった。
 ズボンに手をかけ、ズルズルと下に引っ張る。
 途中でギブスに引っかかったが、私は痛がる兄を無視して無理矢理それを脱がした。
 さらにパンツをずり下げると、ひょろんと寝ている兄のぺニスが現れた。

「ふふっ……オチンチン曝け出して不様な格好ね、お兄ちゃん……」
「ううっ、お、お願いだ。ゆ、優奈、やめてくれ。頼む、頼む……!」

 私は兄の言葉を無視して、兄のぺニスに手を触れた。
 兄の体がビクンと震える。

 しばらくそれを手で弄っていると、やがて不完全ながらぺニスが立ってきた。
 私はそれを迷わず口に含む。

「うっ……!」

 兄が、痛みによるものとは違う呻き声をあげる。
 またジタバタと抵抗し始めたので、何度か兄の右足を叩いた。

 ジュブジュブと音をたてて、私は兄のぺニスを口に出し入れした。
 そのぺニスを蹂躙するように、出来るだけ激しく、出来るだけ卑猥に。
138私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:28:42 ID:SE784J3q

「ゆ、優奈……ううっ……! ゆ、許してくれ……!!」

 兄は泣いていた。

 私は、妙な征服感に包まれた。
 私より優れている兄が、私の下で喘いでいる。
 憎い兄が、私の下で許しを請うている。

「ううっ……や、やめてくれ! 優奈……!」
「しっかりオチンチンおったてておいて、何言ってるのよ」

 私は兄のぺニスから口を離すと、履いていたズボンを脱いだ。さらに下着も脱ぎ捨て、床に放る。
 私のそこは、既に濡れていた。

 セックスの経験はなかったが、そこをいじったことはあった。
 特に生理前などでムラムラしたときにはよく行う。
 だがそれでも、それは私にとってちょっとした息抜きであり、昂った性欲を抑えるためのものでしかなかった。

 しかし今、私のそこは濡れていた。
 兄のぺニスを舐めただけで、私のそこはひどく濡れていた。
 私は今まで味わったことのないような、強い性的興奮の中にいた。

 私が下半身を露にしたことに気付いた兄が、声をあげた。
「ゆ、優奈! 何を……」
「ふふっ、お兄ちゃん、舞さんとはもうセックスした?」
「セ、セックスするつもりなのか!? 俺たちは兄妹だぞ!!」
「ねえ、質問に答えてよ。舞さんとはセックスした?」
「……そ、そういうことはまだしてない……! お願いだ! やめてくれ優奈……!!」

 それを聞いた瞬間、私のそこはさらにジュンと濡れた。

 あの女の前では出したことのないような声を、兄は今私の下で出しているのだ。
 頭がよくて、優しくて、美人で、私では何一つ敵わない女の彼氏を、私は今襲っているのだ。

 兄を奪っていった女の彼氏の童貞を、私は今奪おうとしているのだ。

「お願いだ! ゆ、優奈! それだけはやめてくれ!!」
「さっき、何でもするから許してくれって、そう言ったでしょう? あれは嘘だったの?」
「う、嘘じゃない! だけど……! だけど……!!」
「ふふ、これを舞さんが知ったらどんな顔をするかしら」

 見てみたかった。
 これを知ったときの、あの女の顔を。
 さすがにあの女も、私が彼氏を襲ったことを知れば怒るだろう。
 もしかしたら温厚なあの女でも、ビンタの一つくらい私に浴びせるかもしれない。

 いい気味だ。
 泣き叫べばいい。
 怒鳴り散らせばいい。
 あの女の表情を、醜く崩してやりたかった。
139私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:29:21 ID:SE784J3q

「お願いだ! ううっ! 優奈、やめてくれ!!」

 今さら引き返すことなど、できなかった。
 私は左手でいきり立った兄のぺニスを掴むと、既に十分に濡れた自分のそこに宛がった。

「そ、そのまま入れるのかっ!? お願いだ、優奈! 落ち着いてくれ!!」

 私は再び兄の右足を叩いて、黙らせる。

 避妊など、どうでもよかった。
 後のことなど、どうでもよかった。
 兄をめちゃくちゃにしてやりたかったし、私もめちゃくちゃになりたかった。
 兄への憎しみに身を任せて、狂ってしまいたかった。

「入れるよ、お兄ちゃん」
「ううっ、優奈……!」

 私は、一気に腰をおろした。

「……っっ!!」
「ああああっ!!」

 声にならない私の叫びと、兄の叫びが重なる。

 破瓜の痛みは、想像を絶するものだった。
 そのまま倒れこみたくなるのを必死で堪える。
 死ぬほどの激痛とはよく言ったものだ。

 私のそこから、赤い液体が流れていた。

「……!? お、お前……!!」
「ふぅっ……ふぅっ……!」

 痛みに、呼吸が荒くなる。

「お、お前初めてなのか!? い、いったい何考えて……!!」
「うるさい……!」

 私が初めてかどうかなど、どうでもいいことだ。
 そんなことは問題ではない。

 私は痛みを我慢しながら、ゆっくりと腰を上下に動かし始めた。

「ああっ! 優奈! 優奈!! お願いだやめてくれ!!」
「ふっ……そう、うっ、言いながら……ふぅっ、ふっ……しっかり、感じてんじゃ、ないの」

 動く度に全身に激痛が走り、声が漏れる。
 私の額からは嫌な汗が流れていた。

 私は痛みに感じるどころではなかった。
 だがそれでも、兄を犯しているという状況に、興奮はどんどん高まっていった。
 私は必死に腰を動かし続けた。
140私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:29:46 ID:SE784J3q

「ふぅっ……! ふぅっ! あぁっ……! ああっ!!」

 私は叫んだ。
 それは痛みをごまかすためでもあったし、気持ちが昂って思わず漏れたものでもあった。

 この状況に、私の頭の中ではたくさんの記憶がフラッシュバックしていた。
 親に叱られる私。
 それを慰める兄。
 冬に玄関から閉め出された私。
 こっそり窓から入れてくれた兄。
 親から褒められる兄を、遠くから見ている私。
 私の頭を撫でる兄の手。
 兄と手を繋いで歩いた、あの道。

『優奈のことは、ずっと俺が守ってやるから』

 小さい頃の、兄の言葉。

「ああっ! お兄ちゃんっ! お兄ちゃん!!」

 私は叫んだ。
 気付けば、私の目からは涙が流れていた。
 それでも私は腰を振り続けた。

「優奈……! 優奈!! ううっ、ごめん……! ごめん……!!」
「謝らないで! ああっ! 謝らないでよ!! 憎いあなたが、私に謝らないで!!」
「優奈……!」
「ああ! ああっ!! 謝らなきゃいけないのは私なの!! だから……!!」

 私の感情の昂りにあわせて、腰の動きはどんどん速まっていった。

「と、止まってくれ! 優奈!! お、俺もう……!」
「止めない……! 離さない!! 離れないでよ!! ずっと! ずっと私を守ってよ!! 私の傍にいて!!」
「も、もう駄目だ! 優奈! お願いだ! 優奈!!」
「来て! お兄ちゃん!! 来て!! ああ! ごめんなさい! お兄ちゃん! ごめんなさい!! ああ!! ああああっ!!」
「ううう!! ああああっ!!」

 その瞬間、私の中に兄の精が放たれた。

 私は兄の体の上に倒れ込んだ。
 私も、兄も、荒い息をしてしばらくそのままだった。

「優奈……」

 上を見上げると、そこには涙まみれの兄の顔があった。
 私はそこに顔を近付け――短い、キスをした。
 今度は、兄は抵抗しなかった。
141私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:30:13 ID:SE784J3q

 そして、急に現実的な感覚が戻ってきた。
 自分が今しでかしたことの意味を、今更ながら理解した。

 私は兄を弾き飛ばした。
 兄の体が転がり、兄が右足を痛そうにして呻く。
「ゆ、優奈!?」
「出てって!」
「は!?」
 私は大きく息を吸った。
「出てって!! 今すぐこの部屋から出てってよ!!」
 そう叫んで、私は兄の衣服と松葉杖を兄に投げつけた。
「ちょっ! ちょっ……!?」
「出てって! 出てって!!」
 私はさらにそこら中のものを、手当たり次第兄に向かって投げつけた。
 兄は困惑しながらも、何とか立ち上がり右足を引きずりながら急いで出ていった。
「優奈! 優奈!?」
 疑問の声をあげる兄を前に、私は部屋のドアをピシャリと閉めた。

 その後、私はずっと泣いていた。
 大声をあげてワンワンと泣いた。
 母が帰ってきても、父が帰ってきても、私は泣いていた。
 親が部屋の前で怒鳴っても、机をドアの前に引っ張って、部屋にこもり続けた。

 今まで溜め込んでいた気持ちが、全部出ていくようだった。
 親のこと。勉強のこと。舞さんのこと。兄のこと。私のこと。
 やがて泣き疲れて眠ってしまい、そして起きたのは次の日の朝だった。


 私は、妙に清々しい気分だった。
 カーテンを開けると、眩しい日差しが部屋の中に差し込んだ。
 窓から見える光景が、いつもと違って見えた。

 とりあえず早急にしなければいけないことが、ひとつあった。
 机の引き出しをいくつか漁って、目的のものを見つける。
 その封を破って口に入れ、唾液と一緒に飲み込んだ。

 それから、母がパートの仕事に行くのを待った。
 それまでに何度か部屋の前に来て怒鳴られたが、私は黙っていた。
 昨日から、親は私が兄を襲ったことに関しては何も言っていなかった。おそらく兄が、親に言わないでいてくれているのだろう。

 母が家を出ていくのを確認してから、私はドアの前の机をどかして部屋を出た。
 真っ直ぐに兄の部屋に向かい、そのドアをノックする。

 ――コン、コン。
「お兄ちゃん、入るよ」
「え、あ、優奈!?」
 素っ頓狂な声をあげる兄を無視して、私はドアを開けた。
 兄はベッドの上に、ギブスの巻かれた右足を放り出して座っていた。
 私は部屋に入り、後ろ手にドアを閉めた。
「ゆ、優奈。どうしたんだ?」
「ちゃんと、謝りにきたの」

 心臓が、小さく跳ねた。
 私は深呼吸をしてから、続きを言った。
「昨日のことと、あとこの前殴っちゃったこと。ごめんなさい」
 私は兄に向かって頭を下げた。
「謝って済むようなことじゃないけど、それでも謝らせて」
142私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:30:55 ID:SE784J3q

 兄は少し慌てて言った。
「いいよ、そんな謝らなくても」
「私が、謝りたいのよ」
「そ、そうか」
 私は頭をあげて、兄の顔を見た。
「それと、舞さんにも謝りたいの。……舞さんには、本当に悪いことをしちゃった」
「……舞なら、許してくれるよ」
「うん……」

 それから、私たちはしばらく無言だった。
 数十秒か、あるいは数分してから、私が口を開いた。
「私は今まで、全部お兄ちゃんのせいにしてたの」
「え?」
「お兄ちゃんが羨ましくて、妬ましかった。だからお兄ちゃんが嫌いで、お兄ちゃんなんかいなければって……」
 兄は、黙って聞いていた。
「だけど、違うの。お兄ちゃんと比べられるのを嫌がってたのに、誰よりも私とお兄ちゃんを比べてたのは、私自身だった」
「優奈自身?」
「自分に、自信がなかったのよ。いつも親からお兄ちゃんと比べられて、それで私もいつしか、自分とお兄ちゃんを比べるようになってた。自分に自信を持ってれば、そんなことはしなくていいのに
 ……だから、決めたの。私はもう母さんの声も、父さんの声も気にしない。自分に自信を持って生きていく。
 まだ自分でも胸を張って生きられるような自分じゃないけど。私は私の道を行く。お兄ちゃんの背を追っかけるようなことはもうしない」
「……それが、正しいよ」
 兄の声は優しく、私の心をなごませた。


「あ、そ、そう言えば」
 兄が慌てた声をあげた。
「何?」
「そ、その、昨日、な、中に……」
 兄の言葉に、私は言い忘れていたことを思い出した。
「それならたぶん、大丈夫だと思う。朝、アフターピルを飲んだの」
「アフターピル?」
「性交後に飲むピルよ。友達に貰ったのがあったの、本当に偶然だけど。それに昨日は、生理周期的には安全な日だったし。……また、100%大丈夫とは、言えないけど」
「そっか……よかった……」
 兄は安堵した声をあげた。
「そのことも、本当にごめんなさい。今回はよかったけど、ひょっとしたら大変なことになってた」
 私はまた深々と頭を下げた。
「うん……」
 私の謝罪を、兄は黙って受け入れた。

 それからまたしばらく無言の時間が続き、もう言うことのなかった私は部屋を出ようとした。
「じゃあ……」
「あ、ゆ、優奈」
 部屋から出かかった私を、兄が引き止めた。
「その、優奈、昨日が初めてだったんだろ? それで、その」
「謝らないで」
 私はピシャリと言った。
「昨日は、私が悪かったのよ。……受け入れたつもりだけど、そうやって謝られると、私はまたお兄ちゃんのこと嫌いになっちゃうかもしれないから」
「そ、そうか。じゃあ謝らない……。だけど、初めてが俺なんかで……」
 まだぐだぐだと続ける兄に、私は言った。
「私もお兄ちゃんの初めてを貰っちゃったんだから、お互いさまよ」
 それから、私はこう付け加えた。

「それに、初めてがお兄ちゃんで、私はよかったと思ってるよ?」

「え? え!?」
 顔を赤くする兄に、私は笑って部屋を出た。

 今日からは今までと違う毎日が始まりそうだと、そんな気がした。
143私の生き方 ◆YMBoSzu9pw :2009/09/01(火) 20:31:55 ID:SE784J3q
終姉妹です。
144名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 20:34:11 ID:SE784J3q
ちなみにどうでもいい話。
優奈を処女にするか非処女にするか迷った。
処女にするとピルを出してくるのが不自然だし、非処女にすると考えてたシーンが書けないし……。
145名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 20:42:00 ID:NSssCh4Q
リアルタイムだGJ!

実をいうとピルは飲んでないうえ危険日で、
兄との子と生きていくエンドと思ってました。
146名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 20:42:09 ID:SE784J3q
ごめんなさい細かいですが誤字がありました。
保管庫の管理人さん、できれば格納時に修正お願いします。
>>142の真ん中辺り、
誤 また、100%大丈夫とは、言えないけど

正 まあ、100%大丈夫とは、言えないけど

すいませんでした。よろしくお願いします。
147名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 21:02:21 ID:2mIrL6I9
やべえGJ!

葛藤して苦しむキモウト可愛ええ
兄貴とセックスしたことがばれると、更に冷たくされるだろうな・・・
148名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 21:16:04 ID:vp4P6eRH
バッドエンドな未来しか想像できないが超GJ!
キモウトに幸あれ
149名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 21:41:48 ID:WD83JkPP
>>144
処女で正解だよ。
面白かったGJ!!
150名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:00:43 ID:qCHPjriF
完璧超人ばかり出てくるスレ作品の中でこれは珍しいな。基本は美人で天才とかばかりだし
やはりジャギ様の言うとおり、兄より優れた妹など存在しねぇんですねわかります
キモくはないが良作GJ!

しかしあっさり吹っ飛ばされて骨折するなんて兄貴はカルシウム不足だなぁ。貧弱貧弱ゥ!!
151名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:06:31 ID:kiidaYZf
最後猛毒のカプセルを飲んで、兄の前で死ぬのかと思ってヒヤヒヤしたわ…
良いキモウトでした
これからも頑張ってくだしあ
152名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:11:11 ID:ipZDS7h1
キモウトスレで愛憎ものは珍しい……
GJっした
153名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:37:21 ID:/UVIDVj2
確かに愛憎ものは珍しい。
キモウト前夜って感じがした。
これを機に、キモウト化していくみたいなね。

ともあれ、GJ!
まだ二作品しかないけど、あんたの書くキメウトは、なんか癖があって好きだぜ。
154名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:38:50 ID:/UVIDVj2
キメウトって……
キモウトな
155名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:43:40 ID:YgcSNDju
>>143
これは何?
156名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:46:32 ID:3PsJHszu
>>155
多分「おしまい」って言いたかったんだと思う
157名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 23:07:01 ID:vp4P6eRH
いいな「終姉妹」w
俺的名言だw
158名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 23:10:56 ID:Fq7cVipL
こんなネタで大喜びなんてこのスレもう汚姉妹だな

のように使います
159名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 23:21:14 ID:wSu7mr4N
終姉妹と汚姉妹では大違いの希ガス
160名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 00:16:34 ID:kUMaUX8Z
終姉妹:狂愛の終わり
汚姉妹:狂愛の始まり

こうか?
161名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 00:39:26 ID:ZEAmNcVG
このスレは投下が頻繁でうらやましいな
162名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:49:51 ID:H8fv19re
>>161
そりゃお姉ちゃんと妹が監修してますから
163名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:53:56 ID:YDm8dJcD
はっ、もしやここの投下の何割かは…キモ姉妹の作戦報告書…
164名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:58:36 ID:xs99tbRa
ところでふと思ったんだが、今までの作品の中でスペックが一番高いキモ姉(キモウト)って誰だろ?
弥生姉さんかな?
165名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:59:42 ID:nORlBVOu
性能だけで言うと怪獣とか倒せちゃうからw
166名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 02:01:37 ID:YDm8dJcD
人外姉妹も各種取りそろっている中で、それを決めるのは難しい。
167名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 02:04:06 ID:FR7fte71
弥生姉さんって聞いてすぐ出てこない俺は年かもしれん
読み直してくるからタイトル教えてくれない?
168名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 04:37:25 ID:uND+QfR+
>>167
ムーミンの逆襲〜謀反にござる〜

尻バット姉ちゃん〜地獄甲子園編〜

弥生ってキャラが出てくるのは9作くらいあるが、多分このどっちかのことだろ
169名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 06:41:26 ID:FR7fte71
>>168
d
ちょっと読み返してくる
170名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 10:44:13 ID:ueGfXMjI
お兄ちゃんは私のものです。
171名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 11:21:47 ID:KW1Zfw6n
>>168
「傷」の姉貴かと思った。

>>159
そういや前スレで「終しまい」って人いたわなあ。
でも「汚姉妹」もあながち間違っちゃないんじゃない?
子供が出来れば私生児扱いで戸籍が汚れる、裏工作で法的に汚れる、
何より兄弟にとっては自分の最愛の彼女に捧げるはずだった純潔が汚れる……
172名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 13:00:08 ID:6WV4kXxo
>>135
死ね
173名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 14:40:09 ID:xs99tbRa
>>167-168
いやすまん、「傷」のことを言ったつもりだったんだ。
17499:2009/09/02(水) 16:16:22 ID:YyGeVcnI
前回の小ネタが思いのほか反響があったので
>>106の言うとおり続きを書いてみる
タイトルは「どおしてこうなった」
17599 どおしてこうなった:2009/09/02(水) 16:17:29 ID:YyGeVcnI
どうやら拙い事態に陥ったらしい
というよりも、自分のあまりの愚かしさに自らを呪いたくなる。
夏休みが終わり、始業式の後に始まった実力テスト。
出題範囲は夏休みの宿題がメインであったが、ズタボロである。
そりゃそうだ、夏休みの俺の脳内は妹一色で染められてしまっていた。
宿題なんて解いてはいないし、書き込んでもいない。
だが、そんなことはこの後の出来事にくれべれば些細なことだった。
昼休みの休憩時間になると、俺は真っ先に妹がいる下の階へ向かった。
禁断症状だ。
何時間も繋がったままの生活を一ヶ月も送った俺は、すでに妹と離れることに耐え難さを感じるようになってしまっていたのだ。
すると、下の階に降りる途中の階段の踊り場で、駆け上がってくる妹と鉢合わせした。
妹は俺の手をつかむと、人通りのほとんど無いトイレの個室まで連れて行かれた。

道中は互いに無言だった。阿吽の呼吸とでも言うのか、行き先も目的もなんとなくわかった。
人気の無い、ほとんど誰も来ないだろうトイレは臭いがキツかった。
学校にもかかわらず掃除すらされず、カビと糞尿の臭いが漂っている。
妹もさすがに顔を一瞬しかめたが、すぐにどこか興奮した顔つきで語りかけた。
「兄さん、どうやらそちらも僕と同じだったようでうれしいよ。
 ボクのおまんこ、兄さんのペニスをずっと咥えていないと我慢できない贅沢な子になっちゃたようだ。
 おっぱいだって、いつものように吸ってほしくて張り裂けそう。兄さん、はやく抱いてほしい。」
俺は話の半ばくらいから、すでに妹の制服のボタンに手をかけていた。
一つ一つ外すのがもどかしいが、この後もテストがあるのに引きちぎるわけにもいかない。
ようやく胸をはだけさせると、家ではつけていなかったブラジャーが胸を被っていた。
今日の下着は薄桃色で、それはそれで可愛いものだったが、いまは邪魔にしかならない。
外し方を知らないので無理やり下にずらすと、待ちわびた胸が姿を現した。
一ヶ月前に比べるといくらか大きくなり、綺麗なピンクだった乳首も吸い続けたせいで多少色づいている。
そして待望の瞬間がやってきた。
左胸を鷲掴みにしつつ、右胸の乳首に唇をあて、出るはずの無い母乳を吸いだすように吸い付く。
妹が艶かしい吐息を吐き出し、俺の頭を抱きしめるように胸部に押し付けることで応える。
そういえば家ではずっと縛られていたから、口と共に手を同時に使って愛撫したことが無かった。
だから、これが胸の揉み心地を味わった最初の経験だ。
張りがある胸に指を沈ませると、軟らかさと共に反発で押し返されるようで。
左手で感触を楽しみながら右手で時折コリコリと乳首をいじると、妹の腕に力が入り感じてくれているようだとわかる。
ちょっと思いついて、それと同時に口で右の乳首を甘カミしてやった。
するとその瞬間、抱きしめる力がいっそう強まり、快感からか足を振るわせ始めた。
俺はいくばくかの満足感を得た。
こうなると自分が女を感じさせているという気がして、オスの支配心を刺激するんだろう。
そして、俺の舌に胸とは別の生暖かい感触と、妙な味がした。
乳首を刺激している右手にも何かがかけられたような感覚を得る。
いったいどうしたのかと、胸から頭を離し確認する。
妹が「あっ」、と名残惜しそうな声をあげたが気にせずに右手を見て、そして絶句した。
「どうしたんだい兄さん?急にやめてしまうなんて…焦らすなんてやめてくれよ
 ボクもう本当に限界なんだ。おまんこだって、兄さんが欲しくて欲しくてキュンキュンしてるのに。」
妹がたまらない声でおねだりしてくるが、それよりも俺は戦慄していた。
右手には白い液体が確認できる。まだ陰茎は出してもいない。
この状況でこれの正体はただひとつ。母乳だ。
17699 どおしてこうなった:2009/09/02(水) 16:18:30 ID:YyGeVcnI
「お、おい。これはいったいなんだとおもう?」
いや、もしかして俺の勘違いかもしれない。正直、俺は頭もよくないし、勘違いしているのかもしれない。
「これは…そうか、これは母乳だよ。ボクのおっぱいが、甘えん坊な兄さんのためにミルクを作ったんだよ。」
そうか、これは俺のためのものなのか…じゃなくって!
「どうするんだよ!母乳が出るってことは、妊娠してるってことだろう!」
俺の頭に認知、退学、養育費、15歳の母、勘当など不吉な言葉たちが溢れる。
だが、次の妹の一言で救われる。
「あぁ、それなら兄さん。女性は妊娠しなくても母乳が出ることはあるよ。
 乳首を授乳と同様に刺激し続けると、母乳の分泌が妊娠していない女性でも起こることがあるんだ。」
安堵した。よかった。本当によかった。
正直言って、俺は妹を孕ませてしまうつもりは無い。俺の甲斐性では養育なんて無理だ。
それに、発覚してしまえばそれこそ両親に殺されてしまうだろう。
「そうか、それじゃぁお前は妊娠して無いんだな。安心した。」
だが、妹はどこかうれしそうに重大で、俺の期待を真っ向から裏切る言葉を放つ。
「いや、確証は持てないけれど、高い確率で妊娠自体はしたんじゃないかな?」
「ちょっと、ちょっと待ってくれ!どういうことだ?説明しろ?」
「だって兄さん、思春期真っ盛りの男女がだ。
 一ヶ月間にわたって、毎日平均五発もドロッドロの噛めちゃうくらい濃い精液でボクの膣内を満たしておいてだよ。
 それで妊娠しないってのは、よほど運が悪いか、あるいは性機能に問題があるかのどっちかじゃないかな?
 ともかく月経周期はおよそ一ヶ月で、その間の受精可能期間が八日間だから少なくとも八月の危険日は全部ナカ出しキメちゃったね。
 二日目から避妊のことなんて口にも出さずに、自分からひたすら中だし宣言してたじゃないか
 ボクはてっきり、そういう覚悟をしてくれてるんだと思ったんだけど…違うの?」
「いや、だって二日目からは薬を飲んてたじゃないか。あれがピルってやつなんだろう?」
妊娠などという言葉を頭から振り払いたくて、焦りで喉を震えさせながら応える。
だがその瞬間、妹は笑いで吹き出して。口を押さえながら、ちょっとあきれ声でこういう。
「はははは。兄さんは避妊に関して知識が薄いようだね。だって、薬を飲まされたのは兄さんだろう?
 ピルってのはホルモンを調整して子宮を妊娠させない状態にするものさ。
 男性側が飲んで、どうして避妊薬としての機能をはたせるっていうんだい?」
そうだったのか。またひとつ賢くなった。いや、そうではなく。
「じゃぁ、じゃあ。あの薬はなんだったんだ?」
「あれは…その…エビオスだよ。あれは精子を増やすのにいいらしい。
 なるべく濃い精液が欲しかったから飲ませたんだよ。」
もう俺は過去の自分の無知蒙昧さにあきれ果てて、自己嫌悪と将来への不安でふたたび頭が満たされた。
次の一言で意識を完全に飛ばされた。
「とりあえず言わせてもらおう。ボクは絶対に生むよ。兄さんの子供。」
そして意識が真っ白になり、気がつけば自室のベッドに横たわっていた。
その間の記憶は一切無い。どうしてこうなった。
177名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 16:20:51 ID:YyGeVcnI
おわり、そして続くかも。
前回に比べてボリュームが少なくて残念。
その分は次回でがんばるので。
178名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 16:20:56 ID:ZEGFHJ8z
妊娠しなくても母乳がでるとか安心させておいて妊娠宣言とかまじうぜえな
179名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 17:04:14 ID:9R4pFtjz
うざかわいいよ
180名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 17:48:50 ID:Dgmmejwi
単純に兄がアホなだけじゃ・・・
181名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 17:48:59 ID:pbEi/x4c
兄がバカすぎる(褒め言葉)w
GJ!
182名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 21:40:07 ID:Ml5jchhD
保健体育の時間休むか寝てるかして聞いてないなコイツwww
183名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 00:06:15 ID:hbYEeVzk
>>177
G.J.
兄無知過ぎワロタww
妹ヤバいな。可愛い。佐々木スキーには溜まらん。
184名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 00:08:40 ID:wZ5t54L+
どうしてこうなったw
185名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 00:53:23 ID:Fi8svcmc
どうしてこうなったで爆笑したww

>>183
どうでもいいが>>101のせいで兄がCV杉田に!
186名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 01:04:06 ID:ncEc8plO
>>172
死ねゴミ虫
187 ◆EY23GivUEuGq :2009/09/03(木) 04:08:43 ID:yaZFIGiM
お姉ちゃんが寝ているこの時間にキモウトSS投下します
188贖罪 第2話  ◆EY23GivUEuGq :2009/09/03(木) 04:10:17 ID:yaZFIGiM
『圭太、今日からここがパパ達のお家だ。二人で力を合わせて頑張っていこうな』
『おうちー? ねえパパ、ママはー? さーちゃんもいないよー?』
『・・・すまない圭太。もうママも沙織もいないんだよ。これからはずっとパパと二人だけなんだ』
『やーだ、やーだ! ママがいい! ママぁ、ママぁ〜・・・ひぐっ、うぇ、うぇぇええん』

子供は父親には懐かないもの、とはよく言ったもんだ。両親の離婚後、僕はしばらく母さんの名を叫び泣いてばかりだったという。
3歳の、まだ幼年期を抜けていない少年にとって、母親の不在という現実は受け入れ難いものなのであった。
恋しい母の温もり。甘え、癒してくれる存在。幼い僕が求めていたものは、もう目の前には無かった。

『ねえ、なんで泣いてるの?』

そんな時、梢姉と出会った。

『あっちで一緒にあそぼ!』

僕より一つ年上の、従姉妹の女の子。八木梢は母の温もりを求めていた僕の前に、優しい笑顔を引っさげて唐突に現れた。
この頃から父は僕の世話を伯母に任せ、街に働きに出るようになっていた。が、元から内気であった僕は伯母に馴染めず、同じ家の中にい
ながら殆ど口を聞くことが出来なかった。
そんな伯母の一人娘、梢姉はいつもめそめそとベソをかく僕に気さくに話しかけてくれた。歳も近く、またどちらも片親の生活で寂しさを
感じていた僕達はすぐに仲良くなった。
虫取り、魚釣り、夏祭り・・・と、梢姉と一緒に過ごすうちに僕は変わっていった。内気な性格は幾分か解消され、伯母をはじめ色々な
人達ともうまくコミュニケーションがとれるようになった。
こうした複雑な家族環境の中で、僕がここまで真っ直ぐ成長出来た理由としてはやはり梢姉の存在が大きいだろう。
一緒に笑い、一緒に泣き、時に叱り、時に甘やかす。そんな梢姉に僕は母親の面影を感じていた。幼年期の心の形成の欠かせない母親とい
う存在を、僕は梢姉によって満たすことが出来た。
僕達は本当の家族ではない。がしかし、僕達の繋がりは本当の家族以上にしっかりとしたものであり、お互いの存在が僕達にとってかけが
えのないものだった。

『体には十分気をつけなさい。それと何かあったらいつでも戻ってくること。メールも電話も一杯するから。それから、それから・・・』

思えばあの台詞は、まるで一人発ちをする息子を心配する母親のような心境から生まれたものなのではないか。
僕には母親はいない。でも、本当の母親以上に僕を想い、可愛がり、助けてくれる人がいる。
八木梢。姉と慕い、母の面影を感じる人。彼女と出会い、弟として生きてきた人生はこんなにも幸せで、安らかで、温かかった。



「もうすぐ着きますよ、兄様」

後頭部に感じる柔らかい温もり。これは梢姉がよくしてくれた膝枕だ。
リムジンに乗せられ、移動する最中に僕は眠ってしまっていたらしい。かけられた声に目を開けると、にっこりと微笑み頭を撫でている沙
織の顔があった。知らぬ間に僕は沙織に膝枕をさせてしまっていたらしい。
「あっ・・・ご、ごめん」
「ふふ、もう少しこのままでいいですよ兄様」
起き上がろうとするが胸を押さえられ、もう一度沙織の太腿に頭を乗せる。今は何時なのか、どのあたりを走っているのかも分からなかっ
たが、目を逸らさずにこちらを見つめ、微笑を崩さずにいる沙織と目が合うとそんな疑問はどうでもよくなった。
189贖罪 第2話  ◆EY23GivUEuGq :2009/09/03(木) 04:12:20 ID:yaZFIGiM
(・・・可愛いな)
お嬢様特有のいい香りに紛れ、微かに匂う女性の芳香。梢姉とは違うタイプの美人顔に黒く艶やかな長髪。
化粧を施さなくても白くきめの細かい肌や、大きな瞳、整った鼻、紅く膨らむ唇。百人中百人が「美人」と称すであろうこの女の子が僕の
妹、と考えるとやはり疑問が浮かぶ。本当にこんな女の子と僕が兄妹なんだろうか。
見つめられると恥ずかしく、目を逸らす。顔は紅く紅潮しているだろう。相手は妹だぞ・・・バカか僕は。
「可愛いです、兄様」
そんな僕の仕草を見て沙織はクスクス笑いながら、より一層手に力を込めて頭を撫でる。これじゃあまるで赤ちゃんをあやしているみたい
じゃないか。
「なあ沙織・・・ちょ、ちょっとこの体勢は恥ずかしくないか? そろそろ起きるよ」
「兄様は沙織のことがお嫌いですか?」
「そうは言ってないよ。ただこんな姿、他の人に見られたら・・・」
恥ずかしいだろう、主に僕が。いい歳して(といってもまだ高校生だが)妹にあやされる兄なんて格好がつかない。
「ふふふ、大丈夫ですよ」
手の動きを止める気配は無い。ゆっくりと優しく、それでいて可憐な声で沙織は囁く。
「今この車には運転席を除いて沙織と兄様しかいません。その運転席も仕切りで区切られていますので、実質ここは二人っきりの空間です。
 だから誰も見ている人などいませんよ」
―――だからもっと甘えてもいいんですよ?
納得したわけではなかった。二人っきりだからといって恥ずかしいことには変わらない。第一このような姿は人に見られる云々以前に兄と
してのプライドの関わる。
・・・だが拒まなかった。彼女がそうしたいと言うのであれば、そのようにやらせてあげるのが僕の役目。いや、贖罪と言った方が正しい
か。僕のことだけを想い生きてきた彼女に、僕がしてやれることはこれしかないのだから。
彼女が膝枕をしたいと言うのであれば、頭を撫でたいと言うのであれば、甘えて欲しいというのであれば、僕に拒否権など無い。ただその
言葉に従い、彼女の願望を満たしてゆくだけ。もはやこの関係に兄妹という概念は無かった。例えるなら犬と人。使用人と主人。
なぜなら僕は兄でありながら、その資格は無いも同然だからだ。


どれくらい時間が経っただろう。車が止まり、外からバタバタと忙しい音が聞こえた。
あれからずっと、沙織は飽きもせず僕の頭を撫で続けた。そして車が屋敷の敷地内に入るとその手を止め、ゆっくりと僕の身体を起こさせた。
「兄様、もう一度だけ兄様の口から聞かせて貰えませんか?」
扉が開く直前、沙織がこちらを向きながら真面目な面持ちで語りかける。
「これからはずっと沙織の傍にいると、決して離れないとここで誓って下さい。この先何があろうとも、歳をとり老いて死ぬまで片時も沙
 織と共にいる、と誓って下さい」
それは永久に沙織と共に生きていく、ということを示していた。僕自らの運命を決める、究極の誓いだ。この誓いにイエスと答えることは
つまり、もうここから出ることは出来ない。梢姉とも、一生会うことはできないということだ。
「兄様、誓って下さい」
汗ばむ掌が僕の手を握る。僅かに震えるその掌から読み取れるのは「不安」。
きっと、彼女は恐れているのだ。また僕が消え、一人ぼっちの生活に戻ることがたまらなく恐怖なのだ。
僕にはその恐怖は分からない。梢姉や、その他大勢の仲間達に囲まれて生活を送っていた僕にとって、孤独と絶望を知らぬ僕にとって彼女
の抱える「不安」は未知であり、到底理解のできない問題なのだ。
「・・・わかった、誓うよ。僕はこの先何があっても沙織のもとを離れない。ずっと傍にいるよ」
安堵と感激の笑顔。握られた手から伝わっていた震えは収まり、車内だというのに突き飛ばさんという勢いで僕に抱きつく。
「約束っ・・・約束ですよ兄様っ! ずっとずっと兄様と沙織は一緒ですよっ!!」
わんわんと声を上げて嬉し泣きに咽ぶ沙織。そんな妹の頭を今度は僕が撫でてやる。
これでよかったんだ。自分で決めたじゃないか、一生彼女を幸せにしてゆくと。贖罪をしてゆくと。
だからこの選択も、間違ってはいないんだ。責任を持って、罪を償っていこう・・・。
190贖罪 第2話  ◆EY23GivUEuGq :2009/09/03(木) 04:14:16 ID:yaZFIGiM
本当にここは日本なのだろうか、と思うほどの豪邸。いや、この際城と呼んでも差し支えないほどに御門家本邸は圧巻だった。
白を基調としたカラーに所々散りばめられた彩色の数々。サッカーグラウンドじゃないかと間違えるほどの前庭を抜け建物の中に入ると、
これまたダンスパーティでも開くのかと問わんばかりに広がったロビーがあった。
「まずはお父様にご挨拶をしましょう」
ロビーを抜け、大階段を登り、赤いカーペットの廊下を進んでいくこと約5分。一際豪華な扉の前で僕と沙織は立ち止まった。
「お父様? 連れて参りました」
「入りなさい」
ノックも無く、扉越しの会話。部屋の主からの承諾を得て僕達は扉をくぐる。
部屋の中はとにかく本の山。それと書類らしき印紙の束と何台ものパソコン。部屋の主・御門成之はそのパソコンの前でキーを叩きながら
仕事に精を出していた。
「おかえり沙織。探し人は見つかったかい?」
僕達の気配を背後に感じると、彼はクルリと椅子ごとこちらを向き沙織に話しかける。
見た感じはそこらにいる普通のおじさんと変わりは無い。よれよれのワイシャツにスラックス、髪などここ何日か洗っていないのでは、と
感じるほどに艶々と脂が浮いており顔には寝不足なのか隈ができていた。
「はいお父様。紹介します、兄の圭太です」
「は、はじめまして。えっと・・・沙織の兄、早瀬圭太といいます」
僕が兄と名乗る資格があるのかはさておき、一応最低限の挨拶は済ます。御門成之はうっすらと笑みを浮かべて手を差し出した。
「よろしく圭太君。こんな格好ですまないね、どうしても今週中に片付けなくてはならない仕事があってね」
がっしりと握手を交わす。こういったお金持ちの人はもっと高慢でプライドが高い人なのだと思っていたが、この御門成之という人物はど
うやらそういった人種ではないようだ。
もっとも、沙織の育ちの良さを見るにまともな人なのだという予想はしてはいたが。
「いえ、そんな・・・。あ、お仕事大変そうですね」
「ふむ、そうだな、まあ大変だよ。まだまだ日本中には虐待や孤独、飢餓に苦しんでいる子供達が大勢いるからね。そういった子供達を一
 人でも救い出し、全うな人間に育て上げることが私の義務なんだよ」
フゥ・・・と小さくため息をつき再びパソコン画面に顔を向ける。沙織の過去のついてはここに来るリムジンの中で聞いてきた。この人は
言わば沙織の命の恩人にあたる人だ。
勿論この子供達を救う行いはボランティアである。どんな仕事をして収入を得ているのかは知らないが、普通の人では到底考えられないほ
どの巨万の富を築きながら、平行して子供達の世話を行っている。単純に二つの仕事を掛け持ちしているような状態だ。そりゃ仕事も多く
なる。
「子供のこと、好きなんですね」
これ以上仕事の邪魔はしたくない、そう思いながらも僕は自然と口から質問が出た。何が彼をそこまでさせるのか。ひょっとして彼もまた
僕のように贖罪のためにこういった事を行っているのではないだろうか。
「私もね、昔は孤児だったんだよ」
静かに、キーを打つ手を止めぬまま彼は答える。その表情がどんなものなのか僕には見えない。が、その台詞からは僕のように贖罪からの
行いでは無い、という意思が肌へ伝わった。
「だから放っとけない、とでも言うのかな。まるで昔の私を見ているような気がしてね。彼らの苦しみは私もよく分かるから」
この人はきっと、本当に自分がそうしたいから、だからこそここまで情熱を持って打ち込むことが出来るのだ。僕のように「〜しなければ
ならない」のではなく、「〜したい」と。「責任」ではなく「願望」。本当の自分の心に正直に生きているのだ。
「辛いと感じることもあるが・・・まあ、これが私の選んだ道だからね。後悔は無いよ」
自分で選ぶ道。僕が選んだはずの道。
僕は妹に対する贖罪の道を選んだ。そうすることが最良で、僕自身の進むべき道なのだと思った。
でも違う。何故なら僕は後悔しているから。未練があるから。
僕は本当は、僕の正直な願いはずっとあの場所で、梢姉や他のみんなと一緒に過ごしていきたかったんだ。
朝になったら梢姉に起こされて、一緒に学校へ行って、友達と馬鹿をして、帰って、ご飯を食べて、眠る。そんな当たり前の日々がずっと
続いていってほしかったんだ。
これは自分で選んだのではない。選んだ気になっていて、実は選ばざるを得なかったんだ。
191贖罪 第2話  ◆EY23GivUEuGq :2009/09/03(木) 04:16:14 ID:yaZFIGiM
「それではお父様、あまり無理をなさいませぬよう」
「・・・失礼します」
二人揃って部屋を出る。沙織の顔は明るく、それとは対照的に僕の顔は暗い。
自分が本当は何をしたかったのか、どんな道に進みたかったのか。御門成之の言葉によって、その願望が明確に僕の中に芽生えつつあった。
戻りたい。またあの幸せな生活に帰りたい。
―――駄目だ。
じゃあこの子はどうなる。僕のことだけを想い、地獄の日々を耐えてきた沙織のことは。
彼女の存在をまた再び忘却し、前のような生活に戻っていけるのか。
僕は卑怯だ。いや、そもそも人間なんて誰しもそのような感情は持ってはいるのだが、それでも自分本位の考えを肯定することは卑怯に思
えた。
「兄様、とりあえず沙織達の部屋へ参りましょう」
持ってきた荷物は使用人の人たちが運んでくれていた為、歩き疲れる、といったことはなかった。沙織に腕を引かれ、迷路のように曲がり
くねった廊下を歩き続け、ようやく僕達は目当ての部屋へと辿り着いた。
『けいた と さおり の おへや』
扉にはそう書かれたプレートが吊るしてあった。ひらがなで書かれたその字は、沙織がまだ小学生になったばかりの頃に書いたのだという。
ぐちゃぐちゃで汚く、読みづらい字であったがそこには沙織の愛が一心に詰まっていた。
「ずっと、夢見ていました。兄様と一緒に暮らせたらいいな、と」
ぐっと組んだ腕に力を込める沙織。感慨深くプレートを見つめる瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「お父様に頼んで全国の施設や孤児院を探してもらいました。『早瀬圭太』なる同姓同名の子供も何人かはいましたが、どれも写真に写る
 兄様とは違いました。考えてみればそうですよね、だって兄様は孤児でもなんでもなかったのですから」
そうだ、僕は別に父さんに捨てられたわけでも孤児になったわけでもない。伯母の家に二人で移り住み、ささやかな生活を育んでいただけ
なのだから。「片親の子供は施設に送られる」という沙織の実体験は、まだ子供であった彼女にそういうものだという認識を与えてしまっ
ていたのだ。
「それから後はもう我武者羅でした。探偵、占い、テレビの企画・・・。13年間探して、探して、探して、探して、やっと一人の私立探偵
 から見つけることが出来た、と連絡が入ったときは本当にどれだけ嬉しかった事か」
ゆっくりと扉を開く。綺麗な円形の間取りをした沙織と僕の部屋は、中心に置かれたベッドを境に綺麗に二分されていた。
円形の部屋を半分に割ったうちの右側部分は、女の子らしいピンクを主体とした可愛らしい作りをしていた。たくさんのぬいぐるみに学習
机、ピンクのレースが付いたカーテンからは夕日が差し込んでいる。
そして反対の左側部分、僕の部屋であろうその場所は何も置かれておらず、無造作に僕が持ってきた手荷物が置かれているだけだった。
カーテンも絨毯も無い剥き出し状態であったが、綺麗に掃除が施されているところを見るとまめに清掃はされているようだ。
「ここが兄様のお部屋です。13年間、いつか必ずこの部屋が2色になると、二人の部屋になると信じていました」
この何も無い半円部分を僕が埋めていく、ということなのだろうか。とにかく今この状態はあまりに異質というか、まるで芸術家の部屋の
ような何ともいえない違和感がある。
「ここで兄様と一緒に暮らせる・・・沙織はもう何も要りません。兄様がずっと傍にいてくれるのであればもう何も・・・」
沙織の言葉が痛い。こんなにも僕を慕ってくれている沙織、だが当の僕にその想いを受け止めるだけの器量があるだろうか。
彼女から伸びている僕への矢印は一方的なものだ。僕から伸びる矢印とお互いにぶつかり合うことは無い。なぜなら、僕から伸びる矢印は
彼女ではなく・・・梢姉に伸びているのだから。
別に男女の関係になりたいわけじゃない。僕は梢姉のことを家族と認識しているのであって、そこに恋愛だの性欲だのという感情は生まれ
たりはしない。
ただ、沙織が僕とずっと一緒にいたいと願うのと同じように、僕は梢姉とずっと一緒にいたいと願っているのだ。これこそが僕の本心。偽
れない本当の願望なのである。
「・・・沙織。僕は沙織の謝らなくちゃいけないことがあるんだ」
だが願望は所詮願望である。絶対にそうなると決まっていない願い。叶えるも叶わないも全て自分にかかっているのだ。
御門成之は願望を叶えた。沙織もまた願望を叶えた。そして僕は・・・叶えられなかった、ただそれだけだ。
「僕は、沙織の存在を・・・ずっと忘れていたんだ。沙織が孤独に苦しんでいるときも、僕は『妹がいたこと』すら忘れて生きていたんだ」
192贖罪 第2話  ◆EY23GivUEuGq :2009/09/03(木) 04:18:21 ID:yaZFIGiM
沙織の目が大きく見開く。ショックか、怒りか、悲しみか。身体は硬直し頬が引きつる。僕を見つめる瞳から光が消えていった。
「・・・兄様。今、なんて・・・?」
「ごめん・・・ごめん沙織っ! 僕は、僕はお前に兄と名乗る資格すらない人間なんだ!!」
いままで言えなかった、本当の意味での贖罪の言葉。この本当の事を話すことで彼女を傷つけてしまうのではないか、また絶望させてしま
うのではないか、そういった不安から今まで言えなかった。
だが、彼女の言葉を聞くたびに、彼女から擦り寄られるたびに、その重圧が重くのしかかる。
彼女は知るべきだ。今までずっと想い続けてきた兄が、実はどんな人間なのかを。
「僕は沙織に・・・そんな風に大切に想われる資格なんて無いんだ。ずっと僕と一緒になる為だけに生きてきた、って言ってたけど・・・
 僕は沙織の人生の柱になれるような、そんな出来た兄じゃないんだよ」
理想と現実はイコールではない。理想が高すぎ、現実に失望することもあればその逆もあるだろう。
沙織の理想は高すぎた。私の兄は優しく、強く、困ったことがあればすぐに助けに来る。テレビの中のスーパーマンのように頼れる兄なの
だと、そんな幻想の僕を想っていたに過ぎない。
だが現実はどうだ? きっと彼女は彼女で僕のように生活しているだろう、だから別に会わなくてもいいや。そのうち妹のことを考えなく
なり、家族のことを考えなくなり、果てはその存在すらも記憶から消してしまっていた僕。
そんな人間がお前の兄だ。妹が苦しんでいようが、泣いていようが知ったこっちゃない。だって忘れていたのだから。僕にとって妹とは、
所詮その程度の価値でしかなかったのだ。
「ち、がう。兄様はずっと・・・沙織を・・・探して・・・」
「そうじゃないんだ! それは沙織の幻想の中の僕で・・・。本当の僕は、沙織のことなんて・・・これぽっちも・・・」
この告白は賭けだった。下手をしたら沙織はまた昔のように引きこもり、言葉すら失う生活に逆戻りをしてしまう可能性もあった。また、
激昂し僕を痛めつけるか放り出すかという行動も予想できた。
だからこそ、僕は決めたんだ。贖罪をしようと。この先どのような結末が待っていようと、妹の好きなようにされようと。
はは、なんだ。腹をくくれば納得できるじゃないか。
これから僕はどうなるのか。引きこもる妹の世話を一生してゆくのか、それとも拷問室送りにでもなるのか。さすがに殺されたりは・・・
するかもしれないな。
沙織の顔は見えない。信じていた兄が、希望だった兄が、まさか自分のことを忘れていたなんて。
彼女にしてみれば裏切られたも同然だろう。目の前にいる僕が、まさか自分の事をそのように思っていたなどと予想できただろうか。
「罪は償う」
拳を握り、僕は答える。生か死か、はたまた死に近い生か。僕の運命を決めるのは目の前にいる妹だ。
「何でもする。沙織の気の済むようにしてくれて構わない。死ねというのなら死ぬし・・・なんなら沙織が昔味わったっていう地獄を再現
 してみてもいい」
本当に死ねと言われて死ねるかと聞かれれば正直無理だ、と答える。僕だって人間だ。命は惜しいに決まっている。
沙織の顔はまだ見えない。僕より少し背が低いため、俯くとその顔色を知ることは出来ないのだ。
僕は待った。判決を宣告される罪人は、このような心境なのだろうか。
そして、顔を俯かせたまま沙織はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「な、ん、で、も、す、る? ・・・今そう仰いましたね?」
先程までの可憐な声ではない、くぐもった声色。とても同じ人物だとは思えない変わりようだ。
「ああ。どんな罰も受ける」
声の豹変振りに多少怖気づきながらも僕は覚悟を示す。沙織はまだ顔を上げない。
「ふ、ふふふ、ふ。そうですか・・・」
―――笑っている・・・?
僕の言葉のどこに笑いの要素があったのかはわからないが、てっきり泣き出すか激昂するかと思っていた僕は拍子抜けした。
やがて沙織は顔を上げ、先程までと変わらぬ笑顔を僕に向ける。
「わかりました。では兄様には罰を与えます」
声色が元に戻った。そしてその表情を見るに、少なくともそこに怒り・悲しみは浮かんではいなかった。

193贖罪 第2話  ◆EY23GivUEuGq :2009/09/03(木) 04:20:15 ID:yaZFIGiM
ピッ、と人差し指を真上に立てる。そしてその指をゆっくりと僕に近づけた。
「兄様、先程車の中で沙織と誓ったこと、覚えてらっしゃいますか?」
突然の質問にビクンと身体が反応する。沙織は僕にどんな罰を与えるつもりなのか、予想が付かない。
「あ、えっと・・・沙織のそばから離れない、ずっと傍にいる・・・ってことだっけ?」
「ふふふ、大変良く出来ました」
にっこりと微笑を返す。この機嫌なら少なくとも殺されることは無いだろう。
「では兄様。兄様への罰は・・・この誓いに更に『三つ追加』させて貰います」
真上に立てていた指に中指・薬指が加わり三本になる。そしてそのうちの一本をもう片方の手で折る。
「一つ、『沙織の言うことには絶対に服従すること』」
二本目の指を折る。
「一つ、『沙織に隠し事をしないこと』」
三本目の指を折る。
「一つ、『沙織のことだけを考えること』」
絶対服従。それはつまり、沙織の奴隷となるということを意味していた。
穏やかな口調、優しい笑顔で言い渡された罰。この絶対的な拘束の前では、僕の人権も自由も無視される。
「それさえ守っていただければ沙織は満足でございます。兄様のことも許しましょう」
許す―――そんな言葉を妹の口から聞くとは思わなかった。きっと彼女は永久に僕を許さず、奴隷として僕を飼っていくのだと思っていた。
僕がここに来た理由。妹への贖罪はこのような形で一応の決着をみた。
「僕は・・・許されるような人間じゃない。誓いは守るよ、でも――」
「許します」
両手を伸ばし僕の頭を胸に引き寄せる。当てられた胸からは一定のリズムに合わせて心臓の鼓動が聞こえた。
「許します。兄様がこれまで沙織のことをどう思っていたか聞いて、やはりショックでした。でも、大事なのは過去ではなく未来・・・そ
 うでしょう? 兄様はこれからずっと沙織のことだけを考えてくれると誓ってくださいました」
白く小さい指が優しく髪を梳く。投げかける微笑は心を安らげ、服越しに伝わる体温は心地よかった。
「だから兄様、ここから始めてみて下さい。沙織のことをもっと知って下さい。沙織も兄様に伝えたいこと、してみたいことがたくさんあ
 るんです」
歳相応の子供のように頬を上気させまくし立てる様を見ていると、沙織もやはり15歳の女の子なのだと感じた。
僕に与えられた罰は決して人道的とは思えない。がしかし、この僕を抱きニコニコと笑う少女は、本当に僕のことが大好きなのだと思った。

「ですが―――」

一瞬にして―――空間が凍った。僕の髪を梳いていた指は動きを止め、微笑みが浮かぶ眼差しは色を失う。
先程の別人のような声色が戻り、僕に脅しをかけるような口調で語りかける。
「もし誓いを破ったときは・・・どうなっても知りませんよ? まぁ、一回くらいなら大目に見る事もあるかと思いますが―――」
沙織の、瞳を、直視できない。身体はまるで金縛りにあったかのように動かなかった。
「とにかく、絶対に破ってはいけませんよ?」
唇で作り上げる「笑顔」は、いままでのそれとは別物だった。
悪魔を思わせるその微笑みは、最早人と呼べるのか判らないほどにドス黒いオーラを放っている。
この時僕は・・・誰に祈ったのだろう。目の前に迫る悪魔に、僕は誰の助けを請うたのだろう。神か、仏か、あるいは―――
(助けて・・・っ、梢姉―――)

「ひ、ょ、っ、と、し、た、ら、気、が、変、わ、っ、て、し、ま、う、か、も、知、れ、ま、せ、ん、の、で」

一言一言を僕に刻み込むように・・・彼女はは僕に「最初の命令」を下した。


194 ◆EY23GivUEuGq :2009/09/03(木) 04:22:28 ID:yaZFIGiM
以上。
主人公がぐだぐだとくっちゃべってるだけの回で申し訳ない。
次回からはようやくキモウトのターン!
195名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 04:35:15 ID:TXZXY9Fs
GJ
次回楽しみに待ってます
196名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 08:56:01 ID:gdRcsICo
朝起きた

寝坊だ

pcつけっぱなしだ消さないと

やべっ新作来てる見ないと

ああ、すごくよかった>>194GJ!

