2 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 01:05:08 ID:bRU5ZNra
いもうとぬるぽ
ほ
5 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 17:05:03 ID:AoI0X4aS
まだ、前スレ残ってるぞ?
妹視点の話もアリ?
でもそれじゃ「お兄ちゃん大好きスレッド!」になっちまうか…
さぁ今すぐ投下するんだ
>>8 この板には「兄ちゃん好き」スレが、今は無いので、このスレで良いと思います。
少し工夫して、「いもうと大好き」お兄ちゃんに溺愛されている妹視とかってどうなのだろう。
または
ちっちゃい時は相手してくれていたのに、第二次性徴が来たら、相手をしてくれなくなって寂しい妹だとか。
自分で書くか。
>>11 言われてみれば単なるブラコンスレはないですな。
さらに一線を越えてしまったキモ姉妹スレはあるのに、不思議…
13 :
11:2009/01/09(金) 20:54:20 ID:KfG1+yT0
はい、溺愛してくるお兄ちゃんやお姉ちゃんを、好きになれない、いもうと。
今までは相手してくれていたのに、さらに弟や妹が増えて相手してくれなくなったのを、寂しく辛いのをガマンしてる、いもうと。
なんかの理由で別居してしまい、愛しさのあまり、人形や抱き枕を造る、いもうと。
そういった、いもうとの日記を読みたい。
なんか、自分で創作するか。
ほしゅ
前スレに、トドメ刺しました。
保守
17 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 22:58:23 ID:+gkHYxbT
補修
「妹」「いもうと」「イモウト」の違いについて思うところを述べよ
>>18 なんとなくだけど妹はなんか一般的なイメージ
いもうとは幼稚園生ぐらいの子供が「○○ちゃんはぼくのいもうとなの!」言ってるようなそんなイメージ
イモウトはキモウトという単語のせいかもしれないがヤンデレなイメージ
簡単に言うと
妹 オールマイティ
いもうと ロリ
イモウト ヤンデレ
妹
法律上認められている妹、と、法律上認められている義理の妹。
いもうと
法律上認められている妹、法律上認められている義理の妹、それから、従妹、同居の年下の女、や、近所の仲良しな女、など。
イモウト
押しかけてきた女で、本人は好きになれない相手。または、壊れた「イモウト」
妹 ガンダム セイラ・マス
いもうと ZZガンダム リィナ、プル
イモウト Zガンダム ロザミィ
俺はこういうほのぼの系が好きだ
375 :イラストに騙された名無しさん [sage] :2009/01/21(水) 18:28:06 ID:dHT7V3A9
うちの妹は学校にはいてく靴下をいつも裏返しで脱ぎやがってムカツクよ…
誰が洗濯してると思ってんだ
靴下?
裏返しで良いのでは?妹の足の裏の匂いって良いのでしょ?
って言うか、肌に付いてる方が良く洗えて良いのじゃね?肌さわり的には悪くなるけどね。
洗濯してると、ポケットの内側だとか、手袋や靴下の裏側に、結構、糸くずだとかゴミだとか溜まって来るから、裏返しで洗濯すると落ちて良いよ。
ストッキングやタイツなどは(キャミソールや薄地のパンツなども)優しく洗わないとね。
リアル自宅警備員な自分が、同業者が大量に増加する前にアルバイトしようと、街まで3時間くらい歩いていった。小雪の中。
関東のハズレなので、この時期の雪は珍しい。
自動車やバイクは生活費に変えた。しかし、赤字転落。
面接会場には学生が大勢いた。
いかん、若さやパワーは段違い。採用者だったらくたびれた自宅警備員より、学生の方が育て甲斐が有るはず。
会場の隅意外、居場所が無い。
で、女の子たち。
ほとんどの学生が膝が見えている。
足首や脛くらいのソックスと、股が見えるスカート。
椅子に座っていると、裾がお尻の下まで引き込めないのか、椅子の座面を隠している。
多分、ハーフパンツやスパッツ、レギンス、などを下着のパンツに重ね履きしているのだと信じている。
まさか、一枚の布だけ?だとしたら、太股はじかに椅子に触れている?
男は、小学校の制服こそ、膝丈だが、中学から足全体を覆うズボンだから、膝を出すという気候を肌で感じる事がわからない。
きっと、妹がいれば、何か分かるのかもしれない。
現実は出来の良い弟に見下され、両親から見離されている。
これで落ちたら、犬小屋生活だと、言い渡されている。
どこかに、優しい妹は居ないのか?
顔や体験は贅沢言わないけど、ああいう性格で、こういうふうに慰めて。こんな都合が良い子。
まずい。また、妄想に妄想してしまい、現実は完璧に逃避してる。
疲れたし寝よう。
・・・・・
あーあ。義兄貴、まただ。
あたしを、見て、触って、感じてるのだから、認めてくれないと。
確かに産まれは親戚の子だけどあの事故で養子になったんだよ?
いつも、一緒にいるのに見てくれない。
今日だって。
今だって。
あなたの妄想でなくて、私の現実なんだよ。私は、今、あなたの抱き枕?
抱きしめて寝ちゃった。
お布団、かけておかないと。
誰も、犬小屋に入れないから。
そんな妄想要らないら。
ごめんなさい。誤爆です。
しかも、下書きなの。
…
お前ら、ものの怪ってアニメの海坊主の回、観てみそ。ぐっときた
妹がお兄ちゃんのオナホっていうコピペなかったっけか
いもうと萌えな兄が面倒でしょうかないいもうとの話は、スレ違いかな?
いもうととしては、あまりの溺愛が嫌なのに兄はさらにかまう。
みたいな話。
早く投下しろーーーー!!
間に合わなくなっても知らんぞーーーーーッ!!!
32 :
名無しさん@ピソキー:2009/02/07(土) 22:14:28 ID:afIOZf7E
オレは、今高校一年生。今日は、友達のうちに行って帰ってきたところだ。
電車を降り、一号車が一番出口に近いのに最後尾から降りたことを後悔しながらホームを歩いていた。
そのときだった。オレの目に普通の人間生活上確率的にあまりないものがうつったのは。
それは、女の子だった。ホームの端っこで、うずくまって泣いていた。なぜ泣いているのかは全くわからない。
ただ、オレは放っておけなかった。
「ねえ、どうかしたの?」
なんともつっけんどんな言い方だが、許してもらいたいものだ。オレは不器用なのだ。
「・・・・・ヒクッ」
泣いたままである。何も答えない。みると、女の子の前に大きなトランクがおいてある。
「・・・重すぎ・・・か?」
「・・・違う・・・」
「いったい何があったのかだけ、説明していただけるか?」
そう聞くと、その子は顔を上げ、上目遣いでオレを見つめた。
このとき、オレの脳内で一つの計算ミスがあったことが明らかになった。
その子は、むちゃくちゃに可愛かったのだ。
「うぉっ・・・」
目と髪の毛は栗色で、顔はフランス人形のように整い、でも、まだどこか幼げを残していた。
「とりあえず・・・WHAT YOUR NAME?」
人間はせっぱ詰まったとき、意味不明なことを言うらしい。なんでだろうね。
「・・一瀬美香」
それだけ言うと、彼女はおもむろに立ち上がり、トランクをポケットから出した鍵で広げた。
そして、人前であるにもかかわらず、トランクの荷物を引っかき回して、その中から書類の束を出してオレに押しつけた。
その書類を見たオレは、開いた口がふさがらなくなってしまった。
そこにあったのは、保険証、中学校の(中学二年一組 一瀬美香とある。)緊急連絡網連絡先変更届、等々の生活に必要なものすべてだった。
「・・・虐待されて、追い払われた。」
そう言った彼女の頬に、一筋の涙がこぼれた。こんな可愛い子を虐待するなんて、信じられない。いや、可愛いからこそ虐待するのかもしれない。
ポケットに珍しくハンカチを持っていることを思い出したオレは、出して拭かせた。
「とりあえず、涙を拭いて、トランクを閉じよう。な。」
こんなことを言っている間も、オレは興奮していた。可愛いんだ。とにかく。
真性のロリコンに思えるかもしれない。が、萌えというのは(ry
その子をその子が待っていたSUIKAで改札から出して、オレは自分の家へ向かった。
警察に行こう、と最初にその子(えっと・・・美香ちゃん。)に言ったのだが、また家に帰されるのが怖いという理由で、美香ちゃんは首を縦に振らなかった。
だが、家の前にきて、オレは大変なことに気がついた。食事、風呂等々はどうするのだ?
というわけで、隣に住んでいるオレの祖母の家に預けることにした。
「その人・・いい人?」
「ああ、勉強したくなくなるほどな。」
「・・・え?」
「いや、言葉の綾だ。」
実際は、道徳的で勉強熱心と言いたいのだ。オレは。
祖母は最初こそ驚いたが、その呑気さと優しさと物わかりの良さで引き取ってくれた。
美香ちゃんはしばらく、オレを黙って見つめていたが、不意に、
「またあとで、来てくれる?」
と言った。もちろんだ!
とりあえず、オレは家に帰り、夕飯を食べた。
夕飯の後、オレこっそり玄関の鍵を開け、ドアを開け、ドアを閉め、鍵を閉め、門を開け(ry祖母の家へ向かった。
美香ちゃんは夕ご飯を食べていた。美味いだろう。家の祖母の料理は最高なのだ。隣のうちであった幸運を感謝せんとな。
ここから妹にどう結びつけようか、さっぱりわからんがつづく〜
ありがちな展開としては、彼女の名前を聞いておばあちゃんが顔色を変えるのかな?
なに?
一番簡単なのは
お父さんかお母さんの隠し子で、今の親は養子で引き取った
だとか
実は いどこ(従妹)
もう少し面倒だと
男子高校生とおばあちゃんとの結び付きは?
お父さんのお母さん?
お母さんのお母さん?
んで
おばあちゃんの兄弟、または、姉妹、の孫。
だとか
男子学生の家族、または、同居の親族または知人などの親戚で、家庭環境を調べたら、かなりひどかったので、引き取って戸籍を変いもうとにした。
だとか
何でも良いけどそういう展開が出来るでしょ。
>>32 『金の力で困っている女の子を助けてあげたい』スレに来ないかい?
…とは言ってみたが、ちょっと違うか。
何はともあれ、期待したい作品だ!
だらしの無いお父さんが、奥さんや両親、義理両親に黙って各地に子供をつくっていて、
その中の一人の娘さんがだった?
つまりお母さん違いの妹。
という展開とかはどうなのか?
37 :
名無しさん@ピソキー:2009/02/08(日) 17:50:55 ID:xuI4lytY
ご意見ありがとうございます!
その子が夕飯を食べているとき、祖母がオレの所に来て、オレにこう聞いた。
ちなみに、祖母は、オレのお母さんのお母さんである。
オレのお母さんを生んだ後、お父さん(つまりオレの実の祖父)は亡くなった。
今、祖母は再婚して別の人と暮らしている。オレからすれば義理の祖父だ。現在の祖母の姓は「広田」だ。
「ねえ、あたしの二つ目の名字を覚えてる?」
この年になっても、一人称は「あたし」らしい。
「覚えてないな。」
とっさに思い浮かんだのが一ノ瀬スキー場だったのはなぜだろうね。でも、あながち外れではなかった。
「一瀬・・・よ。つまり、あなたのお母さんの本当の名字は一瀬なの。」
「おいおい、妹が居るなんて聞いたことも・・・」
「最後まで聞いて。あの子はあなたの本当の妹にとても近い。義理の妹にはなる。そして、一瀬家のDNAがある。」
オレの頭に、一つの恐ろしい考えが浮かんだ。
「親子丼・・・?」
「そういうこと。あなたのお父さんはあなたを生んだ二年後、あたしの所に来て・・・」
なるほど、確かに義理の妹だ。そして、母の血、いや、正確に言えば祖母の血が流れている。
「ずいぶんと複雑だな。・・・って家の父さん悪者じゃねえか!どうしてされるがままだったんだよ!昔だって正当防衛・・・」
「だってぇ。ハンサムだったんだもん。」
こいつ・・・子供みたいな声あげやがって。
「それ・・・美香には話したのか?」
美香が妹だと思った瞬間に、「ちゃん」が消えた。なんでだろうね。
「話したわよ。」
あと、オレは疑問に思うことがもう一つあった。
「なんであんな所に預けたんだ!?この子は虐待を受けて挙げ句の果てに追い出されたんだろう?何でそんなところに?」
「養子だもんしかたないじゃない。でも、これからはこの子も責任もって育てるわ。」
「祖父にはどう説明するつもりだ?」
「祖父はもう知ってるわ。」
「それで・・・祖父はそのことを今まで隠していた訳か。」
「そういうことになるわね。じゃ、もう夜も遅いんだし、お風呂沸かしてあるから入ってきたら?」
この家の風呂は二階にある。また、ベッドルームも二階だ。
玄関に「祖母の家に行ってきます」と置き手紙を残したから、長い時間居られる。ベッドルームでテレビを観ることにした。
とりあえず、目的は違うが行き先が同じなため、オレと美香は階段を上がっていった。
やっと結びついた・・・皆さんのご意見に感謝しながら続く〜
同じ父親だから実の妹で
婆さまの娘で母親の妹だから叔母さんでもあるのかな?
あれ?
御祖母様は、美香さんを置いて、少年の家に来て。
だとすると少年は夕食を頂いていない?
ねえ?どうなの?
まぁ兎に角、お母様の妹さんなのだから、叔母様。なので呼び捨ては如何なものかと。
戸籍上の扱いは知りませんけど、実質、妹さんというよりは叔母様ですね。
今後の展開を楽しみにしています。
って言いますか、私たちの意見を取り込んで下さって有難う御座います。
40 :
名無しさん@ピソキー:2009/02/11(水) 19:58:28 ID:gzpm9X5E
美香が洗面所に行ったのを見届けると、オレはベッドルームに入った。
テレビをつけて三秒、オレは部屋に人が入ってくる気配を感じ、思わず身構えた。
だが、入ってきたのは美香だった。オレは緊張を解いて美香と向き合った。
中学二年生のその体は、まだ幼さを残していて、それでいて、胸はあった。
巨乳なのではない。だが、洗濯板でもない。中ぐらい。均整のとれた・・・美乳。
尻の曲線は割としっかりしている。最高だね。
「えーっと、お兄ちゃん・・・かな?名前は、××○○さんね。」
名前はこの際あげないでおく。
美香は、一応、関係上はオレの叔母にもなり得るのだが、妹にしたいね。オレは。
「叔母にもなるんだけど、妹で居てくれるか?」
「いいよ。」
そういうと、彼女は少し微笑んだ。可愛い。
「お風呂、入ってきたらどうだ?」
「えーっとね、そのね、お風呂はいる前に、いろいろ話がしたいな、と思って。」
「・・・なんだ?」
「えっとさ・・・正直に言ってほしいんだけど・・・あたしって可愛い?」
「はあ!?」
「いつもさ、親に「可愛くもない小娘だ。」とか言われて殴られてたんだもん。本当なの?と・・・」
「殴ったって・・・大丈夫なのか?」
そういうと、彼女は、袖をまくった。腕に、大きなアザがあった。
「これは二日前。父親。あと・・・」
おもむろに彼女は、シャツの首の部分を引っ張って首の根本付近を出し、
「これは昨日。母親・・・」
だが、オレはそれどころではない。引っ張った間から見える乳に目が釘付けになっていた。
「えっと・・・ほかにもいっぱいあるんだけど・・・」
「いや、もう大丈夫だ。」
危ない。もうすぐで襲う所だった。
「で、可愛い?」
「ああ、とても可愛い。親の言うことなんか気にすんな。」
なぜか言葉が口をついてでていた。美香は顔を真っ赤にし、泣き出した。
「・・・ごめん。なにかいやなこと言ったか?」
「いや、違うの。どちらかというと・・・ヒクッ、感激?」
「・・・そこまで感激するのか・・・」
「生まれてこのかた、そんなほめられたこと無いんだもん。」
ああ、可愛い。いや、可愛いという結論以外出せない。理性がはじけ飛ぶ。
オレは、気づいたら美香を抱きしめていた。だが、美香は抵抗もしなかった。
ああ、柔らかい。その感触を味わっていると、美香が火照った顔で、
「・・・ぁりがとぅ・」
と小さくつぶやいた。そして、オレの背中に手を伸ばしてきた。
それから十分間、オレたちはお風呂のことも忘れて抱き合っていた。
意外に純愛系になってしまったな・・・前スレの神小説の妹と名前が被ってしまったことを申し訳なく思いながら続く〜
>>38 そういうことになりますね。ただ、年は二つ下です。
>>39 夕飯は食べていますよ。少年は自宅に帰り、ご飯を食べて祖母の家へもう一度行ったのです。
sageろ
一度自分の書いた文章をよく見直して一度推敲する癖をつけようか
SS初心者でよくありがちなことが、
脳内妄想をそのまま文字にしてるだけだから「」表記がやたら多くなる
どんな小説でもSSでも、周りの状況描写は大切。
何時、何処で、誰が、何をしているのか。
とりあえず手元にあるライトノベルでも時代小説でも良いからプロが書いたのを開いて参考にすると良い
驚くほど地の文が多いはずだから
43 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 17:53:37 ID:86dM70+M
>>42 君はここでSSを書いたことがあるのかい?
44 :
111:2009/02/12(木) 17:58:37 ID:GxTKvVap
/ /_________________________
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/ / | /. し' ./ / /
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/⌒ヽ (  ̄)
( ^ω^) / /
/⌒ _ / /./
\ //_/\
 ̄ ̄ ̄(_二_)
>>43 プロじゃないなら批判する資格はないですね、わかります。
46 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 19:29:21 ID:86dM70+M
…いや、バカにしてるんだろw
48 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 22:33:51 ID:86dM70+M
そうか?私はプラス思考にとらえる。
どうみても馬鹿に…いや、前向きなのはいいことだよな、うん。
他人からの批判やアドバイスを真摯に受け止められない人は、いつまでたっても進歩できないよ。
明らかに書き馴れてない文章を見るに
>>42のアドバイスは尤もだしね。
あなたも誰かに読んでもらいたい、あるいは反応が欲しいからここに投下しているのだろうだから、
読んでもらいやすい文章を書くために多少なりとも努力するというのも、やぶさかではないんでないかい?
書き忘れ。
書き込む際にはメール欄にsageと入れたほうが、余計な波風は立たない。
いやまあ、本能のまま、思いついた物を書き殴るというのも大事だとは思うよ 勢い的にw
だがそれでも最低限の推敲というか、書き方の研究や投稿の作法も勉強しておいて欲しいわけで
つまり、本能のままに書き殴り終えたら、一晩眠って読み直してから
投降しなさいと?
>>53 そうだねw 絶対書き直したくなって投稿する気が失せるけどww
>>53=
>>40かな?
別に強制するわけじゃないから、所詮はエロパロだしな、そこまで努力する必要なしというならそのままでいいし、
よりた多くの人に読んでもらいたい、たくさんGJ欲しいと思うなら、
あなたが好きな作家さんや参考になりそうな人の本を、少し注意しながら読んで技術を盗んでいけばいい。
どちらを選ぶのもあなたの自由。
安価のミス的に
>>40=
>>43=
>>36=
>>48な気もする
良いSSにはGJが付く
悪いSSや発展途上の作者にはアドバイスとかが来る
エロパロ板ってそんなもんだと思ってた
妹物で投稿しようと思ったが、品質向上活動中でしたか。
自分も正しい日本語文章講座を開ける程の文章レベルじゃないからお炊き上げ辺りに投下しようかな、さようなら。
駄目だしなんてしなくてもいいだろとは思うが、↑みたいなの凄いうぜぇ
投稿する気ないならそんなこと書き込むな
日本語すら書けない下手糞のくせに、いい訳だけは一人前なんだな
>>58 おまいももちつけよ
>>57はどうゆうつもりで書き込んだかしらんが、
>>58みたいなレスがあれば投下しずらいのは確かだぞ
なんだこの空気
妹の話しようぜw
61 :
名無しさん@ピソキー:2009/02/13(金) 20:28:10 ID:sOUyLnNV
帰ってきたらこんなことに・・・
俺は
>>40からこのスレに来ていないですよ。
>>31を見て、焦って(このスレが過疎る的な意味で)思わず脳内妄想をそのまま書いてしまいました。
また今度、このテーマで推敲して投稿しに来る・・・と思います。
ご意見、アドバイスありがとう御座いました。そして、お騒がせして、申し訳御座いませんでした。
ちなみにですが、僕は「名無しさん@ピンキー」ではなく、「名無しさん@ピソキー」を使います。
では、また会う(かもしれない)日まで。
>>61 来なくても構わん。
とりあえず自分に対してのレスを、百回口に出して読んで欲しいとは思うけど。
そういう態度が他の書き手まで追い出すことになるのが何故わからないのかね。
>>61 作品投下の前に、暗黙の了解、を無視しないで下さいね。
たとえば『「E-mail」には「sage」 を書き込む。(「さげ」「sage」「SAGE」「s age」などは使わない)』
コレによって、書き込んだスレッドは上段に上がりません。他のスレッドに埋もれたままになります。
記入しないなどで、最上段にageてしまった場合、荒しの餌食になる可能性が高くなりますから、age行為自体が過疎化の一番の原因になります。
最下段、最下層にスレッドが埋もれたからといって、削除されたり過去スレにしまわれる事は有りません。
むしろ、下層に有るスレッドを好む職人が結構いますので、必ず「sage」ルことをお勧めします。
貴方が「sage」を記入しないのが、このスレッドが荒れる理由の1つです。
追伸
全角英数字と半角英数字を的確に使い分けてくださると、もっとわかり易くなります。
『>>30』 などでなくて『
>>30』などの様に。
みんな、妹を膝の上に載せて可愛がりながら落ち着こうぜ
顔が見えないのが難点ですね。
ヒント:鏡
おお!その手がありましたか。
鏡で膝に乗っている妹の恥ずかしがっている顔が見えると同時に背後からもう一人の妹がゆっくりと迫って来るのが見えるんですね
膝の上の妹はテンパってて気づいてなくって絶好調感じまくり
背後の妹はゴゴゴってると
「お兄ちゃん。これチョコ。」
みんな忘れてるけどバレンタイン
74 :
なりきりネタ:2009/02/16(月) 03:24:11 ID:Z5N8dUiB
あたしの写真を部屋中に張ってるし
いつもねっとりと私を見てるし
いちいち匂を嗅ぎに来るし
アニキが凄く変だけど、どうしよう?
山奥に穴掘って埋めてこようかな?顔だけ出して。
でもこれでアニキは一生あたしのものよね
動けないし、こんな山奥じゃあ他に誰もいないし
フォアグラのアヒルみたいになったアニキ
・・・・口の中にオシッコでもしてみようかな
>>76 荒しでは無いよ。
「いもうと大好き兄」をいもうと視点で見てるのも投下して良い(
>>30-31 )っていうのが有ったから
>>74 を書いた。
>>75 を誰が投下したかわからないけどね。
最初、アニキの自慰を目撃したいもうとが、アニキをからかう話を考えたが、下書きを見た奴から『冴草こはく の 「お兄ちゃんとは呼びたくない!!」だ』と、いわれたからどう展開させるか考えている。
最近、家の妹が変なんです。
妹の知らない人が家に来ると、奇声をあげながら胸を叩いて暴れだすんです。
こないだなんて、食事中に妹と目が合っただけで突然、ノーモーションで自分のウンコ投げつけて来て………
もう、どうしていいやら……
きっとエネゴリだな
83 :
小ネタ:2009/02/22(日) 01:57:28 ID:JwOs0+NP
とある休日、いい歳をした兄と妹がコーヒーなんぞ飲みながら話をしていた
「ねえ、いつまで この家にいるつもり?」
「ずっといるよ。 特にアテもないし。 通勤に便利だし。
お前こそどうなんだ? そろそろ親父やお袋に孫の顔でも見せてやれよ」
穏やかな空気が微妙な感じに変る。 妹の右の眉が上がった。
「それはお互い様でしょ。 あたし達二人とも子供じゃないんだし」
「居心地がいいんだよ、この家は。 家族の記憶が染み付いているし、お前の顔も見れるしな」
とたんに妹の眉がハの字になり頬が赤くなった。
「なに馬鹿なこと言ってんのよ。 兄さんが片付かないうちに妹が先に嫁ぐわけにいかないでしょ。
あたしを片付けたいのなら、先に彼女でもつくりなさいねっ」
「ああ、お前よりコーヒーを淹れるのが上手い女って、なかなかいないんだよなぁ……」
「当たり前でしょ。 何年 兄さんと一緒に暮らしたと思ってるの?」
言いながら空になったカップにコーヒーを注いでやる。
そんな日常が続く。
翌週の休日、妹が真一文字の眉で兄を見据えて言い放った。
「ねえ、兄さんの生命保険の受取人なんだけど……」
「んあ? 保険がどうした?」
「あたしに変えておいたから」
「なぜ?」
「家から出るつもりないんでしょ? あたしも無いの。 ということは、父さんと母さんが亡くなった後も
兄妹で二人暮しになるわけだし」
「だからといって、それはないでしょう」
「いいじゃない、家族なんだから。 なんなら、兄さんの子供を産んであげてもいいのよ……」
妹をあいてにドキドキする休日。
そして俺もドキドキ(///_///)
じゃあ俺もドキドキ(///)
一瞬、大人カツオワカメのパロディかと思って読み飛ばしそうに
なったけど読んでみたら、ドキドキ(///)した。
87 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 14:49:00 ID:GNq/eEVo
甘えんぼうで無口でロリでボーイッシュでツンデレで素直クールで気弱で幼馴染みないもうとと純愛。
俺が回ってるスレを全部混ぜたらこんなんなったw
素直でヤンでキモくて幼馴染みな姉といもうとが熟女とロリとショタにお尻を犯されつつも、戦火の中で触手と獣に屍姦される。
二次を交ぜないと、こんな感じだなw
現実では妹を性欲の対象とは見なせない
だけど二次では妹モノが好きという不思議
素直で無口で甘えん坊でたまにツンツンするけど俺に依存してくれる獣耳のついた嫁3人(元姉、元妹、元幼なじみ)
俺の見ているスレを全部当てたらこのスレでSSを書く決意をしてみる
>>90 素直クール
無口な女の子
ツンデレ
依存スレ
擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプ
お姉さん
いもうと
幼なじみ
ハーレム
新婚
と見たが…それなんて俺?
92 :
91:2009/02/28(土) 16:01:32 ID:U6FSZqTS
しもた!!
追加
甘えん坊な女の子スレ
SSを投下したトコだけで数えると、
お姫様でファンタジー世界の女兵士は催眠・MCで仮想戦記が正義のヒロインを嬲る・・・妹か。
お目汚ししつれい仕ります
その日の夜はいつもどおり、仲の良い妹の静菜と一緒にゲームをしていた。
「そこで術だ! あー、ちょっと遅い!」
「あぁっ、ごめんごめん!」
可愛らしく謝ってくる静菜。
実際に顔も幼くて整っているし、発展途上の身体も中学年二生らしい良い線を描いてる。
三歳年上の俺に影響されてかゲームとかマンガが好きなのに、下から数えたほうが早い俺と違って学年トップの成績。
更には、ちょっとツンだけど純粋すぎかつ人が良すぎる性格と、本当に俺の妹なのか疑わしくなるやつだ。
「――おっ、ボスんところまで着いたけど、そろそろいい時間じゃん?」
「えー? もうちょっとやろうよぉ」
さて、今が何時なのかといえば……午前二時すぎ。
親は寝てるし、明日は日曜だからいくら起きててもいいけども……
「いやぁ、さすがに兄ちゃんも疲れちゃったし、あした続きやろうぜ?」
「うーん、そうだね。お兄ちゃんが言うならそうしよ」
素直でけっこう。
ちなみにここは俺の部屋だが、オタクを自称する自分にしては結構殺風景な部屋かもしれない。
テレビ、ゲーム、勉強机だけがこの和室に配置されているものであり、あんまり見られたくないものは押入れの中にはいっている。
「さて、セーブすっか」
「あした起きたら、さっそく続きやろ!」
「おお……明日なんか予定とかあんの?」
静菜は非常に社交的な性格なので、友達も多く、休日は八割方遊びにでかける。
最初はあまりの成績よさに遠慮する子がたくさんいたみたいだけど、話してみれば案外普通の女の子なので驚いた人も多いんだろうなあ。
「うん。あしたは鈴香の家に遊びに行くから、十一時くらいまでだね」
「ふうん。分かったよ……」
「じゃあ、おやすみ!」
あどけないおもてに微笑を湛えながら、元気よく自分の部屋に戻っていった。
かわいいなあ……。
それに比べて俺は…………そんな静菜を真逆にしたようなヤツで、本当に同じ親から生まれたんかな? って思うほど酷い男さ。
自分でも正視するのが嫌になるほど、不細工で汚い面。
‘モヤシ’とよく揶揄される体は細っこく、男としてどうかと思うほど頼りない外観。
挙動不審極まる態度、学校では根暗なせいか、ボソボソとはっきりとしない話し方。
趣味は「キモい」の一言で斬り捨てられる二次元オタク、成績も逆学年トップに近い有様……親も半ば諦めかけてる。
でも、静菜は……彼女はそんな俺を慕うかのように仲良くしてくれる。
俺の顔は気持ち悪いだろうに、「顔なんてどうでもいいじゃん」といいながら励ましてくれる。
凄くありがたいって思ってる。
なのに最近、そんな妹に対して抱いてはならない欲望が、俺の中に渦まいているんだ。
俺は、親に隠れて見たエロサイトを見て初経をむかえた。
もちろんバレてさんざん殴られたけど、その場に静菜がいなかったのは幸いだったかな。
けど、あれを見て、あの気持ちよさを体験してからというもの、誰かでそれを試したい気持ちでいっぱいだった。
当然わるいことだと分かってるから、さすがの俺も下手な行動はおこさない。
なんども手を出したいと考えたけど、その度なんとか思いとどまって、抜くことで静菜に対しての情欲を抑えてきた。
だってのに…………
たった一つの行動で、その全てが台無しになってしまったんだ……
―――
翌朝。
自然に起きた俺は時計を見ると、短針はぴったし8に向いている。
と、唐突にオナニーがしたくなった。
昨夜は眠たかったからすぐ寝ちまったので、してなかったんだ。
さて、いそしむ前にすることは、家族の状況を確かめること。
布団から起き上がり、自室を出る。
俺の部屋に対面する位置にあるのは静菜の部屋。
ノックもせずにこっそりとドアノブに手をかけ、押し開けてゆく。
すぐにも視界にかわいい寝顔がとびこんできた。
「っふぅ……」
思わずため息をつく。
変な気を起こさないうちに、つぎつぎ。
今度は、親二人が一緒に寝ている寝室へと様子をうかがいに行く。
あんまり想像したくないけど、俺の父さんと母さんが‘ピー’して、俺と静菜ができたんだよな……
それとは関係ないけど、ある時その部屋に足をはこんだら空のペットボトルに精液としか思えない、白くてどろどろした液体が入ってたときがあったなぁ……
あれには驚いた。
――ありゃ、ドアが開いちゃってるよ。
ということは、母さんいないな。
……やっぱりだ。
母さんは奔放な人で、よく黙ってどっか出かけたり飲み会行ったり、父さんを右往左往させてるんだよなぁ。
ま、ともあれ父さんは寝てるな。
「ぃよしっ!」
思わず喜びの声が出てしまった。
何しろゲームに出てくる美少女キャラに加え、隣に座ってた静菜もかわいいもんだから、昨日寝る前は抜くことばっか考えてたんだよなぁ。
でもかなり眠かったみたいで、すぐ寝ちゃったけどな。
俺は足早に自室に戻って、ゆっくりと引き戸をしめた。
「ぬふふふ……」
薄ら笑いしつつ布団にもぐりこみ、すぐにパジャマとパンツをおろした。
俺は早漏なので、最初っからティッシュを五枚ほどとって、布団の中に忍ばせた。
おかずは、いつも傍らにおいてある、とあるSRPGのイラスト集。
はっきり言って、このゲームに出てくる女の子のカッコはエロ過ぎだと思う。
ミニスカ・太もも・きょぬー・ロリ・シスターetcetc……
属性の多さもさることながら、戦いに赴く少女があんな装備では仲間もたまんないだろうなぁ。
自分のモノをつかみながらパラパラページをめくる。
止めたところで誰が出るか……お、今回はロリきょぬーへそだしルックの踊り子さんだ。
……冷静に考えたくはないけど、こんなエロいカッコした女の子が戦場にいるとか……ありえないって。
なんて思いつつ、この子を犯す想像に耽りながら陰茎をしごき始める。
………………ものの三分ほどで、もうイきそうだ。
くる直前になると、俺は掛け布団をはだけてチンコを自分に見えるようにする。
そうしないと、精液がうまくティッシュに放れず、掛け布団にぶっかけてしまう恐れがあるからだ。
俺は全神経を短小包茎(泣)に集中させ、眼を閉じて一心不乱に擦りまくった。
…………!!?
それはまさに、果てようとした一瞬におこった。
部屋の外から足音が聞こえた瞬間、俺は中途半端な快楽につつまれた。
途中でしごくのをやめたからなわけだが、無駄なあがきであることに気付いた。
「お兄……………………――!!!」
勢いよく引き戸を開けてきた静菜は、今まで見たこともない表情で固まってしまった。
「………………ごめ……ん」
本能的に、かすれるほどの声で非礼を詫びる俺がいる。
……………………。
何秒経過したろうか?
妹は、異常なまでの虚無感を覚えたような顔色のまま、ゆっくりと引き戸をしめた。
のこされた俺は、まるで機械のような動きで事後処理をしたあと、ふたたび布団の中にはいった。
――なぜだろう?
ふいに込み上げてきたのは、とめどなく溢れる涙だった。
しゃくりあげた。
声を上げて泣きながら、枕に突っ伏して妹の名前を呼び続けた。
―――
俺は、静菜が親に言いつけでもしないかとビクビクものだったけど、来ないのを鑑みるに告げなかったらしい。
それは良かったけど……当然かもしれないが、口をきいてくれなくなった。
一緒にゲームもやらなくなった。
もの凄いショックだ。
言葉を交わすどころか、メールで謝ろうという勇気すら、俺にはなかった。
それでも、家族が一同に会する夕食の時だけは、ぎこちないながらも喋ってくれる。
でも、それはあくまでも親の目があるからだ。
帰ってきてから静菜に近づくと、うつむきながらさっさと俺から離れてしまう。
もうどうしようもない――
自暴自棄になってリストカットに及んだり、思わず遺書をつづってしまうような鬱々とした日々が一週間つづいたあとの、日曜日。
俺は一抹の希望を込めて、静菜がでかけた後の部屋にある物を置いて、帰りを待つことにした。
―――
「ただいま〜!」
午後五時、妹がかわいい声をあげながら帰って来た。
心臓の鼓動が一気に速まる。
どうかこれで心を動かして欲しい。
俺は芯から願った。
しめきった部屋の外から足音、次いでドアを開ける音が聞こえた。
……。
もう目に入っただろうな……あれが。
破ったりしないで、ちゃんと見てくれるかな……?
そう想うと、また視界がかすんできてしまう。
俺は傷つきやすい人間だ。
自分の口でなにか伝えて拒絶されるのを、病的なまでに怖がってる男だ。
だから、メールで意思を伝えることすらできない、哀れで、弱すぎるクズ野郎だ。
それでも……それでも自分の想いを乗せた物を、静菜の部屋に置いてくるのをやっとのことで叶えたんだ。
どうか、これで俺への疑惑を拭い去ってほしい――
「お兄ちゃんっ!!」
あの日と同じように、静菜はまたもや勢いよく引き戸を開けてきた。
幼いけど端麗な顔には、真にせまる雰囲気をまとわせている。
その小さな手に持つのは……
「…………ごめ、ん……下手くそで……」
「ううん……じょうずだった。お兄ちゃんの絵、すごくじょうずだったよ」
彼女に贈ったもの……それは、静菜の好きなキャラクターのイラストだ。
俺の特技といえば、ゲームと絵を描くことくらいしかない。
だから、それこそすがるような想いで、腕によりをかけて絵を描いた。
そしてイラストのそばには、口にはできない深謝の言葉を多くつづったんだ。
「そっか…………ほんと、ごめん。あんな……あんなもの見せて、ごめ――」
「お兄ちゃんは悪くない!」
静菜が声を張り上げたのに、俺は胸をうたれるような気がした。
「だって……しょうがないよ。この年頃になったら、男の子はみんなそうなるんだよね?」
妹も真っ赤になっているが、俺もかなり恥ずかしい思いだった。
後ろめたさを感じるものの、ゆっくりと頷くしかできない。
「……気持ち、悪かったろ…………?」
俺がしぼり出すようにして吐く台詞に、なんと静菜は首をぶんぶん振ったではないか。
「だって、しょうがないことだよ! 保健の先生が、男の子はみんなそうだって言ってた。ガマンしてるんだって……」
事実として理解できても、それをすぐに受け止めることは易くない。
なのにこいつは……静菜は、こんな醜い行為に耽っていた俺を見て、許容してくれるというのか。
あぁ……また涙腺が緩んできてしまう。
酷い面が余計際立つだろうに。
そんな感動に打ち震える俺に、さらなる衝撃の言葉がかけられた。
「だから、もうお兄ちゃんがガマンしないで済むように……わたしと……――」
静菜が放った単語に、俺は絶句してしまった――
貼りミスサーセン。
続きは明日のこの時間帯、どうぞ
GJ! wktkっすわ
GJ!
だが待って欲しい。初経と言うことは、この兄は姉なのだろうか?
…………精通の間違いだよね?
しょけい 0 【初経】
大辞林 第二版より
初めての月経。初潮(しょちょう)。
ふたなりダメ姉とよくできた妹か……。
お兄ちゃんのがほしいよぉ
保守
背丈175cm痩身 と言うと格好良いが、単に筋肉も皮下脂肪もなくガリガリなだけ。
脇の下周りや腰周りが私より細く、重量は5s以上軽い。
ストーカーのようにしつこく私を追いかけ回しては、度重なる、自動車にはね飛ばされ事故、鉄道の踏み切り事故、崖っぷちや橋からの落下。
その他で自爆し、担いで帰宅させられるから、ますます鍛えられる。
自爆に気付かない降りして放り出して置ければどんなにすっきりするのかな?
でも、いい齢して子ども泣きで名前を呼び助けを求めるから、周りが気付かない訳が無い。
結果、恋人全部が発デートで逃げる。
見合い?そりゃあ、親の前では良い息子だよ。だから親が同席してる間は無問題。
そして、話が進みデートになるとストーカーになり、すぐ近くで自爆する。
やな兄を持ったものだ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「どこが『いもうと大好き』だ」
ですか?
いもうと大好き兄貴の自己中心な愛情で、行き場が奪われたいもうとですよ。
これを投下できるってのがすごい
「いもうとが大好き」な兄の話には間違いないな。かなりキモイがキモ姉妹スレは
あれどキモ兄弟スレは無いし。
朝霧さんちの達也くんが、最近淫妹に迫られて困ってるみたい
キモ兄弟って、ズレたてるほどの需要有るの?
っていうか幼妻と黒服を仕上げないとなあ。
待ってる人いるはずだし
ここってノンフィクションはないのかい?
ノンフィクションは板が違うからな
一応創作文章板らしいし。第一、フィクションかどうかなど判別するすべもないし。
ここは、エロ【パロ】板だ
板の使い方は、実際のいもうとなら近親相姦や過激恋愛、その他だろう?
だけど、私は、下手でも文が欲しい。
例えば、こんな感じ。
ぱぱから、きゅうに ひっこすことになった と、いわれたの。
4がつから あたらしい おうちだって。
ようちえんの 3ねんかん いっしょのおともだちと おわかれかいを できないで、ひっこすって ヒドイよね。
あたらしいおうちは、かぐも、しょっきも、ぜんぶあるから。と、あたしの、ぶんぼうぐ、ふとん、そして、ふく、などを持って行くって。
マンガとか、おもちゃはダメだって。つまんないよ
にもつをバッグやはこにつめて、そしたら、よるごはんのあと、おとこのひと?が じどうしゃで きたの。
「あしたのあさ、はやいから ねなさい」といわれたけど、あのひと、だれ?きになって、よく、ねられないの。
4じに ぱぱに おこされた。
きがえると、すぐ きのうの くるまに、にもつをいれて。
あれ?あたしのだけ?ぱぱのは?
いつものじかんに しょくじをして、ぱぱはでかけたの。
るまのひとから
「持ち物、これで良いの?
まだ載るから、これに入れてきな。パパさんにヒミツで、宝物や玩具、本とか。
本を先に入れて、玩具が後が良いよ」
と、くるまのついた おおきなバッグをわたされたの。
こえは おねえちゃんみたい。おにいちゃんとは ちがうかんじ。
バタバタ、ドサドサとマンガやふぁんしー をいれていると。
べつのバッグをもってきて、「これも使って」といったので、ぬいぐるみや おにんぎょうを いれたの。
それで、あたらしく バッグ3こをくるまにのせたの。
7じすぎに、そのくるまで、でかけたの。
――
えーと、これが、いもうと 視線。
相手側は、のちほど
書きながら投下では有りません。
急に雨なので、迎えに行くのです。
前スレでボロクソに叩かれたのにまだこりないの?
前スレって?
ごめんね。初投稿だし、前スレは知らないんだよ。
って事で、まとめサイトを良く見てくる。
それで、続きを投下するかどうか考えてみる。
>>119 なぜ、職人のやる気を無くす書き込みするの?
お前の様な書き込みが、多くの職人の意欲を無くしてるのだけど?
えーと、まあ、過去作品ざっと見たが
>>119の意味が、職人を排除する、とか、過疎化、とかの意図しか考えられない。
で、つづき
親の希望で私立の男子校に幼稚園から通い、高校生になった 4月 1日、日曜日の午前 9時、幼稚園児くらいの女の子を連れた客が訪ねて来た。
父の海外転勤で両親とも不在。しかも時差で真夜中から早朝に変わる時。
何も聞いて無い。俺
しかし、渡された手紙には両親の連名で、引っ越しの、日にち、時間、が指定されている。しかも、この家で同居しろ。
今年から小学校、手きしろ。
戸籍は入れて有る。
などと書かれている。コンピュータかワードプロセッサでの印字なので真偽のほどがわからない。
電話をかけた。が留守番電話らしい。
現地の言葉か?まるで聞き取れない。
さて、困った。
追い返すつもりで、話をし出すと、昨日の朝からずっと車で移動、昨晩から今朝は東名高速足柄で仮眠。
子どもが限界だという答えが来る。
確かに、くたびれて、不機嫌だ。
両親不在、の話も知ってる様子。
「将来のお嫁さん、となる女の人です。今は妹として大好きになって下さい。」
と、追い討ち。
急に言われても、応対が出来ない。
こんな感じ。
しかし、不愉快。
>>119の書き込み
まとめよりも先に読むべき物があるな
ちゃんとした文体で書かれた「小説」だw
>>125 ふむ。そんなもの定義できるのかね?
定義できないとしても、文章には色々な形がある。
書いた人間の癖がでたりもする。
さらに言えば言語は常に変化し続け、言葉が増えたり使わなくなったりもしている。
極論、古文と現代文比べたら全くもって違う。
で、正しい小説って何よ?
それともただの釣りか?
>>126 あんたは間違ってない。だがここは、落ち着いてスルーするべきだ。
あと
>>123さん。読点が多く却って読みづらいので、そこは直した方が良いと思う。
こっちにも降臨したかぁ…
とにかく
>>127さんのアドバイスはぜひ取り入れてほしい…
ケチつけるしか能のない春休み厨房があっちこっちに涌いてるな
130 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 01:17:24 ID:qy+YAb3z
最低限の推敲くらいはすべきだろ。自分の文が日本語としておかしくないかどうかとか。
俺なんて臆病だから、何度も何度も読み返して確かめなきゃ投下できない質だわw
って妹(花の9歳、俺っ娘)が言ってる。
肌に合わなきゃ批判じゃなくスルーでいいじゃん
ただでさえ過疎ってるのにさ
>>130 そんな妹は嫌じゃwww
でも、気兼ね無しにエロトークができる兄妹関係ってちょっと良いかも。
妹とエロ話……ごくり。
134 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 00:41:37 ID:6PhWC6Fm
妹を膝の上に乗せてエロ話。
妹「兄ちゃん?おしりに硬いのあたってるけど、なに?」
兄「それはね・・・・・・・・・・ドライブシフトだよ」
妹「・・・・・じゃあ、シフトチェンジしないとね!」
妹「ニ速入れるね・・・・・」
兄「ああ・・・もっとゆっくり・・・そう・・・」
よし、5点装着式シートベルトで密着だ
蒸着!
139 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 13:02:49 ID:iZugEbz+
あぁっ!お兄ちゃん!
そ、そんなにワイパースイッチ弄っちゃらめえぇぇぇぇぇ!!!
あっ!ほ、ほんとに駄目だってば!
そんなにしたらもうウォッシャー液がでちゃうよ!!
出ちゃうっ!もうでちゃうっ!!!
ッッ!!!
プシャアアアア!!!
ウィーン
兄「…」
>>139 そのアイデアいただいていい?
擬人化スレに投下したいわ。
141 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 08:19:34 ID:RpbNPGFz
随分と投下がないな
このスレも終わりか…
143 :
・・・・:2009/04/01(水) 09:23:43 ID:F23serkS
・・・・・・・・・・・・
この時期に投下するか?
ふゆやすみ、正月、ばれんたいんでー、ひな祭り、ほわいとでー、そして、はるやすみ
いもうとたちと一緒にいる事のために時間を使いすぎて文章を書く時間が無いんだよ。
おはようから、おやすみまで、
そして
おやすみから、おはようまで、
いもうとと一緒にいるんだからね。
こ
ふ
い
お
そ
お
い
――――!?
-----終了-----
-----再開-----
口を開くとお兄ちゃんお兄ちゃんな、テンプレなブラコンものが読みたいです。
口を開くと妹!妹!な変態兄の監禁陵辱孕ませありのシスコンものも読みたいです。
俺今大学四回で夜中コンビニのバイトをしながら家族と暮らしてる。
今日はいつもだとバイトを入れてない日だったけど、まだ学校が休みなのと、夜中に入ってくる
ジャンプ読みたさにバイトを入れたんだよな。
時間は夜1時20分……。俺は外を爆走してるバイクの馬鹿でかい排気音で目を覚ました。
目覚めが目覚めなだけに不機嫌になりながらも少し微睡む。
バイトは2時から……。30分に風呂に入れば間に合うな。なんて思っていた瞬間だった。
向かいの部屋からコツ、コツと堅いものが触れ合う音がした。直後
「あっ……ああ、あん……」
なんて艶めかしい声まで聞こえて来やがった。
ええ、向かいの部屋は妹の部屋ですよ。ちなみに言っておくと、外壁同士に間隔が空いているし、
今まで15年過ごしてきて物音の一つも聞こえたこともないから隣の家から、って線は100%無い。
共働きの両親との距離が離れてきている妹は、念のため、と起こしてもらうのを頼んでいたお袋からも
俺が今日バイトなのを聞かされていなかったのだろう。
しかし、もう高校2年になっているとは言え、部屋でそれっぽい本を見かけたとは言え、ローターを
見かけたこともあるとは言え、実際声を聞くとショックだった。
とりあえず気持ちを落ち着かせようとして携帯をいじっていたら、画面に表示されている数字は
1と30に近付いてきた。行くしかないのか……。
引き戸をゆっくりと開け、妹の部屋の前を通過して戸の横にある階段から下へ降りる。
しかし、いざ下に降りてみても状況は変わらない。俺が風呂に入ればあいつは気付くのだ……。
ここで、俺にちょっとした妙案が思いついた。
ここで敢えて気付いていることを気付かせて、俺の言いなりにならせるのも良い。何せあいつは
思春期に俺のオナニーを見てから、何かとこき使うようになっていた。ここらで形勢逆転しようじゃないか。
それに、俺が風呂に入ったあと回ることになる洗濯機の中身を干す作業も、あいつにさせれば
お袋にも見直されたり、また会話もするようになるんじゃね? と……。
いやぁ俺って良い兄貴だな。
とりあえず風呂から出たらあいつにメールしとこう。
「声聞いた。バラされたくなけりゃ洗濯物干せ。
あと保守しとけ」って。
153 :
コンビニ兄貴:2009/04/06(月) 04:09:18 ID:G2ECl4U8
書き終わってなんだが全然妹萌えじゃねぇなこれ…orz
スレ汚しスマン。俺は去るよ
待って帰って来い!ビッチ妹ハァハァ
-----終了のお知らせ-----
エロっ子だがビッチではなくないかい
>>153 問題ない。妹の部屋であんなものやこんなものを見つけ出す(くらい妹の部屋を調べている)
時点で、この兄貴は十分このスレに巣くう資格がある
今日は休みだ。仕事も無い。早起きなんて……いや、明日は学校があるから10時には起きなきゃいかん。
そんなこんなで俺は0時を回った頃から眠り始めたんだが……。
今日は友達からのメールで目が覚めた。1時10分。中途半端な時間に起こされたもんだ。しかも
メールの内容も「明日学校行く?」だと? 1人じゃなんも出来ないのかお前は。
なんてことを思っていると今日も、また……。
ちなみに、昨日は結局終わってすぐ寝たらしく洗濯は干してなくて「何それ。朝そんな時間ないし」
なんて返事が7時半くらいに来ていた。
今日は、と言うと……正直後悔している。多分、最初から最後まで全部聞いたと思う。最初の
あまり気乗りのしないような少し控えめな音量から、興奮して向かいの部屋に俺がいることも忘れたような
声まで、全部。
1つ認識したことは、あまりそういうことに慣れていない感じがするということ。
それだけでも救われた気になった。
ただ、俺の好奇心が次にどうするべきか、と問いかけている。
あいつの部屋に突撃するのか、泳がせておいて声を聞き続けるのか、全てをなかったことにするのか……。
俺はこれから、どうすれば良いんだ?
159 :
コンビニ兄貴:2009/04/07(火) 02:45:07 ID:0pdP4jx4
レスサンクス
なんだかんだでネタ浮かんだんで戻ってきた。スマン
住人認定してもらえたことだし、ここからはもっと妹萌えにしたいと思う
というわけで参考程度に聞かせてもらって良いかな?
うぜーって人は「コンビニ兄貴」をNG登録頼む
@突撃
A盗聴
B無かったことに
Cまさかの過去編
Dその他
キミキス(糸杉のコミック版)の妹がエロい
くそ、あれがエロゲだったらなぁ
Hシーンのない小説はゴミ
162 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 15:48:40 ID:YOKNSIqo
なら俺が拾うよ。
突撃
>>159 D兄貴が厳選したおかずをこっそり差し入れ
突撃かな、意気込んで来たはいいものの居場所なくてオロオロ…
さぁどうする
A盗聴でドキドキしたい
D「ほひゃあ!」とか叫んで風呂の脱衣所で全裸でぶっ倒れ、
気を失った振りをしつつチンコビンビンで妹の反応待ち
がちゃり
扉が開く
入ってきたのは
おかんだった
169 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 17:49:29 ID:loOsWohK
トンネルを抜けるとそこは子宮だった。
斬新
子宮姦ですか
子宮の次は卵管か?
トンネルじゃない!それ………膣だ!
狭くいて温かな妹の肉のトンネル
その奥には、彼女の大事な大事な宝物がある
兄である俺と同じ遺伝子を持つ、小さな小さな赤ちゃんの素
卵子だ
そいつに今から精子をぶっかけ、受精させることができるのかと思うと
気が触れそうなほどに興奮する
お兄ちゃんしっかり! 正気に戻って! ><
本番中にそんな妄想されたら、妹も困るわな。
職人来ないな
このスレも終わりだ
何度目の最終回なのか
ああ五度目だ
ここも姉スレもいつもこんなもんだよ
>>177 過疎スレなんだし
もっと待つとこもあるぞ?
エロゲのエロい妹の話とかしながら投下を待ってようぜ
とりあえずはぴねすのすももや夜明けなの麻衣
天神爛漫の佐奈あたりを勧めておく
俺も語ろうとしたがやったことあるエロゲに妹いなかった…
きっとまだまだ詰めが甘いんだな
>>182 実際の「いもうと」でなくても「いもうと」の位置にいる女の子がいるだろ?
例えば、テレビアニメにもなったのでは
Wind では約1人
乙女はボクに恋をする では約2人
東鳩2では 約1人
とか?そういうので遊んで無いのか?
そういえばエロい年下の男の娘って、ダメなのかな?
誰が、いつ見ても、カンペキに可愛い子とか。
>>184最初に男の娘(むすめ)って読んで『は?』ってなった。
ついでにスレチになると思う、そいつと妹の話ならありな気がするけど。
気に入ったキャラも義妹と偽妹ばっかり…
実妹と茨の道を行くエロゲはないものか
義妹は所詮赤の他人
他人なら、妹である意味なくね?
>>188女として育てられようが、ものが付いてる限りはおとうとだろ。
>>183 2本しかやったことなくてね…でも片方にはそういう感じのいたな
世話のかかる駄目で可哀想な幼馴染みとか
188を読んでじゃあ姉貴視点なら良くね?って思った俺は妹スレ住人失格
いえ、「姉と妹」という話でもでも良いのでは?
2人だけの(?)秘密って事で、一緒のお風呂、一緒の布団。
外出でも同じ服着て手を繋ぎあって。・・・・・・それから?
