■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その三 ■

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1名無しさん@ピンキー
巨乳小学生をテーマにしたエロパロを書きましょう!

前スレ
■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ ■
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176647931/
■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その二 ■
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214992928/l50

保管庫
ttp://red.ribbon.to/~eroparo/contents/original15.html
2名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 18:43:34 ID:dktkoVKE
気づけば二代目スレももう484KBか……
ちょっと大きめのSSが来ればもう満杯だったね
初代から二代目までの移行の時みたいな混乱がなかったのは良かった
>>1乙、GJ。
今スレも良SSに恵まれますように。
3名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 22:45:57 ID:5PAZ2Bqe
>>1
乙〜
4名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 11:28:19 ID:K+bWrPwg
前スレ作品GJ!
同じ世界観で様々なドラマ。
いいですね。
5名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 12:16:35 ID:37c/eFD7
決闘少女空間もいつものストレート!もちょうどいいところまで保管されたからね。
前スレ落ちても新参さんが困らない、いいタイミングだったと思う。
秋風の中で、もまだ続くのかな?
6SDS ◆cStOEcFYHc :2008/11/28(金) 13:23:52 ID:Y7cejwMN
>>1乙です。

白瀬紗英の話は『夏〜』から全てのタイトル統一まで『秋風〜』の予定です。
保管人様にご迷惑でなければ、いずれタイトル整理お願いしたいと思います。

>>暴走ボート様
毎度乙です!!
次回作チラリと野村理奈ちゃんお借りして良いでしょうか? 彼女が秋の時点でも光陵リトルでプレイしている設定に問題は?
新スレ一番槍、期待しています。
7 ◆selJPZyjjY :2008/11/29(土) 22:23:55 ID:JYWBwssA
新スレ乙です。これで心おきなく執筆と投下に集中できますね。

長文レスですが……

>>暴走ボートさん、前スレ>>527さん
東西両小学校の抗争についてですが、
確かに縄張り争いやそれまでのいきさつの積み重なりで、
互いに敵意は抱いていると思います。
ただ程度問題といいますか、明はそうした環境の中で、
どちらかといえば抗争の側面のうちでは比重的にみて、
恨み辛みよりはお祭り的な部分を特に気に入って意識しているのではないかと思います。
まったく敵意がないわけではないと思いますよ。

そのあたりの優先順位のさじ加減は抗争参加者の中でも人によるでしょうし、
明や千晶にしたところで東小児童全般への敵意や恨みが
全くないというわけではないでしょうが、
抗争とほぼ無関係な土生くんと話したときのような、
激しい感情を持っているものかな? と思いましたので。

あと明が特にアホというよりは、土生くんたちと話すときの口調が
私は想像したこともなかった大人びたものだったので、
ちょっとびっくりした、というぐらいのことです。

ただ明はそれなりに空気も読めるみたいですし、
とっさの誤魔化しもある程度までは効くので、
単なるバカでもないみたいですね。
役作りと演技もやってみせるのかな、とも思えるところは確かにあります。
土生くんとの会話も、そういう文脈でやったのかな? とも思えます。

とはいえ、以上のような見解はあくまで参考にとどめていただいて、
暴走ボートさんの思われるように創作していってください。
私も可能な限り拙作の描写を重ねて、
人物と世界観に関するイメージソースの充実に努めたいと思います。

今スレでもストレートシリーズの続編、お待ちしてます。
8名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 00:02:31 ID:tXcsy31b
>>7
なるほど明はそういう感じなんですね
他のキャラは危機感みたいなのを持って抗争してる感じを受けたので明もそうかと思ってました
明のようなのもいると。すこしづつ明の人物像もみえてきました
作品を楽しみにしています
9名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 00:34:49 ID:euZVfaP9
>>SDSさん
GJです。
今回も全編に漂う切ない空気がいいですね。
この雰囲気がSDSさんの味かなあ。
しかし、小道具で出てきたリッターxリッターにちょっと吹きかけましたがw
10名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 01:25:38 ID:4rQz/qZ2
しかし綾女ちゃんカワイソス… (ρдT)o

11暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/01(月) 03:49:17 ID:UcgKBRFQ
完全にこっちのスレッドを見逃してました;
レス的に順序が逆になりますがご容赦を。

>◆selJPZyjjYさん
>ただ明はそれなりに空気も読めるみたいですし〜確かにあります。
一応そう感じてはいたものの、やりすぎた、感はあります;
もっとはしゃがせてもよかったと思うこのごろ。

>SDSさん
>次回作チラリと野村理奈ちゃんお借りして良いでしょうか?
もちろんです。
こういうオファーが来たという事は、
◆selJPZyjjYさんさんが作りSDSさんが広げたこの世界観に(間違ってたらすみません)
少しは溶け込めた、という事かな?
>彼女が秋の時点でも光陵リトルでプレイしている設定に問題は?
100%。
以前の4人の移籍問題もあるので彼女のFAはほぼありません。

>新スレ一番槍、期待しています。
という事で投下します。
今回が一番エロがきついと思います。
書き終えて思ったのですが、心理模写めちゃくちゃ。
12迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 03:51:04 ID:UcgKBRFQ
理奈が風呂場から出た時には、土生は完全に着替え終わっていた。
そして荷物を持って家を出ようとするが。

「待ちなさいよ。」
「まってられるかよ、先グラウンドに行ってるぜ。」
「どこに行くつもり?あたしはグラウンドでなんて一言もいってないんだけど。」
「…なら、どこでやるつもりだ。」

着替えながら喋る理奈、早くしろと思いつつ待つ土生。
ショーツをするりとはいて、その上にスパッツを履く。そして理奈の巨乳のサイズに合わせた特注のスポーツブラ。
とはいえ、特注といえど理奈の巨乳を完全に覆う事は出来ない。

裸を見慣れている土生だが、むしろ露出度の高い服を着ている方がエロっぽく感じた。
ぴちぴちのスパッツも理奈の理想的なボディラインを魅せる。

「…どーしたの?」
「な、なんでもねえよ…」
「ふうん。」

赤みがかったオレンジ色のスポーツブラとスパッツ。
とても魅力的なのだが、今はそんな事を考えている状況ではない。

理奈が右手にグローブをはめると、

「来て。」

言われるがままについていく。玄関でスパイクに履き替える。
コンクリートの路上をスパイクで歩くのは負担になるのでタブーなのだが…

「おい、グラウンドまで距離があるから、スパイクは足に悪いぞ。」
「だから、誰がグラウンドまで行くって言ったのよ。翔はスニーカーでいいから。」

玄関を出て、路地に…向かわなかった。
玄関を出るや否や左に曲って、向かった先は…ブルペン。

「どうする気だ?何で勝負する気だ?
 捕球くらい、いつも余裕でやってるだろ。」
「捕球?何生ぬるい事言ってんのよ。3打席勝負に決まってるじゃない。」
「ば、馬鹿かお前は!」

バッターボックスとホームベースが書かれてはいるが、それは形だけ。
ピッチングとキャッチャーの感覚を維持するためのものに過ぎない。
キャッチャーがいない時でも練習できるように、ホームベースの後ろに的のついた3,4m四方のネットがあるが。

もちろんバッターから見て前方にはネットはない。あるのは立ち並んでいる家ばかり。
そんな状況でバッティングするなど、もってのほかだが。
13迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 03:53:03 ID:UcgKBRFQ
「…早く打席につきなさいよ。」
「ば、馬鹿言うな!打球が飛んだら、どんなことになるか分かってんのか!
 ファールボールでも後ろのネットを超える可能性は十分すぎるほどあるんだぜ!?」
「…大丈夫、打たせないから。
 あたしより弱くて、根性無しの奴に、打たれるわけがないでしょ?」
「な…ぐ…」

理奈に考えなどなかった。
ただ、土生にムカついて、叩き潰したかっただけ。立ち直らせようという考えも、優しさもない。

「バットを持ちなさい。
 10球投げてあげる。そのうちヒット性の辺りを1本でも打てたら、翔の勝ち。」
「く…(ヒット性って…そんな打球を放ったら、大変な事に…)」

やむを得ずバットを持ち、構える。
…そして、左腕がうなる。



(…な、なんだよ、これ…)
「ストライクよ、振らなきゃ当たらないわよ、翔。」

ウォームアップも投球練習もせずに、この球速。
いつもキャッチャーの目線で見ているが、バッターとして見るのはこれが初めて。
…ヒットどころか、当てることすらやっとかもしれない。

2球目、3球目。バットを動かすことができない。
打つと間違いなく大惨事が起こる。それ以上に、理奈の速球の威力に完全に怯んでいる。

「なあに?全然動かないけど。
 そっか。打てなかった時の言い訳を考えてるのね。」
「ぐ…」
「ま、『打ったら大変な事になってしまう』と自分に言い訳してたら?
 でも、それって翔らしくないよね。」
「…?」

らしくない、…そう言われても、自分らしさって、なんだろう。

「どんな状況でも、落ち着いていて、決して弱みを見せない、何があっても動じない。
 すごく頼りがいがあって…あたしはそう思ってたけど、間違ってたのかな?」
「理奈?」

理奈の体をまとっていた冷徹さが、消えていた。
代わりに理奈をまとっていたのは、悲しそうな目。

「ねえ、この状況を、打開してよ。
 翔なら、どんな時でも、きっと何とかしてくれる…
 さっきの様な情けない翔じゃなくて、あたしの大好きな翔を見せてよ!」
「…。」

静かにバットを構える。

…そうだ、自分がナンバー1でありたいのなら、せめてそうあろうとする姿を見せないと!
キャプテンなら、どんな状況でも、決してあきらめない、そして…

実際に、みんなの期待にこたえないといけない。
こうやって、必死に期待にこたえてほしいと願っている理奈のためにも!
14迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 03:53:43 ID:UcgKBRFQ
「行くよ!手加減しないからねっ!」
「…ああ。」

…なぜだろう、すごく落ち着く。
いい考えが思いついたわけじゃない、とはいえ、何も考えずにバットを振るわけにはいかない。
…でも、何とか出来そうな気がする。

「…っ!」

はええ…でも…
何か違う、さっきは感じた、ストレートの圧倒的な何かが、今は感じない。

5球目、6球目。
…感じる。神経が研ぎ澄まされていく気がする。

7球目。
まだだ、まだ、バットを振るわけにはいかない。打球を飛ばすわけにはいかない。
あれ、「打球を飛ばす」という前提になってる、…俺の中で。
もう少し…もう少しこの神経の研ぎ澄まされている感覚…維持してくれ…もう少しだけ、研ぎ澄まされてくれ…


(翔の目つき…何とかしてくれそうな気がする…ねえ、何とかしてよ、翔…
 お願い!)

静かな気迫を感じ、土生を信じて投げた、8球目。
情をかけたつもりなど一切ない。いや、情などかかっていない。
…だが、失投をした。コントロールミスではない。コーナーは突いた、球速も最高。
だが、そのコースはインロー。土生の大得意なコース。

土生の気迫が、インローが得意だという情報を、理奈から離れさせた。
そして…

(この感覚…感じる、今までで一番、これ以上ないってくらい、研ぎ澄まされてる…
 ここだっ!)

自然と無理なく、スムーズにバットが出る。
そして、腰が回る、軸がぶれることなく、体が回転する。

(この限りなく不利な状況を撃ち破る、ただ1つの方法…それは、これだ!)

バットを回す直前に、このほとんど勝ち目のない勝負の、唯一の盲点に気がついた。
…いや、気付いたのではない、体が盲点を感じ取り、細胞を動かさせた。

(バットを回した!?ど、どうしよう…周りの家に…
 ううん、翔の事だから何か考えがある、きっと何とかしてくれる。あたしは、信じる!)


打球音とともに、バットが振りぬかれる。
15迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 03:54:44 ID:UcgKBRFQ
「…。」
「…。」
「う、嘘…」
「よく捕ったな、理奈。」

理奈のグローブに、ボールが収まっている。
ピッチャー返し。もちろんこれだとアウトになってしまうが、一部のファールボールを除けば、

…ボールを周りに飛ばすことのできないこの状況で放つことが出来る、唯一の打球。

「…狙ったの?」
「さあな。あと2球あるが、悪いが、これで終わりにしてくれ、手がしびれた。」

理奈の打球の威力は半端ではない。土生の手にも結構な負荷がかかった。

「…えっと…」
「理奈の勝ちだ。ヒット性の当たりは、打てなかったからな。
 やっと気付いたぜ、ナンバーワンとかで、そんなみみっちい事でこだわってた俺がいかに馬鹿だったかがな。」
「翔…」
「いいじゃねえか、土生翔平。
 大好きな女の子に甘えてる、おっぱい大好きな甘えんぼさんでさ。」

…え?
今、あたしの事を…大好きな、女の子って…

「あ、いや…優秀なピッチャーとして、さ。その…お前のストレート、大好きだ。」
「…。
(あたしが期待してることが、正しいと考えていいのかな?)」
「でも、本当に理奈はすごい。あんなストレート投げるやつ、他にはいない。」
「しょ、翔だって、さ!…ピッチャー返し、ねらったでしょ?
 おまけに、あたしがピッチャー返しに反応して、捕る事が出来る、ぎりぎりの打球の速さに調整してさ。」
「さあ、何のことやら。」
「し、しらばっくれないでよ。傍から見たら偶然のピッチャー返しって、装おうとして、
 あたしを持ち上げてくれて、…その…」
「な、なんだよ…」

お互いに顔が真っ赤。
お互いが必死に野球の話題を持ち上げようとするが、ほとんど意味がない。
それでも土生は動揺する気持ちを抑えているが、理奈はもう爆発寸前。

「…翔っ!」
「!?」

思わず抱きついた。
夜の住宅地、各家庭の人たちはみんな家でそれぞれの時間を過ごしている。

「あたし、もう、耐えられない!
 ここが…もう、耐えられないのよ!」

土生の手首を持ち、胸に押し付ける。
心臓の鼓動を感じさせたいのだろうが、土生が感じるのは胸の弾力、

…そして、土生自身の、胸の鼓動。
16迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 03:56:00 ID:UcgKBRFQ
「理奈…理奈っ!」

土生も理奈を抱きしめる。
そして何を思ったか、疲労の残る腕で理奈を抱えあげる。

「きゃっ!」
「…その、さ。家の中に入ろう。俺…エッチしたい。」
「…うん。」

そして、理奈の家…いや、もう2人の家と言ってもいいかもしれない。
お互いが片想いをしている、2人だけしかいない家で、2人の想いを抑えるものは何もない。


理奈の部屋。丸い机とベッド以外はランドセルなどの荷物しか見当たらない簡素な部屋。
…その小さなベッドの上に、そっと理奈の体を乗せる。

「好きにしていいよ。」
「…うん。その前に、俺…」
「?」

好きだ、と言いたい。
…でも、その言葉を出すことができない。
言いたいのに、でも、もし断られたら…その想いがとてつもなく強いゆえに、逆に不安だった。

「いや、なんでもない。」
「そう…ほら、おっぱい飲んでよ。」
「うん、えっと、さ。好きにして、いいんだよな?」
「え?そ、そういったけど…」
「俺まだ、理奈の…その、下の…おま…あ、えっと」
「クスクス…いいよ、スパッツも、ショーツも、脱がしていいよ。」

土生の顔が紅潮する。
そして、服を脱ぐと、巨乳の方には見向きもせず、好きだという思いと、異性に対する興味が、スパッツに手をかけ、

ショーツもろとも一気にずらした。

「!!!」
「どう?これが女の子の…あそこ、だよ。」


毛の全く生えていないつるつるすべすべの丘。
そこに線が1本引いてある。俗に言う割れ目。そこまでは知っていた。

だが、雑誌でもこの部分は修正がかかっており、割れ目のさらに奥までは知らない。
ごくり、とつばを飲み込み。そして、
17迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 03:57:46 ID:UcgKBRFQ
「脚、開いて。」
「…うん。」

恥ずかしそうに脚を開く。わずかにピンクに染まっている肌。
その割れ目がわずかに開いており、かすかにピンク色の何かが見えている。

その割れ目に指で触れてみると、

「あっ…」
(今のが、気持ちいい時に出る、あの声…?)

雑誌で手に入れた知識の記憶を引っ張り出す。

(おっぱいはいくら触っても全然感じてなかったのに…
 女の子のあそこがおっぱいよりずっと敏感なのは、本当なんだな。
 まあ、俺のここもそうなんだけど…)

ものすごい勢いで成長した自分の分身を見る。
皮は半分めくれ、先っぽは濡れている。
理奈への想いと性欲によって高揚した状態の中、指で割れ目を開いてみる。

…そこには、ピンク色の世界が広がっていた。

「んっ…」
(女の子のあそこって、こんな風になってたんだ。)
「しょ、翔…エッチ、して…」
「う、うん。」

おっぱいとおんなじように、しゃぶるんだよな…
えっと、それから、上の部分にはクリトリスがあって…これか!

「あんっ!」
「理奈?」
「そ、そこ…」

ここが一番感じるというのは本当らしい。
ならば、ここをしゃぶってやろう、そう本能がささやいた。
普通陰唇全体をしゃぶるのが一般的だろうが、そんなのは関係なかった。

(ちゅぱ…)
「んっ!」

乳首をしゃぶる要領で、クリトリスを唇で咥えて、ちゅくちゅくと音を立ててしゃぶっていく。
18迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 03:58:38 ID:UcgKBRFQ
「脚、開いて。」
「…うん。」

恥ずかしそうに脚を開く。わずかにピンクに染まっている肌。
その割れ目がわずかに開いており、かすかにピンク色の何かが見えている。

その割れ目に指で触れてみると、

「あっ…」
(今のが、気持ちいい時に出る、あの声…?)

雑誌で手に入れた知識の記憶を引っ張り出す。

(おっぱいはいくら触っても全然感じてなかったのに…
 女の子のあそこがおっぱいよりずっと敏感なのは、本当なんだな。
 まあ、俺のここもそうなんだけど…)

ものすごい勢いで成長した自分の分身を見る。
皮は半分めくれ、先っぽは濡れている。
理奈への想いと性欲によって高揚した状態の中、指で割れ目を開いてみる。

…そこには、ピンク色の世界が広がっていた。

「んっ…」
(女の子のあそこって、こんな風になってたんだ。)
「しょ、翔…エッチ、して…」
「う、うん。」

おっぱいとおんなじように、しゃぶるんだよな…
えっと、それから、上の部分にはクリトリスがあって…これか!

「あんっ!」
「理奈?」
「そ、そこ…」

ここが一番感じるというのは本当らしい。
ならば、ここをしゃぶってやろう、そう本能がささやいた。
普通陰唇全体をしゃぶるのが一般的だろうが、そんなのは関係なかった。

(ちゅぱ…)
「んっ!」

乳首をしゃぶる要領で、クリトリスを唇で咥えて、ちゅくちゅくと音を立ててしゃぶっていく。
19迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 03:59:56 ID:UcgKBRFQ
「しょう…翔…あっ!」
(理奈の奴…すごくイってやがる!)

今まで全く感じてくれなかった。
それを晴らすがごとく、激しくクリトリスを責め立てる。そして…

「ああうっ!」
「!」

土生の顔に潮が降りかかる。
すぐに手でぬぐい、舐めてみる。

(しょっぱい…けど、なんか不思議な味…)
「あうう…」

理奈の意識は飛びかけている。
だが、もちろん理奈にとってはまだ物足りない。

「お…お願い、翔のあそこを…あたしの…ここに…」
「!…理奈…」

お互いにまだ自分の想いを伝えていない相手。
理奈は土生の想いはどうでもよかった。ただ、自分の好きな相手とつながり、中に出してほしかった。

…だが、そんな後先のことを考えない理奈と違い、土生は賢い。
好きな相手とはいえ想いを伝えてない以上、…そして何より、理奈を不幸にすることはできない。

「…だめだ、理奈。」
「え?…あ、あたしが、嫌?」
「そんなんじゃねえ!…もし、もし子供が出来たりしたら…」
「大丈夫だよお…あたし、まだその…生理、してないから。」
「…。」

少し黙りこむ。そういう事情なら理性を振り切る事も…
出来なかった。

「…初潮が妊娠になってしまう、とも限らないぜ。」
「大丈夫だよお…お願い、翔が、欲しいのぉ…
 翔は、あたしが、嫌いなの?」
「そんなんじゃない…」
「じゃあ、なんで?あたしは、翔の事が、…あう…」

好きだと言えない。
恥ずかしい…それもあるが、それ以上に、同じ大切な野球仲間が、恋人同士になるのが、想像できなかった。

「俺だって、理奈と…その、ヤりたくて、繋がりたくて…理奈の事が…えっと…」

好きだと言えない。
異性として意識し続けても、やはりグローブをはめてボールを持ったピッチャー。
20迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 04:02:09 ID:UcgKBRFQ
「でも、俺たちは…(特別な関係じゃ…)」
「翔…できないの…?」

恋人とか、そんな関係じゃないとできない。
好きでない相手とは、できない。
…もし、そう口に出してでもいれば…でも、言えなかった。

理奈がそういう関係だともし思い込んでいたら…と思い、それも言えなかった。


「…うっ…馬鹿ぁ!翔の馬鹿ぁ!だいっ嫌い!」
「!…理奈、ごめん。」

四つん這いで理奈の上を覆っていた土生に抱きつく。
もちろん、だい嫌い、なんて嘘である。大好きだからこそ、だい嫌い、そう言わずにはいられなかった。


ベッドの上で重なり、スポーツブラを思い切りはがして、巨乳にしゃぶりつく。
いつもよりずっと気持ちを込めて、愛でるようにしゃぶる。すると、

「んっ…」
(か、感じた…?)
「気持ちいいよ…」
「いつもは…全然何にも感じてないのに…本当に?御世辞とかじゃなくて?」
「ん…気持ちいよ、翔。
 それに、嬉しい。」
「え?」

理奈が一筋の涙を流した。

「いじめの元だった、このおっぱいをさ…」
「理奈、どうしたんだ?」
「翔が、こんなにもおいしそうに、幸せそうに飲んでくれて、嬉しくて…」
「理奈…
 おいしいよ。もっと飲んでいい?」
「うん!」

いつも、おっぱいを飲んでいた。
でも、今日、今こうして飲んでいるおっぱいは、いつもよりずっとおいしかった。
出ないはずの母乳を感じられた。
…そして、いつの間にか、お互いに裸のまま眠っていた。


明日は日曜日。練習はお休み。
いつも投げてるストレートから、ちょっと離れて遊んでいよう。
21迷わずストレート!『いつものストレート』:2008/12/01(月) 04:06:45 ID:UcgKBRFQ
投下完了。

エロが少なめのスレッドなので、
普通のエロパロスレッドならセックスに行きつくのが自然なのに、
セックス寸前の今回の話すらやり過ぎに感じる…

話の流れも題に違わずストレートすぎですね;
22暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/01(月) 04:55:16 ID:UcgKBRFQ
>>11
明らかに勘違いするような書き込みをしてしまったので修正。

>彼女が秋の時点でも光陵リトルでプレイしている設定に問題は?
100%問題ありません。
ラリナは光陵で間違いなくプレイしています。
4人の移籍問題もあったので彼女のFA移籍は間違いなくありません。
23名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 08:36:30 ID:EQVokZVQ
うおおエロいぜGJ!!
初代スレ思い出すw
24名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/01(月) 15:33:58 ID:PXfCCUOa
暴走ボート ◆z95s/qs7OMさん乙です。

せっかくなんでこっちもリハビリ代わりで投下します。
属性としては千晶初オナニーもどきと言うところでしょうか…あんまり期待しないでください。
なお設定としては国境地帯終了後の夜です。
25国境を越えた夜に ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/01(月) 15:35:10 ID:PXfCCUOa
国境を越えた夜に

「これでやっとこさ戻れたな千晶」
ボク達が通う西小を見ながら隣からボクの一番の親友明の声が聞こえてくる。
本当に今日はいろいろあった日だった…。

去年助けた女の子…作倉歩美さんがボクのこと好きって言いだして…
明を連れ込んでボクにHなお仕置きをしてきて…明が佐倉さんにキレて
本当にいろいろあったな〜。

そうボクが考え込んでいる様子を明は心配してくれたのか、ボクに声をかけてくれる
「どうした…明?まだ…気にしてるのか?それとも佐倉のこと気になってるのか?」

「少しね…佐倉さん大丈夫かな」
確かに気になっていないといえば気になる、ボクたちをかばってくれた事でこれから
嫌な目にあう事はないだろうか…それは心配だったが佐倉さん最初に会った時よりも
強くなった気がする…それを信じようボクはそう思うしかなかった…。

そんなボクの様子を見ながらも明はボクの肩を抱いて
「まああいつがいじめられているのを見たら俺も助けるよ、お前の友達としてな」
と力強く答えてくれる、明は佐倉さんにパンツをボクたちの前で脱がされ
おっきなおちんちんをぽろりされてめちゃくちゃ恥ずかしかったろうに…
でもボクだけじゃなくて佐倉さんにも気を遣う明の心がボクには心地よかった。

そんな今日の話をしているとボクたちの家が見え、ボクと明は口々に「また明日」
と別れて家に戻った。
26国境を越えた夜に ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/01(月) 15:36:32 ID:PXfCCUOa
「ふう…さてと父さんただいまー」

ボクは自分が帰ったことを父さんに告げるも返事がない…
気になってキッチンの机を見たら書き置きがおいてあった。


父さん今日仕事の人と一緒に飲みに行くから悪いけどご飯とか自分で作ってね
お金は大目に置いておくけど、もしも何かあったら連絡よろしく 父

「あちゃー」
どうも今日は帰ってこれないな…父さん。

まあ仕方がない…ボクだって簡単な料理は作れるし…まずは冷蔵をっと!
とりあえずボクはありあわせの食材で料理を作ると食べ、そのままかたずける。
そしてお風呂を入れる間テレビなどを見てごろごろしていた。

藤原先生が出張で宿題でなかったのが幸いってところかな!
今日は本当にどっと疲れた…学校では国東生徒会長の一件…そんで放課後は佐倉さんと…。
ボクがそんな今日起きたことを考えているとお風呂が沸いた音が聞こえ
早速ボクはお風呂に向かう。

(つい昨日明におっぱいが大きくなったことを相談して踏ん切りがついたんだよね。)
ボクは女の子らしい白いブラウスを脱ぎながらおぼろげに思いつつ、ボクのおっぱいを
見てみると、大人っぽいフルカップブラジャーが目に映る。
(ちょっと前までは明にも内緒にしてたな…ボクのおっぱいが急成長したの…)
そんな事を思いながらボクはブラジャーを外すと大きなボクのおっぱいが目の前に出るん
だ、いつもおひさまが当たる場所と違っておっぱいはボクの体って思えないほど
白くて自分のものじゃないって思っちゃうな…。

そしてブラジャーを外してボクは履きなれたハーフパンツを脱ぎながら
(これからも明やみんなと仲良くしていきたいな…)
とこれからも長くみんなと付き合っていくことを望みながら、ハーフパンツをおろし
かわいらしいストラップパンティ…の股間に黄色いシミがついたのを見ながら
(佐倉さんにいたずらされたときおしっこ…違うもっと頭がしびれるような…
なんだろう…ボクまだオンナノコってよくわからない…おしっこと別の液がボクの
からだから出るのなんでだろう…明とかもボクみたいにおしっこ以外の出せるのかな?)
とボクはオトコノコとオンナノコの違いをボクなりに考えながら、お風呂に入る。

ボクはぬるめのお湯が好きだ…その方がゆっくりお風呂に浸かれて温まれるからね
それに今は夏真っ盛り!お風呂入る時も湯冷めしない程度に温かければお湯を沸かす
手間も省けるってもんだし!
ボクは湯船に大きく白いおっぱいを浮かせながら伸びをし、ゆったり浸かる。

そんなまったりしながらも、ボクは少し考えていた。
27国境を越えた夜に ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/01(月) 15:38:01 ID:PXfCCUOa
(明のおちんちんがいつもあんな大きいのに、ボクにはなんでおちんちんついていないん
だろ?じっくり調べたらパンティのしみと一緒に感じた痺れの正体がわかるかも!)
善は急げ!ボクはまだ生えてない割れ目に向かって手を伸ばしてみる。

「ん…んっ…ヴん゛ん゛ん゛」
ボクはどきっとした!ボクの割れ目はぴっちりしていたがなんか…当たった瞬間
頭ン中雷が走ったような衝撃を感じた!これって…佐倉さんにいじられたのと
同じ変な気持…そういえば…あの時……。

佐倉さんに胸をもまれてパンティ濡れ始めてた…そう思いながら改めて佐倉さんが
ボクの胸にしたのと同じようにボク自身の手で胸をもんでみる。
「ふぅぅっ!ああっ…」
ボクのこえがボクでない位にHな音の響きを風呂場中に反響させてしまう。
でもボクは声を出しながらも、佐倉さんのように強弱をつけておっぱいを柔らかくする
ように揉みながら、徐々に乳首の方に近づけていき同じように乳首を人差し指のホックで
痛くないように揉んでいくと…。

「ふぁぁん…乳首どんどん硬くしこってきちゃう…」
ボクの小粒だった乳首がどんどん膨らんで、ボクの頬もどこか熱い…
お風呂に入っているから…じゃない。乳首もまれると…気持ちいいのかも…。
どこかボクの声が甘くHな声になっているのを嫌でも意識しちゃうけど…
気持ちいい…ボクは佐倉さんがしたようにおっぱいを粘土細工をするようときには力強く
時には柔らかく揉み続けてよくわからない刺激の正体を探ってみてるけど。

「んは゛ぁぁぁっ…あく゛ぅぅ!」
よくわかんない声が出ちゃう…でもこれだけは間違いない。

きもち…いい

少なくてもオンナノコの胸は刺激を与えることで気持ちなるってことをボクは知った。
そして佐倉さんはボクの乳首が膨らんだ時に乳首を引っ掻かれ、明の前で
叫んじゃったことを思い出しながら軽く引っ掻いてみると…

今まで以上の刺激がボクの頭を走っていき、つい…。
「ひぎぃぃぃ♪」って声を上げちゃった…勃起した乳首を軽く引っ掻かいただけで
こんな意識が飛んじゃいそうになるんだったら…。

ボクは意を決して、おっぱいをつかんでコイチゴ位に膨らんだボクの乳首を加えて
しゃぶってみる。

「っヴヴヴヴっヴぁっ!」
口がふさがっているからしゃべれないし…ちょっと苦しい。
でも熱くしこったボクの乳首は自分でなめてみて少し甘みを感じる。

そしてボクは最後の工程を思い出しながら少しおびえる。
(こわい…)
(佐倉さんに乳首を噛まれたとき…本当に気絶しちゃいそうだった…。
でも確かめないと…3・2・1・0!)
僕は乳首を歯で軽く噛んでみる…本当に軽くだったのだけど

「あぁぁっ!!」
やっぱりどこかHな声をボクはあげてしまった…。
少し体がだるくなる感じを湯船で覚えたが、ボクの割れ目から何か液が漏れ
お風呂のお湯が濁っていく。
28国境を越えた夜に ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/01(月) 15:40:36 ID:PXfCCUOa
(なんだろう?)
ボクは改めてさっき触ったわれめをもう一度触ってみると…すごかった。
「わふぅぅっ!」
ボクのわれめはさっき触った時みたいにぴっちりしまっていなくて、なんか
入りそうなくらいに隙間があき、指で触るとお湯とは違う温かい液がボクの
おまたから出ている…しかも触っただけで乳首の刺激以上に脳味噌が溶けるって
思っちゃうぐらいの刺激が走った!

改めて僕はわれめが気になって、いったん湯船からおっぱいを揺らしながら上がって
近くにあった鏡をわれめに映してもっとよく見えるようにしてみると
まるでお寿司の赤貝みたいにボクのわれめは赤く染まって開いていた。
それに上の方をよく見てみると…ピンクに充血しているおチンチンみたいなものが
あったので…小指を僕の唾液でちゅぱって湿らせて触ってみたら……。

「んんんん!!!」
本当にかすらす程度で頭が白くなるくらいの衝撃が僕を襲った!
これって明のと比べてすごく小さいけど…おちんちん?かなぁ…

おちんちんってあんまり手で触っちゃいけないって聞いてるから
これ以上はやめといた方がいいかな…残念だけど…。
改めてボクについてたおチンチンみたいな所は触らないようにしながら、われめの奥に
小指を恐る恐る入れてみたのだがヌルヌルして…でもこすっただけでびりびり来るほど
気持ちがよかった…これっておなにーっていうのかな?
これはさすがに明には聞けないけど…委員長ならおっぱい聞くついでに教えてくれるかな?

ボクはわれめからオンナノコだけが感じる物をうすうす感じながら指を引っ込めて
体を洗おうとするが…。
「あんっ!あん!」
ボクのおっぱいとかやたらと過敏になってて普通に体を洗うだけでもうフラフラに
なりそうなくらいつかれちゃった…結局いつもの倍近くお風呂に入ってしまい。
体が熱くてタオルだけっていう父さんがいたら絶対やんない格好で台所に入り
ふろ上がりの牛乳をいつも以上に美味しくコップ一杯味わった。

牛乳を飲み終えてふとボクは思い出した…水着のことを。
去年の水着はもう入りそうにないし…せっかくだからサイズ僕なりに測ってみよっと!

そう思うとボクは羽織っていたタオルを脱いで真っ裸になるとメジャーを取って
ボクのおっぱいを計ってみると…う…うぅん!86cm…87.4?
微妙におっぱいが膨らんでる?佐倉さんに揉まれたからかなぁ…これ以上大きくなったら
どうしよ?とりあえずお店の人がやってくれたようにおしりやおなかのサイズも
書きとめながら、そろそろ服をちゃんと着てボクは眠りに就くのだった。 おわり
29名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/01(月) 15:45:10 ID:PXfCCUOa
◆selJPZyjjY 様の千晶シリーズでも小判鮫商法で書かせていただいた
私のバージョンシリーズでもつながるように書いてみました。
短いですし描写も甘いかなと思いますがぼちぼちこっちなりに書いてみます。
30名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 17:26:53 ID:gFsOqgt8
うわおどちらもgj!!
31名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 19:18:57 ID:viBfbRgM
GJ! 名無しさんX氏再臨とは。
32名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 16:42:13 ID:vPFS4+Lq
千晶もラリナも発毛まだなのか。

各キャラの発毛具合が気になるな。

33名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 18:23:24 ID:2phwmGSn
前スレでちんこの長さ気にしてた奴がいたがw
34名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 09:25:14 ID:eIX2qNWF
保守
35名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/08(月) 19:22:14 ID:OSC9TowH
保守ついでに投下してみます。
国境を越えた夜に VER:A
国境を越えた夜にの歩美のその後を書いてみました。
属性としてはお兄ちゃんに弄られる歩美です(キス本番抜きでペッティングがメイン)。
36国境を越えた夜に VER:A:2008/12/08(月) 19:23:14 ID:OSC9TowH
国境を越えた夜に VER:A

私は生まれて始めて好きになった女の子…谷口千晶君とそのお供の八坂明に対して
心のそこから声を出して彼らに手を振る。
なんて久し振りだろうここまで明るく声を出して人を見送るのは…。
そんな二人が見えなくなったのを確認し、そろそろ両親やお兄ちゃんが心配するだろうと
「はあ…私も家に戻って色々と…」と家に帰ろうとするも気がついたら周囲を取り囲まれていた。
うっとうしいバカな男子にだ…大方私がいたから千晶君と八坂明に対して手が出せなくなり
面子をつぶされたからせめて私に報復でもしようというのだろう…ちょっと怖いけど
私は決して間違ったことはしてない!それにすべて自分が悪かったとはいえ
私が千晶君に悪戯しようとして逆上した八坂明に襲われそうになったことを思えば
どうということはなかった。

以前の私ならきっとここまで囲まれたら怖くてオドオドしてただろう…
でも千晶君と八坂明がゆるしてくれた事でもう少し自分を出していこうと誓った。
だから周囲を囲っている男子に対してオドオドせず通り過ぎようとするも、いきなり肩をつかまれる…。

「おうおう!おっぱい女どういうこった!なんで千晶と明を逃がしたんだ!」
はあ…やっぱりつまらないことでしかも二人がいなくなって私一人でいる時にそんなこと
言い出すとは…八坂明の爪の垢でも煎じて飲んでほしいよ。
半ば私は呆れ顔でため息をつきながら
「うるさいなぁ…私の胸で何時もからかって来るあんた達よりもあの二人のほうが
友達って言い切れるのわからないカナァ」
といいきりさっさと抜けようとするも相手も納まらず…。

「くそっあの二人に…西小につくのかよこの裏切り者っ!
みんなかまうことねぇ…この裏切ったおっぱい女裸にひん剥いてほーふくしてやれ!」
とその言葉に乗った私の周囲のバカ男子が私の服を脱がそうとして胸をつかみながら
上着を剥ごうとしたり、ズボンを下ろしてベージュのショーツを脱がそうとしてくる。

「ちょっと!やだったら!!そんなのやめてってば!!」
私は振りほどこうとするが、5.6人に囲まれ逃げることもままらない。
冗談じゃない…こんなところでバカ男子のさらし者になる気は!
それでも私は大きい胸を揉まれ…ベージュの下着を見られながら必死で逃げようとする…
そう私がもがいていると思わぬ人物が現れた。
37国境を越えた夜に VER:A:2008/12/08(月) 19:23:53 ID:OSC9TowH
「お前ら何やってる!」
怒声が私の耳にはっきり伝わるほど聞こえてくる…この声は確か…。
そんなことを考えてたら周囲のバカ男子から彼の素性が明かされる。

「しっシバケン!何でこんなところに!」
そう…私のクラスメートで東小のリーダー健太ことシバケンだった。
健太はとにかく私を取り囲んでいた男子を退かして、私やバカ男子を向かい合わせて
状況の説明を求める。

バカ男子たちは千晶君と八坂明を私が逃がしたから報復するんだといってきたが私も負けずに
「以前私を助けてくれた友達を私の家に入れて何が悪いのよ!」
と正直に言った…というより千晶君に会って友達になれたことで少し強くなれたのかな…
そんな私とバカ男子の言い分を聞きシバケンは…。

「わかった…この件佐倉に分がある。もともと佐倉をお前らがからかったのを
千晶が助けたまでのことじゃないか!」
その言葉で私は正直に言ってみるものだと感心しながら、一方でバカ男子たちはしつこく
私に対して報復を求めるがシバケンは首を横に振り。

「しつこいぞ!これ以上元々抗争に無関係な佐倉に対して
言いがかりを付けたり、ましてや報復をしようものなら明と千晶をたたく前にお前らを叩くぞ!
おらっ!とっとと家に帰れお前ら!!」
とシバケンは周囲にいたバカ男子をまるで雲の子を散らすように追っ払ってくれる。

私は改めてシバケンのリーダーシップに感心しながら…シバケンのほうが家までついてって
くれると言ってくれたので彼の誘いに乗って一緒に家路に着く。

帰っているとシバケンがなんで来てくれたか等を教えてくれた
「ふーん…千晶君たちがこっちに着たからいろいろ探してたら…私が絡まれているのを
見つけて…それで私が逃げようとしてたから助けてくれたんだ」
と色々と話を聞くもシバケンから意外な言葉を聞く。

「悪いな佐倉…本当はお前の…おっぱいからかうやつとか俺がどうにかしないといけなかった
のに…千晶がお前を助けてくれたなんてちっとも知らなかったよ。本当に悪いな佐倉。」
と意外にもシバケンから詫びの言葉を聴くことになった。
私の大きいおっぱいをからかってくるバカ男子は多いけど、シバケンの一派だけは
特にそういったことはせず、そういう意味でもシバケンに一目おくところがあった…
男子としては…だが。

でもまあ直接関係無い私を助けてくれたのはありがたかったので私からも。
「私も健太君に助けられて本当に嬉しかった…何かこっちでお礼したいんだけど
健太君好きな漫画のキャラや絵を描いて欲しい人いる?私にはそういうお礼が
一番うまく出来るし」
と御礼を持ちかけてみる…シバケンは最初「お礼が目的で助けたんじゃないからいいよ」
と断ってきたが、私も「健太君の好きなもの私も描いてみたいから…」と
熱心に勧めてみる。

そんな私にシバケンも折れたのか、じゃあそれだったらと私に以来をする。
2枚だ…とにかく彼に2枚絵をたのまれたのだった。
「シバケンも隅に置けないね」と私はからかうが、シバケンは顔を真っ赤にし
それじゃあ頼んだぞと私の家前でそそくさと帰るのだった。
38国境を越えた夜に VER:A:2008/12/08(月) 19:25:43 ID:OSC9TowH
そして私は家に帰ると両親とお兄ちゃんが心配して待っててくれたらしく。
ちょっと怒られたがみんな仲良く食事を取り、お風呂にゆったり入るのだった。

そして私は部屋でじっくりと絵を描く。
一枚目の絵はシバケンが凄く好きなバンカラ漫画「轟!男ゼミナール」の校長枝岡兵三郎を
参考資料の漫画を見ながらとシバケン好みに濃い目に描き上げる。
続いて次は…二枚目に取り組もうとするが、部屋からノックが聞こえお兄ちゃんの声が聞こえる。
なんだろうなと思いドアを開けるとお兄ちゃんからお父さんお母さんとももう寝てるから
この間の貸しを返して欲しいといってくる。

そうだった…私のコレクションしている同人誌はお兄ちゃんから譲り受けたものだがその代償として
色々Hな要求をすることも多く少し困っていたのだが借りたものは返せというのが我が家の家訓な為。
お兄ちゃんにファーストキスをしないことと一線だけは越えない事をきっちり約束させてなんでも私は
するのだ。二枚目の絵を描く参考にある意味なることもあったのでお兄ちゃんの約束どおり。
私とおにいちゃんの二人でお風呂にもう一回入るのだ。

「いや〜おにいちゃん嬉しい!確かに俺すっごく気に入ってたトロサバハイパー×響君の濃い同人
あげてスタンガンまで歩美が欲しいからって買ったあげたけど、その御礼で絵だけじゃなくて
歩美の体を触らせてくれるなんて!まだ安いくらいだよ!」

お兄ちゃんは上機嫌でこの間もらった「家庭ティーチャーアサシンリヴァイブ」の同人本のノーマルカプ
主人公の女の子沢野紗奈と沙奈が思いを寄せている少年響の本編中ではまだまだっぽいが
もしも結ばれると過程したらという同人をくれた。

ちなみにいうと普段紗奈は胸が大きめな他全然とりえの無い女の子で周囲から「トロサバ」と呼ばれて
いたが、響くんのことが好きで紋々してたときに赤ちゃん先生リヴァイブが現れ沙奈を鍛える
ギャグ漫画だったが、少年漫画の常か気がついたらガーディアンと呼ばれる穢れなき乙女とともに
悪と戦うバトル漫画になっているが女性人気が高く、私は混ざれなかったが周囲の女の子から
ガーディアン同士の裏カプなど熱心に話す様子は知っていた。

特に一番人気カップルはまったく協調性が無いがガーディアン最強と謳われるヒナと
以前に沙奈の敵として戦った懜を押す声が高かったりする。
因みに沙奈も特殊な力を使うことで気弱な性格から一転クールキャラになり圧倒的に強くなる為。
攻め受けとも出来るキャラクターとその筋では重宝されている。
漫画本編はなぜだか未来に言った沙奈達が敵の基地に殴り込みをかけたところだ。

私も色々主人公沙奈君に思うところがあり、作者にノーマルとハイパーモードの沙奈君の絵を
ファンレターと一緒に書いて送ったこともあった…。
39国境を越えた夜に VER:A:2008/12/08(月) 19:26:40 ID:OSC9TowH
まあそんなことを思い出しながら
私とお兄ちゃんの二人で服を脱ぎ、恥ずかしかったが下着を脱ぐとぶるっ!とした90のIカップバスト
が飛び出し、ショーツも脱ぐと私の歳だったら早いかなと思うくらいに濃い陰毛が丸見えとなる。
恥ずかしいところを直に見られるよりかマシとはいえやっぱり…ねぇ。
私は自分の発育しすぎた体と…お兄ちゃんを見てげんなりしてしまう…お兄ちゃんのおちんちんも
びんびんに私の体で勃起し、お兄ちゃんのおちんちんは皮もしっかりむけて
カリが赤黒くそそり立って…欲情しているのが丸わかりだからだ。

「じゃおふろおふろっ!」
お兄ちゃんは嬉しそうに私の手を引っ張りながら私とお兄ちゃんの二人で湯船に入る。
お兄ちゃんが私の体を抱えながらしっかりと首まで湯につかっていくのだ。
もちろん私のお尻にお兄ちゃんのおちんちんがぺっちり当たっている。

私のIカップバストが湯から出たり入ったりするたび水音が滴る。
「それじゃあいただきます!」
とお兄ちゃんはわたしカップバストをもみ始める。
「あぁっ!お兄ちゃん!今日も…上手い……」
感じてはいけないとわかっていたが、お兄ちゃんの愛撫はとてもうまく、そのテクニックを私も
千晶君にも使ってしまうほどだ、お兄ちゃんにおっぱいをもまれるほど私のおっぱいどころか
私の体全部全てすでにすっかりピンク色にのぼせ上がっている。

もちろん直接揉まれているIカップのおっぱいはそれ以上にピンクに染まり。
その先端には本来陥没している乳首もやや赤みがかって勃起し硬くHな形になるの…。
「あぁぅ♪お兄ちゃん激しいよぉ〜」浅ましいがあまりにうまい愛撫で女として私は悦びの声を
いつもみたいに上げてしまう。

そんな私の感じ易いおっぱいを揉み、勃起した乳首をくりくり弄りながらお兄ちゃんは…。
「本当によく育ったよ歩美のおっぱい!一年半位前は真っ平らだったのにお兄ちゃんが歩美とお風呂
に入る度揉み続けたらあっという間にD・E・Fと…仕舞いにはTカップ!!
良くぞここまで育ったとお兄ちゃん本当に嬉しい!」
とその育ちまくったおっぱいでいやな思いをしていることを分かってるのかなとムッとしてしまう。

だがお兄ちゃんは意に関せず話を続ける。
「それにさお兄ちゃんも歩美の体で勃起し続けたらちんぽ大きく立派になってすっごい感謝してるよ!
本当に千晶には感謝してる!Hなコスプレとかまたしてね」
と本当に脳みそ能天気だなとわが兄ながら突っ込む余力も無くなった。

そして次にお兄ちゃんは、ジェットバス機能をONにすると私の股間にジェットがいくよう
体を調整していき、暖かい流れが私のHな部分に当たっていく。

「やっ……やああっ…あっやだぁお兄ちゃんらめぇっ!」

私のあそこにジェットが当たればあたるほどお湯に擬似挿入されてるようでHになるのだが
更にお兄ちゃんはジェットバスで湯の中が見えないのを良いことに、お兄ちゃんは
私の恥ずかしい部分に手を伸ばし指で刺激してきたぁ。
40国境を越えた夜に VER:A:2008/12/08(月) 19:27:30 ID:OSC9TowH
私も激しい衝撃に抵抗するけどおにいちゃんの腕力には勝てず
ついに私の両足はくぱぁってHな股と一緒に拡げられお兄ちゃんの指先が
私のHなあそこの愛撫を始める。

「あっぁぁぁ!やだお兄ちゃん!そこぉ…らめなのぉぉ!」
お兄ちゃんの指はついに私の恥ずかしい部分に突き刺さり。そして激しく掻き回わされてしまう。
さらには私の勃起した肉豆をつまんでいじくる。
お兄ちゃんは心から楽しそうに言い切る
「歩美の小さいはずの肉芽ぷっくりと肥大しているねぇ…お兄ちゃんに揉まれて大きくなったのかな」
と笑いながら私のクリトリスをつまんで激しく甚振る。

私は本当に大声で喘ぎ声を出して悶えたいほどの快感が全身を包んでいる。
ご近所さんや両親にばれないようこれでも声を抑えているのだ
それと私の足は最初こそお兄ちゃんの腕力でこじ開けさせられたものだが
今は自分の意思で内股が今では大きく開いている。
首から下、湯の中が見えないジェットバスの泡流のすぐ下は、私の意志で私の足を両足を広げて
お兄ちゃんになすがままでHな所をいじられている。
41国境を越えた夜に VER:A:2008/12/08(月) 19:28:47 ID:OSC9TowH
更にお兄ちゃんはまた私のIカップ巨乳を揉み始めてくるぅ!
すっかり大きくなったおっぱいはお兄ちゃんの片手でも足りない豊満な乳房だ。
でも私が感じれば感じるほどぉ快感に熱くなり一層おっぱいの張りを帯びてHになっちゃう!
もっとお兄ちゃんは私の乳房に俺の指が食い込ませてぇ。
左右の乳房を交互にこねこねされるのでつらいのにぃ…お兄ちゃんは
私の勃起しきった乳首をつまんでこう切り出すのぉぉ!!
「歩美ぃ…最後に逝かせてあげるから…歩美の恥ずかしいところはっきり言ってごらん」
私の乳首はすでに突起して肥大しきっている。そんな乳首をつまんで、
お兄ちゃんは丹念に扱き始め、あの言葉をはっきり言えと迫ってくる。

「あうっ、ううわっ…分かったのぉお兄ちゃん…歩美のあゆみの…お…おま…おまんこぉぉ
処女膜を傷つけないようにぃぃいじって…あゆみぉぉイカせてください!」

思わず私はお兄ちゃん好みのHな声で求めてしまう。それほどまでにお兄ちゃんの愛撫は感じるのっ。
そんな声にお兄ちゃんは徹底的に乳首を手始めに扱き続ける。
湯船の中で激しく私のぼっき乳首をシゴかれ
信じられないほど私の乳首はびんびんに硬く勃起したのぉ。

そしてお兄ちゃんはさらに激しく私のおっぱいと乳首を扱き、おっぱいに指を食い込ませて
千切るように揉み絞ってぇ。
そしてたった今私が叫んだおまんこにおにいちゃんははげしくぅぅ一層激しく指を律動させてぇ。
そしてとどめに私のGスポットを探し当てると指の腹で突き刺し私は…わたしは…。

「ああっ、ああぁぁぁぁ…お兄ちゃん…歩美ぃぃ!おにいちゃんで…イクゥゥ!!」

わたしは今日もお兄ちゃんにされるまま登り詰めて絶叫した…。
そして、お兄ちゃんの指…たった今おまんこを弄くっていたお兄ちゃんの指は
湯船の中でつい出しちゃった私の潮吹き愛液の勢いを感じて微笑んでいた。
湯船の中だから実際出ていたら周囲に愛液をぶちまけていただろう…。
お兄ちゃんも同じだったようでほぼ同時に私の尻が精液が放出されるのを捕まえていた。
ふと見ると…お兄ちゃんの濃いザーメンが周囲に浮いて湯が白濁に濁っていく。
42国境を越えた夜に VER:A:2008/12/08(月) 19:29:26 ID:OSC9TowH
お兄ちゃんも疲れた様子で私の頭をなでると
「歩美…頑張ったね。お礼嬉しかったよ
今度は歩美のおっぱいで俺の体をきれいにしてほしいな…コミケつれてってあげるから」
とお兄ちゃんは次の機会に私のおっぱいでお兄ちゃんの体を洗って欲しいと頼み込んでくる。
まあコミケは私にとっても魅力的だから「うん!」と元気良くお兄ちゃんに返事をして
二人で風呂を洗った後。仲良く服を着せあう。

そしてお兄ちゃんと一緒に部屋に入りながら。
私は二枚目の絵を取り掛かるのだった。

次の朝
「ふぁぁ。おはようお兄ちゃん!」
「歩美…おはよう!」
と私たちはお母さんにたたき起こされ、急いで学校に行く準備をして登校する。

そして約束の絵二枚もって私はシバケン邸に寄り道をかける。
私は玄関チャイムを鳴らして、シバケンをシバケンのお兄さんに呼び出してもらうとシバケンに
絵を見せながら私は声をかけて。

「健太君約束の絵!枝丘校長と…白瀬さんの絵だよ!」
と私は枝丘校長と…この間転校してきた白瀬紗英さんのモデル絵をインターネットで確認しながら
心をこめて描いた…正直白瀬さんとは喋った事は無いけど、気立てがよく私どころか女の子の陰口
ひとつ叩かない出来た女の子だと思った。
それと白瀬さんとシバケンは学校公認のカップルでもあり、その白瀬さんの絵をかけたのは
私にとっても光栄だった。

シバケンはテレながらも私の絵を受け取って家に置くと、うわさをすれば影の白瀬さんが現れて
珍しく私・シバケン・白瀬さんの三人で東小へと行くのであった。 終わり
43名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/08(月) 19:31:13 ID:OSC9TowH
気に入ってもらえました?
某漫画ねたが出たのでこっちも某漫画ねたをかいてみました。
44暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/08(月) 19:40:46 ID:liy5uNAV
おつかれです。
コンプレックスを持っている胸を、ギブ&テイクとはいえ
兄に触らせるのは少々意外でした。
校長はともかく、白瀬を書かせるのは非常に彼らしいですね。
そして何よりも、

…元ネタが分からない(ぁ


と言うわけで俺も投下します。
シリーズ第3弾、お題は「新たなストレート!」
45迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:42:15 ID:liy5uNAV
「…今何時だ?」

…6時か。
そして、俺のそばにある柔らかいすべすべしたもの。

「全く起きる気配がないな。」

お互い裸同士。でも、最終段階には至らなかったんだっけ。
…どうでもいいか。さて、今日はどこに行くんだろうか。まさか球場?勘弁してくれ。

パン焼いて、卵焼いて、野菜切って盛り付けて。
すっかりこの家の雇いシェフに定着してしまった気がする。
2人分作って、自分だけ食べて、寝ぼすけが起きてくるまで何してようか。


「俺、どれくらい投げられるんだろ。」

庭のブルペンのマウンド。
十数球ボールの入れてあるかごをそばに置いて、マウンドのプレートに足を乗せて。

「そりゃっ!」

的を外れる。
うーん、やっぱり野手の送球と比べて段違いに難しい。

「第2球…」

ダメだ、当たらない。
あーあ、ピッチングの知識はあるにしても、いざやってみるとなると体がうまく動かないもんだ。

「もっと体重移動をスムーズに、肘も下がってるし、目線もあさっての方向向いてるよ。」
「起きたのか。」
「おはよ。ピッチング練習なんて、またどうしたのよ?」
「暇だからな。今日はどこか行くのか?野球はチームがアウェーだからやってねーし。」
「知ってるよ。今日どうするかは考えてないや。とりあえずご飯食べてくるね。」
「ああ。」

体重移動…ひじ…えっと、あとは目線…

「それっ!」

…あ、また外れた。



「あの…」
「ん?」

誰かの声がしたような。
日曜日の朝っぱらから、この家に用事でもあるのか?

…そして、なんでこいつがこの家を知ってるんだ。
46迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:43:19 ID:liy5uNAV
「ユキちゃんか…なんだ、急に。てか、どうしてここが…」
「いつもこのあたりまでランニングしていますから。」

同じ東小でこのあたりをランニングコースにしているやつがいたのか。
となると、ここに来たのは偶然という事になるが…

「で、どうした?」
「えっと、その…」

通りがかっただけだし、まあ用はないか。
理奈が飯を食べ終わるまで暇だし、こいつとでも話しておくか。

「ランニングって、スポーツでもやってるのか…そういや、空手をやってたんだっけ。」
「あ、はい。
 小さいころからずっと。でも喧嘩は好きじゃないし、それを親に伝えたら、」
「怒られて家を追い出されて、今に至る、と。」
「いえ、そんな!
 それじゃあ、他に別のやりたいスポーツを探さなきゃなって。」
「…スポーツなら何でもいいのか?」
「はい。」

変わった教育方針だな。
まあ、他人の家庭の教育方針に難癖つけたところで、なんにもならんか。

「しかし、スポーツなら何でもいいってやり始めた空手が、4段って言うのは…」
「やり始めたころは楽しかったです。どんどん強くなっていって。
 …でも、最近面白い勝負が出来なくなって。飽きてきて。」
(4段って言ったら相当なもんだろうからな。
 周りが弱かったら、そりゃあ楽しくないだろう。)
「だから、新しく別のスポーツを…あ、あの!」
「なんだ?」

何かを決意したような目。
そして、眼球が飛び出るような一言。

「野球をやられてるんですよね?チームに入れてもらえませんか!?
 あなたのチームで一緒にやりたいんです!」

…はあ!?

「あ、えっと、あなたのチームって言ったのは…その、他に知ってる野球チームの人がいなくって…」
「いや、別にそれはいいんだが…俺自身は別に迷惑じゃねえし。
 ただ、いきなり野球転向を宣言して、いきなり入団志望を言われても、こっちは驚くしかないが。」
「す、すみません!えっと、でも、あなたのチームで…」
「とーりーあーえーず!
 明日監督に話しつけてみるから、とりあえず家に…」

家に…は、超軽装の理奈がいる。
流石にまずい。変な疑いを持たれかねないし、その上その疑いは事実だし。

「家はちょっといま取り込み中だから…どうしようか…」
「誰か来てるんですか?」
「そういうわけじゃないが…」
47迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:44:14 ID:liy5uNAV
軋むような音。すなわちドアの開く音。
姿を現したのは当然この家の住人、理奈。ちゃんと服を着ている。

「どうしたの?翔…って、その子は!」
「あ…どうも。一緒に住んでらしたんですね。てことは、お二人の関係って…」
「ああ、いや、べ、別に俺たちは…」
「そ、そうそう!その…」

まずい。非常にまずい。
そう思ったのは、半分体の関係を持っていたこの2人だけの感覚に過ぎなかった。

「兄妹だったんですね。」
「…え?」

普通に考えれば。
一緒に住んでいる同じくらいの年の男女。どう見ても兄妹である。

「ああ、いや…そういうわけじゃないんだけど…さ!
 とにかくあがってよ。ここじゃなんだからさ。」
「あ、はい。」


とりあえず、『昨日たまたまお泊まりに来たお友達』という事で通し、
親がいないという事になるとそれもまずいので朝早く用事で出て行った、と言ってごまかした。

「この子が野球を?」
「ああ。やったことはないらしいけど。」
「しかしまたどうして?」
「空手に飽きて、他のスポーツをやりたいんだってさ。ある程度の運動神経は保証されてると思う。」
「あ…えっと、それで…」
「とりあえず監督には言っておくからさ。明日にでも入団できると思うよ。」
「あ、ありがとうございます。」

かなり物静かな性格のようである。
時計を見ると10時を指していた。そろそろ午後の事を考えてもいいころかもしれない。

「で、午後の事どうする?翔。」
「ん?そうだな…そうだ、ユキちゃんに野球を教えるのも兼ねて、バッセン行くか!」
「いいね、それ!ねえ、そうしない?」
「あ…あ、はい!おねがいします!
 えっと、この服装じゃあれなんで、一旦家に戻っていいですか?」

ユキの姿はジャージ。
そんなのではとてもお出かけ、とはいくまい。

「それじゃあ…どこで待ち合わせしよう。そうだ、公園の近くに新装開店したコンビニに…12時半!」
「パパから今日の分のお小遣い貰ってるから、お金は持ってこなくていいよ!」
「あ…どうも。それじゃ!」

少し恥ずかしそうに家を出て行った。
なにも今家を出ることはないんじゃない?…と言いかけたが、なぜか口から出なかった。

「さって、お昼ごはん♪」
「まだはやいぞ。ったく…はいはい、何作ってやろうか?」
「オムライス!」
48迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:45:04 ID:liy5uNAV
新装開店したコンビニに行くのは、わけがあった。
ソフトクリーム1つ31円。資金の少ない子供の強い味方がそこにいるからである。

「あ、いたいた!おー…あ。」
「ん?…って、西小のボスじゃん!」

また厄介な相手に出会ったもんだな、瞬時にそう感じていた。
そして、隠れる場所もなく、ユキも来ていたのでやむなくコンビニの前へ向かう事に。
明を含め、3人の男子が何かを話している。

「あ……いや……。なんか、さっきから……誰かに、見られてたような気がして――」
「誰か? って」
「……誰もいねーぞ……?」
「あれ?」

あーあ、見つかったか、そう思っていたが、どうやら別の相手のようである。

「っかしいなあ……。気のせいかな?」
「昨日の今日だしな。さすがにお前も疲れてるんじゃね?」
「うーん……」

どうやら気付かれていないのか。真相は『国境地帯』参照。
とにかくユキのもとに向かうが、ついにばれた。

「あれ、またあったな、土生君!」
「…どーも。」

その声で気がつき、ユキも土生のもとへ小走りしてくる。

「君も31円アイス目当て?」
「今日は近くのバッティングセンターに行くんで、その途中です。な、2人とも。」
「うん!」
「あ、はい。」

以前より口調が明るくなっている。こっちが本来の明なのだろうか。
おそらくは土生が東小だという事を最初から受け止めているからだろうが。
喧嘩が達者な明、そして真夏の日光。2つの圧力が土生に襲いかかり、汗を絞り出させる。
49迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:47:18 ID:liy5uNAV
「明、誰だよこいつ?」
「ん?ああ、野球やっているんだけど、いろいろあってな!まあきにするな!」
「男の方じゃねえ、その2人の女の子が、おまえのなんなんだよ!」
「こいつら、2人とも…すげえ!片方は谷川以上なんじゃね!?」
「ば、馬鹿!」

何の話だろう、首をかしげる。
もっとも、内容がばれると豪速球と周り蹴りが飛んでくる可能性もあったが、土生がそれを制す。
…げんこつで。

「てっ…いてえよ、明!」
「今日の学校でも痛い目にあったってのに、まだ俺たちを殴らねえと気が済まねえのか?」
「え?学校…って、今日日曜日なんじゃ…」
「何言ってんだよ、今日は参観日だぜ?3時間目に親が来て、それから下校だっただろ。」

一瞬、頭が真っ白になる。
確かに今日は参観日なのだが、父親が出張中という事もあり理奈の頭から完全に離れていた。
なお、1時間目の前後で国東も含めいろいろあり、3時間目の千晶の変貌ぶりには保護者も少し戸惑っていたとか。
(『はじめての日』と同じ時間帯だが、つじつま合わせの完全オリジナル設定なのであしからず。)

土生とユキは東小なのでもちろん休みなのだが。理奈は完全に固まった。


「お、おい…まさか、知らなかったとか言うんじゃねえだろうな?」
「…。」
「理奈!?」
「今日言ってた用事って、参観日の事ですよね。なんで行かなかったんですか…」

ユキにまで突っ込まれる。どちらにせよ、理奈の頭は完全にショートしていた。
そんなとき、偶然ショートの赤松が通りかかり。

「ん?土生さん!ラリナ!」
「お…?あ、赤松!おい、ちょっと来てくれ!」
「な、なんです?」

チーム内では橡浦に次ぎ、土生と同等の俊足を持つ快足を飛ばす赤松。
汗をふきだしながらたどり着くと、土生の質問一閃。

「なあ、お前確か西小だったな!今日参観日あったの、本当か!?」
「そうですよ!ラリナのいる5年生のフロア探したのに、今日はどこにもいなかったんですよ?
 聞いたら休みだって言うし…風邪じゃないんですか!?」

光陵リトルで、理奈を除けば唯一の西小である赤松。
赤松が1年下だが、理奈がリトルに入ってからは暇を見つけては会っている。

「…ど、どうしよ…」
「と、とにかく、もう終わったことはしょうがないからさ、な?」
「明日…先生になんて言おうか…」
「か、風邪ひいてて親もいなかったって言えばいいんだよ!
 電話できなくてすみませんでした、ってさ!」
「雅人くん(=赤松)に風邪ひいてないってばれてるのよ!?」
「そんなもん関係ねえだろ!赤松、このことはだまってろよ!」
「は、はい!」

パニックとパニックの応酬。
参観日なんて言わない方が良かっただろうか。明は何とも言えない顔をするしかない。
50迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:48:37 ID:liy5uNAV
「はあ…ふう…だ、大丈夫、だよね!」
「ああ、だから落ち着け!」
「そうだよ、ラリナ!だったら俺が見舞いに行ったって先生に言っておくから!」
「と、とにかく何か食って落ち着こうぜ!31円アイスで頭冷やすぞ!」
「は、はい!」

4人がコンビニになだれこむ。
その姿に呆然としながら、外からコンビニ内部を覗くと。
両手にアイスの千晶と理奈がぶつかり、レジ前でパニックを売る羽目になっていた。

「あーあ…あぶねえなあ。」
「何とかアイスは落とさなかったか。」
「さすが谷川。食べ物の執着心。」
「やれやれ…谷川の胸といい、あの2人の胸といい、今の騒ぎといい…」
「そういや、さっきも明が言ってたけど、谷川の胸って…」

慌てたり、謝ったり、戸惑ったり。
そんなこんなでなんとか千晶達数人は店内からクーラーの冷気とパニックの余韻と共に出てきた。

(なんだったんだろ、さっきの子たち。危うくボクのアイス2つが…)
「いちきろ……いちきろぐらむ……」
「谷川……お前ってやっぱスゲーな!」
「へっ……?」

無論『国境地帯』の作者にとって、作中にこんなトラブルがあったなどとは思いもよらなかっただろう。
正直、つじつま合わせや話の流れをつくるのに大変でした、ハイ。

「でも、作中に1ヶ所、『平日』って書かれてるよな。by明」
「無理に世界観共有しようとするからこうなるんだよ。by土生」
「もうそういう突っ込みとかなしね、
 2日という短い設定の中に3話もぶち込む無茶を人に言ってよ。by暴走ボート」
「知らないわよ。感想の代わりにクレームが来たって。byラリナ」

…。


アイスとクーラーに体だけではなく意識も冷やされ、何とか落ち着いた。
31円アイスに舌鼓を打ち、コンビニを出るころには明たちはおらず、ようやくバッティングセンターへ。

「ふっ!」 パキーン!
「ふっ!」 カキーン!

一瞬で吐き出す呼吸。気持ちのいい打球音。
この流れが土生の理想の打撃を作り出す。130kmのボールを軽々と打ち返す。
周囲の人間も土生のバッティングに見とれている。

「すごい…」
「ね?しょ…土生君はすごいんだから!」
「土生さん、次俺の打撃見てもらえます?」
「ああ。」
51迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:49:10 ID:liy5uNAV
いつもはチーム方針から、赤松たち下っ端の選手には守備練習に特化したメニューを組んでいる。
当然バッティング練習はさせてもらえないが、今日は楽しむために、遊ぶために来ている。
土生も今日は何も言ったりはせず、バッティングを見てやることに。

「少し脇が甘いな。もっと閉めろ。」
「あ、はい!」
「あと、スイングの軌道が少しぎくしゃくしてるな。
 スムーズにバットを動かすために、バットを縦に持たずに少し寝かせて持ってみろ。」

パキーン。


…スカッ、…スカッ、

「…理奈、お前には何も言う事はない。」
「わーん!」

投球は一流、守備も軽快にこなしたりと、ここまでは普通の男子よりよっぽどいい選手。
…打撃は、箸にも棒にもかからない。これが光陵リトルのエース、野村理奈。


「打てるかい?」
「えっと…見よう見まねでやってみます。」

打席に立つ。
ここのバッティングセンターはケージの外からもボールの操作を出来るようになっている。

「まずは…100kmかな。速いかな?まあいいか。」
(脇を閉めて…脚は開きすぎずに…バットは立てずに斜めに…)

先ほど赤松にアドバイスしていた土生の言葉、
そして、見ていた赤松や土生のフォームを思い出す。

(お、割といいフォームじゃん。)
(ふん、どうせ素人なんだから、あたしより下手に決まってる!)

100km/hの軟球が、飛び出してくる。


カキーン!


…ドン。


打球音と…『ホームラン』と書かれた的に当たる音。
それは即ち、周囲を驚きの渦に巻き込む音。

「な…嘘だろ…」
「い、今の打球…」
「土生さんでも、あんな鋭い打球は…」
「ま、まぐれよ、どうせ!2球目は豪快に空振り…」
52迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:50:02 ID:liy5uNAV
カキーン!


「…当たったよ。」
「…当たったな。」
「…当たったね。」

土生、理奈、赤松。驚き3兄弟。
そして、イタズラで球速をアップさせる三男・赤松。

(ひひひ…球速を120に…!)

ボール発射。

(速い!?)


カキーン!


「…当たったよ。」
「…当たったな。」
「…当たったね。」

土生、理奈、赤松。驚き3兄弟。
遂には、イタズラで球種を変更する三男・赤松。

(…な、ならば、変化球MIX!)

ボール発射。
ユキは左足を踏み込むが、その直前、ボールが斜めに落下。

(あれ!?)


カキーン!


「…当たったよ。」
「…当たったな。」
「…当たったね。」

土生、理奈、赤松。驚き3兄弟。
もはやいたずらの手段もなくなった三男・赤松。
女の子が快打連発、この事実に周りにいた他の人たちも、驚き兄弟と化していた。


空振りはおろか、打ち損じすらほとんどなかった。
120kmの後の80kmくらいのチェンジアップすらうまく打ち返していた。

「すごいな…」
「なによ!どっかで野球やってたんでしょ!」
「そうだそうだ!俺が球速変えたり、変化球混ぜたり、緩急したのによ!」
「あ、いえ、単に無我夢中でバット振っただけで…
 ボールが曲がったりもしたけど、慌ててその変化に合わせて…」

もうこれは天性の打撃センスを持っているとしか言いようがない。
空手で4段を取っただけあり、運動神経は抜群、と結論付けるしかないのである。
53迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:50:51 ID:liy5uNAV
(ええい、みてなさい!こうなったらあたしのすごさ、見せつけてあげる!)