はっ会社に行かねば!!←今ここ
197名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 09:25:38 ID:n+o4LO55
贖罪のおかげで生きる希望が湧きすぎて、百万回生きた猫になれそうだ。
こうなったらいいなって!
ずっとそう思ってたんだ僕はー!
198名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 11:55:30 ID:H6NMZMpi
地味に主人公は、なんとなく沙織がおかしいって気づいてたんだな
199名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 12:12:03 ID:wzxQ4e6X
>>186
死ね
200名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 12:17:24 ID:wzxQ4e6X
>>196
死ね
201名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 13:13:02 ID:lzwEkL9N
>>187
GJ、兄の覚悟が凄いナァと思いつつ、それをヘシ折るキモウトさが素晴らしいw
202名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 17:24:46 ID:n+o4LO55
覚悟と罰の内容が割と被ってて、そのぶん追加分のインパクトがちょっと弱いのが残念か。
でもスッゴクいいよ。最初の命令に期待。
203名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 18:45:18 ID:ncEc8plO
>>200
死ねゴミ虫
204名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 20:35:16 ID:TXZXY9Fs
キモウ党
こんな党が選挙に出てきたらどうなるんだろう…
205名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 21:02:26 ID:RzwF2CQZ
とりあえず姉の存在は認めない
妹のいる男性とは付き合ってはいけない
妹のいる男性は妹のみを愛すること
こんな社会になるでしょう
206名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 21:16:24 ID:8v2nwq9I
弟のいる姉から票がはいらないからたぶん当選しないぞ……
207名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 21:24:13 ID:DD/Snjm6
そもそもキモウトはだいたい選挙権ないだろ…(21歳のキモウト除く)
208名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 21:26:09 ID:fCDkt2aS
つまり、キモウ党ではなくキモ姉党が当選すると言うんですね。わかr
209名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 21:36:58 ID:hNC5osG8
姉も妹もいる俺の立場は
210名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 22:06:43 ID:1EZAjl9P
こんなとこでまで選挙の話をするなよ…
211転生恋生 第十四幕 ◆.mKflUwGZk :2009/09/03(木) 23:18:40 ID:Ao5ZJ3kn
投下します。今回は6レス消費します。
212転生恋生 第十四幕(1/6) ◆.mKflUwGZk :2009/09/03(木) 23:19:36 ID:Ao5ZJ3kn
 猿島の家を出て帰宅する頃には日が暮れていた。玄関のチャイムを鳴らした俺を出迎えたのは、エプロン姿の姉貴だった。夕食の支度をしてくれていたらしい。
「お帰りなさい、あなた」
 靴を脱ぐ間もなく抱きつかれた時点で、姉貴の次の台詞は予想ができた。
「ご飯にする? お風呂にする? それともワ・タ・シ?」
 どっと疲れが出た。
「飯」
 ひどく腹が減っていたが、これ以上会話を続けると食欲がなくなってしまいそうだ。
「じゃあ、すぐに用意するわね」
 姉貴は特にがっかりした様子もなく、すぐに台所へ戻った。
 食卓につくと、ステーキに山かけマグロ丼にうなぎの蒲焼など、精のつく品々が並んでいた。見ただけで腹一杯になりそうだ。
 作ってくれるのはありがたいが、下心駄々洩れなこのメニューはどうよ? つーか、家計に響くんじゃないか? マグロって今は高いぞ。
 だが、姉貴は俺の懸念を意に介さない。
「育ち盛りなんだから、栄養つけて丈夫な体を作ることを考えなさい。医療費より高くつくものはないんだから」
 まあ、正論には違いない。とにかく食べるとするか。
 昨日に続いてふたりきりの夕食は、姉貴が一方的に喋りまくり、俺が黙って食うという形で進んだ。
 マイナス調味料ともいうべき姉貴の言葉さえ意識下から締め出せば、料理はうまい。本人にその気があれば、理想的な嫁になれるだろう。俺が太鼓判を押す。
 だから誰かもらってください。略奪婚でもかまいません。
「ごちそうさま。うまかったよ」
 姉貴はその一言だけで満足だという笑顔を浮かべた。すかさず俺は布石を打つ。
「今日は昼飯がパンだけだから寂しかったな。悪いけど、明日は弁当を作ってくれない? 明日さえ乗り切れば、明後日から連休だし、お袋も戻ってくるし」
「いいよ。腕によりをかけて作ってあげる」
 これで姉貴も明日は早起きしなければならないから、一晩中俺に添い寝するということはないだろう。
 昨日同様、先に食べ終えた俺は歯を磨き、風呂に入ることにした。
 が、今日は姉貴が乱入してこない。
 はっきり拒絶したことで諦めたんだろうか。かすかな期待を抱いて気分よく入浴していた俺だったが、すぐに裏切られた。いや、想定どおりというべきか。
 俺が体を洗っている最中に浴室の扉が開き、姉貴が入ってきた。
「お待たせ〜」
 相変わらず鼻息が荒い。早くも出来上がっている(=発情している)らしい。
「私、今日はたろーちゃんの趣味に合わせてきたの」
 俺の趣味?
「たろーちゃんは、チラリズムが好きなのよね? あんまり露出しすぎるとかえって引いちゃうってわかったから、今日は水着を用意したの」
 ほう。確かに、よく見ると水着を着ているな。
「どう? 興奮する?」
 姉貴は期待を込めた眼差しを向けているが、俺は冷め切っている。
 だいたい、乳首と股間をわずかに隠す三角形を紐でつないだようなその布きれが水着だという感覚が理解できない。99%裸だろう、それは。
 たぶん、背中から見たら裸と区別がつかないぞ。
213転生恋生 第十四幕(2/6) ◆.mKflUwGZk :2009/09/03(木) 23:21:53 ID:Ao5ZJ3kn
「全然興奮しない」
 きっぱり切り捨てて、俺は体に湯をかけて石鹸の泡を洗い流し、湯船に入った。
 姉貴は肩を落としたが、無駄に敢闘精神を持ち合わせているので、そう簡単には引き下がらないだろう。いつもみたいに俺のナニにむしゃぶりついてくるんだろうな。
 唾液まみれになるから洗い直さないといけない。二度手間じゃないか。面倒くさいな。
「たろーちゃん……、直接的な刺激がダメなら、間接的刺激をやってみるわね」
 直接も間接もない。姉貴による刺激が無効なだけだ。
「諦めちゃダメ! その年でEDなんて、人生真っ暗よ。私がなんとしても治してあげるから!」
 人聞きの悪いことを言うんじゃない。実の姉に勃つ方が異常なんだよ。
 だが俺の抗議を意に介さず、姉貴は俺の目の前で足を開くと、左手で自分の胸を揉みしだきながら、股間に右手を伸ばして何やらいじり始めた。
「んふっ……んんっ……はんっ!」
 ……信じられねぇ。俺の目の前でオナニーを始めやがった。
「あはぁんっ……!」
 大きな喘ぎ声をあげているが、キモいとしか言いようがない。水着のパンツをずらして指を突っ込んで、そこから水音を聴かせてくる。
「見て……っ! あんっ!」
 見たくねぇよ。
「たろーちゃんに見られてするの……最高っ! 感じちゃうっっ!」
 俺はもう見てないぞ。背を向けて湯に浸かっている。
「はぅぅっっ……! もう、すぐにイッちゃいそうっ……! 早く……たろーちゃん、来て……私の中に入ってきてよぉっっ!」
 誰が行くか、ボケ。百回死ね。
「あうぅぅ……イク、イクイクっ、イッちゃうーーっっ!!!」
 絶叫が浴室に響いた。……そういえば、浴室って音が響きやすい構造なんだよな。鼓膜に悪いぞ。
 これ以上同じ空間にいたくないから、出ることにした。足を大開きにして腰を痙攣させている姉貴を放って、俺は浴室を出て、体を拭いて服を着た。
 姉貴は追ってこなかった。どうやら、本気で失神していたらしい。
 
 翌朝、ひとりで目覚めた俺は快適な気分で身支度を整え、キッチンに行った。
 姉貴は昨晩俺の部屋に来なかったが、あからさまに不機嫌な顔をしていた。さすがに昨夜の浴室でのことが気まずかったらしい。
 俺の身に置き換えてみると、好きな女の子の前で自慰行為に耽って射精した挙句、そのまま捨て置かれたわけだ。
 ……死にたくなるな。
「はい、お弁当」
 姉気にしては珍しく、無言で俺とふたりきりの朝食を終え、押しつけるように弁当箱を渡してきた。一応作ってはくれたのか。
 ひょっとすると今日はひとりで登校できるかと思ったが、姉貴は無言のまま俺に寄り添ってきたから、やっぱりいつもと同じ、ふたりでの登校になった。
 電車の中で、怒ったような顔で俺の腕を抱き締める姉貴は怖かった。空気を読まない痴漢が姉貴に手を出してきたら、姉貴の手で人体が生命活動を保てる限界まで破壊されただろう。
 幸い、そんなこともなく無事に登校して、俺は連休前最終日の学校生活をスタートさせることができた。
214転生恋生 第十四幕(3/6) ◆.mKflUwGZk :2009/09/03(木) 23:23:07 ID:Ao5ZJ3kn
 真っ先に俺は体育科準備室に行く。体育教師の部屋だが、俺の目当ては草葉先生だ。うまい具合に、草葉先生ひとりだけだった。
「先生、猿島に昨日のアンケートをやってもらいました」
「あら、ご苦労さん。彼女、元気だった?」
「熱が高そうでした。今日も休むそうです」
 俺からアンケートの入った封筒を受け取った草葉先生は、その場で開封しようとはせず、引出しの中にしまった。
「やっぱり、女子に行かせるべきでしたよ。猿島に文句を言われました」
「今更言ってもしょうがないでしょ」
「というより、あのアンケート自体がおかしいですよ。あんな恥ずかしい質問、税金使ってやることですか」
「健全な青少年の育成のためよ」
「でも、先生のときはあんなアンケートなかったんじゃないですか。不公平です」
「じゃあ、先生に質問してみる?」
 ……は?
「……マジですか?」
「質問する度胸があるならね」
 からかっていやがるな。それなら堂々とセクハラしてやる。
「なら質問します。先生の性行為は週何回ですか?」
 先生は既婚者だから、相手がいないなんて逃げ口上は認めない。答えられるものなら答えてみやがれ。
「なんだかんだいって社会人は昼間の仕事で疲れるから、夜は案外何もしないで寝ちゃうのよね。だから週1回土曜日くらい」
 ……あっさり答えやがった。
「もちろん、連休中はバンバンやるわよ。旅行先もいつもと違う雰囲気で気分が高まるから、燃えるわね」
 これが大人の余裕ってやつか。訊いたこっちが恥ずかしくなってきた。自分の顔がどんどん赤くなっていくのがわかる。
 俺がうろたえているのを草葉先生は面白そうに眺めている。
「質問はもう終わり?」
「あ……、結構です。失礼しました」
 俺は逃げるように部屋を出た。完敗だった。

「センパーイ! ごはん食べよ!」
 昼休みになると司が教室にやってきた。今日はいつもより早いが、どっちみち俺はもう逃げる気がなくなっていたので、気にならなかった。
 クラスメートも司が俺と一緒に弁当を食う相手であることは認識しているから、特に騒いだりしない。
 猿島の反応が気になるところだが、昨日予告した通り今日は欠席だった。
 俺は司を連れて校舎裏の空き地に行った。俺が司から逃げるのを諦めるようになってからは、ここがふたりの指定席になっている。
「ご主人様、今日は弁当あるの?」
「ああ、今日は姉貴が作ってくれた」
215転生恋生 第十四幕(4/6) ◆.mKflUwGZk :2009/09/03(木) 23:23:58 ID:Ao5ZJ3kn
「なーんだ」
 何故か司はがっかりしたようだった。俺は構わず自分の弁当箱を開けた。
「……あのアマ」
 弁当箱の中にあったのは白米と梅干だけだった。といっても戦中派が懐かしむような日の丸弁当じゃない。
 梅干を並べてハートマークを作ってある。微妙に手が込んでいやがるな。
 しかたない。梅干をおかずにご飯を食べるか。
「あれ? ひょっとしておかずがないの?」
 司が嬉しそうに覗き込んできた。おまえは俺の不幸が楽しいのか?
「ボク、今日は多めにおかずを作ってもらってきたんだ。昨日、ご主人様が弁当持ってなかったから」
 そう言って、司は豚肉の天ぷらを分けてくれた。これはありがたい。
 とりあえず司について3つのことがわかった。
 1つ目、意外と気配りができる。
 2つ目、自分で弁当を作ることはできない。
 3つ目、とにかく肉が好き。
 司は食事中は黙って食うことに専念するので、俺も喋らなかった。弁当を食い終わると、お喋りタイムになる。
「ご主人様、お姉さんがいたんだ?」
「あれ? 言っていなかったか?」
「初めて聞いたよ」
 考えてみれば、俺は普段姉貴のことを極力意識から追い出そうとしているからな。話題にしなくて当然か。
「ねえ、どんな人?」
「うーん……」
 姉貴のことを知らない人間に本当のことを言っていいものかどうか。毎回悩まされる。
「弟の俺としては出来が良い姉ってだけだな。でも世間的には美人で勉強も運動もできるって評価だ」
「ふーん。よくできたお姉さんだね」
「まーな。……司には兄弟はいるのか?」
「いないよ。ボク、一人っ子だから」
「それなら、めちゃくちゃかわいがられてるだろ?」
 年齢よりも幼く見えるからな。特に父親にかわいがられるタイプだと思う。
「うちはわりと放任主義だよ。やりたいことやれって感じ」
 確かに、箱入りには見えないな。
 それから他愛もない話をするうちに昼休みが終わる。1年生と2年生は校舎が別だから、帰る時は別々だ。
「じゃあね、ご主人様!」
 司は俺の頬を舐めてから立ち去る。舐めるのはやめろと言っているが、司は「愛情表現」と言い張ってやめようとしない。
 俺もいつの間にか慣れてしまった。けど食事の後だから油っぽいんだよなぁ。 
216転生恋生 第十四幕(5/6) ◆.mKflUwGZk :2009/09/03(木) 23:25:29 ID:Ao5ZJ3kn
−−−−−−−−
 美化委員の当番が回ってきたので、俺は放課後の掃除の時間に焼却炉の管理をしなければならなかった。連休の前後だから、通常とは異なり2週間務めないといけない。
 とはいっても、焼却炉の操作は危険なので用務員の役目だ。美化委員の仕事は焼却炉周辺の清掃に過ぎない。
 既に右足も治っていたから、特に支障はなかったが、とにかく面倒くさい。各クラスのゴミが焼却炉に集められるわけだが、どうしてもこぼれてしまうゴミがある。それをいちいち拾って捨て直さなければならないのだ。
 生ゴミがこぼれていたときは本当に憂鬱な気分にさせられるが、相方の委員が「汚い仕事は男がするもの」と決めつけるやつなので、全部俺に押しつけてくる。黙ってみているだけで、まるで役に立たない。
 せめてちりとりを構えるくらいのことはしてくれてもいいだろう。
「ここは俺がやっておくから、帰っていいぞ」
 腹に据えかねてそう言ったら、本当に帰ってしまった。仕方がないので俺ひとりで掃除をするはめになったが、精神衛生上はその方がいい。
 掃除が終わり、俺は教室へ戻ろうとした。校舎の角を曲がろうとしたところで、目の前から風が吹きつけてきた。
 思わず砂埃から目をかばったが、風に乗ってか、向こう側から話し声が聴こえてきた。
「……だから、そろそろ次のステップに進みたいんだけど」
 司の声だ。次のステップって、何だ? 
「ここは学校やで。一応人の目も気にせんと、たろくんに迷惑かけたらあかんて」
 これは雉野先輩の声だ。……って、俺の話か?
 こっそり校舎の角から覗いてみると、雉野先輩と司が向き合って話していた。司は見慣れないタンクトップとショートパンツ姿だ。
 あのふたりは知り合いだったのか? 接点がなさそうだけどな。
 何故か、俺はこっそり聞き耳を立てたくなった。念の為校舎の陰に完全に身を隠し、耳に神経を集中する。
「ご主人様も男の子なんだから、ヤりたいお年頃でしょ? 雉さんはそんなに大きいおっぱい持ってるんだから、もっと攻めなよ」
 なんという失礼なことを……。こいつには先輩に敬意を払う気持ちがないのか? 敬語も使っていないし。
 ……今更か。考えてみれば、俺にもやたら馴れ馴れしくて、敬語なんか使っていないしな。
「やってるわ。でも、加減が大事なんや。学校でコトに及んだらあかんやろ?」
「ご主人様は真面目だから、既成事実作ったら本気になってくれるよ」
「そらそうやけど、お腹が膨らんでもうて、お互い学校に来れんようになったら、シャレにならんて」
 なんだか怖い話をしているんじゃないか? しかし、司は意味がわかって言っているのか? 
 雉野先輩に本気で色仕掛けをされたら、欲望のままに突っ走ってしまいそうだ。姉貴が怒り狂うな。司だったら、俺も反応しないと思うけど。
 ……でも、なんで司は雉野先輩を俺にけしかけているんだ? あいつ自身は俺とどうこうする気はないのか?
 それともふたりがかりで……? どうも話が見えてこないな。
「そういえば、お猿さんは何をやっているのさ」
「あたしにもようわからん。なーんか、回りくどいことを考えてるみたいやね」
 猿? ふたりの共通の知り合いかな?
「ボク、正直に言うとあいつのこと嫌い」
 司は吐き捨てるように言った。天真爛漫な司がネガティブな感情を表に出すところを初めて見た。
「ストレートにアプローチすればいいのに……。ああいうのを猿芝居って言うんじゃないの?」
「誰がうまいこと言えというたんや」
 そのとき、急に背後から突風が吹いた。その途端、話し声が止んだ。
 耳をすませても、もう話し声は聴こえてこない。ふたりともどこかへ行っちゃったのか?
217転生恋生 第十四幕(6/6) ◆.mKflUwGZk :2009/09/03(木) 23:28:52 ID:Ao5ZJ3kn
「ご主人様っ!」
 いきなり建物の陰から司が飛び出してきたので、俺は本気で驚いた。司は俺に抱きついてくる。
「えへへ……」
 俺の胸に額をこすりつける。揺れるポニーテールが犬の尻尾みたいだ。
「おまえ、どうして俺がいるってわかったんだ?」
「ご主人様の匂いがしたから。さっきまではボクの方が風上にいたからわからなかったけど」
 本当に犬みたいな嗅覚だな。
「雉野先輩がいただろ? 何を話してたんだ?」
「女の子トークだよ」
 そりゃまあ、そうだろうが、明らかに俺を話題にしていただろう。
「ご主人様が思い出さないうちは、話してもわかんないよ」
 思い出す? 何をって……あ!
 そう言えば、司も千年前がどうのとか口にする電波女だった。最近気にならなくなっていたから、半分忘れていた。
 あれ……? 千年前?
「……雉野先輩とは知り合いなのか」
「うん! 昔からの仲間だよ」
 昔から……? まさか千年前? 司の電波を先輩も受信しているのか……?
 いや、ひょっとして姉貴の話ともつながりが……?
 だけど年齢的に司が姉貴とひとりの男を取り合った3人組のひとりとは考えにくいし……。
 ダメだ、筋道立てて考えようとしても頭が混乱する。
 本人に問い質そうにも、雉野先輩は既に立ち去っていた。
「ねえ、ご主人様。ボクのユニフォーム姿、初めて見るでしょ? 似合う?」
 そう言って司は俺から離れ、モデルのようにくるりと一回転して見せた。
 裾の短いタンクトップで、お腹が露になっている。上半身は曲線に乏しい幼児体型なのに、ヘソを見ているとなんとなく気恥ずかしくなる。
 下はショートパンツだが、尻は肉付きが良くて布地がぱんぱんに張っていて、すらりと伸びた足は太腿もふくらはぎもしっかり筋肉がついている。
 短距離走が得意というだけあって、下半身は鍛えられているみたいだ。不覚にも尻から太腿にかけてのラインにそそられてしまう。
 ……俺って太腿フェチだったのか。
「ねえ、似合う?」
「あ、ああ……。似合うんじゃないか」
 司に急かされて、俺はほめてみた。
「セクシーに見える?」
「セクシーは無理があるだろ。せいぜいキュートってところだな」
 実際、俺は本気で司を可愛いと思った。それでも司には十分だったらしい。
「うれしい!」
 司は俺の首に両腕を回してぶら下がってきた。いくら体重が軽いといっても、さすがに首へ負荷がかかる。
「おいおい、いきなり何するんだよ」
 体を前へ傾けた体勢になる俺に、司は頬ずりしてきた。いい匂いがした。やっぱり女の子だな。
「ねえ、今度の日曜日にボクが出場する競技会があるんだ。応援に来てよ」
「おまえ、まだ入学したばかりだろ? もう選手になったのか?」
「ボク、短距離走は得意だから」
 それにしても凄い。昨日と今日弁当を分けてもらったことだし、応援に行くくらいはやってもいいだろう。
 何より、俺自身が元気にトラックを駆ける司の姿を見てみたい。
 電波な話のことは、俺の中でどうでもよくなっていた。いや、あえて頭の中から追い出そうとしたのかもしれない。
 目の前にいる司が俺の受け入れられないような女の子になってしまうのが怖いから。
218転生恋生 第十四幕 ◆.mKflUwGZk :2009/09/03(木) 23:30:03 ID:Ao5ZJ3kn
投下終了です。
219名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 00:00:37 ID:d5wu1UOO
>>218
GJ!!
雉と犬の攻めに期待w
猿の動向も気になる・・・
220名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 00:12:26 ID:peUpSx+V
>>194
>>218
GJ
このスレは楽園のようだ。
221名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 00:14:22 ID:rSnTjWtQ
すばらしい、GJ!
やはり犬猿の仲なのか?
222名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 00:31:55 ID:IhLbSfgV
そういわれれば
桃太郎って犬と猿一緒だよな
223名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 00:44:58 ID:EReS4OJh
犬妹と猿姉が桃太郎を取り合うところで精神が発狂した
224名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 13:00:24 ID:0lSTh1FM
俺の中で雉野先輩のビジュアルはなぜか鶴谷さん
225名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 13:10:14 ID:4rmGYw1F
にょろ〜ん
眼鏡かけててショートカットで後頭部が尖ってる感じだな
226名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 13:15:40 ID:jZryUL6+
そういやちゅるやさんって弟いるんだっけか?
227名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 18:17:15 ID:5pDeh7S5
いない
228名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 20:48:48 ID:jZryUL6+
そうだったか。すまん、勘違いしていたようだ
229名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 23:22:19 ID:aqe6rExA
>>225
尖らせんなww
230名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 23:51:08 ID:WtWteVb3
>>203
死ね
231 ◆ou.3Y1vhqc :2009/09/05(土) 02:06:35 ID:xx+3CO67
だらだら続けているので一応普段使っているコテつけました。

>>30の続きになります。
232名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:07:10 ID:xx+3CO67
俺の妹……由奈は少し頭がおかしい…。
頭がおかしいと言っても、別に脳に異常があるとかそう言うことではない。
俺への執着心が人一倍強いのだ。

妹から電話がくれば十秒以内にでなくてはならない…食事は常に一緒。テレビを見るときは絶対に妹と一緒じゃないと許されない。
外出も妹がいないと基本的には無理。

言い出したらきりがないぐらい制限があるのだ。
先ほどの匂いチェックの意味も解らない…妹に鼻を押し当てられ体臭の匂いを嗅がれるなんて最悪の一言。

鼻を舐められるなんて…。

「ふふ、お兄ちゃ〜ん♪」
先ほどリビングから出ていった妹が戻ってきた…。
油断していたので妹の声に跳び跳ねてしまった。

扉から少しだけ顔を出した由奈の顔は満面の笑み…よからぬ事を考えている時の顔だ。


「私と一緒に……トイレに行こっか?」




――トイレ?
233名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:08:43 ID:xx+3CO67

――「そう、トイレ。」
不安そうに呟くお兄ちゃん。
私がなにか意地悪をすると思っているのだろう…。ただ、私はお兄ちゃんを綺麗にしてあげようと思ってるだけなのに…。

「な、なんでトイレなんか…」

「理由はトイレに行ったら教えてあげるから。」

「いや、でも…」
オドオドするだけでソファーから立ち上がろうとまったくしない…。
珍しく強情なお兄ちゃんをどこか嬉しく思う。いつも私の顔色を伺っているので最近罪悪感に苛まれていたのだ。
今こうやって私の言葉に否定的なのも、まだ生きてる証拠。
私はお兄ちゃんと意思の通じ合える家族になりたいのだ。
誰にも邪魔されない…私とお兄ちゃんの世界があったらどんなに嬉しいか。
そんな世界は夢の世界だと言うことは解っている…だからこそ、この汚れた世界でお兄ちゃんを守ることが私の使命だと思っている。

「お兄ちゃん、別に変な事をするんじゃないわよ?」

「?」

「トイレに変な虫がいるのよ…虫苦手だからお兄ちゃんなんとかして。」
大嘘だか純粋なお兄ちゃんは多分引っ掛かるだろう…。

「あっ…あぁ、分かったよ。」
案の定ソファーから立ち上がると、私の横を通り抜けトイレへと向かった。
234名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:09:27 ID:xx+3CO67

お兄ちゃんの後を小走りで追いかける。

平常心を装っていたが、多分今の私の顔を見たらお兄ちゃんでも流石にバレるかも知れない…。
鏡を見なくても分かる、私はお兄ちゃんの背中姿に欲情していた。

「どこにいるんだよ…?」
お兄ちゃんがトイレの扉を開けて中を覗く。
いない虫を一生懸命に探しているお兄ちゃんを見ると、子供の頃にしたイタズラのような感覚に陥る。

「ほら、端にいるじゃない…。お兄ちゃん男なんだから中に入って叩けばいいじゃない。」

「あ、あぁ。分かってるよ。」
動揺したように声をあげる。
今の動揺は私に話しかけられた事にではなく、どんな虫か分からないのに入るのか?と言う意味だろう。

「もう、めんどくさいなぁ〜。ほらっ!」

「ちょっ!!」
慌てるお兄ちゃんをトイレに押し込み、すかさず中から鍵を掛ける。

「な、なぁ…」

「ん?なぁに?」

「虫捕まえるのになんで扉を閉めるの?」

「外に逃げて私の部屋に行ったらヤダもん。」

「じゃ、じゃあ。なんでお前も一緒にトイレに入ってくるんだ。」
お兄ちゃんの癖に中々鋭いな…。

「一人じゃ怖いからよ…それと、用事を思い出したの…」

「用事…?」
235名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:10:01 ID:xx+3CO67

不思議そうな顔で見つめてくるお兄ちゃんの耳に口を近づけて、呟く。





――ファミレスで食べた物――捨てよっか?

後ろから右手を首に回し、ヘッドロックの様にしがみつく…。

「なっ、なんだよ!?放せって!こんな狭い場所で危ないだろ!」
お兄ちゃんは意味が解らず、ただ暴れるだけ。

「危なくないよ?ただ、ちょっと苦しいかもしれないけど我慢してね?お兄ちゃんの為だから…。」

「はぁ?何いってッ!?…ぐっ!…おッ…おぁぇ…やめッ…ッ!!!」
お兄ちゃんの肩に回していた腕を口に持っていくと、徐に中指と人差し指を口の中に強引に滑り込ました。
苦しそうに私の服を鷲掴みにし、私の腕から逃れようと暴れまくる。
だけど私は逃がさない…。
頑丈にお兄ちゃんの首をロックしているのでこの狭いトイレの中では逃げたくても後ろに逃げれないのだ。

「はぁ、はぁ…ほら…お兄ちゃん出して…ね?だしてっ!」
お兄ちゃんの顔を便器の上に持っていくと、お兄ちゃんの舌を指で強く刺激する。

「やめッ!!あッ…やっ…あおえぇぇっ!!」
何度も何度も…オナニ―するように私の中指と人差し指を舌に擦り付ける…。
236名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:10:31 ID:xx+3CO67

「はぁ、はぁっ…お兄ちゃん舌…はぁ…ざらざらしてる…ふ、ふふふ。」
もうダメ…我慢できない…。
私の服を掴んでいるお兄ちゃんの腕を空いている私の左手で掴み、徐にスカートの中に押し込んだ。

「――ッ!――ッ!―」

お兄ちゃんは息をすることに精一杯で気づいていない…。
お兄ちゃんの指を掴み、パンツの中へと忍ばせる。

「あ、あぁっ!…お兄ちゃっ…!」
お兄ちゃんの指が私の陰部を撫で回す。

無論その間もお兄ちゃんの喉を犯す事を忘れない。

「あぁあッ、ぁぁああっ!はぁ、はぁ…んッ!…ふぅううぅぅ〜。」
小さく軽くイッた所で陰部を撫で回すお兄ちゃんの指を止める。


「はぁっ、はぁ…お兄ちゃん出た…?」

「もぁがっ、がぁぁがッ!」
私がお兄ちゃんの口の中に指を入れているので何を言ってるのか意味が解らない。

仕方なく便器の中を覗き込む…吐いてはいるが、まだ少ない気がする…。

「もう少しだね…ほらっ頑張って!」
そう言うとまたお兄ちゃんの舌を指で犯す。

「やっ!?なっ、――ッ――!」

お兄ちゃんには悪いが私の料理をちゃんと味わって貰いたいからの行動なのだ。

「ふぅ〜…ふふふ…」
237名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:10:56 ID:xx+3CO67

私のスカートからお兄ちゃんの指を出す。私の愛液でベトベトになっている。

「ちゅっ…はぁぁむぅっ!…ちゃっ…ちゅぅぅ…っん…お兄ちゃん。」
その愛液でベトベトになった指を丹念に舐める…。別に綺麗にしてる訳ではない…。
綺麗に舐め終えると、もう一度スカートの中に滑り込ませた。


「あぁぁっ!お兄ちゃッん!」
今度お兄ちゃんの指を膣内へと強引に押し込んだ。

唾液で濡らさなくても簡単に入ってしまった…それだけ愛液で濡れていたのだろう。

――ぬちゅっ、ぬちゃっ、ぬちゅっ、ちゃっ――

っと、いやらしい音が小さなトイレの中で響き渡る。

「お兄ちゃん!はぁ〜ああ!あんッ、あっ!気持ちいッ!」
今私はお兄ちゃんの指でしているのだ。
普段のなんかより数倍気持ちいい…。

「ああぁっ!?ふっ…うッん…あん、んんっあああぁっ!兄ちゃんッダメっ、!!」
イク寸前に奥深くお兄ちゃんの指を膣内に強引に押し込むと、頭から電気が流れたように私の体を痺れさせた。

「ふぅううう〜っ!…うふぅぅぅ…」
倒れ込まないようにお兄ちゃんの肩を噛んで後ろから強く抱きしめる。
238名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:11:32 ID:xx+3CO67


「ごほっ!ごほっ!」
いつの間にか私の指はお兄ちゃんの口の中から抜けていた。
咳き込むお兄ちゃんの後ろから便器の中を覗き込む…先ほどよりは胃の中の物を綺麗にしているようだ。

「はぁっ、はぁっ、ふぅ……あんっ…ふぅぅぅぅ…」
膣内に入っていたお兄ちゃんの指をゆっくりと引き抜く。
お兄ちゃんの指が中から出ていく時、名残惜しいのか無意識にもう一度お兄ちゃんの手で陰部を撫でてしまった。

「…いっぱい出たね…汗すごいよ?もう一度お風呂に入って来たら?」

「…」
私の言葉に一切返事をせずトイレから出ていってしまった。
少しやり過ぎたかと思ったけど。まぁ、お兄ちゃんなら許してくれるはずだ…。

「…」
お兄ちゃんの口の中に入っていた指を眺める…お兄ちゃんの唾液や胃液でベトベト…。

「ふふふっ……あ〜んっ!」
お兄ちゃんの唾液と胃液を舐めとる…。

「はぁぁ〜…おにいちゃあん……気持ちいい…もっと…お兄ちゃ――」

次の日、疲れきった私はトイレの中で朝を迎えた。
239名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:13:29 ID:xx+3CO67
ありがとうございました。投下終了です。

また、スレが終わる頃に来ますね。
240名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:15:28 ID:W/uF9Ih/
・・・狂ってやがる
GJ
241名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 02:21:50 ID:xx+3CO67
>>237
唾液で濡らさなくても簡単に入った…じゃなかった…。

唾液で濡らさなくてもいいぐらい簡単に入った…の間違いです。
242名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 15:33:17 ID:JU5aRBJV
これはキモいな……。
243名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 16:02:33 ID:pi8Hz+kX
>>239
GJ!!
面白かったです。スレの終わり頃なんて
いわないで、もっと投下してくれると嬉しいです。
244名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 17:48:15 ID:BWflc6VR
こいつははリアルにキモかったぜ……どうすりゃこんなに狂えるんだろうな

このあとお兄ちゃんは、妹なんてこの世からいなくなればいいのにとか思ってそうだ
245名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 20:57:14 ID:MYmFF2Hd
知り合い(お姉ちゃんや妹を除く)とファミレスに行くのはNGなんですか?
246名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:22:34 ID:eSebLZ/X
知り合いかどうかに関わらず自分以外と外出するのが許せないんだろう
247名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:33:48 ID:1SvvVjNP
自分が与える餌以外はNGなんじゃね?
248名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:53:28 ID:Hdn4hbxD
家の犬(兄)には餌やらないで下さい!私の作った餌以外を食べさせないで下さい! 
こんな感じか? 
そういや小学生の頃、パンやって怒られたな。イイ餌与えてたんだとよ。
249未来のあなたへ11中編:2009/09/05(土) 23:18:07 ID:/Xscd8p7
投下します。
ちょっとした理由で後半がなかなか進まないので、区切りのいいところまで。
少し会話がgdってしまいました。反省。
250名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 23:20:05 ID:/Xscd8p7
その夜。
俺の家のダイニングは、異様な雰囲気と光景が支配した。
綺麗に拭かれたテーブルの上には、大振りの封筒が一つだけ置かれている。何故か箸立てや急須の類はすべて撤去されていた。
封筒の中身は何枚もの写真で、それらはこの場の全員が既に確認し、収められている。正直、その内容はショッキングだった。
席に着いているのは四人。俺と、妹と、父さんと、母さんだ。
両親は俺の向かい側に並んで座っている。
母さんはひどく陰鬱な顔をして(当たり前だ)無理矢理に気を張っているようだった。何故か年季の入った木刀を膝に載せている。似合わないこと夥しい。
父さんは無手でいつも通りの無表情だけど、纏う雰囲気がいつもと違う。びりびりとした、まるで争う前のような一触即発の空気だった。
俺はといえば、そんな二人を前にして堂々と胸を張れるはずもなく、悄然と肩を下ろしていた。
そして、俺の隣に座っている優香は
後ろ手に手錠を掛けられ、椅子に繋がれている。
ちゃりちゃりと、時折鎖の擦れる音が静かな部屋に響く。それがこの場所を異様な光景にしている、最大の原因だった。
妹は深く項垂れ、表情は髪に隠れて見えない。
その様子に、俺はたまりかねて口を開いた。ダイニングに満ちている重い沈黙を、泥を押しのけるような気持ちで破る。

「あ、あのさ。手錠なんて、掛けることないんじゃないかな? ていうか掛けるならむしろ俺の方で、優香は……」
「危険性において判断したまでだ」
俺の懇願に即答したのは父さんだった。母さんはそのやり取りに頬をひきつらせて「うふふふふ」と気味の悪い笑いを洩らす。何かあったんだろうか。
優香の危険性……と言われて、思い浮かんだのはさっき突き付けられた写真の数々だ。
正直、引いた。
まず目についたのは、俺が映った写真。
妹と一緒にビニールプールで遊んだ時の、七五三の時の、小学校に入学する時の、運動会で走った時の、夏休みの真っ黒に日焼けした時の、サッカーをしている時の、中学を卒業した時の、
修学旅行に行った時の、文化祭をした時の、空手を始めた時の、水族館に行った時の、優香と並んで歩いた時の。
俺が知っているものもあれば、知らないものもある。アルバムに入っていたものもあれば、学校の行事で撮ったものもある。中心にいれば端に写っているだけの時もある、あらゆる場所からかき集めたとしか言えない、俺の写真だった。
それはまあ、いい。その熱意は想像しがたいものがあるけれど、優香は俺のことが好きなのだから、写真を集めても不思議はない。
問題は盗聴器と、その……『収集物』の方だ。
父さんはさっき、いくつか布ボタンのようなものを取り出して見せた。俺の部屋やカバンに仕掛けられていたそれは優香の用意した盗聴器だという。
え、だって盗聴って……ええ?
好きな人のことを知りたいと思うのはあるかもしれないけど、そんなのは明らかにやりすぎだ。というか、犯罪だ!
いや、それだけならまだ、気持ちとしてはわからないでもない。けれど最後の『収集物』については意味すら分からない。
髪の毛とか、爪とか、どうしてそんなものを集める気になるのかマジでわからない。もうまるきりストーカーだ。


「ストーカー規制法違反。親告罪だが6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金にあたる」
「そ、それはそうかもしれないけど……まさか警察に届ける気なの!?」
「いや、これらは違法手段で集めたもので、証拠能力はない。公権力に頼らないのならば、自衛のために拘束するのは必要だろう」
理路整然と反論されて言葉に詰まる。優香に手錠をかけることに、納得できたわけじゃない。できるわけがない!
それでも俺が引き下がってしまったのは、警察に届けるつもりはないという言葉に心のどこかでほっとしたから、なのと。
もう一つ。必然的に浮かび上がった想像のせいだった。
優香は、今までずっと、一人で黙々と、俺の写真を眺め、俺の日常を盗聴し、俺の排泄物を収集していた、のだ。
考えるだに、ぞっとする。生理的な嫌悪より、何より、そんなことを何年も続けてきた動機の、強さに。
けど、そんなことが有り得るんだろうか。そんな……あまりにも強すぎる感情が、有り得るんだろうか。
優香は一言も喋らない。自分がストーカー扱いされて尚、手錠をかけられたままじっと俯いている。
俺の、隣で。
251未来のあなたへ11中編:2009/09/05(土) 23:21:01 ID:/Xscd8p7

不完全燃焼とは言え一段落ついたやりとりのあとで、今度は母さんが口を開く。
「ねえ、健太。あなたはその……優香の気持ちを知ってたの? 優香と付き合ってるの?」
「あ……う……ん」
その人の、確認するような、藁にも縋るような問いに
俺は、頷くしかなかった。
『――――ああ、わかった』
つい一時間前、俺は優香の懇願に頷いてしまったのだから。その優香が、隣にいるのだから。
母さんが絶望したような顔をする。天井を見上げて目を閉じて「ああ、なんでよりにもよって……」と呟いた。
ああ、母さん、ごめんなさい、ごめんなさい。
心の中で平身低頭する。さっき父さんと話すために上げた視線が、自然と下がる。そうしてまた食卓を重い沈黙が支配した。
そんな空気を
今度は父さんが、なんの気負いもなく破る。

「さて、健太。結論から話そう」
「あ……うん」
「もしも兄妹間の恋愛を諦めるのなら、今回の件は不問としよう」
「!?」
「ただし対症療法として、何らかの形でお前たちを引き離させてもらおう。離婚という形はなくなったが」
「あたりまえよ……」
父さんの言葉に思わず顔を上げる。普段と何も変わらない表情。
母さんが陰鬱な目をして、父さんの言葉にツッコミを入れながら頷いた。この件に関しては同じ意見らしい。
この場に着いてから、一晩中非難されると覚悟していただけに、その提案は意外だった。特に母さんは感情的な人だから、泣きながら責められると思っていた。
だって、普通、そうだ。自分の子供が『そんな関係』になっていたなら、絶望するに違いない。動じない父さんが異常なだけだ。
離婚という話だって、決して大袈裟じゃない。育てた責任を擦り付け合うなんて、いかにもありそうな話で。この二人が賢明だっただけだ。
それでも尚、無かったことにしてくれるというのなら。それは両親が、それだけ俺たちを大事にしてくれている証拠なんだ。
けど、けれど……自分を殴りたくなる。そういう当たり前のことに俺が気付いたのは、ついさっきだった。

あの水族館の帰り道で、優香の気持ちを知ってから
それが家族に対する裏切りに他ならないことを、念頭に置くべきだったのに。
俺は、自分の気持ちだけに一杯一杯になってしまって、優香を傷つけないようにするにはどうするのかとそればかり考えて、最後には……
『――――ああ、わかった』
頷いた。
ああ、ああ、俺はなんて馬鹿なことをしたんだ。数時間前の自分を殴りたくなる。
あの時の優香が、壊れそうなほどに縋っていたから、ただ優香を傷つけないためだけに頷いたんだ。
俺にとって大切なのは両親も同じなのに、そのことにすら気付かずに。
この人達はこんなにも、俺達のことを大事にしてくれていたのに。

「基本的に、僕達はお前たちの恋愛を認めない。そのようなことをさせるために扶養しているわけではない」
自責する俺を尻目に父さんが続ける。
「それでも尚、優香と恋愛行為を続けるというのなら、扶養する義務はないものと考える。つまり――――出て行ってもらう」
母さんが何か口を開こうとして、やめた。
妹は手錠をかけられたまま、じっと俯いている。
榊家のダイニングを、再度沈黙が支配した。
「……」
「……」
「……」
「……」

家から出ていけ。
父さんは本気だ。もしも俺がそちらを選んだのなら、今すぐ着の身着のままで追い出すだろう。そういう人だし、そういうことをされても文句は言えない。
けれど、その選択は、優香を選んだ場合のことだ。
つまりそれは――――『好きにしろ』ということなのか?
勿論本音は家族が元の関係に戻ることを望んでいるんだろう。だけど
その関係を認めることはできないが、親の庇護がない世界に行くのなら、好きにしろ……ということなんじゃないだろうか。
それは……それが、不器用な父さんが子供に向ける、精一杯の愛情なのかもしれない。
252未来のあなたへ11中編:2009/09/05(土) 23:21:58 ID:/Xscd8p7

「あのね、健太」
ダイニングに満ちていた沈黙を破って、母さんが俺に声をかけた。その口調は陰鬱で、刺々しい。
考えなくてもわかる、この中で一番ダメージを受けたのはこの人だろう。父さんはあの調子だし、優香は覚悟の上だろうし、俺は思い至らなかっただけだ。
母さんにとってはまさしく、青天の霹靂を食らったようなものだろう。それだけに、この人のスタンスは父さんよりもさらにはっきりしていた。
「出て行って、どうするつもりなの。どこに泊まるの? 一日だけならいいかもしれないけど、その次の日は? 次の週は? 次の月は?」
「それは……」
「それに学校にも通えなくなるのよ? お友達とも会えなくなるし、すぐにでも働かないと生きていけなくなるのよ? ねえ、わかってるの健太?」
「う……ん」
「あなたたちが一つ頷いてくれれば、私たちは無かったことにするわ。健太には卒業したら上京してもらうと思うけど……それは普通の話でしょ……?」
母さんは必死に、出ていくことの非現実性を訴える。崩壊しかかった家庭を必死で取り繕おうとするその姿は、普段ののほほんとした雰囲気は感じられない。
元々が感情的な人なのにヒステリックに声を荒げたりしないのは、事前に父さんと論理的に打ち合わせてあったんだろう。涙ぐましい努力だ。
と思ったら最後にキレた。
「っていうか、なんでよりにもよって妹に手を出してるのよあなたはー! 何考えてるのよー!」
「ご、ごめんなさい!」
「落ち着け。推測するに健太は被害者だ。その点を責めても仕方がない」
「被害者って……何言ってるのよあなた。健太の方がお兄ちゃんなのよ?」
「この状況で、君がそこまでして優香を庇う気持ちが理解し難いのだが」
優香は手錠をかけられたままじっと俯いている。
そんな娘を一瞥してから父さんは淡々と持論を続けた。
「統計的に兄妹間では恋愛感情の発生率が低いと考えていいだろう。
 この場合、偶然双方向に恋愛感情が発生したとは確率的に考え難い。
 しかし実際のところ、健太は優香を恋愛対象として受け入れている。また逆もしかりだ。
 ならば、一方からもう一方にそのように洗脳が行われたと考えるのが自然だ。
 でなければ、兄妹間での恋愛が相手に受け入れられる可能性はごく低いからな。事実、我々は受け入れていない。
 そして優香なら幼少期からそのような思考と、一貫した行動が可能だろう。逆に健太には不可能だ。
 よって今回の件に於ける加害者は優香であり、被害者は健太であるという推測が成り立つ」
「…………」
優香が……洗脳……?
俺が優香を女の子として意識するのは、それもまた優香が仕組んだことなのか?
思えば優香は昔から、少し離れたところにいた。なんでもそつなくこなして、家族にも弱いところは見せなくて。普通の兄妹とは違う距離感があった。
俺のことを厳しく指導して、少し前まで甘えてくることなんてほとんどなかった。だから急に甘えてくるようになってからはそれがすごく新鮮で。
実の妹に対してドキドキするなんて、俺は自分もおかしいんだとずっと思ってきた。だけど……
「…………」
優香はじっと俯いている。
どうして
どうして優香はさっきから一言も弁解しないんだろう。
優香なら父さんの物言いに対して幾らでも反論できるはずなのに。母さんを幾らでも言いくるめることができるはずなのに。
俺がそうであるように、家族に対する罪悪感なのか?
俺がそうであるように、もう完全に観念してるのか?
……違う。
手錠を掛けられたまま、じっと俯いた優香は
さっきからずっと、父さんや母さんの話には耳も貸さずに、一つのことに意識を向けている。
253未来のあなたへ11中編:2009/09/05(土) 23:22:33 ID:/Xscd8p7
「…………」
俺に、だ。
ダイニングでこの話が始まり、優香が俯いてからずっと、ずっしりとした重圧を背中に感じていた。
巨大な目玉に、背後から覗き込まれているような、吐き気を催すような異様な気配。
それがあまりにも異質すぎて、最初は全員が発する雰囲気のせいだと思っていたけれど、実際それは一人の人間が一人の人間に向けているだけの気配だった。
どうして優香は何も言わないのか。
優香が俺に向けているのは、一体何なのか。
それは……信頼だ。
恐ろしいことに、この吐き気を催すような重圧は、この異様な気配の正体は、信頼なんだ。
『――――ああ、わかった』
優香は、あの時頷いた俺の言葉を信じている。父さん母さんの糾弾より何より、俺が裏切るはずがないと信じているんだ。
だから二人にどんな糾弾をされても、一切反論しなかった。反論する意味がない。優香にとっての正当性とは、俺が頷いたことだけで必要充分なのだ。
俺は今まで、信じるということは人間の美徳だと思っていた。
けれど、けれど……こんな、怖気を奮うような信頼の形と、重さがあるだなんて。
ああ、きっとこれが優香の――――今までずっと隠してきた――――想いの強さ、そのものなんだ。
あまりにも強すぎる。
こんなものをずっと抱えてきた優香が、壊れてしまうのも当たり前だ。

「けど……優香の気持ちは……」
押されるように
「優香の気持ちはどうなるんだよ……」
背中を押されるように、俺は優香の代弁をしていた。
俺に優香のような想いはない。
恋愛感情という形だけじゃない。将来の夢や、叶えたい目標。そういうものを全てひっくるめても、俺は優香のような想いの強さを持ち合わせてはいない。
俺や母さんがどうしても優香を憎めない理由の一つが、一種の才能とも言える、目的意識の強さに対する憧れなんだろう。
夢のない人間が、目標に対して邁進する人間に憧れるようなものだ。たとえそれが歪んだ姿だとしても、そこには人間の強さの一側面がある。
だけど、そういったものに全く感慨を抱かない人間もいる。結果が全てと無味乾燥に割り切れる人間がいる。父さんが、そういった人種の一人だった。
「恋など脳内物質と思春期の作用だし、愛など庇護対象を持てば自然と発生する。どちらも条件によって移り変わるものだろう。生存する上の副産物に過ぎないものにどうしてそうも振り回されるのだ」
「――――」
「そもそも人生のパートナーとして、何故わざわざ余分なデメリットのある相手を選ぶのかが理解できない。健太にそれを覆すメリットが存在するともぐふっ」
いきなり父さんが脇腹を押さえて突っ伏した。ちらりと、母さんが片手に握った木刀の柄を引き戻すのが見える。え、そういう用途で持ってきてたの……?
母さんが「まるで成長してない……」と陰鬱そうに呟いてから俺の方に向き直った。
「……けど、父さんの言うことにも一理あるのよ。別にね、恋した相手とじゃなきゃ幸せになれないってわけじゃないのよ」
「でも……」
「それにね、一つだけ確実に言えることがあるわ。若い頃の勢いに任せて決めたことは、後で絶対後悔するのよ」
その言葉は
なんだか、ものすごい説得力を感じた。俺達にはない年の功と言うんだろうか、母さんが自分自身の経験から物にした悟りの一つなんだと思う。
母さんが今度は優香に向き直る。その声は、さっきよりもとげとげしさが薄れている。
「ねえ優香。正直、なんでそこまで誰かを好きになれるのかはわからないけど、それだけが人生じゃないのよ? 意固地になってるだけじゃないの?」
「……」
「あなたは私と違って器量も才能もあるし、いろんな人と出会っていろんなことができるはずでしょ? 自分から可能性を閉じることはないじゃない」
「……」
優香はじっと俯いて答えない、表情も見えない。
それでも母さんは、少しずつ言葉を重ねて、優香を何とか説得しようとしている。
前からそうだったけど、父さんは俺を、母さんは優香を庇う傾向にあって、それはこの期に及んでも変わっていないようだった。
父さんは意志決定を俺に委ねてくれたし、母さんは優香を何とか更生させようとしている。
俺も優香も、面罵されて、殴られて、失望されて、追い出されても仕方ないことをしたのに。
父さんと母さんが、俺達の関係を解消させようとするのは、自分たちの世間体のためなんかじゃない。俺達を心配して、それが最善だと信じてるからだ。
俺の家族はきっと、誇るべき人間なんだろう。
優香だけじゃなく、父さんも、母さんも。

