1 :
名無しさん@ピンキー :
2008/11/14(金) 12:58:00 ID:7lsx03sP ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。
○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど)
○ぶつ切りでの作品投下もアリ。
■ヤンデレとは?
・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。
→(別名:黒化、黒姫化など)
・転じて、病ん(ヤン)だ愛情表現(デレ)、またそれを行うヒロイン全般も含みます。
■関連サイト
ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ
http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/ ■前スレ
ヤンデレの小説を書こう!Part19
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1223789052/ ■お約束
・sage進行でお願いします。
・荒らしはスルーしましょう。
削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。
■投稿のお約束
・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
・作品はできるだけ完結させるようにしてください。
・版権モノは専用スレでお願いします。
・男のヤンデレは基本的にNGです。
はやくね?
>>4 part19はもう作家さんが投下できないだろうからいんじゃね?
こっちで待とうぜ もちろん全裸に正座で
ただの全裸は誰でもできる
紳士ならば靴下蝶ネクタイ着用こそ正装
もちろん正座で待ちます
まあ
>>1 乙
修羅場スレに帰れ
短いですが、投下します。
と、忘れていました。百合注意。バトル展開注意。グロ注意。 以前書いた短編『二人なら』の続編の、一話完結の中編三部作『the Two in the Dark』の一作目『the inFinite Evils』。 中編だけあって非常に長いので、ぶつぎりに投下します。 今回は序章(チャプター1)です。 では、始まります。
あてのない旅をしていました。 たどり着く場所なんてないのに、私はどこかにある――ないかもしれない、安らぎを求めて旅をしていました。 「寒いね」 傍らにたつ少女――涼ちゃんは、私の腕をぎゅっと握って呟きます。 唇が震え、衰弱している。 私は、焦っていました――このままでは、涼ちゃんはもう長くない。 二人であてもなく歩き始めてもう半年。なんとか生き延びてきた私達。 しかし、涼ちゃんは旅のなかで少しずつ弱ってきました。 食事も何でも、特に障害はないのですが、ただ『生命力』が奪われたかのように、動きが遅くなり、鈍くなってきました。 医者には何度も見せました。 しかし、ヤブ医者達は、涼ちゃんを散々こねくりまわして調べても「原因不明だ」などと無責任にも穿き捨てるだけでした。 あろうことか、大学病院で研究させてくれなどという輩もいました。 私は、そんなわからずや達を殴りつけ、涼ちゃんを治せる人のいる人を探しました。 そして、歩きつづけたその果てに、私は自分達がどこにいるかもわからなくなりました。 日本かどうかもわからない、何もない荒野を何日も歩き続けました。 「これを着てください、涼ちゃん」 「でも、希望(のぞみ)が……」 「私はかまいませんから!」 私は自分の来ていた上着を涼ちゃんに着せ、その身体を支えながら歩きました。 雪が降っていました。 べたべたと私達の服に張り付き、溶けて冷たい水となり、体温を奪っていきます。 がたがたと身体を振るわせる涼ちゃん。震える唇は、変色していて。 綺麗。
……綺麗? なぜ、私はそんなことを思ったのでしょうか。 死に行く涼ちゃんを見て、綺麗? そんな、馬鹿なことがあるわけがない。涼ちゃんは、太陽なんだ。 私は、いつも元気な涼ちゃんが好きなのに、なぜ、一瞬でもこんなことを考えてしまったのだろう。 私は、涼ちゃんに生きていて欲しいのに。 「……希望、あたしたち、死ぬのかな」 「死なせませんよ。涼ちゃんだけは、絶対に、私が守りますから」 「でも……」 ――希望が死んじゃったら、あたしも生きていけないよ。 涼ちゃんはけなげにもそう呟きました。 だから。だからこそ、私は涼ちゃんを絶対に死なせないという決意をしました。 徐々に、雪は大雪に。大雪は吹雪に変わっていました。 積もった雪が脚に絡まって、私達の歩みを邪魔します。 「……」 怒り。 衰弱していく涼ちゃんの顔を見ていると、怒りが溜まってきます。 もちろん、涼ちゃんへの怒りではありません。 この世界の、全てへの怒り。 運命を決める、神への怒り。 「どうして……?」 どうして、この世界はこんなにも優しくなってくれないのでしょうか。 私と涼ちゃんは、二人だけで生きていきたいのに。 私と涼ちゃんは、二人いればそれだけで幸せなのに。 なぜ、奪い去ってしまうのでしょうか。
「もう、いいよ……。希望、あたしを、捨てていって……」 「……!? 涼ちゃん、何を言って……!?」 「このままじゃ、希望も死んじゃうよ……。あたしが、足手まといだから」 はぁはぁと呼吸もままならず、震える声で私にそう訴える涼ちゃん。 そんな……。 涼ちゃんは、私のために死のうとしている。 そんなこと、私が望むわけがありません。 だれのせいか。それはもう、分かりきっていました。 この運命を決めた何か。――おそらく、神と呼ばれるもの。世界そのもの。 もう、気付いてしまっていました。 私達を苦しめるもの……。涼ちゃんの命を奪おうとしているもの。 「……そんなこと、できるわけがありません」 涼ちゃんの頬を撫でる。 冷たい。 でも、すべすべの肌は、やっぱり気持ちよくて。私の大好きな涼ちゃんの感触で。 この感触は。 涼ちゃんのぬくもりは。 放したくない。 絶対に。 「……私はっ!!」 涼ちゃんを強引に掴んで背負い、走り始める。 私と涼ちゃんは同じくらいの体重。かつ、私の筋力はそこまで大きくありません。 でも、だから背負えないなんて。 そんなの、誰が決めた? 神ですか?