ストライクゾーンの中を9つに分け、番号がふってある。
そこにいくつボールを当てられるか、というピッチング競争。
一番手はもちろん、本職が投手の理奈。

「は、はやい…」
「だろ?あれがうちのエースのラリナさ!」

(なんだ?あの女の子…)
(おっぱい大きいけど、それ以上になんだ、あのストレート…)

周りがざわつく。
110kmを大きく超える豪速球。それを子供、しかも女の子が操っているとなれば、当然の運び。
ピッチャーとしてのコントロールは悪いが、それでも12球投げ、9マス中6マスが命中。


「あれ、あまり当たらない…」

赤松の球速はそこそこ。一般人と同じくらい。
当然コントロールもままならず、結果は9マス中3マス。…そして。


「てりゃ!」
「そりゃ!」
「おりゃ!」

…。

「な、なんでだよ…」
「ま、まあまあ。しょ…土生君、しょうがないって。」

12球全部外れ。しかも枠にすら当たらないという超ノーコン。
ピッチャーとしての才能は0に等しい。

「で、最後はユキちゃんか…行って来いよ。」
「あ、はい。」
「バッティングであれだけの打撃を見せたんだ、あのセンスを持ってすればそこそこは…」

ビュッ!ドン!

「…え?」
「な、なんだよ、あの速さ…」
「理奈には負けるにしても、110は超えてるんじゃないのか?」

ビュッ!ドン!ビュッ!ドン!ビュッ!ドン!

「…っ!」
「10球で全部…当てやがった…!」
「あたらかなかったボールも、最後に残った的の横スレスレ…」

とんでもないコントロールである。
プロでも9分割のストライクゾーンを思い通りに操れる選手はほとんどいない。

「お、おまえ、どこかで野球を…」
「い、いえ…理奈さんのフォームを見よう見まねで…」

確かに理奈のオーバースローは理想的なフォームではある。
だが自分にフィットするフォームは人それぞれであり、仮にフィットするフォームだとしても
一朝一夕で自分のものにする事などとてもできない。
54迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:51:25 ID:liy5uNAV
「むーっ…」
「理奈、そう怒るなって…」
「なんでよ、なんでなのよ…」
「だーいじょうぶ、ボールの速さだけならお前の方が早いんだ、」
「…速さだけ?」
「う。」

3時はおやつの時間。ファストフード店で思い思いに頼んだメニューにかじりつく。
向かって右側の席には理奈と土生。店内の一部の人から、やはり胸に目線が来る。

「速さだけって…速さは重要だぜ?
 ユキのボールは確かに早いが、あの速さのボールを投げる選手はほかにも何人かいる。
 だから、あのボールを打てる選手もたくさんいる。
 …でも、理奈ほどのボールならほとんどだれも投げられない、誰も打てない。エースは理奈だよ。」
「しょ…土生君。明日からまた練習よ。」
「…あ、ああ。やる気になるのはいいことだ。」

向かって左側はユキと赤松。
ユキの胸も大きいが、理奈のおかげであまり目立っていない。

「でもすごいね、あんなに野球がうまいなんて。うちのチームに入るんだろ?」
「うん。明日から。」
「俺も数少ない4年生さ、よろしく!」

口数は少ないが、最低限の会話はきちんとする。
ユキのコミニュケーションについてもとりあえず問題はないだろう。

しかし、もう1人の女性選手とのコミニュケーションは、どうだろうか。

「明日からよろしくです、理奈さん。」
「ふん、まあ、上下関係はしっかり守るこtあいたっ!」
「リ・ナ〜…焼きもちはその辺でな…」
「なによ!いいじゃない翔!こっちが1つ上よ!」
(え、ショウ?)

赤松の目の前で2人でいる時の土生の呼び名。
非常にまずいが、今はそんな事は二の次である。

「こうなったらユキ、勝負よ!」
「え?」
(あーあ…ったく、理奈の奴…)
(だから、ショウってなんなんだ?)


で、結局街からグラウンドに戻ってきた。

「ったく、どうするつもりだ、理奈。」
「あたしとユキ、交互に互いの球と勝負して、多くヒットを打った方の勝ち、単純かつ明快な勝負でしょ?」
「…。」
「…。」
「何、どうしたの?」
「ラリナ、すごく単純かつ明快かつ…簡単に勝負がつくよ。」
「理奈。お前がピッチャーの時ユキちゃんを抑えられるのはともかくとして…
 お前、確実に打てないぞ。」
「ラリナ。90kmも満足に打てないのに、打てるわけないだろ。
 ラリナの球もそうそう打たれないけど、いつかヒットの1本くらい、ユキなら打つよ。」
「…。
 ええい、翔!雅人!力を貸して!」

2人が戸惑う中、赤松をショートに、土生をセカンドに移動させる。
55迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:52:33 ID:liy5uNAV
「こっちの守備はあたしと翔と雅人君のみ!
 あたしがストライクを10球投げる!
 そのうち、内野安打でも何でも、1回でもファーストにたどり着けたら、ユキの勝ち!」
「え?でも…」
「おい理奈!外野に飛ばされたら終わりだぞ!内野も2人だけじゃ、ファーストとサードのホットコーナー付近は…」
「任せなさいって!
 外野に飛ばさせない直球が、あたしの武器!迷わずストレートを投げ込めば、あたしは勝てる。」
「ラ、ラリナ…」

バッティングセンス抜群のユキ。理奈のストレートに十分ついていくポテンシャルはある。
どう見ても不利だが、土生はやれやれと思いつつ。

「ま、好きにやらせてみようや。負けたところで何があるわけでもなし。」
「翔!あたしが負けるとでも思ってるの!?」
「いや…相変わらず面白い奴だなって。さ、投げろよ。」
「うん!ユキ、準備はいい?」
「…ええ。楽しみです!」

いろいろごちゃごちゃあったが、勝負となればユキもやる気になる。
先ほどの構えを思い出し、バットを掲げる。

(でもね。
 エースとして、そう簡単に打たれるわけにはいかないのよ!)
(速い!)

ホームベースを通過し、後方のフェンスに激突。

「どうよっ!」
(ユキでも手が出ないか…でも、あと9球もあれば、合わせてくるはず。)

ギューン…ガシャン!
ギューン…ガシャン!

(すごい、ラリナの奴2球連続で空振りを…)
(…。)

キン!ガシャン!

(だがやはり、タイミングが合ってきたか…
 ファールボールが後方のフェンスに一直線という事は、タイミングが合っている証拠だ。)

カキーン!

「まずい!」
「いや、これはファールだ。」

打球がサードベンチの向こう側に飛んで行く。
そろそろ打球が前に飛び出してくる頃。ここからは土生や赤松に対するウェートも大きくなる。
56迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:53:11 ID:liy5uNAV
「えいっ!」
「セカンド!」
「理奈!お前もベースカバーだ!」
「あ…そっか!」

センターよりのセカンドへの打球。
ファーストがいない以上、理奈がベースカバーに入るしかない。

「!?…速い!」
(打ってからのスタートダッシュも早いし、あきらめずに全力で走ってやがる!
 スポーツへの真摯な姿勢もかなり強い!)

何とかベースカバーに入りつつ、送球を受け取る。

「ふう…間一髪。」
「理奈、ユキちゃんが右打ちだから良かったものの、左打ちだったらセーフだったかもな。」
「う、うるさいわね!あと4球、全部空振りよ!」

だが、何球もそのストレートを目に焼き付けたユキに、もう空振りはあり得なかった。

「しまった、がら空きのサード方向に!」
「理奈!いいからベースカバーだ!」
(本来ならサードがとる打球…でも、これだけショート寄りなら!)

逆シングルで取り、右足でフルパワーで踏ん張り、大遠投。

「ラリナっ!」
「ナイスキャッチ!」

少々危なかったが、なんとかラリナもキャッチ。
元から守備範囲はかなり広く、最近は特訓の成果も出て守備の確実性も増している。

(守備で一番成長を見せているのはこいつだ。
 もともとセンスはあるし、時間をかけて教えればバッティングも橡浦クラスに匹敵する。
 足も俺に迫る速さだしな…)

8球目も真っ芯で捕らえる。センター前へ抜けようと言うあたり。
赤松が飛び付くも、抜けて行く。

(だめだ、追いつけない!)
「まだまだ、そんなんじゃ甘いぜ、赤松。」
「え?」

土生が飛びついて捕る。

「え?」
「理奈!捕れ!」

そして倒れこんだ不安定な体勢のまま、送球。
だが、ボールは理奈のグローブへ一直線。完璧なコントロール。

「あと2球だ、理奈!」
(すごい、ピッチングはあれだけノーコンなのに…)

野手としての感覚が身についているのだろう。
ピッチャーのように、ゆったりした、体勢の安定したマウンドで自分のタイミングで投げるよりも、
体勢的に不安定な、ぎりぎりの状態での送球でこそ、精神が研ぎ澄まされ、土生の真価が発揮される。
57迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:54:18 ID:liy5uNAV
(けど、もうだいぶ慣れられてしまった。
 2球とも完全に真っ芯でとらえられてたし…)
「赤松。状況だけで勝ち負けを判断するのは、どうだろうな。」
「え?」
「理奈とユキちゃんの決定的な違い。それは、野球に対する経験、そしてプライドだ。」

ギューン…ガシャン!

「こ、ここにきて空振り!?」
「理奈の中にも、秘められたポテンシャルがある。負けたくないという思いが、さらにボールを加速させる。
 勝負の中では何が起こるか分からない。その何かを起こせる、それが理奈がエースたる所以さ。」

ここにきての空振りに、一番驚いていたのはほかでもないユキ。
知らず知らずにうちに自信を持っていた彼女にとって、この空振りは信じられないものだった。
そして、精神的にも理奈が圧倒的に有利となって…

(うそ…)
(これで決めるわよ、おしまいよ!)

低めぎりぎりいっぱいの素晴らしいストレート。
ユキも必死になってバットを出し、

「当たった!」
「打ちとったが…バウンドが高い!理奈!ファーストに行ってろ!」

高い高いバウンド。土生が構えるが、ユキは俊足。
理奈がファーストに行って思い切り体を伸ばしてグローブを構え、送球を待つ。

「理奈っ!」

理奈に伝わる、ボールの感触。
それとほぼ同時に、ベースにユキの足が踏みつけられるのを感じた。

…。


「アウト!」
「セーフでしたよ。」
「アウトったらアウト!」
「どう見てもセーフでしたって。」

「さっきからあんな調子ですね。」
「ま、いいんじゃないか?頼もしい仲間が加入したところで、春の前哨に意気揚々と乗り込めるわけだし。」
「ですね。」

その言葉に気が付く女子2人。
この2人は当然、リトルリーグの大会に出るのは初めて。ちなみに赤松もだが。
58迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/08(月) 19:56:42 ID:liy5uNAV
「春の前哨戦?」
「言ってしまえば全国大会のない大会だな。まあ秋の大会の前座ってところか。2週間後にある。」
「え?もうそんなに早く!?」
「おめえら2人にかなりのウェートを示させることになるが、…まあ頑張れ。
 この大会に本気になってるリトルもあれば、全力でやらないリトルもあるがな。
 本番は全国大会にいける秋の大会、それまでに経験を積む上では、重要になってくる。」
「県内一を目指して、みんなで頑張っていこうよ!」

秋の大会は知っていたが、春に大会があるのは全く知らなかった。
だが、そうときまれば練習あるのみ。

…練習、あるのみなのだが…

「だからって、もうちょっとメニューを軽くしてよー!」
「コラ立て、理奈!ほかの奴もだらしがないぞ!」
「う…うえーい…」

翌日。ユキがチームに加入し、すぐにチームに溶け込んだ。
チーム自体が溶け込みやすい体質であり、女性選手という点も理奈がチームにいる地点で違和感はみじんもなかった。
…そのユキは、ほとんどへばっていない。

「…はあ…はあ…」
「ユキちゃん、君はまだまだ行けそうだね。」
「ええ、まあ。」
「てめえら、まさか新入りに負けるつもりじゃねえだろうな!」
「な、なにを…」

全員立ちあが…らなかった。
白井だけはうずくまったままである。

「おい、白井!お前も立てよ!」
「あ、ああ…」
「待て!白井、脚を見せろ!」
「え?…うあっ!」

足首が赤くなっている。
内出血を起こしている、おそらくは打撲か捻挫の類だろう。

「どうしたんだ!」
「いえ、さっき練習が一段落ついて倒れこんだ時に、」
「変に倒れこんで足をひねったってわけか。病院行って来い。」
「いえ、まだまだ…」
「ダメだ、さっさと行け!」
「!…はい…」

根性を推奨する土生だが、怪我には相当気をつけている。
打撲やねん挫ならその場の応急処置で本来は十分だが、念のために監督と一緒に病院に行かせた。

「不思議ね、土生君。
 普段からあれだけ根性と練習量を前面に押し出すのに、怪我にはこんなにも…」
「そんなに意外だったか?
 俺は怪我しないようにメニューを組んでいるはずだが。」
「いや、こんなに練習がきついと怪我の1つもしちゃいそうよ…」
「練習の仕方、メニューにさえ気を使えばいくら練習したって怪我はしない。
 逆を言えば、怪我の原因は練習の仕方やメニューの組み方に問題がある。
 …まあ、試合のアクシデントだけは、どうしようもないけどな。」

土生が何かを思い出したようにうつむいた。
過去にいた選手?それとも自分自身?土生君の過去という黒い影、もっと知りたいよ。
59暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/08(月) 19:57:29 ID:liy5uNAV
投下完了。

名無しさんXさんと俺との二本立てでござーい。
60名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 20:03:25 ID:s9OA8DjJ
二人とも乙!
リアルタイムで見てましたw
61名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 23:07:18 ID:0EMAPCyi
>>国境を越えた夜に
スゲエ展開w つぎはだれの濡れ場を!?

>>新たなストレート
整合性より勢い!! 良いと思います。

どちらもGJでした!!

62名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 14:09:59 ID:EbmItLqJ
Wgj!!
63名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 18:38:50 ID:isV2DpN6
↑sageは半角小文字のほうが…
どちらもGJ!!
つかもはや二次スレだな…。
64名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 13:47:56 ID:fss0+BQf
この流れじゃ本番ありの純粋エロはスレ違いになりそうだ…
65名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 14:01:36 ID:Comt/ljh
んな事はないでしょ
住民は色々な作品楽しみに待ってます
66名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 14:40:59 ID:Y0nBmB82
種の多様性はそれこそが強さだからな
質量ともに充実するなら歓迎
67名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 18:33:07 ID:yLpdwK7U
本番歓迎だが今の流れも好きだ。
SSに挑戦したくなる。
68名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 18:26:45 ID:zF+4ZRZ2
ある小学校の足のサイズデータ

       最大      最小      平均
女教師  24.0cm  21.0cm  23.1cm
小6女子 26.5cm  22.5cm  23.8cm

大人の女教師がみんな小学生に負けてるよ。

69名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 18:44:50 ID:zF+4ZRZ2
足フェチの人は精神年齢が高めだと聞いた。
下に向かえば向かうほど精神年齢が高くなると聞いた。
70名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 19:15:50 ID:gyMxOT0L
つまり胸の巨乳に集中しているこのスレ住人は、
今なおみずみずしい小学生の心を失っていないということだな
71名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 00:04:07 ID:wKTCyjD8
>>68
小萌先生が近所の巨乳天然ロリ姪っ子に幻覚みせられて、
「もう大人なのにぃ・・・おとなぁ・・・かふっっ」
とかイッチャって延々といじられつつ、その子はこれまた天然で、童貞の幼なじみの子に処女を奪われるも、最初からあえいじゃうんですね、

先生、前が妄想でよく見えません。
72名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 03:21:55 ID:XRuqnKnr
>>69
髪フェチが最も幼いんですか
73名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 04:20:28 ID:J8xM+yim
胸に固執するのはアジアに多くて、欧米は尻が好きとは聞く。
確かにスパンキングとかは洋物ばっか。
74名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 07:08:19 ID:1zi5GFoD
コピぺに反応しすぎ。
75名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 16:57:11 ID:R7kxRhAq
保守ついでにSDS◆cStOEcFYHcさんと暴走ボート◆z95s/qs7OMさんに質問します
3サイズとかいくつくらいなのでしょうか?
SDS◆cStOEcFYHcさんに登場した4名
白瀬紗英
嶋野理沙
宮田桜
芹沢綾女
暴走ボート◆z95s/qs7OMさんに登場した2名
野村理奈(ラリナ)
ユキ
計6名のスリーサイズとかどれくらいかなって気になります。
もし差し支えなかったら設定資料集その2とかで公開してほしいとおもいお願いします

おまけに
現在小説で陰毛の有無について
ラリナ(パイパン)
千晶(パイパン…ただし外伝設定)
歩美(濃い…ただし外伝設定)とかなんで陰毛描写とかや
男の子のおちんちん
明(大人並みで12cm位)とか少し興味があります
76名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 17:17:18 ID:JK79iKH4
>>75
SDSさんはそういう細かい数字は苦手とか言ってたような。
宮田桜は決闘少女空間でそのうち出るって話がなかったっけ?
77名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 18:22:54 ID:FRH4ZYKE
紗英はちょろり希望!!
あとはパイパンかな・・・
78SDS◇ ◆cStOEcFYHc :2008/12/12(金) 20:03:17 ID:+stg17w3
おいおい設定したいと思います… 来週中には投下予定。またエロ無しかも…
79名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 23:04:39 ID:1zi5GFoD
巨乳高校生(中学生)スレ立ったな。
80名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 07:37:15 ID:gD5a0HFw
>>79
どうやって盛り上げていくつもりなんだろうな……?
81名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 11:24:30 ID:48jLXqxi
ここの卒業待つとか?
82暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/14(日) 17:00:05 ID:SPeV5TE6
書けるかな?
83暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/14(日) 17:01:55 ID:SPeV5TE6
↑規制を喰らっておりました。

>>76
俺は結構そういう細かい設定を決めるの好きです。
登場人物紹介でも書こうかな。
でも、それを書くためにもう1つやっておかなければならないことがある。

ただ、スリーサイズなんてわからないぞ…
下手に数値を誇張してしまうとそれこそ大変なことに…
84名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 20:59:07 ID:9kuDm9EV
美少女、バストカップ数測定スクリプト
ttp://www.d9.dion.ne.jp/~ne1gi/bustcheck/cupchecker.html

貼るべしと言われた気がした
85名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 21:18:13 ID:ozlf/xGg
これ前スレでも出てたなw
86暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/15(月) 20:54:28 ID:RQH0fr2e
>>84
ありがたい。さっそく使わせてもらった。


とりあえず、新章投下。
87迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 20:56:49 ID:RQH0fr2e
「あの事件ですか?もういいじゃないですか、俺達には関係ないし。」
「まあ、関係はないがな。…だが、同じ悲劇をお前たちに起こさせるわけにはいかないだろ。」
「そりゃそうですけど…今になってもまだ引きずっている姿は、見たくないです。」
「な、何の話?」

橡浦や山下は何か知っているようである。
土生とともに、去年ベンチ入りしていた4年生は他にはこの2人しかいない。

「実はな姉御、姉御はリトルには女性選手で名を残したとか、今活躍した選手は皆無と思ってるかもしれないけど。」
「え?うん。」

理奈は女の子はリトル選手としては不利な立場と考えていた。
なぜなら、女性選手で活躍した話を聞いたことがなかったからである。

「でも、いたんだよ。昔、男子に交じって活躍してた選手が。
 …巨神リトルに。」
「そ、そのリトルの事は…!」
「赤松。確かに俺達は巨神に仲間を奪われた。だが今は、巨神のとある女性選手の話をしたいだけだ。」
「え…まさか、1年前に移籍した4人の選手って…」
「まったく…話がどんどんややこしくなって行く…まあいいや、理奈、順に話すから黙って聞いとけ。」



―1年前・光陵vs巨神の練習試合―

「おっしゃあ、いいぞ新井!」
「すげえ、巨神とここまでいい勝負できるなんて…」

2点負けていたが、新井のタイムリーで1点差。
だが、後続は続かず、この回は追加点ならず。

「あっちゃあ、ツーベース…」
「ドンマイ西村。つぎ抑えろよ。」
「次は…ん?代打か?」

巨神の監督が代打を告げる。
6番の選手に代打を送るのだから、かなりの選手なのだろう。

「6番代わって、代打・緒方!」
「緒方…どんな選手なんだ…って!え!?」
88迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 20:57:36 ID:RQH0fr2e
髪が長くくりっとした可愛い目。
胸も膨らんでるのがしっかりと目視確認でき、くびれや骨盤、下半身の膨らみ具合。

どうみても、女の子。
バッターボックスに入ると、腰を数回振り、膝と腰を曲げてバットを縦に揺らしながら構える。
腰の振り様は色気すら感じる。

(ど、どう言う事だ?)
(とにかく西村、いつも通りに投げろ、それでいい!)

白濱がアウトコースに構える。西村も白濱も、…無意識に弱気になっていた。
そして緒方は―その女の子は―アウトコースからシュート回転して甘く入った失投を、見逃さなかった。


…。

「6回の表まで終わって、6−2…」
「あの緒方って女の子が出てきて、全てが変わったな…」
「右中間に抜けそうな当たりをとられて、さっきの2ランに続いてタイムリーも打たれたし…」

緒方に全ての流れを変えられた。
結局逆転どころか突き放されるばかり。

「やばい、2アウト…何とかしろ、土生!」
「このまま終わって…たまるかよっ!」

初球を振りぬくと、打球はセンターへぐんぐん伸びる。

「いったか?」
「やばい、緒方が追いついてきてる!」
「抜けろー!」

激しい衝撃音とともに、緒方が倒れこむ。
審判が確認に行くと、

「アウト、アウトー!」
「ああ…」
「ちっ、だめだったか…ん?」

緒方が起き上がってこない。
フェンスにぶつかって、どこかを怪我したのか。

(おい、大丈夫か!)
(しっかりしろ、緒方!)

―――。
89迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 20:58:12 ID:RQH0fr2e
「後日調べたところ、緒方は抜群のセンスを持っていて、不動の1番だったらしい。」
「巨神の1番…」
「理奈同様いろんなリトルを回った物の女だからと受け入れてもらえずに、
 結局巨神に入ったのは5年生になってかららしかったがな。
 すぐにレギュラーに上り詰めて、あの日がデビュー戦だったらしい。」
「なんで試合に遅れてきたんだろう…」
「それに深い意味はない。単に親戚の法事で遅れてきただけらしい。」

だが、問題はそんな事じゃない。その後緒方がどうなったか、という事である。

「その緒方って人は、どうなったの?」
「…フェンスにぶつかった際、左膝の皿が割れたらしい。
 とにかく、緒方は大怪我をして、その後グラウンドに戻って来たという話は聞かないな。」

かなり残酷な話である。
西村や二岡達、4人なら何か知っているかもしれないが、連絡方法など分かろうはずもなく…

「目の前であんなの見せられちゃ、怪我に過敏になったって、当然だろ。」
「う…。」

全員が静まり返る。
こんな状態では、気の入った練習などできない。

「悪い、変な話聞かせちまったな。」
「それで、巨神に仲間を奪われたってのは…」
「何となくわからないか?あの4人を奪っていったリトルが、巨神だ。
 あの練習試合のすぐ後、あの4人をスカウトし、連れ去っていった。
 おそらく、練習試合でその高い能力を見てほしくなったか、緒方の代わりが必要だったのか…
 …もういい、今日は最後にランニングをして、あがるぞ。」


堤防の上のコンクリートの道を走る。
土生、理奈、橡浦、そしてユキは余裕の表情だが、

「…待ってくれー…」
「どこまで走る気だー…」
「お前ら、遅れるなー!」
「へーい…」

しばらく走っていくと、向こうから同じくらいの年の女の子が走ってきた。
そして近付くと、土生がある事に気付いた。

「…?
 ちょっと先を走ってるな。」
「え?ちょっと…」

さらに距離を縮めると、土生がその女の子に話しかける。

「(あの時少ししか姿は見えてなかったけど…間違いない!)
 おい、君!ちょっと止まってくれ!」
「…何?」

女の子が土生の呼び掛けに応じ、止まる。
90迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 20:58:44 ID:RQH0fr2e
「お前、緒方だろ?」
「…それがどうしたって言うのよ。」
「そうか!1年前に姿を消してから行方が気になってたけど…ここにいたのか!」
「…何?巨神の奴?」

あんまり友好的な雰囲気とはいえない。
だが、土生はずっと気にかけていたのか、いろいろ聞き出そうとする。

「いや、そんなんじゃないけど…」
「巨神以外のリトルの選手で、わたしを知っているやつはいないはず。」
「練習試合に出たのが、一度だけだからか?でもその練習試合の相手が俺だったとしたら、どうする?」
「!
 …そう。そういうことね。」

理奈達も追いついた。
土生と緒方のやり取りを淡々と聞いている。

「あの試合の後、何があったか、聞かせてくれないか?」
「…何で言う必要があるの?」
「それは…。」
「わたしに、あのつらい事を思い出させたいわけ?」
「あ、いや…ごめん。」

完全に手詰まりになってしまった。
緒方はため息をつくと、

「はあ…いいわ、来なさい。話してあげるから。
 そこのファストフード店に行きましょ。お金なら出してあげるから。」
「あ、ああ…」

ようやく全員追いつく。
それを確認すると、緒方達は店に入っていった。
91迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 20:59:56 ID:RQH0fr2e
「で、何を聞きたいんだっけ?」
「怪我の状態や、巨神からいなくなったその後だ。」
「なぜわたしが退団したとわかるの?」
「巨神は県内トップクラスのリトル。そこのレギュラーなら、おのずと名が知れるはずだ。」
「…そう、まあいいけど。」

11人全員が同じテーブルに着くのは不可能なので、
理奈、土生、山下、橡浦、赤松、ユキ、そして緒方が同じテーブルに座っている。

「知っての通り、わたしは膝の皿が割れた。ほかにも靱帯が損傷したりやらなんやらで、
 …二度と野球はできないって、医師から通告された。」
「マジかよ…」
「でも…膝が万全でなくっても、5分くらいなら持つ。
 そう考えたわたしは、代打専任としてチームに残してもらえないか…そう頼んだんだけど…」
「あの監督は冷徹だからな。
 おそらく、戦力にならないと言われチームを追われたんだろう。」
「でもおかしくない?
 プロ野球ならともかく、チームから選手に出て行け、なんて普通は…」
「あのチームならそんな事をしてもおかしくはない…そういう事だ。」

もう1つのテーブルでは全く関係ない話が繰り広げられていた。
書くのもめんどくさいので割愛。

「で、まあいくつかリトルを回っているものの、どこもかしこも女だからって受け入れちゃくれない。」
「でも、さっきランニングしていたって事は、野球をやりたいんだろ?
 見ての通りうちには女子が2人もいる。女子だって当然のように受け入れるさ。」
「…あんたたちのチームに、入れって事?」
「ああ、怪我をしているかもしれないが、少なくとも打撃は健在なんだろ?」
「…気が乗らないわね。」

そこ断るとこ!?
…いや、普通に入らない?そこはさ!

「あの5人のうち、4人がいない。わたしが分からないとでも思ったわけ?」
「!」
「あの時5年生だったはずの彼らに何があったかは知らないけど、
 あのスタメンの9人の中で、優秀な選手はあの5人だけ。…ほかの4人は、言ってしまえば数合わせね。」
「…。」
「今いるのはあんた1人。勝てないチームに、わたしは入るつもりはない。」

勝てるチームを選んでいたら、当然女だからと言って拒否されるのも無理はない。
弱小チームなら女子を拒むことはあまりないが、
強豪だと、ましてや怪我持ちの6年生なら拒まれることは多々ある。

「なぜそこまで勝ちにこだわる?」
「決まってるでしょ?
 あたしを捨てた巨神に、復讐するのよ。」
「なーる…その物静かな態度は、復讐を意味するってわけか。」
「復讐の何が悪い?
 試合でぶちのめす、その何が悪いの?」
「じゃあ、こういえばいいか?俺たちも、巨神に仲間を奪われた。
 さっき言ってた、いなくなった4人。巨神に奪われたんだ。」
「…ふうん。」
「目的は同じ、悪くはないんじゃねえの?」
「…でも、あんたたちが弱かったら復讐なんてかなわない。あんたたちにその実力はあるわけ?」

しめた。
この運びになれば、もうこっちのもんだ。
92迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 21:00:51 ID:RQH0fr2e
「なら、俺たちが相手になってやる。
 それで俺たちの強さが分かったら、俺たちに巨神を倒すための力を貸してくれ。」
「…。」
「一生野球ができないと言われた以上、怪我の酷さも相当のものだろう。
 おそらく、野球を再開しても、その膝は長くはもたない。お前の野球人生は今年限りだろう。」
「花道を作ってやるとでも言うの?」
「人が言おうとしていたことを…」
「そんなのわたしが決める事。勝負したいのなら、さっさとグラウンドに案内してちょうだい。」
「やれやれ…まあいい、戻るぞ。…あ。」

隣のテーブルの連中はまだ食べ終わっていない。
というより、土生達は遠慮の意味合いを込めて水しか頼んでいない。

「まあいい…お前ら、それ食い終わったら各自勝手に解散!」
「へーい!うまいな、これ!」
「はあ…」
「こんなチームが勝てるなんて、到底思えないけど?」

反論できない。
とりあえず、理奈が何とかしてくれるだろう。


「当然ピッチャーは理奈。
 赤松がショート、山下がサード、俺がセカンド、橡浦とユキちゃんで外野を頼む。」
「もろい守備体型ね。」
「これで十分だ!キャッチャーは本来俺だが、人数が足りないから大目に見てくれ。
 3打席勝負でヒットを1本でも打てれば、そっちの勝ちだ!」
「…勝負の勝ち負けより、あたしは内容を見たいんだけど。」
「俺たちに、内容が伴っていれば仲間になれって甘えなんざねえよ!」
「入るかどうかはあたしが決めること。
 まあいいわ、そっちが勝ったら無条件でこのチームに入ってあげるわよ。」

たった6人の守備体型。
対するは、怪我のブランクがあるとはいえ県内最強クラスの強打者。

「それにしても、女子がエースなんて、このチーム本当に人数が少ないのね。」
「自分だって女のくせに。
 見せてあげるわよ、あたしの…」

第1球。

「ストレートっ!」


…。
93迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 21:01:28 ID:RQH0fr2e
(な、何、今の…男子でも、巨神であんな球を投げるやつは…
 去年戦った西村ってやつも、ここまではやくはなかったはず…)
「もういっちょ!」
(くっ!)

辛うじて当てるが、ベンチ前にころころ転がっている。
そして、

「ウィニングショット!」
(速い!)

高めの釣り玉に、完全に引っかかった。
いや、その速すぎる球速に、バットを止める事自体が難しすぎる。

(?…今のスイング…)
「さあ、あと2打席!」
「…ああもう、やめやめ。」
「え!?」
「こっちはブランクがあるのよ、あんまり勝負が長引くと膝にも影響が来るし、このあたりであがるから。」

バットを放り出し、去っていく。

「おい、じゃあこの勝負は」
「だから、わたしは巨神以外との勝ち負けなんてどうでもいいの。
 あんたたちと白黒つける気なんて元からない。さよなら。」

階段を上っていき、去っていく。
それを、ただただ眺めることしかできなかった。

(緒方…何を思っているんだ、お前は?)



結局、翌日以降、緒方は姿を見せなかった。
打撃力が決定的に不足している光陵リトルにとって、
1打席限定とはいえ緒方の打撃力は、代打の切り札として非常に魅力的な存在なのだが。

「探さないの?このあたりをまた走ってるかもしれないよ。」
「無い物ねだりしたところで、しょうがないだろ。
 だめならだめ。そこで終わり。はいおしまい。」

練習の合間の休憩のときも、土生は素振りを欠かさない。
かと思えば、バットをバトントワリングのようにくるくる回す。
94迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 21:02:11 ID:RQH0fr2e
「もー。本気で勝つ気あるの?」
「俺もそう思うぜ。」
「赤松。
 今日からお前も打撃練習をしてもらう。バントと守備は、だいぶうまくなったからな。」
「俺も…打つ、役割を?」
「…やっぱ間に合わないか。そだ、必殺技の練習でもすっか。
 おーい、あとは各自勝手に守備練習してろ。」

緒方と会ってからというもの。
練習内容が奔放になった。土生の様子も何か腑抜けた様子。
もちろんだれ一人練習を手抜いてはいないものの、以前の厳しい練習は影をひそめた。

「赤松はバントの時、右足に体重がかかり過ぎている。
 正確なバントをするためには、本来体のバランスをしっかり保ってないといけない。」
「はい、すみません。」
「だが、それでもそんなアンバランス状態できっちりバントを決める事が出来る。
 だったら、バランスを調整して安定感を磨くより、この短所を逆手に取るんだ。」
「へ?」


緒方を加えた12人という青写真。
それが崩れ去り、優勝から大きく遠のき、どこか以前の土生に戻って、

…そんなのは嫌だ。

「…翔。」
「なんだ?今特訓中だ。(その呼び名は2人だけの時だろ!)」
「…いいよ、聞こえないようにすれば。あたしの親しい人として、今話してるんだから。
 あたしちょっと走ってくる。」
「好きに練習すればいいって言ったろ、なーにが親しい人だ。
 そういう内容ならチームメイトとして…」
「…何も分かってないね。いいよ、許可さえもらえればそれでいいから。行ってくるね。」

土を蹴る音がリズミカルに聞こえる。
なんで理奈はあんな事を?チームメイトとしてではなく、親しい人として…

「…。やれやれ、練習のために走ってくるわけじゃないって事かよ。」

新しい友達を作りたい。
そういう話はチームメイトではなく、親しい人にするべきだからね。



「…とはいったものの…そうそう都合よく見つけられるわけないか…」

うろついている間に、賑やかな所に出てきた。
もっとも、買い物しようにも今は持ち合わせがあまり無かったりする。

…ふと、因縁の場所にたどり着いた。
『スポーツアミューズメントパーク バビッチャ』

「…。」
95迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 21:02:46 ID:RQH0fr2e
ブン!ブン!ブン!

「もう1回!」

ブン!ブン!ブン!

「もう1回!」

ブンブンブンブンブン…


金と引き替えにボタンを押す権利を与えられる、自動販売機。
ボタンを押す権利と引き替えに、ガコンとジュースを落してくれる、自動販売機。

「ぷはぁ…なんなのよ、もう。」
「ひどいスイング。ピッチングとのギャップが激しいにもほどがあるわよ。」
「そうなのよ…って、緒方さん!?」
「胸が大きいせいで必要以上に内角球を怖がり、外角に手を出せない。おまけに内角を捌くこともできない。
 そりゃ打てっこないわよ。」
「…しょうがないじゃないですか…昔はそれなりに打てていたけど、
 前に在籍していたリトルで…」

前に在籍していたリトルでは、監督の目の見えないところで打撃練習させてやるとは名ばかりに、
チームメイトにわざとボールを胸に当てられていたりもした。

「ふーん…」
「…だから必要なんですよ。」
「え?」
「あたしが打てないから、緒方さんの力が必要なんです!」
「…そう。
 じゃあ、わたしからも1つ問題を出そうか。」
「へ?」

問題。
なぜわたしはあの時の勝負を途中でやめたのでしょう?

「えっと、そりゃあ、怪我を悪化させちゃいけなかったから…」
「確かにわたしの怪我の具合はまだよくはないし、守備にも問題はある。
 でも打撃だけなら、3打席ぐらい余裕でこなせるわよ。」

目の前のマシンが空く。
コインを入れて、バットを持ち、構える。

「その答えはね…」
「…!」

飛んできたボールを、カット。
…そのスイングを見て、理奈はその理由にはっきりと気付いた。

「あの勝負、間違いなく負けていた。」
「まさか…スイングが戻ってないって事!?」
「昔なら簡単に飛ばせていたのに、今はちゃんとミートできるのは半分ほど。
 当たり前よね、怪我で下半身にガタが来てて、筋力も落ちて。
 なによりも、そんな状態で、一振りに賭ける代打なんて、無理よ。それにね…」
「それに?」
「わたし、ひとつ嘘をついてた。」

緒方がボールを撃ち続けながら、自分の過去の嘘を告白していく。
96迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 21:03:50 ID:RQH0fr2e
「女だから最初から入団を拒否された、なんてのは嘘なの。
 女だって入団か、入団テストだけならどこのリトルだってやってくれる。」
「え…」
「4年生なら入団テストなんてなくたって入団できるけど、5,6年生は即戦力でないといけない。
 これでも巨神のレギュラー張ってたんだから、表向きには有名でなくても、
 各リトルの監督は、みんなわたしの事を知っていた。」
「…じゃあ、まさか。」
「ええ。
 怪我の状態も知っていた。だから、どのリトルも、怪我の状態の回復さえ見込めれば入団していい、
 そのためにテストを受け、テストの合格を入団条件としてくれた。でも…」

打てなかった。
膝がまだ完全に治っていないのと、衰えている筋力。
そもそも、二度と野球ができないとすら通告された怪我。完全に治せという方が酷だ。

「…単にあたしの実力がないだけ。
 あの時あなたとの勝負を打ち切ったのも、あなたに負けて恥をさらしたくなかったから、
 …巨神への復讐のためにわたしを必要と言ってくれた土生を、落胆させたくなかったから…」
「緒方さん?」

話を進めれば進めるほど、涙があふれてくる。
初めて自分を必要と言ってくれたリトルがある、選手がいる。
…その選手に応えられない自分を責めていた。嘆いていた。

打ち終わって出てきたときの彼女は、もう理奈を正視できる状態ではなかった。

「…でも、それでも野球やりたいんですよね、巨神を倒したいんですよね。」
「え?」
「だって、バット振ってるじゃないですか。ランニングしてるじゃないですか。
 怪我の状態が良くなってから、ずっとずっと練習してきたんでしょ?」
「!」

涙をぬぐいながら、今までの練習を思い出す。

「あたしは信じますよ。
 そのひたむきな努力が、あたし達に、とても大きな力を与えてくれるって。」
「…あなたの、名前は?」
「ラリナ、って、呼んでください。」
「ラリナ、ちゃん…」
「いつでも待ってますから、信じて待ってますから!」

理奈は走って去っていく。希望を胸に去っていく。

彼女に足りないのは、そう、自信だけ。
自分に出来るのは、ここまで。後は彼女自身が強く決断し、光陵に来てくれることを信じるだけ。

…だって、バットを振っている限り、野球をやりたいはずなんだからさ!
97迷わずストレート!『新たなストレート』:2008/12/15(月) 21:04:24 ID:RQH0fr2e
「そんじゃ、今日も練習始めるかー。」

土生ののんきな声を皮切りに、全員が散って思い思いの練習をする。
ベースランニングするもの、ノックを受けるもの、長距離を走るもの…
さて、あたしもピッチング練習しなきゃ!…って時に、監督に呼び出されちゃった。

「え、何ですか?」
「今日お前たちが来る前に、手紙をもらったんだ。
 渡し主曰く、ぜひお前に呼んでほしい、との事だ。」
「え…誰だろ。」
「考えるまでもねえだろ、あいつだよ。」
「あれ、土生君。」

後ろを振り向くと、いつの間にいたのか、翔の姿。
まあいいや、読ませてもらおっと。

『本当にありがとう、ラリナちゃん。
 あの試合の日から、選手として必要だと言ってくれる人が出てくるなんて、思わなかった。
 土生の遠回しに言っていたのも内心嬉しかったけど、
 なんでだろ、あなたのその馬鹿がつくぐらいのかわいさに、単純さに、
 なんであそこまで泣いちゃったんだろ。

 …うん、大丈夫、本番までには間に合わせるから、大会当日にね。』

同じ練習はこなせないから、大会まで打撃に特化したマイペース調整をするつもりだろう。
…そんな事より、もっと大事な事がこの手紙の中には書いてあるが。

「なんて書いてあるんだ?」
「あ、あの、実は…
 緒方さんって覚えてます?」
「1年前、まだあの4人がいた頃に巨神との練習試合で…」
「…ああ、そいつか!」
「数日前その子と会ったんですけど。うちに来てくれることになったんです。」
「…あれ、でも確か…怪我してなかったっけ?」

緒方の過去に何があったかを話した。
もちろん、昨日のバッティングセンターでのやり取りは理奈と緒方の秘密。
元巨神の切り込み隊長が来る、という話に監督は嬉しさを隠せない。

「ほお…
 しかし、打てるヤツが来るのは、嬉しいな。
 そうか、どこかで見た顔だと思ったら、あの子は1年前に会っていた緒方、か…」
「ただ、私たちと合流するのは、大会当日になりそうなんです…」
「かまわんさ、1年前のあの姿は、未だ記憶に残ってるよ。」
「…しかし、怪我であいつの打撃が衰えてなければいいんですがね…」

数日前の理奈と緒方の対決で、緒方のスイングが鈍くなっていることを土生は見抜いていた。が、

「大丈夫だよ土生君!絶対に、大会までに間に合ってくれるよ!」
「…まあ、理奈がそう言うなら信じるか。監督。大会のメンバー登録に…」
「ああ、加えておくよ。」

これで大会の布陣がそろった。
監督にさっさと練習に移れと言われると、手紙を携えたまま理奈と土生がブルペンへと向かう。

(この汚れ…塩?)

手紙についているへこみ、そして無機物。
手紙の内容も、手紙についている汚れも、理奈と緒方以外は誰も知らない。
98暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/15(月) 21:05:19 ID:RQH0fr2e
投下完了。
次回いよいよ試合。

…この章はエロがまったくもって0だったな…
99名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 21:26:35 ID:zr03YE6t
ここまで来ると、いつかエロになるのが逆に恐ろしい。
登場人物の若さゆえ、その純粋さを感じてしまうw
100名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 21:51:20 ID:H1DKXhAv
GJ!!
ドラマが面白くてこそ、エロも映える。緒方は
学校どっちなんだろ?
次回にも期待。
101名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 18:06:47 ID:OFFInKhr
gj!!
102暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/16(火) 23:37:05 ID:5yCtyvpZ
緒方の設定はまだ考えてなかった…

SDSさん、次回ちょっと白瀬紗英を借りたいのですが、
よろしいでしょうか?
(そういえばSDSさんもラリナを使うと言ってたっけ)
103暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/16(火) 23:43:19 ID:5yCtyvpZ
緒方の設定はまだ考えてなかった…

SDSさん、次回ちょっと白瀬紗英を借りたいのですが、
よろしいでしょうか?
(そういえばSDSさんもラリナを使うと言ってたっけ)
104名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 06:50:48 ID:0sKFVx1c
>>暴走ボート様
GJでした!!


…実は今週投下予定の拙作『秋風…』に、つい展開上、土生くん出しちゃってるんです…(ラリナちゃんは後編で登場願う予定でした。)そのうえで問題なければ、宜しくお願いします。事後承諾になってしまい、申し訳ありません…

105暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/17(水) 11:20:40 ID:ygOCtM+X
>>104
SDSさんですよね?いや、名前が書いてないもんだから(ぁ

全く問題ありませんよ。
むしろ、理奈を出して土生を出さないってことに個人的に違和感があったくらいで。
こっちも紗英をありがたく使わせていただきます。
106名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/17(水) 16:20:15 ID:z8xivPqd
新作書いてみたのですが一つだけ許可を取りたいので…。

暴走ボート ◆z95s/qs7OM様直接こちらからお願いするのは初なので
改めてはじめまして名無しさんXです。

お願いの前に
>>44の返信を
歩美のお兄さんがオタク趣味がある事以外わからなかったのでエッチに書いてみました。
エロ絵だけじゃなく恋人同士にならないという前提でいろいろ体触らせてるというのは
あくまで私のファンジンでselJPZyjjY様の想定する歩美のお兄さんではないですが
実際結構仲良しなんだろうなとも思って書いてみました。

それと念の為元ネタ公開
轟!男ゼミナール 校長枝岡兵三郎=魁!男塾 塾長江田島平八
家庭ティーチャーアサシンリヴァイブ=家庭教師ヒットマンリボーン
紗那=沢田綱吉(ツナ)響=笹川京子 など性別反転

シバケンと白瀬紗英がこれからラブイチャや凄いからみとか期待してます。
SDS ◆cStOEcFYHc 様!

で暴走ボート ◆z95s/qs7OM様改めて本題なのですが
拙作「キャッチ」シリーズの女性主人公と貴方の作品「ストレート」シリーズの主人公
野村里奈(ラリナ)と幼馴染という設定にしたいのですが宜しいでしょうか。
まずいようでしたら少し訂正して改めて発表しますので、貴方の方から返事が出来る時でいいのでご返信ください。
ではひとまずこちらは落ちますね。
最後に凄い素敵でした「新たなストレート」では失礼を…。
107暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/17(水) 17:12:56 ID:i6PhFoge
里菜ではなく、理奈です;
自分のHNを間違えられるのはいいのですが、
自分で作ったキャラを間違えられるのは…まあどうでもいいですね。

>念の為元ネタ公開
ご丁寧にどうも。
ただ、説明されたところで、全く分からなかったり(ぁ

>本題
かまいませんよ。
ただ、理奈が母親と別々に暮らしていることとか、
ずっと野球とともに成長してきた、と言う事はしっかりと残しておいてください。

後ほど投下します。
ただ、予告と違いまだ試合じゃないですけど;
108名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/17(水) 20:01:30 ID:z8xivPqd
>>107 【一スレ借ります】
暴走ボート ◆z95s/qs7OM様へ
すいません!私の確認ミスでした。以後気をつけますね。

>本題
はいありがとうございます!
それはちゃんと抑えますし、あまり野村理奈ことラリナが迷惑するような
無茶な展開にならないようにしますのでご心配なく!

投下お待ちしてますよ!頑張ってください。ひとまず落ちます。
109暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/17(水) 21:05:31 ID:i6PhFoge
それでは投下します。

…紗英を借りるとは言ったものの、
借りるどころか主役同然になってしまってるような…
シバケンまで引っ張り出しちゃったし…
「いよいよ、」
「あさって、」
「でーっす!」

大会は日曜日に開幕し、毎週週末に執り行われ、1ヶ月間激戦が繰り広げられる。
金曜の練習も無事終わり、いよいよ明後日という事で秘密基地で打ち上げ。

…ほら、無印版で一度出てきたじゃん、覚えてない?こいつらに秘密基地があったって事。

「それでは、俺たちの優勝という未来を祝って!」
「土生さんにひとつ、お言葉をいただきましょう!」
「え、俺?」
「あたりまえでしょ、土生さんが、俺たちのリーダーなんですから!」

促されるがままにみんなの前に出てきて、適当に思いついたことを並べて。

「えーと、とりあえず今日までよく頑張った。
 明日は東小は登校日という事で、練習は休み、各自練習なり休養なりしてくれ。」
「それじゃ、お願いします!」
「…やっぱやんのか?」

赤星にせかされて、しょうがないなと軽く両手を広げ。

「それではみなさん、お疲れさまでした、最後にご唱和下さい。いよぉー、」

パン!


カキーン!…カキーン!

「…ふう。
(大分仕上がったかな。明後日までには何とか…)」
「ナーイスバッティング。ていうか今までどこ行ってたの?」
「…!?」

人も少なくなった夕暮れ時のバッティングセンター。
夕日に染まった美人2人が、久しぶりの再会。

「紗英…。なんであなたがいるのよ。ていうか、体ボロボロになって姿消したって聞いてたけど?」
「あら、そのほうがよかったかしら。」
「だれも恨んでるなんて言ってない。
『Tesra』でトップモデルに成れなかったのは、わたしの実力がなかったせい。」
「野球と両立させていただけでも、十分すごいと思うよ。」
「ケージの中に入らないで、危ないから。」
「まあまあ、硬いのはナシ♪」

足元に転がっていたボールを拾い上げる。
そして、舌を出して微笑みながら、軟球をぐっと力を入れて握り…

「何やってんのよ、オロチヒメ。あんなものCGに決まってるじゃない。」
「あはは、必殺技、『破岩一勝』。出来るわけないか。」
「岩を砕いた力で相手を粉砕…全くふざけた技よ。」
「でも、それが野球じゃないの?相手のボールを、バットで粉砕できれば勝ち。そうでなければ負け。」
「あのねえ…。まったく、そんなにいい性格だったっけ?」

あはは、とわらいながら目線を明後日の方へ。
「実はね…恋しちゃった♪」
「はあ?恋されたんじゃなくって?」
「やっぱり故郷が一番ってことかな。故郷といっても母さんの故郷だけどね。」
「それでこのあたりにいるってわけね。」
「そゆこと。東小にいるよ、遊びに来れば?」

人は変わるもんだね。ほとんどの同年代と話をしなかった、あの陰気な性格の紗英が、ねえ…
人は人を変える、たった一つの恋で、ここまで変われる。

(はあーあ、わたしももっと子供らしく生きるべきなのかな。)
「何か言った?」
「ううん。」
「そういえば、もうすぐ大会の時期だけど、…主役になってほしいな。」

スタイルはともかく、胸という決定的なディスアドバンテージを背負っていた緒方。
こればかりはどうしようもなく、紗英にスポットライトを独占されて…

「無理、よ。」
「ど、どうして?強豪チームの主力選手なら、主役になるのは…」
「巨神から戦力外受けたのよ、そして今は東小…あなたの小学校にいる男子に誘われて、別の小さなリトルでさ。」
「東小!?あたしの、学校の…」
「…そうね、紗英は特別。」

屈んで、足首の方まで手を伸ばし、少しためらい、
…ズボンのすそを、引き上げた。

「こ、これ…!」
「…誰にも見せたくない。これだけは。わたしが数少ない話し相手だった紗英だけ、特別。」

少女に見せるにはあまりにも酷で、見るに堪えない光景だった。
膝を覆わんばかりのどす黒い血の塊。手で口を押さえ、化粧室の方へ行ってしまった。

(カナたん…どうして?どうしてっ…!)


「でよぉ、紗英の胸がまた…」

東小6年1組は、今日も飽きずに馬鹿話。いつも教室に入ってく時に聞こえてくるシバケンの馬鹿話。
本来はシカトして軽く聞き流すが、今日はずんずんとシバケンの方に向かってきて、

「健太!」
「な、なんだよ!?悪かった、悪かったって…」
「そんなんじゃない、いいから来て!」

手首をつかんで、ぐいぐい引っ張っていく。
紗英が教室にいた時間、わずか10秒。

「土生ってやつを知らない!?」
「えっと、この時間なら多分みんなでキャッチボールをしてるよ。」
「おい、紗英、なにを…」

1つ下の階には、5年生。
手がかりを元にグラウンドへ。情報通りに、キャッチボールをしている数名。
「どいつ?」
「土生は、えっと…あいつだな。でもどうする気だ?」
「いいからついてきて。」

キャッチボールをしている数名。
とりわけとんでもない巨人が混じっているが、もちろん土生ではない。

「ねえ、土生って名前の子は、君?」
「ん?悪い、ちょっと俺抜きでやっててくれ。なんか用ですか?」

キャッチボールの輪から離れ、紗英に近付く。
グローブを外した土生だが、この地点で土生は紗英の殺気を察知していた。

「…カナたんを、野球に引きずり込んだのは、君?」
「カナたん?…もしかして、緒方の事か?ああ、その通り…」

平手打ちを食い止める土生。
突然の攻撃にも、冷静に対処。

「…なんで…なんでそんなことするのよ…」
「は、はい?」
「あんな野蛮なスポーツに、あいつを巻き込むなって言ってんのよ!」

グーパンチを食い止めるシバケン。
珍しく頭に血がのぼり手を出してしまったが、さすがは東小のボスというだけはある。

「はなせよ、シバケンさん。」
「土生、女に手を挙げるのは、あんまりいいことじゃないぜ。
 手をあげていい女は、西小の…」

開いていた左手でグーパンチ。
当然シバケンは軽々と受け止める。周囲も騒がしくなってきた。

「やめとけって。ほら、周りにこんなにもギャラリーがいるしよ、ひと波乱あったらただじゃ済まねえ。
 確か試合は明日だろ?」
「…何も思わねえのかよ…野球を馬鹿にした言葉を聞いてよ…
 あんただって柔道やってんだろうがぁ!」
「悪かったって。だから落ち着け、紗英にはちゃんといっとくから。」

橡浦と山下はぼそぼそ声で止めようとするが、当然土生の耳に届くはずもなく。

「うるせえ!
 そうだよなあ、人気があれば、守ってもらえるから、それを盾に言いたい放題だもんなあ!」

腹にグーパンチ一発。
その場に倒れこむ。

「ぐふぅ…」
「兄貴!」「あんちゃん!」

怒りに燃えるシバケン。
駆け寄る橡浦と山下を、たった一度睨みつけただけで怯ませた。
…大切な仲間、そして想いを寄せる女の子への愚弄。シバケンもまた、野球を馬鹿にされた土生同様の状態。

「…悪いな、明日野球だから暴力はいけないんだろうがよ。
 だがそのツラに一発入れとかなきゃ気が済まねえ!」

振り上げた右腕に、自らの動きに逆らう違和感。
見ると、肘がつかまれている。半端ない握力を感じる。

「お互い様じゃない。喧嘩両成敗って知ってる?」
「…誰だ?」
「全部暴力で解決?ふーん、乱暴な考えね。
 でも、そうでないと戦争はやってられないか。」
「ユキ…」

土生が見上げた先には、ユキの姿。

「でも、そういう考え、あたしは嫌いじゃないかな。その考えが正義なら、あたしにとってどれほどいいか♪」
「…。」

次の瞬間、シバケンの耳に回し蹴り。
だがシバケンも流石と言ったところ。瞬時に反応して受け止めた。

「…。
 暴力で解決しようというのなら、いつでも相手になりますから。
 土生さん、さっさとその人と話をつけちゃってください。」
「…分かった。」

1歩2歩と歩み寄り、先に口を開いたのは、紗英。

「カナたんは、あたしと一緒に仕事をしてて。
 …でも、あたしがいたせいで、カナたんはトップになれなくて、モデルをやめてしまって…」
「遠回しの自慢か?」
「誰が自慢よ!…来て。他の人には聞かれたくない。」
「…いいだろう。」

シバケンが、山下が橡浦が、心配そうに見ているが、紗英が、土生が首を横に振る。
心配するな、そう言い残すように。

校舎の屋上で、全てを話した。
数少ない友達だった緒方、その緒方を蹴落とす形となってしまった過去。
それにくじけずに頑張る緒方に、襲った悲劇。

「…で、何が言いたい。
 俺は、野球をやりたいと思っていた緒方に、野球をやらせてやりたくて誘った。
 何の問題がある。」
「これ以上…カナたんを傷つけないでって言ってるのよ!
 もう見たくないよ…カナたんが傷つくのは!」
「…。」

緒方は、今年限りで野球をやめると決めているはず。だったら、今更怪我をしようと関係ない。
怪我をしようがしまいが、来年以降彼女に野球選手としての未来はないのだから。

「見たくないの…もうこれ以上、傷つく姿を、痛みや苦しみを受ける姿を、見たくないの!」
「…。
 例え緒方がそれを覚悟してたとしても、か?」
「ええ。」
「緒方のためじゃなく、自分のために野球をさせるな、といいたいのか?」
「それは…」
「間違いなくそうだろ。なら、せめてその理由を言えよ。そうでなきゃ筋が合わねえ。」

当然のように口を紡ぐ。
そして覚悟を決めたように唇を噛みながら、1枚の写真を取り出す。

「これは?」
「殆ど…だれにも見せた事のない、あたしの過去。
 捨てたくても、どうしても捨てられなかった、過去と写真。」
「ボロボロだな。…こんな状態になる前に、逃げなかったのか?…いや、逃げられなかったのか。
 子供は弱いからな、ずっと大人のいいなりに…」
「ちがう!」

土生に渡した写真をすぐさま取り返す。
ポッケに入れると、自分の苦しい胸の内を明かす。

「モデルをやめると決めた時のカナたんは、泣いてた。本当につらそうだった。
 だから、あたしは!カナたんの分まで頑張らないといけなかった!たとえどんなにぼろぼろになっても…」
「だが、こんな状態にまでなったら、止められるか見捨てられるな。」
「…あたしは、どれだけ苦しくても、身も心も壊れても、それでもカナたんの分まで…
 でも…」

力尽きた。
母親に抱えられ、故郷まで逃げてきた。
「…で、それがどうしたんだ?」
「な、何いってるのよ!だからあたしは…」
「結局のところ、モデルから逃げ出した、緒方の分まで頑張れなかった事、
 それに対するせめてもの罪滅ぼしのつもりで野球をやらせたくないだけだろ。」

涙があふれる。
そこまで言う事ないじゃない。少しは言葉を選んでよ!…そう心の中で叫ぶ。

「だからさ、いつまで過去にこだわってるんだ?
 あいつはモデルになれなかった、でもそれをバネに、新たに野球を頑張った、ただそれだけだろ。」
「!」
「そして怪我をしても懸命にリハビリをした、
 どんなに踏みつぶされても、必死になって這い上がった!」
「あたしだって自分なりに頑張ってるよ!
 …今はまだ決まってないけど、母さんの仕事の、お手伝いをするために頑張ろうと思ってる!」
「ならなおさらだ!」

土生が最大パワーで言い放つ。
紗英がそのハイパーボイスに一瞬怯む、それを見逃さない。

「なんで、あいつの応援をしてやれない!」

応援。
今の紗英の頭の中から、完全に離れていた言葉だった。

「っ!」
「あんたが緒方の夢を奪ったと思ってるなら、それにたいして後ろめたさを持っているのなら!
 なんで新しい夢を応援してやれない!
 あんたの言ってることは、緒方を野球から引き離すってのは、野球という夢を奪うって事じゃねえのか!」
「それは…」

「もうやめてあげて。」

出入口の方から、声がした。
そこには、この場所にはいないはずの、

「か、カナたん…?」
「緒方、なんでいるんだ?」
「昨日会って、紗英がこの小学校にいるのを聞いてね。
 今日はこの学校以外は休みだから、遊びに来たの。そしたらユキちゃんに会って、事情を聞いてね。」
「カナ…たん…」
「土生、もうやめてあげて。
 …ねえ、紗英、もしよかったら、明日の試合、見に来てくれない?」

突然の提案。
土生は静かに動向を見守る。

「わたしの姿を、見てほしいの。
 わたしが、新しい世界で頑張ってる姿を、見てほしい。」
「カナたん…」
「だって、モデルの世界でしか、がんばってる姿を見てないでしょ?」

野球の緒方かな子だって、がんばってる。
それを伝えて、土生を連れて立ち去った。

「最後に1つだけ言っておく。過去はむやみに捨てるべきものじゃない。
 だが…未来に怯えていちゃ、過去がある意味なんて、ないぜ。」


去り際の一言が、朝の予令と共に、紗英の中に響いていた。
116暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/17(水) 21:11:01 ID:i6PhFoge
投下完了。
次こそ試合かな?

しかし、ちょっと紗英の設定をもらいすぎましたね;すみません。
やっぱりやり過ぎはよくないですよね…
117名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/17(水) 21:40:32 ID:z8xivPqd
皆さんこっちも戻ってきました。
暴走ボート ◆z95s/qs7OM様。投下お疲れ様です。
緒方嬢と白瀬嬢の友情。そして漢な土生とシバケンがいい感じですね。

そしていよいよ私も新作を投入してみます。
長丁場でどれだけ書けるか自分でもわかりませんが、私も西小・東小シリーズそしてSDS様やストレートシリーズの一員になれるように書きます。
では『とにかくキャッチ!』第一話行きます!
属性としてレズものです!
118とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 21:42:07 ID:z8xivPqd
とにかくキャッチ! 