ならばよるよるだな
いもうとといえば加奈
あれは泣ける
セクロスは無かったが鬼哭街の瑞麗は最高だった
色んな意味でゾクゾクくる妹だった
>>186 つ鎖 LeafのQPフラッパーズ絵のやつ
ただし凌辱もの
実妹和姦孕ませエロゲが発売されますように…
いもうとSSがたくさん投下されますように…
妹が出来ますように…
「シスターまじっく」やるよろし
実妹と子作り前提、ボテあり、背徳感多めだ
ただし 姉 化 分 多 め
「ココロ」ってPC98時代の末期に出たゲーム
あれはたしか実家族の近親姦だったような気がする
陰陽寺って力を残すために近親姦やってたって聞くな
「そんな…優恵はどうすんのさ?……」
「だから、頼んでるんだ……転校とかは、嫌だろう?」
「そりゃそうだけど!だからってさ!?海外でいつ戻るかも分かんないなんて、何かあったらどうすんのさ!?」
「だから頼んでるんだ。晶。仕事なんだ、大事な大事な、行かなければ私の首が危ない」
「…ぬ………なんだって母さんも…」
「お父さん一人にしたらどうなるか分からないの……分かって?晶…」
「…………あぁ……くそ……一週間に一回は優恵に電話すること、一年に一回は帰ってくる事。それくらいは?」
「……一年に二回にしよう」
「……優恵にも、ちゃんと説明しといてよ」
「ああ………お前ももう中学生だ。晶なら出来るさ」
「出来りゃ良いけどさ………優恵を呼んでくるよ……」
「ほら、優恵。弁当」
「ありがとう、兄さん」
両親が海外出張に行って五年。俺はすっかり所帯じみた高校三年生。優恵は可愛らしい高校一年生になっていた。
あのころの優恵は小学生だった。高学年になってたとはいえ、まだ親が恋しい年頃だっただろう。
だから俺は、二人の代わりに精一杯、優恵に優しさを注いだつもりだ。
付き合いが悪いと言われようと、シスコンと馬鹿にされようと、構わなかった。
優恵を守るため、肉体的に強くあろうとトレーニングをした。
優恵の見本となるために勉強もした。
優恵に喜んでもらおうと料理もした。
俺のこれまでの人生は、優恵のために消費された。構わない。その分優恵が幸せになってくれればいい。
身内びいきがあるかもしれないが、優恵は可愛い。その気になれば、恋人もすぐ出来るだろう。
透き通る様な瞳、綺麗な黒髪、すっと通る鼻筋に花の様に可憐な唇。
ずっと見ているだけで実の兄である俺ですらクラッとする。ああ、そうとも、シスコンだとも。
友達を作って、恋人を作って、良い青春を過ごして欲しい。俺が出来なかった分も。
優恵が幸せになってくれれば、それでいい。それで。
「じゃあ行ってきます。兄さん」
「ああ、気をつけてな」
晶兄さん。
両親が海外へ出張に行ってから、ずっと妹の、私の世話をしてくれた。
優しい、優しい、とっても優しい私の自慢の兄さん。
私のわがままも、失敗も、少しの厳しさと、たくさんの笑顔で許してくれた。
勉強も運動も出来て、その上料理も上手い兄さん。
兄さんは自分の事を犠牲にしても、私のためにと行動してくれた。
知っている。そのせいで中学時代、友達がほとんどいなかったのも、馬鹿にされていたのも。
だからこそ、これからは私のことに構わず、幸せになって欲しい。今までの分まで。
友達をたくさん作って、恋人を作って、素敵な生活を送って欲しい。
私も高校生になって一ヶ月がたったのだ、一人でも大丈夫だから。と伝えたい……
伝えたい、はずなのに……私は、兄さんから離れたくないと、思ってる……
今までずっと束縛してきたのに……お礼を言って、謝って、止めて、自由に、幸せになって欲しいのに……
大好きな大好きな、兄さん。大好き。家族として…………男性として………晶兄さん
「……はぁ…」
今日は日曜日。部活の昼休憩。兄さんの作ったサンドイッチを頬張りながら、ため息をついてしまう。
兄さん手作りのサンドイッチは美味しい。文句の付け所が無い。無いからこそ、自分が怨めしくなる。
私は、こんな風に出来ないから。日曜なのに、兄さんを早く起こして……私は、兄さんに頼ってばかりだ……
自分の事ぐらいは自分で守ってみせたい。だから女子柔道部に入ったのに……結局はこういう風に甘えてる……
「はぁ……」
「なにため息ついてる?幸せが逃げるぞ、高宮」
「あ、岡崎先輩」
岡崎美華先輩。
女子柔道部主将。一年の新人戦から県大会個人戦三連覇、それどころか全国でも、五本の指に入る腕を持つ女傑。
それだけでなく文武両道、成績優秀、長身に、女の私ですら惚れてしまいそうになる美貌、スタイル。
性格は男勝り。男より漢らしく美人というより格好良いという言葉が似合う。
「弁当が不味いなら食べてやるぞ」
そんなことないです!そう言い返す前にたまごサンドを盗られた。
「あっ!?」
取り返す間もなく半分が口に飲み込まれるたまごサンド
「どんなのでも食べ飽きた、コンビニ、おに、ぎ、り……よりは………マシ…………美味いじゃないか!?」
兄さんのたまごサンド……
「こんなの食べててため息つくとは許せんな高宮、全て私が食べてやるから渡すんだ!」
残り半分を口に放り込み、新たなサンドイッチを私にたかる。
「い、いやですよ!」
「なにおぅ!」
柔道始めて一ヶ月の素人に、柔道部主将が襲いかかる―
―結果、残り半分を先輩が持っていた惣菜パンと交換して和平。
「しかし羨ましいな。こんな美味い弁当があって」
そう言って先輩はツナマヨサンドを食べる。
「先輩は?」
私もツナマヨを手に取る。
「両親が遅くまで共働きでな。ご飯も美味いし、夫婦仲も良いが、週末や祝日くらいしかそれにはありつけん」
先輩の顔に珍しく苦笑が混ざる。
「自分で料理をしようとも思うんだが、結局はコンビニで済ませてしまう。便利過ぎるのも困りものだ」
サンドイッチを少しだけ高く上げる。
「これは、自分で?」
「あ、いえ」
「母親さん?」
「いえ、父さんの海外出張についていって五年くらいたちます」
「お姉さんが?」
「姉はいないです。晶兄さんが」
先輩の動きが鈍くなる。
「………誰が?」
「晶兄さんが作りました」
先輩が目を見開く。
「晶………高宮、晶……F組?」
「あ、知ってました?」
「いや、まあ………同じクラスだが………本当か?」
「嘘つく理由が無いですよ」
思わず笑ってしまう。
「そうだろうが……想像出来ん」
「兄さんって、学校ではどんな感じですか?」
「どうって………無口…かな」
「無口……暗い、ですかね…」
「ああいや、違うな。なんというか……出来る限り少ない言葉で伝えようとするというか…言いにくいな」
「家ではそんなことないんですよ?優しいですし……」
「ああ。いや、安心しろ。嫌われてるわけじゃない。少なくとも女子にはモテる方だ」
「そう、なんですか?」
「ああ。頭は良い、運動も出来る。お前さんと同じように顔も良い。イイ男としての条件は充分に満たしていると思うぞ」
兄はモテる。嫌われてると聞かされるよりは全然良いが、それだって、どう言えば良いか分からない。
「実際、他の女子も何人か告白したそうだがダメだったらしい」
「…………も?」
「も、だ」
さっきよりいくらか悔しそうな苦笑
「一年の二期、だった。スポーツ特待でテストも学年三百数十人中四位。容姿にもそれなりに自信があった」
テストで兄さんは二位だった、と補足を付け加える。県内でも有数の進学校でその順位。テレビに出る様な有名大学も合格圏内に入っているだろう。
「見栄でな、彼氏の一人でもいた方が格好がつくと思ったんだ。好きかもどうかも考えずに、良い人だと思ったんだ。思ったから、告白した」
先輩の独白に、どう答えたものかと思う。先輩は私を気にせず、独り言の様に続ける。
「恥ずかしながらその時の私はナルシストでな、フラれることは有り得ないと思っていた、けど……」
「…フラれた?……」
「『今は、色々あって忙しいんで、無理です。すいません』こう言われた。頭も下げられたよ。悔しかった。それまでの人生で何よりも一番、悔しかった」
悔しい。そう言ってはいるものの、先輩の顔はどこか楽しそうだった。
「そもそも忙しいったって、大会とかがあるなら分かるが、彼は部活にも入っていなかったからな。適当な言い訳で逃げられた気がした」
「忘れようと勉強に部活に没頭した。失った自信を取り戻そうとした。その結果、私は県大会個人戦優勝。次のテストでは二位、このときは君の兄さんが一位だ」
君の兄さんには勝てないらしい、と呟き、先輩の言葉が数秒途切れる。
「……………感謝、しているんだ。天狗だった私の鼻を折ってくれた。おかげで今の私がいる」
ほんの少し、先輩の頬が朱に染まっている気がした。
「それで……おかしいかな…その、なんだ………たまーに、たまにだぞ。ふと、目が自然と彼を追ってるときがある。これ、どう思う?」
―それって、つまり―
「会話なんて、告白と返事、この二言だけしかなかった。だけど、私を変えてくれたお礼が言いたいというか、もっと話してみたいというか」
先輩らしくない、曖昧でしどろもどろな口調で分かる。
ああ、先輩「も」兄さんのことが好きなんだ―
「……って、な、何言ってるんだろうな私は。忘れ「来ます?」
「え?」
「家に来ますか?居ますよ。兄さん」
いつも凛とした先輩の顔が、泡を食ったような表情になる様子は、見ていておかしかった。
大丈夫。先輩は良い人だ。それはハッキリと分かる。
「いやそんな理由もなく」
「料理しようと思ってるって、さっき言いましたよね」
尊敬する先輩と、尊敬する兄さん。どっちにも幸せになってもらいたい。
「あ、ああ」
「それを理由にしましょう」
差し出がましいことをしようとしているのかもしれない。それはきっと、罪悪感があるからだ。
兄さんが先輩をフった「忙しい」という理由。それは多分私のせいだ。
「中学生活を楽しめ」そんな兄さんの言葉に甘え、家事を任せっきりにしていたから。
それの埋め合わせをしたい、そんな下衆な考え。
「…………考えて、おく…腹を休ませておけ。午後もあるからな」
心の奥に隠した何かが、チクリと痛んだ気がした。
書いてみたので投下した。今は反省してる
スレ住人の暇つぶしくらいにはなれれば良いなって思ってる
gj! はやく妹とのエロまで進まないかな〜。
>>207 GJです。妹をおもう気持ちが、逆に悩ませるような描写が素敵です。
僕も妹モノのSS作ってみたんで投下します。
エロパロ版ではこれが2作品目の投下ですが、文体がまだまだ稚拙です…
エロいのだけ読みたい人は(9/13)から、ではいきます。
「…以上でお引越しのお荷物はすべてとなります。こちらに受け取りのサインをお願いできますか?」
引越し業者が受け取り票を差し出し、俺に受け取りのサインを求めてくる。
俺は、ダンボールを下敷きにして業者の要求に従い、受け取り票を業者に返す。
「はい、ありがとうございます。では、またお引越し等のご用件がごさいましたら、
弊社までご連絡お願い致します」
軽く会釈をすると、業者はアパートの階段を軽快に降りていった。
早速ダンボールの箱を開けると、たくさんのDVDディスクの詰まったピンク色のケースが目に付く。
『おにぃ頑張ってね!!あたしも頑張るから!! 真帆』
丸みを帯びた文字でそう書かれた紙が、ケースの上面にセロテープで固定されている。
もうあれから2年が経つのか…妹の真帆が同じ高校に入学し立て時のことを懐かしく思う。
このディスクには、他人には言えない、俺と真帆だけの思い出がたくさん詰まっている…
高校時代の俺と真帆の2人で作り上げた、沢山の物語が…
「おにぃ〜見てよ!!新しい制服だよ!!」
妹の真帆が自慢げに制服を見せている。明日は真帆の入学式だ。
「制服着てそんなにはしゃぐなよ…しかも家の居間で」
「だって〜前から着たかったし〜。でも、ほんっとにかわいいよね〜この制服」
真帆がはしゃぐのも無理はない。このブレザーの制服は、高校のOBで、
俗に言う一流デザイナーが作製したものだからだ。どうやら高校の校長が新入生徒獲得の一環として
このデザイナーに頼み込んだらしい。そして見事に校長の思惑通りになり、この制服に変わってから
受験の倍率が女子生徒を中心に倍近くに増えた。俺自身も別の高校に進学をするか悩んでいた時、制服
のデザインが良かったのが決め手の一つになったので、校長の策略に見事に嵌った一人なのかもしれないが…
「真帆、おまえまさかその制服着たさに決めたんじゃないだろうな?」
「そんなことないってば」
「じゃあ理由はなんなんだよ?」
俺の問いかけに、真帆は急に視線を反らし、両手の指を軽く擦るしぐさをする。
なんかおかしな質問でもしてしまっただろうか…こちらも急に不安になってしまう。
「なんなんだよ…急に」
「それは…おにぃと…一緒の高校に…入りたかったから。学校でも…おにぃと…一緒にいたいから…」
真帆は頬を赤らめながら、照れくさそうに言う。
なにを言い出すんだこいつは。そのしくざで言われると、こっちまで照れくさくなってくる。
「おいおい…おかしな冗談いうなよ」
そう言うと、突然真帆は自分のシャツの肩から少し下の部分をぎゅっと掴み、
上目遣いで何か訴えかけるような視線で俺を見る。
「冗談じゃ…ないよ。本気…だし。だって最近、おにぃといると…なんかね、胸の奥が熱くなるっていうか…」
「ぇ……」
そのあまりも真剣なまなざしが、俺の心を揺さぶらせ、心臓の鼓動を早めていく…
返す言葉もなくしばらく真帆を見つめていると、突然真帆が悪戯っぽく笑みを浮かべる。
「スキあり!!」
頭に軽い手刀を食らわされた。突然の行動に、唖然としてしまう。
「あっははは!!おにぃときめくなんてありえないって〜。少女漫画じゃないんだからさ」
真帆の態度に少しイラっとしてしまう。10年前だったらココで喧嘩になるが、今は義務教育を終えた身だ、
ここは我慢しよう。
「本当の理由はね、あの高校の演劇部に入りたかったからなの」
やっぱりそうか…俺の高校の演劇部は、劇の質の良さで有名で、学園祭になる劇が目的で毎年地元のTV局が
取材に来ているほどだ。俺自身も、演劇部に所属している…昨年度は脇役に徹していたが。
「演劇部にはいって、ヒロイン役になれば、TV局が注目して、もしかしから…」
「そんなんでモデルとか女優になれたらだれも苦労しねぇよ。オーディションとか受けた方が
よっぽど可能性あるだろ」
「へへ…やっぱり〜。でも、オーディションは受けるよ。高校生になったら解禁されるもんね」
モデルから女優へ…それが真帆が抱いている昔から変わらない夢だ。俺たちの母がグラビアモデル
であったからだろうか、血は譲れない。真帆の夢について母は反対していたのだが、あまりにも真帆が真剣
に語るので、高校からはオーディションを受けることを許可したらしい。
俺自身も、いつか映画館で放映されるような映画を作りたいという夢を持っている。
お互い、笑っちゃうような夢だけど。
「これで自分の夢に挑戦できる……演劇部に入るのは、演技の練習のためだね。さっきみたいに…あははっ!!」
真帆の笑い声でさっきのやり取りを思い出してしまい、顔が歪んでしまう。
「でもうちの演劇部舐めてもらっちゃこまるなぁ…真帆だったらてんぱって…ってことはないよなぁ。。。」
中学時代の卒業式を思い出した。俺が3年で卒業した時、真帆は代表の送辞をやったが、送辞の台詞を一切読まずに
堂々と話していた。モデルの子だけあって、肝が据わっている。
「そうそう、そんなことないない!…ぁ、せっかく制服来たから、いつもの撮影、しようよ」
いつもの撮影と言うのは、小学生のことだろうか、俺と真帆でやりはじめたちょっとした遊びだ。
俺が親父の部屋にある高級一眼レフカメラを勝手に持ち出し、真帆を撮影したのが事の始まりだ。
親父がそのフィルムを現像した時、『カメラワークが神ががっていた』らしく、
俺の誕生日の時にそのカメラをプレゼントしてくれた。
以来、そのカメラを使ってポーズを決めた真帆を撮っては2人で盛り上がり、
今まで1000枚以上の写真を撮ってきた。親父は自分のカメラワークを褒めていたが、
自分以上に、写真に写っている真帆がよかったのだと思う。サラサラのロングヘアーに小顔でパッチリとした目、
ぷっくりとかわいらしく膨らんだ口元…身長は162cmとそこまで高くないが、手足が長く腰の位置が高いので、
実際よりも背丈が高く見えてしまう。
真帆がいいから自分の写真が良く見える…特に最近なんかは。
真帆の要求を呑んだ俺は、自分の部屋からカメラを取り出し、真帆に指示を出して写真を撮っていく…
「今回の写真も楽しみ〜パパと同じでおにぃのカメラワークすごくいいからね」
俺の親父はモデルや結婚式などのカメラマンをしている…妹と同じでこのカメラワークも
親父ゆずりなのだろう。
「パパとママもこんな風に撮影してたのかな…」
真帆が俯いてポツリと呟く。…そんな真帆の姿も、極上の絵になる。
こうして築き上げられていく一枚一枚の写真が、俺たちが親父と母親の子供であることの証明となっている。
いつか親のような存在…いや、それ以上の存在を夢として抱きながら。
しかし、一週間後その親の『存在』が打ち崩されることとなる。一本のビデオテープによって。。。
入学式が終わって一週間後か過ぎ、新年度の慌しいムードも落ち着き始めていた。
昼休憩になり弁当を食べていると、友達である智也が興奮気味に話かけてきた。
「おい、恭介!!これ見てみろよ!!」
智也が突き出している物をみる。どうやらVHS型のビデオテープらしい。
「フフフ…これは、昔大ブレイクしていたAV女優、桃井 メグの引退作品らしいんだ…」
「昔大ブレイクって…俺AV詳しくないし。
それよりも、なんで俺にそんなに興奮して話す理由がわからん。智也ならもっといいAV沢山持ってるだろ?」
「これを見てみろよ」
智也はそう言うと、発売された年月日を指す。平成2年…自分が生まれた年だ。
「次にこれを見てみ」
次に智也は出演しているAV女優の顔を指差す。その顔を良く見てみると、こいつの意図していることが理解できた。
「…たしかに、俺の母さんににているかもしれないけど、違うよこれは。俺のの苗字は長谷部だし」
「苗字なんかわかんないって。AV女優なんかほとんど偽名つかってるんだし。
しかもこのタイトルからしてみて、撮影中に相当中出ししたんだろうなぁ…」
智也がいやらしい顔つきでビデオテープを眺める。タイトルを見てみると『桃井 メグ 覚悟の中出し10連発』
と書かれていた。
「このAV女優が恭介のお母様だったら、この撮影中で恭介の元となった精子と卵子が合体したんだろうなぁ…うんうん」
なにを納得しているんだ。わざとらしく首を縦に振る智也をみて、怒りよりも呆れてしまう。
「んなわけねぇだろ…俺の親父はカメラマンだし。AV男優どころか撮影もしてない」
「わかってるって〜でも、興味ない?これ」
たしかにAV女優の顔は俺の母に似ている。べつにこの女優が母親だとは思わないが、
その事実が俺に興味をそそらせる。
「…わかったよ。今度ファミレスでなんか奢ってやるから、貸してくれ」
「まいどあり〜」
思惑通りになったのが嬉しいのか、智也は満面の笑みで俺の席から離れていった。
家に帰り、誰もいないのを確認すると、早速居間にある古びたビデオデッキを起動させた。
本当は自分の部屋で見たいのだが、パソコンしかなく、DVDしか見れないため仕方なく居間で見ることにした。
「さ〜てどれどれ…」
ビデオを入れて再生すると、タイトル画面が表示され、さっそく本編が始まった。
ベッドの上に下着姿の女性が横たわっている…さすがに20年近く前の映画なのでファッションや髪型も
一昔前のものだ。改めて見たが、やはりこのファッションはダサいような気がする…
「きて……」
女性がそう呟き、画面に向かって手招きをする。
すると男性が手前から現れる…
「おいおい…冗談だろ?」
思わず声に出してしまった。その男が、俺の父親の若い頃にそっくりだからだ。
でも俺はその時点では信じられなかった、いや、信じたくなかった。
まだ、声は全然ちがうかもしれないし、20年前の映像だから画質の悪さでそう見えるのだろう、そう自分に言い聞かせた。
「じゃあ、熱いキスをしてやるよ…」
声も親父そっくりだ…でも、まだ親父だと断定するわけには…
俺の心の中では親父=画面の男という式を必死に否定している。
しかし、男が女性の下着を脱がし始めた時、決定的な証拠を見つけてしまった。
わき腹にある古傷だ。ここまで一致すれば、この男が父親であることはまちがいないと思わざるおえなかった。
男…いや、画面の中の若い親父が女性の乳房を舐める。
「あっ……ああっ!!」
女性の甘美な声が聞こえる。この声も母親にそっくり…いや、母親のものだ。
「まじ……かよ」
俺はただ呆然とその映像を眺めるだけだった。
いままで聞いた俺の親父と母親の職業は嘘だったのかよ…じゃあ、親父は今、どういう仕事をしているんだ?
いろんな疑問が頭の中を駆け巡り、混乱する。
ガチャ…
玄関のドアが開くのと同時に、俺は慌ててビデオデッキに手を伸ばす。
この時間帯…おそらく真帆が帰ってきたのだ。真帆はすぐに居間に入ってきたので、ビデオを出してソファーの間に
隠すことで手一杯だった。
「ぁ、ただいまおにぃ」
「あぁ、おかえり、真帆」
俺はただ、何事もなかったかのようにテーブルの上においている雑誌を手に取り読むふりをする。
真帆は荷物を食卓の椅子の上に置くと、俺の横に座りリモコンを手に取る
「この時間ってあんまりいい番組やってないんだよね〜」
真帆がテレビの電源をつけるが、画面が黒いままだ。入力切替をするのを忘れていた。
「あれ?おにぃ映画とか見てた?」
「いや、親父がみてたんじゃないの?俺は今日テレビ見てないし…」
なるべく視線を合わせないように雑誌の記事に目を向ける。
「ふ〜ん、まぁいいや……ん?あのケースなんだろ?」
しまった……ビデオを隠したのはいいが、肝心のケースを隠すのを忘れていた。何をしているんだ俺は。
真帆はビデオデッキの下に置いてある、禁断のビデオケースに近づいていく…
この状況になったら必死に隠しても余計に怪しまれるだけだ、ここは流れに任せるしかない。
「なんだろこのケース…」
真帆はケースを手に取り、表紙を見る。驚くかと思ったが、意外にも冷静にその表紙を眺めている。
「へぇ〜なるほどぉ〜だから画面が黒かったんだね、お・に・い・ちゃん」
真帆が満面の笑みでこちらを見ている。その真帆の表情をみて俺はただ苦笑いをするしかない。
「あはは…」
「しかもこの女の人、ママに似てるし…はぁ〜まだおにぃはマミィのおっぱいが恋しいんでちゅね…」
真帆が口をつぼめながら言う。最高にうっとうしい。俺は我慢できずに雑誌から目を逸らし、ソファーから立ち上がった
「返せよ、それ」
「へへ、や〜だよ〜中身のビデオテープを見せてくれるまで、返さない。あははっ!!」
真帆が挑発的に、ケースをもった右手を振る。俺はそのビデオに、驚愕の事実が隠されていることを思い出し、
一度冷静になって真帆に話かける。
「だめだ…それは、見ちゃいけない」
「なによ〜そんなに真剣になっちゃって…ホントにおにぃってマザコン…」
「ほんとに見ちゃいけないんだ!!」
真帆の発言を遮るように、声を荒げる。俺の真剣な目つきに真帆も次第に表情を固くする。
「…やっぱり、見せてくれるまでこのケース、返さない」
真帆は奪われないようにケースを両手でがっちりと抱える。逆効果だったか…
「なんかおにぃ隠し事してるでしょ?……ぁ!!まさか、この表紙の女の人がホントにママだったり、とか?」
「そ、そんなことねぇよ…」
なんでこんな時に勘が鋭いんだ。俺は思わず声が上ずり、顔をこわばらせてしまう。
「じゃあなんでそんなに声を荒げたの?別にあたしがAV見たって、おにぃにとって不都合なことはないでしょ?」
「そ、それは…」
言い訳が思いつかない…俺と真帆は、互いに見つめあい、何ともいえないような空気が流れる…
本当は見せないほうがいいが、早かれ遅かれ真帆は気づく事だから、できるだけ早めに事実をしったほうが…
解決策が思い浮かばいまま、自分の頭の中で真帆に見せてもいいんじゃないかという思いにシフトする。
「…わかったよ。見せるけど、絶対に後悔するぞ」
「…へへへ、見ないほうが後悔するし」
自分の意見が通り、真帆は満足そうな表情を浮かべた。
夕食をを食べていると母の美代子が心配そうに話しかけてくる。
「まーちゃんはどうしたのかしら…呼んでも『晩御飯いらないから入ってこないで!!』の一点張りで
なに悩んでるのかわからないわ…ねぇきょうくん、なにか心当たりあるかしら?」
「さぁ〜ダイエットでもしたいんじゃねぇの?」
そっけなく母に答える。……心当たりなんてものすごくある。さっき見たビデオテープのせいだ。
ビデオテープを再生していくと、真帆の顔がみるみるうちに歪んでいった。
そして、父親の古傷を見た瞬間、泣きそうな顔になり『もう見たくない!!』といって居間を出て行き、それっきりだ。
だから見るなっていったのに…今頃自分のベッドにうずくまっているだろう。母親が元AV女優という事実を目の前にして。
「食事を抜くなんて…ダイエットとしてよくないわ。お肌にも悪いから…」
母は頬に手を当てながら悩むしぐさをする。母親は肌の手入れとフィットネスをしっかりやっているせいか、
歳の割にはスタイルも良く、かなり若く見える。今年で43歳になるのに三十代前半と言われても分からないくらいだ。
「じゃあ俺がちょっと見てくるよ、心配だし」
元はといえば自分がまいた種だ…流石にこのまま放っておくわけにはいかない。
「うん。ごめんね、きょうちゃん」
俺は母がそう言うのを確認すると、階段を上り、真帆の部屋へと向かった。
真帆の部屋にたどり着いた俺は、とりあえずドアをノックしてみた。
「入るな!!」
予想通り、断られる。しょうがないな…真帆の気持ちも分かるが、このままだと母の悩みの種になってしまう。
でもどうやったら真帆を説得することができるだろうか…強引に母と話をさせる?母さんの気持ちも考えろよと説教をする?
しかし、俺はどちらともいい案だとは思わなかった。今、真帆の気持ちが一番分かるのは、兄である俺だ。
そんな心無い方法では、真帆が心を閉ざしてしまい、これからの生活に重大な影響を及ぼしかねない。
両親がアダルトビデオの男優と女優であった事実を知った、率直な気持ちを伝えよう…
俺は大きく一息付き、ドアに背中を合わせようにしてその場に座り込んだ。
「なぁ…真帆」
「俺はあのビデオ見たとき、すごいショックで頭が混乱してさ、しばらくアホみたいに口あけて
映像見ることしかできなかった」
「…でもな、その後考えたんだよ。『親父と母さんがAVやってても、自分の夢に影響してくるのか?』って」
「確かに俺は、カメラマンの親父の影響で映画を作りたいという夢を持ち、努力してる。
だけど、そんなのはただのきっかけだし、今はその夢を目指すこと自体が楽しいから、そんなことで
あきらめたくない…かな」
素直に自分の気持ちを真帆に伝えた…あとは、真帆の反応を待つだけだ。
「『そんなこと』って…私にとっては『そんなこと』じゃないの!!」
「私はママに憧れてモデルになろうと思ったの。。。お兄ちゃんとは違うの!!」
真帆の説得に失敗したか……このままだと、真帆は自分の夢を諦めてしまうのか……
いやだ…そんなのいやだ!!母が悩むからだとか、家族の空気が重くなるとか、そんな理由じゃない。
真帆がモデルになるという夢を諦めてしまうこと自体が嫌なのだ…そばでずっと見守ってきた、真帆の夢が。
俺の胸の奥から熱いものがこみ上げてくるのを感じる。
「真帆…モデルの夢…あきらめるのか?」
何も反応が返ってこない。俺は、真帆返答を待たずに、立ち上がりそのまま話を続ける。
「俺は…嫌だな、あきらめてほしくない…」
「この前撮った写真、現像しんだけどさ、すげーびっくりしたんだよ……真帆がすごい綺麗でさ」
「俺の妹の写真なのに、しばらく見とれてしまって…」
「だから俺、真帆が雑誌に載るの、凄い楽しみにしてるんだぜ!!真帆で日本の男共が釘付けになる瞬間をさ!!」
「でも、俺は既に釘付けになってるけどな、真帆に。だからあきらめないで欲しい、真帆の、最初のファンとして…」
自分のありったけの思いを真帆にぶつけた。言いたいことを言えたからだろうか、気持ちが幾分すっきりしている。
「って…」
しばらくして真帆の声が聞こえたが、小さすぎて聞き取れなかった。
「入って!!」
「へ?」
思わぬ発言に、返す言葉が見つからない。
「私の部屋に入ってって言ってるの!!」
さっきは入るなといってたのに、今度は入ってかよ…よく分からないが、とりあえず説得は成功なのかな?
「はいはい分かりました。真帆お嬢さん」
真帆の言葉に従い、部屋のドアを開けた。
部屋のドアを開け真帆の姿を見た途端、俺は思わずのけぞってしまった。
真帆が下着だけの姿になっていたのだ。
「おい、真帆!!兄妹だとはいえそんな格好は…」
「べ、べつに…いいじゃん。モ、モデルやるならこういう格好も…あるでしょ?…それより…撮ってよ」
真帆は自分の机の上においてある、カメラをとり俺の前に差し出す。自分の下着姿が俺に見られているのが恥ずかしいのか、
その手は少し震えている。
「おい…手がふるえているぞ。緊張してるのか?」
「そ、そんなわけないでしょ!!おにぃ相手に…緊張…なんか…」
目を合わせようとしない…やっぱり恥ずかしいらしい。俺は仕方なくカメラを取る。
いつものように、真帆にポーズをとらせ、写真をとる。ただ、いつもとは違い肌の露出部分が多い。
綺麗なお腹のくびれ、少し谷間のある胸…さすが、モデルを目指しているというだけあって生きた芸術品のような体をしている。
兄のくせに、真帆に少しばかり興奮してしまう…呼吸と心拍数が上がる自分を落ち着かせるために、真帆に話しかける…
「お、おい…さっきから、顔が固いぞ…やっぱり緊張しているんじゃないのか?」
真帆はしばらくだまりこむ。
「……うん」
「やっぱり緊張してるのか…別に、無理してこんなことする必要は…」
「…みたいに」
真帆が先ほどみたいにぼそっと呟く。
「ん?どうした?」
「恋人みたいに…接して…くれたら…緊張…しない…かも」
「おいおい、恋人みたいにって…何すればいいんだよ」
「……キス、して」
一体何をいっているんだ?兄妹同士でキスなんかできるわけない。緊張のせいで頭がおかしくなったのか?
「…お前、それ本気で言ってるのか?」
「当たり前じゃない…いいから早く…キス…してよ…」
「わかったよ…」
カメラを置き、真帆の頬にキスうをする。キスというよりも唇を頬に当てたようなものだが。
「ほらしたぞ。これで緊張しなくなったか?」
「おにぃ…ふざけてるの?恋人同士だったら…く、唇にキスをするに決まってる…じゃん。しかも…すごく…熱いのを…」
真帆が顔を赤らめる。本当に正気なのか?俺が真帆の部屋に入ってから、だんだん現実離れしてきているような気がする。
このまま行くと、本当に漫画みたいな展開になってしまう。ここは強引にでも俺が部屋を出た方がよさそうだ。
「真帆…俺は一旦出るから、ちょっと頭を…」
「!!」
さすがに驚いてしまった…真帆が自分から俺の唇にキスをしてきたからだ。
「……んっ…んっ…」
真帆は俺を逃がさないつもりなのか、自分の腕を俺の背中にまわして強く俺の体に密着させると、俺の口の中に
強引に舌を入れ、絡め合わせる。
「……ハァ…ハァ。…へへ。これが恋人同士のキス…だよ。わかった?」
先ほどの固い表情が解け、上目遣いで柔らかい笑みを浮かべる。…可愛過ぎる。
…もっと、触れ合っていたい…もっと激しく。
キスの感触と自分の体に当たっている胸の感触が、自分の理性をかき消しけしていく。
「んっ……んっ…」
今度は俺が真帆の口の中に舌を入れる。そして、自分の本能の赴くままに、抱き合いながら真帆を押し倒していく…
「ぇ…おにぃ…なに、するの?」
一旦唇を、真帆からはなすと、真帆が不安そうな表情を浮かべているのが見えた。
「恋人同士だったら…セックスも、するだろ?」
「セックスって…そ、それは、できないよ…」
真帆の言葉を無視し、首元にキスをする。そして、キスをする位置をだんだん下げていきながらブラジャーの上から真帆の乳房を掴む。
「あっ!!…だめっ…そこは…」
「あんだけ興奮させておいて、今更だめはないだろ?」
今度はブラジャーのつなぎ目に手をかける…真帆は俺の腕を掴み、抵抗をする。
「そんなことしちゃ、外せられないんだけど」
「だって…恥ずかしい…もん」
「でも今は恋人同士なんだろ?恥ずかしいとかは、無し」
俺はもう一方の手で真帆の手をどけると、そのままブラジャーを外した。
綺麗な形の乳房が見える…俺はそのまま左の乳首を舐め回す。
「あっ!!ああっ…おにぃ…だめ…」
だめとはいっているものの、殆ど抵抗しない。右手を真帆の股間に伸ばす…パンツの上から、撫でるようにさわる。
「んっ!!…ハァ…ハァ…」
真帆は興奮しているせいで、息遣いが荒くなり、乳首がたっているのが分かる。
それに同調するかのように、俺の下半身も熱くなる。
「じゃあこっちも、気持ちよくしてやるよ…」
今度は、パンツの中に手を入れ、そのまま陰部を指で摩る。
「ああっ!!あっ!!…ハァ…ハァ…汚いよ…そんな…とこ…触っちゃ…」
甘い声をあげ、身を捩らせる。その声と素振りが俺を更に興奮させる。
「真帆のここ…すっごい濡れてる…」
「だって…おにぃが触るから…でも、おにぃのも、すっごく大きくなってる…」
真帆に指摘され、自分の股間に視線を遣る。ズボンの上から、しっかりとその怒張したシルエットが見える。
「おにぃも気持ちよくなりたいでしょ?いいよ…きて。だって、恋人同士だもん…」
その甘い催促に従うように、俺は服をすべて脱いだ。
「こんな大きいのが…入るの?」
真帆は俺のモノを見ると唇を軽く噛み、表情をこわばらせる。
「大丈夫だよ…痛いのは最初だけ…だと思う」
「だと思うって…余計に不安になるんだけど…」
「まぁすればわかるさ…ちょっと腰をあげてよ。パンツ脱がすからさ」
真帆が軽く頷き、腰を上げると、下着を一気に脱がした。真帆の陰部をみる…濡れいるせいか、部屋の明かりで
反射して少してかっている。
「ううっ…そんなにみないでよ…恥ずかしいよ…」
真帆は俺の頭を両手で押さえ、自分の陰部から遠ざけた。
本当はクンニをやってみようかと思ったが、そろそろ自分のアソコの欲求を満たさなければならない。
「じゃあ…いくぞ…」
真帆が頷くのを確認すると
俺のモノを陰部にこすり付ける…真帆の陰部の感触が気持ちいい。その快感で自分のモノが更に固くなる。
しばらくこすりつけた後、俺はゆっくりと真帆の中に自分のモノを沈めていく…
「んっ!!……ああっ!!」
真帆は顔を歪ませ、ベッドのシーツを掴みながら必死に痛みに耐えている。
「大丈夫か?」
「ハァ…ハァ…大丈夫だよ…そのまま、動いて…」
真帆に従うようにゆっくりと腰を動かす…真帆の中は暖かく、自分のモノを程よく締め付けてくる。
「ハァ…ハァ…真帆…気持ち…いい…」
熱いキスをして、互いに体を密着させあう…恋人同士がするように。
「あっ!!ああっ!!…ハァ…ハァ…あたしも…体が…熱くなってきた…」
間近から聞こえる真帆の甘い喘ぎ声と、息遣いから俺の気持ちが最高潮に昂る。
初めは、処女である真帆に気を遣っていたが、自分の欲情が抑えきれず腰の動きを早めていく…
「あああっ!!…ハァ…ハァ…激しすぎ…おかしく…なっちゃうよ…」
真帆は口を開け、写真で写る時には絶対にしないような、だらしのない顔つきになる。
「うっ…やばい…イキそう…」
欲望の赴くままに腰を振っていたせいか、開始から3分程で限界が近づいてきた。
本当は、真帆の中で射精したいのだが、さすがにそれはまずい。
「うっ!出る!!」
俺は射精寸前で真帆の中から離れ、自分のモノを擦りあげそのまま真帆の腹に射精した。
「ハァ…ハァ…これが、おにぃの…」
真帆は自分の腹にべっとりと付いている精液を掬うと、指でこすりながらまじまじと眺めていた。
「ねぇ、おにぃ。ちょっと、協力して欲しいことがあるんだけど…」
真帆についている精液をふき取り、2人でベッドに寝そべりながら世話話をしていると、
急に真帆が真剣な顔つきになる。
「ん?なに?」
「あのさ…2人でアダルトビデオの撮影…しない?もちろん、あたしたち専用のものだけど…」
また何を言い出すんだ?今日の真帆はおかしな発言を連発している。
「別にいいけど…たぶんアダルトビデオというよりかはエッチなホームビデオになると思うよ。2人で全部やるから」
「それでもいいよ…もし、おにぃが下宿して離れ離れになったら寂しいから撮っておきたいの」
「だって…おにぃのこと…好きだから。…へへ。」
真帆はそういって微笑む。
「ぉ、いまの笑顔いいね!!一枚撮っておこうか?」
「うん、いいよ」
ベットのそばにころがっているカメラを取ると、そのまま真帆に向ける
「じゃ〜もういっかい『好き』って言って」
「ぇ〜〜いやだよ。そういうのは言わせるもんじゃないよ」
「しょうがないな…真帆…大好きだよ」
普通に照れくさい。確かに、面と向かって言わせるもんじゃないな。
「へへ…あたしも大好きだよ」
真帆が微笑み、俺はその姿を写真に収めた。
大学にはいってから2週間が過ぎた。
1年は必修の単位が多いせいか、殆どの曜日がフルタイムで授業があるのでなかなか忙しい。
今日も、新しくできた親友の裕也と学食で昼食をとっている
「おっ!この子、かわいくね?」
裕也は雑誌を見ながら言うと、俺にその女の子が載っているページを見せる。
その女の子は優しく微笑みながらこちらを見ている…そう、あの時のように。
「…俺も頑張らないとな」
俺は、話しかけるように雑誌の女の子に呟いた。
これで終わりです。
以下、ちょっとしたコメント。
・タイトルの意味
多分わかると思いますが、AV男優と女優(セクシー)の子供(サラブレッド)
だからです。「エロサラブレッド」でも良かったのですが、語調が良かったので。
・作品の元となったネタ
ドラマのラブシャッフルを見てて、カメラマンとモデルが兄妹の話をしてたシーン
から思いついたネタです。
・自分の作品をさりげなく宣伝してみる
サキュバススレで、「復讐少女」というのをシリーズ化して書いています。
多分このスレの属性と違うので合わないと思いますが、良かったら読んで下さい。
…巷では、家族の間で変わった習慣があるというのを良く耳にしますが、
流石にこれはないですよね…気が向いたら続編を書こうとおもいます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
gj!!!!!
え?たった1日で二作もww
おふた方GJ!!超GJ!!
ねえ!俺喜んでいいの!?それとも泣いていいの!?
とりあえずSSを書いてみた。
初めて書くんで色々アレなとこもあるかもわかりませんが、
見ていただけたら嬉しいです。
大分暖かくなってきたとはいえ、まだ薄着には早い春の日だった。
桜の花が咲き始め、街を彩るようになってきた、ある春の日―――妹が失踪した。
元々俺達兄妹は、仲が良かった。
特に妹はかなり重度のブラコンで、中学に上がる頃には親や周りが心配するくらいだった。
どこに行くのでも、何をするにしても、開口一番に「お兄ちゃん」だったからだ。
かくいう俺もシスコンとまではいかないまでも、妹のことは好きだった。
お兄ちゃん、お兄ちゃんと懐かれるのは、決して嫌なものではなかったし、年頃になると、
よく兄妹喧嘩するような連中には不思議がられたり、羨ましがられたからだ。
……結局は自分が思っていないだけで、シスコンとは思われていたのかも知れないが。
それでも年頃になれば正常な一男子として……まぁ、いたすことがあったわけで、
そういう時は、確かに欝陶しさを感じなくもなかった。
家族の仲も良く、例えそれが些細な事であっても互いが互いを支え合うのは、当たり前の事だった。
そんな俺の妹は、いつだってこの家族の中心であった。
とても可愛らしい顔立ちをしていて、ちょっとしたお嬢様といった雰囲気があった。
成績優秀、運動は可もなく不可もなくと言ったところだ。
そうなれば、ブラコンであれ『まぁそのうちは…』となるのが人情のようだ。
これは俺達家族だけが気付いているちょっとした自慢だが、妹は声がとても綺麗だった。
透き通るような声で、それでいてはっきりとした力強く、凜としたものを感じさせる。
若い娘には珍しく、無理なく低音が響く、所謂美声の持ち主であった。
その辺りまでは、見知った人でもあまり気にしていなかったであろう。
だが、俺にはこの声こそがこの妹の最大の魅力だと思っていた。
なぜなら妹は歌うことが好きで、いつも家事の手伝いをしている時、部屋で音楽を聞いている時、
風呂に入っている時、気分が良い日の朝なんかにその美声を響かせてくれていたからだ。
人懐っこい明るい性格であっため、近所でも評判で、学校でもやはり話題の中心であったし、
親戚一同が集まったときも、やはり必ず妹の話題が出た。
よく二人で街に繰り出した時も、ふと目を離した隙に、ナンパ野郎から声をかけられたり、
時には、妹の前に群がっていたり――されているのは日常茶飯事だった。
それでいて少し泣き虫で、虫一匹だって殺すこともできない心優しい少女だった。
そんな妹に、俺はほんの少しのやっかみはあったが、どこに出しても自慢の妹だった。
そう、自慢の妹だったのだ。
タタタタタタッ
銃の連射音。
黒い服を着た男達が、怒声をあげながら銃を撃つ。
連中のターゲットは俺だ。
それもそのはずで、連中のボスを俺が殺ったからだ。
ふん、全くご苦労なことだ。 お前達ももうすぐにあの世に行くというのに。
俺はこの日のために準備されていた、逃走経路を走り始めた。
後30秒か……なんとかギリギリで間に合ったな。
程なくして、仲間達からの攻撃により、ここにミサイルが飛んでくる事になっている。
「良し。予定通りだ」
後ろは断崖絶壁で下には海。
20……いや、30メートルはあるだろうか。
いくら訓練してきたとは言え、いざ本番、ましてや夜の海にダイブするのだ。
怖くないといえば嘘だ。
それでも、怖じけづいている暇はない。
建物から出てきた黒服の連中が俺を見つけ、再びこちらに銃を撃ってくる。
だがもう遅い。
味方からのミサイル攻撃が建物を破壊するのだ。
俺は一呼吸おいて海へダイブした。
身を投げたその上を、ミサイルが飛んでいき、轟音が響いた。
「相変わらず、いい手際だったな。時間ぴったりだ」
仲間の一人が話しかけてきた。
「そうでもないさ。かなりギリギリだったぜ。後ほんの少し遅けりゃあの世行きだった」
「そういいつつ、いつも完璧な仕事をこなしてるんだもんな。すごいぜ、あんたは」
そう言われて、俺は肩をすくめた。
「ま、あんたらのバックアップもあったからできた芸当だ。たいしたことじゃないと思うがな」
「クックッ…あんた、本当に変わりモンだな。そんな風に謙遜するプロは初めてだ」
「そうか?」
「ああ。今まで何人と言わずチームを組んできたが、他の連中ときたら、
『黙って運転しろ』と言うか、何も喋らないかのどっちかと相場は決まっていたからな。
それか、俺ならできて当たり前、お前に言われるまでもないみたいな態度かだ」
俺はうつむきながら、思わず口元をニヤリと歪ませた。
「ま、どうであろうといいさ。現場の最前線はうまくいったんだ。後は他の連中がうまくやるさ。
さて、悪いがちょいと運転手と話したいことがあるから席を外させてもらうぜ」
「なんだ、あんた、もうあの女に目を付けてたのかい?」
その問いに、再び肩をすくめるだけだった。
俺達は今、船の中にいる。作業船というやつだ。
俺は狭い船内を身を細めながら、操舵室へ向かう。
「よぉ、運転には気をつけてくれよ」
操舵室に着くや、意地悪げにこの船の運転手に話し掛ける。
「あら、あなたが船を動かすことに比べれば、大船に乗った気持ちでいても良いと思うけど?」
女が呆れた風に答える。
「そいつは間違いないな」
クックッと肩で笑いながら、俺も返すが、この女の言っていることは本当だ。
以前、作戦中に船を操縦した事があったが、ものの見事に横転してしまったのだ。
ただ、あの時は今日のような穏やかな日ではなく、荒れ狂う嵐の日であったが。
その際、その船に同乗していたのがこの女―――藤原真紀(ふじわら まき)だった。
こんな陰謀と暴力の渦巻く世界で、その名が必ずしも本名であるとは限らないが、
そう名乗るなら、そうなんだろう。
それにしてもあの時は、良く助かったものだと思う。
なんせ夜の海に、しかも嵐の中二人して仲良く投げ出されたのだ。
今二人で、こうしていることが奇跡のようなものかもしれない、そう思った。
そう思った瞬間―――あの時の記憶が、まるで忘れさせるものかと自己主張するかのように、
記憶の引き出しから鮮明に蘇ってきたのだ。
「いや、そうでもないか……」
そうだ。 あの時のことに比べれば、そんな事は奇跡でもなんでもない。
そうさ、あの時のことに比べれば。
「何? どうしたの?」
「いや……」
その言葉の後に、なんでもないと言おうとして、言葉を飲み込む。
「……なぁ。 もし、もう二度と会えないかもしれないと思ってた奴に出会ったらどうする?」
「いきなりね。何よ、唐突に」
今まで前を向いていた真紀が、振り向き、俺を見据えた。
余程らしくなかったのだろう、女は小さなため息をついてなかば呆れ気味に口を開いた。
「そうね………その時になってみないと分からないけど、相手によると思うわね。
殺したいほど憎い奴なら殺すだろうし……そうじゃない人なら喜ぶんじゃない? やっぱり」
少し間をおきながら、真紀が応える。
この女は徹底したリアリストで、こう言った『もし』だとか『だったら』といった話が嫌いだ。
そんな真紀がこうして答えてくれたことに、少しの驚きと感謝と、虚しさが込み上げてきた。
「それにしても、あなたがそんなこと言うなんて珍しいじゃない」
「……何、なんとなく、な」
「なんとなくでそんな話に付き合わせないで」
「悪かった」
やはりこうなったかと、笑いながら謝る。
「しかしあんた、本当に話がいのない女だよな」
少しおどけた口調で喋りながら、真紀の方へ歩み寄る。
真紀に密着するくらいの距離まで近づくと、両腕を真紀の背中に回した。
そのまま左手を下の方へ動かしていき、そのムッチリとした尻を掴む。
「話がいのない女なのに、こんなことするわけ?」
「それとこれは別問題だろう?」
「あなた……最低だわ」
「そんなの今更気付いたわけでもないだろ? 頭のいい君ならな」
ニヤリと笑って、悪態をつく真紀の唇に口付けた。
本来ならば、あのまま突入するところだが、真紀が船を操縦しているのでキスだけに留めておいた。
「そろそろ上陸ポイントが近いわ。降りる準備をしておいて」
「名残惜しいところだが……仕方ないか。分かったよ」
「何言ってるの。大体私とあなたは、もうとっくに終わったはずの関係でしょう?」
例えそうであっても、チャンスがあれば手を出してしまいたくなるのが男だ、とは言わないでおいた。
操舵室を出て船室に戻り、そろそろ準備しろとさ、とだけ仲間達に告げた。
それにしても今回はあまりにあっけなかったな。
せいぜい飛び込みの訓練をひたすらにしたことがちょいとばかし、疲れたくらいだ。
はっきり言って、作戦よりも飛び込みの訓練の方が何倍もかかったし、疲れた。
護衛の連中も、俺から言わせてもらえば三流もいいとこだった。
最初にやった奴の服を着込んで、グラサンをかけただけでもう仲間だと思ってやがったんだからな。
どうしようもなく、間抜けな奴らだった。
あんなのが日本、果ては世界でも有数の組織の幹部を守ってるだなんて、片腹痛いぜ、全く。
部屋に戻った俺は、昨日の作戦のことを思い出しながら、酒を飲んでいた。
目の前には、何部かの新聞が広がっている。
昨日のことが載っているかどうかを、確認するためだ。
ざっと見てみたが、それらしい記事は載っていなかった。
新聞を見るのは、自分の仕事の完成を見るのには必要なことだ。
もちろん、その記事の扱いが小さければ小さいほど良く、最良は記事にすらなっていないこと。
載っていても、それは情報がうまいこと隠蔽されているわけだが、今回はそんな記事すらなかった。
もちろんインターネットを使って、記事があるかを探すのも忘れない。
当然、インターネットにもそのようなページは一切見つけられなかった。
さすがに睡魔が俺を襲い始めたか、どっと疲労感がでてきた。
眠りにつく前に、汗だけでも流そうと思い立って、シャワーを浴びることにした。
俺は、グラスに注がれていた綺麗な琥珀色をしたスコッチを、一気に喉へと流し込む。
喉を突き抜ける様な、熱い刺激がなんとも心地良かった。
シャワーをわずか数分で浴び終えた俺は、先程のスコッチを手に取り、
グラスにも注がずに、そのまま口に持って行き直接飲んだ。
所謂ラッパ飲みという奴だ。
再び俺の体内を、熱いアルコールがかけ巡る。
まるで倒れ込むようにして、ベッドに入った。
意識の失う前に、ベッド脇の小さなテーブルから、ペンの挟まった手帳を取る。
ペンで栞されたページを開き、そこに書かれた名前にバツ印をつけた。
その名前は昨日、俺があの世に送ってやった野郎の名だ。
「残り一人……後一人で終わるよ、沙弥佳……」
その言葉を最後に、俺は意識を手放した。
とりあえず投下終了です。
なにぶん携帯からなのでもしかしたら見にくいかも……。
誤字脱字あったら指摘していただけると嬉しいです。
ドキドキの展開
い、いもうとはどうなった!!w
妹が失踪して兄が殺し屋さんになったのなら
い、妹はきっと・・・
かなりおっきしてきた
レスして下さった方、ありがとうございますm(__)m
昨日に引き続いて、今日も投下させていただきます。
>>234の続きです。
ふわふわとした、なんとも言えない心地良い感覚。
いつまでもこの感覚を味わっていたい。
『………』
……?
なんだろうか。
『………!』
そうか、音だ。
音が聞こえる。
だけども、この響きはどこかすごく懐かしく、なんとも言えない切なさを感じさせた。
『…お……ゃん!』
違う。 声だ。
その音は、誰かが俺を呼ぶ声だ。
その時俺は、今自分が夢の中にいるのだとなぜか漠然と理解した。
『…お兄ちゃん!』
はっきりとその声が俺の意識の世界に響いた。
俺のことを兄と呼ぶのは、誰か。
まだぼんやりとした意識の中で、俺は記憶の断片から、声の主を引き出す。
そうだ、俺のことを兄と呼ぶのは、この世界でただ一人だ。
それを理解した俺は、爆発したかのように溢れ出した光の奔流に飲み込まれていった。
「起きて! 起きてよ、お兄ちゃん!」
妹が寝ている体を激しく揺すっている。
「んん……あぁ……すまんが、揺するのやめてくんねぇか?」
「お兄ちゃん!」
俺が起きるやいなや、今度は思いきり抱き着いてきた。
「って、おいおい……朝から勘弁しろよ……」
「え〜だってぇ………ん……お兄ちゃんの匂いだぁ」
「全く……ちったぁ兄離れしろよな」
「いや〜。んん〜……お兄ちゃん」
そういうと俺の胸にさらに自身の顔をこすりつけてきた。
だが、これが俺の日常であり、当たり前の一日の始まりだ。
ならば、次に放つ俺の言葉もまた当たり前になった日常だ。
「おい、さっさと離れやがれ」
「あ………」
語気を強めながら、強引に妹を引き離す。
するとこいつは、その可愛らしい顔を、引き攣らせる。
まるで絶望の淵に追いやられたかのような顔をするのだ。
いつからこんな顔をするようになったかは覚えていないが、えらくこっちが戸惑ったのは覚えている。
「んな顔すんなっていつも言ってるだろ? さっさと着替えたいんだよ」
毎度思うが、まさか演技なんじゃないかと思ってしまう。
大体、兄である俺にちょいとばかし語気を強められたくらいで、そんな顔をする方がおかしいというものだ。
「ほら、早く出てくれ」
毎朝のことなので、苦笑しながら言う。
「うん……」
妹は、さっきまでの引き攣らせた顔を、今度はしゅんとさせ、うつむく。
「お兄ちゃん」
「ん?」
今度は、再び可愛さいっぱいの笑顔で、
「おはよう」
朝の挨拶をしてくる。
「ああ、おはよう」
俺が挨拶を返すと、満足げに部屋を出ていった。
ここまでが、俺の部屋を出るまでの日常。
これまでずっと続いてきた、代わり映えすることなく続いてきた、儀式のようなものだ。
制服に着替えた俺は、1階のリビングへ降りていく。
リビングに降りたところで、母親が出迎えてくれる。
「あら、おはよう。今日はいつもより早いのね」
「ん、おはよう」
時計を見ると、まだ7時を少し過ぎたところだった。
いつもは7時半前くらいに起きてくるから、確かにいつもより早い。
「まぁ……たまには、早起きもいいかな〜とね」
「ふふっ、というよりも沙弥佳に早く起こされたから早くなっただけだろ?」
父が笑いながら、コーヒーをすする。
「く……まぁそうだけどさ」
「何お兄ちゃん。言っとくけど私が起こさなかったら、いつも遅刻だよ?」
そんなことはない、と言おうとしてやめた。
確かにこいつのおかげで、今まで無遅刻でいられているのは事実だからだ。
「ま、一応感謝しておいてやる」
「お兄ちゃん可愛くな〜い」
やかましい!
そんなやりとりをしながら、顔を洗い、テーブルにつく。
「「いただきます」」
うむ、今日の飯もうまいな。
「ん? どうした?」
隣に座っている妹が、俺の顔をやや上目使いに覗き込む。
「あのさ……今日のおかずの味、どうかな?」
「おぉ、いつも通りにうまいぞ。こんな美味いもん食える俺は幸せもんだ」
すると妹は、とたんに顔を赤らめながら、そっか良かった、とだけ言った。
だが妹よ。
いつものこととは言え、兄相手にそんな風に顔を赤らめるなよ。
その様子を見て、両親は微笑んだ。
これが九鬼(くき)家の朝だ。
「ごちそうさま」
「お粗末さま〜♪」
歯を磨きに洗面所に行く。
「あ。そうそう、新しい歯ブラシってもうなかったっけ?」
「何? もうダメにしちゃったの?」
「なんかすぐダメになっちまうんだよ」
「あんた少し強く磨きすぎなんじゃない?」
「んー……そうなんかな。そういうつもりはないんだが」
母とそんな会話をしていると、妹がやけにそわそわとしているのが目に映った。
「お、後一本あった」
新しい歯ブラシを見つけたので、古い方は捨てることにする。
「あ…! ダメ!!」
突然妹が声を張り上げた。
綺麗な声で、発音が淀みないためすごく迫力があった。
思いがけず両親も驚いた顔をしている。
「あ? なんでだ妹よ」
「え? あ……え、えっと……その……えとね……そ、そう! その歯ブラシ私のなの!」
「そうなのか? いや、まとめて買ってあるんだから別に誰のとかってな――」
「私のなの!!」
今日はやけに言い張ってくるな。
「はぁ……分かった分かった。そんじゃぁ今日まで古いやつ使う。それでいいだろ」
「ぁ……うん……。……ごめんなさい」
「謝るんなら最初から言うなって。また別の新しいのに代えればいいんだしな。
というわけでお母さん、新しい歯ブラシ買ってきてもらうと助かる」
「はいはい。今日ちょうど病院の日だから、ついでに買ってくるわ。他にも何か欲しいのある?」
俺は首を横に振った。
母である九鬼遥子(くき ようこ)は、いつも気丈にしているが昔から体が弱く、
どこの器官が弱いのか詳しくは知らないが、月に1度医者にかかっている。
「さて、私もそろそろ出勤するとするか」
7時40分を過ぎた頃、父・真太朗(しんたろう)が出勤の準備を始めた。
とは言っても持っていく物の確認くらいなものだが。
「はいあなた、お弁当」
「おお、いつもすまんな」
「今日のメインは私が作ったんだよ〜。楽しみにしててね、お父さん」
「そうか、楽しみだな。……では、いってくるよ。それと今晩は遅くなるから先に寝てなさい」
「分かったわ。気をつけてね」
「いってらっしゃ〜い」
母と妹は、そうやって毎朝父を玄関でお見送りしている。
歯を磨き終えた俺は、家族のやりとりを見ながら仲の良い家族だとしみじみ思った。
玄関で靴紐を結び終えたところで妹に声をかける。
「おーい。もう行くぞー」
「はーい。ちょっと待っててぇ」
「早くしろよー」
ったく。
いつも俺よりも早く起きているくせに、どうして俺より遅くなるかね。
ま、その辺は女の事情ってやつなんかねぇ。
「ごめん、お待たせっ!」
2階から駆け降りてきた。
見えるぞ。
「うしっ。んじゃま今日も学生しに行きますか」
「いきましょ〜♪」
「「いってきま〜す」」
ハモる。
言っておくが、別に合わしたくて合わしているわけではない。
毎朝思うことだが、こいつ、わざわざ俺のタイミングに合わせてるんじゃないか、と。
九鬼沙弥佳(くき さやか)―――俺の2歳年下で、現在中学3年生。
容姿端麗、成績優秀、性格良しの三拍子揃っている。
趣味は、料理と適度な運動、歌を唄うことと読書。
特技は、英語他、外国語の習得、ピアノと美術鑑賞と家事。
好きなもの、お兄ちゃん。………。
嫌いなもの、お兄ちゃんを傷つける人と泥棒猫。 ……泥棒猫??
なんかデジャブが……。
そんな妹と二人揃って登校する。
俺の腕に抱き着き歩くのにも、もはや慣れてしまった。
これが恋人ってんなら、なんとも嬉しいことなんだが……。
「なぁ」
「んー?」
「お前さ、高校どこ受けるんだ?」
なかば予想はできるが聞いてみる。
「もちろんお兄ちゃんと同じ金城高校だよー♪」
「はぁ……やっぱそうか……」
「何よお兄ちゃん、私が同じ高校行くの嫌なの?」
こいつは、俺が少しでも否定的だったり曖昧な態度をとると、途端に不機嫌になる。
事実、喋り方がいつもののんびりした話し方でなくなり、鋭い喋り方になる。
抱き着いた俺の腕に力が込められ、少し痛い。
「おい、手が痛いぞ」
「だって……」
まただ。
またこいつは、すごく淋しそうな顔をする。
俺は小さくため息をついた。
「別に。 たださ、お前なら少なくとも金城より2ランクは……もうちょい頑張れば3ランク上狙えるだろ」
「だ、だってそんなことしたらお兄ちゃん……ゴニョゴニョ」
「あ? なんだって??」
「な、なんでもないよ! とにかく私はもう金城って決めてるんだから!」
「……さいですか」
「そうよ! それにあそこの制服ってすごく可愛いし!」
「ん、それに関しては否定しない」
そう、うちの高校の女子の制服はこの辺りじゃ、ちょっとしたブランドだったりする。
しかも通っている女の子も、割と可愛い子が多かったりと、男としては最高の環境なのだ。
しかし、もしうちに通うようになったら、学校着くまでずっとこうなんだろうな……。
そう考えるとまたため息が出た。
いや、沙弥佳に好かれるのは全然構わない。
実際見た目は可愛いし、もしこれで妹でなければこの環境は最高だろう。
とうの妹を横目でちらりと見ると、頬を緩ませながら顔を少し赤らめさせていた。
どうせ、俺と学校まで腕を組んで登校している妄想でもしてるんだろう。
もしそいつが実現したら、また何かと友人連中から色々と聞かれるんだろうな。
面倒臭いぜ、全く。
沙弥佳は、小学生の頃から俺と手を繋いで登校していた。
おかげで、俺も沙弥佳もガキ大将のいじめの対象だった。
だけども、俺はそのつど沙弥佳を守った。
しかし、それがいけなかったのか、歳を重ねるごとに俺への依存が強くなっていったように思う。
今なら解るが、ガキどものいじめの理由は、対象への嫉妬だとか、対象が可愛いからなのだ。
そして、異質と思われるようなやつ―――せいぜいこれくらいだ。
それなりに整った顔をしているらしい(妹談)ので、そのやっかみもあったのかもしれない。
沙弥佳は、幼稚園に入る前から可愛い容姿をしていたし、学校でも昼休みとなれば俺のクラスに来た。
俺も俺で、恥ずかしいから来るなと言っても、毎日のようにクラスに訪ねてくる沙弥佳を無下にはできなくなった。
となると、兄妹でいじめられる要素が揃っているならば、ガキどものそういう対象になってしまうわけで。
ただ俺自身、わりと好戦的な性格をしていたし、負けると分かっていても、絶対に逃げなかった。
もし逃げたりしたら、沙弥佳にそのとばっちりがいってしまうからだ。
だが、物事には絶対はない。
いじめる側にとって、いじめられる側が反旗を翻し、自分達の立場が代わるなど考えもしなかったんだろう。
確か、俺が小5の時だ。
ついに俺もキレた。
残念な事に、あまり覚えていないが恐れおののき、逃げ惑ういじめっ子達の背中だけは覚えている。
後には泣きじゃくる妹と、地に平伏すいじめっ子達……元いじめっ子達と言った方がいいか……という有様だ。
冷静さを取り戻した沙弥佳は、これをきっかけに俺が理想のナイトになってしまったらしい。
それからの沙弥佳は、それはそれはバカップルも恥じる超絶ブラコンになっていったのだ。
おかげで中学3年になった今では、周りからの好奇の目なんてなんのその、お構いなしに手を組んでくるようになった。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「今日暇? 絶対暇だよね」
「おいおい、勝手に決めるなよ」
「用事あるの?」
「……いや、ないけどな」
こいつがこんな風に聞いてきた時は、用事があろうとなかろうと結局付き合わされるハメになる。
もう経験上分かっていることだ。
だからついつい話のこしを折ってやりたくなる。
ささやかな抵抗というやつだ。
「もう! なら最初っから話し折らないでよ。……それで、学校終わったらちょっと付き合ってほしいんだけど」
「なんだ、買い物か? 買い物なら先週行ったろ?」
「ううん、そうじゃないの。 えっと……、あのね―――」
今俺は一人で駅のホームにいる。
沙弥佳とは駅まで歩き、そこで別れる。
いつも駅が見えてくると、淋しそうな顔をするから周りの視線が色々と痛い。
俺は一人改札を抜け、駅のホームへ出る。
だが、ここでの注意点がひとつある。
それは人込みに紛れ込むこと、だ。
なぜかと言うと………
チラリとホームの外をフェンスごしに見遣る。
視線の先に、沙弥佳が立っているのが見える。
あいつはいつも、俺が電車に乗り込むまでそこにいるのだ。
もしかしたら、電車が見えなくなるまで……いるのかもしれないが……。
だが今日は不運なことに、紛れる人垣がなかったため沙弥佳に見つかってしまった。
「お兄ちゃ〜ん!」
その美声が、大きな声で俺を呼ぶ。
いつもより人が少ないとはいえ、さすがにこんな公衆の面前で振り向ける勇気は俺にはない。
沙弥佳はそんな俺のことなど知る由もなく「お兄ちゃ〜ん! どうしたのー? 私ここだよー!」
先程よりも大きな声で、俺を呼びやがった!
頼む後生だ、妹よ……そこにいるのはいい! だが大声で俺を呼ぶな!!
俺の気持ちなど察することもなく、まだ「お兄ちゃん、 お兄ちゃん」言ってる沙弥佳。
いい加減周りも妹に応えてやれよ、みたいな雰囲気になった。
羞恥に耐えられなくなり、俺は仕方なく少しだけ後ろを振り向き、右手をあげた。
「やっと振り向いてくれたー♪」
言う沙弥佳の顔は、見る者を引き付けてやまない、最高の笑顔だった。
程なくして来た電車に早々と乗り込み、運よく空いていたシートに座り瞼を閉じ寝たふりをする。
そうでもしないと、この羞恥に耐えられそうになかった。
俺は、動き出した電車に揺すられながら、せめて直に呼ぶのではなく、
携帯にかけてこいと今日こそ言ってやらねばと心に誓った。
昼休みのチャイムが鳴り、皆一目散に食堂へ向かう。
うちの学校には週に1度、メニュー半額の日があるためだ。
今日はその日で、教室には殆ど人が出払っている。
今頃食堂ではいつも以上に人がごった返していることであろう。
弁当のある身には関係のない話だが。
さて、今日の弁当は、と。
蓋を開けた―――瞬間に閉じてしまった。
おいおい、マジかよ。
もう一度開けて確かめてみる。
間違いない。
弁当には見事に、そぼろでハートマークが作られ、『兄らぶ』などと書かれているではないか。
妹よ……お前はどれだけ兄を辱めれば気が済むのだ。
「よぉ九鬼ぃ。どうしたん?」
クラスメイト―――斑鳩孝晶(いかるが たかあき)が声をかけてきた。
こいつはクラスは当然、学年でも一、二を争うほどのイケメン野郎で、毎月のように女からコクられている奴だ。
こいつはいつも、いてほしくない時に限って俺の前に現れる。
ちっ。 なぜいつもタイミング良く…!
そう、こっちのタイミングを図っているんじゃぁないかと思うほどに。
「い、いや、なんでもねえよ?」
「本当か? ならなんで弁当の蓋閉めたん?」
「見てたのか……お前」
「たまたまだけどな。 で、どうしたん?」
「いや……なんて言うかな。ほらよ」
観念して再度弁当の蓋を開けて見せてやった。
「うおっすげぇな、これ。『兄らぶ』って…」
斑鳩はクックックと笑う。
「すごいなんてもんじゃねぇ。……最近どんどん手が込んできてる気がすんだよ……」
「相変わらずの超絶ブラコンぶりだな」
「何をどう間違えたらあんな風になるんだか……はぁ」
「くくくく。愛されてんなぁ、お兄ちゃん!」
「やかましい!」
そしてこいつは、俺の妹を知る数少ない人間の一人だ。
俺は、そぼろをかきまぜて飯に食らいついた。
一日の終了を知らせるチャイム。
生徒たちは思い思いに散って行き、瞬く間に教室から人が消えていった。
俺は妹との約束の時間までしばらくの間、学校で暇をつぶすつもりだった。
今にして考えてみると、学校では必要最低限の場所にしか行ったことがないことに気が付いた。
ならば、時間が許す限り校内探険と洒落込もうではないか。
特に技術棟には、数える程度しか行ったことがない。
大して何かあるわけでもないのかも知れない。
だけども、普段寄り付かない場所というのは、自分にとって非日常な空間になるのだ。
技術棟は4階まであり、普通科以外の科の連中が何やら色々な実験をしたりしている。
一応念のために、教室が開いてないか確認しながら、一人探険する。
………全くしけてやがんな、この学校。
結局どの部屋も閉まっていて、何かありそうな雰囲気がある部屋も確認のしようがなかった。
それと同時にちゃんと管理がなされていることは分かった。
気付けば、技術棟の屋上への階段の前まで来ていた。
携帯で時間を見ると、まだ時間があったのでこのまま屋上に行ってみる。
この学校は丘に立っており、屋上は見晴らしがいい。
それに技術棟からなら、普段は技術棟そのものが影になって見えない、遠くのビルなんかも見えるかもしれない。
まぁ、屋上の扉が開いてるかは分からないが。
階段を1番上まで登っては見たものの、結局扉には錠がおりていた。
しかし扉の窓からは、遥か向こうに街のビルを望むことができた。
「にしてもここは静かだ……」
1番上の階段に腰を降ろし、一人ごちた。
殆ど人が来ないのであろう。
良く見れば埃が溜まっており、おまけに蜘蛛の巣までしっかりできていた。
「でも……良い場所だ、ここは」
今度から何かあった時は、ここで暇つぶしすることにしよう。
「誰かいるの??」
突然階段の下から声がした。
階段の途中の踊り場には、いかにも優等生といった風な眼鏡をかけた、知的そうな少女が立っていて、こちらを見上げていた。
投下終了です。
一応前回がプロローグで、今回が本編ということで。
皆様の口に合うかは分かりませんが、読んで頂けたら幸いです。
前回とはエライテンションが違うなw なんともラノベ感が…
>>248 これ何%くらい書き終えてる?
大作な予感がするけど、途中で打ち切られそうな予感もする……。
普通にGJです
マイペースで完結目指したってくださいな^^
252 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 07:04:15 ID:9oi98s9t
なんか凄いワクワク感が。
歯ブラシ
まで読んだ
レス下さった方、ありがとうございます。
>>249 ライトノベルは読んだことがないので、わかりません。
持っている友人がいるのでいくつか読んでみたいと思います。
>>250 数字化するほど、どれくらいとはわかりません。
ただまだ序盤というのは間違いないです…。
一応、大まかな話の流れは決めているので、
うまく話の流れやフラグを回収できるよう頑張ります。
>>251、
>>252 初GJ頂きました! ありがとうございますm(__)m
後タイトル決めてなかったので、つけてみました。
>>247の続きです。
255 :
いつか見た夢:2009/04/17(金) 21:50:46 ID:eZUZ1f3D
そこにいたのは理知的な雰囲気と、たおやかさを秘めたような少女だった。
「何してるの?」
「あー……」
参ったな……どう答えるべきか……。
そもそも技術棟は、放課後は用事もなしに立ち入ってはいけないところなのだ。
しどろもどろしていると余計に怪しまれる。
ここは開き直って正直に言うのも手だ。
「まぁ何と言うか……ただの好奇心だ」
「……そう」
少女がふっとした表情を和らげたのに疑問が浮かんだが、すぐに氷解した。
この少女も恐らく、同じような理由で来たのだろう。
「あんたもそうなのか?」
「ええ。あなた、いつもここに?」
「いや、今日初めてきた。こんなに静かな場所があるなんて知らなかった」
「そう。なら屋上には行ってないのね」
「屋上? ここの扉、錠があるぞ?」
俺がそう告げると、少女は唇の端をわずかに上げた。
「……あなたはここに来た初めてのお客さんだからね……屋上行ってみたいでしょ?」
「行けるのか?」
壁に隠れて分からなかったが、少女の手には鍵の束が握られていた。
「……なるほどな」
俺は苦笑した。彼女はこの扉の番人というわけだ。
「行く?」
もちろん、と短く答えた。
少女によって開かれた扉の先は、とても学校にいるとは思えなかった。
ゲームで例えれば、今からここで何らかのイベントでもありそうな雰囲気だ。
「おぉ、やっぱ外に出ると空が近くに感じるな」
「ふふふ、大袈裟ね。まぁ開放感があるのは確かだけどね」
「ここならいい昼寝ができそうだぞ」
「うん、できるわよ?」
やってんのかよ……。
「ところで……あんたの名前は?」
「こういう時って男の人から名乗るものなんじゃないの?」
人を喰ったような性格してるな、こいつ……。
「悪かった、それもそうだな。俺は九鬼だ」
「え?」
「どうした?」
「いいえ……あなたがあの九鬼君かと思って」
「知ってるのか?」
「ええ、ちょっとした有名人だからね」
有名人? この俺が?