・・
……俺、は……
254未来のあなたへ11中編:2009/09/05(土) 23:25:50 ID:/Xscd8p7
「なあ。優香……」
この席で
俺は初めて、優香に話しかけた。
母さんの声がぴたりと停まる。
それまで何を言われようと俯いていた優香が、すっと顔を上げたから。
「……」
優香が首をひねって俺を見る。
表情は、ない。涙の痕も、唇を噛んだ痕もない。ただぼんやりと、少しだけ口を開いて、優香はじっと俺を見ている。
重圧。
凄まじく重いものが、俺の肩に掛かる。それは人間一人を左右する重さと、優香の想いの強さだ。
歯を食いしばり、お腹に力を込める。それでようやく、動ける。
全身全霊を振り絞って
俺は口を開いた。
「もう……やめないか……?」
「――――」
「あの時頷いたのは、ごめん……けど……やっぱり、普通の兄妹に戻らないか……?」
「――――」
沈黙。
沈黙が胸を刺すということを、初めて知った。
痛い、痛い。ぐさりぐさりと、一秒ごとに刺されるような痛み。けれど耐える、耐えなきゃいけない。
ああ、ああ、ごめんなさい、ごめんなさい。あらゆるものに謝る。どうかごめんなさい。
父さんも母さんも、じっと成り行きを見守っている。
…………
そうして、どれだけの時間が流れたのだろう。
無限に思える空白の後
優香はぽつりと呟いた。

「――――はい……わかりました」

つう、と、閉じた瞼から涙が溢れる。

「明日から……普通の兄妹に戻ります……」



榊家ダイニング
「ぷふー……」
「優香は部屋に繋いできたが……飲んでるのか」
「そーよ飲まなきゃやってられないわよ。あなたも飲みなさいよほらほらー」
「いや僕はやるべきことが……むぐぐっ!」
「きゃははははは」
「(ごくごく)……ごふっ」
「あーなにもう顔真っ赤になって、相変わらずお酒弱すぎよねー、全くもー」
「…………」
「大体、なんでこう私の人生ってこんなのばっかりなのよ、なんで私ばっかりこんな目に遭うのよ。リアル近親相姦とかホント勘弁してよ」
「…………」
「それにわっかんないのよマジわっかんないのよ。愛とか恋とか、そんなのしらねーっての! 私達には縁がありません! 対応不能なのでした!」
「…………」
「あー、でもあなた、優香が洗脳云々gdgd言ってたけどさあ。好きになった相手に振り向いて貰おうと努力するのって普通じゃない? よくわかんないけどさあ」
「…………」
「健太も健太よ。お兄ちゃんなんだから最初からびしって断りなさいよ。ていうか優香はなんであれに惚れたのかしら、私もさっぱりわかんないわ」
「…………」
「そういえば離婚云々ほざいてたけどあれマジだったの? あなたにとってこの十数年はそれだけの価値しかなかったの? 答えなさいよ、ねえ」
「…………」
「なんだ寝ちゃったの……つーか、この男もいつデレ入るのよ。クーデレどころかツンデレの気配すらないし、まるで成長していないってーの!」
「…………」
「もうね、なんてーの。逆にこっちがいい加減悟り開いちゃうわよ。良妻賢母になっちゃうわよ。なにこの倦怠期デレ。ブルデレ? 絶対流行んない絶対流行んない」
「…………」
「……ぐー」
「……すー」
255未来のあなたへ11中編:2009/09/05(土) 23:27:29 ID:/Xscd8p7




「はあ……」
ベッドに寝転がることで天井を見上げて
溜息をつく。
もう……何時になるだろう。一時か、二時か。
時計を見る気力すら起きない。それでも、罪悪感のあまり眠気は訪れない。
ああ、ああ、俺はなんて酷いことをしてしまったんだろう。
あれからずっと、俺は死んでしまいたいという思いに打ちのめされていた。
あの時の優香の表情と、涙。自分を裏切った人間を見る眼差しが、脳裏に焼き付いて離れない。
これからずっと、目を閉じるたびにあの光景に苛まれるのかもしれない。

優香は俺を信じていた。
思えば今日の夕方、一緒に食事に出た時から、優香はこうなることを予期していたんだろう。だから、ああまでして
『ですからどうか、どうか。
 兄さん、好きです、付き合ってください』
俺に決断を迫って、言質を取ろうとしたんだろう。
いや、もっと前。水族館の帰りに、俺に告白した時から、優香はこういう日が訪れることを覚悟していたんだろう。
だから、まるで生き急ぐようにして甘えてきたんだ。対して俺は、あんな日々がいつまでも続くとのだと楽観して流されるばかりで。
優香は、今日という日が訪れることを知っていた。今がいつか終わることを、やがて終わりが訪れることを、決断を迫られることを。
そうして、俺が一緒に家を出ていってくれると信じていた。
信じていたんだ。
両親に何を言われようと黙して、一切弁解もせず。全身全霊で、自分の人生そのものを託していた。
あの言葉に。
『――――ああ、わかった』
それを俺は踏みにじったんだ。
優香がその想いの強さで形作った、歪んではいるけれど精緻で綺麗な結晶を、俺は裏切り打ち砕いたんだ。
優香を拒否することは、優香を壊すことだと知っていたはずなのに、それでも俺は。

どうして優香を受け入れられなかったのか。その答えはひどくひどく残酷で単純だ。
優香は俺を、他の何もかもを捨てれる程に、好きでいてくれた。
けれど俺は……他の何もかもを捨てられる程に、優香を好きじゃなかったんだ。
もちろん優香のことは大切だ。妹としてなら、身を挺したって助けられる。けれど大切なのは家族や友人も同じで、優香もまたその括りにあるんだ。女性としての優香も意識はしていたけど、それは淡いものでしかなかった。
だから優香を選べなかった。元通りの関係に戻れるのなら、それがいいと……思ってしまったんだ。
俺は優香ではなく、これまでの日々を選んだ。
ああ、ああ、でもそれなら、なんで俺はあの時頷いたんだ。いや、どうして初めから優香を拒絶しなかったんだ。それが妹をより一層傷つけることになったのに。
それに、全て自分勝手な都合だ。父さんも母さんも純粋に子供のためを思っていてくれたのに、優香ですら俺を信じて何一つとして反論もしなかったのに。
俺だけが、自分のことを考えるばかりで、その場凌ぎの嘘を付いて、結局は妹を手ひどく裏切って、最低の兄だ。最悪だ。
……でも、それでも。だからといって優香と駆け落ちなんてできなかった。俺にそんな覚悟はない。どう足掻いても、今までの全てを捨てられるような覚悟はなかったんだ。
家族も妹も、どちらも大切で。女性としては、そこまで優香のことが好きではなかったんだ。

ベッドの中で自己嫌悪のあまり、頭を抱える。情けないことに俺は涙さえ流していた。
そうしてどれだけ時間が経ったのだろう。一時か、二時か。
きい、と部屋の扉が開く音がした。
電気は消している。光源は窓から差し込む月明かりだけだ。俺が反射的に部屋の入り口を見ると

優香がそこにいた。

256未来のあなたへ11中編:2009/09/05(土) 23:28:33 ID:/Xscd8p7
以上です。後はよくある展開。
後編は鋭意制作中です。近いうちに投下します。
257名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 23:31:03 ID:USoV/vTk
>>256
リアルタイムGJ!
258名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 23:40:41 ID:R7OBfQoQ
>>231
正直続きものなら、トリ付けるついでにタイトルも付けて欲しい
お願いと言う形をとってるけどテンプレにもちゃんと書いてあるんだし
259名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 23:48:14 ID:346xqA2W
GJすぎる
未来のあなたへは個人的にキモウトスレ史上最高の作品だ(まだ完結してないけど)
展開や優香のキャラが最高です
260名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:19:24 ID:Uq4Gbr/F
優香かわいそう かわいそう優香
261名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:56:44 ID:jiE2FMPZ
親バレターンキターーー!
焦らせるかのようないいタイミングで切りますな
おかげで気になって眠れなくなってしまったじゃないかw いやGJだけど
優香に幸あれ
262名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 12:00:27 ID:zVRkm7P5
いきなり縛ってるあたり親もスゲェw
263名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 14:06:33 ID:/rFqdhoT
手錠が常備してある家って・・・

優香の私物にあったのかな?
264名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 16:03:36 ID:LSn5+twp
スゲぇなこのゴミ主人公。
こんなクズなのは久し振りにみた。
265名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 16:09:22 ID:F7BsF2oG
>>264
そんなこと言われるともっと愚かな主人公をかきたくなるじゃないか
たとえば妹に堕胎を迫って暴力振るうとか
266名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 16:14:35 ID:YZlG1w8R
>>264
だがそれがいい
267名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 18:11:08 ID:j7NNG0Dq
GJ
よくある展開…ああ、Nice Boatか…
268名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 18:32:27 ID:N3H2EJZl
>>264
いや、ここで悩めるだけでもすごいだろ
普通なら逃げ出してるレベルw
だがそれが、、、イイ…
269名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 18:34:59 ID:1pDddvrX
悩んでも断っても受け入れても逃げ出しても、結末は同じな気がするw
270名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 18:59:22 ID:F7BsF2oG
しかし、ここまで素晴らしい作品を投下されると次に作品を投下するのが躊躇われるwww
さて、二作品くらい来るまで待つか
271名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 19:01:43 ID:rRdDg8aa
御託はいいから投下しろ
272名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 19:14:43 ID:F7BsF2oG
>>271
ほめことば的冗談なんだぜ
ちなみに、まだ書ききっていないだけですごめんなさい
273名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 19:40:35 ID:6MbGR5oT
このスレは投稿が多くてうらやましいが
キモ姉もしくはキモウトというキャラクターシフトさえ抑えれば
後は自由度が高いからだろうか
274名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 19:54:15 ID:uIisUjqS
エロなしのほうが多いからっていうのは……関係あるかね
275名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 20:43:23 ID:nE6t4MY9
>>274
このシチュは必然的にエロにたどり着くのが大変。
兄弟の良識を破壊してベッドに引きずり込まなければならないから。
276名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 20:49:05 ID:OWyajLuV
>>256
GJ!後編も超期待

>>264
俺も>>268と同じく健太はそんなにクズじゃないと思うけど……
277名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 22:15:38 ID:eeAaokow
>>268
真面目に考えて優香を選んだ場合のリスクがデカ過ぎるからなあ。
高校中退、先立つモノも無ければ住む場所も無い、誰かに相談しようにも真実を話せばそのまま
絶縁はほぼ確実、お互いへの気持ちが冷めれば普通の恋人同士の比じゃない気まずさを一生涯味
わうことになる……。まともな神経の持ち主であれば躊躇するのが当然じゃないか?
兄妹恋愛の道は険しいな。
278名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 22:43:05 ID:dE4gkgdN
>>275
おれの記憶が確かならば
妹とガンガンにヤりまくってた話って「淫獣の群れ」くらいだったような気がする
279名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 22:44:56 ID:Dz8bvhYR
なんでだろう。誠死ねというワードを思い出した
280名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 22:50:04 ID:WbRSx81s
誠は妹に対してはいい兄だぞ。
281名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 22:57:55 ID:D9+x22lT
止に処女取られるくらいなら誠が先に止に手を出します
282名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 23:12:33 ID:UQn/zwOL
>>265
姉妹がゲスなのに兄弟までクズだったら収集つかんじゃないか
283名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 00:22:13 ID:DPj33C+6
妹の気持ちを汲み取ってあげて、必死に考えてくれる
そのうえ自分に責任感じて泣いてくれるんだぞ。いいお兄さんじゃないか

それに比べて誠は…
まぁ実際の野郎なんてみんなあんなもんだけどな!!
284名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:06:02 ID:Y1GIfVic
何だか、鉄の子宮が好きな兄貴を思い出した…。
285名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:13:24 ID:YWTa4TkK
あれには兄妹愛はあまりないなぁ
つーかガンダム世界の兄妹はケンカしてばっかりやw
286名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:14:52 ID:IKEsXYg6
安易に誠死ねとかクズとか言っているバカは、両親が突きつけている現実をどう考えるんだよ
287名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:29:12 ID:PkLuCBHw
兄貴→巨大試作兵器…ハアハア愛してる。リアル妹イラネ。せいぜいテスパイ。

妹→兄…兄さんが私を見てくれなかったのはあの女(試作兵器)が居るからなのね!
    そうだアイツを壊したら…兄さんは私の物!行け!協力者!
妹の協力者→妹…兄を倒して生きて添い遂げる!
こんな話だっけか?第08MS…(違います)
これはこれでおもしろそうだな…いやマジで。
288名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 01:32:57 ID:D0KHhT5W
>>286
めくらに物を見ろといっても無駄
289名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 02:03:23 ID:NO4Jr2xf
このスレの作品における両親って、大体は凡人だったり死んでたりかませだったりなのに
未来のあなたへの両親は妹並に変人だな
290 ◆6AvI.Mne7c :2009/09/07(月) 03:46:48 ID:i1LxBk0u
いま保管庫を見てきたけど、たった一週間でかなりの更新があった。
こんなに作品の投下があったなんて、ちょっと驚きだった。
 
なんだか脱線したトークは気にせずに、さっきできた小ネタを投下。
タイトルは『純情王子と腹黒姫』。姉弟もので大体9.7KBくらい。
前に投下した『正義少年……』の別サイド話。女性陣の性格がエグイので注意。

次レスより投下開始。3レスほど借ります。投下終了宣言あり。
291純情王子と腹黒姫 (1/3) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/07(月) 03:49:40 ID:i1LxBk0u
 
「中荷平真央(なかがひらまお)先輩は、ぼくら少年剣士の憧れなんです!
 県大会を初出場で制覇した伝説は、今でも小学校では語り草なんですよ!」
「ありがとう。でもそれは中学入学前のはなしだから、あまり期待しないでね?」
 ぼくこと城野谷王司(じょうがやきみもり)は今、先輩の自宅に招かれている。
 理由はわからないけれど、なぜか先輩のほうから、ぼくを誘ってくれたのだ。
 ぼくとしても、伝説の少女剣士と会話できるということで、断る理由はなかった。
「さあどうぞ。紅茶しか出せないけど、ゆっくり味わってね?」
「あっ……、はっはいっ!! ごちそうになりま……す……?」
 けれど、慌てて出された紅茶を口にしたあたりで、ぼくの記憶は途絶えた。
 
 目が覚めた時には、ぼくは両手足を拘束されて、この場所に連れて来られていた。
 目の前には、なぜか恐怖を感じるほどの笑みを浮かべた、先輩がただ1人だけ。
 あまりに心細くて怖かったぼくは、灯萌(ひめ)ねえの名前をずっと呼んでいた。
 そしたら主将のお姉さんが突然キレて、奇妙な形状の道具を取り出し、言った。
「本当は縛るだけのつもりだったけど、キミが煩いから、いけないんだよ……?」
 そして下半身を剥かれて、お尻にソレを無理やり詰め込まれてしまった。
 さらにその上から、ぼくの下半身を完全に覆う、謎の拘束具まで着けられた。
「あはは♪ もうソレは外せないよ♪ じゃあもう狂っちゃいなさい♪」
 先輩のその科白と同時に、ぼくのお尻の中でソレが蠢きだした。
 
「む……ぎぃぃ〜〜!? ひぐぅ!?」
 それから何時間か過ぎたころ、ぼくは本当に狂いそうになっていた。
 いつの間にか、猿轡まではめられて、もうまともに悲鳴さえあげられない。
 お尻の中に入れられた震える何かが、ぼくの理性や正気を奪っていく。
 他のことを考えて、お尻の中の快感をごまかすのも、もうとっくに限界だ。
 ぼくはこんなところで、ぼくは狂ってしまう? そんなの絶対嫌だ!?
 
 その瞬間、鉄のような重たい扉の開く音がして、急に光が差し込んできた。
「ここですか、王司君を攫った馬鹿のいる倉庫は――っと、あなたは誰?」
「ふふ、はじめまして灯萌ちゃん。お会いするのは初めてね?」
「ふっ、ふぐぬぅ〜?(ひっ、灯萌ねえ〜?)」
 声が出せないけど、それでもぼくは灯萌ねえの名前を呼んだ。
「ああ王司君、こんなところでそんな酷い目に遭っちゃったのね……?
 大丈夫? そんな格好してるけど、まだその女に犯されてないよね?」
 いやあの、灯萌ねえ……? 犯されるとか、そういう問題なの……?
「……ふん。なんでひー君は、こんな小娘に惚れこんでるのかしらね?
 まあ別にどうでもいいわ。これからひー君は、私しか見えなくなるもの」
「ひー君、ね……。そんなことでわたしの王司君が、こんな目に――」
 まるでかみ合っていないような会話をする2人が、少しだけ怖かった。
 
「さあ灯萌ちゃん、この哀れな王司くんを助けたければ、私のひー君を」
「貴女の弟さんはいらない。この可愛い王司君を、さっさと解放して?」
 
 一瞬だけ、その場が凍りついたような錯覚を感じた。
 あまりの展開に、ぼくもお尻の中の振動のことを、一瞬忘れてしまった。
 そんな中、灯萌ねえは悠然と歩いて、ぼくの傍に近づいてくる。
 そしてすれ違いざまに、先輩に向かって取引(?)を持ちかけた。
「ねえ、貴女はわたしから、弟さんを取り返したいんですよね?
 だったら協力します。わたしは別に、彼が好きではありませんし。
 ――って、中荷平先輩、何を呆けているんですか?」
「……はっ!? ああと、うん。話が早くて助かるけど――いいの?」
 きょとんとした顔で、灯萌ねえに問いかける先輩。
 さっきまでの怖い顔をした先輩とうって変わって、とても可愛らしかった。
 対して灯萌ねえは先輩に背を向けて、縛られたぼくの前に屈みこんだ。
「別に構いません。貴方の弟さんとのデートは、どうでもいいですし。
 わたしが協力する条件は、王司君の貞操帯の鍵――でいいですよ?」
 そう言いながら、ぼくの股間を貞操帯越しに触る灯萌ねえは――とても怖かった。
292純情王子と腹黒姫 (2/3) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/07(月) 03:53:03 ID:i1LxBk0u
 
 ― ※ ― ※ ― ※ ― ※ ― ※ ― 
 
 隣にアナルバイブで悶え苦しむ王司君を横たえ、わたしは先輩と電話をしている。
 ここは監禁に使われた古い体育倉庫で、携帯電話の光だけが頼りの、暗闇の中だ。
「それでは、もう二度と中荷平先輩と話すことはないでしょうから、さようなら……」
 通話を切るのももどかしく、わたしは携帯電話を、文字通り握り潰した。
 ちょっとだけ破片で手の平を怪我したけど、別に気にはならない。
 そんなことよりも早く、この辱められた王司君を解放してあげたい。
 そうだ。この怪我も王司君に舐めてもらえばいいんだ。
 そしたら、たぶん普段より早く治る。そうに違いない。
 
 そんなことを考えていたら、唐突に目の前の鉄製扉が勢いよく開かれた。
 倉庫内の光源は携帯電話だけだったから、外から入る照明の光が眩しい。
 まったく、空気も雰囲気も読めずに、唐突にやって来てくれるのね?
「だ、大丈夫か灯萌ちゃん!? た、助けに来たから、もう――」
 とりあえず扉を開けて入ってきた男の子を、眩みから治った眼で見る。 
 やはりクラスメイトの男の子、中荷平英雄(ひでお)くん――だった。
 相変わらず、やんちゃでどこか自分勝手で、曇りのない挙動をしている。
 けれど、ただそれだけ。もうわたしはこの人に、魅力もなにも感じることはない。
 いや、以前はそれでも、王司君に少しだけ似てると思って、気にはしていた。
 この人のデートの申し出を受けたのも、なんとなくそういう理由だった。
 でも、もうそんなことはどうでもいい。この人なんか、どうでもいい。
 だってわたしの隣には、本当に愛しくて大切な、わたしの『おうじさま』がいる。
 だからもう、ただ少しだけ似ている『にせもの』の『ゆうしゃ』に用はない。
 わたしは目の前の男の子に近づき、素早く鍵束を奪い取った。
 そして目当ての青色の鍵――貞操帯の鍵を見つけて、ほくそ笑んだ。
「うふふ♪ たすけにきてくれて、本当にありがとうございます。
 王司君を助ける鍵は貰いました。あとは大丈夫ですので――ばいばい」
 
「え……? い、いまなんて」
 まったく、空気の読めないヤツだ。これだから王司君以外の男子はイヤだ。
「ですから、わたしはこれから忙しいので、お引き取り下さい、と言ったんです。
 早くこの子を――王司君を解放して、介抱してあげないといけないんです。
 助けに来てくれた――つもりの貴方には、一通りの感謝の気持ちはあります。
 けれどそれだけです。もう貴方に用はありませんから。それではさようなら」
 そう言い捨てて、わたしは視界から、にせものの彼を排除した。
「……そだ。……う、ああ、…………うわああああああああっ!?」
 しばらくして、泣きそうな悲鳴をあげて、逃げるように彼は飛び出していった。
「――なんだ、意外にあっけなかったな。まあどうでもいいけど別に」
 中荷平先輩に言ったみたいに、本当に目の前でつながるのも嫌だったし。
 わたしの肌を見せるのは、王司君だけでいい。それ以外に見せたくない。
 
「さあ王司君。さっき偶然手に入れた鍵で、あなたを解放してあげる。
 だから頑張ったわたしに、ちゃんと王司君のごほうびを頂戴?」
 そう優しく言いながら、王司君を拘束する貞操帯の鍵を解除した。
 ペニス部分を覆っていた貞操帯が外れ、王司君のおちんちんが外気に晒される。
 昔お風呂で洗ってあげた時よりも何倍も大きい、王司君の勃起おちんちんが。
293純情王子と腹黒姫 (3/3) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/07(月) 03:56:32 ID:i1LxBk0u
 
「灯萌ねえ……っ、ゃあっ――早く、お尻のもぉ、抜いて……」
 今にも気絶しそうなほどの、虚ろな瞳で訴えてくる王司君。
 ああ、ダメだよ王司君。そんな目でわたしを見ないで。わたし狂っちゃう――
「心配しないで? わたしに――灯萌ねえちゃんに全部委ねて、ね?」
 努めて平静な態度を取ろうとする。けれど、欲望は隠せなかったらしい。 
「……こわい……怖いよ……灯萌ねえ……じゃない……!?」
「怖がらないで? 今からゆっくり、お尻のをヌいてあげるから、ね?」
 王司君のお尻に差し込まれたバイブの紐をつまんで、軽く揺する。
「あっ……! 灯萌ねえやめて……!?」
「王司君――いいえ、きー君♪ 今まで我慢して、偉かったね?」
 そう言いながら、わたしは片手で自分の服を、ごそごそと弄りだす。
 ぐちょぐちょに濡れた下着とかが邪魔になってきたので脱ぎ捨てる。
 抑えるものがなくなって、倉庫の床に音を立てて愛液が滴り落ちる。
「だから、お尻のをヌくのと一緒に、わたしからごほうびをあげるね♪」
 そう言いながら、わたしはきー君のおちんちんに、自分の膣口を添える。
 上の口で優しく受け止めてあげても良いけど、そこは我慢しよう。
 それよりも強烈なインパクトを与えて、きー君を虜にしてあげないと。
 
「ひめ……ねえ……!? まさか、それは――!?」
 どうやら、きー君にわたしの企みが、ばれちゃったみたい。
 でも止まらないし止まれない。それに止められることもない。
 まだきー君の両手足の拘束は解いてないから、わたしのなすがまま。
 抵抗されて拒絶されることもない。まさにずっとわたしのターン!!
 そんなことを考えながら、きー君のおちんちんを、ゆっくりと飲みこんでいく。
――びちょ……にゅぷぷ…… 
「ひいっ!? 熱いよ灯萌ねえ!? これ以上されたらっ、オカシク――」
「構わないよきー君、遠慮しないでおかしくなっちゃえ♪
 そしたらわたしも思いっきり、きー君を犯しくしてあげるから、ね♪」
 かくいうわたしも、きー君のおちんちんが進むたび、狂いそうになる。
 負けじときー君のお尻からバイブをゆっくりと――確実に引き抜いた。
「ひゅぐ……! も、もう駄目我慢でき――」
――びくっ、びゅるるっ、ぶゅちゃあぁっ!
「あっ、やああああぁああああぁああああ!!?」
「ひゃ、きぃ、きたあああぁあああぁああっ♪♪」
 膣内に咥えきる前に――処女膜を突き破られる前に、きー君が射精した。
 ほぼ2日近くアナルを刺激されて射精寸前だった、きー君の精が放たれた。
 その勢いは凄まじくて、それだけで処女膜が破られる――そんな気がした。
「あ……ぁひ……ひめ、ねぇ…………」
 あまりに気持ち良かったのか、全部出し切る前に気絶してしまったきー君。
 ちょっと残念だったけど、しょうがない。だいぶ無理をしてたんだものね?
 それに、きー君が絶頂に達した時の顔が、すごく可愛かったから、許せる。
「うふふ♪ 名残惜しいけれど、さすがにここまでにしとかないとね?
 あはは♪ 膣内が精液でべとべと〜♪ 子宮にも少し入ったかも〜♪」
 処女のまま、きー君の精液で孕んじゃう――それもいいかも、なんてね?
 
「ごめんねきー君。助けてあげるまでに、いっぱい悪戯しちゃって。
 それでもわたしは、幸せになりたいの。だから、もう少し――」
 きー君の身体と精液があったかいから、ここでわたしも一緒に眠ろう。
 幸いここはほとんど使われない倉庫で、学校もあと2日はお休みだ。
 だからここで眠っても、次の日くらいまでは、誰にも見つからない。
 傍にあったマットの上に、気絶したきー君と一緒に横たわり、目を閉じる。
  
――次に目が覚めた時は、今度こそきー君のおちんちんで、わたしは女になるんだ。
 
 
                          ― The princess is in love with a prince!! ―
294 ◆6AvI.Mne7c :2009/09/07(月) 04:00:14 ID:i1LxBk0u
以上、投下終了。

最近、どうも内容や文体が安定しない上に時間がない……
でもネタ自体はまだまだストックがあるから、もっと書きたい……

まあ愚痴はここまでにして、次の作品でもっと頑張ってみます。
295名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 04:08:13 ID:GLOdcYyq
GJだよ!
書くことがマンネリ化してきたら自分が表したい表現や思考が具体的に書けなくなってくるよね…。
296名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 17:02:18 ID:zdg30oBd
またこのパターンか
もう飽きたよ
297名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 17:55:37 ID:Q3MjqMlW
何だか知らんがとにかくよし!
妹派なのに興奮しちまったぜ。また怒られる。
298名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 18:02:00 ID:PkLuCBHw
GJ! 

>296 君が新しいパターンを開拓すれば良かろう。
299名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 02:03:03 ID:S+95c8qq
>>298

>>296が言ってるのは、複数の姉×弟が出てくるってことじゃないの?
300名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 11:00:10 ID:DwoUBjSe
なんかまだやってないパターンってあったっけ?
もうあらかたやりつくした気が・・・・・・
301名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 11:10:48 ID:FmYkNaj+
『殺り尽くした』なんて物騒な…
302名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 11:13:35 ID:yG3hU44q
『犯りつくした』なんて性的な…
303名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 11:25:50 ID:erVfKB7L
>>300
つーっか、ワンパターンが皆好きなんだよ
304名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 11:44:12 ID:FmYkNaj+
オヤクソク ともいうw
305名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 12:58:33 ID:zXQxZpU/
兄(弟)がもともと妹(姉)が好きで悩んでるが、妹(姉)はそれ以上に兄(弟)が好きで悩んですらいないパターンある?
306名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 13:58:54 ID:xwXFg7Js
キモ姉もしくはキモウトの性愛対象が同姓ってある?

キモ姉(♀)>ノーマル妹(♀)もしくは
キモウト(♀)>ノーマル姉(♀)みたいな。

あとは、キモ姉×キモウト同士で見事にカップリング成立しちゃう話とか…

まぁ、奇をてらい過ぎると失敗する訳で、スレの段階でシチュ分けされてるのでパターン化はやむなしかと。
307名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 14:01:34 ID:6af8eTSU
>>306
そりゃレズとジャンルかぶるし、そういうの苦手な奴が多いからやるなら注意書きは絶対にすべき
過去にもそういうのがあって言い合いになってる
308名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 15:37:58 ID:jAYrDJ2i
前例あるにはあるが…割と守備範囲広いこのスレで、ほぼ唯一反則とされる模様。
309名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 15:51:36 ID:zFmb7JJc
常軌を逸した「姉妹」が「兄弟」に恋慕する。
これが多分キモ姉妹スレ唯一のルール。
常軌を逸する程度は「常識と感情の板ばさみで悩む」から「愛のためなら笑って世界を焼く」までOK
姉妹は実でも義理でもロリ人外なんでもOK、兄弟は一般人が多いが、
ショタとかも許容範囲。しかし「姉妹が姉妹に恋慕」は反則。
余談だがキモ姉妹同士のカップルは、ただの百合バカップルになってしまわんか?
その愛の形がとてつもなく常軌を逸した物になりそうではあるが。
310名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 15:52:23 ID:ucFH+jlY
ワンパターンだろうがなんだろうが
書き手が違うだけで全然楽しめるしゾクゾクするし満たされる 俺って幸せだなあ
アハハハハハハハハ
311名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 16:19:06 ID:DwoUBjSe
>>305
16スレ385とかなかなかいい感じの姉弟だったよ
312名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 17:30:24 ID:FmYkNaj+
兄→姉(純愛)
姉→弟(狂愛)
弟→妹(純愛)
妹→兄(狂愛)
こんな話を書こうとして挫折した覚えがある
313名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 22:36:52 ID:2AOgRSww
>>312
色々と無理がありそうな・・・
ちなみにどんな結末になる予定だったんだ?
314名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 22:50:32 ID:8/ToKTjN
ヤンデレじゃないけどそんな漫画あったな。四人全員片想いでループしてるやつ。
315名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 22:58:06 ID:L+6uUesl
レスを見るに未来のあなたへの新作、鬱っぽいな
読むのが怖い
316名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 23:11:17 ID:8/ToKTjN
ごめん、ヤンデレではなくキモ系とでもいうべきだった。
317名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 00:43:03 ID:5Ii+RmN0
世にも奇妙な物語でなかったかなぁ ループするの
318名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 01:12:54 ID:BriVggEG
>>306
保管庫に行けば、姉妹(キモウト系)のお話が、読めると思うよ。
割とあっさりさわやか風味のお話だったなあ。

>>312
あ、懐かしいなその愛憎図。
数スレ前に話の流れで、その相関図を提案した記憶が。
>>312の人がどんな内容で書いていたのか、たしかに気になる。

>>315
欝展開じゃないよ。単純に真面目な話の回なんだよ。
榊両親の掛け合いが好きな人には、それだけでもじゅうぶんに楽しめるかな?
319名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 03:36:34 ID:TfeFlhZr
妹の友達にバレンタインチョコもらってて
返事に困ってる的な話のタイトル教えてください!

もしかしたらヤンデレスレの作品かも
すみません。
320名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 04:01:56 ID:iCZpwokM
死ね
321名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 04:13:49 ID:WPkOMMLB
保管庫で唯一気に入らないことは、姉なのか妹なのか開くまでわからないことだ。
322名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 04:38:04 ID:Cr0y8rn6
最近無視されてる妹がタイムスリップして幼い兄を調教しシスコンにしようとするが、
兄10歳、逆行妹15歳(この時代の妹は8歳)
年齢差を考慮しなかった為に年上(姉)属性を育ててしまう結果に…
と言う電波を突発的に受信したんだが知らないか?    
323名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 04:53:08 ID:PZycAkb+
知らないかってどういう質問だよ
そういうストーリーのSSを知らないかって意味なのか
そういうストーリーのSSを書きたいのか
どっちなんだ
324名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 06:16:02 ID:WPkOMMLB
科学的に解釈したところ、既出かどうかが知りたいんじゃないのかと思う
325名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 07:36:34 ID:pwD0ZOca
少なくとも俺は読んだことがないな

正しく判断したいから、まずは文章化して見てくれないか?
326名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 07:59:40 ID:md3vMd9s
兄弟じゃないとだめなのですか
327名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 09:22:52 ID:p7Gw4j76
>>324の優れた科学力に噴いたw
328名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 15:22:13 ID:PZycAkb+
>>326
だめだな
329名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 17:09:27 ID:R1YC0CO1
うむ、他が割とフリーダムでエロが薄いのにも寛容なのに、同性愛ネタだけはなぜか
タブーなのだ。理由は知らない。
330名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 17:16:19 ID:9MFVivPK
兄や弟が百合に走ったらキモ姉妹的には色々まずいからタブー視されているに違いない
331名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 18:05:59 ID:WPkOMMLB
兄や弟は百合に走れないと思うぞw
332名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 18:15:11 ID:gBSaUCDw
まさかの性転換!?
333名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 18:16:41 ID:e/FWHzBj
ただ百合を眺めるのが好きになるとかいう意味かと思った
334名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 18:48:27 ID:qA2iFlBP
>>1を10回口に出して読んでみよう。
分からなければ、100回口に出して読んでみよう。


なにより、お兄ちゃん・兄さん・お兄様・兄様etc……そう呼ばれないなら、いらねってのが本音。
335名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 18:52:02 ID:qA2iFlBP
変に受け止められると嫌なんで。
百合自体って意味で。
336名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 19:03:42 ID:sQF/p9nH
>>332
兄(弟)を猫に奪われるのを防ぐために…
337名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 19:54:00 ID:JspTfn6B
姉妹からの呼称は「あなた」とか「君」とかが最高
338名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 19:54:53 ID:JspTfn6B
あと「くん」づけや「さん」づけもいいなあ
339名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:02:56 ID:ceGQUU99
>>336
「お兄ちゃん…今日からはお姉ちゃんかな?……ううん、やっぱりお兄ちゃんにしよう。
どんな姿になっても私が愛するのはおにいちゃんだけだし。それに、鏡を見れば解るでしょう?
もうお兄ちゃんをお兄ちゃんと解るのは、お兄ちゃんとして扱うのは私だけなんだよ。

アイツが今のお兄ちゃんを見てもわからないだろうし、もしお兄ちゃんだと信じさせることが
出来たとしても、アイツはレズじゃないものね。
えっ、私? 言ったでしょう? どんな姿でも私はお兄ちゃんを愛するって。性別なんて些細なことよ」

#こんな感じでしょうかねぇ。
340名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:10:39 ID:6FyfH1kv
違います
341名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 22:54:57 ID:82B59Ypn
女装させるまでならあったけど、それはさすがにねえ・・・・・・
342名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:30:53 ID:jdIr0D3Q
「まるで女の子みたいな可愛い声出しちゃって……
 これじゃ『お兄ちゃん』じゃなくて『お姉ちゃん』だね」

こうですか
343名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:36:21 ID:vjy7Xrci
そうです
344名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:55:42 ID:5JP3EneE
いいプレイです
345名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:58:42 ID:Xsb8HJ5T
そうか俺が女になれば全てが丸く収まるわけか
346名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 02:08:49 ID:1xRS8a60
けどあのSSだと女子校にいったらみんなのあこがれのおねーさまになってしまって
結局泥棒猫が消えないという妹にとっては困った事態になってたなぁw
347名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 12:36:46 ID:7tt814/3
百合がダメってことは、兄弟は性転換すれば安全ってこと!?
348名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 16:06:56 ID:Suj7I/Y5
>>347
それやろうとしたらメスを握っていたのが姉だった、というSSがあってだな・・・・・・
349名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 19:09:53 ID:HH1rOeWc
桔梗の剣が待ち遠しい
350名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 19:23:26 ID:7tt814/3
ところで『桔梗の剣』って何て読むん?
351名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 19:23:54 ID:/3L2nCoX
ノスタルジアが待ち遠しい
352名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 19:24:52 ID:ocnJ7gFG
>>348

男を捨てることで逃げ切ろうとしたら、より姉好みに改造されてしまうのか…
353名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 20:05:53 ID:8bi2Pvbv
「姉さん好みに改造しちゃった☆」って言われて自分の体を精査してみたら包茎を治されてるだけだった
死にたい
354名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 20:06:00 ID:GpO1MRUA
ききょうのソードに決まってるだろ。
そんなことも知らんのか!
355キモウトで分かるGENOウイルスの流れ:2009/09/10(木) 20:08:43 ID:LRSOeLe7
1レス消費 コピペ改変ネタ
『キモウトで分かるGENOウイルスの流れ』


感染 (誘惑)

ねえ、兄さん
近親相姦って響き、いいと思わない?
    ↓

再起動で発動 (逃走で覚醒)

もう兄さんったら勝手にどこかにいっちゃうんだから……
そんなことしたら僕、怒っちゃうよ?
    ↓

勝手に海外のサイトからウイルスDL (援軍要請)

姉さんも怒ってるんだよ
姉「お楽しみはこれからだ」
    ↓

再起動で不死身化 (再び逃走で真・覚醒)

あはは、またどこかいっちゃったよ
ほんと兄さんは照れ屋さんなんだから♪
そんなところも可愛いけど、そろそろ堪忍袋の緒が切れそうだよ
    ↓

勝手に自サイト更新 (住所を探る)

兄さんが今住んでいるところってここかぁ……
    ↓

FTPパス更新 (鍵の形を調べる)

へぇ、兄さんの家ってこのタイプの鍵を使ってるんだ……
これなら僕でも合鍵作れるね
    ↓

BOTがサイトに不正アクセスして改竄 (ヤりたい放題)

この合鍵を使えば……
やっほー! 兄さん来ちゃった♪
え、なんでここに?
やだな〜兄さんったら♪
お嫁さんとは同居するものでしょ!
あぁそうそう、お隣さんに挨拶済ませといたよ
僕達結婚しましたって♪
ほら、ちゃ〜んと戸籍も書き換えといたからもうばっちりだよ!
    ↓

自分のサイトがウイルス配布 (拡散)

ねえ兄さん、今日病院に行ったんだけどね……
お腹の子、双子だって♪
えへへ……もう幸せ!!
兄さん、この調子で一人っ子政策が可決されちゃうぐらい頑張ろうね♪
    ↓
上に戻る
356名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 20:38:47 ID:oFlFhRHU
>>354
…どこのルー??w
357名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 21:47:31 ID:0JDzxQgM
>>355
姉さんはどこいっちゃったんだい
358名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:38:02 ID:4rWA9y3o
>>357
そこに触れるとはなんと命知らずな…
359ポン菓子製造機 ◆lsywFbmPjI :2009/09/11(金) 04:18:28 ID:27wBdzN1
二話目、投下開始します
360名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 04:19:03 ID:27wBdzN1
 長いようで短かった夏休みが終わり、蝉の声もなりを潜めはじめる。
学校が始まってすでに二週間が経過していた。そろそろ多くの生徒が夏休みの自堕落な生活から、普段の学校生活のリズムへと完全に移行していた。
私、北見そらや数少ない友人たちもほとんどがそうなった。と言うか、そうならざるを得なかった。
ただし、ただ一つの例外を除いて。
「おーい、景ー」
ぽふぽふと私は隣の席で夢の世界にトリップしている定山景(さだやまけい)の頭を叩く。
まだ夏休みの遅寝癖が抜けてないのか、最近はずっとこの調子で夢の世界に突入してることが多い。
「ふぇ?」景はおでこに赤く腕の当たっていた跡を残し、まだ半分夢の世界にいるような表情で不思議そうにそらを眺めていた。
よく見れば特徴的な丸眼鏡は脂でべったりで、口元には唾液の川の跡があり、まるで青いネコ型ロボットの
出した暗記用の秘密道具のように、頬に景の特徴的な丸文字で昨日の世界史の授業内容が写っていた。
「あれ?あたしいつから……」
別の世界への旅行から帰って来たばかりの景はまだ頭が回らないらしく、ただぼんやりとしている。
「四時間目の途中。ホームルームから眠たそうだったけど、昨日何やってたの?」
「四時まで全然寝れなかった……」
「自業自得。夏休みにそんな時間まで起きてたからでしょ」そう言って私は鞄からお弁当の包みを取り出す。
北見そら特製の、兄貴とお揃いのお弁当だ。
といっても同じ材料や冷凍食品を使ってる以上、お揃いになるのも当然だが。
「あと景、顔洗いに行ったほうがいいよ。ほっぺたにワシントン軍縮条約って書いてる」
 しかも、主力艦の保有率までご丁寧に。
景はすぐに席を立って、教室を抜け出す。
そして景と入れ替わりになるように、よく見知った女子がお昼のパンとおにぎり、そして飲み物の入った購買のビニール袋を持って、私の机の前にやってきた。
活発なイメージを持つショートカットと、快活な笑顔。ブレザーよりも体操着のほうが似合ってそうな少女。
「そらー、生きてるー?」
「まーねー」
私の数少ない友人B、藤野千尋である。
「にしても景の顔すごくなかった?」
「うん。あれはいくらなんでもなかったと思う」
「本当。景、顔はいいのにね」
前の席の男子がどこか別の席へ移るために席を立つと、千尋は目ざとくその席をかっさらう。
昼は窓際のこの席が千尋の専用シートとなる。
「さぁーて、おっひるーおっひるー」
妙な節の歌を歌いながら、千尋は慣れた手つきで袋からメロンパンと紅茶を出して、私の机に置いてゆく。向かい合う私は千尋のスペースの外にお弁当と水筒を広げた。
「お待たせ〜」
 ちょうどその時、どんな熱血漢だろうと一瞬でやる気をなくすような能天気な声を出して、景が帰ってくる。
「おー、景が美人さんになって帰ってきた」
 メロンパンをかじり、口をもごつかせながら千尋が言う。
 えへへー。と気の抜けそうな声をあげて、机の上いっぱいにお弁当を広げた。景のお弁当はお母さんが作ってるらしく、小食の景に合わせたちいさな二段のお弁当箱だ。
「……にしても、そらのお弁当はいっつもおいしそうだよね」
 千尋は私と景のお弁当と、自分のメロンパンを見比べてはぁ。とため息をつく。
「そんなことないって。冷食も結構多いよ、コレ」
「冷食でもおいしそうなものはおいしそうに見えるよ」
 千尋が反論する。
「それにそらのお弁当はお兄さんのと一緒に作ってるでしょ。やっぱりお兄さんへのとめどない愛の籠った献立で作られたお弁当だからおいしく見えてるのよ……」
「何言ってるのよ千尋!」
 私は反射的にばん! と机を思いっきり叩いてしまう。
周囲が潮が引いてゆくように急激にざわつきはじめ、教室にいた全員が音の中心であろう私たち三人をこわごわとした表情で眺めている。
「…………千尋が変な事言うから」
「あれ?てれ隠し?てれ隠し?」
そう言って私の頬をつついてくる千尋の頭に、私は思いっきり鉄拳を加えてやったのは言うまでもない。
361名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 04:19:43 ID:27wBdzN1

さっきは殴って誤魔化したものの、千尋の言ったことはあながち嘘ではない。と言うかかなり真相をついている。
兄貴のお弁当は私が妥協できる範囲内でしか手を抜いていないような一品だ。
それにおかずの入れ方も私のはそれこそ適当だが、兄貴のはきちんとおいしく見えるように配置していたりする。
(にしても、狂おしいほどの愛かぁ……)
たこさんウィンナーをつまみながら、私は千尋の言葉を思い出す。
狂おしいほどの愛。とは一体どのくらいの愛のことを言うのかはわからないが、私の兄貴に対する思いはきっと、そこまではいってないだろう。
確かに兄貴のことは誰よりも好きだし、北見千歳を世界で最も愛している人間も恐らく私だろう。結婚雑誌を立ち読みして、花嫁と花婿を私と兄貴に置き換える妄想も中学のころから続いてるし、兄貴をオカズに一人でしたことなんて数えきれないほどある。
だが、狂おしいほどの愛と言うのは、例え兄妹と言う禁忌も関係なく契りを結び、自分が相手とともに破滅に向かい、全てをぶち壊してもなお揺るがないような愛のことなのだろう。
そんなものを意気地の無い私が持てるわけがない。
兄貴の人生も、自分の人生も滅茶苦茶にしてしまうようなことなど、私みたいな意気地なしには出来るはずもないだろう。
兄貴といっぱいいちゃついていたい。
兄貴と結婚したい。
兄貴といっぱいシたい。
兄貴の子供が欲しい。
兄貴とずっと、死ぬまで一緒にいたい。
そんな思いも倫理感や社会不安という巨大な隔壁の前にはかなわない。
隔壁を破れるほど思いの濁流は強くなく、ただただ悔しさと切ない思いの水かさだけが無意味に増してゆくだけだ。
「ねぇ、そら?」
 千尋の突然の声に、思考が現実へと引き戻される。
「ごめん……ちょっと考えごとしてた」
まぁ、いいんだけどさ。と千尋は言うと、さっきまでしていたのであろう話を再開させる。
内容は千尋の兄で私の兄貴の数少ない友達、健史さんへの愚痴だった。
「で、うちの兄貴がまたネットオークションでまーたエアガン落として、『これで千歳に勝てる! 明日千歳に自慢してやる!』って昨日すっごい舞い上がっててさぁ……」
 うんうんと千尋の会話に合わせて私と景は何度も相槌を打つ。
 兄貴と健史さんの共通の趣味に、軍事というものがある。
私にはよくわからないが軍事趣味といっても結構中は広く深いらしく、兄貴と健史さんはあまり共通して好きなものは少ないらしい。
しかし中には兄貴も健史さんも珍しく気の合うモノがあり、その一つがサバゲーだった。
兄貴も小遣いをやりくりし、リサイクルショップで買い揃えた自慢の装備で健史さんや他の友達たちと近くの山で戦争ごっこを繰り広げている。
「千尋、それは私が一年前に歩んだ道だ」
私は千尋の肩をぽんぽんと叩いてやる。一年前にライフルを買ってきた時の兄貴の舞い上がりようと言えば、それはそれは酷かった。
普段滅多に感情をあらわにして喜ぶようなことがない兄貴が近年小躍りしながら喜んでいたのは、たぶん免許を取った時とそのときだけだろう。
「そうそう、千歳さんって言えばー」
 景は突如思い出したように間延びした声で千尋の話に割り込んだ。
「四組の友達の話なんだけどね、四組で千歳さんのことが好きな子がいるんだってー」
 私は自分の耳を疑った。
「ねぇ、景。今なんて言ったの?」私はもう一度千尋に訊く。全く意識していなかったが、私の声はかすかに震えていた。
「だからー、四組に千歳さんのことが好きな子がいるんだって」
「それ誰?」気づけば私は考えるより先に強い語調で千尋に詰めていた。「四組の誰?私の知ってる子?兄貴との接点は?」
「し……知らないよぉ……」ふるふると震える景の声に、私はやっと我を取り戻した。
「そあ、いきなりどうしたのさ」訝しげにそうに訊いてくる千尋。
 私はふるふると首を横に振り、そして笑ってみせる。
「ちょっと驚いて、興奮しちゃった。兄貴のこと好きな子なんてこの世にいないと思ってたもん」
 さっきとは打って変わって私たち三人の間にくすくすと微笑が生まれる。
「そら、それは酷いって」千尋が苦笑する。「ウチの兄貴ならまだしも、千歳さんならファンの一人や二人はいるはずだよ」
 千尋も十分酷いってー。と景が突っ込む。
私は表情でこそ二人のやり取りに苦笑していたが、内心では焦りが抑えきれなかった。
これは昼の授業はたぶん手に着かない
362名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 04:21:40 ID:27wBdzN1
「でよ、終了一分前に思い切って千円余分につぎ込んだら、周りの連中がそれ以上高額出してなかったらしくて
なんとか買えたんだって! 程度のいいM4A1が九千円だぜ、九千円」
 いつも通りの昼下がり、俺は前の女子の席を占領し、昨日ネットオークションで落としたM4カービンの
電動ガンを自慢する健史に適当に相槌を打ちながら、そらの作った弁当をつまんでいた。
「で、送料込みだと何円なんだ?」
 その瞬間、健史の顔色がまずくなり、窓の外へ急に視線を向けた。
どうせ送料やら手数料でもう二千円は取られたのだろう。
電動ガンと言うのは定価だと酷く高くつくものだが、逆に多少は安くなるオークションや通販なんかを使うと今度は重い分送料がかさむ。
そこ行くとリサイクルショップで定価の半額近い値段で電動ライフルを買えた俺はかなりラッキーな方なのかもしれない。
それでも送料を含めても健史のものとそう値段的には変わらないのだが。
「ま、とりあえず頑張れ」
 俺は再び昼食を再開する。
俺が次に狙いを定めたのは冷食のミニグラタン。俺はこれが好物だったりするのだが、そらは結構、だが食い飽きない程度に弁当に入れてくれたりするのでうれしい限りだ。
「…………にしてもだ」
 ミルクたっぷりの缶コーヒーに口をつけた健史が、不意に呟く。
「お前は本当にいいよなぁ。そんな見るからにうまそうな弁当を妹に作ってもらってよ」
 それに比べて俺の妹は……と嘆く健史を尻目に、俺はアスパラに箸を伸ばした。
「何とか言ったらどうだよ、千歳ぇ」
 俺はそれでも健史を無視して弁当を食べていた。
「大体よぉ。お前のとこの兄妹仲、異常に良くないか?」
「別に」
「いや、異常だ。大体高校生になっても同じ部屋使ってるってあたりでもう凄いぞ」
 はぁ。と俺はため息をつく。
「部屋がないんだよ、ウチは」
 2LDKのマンションを一部屋が父さんが使っているのだ。残った部屋を二人で使うしか無いに決まっているだろう。
「というか食いカス飛ばすなバカ。きたねーだろ」
 ああ、すまん。と健史は片手を立てた。
「しかし、しかしだ」健史は俺の机を握りこぶしでとん、と叩く。
「お前は意識してなくてあれほど仲がいいとしたら、そらちゃんからお前に寄ってるなのかもしれんな」
「そんなわけあるかっつの」一応反論してみる。
「だがもしそうだとしたらだ。兄に密かな、だが強い恋心を抱く妹……兄として受け止めてやりなよ、北見千歳くん」
 ……何から突っ込めばいいのやら。
大体こいつの脳内で空がどういう風に改変されているのかがとても気になる。人の妹を勝手に外道にされるのは、それこそ兄として成敗しなければならんだろう。
「そんなアニメみたいな話があるわけねーだろ。いい加減殴るぞ」
と、言う前にすでに俺の拳は健史の頭を殴っていたわけで。
別にいつも口より手が早いというわけではないものの、なぜか今日だけは手の方が早かった。
そらのことだったからか?などと疑問に思いながら、俺は頭をさする健史を眺めていた。
「で、謝罪の言葉は無しかよ」
「当然じゃ」
 おれは 空になった弁当箱に蓋をして、机の横にかかった鞄を膝の上に移し、ファスナーマスコットを引っ張った。
半分ほどまでファスナーが開くと、音もなくファスナーマスコットはファスナーに結ばれた金具と分離し、マスコットを握る俺の手だけが空を掻いた。
「不吉じゃ」健史が妙な口調で言う。
「単に間の金具がガタガタなだけだよ」
しかたないのでファスナー金具の本体を握って、ファスナーを開く。そしてノートや本が詰まった鞄の中に、弁当箱を戻した。
「結構使ってるからなぁ、コレ」
 塗装の禿げかかった、何年か前のアニメのヒロインを模したPVC製のマスコットは、俺の手のひらで緊張感もなく笑っていた。
363名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 04:22:29 ID:27wBdzN1