ACT 1

「それーいくよ!」
グラウンドでさわやかな女の子の声が聞こえる。

彼女達はみずみずしい肉体にユニフォームを包み、さらによく見ると全員泥だらけだ…。

そしてさわやかな声の主はボール…しかも大きめのソフトボール用の球をつかみ、
軽快に相手に向かって打つ。
その少女のスイングはとても綺麗で、しかも…
ぶるん!ぶるん!彼女がノックするたびに彼女の背丈以上に育った
人並み外れたバストが大きく揺れ、爽やかな声とは裏腹な色気が滲んでいく。

他の選手もよくよく見てみると、みな胸の大きさはまちまちだが、
一番小柄に見える少女ですらその背丈からしたら十分立派な胸がぷるるん!と揺れ
もし盗撮されていたら立派なマニア向け作品として商売が成り立つ事だろう。

そして少女達はみなマウンドが暗くなるまで続け
ブザーが鳴った時には殆どのメンバーはフラフラになっていたが
一番背の高い少女がまるで朝飯前と言わんばかりに軽々と身長に見合う立派な胸を
プルプルと震わせ歩きながら皆に対し
「今日はこれまでにいたしましょう。皆様お片付けを開始してくださいな」
とその背の高い少女は率先して指揮をとり、みなでグラウンド整備をする。

ここは東町地区のソフトボール練習所
そしてこのチームは地区どころか東日本ブロック最強とうたわれる女子小学生ソフトボールサークル リリアム
皆ここでは常勝をリリアムに捧げる為文字通りに血を吐く練習量をする事でも知られている。

ノックをやっていた健康的な少女もグラウンドをきれいにした後。アイシングを使って腕を冷やしている。
そんな様子を見ながら背の高い少女はリリアムメンバーすべてを集め、連絡事項を述べる。
「皆様お疲れ様でしたね。今日一日のメニューはこれで終了ですが、
自主トレーニングをしたい方はこのまま残って練習を続けてください、では本日解散です」
と今日の練習が終わったことを告げ、殆どのメンバーは急いでシャワールームへと汚れた体を洗いに一目散と向かう。
119とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 21:44:24 ID:z8xivPqd
グラウンドに残っていたのは長身の美しい少女
ノックをしていた年相応の背にはち切れんばかりの胸を震わす少女
そして一番比較として胸の小さく小柄な少女の三名だけだった。

そして長身の少女は「ふう」と息をつきながら残りの少女に声をかける。
「やはり貴女方は残ると思っていましたわ。私たちで続きをしましょうか…優子・久美。」
まずアイシングを終えた少女はキャッチャー用のグローブに変え、
プロテクターやマスク・レガースをつけて凄い爆乳をガードしながらばんとグローブを鳴らしながら
「OK!私まだボール受けてないからもう少しやろう沙織!久美!」
キャッチャーとして少女…優子は大きな声を上げ構え
ピッチャーマウンドに向かう小柄な少女…久美をしっかりと見据える。

久美の方もピッチャーとしてしっかりかまえて
「かるいけど500位で切り上げよう。優子!沙織お姉さま!!」
長身の少女…沙織もしっかりバットを構えて、久美を睨むように立ち改めて
「ではそうしますか…では…来てください久美!」
そういうと久美の方も
「では行きますお姉さま!しっかり私のボールとってよ優子!」
切れのあるカーブが飛び、沙織をしっかり振らせつつも…普通の捕手なら取るのも困難な久美のカーブをきっちり取り。
「久美!今日も冴えてるねボールの切れ。じゃあもう一球!沙織を私たちで打ち取っちゃおう!」
と綺麗なフォームで久美にボールを投げ返す。

綺麗な破裂音とともに久美のグローブへと滑り込むように優子の投げた球がミットに収まる。
「ナイス優子!この調子でお姉さまを打ち取ろう!」
と久美からも掛け声が入る。

沙織の方も素直に
「流石ね久美…そして優子も。でも容易く私を打ち取れると思わないでくださいよ!」
久美の切れを認めながら、エースバッターとしての誇りを燃やし
何が何でも久美を打ち取ってやろうと先ほど以上の闘志を燃やす。

そんな沙織の闘志に触発されたか、優子も久美もいままで以上に闘志を燃やし必死で投げ込み
沙織に打たれまいとするが、久美の投げた球を沙織は場外にまで吹っ飛ばす!
場外に吹っ飛んだボールを見ながら久美は沙織を見て
「…やっぱり凄い沙織お姉さま…でも私だって早々負けませんよお姉さま!」
と改めて凄いバッターを相手にしていると体の底から熱くなってくる。
勿論二人の熱い戦いをまじかに見ている優子も同様に体が熱くて仕方がなかった。
「久美!しまっていこ!!沙織だってそう容易くあんたの球打てないんだから!」

三人の火傷するほど熱い練習は続き、しまいには三人とも立てないほどの勝負をし尽くした。久美の投げた球は500を大幅に超えた850球
そのうち沙織がバックスクリーンに運んだのは76でその内場外まで持って行ったのは13、そして安打の類は297本だった
久美の方も全球すべて優子のミットに収め、優子も切れ味鋭い久美の変化球全てグラブから落とすことはなかった。
120とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 21:46:07 ID:z8xivPqd
グラウンドに三人とも大の字で寝転びながらも優子から沙織と久美に話しかけてみる。
「疲れたね〜でも毎日こんなたくさん練習できて私本当にうれしい!本気でこのチーム入ってよかった!」
とこれからの人生でもこれほどの猛練習にこれほど突き合えるパートナーは
そうそう現れないだろうと思った…たった一人大事な幼馴染を除いては。

そんな優子の言葉に合わせ久美からも
「本当にここまで私のボールを取りきれるなんて…ちょっと前だったら考えられなかった。
でも今じゃあ沙織お姉さまと優子と私の三人で寝転んでいるのが自然なくらいだからね」
と素直に賛同し、沙織の方も少し息を切らせながらも
「私は本当に幸せですわ。貴女方のような素晴らしい選手と巡り合うなんて…」
とやはり素直に二人に賛同する。

そんな心地いい会話をしばらく三人で交わし、寝ころんでいたが三人同時に立ち上がり
「さあ片づけましょう。優子…久美…もう時刻の方が遅くなっていますわ」
と沙織は二人に言いながらバッターボックスの掃除に取り掛かり
久美はピッチャーボックスの清掃、優子は散らばったボールを片づけテキパキ片付ける。

そしてすべて終わった後。三人とも泥と汗まみれのユニフォームを着たまま集まり
沙織は優子と久美の肩に両手を抱き乗せて囁く。
「さあ私たちもシャワー浴びましょう。優子…久美。」
どこか沙織の言葉には妖しい響きを感じられた。
実際に沙織の両手はそれぞれ優子の爆乳・久美の美乳を掴み揉んでいたのだ。

優子は顔を赤くし、久美はぽぉっとテレ出す。
「うぅっ…もう沙織ったらぁ…じゃあいっしょに入ろうかシャワーをね」
と優子も沙織の美巨乳を揉み返し、自分の爆乳もより沙織の手とくっつけながらそう答える。
優子の胸は張りの強いツンとたったロケットのような爆美胸。
沙織の胸はマシュマロのように柔らかい、だけどお椀のように上を向いた美巨胸。
どちらも小学生離れしている圧倒的な肉の質量だ。それをお互いの手でお互いの肉を感じあう。

久美の方も同様に沙織に胸をもまれながらも、自分のユニフォームをはだけさせてより積極的に沙織の愛撫を受け入れ。
「お姉さまぁ…今日もたっぷり久美を可愛がってください。もちろん優子も一緒に…ね」
久美の形のいい胸をむにゅむにゅと沙織の手が愛撫する。
11歳らしく固く成長途中な美胸の感触が心地よく沙織の手を迎え入れるのだ。

沙織は両方の手で最上級と言っても過言ではない二人の胸を揉みつつ、
自分も自身の美巨乳を優子に揉まれ、久美の乳房で手をパイズリされながら
「うふふ…二人とも待ちきれないようですね。では三人で楽しみましょう…
他の皆様はもう今ごろ帰宅されているはずですしね」
と少し熱く吐息を出しながらシャワールームに向かう。
121とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 21:49:15 ID:z8xivPqd
ACT 2

三人はシャワールーム前の更衣室で泥と汗だくなユニフォームを脱ぎ、三様三者の下着姿になる。

まずは沙織の下着。沙織の下着は全般的にスポーツ選手らしからぬ高価な下着…いや大人顔負けなランジェリーと言えるもので
お淑やかな沙織の内面の熱さを表現したクリムゾンレッドの色合いに91cmという美巨乳を収めたFカップブラジャー
生地面積は89cmという美尻を納めるのには小さめ、そして股間部位にシースルーが入ったセクシーな紅いパンティー
少し透けているためか陰毛もそこからうっすらと見え、普通に考えたらただイヤラシイだけの下着なのだが。
沙織が付けるとその下着はとたんに洗練された装いを見せ
優子も久美もあまりの下着の鮮やかさとその下着を上下見事に着こなしている沙織の女神のような美しさ。
そして大人以上といえるプロポーションの良さにドキドキしてしまう。
「凄い…お姉さまはいつ見ても…素敵です。」
久美は沙織の美しさに目を輝かせ、優子も言葉なく見つめている。

沙織は賛辞を寄せる久美に対して微笑み首を軽く甘噛しながら囁き
「ありがとう久美。貴女の下着もきれいだし…この分だともっと女の子らしい体になれますわ」と久美の髪をなでる
久美は体をぶるっと震わせ82cmDカップバストもぽよんと揺れる。
沙織に触れられるたびに久美は体の芯まで淫らな熱がしみわたる気がした。
そんな久美の下着。久美の下着はスタンダードな女の子用のもので
背丈からしたら発育した白いDカップのブラジャーがぎゅむと押し込まれた可憐なもの

パンティーも青と白のストラップカラーが入った可愛らしい物だった。
まだまだ成熟途中の青い果実ながら十分に美味しそうな81cmのヒップを閉じ込め少しむちむちしてる。
「でも流石に大きさだったら…優子が一番だね!形の綺麗さや感度もお姉さま並み…
だけどお姉さまとはまた違う胸の揉み心地!!」

甘噛を受けドキドキが止まらない久美は、近くに寄ってきた優子の巨大な小学5年とは思えない94cmのバストを思いっきり両手で両胸とも揉みしだく
「やだっ…久美っ。まだ私のおっぱい大きくする気なの?あっまたっ…ブラジャー切れちゃう…かも」
優子は荒っぽいも女の子の感じるツボを押さえた胸揉みで乳牛みたいな胸を
精いっぱい揉むが、張りの強い優子の胸は硬く久美の手を押し返す。
そして優子の下着は一見ボーイッシュな青いスポーツブラに白い普通のパンティーなのだが、
そのスポーツブラジャーは物凄い山のような盛り上がりをした94cmのHカップが窮屈そうに
ブラジャー越しからも揺れ、今にも破いてぼよんと出て来そうな位大きく、
よくよく見るとバストがブラジャー下から下乳は完全に見えていることでエロティックな装いになっており。

白いパンティーもキャッチャーという下半身の筋肉が要求されるポジションの為か…
91cmという引き締まった…だがそれでもボリュームたっぷりの爆美尻を納めたパンティーは
キュウキュウ泣くようにとてもむっちりしていた。
122とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 21:50:55 ID:z8xivPqd
「やだったらぁ…久美ぃ。あんたの胸だってぷりぷりで気持ちいいんだからぁ。
それに感度良いのはあんたも同じでしょう…どれ……やっぱりもう……湿ってるじゃないの久美。」
優子は胸を思いっきりもまれて気持ちよさげに、久美の可愛らしいストラップパンティの股布に手を当て触ると、
沙織の甘噛と自身から優子の胸を揉んだことでパンティーから心地よく股から滴が漏れ
パンティーが透け恥丘の形までくっきり浮かんでいき、ブラジャー越しからもうっすら乳首が隆起していくのだが。

「あふぅ…優子とお姉さまの体触ったり触られるだけで…いつもこうなるんだよ……。
でも…あんただって…もうこんなに……白いパンティーからとろとろ愛液で黄色くなってきてるよ…」
そう言いながらすかさず久美も優子の蜜が溢れている淫らな蜜壺目がけパンティー越しに指をくりくりするとぷっくりした秘裂が二つに割れ
ブニュと愛液がパンツからジュワーと染み出し黄色い染みの部分が広がっていく。

「はわぁっ!私をこんなにしたのぉあんたと沙織じゃない…でも……こういうの好き…っ
てハッキリ認められるようになったのも二人の…おかげだよね…ありがと」
とHな声でいじられるまま二人に礼をする。立派すぎる胸を揺らしながら。
バストサイズの大きさのため必然的に薄めなスポーツブラからぽくっと乳首が隆起していき、
久美の軽い攻めがしっかり優子の女…いや雌である部分を乳首の勃起と共に浮き彫りにしていく。
スポーツマンが付けるブラジャーとしては大粒な乳首をはっきり勃起させ、下乳全開の装いはとてもエロティックだ。

そんな淫らな二人を見つつ、沙織と優子の胸を今度はブラジャー越しで優しく揉みながら
二人の勃起乳首を強めに捻ってよりヒートアップさせてみる。
「やぁ…ん沙織ぃ…今日も…激しい。」
「ふにゃぁぁ!おねえさまぁ!」
二人の嬌声がシャワールーム全体に淫らなハーモニーを奏で、反響で物凄く響き渡ると
沙織も頬を赤く染め、彼女の赤いパンティーはぐっしょり淫ら汁でびっしょり濡れて陰毛がよりクリアに見え
赤いブラジャーの下で沙織も二人同様にしっかりと雌の証として勃起した乳首をびんとしこらしていた。
「久美と優子の声を聞いて私もドキドキして濡れて…勃ってますわ…
では下着を脱いで洗っておきましょうか…私たち三人ともこの下着では…ね」

そんな三様三者のHな下着を三人それぞれ鑑賞しながら。
いよいよ三人一緒にブラジャーとパンティーを脱いでそれぞれユニフォームと一緒に下着も全自動洗濯機へと入れる。
一時間もあればきれいに乾いていることだろうそれまでの間たっぷりと…三人とも顔を見合せてお互いの裸身をみつめあう。
123とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 21:53:39 ID:z8xivPqd
最初に久美の裸体は全般的に瑞々しく、背丈こそ低いがそれを感じさせない
生命力にあふれたものだ。
だが胸とおしりの膨らみは十分女を意識させるにふさわしい。
ツインテールを結んでいたリボンを解くと沙織と同じくらい鮮やかな長髪となり
また違った色気が久美からあふれる、彼女の髪は綺麗な薄い茶が入った黒髪だ。
陰毛の方はまだそんなに生えていないが…逆に薄ら生えている姿が成長途中であることを示し、これからもっと陰毛が濃くなることだろう。

そして全般的に陰毛があまり生えていない為。ヴァギナの形もはっきりわかり薄めだが、形は小さめでとても綺麗だった。
もしも彼女のヴァギナにペニスを入れたら瞬く間に絶頂に導かれる…そんな魔性を思わせるヴァギナだった。
乳首や乳輪の色も全体的に色素は薄く形も小さめだ、白の入った薄いピンク色に
乳首も勃起してなお小さくぽちっと乗っている可愛らしい乳首だ。

続いて沙織の裸体は小学生とは思えない完成度に満ち、社交界の令嬢と思えるほどの
美しさにくわえて気高い匂いを漂わせる高貴な美しさに満ち溢れていた。
煌びやかな長髪は艶々しており、黒々としたとても綺麗な髪だ。
それとしっかり合うように陰毛も程よく黒く覆われ、もう姿だけなら立派なレディ…いや神話に出てくる女神を思わせるものだ。
流石に陰毛に覆われておりはっきりとヴァギナの形ははっきりとわからないが、
うっすらとだがはっきりと貝は肉厚でとても綺麗な…男好みと言い切れる一品だと言い切れるほどだ。
乳首・乳輪も程よい大きさで、勃起していても中くらいでとても可憐なローズカラーだ。

最後に優子の裸体だが背丈など普通の小学五年生のもので、顔もくりくりとしとてもかわいらしいものだが、
その可愛らしさとはあまりに真逆である豊満なバストとヒップ…そして筋肉が付いて引き締まったウェストの三点が大人そのものという
子供の可愛らしい容姿と背丈。大人のグラマラスなスタイルがアンバランスでチャーミング。
そしてそれがとてもエロティックな舐め回したくなるほどの肢体だ。
黒いセミショートの髪も更々し優子にジャストしてより優子を可愛らしく見せるも
陰毛は全然生えておらず、俗にいうパイパンと呼ばれる状態だ。

そのためはっきりヴァギナの様子が見て取れる…その様子は沙織以上にヴァギナの鮮やかな色に満ちた肉は厚いが、
膣の入口自体はほどほどの大きさで滴る愛液の量からいってあらゆる男を受け入れる包容力に満ちた優子らしいヴァギナだ。
乳首や勃起しているとはいえとても大きく、優子の肉筒は自分の人差し指大に膨れており
乳輪も乳首同様濃いヴァージンピンクだが乳輪そのものが500円玉並の大きい乳輪でとてもHだ。

そんなあまりに三人とも凄い体を披露しつつも本来の目的通りシャワールームへと6つのバストを激しく揺らし
ヴァギナからは淫らな蜜を垂らしながらも急いで駆け込む。
シャワールームでは、既にほかのメンバーが入ってしばらくたっているのか、湯気や湿り気も残っているが少しひんやりしている。
だが良く嗅ぐと…周囲には湯気や湿り気だけでなく…メンバーみんなでそこかしこで愛し合った痕跡や蜜の残り香も感じされる。
124とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 21:56:43 ID:z8xivPqd
そんないつもの光景と匂いを嗅ぎながら優子は、改めて沙織とも久美ともあるいは自分自身に言い聞かせるように口にする。
「最初の頃は慣れてなかったから…びっくりしちゃったよ。シャワーを浴びながらみんなキスしたりおっぱい揉み合ったりして…それに……」
少し前のことを懐かしげに思い出しながら、少ししんみりとする。
そんな優子の立派すぎる94cmのおっぱいを後ろからぎゅむと久美がつかんで揉む。
久美のかわいい勃起乳首が優子の背中に当たりながら、
徐々に優しいタッチで久美は優子の硬くHな大粒の勃起乳首を指でいたずらしつつ囁く。

「その件もあるけど。ここから私たちが本当の意味で一つになった場所だよね優子…
いろいろな意味でさ…お姉さまもいろいろと手伝ってくれて……嬉しかったです。」
と久美が認めた一番の親友。そして敬愛する沙織と同じくらいに大好きな優子の胸を
うっとりするペースで揉みながら、改めて嬉しそうに優子と沙織に言う。
「もぉ…沙織が見てるよ久美ぃ。最初は恥ずかしかったけど今は…ね。」
照れながらも優子は自分の方から久美の方に体を向けキス、しかも舌を絡ますディープキスを仕掛けてみる。

久美は優子の胸を揉みながら突然優子の舌が自分の舌と触れ合い、一瞬びくっとするが
直に久美も舌を絡めお互い唾液や舌を舐めあいながら二人より添うように抱きあう。
その様子はお互いの年以上に妖艶な様子にくわえ、若い肉の触れて擦れ合う音など生命力そのものだ。

そんな若い恋人二人の様子を微笑みながら沙織は眺めていたが、ボディシャンプーを
自らの91cmの美巨乳にかけ、ちゅりゅんと久美の背中を洗いあてる。
濃密な乳肉とその先端の突起が擦れ久美は優子とフレンチキスを交わしながらも、
体をぶるんと震わせ肉の快感に酔いしれる。
「ふぁぅ!お姉さまの柔らかおっぱいと優子の硬いおっぱいに挟まれてぇ…わたし…イッちゃいそう…ですぅ!」
口から舌を出した久美は二大巨美乳に挟まれ、もう昇天しそうな位に昇り詰めていく。
そして心から気持ちよさそうな久美を見て優子も沙織同様自分の94cmバストにボディシャンプーをかけて
まるで久美を男性のペニスと見立てるように沙織と一緒に自分のおっぱいで久美そのものにパイズリをかけた瞬間。
久美は弾けるようにより強く優子に抱きつきながら
「あぁぅぉ!お姉さまの柔らかバストぉわたしのおしりにあっ!優子のおっぱいが
私のおっぱいと合わさってむにゅんむにゅんって硬いバストで…二人一緒のおっぱいでわたし犯されてるぅぅ!!」
美しいソプラノ音で嬌声をさらに上げ登り詰めていき息も絶え絶えとなっていく。
これは久美が優子・沙織よりも背が小さいからできる愛撫であり二人は徐々に高度を下げて。
お腹や太股など久美の穢れなき体すべてにボディシャンプーを塗りたくり、止めとして優子は久美のヴァギナに沙織はアナル。
二人同時におっぱいを二大性感帯へと挿入するように激しく押しつけた途端。

「あはぁぁ!らめぇぇ!わたしさおりお姉さまとゆうこのおっぱいで…イクぅぅぅ!!」
全身激しく久美は震わせ、その後は優子の胸にむにゅっと倒れこみ絶頂したまま気絶する
その様子はヴァギナから多量の蜜を流しながらも安らかな表情で眠っているようだった。
125とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 22:00:03 ID:z8xivPqd
気絶した久美を見届けた優子と沙織は久美のボディシャンプーまみれの体を洗い、丹念に温かいお湯で洗い流し。
仕上げに二人仲良く舌で久美の体の埃を舐め取るように舐めだす。
顔をぺろぺろ犬のように舐めたかと思えばすべすべとした白い肌の両手両足を舐め、徐々に腋や肘・膝をもぺろぺろ嬉しそうに舐め。
さらには足の指や手の指…仕舞には肛門から菊門…そして奇麗なヴァギナを思わす
ルビー色の括約筋をも丁寧に舐め取って。
両胸も左は沙織右は優子が愛撫より優しく冷やすよう舐める。
もちろん生えかけのヴァギナにも舌を挿入し、気絶してあふれる蜜全てを舐めきる勢いで愛撫をし。
小粒なクリトリスにも奉仕を終え、久美を壁に横たわらせる。

そしてまだシャンプーまみれの優子と沙織は久美が自分たちの愛撫で達してくれた事に
微笑みながらも今度はお互いの体を合わせて綺麗にする。
にゅるにゅるん!若々しくもお互いに豊満な優子の94cmのおっぱいと沙織の91cmのおっぱいがぽみゅぽみゅ重なり合って弛み
肉がゆがむ、そしてぱんぱんっと乳がぶつかるたび激しい音がシャワールームに鳴り響く。
そんな淫媚で美しい絡みをしながら二人は互いの体を褒めあう。
「うふふっ。優子のおっぱいって水風船のようにパンパンと張り詰めてて…心地いいですわ。」
「はぅぅ。沙織のおっぱいだってぇ柔らかいけど形すごくきれいで私のおっぱい飲み込んじゃいそう。」
あまりに美しい乳房4つが縦横無尽に絡み、シャンプーのてかてかしたヌルヌルが乳房全体から引き締まったウェスト。
そして好対照な無毛と黒々した陰毛…二人の愛液まみれのヴァギナ…白い足に降り注ぐ。

そしてあまりに激しく交尾のような激しさで胸がぶつかりあい、
肩や顔にもシャンプーが飛び、それが男性のザーメンを連想させるのだ。
そして二人とも我慢できずにしゃがみつつ足を慣れた動きでドッキングさせ、お互いの美しい美貝肉を重ね合わせ、より深くお互いと繋がり。

「うふっ!優子のお肉大洪水ですね…それにクリトリスも硬く勃起していて…かわいいですわ!」
そう言いながら沙織から激しく腰を振り、自分の濡れた秘肉を思いっきり優子のヴァギナにあて、
勃起したクリトリスを男の子のように膣にガツンガツン挿入しながらクリトリスをこすり合わせ絶頂の頂に飛ぼうとする。
あまりにすさまじい連続攻撃と沙織自身の陰毛が優子のヴァギナをより刺激し、
とろっとろに溶かしていくほどの快楽を与え、二人のヴァギナに泡が行き渡って
まるで底なし沼のようなぬかるみと泡に満ちた世界となっていき、
いつオーバーヒートを迎えてもおかしくないほどの快楽が、攻め立てる沙織にも受けに回る優子も襲いかかってるが。

優子も沙織だけに任せないで自分からクリトリスを沙織のクリトリスにぶつけてからめ合い。
二人の淫らな雫がぴちゃぴちゃ跳ねるも、お互い全然かまわず古代の性交のように
ひたすら激しく腰を振る…振りながら優子は沙織の太股をさすり…徐々に上に持っていく
優子同様に引き締まった沙織のお腹…柔らかく豊満なバスト…そして乳首を軽くなで。
肩に手をまわして思いっきり沙織を引き寄せながら抱きしめて激しく久美にしたような
接吻を…もちろん柔らかい舌も沙織に絡ませていく。

ただ受けるだけでなくより相手に合わせた受け、ひたすらな献身こそ優子の最大の武器で
自分と相手の沙織が一緒に上り詰める為の行為であり。快楽の涙を瞳と雌貝から流しながら優子は沙織に対してとぎれとぎれに
「あうぅ♪沙織凄いよぉ…私もう意識飛んじゃいそう…でも私がイク時には沙織も一緒に…イカせてあげる……。」
と最後まで最大限の努力をするといい、実際に腰が砕けそうなほどグラインドをし
沙織を快楽の淵に導きながら自分もそこへと飛ぼうと努力をする。

にゅちゅう!にゅりゅるん!!激しくお互いの淫肉がもっと激しくこすれ合い
凄く淫縻な共音が響く中…優子の華芯からマグマのように熱い何かが溢れて、一気に心を覆い…。
「あん!らめぇぇ!!私イクぅ!!でもぉさおりもいっしょにぃぃ!!」
一足先に激しく狂おしいほどの情炎が体を焦がし意識を失うが…気を失う瞬間まで
腰を振るのはやめず、そのまま先ほどの久美の様に沙織の胸に倒れこんだ所で沙織の方も
「ああっ!最高でした…ゆうこぉ…私もあなたと一緒に…イキ…ますぅ…」
そのまま自分も優子の肉の重みを感じながら…冷たいタイルの床に失神し意識を失うのだった。
126とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 22:03:51 ID:z8xivPqd
ACT 3
(んんっ…だれぇ?私の体羽のようなもので…でも少し水気を帯びてる……いい!あそこ丁度ひんやり冷やして……
しかもすごく自分の感じる所をずっとほぐしてくれている…無毛のあそこぉを舌でパックリ開いて舐めてくれ……
あれ?胸のまだ固くなってるところだれか……舐めてる?間違えないや…私体を舐められているんだ……)

優子は光導く方に覚醒し、瞳をあけると沙織と久美の二人が自分の体を丹念に舐めて解してくれていた。
優子が気づいたのを確認し、沙織も久美も優子の方を微笑みながら見つめ、久美の方から声をかけてくれる。
「おっはよう優子!優子と沙織お姉さまがイッたすぐ後私起きてさ〜。
まず先にお姉さまへ私が御奉仕してたらお目覚めになって…今お姉さまと一緒にあんたを仕上げてた所!」
久美の方を見てみると久美は自分のアナルを舐め終えて、パイパンヴァギナの処理の途中だった。

続けて沙織も優子に対して胸を舐めつつ話しかける。ねちっこく勃起した乳首に対して
ちょろちょろと舌で巻きながらしごきあげつつ舐めていた。
「お目覚めになりましたね優子。今久美と一緒に貴女のお体を綺麗に舐めていた所ですわ。
それにしても甘くて素敵ですね…何時もながら優子の大きい乳首と乳輪は…。」
とひたすらおいしそうに乳首や大きめの乳輪に対して舐めつくす。

そんなダブルの奉仕に優子は体をとろけさせながら、先ほどイッた反動でまだ動けず
ひたすら優子は体全部を二人に舐められながら沙織と久美は愉快そうに笑い。
「うふっ。いいですわ…私は徹底的に優子を責めるのも好きですよ。」
「私もっ!あんたに責められるのも好きだけどね…お姉さまと一緒にあんたを責めるのが一番うまくいくかも!」
二人とも嬉しそうに優子の体を丹念に舐めすぎて…優子の体は唾液まみれとなっていき、
無毛の股間もまたぷっくりと開いて処女の証を全開で見せてしまう。
「あぅっ!らめだってぇ…いつも責められてばっかぁ…私ぃ…でもぉ」
(久美と沙織の攻めは何時だって…私の心を溶かしてく…攻められれば攻められるほどぉ燃えちゃう!)
そんなマゾヒストの性質な優子は一方的に体を舐められるという変態プレイに心から淫欲に染まって燃えるのだ。

そんな心の底からうれしそうな優子を見て二人とも楽しく舐め続け…久美は優子の足をVの字にと処女膜所か子宮口までくっきり見えるほど足を開き
沙織も優子の94cmHカップのバストを激しく掴みながら揉み倒し…胸をむにゅっとくっつけて…両乳首をひっつける。
そして二人同時に…かぷっ!と沙織が両乳首を…久美がまだ勃起していたクリトリスを甘噛すると…。
「ふぁぁ!はぷぅぅ!!イッちゃう!また…とんじゃうぅぅ!!」
優子は激しくヴァギナから潮を吹きながら、また女同士の契りの心地よさに染まっていき…
湯あたりしたようにぽおっとしたままの状態で悦楽を受け入れるのだった。

が周囲から強い勢いで水が飛んでくる。放心状態の優子を覚醒させるのは十分だった…
なぜならその水流は優子の感じやすい乳首と膣に重点的に当てられていたからだ。
「いい絶頂ぷりでしたが…もう一度くらい貴女のイキ顔を見たいですわ…優子。」
「あははぁ!今度は水でイカせてあげるんだからぁ!」
まだまだ二人は満足していなかったようで優子はまだまだ自分をイカせたいんだなと思いながら
激しい水流がマッサージのように体を熱くし三度目でまたイクこともそう遠くなかったと思った。
127とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 22:08:06 ID:z8xivPqd
そして
そんなこんなで一時間丸々三人は激しい荒淫で潰し、結果的に普通にシャワーを浴びる以上に体の艶は増し、より色気を増していったのだ。
そんな三人だったがきっちりシャワーから上がり、綺麗になった下着を穿いて
ユニフォームをかばんにしまうと、さっさと私服に着替えて周囲の戸締りをしっかりとし、三人一緒に帰宅する。
ちなみに沙織はノーブルにフレアスカートに青いブラウスといったさわやかな装い。
久美は女の子らしいショートスカートにワンピース。
そして優子はジーパンにTシャツというラフな格好だった。

「今日も一日お疲れさま!沙織!久美!」
練習以上に激しい肉の契りで体がドロドロに感じた優子だったが、逆にこういうスペシャルな行為が体を活性化させ、
より沢山の練習とより激しい性交が出来るものだと心から思いつつ、いつもの仲間二人に対して元気に一日楽しくできた事を労う。

久美の方もにっこりしながら
「うん!私とバッテリーやってくれてありがとうね優子!私のボール100%取れるのはあんたかお姉様だけだから…
他のチームメンバーを馬鹿にする気なんか全然私は無いけどね」
と改めて久美は自分の球を確実に捕球してくれるという安心感で優子に対して改めて信頼していると素直に言う。
そんな名バッテリーを優しげな瞳で見つめながら沙織も口を開く。
「本当に仲が良くなって私も嬉しいですわ。久美…優子も…これだったら私は何時でもリリアムを心おきなく……」
といつでも安泰に引退できると言い出すが久美と優子は口をそろえてはっきり言う。

「まだ引退には早いです!お姉さま」
「まだ私だって沙織に習わなきゃいけないこと沢山あるんです!」
「「まだまだリリアムに残ってください!」」
と息の合ったコンビネーションで必死に弱音に聞こえた沙織の言葉を打ち消す。
そんな様子を見て沙織は
「ぷっ…ふふふ!可笑しいですわ。そんな所まで揃わなくても…それに私が辞めるのは彼女を倒してからって決めているのですよ。
久美も優子も安心してくださいな。まだまだ…私神楽坂沙織はリリアムキャプテンを続けますわ」
と笑いながらもまだまだ引退シーズンには早いと言い切り、改めてだれかにか分からないが闘志を燃やす。

少し事情の呑み込めない優子と沙織はそこまで沙織が闘志を燃やす相手が誰なんだろうと思いながらも沙織の方から。
「彼女とは戦っていれば絶対に会えますよ。それまで私たちは練習に全て注ぎましょうね」
と話をはぐらされてしまう。

そんな心地いい会話を続けながら、優子は周囲こそ暗いが自分の母校西小学校が見えた、という事は…。
今日はお別れだなと沙織たちを見て「じゃあ私はここで」と優子は二人と別れ家路に急ぐ。
こんなに遅いと両親は心配するだろうし…そろそろ彼女も…大事な幼馴染の娘もそろそろ帰ってくる時間だった。
128とにかくキャッチ!:2008/12/17(水) 22:10:26 ID:z8xivPqd
急いで家の道をひたすらに走るが曲がり角を曲がった処で同じように急いでいた誰かにぶつかってしまう。
ぷるるん!
自分とぶつかった女性…いや背丈はさほど変わらないから…女の子…でも……。

優子は自分とぶつかった少女もはち切れんばかりの大きさをした胸をしており
それが激しく触れてそして潰れて柄も知れぬ快楽が自分にどくんとくるように感じた。
だがとりあえず急いでいていきなり現れてぶつかったのは自分だ…とにかくその少女に謝ろうとその少女の顔を見る前に頭を下げる。
「ごめんなさい!私慌てていて…怪我しませんでしたか?」
と今度は怪我してないか少女の体を見るが、全身泥だらけの少女のユニフォーム…少女にしては大きすぎる寸法のまるで合ってないものだったが。
その大きいユニフォームでようやくフィットするほどのとんでもないほどの爆乳が少女に付いていた…。
まさか…優子はその少女の顔を覗き込もうとするがその前にその少女から声をかけられる。

「私は大丈夫…私こそ前見てなくて……てっ!優子?こんな時間までリリアムで練習してたの?私も人のこと言えないけどさ」
やっぱり…優子はぶつかった時の胸の大きさと彼女の声で顔を見なくても確信した。
今ぶつかった少女は自分の小さいころからいつも一緒だった大切な幼馴染…野村理奈だった事に。

続くといいな
129とにかくキャッチ!設定資料集その壱:2008/12/17(水) 22:13:38 ID:z8xivPqd
とにかくキャッチ! 設定資料集 その壱

石引優子(いしびき・ゆうこ)
157cm 58kg
94(H) 60 91

主役。西小学校小5
ソフトボールサークルリリアム正キャッチャー。
守備は堅実で投手の指示も的確。そしてパワーヒッターとして打撃でも貢献する。
髪型はセミロング。普通にしていると可愛い系の女の子だが一通りの家事も出来る。
性格的に爽やかだが母性愛が強くあらゆる意味で受けの人。リリアムメンバーの柱として活躍

野村理奈(ラリナ)の幼馴染で幼少時からの付き合い。ラリナやラリナの父の為に手料理を持っていくこともある。
また男子と混じって野球する為。怪我や胸の事で変な虫が付かないかなど、心からラリナを色々と心配し出来る範囲で支えている。
(それは過剰な心配心からかそれとも他の感情なのかは不明)
胸が大きいのはボールに当たり続けた賜で、丁度成長期と重なり年齢以上の大きさに成長した。

神楽坂沙織(かぐらざか・さおり)
169cm 54kg
91(F) 59 87

お金持ちで東小学校小6
ソフトボールサークルリリアムキャプテンを務める。
守備も隙がないが、リリアムの中でbPの打撃率を誇る4番バッター。
髪型はロングのストレート(試合中は邪魔にならないよう三つ編み)
お淑やかなお嬢様で物腰は柔らかく美人系。そんな姿もリリアムメンバーから強く慕われている
また内心は自他ともに厳しくあらゆる意味で攻めの人

また場合によってはグレーゾーンやラフプレーそのものを全く躊躇しない激しい一面もあり。
優子同様胸などにボールが当たり大きく成長した

大泉久美(おおいずみ・くみ)
143cm 49kg
82(D) 57 81

優子の友人件ライバル 東小学校小5。
ソフトボールサークルリリアムメインピッチャーを務める。
髪型はツインテール。リリアム投手陣の中で一番の防御率を誇る。
直球は少し弱いが得意の変化球系を駆使し、三振の山を築きあげる。
強気なじゃじゃ馬で少し性格がきつめなため、リリアムメンバーからは付き合いずらいと思われているが
心を開けばちゃんと答えてくれる

また当初優子とは馬が合わなかったが今では名コンビ
そして以前から沙織をお姉さまと慕う。変幻自在の攻め受けが魅力なツンデレ
少し体躯は小さめだが体力は一線級。

勿論優子・沙織・久美に関してばんばん使っていただけたら嬉しいです。
130名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/17(水) 22:22:13 ID:z8xivPqd
これにて投下終了です。
改めて新キャラクターを想像してみましたが、今後も出来る限り頑張ってみます。

尚裏設定として主人公の優子という名前は名門!第三野球部の村下夕子から来てます
彼女が対一軍の試合につき合い、猛特訓を受けボールを体中に受けた為に
胸がパンパンに腫れ上がるというフェチ的にドキドキするシーンがあったので
主人公名は絶対優子と決めてました。

これからも優子たちの活躍や過去の話とかしっかりやりますので
もしよかったら応援してください。
それでは本日暴走ボート ◆z95s/qs7OM様と私の拙作との二本仕立てでした。
落ちます。
131暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/17(水) 22:32:14 ID:i6PhFoge
主人公はたいていピッチャーが務めるものですから、
その真逆を視点に置くのはいいことだと思いますよ。

しかし、これだけ女の子が絡むと、濃いですねえ…
正直苦手分野…かもしれないので、気の利いた感想を言えずにすみません。
むしろ野球好きとしていくつか…クレームを(マジでごめん)

>かるいけど500位で切り上げよう
軽いどころじゃない。重すぎる。
こんなに投げたらまず怪我をする。
野球は1試合につき多くても150球、子供なら80球が限度。
ブルペン練習ならこの倍くらいなら増やせるとは思うけど。
でもそれは野球の話で、ソフトボールは硬球よりもっと重い。
妥協しても200。もちろんこれもやり過ぎだが…

このままじゃ確実に壊れますよ、久美ちゃん。

>直球は少し弱いが得意の変化球系を駆使し、三振の山を築きあげる。
ソフトは殆どストレートとチェンジアップのみ。
すこしムービングファストかシュート系統のボールを使う事もありますが。
おそらく久美の設定は多彩な変化球を持ち味とした…と言うのを考えてると思いますが
野球と違って変化球はほとんどないはずです。

おまけに子供が多彩な変化球を使ってたらすぐ怪我します。
せいぜい1種類。

…野球の話ばかり熱が入ってしまいました;
どうか壊れないように練習をセーブしてあげてください。
132名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/17(水) 23:01:27 ID:z8xivPqd
>>131
【最後に確認したら暴走ボート ◆z95s/qs7OM様から返信が来てましたので一言お借りします】

キャッチャーは結構強打者というイメージがあるので、話が書きやすいかなと思いキャッチャーにしてみました。
またこういう濃い描写は結構冒険だと自分でも思いますからね…。

それとすいません色々ご指摘を…正直にいって童夢くんとかのようなノリで書いていたので
実際そこまで練習量がオーバーワークになっていたとは全くわかりませんでした。
久美に関しては以下のように修正しますね。

誤>直球は少し弱いが得意の変化球系を駆使し、三振の山を築きあげる。

正>直球は少し弱いがここ一番に使うチェンジアップで、三振の山を築きあげる。

練習描写は今後オーバーワークにならないようもっと量を減らします。
ただし絡みに関しては出来る限り毎話濃い絡みとか入れていこうと思います。
では本当にパソコンの電源を落として眠りにつきます。本当にご指摘ありがとうございました。
133SDS ◆cStOEcFYHc :2008/12/17(水) 23:38:45 ID:0sKFVx1c
お二人とも乙です。
投下です。
134『秋風のなかで』:2008/12/17(水) 23:39:59 ID:0sKFVx1c
鮮やかに黄色くなった銀杏の葉がひらひらと舞い降り、穏やかに陽のあたる東小は眩い黄金色に染まってゆく。
そんな素晴らしい秋の景色に似合わぬ緊張した空気のなか、私は拳を固く握って佇んでいた。

「…白瀬さんさぁ、昨日、西小の眼鏡かけた、背の高い女の子と一緒にいたよね!?」

渡り廊下で私の前に立ち塞がった三人組は三組の女子だ。威圧的な口調で私に尋問を続けている。

「…仲良さそうだったよねぇ。 ちゃんと見てたんだから。」

国東さんのことだった。昨日靴屋で偶然出会って、一緒に商店街のお店を何軒か回った。言いがかりをつけられる覚えがなかった私は、少し憮然として彼女たちに答える。

「…だったら、何か?」

「…やっぱりね。一組って、ほんと裏切者の集まりね。」

リーダー格らしいロングヘアの子の言葉に、左右に控えた二人が頷く。向きを変えて教室に戻ろうとしたが、乱暴に手首を掴まれた。

「…逃げるの!? 一組は負け犬ばっかよね。みんなで西小に尻尾振ってさぁ!!」

135『秋風のなかで』:2008/12/17(水) 23:40:58 ID:0sKFVx1c
失礼な言い草に腹を立てて、掴まれた腕をブン、と振りほどいてから、苦手だった演技を思い出し、精一杯虚勢を張って睨み返した。
よくカメラマンに求められた、冷たく無表情な凝視。まあどちらかといえば楽な芝居だ。
三人は少し怯んだ様子だったが、リーダー格は負けじと居丈高に続けた。

「…あんたが取り入るまでは、シバケンもちょっとは使える奴だったけど、今じゃ負けっぱなしの逃げっぱなし… どうせそのおっきな胸で、シバケン腑抜けにしたんでしょ?」

甲高い嘲笑。もう我慢出来なかった。渾身の力でリーダー格を突き飛ばす。生まれてはじめての喧嘩だった。

「…いい加減になさい!!」

彼女たちは顔色をなくして後退りしたが、残念ながらスクリーンで屈強な戦士を殺戮するオロチヒメはCG合成の産物であり、現実の私はからきし腕力に自信がない。
そのうえ三対一では勝負になる筈もなく、とりあえず腰を低く落として上目遣いで拳を構え、眉間に皺をよせてみた。ああ…早く授業のベルが鳴ってくれれば…

「きゃあっ!!」

三人組の一人が、だしぬけに悲鳴を上げ、頭を押さえてうずくまる。足元にバサリと地図帳が落ちた。

136『秋風のなかで』:2008/12/17(水) 23:41:57 ID:0sKFVx1c
「あんたたち、何やってんのよ!!」

ユマ達だった。
硬い地図帳の直撃を受けた子が泣きだし、彼女達三人は銀杏並木の下をあたふたと逃げ去ってゆく。やっぱりクラスメートは有り難い。

「三組のミズキ達ね…
サエは怪我してない?」

「…ありがと。ひどい目にあったよ…」

戦闘ポーズで固まったまま経緯を説明する私に、ユマは愛用武器の地図帳を拾い上げながら、深刻な表情で言った。

「…あんただけじゃないの。『六年一組非常事態宣言』よ。」


ユマの言葉は、決して大袈裟ではなかった。
教室に戻った私は、すぐ桜井がいないことに気付いた。さっきまでゴトーとマンガ談義に花を咲かせていたが…

「桜井もあんたと同じ。今、職員室で絞られてる。」

「『同じ』って?」

「…栞ちゃんのこと。」

桜井の妹、四年生の栞ちゃんが、密かに西小の男子児童と付き合っているのは六年一組公然の秘密だった。私も一度、桜井に頼まれて栞ちゃんを密会場所であるハンバーガーショップまで送ったことがある。
少しやりすぎの変装まで微笑ましく、私たちはこの小さなロミオとジュリエットのスリリングな『密入国』に協力するのを楽しみにしていた。

137『秋風のなかで』:2008/12/17(水) 23:43:35 ID:0sKFVx1c
「桜井もかなりバカなんだけどね… 栞ちゃん、交際がバレてクラス中で吊し上げられた、って聞いて、さっき四年の教室へ暴れこんだのよ。」

今や桜井兄妹は四年生の間では『西小の回し者』呼ばわりらしい。浮かぬ顔でゴトーが引き継ぐ。

「…栞のクラス全員を号泣させたそうだ。アホだろ…」

最近再び西小との摩擦が激しくなるなか、私は自分の軽率な行動を悔やんだ。栞ちゃんは、もっと辛い目に遭ったに違いない。
顔の見えない東小の意志は、果たして『シバケン』と六年一組に、何を求めているのだろうか。


「…そしてもう一人、『あの子』よ。」

エリが顎で指した方向には、授業のベル直前に、慌てもせず教室に入ってきた作倉さんの姿があった。
西小の統率者、八坂と谷川との繋がりを噂される無愛想で謎めいた彼女。
健太がその件で作倉さんと何らかの接触を持ち、おおっぴらに彼女を茶化す者がいなくなったのもまた、一組では公然の秘密だった。
彼女の頑なだが愛らしい瞳は、いつものように平然と、どこか遠くを見つめていた。


138『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:08:12 ID:0sKFVx1c
「…『シバケン&巨乳スパイ団』だってよ。一組は。」

ゴトーの悔しそうな呟きに、周囲の話を目を閉じて聞いていた健太は静かに答えた。

「…言わせとくさ。」

とりあえず国東さんとは距離を置こうと思った。きっとみんなの為、ひたすら耐えているに違いない健太のために。


ようやく昼休みに職員室から解放された桜井を交え、憂鬱に教室にこもっていた私達の所に、給食当番だったエリが仕事を終えて戻ってきた。

「ねえシバケン、五年生が相談があるって来てるよ。」

桜井とゴトーがすぐ反応する。嬉しそうだった。

「お!! 新しい緑化公園の件だろ!? 五年生同士、西小とだいぶ揉めてるらしいからな。 で、何人来てる!?」


「三人よ。」

エリの返事にゴトー達はガクリと頭を垂れる。以前は西小相手のトラブルが起こると、一組の教室は身動き出来ない程の人数が詰め掛けたという。私が転校してくる前の話だ。
しかし健太は、むくりと居眠りを止めてエリに尋ねた。

「…誰が来てる?」

「双子コンビと、土生って子。」

エリの答えに健太はニヤリと笑い、椅子から立ち上がった。

「…上等だ。」

139『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:10:01 ID:TWQoNmLo
『市立緑化公園』は、この秋、郊外に竣工した広大な総合運動公園だ。
何面ものグラウンドにアスレチック、池を巡る遊歩道に遊具のある広場。時間ができたら遊びに行こうと前に健太と約束していた。二人ともこのところ多忙になり、すっかり忘れていた約束だった。

「…で、西小の六年はまだ出てきてないのか?」

健太の質問に、双子が少し緊張した声を揃えて答える。

「うん、今は五年ばっかり。…でもあいつら凄い人数でさ、東小お断り、って感じで…な、翔平!?」

双子と違い、健太の前でも堂々たる土生翔平がいつもの調子で、ゆっくりと私達に話す。

「俺は平等にグラウンドやコートが使えれば…シバケンさんなら話通せないかな、って。」

「…『シバケンさん』はやめろ。前から言おうと思ってた。」

健太は面白そうにそう言うと私達を振り返り、悪戯っぽい笑顔を見せた。最近見せてくれない屈託のない微笑みに胸がキュンとする。

「よし。久しぶりにみんなでピクニックだ。ゴトー、みんなに声掛けてくれ。久しぶりに俺の豪速球見せてやるぞ。」

しかし健太の大声に、クラス中から複雑な声が上がった。

「な、殴り込みかよぉ!?」「…返り討ちだぜ…」
140『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:12:21 ID:TWQoNmLo
不安げなざわめき。確かに健太や桜井が六年生の支持を失いつつある今、みんなが二の足を踏むのは当然だろう。
しかし、健太が行くと言えば、たとえ二人きりでも私はついて行く。あの谷川千晶だって、私と変わらぬ女の子なのだ。

「バーカ。ピクニックってるだろ!! 弁当持ってさ。チビ共も連れて賑やかに出掛けるんだよ!!」

私の決意とはうらはらな健太の陽気な声に、教室の空気が少し和む。エリが懐かしげに呟いた。

「久しぶりね… ピクニックと言えば、覚えてる? 『ゴトー骨折事件』。」

「ありゃケンが押したからだ!! 四年生の時だよな…」

転校生の私が知らない、クラスみんなが共有する沢山の思い出。うらやましかった。しかしこうしてみんなの昔話に耳を傾けるのは、とても幸せな気分だった。
いつか私も、この六年一組を懐かしく語る日が来るのだろうか…

「じゃ、次の日曜日だ。弁当とか遊び道具とかちゃんと持ってこいよ!!」

三人の五年生は、この知らせを携えて教室に戻ってゆく。気の早いマナがお弁当の段取りを始め、その日の午後は、みんな料理の話で盛り上がった。

141『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:14:02 ID:TWQoNmLo
秋晴れの日曜日、集合場所の校庭に集まった人数は予想以上だった。
まだ自転車での遠出が覚束ない低学年に付き添って現れた母親に、よろしくお願いします、などと言われぎこちなく頭を下げる。こんな大所帯で出かけるのは海水浴以来だ。
西小とのトラブルは心配だったが、色とりどりの自転車と、カゴに詰め込まれたボールやラケットを眺めていると心が踊る。紅葉もきっと綺麗だろう。 

「…健太くん、もし西小の連中といざこざが起きたら?」

派手な衝突を期待して参加している五年生のなか、土生翔平が健太に尋ねる。
出発を待つ間も低学年にバッティングの指南を続けていた彼は、皆が安全に楽しくスポーツに打ち込める場所を切実に求めているようだった。

「…なあ土生よぉ。『雨降って地固まる』っていうだろ。なんでもまずは『雨』からだ。」

まるで弟を諭すように語る健太に、この芯の強い五年生はなおも食い下がる。

「それが血の雨でも?」

「そうだ。…ま、心配しなくても、グラマーな女ピッチャーは殴らねぇ予定だよ。」

健太が意地悪な顔で笑いながら言う。どうやら『ロミオとジュリエット』は、栞ちゃんたちだけではなかったらしい。


142『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:16:00 ID:TWQoNmLo
「…『東小のハブショウ』語呂もばっちりなんだけどな…」

顔を赤くして去ってゆく土生の背中を見ながら健太が小さく呟く。すると素知らぬ顔でバットを振っていたゴトーが答えた。

「ああ。双子より度胸もある。惜しいよな…」

私は再び一年生のコーチに戻った彼を見ながら、あの快活な野球少年には、喧嘩も、ましてや物騒なあだ名も似合わないな、と思った。



「…54、55、56、57人と!! 男子30人女子27人に自転車42台!! では出発ーっ!!」

まるで番犬が羊を集めるように、校庭中で遊び呆ける児童を整列させたユマのかけ声が響く。
いつも行き当たりばったりな男子の計画を完璧にサポートする彼女こそ、一組の真のリーダーではないか、と時々私は思う。
そんなわけでとりあえず、『東小緑化公園行き御一行』は騒がしく東小の校庭を出発した。



果てしなく長い行列の最後尾、久しぶりの指定席である健太の自転車の後ろに跨り、私はユマに命じられた低学年の見張りに精を出す。これを怠ると、到着時には人数が一割減っているというユマの言葉は真実だった。

「…こらっ!! ドングリなら公園に着いたらいっぱいあるでしょ!!」


143『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:17:46 ID:TWQoNmLo
路肩に自転車を止めてドングリを拾う者、大事なカードを落としたと、猛烈なスピードで逆走して来る者、携帯ゲームに熱中して溝に落ちる者…
大抵は健太の一喝で慌てて列に戻るが、楽しみにしている遊歩道の散歩も水入らず、とはいかない予感は当たりそうだ。

「…仕事、どうなんだ?」

健太が珍しく仕事の事を尋ねた。

「うん、スポーツウェアの『B−ボート』でしょ。それから、『アンノウンX』、ちょっと大胆過ぎる服多いとこ。あとは『シラセ・デザイン・スタジオ』専属。」

「…よくわかんねえが、忙しいんだな。」

少し寂しげに聞こえた彼の声に、慌てて付け加える。

「…でも、やっぱり学業優先の健太優先だよ。」

「バカ。仕事はキチンとやれ。」

ぶっきらぼうな返答。「だってぇ…」と甘えかけたところで、また逆走車が突進してくる。

「こらぁ!! 何処へ行くかぁ!!」

乱暴な口調で叫ぶ私はすでに、『ヒステリック・グラマー』の一員だった。
144『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:19:36 ID:TWQoNmLo
…こうして秋の山道を楽しむ余裕もなく、一時間少しかけて私たちは『市立緑化公園』に到着した。

「…広いね…」

思わず呟くほど広い公園だった。開発の進むこの市の外れの山林は、まさに絶好の遊び場に生まれ変わっていた。
静かな池が紅葉を水面に映し、芝に覆われた小高い丘の向こうには広いグラウンドや遊具が見える。

そして、ちらほらと見える他校生。おそらく西小児童であろう彼らは、大挙して現れた私たちに気付き、なすすべもなく戸惑いに満ちた視線を送っていた。

「…行くぜ。」

側近を従え健太は傲然と公園に足を踏み入れる。その姿はまさに『東小の魔王』。サッカーボールを追っていた西小児童が動きを止めた。

「…な、なんだよ!?」

目にも止まらぬ早さで桜井が戸惑う彼のボールを奪う。巧みなリフティングでボールはゴトーに渡った。

「か、返せよ!! なんなんだよ、お前ら!!」

「…消えろ。」

健太の言葉と共に、彼らのサッカーボールははるか彼方へ蹴り飛ばされた。

「…東…小?」

震えた小さな声。冷たい貌で健太に寄り添う私は彼らの敵だ。内心の葛藤を見せぬよう、私は退屈そうに俯いて髪をいじり続けた。

145『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:21:48 ID:TWQoNmLo
これは『侵略』だった。広い公園のあちこちで、同様の威嚇と恫喝が繰り広げられ、無防備な西小児童が次々と駆逐されてゆく。
そのあとに歓声を上げ、グラウンドに、ジャングルジムに散ってゆく東小の小さな児童たち。
賞賛と畏敬の眼差しはまさしくみんなが期待するリーダー、『東小のシバケン』に降り注ぐ。
騒乱のなか上着の裾を引かれ、ふと見下ろすと、見覚えのある東小の二年生が私を掴んでいた。

「…お姉ちゃん、お城造りたい。」

彼の視線の先には砂場に怯えた顔で座り込み、私たちを見上げる小さな西小児童たちの姿があった。
わかっていた筈だった。健太は、ゴトーは、ずっとこうして最前線で西小の憎悪を一身に浴びながら闘ってきたのだ。
健太と仲間の愛情に支えられた私が、どうしてみんなの後ろに隠れ、憎しみの矢面から逃げていられるだろうか?

静かに砂場に歩み寄った私のスニーカーの下で、西小の砂のお城は音もなく、ぐしゃりと潰れた。べそをかいて去ってゆく西小の児童たち。
生まれて初めて、あまり感情を映さぬ自分の面立ちに感謝した。

…ねぇ綾女、『正しいこと』ってなんだろう? 『強い』ってなんなんだろう…

146『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:23:56 ID:TWQoNmLo
やがて双子たち五年生が西小児童の掃討完了を誇らしげに告げる。
昼食の時間まで、私は黙々と、砂のお城を造り続けていた。



「…え!? サエさん『樹海』がテレビデビューじゃなかった!?」

昨夜マナの家に集まって作ったお弁当をみんなで食べながら、五年生の女子達とはじめて話す。
まだ西小の逆襲を恐れ、そわそわと落ち着かない彼女たちに、昔の仕事の事をできるだけ面白く喋った。

「…子供時代のキミエが沼に落ちて溺れてる回想カットがあってね、その小さいキミエ役が私のテレビデビュー。台詞は『助けてぇ!!」だけ。」


熱心に聞き入る彼女たちは次第に楽しげな笑い声を立て始め、安心した私は時折チラリと健太を見たが、彼は翔平を相手のキャッチボールに夢中で、まだ湖畔の散歩はお預けのようだ。

「ほぉら、いくよぉ、栞ちゃあん!!」

桜井は鼻の下を伸ばしながら妹の栞ちゃんとバトミントンに興じている。お喋りに費やすにはもったいない天気に、私たちもすぐにバレーボールを始めた。五年女子対六年女子だ。体を動かしていると気分が晴れた。
しかし、出来るだけ快活に振る舞いながらも、私達六年生の思考は今後の戦況から片時も離れなかった。


147『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:26:03 ID:TWQoNmLo
不本意に撤収した西小の児童たちは、この屈辱を六年生達に訴えるだろう。八坂、岸、谷川…
名だたる強者たちは、すぐ反撃に転じるに違いない。

「…明日は明日さ。誰かお茶くれよ!!」

結局、ゴトーのこの答えが、この日みんなを笑顔にした結論だった。



「そろそろ帰るわよぉ!! 全員集合!!」

夕方近くに伝令が走り、名残惜しげな下級生がポツポツと集合する。
帰るのはいやだと駄々をこねる低学年に、双子率いる五年生達が叫んだ。

「西小はもう追っ払ったんだ。これから毎週でも連れてきてやるさ。な!! 健太君!?」

まだ黙々とピッチングを続けていた健太が無言で頷く。

「…次は大基たち二組の戦力も狩り出す。本当はあいつ、今日も来たくてウズウズしてたんだぜ…」

ゴトーの言葉に肩をすくめた健太の声が、秋空に高く響いた。

「…よぉし!! 近いうちまた来るぞ!! 今度はもっと友達誘って来い!!」

どっと沸き上がる喝采。少し肌寒い空気に頬を赤らめながら、東小の歓呼の声が続く。
唇を固く結んだ栞ちゃんが、兄の手をぎゅっと握る。
そして健太の相手を終えた土生翔平が静かに私の横を通り過ぎ、私は黙って目を伏せた。

148『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:28:21 ID:TWQoNmLo
「…おいユマ、あとから追っかけるから、先に帰っといてくれ。」

ようやく全員を公園から送り出し、自転車にまたがったユマ達に健太が言った。

「…はいはい。ま、ゆっくりしてきたら?」

ユマのにやにや顔で、ようやく健太が二人の時間を取ってくれた事に気付き、山々を振り返るともう陽は西の雲を茜色に染めていた。

「…『決戦は緑化公園』か…じゃ、お先。」

ユマを見送った私と健太は、さっきまで三年生たちが隠れんぼをしていた湖まで歩いた。
高く茂ったススキの穂をかき分けて岸に出る。
沈みゆく陽に低い雲はいよいよ真っ赤に燃え、高かった空も、山も湖もすべて炎の色だ。

「…山火事みたい…」

しばらく黙ったまま二人で夕焼けに見入った。

さわさわとススキの揺れる音が聞こえ、傍らに健太がいないのに気付く。

「健太?」

『隠れんぼ』だ。
私の背より高い金色の穂をかき分けて、きょろきょろと健太を探す。下草を踏む音が真後ろで止まった。
背後の気配にわざと知らんふりをしていると、そっと伸びた二本の腕が、ぎゅっと私の腰に巻きつく。健太と、グローブの革の匂いがした。

149『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:30:05 ID:TWQoNmLo
「…そろそろ、帰んなきゃ…」

目を閉じて背中を預けた私を抱きしめ、健太は答える。

「…そーだな。」

耳元にかかる彼の吐息にびくりと震えた。照れ隠しに呟く。

「…今日は楽しかったな…もし谷川千晶が来ても、やっつけてやるんだ…」

「…バカ。お前はそんなこと考えるな。」

低い声で叱る健太の手が、服の裾からスルリと潜り込んだ。そのまま這い上がって、荒々しく乳房を掴む。

「だって、私も東小の…あ…」

暖かい掌の感触に呻く。慌てて周囲を見渡すが、ススキがすっぽりと私たちを隠してくれていた。

「…お前は人気商売だぞ。顔でも怪我したらどうすんだ。」

「…だっ…て…」

次第に腰の力が抜け、反論できなくなってゆく。ため息がせわしなく漏れた。

「…馬鹿なことしないって約束するか?」

健太の指先が脅すように乳首に触れた途端、背筋に熱い何かが駆け巡り、私はとうとう健太に屈服した。

「…は…い。」

素直な私の返事に、健太の手はまたスルリと胸から離れる。甘いお仕置きはあっけなく終わった。

「…よし。いい子だ。帰るぞ。」

150『秋風のなかで』:2008/12/18(木) 00:37:33 ID:TWQoNmLo
…すこし納得いかないまま、のろのろとブラジャーを直す。
疼く胸を抱えてふらつく私の手を引き、さっさと歩く健太が少し憎く、そしてたまらなく愛しいと思った。

虫の声が響くすっかり陽の落ちた山道を、自転車は静かに走る。
まだ火照る胸。心配や不安を詰め込んだその胸ををぎゅっと健太の背中に押し付けて、ぼんやりと見上げた空には綺麗な月が出ていた。


続く
151SDS ◆cStOEcFYHc :2008/12/18(木) 00:42:01 ID:TWQoNmLo
投下終了
以上三本立てでした。
152暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/18(木) 00:48:05 ID:erkaOOWZ
おつかれです。
40分かけてリアル投下を眺めていました。

俺も短いセリフで情景を伝えられるようになりたいもんです。
何と言うか、俺のやつは…くどい。
もう少しナレーションを多くしたいもんです。

シバケンのピッチングは、どのようなものなのだろう。
土生よりはましか。
153名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 11:46:49 ID:k1Cerqu0
暴走ボート氏、名無しさんX氏、SDS氏。
超GJでした!!また作品投下のほど期待してます。
154名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 15:31:49 ID:62KWMLrq
3gj!!
155名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 20:31:08 ID:HamDMVDN
>>118
おっきした
156名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 22:01:54 ID:vbixoOJt
キャラが多すぎてわけわからん
いいかげんにしろって感じかな
157名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 20:03:15 ID:CEXq9eok
GJ
ユマいいね。ちょっとユマが気になってきた
158名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 20:06:55 ID:w7nmcCiB
巨人ファンの俺はちょっと複雑

どうしてここまで来て憎しみをぶつけられなければならないのか
159名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 22:26:34 ID:VuttNhYy
>>158
いやSDS氏への感想だろw それか、最近のリンク過剰な各SSがって事か


160名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 06:02:43 ID:x5wOHl0x
>>158
強いから。ということにして置こうじゃないか。
161名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 16:51:45 ID:0hoK9LNH
最近はもうエロ置いてきぼりの作者達の自己満足SSになってるよねー
それならブログにでも書いてればいいのにねー

とか言ってると書かない奴がryと言われるからな
162名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 17:12:08 ID:qRFDL5Al
>>161
なんで自分で書かないの?
163名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 17:33:49 ID:m5A4P8PY
>>162
自分でSS書くための労力を費やす気は毛頭ないが、楽して他人の成果だけは獲得したい。
なのに黙って口を開けていても自分の欲しいものを誰もいっこうに入れてくれないので、
周りで楽しげにやりとりしているのが妬ましくて仕方なくなったんじゃないのかね。
ここで憎まれ口を叩き続けていれば、いつか白馬の騎士がさっそうと
スレを荒らし尽くしでもしてくれると思ってるだけに思える。

…流れ変えたいなら自分のSSでやればいいのに。
今の流れを追い出さなければ共存不可能ってほどの急流じゃあるまい。
164名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 17:50:59 ID:lUnugBd/
>>161はもう他人の迷惑置いてきぼりのゆとりの自己満足荒らしになってるよねー
それならブログにでも書いてればいいのにねー

とか言ってるといちいち荒らしの相手する奴がryと言われるからな



こうですか? わかりません!><
165名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 18:00:25 ID:xzGM9rtt
>>163
さっそうとスレを荒らし尽くしに来る白豚野郎は氏ねと思うが、
さっそうと汁だくエロSSを新規に投下してくれる白馬の騎士職人はとてもイイ(・∀・)!!
166名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 18:41:48 ID:n72vxaQB
>>161
おまいはこのスレの今の流れが気に入らなくて仕方ないんだな?
でも、巨乳小学生をテーマにしたエロパロは好きで気になってるんだな?

よろしい。

それこそまさに職人デビューの時だ。
絶好の機会ってやつだ。

すでに世にあるもの、既存の職人から与えられるものに満足できなくなったとき、人は自ら職人となるのだ。
俺は今の流れも好きだけど、>>161の書く濃厚エロエロSSも楽しみに待ってるよ。
がんばって、新たな流れを加えてみてくれ!

…と、他スレでちょびっと書いてる俺が言ってみるテスト。
167名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 19:19:48 ID:4HFw/izm
同じ世界観・町で無理にリンクさせすぎて本来稀有な存在である
巨乳小学生の希少価値が下がるのを嫌ったのかもしれん。
今の状態だと巨乳を隠した状態から明らかにされても周りが大して驚かなさそうだ。

ということで別ジャンルを希望してみよう。
職人さん、巨乳小学生魔法少女が見たいです。
168名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 19:40:00 ID:kSjae3Nr
確かに大元の千晶の話だと、西小巨乳小学生は真理+真琴に千晶、っていう流れだったからね。
真理は千晶の宿敵だから、相談相手としては圏外だったんでしょう。

西小の六年生以外や東小についてはあまり触れられない状況だったとはいえ、若干インフレ気味だったきらいはあるかも。
169名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 23:17:21 ID:r41XQwIM
すげぇ長文レス連続に驚いたw
好きなスレだから書き手さんたち頑張ってね。

>>161
ヒント→スルー
170名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 23:46:37 ID:WgBt0R3U
>>151
GJ!
ファイティングポーズのままで固まる紗英に萌えたw
こういう細かい芸の積み重ねとか大好きです
この続きが後編なのかな?楽しみに待ってます
171名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 23:47:23 ID:WgBt0R3U
>>158
よくわからんが…
ライバル役ってのもまた乙なものなのでは?
172名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/22(月) 13:08:17 ID:XWu7SOXt
>>151
おそばせながらSDS ◆cStOEcFYHcさん大乙でございました。
初々しいシバケン×紗英は見ていて和みました。

それと色々とご意見が出ている最中ちょっとKYかも知れませんが
ここでのエロ描写はどこまで許されるものなのでしょうか……一応一話完結の短編を書いてみたので
判断していただけると嬉しいです。(また最近問題になってきている巨乳小学生の増加など色々と思うところもあるので)

この話にも西小・東小児童が出てきますが、夢落ちとも一応取れるようにもしてありますし
今回の短編主人公は人外の妖精爆乳小学生。しかも最後近く淫語絶叫とやるというエッジを思いっきり聞かせてみました

ではこのシーズンに最適だと思った女の子サンタモノ
『メリークリスマス!』投下開始します。
173メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:09:44 ID:XWu7SOXt
メリークリスマス!

今宵は聖夜前日12月24日クリスマス・イブ
そして子供にとっては誕生日以外で公式におもちゃなどをねだれる日であった。
街にはジングルが響き渡り、仕事帰りで買った大きなおもちゃを持ったおじさん・おばさんの急ぐ傍ら、横で二人より添い街をゆくカップルもちらほらする。

そんな中
大人には聞こえないし見えないが、空にはそりに乗りながら見事にトナカイを乗りこなす少女がそこにいた。
その少女は俗にいうサンタクロースを思わせる装いの赤いケープとショートスカート・帽子・そして革のブーツを付けていた。

少女は金髪・碧眼でまるで妖精のような可愛らしさと美しさは、もし周囲の人間が目視できたらだれでも振り向くと言い切れるものだった。
しかもその少女のケープは胸が物凄く盛り上がっており、パッと見ただけでも胸が大きい様子は分かり
スカートからは雪のように白い太ももが見えて衣装だけなら風俗業のお姉さんみたいだが
あまりの可愛らしさにエロティックという風にだけには見えない。

そのサンタクロースのような少女はチラホラ雪降る中で闊歩する人々を見下ろして
「日本のクリスマスってきれい……でも私がちょっとでもおじいちゃんの手伝いをしないと!」

その少女はクリスマスの活気に見惚れるものの、すぐに本来の目的を思い出し急いで目的地に向かうのだった。
祖父との約束を果たすために。
174メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:11:09 ID:XWu7SOXt
「その地区を一人でやるというのかね?」
その初老の老人……しかしその恰好は先程の少女と同じような服装をしていた。
そう彼こそは永遠の老人、そして子供に夢をプレゼントする誰もが知っている人物。サンタクロースその人だった。

少女はサンタクロースを真顔で見つめ、哀願するように頼みこむ。
「お願いサンタクロースおじいさん。私にも少しくらい手伝いをさせてください。おじいさんのお手伝いを私もしたいんです!」

少女の真剣な願いをふむふむと真面目にサンタクロースは聞き、しばらく考えていたが。
「ふむ分かった。そこまでワシの手伝いをハウメアがしてくれるのなら……遠慮なく頼もう。何事も経験する事は大事だ。」
と少女……ハウメアの願いを聞き届けてくれる。

「ありがとうおじいさん!」
そのサンタクロースの言葉を聞きハウメアは心から嬉しくなりサンタクロースに抱きつく。
ハウメアの豊かな胸がサンタクロースのお腹にあたり、少しサンタの方が赤くなるも
「それじゃあハウメア。ワシの方から学校に言っておこう…12月24日の日本地区でワシの手伝いをするとな」
と改めて確認をハウメアにサンタクロースは取るのだった。

そして

「私。おじいちゃんのために頑張って子供たちにプレゼント贈るから!」
と祖父サンタクロース仕込みのそりテクニックで急いで担当場所へと暗闇を切り裂きながらいく。

前もって祖父から聞いていた地区は大きめで、小学校が向かい合うように隣接していた。
どちらを先にしようかハウメアは迷うが
「まずは…困った時は西からっ!まずは西方面でと。待っててね子供たち!」
とまずは西方面から開始する。

サンタクロース直伝のノートを見ながらまず低年齢層にプレゼントを置いておく
なぜなら年齢が高ければ高いほど深夜まで起きている事が多く、それに小さい順という原則もあるのでハウメアもそれに従い
幼い子供のところにプレゼントを配る。

壁を抜けて子供を起こさないようにそっと…眠っている子供の頭元にある靴下に、おもちゃをいれていく。
175メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:12:27 ID:XWu7SOXt
順調にプレゼントを贈っていたが…76軒目で少し困ってしまった。

「……どうしよ」
その家の様子を見て少し困ってしまった…年かさとしてはまだ小さめの眠っている少年の横に
上下のスウェットを着た目をがんとあけた少女がどっしり座っていたからだ。
しかも…その少女は少年の靴下の中へと強引に自分の靴下を入れており書き置きまで入れてある。
あらかじめ翻訳の魔法をかけていたハウメアは彼女の文を確認する。

弟の慎也のものは私のもの・私のものは私のもの 真理

………どうやらこの真理という少女は弟である慎也のプレゼントも横取りする気満々だ。
下手に入ったらこの姉弟分どころか根こそぎプレゼントを取られそうだった。
「…子どもには私の姿が見えちゃうからな。仕方ない出てきてクランプス!」

ハウメアは召喚式を唱えながらクランプスと呼ばれた黒と茶色の不気味な怪生物を召喚する。
そしてその怪生物を真理の顔前にテレポートさせると…。

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
がんと見張っていた真理だったが突然怪異が出現し、悲鳴すら上げられないまま気絶した。
だが良く見ると…彼女の下スウェットからちょろちょろと小水が漏れてしまっている
以前友達の前でしてしまったように…ただし彼女にとって幸運だったのは即座に気絶でき
ハウメアや慎也の前で恥ずかしい思いをする事がなかった事だろう、そして。

「ちょっと悪いことしちゃったかな…えい!」
魔法を使って気絶した真理のスウェットとパンツを脱がしつつ、外へと移動させて
他の服がぬれないようM字に足を開かせて、ばれないようにおしっこを出し切らせる。

ちょびちょびと陰毛が生えた少女が…しかもハウメアから見てもこの真理という少女は
引きしまりながらも女性らしい膨らみもしっかりある健康的な体をしており
そんな少女が外で雪の降る中大足を開かされて、浮いたままおしっこをする図式は奇妙この上なかった。

そして真理の服や真理が流した飛沫も魔法で除去して、改めてプレゼントを贈る。
慎也には新発売したばかりのカードゲームスターターキット
真理には果物の種セットと解説本を
それぞれ靴下の中に入れて立ち去る。

それから低学年・中学年のプレゼントも一通り終え高学年のプレゼントに移る。
「結構順調だけどまだまだ!」改めてハウメアも気を引き締める。
176メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:13:42 ID:XWu7SOXt
348軒目
「これって…なんなのかしら」
ハウメアは少女の部屋で奇妙な服を見つけた
その服は全身白く…紐のようなものもかかっていた。

その白い服に少し興味がわきちょっと来てみるべく、熟睡した背の高い少女に対して
「すいません。この服変っていて気になりますので少し着て見ます」
と赤と白の混じった服を脱ぎ、たわわな96cmのおっぱいと92cmのお尻を収めた
下着姿となって、その白い服を着てみるのだった。

「凄くごわごわした服で丈夫そうだけど…何に使う服なのかしら?
とにかく服お貸ししてもらいすいませんでした、その分いいプレゼントを贈りますね。」
と魔法で白いごわごわした服を本来以上に綺麗にし。
その少女が欲しがっていた以上のプレゼントを置いて、その少女の頭元に近寄り。

「これでいい夢が見られますように…」と少女の額に触れて魔法をかける。
これでこの少女の本当にしたいことなど夢の中でかなえられるはずだ。
夢とはいえこの子の見る心地いい夢がいずれ現実になればいいなと思い立ち去る。

それからもハウメアはたくさんプレゼントを子供たちに配り続けた
そして西地区最終

「よし!これが終われば半分!!」
そんな思いを胸にハウメアは少女の家に入るのだが…意外なものを見てしまう。
眠っていた胸の大きい少女が瞳から涙を流しているのだ……。
そして泣きながらか細い声で「お母さん」とつぶやく。

いったいどうしたのかしら。
ハウメアは気になり、メモ帳でその少女の事を知る、その少女は母を失っており悲しい思いをしたことに…。
少し胸にキュンと来るものをかんじ、本来のプレゼントを頭元において、より一層の力で魔法をかける。

「今日は聖夜…これくらいの夢を見たって罰は当たらないよね。
お母さんのことや大きなおっぱいの事で苦労してきたんだもの…幸せになってね千晶ちゃん」
ハウメアは少女……谷川千晶にせめて今日だけでもお母さんに甘えられるように
幻術で夢の中に千晶の母親を作り出し、たくさん甘えてもいいように持ち込ませる。
千晶の顔も先程の悲しそうな顔とは違い少しはにかむ笑顔だった。

少しでも幸せにできたことで心が温まりながらもハウメアは残り半分をこなす為に東地区に向かう。
177メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:15:00 ID:XWu7SOXt
「よしファイトファイト!あと半分でおしまい!」
改めてしんみりした気持ちを切り替えてハウメアは先程のように小さい順からプレゼントを贈る。

567軒目
「むあっ!凄いな〜これは…男の子兄弟集まるとこんな匂いになるんだ〜」
仲良さそうに眠っている男兄弟のにおいにびっくりしながらも、少年が好むプレゼントを枕元に置き
ギリギリいい子だったので夢を見せて去ろうとするがふと視線に絵が飛びこむ。

「…綺麗な絵…この子のガールフレンドかな?配達中で会えたらいいな」
額縁へ大事そうに飾られた洗練された美貌の少女の絵を見て、この少年と絵の少女が上手くいくことを祈って立ち去る。

679軒目
今度は兄妹同じ部屋で眠っている様子だ。
ひとまず年齢制限のため妹のみにプレゼントだが、画材道具をプレゼントする。
いい子だったのでいい夢のサービスもしておく。

そんなこんなで周囲全部まわって残すところあと一件だけだった。

「おじいちゃん…ちょっと疲れたけどこれで少しはおじいちゃんの役に立てたかな…」
流石に疲労困憊なハウメアだったのだが最後の力を振り絞って。子供がいる大豪邸に潜入する。

ぬき足・差し足…ベッドで眠っている少女の部屋に入り忍び足で彼女の頭元に近寄ろうとするが。
突然眠っていたはずの少女はいきなり跳ね起き、そのまま右手でハウメアの体をベットに押し倒しながら
左手で電気を付けて闖入者の姿かたちを確認する。
178メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:16:35 ID:XWu7SOXt
あまりに突然の事でハウメア自身も「きゃっ!」と悲鳴を上げるのがやっとだったが
自分を捕まえた少女から丁寧な…だが威嚇に満ちた言葉を投げつけられる。
「貴女…どなたですか?私が眠っている最中吐息を立てて部屋を訪れるとは…
私を誘拐するおつもりだったのですか?それとも私に対して夜這いでもする気だったのですか?
いずれにしても度胸の据わった方ですね……」

と少女から見つめられ、まるで蛇に睨まれて蛙のようになってしまう。
今までの配達で疲れていた自分が、その事で息を切らせていた吐息でこの娘は起きたというのか……。
自分のうかつさを呪うしかなかったが、改めてその少女を見る。

少女は薄手のネグリジェを穿いており、ブラジャーやパンティーまでしっかり確認できるほどだ。
またその少女の可憐さは今まで見てきた少女たちにも決して引けは取らず、スタイルもかなりのものであった。

竦みながらついハウメアはその少女の体をじっくりと見てしまっていた。
そんな彼女に対し、少女は見かねたのか今度はハウメアのスカートをパンティーごとずり落とし
思いっきりハウメアの大きい92cmの透き通った人間以上に白いヒップを引っ叩く。

「ああっ!…ん…ん゛ぐぐぐぐっ!!」
つい夜中なのに思いっきり声を上げそうになるが、今お尻をひっぱたいた少女から口を押さえられ悲鳴を封じ込める。

「貴女…今は夜中ですよ。こんなところで大声を出して捕まりたいのですか?」
ハウメアの口を押さえながら、穏やかに、だが絶対に嫌とは言わせないように悲鳴を上げることを止めさせる。

「んんん……んん。」
その少女はとりあえず自分が騒がなければ、人を呼んで騒ぎを起こさないと思い口を押さえられながら頷く。
いくら自分の姿が大人には見えないとはいえプレゼントを渡す前に大騒ぎになっては元も子もない。
最後のプレゼントだし、何が何でもハウメアは今自分を取り押さえている少女に渡す必要があった。

ハウメアがもう騒がないとその少女は確信したのか、口から手を離しハウメアがしゃべれるようにする。

でやっと新鮮な空気を吸いながらハウメアは
「ぷはぅ……すいませんまさか起きてるとは思わなかったんで…私はハウメアと言いまして。祖父サンタクロースの手伝いの為にプレゼントを配達していた所です……」
自分の素姓を語り決して怪しいものではないと言い切る。
スカートとパンティーを引きずり降ろされたためか…金髪の髪にふさわしい煌びやかな金の陰毛。そして白く透き通った大きいお尻に一枚の紅葉が咲いていた。
179メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:17:43 ID:XWu7SOXt
少女はハウメアの話を聞きつつも、ハウメアの体をじっくり鑑賞し、大きいバストとヒップ
そしてくびれたウェストがとてもおいしそうと感じながら、自分から話しかけ。