特別何かやらかした覚えは………そこまで考えて思い付いた。
もしや―――
「毎朝、可愛い女の子と手を繋ぎながら歩いてるらしいじゃない?」
やっぱりそれか………。
「別に一緒に歩きたくて歩いてるわけじゃない」
「そうなの? でも結構お似合いのカップルだって聞いてるわ」
「あいつは妹だ」
俺はぶっきらぼうに答えた。
256 :
いつか見た夢:2009/04/17(金) 21:52:40 ID:eZUZ1f3D
「仲の良い兄妹じゃない」
からからと笑う目の前の少女に、最初に抱いたイメージはもうない。
この女は、ああ言えばこう言う……女狐タイプか。
「………」
「あら、もしかして怒った?」
「別に」
そっぽを向いてしまう。
ちっ……これでは肯定しているみたいではないか。
「九鬼君って、見た目より子供ね」
「……」
こういう女は苦手だ……。
「大体あんた、その話誰から聞いたんだ?」
「別に誰というわけじゃないわよ。あなたが使ってる駅を使ってる友達くらいいるもの」
「……なるほど」
俺は穴があれば今すぐにでも入りたい気分になった。
そんな俺の様子を見て、この女はまたからからと笑った。
全く……最初はちょっと良いと思ったが、とんだひねくれ女だ。
「もういい。俺は行くぞ」
「あらもういいの? 折角こうしてここに来たのに」
「元々ただの暇つぶしに来ただけだからな」
「そう。だったらまた暇な時においでよ。開けたげるから」
「いつになるか分からないのにか?」
「その時はその時よ。そうそう、まだ名前名乗ってなかったわね。私、真紀。―――藤原真紀」
これが俺と真紀との出会いだった。
校舎から出て、部活連中が励んでいる校庭を足早に突っ切る。
校門のところにちょっとした人垣ができていた。
その中心に妹である沙弥佳がいた。
あいつはその容姿のおかげで、一人でいると必ず男どもに声をかけられる。
俺が沙弥佳に気付くと同時に、向こうも俺に気付いたようだった。
「あ! お兄ちゃーん!」
沙弥佳が人垣をすり抜けて俺のところまでやってくる。
「わざわざ高校まで来たのか」
「うん! それにその方が時間短縮できるから」
「駅で待ち合わせするつもりだったんなら、ここまで来る方が効率悪いだろ……」
だから時間つぶしてたってのに……。
「はぁ……で、あの連中はどうするんだ?」
親指で、校門の前に壁を作っている連中を指す。
「どうもしないよ??」
「……ま、別におまえのせいじゃぁないしな」
こいつからしたら、ただ校門で待ってただけだからな。
だが、俺からしたらそうもいかない。
男達が、俺を睨むような嫉むような視線を向けてきているからだ。
ま、いつものごとくちょいと睨みをきかせれば大丈夫だろう。
ナンパ師ってのは、大体の奴がたいしたことのない奴らばかりだからだ。
257 :
いつか見た夢:2009/04/17(金) 21:55:05 ID:eZUZ1f3D
「で……朝言ってたコってのが……?」
俺の前に立っている女の子に視線をやった。
「うん、そうなの」
「ふむ」
今俺達は、電車で一駅のところにある喫茶店にいる。
その駅の改札を出たところで、沙弥佳の友達という女の子が待っていた。
「とりあえず紹介するね。同じクラスのあやちゃんだよ」
「ぁ……う……えと、さやちゃんの友達で、渡邉綾子(わたなべ あやこ)です……」
「大丈夫だよ、あやちゃん。こう見えてお兄ちゃん頼りになるから」
「おい、こう見えてってどういう意味だ。……で綾子ちゃん? あ、これから綾子ちゃんって呼ばせてもらうぞ」
「あ、はい……」
「わざわざ俺をここに連れてきた理由っての聞かせてくれ」
「……はぃ」
一言答えるたびに消え入るような小声になっていく。
さっき会った藤原真紀とかいう女と違って、ずいぶんと引っ込み思案な女の子のようだ。
「それは私から言うよ」
沙弥佳は綾子ちゃんの取り巻く状況を、話し始めた。
「実はあやちゃんね、今……ストーカーされてるの」
「ストーカー?」
思わず綾子の方を見る。
それに気付いた綾子は、そっと頷いた。
「そうなの……初めはね、ただなんとなく視線を感じるくらいだったらしいの」
「……」
「そのうち、だんだん身の回りのものがなくなりはじめて……」
沙弥佳の話を聞きながら、綾子ちゃんを見ている。
なるほど。よくよく見ると沙弥佳程ではないが、なかなかに可愛らしい顔立ちをしている。
もし今のように暗い表情ではなく、明るい表情で笑っているところを見たら、思わず惚れてしまいそうだ。
「それからはなるべく一人でいないようにしたり、なるべく私物も持ち帰るようにしてたみたいなんたけど」
「効果なし、か?」
二人して頷いた。
「それで私達に相談したみたいなのね。私達も、それを知ったクラスの男子達も助けてくれるようになって……」
「ストーカーも止んだのか」
「……のはずだったんだけど……」
沙弥佳の表情も沈んだ。
「今度はね、お家の方で色々起こるようになったみたいなの。その……し、下着までなくなったりとか
変な物まで送られてくるようになったりとか、最近は電話まで掛かってくるようになったみたいで……」
沙弥佳は、そこで一旦話を区切って目の前にある紅茶を一口飲んだ。
綾子ちゃんは、黙ったまま俯いている。
俺もコーヒーに口をつけた。
258 :
いつか見た夢:2009/04/17(金) 21:58:42 ID:eZUZ1f3D
一息ついた沙弥佳は、再び口を開いた。
「……そこまではね、そこまではまだ良かったの……ごめん、良くはないよね……」
沙弥佳が綾子ちゃんの方に向かって謝る。
「ううん、大丈夫だから……」
綾子ちゃんは力無く笑う表情を見せるが、引き攣ってあまり笑えていなかった。
「その……周りのね、人達にまで……被害が出るようになったんだ……」
「……そいつは、さすがに酷いな」
「最初のうちは皆大丈夫大丈夫って言ってたんだけど……」
「大丈夫じゃなくなった?」
沙弥佳も何かを思い出したのだろう、その先は何も言わなかった。
「皆も気味悪がって、だんだんあやちゃんから離れていって………」
なるほど。 クラスの団結すらも崩壊させるとはなかなかやるな、そのストーカーも。
「今じゃ誰も周りにいなくなったってわけか……」
「うん………」
「……しかしそのストーカー野郎もかなり狡猾な奴だな。聞く限りじゃ俺にじゃなくて、
警察にいった方が良いんじゃないか? こっちだけで手におえるような奴じゃない気がするが」
そこまで言って、沙弥佳の態度が急変した。
「行ったわよ! 行ったに決まってるじゃない!!」
突然両手でテーブルを叩き、大声で席を立つ。
その勢いそのままに、俺に向かって怒りの表情を見せた。
「何度も行ったのに、皆口揃えて『大丈夫だよ』とか『気のせいじゃない?』ばっかり!! 大丈夫じゃないから行ってるのに!!」
沙弥佳の突然の変貌ぶりに、俺も綾子ちゃんも目を見開いて驚いた。
店内の客や店員が、何ごとかと訝しみながらこちらをみてきた。
「さ、さやちゃん、落ち着いて……」
綾子ちゃんが沙弥佳をなだめる。
沙弥佳は、自分が店内の注目を浴びていることに気付き、顔を真っ赤にして座ると、
紅茶を飲んだ。
「ま、まぁとにかくだ。 綾子ちゃんは今まで通りに学校以外でもあまり一人にならない方がいいな」
月並みなことしか言えない自分がにくい。
「あ、あのそれでねお兄ちゃん、そこで相談なんだけど……」
沙弥佳は意を決したような顔をして
「しばらくの間、うちにあやちゃん泊めてあげたいなって思って………」
「………は?」
「だからあやちゃんをうちに泊めたいの」
こいつは何をいきなり……。
「さ、さやちゃん、やっぱりいいよ……泊まったらさやちゃん達に迷惑かかっちゃうよ……」
「あやちゃんはちょっと黙ってて」
「あ……ぅ……ごめん」
それきり綾子ちゃんは黙ってしまった。
「……つまり、俺も手ごめにして親父達を説得しろってか?」
「さすがお兄ちゃん。頭いい〜♪」
「………はっきり言って俺に説得できるとは思えんが……」
「お願い! もうお兄ちゃんしか頼る人いないの!」
沙弥佳が頭を下げる。
……こいつがこうして俺に頭を下げる時は、にっちもさっちもいかなくなった時だけだ。
「………はぁ。まぁ……俺もそんな話聞かされちゃあどうにかしてやりたいって思うしな……」
「じゃあお兄ちゃん……?」
「言っておくが、あまり期待はするなよ?」
その言葉に綾子ちゃんも少し明るい表情をしたような気がした。
「うん! ありがとうお兄ちゃん!」
だからな妹よ……そんな顔は反則だぜ?
259 :
いつか見た夢:2009/04/17(金) 22:00:38 ID:eZUZ1f3D
「あ、あの」
「ん? なんだ?」
「さやちゃんのお兄さんは――」
「ああ、すまん。九鬼でいい」
「あ……はい。九鬼……さんはそれでいいんですか?」
「いいも何も、ここまで聞いて放っておけるほど、薄情じゃぁないつもりだぞ」
「うんうん! お兄ちゃんはそう言うとこがカッコイイんだよ〜♪」
沙弥佳は無視だ。
「それに……手がないわけでもないしな」
店を出て、家に向かう。
「お兄ちゃん、これからどうするの?」
「家に帰る」
「え? ……ちょ、ちょっといきなり過ぎない?」
沙弥佳も、まさかいきなりうちに行くことになるとは思わなかったようだ。
「早い方がいいだろ?」
「う、うん。そうだけど……」
「期待はするなとは言ったが、勝算が全くないわけじゃない」
「そう、なの……?」
「ああ。今日は幸いにして、父さんの帰りが遅い。つまり今敵は一人しかいない」
「敵って……」
沙弥佳が思わず苦笑する。
「ようするに、お前がやったのと同じ手を使うということだな」
「なっ……! 私そんな打算してないもん!!」
こいつが口調が鋭くせずに怒るときは、図星だった時だ。
「クックッ……隠さなくていいさ。これでも15年もお前の兄貴やってるんだぜ?」
ニヤリと口元を歪ませる。
「むー……」
沙弥佳は頬を膨らませ、唇を尖らせる。
そんな二人を見ていた綾子ちゃんは、ようやく緊張が解れたのあろう、
あはは、と笑ってみせた。
さて、俺のとった作戦とは単純に、情に訴えた泣き落とし作戦だ。
もちろん本当に泣くわけではないが。
妹は別にして、だがな。
今回ターゲットになる母は、いつも強気に振る舞っているだけに、情に弱い部分があるのだ。
まずは母を陥落させ、その状態で父の説得に挑もうというものだ。
父はドンと構えてはいるが、その実、母には滅法弱いということは隠していたって分かっている。
だから、母を落とせば恐らくは父も落とせるはず……と俺は踏んだのだ。
260 :
いつか見た夢:2009/04/17(金) 22:03:30 ID:eZUZ1f3D
当の妹達は、最初は喜び勇んでいたものの、家が近づくたび口数が減っていった。
俺は沙弥佳の手を握り、
「大丈夫だ」
とだけ言った。
時は5時半を少し回ったところだ。
今現在、九鬼家の門の前にいる。
「さて、沙弥佳にはもう一度お母さんに情で訴えてもらって、それを俺がフォローする」
「うん……」
「そんなに気負うな。お前の声ってさ、不思議と心に響くとでも言うのか……なんか人をその気にさせちまうんだよ」
「うん……」
「だから、さっきみたいにやりゃぁきっとうまくいくと思うんだ。大丈夫だ、お前ならうまくいくさ」
沙弥佳の目を見て、言葉を放った。
「う、うん……私、頑張る!」
「よし! その意気だ!」
「ごめんね……さやちゃん」
「いいっていいって! 元はと言えば私のお節介ってのもあるんだから」
沙弥佳は深呼吸を数度繰り返し
「良し、行こう」
と言った。
「いや〜意外となんとかなるもんだね〜」
沙弥佳は先の戦いを終え、軽快に言い放つ。
「本当にありがとうね、さやちゃん……」
綾子ちゃんは感極まって、涙目になっていた。
「気にしない気にしない! それに……」
チラリと俺の方を視線を向けた。
「お兄ちゃん……ありがとう」
「私からもお礼を……本当にありがとうございます」
二人揃って礼を言う。
綾子ちゃんに至っては、土下座までする始末だ。
「おいおい、綾子ちゃん、そいつはやり過ぎだ。俺はたいしたことはしてないぞ」
そうたいしたことは何もしていない。
結局、妹の情に訴えた抗議とも非難ともとれる泣き落としは成功した。
俺はただ、こういう時こそ、いつも言う無償なき愛ってのを差し延べるべきなんじゃないかと言っただけ。
ただ、それが決定打になったのかもしれない。
母である遥子は、敬謙とまでは言わないが、一応クリスチャンなのだ。
「とりあえず、今から家に戻って着替えとか必要最低限のものは持ってきた方がいい」
俺の言葉に二人は頷いた。
「さて、それじゃぁ君の家に行くとしようか」
「え? お兄ちゃんも行くの?」
「そりゃぁ行かざるをえないだろ。女の子だけじゃな」
「そうだけど……」
「なんだ、不満なのか?」
「そ、そんなんじゃ………」
「だったらいいだろ。それに量があれば荷物持ちになるし、いざって時のボディガードにもなる」
沙弥佳は、たまに変なとこで妙に渋る。
それだけは未だ良く分からん。
「それに……まぁこれは明日以降になるだろうけど、ちょいと確かめたいこともあるしな」
俺の言葉に、二人は頭にクエスチョンマークを浮かばせた。
第3回投下終了です。
これからも頑張って投下していくつもりなので
よろしくお願いしますm(__)m
ぐっじょぶ
うるおうわぁ
じーじぇ。相変わらず続きが気になる展開だな。
けど、全レス返しは止めといた方が良いかも。気にする人は気にするし。
>>261 なんてこった。長編が始まってるし続いてるし面白い。いい仕事。いわゆるGJ。
そぼろでGJと書いた弁当を進呈せざるをえない。
レスして下さった片、ありがとうございます。
個別レスは、あまりよろしくないということなので、
これからは控えさせていただきます。
後そぼろGJは吹きましたwww
では、
>>260からの続きです
266 :
いつか見た夢:2009/04/19(日) 16:20:27 ID:zMz3R+Bt
「そうだ。綾子ちゃん」
「はい」
「一応念のために君の番号教えてくれ」
「あ、はい」
綾子ちゃんは、バックから携帯を取り出し、俺の携帯と番号をやりとりする。
沙弥佳はなぜか、終始それを不機嫌そうな顔で見ていた。
何を考えているんだ、お前は。
綾子ちゃんのうちに行くまでの間、沙弥佳を交え、他愛もない話しをした。
家族構成や、互いの誕生日、学校での出来事、沙弥佳との出会い等々。
それこそ些細なことまでだ。
しかし、侮ることなかれ。
こう言った話は、相手との距離を埋めるためには必要だし、こう言った何気ない話の中にこそ、
相手の本質の一部を垣間見ることだってあるのだ。
そして、今回のストーカー野郎の情報も何かしら得られる可能性もある。
ただその間も、なぜだか沙弥佳はどことなくぎこちなかった。
「ここです」
綾子ちゃんの家に到着して、思わず感嘆のため息を漏らした。
「うちの二倍……いや、三倍はあるんじゃないか……?」
「あ、あやちゃんち初めて来るけど、こんなに大きかったんだ……」
沙弥佳も驚いて、ぽかんと口を開けている。
言っておくが、うちだってそれなりに良いとこに住んでる。
だが、この家は俺達はやはり小市民であることを思い知らされる。
しかも庭が広い。 それも半端なく………。
テニスとバスケが同時にできる、と言えば想像してもらえるだろうか。
しかも、ここは一等地なのだ。
不況不況とは言われていても、あるとこにゃぁあるもんだな……。
「で、でだ……確認するが、両親は今いないんだな?」
「はい」
綾子ちゃんは短く返事する。
「お手伝いさんも今の時間はいません」
「そいつはいい。説明の手間も省けるしな」
「ね、早く行きましょうよ」
「あ、うん」
俺達は綾子ちゃんの家にお邪魔する。
家に入るなり綾子ちゃんが一人、部屋に向かって行くので、沙弥佳も一緒に行かせた。
いくらこんな時でも、女の子の部屋においそれと入って行くのは気が引けたからだ。
とは言え、後で入らねばならぬのだが。
267 :
いつか見た夢:2009/04/19(日) 16:23:26 ID:zMz3R+Bt
二人が二階の部屋に行ったのを見送って、俺は行動を開始した。
まずは玄関横の部屋からだ。
そう、隠しカメラや盗聴器の有無を確認するためだ。
盗聴器は専門の道具がないので、一丁一石とはいかないが、カメラなら見つけられるかもしれない。
人様のうちを我が物顔で、あれこれ物色するのはいい気持ちがしないが仕方ない。
最近のストーカーは最悪の場合、カメラを仕掛けていないとも言い切れないからだ。
手早く部屋の中を探索する。
次に隣の部屋を、そして一番きな臭い居間を通り抜け、その反対側にある和室へ。
更に、和室を廊下で挟んだ使われていない部屋は、物らしい物は置かれていなかった。
一部屋一部屋は広いが、その割に物が少ないように思われた。
お嬢様と言えど、人の子。
使うスペース等、限られているのだろう。
さて、次はいよいよ居間だ。
ところで、隠しカメラ等といった物の設置場所は、どういう所にするか分かるだろうか。
当然人目のつかない所だ。
だが、狡猾な奴はそうはしない。
敢えて、人目のつく場所の近くに置く。
よく人が使う場所、その中にも"目につくからこそ"できてしまうスペースがある。
目につくような場所なら、ある訳無いという心理をついている来るのだ。
また、普段目にしないような所。
これは、人目のつかない所と同義だが、隠し場所は実に巧妙になっている。
人は物を探す時、基本的に自分の目線以上場所や、手の届かない場所には滅多と目を向けない。
これも人間心理をついた設置場所だ。
今回は、時間も限られているため、あまり悠長に探していられない。
だから俺は、この点にだけ絞って探している。
それに俺は、周りの人間を被害に遭わして、人間関係を破壊してしまうような狡猾な奴は、
こう言った人間心理だって当然ついていると踏んだのだ。
なぜ詳しいかって?
そりゃぁ、そういうヤバイ趣味した知り合いがいるからに決まっている。
断じて俺は経験者等ではない。
後は、相手の立場になって考えること。
これは俺の経験上、全てに当て嵌まって言えることだと思う……いや全ては言い過ぎた。
「家の中で一番怪しい場所の一つだしな……どこからいくか」
まずはスタンダードにテーブル。下を覗いてみる。
「無いか……」
次にテレビ、冷蔵庫の上、壁掛け式の時計、そして鏡。
隠せそうな場所は、思いつく限り探すがなかった。
「やっぱりカメラは考えすぎたか………?」
その時俺は、ふと天井を見上げた。
「………ん?」
何気なしに見上げた天井に、違和感を感じた。
正確には、偶然目に入った天井から吊り下げられた照明の接合部だ。
268 :
いつか見た夢:2009/04/19(日) 16:25:10 ID:zMz3R+Bt
今までの部屋の照明は、据え付けられた円盤状のものだった。
しかし、この居間の照明だけはかなり丁重な作りで、天井から吊り下げ式になっていた。
恐らく本当は、別の照明が取り付けられていたのだと思われた。
天井から延びる長さと、テーブルとの距離が、照明の明るさに対して下過ぎるからだ。
以前どんな照明が取り付けられていたかは分からないが、取り替えたのは正解だろう。
この居間の雰囲気に、シンプルだが豪華さを感じるこの照明は、良く合っていた。
だからこそ、気がつかなかったと言っていい。
何より家族で住むなら、居間にはもっとも金をかける。
けれど、こうした違和感というのは、そうそう拭い切れるものではない。
「じゃぁ……悪いが調べさせてもらいますよ」
誰にとも知れず、一人呟いた。
テーブルに上って、接合部に手を伸ばし、照明を外す。
かなり重い。
一瞬、照明を落としそうになって、バランスを崩した。
「やっぱりな」
俺は思わず口元をニヤリとさせた。
接合部には、高性能の小型カメラが取り付けられていた。
確かにここなら、電気の心配いらずで24時間監視することができる。
これじゃぁ視線も感じるはずだ。
となると当然………
俺は居間から移動し、一階にあるトイレに向かう。
「………当たり前のように取り付けられていたな」
やはりトイレにもあった。
それも二カ所もだ。
……綾子ちゃんの名誉のためにも、これ以上は言わない。
察してくれ。
ちょうどトイレから出てきた時、沙弥佳と綾子ちゃんが二階から荷物を持って下りて来た。
「お兄ちゃん、何してるの?」
「ん……まぁ、ちょいと宝探しをな」
「宝探し、ですか?」
「え? え? 何々?? 何が見つかったの??」
とっさに俺はなんと言ったらいいのか分からず、苦笑いしながら肩をすくめた。
「とりあえず、こっちが確認したかったことは終わった。そっちはいいのか?」
「うん。生活用品なんかはうちの使えばいいしね」
「それじゃ、戻るとするか」
俺達は、綾子ちゃんの家を出て、自宅へ戻ることにする。
しかし、門を出た時―――俺はやたら強い視線を感じて、思わず周りを見回した。
「どうしたの?」
沙弥佳が不思議そうな顔で、尋ねてくる。
「い、いや、なんでもない」
行こう、とだけ告げて、俺達は歩きだした。
俺は帰路の途中、先ほどの視線のことを考えていた。
269 :
いつか見た夢:2009/04/19(日) 16:26:16 ID:zMz3R+Bt
「「いただきます」」
家に帰り着くと、ちょうど夕飯の用意ができたらしく、久しぶりに父なしの夕飯とあいなった。
母と沙弥佳は、綾子ちゃんと話を弾ませている。
なんだかんだで、母もまんざらではない様子だ。
まぁ、そこは間違いなく母の長所ではあるが。
綾子ちゃんは、普段いつも一人で夕飯を食べていると言っていたので、
こうして皆でテーブルを囲むというのが、すごく嬉しそうだ。
おまけに家は、うちよりもはるかに広いのだ、当然と言えば当然なのかもしれない。
けれど、俺はその会話に加わらず、先程の視線のことをまだ考えていた。
恐らくさっきのは、例のストーカー野郎だろう。
十中八九、自分の愛する綾子ちゃんに近づいた俺を、目の敵にしたのだ。
もしかしたら、明日にでも何か仕掛けてこないとも言い切れない。
奴はこちらを知った。 これはほぼ間違いないだろう。
だが、こっちは奴の顔や名前、素性等知りはしないのだから。
こちらからも早々に手を打つ必要がある。
俺は食事をとりながら、今後のことについて作戦を練り始めた。
食後、沙弥佳はいつになくテンションが高く、綾子ちゃんも夕方に初めて会った時とは、
別人かと思えるほどよく笑い、よく喋った。
いや、こっちが本当の綾子ちゃんなのかもしれない。
なんにせよ、俺にたいしても、随分と心を開いてくれていると受け取った。
これなら気楽に父も説得できそうだ。
日付が変わるか変わらないかという時分に、父は帰ってきた。
最初、居間にいた綾子ちゃんを見て、やや驚いた表情をしてみせた後、
沙弥佳がすぐに説明しだした。
そして、母がそれを更に強調付け、とんとん拍子に承諾されたのだ。
正直、俺は一言だって喋っていない。
こういう時、女同士による団結というのは、何故こうも有無を言わせぬ迫力があるのか。
だが父は、終始冷静に対処していたように思える。
父の姿に、ある種の後光が指しているようにすら、俺には見えた。
ともあれ、こうして綾子ちゃんはしばらくの間、うちに厄介になることが決まった。
いつもなら俺の後、風呂に入る沙弥佳だが、今日は綾子ちゃんと共に、俺の前に入った。
風呂と言えば、奇妙なことが一つある。
何故か、俺の下着がたまに失くなるのだ。
一度両親に聞いて「そんなの知らない」で一蹴されたのは、記憶に新しい。
これはミステリーだ。
家族という最も小さなコミュニティーにおいて、これをミステリーと言わずして何といおう。
それとも誰かが盗んだとでも言うのだろうか?
そもそも下着を盗むなんて、男であれ女であれ、とんだ変態だ。
ましてや男ものの下着だ。
もしそうであれば、見つけたら取っ捕まえて、懲らしめてやることに決めた。
270 :
いつか見た夢:2009/04/19(日) 16:27:33 ID:zMz3R+Bt
沙弥佳たちが風呂から上がってきたのを見計らい、俺も風呂に入った。
「………」
美少女と言っていい二人が入った直後の風呂は、なぜかとても甘美な香りがした。
一夜明けた早朝、俺はいつもと違い、やたらと体が重いことに気が付き目を醒ました。
寝ぼけた頭で体ごと横に向けると、沙弥佳が隣で寝ていた。
なんでいんだ……。
「………おい、沙弥佳。おい起きろ」
沙弥佳に声をかける。
「んう〜……もうちょっと……」
何がもうちょっとだ、俺はちょっとだって待ちたくはない。
「おい沙弥佳、さっさと起きろ!」
昨日とは打って変わって、俺が沙弥佳の体を揺すって起こす。
「んぁ……?」
一緒に寝なくなってから、こんな顔は初めて見るがなんとも情けなく思えるのはどうしてか。
というか、俺がこいつのこんな顔を見るのなんて、いつぶりだろうか。
俺がそんなことを考えているうちに、沙弥佳はまた寝始めた。
「だから寝るなって! いい加減起きろ!」
何が悲しくて、起きぬけに声を荒げねばならんのだ。
「うぅん……ふぁぁ……ぉはよぅ、ぉ兄ちゃん」
「おはよう。そしてさっさと自分の部屋に戻りなさい」
「寒いからいや〜……ぉやすみ……痛っ!」
ちょっと本気で叩いてやった。
「お兄ちゃん、痛いよ〜………何も叩かなくったって〜……」
「おかげで目が醒めたろ?」
「それはそうだけどぉ……」
「大体なんでお前がここにいる」
「あれ〜? なんでだろ〜?」
寝ぼけて入ってきたのか……。
俺は朝っぱらからため息一つつき、
「とりあえず部屋に戻れ」
「一緒じゃダメ……?」
「ダメ」
即答した。
沙弥佳は不満げに部屋を出て行った。
時計の針が、盤上をちょうど半分に分けていた。
二度寝しようと思えばできなくもない時間だ。
「ま、どうせ沙弥佳が起こしにくるだろ」
思いきり他力本願だが、あいつは俺を起こしにくることを至上としているから、問題ない。
決めた後は、布団の中でくるまって、あの心地良さに包まれたい。
再び布団に寝転がった俺は、慌てて布団をめくりあげた。
寝転がった瞬間、足の方が何やら冷たかったからだ。
「なんだこれ?」
オネショ? 馬鹿な。 有り得ない。
第一、臭いもしないし水量も少ない。
ならば何なのだ、これは………。
271 :
いつか見た夢:2009/04/19(日) 16:29:22 ID:zMz3R+Bt
俺の足の部分に当たる場所が、なぜか不自然に濡れていたのだ。
更に今気付いたことだが、右足のふともも部分のパジャマも、不自然に湿っていた。
な、何なんだ一体………?
下着のことといい、最近はやたらと変なことばかり起こるような気がする。
「にしても……これ、一体どうなってんだよ」
俺は完全に目が覚めてしまい、二度寝する気が失せてしまった。
眠気が失せた俺は、仕方なく制服に着替え、珍しく朝一番でリビングへ下りた。
こうして朝早くに誰もいないリビングにいると、気持ちが浮ついてしまうのは何故だろう。
眠気はないが、習慣というものでコーヒーを飲むために豆を挽く。
うちはコーヒーは豆から挽いてドリップさせる。
「あら、おはよう。こんな珍しいことが二日も続けて起こるなんて」
コーヒーが出来上がるのを待っていると、母が起きてきた。
「ん、おはよ。今日は本当に早く目が覚めたんだ」
「いつもこれくらいだったらお母さん、我が子の成長を見てるような気がして嬉しいわ〜」
「沙弥佳の仕事をとるのは忍びないな」
「お兄ちゃんなんだから、いつまでも妹に甘えてないのよ、もう」
「はいはい」
「はいは一回よ。あ、新聞とってきて」
「はいよ」
リビングを出たところで父も起きてきた。
「おはよう。珍しく沙弥佳よりも早いんじゃないか?」
「おはよう。一年に一度あるかないかのレアな日なんだよ」
夫婦揃ってこうも立て続けに突っ込まれると、なぜか照れ臭い気持ちになってしまった。
俺は玄関を出て、新聞を取りに外へ出た。
新聞を取って家に戻ろうとしたその瞬間―――視線を感じた。
………まさか―――
俺は昨日のように、後ろを振り返り周囲を見回した。
俺が後ろを振り向くと、それまで感じた視線を感じなくなった。
………今の感じは………間違いない、昨日と同じだ。
この粘つくような、こびりつくような、なんとも言えない嫌な視線。
まさかもううちを突き止めたのか……?
いや、充分有り得ることではないのか?
このストーカー野郎は、昨日あの後も俺達の後を着いて来たのだ。
ただ、その気配を感じさせなかっただけで……。
「ちっ」
俺は舌打ちした。せざるを得なかった。きっとそうなのだ。
野郎は間違いなく俺達の後を尾行し、うちを突き止めた。
俺はうかつにも、その間、ひたすらこれから先のことばかり考えていて、
まさか尾行のことまでは考えもしなかったのだ。
272 :
いつか見た夢:2009/04/19(日) 16:32:57 ID:zMz3R+Bt
「ちょっとお兄ちゃん!」
突然ドタドタとすごい勢いで、沙弥佳が二階から下りてきた。
「もう何勝手に起きてるの!? ベッドにいなかったから心配しちゃったじゃない!!」
いかん、口調が鋭い。かなり頭に来てるようだ。
「お兄ちゃんは私が起こすまで、ちゃんと寝てなきゃダメでしょ!?」
「いやさ、あのあと寝れなかったからな……それで、ちょいと早起」
「言い訳なんてしないで!! いい!? お兄ちゃんを起こすのは私の仕事なの!!
だからお兄ちゃんは私が起こしに来るまで部屋から出ちゃダメなんだから!!!」
俺にはみなまで言わすつもりはないらしい。
全く、こいつは朝っぱらから元気な奴だ……。
つい20分か30分くらい前は、あんなに眠そうな顔していた癖に。
「何よ!?」
「い、いや、なんでもないぞ?」
毎度のことだが、なんでお前はこんな時だけ俺の心が読めるんだ……。
「それで? お兄ちゃんはなんでそんな所にいるの?」
妹は、普段が可愛いだけに怒り心頭の時、本当に怖い。
そして後ろには、綾子ちゃんの姿もあった。
「た、単純に新聞とりに来ただけだぜ?」
俺は、家に入り玄関の扉を閉めた。
そんな俺の様子に、二人は怪訝な目をしながらリビングへ移動していった。
お父さん、お母さん。あなたたちの娘の方が、俺のことよりももっとちゃんとさせた方がいいと愚息は思うぜ。
「なぁ、今日ちょっと早く出ねえか?」
朝食の後、俺は沙弥佳と綾子ちゃんに問いかけた。
「なんだ? お前がそんなこと言い出すなんてどうしたんだ」
父が珍しく、いち早く口を開いた。
「んー……ちょっと、な」
俺はいい淀んだ。
まさか例のストーカー野郎が、昨日の今日でうちを突き止めているなんて、
とてもじゃぁないが言えるはずもない。
カメラのことも伏せてあったし、何より視線を感じただけで、証拠は何もない。
沙弥佳は、無意識に何かを感じ取ったのか、
「私はいいけど………」
と答えたのち、目で綾子ちゃんは?と合図する。
「私も構いません」
「よし。ならそろそろ準備するか」
「あ、あのお兄ちゃんが、自発的に学校に行きたがるなんて……」
「……明日は雨かしらね。予報じゃ晴れと言っていたけれど」
そこの親子二人は黙ってろ。
前言撤回。
やっぱり何も感じ取ってくれていなかった。
妹よ………いつも口をすっぱくして言っているがな、察してくれ。
ただ、父だけは
「あまり無茶はするなよ」
と、こっちの心中を察してくれたようだった。
いつもこういう時、お父さんはすごくカッコ良く見え、男として憧れる。
そして、その気遣いに俺は感謝した。
第4回終了です。
それと訂正。
>>257の二行目
×→立っている
○→座っている
でした。
申し訳ありませんでしたm(__)m
一番槍GJ
キモ姉妹スレ住人としてはシーツの湿り気に心当たりがあります
GJ〜
続きがきになるぜ
GJ、続き待ってます
一丁一石ってのは一朝一夕の誤字かな?
ちょっと用法が違うよね
昨日に引き続いてまた投下したいと思います
それと誤用を指摘していただきありがとうございます
調べたら確かにそうでした
今後もそういうことがあれば指摘していただけると作者は喜びますm(__)m
なるべく、そういったことがないのが最上なんですが…
278 :
いつか見た夢:2009/04/20(月) 22:04:27 ID:WMBV0oXG
朝7時半。
いつもより、20分は早く家を出た。
「沙弥佳」
「うん?」
「今日からしばらく学校への送り迎えは、俺がする。いいな」
「え? な、なんで?」
そりゃぁ驚くだろうな。
今までなら、駅で別れた後に学校に行っていたのだ。
それがいきなり、学校まで送り迎えされるとなれば当然の反応と言えた。
「まぁ……例のストーカー対策、だな」
すでに向こうに、一歩先を譲ってしまっているが、下手なことを言って不安を煽る必要はない。
「ストーカー対策……ですか」
綾子ちゃんが、不安ありげに表情を曇らせた。
「ああ。俺と駅で別れた後、何があるとも限らないからな」
「……分かった。お兄ちゃんがそういうなら従うよ」
いつものこいつなら、お兄ちゃんと一緒だ〜なんて言いそうなものだが、
さすがに今回ばかりは、手放しに喜ぶことはなかった。
「二人とも、そんな暗い顔すんなよ。折角の美人がもったいないぜ」
二人を元気づけようと、おどけながら普段なら歯が浮きそうなことを口にした。
しかし真に受けたのか、二人とも顔が赤く染まり、揃って俯いてしまった。
だからな妹よ……綾子ちゃんならともかく、お前はそこでツッコミをだな……。
しかしながら、こんな状況でも相変わらず沙弥佳は、俺の腕にしっかりとしがみついていた。
綾子ちゃんは、最初こそ驚きはしたものの、話しに聞いてた通りなんですね、と笑った。
駅を通り過ぎ、2年前まで歩いていた道を歩く。
「この道歩くんも久しぶりだな」
「こうやって二人でここ歩いてたんだよね……」
沙弥佳が感慨深げに呟いた。
「お二人はいつもそうやって登校してらしたんですよね」
「ああ、本当に毎日な。初めのうちはクラスの男子からからかわれてな、大変だった」
俺はその頃のことを思い出し、笑った。
「お兄ちゃん、すごく嫌がってたんだよね〜」
「お前な、何他人事みたいに……」
俺達兄妹の会話を聞きながら、綾子ちゃんは口に手をやってクスクスと笑う。
全く、一つ一つの動作が一々お嬢様という雰囲気を醸し出していた。
「お前ももうちょい、その辺見習おうな」
「え? 見習うって?」
「なんでもない」
俺はしがみつかれていない方の肩をすくめた。
279 :
いつか見た夢:2009/04/20(月) 22:06:05 ID:WMBV0oXG
「でも……羨ましいなぁ、さやちゃんは」
「羨ましい?」
「私一人っ子だから、そんな風にお兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒に歩いて見たかったんです」
「ああ、なるほどな。でも、こいつはちょっと欝陶しいけどな」
「なっ……! ちょっと何それ!! こんな可愛い妹が一緒に歩いてあげてるって言うのに!!」
頼んだ覚えなどないのだが……。
「ま、まぁ男にも一人になりたい時ってのがあってだな……」
「うふふ。本当に仲良いなぁ」
その時、綾子ちゃんの見せた笑顔に、俺は心臓を鷲掴みにされたような気持ちになった。
二人を学校に送り届け、一人駅へと引き返す。
校門の前まで沙弥佳は、俺と腕組み続けた。
しかも、その反対には綾子ちゃんというお嬢様もいたとなれば、
俺は中学生達や校門にいた教師達の注目の的になった。
だが、あれは2年前までの日常そのものだった。
来年からあれがまた繰り返されるのかと思うと、俺はまたため息が出た。
ホームでいつもよりも、遅い電車を待つ。
次の電車が、なんとかギリギリで間に合う最後の電車だ。
しかもラッシュは過ぎているので、いつもに比べ、人もまばらだ。
プルルルルルル―――
『間もなく○×行き普通電車が参ります。白線の内側までお下がりください』
アナウンスがあった直後、電車がホームに入って来た。
人が降りていき、電車に乗り込もうとしたその時、またも例の視線を感じた俺は、
電車に乗り込まず、またも後ろを振り向いた。
しかも、前二回よりも強い視線―――。
いる。
ストーカー野郎がこの近くにいるのだ。
プルルルルルルルルル―――
到着する時よりも長い発車音が鳴り続く。
プシュー
電車の扉が閉じ、電車は行ってしまった。
今までなら、俺が周囲を気にしたらすぐに感じなくなった視線は、
今回は未だに途切れることがなかった。
(どこだ? どこにいる?)
この絡み付いてくるような視線を、送ってきやがる奴はどこだ!
ふと、反対のホームに目を移した。
大きなガラス張りの壁で、光の反射具合によっては、鏡のようにも見える。
俺のいるホーム側には、駅を出たすぐ横に歩道橋がある。
その歩道橋に、いつもならあるはずのない影が出来ていた。
俺はその影を注視した。
その影は、俺に見られていると気付いたのか、ふっと移動しガラス鏡の中から消えた。
280 :
いつか見た夢:2009/04/20(月) 22:07:12 ID:WMBV0oXG
あいつだ!
そいつは、黒いウィンドブレーカーとそれに据え付けられたフードをし、
下も黒のズボンという出で立ちだった。
俺は、階段を三段四段飛ばしで、駆け降りていく。
改札をジャンプで飛び越え、駅を出て歩道橋へと走っていく。
後ろで駅員と思われる人物の声が聞こえるが、今は構っていられない。
説教なら後でたっぷりと聞いてやる!
歩道橋の階段を全速力で駆け登り、最上段に着く。
そこから数歩歩き、俺のいたホームの反対側のホーム上に設置された、ガラス張りの壁を見る。
(ここから奴は……俺をあのガラス越しに見ていた)
ガラスを見ながら、奴と同じ行動をとってみた。
(ここで俺を見、そして後ろに引くように動いた……)
当然後ろには、今しがた自分が上ってきた歩道橋の階段。
駅のホームからここまで、20秒と経ってない。
(俺の見間違い……か? それともその時間の間に走り去った……?)
もしそうなら、これだけ見晴らしがよく開けたロータリーで、見落とすはずがない。
(それか、他にも逃げ道が?)
俺は上ってきた階段を、数段下りて手摺りから身を乗り出し、下を覗いてみた。
眼下に、人一人入れるかどうかという隙間があった。
その隙間から、どうも線路のすぐ脇を数十メートルほど、隙間道が延びていた。
(ここだ)
下まで数メートルの高さがある。
死にはしないだろうが、気をつけなければ足を挫くかもしれない。
階段の下には、先程の駅員と思われる人物が、こちらに向かってきていた。
(迷っている暇はない!)
俺は、手摺りに足をかけジャンプした。
耳に、誰かが叫んだような声が響いた。
飛び下りた場所は、歩道橋の階段横にできた、四方わずか2メートル足らずの小さなスペースだった。
飛び下りた衝撃で、足が痺れたが今はそんなことを気にしている暇はない。
俺は、隙間道を身を横にしながら、進んでいく。
どれほど進んだか、背中にあった壁が途切れ、開けた場所に出た。
俺はそのまま、真っすぐ進んでいったものの、そこは橋になっており、上に上れそうにない。
けれど俺の視界の脇を、何かがうごめいていた。
それは奴であり、線路を横断し、なんとか上に登れそうな場所を見つけたのだろう、
四苦八苦しながらも必死に上へ登っていたのだ。
(逃がすか!)
線路を横切ろうとした時、あまりの興奮に俺は、列車が近づいて来ていたことに気付かなかった。
ガタンガタンガタンガタ…ン…タタン…タン……
281 :
いつか見た夢:2009/04/20(月) 22:08:18 ID:WMBV0oXG
「……さ、さすがに死ぬかと思った」
俺は危うく死にかけた。
列車に轢かれ、人間としての原型を留めないような死に方等、したくない。
列車が去った後、線路の向こうを見れば、奴が上に登りきり、ご大層にもこっちを見下していた。
いや、さっきのもたついた登り方も、演技だったのかもしれない。
奴は、俺が死ななかったのが悔しかったのか、自身の前にあるガードレールを蹴り、そこから立ち去っていった。
俺はのろのろと上へのぼり、奴がいないか辺りを見渡したが、見つけることはできなかった。
それに例の視線も感じとることはなかった。
(周りの人間にまで、手を出すような危険な野郎だとは思ってはいたが、
まさかここまでするとはな……)
俺は、怒りで握りこぶしを作った。
恐らくは、さっき電車にに轢かれそうになった時に、制服が破れたのだろう、
制服が破け、怪我をしていることに気付いた。
俺は、今日はこのまま学校をサボりたい気分になった。
ピリリリリリ―――
サボろうかと決めた時、携帯が鳴り、画面に見知った名が映し出されていた。
斑鳩からだ。
「もしもし?」
『よぉ、おはよーさん。今日はどうしたん? もしかしてサボり?
九鬼がサボりなんて、こりゃ明日は雨だな』
最近、どこかで聞いたような台詞を吐きながら、斑鳩が電話をかけてきた。
「そういうお前こそ、珍しく文明の機器なんて使っているじゃないか」
そう、斑鳩は携帯は当たり前、デジタルなんてつく物は、まともに使えないのだ。
所謂、機械音痴……いや、機械そのものは使えるから、デジタル音痴といったところか。
しかし、相変わらず目ざといくらいのタイミングだな……。
『小町ちゃんがお前のこと、心配してたぜ』
小町ちゃんと言うのは、うちのクラスの担任で、ナイスバディなお姉さんだ。
やけにフェロモンたっぷりで、お姉様なんて慕っている女子もいる。
あまり興味はないが、いい目の保養にはなってくれている。
ちなみに、この斑鳩の憧れの女性らしい。
「そうか。そいつは光栄だな」
『お前、絶対にそんな風に思ってないだろ。……まぁいいか。で、どうすんの学校』
「いやー、どうしようか迷ってる」
『もしサボるんなら、俺も付き合うぜ?』
「んー……どうしようかな」
俺はその時、ズボンのポケットに手を突っ込んだ。
手にコツンと、硬いものが当たった。
「っと、コイツの存在をすっかり忘れてたぜ」
『あん? なんだって?』
「いや、こっちの話だ。ところで斑鳩。今日、青山のやつ来てるか?」
『青山ぁ? 来てないけど、あの根暗がどうかしたん?』
「まぁ、ちょいと野暮用がな」
『お前もさぁ、あんなんと付き合うのやめろよ? いてもいなくてもどうでもいいけど、
なんつーか、変なことに首突っ込んでそうだしさ』
斑鳩、お前その勘を活かした職に就いたら、間違いなく成功するぞ。
282 :
いつか見た夢:2009/04/20(月) 22:10:09 ID:WMBV0oXG
斑鳩の言ったことは、当たらずも遠からずだ。
青山というのは、うちのクラスにいるちょいとヤバイ趣味をもったやつで、
先の隠しカメラの設置場所等、俺に教議してくれたやつだ。
その時は、危ない奴だと半ば右から左に聞いていたが、なんだかんだで、その知識が役立った。
「そうか……すまんが、やっぱ今日はサボることにすんわ」
『お? じゃぁ俺もサボることにするわ。ナンパにでも行かね?』
「いいのか? サボったら小町ちゃんに嫌われるぞ。それに、別に遊ぼうと思ってるわけじゃない」
ナンパもそりゃぁしてみたいとは思う。
だが、ストーカー野郎に殺されかけたのだ、今はそれどころではない。
『う……そ、それは…』
「というわけで、小町ちゃんには今日は休むと伝えておいてくれ」
『そんなの自分で言えよー』
……無理だから頼んでるってのに。
「良く考えな? 小町ちゃんと話せる機会を与えたいと思って言ったんだぜ、俺は」
『おお! そういうことだったのか! さすがは心の友だ!』
これで大丈夫だろう。
斑鳩が変なところで馬鹿で助かった。
電話を切って、次は俺から電話をかけた。
プルルルル、プルルルル、プルルルル―――
斑鳩との電話の後、俺は青山に電話しているが、やつは一向に電話に出る気配がない。
「ちっ。まだ寝ているのか?」
俺は携帯をしまい、青山の家に行くために、一つ先の駅まで歩くことにした。
とてもじゃないが、今すぐそこの駅に行こうものなら、説教で時間をとられてしまう。
それに、ストーカー野郎を追いかけるためだなんて、言ったってどうせ信じはしないだろう。
目的地である青山の家まで、電車でおよそ40分。
そこから、歩きで15分ほど。
だが、今回は更に一駅歩かなければならない。
一年の時に、一度だけ行ったことがあるだけだが、なんとかなるだろう。
全く……ストーカー野郎のおかげで、とんだ出費と時間を使いそうだ。
一駅歩いて、駅の隣にあるコンビニで、消毒液と傷薬と包帯を買う。
俺をみる店員の目が、明らかに怪しんでいたのは、この際無視だ。
この時間なら、普通電車であれば、座ることができるだろうし、怪我の手当もできる。
俺は切符を買い、ホームに出て椅子に座った。
やっとこさ一息つけそうだ。
携帯で時間をみると、10時になろうというところだった。
一時限目の休み時間も終わり、二時限目になろうといったところか。
電車を待つ間、俺は再度、青山に電話した。
283 :
いつか見た夢:2009/04/20(月) 22:11:18 ID:WMBV0oXG
プルルルル、プルルルル、プルルルル、プッ
(今度は繋がったか?)
『………もしもし?』
「青山か? 九鬼だけど、今いいか?」
『………何?』
相変わらず、ボソボソ喋って良く聞き取れない。
「ああ、実はなちょいと面白い物を手に入れたんだ」
『………』
「でな、そいつを今からお前のとこに持っていきたいんだ」
『どんなやつ?』
いつも間を置いて、聞き取りにくい喋り方をするこいつの声が、
いくらか聞き取りやすく、間をおかずに直ぐさま返答した。
「ああ、カメラだ。小型カメラ。良くは分からないが、多分高性能だと思う」
『隠しカメラ?』
(こいつ、自分の興味のある時だけは、食いつきがいいな)
俺は思わず苦笑してしまった。
「良く分からないから電話してるのさ。お前にこいつを見せて、意見を聞きたいんだ」
『わかったよ』
「今家だよな? 学校に来てないんだし」
『家だよ。とにかく待ってる』
「ああ。それじゃぁ1時間後くらいに行くぜ」
それだけ言うと、どちらからとも知れず電話を切った。
電話を切ったと同時に、電車がホームに入ってきた。
青山邸につき、出迎えてくれたのは、意外にも青山の姉だった。
確か、以前にここに来た時も、青山の姉貴が出迎えてくれたはずだ。
その時は休みの日だったからなんとも思わなかったが、今日は平日だ。
もしかしたら、大学生なのかもしれない。
そんな青山の姉に、青山の部屋に案内された。
俺を先導する形で階段を上っていく青山の姉貴は、まるで男を誘うな足取りで、階段を上がっていく。
沙弥佳や綾子ちゃんとは、また違ったタイプの美人だと俺は思った。
ショートパンツを履き、少し焼けた健康そうな生足は、否応なく俺の本能を刺激した。
「しんちゃん、 お友達来たよ?」
「入って」
どうぞ、と手でジェスチャーされ、部屋に入る。
「よぉ、悪いな、突然きちまって」
「……別にいいよ。それより……」
「ああ、これなんだが……」
ポケットからカメラを取り出した。
手に取り、青山はいつになく真剣な表情で、それを調べている。
284 :
いつか見た夢:2009/04/20(月) 22:12:15 ID:WMBV0oXG
「何かわかりそうか?」
「見ただけじゃなんとも……でも今まで見たことがないタイプだよ」
「初めて見るタイプってことか」
「うん、そうなるね」
「そうか……」
「でもそれだけに、色々調べがいがありそうだけど」
「今から調べられるか?」
「やってみるよ」
そう言うと青山は、デジタルカメラでそのカメラを撮り始めた。
「何してるんだ?」
「……見ての通り、デジカメでカメラを撮ってるんだけど?」
「そんなのは見れば分かるさ。それでどうしようってんだ?」
「うん、僕には分からないから、これを知ってるかもしれない友達に聞いてみるんだ」
「そのためにわざわざ、デジカメで……」
みなまで言わず、俺は口をつぐんだ。
青山の友達と言えば、ネットでの友達に決まっているのだ。
良く類は友を呼ぶとは言ったものだが、それはネットの世界にも当て嵌まるようだ。
いや、ネットの世界だから、なのかもしれない。
「しんちゃん入るね?」
その時、青山の姉貴が飲み物と菓子を持って、部屋に入って来た。
お盆をテーブルに置き、青山の姉貴は青山に向きかえる。
すると、たった今の今まで仕事人の顔をしていた青山は、途端に表情が曇った。
「何してるの? しんちゃん」
「……べ、別になんだっていいだろ……」
いつも何を考えているのか分からない、無表情な青山が、
明らかに困惑と、恐怖感を滲ませた顔をして見せた。
「もう。またお姉ちゃんに隠し事? いつも隠し事はダメって言ってるでしょ?」
青山の姉貴は青山とは対称的に、明らかに場違いな笑顔をして見せた。
「た、ただデジカメでカメラを撮ってるだけだよ……」
おずおずと答える青山に、姉貴はずいっと身をのりだす。
その様子はまるで、支配者が奴隷にするそれと同じだった。
「……そう、ならいいけど。分かってると思うけど、もう二度あんなのカメラに撮っちゃダメよ?」
「……あ、ぅ………う、うん……わ、分かってるよ………」
俺はこの姉弟に、ただならぬ雰囲気を感じた。
なんと言っていいのか分からないが、とても普通の姉と弟の関係には見えなかったからだ。
何か……ただならぬ何か……まるで……まるで一線を越えてしまっているような……?
そこで俺は思考をストップさせた。
馬鹿な。そんな漫画や小説みたいなことがそうそうあるはずもない。
俺はかぶりを振った。
「……ね、ねぇ……もういいだろ……友達が来てるんだ……」
いつものボソボソした喋り方。
青山がこんな喋り方なのは、もしかしたら姉貴が原因かもしれない。
「……そうね。まぁ、しかたないわね」
「………」
姉貴は俺の方を向き、ごめんなさい、ごゆっくり、と言い、部屋を出て行った。
「……く、九鬼くん」
「なんだ……?」
「……あ、その、……ご、ごめん……」
俺はただ肩をすくめ、
「気にしてないさ。お前も結構大変みたいだな」
と笑ってみせた。
以上です。
やっとぼちぼち自分が書きたかっとことを投下できました。
このまま、ストーカー編突っ走っていけたらなと思っていますm(__)m
乙〜
青山弟、前科とおしおき歴ありだなw
お疲れ〜
連載早いね〜
>>285 超GJ! ストーカー捕獲までまだまだかかりそうだな。
これ以上非エロを続けるなら、自サイトでやるかアプロダ連載にして欲しい。
誰かのフラストレーションが溜まりきる前に。
>>289 誰か って それお前だろ
別においらにはふらすとれーしょんなんて無いぞ。
って事で
作者様はこのまま投下して下さっても良いですよ。
何処かのアプロダなどで公開したら、スレが過疎化するだけですから。
・・・・・・
たった1人が仕切ってるんじゃねぇよ。そっちの方が、よほど苛立つってんだよ
・・・・・・
って、私としたことが。
>>1にもエロなし可とあるし
エロまで長かろうが無かろうが問題なしですよ>作者さん
自分は楽しく読まさせてもらってるんで、
作者さんの思う通りに話を進めて欲しいです。
GJ。
職人さんは職人さんのヤりたいように書いてください。
レスして下さった方、ありがとうございます
やはり反応があると書き手として、大変嬉しいです。
後エロシーンについては、とりあえずしばらくエロシーンはないです。
申し訳ないです。
ネタとしてあるので何卒ご容赦くださいませm(__)m
295 :
いつか見た夢:2009/04/22(水) 21:48:18 ID:7gVO4HUO
その後は、青山はまたさっきのイキイキとした目で、俺に色々なことを教えてくれた。
全く、学校で普段がこれなら、女の子からも嫌われることもないだろうに。
ま、内容は別として、だが。
「……ところで、九鬼くん。制服が破れてるみたいだけど」
「ああ、ちょっとな。どうってことはないさ」
俺の腕を見て、不思議そうに青山は尋ねる。
俺は、要所要所をぼかしながら説明したが、まさか殺されかけたなどと言えるわけはない。
「ふーん……」
もしかしたら、こいつは何も言わないだけで気付いたのかもしれない。
「それならさ、これを持っていくといいよ」
何やら警棒のような物を、青山は差し出した。
「まぁ……電気が流れるようになってるんだ」
「つまり、スタンガンっていうやつか……」
「……これなら、いざっていう時、武器になるよね」
「いいのか?」
「いいよ。その代わり……このカメラを僕にくれない?」
「別に構わんぜ。俺には不要なものだしな。何なら後二つ三つやってもいい」
「本当に?」
「ああ、何に使うかは知らんが、別に俺にはどうでもいいことさ」
それにいつまでも、部屋に置いておくことはできない。
沙弥佳がしょっちゅう部屋を掃除するためだ。
青山はそこはかとなく爛々と目を輝かせた。
「その代わり、なるべく早く調べてくれ。あまり時間があるとは言えないんでな」
「うん、分かった。早ければ明日明後日には、ある程度のことは分かると思うよ」
「明日明後日には、だって?」
「うん……やっぱり今日中の方がいい……?」
俺は首を横に振った。
「いいや。もちろん今日中だって構わないが、明日明後日だなんて、思ってる以上に仕事が速いぜ」
それは本当だ。
まさかそんなに早く、何か分かるかもしれないだなんて、思いもしなかったからだ。
こういうのことは、実際には四、五日で分かっただけでも早い。
ましてや、今までに見たことがないタイプの物であるにも拘わらず、だ。
それに俺はこの青山という小男を、信頼している。
確かに、クラスの周りの連中からしたら、根暗で裏じゃ何をしているのか分からないような、
この男のことを不気味だとか、危険なやつだとか言っているのは知っている。
もちろん、この俺もかつて初めて同じクラスになった時は、そう思った。
だが、こいつはただなんとなくつるんで、友達面して、いざという時には何もしてくれないような、
形だけの友達とは、俺は違うと考えている。
無理なことは無理とはっきり言い、できることはしっかりとやる。
自分の分相応というのを、この若さにしてはっきりと自覚しているのだ。
それに気付いた時、俺はこいつにはただならぬ敬意を抱いたものだった。
以来、俺の中で青山は、周りがなんと言おうが、気のおけないやつだと思っている。
もちろん、利用してないと言えば嘘になるが、こいつを巻き込みたくないと考えているのも事実だ。
296 :
いつか見た夢:2009/04/22(水) 21:49:32 ID:7gVO4HUO
そうこう考えているうちに、青山は先程のデジカメで撮ったデータを、パソコンに取り込んでいる。
カチャカチャとキーボードを叩き始め、何やら画面の向こうの友達とやらと、
文字で会話しているようだった。
「そいつがお前の言う友達か?」
少し意地悪げに言った。
しかし、青山はそんなこと気にもかけずに
「うん。もちろん彼以外にもいるけどね」
と、淡々と言った。
俺もブラインドタッチはできるが、青山はそれに加えてキーを叩くスピードが半端じゃなかった。
そして、おもむろにメールソフトを起動させ、先程撮ったデータを相手に送信したのだ。
「……これで良し。後は向こうが調べてくれると思う。他にも何人かにこの画像は、
送るつもりだから、もしかしたら入手経路とかも分かるかも……」
「そんなことまで分かるのか?」
「うん。でも必ずではないけどね」
もし入手経路が分かれば、それを購入したやつが分かるかもしれない。
そうすれば、あのストーカー野郎の面だって拝めるかもしれないのだ。
「それじゃぁ後は、お前に任すぜ?」
「うん、いいよ。他にも何か調べておくことはある?」
他にも、か………。
「……指紋とか……?」
「……指紋………さすがにそれは一日二日では無理だよ」
「一日二日では無理でも、何日かかければ分かるのか?」
「……多分。でも、それなりにヤバイことになると思うし……」
いくらヤバイ知識を知っていても、いざとなるとやはり怖いようだ。
まぁ、当たり前だろうが。
「分かった。その辺りまではやりたくないなら、やらなくてもいい」
「……ごめん。……でもなるべく善処するよ……」
「それじゃぁ何か分かったら連絡してくれ」
「……うん」
最後には、いつもの青山に戻っていた。
青山の姉貴が持って来た、飲み物や菓子を胃に収め、俺は早々に青山邸を出た。
ただ、青山の顔が、もう帰るの?みたいな顔をしていたのが気掛かりではあったが。
しかし、それも仕方ないというものだ。
何故なら、トイレを借りるために部屋を出ると、そこには青山の姉貴がいたからだ。
直ぐさま俺を見る顔が、先程までのお客さん向けの顔に戻ったが、
明らかに俺を疎ましく見ていたのは、隠しきれていなかった。
それを見てしまうと、さすがに早くここから出たいと思うのは、当たり前のことだ。
それに………あの姉弟は普通じゃない。
いや、正確に言うと姉貴が普通ではないのだ。
俺は、先程思い浮かんだ、一線を越えているんではないかと、再び思い返してしまった。
少なくとも、あれは普通の姉弟のする態度ではない。
そう、まるで姉のくせに、一人の女のように嫉妬しているみたいだった。
ともかく、あの姉貴には近づかない方がいいと、俺の本能が告げていた。
297 :
いつか見た夢:2009/04/22(水) 21:50:43 ID:7gVO4HUO
「カメラのことは、とりあえずは青山に任せるとして……」
これからどうするか。
気付けば、昼はとうに過ぎ、もう3時前になろうとしていた。
青山邸にかなりの時間、過ごしていたようだ。
「ま、腹も減ったし飯にするか」
俺は自販機でお茶を買い、駅に行く途中にあった公園で、遅めの昼食をとった。
まぁ……弁当には相変わらず………察してくれると助かる。
『まもなく○○に到着します。お降りのお客様は………』
電車内のアナウンスが、地元に帰ってきたことを告げる。
時間はすでに4時を過ぎており、駅は学校帰りの生徒達が多くいた。
これならば、怪しまれることもなく、改札を出ることができるだろう。
もう沙弥佳達も学校が終わっている頃だ。
この調子ならば、ちょうど良い時間に学校に着くことができそうだ。
難無く改札を抜け、一路中学校へと足を向ける。
妹達の学校の生徒達が、ちらほら歩いている。
もしかしたら、もう校門辺りで待っているかもしれない。
「えへへ〜♪」
案の定、沙弥佳達は校門のところで待っており、沙弥佳は俺の姿を目視するや、一目散に走って来た。
妹は、相変わらず頬を緩ませ、俺の腕にしがみついている。
綾子ちゃんは、それをほほえましく思っているのか、優しい表情を浮かべていた。
けれど、俺の破れた制服を見て、怪訝な表情をつくった。
「あ、あの九鬼さん……」
「ん? なんだ?」
「その制服………どうしたんですか? 朝は破れてなかったですよね?」
「あ、本当だ。なんで破れてるの? お兄ちゃん」
「んー、まぁたいしたことじゃない。危うく轢かれそうになって、ちょいと転んだだけだ」
嘘はついていない。
「えー!? だ、大丈夫!? 怪我してない!??」
「すりむいて、打ち身になった程度だって」
これも嘘ではない……出血もしたが、今はもう止まっている。
「そう……。ならいいけど……」
沙弥佳が上目使いで、心配そうに俺の顔を覗き込む。
綾子ちゃんも何やら考えているようで、顔をやや俯かせながら、申し訳なさそうにしていた。
「そう心配するな。もう痛みもないんだ」
そんな二人を見て俺は、苦笑せざるをえなかった。
298 :
いつか見た夢:2009/04/22(水) 21:51:35 ID:7gVO4HUO
翌日。
昨日から、いつもより早起きして沙弥佳と綾子ちゃんの二人を、学校まで送ることが日課となった。
もちろん、帰りも迎えに行くわけだが。
しかし、そうすることで綾子ちゃんが、少しでも気が楽になるというのなら、それで構わないのだ。
そのせいか、沙弥佳の言うところでは、うちに厄介になるようになってからというもの、
綾子ちゃんは少し変わったのだと言う。
俺には、どこがどんな風に変わったのかは分からない。
けれども、綾子ちゃんにたいして、俺も父性本能とでも言うのか、庇護欲とでも言うのか、
もやもやとしてなんとも言えないが、それらに近い感情が沸き始めていたのは間違いなく、
あのストーカー野郎にもたっぷりとお返ししないと気が済まなくなった今では、
綾子ちゃんといれば、その機会は必ず訪れるのだから、いうことはない。
「はい、席についてー。HR始めるわよー」
小町ちゃんの声で、HRが始まった。
今日は真面目に登校している。
とは言っても、昨日が特別だっただけで、いつも真面目に学校には来ている。
……ま、成績がいいというわけでもないんだが。
「今日も特別あるわけじゃないから、いつも通りな」
相変わらず、教師とは思えぬサバサバっぷりだ。
「それと、九鬼。あんたは昼休みあたしんとこに来るように」
「……はぁ。はいよ」
「なんだい、そのため息は。大体あたしの仕事場でサボり決め込もうなんざ、10年早いぞ」
「了解しましたよ、先生」
「ったく……これでもうちょっと成績が良くて可愛いげがあったら………」
………あったらどうしたというのだ。
昼休みになり、小町ちゃんのところに赴くべく職員室へ移動する。
斑鳩や、その他数名の男子から、妬みの視線を浴びながら教室を出た。
教室を出たところで、青山が声をかけてきた。
「……九鬼くん」
「ああ、青山か。なんだ、例の件もう何か分かったのか?」
「……うん」
「よし。職員室から戻って来たら、詳しく聞かせてもらおう」
「……分かった」
こいつもこいつで、相変わらず単語一言しか喋らないやつだ。
まぁ、欝陶しいのよりはマシだがな。
青山は、フラリと教室の中へと入っていった。
299 :
いつか見た夢:2009/04/22(水) 21:52:27 ID:7gVO4HUO
「……でだ、分かってるのか? 九鬼。お前はもっとしっかりやればなぁ―――」
「……はぁ」
小町ちゃんは弁当をつつきながら、かれこれ十数分に渡って、くどくどと説教をたれている。
(一体いつになったら終わるんだ)
第一、喋るか食べるか、どっちかにしてくれ、気になってしょうがない。
「だからな、お前はそうなんであって―――」
当然だが、説教など右から左だ。
この女教師は確かに美人だが、俺から言わせてもらうと、どうにも"女"というのを
いまひとつ感じられない。
本人の前では、口が裂けても言えないが、はっきり言ってオッパイキャラ以外の何者でもない。
やはり女というのは、綾子ちゃんみたいな………って、なんで綾子ちゃんがここに出てくるんだ。
「おい! 聞いてるのか、九鬼!」
小町ちゃんは更にヒートアップし、説教が終わったのは、予鈴が鳴った直後のことだった。
こうして俺は、昨日に続いて弁当を時間に食べそこねた。
教室に戻り、青山の姿を探したが、席を外していて見当たらなかった。
代わりに、斑鳩達からの質問責めを受けることになるなんざ、運がなかった。
一日の授業が終わり、俺は斑鳩達から声をかけられるが、手でそれを制し、青山のところへと向かう。
「よぉ、昼休みは悪かったな。思いの外、小町ちゃんの説教が長くなったんでな」
「……うん、それはいいよ。予想もしてたしね」
「そうか」
青山は頷いた。
「で、悪いが弁当食わしてもらいながら、話聞かせてくれ」
「……うん、いいよ」
俺はバックから弁当を取り出し、昨日に続いて遅い昼食をとりはじめた。
「で、どこまで分かったんだ?」
「うん。まずあのカメラは、今まで見たことがなかったと言うのは、言ったと思うんだけど」
俺は飯を食らいながら、頷く。
「それであれが最新のものであることは、予想がついてたんだ。だけど……」
「だけど……?」
「なんて言うのかな………どうも、あれは市販で売ってる物じゃないみたいなんだ」
「市販で売られてない?」
「うん」
青山は、この上なくはっきりと力強く声にした。
「じゃぁあのカメラは、一体どうやって手に入れたと言うんだ?」
「それはまだ分からないけど……ただかなり特殊なものみたいなんだ」
「どういう風に特殊なんだ?」
「まず、素材からして普通の監視カメラとは違うんだ。細かいことは省くけど、普通、
監視カメラってプラスチックであったり、ちょっと大きい物であれば鉄製の外殻で、
カメラそのものを被ったりするんだけど、あれはカメラそのものが既に、外殻でできてる」
「なんだと……?」
こいつは驚いた。
あのカメラは、そんじょそこらじゃ手に入れられない代物だったらしい。
俺はもはや弁当を食べること等忘れ、青山の話に耳を傾けていた。
「しかも、カメラそのものが、とてつもなく高性能なんだ。それにこれは友達とも話したんだけど、
同規模のカメラとしては、間違いなく世界で一番の高性能カメラだと思う」
300 :
いつか見た夢:2009/04/22(水) 21:53:25 ID:7gVO4HUO
「………」
自分が思っている以上に、話が突飛すぎて言葉を失ってしまった。
「おまけに、赤外線カメラモードまでついてて、もはやただの監視カメラの域を越えてるよ」
「……それじゃぁ、入手経路なんてもう分かりそうにないな………」
俺は椅子にうなだれてしまった。
折角こちら側からの最大の反撃材料になりかねないものだっただけに、ショックは大きかった。
「いや、まだ諦めるには早いと思う」
「まだ何かあるのか?」
「うん。あれだけ高性能で市販に売られてないと分かれば、かなり特殊な状況で作られて、
かなり特別なルートで流されたものなんだと思うんだ」
「……なるほど。闇のルートってやつか」
噂には聞いたことがある。
合法ではさばけないような代物を、高額でさばき、莫大な利益を生んでいるというのは、
前に本で読んだことがある。
その時は、半ば嘘のようにも思えたが、今はそれが実感となって理解できた。
最も有名で、最も悪質なのは、言わずと知れた麻薬だ。
「とりあえず、今分かってるのはこれくらい」
「ああ……すまんな、ありがとうよ」
「……いいよ。そんな高性能カメラが手に入ったんだから、安いよ」
「ま、ことが片付いたら後払いで、後二つやるよ」
その言葉に、青山は歓喜の笑みをこぼした。
青山と別れた後、話に夢中になって食べ忘れていた弁当を胃袋におさめ、足早に学校を出た。
斑鳩達が、終始俺と青山の話に、聞き耳を立て、まだかまだかと様子を伺っていたが、
俺は、連中の遊ぼうと言う誘いを断って教室を出てきたのだ。
(しかし……そんなものを、惜し気もなくストーキングの道具に使うなんてな)
青山の話を聞いた俺は、あの野郎のことを頭の中で反芻させていた。
だがこれで、ある程度の人物像は絞れるかもしれない。
そして、ただ一つだけ確信したことがある。
このストーカー野郎は、ただのストーカーではなく、とてつもなくヤバイ奴なのだということだ。
どこで手に入れたか知らないが、普通では手に入らないカメラを、少なくとも3台は用い(恐らくはそれ以上)、
対象に近づく者は、容赦なく攻撃し、あげくに対象を孤立させようとしているのだ。
事実、俺も一度は殺されかけたのだ。
だがな、ストーカー野郎。
例え、お前が最狂のストーカーでもな、あくまでお前はストーカーに過ぎない。
社会不適合者なのだ。
俺は、お前を許しはしない。
もし俺の周りの人間を傷つけてみろ、地獄の果てにだって追いかけて、お前をやってやるからな。
覚悟しておけよ……。
俺は一人、厳粛に誓いを立てた。
第6回は以上です。
作者は、今無駄に創作意欲がありますので、しばらくは投下ペースが早いと思われます
早すぎもいけないとあれば、セーブしながら投下いたしますので、ご一報くださいm(__)m
>>301 鉄は熱いうちに打て、ということで情熱のあるときに書くのは良いことだと思います。
他の作者様とのニアミスを防ぐために投下予告だけしてくだされば、大量投下大歓迎。
>>301 GJ、投下乙です
ただ、「市販で売られている」が若干不自然な気が…
「市販されている」か「一般に売られている」の方が自然かと
スレタイ見たときは正直キモい変態しかいないスレかなぁと思ったが、なんかここの住人ってけっこう紳士なんだな。
職人さんにアドバイスしたり。
あと、職人さんGJです。昨日今日で流し読みした者ですが、先が楽しみです
GJ!!