 今日最後の授業は、よりにもよって俺の嫌いな英語のリーディングだった。
どこぞの19番目の人造人間のような風体の教師が淡々と癖のある字で書いてゆく板書を書き写しながら、しかし、頭の隅で先ほどの健史の言葉を思い出していた。
『お前は意識してなくてあれほど仲がいいとしたら、そらちゃんからお前に寄ってるなのかもしれんな』
『だがもしそうだとしたらだ。兄に密かな、だが強い恋心を抱く妹……』
そらが俺になついているのは俺もよくわかっている。だが、あくまでそれは兄妹として仲がいいというわけだ。
それにそらが俺になついてるのには、母さんが死んで以来、俺がそらの面倒を見てきたというのもあるのだろう。
しかし、そらが時折必要以上に甘えてくるのはどうだ?女の子が積極的に肌をすりつけてくるなんて、高校生になっている以上、なついている程度では説明がつかない筈だ。
それにたまにそらが送ってくる熱っぽい視線。あれはどう考えたって妹としての眼じゃない。
そして、そこで俺の脳裏をよぎったのは、夏休みのいつだかに父さんが口走った一言。
『お前じゃないと駄目なんだ』
父さんじゃ駄目で、俺じゃないと駄目なこと。やっと俺はその意味がわかりかけてきた気がする。
しかし、健史ならともかく父さんまでそらを一体どう見ているのかと疑いたくなってきた。
だがもし、もし本気でそらが俺のことを異性として愛しているとしたら。
俺はどうすればいいんだろうか。
しかし、そんな事はまずないだろう。と思考を中断し、俺は黒板に視線を戻した。
そして戻した瞬間、俺は深くため息をついた。
俺がそらの事を考えている間にも板書は早足のまま進んでおり、さっき書かれていた場所はすでにきれいさっぱり消えていた。
俺は舌打ちすると、とりあえず抜けた部分を適当な行数だけ空けて板書を書き写す作業を再開させる。
ノートはあとで健史のを見ればいいだろう。そう思って俺は健史の方を向く。
 考えが甘すぎた。
健史は俺よりもっと深刻だった。夢の国と現世の間を必死に行ったり来たりしており、ノートなどとってる余裕などどこにもなさそうだ。
 仕方ない。ともう諦めて、俺は空白の数行が非常に気になってゆくノートを、引き続き取ることにした。


今日最後の授業は家庭科で、黒板ではまだ若い女教師の字で食物の栄養素に関する内容が延々と書き込まれていた。
私はそれを見るでも、女教師のたどたどしい説明を聞くでもなく、ただひたすらに左手でペンを弄びながら、思考を張り巡らせていた。
兄貴のことが好きな四組の女の子。いったいどんな子なのだろうか。
もし私がその子を好きになれば、私はその子に兄貴を大人しく渡すだろうか。
…………いや、ありえない。
人一倍嫉妬深い私には、そんな真似など出きるはずがない。きっと後から酷く兄貴のことを後悔して、その女の子を脅すのがオチだ。
だが、嫉妬深いくせに人一倍臆病な私は、ドラマや映画の女の人のように、私は平然とその子を殺せるような殺人鬼にはなれないだろう。
なんて中途半端な女。私はため息をつきたくなった。
しかし、それ以前に兄貴が――北見千歳が私以外の恋愛対象になることがあり得ることを忘れていた全く油断していたとしか言いようがなかった。
まぁ、兄貴が好きなのは私以外いないなどと勝手に思っていたのがそもそもの間違いだったのだろうが。
だがもううかうかしてはいられない。
もう私だけが好きなだけじゃ北見千歳は永遠に私のものにはならない。
兄貴も私を好きになってもらわないといけない。
兄貴が私に振り向かないといけない。
兄貴が私を受け止めてくれないといけない。
そのためには。と私は左手のペンを回しながら、心の中で呟く。
兄貴に私という異性の存在を気付かせてあげないといけないわよね。
兄貴が私に恋してくれないといけないよね。
それに、私がもっと兄貴にふさわしい女の子にならないといけないよね。
待っててね。そら、世界で一番兄貴……ううん、お兄ちゃんにふさわしい女の子になってみせるから。
だから、お兄ちゃんも私がいることに気づいてね。
そうなれば。と私は授業そっちのけで、家庭科のノートに今後の計画の案をいくつも書き起こしはじめた。
家庭科の授業など聞いていなくても別段困るものではないし、それにこの授業で習うことなど、家事全般を任せられている私にとっては、とうの昔から知っているようなことだ。
364名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 04:23:52 ID:27wBdzN1


「付き合わせて悪いな。千歳」
そう言いながら健史は市立図書館の自動ドアをくぐる。
俺もそれに続くようにしてドアをくぐった。

「別に。それに何か面白い本が見つかるかもしれない」
この町最大の市立図書館は、何万冊もの蔵書を二階分の図書室に納めてなお、まだ閉鎖された書庫にも蔵書があるという始末で、正直本を探してさまようのもそれはそれで楽しい。
健史はそのまますたすたと周りの雑誌に目もくれず、まっすぐと小ぢんまりとしたカウンターと、巨大な吹き抜けを通り過ぎ、いくつもの背の高い書棚の林が群生するコーナーへと向かう。
健史の目的地は林に入ってすぐのコーナーだった。
機械工学。とりわけいわゆる「乗り物」関連の機械の本のコーナー。いわゆるのりもの図鑑を呼んでいたかつての男の子たちがそのままその趣味を抱えて大人になったような連中の
好きそうな本が溜まっているコーナーだ。
健史は何の迷いもなく棚の中から航空機関連の本や鉄道関連の本を無造作に一冊か二冊ひっつかみ、品定めしてゆく。
「いい本あるか?」
「新刊が入ってた」
健史は『こうして重大航空機事故は起こった』というタイトルの本を脇に抱える。
「それか?」
ん。と健史は答える。「結構おもしろそうだったからな」
 ふーむ。と俺は唸りながら健史の傍を離れ、一路文学コーナーへ向かった。
文学青年という柄でもないが、俺も読みだせば週に一冊くらいのペースで小説を読んだりする。
しかしそれが外国文学や古典になると何故か妙に遅くなり、読むのに一ヶ月や二か月もかかるので、大体にして読む本は国産のできるだけ軽めの文学にしている。
「さて……と」俺は文学コーナーへ立ち入って、適当に良さそうな本は無いかと捜索を始めた。
といっても、重ったるそうな本は除外。架空戦記は読み飽きたので除外。と次々に本を除外してゆく消去法でしかないが。
そうして半ば消去法の捜索を進めてゆくうちに、俺は空色の表紙が装丁されたハードカバーの本を手に取る。
あらすじを見ると、一通の携帯メールから話が広がってゆく、まぁ楽しめそうな話だった。
よし。と俺はその本を抱えて健史の所へ戻ろうとする。
その途中だった。
書棚の林の中で、腕いっぱいに読み切れないほどの本を抱えた少女を見つけたのは。
少女は首の付け根ほどまでのびたショートヘアーで、細縁の丸っこい眼鏡。服装はうちの学校の制服を着ており、一年生の証である紺色のリボンを胸元に結んでいた。
いまどき絶滅危惧種の文学少女が、これほど完全な形で存在しているとは。
まさにトキかニホンオオカミでも見つけた感覚とはこんなものなのであろう。
少女は観光コーナーの書棚から不意に眼を離しこちらを向くと、俺の方に釘付けになる。
「あ、すみません」
やはり絶滅危惧種だとおもって凝視していたのが悪かったのか。俺はばつが悪そうにア氏は屋に健史のもとへと立ち去って行った。
健史はすんなり見つかった。ほぼ近くの棚にある兵器工学のコーナーでまた書籍を漁っていたのだ。
さきほどの文学少女ほどではないが、健史も五冊ほどの本を脇に抱えている。
「お前も見つかったか?」
「一応な」
俺は健史に向かって空色のハードカバーを掲げる。
「んじゃ、行くべ」
 健史と俺は貸出カウンターへと広い図書室内を歩いていった。
貸出カウンターには前に何人か小学生がいたものの、本を借りるとすぐにどこかに消えてゆき、すぐに俺の番が回ってくる。
俺はカウンターの司書の女性に財布にはさんでいた貸出券と空色のハードカバーを差し出す。
司書さんは貸出券とハードカバーのバーコードを読み込むと、ハードカバーを俺に差し出す。俺はそれを受け取ると、鞄の中に突っ込んで、ファスナーを閉めた。
365名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 04:24:29 ID:27wBdzN1
ふと、書棚の林の方を眺めると、林の方から例の文学少女が大量の本を抱えてこちらに向かってくるのが見えた。
きっとあの大量の本を借りるのだろう。
「千歳、行こうぜ」
 大量の本をなんとか鞄の中に収めたらしい健史が俺の背中を押す。俺達はそのまま自動ドアをくぐって、外の電停へと向かった。
空はもはや澄み渡るほどに真っ赤に染まっており、東の空の端の方に至っては濃紺が滲みだしてきているほどだった。
顔を線路の方に向けると、隣の電停を発車したらしい、新聞社のラッピングを施した連節車が小刻みに左右に揺れながらこちらへ向かってくるのがわかった。
何の気なしに顔を元に戻すと、図書館からこちらに人影が走ってくるのが見える。
俺はその人影に見覚えがあった。
ショートヘア、丸っこい眼鏡、紺色リボンの制服。
間違いなくさっきの文学少女だった。
文学少女は点滅しかけた信号を疾走し、電停の島にのっかるとその足を停める。
俺と、何事かと思ってそちらを向いた健史は、息を切らす彼女をただ呆然と眺めていた。
「これ……」
少女は俺に向かって握った右手を持っていく。
 ほのかに汗ばんだ彼女の掌の中で、俺のファスナーにつけてあるはずのPVCのファスナーマスコットがいつものように能天気に笑っていた。
俺はもしやと思って鞄を見ると、案の定、マスコットは金具ごと外れている。
「あ、ありがとうございます……走って届けてきてくれて」
 俺はしどろもどろに彼女に礼を言う。
健史もようやく事情が掴めて来たのか、ふむ。と口元を緩ませた。
そしてちょうどその直後、俺たちの立つ電停へと、連節車が夕陽を受けながらゆっくりと滑りこんできた。
「君、こっちの電車?」
 健史の言葉に、文学少女はうなずく。
連節車は俺と健史、そして文学少女を乗せると、低いモーター音を響かせながら加速を始めた。
部活の終わる時間にもかかわらず車内はいやに空いており、乗客のほとんどと同じように俺たちは手近な席に座ることにする。
電車のモーター音が止んだ頃、俺は不意に文学少女の方を覗き込んだ。
 別に彼女が気になるというわけではないが、なぜか気になったのだ。
文学少女は、うつむくようにして床に顔を向けている。恥ずかしいのかな。と、俺は何故かそう感じた。
まぁ、確かに見ず知らずの異性に声をかけて、さらに隣の席に座るのは恥ずかしいことなのかもしれない。
今時こんな純情な子も珍しいな。などと変な関心をする。
連節車は停留所をひとつ飛ばして、また加速を始める。
366名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 04:25:01 ID:27wBdzN1
「私」
 突然少女が口を開いた。
「里野藍、1年4組です出席番号6番です!」
 藍と名乗った少女はそう言いきると、耳たぶから頬から顔中を真っ赤にしてより深くうつむいてしまう。
全く状況の読めなかった俺と健史は次第にようやくそれを掴みだすと、ああ。とうなずく。そして、唐突な藍の自己紹介に返すべく健史が少し震えた口調で言った。
「お、俺は3年2組の藤野健史な。で、こいつも同じ組の北見千歳」
 俺はよろしく。と藍に手を振ってみせる。
藍はまだうつむいたままだった。
俺たちと気まずい雰囲気を乗せ、連節車はゆっくりと走りつづけた。


「ふぅ……」
 学生よりも社会人の割合が多いような連節車の中で、私は息をつく。
「買い物してたらこんな時間になるなんて……ちょっとゆっくり選び過ぎちゃったわね」
もう陽は完全に傾き、空は濃紺に染まって月が青白い光を放ち始めてしまっている。
「さて」私は天井を仰ぐと、ぱん、と頬を叩いて気合いを入れる。
「今日の晩御飯は兄貴の大好きな、そら特製鳥の唐揚げ。おいしく作んなきゃね」
 兄貴に気に入られるためにも、いっぱい頑張らなきゃ。
そうだ。と私はあまりにも変態的な行為を思いつく。
(兄貴の唐揚げ、レモン汁の代わりにわたしのお汁をちょっと混ぜちゃおっと……)
何故そんな変態的な行為突然を考えついたのかはわからなかったが、私はこれからおそらく実行するであろう変態行為に頬を焦がす。
(その後もおっぱい押し付けたりして、兄貴に私がオンナノコってことを教えてあげなきゃね)
背徳的な妄想に浸りながら、私は連節車の揺れに身を任せた。
367名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 04:27:23 ID:27wBdzN1
以上です。前回の多くの声援とご指摘ありがとうございます。

あとコピペミスを一か所発見しました。
「これは昼の授業はたぶん手に着かない」のあとに「だろう。」が入ります。

368名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 05:10:20 ID:rhpd/+FA
GJ!
早起きしてよかったw
369名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 09:48:40 ID:quIok6n+
GJ
普通のブラコン妹っぽかったのに、ナチュラルにキモウト化していくな
370名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 17:39:41 ID:SfmtyHRv
GJ!
こうやってキモウト化していくのか…
371名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 18:22:33 ID:YiUEELxp
実にGJ
「狂おしい愛」を否定している割に既に両足突っ込んでるw
っていうか兄貴も少しシスコン気味か?
続編を期待します!
372名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 23:28:41 ID:fTYtVcKA
GJ!

このようにキモウト化していく様が見られるとはなぁw
続き期待してるぜ!

それと、>>364のア氏は屋は、足早の変換ミスかな? あしばや で変換すると良いですよ
373未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:39:05 ID:cZaP5DBO
遅くなりましたが投下します。
(最初で最後かもしれない)18禁的シーンがあるので注意してください。
374未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:40:45 ID:cZaP5DBO
本来、彼女は自由に動けるような立場ではなかった。
ダイニングの家族会議では後ろ手に手錠を掛けられていたが、自室に戻った後は父によって柱に繋ぎ直されている。
しかしピッキングは父親の専売特許ではない。こうなることを想定して、彼女は貪欲に技術を習得している。
後ろ手という条件では手錠を外すのに一時間、掛かった。今も優香の手首は赤い痣が残っている。
それでも早い方であり、当初想定していた父親の監視がなかったことが大きい。これを彼女は天佑と解釈した。
だが、もしも誰かが立ち塞がっていたとしても、問答無用で襲いかかっていただろう、その結果どちらかが死に至るとしても構いはしなかった。
そうして、この時のために予め用意していた装備を持ち出し
榊優香は兄の部屋を訪れた。




「黙れ」

その一言で、榊健太の動きが魔法のように止まった。驚愕の声を上げようとしたまま、固まる。
もちろんそれは魔法などではない。その低く押し殺された声音に秘められた、底知れない重さで圧しきったのだ。
榊優香は悠然と部屋を進む。カーテンから差し込む月明かりだけで、床に散らかった障害物を全て避ける。
服装はダイニングにいた時と同じ、水色のワンピース。腰にはその時は着けていなかったポシェット。左手にはじゃらじゃらと手錠を四つ提げている。
歩きながら、流れるような動作でポシェットからスタンガンを取り出して右手に持つ。ベッドに横になった兄の元まで到達した。
「喚くな」
「――――!」
無造作に健太の首筋に押し当て、スイッチを入れる。びくんと、健太の体が硬直した。
スタンガンには元々、対象を気絶させるような効果はない。押し当てている間、相手の筋肉を硬直させるのが精々である。
ただしこれは優香が改造を施したもので、最大出力にすると気絶にまで追い込める。元々は虚弱な恋敵を仕留めるために用意した代物だった。
今回の出力設定は中にしてある。優香は兄が朦朧としたのを確認すると、その両手足にガシンガシンと手錠を掛け、反対側をベッドの四隅に掛けた。
健太の体はベッドの上で強制的に大の字の格好になる。更に優香はその場で自分のパンツを脱いで丸め、兄の口の中に押し込むと持参したタオルで猿轡を噛ませた。
捕縛完了。
そこまでの作業を、優香は一切迷いなく行った。今まで幾度も幾度も練習してきた手順であり、その成果は十分に発揮された。
最後に仕上げとして、ドアに戻り施錠し、気合一閃して戸棚をドアの前に押し込む。ずりずりとカーペットを擦りながら、唯一の出入り口が封鎖された。

そうしてこの部屋は、朝が訪れるまで牢となる。

「ん……んぐっ! んぐぐぐっ!」
意識を取り戻した健太が、ようやく状況を把握し始める。両手足を手錠でベッドに繋げられ、猿轡によって声を発することもできない。
完全に無力な状態である。鼻を摘むだけで遠からず死に至るだろう。
優香は自分の成果に満足し、ベッドに戻りながらポシェットから折り畳みナイフを取り出した。ぱちんと、刃が飛び出す。
それを見た兄が体を硬直させ、ぎゅっと目を瞑る。どっと冷たい汗が湧いた。
――――健太は一瞬、覚悟した。
刺されるだけのことを、自分はした。刺されるだけの裏切りを、自分はした。妹が復讐に来たのだとしても、それは正当な行為なのだと。
ぴたりと、腹部に冷たい感触を感じて健太は歯を食いしばる。ナイフが肌の上をなぞりながら、喉に向かっていく。びりびりという音。
……けれど結局、健太の覚悟していた激痛は体の何処にも発生しなかった。
おそるおそる目を開けるとそこには――――月明かりに浮かび上がる、榊優香の裸身があった。
375未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:42:16 ID:cZaP5DBO
ワンピースもブラジャーも、床に脱ぎ捨てられている。部屋に来た時点で裸足であり、右手に持ったポシェットを除くなら、一糸纏わぬ姿だった。既にナイフは仕舞われている。
状況を忘れて、健太はその裸身に一瞬、見惚れた。幼少期を除くなら、女性の全裸を見るのは初めてだった。
日々の鍛錬で鍛えられた体を、うっすらとした脂肪が角を隠すように覆っている。滑らかな肌は染み一つない。乳房は小振りだがバランスよく収まっており、均整の取れた体付きだった。
健太の幼い日の思い出とはかけ離れた、年頃の少女の体。匂い立つような魅力はないが、蕾のような美しさがそこにはある。
優香は固まった健太を尻目にベッドに乗り、兄を跨いで腹に女の子座りで馬乗りになった。
そうして、大の字に拘束され猿轡をされた兄に、薄く笑って声を掛ける。
「刺されると思いましたか?」
「…………」
ナイフで切られたのは肌ではなく、健太の着ているシャツの前面だけだった。開かれたシャツから、ごつごつした腹筋や胸板が露出している。
季節柄、健太の寝る時の服装はシャツとトランクスだけだ。今日も熱帯夜であり、人間二人が密着することにより部屋にはじっとりとした空気が充満しつつあった。
「刺したりなんかしませんよ。そんなことより、もっと酷いことをするために、私は来たんですから」
「んんっ!?」
そうして榊優香は
体を前に倒し、上半身をぴたりとくっつけて、猿轡をされた兄の唇に、口づけた。
タオルは上下の歯で噛むようにして猿轡になっている。唇と歯に触れることは可能になっていた。
同時に、両手が裂かれたシャツの隙間から潜り込み、兄の胸をまさぐる。驚愕のあまり硬直した兄の耳元で、妹は淫蕩に微笑んだ。

「レイプします。兄さんの童貞を、今、ここで、私が奪います。もちろん生で。抵抗は無意味です」
「――――」

何を言われたのか一瞬わからず、健太の頭の中が真っ白になる。
その隙に、優香は左手で兄の顎を掴んでロックし、再度口づけた。それだけでなく、唇と歯の間から唾液を流し込んでいく。
同時に、自分の乳房を相手の胸板に押しつけた。ぷにゅりと、崩れないマシュマロのような感触が健太の脳に伝わる。熱い。
その熱さを感じた瞬間、榊健太は我に返った。
「んー! んんんー! んんー!」
暴れる。
ベッドの四隅に繋がれた手錠はびくともしない。ぎりぎりと手錠が手首足首に食い込んで痛みが走るだけだった。
せめて自分の上に乗る妹を振り落とそうと、胴体を激しくよじる。それを嫌がったのか、優香は不機嫌そうに体を起こして
脇に置いたポシェットからスタンガンを取り出し、最小目盛で兄の脇腹に押し当てた。スイッチ。
衝撃。
文字通り、健太の全身を電流が支配した。全身の筋肉が硬直し、声無き叫びが迸った。今度は気絶するほどの電撃ではないが、それでも本来のスタンガン程度の威力は出ている。それを優香は、押し当て続けた。
「――――!」
「あ……はあ。こっちまでビリっときましたよ。もう濡れてますから、多少通電したみたいですね」
時間にして十数秒だが、健太にとっては十数分にも感じただろう。優香がスタンガンを離すと、筋肉が弛緩してぐったりとする。継続して浴びせられた電流は、健太の体力をごっそりと奪っていた。
優香が手早く消耗した電池を交換する。バラバラと使用済みのアルカリ電池が床に転がった。
ぐったりとした健太を見下ろして、優香は淫靡に微笑んだ。しなだれかかる様に前のめりに倒れ、ぐちゃぐちゃと唾液を兄の口の中に流し込む作業を再開する。
更に押し付けた胸を、体を揺すって前後に動かす。コリコリと、お互いの乳首が時折こすれあう。狙ってやっているのだ。見る見るうちに乳首が固くなっていく。
「ん……はあ。胸はどうですか? 小さいですが気持ちいいでしょう? 兄さんが母親以外で初めて触る女性の胸は、私のものですよ。揉みしだけなくて残念ですね……おや?」
無抵抗の兄に唾液を流し込んでいた優香は、不意に唇を釣り上げた。
むくむくと大きくなったものが自分の尻に当たっているのに気付いたのだ。
優香はにまりと笑い、空いている右手を後ろに伸ばしてトランクスの中に滑り込ませた。ぎゅうと根本を掴まれて、呻き声が上がる。
376未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:43:23 ID:cZaP5DBO
「はは、なんだ。兄さんも犯る気満々じゃないですか。そんなにこのチンチンで妹の処女膜をぶち抜きたいんですか、ねえ?」
「ぐう……」
そのまま形を確認するように、優香は右手をまさぐっていく。陰嚢、竿、亀頭と、もみもみと適度な刺激を与えながら言葉で責め立てていく。
既に優香の右手は先走りでべたべただった。時折、短い爪で引っ掻いては刺激でアクセントを加える。あっという間に、健太の怒張は張りつめた。
充分に固くなったと判断した彼女は、今度は竿の部分を握って上下にしゅっしゅと擦りだした。男が普段している自慰と同じ動き。違うのは自分の手ではないということ。
「こんな風に、毎日毎日シコシコ自分を慰めていたわけですか。オカズは私ですよね、知ってますよ。私の名前を呼びながら、このチンチンを擦ってたのは。夢が叶ったじゃないですか」
「むぐ……」
事実だった。
健太とて健全な男子なのだから一日に一度は自慰もしているし、優香を女として見ている以上、性の対象としたこともある。
けれどその後は、決まって深い罪悪感に苛まれるのも常だった。妹であることもそうだが、身近な女性を薄汚い欲望で汚すことに、倫理的な歯止めがあるのだ。
そのことをズバリ指摘され、動きが止まる。優香はその隙に手を離して、ぐるりと体を動かした。
それまで兄と順方向に向かい合っていた優香の体が、逆方向に馬乗りになる。
がしりと両膝で兄の頭を挟み込み、右手でトランクスをずり下げる。いわゆるシックスナインの体勢だった。
ぶるん、と解放され反り返った怒張に、優香が鼻を押しつけるようにして頬摺りをする。むあ、と立ち上った臭気を思い切り吸い込んだ。
「すう……はあ………くっさいですね、最悪の臭いです。何をダラダラ先走り液を垂れ流してるんですか、兄さん。妹の手扱きがそんなに気持ちよかったんですか? ねえ、教えてくださいよ」
「…………」
健太は答えない。猿轡をされていては答えようがない。
しかしそれ以外にも答えられない理由はあった。シックスナインの体勢によって鼻先に突きつけられた、生まれて初めて見る女性器に目が釘付けだったのだ。
優香の女性器は小振りで、陰毛も疎らに生えているだけだった。中心には興奮によってぱっくりと開いた貝のような中身が、呼吸と共にひくひくと震えている。
ぽとりと、そこから垂れた愛液が健太の頬に落ちる。
ごくりと健太の喉が鳴った、次の瞬間。優香が大声で笑い出した。
「あっはははははは。なんだ兄さん、そんなに私のオマンコが気に入ったんですか? チンチンがビキビキに固くなりましたよ、あはははは」
「…………!」
「それじゃあ味見もしてみましょう。可哀相ですから、兄さんにも私を味合わせてあげますよ」
「むぐっ!」
優香は畳み込むようにして腰を下ろし、目の前の怒張を口でくわえ込んだ。
健太は股間の先端に、今まで感じたことのない熱さとぬめりと締め付けを感じた。それがじゅぼじゅぼと卑猥な音を立てながら降りてくる。とてつもない快感だった。
だが同時に、優香の腰が降りてきて健太の顔を塞いだ。ぐにゅりと鼻が女性器にめり込む。猿轡をされているため、その状態は窒息を招く。息が止まった。
慌てて健太は逃れるために身をよじったが、頭は両膝でがっちりロックされているため逃げられない。
それでもできる範囲で呼吸を確保しようと必死で顔をよじり、その度に女性器が刺激され、優香は腰をびくびくと奮わせた。
じゅん、と溢れた愛液が猿轡を通して兄の口に注がれていく。独特の塩気がある味だった。
快感に抵抗するように、じゅぼじゅぼと優香が激しく頭を上下させる。唇で根本を締め付け、舌を情熱的に絡ませる。健太はその快感に奥歯を食いしばって必死で耐えていた。
「ううう……!」
彼を支えているのは、強姦されていることに対する男としての矜持と、妹への罪悪感である。
これ以上、妹に罪を重ねさせるわけにはいかないという、兄としての一念で未経験の快感に必死で耐える。既に妹を裏切ったという事実がその一念の裏付けとなっている。
それを打ち破るため、優香は右手を自分の股間に持っていって愛液で濡らし、手探りで兄の菊門を探り当てた。
びくりと健太の腰が跳ねる。
「んんっ!?」
優香は一旦奉仕を中断して口を離し、兄の腰を左腕で抱え込みながら宣言した。
「兄さんの処女、先に貰いますからね。無駄に力むと痛いだけですから、力を抜いてくださいよ」
377未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:44:24 ID:cZaP5DBO
右手の人差し指を立てる。
そうして優香は再度、限界まで兄の怒張をくわえ込んだ。喉の奥に亀頭が当たると同時
ずぐりと、人差し指を兄の菊門に突っ込んだ。警告に反して兄は反射的に背約筋に力を込めていたが、一本抜き手のようにそれをぶち抜く。人差し指の根本近くまでが菊門に埋まった。
「んぐうううううう!」
貫くような痛みと異物感。
健太はひとたまりもなく射精した。
びゅるびゅると鈴口から噴出する精液を、優香は喉奥で受け止めてそのまま飲み込んでいく。胃に精液がたまっていった。
最初の勢いが収まると、指探りで痙攣する前立腺を見つけてぐりぐりと揉みほぐす。射精が勢いを取り戻す。優香はそれを繰り返して、できるだけ射精を引き延ばす。
そうして、噴出は優に十秒近くも続いた。間違いなく、榊健太の人生で最大量の射精だった。
「んぐっ……ごくっ………」
「う……あ……」
射精が収まってからも、優香は怒張をストローのように扱って尿道に残った精液まで吸い取る。舌の先端で鈴口をちろちろと掃除した。
加えて、やわやわと尻穴に突っ込んだ人差し指を動かす。必然、ぐったりと虚脱した健太とは対照的に、怒張は固さを保ったままとなる。
それを確認して、優香は吸い付きながら口を離した。ちゅぽんと水音。
「はあ……やっぱり味も酷いものですね。苦いし臭いし喉に絡みつくのも最悪です。多分、他の人と比べてもかなり臭いですよ。こんなものを飲んであげる女は私ぐらいのものです」
もちろん優香は他の精液の味など知らない。単に兄を傷つけるためだけの言葉である。
とはいえ、尻に指まで突っ込まれて射精させられた健太にはその言葉は深く響いた。既にプライドはズタボロとなっている。
ぬるりと優香が指を引き抜く。濡れそぼった人差し指をしゃぶる。
シックスナインの体勢から、向かい合って馬乗りになった姿勢に戻る。再度、見下ろす視線と見上げる視線が重なった。
「さて、お待たせしました。そろそろ貫通式と行きましょう。一回出しましたけど、まだまだ固いみたいですしこのまま行けますよね」
「っ!」
その宣言を聞いて
「んんんんっ!!」
今度こそ、猛然と榊健太が暴れ出した。
腰を跳ね上げ、両手で手錠の鎖を掴んで思い切り引っ張る。ベッドは木製であり、何処かが壊れるかもしれないと思ったのだ。
ぎしぎしとベッドがきしむ。手錠が手首と足首に食い込むが、歯を食いしばって我慢した。声なき声で叫ぶ。
女性の貞操というものが大事なものであると、榊健太は当たり前に信じている。大和撫子を好む風潮というか、彼の価値観はやや古臭い。
少なくとも、こんなことで失っていいものであるわけがない、取り返しの付かないことをするなと、声が出せたのなら枯れんばかりに説得していただろう。
お互いに望まない関係であり、お互いに不幸になるしかない関係になる。
兄として、これ以上妹の可能性を奪ってしまうことなどしてはいけないと、彼はありったけの抵抗をした。
けれど逆に、皮肉なことに。そういう価値観の持ち主だからこそ、榊優香はこのような行動に出たのだ。
優香は膝立ちになって振り落とされるのをかわすと、脇に置いてあったスタンガンを兄の胸に押し当てた。
先程と同じ全くよどみのない動作、衝撃、痙攣。
「ぐうううううううっ!」
獣のような絶望の呻き。
意志に反して体が勝手に硬直する。指が丸まる。目の奥で火花が散る。頭が真っ白になる。
ああ、ああ、どうしてこんな、どうしてこんな。
電極が離れるまでの十数秒。健太は数十回に及ぶ後悔の怨嗟を心の中で繰り返した。
「兄さん、パブロフの犬って知ってますか? あまり繰り返すとスタンガンでしかイケない性癖になりますよ。というか、まだチンチンが勃起してますから、そうなりかけてるみたいですね」
ぐったりと電撃で体力を奪われた健太に、どこか愉快そうに優香は微笑んで
腰を上げて、左手の人差し指と中指で、自分の花弁をぐっぱり開き。勃起したままの兄の怒張を押し当てる。
左手を離すと。ぐに、と大した抵抗もなく亀頭が秘裂に飲み込まれた。
「さて、暴れてもいいですよ、兄さん。多分そうしたら、兄さんが自分で私の処女を破ることになりますけど。そうしたらこれはもう和姦ですよね」
「ん……うあ……」
健太が力無く妹の名を呼ぶ。それは猿轡に阻まれ言葉としての形を為さなかったが
あとは腰を下ろせば一線を完全に越える。そんな状態で、榊優香は動きを止めた。
378未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:46:30 ID:cZaP5DBO



……本当は
『……はい……普通の兄妹に……戻ります……』
本当は、口先だけで同意して、再起の時を待つつもりだったし、そうするべきだとわかっている。
たとえ引き離されようと、想いの褪せない自信が私にはあった。生まれてからずっと抱いてきた兄への想いは、既に私自身となってしまっている。
兄の想いは褪せてしまうだろうが、それは再度積み直せばいいだけのことだし、そうする自信もあった。
ここで足掻くのは、戦略的には逆効果でしかない。そもそも私は賭に負けたのだ。
両親が私の異常に気付いて完全に補足するのが先か、私が兄の気持ちを完全に掴むのが先か、これはそういう勝負だった。
そして私は分が悪いと知りつつも兄に賭け、負けたのだ。
『あの時頷いたのは、ごめん……けど……やっぱり、普通の兄妹に戻らないか……?』
兄を恨んではいない。あれは裏切りではなく、私の努力と運が足りなかっただけの話なのだから。
それに、敗北したからといって諦めたわけでもない。
今は引き離されたとしても、元の関係に戻った振りをして警戒を解き、必要ならば邪魔者も始末する。五年、十年と隙を伺えばどうとでもなるはずだ。
本当はそうするつもりだった。一度退いて、捲土重来を待つ。
兄と添い遂げるために、まず相思相愛になるように仕向けるという、戦略に沿った方針でもある。
……けれど、我慢できなかった。
『可愛いですよ、兄さん』
『お、お前なあ。さっきから男、それも兄貴に向かっていうことじゃないだろ』
あの日々が
想いをありのままに吐き出せるあの日々が、好きな人に好きと言えるあの日々が、あまりにも嬉しかったから。
もう、戻れなかった。私はルビコン川を渡ってしまった。理性よりも感情に、私は負けた。
兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん
貴方が恋しい、貴方が欲しい。
都会に来たロバのように、空を知った蝉のように、果実を食べた始祖のように、私は本当の喜びというものを知ってしまった。
もう我慢などできない。
今更、たとえフリでも、普通の兄妹に戻れるわけがなかった。
…………
それなら、私は
それなら私は、もう一度分の悪い賭をしよう。欲しいものを今、手に取る愚かな道を。
最善の方法を放棄する。戦略を転換する。
幸せになれないかもしれない――――それでもいい。
日の当たる場所には出れないかもしれない――――それでもいい。
愛し合うことはできないかもしれない――――それでもいい。
この人を深く傷つけるかもしれない――――それでもいい。
この人を不幸にするかもしれない――――それでもいい。
本当に嫌われるかもしれない――――それでもいい。
もう二度と、安らぐ場所には戻れないかもしれない――――それでもいい。
それでもいい。
明日より今だ。



379未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:47:34 ID:cZaP5DBO
ず、と榊優香の重心が移った。
それを感じて、涙さえ流しながら、榊健太が声にならない叫びを上げる。
めりめりと、芋虫のような速度で、彼女の腰が降りていく。
「さ、あ。いよいよ兄さんの童貞喪失ですよ。泣く程嬉しいんですね、兄さん。
 ほら、見えるでしょう。見てください。兄さんのチンチンが私のオマンコに突き刺さっていきますよ。
 いっ……つううううう……ほら、ぶちぶち、処女膜が破れていきますよ、兄さんの小汚いもので!
 そんなに嫌なら、くうっ……今すぐ萎えさせればいいのに、それができない時点で兄さんの意志なんです。
 このチンチンが、妹に欲情して処女膜を破りたがるから………こんなことになってるんですよ。
 は、あ……膜は完全に破れましたね。後はもう、私の中が兄さんの形に広がっていきます、よ」
自分の肉を裂きながら、優香はゆっくりと体を降ろしていき
兄の腹に両手がつくと、最後の一息を一気に押し込んだ。ごつん、と怒張が最奥を突き上げる。
優香の背筋が伸び、かは、と呻き声を漏らした。
兄と妹の腰が繋がり合い、その間から薄赤い液体が染み出してくる。愛液と混じった破瓜の血。二人が禁断の交わりを行った証である。

こうして、榊優香と榊健太は、越えてはいけない一線を越えた。

「あ――――は」
傷口を刃物で開くような痛みより、脳髄を焼く喜悦に突き動かされて妹が笑う。
「あ、ははははは。兄さん、兄さん。
 これで、兄さんは私のものです。兄さんの全ては私のものです!
 ファーストキスも初フェラチオも処女も童貞も、全て私が奪いました。
 この先兄さんがどんな人生を送ろうと、あらゆる全ての瞬間で、その事実は消えません。
 あは、あははははっ! 最悪で最高です! 兄さん、貴方は私のものです!
 もう喋っても良いですよ、どうせ手遅れですからっ!」
榊優香の手が乱暴に手拭を首まで引き下げる。瞬間、唾液と愛液でぐっしょりと塗れたパンツを吐き出して、榊健太が怨嗟の叫びを上げた。
「ゆうか! ゆうかああ!」
「あははは、なんですか兄さん。ちなみに父さんも母さんも、下で泥酔してましたから助けを呼んでも無駄ですよ」
「お前、何で、何でこんなっ!」
「そんなもの、愛以外の一体どんな理由があるというんですか」
「そんなの――――むぐっ!」
なおも何か言いかけた健太の口を、上体を前に倒した優香の口が塞ぐ。妹の舌が捻じ込まれ、兄の口内を蹂躙する。二人は上と下で完全に繋がった。
体を倒したときに優香の膣にはねじれるような痛みが走ったが、彼女の脳はそれを快感に変換していた。十数年の悲願が達成された瞬間、彼女は絶頂さえ覚えている。
一方の健太にとっては、女性に挿入することは凄まじい快感だった。入れた瞬間に射精しなかったのは一度放出してたからで、今も腰を動かしそうになるのを必死で堪えていた。
片方は肉体の苦痛を精神が凌駕し、片方は精神の拒否を肉体が凌駕している。それはひどく歪な性交であり、強姦だった。
兄が首を振って、蛭のように吸いついてくる唇を外し、叫んだ。
「ぷはっ……やめろ、やめろ優香!」
「何をですか? 私の処女膜ぶち抜いておいて、今更何を止めろと言うんですか? そもそも、先に裏切ったのは貴方でしょう」
「それは……うぐっ!」
先に妹を裏切ったのは自分だという、負い目を突かれて怯んだ兄を、優香が膣で絞り上げた。
危うく快楽の一線を越えかけたのを、必死で堪える。そうでなくても、初めて挿入する女性の体はとてつもなく気持ち良かった。
限界まで張りつめた怒張に、肉の筒が全体をぴったりと包むように張り付き、締めつけてくる。それもひどく熱い。
手で擦るのはもとより、口でくわえるのすら到底届かないような密着感。
優香がゆっくりと腰を上下し始めると、その快感は更に増加した。張った傘が密着感に逆らうように、ごりごりと膣を削って行く。その抵抗はそのまま、怒張への快感になる。
そうして、ある程度まで腰を持ち上げると、どすんと一気に腰を下ろした。めりめりと閉じた肉を開きながら、兄の先端が妹の子宮を突き上げる。それもまた途轍もない快感だった。
猿轡は既に外されていたが、たとえ両親が健在でも助けを呼べるような状況ではなかった。気を逸らせば即射精してしまう。
耐える。初めて経験する快楽に必死で耐える。
それは、譲りに譲ったとはいえ、健太にとって絶対に越えてはいけない最後の一線を守るためだった。
380未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:48:16 ID:cZaP5DBO
「く、はっ……気持ちいい……ですよ。最初から……こうしておけば良かった。ずっと我慢していたのがバカみたいです」
ずちゅん、ずちゅん、と兄の腹に手を当てて、優香が腰を上下させる。腰が沈むたびに、結合部からは白みがかった粘液が溢れてくる。
彼女の言葉は事実ではないが真実である。
貫通したばかりの膣は、愛液の潤滑があるとはいえ傷口を擦られる痛みが絶えず走っている。男にとっては快楽でも、彼女にとっては抵抗がそのまま痛覚を刺激するのだ。
また、こうして今繋がっているのも、総合すれば敗北した結果である。本来は、相思相愛になった上での過程でしかなかったのだから。断じてセックスが最終目的などではない。
だがそれでも、彼女の言葉は真実だった。十数年の想いという強烈な脳内麻薬は苦痛さえ快楽に変換し、後悔を含むあらゆるネガティブな感情を消し去っていた。
「どうしてこうなったのかって、思ってますよね? そんなの決まってます、悪いのは兄さんです、悪いのは兄さんです。
 兄さんが私を受け入れてくれたなら、こんなことはしないで済んだんです。私がどれだけ貴方のことを愛しているか、知っていたのに!
 元になんか戻れるはずがないじゃないですか。私は貴方がいなければ生きていけないし、私達は男と女なんです。
 家族で済むなら、最初から我慢してます。どうしても我慢できなかったから、私はこんな、こんな人間になったんですよ。
 わかってなかったんですね、わかってなかったんですか。やっぱり兄さんは頭が悪いですね。
 水を飲まずに生きろと言われても無理なんです、空気を吸わずに生きろと言われても無理なんです、私にとって貴方はそういう存在だったんですよ!
 義務感でもいい、同情でもいい、あの時頷いてくれたなら、私はそれだけで生きていけたのに。全部兄さんが裏切ったからですよ!」
「うっ……ぐっ………!」
言葉と体で優香は健太を責め立てる。ベッドがぎしぎしと軋み、手錠の鎖が擦れ合って音を立てる。まるで忍ぶ気のない嬌態であり、強姦だった。
両親が寝ていたとしても、飛び起きて駆けつけかねない。だが優香はそのことで全く遠慮してはいない。露呈するのは覚悟の上だ。

彼女は戦略の転換を行った。基本方針は変わらない。自分に好意を持つように仕向けるのは、人生を考えた時に絶対必要な要素だ。
今までの優香はその戦略を、長い長い時間を掛けて確実に進めてきた。行動すると決めてから二年と半年。想いを自覚してからは十数年に達する。
だが、彼女は戦略の転換を行った。年単位の時間を掛けるのではなく、今、この場で、兄への洗脳を完遂すると決めたのだ。
この数時間で、榊健太に拭いがたい条件反射を刻み込む。
それは恋愛などではなく、調教の部類に入る。しかもワンチャンスであり、失敗したら深刻な嫌悪を受ける。まさに賭であり、彼女の中の慎重な部分は成功する可能性が高くないことを告げている。
それでもいいと決めたのだ。
兄を責め立て罵倒する言葉も本心ではない。全て自己責任であることを彼女は自覚しているし、方針は間違ってはいないと分析している。ただ足りなかっただけだ。
足りなかったものを、今埋める。愛する人間の心に、自分という形をした深い傷跡を残すことで。
――――思えば
彼女の中に存在する胸の空白が、自分の兄の形をしていたことが全ての元凶だったのだから
これでようやく、二人は最初の位置に着けるのかもしれなかった。

どすんと、一際強く、優香が腰を沈める。怒張の痙攣を直に感じて、彼女は嬉しげな声を上げた。
「あっ、は。出るんですね? またチンチンがびくびくし始めましたよ。さっき精液を飲む直前に、こんな風に震えたんです」
「よ、せ。や、めろ。ゆうか……!」
「なら出さなきゃいいじゃないですか。出したがってるのは兄さんですよ」
怒張が押し入った分、ぽこりと押し上げられた腹部をぐりぐりと優香が撫でる。そうして、ふと思いついたように呟いた。
「く、ふう……兄さん。もしも一つ約束してくれるなら、こんなことはすぐに止めますけれど……どうします?」
「な……ん……?」
歯を食いしばり、一線を越えようとする性衝動にギリギリのところで抑えながら。妹の口にした提案に、藁にも縋る思いで顔を上げる健太。
そんな兄に優香は意地悪く笑って……不意に目を閉じた。
「今からでも……一緒に逃げてくれるなら……誰も知らない遠い場所で、二人だけで暮らしてくれるなら……全て赦せます」
「そ、れ……」
それは
つい数時間前に
『あの時頷いたのは、ごめん……けど……やっぱり、普通の兄妹に戻らないか……?』
榊健太が、榊優香を裏切ったことだった。
381名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 00:49:04 ID:pwfNCE0h
支援
382未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:49:20 ID:cZaP5DBO

瞬間的に、大量の後悔と苦渋が彼の脳裏を支配する。
覚悟はない。彼にはどう足掻いても全てを捨てる覚悟はないし、一瞬で巨大なそれを決める資質もない。
それならここで頷いたところで確実に嘘になる。
ついさっき、あれほど懊悩したのに、また騙すのか、また裏切るのか。そんなことができるわけがない。
けれどここで頷かなければ、自分は妹に膣内射精をしてしまう。妊娠させてしまうかもしれない。
そんなことになれば、それこそ妹の人生を棒に振ってしまうことになる。自分よりもずっと優れ、可能性に満ちた妹の人生を、自分がダメにしてしまうことになる。
奇妙な話だが、今まさに強姦されていても尚、健太は優香のことを妹として心配していた。
射精をこらえながら数秒、迷いに迷った。また妹を裏切るのか、それとも。
だが、結局のところ選択肢は一つしかない。
苦渋と、懊悩と、後悔と、快楽に、奥歯を食いしばって耐え
健太は嘘を絞り出した。

「わ、かった……」
嘘を。
「わか、った……やくそく、する……だから……!」
呻くように、呻きながら、胸の痛みと快楽に耐えて、奥歯を食いしばり、ぼろぼろと涙をこぼして
実の妹に強姦されながら、許しを乞うその姿は、ひどく滑稽で哀れだった。それでいて、どこか心を打つものがあった。
「あは」
それを優香は
「嘘、ですっ!」
踏みにじった。
ごり、と腰を捻る。子宮口に、亀頭の先端がめり込んだ。まるで元からそういう道具だったように、二人の性器が完全に嵌った。
これ以上ない程の深い挿入。膣が怒張を根本からぴったりと絞り上げ、先端を子宮口が吸い上げる。
兄の目の奥で、絶望と共に火花が散り、何かが切れる音がした。
「うあ、うあああああああっ!」
「ああ、ああああああああっ!」
お互いに獣のような叫び声を上げながら、射精が始まった。
子宮口にめり込んだ亀頭から噴出した精液が、直接子宮に注入されていく。どろどろと腹の底を打つ熱さを、優香は確かに感じ取った。汚されたことのない処女宮が黄ばんだ精液に染められていく。
一度出したにもかかわらず、信じられない程の量が出ていた。それは雌に種付けしようとする雄の本能だったのかもしれない。
「あああああ、でてる、でてますにいさん! あいしています、あいしています、あいしています!」
「うああああ、ああああ、ゆうか、ゆうかあ!」
随喜に涙さえ流しながら感極まる女と、絶望に涙さえ流しながら果てる男。
それは凄まじい快楽だった。勉強の達成感も、運動に打ち込む熱情も、芸術に触れた時の感動も、全て吹き飛ばして無価値にしてしまう程に深い快楽だった。
幸か不幸か、二人の体の相性は最高だった。従兄妹同士は鴨の味というが、他の異性ではけして得られることのない程の快楽だとお互い本能で悟っていた。
「あ、あ……ごめん………ごめん……ゆうか……」
どくどくと妹の子宮に送り込んでいた精液がやっと収まる。
健太は放心したように天井を見上げて、涙を流していた。うわごとのように妹に謝り、目の焦点は合っていない。
その唇を、優香の唇が塞いだ。兄妹が上下で繋がり合う。
愛おしそうに舌を絡ませ合い、囁く。
「どうして謝るんですか? 私は今、幸せです。本当に幸せなんですよ」
感極まった表情で、頬をすり寄せて囁く優香。その声音に後悔は一片もない。
優香が腰を捻って亀頭から子宮口を外す。そのままゆっくりと、腰を細かく揺すり始めた。
締め付けと合わせた刺激で、やや固さを失っていた兄の勃起がむくむくと大きくなる。気力を失った健太の抵抗は格段に弱くなっていた。
「さあ……第二ラウンドです。大丈夫、夜はまだまだ長いですよ」

383未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:50:38 ID:cZaP5DBO




昔のことを思い出した。


「わたし、おにいちゃんのおよめさんになってあげるね」
「おー。ありがとうな、ゆうか」


むかしのことをおもいだした。





明け方。
町が目覚め始める時間帯になっても、榊家の一室では饗宴が続いていた。
「兄さん、ほら兄さんっ! もっとしっかり突いてくださいよ、ほらっ」
「うっ……あ……!」
怒張に貫かれて腰を激しく振りながら、榊優香が兄の尻穴に突っ込んだ中指をぐいとひねる。
言葉と指に操られるように、榊健太は腰をごつごつと突き上げた。妹の嬌声が一段高くなる。
部屋はひどい有様になっていた。
シーツはあらゆる種類の体液にまみれて見る影もなく、更にそれらが冷えてぐちゃぐちゃになっていた。お世辞にも寝心地は良くない。
ベッドの脇には乾電池と強壮剤の空き瓶が散乱している。精液を放出しては強壮剤を飲まされ、行為は一晩中続いていた。途中から二人とも全裸になっている。
ギシギシと、ベッドと手錠が軋む。
部屋の臭いも酷いものだった。精液と愛液と小水の臭気が混ざりあい、生臭ささが充満している。
強壮剤を何本も飲んで尿意を催した時、優香はお互いの小水を飲ませ合ったのだ。健太は途中で吐き出してしまい、ベッドが汚れることになったが。
それから、音。
女の嬌声と男の呻き声。肉同士が立てる淫猥な水音。ベッドと手錠の軋み。それから、ドアをガンガンと叩く音。
「――――っ! ――――っ!」
ドアの外から母親の怒声。
数分前から、泥酔から復帰した両親が部屋に駆けつけて扉を破ろうとしていた。お構いなしの嬌声である、同じ家の中ならすぐ気付く。
鍵はとっくに開き、今度は重量物で叩いているのだろう。ドアの前に立てかけた戸棚がぐらぐらと揺れている。
そんな中で、二人は性交を続けていた。妹が、一際甲高い声を上げる。
「あっ、あっ! イキます、イキます! 兄さんも、チンチン嵌めますから出してくださいねっ!」
「うあ……やめ、やめろ、ゆうか……」
「何言ってるんですか、何度私の中に出したと思ってるんですか? もう子宮がドロドロですよ!」
「ぐ、あっ!」
ずぶりと、妹が兄の尻穴に人差し指を追加した。ぐりぐりと二本の指で前立腺を挟み込む。
慣れた動作で優香が腰をひねって、亀頭を子宮口に嵌めこんだ。まるで定位置のように、ぴったりと収まる。
射精。
「ああ、ああっ! 熱いのが来てます、もっと出してください、兄さんっ!」
「うあ、あああああ……!」
ごぼごぼと、押し出された精液が泡立ちながら、繋がった膣の隙間から溢れ出てくる。
その分、新鮮な精子が新たに優香の子宮に注入されていく。最初の頃に比べれば、流石にかなり水っぽい。ぴんと妹の背筋が伸び、深い絶頂に酔いしれた。
二人の体はかなりセックス慣れしていた。ぶっ続けの性交による成果だろう。特に意識しなくても、優香は快楽を貪ることができた。健太の肛門は、指二本を楽に受け入れられる程伸びてしまっている。
384未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:51:05 ID:cZaP5DBO
「――――っ! ――――っ!」
ガンガンという打撃音と、母親の怒声は続いている。兄妹は、視線こそ通っていないが両親の前で、最後まで至ったことになる。
だが今の優香は、それらを騒音程度にしか気に留めていない。荒い息をつきながら腹部を撫でた。
本人が言ったように、精液がパンパンに詰め込まれた腹部はぷっくりと膨らんでいる。
「ふう、ふう……こんなに注がれると安全日でも妊娠してしまいますね。そんなに妹を孕ませたいんですか、兄さん」
「…………」
健太の反応はない。魂が抜けたように天井を見上げているだけだった。実際、彼の意識は半ば朦朧としていた。涙の痕が痛々しい。
何時間にも及ぶ行為の中で、彼が抵抗を止めたのは何時だったのか、心を閉じたのは何時だったのか、優香はあまり憶えていなかった。ひたすら没頭していたのだ。
既に、肛門に指を突っ込んでも、乳首を吸っても、スタンガンを押し当てても、ほとんど反応はない。
ただそれでも、膣内射精となれば僅かに自意識を取り戻して嫌がる。それを征服するために、優香は射精のほとんどで中出しを強要してきた。
それは正しく強姦だった。
優香が緩慢な動作で、数時間ぶりに腰を引き抜く。途端、ごぼごぼと子宮に収まりきらなかった精液が逆流してきた。ぼたぼたと兄のしぼんだ性器に垂れていく。
「――――っ! ――――っ!」
外の騒音はますます大きくなり、扉を塞いだ戸棚がとうとうぐらりと傾き始めた。
それを全く気にせず優香は、ごろりと兄の横に添い寝した。濡れたシーツが張り付いて気持ち悪い。
兄の頬に残る涙の跡を舐める。塩辛い味がした。
手錠でベッドの四隅に縛られた健太は反応しない。
数時間続き、そしてあとわずかで破られる、二人の牢獄。
しばしの沈黙。
「……ねえ、兄さん」
「…………」
「――――っ!」
ついに扉が破られた。
戸棚が倒れ、どすんと大きな音が響く。部屋の埃が舞い上がり、カーテンの隙間からさす朝日に照らされてキラキラと光った。
直ぐに扉を押しあけて、榊母が。続けて榊父が飛び込んでくる。
そうして、その惨状を前にして
榊母の悲鳴が、榊家に響き渡った。
そのなかで、妹がそっと、寄り添う兄の耳元で囁いた。






……ねえ、兄さん

私は、いつでも貴方を見ている

ずっと、見ていますからね

愛していますよ、兄さん

ねえ、兄さん

ねえ、兄さん……
385名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 00:57:01 ID:nEfasVt3
GJ!!
今まで溜まりにたまったキモさが大放出ですな
386未来のあなたへ11後編:2009/09/12(土) 00:57:49 ID:cZaP5DBO
以上です。これにて第一部完。
つらつらと冗長な文章にお付き合いいただきありがとうございます。
Hシーンというものを初めて書いたよ…

次は11.5で息抜きがてら、晶視点のギャグな話になる予定です。
387名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 01:10:45 ID:kJhNLWgO
第一部!?
続編が楽しみです
とりあえずGJ!
388名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 01:19:42 ID:jNs74EV0
第一部完GJ!超GJ!っつかもう脱帽!
俺も>>386みたいな文才が欲しい!割と真剣に!
389名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 01:24:58 ID:K8JWj6Eb
良作ですなー
おつおつ
390名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 01:52:06 ID:JEqs/iiJ
全くだ。これは普通に商業でやっていけるレベルだと思う
391名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 01:53:57 ID:DichsWbl
野獣と化したキモウト
392名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 01:59:40 ID:nUslkwMD
乙!
素晴らしいなー第二部も楽しみに待ってます
393名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 02:53:39 ID:PeaVVmkY
すげぇぇぇぇの一言っす!
第二部もwktk全裸でお待ち申し上げます
394名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 05:18:24 ID:lUc+CTKz
キモウトはいつもかわいそうだね
願いが叶えばいいのにね
395名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 07:15:28 ID:OJ+dyH6E
お疲れ様でした
これはとんでもない話だぜ
396名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 07:23:42 ID:Ck4LCr6D
第一部だと!?
397名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 07:31:00 ID:D3hYXmLt
GJ!
正直、ここまでの作品がタダで読めてはいけないと思う!
第二部にも期待!
398名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 08:08:16 ID:+88EqiuZ
>>386
第一部完了、お疲れ様&GJでした!
優香の狂気にも似た愛欲に、震えが止まらないです。
壊された健太と、超越した優香の行方はいかに?