「まあ私も本物の……しかもサンタクロースのお孫さんに会えるとは思いもしませんでしたわ。しかもこんなに可愛らしい女の子とは…
ではハウメアさん、私も名乗らせて頂きますわね、私は神楽坂沙織と申します」
と少女…沙織はハウメアに対して自分の名前を名乗る。

「沙織ちゃんですね…では予定が若干狂ってしまいましたがプレゼントを…」
袋からプレゼントを取り出そうとするが、その手を沙織に掴まれる
ハウメアも沙織の意図が分からなかったが、沙織はハウメアの手を掴みながらこうはっきりと告げる。

「プレゼントですけど…あいにく物だったら間に合っておりますし。
何より私は初対面の方から一方的に、物を渡されるのはあまり好きではありません」

突然のプレゼント拒否…ハウメアは口をあけて
「いえ…それはちょっと困ります。私も祖父の使いとして来ているので何もいらないというのは…
沙織ちゃんは本当に何か欲しいものはないのですか?」
と困ったように沙織に自分の気持ちを伝える。

沙織はそんなハウメアを見ながら考えていたが、思いついたように囁いてみる。
「わかりました…ではハウメアさん。
私はあなた自身をプレゼントとして頂きたいのですが……
それだったら私からもハウメアさんを気持ち良くさせられますし」

え?ハウメアは沙織が何を言っているのか分からず暫く言葉を失っていたが
突然沙織の方から圧し掛かって、ハウメアの赤いパーカーとブラジャーを瞬く間に脱がし。
ハウメアの豊満な胸がぶるんと揺れて弾む。

帽子以外服を上下全てと靴を脱がされハウメアは一糸まとわぬ姿となったが。
北欧生まれでしかも人間の肌ではない為に、彼女の肌は雪よりもなお白く、碧眼も透き通ってエメラルドを思わす。

そして胸と尻は少女離れした……例えるなら色魔のように扇情的で圧倒的な質量だった。
また大きいだけでは無く形の方も美しく整っており、その肢体はまるでアンティークドールを思わせる物だった。

「……まさか私が欲しいってそういう意味なのですか?
私は人間の愛し方とか分かりませんし、ましてや貴女は女の子なのに私と一夜を過ごしたいなどといわれましても…私だって女の子ですよ、人間ではないですが……」
案の定戸惑うハウメアだったが、そんな可愛らしい困り顔に対して、まず沙織は優しくキスを交わす。
180メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:18:40 ID:XWu7SOXt
「…!!」
ただ唇が触れただけで体から雷が走ったような感覚を覚える…そしてそんなハウメアの様子を見て、いったん離れ沙織も着ているネグリジェに手をかけながら。
「貴女だけに恥はかかしませんわハウメアさん。じっくりとあなたも私の体を見つめて…味わってくださいな」
といった瞬間ばっとネグリジェをベットの横にと、ハウメアの脱がせた服近くに置き。
そしてブラジャーとパンティーのすぐに脱ぎ、自分もハウメア同様一糸まとわぬ姿になり、自慢の裸体をじっくり見せる。

その黒々とした陰毛と見合うほど美しい髪
均整がとれながら、とてもグラマラスな胸と尻
日本人離れした長足に引き締まった腹部、そしてハウメアとまた違う美しさを誇っている。

全てを曝しながら沙織はハウメアの金髪を優しくなでながら、彼女の耳を甘噛みつつ囁く
「大丈夫ですわハウメアさん。貴女は初めてこういう事をするみたいですから優しく私からリードします…
女の子同士にしかわからないツボ…私いろいろ知ってますのよ」
まずは甘くゆったりとしたペースで沙織は耳朶を噛んでなぶり
両の手で豊かなハウメアのバストを優しく包んで温めるように揉み始めて、ゆっくり女の子同士の温もりをハウメアに刻んでいく。

女の子感じる所をよく知っている沙織の責めは優しくも、本当にオナニーすら知らない純朴な少女にすら、青い性の喜びを導き、淫らな一面を呼び覚ますほどで
実際にハウメアは全く抵抗せずにハウメアは沙織に責められるまま。
「あっ……沙織ちゃん私いまぴくっと体が震えてぇ!なんなの?これが女の子なの?
体が…なんか熱くなってくる…どうしてなのぉ」

と未知の快楽に打ち震えるかのように、白い肌がうっすらとピンクに染まる。
沙織の責めに対してまだ未開発のハウメアにとってはこの気持ちが『気持ちいい』と完全に理解できていないが
それでも沙織が自分の耳を噛んだり、ゆったりと胸をもまれるのは不快どころか、心が天に昇るほど気持ちいいとハウメアは思った。

沙織の方も自分の事を心から慕っている後輩の大泉久美やリリアムに今年入団した石引優子とも違う、ハウメア特有の感触に感動すら覚える。
改めて人間とは思えない皮膚の細かさと艶やかさを誇り、一撫でするだけで自分の体も高まってくる。そしてその白い巨胸はまるでゴム毬のような弾力性と綿飴のような儚い柔らかさを併せ持ち
ひと揉み事にぷりゅぷりゅと弾力が変わっていく神秘に満ちた乳房だった。

そんなぷりぷりバスト心地いい感触を楽しみながら沙織は、次に徐々に両方の手で
ハウメアの爆乳を貪るように強く揉んだり、あるいは力をセーブしてくすぐるように揉んだりと、本格的に胸の開発などを進める。

そんな胸の愛撫を受けハウメア自身変わっていく。
(沙織ちゃんにおっぱいもまれる度……今まで感じたことのない震えがくる。
これが女の子なの?おっぱいこんな風に触られるとうれしいんだ)
精霊の体であるハウメアも女の子として生まれたためか、沙織の繊細なしかも的確な愛撫で女の子として…いや『雌』としての目覚めを迎えようとしていた。

「んっぁ!…あぁっ❤」
まだ声に硬さが残っているが、生まれて初めてあげる喘ぎ声が口から出る度にハウメアの肢体と表情から色気に満ちた表情が覗いている。
181メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:19:48 ID:XWu7SOXt
そんな目覚めを後押しするように沙織は微笑みつつ、ハウメアのおっぱいを今度は
ぎゅむぎゅむとつぶすくらいの感覚で揉みだしながら声をかける。
「嬉しいです……初めてですが感じやすいのですね、ハウメアさんは…ではもっと気持ち良く致しますね。思い出になるくらいに」

と言い、本当に激しくハウメアの胸が変形するくらいに揉み揉みしていく
意外と大きめな沙織の手がお椀状の胸を形を変えるほど潰し、おっぱいをきつく揉みながら、沙織はハウメアに対してキスをする。
しかもこのキスは先程と変わり、口内にまで侵略するように、熱い舌を強引にハウメアの口…そして舌にあてて絡め捕る。

「あうぅん♡沙織ちゃん❤❤私わからない♪
おっぱい強く揉まれて痛いのに……すごく体が熱くなって…それにこんな凄いキスなんて。
あぅぅ…これが……女の子が感じるってぇことぉぉ!」

先ほど以上に色っぽい声とピンクに染まった体を曝し弄られながらハウメアは喘ぎ声を大きく上げてしまう。
もう大声を出したら誰か来るという事すら忘れてしまった様に、『雌』の欲望をさらけ出されながら、沙織の責めに圧倒されてしまうのだった。

それは行動にも顕著に出て、自分からも舌と舌が触れあうと痺れるような刺激になると覚えたら
自分も舌を合わせてディープキスにつきあってお互いに激しく舌を絡め合うと、唾液がとろけあい、お互いの唾液を舐めあって。
沙織のマシュマロのようなバストを同じように強く優しくされたように揉み返してみる。

そんなすっかりHな女の子になったハウメアに対して、彼女の少したどたどしいが
だがそれでも懸命な奉仕に、沙織は自分の乳首が尖り、ヴァギナが湿ってくるが嬉しそうにハウメアを見ながら喋る。
「ふふっ。まだまだ感じるところありますわよハウメアさん。
もっとハウメアさんがHな女の子なれる様に色々教えてさし上げますわ」

と言いながらハウメア自身気が付いていなかったがハウメアの当初可愛らしかった乳首も
沙織の乳責めで徐々に乳首がしこっており、金の陰毛部分からもとろりとした滴が漏れてきていた。

そんなすっかり感じつつもまだまだ開発余地のある乳首とヴァギナを両方見て、まずは乳首に焦点を移し、まだ触って無い勃起しかけの乳首を軽く擦った途端に

「やっ……!!らめぇぇ!あぁ…ふぁぁぁ!ひゃぁん!!」
と首はいやいやしながらも、乳首に触れた瞬間ハウメアは自分の乳肉から沙織に揉まれた以上の刺激が
乳肉全てに行きわたり自分の体をガクッと震わして、おっぱいもぷるぷる揺れる。
182メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:21:13 ID:XWu7SOXt
そんなあまりの感度のよさに沙織は妖しく微笑みながら、また胸を揉み始めて囁く
「凄いですねハウメアさんのお体……感度も凄く良いですし人間にはあり得ないほどの肌の艶。わたくし貴女に妬いてしまいますわ」

沙織はハウメアのバストやいまだ触れてなかった腰のラインから徐々に下へと動かし。
そりに乗るためか大きい割に筋肉質なお尻も擦って喜ばせていく。

「バストやヒップはボリュームがタップリの上形が綺麗ですし……ウエストも流石に向こうの人だけあってとても括れてますわ。
精霊の皆さまってハウメアさんみたいにグラマラスでお綺麗なのですか?」
質問攻めにしながら丹念に沙織はハウメアに奉仕し彼女の限界まで…いや限界以上まで
彼女の淫靡な欲望を引き出すかの様に愛撫を繰り返しながら
ハウメアのヴァギナがトロトロに柔らかくほぐれるまで愛撫を続けようと沙織は思い
まだ蕩けそうに熱い滴の落ちるヴァギナには手を出さずに次は勃起して中くらいになった乳首を指で潰しハウメアの甘い嬌声を聞きながら。

「本当に綺麗な雪のように白いバストですね。ふふふ…頂きますわよ」
沙織はハウメアの勃起した両乳首を摘まみ、口の中に入れると唇と舌を使って乳首に奉仕を始める。

その刹那
「あゥん!ニップルぅ…やぁっ…すごく気持ちよすぎるぅ」
すぐにハウメアは沙織の舌と唇から、乳首を起点にソフトにだが時にはハードにと
唇と舌で両方の乳首を吸いたてられてる度。吸われている乳首から激しく狂ってしまいそうな快感が広がり、その乳首自体より大きな快楽で余計に勃起していき。、
そしてその快感は豊満な乳肉…そして体全部に沙織の甘美な感触を感じてしまい。

「んぁあ゛ぁ♪らめぇぇ!!ヴァギナからおしっこ…漏れちゃうぅぅう!!」
ハウメアの絶叫とともにヴァギナから激しく飛沫が飛びベットを汚してしまう。
もっともこれは小水では無く、あまりに激しすぎる快楽がもたらした潮吹きであった。
そんな事は知らないハウメアは女の子に責められ醜態をさらしながらも、生まれて初めて『イク』という経験をした。
だが流石にまだ最初だけあって恥ずかしさの方が勝ち泣き出してしまう。

「あ゛ぁ゛ぁぁ…ごめんなさいお漏らしなんてぇ……」
そんな泣きじゃくりながらもハウメアのヴァギナはどろっと愛液が流れ
沙織が頃合いと思うほどハウメアのヴァギナはもうドロドロに溶けきるようにぱっくりと開き、金の陰毛が愛液に照らされ艶を増し
生まれて初めて男性の怒張を挿入できるようになっていた。

ハウメアは泣きながらも顔を赤くしており、自分が沙織の責めでここまで感じたという事は誤魔化せず、青い性欲を否応なく自覚する。

しかも処女で精霊の為。秘裂は人間のもの以上に赤みを帯び、ピンク色の襞も桁外れで
まさに見ただけで誰でも名器だと確信できるほどの美しさだった。

流石に沙織でも人間外のヴァギナを見るのは初めてだったが、その美しさに少し見惚れ微笑みながら今泣きじゃくっているハウメアを抱きしめ
「泣かなくても大丈夫です。今貴女が出したのは小水ではなく、愛液の潮吹きというものです…
でも大人の女性でもそうそう出ないものなのでその感じやすさを誇るべきですし
たとえ本当に小水だとしてもあなたほど可愛らしい精霊の小水なら汚いとは決して思いませんよ」
と慰めながらもドロドロになったハウメアのヴァギナを沙織は舐め取って、むしろ女性にとって良い事だと教えながら宣告する。
183メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:22:23 ID:XWu7SOXt
「さあそろそろ仕上げです。いよいよハウメアさんを一人のレディにしてあげますわね
まずは…可愛く勃起したクリトリスを可愛がってさし上げますわ」
そういうとハウメア自身も生まれて初めて見るクリトリスが自分に付いているとは信じられないほど、硬くピンクの色をした真珠を舐められ…。

「あぁっ!すごい……体中Hになっちゃうのぉ
今さおりちゃんが舐めたところぉからぁ今まで以上の体ぴくんぴくんして気持ちいいのぉぉ」
と可愛らしい文字通りの妖精は、今や完全に淫媚な雌へと落ち、盛りのついた猫みたいに喘いでしまう。

実際クリトリスを沙織が一舐め一舐めする度、愛液の濃度が上がっていき
最初の時点で無色透明だったとろとろの愛液はもはや、ウィスキーを思わせる琥珀色で、
粘度もドロドロとしたポタージュスープのように濃い愛液となっていく。

「凄いイキッぷりですね…すっかりスケベな本性まる出しとは……
純粋無垢な精霊さんの本性がここまで淫らだと知ったら……お爺さまが泣きますわよ」
と口では罵るように、だが心から沙織は嬉しそうにクリトリスだけでなく
綺麗なピンクの充血しきった美肉を舐め続け、ハウメアの徹底的に雌の体の良さを教え込む
そうする事で遠く離れてもハウメアがオナニーをする度に自分を思い出してくれる事を祈りながら……

そんな気持ちを知ってか知らずかハウメアも体が熱くなってしまい。
「あふぅん♪今だけはサンタクロースお爺さんの事はどうでもいいのぉ!!
それよりもさおりちゃんをもっと私に刻んでぇ。このことをずっと忘れないようにぃぃ!」
(からだがしびれる……私の体こんなにHだったんだ…この気持ち……止まらない!)

と自分の淫らな痴態に溺れながら、沙織の奉仕に心が完全に溶け、今だけは沙織だけのハウメアとして、沙織の舌にもっとヴァギナやクリトリスが触れるよう腰を振って蜜を周囲に振り撒く。

また体も沙織の愛撫の虜となってより淫媚に乳首や乳輪・クリトリスはさらにスケベに膨れて
ヴァギナの肉もより一層肉厚となりながら熱い愛液が流れ、そしてさらに華は華麗に咲き誇り
体全部沙織に見られていくと思うだけで、膣内全てが丸見えとなる位に開ききるのだった。

そんな淫媚な蜜で満ちたヴァギナに沙織は一番長い中指を深く挿入して膣をかき回す。
ぐちゅ!ぐちゅ!
まずハウメアの淫靡でねちっこい粘度の愛液が指に絡まり、
次にハウメアの締まりの良い膣の締め付けがきゅっきゅと沙織の中指を愛撫する。

「ん゛ヴぁ゛ぁぁぁ!!らめらめぇぇ!!
本当に私ぃ…溶けちゃうのぉぉ♪♪このままらとぉ!私本当にさおりちゃんのものになっちゃうぅ」
果てしなく淫靡な喘ぎ……ハウメアも心の底から人間だけでなく妖精にも情愛だけではなく
体が焼き切れるような性愛もちゃんとある事を思いながら体をくねらせ全身で愛撫を感じる。

体全部で感じるハウメアを久美や優子とは違う意味合いでかわいいと思いながら、その一方でこれ以上続けたら指だけで限界に達しそうだと確信し
最後の最後に女の子同士でお互い感じあえるように体勢を入れ替え、沙織自身ハウメアを責め続けて、自分もすっかりぐちゃぐちゃに蕩けてしまいそうなヴァギナを、ハウメアのヴァギナにくっつけて一擦りすると…。

「あぁっ!」
「ひ゛ゃぁぁぁ!!」
二人ともあまりにとろとろ同士のヴァギナが触れあったことで、同時に喘ぎ声を甲高く上げてしまう。
184メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:24:04 ID:XWu7SOXt
そんなつい可愛らしい喘ぎをした沙織は取り成す様に
「これがラストレッスンとなりますハウメアさん。
私の味をたっぷり貴女のヴァギナに染めて思い出にしますから、私にもハウメアさんのヴァギナで私のヴァギナを染めてくださいね❤」
と言いつつ腰を動かし自分の淫肉をハウメアの淫肉に擦りつけ擦りあう。

「ふぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁぁぁっぁ!!!!!!!!!!!!!」
もう意識が飛びそうなハウメアはまともに声を出すことすら困難で、まるで交尾中の獣みたいな…だが妖精らしく甘く少し舌ったらずな声でよだれを流し、激しく喘ぐ。

そんなひたすらに淫乱な本性を恥も外聞も無く曝してくれるハウメアに対して沙織も
それにこたえるかのように思いっきりクリトリスをハウメアのクリトリスにぶつけ、
ハウメアから舌を口膜おにねじ込まれたと思えば、今度は沙織の方からも胸を激しく揉んでお互い登りつめるべく、お互いに淫媚な雌としてお互いを貪りあう。

沙織の方もそろそろイキそうだと思い、ラストスパートで腰ごとヴァギナをハウメアのヴァギナに激しくぶつけて貪る。

ぐちゃっ!ぐちゅっぐちゅっ!!
激しく当ててば当てるほど淫蜜はとび散り、淫らな音が部屋中に響き渡り、お互いもう少しで登りつめるとわかる音だ。

そしてハウメアの様子が今まで以上に淫らな変化を迎える。
体をがくがくと動かしながら、碧眼は白目をむき、人間で言ういわゆる『アクメ』状態
要するにイキまくりの状態へと到達した純粋無垢で可憐な精霊だった彼女は、哀れなだがとても美しい雌へと完全に堕落し
喘ぎ…いやもはや絶叫しながらの域となりながらも喘えぎ続ける。

「ひ゛あ゛ぁぁ!おくの方から何かきちゃう…よくわからないのが来ちゃうよぉぉ!!
体とこころがこわれるぅぅ!!だけどびくびくきもちいいのとまんないのぉぉぉぉ!!!」
涙を流しながら頭の回路が焼け切れるようにハウメアは喘ぎ叫ぶ。
185メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:26:32 ID:XWu7SOXt
そしてちょっとだけ意地悪な笑みをしながら沙織はまずハウメアのヒップを手で強く揉んでみる。

「ヴぁぁ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁ゛っ!!お゙ぉおォお尻にゃれられたらまた来ひゃうよぉぉ!!
さおりちゃんにしゃわられるたびにぃぃわたしばか!!ににゃっひゃう!
ぎも゛ぢいぃ゛いぃ゛ぃ事らけしか考えられにゃくにゃっひゃうのぉおおぉぉ!!」

激しくお尻を揉まれただけで正体をなくして喘ぎ狂うハウメア……本当にここまで淫らにあえぐハウメアを見つめながら
もともと沙織の方もハウメアが雌になれる素養はあると見込んだが、基本として当初無垢だった彼女を性欲の虜にできた事に大満足しながら
最後の止めとして艶やかなアナルに指を突き刺し、ヴァギナ同様緩く艶やかになっていたアナルの調教を始める。

ぐにゅぐにゅっ
菊門からぶっすりと中指を差し込み、アナルからGスポットに当たるよう最初はゆっくりと…
だが徐々に早く指を動かしてアナル調教どころかアナルを弄る事により、ヴァギナにも異常な快楽を染み込ませていく事を教える。

「お゙ぉおォおん゛ぉお゙ぉおォおんァァァァ!!!らめ゛ぇぇ!!!くるっひゃう!私このぉおおままお゙ぉおォおんひりいぃじられてくるって
ヴァギナとアナルを弄ってもらう事しかかんがえられにゃくにゃっに゛ゃうぅぅぅ!!!
溶けひゃうとけ゛に゛ゃう!!頭のぉおお中Hにゃことしか考えられにゃくにゃっジャうぅぅぅぅ!!!」
アナルを責められ、まさにふれてしまったかのようにハウメアは狂気に満ちた叫びを上げ続ける。

だが沙織は全然容赦せず、自分の乳肉をよがり狂うハウメアの白雪乳肉へと飲み込むように押さえつけ
更に勃起した自分の乳首を同じくらいか、それより大きめな乳首にこすり合わせながら微笑んで

「うふっ。いいお顔をさらしてますね…
存分に貴女の体に私の想いを刻みこんでさし上げますわハウメアさん」

そして沙織はフィニッシュとしてお互いの乳肉同士を融合させるかの様にきつく抱きよせながら
腰ごと深くまでヴァギナを密着させながら擦り、アナルの指を一気に薬指と人差し指も付けて三本同時に奥までアナル奥まで挿入し
ドリルのようにかき回して一気に括約筋へと刺激を与える。

もちろん傷がつかないよう尻穴から腸内まで繊細にだが大胆に激しく責め続けていき
それが結果的……いやすべて沙織は女の子が感じる責めだと分かっていた上での責めをしていた。

そしてハウメアも先ほど以上の快楽が体全体と脳に回りきり
「あ゛あ゛あ゛あ゛……いぃぎゃぁぁ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁ゛!!んもぉ゛お゛お゛ぉぉらめぇぇぇ!!!
お゙ぉおォおしりとヴぁぁ゛ぁ゛ぎにゃぁぁ゛ぁ゛!とぉお゙ぉおォおっぱいぃまれぐにぐにもましゃれてぇぇ!!
いぃぐのぉおおぉぉ!!! いぃぐぅぅいぃぎゅいぃぎゅぅぅぅっ゛……
イッに゛ゃううううううううううううううううう!!!!!」
体を悪霊のように震わせ…顔も可愛らしかったのが色欲に染まり変態淫乱女の表情を浮かべたまま
ハウメアは白目をむいて失神してしまう。

そんな彼女を見ながらも沙織はハウメアの瞳を閉じ、穏やかに眠っているように体を整えながら。
「凄かったですね……ハウメア。この快楽をずっと覚えてくれたらうれしいですわ
…あぁ……私も…すっかり……イッちゃいました。
こんな気持ちいいまま…眠れるなんて……幸せです…わ」
そのまま沙織も寄り添うように倒れこみ、そのまま淫媚な気持ちのままで眠りに就くのだった。

ちょうど二人が目を閉じたころ窓からはうっすらと闇が引き、そろそろ空へ太陽が昇る頃合いだった。
186メリークリスマス!:2008/12/22(月) 13:28:46 ID:XWu7SOXt
美少女が全裸で二人恋人みたいに抱き合っている中、一人の老人が壁を抜けて現れる。
その人物はサンタクロースその人であった。
「…なるほどな。ハウメアが戻ってくるのが遅いと思ったら……こういうことか…」

性の虜になって眠っているハウメアに対してもあくまで優しい祖父としての表情は曇らせず。
「我が孫ながらすごい経験をしたものじゃふぉっふぉっふぉっ。だがまだハウメアには早すぎるわい」
そう言いながら気絶したハウメアをソリに載せながら眠っている沙織に魔法をかける。
次に目を覚ました時にはすべて夢だったと思えるように…。

「もう君とはワシもハウメアも会えぬな……君はこれから大人になるのだからもうわしらは見えないじゃろう。
だが孫娘を全力でかわいがってくれた事はわしも覚えておくよ」

そう言いつつサンタクロースは沙織の頭元にハウメアの着ていた服を魔法で綺麗にした後
プレゼントとして、頭元においてそのまま優雅に去るのだった。

それから何時間がたったのだろう…

いつも通りネグリジェを着て眠っていた少女は日が差した事で目覚め
今日も一日冬休みの宿題に中学受験の勉強。
そしてもう残り少ない期間だがリリアムキャプテンの職務が待っていた。

そんないつも通りの生活が待っているのだが朝一つだけ違うところがあった。
「あれ?私いろいろと楽しい夢を見ていたような……
それに…サンタさんの服?でも女の子用のデザインですけど…どなたが?」
と白昼夢か幻か…それとも実はすべてが偽りなのか分からなかったが
少なくても頭元にあった女の子のサイズに合わせた、サンタクロースのような服に見覚えが少しあったような気がした。

そしてこの服は大事に取っておかないといけないような気がした。
大事な友達のプレゼント…のような温かみを感じた為かそのサンタのような服をぎゅっと抱きしめ、少女は大人になる事の苦みを悟ったような気がしたのだった。 

その頃 
「ん…はぁぁ…さおり……ちゃん……はっ私おじいちゃんのところに戻らないと……
あれっここは?おじいちゃんのそり?それに私裸の…まま??」
そりの中で目を覚ましたハウメアは混乱しながらも、元の明るい感じに戻りマゴマゴしている。

そんなハウメアを見ながらサンタクロースは愉快そうに笑って、一連の事情を伝え
最後のミスを抜かしては十分手助けになってくれたと労をねぎらう。

そしてハウメアの方も自分の服が結果沙織のプレゼントになり、少しはにかみ激しく愛し
た事を思い出しながらも。
「沙織ちゃん……ありがとう。もう私と沙織ちゃんが会う事はないけど……沙織ちゃんがお母さんになって、お祖母ちゃんになって、ひいおばあちゃんになって。
子供や孫そして曾孫ができてプレゼントが必要になったら……絶対私会いに行くから!」

そう固く心に誓い、沙織はもう自分の事を忘れて自分の姿を見てくれないと分かっているが
それでもここまで自分を愛してくれる人間がいた事を自分は忘れないだろうと思った。

雲を抜けまぶしく温かい日の光が照りつける中
故郷に帰って苦労話やプレゼントを配った子供の大事な思い出など自分にも大事な思い出がたくさん出来た事を喜び
またこれからもずっと子供のため飛びまわろうと決意するのだった。FIN
187メリークリスマス! 設定資料集:2008/12/22(月) 13:31:09 ID:XWu7SOXt
ハウメア
156cm 54kg
96(J) 55 92

このショート小説の主役。サンタクロースの孫 精霊専用学校の小6
クリスマスシーズンの為。祖父サンタクロースを助けるため
西小地区・東小地区の小学生までの子どもにプレゼントを配りにきた

もちろん人間でないため大人には確認不能で無条件に家に入ることが可能。ただし小学六年生までの子どもには姿を確認する事が出来接触可能。
ソリに乗せた袋から最適なプレゼントを取り出すことができる。また良い子に関してはさらにスペシャルなプレゼントを送ることもでき
思い出の詰まった夢や温もりなどを相手に与えるおまじないも使用できる。

ハウメア本人は長めの金髪・碧眼。人間でないため普通の白人少女以上に肌が透き通り、文字通りに妖精のようなかわいらしさ
肢体は完全に未開発ながら感度が高く、一度火がつくと止まらなくなるのかも。
188名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/22(月) 13:55:16 ID:XWu7SOXt
投下終了です。

もともとクリスマスシーズンという事もあり、作品コンセプトとして他の作家の方がプレゼントなり
ハウメアあるいは本当に夢でいい思いをしたなど色々と含みを持たせて書いてみました。

ただあんまり人物が絡み過ぎると、何が何だかわからないという指摘も出てきましたので、私も色々と悩みました。
今後拙作としてリンクを少し抑えようかなと考えてます。

ですが以前にも言いましたが優子・久美・沙織に関しては作者皆様の自由に使ってください。
注 ただし強姦ものとか人生が大幅に悪い方へ狂うような展開など、あくまでアナザーという事にさせてもらいます。

また沙織に関しての裏コンセプトは介入しない東小の裏バンのような存在だと思っていただければ
東小・西小の抗争には不介入を貫く代わり、リリアムメンバーに対して両陣営にも不介入を徹底させてます。

それと一つ補足を
もしハウメアがラストにシバケン・千秋・明など抗争トップクラスのメンバーに疲れたまま訪れていたら
確実に気がついたことと、後半あたりまでなら沙織は気が付かなかったという事ははっきり言っておきます。
そうしないと明らかに沙織>千秋・明・シバケンなど という図式になってしまいますし
もしもこの面子だったら沙織は比較として最弱です。(全力でという前提はつきますが)

では長い裏話はこれまでにして落ちます。
短編の予定が長くなってすいませんでした。
189名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 14:50:28 ID:wvqWHmSY
GJ!!
スゲエ良かった!!
190名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 19:54:56 ID:Rqxg0kKy
GJでした
マリがマリらしくてウケた

エロパロ板なんだからエロには全く制約ないと思う ただ、あまり長い作者語りは敬遠されるかも
191暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/23(火) 00:18:53 ID:BxED413B
GJ…なのですが、この系統は苦手ですからね…
俺の小説のエロが薄いのは、濃いのが苦手だからだし;

さて、俺の方は設定資料集の方でも投下しますか。
192迷わずストレート!設定資料集:2008/12/23(火) 00:20:23 ID:BxED413B
☆登場人物紹介
 なお、理奈を除いて主要登場人物の名前の読み方は、フルネームでその元ネタであるモデルと一緒となっている。
 また、土生以外は全員、モデルの名前の漢字を同じ読み方の別の感じに代えている。
 カッコ内はあだ名、通称。

■光陵リトル主力選手

野村理奈(ラリナ) 西小5年1組 左投左打 ピッチャー

豪速球を投げ込み相手をねじ伏せる、本編の巨乳主人公。
当たり前だが野球がとても大好きで、普段はおとなしいが優しく、仲のいい友達の前でなら明るい性格。
成績がさっぱりで、土生に何度もやり込められる当たり、かなり単純馬鹿なキャラ。
大好きな父親が出張の間は土生と同棲しており、彼の事が大好きだが告白はしていない。

以前まで何度かリトルをはしごしていたが巨乳のせいでの性的な嫌がらせが原因で入退団を繰り返し、今に至る。
土生に誘われて弱小チーム、光陵リトルに入団し、全力投球を貫くことに。
打撃は苦手で変化球も殆ど投げられず総合的なレベルは低いが、ストレートだけは異常に速く全国トップレベル。
モデルは2007年夏の甲子園準優勝校、広陵高校のエース、野村。


土生翔平(翔) 東小5年1組 右投左打 キャッチャー/サード

走攻守で高いレベルを誇る光陵リトル最強の選手。本編のもう1人の主人公。
両親に捨てられたりチームメイトの移籍で深く心が傷つき、暗い性格になるが理奈のおかげで熱い心を取り戻す。
理奈と真反対で成績が良く、かなり冷静かつ頭が切れ落ち着いており、チームの精神的支柱。
ただ、理奈の巨乳にしゃぶりつくのが大好きで、実は相当甘えん坊な性格でもある。

走攻守すべてにおいて万能の選手。
打撃は県内屈指レベルで強豪からの移籍の誘いも受けていたが、自分を育ててくれた光陵リトルの愛着から残留。
チームメイトから慕われ、チームをけん引する。能力的には文句なしの4番だがチーム事情で3番を打っている。
モデルは2007年夏の甲子園準優勝校、広陵高校のキャプテン、土生。


瑞原勇気(ユキ) 東小4年2組 右投右打 外野手/ピッチャー

身体能力だけならすべてにおいて土生に匹敵する、運動神経抜群少女。
かなりおとなしい性格だが、土生や理奈との出会いで少しは明るくなった。
下記の通り空手をやっていたので喧嘩はやたら強い(土生や千晶、シバケン並み)。少々の相手なら瞬殺する。
実は陰で土生の事を思っており、虎視眈々と狙っていたりする。

以前空手をやっておりその腕は4段と本物だが、強くなりすぎて敵がいなくなった事で空手に飽きて野球に転向。
チーム加入後はその持ち前の運動神経と才能をいかんなく発揮し、強打を速球を売りにする。
ピッチャーが理奈以外まともな奴がいないのでピッチャーも兼任。理奈と違い土生に教わったカーブが投げられる。
モデルは漫画・ドカベンの水原勇気。唯一の実在人物以外を元ネタにした選手。
193迷わずストレート!設定資料集:2008/12/23(火) 00:21:06 ID:BxED413B
緒方かな子(カナたん) 6年生 右投右打 外野手

元々巨神にレギュラーとして在籍していた、チーム唯一の6年生。かなりクールな性格。
巨神時代に光陵と試合をし、その時に再起不能と言われたほどの大怪我をしてしまった。
非常に理想的なスタイルをしており、意図的ではないがそれが目立つようなバッティングフォームである。
そのスタイルからモデルをやっていたこともあり、白瀬紗英とは旧知の仲。

巨神のレギュラーを張っていただけあり実力は本物。
ただ、怪我の影響で筋力やが衰え、動きにキレがなくなりフォームも崩れた。
しかし、懸命にリハビリに励み、短時間なら膝が持つことを生かし、代打に全てを賭けることに。
モデルは元グラビアタレントの中條かな子。


橡浦隼人(チビ) 東小5年2組 右投左打 外野手/セカンド

光陵リトルの中心選手。いたずら好きで卑怯な性格だが、土生と理奈を尊敬し慕う気持ちは本物。
ゆえに山下と最強の子分の座を座を争い、いつもケンカしている。
足の速さだけなら土生をも凌ぎ、それを生かして切り込み隊長を担当。
モデルは2007年夏の甲子園準優勝校、広陵高校の1番、橡浦。ちなみに名字は「トチウラ」と読む。


山下力(デカブツ) 東小5年2組 右投右打 ファースト/サード

光陵リトルの中心選手。暴れん坊で周りが迷惑することもあるが、土生と理奈を尊敬し慕う気持ちは本物。
ゆえに山下と一番弟子の座を座を争い、いつもケンカしている。
パワーだけなら土生をも凌ぎ、それを生かして4番に座る。
モデルは2007年夏の甲子園準優勝校、広陵高校の4番、山下。


赤松雅人 西小4年1組 ショート

理奈以外では唯一の西小。故に理奈と非常に仲がいい。
元々土生に匹敵する俊足を持っていたが、技術的なものが一切なく、入団当初は全く使い物にならなかった。
だが土生の猛特訓で実力をグングン伸ばし、いまや立派な主力の1人に上り詰めた。(打撃は未だ酷いが。)
モデルは広島の赤松。
194迷わずストレート!設定資料集:2008/12/23(火) 00:22:07 ID:BxED413B
■光陵リトルの他の選手(適当に色の漢字が付いた名前を採用。全員能力は低い。)
 実力は全くないが土生の猛練習の甲斐もあってバントと守備だけは上達した。

赤星典弘 5年生 右投右打 外野手
打撃は下手な上脚も遅いがエラーだけは絶対にしない。モデルは阪神の赤星。

青山浩司 5年生 右投右打 投手/外野手
球質そのものがひどいがコントロールだけは理奈より上。モデルは楽天の青山。

黒田浩樹 東小5年2組 右投右打 投手/ショート
理奈が来るまではエース。多彩な変化球を使えるがストライクに入らない。モデルは広島→ドジャースの黒田。

白井和幸 5年生 右投右打 キャッチャー/サード
肩はいいが理奈の球を捕れない。頭脳的な事に関しては飲み込みが早い。モデルは日本ハムの白井元ヘッドコーチ。

青野剛 5年生 右投左打 セカンド
かなりのお調子者でカッコつけた守備をするためエラーを多発していた。モデルはロッテの青野。


■過去に在籍していた光陵リトルの選手たち
 1年前の移籍事件で強豪・巨神リトルに移籍。いずれも県内屈指の実力。

二岡智弘 6年生 ショート/サード
逆シングルが得意な花のある選手。長打の多い攻撃的なトップバッター。モデルは元広陵、日本ハムの二岡。

西村謙太郎 6年生 ピッチャー
豪速球とブレーキの利いた大きなカーブを操る光陵の元エース。モデルは元広陵、巨人の西村。

白濱祐太 6年生 キャッチャー
飛距離抜群の光陵リトル不動の元4番。肩も強くキャッチングも定評がある。モデルは元広陵、広島の白濱。

新井貴裕 6年生 サード/ファースト
パワーもあるが卓越した右打ちの能力を持つ大砲。エラーは多いが好プレーも多い。モデルは阪神の新井。
195迷わずストレート!設定資料集:2008/12/23(火) 00:22:54 ID:BxED413B
■その他の人たち

中井監督 25歳 監督

選手のための監督、と自分を位置付けている監督。
練習内容もすべて自由にして、選手に任せ、ただベンチから眺めているやる気のなさそうな監督。
当初は素人だった土生の能力を引き出し一流に育て上げた人物でもあり、土生が最も尊敬する人物。
モデルは2007年夏の甲子園準優勝校、広陵高校の中井監督だが、実際の中井監督は70歳を超えている。


野村健二郎(ラリナパパ) 31歳 キャッチャー

理奈の父親。理奈が光陵に入るまで唯一の野球相手であり、毎日庭のブルペンで理奈のボールを受けていた。
理奈にとても好かれており、もちろん自身もとても理奈の事が大好き。
今も一緒に風呂に入るが、顔が母親に似てきて、胸もどんどん大きくなる娘の姿に、微かに恋心を抱いたりも。
ただ、仕事の関係で出張で家を空けることも多い。

実はキャッチャーとして地元のプロ球団に2年だけ在籍していた。
戦力外通告を受けた際に当時の彼女と別れたが、その当時お腹の中にいた理奈は大切に育てている。
戦力外になってからはスカウトを担当し、いい助っ人をたくさん連れてきて、球団や選手の信頼度は高い。
そのおかげで理奈も選手たちや球場関係者と非常に仲が良く、球場は彼女の庭のようなものである。
モデルは元広島の野村謙二郎。言わずと知れた名球界入りの選手である。


中村剛矢(おじさん) 44歳 サード

ラリナパパが出張の時は出前で理奈の胃袋を満たす、球場前中華料理店『野球軒』店長。
若手選手に出世払いと言って安く料理を振る舞う店長として有名で、ラリナパパも世話になった。
理奈が生まれた時からずっと見守っており、理奈の事をよく知る人物の1人。
今もその成長を楽しそうに見つめている毎日。

なお、一応中学まで野球をやっていたらしい。
モデルは西武のおかわりくんこと中村剛也。
196迷わずストレート!設定資料集:2008/12/23(火) 00:23:29 ID:BxED413B
アレックス・ラミレーズ(ラミっち) 31歳 外野手

今年で在籍9年目となる、地元プロ球団に在籍する外国人選手。
ラリナパパと同い年で、初めてラリナパパがスカウトした選手でもある。
非常に陽気な性格で全国的に大人気で、ラリナパパや理奈とも非常に仲が良い。
特に理奈の事を理奈が3才の頃から見守り続けてきており、わが子のように可愛がっている(ちなみに独身)。

長年にわたり3番を打ち、主砲として活躍。
8年間の成績は通算打率3割5厘、通算本塁打280本、通算打点832打点と、怒涛の成績を上げている。
地元プロ球団が親会社を持たないため他球団より年俸が低かったために以前に金満球団の移籍も考えたが、
それを知った理奈が泣きながらどこにも行かないように訴え、生涯残留を決意した事もあった。
モデルは巨人のアレックス・ラミレス(推定年俸5億)。ラミレーズの推定年俸は4年11億円、現在3年目。


コルビー・ルウィズ 31歳 ピッチャー

今年在籍2年目の地元プロ球団の外国人選手。ラリナパパがスカウトした選手で、理奈やラミレーズと仲が良い。
1年目から大活躍で、相手をなぎ倒すその姿はまさに神。また最多奪三振のタイトルも獲得。
ファンの間ではルウィズ神、ルウィズ大明神、ゴッド・ルウィズなどと呼ばれている。
モデルは広島のコルビー・ルイス(推定年俸1億4300万円)。ルウィズの推定年俸は1億円。


野々村克也 71歳 キャッチャー

地元プロ野球球団の監督。今年3年目。
名称とうたわれ、何度も優勝経験をした監督。現役時代はキャッチャーで通算本塁打数657本。
理奈の事もよく知っており、何度かグラウンドに招待したこともある、ファンサービス旺盛の監督。
モデルは楽天の野村克也監督。


司馬洋 東小5年1組

土生を一方的に敵対視する少年。5人グループを作って行動。
シバケンを尊敬しており、西小の理奈と仲がいいのを西小と通じていると勘違いし、ますます敵対心を燃やす。
モデルはソフトバンクの柴原。(当初は柴原をモデルにしたつもりはなかったのだが。)


197迷わずストレート!設定資料集:2008/12/23(火) 00:25:19 ID:BxED413B


☆登場人物(特に女の子たち)の身体的設定集

野村理奈(ラリナ)

バストが3桁の大台を突破してしまうという、小学生としては明らかに異常な巨乳の持ち主。
体は若干がっしりしてはいるものの、胸が大きいおかげでやや大きめな体幹は目立っていない。
服装は当たり前だが動きやすさを重視。ハーフスパッツと特注のスポーツブラを愛用。
身長147cm、101−58−85のJカップ。


瑞原勇気(ユキ)

かなりの胸を持っているが、目立たない性格や他にもっと巨乳少女がいるせいかなぜか目立っていない。
華奢な体つきで、軽装かつ空手をやっていたおかげで傷跡が体のあちこちに見える。
靴下嫌いで極度の軽装を好み、なんと上半身がボタン全開や裸になる時があるが、本人は全く気にしていない。
身長139cm、80−48−70のFカップ。


緒方かな子(カナたん)

クールな外見と性格がマッチした、非常にバランスのとれた、モデルに引けをとらないスタイルを持つ。
超ロングヘアにすらりとした脚、そして長身。同年代としては大きめの胸をもつ。
上半身はノースリーブ、膝の手術の跡は絶対に見られたくないと思っており、長ズボンを着用。
身長159cm、84−60−82のCカップ。


土生翔平(翔)

おとなしい性格とは裏腹に、髪型は全体的に立っている。
男の子にしては華奢な方で、体幹がほぼ理奈と同じ。
身長も理奈より低く、この2点を気にしているとともに、土生が理奈に甘える要因の1つにもなっている。
身長143cm。


橡浦隼人(チビ)

体は小さいが割とかっちりした性格。
やんちゃな性格にそぐわず、髪も猿のように中央に集まってとんがっている。
意外な事に寒さに弱く、年中通して長袖に長ズボン。
身長141cm。


山下力(デカブツ)

橡浦からは暑苦しいデカブツ、と呼ばれているが、太っているわけではない。
4番というだけあり体はかなり頑丈。筋肉質の体だが、そこまで筋肉が目立っているというわけでもない。
しかしやはり暑さには弱く、夏にはかなり弱る性質を持つ。
身長181cm、チーム一どころか、ある意味理奈の巨乳より驚異的かもしれない。
198名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 18:05:12 ID:wR7QAwWu
>>191
この人なんでいっつも人の作品に文句ばっかいってんの?
名前間違えられても間違ってますよ。って一言いうだけでいいのに無駄な一言つけて
作品の感想も苦手でもGJとだけ言っとけばいいのになんでいちいち一言余計に言うの?
貴方の趣味はSSの薄さで察してるからいちいち自分語りしなくていいよ。
SSは凄いのに、人間的にはかなり幼いよね…
199SDS ◆cStOEcFYHc :2008/12/23(火) 23:06:55 ID:sLMpye4Q
…書き手の横レス失礼します。つい先日まで別スレで、やはり小学生をテーマにしたリンクSSを連作していました。
楽しかったのですが、些細な書き手さん、読み手さんの姿勢のズレから、スレは崩壊し、愛着のある私のキャラ達は動きを停めたままです。
大好きなこのスレがそんな事態にならないよう、書き手さんも、読んで下さる住人の皆さんも、スレの発展の為に仲良くしていけたらいいなあ、と切に思います。

と、いうわけで、投下です。書いたものの、リリアム登場でとりあえず没っていた作品ですが…

200『リスキー・ゲーム5』:2008/12/23(火) 23:09:31 ID:sLMpye4Q
投下開始
及び前回までの話

『附属小』の加賀桐也は謎の多い六年生。狡猾で高い知能の持ち主。
表面上成績優秀な二枚目の彼は、屈託のない朗らかな同級生の美少女、栗本沙耶と交際している。
素直な沙耶を手玉に取って愉しむ桐也のもう一つの顔、それは、狡猾な手腕を駆使して女生徒を脅迫し弄ぶグループ、『課外活動』のリーダーだった。
しかし沙耶との交際を通じ、悪事との決別を決めた彼を引き戻すべく、悪友藤田達は沙耶を襲う。
沙耶にその正体を知られながらも、桐也は辛うじて沙耶を守り、そして彼を赦した沙耶と共に贖罪の道を選んだ桐也は…

今回は『ラリナ』野村理奈ちゃんをお借りしました。
またのタイトル『迷いつつ変化球』です…

201『リスキー・ゲーム5』:2008/12/23(火) 23:11:49 ID:sLMpye4Q
藤田のうろたえた電話に呼び出され、学校へ再び戻る羽目になった加賀桐也は、家に待たせたままの沙耶を気に懸けながら附属小の広い敷地を縫って『旧部室棟』へ向かう。
藤田と、おそらく相棒の矢口の待つ旧部室、今は使われていない倉庫代わりの一棟は、かつて桐也達『課外活動』のアジトのひとつだった場所だ。
藤田達は桐也と決別したあとも、よからぬ悪戯を繰り返していたが、
こうやって沙耶の目を盗んで馬鹿な彼らの尻拭いをするのも、果たして沙耶の言う『罪滅ぼし』なのだろうかと、桐也は大きなため息をつく。

「桐也!! こっちだ!!」

藤田は旧部室棟の前で、首を長くして待っていた。鼻血を出したのか、丸めたティッシュを鼻に詰めて、あたふた近づいて来る。

「すまねえ。ちっとヤバくてさ…」

彼は桐也の手を引かんばかりに、辺りを見回しながら隠れ家に案内した。
カラーコーンやロープの類が雑談と積まれた部屋の奥に、顔に痣を作った矢口が座り込んでいる。
その横にもう一人、ロープでぐるぐる巻きにされ、口をテープで塞がれた制服の少女、6年A組の鷲沢奈津が、憎悪に燃える瞳で桐也達を見上げながら、あられもない姿で横たわっていた。

202『リスキー・ゲーム5』:2008/12/23(火) 23:13:23 ID:sLMpye4Q
スパイキーに逆立ったショートカットに日焼けした浅黒い肌。
そして屈強な男子二人にここまで手傷を負わせた強靭でしなやかな四肢。巻きついたロープの隙間からは、乱れた制服と、意外に白く豊かな乳房が片方だけ覗いている。
小等科ソフトボール部キャプテン鷲沢奈津は、藤田や矢口ごときに手におえる相手ではなかったようだ。

「…あんまり生意気なんで、ちょっと懲らしめてやろうとしたらさ、大暴れしやがって、ひん剥いて写真撮っても、訴えるだの、退学だの……どうしよう、桐也?」

ガクリと脱力しながら、桐也は相変わらず愚かな二人の悪友を睨みつけた。
この連中は、沙耶に乱暴し、桐也を仲間に引き戻そうとした一件から、全く何も学んでいない。

「…おまえらいい加減にしろよ。脅迫した時点で相討ち、もしくは負けっていつも言ってるだろ!!」

ほとほと愛想も尽きたが、放っておくとこの馬鹿共は、鷲沢奈津をこのまま山に埋め兼ねない。
しかし、気の毒だが相手が奈津で良かった、と桐也は少し胸を撫で下ろした。
幸運にも奈津に対する切り札を偶然握っていた彼は、それを微塵も匂わせることなく藤田と矢口に言い捨てる。

「…今回だけ助けてやる。外で見張ってろ。」

203『リスキー・ゲーム5』:2008/12/23(火) 23:15:34 ID:sLMpye4Q
藤田達が安堵の表情を浮かべ、いそいそと旧部室から出て行く。桐也は奈津に背を向けて座り、呑気な調子で話し始めた。

「…汚ない部屋だよな、ここ。新しい今の部室は冷暖房完備シャワー付きだろ? ソフトボール部も、野球部もさ…」

「…ん、んん…」

塞がれた口で奈津が唸る。 それがどうした、という意思表示なのは明らかだ。

「…だいぶ前の日曜日、うちの野球部と、ええと、光陵リトルだっけ、女の子がピッチャーのチーム。あそこが練習試合したときさ、あの女の子、どこで着替えとかしたんだろ?」

唐突な話題に、奈津がぴたりと動きを止めた。依然として桐也の背中を睨みつける瞳に、微かな動揺が浮かぶ。

「答え。女子ソフトボール部の部室。男子と一緒、って訳にはいかない…」

桐也の奇妙な自問自答に奈津はこの状況も、足首まで下げられたショーツも意に介さず、身じろぎもせず耳を傾けている。

「…そして試合中、彼女が使ったロッカーで、何が起こったか…」

芝居じみた動作で桐也が振り向くと、なぜかすっかり顔色をなくした奈津は、目を伏せて床を見つめていた。

「…これじゃ話せないな。制服も台無しだし。座って、ちゃんと話さないか?」


204『リスキー・ゲーム5』:2008/12/23(火) 23:17:31 ID:sLMpye4Q
奈津はゆっくりと頷く。彼女の瞳から、暴れない、という無言の約束を汲み取ってから桐也は彼女のロープを解いた。

「早く服を直せ。」

桐也は再び背中を奈津に向けて待つ。着衣を整えた奈津は最後にためらいつつ、ゆっくりと口からテープを外した。


「…光陵リトル? 何の話してんだよ…」

奈津の乱暴で少しハスキーな声が室内に響く。
しかし柔弱な男子が多い附属小において、体育部員を中心に幅広い人望を集めているA組のリーダー格『ナッちん』の迫力は、なぜか全く影を潜めていた。

「『ブラジャー泥棒』の話だよ。鷲沢キャプテン。」

奈津の瞳を見据えて桐也が言う。奈津は絶句し、たまらずに桐也から目を逸らせた。

あの試合の日曜日、女子ソフトボール部室に仕掛けられた桐也自慢のCCDカメラは、四回裏にこっそり部室に侵入した鷲沢奈津が、光陵リトルの紅一点、野村理奈という五年生のブラジャーを持ち出す一部始終をしっかりと記録していた。
もちろん頭の上がらない沙耶の命令により、全ての隠しカメラを撤去した現在、それは桐也が闇に葬るつもりの事実だったのだが。

(…楽しみでやってるんじゃない。藤田に貸しを作って、キッパリ手を切る為だ…)

205『リスキー・ゲーム5』:2008/12/23(火) 23:19:43 ID:sLMpye4Q
自分に言い訳をしながら、桐也は手首の紐飾りをチラリと見る。生まれ変わるための沙耶との約束のしるし。奈津には不運だったが、今回だけは…


懸命に平静を装う奈津の膝は細かく震えていた。誰も知る筈のない彼女の過ち。あの試合のあった日、朝練を終えた奈津は、隣りのグラウンドで行われていた野球部の練習試合を覗きに行った。

『…あ、ナッちん!! 凄いよ、あの子…』

先に観戦していたソフトボール部員の言葉に、ピッチャーマウンドを見た奈津は暫く呼吸を忘れた。
話に聞いていた光陵の女投手だ。凄い肩だった。そしてユニフォームの下で偉容を誇る胸。愛らしく凛々しい顔立ち…
奈津は呆けたように彼女の投球を、いや、彼女をゲーム中盤まで時を忘れ、食い入るように見つめ続けた。
精悍でワイルドな美貌を備え、生半可な男子より腕力も勝る奈津は附属小の女子児童に人気が高く、事実、校内には何人かの『彼女』もいる。
言い寄ってくるまま彼女たちを受け入れてきた奈津は、今まで自分の性癖にさしたる疑問を抱いたことは無かったが、この日、奈津を襲った感情、野村理奈という名の可憐なエースに抱いた想いは、紛れもなく激しい『恋』そのものだった。


206『リスキー・ゲーム5』:2008/12/23(火) 23:22:26 ID:sLMpye4Q
『…鷲沢、今日の野球部の対戦相手、女が1人いるらしいから、着替えに部室貸してやってくれ…』

四回裏、朝は聞き流していた顧問教師の言葉が、奈津の耳に蘇った。確か、空きロッカーの手配を後輩の誰かに命じた記憶があった。

…あの子をもっと知りたい。話したい。触れてみたい…

抗えぬ衝動に奈津は自制心をねじ伏せ、目立たぬようグラウンドを離れて部室に向かった。
ソフトボール部のキャプテンが自分の部室に入る。当然の行動だと自分に言い聞かせながら、奈津は人気のない部室に入り、施錠されていない予備ロッカーをそっと開いた。
名入りのスポーツバッグと、きちんと畳まれた衣服。試合後の着替えであろう『サンべリーナ』のキャミソールにそっと触れると、清楚な少女の香りが奈津をしばし陶然とさせる。
まるで酔ったように普段の固い道徳心を麻痺させたまま、彼女は一番下にあった白いブラジャーにおずおずと手を伸ばした…


「…お前だよな。ブラジャー泥棒。」

桐也の言葉に、奈津は切迫した現実に戻る。
疑問と罪悪感がグルグルと彼女の思考を縛る。舌が乾き、言葉が出ない。
207『リスキー・ゲーム5』:2008/12/23(火) 23:24:35 ID:sLMpye4Q
…彼は確証を掴んでいる。素直に犯行を認めるか、それとも断固否認して、この廻りくどく狡猾そうな加賀桐也を相手に言い逃れを続けるか…

もはや狼狽を隠せない奈津に桐也は続ける。

「…別に答えなくてもいい。じゃ、俺に訊きたいことは?」

質問は山のようにあった。しかし何を尋ねても、全ての質問は、即ち自白に等しいのだ。奈津の狂おしい葛藤のさなか、桐也は無情に彼女に背を向けた。

「…質問なし、と。じゃ、お前は藤田たちを訴えるなり、好きにすればいい。俺は帰る。帰って沙耶とクッキー焼くんだ。」

「あっ…」

奈津の小さな叫びを無視して桐也は扉へ歩き出す。以前の桐也が最も好んだ勝利の瞬間。
自ら憶測する恐怖は、どんなに絶望的な現実より耐え難い。奈津は敗北を認めて力なく桐也に尋ねた。

「…なんで、知ってるの…」

苦悩を絞り出すような奈津の掠れた告白に、桐也は足を止めて静かに口を開く。ゲームセット。
早く楽にしてやりたかった。

「見てた奴がいる。『障子に目あり』って奴だな。」

カメラについて教える必要はない。
ガクリとうなだれる奈津に、桐也は少し同情しながら、残る簡単な手続きを告げた。

208『リスキー・ゲーム5』:2008/12/23(火) 23:27:20 ID:sLMpye4Q
「心配するな。外の二人を勘弁してくれたら、この件は絶対にどこからも漏れないと約束するよ。誰にも、な。」

瞳を少し潤ませた奈津は、二つ目の、そして彼女にとって最も大切な質問を発した。

「野村…理奈にも?」

「野村理奈にも、だ。」


しっかりした桐也の答えに、ようやく膝を抱えた奈津の顔が寂しく和んだ。桐也は優しく笑い、奈津の横に腰を下ろす。

「…でも、他人のブラジャーなんて、何に使ったんだ?」

意地の悪い質問。ここからは悪ふざけだ。これ位なら沙耶も許してくれるだろう。
再び顔を赤らめて沈黙する奈津の脳裏には、あのブラジャーを自分がいかに『使った』か、が幾通りも浮かんでいた。
言えない。死んでも言えない。

「言えねぇよ…」

スポーツマンらしい、素直な奈津の答え。
彼女の深い悲しみをたたえた横顔を見つめ、桐也は傷心の彼女を慰める言葉を考えている自分に気付き、少し戸惑った。


END

209SDS ◆cStOEcFYHc :2008/12/23(火) 23:30:36 ID:sLMpye4Q
投下終了
◆selJPZyjjYさんも、そろそろですよね?

210暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2008/12/24(水) 00:01:41 ID:1h5ZwkwN
GJです。
てっきり土生と理奈を同時に登場させると思っていたら、
全く違う話に登場させるとは思ってませんでした。

この小説自体は結構前に書かれたものでしょうね、多分。
なぜなら、現在光陵には女子が3人もいるから。
緒方は古傷の関係で大会以外の試合には出ない、
ユキは何らかの理由で欠場した、と考えるべきか…
こんなこと考えても何にも役には立ちませんね;

2つ質問です。
『附属小』は位置的には西小、東小の近くですか?
もしそうなら、うちの光陵リトルで通っている学校を決めていない4名を、
附属小所属、と言う事にしてよろしいですかね?
211名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2008/12/24(水) 15:26:43 ID:Z+AM8Jko
【ご返信しにちょっと来ました】

>>189-190
ありがとうございます。
それと前書きあとがきが長くならないよう気をつけます。

>>191 暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんへ
すいません…私の場合ついエロ描写を濃い目にやるほうなので…。
それと設定資料集よかったですよ!ストレートシリーズを今後もがんばってください。

>>199 SDS ◆cStOEcFYHc さんへ
作者・読者がいてこそのスレですからね。
それとリリアムを出した結果。貴方の作品に支障を出してしまいすいませんでした。

【落ちます】
212名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 16:52:57 ID:htUCdygf
作者の皆様はどの作品も完成度が高いし、俺たち読者はせめて書きやすいよう応援を続けるぜ
保守
213名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 19:47:23 ID:SPNf35Hw
桃花街
214『おっぱいの神さま』GBH ◆GudqKUm.ok :2008/12/29(月) 22:48:14 ID:cN3TKez7
裏山の神社の近く、小国民の義務とやらの勤労奉仕の柴刈りをさぼって、俺と賢太は街を一望できる高い杉に登って、ぼんやりと遠く尾ノ浜を眺めていた。

「…しかしよぉ、いくら千紗でも、モンペ穿いたケツは色気ないよなぁ…」

「でもな晃、あいつの乳、またデカくなっただろ? 六年生一番だな。ありゃ。」

戦局の悪化もなんのその、相変わらずの猥談に花を咲かせていると、突如街のほうからけたたましいサイレンが鳴り響いた。空襲警報だ。
真面目に作業していた同級生たちがオロオロと眼下を走り廻る。

「バカが。目標は松原の造船所だろ。こんなとこへ爆弾落とすもんか。」

しかし尾ノ浜の沖にその禍々しい姿を見せた爆撃機は市内上空を傲然と通過し、まっすぐこちらに向かって来る。

「おい!! こっち来たぞ!!」

賢太が叫んだ瞬間だった。
巨大な黒い影が頭上を覆い隠し、思わず頭を覆ったとき、衝撃と振動が周囲の木々を震わせて俺たちは登っていた杉から転げ落ちた。
幸いに二人とも灌木の中落ち、擦り傷だらけになりながらも無事だ。

「畜生!! こんな山奥に爆弾落としやがって!!」
悪態をつく俺に、賢太が呆然と囁く。

「…おい晃、みんなは…」

215『おっぱいの神さま』:2008/12/29(月) 22:49:29 ID:cN3TKez7
俺たちは慌てて周囲を駆け回ったが、静かな山の木々のなか、引率の先生も、同級生の気配もない。

「先生!! タケ!! 千紗!!」

ただ俺と賢太の叫びだけが木霊する。どうやら無事に下山したらしいが、神社の方角から上がる黒煙に近づくには勇気が要った。
もし運悪く、たった一発落ちたらしい爆弾の下に千紗たちがいたら…

この夏、兄貴が戦死した賢太が走り出す。賢太とはよく喧嘩するが、こんなとき頼りになる同級生はこいつくらいだろう。
慣れた獣道を走って小さな神社に着くと、鳥居も本殿も無事だった。煙は本殿の裏から上がっている。確か小さな祠があった辺りだ。

「罰当たりのアメ公め…」

廻ってみると、祠のあった場所は無残にくすぶった木片が散らばり、焦げた匂いが立ち込めている。

「…おい…晃…」

重苦しい賢太の声。
彼の足元、崩れた塀の下から華奢な手が力なく覗いていた。賢太の膝が小さく震えている。

金縛りにあったように動けなかった。ヤエコか、トシエか、それとも…

ようやく、まだ息がある可能性に思いあたり、俺と賢太が顔を見合わせて焦げた塀に手をかけた時、煤だらけの小さな手がぴくりと動いた。

「わあっ!!」
216『おっぱいの神さま』:2008/12/29(月) 22:51:11 ID:cN3TKez7
俺たちは、餓鬼大将の沽券に関わる情けない格好で尻餅をついた。

「わ…」

ゴソゴソと動く祠の残骸から、そのままの格好で後ずさる。


「…ええい、この年の瀬になって、蛮夷に住まいを焼かれようとは…」

ぶつぶつ不平を言いながら瓦礫の中からもうもうと埃を立てて立ち上がったのは…見慣れない女の子だった。
とりあえず千紗たち同級生ではなかった事にほっとしながら、改めて彼女を見上げる。
…へんてこな女の子だった。あちこち破れて煤に汚れた服は、まるで修身の教科書に出てくる『イザナギとイザナミ』だ。そして、人形のような白く綺麗な顔と黒髪。
しかしなにより驚いたのは、破れた衣服から覗いている巨大なおっぱいだった。
俺たちと同い年くらいに見えたが、恥ずかしげもなく突き出した乳房はとても千紗や…寺井先生の比ではない。超ド級だ。
賢太と息を呑んで見つめていると、彼女は厳かな声で俺たちを見下ろして言った。

「…これ童ども、とりあえず里へ案内せい。」

ようやく我に帰った賢太が、まず彼女の高飛車な口調に噛みついた。

「…お前、どこの学校だ? こんなとこで、何してんだよ!?」


217『おっぱいの神さま』:2008/12/29(月) 22:52:55 ID:cN3TKez7
しかし彼女はさらに胸を偉そうに張り、俺たち二人の鼻先に凜とした乳首を突きつけて答えた。

「…見れば判るであろう。この社に住まいなす神の一柱、ミクニヒメじゃ。安産授乳の神として、知られておる。」

半信半疑で立ち上がった俺と賢太をニコニコ見つめる彼女は俺たちよりだいぶ背が低く、不釣り合いに大きな胸以外は全く普通の女の子に見えた。でも爆弾の直撃を受けて生きているところをみると、まあ神さまとはいかないまでも、狐か妖怪の類かも知れなかった。

「…か、神さま?」

「いかにも。」

少し落ち着いた俺たちは、さりげなく近寄って魅力的な乳房をちらちらと観察した。
何しろ堅物の上に滅法腕の立つ千紗のおっぱいは、俺たちの策略も虚しく当分拝めそうにない。この機会は逃せない…
瑞々しく張りつめたこの神さま『ミクニヒメ』のおっぱいは本当に見事だった。麩のように真っ白なたわわな膨らみに、淡い桜色の突起。
あんぐり口を開いて見つめる俺たちに気付き、彼女は自慢げに胸を揺する。
俺は一計を案じて彼女に言ってみた。

「…ジュニュウの神さまってことはよ、ナリは子供でも、ちゃんと出るモンは出る筈だよな!?」

218『おっぱいの神さま』:2008/12/29(月) 22:55:22 ID:cN3TKez7
賢太がニヤリと笑って調子を合わせる。

「晃の言う通りだ!! …飲んでみなきゃ信用出来ねぇな。」

『ミクニヒメ』は別に動揺もせずにため息をついた。

「…疑り深い童どもじゃ。まあよい、信用出来ぬと申すなら吸うてみよ。まだ乳恋しい年頃かのう…」

彼女の言葉の終わりも待たず、俺と賢太は目の前のおっぱいに飛び付く。たちまち舌に溢れる甘く懐かしい味に、どうやら本当に神さまだ、
と信じるが、押し寄せる昂まりにそんなことはどうでもよくなって、俺たちは夢中で柔らかい乳房を揉みしだき、堅く甘い先端をちゅうちゅうと吸った。

「…こ、これ、少し…乱暴じゃ…」

眉間に皺を寄せ、少し切なげに喘ぎはじめたミクニヒメは、千紗たちと変わらぬ少女の顔になった。興奮の絶頂で賢太と目配せして、彼女の軽い体を押し倒す。

「な、何をするかっ!!
天地の始まりより…」

きいきいと抗議する彼女を抑えつけ、さらに勢いよくぶちゅうっ!!と乳首を吸い込み、空いている手を乱れた裾の中に忍ばせる。

「…ば、罰を当てるぞっ!! あ、ああっ!!」

どうせ明日空襲で死ぬかも知れない身だ。罰など怖くなかった。

219『おっぱいの神さま』:2008/12/29(月) 22:58:28 ID:cN3TKez7
彼女の仄かに暖かい、いい香りのする母乳で顔をべとべとにしながら、賢太と争うように彼女の少し湿った太腿をこじ開けようとした。
ようやく裾から侵入した俺の手が僅かに生えた柔らかい毛を探り当てたとき、ミクニヒメの両手もまた、瞬時に俺たちの一物を掴んでいた。

「わあ…あ!!」

「…子わっぱ風情が、姫を見くびるでない。ほれ…」

「うわあ…あ!!」

暴発寸前だったモノは、彼女の柔らかい手のなかで痺れたようにひときわ硬直すると、とめどなく激しい射精を続けた。

「し、死ぬ…」

目の眩むような絶頂感の連続で、断末魔のような痙攣を続ける俺たちに、ミクニヒメの乳首から飛ぶ甘い飛沫が降り注ぐ。

「…姫の乳はすぐ精となって男子を奮い立たせる。覚悟は良かろうの?」

彼女の形の良い唇がチラリと舌を覗かせてから、畏れ多くも賢太の再びいきり立ったモノをぬるりと咥えた…



「…も、もう出ないよう…」

瀕死の病人のように虚ろな瞳で、俺と賢太は微笑む姫を見上げていた。いつの間にか彼女の焼け焦げ、破れていた衣装が新品同様になっている。やっぱり神さまだったのだ…
220「おっぱいの神さま』:2008/12/29(月) 23:00:08 ID:cN3TKez7
「…満足した顔じゃの。しかしこの国難の時局、男子たるものまだまだ逞しく生きねばならん。『産めよ殖やせよ』じゃ。」
そう言ってミクニヒメは高らかに笑うと、ふらふらの俺たちに街まで案内するよう命じた。

「…この国の神の一柱として、街へ降りてしばらく子を育くむ女の助けをするのもまたよい仕事じゃ…」

疲れたという彼女を代わる代わるおんぶして、ようやく国民学校にたどり着いて振り向くと、いつの間にかミクニヒメは姿を消しており、そして代わりに、鬼のような顔をした千紗が校門の前で待っていた。

「馬鹿!! ろくでなし!! 非国民!! 心配したんだから!!」

べそをかきながら俺と賢太を散々殴った千紗は、さいごに俺たちをその大きな胸にぎゅっと抱きしめた。
少し、涙が滲んだ。

…神さまの「しばらく」がどれぐらいかは判らない。でも、たぶんミクニヒメはまだこの街にいて、千紗みたいな大きいおっぱいの小学生を見守ってるんだろうな、と、ときどき思う。


END

221GBH ◆GudqKUm.ok :2008/12/29(月) 23:01:58 ID:cN3TKez7
投下終了
222名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 23:53:03 ID:aozsvMHc
こwwwれwwwはwww
まさかひょっとして、あれか、あれなのか?
とにかく……GJ!!!
223名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 18:02:41 ID:u4vGx7Mk
>>221

GBH氏GJ!
新しい作品投下とデビューに感謝します。
それともしよかったらミクニヒメと千紗のスリーサイズとか知りたいかな〜って少し思います
保守
224名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 01:51:42 ID:msgRKl9h
ぬぅ これは別の路線 いい手腕よのう
225 ◆selJPZyjjY :2008/12/31(水) 19:56:11 ID:i3MPGj84
>>209
すいません。年末年始は仕事が大量に入ってしまい、とても投下できそうにありません。
次回投下はおそらく、一月中旬以降になってしまうかと思います。
次回もまだエロなしの予定ではありますが、お待ちいただければと思います。

>>221
意外な角度からの新たな切り込み、GJでした!
……ところで作中に散見されるあれやこれやは、GBHさんの遊び心なのでしょうか?
いずれにせよ次回作、楽しみにお待ちしております。
226名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 17:07:34 ID:WC+esUz4
>>225
ゆっくり俺らも待ちますんでいつまでもお待ちします
227名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 18:21:07 ID:TZnJVdUR
selJPZyjjY氏
SDS氏
暴走ボート氏
名無しさんX氏
GBH氏
今年の新作投下楽しみにしています!!
228 【大吉】 【72円】 :2009/01/01(木) 23:22:53 ID:6NiqC3/b
皆様いつもGJです!
今年も投下を楽しみにしています。
229SDS ◆cStOEcFYHc :2009/01/02(金) 21:49:43 ID:U86NpJb0
>>selJPZyjjY様
次回での千晶の活躍を楽しみに、気長に待ってます!! 本年も宜しくお願いします。


>>暴走ボート様
諸般の事情により遅レス失礼します。
『附属小』は更なる複雑化を避ける為、なるべく西小東小シリーズから離していく予定なので使用しないほうが得策か、と思います。(拙作でも互いへの言及に留めるようにしています)
位置的には、普通に暮らしていると、あまり顔を合わせる機会がないくらい距離、でしょうか。
元々『良家の変態子弟が集う金持ち校』として勝手に苦手な濃いエロSS用に作った学校ですし、どなたでもそういう作品に加賀桐也や鷲沢奈津を含め使って頂けたら、と思います。次なるストレートシリーズ、楽しみにしています!!