次回も楽しみにしてます。
続きが気になるなー
ところで姉スレと妹スレを両方見てる身としては
是非とも青山と姉の話を過疎ってるお姉さんスレでやって欲しい
まったくだ。青山姉が妹だったらここでやって欲しいくらいだ。
妙に背徳暗エロスが滲み出てて無視できないw
35 名前:Socket774 :04/10/28 12:55:57 ID:lSUt/0HR
勝手に飲まれなくなったのは今まで飲んでたやつが逝……ガクブル
新スレ立ったんで軽くネタ投下でも
先週の週末に義妹(になる予定の子)から電話掛かってきたんですよ
ずいぶん切羽詰った調子なんで、何事かと思ったらPCが起動しないとの事
週明けに提出しなけりゃいけない課題があるそうで、どうにかしてくれと泣きつかれますた
義妹(になry)のPCは、元々俺が以前使ってた自作機をバラのパーツ状態で譲った物で
組み立てからOSインスコまで全部自分でやらせたマシン。
トラブルは自分で解決するよう指導してきたおかげで、メモリ増設やらドライブ類の載せ換え
ビデオカード増設など全部自分でやるぐらいになってたんですが、手に負えず電話してきたらしい
電源かメモリあたりが逝ったかな?と思いながら箱を開けて中見るように指示すると
ママンの上のコンデンサがぽっこり膨れてる模様。
ソケ370のママンで保障期間なんかとっくに過ぎてるし、スペックもだいぶ厳しいようなことを以前
言っていたので買い替えを勧めてみたが、学生なんで金の余裕無し、課題は週明けにも出さなきゃならん
ということでちょっと半泣き
俺が何とかしてやるからとなだめつつ膨れてるコンデンサの容量とかを確認させていったん電話を切りますた
40 名前:Socket774 :04/10/28 13:08:51 ID:lSUt/0HR
続き
電話を切って、コンデンサのストックあったかな?とか考えてると何やら嫌な気配が
振り返ると彼女が泣いてるんだか笑ってるんだか怒ってるんだか判らんけどとにかくおっかない顔で
包丁かざして立ってますた
つーかどう見ても刺す気満々。腰抜かしそうになりながらもとりあえず謝りながらなだめておちつかせようともう必死
なんだかよくわからんけどとりあえず謝りたおしまくって、包丁から手を離させるのまで約一時間。
ちょっと外出するんで続きは夕方にでも
54 名前:Socket774 :04/10/28 17:17:48 ID:lSUt/0HR
帰ってきたので続きです
PC関連の知識がまったく無い彼女が、会話の中の端々の単語に『ママ(板)』だの(コンデンサーが)『妊娠』だの
(コンデンサーが)『膨れてきてる』だの聞こえてくるので思いつめちゃったわけで
義妹切羽詰った様子で電話してくる→『妊娠』だの『俺が何とかする』だのという会話→ぷっつーん
というコース・・・・・・
それから3時間ほど掛かってようやく完全に理解させますた
相手も理解できるとつい使い慣れた言葉で会話しちゃうけど、知らない人が単語だけ聞いたら相当誤解生むのが
身に染みてわかりますた。反省
んで翌日彼女の実家に義妹のPC修理に出かけて玄関くぐったら義母(になry)が
『ア ン タ ○ ○ に ま で 手 を 出 す な ん て ど う い う つ も り ! ?』
il||li _| ̄|○ il||li 親子で早とちりかよ…・・・
保守
さけ
レス下さった皆様、ありがとうございます。
嬉しくも、不備があったんじゃないかとドキドキしながら読ませて頂いています。
青山姉に関してまさかここまで、関心されるとは思いませんでした。
あくまで青山のキャラを浮かび上がらせるために作ったキャラでしたので。
そのため、青山姉弟の話は考えておりません。
ただ今後はわかりませんけども…。
また、
×→市販で売られている
○→市販されている
でした。
もう弁解の余地もありません…なんで気付かなかったんだorz
では、第7回投下します。
312 :
いつか見た夢:2009/04/24(金) 21:31:35 ID:bF40HAQ1
それから一週間がたつ。
ストーカー野郎は、今のところ不気味なくらいに姿を見せない。
奴の姿を見たのだって、たった一度きりだが、例のコールタールのような視線を、
ここ数日間、ただの一度も感じなかったためだ。
だがしかし、こういう時こそ油断してはいけないのだ。
この数日間は、言うならば嵐の前の静けさといったとこのはずだ。
計算高い奴のことだから、何か企てる準備をしているに違いないのだ。
この一週間は、こちらを油断させ、陥れるための準備と潜伏期間なのだ。
この期間が後どれほどなのかは分からない。
だが俺には、決して油断はないと思うんだな、ストーカー野郎。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「例のあやちゃんのストーカー……最近何も音沙汰なくなっちゃったけど、諦めたのかな?」
沙弥佳の言葉に、綾子ちゃんもこちらをうかがっている。
「まだなんとも言えないが……俺は諦めてなんかいないと思う」
綾子ちゃんは、もしかしたらと思っていたのだろう、その整った眉を眉間によせた。
「あれだけのことをするような奴だ、多分諦めることはないはずだ」
時間は遡るが、俺は誓いを立てた翌日、休日ということもあり青山を引き連れ、綾子ちゃんのうちに再び訪れた。
本格的に家の中にあるであろう、盗聴器や例のカメラを探すためだ。
青山は、俺にはよく分からない道具を使い、盗聴器を探し始めた。
沙弥佳と綾子ちゃんは、初めて会った青山に戸惑いはしたが、その内に打ち解けたようだった。
沙弥佳も綾子ちゃんも、元々人を外見だけで判断しないため、青山の仕事を興味深げに見ていた。
結果、家の中には、ほぼ一部屋に一つから二つもの盗聴器がしかけられていた。
例のカメラも、綾子ちゃんの部屋は言うに及ばず、二階のトイレや洗面所、脱衣所と風呂にあったのだ。
しかも、それらはうまくカムフラージュされ、青山の言うところでは、
完全に新しい物に取り替えられていたのである。
そして、その新しく取り付けられた物に、高性能カメラを仕掛けたのだ。
全く……あまりの徹底ぶりに俺はもはや、呆れてものも言えない。
当然、綾子ちゃんはそれらが見つかっていく度に、顔面を蒼白とさせていったのは、言うまでもない。
さすがの妹も、最初のように興味津々とは行かなかった。
綾子ちゃんの家を出て、再びうちにもどってきた。
もちろん、青山も一緒だ。
今度はうちを、例の機械を使って探索してもらう。
綾子ちゃんがうちに来てから、そういったものが仕掛けられていないと限らない。
それに、うちは綾子ちゃんの家に比べ、比較的侵入しやすい作りなのだという。
なるほど、ならばうちにもそれがないかどうか確かめてみたくなったのだ。
うちは昼間は、誰もいなくなりがちだ。
それを考慮すれば、しておくに越したことはない。
313 :
いつか見た夢:2009/04/24(金) 21:34:45 ID:bF40HAQ1
案の定、早速いくつか盗聴器がしかけられていた。
数そのものは、綾子ちゃんの家の比ではなかったが。
カメラも一応探してみはしたが、見つけられなかった。
カメラは、かなり徹底されたカムフラージュが施されていたことを考えると、
そう簡単に、取り付けられるものではないと言う。
青山は、一通りの仕事を終えると、俺に機械の使い方を教え、帰っていった。
俺は帰り際に、移動中に青山の姉貴が、なぜか事あるごとに視界に映っていたことを告げると、
綾子ちゃんに代わって、今度は青山が顔を青くしていた。
「……でも、とりあえず今すぐにでも、奴が何か仕掛けてくるとは思えないけどな」
二人を少しでも安心させようと言うが、そんなのは気休めに過ぎないのは分かっているつもりだ。
二人を学校に送り届け、俺も高校へと向かう。
青山に依頼した件も、まだ全容は掴めていないし、奴も何も仕掛けてこない。
正直、八方塞がりと言った状態だ、どうしようもない。
(とにかく、今は青山の結果待ちだな……)
俺は小さくため息をついた。
放課後、出ようとした教室で、青山によって呼び止められた。
「九鬼くん。ちょっといい?」
この数日、青山は人が変わったように思う。
まず、喋り方が前のようにボソボソとしたものではなくなった。
依然、小声ではあるが。
どうも聞くところによれば、彼女ができたということだった。
最初は、その話を聞いて羨ましいと思ったりもしたが、相手のことを聞いてゾッとした。
ショートパンツを履いた、溌剌とした年上のお姉さんだったという話だったからだ。
この先、こいつがどういう人生を歩むかは知らないが、決して穏やかなものではないと悟った。
「ん? おお……ここじゃちょっと無理そうな内容か?」
青山は頷いた。
今、掃除当番達が教室を掃除し始めようとしていたので、例の技術棟へと赴いた。
「ね、ねぇ……ここって入っちゃいけないんじゃなかったっけ?」
「まぁ、本当はな。でも結構大丈夫みたいだからさ」
俺達は、技術棟の屋上への扉がある場所まできた。
それにここなら、気兼ねすることなく話せると思ったからだ。
「例の件のことだろ? 話を」
聞かせてくれ、とまでは言えなかった。
「あなたたち、何してるの?」
俺達は、驚いて階下に目をやった。
そこにはあの女、藤原真紀があの時と同じく、そこにいた。
314 :
いつか見た夢:2009/04/24(金) 21:36:59 ID:bF40HAQ1
「とりあえずあのカメラのことだけど……」
あの後、藤原真紀に屋上の扉を開けてもらい、屋上で話を聞くことになった。
「どうもある大企業が依頼して作ったものらしいんだ」
「ZONYとかか?」
青山は首を横に振った。
「分からない。それ以上は無理だったみたいだから。でも、逐一監視する目的で作られたのは、間違いないよ」
「使ってみたのか?」
「試しにね。はっきり言ってただの監視カメラのレベルじゃないけどね、あれは」
青山が言うには、昔の劣化したビデオテープから、一気に最新のブルーレイにまで飛躍している程だと言う。
「……何か別の目的があって作られたってことか?」
「分からない。でも、友達も同じことを言ってたよ」
「まぁいい。問題はどうしてそんなものを、何台も奴が持ってたかってことだ」
「いくつか推測はたつけどね。そもそも、その依頼した企業の人間だったとか」
「……もしくは元々非合法のものを売りさばく売人、か」
「それもありうるね」
「本当に自分の商品なら、売らずにあんなことに使ったりするものかな?」
「どうだろ? でも、九鬼くんの言うストーカーなら、ないとも言えないかも」
確かにそうだ。
奴は、邪魔になった俺を殺そうとしたのだ。
利益うんぬんなんてものは、どうでもいいのかもしれない。
もちろん、それは推測の一つに過ぎない。
奴は、ただの客の可能性だってある。
「奴が客の可能性もあるよな?」
「ないとは言えないね。今だったら所謂株長者っていう人種もいるしね」
「なるほど。株で稼いだ金で、趣味の悪いことにつぎ込んでいるわけだ。全く、金遣いのいいこったな」
「それに、あれはかなり法外の値段がするみたいだから、一台だけならまだしも、
個人で何台も所有するには、相当なお金が必要なのは間違いないよ」
青山が数秒考えて、口を開きかけたとき、真紀が口を挟んだ。
「それはどうかしらね」
「なんだ? ……部外者が口挟むもんじゃないぞ」
「そうね。でも考えが纏まらない時こそ、第三者の意見も取り入れるべきじゃない?」
「あんた、話聞いてたのか」
「別に聞きたくて聞いてたわけじゃないわよ。たまたま耳に入ってきていただけ」
青山は、どうもこの女が苦手のようだ。
俺だって正直、あまり好きではない。
「……そうかい。で? その第三者の意見ってのを聞かせてくれよ」
「あら、聞く気になったの?」
「あんたが言い始めたんだろ。さっさと言いなよ」
「もう。せっかちね。まぁいいわ。あなたたち新聞は読む?」
「一体なんの話だ。俺はそんなことこれっぽっちも聞いてないぞ」
「いいから。新聞は読む?」
「ちっ……読むけど、それがどうした」
青山もそれに肯定する。
「新聞って、いかに早く、いかに正確に情報を伝えるかというのが、役割よね」
俺と青山の顔を交互に確認して、話を続ける。
315 :
いつか見た夢:2009/04/24(金) 21:41:12 ID:bF40HAQ1
「でもね、その情報がもし必ずしも本当でなかったら? 起こった事柄が本当でも、
その内容が歪められていたら? ……そう考えたことはない?」
一体何が言いたいのだ、この女は……。
「誰かに意図的に、情報操作されてると言いたいのか?」
「まぁ、そうなるかしらね」
真紀は、俺の目を見据えながら言った。
「……ない……とは言えないと思う」
「おいおい。青山はこんな女の言っていることを、信じると言うのか?」
「もちろん、全て信じているわけじゃないけど、例えば内容をぼかしたりなんかはあるかも」
「内容をぼかす………?」
「うん。こういった情報操作なら、現代に限らず、昔から行われてることだしね。歴史だってそうだよね?
実際には違ってもその時代の権力者によって、良いように歪められてる部分って結構あるからね」
「た、確かにそうだが……」
かと言って、それを今当たり前のように言われても俄かに信じがたい。
「それで君は……それが今回のことと何かが関係してると?」
青山が、遠慮しがちに真紀に問い掛ける。
「つまり、入手方法よ。必ずしも売人だとか客とは限らないでしょ?」
「なんだそれは? だとしたら後は盗っ人くらいしか考えつかないぞ」
「ちゃんと分かっているじゃない」
真紀は、薄く笑いを浮かべた。
「おいおい、だとしても、どうやって盗み出すってんだ。第一、それと新聞の話がどう繋がってるってんだ?」
「さあ? それは調べないと分からないわよ。あくまで他にもやり方があるんじゃないって話でしょ」
……本当にこの女とはやりづらい。
しかし青山は、手を顎にあて、何か考えているようだ。
「一般にはで手に入れられない…盗っ人…情報の隠蔽…」
……なんなんだ、一体。
青山は深く考え出すと、人の呼びかけにも反応しなくなる癖があったようだった。
俺が何度も呼びかけても、反応しなかったからだ。
しばらく一人考えていた青山が、ふいに俺に話しかけてきた。
「九鬼くん。綾子ちゃんがストーカーされるようになったのっていつ頃から?」
「俺も詳しくは知らないな。それと何か関係があるのか?」
「ちょっと調べてみようと思って。帰ったら綾子ちゃんに聞いてみてくれない?」
「……何だかわからんが、聞いておいてみよう」
「ありがとう、大体でいいから。とりあえず分かったら連絡してほしい」
「分かった」
真紀は何か気付いているのか、ほくそ笑んでおり、青山は青山で、何を考えてるのかさっぱりだった。
俺一人だけ理解していないのは、なぜこんなにまで疎外感を感じるのだろう……。
316 :
いつか見た夢:2009/04/24(金) 21:42:16 ID:bF40HAQ1
青山達と話しているうちに、時刻はすでに16時を大きく回っており、中学校に着く頃には、17時を過ぎそうだった。
「もしもし、沙弥佳? 悪い。今からそっちに行くから、もうしばらく待っててくれ」
『もうお兄ちゃん遅いよー』
「悪かったって。そん代わり、帰りにうまいもん奢ってやっから」
『本当!? だったらキシマイ堂のパフェがいいな〜』
「よりによってあそこのかよ……あそこ美味いけど、高いんだよな……」
『でもお兄ちゃん、おいしいの奢ってくれるって言ったよね?』
「い、いや、そうじゃなくて、別にあそこのじゃぁなくても良くないかって意味だ」
『私と綾子ちゃんはキシマイ堂のパフェが食べたいのです』
「綾子ちゃんもって……絶対口からでまかせだろ……」
『それはどうかな〜? はい』
『あ、あの……わ、私もキシマイ堂のパフェ食べたいです……』
なんということだ。君もか、綾子ちゃん……。
『へっへっへ〜。2対1だね〜お兄ちゃん!』
「くっ……後で覚えてろよ」
俺は妙な敗北感を覚えながら、電話を切った。
現在17時半を回ったところだ。
俺達は今、キシマイ堂というカフェにいる。
この店は、カップル達の間で有名な店で、なぜか特定のカップルがここで特定の物を頼むと、
既成事実を作ることができるらしいのだが、何の既成事実であるかは、俺は知らない。
まぁ、良くあるジンクスというやつなんだろう。
そして、なんとあの青山の姉貴がここでバイトしていたのには、驚いた。
接客の際、ありがとう、あなたのおかげです、なんて意味深なことを言われたら、なおさらだ。
本能が深く追及するなと告げていたので、何も言わないでおいたが。
「えへへ〜いただきま〜す♪」
「あの、九鬼さん、いただきます」
「どうぞ。いただいちゃってくれ」
二人は、特大パフェを二人で食べるつもりらしい。
はっきり言って、俺には例え二人でだとしても食べ切れる自信はない。
まぁ、それくらい大きい。 まさに特大である。
目の前の美少女二人は、そんなのどこ吹く風と言わんばかりであったが……。
とはいえ、これで聞きにくいことも、聞きやすくなると言うものだ。
「なぁ、綾子ちゃん。ちょいと聞きたいことがあるんだが」
「はい?」
綾子ちゃんは手を止め、体ごとこちらに向けた。
当然一旦スプーンを置き、口を拭いている様は、とても優雅で一分の隙もない。
「綾子ちゃん、ストーカーされているように気付いたのっていつくらいか覚えてるか?」
「え? ……そうですね。3、4ヶ月程前からでしょうか……」
「4ヶ月前か……すまん、ちょっと電話してくる。すぐに戻るよ」
「はーい。いってらっしゃーい♪」
……妹よ。もう少し、綾子ちゃんを見習ってくれ。
317 :
いつか見た夢:2009/04/24(金) 21:45:47 ID:bF40HAQ1
俺は、携帯を取り出しながら店内を出る。
『……もしもし』
「よぉ。今聞いてみたんだが、気付いたのは4ヶ月くらい前かららしい」
『4ヶ月前か……』
「なぁ、お前さん、さっきもそんなだったが、一体何を考えてるんだ?」
『うん、ちょっとね。まだ確信できていないし、なんとも言えないけど、ストーカー正体が掴めるかも』
「ストーカーされてるのに気付いた時期がそれに必要だってのか?」
『うん。正確には、その期間前後に、ニュースで何か起こってないか調べたくて。
それに今回の事件は、結構根が深いような気がしてね……』
正直、そいつは考えすぎなんじゃないかと思うが、口にはしなかった。
「分かった。後何か聞いておかなくちゃならないことはないな?」
『特にないよ。結果はすぐにでると思うから、明日にでも学校で』
「相変わらず、仕事が早くて助かる」
むしろ、早すぎのような気もするが、それは本当だ。
「それじゃぁ、明日、詳しく聞かせてくれ」
『分かったよ。それじゃあまた明日』
俺は電話を切って、店内に戻って行った。
「よぉ青山。調べついたか?」
翌日の放課後、俺は青山を技術棟の屋上に呼び出した。
不本意ながら、藤原真紀も一緒だ。
「うん。やっぱり持つべきは友だね。かなり面白いことがわかったよ」
青山が、持つべきは友だなんて言うと、笑えてしまうのはなぜだろう。
「ふむ。どんなことが分かった?」
「まず、もう5ヶ月くらい前の話なんだけど、K県Y市でトラックによる交通事故があったんだ。それも単独事故」
「単独事故?」
「もちろん、事故そのものは決して珍しいものではないんだけど……中身がね」
「なんだったんだ?」
「うん……当時の記事には、デジタル機器としか書かれていなかったんだけどね……ここからが、
友達に頼んで調べてもらったんだけど、どうもただのデジタル機器ではなくて……」
「あのカメラだって言うのか?」
つい力んでしまい、凄んでしまった。
青山は、ややためらいがちに頷く。
「確証はないよ。でも、最新のカメラであったことは間違いないみたい。
それもかなり小型のね。話を聞く限り、それしか考えられないんだよ」
青山が続ける。
「そして、そのトラックの運転手が謎の失踪をとげてる」
「行方不明?」
「おかしいでしょ? しかも大した記事にはなってないんだよ。テレビにもなっていないし、当時の記事も、
扱いがすごく小さかったし。事故ってだけで、少なくともその日のニュースくらいにはなるはずなのに」
言われてみれば確かにそうだ。
「確かにおかしな話だ。おまけに運転手が行方知れずときたら、普通ならワイドショーのいいネタになるはずだしな」
「ワイドショーどころか、翌日のトップニュースだってありうるよ」
青山の言葉に、俺は頷いた。
なぜかその時、漠然と俺に不安がよぎった。
318 :
いつか見た夢:2009/04/24(金) 21:47:33 ID:bF40HAQ1
「それにね、事故の対応も凄く不審なんだよ」
「どういうことだ?」
「普通事故があれば、必ず警察が来るよね?」
「ああ。昔、自転車に乗ってるときに原付きにぶつけられたことがあったが、その時にだって来た」
「そう、よほど小さなものじゃない限り、警察は来るものなんだけど、この時は、
警察の前に別の人達が来て、対応したらしいんだ」
「別の人達だと? なんなんだ、その別の人間ってのは」
「残念だけど、そこまでは……ただ、トラックの中身と運転手を探してたのは、間違いないみたい。
その人達が帰って、警察が来たみたいなんだけど、どうもその人達が警察に連絡させなかったみたいなんだ」
それは珍妙な話ではないか。
まるで警察が来る前に、撤収しなければならない理由でもあったのか?
「その事故のあった近辺に住んでる人達に、友達がわざわざ聞いてくれたみたいでね、
この辺の話は、信憑性を持っていいと思う。
おまけに、そのトラック、どうもタイヤが破裂したみたいになってたって話だよ」
「なるほどな。でもな青山。そいつと今回のストーカーとどう結び付くというんだ?」
「うん……実はね、九鬼くんからもらったカメラから指紋が出てきたんだ」
「まさか本当に、指紋まで特定したのか?」
「あ……ま、まずかったかな、やっぱり」
「いや、そんなことはない。ただ、あまり乗り気じゃぁなかったろう? だからな……」
そう、まさかこの青山が、そこまでのことをしてくれるとは思わなかったのだ。
「……で、データベースにアクセスしてみたんだけど」
「何かひっかかったのか?」
「………うん」
青山が、妙な間をおいて肯定するが、何かが納得いかないといった風だ。
「……その、はっきり言うと……その指紋の人物はすでに、死んでる………みたいなんだ」
「………なんだって?」
多分、この時の俺は、間抜けな顔をしていたことだろう。
青山が口にしたことは、それほどに予想だにしなかったことだった。
その男の名は、蒲生義則(がもう よしのり)というらしい。
「おいおい、まさかお前は幽霊がストーカーしているとでも言いたいのか?」
「まさか。僕は幽霊は信じているけど、それとこれは全く別と思ってるよ」
だとしたら、最近やつが現れないのももしや死んだからなのか?
しかし、こうも都合良くこのストーカー野郎が死ぬだろうか。
「そいつが死んだのはいつかは分かるか?」
「もちろん。すでに1年以上前に死んでるよ」
もしやとは思ったが、やはり違ったようだ。
だが、この蒲生という男が何かしら関わったと思われる代物が、こんな犯罪に使われていたのだ、
こいつは、色々と調べてみる価値はあるようだ。
「………確か、指紋というのは3〜4年なら、残ると聞いたことがある。
そいつが最後に触ったのが1年前だとしたら、何か関わった可能性は?」
「ないとも言えないね。でも結局は、なんの打開にもならないかもしれない……」
「……そうだな、お前の言う通りだ」
結局は、直にあの野郎を捕まえないとなんの意味もないのか。
ここで今まで黙っていた真紀が、口を開いた。
「……あなたたち、さっきからすごく面白いこと言っているけど、
単純にその人が関わった人を調べれば良いと思わないの?」
「「あ………」」
俺と青山は、そんな単純なことにも気付かないほど、冷静ではなかったようだ。
今回分の投下は以上です。
また早ければ、日曜に投下できそうです。
少しでも面白いと思って頂けるよう精進いたしますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m
おつ〜
だんだんサスペンスが深まってきましたなぁ ノってるウチに書ききってしまうのが吉だぞ
投下乙です
というか、指紋データベース漁れる青山はいったい何者なんだよww
キシマイ堂を見た瞬間にキモウトスレかと勘違いした。
投下乙。
レスして頂きまして、ありがとうございますm(__)m
青山はやればできる子なんです。
生暖かく見守ってやってください。
では予告通り8回投下したします。
325 :
いつか見た夢:2009/04/26(日) 22:18:58 ID:DaQRkgak
結局、あの後作戦会議は終わり、俺達はお開きとなった。
青山が例の彼女とデートの約束があるらしく、帰らなくてはいけなくなったからだ。
青山が去った後、真紀が、人って見かけによらないのね、と言ったのが、なぜか印象的だった。
続けてあの女狐は、こともあろうか、俺をデートに誘ったが、丁重にお断りしておいた。
いくら恋人が欲しいと言っても、俺にだって多少は選ぶ権利があるというものだ。
ともあれ、今探るべきことは、カメラに付着していた指紋の持ち主である、
蒲生という人物の人間関係や、仕事、とにかくあらゆる情報だ。
すでにストーカー野郎が、俺達の周りをうろつかなくなって丸一週間以上。
そろそろ何かしてきても、おかしくないはずだ。
一刻も早く、何かしら奴に繋がりそうな情報が欲しい。
今にして思えば、一度奴と対峙したときに、是が非でも追いかけておくべきだったかもしれない。
何もかも手遅れになってしまっては、何の意味もないのだ。
手札が何もない今、焦っても仕方ないとは言え、どうしても焦りが出てしまう。
とにかく今は、青山に任せるしかない。
俺は俺で、自分が今できることをするべきだと、自分に言い聞かせた。
『………!』
『さや………待ってろ、いま……!』
なんだ?
今俺は夢を見ている。
それは自分でも、はっきりと分かる。
『……いちゃん……ごめ……』
よく聞き取れない。
なんだ、何と言っている?
『お兄………私…………ゃんのこと……』
なんだ? 今なんと言った?
―――直後に轟音が鳴り響いた。
「………ってぇ……」
俺は、いつもと違う目覚めの感覚に、目を醒ました。
体を起こし、周りを見回す。
「……おれの部屋……だよな」
目を醒ますと、自分が今ベッドではなく、床にいることに気がついた。
ベッドから落ちて、どうも体をぶつけたらしい。
頭はどこも痛みを感じなかったので、頭はぶつけなかったようだ。
のそっとベッドに潜り込み、枕元にある時計を見ると、まだ6時半を過ぎたところだった。
「後10分か15分もしたら沙弥佳が起こしにくるな……」
まだ覚醒しきっていない頭で、ぼんやりと天井を見ながら呟いた。
326 :
いつか見た夢:2009/04/26(日) 22:23:46 ID:DaQRkgak
(沙弥佳か……)
俺は、さっき見た夢を思い出だしていた。
さっきの夢はなんだったのだろう。
まるで、壊れかけたテープのように、音が途切れ途切れになっていた。
そもそも夢の中で音があったこと自体、珍しいことではあるが。
ただ俺と沙弥佳が何かに巻き込まれて、危険な状況であったということしか、分からない。
そして、沙弥佳が最後に言おうとした言葉……。
カチャ
突然、部屋のドアが控えめに開かれると、沙弥佳が入ってきた。
「お兄ちゃ〜ん……って、まだ寝てるよね」
なぜかその時俺は、寝たふりをしてしまった。
(何をしているんだ、俺は)
「えへへ〜お兄ちゃんの寝顔だぁ……やっぱり可愛いな」
沙弥佳は俺の頬を、指で軽く撫でる。
「お兄ちゃんのこんな顔見れるのも、私だけの特権だもん………」
何か、いつもと違う感じがした。
そもそも、この時間に自分から目が覚めるということ自体ないのだから、
妹が朝俺の部屋に来て起こす前のことなど、知る由もなかったのだが。
「お兄ちゃんは知らないと思うけど……今、学校でお兄ちゃんって女の子の間じゃ有名なんだよ?」
女の子に限らず、そりゃぁそうだろうな。
学校まで、両手に花なのだ。
おまけにその二人は美少女で、俺は高校生だ、目立たぬはずはない。
「いつもクラスの女の子達から紹介してって言われてるんだよ………お兄ちゃんのこと何も知らない癖に……
お兄ちゃんの外見だけで、中身なんて全然見てないような薄汚い子達になんか、紹介できるわけないのに」
本当、馬鹿だよねと付け加える。
……なんだろう、この感じは。
「あやちゃんは本当に私の友達だったから紹介しただけなのに、調子に乗って私にも私にもだなんて……」
沙弥佳は、寝ている俺の体にしな垂れかかってくる。
正直、今ここで起きた方が良いような気がしたが、タイミングを逃してしまった。
「でも最近………お兄ちゃん、私のこと見てくれる時間、すごく減った」
今起きてすぐにでも、そんなことはないと言いたかったが、理性がそれを拒んだ。
「………お兄ちゃん、最近あやちゃんのことばかり見てるよね………ねぇ、なんで?
それに………私が話しかけてもどこか上の空で、何かいつも考えてる……それがすごくつらいよぅ……」
まるで俺が起きていることを、悟っているかのように話す沙弥佳に、一瞬バレたかと思った。
「ねぇ……もっと私のことも見てよ……あやちゃんばかりじゃイヤだよ………それにお兄ちゃん、
他にも別の女の子の匂いがするよ………学校でお兄ちゃんに近づく泥棒猫がいるの?」
その独白であるはずの問い掛けに、俺はドキリとしてしまった。
「お兄ちゃん……?」
いかん、起きていることがバレたか?
仕方ない、起きたふりをしてやり過ごすしかないか……。
「ん………重いぞ」
「あ……」
沙弥佳は目に少し涙を滲ませていた。
急いで、それを拭う。
327 :
いつか見た夢:2009/04/26(日) 22:26:33 ID:DaQRkgak
「えへへっおはよ、お兄ちゃん」
「ん……おはよ、沙弥佳。……目、どした?」
白々しい嘘だ。
だが、気付いたと思わせてはいけない。
「え! あ……な、なんでもないよ! ちょっと目にゴミが入っちゃって!」
「ん……そうか。とりあえず出てってくれ、着替えるから」
しかし、いつもならこの台詞の後は哀しい顔をするはずが、今日は笑顔だった。
それが余計に痛々しく見える。
「うん、先に下行ってるから」
沙弥佳は、笑顔のまま部屋を出ていった。
俺はなんともやりきれない思いになったまま、制服に着替えた。
「面白いことが分かったよ、九鬼くん」
放課後、青山が珍しく興奮気味に話しかけてきた。
俺達は、また例によって技術棟の屋上に来ている。
藤原真紀は、待ってましたと言わんばかりに扉の前にいた。
聞けば、なんとなくよと短く、愛想もなく答えた。
この女に愛想があったとしても、それはそれであまりいい気持ちにならないだろうが。
「まず、蒲生義則についてだけど、製薬会社の営業マンだったみたい」
「営業マン……サラリーマンか」
「それもかなりやり手だったみたいだよ。しかも、その蒲生義則の勤めてた会社がK県のY市にあるんだ」
「Y市? 確か例の事故があった場所だな」「そう。それで蒲生義則は、やり手だった分、周りと良い人間関係を築けてなかったみたい」
「まぁ、よくある話だな」
俺は頷きながら、先を促す。
「いや……ちょっと違うかな? 蒲生義則はむしろ、その仕事ぶりが嫌われる要因だった感じかな」
「グレーゾーン商法ってやつか……でも、人によっちゃぁ稼げてるんなら、それでいいって奴もいたんじゃないか?」
「うん………いなかったことはなかったと思うよ」
「いなかったことはなかった? 何か含みのある言い方だな」
「……蒲生義則に肯定的だった人は、何人も死んでるみたいだから」
「死んでる……?」
こいつはいよいよきな臭くなってきた。
指紋の人物は死に、それに関わり(しかも肯定的な人間)を持った連中も仲良くあの世行きとなれば、
さすがの俺でも怪しいと思うし、興味もわくというものだ。
「それもかなり不自然なね。ある人は列車との事故で、またある人は車との正面衝突で……他にも水難事故だとか。
とにかく事故が起こりそうもない状態で起こってるんだ。水難事故に至っては、別に嵐でもなかったのに転覆してる」
俺は言葉も発さずに、青山の説明を聞いていた。
「最も不審だったのは、今川という人なんだけど……殺されてる……みたい」
「殺人……?」
「それも首をこう、たった一かきで………」
青山は、自分の首を切ったようなジェスチャーをしてみせる。
「……それでお前は、他の人間がどうなったかも調べたというわけか」
「うん。詳しい話は長くなるからやめるけど、皆事故に見せかけて殺されたんじゃないかと思ってる。
証拠がありありであるにも関わらず、事故として発表されたって感じだからね」
青山はかなり興奮していたようで、一旦深呼吸して気持ちを鎮めている。
328 :
いつか見た夢:2009/04/26(日) 22:30:23 ID:DaQRkgak
「しかも、それらの事件は全て、蒲生義則の死亡後にあったってこと。まるで蒲生義則の亡霊がやったみたいにね」
「製薬会社の営業マンが、何故カメラを持ってたか……ってこともだな」
「きっと蒲生義則も死んだ……いや、多分殺された理由はあのカメラにあるんじゃないかと思う。それで……」
青山がまたも珍しく、こちらを上目使いに伺ってくる。
多分、こいつのこんな仕草は、そういう趣味の女にはたまらなく感じさせそうだ。
「なんだ?」
「……そのさ、行ってみない?」
「どこにだ?」
肝心の主語が抜けていてさっぱりだ。
「だから……蒲生義則の家にだよ」
きっとこの時、俺の目は点になっていたはずだ。
さて、青山の提案で来ることになったわけだが。
「紹介するよ、九鬼くん。僕の友達の徳川さんと織田さん」
駅で待っていると、青山が二人の男を連れてきた。
徳川と呼ばれた男は、俺よりも10cmは高く、190近くあるだろうか。
けれども、ひょろひょろでまさに骨と皮だけと言った感じだ。
もう一方の織田と呼ばれた方は、身長こそ俺が勝るが、かなりがっちりとした体格をしており、
短髪モヒカンの頭とどこか聡明さを佇ませた顔は、爽やか好青年といった印象だ。
実際に、織田は紹介された後、自ら握手をもとめ手を差し出してきたほどだ。
「で、こっちが今回の依頼主の九鬼くんです」
青山が二人に俺を紹介する。
「九鬼です。今日はよろしく」
「話は聞いてる。何やら危なげなことに首突っ込んでるみたいだね」
織田は印象通り、爽やかとした口調で話しかけてきた。
「いや、突っ込んだというより、巻き込まれたが正しい、かな?」
「九鬼くん。この二人が今回の主な情報提供者なんだ。二人ともこういうヤバ気な話は好きだから、
今日は一緒に行動することになったけど、構わないよね?」
「構わないも何も、もう連れて来てるだろ。それに、助かりますよ」
俺は二人を見て、軽く礼をした。
「いや〜気にしなくていいよ。僕らも片足半分突っ込んでるしねぇ」
片足ではなく、さらにその半分というのは、突っ込んだ方がいいのだろうか。
徳川の話し方は、所謂オタクっぽい話し方だ。
それに青山を加えたトリオは、なるほど、なかなか世の中うまい具合に出来ているようだ。
「君からの話を聞いたとき、またただのストーカー事件だと思ったんだけどね」
織田が、初対面の時以上の爽やかさと、興奮気味な口調で喋る。
見た目だけではやはり人は判断できない。
この男もやはり、青山と同じ人種なのだと痛感した。
「何やらきな臭い方向に行ってるし、俺のジャーナリストとしての魂がこう、なんかね!」
俺は、愛想笑いを浮かべながら、この男の話に聞いていた。
まぁ……言わずもながら、いつものごとく右から左だが。
今俺達は、K県K市にあるという、蒲生が生前住んでいた家に向かっているところだ。
その間、織田という男のどうでも良い話を延々と聞かされた。
ぱっと見は女の子受けしそうなものだが、これでは駄目だろう。
329 :
いつか見た夢:2009/04/26(日) 22:33:33 ID:DaQRkgak
見れば、青山も少し引いてしまっていた。
ただ、一つだけ彼の言っていたことで、頭の片隅に残っていることがある。
それは俺の名前のことだった。
「へぇ、九に鬼で九鬼かぁ。カッコイイじゃないか。知ってる? 九というのは、すごく強いとか、
最上といった意味が含まれていることがある。空想上の生き物で、九尾の狐というのがいるんだが、
これも非常に強いといった意味があると言われてたりするんだ。古今東西なぜか九というのには、
同じような意味で表されることが多い。南米アンデスの神話にも、ビラコチャと呼ばれる創造神が、
やはり屈強な戦士の神を九人引き連れていたっていう話もあるんだよ。同じ神話でエジプトの神話でも、
やっぱり初期の九柱神が最も偉大な神であるとされているしね」
このくだりだけは覚えていた。
それ以外は、全く覚えていない。
そんな話を聞いているうちに、目的の場所である蒲生の家に着いた。
蒲生の家は一軒家だった。
聞けば、家族がいたわけでもないのに、一人こんな家に住んでいたのか。
俺は、この家になぜか漠然とした違和感を感じた。
家主であった蒲生が死に、すでに1年は経っているはずなのに、この家はまだどこか活気を感じたのだ。
この家は、もういない主人を未だ待ち続けているような、不思議な佇まいを感じさせた。
織田が、門に手をかけ、敷地へと入っていく。
俺達もそれにならって、敷地内へと足を運ばせる。
「ここからは、なるべく話さないようにしよう。静かにしないと近所に声なんかあっという間だ」
俺達は頷いた。
ここは清閑な住宅街だ。
場合によっては足音だって響く。
「まずどうします?」
徳川が、織田に問いかける。
「ま、ここはまずは普通に正面からいきましょう」
織田が、呼び鈴を鳴らす。
電気を使わない、古いタイプの呼び鈴だったため、家の中で音はあまり反響しない。
もう一度鳴らしたが、反応はなかった
「こういう古いタイプの家なら、裏に勝手口があるはずだが……」
織田は、俺達にそこにいろとジェスチャーし、足音を偲ばせながら裏へと廻っていった。
青山と徳川は、そわそわと落ち着かなさそうだ。
人に見つからないかと、周りをキョロキョロと何度も伺っている。
はっきり言って、まんま挙動不審者そのものだ。
そう、1年は空き家のはずなのだが、とてもそんな風には感じられない。
そもそも、ここは蒲生の親の代から住んでいたらしく、蒲生が死んでからもう誰も住んでいないはずなのだ。
俺より一足早く入った織田も、その違和感に感づき、話しかけてきた。
「なぁ……この家、なんか変だよな」
「……ええ、まだ生活感を感じますね」
遅れて入ってきた、青山と徳川もやはり同じことを思ったようだ。
「い、一応靴脱いだ方がいいかな……?」
徳川が馬鹿みたいなことを言うが、無視した。
330 :
いつか見た夢:2009/04/26(日) 22:34:34 ID:DaQRkgak
「とりあえず、一階と二階とに二手に分かれようか」
「その方がいいでしょうね。あまり時間があるとも限らないですし」
「良し。じゃあ僕と徳川君、君と青山君に別れようか」
「俺達は二階を見てきます」
俺の言葉に、織田と徳川は首をふった。
台所を出て、階段を上り二階へと上がる。
階段はギシギシと音を軋ませ、実はかなり老朽化しており、崩れたりしないだろうかと心配になる。
二階はわずか6疂程の部屋が、二部屋とドアが閉まっているため、広さは分からないが、計三部屋あった。
「じゃぁ、お前はこの部屋な。俺は隣を調べる」
青山は頷くものの、どこか頼りなさげだ。
もしかしたら、不法侵入で捕まったりしないか等と考えているのかも知れない。
「そうビクビクするなってな。簡単に調べるだけでいいんだ、時間はかからんさ」
「う、うん」
そう言って青山は、目の前の部屋へと入っていく。
俺もその隣の部屋へと移動する。
この部屋には、古ぼけた箪笥とさらに年季の入った、小さな机が置いてあった。
蒲生はずっとこの家で育ち、両親が死に、さらに自分が死ぬまでこの家で暮らしていたという。
この古ぼけた家具はもしかしたら、両親、それも父親が使っていたのかもしれない。
俺は箪笥を開き、何か入っていないか見てみたが、何も入っていなかった。
次に机も見たが、同様だった。
押し入れの中も覗いては見たが、やはり何もなかった。
(もしかしたら、ここはガキどものたまり場かなんかだったりしてな)
俺はそんなことを考えて、一人苦笑する。
「この様子じゃぁ何かあるとも思えないが……」
ドアの閉まった部屋を調べるため、ドアの前まできた時、なぜか俺は強烈な何かを感じた。
(なんだ……? ……何か変だ)
なるべく音を立てずにゆっくりと、ドアのノブへと手をかけ、やはりゆっくりとした動作でノブを回していく。
俺の本能が、何か危険だと警鐘をならす。
ゆっくり、ゆっくりとドアを開けた、その向こうに―――奴がいた。
戦慄した。
俺はこのうえなく戦慄した。
なぜ奴がここに? どうして? 鍵は? どうやって中に?
俺は混乱していた。
奴はあの時と全く同じ格好をして、俺の目の前に立っているのだ。
331 :
いつか見た夢:2009/04/26(日) 22:37:15 ID:DaQRkgak
そんな俺を前に、奴は一歩踏み出す。
俺は全く動けない。
この時にはすでに、次にすべき行動は決まっていたが、体はそれに反し、全く動けなかったのだ。
人は目前の恐怖に対峙した時、動けなくなると聞いたことがあったが、まさにその通りであった。
蛇を目の前にした蛙と言ってもいい。
とにかく、逃げなければならないのに体が動いてくれない。
それは、死への恐怖だ。
奴は俺を殺そうとしたのだ、今回だってきっと……いや、間違いなく殺そうとするだろう。
(こ、殺されるのか? 俺は今ここで死んでしまうのか?)
俺の何mか後ろでは、青山がまだ部屋を調べている。
声を出せば、助けてくれるかもしれないし、声を聞いて下の連中だって来てくれるかもしれない。
だが、たとえそうだとしても、助けが間に合うか?
俺は、また一歩ゆっくりと近づいてくる奴の黒の手袋をはめた左手に、ナイフを持っているのに気付く。
まずい…。
まずい……!
奴は冗談抜きで俺を殺そうとしている。
奴の持つギラつくナイフが、俺の理解を超え、直感としてその殺意を感じとる。
一歩一歩、スローモーションのような動きで俺に近づいてくる。
逃げなければ!逃げなければ!逃げなければ!逃げなければ!逃げなければ!
逃げなければ!逃げなければ!逃げなければ!逃げなければ!逃げなければ!
頭の中で何度も反芻するも、この体は動いてくれない。
「あ…」
その時になってようやく、声を出せた。
しかし奴はもう俺の前に来ており、そのナイフを高々と振り上げた。
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
その瞬間、俺の中の何かが解放された。
今回は以上です。
読んで下さった方、ありがとうございます。
GJ
>>330の
>>俺の言葉に、織田と徳川は首をふった。
は普通NOを表す時の表現になるので
頷いた、又は、あごを引いた、縦に振った、等が適切だと思う。
職人さん、いつも楽しく読ませていただいています。
こういった掲示板にメッセージを送るのは初めてなので緊張します。
また続きがよみたいです。がんばって書いてください。
336 :
335:2009/04/29(水) 06:43:08 ID:jNMys6dG
亀だが、誤爆だったスマン
いつもレスしていただき、ありがとうございますm(__)m
しかし…またもやってしまった…。
×→ふった
○→縦にふった
ですね…何度も確認したのに……orz
指摘して下さった方、ありがとうございました。
>>331の続きを投下いたします。
338 :
いつか見た夢:2009/04/29(水) 23:57:55 ID:D/WwJaE+
俺は今何故、叫んでいるのか分からない。
だが叫ばなければどうしようもできなかったような気がした。
振り下ろされたナイフは相変わらずスローモーションで、俺の目前に迫る。
相手はスローモーションなのに、こちらの動きはやたらと滑らかで、右手で奴の左手の手首を掴んだ。
「!?」
奴は、一瞬だけ驚いたようで動きが止まったものの、直ぐさま右足で蹴り飛ばしてきた。
「ぐっ!?」
俺の腹に思いきり奴の爪先がめり込み、廊下に背中から飛ばされてしまう。
「がっ……」
盛大に倒れたため、受け身もとることができずに、背中を打ち付けてしまう。
「かはっ……はっ、はっ……」
呼吸がうまくできない。
なおも奴は倒れた俺に向かってくる。
その時、青山が何事かと顔を出した。
「馬鹿……早く逃げ」
全て紡ぐ前に、精一杯の抵抗として倒れたまま蹴りを放つ。
いとも簡単に防がれてしまうが、今は少しでも逃げるための時間稼ぎが必要だ。
「ぁ……九鬼くん……これは一体?」
下からドタドタと織田と徳川も駆け上がってくる。
「どうした!?」
さすがの奴もこれだけの人間がいるとは思わなかったのだろう、俺から注意がそれる。
(今だ!)
起き上がって、力の限り体当たりする。
もちろん、左手に持っているナイフは使わせない。
体当たりしたまま、ドアのふちにこの野郎の背中をぶち当てる。
「ぐ……!?」
奴が低く呻き声をあげた。
この頃には、俺の頭は妙に落ち着いていて、周りの一挙一動が手にとるように感じられる。
「九鬼君!」
誰かが叫ぶ。
その一瞬、俺の脳裏に織田が移動中に語っていたことが浮かんだ。
『九というのは、すごく強いとか、最上といった意味が含まれていることがある。』
(そうだ、やらなくてはやられるんだ! 戸惑うな! 一度ならずとも今も殺されかけたんだ!)
自分の中のもう一人の自分が叫んでいる。
右手でナイフを持った左手首を掴んだまま、左手を思いきり握りしめ、渾身の力で奴の脇腹に叩き込んだ。
「うぐっ」
奴は再び呻き声をあげるが、お構いなしに再度脇腹に拳を叩き込む。
しかし、奴も黙ってはいなかった。
がら空きになっている俺の胴体に、膝蹴りを食らわした。
「げっ!?」
こちらの体勢が悪かったのだろう、奴の膝は、俺の鳩尾に入ったのだ。
瞬間、息が止まる。
(まずい……今のは、まずい)
339 :
いつか見た夢:2009/04/30(木) 00:00:33 ID:D/WwJaE+
俺は、ズルリとその場に膝をついてしまった。
このまま、こいつに殺されてしまうのか?
こんなところで俺の人生は、終わってしまうのか……。
くそっ……終ってたまるか……こんなところで終ってたまるかっ!
どれほどの時間が経ったかは分からない。
おそらくはほんの何秒かであろうが、奴は何もしてこない。
なぜだと顔をあげると、奴は俺を見下ろしておらず、三人の方へと向いていた。
視線をおえば、三人は警棒のようなものを手に持っていた。
いつぞやに青山が、俺に渡してくれた物だ。
しかし、三人はこの全身黒ずくめのこいつに対し、明らかに怯えている様子だった。
(喰らえっ!)
俺は、今度は右の拳で奴の臑を殴る。
「がぁっ!?」
さすがの奴にも、この不意打ちはかなりのものだったらしい。
ただ、それでもナイフは手から落とすことはなかった。
立ち上がりざまに、奴の股間に頭突きを食らわした。
普段なら、そんな攻撃はしたいとも思わないが、今はそんなことを言っている場合ではない。
「これで少しの間は時間が……ぐあっ!?」
三人に逃げようと言おうとした瞬間、俺の右腕になんとも言えない、熱い痛みが走った。
見れば、奴がそのナイフで右腕を切り付けたのだ。
ナイフは相当鋭いのか、少し間をおいてプツプツと赤い液体が流れ始めた。
「ぅぐっ……あぁ……」
……なんと言う痛みだ。
今まで味わったことのない痛みだった。
もちろん、怪我なんてのはこの十数年しか生きていない人生の中でも、数え切れないほどしてきた。
しかし、この痛みは今までのものと比べ、形容しがたい痛みだった。
今までの事故による怪我と違い、これは人為的なものだ。
ただそれだけの差なのに、こんなにも違いがあるのか。
この様子を見ていた青山達は、もはや完全に竦み上がって逃げることすらできないでいた。
腕からは、とめどなく血の雫が滴り落ちて、廊下に小さな池を作っていった。
「………殺す」
低く、くぐもった声でたった一言、呟くように。
「なん、だと………?」
俺は少しだけ驚いた。
まさかこの野郎が、喋るなんざ思いもしなかったからだ。
「……邪魔するなら………邪魔する奴らは全員殺す!!」
俺は先程よりも足がすくんでしまった。
それほど奴の言い放った言葉には、強烈な怨嗟が込められていた。
だが、奴は俺に攻撃を加える事なく、唐突に苦しみだした。
340 :
いつか見た夢:2009/04/30(木) 00:03:17 ID:D/WwJaE+
「ぐぅっ……あぐ……うぐあぁっ……」
苦しみだした奴は一歩二歩と後退し、頭を押さえながら片膝をついた。
「な、なんだってんだ……」
「ぐ、ぐぉおおおっ……」
突然の自体に、俺も他の三人も呆気に取られていたが、奴は立ち上がり、俺に向かって走り込んできた。
「ぐぅぅ、どけぇっ!」
不覚にも体当たりを食らわされ、そのまま廊下に突き飛ばされてしまった。
しかし、奴はそんな俺など見向きもせずに、階段まで行き、勢いそのままに階段を駆け降りていった。
そして、ガチャガチャとドアの開ける音が聞こえ、外に出て行ったことが伺える。
三人もあまりの勢いで走り込んできた奴に、恐怖の色をみせていたが一階に降りていった奴を見送ると、
へなへなと、下半身から力が抜けてしまったようだった。
徳川にいたっては、呼吸することすら忘れていたようで、床に腰付けてからというもの、
呼吸困難の患者のような、荒い呼吸を何度も繰り返していた。
「あ……い、今のがもしかして……?」
織田が、やっとのことで喋る。
「ええ……この家に入った時感じた違和感は、きっとあいつがいたからでしょうね」
俺がそう返したものの、織田はそれ以上のことは言わなかった。
いや、言いたくとも、まだ混乱した頭では言うことがままならないのだ。
先程、俺が奴と出会った瞬間も同じようなものだったのだ、それも仕方ないと言えた。
「とにかく今は……くっ」
必死だったためか、最初に痛みを感じて以来、あまり感じていなかった腕の痛みが、
安心して緊張の糸が切れてしまったところに、急激な熱さを訴えだしたのだ。
当たり前だが、まだ血は流れていて、ドクドクと熱い血の脈動を感じた。
それを見た青山が、駆け寄ってきた。
「く、九鬼くん、大丈夫?」
普通に生活していれば、お目にかかることもない出血量に、半ば青ざめた顔をしている。
「ああ、大丈夫だ……と思いたいがな。とにかく今は止血しないと……」
「そ、そうだね。何か血を拭いたりできそうなもの……」
ついさっきまでへたれ込んでいた織田が、俺のところまで歩み寄り、自身のTシャツを脱いで、腕に巻いていく。
「これだけの騒ぎがあったんだ、近所の人が警察を呼んだかもしれない。すまんが今はこいつで我慢してくれ」
確かに、今ここでは応急手当ての道具もなさそうだ。
「すみません。お借りします」
「何、気にしなくていいよ」
織田は、少しバツの悪そうな表情で、鼻の頭をかく。
武器を携帯しながらも、何もできなかった自分を責めているのかもしれない。
「とりあえず、これでよし。……だけどここを出る前に、一度この部屋を調べてみないと」
織田の言葉に、俺は頷いた。
「ですね。奴がこの部屋に何かしら用があったからのはずだし……」
俺達は、急いで部屋の中を調べる。
そう、何故奴がここにいたのかは、謎だ。
だが、ここに何かしらの用事があって、きていたのは間違いないはずなのだ。
……そのおかげで俺はまたしても殺されかけたのだが。
341 :
いつか見た夢:2009/04/30(木) 00:05:07 ID:FtgVgvhA
全員で手分けして6坪ほでの部屋を調べていく。
この部屋には、比較的多く物が置いてあり、二つも三つも机や椅子、クローゼット等がある。
ここに置いてあるいくつかは、俺や青山が調べた部屋に置いてあったものかもしれない。
「うーん、特にここにも何かあるわけじゃなさそうだな」
「ですねぇ……さっきの人が持ち去ったのかもしれませんし」
織田に徳川が相槌をうつ。
「あれ? ねぇ九鬼くん、それ何?」
青山が俺の足元を指さし、尋ねてきた。
見ると、そこには小瓶が転がっていた。
「何か粉のような物が入っているな。いや、量から考えると入っていた、か」
俺は瓶を拾い上げ、そっと匂いを嗅いでみた。
「……特に匂いは感じないな。味は……」
「やめた方がいい」
俺の行動を見ていた織田が制止する。
「無臭でも、無味な毒物だってある。それに、劇薬の大半は無味なものの方が多いんだ」
そこまで言われると、さすがに口にするのは躊躇った。
「徳川さん、こいつを調べられないですか?」
織田が、徳川に問いかける。
「うん、やってみよう。ごめん、借りるよ」
小瓶を徳川に手渡し、お願いしますと頭をたれた。
その時、俺が調べようとしていたアンティークと思われるテーブルから、一枚の紙が音も無く床に落ちた。
「……これは?」
その紙を拾い上げ、それに印刷された文字を読む。
「取引先一覧……?」
そこには、おそらく蒲生が生前に仕事上必要であったろう、取引先企業の名がずらりと並んでいた。
青山達も寄って来て、紙を覗く。
「ふーむ。何かヒントに……なるかもね。見てみなよ、この名前」
織田がある企業名を指差した横に、確かにどこかで聞いた覚えのある名前があった。
今井克利(いまい かつとし)。
最近、どこかで聞いたことがあったはずだったが、思い出せない。
俺が記憶の引き出しを漁っている時、青山が何かに気付いたようだった。
「あれ? 確かこの名前って……」
「気付いたみたいだね。そう、この名は首を掻き切られて殺された人物だ」
言われてやっと思い出すことができた。
つい昨日言われたことだったのに、忘れていたとは……。
「やはりあいつがこの人物を殺したんだろうか……」
「どうだろう? 早計に決め付けるのは早いけど、可能性は高いかもね。まぁ、とりあえずここを出よう。
まだ10分も経っていないけど、そろそろ時間的に限界だと思うから」
織田に促されて、俺達は早々と蒲生宅……いや、元蒲生宅を出た。
342 :
いつか見た夢:2009/04/30(木) 00:07:24 ID:FtgVgvhA
織田はああは言っていたが、俺は今井という人物や他の関係者を亡き者にしたのは、
間違いなく奴だとなぜかこの時、強く思った。
物的証拠ではないが、奴がナイフで攻撃してきたのはその何よりの証拠ではないのか?
わざわざ、もう一年も前に死んでしまった蒲生の家に来ていたのもそうだ。
不思議と傷の痛みによって、俺の頭はクリアになっていく。
証拠なんてものは何もなく、ただ何かあるかもしれないと言う理由だけで訪れた蒲生の家に、
奴が現れた(正確には、最初からいたのだが)のも奴が蒲生や今井と何らかの関係があったから、
そうではないのか?