それでは、次回のギャグ話を楽しみにしています。
399名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 08:21:10 ID:HR96SeSP
はしゃぎすぎ。
400名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 09:53:17 ID:QM+PLxsy
キモウトが勝ったッ!第1部完!
401名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 10:10:57 ID:kP3vceda
キモウト怒らしたらやばいな
402名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 10:20:02 ID:8PLJLmLT
GJ!
ふと思ったけど、優香がここまでの事をしてしまってなお
榊母は優香を庇って健太が悪いとか言うんだろうか?
403名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 10:51:22 ID:et+Arzj9
>>399
同意。だれか自演でもしてんじゃない?
>>386
GJ!面白かった。でも個人的には、ここキモウトスレだし
関係ない話するなら、続きを書いてほしいんですが。
404名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 10:54:20 ID:z/DD2P8S
キモウトの話ならいいんじゃね?
全く関係無い話なら勘弁だけど
405名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 11:00:28 ID:VhuBfHym
個人的に両親の過去話の方が気になるんだぜ。
406名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 11:04:50 ID:bHsxmnfR
◆Wikipediaの『地デジ』の説明がビックリするほど少ない件。
『マスゴミからの圧力でもかかっているのでは』と疑ってしまいたくなるほど、少ない。
407名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 11:09:18 ID:et+Arzj9
>>405
あまりにもスレチ過ぎるから。
何でお前個人の希望でこのスレを汚さなきゃいけないんだよ。
どうしても知りたいんなら他スレで、投下してくださいって頼め
408名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 11:12:34 ID:i6VoR4r7
これだけの長編で、全編やるだけってのも無理有るだろう。
409名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 11:44:42 ID:8PLJLmLT
前にキモ姉妹作品の話の一部なら
途中でキモ姉妹に関係無い話が数話入るのも
許容みたいな結論にならなかったっけ?
その話が伏線や補足になるんだろうし

それに確か晶もキモウトじゃなかったっけ?
410名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 12:09:51 ID:p2JyFahe
晶はキモウトだよ。しかも両親抹殺フラグも立ってるよ
表面上は一番まともそうなんだけど内面の異質さはすごいよw
411名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 12:46:39 ID:HZ45pI4W
412名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 12:48:35 ID:VhuBfHym
>>407
スレ汚しと感じたなら謝る。ただ、前回の過去話もこのスレだったじゃないか。
413名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 13:43:16 ID:et+Arzj9
>>412
それはスレが荒れるから何も言わないだけで
ただ、キモウトキモ姉が見たい人にとってはどうでも
いいんだよ。ジージェイがあるからって、みんながみんな
好きな訳ではないでしょ。
ここはSSスレなんだし、ちょっと自分好みじゃないからって
すぐに批判したりなんてしないよ。
414名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 14:14:31 ID:cWcqeOYc
ID:et+Arzj9
良識派きどってるがこいつが一番スレチ
415名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 15:04:16 ID:8Jzsez3w
>>386
素晴らしくGJ!!とうとうやっちまったなーと思ったら第一部完ですか。
腹黒いキモウトには破滅と崩壊がよく似合うね。それでも幸せなんだろうが…。
第二部に超期待します!

このスレは良作多いし完結させてくれる作品も多いし最高ですな。騒がしい>>413以外は最高ですよ。
416名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 19:48:55 ID:4r/ZPMxi
結構な大作なのだし
キャラを掘り下げるための番外編が挟まれることには
何の問題も感じないですよ

本筋の進展がないのに第三者キャラの描写ばかり入るようだと
さすがに疑問符がつきますけどね
(以前、いもうと大好きスレに投下されたSSでそういうのがあった
せっかくキモウトっぽい素敵な妹が出てきたのに
妹の友達をストーカーした犯人を追いかける話ばかりで
不評を買って未完に終わる)

まあバランスの問題なのだと思いますよ
長期掲載してる大作だから許される遊びはある筈だし

(本当はもっと辛辣なこと書いてやろうかと思ったけど自重)
417名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 20:07:11 ID:4r/ZPMxi
我ながら、めっさ言葉足らずだったな
言いたかったのは
面白けりゃ許されちゃうんじゃね?
ってことで以下ROMる
418名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 20:24:52 ID:bb8/75mc
>>413

頭、沸いてるんですね><
419名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 22:45:01 ID:zpHbwUvs
>>416
いもうとスレのあの話は好きだった。てか今も好きなんだけども
だけど、あれはエロパロのような特定の場所でするものではないと思ったな
好きなぶん、余計にもったいなく感じたよ

なんにしても、作者さん頑張ってくれ
俺は期待しているから
420名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 23:40:46 ID:OJ+dyH6E
テンプレに目を通してない人多いね
421名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 23:43:46 ID:Tnr6X7uQ
SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありません
422名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 23:44:51 ID:pCazJ30R
毎日妹が復唱しているので覚えました
423名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 03:37:33 ID:4XH5mG7s
>>416
一番下の一行書いといて何が面白けりゃ許されちゃうんじゃね?だよカス
424名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 05:11:38 ID:qjLKWqJo
よっしゃ、みんなに俺の姉達を差し出すからとりあえず落ち着こうぜ。


ここからは通常の流れで進行だ。
425名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 07:48:18 ID:cnhp8Leu
お断りします
426名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 08:55:30 ID:fYP0bkX6
妹にコントロールされたい
427名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 09:23:13 ID:KyyteDb4
次にお前は「本当は姉にコントロールされ放題」と言うッ!!
428名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 10:15:27 ID:EevXiO4c
最近妹が強いな
429名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 11:56:33 ID:+T3auqEp
>>426
イモートコントロール……
430名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 13:34:07 ID:125CeSQt
>>429
よし。それで書け。
431名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 14:05:57 ID:7JfLN7lt
>>429
イモコン巡って12人の妹が喧嘩するんですねわかります。
432名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 14:58:02 ID:e39udeZn
>>426
上・下・左・右・A・Bですねわかります
433名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 16:20:56 ID:+T3auqEp
>>430
妹をコントロールすればいいのか、それとも妹がコントロールすればいいのか…
434名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 16:47:32 ID:7JfLN7lt
>>433何を言っているのだね君は
妹"が"コントロールするに決まっているだろう
リモートコントロールとはまったくの別物として考えてみようではないか
435名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 19:50:25 ID:zkGWgxdx
股間のスティックで上上下下左右左右BAですか…。
436名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 19:58:28 ID:YUmmiTRe
だんだんシスマゲトンの世界に・・・
このままでは108人の妹が
437名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 20:33:34 ID:mimoyyyY
妹なんて大嫌いだ
438名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 21:07:43 ID:t2Q9zclU
姉も決していいもんじゃないぞ。あれは…
439名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 21:47:08 ID:OOBHCBv9
その後、437と438の姿を見たものは誰もいない・・・
440名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 22:21:49 ID:e5FTG+IC
俺はみたぞ産婦人科で
441名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 22:35:37 ID:t2Q9zclU
オネエチャン サイコー カノジョナンテ イラナイ ボク オネエチャント ケッコンスルー
442名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 22:48:38 ID:7EqznX+f
>>441
危険だ! 目が虚ろだぞ!
443名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 00:04:03 ID:XJL2d5NH
今日姉ちゃんに大嫌いだって言ってやったぜ
姉ちゃん涙目だったなw


なぁこれでいいんだよな?妹。
言われたとおりにしたんだから早くご褒美くれよぉ、な?早くご褒美くれよぉ
444略語妹:2009/09/14(月) 00:52:00 ID:37hAWI/k
「さて、完成したCIWS使いますか。」
「何なんだその高性能機関砲のような単語は!分かりやすく説明しろ」
「調教イス私スペシャルの略だけど何か?あれ一つで拷問から性奴制作まで何でもこなせるわッッ!」
「よく分からんがヤバいことは分かった。じゃあな。」
「APC能力があるから逃げられないよ。」
「装甲車とかあんのかよ!」
「兄地点追跡能力の事よ」
「つまりストーキング技能って事かよ!」  
445名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 00:56:14 ID:nGufl28q
つまり、兄がどこに逃げてもストーキングする椅子?
ふと振り返ると電柱の陰で椅子がこちらの様子をうかがっていたり、
河の対岸にたたずんで?いたりするのか。
446名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 02:28:31 ID:JB0vCcQz
どんな所に行くにも、けなげについてきたり、
コンビニで買い物してる時には、表で待ってたりしている。
たまに腰掛けてやると、よろこぶようになり、そのうち情が移る。
447名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 02:30:46 ID:lYri4wbY
最近キモ姉分が足りなくて発狂しそう
448名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 05:06:23 ID:p1IShULN
またお兄ちゃんってば、変なスレ見てる!
もうっ、お兄ちゃんの見るスレはこっちでしょ?
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1230646963/
(いもうと大好きスレ)

お兄ちゃんを大好きな可愛い妹を
キモウト呼ばわりなんて全く失礼しちゃう!
まだ愛の躾けが足りてないのかしらね、お兄ちゃんってば……
449名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 07:28:56 ID:Uce6yIx1
>>448
キモウトの良さがわからないなんて……
450名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 10:45:10 ID:SzZrjEh4
キモウトの罠がわからないなんて・・・
451名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 11:51:49 ID:CazzWSx+
妹に騙されるとかねーよw
やっぱ姉だろ







これでいいんだよな?許してくれ
452名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 15:45:28 ID:zggoQtkT
>>386 GJ!
一部完…何と聞こえの良い言葉か!
世代交代を含めて六部構成で是非お願いします
453名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 16:04:09 ID:gGeEURFJ
『聖なる夜』にアルファベット1つ加えると『聖なる騎士』になるように、
『妹(imouto)』にアルファベット1つ(k)を加えるだけでかわいい妹が途端に気持ち悪くうわ何をするやめアッー!



イモウト サイコー
イモウト ハ オレノ ヨメ
454名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 17:58:14 ID:nBtD8qQB
オレサマオマエマルカジリ
455名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 19:06:27 ID:+w5Dm+tW
コンゴトモヨロシク オニーチャン
456名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 19:18:36 ID:AD6yJWnT

むらむら むらむら イモウトーきた
かわいいかおなんで おかし
うまかっ です。
457名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 19:21:52 ID:DKzAsmhD
>>446
裏切り者の椅子をキモウトが粛正しそうだ…
458名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 22:20:15 ID:JZTzdHZb
妹「オンドゥルルラギッタンディスカーッ!」
459名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 01:40:24 ID:SpNwjPpE
めざましごはんのCMからキモウトを感じる
460名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 02:58:07 ID:n9nziVM7
ついに「死ね」だけ言ってる荒らしすらこなくなったな。末期だ
461名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 03:43:22 ID:7PamtwZg
>>459
お兄ちゃん、お兄ちゃんってしつこいよな
462名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 04:09:10 ID:UZxZW6EQ
なら姉さん、姉さんって言えと
463名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 08:31:15 ID:05Q7X9fw
てゆうか最近どこのスレも投下少ないよな
464名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 14:02:11 ID:4QXHPYFJ
サブプライムだな!
465名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 16:57:37 ID:dgHEbR7R
>>464
「お兄ちゃん知ってる? アメリカの住宅ローンってノンリコースローンっ
て言って、お金を返せなくなったら、買った家を返せば借金帳消しなの。
最近、アメリカの住宅価格が下がってるでしょ。
それで家の価値よりも借金のほうが大きくなっちゃってるから、お金返す
のをやめて家を処分しちゃう人たちが多くなるんだって。
当たり前よね、値うちの下がった「家」のために苦労するなんてばかげて
るものね。

ところでお兄ちゃん、最近あの人とうまくいってないんだって?」
466名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 18:12:34 ID:kteHVRhF
>>463
大学生も夏休みは終わりだからな
冬まではずっとこんな調子だろ


え?俺?いやぁ生憎姉妹はいないものでね
467名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 18:20:45 ID:Kd3D7a/a
つか、別に投下は少なくないと思うが
468名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 20:29:22 ID:IZhj7HsT
>>464
ああ、この不況は兄貴の勤め先を潰すためだったのね。
で、自分は株を空売りした金で兄弟を囲ってウハウハ。
469名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 20:31:19 ID:ZXWIfaQg
だから俺も新しいバイト先見つからないのか…
怖いから家出ようと思う
田舎に逃げればなんとかなるだろ…
470名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 20:42:46 ID:d6AiBlf2
田舎に逃げるのは逆に危ない
人が少ないから人目に着かない場所も多いし
人々の繋がりが強い分、悪い噂でも流されたら簡単に孤立するし
471名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 21:25:47 ID:aUeny0YZ
家から、正確には妹から逃げるように移り住んだ黄網戸村。
最後の秘境、陸の孤島と呼ばれる山村の空き家を借りた俺が
この村の驚くべき実体を知ったのは、引っ越しから数日後のことだった。

なんとこの村は全体が個人の私有地だという。持ち主は何でもサブプライムショックの
時に株の空売りで大儲けした投資家だそうで…ん?どこかで聞いた話だな。
待てよ、この村の持ち主が俺の想像している人物だとしたら…この家を借りる契約を
(当然ながら)俺は本名でしてしまっている!
荷物をまとめる暇も惜しんで戸口から飛び出した俺の視界に、嫌と言うほど見覚えのある
人影がやってくる光景が… 
472名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 21:28:19 ID:ZXWIfaQg
こうなったら国外逃亡しか…
473名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 21:52:37 ID:Y4/I5dbu
でも奴ら、国外逃亡したとしても忘れた頃に目の前に現れそうで、怖いよなw
474名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 22:02:39 ID:UZxZW6EQ
私たち以外にだーれもいなーい
これでー、もうずっといっしょだねー

がたがたふるえていたものの、妹があまりにも嬉しそうで無邪気にはしゃぐのを見て、
それもいいかもな、と少しだけ考えてしまう兄なのだった。

ここがー私たちの家ー
こっちがー私たちの長男と長女の家ー
んでここがー……

ああ、海がきれいだ。
475名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 22:23:21 ID:15YUJyAu
中国のド田舎行けばヨロシ
あの国でかすぎて絶対見つかりっこないアルネ
476名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 22:26:42 ID:KUpzvoa3
残念!そこは兄妹・姉弟夫婦が当たり前な地域だった!!
477名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 22:34:49 ID:vf1g4+Wl
中国の山奥の農村ってやっぱり兄妹の近親婚とか普通なんだろうか?
田舎だと村のなか全体的に血が近いとか言うしな
478名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 22:54:54 ID:L8SV7/3F
結婚するなら村の内、ってやつか。
479名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 23:05:39 ID:USBgkohM
身内は、ビフテキの味って奴か
480名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 23:07:40 ID:vf1g4+Wl
>>479
従姉妹でさえ鴨の味だもんな、兄妹でならやみつきになっても仕方ない
481名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 00:34:13 ID:rCdRuWAm
つまりやみつきになり過ぎて日常生活に支障をきたすから近親婚は禁止だと
482名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 00:37:12 ID:51+rXwqD
>>477
いくらなんでも、普通にはないだろうよ
兄妹/姉弟で夫婦生活するなら、わざわざ中国奥地に行かずとも、
日本の限界集落に潜伏すればいいような気がする
兄・弟は土蔵にしばらく監禁して洗脳でOK
483名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 12:06:57 ID:NV1/4R4J
やっぱり、どこに逃げても、結果は同じか…ハァ
484名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 12:22:30 ID:Cku8pRIL
>>477
すくなくとも南中国(といっても、文化人類学者が調査に入れたのは香港の田舎だけど)では
儒教ルールでその辺日本の田舎よりも厳しい。嫁探しは同じ定期市に通う村どうしでやってたみたい。

その割に、江南の都会が舞台で、周囲に嫁候補は腐るほど居るはずの紅楼夢には
従姉妹ヒロインだらけなんだが……現実が厳しいとフィクションでその属性があふれかえるのかも。

>>482
その調子で30年経つと過去作のキモ姉妹パラダイス村に……。
ttp://www7.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/440.html
485名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 15:03:00 ID:By/uGl+Z
>>482
従姉妹ネタは、当時としては超インモラル路線だったのかな?
あと、中国の場合父方の親戚はチェック厳しくても母方は甘いかも。
486名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 15:27:04 ID:vvnaSHTy
>>485
余り関係ないけど従姉妹ネタなら、
アラビアの世界ではいとこは男が拒否しない限り事実上の婚約状態らしい。
だからその時代の物語とかで従姉妹が他の男とくっつくのは
従兄弟にとってとても屈辱で、伏線になってる事も多い。
「アラビアの夜の種族」という本に書いてあった。本当かは知らない。
487名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 16:41:44 ID:yUQkrdl9
>>485
中国とか韓国でやってる儒教ベースの「これこれの間柄の女と結婚しちゃいけない」は血の近さがどうこうというより
相続の順番とか一族の中での上下関係を乱さないためのルールだから

ちなみにヨーロッパの場合は基本的にどこまでの間柄と結婚していいかローマ法王庁が決めてたんだが
これが時代によって「いまこの王族と王族がくっつくと嫌だからイトコどうしは結婚しちゃダメなことにしよう」とか
逆に政治的な思惑で「姪っ子と結婚していいよ」ってことにしたりとか、けっこういいかげん
488名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 17:00:34 ID:4jowZRMN
うむ エジプト王朝最強
489名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 20:21:39 ID:tkn1HN7k
>>487
キモ姉妹が兄弟との結婚をOKにしようする訳ですね
490名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 20:35:25 ID:V8kiBDPR
>>459
あれ兄が職場で女性に声を掛けられてびびるところまで妹の計算通りなんだぜ
たぶん
491名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 21:42:54 ID:bxhzzA9Z
両親が兄弟なら子供は法的にはいとこになるんだよな
492名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 22:17:10 ID:RamPMakh
>>491
状況が見えない。
「姉と弟の間に男の子(太郎くん)と女の子(花子ちゃん)が一人ずつ生まれました」というケースで
どうなるかグーグル先生に聞いてみた。

1 兄弟間で生まれた子供であると素直に届け出る場合、あるいは父親を明かさず届け出る場合
 この場合は太郎くんと花子ちゃんは、法的に兄妹です。ただし、当然ながらご両親は法的に婚姻できませんから
 お母さんの非嫡出児ということになります。父親が認知できるかは検索では解りませんでした。

2 太郎か花子のどちらか、あるいは両方を捨て子か何かと偽って、養子縁組で親子関係を作った場合
 例えば二人ともお母さんの養子、あるいは片方が実子で片方が養子という形を取れば、法的には兄妹です。
 ただし、この場合戸籍上太郎くんと花子ちゃんは互いに「養子と養方の傍系親族」ですから、真実がばれなければ結婚できます。
 太郎くんがお父さんの、花子ちゃんがお母さんの養子になれば、二人の関係は戸籍上「いとこ」です。

3 お姉さんが人妻である場合(もちろん夫は弟とは別人。人妻が弟と不倫して子供が出来たケースですね)
 この場合、夫が事実に気付いて親子関係不存在確認の訴訟を起こさない限り、太郎くんと花子ちゃんは
 姉夫妻の子供と見なされます(民法772条)。この場合、太郎くんと花子ちゃんは法的にも実の姉弟ですから
 結婚は出来ません。

大体こんな物でよろしいでしょうか?
 

493名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 22:46:36 ID:SyJWkuI/
母親のわからない子供なんてありえないんだもんなあ
太郎君を姉の子、花子ちゃんを弟の子、とはできないんだよなあ
494名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 22:47:09 ID:8jM7S+6e
めざましごはんのCMを見たが、これはナイスキモウト・・・
495名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 22:48:37 ID:4jowZRMN
母親の分からない子供ってのは、出生届を出さないか偽造して、父親が認知した時のみとなるのか
496名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 23:09:07 ID:EJK51Ekk
俺もCM見たぜ

制作者は妹好きなんか?w
497名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 23:13:34 ID:4jowZRMN
これか
http://www.youtube.com/watch?v=DmVE3fv3pcM&feature=channel

これは確かにキメエwwwwwwwww
498名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 23:18:43 ID:3yPDo1sJ
PCが壊れてからお気に入りも消え2428の存在を長い間忘れていたわけだが
そういえば!と思い出して見に行ってきたけど他の奴を更新してるせいか全然進んでなかったorz
アレももうちょっと兄妹間の関係ではっちゃけて欲しいなあ
499名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 23:36:40 ID:BuxocMSZ
レス見て久しぶりに見てきたが
キモウトとは違うけど可愛すぎるぞこの妹
500名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 23:36:41 ID:vfMFKkEr
>>497
これは………たしかにwwww
501名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 00:48:00 ID:g1EnoYK4
保守…しなくても活気あるけど保守ネタ


……ん。あ、もう朝なんだ。
にゅふ、お兄ちゃんぐっすり眠ってるね。可愛い。
………にゅふ、にゅふふ、にゅふふふふふふふふふふふふふ………どうしよう、嬉しくて嬉しすぎてニヤニヤが止まらないよぅ。
やっと…やっとお兄ちゃんと一つになれたんだ。ずっとずっと大好きだったお兄ちゃんと。夢じゃないんだよね? 現実なんだよね?
にゅふふふふふふふ…


昨日の深夜

はぁ〜、どうやったらお兄ちゃんと一つになれるのかな〜? 私は血の繋がった妹だしお兄ちゃんが私を好きじゃないと、兄妹で恋人同士なんて夢のまた夢なんだよね〜。
あ〜あ、なんで日本なんかで生まれたんだろ? 近親婚がOKな国に生まれたかったな〜。そうすればアタックに次ぐアタックでお兄ちゃんを堕とす自身があるのに。
今の私が迫ったってただ単に妹が甘えてるくらいにしか思われてないよね…。
いっそのことお兄ちゃんをどっかに監禁して、しっぽりぬっぽりグッチョリと背徳と愛欲と快楽に塗れた性活を一ヶ月ほど送れば、
月のお迎えさんとばっちり鉢合わせちゃってお兄ちゃんとの愛の結晶を宿すことが出来ちゃったりなんかしちゃったりぐへへへへ……ってそうじゃなくって! 
はぁ〜、ほんとにどうしよ? やっぱり監禁するしかないのかな〜?


コンコン

兄「和葉、起きてるか? ちょっと話があるんだが…」

はぅ!!? お、お兄ちゃん!? こんな時間にどうしたの!? いつもは11時過ぎには寝ちゃってるはずなのに…。
あ、もしかして溜まってるからヌイて欲しかったりとか? にゅふふ、それだったら10回でも20回でもお兄ちゃんの気が済むまでしてあげるよ。
お兄ちゃんの精子タンク私の上と下のお口で空っぽにしてあ・げ・る♪

「あ、うん起きてるよ。どうぞ〜」
「うん、失礼するよ」

ガチャ

「ごめんな。こんな夜遅くに」
「ううん、いいよ。まだ眠たくなかったし。適当にその辺座ってくれていいよ」
「ああ、ありがとう」

う〜、やっぱりお兄ちゃん格好いいよ〜。
クラスの皆はお兄ちゃんより、お兄ちゃんのお友達の斉木っていう人のほうがカッコいいって言うけど、お兄ちゃんに比べたらあんなの芋だよ芋。芋虫だよ。皆見る目無さすぎだよ全く。
…それよりお兄ちゃんどうしたんだろ? 

「…で、お話って?」
「ああ、うん。そのことなんだが…」

……? なんか言いにくそうにしてるけど…も、も、も、もしかして本当にぬ、抜いて欲しいとか言われるんじゃ…!
502名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 00:50:02 ID:g1EnoYK4
「じ、実はな、兄としては非常に情けない話なんだが…その、女の人がどう告白されたら嬉しいか教えて欲しいんだ」
「………………え?」

………何…それ?

「どういう…こと?」
「ああ、実は部活の後輩に告白しようと思っててな。その子、前々から俺の事を慕ってくれててついこの間その子に告白されたんだ。
でも、男としてはやはりこっちから告白しなきゃ格好がつかないだろ? だから次遊びに誘って、その時にこっちから告白し直そうと思ってるわけなんだ」
「…………ふ〜ん」

「でも何分、初めてのことだからどうしていいか分からなくてな。和葉はその子と年も一緒だし、何かいいアドバイスをくれるんじゃないかと思って相談しに来たんだが…どうだ? 何かいい案はないか?」
「…………それって…いつ?」
「うん? 告白か? いや、まだ何も決まってないからすぐにというわけじゃないよ。でも、早めに告白したいと思ってる。いつまでも待たせちゃ悪いしな」

「………そう。でも、そんなに焦らなくてもいいんじゃないかな。女の人なんてその子だけじゃないんだし…お兄ちゃんにはもっと他に……相応しい人が…」
「おいおい何言ってるんだよ。その子のことが気になってるから告白するんじゃないか。他にってどういうことだ?」
「………でもさ…気になってるってだけで好きじゃないんだよね? そんなのその子に…失礼だと思うよ?」
「いや、好きじゃないなんて言ってないだろ? 気になってるっていうのはあれだ。まぁ、好きだってことだ」

「………………ふ〜ん。好き……なんだ」
「あ、ああ。恥ずかしいからあんま言わせるな。…ってどうしたんだ和葉? なんか様子が…どっか具合悪いのか?」
「……ううん。大丈夫だよ。…ごめん。ちょっと思いつかないや」
「そ、そうか。まぁ、なにか思いついたらでいいから教えてくれ」
「…………うん。分かった」

「それじゃあ、おやすみ和葉」
「うん。おやすみお兄ちゃん」

バタン

「………そっか。そんな泥棒猫がいたなんて…知らなかったな」
「でもね…お兄ちゃんは誰にもあげないよ。ずっとず−っと和葉のものなんだから…」

…そうだよ。お兄ちゃんは私のものなんだから。そんなどこの腐れビッチともしれないアバズレなんかにお兄ちゃんを渡したら、きっとお兄ちゃんが不幸になるに決まってる。お兄ちゃんを幸せに出来るのは私だけだもん。
ふふっ、そうだよ。そうに決まってるよ。救わないと、お兄ちゃんを。もう手段なんて選んでられないよ。
…あ、そういえば確かお母さんのお部屋に睡眠薬が置いてあったはず。あれを使えば…

「にゅふふっ、待っててねお兄ちゃん。もうすぐ和葉のものにしてあげるからね…」

お兄ちゃんは絶対に誰にも渡さない…
503名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 01:40:56 ID:oxvjbXgR
え、あの……続きは?
ひょっとして、終わり?
504名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 02:50:44 ID:1sTOY6TK
わっふるわっふる
505名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 18:13:25 ID:g1EnoYK4
>>503>>504
ごめん。続き考えてなかった。
思いついたら書いてみるよ。
1

 車輪が回る。

 カラカラカラカラ。

 車椅子を押して、毎日、毎日、同じ道を、毎日、毎日、散歩する。
 病院の中庭。ここでは車輪の音だけが唯一で、後は二人の呼吸音。
 辺りに人の気配は無く、すっかり秋色に染まった風景だけが、この空間全体を芸術品に仕上げていた。
 見上げれば一面の紅葉、見渡せば一面のススキ畑。そして見下ろせば、風になびく長い赤髪。
 そう、間違いも無く、妹の示堂 光(しどう ひかる)は、アーティファクトの中へと溶け込んでいるのだ。
 事故で足が不自由になり、痩せ細って肌は雪の様に白く、髪の色素まで薄くなって。
 でも、それでも、俺はコイツが綺麗だと思う。家族として、兄として、他の誰よりも大切な妹。
「ねぇ、おにいっ……ボクの世話がイヤになったら言ってね? 首、絞められても文句なんてないからさ」
 二ヶ月前、親父の車が事故にあった。相手側の飲酒運転による衝突事故で、親父と母があっさりと他界。
 奇跡的に助かったヒカルも、衝突のショックで足に障害が残った。
 ただ一人、俺だけが二度寝して買い物に付き合わなかった、からっ……
「はっ、バーカ! たった一人の家族だぞ? んな事しねーよ。それよりもリハビリ頑張れ、早く学校に復帰して、彼氏……作るんだろ?」
 リハビリと言っても言葉だけ。実際は麻痺だ、足はまず治らないと宣告されている。
 だから、これから先一生涯、車椅子を押すだけの生活でも、それは俺の罰。
 俺がめんどくさがらず起きて、一分、三十秒でも出発を遅らせられたなら、きっと今でも家族四人で暮らしてた筈なのだから、どんな罰でも喜んで受けよう。

 全ては、たった一人の家族への懺悔。
 ハンデを背負う事になった、妹への懺悔。

 
2

 車輪が回る。

 カラカラカラカラ。

 病室へ戻る為に回る。
 車椅子にパジャマ姿の妹を乗せて、平らなアスファルトをカラカラカラカラ。
「あっ、そう言えばさっ♪ あにいっ、エフエフって知ってる?」
 ヒカルの視線は前に向けられたまま、声だけは俺に向けられて楽しそうに弾む。
「んっ、ゲームか? 名前なら知ってるぞ?」
 エフエフ……FF。日本人なら、知識の大小はともかく、殆どが俺と同じ連想をするだろう。
 つまりはファイナルファンタジー、ゲームだ。
「ふーん、じゃあさ? ドラクエでも良いや、回復魔法を唱えてみて? ボク、あにぃは魔法使いだと思うんだよね」
 変わらず視線は前に向けられて、恐らく俺は驚いた顔でヒカルの後頭部を見てる。
 もちろん魔法使いじゃないからだ。そう思わせる素振りすらした覚えは無い。
 なら、何かのジョークか? ボケか? 最悪は、脳に障害が有ったとか?
 深呼吸して、冷静に、冷静に。単語を一つ一つチョイスして、冷静な台詞……を装う。
「残念ながら、俺は魔法使いじゃないぞ? んなもん使えたら、すぐに家族を四人に……」

 装おうとして、

「いいからっ!! あにぃはボクの言われた通りにすればいいのっ!!!」
 即座に遮られた。それも信じられないぐらいの大声。
 どうしたっつーんだ? 取り敢えずは、ヒカルの回答を待つのが正解だな。

「はあっ、わかったよ。ゴホン……ホイミっ!! さぁ、これっ!? で……まん、ぞ、く……」

 遮られる。俺の言葉は二度までも。
 ホイミ、そう言った瞬間、ヒカルは顔を上げ、互いの視線を交差させて微笑んだ。
 口元を吊り上げて、目を三日月の形に細めて輝かせ。
「あは、はははっ♪♪ あにぃ最高っ♪ あにぃアイシテルぅっ♪♪ くふっ、あはははははははははははっ!!!」
 
3

 車輪が回る。

 カラカラカラカラ。

 車輪は止まる。

 ギギィギギィギギ。

 止めたのはヒカル。それも直接ホイールを素手で掴んで。
「ほぅら、この通り……あにぃの魔法でスッカリ治っちゃった♪」
 赤い、髪が、揺れる。
 ヒカルは簡単には立ち上がると、その場でクルクルと回転して見せた。
「たっけこっぷたぁ〜っ♪♪」
 楽しそうに手を広げクルクルクルクル。車輪の代わりに回り続ける。
 俺の身体は固まったまま。搭乗者の居ない車椅子を掴み、声さえ吐き出せずに突っ立つだけ。
「いや〜、あにぃゴメンね? 今月コナイからさ、もう嘘はヤメにするよ」

 うそ、ウソ、嘘……
 コナイって、何の事だ?

「ふぇっ? コナイって言ったらアレしかないじゃない? 女の子のボクが 今月は コナイ って言ってるんだよ?」

 コナイ、こない、来ない……
 先月は、来た。

「セ、イ、リっ♪ せいりだよ生理っ♪♪ あにぃでも、わかるよね? すぐに、家族が四人に戻るよ」

 こんな障害持ちのメンドクサイ女、誰も好きになってくれない。
 処女のまま死にたくないから、あにぃ、ボクの処女をもらって。
 一月も前にそう泣き付かれ、俺は病院のベッドでヒカルを抱いた。これも罰だと思って……でもっ! しっかりゴムは付けた! 避妊は完璧だった!!
 
「アナ、空けるのなんて簡単じゃん♪ それに、ねっ? あにぃ勘違いしてるようだけど、ボク……最初からケガなんてしてないよ?」

 俺は……
 妹は……
 なにをしたんだ?

「両親の保険金って幾らか知ってる? 億だよ億っ!! だからそれでね……病院の関係者に口裏合わせてもらってね……あにぃを、騙してたの」

 振り返れば、事故の現場を直接見た訳じゃない。
 妹に付きっきりで、医師から口頭で教えられただけ。

「天罰だよ。ボクを女子寮に入れるなんて言うから、あにぃと引き離そうとするから、神様が……ブレーキコードを切ってくれたんだよっ♪」

 おれは、どうしたらいいんだ!?

「こーして退院できるし、彼氏もできたし、家族も四人に増えるし……ぜーんぶ、元通りだね? 大好きだよっ、あ、に、ぃ」




おわり
509名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 19:37:29 ID:43++NKIY
おしまい。
原点に帰って、ごく普通のキモウト話し。
510名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 19:55:49 ID:D3QTRjHf
>>509
GJ!!!!
原点回帰もいいなw
511名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 19:57:39 ID:pQoM0r98
GJ
久しぶりに普通のキモウトだな
512名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 20:19:57 ID:9dzc9tbr
原点回帰GJ!
これを普通と言い切っていいのかどうかは置いておくとして、
俺もこんなキモウトが欲しい!
513名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 20:22:12 ID:D5E+ossT
うかつに逆らうと巨大ロボットに踏みつぶされそうなキモウトだな。
514名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 20:28:50 ID:DMTdr83Q
他二人も危なそう…って妹キャラはこいつだけかw
515名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 20:34:45 ID:6cPCtg1O
>>511
GJなのは同意するけど、キモウトが「普通」って、いかれてる。
516名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 21:00:42 ID:pQoM0r98
>>515
それは自分で書いていて思ったw
保管庫で作品を読み漁ってたらこうなっていた、後悔はしていない。
517名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 21:04:57 ID:qIv/fKYs
元ネタではどちらかというと、兄たちのほうがキモ兄なんだよな。

>>514
風は妹だったかな…と思って調べたら、残念ながらいるのは姉だった。
518名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 02:11:45 ID:JaVWZnYP
>>509
GJさすがキモウト一味ちがう


最近キモ姉作品が少なくて寂しいんだが…ハッこれは洗脳か…?
519名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 08:13:28 ID:E6IH0iQJ
ところで、リアル妹or姉がいるのにこのスレみてる男がいるのはわかったけど、リアル兄or弟がいるのにこのスレ見てる女っている?

とりあえず俺 ノシ
520名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 12:17:44 ID:BzFQ8HHB
一瞬ゆっくりAA貼り付けてやろうかと思ったけれど
そういや今あのAAは歓迎を表す意味のAAに変わっちゃったんだっけ
521名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 14:25:14 ID:5AE48Lqg
>>519 の兄か弟に生まれたかったぜ
もちろんお約束として命がけで逃げ回るけどな
「姉ちゃんキモすぎるんだよ!」
と罵声を浴びせて地雷を踏みつつ
522名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 14:35:05 ID:2ioIlGSa
>>519
俺女か
523名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 14:35:21 ID:r4/USl4h
>>521
おまいの後ろにいるのは誰だ?ひょっとしていm
524519:2009/09/18(金) 15:10:54 ID:E6IH0iQJ
>>522
2ちゃんのときだけ一人称『俺』。そのほうが自然だから。
ちなみに4つ上の兄(既婚)がいる。
俺は別にキモウトではないがキモスレが好きで見てる
525名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 16:20:59 ID:5i8GRel7
それじゃ俺も女でいいや
526名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 16:36:27 ID:oeS3+rms
つまらん点呼でスレ埋めないでくれる?
527名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 16:45:26 ID:aH/P+lEJ
>>524
おっさん無理すんな
528 ◆6AvI.Mne7c :2009/09/18(金) 17:39:36 ID:08ytKLl7
>>509
短いながらも原点回帰、最高ですぜGJ!

ちょっと前のレスで話題に出たので、とりあえず書いてみた短編を投下。
タイトルは「キモートコントロール」。兄妹もので大体18.3KBくらい。
前半は1レスごとに視点変更するので注意。

次レスより投下開始。6レスほど借ります。投下終了宣言あり。
529キモートコントロール (1/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/18(金) 17:41:33 ID:08ytKLl7
 
「い゛っ……! ぐぅ……!?」
 アパートの部屋で唯一、月明かりの差し込む寝室のベッドの上で。
 俺の身体の下で、妹の操(みさお)が半裸で、よがり続けている。
 齢不相応の大きめなバストを零し、下半身は何も穿いちゃいない。
「ほらっ! ほらほらイっちゃえよっ! 喘げ喘げ狂えっ!?」
 俺はそんな操の上に覆いかぶさって、遠慮なく陰茎をぶち込んでやる。
 腰を動かして抜き差しするたびに、操の穴から愛液が溢れ出してくる。
「兄ちゃ……っ、もうや、やめ……」
「あっははははっ! やめるわけ――やめられるわけないだろっ!?
 おまえの身体、こんなにも気持ちいいんだぜ? もう最高だよ!!」
 嫌がっている実の妹を押し倒して、無理やり性行為を迫って生中出し。
 もう最初の夜から2週間以上、毎晩こんな背徳の宴を繰り広げている。 
 
「うっ、ふおぉっ!? そ、そろそろ出るぞ……!」
「ひゃぁ……、ナカは、膣内はらめぇ……」
 嫌がるそぶりをみせる操。けれどその言葉とは裏腹に、操の身体は反応する。
「うっ……、ははっ! 散々ぎゅうぎゅう搾っといて、何言ってんだよ?
 ほらほら、大好きな兄ちゃんの濃厚精子、ちゃんとナカで受け取れよ?」
 そう言いながら、操の耳元に近づいて、ダメ押しの一言をかけてやる。
「――そんでもって、妊娠して俺の子でも孕んだら、嬉しいかもな……?」
「――!?」
 俺の最後の言葉に反応して、操の膣内が一番きつい状態まで締まってくる。
「んぐあぁ!? きゅ、急に締まって、絡みつく……!?」
「いひゃ……、らめなの、らめなのにひいいぃぃぃぃ!?」
 当然そんな反応に耐えられるわけもなく、また耐える道理もない。
 俺は操に求められるままに――妹の膣内に、大量に射精した。
「あ、あ、あちゅいぃぃ!? にいひゃんせ〜へき、いっぴゃ……あぁ!?」
「くぅ……!? はっ、ほらほら操っ!? 腹いっぱい飲めよ!!」
「ふ、うぅん! にいひゃんせ〜へきごきゅごきゅして、ころもはらんじゃうぅ!?」
「ははっ、いいよ孕んじまえっ!? 大好きだぞ操ぉ♪」
 なおも搾り取ろうとする操の身体を抱き寄せて、ぎゅっと強く抱きしめてやった。
 
 ようやく全部射精し終わったので、操の膣から俺の陰茎をぬるりと抜き取る。
 それと同時に、今夜出した精液の半分くらいが、操の膣口から溢れだした。
 そんな光景をニヤニヤと眺めてやると、操はますます顔を赤らめて恥じらう。
 まったく、何度抱いてやっても、この初々しさはたまらない。飽きが来ない。
「ははっ、相変わらず、おまえの身体は最高に気持ちがいいよ。
 また明日もたっぷりと犯してやるから、楽しみにしていろよ?」
 そう言いながら、操の唇に少々乱暴に口づけをする。
 最初は身をよじっていた操も、結局俺のなすがままにされる。
 我が妹ながら、こういうところが可愛らしくて、つい苛めたくなるんだよ。
「それじゃあ、またいつものように、朝にでも起こしてくれよ?」
 その言葉を最後に、俺は操の身体を抱きしめたまま、眠りに落ちた。
 最後に「良い夢を見てね」と、操に囁かれたような気がした。
530キモートコントロール (2/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/18(金) 17:43:16 ID:08ytKLl7
 
 ― ※ ― ※ ― ※ ― ※ ―
 
 私の頭の上あたりで、兄ちゃんの規則正しい寝息が聞こえてくる。
 どうやら、完全に意識を手放して、眠りこけているみたい。
「亮(とおる)兄ちゃん、今夜もいっぱい、お疲れ様♪
 それじゃあ私も、いろいろな証拠隠滅、今夜もがんばらないと」
 とりあえず兄ちゃんの腕の隙間から抜け出して、後始末を始めよう。
 まずは2人分の体液で濡れたシーツ。それから強引に剥ぎ取られた下着類。
 そして今も兄ちゃんの陰茎と、私の膣からこぼれおちる――精液。
「えへへっ♪ こぼれて床に落ちちゃった。もったいないなぁ〜?」
 ずじゅるる――とはしたない音を立てて、床から精液を啜り取る。
 それだけで私の頭の中がオカシクなって、また絶頂に――♪
 
 到達、気絶。再起動、復帰。作業再開。
 
「――さてと、こんなもんでいいかな?」
 とりあえず私たちの性交の痕跡は、これであらかた片付いた。
 時計を見るともうすぐ6時半。そろそろ学校に行く時間だ。
 最近片づけの手際に反比例して、片づけの時間が長くなってきた。
 今日も途中でイっちゃって、兄ちゃんの横で4時間くらい気絶しちゃったし。
「……ん〜、むぅ〜……」
 おっといけない。そろそろ兄ちゃんが目を覚ますみたいだ。
 急いでお布団の中に潜り込まないと、いろいろばれちゃう。
「……う〜、おはよう操〜」
「あ、おはよう兄ちゃん♪」
 目を覚ました兄ちゃんが、寝ぼけ眼で私におはようって言ってくれた。
 夜中の鬼畜ぶりとは正反対の、どこかヌけていて優しい兄ちゃんだ。
「で、なんで俺はおまえの真横っつーか一緒の布団で寝てるんだよ?」
「ああもう、兄ちゃんってばまた寝ぼけて、私の部屋に来たんだよ?
 しかも遠慮なく布団に忍び込んで、私を抱きしめて眠るんだもの。
 なんだか怒るのも馬鹿馬鹿しくなって、一緒に寝てあげてたのよ?」
 まあ本当は、抱きしめる以上の禁断の行為が、繰り広げられてたけどね。
 でもそれを、今の兄ちゃんは覚えていない――思い出せやしない。
 
 だって、思いだしたら兄ちゃん、また壊れちゃうもん、ね?
 
「ああそっか。悪いな操、毎晩寝ぼけておまえに迷惑かけちゃってさ?」
「なぁに水臭いこと言ってんのよ? 私たちは兄妹なんだから。
 ちょっとくらい迷惑かけられても、兄ちゃんならオッケーだよ♪」
 兄ちゃんの腰に両腕を回して、軽く抱きつきながら、頬にキスをする。
 そんな私の行動に少しだけ身体を震わせ――怯えながら。
 それでも兄ちゃんは、私を愛おしそうに抱きしめてくれた。
「さあ、じゃあそろそろ起きて、朝ごはんでも食べないとな?」
「そうだね♪ じゃあ兄ちゃん、また私がピアスをつけたげる♪」
 そう言いながら、私は兄ちゃんの正面20センチ前に陣取る。
 そしていつものようにピアスを拾って、兄ちゃんの耳を弄る。
 これは私が10日前に、兄ちゃんにプレゼントしたお手製のピアスだ。
「またそのピアスか〜? 確かに好きなデザインだけど、たまには別の――」
「ダメだよっ! 妹のプレゼントなんだから、いつも身につけなさいよ!?」
 これをつけてくれていないと、私はちっとも安心できないんだからね?
「はいはい、もう俺は観念しましたよ〜っと」
「ほら、じっとしてて――よしできたっ♪」
 兄ちゃんの耳に着けたピアスを眺めて、私は満足に微笑んだ。
「じゃあ兄ちゃん、早く着替えてご飯食べて、学校行こ?」
「ああもう、そんな急かさないでくれよ〜」
 いつもどおりにじゃれあいながら、私たちはご飯を食べて、学校に行った。
531キモートコントロール (3/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/18(金) 17:45:02 ID:08ytKLl7
 
 ― ※ ― ※ ― ※ ― ※ ―
  
「ふわああぁぁぁ……、やっと授業が終わったよ……」
 6限目が終了して、思わず大あくびをかいてしまった。
 なんだかここ2週間のあいだ、毎日クタクタでしょうがない。
 よくわからないけれど、ほんの少しだけ記憶が飛ぶような気がする。
 その間は、なにか圧倒的に気持ちいいことがあったような気もする。
 経験はないんだけど、性行為の直後みたいな気分というか……。
 でもそれも些細なことだし、気付いたらちゃんと布団で寝てる。
 ――まあ、毎回妹の布団で並んで寝ているのは、気になるけど。
 
「ん〜、やることもないし、そろそろ帰r」
「あ、あのね久沓(くとう)君っ! 今日これから、遊びませんかっ?」
 不意に自分の名前を呼ばれて、俺は緊張しながらも振り向いた。
 緊張するのはしょうがない。声からして相手は綾鳥(あやどり)さん――
 俺が4月からずっと片思いしていた、クラスメイトの女の子だからだ。
「えっと、綾鳥さん……。その、俺なんか誘ってくれて、ありがとう……」
 ああ俺、空気読めよ馬鹿野郎。うまい返しが思いつかない。
「あの、うん。むしろ、久沓君じゃないと、ダメっていうか……」
 うわ、めっちゃ嬉しい。俺の片思いが報われた、そんな気分だ。
 何故か心の片隅で、操のことが気にかかるけど、まずは返事を――
「あ、ああそれならよろk」
 
――パチィ……!
 