>>名無しさんX様
私はソフトボール物なんか絶対書けませんから、どうぞ気になさらずに!!今後私では扱えない単発キャラ、鷲沢奈津の使い道はないでしょうか?
…ハウメア嬢、来年お借りしたいなぁ…



230暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/03(土) 21:24:39 ID:4wY4rjYd
規制で久しぶりの書き込み。

>SDSさん
わかりました。
となると光陵のあの連中の通う小学校は伏せたままの方がよさそうですね。

>GBHさん
巨乳小学生スレッドの住人として言えた義理でもないが、
一番現実離れしてるっぽいですね。
面白かったです。

…出身地の関係ゆえ原爆は登場させないでね(ぁ
231名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/01/03(土) 22:22:10 ID:/N81ACTB
あけおめです皆様、今年もできる限りまったり書いてみます。

GBH ◆GudqKUm.ok様
初めまして、そして小説の方大変良かったです。

SDS ◆cStOEcFYHc様
私もスポーツ苦手ですが色々と書いてみます。
それと鷲沢奈津嬢を使わせて頂けるなら、是非とも使わせてください。
勿論ハウメアを其方でも使って下さるのでしたらとてもうれしいです。

暴走ボート ◆z95s/qs7OM様
規制大変だったと思います。
これからも作品応援してます。

今日はあいさつのみです。
232迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/06(火) 20:30:03 ID:eI+0Imme
かるーく投下。


「今から出れば十分間に合うね。」
「忘れ物は?」
「無い!」

いよいよ大会当日である。
念を押して開会式1時間半前を集合時間にした。

「でも、プロが使う球場で試合が出来るのかー。」
「3回戦まで進めばな。」

あのラミレーズも戦っている、あの球場。理奈の庭。
開会式は別の球場で行われるので、あの天然芝を踏むためには2回試合に勝たなければならない。
開会式は普通の市営球場で、町のはずれにある。自転車は無論、歩いても間に合う。

「本当は自転車使いたいのに…」
「怪我のリスクは最小限にとどめる。大会の事で上の空になりそうな誰かさんのためにな。」
「むっ!」

膨れる理奈を無視して、玄関で靴をはき。
いよいよ夢の詰まったグラウンドへ出陣。のはずなのだが。

(いいか、あいつらはここを通るはずだ。
 この近辺はしっかり見張ってろ!)
(はいっ!)

「…。」
「こんな大事な日に…」

家を出てしばらくして、司馬軍団に遭遇。
どうやらまた喧嘩を売りに来たらしい。今日に限っては喧嘩をするわけにはいかないのだが。

「しゃあない、遠回りだ。」
「間に合わないよ。」
「急がば何とやらだ、あっちだ。」

急がば回り、また見張りに遭遇。

「…勘弁してくれ…こりゃこのあたり一帯は…」
「どうしよう?やっぱり、強行突破?各所に見張りは1人しかいないし、脚はこっちの方が…」
「リスクは最小限、だ。俺たちは喧嘩に自信があるとは限らないから、怪我の可能性もある。
 それに荷物があるから逃げ切れるとは限らない。」
「どうするの?」
「どうにもなんねえな。暴力沙汰は嫌だが、ここはもう最後の手段…」

携帯電話をかける。
集合時間はあと40分、ここから球場までは急いでも20分ちょっとかかる。
そのタイムリミットの半分が過ぎたころ、

「速く来て…」
「きたぞ!よし、合流だ!」

強行突破をもくろみ、一気に見張りのところまで突撃する2人。

「し、司馬!あいつらが来た!」
「全員金元のところに行け!」

見張りのところにも援軍が差し向けられ、5人が2人の前を封鎖。だが。
233迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/06(火) 20:31:17 ID:eI+0Imme
「何の考えもなく突撃すると思ったか?」
「…ぐはあっ!」
「て、てめえは!…ごふう!」

球場からユキが駆けつけてくれた。5人を瞬殺し、急いで球場へと向かう。
早く西小と東小の戦争が終わってほしいと願ってやまない。

もっとも、そんな事になれば確実に2名の小説家が困り果てる事になるので、まず不可能と考えていいだろう。

「はあ…はあ…あそこだ!」

息を切らしながら走った先に、仲間がいる。
…そこに、緒方の姿は、なかった。

「あ…あれ?緒方は?」
「先に入っていきましたよ。精神統一したいとかで。
 それより、司馬達は撒けましたか?」
「ああ、サンキューユキ。…今、何時だ?」
「10時半です。集合時間と一緒です。」
「正確に言ってくれ。今何時だ?」
「…10時32分、遅れちゃいましたね。」

やはり遅れてしまった。
もちろん全員事情は知っているので怒ってなどいるはずもないが、

「みんな済まない!」

腰を曲げ頭を下げる土生。それにつられて理奈も土生同様頭を下げる。
胸元が強調され、色っぽい姿勢。

「いえ、そんな。悪いのは司馬達だし、それに集合時間だって
 土生さんが念を押して早めにしたんだから、ちょっとくらい遅れたって…」
「…青野、そのいい加減さが命取りになる。
 そんな甘い考えが、1分くらい遅れてもいいという考えが、10分、20分と長引くことになるんだ。」
「は、土生さん…」

半ば脅すような目つき特徴で、自らを戒める。
そして、衝撃の発表をした。

「遅刻のペナルティ。
 今日は俺と理奈は、スタメン落ちだ。」
「…ええっ!?」
234迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/06(火) 20:32:03 ID:eI+0Imme
昼食の時も、何を食べたか覚えていない。ただ口に詰め込むだけ。
開会式の時も、何を話されたか覚えていない。まあ聞く気もないが。
それだけ、土生の言葉は衝撃的だった。

彼らがその事で私語をするたびに、

「お前ら、騒ぐな。そう慌てる事じゃない。」

肝心の監督も、

「別にいいじゃないか。あいつに采配すべて任せてるんだ。
 筋を通すことは、何ら悪い事じゃない。時間を守らなかったらどうなるか、あいつは身をもって教えてくれた。」

それでいいじゃないか…と言われても、
負けたらすべておじゃんになることが、分かっているのだろうか。


「それでは、スタメンを発表する。」
(ざわ…ざわ…)
「おとなしく聞いてろ!俺は勝てると思っている。
 だが、相手を舐めているから、俺自身にペナルティを貸したんじゃない。」
「ど、どういうことですか?」
「お前たちは1か月前とは比べ物にならないくらい成長した、だから俺は安心して、自分のペナルティ課せた。」
「でも…」
「俺への依存心を断ち切れ!お前らは、お前ら自身で野球をしろ!いいな!」

それでも不安という空気を払う事は出来ない。
なぜなら、チームの絶対的な存在が、同じグラウンドに立っていないからだ。


1,8・橡浦
2,6・赤松
3,1・瑞原(ユキ)
4,3・山下
5,5・青野
6,2・白井
7,7・青山
8,4・黒田
9,9・赤星

控え…土生(捕手) 野村(=ラリナ。投手) 緒方(外野手)


相手・西部リトル

1,4・片岡
2,7・栗山
3,6・中島
4,9・佐藤
5,5・中村
6,1・涌井
7,3・石井(義)
8,8・後藤
9,2・細川
235迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/06(火) 20:34:10 ID:eI+0Imme
「橡浦、山下。」
「はい?」
「お前たちだけは大丈夫のようだな。」
「やれるだけやってみます。土生さんを温存できるように。」
「うん。で、バッティングのいいユキを3番に入れたが、野球そのものには慣れてない。
 …お前たちで1点だけでも取ってくれ。今日の相手なら、ユキならそう点は取られないはずだ。」

正直、土生も不安だった。
…これは、優勝を狙うための、賭け。チームを一つにまとめるための、賭け。

「うー、試合に出たいよ…」
(だが、本気の試合でもこの打順を試す価値はある。
 理奈を控えに回すことによって全体の打力は向上する。ピンチになったらいつでもリリーフ出来て応用も効く。)
「なんかすごく今失礼な事言わなかった?」
「さあ?
 あと、緒方。」
「なあに?」
「…1イニング、守れるか?」
「頑張れば。」

絶対的エースを引っ込めるわけにはいかない、故に代打は出せない。
だからこそ、控えとして温存する。いざとなれば緒方にも守ってもらう。

「…おもしろい。とりあえず、まずは橡浦次第だ。」

『1番、センター、橡浦君。』

大会初日、第1試合が、アナウンスとともに始まりを告げた。

(とにかく出ないと。ユキちゃんと、デカブツにまわさなきゃいけねえ。)
(チビ、俺まで回せよ。)

目線が合わずとも、火花は散る。
負けん気に任せて、初球を振りぬいた。

「おっしゃあ、ライト前!」
「いいぞ橡浦!」
(あのくらいのピッチャーなら、橡浦は打てる。
 さて、監督から全ての采配を任されているが…問題は、ユキちゃんがどれだけ抑えられるか…)

ユキがほとんど点を取られないなら、1点を取るために固く行く。
ユキに大量失点の恐れがあるなら、大量点を狙いに行く。

(赤松のあの必殺技はまだ未完成だしな。ここは…)
(了解、バントですね。)

セオリー通り転がし、1アウト2塁。

「ユキちゃん、気楽にね。山下もいるから。」
「ああ、思い切り行って来い!」

ストライクゾーンは、選手の身長によって変わる。
身長差42cmのユキと山下の打順を隣にする事によって、リズムを狂わせるという魂胆でもある。
そして何より、いくらバッティングが良くても野球に慣れていないユキには、気楽に打たせないといけない。

…だが、土生は1つ思い違いをしていた。
236迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/06(火) 20:35:48 ID:eI+0Imme
(へえ、空手の大会の時と同じ…皆、いい目をしてる。楽しみ♪)
(ん?ユキちゃん、なんか楽しそうだな…)
「ち、女かよ…舐めた真似しやがって…」
「聞こえてるよん♪みんなそうやって油断して…」

ユキは、『大会』という場数は、このチームにいる誰よりも、踏んでいた。
相手との間合い、その場の空気、雰囲気。それらとの付き合い方は、緒方並みにしっていた。

「何!?」
「おっしゃあ!」
「これは大きいぞ!」
「あはっ、飛んだ飛んだ―!」

ユキが余裕の表情で2塁に到達。景気よく先制点。
そして、4番、山下も素人が目の前で打った以上、黙ってはいない。

「うおりああっ!」

特大飛球。だが、ちょっと上がりすぎた。
フェンス直撃のタイムリーツーベース。だが打点を稼ぐという点では、しっかりと仕事をこなした。

その後青野、白井と凡退。2点先制し、守備に回る。

(問題は、空手で培った場慣れが、ピッチングにどこまで通用するか…
 メンタル面において、ピッチングの負担は守備や打撃と比較にはならないはず…)

だが、久しぶりの大会を『楽しんでいる』状態のユキ。
固くならずに楽しもう、とはよく言ったものだが、それを実践できる人間もそうはいない。

「ストラックアウト!」
「よっしゃあ、三者三振!」

事前に配球のパターンや簡単なイロハを教えただけで、簡単に抑えられた。
ストレートもかなり早く、カーブもそれなりに曲がる、つまりユキのピッチャーとしての能力がいいという証拠だが、
土生が教えた事をその通りに実践できる白井の飲み込みの速さも、決して無視できるものではない。

ユキのスピードなら何とか捕球できることが幸いだった。何と言ってもコントロールが素晴らしいのが大きい。
リードのしやすさ故、マニュアル通りのリードがそのまま成り立つ。この2人、かなり相性がいいかもしれない。

そのまま2点リードを守ったまま、3回の裏に突入。

「あれ。」

だが、この日初めてのヒットを許してしまう。
…ここから、大きな落とし穴が待っていた。

3連打で1点を失い、ノーアウト1塁2塁。そして、

「よっしゃあ、左中間抜けたあ!」
「帰れ帰れー!」

長打でランナー一掃、逆転。
今まで試合を楽しんでいたユキが、一変した。

(やっぱりか…
 急造ピッチャーは、一度打たれるとモチベーションが保てなくなる。
 いままでの大会でも負け知らずだったのが、初めて自分の思い通りにならず、やられている。)

ユキの強心臓が、その自信が、裏目に出てしまった。
結局橡浦や赤松の好プレーで救われたものの、この回5失点。
237迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/06(火) 20:36:47 ID:eI+0Imme
「どうしてだよ土生さん!なんでラリナを出さないんだ!」
「俺たちが遅刻したからだ。」
「そんな事言っている場合じゃねえよ!勝つ気あるのかよ!」
「ある。
 そして、俺はユキが抑えられると信じているから、そのまま続投させる。」
「でも打たれてるじゃねえか!」
「結果論に過ぎない。
 それに、あの長打以外はそこまでいい打球ではなかったはずだ。」
「それは…」

確かに、打たれたヒット7本のうち、ツーベースヒット以外は不運なあたりも多かった。
それとメンタル面での脆さが、負の連鎖を引き起こしていたにすぎない。

「でも、とりあえずこの点差を何とかしないと…
 次は俺からか…俺と変わってください、土生さん!」
「そう焦るな、青山。まだ4回だ。
 焦って勝負所を見失っても何にもならない。必ず勝負をかける時は来る。」
「…わかりました…」

この回を確実に捨てる気である。
向こうもエース・涌井がずっと投げているので、この回は点を取らずに、次の回に賭ける。
…だが、この回全く何もしないわけではない。

「青山。とにかくあいつを揺さぶれ。ツーストライクまではバントの構えからバットをひっこめろ。
 追い込まれたらストライクのボールをバントだ。ピッチャー前に転がせばどんな形でもいい。黒田、赤星も同じだ。」
「「はい。」」

涌井を徹底的に揺さぶる。
バントの構えから制球を乱させ、球数を投げさせる。追い込まれたらピッチャー前に転がす。

(ちい…姑息な真似を…)
(向こうも、5回の上位打線に賭けるつもりか…)

青山、黒田、赤星、全員が土生の指示通りに動き、球数を投げさせた。
ボールをしっかり見極め、ツーストライクになったらストライクを確実にバントした。

そして、4回の裏は持ち前の強心臓で見事立ち直り、三者凡退。

「この回だ。行ってくれ、橡浦。」
「おう、あんちゃん。」

みんな分かっている。
全てはこの回にかかっているという事を。

『1番、センター、橡浦君。』

自然と手が震えているのを感じた。
それを押し殺し、前に進まなければ、未来はない。
238暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/06(火) 20:37:35 ID:eI+0Imme
投下完了。

こういう場所だから、試合経過を書くのは一苦労。
あんまり長いことだらだら書くわけにはいかないが、その辺のバランスが…

…もうエロパロがどこかへ吹っ飛んでる気がする。
239名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 23:37:29 ID:q42L2zsr
突き抜けてそこまでいってしまいたまえ。心配せずとも
メンバーと展開は把握しようがない。
240名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 12:29:41 ID:7gVXS3u7
野球SSが読めるとこは珍しいがスレタイからの逸脱は否めないw
【試合中】等注意書き必要かもな
241名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/01/07(水) 23:19:11 ID:+GCshh/t
では私の方も初前後篇の内前篇を投下させていただきます
それと後篇からSDS ◆cStOEcFYHc さんの作品(リスキー・ゲーム5)に登場した鷲沢奈津嬢を出演させます。
そして今回の属性は軽めの理奈嬢×優子のペッティングで、土生少年も話に出ます。
それでは短めですが投下開始
とにかくキャッチ 過去と今と 前編

ACT 4

理奈を迎えに行こうと思ったらその理奈とぶつかるなんて…それにしてもやっぱり理奈のおっぱい大きいな…私や沙織も大きい方とはいえ流石に理奈の三ケタ台には勝てないや。
私は改めて理奈の脅威の胸囲に驚きドキドキしたけど、とりあえず倒れたままの理奈に声をかけ

「理奈の父さんまた海外ってお母さんから聞いたから…急いで家に帰って、理奈ん家にお惣菜持って行こうと慌ててた…御免ね」
と私は理奈に手を差し出し立たせようとするが、理奈の後ろから少年の声が聞こえてくる。
だれだろう?私は理奈を立たせてそちらの方を見てると少年が走って寄ってきて理奈の方に近寄って声をかける。

「ラリナ!大丈夫か?怪我してないか?」
と理奈と同じユニフォームを着た少年が心配そうに声をかける。
とりあえず理奈の所属している野球チーム光陵のチームメイトかな?それよりもラリナって?
そんな事を思って見ていると理奈の方が少年に対して答える

「私は大丈夫だよ翔。私の不注意で優子にぶつかっちゃっただけだから」
理奈は背が低く華奢に見える少年…翔って言うのかな?とにかく翔に対して心配ないよという。
そして今度は翔の方が私に対して誰だという表情を浮かべてしまう……私もこの翔という少年が理奈と親しそうな感じを受けどこか困惑していたのだろう。
そんな私と翔を見かねて理奈から口を改めて開く。

「ああ紹介するね翔…私の幼馴染の石引優子。今リリアムのキャッチャーを務めている…んだっけ?」
とりあえず理奈は私と理奈の関係を簡潔に紹介してくれるが、理奈自体ソフトボールは野球ほど関心があるわけでは無く、少しおぼろげだ。

仕方ないからもう少し補足しようと私からも説明する序に
「もぅ!理奈ったら。この間リリアムの正キャッチャーになったばかりなのにぃ」

と理奈に対して親しげに声をかけた後理奈のチームメイトに対して割と事務的に声をかけ
「まあ初めまして。私は西小5年生でソフトボールサークルリリアムキャッチャーの石引優子。そしてさっきも理奈が言ったけど私は理奈の幼馴染❤ 所で理奈この人はだれ?」
理奈のチームメイトに対してあえて理奈から聞いてみる。流石に初対面の男子に対してなれなれしく声をかけたくなかったので理奈に彼の素姓を聞いてみる。

「ああそうだった。まだ翔の事優子に言ってなかったね。この子は光陵のエース土生翔平!ポジションは優子と同じキャッチャーだよ♡」
とどこか親しげに土生翔平という少年に視線を向ける。
何かあったのか?私は彼がキャッチャーというポジションという以上今理奈の球を一番受けているのだろう…それが少し悔しかったがそれ以上にただのチームメイトにしては…。
少しムッとしてしまうが今度は土生翔平から声をかけられる。

「…ラリナから聞いたと思うけど俺は東小五年で土生翔平。チームメイトやクラスメートから翔って呼ばれている。
ラリナに幼馴染がいるっていうのは初めて聞いたけど…あんたも凄いな……色々と」
と土生翔平の目線がちょうど私の胸辺りにあるため私の胸を見て言ってくる。
「凄いってどういう意味?それに私の名前は優子であってあんたじゃない!」

むっと来た私はつい私も少し怒って言い返すも、土生翔平の方から口をはさんでくる。
「確かにあんたの胸も凄いけどラリナの方が…いやすまん俺の言いたい事はあんたがあのリリアムの正キャッチャーだってことだよ。
もしかしてあんたがあのやかましい大泉の相方を勤めてるのか?」
とまだ私をあんた呼ばわりしてくる、まあいきなり名前で呼ばれても困るとはいえ……それと久美とも知り合いなのか?

今度は理奈の方が気になったのか…土生翔平に対して話しかけてくる
「翔誰?その大泉って人…女の子みたいだけど?」
嫉妬かな?それとも土生翔平の話しぶりでピッチャーかと思ったのか…私の方からも改めて理奈に土生翔平の口を遮って久美の事を話す。

「ああ久美の事ね。彼女はリリアムのピッチャーでいま私とバッテリー組んでる…昔の理奈と私みたいにね」
となんか自分でも今カノと元カノのような会話だなと思いながら昔私は理奈と組んでいたとはっきりいい、ついどこか土生翔平を牽制してしまっている。
まあ踏ん切りは自分の中でついたとはいえ…理奈が男の子と仲良くするのをなんかほっとけないな〜と思っちゃうんだよね。

そんな私が話すと理奈も納得したように
「優子とバッテリーを組んでるんだ…その…久美って娘どんなピッチャー?」
と久美のピッチャーとしての力に興味がわいたのか、久美の事を聞いてくる。

私も話そうと思ったのだが流石に時間が押してきてるので理奈に対して提案する。
「じゃあ理奈の家にまた来るからそん時でも!それじゃあ私いったん家に帰るね」
と猛ダッシュで家に向かう。後ろから声が聞こえるが気に留めない、理奈とは昔馴染みだ特に私が入ってきても問題ないだろう。
ましてやしばらくおじさんはいないはずだ…理奈一人じゃちょっと不安だしね。

そんな事を思いながら私は急いで自宅に戻って。
「母さん理奈にご飯持ってく」
と私はありあわせの食材を詰め込んで理奈の家に駆け込むように走るのだった。
ACT 5
「理奈〜リリアムの事話しに来たよ〜開けて〜」
とりあえず私は理奈の家のチャイムを鳴らし大声で理奈にドアを開けてもらうように頼んでみる。
…遅いな〜いつもだったら割とすぐに玄関が開くのに…まるで何か戸惑っているようだった…まあいいや♡出ないんだったら友情の証としておじさんからもらった合鍵で…。
私は早速合鍵で玄関を開けようとするが、その時玄関のかぎが外れる音がする。

早速玄関に手をかけがばっと自分からドアを開けるが思いのかけぬ光景を目の当たりにする。
「理奈ご飯持って……え!!!なんであんたがいるの?」
私はつい困惑の声をあげてしまう、理奈の私服の胸部にて102cmのJカップが少し理奈が動くたび、惜しみも無く蟲惑的に揺れていたが、その小学生離れした爆乳の理奈の後ろに土生翔平がいたからだ。

すっごく我ながら困惑しているが、私はとりあえずスタスタと台所に向かい料理を揃える
作り置きとはいえ私や母さんが作ったおかず…理奈……私頑張る!

そうして私はテーブルにおかずを並べていくが…土生翔平の分はまあいいか! あいつが来てるって私知らなかったし…
そんな事を思っているとなぜだか土生翔平まで現れる。なんだろうと思うが冷蔵庫からあり合わせの材料を出し、料理を作り出す。
ふ〜ん料理できるんだ。そんな風に考えながら特に私たちは口を聞かずなんとなくごちそう風に盛り付けを完了する。

そして理奈がテーブルを見て一言
「凄いね。翔と優子がつくったの?」と目を丸くし驚いていた。

……そんなこんなで十分三人分あった食事も(私も理奈もそして土生翔平もお腹が減っていたのか…子供分では無いのよ)
瞬く間になくなり後は空の食器だけだが…。

土生翔平の方が理奈に気を使ったのか
「食器の方は俺と石引が洗っとくからラリナは風呂入ってこいよ…手伝ってくれるよな料理出したんだし」
と食器の後かたずけを私と二人でやろうといってくる。

仕方ないか…私もかたずけなきゃ悪いもんね流石に…私も理奈の方を向いて
「理奈はお風呂入ってきな。土生の言うとおり料理を作ったの私たちだから…お風呂沸くまでシャワーでもいいんだし」
と私も土生翔平に合わせて理奈をお風呂に入るよう促す。

「二人ともありがとう。じゃあお風呂入ってるから」
と理奈がお風呂に向かうのを見届け、私たちで食器のかたずけをする。
流石に少し喋った手前土生翔平に対しても何かしゃべらきゃと思い私から声をかけてみる
「……ちょっといい? 理奈があんたと仲がいいのは理奈の様子を見ればわかる。でも正直男の子と混じって野球をしてるって聞いてるから怪我とか少し不安でね
二・三聞かせて?まず理奈はどういった経緯で光陵リトルに入ったの?」

食器を洗いながら土生は答える
「そうだな…まずラリナを光陵にスカウトしたの俺なんだよ。
お前さんラリナの幼馴染だからいちいち説明しなくても分かってるだろうけど。他のリトルで女だからってまともにピッチングを見なかったり、大きな胸をからかったりするやつばっかりで大変だったみたいで
たまたま俺がラリナとラリナの親父さんがキャッチボールをしてたのを見てこれは逸材だって思ったからスカウトしたってわけだ」

深い所まで知ってるんだ…
確かに理奈は小学生した爆乳に加えて容姿も可愛らしいからからかってくる男子が多い事にくわえ、まして野球でも女の子ってだけで色眼鏡で見られることが多々あるって悲しそうに言ってたっけな…
それに理奈ってよっぽど親密な間柄じゃないと大人しくふるまっちゃうから、まず言い返したりできないもんな。
たぶん理奈がそういう色眼鏡で見られて辛いって知ってるのは理奈のお父さんと私位だけだと思ってたけど…

そんな事を思いながら
「そうなんだ…見る限り理奈は光陵リトルと相性がいいみたいだね。あんなに明るい理奈はそうそう見れないよ。
じゃあ少し気分を変えて軽い質問。なんでラリナって変わったあだ名になったの」
何で理奈からラリナと中南米風のあだ名になったことを聞いてみる。

「ああラリナの由来ね。野村里奈から苗字と名前の区切りを最初間違ってノム・ラリナになったわけだ!」
ぶっ!!理奈は当初名前の区切りを間違われた為にラリナってあだ名になったのか?
私はぎりぎりで吹き出すのを堪えることができた。

「安直だっていうなよ?光陵のメンバーみんなラリナで通してるんだし」
と土生の方も少し笑っている様だった…そして私にこんな事を教えてくれる。

「それとな…ラリナは本当に凄い!最近は打撃に関しても凄い当てるようになったし…変化球も急ごしらえながらいい感じだぜ
まさに野球の為に生きてきた女だよまったく! 」
と土生は私に理奈が打撃や変化球の類はに関して急速な進化を付けたこと、そしてその才能の開花を心から喜んでいる事を知る。

だが最後にどうしても気になる質問がしたかったので褒めてから切り出してみる。
「…理奈はいいパートナーを見つけたみたいだね。私はソフトボールの方がしたかったから理奈と一緒って訳にはいかなくなったけど
少なくても野球のパートナーという意味では私は土生の事認めてあげる…でもこれが最後の質問だけどあなた理奈のことどう思ってるの?
どう考えてもあんたが理奈とはただのチームメイトじゃない事は私にだって想像つく。そう関係…なの?」

濁した言い方だが土生と理奈が付き合っているのか…少なくても理奈が家に招いたり、理奈の辛い事とか知ってるんだ…少なくても信頼しているのは確かだ。
恋人?それとも大事なチームメイトとして?少なくても私は土生の言葉を聞く限り彼が理奈の体目当てでひっつくような変な虫では無いと思うが…
私は土生を心の奥底で確かめたかったかもしれない、そんな様子を探る雰囲気を土生も悟ったのかこういった事を言い出す。

「そうだな…俺はラリナの事チームメイトとして信頼してるけど…正直女の子として好きか嫌いかとか正直分からない。チームメイトと恋人が一緒って言うには今の俺には早いよ
でもな…俺はラリナの事を信頼してるんだ、光陵のカントク…チームに付いてきてくれた仲間…そしてあいつをだれよりも」
と正直私は土生や光陵のチーム事情はよく飲み込めないし分からないが、少なくても土生は心から理奈やチームを信頼してるんだなと思った。
だが同時に土生はこれ以上理奈に対して深く教えてくれる事は無いだろうし、これ以上の詮索土生に対しても失礼だと思った。

「……わかった。じゃあ食器も終わったことだし悪いけど土生何かお茶買ってきてくれない?理奈に聞きたい事あるから」
と訝しげな土生に対して強引にお金を渡してコンビニに走らせると私は大急ぎで理奈が入浴中の風呂場に向かう。
ACT6
私はさっき丹念に体を洗ってるからそんな洗う必要ないけど…理奈はそうじゃないからな。
私は理奈が脱いだと思われるユニフォームや下着をチロチロ見ながら、自分も私服を脱いで空きかごに服を投げ入れ全裸になると
「理奈〜久しぶりにお風呂一緒に入ろう♪」
と強引にだが体を洗っている理奈に声をかけながら浴場に入る。

理奈はほとんど体を洗い終え、一糸まとわぬ姿をさらしていた。

小学生離れした…だけど全く垂れてなく乳首や乳輪も眩いばかりにピンク色の綺麗な爆乳
そして私と同じように陰毛はまだ生えておらず、足の付け根から一本入った綺麗な割れ目を見せ
湯上りで少し赤くなっている姿は艶めかしくドキドキ来るものがあった。

私は眼福をひたすら噛みしめていたが優子から声をかけられる。
「優子ぉ〜相変わらず強引なんだから…食器は終わったみたいだけど……翔は?」
理奈は小学生離れした102cmの爆乳をゆさゆさ揺らしながら、あきれ顔で私を見つめて土生の所在を聞く。

私は
「ああ土生には飲みもん買うようにコンビニに行かせたよ♪それよりもいろいろ理奈にも聞きたい事があってさ……ぶっちゃけ理奈って土生のことどう思ってるの?
理奈のお父さんの許可をもらってるって言っても、いくらなんでも理奈一人だけの家に意味なく男の子を招き入れないよね。好きなの?」
と土生にコンビニに行かせた事と、単刀直入に理奈が土生に対してどう思ってるか聞いてみる。

あまりに私がバカ正直に土生の事を切り出したから理奈もびっくりしたのだろう…顔を真っ赤にしながら
「ババ…バカッ! 優子には関係ないでしょ私と翔の関係なんて❤」
思いっきり怒り出すが理奈の声は艶っぽくやっぱり理奈は土生の事を異性として好きみたいだなと私は思った。

もう少しつつけばまだ教えてくれそうだ…もう少し聞いてみよう
「ふーんやっぱり理奈って土生のこと異性として好きなんだ。A?B?…幾らなんでもCまで行ってたらしゃれじゃ済まないけどさ〜」 
とニヤニヤしながら聞くがちょっとだけ本当にCまでいってたらどうしようとも思ったが土生の様子から流石にそれはないだろうと思った。

そんなワイ談その物の質問に茹蛸のように理奈は顔を真っ赤にして
「もう!優子の馬鹿っ」
と可愛らしく怒りだしてしまう。

私はそんな理奈を
「あはっ!理奈のそんな顔久々にみたっ!もちろん土生には内緒にするし、私の事も色々教えてあげるからさ…」
なだめながら食いさがってみる。
理奈も諦めたのか…じと目で私を見ながら念を押す様に
「絶対翔や他の人には内緒だからね……C直前まで…経験したけど。
でも翔から最後まではって言われたけど…でも正直私も怖かったからあの時は拗ねたけど、でも今考えると翔の態度うれしかった…
その後翔は私のおっぱい吸って私と翔の二人で添い寝っ❤ もうっ恥ずかしいから私と翔の事はもういいでしょ?じゃあ今度は優子の恥ずかしい秘密でも教えてよ…勿論私だって誰にも言わないから」

理奈はすべていえるだけ言ったと告げ私の方に話を振ってくる…なので私も。
「まあ土生と最後までやっちゃったんでなかったら私はこのこと誰にも言わないから安心して
そうだね…私の秘密は二つあってさ…まずリリアムの裏事情から、実はさっき言った久美と私付き合ってるのHな意味で…しかも久美の姉貴分でリリアムキャプテンの沙織ともHな…レズって言うのかな…そういう関係
おまけに言うとリリアムメンバーみんな、西小・東小とか派閥の区別抜き無く付き合ってるよ」
とリリアム外部では絶対誰にも言う事がない秘密を話し、自分もある意味で同性愛者だとカミングアウトしてみる、決して私は男の子が嫌いってわけじゃないけどね。

「えぇ…優子何?うむぅ…はぁ」
流石にあまりにインターネットで言う斜め上の発言だったのか、堪らず理奈がびっくりして大声を上げそうだったので
慌てて私は真正面から理奈を押し倒し、私の乳肉と唇を理奈の乳肉と唇とむにゅむにゅひっつかせながら理奈を黙らせる……
ゴメンネ久美・土生…たぶんこの事が久美あるいは土生にばれたら間違え無くケツバットの刑だなと確信しながら、私は役得気味に理奈にキスをしちゃう、しかもどさくさまぎれに理奈の口に舌まで入れちゃった❤
私の94cmの乳肉と理奈の101cmの乳肉、そしてお互いのルビーのように赤い乳首を確認しながら私から乳首を絡ましていくとじきに少し乳首がこりこりしてくる…理奈もかな?

理奈はビックリしたまま黙り硬直するも、流石に理奈からは舌を絡めてくれない…まあそこまで期待してたわけじゃないけど
気を取り直して私は惜しいが理奈から離れ、いつもの様に爽やかに声をかける
「びっくりした理奈? ごめんねつい舌が入っちゃった❤てへっ! 」
が流石に少し理奈の方が引いたのか…少し私から離れる…でもまあ大声を出すこともなさそうだ。

そんな少し警戒しながら理奈の方が口を開く。
「優子ねぇ…ぜーったい私はそっちの趣味には走らないから! それともう一つあった優子の秘密って何?」
と私のもう一つの秘密を訪ねてくる。少しムッとしているが本気で嫌ってないようだった。
そして私は…やっと理奈に言えるのか……本当の気持ちを。自分でも真顔に戻ったとわかる位に真剣な表情になりそう言い切る。いつか言いたかった事を
「もう一つの秘密ね。これは私の本心からなんだけど…ずっと私は理奈や理奈のお父さんのお母さんになりたかったの…ずっと一緒に理奈といたかったんだ」
とはっきり理奈に告げる…理奈のお母さんは今どうしてるか分からない…けど父娘の二人だけって境遇を見ていて私が理奈たちのお母さんになれたら…
だからちっちゃい頃から家の仕事や料理を学んで、いろいろ料理を作ってもってたり、時には理奈の家にお泊まりして辛い事とか言いあったりしてた。
決して私は家族と仲が悪いわけじゃないし、十分両親には感謝してるけど、それでも可能な限り理奈といつもくっついて行動したりしてたんだ。

そんな真顔で今まで言い出せなかったことを私は言い終えると少しだけ理奈は涙ぐんだように私に対して
「そうだったんだ優子……そんなに私とお父さんの事思っててくれているんだね…ありがとう…私達家族に気を使ってくれるのは凄くうれしい
でも今は恋人として翔が一番だから…これからは少しだけ遠慮してほしいな、もちろん友達を止める気はないしこれからも学校で一緒に付き合うよ。
それとね翔って私のおっぱい吸うの好きだから…私は優子が今まで尽くしてくれたお礼として現状だと私はこれ位の事しか出来ないけど
翔が私に対してしたみたいに優子に尽くせるから…こんな風に…」

と理奈はいきなり私の胸を掴み、右おっぱいの乳首を乳輪ごと吸い始める。
「あぁっ理奈ぁ♪激しいよぉ…そんな事ぉ…いつも土生からこんな風におっぱい吸われてるの?」
少し喘ぎながらも質問するが理奈は答えず、一心不乱に乳首を口いっぱいに含んで吸いたくる。

右乳首を吸われるたび、私の乳首も加速度的に大きくなるが理奈は容赦せずひたすら母乳でも飲むように丹念に私の乳首を吸い
フリーな左胸はひたすら理奈の指が捏ねまわして…時にはハードに乳首を愛撫してくれる
すっかり両乳首ともHに勃起し、実を言えば乙女の果肉も蜜を流して溶けるように綻んでたけど、あえて私は理奈におっぱいを弄られるだけでそれ以上の事を求めなかった。
今胸を愛撫されるだけで理奈に対して疑似的に母乳を与えている気分になり、かつ胸の愛撫だけで満足だったからだ。

理奈もどこか子供に戻った感じで私の胸を沢山吸い、満ち足りた笑顔を浮かべていた。
「あはむぅ♪優子のおっぱい甘い…翔も私のおっぱいでこんな風に…」
少し土生と比べられている感があるのだけは引っかかるが理奈が喜んでいるんだったら…そんな授乳プレイを二人仲良く行うのだった。
ACT7
その後二人で普通に体の洗いっこなどを終え二人仲良くお風呂からあがる。
私も理奈も湯上りでおっぱいが服によく密着しHな格好だ。

そろそろ土生が帰っているだろうと思い台所に足を運んでみると。
「ただいまラリナ。ラリナ・石引お茶買ってきたから飲もうぜ。何かの参考になるかもしれないからリリアムの話とかも聞きたいしな」
土生がコップにお茶を汲んで待っていてくれた。

「おかえりー翔! 優子がお使い頼んじゃって…でもいろいろと女の子同士久々に積もる話ができてうれしかった!」
理奈はわかりやすく土生にお礼と意思表示をしながら、私に対して。
「それと優子強豪としてのリリアムってどんな感じ? ソフトボールの事はよく分からないけどリリアムが物凄く強いチームサークルだって言うのは知ってるしどんな練習メニューとかしてるの?」
とリリアムの練習などを聞いてくる。

私は結構頃合いだと思い話し始めるのだった。
もちろん口で話せる範囲でだが…
「後で光陵の事とか教えてね❤でもまあまずリリアムから話すよ。まず練習は基本体力や守備打撃。実戦形式の練習メニューとかあってハードだけど
やればやるほど力がつくって言うのも実感できるよ。それと少し話したけど久美やキャプテン神楽坂沙織とかメンバーの出会いとかも話しちゃおうかな?」   
私はリリアムでの出来事を話し始める              後編に続く
250名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/01/07(水) 23:46:46 ID:+GCshh/t
投下終了です。

あんまり筆が進まない上前後篇に分けてすいませんでしたが
一言感想頂けたら嬉しいです。

それと作家方にご連絡

SDS ◆cStOEcFYHc様 へ
以前鷲沢奈津嬢の使用許可を与えてくれてありがとうございます。
とりあえずリスキー・ゲーム5とかの話もあるのですが、リリアム副キャプテンで使用する算段です。

また特に3サイズを決める予定とかなければこちらで奈津嬢の3サイズとか設定したいのですが構いませんでしょうか?
勿論大まか決めているのでしたらこの提案は無視してかまいません。

暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんへ
檜舞台のストレート投下お疲れ様でした。
思いっきりラリナ×優子をやっちゃいましたが、これ以降は普通に友情としてって感じになります。

では失礼します、後半は少し遅くなるかもしれません。
251暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/08(木) 01:23:02 ID:dqSGaCs5
お疲れです。
やっぱりこういうのがあってこそエロパロ、と思いますね。
理奈がそういう風に使われるのが微妙に何ともいえませんが、
今後普通の関係、とするのならまあ別に気にすることでもないか。

ただ、いくつか設定が間違ってる気がします。
キャラを使ってもらっている身分で申し訳ないですが、
やっぱりズレが大きくなるのはまずいので一応頭に入れていただければ。

>ラリナ
土生はラリナとは呼びません。普通に理奈と呼んでます。監督も理奈と呼んでます。
ちなみに橡浦は姉御、山下はラリナ姉さんと呼んでます。
他の連中はラリナと呼んでいます。
ナレーションでも理奈で通してますが、みなさんは愛称の方を親んでおられるので
ラリナが完全に定着したみたいで、それはそれで嬉しい限り。

>光陵のエース土生翔平
これは野球の豆知識ですね。
エースとはチーム最強のピッチャーを指します。故に土生はエースではないですね。
キャプテンとか、4番とか(実際は3番ですが4番はチーム最強バッター、の意味があるので)がいいかも。

>最近は打撃に関しても凄い当てるようになったし
こっちの小説で、ラリナの打撃は箸にも棒にもかからない、凄まじく酷いものとなってます。
こちらの設定上、ウィークポイントを作った方がなじめるので;
…いや、「すごい当てるようになった」ってのはあくまで「当てただけ」と考えればいいのか(ぇ
以前は空振りばかりだったのが少しだけファールが打てるようになった…うん、そう考えるか(ぇ
余談ですが、土生のピッチングも凄まじくひどいですw


…やっぱりクレームばかりですね。すみません。
家にまでは行ってくるのだから、こっちも優子を使った方がいいですね。(許可をもらえればの話ですが)
252名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/01/08(木) 16:42:00 ID:19wxeA4N
暴走ボート◆z95s/qs7OMさんご感想ありがとうございます。
爆乳美少女小学生の絡みは書いてて私も楽しかったです、勿論これ以降はそういう直接なレズ展開にはしませんのでご安心を

それといろいろと間違っていて申し訳ありませんでした
>ラリナ
すいませんでした。みんなラリナ言っているので土生少年ともごっちゃになってました。

>光陵のエース土生翔平
これもすいません。野球だったらエースはラリナ嬢で土生少年はキャプテンまたはリーダーか4番というのが妥当でした。

>最近は打撃に関しても凄い当てるようになったし
これも勘違いでした…土生少年の指導で一塁打とか結構打てるようになったと思い違いをしてました。

いえいえ正直に言っていただけたらこちらもすぐに訂正とか出来ますし…こちらこそいろいろ勘違いしていてすいませんでした。
勿論優子に関しては暴走ボートさんの好きにつかってくれれば嬉しいですし話に支障が出なければ沙織・久美とかも使ってください!
では失礼いたしました。
253名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 10:45:33 ID:m295P4Xo
前スレの後半辺りまるごと見落としてて気がついたらすでに落ちていました。
だれかdatあげてもらえませんか?
254名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:02:04 ID:vrsrD1IJ
255GBH ◆GudqKUm.ok :2009/01/09(金) 22:00:30 ID:jcMAcKep
投下開始
256『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:02:27 ID:jcMAcKep
久しぶりの登校日、学校から帰ると玄関に見慣れない靴が並んでいた。女物の、やたらデカいのが二足。
イヤな予感に襲われながら居間に入ると、おばあちゃんが二人の女性を前に目を白黒させている。
一人は最近離婚して、一人娘とこちらに帰ってきた環叔母さん。今はデザイン事務所の女社長らしい。地味なスーツ姿だが相変わらず抜群のプロポーションだ。

「…お帰りなさい洋ちゃん、久しぶりね。」

元モデルの叔母さんの横で、所在なげに座っているもう一人の女性を見て僕は息を呑んだ。黒人の…女の子だった。

「この子はンディラよ。洋ちゃんと同い年。」

パニック状態のおばあちゃんの代わりに、僕が環叔母さんの話を聞く羽目になった。
早い話が、自分が出張の間、この黒人の女の子『ンディラ』を預かってほしい、というあいからず叔母さんらしい藪から棒の頼みだった。

…アフリカのヌワザという貧しい小国生まれのンディラは、偶然あるカメラマンにその美しい容姿を見出されてつい去年、僅か十歳で家族のもとを離れてモデルの道を歩み始めた。
紆余曲折はあれどヨーロッパでかなりの評価を受けた彼女は、次に遥か極東での仕事の為はるばる来日を果たしたのだが、この不景気でンディラを招いた小さな広告代理店があっけなく倒産、
突然慣れぬ異国でたらい回し…というのが、十一歳にしてまあ波乱万丈なンディラの境遇だった。

257『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:04:24 ID:jcMAcKep
そしてお鉢が回ったのがンディラと少し面識があった上、業界では新参若輩の環叔母さんという次第。
たしかにどちらも気の毒だが、寝耳に水のおばあちゃんや僕はもっと気の毒だ。

「…で、何とか帰国させる段取りをつけたら、今度のクーデター騒ぎで足止めなのよ…」

『アフリカのヌワザ共和国、革命軍により空港封鎖』
…そういえば、朝のニュースで聞いたような気がする。政情不安による紛争が絶えない国らしい。
ちらちらと横目で窺うと当の本人、長い脚を崩さず正座を続けるンディラはたしかにモデルとしてスカウトされただけあって綺麗な子だった。
小さな顔は彫りが深くどことなく神秘的で、複雑に編み込んだ黒髪を長い首から姿勢の良い背中まで垂らしている、そしてその体はすらりとしつつも、同級生の女の子とは比べものにならない女性の起伏をしっかりと備えていた。

「…と、とにかく母さん達が帰って来なきゃ…」

俯いて答えた僕に、環叔母さんが縋るように言う。

「お願い洋ちゃん!! 急な出張なの。戻ったらすぐ迎えに来るから!!」

なすすべも無く顔を伏せてもごもご呟いていると、はじめてンディラが僕の顔をひたと見つめて言葉を発した。


258『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:05:48 ID:jcMAcKep
「(-_-)×(@_@)〇」

思ったより高く、よく通る澄んだ声。

「へ!?」

でも環叔母さんは彼女の言葉を翻訳してくれず、そればかりか僕がキョトンとンディラを見つめた隙をついて、素早く腰を浮かせて居間から玄関へ逃げ去った。

「ち、ちょっと叔母さん!!」

必死に追いかけたが、環叔母さんは手回し良く呼んでいたタクシーに飛び乗り、窓を開けて僕に叫ぶ。

「…あ、洋ちゃん、今のはね、ヌワザ語で、『ちゃんと人を見ないで話す者は、死んだら悪霊の手下になる』って。」

…なんだよ、それ。

遠ざかるタクシーを呆然と見送り、肩を落として振り返るとンディラが立っていた。彼女の途方もなく巨大なおっぱいと、キュッと締まった腰回りにまた視線が泳ぐ。

…まあ、環叔母さんの無茶は今に始まったことじゃない。そういえば僕と同い年の叔母さんの娘も小さな頃から母親と同じ、モデルの道を歩んでいた。
こちらの学校に通い、今は林間学校に行っているらしいが、きっととんでもない女になっているに違いない…

「(・_・ヾ」

『よろしく』といったところだろうか、ンディラは短い言葉を発して僕を見つめ、僕はこわばった笑顔で必死に彼女を見返した。

259『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:07:43 ID:jcMAcKep
そして気まずく沈黙しつつ、僕とンディラは居間で両親の帰りを待った。おばあちゃんは近所の知り合いの所へ逃亡したようだ。
叔母さんは、彼女は片言のフランス語が話せるから安心だ、などと勝手なことを言っていたが、僕は日本語でも、クラスの女子とすら会話できないのだ…
姿勢よく座布団を暖めているンディラの顔をチラリと盗み見ると、彼女の視線は、テレビに繋ぎっぱなしだったゲーム『太鼓の名人』の太鼓型コントローラーに向いている。

そうだ、こんなときはゲームだ。別に話せなくても、お母さんが帰ってくる位までは間が持つ…

カラカラの喉を絞って、恐る恐るンディラに声を掛けた。

「…ゲ、ゲーム、する?」

再び彼女の大きな瞳が僕を見た。怯えきった僕の顔が映る程の、澄んだ大きな瞳。

「…た、太鼓。ゲ、ゲーム。」

逃げるように這って、テレビとハードの電源を入れる。デモ画面ももどかしく、僕はバチを握り締めた。

「…でね、狸の顔がここへ来たらドン、子狸ならカッ、難易度は…」

ひたすら画面だけを見つめ、日本語でまくし立てる。これをフランス語で初対面の黒人の女の子に説明出来る奴がいたら僕はそいつの奴隷になってもいい…

260『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:10:22 ID:jcMAcKep
「…と、とりあえず僕がやるからね。曲は『リッター×リッター』劇場版主題歌…」

すぐ背後に陣取った、ンディラの静かな息遣いとエキゾチックな香りにキュッと胸が締まる。
とりあえず難易度を『神』まで上げて、流れる狸に意識を集中した。
無意味に緊迫した空気のなか、ようやくイントロが流れ出す。

ドン!! ドドン!!! ドン!! ドドン!!!…

僕はこのゲームにはかなり自信がある。通っている附属小、いや市内の小学校全ての中でも恐らく僕の右に出るものはいない筈だ。しかし、クラスにそれを知るものは誰もいない。僕にはゲームセンターで他人の視線を浴びながらプレイする勇気すらないのだ…
時々、いじめっ子の藤田なんかが、失笑モノの得点で周りに騒がれているのを見ると少し悔しいが、実力を誇示してまたいじめられる原因を作るのもイヤだった。

…ドン!! ドン!! ドン!!

曲が終わり、ちょっと悦に入って振り向くと、なんとンディラの目に賞賛と興奮の色が溢れていた。

「ヾ(≧∇≦*)ゝ」

可愛い笑顔だった。
僕は味わったことのない感情に戸惑い、むやみに頭を掻いて、サッとンディラにバチを渡した。

「…や、やってみる? 同じ曲がいいよね…」


261『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:12:08 ID:jcMAcKep
バチを握った彼女は、再び凜とした表情になると、小刻みに頷いてリズムを取りながら、イントロに合わせてバチを振るい始めた。タンクトップの胸がゆさゆさと揺れる。
ドン、ドドン…



「ひ、洋!! その人…」

いつの間にか帰っていた母さんの悲鳴で我に帰ったとき、ンディラはぶっ通しでの十八曲目をプレイ中だった。しかも初めてとは思えない凄い腕前だ。
コーヒー色の額に汗をうっすらと浮かべ、恍惚と完璧なビートを刻み続ける彼女は神々しくさえあったが、帰宅していきなりその姿を目撃した母さんが腰を抜かすのは無理もない。
環叔母さんのこと、ンディラのこと、ここまでの事情を話すと母さんは酷い小姑を持った泣き言を、また一通りぶちまけた。

「…なんで早川の血筋は無責任な人ばっかりなのよ…」

突如脱サラして小説を書くと言い出した父さんといい、確かにうちの血統は無鉄砲な者と内向的な者の差が激しい。もちろん僕は後者の代表格みたいなものだが…

「…じゃ、引き受けたのあんたなんだから、ええと、ンディラちゃんの世話は全部あんたの仕事だからね!!」

ぎこちないお辞儀をするンディラに愛想笑いを返しながら、母さんは僕にそういい放った。

262『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:13:55 ID:jcMAcKep
彼女は別に好き嫌いもなく、母さんが恐る恐る出した夕食を全部食べた。
気を良くした父さんは無謀にもフランス語で彼女と会話しようとしたが、無惨な失態を家族に晒した挙げ句、すごすごと書斎へ撤退して行った。

「…やっぱり子供同士だねぇ…」

おばあちゃんの言う通り、ふと気付くと別に言葉は要らなかった。類は友を呼ぶ、というやつだろうか…

「ヒロシ。タイコ!!」


食事を終え、再び二人でバチを奪いあうように『太鼓の名人』に没頭したが、あまりに威勢のいい彼女の叩きっぷりに、夜になるとさすがに母さんが辟易して言った。

「…洋!! もう遅いから、ンディラちゃんお風呂に入れて寝なさい!! お布団あんたの部屋に入れとくから!!」

母さんの言葉に僕はだしぬけに現実へ戻る。少しマズいのではないだろうか。『男女七歳にして…』と言う格言もある。
しかし、いそいそと来客用の寝具を用意する母さんの顔には、そういうデリケートな心配は微塵も浮かんでいなかった。
内気な僕が女の子とどうこう…などと考えも及ばないのだろう。

263『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:15:39 ID:jcMAcKep
「…ええとね、ここは服を脱ぐとこ。あ、着替えある?」

短い間にジェスチャーの力を実感した僕は、ンディラを浴室に案内し、身振り手振りでお風呂の使い方を説明した。タイルにしゃがみこんでタッチパネルをいじる。

「こっちがシャワー温度で、給湯温度がこれ。今は四十度。判るよね?」

…まあ、彼女も昨日密林から出て来た訳じゃない。ゲームも操作出来るんだから…

そう考えながら振り返ると、僕の目の前にンディラの密林があった。
クラクラしながら見上げると、なんの躊躇もなくンディラは艶やかな黒い裸身を晒し、僕を見下ろしていた。僕の脱衣所での身振りを、きっちり実行したらしい…
そして彼女はまだ入浴設備の説明を待っているらしく、小首を傾げてじっと僕を見ている。バクバクと響き渡るような自分の心音のなか、僕の口は勝手にお風呂の説明を続けていた。

「こ、これが鏡で、顔が映る。それから、この桶は湯が汲めるし…」

ヌワザの文化では彼女はまだ裸体を恥じる年齢ではないのかも知れない。僕さえ騒がなければ問題なしと思うと、ようやくパニックと動悸は収まり、変わって激しい興奮と欲望がむくむくと頭をもたげてきた。

264『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:17:25 ID:jcMAcKep
『ちゃんと人を見ないで話す者は、死んだら悪霊の手下になる』

そうだよな。
その言葉を心の楯に、僕はンディラの裸を存分に鑑賞しながら説明を続ける。
きめ細かなチョコレート色の肌。細身なのに力強く張りつめた長い手足。唯一無防備な柔らかさを湛える二つの雄大な乳房はツンと吊り上げたように重みに抗って上を向いている。
まるで奇跡を目撃したように、身動きできなかった。…本当のところ、僅かでも股間に刺激を与えるのがヤバかったのもあるが。
しかし僕がいままでの人生で、多分一番綺麗なものを見て感動したのは真実だった。


「…だ、大体わかったよね?」

やがて入浴剤の効能についてまで説明を終えてしまった僕は、後ろ髪を引かれつつ浴室を出た。
扉を閉める最後の瞬間に名残惜しく振り返ると、ンディラの形よく締まった褐色のお尻が大きくバスタブを跨ぐのが見えて、その瞬間、僕の下半身は限界を迎えた。

「う!!」

…股間を押さえてぶるぶる痙攣する僕の耳に、ガラスの扉越しの鼻歌と、シャワーの水音が聞こえる。…幸い脱衣所だ。替えのトランクスは沢山あった…



265『ンディラのいた夏』前編:2009/01/09(金) 22:19:39 ID:jcMAcKep
…慌ただしい一日に疲れたのだろう、僕が風呂から上がるとンディラはもう二階の僕の部屋で床に就いていた。
屈託のない彼女の様子に、ちょっぴり罪悪感が込み上げたが、ンディラが枕元に並べた明日の着替えや目覚まし時計を見ると、残り少ない夏休みがふいに眩しく輝きだすのを感じた。明日は何をしようか…
ざっくりした白い部屋着で横たわった彼女は、もっと白い歯を見せて微笑み、「ヒロシ、タイコ。」と囁いてから、タオルケットに潜り込む。

「…うん、また明日ね。」

僕は答えて明かりを落とした。そして目を閉じると、低く静かなンディラの歌声が聞こえてきた。

…ああ、子守歌だ…

緩やかで優しい声音に耳を傾け、恍惚と眠りの縁を漂っていると、やがて単調な調べはときおり、押し殺した嗚咽で悲しげに途切れ始めた。
…動乱の祖国ははるか遠く、彼女はまだ僕と同い年なのだ。涙の理由など問うまでもない…。
僕は慌てて飛び起き、彼女をそっと抱き起こし尋ねる。

「大丈夫!? やっぱり、心細いよね…」

僕に凭れ身を起こしたンディラは異国の月を濡れた瞳で眺めながら、子守歌の続きのように小さな声で囁いた。

「…ンディラ、ジラ、ナジャ、ハイダ、ナアダ…」

指折り数え、最後に赤ちゃんを抱きかかえる仕草。ンディラは故郷の兄弟姉妹を案じているのだ。

「…五人兄弟だね…」

僕は五本の指を立て、人差し指でンディラの鼻をちょんとつついた。
涙を拭いた彼女は頷くと、月明かりの中で言葉もなく僕に語り続ける。
干魃、空腹、銃を抱えた兵士、…あらゆる身振りが、まるで紙芝居のように理解できた。不安、恐怖、そして彼女の憤りと悲しみの全てが。
…気がつくと臆病なはずの僕はしっかりとンディラの肩を抱きしめ、やがて彼女が静かな寝息をたてはじめるまで、でたらめな子守歌を歌い続けていた。


後編に続く

266GBH ◆GudqKUm.ok :2009/01/09(金) 22:21:16 ID:jcMAcKep
投下終了
267名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 22:24:58 ID:PS9VVJOP
リアルタイム投下遭遇、GBHさん今回もGJ!!!
そうかー、こういうのもありか、ありなのか……!
顔文字フランス語かわええw
続きwktk
268暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/09(金) 22:54:52 ID:bxc8KO+3
GJです。
普段は顔文字を忌み嫌う俺ですが、この使い方は非常に感銘を受けました。

…その国自体は実在するんだろうか(そこかい
俺も続きを書かないと。
269名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 23:41:49 ID:Zlf6h+ID
色々考え付くのが凄いのう ここのスレは
270名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 15:13:36 ID:MJ7z8eWk
すごいな〜黒人少女ンディラちゃんのHな活躍に期待しますし
野球&ソフトボールの小説もよかったです
271暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/11(日) 10:36:57 ID:ZWN3PEPd
さて、投下します。今回と次回は試合です。

まあ、野球ものにした地点で、エロパロにもかかわらず試合になるのはしょうがないので。
極力短くするように努力はしたので、それで勘弁。
272迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/11(日) 10:38:49 ID:ZWN3PEPd
(涌井もかなり疲れている…
 この回が最終回ならともかく、まだ5回だ、精神的にも負担はあるはず!)

甘い球だけを狙う。
そしてインコースに甘く入った球を思い切り叩く。


「どう思っているんだ?戦況を。」
「今から3点差をひっくり返すなんて、無理だと思う。」
「そうか?野球は結構大逆転が起こるもんだろ。それにあと5回も攻撃が残ってるし。」
「…健太。リトルリーグは、6回までしか無いのよ。」

紗英の冷静な指摘に、目を明後日の方向に泳がせるしかない東小の魔王。
小学生の体力で、9回まで野球が出来るわけがない。

「じゃあ、なんで見てるんだよ。勝負がついてると思ってるんなら、見る価値なんざ…」
「カナたんがまだ出てない。」
「それ見たら帰るのか?」
「…カナたんは、何かを私に見せようとしている。それを見るまでは、帰れない。
 たとえ負けても、何かを見せてくれるはず。」
「ふーん。…信頼度高いな。」

観客はほとんどが野球好きの人ばかりで、西小東小関係の観客はほとんどいない。
せいぜいシバケンと紗英くらいのものである。
土生が心の中で掲げていた、スタンドを2つの小学校のるつぼにする、という理想は、いばらの道である。


『2番、ショート、赤松君。』

(橡浦が出てくれた…本来なら送りバントだけど、3点差だと打って出るしか無い…
 ただ、俺のバッティングじゃ、間違いなく三振かゲッツー…)
(となれば赤松、あれだ。)

土生がサインを送る。
サインの中身は、『必殺技を使え』。

涌井がセットポジションからモーションに入る。
そしてリリースの瞬間、バントの構えに入った。

(セフティーだ!)
(そう来たか!)
(突っ込め!)

赤松のバントの構え。それは紛れもなく、ファースト方向へのプッシュバントの構え。

マウンドの涌井がファースト方向に意識を傾け、ファーストの石井が猛ダッシュをし、
セカンドの片岡がファーストのカバーに入り、ショートの中島はセカンドのカバーに。
273迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/11(日) 10:40:00 ID:ZWN3PEPd
(かかった!)

…そして、サードの中村は、その打球に全く反応できなかった。

「サード!」
「くっ!」

涌井の体重はファースト方向に傾き、打球に体がついていけない。
肝心の中村は、ファースト方向に転がるものだと瞬時に思い込んでいた。

…これが、赤松の必殺技。
右打者の方が不利とされるセーフティーバントを、プッシュバントというフェイクをかけるという形で逆手に取った。


「ノーアウト、1塁2塁…やっと運が向いてきた。」
「よっしゃ、いけえ!」

土生のつぶやきに乗せられ、ベンチが声援を送る。
その対象はもちろん、今日3番に座るユキ。

(打たなきゃ…5点も取られて、このまま取り返せないまま終わりたくなんてないっ!)

プレッシャーもある、疲労もある。
それでも、意地でも打ち返す。

『3番、ピッチャー、瑞原くん。』


「おお、あいつか。」
「…なに目を輝かせてるの?」

紗英のやきもち。
ユキを見た瞬間、シバケンの目は輝いていた。

…もちろん、恋愛的要素ではない。あくまで、格闘に身を置くものとして、目を輝かせたまで。

「いや、あいつ、昨日俺の頭に蹴りを入れようとした奴だろ?
 あんな蹴り、久しく見なかったぜー。」
「…。」

安心感を感じる一方で、呆れた。
何か違うだろうとツッコみたくなったが、ツッコんだところで意味はないと瞬時に悟った。
浮気でないだけ、マシと思う事にしよう。

…よく考えると、激しい戦いに身を投じてないという裏返しである。いい事なのかな?
274迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/11(日) 10:40:49 ID:ZWN3PEPd
「ストライーク!」
(くそ、当たらない…)

いくら運動神経に長けていても、まだピッチングそのものになれていない。
3回の大量失点も響き、スタミナがほとんど切れかけている。

…それでも、意地でも打たなければならない。

「三遊間!」
「抜けろ!」

三遊間のど真ん中を、転がっていく。
決して鋭い打球ではないが、しぶとく抜け…

「させるか!」

ショート、中島が飛び付き、好捕。
不安定な体勢のまま、セカンドに送球。

「アウト!」

俊足の橡浦との競争になり、間一髪アウト。
それでもセカンドのフォースアウトで精一杯のはず…だったが。

「ユキ!」
(ユキちゃん!?)

バッターランナーのユキが、倒れている。
疲労で足がもつれ、転倒。本来の足の速さならそれでも1塁には余裕で間に合うが、

(体が…思うように動か…)

やっとの思いで立ち上がり、よたよたと走りはじめ、しかし時既に遅し。


「あの野郎…何してるんだよ。」
「健太、あんまりそんな事言うもんじゃないよ。」
「でもよお、なんであんなにへとへとなんだ?俺ならまだガンガン動けるぜ。」
「ピッチングはみてる以上に疲れるものなの!…あたしもやったことないけど。」

2人にもあきらめムードが漂い始めた。
ノーアウト1塁2塁が、2アウト3塁。初めてながらよく頑張ったユキを責める選手はいないが、

…この事実は、重い。
275迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/11(日) 10:41:57 ID:ZWN3PEPd
「ご…めん…」
「は、ははは、いーよ、きにするなよ…」
「そ、そうだ、まだ9回もあるし、山下が2ラン打って1点差に詰め寄っとけば…」

土生は相変わらず表情1つ変えない。
…そして、冷静に状況を見つめている。

「…その山下が敬遠されているぞ。」
「え!?」

1階にタイムリーを撃たれているので、危険と判断しての敬遠、フォアボールの宣告。
5番以降が貧打のこのチームにとって、非情の宣告に他ならない。

「…どこへ行く。」
「もう、投げられないよ…」
「…。」

ユキがダグアウトに入ってしまった。
ふがいないピッチング、ふがいないバッティング、それに疲労がのしかかる。


『5番、サード、青野くん。』

「な、なんとか、しないと…」
「…青野、どうかしたか?」
「い、いえ、絶対に打ってきます!なんとか1点でも…」
「ほう…」

周りの人間全員が、青野を見つめている。
…土生の狙いが、見事に的中した。

「…今までならお前たちは俺に頼っていただろう。
 正直、ずっと俺も試合に出たかったが、お前らの依存心がなくなるまでは、試合に出ないつもりだった。」
「え?」

ゲッツーという大ピンチに、自然とチームはまとまっていた。

「ハッキリ言って、一刻も早く交代したかった。でないと負けるからだ。
 でも、それじゃあお前たちが成長しない、だからリスクを承知で動かなかった。
 この回でもし俺が動かなかったら、負けてただろう。ギリギリセーフってとこかな。」

知らず知らずのうちに、チームはまとまっていた。
もし、この場面にいたっても依存心がなくなっていなければ、土生は代打を出せず、完全に手遅れだった。
276迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/11(日) 10:42:28 ID:ZWN3PEPd
「それじゃあ!」
「だが、俺はまだ出ない。緒方!…行ってくれ。」
「…うん。」

てっきり土生が出るものだと思っていた。

「ま、まずは土生さんが出て、3ランで同点に…」
「ここは何としても1点が欲しい。何が何でも、な。
 勝負への執念は、経験豊富な緒方の方が上だ。緒方に任せよう。」
「でも、緒方はブランクが…」
「執念は衰えていないみたいだがな。さて、代打告げに行ってくるよ。」

土生が審判のもとへ行く。
ネクストバッターズサークルまで緒方と一緒に歩き、1人球審のもとへ。

「絶対土生さんの方がいいと思うけどな…」

確実に、緒方に失礼である。
だが、緒方は無視していた。…いや、聞こえていなかった。

「あんまり言うな、怒るよ、緒方が。」
「…そ、そうだな、あんなに怖い眼してる…」

ものすごい集中力が、青野たちには鬼の目に見えた。
周りのウジ虫を黙らせる、オーラが緒方にはあった。それは決して、今の土生でも身につけられないものである。


『バッター、青野くんに代わりまして、緒方くん。』

「あ、カナたん!」
「出てきたな。あいつが、紗英に何を伝えたいのか…」
「うん。」
「でもな、喧嘩も柔道も、勝たなきゃ評価もらえないんだよな。
 ここで求められるのは、内容じゃない、結果。
 ハッキリ言うが、紗英が内容を見ているとしても、結果出さなきゃ全く意味がないと俺は思うぜ。」
「…分かってる、この場面は、そんな場面だよね。」
「!」

てっきり反論されると思っていた故、意外だった。

「だったら、カナたんは、絶対にヒットであたしに応えてくれるよ、…あたしに、ね。」


「ストライーク!」

際どいコース。
少し球威は落ちたが、その分さらに制球に気を配る事でカバー。

(さすが涌井、と言ったところか?)
「ガンバレ、緒方―!」

2球目、少し甘く入る。
そこをフルスイング。

「!」
「お、緒方!」
277迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/11(日) 10:43:00 ID:ZWN3PEPd
空振りの直後、膝をついてしまった。
左膝の踏ん張りが利かず、フォームを崩してしまう。

(そんな…)

緒方は立ち上がったので、幸い古傷の再発は無いようだ。
だが、青野が思わず叫んだ。

「は、土生さん、今からでも遅くはないです!」
「…あいつのプライドに、かかわるだろう。」
「そんな事言ってる場合じゃ…」
「プライドがあるからこそ、何が何でも打ってくれるさ。とにかく信じろよ。
 たとえそれでだめでも、それは結果論だろ?」

「ファール!」

辛うじて当てる。
だが、直球のスピードについていけず、タイミングが合わない。

(ふん、代打が女なんざ、なめんじゃねえ!)