奴は、この二人の人物と不可解な死を遂げた人達とも何かしら関係がある人物であることは間違いないはずだ。
とにかく、この紙に名のある人物達を徹底的に調べねばならないのは、もはや避けては通れない。
そしてこれらの人物達と交差する人間こそ、奴なのだと直感で理解した。
帰りの車の中で俺は、傷の手当てをしながら先程から同じことばかり考えていた。
しかし、どうしてもそれらが上手いこと、一つにまとまらない。
背後の事実関係を解き明かすまでは、この靄に包まれている今回の事件は、全体を見ることは出来ない。
俺はため息を一つつき、今は焦っても仕方ないと自分に言い聞かせた。
あれほど出ていた腕からの出血は、今は止まってなんとか小康状態といったところだ。
俺は、沙弥佳や家族へなんて言い訳するべきか、頭を悩ませながらため息をついた。
「ただいま」
「おかえりっお兄ちゃん!」
沙弥佳は、相変わらず俺が一人で出かけ、帰ってきた時には犬みたいに飛んでくる。
沙弥佳が犬になったところを想像してしまい、頭をふった。
「俺にそんな趣味はないぞ」
「え? 何が?」
沙弥佳が胸にうずめていた顔をあげる。
「いや、なんでもない」
俺は苦笑しながら、リビングへと歩きだした。
「おかえりなさい。九鬼さん」
俺が帰ってくる今の今まで沙弥佳とささやかなティータイムであったようで、
ティーカップをテーブルに置いて、綾子ちゃんが挨拶をしてきた。
「ああ、ただいま。見たとこティータイムだったみたいだな。俺にもいいか?」
「はい。準備しますから、ちょっと待っていて下さいね」
「あ、私も手伝うよー」
リビングに置いてある、ガラス戸から新しいティーカップと受け皿を出し、新たにお茶受けも取り出していく。
この二人は何をやっていても絵になるな。
そう、まるでとても仲の良い姉妹のようにも見える。
姉のような綾子ちゃんに、妹のような沙弥佳。
そんな二人を見ていると、とてもほほえましい気分になってくる。
「なぁに、お兄ちゃん。私たちそんなにおかしい?」
俺は、気持ちがすぐ表情となって出てくるタイプらしい。
343 :
いつか見た夢:2009/04/30(木) 00:12:53 ID:FtgVgvhA
「いや、なんでもないさ。それよりも今日の茶はなんだ? 普段飲んでるのとは違うな」
指摘されたのが恥ずかしくて、話をそらしてしまった。
「あのね、今日のはトルコティーだよ。それも少し値の張るお茶っ葉らしいの」
「らしい? 誰かから貰ったのか?」
「そうなんです。以前父がトルコに行った時、わざわざ買ってきてくれたんですよ」
「それでちょうど前のお茶っ葉が切れたから今回使ってみようってことになったの。それに結構美味しいよ」
「そうか。トルコティーは初めてだからな、ちょいと楽しみだ」
どうも俺と沙弥佳が、初めて綾子ちゃんの家に行った時に、こいつを持ってきたらしい。
「ふぅ……なるほど、こいつは確かに美味いな」
「うふふっでしょう?」
「喜んで頂けてなによりです」
二人は自分達の気に入ったものが、俺も気に入ったことにご満悦といった顔をしている。
ここで一息ついて、沙弥佳が聞いてくる。
「ところでお兄ちゃん。その服どうしたの?」
「え? あ、ああ、この服はちょっと気に入ったんで買ったんだ。それに安かったしな」
半分嘘、半分本当だ。
いつもならこんな派手な色使いの服は買わないが、仕方ない。
最近の高速のサービスエリアでは、ちょっとした買い物ができたり、ちょっとした観光スポットになっていたりと、
目まぐるしく様変わりしてきている。
この服もそういったサービスエリアで買ったものだ。
色使いは派手だが、なるべく俺に似合ったものを見繕ってきたつもりではあるが。
朝と着ているものがが違えば、誰だって気になるものだが、特に怪しまれはしないはずだ。
それに、今日は友達と街に繰り出して遊んでくるという理由をつけて出ていった。
そういう意味でも良いカムフラージュになったはずだ。
まさか、前の服が切られてもう着ることができないとは言えない。
「ふーん。ちょっといつもの服とは違うけど、悪くないと思うよ」
「そ、そうか……俺もいつもの服とは違うからどうかと思っちゃいたんだが」
ギリギリ合格ラインのようだった。
沙弥佳は、俺の着る服一つとってもあれやこれやとうるさいので、ホッとした。
だが、沙弥佳は何が気に入らないのか、少し不機嫌そうな態度で続けた。
「それで、朝着て行った服はどうしたの?」
「ああ、帰りに友達のとこに寄ってな、そいつのとこに忘れてきちまった。気付いた時にはもう家の前だ」
こいつは変なところでやたらと鋭いので、何かあった時はいつもこうして言い訳を考えなければならない。
それに季節はすでに、長袖を必要としている時期なので怪我を隠せるのは助かった。
しかし、沙弥佳はどこか不機嫌なままであった。
とはいえ、俺としてもいつまでも沙弥佳のご機嫌取りに付き合うつもりはない。
「ところで今日の晩飯はなんなんだ?」
「今日は、おば様の希望もあってビーフストロガノフですよ」
「お、中々豪勢だな。綾子ちゃんが作るのか?」
「はい。とはいっても、さやちゃんと共同作業ですけど」
「そうか。ビーフストロガノフは好物だからな、楽しみにしてるぜ」
「はい、楽しみにしていて下さいね」
こうして綾子ちゃんと、何気ない会話をしていると、ふと昨日の朝のことが思い出されてきた。
何気なく沙弥佳の方を見れば、頭をたれているおかげで前髪が顔を隠し、表情を読み取ることができなかった。
ただ、その両手は力いっぱいに握られ、小刻みに震えていた。
今回は以上です。
ここまで読んでくれてありがとうございますm(__)m
今日からGW。
できれば、このままストーカー確保までいきたいです…。
>ストーカー確保
ちょ、ネタバレネタバレwww
エロパロでやる意味あるの?
なんか段々エロパロスレでやる内容じゃなくなってきたな。
自己満足でアクション小説を書くスレじゃないんだけどな・・・普通に妹が絡む
話が読みたい。
まったくもって禿同
そもそも自己満足じゃない小説なんて存在するのかと問いたいがどうか。
ちゃんと読んでりゃ妹の異常な性癖なんかも読み取れるし。
「妹」が全く出て来ないみたいな明らかなスレ違いならともかく、今の段階でそう判断するのは時期尚早では?
それでも気に入らないなら、小説書けとは言わんから自分でもネタを振れ。
作者〜乙
まあ、最近過疎ってたし寛容にいこうよ。
終盤にエロになるさ!!
そうだろ作者さん(期待眼差し
仲良くできんもんかねぇ〜
>>344 相変わらず面白れーですGJ!
警棒三人衆役に立たないw あの状況じゃ仕方ないか。
そして妹にもっと光を。
話の流れがストーカー主体なのか、妹なのかわかりにくいからじゃね?
>>351 無理じゃないの
エロパロ板のシチュ系スレなのに
該当シチュがメインじゃない長編って時点でキツイし
正直最初の一話で終わりかと思ってた
>>351 ネタ投下しろとか書いてる奴もいるけどそもそもこの小説をエロパロ板で
やる必要性があるのかがわからねぇ、論点のすり替え乙としか言えない。
妹や主人公に身近な人間が関わっているサスペンス風小説という
ような形にしかなってないし作者自身が次はストーカー確保とか
書いている時点でますますエロパロ板でやる要素があるのかが
わからん。
ヤンデレ要素とかがあるのならヤンデレスレに行けばいいし
修羅場的要素なら(今はどうなっているのか不明だが)修羅場スレ
に書けばいいやん。
実際ストーカーから発展した話が修羅場スレに書かれてる。
萌えが〜とは言わないしエロ少なめは置いておくとしても妹は
出てこない、ストーカーと謎の殺人事件とか出てくるとエロパロ
板って何?ってなるのは普通だろ。
読まなきゃいいんだよ
俺なんて最初から読んでないし
読まない自由もあるもんさ
タイトルでNGすればいいだけの話
鳥付けてくれるとうれしいな
鳥付だと便利だね
読みたいやつはガッツリ読んでGJ贈ればいいし
読みたくないやつはNGしてスルーすればいいだけ
スレは平穏で平和が一番
まあ、妹との絡みが少ないのは気になる所だが、
だからってこのまま投げっぱなしされても困る
ちゃんと物語を終わらせてから、妹Hを書いて欲しいなw
今荒らされてるスレに居る荒らしが同じ手口で荒らして居る件について。
みる限り長い作品になりそうだし、これから妹もでてくるんじゃないの?
このスレ自体人気ないんだから投下されるだけでも有り難いって思わなきゃね。
362 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 08:05:48 ID:w1W7vnun
どういう展開であれ最後まで読みたいな
363 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 08:41:46 ID:MjzWnbRT
少なくとも俺はwktkして見てる
からみが無いだの何だの言う奴は基本荒らしだからスルースルー
はいはい荒らし乙
続きはまだ〜
ほら、職人さんがいなくなった。
良かったね荒らし野郎。
勝利宣言乙
過疎ったからさっさと別のスレに行こうね^^
長編オナニー野郎に居座られるくらいなら
過疎った方がマシ
自分で書きもしない癖によくもまあ。
むしろ過疎っている方がすっきりする。
例の長編ってやっぱ妹強姦or殺されて復讐てな流れだったんかな?
>>373 自己満足な小説書く野郎の事だからそういう展開も考えてたのかもな>妹強姦or殺されて
復讐END
そういう流れだったかもしれんね
考えようによっちゃここ向けはここ向けだな
Hシーンも考えてたって話もあったし
せめてそこまでは見てみたかった
聞いて過疎リーナ♪
ちょっと言い難いんだけど
聞いて過疎リーナ♪
早く続編が見たいの
聞いてくれてありがと過疎リーナ♪
保守
ほ
過疎ってるのが良いなら無くて良いんじゃね?
妹という属性がキモウトやヤンデレに吸収されて幾星霜
確かにキモ姉妹スレとの境界線はよくわからない。
山も落ちもない、ゆるゆるな兄妹ライフを目指した。うまくいかなかった
エロは寸止め、3レス予定
あれは、俺が大体10歳、陽華が5、6歳位の時だったろうか。
リビングで二人して、ただぼーっとテレビを眺めていた。
両親と上の兄がたまたま出かけていて、テレビを何時間見ようと咎める人が居ない。
それを良いことに、20時過ぎても、俺たちはテレビにかじり付いたままだった。
とは言っても特に見たい番組がある訳でもなく、チャンネルを適当に替えること数十回、結局は何かの連続ドラマに落ち着く。
ストーリーはよく憶えていないが、メロドラマであったことは確かだ。
当然のことながら、唐突にラブシーンが始まる。
「にーさんにーさん」
チャンネルを替えようとリモコンに手を伸ばした手が、くいくいと引っ張られる。
「あれ、なに」
陽華は熱い口づけを交わす主人公らを指差して、純真な眼差しで俺に問いかけてきた。
「あれはキスだよ」
「キス?」
「好きな人同士は、あんなことをするんだって」
「ふうん」
生返事を返しながら、熱心に画面に食い入る陽華。
俺はと言えば、今さら番組を変えるのも気がひけて、気まずい思いを抱えたまま彼女とテレビを交互に見ていた。
「じゃあ」
突然、振り返り身を乗り出す陽華。
彼女の顔がぐっと接近してきた。
「わたし、にーさんとキス、するね」
「ええと……」
俺は顔を逸らしながら、彼女を押し止める。
「陽華、それはまずいと思うよ」
「どうして?
わたしはにーさんのことが好きで、にーさんもわたしが好き。
問題はないと思うわ」
「うーん」
俺自身、何が問題なのか良く判っていなかったが、それでも近親相姦への忌避感は、多少身についてはいた。
貧困な知識の中から、彼女を納得させられる良い言葉を考える。
「この"好き"って意味は、僕たちが互いを"好き"って言うのとは、ちょっと違う。
長い人生で、一番大切に思える人に対してしか、キスはしちゃいけないんだよ」
「わたし、にーさんのこと、とーさんやかーさんや大にーさんよりも大切で、世界でいちばん大切だと思ってるけど」
ちなみに"大にーさん"とは、俺の7歳年上の兄のことだ。
「うん、僕も陽華のことは、世界で一番好きだよ。
でも、僕も陽華も、将来それよりずっと好きな人が出来ると思う。
本当の"一番好き"は、その時の為にとっておくべきなんじゃないかな」
「にーさんより好きなひとができるなんて、想像できないわ」
けど、と言いながら陽華はすっと身を引いた。
「にーさんに、わたしよりキスしたいひとがいるなら、仕方がないね」
陽華は憮然として俺から身を離すと、チャンネルを替えてしまった。
どうやら姫の機嫌を損ねてしまったらしい。
俺は苦笑しつつ、離れた陽華の方に近付くと、そっと彼女の頭を抱き寄せた。
繊細な髪を掻き分け、真っ白な額に口を寄せる。
「……あ」
「唇同士は無理だけどね」
それだけでたちまちむくれ顔が緩み、頬を赤く染める彼女が愛しい。
俺は彼女を抱き寄せたまま、羽根のようなその身を抱えて、膝の間に座らせた。
「今は、僕にも陽華より好きな人なんて考えられない。
僕は陽華が好きで、陽華も僕が好き、それで問題ないように思える。
けど、家族って、あらかじめ与えられたものでしかないから、いつかは自分で選ばないといけないんだよ。
与えられたものに縋ったままだと、それは幸せなことなのかもしれないけど、成長もないし、新しいものも始まらない。
自分から選ぶ"大切な人"は、きっと新しい世界に繋がっている。
僕は前に進みたい。大切な人を見付けて、新しい自分になりたい。
陽華にも、幸せになるだけじゃなくて、素敵な女性になって欲しいんだ」
「……うん」
陽華は頬を赤く染めたまま、じっとして俺に頭を撫でられていた。
「にーさん」
「なに?」
膝の上で、少女はポツリと呟いた。
「私にもいつかできるかな。いちばん大切なひと」
「きっと、できるさ」
そんなこんなで大体10年が経って。
俺たちは、リビングでキスを交わしていた。
「……ん」
唇と唇を合わせ、時折歯茎が当たる程度の、軽くて長いキス。
どちらともなく唇が離れ、陽華ははあと息を継いだ。
「えへへ」
「何か可笑しい?」
へらりと笑う陽華の髪を撫でる。
「可笑しくはないわ。嬉しいの」
陽華は小さな頭を俺の胸に預けた。
「一緒にいられることが、にーさんとキスできることが」
「俺は一概に嬉しくないかな」
「どうして?」
「父さん達が生きてたら、こんなことはそうそう出来ない」
罪悪感はまだある。きっと一生ついてまわる。
何より、もう陽華との関係で許しを請うことすら出来ないのが、哀しかった。
陽華も寂しそうな顔で俯く。
「けど、とーさんやかーさんが生きてても、私はにーさんを選んだと思うわ」
「俺はちょっと、陽華を選んでたかどうか、自信ないな」
「そうなの?」
陽華、若干不満げな顔。
「世間体ってのも、あるけどね」
あの地震が起きた日。
胸の中にいる少女の存在がなければ、他の家族を置いて、潰れた車から脱出しようなどとは考えなかっただろう。
二人だけ生き残り、状況が飲み込めず呆然とする陽華を抱きしめて、俺は泣き叫ぶことしか出来なかった。
あの時、腕の中の温もりだけが、この世でたった一つ、確かで、揺ぎ無く、もっとも尊いものだと思えて。
その想い出があったから、俺は世間にどう見られようと、この少女と人生を共にする覚悟が出来たのだ。
「にーさん」
「ん?」
「にーさんは、誰か他の人を好きになった方が、幸せになれたのかしら」
「俺は今、幸せだよ」
俺は陽華のさらりと流れる黒い髪に、顔を埋めた。
シャンプーの良い香りがする。
「私は結局、にーさん以外を好きになれなかった。
好きな人を選び取って、新しい家族を作って、別の世界と繋がることが出来なかった。
素敵な女性に、なれなかった……」
「そんなことない」
俺は、泣き出しそうにしている小さな少女を、強く抱きしめた。
「陽華は変わったよ。
友達を作って、色々なものを体験して、自分の夢を見付けた。
陽華といるから、毎日が輝いて見える。生きてて良かったって、思える」
「……うん」
「それに」
俺はそっと陽華の後ろに回りこむと、小さな二つの膨らみに触れた。
小さく声を漏らしながら反応する陽華。
「こことかは、少し変わったね」
「ん……。お、大きさは、あんまり、変わってないよ」
「感度はよくなった」
両の胸を弄りながら、長い髪を掻き分けてうなじに吸い付く。
陽華は真っ赤になりながら、俺の頭を抑える。
「に、にーさん。こういうことは、ベッドの上でするものよ」
「それもそうか」
顔と手を離す。
少し名残惜しい気もしたが、本格的に始めるとなると、避妊具だけは取ってくる必要がある。
「それじゃ……する?」
陽華は上目遣いで訊ねた。
俺は頬に軽くキスして、身を離す。
「先に部屋で待ってて。シャワー浴びてくるから」
シャワーを浴び、若干緊張しながら自室に入る。
待っていたのは微かな寝息と、幸せそうな寝言だった。
「やれやれ……」
時を経ても、変わらないものもある。
どんな状況でも寝れる特技というべきか悪癖は、いつまで経っても直らない。
性欲より睡眠欲を優先するのは、生物として自然な姿だろうが。
「にーさんのにおい……」
顔を枕に埋めてにへらと笑う彼女の頭をそっと撫でる。
眠りは深く、起きる気配はない。
たぎっていた部分が、下着の中で急速に萎んで行くのを感じる。
寝込みを襲うような趣味はなかった。
「おやすみ、陽華」
俺は温かな少女を抱きしめて、眠りに落ちた。
予定超過失礼しました
タイトルは"五月雨姫"で
たぶん続きません
いい萌えだ GJ
両親が死んで〜のくだりでついキモウトスレの発作が出そうになったがw
>>388 覚醒→両親殺害ですねわかります
キモ姉妹スレだと思って読んでいた俺よりマシ
ブックマークが隣あってるんだもの……
それはそうと職人GJ
いい話だったよ
キモ姉妹ってよくわかんないんだけど、
実妹もしくは姉が実兄もしくは実弟とセクロスするとキモ姉妹なん?
普通に楽しんだ後にキモ姉妹言われるともにょもにょするんで聞いてみる。
あと
>>387GJ。好きな人の匂いに萌える女の子最高にござる。
GJ!
素晴らしいですGJ
>>387 遅ればせながらGJ。
ずっと恋していた妹はもちろん、恋心に気付いたお兄ちゃんの覚醒ぶりがなんかいいな。
ところで、誰も7つ歳上の大にーさんの存在に、触れてないのね……
多分両親と一緒に死んだんだと思うけど。
問:以下の組み合わせで最適と思うものを4組線で結びなさい。
妹 兄
@アホの子 A バカ、ダメ人間
Aツンデレ B ぶっきらぼう
Bダウナー C 実直、朴訥
C大人しい D 親切、穏やか
1−A
2−D
3−B
4−C
でFA!
1−D
2−A
3−B
4−C
と見た
1−C
2−A
3−D
4−B
1―CD
2―ABCD
3―ABCD
4―ACD
……だめだ、CとDはあいすぎる
1−B アホの妹を流しつつもしっかりとフォローする兄の図
2ーD 親切で優しい兄の前で素直になれない妹
3ーA バカな兄に悪態をつきながらもほっとけない妹
4ーC 話さなくても心で通じ合ってる兄妹、最早夫婦以上
せっかくのネタ振りなので保守代わりに書いてみる。
とりあえず
>>397で。
1−A
「うにゃー! 勉強わかんないー! なんなのさーもー!!」
「困っているみたいだな妹よ! にーちゃんが助けに来てやったぜ!!」
「おにーちゃん! 勉強わかんないんだよー! 教えてよー!」
「うむ! この兄に任せておくがいいっ!!」
「きゃーおにーちゃんかっこいー!」
「…………うん……うん…………あっ……ごめんわかんない」
「ふえ?」
「わかんないんだぜ! ハッハッハ!」
「……むーーー! おにーちゃんのバカー! 期待させてなにさー! ダメ人間ー!」
2−D
「……うわ。なによコレ。超難しいんだけど……」
「どうかした? わからないところがあるの?」
「ふわ!? お、おにー、ハッ、兄貴!? いや別にわかんないとこなんてないし!!」
「そう? なにかあったら言ってね。分かる範囲でなら僕が教えてあげるから」
「だから無いって…………あっ、ちょっと待って!」
「ん?」
「……ココ。別にわかんないわけじゃないけど構って欲しそうだし教えてみてよ」
「あはは。うん、いいよ。ここはね……」
「……うん……うん。あ、そっか! ……っ! ほ、本当にわかってるんだからね!?」
3−B
「……はぁ……(わかんない……)」
「(さっきから止まってんな)……わかんねーのか?」
「……別に(ウザいなぁ……)……あっ」
「(メンドクセーな)……ほら。じゃーな」
「……………………(勝手に書かないでよ……)」
4−C
「えっと……どうしよう……難しいよ……」
「どうかしたか?」
「お兄ちゃん……えっとね……あのね、ここが……」
「わからないのか?」
「……っ(こくこく)」
「……説明しながら解く。聞いて覚えろ。ここは……」
「あ、あの」
「どうかしたか」
「あ、ありがとう」
「……まだ説明は途中だ。良く聞いてろ」
「うん……」
こんな感じ? 違ったらゴメン。疲れるw 頭の体操みたいw
ついでだから
>>398も。
1−D
「うにゃー! 勉強わかんないー! なんなのさーもー!!」
「どうかした? わからないところがあるの?」
「おにーちゃん! 勉強わかんないんだよー! 教えてよー!」
「うん。出来る範囲でいいなら教えるよ。どこがわからないの? 見せて」
「ここ! もーわけわかんないよーっ! おにーちゃんわかるー?」
「ああ、これはね……」
「わ、わ、うわー!! すごーい! おにーちゃんあったまいー!!」
2−A
「……うわ。なによコレ。超難しいんだけど……」
「困っているみたいだな妹よ! にーちゃんが助けに来てやったぜ!!」
「ハァ!? 別に呼んでないし何しに来たんだよ兄貴っていうか勝手に入るなー!」
「ハハァン、さては勉強がわからないんだな! おいおいそんな時こそこの兄を頼れよ!」
「うっさいバカ、どーせできないんだから来んじゃないって……ちょ、あ、もうっ!」
「まぁまぁいーから見せろって。…………うん……うん…………あっ……ごめんわかんない」
「……は?」
「わかんないんだぜ! ハッハッハ!」
「開き直るんじゃないわよ! ちょっと期待した私がっ……て別に期待してないし! 出てけーっ!」
3−Bと4−Cは
>>397と一緒。
なんか面白くなってきたので
>>399も。
スレの邪魔になってたらごめんなすって。
1−C
「うにゃー! 勉強わかんないー! なんなのさーもー!!」
「どうかしたか?」
「おにーちゃん! 勉強わかんないんだよー! 教えてよー!」
「少し静かにしろ。……説明しながら解く。聞いて覚えろ。ここは……」
「うー……うん、うん……えっと……今のわかんないー」
「ここか? いいか、ここはな……」
「うにゃー……、むずかしーよー……。わたしバカだからできないよ〜……」
「わかるまで教えてやる。馬鹿なことを言うな」
「うー、バカっていったー。バカって言ったほうがバカなんだぞー」
「……言葉のあやだ。問題作るから解いてみろ」
「にゃう〜〜……」
2−Aは
>>398と同じ。
3−D
「……はぁ……(わかんない……)」
「どうかした? わからないところがあるの?」
「……別に(ウザいなぁ……)……」
「……………………(にこにこ)」
「……………………(やりずらいなぁ……)……ん、ここ(トントン)」
「ここがわからないんだね。……うん、うん。それじゃ、説明するよ」
「……………………(……となり座らないで……近い……)」
「えっとね、ここはこうして…………ん? どうかした?」
「……………………(なんか温かくてヤダ……)……別に……」
4−B
「えっと……どうしよう……難しいよ……」
「……わかんねーのか?」
「……っ(こくこく)」
「どこよ」
「……えっと、ここ。ここ、わかんないの……」
「(メンドクセーな)……ほら。じゃーな」
「…………あ、ありがと…………行っちゃった……」
つ、疲れた。大体こんな感じかな個人的な印象では。
保守終了。お目汚し失礼しました。ノシ
流れを読まずに投下します。
高校生の双子の話ですが、一応妹ということで。
カーテンから漏れてくる明るい朝の日差しの中、俺は目を覚ました。
「――う……」
昨日の練習試合で頑張りすぎたせいか、体のあちこちにまだ疲れが残っている。
血管と神経を介して全身を巡る倦怠感に、俺は力なく仰向けでベッドに横たわっていた。
だが彼女はそんな俺を容赦なく責めたてている。
――ぐちゅっ、ぐちゃぁっ、じゅぷぷっ……。
「――あぁっ……んんっ……け、啓一……起きた?」
「お前なぁ……」
呆れた表情の俺を、黒く大きな瞳が見下ろしている。
恵は目を細めて笑いながら俺の上で激しく腰を振っていた。
制服は上だけで、下半身には灰色の靴下以外何もはいていない。
細くくびれた腰も、なめらかな曲線を描く太ももも、そして汁を弾けさせて繋がる結合部も
全てが隠れることなく俺の前にさらけ出されていた。
「……朝から兄貴を強姦ですか。さすがに勘弁してくれません? 恵さん。
夕べも散々付き合ってやったじゃないか。正直、俺もう限界なんだけど」
いったいこの妹は何発ヤれば気が済むのだろうか。サキュバスじゃねーんだから。
しかし恵は俺の抗議の声に頬を膨らませて言った。
「だって……最近してなかったんだもん」
「当たり前だ。お前生理で滅茶苦茶辛そうだっただろ」
一応俺だって、お前のそういうとこはちゃんと注意して見てますよ。
だが彼女は俺が気を遣うと妙に不機嫌になるというか、なんか意地を張りたがる。
対等な立場ってのにすごいこだわるんだよな。まあわかるっちゃわかるけど。
「ほら啓一も動いてよ。そっちもたまってるでしょ?」
「いや昨日ので出し尽くした。ごめんなさい弾切れです」
「嘘。啓一の、私の中でビクビク動いてるじゃない……まだいけるよ」
全てを見透かした目で妹が俺を見つめている。
たしかに無理をすれば一発や二発できないこともないが、朝から体力使い果たしてどうすんだ。
俺、今日も部活あるっての。またキャプテンにどやされたくないぞ。
兄の思いをよそに、恵の膣は絶え間なく俺を締めつけ淫らな音を響かせた。
「はんっ……んあぁ……お、奥ぅっ……!」
硬い肉棒は鋭利な槍となって妹の中を思い切り貫いている。
その先端は奥の奥、恵の子宮をつついてコリコリと心地よい感触を伝えていた。
普段上に乗るのは嫌がる癖に、こういうときだけ都合いいんだから困ったもんだ。
俺はため息をついて大人しく妹に犯され続けた。
「う、くっそ……熱っ……!」
「あはぁっ……啓一ぃ……いいよぅ……!」
真っ直ぐ通った鼻筋。笑みの形に歪められた細い唇。振り乱されるストレートの長い黒髪。
こうして見ると、やはり一つ一つのパーツは俺と似ている気がする。
とはいえその雰囲気や顔立ちは俺よりも柔らかで繊細で、やはり女の子らしかった。
華奢で軽い体が上下に動くたび、俺のチンポが擦られて硬度を増す。
俺に絡みついてくる恵の肉も汁も、マグマのように熱くなって俺を溶かそうとする。
――やれやれ。今日の部活は休むか。
俺は仰向けに寝転がったまま両手を伸ばし、恵の腕をぐっとつかんだ。
「け、啓一……? きゃっ !!」
力を込めて引き寄せるとバランスを崩して俺の上に倒れかかってきた。
軽い悲鳴をあげる恵の乳房が、セーラー服とパジャマ越しに
ふにゃりという気持ちのいいおっぱいの感触を俺に伝えてくる。
妹の背中に腕を回し、彼女をぎゅっと抱きしめる俺。
――トクン、トクン……。
二つの心臓の鼓動が共鳴し合う。彼女は俺に抱かれたままで、上気した顔をこちらに向けていた。
「な、何するのよ……ちょっとびっくりしたじゃない……」
口をとがらせる恵だったが、隠しようのない嬉しさが顔からにじみ出ている。
こうして俺にぎゅうぎゅうされるのがこいつは本当に好きだ。
互いの体温を感じながら、俺たちは数秒間動きを止めて見つめ合った。
不意に恵の桃色の唇が動き、短い言葉を紡ぐ。
「啓一……大好き……」
悔しいことに、そのセリフに俺はグッときてしまった。あーもう、可愛いなあこいつは。
欲望の赴くままに俺の腰が動き、跳ねるように下から恵を突き上げた。
「――あああぁっ…… !?」
突然の突きこみに目を白黒させて彼女が喘ぐ。
俺は体力と筋力を総動員して恵を責めたて、存分に妹を鳴かせた。
「うあぁ、はあんっ…… !! 啓一ぃぃっ !!」
だが俺の体はそろそろ限界だった。てかこの体勢、思った以上にきついです。
早くこいつをイカせてやらんとこっちがやばい。
俺たちは抱き合ったまま激しく腰を動かし、本能のままに肉を重ね合った。
そして俺の気が遠くなってきた頃。
「あぁ、はひぃぃっ !? あああぁあぁっ !!!」
ようやく恵が絶頂に達し、俺の腕の中でくたっと意識を失った。
――ドク、ドクドクッ……!
膣内に噴き出す俺の汁も今日は出が悪い。
意識を手放しそうになりながら、俺はまだ恵と抱き合っていた。
遅刻しなかったのは恵が早めに起こしてくれたからだが、
おかげで今日一日、俺は物凄い眠気と疲労に襲われる羽目になった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
食堂や購買が飢えた生徒で埋め尽くされる、平凡な高校の昼休み。
啓一はひとり、ひと気のない校舎裏に呼び出されていた。
そこで彼を待っていたのはひとりの小柄な少女。彼とは初対面だった。
「あ、あの、水野センパイ……あたしと、つ、付き合ってくれませんか……?」
真っ赤な顔でショートカットの頭を下げる彼女を、啓一は真剣な目で見つめた。
答えは初めから決まっている。ただそれを言うのが申し訳ない。
「……ごめん」
ようやく覚悟を決めて、啓一は短くつぶやいた。
少女はそれを聞いて少しの間動きを止めたが、やがて声を震わせて言った。
「い、いいえ……こちらこそ、無理言ってごめんなさい……。
その、やっぱりセンパイには……素敵な恋人さんとか、いるんですか……?」
「え? う、うーんと……」
毎度のことながらこの質問には返答に窮する。
彼と恵の仲は秘密であり、表向きはあくまで仲のいい双子の兄妹ということになっていた。
その妹に朝からレイプされましたなどとは口が裂けても言えない。
「う、うん。俺も好きな人がいるからさ……ホントごめんね」
「そうですか……」
悲しそうにうつむく少女。捨てられた子犬のような表情が啓一の哀愁を誘った。
「……でもありがとう、すごく嬉しかったよ。じゃあね」
「はい、さようなら。センパイ……」
いっそ全てを公にできたらこんな苦労をしなくても済むのだが。
重い気分を胸に、啓一は賑やかな校舎内へと戻っていった。
自分の教室に帰ると、既に仲のいい友人たちが啓一の席を囲んで昼食をとっていた。
その中には当然のように、水色の弁当箱を手にした彼の妹、恵の姿もあった。
「おー啓一、どこ行ってたんだ?」
「……トイレだよ」
感情を押し殺して簡潔に答える。また女子を振ったと言えば友人の嫉妬の拳が飛んできてしまう。
「なんだ腹でも壊してんのか? それならその弁当、俺が食ってやるよ」
「何言ってるんだ、お前はいつもパン食だろ」
啓一は友人の軽口に合わせ、机の上に自分の弁当箱を広げた。
塩鮭混ぜご飯。ほうれん草とベーコンの炒め物。ちくわとワカメの酢の物。そしてトマトと卵焼き。
量こそ違えど、メニューは恵のと全く同じものである。
友人は恵の弁当と啓一のをジロジロ見比べて羨望の声で言った。
「あーあ、恵さんの手作り弁当か。俺も食いてえなあ」
「いやこれ、半分は俺が作ってる」
「野郎の手料理など要らんわ! 恵さんの作ったとこだけよこせ!」
「お前は何を言ってるんだ……料理の腕はほとんど変わらんっての……」
ちらりと目をやると恵はこちらを向いて微笑んでいた。
彼女は何も聞いていないが、啓一が後輩の女子に呼び出されたことには気づいていた。
そしてその少女の告白に自分の兄が何と答えたかも。いつものことだ、彼女には全てわかっている。
嫉妬もやきもちもなく、恵は穏やかな顔で優しく兄を見つめていた。
「啓一、佐藤君におかず分けてあげたら? すごく欲しそうにしてるじゃない」
「じゃあ仕方ないからこのワカメとほうれん草をやろう。感謝するように」
次の瞬間、友人の手が素早く伸びて啓一の卵焼きをかっさらっていった。
放課後の帰り道、恵は啓一と肩を並べて二人きりで歩いている。
いつもは他の友達も一緒なのだが、今日はたまたま二人だけだ。
「啓一、ちょっと寄り道しない?」
「ん、いいぞ」
双子の片割れは彼女の提案にそう言ってうなずく。
基本的にこの双子は相手の望むようにして、反対することは滅多にない。
少し西に傾いた日に照らされて、恵と啓一は通学路を外れて細い路地を進んでいった。
歩幅は啓一の方が大きいため、どうしても彼女は少しだけ早足になってしまう。
「ねえ、啓一」
「どうした?」
横を向いて兄を見上げる妹を、啓一の黒い瞳が映し出している。
彼女の目から見ても、兄は凛々しくて優しい理想の男性だった。
先ほどのように告白されることも多いが彼は全て断っていた。それも彼女のためだ。
「……何でもない」
顔を正面に戻して恵はそうつぶやいた。
そんな妹の心など全てお見通しと言わんばかりに、啓一が彼女に笑いかける。
「今なら人いないから、ぎゅーっとしていいぞ」
「馬鹿……誰か来たらどうするのよ。家まで我慢するもん」
「あーあ、無理しちゃって。大丈夫だよ、ほら」
からかうような口調で言い、いきなり啓一は彼女の頬にキスをした。
幼い子供がするような無邪気な口づけと、してやったりの兄の笑顔。
完全な不意打ちに恵は思わず真っ赤になってしまった。
「け、啓一……」
頭から湯気を立てる妹を優しく抱き寄せる啓一。
今我慢すると言ったばかりだと言うのに、彼女は兄に力いっぱいもたれかかってしまった。
そうして二人がたどり着いたのは、住宅地の片隅にある小さなコンビニだった。
自動ドアをくぐり、兄妹は誰も客がいない店内に足を踏み入れる。
「んー……新刊出てないなあ……」
「あ、俺腹減ったから何か買ってくる。恵も食べないか?」
そう聞いてくる啓一に、恵は少し強い口調で言い返した。
「私はちゃんとカロリーをコントロールしてるの! 間食ダメ、絶対!」
「はいはい、わかりましたよ」
笑ってレジに向かう啓一から離れ、店内を適当にうろうろする。
さらさらの自分の黒髪を撫でながら、わずかな待ち時間を彼女は楽しんでいた。
「おまたせ、んじゃ行くか」
「うん」
ありがとうございましたー、という店員の声を背中に、二人並んで店を出る。
一面の青い空が目に飛び込んできて、彼女は何とはなしにそれを見上げた。
(綺麗だけど、なんか、その……お腹減ってきちゃうな……)
そのとき、空腹を自覚してしまった妹に向かって啓一が手を差し出した。
「――ほい」
「あ……」
ほかほかの肉まん。その白い肌は西日を照り返し、黄色く染まって恵を誘惑してくる。
(――お、おいしそう……でも間食は……)
肉まんを見つめて唾を飲み込む妹を見て兄は笑っていた。
「どうした、食べないのか?」
「う、うう……」
「んじゃ俺がいただきまーす。はむっ」
「あっ!」
肉まんにかぶりつく啓一の姿に、彼女はつい声をあげてしまった。
彼は勝ち誇ったような顔で恵を見つめ、旨そうに口を動かしている。
「うん。あったかくてジューシー、そしてこのアクセントのカラシが最高」
「け、啓一の意地悪……」
「という訳で、ほれ?」
「…………」
目の前に突き出されたのは、啓一の食べかけの肉まんではなく新しいのだった。
妹の心の葛藤などお見通しらしく、ちゃんともう一個買ってきていたようだ。
さすがにこれには逆らえず、彼女はついつい手が伸びてしまう。
(――うぅ……私、啓一の思い通りになっちゃってる……)
伸ばした手をぴたりと止めて、悔しそうに双子の兄を見上げる恵。
「ほれほれ、どうしたどうした?」
「う、く……!」
歯を食いしばり、彼女は精一杯の抵抗をしてみせた。
このまま懐柔される訳にはいかない。乙女のプライドを総動員して意思を示す。
「い、いらない……」
「ふーん。意外に強情だな。じゃあ俺が両方とも――」
その言葉に、ついに心が折れた。
「じ、じゃあ……そっちの、食べかけのをちょうだい……」
まるまる一個と言わなかっただけマシだろうか。だが彼女はささやかな敗北感に打ちのめされていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その晩またも私は啓一の部屋に夜這いをしかけた。
なんかここ最近、啓一のペースばっかりで面白くない。私たちが対等だって
この辺で改めてちゃんと思い知らせておかないと、このまま彼のいいようにされてしまいそうだ。
近頃の啓一は妙に用心してるから、その隙をつくのも容易じゃない。
音もなくドアを開けると私は寝ている啓一のベッドに近寄り、そっと中をめくった。
啓一は仰向けでぐっすりと眠っているようで、こちらに無防備な寝顔を晒していた。
……う、この顔いいかも。後でキスしちゃおう。
そう思いながらパジャマの下を下着ごとずらし、啓一の性器を露にした。
本人と同様にぐったりしたあそこに軽く口づけして、愛情を込めて舌を這わせる。
袋を指でしごきつつ棒の先をチロチロ舐めていくと、ゆっくりそれは立ち上がっていった。
十七年間見慣れた、啓一のおチンチン。
どこを舐めれば感じるか、どういじれば気持ちいいか、私は全て知っている。
「ん、はぁ……」
荒い息を吐いて、私は勃起した男性器を熱っぽい眼差しで見つめた。
小さい頃、なんで啓一にだけ象さんがついてるのか不思議に思ってたっけ。
その象さんは、今や私の夜の生活にとって無くてはならないものになっている。
「う……」
すっかり硬くなったそれをくわえると、啓一がうめき声をあげた。
起きちゃったかな? と思ったが、幸い彼の意識は闇に沈んだままだった。
私の口は小さめで、啓一のコレをくわえるのも楽じゃない。
でも彼に言わせると、私がコレを一生懸命口に含んでるところがまた可愛いんだって。
そんなことを笑いながら言うから、私の怒りを買うんだけどね。
おチンチンをほおばり、私は兄に奉仕するように口内の亀頭を舌で優しく愛撫した。
――ちゅぱ、ちゅぱちゅぱ。
唾と先走りの汁が混ざっていやらしい音をたてる。
私は満足感と劣情に体を火照らせ、しつこく啓一の肉棒を舐め続けた。
「――う、あ……め、恵……?」
しまった、起きちゃったか。まあ仕方ない。
「はあ……お前、またか……? なんでそんなにスケベなんだよ……」
なんで私が怒られるのやら。しかも双子の妹、自分の分身をまるで痴女のようなこの言い方。
元はと言えば学校でも家でもセックスのときも、啓一が偉そうに兄貴面するからじゃない。
私も君も元々は一つ、何でも対等のはずなんだよ? 忘れちゃったの?
私は怒りを込めて彼を責めたててやった。
「く、やべ、出る――」
彼の陰茎がビクビク震えて発射準備を整える。
これを待っていた。私は急いでおチンチンから口を離し、両手で彼の棒をぎゅっと握り締めた。
「痛っ……! 恵、お前……」
「うふふ、寸止めされて苦しそうね。出したい? 出したい?」
啓一は苦しそうな顔で私をにらみつけている。なんかとってもいい気分。
「お前――やめろっ……!」
「ふふん♪ やーだよーだ」
おチンチンを握ったまま微笑んで、先っちょを軽くねぶりあげる。
啓一は悲鳴をあげて身をよじり、苦悶の視線を私に向けた。
「出したいなら大人しく私の言うこと聞いてよ。いい?」
「……うう、くそ……わ、わかった……」
悔しさをにじみ出し、降参して白旗をあげる啓一。ふん、いい顔よ。
私はそんな兄の上にゆっくりとのしかかり、既に濡れ濡れの私の中に彼のを導いていった。
――じゅぷ……ぬぷぽっ……!
私の肉をかき分けて入ってくる太い肉棒の感触に、私は熱い息を吐いた。
「あはぁ……♪ いい、啓一? 今日は私より先にイキなさい」
「なん、だって……?」
「いつもいつも私ばっかりイカされてるから今日は仕返し。だから早く出してね」
「…………」
啓一は気にいらない顔だったが、射精寸前で止められたことと
彼を包み込む私の膣の絡みに理性を失ったのか、私が上になって腰を振ると激しく喘ぎ始めた。
「うあっ! く……ぐぅぅ……!」
「ほ、ほらぁ……啓一、いいでしょ……?」
いい気になって兄を責めたてる私だったが、見た目ほどの余裕がある訳ではない。
ガチガチになったおチンチンは容赦なく私を貫いてくるし、先ほどのフェラで
私が多少なりとも感じてしまっていたのも、この我慢比べには辛いところだった。
でも今回は負けるわけにはいかない。
私は両手で自分の口を押さえて、声をあげるのを必死で我慢しながら彼を苛んでいく。
ギシギシとベッドがきしみ、幾度となく繰り返されてきた私たちの交わりを見届けていた。
「ほら……早く、イっちゃい……なさい、啓一……!」
「うあぁ――く、くそ……!」
――じゅぷぷっ、くちゅっ! じゅぽっ !!
私の膣はエッチな音をたてて啓一を包み込み、彼の肉棒をしごいてやまない。
たしかに対抗心や悔しさが私たちの心にはあったけれど、
こうやって繋がったままで互いの顔を見ていると、とても懐かしい安心感を覚える。
興味本位から初めて本番をしたのは中学生になったばかりのときだっけ。あれは痛かった。
あのときは啓一だけ気持ちよくなって、私は痛さのあまり泣き喚くだけだった。
それから好奇心はどんどんエスカレートしていって、相手の体で何でも試した。
傷がついたり痛かったりするのはさすがにやらなかったけれど、おかげで経験だけは豊富になった。
でもそれが愛とか恋だったのかと聞かれると、多分違うと思う。
年頃になって芽生えた性欲を互いの体で発散させていただけ。
それがこうやって男女の仲、本当に愛し合うようになったのはほんの最近のことだ。
今の私は啓一が好きだし、啓一も私が大好きだ。
両親にも友達にもバレていないと思うけど、やっぱり近親相姦だから今でも少しドキドキする。
知らない人から告白されて断るのも申し訳ないと思う。
でも私は啓一がいないと生きられない。そしてそれは啓一も同じ。
心も体も同じで、性別だけが違う一組の双子の男女。それが私たちなんだ。
「ぐああっ……駄目だ、出るっ……!」
その声と共に啓一が弾け、私の中にどろどろの液体を注ぎこんだ。
――ビュルビュルビュル……ドクゥッ!
「ああぁ……♪ やった、啓一ぃ……!」
が、私の忍耐もそこまでだった。体の奥から熱いものがせり上がり、熱い衝動となってあふれ出す。
「――ああぁぁ……!」
私の意識も闇に飲まれ、その体が啓一の上に力なく横たわった。
ベッドの中で、私と啓一はくっついて寝転がっている。
もう深夜だ。また明日も寝不足になってしまいそうで、啓一は大変だろう。
そんな兄の胸を指でいじりながら、私は彼の名を呼んだ。
「啓一……」
「なんだよ。もう俺は怒ってないぞ?」
そんなことはわかっている。私の心は君の想い、君の心は私の想い。
私たちの間にわからないことなんてあるわけない。
「私、啓一の……何かな?」
「おいおい、なんで今さらそんなこと聞くんだ。わかってるくせに」
「そうだね、ふふふ……」
私は笑い返した。大事な片割れ、心の分身、もう一人の自分。
色々な言い方があるけれど、私たちの仲を一言で説明するのはどんな言葉でも不可能だろう。
「じゃ、おやすみ……」
腕を伸ばし、狭いベッドの中で私は啓一に抱きついた。向こうもいつものように私を抱き返してくる。
そんな当たり前のことに私は笑みを浮かべつつ、今夜も安らかな眠りについた。
GJです。
キモ姉妹スレかと思った
おもしろかったよ、GJ
久々の投下だなぁ gj
ここでの設定はまた違うのね GJ
417 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 06:44:36 ID:BWRSvhEr
ああ、純愛で和むなあ。
や、あちらはあちらで好きですよ?
ぐっじょーぶ
いや、明記してないだけで多分このシリーズの設定ずっと同じだとおもふ
ん、これ連載もの?
というほどでもない
>>412 GJです。
>>420 専用スレの無いSSスレの『ふたりはひとつ』シリーズの続きのようなモノだと思います。
ツンデレスレにもスピンオフっぽい話がありますね。
すでに知ってたらスイマセン。
GJ
ツーカーというか、すごい通じあってる感じがいい
424 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 17:44:54 ID:LVcBsZtr
保守age
保守
保守……
驚くほど投下がない
425、426、427って全部俺なんだぜ……
帰って来てください職人(´;ω;`)
>>429 ノ
職人じゃなくて申し訳ないが俺もいるぜ
おっと、保守要員なら俺もいるぜ!
432 :
429:2009/06/21(日) 08:06:34 ID:fV1AC9O2
みんな、ありがとう……
どんなに過疎しても落ちないようにがんばろうね。
職人が来てくれたらみんなでGJしようね……
このスレって義理の妹はOKだったっけ?
特に問題はなさそう
>>435 そ、それは死亡フラグ……
>>435 が規制に遭ってgjできないか
誰も新作を投下しないかどちらだろうか……
>>425-436 なに?お兄ちゃんてば妹に欲情しちゃったりするヘンタイなわけ?
そんなんだからいい年こいて彼女も出来ないのよ!!
ま…まぁどうしても、って言うんだったらその…ちょっとだけならそういう事…させてあげてもいいかな?とか思うけど…
あ!今の無し無し!お兄ちゃんとそんなことしたいわけじゃないんだから!!
>>437 これで普通に萌えられる俺は末期かもしれないw
ああよかった
末期なのは俺だけじゃないんだな
ナカーマ
このスレも末期......
443 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 04:42:55 ID:ND9B7b7I
まだだまだ終わらん
444 :
保:2009/06/25(木) 21:59:34 ID:hgW5atSb
兄「『いもうと』とはなんだ?言ってみろ!」
妹「妹とは…キョウダイ…です…?」
兄「は!?お前その歳になって兄貴のことナメてんのか!」
ビクッと身をすくませ怯える妹
中学生になった兄は突然人格が変わり妹の自分にキツく当たるようになった
妹は心当たりも無くわけがわからなかった
兄「お前、男か!?女か!?」
妹「お、女です…」
兄「そうだ!妹ってのは女って決まってんだよ!そして女は男の性欲処理をするもんなんだよ!」
妹「せ、性欲処理…」
もう小学校高学年になり性教育も受けている妹は兄の口から出た「性欲処理」という言葉に耳を疑った
兄「お前、何の為にオレと同じ一つ屋根の下に住んでると思ってんだ!あ!?」
妹「な…何のためって…」
今までそんな事を考えたこともない、ただ同じ両親のもとに生まれただけの兄妹、同じ家に暮らすのは当然だと思っていたが…
兄「いつでも手軽にオレのエッチの相手できるように決まってんだろっ!」
妹「な、何言ってんの…」
そう言いかけて絶句する。
立ち上がった兄の股間にビクンビクン脈打つ充血した肉棒がファスナから突き出ている。
兄の背後にエッチなDVDの画面が見えた。
妹「やっ!おにいちゃん、やめてぇー!!!私たち兄妹なのよ!ひぐぅーっ!!!」
・
・
・
こうして知られざる二人の新しい生活は始まった・・・
妹さんを大事にしない奴はどっかいけ
>>444はこのスレ伝統の保守なんじゃw
なんか懐かしい
444で保守とな......
そういえば伝統のあの人も見なくなったな
449 :
やぶ:2009/06/26(金) 03:10:51 ID:mzk81dlD
ねえ、お兄ちゃん。今日はアレ、しないの?
…うん、ホントは起きてたんだ。
あっ、ううん!あやまんなくていいよ!
…だって。
私も、ホントは楽しみにしてたんだ。
だって、そうじゃなかったら、あんなにタイミングよく脚開いたりしないよ?
だから…、ね?
今日は、寝たふりしないで、お兄ちゃんに舐めて貰っていい…?
んっ!ふぅぅ…!な、なんか、恥ずかしいね、コレ。
いつもは、目を閉じたまんまだから…。
んああっ!?
そ、それに、お兄ちゃんいつもより激しい…。
あ、普段は私、寝てると思ってたんだもんね。
じゃあ今日は、お兄ちゃんの好きなようにいじっていいよ?
って、ふああんっ!そんなに押し広げて舐めちゃ!?んあっ!くぅぅっ!あ!あ!めくっちゃダメ!めくって舐めちゃ…、あああっ!
ダメぇ!感じすぎちゃ…!
んあああ!お、おいしいの?私の、ソコ、そんなにおいしいの?
え?子供のアソコみたいにつるつるで舐めやすい?
こ、子供じゃないもん!
大人だもん!
だから…、だから、お兄ちゃんのオチンチン、ここに入れて?
あの、その、私、その、まだ、だから、そのまま、あの、…うん、お兄ちゃんの、そのままちょうだい?
くっ…!んああっ!お、大きい!お兄ちゃんの大きすぎて息が…!?
し、死んじゃう!
うああんっ!
そ し て 伝 統 へ ・・・
導かれし住人達
伝統のあの人のレスがまた見たいぜ
い
>>449 これはいもうと大好きよりお兄ちゃん大好きになってるから
逆視点も書いてほしい
天空の妹
アク禁の神々
457 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 21:31:37 ID:ccpTt3Mo
幻の職人
いもうとは メダパニを 唱えた
おにいちゃんは こんらんした
妹「やっ!おにいちゃん、やめてぇー!!!私たち兄妹なのよ!ひぐぅーっ!!!」
ドラクエで妹といえばターニアか
リメイク版だと5の娘も良いな
いもうとは ベホイミを 唱えた
おにいちゃんのアソコは ビンビンに回復した
妹「やっ!おにいちゃん、やめてぇー!!!私たち兄妹なのよ!ひぐぅーっ!!!」
おや……?
いもうと の ようす が……?
おめでとう!
いもうと は キモウト に しんか した!
進化すると可愛くなくなって戦闘力が増す
ポ○モンといっしょか
キモウトだって妹は妹だぜ。
スレタイを見ろよ。
愛してやろうぜ……
このスレ終わったな
一ヶ月投下なし
>>464-465 待て! そう結論付けるのは、俺の話を読んでからにするんだ!
……などと偉そうなことは言えない遅筆ぶりですが、13レスほど頂きたいです
『 陽華へ
もう駅前に来ています。
約束通り、北口に居ます。
そっちはどれ位かかりますか。
時雨』
「送信……っと」
俺は携帯電話にメールを打ち終えると、顔に冷たいものを感じて空を見上げた。
天気予報は一日晴れだったが、現在の雲行きは少々怪しい。
「降らなきゃ良いけど」
俺は溜息を吐いて、駅舎に掛けられている時計に目をやった。
12時6分。
約束の時間を、もう1時間以上オーバーしている。
電車を一本乗り過ごしていたとしても、もう到着しても良い時間だ。
携帯電話に掛けてみても、電源が切られていた。
流石に心配になってくる。
やはり、叔父の家まで迎えに出向いたほうがよかったのだろうか?
陽華ももう高校生である。加えて片道4、5時間の交通費を考えると、彼女に任せた方がよいと考えていたのだが。
普段ぼーっとして、どことなく頼りない少女の居住いを思い出すにつれ、なんだか不安になって来る。
叔父に引き取られて、もう3年近く経つのだ、少しはしっかりしてくれているのだと思う、……きっと、願わくば。
『だけど、陽華だからなぁ……』
おおかた、特急で寝過ごして、終点まで流れ着いているのではないだろうか。
彼女はどんな状況でも眠れる。寝てしまう。
前にも幾度となく似たようなことがあった。例えば、駅前の喫茶店で寝ている間に、目的の電車が出てしまったり……。
「……ひょっとすると」
ふと思い立った俺は、改札口のすぐ傍にあるチェーン店のカフェへと足を向けた。
「やはりそういうことか」
店内の隅に置かれた一人がけの席で、腕を枕にすやすやと眠る少女の姿を確認し、俺は再び溜息を吐いた。
癖っ気のある長い黒髪に白い肌、痩せ気味の体に華奢な腕、幸せそうな寝顔。
一目で判った。
陽華は変わっていない。
俺はその黒い髪をそっと指で漉くと、暫し逡巡してから、彼女の肩を軽く揺すった。
「陽華」
返事は無い。
「起きて、陽華」
今度はちょっと強めに力を込める。
やはり反応は無い。
仕方がない。
俺は放置され結露しているアイスコーヒーのグラスを取ると、彼女の頬に押し当てた。
「ひゃう!」
急激な刺激に、眠り姫は変な悲鳴を上げながら飛び起きた。
拍子にバランスを崩し、高めの椅子から転落しそうになったので、慌てて背中からその体を支える。
店員や客の奇異の視線が集まる中、俺と陽華は奇妙な格好で抱き合っていた。
陽華は仰向けに倒れかけたまま、顎を上げる。
きょとんと見開いた目と目が合う。
「にーさん?」
「うん」
久方振りの再会。
高校生になった妹は、頭を天地逆にしたまま、いまだに寝惚けた様子で、にへらと笑った。
「おはよう、にーさん」
* * *
結局、陽華は2時間前には駅に着いていて、先回りして俺を驚かせようと喫茶店から様子を伺っていたそうだ。
それが数10分も待てずに寝オチとは、なんとも彼女らしい。
そう笑うと『にーさんがもっと早く来ないのが悪い』と無茶を言いながら、むくれた。
とりあえず、いつまでも店にいては落ち着かないので、さっさと家に向かう。
バスを乗り継ぎつつ、道すがら色々なことを話した。
近況のこと、これからの家事分担のこと、陽華が通うことになる高校のこと。
空白の時間を埋めるように、俺たちは色々なことを話した。
ブランクを感じさせない、軽快な会話。
時間はあっと言う間に過ぎ去り、いつの間にか自宅の前に到着していた。
3時間ぶりの、彼女にとっては3年ぶりの、我が家を見上げる。
蔦に覆われたレンガの壁。ぞんざいながらも一応は手入れをしてある庭。
梅の花が散り際だった。
陽華は懐かしそうに目を細める。
「変わってないね」
「まあね」
ふと目を下ろすと、正面玄関の前に誰かが所在無げに立ち尽くしていた。
ショートカットで薄手のジャケットにジーンズのラフな格好。
女は俺の姿を認めると手を振りながら歩み寄る。
「待ってたぞ時雨ー。先週借りた本……」
その表情が、後ろの陽華を見るや凍りついた。
「……美幸さん」
陽華も同様に、怯えたような顔で硬直している。
俺はポケットから鍵を取り出すと陽華に渡した。
「陽華、先に戻って。部屋は前使ってたのだから、判るね」
「でも……」
「話がややこしくなるから」
陽華はうな垂れて、足早に美幸の横を通り過ぎた。
と、突然踵を返し、懐から携帯電話を取り出す。
「あの!」
「……何?」
美幸は若干強張った顔で応える。
「後で、お話、しませんか。ちゃんと、二人で」
「……いいけど」
二人は無言でアドレスを交換する。
用が済むと、陽華は一礼して家に駆け込んだ。
「……妹さん、戻って来たんだ」
「ああ」
会話が途絶える。
重苦しい空気。
「どうするつもり?」
何を? とは訊き返さなかった。
「陽華次第ではあるけど、彼女の意思を受け入れるよ」
「私が言いふらしたら?
"あそこの兄妹は近親相姦にふけっています"って」
美幸との付き合いは長い。彼女がそんなことをするとは思えないが。
「もう一度叔父さんに引き取ってもらうしかないな。
君と完全に縁を切った上で、社会人になってから家を変えて、改めて呼び寄せるよ」
彼女は顔をしかめた。
「本気?」
俺は無言で彼女を見返す。
1分はそうしていただろうか、彼女は俺から目線を外すと、大きく溜息を零した。
「しょーがないな。
私からはもう何も言わん。勝手にしてよ。
今後あんたらが外でいちゃついていても、私は他人のふりをすることにする」
頭をかきむしりながら、突き放したようにぼやく美幸。
何時も通りのざっくばらんな様子に、俺は苦笑した。
「まだ判らないさ。
陽華もこの3年で、誰か別の良い人を見つけてるかもしれない。
相手が悪くなければ、身を引くよ」
「たぶん、それはない。
あの娘の意志は固いよ。きっと。じゃなきゃ……」
身を引いた私が馬鹿みたいじゃない。
届くか届かないかぐらいの声で、美幸は呟く。
俺は聞こえないふりをした。
彼女は顔を赤めると、俺に持っていたハードカバーを4冊押し付ける。
「さっさと行きなさいよ。お姫様がお待ちかねでしょ」
そう言うが、物凄い駆け足でその場を立ち去る。
俺は陽華の手荷物が詰まったボストンバッグと本の山を両手に、途方にくれた。
* * *
引越しは滞りなく終わった。
生活に必要なものはこちらに揃っているので、業者から陽華の私物を詰めたダンボールを受け取れば、後は彼女に任せればいい。
俺は鼻歌交じりにお茶の用意をしていた。
茶葉を缶からポットに移していると、軽い足音が近付いてくる。
足音は停止せず、そのまま俺にぶつかって来た。
「にーさんにーさん。
終わったよ、片付け」
俺の背中に抱きついたまま、耳元で報告して来る陽華。
「はいはい、判ったから離れなさい。掃除はまだだろ」
「えへへー」
摺り付いてくる妹を見て苦笑する。
もう高校生になると言うのに、相変わらずだ。
一応人目をはばかる様になっただけ、ましかもしれないが。
「変わらないな、陽華は」
「……変わらないよ」
じっとりとした、低い声音。
顔を俺の背中に埋めたまま呟く陽華に、俺は思わずぞくりと背筋を凍らせた。
「あれから何度も諦めようと思った。
忘れようとした。ひとりで生きていこうと思った。
些細なことと笑いとばそうとした。他の男のひとを好きになろうとした……」
陽華は顔を上げると、俺のシャツを両手で掴み、押し倒した。
力自体は大したことはない。
けれど気圧されていた俺はバランスを崩し、その場に尻餅をつく。
茶葉が床に散らばった。
「全部ダメだった! 全部!!
諦められなかった! 忘れることなんてできなかった!
にーさんに逢いたくて、声が聞きたくて、でもそうしたら決意が鈍るから……」
「知ってるよ」
泣き喚きながら馬乗りになって詰め寄る陽華を、俺は両手で抱きしめた。
「陽華、時々家の近くまで来てただろ。ひとりで、こっそり。
俺に会わずに、墓参りだけして帰ってたけど」
「知ってたんだ」
幾分落ち着いたのか声を落とす陽華。
「本当はお盆でも正月でも、理由をつけて逢いに行きたかったわ。
けど、もう、にーさんまで"キモチ悪い"なんて言われるの、イヤだったから」
「陽華、あの時言われたこと、まだ気にして……」
陽華は小さく頷いた。
「ほとぼりが冷めるまで、にーさんと決めた"3年"が過ぎるまで、ずっと待ってた」
ぐず、と鼻をすすりながら、陽華は濡れた瞳で俺を見下ろした。
「ごめんなさい。
わたし、にーさんが好きです。
どうしようもなく、好きです」
閉じた瞼から熱い滴が零れる。
「こんな、迷惑かけてしまって、どうしようもない妹で、ごめんなさい」
「陽華――――」
俺はそっと陽華の頭を抱き寄せると、その唇を自分の唇で塞いだ。
3年ぶりのキスは、涙の味がした。
何度か息継ぎしながら、たっぷり時間をかけ、彼女の唇を味わう。
やがてどちらからともなく唇が離れる。
「俺も好きだよ。
愛してる。
3年間、ずっと忘れられなかった。
陽華が別の男を好きになるんじゃないかって考えると、それが良い事だと判っているのに、嫉妬で狂いそうになった。
だから、ありがとう。
好きでいてくれて、ありがとう」
だから、自分を責めないで欲しい。
悲しい顔をしないで欲しい。
俺は彼女の頬を濡らす涙を、舌で拭いながらそう願った。
「でも、わたしはヘンタイだよ。
血のつながった実のにーさんに欲情できる、オカシイ人間なんだわ」
「奇遇だね。実は俺も、実の妹に対してエロいことを考えられる変態なんだけど。
陽華で、その、自分を慰めたことも沢山あるし」
陽華は暫くきょとんとしていたが、意味を理解すると顔を赤らめながら笑った。
「じゃあ、わたしたちはヘンタイさんどうしだね」
「ああ、そうかもね」
二人で顔を寄せ合い、ひそかに笑い合う。
ひとしきり笑った後、俺の胸にちょこんと頭を置いて、陽華は囁いた。
「にーさん。憶えてる?」
「何を?」
暫しの逡巡。
「もし、3年経っても、ふたりの想いが変わらなかったら。
まだ、お互いのことを一番だと思えるなら。
えと……キ、キスの続きを……」
それ以降は口ごもるだけでよく聞き取れなかったが、大体は判った。
「今すぐ?」
首肯。
俺は苦笑して起き上がると、真っ赤になって俯く陽華を抱え上げる。
相変わらず少女は信じられないくらい軽かった。
* * *
支援!!