 答えようとした瞬間に、俺の左の耳元で、何かが弾ける音と感触を感じた。
 直後に俺を襲ったのは、一瞬の脱力感、頭痛と眩暈と軽い動悸。
 そしてその後には、とある夜の記憶と、それに対する欲求が蘇る。
 みさお――大事で愛おしい、俺の妹、操。あいつを、可愛がりたい。
 反比例するように、綾鳥さんに対する感情が、薄れてしまっていく。
 俺は何も考えずに、ただ思いつくだけの科白を、綾鳥さんに吐いた。
「……えっと。悪いんだけど、俺はもうウチに帰らなきゃならないんだ。
 毎日放課後は妹の操と、一緒に遊んでやるって約束があるんだ。
 だから悪いんだけど、もう俺のことを誘わないでくれたら、嬉しいかな?」
「え……?」
 目の前の綾鳥さんが、顔面蒼白になってこちらを見てくる。
 我ながら、好きだった女の子に対する態度じゃないな、とは思う。
 でもこれ以上、無駄に弁解する必要も義務もないし、まあいいか。
 そう思って席を立ち、呆然とする綾鳥さんの横をすり抜けようとして――
「ちょっと待ちなさいよ、久沓くん! あんた何よその態度は!?」
 やかましい声に振り向くと、クラスの委員長(名前忘れた)が仁王立ちしていた。
 この女は苦手だ。とにかくお節介で喧しい。
 どうせ今回の綾鳥さんのお誘いも、委員長の入れ知恵だろうし。
「なんで断ったのよ!? 黙ってないでなんか言いなさいよ!?
 あんただって、綾鳥さんの勇気とか気持ちとか、知ってたんでしょ!?」 
 ああそうだよ。言われなくても知ってたよそんなこと。
 でも俺には今、綾鳥さんよりも愛しい、妹がいるんだよ。
 だからもう、俺はあいつ以外の人間と、遊びたくないんだよ。
 
「うるっさいなあ。俺はあんたらと一緒に居ても楽しくないんだよ。
 とっとと帰って、妹と――操と一緒に、楽しく遊びたいんだよ。
 だからサヨナラ、だ。もう2度と話しかけないでくれよ?」
 そう言い捨てて、俺は鞄を掴んで、2人をすり抜ける。
 ふと後ろを見ると、2人はなおも、こちらを見つめていた。
 片方は「気持ち悪い、シスコン野郎」みたいな態度で睨んでくる。
 もう片方はどうしていいかわからず、ただおろおろと泣いている。
 まあ別に――どうでもよくはないけど――早くウチに帰ろう。
 そう思い直して、俺は鞄を抱えなおして、さっさと教室をあとにした。
532キモートコントロール (4/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/18(金) 17:46:34 ID:08ytKLl7
 
 ― ※ ― ※ ― ※ ― ※ ―
 
「ふぅ〜、危ない危ない。やっぱり油断しちゃいけないよね?
 私から兄ちゃんを掠め取ろうとする泥棒猫は、どこにでもいるもの。
 ちゃ〜んと私が毎日毎時間毎分毎秒、管理してあげないと、ね?」
 自室で1人でぼやきながら、私は耳元のピアスから手を離した。
 これは私と兄ちゃんがそれぞれ着けている、お揃いのアクセサリー。
 でもその正体は、私から兄ちゃんを一方的に支配できるアイテムだ。
 例えば、私の左耳のピアスは、兄ちゃんの右耳のピアスと繋がっている。
 兄ちゃんのピアスに仕掛けた盗聴器に対応した、受信機内蔵のピアスだ。
 例えば、私の右耳のピアスは、兄ちゃんの左耳のピアスと繋がっている。
 兄ちゃんのピアスに内蔵された、遠隔操作スタンショックのスイッチだ。
 これらのアイテムのおかげで、私は兄ちゃんと安心して離れられるんだ。
 私のいない所でも、兄ちゃんが泥棒猫に喰われないように、守れるんだ。
 
 
――過去回想。
 
 2週間前の夜、私は眠っていた兄ちゃんを、無理やりに犯した。
 だって兄ちゃんが、私の目の前で嬉しそうに、自慢するんだもん。
 なんか片思いしてた女の子が、自分に好意を持ってるって噂だけで。
 だからついイラッときて、衝動的に多少強引な手段に出ることにした。
 兄ちゃんはずっと私のものだし、兄ちゃんの妻の座は譲らないんだから。
 
 そう考えてからの行動は、我ながら迅速だったと思う。
 まあそれも当然で、もう何年も前から、今の状況を想定していたのだ。
 縛るのは可哀そうだからと、お手製の違法改造スタンガンを多用した。
 兄ちゃんが私から逃げようとするたびに、何度も何度もスパークさせた。
 兄ちゃんが私を説得しようとするたびに、何度も何度もスパークさせた。
 兄ちゃんを、私の身体の快楽と、電撃の恐怖で、逃げられなくしてやる。
 そのために、兄ちゃんの射精は全て、私の身体の中で受け止めた。
 ある時は口内で。ある時は膣内で。またある時は……お尻の穴(入口)で。
 射精を受けるたびに、快楽で気絶しそうになる自分の身体を、意思で繋ぎとめた。
 3回目の射精あたりで、兄ちゃんの瞳が光を映さなくなったけど、気にしなかった。
 とにかく無抵抗になるまで――堕ちるまで、犯して、犯して、犯しつくした。
 
 そんなことを繰り返して、兄ちゃんが15回くらい射精した辺りで、変化が起きた。
 突然今までされるがままだった兄ちゃんが、キレて私を逆に押し倒したのだ。
 一瞬の出来事で、私は全く対応がとれず、手元のスタンガンも奪い取られた。
「ひゃん……!? に、兄ちゃんどうしたの? 一体なんで急に――」
 私の顔しか映していない兄ちゃんの瞳を見たとき、私は半ば覚悟していた。
 兄ちゃんから、反撃とばかりにスタンガンを食らうことを。
 兄妹の縁を完全に切られて、兄ちゃんが私の前からいなくなることを。
 けれど、その次の兄ちゃんの行動は、私の想像とは全くかけ離れたものだった。
 兄ちゃんは私から奪い取ったスタンガンを放り投げ、私の耳元で囁いてきた。
「操、うるさいから黙ってろよ? 俺が今からおまえを、犯してやるからさ?」
 その言葉に唖然とする暇もなく、私は兄ちゃんから、全力で犯されてしまった。
 兄ちゃんからの攻めは乱暴で痛かったけど、それでも私は泣くほど嬉しかった。
「犯されるのは、なんか性に合わないし。おまえの気持ちはよくわかったからさ」
 行為が終わって眠る直前に、兄ちゃんがそんなことを言っていた気がする。
533キモートコントロール (5/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/18(金) 17:48:13 ID:08ytKLl7
 
 そして次の日の朝、兄ちゃんはなぜか、何も覚えていなかった。
 私にあれだけ犯されたことも、私をあれだけ犯したことも、全部忘れていた。
「あ、おはよう操。朝ごはん先に食べてるぞ」
 その瞳には、実の妹に犯された絶望も、実の妹を貪る狂気も、何もなかった。
 本当に普通に、昨夜の狂宴以前の兄ちゃんに、戻っていた。
「あ、うんわかった。私も……食べる……よ……」
 もちろん、私は納得がいかなかった。
 あれだけ私が、兄ちゃんの精神(こころ)に、傷をつけてあげたことも。
 あれだけ私が、兄ちゃんに耐えられない快楽の記憶を植えられたことも。
 目の前の兄ちゃんは、たかが現実から逃避したいために、忘却していた。
 妹にレイプされ――レイプし返した現実から、逃げ出したいがためにっ!
「許せないな〜……、我慢できないな〜……!」
 気付いた時には、思わず懐に忍ばせていた、例のスタンガンを握り締めて。
 兄ちゃんの後頭部――を少しずれて、左耳の裏辺りに、電撃を食らわせた。
 また気絶させて、今度こそ耐えられない精神の傷をつけてやるために。
 
 けれど、兄ちゃんの反応は、またしても私の予想を遥かに上回った。
 兄ちゃんはなぜかその場で倒れずに、踏みとどまったまま静止した。
 確かに咄嗟に使ったから、電撃の威力は弱以下のものだったけれど。
 そうして私が混乱した一瞬、突然兄ちゃんが振り返り、私を押し倒した。
 その力強さと瞳の色は、確かに昨日私を犯してきた兄ちゃんのものだった。
「――朝からとんでもない真似をしてくれたな。痛いじゃないか、操?
 ――まあいいさ。ムラムラしてきたし、またこれから遊んでやんよ?」
 そうして、私は本当に半日かけて、兄ちゃんに犯され尽くした。
 もう2人とも、学校に行くことも、なにもかも忘れていた。
 
 
 その後、私は自分なりにいろいろ試して、兄ちゃんの変質を分析した。
 どうやら兄ちゃんは、完全に最初の夜の記憶を、喪ってしまっていること。
 けれど電気ショックを受けた時だけ、一部の記憶が蘇るらしいこと。
 思い出すのは、兄ちゃんが自分から私を犯したことのみであること。
 そして兄ちゃんは、私を犯すこと自体に、何の躊躇もないらしいこと。
 その状態の間は、私以外の女に対しては、そっけなくなるらしいこと。
 その後1度眠るなどして意識を失えば、また元の兄ちゃんに戻ること。
 つまり、兄ちゃんは感電した時だけ、妹以外眼中にない鬼畜兄になるのだ。
 
 この調査結果を分析して、私は例のピアスを、兄ちゃんにプレゼントした。
 昔から盗聴器付きの装飾品を作っていた甲斐あって、なかなかの一品だ。
 兄ちゃんが私のピアスを着けている間は、兄ちゃんは私の掌の中だ。
 もし兄ちゃんがどこぞの泥棒猫に告白されたら、スイッチを入れればいい。
 もし兄ちゃんが腐れ売女の色香に惑わされたら、スイッチを入れればいい。
 もし私がどうしようもなく欲情した時にだって、スイッチを入れればいい。
 それだけで、兄ちゃんは私だけを見て、私だけを抱きしめ、犯してくれる。
 常にスイッチが必要だけど、私は兄ちゃんに愛されることができるんだ!
 
 我ながら、奇妙な兄妹関係になっちゃったなぁと、思わないでもない。
 それでも、私は今の関係に満足しているし、絶対に手放す気なんてない。
 なにより、私から兄ちゃんを犯すのじゃないから、僅かの罪悪感も湧かない。
 なにより、兄ちゃんから激しく求められることに、私の身体が反応している。
 どうも私は、自分から犯すより、相手に乱暴に犯されるほうが嬉しいらしい。
 それはそうだ。自分の愛する人から求められることほど、嬉しいことはない。
 無抵抗になった兄ちゃんを犯し続ける将来より、こっちのほうがよほどいい。
 とんだ偶然だったけど、そんな化学変化を起こした兄ちゃんに、感謝しよう。
534キモートコントロール (6/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/18(金) 17:49:59 ID:08ytKLl7
 
 そんなことを考えていたら、玄関の鍵が開けられる音が聞こえた。
 私はそれに気付いて、期待に濡れた下着のまま、玄関に出迎えに動く。
 我が家――アパートの部屋の鍵を持っているのは、私と兄ちゃんだけだ。
「ただいま〜♪ おまえの大好きな兄ちゃんが帰ってきたよ〜♪」
「ん、おかえりなさい兄ちゃ――はむぐっ!?」
 上機嫌の兄ちゃんが、扉を潜るなりいきなり私にキスをしてきた。
 当然舌を滑り込ませるサービス付き。私は抵抗せずに受けいれる。
 誰がみても明らかに、兄ちゃんは私に対して、発情している。
 どうやら今日も、スパークの効果は充分に発揮されたらしい。
 
「んぐ……、はぁ……っ! とりあえず前戯は、これくらいでいいか?」
「っは……! 兄ちゃん――あの、また今日も……『する』の?」
 数分間ほど私の口内を蹂躙した、兄ちゃんの舌が唇ごと離れた後。
 努めて平静な態度で、何気ない一般家庭の『いもうと』のフリをする私。
 けれど兄ちゃんは自重することなく、私を壁に押さえつけて迫ってきた。
「なあ聞いてくれよ、操? 俺は今、セックスしたくてしょうがないんだ。
 だからさ、今日もこれから、おまえを優しく乱暴に抱いてやるよ?
 これは決定事項で、おまえの返答なんてまったく興味はないからな?」
 その言葉を聞いただけで、私は全身で軽くイったような気がした。
「う、うん……。わかったよ、兄ちゃん……」
「ははは、いい子だな操は。じゃあ今日はご褒美に、お尻の穴を――」
 兄ちゃんから今日のプレイ予定を聞かされながら、下着に愛液が溜まるのを感じた。
 普段の優しい兄ちゃんも好きだけど、私を犯す時の乱暴な科白を吐く兄ちゃんも好きだ。
 もう私は兄ちゃん以外いらない。兄ちゃんを私から手放すことは、絶対にない。
「――で、繋がったままでお尻の穴を朝までいっぱい、弄ってやるよ。
 晩ご飯はいらないよな? 代わりに明日俺が、朝飯を作ってやるさ。
 だから今回は明日の朝まで、ぶっ通しで犯し犯されて楽しもうぜ?」 
「……うん、私はそれでいいよ、兄ちゃん……♪」
 どうせ明け方前に眠ってしまったら、兄ちゃんは約束を忘れちゃうだろうけど。
 それでも私は別に構わないし、何より平時の兄ちゃんにバレない工作は必要だ。
「じゃあ、そうと決まったら、早く寝室に行って楽しもうよ?」
「まったく、エロくて可愛い妹になったな、操ちゃん?」
 誰のせいかしら――なんて、面と向かって言ってやりたい。
 まあ、兄ちゃんのせいでもあり、私のせいでもあるけどね?
 
「ああそういえば。おまえに大事なことを言い忘れてたな、操」
 今日のエッチに期待を膨らませていたら、突然寝室の前で、兄ちゃんが立ち止った。
「……なぁに、兄ちゃん?」
 立ち止った兄ちゃんは、私を振り向かせて、とても真剣な瞳で言葉を紡いだ。
「……愛してるよ、操。だから一生、俺の傍に居てくれ」
「――!? う、あ、ありがとっ、亮兄ちゃん……!?」 
 感極まって、その場で涙を流す私。そんな私を、兄ちゃんは優しく抱きしめてくれた。
 その科白が、普段の兄ちゃんのものでも、壊れた兄ちゃんのものでも構わない。
「ああもう、泣くほどのことかよ操……」
 どんな歪んだ経緯があったって。例え明日には兄ちゃんが忘れていたって。
 その言葉が貰えただけで、私はいま、世界で一番の幸せ者だ!
「嬉しいもん。泣くに決まってるじゃない、亮にい――ううん、亮ちゃん……!」
 
――もう絶対に離さない。私だけの操り人形さん。私だけの愛しい亮ちゃん!
 
 
                 ― My finger-tip has your heart entirely in my future, too. ―
535 ◆6AvI.Mne7c :2009/09/18(金) 17:51:27 ID:08ytKLl7
以上、投下終了。

傀儡人形(くぐつドール)な兄と、それをあやつる妹。
実はタイトルとアイデア自体は、だいぶ前から構想だけしてた。
けどせっかくこのスレで話題に出てたので、鮮度のあるうちに書いた。

次回は例の長編か、遅刻した夏専用ネタでも投下する予定です。
536名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 18:12:56 ID:1MYb7+gx
>>535
ほぅ、でかくなったな、小僧。褒美にGJをくれてやろう(サウザー風に)
537名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 18:15:20 ID:gFQFeN0h
あんどざっつおーる?

よかったばい!
Gj!!
538名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 19:09:30 ID:5i8GRel7
面白い作文でした
539名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 19:52:41 ID:InrHNX8g
>>535正直、ちょっと設定が御都合主義すぎるんじゃないかと思う。
540名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 20:22:38 ID:6ErGkt9K
同感だがエロいから許す
541名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 20:57:33 ID:2ioIlGSa
>>539が御都合主義じゃない素晴らしい作品を書いてくれるそうです
542名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 22:49:33 ID:2TUxmrLD
>>535
GJ! キモウトに改造スタンガンは定番だなw
俺は違和感なく楽しめたぜッ!
543名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 22:49:46 ID:rRx+6mHG
>>539
ほら早く書いてくれ
惜しみないGJ送るからよ
544名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 22:50:20 ID:MwNRIMcd
>>497

兄「つ、次はどこから来るんだ!?どこから!!?」
妹「どうしたの、お兄ちゃん。うずくまって?お腹すいてるの?」
兄「っ!!?俺のそばに近寄るなーーーーー!!」

まで想像した
545名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 00:50:21 ID:gKDpuU5h
>>544
逆レイプが終わらないのが終わり・・・
546名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 01:34:24 ID:qIASFaPc
ディ・モールト・キモウト(非常に非常に良い)
547名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 01:44:14 ID:rYpTuT3d
三つか!?三つ欲しいのか!?このいやしんぼめっ!!(性的な意味で)
548名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 03:54:35 ID:/AuMnBO8
逆ベイビーフェイスか…(ただし標的は兄に限る)
549名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 11:22:16 ID:Q+kFpk7x
>>535
GJ!
めちゃくちゃ面白かった
550名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 13:50:15 ID:CRfHMmB6
えいえんはあるよ、ここにあるよ
551名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 13:51:34 ID:coUD1xa+
だよもん
552名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 16:23:44 ID:mh6gPCbj
なんというキモウト!GJ
553名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 22:24:36 ID:coUD1xa+
コタツとか、テーブルクロスが使われてるレストランとかで、
 母
妹□兄
 父
みたいな感じで座って、テーブルの下で兄のチンコを妹が足でイカせるみたいなのを読んでみたい。

554名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 22:38:49 ID:KSI2eSq5
>>553
そして妹の足と交差する母の足が父の…

父と母も元兄妹。
555名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 23:00:14 ID:1w2dzalO
歴史は繰り返される
556名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 23:43:49 ID:1sp0qcZJ
元ってなんだよ!?
557名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 00:12:55 ID:kb3vUNKJ
>>556
そりゃ、ちゃんと結婚するために泥棒猫の戸籍を奪って、顔も整形したんだよ。
父は妻が実は妹だってことをまだ知らないのかもしれないし、子供が出来てから知ったかもしれない。
558名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 00:40:14 ID:KLGhzqek
559名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 01:15:07 ID:oFbntymX
>>588
まごうことなきキモ姉だと思う。
ところでそこのサイトって、ここから直リン貼っても大丈夫なん?
560名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 01:33:26 ID:nsq7mEk5
あえてGJだと言わせてほしい。


>>559
問題ないんじゃないか?
ブログなんかに載せる時も直リンOKなはずだし。
561名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 03:00:29 ID:VmVvYcb4
キモ姉妹の歴史が、又…1ページ…。
562Silver restriction (1/2) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/20(日) 05:22:06 ID:oFbntymX
>>559
うわぁ……、アンカ先ミスってた。
>>588 → >>558
かなり恥ずかしいです。
 
で、恥ずかしついでにちょっと小ネタを書き上げてみた。
タイトルは『Silver restriction』。姉弟もので大体4.8KBくらい。
まさかの約2時間レベルの即興品。勢いって怖い。誤字脱字注意。
 
最初の頃の投下スタイルで、2レスほど借ります。
-------------------------------------------------------------------
 
 今年の9月後半には、とある大型連休が存在する。
 5月のアレに対抗して、『シルバーウィーク』とか言われてるらしい。
 土日祝日その他混ぜ合わせた、公的に休める素晴らしき5日間。
 そんな夢のような日々の、一番最初の日の早朝。
 何故か俺は、実の姉貴に拘束され、しかも折檻されていた。
 
「ねえ、なんで私が怒ってるか、あなたはわかる?」
「何言ってんだよオイっ!! いいからこの手枷と足枷を……ぐあっ!?」
 反論しながらもがくと同時に、頬に姉貴の平手が炸裂した。
「もう一度聞くよ? なんで私が怒ってるか、わかる?」
「お……俺が、外泊旅行に……行こうとしたから……です……」
「ふふっ♪ まあ正解――ってことにしといたげる」
 
 何だこの状況。誰だ目の前のイカれた姉貴は。
 俺はただ、姉貴に「今度の連休いっぱい、外泊旅行に行くから」と伝えただけだ。
 なのになぜか眠らされて、気付いたら手枷足枷で拘束されて、こんなことに――!
「なんでだ!? 俺は別に姉貴に、迷惑なんて掛けてないだろ!?
 旅費だって自力で――バイトで稼いだんだ。貧乏なうちの家計には――」
「そんなことはどうでもいいの。お金だっていくらでも貸してあげる。
 あなたが、私を見捨てて、旅行に行く。そのことが重要なの。
 なんで仕事を休めない私を放って、私の知らないところに行くのかな?」
 
 姉貴はいま、社会人として働いて、うちにお金を入れている。
 俺たちの父親は昔事故で死んで、今までは母親が働いて家計を支えていた。
 その母親が過労で倒れ、長期入院を余儀なくされたのが、1年以上前のこと。
 その時から、姉貴は大学を辞めて、地元の中小企業に勤めだした。
 そこそこ忙しい分、稼ぎの良い職場で、生活費をなんとか維持できている。
 だからこそ、俺は今まで遊ぶことは控えて、姉貴の代わりに家事を始めた。
 
 でも、俺だって、やっぱり少しは遊びたかった。
 今回の旅行だって、高校の友達に誘われて、一緒に行きたいと思った。
 だから必死に姉貴に頼み込んで、バイトを始めて、自分でお金を貯めた。
 姉貴に迷惑をかけず、ほんの少しの期間だけ、息抜きをするために。
 けれど目の前の姉貴は、俺のそんなささやかな願いさえ、許さないらしい。
 
「やりたいことがあるからって言うから、夏休み中のバイトも公認してあげた。
 私が仕事から帰っても、あなたが出迎えに来ない夜にだって、独りで耐えた。
 私がどんなに眠くても、バイト帰りのあなたを迎えるため、寝ずに待ってた。
 私がどんなに辛くても、私とあなたの生活のため、いつも私は頑張れた。
 私は、あなたが私の傍に居てくれるために、今まで何だってやってきた……」
 姉さんの独白が聞こえる。俺を独占したいという、仄暗い欲望が。
 今俺の目の前に居るのは、姉貴の姿をした、悪魔だとしか思えない。
563Silver restriction (2/2) ◆6AvI.Mne7c :2009/09/20(日) 05:25:59 ID:oFbntymX
 
「それとね、あなたが私から離れることだけに、怒っているんじゃないの。
 あなた、私のことを蔑ろにして、彼女を作ろうとか思ってたんでしょ?」
「!!? なんで、そんな――」 
「だってあなた、嬉しそうに言ってたじゃない。
 その旅行って、男女混合――他所の牝猫と一緒に行くんでしょう?
 さっきの表情からして、その中に好きな娘でも、居るんでしょう?」
 姉貴のその言葉に、俺の全身が恐怖で竦みあがる。
 確かに、前から興味のあった女の子が、旅行のメンバーにいるけどさ?
「駄目よ、行かせない。あなたを飢えた牝猫の群れになんて、やるもんですか。
 あなたは私が愛してあげるの。あなたは私の傍に居れば――いいのっ!」
 
 歪んだ愛を告白した次の瞬間、俺の唇に口づける姉貴。
 数分間舌で掻きまわして、俺の口内から唾液を奪い取る。
 そうして俺の頭が蕩けた頃に、姉貴は俺から身体を離した。
「まさか……姉貴、俺のことを……男として愛して――」
「そうよ悪い? 私はあなた以外いらないって、言ってたでしょ?」
 瞳に狂気の光を湛え、語りながら俺の瞳をじっと見つめる姉貴。
 正体不明に対する恐怖。もし約束を破ったら、無事に済まない。
「わ、わかりました……。もう姉貴を放って、外泊なんてしません……。
 旅行も諦めます……。だから、お願いだから俺を、解放して下さい!」 
 もう既に、俺の心はへし折られている。
 もう姉貴をほったらかしにして、外泊旅行なんていくつもりはない。
 そんなことしたら、確実に殺されかねないことも、身体で理解した。
 
「嘘ね。私が仕事に行っている間に、抜け出して旅行に行く気でしょ?」
「な……!? 俺はそんなつもりは――」
 姉貴は、俺の言葉を信じてくれなかった。
 やめてくれ……! 本当に逃げるつもりなんて、ないんだよっ!?
 どれだけ弁解しても、どれだけ説得しても、姉貴の耳にはもう届かない。
 姉貴は孤独に俺を愛するあまり、俺の言葉さえ信用できなくなっていた。
 
「姉である私に嘘を吐くなんて、いつからそんな悪い子になったの……?
 決めたわ。この連休の間に、私があなたを『再教育』してあげる。
 もうあなたが二度と、私を放って、どこかに行かないように。
 仕事は――ちょっと出勤日数が減るけど、別に構わないよね?
 だって、私たちの未来のために必要な、儀式に費やす時間だもの?」
 
 俺の首にかかる、姉貴の細い指。女性らしい、細くて綺麗なパーツ。
 それに信じられない力が込められて、俺の頸動脈を圧迫する。
「愛してるわ。私の、かわいい――」
 それ以上の言葉を聞きとることもできず、俺は正気を失った。
 
――この日を最初に、俺の人生で最悪の『調教週間』が始まった。
 
 
                               ― The worst silver week, hello!! ―
 
 
------------------------------------------------------------------------
以上、投下終了。
正直、シルバーウィーク関係ないような気もする。
というか意外とみんな、シル(ryには無関心っぽいな。
 
自分、シル(ryの日中はほとんど、仕事ですから……残念っ!
本気で今回の連休全部休める人たちが妬ましい……
564名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 08:32:02 ID:o8Mvd6T2
姉ちゃん怖い…GJ
565名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 14:58:43 ID:M6RB35gJ
とりあえず『調教週間』の具体的な内容を
ねっとりじっくり書いてくれれば神なんだが
566名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 18:16:16 ID:eVxtmGEe
GJです
続きが気になる終わり方は自分で
脳内補完できていいw
567名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 02:21:42 ID:7SaJlqSd
キモ姉って、反抗期の弟に対してはどうやって接してるんだろう
568名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 02:29:46 ID:Vg1CJAGb
弟の反抗=ツンデレと脳内変換してる
569名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 09:09:01 ID:Sl5QIR/R
ふぅ…GJ
久しぶりにキモ姉成分が補給できて良かった
強気キモ姉ちゃんが好物です
570名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:07:44 ID:lKSxHkMB
【おにいちゃん】ハロウィン用かぼちゃで両親撲殺:スコットランド【ずっと一緒だよ♪】
妹「離婚で兄と引き離されるのが嫌だった」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/yasai/1223375038/
571名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:16:45 ID:AgeK4alr
               __‐`'´''"'マ          ____\   ー‐┐    |一
                Z.    __`ゝ          \      ノ´   ⊂冖
 ∧      /|   ゙仆斗┘リート=┬-、_      \    ー‐┐   ,/
/   ∨\/   |    `L,.っ,ノ u }ノ ノ   \      ,>   ノ´   \
         |__    兀.!_// i |     l、     く.   ー‐┐ ー|ー
ー‐┐ ー|一ヽヽ /  u' \ヽ‐'´  !|     ト、     \   ,ノ´   ̄匚ノ
 ノ´   ノ こ  /_____,  }j  ハ、  ヽ ヽ,___/    /  ー‐┐  ┼‐ヽヽ
ー‐┐  ニ|ニ.     / ___ノ /\_,≧/ u 人.   /     ,ノ´   ノ こ
 ノ´   ⊂冖   く  {上rン´  ,厶../ / ヽヽ   \    ||  ニ|ニ
ー‐┐  |     /    ̄   ノ{こ, /,〃   !|    \   ・・   ⊂冖
 ノ´   l.__ノ   \     ,.イ !l`T´ | /     |:|     /       |
ー‐┐ ー‐;:‐    \   //    l  |     |_|   ∠.、       l.__ノ
 ノ´   (_,     /   ヒ_ー--、_|ー、____,ノj┘    /        ┼‐
ー‐┐   /     /     \ ̄\ー`トー-<    /          ノ こ
 ノ´   \     \      \  ヽ  \  ヽ    ̄ ̄|
 | |   」z.___    >       \. ヽ.  ヽ   l      |/l   /|  ∧  /\
 ・・   /| (_,  /           ) lヽ   ',  l、      |/   | /   V
       ┼‐   \       , イ、_,上ハ   }  小          |/
      ノ こ     \     (乙≧='''"´ ,∠,__ノ/
      ┼‐ヽ    /           厶乙iフ/
      ノ ⊂ト  く               `¨¨¨´
                \
572名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 02:03:48 ID:ycJdiCUa
さすがに嘘とわかるだろうw
でもハロウィンか…
和姦か逆レの選択を迫られる前にハロウィンの風習がない国に逃亡しなければ…
573名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 02:43:48 ID:AXhNy6ET
大陸や北の半島とか?
574名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 02:47:26 ID:1/xhIZiw
>>570
違う意味で笑ったw
そういうニューススレがあるのかと一瞬本気で思っちまったよw
大地の恵みwww
575名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 09:00:35 ID:twtLV6DJ
>>570
もちろんその話を書くんだろ?w
576名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 20:45:49 ID:/RCakllq
またイギリスかとwww


イギリスって実際、そういう騒動あるしな。
どれくらい前だったか、生き別れた双子の兄妹が結婚寸前までいったってのが話題になったし。
577名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 22:59:07 ID:/LfsZsoD
「たいへん!私たち兄妹だったのよ!」

「なんだって!?じゃあこのロープをほどいてくれるよね!?」

「ううん、イギリスは未婚の母への手当てが手厚いから別に平気よ」

「神も呪いたもう!」
578名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 23:24:38 ID:UzP3unlS
>>577
兄妹だとわかる前からすでに病んでるwww
579名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 03:04:55 ID:DU2N+N0J
>>577
会話が微妙に噛み合ってないw
580名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 06:56:01 ID:R+gTKFGJ
「あ? お兄ちゃん起きちゃった? え? 『何してる』? 見れば解るでしょ? セックス♪」
「ホラホラ、暴れないの。どうせもう手遅れなんだから♪ え? 『どういう意味だ』って…」
「ではここで問題です♪ お兄ちゃんのボッキちんぽは、一体どこに入ってるでしょ〜?」
「ぴんぽ〜ん♪ 正解は『妹マンコの膣(なか)』で〜す♪」
「あ〜ほらほら無茶しないの。まだまともに動けないでしょ?」
「え? 『何をした』? そりゃもうイロイロと…あっ、先に言っとくけど、お兄ちゃんの精液はもう受け取ったからね? 3発分くらい♪」
「そっ♪ 3発♪ 安心して。ぜ〜んぶ膣内射精(なかだし)だから♪ 一発目の濃っゆいザー汁も、ちゃ〜んと子宮で受け取ったよ♪」
「それにしても、本当に眠ったままでも、射精って出来るんだね? ちょっとびっくり」
「え? うん、そうだよ? お兄ちゃんのご飯に、よぉ〜く眠れるオクスリをちょっと♪」
「『何でこんなことを』って? …お兄ちゃん、本当にわからないの?」
「う〜ん…恍けてるわけでも、嘘ついてるわけでもないみたいだし…しょうがないなぁ。特別に教えてア・ゲ・ル♪」
「お兄ちゃん、彼女さんいるでしょ? しかも明日デートでしょ? え? 『何で解った』か? 勿論とうちょ…ゲフンゲフンお兄ちゃんの事なら何でも解るよ? このあたしに隠し事なんて100年早いわ!」
「え? 『それがどうした』? …お兄ちゃん、本当に解らないの? いいよ。解らないなら教えてあげる。お兄ちゃん、私は何? そう、私は妹。お兄ちゃんのたった一人の家族。つまり、お兄ちゃんの全ては私のもの。私の全てはお兄ちゃんのもの
「私は死んだお父さんとお母さんの代わりに、お兄ちゃんの結婚相手を見定める権利と義務があるの」
「結論から言うね? あの女はお兄ちゃんに相応しくない。あの女がお兄ちゃんの彼女面するのが耐えられないの」
「悪いと思ったけど、お兄ちゃんの周りの人間は全てチェックさせてもらったわ。結論。お兄ちゃんの伴侶となるべき人間は存在しない。いえ、認められない」
「『何の権限がある』のかって? 言ったでしょ? 私はお兄ちゃんのたった一人の家族なのよ?」
「で、こう考えたの。『居ないのなら私がなればいい。私がお兄ちゃんの奥さんになればいい』ってね?」
「いや〜、これでも結構悩んだんだよ? お兄ちゃんの好みの女性ってどんな人なのかってね? でも意外と身近に居たんだね♪ っていうか、好みの女性が妹って、お兄ちゃんって結構変態さんなんだね♪」
「え? 『兄の寝込みを襲うような妹に言われたくない』? あははっ♪ そうだね♪ 私も変態なんだよ♪ お兄ちゃんと同じでね?」
「さ、と言う訳で、4発目いってみようか? それっ♪」
「あんっ♪ キモチイイよぉ…♪ 中が…中のひだひだがガリガリ削られてるぅ…♪」
「ひゃぅんっ♪ そ、そこは子宮♪ 妹の子宮なのっ♪ あっ♪ お兄ちゃん解る? 今、ちんぽの先っちょが当たってるよ? お兄ちゃんのぱきぱきちんぽが、あたしの子宮にキスしてるの♪ そうだよ? 赤ちゃんの部屋♪ お兄ちゃんの赤ちゃんが出来るところぉ♪」
「あっ、カタくなった♪ お兄ちゃんのちんぽ、また硬くなったよ? ひょっとして興奮してる? あたしのイヤラシイ言葉で興奮してる?」
「あんっ♪ おっぱい♪ ふわふわおっぱいモミモミしてぇ♪ ぼっき乳首グリグリしてぇ♪」
「え? 『止めろ』って? 今更何言ってるの? お兄ちゃん、もう射精済みなんだよ? 妹に種付けしてるんだよ? 妹の子宮に精液ぶちまけて、お兄ちゃんの子供孕ませてるんだよ? なのに…あっ♪」
「ま、またカタく…そっか♪ お兄ちゃんって、妹になじられるのが好きなんだね♪ イヤラシイ言葉で責められると興奮しちゃうんでしょ?」
「え? 『違う』? どーして? お兄ちゃんのちんぽはそう言ってないよ? 妹のおまんこで喜んでるおちんぽは、『もっとイジめて』って言ってるよ? ほら♪ ほらぁ♪」
「あははっ♪ お兄ちゃんったら酷い顔♪ 残念だねぇ〜? オクスリで体が自由にならないから、自分で気持ちよくなりたくてもなれないでしょ? そうだよ♪ 今のお兄ちゃんはあたしの玩具♪ あたしがキモチヨクなるためのオモチャなんだよ♪」
「え? 『イかせてくれ』? だぁ〜め♪ あたしが気持ちよくなるまでおあずけ〜♪ 嬉しいでしょ? 妹に弄ばれて嬉しいでしょ? 『違う』? そ〜かな〜? お兄ちゃんのおちんちんがまた硬くなったよ? またおっきくなったよ?」
581名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 06:56:15 ID:R+gTKFGJ
「はぁっ♪ これ、気持ちいい…子宮に、お兄ちゃんのちんちんが、子宮に『ちゅっ♪』ってする感覚がたまらない♪」
「うんっ♪ そこっ♪ そこコスって♪ チンポのカリ首ごりごり…イイッ♪」
「はぁっ、はぁっ…ちょっと休憩」
「あれ? どうしたのお兄ちゃん? 切羽詰っちゃった顔して。あ、もしかして、もう少しでイキそうだった? ゴメンねぇ♪ ずっと騎上位でシテたから、ちょっと腰が疲れちゃったの♪」
「え? 何か言った? 『てくれ』? てくれって何…『動いてくれ』?」
「あははははっ♪ 動いて欲しいの? あたしに動いて欲しいの? お兄ちゃん、何言ってるか解ってる? 今セックスしてるんだよ? セ・ッ・ク・ス♪ こんな状況で『動いて欲しい』だなんて…お兄ちゃんって、変態?」
「あはっ♪ チンポがビクンってなった♪ いいよ? 動いてあ・げ・る♪ その代わり、あくまであたしの都合でね♪」
「はっ♪ はぁんっ♪ いいよぉ♪ お兄ちゃんのちんぽイイっ♪ 当たるの♪ コスれるの♪ 気持ちいいトコ、一杯♪ どうしよう? 初めてのチンポがこれだなんて…クセになっちゃう♪」
「え? うん。初めて♪ お兄ちゃんとセックスするのが初めてだよ♪ 言ったでしょ? 『寝てる間に3発もらった』って? あ、ひょっとして、『処女は自分の手で奪いたかったなぁ』とか思ってる?」
「ごめんねぇ♪ そこまで考えなかったよ♪ 一刻も早く、お兄ちゃんと繋がりたかったから♪」
「はぁっ♪ はぁっ♪ くる♪ くるの♪ 来ちゃう♪ イキ…そうになったから休憩っと」
「はぁっ、はぁっ、騎上位って結構体力使うね…あれ?」
「どうしたのお兄ちゃん? 期待を裏切られたような顔して? ああ、お兄ちゃんもイキソウだったんだね? でもだぁめ♪ 言ったでしょ? あたしの都合だって?」
「『お前は満足しないのか』って? だって、お兄ちゃんが寝てる間に8回はイッったからね♪ 一発出す間に3回くらいイカされちゃうし、あたし達って結構カラダの相性いいのかも♪」
「え? なぁに? 聞こえないよ? 『いかせてくれ』?」
「あははははははははっ♪ バッカじゃないの? 妹に逆レイプされてるのに『いかせてくれ』だなんて…プクク」
「いいよ? いかせてあげる♪ そ・の・か・わ・り♪ 約束して? 彼女さんと別れるって。今後どんな女とも付き合わないって。あたしだけを見るって。あたしだけを愛するって。あたしだけとセックスするって」
「ど〜したの? お返事は? あ、ひょっとしてまだ迷ってるの? こんな状況で?」
「ふ〜ん…ま、いっか。その方が萌える…じゃなかった、燃えるし♪ じゃあ寸止めプレイでいってみよ〜か?」



「はぁっ、はぁっ、け、結構頑張るねお兄ちゃん…あれから5回、ううん。6回? あたしの方が音を上げそう…え? なぁに?」
「『約束する』? 何を約束するの? 『お前だけを愛する』? …本当? 本当にあたしだけを愛してくれるの?」
「『約束する。俺はお前だけを愛する』…は…あはは…あははははははは!!」
「そう! 愛してくれるの!? あたしだけを愛してくれるの!? あはははは!!」
「お兄ちゃん自分が何言ってるのか本当に解ってるの!? 妹だよ!? 血の繋がった実の妹だよ!? しかも明日は…もう今日だけど…彼女さんとのデートなんだよ!? 本当に解って…『アイシテル』…」ゾクゾクッ
「いいよ…いかせてあげる…お兄ちゃんをいかせてあげる…天国に連れて行ってあげる…決して戻ってこれないくらいの、極楽に連れて行ってあげる…」
「ホラ! どう!? 気持ちいい!? キモチイイんでしょ!? 妹に逆レイプされて喜んでる変体さん!!」
「いいよぉ! 奥が! 奥にガツンガツンって! あ゛ぅっ! おっぱい! おっぱい吸ってる! お兄ちゃんがあたしのおっぱい吸ってるぅ!!」
582名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 06:56:30 ID:R+gTKFGJ
「いきそう!? イクの!? イッチャうの!? いいの!? 今中に出すと妊娠しちゃうよ!? そんなに妹を孕ませたいの!?」
「あははは! お兄ちゃんの変態! 変態! ド変態! そんなケダモノなお兄ちゃんには、妹の子宮に中出しの刑だっ♪ 反論は聞きませ〜ん! えいっ♪」
「出ちゃう? 出しちゃう? いいよ? お兄ちゃんの赤ちゃん、産んであげるから♪ だから出しちゃっていいよ? 出しちゃいなよ? 妹の子宮に、思いっきり射精しちゃいなよぉっ!」
「あははっ♪ 来た来た♪ お兄ちゃんのせーしキタ♪ いっ、いぐうううぅぅぅぅぅっ♪」
「か…はっ…まだ、出てるぅ…そんなに出したら、あたし、本当に妊娠しちゃうよぉ…」
「え? うん、そうだよ。今日って危険日なの♪ それも、排卵予定日1日前♪ 解る? お兄ちゃんは血の繋がった、実の妹を妊娠させちゃったんだよ?」
「くふふっ♪ すごい顔♪ お兄ちゃんの絶望した顔ってそそるなぁ♪ どうお兄ちゃん? 彼女さんとのデートの前日に、妹に逆レイプで童貞奪われた気分は? しかも相手は処女で、おまけに妊娠確定だよ?」
「あんっ! もう、泣かないでよ。 お父さんもお母さんもころ…じゃなかった、事故で死んじゃってるし、あたしも新しい家族が欲しかったんだしさ♪」
「さぁて♪ これでお兄ちゃんは、あたし以外の女の子を好きになれなくなっちゃったね〜♪ でも大丈夫♪ あたしは絶対にお兄ちゃんを見捨てたりしないから♪」
「っていうか、あたし以外の女の子にちょっかいかけたら…どうなるか わ か っ て る よ ね ? …うん、いいお返事♪」
「は〜い♪ そんなわけで、めでたくお兄ちゃんの了承も得たところで、第2ラウンド…あれ?第5ラウンドかな? とにかくイッてみよ〜♪」
「え? 『これ以上何をする気だ』? 勿論、今度はお兄ちゃんの心をもらうんだよ〜♪」
「別にいいじゃない? あたしはもう妊娠確定な訳だし。お兄ちゃんの身体はもらえたから、今度は心が欲しいの♪」



「覚悟してねお兄ちゃん♪ お兄ちゃんを世界一のシスコンにしてあげるから♪」
583名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 07:37:31 ID:u5jhVxBl
長いから三行で
584名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 08:04:48 ID:bsolZ5S5
お兄ちゃん
大好き
byキモウト
585名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 11:41:56 ID:wkFXxrcI
きめえええええええええ
586名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 11:59:20 ID:GWpPhD7P
だがそれがいい
587名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 17:19:25 ID:ZQlOVOc1
>>582
エロい!エロ過ぎる!!とにかくGJです!!!
588名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 18:03:40 ID:UTt4Z70/
ニュースの時間です
今日はシルバーウィーク最終日
故郷に帰省してきた兄を帰すまいと、監禁するキモウトが全国的に大量発生しています
キモウトをお持ちの皆さんはご注意ください

次のニュースです
故郷に帰省する際、弟を連れ帰ろうとするキモ姉が全国的に大量発生しています
キモ姉をお持ちの皆さんはご注意ください
589名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 20:15:14 ID:JQofNrkA
続報です
大型連休を利用して全国のキモ姉・キモウトが既成事実を
作ろうと必死になっている模様
該当する両親親戚及び幼馴染、クラスメイト先輩後輩の方々は
引き続き身辺に注意してください
590名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 20:40:46 ID:DohVsV9G
帰省しなかった俺は勝ち組

自宅が東京南東部で実家が横浜だから、帰省とも言わないだろうし帰るつもりもない
591名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 20:50:30 ID:f9J2TmU9
連休でなくても、容易に強襲可能な距離なのか
592名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 22:51:30 ID:e3OrHjbU
キモ姉キモウト小説の第一保管庫ってどこにあるの?
593名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 23:07:56 ID:T27ES/O5
もうないよ
594名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 23:16:51 ID:+hsXt2if
ヤンデレスレだったらゴメンだけど
たぶんこのスレに投下されて、小さい女の子とアナルセックスするSSのタイトルって覚えてる人いる?
急に読みたくなったけどタイトルもトリも忘れてしまったorz
595名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 23:48:30 ID:0CRhi81A
>>594
このスレに投下されているんだとしたら、『東京みゆみゆ』って作品だな。まとめwikiにあるよ?
596名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 00:44:36 ID:m70y8Sal
>>594,595
読んでみた。鬼畜でエロくてキモい。
597名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 06:50:57 ID:c8POr1FB
>>595
これでした
ありがと!!
598名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 05:11:02 ID:LH54XZkk
兄が熟女好きだったら、
キモウトはどうすんだろ。

妹「未来からタイムマシンで来ました今の私はー
なんてことでしょう、そう四 十 路 !
さぁ愛しいお兄様この熟したむちエロボディで子作りしましょ!


・・・という野望があるので工学部に入りそしてタイムマシン作ります」
兄「却下」
妹「じゃ羊水が綺麗な内に子作りしましょう」
兄「いいから寝ろ」
寝ます。
599名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 05:14:47 ID:LH54XZkk
>598
妹「あ、でも熟女て羊水腐るしなー」
が抜けてた。寝る。
600名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 11:52:35 ID:4Ls/Dq9l
土曜に遊びにくる姉ちゃんから「ロープ買っといて」ってメールが



ま、まさかな・・・
601名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 12:43:19 ID:ZCO7QiPP
縛られるのは誰かが問題だ。
602名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 12:51:25 ID:s2ZzGWFW
べつに縛らなくても逃げないぜ姉ちゃん(あーキモいからとっと逃げよ
603名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 13:58:06 ID:sDFJy9Ws
かかったなッ! >>602

貴様はこの姉との知恵比べに負けたのだッ!
604名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 15:30:11 ID:s+jG0tuR
まあ落ち着け。
姉ちゃんがメールを打ち間違えて「ロープ」になったのかもしれん。
携帯の予想変換でうっかりミスってあるだろ?

ローだと…
ローションとか、ローターとかローレグパンツとか…

あれ?
605名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 17:40:33 ID:o+JYTYcP
予測変換に出て来る時点で普段から何か企んでるんじゃね?
誰かとメールのやり取りしてたとか・・・>>600さん、妹いないよな?
606名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 18:01:27 ID:Nk34fO4H
>>600
妹といちゃつきすぎたからフラグが立ったんだ
607名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 18:10:04 ID:CbD/sI9A
ロープ買っといたら、「あら、冗談だったのに。でも嫌いじゃないみたいだし、縛ってあげる」
買わなかったら「あら、お姉ちゃんの言いつけ守らないなんて。持ってきたこのロープで縛ってあげる」
608名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 18:30:08 ID:TxDyg1nf
昔姉とお酒飲んでた時に酔った姉が「芸みせるから成功したら明日もお酒つきあって」と言ってきたことがある。
意味が分からず姉の言葉にうなずいたんだけど、なにを思ったのかいきなりテーブルの上に乗ってテーブルの端を歩き始めた。
その行動にビックリして危ないからやめさせようと思ったんだけど、俺が姉の側にいく前に足を滑らせてテーブルの上から落下。

顔面強打して大泣き。

次の日、涙目で頬っぺたをさすりながら「ちゃんと歯磨いてても虫歯になることあるの?歯痛い…」
昨日の出来事まったく覚えてなかった。

そりゃあれだけ派手に落ちれば痛いよ…。
609名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 19:25:32 ID:s+jG0tuR
>>608
そういう姉は好きだが、残念ながらスレ違いだ。
610名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 20:25:58 ID:FszBP5w6
>>609
唖然として見つめる弟にダイブして襲いかかる、
『キモ姉空中殺法』が失敗したと思われ。
611名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 20:33:21 ID:yDxU5qIf
>>608
それをネタにキモ姉を書く作業に戻るんだ
612名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 21:45:24 ID:dkAW0gql
>>610
スカイハイのBGMに乗って弟に襲いかかる光景を想像してしまった
613名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 21:47:44 ID:N34Clqt1
そういうネタなら俺もあるな

珍しいとよく言われるが、ウチの妹は俺のことを「兄さん」と呼ぶ。
ある日、高校生になった妹が、
「兄さん、男ってなんで女の子の胸ばっか見てるの?」と言ってきた。
「何?学校で胸じろじろ見られてんの」
と返すと、
「私のは見られてないけど、友達が」
って言ってきて滅多に話さない妹と少しだけ和気藹々と話したんだ。

最後に、
「私の胸、小さいから誰も見てこないんだよね」
と小さく呟いたのが印象的だったことがあった。
614名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 22:08:14 ID:NN3f4o6k
だからスレチだと何度言えば(ry
誘導してやるからこっちでやれよ…
http://dubai.2ch.net/test/read.cgi/male/1253406140/1-100
615名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 08:39:04 ID:v8EzeHQs
>>613
そして自分の胸を見ない兄に抱いた小さな不満が徐々に妹の心を蝕んでいく…
というのがこのスレ的展開か?
616名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 11:50:36 ID:6cRaEw1l
>>600
お姉さんは今日来るわけですよね?
ロープを何に使ったかこのスレ的に報告してくだされ

   
617名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 15:51:28 ID:nb/zJYcF
>>616
ばかだなあ
我々の期待通りにローブが使われたのなら、
>>600は報告などできる状態ではないだろう
618名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 15:56:39 ID:xz4ddvBQ
そういやもし愛する兄(弟)が騎乗位でイけないタチだったらどうするのかな?
それ以外は向こうが積極的じゃなきゃ難しそうだし…
619名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 16:33:47 ID:W2cq8aXJ
兄を椅子に座らせ、
手を後ろに回して背もたれに、
足は椅子の脚に縛り付ければモーマンタイ。
妹が跨がってできるよ。
620名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 19:26:16 ID:495y0P+x
雑談だらけだな
621名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 19:28:19 ID:+n/gU9MY
>>619
座らせた椅子がメイドインチャイナでガス暴発してケツにパイプが刺さったらどうしようとか考えないのか?
考えないよねjk。
622名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 20:23:16 ID:Ff7ZeK9d
今から >>620 が新作SSを投下してくれるそうだ
みんなGJの用意はいいか?
623名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 20:55:24 ID:CrCxpkDG
んでこの気持ち悪い流れはいつ終わるのかね?
624名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 20:56:42 ID:Y6pC/Cx3
お姉ちゃんが僕をあきらめてくれるまでです><
625名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 20:57:03 ID:+SQUC7AM
終わらせたいと望む奴がss書くか
馴れ合い雑談がしたい奴が自重するまで
626名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 21:14:38 ID:Pn2fm3ED
>>625
てめえが書けばカス
627名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 22:03:26 ID:8ujFBK/U
>>626
てめえはageるなゴミ
628名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 22:48:57 ID:Z1dNa20n
お前らみたいなバカどもに妹はもったいない
でも姉はやるよ
629名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 00:56:25 ID:9dudg/KS
>>628
一々小言がうるさい妹やるから
甘えさせてくれる姉くれ
630名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 02:01:06 ID:uWtpoS80
俺が書いてやるぜ!