決めに来る涌井。インコースにストレート。
緒方が必死になってバットを出す。


「ああ、打ち上げた…」
「おっしゃ、打ちとった!ライト、いや、ファースト!」

ライトが前に、ファーストが後ろに下がる。ふらふらと上がった打球が、落ちてくる。

「お、おいおい、やばいやばい…」

佐藤も石井も、急いで落下点に向かう。…だが、なかなかたどりつけない。

「やばいやばい!落ちるぞこれ!」

両者飛び付く。
そして、両者の間で、…芝の上で、ボールがはねた。

「よっしゃあああっ!」
「タイムリーだー!」

スコアに1が点灯。2点差に詰め寄る。
山下も巨体を必死に動かし、3塁に到達。
278迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/11(日) 10:43:28 ID:ZWN3PEPd
「打った、打ったよカナたん!」
「…しかし、打った直後にコケなかったか?ひどい打ち方だったなありゃあ。」

素人目に見ても、ひどいフォーム。
だが、そんな事、紗英は意に介さない。

「結果がすべてなんでしょ?…これが、カナたんの答え。
 たとえカッコ悪くたって、執念だけでヒットにした、カナたんの答え、なんだね。」
「あいつの答え?」
「うん。
 カナたんが見せたかったのは、ほかでもない、自分が頑張っている姿。それは分かってた。
 でも、それをあたしに認めさせるには、ただ頑張るだけじゃダメ、結果を、あたしに見せたかった。
 だから、誘った。野球観戦に。カナたんの野球を認めなかったあたしをね。」

でも、結果を目の前で出されては、認めざるを得ない。
そして、ここまで来たら年下の自分にあれだけ大口をたたいた土生翔平にも、
自分に結果を見せてもらわないと気が済まない。


「ようし、みんな、ここまでよく頑張った。後は任せろ。」
「あ、土生さん、おいしいとこ取りですか?」
「ははははは!」

まだ2点負けている。だが、先ほどの悪い空気は、完全に消えていた。
…なぜなら、ホームランを打てば、逆転だから。

『6番、白井君に代わりまして、土生君。』

「さあて、決めるとするか。」
「いけー、土生さん!」

一方、マウンドでは。

「土生が来たか…なんでスタメンにいなかったかは分からないが…」
「ここは敬遠だな。」

土生の名前は県内のリトルリーグに知れ渡っている。
…だからこそ涌井は、引き下がらなかった。

「うるせえ!ここまできて引き下がれるか!
 さっさと守備位置に戻れ!」
「涌井、ここは」
「さっさと戻れ!」
「涌井…」

仕方なく守備位置に戻る。
こうなったら、何としても抑えてもらわねば。その細川の意志は…

「この野郎っ!」
(終わりだ。)

インローのストレートをたたかれて、打ち砕かれた。

「いったー!」
「いったーー!」
「いったーーー!」

文句なしの打球が、フェンスのはるか上を突き進んでいった。
279暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/11(日) 10:43:52 ID:ZWN3PEPd
投下終了。

…ありがちな展開、っていう批判はなしで;
280名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 22:18:57 ID:xy/E43e9
乙っす!!
ここから大逆転劇の幕開けですね。
281名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 02:56:17 ID:yHSBS5iE
a
282名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 13:39:08 ID:nP+kYmKi
283GBH ◆GudqKUm.ok :2009/01/15(木) 21:41:06 ID:AKfkpxwt
投下開始
284『ンディラのいた夏』後編:2009/01/15(木) 21:42:59 ID:AKfkpxwt
自分が遠く異郷の地にいることをいちばん実感するのは朝、目覚めて見慣れない天井を見上げた時だと僕は思う。

「おはよう、ンディラ。」

「ZZzz....(ρ_-)o」

ンディラと暮らし始めて一週間、僕は彼女より早起きして、少しでも孤独な時間を過ごさせないよう決めていた。それに、寝相が悪く暑がりな彼女の寝姿は、かなりの見ものなのだ…

「…ウリラちゃんは茄子の田楽、食べられるのかねえ?」

ようやく外国人への恐怖を克服したおばあちゃんは、「ウリラちゃん」の世話に夢中だ。そしておばあちゃんの辞書には、『ン』で始まる名前など存在しない。

「…ンディラさ、今日は海へ行こっか?」

茄子の田楽にシジミの味噌汁でパクパクと朝ご飯を食べていたンディラは、いつものようにキョトンと僕を見た。
吸い込まれそうな大きな瞳を見つめながら、これまたいつものように僕は立ち上ってジェスチャーを始める。

「海。水。ジャブジャブ。」

果たして判っているのか、彼女はすぐにニコリと頷いて『ゴチソウサマ』をやると玄関に駆け出した。
昨日から彼女は、ようやく一人で乗れるようになった僕の自転車に夢中なのだ。

「水着は…、ま、いいか…」

285『ンディラのいた夏』後編:2009/01/15(木) 21:44:23 ID:AKfkpxwt
『…誰か、この辺で女の子の水着売ってるとこ知らないか!?』

そう尋ねられる女友達がいたら、どんなにいいだろう…まあ、ンディラにあの海の最高の景色を見せてあげられたら、『心臓破りの峠』を二人乗りで駆け上がる価値はある。たしか彼女の国ヌワザには、海がない筈だった。

麦藁帽子だのお茶だのをせっせと用意して、ようやく玄関まで出ると、外からンディラの悲鳴と、ガッシャン!!という派手なクラッシュ音が聞こえた。

「\(≧Д≦)/」

大変だ。ンディラに怪我でもあったら環叔母さんに申し訳が立たない。
慌てて飛び出すと、案の定彼女は自転車ごと向かいの側溝に落ちてもがいていた。幸いに怪我は無いようだ。

「(>_<、)」

べそをかいているンディラと自転車を順番に引っ張っぱりあげて被害を確認する。
幸いにンディラは無傷でほっと胸をなで下ろしたが、自転車は重傷だ。あちこちひん曲がり、前輪はパンクしている。

「あちゃー、駄目だなこりゃ…」

悄然と涙ぐむンディラに笑顔を見せて慰め、今日の予定変更を思案した。

…まずは自転車を修理しなきゃ…別に海は好きなときに行けるしな…


286『ンディラのいた夏』後編:2009/01/15(木) 21:46:07 ID:AKfkpxwt
「ンディラ、商店街の自転車屋へ行こ。それから、ま、ぶらぶら店でも見ようか?」


ギイギイと鳴る自転車を押して歩き出した僕の後ろを、ンディラはしょんぼりと少し離れてついてくる。ひたすら笑顔で話しかけるのが、こんなときは一番だ。

『大丈夫だよ!! すぐ直るから。』

でも、まだ謝罪らしい言葉を繰り返す彼女に向けた僕の微笑みは、決して作ったものじゃなかった。

気まぐれに少し遠回りして河原を通る。
この『危険!!注意!!』の河原で蝉を捕ったり、キャッチボールをしている小学生は、ほとんど公立の児童だった。公立の連中はいいな、と少し思う。
僕の通う私立の附属小は成績とお行儀にだけはうるさいが、裏に回れば小派閥に別れての、陰険な足の引っ張りあいばかりの嫌なところだ。
高校までずっとそんな調子だと考えると少し気が滅入るが、河原を駆け回っていつもの陽気さを取り戻したンディラを見ると、すぐに憂鬱は吹き飛んだ。

「ンディラ!! 河へ入っちゃいけないったら!!」

287『ンディラのいた夏』後編:2009/01/15(木) 21:48:33 ID:AKfkpxwt
やがて商店街に着くと、ンディラは興味深そうに寝具店だの仏壇屋の店先を熱心に覗いた。モデルの癖に洋服にはあまり興味がないらしい。
僕には全く縁のないそんな店の店員さん達はみんな、壊れた自転車を押した風変わりな二人組に親切に応じてくれた。

「…で、こちらが弥勒菩薩。いいお顔でしょ?」

「…ミロクボサツだって。」

「(´∀`)?」

…買う筈のない品物を挟んでの、トンチンカンなやり取り。でも普段見慣れたアーケードの下は、ンディラと歩くと不思議な別世界のような面白さに溢れていた。

行きつけの自転車屋に修理を頼み、身軽になって僕たちはまた商店街を歩く。修理は一日で終わるらしい。

この辺では大きなゲームセンターの前を通り、ちょっと寄ろうかと迷いつつ立ち止まると、店内にいやな連中の姿が見えた。
藤田将雄。僕のクラスで一番幅を利かせている乱暴者。取り巻きの矢口と加賀も一緒だ。
ンディラの前で馬鹿にされたり、冷やかされたりするのは嫌だった。顔を伏せ、足早に通り過ぎようと、僕は慌ててンディラの手を握る。

「ヒロシ!! タイコ!!」

しかし、最悪のタイミングで『太鼓の名人!!』のアーケード機を店頭に見つけたンディラは目を輝かせ、逆に僕の手をぐいぐい引いて店頭に走った。
まずい。非常にまずい。
ただでさえ目立つ彼女に、周囲の注目が集まる。ヒマそうな藤田たちに気付かれるのも時間の問題だ…


288『ンディラのいた夏』後編:2009/01/15(木) 21:50:32 ID:AKfkpxwt
バチを握り締めてやる気満々の彼女に泣き笑いを見せながら、僕はやけくそでコインを入れた。
もう、どうにでもなれだ。
彼女は当たり前のように『対戦モード』と、難易度『神』を選択し、さらに人目を引きつける。
どん底な僕の気分とはうらはらに、彼女の十八番、『リッター×リッター』劇場版主題歌のイントロが威勢よく流れ始めた…

…ドン、ドドン、ドン、ドドン…

機械的に僕の両手はバチを振るう。しかし、僕とンディラのバチが寸分の狂いもなく打ち降ろされてゆくうちに、不思議と気分が高ぶってきた。
…まあ、藤田たちに捕まるのは、とりあえず一曲片付けてからだ。よし、Aメロは思いっきり遊んで…
キョロキョロとよそ見をしながら最速のビートをこなす僕と、リズムの化身と化して精緻なバチ捌きを見せるンディラに、やがて人々が立ち止まって目を向け始めた。

「…お、すげ…」 「え!!『神』!?」

僕がずっと恐れていた『ギャラリー』だ。しかし、見られる緊張はどこにもない。むしろ…快感だった。

ンディラと一緒だと、こんなにも度胸が座るのだろうか?
サビに入る頃には、僕はもっと歓声が欲しくなってバックハンドに十字打ちと、立て続けに神技を披露した。

289『ンディラのいた夏』後編:2009/01/15(木) 21:52:10 ID:AKfkpxwt
うおう、というざわめきに少し背後を覗くと、半端じゃない人だかりが出来ている。
僕達に気付いた藤田や加賀はもう、その中の小さな一人に過ぎなかった。
よし、まだまだ聴かせてやるぞ…

「「YHAAAAAAAAA!!!!!」

ンディラの裂帛の気合いに、聴衆のどよめきがひときわ大きくなった。
彼女は腰をエロティックにくねらせ、キュロットのお尻をブンブン振って観衆を挑発しながら、完璧に僕の連打についてくる。
ギャラリーの最前列は柄の悪い高校生たちだ。普段の僕なら震え上がっているだろう。

し・か・し、彼らの腰は小刻みに揺れる/派手なスニーカーがステップを踏む/銀色のアクセがジャラジャラと鳴る!!

踊り出した不良たちは/ゲーセン牛耳るバッドボーイズ/いくぜヌワザ直送最高のノイズ/叩き込めN′dira!!/ただひとりの女神!!

恍惚の疾走感のなか、ンディラが最後のシャウトと共に、キャミソールの邪魔な肩紐をビリッ!!、と引きちぎった。

「うおおおおおお!?」


290『ンディラのいた夏』後編:2009/01/15(木) 21:54:46 ID:AKfkpxwt
ブルン!!と琥珀色の乳房が飛び出し、力強いビートに合わせて汗を飛ばしながら激しく揺れる。

窮屈な拘束から逃れた野生の半球は、クライマックスの連打に乗って沸騰したように暴れ狂い、この一曲に最後の華を添えた。


まだ鳴り止まぬ拍手と熱気のなか、ンディラの服の応急修理をしていると、いつの間にか近くに同級生が集まっていた。
ぽかんとしていた藤田がようやく口を開こうとしたとき、取り巻きの一人、ゲーム通で皮肉屋の加賀が僕の前に進み出る。

「…ブラヴォー、早川。彼女も最高だった。」

彼の声にはいつもの辛辣な調子は微塵もなく、僕は素直に彼を見つめ答える。

「…ありがとう。ちょっと羽目外し過ぎたよ。悪いけど、連れがこんな様なんで…」

「ああ。休み明けに、色々聞かせてくれ。」

胸を張って彼らと別れ家路につく。心地よい疲労と満足感。最高の相棒ンディラに感謝した。

「…でもンディラ、おっぱいはやり過ぎだよ。下手すりゃ、警察のお世話だ。」

くすくす笑いながらおっぱいのジェスチャーをする。

「オッパイ!?」

「そう、おっぱい。」

291『ンディラのいた夏』後編:2009/01/15(木) 21:57:26 ID:AKfkpxwt
彼女はちょっと考え、満面の笑顔で僕に答える。

「…ヒロシ、タイコ、オッパイ!!」

「…なんだよ、それ!!」

商店街のアーケードを出ると夏の日差しはまだまだ容赦なく僕たちに照りつける。
明日こそ海へ行こう。母さんならンディラの水着くらいなんとかしてくれる筈だ。
僕の前を踊るように駆けるンディラの、細く編み込んだ漆黒の髪が揺れる。

…夏の妖精みたいだ…

そんなメルヘンチックな自分の想像にひとり顔を赤らめて、僕は陽炎の中の彼女を追いかけて走った。


しかし、家に帰ると、突然の別れが二人を待っていた。
見覚えのある靴が玄関に並んでいて、僕とンディラは複雑な顔を見合わせる。
居間から聞こえるのは環叔母さんの声だ。仕事が終わり、ンディラを迎えにきたのだ…

「…長いことありがとう洋ちゃん。空港の封鎖がやっと解除になったの。今ならンディラは安全に帰国できるわ。」

…辛かった。立っていられない位に。判っていた筈のに、ずっと目を背けていた別れの時。
でも、浮かない顔の家族を見回し、僕は懸命に明るい声を出そうと努力して答えた。ンディラはやっと弟や妹のもとへ帰れるんだ…

「…ンディラ、良かったね。戦争は終わったんだ…」

唇を噛んだンディラにそう言って、無理に笑いながら手を差し伸べたとき、父さんが静かに呟く。

「…洋。戦争は終わっていない。ヌワザはもう三十年も、こんなことを繰り返しているんだ。」

「え!?」

動転した僕は叫んだ。砲火の中へンディラを送り帰すというのだろうか、救いを求めるように見つめた叔母さんも、父さんの言葉に頷いた。

「…政府軍の反攻は、長続きしないでしょうね……」

「…そんな、そんな…」
292『ンディラのいた夏』後編:2009/01/15(木) 22:00:06 ID:AKfkpxwt
…身勝手な僕は、父さんと叔母さんの言葉を憎み、遠い国の貧困を、飢餓を、戦争を激しく憎み、最後に、自分の無力さを一番憎んだ。
部屋の隅で、涙もろい母さんの背中が震えている。
でも僕は、男の子として絶対に、ンディラに崩れ落ちて泣く姿など見せる訳にはいかなかった。
重苦しい空気のなか、僕たちは茫然と立ち尽くす。
そのとき、最近めっきり足元が頼りなくなったおばあちゃんがよろよろとみんなの前に進みでた。

「…ウリラちゃん。これを持ってお行き。おばあちゃん、朝から深國神社へ行って、貰ってきたんだよ…」

「…ミクニ…神社?」

おばあちゃんはンディラに赤いありふれた御守りを渡しながら続けた。

「深國姫っていう…女の子の神様が祀られてるお社だよ。環たちも、ちゃんと持ってるね?」

「…うちの子はランドセルに付けてるわね…」

環叔母さんはスーツの胸元から、古ぼけた同じ御守りを取り出す。

「…おばあちゃんが保証するよ。どこにいても、なにがあっても、深國姫の御守りは、ウリラちゃんを守ってくれる…」


御守りを握りしめたンディラの唇が震えながら動く。

「ヒロシ…」

彼女はもどかしげに言葉に詰まった。
教えてやれなかった幾つもの言葉。

「さようなら…」

…神様なんか信じたことはなかった。でも僕はおばあちゃんの言葉と深國姫に全身全霊で縋り、去って行く彼女と、彼女の兄弟の幸せを祈りながら、精一杯の笑顔で『さようなら』をンディラに教えた…



テレビは今日もヌワザの混迷を伝え、僕はそのたび深國姫に祈る。
…ンディラ、ちょっとだけ強くなった僕は、ちゃんと胸を張って話しているよ。
そして遥かな君に追いつけるまで、僕の祈りはずっと続くだろう。


おしまい

293GBH ◆GudqKUm.ok :2009/01/15(木) 22:01:45 ID:AKfkpxwt
投下終了
294名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 23:20:31 ID:kGN13Phr
顔文字の次は沖方文体ときましたかw
個人的には本来どっちも苦手なんですけど、それがぜんぜん気にならないというか、
むしろピンポイントに投入することで絶妙に上手く働いてますね。すごいなこのSS。
何より、このえろさと切なさの絶妙のミックスアップはすばらしいです。藤田や高校生たちの反応とかいいなあ。
世界観もつながってきましたし、非常にGJでした! 次回作お待ちしてます。
ンディラはええ子や。ばあちゃんもええ味出しとる……
295暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/16(金) 03:23:30 ID:OPQfH11J
>>280
どうもです。
すでに逆転している展開ですが;

>GBHさん
おつかれです。楽しませてもらいました。
いいですねえ、やっぱり、こういうの。
胸がプルンと飛びだすのはやっぱりお約束w

…やっぱり、野球にしたのは間違いだった気がする;
296暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/17(土) 18:56:55 ID:qh/5ZPz4
というわけでさっさと試合の方を終わらせてしまいましょう。

あくまでもエロパロ、の趣旨は忘れずに…
といってもほとんど全員エロ抜きでやってるし、それでも問題はないですよねw
297迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/17(土) 18:57:49 ID:qh/5ZPz4
6−5。
緒方の執念と土生の他の追随を許さない実力によって得たリードである。

「よーし、あと2回…って、あれ、ユキは?」
「大丈夫だって、ラリナが何とかしてくれるさ。」

あとは理奈に任せれば…その思考を真っ先にたちきったのは、まぎれもなく土生だった。

「…今日はあいつに完投させる。ちょっと待っててくれ。」

ベンチ裏に出て行くと、更衣室へと続く廊下を進んでゆく。
案の定、女子更衣室にはユキがいた。…上半身裸で、ベンチに寝転んでいる。


「何をしている。さっさと試合に出ろ。」
「…なんで?いいじゃないですか、あとは」
「理奈に任せるってか?馬鹿な事言うな、今日は最後まで投げてもらう。」
「…最低ですね。女子の更衣室に、それも裸の女子のいる場所にはいるなんて。」

話をはぐらかそうとする。
しかし大人との比較でも巨乳といわれるほどの胸があるのに、裸を見られているにしてはかなり冷静な様子。
一方の土生も、日ごろから理奈の裸と付き合ってる故かまったく動揺していない。

「とりあえず、さっさとアンダーシャツ着換えろよ。見苦しい。」
「昔から、熱い時は普通に男子の様に裸でいましたけど?胸が膨らんでからも。」
「…逃げるのか?」
「!」

核心を突かれた。今一番言われたくない言葉。

「…しょうがないじゃないですか。それに、これ以上投げたって…」
「逆転したぜ。6−5だ。」
「!?」
「まったく、せっかくかっこいいとこ見せたかったのに、なんで消えてるんだよ。」
「…あたしは、あなたの彼女じゃない!」

すっと起き上がると、ベンチを蹴りあげた。
大きな音を立てながら、数センチ移動するベンチ。そしてしばらく広がる静寂。
298迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/17(土) 18:59:01 ID:qh/5ZPz4
「〜〜〜っ!」
「…別に泣いてもいい。
 でも、ユキちゃんは泣けても、理奈は果たして、涙を流せるかな?」
「…どういうことですかっ!」
「あいつはエースだ。たとえどれだけ打たれても、誰にも頼れずに、歯ぁくいしばって投げ続けなきゃいけねえ。
 エースの宿命だからしょうがない。逆にいえば、ユキちゃんには理奈っていう逃げ道がある。」
「そうですよっ!だから、あとは理奈さんに!…。」
「どうした?」

空手を始めて5年。
常に同年代から尊敬のまなざしで見られ、それを生きがいの1つとして戦ってきた。
常に頼られ、常に勝たなければいけない使命のもと、その使命を感じつつもプレッシャー等感じずに勝ってきた。
頼られることが、快感だった。

それが、ここでは2番目ピッチャー。
球速以外では圧倒的にこっちの方が上なのに、球速故に、エースになれずに。
…いや、違う。オーラっていうのか、理奈さん、緒方さんに持っているものが、あたしには欠けてる。
同い年の赤松君ですら、実力はこっちのはずなのに、あたしの方が…


「ああもう、わかりましたよ!投げればいいんでしょ!?」

気が付くと、そう言い放ち、手が勝手に服をつかんで体に着せている自分がいた。

(…言いたい事は伝わったみたいだけど、こうも簡単に説得できるとはな。)
「なんなんですか、あたしを馬鹿にしてるんですか!」
「いや、別に。」

追いつきたい、追い越したい。
エースになって、チームで一番になって、みんなに頼られたい。尊敬されたい。
だったら、こんな事で折れてちゃだめ、今日の結果じゃみんなあたしを認めてくれるはずはない…

でも、じゃあせめて最後まで投げて、見返さないと、やり返さないと!

「おーい!守備どうするんだー!審判が早くしろって、急いでくれー!」

青野さんが呼んでる声がする。
…さあ、行かなきゃ。あたしにはセンスがある。そのセンスがどこまで通用するか、試してやる!


『光陵リトル、選手の交代を、お知らせします。
 先ほど代打に入った土生君がそのままキャッチャー、先ほど代走しました野村君がファースト、
 ファーストの山下君がサードに入ります。
 4番、サード、山下君、5番、ファースト、野村君、6番、キャッチャー、土生君。以上に変わります。』

緒方の代走で理奈が出ていたので、そのままファーストに入れる。
誰もがリリーフ登板だと思い込んでいたので、

「今日はユキちゃんに任せるのかな?」
「ラリナの方が…」
「土生さんとラリナが遅刻したことなんて、もうどうでもいいと思うけどなあ…」

土生には聞こえてなかったが、その雑音はしっかりとユキの耳には届いていた。
…見返さないと。絶対に最後まで投げて、勝ってやる。
299迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/17(土) 18:59:38 ID:qh/5ZPz4
…だが、更衣室で寝転んで少しリフレッシュしたはずだったのだが、やはり疲労は溜まっている。

「アウトォ!」

ショートライナー、赤松のファインプレー。だが、あと一歩でヒットになっていた。

「アウトォ!」

青山が必死に追いかけ、背面キャッチ。これもファインプレー。
だが、いつ崩れてもおかしくはない。

…そして、思ったよりも早く、打ちこまれ始めた。


「フェア!」
「フェア!」

ライト線、レフト線にシングルヒット。ツーアウト1塁2塁、そして…

「てっ!」
「デッドボール!」

…最悪の形で塁上をにぎわせる。
そして、最悪の打順に回ってきた。

『4番、ライト、佐藤君。』
「行けー!ジジィ!」
「そのあだ名はやめろ!」

今度は向こうのベンチが盛り上がっている。
ジジィのあだ名に苦笑しながらも、意気揚々と打席に入る。

流石の土生も、マウンドに向かわざるを得なくなった。

「土生さん、もうここはラリナに…」
「そうですよ。」

山下も赤松も黒田も口をそろえる。
そして理奈も、

「ユキちゃん、辛かったら、いつでも変わるからね。
 大丈夫、あたしは投げたくて、うずうずしてるんだもん!」

土生は何も言わない。続投を強制はさせない。
…ユキから、強い続投の意思を示させるために。

「絶対に抑えます。下がっていて下さい。」
「…だそうだ。もし負けたら、俺を恨め。いいな。」
「は、はい…」

内野4人衆が散っていく。

「…なんで自分を恨め、っていったんですか?
 仮に打たれたとしても、責任はあたしにある!」
「プライド高いな。それは結構なこった。でもな、ユキちゃんは野球を始めてまだ日が浅すぎる。
 どんな時でも、結局責任はトップの奴が追うって決まってるんだ。…そんな奴になりたいか?」
「はい。」
「それじゃ、まずは目の前にいるあいつを撃ちとるための、作戦を立てるか。
 疲れているユキちゃんが、あいつを撃ちとる方法は…」
300迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/17(土) 19:01:24 ID:qh/5ZPz4
土生がホームベースに戻り、マスクをかぶる。

(初球、アウトローストレート。球が遅くなってもいいから、ギリギリに入れろ。)

コントロールを気にするあまり、フォームが縮こまらないのが、ユキのいいところである。
腕の振るスピードを少しだけ遅くし、その分フォームに細心の注意を払えば、

「ストライーク!」
(うおっ!…こりゃ手が出ないな。なるほど、球威は落ちても制球はまだ健在って事か。)
(第2球、カーブを…)

「ボール!」
「っと、あぶねえ…ワイルドピッチで同点になっちまうからな…」

変化球が大きく外れ、あわや後逸。
ストレートはともかく、疲労のせいで変化球はコントロールできない。

(なるほど、変化球は入らないか。ならば、ストレートに絞って…)
(3球目、インローストレート。球威が落ちている以上、高めは釣り玉でもタイミングが合ってしまう。
 球威が落ちているとアウトコースでも向こうが力負けしない以上、確実にここに入れろ!)

流石にユキは度胸が据わっている。
要求どおりにインローに投げ込む。が、

「いったー!」
「しまった!」

ユキが思わず声を上げた。レフトに高々とあがるボール。
…だが、ボールはポール際、わずか左を通過。

「ファール!」
「あ、危なかった…」
(ち、タイミングが早すぎたか…)
(インローは思い切り引っ張るべき球、プルヒッターの傾向があるこの打者なら、なおさらだ。
 球威、球速が落ちている今、引っ張りすぎてファールになるのは必然の流れ…)

狙いはカウントを稼ぐ事、その1点。
佐藤のストレート狙いは土生もしっかりと分かっていたので、あとはカーブをストライクに入れるだけ。

…だが、そう簡単にはいかない。

「ボール!」
(やはりカーブは入らない!)

カーブがまた外れる。これで2−2。
ストレートの威力が落ちている今、ボールカウントを2つ増やす前に、カーブでストライクを取らなければならない。
301迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/17(土) 19:02:01 ID:qh/5ZPz4
(カーブは入らない、ストレートだけを…!)
(…。)

5球目。
カーブは入らない、絶対に振らない。その先入観の中で、投げ込まれるカーブ。
当然、手を出すことはない。…たとえストライクに入ったとしても。

(何!?く、バットが…)

ど真ん中、甘く入るカーブ。
だが、バットは、ぴくりとも動かない。

「ストライーク!バッターアウト!」

してやった。
そんな感情を隠しつつ、捕ったボールをその場に放り捨てる土生。

(ま、まさか…カーブがコントロールできないふりをしていた、だけ…!?)

佐藤が棒立ちの中、光陵ナインはベンチへと帰っていく。




「さて、理奈。エースの仕事だ。
 1点では追いつかれる可能性は十分にある。追加点を取って、ユキを楽にしよう。」
「え?でも、ラリナは打撃は…」

そう。理奈は全くと言っていいほど打てない。
普通、こういう状況ならリリーフしてくれ、というが、理奈にポイントゲッターを任せるという、傍目には暴挙同然。

「心配するな、ユキ。お前には完投してもらう。
 そして、理奈には間接的にプレッシャーをかけてもらう。一緒に来い。」

言われるがままについていく理奈。
ファールグラウンドの一部には、屋外ブルペンがある。マウンドからも見える位置に。

…これを、生かす。

『7番、レフト、青山君。』

「涌井!この回抑えて、最終回逆転だ!」
「おう!」

ドゴォン!

「え?」

理奈が、屋外ブルペンで豪速球を投げ込む。

(こ、光陵にはまだ、あんなピッチャーがいたのか!?)
(て、点を取れるのか?あのリリーフから…)

ブルペンからプレッシャーをかける。
理奈の豪速球から受ける絶望感に耐え、

(お、抑えないと…)

涌井に、何としても抑えないといけないというプレッシャーをかける。
そして、コントロールを乱したスキをついて、打ち込む。
302迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/17(土) 19:02:58 ID:qh/5ZPz4
「おっしゃあ、満塁だあ!」

青山、橡浦、赤松が出塁し、ツーアウト満塁。
そして、3番のユキに、打順が回る。

(なによ、結局あたしは、みんなに迷惑かけて、理奈さんの力まで借りてる…)

5点取られ、ゲッツーを喰らい、借りないと決めていた理奈の力まで借りている。
もう何も言う事はないだろう。

(意地でも、打って、見返してやる!)


燃えない、ワケがなかった。



…。

「いやー、最後すごかったなー!あの満塁ホームラン!」
「ホント、土生さんより大きくなかったか?」

帰り道。みんなが自転車や徒歩で集団で帰路に着く。

「別にいいですよ、お世辞は。」

素直になれない。
自分の力のなさを痛快しているから。

…でも。

「初登板で完投、勝ち投手。投球数85球の熱投。極めつけに満塁弾。
 それだけやれれば、内容なんてどうでもいい。ユキちゃんは十分、かっこいいじゃないか。」

橡浦の一言。
その一言で、少しだけ楽になった気がした。

「あ、ありがとうございます…」
「ございますは余計だ。疲れてるだろうし、勝ち投手の荷物くらい、持ってやるさ。」
「あ…」

遠慮を口にする前に、橡浦が荷物をひょいと持ち上げた。

「ふーん…言うようになったじゃねえか、あいつ。」
「たまたま結果が良かったから、適当に褒めてるだけじゃないの?」

後ろから橡浦を見ていた土生と理奈。
投げられなかったのか、ユキが活躍したからか、ちょっと不機嫌な理奈が悪態をつく。

「そんな気づかいなんて、まったく必要…」
「橡浦だけは、ユキちゃんを変えた方がいい、と試合中一度も言わなかったが?」
「…!」

橡浦だけは、信じていた。
ユキちゃんと、チームの勝利の、両方を。


303迷わずストレート!『檜舞台のストレート』:2009/01/17(土) 19:08:14 ID:qh/5ZPz4
もうすぐ家に着く頃。
皆がそれぞれの家に帰り、土生と理奈の2人だけ。

「そういえばさ、次の対戦相手は?」
「次の相手はシードだ。まあ、3分の1はシードなんだけどな。」
「で、でも強いってことでしょ?」
「南海リトル。去年のベスト4だ。」
「…!」
「今日の相手とは実力差から言ってわけが違う。来週の試合は、アタマから行ってもらうぞ。」

今日の試合に出られなかったので、…来週が、自分の、初めてのマウンド。
拳に力が入る。


「ん?家の前に誰かいる…」
「あいつ、確か…」
「優子!」

2度目だっけ、あいつと会うのは。
俺と同じ、キャッチャー、ねえ…


1回戦 光陵リトル 10−5 西部リトル

土生 1打数1安打3打点
ユキ 4打数3安打5打点 6回5失点 防御率7.50
緒方 1打数1安打1打点
橡浦 4打数2安打
山下 4打数2安打1打点

理奈 1打数0安打
304暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/17(土) 19:08:54 ID:qh/5ZPz4
投下完了。

優子と土生との1度目の出会いは名無しさんXさんの小説参照。
305名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 21:30:45 ID:uLjqJjVX
保管庫更新乙。
306名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/01/18(日) 16:52:03 ID:V4kCGJo5
GBH ◆GudqKUm.ok さん。暴走ボート ◆z95s/qs7OMさん乙です!
それと保管庫更新ありがとうございます。

それでは私も『とにかくキャッチ 過去と今と』後編パートを投下します。
とにかくキャッチ 過去と今と 後編

ACT8
私は大切な幼馴染の野村里奈と理奈の恋人候補な土生翔平の二人に対してリリアムの言っても差支えない事を話している
「それで私がリリアムに入団して暫くたった時かな…元々私の志望はキャッチャーだったわけだけどその頃はキャプテンの沙織がキャッチャーをやってて…」
と私が話している最中土生から手が上がり、私の話をいったん止めさせてから話してくる。

「ちょっと待った石引。確か神楽坂さんって…6年じゃなかったか? 呼び捨てにするもんだから確認したいだが…」
と割となんでって顔で土生が聞いてくる。

私はふぅっと息をついたあと改めて土生と理奈に対してそのことも話す
「そう土生の言ったとおり私の言っている沙織は東小6年生の神楽坂沙織。
私も最初神楽坂キャプテンって呼んでたけど…色々あってプライベートの時では沙織で呼んでくれって言われてね
ああもちろん他の先輩とかちゃんと‘先輩’とか付けているけどね」
と簡単に説明する。

私は二人を見まわして見たが特に異論はなかったので話を進める。
「それでしばらく別のポジションとか転々としてたわけだけど、やっぱりキャッチャーを志望しますって沙織や鷲沢副キャプテン・それとエースピッチャーの久美に頼んでみたら
久美が怒りだしちゃって結構大変だった…キャッチャーはお姉さまのポジションなのになんで高望みするんだってね。
でも沙織も鷲沢副キャプテンもそこまで貴女がキャッチャーをしたいんだったら、いつもの奴で決着をって話になって…ここまでで何か聞きたい事ある?」
といったん私は話を切り、お茶をぐびっと飲んで落ち付く。

そうしているとまた土生の方から
「一応クラスメートだから俺も知ってるけど大泉ってすっごく我が強く扱いずらいんだよ、でも神楽坂さんが言うと大泉は大抵二つ返事で聞くからな。
あの二人の仲がいいって言うのは結構有名だぜ理奈
それと石引の忍耐強さとくそ度胸も大したもんだよ、ソフトボールの強豪サークルのしかもその上級生のキャプテン相手にポジションを奪おうなんてその強心臓っぷりは大泉かユキみたいだな…」
感心したという様子で話しかけられる、一応久美とも知り合いみたいなので私からフォローの為

「確かに最初は私もきつい娘だって思ったけど、仲良くなれば結構話せるし…言われるほど悪い娘じゃないよ久美って
それよりも土生……光陵の事は後で聞くって言ったけど一つだけ……ユキって誰?光陵のメンバー?」
と久美をかばい立てしながら、ユキという新しい単語に対して土生に聞いてみる。

土生も理奈もそういえばまだ話してなかったなと言わんばかりに顔を見合せながら、理奈の方から口が開き
「ああユキの事?まだ優子に話してなかったね…色々あってウチに入る事になった娘だよ…念のために言うと小4の女の子!」
と簡単にユキという少女のさわりを教えてもらう…まあ彼女の事や他のメンバーについてはあとで教えてもらえばいいか…気を取り直してリリアムの話に戻し

「で最初に勝負の内容についてだけどリリアムでは話が纏まらなかったり、どうしてもそこのポジションを取りたい場合は守備か打撃のどちらかで勝負って取り決めがあってね
私は打撃で沙織と勝負する事になったの、五球投げてどちらがより安打が打てるかって勝負を……あっ一応言っておくと投手の場合は三振を多く奪うかより正確なコースに投げられるかって勝負になるよ」
私の話に理奈も土生も興味深々で聞いているのを確認しながら私も話をすすめ。
「そしてその勝負を務めるピッチャーは久美が務めることになったの。勿論公平に投げるって前提でね
まず先に沙織から勝負って形になって彼女の記録は5球中三安打…自慢じゃないけど沙織も凄い強打者だよ!」

私はその記憶がよみがえってきたのか負けたらキャッチャーを諦めてた勝負だったにもかかわらず、沙織をほめたたえる。
誉めたたえながらも話を進めるのだ。
「そして私の番になった訳だけど久美の球って打つの大変でさ…何とか2球ヒットに持ってっいったけど二球は空振りになってね…最後の一球って土壇場
あの時つい身贔屓しちゃったんだな……久美が沙織には投げなかったすっごいキレのいい変化球を投げちゃったの!」

興奮しながら話をする私に二人とも頭を突き出しながら顛末を聞こうとしてさらに私は拳に力がこもりながらも
「でびっくりしたけど必死で久美の球をジャストミートして…なんとホームラン!
久美もだけど流石に私や沙織に他のリリアムメンバーもその展開には驚いたな〜まさかエースの久美からホームランを打てるとは思ってなかったわけだし…
あまりの展開にもう一度だけって久美は言ってきたわけだけど
沙織の方がね‘優子さん貴女の勝ちです。キャッチャーの座は貴女に譲りますね’って負けを認めて晴れて私は正式にリリアムのキャッチャーになったんだけど
暫く久美と蟠りみたいなもんが出来ちゃってここまででまた聞きたい事ある?」

とまた私は話を切りお茶を飲むのだったが理奈からおずおずと話しかけてくる
「そんな変わった決まりがあったんだリリアムって…でも…そのぉ…優子と久美って娘って最初仲悪かったって話なのにどうして…」
私と久美と交際している事は理奈も風呂場で私が話したため、どうして今カップルなのか分からずどぎまぎしている

土生はその顛末を知らない為かどうしたんだろうと言わんばかりに理奈を見ていたが
「何かやっぱ大泉ってとんでもないじゃじゃ馬なような気がするんだが…どうやって石引は大泉を飼いならしたんだ?」
と土生もなんでバッテリーを組んだのか聞いてくる。

まあそれはそうだろう…私だって上手くやれるかどうか不安だったし…でも私も
「まあ聞いてればわかるよ…でね…私と久美がバッテリーを組むことになった訳なんだけど、久美のモチベーションがどこか低くてね…痺れを切らして私は聞いてみたのよ…
‘そんなに大泉さんは神楽坂キャプテンとバッテリーが組みたいのか’ってね、勿論久美は即答でそうだって言ってきたのよ……でも意外だったのはその後だったな」

と私は理奈の方を見つめる…理奈は何だろうと思いながら見ているがたぶん理奈からしたら辛い話になると思った、でも私はたぶんこの話だけは理奈と向き合わなきゃいけないって思ったんだろうな……
そう覚悟して私は理奈の目を見ながら話す
「‘石引さんは私じゃなくて誰か別の人を見ながら私の球を取ってる’ってね…それを言われた時ドキってきたよ……久美はエースピッチャーだけあって球速や球威も良いし変化球だって投げられる
だけど私…これに関しては私が悪いんだけど……私は理奈を思い浮かべながら久美のボールを取ってたって見抜かれちゃったんだ……」

突然の話に理奈は顔を曇らせてしまう…勿論理奈には全く責任はない、でも結果論として私と久美の不和の原因になってしまったと思ったのか…辛そうだった。
私は辛そうな理奈と突然の話に表情をゆがめる土生を見ながら
「理奈…あんたが気にする事じゃないしもう…終わったことだから
でもねあの時正直な気持ちではストレートに関して理奈は超小学生級だから…どうしてもどこか物足りないって顔になってたのかもね、それで久美は真顔で私に
‘やっぱりあなたとはバッテリーを組みたくない…私は私と私の球を誰よりも見てくれる沙織お姉さまとずっとバッテリーを組みたい’ってハッキリ言ってきてね
でも私もハイそうですかなんて認められないから押し問答になって、チームみんな困っちゃって…それで沙織が練習を早めに終わらせて、私と久美に対して話があるって残るようひきとめて……」
ここまでだ……そう思いながらお茶をごくって飲む、そんな様子の私に対して土生から話しかけてくる
「で…神楽坂さんはどうやってお前さんと大泉を仲直りさせたんだ?今は普通にバッテリーなんだろ?」
とまあここまでの話でなんで和解できたのかって表情で顛末を聞いてくる…でも流石にこれは土生に言えることじゃないし……

仕方なく私は
「まあここで沙織が私と久美を仲直りさせてくれて…その次の日から仲良く私たちはバッテリーを組むことになって
まあこれ以上こっぱずかしいから聞かないで♪
それよりも私は土生や理奈それとユキちゃんって娘とか光陵の事を知りたいな♪♪」
強引に話を切り替えるのだった。

理奈はそこで何かあったんだなと感づいて、少し頬を赤くしながらも
「翔♪まあこれ以上は優子も話したがらないだろうからさ…私たちの話とか……あっ!そうだ!!今思い出したけど優子やリリアムで被害にあった人いない?」
と唐突に変な事を言い出す、土生の方も最初どうしたんだろうって表情だったが直に思い出したようで

「あれか〜理奈?この間付属小近くで練習試合したときブラジャー盗まれたって…お前たちは大丈夫か?みんな女だし…」
と誰が盗んだか分からないが、私は理奈のブラジャーを盗んだ下着泥棒が出たと聞きビックリするも、理奈ほど胸が大きければとち狂って欲情する奴もいるんだろうなと妙に納得してしまう。
それと理奈の性格を考えて警察とかにはこの事は言っていないのだろう、でも犯人は一体誰? とりあえず私は犯人が分かったら理奈の前で引きずり出してやろうと思った。
また下着泥棒に関してはリリアム自体セキュリティがかなりしっかりしているため。外部の人が入ったりすることはまずないが心配をしてくれた返礼に

「ああリリアムでそんな事はまず起きないから心配しないで土生…でも沙織とかには一応気を付けるように言っとくから」
と土生に対してお礼を言い話を戻し

「それじゃあ差し障りないところだけでいいから光陵の事私に聞かせて?」
と再び光陵の活動などを教えてもらうのだった。
ACT9
私はひとり部屋で宿題などを終わらせ、ベットで横になっていた。
理奈と土生は色々な事を教えてくれた…光陵のチーム事情や理奈が入ってから先ほど教えてくれた。4年生でユキこと瑞原勇気、そして6年生の緒方かな子さんと言う具合に
綺麗な女の子がチームメイトだという事や引き抜き云々など巨神との因縁など……光陵は色々な意味で前途多難だが今年は理奈がいる…正直どこまでやれるか分からないが応援しよう。

それが私が思いつく限りで一番有効な理奈の支え方だと思った…理奈の家の方角を見ながら、今頃理奈は土生と一緒で添い寝や少しディープな事をしているのだろうなと思うと顔が赤くなるが
猛練習の疲れが襲ってくるのか…私はいつの間にか眠っていたのだった。そして夢を見た…あの日の夢。
ACT10
「困りましたね」
私は久美と二人で座りながら、正面には困り顔の沙織がいた。

「沙織お姉様。石引さんが優秀なキャッチャーだって事は私も認めます…でも……これだけはお姉様でもそうそう譲れません
私の球を受けられるのはお姉さましかいないんです」
久美は私の事を認めながらもはっきりと私を拒絶する意志を示し、沙織に熱く見つめるような視線をする。

私も久美の言い分は薄々と分かっていたが、せっかくルールにのっとってキャッチャーになったのだ…私の方も沙織を見つめながら。
「神楽坂キャプテン…大泉さんには悪いですけど、私はキャッチャーをやめる気もキャプテンにポジションを返上する意思もありません」
と私もはっきりと久美とのバッテリーを降りる気はないと言い切る。

お互い主張を全く譲らず…先ほども同級生なり先輩なり集まり一悶着になった事は私も久美も分かっていた…分かっていたのだが
譲歩などお互い認めなかったため練習どころでは無くなり、こうして三人だけで話をすることになったのだがやはり一向に進展しない。
そんな私と久美を見かねながらも沙織はペットボトルのドリンクを私と久美に手渡しつつ
「ひとまずこういうときは落ち着いて飲み物を飲むのです…少しは落ち着きますよ」
と優しく声をかけてくれる。

「すいません神楽坂キャプテン…」
「お姉様…頂きます」
私達は沙織にお礼を言いながら、そのドリンクをゆっくりと飲みほし…しばらく三人無言で部屋にいたが、意を決したように沙織から
「ではひとまずお二人とも落ち着いたと思うのでひとまずシャワーにまいりませんか?久美・優子さん。お互い裸で話してみるのも手というやつですよ」

と三人一緒にシャワールームに行こうと声をかけられる。
私も久美も何もこんな時にという表情になったのだが、同時に裸同士腹を割って話してみるというのも悪くない。
その為私も久美も頷きシャワールームへと向かい、私や久美、沙織の三人とも一糸まとわぬ姿となってシャワーを浴びながら沙織から
「優子さん、リリアムの縁結び伝説って知ってますか?」
と突然言われる。私は何が言いたいか分からなかったが、久美は目を輝かせ沙織の言葉を待ちながら沙織に近寄り。

「その反応ではご存知無いみたいですので説明しますわね。リリアムはピッチャーとキャッチャー同士のバッテリーは永遠に結ばれるという伝説があるのです。
久美はその事を私から聞き、それからずっと私とバッテリーを組みたいと努力し、リリアムに入団して私とバッテリーを組んだのです。だから……」

沙織は久美を抱きよせキスをしながら私に告げる
続いて久美からきつく沙織に抱かれながら、沙織にこだわる理由がわかったでしょと言わんばかりに

「石引さん。これで分かったでしょ私が選手としてだけじゃなくてお姉さまを選んだ理由。
私は誰よりもお姉さまを愛してる♪だから一番大事お姉さまといつまでも結ばれたいの…
それとさっきも言ったけど石引さんは私以外のだれかを想定していつも球を受けているから…貴女が凄いキャッチャーなのは異論無いけど
石引さんだったら別ポジションでも十分通用するからキャッチャーだけはあきらめて。私とお姉さまの間に…入らないで」

と本気で自分は沙織を愛していること、だからこそいつまでもバッテリーを組みたい事、そして実際久美と沙織は姉妹以上に仲が良い事はリリアムメンバー全員知っていたが
沙織は決して身贔屓する人物ではなく、実際情実縁故一切関係なく久美は精一杯努力を重ね、エースとなったのは私も知っていた。
確かに昔から親密な関係である二人の間に入る事は私も無理だろうし…どうしても久美の球を理奈の球を比べてしまう限り心からの信頼を勝ち取るのは難しい。

くっどうすれば…久美の気持ちや思いも十分私には理解できるし…私だって理奈の事は大事な幼馴染の親友…そして昔から理奈の事……。
キャッチャーを降りたくないけどこれじゃあ久美を説得できない。
手詰まりかと正直私は思った…だけど突然立っていられないほどの衝撃が私の体を走った。

「うぁっ…ぁぁっぁ…体…どうしたの?何か…変……はぁぁ」
そのまま私は腰が抜けおちた様に座り込んでしまう、だけど体中思いっきりオナニーした後のあそこ見たいにジンジン感じちゃう。
誰も触ってもいないのに乳首もしっかり勃起して、あそこのからおしっこみたいに愛液が溢れて自分の体じゃない位にHになっていく。

少し動くだけでも体が溶けるような快楽が私を襲うが、よくよく見てみると久美も沙織によりかかって辛そう…違うな。
たぶん私同様にいきなり盛りがついたように体が壊れそうなほどの快楽が襲いかかりフラフラになっている……いったいなんで?
強制的に浴びせかけ続けられる快楽に耐えながらも私は理由を探っていたが、意外なところから答えが現れる。
「ふふふ。優子さん、久美…ごめんなさいね。
実はさっき飲み物を渡した時媚薬を混ぜときました…凄く強力なものですのでしばらく走ったりはできないと思いますよ」
と悪びれる様子もなく微笑みながらあの時のドリンクかと私も久美も確信した。

「お姉さまいったい…どういうおつもりなのですか?」
されど沙織の思惑が分からず頬を赤くし、私同様久美も小粒で可愛らしい乳首を勃起させあそこもお漏らししたようにドロドロになっている。
十分媚薬でHになったからだで、切なげな吐息のまま沙織に問いただす。

苦しそうだがそれ以上にHに体をくねらせた久美を抱きしめながら沙織も
「久美…確かに貴女が優子さんに言った事は事実…それは優子さんも認めてますわ。ただ久美の言葉はそのままあなたにも跳ね返ってますよ」
と優しく答える。

「どういう…事ですか? ああっん♪お姉さまぁぁ」
久美は嬌声混じりの吐息で沙織に聞き返すも…今度は久美の胸を揉みながら答える。

「私を慕いリリアムやプライベートでも努力してきたのは知ってます。
ただプレイ中いつも私ばかりを見て他のチームメイトからすると少し浮いている気がしました。
そういう意味では久美も優子さん同様に“違う人を見ながらプレイをしている”という事になってますよ♪」

思わぬ展開に私は必死でよがり声を抑えつつも、目の前で見る久美と沙織の絡みに目が離せなくなっていく。
そんな私の視線を気に留めず沙織は久美のあそこに右手指を突き刺し、左手は乳房を揉み
「はぅぅ!!石引さんの前でこんな事ぉ♪別にお姉さましか見てないわけではぁ♪」

甘ったるい嬌声を上げながらよがる久美…それでも今度はクリトリスを右手の親指と人差し指で思いっきりつねって
「ぎにゃぁぁぁ!!クリトリスただでさえ敏感なのにもっと凄いことにぃ…お姉さまぁ……」
と久美の激しい叫びと沙織の凄く激しい攻め、そんな激しい行為をしながら沙織は私にも聞こえるようにはっきり言う

「嘘…とまでいかなくてもソフトボールの試合で私を最優先にしすぎるのはあまり好ましいとは思えませんし。
それと私がリリアムをやめたら久美もリリアムを辞めるのですか? それではただのなれ合いになってしまいます。
リリアムのキャッチャーは私に勝った優子さんのもの、だから貴女方を騙しても結ばれるべきだと思いました」

あまりに突然の展開に私は面食らうが久美は沙織に対し
「お姉さま…まさかもう私はいらないという事…ですか?
私は……お姉さまといつまでも一緒にいたいのです…石引さんではわたしを……」
困惑と不必要という事なのかという不安…そして自分の想いを否定するのかと思って涙を流しながら、どうしても沙織と組みたいと言う。

そんな泣いている久美を沙織は抱きしめながら
「私は貴女をいらないなんて事はたとえ天地が裂けてもあり得ません。
少し言い方が悪かったので言い直しますね久美…あなたはずっと私のもの…でも私以上の逸材でしかも同級生の優子さんならずっとバッテリーを組めると思ったから
それに…久美は女性に関してもう少し私以外の子も知っていた方がいいです、私が保証します…優子さんと久美のバッテリーなら選手としても恋人としてもうまくいくと」

と私を認めてくれるのだ…でも私は…理奈と本当はこういう関係に……
少し私は迷いを見せるが、沙織から久美と体を抱きあうような態勢を取らせながら。
「貴女が別の人…それも同性の方が好きだっていうのは何となくですがわかります。
ですけど今は久美を抱いてあげてくださいな…久美は本当にいい子ですよ。それとこういうときはしっかりと自分の思いを相手に刻みつけることが肝心です。
単に体の相性がとか、そういった不純のない愛…それこそが美しいのです。貴女が抱えている事情は今後貴女自身で解消していけばいいのですから」
と沙織は私に久美を抱くように促し、私の手を久美の手を握らせる。
私は正直不安だったが勇気を出して、久美に口付けをする。
「キスはお姉さまと…あぁっ…石引さんの唇……甘い」
当初は久美も困惑しながらだったが、私の唇を拒むことなく久美もキスをしてくれた。

私は理奈の事や媚薬で本当は好きでもないのに体が勝手に求めているのではとかというネガティブな思いを持っていたが、正直言うと久美は可愛く。
久美の唇もとても甘く耽美的なものだった。
「私も…大泉さんの唇……好き。じゃあ今度は舌入れていい大泉さん?」

もっと久美の事を知りたい…体を強制的に発情させられたとはいえ、本心で私は久美の事が愛おしくなってきた。
そう思ったがいったん久美から「待って」といわれる…それ以上はだめなのか?それとも…私は憂いを帯びた瞳で久美を見つめ彼女の答えを待つ。

「石引さん。私の事…大泉さんじゃなくて……“久美”って呼んでほしいな
いくらなんでもこんなことしながら名字で呼び合うのも他人行儀もいいところだし」
と私の思いが通じたのかと感動を覚える…私も心から久美の事を…

私は久美を熱い視線で射ぬきながらも
「分かった久美。私も石引さんじゃなくて“優子”って呼んで」
と私も久美から名前で呼んでもらう事を望む。

久美は手を固く握り返しながらも、優しい目線で
「ありがとう優子…沙織お姉さまと比べちゃうかもしれないけど…今は一緒に…私から行くね」
と二人で登りつめることを選ぶのだった……その証として情熱的なまでに久美は私の唇に舌を激しく絡ませ、唾液を掬っていき。

激しい唾液のからみがシャワールームに反響していくのだ。
私も久美を受け入れ、必死で舌を絡ませ舌相撲のような格好でからめ合う。

それをほほえましく見つめながら沙織は眺めていた。
でも今は沙織の事は…いや理奈や他のリリアムメンバーの事などどうでもよくなった…私と久美はお互い激しく舌を絡み合いながら固く抱き合い
私から久美のお尻を優しく撫でれば、久美は私の肛門を強めに指で刺激し
久美から乳首を私の乳房で擦られれば、私も自分の乳首を久美の乳房に押し当て獣のように快楽を欲する。

いつしか握り合った手は片手から両手になり、お互いよたよたとしながらも必死でお互い強く抱き合い。
Hに濡れた私と久美の媚肉がキスをした瞬間
「「あぁぁっ!」」
二人同時に嬌声を上げながら倒れこみ、お互いあらゆる意味で相性が最高だと悟りながら気絶しかけるが
今度は沙織が私と久美の媚貝肉から出るジュースをおいしそうに飲みながら微笑み。
「良かった…貴女方が結ばれて私も嬉しいですわ。
でも次は私の肉をしっかり刻んでさし上げます…覚悟してくださいね。久美…そして優子も……」
と私を呼び捨てにしながら徐々に媚肉へと指を入れていき私と久美を同時に相手をする。

「ああっ…今度は神楽坂キャプテンまでぇぇ
凄い…キャプテンの手で触られるだけで…私ぃ…わたしぃぃ」
媚薬の効力が残っていたとはいえ、沙織に指を挿入されるだけで天に昇りそうなほどの快楽が私の頭
いや私と同様に恍惚を笑みを浮かべている久美も同じように感じていたのだった。

そしてそんな私のしっかり大粒に勃起したクリトリスを沙織はつまみながら私に対して
「プライベートの時は名前で呼んでくださいな…優子
私もこれから個人としては貴女を優子と呼びたいのです…さあ言ってください」
くりくりっと痛くないようにクリトリスを愛撫され、私は否応抜きで

「ふぁあああ!ふぁい!わかりましたぁ。さ…さおり…さおりぃぃ」
と沙織に対して無意識ですがるような声をあげ、沙織の愛撫に身を任せようとするが久美も私の胸に近寄って

「お姉さまの愛撫は本当に体が溶けちゃいそうになるよ優子…そして私はお姉さまと連携を組むのが得意!
今度は私と沙織お姉さまで優子をとことん…イカせてあげるんだから」
と久美も相変わらずよれよれしながらも、私のおっぱいの愛撫を始め二人で一気に責められる事となった…

ACT11
「夢…か」
夢…それはカーテンから光が差し込み初夏の暖かいい光があたった事で確信した。
私はそっとパンティの割れ目を触ってみるとやっぱりぬるっとしたような感触を感じた…夢でも私沙織と久美にいっぱい凄い事されたんだな。

現実でもあのあと何回イカされたか分からかったが…次の日から久美の呼吸とかきっちり把握ができるようになり、久美も私の言う事をちゃんと聞いていい球を投げてくれる様になった。
そして私・沙織・久美の三人は大抵居残り練習をするのでその時いつも三人で激しく愛し合うのが日課となった。

もちろんオーバーワークにならないよう少しは投球や打撃はするも、たいてい基礎トレーニングで体の芯をいつも鍛えているのだ。
幸いなことにリリアムは大きいジムとかも併設されているので、雨天時でも普通の鉄アレイから最新の加圧トレーニングとかを受けることが出来
苦しいけど実際やればやるほど体力の向上が実感でき、もっと強くなれると思えるのだった。

そしてずっと忘れないあの日の思い出があるからそこ特に憂いも無く私はソフトボールが出来るんだ。
そう思いながら学校の準備の支度をし、これからもリリアムで頑張ろうと思えるのだった。 終
投下終了です。

SDS ◆cStOEcFYHcさんへ
鷲沢奈津嬢を早速名前だけですが使わせていただきました。
本格出演は次くらいになります。それとリスキー・ゲーム6期待して待ってます。

暴走ボート ◆z95s/qs7OMさんへ
早速優子を使ってもらってありがとうございます。

落ちます。
317名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 19:36:54 ID:geSgE6CD
いつも楽しく読ませてもらってます。GJでした。

自分も何か書こうと思っているのですが設定で一つ手詰まりが……皆さんはT138 B89 W56 H85て小四はありですか?
318暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/18(日) 20:52:14 ID:i6aAAlmZ
>名無しさんXさん
奈津はリリアムにいたってことですか。こりゃまたややこしい。
彼女らが互いを認め合うのはソフトではなく肉体的関係を持った時、ですか。
まあ、それでこそエロパロですね。

土生が何故久美と沙織を知っているかはこっちが書きます。
とりあえず矛盾のないようにうまくやりますので。

>>317
スレッドのテーマ故バストはどんなに大きくても問題ないでしょう。
しかし、その数値を見る限り、かなり太ってますね…
ウェストはいいとして、腰回り85ってのは…
もう10cm小さくてもいいと。スポーツ選手ならまだともかく。
319名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 21:10:36 ID:0M06VvQa
>>317
まず投下、だと思うけど西小シリーズなら有名人だろうね。その娘。
320名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 00:34:27 ID:NvLiSfvv
>>317
胸はこどものじかんのうさみみみたくあるかなーって感じだけど
多分腰と尻はもっと小さくなるはず。
ぽっちゃりを超えた者を書きたくないなら胸以外は気にしないほうがいいかも
321名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 04:56:49 ID:+piS4JbQ
成人女性の話だが、身長とスリーサイズの比率は、
身長1に対して、B:0.54 W:0.38 H:0.54 がもっとも美しく見えるらしい。

子供ならこれよりウェストは太く、ヒップはやや小さくってのが
それっぽいバランスだとは思うがね
322名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 14:05:36 ID:lSmlcTsE
千晶待ち
323名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/01/20(火) 21:49:44 ID:Ir2uuYWD
>>309
SDS ◆cStOEcFYHcさんごめんなさい
付属小のまちがえでした。

>>318 暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんへ
趣向としては結構百合が好きなので

ハイ私もどう使っていただけるか楽しみにしてます。
324暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/22(木) 20:51:55 ID:jAQhpD51
それじゃあ投下します。

スレッドの目的を重んじかなーり短縮。
おかげで某野球まんがと同じような流れになったようなならないような…
「…で?なんで来たんだよ。」
「そっちこそ、なんで理奈の家に来るのよ。」

優子が持ってきた料理を並べて行く。土生が負けじと料理を作って並べて行く。
お互いの料理が、どけよどけよと意地を張る。

「そんな事より、試合で疲れたでしょ、さっさと帰れば?」
「疲れてて外に出られない。石引こそ、いつまでいる気だよ。」
「さあね。それより、疲れてるって言うにしてはてきぱきと料理してるけど?」
「作らないと理奈がピーピーうるさいからな。雛を世話する親鳥の気持ちにもなれ。」

「あのー…」

もはや戦場と化しているリビングとキッチン。

「あたしの料理さえあればいいんだから、あんたが作る必要ないって。」
「持ってくる方が労力使うんじゃねえのか?これからは理奈の料理は俺一人で十分だ。」

優子が、土生と理奈の同棲を知っていることを、土生は知らない。
何とかして、早く帰さなければ…

「てめえは先食ってろ、食い終わったら即帰れ。理奈の分はまだできてないから、まだ食べるなよ理奈。」
「あたしは理奈と食べに来たの!それに何よてめえって!」
「名前忘れた。」

「あのー…」

ようやく料理を並べ終わる。
土生の料理皿と優子の料理皿、2種類の皿が織りなす陣取りゲーム。

(食べきれないよ…出しゃばって、作りすぎだって…)
「理奈、これと、これと、これを食べてね?」
「理奈、これと、それ、そしてこれを食えよ。」
「…。」

板挟みになる方の身にもなってよ。

「そんな不味そうな料理、誰が口にするのよ!」
「この皿の事か?」
「それあたしの料理!まずいわけないじゃない!」
「理奈、そのわけのわからんものじゃなくて、その野菜炒めを食べろよ。ビタミンはしっかり摂らなきゃな。
 さもなくば…次の試合、スタメン落ち&登板回避な。」

やりかねない。
たった2分の遅刻でもスタメンから自分とあたしを外した翔なら、やりかねない。
「いい加減にしてよ!いくらなんでも言いすぎじゃないの!?」
「いただきまーす。…パク。」
「…え?」

優子の抗議を無視して土生が口に運んだのは、…優子の持ってきた料理。
一瞬場が静まるが、やがて土生が口を開く。

「うん、うまいじゃん。」
「え…」
「食ってみろよ理奈、うまいぞ、この焼きそば。」
「パスタですぅーっ!」

思いやりの中にも、皮肉も当然忘れない。

「…おいしいよ、優子!」
「ホント!?
 …ありがと。あんたの料理も、おいしいよ。」
「はいはい。」

いつまでも意地を張って、悪口を言ってもしょうがない。
キレさせる一歩手前でそっと気配りをする、そんな駆け引きの巧さがキャッチャーに求められるものである。

…ちなみに、『あたしの料理』と言いつつも、実際に作っているのは優子の母親だが。
その優子も、本当は素直な女の子。素直さもキャッチャーにはもちろん必要な要素。


「そういえば。
 なんであんたが久美と沙織を知ってんのよ?」

食べ終えた後は情報交換。
同じ野球選手として、互いのチームの事は気になる。

「あんな奴とは、もう2度とバッテリーを組みたくない。」
「…え!?」
「まあ、バッテリーというよりは、…説明したほうが早いな。」
―――…一年前・4月…―――

「なんでソフトの連中と練習するんすか、監督?」
「言ったろ新井。もっと速い球を投げる投手、&アンダースロー対策。
 体感速度は、女子ソフトのピッチャーの球の方が圧倒的に早いからな。」
「どーせマウンドからの距離の近さに頼ってるにすぎないでしょ…」
「…そのお前の天狗を治すために、連れてきたんだよ。」

女子相手に負けるわけないじゃん、そんな顔をする新井。
西村も、白濱も、二岡も、そして土生も内心はそう感じていた。

「着いたぞ。
 ちょっと向こうの監督と話してくるから、待ってろ。」

中井監督が向こうの監督と何やら話している。

「ほんとに、こんな練習に意味なんてあんのかねえ。」
「まあ、打ち込めば監督も意味がないってわかってくれるんじゃね?西村。」
「おーい!なんか向こうのキャッチャーが風邪でダウンしてるらしくってさ。
 病気を押して無理やり練習してたみたいなんだが、さっき倒れたらしくって。」

しめた。
これで練習が中止…

「あのピッチャーの球、そのキャッチャーしか取れないらしいから、お前ら、誰か代わりにキャッチャーやって。」

最悪だ。
逆に最悪の事態だ。なんでソフトボールのピッチャーの球を…

「おい白濱、お前やれよ。」
「やだね!なんで俺が…キャッチャーの感覚が狂う。つっても、俺たち以外の他の奴じゃあ捕れずに怪我するし…
 そうだ土生、お前のセンスなら取れるだろ、やれよ。」
「え、なんで…」
「先輩の言う事、聞けるよな?」
「うう…」

尊敬する半面、この人たち最悪の先輩だ…


「なんですか監督、男の子たちに投げるのはいいとして、私はお姉さまとしかバッテリーを組む気は…」
「しょうがないじゃない。
 あなたの球をとれるのは沙織だけだし、向こうに頼むしか無いのよ、ね?」
「はあ…」

向こうもキャッチャーを用意したみたいだし、しょうがないなあ…


(…サウスポー、か。
 さあて、さっさと打ち込んで練習終わらせるか…)
「負けんなよー、新井ー!」

なんか向こうの奴ら、私を馬鹿にしてるみたい…見てなさい!
「うおっ!」
「新井ー!何空振りしてんだー!」
「いや、めちゃくちゃはええぞ!?しかも、アウトコースいっぱいに…
(でも、変だ。それだけなら空振りだけはしないはず…)」

第2球。低めの球。

「ぐっ!(だめだ、当てるだけで精一杯だ…)」

女子ソフトの球は女子ソフトにしか打てない。レベルが高ければなおさらである。
マウンドからの距離が近いとはいえ、体感距離がいつもより圧倒的に早い。
しかも、ソフトボールは使っているボール自体が重く、飛距離も伸びない。

さらにオーバースローがほとんどの野球にとって、ソフトの球には手も足も出ない。

(まさかこの球…)
「ちょっと、そこのキャッチャー!ちゃんととってよ!」
「…?
 俺はちゃんと捕ってるけど。」
「捕り方がまるでなってないのよ!お姉さまとは雲泥の差だわ。」
(俺キャッチャーじゃないし…)

土生も取るだけで精一杯。
だが、土生は久美のストレートの正体に、気付いていた。

「畜生…白濱、交代だ!」
「情けねえなあ…」

だが、白濱も、西村も、二岡も打てない。
実力差もあるし、相手をなめてかかってひたすら長打狙い、というのも原因の一つ。

「…ちょっと、そこのキャッチャー、来てよ!」
「え?なんだよ、ったく…」

…そして何を思ったか、もう限界と言った様子で久美が土生を呼び寄せる。

「なんでちゃんと捕れないの?沙織なら投げる方も気持ちよく投げられるようにとってくれるのに…
 あんたのはただ捕ってるだけ!捕るのもやっと見たいじゃない!」
「…しょうがないだろ。あんたの球、とるだけでも精一杯だ。」
「たかがストレートすら、捕ることができないわけ?」
「…。続けましょう。」

久美が不機嫌なまま、土生が戻っていく。
監督の頼みでなければ、今すぐにでも切り上げたいよ。

そして、全く打てないチームメイト達を見かねて、

「すんません、俺にも打たせてくださいよ。なんとかなりそうなんで。」
「ああ?…ったく、おい、白濱、キャッチャー代わってやれ。」
「しゃあねえなあ…まあ、一応お前は実力があるし、打たせてやるよ。」
「ありがとうございます。」

土生の実力はすでに白濱達に認められている。
キャッチャーとして久美の球を見てる以上、勝算があるのだろう。
男子の意地と誇りを、土生に賭けてみた。
(男子のレベルが、ここまで低いなんてね…あたしにたてつくこのキャッチャーも、さっさと…)

低めに制球された、ストレート。
土生が狙い澄ましたかのように、ジャストミート。

「なにっ!?」
「お、土生の奴、ヒット打ちやがった。」

野球とソフトでは守備位置は少し違うものの、文句なしのヒット性の強いゴロ。
久美が今日初めて喫したヒット。

(うそ…お姉さまですら、初対戦では私のストレートを打てなかったのに…
 あいつ、初球をいとも簡単に…)
「仕組みさえ分かれば簡単だ。
 西村さんも、新井さんも、白濱さんも二岡さんも、全員右打者。うちのチームは俺以外はほとんどが右打者だ。」
「え…」
「どうりでみんな打てないわけだ。
 あんたはサウスポーだが、本来対左には右打者が有利だと思ってたけど、ソフトにそれは通用しないらしいな。」
「う…うるさいっ!」

頭に血が上る。思わずボールを手に取り、投げ込む。だが、

「おおっ!」
「2打席連続!」

久美の足元を、抜けて行く。完璧なセンター返し。

「な…なんで…」
「あんたの球、一応ストレートみたいだが、直球じゃないってこった。」
「!」
「図星らしいな。まあ、マスク越しに見た地点で一発で分かったがな。
 まさか小学生でツーシームの使い手がいるとは、思ってなかったぜ。」
「あ、あいつのストレート、ツーシームなのか!?」


一口にストレートといっても、いくつか種類がある。
日本の主流のストレートはフォーシームファストボールと呼ばれており、スピードとパワーはこの球種が一番。
我々が『ストレート』と呼ぶのは大抵これを指している。

他には、螺旋回転をかける事によって圧倒的な球威とノビを生み出すジャイロボール、
あとは、フォーシームと同じ球速で打者の手元でぐぐっと落ちる、ムービングファストボール。

そして、大リーグでよく目にする、打者の手元で微妙に揺れたり、食い込んだりするツーシームファストボール。
「ツーシームの最大の特徴は、打者の手元で変化する、という事。
 その変化の仕方がミソだ。」

ツーシームは投手の利き手方向に、落ちるように変化する球。
つまり、サウスポーの久美の場合、右打者には逃げるように、左打者には食い込むように変化する。

「つまり、右打者の皆さんにとっては見づらい球だが、
 左打者の俺にとっては、入ってくるように変化するからまだ球の動きが見やすいって事。
 アウトコース厳しいところ突かれたら、いくらみなさんでも打てっこありませんよ。」
「…さっきからうるさいわね!沙織と違って、まともに捕れないあんたに言われたくないわ!」
「やれやれ…ストレートとはいえ、変化するんだから捕りにくくても当然だろ。
 フォーシームとと同じスピードであんな鋭い変化するんだからな。」
「そんな球、よく打てたな…」
「その上ボール自体に重量があるから、低めに投げられたら飛距離も望めない。
 だから強くたたいて転がすことを意識して、どうにかヒットを打ちましたよ。」

ちなみに、上投げであろうと下投げであろうと、変化の方向に変わりはない。

「…ん?てことは、フォーシームより遅いツーシームであれだけ早いんだから、
 ソフトのストレートはまだまだ早いって事か!?」
「そういう事になりますねえ。」

ツーシームを操る故か久美のボールは球速は遅い方らしいが、男子野球の目から見たら十分早い。
ということは、トップクラスのフォーシームを操る女子の球は…

「…マジ?」



……。


「てなことがあったわけだ。
 去年の4月頃の話だから、石引はまだ入りたてでこの事は知らないだろうな。」
「そういえば、リリアムに入った時、男子が練習に来た日があったような…」
「それだ。
 まあ、俺が打てたのもストレートだけ、チェンジアップやカーブが絡むとファールが精いっぱいだ。」

土生がコップにお茶を注ぎ、グイッと一口。

「…ま、とり方一つでガミガミ言われて、こっちも何度嫌だと思ったことか。
 ほんと、よくあいつとバッテリー組んでるもんだ。」
「あんたと違って、あたしはキャッチャーとして優秀だから。」
「それでも、ああ言う球もあるって事は、すごく勉強になった。
 さて、明日は学校だし、理奈、まだ宿題やってないだろ。」

一筋の汗が流れる。
「金曜日に終わらせとけよ…ったく、終わらせっぞ!」
「あ…じゃあ、帰ろっか?」
「悪いな、邪魔者扱いみたいで。」
「…今の恋女房は、あんただから。」

いつまでも理奈に固執しちゃいけない。あたしは今はリリアム所属の正捕手。
なんだかんだで、今理奈のそばにいてあげるべきなのは、…ああ、くやしいなあ、もう!