陽華を抱えたまま自室に向かい、ベッドの上にそっと座らせる。
そのままかがんで唇を合わせた。
「ん」
キスだけなら3年前も、その以前から何度も交わしている。
だが、これから自分達がしようとしている行為のことを考えると、後ろめたさも勿論あるが、いやがおうにも興奮が高まった。
必死に、競い合うように、お互いの唇をついばみ合う。
舌を絡め、互いの唾液を嚥下する。
ようやく口を離す頃には、陽華は肩で息をするほど、くたくたになっていた。
俺もベッドに腰かけ、膝の間に陽華を座らせて、彼女の流れるような黒い髪に顔を埋める。
彼女の匂いを、鼻腔一杯に満たす。
「陽華は、いいにおいがするね」
恥ずかしそうに身悶えする少女を抱きしめ、落ち着かせてから、そっとブラウスのボタンに手をかける。
「いい?」
「うん……。でも、自分で脱げるわ」
「脱がせたいんだ」
焦らないように、一つ一つ反応を愉しみながら、ボタンを解き、スカートのホックを外していく。
布地が開き、真っ白なお腹と、ほっそりした腿が露になった。
そっと指先を素肌に這わせる。
すべすべしていて気持ちがいい。
陽華は恥ずかしそうに、もどかしそうにしながらも、為されるがままだった。
でもそれだけでは到底満足できなくて、俺は下着にも手をかける。
ブラジャーはあっさりと外れ、小ぶりな乳房が姿を見せた。
妹のそんな場所を目にするのは、一体何年ぶりになるだろうか。
「凄く、きれいだ」
「あぅ……」
陽華が顔を更に紅潮させるが、体を一瞬震わせただけでそこを隠そうとはしない。
薄紅色の先端を撫でながら、膨らみ全体を揉む。
「んぅ」
陽華は眉を寄せて、切なげな声を漏らした。
今まで聴いたことの無い種類の声音。
もっと聞きたくて、俺は乳頭を指で拭ったり、はさんだりしながら、薄い脂肪をこねくり回した。
顔を上げキスを求めてくるのに応じながらも、胸を弄る手は休めない。
やがて息が苦しくなり、酸欠と法悦とで息も絶え絶えになりながら、陽華は俺に体重を預けた。
彼女が息を整えるのを待って、股間を覆う布に手をかける。
布地を少しずらし、割れ目の周辺をそっと撫でた。
僅かな湿り気。
そこには流石に抵抗があるのか、陽華の体が目に見えて強張る。
顎を引き上げてもう一度キスをしてから、再び抱きしめて落ち着くのを待つ。
腕の中の躯がやわらかくなり、再度股間に手を伸ばす。
腰を上げさせて下着を脱がすと、今度こそ覆うものがなくなった割れ目に直接指を這わせた。
「〜〜〜〜っ!」
刺激に戸惑いもがく躯を抱きしめながらも、片手では秘部を弄り続ける。
じんわりと水気が溢れ出し、その度に指先で拭う、それを繰り返す。
入り口が段々とほぐれ、やがて陽華の息に陶酔の色が入り始めた。
しっかりとならしてから、少しだけ膣の内部に指を押し込む。
ゆっくりと肉壁をかき分けながら、上部の小さく膨らんだ部分を探り当てる。
「……ッ!!」
指先でそこを撫でると、陽華は電流が流れたように背筋を震わせた。
ベッドの上で仰け反ったまま、歯を食いしばって、必死に何かに耐えている。
「いきかけた?」
「……たぶん」
途切れ途切れの声で答える陽華。
俺が手を休めている間に、深く深呼吸を一つ。
「にーさん、ほんとに初めて?」
「勿論」
「でも、なんか、手馴れてるわ」
「そんな事ない。俺もいっぱいいっぱいだよ」
やり方なんて良く判らないけれど、ただ、俺の指で感じてくれるのが嬉しい。
小休符を挟んでから、ことを再開する。
右手で下半身を弄りながら、身をかがめてツンと立った乳頭をついばむ。
愛撫は事の他神経を使う作業だった。
後ろからだと中の様子がよく見えず、手探りにならざるを得ない。
壁を濡らしながら爪など立てぬよう慎重に、内部まで分け入る。
ゆっくりと奥を掻き混ぜながら、左手でクリトリスに触れた。
口と指で上下の突起を刺激する度に、微かに甘い喘ぎが少女の口から漏れる。
熱い。
抱きしめている躯の芯から熱が染み出してくるのがわかる。
熱に浮かされたような表情で、陽華は振り返った。
「にー、さん。だいじょう、ぶ?」
「何が?」
「せ、背中に、当たってるの。すごく、苦しそう」
ズボン越しでも判るほど膨らんでいる己が下半身を見下ろして苦笑した。
「変かな?」
首を振る陽華。
「わたしで興奮してくれて、嬉しい。
けど、にーさんも気持ちよくなって欲しいから。
もう、挿れていいよ?」
正直、それは魅力的な提案だった。
ガチガチに勃起した亀頭が、時折トランクスの生地と擦れて痛みが走る。
でも、まだ早い。
「もうちょっと、陽華のエッチなところ、見てみたい」
「それはわたしも、――――ッ!」
有無を言わせず、さっきよりも激しく膣内をかき回す。
男を受け入れるのは初めての娘が、ペニスで感じられるとは思えない。
途中で止める可能性も考えれば、彼女には今のうちに気持ち良くなっておいて欲しかった。
「ちょっと、にーさ、さっきよりはげし……あっ!」
ちょっと今まで傷つけることを恐れる余りマンネリになっていたかもしれない。
きちんとオルガズムに導くべく、ペースを上げた。
秘壺に入れた指を折り曲げて壁を押し広げ、溢れ出る愛液を小さな膨らみに擦り付ける。
陽華は両足を閉じようとするが、既に入り込んだ指を止めることはできない。
一気に湿り気が増し、尻をつたい落ちる滴がシーツを濡らす。
右の乳首を歯で挟んで、噛まない程度に力を入れる。
左手の指でクリトリスを強く挟み込んだ瞬間、膣道がきゅっと縮み、熱い水が溢れた。
「んんんぅ――――!」
1オクターブ高い掠れ声が少女の口から漏れる。
時折体を震わせながら、陽華は絶頂に達した。
喘ぎながら、力を失いぐったりともたれかかって来る体を支える。
「きもち、よかったわ」
「そりゃよかった」
陽華はふらつきながら体勢を変え、俺に向き直るとキスをせがむ。
抱き合いながら、浅いキスを何度も繰り返す。
ふと、キスを止めた陽華は俺のシャツのボタンに手をかけ始めた。
「陽華?」
「早く、本番をしよう」
「けど……」
ここまでしておきながら、本当の最後の一線を越えることに未だに抵抗を覚えている自分を自覚する。
俺は苦笑して踏ん切りをつけると、服を脱ぎ捨てて陽華を仰向けに押し倒した。
裸のまま正面から向き合うと、何となく恥ずかしい。
「ええと、にーさん」
「ん?」
「シャツ、脱ぎたい」
彼女のブラウスは、前は全開だが腕は通されたままだった。
「駄目」
「皺になるわ」
「半脱ぎというのも、中々そそるね」
唸る陽華。
「やっぱり、にーさんはヘンタイさんだわ」
俺は羞恥を誤魔化すように、陽華の胸を撫でながら一度だけキスをした。
ベッドサイドの戸棚にあるコンドームを取り出し、封を解くと、扱いに戸惑いながらも何とか装着。
薄いビニルに包まれたそこを、陽華の入り口にあてがった。
そのまま、暫しの逡巡。
「にーさん?」
「陽華、今日は"大丈夫な日"?」
「たぶん、そうだけど……」
本心では、問答無用で挿れてしまいたい。
今すぐ彼女を貫いて、ぐちゃぐちゃに蹂躙してしまいたい。
「陽華、もしものことがあったら、堕ろしてもらう。
俺達の子供を生むことは、絶対に、ない。
それだけは、理解して欲しい」
俺は陽華の頬を撫でた。
彼女と籍を入れて、子供を生んで、育てる。
有り得ない未来。
出来ることならば、そうしたい。
でも、本来ならこんな行為をすることすら許されないのだ。
でも、それ以上に、彼女と寄り添いたい。
彼女の想いに応えたい。
陽華は悲しそうに笑って、俺の手を握った。
「うん、約束する。
だから、来て」
俺は頷くと、ペニスの表面に秘裂から溢れている愛液を塗りたくり、腰を押しやった。
既に十分ほぐれていた膣道が、途中までは導いてくれる。
それでもきつい。
棒が壁に擦れて、電流の様に快楽が走る。
陽華も苦しそうだ。
ゆっくりと半ばまで挿入した所で、何かに阻まれる。
力を入れると、陽華が快楽以外の感覚でうめき声を上げた。
敏感な部分を圧迫され、俺も多少は痛い。
だが、彼女の痛みはその比ではない筈だ。
動きを止めた俺を、彼女は潤んだ目で見上げる。
そのまま無言で頷いた。
俺は意を決すると、一気に腰を押し進めた。
「――――っ! ――ッ!! ――ッ!!」
陽華は唇を噛み、シーツを握り締めながら、必死に痛みをこらえている。
その瞼から、ぽろぽろと涙が零れた。
それなのに、俺は襲い掛かる凄まじい射精感を耐えるのに必死でいる。
何とか彼女を気遣えるまで踏ん張ると、陽華の頭を優しく撫でた。
「ごめんな」
「だい、じょーぶ。うれしい、のよ。
うれしいから、ないてるの」
俺に気を遣わせまいと意地を張る彼女が愛しくて。
「動くけど、大丈夫か?」
「うん、きもちよく、なって。
乱暴にしてくれて、いいから」
でも、明らかに無理をしていると判るから。
早く終わらせてしまおう。
俺は根元近くまで埋まっている男根を半ばまで引き抜き、再び奥に叩き付けた。
悶える彼女の頬をさすりつつ、腰の動きは止めない。
陽華は息を切らせつつ、声を上げた。
「にーさんっ。ちょ、もう、ちょっと。ゆっくり」
「ごめん。けど、すぐ終えるからっ」
「ちがうの、わたし、また、へん、に、……ぁうっ!」
明らかに痛み以外で濡れた声に、俺は戸惑う。
「……感じてる?」
「うん。たぶん」
さっきまで処女だった彼女がこんなことになるとは、想定外だった。
「……ひょっとして、陽華すごくエッチな子?」
「判んない。けど、にーさんに抱かれてると思うと、あそこがきゅっとしてきて。
だから……いっしょに、いきたい」
大丈夫だろうか。
正直、もう爆発寸前だった。
それでも、俺もできれば陽華と一緒にいきたい。
「……努力する」
そう告げると、射精を我慢しながら、ゆっくりと挿入を再開。
肉棒が擦れるたびに達しそうになるが、歯を食いしばって耐える。
同時にはだけた胸に手を伸ばし、薄い脂肪を揉みしだく。
「うれしい……。にーさんの手、あったかい」
陽華は、未だに身を苛む痛みに耐えながら、自分も達するべく俺の与える快感に身を委ねてくれる。
俺が乳首をつねる度、熱い声を上げながら身をはねる。
ビニル越しに擦れ合う粘膜から、血の混ざった愛液が溢れ、ぐちゅぐちゅと水音を立てた。
「にーさん、そろそろっ……!」
「ああ!」
もう、我慢も限界だった。
俺は乳房から手を離し、腰を掴むと、何度も我武者羅に子宮を突き上げる。
痙攣する肉壁が、四方から性器を圧迫した。
「陽かっ! ようかっ!」
「にーさ……!」
意識を手放した瞬間、感覚が焼け落ちて力を失う。
一拍置いて、今まで感じたこともないボルテージの快楽が、背筋を駆け巡った。
「――! ――! ――!!」
だくん。だくん。だくん。
ペニスが震え、コンドームの中に大量の精液が吐き出された。
快楽の嵐が通り過ぎた後、訪れるのは虚脱感。
そのまま倒れこんでしまいたい誘惑に抗い、陽華からイチモツを引き抜いて、汚れたお腹を布巾で拭いてやる。
「陽華、大丈夫?」
陽華は、ん、と腹筋に力を入れ、身を起こして俺に寄りかかると、力なくにへらと笑った。
「……信じられないくらい、よかったわ」
「俺もだよ」
経験は無いが、他の女性ではこれ程の快楽は得られないと断言できる。
「いつか、またしたい」
「頻繁には出来ないけどね」
「どうして?」
「褒められた行為ではないし、何より危険だし、それに」
きょとんと見詰め返す陽華に笑い返しながら、俺は彼女の唇に触れた。
「きょうだいとして、恋人として、普通の毎日を過ごすのだって、こういうことに負けないくらい、嬉しいことだから」
「恋、人?」
「違った?」
「恋人……」
暫くその言葉を吟味した後、彼女は、俺に強く抱きつきながら、笑った。
「よろしくおねがいします。にーさん」
* * *
線香の香りが漂う。
丘の上に広がる墓地の一角。
俺は黒ずんだ墓石に柄杓から水を落とす。
その間に、陽華がスズランの束を花立に供えた。
「かーさんたち、怒ってるかな」
「どうかな」
何を、とはお互い聞かない。
墓石の汚れを雑巾で拭いながら、無言の時間が過ぎる。
掃除を終えて、線香に火をともし、二人並んで合掌。
黙祷の後、火を消して立ち上がった。
「俺たちが考えた挙句、これしかないと決めた道なら、受け止めてくれるさ」
「うん」
空を見上げる。
快晴だ。
家族の反対がなくとも、俺達の関係の前には、問題が山積している。
何れ社会に出れば、いつまでも結婚せず兄弟で同棲する二人は、奇異の視線で見られるだろう。
交友関係も、いつまで誤魔化しきれるか。
俺の不安を悟ったように、陽華は俺の手をきゅっと握った。
その小さな手を、強く握り返す。
「帰ろう」
「うん」
俺たちは連れ立って墓地を後にする。
彼岸開けの、暖かな昼下がり。
気の早い桜が、数輪ほころんでいた。
投下終了
常駐スレの話が書き進まず、再びここで書いてしまいました。
前に書いた話の数ヶ月前のエピソードです。
陽華の口調が一定しない、話が冗長など反省点もありますが、ストレートな兄妹話が書けて満足です。
リアルtime-gj!!!
一瞬続き物かと思ったが...
ひ、ひさびさの投下……
しかもかなりレベル高い作品!すごく嬉しいです!ありがとうございます!
(´;ω;`)しんじて待っててよかった……!!
いいねぇ…待ってた甲斐があったよ
GJ!!おもわず前の話も読み直した。
前の話ってどこかに保存されてる?
読みたいんだけど。それともこのスレにある?
>>486 このスレを
>>1 から順番にしっかり読むんだ。
保管庫の在り処も前の話の在り処もわかる。
読んできた。教えてくれてありがとう。
『いつか見た夢』……続編こないなぁ……
>>488ああいう流れになった以上、投下しづらいだろうな
GJすぎる
いやあ、GJですよにーさん。
リアルタイムじゃスルーしてたんだけど、
見てみると続きが気になるな、あの長編?はw
>>481 GJ! 待ってたかいがあったぜ
保守
わるきゅ〜れ
いもうとxx完全版 〜妹天使との戯れ〜
過疎スレで ひねもすのたり のたりかな
ほっしゅ
スレが....死んでまう!!!!!
500get
501 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 13:19:59 ID:DPvjiLyk
今日夢で、妹の昔の写真を親父が売りさばいてるって夢を見てしまった…
しかも方法が嫌にリアルで、レンタルビデオのVHSケースをバラして
中にサンプル写真と連絡先メルアドを仕込むって方法だった…
俺実妹属性は断じて無いんだけどな…疲れてるのかな…?
>>501 > 俺実妹属性は断じて無いんだけどな…疲れてるのかな…?
嘘だっ!
兄でいるのも大変だと妹として思う。
小6の時
「今日、兄ちゃんの昔の同級だったK(地元で有名な不良)にセックスしねぇ?」
って聞かれたんだけど...
と言ったら無言で家を出て行って血みどろで帰って来た。
真夜中に、蛾がいるから部屋に入れないと泣き付けば
過労死寸前くらいにくたくたに疲れてても私の部屋まで駆除しに赴き
私が手術する時は
「妹が手術するんです」と有給を取るのに上司の前で号泣し
だから、
「大人はみんなしてるんだよ」って騙して私のファーストキス奪ったこと
しかもディープでずっと舌を啜り続けたこと
心の中にしまっておいてあげます
>>503 ネタ…だよな?
もしそうじゃなかったら、あなたはどう思いましたか?
された時は、それがキスとは知らず
キスというのはチュッと唇を付けるものだと思っていたので...
ディープキスという単語を知っても
それは、舌を相手に入れるものだと思いこみ
高校くらいになってやっとあれってそうなんじゃ?と思った次第
何とも思ってないクラスの男子なんかにキスされるよりはいいかと...
それに近所に住んでた先輩が(当時小5)「おまんこはしょっぱい」と言っていたので
「何で知ってるんだろうね」とその妹に振ったら
「お兄ちゃんあたしのおまんこ時々舐めるし」って言ってたから
それに比べたら全然だと
俺には妹が二人居る(19と16)。
しかし二人ともレズな上、妹同士で肉体関係?が
あるっぽい…。
さぁ、兄として男の素晴らしさを妹に教えるんだ
調教結果をノンフィクッションSSで報告するんだ
ただの報告はVIPでやれ
「もーっ! ご飯食べたあとはちゃんと歯磨きしないと次のご飯抜きだからね!」
かいがいしく兄の世話を焼くしっかりものの妹。
母親が子供の歯を磨くように兄の歯を磨く妹か
>>510 風呂に一緒に入ったり、二の字で寝てたら一や十の字になってたり。
妹に早漏だとバレた時はさすがに
ブチのめしてやろうかと思った
妹で特訓して早漏克服ですね、わかります
何があってバレたのかが気になるなw
射精するまでの時間を知られたってことだよな。
セックスの相手か、ずっと観察されてたか。
妹は兄の色々なことを知っている
皮かむり具合とか大きさとか
エロ本の隠し場所
AVの属性
いつ童貞じゃなくなったかとか
>>517 それはキモウトだ、と言いたいとこだがリアル妹ってなぜか色々しってるよな
なんで俺がいつ童貞じゃなくなったかしってるんだ……
まぁ俺も妹がいつ『初めて』したか大体予想つくからあんま言えないけどね
俺には16歳の妹と15歳の弟が居るんだけど
なんか二人が異様に仲が良くてキモい…
恋人同士みたいで。まさか弟に取られるとは…
因みに俺は何故か弟から嫌われております
>>519 妬かせるために妹が弟になんか言ったんだな
「お兄ちゃんの事も気になるの」とかな
>>519 > 弟から嫌われております
素直になれない年頃なんですな。
異様に仲が良く見えるのは、
相手をあなたから引き離そうとしているのでしょう。
>>518 それは、夜中に泥酔状態で帰って来て
「ごめんな、兄ちゃんもう今日から童貞じゃなくなっちゃったんだ」
って妹の部屋で号泣するからぢゃね?
>>519 まさか弟にとられるとはってw
つまり、あんたもそういう目で妹見てたということか
リアルにこのスレやってるなw
しかし、あれだな
家族に嫌われると、ガチでつれえよな…
>>519 お前の方がキモいわw
寝取られて当然m9(^ω^)
はいはい、自分語りは他所でやってくださいお
しかし、妹いるのにこういうスレ見てるお兄ちゃんって思ったより、いるんだな
妹がいるからこそ、じゃないの?
保守
531 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 06:39:42 ID:tWwfKVHq
スレ名がわざわざ平仮名なのは、義妹でも良いってことか。
偽妹
じつは弟だったりするのか
そうねぇ
おにいちゃん
・・・・実の兄の他に、近所に住んでる年上の男の子だとか、親戚の年上の男の子だとか、も含まれている。
その いもうと とは
・実の妹
・親戚で年下の女の子
・近所に住んでいる年下の女の子
・大好きなおにいちゃんに愛してもらうために、自分自身を、男の娘、にしてしまった実の弟。
・大好きなおにいちゃんに愛してもらうために、自分自身を、男の娘、にしてしまった親戚の年下の男の子。
・大好きなおにいちゃんに愛してもらうために、自分自身を、男の娘、にしてしまった近所に住んでいる年下の男の子。
・ロボ子(?)
・ペットの転生
・異星人
などが考えられます。このスレとしては。
「今日からこの子は貴方の妹よ」
と、母さんに言われたのが十年前…
なんてパターンの話もありなのか。
>>535 ・親の再婚相手の連れ子
・親戚の子を(たとえば、海外出張などで)預かる
・養子、例えば隣の火事で子どもだけ残ったので。
などという関連も有るでしょう。
または、
・浮気相手との間に出来た子。
でも、兄妹、姉妹、として生活していれば当てはまると思います。
そういや、某F書院のライト系に腹違いの妹(年齢差三ヶ月)ってのもあったね
完全実妹もいますが
>>538 いや、普通に双子の妹とか居るのも知ってるよ
話の流れで妹のバリエーションの一例を出しただけだからw
なるほど
俺の妹は14歳
陸上部のエースでファッション誌の読者モデルで学年トップクラスの成績で携帯小説のプロ作家なんですねわかります
俺妹か
兄より優れた妹などいない!
そろそろssがおいしい季節
よし、じゃあ書いてみるよ!!
えーとねぇ
生意気で言う事聞かないいもうとが公立高校では素行が悪すぎで入れなくて全寮制の女子高に逝って。
2年生と3年生を2回行って20歳で帰ってきたら
まるで別人な、活発ではあるけど、何事もお兄ちゃん最優先で1日24時間尽くす子になっちゃった。
食事つくり、お弁当つくり、おトイレやお風呂も。それだけでなく、同衾で夜伽も。
とか?と言う逝き過ぎないもうとな話って無いのかな?
548 :
>>546:2009/09/03(木) 15:52:13 ID:tqMOoahS
くだらない小ネタ。短いです。
タイトル『妹の初音に何とかしてアナルエッチを了承させたい』
その1
愛情とは? 家族とは? それはどんな事も隠さずに話せる『信頼』だと思う。
信頼する家族は、いかなマイナスファクターも認知して受け止めてくれる、唯一にして最高の理解者だと思っているんだ。
例えばそう……姉が、妹が、義母が、何かの罪を犯したとして、証拠が充分に揃っていたとしても、本人がしていないと言えばボクは命懸けで信じる。
それに、目の前で車に轢かれそうになったら、間違いなく飛び出して身代わりになるよ。笑顔でサヨナラって言えるさ。
だったらさ、そしたら一つくらい、簡単なワガママくらい聞いてよ。
難しい事じゃない。なんなら子供だって出来る簡単な事なんだ。
頼むから、
お願いだから、
たった一つだけ、
ボクのワガママを、叶えてよ。
「お願いイモート!! アナルセックスさせてっ!!」
「はぁっ!? 死ねっ! キモいんだよクソアニキっ!!」
その1おしまい。その2へ続く。その5で終わります。
>>547 無きゃあ自分で書けばいいのさ。
いえ書いて下さい。
>>548 これはおもしろそう。続きが気になります。
双方とも存分に披露なされい
兄 妹
┗┳┛
┏┻┓←完全に安全なレベル
兄 妹
┗┳┛
┏┻┓
兄 妹
┗┳┛←注意すべきレベル
┏┻┓
兄 妹
┗┳┛
┏┻┓←危険な配合です…
兄 妹
┗┳┛←おぎゃwwwwwぱしろへんだすwwwww
┏┻┓
(^q^) (^q^)
ってか
西暦1800年以前の家庭って近い物があるでしょ?
部落ってか小さい村内での交流しかなくて。
で、
同じ両親の子同士、兄妹や姉弟では無くても、父親か母親のどちらかが同じ、兄妹や姉弟 だとか。
どっかの夫婦の、弟と妹が結婚して、それぞれの子ども同士で結婚したとか。
インブリードで生まれる子供は
神童か、(^q^)か、いずれかの確率が高まる。
馬なら (^q^)の方はコンビーフになるだけだが、
人間はそうもいかん。さあ、どうするお兄ちゃん?
思ったんだけどさ
(^q^)は間引いて、正常な子供だけ掛け合わせていけば
純粋で正常な血統ができるんじゃね?
生まれてきた次代の兄妹が愛し合って子作りするとは限らんから、
無意味な仮定だけども
実際問題として、閉鎖社会で何代も近親婚が続いた集団だと
逆に問題のある劣性遺伝子はとっくに全部発現してしまっていて
そういう個体は始末されたり子供を作らないまま死んで行くから
生き残っている個体には問題のある遺伝子がほとんど残っていないケースがある
その場合には、もうその後インブリードを繰り返しても比較的問題が起こらない
ただし遺伝子は変異や劣化を起こすので完全とは言えないけど
簡単に言うと、俺たちは妹に欲情する変態ってこと。
ところがg
実際問題として、
>>557が先天性の遺伝病に詳しくないことは解った
兄妹の愛は遺伝病を克服する
ここはエロパロ板なので遺伝問題とかどーでもいい
見たいのは妹とのエロや萌えるssだ
>>554 村人って薄い血の繋がりがあるらしいな。家族みたいに。
だから、皆と違う考え方や見た目は嫌われる排他的。
島国根性ウゼー
半島にお帰りください
お前ら
人型戦車と強化外骨格
リボルバー式の拳銃とクロスボウ
それぞれどっちが好み
なぜそれを聞きたいのか
戦車型強化外骨格でリボルバー式クロスボウだ
571 :
568:2009/09/14(月) 15:53:42 ID:gGeEURFJ
じゃあ姉と妹はどっちが好み?
はるか昔は近親が多かったから三大聖人のような優れた人間が生まれた。
つまり、この世界を導くために近親はあってしかるべき事である!!
なんてね
可愛い妹のために、保守。
577 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 10:09:55 ID:aFvNw1Mf
「実妹」よりも「妹のような〜」とか「妹として〜」の方が萌える俺。
ちがうよ! ぜんぜんちがうよ!w
兄妹のように仲が良い二人とか、妹として育てられた従妹とか、そんなのだよw
NTRはちょっと……ねえ?
>>177 妹のような弟
妹として育てられた弟
まで読んだ
あ?
このスレは男の娘な妹も許されるの?
少年愛の美学 とか?お兄ちゃんにイジラレている男の娘な妹とか?
または母親やお姉ちゃんたちに弟がイジラレて男の娘な妹になった話とか?
完全に転生してお兄ちゃんの子供を孕めるようになってから、またお越しください
>>584 ・男の娘とは、女の子にしか見えない男の子のことを指す。
・このスレは、妹――女の子に萌えるスレである。
以上をふまえて言わせてもらう、「スレ違い甚だしいから帰れ。」
女装男子または弟の話が欲しいなら、相応のスレでやってきてよ。
まあ、ボーイッシュとか男装の麗人な妹なら、当然アリだと思う。
ついでに思ったんだけど、ここって実妹と養子系義妹はオッケーとして――
兄弟姉妹または自分の結婚相手の妹みたいな、親戚系義妹はアウトなんだっけ?
なんかここの姉妹スレ(もとい姉スレ)で騒いでたから、少しばかり気になった。
個人的には、そんないい加減な関係は、さすがにアウトだと思うけど……
>>586 個人的には、弟の嫁とか、妻の妹とかあり。
「いもうと」に入らないこともないのでスレ違いとは断言できないけど
「いもうと」ものと聞いて内容がそれだったらガッカリする人は多いと思う
個人的には「要注意書き」くらいの範疇かと
個人的には男の娘な妹(弟)より嫌だ
まじめな話、日本には、約64,000人の、半陰陽、ふたなり、男の娘など がいる。らしい
ソースは後で書く。
だから、妹と思っていたら実は弟。だとか、弟と信じていたら実は妹。という事も有る。
だから「男の娘ないもうと」は、必ずいる。
なので、そういう話を書いても何も問題は無い。
新聞に載っていた。
<性分化疾患>新生児男女判定にガイドライン 初の症例調査、小児内分泌学会が来月から
毎日新聞 2009年9月29日(火)くらしナビ面「境界を生きる〜性分化疾患」
染色体やホルモンの異常により、外見で男女の区別が難しい新生児が約2000人に1人の割合で生まれているとされる。
いずれかの性に近づける医療にあたる際、医師が誤った判断をしているケースが問題化している。染色体や性腺からみるとほぼ女性である子に対し、男性ホルモンを投与していた例もある。
日本小児内分泌学会(藤枝憲二理事長)は医療機関が性別を判定するためのガイドライン策定に向け、10月から初の症例調査に乗り出す。
こうした疾患は医学的に「性分化疾患」「性分化異常症」などと呼ばれる。以前は原因がほとんど分からなかったが、90年代以降に性が男女に分化する仕組みが急速に解明され、診断の精度が上がってきた。
しかし、同学会性分化委員会によると最近でも、外性器だけをみれば男性に近いが、染色体が女性型で卵巣もある子に過剰な男性ホルモンを投与し続けたり、外性器で男女の区別がつかない子が染色体検査もされぬまま性別を決められた例などが報告されている。
医師が判断を誤ったことで、出産ができない体にされた人や、精神的な苦痛を抱えている人もいる。
さらに、男性型と女性型の染色体が混在していたり、卵巣と精巣の両方があるなど、専門医でも判定の分かれる症例があり、家族や成長後の患者本人が医療に不信感を抱くケースも明らかになってきた。
このため、同学会は性分化疾患が疑われる子が生まれた場合のガイドラインが必要と判断。
より正確な診断をする手順をまとめるほか、男女どちらの性が望ましいかを慎重に議論するためのチーム医療体制のあり方や、親に説明する際の留意点などについて、具体策を示すことにした。
また、病気の総称についても、一般的に使われている「半陰陽」「両性具有」などの呼び方には蔑視(べっし)的な響きがあるとして、10月に宇都宮市で開かれる総会で「性分化疾患」に統一する。
性分化委員会委員長の大山建司・山梨大教授は「医学界が真剣に取り組んでこなかった分野で、当事者や親は孤独でつらい思いをしてきた。
安易な性別決定によって苦しむ人を一人でも減らしたい」と話している。【丹野恒一】
………………………………………………………………………………………………………
■ことば
◇性分化疾患
通常は男女いずれかで統一されている染色体(XX、XY)、性腺(卵巣、精巣)、外性器や内性器(子宮、膣=ちつ)などの性が一致せずに生まれてくる疾患の総称。心と体の性が一致しない性同一性障害とは異なる。
新生児の段階で疾患が見つかった場合は、ほとんどがその時点で男女どちらが望ましいかを選び、手術やホルモン治療をする。8月の世界陸上選手権女子八百メートルで、優勝した南アフリカの女子選手が性別を疑われた例など、スポーツ界で論議となることも多い。
ただし好き嫌いがあるので、注意書きをしてから投下したほうが良いだろう。
TSネタあり、かな?
兄弟がTSして…ってのはそっち系のSSでは結構あるようだ。
アレだな。
生まれた時に産科医に女だと言われて、かわいい妹と思っていたら、実は弟だったとか。
産まれた時に産科医に男だと言われ、気に喰わない弟だと思っていたら、実は妹だったとか。
そういう家族が2000軒に1軒くらい有る。
と言う事だな。
「いもうと大好き」だったのが実は弟で。。。。
とか
「実は妹とわかって。。。。」
だとか。
中には
体に、機能する陰茎(ペニス)と卵巣や子宮が有り、染色体は女性型と男性型が混在する「XX/XYモザイク型」な子もいるからね。
そうなると妹であり弟でも有るわけだ。
そういう子だって「いもうと」なんだから、このスレで書いても良いわけだ。理屈は。
これはまたうざい連中に居座られたもんだ
冗談にしても面白くないから勘弁してくれよ
ごめん
わざと誤爆スレに投下するつもりでこっちに誤爆した
養女として妹になったってのは、なんか個人的に妹って感じがしない。
昨日妹から「兄さんって愚地克巳みたいだね」
って言われた。褒められたのかは知らん
血が繋がってないのは妹に思えないのは、深夜アニメが義妹エンドばかりなせいだ。
例え個人的に嫌いな設定であろうとも、このスレがわざわざ平仮名で「いもうと」であることを考えるべき。
妹が好きだとオタ友達に言ったら
ロリコン認定された。
今販売中の月刊男子向け漫画雑誌を読んでたら、
ある少年宅に、養子として幼女を迎え入れ兄妹として育てられた。
しかし、実は少年は人狼で、妹は、少年が狼に覚醒するためのイケニエに選ばれた人間。
少女は、その運命を受け入れた。
お兄ちゃんの役に立ちたい。美味しく食べて欲しい。
しかし、お兄ちゃんが、妹大好きに成りすぎ、
妹がいくらお膳立てして、据え膳になってるのに、理由を付けては拒否。
と、言うのがあった
個人的には、覚醒出来ないとお兄ちゃんが相当、苦しむのではないかと思う。
いえ、まあ妹が、物わかり良すぎなほうが驚きだけど。
月刊男子向け漫画雑誌kwsk
>>602 我慢出来なくなって、妹を犯しちゃうんですね。
書いた人で無いから、多分。
新世紀ゑぶぁんげりをん が描かれているのの、巻末付近の読み切り。
だと思う。雑誌名は エース とか言うの。
草食系狼
とか言う題名。だと思う。
兄 が マオ 妹 が モモコ。
モモコはマオのために、朝からハンバーグとか食べてる。
妹兄〈いもせ〉っていう夫婦を表す言葉があるんだな。
昔から男はシスコンだったと。
NTTなドコモ携帯電話で、しつじなひつじくん、を使役してる人は、次世代機からメイドのひつじさんや、お兄ちゃん、妹、を飼う事が出来るようになるらしい。
よし、ドコモに変えてくる
それはブラックベリーも対象でしょうかw
黒葡萄はiコンシェル使えるのかな?
エミュレータ作って動かして言うか
俺の携帯は、妹が上戸彩だな
"五月雨姫"の3話です。
8レスくらい
濡れた花弁が揺れ、熱い滴がシーツに落ちた。
花弁の奥に差し込んだ指を襞に絡ませ、上下左右にかき回す。
下からは粘りを帯びた水音と透明な液体が、上からは切なげな嬌声が溢れる。
「ん……あ、うぁあ……だ、だめ……にーさんだめ」
服を乱し、ベッドに四つん這いになった陽華。
その口では拒絶しつつも、更なる快楽を求め揺れる陰唇は俺の指を拒めない。
膨れた部分の包皮を剥がし、肉の核を執拗に攻撃するたび、電流が走ったようにビクンビクンと小さな躯が揺れる。
はだけた小ぶりな乳房がピンと尖り、彼女は自覚せずしてそれをシーツの布地にこすり付けていた。
「陽華……」
頭は完全に熱に浮かされている。
俺はパンツと下着を下ろすと、猛り狂った肉槍を突き出した。
「もうこれ以上一秒だって待てそうにない」
そのまま赤黒い亀頭を、バックから緩みきった入り口にあてがう。
「え!? だめだよこれ以上はほんとにだめ。
おねがいやめて。だめだめだめぇ――――っ!!」
彼女の制止に耳を貸すことなく、一気に膣道を貫いた。
「あ――っ! あぁ――っ! ああぁ――――――っ!」
快楽の雄叫びを上げながら、陽華は悶えてベッドに顔を埋めている。
俺の方もいつにない快感で意識が飛びかけていた。
「くぅ……ッ!? す、すごい! コンドームなしだと、こんなに気持ちいいだなんて!!」
俺は陽華の腰を掴んで、引き抜いては挿し入れ、何度も何度も我武者羅にペニスを突き刺した。
「判る? 先っぽとか、棒の部分とかが、直接陽華の膣と擦れ合ってるよ。
ほら、今陽華のがきゅって絞まってるのがちゃんと感じ取れる。
俺のが陽華の中でビクビク震えてるのも判るよね」
「だめだよぉ。にー、さん。今日、危ない日だわ……。
妊娠、しちゃう。おねがい、やめてぇ……」
陽華は惚けた顔をシーツに押し付けたまま、かすれた声で懇願する。
「その割には、陽華の方も腰が自然に動いてるじゃないか。
ほら、俺は動かないから、抵抗してごらんよ」
「いじわる。そんなの、もう、無理。
にーさんのいちど入ると、とまんない……」
劣情の濁流は理性を飲み込み、俺たちは二匹の獣となり快楽の海に溺れる。
背徳の行為はもはや何者にも止められない。
「うぁっ! もう、いくっ! 陽華の中に全部出すよっ!!」
「うん! 私もにーさんの精子ほしいっ!
出して! 子宮の中ににーさんのいっぱい射精してっ!!」
俺はストロークを更に早めながら、射精の快感を最大限に引き出すべく、発射のタイミングを伺う。
余り我慢しすぎても段々萎えてくる。
そして、今が丁度ピークに差し掛かる頃合だ。
「はぁっ――――――! 陽、かッ!!」
「わたしもっ、い、いっちゃうっ!
ああ……っ! にーさん、にーさんっ!!」
陽華の中が一際大きな痙攣を始める。
ペニスが子宮の最奥を突いたその瞬間、溜め込んでいたものが爆ぜ、白濁した液体が陽華の躯の中にぶちまけられた。
……正確には俺の下着の中にぶちまけられた。
「……最悪だ」
夢から覚めた俺は、ベッドの中で己がイチモツが虚しく蠢動しているのを感じ取る。
虚脱した身をどうにか起こし、寝巻きを脱ぐと、濡れた下着を見下ろして溜息を吐いた。
「いくらなんでも『にーさんのいっぱい射精してっ!!』はないなぁ」
夢の中とは言えその体を蹂躙したこと、勝手に妹を妄想に利用したこと。
軽い罪悪感をおぼえたものの、やり場の無い劣情を処理する方法も俺には判らなかった。
* * *
梅雨の時期に特に困ることと言えば、まず洗濯だ。
日中に乾ききらなければ、夜通し室内に吊るして放置するしかない。
俺は昨日の洗濯物が乾いていることを確認して、ハンガーから下ろし始めた。
服の中には陽華の下着もあるが、俺にはその手の趣向はないので特に意識もせず畳んで床に積み上げる。
幸い家は風通しが良いので、乾いた後の匂いは気にならない。
乾いたものを下ろし終わったハンガーに、今度は新たに洗った洗濯物を吊るして行く。
昨夜汚したボクサーパンツは、一応別に手洗いして置いてある。
陽華の下着以外の服も、普段から俺の服と一緒に洗っていた。
妹の服を精液で汚れたパンツと同じ洗濯槽に入れるのは気が引ける。
まあ、間違ってもそんなことで妊娠したりはしないが。
あらかた二階のベランダに吊るし終え、部屋に戻る。
ふと、床に並べた乾きものが足りないことに気付いた。
「……陽華だな」
俺は一階に降りると、妹の姿を探す。
居間の方に、黒く長い髪の後姿を発見。
陽華は庭を眺めながら、立てかけたイーゼルに木炭を走らせていた。
「陽華」
寝呆けた様な眼をした丸顔が振り向かれる。
その肩越しに、木炭紙に描かれたデッサン画を覗き込んだ。
「アジサイだね」
「うん、木炭画で花の色出せないかって、試してるところ」
我が家の庭には、例年アジサイが咲くが、肥料を替えるごとに違った色の花が咲く。
今年は薄紫だ。
「……白黒だったら判らないよ」
「それを表現するのが、画家の腕なのよ」
「成る程、言われてみると微妙な寒色めいた色合いが感じ取れるかもしれない、かな?
まあ、それはそれとして……」
俺は陽華の姿を見下ろして腕を組んだ。
「どうして毎回、俺の白衣を持っていくの?」
陽華は薄手のスリップの上に、実験用の白衣を纏っていた。
彼女には丈が長いため、傍から見るとロングコートみたいだ。
「ちょっと肌寒い時に、丁度いいもの」
「まだ春物仕舞ってないでしょ」
陽華は椅子から降りると、裾を掴んで鼻を埋め、目を閉じる。
「ごめんなさい。でもこれ、にーさんのにおいがするから。
これ着てると、にーさんに抱かれてるみたいで、すごく落ち着くの」
「…………」
絶句。
ええと陽華さん、そんなことをうっとりしたような顔で言われると、昨晩吐き出したはずのリビドーがむくむくと急上昇してしまうんです
が。
俺は白衣ごと、妹の華奢な躯を抱きしめた。
「にーさん……?」
「陽華」
俺はズボン越しにも判るくらい膨れ上がっている下半身を彼女の下腹に押し付けた。
「したい」
途端に陽華の顔が真っ赤になる。
もう一ヶ月くらい陽華とそういうことをしていない。
先週は陽華が生理中で苦しそうだった。
先々週とその前は俺の方がシンポジウムの下働きなどで忙しかった。
溜まりに溜まった欲求は、夢精程度では解消できていない。
「体調悪かったら、無理にとは言わないけど」
「あのね、にーさん……わたしも、したい。
したいんだけど」
陽華は暫く逡巡する。
「生理、結構前に終わってるの。
だから体の調子もすごくいいんだけど……」
「そっか」
俺たちは明確に血が繋がっていて、しかも陽華はまだ高校生だ。
避妊に神経質になって、なりすぎることはない。
俺は名残惜しくはあったが、陽華の体を離した。
だが、今度は彼女の方から抱きついて来る。
「陽華」
「ごめん。けど、しばらくこうするだけ」
陽華は俺のシャツに顔を埋めた。
暫くそうしていると、突然ふんふんと鼻をひくつかせる。
「にーさん……なんか……。
精子のにおいがする」
うっ、と俺は言葉に詰まった。
そう言えばシャツは夜から換えていないままだ。
「ひとりでしたの?」
「いや……陽華のこと夢に見て、それで」
陽華はそれを聞いて納得した。
「ああ。男の人って、夢で出すことあるのね」
わたしがおかずなのは嬉しい、と陽華ははにかんだ。
「ごめんね、直接させてあげられなくて」
「陽華、この事で謝るのはなしだよ。
誰が悪い訳じゃない。
俺たち二人に責任があるってだけ」
きょうだいと言うのは不便かもしれない。
少なくとも、まともな意味での恋愛は出来ない。
誰にも認められないから、明確な証が欲しくて体を求めてしまう。
けれど、無頓着な性行為の先にあるのは破滅だ。
簡単に全てを捨てられるほど、俺は精神的に若くない。
何より、陽華には未来がある。
だから、せめてこれくらいは。
俺たちは今日も、ひっそりと秘密のキスを交わす。
誰も見ていない自宅の中だけで、こっそりと。
「けど、陽華も結構溜まってるんじゃない?」
俺は腕を下ろして陽華のスリップの下に手を滑らした。
緩やかな曲線に指を這わせ、少し堅くなっている先端を軽くつまむ。
「……ひゃ!
に、にーさん。大丈夫、ひとりでするから」
「そんな、もったいないよ」
俺は陽華の後ろに回りこむと、胸を愛撫しながら耳元で囁いた。
「勝手に陽華を使っちゃったしね。
代わりと言っては何だけど、気持ちよくしてあげたい」
「まだ朝なのに……ひぅっ!」
両手で胸を弄りながら、耳朶を軽く噛む。
乳頭を摘み上げたり、軽くつねったりしている内に、いつの間にかそこは完全に屹立してしまっていた。
いつもより大分反応が早い。
彼女もやはり我慢していたのだろう。
「下も触るよ」
「……だめ」
明確な拒絶の声で、下腹に下ろしかけていた俺の指が止まる。
少し急すぎたのだろうか。
「陽華?」
「こういうことは、ベッドの上じゃないとだめ」
不貞腐れたような表情で、妙なこだわりを主張する陽華。
俺は苦笑して彼女の抱きかかえた。
こういう体勢を何と言っただろうか。
カーテンを閉めた寝室の中、仰向けになった陽華の足を開き、その間にしゃがみこむ。
こうすると丁度、彼女の大事な場所が目の前に位置するようになる。
うう、と陽華がうめく。
「何か、すごく恥ずかしいわ」
「大丈夫、綺麗だよ」
そう言いながら、そこに手を伸ばし、そっと下着越しに撫でる。
そこは既に結構湿り気を帯びていた。
「直接触っていいよ」
「判った」
俺は白い布地を横にずらし、露になった恥部に指を伸ばした。
うっすらと茂みに覆われたピンク色の裂け目を、指二本でこじ開けていく。
陽華は切なげな吐息を吐きながら、俺の顔を手で覆う。
「にーさん、待って。まだ脱いでな」
「俺はこのままでいい」
言葉を途中で遮り、俺はそのまま行為を続けた。
溢れる水気が、めくり上げられたショーツを濡らす。
「パンツ、汚れちゃうから……」
「もう遅いよ」
穿いたまま恥部を露出させ、なされるがままの陽華。
指が敏感な膨らみを撫でると、彼女は一瞬身震いして足を閉じようとした。
しかし腰を浮かせた体勢では上手く力が入らず、簡単に抑えられる。
「ちゃんと足広げて」
「でも、はずかしいッ……!
パンツ履いたままだし……。あそこの中、にーさんから丸見えだし……」
どうやらお姫様はじっと観察されるのがお気に召されないらしい。
「じゃあ、こうする」
「え…………ッ!」
俺は彼女の恥部にゆっくりと顔を近づけると、水が滴るそこに唇を当てて吸い付いた。
しょっぱい味が口に広がる。
ちゅ、と水音を立てながら水分を吸い取っていき、そのまま割れ目に舌先を滑り込ませた。
「だめ、そんなとこ汚――――っ!!」
効果はてきめん。
陽華はがくがくと腰を震わせながら、大きく口を開けて仰け反った。
太腿を抱きかかえて、そこが口から離れないよう固定して、下での蹂躙を続ける。
中からもビクビクと肉壁が痙攣しているのが感じられた。
差し込んだ舌を上下左右に振り、時折回転も加えながら感触だけで内部の様子を探る。
やがてクリトリスまでたどり着くと、そこを軽く舌先で突付いた。
「ん――――! ん――――!」
陽華は瞼をギュッと閉じながら、必死に襲い来る快感を耐えている。
顔から視線を下ろすと、前開きのスリップから剥きだされたささやかな膨らみが震えている。
今は手が届かないのが残念だ。
俺はへそに目を落としながら、行為を再開した。
襞の表面を舌の腹で丹念に拭いながら、時折膨れた部分を刺激する。
だんだんと表面の包皮が剥け、小さな核が露出した。
とうとうと流れてくる愛液を嚥下しながら、そのまま膣の上部に舌を当て動かし続ける。
陽華は息も途切れ途切れに、限界を訴えた。
「んあ……あ……あ……、だめ、もう、いく、いっちゃううぅ――――」
いいよ、いっちゃえ。
そう意思を込めて、俺は更に強くそこを吸い上げる。
その瞬間、舌が強く圧迫され、口の中一杯に愛液があふれ出した。
膣壁が最後の振動を始める。
二度三度、彼女はベッドの上で躯を震わせると、やがて脱力して肩で大きく息をついた。
俺は舌を引き抜いて、ベッドの脇においてあるティッシュを数枚手に取り、陽華の股間を拭っていく。
めくり上げておいたパンツは唾液やら愛液やらでぐっしょりと濡れており、もう履いていられそうになかった。
足をあげて俺がそれを脱がすのを助けながら、陽華はジト目で俺を睨んだ。
「脱がせてって、いったのに……」
「ははは、ごめんごめん」
「全然反省してない……」
実際、ほとんど反省していなかったが、一応謝罪はしておく。
もぞもぞとスリップを脱ぎながら、陽華は答えにくい質問を投げかけて来た。
「どうしていつも着せたまましようとするの?」
「うーん、何でだろう?」
純粋に性癖の問題なのだろうが。
「強いて言うなら、服を着てる方が目の前の女の子が小さい頃から知ってる陽華なんだって実感できるからかな。
いつも一緒にご飯食べたり、絵を描いたり、学校に行ったりしている陽華と変わりないんだって思うと、凄く安心する。
素裸も凄く綺麗だけど、あんまりに綺麗だから、この女の子がどこか知らない国のお姫様なんじゃないかなんて思えてくるんだ」
「おおげさだわ。
わたしは、にーさんの知ってるわたしだよ」
陽華はもたれかかって、俺の胸に頭を預けた。
「にーさんの妹で、にーさんのことが好きで、にーさんとキンシンソウカンしてる。ただのわたしだわ」
「うん、知ってる」
俺は陽華の頭を抱きしめ、その長い髪に顔を埋める。
陽華の匂いがした。
「……あ」
陽華が身じろぎすると、パンツの中で痛い程勃起していたペニスが擦れ、ビクリと震える。
陽華は逸れの存在に気付き顔を赤らめると、そっと俺の股間に手を当てた。
「ええと、今度、私の番?」
「一度抜いたから無理にとは言わないけど……」
実際には、暴れる欲望の槍を彼女にぶちこみたくて堪らない。
舐めている最中も、その衝動を抑えるので一杯一杯であった。
俺はおもむろにジッパーを下ろしてズボンを床に落とした。
「出来れば、陽華にもしてほしいな」
陽華は頷いて俺のパンツに手をかけると、そっと引き下ろしていく。
ピンク色の亀頭が外気に晒され、下ろし終えると男性器全体が露になった。
陽華は顔を赤らめつつ、そこに手を伸ばした。
「触って良いよ」
指先で先端に触れ、ビクンと棒が振るえるのを見て一瞬躊躇う。
「わたしが上の時とか見慣れてはいるけど……こうしてしっかり見るの初めてかも」
「グロい?」
陽華はそっと掌で棒全体を包み込む。
「でも、あったかいわ」
そのまま握り締めたイチモツを前後に揺すり始めた。
「ええと、そうじゃなくて。上下に擦ってくれる?」
陽華は俺の要望を聞いて、指で輪を作ってペニスを擦り上げるよう、運動を切り替える。
ぎこちなくはあるが優しく指でしごかれ、男根が快楽の電流を発した。
「こう? 痛くない?」
「うっ……、いいよ。その調子」
陽華は片手で根元を固定して、片手で上下に動かしながら、まじまじとそこを観察した。
「こんな大きいのがわたしの中に入ってるのね……。それに、硬くて熱いわ。
にーさんは挿れる時、痛くないの?」
「陽華と比べたら、全然痛くないよ。
やっぱり、陽華はまだ痛い?」
「痛いけど、気持ちいいから」
頬を染めながら、陽華はペニスを弄り続ける。
やがて、先端から透明な液が溢れ始めた。
「あ、精液……じゃないよね」
「カウパーって言うんだけど、陽華のあそこから出るのと似たようなものかな。
これでも妊娠するから気をつけてね」
陽華は零れ落ちる先走りを指で拭いながら、暫し逡巡していた。
濡れた人差し指を唇に当てながら、彼女は俺を上目遣いで見上げた。
「……わたしにも舐めてほしい?」
「いや、流石にそこまで無理しなくても」
実際、指だけで十分達することは出来そうであった。
「でも、にーさんにもちゃんと悦んでほしいから」
陽華は一時微笑むと、紅い舌をそっと伸ばして、亀頭をペロンと一拭いする。
思わぬ快感に、うっと声が漏れた。
どう? と、再び上目遣いで尋ねてくる。
「……ごめん、お願いできるかな」
陽華は頷くと、唾液を纏わせた舌を伸ばして、毛で覆われた根元から先の割れた先端まで、丹念に舐め始めた。
舌先の温かさと唾液の冷たさが、あべこべに襲い掛かる。
十分ペニス全体を濡らした後、陽華はその先端からゆっくりと口蓋に咥え込んだ。
ちゅちゅっと音を上げて唾液と先走りを吸い上げながら、唇でゆっくりと男根を刺激する。
その間に舌でも亀頭を包み込む。
膣の中に挿入する時とは違った種類の、新鮮な感覚。
「陽、華……。これ、すごく、きもち、いいよ」
陽華は目を上げて応えながら、行為を続ける。
頭が上下に揺れる度、唇が肉棒を擦り上げていく。
俺は彼女の頭を撫でながら、絶頂に供えた。
もうすでに、ペニスは妖しげな蠢動を始めていた。
「ご、めんっ! 頭、離して。もう、でるから!」
それを聞いても、陽華は口の動きを止めない。
彼女が軽く歯を立てた瞬間、限界はあっけなく訪れた。
「うわっ!!」
「――――っ!!」
ペニスが二、三度大きく痙攣し、先端から白い飛沫が飛び跳ねる。
何とか頭を押しのけて口から離したは良いが、彼女の頭に、顔に、剥き出しの上半身に、大量の精液が降りかかってしまった。
俺は何度も荒く息をつぎながら、テッシュ箱に手を伸ばして呆気に取られている陽華の顔を拭う。
「――――、ごめん、我慢、できなかった」
目を閉じて顔を上げ、なすがままに顔に付着した汚れを落として貰いながら、陽華は呟いた。
「にーさんだって、わたしの飲んでたわ。
だから平気」
俺は苦笑しながらお互いのもので汚した唇を合わせ、精液の掃除を再開した。
顔を拭い終え、頭に取り掛かろうと二枚目のテッシュに伸ばした手を、陽華が止める。
「どうせまた汚れるわ」
「またって……」
彼女の意味することに思い当たる。
「満足できなかった?」
「一か月分は、まだまだよ」
かく言う俺の股間も、いつの間にやら再び臨戦態勢になっていた。
まだまだ前哨戦を終えたばかり。
二人とも、今日はとことんまで絞り尽くす気だった。
暫く絡み合って最適な体勢を探り合う。
結局俺は仰向けに寝転がり、俺の上の陽華は逆向きに四つん這いの姿勢を取った。
俺は指で目の間にある濡れそぼった陰唇を指で開く。
「じゃ、二回戦と行くか」
陽華は不適に笑って、やおら俺の男根を握り締める。
「どっちがいっぱいいかせれるか、競争ね」
朝っぱらから、インモラル極まりない爛れまくった戦いが幕を開けた。
* * *
戦いを終え、両者一か月分溜まりに溜まった性欲を吐き尽くした後。
満足そうに、素裸でぐーすか眠る陽華を尻目に、俺は深い後悔と共に頭を抱えていた。
挿入出来ないから仕方がないとは言え、オーラルセックス連続4回は余りに不健全すぎる。
いや、実の妹に手を出している時点でこれ以上ないほど不健全ではあるのだが。
このままでは、いずれ後ろの穴にまで手を付けかねない。
「……父さん母さん兄さん、ごめんなさい。
俺たちは、どーしよーもない変態のようです」
パイプカットでも考えてみようか。
深い溜息と共に、独身で安全な手術を受ける方法を検討してみることにした。
精液まみれになった陽華の顔を、起こさないようにそっと拭いながら。
投下終了です。
やってるだけです。山もオチもありません。
義理兄妹の話も書いてみたくはありますが、ここには向きませんかね。
義理でしか出せない良さもあるとは思うのですが。
上で書いた兄妹が義理オチ等という事はありませんので、実妹原理主義者の方はご安心ください。
>>622 いやはや、GJ!
ヤってるだけといいつつ、なんか優しく堕ちていく雰囲気が好きです。
あと、『実妹原理主義』にフイタ。
本番なしか……それよりも
>>実妹原理主義者の方はご安心ください。
上から目線はやめてくんない?
GJ
夢の中で妹に中田氏して反省する兄もいい感じです。
少し上の方にも書かれてるけど何のためにスレタイの「いもうと」が平仮名になってるのか考えるといい
弟の嫁もおkてコトか
「いもうと」?
>>531-540 くらいに「いもうと」について色々書かれてる。
で、養子や義妹、親戚、から、隣近所の年下の女の子、さらには、拾ってきた家出少女に住み着かれた、とかまで色々想定できる。
でも、一番「できる可能性の高い義妹」て、弟の嫁だよな。
どうでしょう?兄弟とか姉弟って多いでしょうか?一人っ子が多い気がしますが?
同じアパートやマンションの同じ棟、同じ階、に住む年下の子だとか
従妹だとか
の方が多いと思いますが?
数の大小の話をしてどうするんだよと
少子化だなんだ言われているが、子供のいない家庭が増えただけで一人っ子ばかりになっている訳ではない気が
弟の嫁のいもう(ry
>>634 義妹の実妹とか最強すぐるwww
でも結局ケコーンはできないなそれwww
弟の嫁が自分より年上で
犯れりゃ、実妹なんて別に。
義妹の実妹て年齢クリアしてりゃふつー結婚できるんじゃ・・・
パパとママはお泊まりなので、お兄ちゃんのお布団に潜りこみました
パジャマを着てなければ追い出したりしないと名案がうかび、裸ん坊になりました
でも、お兄ちゃんはとても怒って、わたしにお仕置きしました
お股が痛くなりました
お兄ちゃんに嫌われたとおもって泣いていたら、「ごめん」といって抱きしめてくれました
その後、二人でお風呂に入りました
お兄ちゃんは血の出たとこをなめてくれました
おしりのアナまで、きれいにしてくれました
わたしは、なぜかきもちよくなってしまい、おしっこをもらしてしまいました
また、お兄ちゃんはお仕置きしました
でも、こんどはなぜか、きもちよくなってしまいました
お兄ちゃんにいったら、正直にいったごほうびに、チューしてくれました
とてもうれしかったです
お風呂からでて、お兄ちゃんといっしょにお布団に入りました
お兄ちゃんは、わたしのからだを、いっぱいなでなでしてくれます
お兄ちゃんのミルクをのませてもらい、わたしはねました
わたしは、お兄ちゃんが大好きです
「あ〜ん、宿題の作文返して
お兄ちゃん」
ビリビリ
終
ウハw
これは世界一危険な作文だ
>>644 だから年齢クリアしてりゃって書いてあるじゃんw
なんだ
ただの妄想かよ……チッ
648 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 20:26:53 ID:+3KBBHve
諸事情で従妹が引き取られて来て妹に。後に恋愛関係になって、
「兄さんの妹になんてなりたくなかった……」
ってのが好き。
スレに真っ向から喧嘩売ってるなスマン。
649 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 20:31:29 ID:VgYEoZmr
つうか、それって「養子と養方の傍系親族」の関係じゃないか。
従妹としての血縁関係さえクリアしていれば、縁組み解消しなくても
お嫁さんになれるぞ。
従姉妹は近親相姦とは認めん
結婚できるじゃねーか
まああくまで「日本では」だけどな。
法律や常識は、こだわらないで良いと思うな。
たとえば、架空の国家や都市の法律や条例で認められれば。
生体継ぎ接ぎで、フランケン・シュタイン氏に造ってもらったとか、機械仕掛組み込みサイバネティクス・オーガニズムとか、細胞培養と遺伝子操作なクーロンとか
人外な、たとえば宇宙人、悪魔、獣人、など
純粋機械、例えば、ロボットやガイノイド(女型アンドロイド)など
でも、親子や兄妹、姉妹などと認められるなら。
ゼノサーガの世界の法律では、M.O.M.O.はサクラの妹。
俺の脳内設定では、世界中の美幼女は俺の妹。
656 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 07:09:58 ID:RAPH58nb
親同士の再婚で出来た義妹とは結婚出来るんだっけ?
>>656 年齢など他の条件を満たしていれば出来る。
俺の知り合いに妹二人居るヤツが居るんだが
二人ともレズ(推測)だそうだ
しかも二人が抱き合ってるのを見たとかなんとか
>>656 多分できない。
血がつながってなくても
一度でも戸籍上家族になったらアウトだよ。
>>656 できたはず
戸籍上親子になった場合の親と子はダメだけど
姉弟、兄妹、の場合は血が繋がってなければOK
でも特別養子の場合はダメ
どっちだよw
確か養子縁組にしても再婚にしても一度ソレを解消しないとダメだった気がする
形式結婚ならぬ形式離婚をすればめでたしめでたし、で良いのか?
時々この問題が出てきますな
民法第七百三十四条
直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
連れ子同士の場合、再婚相手の養子になる場合とならない場合がありますが、なった場合でも連れ子同士は
「養子と養方の傍系血族」の関係になりますので、婚姻届は受理されます。
上は日本の法律の場合。国によってかなり違う。日本は近親婚に割と寛容というか
禁止される近親の範囲が比較的狭い。
義兄妹婚不可の国から「結婚を認めてくれる国」日本を目指す逃避行なんて
ストーリーも成立するのかな。
「俺、日本に着いたら妹と結婚するんだ」
無事着ける気がしねぇw
7つ上の姉の娘が少ししゃべるようになったらしい。
そんで顔見せにいったら俺のこと『おにーちゃっ!』って呼ぶんだかわいいなぁ!
『あたしねぇお兄ちゃんがねぇ欲しいなぁ』とか言うんだかわいいなぁもう!
でもあなたにお兄ちゃんはできないと思います……
腹違いの兄妹でどちらかが認知されていない場合も結婚できるよな
弱みに付け込まれ愛人にされ、子供の認知すらしてもらえず苦労した母を見て育った女の子は男全般を憎むようになる。
しかしある日不思議と心を開くことが出来る年上の少年に出会った。
みたいな感じか!
>>670 認知されていないなら、法的には「父親は同じ」じゃない。
むう、「近親恋愛に関する法律相談」みたいになっちゃうけどお許しください。
「認知されていない」ということは、法的には「父親不明」ということです。従って、
ご質問のケースは法的には「赤の他人」になるから婚姻届は通ります。
しかし当然ながら、実は兄妹であることがばれたら、婚姻無効の理由になります。
でも、婚姻無効を裁判所に申し立てる人がOKです。
ついでに。兄妹間で子供が生まれた場合。
基本的には妹の非嫡出児になりますが、
実は兄が認知することは可能です。
この場合子供の戸籍には、両親として兄妹が堂々と載ります。
また、妹の非嫡出児として届け出た子を、兄の養子にすることも可能です。この場合
本当は実の父親である兄が、戸籍上は養父になります。
訂正
婚姻無効を裁判所に申し立てる人がいなければ、すべてOKです。
…酔った勢いで書くものではないな。
まあ、法律ってのは杓子定規だからな。
いくらでも穴がある。
日本の場合は近親「婚」が禁止されているだけで
近親者が性的関係を持ったり子供を作ること自体が法律に触れるわけじゃないからな
逆から言うと、外国ではそういうのが「児童虐待」と絡められて有罪になったりするんだよな…
まあ日本でもそういう問題は無くもないんだけどさぁ
イスラム圏なんかじゃ、死刑もあり得る重罪だものな。
少なくとも即座に犯罪にはならない、婚姻禁止範囲が狭い。
日本は近親カップルのエルドラドかもしれない。
女の子の下着が嫌いな男子はあまりいないだろう。小学校の掃除の時間にみんなして床の雑巾掛けをした際、
スカートを穿いた女子の後ろについて、腰を上げて教室の端から端まで雑巾掛けする女子のスカートの中の生
パンティを覗くのは男子なら経験があると思う。誰もいない放課後の教室で好きな女子の縦笛に口をつけて、
興奮して笛を吹いてしまったことも男子ならあるはずだ。俺がそうだと言ってるわけじゃない。たった一学年上
の女子の、地殻変動を起こしている胸が気になって気になって目が点になったこともあるはずだ。
だから俺が優衣のパンティでしこしこするのは至極当然の事だ。
学校が終わって自宅に帰った俺は、先日の優衣の言葉を思い出していた。あの時優衣は確かに、俺に下着を
貸してくれると言った。だが普通実妹は、血の繋がった兄に自分の下着を貸すなんて言わない。あれは俺の聞き
間違いだったのだろうか。いや、俺の耳が優衣の声をしかと捉えた。優衣が俺を嵌めようとしているのでなけれ
ば、実妹のパンティを借りる事は不可能ではない。
(お兄ちゃんがしたかったら、優衣の下着、使っていいから。)
優衣、お前、マジか?