・・・期待はするな
631名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 02:03:00 ID:jYhGp0bI
おおっ、頼む
632小さな胸は好きですか?:2009/09/27(日) 06:34:25 ID:GeGJZwSK
>>630ではないが書いてみた

「ねぇ兄貴」
「ん〜?」
「男って胸の大きい女が好きなのかな?」
「…いきなり何口走っとんだこの愚妹」
「妹の目の前でエロ本読んでるバカ兄貴には言われたくないね」
「エロ本ちゃうわ。グラビアだ」
「女から見ればどっちも同じだよ」
「なるほど。一つ勉強になった、ありがとう。で、お前の小さい胸がどうしたって?」
「ふんっ」
「おっと。コップを投げるな。ジュースが入っていたらびしょ濡れになっていたじゃないか」
「全部飲み切ったから投げたんだよ!」
「そうか、それはすまない事を聞いたな。で、おかわりなのか?俺に向かって投げたということは俺に持って来いと言いたいんだな?さっきのでオレンジジュースは空っぽになってしまったから、次はコーラでいいよな?答えは聞かないけど」
「そうじゃなくて!…あのさ兄貴、ちょっと聞きたいことが…」
「何だ?俺に答えられる範囲なら聞いてやるぞ?ちなみにスリーサイズとナニの大きさは秘密だ♪」
「ちょっと黙れバカ兄貴」
「アイマム」
「あのさ、兄貴は…彼女にするなら、やっぱり胸の大きい女の子の方がいいの?」
「そうだな…まあ憧れではあるな」
「そう…」
「母乳で育てられた子供は、脱脂粉乳等で育てられた子供よりも、病気に対する抵抗が強いそうだ。加えて、子供の頃というのは、誰しも母親の胸に抱かれたことがある。だから、『母親の胸=安らぐ≒女性の胸は安らぐ』という方手式が出来上がるのだろう。私見だが」
「…………」
「ま、最近は生まれてから、一度も子供を抱かない母親も居るそうだがな。俺の子供には、そんな寂しい思いはさせたくないものだ」
「あたしだって!」
「それはいい心がけだ。子供にめいっぱいの愛情を注いでやるのは親の務めだぞ?勿論躾けは必要だが」
「…………」
「で?お前は誰と子作りしたいって?」
「ふんっ!」
「おっと。フォークを投げるな。床に落ちたら洗わなければならないじゃないか。まあレモンソーダを持ってくるついでに洗えばいいのだが」
「さっきはコーラって言ってなかった?」
「どちらも炭酸飲料だ。似たようなものだろう」
「全然違うよ…あのさ兄貴。ちょっと頼んでいいかな?」
「俺に出来ることなら何でもしてやるぞ?ちなみに『銀行を襲え』などと口走ろうものなら車を呼んでやる。白黒のな」
633小さな胸は好きですか?:2009/09/27(日) 06:34:47 ID:GeGJZwSK
「お前少し黙れ」
「イエス、マイロード」
「はぁ…」
「で?頼み事とは?」
「あ、あのさ…」
「ん?」
「…い…んで…」
「何だ?聞こえないぞ?」
「も、揉んで…くれる…?」
「何を揉むんだ?」
「あ…あたしの胸揉んでくれる!?」



「あ〜…すまん、空耳が聞こえたようだ。何か言ったか?」
「あたしの胸揉んで!」



「…すまん、今度は耳鳴りが…もう一度言ってくれ」
「あたしのおっぱい揉んでって言ってるの!」



「…お前恥ずかしくないのか?」
「聞こえてるなら何度も聞き返すなよ!!」
「いやすまん。聞き間違いだと思っていたのでな」
「ぅぅ…」
「で、お前の胸を揉め、だったか?」
「う、うん…」
「そうか…別にいいぞ」
「そ、そうだよね、別にいい…っていいの!?」
「ああ」
「な…え…?」
「要はマッサージみたいなものなのだろう?俺はその手の資格は持っていないから、あくまで素人腕になってしまうが」
「そ、そう、マッサージ…あはは…」
「ちなみに、『胸を揉めば大きくなる』というのは都市伝説だぞ?女性の乳房と言うのは、ホルモンのバランスの崩れによって大きくなったり小さくなったりするのだそうだ。まあ俺は学者じゃないので、これ以上のことは知らないのだがな」
634小さな胸は好きですか?:2009/09/27(日) 06:35:14 ID:GeGJZwSK
「…………」
「だがいいのか?俺は妹だって構わず喰っちまう…ゲフンゲフン、マッサージ程度ですまなくなってしまうかもしれないぞ?まあ高がBカップの胸を揉んだところで面白くもないがな」
「…いいよ」
「ん?」
「それ以上のことしても、いいよ?」
「…………」
「兄貴、好―――」
「すまん。冗談が過ぎたようだ。さあ横になれ。誠心誠意マッサージ「抱いて」は?」
「兄貴、抱いて」
「…………」
「好きだから。兄貴のこと好きだから。兄貴としてじゃなくて、男として好きから」
「…………」
「本当に…愛してるから…」



「…♪」
「どうした?やけにご機嫌だな?」
「だって…やっと夢が叶ったんだもん♪」
「夢?俺とセック「わー!わー!わー!」どうしたいきなり」
「何を口走ってんのよバカ兄貴!!」
「あれだけのことをしておいて今更恥ずかしがるか?」
「ぐっ!?」
「それにしてもアレだな。後ろから攻められている時のお前は凄かったな。色々な意味で」
「ふんっ!!」
「おっと。いきなり殴ろうとするな。折角の男前が崩れてしまうではないか」
「誰が男前よ」
「お前が」
「殴るよ兄貴!」
「つれないな。将来の旦那に向かって」
「例え将来の旦那でも…だんなぁぁぁっ!?!?」
「何を驚いている」
「だ、旦那って…つ、つまり、あたしと結婚してくれるってこと!?」
「当たり前だ」
「ちょっ!?えっ!?で、でもあたし達兄妹…」
「何だ知らなかったのか?俺とお前は本当の兄妹じゃないぞ」
「そ、そうなんだ…本当の兄弟じゃないんだ…ってええええぇぇぇぇぇぇっ!?!?」
「どうした?今まで男として恋焦がれていた兄が、実は全く血の繋がっていない赤の他人だったことが判明したような声を出して」
635小さな胸は好きですか?:2009/09/27(日) 06:35:38 ID:GeGJZwSK
「ええぇっ!?あ、えええぇぇぇぇぇっ!?」
「ふむ、少し落ち着け。こういう時は『薔薇』という字を掌に書いてだな」
「薔薇、バラ、ばら…バラってどう書くんだっけ?」
「知らん」
「知らないのかよ!?っじゃなくて!あたしと兄貴が本当の兄妹じゃないって本当!?」
「いささかややこしい表現だな」
「恍けないで!」
「嘘に決まっているだろう」
「がく…」
「と言って欲しかったのかも知れんがね」
「どっちなのよ!?」
「血の繋がっていない兄妹だと言うのは本当だ。何でも、捨てられていた赤ん坊のお前を、俺が拾ってきたとか何とか」
「…マジで?」
「マジ」
「…………」
「まあ俺は覚えていないんだがな」
「をい」
「ちなみに当時5歳だったそうだ」
「…そのこと父さんと母さんは?」
「勿論知っている。お前が俺を男として好きなこともな。むしろ俺とお前、どっちが先に手を出すのか賭けてやがった」
「賭け?」
「俺が先に手を出したら親父とお袋の勝ち。お前が先に手を出したら俺の勝ちだ」
「…うちの親って…」
「いや〜辛かったな、隣の部屋で、俺の名前を呼びながら派手にオナニーされた時は。どれだけいっそ諦めて襲ってやろうかと思ったことか」
「…親が勝ったら、どんなことされる予定だったの?」
「子供全員の命名権をよこせだと。冗談じゃない。愛する息子、娘の名前は、親である俺達が決めるもんだ」
「…ちなみに兄貴が勝ったら?」
「自立。お前が高校卒業するのと同時に二人で引っ越す」
「…………」
「折角の新婚生活を邪魔されてたまるか!」
「…なによこのオチは…」



どうもスレチっぽいなぁ…スランプだorz
636名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 07:09:39 ID:5q+lqpgR
ふむ、厳密に考えればスレチだが…

こういうのは好きだ
GJ
637名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 07:37:24 ID:NwD1tC8O
つまんね。もうこなくていいよ
638名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 08:00:20 ID:AbZ8oSWb
>>635
朝から投下乙
639名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 08:59:59 ID:5q+lqpgR
(前回までのあらすじ)

部活帰りのA君とB君は森の中で熊に襲われていた金色の子供を助けたところ、現れたUFOの宇宙人から『姉妹交換機』をもらいました。

A「…前回なんて無いだろ!それに何だ、そのふざけた経緯は」
B「世界観や人物設定を書くのが面倒だったらしい」
A「あのなあ…」
B「まあ落ち着け。大事なのは俺には『やたら兄の人付き合いに干渉してくる小うるさい妹』が、お前には『世話好きで優しいが弟への依存著しい姉』がいるという事実だ」
A「そして互いを羨ましく思っているところに、この交換機というわけか」
B「うむ、俺とお前以外の周囲全ての記憶や記録が塗り替えられるという、極めてご都合主義もとい万能な機械らしい」
A「期間も設定できるんだったな?」
B「半日から永久まで1時間単位で調整可能だ」
A「ふうん、で、どうやって使うんだ?」
B「説明書がついている、って言ってたな…ああ、これか」
640名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 09:00:55 ID:5q+lqpgR
『取扱説明書』

第1章 お使いになる前に
1 次のセットが揃っていることをご確認
A「飛ばせよ、そこは!」
B「だな」

第2章 故障かな?と思ったら(お電話をする前に)
A「普通こういうのは最後の頁じゃね?」
B「まあ宇宙人の機械だし」

第3章 準備をしましょう
A「お、きたきた」
B「ここからだな」

相手の意志を確認しましょう
・相手(姉妹)の同意が得られる場合→18ページ
・相手(姉妹)の同意が得られない場合→23ページ
AB「「23ページだな」」

第4章 使ってみましょう
A「何か急に説明が小難しくなったぞ」
B「要は、記憶や人格をコントロールするマイクロチップを相手の胎内に埋め込むらしい」
A「このスレ的に嫌な予感がする」
B「というか『体内』ではなく『胎内』だし」
A「やっぱりかーっ!てかそんなことをあいつらが承知する訳が!」
B「承知する訳が?」
A「………」

AB「18ページ、と」



という電波を>>629から受信したんだが誰か書いてくれないだろうか
641名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 10:37:05 ID:pBixzOee
このスレは…
642名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 13:25:37 ID:Yghy9jFi
監視されている!
643名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 14:19:00 ID:28A4twjZ
>>642
オネエチャンハズットミテイルヨ・・・・・
644名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 14:58:54 ID:gNHaRQxf
>>635
キモウトがいなくて(いい意味で)キモかっこいい兄がいた。
まあ、どちらかというと「いもうと〜」スレ向きの話かと。
でも話のノリは好きなので、また次の作品を期待しています。

>>640
それだけ悪くないテンポの会話文が書けるなら、少しつめれば自力で書けるでしょうに……
645名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 17:41:46 ID:SNhgtAKV
お姉ちゃんに見られてる
646名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 17:50:20 ID:5SYwWUf0
176の続きです
結構難産かつ前回の次回は濃厚という約束を守れませんでした
3レスいきます
タイトルは「無計画な妊娠は望ましくない」
64799:2009/09/27(日) 17:51:00 ID:5SYwWUf0
よし、気を取りなおそう。
ここで手をこまねいていては手遅れになる。
初動でカタをつけないと拙いことは、頭の悪い俺でも容易に理解できる。
というわけで、いつまでも困惑して立ち尽くしているわけにはいかない。
先ほど時間を確認したが、三時半ごろだった。間違いなく午後のテストはサボったようだ。
妹が帰宅するまであと二時間ほどだろう。
早速だが、パソコンを起動させて情報収集だ。対処法を考える。
世の中にはGoogle先生という便利なお方が存在する。
適当なワードで探せばそれらしい話題が幾つか見つかるはずだ・・・
そうして二時間ほど情報を集めつつ説得する方法を考えていると、下から鍵音が聞こえた。

玄関のドアが開く音、廊下を歩く足音、ギシギシと階段が軋む音・・・
間違いない、妹だ。両親の帰宅は午後10時ごろが普通だ。だから、間違いない。
いつもと違って音楽も流していない静かな家では、二階の寝室に上がって来ているのがよくわかる。
気がつくと緊張で息が荒くなっていた。この三十秒あまりの時間で手が汗ばんでいる。
そうこう考えるうちに足音が止まった。明らかにこの部屋の扉の前で。
そして…
「兄さん、入るよ?」
ノックもなしに扉が開けられる。
いつものように入ってきた妹は入り口そばのベッドに腰掛けると、いきなり確信的なところを突いてくる。
「それで、兄さんはボクの妊娠を認めてくれる気にはなったかい?」
予想はしていたが、さすがにこうも前置きもなく言われると動揺せざるをえない。
息が更にあがる。手も心なしかプルプルと震えているようにさえ思える。
動揺を悟られないように一息おいて、もう一度確認する。
「……確認する。本当はピル飲んでいたとか、そんなオチは無いんだな?」
まずい。声が震える。どうやら俺には隠し切れないらしい。
というか、この状況で平然と話していられる妹のほうがどうかと思う。少なくとも俺は。
「実は用意してはいた。だけど、ボクは兄さんがそういうつもりで中に出してくれたと思っていたから…
 兄さんの望みを叶えてあげたいと思って飲まなかった。今にして思えば、確認をしなかったボクも悪かったね。
 兄さんの子供をボクの子宮で孕むんだって考える精神的充足に抗うことができなかったという理由もある。
 でも、ボクが勘違いしてなければ、いまごろそのオチを発表したと思うね。」
改めて聞くと落ち込む。心臓を万力で潰されているような重圧だ。
こんなことになるんだったら保険の授業を真面目に受けとくべきだった。
仕方が無い、あまりにつらい台詞だが…俺のためにも妹のためにも、これしかない。
「いいか、落ち着いて聞け・・・」
妹の肩に両手を乗せ正面から目を見据える。
俺の手は激しく震えていた。さっきは気のせいだと思ったが、こうして見ると明らかだ。
言うしか無い。言うしか無いんだ。俺は一呼吸おいて一気に叫ぶ。
「すまない、堕胎してくれ!」
言った。ついに言ってしまった。
先ほどまで真摯な目で俺を見つめていた妹の顔が明らかに歪む。
そう悲しそうな目をしないでくれ。俺が重罪を犯したかのような気になってしまう。
「ははははは。兄さん、それはないだろう。」
妹は意外にも笑いながら、しかし今にも涙を流しそうな声で言った。
いや、流しそうなではなく実際に流しているのだ。
小学校に上がってから感情を大きく出さなくなった妹の涙は、俺の心を動かすには十分だった。
しかし、ここで引くわけにはいかない。そうでなければ、互いに不幸になるしかない。
64899:2009/09/27(日) 17:52:17 ID:5SYwWUf0
正直、俺は妹の悪役のような引き笑いは好きではないのだが、今回ばかりは多少救われる。
「兄さん、だって、だってだよ、兄さんとボクの遺伝子を受け継いだ子供をだよ殺せって、そういうことだよ?」
一応、前もってある程度の応答を考えておいてあってよかった。これにはこうこたえることにしていた。
「最大でも妊娠四週目。発生においてまだ神経系ができるかどうかってところだろう。
 今ならまだ人間未満の存在だ。細胞の塊を摘出するだけと同じだ。」
医学的には間違っているかもしれないが、倫理面からの抵抗を少しでも減じることができるなら有効だろう。
この言葉を出せただけでも、付け焼刃でも調べた価値はある。
だが、妹はなおも食い下がる。
「でも、機会損失って考え方もある。それはいずれ子供になるんだ。それを潰してしまえば、生まれるはずだった子供を殺すのと同様だろう?
 もしかしたら非論理的かもしれない。でも、論理とかそういう問題じゃないじゃないか。」
後半の言葉になると、もはや涙でマトモに発音できていない。
正直、心を動かされる。だが、俺は追い討ちをかけねばならない。未来のために。
「それを言えば、精子だって子供になる可能性があったんだ。でも、自慰でそれを捨てるのに誰も躊躇したりしないだろ。」
「いや、その理屈はおかしい。だって…いや、そうだね…
 論理でボクが勝とうが負けようが、兄さんは認めてくれるつもりはないんだね。」
後半の諦めが入った言葉が罪悪感を感じさせると共に、もうすぐだと説得の成功を予感させる。
よし、このまま攻めれば大丈夫だ。
「そうだ。現実を見ろよ。生徒が妊娠したとなれば、学校だって何らかの処分をするはずだ。
 この世の中、高校中退じゃたぶんツライぞ。オレだってそれは嫌だ。」
そうだ。自惚れかも知れないが、妹は自分のことよりオレのことを優先してくれるはずだ。
ならば、オレが不幸になるという路線で攻めればこれも効果があるだろう。
「わかったよ。よくよく考えればボクが愚かだった。本当に・・・愚かだった。」
勝った。何とか説得は成功したが・・・素直に喜ぶことはできない。
よくみれば、いや一目でわかるほど光が失われた目を見ると罪悪感が湧き出る。
そういえば中学のこいつがイジメられていた頃はこんな目をして帰ってくることがあった。
これが絶望に打ちひしがれた目なんだろうか?自分はそういう経験がないのでわからない。
「でも、そういえばまだ妊娠が確定してたわけじゃない。検査薬を使ってから相談をやり直さないかい?」
声が少し引きつってる。たぶん咽び泣きそうなところを、どうにか出した声なのだろう。
…だがそれもそうだ。そういえば妊娠している前提で話をしていたが、まだ確定したわけではない。
ただの杞憂だった可能性すら出てくるのだ。絶望の中に幽かな光が差し込む。
「そうか。じゃぁ薬局に行って買ってくる。待っててくれるか?」
こう聞くと、妹は少し逡巡するように顔を上げると、うなずくことで答えた。
それを確認すると一目散に玄関に向けて走った。
あの部屋の空気に耐えられそうに無い。
それに、薬局で買い物して説明とかを受けたりすれば気分が和らぐとも思った。

そんなこんなで自転車で近所の薬局まで来たわけだ。
道中はこれまでのことについていろいろ思考をめぐらせていた。
妊娠していなければそれに越したことはない。すべて解決だ。
だが、検査で陽性になってしまった場合は非常に困る。
一応、中絶することで話はついたが、口で言うほど簡単ではないらしい。
中絶についてもさっき調べた。
ネットでチラッと見ただけの情報だが、母体保護法とやらによると中絶できるのは妊娠22週までらしい。
64999:2009/09/27(日) 17:55:24 ID:5SYwWUf0
これはまぁクリアしてるだろ。もし一発目でヒットしてたとしてもまだ5週目にもない。
だが、問題はやり方だ。
薬局で変えるような薬で中絶できるなら簡単だったんだが…そううまい方法はないらしい。
海外なら個人で服用できる薬もあるらしいが、日本では規制されてるそうだ。
それ以外の方法では医療器具で子宮口を開いて胎児をアレしてしまう方法らしいけれど。
どう考えても医者の仕事になってしまう。。そうすると、産婦人科に行かねばならないだろう。
だが、費用の問題はともかく高校生が親を連れずに中絶手術を受けてだ
果たして病院が黙ってすんなりと手術してくれるんだろうか?
そんなことを考えて買い物をしてると、目当ての妊娠検査薬を見つけた。
店員を呼んで使い方を聞いてみる。
さて、聞いてみたところすぐすぐとはいかないらしい。
どうやら探知には受精してから数週間の間が必要らしいのだ。
ということは、最後にいたしたのは二日前だからしばらく待たねばなるまい。
早期検査薬と通常検査薬の両方を買ってきた。
この数週間待たねばならんってのが未来を不安にさせる。
まず、どんなふうに妹に接してやればいいんだ。
こんなことになってしまっては、いつも通りってのは可能なのか?
それにその間は陽性か陰性かが気になって仕方がないだろう。
そして最大の問題は、俺が性欲を抑えきれるかどうかだ。
あの一ヶ月間で俺は妹の宣言どおりに調教されてしまった。
多分、こちらが求めればアイツは拒まないと思う。
だからこそ俺は我慢できるんだろうか?
あの柔らかい唇を。心地よい安らぎと激しい興奮を与えるあの胸を。
俺の一挙一動に反応して上げる悦びの歌を。
肉ヒダの一枚一枚がねっとりと俺のモノを咥えこみ精液をねだる膣を。
思い出すと不覚にも激しく勃起してしまった。
これを自慰なんかで処理してしまうなんてもう考えられらない。
膣内だ。子宮口に叩きつけるように精液を吐き出すしかあり得ない。
アイツは子宮口をコツンコツンと突き上げてやると何度も絶頂して痙攣するんだ。
そうやってから形がいい尻を鷲掴みにして引き寄せ、ペニスを可能な限り深く挿して射精が必殺パターンだ。
快楽の涙を流して失禁する姿が本当に美しい。
不思議と俺も萎えることが無く射精直後の敏感なペニスで極上の締め付けを堪能できる。
・・・マズイな、帰ったとたんに押し倒してしまいそうだ。
妙なことを考えるんじゃなかった。フェラをしてもらうとかダメだろうか。
本番は無理だから妹のアナルの開発でもしてみるか。

そんなことを考えつつ家に帰ると奇妙な光景が目に入った。
玄関には微笑を浮かべた妹と同じく笑顔で模造刀を持った母がいた。
脳が一瞬のあいだフリーズするも母の一言で現実に引き戻される。
「ちょっと、頭冷やそうか?」
やさしい微笑みから放たれたとは信じられないほど冷たい声だった。
65099:2009/09/27(日) 17:57:15 ID:5SYwWUf0
とまぁ、今回は終わりです。
次回あたりで終わらせるかな?
どうも見苦しいものをすみません
651名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 18:40:16 ID:gNHaRQxf
>>650
GJ!
妹、まさかの最終手段発動か……
次回、楽しみにしています。
652名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 00:16:02 ID:lgZZANm3
GJだが…
兄があまりに馬鹿だなぁ
653名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 01:26:31 ID:4BgQurkz
GJ!!! 兄が駄目すぎる。漢として?何か失いかけてる気が…
いつか刺されるぞ…母ちゃんwwww  
654名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 17:13:06 ID:TAL4/3qH
>>650
GJ!!面白かった!!
まぁここはキモウトスレだから、妹が負けるのはありえないでしょ
655名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 18:33:28 ID:N4vwIIBa
>>650
健康的に病んでるキモウトGJです
656名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 23:06:46 ID:JbXDsxdh
なのはさん……
657名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 23:25:52 ID:LyGHC6OH
あの人も元々はエロゲの妹キャラなんだよね。
658名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 23:38:13 ID:SvT94VX+
なんであんなになっちゃったの?
659名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 23:46:48 ID:cAy5hotS
アニメ作った人の暴走
660名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 00:15:19 ID:8/ClMt25
とらハ3か、ただの完全攻略対象外の妹キャラだったろ?
661名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 02:24:35 ID:035DFyPo
>>660
そう。主人公とは腹違いの兄妹。一応母娘エンドはある(非エロ)
その後外伝的な話の中で、魔法少女としての役割を与えられ、それがどんな化学変化を起こしたかは知らないが、テレビ版にてああいうキャラになってしまったw

キモウトというよりは兄の方がシスコン。二次創作内ではキモウトといかないまでも、ブラコンとして書かれることが多い

ちなみにCGフルコンプ時の台詞は名言
662名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 02:49:47 ID:035DFyPo
あ、すまん。名言は4コマの話だった。最後の一行は忘れてくれorz
663名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 04:53:32 ID:UOkY/vIH
脚本に某井上とかが、居ないだけましジャマイカ…。
664名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 08:28:52 ID:EnESJQKv
トロは何も悪いことしてませんニャ
665名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 13:58:02 ID:D7Jq6mSI
次から投下。
モンスターハンター フルフル
http://auction.mobile.yahoo.co.jp/p/auction/page/image?aID=127181915&apg=1
この画像を見て不快感を持ったからは、酉かタイトルでNGをお願いします。
666名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 14:01:21 ID:D7Jq6mSI
嗚呼、いつもこうだ……
酉付けるのもタイトル書くのも忘れてしまってた。
しかも直書きしてたのもコピペミスって消してしまったので、後日投下させてください。
荒らしみたいな真似をしてしまいスミマセンでした。
667名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 14:35:16 ID:m08LhdpY
ヤフオクのどこかにキモウトが・・・ってマジで探しちまったじゃねーか
668名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 01:18:51 ID:hK77ahc5
>>665-666
自戒も自傷も少しばかり自重……はともかく。
基本文字だけの小説スレで、写真を見せられても、なんだか対応に困る。
異形系統のキモ姉妹が出るとしても、別に注意書きだけでいいと思う。
それでは、消えた文章の再起と投稿を、心から待っています。
669名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 12:54:54 ID:dLqBXYIh
オク終わってるのか画像見れなかったが
よりによってフルフルか
リオレイアとかですらないのかw
670名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 13:28:58 ID:uayrCU24
モンハンか…買ったはいいけど10分で飽きたw
だって操作難しすぎるしorz

モンスター狩りを生業にする兄と、呪いにかかった振りして兄を手篭めにしようとするキモウトなんかどうだろう?
671名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 14:22:13 ID:MPAcJKTw
>>661
腹違いか。
そういえば、スウェーデンでは父親か母親が違えば2親等での結婚が認められるそうな。
俺の知る限り兄弟姉妹が法的に結婚できるのはそこぐらい。
異母・異父姉妹に天才科学者とか文豪とかがいるやつは気をつけろ、
「授賞式には一緒に行ってくれるよね」という甘言に耳を貸したが最後、
アーランダ国際空港から直行で役所に連れて行かれるぞ。
672名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 00:09:37 ID:bFKAESjv
>>671
で、続きは?
673名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 00:16:41 ID:5su0lVNH
続きなんてないよ〜だ
674フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:39:48 ID:FOLmw3Pg
誰もいなさそうな時間にひっそり投下。
675フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:40:20 ID:FOLmw3Pg
  /


 夏休みに入っても、父親は見つからなかった。
 リビングにあるソファーに座る。いつものように新聞が目の前のテーブルに置かれていたが見ようという気は起きなかった。
 後ろのキッチンでは舞が鼻歌を口ずさみながら料理の準備をしている。
 室内にぐるりと視線が巡った。大型の液晶テレビ。きらきらの時計だけを収納している棚。デスクトップのパソコンに、大きなガラス戸。
 初めて家を訪れたものはよく言う。立派な家だ、と。一度はこんな家に住んでみたい、とも。
「お兄ちゃん、出来たわよ」
 舞が朝御飯の支度を終え、手をエプロンで拭きながら言った。
「何してんのよ、そっちで食べるつもり」
 反応がないので、焦れたのか後ろから両手で頭を掴んだ。それでも俊介は動かない。
 舞は目を細めて、数秒考え、それから後ろから抱きついた。
「テーブルで食べないと行儀が悪いわよ」
 耳を舐めるようにして囁いた。
「ここにもテーブルはあるだろ」
「これは机じゃない。まあ読み方を変えただけかもしれないけど。でも、リモコンとか雑誌とか置いてある机で食事をするのはよくないでしょう?」
 正論だ。だが――それだけに鼻につく。
 いつも通りの舞に腹が立つのだ。まだ朝だというのに、料理をした後の匂いすら癇に障った。
「別に食べられないってことはないさ」
「あ、そ。じゃあ勝手にしたら。ずいぶんと、贅沢なのね」
 贅沢、という声に二重の意味がこもる。
 あの店で働かなければならない朋美は、食べるものにさえ困っているのかもしれない。
 何もかも終わった後にもがく様な既視感。つまるところ、悪いのは何も知らずにのうのうと生き、いまだ肉親である父親すら見つけられない自分自身なのだ。
「……ちゃんとテーブルで食べればいいんだろ」
「そうね」
 食事はご飯とムニエルが自身の中央に鎮座されていて、左に胡瓜のお浸し、右にきれいに整えられた卵焼きが湯気を立てていた。
 大きく息をつき、ちらりと視線をやる。舞も自分を見ていた。
「食べないの」
676フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:41:33 ID:FOLmw3Pg
 なかなか食事をしないことに焦れたのだろう。疲れたような声をぶつけてくる。
「いや、食べるけど」
「菅野さんが気になって食事もロクに喉に通らない?」
「……」
「それとも、お父さんが見つけられない自分に腹が立って食事をする気が起きないもかしら?」
 パクパクと食べながらも器用に口に食べ物がない時に喋る。
 そして、その口にするどれもが気にしていることだった。それゆえ棘も刺し返したくなる。
「お前は、気にしていないみたいだな」
「お前?」
「だから……舞は気にしていないみたいだな」
「私? そりゃあ、お店で水をぶっかけられたりしちゃったからねえ。腹も立つわよ」
 けたけたと口を歪めて笑う。
「あれは、確かにやりすぎだと思うけど。でも、お前にも非はあったから自業自得の部分もあるぞ」
「お前?」
「だから、舞のことだよ。目の前にいるんだからわかるだろ。何なんだ、さっきから」
「お兄ちゃん。私の名前は、舞なの。お前じゃない。私の言ってること、間違ってる?」
 箸を置いて、手を膝の上に置いて言う。まるで、夫婦喧嘩で妻が夫を責めているような剣幕であった。
「いや……間違ってはいないけど。でも、そんなこといったら舞だって俺のこと、お兄ちゃんって呼ぶじゃないか」
「そうね。じゃあこれからは俊介君って呼ぶわ」
 視線を外した兄に妹が責める。
「だめじゃないけど……そういう言い方されると舞の兄でなくなった気がするみたいでちょっと嫌だな」
 が、俊介がそう言うと、一瞬きょとんとした後、急にどうしたのか、もじもじと体をゆすり、それは……ごめんなさい、と呟いた。
「じゃあまだ、俊介お兄ちゃんにしておくわね」
 そう言うと、やっと二人は食事を再開した。
 しばらく経って俊介は、
「なあ、舞もあいつを探してくれないか」
 と尋ねた。
 実は起きてからずっと考えていたことだった。自身ではもう、どうすることもできないほどに走り回っていたし、
舞は驚くほどに頭が回ることがあるから、もしかすれば自分が何か盲点になっていることをひょいといい出してくれるのではないかと思ったのだ。
「あいつって、お父さんを?」
「ああ」
677フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:42:28 ID:FOLmw3Pg
 慎重に事を進めるつもりだった。
 ときおり、「手伝うのが当たり前だ」と口を滑らせそうになり、慌てて俊介は言葉を飲み込む。
 不思議な感じが体を襲った。
 自分は舞に対して、何もやましいことはしていない。父親が見つからないから、共に探してくれ、と言っているだけだ。
菅野朋美がこうなったのは父親が何かしたせいだから、舞とて無関係ではない。
 それなのに、この奇妙な切迫感。やってはいけないようなことをしてしまうような焦燥感。まるで必ず来るとわかっている天災を待っているかのようだ。
 それに、と思う。
 結局、自分はただ自力で見つけることができないから舞に逃げて、この無力感を分かち合いたいだけじゃないのか。だから、こんな気持ちになるのではないか。
「何でもするから、頼む」
 その気持ちを否定するように、力いっぱい声を出す。だが、こんなことでこの根拠のない不安感が消えてくれるはずもなかった。
 舞はしばらく下げられた頭を見て、ゆっくりと口を開いた。
「私の携帯、ね。極稀にだけど、お父さんから電話がかかってくることがあるの」
「な、に」
 俊介は言い終わるよりも早く頭をあげた。
 驚きを無視して、続ける。
「だから、ずっと私と一緒にいれば、話すことぐらいは出来るかもよ」
 ごくりと食べ物を飲み込む音が聞こえた。しゃべっていたくせによくも流暢に話す。
 対して俊介は混乱して、何を言われたのかが理解できない。
「それは……前からそうだったのか」
 とりあえず、そう訊いた。自然に口からでた。
 何も、舞の提案が理解できない、と言うことではない。
だが、彼女の言葉を深読みするならば、妹は自分の知らない間に父と連絡を取り合っていたということと同義になるのだ。
 それは俊介の気持ちを安易に刺激した。
「別に隠していたわけじゃないわ。あの人は非通知でかけてくるし、内容も元気か、とか生活費は足りているかとかそんなものだから」
「俺は知らなかった」
「俊介お兄ちゃんはお父さんのこと嫌ってるじゃない」
「あんな奴どうやって好きになれってんだ!」
 怒声が漏れた。一緒に机も叩いたので、傍に置いてあったコップが倒れ、お茶が床へと零れた。
678フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:43:10 ID:FOLmw3Pg
「とにかく。だから黙ってたの。余計な混乱を起こさせたくもなかったからね」
 冷静な声が返ってきた。
 トーンで自分の心情を図らせないような卓越した声だった。
 そんなことには一切気付かず、舞の顔を一瞥して、こぼれたお茶を見た。先日の朋美との一件がフラッシュバックする。
 ぐっと奥歯を噛んだ。
 今はそこは問題ではない。怒ってはいけない。
 が、我慢できず一言だけ口にした。
「俺は……舞にあいつと話してほしくない」
「あら、やきもち?」
「は、はあ?」
「冗談よ。とにかく、もし非通知でかかってきたら私の携帯をお兄ちゃんが取ればいい。それで私が手を貸す、ということになるでしょ」
 そう言って、舞はキッチンから雑巾を持ってくる。俺が、という俊介を手で制して床を拭き始めた。
「別にずっと一緒にいなくてもかかってきたら、俺を呼んでくれればいいじゃないか」
「そんなことができると思う?」
「……わかったよ」
 落胆した声を聞いた舞は思わず笑ったが、床を拭いている者の顔など見られるはずもなかった。

679フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:43:38 ID:FOLmw3Pg
  /


 夏休みに入ってから小枝子と会うのは三度目だった。
 誘いは何度もあったが、俊介はそのたびに断っていた。
朋美のことがあったし、なにより、小枝子は最近おかしいほどに電話やメールをしてきたりして、正直に言ってしまえば困っていたからだった。
 二度のデートも、特に何かした、というわけではない。家に呼んで、ただずっと話していただけだ。
その時も小枝子は、しきりにひっついてきたり手を握ってきたりしたが、家には舞がいたので何かできようはずはなかった。
 そして、そのような機会は今日を境に永遠に失われると言っていい。俊介はそう思って小枝子を待っていた。
 待ち合わせ場所の公園にやって来たのは、ほとんど二人同時だった。
辺りには人は少なく、奥にあるブランコに幼い男の子と女の子がじゃれあいながら遊んでいるだけだった。
「早いね」
 俊介はまずそう声をかけた。緊張を悟られただろうか、と思うほどに声が遅れて出てきたような錯覚が起こったが、かまわず続けた。
「まだ三十分前だよ」
「私は一時間前から準備していましたから」
「一時間……すごいね」
「気にしないでください。私が好きでしたことですから」
 明るい服が印象的だった。控え目な白のシャツに膝までの青いスカート。ベルトが一際目立っていて斜めに下げられている。
 気合が入っている、のかどうかはわからなかったが、よれよれの服に半袖の上着を羽織っただけの自分よりはましだった。彼女は、きれいだった。
 俺、最後まで馬鹿だな。そう考えたが、この方がかえって向こうも気持ちが冷めるだろうと思い、思考を止めた。
「風、強いですね。気持ちいい」
「そうだね。今日は比較的に涼しいみたいだよ」
 ゆらゆらと木々が揺れている。
 タイミングを計っているわけではなかったが、風が収まってから口を開いた。子供の声だけが遠くから聞こえた。
680フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:44:26 ID:FOLmw3Pg
「別れて、ほしいんだ」
 途端、また風が葉を揺らすようにざあっと音をたてて起きた。
「え?」
「ごめん。もう日野さんとは付き合えない」
「な、に……言ってるんですか、急に。まだ今日、会ったばかりじゃないですか」
「今日遊んで、楽しんで、それから別れを言いだすなんて、そんな卑怯なことはしたくなかったから」
 嘘だった。卑怯なことをしたくないというのならば、こんな中途半端な気持ちで付き合ってきた自分はもっと前から卑怯で狡猾だ。
「本当にごめん。自分でも最悪なやつだってわかってる。だから何発でも殴ってくれ」
「あの、すいません。よく、意味がわからないです。いえ、意味はわかっているんですけど……」
 小枝子は一歩後ずさりながら、こめかみを押さえる。俊介が頭を下げて、土下座をしようとすると、やめて! と大きな声で止めた。
向こうにいた子供たちがこちらをじっと見つめだした。
「ちゃんと説明してください」
 声は涙でかすれて聞き取りにくかった。
 俊介は昨夜からずっと考えていたことを話した。もちろんそれは本当のことではない。
 しかし朋美のことを話して、それでもいいから付き合っていこう、と言われたら返答に困るのだ。別れなければいけないのだから。
 だって、朋美のことを考えたら、自分はもう恋人など作っていい存在ではない。
 朝にそう再認識させられた。
「で、私からの条件だけど」
 朝食が終わり、食器をすべて片付けると俊介の座っているソファーの横に来た舞が言った。
一緒に持ってきたティーカップからはダージリンの香りが匂ってきていた。
「条件?」
「何でもするんでしょう?」
 猫のような目が光った。父親からの電話を取り次ぐ代わりに出す条件、ということに気づくのには少し時間がかかった。
「日野小枝子と別れて」
「え?」
「もう必要ないでしょう?」
「必要って……」
「菅野朋美はあんなに苦しんでるのに、自分だけ恋人を作ってるつもり? あの子はもう、普通の恋人なんか作ることはできないのに」
「恋人ができないってことはないだろ!」
「できないことはないわ。でも、男の範囲は限定される。広い意味で、ね」
 確かにそうかも知れない。事情があったにせよ、すでにソープに身を沈めている女を喜んで迎える男は少ないだろう。
 いつの時代も娼婦は敬遠されるものだ。
 舞がごくりと紅茶を喉に通す。
「お兄ちゃんだって、全く考えてなかったわけじゃないでしょう?」
「……お前」
「お前?」
「舞、最近おかしいぞ」
「おかしいのは、俊介お兄ちゃんじゃない?」
 舞は親指を舐めて、笑いながら兄の指に口づけた。
ねっとりとからみつくそれはダージリンの香りをさせながらも鎖のように背筋を締め付け、俊介のそれ以上の言葉を奪った。
 だが朋美のことを考えれば、言われたことはおかしなことではなかった。
むしろ、あれだけ助けると言っておきながら、自分は小枝子と付き合っている、という方が何倍もおかしい。
 小枝子を呼び出すためにメールしたのはそのすぐ後だった。
681フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:45:06 ID:FOLmw3Pg
「だからごめん。別れよう」
 小枝子は、俊介の嘘を聞き終えると、しばらくずっと自分の体を抱きしめていた。
 カタカタと先ほどから震えだした体を少しでも抑えるためだ。けれど、押さえた腕も一緒に揺れてしまっている。
 恐怖で震えているのではなく、力を入れすぎて指先が揺れているのだ。
「私のことが嫌いになったんですか」
 声がいきなり小枝子の口からついてでた。
「そうじゃな……いや、そう、かもしれない」
 最初の嘘は二度目の嘘の罪悪感を和らげてくれた。これで最後だ、と唇を噛む。
気づけば、空の色がだんだんと移り変わろうとしている。空にできた雲が影を作り、奇妙に丁度よく、小枝子の体を影で覆った。
「本当に?」
 丸い、黒い瞳が訊いた。
「え?」
「本当に、私のことが嫌いですか?」
「……」
「嫌いなら、そう言ってください。早く」
「別れてくれ、って言ってるんだ」
「つまり嫌いではないってことですね」
「……もう付き合うことはできない」
「だから、それじゃあわからないんですよ。私が嫌いなら、大きな声でそう言ってください。思いきりひっぱたいてくださいよ」
「……別れてくれ」
「…………あはは」
 おかしな問いかけが続いた。
 小枝子は話しているうちに何か思い出したかのように笑った。自嘲的な笑みだった。ただ、慣れないせいか、くつくつという変な音も口から出た。
「いつもこうなんですよね。私が我慢してると、皆、私を笑いながら蹴っていく。好きなものを横から取っていく。結局、手段を選ばない人が勝っちゃうんです。いい子なんて、本当に、本当に意味がない」
 突然の独白。
682フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:46:03 ID:FOLmw3Pg
 不審に思って、近づくと、
「ねえ、私の家に来ない?」
 と小枝子は言った。変な、おかしな声だった。
「いや、だから、もうそういうことは」
「いいじゃないですか。それぐらい。友達でも家の行き来ぐらいするでしょう?」
 そうかもしれない、が、いくらなんでも彼女でなくなった日に家に上がりこんで遊ぶ、ということはできない。小枝子本人に失礼だ。
「だめだよ」
「なら、どこかに遊びに行きましょう」
「それも、やめておこう」
「じゃあ、あそこの草むらでいいです」
 首をかしげて問いかける。
 公園にいた子供たちはすでにいなくなっていた。二人きり。距離なんてもうないのにどこか肌寒い。
「しましょう?」
 俊介は言われたことにぎょっとして、何言ってるんだよと冗談めかした。すると小枝子は体当たりするようにして抱きついてきた。
「えへへ」
 媚びるように見上げてくる。淀んだ目。暗い目。口元が曲がっている。いや、笑っているのだ。
 足を後ろに引く。
「逃がさない」
 彼女がそう言ったわけではない。彼女はそんなことが言える人物ではない。しかし、どこからかそんな声が聞こえた。同時に、その声に金縛りの効果でもあったのか動けなくなった。
 手が足の付け根へと向かってくる。
「だめだって!」
 声が空へと消えていく。大丈夫、大丈夫、と言いながらズボンのチャックを開け、手を伸ばしてきた。
しかし、どうしてもそれだけはと思った俊介は、動けない足の力を抜いて、転ぶことで状況を壊した。
二人がその場に倒れこむ。勢い余ったせいか、派手に体を打ちつけた。
683フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:46:55 ID:FOLmw3Pg
 起きながら、さすがにやりすぎたと思った俊介が大丈夫か、と声をかけようと彼女を見た。
すると、なぜか転んだことなどなかったような顔で、瞬きもせずに俊介をじっと見ていた。
「なんで? いいじゃないですか。誰でもやってることですよ。あ、でも、お昼に公園で、っていうのは少ないのかな」
「そういうことは、もう君とはできない」
「もう? 今まで一度もしていなかったじゃないですか。だから、させてあげます。恋人ってそういうものですよ」
 そういうもの。何気なく言われた言葉は当たり前だ、という響きではなく、まるで隣の家は犬を飼っているんですよ、とでも言うかのような気軽さだった。
 突然の変化に意味が分からず、俊介は立ち上がって一歩、いや二歩三歩と下がった。
 何かうすら寒い恐怖感が告げる。下がれ、離れろ、逃げろ、と。
 その二人の間にできた距離、間を小枝子はぽかんと眺めている。
「……冗談です」
 小枝子は動かず、しばらくするとそう言った。明日からはまた、大人しい私に戻りますから、とも。返事はできなかった。
「でも、したいときは言ってくださいね」
「だから、別れてくれって」
「いや」
 俊介の言葉を、低い声で遮る。そして清々しい、笑顔で傍まで来た。
「いやです。認めません。絶対に別れませんから。あなたの彼女は、私ですから」
 唇が合わさる。
 初めてのキスだった。付き合っていた時も色々とトラブルが重なってできなかった。でも今、こんなに簡単にしている。別れ話を告げた後に。
 無理やり突き飛ばした。そうしなければ離れられないほどに強い力だった。
 小枝子は尻餅をついたが、難なく起きあがる。また向かってくるかと思ったが、今度は何を思ったか、以前のように微笑んで言った。
「忘れないでくださいね。あなたの彼女は、私ですから」
 そう言って、小枝子は振り向いて帰って行った。
 呼び止めることなど露ほども頭になかった。

684フラクタル ◆P/77s4v.cI :2009/10/01(木) 00:47:27 ID:FOLmw3Pg
投下終了です。
685名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 00:59:17 ID:IMAR1PjR
>>684
待ってました御大将GJ
686名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 01:09:14 ID:ApkIiyJL
>>684
これは良いヤンデレ。GJ
687名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 03:58:53 ID:qDgD4m4U
GJ
688名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 08:25:02 ID:dACDeOT2
首を長くしてまってました、GJ!
689名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 17:41:37 ID:5su0lVNH
遅すぎて存在忘れてたわ
690名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 18:21:33 ID:WbMtNlrI
限界だッ!催促するねッ!
永遠のしろまだぁー?
691名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 18:32:35 ID:qe66poTR
>>684
GJJJJJJJJJ!!!!!!!
あたい、ずっと待ってた!
692名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 19:51:13 ID:MAbS3jiK
傷って完結したの?
693名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 20:58:20 ID:A0vj+/Wd
完結したっけ?って思うのは
全部してねえよ
694名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 21:05:52 ID:qDgD4m4U
長編は2ヶ月投下がなかったら危険、3ヶ月過ぎたら絶望的、4ヶ月なければもう来ないと考えろ
半年経って忘れた頃に投下されたら奇跡だが半分忘れて冷めてるからどうでもいい奇跡になる
695名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 21:21:59 ID:RK+AuRqG
>>694のレスに関心してしまった。確かに半年振りに投下されても、ほとんど覚えていないから
読んでみようと思わない。
696名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 21:28:17 ID:oNP4wkRX
>>693 >>694
なるほど、たしかに言い得て妙だ。
697名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 21:37:08 ID:9RPYNuL9
短編しか待ってない俺に隙は無かった
698名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 23:33:17 ID:AN/PEkop
>>694
納得できるな。
半年前の小説の設定なんてよほどの名作(迷作?)でも無い限り覚えてねぇ。
699名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 00:22:11 ID:js3xfN5z
俺は純情マスターの続きを




ってスレ違いか
700名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 05:21:50 ID:oMmUBpeA
俺はいない君と(ryを




もうあきらめた
同じくスレ違い
701名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 06:18:32 ID:K2cAv9bd
折角投下があったのに、なぜネガティブな事ばかり言うのか
702名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 09:13:21 ID:81mQYW47
投下までに間が空いて前回の話忘れたら最新話読む前にまとめサイトで復習は基本じゃなかったのか
703かぜひき ◆.xomcLufiI :2009/10/02(金) 10:08:52 ID:eFJ5+up0
7か月投下のないスレだってあるんだぞー
704名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 11:21:14 ID:CCAVLz2r
>>703
機能してないんじゃね?そのスレ。

一番投下が早いスレはどこなんだろーね。
705名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 13:46:08 ID:DLHUah3x
実況なら大概早いよそれかvip
706名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 14:28:56 ID:ZMGpvSLF
>>702
毎回やってる
一つ前の話を読み返せば大体思い出せるから
大した手間でもないし
707名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 21:29:48 ID:InOq9fzH
桔梗の剣が完結するまでは死ねない
708名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 21:57:11 ID:CCAVLz2r
もう一年投下ないやつは保管庫から消していけばいいのにw
709名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 22:13:01 ID:fZGp6hHh
これからは食欲の秋
最近妹が調味料にこだわりをもちだしたようで
食べる寸前に隠し味と評して無色の液体を入れてくる
あれはいったい何なんだろう
710名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 22:29:36 ID:XrfDDWAZ
>>709
ただのにごりじゃね?
711名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 23:36:29 ID:ZMGpvSLF
>>708
個人的には未完だろうが作品は作品だから消す必要は無いと思う
未完でも面白い作品は多いし今でも結構読み返したりしてる
712名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 23:51:21 ID:CCAVLz2r
>>711
まぁ消したほうがいいって言うのは言い過ぎたけど、残念ながらもう書かないでしょ。

続き気になってしょうがない。
713名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 01:02:10 ID:70KjJDm7
イモウト、キモウト…ッは!
714名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 01:12:57 ID:D/NBVD5s
>>713
チン重ハンターキモウトの履行。

意味ねえw
715名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 01:14:43 ID:DfCzT40m
保管庫の長編の分類に「完結済」「未完結」「連載中」の項目を増やしたらどうだろう?
「連載中」は大体3ヶ月位前に投下された作品、くらいの目安にして。
716名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 01:33:03 ID:a8h/bKTK
>>715
いいだしっぺの
717名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 01:35:19 ID:Lquy9VuV
ほうそくがみだれる!
718名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 01:59:28 ID:xHrWLnkT
秋冬to玉恵はあと何ヶ月待てば投下されるんですか?
719名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 02:06:23 ID:UAAgNBLw
個人的には『貴方だけを愛し続けます』の続きが読みたい
『これから』って所だったのに…orz
720名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 03:26:53 ID:SfLBwxC6
催促合戦はいい加減にしろ
721名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 04:18:34 ID:PD9K9dru
キモウトとか妄想の中だからいいよね
リアルでとかマジドン引き……ん、こんな夜更けに誰だろう
722名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 04:45:16 ID:xgpQ9Dls
あなたに長女と長男ができたら長男にはこう言い聞かせなさい。
不用意に「お姉ちゃん大好き」「お姉ちゃんけっこんしよう」と言わないように。
大きくなった時、恐ろしい事になるから。 

更に次女が出来てしまったら…
どれだけねだられても「大きくなったら…」関係は避けるべきと言い聞かせましょう。
覚えていて恐ろしい事になるから。

もし、あなたの娘達と息子がまぐわっている場面に遭遇したら…
逃げなさい。止めようとしても絶対に止まらないから。逆上した娘に殺されたくなければ… 

【歪んだ家庭における育児書】より抜粋。        
723名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 14:21:34 ID:aSXUEPmk
イトコ同士は鴨の味って言うけれど………キョウダイ同士は何の味なのおねえちゃん?
724名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 14:49:44 ID:JBooBr3c
松坂牛の味とかかな…?
725名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 16:09:35 ID:6wUXPfDA
>>709
>>710の言うように「にごり」か液体の塩(液塩)かもしれん。
無色ってだけだと酒とかもあるし無塩酒だと色が無い物だからわからんよ。
香りを嗅げばわかるかも。
726名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 16:55:00 ID:dR0rsDgf
>>720
それは無理だろ。
727名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 18:37:36 ID:qRgDoN3x
>>723
まろやかでコクがあり濃厚ながらサッパリとした甘味と酸味が合わさったネギ味噌とんこつマンゴー風味な味
隠し味は代々伝わる秘伝のタレと108種類のスパイス、そして背徳という名の罪悪感
728名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 21:06:08 ID:f5q9xw7i
……グロイな…。
729名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 03:19:34 ID:/CxZofgV
俺の名前は鷹司薫。現在都内の私立高校に通う18歳だ。
大学受験を控えた俺は毎日受験勉強におわれている。


「うーん……解説読んでも意味がわからない…」


理数系が苦手な俺は数学の問題に苦戦していた。一応弁明しとくが苦手といっても人並みよりはできる。
だが「名門鷹司家」に拘る親戚一同から名門大学に行くことが義務づけられている俺は、要求されるレベルが高すぎるのだ。


「駄目だ。また後にしよう。」


一息つこうとした時自室のドアが開かれた。


「紅茶とケーキを持ってきたわ。少し休憩したら?」

「あ、ありがと…」


彼女は鷹司裕香。俺の4歳年上の姉さんで、現在都内の某名門大学4年。大学院進学が決まっており、将来は学者になる事間違いなしと言われる秀才だ。
おまけに容姿端麗、家事万能、気配りが出来て友人からの信頼も厚いとまさに完璧な姉なのだが…


「お勉強の方はどう?分からないところがあるならお姉ちゃんが教えてあげようか?」


そういって姉さんは俺の手元を覗き込む。


「やっぱり薫くんは数学が弱いみたいね。この問題はね…」

「いや、後でまた自分で考えてみるからいいよ、姉さん。」


姉さんは俺に勉強を教えようとする時に俺の手に自分の手を重ねてペンを走らせる。おまけに体も密着させようとする。俺は姉さんを妙に意識してしまうから勉強は自分でやる事にしているのだ。


「遠慮しなくていいのよ。お姉ちゃん、薫くんのためならなんでもしてあげるからね。」

「う、うん、ありがと。でも大丈夫だよ。」

「そう…。じゃあお強頑張ってね。…お姉ちゃん薫くんの事待ってるからね。」


俺の志望校は姉さんの大学であり、そこは大学院も同じキャンパス内にある。だから姉さんは来春から一緒に通うのを楽しみにしているのだ。それがプレッシャーにもなっているんだけど。
共学高校に通う俺と違い、姉さんは中学から中高一貫の女子校に通ったため、俺と一緒に学校に通うのを楽しみにしてくれているが、男との付き合いは少々苦手のようで、22歳になった今でも弟の俺にべったりな感がある。
しかし最近は、ただ弟に甘いだけではない気がする。時折俺の事をじっとまとわりつくような目で見ている気がするのだ。俺は気づかないふりをしているが、何だか少し恐怖を感じる事もある。


「まぁ、気のせいだよね。」


そう自分に言い聞かせ、俺は姉さんのいれてくれた紅茶に口をつけた。
730名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 04:18:11 ID:IokoeuuL
支援
731名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 07:20:38 ID:lWp2yOqP
どうした?裕香お姉ちゃんになんかされたか?
732名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 07:48:24 ID:yDKKl3wK
そろそろ埋めタイムか…
例の戦隊は来るかな?