「うーん…楽勝楽勝♪」
「って、ほとんど俺がやったようなもんじゃねえか!」

体を洗いながら、笑顔で伸びをする理奈。
浴槽から聞こえる不満の声も、なんのその。

「いいじゃない、困った時は…」
「明らかに俺ばかり助けてる気がするぞ。」
「そうだっけ?まあまあ♪」

言っても無駄だ。
あーあ、なんか一打席しかたってないのに、疲れた気がする…


…だって、ベットでまた俺のあそこを狙ってんだかんな。

「やめろって、ズボンに手ぇかけんな!」
「いいじゃん、いつもあたしのおっぱい飲んでる癖にさ!」
「宿題といてるんだから、それくらい当然だろ!」
「なによ!こんな可愛い女の子と、セックスしたくないの!?」

…あのなあ。
もう少し自分を大切にしろって。
2回ほど俺のあそこを理奈に好きにさせたけど、あれは状況が状況だったからって事、…分かってねえよなあ。

「だから、もしもの事が」
「大丈夫、ほらっ!」

…なんでそんなもん持ってるんだ!?
これはいわゆるあれですか!東京ドームじゃなくて、名古屋ドームじゃなくて、札幌

「…そんなボケ、いいって。
 あたしはさ、…翔と、初めてをともにしたいんだって…」
「なんでだ?」
「10年くらいたって、適当な男と流れでやるくらいなら、
 たとえ小さくたって、今翔とやって…その方が、絶対に後悔、しないもん!」
「…。」

泣きそうだよ。こりゃ軽い気持ちじゃなく、本当に俺とヤりたいんだな…
ここまでされると、流石にその気持ちを蔑ろには…

…そうだ。
「ギブ、&、テイク。」
「へ?」
「それじゃあこうしよう。
 次の試合、もし理奈がノーヒットノーランを達成したら、…そのご褒美だ。」
「せ、セックスしてくれるって事!?」
「ああ。…って、抱きつくな!ただでさえ狭いんだから、このベット!」
「やったあ、やったあっ!」


…ま、相手はベスト4だから、絶対に無理だろ。
理奈にとって初めての大会だし、県トップレベルがどういうものか、理奈には分からないしな、

…大丈夫、だろう。多分。


「…ところで、さ。」
「なあに?気が変わって今から」
「理奈の父さん、…いつ帰ってくるんだ?」

かれこれ3週間経つ。
スカウト業がどのようなものかは皆目見当もつかないが、
シーズンはどんどん進んでいる以上、補強は迅速に行うべきである。

…となれば、ラリナパパが現地について2,3日で話をまとめる可能性も十分あり得るのだが…

「うん…まだ、連絡が来ないの。
 さすがに、翔もこの家に飽きてきちゃった?」
「い、いや、そんな事はない。
 ただ…」
「…うん、寂しいよ。翔がいてくれても、…やっぱりあたしのパパは、一人だけ。ごめんね。」
「悪いな、泣かせるような話を、振っちまった。」
「もう慣れっこだから。」

長い髪を、手で梳いてやる。
土生にとっては幸せな時間でも、理奈にとっては必ずしもそうではない。

…本当は、3人で暮らすのが一番楽しい。でも、それもできないけどね。



「やれやれ、せっかく日本に帰れると思ったら今度は韓国球界か…
 担当にトラブルがあったからとはいえ、俺を派遣させなくても…」

外国人の獲得に手間取り、結局3週間経ってしまった。
しかも、明日の朝早く、すぐに韓国行きの便に乗らねばならないというから、たまったもんじゃない。

0時半発の空港行きの深夜バスの予約をしており、それに乗る事になる。
現在午後9時。たった3時間の家族サービス。

「まあ、まだ起きているだろう。さみしがってるだろうし、何かしてあげないとな。」

家に着くが、明かりは消えている。
もしかして、もう寝たのだろうか?親がいないのだから、夜更かしくらいしているはずだと思うが。

「まあ、帰る連絡をしてなかったからなあ。
 家に電話しても、出てくれなかったけど、遊びにでも行ってたんだろか。」

鍵をかけて、家にはいる。
幽霊が出そうな薄暗さが、電球によってぶち破られる。
「理奈ー。…寝室かな?」

理奈の部屋は2階。
土生とぐっすり寝ている部屋に、階段を1段1段あがりながら近づいてゆく。

そして、ドアノブに手をかける。


「…あれま、こんな時間なのにぐっすり…ん?」

隣に誰かがいるのに、気がついた。
起こさないように、恐る恐る、近づいてゆく。

「この子は、確か…」

思い出した。
以前理奈が家に連れてきた、土生という少年。…少年?この少年と、もうこんな関係まで行っていたのか?

(すー…すー…)
(すー…すー…)

どこのだれか分からない異性と、はだけかけた薄手のパジャマ一枚だけを羽織って、密着して寝ている。
普通なら、怒りもこみあげてこよう。

…だが、不思議とラリナパパにそのような感情は芽生えなかった。


まだ10才だから?大人じゃないから?セックスをするような年頃じゃないから?
…いや、それは違う。だって、理奈の胸は確実に大人になっているのだから。

多分、理由はほかにある。


(巨乳で、いじめられていた、理奈が…)


1つのきっかけで、人間は大きく変わるもの。
その変化に嬉しさと寂しさを覚えながら、静かに寝室から出て行った。
そして当日。
今日勝てば、あのラミレーズやルウィズも使うスタジアムで巨神と戦える。

「よーし、今日勝って、あのスタジアムで巨神と戦うぜー!」

意気揚々と乗り込む赤松。しかし周りにはだれもいない。
スタメン落ちしたくないからとはいえ、10時集合のところを6時に来る馬鹿はどこにもいない。

…いや、そんな馬鹿もいた。

「翔ー…いくらなんでも早過ぎない…?」
「投手はさっさと起きて、調整しねえとな。」
「でも、4時にたたき起され、5時半に出発するこっちの身にもなってよ…あ!」

誰もいないだろうと思っていたところに、赤松の姿が。

「おいおい、10時集合だったろ?」
「その言葉、そっくりそのまま返しますよ。」
「とりあえず、これから4時間どうする?」
「俺、朝飯今からなんで…ちょっと店探してきます。」
「俺たちもだ。3人でどこか食べに行こうぜ。」

ちょうど近くにファストフード店があったので、入ってみる。
『朝ミール』なるメニューがあったので、それを頼んでみた。

「そういえば…今日の第1試合は、巨神が…」
「知っている。」
「…見に、行きますか?」
「決めてねーよ。」

赤松の言っている事に興味はないと言わんばかりに、ジュースを口にする。

「とにかく、今日勝てばベスト8、まずはそれだ。」
(…そんなわけ…ないのに。)

無理しなくてもいいのに。
でも、それが翔の求める、キャプテン像なのかな?エースとキャプテンって、どう違うんだろ…


「っ!!」
「どうしたの?」

はっとした顔で後ろを向く。

「どうしたの!?」
「…理奈には、…赤松にもわかんないだろうな。」
「え?」
「ずっと一緒にいたから、姿が見えなくても、感覚で分かるんだよ。」

土生がまた姿勢を元に戻し、ハンバーガーを口にはこぶ。
「いらっしゃいませー。」

誰かが入ってくる。ふと見てみると、同い年ぐらいの少年が4人。
…4人?まさかね。

「…。」
「しょ…土生君?」
「…ふー…」

落ち着け、落ち着け。
今はもう、何の関わりも…


「光陵、1回戦、勝ったらしいな。」



「よお、元気そうだな。」
「…。」
「どしたどした、なーにそんなに暗い顔してやがる。」

ふざけるな。
どのツラさげて俺の前に現れた。

「彼女とデートか?いや、それにしては一人多いか。」
「で、デートって…あなたたちは」
「黙ってろ、理奈。」
「そいつ…もしかして選手か?よほど人数不足なんだな、出てってよかったぜ。」

すっと立ち上がると、腹の底から湧き出る怒りを必死に沈める。

「あいつらは元気か?橡浦とか、山下とか。」
「…なぜ話す必要がある。」
「おいおい、俺たち元チームメートだろ?」
「…あのノート、お前らが書いた欄は、すべて塗りつぶした。」
「!
 …この野郎!」
「よせ!」

大声につられて、残りの2人もやってくる。

「あれは、俺たちの魂だ!」
「…だからこそだ。お前たちは、俺たちを裏切った。」
「翔、この人たち、まさか…」
「俺たちは、裏切ったんじゃねえよ!」
「…同じことだ。
 チームの事より自分の事を考えてる地点でな。」
「自分がかっこいいとでも思ってるつもりか?」
「俺は、あんたたちが裏切ったと言いたいだけだ。」

たとえ嘘をつかれようと、たとえ監督が勧めようと、
自分の未来を優先してチームを見捨てるのは、

「…許せねえな。」

何事かと思ったか、店員が駆け付ける。
君たち、喧嘩はやめなさい、そう注意され、席に戻っていく。

「土生君…」
「さっさと出るぞ。早く食え。」

残りのハンバーガーを丸のみし、一足先にゴミを片づけた。


南海リトル

1、4・井口
2、6・川崎
3、8・秋山
4、5・小久保
5、3・松中
6、2・城島
7、7・村松
8、9・柴原
9、1・斉藤(和)


光陵リトル

1、9・橡浦
2、6・赤松
3、2・土生
4、3・山下
5、8・瑞原(ユキ)
6、5・白井
7、4・青野
8、7・赤星
9、1・野村(ラリナ)

控え 緒方 黒田 青山
「…試合前に言っておくことがある。あそこを見ろ。」
「え…あ、さっきの!?」
「あいつら、まさか…」
「…以上だ。」

視線の先には、あの4人。
チームを出ていった、あの4人。

「おいおい、あいつら、こっち見てるぜ。」
「懐かしの面々もいるなあ。」

あえて午前に巨神の試合がある事は伏せておき、偵察もしなかった。
すべては、試合直前に士気を高めるために。

…そして、巨神のコールド勝ちを、隠しておくために。


「よーし、やるぜ!」
「おう!」

各々闘志を燃やして、各守備位置に散っていく。
4人の事を直接は知らない、ユキも、赤松も、緒方も、

(勝たなきゃ、みんなのためにも…)
「よーし、やるぞー…」
(…。)

「さーて、あのおっぱいちゃん、どんな球投げるのかなー?」
「二岡、あんまり期待すんなって、どーせ大したことないってば。」

…そして、理奈も。

(…翔、あたしは…)

一心同体に、なりたい。
翔がどれだけ辛い思いをしたか、知っているから。悔しさ、辛さを、共有したい。

…だから、まずは目の前の敵を倒す。
少しでも翔に近づくために、一心同体に、なるために。


「プレイボール!」

(来い、理奈!)
(うんっ!)

理奈の、直球、一閃。
『月曜日発刊 週刊MAX』

光陵リトル、野村理奈ちゃん、完全試合達成!〜女子初の快挙・華麗に舞い降りたノーヒッター〜


「すげえよな、これ!」
「ありがと、雅人くん。」

赤松と2人で、今朝の朝刊に挟まっていた地元のスポーツ情報誌を見ている。
地元のプロアマのスポーツ情報が載っており、小学生のスポーツなんかも小さく載っている。

その小学生スポーツ用である3面の、半分を理奈の記事が独占している。


『6日に行われた硬式野球県予選(小学生の部)2回戦第2試合で、
 光陵リトル・野村理奈さん(小5)が、去年ベスト4の南海リトルを相手に完全試合を達成した。』

「みんなにも見せてあげたいけど…」
「ダメだよ、東小とつるんでるってのが、ばれちゃうから。」
「ちぇっ。」

ここは校舎の屋上。
2人で仲良く、理奈の記事を見ている。

『野村さんはこの試合まで登板記録がなく、初登板初先発完全試合という離れ業を達成。
 今後の活躍が注目される選手。

 野村さんのコメント・とてもうれしいです。次の試合もチームが勝てるように頑張ります。
 南海リトル、王監督・彼女の速球には脱帽しました。今日は成す術もない、完敗です。』

「えへへ、なんか恥ずかしいや。」
「でも、明日の新聞に乗るって聞いて、父さんに頼んでもらってきたかいがあったよ。」
『コラム・少女が思い出させてくれた少年野球

 最近の小学生は、知識ばかり豊富で、理屈だけで、頭だけで野球をやっているように見える。
 その証拠に、変化球に頼ったピッチングが目立つ。妙にフォームがぎくしゃくしている。
 体を動かさず、故に身体能力に自信を持ててない、という事の裏付けである。
 まだ小学生なのだから、勝ち負けとか技術的な事は気にせず、とにかく体を動かせばいいと思うのだが、
 僕の考え方の方が時代遅れなのか、と思いかけていた。

 それを彼女…野村理奈ちゃんが、僕のぐらついた情けない根性をたたき直してくれた。
 ただひたすら直球を磨き、ただひたすら直球を信じ、ただひたすら直球で押しまくる。
 小細工など一切なし、完璧な真っ向勝負。

 僕の掲げる少年野球の理想像が正しいと、証明してくれるようなピッチングだった。
 彼女には失礼だが、女の子が証明してくれたのだ。
 やっぱり、少年野球は、がむしゃらという言葉が一番似合っている。

 さあ、次の光陵の相手は、去年の県大会の覇者、全国ベスト4の巨神リトル。
 『最強打線vsノーヒッター』、こんな見出しを考えるだけで、わくわくする。』


思わず立ち上がった。
そして、景色がよく見える柵のそばに駆け寄る。

「ラリナ?」
「雅人くん、キャッチボールしよっ!」

理奈もとっても、わくわくしていた。
340暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/22(木) 21:31:30 ID:jAQhpD51
投下完了

久美の設定を一部勝手に決めてしまいましたが、
変化球重視と言う事でくせ球がぴったりと考えました。
341名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 23:30:11 ID:fKw2PbG0
投下乙。初代スレで、巨乳スレオールスター少年野球て話題が出てたの思い出した。
342名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 01:25:20 ID:IGo4N9fF
保守
343名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 22:12:38 ID:Hc+5mB//
千秋シリーズいつまでもお待ちします。
344名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 22:18:09 ID:xtnbvTKi
上に同じ…だが、千秋⇔千晶っう表記の違いはアナザーを表してるのか?
345名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 22:37:28 ID:WyKimaNU
おれ ぱいずり みたい ろりすき
346名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 22:50:25 ID:Hc+5mB//
>>344
すまん素で間違えた。

>>345
パイズリみんな出来そうだもんね大きさ的に
それと現在純粋にバストサイズトップ5だったらこれくらいかな?
今はっきりとバストサイズが出ている順では

1位 野村理奈(101)
2位 ハウメア(96)
3位 石引優子(94)
4位 神楽坂沙織(91)
5位 作倉歩美(90)

大人以上におっぱい大きい
347暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/01/27(火) 21:03:09 ID:JrgccGzp
>>344
他にも結構間違える人はいるからなあ…
ていうか、しばらく書き手の人が誰も来てない気がする。
まあ、今は大学受験、大学のテストの時期だからなあ。

>>346
こうしてみると、ちょっとやりすぎたよな;
ただ、スポーツ選手という事で
胸だけでなく体本体も多少がっちりしてるから、
…まあ、いくら大きくてもいいじゃん、そういう趣旨の掲示板だし。
348名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 23:52:42 ID:PlSbQR1l
>>346
大人のおっぱいが、「なだらかな平野」、すなわち貧しいだけじゃないか?
349名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 22:00:10 ID:q3rWTR1U
>>348
藤原先生か
そういや成人女性ってほとんど出てない

別に良いけど
350名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 23:07:27 ID:QU9DDPvP
>>347
>…まあ、いくら大きくてもいいじゃん、そういう趣旨の掲示板だし。

オリジナル作品だし本来その通りだとも思いますが、
人の既存の作品にリンクさせる形で書いた作品で原作で高スペック設定のキャラをはるかに凌駕するスペックのキャラを出すのは
やりすぎではないかと思います。暴走ボートさんに限ったことではないのですが。
U-1SS的で原作の方が書きづらくならないかと少し心配になりました。
351名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 15:35:36 ID:KevgF7T6
文章で細かく数値決めたって上手く活かすのは困難だし男も女も小学生なんだからスゲーデカいとか超デカいとか適当でいいじゃん
352名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 17:14:59 ID:kpZAl1rK
でも数値の需要って結構あるよなw
353名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 20:45:52 ID:o+aEfZQJ
まあ、書き手さんもあえて貧乳設定のキャラ出しにくいだろうし……高学年女子で巨乳設定じゃないのは東小の脇役ぐらいか?

354名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 00:37:06 ID:vW4JtVuj
数字とカップの需要はありますよw
355名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 02:12:32 ID:zJV+oKwA
ちょっと疑問なんだけど著作権作品のエロパロってありなんかい?
マンガでもゲームでも誰かのサイトのオリキャラとかの。
356名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 18:27:38 ID:oj72H/dE
>>355
スレの趣旨に添っていて、パロ元の明記があれば良いんじゃないですかね。
357名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 19:38:58 ID:05OjHzXJ
>>346
しかもよく考えたら小学生だからアンダーだって大分小さいだろうからなぁ・・・
アンダー60cm以下だと考えると相当大きくなるぞ
358名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 20:37:26 ID:Cnu/UO0Z
>>318
自分ならこんな感じにする。↓

4年生になったこの春、初めてのブラを買った。
最近サイズが合わなくなり、2回目の買い替えをした。
肩幅や股下は大人にもひけを取らないが
身長が伸びないのが悩み。
小さい頃から水泳や体操をやっていて体は丈夫。

>>357
逆にスポーツやってる子やふっくら系の子なら
アンダーが70とか75とかあったとしても不思議じゃないけどね。
ポチャ系やガッチリ系の子なら尚更。

359名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 21:05:51 ID:Cnu/UO0Z
失礼、先程の書き込みの前半は>>317へのレスです。
360名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 22:13:06 ID:OpfTH/JH
361名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 22:17:34 ID:OpfTH/JH
>>356
巨乳小学生が出てたら大概おkってことですな。
362名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 22:32:34 ID:nMlDuuZX
オリジナル小説はだめですか?
363名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 22:44:04 ID:OpfTH/JH
364名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 12:42:22 ID:exH5OYp2
※業務連絡※
>>SDSさん
以前『夕立バージョンSDS』に名前だけ登場した、
西小五年生のバンこと板東宗介くんに関して、
何か設定等ありましたら教えていただけないでしょうか?
決闘少女空間4で出来ればお借りしたいのですが。
365 ◆selJPZyjjY :2009/02/01(日) 12:42:48 ID:exH5OYp2
鳥出し忘れました……
366SDS ◆cStOEcFYHc :2009/02/01(日) 16:48:06 ID:4Hr82F2f
※業務連絡※

とりあえず設定しましたが、細部は御都合にあわせご自由に。


坂東宗介 西小五年二組
西小五年生の悪ガキのひとり。色々と騒がしい五年生のなか、谷川、八坂体制の忠実な一員。
千晶への憧憬はその腕っぷしに対してか淡い恋心なのかは謎。背伸び真っ盛りの年頃で、六年生を追い回すあまり、同級生を見下す傾向あり。
『かつての明』といった少年らしい風貌で、身長144cm

その他、拙作の西小キャラ、設定等は全て、selJPZyjjY様の裁量で動かして頂れば結構です。

『決闘少女空間』首を長くして待っております!!
367暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/02/01(日) 18:53:11 ID:Hfidrb55
>>365
>>366
生きてなさって一安心。
ずっと書いていないとさみしいものがあります;
※ここから業務連絡※
あと、
>>350
に書いてあることは実際のところどうなんでしょうか?

お二人の小説、気長に待っています。

368SDS ◆GudqKUm.ok :2009/02/01(日) 21:55:20 ID:4Hr82F2f
※業務連絡※

生きてますよw
でも私はバストサイズの件では描写不足なダメ書き手なのでコメント出来る立場じゃないですね…
ま、GBH名義が私なりのインフレ回避の新機軸でして、今後も切磋琢磨していこうと思います。
…どなたか、拙作キャラのサイズ設定集、作ってくれないかな…

369暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/02/02(月) 01:02:14 ID:MJX888Gn
>GBH名義が私なりのインフレ回避の新機軸
知らなかった俺涙目;
思えば、俺はインフレ度外視の行動してるよな…

>…どなたか、拙作キャラのサイズ設定集、作ってくれないかな…
作りましょうか?こういうの大好きです。
設定を作ってほしいキャラを全員挙げてくれさえすればやりますよ。

身体的特徴とサイズだけでいいですよね?
370名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 10:10:21 ID:o0+/9vIf
>>369
それじゃ近々投下予定のSSから、末尾に人物紹介付けますので、ボディサイズ補記頂けたら嬉しいです。宜しくお願いします。

西小女子はselJPZyjjY様の判断、東に関してはまだ煮詰まってない奴が多いので、主にGBH名義の新キャラ中心になると思います…
371名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 10:12:31 ID:o0+/9vIf
すいません!
上げちゃった…
372名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/02(月) 10:23:06 ID:QBmG4x12
※保守ついでに業務連絡※

私も何とか生存してます。
それと本編は色々と書く暇がなくて昨日何とかでだしを少し書いた程度です。

暴走ボート ◆z95s/qs7OM さん
優子&久美を使っていただきありがとうございます。
監督に関してもこれから出しますよ。

実は今後剛速球使いのラスボスを出す予定だったので、物凄く有り難かったです。
後は一つだけ…久美は沙織をまず呼び捨てで呼びません。呼ぶとしたら沙織お姉さま・お姉さまのみとなってます
色々間違った事を書いた私が言うなって感じですけど、どうしてもそこだけ気になったので…すいません(涙)

SDS ◆GudqKUm.ok さんに
わたしもGBHさんと同一人物とは全く気がつきませんでした。
それと以前使用を承諾してくれたので本格的に鷲沢嬢を使わせてもらいますね。
鷲沢奈津嬢のサイズはこちらも考えていたので、次で落としておきます。
私の拙作 とにかくキャッチ!第三話 戦乙女たちのプライドに登場する女監督と鷲沢嬢です。
ちょっとネタバレも

小倉伊織(おぐら・いおり)
162cm 53kg 24歳
81(B) 59 85

リリアムの監督業を務めている。
元はリリアムのキャッチャーを務めていたこともあるが、打撃よりも守備あるいは頭脳戦を得意としていた。

ただ素は子供っぽくいい加減なところのある人物で結構沙織や奈津の方が頼りになるとまで言われることもあるが
相談事など大人として親身になってくれるので、前述の欠点をひっくるめてチームメンバー全員から愛されている。

光陵の中井監督とは先輩後輩の間柄で、そのつてで練習試合をたまにしたりする。
リリアム所属の為女性から女の子の味などもよく知っているが、実は中井監督の才能に惹かれるものをかんじ色々空回りながらアプローチをしている模様。
また今でこそスレンダーだが選手時代は優子のように良く胸に球を浴び腫れと成長で爆乳といえる胸の大きさだった。

おまけ
小倉伊織(おぐら・いおり)選手時代
154cm 62kg 
98(I) 61 85

鷲沢奈津(わしざわ・なつ)
165cm 56kg
86(E) 55 84

リスキー・ゲーム5からの出演 付属小6年A組 ポジションはショート
リリアム副キャプテンで付属小ソフトボール部のキャプテンを務めている。愛称はナッちん(ただし付属小ローカルのみで基本的に鷲沢副キャプテン)
選手としてトータルバランス全てに秀でており周囲の人望も篤い。
その為当時のリリアムでも沙織か奈津のどちらをキャプテンにするか議論が割れたが打撃勝負で何とか沙織が勝ち
副キャプテンに収まった(最もかなりの僅差でお互いギリギリの勝負だった)また付属小のキャプテンをしている影響で自主連はオーバーワークになるためあえてしない。

「リスキー・ゲーム5より一部省略」
スパイキーに逆立ったショートカットに日焼けした浅黒い肌に見合った強靭でしなやかな四肢。
意外に白く豊かな乳房が覗いている。

精悍でワイルドな美貌を備え、生半可な男子より腕力も勝る奈津は附属小の女子児童に人気が高く、事実、校内には何人かの『彼女』もいる。
言い寄ってくるまま彼女たちを受け入れてきた奈津は、今まで自分の性癖にさしたる疑問を抱いたことは無かったが、
この日、奈津を襲った感情、野村理奈という名の可憐なエースに抱いた想いは、紛れもなく激しい『恋』そのものだった。


男役という意味で付属小やリリアムでも女の子にモテ、そういった意味でも沙織と二分するほど
また付属小の試合に来た野村理奈(ラリナ)の投球を見て、一目で彼女に恋におち
ついラリナのブラジャーを盗んでしまう。

普段は言動こそ乱暴だが同級生・後輩とも沙織とは別ベクトルで公平に振る舞う、しかし前述のとおり理奈に対して固執しているところもあり
理奈をリリアムに引き抜きたいと思っていたが、優子との勝負で自分の非を認め、完全に優子と久美のバッテリーを認める。
最も選手として誇りを持ってプレイしており、自分を高める為。優子や沙織に対しても自分は引けを取るまいと改めてライバル心を燃やす様になる。

ひとまず投下します
374暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/02/02(月) 11:17:13 ID:te1mP2nr
>>370
名前が不明になってるけど…
たぶんSDSさん、と言う事でいいんだろう;

>久美は沙織をまず呼び捨てで呼びません。呼ぶとしたら沙織お姉さま・お姉さまのみとなってます
うぐ、気をつけていたはずだけど、確かに2か所…
そうだ、間違って書いたセリフはすべて土生に対して言った言葉。
おねえさまと呼んでいることを男子には知られたくなかったから…

…見苦しいですね、すみません(

果たして久美のストレートがツーシームと言う設定はやってよかったんだろうか…
今さらと言われそうな気はしますが;
とりあえずこっちも書きすすめて参ります。
375名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 20:41:22 ID:CrC+SOpx
>>355
マンガゲームはわかるがどっかのサイトのオリキャラとかピンポイントにもほどがあるだろw
376名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:54:40 ID:7pi6GaSy
>>375
書いた後に邪悪小学生しか存在しないと気づいた ないよね?
377名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/02(月) 23:55:32 ID:QBmG4x12
暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんから返信が来ていましたのでご返信。

>>374 
いえいえ凄く久美のくせ球ツーシーム設定は本当にありがたかったです
野球とかソフトボールは全然知らないのでそういう設定を付けて下さるのは本当助かります。
それだったら理奈とは別の意味合いで久美の捕球が困難っていう裏ずけしやすくなりますしね。

ここの書き手の皆様頑張ってください。
私も出来る限り頑張ります。以上落ちです。
378GBH ◆GudqKUm.ok :2009/02/03(火) 22:17:32 ID:t+q6Gr9V
投下開始
379『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:18:37 ID:t+q6Gr9V
人間は決して立ち入ることが出来ない不思議な極北の次元。
そこには宇宙の均衡を保ち、脆弱な世界を支える為、『生命』を超越したものだけが住む氷の城がある。

今、彼らの基準ではまだ幼いひとりの半神が、この凍てついた城の荘厳な長い回廊を風のように駆けてゆく。
彼女の名はハウメア。まだ自らの名前を持つ、最も年若い北の精霊の一人だ。

(姉様!!)

回廊に響く彼女の元気よく弾んだ思念に応えて疾風が渦巻き、ハウメアが最も慕う姉である、『北風』がその姿を現した。
長い髪と瞳は深く清澄な湖の青。いささか冷たく落ち着いた美貌は『北風』という名にふさわしい。

(姉様!! お久しゅうございます!! 末妹のハウメアがご挨拶申し上げます…)

ハウメアは上位の精霊に対する礼を欠くことなく優美に姉に対し挨拶を送る。
『氷の城』を離れていることが多いこの眉目秀麗なハウメアの姉は、人間の時間で十年位前、幼くして北の精霊のなかでも厳しい務めとされる『北風』の任に就き、古い名を捨てて久しい。

(…ハウメア、元気にしていた? まだ『授業』じゃなかったの?)

姉の言葉にハウメアはペロリと舌を出して笑う。

(だってぇ…)

380『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:20:26 ID:t+q6Gr9V
つい先日の聖夜、はじめてこの広大な城を出て、極東の島国へ祖父の代理として子供達に贈り物を届けた武勇伝を早くこの姉に話したくて、今日は幾つかの修練を怠って学舎を飛び出して来たのだ。

(…なんて悪い子でしょう…)

『北風』は妹を優しく諫めながら抱き寄せ、彼女が伝えたくてウズウズしている冒険談に意識を傾ける。

(さ…お見せなさい…)

視覚、触覚、嗅覚、そして思惟や感情までも瞬時に共有出来る彼女たちにはごく当たり前の力を使って『北風』はハウメアの聖夜の記憶を生きる。もう、眼下はイルミネーション瞬く街だ…

…子供達の安らかな寝顔。暖かく輝くクリスマスツリー。幸せを包んだ静かな闇。
…小さな恋、友情、未来への憧れと…少しの哀しみ。そんな全てが詰まった遠い国の夜…

『北風』がその冷たく整った顔に思わず優しい微笑みを浮かべたとき、だしぬけに、久しく味わっていない強烈な性感が彼女の全身を貫いた。

「あああっ!?」

端正な『北風』の眉が下がる。思わず漏らした呻きと共に、ガクガクと膝が震えた。
ハウメアの記憶を通じ、美しい東洋の少女の濃厚な愛撫が『北風』の全身にくまなく淫靡な刺激を与えてゆく…


381『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:22:51 ID:t+q6Gr9V
「ハ、ハウメア!!」

妹の記憶に潜んでいたこの『ビックリ箱』に、『北風』は思わず本来の短気な性格を露呈して叫んだ。
ハウメアはあの夜、最後の訪問先で堪能した淫らな愉悦の記憶を用いて、たちの悪いいたずらを姉に仕掛けたのだ。

(うふふっ。姉様へのプレゼント。気持ち…よかったでしょ?)

(なんてはしたない…)

ハウメアは、相変わらず冗談の通じない姉の手を逃れ、ひらりと浮遊しながら陽気な笑い声を上げる。
この生真面目な姉は、たちまち吹雪を纏い、怒りの形相で彼女を『氷の城』中追い回す筈…だった。

「…奇遇ね、ハウメア。私はこの国、この街で、真の『北風』になったの。…お祖父様のお計らいなのかしら?」

一向に怒りの色を見せず、懐かしそうに自分を見上げて話す『北風』にいささか拍子抜けして、ハウメアはゆっくりと姉のもとへ舞い降りる。


382『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:24:20 ID:t+q6Gr9V
「えっ!? 姉様もあの街へ?」

「…そう。ちょうど今のあなた位の頃だった。『六階梯』の終わり頃、私が『北風』になった街…」

『北風』は水晶の床に降り立ったハウメアを再びその腕に抱き寄せ、懐かしい記憶の蓋を開く。


…今、ハウメアと共に過去へ飛び立ったのは、青い髪を短く揃えた、冷たく勝ち気そうなかつての幼い『北風』だった…


383『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:25:36 ID:t+q6Gr9V
(…吼えよ我が同胞、雪の狼よ。吹雪を纏い、霜で全てを覆え…)

『北風』は上機嫌で凍てつく疾風と化し、極東の島国の冬空を翔ける。
『小六階梯』を優秀な成績でほぼ終了し、『北風』の名を最年少で勝ちとった彼女は、順調に『冬』をもたらしつつ、遥かな北の故郷から、この街にやってきたのだ。

(…全て日程通り。お祖父様は、私を過小評価し過ぎておられる…)

彼女の独り立ちに終始反対を続けたのは、他ならぬ北方の大神、彼女の祖父たる大サンタクロースその人だけだった。
しかし傲慢、性急、冷徹という祖父が戒める欠点は全て、彼女には『北風』に必要な優れた資質としか思えない。
オドオドと緩慢に、周囲に気を遣いつつやってくる冬などあるだろうか? そんなものは怠惰な南風の仕事だ…

(…舞えよ我が同胞、雪の梟よ。霧を纏い、霙で全てを覆え…)

人には見せぬ満足の笑みをかすかに浮かべ、『北風』は気まぐれに低空を縫って飛ぶ。未曽有の寒波に震えあがる非力な人間たちを見る為に。

(…!?)

堅く門を閉ざし、屋内で風の音に怯える人々の気配に満足していた彼女は突然、微弱な、しかし切実な意識の波動を感じて不快げに眉を曇らせた。

384『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:27:32 ID:t+q6Gr9V
(…どこ?)

彼女の鋭敏な知覚はすぐ微弱な思念の発信源を察知する。小さな公園の一角、円筒形の遊具のなかだ。

紛れもない、死にゆく者の発する諦めの意識。まだ若い人間のものだ。彼女は舌打ちしつつ、その公園に舞い降りる。

(…今日みたいな日は一人や二人逝かせても、全く問題ないんだけど…)

すでにこの旅で、彼女は何人かの無謀な雪山登山者を黄泉の国へ送っていた。
彼女の知る人間とは、その低い知能と幾多の奇妙な習性のせいで絶えず厄介を起こす、たかだか零下の気温に耐えきれず死ぬか弱い愚かな生物だ。
そんな生き物が何匹死んでも、冬とはそういうもの。彼女には何の感慨もない。しかし…

(…お祖父様がうるさいわ。もうお年だから、そんなことが気になるのね…)

祖父の叱責が怖い訳ではない。しかし自らの評価を下げてまで、わざわざ無意味に命を奪うのも愚かなことだ。

(…全く、こんな温暖で豊かな土地にいて、凍死寸前なんて…)

『北風』は不機嫌に眉を吊り上げ、公園の遊具へ舞い降りた…



385『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:31:03 ID:t+q6Gr9V
…もう寒さは感じない。冷たい鉄の円筒の中、仰向けに横たわり震える少年は、たまらない睡魔のなかではじめて迫り来る『死』を実感した。

(…父ちゃん、母ちゃん、ごめんよ。でも、俺さえいなくなりゃ…)

彼は朦朧とした意識のなか、秋の終わりに弱々しい産声を上げ、いまだ生死の境をさ迷っている彼の末弟、大人の掌にすっぽり収まる小さな赤ん坊を懸命に案ずる。

(…俺が母ちゃんに迷惑かけてばっかりだったから… 『貰いっ子』の俺が…)

ちょうど母親のお腹が目立ち始めた頃、知ってしまった驚愕の事実。
自分が養護施設からの養子であったという衝撃は彼を変えてしまった。
クラスでは人望あるリーダーであり、他校にもその名を轟かせていた少年は次第に、その自暴自棄な振る舞いと暴力で周囲に恐れられる存在となり、そして今日、最後まで彼の傍らにいた幼なじみの少女までが、辛そうに彼に別れを告げた。

『…ごめんね。私、もう、健一が怖い…』

寒々と彼を蝕む孤独。虚ろな目で辿りついた、家族の待つ病院でもまた、絶望的な現実が彼を待ち受けていた。


386『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:32:55 ID:t+q6Gr9V
『…母体は山を越しました。でも、新生児は…』

分娩後、未だ起き上がれぬ母。いや、血の繋がらぬ彼を分け隔てなく育てた恩人。

(…俺が朝礼で暴れたときも、母ちゃん薄着のままで謝りにきた…)

身重の母親とお腹の弟にかけ続けた大きな負担を思うと、やはり自分は死ぬしかない、と少年は思う。
母の乳すら吸う力のない彼の哀れな末弟を、今夜死神は無情にも連れ去るのだ。

(…厄介者の俺が、父ちゃんと母ちゃんの子供を殺すんだ…)

暗く寒い病院の待合室で、憔悴つつも息子たちに笑顔を見せる父と、不安のなかいつしか眠り込んだまだ幼い弟たち。
いたたまれなくなって彼は逃げた。雪のちらつく暗い夜道をひたすら駆けて。
しかし自責の激しい痛みはどこまでも彼に追い縋り、今、死に場所と定めた公園の冷たい遊具の中でも、彼を離そうとしなかった。



「…あなたに過失はない。死ぬ必要なんかないのよ。」

不意に響いた冷たい声にぼんやりと瞼を開いた少年は焦点の定まらぬ眼で、いつの間にか傍らに座り込んだ一人の少女を見上げた。
青みがかった短い髪と少年めいた顔立ち。闇に妖しく光る双眸が、この来訪者が人外のものだと少年に告げる。

387『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:34:59 ID:t+q6Gr9V
(…死神か)(…綺麗なんだな…)

自分の姿を見てもさして驚いた様子を見せない少年に『北風』は再びそっ気なく告げた。

「…あなたが死んでも赤ちゃんの生死には関係ないの。だから、生きなさい。」

しかしすでに心身ともに疲労困憊し、思考力を失いつつある少年は、興味無さげに目を閉じ答える。

「…ほっといて…くれ。」

人間のくせに心を読まれていることにすら全く動揺を見せぬ彼の答えに、『北風』は苛立ったが、いやしくも神族たるもの、懸命に北風としての威厳を守りつつ彼への説得を続けた。
とりあえず今夜、ここから追い払えればいい…

「…私なら、赤ちゃんを助けられるかもしれないわよ?頼んでみれば?」

返事はない。冷えきった金属の床は彼の体温を着実に奪い、彼の思考もまた、吸い込まれるように虚無に堕ちてゆく。

(…もう、どうでもいい…)


『北風』は静かに舌打ちした。非論理的な彼の言動は、恐らく意識の混濁によるものに違いない。
人間の心と体の脆さに呆れながら、少年をすっぽりと覆う、かたくなな絶望のマントを取り上げる方策を『北風』は冷静に思案する。


388『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:36:43 ID:t+q6Gr9V
(…『北風と太陽』、ね…)

祖父から聞かされたとき、鼻で笑い飛ばした下らない人間の説話だ。しかし、試してみる価値はあるだろう。彼の体温が下がりきってしまう前に。
それに、死と苦痛をあれほど恐れる人間が、他の個体の為に自ら死にたがる理由にも、少し気紛れな興味があった。

『北風』は一瞬にして自らの体に人と同じ温もりと潤いを与える。低温と乾燥を好む彼女には少し不快だが仕方がない。

『物語を額面通りにしか解釈できない。』

これも祖父の彼女への苦言だ。『北風』は苦笑いしながら豊かな胸に少年を抱きしめる。いつも怯えた雪狼を宥めるときのように。
冷え切り強張った少年の四肢に少しづつ熱が伝わると、彼の微弱な思考が『北風』の意識の中に、これまでにない鮮明さで伝わってきた。

(…あったかい、おっぱい…)(母ちゃん?)(由希?)(違う…)(…死神だ…)

少年の勘違いに『北風』はまた失笑する。しかし彼と体温を分かち合う今、なぜか先刻の苛立ちは嘘のように消えていた。
389『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:39:33 ID:t+q6Gr9V
(…死神は言った)(『助けられるかも』)(でも)(俺はまた逃げた)(眠い…)

初めて触れる人間の魂は未熟で、矛盾に満ちていた。しかし葛藤のなかで自らを厳しく省みるその魂に、『北風』の表情がゆっくりと変わる。

僅か百年足らずの人生を無謀に駆け抜ける単純な生物、動物と大差ないと思っていた人間の心はいま、『北風』の温もりのなかで不屈の輝きを持って躍動を始めていた。


(…由希に見捨てられたくらいで)(ごめんよ)(由希)(たとえ夢でも)(幻でも)(俺は弟を助けるチャンスから)(自分だけ死んで逃げようとした…)

瞬きに等しい寿命しか持たぬ肉体に宿る、溢れるような他者への慈しみ。
『北風』の心に、彼女がこれまで知ろうともしなかった人というものの心が、少年の鼓動と共に波のように押し寄せる。
それは、信じられない事に、幾千年を生きる彼女たち神族と何ら変わらぬ正しき魂だった。

(…私は、何を学んできた?…)

複雑な召還式より、次元構造の理解よりも、もっともっと大事なもの。

…雪山で力尽きた遭難者たちは最期の瞬間、一体何と叫んでいたのか?
彼女の耳にはその声は断末魔の獣の悲鳴としか聴こえなかった。

390『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:42:50 ID:t+q6Gr9V
(…違う。聴こうともしなかった。ただ『記録』と『日程』のために…)

『北風』は取り返しのつかぬ悔悟に青ざめる。人間は自分たちの弟妹、いつか宇宙の秩序を共に背負う同じ形の魂だと、ようやく気づいて。


(…まだ終わっちゃいない)(諦めちゃだめだ)(最後まで足掻いてみよう)(俺は)(俺は)(泣く子も黙る…)

『北風』の裂けそうに痛む胸の下で、少年は名付けられたばかりの弟の名を叫ぶ。『ただ健やかであれ』という両親の願いを、そして、血縁を超えた絆の文字を込めた名前を。

「…死神、聞いてるか!!弟を…健太を助けてくれ!! 代わりに俺が…」


譫言のように叫ぶ少年を『北風』は強く強く抱きしめる。『北風』と少年、未熟な二人が過ちを乗り越え、新たな道のりを歩き始める為に。
今、祖父の言葉に少年の熱い血潮が通い、『北風』を満たしてゆく。

…北風とは無慈悲な災禍の疾風に非ず。厚い雪の下でもじっと春を待つ木の芽を見守り慈しむ、厳しく優しい冬の運び手たれ…

「…駄目だよ。どちらも、私が死なせない。」

やがて決然と顔を上げた『北風』は、輝く青い瞳を虚空に向けて呼びかけた。

391『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:44:48 ID:t+q6Gr9V
(…深國の姫神、豊かなる胸持つ豊穣の女神よ。『北風』が畏み畏み申し上げます…)

彼女には人の死を食い止める力はない。しかし確実にその力を持つ強大な存在がこの地に鎮座することは知っていた。
『北風』の呼びかけに少し遅れ、虚空から返る強大な思念。この地を統べる女神、『深國姫』の声が厳かに応える。

(…何用か? 吹雪の姫よ?)

(…はい、畏くも女神におかれては、今夜、御身の統べるこの街で、赤子が一人、母の乳も吸えぬまま哀れに息絶えんとしておるのをご存知でしょうか?)

(…はて、赤子が死ぬるとな?)

『北風』は恭しく頭を下げて続ける。

(…不憫な赤子の親兄弟は悲嘆に暮れております。何卒御身のお力をもって…)

しかし『北風』の嘆願は不機嫌に遮られた。身震いするような静かな怒りの波動が『北風』を包み込む。

(…木枯らしの小娘よ、この深國はそなたの下僕かの? 北の風神どもはいつからかような事にまで采配を振るようになったのか?)

厳しい叱責は当然だ。自分がこのような無謀な行為に出るなど、つい先ほどまでの『北風』には考えられないことだった。
392『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:50:40 ID:t+q6Gr9V
(…無礼は承知です。されどこの小さき北風の願い、何卒お聞き届けの程…)

『北風』はその誇り高い頭をさらに深々と垂れる。
少年は小さな命を『北風』に賭けたのだ。たとえこの女神の逆鱗に触れ、魂ごと灰にされようと彼の願いに応えなければ、自分は荒れ野に吹く虚ろな一陣の風に過ぎない、と彼女は思う。

(…くどい。騒がしい雪狼共を連れて、早々にこの地を去るがよい。ここまでの無礼は、大目にみてやろう程に…)

しかし『北風』は去り行く深國姫の意識に追い縋り、粉雪が舞う静けさに、氷柱の鋭さを秘めた声を恐れることなく送った。

(…重ねてお願い申し上げます!! 御身は育む神!! 命を慈しむ神!!)


夜の大気に恐るべき女神の力が雷撃のように充満し、『北風』は消滅を覚悟して歯を食いしばる。

(…お祖父様…)

耐えきれぬ長い沈黙に、『北風』が堅く閉じた瞳をおずおずと開いたとき、先刻までの猛々しさが嘘のように穏やかな深國姫の思念が優しく彼女を包んだ。

(…まだ幼き北風よ、『ハウメア』の名は、妹御に譲ったのか?)

悪戯っぽい響きに、『北風』は当惑しつつ答える。

「…御意、幼い妹が次なるハウメアでございます。」

393『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:52:25 ID:t+q6Gr9V
(左様か。…その名に免じて、微力ながら力を貸すとしよう…)

安堵の吐息と共に、『北風』の端正な顔に素直な笑みと涙がこぼれる。

「…感謝、致します… 恵み深き深國の姫神よ。…御身におかれては、私と妹を御存じなのでしょうか?」

(…いかにも。『ハウメア』とは古くは我が姉妹の名。はるか南国の、我と同じ産み育てる女神の名…)

『北風』の心に届く深國姫の慈愛に満ちた思念は、微かな悲しみを帯びる。

(…星となった我が姉の大切な名じゃ。その名を持ったそなたのことはよく知っておる。今日までの見事な成績も、な…)

おそらく少年との一部始終をじっと見守っていたに違いない深國姫に、改めて『北風』は深々と頭を下げた。

(ゆめゆめ忘れぬよう…我々もまた、無限の梯子を登るあどけない赤子に過ぎぬ事を…)

冬の星座の下、遠のいてゆく女神の思念に深い感謝を贈り、『北風』は少年を抱き起こした。
しっかりした寝息と確かな鼓動を確認し、『北風』はこの新たな兄弟に別れを告げる。

「…ほら…迎えがきたよ。みんなの所へお帰り…」

394『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 22:58:19 ID:t+q6Gr9V
凍てつく闇のなか、まるで導かれるように公園へ駆け込んで来た少女に見つからぬよう、『北風』は霧に姿を変え、狼笛を短く吹いて少年の場所を彼女に教える。
片時も少年の心から離れなかった『由希』が、泣き笑いを浮かべて少年をぎゅっと抱きしめたのを見届けてから、『北風』はこの公園から静かに飛び立った。


「…待たれよ。北風どの。」

次なる地へ飛翔を始める為、瞬く冬の星座に向け舞い上がった『北風』は、背後で響いた澄んだ声に振り返った。
そこには古風に束ねた黒髪を両肩に垂らしたたおやかな少女が、柔和な笑みを浮かべて『北風』を見つめている。

「…深國…さま?」

先ほどの圧倒的な力の気配は微塵もなかった。


「いかにも。…実は年末年始は色々と忙しゅうての…膝元の赤子のことまでつい、気が回らなんだ。許されよ…」

ふわりと『北風』に寄り添った小さく愛らしい深國姫は、その不釣り合いに豊かな胸を『北風』の体に密着させ、『北風』は少年めいた顔を少し赤らめる。

「…しからば詫びのしるしに、今宵はこの深國の社で休むがよい。さ、来るのじゃ。」

「お、お戯れを…」

慌てて辞退しようとする『北風』の懐に深國姫の小さな手がするりと滑り込み、同時に熱い唇が耳元で囁く。


395『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 23:00:56 ID:t+q6Gr9V
「…来るのじゃ。 姫はの、ずっとずっと前から、碧眼の凛々しい女子に大層興味があったのじゃ♪」



「…姉…さまぁ…も、もう駄目ぇ…」

膝の上で悶えるハウメアの喘ぎ声で我に返った『北風』は、懸命に姉の記憶から逃れようともがく妹の心と体を、改めてがっちりと組伏せて微笑む。

「…人の話は最後まで聴くものですよ。ハウメア。」

深國姫との一夜の記憶は未だ『北風』の体を疼かせる。
あの夜、まだ未成熟だった彼女の体を、無垢な少女の姿とはうらはらに果てしなく好色な深國姫は夜明けまでたっぷりと責め苛み、『北風』は人間の天気予報を大幅に狂わせる羽目になった。

「あ、ひぃ…」

『北風』は深國姫の淫らな指先を、唇を丹念に回想し、悶え狂うハウメアの五感にくまなくその信じられぬ程の悦びを伝える。学校をさぼり、姉をからかったお仕置きだ。
ハウメアは純白の乳房をあのときの『北風』と同じようにビクビクと震わせ、逃れられぬ快楽の波に溺れる。

「ふぁぁぁぁぁ!!」

厳格だった『北風』ですら夢中で啜った深國姫の媚薬のような母乳の味まで鮮明に舌に感じながら、ハウメアは幾度となく絶頂に達し、氷の回廊に切ない声を響かせ続けた。

END

396『その名を継ぐもの』:2009/02/03(火) 23:02:23 ID:t+q6Gr9V
登場人物紹介

『北風』(先代ハウメア
)
冬をもたらす北の精霊。最年少で『北風』の称号を得た秀才。若さゆえの傲慢と未熟さをを初めての任務で自覚し、人間的(?)に成長を遂げる。

→『その名を継ぐもの』
関連→『メリークリスマス!』(名無しさんX氏)


深國姫
とある街に祀られる安産と授乳の神。
戦時中郊外の山中にあった元々の祠が空襲で焼失し、近年改めて市街中央部の神社に祠が祀られた。
『深國比売縁起』によるとかつてはその好色さで近隣の村に害を為し、危うく退治されそうになって改心したという。

→『その名を継ぐもの』 『ンディラのいた夏』 『おっぱいの神様』


健一(芝浦健一)
東小を牛耳る初代シバケン。物心つくまえに弟の健佑と共に芝浦家の養子となる。養父母の実子、正智、健太と四人兄弟。
→『その名を継ぐもの』

由希 (槙原由希)
健一の幼なじみの東小学校六年生

→『その名を継ぐもの』

397GBH ◆GudqKUm.ok :2009/02/03(火) 23:03:39 ID:t+q6Gr9V
投下終了です。
398『その名を継ぐもの』設定資料集:2009/02/04(水) 01:39:36 ID:HLpSdCSY
北風(先代ハウメア)
T169 B99(I) W59 H89
昔はやんちゃな、現在はおとなしい性格を映した外見となっている。
ただし、怒るとそのギャップが激しい…らしい。

深國姫
T125 B113(P) W49 H64
やたらとプライドが高い性格の通り、ふてぶてしい外見をしている。
安産授乳の神と言うだけあり、異常なまでに胸が大きい。
しかし流石は神、垂れたり伸びたりはせず、何の支えがなくとも球状を保っている。

健一(初代シバケン)
T148(当時)
グレてからも外見は変わっていないが、
あまりの変わりように周りの者は外見も変わったように錯覚している。

由希(幼馴染)
T146 B83(D) W56 H74
昔から活発だったシバケン一緒故か、そこそこおとなしめ、体も華奢な印象を受ける。
399暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/02/04(水) 01:42:32 ID:HLpSdCSY
おつかれです。
神様の力とは偉大なもの…なのかなあ(ぇ
神や仏は信じない性質だけど、こういう話を見てみると…

設定はこんな感じですかね?
また何かあればお気軽にどうぞ。
由希はちょっと決めつけすぎた感があるか…
シバケンが活発故に対照的になり、故に華奢な体…うーん。
400名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 20:31:19 ID:+tBvOlAX
>>376
詳しく
401名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/04(水) 22:11:54 ID:gxsClkta
GBH ◆GudqKUm.ok さん御礼を言うのが遅くなって申し訳ないです

まさかハウメアという名前が世襲で壮大な設定になったこと。
本編もこんなにもHでだけどシリアスな作品が生まれるとは夢にも思ってませんでした。
『その名を継ぐもの』本当に一読者としていい作品でしたよ。

それと暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんお疲れです。
深國姫と先代ハウメアこと北風、その設定資料とても魅力的ですよ。

ではこちらは落ちます
402名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 01:54:57 ID:q+4TQpkX
>>400
http://www1.odn.ne.jp/~aan44050/menuf.html
ロリ巨乳自体が少ないから巨乳小学生サイトはないねー 
SSはこのスレ以外存在するだろうか。
403名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 05:03:41 ID:nPIAyYEf
そもそもマンガアニメに巨乳小学生キャラがそういないからな
せいぜい膨らみかけ程度で
404名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 08:22:36 ID:KVHlrVs7
サルゲッチュのチャルはアニメ版だとエライ巨乳だった。
俺の中じゃロリ巨乳の代名詞になってる
405名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 22:54:23 ID:8y5+Y0Vk
保守
406名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 19:50:22 ID:eqx8jCjs
>>402
こんなマイナーなサイトにまで目を光らせてるとかすごいなお前ら
407名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 01:50:59 ID:PhLnuEUD
マイナーかな 一度ひっかかるとリンクでぽろぽろいけるし。
http://microdat.rdy.jp/tayun/home.html こっちのほうがズバリだろデフォルメ強いが
408名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 06:33:23 ID:rFGONzJC
>>407
閉鎖したと思ったらあったのか・・・
横からサンクス
409名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:49:48 ID:GyHB+sv7
絵サイトの方が見つけやすいのは当然か。SSサイト見あたんね。
410暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/02/15(日) 18:03:31 ID:GMhmpnEF
ここんとこ2週間投下されてないな…
みんなどこ行ったんだろ?

今夜中に投下しますかね…
411名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 18:10:21 ID:jPQ403+T
wktk
「よーい…ピッ!」

東小の体育の時間。5年2組の月曜日の4時間目は、みんなが大好き体育の時間。
5年2組の体育の時間は、いつも50m走から始まる。

今日は4年2組も加わっての合同授業。
もちろん、クラスの注目を集めるのは、この男。

「っしゃあっ!」

後ろの3人ははるか後方。
圧倒的な速さでフィニッシュ。

「5秒9!」
「さっすが橡浦!」

自己ベスト。
コンディションやスタートダッシュ、諸々がすべて完ぺきでなんとか出せるタイムとはいえ、
小学生でこのスピードは素晴らしい。
当然陸上の関係者ものどから手が出るほど欲しい逸材だが、野球一本、故に全ての誘いを断っている。

「あのチビの唯一の取り柄だもんな。」
「誰がチビだ?このデカブツが。」
「うお、いつの間に…」

遠くで悪態をついたつもりの山下の後ろに、突如現れる橡浦。
遠くにいたはずなのに、いつの間にかそばに現れる速さ。ハッキリ言って、勝負にならない。

「山下、勝負しようぜ!」
「えー?チビとやってくれよ…」

当然誰も橡浦と勝負したがらない。
標的は身長181cm、体重79kg、いかにも動きの鈍そうな山下が標的なのだが、

「6秒9!」

小学生で6秒台は普通に速い。
橡浦より1秒も遅いが、橡浦が異常なだけである。

「なーんで勝てないんだー!」
(そりゃ、一応スポーツやってるからなあ…ただデカイだけじゃねえし…)
「よーし、そろそろ終わりにするかー!
 最後にもう1本だけやるか。やりたい奴!」
「もちろん!」

真っ先に橡浦がスタートラインに立つ。
こうなると責任のなすりつけ合いが始まる。

「お前行けよ!」
「お前も!」
(まーたか…)

土生は校舎からそれを眺めている。
ちなみにこの少年、足は速いが走るのはさほど好きではない。

「まったく…」

そして駆り出された双子コンビ。いかにも気の抜けた嫌そうな顔。
そんな中、スタートラインに向かって土を蹴る音。

「ユキ?」
「よーし、4人そろったな。」

橡浦の隣に立ち、静かに構える。
野球の時こそ明るいものの、普段はおとなしく、人と接することも好まない。50m走も手抜き。

だけど。

「よーい…ピッ!」

全力の彼女の走りは、速い。
やる気のない双子コンビを、あっという間に突き放した。


歓声が上がる。
わずか6秒ほどの世界に、皆がとりこになる。

「6秒3!」
「おおおおおっ!」

橡浦にとってベストなタイムではないし、ユキにとっては限界ぎりぎり。
でも、そんなの関係ない。自分と肩を並べて走るヤツがいた、それが橡浦には嬉しかった。

「ナイスラン!」
「…うん!」

恥ずかしそうに、ハイタッチをかわすユキ。
さあ、今日は楽しいソフトボールの時間だ。
給食と昼休みの休憩時間は連動している。
合わせて90分の休憩、土生は東小所属の光陵リトル全員を集めた。

橡浦、山下、黒田、そしてユキ。
クラスや学年の隔たりを超えて、5人が机を並べ、土生が給食を運んでくる。

「まあ、まずはこれだな。『華麗に舞い降りたノーヒッター』!」
「すごいよね…ラリナ。」
「理奈さんと違って、あたしなんか、16安打も浴びたからなあ…」
「それでも勝ったんだ。すごいことだよ。」
「…あ、ありがと。」

ふとした橡浦の言いまわし。土生は気にかかりつつも、

「ま、だからこそ俺たちも理奈に負けてられないって話だぜ。
 とにかく、来週の大会のミーティングだ!」
「これは?」
「監督に頼んどいた。
 こないだの巨神のスコアブック。ま、こんなの見ても分からないだろうから…」

巨神は1回戦はシードなので、実質昨日の試合のデータしかない。
監督に頼んでデータを取ってもらい、スタメンと補足情報をもらい、土生が要約。

「ほら、みんなで見てくれ。」


巨神 13−0 太洋(たいよう) (2回コールド)

1、8・鈴木(尚) 3打数3安打
2、6・二岡    3打数2安打1打点
3、3・新井    3打数3安打7打点
4、7・金本    1打数1安打
5、5・小笠原   1打数1安打2打点
6、9・高橋(由) 2打数1安打1打点
7、4・鳥谷    1打数1安打
8、2・矢野    2打数1安打2打点
9、1・下柳    2打数0安打


「太洋は守備に評価の高いチームのはずなのに…」
「得点経過も、なんかすごいや…とどめが新井の満塁弾か。」
「投手もフォアボール連発、か…」

その圧倒的な力の前に、制球も乱される。
まあ、もともとコントロールが今一つの理奈にはそんなに関係のない話ではあるが。

「…あれ?西村と白濱は?」
「その事だが。こっちに資料がある。監督が集めてくれた。」
「これは?」
「監督が練習試合での総合成績をまとめてくれた。各投手の特徴もまとめて書いてある。」
※ちなみに、分かりやすいように防御率や奪三振率はプロとおなじ9回基準としておく。


西村―白濱バッテリー 防御率0,66 奪三振率13,50
(とにかく剛球とカーブで押す。まあ、お前らならよく知ってるだろ。)

下柳―矢野バッテリー 防御率0,50 奪三振率2,00
(絶妙のコントロールとチェンジアップ、スライダーを駆使し、打者を手玉に取る。)

上原―阿部バッテリー 防御率0,25 奪三振率18,00
(球の速さは西村なみ。ストレートと落差の激しいフォークが武器の、リリーフバッテリー。)


「フォークか…厄介だな、打てるかなあ?」
「ハッキリ言えば、フォークはほとんど打てないだろう。
 だが制球やスタミナ消費の点から、多用もできないがな。」

小学生でフォークは使う選手は殆どいない。
だが、落差とキレのあるフォークは、物にさえしてしまえばまず間違いなく打たれることはない。
プロでも、フォーク100%という配球で相手を抑えるクローザーは存在する。

「実質的なエースは上原という事になるが、さっきも言ったがフォークは長い事使えない。
 千発は西村と下柳がローテを組んで、クローザーに上原が入る、という形になる。」
「じゃあ、次の試合では…」
「西村が来る、と考えるのが普通だろう。」

かつての仲間と、ついに戦う事になる。
おもむろに土生が牛乳を口に運び、

「まあ、とにかく勝ちにいくまでだ。この話はおしまい。」

もちろん、他の4人の心の中は、片付いているはずもないのだが。
強力打線に加え、剛の西村、柔の下柳、…えっと、そしてクローザーの西村。


勝てるのか?って思う。
でも、いちばんそう感じてるのは、間違いなく翔。みんなのために、気付かれないように必死に隠している。

「それじゃあ、ミーティング終了!
 まあ木曜あたりにもう一度やると思うから、今はこの話は流していいぜ。」

言わなきゃいけない。
…でも、この話は、流してほしい。そうだよね、そう思ってるんだよね、翔?

「それじゃあ、あとは自由解散!
 好きなだけ練習して、帰ってくれ。」

今日のリトルの練習は、こんな不安と隣り合わせのミーティングから始まった。…って、もう解散?
「え?か、解散って…」
「お前らの顔見てるとさ、なーんか嫌気がさすんだよな。なんでだろ?やる気がしない。
 ヤル気だして練習してくれよ、どうせやるんならさ。」

遠回しに言われたって、その意味は分かるよ。
でも、しょうがないじゃない。

「うーん…じゃあ、今日は解散、マジで解散!練習、禁止!」
「え?」
「練習するな、まっすぐ帰れ!そんじゃあな!」
「あ、翔!」

バッグを持って、走っていった翔。
周りの目に気を止めず、あたしの脚も、自然と翔を追いかけてゆく。


「…どうする?」
「と、とりあえず俺たちだけでも…」
「そ、そうさ、土生さんは、俺たちに…」

「お前ら、さっさと帰れ。」

少しだけ盛り上がっていた雰囲気が、一気に静まる。
その声の主は、まぎれもなく監督自身。

「か、監督…どうしてですか!」
「土生さんは、俺たちにやる気を出させるために、あえて辛く当って…」
「…帰れ。」

いつもの監督じゃない。
凍るような背筋を感じるとともに、すごすごと帰り支度を始めた。


「あんな状態で、とても練習なんてできねえよ。」

練習を中断させた理由を聞いた。その返事がこうだ。

「でも、もう1週間もないのよ?少しでも上手くなるには練習するしかない!」
「心のショックってのは、意外とダメージがでかいもんだぜ。」
「でも…」
「100%意味のない努力は、しない。」

努力に無駄はつきもの。でも確かに、完全に無駄以外の何物でもない努力は、別。
ずっと翔に助けられてきたあたし達が、そんな努力しかできない。…情けない。

「…あいつらも、チームとしてまとまったと思ったんだけどな…」

ちょっとしたつぶやきが、あたしに重くのしかかる。
たまらなくなって、ソファーに突っ伏した。

「…悪い、言い過ぎた。」
「…そうだね、言い過ぎたね。」

…悪態をつかずには、いられなかった。
例え悪いのが、翔ではなく、あたしだったとしても。

後ろに置かれた、『週刊MAX』。そこには、笑顔で写っているあたしの姿がある。
「ん?どした?」
「…途中まで、一緒に帰ろ?」

帰り道が同じでも、ユキは人付き合いには疎い。
土生の練習禁止令で、暗い雰囲気の中、橡浦はチームメイトと帰る気にはなれない。

…夕陽の下で、初めてのユキとの帰り道、それも二人きり。

「…でも、なんでこんな大事な時期に…」
「ミーティングはしないわけにいかないだろ。
 巨神との試合が決まったのは昨日。それより前にミーティングする馬鹿はいない。」
「…そっか、試合前日にミーティングして、今日みたいな事になったら…」
「さすが、あんちゃんだよ。」

最近、アップ時に2人でキャッチボールすることが多くなった。
最近、同じ位置で外野ノックを受けることが多くなった。
最近…一緒に話すことが、多くなった。

「ねえ、あたし…次の試合、登板あるかな…?」
「ある。」
「え…。」

即答だった。

「ユキちゃんはかっこいい。俺はそう思うな。」
「…。」

1回戦のあの試合。
自分を認めてくれた、橡浦隼人が隣にいる。

「…と…。」
「どうした?」

橡浦の一歩前に出て、向き合う。

「橡浦くんの事、…なんて呼べば、いい?」

バッティングセンターの明かりが、2人を照らしている。
ユキの頬は、2種類の紅に染まっている。


「ば、バット振りながら、考えていいか?」

困ったら、とりあえず先延ばし。
気持ちの変化についていけない時は、体を動かすのが一番いい。

そう思ってマシンを相手に打席に立ったのだが。

(あ、当たらない…)

バッティングに集中できない。
それを見ていたユキの心中は、いかに。
「お疲れさま。」

50球打って、ヒットは5本ほど。

「…。」
「ご、ごめんね、変な事言って。やっぱり、橡浦く」
「名字はやめろ。」

目の前の自販機。
財布の中の小銭を入れようとして、…やめた。

恥ずかしいけど、言いたい事がある。
それをジュースと一緒に飲み込んでいいものかどうか。

「それって…」
「…。
 あー!言わなきゃなんないのかなー!」
「うん!」
「そこ、元気よく返事する場所でもないだろう…」

ちょっぴり真剣な目。
がらがらのバッティングセンター内での、2人の子供の小さな勇気。


「じゃあ…はいっ!」

チュッ。

「…え?え?え!!?」
「こういうことで、いいんでしょ?」
「そ、そりゃそうだけど、いきなり…」
「…そだ、今のキスで思いついた!」

おそらくはニックネームの事だろうが、どんなふうに思いついたのやら。
と思ったら、それは今発した擬音語からとったらしい。

「チュウ!」
「…へ?」
「ほー、勇気が新しく始めた野球のチームメイト、君なのかい。」
「は、はい…」
「どんな子供かと思っていたが、なかなかいい体をしてるね。
 お遊びではないかと心配してたが、レベルのそこそこのようだ。」

以前一度話した事があったはず。ユキの親父さんは、ユキにスポーツを思いきりやらせる教育方針。
故に適当なお遊びではなく、そこそこのレベルのスポーツ集団でないと納得しないのである。

「リトルという事でレベルが高いとは思っていたが、勇気の話や君の姿を見て、安心したよ。
 それに、最近ユウキは君の話をよくするし、ずいぶん明るくなった。」
「は、はあ…」

どうやら体格を見るだけである程度の身体能力は分かるらしい。
橡浦は華奢だが、スプリンターは足の筋肉はすらっとして無駄がない。
そこを見破れれば、確かに橡浦が俊足だという事が分かってもおかしくはない。

「ね、ご飯も食べていってよ、チュウ!」
「え?」
「そうしなさい、せっかく来たんだ。」
「はあ…」

半ば無理やり端原家に連れてこられた。
時間も遅いわけではないので、しぶしぶついてきたが…なんか後悔。


「…食い過ぎ…じゃない、食わされ過ぎた…」

栄養満点、食事内容はまさしくスポーツ選手にぴったりのメニュー。
だが、『たくさん食べて、しっかり動く』とかなんとか言われて、

…カロリー計算は度外視ですか?親父さん。

「てか、親父さんの前でもチュウって呼ぶなよ。2人の時だけにしてくれ。」
「ユキってニックネームだって、みんなから言われてるよ。他の人にチュウって聞かれたって、問題ないって。」
「ユキはほとんど代名詞…ていうか、最初に会ったときからユキって呼ばれてたろ。」

あーあー、止めても無駄だこりゃ。
…いや、そんな事より。

「なんで、『チュウ』、なんだ?」
「え?さっきキスした時、思いついたの。ほら、『チュッ』ってさ。」
「…それだけ?」
「それだけ。」
「…。」

恥ずかしくてたまらない。キスをそのまま名前にされたのだから。
絶対にニックネームの由来だけはばれちゃいけない。

…ト『チウ』ラハヤト、から取った、というのはユキだけの秘密。
420暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/02/15(日) 22:50:36 ID:GMhmpnEF
投下完了。

今回は短めに。
421名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/16(月) 22:57:00 ID:mpjyxLl0
暴走ボート◆z95s/qs7OM GJです!
橡浦君とユキちゃんもカップルになりそうで楽しみです。

さてこちらも遅くですが投下
属性として赤松君が優子にXXされるのと
今回鷲沢嬢と優子の絡みつきの55KBの長編になりました
では改めて第三話 とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド
ソフトボールの戦場に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、白と赤のユニフォーム。
短めのホットパンツからは白魚のような足を露出させ、豊かな胸もとを泥まみれにしながら激しく揺らして走るのがここでのたしなみ。
ここは東日本最強ソフトボールサークルリリアム。ここは、乙女たちの楽園にて地獄。

とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド

ACT12
そして私は今日もいつものように学校へ向かう。
勿論理奈と一緒に行くために理奈の家に向かうのだが、ふと見ると理奈家の玄関前に男の子が待っている様だ
(だれだろう?)