(うん。だってお兄ちゃん、優衣の下着、使いたいって……言ってたから。)
お前……へへ。可愛い奴め。
「俺は優衣と、今後とも誠実に付き合っていきたい。だからパンティを貸してくれ」
──馬鹿か俺は。
優衣の部屋の前まで来た俺はドアを右手でノックする。俺は咳払いして覚悟を決める。
「はい。何? お兄ちゃん」中から優衣の声が聞こえてきた。
「俺だけど、ちょっといいかな」
「うん。いいよ」
ドアノブを捻ってドアを開けると、数日前に入って以来の妹の部屋が目の前に広がった。左手には青いチェッ
クのシーツがかかった折りたたみのベッド、右手には棚付きの勉強机があり、優衣は椅子に座ってノートにペン
を走らせていた。優衣はまだ制服姿だった。机の右端に分厚い英和辞書や和英辞書がある。今は英語の勉強をし
ているのだろう。
「悪いな。勉強中……」
優衣は俺を見つめるとにこりと微笑んで立ち上がり、俺の近くまで歩いてきた。俺の元まで来ると立ち止まり、
俺の頭に右手を伸ばして髪を梳いてくれた。
「クセ毛だから、気にするなって」
そういっても優衣の手は止まらない。優衣の目がじっと俺の髪の毛を見つめて、目を寄せたりしながら毛が隠
れるようにしてくれるのだった。優衣の顔をこんな近くで見られることが嬉しい反面、少し気恥ずかしくもあっ
ていつも断るのだが、優衣は俺がかっこよくなくては気がすまないらしい。優衣の手の温もりが心地よい。
優衣が目を輝かせて右手をそっと下ろした。納得したようだった。
「あ、そうだ。優衣に頼みたいことがあった」
「うん。なに?」
「俺はこれからマスターベーションをしようと思ってるんだけど、ある物がなくて困ってるんだ」
「マスター、ベーション?」優衣が俺の言葉をオウム返しに呟く。
「オナニーってこと」
「オっ……」優衣が硬直する。
「ある物がないと俺はマスターベーションが出来ないから、だからそれを今、探してるんだ」
優衣が頬を紅潮させて、「なくてもいいと思う……」と言った。
「馬ッ、それがないと人はオナニーできないんだぞっ!」
「勉強していい?」
「オカズだ」
「……おかず?」無知な小娘はありふれた淫語を口にする。
「オカズとはエロ本AVエロゲエロ漫画エロ小説だ。しかしそれだけでは決定的に足りないものがある。それは
この部屋にしかない物だ。俺はそれを借りに来た。それをカリにくるみに来たと言ってもいい。意味は分からな
いだろうが気にするな」
頬を染めた優衣が上擦った声で質問する。「優衣の下着が欲しい、ってこと?」
「ちゃんと洗って返します」
優衣は逡巡する。その潤んだ瞳がまた可愛らしい。「お兄ちゃんは優衣の下着で、お……オナニーして……
その下着を優衣に、穿かせたいの?」
俺はこくりと頷く。
「どうして?」
「優衣にもっとエッチになってほしいから」
「お兄ちゃんが穿けばいいじゃない──今のなし」
「下着の返却時に下着にチン毛がついててもご了承いただきたい」
「お兄ちゃん」
「ハイ」俺は目を輝かせて返答する。
「きんもー☆って言われちゃうよ。そんなこと言ってたら」
「いや、優衣に『キモい』って言われたくてさ」
「き、キンモ〜〜☆」一生懸命拒否感を出そうとする優衣。
「あ、今穿いてるパンティでもいいぜ」
「キンモ〜〜☆」
「前使わせてもらった下着でも構わない」
「き、き、き、き、き」
「優衣が大切にしてる下着にぶっかけたいんだ」
「ひぃぃ」
「今穿いてる靴下でも構わない。優衣がその後穿いてくれるなら」
優衣が腰砕けになってその場に倒れた。
「優衣、大丈夫か?」
俺が左手を差し出すと、優衣は俺から視線を外していった。「お、お兄ちゃん、どこまで冗談か分からないよぉ」
優衣は俺の手に右手を乗せた。「大丈夫。大体本気だ」
「優衣の今穿いてる下着が欲しいっていうのは?」
「本気だ」
優衣が恥ずかしさに身悶えてじたばたする。ベッドにあるクッションをぱふ、と投げつけてくる。全然痛く
ないので俺は澄まして立っていられる。
「それ、今私が脱いで渡すってこと?」
俺は微笑む。「イエス。脱ぐときはゆっくり脱いでくれると嬉しい」
「はぁ……あ、『優衣が穿いた下着』がいいんだよね?」
「おうともよ」
「穿きたての下着がいいの?」
「どんな最高級の下着よりも穿きたての下着には敵わない、とかのエジソンも言ってたぞ」
「今から穿くから」
「……ん?」
「お母さんの下着を今の下着の上から更に穿いて脱げば、お母さんの下着も『穿きたて』だよ?」
「お前──そんな事言ってて恥ずかしくないか?」
「酷いッ! 言わせたくせに」
「お前が思いついたんだろう」
「あーそういうこと言うんだ。もう貸してあげないもん。お兄ちゃんなんか勝手に好きなオカズでオナニーすれ
ばいいんだ」
優衣はつつっと俺から離れ、勉強机に備え付けの椅子に座った。教科書を音を立てて開き、勉強を再開した。
俺はその場で正座して、右手と左手を前方につけて土下座した。「優衣さん。俺に、貴方のパンティをくださ、
貸してください」
「お兄さん」優衣がジト目で俺を見据える。
「『お兄さん』って、つ、冷たい」
「なぁ兄さん。貴方まだ高校生じゃないか。高校生なのに私の下着が欲しいって何か間違ってないか? 社会人
ですらない、お金を稼いだこともない人に私の下着をあげられないよ」
「高校生だって下着洗えます。洗剤だってちゃんとしたの使いますし、まぁそのあと、使いますけど……」
「私の下着を物扱いか。笑わせる」
「借りるだけです。ちゃんと返しますから」
「うちのかあちゃんみたいなのが返ってきてもしょうがないんだよッ!」
「一生大事にします!」
「よしッ! いいだろう。って、あれ?」
「さあ脱いで。今すぐ」
「ほ、ホントにぃ?」
俺はおもいっきり頷いた。優衣はしぶしぶ椅子から立ち上がり、頬を染めて「お兄ちゃん、後ろ向いて」と
いった。俺はくるりとドアの方に体を向けて、三秒数えた。優衣が下着に手をかけて、下ろそうとするタイミン
グで何らかの音がするはずだと踏んだ。あまりにも待ちすぎると脱ぎきってしまう。もう三秒たったろう。俺は
上半身だけ優衣を振り返った。優衣は丁度スカートに手をかけて、脱ごうとしているところだった。
屈んだ女子高生の、ふわりと軽やかなスカートの裾の中に両手が突っ込まれている様は壮観だった。真っ赤に
なった顔が俯いて、下着をすぐに下ろそうとするが俺の動体視力を舐めてもらっては困る。髪の毛が首元から
顔に覆いかぶさるところも、胸元の制服のふくらみも、腰のくびれ具合もスカートの揺れももちろん下着が徐々
に下ろされていく瞬間も見逃しはしない。下着は薄い水色で、所々白いラインが入っているように見えた。もし
かしたらあれが縞パンという奴なのかもしれない。男心をくすぐるシンプルでいて悩ましいそのデザインの下着
が優衣の細い脚を、まるで夕陽のように落ちてゆく。床に敷かれた絨毯に下着が落ちると優衣は片足ずつ足を
上げて、脱いだ下着を丹念にチェックし始めた。下着の表裏、局部に染みがあるのかなどじっと下着を見つめる
その眼差しは真剣だ。そろそろ俺も振り返らないとマズイ気がしたので元の体勢に戻ると同時に実妹より見ても
いい、と声が掛かった。
「うん」俺は体を半回転させて優衣を見ると、優衣は先ほど脱いだ水色の縞パンが折りたたまれて両手で持っていた。
「お兄ちゃん……」優衣が俺に縞パンを渡しながら言う。「匂い、あまり嗅がないでね」
俺はおもいっきり頷いた。優衣が顔中真っ赤にしている様や、恥ずかしすぎて潤んでいる目を脳裏に焼き付け
て、心からありがとうと言った。その後、優衣の下着の匂いを徹底的に嗅いだのは言うまでもない。
以上、『優衣』の続きでした。
優衣可愛いよ優衣
ニヨニヨが止まらない
義兄妹どころか、アメリカはイトコ同士でも禁止している州がある。
だからアメリカ版CCさくら(アニメ)は改編されていて、酷い状態になっている。
向こうのガチファンは、日本版DVDを購入しているほど。
>>685 苺鈴が存在抹消されてるところもあるんだっけ。
他の国の文化様式で作られた作品くらい受け入れろって話だよな。
ところで、飛鳥とか奈良とか平安時代辺りでは、「妹(いも)」って漢字は「いもうと」以外にも何か意味あったんだっけ?
wikiこぴぺ
年齢の上下に関係なく男性からみた同腹(はらから)の女を指した。
女性から見た同胞の女は年上を「え」と呼び、年下は「おと」と呼んだ。これは男性から見た同胞の男に対する呼び名と同じである。
また、『恋人である女性や妻のことも妹(いも)と呼んだ。』 「我妹子」(わぎもこ)とも言う。
これは古代においては近親婚が広く行われており、妻や恋人と妹を同一視していたためという説がある。
一般に女性を親しんでよぶ場合の名称でもあった。
どっかのキモウト大喜びw
夫婦の事を古くは妹兄〈いもせ〉とよんだ。
――なんだってよ、お兄ちゃん。
だから、お兄ちゃんも、早くあたしと妹兄に――って、どうして部屋から出すの?
お兄ちゃん、鍵締めないでよ。
お兄ちゃんの部屋に入れてよー! ねえってばー!
というようなのが脳内をよぎっていきますた。
キモウトスレと間違えたかと思ってしまったじゃないかw
キモ姉妹スレとの境界線は結構曖昧なのかもしれない。
そ、そうだよね
お兄ちゃんを好きになる妹なんて……キモチワルイよね……
でもお前の体は気持ち良い
お兄ちゃんの匂いスーハークンカクンカとか料理に体組織・排泄物・薬物混入とか泥棒猫抹殺とかしなけりゃこっちでいいんじゃね
キモウトも大好きだぜ
どんな、悪癖、性癖、な女の子で有ったとしても
兄、姉、義姉、義兄、従兄、従姉、近所にいる数歳違いの年上の男の子や女の子 などから「大好き」と思われていればこのスレで良い筈。
だから、
>>695 が除外した
>お兄ちゃんの匂いスーハークンカクンカ
を、おにいちゃんが望んでいて「このいもうと 大好きだ」と思っていれば このスレだ
>料理に体組織・排泄物・薬物混入
を おねえちゃんが教えて 満足していれば このスレだ
>泥棒猫抹殺
が おにいちゃんの教育の結果でおにいちゃんが満足していれば このスレだ
と思う。
いや、どっちかっつーとキモウトスレに投下した方が不要な混乱を招かないと思うがw
>>693 「例えお前がお兄ちゃんを嫌いになっても、お兄ちゃんはお前が好きだから問題無い」
ここは、キモ兄スレってことでいんじゃね?
キモ兄か
なるほど
保守
hosyu
いもうと可愛いよいもうと
705 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 13:46:16 ID:PV2t2DO+
保守
投下はないのか
元旦早々人の揚げ足取る
暇 人 乙
709 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/06(水) 11:10:04 ID:6dNjfxsI
保守でっせ
はじめて来ました
◆5mSXuZ5GjE 様は天才ですねまじで
保守!
次から投下。
短編です。最初から最後まで。
(;´゚д゚)?
バカには見えないエロパロ
寒いお・・・
エロかも分からんのだから服は着ておくんだ
717 :
546:2010/02/05(金) 11:29:22 ID:rsZbZDTe
10分後ぐらいに投下
※内容は、かる〜いアナル
1
寒い。雪が降って、たくさん降って、街を白くして、吐き出す息まで白くする。だけどそんな白よりも、
「お兄様、おかえりんこ♪」
目の前で出迎えてくれる妹の肌は尚更に白い。壁に手を着いてヨタヨタと歩きながら、それでも優しく微笑んでくれる理緒(リオ)の方が何倍も。
「はいはい、ただいまん……っと、あぶねぇあぶねぇ」
俺の妹は、リオは、『目が見えない』。先天性なモノで、産まれてからこれまでずっと、自分の顔さえわからないまま。
でも悲観なんてしない、もうすぐなんだ。医療は進歩し、近々行われる手術で97%視力は復活すると言われている。
ずっと目を閉じて、俺以外に心を閉ざしてるのも後少し。
「ちぇっ、おっしぃ〜っ♪ お兄様の口から卑猥な言葉が聞けるチャンスだったのに」
靴を脱ぎ、靴の数で世話係が居ない事を確認し、リオの手を取って二人でリビングに向かう。どちらも学校帰りで、俺は高校の、リオは中学の制服姿。
「カバン置いて来るから、ちょっと待ってろ」
妹をリビングのソファーに座らせ、俺は二階の自室へ。机に鞄を置き、ベッドの上へ仰向けに倒れ込む。
すると間髪も開けずにボフッと布団が沈み、ギリッとスプリングが軋んだ。
大都技 理緒(だいとぎ りお)。髪は長く腰のラインまで伸びてサラサラとなびき、色素は薄く灰色に、月の光さえ透過させる程に淡い。
肌は雪より白く、唇は鮮血よりも赤く、心の中はどんな闇よりも暗いだろう。
だけどリオは、俺より一つ年下の可愛い妹だ。誰よりも努力家で、尊敬する事は有っても哀れむ事は決してない。
何故なら、他の全てが盲目する程に、俺は妹が好きだから。だからもし妹の目が治って、俺の容姿を否定して拒絶したら、たぶん大声を上げて泣くと思う。
視力は取り戻して欲しいけど、「お兄様ってカッコ悪かったんだね? ほんとキモいよ」とか言われたら、しばらく引き籠る自信がある。
「ぃさまぁ! お兄様マダ〜っ!?」
「すぐ行くから待ってろ!!」
よっと小さく掛け声を出して立ち上がり、頬を平手打ちして気合い注入。
たった一人の悲観タイムは終わり。ここからはまた良い兄としてリオに接する。さぁ、リビングへ下りて日課の時間だ。
『フルフルフル子』
部屋を出て、階段を下り、リビングへ入り、テーブルに置かれた本を取って座椅子に腰掛け、リオはテーブル越しに在るソファーに背筋を伸ばして行儀良く座り直した。
何日かに一度、世話係の人とリオは古本屋に出向いてカバーも無いような中古の小説を買い、それを何日かに別けて俺が音読する。それが俺の日課。
2
本の内容は主人公と幼馴染みの恋愛小説。どちらも素直になれず、主人公は幼馴染みが好きなのだが、他に恋人ができたと嘘を付く。
と、そこまでは有りがちな小説だと思っていたのだが、徐々に雲行きが怪しく変わる。
「お兄様? そんな小声じゃ、リオの耳に届かないよ?」
ペタ、ペタ。ゆっくりと妹が四つん這いになって近付いて来て、ぺた、ぺた。ゆっくりと俺の身体に触れて行く。両手で顔を、肩を、胸を、上から下に向かって形を確認するように。
「いや、まさかと思うがさ、コレもしかして……」
そして胸に顔を押し当て、クンクンと匂いを嗅ぐ。リオは身近な人間を形と匂いで覚え、忘れない為にこれで情報を更新するのだ。
「くんくん……ふふっ、ただのケータイ小説だよ、ちょっとエッチな、だ、け♪」
鼻先がくっつく程に顔を寄せてニコリと笑い、胡座(あぐら)をかいてた足を跨ぎ、抱き合う形でリオが俺の足を椅子代わりに腰を下ろす。
ブレザーの制服に、押し付けられて柔らかく潰れる大きな胸に、反比例して細いウエストに、短いスカートから伸びる黒タイツを纏ったムチムチの太股。全部が俺のストライク。
「んぐっ」
思わずノドが鳴る。
「ねぇお兄様、続き、読んで?」
リオは俺の首に両腕を回すと、耳元で吐息を繰り返して静かに囁く。
俺もリオの背筋に手を回し、そこで小説を持って、止めていたページからロードする。なるべく感情を込めず機械的に。
──いいよ、私、貴方が好きだから。
「いいよ、リオ、お兄様が好きだから」
リオが俺のセリフを変化させて反芻しても、唯々、唯々、機械的に。興奮なんてしちゃ駄目だ。
ヤメろって言っても聞かないんだから、俺が堪えないと。
──本当にいいのか、痛いらしいぞ?
「大丈夫よ……だってリオのお尻の穴は、すっかりお兄様のおちんぽを覚えてしまったもの」
──きて。
「ふとくて、かたくてっ、たくましく反り返ったおちんぽで……リオのお尻が閉じられなくなるまで掻き回して?」
リオの淫言で硬度を増し始めたペニスをズボン越しに尻肉の間で挟み、ズリズリと腰を前後に動かして刺激して行く。
兄妹でこんな事をしちゃイケないのに、好きになっちゃイケないのに、わかってるのにっ!! チクショウ、いつだって快楽の誘惑に負ける。
「リオ、このままするけど良いな?」
「うん。誰も帰って来ない内に、ね♪」
リオは胸の谷間から透明な小瓶を取り出して俺の胸ポケットに入れると、回していた手を肩に着いて立ち上がった。
俺は持っていた小説をテーブルに放り、小瓶を持ってその蓋(ふた)を開ける。
3
透明な小瓶に満たされているのは、透明で粘着質な、人肌に温められたハードローション。
それを、ジッパーを降ろしてズボンの外へと解放したガチガチのペニスに垂らす。トロリと先端から伝い、すぐに温かな液体が全体を覆う。
用済みの小瓶を小説と同じく投げ、再び胸ポケットに手を入れ……
「どうしたのお兄様?」
一瞬だけ身体が硬直する。そう言えば、ゴムはこの前ので切れたんだった。
仕方ない、悪いけど我慢できないしな。つか、ゴム付ける前にローション垂らしたら駄目じゃねーか!
「悪い、ゴム無くなってたの忘れてた。付けなくて良いか?」
そう言ってリオの顔を見上げると、怒ってるとかじゃなく、不思議そうに眉を潜めてた。
「ふぇっ? えっ!? もしかしてお兄様、今までのエッチは全部コンドームを?」
「んっ? ああ、着けてたから安心してくれ」
流石にその辺はな。まぁ結局、今回は生になるんだが。
直接は嫌なのか? とリオの表情を見守っていても、否定する様子は無く、俺にも聞こえない程の小声で何かを呟いて、スカートのホックを外した。
そしてそれも両足を通して脱ぎ、小説、小瓶に続いてテーブルの上へ。
「じゃあお兄様、本物のエッチをしましょ? 本物の……おちんぽ生ハメSEXを」
ドクンと心臓が高鳴り、ノドは唾液の補充が追い付かないまでにカラカラ。
「あ、ああ……」
俺の瞳に映るのは一人の少女。上はブレザー、下は黒タイツのアンバランスで、大事な所が隠れてない真っ白なローレグパンツまでしっかり目視できる。
性器は痛いぐらいに脈打ち、早く穴蔵に入らせろと急かす。早く、コイツの秘肉に締め付けられたいと。
「お兄様は動かないで、今日はリオがしてあげるからっ」
ピリビリ、ビリィィィッ……
破けた。破いた。リオは手を自らの後ろに移すと、俺に微笑んだままビリビリと破いてタイツに裂け目を作る。
お尻の回りに丸く穴が開き、そこから指をパンツに引っ掛け、後ろ側だけを器用に下ろした。
俺達がセックスをするのに必要最低限の、アナルを使った性行のできる位置まで。
「はぁっ、エロいなリオは……このままでもイケそうな気がするぞ」
「エロい? ふふっ、誘惑に負けて妹でも構わず襲っちゃう兄は、やっぱり言う事が違うね♪」
──でも、
「お兄様が襲ってくれなかったら、リオが襲ってたんだけど……早い内に崩れてくれて助かったよ♪ はぁぁっ……それじゃ、するねっ?」
リオは尻肉を掻き分けるように両手で拡げながら、跨がった俺のペニスの真上でゆっくりと腰を下ろす。
パクパクと物欲しそうに開閉する孔を見せ付け、ふぅ、ふぅっ、と荒く肩で息をして、ゆっくりと、ゆっくりと、しゃがんで行く。
4
そして尻穴を鈴口に当ててカリ首までを沈めると、
「おにいっ、さまぁっ……ふぅっ、ふぅっ、んっ……ふんん!!」
手を膝に着いて数回深呼吸し、一気に残りを咥え込んだ。
にぢゅちゅっ、ぢゅぷぶぶぶぶぶぶぶっ!!!
「ぐうっ!?」
狭くキツい連なった輪っかの中を、押し拡げながら突き進んで行く感覚。
ローションにまみれて糸を引く内部は、きゅきゅぅっとペニス全体を気持ち良く締め付け、まるでココだけが別の生き物かの様に波打って蠢き続ける。
気を抜けば、すぐにでも射精してしまいそう。
「リオ、がんばるからぁっ……気持ち良く、んんっ、なって、お兄様っ!!」
性器同士が深く結合し密着した状態から、
「おにい、さ……ふぎぃぃっ」
膝に力を入れてズルズルと抜ける寸前まで腰を持ち上げ、
「ぅんんんんんっ!!?」
ぱちゅんと再び腰を落として互いの肉をブツかり合わせる。
頬を火照らせ、耳まで赤くして、溶けてしまいそうな程に熱い直腸を、挿入口の縁に在るコリコリの突起まで使ってペニスを扱く。
ずぢゅっ、ズヂュッ、ぬぢゅっ! ぬぢゅっ! ぬぢゅっ!!
胸を弾ませ、ぎこちなく、初々しく、イカないように歯を食いしばって抜き差しを繰り返してる。
「スゴいよぉ、おにいさまぁっ♪ お兄様の生おちんぽスゴいのぉっ……奥にごちゅんごちゅん当たるしぃ、びゅくびゅく血管が震えてるしぃ、リオのエッチなお肉を、いーっぱいえぐってくるのぉっ♪♪」
リオはだらしない表情で舌まで垂らし、力の入らなくなった上体を抱き着く形で俺に預け、それでも腰の動きは速度を増す。
下半身だけを一心不乱に打ち付け合う、まるで獣の交尾。
ずぢゅっ、ズチュッ! ズチュッ! ズチュッ! ズチュッ! ズヂュッ!!
俺だってそうだ。緩いカーブを描いた本来は排出する為の腸内で、粘膜に覆われてる凄まじい絡み付きのヒダ肉で、こんなにも激しいピストンで搾精をされたら、ガマンするなんてとてもできない。
「イク、いくっ、イクぅっ! りおイッちゃうのぉっ♪♪ もぅコンドームなんて使わせないからねっ!! ずぅ〜っと生おちんぽだからねっ!! おにいさまっ、おにいさまぁっ!! 一緒にイッて、いっしょにぃっ!!!」
グツグツとマグマの様に精液が噴き上がり、ペニスの中心に在る管が心地よく拡張される。
「リオっ、リオっ! リオォォォォォッ!!」
パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!!
限界は近い。両手でリオの尻肉を鷲掴みにしてガッチリ押さえ、思いっきり下から突き上げ、プルプルとした結腸まで小突き回す。
「おにぃさまスキなのぉ!! しゅき! しゅきぃっ!! っぁ、ぁ、あ゙、ふぁぁぁああああ゙あ゙♪♪」
リオが背中をのけ反らせてアクメを迎えた瞬間、腸内が急速に縮小して締め付け、ペニスに溜まっていた精液をこれでもかと搾り取って来る。
「くっ、搾り取られ……があぁぁぁぁぁっ!!!」
びゅるびゅぅぅぅぅっ!! びゅくびゅくびゅく、びゅぐっ! ドクンドクンドクンドクン……
堪らず中出しし、何秒も何秒も、大量に射精した。
だけどそれは、中にとどまる事は決して無い。ローションと、腸液と混ざり合い、ゴポゴポと泡立って隙間ないリオのアナルから逆流して溢れている。
「はぁっ、はぁっ、んっ……はぁぁっ、お兄様の、おちんぽの痙攣まで伝わるよ? それにスゴく熱い……これが、射精、なんだよね?
リオ、今までされたこと無かったから、お兄様は気持ち良くなくて、えぐっ、うぅっ……ひっく、リオのカラダじゃ、イケないのかと、おもってたのぉっ!! うわあぁぁぁぁぁん!!!」
性器は繋がったままだけど、興奮していた感情は、リオの泣き声で直ぐ様クールダウンした。
「ああ、なんかさ、心配かけてスマンな……」
俺はワンワン涙を流して泣く妹の頭を、優しく、優しく、撫でるだけ。
俺も好きだぞリオ。願わくば、リオの視力が戻っても、同じ台詞を言ってくれますように……
『フル子の光』へ続く。
ここまでです。
ごめんなさい。投下直前に仕事の呼び出しが有ったり、データ飛んだりして今になりました。
話しも前後に別れたり、でも次で終わります。
:::::::::::::::::::::
丶::∧∧:::::∧∧::ノ
ミ>(・∀・)つ (・∀・)<彡
⊂_つノ+ O八⊂_⊃
::∪::+ ♪ ⊂⊃:∪::
::::: + ♪::::
:::: キター!! ::::
:::+ ∧_∧ ♪ :::
:: O(´∀`)O ♪::
続き期待してます!!さぁもっと淫語を!
>>「大丈夫よ……だってリオのお尻の穴は、すっかりお兄様のおちんぽを覚えてしまったもの」
おちんぽ ってことばがツボすぐるwww盛大に抜いたお!
保守
726 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 09:30:25 ID:yIPTyYJO
つづき期待あげ
次から投下
1
貴方を愛し続けた事だけが、私の生きてた証(あかし)。
だからもし手術が失敗して、私が死んでしまったとしても良いの。
お兄様が私を覚えててくれれば、私の愛がお兄様に在れば、私は、リオは、きっとそれだけで幸せだから。
「だからお兄様、この本を読ん……でぇっ!? イタタタタタタタッ!! おひーしゃま、ひたひぃ!! ひたひぃ〜っ!!!」
もっちり頬っぺを引っ張ってツネれば、面白いように伸びる伸びる。
「エロ小説は読まねって言った筈だぞ? それに、たかが目の手術で死ぬかよ」
白い建物の中、白い部屋の中、白い壁に囲まれて、白いベッドで横たわる、それよりも白い肌の妹。
言葉は明るく冗談混じりに、表情は微笑み心配しないでと、小刻みに震える手で俺の手首を握ってる。
明日の朝に行われる手術で、約0、7前後の視力を得ると教えられた。十五年間の真っ暗世界から0、7……凄い変化だろう。
きっと眩しくて、素晴らしくて、そして大変だ。今までは言葉だけで知っていた事や物を、これから長い時間を掛けて一致させて行かなきゃならないんだから。
「リオ、頑張るね? 見えるようになったら、お兄様を一番に見てあげるよ♪」
「ああ、そうだな」
片手は未だに震えたまま、もう片方はほんのり腫れた頬をさすって、明るく、明るく、微笑み続ける。
ハンデも苦しみも表に出さず、心配を掛けない様に、唯々微笑み続ける。
今までずっと、産まれてからずっと、微笑んで、微笑んで、声を殺して枕を濡らして来た。
授業の内容はテープに録音して、夜にはそれを擦り切れるまで再生して暗記し、視力は無くても身体機能を衰えさせない為に、毎日の筋トレとウォーキング。
楽しみは俺が読んで聞かせる小説だけで、それでも人前では愚痴の一つも言わない。
そんな妹を自慢に思って、尊敬して、意識して、それが恋心へ変わるのに時間は掛からなかった。
──お兄様、リオがこのまま死んだら、子供のままでお墓に入らなきゃならないの……それはイヤっ!!
だからっ、今夜だけで良いから……お兄様のおちんぽで、リオをオトナにして?
パジャマの胸元をはだけただけの、色気も無い安っぽい誘惑。それでも中二の俺はすぐに負け、貪(むさぼ)る様に妹を抱いた。
『フルフルフル子』〜フル子の光〜
目の前には病室のドア。すぐ横に取り付けられた777号室の札。間違いなく、このドアを開ければ、妹がベッドの上に居る。
結局、妹の願いも有り、手術には立ち会わずいつも通り学校へ行って来た。そして授業が終わり、ここまで直帰して、これから結果を覗く。
「すぅぅっ、はぁぁっ……ヨシっ!!」
ガチャッ。
俺は大きく深く呼吸をし、力強くドアノブを捻った。
2
白い部屋の中、白い包帯を目の位置でグルグルと巻かれた少女が、白いベッドに上体だけを起こして座っている。
白いパジャマを着て、楽しそうに詩を歌う。
貴方を愛し続けた事だけが、私の生きてた証。
もし私が死んでしまっても、この愛は貴方に残るわ。
きっとそれだけで幸せだから、貴方の愛は繋ぎ止めないの。
「っ……と、下手な歌でごめんなさい。お医者さんですか? 包帯を替えるんですか?」
妹は恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべ、ドアさえ閉めずに突っ立つ俺を、開けない瞳でジッと見てる。
その光景が神秘的に感じて、心地よい歌をもっと聞きたくて、邪魔をしたくなくて、静かに、後ろ手に、ドアを閉めた。
「どうしたんですか? お医者さんじゃないんですか? なんで、何も言ってくれないの?」
黙ってるから、喋らないから、もう一度リオの歌を聞かせてくれ。
俺はそう思っていても、思っただけじゃ相手には伝わらない。妹からしたら、目が見えない自分の部屋に不審者が入って来たのだから、不安にもなるだろう。
「くんくん……ふぇっ、お兄様!? おにいさま、だよね?」
それでも歌って欲しいから、俺の声は雑音にしかならないから沈黙を保つ。
妹も匂いで確認したんだし、安心して歌ってくれる。そんな想いも、結局は俺が思っただけ。
「お兄様っ、おにいさまっ、おにっ、ぃさまぁっ」
すぐさまベッドから降り、よたよたと両手を前に差し伸べて歩き出す。途中でよろめいて倒れても、匂いを辿りながら四つん這いで近づいて来る。
お兄様、と繰り返し、それだけを連呼して、まるで地獄へ垂らされた蜘蛛の糸をよじ登る様に、俺の足へと必死にすがり付く。
「ねぇ、お兄様なんでしょ? イジワルしないでっ、おにいっ……んむっ」
そして膝立ちになると、くんくんと匂いを嗅ぎながら俺の股間に顔をうずめ、唇でジッパーを挟んで下げ……
「おぉいっ!? ゴメンゴメン、俺だ、お兄ちゃんだってば! 離せほらっ!!」
ようとしたので、慌てて妹の腋下に手を回し、俺と同じ目線の高さまで身体を持ち上げた。
「ふ〜ん……ふふっ、嘘がヘタねハンザイシャさん♪ それとも、ごーかんまさん……かな? とにかく、貴方はお兄様じゃないわ。私の大好きなお兄様は、意地悪なんてしないもの」
リオは俺の頭から顔をペタペタと触りながら確かめ、しっかりと確かめて間違う。
もちろん整形なんてしてないし、風邪も引いてない。昨日会った時と、顔も、声も、変わってない。
それはコイツもわかってるだろうに、ニヤニヤしやがって、何を考えてるんだ?
「だから、俺だっ……」
「証拠を見せてっ!!」
溜め息に続いて出てきた言葉を、即座に遮って上塗りする。その意図さえ理解不可能で、思考を読み取る事さえできそうにない。
ただ眉尻をつり上げ、口を三日月の形に拡げて笑う、イタズラっ子の表情がそこに在るだけで。
3
妹を床に降ろすと再び膝立ちになり、俺を見えない瞳で見上げて微笑む。
「そう、お兄様はとってもキチクなの。卑猥なセリフを実の妹に言わせて喜ぶ変態なのよ♪ だから、ねっ? 貴方が本物のお兄様なら、リオに命令してみせて?」
最初から最後まで捏造した言葉で楽しそうにからかい、上着の裾を引っ張って早くと催促する。
何なんだよ急に!? ってか、俺から命令した事なんて一回も無いぞ? みんな買って来た小説かお手伝いさんに教わった言葉だろうがっ!!
「ばーか、手術したばかっなのにフザケんな。ベッドまで抱っこしてやるから、大人しく寝てろ、なっ?」
だから俺も再び妹を持ち上げようとして、
パシッ。
それを無造作に払い退けられる。
「っ……やっぱり貴方は偽者なんだ? ハンザイシャなんだ? ごーかんまなんだ? どうせリオが目の見えない事を利用して、レイプしようとしてるんでしょ? そうは行かないわっ!!」
そして両手を自らの胸前へ移し、パジャマのボタンが掛けられている隙間に指を差し入れると、一息で左右に引き裂いた。
「おいっ、何をやってんだよお前は!?」
ブチブチとボタンが部屋中に弾け飛び、代わりに下から覗くのは、重量感たっぷりのバストを覆うスポーツブラ。
そこに押し込められている膨らみは明らかにサイズ違いで、プリントされてる文字は何倍にも引き伸ばされ、乳輪や乳首の形まで浮き出て、パツンパツンで今にも破れてしまいそう。
「確かめるのよ、本当にお兄様かどうか。だから逃げれないように……ふふっ、助けてって大声で叫ぶわ」
だけど色気なんて感じない、真逆だ。俺と妹が同じ言語で話しているなら、妹は間違いなく俺を脅迫しているのだから。
間違いなく俺だと気づいてて、本気で脅そうとしてる。この状況を濁そうとしたら、戸惑わずに悲鳴をあげるだろう。
ああ、嗚呼、頬に冷たい汗が一筋垂れる。心拍速度もフルスロットルで振り切り、胸が、痛い。
「貴方が強姦魔なら、私の口を塞いでレイプすればいい……そして大声なんて出せなくなるまで、はあぁぁっ……メチャクチャに、犯してしまうの♪」
俺はただ、赤みが差す妹の顔を見下しながら立ち尽くすだけ。
手際よくベルトの留め具を外され、ズボンもトランクスも膝までズリ下ろされ、瞬く間に言い訳できない状況を作られてしまう。
もう遅い、もう手遅れ、誰かに見られてしまったなら、目の見えない妹を性欲の捌け口(はけぐち)にする兄にしか見えない。
「貴方がお兄様なら、いつもみたいにイラマチオしていいよ? それともフェラチオがいい? リオ、おクチいっぱい拡げてがんばるから。お兄様のおちんぽペロペロして気持ち良くするからっ」
クチャ……
リオはアーンと口の中を見せ付けるように拡げ、唇の間に透明な唾液の糸を架けて、顔をペニスの前に移動させる。
手は俺の背中に回して組み、後は俺が腰を突き出すだけ。それだけで下半身はトロけさせられ、心地よく精液を搾り取って貰える……そう思ったら、全部フッ切れた。
病院だとか、患者だとか、妹だとか、その辺り。
今、大事なのは、痛いくらいに勃起したペニスを、
「フェラ……してくれ。エッチな言葉で、俺を興奮させながらさ」
「はい、お兄様」
一刻も早くリオの口で解消する事。
4
「ん、ん、んっ、んっ、んっ……」
ズチュ、ズチュ、ヌチュッ! ジュプ! ジュプ! ジュプ! ジュプ!!
いつバレても可笑しくない。
この部屋への進入を防いでいるのは、鍵さえ掛けれない薄い扉一枚で、恐らく響き渡る水音を外に漏らしてしまってる。
バレるから静かにシてくれと言っても、リオの被虐心に火を点けてしまったのか逆効果。
ん、ん、と短音を発しながらノドの奥まで使って深くペニスを咥え込み、顔を激しく前後させて挿入感を煽って来る。
「リオの、おクチはぁっ、んちゅっ、ちゅぷっ……おにぃひゃまとしか、チューしましぇん……ちゅぱちゅ♪ ぢゅるっ、んはあぁぁっ……お兄様のおちんぽしか、ペロペロしません」
熱く糸を引いて誘う唾液に満たされた口内。鈴口から根元まで往復されるディープスロート。
ずちゅ〜〜〜〜〜っ、
先っぽまで引き抜かれ、
ぢゅぷぷぷぷぶっ!!
一番深くに差し込まされる。
常に水気(みずけ)を帯びてる唇は、前後する度にイヤらしくカリ首へと引っ掛かり、
ザラザラとした表面の長い舌は、裏スジを這いつつも、変則的に竿の部分へと巻き付いて締め上げる。
頬肉は柔らかく、もにゅもにゅとペニスを咀嚼しているかのような感覚で責め立て、食道のヒダは先端に密着して撫で回するのも忘れない。
「んぢゅ、んぢゅっ!! ちうっ、ちゅっ、ふんん……ふあっ、はぁっ、このおちんぽがリオのダンナさまだって、リオの体に教えて欲しいの。
このぉ、太くて固いお肉の棒がぁ、リオのご主人さまだって……わからせて欲しいのぉっ!!」
だけどリオは名残惜しそうに途中で口を離すと、バンザイをして両手を頭上に掲げた。
これがどう言う事なのか一瞬で理解し、俺はリオの手首を掴む。もうここまで射精感を高められたら、引き返すなんてできない。
「苦しいかもしれないけど、我慢しろよ? ふぅぅっ、ふっ!!」
ゴツンと行き止まりにぶつかるまで、今度はこっちからペニスを突き挿れる。
手加減なんてせずに荒々しく、妹の口を性器に見立てて、思いっきり出し入れを繰り返す。
「んっ、ぅぅ、んにゅ、んぢゅぢゅ、ぁふぁっ、おにぃ、さっ」
腰を引き、打ち付け、
ぢゅぶっ、ぢゅぶっ、ぢゅぶっ、ぢゅぶっ、ぢゅぶっ、ぢゅぶっ……
快楽を求めて行く。息苦しそうな妹の呼吸は気にもせず、ひたすらに食道まで小突き回して口を犯し尽くす。
「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、リオ、リオ、リオっ!!」
突く度に揺れる長い髪も、耳まで赤くしてる白い肌も、プリプリの唇もっ! 弾力の有る胸も、可愛らしいヘソも、ムチムチの太股も、全部、ゼンブ、ぜんぶっ! ぜんぶ俺のだっ!!
5
限界は近い。奥底から登り詰めるような快楽。後少しピストンすれば放出できるだろう。
「んっ、もちゅっ♪ ぢゅっ、ぢゅるっ、くちゅ、んんっ、ちゅぷちゅぷ」
じゅっぷ、じゅっぷ、じゅぷじゅぷジュプジュプジュプ!!
全神経を下半身に持って行かれ、精液を直接リオの胃に注ぎ込む事しか考えられない。
「ぐっ、ぐぅっ、ふっ、だすぞ? だすぞリオっ!? クチに中出しするからなっ!!?」
ペニスが小刻みに震え始め、それを敏感に悟ったリオは、腰の打ち付けに合わせて一層に激しく顔を前後させる。
ジュボ! ジュボ! ジュボ! ジュボ! ジュボ! ジュボ!
自分の苦しさが増すのも構わず、ペニスに肉厚な舌を絡み付かせ、頬まですぼませて強烈に吸い付く。
もう限界だっ!! もう、もうっ!!
「があぁああああああ!! イッ、くっ……つあぁっ」
ビュルビュルッ!!! ドクンドクンドクン、びゅくびゅくビュクビュクビュク……
「んむぅうううう!!? ん、んっ、んっ、ぅあ、ぁ、ぁ、んぐっ、んくんく……ぢゅぱっ、んはあぁぁっ♪♪ ぁはあぁ、こんなにいっぱい、オナカにっ、はいらないよぉ♪♪」
長い長い射精が終わり、ペニスをズルリと引っこ抜く。
俺は荒い呼吸のままリオの手を解放し、フラフラと後ろへ倒れて壁に寄り掛かった。
「はぁっ、はぁっ、っ、はあぁぁっ……」
「ああっ♪ お兄様のアクメ汁が、まだリオの中でばちゃばちゃ泡立ってアバれてるの。このままだと、子宮までたどり着いちゃうんじゃないかな? ついちゃえば……いいのにね?」
酷い事をした自覚は有る。だけど、リオは俺を責めない。それどころか、幸せそうに腹部を撫でてる。
やっぱり、リオは俺が好きなんだ。俺だってリオが好きなんだから両思いまで確定。
でも……それでも、リオが包帯を取った時、リオの目が視力を手に入れた時、「お兄様ってカッコ悪い」。そう言われる妄想が頭を離れない。
今はただ、ぺたぺたと俺の形を確かめて寄り添う、妹のぬくもりを噛み締めるだけ。
『みえるフル子』に続く。
すごい質のエロさだなあ。GJ!
735 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 08:00:16 ID:0BAOT2v+
すげーな
GJ!
通りすがりです。やや長めの単発いきます
9時2分前。
今朝は早起きした俺。
とっくに顔を洗って、おととい新調した部屋着に着替え、
一人暮らしを始めてから、おそらく最も綺麗に掃除してある室内を眺めている。
「二日がかりで大掃除したからな。完璧だろ」
一人で満足する俺。
ちょっと女々しいが、今回に限りそんなことは言っていられない、なんとなれば。
今日から、俺の妹、麻耶が此処で暮らすのだ。
◇ ◇ ◇
「お兄ちゃん! 合格したよっ!」
携帯から、飛び出してきそうなくらい元気な声が跳ねたのはおよそ1ヶ月前。
「えへへ、4月からそっちに引っ越すからねっ」
「ああ、楽しみにしてる」
「えー、楽しみー? 嬉しいなぁ。麻耶もすごい楽しみだよー」
そんなことを言ってくれた妹はこの春から高校生。大学2年になる俺とは4歳差。
俺が高校の時に親元を離れて以来、丸四年間も会っていない。
「受験の時もすれ違いだったしなあ」
ここで声を大にして主張しておくが、俺と麻耶の仲が悪いわけではない。
むしろすこぶる良い。
どれくらい良いかと言えば俺の携帯のメール履歴は麻耶からのそれで埋め尽くされており、
電話もほぼ毎日。用事がなくとも「おやすみなさい」を言いにわざわざ掛けてくる、
客観的に評してもおそらくブラコンと呼ばれる類の妹なのだ。
ちなみに俺も全力でシスコンだ。
俺の方がどのくらいシスコンかというと、まあ、少なくとも、
二日に一度は写メで明るい笑顔を送信してよこす麻耶が、
「今日はお父さんもお母さんも外泊なんだ」
なんて電話の向こうで寂しそうな声を漏らす度に、
隣にすっとんで行って話し相手でも添い寝でもしてあげたい衝動に駆られるくらい重症ではある。
それができなかったのは、ひとえに糞^2な両親のせい。
学歴は高いがおよそ家庭的責任というものを省みないうちの両親は、
歴史研究だとかなんとかいう自分達の仕事兼趣味の為に世界中を飛び回り、
義務教育中の麻耶はそれに付き合わされて俺の手が届かない諸外国を巡っていた。
いや、それでもきちんと面倒を見ていればいい。
だが、親父とお袋は何処に行っても自分達の事にばかり熱中して、
麻耶は次々と転校どころか転国を繰り返す生活の中で、
本来なら多感な時期に得られるであろう友人関係も、
外国での生活によって得られるであろう見聞体験も殆どないまま、
自宅というほど愛着が湧く間もなく変わる家に篭もりがちな生活を続けていた。と、俺は思う。
だいたい、
「麻耶もようやく義務教育が終わったからな。これからは俺達も自由にさせてもらうよ」
これが俺の台詞じゃあない。
高校合格にあたっての親父の言葉なんだ。
「これまでも散々好きにしてた癖にふざけんな。生活費は二人分送れよ」
「口座に振り込む金額は増やしておく。麻耶の面倒は頼んだぞ」
こんな調子で、子供を育てる事は義務と面倒という認識の親を持った俺と麻耶は、
生活に不足はなく文句も言えないが愛情には不足する環境の中で互いへの依存を深めており、
それは離ればなれに居た四年間でも深まりこそすれ埋まることはなかった。と、自負している。
◇ ◇ ◇
で、そんな妹が今日から俺と一緒に生活するわけで。
「いや実際、ちょっとかなりヤバいかも」
独りごちる。
だって麻耶と二人暮らし。このアパートは1LDK。文字通り寝食を共にする。
小学生の頃から兄の贔屓目抜きですこぶる可愛らしい女の子だった麻耶は、
大量に送られてくる写メを見る限り、順調に外見的成長を遂げているように見受けられる。
高校一年生。幼いながらも女性である年頃。
狭いアパートで暮らしていれば、例え彼女がガードを固めていたとしても、
色々と刺激的な場面に遭遇するであろうことは想像に難くない。
だいたい、麻耶にしてからが、
“今日あたらしいブラジャー買ったよー”
なんて脳天気なコメントと共に、
兄上様の脳天を直撃するような下着姿の写メを送りつけてきたり、つい先日の電話でも、
「これからはお兄ちゃんが隣で寝てくれるから寂しくないね」
なんて屈託なくのたまってくれるくらいにして、
ガードどころか兄の俺には無警戒もいいところなのだ。
「俺が家を出るまで、一緒に風呂入ってたんだよなあ」
中学3年生と小学5年生。
うーむ、よく我慢したな当時の俺。
そして、果たして我慢できるのか今の俺!?
いや、大丈夫。俺は麻耶を傷つけるようなことはしない。と、思う。
シスコンの名に賭けて、真実がいかに変態であろうとも、
麻耶の前では、優しく過保護なお兄ちゃんで居てあげるのだ!
まあ、一人になった時にちょっとオカズにするくらいは許してね、我が妹よ。
◇ ◇ ◇
そして、9時。
ピンポーン。
き、来たっ!?
落ちつけよ俺、写真は綺麗に写ったのを送ってるんだろうし、
高一春なんてまだガキだし、性格も昔ほど無邪気じゃないだろうし、
そんなに期待しちゃあいかん。どんな子になっていても、俺は麻耶のお兄ちゃんだ。
ピン、ポーン。
「ああ、はいっ!」
深呼吸している間に、さっきより遠慮がちな二度目のチャイム。
俺は慌てて玄関に駆け寄り、扉を開け。
「ごめんごめん、よく来た……」
言葉の途中で絶句する。
そこには、真新しい高校の制服に身を包んで、ちょっと俯いて上目使いに俺を見る、天使のような少女が居た。
「お、おはよう、ござい、ます。お、お兄ちゃ、ん」
少女が顔を上げる。
四年ぶりとはいえ、いつも写メで見慣れている筈の顔。
なのに、眩しい。よほど上手く化粧でもしてんのか。
「今日から、よ、よろしく、お願い、しま、す」
電話で聞き慣れている筈の声。
なのに、どうしてこんなに美しい鈴の音のように響く。携帯電話の性能も、まだまだだな。
「麻……耶……?」
いかんいかん。なんて惚けた声を出してるんだ俺は。
「……」
気を取り直して中に招き入れようと口を開くが、言葉が出てこない。
1歩の距離にある少女の姿に、70cmほどの距離にある麻耶の顔に、視線が釘付けになる。
「……」
麻耶の方も、動かずに俺を見ている。
というか、俺が動かないと動きようがないのだろう。
入れよ、と言ったつもりで声は出なかったが、一歩下がった、と。
「お兄ちゃんっ!」
がばっ!
妹は、感極まった声を挙げて俺に飛びついて来た。
どん、と麻耶の身体が俺にぶつかる。
慌てて力を入れて抱き止めると、ふわりと柔らかい身体に驚く。
ぎゅうううううう。
摩耶の両手が俺の背中に回り、力一杯、―だろうな痛くないけど―、抱きしめられる。
俺の胸からお腹にかけてが、妹の感触で埋め尽くされる。
「会いたかったよぉ……」
涙声が、胸元から聞こえる。視界には細やかな頭髪しか映らないが、おそらく泣いているのだろう。
「ああ、おれもだよ、麻耶」
ぽんぽんと優しく、頭を叩いてやる。
普通の言葉は出せなかったくせに、そんな台詞は素直に口をついた。
ぎゅぎゅぎゅうううううっ。
少し緩んでいた腕にまた力が入った。
ちょうど心地よいくらいの束縛感に、俺は殆ど無意識に麻耶の背中に手を回して、
きゅっ、と少しだけ抱きしめる、
つもりが思わずぎゅっ、になった。
「ふぁぅっ!」
妹の口から息が漏れた。俺は慌てて手を離す。
「す、すまん、つい。痛かったか?」
「あっ、違うの、もっと」
ぎゅっとして、そんな台詞に俺はくらくらする。
再び手を背中に、そして、今度はそうっと、しかし力を込めて抱きしめる。
「んぁぁ……」
麻耶の溜息が艶っぽい。俺の鼓動が加速した。
10秒ほど抱きしめ合ってから、俺だけ腕の力を緩めた。
「あぅ、まだぁ……」
物欲しそうな妹の抗議に理性を失いそうになりながら、俺はぽんと少女の頭を叩く。
「玄関先だぜ。とりあえず中に入れよ」
「うん……」
頷いてドアから部屋に入り、靴を脱いでダイニングにあがる間も、麻耶は俺に抱きついたままだった。
「うわっ、ちょっと待て」
俺も靴を脱がないと。
だが摩耶は待たなかった。
「ととっ」
「きゃっ!?」
バランスを崩す二人。麻耶は離れない。俺は床に手を付きつつ、なんとか転倒を回避して尻餅。
麻耶はというと、その俺の、膝の上に座り込んで来た。
「おいおい。甘えんぼすぎだろそれは」
「えへへ……」
はにかむ頬には、やはり涙の跡がある。
そして、間近で見た麻耶の肌。明らかに化粧なんかしていない。けど。
「……お、大きくなったな」
本当は、綺麗になったなと言いたかった。
「153かな。もう殆ど止まっちゃったけど」
別れた小五の時は140cmあったかなあ。まあ小さいよな。でも、成長した。そして、綺麗になった。
「お兄ちゃんは、えっと、……カッコ良くなったね」
な、なにが!?
「あ、えっと、おっきくはなってないけど、その、前からカッコよかったけど、なんか、えっと、男の人っぽいっていうか」
いやいやいやいやいや。
「おまえはなにを言ってるんだ」
俺も他人のこと言えないけどさ。
「う、うん」
突っ込むと顔を赤くする麻耶。う、可愛い。
俯く少女の頬に残る涙が気になって、俺はつい手を伸ばす。
つつっ。
「ひゃぅ?」
涙の跡をなぞるように指を這わせると、摩耶はか細い声を挙げて身をすくめる。
「ご、ごめんつい」
慌てて、俺は手を引っ込めようと、
ぐい。
だが、摩耶は俺の右手に、自分の左手を重ねて頬に押しつけた。
「ううん。ちょっとびっくりしただけ」
そのまま右手も添えて、俺の手のひらに頬を預ける。
「お兄ちゃんの手、あったかい……」
心地よさそうに目を閉じる妹の表情を、俺はぼんやりと見つめた。
ぐに。
「おおう!?」
ぼんやりしていた俺は、唐突に左頬を襲った感触に驚く。
いつのまにか摩耶が、戻した右手を伸ばして俺の頬を掴んでいた。
「はにふん……」
「あははっ」
文句は元から大きくなかったが、嬉しそうな摩耶の笑顔の前に立ち消える。
そして摩耶は、左手も俺の右頬に伸ばしてきた。
「お兄ちゃんのほっぺ、伸びるねー」
むにむにと俺の両頬が摩耶の指に弄ばれる。
「ほいふふぇ、ほうひへはる」
お返しとばかり、俺は摩耶の右頬に添えていた指の形を変えた。
ふにゅっ。
「ふひゅっ?」
くすぐったそうに首をすくめた摩耶の、反対側の頬にも手を伸ばす。
「ひひゃっ、ほひいひゃん、ひほ、ひひゃ、ひゃひゃひゃっ!」
「何言ってんだかわかんへほへふははははっ!」
二人して馬鹿みたいに笑いながら、俺と摩耶は互いの両頬をつねり合う。
摩耶のほっぺたはマシュマロみたいに肌触りが良くて、餅みたいに柔らかかった。
◇ ◇ ◇
30秒後。
「あ痛たたたたた」
「……ひたひ」
調子に乗り過ぎた俺と摩耶は、今度は互いに自分の頬を押さえて呻いていた。
「ば、馬鹿なことをしたぜ我ながら。ごめんな、痛かったろ」
「ちょっとね。でも、うん、えへへ」
妹の頬が赤くなっているのを見て俺は謝罪する。
摩耶はひとつ頷いてから、はにかむように笑い出す。
「なんだよ」
「なんでもない。なんでもないけど、あは、へへっ」
摩耶は、緩みきった頬を隠すように若干うつむいて、
それから、上体を前のめりにして俺の胸に顔を預けてきた。
「お、おい」
「……ちょっとだけ」
くっと顔を傾けて、俺の鎖骨の下あたりに押しつける。
少し色の薄い髪からは、ほのかにシャンプーの匂いがした。
「よしよし」
頭を撫でる。摩耶の髪に触りたいという下心があったことは否定できない。
「あ……」
摩耶は摩耶で、俺の手を受け入れるように頭を動かす。
指が細い髪のあいだに入り込んで、撫でるというより髪を梳くようになった。
「本物の、お兄ちゃんだ……」
うっとりした声に俺の心臓が跳ねた事を、彼女は気づいているのだろうか。
「当たり前だろ」
動揺を押し隠して、わざと馬鹿にしたように呟く。
「うー、そうだけどぉ……」
声色がちょっと拗ねて、ぐりぐりと頬を擦りつけてくる摩耶。
「……夢を見たんだもん」
「夢?」
夢なら俺も見た。摩耶と一緒に暮らす夢を、何度も。
「お兄ちゃんと一緒に暮らす夢。何回も」
摩耶は少し顔を下に向ける。
可愛いおつむの向こう、白いうなじがちらと俺の視界に入った。
「でもね、いっつもいい所で目が覚めるんだ」
胸の下から聞こえる呟き。
「いい所ってなんだよ?」
「えっ? あっ」
恥ずかそうな声を出して、摩耶はさらに顔を下げ、
「それは……」
俺の胸に押しつけられているのは摩耶の顔から頭になった。
頭蓋骨が当たって少し痛いが、今はそれもまた嬉しい。
「……内緒っ」
そして摩耶は、一転してぱっと顔を上げて、お茶目に笑ってそう言って、
ぴょいっと膝で身体を浮かせて前に出ると、今度は俺の首っ玉にかじりついてきた。
「うぉっと」
俺の両肩の上に腕を預け、うなじのあたりに頬を擦りつける少女。
体重のかかり方が大きくなって、慌てて抱き留める俺。
「ふふっ、へへへっ」
笑いながら摩耶は、鼻っ面で俺の首筋をなぞる。
「お、おい、くすぐったいって」
「くすぐってるんだもん」
摩耶の悪戯はエスカレートして、水族館のアシカショーみたいに首を伸ばすと、
ふっ。と俺の耳に息を吹きかける。
「ぬぉぁうっ?!」
「きゃひゃっ。鳥肌立ってるよお兄ちゃん?」
当たり前だ。
こいつめ、こうしてやる。俺はお返しに摩耶の耳に口を近づける。
ふーっ。
「ひゃあんっ!」
可愛い声を挙げても許さん。両手で妹の顔を挟んで、さらに息を吹き込む。
「あっ、あんっ、あははっ、ふへ、ごめ、ごめんなさい、許してお兄ちゃん、はややひゃひゃひゃ」
どうにも楽しそうな悲鳴を挙げる摩耶。
俺も楽しくて、ついつい笑いがこみ上げる。
やべ、唾出てきた。摩耶の耳に落ちる……
ぺろっ。
つい、舌を出したら、摩耶の耳介に当たって、そのまま舐めてしまった。
「ああああんんっ!」
どきりとして手を離した。
なんっつー声を出すんだ摩耶。
これじゃまるで、なんだ、エッチな事でもしてるみたいな。
「あぅ……お兄ちゃん?」
自由を得た摩耶の頭が俺の方に向き直る。解放された事が寂しいような顔。
「お兄ちゃぁん」
またすーっと首を伸ばして、
「お返しー」
妙にのんびりした声で、俺の耳に、もしくは頬に唇を寄せてくる……
だめ、もう限界。
「ほ、ほらっ、立ってうがいしろっ!」
もっともだが無理矢理な理由をつけて、俺は摩耶の肩を押し返した。
「えー、もうちょっとー」
まだぼーっとした口調を続けて、摩耶はすがりついてくる。
俺はあぐらをかいた状態から後ろに手を付き、左膝を片膝立てて立ち上がろうと、
摩耶は俺の上に女の子座りした態勢から、膝立ちになって追いすがろうと、
それぞれの動きがシンクロして、丁度俺の右の太股を、摩耶の両脚が挟む格好になった。
制服のスカートは、かなり短い。
ズボンの上から伝わる、少女の下半身の体温。
「っ!」
動揺した俺は、慌てて立ち上がった。
「きゃ……」
俺によりかかりかけていた摩耶は、バランスを崩してつんのめる。
ずりゅっずりゅっと、
摩耶は俺の太股に跨った状態で、傾斜のついた右脚の上を滑り落ちた。
ぞくぞくっと、俺の背筋に電流が走る。
少女の柔らかいふとももと、ぴったりと押しつけられたその両脚の間の感触は、
ズボン越しでも俺に強烈な衝撃を与えるに十分だったが。
「あぁっ、んんんんっっ、んっ!」
堪えきれないような摩耶の声はそれにも増して、俺の耳に糸を引いて残った。
摩耶は、よろめくように尻餅をつく。
立ち上がりかけた俺は、摩耶を気遣ってまたしゃがむ。
「だ、だいじょ……!!!」
言いかけた口が途中で止まる。
裾の短い制服のスカート姿で尻餅をついた摩耶は、足を閉じていなかった。
折しも午前中の太陽が窓から差し込んで、少女の普段は隠されている部分を照らす。
短めのソックスから覗く、形のよいふくらはぎ、可愛い膝小僧、
そして白く映える一対の内股と、その間でなお白い一枚の特別な布地まで、俺の視界に飛び込んで。
その、小さな布地の中心に、小さからぬ染みがくっきり浮き出ていた。
◇ ◇ ◇
数秒間、俺は視線を離せない。ごくりと喉が鳴る。
「っ、っく、ひぐっ」
泣き声で、我に返った。
「ま、摩……」
「ちがうのっ!」
飛び出すような声が一声、だが、目を向けた摩耶の顔は両手に覆われていた。
「っく、その、ちがっ、そうじゃなくて、あのね、ちがわないけど、ちがうの……」
首を振って身を縮め、しゃくりあげる涙を手のひらで隠す。
「久しぶりにお兄ちゃんに会って、その」
両膝は閉じて体育座りになっても、未だ開いた足の間を俺の視線に晒している摩耶。
「変だよね、お兄ちゃんとくっついてて、ひっく、コーフンしちゃうなんて」
妹の口から興奮なんて言葉を聞くと、心臓が跳ね上がる。
「恥ずかしい……」
俯いて膝を抱える仕草なんて、もう衝撃的過ぎて形容し難い。
「えぐ、ごめんなさぁい、嫌いにならないでぇ……」
また泣き出した摩耶の声に、俺はハッと我に返った。
い、いかん。妹に恥ずかしい思いをさせて泣かせるなんて、兄失格である。なんとかせねば!
おし。
「ふはははははははは!」
突如として俺が挙げたバカ笑いに、泣いていた摩耶がきょとんと顔を上げる。
「安心しろ摩耶」
俺は一歩前に出ると、無意味に胸を張って腰に手を当てる。
「お兄ちゃんなんかなあ、さっき摩耶に抱きつかれてからこっち、ずっーとこんな状態だ」
妹の眼前に突き出した俺の股間は、もちろん元気にピラミッドを築いていた。
ぽかんとして、俺の股間に眼をやる摩耶。
・
・
・
しーん。
う、い、いかん、これはやりすぎたか!
「あ、あはははは、はぁ……」
涙を引っ込めたのは成果だが、さすがにいたたまれない。
乾いた笑いも長続きせず、俺はすごすごと腰を引っ込めようと、
する前に。
さわっ。
「おおうっ!?」
摩耶はその細い指を、眼前の膨らみに這わせた。
「お兄ちゃんの、おっきくなってる?」
「い、いや、なってるけど」
さわさわ。くにくに。
大きな目を更にまん丸にして、俺の股間を弄ぶ我が妹。
棒をつかんでぐるっと上を向かせると、テントの形状が正三角形から船首型に変わる。
「これって、コーフンしてるってこと?」
くりっ。
おおうっ、摩耶さん、あのですね、そこは裏スジと言いましてですね、
男性にとっては敏感な場所なので、そんな風に指でなぞられますと、
「わ、びくんってなった」
あああああああ。
「うわあ……」
なんですかそのワクワクしたような声は。
声だけでなく、摩耶は次第に指先も大胆になってきた。
むにむに。こしこし。
ズボン越しなのに、やけに刺激が強いのは物理的なものだけでなく、
俺の腰に抱きつくような姿勢で俺の一物を弄る俺の妹という文章すら重複気味な視覚的刺激が重なるから。
「あ、あのな、そ、そろそろ……」
やめてくれ、と言うのが、少し遅すぎた。
「お兄ちゃん」
すりっ。
摩耶は、俺に顔をすり寄せた。
俺にというか、俺の股間に。
それが、トドメになって、
びくっ。
「うぞっ!?」
びくびくびくっ、びゅくっ。
世にも情けない声を出しながら、俺はトランクスの中に射精してしまった。
摩耶の目の前で。
◇ ◇ ◇
……立ち直れない。
がっくりと膝をつき、俺は頭を抱える。
「すご、い、いますごいびくびくってなったよ! お兄ちゃんっ!」
妹の無邪気な声が耳に痛い。
「えっと、いまの、しゃせー、したの?」
ああああ言わないで。
「……すまん」
最低だ。妹の顔に擦りつけて射精する兄なんて。
しかもやけに早かったし。普段はもうちょっと保つのに、ってそういう問題じゃないいっ。
「ふえー、ああいうふうになるんだ」
なおも興味津々な様子で、俺の側にかがみこんでくる摩耶。
「も、もうちょっと見せ……」
「やめてくれよ!」
思わず声が大きくなった。
びくっと退いた摩耶の顔を見て、さらなる罪悪感。
「いや、ご、ごめん。なんだ、その、俺って……情けねえ……」
泣きそうになって床を向く。
ああ、会って早々、なんというていたらく。
「お兄ちゃん……」
摩耶が、俺の隣を通り過ぎる。
ぽふっと、ソファに座る音がした。
き、嫌われちゃったかな。それとも軽蔑か。
「お兄ちゃん、こっち、見て」
「はい」
ぼんやりと返事をして、のろのろと顔をあげて、俺はソファの方を……
ぶっ!?