ウチは日曜の朝、息子や娘と仮面ライダーにプリキュアを見てるんだが
プリキュアの必殺武器(笛とかハープ)使用の時に脳内でアレに変換されるようになって困っている
733名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 18:38:35 ID:1diZ26v4
埋め
734狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2009/10/04(日) 23:06:36 ID:evwpaGPg
もうこのスレが埋まると聞いたので>>238の続きです。
一応名前もこれで。
735狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2009/10/04(日) 23:07:09 ID:evwpaGPg

「はぁ〜、あのバカ無茶苦茶しやがって…まだ痛い…。」
昨日由奈の暴走で喉を痛めた俺は、風呂に入りベッドに寝転んだ後、麻酔を打たれたように意識を失った。

目覚めた後も喉の痛みは引かず、声を出すのも辛いのだ。

「あれ?」
違和感を感じた俺はベッドから立ち上がり周りを見渡す。

ある物が無い…いや、ある人物がいない。

「由奈どこいったんだ…?」
そう…妹の由奈が珍しく俺の隣にいないのだ。
どこにいくにも俺にへばりついているあの由奈が、朝起きて隣にいないのはあまりにも気持ちが悪い。

「仕事は休みだって言ってたし…飯でもつくってんのか?」
喉の痛みで飯なんて食べる気になんてなれなかった。
気分だけでも入れ替える為に洗面所へと向かう。冷たい水で顔を洗えば少しはスッキリするだろう…。
そう信じてベッドから立ち上がり部屋を後にする。
736狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2009/10/04(日) 23:07:41 ID:evwpaGPg

――二階にある私室から一階に降りた俺は、洗面所に向かうためにリビングの前を通りすぎようとしていたのだが…。

「あれ?由奈〜、いないのか〜?」
由奈はリビングで朝食を作っているものだとばかり思っていたのだが、リビングから何かしている物音はまったく聞こえてこなかった。

不思議に思いリビングに入る…。やはり誰もいない。

「まぁ、いっか。」
あっさりと考えることをやめる。
由奈がいない久しぶりの自由なのだイチイチ探して自由を潰すこともない。

「さぁてと……なにするかな…」
自由を手にいれた…と言っても悔しいことに一人では何をすればいいのか困ってしまう。


――ドタッドタッバタッドタッ!

「…………はぁ……短かったな…自由…。」
二階から降りてくる激しい足音にため息を吐いた。
俺と由奈しかこの家には住んでいない…だとするとこの足音の主は……

「お兄ちゃんッ!!?」

「ドタバタすんな…朝から近所迷惑だろ?」
リビングに慌てたように飛び込んで来たのは予想通り妹の由奈だった。
服や髪は酷く乱れており、化粧を落とさないで寝たのだろう…顔色もかなり悪い。
いや……化粧関係無しに顔は青ざめている。
737狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2009/10/04(日) 23:10:43 ID:evwpaGPg

「どうした?」
あまり近寄りたくないが仕方なく由奈に近寄り頭を撫でる。

「わだじ…ヒッ…だんッ…だんじ…うぇ…ッ…おにいちゃっ…あぁッ……うあぁあぁぁぁあぁんッ!!。」

「おっ、おい!」
俺の顔を上目遣いで見上げると、俺の胸にしがみつき大声をだして泣き出した。
由奈の泣いている姿を久しぶりに見たので、ビックリした俺はただ由奈の背中を撫でることしかできなかった。
なんだかんだ酷いことをされても妹。悲しんでる姿は見たくない。

「ほら…どうしたんだ?」
由奈の肩を掴み胸から顔を離させる。
涙で顔がめちゃくちゃだ…。

「グスッ…昨日…」

「昨日…あぁ…あの事か…」
安心した…由奈にもまだ人をいたわる気持ちがまだ残っていたんだ。
昨日したことを謝ろうとしているんだろう…流石に指を喉に突っ込まれたときは突き飛ばそうとしてしまったが、できなかった…大切な妹だから――


「ははっ…まぁ、気にしてないって…お前は俺のたった一人のいy「私の誕生日だったのにお兄ちゃんとイチャラブできなかったぁぁぁぁぁぁッ!!」…も…う…と…」
顔の筋肉がひきつるのが自分でもわかった。
やはり由奈は由奈だ…俺の知ってる妹。
738狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2009/10/04(日) 23:12:35 ID:evwpaGPg

「お兄ちゃん!?昨日はなにもしてないから今日…」

「ダメだな。誕生日は昨日だろ?」

「えぇ〜!?お兄ちゃんと一緒にご飯食べて一緒に寝る約束は!?」

「そんな約束してねーだろ!」

「それじゃ、それじゃ一緒に恋愛映画見てお前のほうが可愛いよみたいな感じのやり取りはッ!?一緒にソファーで寝たり…そのままお姫様だっこで布団の中で抱き合ってイチャイチャ――」

「過剰な妄想すんな!」
抱きついてくる由奈を押し退けようとするがまったく離れない。

これが普通の由奈の姿。狂ってない妹の姿。
俺が由奈の近くにいる時は狂うことはまずない。
きっかけ――俺の周りに女性の影を見ると嫉妬した彼女の如く目の色が変わるのだ。

「わかったよ…それじゃ外に出掛けるか?なにか買ってやるよ。」
しがみついてわめく由奈を無理矢理に押し退ける。

「デート?」
わめくのをピタリと止め、俺の顔を覗き込む。

「いや…ただ買い物だよ」

「デート?」

「いや、だかy「デート?」

「…デートだな。」

「わかった、ちょっと待ってて!すぐにお風呂入って着替えてくるから!」
そう言うと俺の頬っぺたに無理矢理キスをして、リビングから出ていった。
739狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2009/10/04(日) 23:15:29 ID:evwpaGPg
「ふぅ…いつもアレなら良いのに…」

「お兄ちゃん?」
リビングから出ていった由奈がリビングの扉から顔を出す。なんか昨日も同じような事があった気が…。

「なんだよッ…と」
全身に鳥肌が立つのを感じたが、なに食わぬ顔で由奈へ顔を向けた。
満面の笑みを浮かべた由奈がなにかをこちらに放り投げる。

「――今度はお揃いの買おうね?」

「……あぁ」
由奈が放り投げた物…それはめちゃくちゃに壊された俺の携帯。

真ん中からねじ切れてる…かなり強い力でねじ曲げたようだ。

「はぁ…また友達に番号聞かなきゃダメなのか…」
これで何回目だろうか?
由奈に携帯を壊されては次の日に新しい携帯を買いにいく。恒例行事の様になっている。

「お兄ちゃ〜〜んっ!」

「ん〜?」
壊れた携帯を眺めていると風呂場から由奈の声がリビングまで響いてきた。その声に対して素っ気ない返事を返す。





「次……携帯に知らない女の番号入ってたら――わかってるよね?」


「…」
長年由奈の兄をしてきたが、俺は未だに由奈の本当の心理を理解していないのかもしれない――

そう考えると同時にこれから先も由奈の心理を理解することはできないだろうとすぐさま諦めた。
740狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2009/10/04(日) 23:17:59 ID:evwpaGPg
埋めネタ終了です。

次のスレも活気がでるといいね。

では、また次スレが埋まる頃に。
741埋めネタ:2009/10/04(日) 23:29:24 ID:WI6ZvEwj
「お砂糖、スパイス。素敵なものをいっぱい。全部混ぜるとむっちゃかわいいお姉ちゃんができる、はずだった。だけど弟博士君はは間違えて余計なものも入れちゃった。…それは、キモウトX」
「そしてうまれた超強力3人娘、スーパーパワーで牝豚らをやっつける、ブロッサム、バブルス、バターカップ。強くてかわいい弟博士君の味方、みんなのアイドル、パワーパフガールズ!家庭的なブロッサム!ツンデレなバブルス!そして依存だぜ、バターカップ!」
742名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 23:50:54 ID:LCeGnmrK
キモウトなのかキモ姉なのかはっきりするんだ
743名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 00:09:03 ID:FmVQvEbR
>>740
GJ!
ギャップ萌え〜
744名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 09:07:43 ID:wBBhAeD1
>>740
GJ!
スイッチOFFになったら一瞬誰か分からなくなったぜw
745名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 12:13:13 ID:Gck+QvAt
いつもWikiしかみてない俺が初めて書いてみた。
ハード系がお好きな方には物足りないかも
746血は争えない:2009/10/05(月) 12:13:59 ID:Gck+QvAt
ガチャン
あ、帰ってきた。
「なんだまた来てたのかよ。テスト近いんだから勉強しろよー?」
今、私はお兄ちゃんのアパートに学校帰りにいつものように入りこんでゲームをしている。お兄ちゃんが最近買ってきたやつなんだけど私のほうがハマっちゃってるの、なぁんてのは嘘。お兄ちゃんにはそう言ってここに来る口実にしてる。
「ベットにねっころがるなよ。座ってやれ。」
『別にいいじゃん。男くさい布団に乙女の香りがついて兄貴嬉しいでしょ?』
昔は「お兄ちゃん」って呼んでたのだけど最近は照れくさくて「兄貴」って呼んでる。昔中学の時、友達に「今どきお兄ちゃんなんて呼んでるなんてブラコンだよぉ?」なんて言われてからぐらいかもしれない。まぁ私はブラコンなんかではないのだけれど。寧ろそれ以上。
『はぁ!?嬉しくねぇし……。つかパンツ見えてるぞ。』
「変態……。最低。」
ううん。ごめんねお兄ちゃん。見せてるのよ。
『そんな格好でうつぶせんなってたら見えるっつうの。』
うふ、お兄ちゃん顔はそらしてもチラチラこっち見てるのテレビ画面に映ってるよ。だってお兄ちゃんの好きな縞々パンツだもんね。もっと見ていいのよ?
「兄貴、お腹減った。なんか作ってぇ?」
『何言ってんだよ。冷蔵庫にはなんもねえぞ。いつもコンビニだからな。』
やっぱりそんな偏った食事ばっかしてる。でもそれが嬉しかったり。
「うわぁ、そんなんじゃ早死にするよ〜?……仕方ないなぁ。お金ちょうだい。ちょっと食材買ってくるから。」
『別にいいよ。それよりもう帰れよ。』
「私が晩御飯作ってあげるから。ね?分かったら早く!」
747血は争えない:2009/10/05(月) 12:18:30 ID:Gck+QvAt
『あぁ。んじゃ俺も行くよ……。』
やったぁ。お兄ちゃんとお買い物!


『結構買ったな。しかも野菜ばっかりかよ。』
「これが普通なの。ほぉら、兄貴また腰細くなってない?」
そういってお兄ちゃんの腰に抱き着く様に手を伸ばす。
『うわっ、なんだよ。いきなり。』
えへへ、ドキドキしたでしょ?お兄ちゃん?
「ちゃんと食べないから。こんなひ弱そうな体じゃモテないよ?」
『うるせー。いいから晩飯作ろうぜ。俺でも作れそうなのなんか教えてくれよ。』
私今お兄ちゃんに頼られてる!嬉しいなぁ


『すげえな。一時間でこんな沢山作れるなんて。やっぱ美咲は母さんの娘だな。』
美咲、私の名前。因みに苗字は三枝。お母さんには嫁入り修業よ、とか言われて料理を半強制的に教えられた。最初は面倒臭かったけど今お兄ちゃんに褒められたからお母さんには感謝ね。
「兄貴もお母さんの息子なんだから料理くらい覚えなさいよ。」
『いや無理だよ、美咲には敵わないって。めっちゃ美味いよこれ。』
「当然でしょ、私が作ったんだから。」
やった!!お兄ちゃんに私の料理美味しいって褒められた!!
『いやぁ、もうお前いつでも嫁に行けるな。』
「は!?何それ!?結婚なんかしないし!」
もう!お兄ちゃん、ほんとデリカシーない!!!それって今私が他の男に貰われてもいいってことじゃん!……何よ。普通「美咲みたいなお嫁さんが欲しいなぁ」とか言うべきでしょ。こういうとこほんと鈍感。
『えっ、すまん。なんか気に障る様な事言ったか?』
「ううん。別に。はぁ〜もう外真っ暗だね。」
『あ、ああ。家まで一人じゃ危ないだろ?送ってくか?』
送ってくか?だって。お兄ちゃんはやっぱり優しい。私の、美咲の事女の子だからちゃんと心配してくれるんだ。嬉しいよ。……でもそれじゃあまだ正解じゃないのよね。
748血は争えない:2009/10/05(月) 12:20:04 ID:Gck+QvAt
「えぇ〜もう遅いし帰るのめんどいし〜。今日は泊まるよ。」
我ながら大胆。
『はぁ!?何言ってんだよ!?明日学校どうすんだよ!?』
「明日は創立記念日で休みだよ。兄貴も卒業生なんだから覚えてるでしょ?
お兄ちゃんとは二つ歳が離れてる。だから中学も高校も一年しか同じ学校にいられない。その点小学校はよかった。四年間毎日一緒に手を繋いで通学したのは今でも愛する人とのよき思い出。
『そういやあこの時期だったな。でも俺明日大学あんだけど?』
「それがなによ、別に私は兄貴が学校行ったら勝手に帰るから、気にしないでいいわよ?」
『ん……まあ、いいか。じゃあ先にシャワー入って来ていいぞ。』
「へっ!?え、ああ、うん……。入ってくる……。覗くなよぉ?」
『誰が覗くか!ほれ行ってこい。』

シャー
シャワー先に入ってこい、なんて急に言われちゃって驚いちゃった……。お兄ちゃんは普通に発した言葉だったろうけど私にはそういう意味に取れるんだからね……。はぅ……まだ顔赤いかも。

「あがったわよ。次兄貴どうぞ。」
『おお。美咲なんかやけに顔赤くね?のぼせたか??』
「うっ、うるさいわね!いいから入ってきなさいよ!」

はあ、まだ顔赤かったかぁ……。もう!お兄ちゃんのせいなんだから!

『つか母さん達に俺んとこ泊まるって連絡したか?』
「あ、忘れてた……。」
『じゃあ早く連絡しとけよ。心配するぞ。んじゃ俺は風呂入ってくるよ。』
「うん。」
さて、家に電話しなきゃ。
プルルプルル
「あ、もしもし?美咲だよ。お父さん?」
父「ああそうだよ……。今、友紀人のとこだろ?」
友紀人(ゆきと)、お兄ちゃんの名前。ステキな名前だよね。
「え?なんで知ってるの?私言ったっけ?」
父「え、ああ、いや母さんが、いやなんでもないぞ!こんな時間だからどうせ友紀人のとこだろうと思ったんだ。」
「そう……。私今日は兄貴んとこに泊まるから。」
父「ああ、わかったよ。それじゃ頑張りなさい。」
プープープー
何を頑張るのかしら。それにお父さん、なんだか様子がおかしかった様な。まあいいか。あ、お兄ちゃん出てきた。


『よし寝るか。んじゃお前ベット使え。俺は床に布団敷いて寝るから。』
「え、別にそんな事しなくてもいいわよ。……いっ、一緒にベットで寝ればいいじゃない!」
うわぁ……これは我ながら大胆過ぎるわね。でもさすがのお兄ちゃんもドッキリするかな??
『まあそうだな。布団敷くスペース確保するのめんどいし二人でベットで寝るか。』
「そうね……」
至って平常。なんかムカつく。

749血は争えない:2009/10/05(月) 12:21:41 ID:Gck+QvAt
『二人で一緒に寝るとか何年ぶりだろうな。』
「さあ、7、8年ぶりじゃない?」
『そういやあ、俺と美咲が個室になった時最初のころは「一人じゃ寂しいからお兄ちゃんと寝たい」とか夜に俺の部屋来てたよな。』
「うっ、うるさいなぁ!もう!そんなくだらない事忘れなさいよ!」
そう、お互い個室が与えられたすぐは夜寂しくて寂しくていつもお兄ちゃんの布団に潜りこんでいた。
……今考えると私はあの頃から、いやもっと前からお兄ちゃんのことが好きだったんだ。
「兄貴、覚えてる?」
『うん?』
「私がまだ小学校低学年の時にクラスの男子達に靴取られて泣いてた時、兄貴が私のクラスに飛び込んで来て私をいじめてた男子達を殴って泣かせた事。」
当時私は男子達から意地悪されてばかりだった。今思えばあれは気のある娘にちょっかいを出したくなる子供特有のあれだったのだろう。しかし当時の私はそんなこと知るよしもなく、本当に嫌だった。
そんな私の事を心配してお兄ちゃんがクラスの男子達を懲らしめてくれたのだ。そのあとお兄ちゃんは先生達にすごく叱られてたけど、その時からお兄ちゃんは私にとってヒーローだったのだ。
「私ね、あの時ほんとに嬉しかったよ。美咲は兄貴の妹で幸せって思ったし、今も思ってるよ?ね?……あれ?」
『グーグーzzZ 』
「はぁ……、ほんとデリカシーない人だね……。」
もう完全に寝てるかな……?
ツンツン
よし。大丈夫だ。
ンチュ!チュッチュッ!
私はお兄ちゃんの柔らかい唇に自分の唇を重ねる。
「ん……好きよ、お兄ちゃん。美咲は友紀人さんを愛してます。」
それからしばらくお兄ちゃんにキスしてから寝た。途中であそこがぐしょぐしょだったからそのまま自慰行為に浸ろうかと思ったがさすがにお兄ちゃんが隣ですやすやと寝ている横でそんな事をするのはなんだか言いようのない罪悪感を感じたのでやめた。
「いつもはクール気取ってるくせに寝顔は昔から変わらないね。かわいい……。チュッ」
今は最愛の人の幸せそうな寝顔を見ているだけで私も幸せ。

トントン
『んむにゃ……ああそういえば、お前うちに泊まってたんだっけ。』
やっと起きたみたいね。
「ほら、そろそろ起きて。朝ごはんもうできるよ?」
『おお。この部屋で朝飯なんて初めてだよ。』
「えっ?いつもは朝ごはん食べないの?」
『いや食べるけどいつもは駅で買って食ってんだよ。』
「そんなのダメだよ。ちゃんと自分で作りなさいよ。そのうち体壊すわよ?」
『ああ、努力するよ……。美咲みたいに面倒見のいい彼女でもいれば楽だけどな。』
「かっ……バカじゃないの!?妹にそんな事言うなんて兄貴も末期だね。」
『あはは……、かもな。女に飢えてるのかもな俺。』
750血は争えない:2009/10/05(月) 12:24:10 ID:Gck+QvAt
お兄ちゃんはこういう恥ずかしい事をサラっと言う時があるから油断ならない……。昔からそう。女の子がキュンってなる言葉を無自覚で発するというたちの悪い癖がある。
まあお兄ちゃんは無自覚だからしょうがないけどそんな調子だからクラスの女子から果ては女教師までがお兄ちゃんの虜になっていた。
中学も高校も、お兄ちゃんを狙うこいつら雌ハイエナ達の毒牙からお兄ちゃんを守るためにどれだけ私が苦労したことか。でも兄を守るのは妹の務めだものね。
「ほら、出来たからとっとと食べちゃって。」

『美味かったよ。んじゃ俺大学行くから。帰る時はちゃんと鍵閉めてくれよ?』
「わかってるわよ。ほら、襟折れてるよ。……よし。じゃあいってらっしゃい。」
私はまるでお兄ちゃんの奥さんみたいにお兄ちゃんを見送る。制服にエプロンだから奥様は女子高生状態だけど。でもお兄ちゃんもこういうシチュは好きなはず。
『おお、行ってきます……。(なんだこのシチュ、不覚にも妹にドキッとさせられるなんて。いかんいかん!)

ふう。お兄ちゃんも居なくなったし。さあて!お兄ちゃんのベットでお兄ちゃんのパジャマ来て自分で慰めでもしよ。

「ひゃうん!……お兄ちゃん、ダメだよぉ。美咲初めてなんらからぁ、優しくしてぇ……いやぁん!そんなとこらめらよぉ!好きぃ!らいしゅきらよぉ!お兄ちゃぁん!!
やあぁん、美咲の赤ちゃんのお部屋とお兄ちゃんのがチューしちゃってるよぉ〜。ダメ〜ダメだよぉ〜!ひっ、ひぃぐううぅぅうう〜〜!!!」


母「あの娘、うまくやれたかな?どんな感じだった?あなた?」
父「ああ……普通だったと……思う……。」
母「美咲は案外かなりの純情だからね−。私みたいに夜中に兄を襲ったりはできないかもね。」
父「それはお前が異常だったんだよ……。友紀人が、実は自分は母親が自分の実兄を夜這いして孕んだ子供なんだ、なんて知ったらノイローゼにでもなるぞ。しかも今なんて自分で子供達を結ばせようなんてどうかしてるぞ……。」
母「あら、心外ね。私はあなたと、お兄ちゃんと結ばれて幸せなんだから。あの子達にも同じ幸せを感じて欲しいだけよ?お兄ちゃんは今幸せじゃないの?」
父「いや、そんな事はない……です……。」
母「よろしい!ならあなた、いってらっしゃい。」
父「ああ行ってきます……。(はぁ、血は争えないな……)」

751名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 12:29:40 ID:Gck+QvAt
終わるです。もしもしからだから改行ksだたらすまん
752名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 13:17:39 ID:K4xFl1oN
>>751
GJ!母娘揃って良いキモウトだ!
753名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 16:58:13 ID:VFQ0PRea
>>751
GJ いいキモさだ

ふと思ったんだが子宮にチュッってエロいな
754名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 18:22:05 ID:hXNxSLrf
GJだ!

ハードばかりも飽きるしな、良い清涼剤になるぜ
755名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 19:34:04 ID:c8KjFRSf
おちつけ、世間的にはすんげぇハードなんだぞ
756名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 19:42:35 ID:ORPzdvTj
>>751
GJ
すばらしい家族愛だ。しかし、これをごく普通に受け止めてしまっている俺は、
人間として大切なナニカを失っているような気がしてならない

ちょっと姉貴に相談してみる
757名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 20:43:47 ID:Qm0IX3g/
たまにはこういうのもいいね
758名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 23:36:04 ID:VqIt58Nb
象のうんこの水分を絞って飲んでしまうような男の妻は、きっとキモ姉妹であったに違いない!

…と、電波を受信してしまった俺ディスカバリー
ごめん忘れて
759名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 02:38:13 ID:XdCU3YAy
埋め
760名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 05:02:13 ID:UMNS2rPW
>>751
兄の台詞だけが『』なので
もしかしたら最初から最後までキモウトの脳内兄貴の話なのかな
とか思ったけどそんなことなかったな
761名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 07:41:55 ID:/enZc8jC
>>758
正しくは一年かけて乾燥させた象の糞で淹れたお茶だね
いくら害はないといってもスタッフが可哀想だったw
762名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 07:45:18 ID:IRtlxf5U
でもsageろ
763名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 23:54:37 ID:ISNqv+ZB
埋めネタ投下します。
764叫べ! 近親戦隊ソウカンジャー:2009/10/06(火) 23:56:05 ID:ISNqv+ZB
★これまでのあらすじ★
ハーイ皆さんこんにちわ! ソウカンブラッドレッドこと牛山紅音(あかね)だよ♪ 今日は私が張り切ってあらすじを担当しちゃいま〜す!
私達ソウカンジャーはお兄ちゃんに群がるクソ猫軍団と戦う正義の味方なの。あの寄生虫共ときたら365日年中無休でお兄ちゃんをあの手こ
の手で手篭めにしようと企んでるのよ!? 許せないよね!? 頭にくるよね!? 私達が一番・・・ううん、私が一番お兄ちゃんのこと
愛してるんだもん!! 他所の女(アマ)なんかに指一本触れさせないんだから!! 大体お兄ちy(ry


俺の名前は牛山大悟。正義の味方「ソウカンジャー」である三つ子の妹達の兄である。俺の精子には彼女達がソウカンジャーとして戦うときに
使うエネルギー、通称「ZP(ザーメンパワー)」が宿っている。こいつを妹達の子宮にぶち込むのが俺の仕事だ。
「やぁーーだぁーーー!! 今日は私がお兄ちゃんの一発目をもらうのーー!!」
「おいコラ紅音、てめぇジャンケンで負けたくせに駄々こねてんじゃねぇよ! 今日のトップバッターはアタシだッ!!」
「紅音も栖桃(すもも)もお止しなさいな。ここは公平にわたくしが・・・」
「真白(ましろ)はすっこんでて(ろ)!!」
全裸でベッドに座り込んでいる俺とこれまた全裸で喧嘩を始める3人。常人からすればこんな異常な光景も無いだろう。おっと、説明不足だ
ったか。どうやら午前0時を過ぎて最初に俺の精子を受け取った場合、「IZP(イノセント・ザーメンパワー)」というものが発動するらし
い。こいつはソウカンジャーの根本的なスペック上昇と共に最強の必殺技(笑)が放てるようになるのだとか。
「ふぅ・・・。待たせたな兄貴」
とりあえず話は付いたようだ。紅音は「ううう・・・」と唸りながら、真白は指を咥えながらこちらを見ている。そしてその視界を遮るよ
うに栖桃が俺の腰に跨った。
「激しく・・・してくれよな・・・///」
顔を赤らめながら俺の首に腕を回す。小4の小娘からこんな台詞が出てくるなんて一体どんな教育を受けてきたんだ。全く親の顔が見てみた
いぜ。


***一方その頃、TC(シーフキャット)軍団本部***

「まさか貴方もやられるなんてね、タンニンキョウシ。ただの小娘と侮っていたんじゃなくて?」
「お前に言われたくはないなイインチョウ。私の場合、奴らがIZPを発動させなければ勝っていたんだ」
―――言い訳は見苦しいですよ? お二人とも―――
「・・・前々から思っていたんだがな、高みの見物も大概にしてお前自身が行ったらどうなんだ?」
「そうですね。そろそろ姿だけでも拝見したいところです」
―――いいでしょう。でも私はまだソウカンジャーに対してそこまで過大評価は出来ないんですよ―――
―――ですから、もしソウカンジャーが彼女達を倒せたのなら・・・その時は私自ら大悟様の下へ参ることとしましょう―――
「彼女達?」
―――ふふ、新しい「刺客」ですよ―――


「見えたよお姉ちゃん。あそこが大悟先輩の家だ」
「あらあら〜? ということはソウカンジャーのお嬢ちゃん達も一緒なのかしらねぇ〜? 大変ねぇ〜?」
「・・・あのさ、今はいいけど戦うときになったらその天然属性はやめてよね」
「いや〜〜ん、もうっコウハイちゃん怖〜〜〜い♪」
「・・・・・・」


――― ピンポーン ―――
家のチャイムがなるということはつまり奴らが来たということだ。3人に干からびるまで搾りつくされた俺はヨロヨロと立ち上がる。
「エマージェンシーコールッ!!」
紅音が、栖桃が、真白が走り出す。若い子ってのは元気だね・・・。
765叫べ! 近親戦隊ソウカンジャー:2009/10/06(火) 23:58:10 ID:ISNqv+ZB
「ふふふ、会いたかったぞソウカンジャー。私はTC軍団幹部の『コウハイ』。そして・・・!」
「姉の『センパイ』です〜〜。よろしくねぇ〜〜?」  
ポニテニーソ貧乳と妹キャラ丸出しのコウハイ。そして巨乳清楚黒ストッキング、おまけに母性本能ムンムンのセンパイ。仮面をつけてい
て顔はわからないが(ってかどっかで見た事あるんだよなぁ・・・?)どちらも戦闘準備万全のオーラを放っている。
「へへへ、今日はたっぷり兄貴に中出ししてもらったからな」
「こちらも戦闘準備万全ですわ」
「一気に倒しちゃうもん! 二人とも行くよ!!」

『絶頂変身!!』
 
赤ブルマの紅音、ピンクスパッツの栖桃、白スク水の真白。パワー満タンだけあってなんだかいつもより輝いている気がする。・・・ってか
ホントに三人の内腿が輝いとる。こんな状況で愛液垂らすなよ!!

「愛する兄に、捧げる純血ッ!! ソウカンブラッドレッド!!」
「蒸れる股間に、魅惑のワレメッ!! ソウカンサーモンピンク!!」
「腿に滴る、卑猥な粘液ッ!! ソウカンジェルホワイト!!」

『三つの心に六つの乳首ッ!! 近親戦隊! ソウカンジャー!!』(ドカーーン)

「おっと、話は聞いてるよ? 今日は誰がIZPを発動させてるのかな?」
コウハイの武器は禍々しいテニスラケットのようなやつだ。そして空を切るように素振りを始める・・・。
「まずは小手調べだ! 食らいなっ、ボンバーサーブ!!」
何も無かった空中に突然鬼火のような塊がいくつも現れる! そしてそれを一発ずつ打ち込んできた!
「こんなもの! 水笛・潮吹、乱れ咲き!!」
飛んでくる火の玉を粘っこい液体が消火していく。そしてその一瞬の隙を突いて紅音と栖桃が左右からコウハイを狙い打つ!
「振動剣・バイブレード、二段斬りッ!!」
「突起棒・クリトリスティック、急所突きだぁッ!!」
イける!! ・・・やべ、興奮して字を間違えた。角度・タイミング・威力、完全に奴の死角に入った。これでまず一人・・・!? そう
いえばもう一人の姿が見えない。一体どこに・・・むぐぐっ!!?
「は〜〜〜〜〜い、そこまでぇ〜〜〜〜〜」
「「「!?」」」
ああ、柔らかい・・・それにいい匂い・・・。あの3人には到底出来ないコレ、いわゆるパフパフである。どうやら俺はセンパイのおっぱい
で顔を塞がれてしまっているようだ。息苦しいけどこの、何と言うか、女性特有の甘い香りが顔全体に染み渡って・・・いやはや全くけし
からんおっぱいですな。
「お兄ちゃん(兄貴)(お兄様)!!」
「それ以上動いちゃうと〜〜、もっとおっぱいでギュ〜〜てやって〜〜、窒息しちゃうかもしれないよ〜〜?」
むしろ大歓迎です、ハイ。おっぱいで窒息、コレ即ち男のロマン。聞こえますか父上母上、我が人生一片の悔い無し。
「へへへ、動くなよソウカンジャー。オラッ! ボンバーサーブ!!」
『ああああああああッッ!!!』
大きな爆発音と妹達の悲鳴。俺が人質となったことで自由に動けなくなってしまったようだ。まずいぞ・・・。俺が窒息するのは本望とし
て、妹達は関係ない。せめて彼女達を助けてからじゃないと・・・!
「これでお終いだ!! ライジングスマッシュ!!」
急げ! 急げ! 間に合わなくなっても知らんぞーーっ! 俺は一縷の望みに賭け、右手の人差し指をセンパイのアナルに思いっきり突っ
込んだ!! 
766叫べ! 近親戦隊ソウカンジャー:2009/10/07(水) 00:00:07 ID:ISNqv+ZB
「ぁひゃうぅんっ!!」
あまりの衝撃に思わず腕の力を緩めるセンパイ。大成功だ! スルリとセンパイの胸から脱出する俺カコイイ。
「今だソウカンジャーー!! 正義の力を見せてやれーー!!」
俺は泣いていた。おっぱいが恋しかった。もっと挟まれていたかった。泣きながら俺は叫んでいた。
紅音が、栖桃が、真白が生気を取り戻したかのように顔を見合わせる。そして間一髪のところでコウハイのフィニッシュ技を回避した。
「馬鹿なっ!!?」
予想外の行動にコウハイは一瞬判断が遅れた。その隙を見逃すソウカンジャーではない。

『ザーメン燃焼!! 中田氏希望!! 兄に届けこの想い!!』

3人のZPが交じり合い、練成され、巨大なエネルギー球となる! 合体必殺技・ファイナルアルティメットデスティニーだッッ!!

『吹っ飛べえぇぇぇえぇえぇ!!!』

発動したが最後、決定率100%のファイナルアルティメットデスティニーを避けられるはずがない。コウハイはガードをしたものの悪あがき
にしかならなかった。
「大悟・・・先輩っ・・・やっ、ぱり・・・巨乳派でした・・・か・・・っ・・・」
断末魔と共に飛ばされていくコウハイ。なんか気になることを言っていた気がするんだけど・・・。
「あらあら〜〜? コウハイちゃんはどこいったのかしら〜〜?」
我に返ったセンパイがキョロキョロとしている。そうだ、まだもう一人残っていたんだ。
「あら〜〜、大悟ちゃん・・・。もう、変態さんなんだから〜〜〜・・・///」
ポッと顔を赤らめお尻をもじもじとくねらせるセンパイ。そして何を考えたのかその場でパンツを脱ぎだした!?
「でも・・・大悟ちゃんが〜〜〜したいって言うのなら〜〜〜・・・どうぞ///」
そう言って俺にアナルを突き出す。・・・あれ? これってひょっとして・・・目覚めちゃった?
「兄貴に汚ねぇモン見せ付けてんじゃねぇえええええ!!」
怒声を放ちながら飛び込んできたのは栖桃だ。通常ファイナルアルティメットデスティニーの発動後はZPが無くなりまともに動けないもの
だ。だが栖桃は本日一発目のザーメンを貰っていたのでIZPが発動、ゆえにまだまだ動き回れるほどの体力が残っていたのだ。
「ソウカンサーモンピンク奥義・御曼呼追手ぇぇぇぇ(おまんこついてぇぇぇぇ)」
これが栖桃の最強奥義・・・。すごい、1秒間に1000発のパンチを繰り出している。ブロンズ聖闘士なんか目じゃないぜ!!
「あ〜〜〜〜れ〜〜〜〜・・・・・・」
コウハイと同じように吹っ飛ばされてゆくセンパイ。さようなら、あなたのおっぱいは忘れません。


―――なるほど。ソウカンジャー、なかなかの相手のようですね―――
「だから言っただろう。子供だと思って舐めてかかると痛い目を見ると」
「さあ約束ですよ総帥さん。姿を見せてくださいな」
―――わかりました。次はこの私が大悟様のもとへ参りましょう。TC軍団総帥の名にかけて―――


戦いの後、俺達は勝利の宴を開いたというわけではない。疲弊した3人を寝かしつけ俺は部屋に戻った。
一応高校生なのでそれなりに予習と復習を終わらせるとそのままシャワーを浴び寝袋にもぐりこんだ。というのも俺のベッドは精液愛液が
散乱している為、まともに眠ることが出来ないのだ。
「うう・・・。もう寝よう。朝まで死んだように寝よう。」
一つの小さな影が俺を見つめているとも知らずに俺は深い眠りについたとさ。
767名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 00:02:04 ID:ISNqv+ZB
以上、アホ話でした。
768名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 00:23:46 ID:4IMeqdgO
相変わらずだ…。相変わらず頭のネジがぶっ飛んでやがる…。
もうなんかこのスレで一番の楽しみになりつつあって怖いわコレ。GJだこのド変態が!(褒)
769名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 01:36:28 ID:aP49NCEk
GJ!
ほんっと毎回すげぇ「バカ」っすね、褒めてる方の意味でw
けどなんか…いよいよラスボス登場っぽい展開が…wktkと同時に一抹の不安も…
770名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 03:45:31 ID:sR5M5hE7
GJ!
771名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 06:51:08 ID:9yer6qpG
泥棒「猫」軍団の総帥……
小さな影……
まさかラスボスは人外ですか(^^;
次スレの終焉が待ち遠しいぜ!(本末転倒w
772名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 11:52:14 ID:1D7wBk2q
相変わらずブっトんだ兄妹だぜGJ!
TC軍団の首領は誰だ?まさかもう一人妹が居たりするのか?
早く続きが読みたいぜ!

センパイさんテラエロスw
773名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 14:03:53 ID:1D7wBk2q
そういやまだ次スレ立ってなかったな

キモ姉&キモウト小説を書こう!part24
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1254891760/l50

じゃノシ
774名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 14:19:42 ID:pEyM92oV
>>773
乙〜〜
775名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 14:22:23 ID:YV2YX/lv
乙&梅
776名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 18:15:35 ID:TDiVHuTE
CSI見てたらキモウトが出てて感動した
IQ177のキモウトが大学に進学した兄を追って大学院を移ったり、兄と彼女のセックス覗いたり、嫉妬して兄をはめたりと安心のキモさだった
777名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 18:31:22 ID:ZtrPc7LC
一瞬もうシリーズ終わったと諦めかけてたからソウカンジャー読めて満足

GJでした
778名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 21:20:15 ID:NbP/qlg4
>>750からの続きなぞ書いてみました。PCから見たら改行くそだったので
今度は調整してみた。多分大丈夫。あと下げてなかた、スマン。自分の中では大ヒットの美咲ちゃんのオナニーパート大増量なので過度なエロ嫌いな人は注意。
779やっぱり血は争えない:2009/10/07(水) 21:21:05 ID:NbP/qlg4
はぁ、テストも今日で全部終わったし今日もお兄ちゃんとこ行こうっと!
そう思い私はお兄ちゃんのアパートの方に向かう電車に乗ろうとホームで待っていた。
『いやぁ単位あんま取れてなくてさ〜。』
あれ?お兄ちゃんの声だと思いホームの階段の方を見ると愛する人の姿が。……っ!?
とっさに私は身を自販機の陰にかくす。
『講義も楽したいからってあんまり入れなかったからやばいんだよ。羽村さんは単位とか大丈夫?』
羽村……さん……?……何あの女、お兄ちゃんと仲良さそうに話しながら歩いてきた女。
羽村さん「うん、私はまあまあかな。あれ?」
やばっ!?身を乗り出してガン見してるとこに目があった。
『ん?ど うしたの?……って美咲!?何やってんだそんなとこで?』
ヤバーい!お兄ちゃんにも見つかっちゃった……
「い、いやあ電車を見てた……のよ……」
さすがに苦しい言い訳かも……。
『何やってんだよ、こっち来いよ。あっ、羽村さんこいつ俺の妹。』
「み、美咲です……」
何故こんな女に自己紹介……。
『何緊張してんだよ、学校帰りだろ?つかこっちのホームってことはまた俺んとこ来ようとしてたんだろ?』
「うん……。兄貴は大学終わるの早かったんだね……。で、そのおんn、女性は?」
『ああ大学の同じ学部の羽村さん。』
羽村さん「羽村加奈です。美咲ちゃんかぁ。かわいい妹さんね。あ、その制服私の弟の学校の制服 じゃない。」
『マジで?学年は?美咲は二年なんだよ。』
羽村さん「えぇ!偶然!うちの弟も二年なのよ〜。美咲ちゃん、羽村俊樹って知らない?」
羽村俊樹?なんか聞いたことあるなぁ。ああ!思い出した。確か隣のクラスの男子だ。友達曰くつい最近、不可侵条約が締結されたという
かなりのイケメン(笑)(お兄ちゃんには全く敵わないけどね)とのこと。あいつの姉だったのか、この女。
「はい……。隣のクラスだったかと。話したことはないんで良くは知らないですけど。」
羽村さん「あぁそうなの?俊樹学校ではどんな感じ……?」
だから良くは知らないって、なんだこの女……?弟の話になったとたん目つきが変わったし……。
「ええ、 まあ普通なんじゃないでしょうか…。よくは知らないですが……。でも結構モテてるみたいですけど。」
お兄ちゃん以外の男に興味あるか!なんなんだよこの女。
『へえ、クラス隣だったのか。そりゃあすごい偶然。』
羽村さん「そ、そうね!うん、すごい偶然よね。……ごめんね三枝君、私急に用事を思い出
したの。じゃあね。美咲ちゃんもまたね!それじゃ!」

780やっぱり血は争えない:2009/10/07(水) 21:21:53 ID:NbP/qlg4
『あ、うん。そんじゃ。』
「羽村さん、どうしたのかしらね。兄貴何か怒らしたとか。」
『ええ!?俺なんか気に障る様な事言ってた!?』
「さあね。ほら、電車来たわよ。」
なんにしても邪魔女が消えてくれたのでお兄ちゃんと二人っきりで帰れる!
……それにしても邪魔女のあの目、どこかで見た事がある気がした。
「兄貴、なんであの人と一緒に帰ってたのよ?」
『いや、ゼミで組んだグループで資料館に行って帰る時、駅が同じだっただけだよ。』
なあんだ、よかったぁ〜。お兄ちゃんに彼女でも出来たら私、どうしようかと思ったよぉ。でもお兄ちゃんカッコイイし
優しいしかわいいし女の子キュンキュンさせてくるし絶対お兄ちゃんを狙ってるさかりついた雌たちは大学にも
ウヨウヨといるに違いないわ!早くお兄ちゃんと同じ大学に入って雌どもにお兄ちゃんに相応しい女性は美咲だけ
なんだって知らしめさないといけないのよ!お兄ちゃんの好みのタイプは完全に把握している。昔、お兄ちゃんが
隠してた、え、えっちな本のジャンルからどんな女の子が好き なのか理解したわ。もちろんえっちな本は処分なんて
しなかった。だってああいう本を妹に見つけさせる理由はただ一つ。自分はこんなタイプの女性が好きなんだ!だから
妹にもこうなって欲しい、そしたらお嫁さんになって欲しい!−−−という意図があるからよ!当時中学に入ったばかり
の美咲にとってえっちな本のお姉さん達には何も及ばなかった。……特に胸、とか。それから毎日はお兄ちゃんを想って
お風呂で自分のおっぱいをマッサージ。美咲の友紀人さんへの愛をこめて丹念にマッサージしつ続けて早五年。
まな板からGカップまでお兄ちゃんへの愛を栄養にすくすく育ったわ。もちろん胸だけじゃない。
髪型もお兄ちゃんの好きなツインテだし、下着 だってお兄ちゃんの好きな縞々パンツだし、何もかも
お兄ちゃんの理想通り!私のおっぱいをじろじろ見る輩はいるけどそんなの気にしない。
「これはお兄ちゃんだけのもの。最愛のお兄ちゃんだけが触れられるものなんだからお前らオス
豚どもはせいぜい私のおっぱいチラチラ見てブヒブヒ慰めてなさい!豚どもが!」
『だ……ら単位がヤバい、って美咲?何ぶつぶつ言ってんだ?豚?豚肉食べたいのか??』
「えっ、あぁ!そうね!今日は豚しゃぶでも食べよっか〜!」
危ない危ない!お兄ちゃんへの想いと糞豚達への鬱憤をつい言葉にしてしまった……。
お兄ちゃんの話も聞いてなかったし、美咲、妹としてそんなのダメよ!私のバカバカ!
「美味しかったぁ?兄貴?」
『うん。美味かったよ。こんな美味い晩飯食えるなんて将来は美咲みたいなお嫁さんが欲しいなあ〜』
ひゃうん!あげます、美咲の事お兄ちゃんにあげます!お兄ちゃん美咲を絶対にお嫁さんにしてね!?
絶対よ!?……お兄ちゃん、ちゃんと学習しているのね!前はあんな事言われて怒っちゃったけど
今回は大正解よ!!!もう!不意にそんな嬉しい事言われたから軽くイっちゃったよぉ〜。
「なっ、何言ってるの……!?い、妹にそんな事言うなんて兄貴、心底空しいわよ。」
『そうだな、まあでも美咲の料理はほんと美味いよ。この前泊まった時には服洗濯してくれて
たみたいだし、部屋の掃除もして貰って助かっ たよ。我ながら自慢の妹だよ。』
「ふん!おだてても何も出ないわよ!」
また軽くイッた。

781やっぱり血は争えない:2009/10/07(水) 21:22:34 ID:NbP/qlg4
『美咲今日も泊まってくのか?』
「どうしよっかなぁ〜今日は止めとこうかなぁ〜」
『そうか、んじゃ送ってくよ。』
うふふ、お兄ちゃんちょっと寂しそう。家が大学から遠いから一人暮らしを始めたお
兄ちゃんだけど、まだ19歳だしやっぱり一人は寂しいよね〜。
「ううん!やっぱり泊まってくよ!兄貴、美咲がいないと寂しいみたいだしぃ〜」
『そっ、そんなことねえよ!!一人の方が気楽だしな!!』
強がっちゃってお兄ちゃん、かわいいぃ〜!もぉ!しょうがないから今夜も美咲が隣で寝てあげるよぉ☆
『あのぉ〜美咲さん?まだ寝ないんすかぁ〜?』
「何?兄貴、私と話すの嫌なの??」
『いや、違うけどさあ。もう2時だぜ?』
お兄ちゃんと一緒のベッドの中で昔の話を始めてもう2時間以上、いやまだそんなものか。
「それで、兄貴卒業式の日結局行かなかっの〜?酷いよねぇ〜。その子一生立ち直れないんじゃない?」
『いやいやいや!行こうとしたんだよ!でも寝ちゃって起きたの深夜だったんだよ!なんで眠っちゃったのか……。』
今お兄ちゃんの高校の卒業式の時の話をしてるの。卒業式の日お兄ちゃんに身の程もわきまえず告白してきた
哀れな雌のお話。その雌豚はお兄ちゃんのクラスのクラス委員かなんかでお兄ちゃんもクラス委員 だったために
虚しくもお兄ちゃんに恋心(笑)(←美咲のお兄ちゃんへの愛に比べればゴミクズ以下の感情)を抱いたらしく告白
してきたのだ。いや、正確には告白未遂か……。お兄ちゃんのクラスはあんまりまとまりが無かったらしくて三年生
になってお兄ちゃんがクラス委員になってからようやくクラスの雰囲気も良くなってきたらしいのだ。うちの高校は
二年生から三年生になるときクラス替えがないのだけど、そのクラス委員の雌豚は二年生からずっとクラス委員
をやっていたらしい、根っからの委員長タイプの女。そんな地味系の女にしてみればクラス委員の相方となって
自分ではどうしようもできなかった事を成し遂げてくれた男子、しかもお兄ちゃんだか ら超イケメンでかっこよくて
優しい、そんな人に一途な感情を抱いてもなんら不思議ではない。そんな、男なんてまるで知ら
ない委員長タイプに初恋、しかも超イケメンでかっこよくて優しいお兄ちゃんが相手、は彼女を一世一代の愛の
告白(笑)に至らせたのだ。式が終わってお兄ちゃんと、在校生で式に出席していた私、それにお父さんお母さん
で帰ろうとした所に身の程知らずの委員長が現れて、
委員長『あのっ!三枝君!……お話したい事があるので……夕方6時に〇×公園に来て下さい!お願いします!』
と、だけ言いのこして走り去って行ったのだ。
うちの家族皆、いくら鈍感なお兄ちゃんもその時はさすがに委員長のその言葉の意味は分かってい た。
そのあとの事は、まあ早い話がその後家に帰ってからお兄ちゃんに睡眠薬入りのココアを飲ませて、お兄ちゃん
を熟睡させてからお兄ちゃんのケータイで
『俺には好きな人がいるんだ。だから君なんて Out Of 眼中なんだ!残念でした!』
的なメールを送って送信履歴を削除。そうして雌豚の初恋(笑)は玉砕されたのだ。まあ私も普通ここまで
酷たらしい事はしないのだけど、その日はお母さんが
母「美咲ぃ〜、このままじゃ愛しのお兄ちゃんが奪われちゃうね〜。ね?美咲ちゃん?どうする〜??」
とか言ってきてめちゃくちゃうざかったのだ。そのせいもあってあんな非道行為におよんだのだ。
……まあ結果として計画も成功してお兄ちゃんを護れたのだから、今となってはお母さんには感謝ね。
「まあとりあえず兄貴は最低って事は確定ね!」

782やっぱり血は争えない
『おいおい厳しいなぁ、美咲は。でもその後委員長からはなんにも連絡とか無かったんだよな〜。一言連絡くれても良かったと思うんだけど……』
うふふ、あんな酷い振られ方して連絡なんかよこすわけないんじゃない(笑)
「うわー自分が寝ちゃったくせに責任転嫁するんだぁ〜。最低〜。」
『うぅ……ごもっともです……。』
『んむにゅ……スヤスヤ』
お兄ちゃん夜更かし、昔から苦手なのよね。なのに美咲のお話に付き合ってくれて、やっぱりお兄ちゃんは優しいぃ。
哀れな委員長の話のあとも、色々と話をした。美咲に付き纏ってきたクラスのキモヲタをお兄ちゃんが撃退してくれ
たこと、家族で山登りしてお父さんとお母さんとはぐれちゃって小学生だった私が泣きわめいちゃったのを宥めてく
れた事とか他にも色々。でもそのどれもが良くも悪くも、お兄ちゃんと美咲の二人の大切な、本当に大切な想い出。
この世に生まれて17年間、愛するお兄ちゃんと美咲だけの二人の人生という名のアルバム。
「……これからも二人でこのアルバムのページを一枚一枚増やして行こ うね?お兄ちゃん。美咲はあなたを、お兄ちゃんを世界の誰よりも愛してます。」
チュッ!ンチュッ!
今日もお兄ちゃんの唇にキス。私の初めての唇。お兄ちゃんも私とのキスが初めてだよね?
ジュワ…
はぅ〜今日はお兄ちゃんが嬉しい事、いっぱい言ってくれたからもうアソコぐちゅぐちゅだよぉ〜。あぁん、触りたいよぉ〜。
でもお兄ちゃん、横で眠ってるしぃ〜。……でもでもぉ……ちょっとだけならいいよね?お兄ちゃん?
「お兄ちゃぁん、美咲のオマンコだよぉ〜?見えるぅ〜?お兄ちゃんのために生また時からず〜っと大切に守ってきた処女膜だよぉ?」
そう言ってお兄ちゃんの手を自分のアソコにあてがった。
「あぁん……お兄ちゃんの綺麗な白い指がぁ……美咲の処女膜触ってるぅ……。ふぁん////美咲イキそうらよぉ〜!」
さらにもう片方のお兄ちゃんの手も自分の胸を揉ませる様に当てがう。
「んにゃあ〜!らいしゅきなお兄ちゃんの手が美咲のおっぱいぐにぐに揉んでるぅ〜!嬉しいよぉ〜。お兄ちゃんの
ためだけに育てた美咲のおっぱいなんだよぉ〜?お兄ちゃんの事、い〜っぱい想ってシたおっぱいだからぁ、感度も
しゅっごいんらからぁ!!ヒァッ!おっぱいイ ッちゃったぁ〜。こんなはしたない妹でごめんにゃしゃあい!!でもお兄ちゃん
のせいなんだからねぇ?……美咲のオマンコぉ、早く大しゅきなお兄ちゃんに初めて貰って欲しいって、大事な大事な処女膜、
ぶち破って欲しいってグズってるぅ〜!お兄ちゃぁん、愛ひてりゅよぉ〜〜!!!ひぐっ、いっぐぅううううう〜〜!!!!」
父「……………。」
母「あらぁ、美咲ったら大胆になったものね〜。でも私が美咲の歳の時はもう貴方に夜這いかけて友紀人のこと
妊娠してたから、私の勝ちねっ!」
父「勝ち負けの問題なのかよ……。勝手に友紀人の部屋に隠しカメラなんて仕掛けて……しかも、美咲のあられもない
姿を盗撮なんて……お前、やっぱり異常だぞ……。」
母「そんな事無いわよ?娘の息子への健全な愛をサポートするための現状観察よ!……でも、もう!友紀人も友紀人よ!
美咲がこんなに切なそうにオナニーしてるのに、気付いてあげないなんて!母親として恥ずかしいわっ!」
父「……もう勝手にしてくれ……。(友紀人には俺からそれとなく美咲の事を意識さ せる様な事を言っておこう。じゃないと
鈍感過ぎた俺みたいな目に、夜這いされるハメになっちまう。あいつらの父親としても、やっぱり二人幸せになって欲しいからな……。)」
母「んねぇ〜?貴方ぁ?美咲のこんな姿見てたら私も興奮してきちゃったよぉ?切ない私のオマンコにもお兄ちゃんのが欲しいなぁ〜。ね?しよ?」
父「分かった、分かったよ……。久しぶりだもんな、今日はいっぱいしよう。」
母「やったぁ!お兄ちゃん大好きぃ!」
父(はぁ……やっぱり血は争えないな……)