気になった私はその男の子に背後から近寄り、一気に背中から抱きつきながら声をかけてみる。
「あんた誰?家の前でなにしてるの??」
と誰だか知らないけど、籠絡を狙う意味でも私のおっぱいを思いっきりくっつけながら見知らぬ少年の素姓を確認する。

もしも理奈のストーカー、または昨日理奈達から聞いた下着泥棒だったら…
キンタマでも握りつぶせばいいか。
そう思い少し恥ずかしかったが股間にも手を伸ばし、少し玉袋の方に力をくわえ握る
もし叫べばどうなるか……私は少年のものにしては大きめなキンタマだなと思ったが
だが少年の方は下手をすれば小学生で女の子になると本能的な恐怖を持ったのか
少年は怯えた様子で私に話しかける。

「や…止めてください…俺…いや僕は怪しい者じゃありません……」
明らかな動揺とともに、私に対して男の子とはいえまだまだ発育途中なのか
可愛らしい女の子のような声…しかも怯えている声に私は少しどきっとしながらも
先ほどよりちょっとだけ強くキンタマを握り、搾りながらも軽く脅す様に

「自分の事を怪しいなんて言う奴はいないよね
まず最初にアンタ誰?幼馴染の理奈の家の前でなにしてるの?」
とその少年を問い詰めながらキンタマをころころ回すのだったが
「理奈?…あなたはもしかしてラリナの友達なんですか?
ボクもラリナ同様光陵に所属してる赤松雅人って言います!
本当にラリナと光陵の事を話そうって思っただけなんです!ふあぁっ!らめぇ!それ以上力入れられたら!!
出ちゃう!!もう許してください…ボクこのままじゃ学校に行く前にお漏らししちゃう!!」

赤松……あっ!そういえば土生や理奈昨日言ってたな
確かうちの小学校4年で光陵のショートやってるって……。

まずったな〜少しナーバスになりすぎたか
私は赤松のキンタマの感触が先ほどより膨らみ、竿もズボンはテントみたいに勃起してしまっていた。

更に言うと勃起したおチンチンの先端に触れているズボンが少しだけ湿り気を帯び
赤松の顔も蕩けそうなうえ。明らかに性的に女の子の様な吐息…本気で感じている吐息を洩らし
なんとか射精を…でも4年生だったらオナニーとかまだ知らない年頃だろう
それでも本能的にちんぽミルクをたくさん出さないよう堪えているって感じだった。
私はビンビンにしこった大きめな赤松のおチンチンを見ながらも
淫熱を帯び出したキンタマから慌てて手を離し、取り繕うように話しかける。

「あ〜ごめんねっ!君の事は理奈と土生から聞いてるよ
すっごく足速いんだってね赤松雅人君!!それとゴメンネ乱暴なことして
付属小との試合で理奈の下着を盗んだやつがいるって聞いたからついね!」

赤松は少しだけ名残惜しそうな呆けた表情をするも、なんとか呼吸を整え
ペニスを意識しないようにしながら
「あぁぁ…良かったボクの事ラリナや土生さんが話しててくれていて
これ以上触られたら…ぼくおしっこ洩らしてましたよ
ところで貴女は……ラリナの幼馴染って言ってましたけど…だれれすか?」
と私の素姓を聞いてくる。

確かにこちらから話してなかったな。
少し離れ赤松の正面に向かいあいながら
「私は石引優子
理奈の幼馴染で今はリリアムのキャッチャーをしているよ♪」
と微笑みまだ苦しそうな赤松の手を出して立ち上がらせる。
同時に玄関があき、理奈が玄関から出てくるのだが…私と赤松の二人を見て
奇妙な表情を浮かべたのは言うまでもない。
(ちなみに土生は赤松が来る事を知っていたので早めに東小へ行っていた)

そんな理奈の最初の言葉は
「雅人君が来るのは知ってたけど…いったいどうしたの?
なんか苦しそうだし…それに優子も来て何があったの?」
と全くどうしてって言葉だった。

で事情の知らない理奈を置き
「ごめん理奈。赤松君ちょっと色々あるから少し理奈の家で休ませてあげて」
と理奈の許可を取ろうと声をかけ

「何だか分からないけど…じゃあ雅人君私の家で少し休んでからね」
と理奈は赤松を家に招き、赤松はつかれながら理奈の家で休憩を取る。
勃起が収まる前にちんぽミルクをパンツの中に射精してない事を私は祈るのみだ。

で勿論私に対してどう考えてもお前がなんかやったろって表情をしている理奈は
「雅人君に何かやったでしょ!」
と私に雷を落とす。

勿論私のミスなのでストーカーか下着泥棒と間違えた事をちゃんと説明し
キンタマをこりこりいじくって脅したら、精通をしそうになった事を正直に話すのだった。

「優子〜〜あんたね〜
いくらなんでもそこまでしなくていいって犯人探しとか優子が危ない目にあったら私だって辛いんだから〜
それに改めて雅人君に謝ってよね!!」
と二度目の雷を食らうのだったが、正直にいえば大抵理奈は許してくれるし
何より私は理奈にウソをつきたくなかったのだ。

そして玄関から落ち着き勃起も収まった赤松が現れたので、私は改めて赤松に謝り許してもらったのだった。
ACT13
そんなこんなで私たちは三人パーティとしていろいろ話をしていた。
光陵はこれから春の前哨戦として西部リトルと試合をすることになったようだ。
順当にいけば因縁深い巨神とは三回戦目になるけど、その前に西部リトル
そして強豪として少し名前を聞いた事がある南海リトルが相手

流石に赤松は少しビビっているようだったが、やっぱり理奈はやる気満々で私もほほえましくなってくる。

「優子さん。所でリリアムもソフトボールで春の前哨戦出るのですか?」
と赤松が聞いてくるが、小倉監督も沙織も鷲沢副キャプテンも特にそういう話はしてないからな。
たぶん沙織が少しふれていた強敵に備えて本大会まで練習だろう。

「たぶん出ないだろうね…まず夏の東日本選抜本大会で優勝したら
秋に西日本大会優勝チームと試合らしいからそれまで温存だと思うよ」
と私は答えるが、更に私は理奈と赤松を励ます意味でも

「それと練習があるから西部リトルの試合は無理だけど
南海リトルの方は開けられそうだから応援に行くね理奈!それと土生や赤松君たちもね!」
と熱く声をかけるのだった。

そんなとき後ろから声をかけられる
「石引先輩おはようございます!」

私たちはおやって表情で振り向くとそこには
縦ロールの女の子
伊達眼鏡をかけた女の子
そしてロングヘアーのアクセントとして横にコンセントみたいに伸ばしている女の子

彼女達は私同様今年リリアムに入り、外野手として選出された天馬三姉妹
しかも4年でスタメン入りを果たすほどの逸材で今後のホープだ。
流石にまだ体が出来上がっていないため、通常練習だけで手いっぱいだが、一生懸命やっているのはみんな知っている。
ちなみに今私にお淑やかな挨拶したのは天馬三姉妹長女の泉ちゃんだった。

続いて天馬三姉妹二女の美咲ちゃんが私に対して熱っぽく、だけどはきはきと
「石引先輩♪今日もお美しい❤あっ申し訳ありません石引先輩
赤松君は見たことあるから知ってますけど、失礼ですが石引先輩の隣にいらっしゃる方は何方ですか?」
と確かに天馬三姉妹と理奈はまだ面識がなかったなと思い理奈の事を軽く説明し

それを聞いた天馬三姉妹三女の今日子ちゃんが
「石引先輩の幼馴染さんなんですか理奈さんって!
それと理奈さんは久美様とまたタイプの違うピッチャーって話ですけど今度よかったら
投球を見せてもらえませんか?」

と元気よく今日子ちゃんは理奈に投球を見せてくれとおねだりしてみる。

それを見た泉ちゃんが
「今日子!はしたないわよ」
と注意し

美咲ちゃんも
「理奈さんだって光陵の試合とかで忙しいんだからわがまま言わないの今日子」
と叱る

ちょっとへこんだ今日子ちゃんは
「はーいお姉ちゃん。
でも理奈さん。リトルトーナメントが終わったら私たちと練習試合考えてくださいね」
と諦めて後日にでもと話を振る

理奈と赤松は苦笑交じりだが
「うーん。じゃあ中井監督とかに話をしてみるから
理奈の方もリリアムの監督さんに話してくれない?私だけじゃ何とも言えないし」
と私にも話をふってくるが、確かにしばらく光陵は練習試合出来るかどうか分からないけど
改めて私の眼でも理奈や土生たちがどれだけの力を付けたのかは気になり
「わかった!それじゃあ私からも小倉監督とかに話をしてみるから
正式に決まったら練習試合してみよ!ソフトボールルールでも野球でも何とかなるし」
と前向きな発言をすると

「わーい!石引先輩大好き〜」
と猛然と今日子ちゃんが私のおっぱいめがけて
今日子ちゃんのふくよかなEカップバストが私の胸に押しつけられる。

それを見た美咲ちゃんは悲鳴を上げそうな顔で
「ああっ!石引先輩の胸ぇ…じゃなくていきなり道で石引先輩に抱きつかないの今日子!!」
美咲ちゃんは今日子ちゃんに雷を落とすのだった
ACT14
学校も終わり私は部屋でユニフォームをかばんに入れ、今日も元気よくリリアムに行く準備をする。
さてと昨日は楽しかったな…学校ではいつも一緒だけど、プライベートでゆっくり理奈と話ができて…
まあ土生って恋人候補がいつの間にかできているのにはびっくりしたけど。
それにしても土生良く理奈の家に行くのかな?まさか同棲…まさかね〜

まあ土生の家庭の事情とかは全然知らないけど、まあ理奈のお父さんに許可はもらってるから
たぶん土生も家の人から理奈の家に遊びに行く許可はもらっているんだろう。
土生の家の人って理解のある人なんだろうな…
私は悔しいが理奈にとって一番大事な人なんだろう土生に対してぼんやり考えていた

そして私も
踏ん切りって意味では私にとっても良かったかも
もしも理奈がフリーだったら、どうしても必要以上に気をかけちゃいそうだったし
今理奈は光陵のエース。そして私はリリアムの正捕手。
だから少なくてもマウンドにいる時一番見なきゃいけないのはリリアムのエース久美なんだ。
強豪として常に勝つために……。負けたチームの誇りとかも背負って。
改めて強豪に籍をしかもスターティングメンバーに選ばれた重みを噛み締めるのだった。

そして私は家を出て
手荷物をしょいながらリリアム所属の証であるブレスレットを装着し
西小前にいる天馬三姉妹やリリアム所属の先輩。同期の同級生・下級生などと合流し
東小地区にあるリリアムのグラウンドへ急ぐ。

西小・東小が抗争関係にある以上東小児童に絡まれないように固まって私たちは行動する。
もっとも取り決めとして抗争と無関係な児童やリリアム・光陵などスポーツチームを巻き込まないと
うちの学校の6年生リーダー八坂先輩と谷川先輩
東小のリーダーさんと沙織がみんなで決めたルールなため、せいぜい東小地区の児童から
変な目で見られるくらいしか実害がなかったし、リリアムからもたびたびよほどの事がない限り抗争などには近寄らないことときつく言われているのだ。

そうこうしているうちに私達はリリアム・グラウンドに付き
IDカードを係員さんに提示して、そのカードでロッカーなどを開け
さっそく私はユニフォームに着替える

私は薄手のアーミーシャツとジーパンを脱ぎ、下着のみになると
短めなショートパンツとユニフォームを装着すると、まず最初にブリーティングの時間が待っている。

そこに待っていたのは小倉伊織監督と沙織、そして鷲沢副キャプテンが中央に立ち
今日のメニューや今後の予定をつらつらと沙織が…というより
本来小倉監督がするべき話を全くせず、沙織と鷲沢副キャプテンに全てしゃべらせている。

「…で話は以上です
皆様他に連絡する事とかありましたらおっしゃってくださいな」
と話が終わりメンバーの話を聞こうと沙織が切り出す。
やっぱり春の大会には不参加を決め、夏・秋の為全力を出し切るようだ。
!!そうだっ…せっかくメンバー全員居るんだったら。
私は手をあげて発言の意志がある事を沙織たちに伝える。

それに気が付き声をかけたのは沙織ではなく
「おっどうした石引?何かあんのかい??」
と男らしい口ぶりで鷲沢副キャプテンが私の意思を拾ってくれる。

「はい。少し個人的なことなんですけど私たちも無関係ではなさそうですので…」
と私は会釈を鷲沢副キャプテンや沙織・小倉監督を見つめて発言する。

「どうしたの優子?私たちにも関係するって?」
と今度は小倉監督が私を見て何かしらという表情を浮かべる。
周囲も少しざわついているようだったが…まあみんなこの事で気を付けてくれればいいか
意を決して喋る。

「はい。この間私の幼馴染の下着を何者かが盗んだという事件が発生しました
その幼馴染やチームメイトから心配されたのでそういった事が起きたことを報告します」

さらに周囲がざわつく…それはそうだろう
下着泥棒なんて基本的に男の変態が性欲、または商売の道具として使用するものなのだから。

「それで…具体的にはどういった状況で起きたのですか石引さん?
差支えがなければ詳しく教えていただけませんか?」
と沙織も詳しく状況を聞こうと詰め寄ってくるのだった。

「わかりました。では詳しくお話しします、実は……」
そして私は具体的に理奈の名前を出し、光陵と付属小の練習試合中何者かが
理奈の下着を盗んだと告げるのだった。

「そんな事って……」
鷲沢副キャプテンの表情が暗く重い物となる
それはそうだろう…鷲沢副キャプテンは付属小のソフトボールキャプテンを務めている
付属小の事はあまり知らないが、いいところの子息の通う学校の上。野球とソフトボールの試合があった以上、先生たちも多くいただろう。
まず部外者が立ち入れるとは私だってとても思えず、余程の凄腕というわけでもなければ
学校関係者としか思えない。
鷲沢副キャプテンは身内に下着泥棒が出て苦しいのだろうと私は思った。

「それにしても一体誰が下着泥棒なんて…」
「怖い……」
「うちは大丈夫だろうけど、付属小のセキュリティを破る位のプロだったら……」

周囲は皆不安の声でざわざわしている。
こうなる事は織り込み済みだけど、話とかないと怖いからね。
でも流石にみんな不安な表情なのを察したのか…ここはびしっと小倉監督が締めてくれる。

「とりあえずみんな身の回りはより注意しましょうってことね
まず浮き足立つ前に点検・チェックは怠らないようにすれば何とかなる!
みんな?他に話とか連絡事項はない?ないんだったらいつも道理練習するけど!!」

と話を切り替えてくれる
おっとっといけない!もう一つ連絡したい事があるんだった。
「すいません監督
先ほど言った光陵なんですけど…たまに練習試合組むってことですが今度機会があれば
やってもらえませんか?いろいろと面白そうだと思うんですが」
と私も空気読んで話を変えてみる

「ええー。いまさら光陵と試合しなくても〜」
と横を見ると久美が嫌そうな、つまらなそうな何とも言えない表情で発言するが

そんな久美の発言を遮って小倉監督が
「いやいや久美。最近戦力強化されてるみたいよ光陵♪
それに先輩❤おっと失礼中井監督も本気だったら馬鹿にはできないわ
OK優子!!近いうちに中井監督から私からも頼んでみるわね」

と超ノリノリで私の発言を受け入れるのだった。
そしてとくに意見が出なかったのでミーティングは終わり、早速練習のためグラウンドへと移動する。

そんな移動中久美からちょっと嫌そうなつらで
「何で光陵なのよ優子〜
よりによってあんたの幼馴染が超剛速球ピッチャーってことは何とかボールの取れそうな
土生とバッテリー組んでるんでしょ?
そりゃ私も色々あって落ち込んでたあいつをけちょんけちょんにしたって仕方ないけど〜」

落ち込んでた?
そっかあ…まだ聞いてなかったな土生に…どういう経緯で沙織や久美と知り合いになったとか
それにクラスメートとも言ってたし何か知っているのかな?土生には悪いけど久美に対して

「土生…何かあったの?」
と聞いてみる。

「ふーリリアム絡みで土生の事は話したくない。でもこれだけは知ってた方がいいかも
優子は土生とも知り合いになったみたいだから」

と久美は打って変わり真面目な顔で土生の事情の説明を始める
「土生って両親が蒸発しちゃったんだって。だから光陵の中井監督が今親代わりになってるの
それにこれは土生から聞いたと思うけど
土生の先輩が巨神に引き抜き食らって一時期土生はすっごく落ち込んで
光陵もろともしばらくダメダメになったのは知ってる」

と久美は語るのだった。

「…そうだったんだ。だから……」
道理でやたらと料理が上手だったんだ…両親の事を全く言わないし触れないから薄々私も変だと思ったけど。
でもそんな土生のどん底状態を救ったのはやっぱり……理奈だよね。
そんな改めて理奈の前向きさが土生を救ったのだと思うと胸が熱くなる。

そんな理奈パワーに驚きながらも久美は今度ニヤニヤし
「まあのこのこ巨神の引き抜きに乗った裏切り者4匹全部私が昔……」
と巨神に移籍した土生の先輩に対して言いかけるが

「久美。人の触れられたくない話をむやみに話したり、過剰に自分の事を誇るのは高慢というものですよ」
と沙織が後ろから現れ優しく、だけど厳しめに注意する。

「はわわっ!すいませんお姉さま」
「失礼しました!!」
私達は沙織から釘をゴツンゴツン叩かれるような恐怖を感じ急いで謝る。

そして前半パートのメニューをこなし、休憩時間!
ACT15
「ちょっといいか石引?」
と基礎体力作りで干からびた体を洗うため軽くシャワーを浴びていた私に対して
鷲沢副キャプテン自ら話しかけてくる。

汗と泥がかかっていたがそれでも鷲沢副キャプテンの体は
まず日焼けがたくましくその褐色肌の下に隠された猫のように柔軟なたくましい筋肉に包まれた四股
引き締まり艶やかな色合いな褐色の腹部
野性味あふれた美しく顔立ちと艶やかで獅子の鬣みたいな短い髪
だけど女性らしい膨らみを立派に持ち合わせており、日焼けを免れた為か
白く美しいおっぱいと同様にきゅっとほどよい筋肉美に溢れ締まった綺麗な白いお尻
乳首も褐色の肌とはまるで違う真紅のルビーみたいな小粒のものだ

そんな沙織とはまた違う魅力を副キャプテンに感じながら
「どうしたんですか?鷲沢副キャプテン」
と私は鷲沢副キャプテンがいつになく硬い表情のまま、私に要件を伝える話し。

「野村理奈の事だけど…リリアムに引き抜けないか話して見てくれないか?」
と意外な事に理奈を光陵からリリアムへと引き抜けないかとの話だった

私は突然の事に驚いていると矢継ぎ早に鷲沢副キャプテンから

「石引と大泉が上手くいっている事は私もみればわかる
でも石引だったら野村理奈の球がどれだけ凄いか知っているだろ?
野村理奈が入団したら基本的なことすべて私が面倒みる!
だから野村理奈を光陵からスカウトするのを手伝ってほしいんだ」

熱心に鷲沢副キャプテンは私の肩をしっかりつかみ理奈のスカウトを勧める。
身ぶり手ぶりが大きくなるたび鷲沢副キャプテンの胸もたゆんたゆん艶めかしく揺れ
短めな陰毛も少し揺れるも、話は続き。

「石引と大泉は全国レベルだ!!
だけど剛速球持ちの野村理奈がうちに入団すればリリアムはもっと強くなる!
ピッチャーの二枚看板が整えば私や沙織が打ちさえすれば絶対に負けないし
去年の虎にだって勝てる!」

虎?去年って?
まあ虎はいいや…沙織は待てば相手の方が出てくるって言ってた。
それより鷲沢副キャプテンの力が強まり方が少し痛くなってくるほどになってきて
ちょっとまずそうになってきたので私からも口を開く。
実際もしも理奈がリリアムに入団したとしての仮定。あくまで仮の話として。
「確かに…理奈だったらリリアムに入っても、剛速球投手として十分通用すると思います」
そう正直な実力で理奈ならリリアムでも投手として十分通用すると言い切る

そんな私の答えに鷲沢副キャプテンは
「やっぱり!じゃあ今度あいている日に私と石引の二人で野村理奈の家に行ってスカウトしに!!」
とても喜んだ表情になる鷲沢副キャプテン。でも私は…私は話を続ける。

「ただ理奈は決して全てできる選手じゃありません。
剛速球を投げれるとしても、ミーティングは土生達から指導を受けているとはいえ
打撃はとても勘定に入れられるものではありません…それに……」

私は鷲沢の表情が曇り出したのをはっきり確認しながら一息つき言葉を述べる。
「それに理奈は小さい時からずっと野球一筋でした。
いまさらソフトボールに鞍替えする事はあり得ないでしょう
鷲沢副キャプテン。申し訳ないですがその話を理奈が聞いても迷惑がるだけです」

はっきりと…子供のころからの理奈の意志を組んで無理だと告げる。

今度こそはっきりと鷲沢副キャプテンが苦虫をつぶした表情となり

「待ってよ石引!あんたは野村理奈と一緒にリリアムでやろうとは思わないのか?
幼馴染だったら大泉以上に息が合うだろうし、打撃はだめでも守備は問題ないんだろ?
それにさっきも言ったけど打撃の方は私が面倒みるから大丈夫だって!!」

といつもの鷲沢副キャプテンらしくなく私に食い下がって肩を乱暴に揺らし
私の94cmのバストがぶるんって揺れて、鷲沢副キャプテンの86cmのおっぱいと当たり
破裂音がシャワールームに響く。

そんな様子に近くでシャワーを浴びていた
天馬三姉妹やレギュラーなどがこちらを見出してきた。
たぶん久美と沙織は奥の方で今ごろ楽しんでいるんだろうな…

私は弱り顔のまま
「鷲沢副キャプテン。ここで話しても埒が明きません。
とりあえずこの話はまたあとで…理奈がどれだけ野球に打ち込んでいるかとか説明しますから」
と話を切り上げシャワールームから出ようと
鷲沢副キャプテンに背を向けるが後ろから鷲沢副キャプテンから声がかかる
「待ちな石引!光陵に野村理奈の生かしきれるキャッチャーがいるのか?
もしいたとしても人員が乏しい光陵でやるよりうちの方がいいとは思わないのか?」

っ!私はつい腹部が重くなるような感じを覚えて振り返ってしまう。
流石にそれは光陵の侮辱、強いては理奈が選んだものの否定だと思ったからだ。
どうしてそこまで理奈の選んだ道に鷲沢副キャプテンが茶々を入れたがるのか
理解に苦しみながら、私は言い返す。

「だから…今理奈とバッテリーを組んでいるのは私ではなく光陵の土生です!
それに理奈一人で勝てるほど試合は甘くない事は鷲沢副キャプテンだってわかるはずですよ!!」

私は思いっきり思いの丈を鷲沢副キャプテンに告げる

私はリリアム入団直前時。理奈の意志を組んでリリアムには誘わなかった
本当はずっと一緒にバッテリーをやっていきたかったけど
理奈が望まないのに誘ったところで無意味な軋轢が出来るだけ

確かにあの時まで私は理奈と久美の球を比べていたけど今私は久美のパートナー
そして理奈と土生を見て、いま理奈がパートナーとして必要としているのは私ではなく
土生だってはっきりわかったから恋愛対象としてもう理奈は見ないし変に固執しない。

でも大事な親友なのは間違えない。
だから私は自分のメンツ以前に理奈の想いを守りたかった。

それでも鷲沢副キャプテンは引き下がらず、なるだけ人のいなさそうな所に私を押し込み
「…ちょっと待ってよ……土生土生って?
私も土生を見たことあるけど男の子だよ?なのに大丈夫なのか?
あんな爆乳でかわいくてとってもいいにおいのする女の子だよ?送りオオカミに化けるんじゃ」
と少しおかしなことを言い出す
もしかして鷲沢副キャプテンって純粋に戦力として必要というよりも個人的に理奈の事。

それにいい匂いのする女の子って…
なんで?理奈達光陵があくまで試合したのは付属小の野球部で鷲沢副キャプテンのソフトボール部ではないはずだ。
まさか…でももしかしたら……私は嫌なことを考えてしまう

でも念のためカマをかけてみるか…もしそうだったら鷲沢副キャプテンは昔の私だ。
「少なくても私は土生と理奈がいる時直接話したことがありますが
土生はいきなり送りオオカミになって理奈を襲うなんてことはあり得ないでしょう。
なにより今理奈を守れるのは私じゃなくて土生なんです!理奈の下着だって!
お気に入りの赤いブラジャーとサンベローナのキャミソールとかだって守れるのは!」

と土生だったら下着泥棒からも理奈を守れると強く言ってみる
鷲沢副キャプテンはカッとしながら私の胸を乱暴に揉みながら反論するも
「そんなはずはない!
あの子の…野村理奈の下着は白い102cmのブラジャーに
いい匂いの染み込んだサンベリーナのキャミソーあっ!!」

鷲沢副キャプテンは悟った。私がわざと挑発しぼろを出させたことに
自分が理奈の下着を盗んだ…少なくてもあの場で理奈の更衣室に忍び込んだのが自分だと認めてしまったのだ。

やっぱりそうか…変な意味で当たっちゃった私の勘
確かに鷲沢副キャプテンならロッカールームにも入れるだろうし、いても普通にしてればまず怪しまれない。

すっかり鷲沢副キャプテンは私の胸を揉む力も無くなり、手ブラのように私の胸を隠していた。
そんな鷲沢副キャプテンを見つめて
「鷲沢副キャプテン……貴女も理奈の事…」と呟く。
私は怒りというより驚きを感じていた…こんな近くで理奈に対して恋い焦がれてた人がいたなんて。
しかも沙織と対等に渡り合える人がこんなバカげたことを…

そんな感慨を持っていると突然鷲沢副キャプテンが私を押し倒してくる。
「何で?何で二度も??しかもよりによって野村理奈の幼馴染のあんたが
野村理奈のブラジャーを私が盗んだことを見抜くなんて……」

突然抑え込まれ身動きが取れない…それに鷲沢副キャプテンは強引に私を抱きよせ。
「落ち着いて…止めてくだ…ああっ」
しゃべらせないようにキスを交わしてくる。
沙織とは全然違う力強いキス……でも今は感じるよりも恐怖が勝ってしまい懸命に振りほどこうと動いていくも

今度は副キャプテンの右中指が私の割れ目へと差し込まれていき
指のはらで私のクリトリスをいじりながら、指先はピアノのようにとんとんとあそこっを叩く。

左手は勃起しかけている乳首を丹念にしこり、もっと乳首を肥大化させながら
自分を騙した罪人の私を嘲る様に鷲沢副キャプテンは
「沙織や大泉に仕込まれた体なんでしょ石引の体って
もうとろとろの愛液がでてきてる!!なんてスケベなのあんたの体って」
と文字通り嬲るような愛撫を続け、実際彼女の愛撫で私の体はしっかり責めを喜んでいる。

確かに鷲沢副キャプテンの愛撫は沙織並みといってもいいくらいとても上手い
リリアムでも鷲沢副キャプテンのファンは多く、かわるがわる副キャプテンに
抱かれているという話も理解できると思った。
あそこから濃い愛液が流れ、乳首もしっかりとしこりきっているのがその証だ。

でも…それ以上に今の鷲沢副キャプテンに抱かれるのは嫌…凄く……嫌
たぶん鷲沢副キャプテンは私石引優子個人というより理奈の幼馴染としての私
もっというなら理奈の代わりで私を抱いているだけ…
そう思うと体は感じても心まで隷属するのはあまりにも惨めとしか思えなかった。

だから私は体をくねらせながらそれ以上愛撫されないように動きながら
「あふぅ♪駄目ですそれ以上は!
こんなことしたって余計鷲沢副キャプテン惨めになるだけです!
理奈が今見てるの私たちじゃないんです!!」
と必死で鷲沢副キャプテンをなだめてみる

だけどやっぱり何か足りないのか私の思いは鷲沢副キャプテンに届かず
むしろもっと愛撫は激しさを増し、副キャプテンの指が私のクリトリスを強くつねってこねまわし
つい私は「ひゃぁ!」って声をあげてしまい腰が抜けてしまう

あぅまずい…これじゃあ完全に抵抗できない
本気でこのままじゃあ理不尽に鷲沢副キャプテンに…シラフならまだしもこんな形のHなんて

そんな私を完全に押し倒した彼女は私の愛液まみれになった指を私の唇に差し込み、私に私が流した愛液を無理やり飲ませながら。
「そんなかっこつけたって思いっきり私の愛撫で喜んでるじゃない石引は!
野村理奈とこういう事したいってこんな淫乱なあんたなら絶対思ったはずだ!!
なのに何でそこまで野村理奈を私の…私たちのリリアムに引き入れようとするのを拒むんだ?
分からない…私にはまったく理解できないよ!5年の土生なんかより私の方が絶対野村理奈を守れるのに!!」

私はつい鷲沢副キャプテンをけがさせたくないと思い、少し吐き気がしたが押し込められた指を喉奥まで迎え入れるも
土生に対する対抗心・そしてひた向きなだけど一方通行としか思えない理奈に対する想い
それらが入り混じった思いを鷲沢副キャプテンは私にぶつけてくる。
痛いぐらいにおっぱいを揉み・徐々に高度を下げ腹部をなでながら臍のゴマを弄るように嬲り
さらに完全に勃起したクリトリスを潰す位ににぎにぎし、さらに蜜まみれなあそこに指を三本もじゅぶじゅぶ入れてカクテルでも作る位にかき回す

確かにうまいけどそれ以上に私は気持ち悪くなってくるが、そんな状態だからこそ私は確信を持った。
完全に鷲沢副キャプテンは自分を見失っている、そうとしか思えないセックスだった。

息も絶え絶えに私は
「やぁぁ…もう嫌です…離してください……」
とこれ以上はできないとふらふらしながら私は言うが鷲沢副キャプテンは

「嘘ばっかり!あんた膣凄く私の指を加え込んで…どこまでもいやらしい体!!」
と聞く耳持たず私のおまんこに指をさらに深く突き刺していく

まずい!!本当にまずい!!これ以上指を挿入されたら私乙女じゃなくなっちゃう
「ひぃぃぁぁ!!ダメっそれ以上指をさされたら…処女膜が破けます!!
お願い…許してください!!それだけはいやぁぁぁ!!」
こんな形で処女を失うの?冗談じゃない!!でも私はもうろくに動けない……
そんな恐怖が全身を包み込み気がついた時は叫び、恐怖のあまり失禁と涙まで流してしまう。

流石にそこまで私が嫌がるとは鷲沢副キャプテンも予想外だったのか
「おい!落ち付け石引!!私だってそこまでシャレになんない事はしないよ!!
落ち付けって!!お願いだから!」
と私に落ち着くよう促すが今の今だけに乱暴で、一度高ぶった自分の精神は
私自身でもコントロール不能となり。

「怖い…今の鷲沢副キャプテンこわい…こわいよぉぉ…たすけてくみぃぃぃ!!」
と一番のパートナー久美に泣きつき大声をあげたままただ泣いてしまう。

だが幸か不幸か私たちの周囲には誰もいなかった
いなかったのだが物凄い駆け足の音が聞こえる
その足音は私の声の方向へ大急ぎで近寄ってくる

「どうしたの優子! っ!!鷲沢副キャプテン…なにしてるんですか……」

現れた少女は驚きと次の瞬間には憤怒の表情のままこちら…鷲沢副キャプテンを睨んでいた。
ロングヘアの美少女……彼女はツインテールを解いた久美だった。
流石に無理やり乱暴しているような状況に弁解しようと鷲沢副キャプテンは
「大泉…違う。石引が野村理奈のスカウトを頑なに認めないからついカッとなって…
いじめとかする気なんて……」
何でこうなったか説明する。

それを聞いた久美はさらに怒気を増し食って掛かる
私はべそをかきながら聞くのが精いっぱいだった

「副キャプテン…ふざけてるんですか?
リリアムのエースは私でバッテリーを務めているのはそこで怖がって泣いている優子よ!
なんでそこまで副キャプテンが野村理奈にこだわるか興味ないし知りたくもないけど
私が気に入らないんだったら直接私に言え!優子や野村理奈を巻き込むな!!」

怒りまかせにまくしたてる久美
本気で切れた久美を見るのは私も初めてだった
鷲沢副キャプテンも同様だったのだろう…しばし呆然としていたが

少なくても鷲沢副キャプテン自体私達バッテリーに問題点はないと分かっていたのだ
その為弁明を続ける。

「いや違う!私は決して石引や大泉の事を不要な存在だと思った事はないよ!
ただ大泉だってわかってるだろ?自分が速球派では無いって…
だから私は速球派の野村理奈をリリアムに引き入れたい!」

確かに鷲沢副キャプテンの思いは本当だろう…でも不純物が多すぎる
今の鷲沢副キャプテンでは絶対理奈の事でリリアムが大混乱になる。
久美は拳を思いっきり握り締めて殴りかからんほどの勢いだが、これ以上私と理奈と
そして鷲沢副キャプテンの問題に久美を巻き込めないと覚悟を決め
私は今にも倒れそうな体でべそかきの状態で少し呂律の回らないまま私は口を開く。

「久美…ごめん。こんな展開になっちゃって……
鷲沢副キャプテン……私の思った事をはっきり言います…
今の鷲沢副キャプテンは理奈に惹かれすぎて瞳が曇ってます…
それでは理奈どころか光陵やリリアム全てに迷惑をかけてしまいます……」

苦しい…気持ち悪い…でも副キャプテンが理奈のスカウトをごり押しなんてやったら絶対に禍根が残る。
それは理奈だって絶対に望まない事だろう…だからギリギリ残った意識で思った事を言う。

だけど副キャプテンは後に引けなくなったのだろう
「今は黙って石引は!野村理奈なら十分リリアムでもやっていける!!
それに…私野村理奈の事……好きになったのよ!
付属小のマウンドで投げ込んだあの娘の球を見て、あの娘が…野村理奈がどうしても欲しくなったの!!
この気持ちを別のチームだからなんてもう…ごまかせるわけがないでしょ!!」
と久美に対しても個人的に自分が野村理奈を愛していることを宣言してしまう。

それを聞いた久美は細かい事情は分からないが、それを私が諦めさせようとして副キャプテンが強硬手段に出たのかと取り
問答無用で鷲沢副キャプテンを殴り飛ばそうと拳骨を振りかぶるが
その拳は鷲沢副キャプテンに当たる前に止められる。
「お姉さま!!」

久美の怒りまかせに振り上げられた拳骨を沙織が横から手のひらで止めていたのだった。
「……納めなさい」
久美に対して母親のように優しく諭すように拳を引かせる

流石に沙織まで出てきて少し落ち着いたのか毒気が抜かれたのか、素直に拳を下げる
「わかりました…でも私は」
が久美の瞳はしっかりと鷲沢副キャプテンを睨んでいた

だがそんな久美を置いておき私に近寄って手を差し伸べ
「立てますか?石引さん?
でもこのコンディションでは午後の練習は無理ですね…医務室に休んでいてくださいな」
と医務室に行けと指示を出す

多少は落ち着いてきたのか…何とか立てそうな私は立ち上がり医務室に向かう
少しよろよろするも横で支えてくれているのは…
「大丈夫優子?私が支えるから医務室まで付いていくね…お姉さますいません……後の事は」

と久美は沙織に一瞥をし沙織と鷲沢副キャプテンを残したまま
私はシャワールームを出て、流石に全裸は無理なので
下着だけの簡単な姿のまま医務室に行くのだった

ACT16
そして私と久美は医務室に入る
そして久美は私を抱きながらてきぱきと久美はベットメークをして、私を寝かしつける

久美は心から私を心配した表情で
「優子。ゆっくり休んでてね…鷲沢副キャプテンの事はたぶんお姉さまか小倉監督が何とかするだろうし」
と声をかけてくれる

私も久美に対して
「ありがとう久美…いろいろ面倒かけちゃったけど、それと久美!聞いてほしい事があるの」
とお礼を言うが、今しかないだろうな…
私は久美を引き留める

「久美……前私が他の誰かを見てボールを取ってるって言ったよね…」
久美は今更そんな事って表情をするが私は「今だけは聞いて」と頼み
久美は私の寝ているベットに座り込んで聞く態勢を取る。

「実は理奈なの…私の幼馴染で……私の…初恋の人で理奈のお母さんになりたかった、ただ一人の理奈」
私は自分と理奈の顛末を話す、以前の久美だったら怒って聞かなかっただろう話だったが
私も久美もあの時から結ばれて、お互いの意思などを許容できるようになっていた

「ふーん。でもまあ野村理奈はいま土生の事好きなんでしょ?
土生はどう思っているかいまいち分からないけど?」
と適当なあいずちだが話はちゃんと聞いてくれる
「そうだね…だから私は理奈の事を陰から守ろうって思ったの…理奈が理奈のままでいられるように
そういう意味では土生にも感謝してるかもね…料理では負けたかないけど」
とくすりと笑う…少し余裕が出てきたのかな…

「まあお姉さまが言ったように優子が野村理奈の事を吹っ切れたのは私にとってもありがたいしね」
と久美も微笑むがすぐに硬い表情に戻り

「それなのに今度は鷲沢副キャプテンが野村理奈に執着しだすなんて!
いったいあの人何考えてるの?
優子の話を聞く限り。まず野村理奈は野球をやめそうにないのに独りよがりにこだわって!
お姉さまに負けた人のくせに!!」
と鷲沢副キャプテンに対して怒りをあらわにし罵る。

そんな久美をなだめようと
「そんな事言ったらまた沙織に怒られるよ‘やたら相手の事を言うのは傲慢です’ってね!」
と笑いながら言ってみる。

久美はまだ固い表情で
「だって…乱暴な事されたんでしょ?
怒るなって方が無理よ…鷲沢副キャプテンは絶対リリアムから追い出して…」

とヒートアップする久美の唇を私の指で止め
「いや…私もあの時は怖かったけどもう怒ってないよ
ただある意味副キャプテンが昔の私のような激しい思いを理奈に持ってたんだなって
どうなるか分からないけど決着は私自身で決める。どんな事になっても理奈の事を本当に知ってほしいから…」
とある意味副キャプテンは鏡の裏返し的な存在。だからこそ諦めてほしかった

「まあいいや優子がそう言うんだったら。でもまた副キャプテンがあんたに乱暴したら
今度こそ殴るから…お姉さまが止めたとしてもね。
それじゃあ私グラウンドに戻るから。ゆっくり休んでてねっ」

そう言い終えた後で唇に軽くキスを久美はして、そのままグラウンドへと戻る。

残された私はゆっくり体を休め、心を落ち着かせる。
そうして暫くしているとノックが聞こえ、‘入るわね’と声がかかる
小倉監督か〜何の用だろうと思うも横になっている私に近寄り

「いろいろ大変だったわね優子」
と声をかけてくれる

監督…しかも私たちの大先輩に当たる人に対して下着姿のまま横になるのは恐縮だったが
寝たままで
「すいません小倉監督。ご迷惑かけてしまって…」
と詫びを入れるのだった。

そんな私に小倉監督は首をふって心配ないってジェスチャーを見せ
「平気平気。結構色恋でもめたりすることってリリアムだとよくあることだし
それにしても光陵の野村理奈ちゃんって罪な女の子ね。知らないうちに人の心を引きよせ愛を抱かせる
でもその愛はその人の為になる場合もあれば、むしろ足かせになる可能性もある」
と理奈に対して評価をする。

「理奈ってそんな魔性の女の子じゃないですって♪
現に理奈のおかげで土生は救われたようなものですし……」
少し笑いながら小倉監督にこたえるも

「でも…一度足かせになっちゃったんでしょ優子は?
それに…今は奈津が野村理奈の虜になって、優子を傷つけた…」
とまるで千里眼でも見たかのように、何も話してないのに大かた察しが付いているようだった。

敵わないな…まだまだ小倉監督…いや小倉先輩には
小倉監督いわく自分は打撃の神様にはいまいち微笑まれなかった
だから守備の女神さまに微笑んでもらおうと、精いっぱい守備練習に打ち込んだって言ってたな。
その真骨頂がうちでまだまだ現役なIDプレイの基礎そのものなわけで
小倉監督の洞察力の高さでもある。

「それに…本当は私気づいてたよ
十中八九付属小の下着泥棒は奈津がやったってね
いつもだったら怒るのに明らかに動揺してたから怪しいって思ったし、光陵を口に出したら瞳が過剰に輝いていた。
それに野村理奈ちゃん絡みで優子が医務室に来た…幾らなんでも理奈ちゃんの引き抜き云々だけで
奈津は強引に押し倒すほど馬鹿じゃないし、大方優子が下着泥棒だって見抜いたからだと
完璧に確信したよ」

そこまで見抜けるなんて……
私は小倉監督に対して畏怖に近い感情を持つ。
普段ボケーってしているのは…半分ぐらい素だろうけど……。

「まあこの後決着をつけるんでしょ奈津と…
今の様子だったら…大団円になりそう…違うわね大団円にして見せてね優子!
優子と奈津とリリアム全てが喜ぶ大団円を待ってるわ」
と私の肩をぱんって叩き励まして、小倉監督は出ていくのだった。
ACT17
そんなこんなで私は一人でベットに横になっていると…
気がついた時には眠っていたらしく、練習終了のブザーが鳴り響くのを聞き
慌てて私はとび起きた!!

もう時間か…
実は医務室で迎えるのは初めてだったので少し新鮮な気分だが
少したってからノックが響いたので、ハーイと元気な声で返事をし招き入れる。

そこに来たのは…沙織だった。
そんな彼女をまっすぐ見つめて
「沙織…私の出番かな…それとも改めてって事?」
と沙織に対して聞いてみる

沙織は微笑みながら
「その調子なら大丈夫そうですね優子。
それじゃあ薄々私や小倉監督の意図は気付いていると思うので、ユニフォームを着て
グラウンドへ来てください…待ってますわ」

と要件を伝えるとさっさとグラウンドへ戻るのだった。

私はすっかり元気になった体で、更衣室にあった私のリリアムユニフォームを着て
グラウンドに移動する。全てのけりをつける為に

グラウンドには沙織と久美
小倉監督に鷲沢副キャプテンが待っていた

早速小倉監督がルールを説明してくれる
「やっぱり来た優子っ!!簡単に言うといつものように勝負だけど今日は少し変則だよ
優子と久美の二人がバッテリーを組んで、奈津と対決!!
五球勝負で安打三本以上なら奈津の勝ち。二本以下なら優子達バッテリーの勝ちよ」

なるほどね…確かに普通に打撃勝負よりもこれだったら
私はベンチに行きキャッチャー用のスタイルに完全防備を決め
みんなの前に現れる。

「なお奈津が勝った場合は野村理奈ちゃんのスカウトを私と一緒に中井監督に話に行く
優子達が勝った場合。奈津は野村理奈ちゃんの事を諦める
その条件でいいわね」

私達はその条件をのんだ…というよりも勝負が見てた

私はキャッチャーベースに陣を取り久美の正面に立つ
勿論バッターは鷲沢副キャプテンその人だった
‘リリアムの黒豹’というだけあり、プレッシャーを感じるが…

そんな鷲沢副キャプテンから私に話しかけてくる
「石引。私は野村理奈をリリアムにおいておきたい
どうしてもそれをあんたが嫌がるのなら…現時点で最強バッテリーの
あんた達を叩き潰してでも野村理奈を手に入れる」

と強い意気込みを感じさせるのだが…

私はただ一言
「させませんよ」とだけ言うだけだった。

そして結果は当然
「0/5…石引さんと久美のパーフェクトゲームです」
と後見人としての沙織が全ての結果を告げる

私は久美を信じ、あえて全てストレートの球を投げてもらうよう指示を出した
決して鷲沢副キャプテンを甘く見ていたわけではない
ただ鷲沢副キャプテンは理奈の球を追い求めるあまり、フォーシームである久美の投球の微妙な変化に対して蔑になり、全部見事な空振りに終わったのだった。

自分で言うのもなんだけど、今の鷲沢副キャプテンだったら何十回やったって結果は変わらない。
今リリアムにいる久美を信じぬいた私と、いま光陵にいる理奈の幻影を追い求めた
鷲沢副キャプテンに対して負ける道理は少しもなかったのだ。

「そんな…幾らなんでも全然大泉の球打てないなんて…」
完全な敗北に鷲沢副キャプテンはただ項垂れていたが、そんな彼女に沙織は近寄り。

「これだけやれば貴女にも身にしみてわかるはずですよ。鷲沢さん?
野村理奈さんと久美の球は全然違う
それを見抜けず野村理奈さんの剛速球と魅力に瞳を曇らせたのが敗因だという事に」
少し冷たい表情でハッキリと言い切るのだった。

「だから…完全に負けたのか…私は……くっ!」
そんな沙織の言葉を聞き、鷲沢副キャプテンは自分が理奈に執着しすぎて負けた事を悟る。
そしてこの勝負に負けた以上この理奈の引き抜き自体リリアム自体認めないという事も…

そんな鷲沢副キャプテンの肩を小倉監督が叩きながら
「約束よ奈津。それと…わかっているでしょ?これから自分がしなきゃいけない事」
と全ての始末を自分でつけろと言い放つ

鷲沢副キャプテンは立ち上がって私の方に近寄り
「いろいろひどい事してごめん石引。
それとあの事の始末も私が付けるから……」
と私に謝罪をし、理奈の下着を盗んだことの決着をつけると約束してくれる。

そして近くにいた小倉監督は
「じゃあ行こうか。
実は前もって中井監督に連絡してあるの
‘野村理奈ちゃんの事で話があるから今日は理奈ちゃんを早めにあがらせてくれってね’
今頃光陵のグラウンドで待っているはずだから急がなきゃ!それじゃあ沙織・久美
練習が終わったら後かたずけお願いね」

と小倉監督は残った久美と沙織に後の事を任せてグラウンドを後にする
私と鷲沢副キャプテンは急いで私服に着替えて、小倉監督の車に乗り込み
光陵の練習場に向かうのだった。
ACT18
スタジアム前には小倉監督の言ったとおり理奈が一人で待っていた。
気を使って一人で来てほしいと頼んでくれたのだろう。
土生とかいると話がややこしくなりそうだし、変な因縁が残るって配慮かな。

そんな私の考えをよそに、理奈の前に車を止めて彼女を助手席に小倉監督は迎え入れる
ちなみに私と鷲沢副キャプテンは後部座席だ
「こんばんは小倉監督。光陵の野村理奈って言います」
と助手席に座った理奈はまず初対面として小倉監督に挨拶をする。

「こんばんは野村理奈ちゃん。時間とらせちゃってごめんね〜」
と小倉監督も理奈に対して返事をし、車を発進させる。

「話は中井監督からある程度聞いてますがどうしたんですか?」
とよく分からない表情のまま私達を見て
「それに優子と……すいません貴女は…リリアムの方ですよね?誰ですか?」
と直接鷲沢副キャプテンの顔を知らない理奈は首をかしげてしまう

ただそれでも嬉しかったのだろう…今やっと一目ぼれした野村理奈に再会できて
後で忌み嫌われる可能性もあるとはいえ
「ああ…ごめん。私は鷲沢奈津
リリアム副キャプテンで付属小ソフトボールのキャプテンをしてるんだ」
と自分の素姓を説明し

「野村理奈…実はまえ光陵が付属小と練習試合を見たときあんたの投球を見て
一度話がしたかったんだ…あんな凄い球野球で見たの初めてだったから」

と熱く…だけどさっきまでの過剰過ぎる理奈への思いを完全に制御した
素直に自分の好意を理奈に伝える
自制心溢れる本来の鷲沢副キャプテンがいた

理奈はそんな鷲沢副キャプテン対して
「え〜上手ですね鷲沢さんって!そんな褒めたってなにもあげられませんよ」
と照れているそぶりを見せるのだった。

そんな会話を聞きながらまず小倉監督は鷲沢副キャプテンの家に止まる
少し鷲沢副キャプテンの表情が強張るが、意を決して家に入るのだった
流石に付属小に通っているだけあり、鷲沢副キャプテンの家は見た限りでもかなり広く
外装だけでもかなり高そうだった。

ボケッとしばらく家を見ていたら鷲沢副キャプテンは紙袋を手に持ったまま駆け足で戻ってきて
「すいません小倉監督取ってきました!」

と謝りながら再び車に戻るのだった。
理奈のブラジャーだろうな…この状況ではそれしかないと思うが、理奈のいい匂いが紙袋から少し漂ってくる。
そして私達は付属小近くにある小倉監督行きつけの喫茶店に入り
何で理奈に対してきてもらったかみんなで説明する

「……そうだったんですか。それで一人で来てほしいって」
全ての真相を知り驚きの表情のまま固まる理奈だったが

「ごめん!本当にごめん!!ブラジャー盗んで…本当に出来心だったの!!」
と机を頭でたたき割る勢いで当てて頭を下げる鷲沢キャプテンだったが

「鷲沢さん。そこまで私の事を思ってくれるのは嬉しいです
ただ鷲沢さん本人が自分で分かっていると思いますが、あなたの気持ちを受け入れられませんし
リリアムに入団しようとは全く思ってません。ですから頭をあげてください」
と鷲沢副キャプテンを宥め、手を取る。

「野村理奈……あんたは」
と鷲沢副キャプテンは…いや私や小倉監督も成り行きを見守るが

「だから正直に盗んだって言ってくれてうれしいって思っているんです
これからは同じスポーツマンとしてこれからよろしくお願いします鷲沢さん」
と鷲沢副キャプテンを許してくれる。

そしてもう一度鷲沢副キャプテンは頭をしっかり理奈へと下げ
「ありがとう…野村理奈。
これから光陵で活躍する事を応援するから…」
と心から鷲沢副キャプテンは理奈の今後の活躍を応援するのだった。

そして鷲沢副キャプテンにとっての禊は終わり、理奈と副キャプテンはメアドを交換したのち
家まで送ってくれるのだった。

まずは鷲沢副キャプテンの家前で車を止め、鷲沢副キャプテンをおろそうとするも、その前に言葉を交わす
「鷲沢副キャプテン。またあした」
「ああありがと石引。いろいろ迷惑かけたけど今度は先輩らしいところ見せてやるよ。それと…」

それと?何だろうなと思うが
「今度は負けない…選手としてまだまだ石引や沙織の陰に隠れている訳にはいかないよ
私だってリリアムの副キャプテン何だから。大泉にも言っといてね」
と改めて私に…いや私と久美に対して次からは本気の本気で向かっていくと言い切る。

ああ。こう覚悟を決めたのなら久美でも鷲沢副キャプテンを打ち取るのは相当困難だろうし
打撃や守備でもハイ・レベルな鷲沢副キャプテンだ…現時点でトータルを考えたらまだ私は及ばないだろう
だけどそんな選手が私達に対して改めて本気で向かい合ってくれると思うと胸が熱くなってくる。

「覚悟してます!でも私はもっとこれからも強くなりますよっ」
よ私も熱く鷲沢副キャプテンに返すのだった。

そしてそんな私を微笑みながら見て、副キャプテンは家に帰るのだった。
残った私を理奈も西小地区まで送ってくれて、私達をおろすと声をかけてくる
「それじゃあ野村理奈ちゃん。また試合できそうだったら改めてあいましょ!
それと優子…くれぐれも野村理奈ちゃんを襲わないように!」

とふざけたことを言い出し
「襲いませんよ!」と私は返すも
「それじゃあまた明日練習がんばろー」
と口笛を吹きながら帰っていくのだった。

「変わった人だね小倉監督って……」
「うん凄く変わった人。でもああ見えて頭はかなり切れる人なんだよね」
と小倉監督評を二人で笑いながら言っているが、二人並んで家路につき

「優子。今日家に来るの?結構ご飯の残りあるから今日はちょっと…」
「ああイイよ。その内またパスタでも作ってもってくから宜しくね理奈」
と今日理奈はご飯を持ってこなくて大丈夫と言い

「それと私のブラジャー盗んだことはびっくりしたけど、一通り話して見て
鷲沢さんって言葉は乱暴だけど感じのいい人だね。緒方さんになんか雰囲気近い気がする」
「まあ私はそんな話したこと無い人だったけど
本来真面目な人で誰よりもリリアムの選手だって言うのに誇りを持ってる人だっているのは沙織から聞いた事があるの
だからもうこんな間違えしないから安心してね、それと…」
それから鷲沢副キャプテンの事を二人で話しながら

理奈に対して鷲沢副キャプテンの名誉のため庇おうとするが
「わかってるって。翔とかには全部話したりしないから」
とこの事をしゃべらないと言ってくれるのだった。

「それじゃあ優子また明日。それと家の前とかまで待ってなくてもいつも通り来てれば大丈夫だから」
「うんわかった。それじゃあ明日ね理奈」
と大事そうにり名は紙袋を抱えながら私と別れるのだった。

その後私はいつも通り、残りの宿題を済ませてからお風呂に入り
明日の為ゆっくり休むのだった。
投下終了ですがおまけ

天馬泉(てんま・いずみ)
154cm 56kg
84(E) 57 83

西小4年 ポジションはセンター
天馬三姉妹長女。お淑やか

天馬美咲(てんま・みさき)
151cm 53kg
81(E) 55 84

西小4年 ポジションはライト
天馬三姉妹次女。しっかり者
優子のファン

天馬今日子(てんま・きょうこ)
148cm 54kg
80(E) 53 83

西小4年 ポジションはレフト
天馬三姉妹三女。元気一杯
久美のファン

ちなみに名前の由来は
某ペガサス三姉妹と某百合ロボットアニメの意地悪三人娘を合わせてみました

そろそろラスボスを出しますよ
445名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/16(月) 23:45:51 ID:mpjyxLl0
それとやっぱりKBが不味そうなので新スレを立てておきます
しばしお待ちを…
446名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/16(月) 23:49:54 ID:mpjyxLl0
■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その四 ■
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234795636/l50

新スレを作っときました
それと私の拙作に感想とかくれたら嬉しいなと思います
ではこれにて失礼を…もし何かまずい矛盾点とかできたらごめんなさい。
447暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/02/17(火) 00:40:09 ID:dOI+AtRQ
赤松登場w
微妙にキャラが違う気もするけど。
(そもそも、俺の小説のキャラは殆どキャラが被ってる気がする;)
こいつ、最初は雑魚キャラのつもりだったけど、
一気に主役級まで登りめたんだよなあ。

…それはそうと。
こっちのキャラを許可なしにいじめんといてください;


あと、久美はフォーシームではなくツーシーム。
フォーシームは普通のストレートです。

そんじゃ、こいつらと試合させてみますか…
448名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/17(火) 16:33:29 ID:KoEy6sic
一言お借りします

>>447
暴走ボート◆z95s/qs7OMさん宛に
すいません筆が進んで変な展開になってしまいました。
今度からはエロ絡みになりそうなときはちゃんと連絡します。他の作家様も同様ということで
それとツーシームとフォーシームをごっちゃにしてすいませんでした。

※業務連絡※
光陵とリリアムの試合に関して書いていただけるならありがたいです
光陵からしたらリリアムはレベルとして仮想巨神級の相手として扱っていただけたら嬉しいです
リリアムもラスボスがタイプとして光陵に近い一長一短タイプという設定です、勝敗はお任せします

それともう少し先ですけどまずくなかったらラスボスチームメイトの苗字・名前など
ある程度光陵メンバーのもじりにしてかまいませんか?
もう決まったピッチャー・キャッチャー・ライト以外あえて光陵メンバーと似たような名前や特性にしたいのですが
暴走ボートさんのご返事待ってます。では失礼を
449暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/02/17(火) 20:25:01 ID:6dIiJ4n6
>ツーシームとフォーシーム
野球の知識はこれから身につけましょうやw
ソフトボールにはくせ球はあってもツーシームが投げられるかと言われれば
何ともいえませんし…

>光陵からしたらリリアムはレベルとして仮想巨神級の相手として扱っていただけたら嬉しいです
とりあえず互角に扱う予定です。

>ある程度光陵メンバーのもじりにしてかまいませんか?
>あえて光陵メンバーと似たような名前や特性にしたいのですが
とりあえずその理由を聞かせてください。
ラスボスはいわば敵ですから、敵のモチーフにするのには何か理由があるはず。
逆に理由も無しにそれをされるのはちょっときついですね。

…巨人、阪神から取っている以上俺もあんまり人のことはいえませんが。
450名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/18(水) 13:18:37 ID:/5LjmGuw
>>449
すいません本当にド素人で…
それと気を使っていただいてありがとうございます。

また理由としては読者の方がすぐ連想しやすいかなと理由ですが
あれから考えて暴走ボートさんに対し失礼になってしまいそうなので、名前のもじりは止めておきます
その件をはお騒がせしてすいませんでした。
451暴走ボート ◆z95s/qs7OM :2009/02/18(水) 16:20:05 ID:DKUwdFdv
あの雑魚キャラを連想できる人はいないと思うが…
こっちも野球関係者をもじっているわけですが、
雑魚キャラの実力は本物には遠く及ばないわけで。

どうせならソフトボール関係者からもじってみればいいのでは。
…有名なのは上野くらいしかいないか;
452名無しさんX ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/19(木) 20:16:56 ID:7VQ8aGss
どうもこんばんはです皆様
後日談件ラスボス関係を投下…したいのですが思いのほか長くなってしまい
たぶんその四に跨ぐと思いますがお許しを

>>451
ご返信ありがとうございます
いえそうではなくて暴走ボートさんのメンバーみたいな奴って、読者の方が想定してくれたら
と思ったのですが、いろいろややこしくなるのが見えたのでやめました
ソフトボールに対してもまったくなので、適当にこれから名前を付けてみます。

では投下開始
453戦乙女たちの小休憩〜虎の ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/19(木) 20:18:35 ID:7VQ8aGss
ソフトボールの戦場に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、白と赤のユニフォーム。
短めのホットパンツからは白魚のような足を露出させ、豊かな胸もとを泥まみれにしながら激しく揺らして走るのがここでのたしなみ。
ここは東日本最強ソフトボールサークルリリアム。ここは、乙女たちの楽園にて地獄。

とにかくキャッチ 戦乙女たちの小休憩〜虎の挑戦状

ACT19
日曜日 朝
リリアムは今6年生チームと4・5年チームに分かれ練習形式の猛練習中である

(くっそーこの間と全然違う。流石に沙織お姉さまと限界まで競っただけあるという事か
鷲沢副キャプテンの実力って…)

4・5年生、いや年齢のカテゴリーに当てはめるのは実際適格ではない
リリアムの中でも1.2を争うほどの投手…大泉久美その人であった。
そんな彼女でも当然打たれる場合もある。

たった今ワイルドな少女…リリアム副キャプテン鷲沢奈津に安打を浴び、つい久美はホゾをかむ。
奈津の俊足で2塁まで押し切られてしまったからだ。

そしてなんとか2アウトを取っているとはいえ、2塁.3塁にランナーがおり
久美にとって最悪と言える相手が立ちふさがる。

その少女は髪を三つ編みにし優雅に、悠然とそびえる。
6年生どころかリリアム内で最大のホームランバッター神楽坂沙織その人だった
(よりによってお姉さまか…しょうがない、こうなったらお姉さまでも絶対打ち取らなきゃ…)
自分が一番に慕う沙織を前に、自分が最も信頼している女房役のキャッチャーに対して

「リードお願いね優子!!」
そう言ってキャッチャーボックスに入る少女…石引優子にボールを投げ
最適な計算をしてもらう
454戦乙女たちの小休憩〜虎の挑戦状 ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/19(木) 20:21:46 ID:7VQ8aGss
(2アウトか…相手は沙織……下手な球を投げればホームランだけど
流石に満塁になる以上敬遠も無理…幾らなんでもスタメンでは無いとはいえ5番打席の
先輩相手にハイリスクの行動はとれない、だったら打たせて取る!)

優子は久美に対してカーブを投げてもらうようサインを送る
スピードと球威そのものでは剛速球
すなわちフォーシーム・ファーストボールを使う投手と比べ若干見劣りする所がある反面

久美自体が打者の目線で変化するツーシーム・ファーストボールの使い手の上。
元々通常の変化球を得意とし、戦術として討たせて取る投げ方もできる。

(久美のカーブの切れなら…打たれても凡打に持ち込める……頑張って久美!)
そんな優子の覚悟を組んでか…久美も切れ味鋭いカーブを投げる
剃刀のような切れ味で曲がり、ストライクコースに飲み込まれる…はずだったのだが

バットの破裂音が響く
沙織は高々と外野に向かって飛び、全員懸命に走りだす
打撃の向かった先は…レフトだ!

「レフト!取れぇぇ!」
久美は大声でレフト守備の少女に指示を出す。
その少女は大急ぎで落下地点に走り込み、ダイビングでボールに飛びつくも今一歩届かない。

「しまっ!届かない!!でも久美様のためだったら!!」
ボールには届かなかったが、すぐに立ち上がりサードに返球し、なんとか1塁・3塁で沙織と奈津をとどめる。
1点取られてしまったとはいえ、2点以上取らせなかった少女の…天馬三姉妹三女。天馬今日子の意地が光る返球だった。

「ドンマイドンマイ!しまって行こう」
そんな好プレーをみて点を取られたのではなく、点を抑えたと元気付けるため
優子は声を上げるのだった。

そんな様子に相棒の久美や項垂れる今日子
そしてセンターを守っている天馬三姉妹長女天馬泉
ライトを守っている天馬三姉妹二女天馬美咲も優子の声援で励まされるのだった。
「ほーみんないい感じじゃない!」
ベンチで座りながら楽しそうに、リリアムの試合を見ている女がいた。

その女はかつてリリアムキャッチャーを務め。そして今愛するチームに監督として戻ってきたのだ。
その女の名は小倉伊織…リリアムを知りつくした存在と言っても過言ではない。

そして……
その隣には大規模な設備でその試合録画している技術部がいたのだった。

「さてと…このチームに貴女はどうやって挑むのかな? 桜ちゃん」
そんな風に誰ともいわず伊織は呟き、今日来るべき人を待つのだった。
455戦乙女たちの小休憩〜虎の挑戦状 ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/19(木) 20:22:58 ID:7VQ8aGss
ACT20
試合結果
6年生チームVS4.5年生チーム 6イニング結果は
5対3と流石に先輩としての貫録を見せたが、4・5年生サイドも十分善戦したといえよう

「ありがとうございました!」と試合が終わった後はお互いの健闘をたたえて固く握手を結ぶ

そしてお互いベンチに戻って反省会
「ごめんなさい久美様…私が届けば少なくても一点失う事はなかったのに……」
今日子は久美の期待に答えられなかったことに対して悲しげに謝罪するが
「いいえ…これは私のミスだから…今日子ちゃんは十分いいプレーだったよ」
と4年とはいえスタメンに選ばれるほどの好プレーを見せた今日子に対して、優子はなだめ。
「いやいや。これは打たれた私のミスよ。優子…今日子
お姉さまにコースを読まれた私のミス」
久美は自分が完全にコースを読まれたと思い、自分のミスだという。
そんな自分の未熟さを改めて見つめ、学ぶ。

一方6年ベンチも
「危なかったですわ…もう少し力が足りなかったら確実に凡打でした
流石に久美…それに懸命に飛びついた天馬さん。そして久美に対して最善策を提示した石引さん…」
と見事に打った沙織も内心ひやひやしていた事を吐露し
「流石に大泉と石引のバッテリーを打ち崩すのは大変だった…私でも確実に打てる保証がないものな」
と奈津の方も沙織に同意するのだった。

そんな反省会・あるいは相手の力を知り彼女達はもっと強くなっていく。

そんな中 伊織が全員を集め
「それじゃあかたずけって所だけど
実はね…ビックゲストがいるから部屋の御掃除みんなでやって!その間私はゲストを迎えに行くから」

と本日来客があると宣言し、リリアムメンバー全員残って清掃をしてほしいと言い出す。
流石にみな誰だ誰だとがやがやしだすも、流石にキャプテンの沙織が仕切り
「わかりましたわ小倉監督。それでは恥ずかしくない位にはかたずけて置きます」
と伊織に一礼し、メンバー全員スタジアムから廊下など、てきぱき指示を出し政争の準備をさせながらも、自分もグラウンド清掃を始める。

「ごめんねみんな。それじゃあ出発しまーす」
とそんな姿を見届け伊織は出発する。
456戦乙女たちの小休憩〜虎の挑戦状 ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/19(木) 20:24:58 ID:7VQ8aGss
ACT21
1時間後
清掃具合も完ぺきといえるほど全てぴかぴかとなり
汚れどころかホコリ・水滴すら完全になくなって、あとはゲストを迎えるだけとなっていた。

二人コンビで清掃をしていた優子と久美だったが大方掃除も終わり、一息交じりで話しこむ。

「誰なんだろうね…今日来る人って?」
まず優子に話しかけた久美だったが
なんとなく久美から誰が来るんだという表情となり

「分かんない。誰なんだろう?」
優子の方も全く見当がつかず、久美と同じような表情でオウム返しをする。
そんな二人に近寄ったのは奈津だった。

「鷲沢副キャプテン!誰が来るか知ってますか?」
と何か知っているのかなと優子が話しかけるも首を振り。

「いや私も知らない。ただ今日野村理奈が試合だな〜って思って話しかけに来たんだけど石引」
と優子の幼馴染。野村理奈が今頃リトルリーグの試合で活躍している頃だろうと話を切り出す。

そんな発言に久美の方は
「ま〜だ懲りてないんですか鷲沢副キャプテンは?
野村理奈なんてどうでもいいでしょう?光陵にいるんですし…一回戦目で負けるんだったらそれまででしょう」
と全く興味なしという表情で言い返すも、気にせず奈津は話を続け

「まあそういうなって大泉。
石引!確か聞いた話だとたまに野村理奈に対して料理持って行くんだって?
今日野村理奈疲れて帰ってくると思うからなんか持って行ってやんなよ」
と奈津は優子に対して野村理奈に対してなにか料理を持って行けと言い出す。

そんな奈津に対して優子も
「そうですね。今日リリアムの方は早上がりって聞いてますし
夜にでも理奈にパスタでも持って行ってみますよ。試合結果とか聞きたいですし」
とうれしそうに微笑み返すも、久美は露骨に不機嫌となり。

「はぁ?野村理奈料理作れないの?
あんまり甘やかさない方がいいんじゃないの?」
と冷やかすも、優子の方が久美に対して

「じゃあ久美は料理作れるの?
簡単な例で料理の大原則さ・し・す・せ・そ言ってみてよ」
と切り出してみる

「え?おぉ言ってやろうじゃない
酒・塩・酢・セロリ!・ソース!」
と大外れの答えを言い、奈津は大笑いで
「あーはっはっは!!違うよ大泉
砂糖・塩・酢・醤油・味噌で、出来るだけその順番に調味料を入れると味が染みるってことだろ石引?
ああもちろん文通り全部入れろってことじゃないよ大泉!」
と料理の基本さ・し・す・せ・その解説をするのだった。

「久美ったらぁ!酒とソースで間違える人はいるけどまさかセロリなんて言う答えが出るとは!
わぁっはっはっは」

そして横で大笑いしている優子を見て膨れる久美であった。
「もう!料理なんてまだまだできなくても困らないんだから
それよりも野村理奈ってリリアムでも本当に必要だったんですか?鷲沢副キャプテン?
野村理奈並みの剛速球選手ってソフトボールではいないと思うんですが〜」
ちょっとメンツをつぶされた久美は奈津をからかってやろうと言葉を出すも意外な返答が返ってくる
457戦乙女たちの小休憩〜虎の挑戦状 ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/19(木) 20:27:18 ID:7VQ8aGss
「いや大泉…石引…実を言うとな。
ソフトボールにもいるんだよ。野村理奈並みの速さの奴」
と、実際ソフトボールにも投球スピードが超小学生級と言い切れる、野村理奈並の球を投げる人間がいると言い出し。

「「え?」」
と二人とも驚きの声を上げる。

そんな驚きの声を上げる二人をよそに奈津は会話を続ける。
「いやね…去年。大泉はおたふくで寝込んじゃったからあの試合には出れなかったけど
その選手の前にほとんど討ち死に状態だった…何とか沙織が一矢報いたとはいえね」

とそのとんでもない投手の前にリリアムメンバーはほとんど打てなかったといい

「それに打者にしてもとんでもないやつがいた
守りは雑だけど打撃が凄くパワフルなやつで、私や沙織を越えたとんでもないのがいたの」

と打撃においてもリリアムの二枚看板と言える沙織と奈津を超える選手がいると聞き
誰だそれって表情に優子・久美ともなっていく。

そんな驚愕の表情を浮かべた二人を見ながら、奈津は息をつき
「まあ私が野村理奈に執着したのは元々野村理奈に一目ぼれしたこともあったんだけど
実際彼女たちを見て少し焦っていたのかもね」
と過去に失敗をした自分をさげすむように、他人事風に話し

「誰なんですか?その人たち…」
「お姉さまを超える相手って……」
優子・久美の二人とも顔を見合せつつ、奈津を見る

「沙織はまだ言ってなかったのか?
去年秋の本大会で優勝した関西のタイガーソウ……」
奈津は言いかけるが、その時伊織が大慌てでやってきて、リリアム全メンバーを集合させる。
沙織や近くにいた奈津もあわてて周囲に指示を飛ばし、集合させる。
近くにいた優子と久美は伊織の隣に女の子がいるのを確認した。

隣にいる可愛らしい少女は見慣れないユニフォームを付けていた
少女としか思えない風貌なのだが、意外と長身で体つきはしっかりし何より……
少女の胸は少年と言っていいほど真っ平らで、まるで胸がなかったのである。

その少女が今後の暴風第一号となるとはだれ一人として知らなかった…
458戦乙女たちの小休憩〜虎の挑戦状 ◆q5tFVKFOs2 :2009/02/19(木) 20:30:36 ID:7VQ8aGss
ACT22
「こんにちは。私は小学5年生で関西のソフトボールチームタイガーソウルでライトをしている鈴木凛です!
リリアムの皆様の事は大河キャプテンや九条副キャプテン。そして春日監督から聞いてます!
今後ともよろしくお願いします!!」

それがその少女……鈴木凛の声であった。

そんな凛のさわやかな自己紹介が終わって伊織は
「ありがとう凛ちゃん。凛ちゃんは関東出身だけど今年関西に引っ越してきたばかりで
レギュラーに選ばれた精鋭よ。みんな拍手拍手!!」
と凛をからかっているのか称賛しているのか、それともその場のノリで言っているのは不明だが
凛に対して拍手を求め、みんな訳も分からず大きな拍手を送る。

その雪崩のような拍手の大音に
「や…恥ずかしいです。そんな皆さんに拍手されて…まだまだ若輩なのに……」
と照れているようだった。

そしてさっと伊織は手をあげ拍手を辞めさせ、次に移る
「それから。タイガーソウルの方から凛ちゃんを通じて挑戦状を持ってきてくれました
それをみんなでこれから見ようと思うから、急いでミーティングルームにいこみんな!!」
とミーティングルームに移動する。

ミーティングルームに向かいながら優子と久美…そして沙織の三人で固まり
久美は奈津から話を聞きかけたこともあり、沙織に聞いてみる。
「お姉さま。挑戦状って何なんです? タイガーソウルって一体…」

優子も久美同様状況が分からず、ただ沙織を見ていただけであった。
「やれやれ…彼女たちの方からやってくるとは……
去年私たちリリアムを破ったチームですよ」
と簡素にタイガーソウルはリリアムに勝ったチームだと宣言する。

優子は久美同様直接タイガーソウルを知らない為。
「それって…タイガーソウルはいったいどんなチームなんですか?」
と沙織に聞いてみるも

「それは鈴木さんが持ってきてくださった挑戦状を見ればわかりますよ」
といつもと変わらぬ微笑みを見せ安心させる。

そして鈴木凛が持ってきた挑戦状の入ったDVDをセットし、DVDの映像が始まる。

【やっぱり足りそうにないので
 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その四 ■
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234795636/l50 で続きを投下します】
459名無しさん@ピンキー
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  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                 , ─ヽ
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|__|__|__|_   __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________
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|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
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────────(~〜ヽ::::::::::::|/        = 完 =

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                人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
           从  iヽ_)//  ∠    再  開 !!!!
          .(:():)ノ:://      \____
          、_):::::://(   (ひ
          )::::/∠Λ てノし)'     ,.-―-、   _
______人/ :/´Д`)::   (     _ノ _ノ^ヾ_) < へヽ\
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|__|| 从人人从 ..|__L_/      .( ヽ     ::|
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        巛ノi
        ノ ノ                  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ノ')/ノ_ら      ∧_∧       | いきなり出てくんな!!
      、)/:./、      ( ´Д`)      | ビックリしたぞゴラァ!!!
     )/:./.:.(,. ノ)    `';~"`'~,.       \   ________
     \\:..Y:.(  ・ ''    :,   ,. -―- 、|/
_____ 从\、,. ,; .,、∴';. ・  ( _ノ~ヾ、ヽ
|__|_ _(_:..)ヽ:∴:@)       ノ(゚Д゚ #) )
|_|__|_人):|:・:::∵ヽノ)    (_(⌒ヽ''" `ー'
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