「ま、まま摩耶、ななな何を?」
台詞が思い切り上擦る。
だって、俺の視線の先で、摩耶はソファの、
背もたれによりかかって座り、両足を上に上げて、いわゆるM字開脚の姿勢。
「摩耶、お兄ちゃんが、しゃ、射精するとこ、見ちゃったから」
スカートが腰のあたりまでめくれあがって、
さっきより広い面積が露わになった下着の中心に、摩耶は自分の手を添える。
「こ、今度は、お、お兄ちゃんに、摩耶がするトコ、を、見せてあげる」
めちゃくちゃ噛みながら、真っ赤な顔で。
「い、いや、あ、ああああのな、そんな気は遣わなくても」
「だめ」
声はか細かったが、口調は強かった。
「摩耶は、お兄ちゃんに見て欲しいの」
◇ ◇ ◇
「んっ、ぁっ、んっ、くぅんっ」
俺の目の前で、摩耶がいやらしい声をあげている。
<お兄ちゃん、くりとりすってなぁに?>
唐突にそんなメールが来て悩んだ記憶があるから、
妹が性に興味を持ちだしたのは俺と離れた後だと思う。
教育に差はあれど、どこの国でも年頃の男子女子は似たようなもの。
インターネットよりも俺を知識源として頼る摩耶は、
学校で漏れ聞こえる単語を無邪気に質問して来たりして、
俺は頭を抱えつつあらぬ妄想などもしつつ、少女に保健体育の通信教育を施していた。
だので、摩耶も何も知らない子供でない事は認識していたつもりだったが。
「ぅ、ぁ、ぉにぃちゃぁん……」
俺を呼びながら自らの肢体を弄る妹の姿はあまりにも刺激的。
右手を股間に伸ばし、細い指が、薄い布地の上に出来た一本の線をなぞりあげる。
左手は胸の小さな膨らみに添えられ、人差し指が小刻みに弄っている部分が先端か。
「はぁっ、ぁあっ、っ」
鈴の音のような声が、いっそう細く高くなる。
「あ、んっ、おにいちゃ、もう、ちょっと……」
潤んだ瞳が俺を見て、しかし、
「ぅう……、ん……、はぁっ、はぁっ」
絶頂までは達し切れないのか、息を荒くした摩耶は切なげに腰をよじる。
「だ、大丈夫か?」
「へ、へーき、っ、ちょっと、きんちょーして……ごめん……っ」
気遣いは、余計な気を遣わせただけだったようだ。
それでも快感を得ている筈なのに辛そうな妹の様子に、何かできないかと俺は寄り添った。
「あっ」
恥ずかしそうな仕草を見せる摩耶。かえって悪かったか。そう思う間もなく。
「もっと、こっちに……来て、おにいちゃん」
囁く声。頭がくらくらする。
俺は摩耶に添い寝するようにソファに横たわる。
少女の横顔から、なだらかな胸の膨らみに突起を見つけ、そして淫らに着乱れた下半身に、
殆ど惚けて、誘われるように俺は手を妹の右手が蠢く秘所に伸ばし、
そっと布地をなぞった。
「ふあぁああああんんっ?!」
いきなり、摩耶の声が1オクターブも跳ね上がって、
俺は慌てて手を引っ込め、
ぎゅっ。
ようとして、妹の細い手に押さえ込まれた。
そのまま、摩耶は俺の手を自分の敏感な部分に押しつける。熱い。
「摩耶……」
「はぁっ、はぁっ、あっ、ぁっ、はぁ……」
俺の顔のすぐ隣で、荒い息を吐き出す摩耶。
ことん、と頭を俺の胸に預けてきた。
その体温が愛おしくて、左手を後頭部に回し抱き寄せる。
「んんーっ」
ぐいと摩耶が俺に体重を乗せてくる。
仰向けに組み敷かれそうになり、俺は反射的に右手で押し返した。
少女の両脚の間に挟まれたままの右手で。
「んぁあん!」
強く両の太股に挟まれる。
「す、すまん、痛かった?」
そんな筈もないが、思わず聞いてしまう。
果たしてかぶりを振る摩耶。
「ううん……きもち……いいの……」
溶けそうな声が、俺の耳朶に触れる。
俺は、唾をひとつ飲み込んで、改めて右手で妹の股を押した。
摩耶は俺の力に従ってソファの上に仰向けになる。
「あっ、んっっ、ふあんっ」
手のひらで三角形の布地を延ばすように揺さぶると、
俺の手の動きに面白いように追随する妹の嬌声。
「摩耶、手、どけて」
俺の右手の上に、今は押さえるというより添えられていた少女の手が離れる。
内股に手をかけると、抵抗もなく足が開く。
くっきりと染みが広がった布の下を見たい欲望が沸き上がる。
俺は妹に、自分の欲求を伝えた。
「うん……お兄ちゃんのも……見せてくれるなら」
それが摩耶の返事だった。
◇ ◇ ◇
ついさっき射精したにも関わらず、俺の息子はすっかり元気。
「うわあ……」
や、そんなに感嘆するほど大層なものでもないぞ妹よ。
「くんくん」
ソファに膝立ちした俺の、股間に顔を寄せた摩耶が鼻をひくつかせた。
さっきパンツに溢れた精液が、当然ながら一物にもへばりついている。
「ちょっと待ていま拭くから……のわっ!?」
ぺろっ。
「ま、摩耶?」
かぽっ。
肉棒に少女の舌が這う感触が走った次の瞬間には、
それは摩耶の咥内に吸い込まれていた。
ぺちゃ、じゅぼっ、くちゅっ。
摩耶のフェラチオは、はっきりいえば不器用だった。
が、少女の口腔の熱さと柔らかさ、
そして一心不乱に俺の股に顔を埋める妹の姿が、強烈な感覚として襲う。
やばい、このままでは一方的に負けそうだ。
「摩耶、ちょっと、こう……」
「ふご?」
俺は摩耶を、いったん足下に押し倒すようにソファに仰向かせ、
身体を捻って上下逆に少女の身体に覆い被さった。
体位を変える間も止まらない摩耶のおしゃぶりに耐えつつ、
己の目的である妹の下穿きに手を掛け、不器用に引き抜く。
ふわっと篭もっていた体温が開放され、女の匂いが広がった。
子供の頃にふざけて見た事があったろうか。
少女の下腹部は、きめ細やかな肌がなだらかな丘を作り、
斜面にはごく薄く草原のような恥毛の茂み。
そして、摩耶の身体の中心、まだ閉じた一の秘裂。
俺は両手で其処を開いた。
これまで見た、―まあ映像が殆どだけど―、どんな女性のものよりも、
摩耶のそこは、綺麗で、柔らかくて、そして蠱惑的だった。
「ぅあ……」
俺が吐いた息が、少女の草原を揺らす。
「ふおぁ?」
びくんと摩耶が反応して、同時に彼女の身体の奥から透明な液体が滲み出る。
それを見た瞬間、俺の、殆ど残っていなかった理性はふっとんで、
俺は無我夢中で、妹の股間にむしゃぶりついていく。
「ひゃぅうっ?!」
摩耶が素っ頓狂な声を挙げ、すぽんと俺の息子が妹の吸引から解放された。
「や、おにいちゃ、ふぁ、そんなの、んあっ、なめちゃ、んんんっ!」
自分の事を棚に上げた抗議なと聞く耳もたぬ。
というか、正直そんなの気にしてる余裕もなかった。
「あ、ああんっ!」
妹の口から漏れる喘ぎに負けないくらい、
ぺちゃぺちゃといやらしい音を立てて、妹のもう一つの口を舐め立てる。
「はあうぅ、まっ、まけなっ、いもんっ、んっ」
いっぽう摩耶は、どんな対抗意識を燃やしたのか、息も絶え絶えに宣言すると、
「はむっ」
さっき自分の口から飛び出た物体を再び捕らえて責め始めた。
ぺちゃ、ぴちゃ、くちゅ、くにゅっ。
二人がお互いの急所を攻め合う時間は、そう長くは続かなかった。
「あっ、くっ、摩耶っ、俺……もうっ」
「ふああ、おひいひゃ、あはひ、ひゃぇ……」
妹の声が切羽詰まるのと俺の射精感がシンクロして、
俺は摩耶の口内に欲望を放出し、ほぼ同時に摩耶が身体を震わせた。
◇ ◇ ◇
「んくっ、こくっ、っ、けほっ、けほけほっ」
「あああ無理すんな吐け吐け」
精液を飲み込もうとしてむせ返る摩耶の背中をさする俺。
ふらつく足取りの少女を支えて、流しに連れて行きうがいをさせた。
「ふへぇ……ご、ごめんねお兄ちゃん、全部飲めなくて」
「な、なにいってんだ摩耶。謝るのはどう考えても俺だろ」
場に流されて、確認もなしに咥えさせたまま出してしまった。兄妹抜きにして男女としてもルール違反。
「ううん」
が、摩耶は首を振る。
「嬉しかった。お兄ちゃんが、摩耶で、摩耶に、こんな……」
頬を染めて俯く。
「あ、あのさ、お兄ちゃんっ」
緊張し直して少女が申し出る内容は、容易に想像はついた。
「ま、摩耶と、もっと、続き、その、最後、まで、」
それでも、少女の声は幻の如く響く。
「して……摩耶の……はじめて……」
「お、俺でいいのか?」
我ながら馬鹿なことを聞く。
「お兄ちゃんじゃなきゃ、やだよぅ」
拗ねた声色に、その場で床に押し倒したくなる衝動。
が、尖った唇を見て思い直した。
「ソファで……」
「ああ、けど、その前に」
「?」
俺は摩耶の顔を両手で挟む。きょとんとした少女。
その唇に、唇を重ねる。
そっと触れ合ったのは10秒足らず。
「ごめんな。ちょっと、順番が逆だったよな」
柔らかな感触の名残を惜しみながら身体を離す。
摩耶からの返答はない。
「摩耶?」
「ほあ」
間の抜けた声で、ぽーっと俺を見つめる妹。
ぼわっ!
そんな擬態語が似合いそうな勢いで、その顔が茹で上がった。
「わ、わわわわ」
「お、おいおい」
「ままま、摩耶っ、キス、キス、お兄ちゃ、キ、お兄ちゃんと、キスしちゃったよぉ!」
さっきろくきゅーしておいてそれはいまさらだとおもいます。
なんて思わず感想がひらがなになるような台詞を言い終えるか終えないか、
摩耶はへろへろとその場に崩れかけ、大慌てで俺は細い身体を抱き止める。
「ま、摩耶っ」
「えへへ、ちょっと頭に血が上って」
よろっと立ち直ったので、背中に回した手を離そうとしたら、きゅっと掴まれた。
「な、なんかよくわかんなかったから、もういっかい……」
否応もない。
俺は添えられた手ごと摩耶の肩を抱き寄せて、再びくちづけた。
「んっ、はむっ」
ぎこちなく応えてくれる少女の口唇に舌先を滑り込ませる。
前歯の根っこをなぞるようにすると、かすかに身じろぎしながら通路が開いた。
「あっ、んふんっ」
ちゅぷっ、ぴちゃ。
舌と舌が絡み合う。上顎の裏をなぞると、ぴくんと跳ねて首が反る。
右手を摩耶の後頭部に回して逃れられないようにして、俺は少女の口腔をねぶった。
こんどはたっぷりと時間をかけて、
俺と摩耶は唇を押し付け合い、舌を絡め、粘膜を擦り合わせ、
「ぷはあっ」
「ふぅっ、はぁっ、あっ、はぁっ、はあっ」
口を離した直後、くらくらするのは、半分は酸欠のせいもあるかも知れない。
「お、お兄ちゃぁん……」
だが切なく蕩けた表情で、俺を見上げる摩耶の顔。
俺も頭に血が上る。
もっとキスしたい欲求も強かったが、妹を自分のものにしたい欲望が、もはや押さえきれない。
「ソファーでいいか?」
「うん……」
こくりとやや機械的に頷いて、歩きだそうとしてよろける摩耶。
おぼつかない足元に、さっき脱がせた下穿きが引っかかっている。
俺はパンツ履きなおしたけど、摩耶にはそんな余裕もなかったんだ。
……。
「摩耶、力抜いて」
「えっ? きゃっ!?」
よっ。
ぐいっと右手を背中、左手を膝の裏に差し入れて、俺は摩耶を持ち上げた。
いわゆるお姫様だっこ。
「はわわっ、お、お兄ちゃんーっ?!」
「暴れるな暴れるな」
落とすわけにはいかん。ぐぐっと力をいれて踏ん張る。
摩耶はすぐに大人しくなった。
「……お、重い、でしょ?」
おそるおそる首っ玉にかじりついてくる。
「柔らかいな」
体重40キロにもかなり満たないだろう摩耶でも、
そりゃあ重くないと言えば嘘になるから、俺はそう答える。
リビングまで小さく11歩。気合と見栄で運びきったぜ。
◇ ◇ ◇
極力そうっとソファに下ろすと、赤ん坊のように手を縮こめる少女。
髪を撫で、軽く口づけして緊張を解く。
手足がほどけ、乱れた胸元と、
スカートの捲れた太股を目の前にすると、
すぐにでも摩耶の身体の中に押し入りたい衝動に駆られる。
いや、急いてはいかんいかん。ここは順番に。
俺はまず、摩耶の肩を抱いて、次に乳房を……
「お、お兄ちゃぁん」
な、なんだい?
「あのっ、摩耶ね、その……もう」
膝を擦り合わせて小さく首を振る俺の妹。
う、その膝を広げてぇ。
けど、我慢して頭を撫で撫で……
「ダメぇ」
摩耶の首振りが強くなる。
「これ以上優しくされたら、摩耶、おかしくなっちゃうよぉ、だから」
「だから、摩耶、はやく、お兄ちゃんのものになりたい……」
うっ。
「わ、悪かった」
上擦った声で反省の弁を述べる俺。
「俺も、本当は、はやく、摩耶を……」
喉が詰まってみなまで言えず、妹の内股に手を掛ける。
さっき一度開帳したというのに、
両脚を広げても殆ど一本の線のままの摩耶の中心、
左手を添えてそっと左右に開くと、とろりと愛液が滴った。
◇ ◇ ◇
「最初に指、入れてみるから。痛かったら言えよ」
「うん……」
摩耶がこくんと唾を飲み込む喉の動きが見えた。
俺は大福餅でも触るみたいにそうっと、少女の秘所に触れる。
「ひゃうっ」
びくんと身体が動いたのは、痛かったからではなさそう。
ふにっ、くにっ、くちゅ。
「んっ、ぁっ、ああんっ!」
俺の愛撫には、過敏なほどの反応を見せる摩耶。
閉じていた時の無邪気さから考えられないほど、
少女の秘裂の内部はいやらしく蠢く肉壺と化していた。
俺の指は、摩耶の肉体に誘い込まれるように彼女の中心に向かう。
ぬ、ぷっ。
「んんあっ!」
思ったよりも簡単に入った、という感想は、すぐに指を締め付けられる感触に消える。
ぐにっ。
「はっ、あうんっ、あ、入って、摩耶の中に、おにいちゃ、ゆび」
妹の様子を見ながら、徐々に奥に進ませる。
摩耶の中はじっとりと柔らかく、指を動かす度に熱い液体がまとわりつく。
「あっ、んっ、んんっ、ゃあん」
嬌声に浮かされるように、俺は摩耶の体内―ごく浅い場所だけど―を掻き回す。
同時に割れ目を押し広げていた左手で、ぷっくりと膨れたクリトリスを押さえた。
「きゃうっ! あんっ、ああああんんんっっ!!」
ぎゅっと右の人差し指が締め付けられた。
「あ……んくぅ……」
摩耶は身を震わせて顔を両手で覆う。イッたみたい。
よし、これくらいこなれるなら、なんとかなるかも。
「じゃ、じゃあ摩耶」
「あ……うん……お兄ちゃん……お願い……」
俺は再びトランクスを脱ぎ、そそり立った息子を登場させた。
摩耶はちょっとだけ怯えた表情で、それでも男の部分から目を離さない。
俺は少女の膝を曲げて開かせ、摩耶が見えるように膣口に怒張を押し当てた。
みりっ。
「!!!!っ!!」
潤いは十分で、ぬるっと先端の入りが順調だったのは束の間、
かさぶたをはがすような手応えと同時に摩耶の顔が歪む。
「摩耶っ」
俺は動きを止める。中腰できついとか、そんなことは気にしない。
「痛いか?」
「ううん、ちょっとびっくり、つっ!」
やっぱり痛いみたいだ。
「無理すんな、また今度でも……」
ここから止めるのもつらいが、優先すべきは摩耶。
「やだぁ」
だが、妹は涙声になりながら首を振る。
「ふぐっ」
肩から外した自分のブラウスの袖をまるめて、口にくわえる。
「ひぃよおひぃひゃん。ひへ」
じっと見つめる瞳に、俺は心を決める。
「わかった、力ぬいて。俺に任せてくれ」
こくん。
小さな笑顔で摩耶が頷いたのを確認して、俺は一気に腰を落とす。
びちっ。音はしなかったが、擬態語にすればそんな感触があった。
「んんんぐんんっ!」
摩耶は強く目をつぶる。見るからに痛々しい。
「摩耶……」
「おにい……ちゃん」
少女が瞼をあげると、潤んだ瞳が姿を現す。
妹の言葉と表情に、俺の心は色々な意味で罪悪感を覚える。
だが一方、その元凶だる俺の男性は、侵略地の快感に勃ちきってもいる。
「も、だいじょ、うぶ……おにいちゃ……動いて」
「でも……」
「だめ。最後まで、んっ、してくれなきゃ、やだもん」
そんなやりとりで、俺は動き始める。
少しでも摩耶の負担を軽くしたい。
ゆっくりした方がいいのか、早く終わらせるべきか、
考えながらも俺は、いつしか少女の身体から得る快感に我を忘れた。
「んっ、くっ、ぁっ、ああっ、んん!」
「ぐっ、あっ、っ、はぁっ」
夢中で腰を振る俺。摩耶も、全身で応えようとしてくれている。
二人が一つになる感覚。
やがて、俺は限界を迎えて、
「摩耶、俺、もうっ」
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃんっ!」
「摩耶っ!」
やべ、出るっ!
強烈な射精感が襲うと同時、慌てて引き抜く。
どくっ、どくっ、どくっ。
驚くような勢いで飛び出した精液は、少女の足の間で受け止められた。
凱旋した俺の肉棒には、一筋二筋と赤い血がついていた。
◇ ◇ ◇
「お兄ちゃん……」
まだ痛いだろうに、うっとりと呟いてくる俺の妹。
「ごめんな、摩耶、乱暴にして」
謝っても嬉しくないだろうと分かっていても、やはりそんな言葉が出てしまう。
「ううん」
案の定首を振られる。
「気持ちよかったよ、摩耶は」
力を抜いて、という俺の指示を忠実に守った結果か、
確かに後半は苦痛の色は薄らいでいたが、少なくとも絶頂にはほど遠かった筈。
それでも摩耶は、こう言ってくれる。
なら、俺が言うべき言葉は。
「そうか。でも、俺の方が気持ちよかったな絶対。ありがとう。摩耶」
「え? えへっ? えへへっ」
謝罪を感謝に切り替えると、摩耶は心底嬉しそうに涙目ではにかんだ。
◇ ◇ ◇
色々と後始末を省略。
◇ ◇ ◇
「お待たせっ! お兄ちゃんっ!」
買い物に出かける俺達。
摩耶は女の子の身支度とかなんとかで、
もう裸を見せ合った仲なのに俺は玄関先に追い出されていた。
「おう、待った……ぞ……」
台詞が途中でとぎれる。
「お兄ちゃん?」
別に突拍子もない格好で出てきたわけじゃない。
「摩耶の顔に、何かついてる?」
古典的なボケが必要な状況でもない。
ただ、ピンクでミニのワンピースに身を包んだ摩耶が、
制服の時と甲乙つけ難いほど、つまり世界一、可愛く見えただけ。
だから、俺は素直にそう告げる。
そうしたら、妹は顔中を真っ赤にして、俺をぽかぽか叩きながら笑顔になる。
家を出てすぐ腕を組む。空は、綺麗に晴れている。
「もうこんな時間か。買い物してから、外で昼飯かな」
「うふふ、お兄ちゃんと摩耶の初デートだねえ」
「っ、そ、そうだなっ」
にこにこな摩耶と、照れ照れな俺。
「ねえねえお兄ちゃん」
「なんだ、摩耶」
「夜はぁ、一緒にお風呂入ろうねっ?」
「ぶっ」
さっきは、少し迷ったけど別々にシャワーを浴びた。
一緒だと、ホントに出かけられなくなりそうだったから。
「それと、お布団も一緒でいいよね?」
「……ああ」
いいのか、なんて野暮な事はもう聞くまい。
「やったあ」
腕にぶらさがる摩耶にどきり。くそ、反撃しちゃる。
「じゃあ、買い物リストにひとつ追加だな」
「何を?」
「“明るい家族計画”」
「きゃっ? もうっ! えっち!」
きゅっと手の甲をつねられた。
「……もちろん、いっぱいしたいけど……ぁぅ」
そして自分で自分の台詞に赤面する摩耶。
「でも、ふふっ、ふふふふふっ」
「突然笑うなよ怖いから」
言いながら俺の顔もほころぶ。
「ほんとに、摩耶はお兄ちゃんのものになっちゃんたんだよねえ」
「……ああ」
しみじみとした呟きに、もはや俺は芸のない返答しかできない。
「夢みたい……」
「ああ、俺もだよ、摩耶」
うっとりとして身を寄せてくる妹に、左手を一度離して肩を抱く。
遊んだ摩耶の右手は、俺の右手に身体の正面で収まる。
「ねえねえ、お兄ちゃんは、こうなったらいいなって、思ってた?」
直球な質問に、
間近で顔を覗き込まれて答えるのは恥ずかしかったが、俺は頷く。
「こんなにすぐに、とは予想外だったけどな」
ちょっと安易すぎたかも、そんな思いが頭をよぎる。
「うん……」
曖昧に肯定して摩耶は、しかし少し思案顔。
「ううん。すぐに、じゃないよ」
「え?」
「だって、摩耶はずうっと、お兄ちゃんとこうなりたかったんだもん」
どきりとする。
ああ、そうか。ようやく、俺は真実に気が付いた。
「俺も、ずっと摩耶とこうしたかったんだ」
「えっ? お兄ちゃんも?」
「ああ」
お互いが思い続けていたのなら、それは早すぎでも安直でもないのだろう。
「お兄ちゃん」
ぎゅうっとくっついてくる小さな身体。
「嬉しい……」
泣きそうな声。いや、本当に泣いてるのか?
「ごしごし」
「うわわ、俺の服で拭くな」
「へへー」
終わらない甘い会話。
長い別離を経て、ようやく再会した俺と摩耶。
そして兄と妹から、本来なりたかった関係になった二人。
「ずっと一緒だよ、お兄ちゃん」
「ああ、離さないぞ、摩耶」
しつこいくらいに互いを確かめ合いながら、春の街を歩く。
ふと腕時計を見やった。時刻は、10時23分だった。
以上です。実は通りすがって書き始めてから半年も経っていたり
ごちゃごちゃやらずに、出会って最速でくっつく兄妹を書きたかった
その割に長くなり、かつ長い割にエロが薄くて申し訳ない
タイトルはどこぞの有名な短編から
シチュ的には「お兄ちゃんコントロール」のイメージで書きました
妹自体は、あそこまで露骨な子ではないつもりだけど
読んでいただいた方ありがとうございました
いや、GJでした
ごちそうさまですた
28レスなのにテンポがいいから長さを感じなかったし、読みやすいエロだった
いいぞもっとやれw
なんだ、中出しじゃないのかYO!
エロイ!
>>770 書いてるうちに急に妊娠が気になってしまって……
「今日は大丈夫」でいいんだけど会ったその日だしなあとか
中出しがあれば、もっと……
「お兄ちゃん、男の人が出すミルクを飲むと胸がおっきくなるって友達に聞いたんだけど……」
兄妹で、多分、何回か室内で交わっているうちに、避妊を忘れる日がくると思う。
自宅以外で交わる日も有るだろう。
ストッキングやタイツなどが太股までのになったり、
スパッツ、レギンス、ホットパンツ、などが減りスカートやワンピースが増えるかもしれない。
下着も変わるかもしれない。
気長に様子を見よう。と思う。
圧縮回避
妹「兄ちゃん落馬したんだって?」
兄「なんだ、笑いにきやがったのか」
妹「しかも牝馬。馬にすら嫌われる童貞w」
兄「うるさいな。これでも牝馬に乗るのはうまいんだよ」
妹「じゃあさ、現実の女はどうなの?」スルッ
兄「え?」
なんだこれ。眠いのかな。寝る。あと保守
俺の知り合いに
20歳の実妹と同居してる奴が居る。
妹は「対魔忍アサギ」のアサギみたいな
感じの巨乳美人だった
飽くまで見た目な
弟の嫁って妹扱いして良かったっけ?
『義理の妹』『義妹』などというらしいな?
いもうと 扱いで良いとおもわれ。
>>782 そうなのか、ありがとう
俺にも遂に妹が出来たのか…
ちょっと「お兄ちゃん」って呼ばれてくる
弟にバレないようにな?
>>783 「お義兄さん」ならともかく「お兄ちゃん」て難易度高いな
兄上なら
「兄君様」とドイツ帰りの大和撫子な妹に呼ばれたい
私のお兄ちゃんはァァァ
世界一ィィィィィィ!
恋人ツナギを要求する妹……
妹と繋がるだと
しかも恋人のように?!
兄貴を利用してカップル限定グッズを買い集めるのが大好きな妹
>>791 弟を利用して(略)な姉ならいるんだがなぁ、ウチに
うちは兄だよ。
ボクが童顔(?)なのを利用して、偽装。
つうか兄は妹がほしいから、両親が兄にあきらめたから、ボクは男の娘。
食い物か飲み物に薬を入れてるとしか思えないほど二次性徴が遅れてる。
例えば、背丈155cm、体重45kg、上半身は胴回り65cmで成人男子Sでも余るとか、その割に尻が87cmだから、男性サイズは合わないとか。
いい加減ボクで遊ぶの止めて欲しい、22歳の春。
就職の面接で、履歴書の不正記入、性別偽証、の疑いがかけられて戸籍謄本提出したよ。
因みに、
いもうと大好きなおねえちゃま、おにいちゃまの、被害者ないもうとの気持ちがわかる気がする。
犬っぽい性格なら、ジッポぱたぱたして、服でも、アクセサリーでも、貰えば良いのだろう。
でも、鬱陶しいと思う。ボクは。
>>794 何かをねだる時に、ライターを振り回すキモウトを幻視
ジッボーのライターと言うと、風の中でも火が消え難いのが特長。
火を付けて、振り回し、迫る。
追い詰め、ねだる。
聞き入れないと、毛などに火を点ける。
なかなか良く躾られたいもうとだな。
毎日、火傷が増える。
いもうとの躰に。
こいつ、やべーでござるwwwwwwwwwww
保守
799 :
名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 19:36:30 ID:+hpCsNPn
保守上げ
ほ、ほしゅっ!
去年の3月に47歳の親父が再婚した。
相手は23歳(因みに俺は26歳)
そして先週親父から電話があった
「妹が出来たぞ!可愛いぞ!」
妊娠したのすら知らなんだのに…
>>801 ええと…とりあえずおめでとう。
年下の義母が出来ただけでも混乱してるでしょうが、
あと3年ほどしたら妹から「おじちゃん」と呼ばれる可能性が大です。
嫌なら早い段階から積極的に調教することをお勧めします。
(´;ω;`)ブワッ
これが現実か……
一次創作、非エロ、3レス程度、タイトルは『ふたり』。
『高校生にもなって一人で下着を買ったことがないなんてありえない』と言われたからといって、連れが実の
兄であるのはありえないとは思わないらしい。
昨夜、妹の麻実に買い物に付き合ってくれと言われたとき、「土曜は野球の練習があるから無理だ」と断って
いたが、その時麻実から「じゃあ練習がなかったら付き合えるってこと?」と訊かれた。俺は胸を張って「中止
になるならいいぜ」と太鼓判を押した後、豪快にTVのチャンネルを回していたら天気予報が今日の大雨情報を報
じていたのを観て血の気が引いた。すぐさまマネージャーの携帯に電話したら土曜は部活中止だと知らされがっ
くりうなだれた俺の横で、色気もクソもない麻実は目を輝かせて勝利宣言した。
ちなみに麻実は今まで自分ではブラジャーを買ってなくて、お母さんに頼んでいたようだ。胸はどんどん大き
くなるし出費もそこには使いたくないからと親を頼って、母親のチョイスしたブラジャーをつけていたという。
それをクラスメートに言ったら手酷く馬鹿にされたという。
麻実は大雨だろうと台風が来ようとお店がやってるなら行くのだと意気込んで、それでいて一人で行くのは恥
ずかしいから俺に付き合ってほしいと言ってきた。「一人で行けよ」と何回言っても「駄目。無理。お兄ちゃん
がいないと、私お店入れないっ」と必死な顔で言われてしまい、仕方なく妹の頼みを受け入れた。
そして今朝、窓の外に降り注ぐ予想以上の大雨がアスファルトを叩きつけている横で、コラールピンクのトレ
ーナーとアイボリーのティアードスカートを着た黒髪ショート少女がきゃいのきゃいの言ってご飯を食べては喋
り、牛乳を飲んでは笑い、テレビで放映される朝の天気予報に「知ってます!」と返事しては笑いつつ、朝食に
舌鼓を打っていた。それは降り注ぐ大雨に勝るとも劣らないテンションだった。
「麻実、明日にしようぜ」
コップの牛乳を飲んだせいで上唇についたミルクを左手で拭きながら俺は言った。明日になれば間違いなく晴
れるのだから、わざわざ今日行く必要はない。
麻実は首を僅かに左右に振って微笑んだ。「だめ」
「もう台風みたいに降ってんだから、お前の…可愛い髪形が崩れちゃうぜ」
「さんきゅーまいぶらざー。ばっとどんとうぉーりー。雨も滴る良い女」
誰がうまいことを言えと。
「午後には止むって話だから、午後にしようぜ」
俺は食べ終わった食器を両手に持って台所に向かいながら言った。誰が好き好んで大雨の中、歩きにくい路面
をお散歩するというのだ。ありえない。
途端に妹のブーイングが鳴り出した。「えー。ちょっと大雨なだけじゃなーい。バス停まで行けばあとは濡れ
るとこないんだから」
「そのバス停までが10分かかるだろう?」
「頑張って、早歩きする!」
目を輝かせて麻実は返事する。
「7分か…小雨だったらいいんだけどな」
「小雨になる瞬間、きっとあるよ! じゃあ小雨になったらすぐ行こう」
「お、おう」
俺はどもってしまった。別に麻実に言い負かされたからじゃない。ただ麻実の円らな瞳が眩しかっただけだ。
それから俺たちはいつ止むとも知れない雨音に耳をすませつつ、お昼のお握りを用意した。昼過ぎに出るなら
作る必要もないのだが、午前11時くらいに出ると家で食べられなくなるから、簡単に早く作れるものを持って行
こうという話になったのだ。
麻実は真剣におにぎりを作っている。喋らなければ麻実は可愛いと思う。顔は美形でスタイルも良くて、胸も
大きいものだから男なら簡単に惚れてしまってもおかしくない。喋らなければ、だ。口を開けば延髄チョップし
てきそうなほどのマシンガントーク、そのテンションに度肝を抜かれるだろう。我は強いし妹の癖に偉そうだし、
テストの点数で俺に対抗してくるほど負けん気が強い。そもそも学年が違うんだからテスト範囲も違う。俺が95
点で麻実が98点で「勝った」事にはならない。それでも麻実は勝つことに拘り、時にそのせいで相手を泣かせた
り苛立たせたり怒らせたりしつつ、徐々に自分の気質は保ちつつも相手に暴言を吐かないようになっていった。
そんな麻実がクラスメートの女子に子供扱いされたというのが許せなかったらしい。
別に麻実に女らしくなってほしいとは思わないが、相変わらず何に対しても本気で怒ったり悔しがったりする
麻実を見ているとつい何か言ってしまいたくなる。
おにぎりを作り終えた時点で午前10時を過ぎた。雨は未だ降っているが、今朝方よりは雨足は弱まっていた。
早ければ11時には止むかもしれない。「麻実」と声をかけようとして麻実の顔を振り向くと麻実はごはんのつい
た手を口にもっていって、一粒一粒舐めて、食べていた。その仕草がナニをナニしてる年頃の女の子を想像させ、
妹にそんな想像してしまう自分に生理的な気持ち悪さを感じて思わず目を閉じた。だが目を閉じてもありありと
妹がごはんをその可愛らしい唇と舌で舐め取っている様が浮かび上がり、虚空に向かって手をバタバタさせてそ
の映像を消そうとした。
「何やってるの? お兄ちゃん」
麻実がぽかんと口を開いて俺に聞いてきた。この円らな瞳の妹の口が、さっきまで美味しそうにご飯つぶを食
べていたのだとは考えてはいけない。「なんでもない。雨、止まないな」こんなことでごまかし切れるとは思わ
ないが話題を強引に逸らすしか方法はない。
「うん。でも、これくらいの雨だったら、私行ってもいいよ」
そういって麻実はジト、と俺を見上げてくる。麻実は狙ってこういうことが出来るタイプではないから自分の
魅力に気付いてないのだろうが、こういう潤んだ目をされると、言葉に詰まる。
「俺は、もう少し…小雨になってからのほうがいいな」
麻実は必死に俺を上目遣いで見続ける。ヤバい。こっちも胸がどきどきしてくる。「お兄ちゃん…いこ?」
声だけで十分に可愛い。でも可愛いって思ったら負けるからそういうこと思うのもやめよう。
「それにね、雨がやんでから行ったらそのお店、混んじゃうから。すいてる内に行きたいんだ。今ならそんなに
濡れないでしょ?」
満面の笑みを浮かべて微笑む麻実。だからいちいち可愛い顔すんな。ホントに。
俺はふと閃いて玄関に向かった。家族揃って傘を何本も無くしたり置き忘れてきたのだ。今も一本もない
かもしれない。一本もなければこの雨の中、外に出られるわけがない。
玄関の傘入れに、傘は一本しかなかった。粉砕して投げ捨ててやろうかとも思ったが、後から麻実が駆け寄っ
てきて「これなら大丈夫だねっ!」と俺に抱きついてきたので、俺の左腕は麻実の豊満な胸にむにょ〜と押しつ
ぶされてしまった。柔らかすぎる感触が、俺の理性を飛ばす。
「何が、大丈夫なんだ」
全然大丈夫じゃない口調で俺が言う。
「この傘大きいから、二人入れるよ──あ」
そこでハタと気付いて俺を見上げる。「お兄ちゃんとひとつの傘で歩いたら、やっぱり駄目だよね。あ、さ、
サングラスすれば兄妹ってばれない!」
二人してサングラスをつけたまま傘さして歩く姿を想像して吹き出してしまう。
「わかった。わかったよ。行こうぜ」
そういった瞬間、麻実は目を輝かせて微笑んだ。「うんっ!」
俺はすぐに視線を逸らしてすべき事を麻実に告げる。
「お金忘れんなよ。俺はおにぎりと水筒用意しとく。あと、10分後に出かけるぜ」
麻実は頷いて二階へ通じる階段を駆け上がる。急に離れた胸の感触を憂えてはいけない、じゃなくて。
俺はおにぎりに全て具を入れたか記憶になかった。多分入れたかもしれないが、入ってないのもあるかもしれ
ない。麻実ももしかしたら忘れたのもあるかもしれない。念には念を入れて、具を別のタッパに入れた上で、我
が家の紅一点を待ち受けた。
「お兄ちゃんも念のためお財布持ってきてー。高いの買っちゃうかもしれないから」
階上から声が届く。その悪びれない口調に、俺は失笑した。
以上です。
お久しぶり。
なにが言いたい?
同一人物?
どっちが先か確かめるのも
無断転載疑惑どうのこうのと揉める可能性も
どっちもめんどくさい
すごくいいなと思ったのに
どっかからの転載ってこと?
>811、812 某板の閑古鳥が鳴いている某スレに投稿したものを、少し修正してこちらに
載せました。なので同一人物ということになります。
以後、作品投稿時には、既に別サイトに投稿していたらその旨も付記します。
高2の時に中3の妹にビンタされて「キモっ…」って
まるで蛙の死骸を見るような目で言われた時に
凄い興奮して勃起したんだが俺は変態ですか?
そもそもなんでビンタされたん?
>>814 ホントに何したんだよアンタは。
まあ、その一件で心を入れ替えていいお兄ちゃんになって、無事仲直りできたなら普通。
味をしめて、わざと妹に忌み嫌われて、軽蔑の目で見られたがるのならばド変態かと。
だいぶ昔に中途半端に書いてた者です
大幅に書き直して妹視点の一人称で投下します
長い・暗い・エロくないの三重苦に耐えられそうな人はよろしくお願いします。
そうでない人はスルーでお願いします
「はあっ…!…はぁ、はぁ」
あまりの息苦しさと恐怖で私は飛び起きていた。
それと同時に呼吸を素早く繰り返す。
嫌な夢を見た。
どんなに洗っても染みになって取れない汚れのような、しつこい悪夢だった。
内容は、思い出せそうでも、すんでのところで思い出せない。
かなりの不快感だ。
「はあ…はあ…」
気管支が落ち着いてきてもなお、必要以上に酸素を体に取り込む。
新しい空気をゆっくりと取り入れることで今見ていた夢が薄まっていくように、そう願いながら深呼吸を繰り返した。
ふと気付けば、寝室の中はほの暗い。
まだ夜が明けていないのだ。
この嫌な余韻を体に残したまま学校へ向かうのは億劫だったので、気持ちを落ち着ける時間があるのはありがたいことだった。
『…ん…ふ…』
ようやく心身ともに人心地がついた時になって、どこからか不快な雑音が聞こえてきた。
最悪なタイミングだった。
それとも、あまりに取り乱していたせいで雑音に気付かなかっただけか。
どちらにしろ、それは私にとって不都合極まりない事実であることに違いはない。
そうしてその雑音の原因もすぐさま突き止めてしまえることすら、忌々しい事実以外の何物でもなかった。
『あ…や…た、かま』
聞こえてくる雑音はいやに甲高く、この家に住む私の家族、母、父、兄、そのどの声とも違っている。
「下品……最低……いなくなればいいのに」
口汚く罵りの言葉を吐き出しながら、私は両手で耳を塞いだ。
おそらく二つ隣の部屋から漏れてきているのであろう雑音は、紛れもなく最中の女の声であり、その原因は二つ上の兄、秋良高馬であることは疑いようもなかった。
せっかく悪夢から目を覚ましたというのに、その悪夢に逃げ込みたくなるほど悲惨な現実が待ち受けていようとは、思いもしなかった。
私は、このふしだらで遠慮のない兄のことが、嫌いで嫌いで、仕方がない。
* * *
「みどりー、もう帰んの?」
「うん、ちょっと家の手伝い押しつけられちゃって」
「偉いねー、日本の大和撫子ここにありって感じだねー。信じらんない」
「あはは、大和撫子ってただの雑用係のこと?」
「…ごめん、言いなおすわ。大変だねー」
高校で友達になった菊池百合子の軽口に付き合いながら、私はさっさと鞄の中に参考書などを詰め込んでいた。
さっさと家に帰ってやることをやらなければ、「あいつ」が帰ってくるからだ。
私の忙しそうな仕草で何かを察したのか、トレードマークの短いお下げをくるくると指でいじりながら、百合子は幾分か声を和らげて言った。
「でもさでもさ、たまにはカラオケとか付き合ってよ〜。あんた歌うまいし、みんなも気にしてんだよ、けっこう」
「ホント!?なにそれ、お世辞とか気持ち悪いよ百合子」
「へー、そういうこと言っちゃう?んじゃあせっかくいいこと教えてあげようと思ってたのに、やっぱり言うのやめちゃおっかなー」
意味ありげに大きな瞳を細めて、百合子はニヤニヤとやたらいやらしい顔をしてみせる。
そんな風に言われれば是が非でも聞き出したくなるのが人のさがと言うもので、私は瞬時に頭を下げていた。
「百合子様のほめ言葉、ありがたく頂戴します!だからそのいいことって何か教えて〜」
「よしよし、素直でよろしい」
私の大仰なパフォーマンスに溜飲を下げたのか、百合子がヒソヒソ声で耳打ちしてきた。
「いま3組の女子のあいだで言われてんだけどさ、1組の佐野くん、あんたのこと好きらしいよ」
驚きのあまり、え?と聞き返すこともできなかった。
1組の佐野くんと言えば、私たちの学年はおろか、校内中の女子が気にしているのではというほどカッコイイことで有名な人だった。
何かの間違いだろうとしか思えない。
「それただの噂でしょ?だれかと間違えてるんじゃないの」
寝不足ということもあり、私は面倒くさそうな噂話にすぐ興味を失った。
とりあえず、私にとってはひとつもいいこととは思えない類の情報だ。
「ったく、みどりはこれだから…。ちょっとは嬉しそうな顔したら?普通ははしゃぐよ?色気づくよ?あんた男に興味ないんじゃないの?」
話して損したとでもいうように、百合子はジト目で腕組みをして睨んできた。
何を言われても興味がないものは興味がないのだからしょうがない。
「そうかもね。でも信じられないし、本人ともあんまり面識ないし、それで喜ぶ方がバカじゃない?私みたいなの、わざわざ選ぶと思えないし」
一通り宿題に関係ありそうな教科書を詰め込んで、あとは帰るだけとなった。
隣で、うらめしそうな顔をした百合子が、特徴的などんぐり目をくりくり動かして私の様子をうかがっている。
こうして見ると、百合子は小動物のように可愛くて、守ってあげたくなる雰囲気がある。
中身はといえばそうでもなくてむしろ頼りがいがある姉御肌な性格だけど、男女とも友達が多くて付き合いやすいし、私のような地味な人間よりはよっぽどモテそうだった。
そんなふうな評価を下していると、百合子が何かを諦めたように「はー」と大きくため息をついて肩を落とした。
「……わかった。そうよね、あんなかっこいい人が身内にいるんじゃ、理想が高くなるのも仕方ないしね」
「え、なんのこと?」
「兄弟よ、お兄ちゃんよ、あんたのお兄ちゃんの高馬さん!あんだけかっこいい人と毎日顔突き合わせてたら、そりゃ佐野くんあたりが好きだって言ってもどこ吹く風だわ」
「はあ!?そっ…」
反論しようとした矢先に「百合子、今日行く?」と別の子から話しかけられ、百合子はそっちの方へ話を変えていた。
非常にもやもやとした思いを拭えなかったが、腕時計のデジタル表示はすでにタイムリミットを過ぎている。
名残惜しさを感じながらも、私は早足で教室を出て昇降口へと駆け出した。
靴をローファーに履き替えながら何気なく玄関口の向こう側に目をやった。
私の通っている高校はグラウンドを通らなければ校門へ行きつかない構造になっており、自然と目につくのは外の部活動をする生徒たちだった。
陸上部の何人かが流しでトラックを走るその向こうで、白と黒のボールを蹴り合っている群衆に視線が移る。
あの中の一人にたくさんの女の子が黄色い声援を送っていた光景が、ふっと頭をよぎった。
とりだしたくもない記憶だった。
「あんたのお兄さん、残酷なやつよ」
「え?」
突然かけられた声にひどく驚きながら振り向くと、髪をやや明るく染めている女の人が、暗い表情でこちらを見ていた。
ネクタイの色を見ると、どうやら三年生のようだ。
個人的な好みの範疇で述べると、大変美人な先輩だ。
けれどこんな美人な人と面識はないし、何を言われているのかさっぱり分からない。
私は、一応周りを確認してみた。
…他には誰もいない。
やはり自分に向けられた言葉で間違いないらしいと観念するしかなかった。
「あの、なんのことですか?私…」
関係ないと思うんですけど、という非常に弱弱しい意見に聞く耳も持てないのか、ギャル風の色っぽい先輩はすっと腕を出して、私に受け取れというように顎をしゃくった。
「これ、あんたの兄貴に渡しといて」
「は…?」
「あと、さっきあたしが言ったことも伝えといて。…じゃ」
「あ、あの…」
言いたいことだけ言ってさっさと行ってしまった先輩の後ろ姿を見届けながら、私は茫然とその場に立ち尽くしていた。
手の中には四つ折りのノートの切れ端があって、なんだか不幸の手紙のように恐ろしく感じられた。
何故なら、あの先輩は、兄に伝えろと言っておきながら、その視線の中では明らかに私に対する嫌悪をにじませていたのだ。
ひょっとして私の悪口を手の中の紙切れにびっしり書き込んでいるのではないかとすら思えるほどだった。
「にしたって…なんで私が…?」
何にしろ、非常に面倒な事態に陥ったことは明白だ。
この紙切れを兄に届けなければならないということは、少なくとも、一度は兄と対面しなければいけないということになる。
せっかく早く帰ってさっさと家のこと終わらせて寝ようと思っていたのに、とんだ厄介事が舞い込んできたものだ。
重くなる胃に手をあてながら、仕方なしに渡された紙切れを制服のポケットに押し込んだ、そのとき。
―――あんたのお兄さん、残酷なやつよ。
伝えろと言われたセリフが、ふっと胸に浮かんだ。
残酷、という直截な表現まで持ち出すほどの、どんなひどいことを兄はやったのか。
考えたくもないのに、あの兄のことだ、どんなことを強いていようとおかしくはないと容易に想像がついた。
(きょうだいというだけで、私には何も責任なんてないはずなのに…こんな不安まで抱かなくちゃいけないなんて、納得いかない。理不尽すぎるよ)
帰る足取りは当然のこと重くなった。
私の兄は、秋良高馬という。
年は二つ上の18歳。
そして私の名前は七倉みどり。
名字が違うが、私たちはべつに義理でもなければ他人でもなく、完璧に血の繋がっている兄妹だ。
では何故名字が違うのか?
私は今、母の再婚相手である義父の姓を名乗っている。
だが兄は、母が実の父と離婚したときに私だけを連れて出て行ったため、必然的に実父の姓のままだった。
そして、私たちと暮らすことになった今も、実父の姓を取らないでいる。
戸籍上は他人なのだ。
その他にも、兄は何につけても父の影響が強い。
いまだに独特の関西弁で話すのもそうだし、家庭環境、価値観、生活習慣、文化、何から何まで私たち家族と一つもかぶらない。
そう、実の兄妹でありながら、私たちにはまったく共通点がなかった。
それに、転校を繰り返していたからか、それとも飲んだくれだった(らしい)父を一人で支えてきたからか、同年代の人より世慣れているし、妙に落ち着いているしで…。
とにかく、私と血を分けていることなど一つとして感じさせない男が、私の実の兄、秋良高馬だった。
当然だろうが、私は、兄を兄とは思っていない。
兄の方でも、私を妹とは思っていないだろう。
なにしろ私が兄と「家族ごっこ」をしなくちゃならなくなったのはつい最近のことだ。
一緒に居た時間よりも離れて暮らしていた時間の方がずっと長い、そんな家族を家族とは呼べない。
それでも、最初の頃はまだ「らしく」しようと頑張っていたように思う。
けれどその努力も、瞬く間に泡と消えた。
最初に放棄したのは兄の方だった。
…いや、あの人は放棄どころか、鼻っから何もするつもりがなかったんだろう。
実らない成果をアテにしていい子ぶれるほど、私は真面目でも大人でもなかった。
私たちが互いに「家族」として引き合わされたのは、ほんの3年前のことだった。
それも、アルコール中毒で早々にこの世を去った実の父の葬式の席で、だ。
実の父と兄がいることは聞かされていたものの、実父がアル中で死期が近いなどは教えられていなかった。
まさに寝耳に水状態の私に実父の死を悼んでいられるような余裕はなく、むしろ何故教えてくれなかったのかという憤りや不満の方が大きかったように思う。
喪に服す母や義父があれこれと生前の父のことで話しているのを横目で見ながら、私は実の兄であるという、一度も会ったことのなかった兄の様子を目の端で気にしていた。
私の目には、格別悲しんでいるようにも悄然としているようにも見えなかった兄は、当時は今の私と同じ16歳だったにも関わらず、とても頼もしく映った。
今後どんな形になったとしても、彼のような兄が持てたことを誇らしく思うだろう、とまで確信させるほど堂々としていた。
最初は一人暮らしを決意していたらしい兄を、母が必死に説得し、同居にまで至らせた際には、私は喜んですらいたかもしれない。
だが第一印象と、実際会ってからの印象とでは、がらりとその評価が変わっていった。
「みどり、あんたのお兄ちゃんよ。今日から一緒に住むって話してたでしょ?」
「うん…」
「ほら、あいさつは?」
実の兄にあいさつを強制する実の親というのも変な感じだ。
そう思いながらも、私は申し訳程度にぺこりと頭を下げた。
どういうわけか恥ずかしくて兄の顔が見れず、言うべき言葉も思いつかなかったので、とりあえずそうした。
「何恥ずかしがってんのかしら、この子。覚えてないかもしれないけど、3歳までは一緒にいたのよ?」
そんな太古の昔のことを持ちだされても、覚えている方がおかしいことに気付いてほしい。
母のおしつけがましい感動の再会シーンにうんざりとしていたとき、それまでだまって成り行きを見守っていた兄が口を開いた。
「かまへん。そんなん、覚えてもへんやろ、その子。俺かて、おふくろと住んどった頃の記憶なんぞとっくにのうなっとるわ」
緩い緊張感で満たされていたその場が、瞬時に凍りついた。
遠慮のない言い方、少し剣呑とした感じにも聞こえる関西弁、そして何より、私のことを「その子」と、なんの気もなしに口にした事実。
この人は、私たち…いや、私と家族になることなど、考えてもいないのか。
そう思い知った時、私はようやく顔をあげて、初めてまともに兄を見ていた。
背が高かった。
そして細身のわりには筋肉質で、見上げた先のその顔は……
自分とまったく似ていない。
タレ気味でぎょろっとした目と、精悍で無駄な肉のそぎ落とされた、どこもかしこも鋭い顔立ち。
高い鼻に薄い唇、堅そうな黒い髪…。
これが、こんな人が、本当に私の実の兄なのだろうか?
本当に?
懐かしさや慕わしさなんて、微塵とも湧いてこない人だというのに。
「これからよろしゅうな、みどりちゃん?」
人を食ったような笑いを浮かべながら兄がそう言ったところで、私たち家族の感動の再会シーンは幕を閉じた。
絆とか縁とか、そんなもの信じるつもりもないけど、血の繋がった兄妹なのだから少しは何か感じるものがあるのではないかと思っていた。
けれど本当に、「他人だ」ということ以外、彼に対してまったく感じられるものはなかったのだ。
けれどその時は、それに関して否定的な感情は湧かなかった。
10年も離れて暮らしていて、それも一緒に居た時の記憶がないのならば、いくら血縁とはいえ案外と素っ気ないものなのだろうと自分なりに解釈していたからだ。
けれど、その素っ気なさの本当の原因は実はすべて兄によるのだと、同居を始めて1週間と経たずに知れることとなった。
第一に彼は、「お兄ちゃん」と呼んでも絶対に返事をしなかった。
体中から勇気を振り絞って口にした「お兄ちゃん」が完璧な無視をくらってから、私は極力兄を呼ばないようにしている。
どうしてもそうしなきゃならないときは、他人行儀に「兄さん」と呼ぶ。
兄も、「兄さん」と呼んだ時ならば、明瞭ではないものの何らかの反応を示すようだった。
第二に、質問には全て上っ面な答えを返すのが兄のやり方だった。
本当なんだか嘘なんだか分からないような話でごまかすのがうまいのだ。
核心に触れるような質問などは、虚実織り交ぜたようなエセくさい話を誠実という塗料で上塗りして返す。
兄の、本当に誠実な話なんか、少なくとも私は一度も聞いたことがない。
そして最後に、昔の私たちの話など振るのも振られるのも嫌というように、家族だんらんは確実にボイコットだ。
兄は高校三年になるので進学だ就職だなんだと忙しそうだが、かといって家族と話せないほど多忙かといえば、実はそうでもないのだ。
時間のやりくりがうまい人だったので、生活のサイクルには常に余裕がある感じだった。
私たちに分からせない程度に、用事を無理やり作っているような気がした。
とまあ、万事こんな調子だったので、兄が、遺伝子上でしか私たちを家族と認めていないことはすぐに知れた。
両親の言いつけには表面上従っている様子を見せるが、その実バレない範囲で何をしているのやらわかったものではない。
10年近く放っておかれていまさら家族ごっこなどできないというのは、正直分かる話ではある。
けれど、兄ほどに自立心も生活力もある人が、じゃあどうして母の説得に応じてこの家で暮らすことを決断したのか。
一緒に住んでいるから譲歩している、という程度でしか、兄は母にも義父にも敬意を払っていない。
まして私などには、話しかけることすらないのだ。
そんな不安定な家族は、当然のこと不協和音を奏で始めた。
両親は腫れものに触るように兄に接し、私は私で、最初の三日間を過ぎた頃には彼に関わろうという気持ちなどすっかり失せてしまっていた。
ただ一人、兄だけが常と変らない様子でマイペースに暮らしている。
淡々と、その内面はまったく見せることなく、ただ淡々と。
とりあえずここまで。
またエロなしのゴミか・・・
エロなしでサーセン
兄妹はプラトニックな変態が萌える特殊な趣味なもんで
まーでも最後はエロ入るかも
チラウラ程度
* * * *
「…今日に限っているし」
友達の誘いを振り切って帰ってみれば、玄関にあるアディダスの黒いランニングシューズを確認し、肩がますます下がってしまった。
兄のロードワーク用の靴だった。
イコール、いつものランニングには行ってない、イコール、この家の中にいる…―――。
…まったく気が滅入る話だった。
私たちの両親は互いに仕事を持っており、割合家にいない時間が多い。
そうなると、必然的に家の仕事は居る者で補わなければならなくなる。
しかし、全国大会に出場するほど実力のあるサッカー部に在籍している兄は、大半の家の雑事をこなす時間がない。
そのためお役はほとんど私にまわってきて、炊事洗濯掃除、学校から帰ってからはおさんどんもかくやというほどの主婦ぶりを発揮しなければならなかった。
外での素行など知れたものではない兄はサッカーに関してだけは真剣で、その腕前たるや高校サッカー専門の雑誌記者から何度か取材を受けるほどというから驚きだ。
ゆくゆくはプロへ行くのではと周りがささやくのも頷けるほど、とかく兄のサッカーへ対する傾倒ぶりは尋常ではない。
両親もそれだけは手放しで兄を受け入れており、私には彼の手助けをするようにと口が酸っぱくなるほど言い聞かせている。
そのため、自然と家の雑用は私が請け負うことになってしまった。
もちろん不平不満はいっぱいある。
けれどどういうわけか、私はまるで習慣のように、決められた予定を実行するように毎日、早々に帰宅してはそれらの雑事をこなしていた。
もともと帰宅部で、これといった趣味もなかったから、時間だけはたくさんあった。
ときどき、さっきみたいに友達から誘いを受けることもあったが、百合子のように人脈が広いというわけではないので本当に時々だ。
だから、もっぱら、高校生活に入ってからの私は家事に奮闘しまくっていた。
とりあえずは夕食の支度と風呂掃除を優先しなければならない。
兄がいることに多少の不安を感じるものの、彼が私へ興味を向けることは万に一つもないに等しい。
夕飯ができていれば「作ったんだな」とか、お風呂が綺麗になってれば「洗ったんだな」とかその程度の認識だ。
気にしている方が馬鹿らしいと考えて、制服を着替えるために二階の自室を目指して階段に足をかけた。
そのときだった。
『……』
かすかだが、何かが耳に届いた。
おそらく兄だろう。
けれど、兄はいつも何をしているかなど物音でも分からせないというのに、今日はやけにうるさい。
私が帰ってきていることに気づいていない可能性が高かった。
なにやってんだろ?
興味本位で、まったくの面白半分で、私は足音を忍ばせて階段を上がることにした。
『………』
ボソボソとして聞き取りづらかったが、誰かと会話しているような感じだ。
しかし玄関には他人の靴など見当たらなかった。
ということは、電話でもしているのだろう。
兄の部屋は階段を上がって手前にある私の部屋の隣の隣、つまり奥の方にある。
階段をあがりきったところで、壁に張り付いて奥の部屋の様子を伺うと、音が聞こえた原因が分かった。
兄の部屋の扉が数センチほど開いていたのだ。
音を立てないように慎重に足を運びながら、私は息を潜めて耳を澄ませていた。
『しゃーから、あいつのことなん、なんも知らん言うとるやん』
少しかすれ気味でハスキーな男の声。
いつまでたっても耳慣れしない独特の関西弁。
紛れもない兄の声が、今度は正確な言語になって耳に入ってきた。
途端に、私は思い出していた。
学校の下駄箱で渡された、元カノらしき人からの手紙と伝言のことを。
あれを兄に伝えることなんてできるのだろうか?
(―――あんたのお兄さん、残酷なやつよ)
あんな身も蓋もない言葉を、いくら実の兄とはいえ…。
思わず制服のポケットに手を突っ込み、受け取ってきた紙切れを握る。
紙切れは私の握力に耐えられず、くしゃっと悲鳴を上げた。
「お前の告白なんぞ聞きたないっちゅうねん。…はあ?なんや俺んことか。あほう、正真正銘の兄妹じゃボケ」
瞬間、どきりと胸がなった。
会話の内容に私に関係ありそうな言葉がでてきたからだ。
きょうだい。
あにいもうと。
あの人の妹という位置は、今のところ私しかあてはまらない。
「……お前、ほんましょーっもないな。ほんまのアホやな。実の妹つかまえて欲情もクソもあるかい」
私は思わず耳を疑った。
「そらな、確かにな。まあ顔は俺に似て可愛い部類っちゃそうか知らんが。…アホ、言わせ。そや、体もけっこういいセンいっとんで。あれは着やせするタイプっちゅうやつや。
真面目そうな顔しとるけど中々やらしいで。……くくっ、しゃーからなんべんも言わすなや。そういうんとはちゃうねん。あくまで、客観的意見の範囲やろうが」
なに?
なに言ってんの?
なんなの、これ。
本当に、「あの」兄がしゃべっているのか。
私のことを?
「あー…そこまでは知らんな。そんなん自分で聞きぃや。…は?その役立たずの兄貴に妹のスリーサイズ聞いとんのはどこのどいつやねん」
その言葉が耳に入った瞬間、私は全身が燃えるように熱くなったのを感じていた。
信じられなかった。
兄は、いつもの兄は、私のことなんて少しも興味を向けていないはずなのに。
それも、これはまったく嬉しくない類の興味だ。
怒りと羞恥、そして計り知れないほどの軽蔑が生まれる。
気持ち悪い。
妹としてでなく、女という視点から私に干渉してくるなんて許しがたいことだった。
「お、アカン。そろそろ時間や。ほんなら、明日な」
通話の終わりを予感させる言葉が耳に入ってきても、私は廊下の壁に張り付いたまま動くことができずにいた。
それほどの衝撃が、私の全身に雷のように打ちつけられていたのだった。
扉の隙間を凝視したままでいると、部屋の中で衣類が擦り合わさった時の、独特の音が響いてきた。着替え始めたらしい。
立ち去ることも自室に隠れることもできないまま、私は足が床に縫いつけられたかのように、そのままの体勢でじっとしていた。
着替え終わった兄が部屋から出てきても、それでも、動くことはできなかった。
「…なんや、帰っとったんか」
廊下で立ち尽くす私に気付いた兄が、1メートルほど手前で足を止めた。
私が、おそらくは立ち聞きしていたであろうことを、この兄は分かって言っている。
まるで何事もなかったかのように飄々とした態度に恐怖といら立ちを感じた。
「……今日、お父さんも、お母さんも、いないから」
「そらそやったな」
兄は、本当に何も感じていないように、普通に接している。
何なの、その余裕?
曲がりなりにも実の妹を侮辱しといて何の弁解もなし?
なんで黙って通り過ぎていけるの?
信じられない。
人としてどうかしてる。
「…ち悪い」
我慢できずに、正直な感想がこぼれ落ちた。
それはまったくの無意識だったものの、兄へ向けずにはいられない感情のかけらだった。
「あ?なんか言うたか?」
「気持ち悪いよ、サイテー!人のことなにしゃべってんの!?変な目で見ないでよ!」
私はその時、完全に取り乱していた。
後になってみれば、もしくはもう少し冷静さを取り戻していたら、私が言っていることがどれだけおかしいか、気づけたかもしれない。
けれどこの時の私は、兄の常にない生々しい人間臭い部分に振れたことで動揺しまくっていた。
兄が、私をそんな風に見ることが、どうしてだか許すことができなかったのだ。
「はあ?何を言うてんねん。盗み聞きかて、立派にサイテーな行為やぜ。なにのぞいてんの?」
兄が厭味ったらしく似てない口真似をしたので、私はさらにかっとなって言った。
「話すりかえないでよ!そっちが…、そっちの方が最悪でしょ!兄のくせに、なんでそんな気持ち悪い目で見れんのよ!今まで私のことずっとそんな風に見てたの!?
サイテーサイテーサイテー!!もう出てってよ!!この家から出てって!!あんたなんか私の家族じゃない!!兄さんなんかじゃない!!」
はぁ、はぁ、と肩で息をしながら、私は溜まっていた思いをとうとう言いきった。
何かが爆発してしまったのだった。
けれど、何の深い考えもなしに口にしてしまった言葉たちは全てが希薄で、相手に届く前に弾けて気泡になるだろう類の、らちもない中傷に過ぎなかった。
聡い兄は、すぐにこれに気付いた。
そして容赦なく攻め立ててきた。
「話すりかえる?誰が?最初っからおんなじ話やろ。お前、言うてること全部自分に返っとんで。ほな、盗み聞きしとったお前はなんやねん。
人の電話の内容コソコソ聞きよって。気ぃわるい。気持ち悪い思うんなら関わらんかったらええ話やろ。こっちかて気持ち悪いわ。
家族やないとか、何いまさらなこと言うてんねん」
無表情に、冷静に言い放った兄は、私の話などに付き合っていられないというように、通り過ぎようとしている。
いつものロードワークへいく格好の、黒いジャージの上下を身にまとって、上着のジッパーを閉じようとしていた。
もう、これで喧嘩は終わった。
兄は、私を視界から外し、そして世界からも除外する。
彼は瞬時に脳みそのモードをサッカーへ切り換えるのだ。
「ちょっと待ってよ」
ナイロン素材の上着の袖をギュッと掴んで、そうはさせるかと制止させた。
「関わるなとか言うなら、私や家族に迷惑かけないでくれる?なによ、これ」
ぎゅっと握ってくしゃくしゃの紙くずになった例の手紙を突き出して、兄の胸、心臓の部分に強く押しあてた。
兄は怪訝な顔でわずかに眉根を寄せながら、拳の中のものを受け取った。
「さっき、学校の昇降口で、元カノっぽい女から渡されたんだよ。だれかさんと類友みたいで、自己中で人の話聞かないから、私が渡すしかなくなったんだよ。
関わるなとか偉そうに言うなら、まず自分がちゃんとしてよ。私が知らないと思ってんの?お母さんとお義父さんがいないとき、夜中、誰と何してんのか」
「…………」