なら、私は逆らって見せようって、決めたんです。 「……希望」 ざくざくと雪を掻き分けて、私はがむしゃらに前に進みました。 ひたすら、前を。 時に、雪に足をとられて転んでしまうこともありました。 その時は涼ちゃんだけは命をかけてかばいきり、私は再び走りました。 いつしか、身体が血だらけになって……。感覚がなくなってきて。 涼ちゃんは、すでに何も言わなくなって。 呼吸すらしているのか怪しい。そんな危険な状態でした。 「はぁ……はぁ……」 何も見えない。真っ白な世界。 完全な闇と、同じでした。 白と黒。反対だなんて、誰が決めたのでしょうか。これも神でしょうか。 ――同じじゃないですか。 怒りと憎しみと。同時に、笑いが零れる。 「神さま……」 存在するはずの無い、神に、いつしか私は祈っていました。 「涼ちゃんをこんなにしたのは、あなたなんですか……? 私に、ひとつたりとも幸せをあたえようとしないのは、あなたなんですか……?」 涙が流れていることに気付いたのは、このときでした。 凍ってしまって、頬にずっと張り付いていました。 「神さま……涼ちゃんを助けて……! そのためなら、私、なんでも……なんでもします!」 神をあがめてなどいない。 でも、これが本心だった。
「涼ちゃんのためなら、私は、悪魔にだってなってみせます! どんな天罰でも受けて見せます……。だから!」 ――だから、涼ちゃんを助けて……! 光が。 光が、生まれました。 そして、意識を失う直前に私が見たのは。 白い霧が晴れた先にある。 暗いくらい。 『漆黒の街』でした。
『the inFinite Evils』
作品予告 「君は特別なんだよ」 突きつけられた事実。 「だからって私……。人には、できることとできないことがあるから……」 戸惑い。 「この子は大きすぎる悪意を感じ取ってしまっている。それがこの子の生きる意志を縮小してしまっているんだ」 義務。 「ありがとう!」 覚醒する希望。 「正義を成すことが、こんなに嬉しいことだなんて、初めて知りました」 終わらない戦いの始まり。 「もっと強くなりたいです!」 そして……邪悪。 「そうやって大きすぎる夢を持ったから、人間は争ってんだろぉ!?」 怒りと憎しみ。 「それでも私は……前に進むって決めたんです!」 愛。 「この身体が朽ち果てても、護りたいものがあるから」 短編連作『the Two in the Dark』 First tale『the inFinite Evils』 始まります。
ってなわけで、ワイヤードそっちのけの短編(中編)連作を開始してしまいました。 これには理由がありまして。 ワイヤードの書き溜めが前に消失したことでいろいろと遅れてしまったことと。 ワイヤードのプロットは終盤までだいたいできたのですが、あまりに長くて一年くらい書くのに費やしそうだったことで。 三月くらいまで(忙しいので)は月刊くらいにしてしまって、それまでは短編書きとして活動しようかと思ったというのが理由です。 では、チャプター2は明日。
22 :
アキト :2008/11/14(金) 23:53:57 ID:KTERV6vH
乙ですよー。
GJ
作品予告(笑) 作家気取りも大概にしろよ
つられないくま 作者氏のほうはGJ! 俺たちはこのスレで作家の役割を担ってくれている人に敬意を持っている 続きも待ってる それがヤンデレを愛するヤンデレマイスターだ
私達がヤンデレだ!!
いい釣堀だ
修羅場スレ修羅場スレって馬鹿じゃないの
デレッデレの状態からなんらかの事情で病み始めた時期が一番かわいい。
ヤンデレデレが読みたい
>>32 スレタイ見てみろよ、いつまでも読者気分じゃいられねえんだぜ
「叩かれてもいい!」って位の気迫でその妄想を文にする作業に入ってみろよ
いやその理屈はおかしい。 なんで今日はこんな殺伐としてんだ… ヤンデレか。ヤンデレの仕業が。
別に殺代としてないぜ?^^
流れぶったぎって投下余裕でした。 短編投下します。 特に注意事項はありません。しいて言えば、ロボ注意。
『魅惑のヤンデロイド』 「おじいちゃん、メイドさんが欲しい!」 いつだったろう。小さな頃、僕は洋画が好きで、祖父にこんなことを口走っていた気がする。 日本では見かけない――最近は喫茶店にパチモノが横行しているが――メイドさんという存在。 僕は子供ごころながら、その魅力に取り付かれていた。 「だからって、学校で『エマ』を読んで良い理由にはならないわよ、高雅(こうが)」 「エマは良い。つつましやかなメイドの魅力がつまっている……!」 「だからって一巻につき三冊持って来て布教したら周囲にも不快だろうがだあほっ!!」 ごぼっ! 息がやばい! お前のパワーで俺がヤバイ! 俺、『高雅(こうが)』にスリーパーホールドをかけているこの乱暴者は、幼なじみの『恋(れん』。 オレの理想とするメイドとは似ても似つかないほどにがさつな女だ。正直、興味ないね。 メイド喫茶でバイトをしているらしいが、こんなやつの働く店には行く気にもなれん。 さらにいうなら、メイド喫茶の存在自体が俺にとってはあえて言おう、カスであると。 なんだ、あのカラフルなメイド服。なんだ、あのふりふりの媚びたエプロンドレス。なんだ、あの短いスカート。 つつましやかで、控えめで、御主人をたてる健気さがメイドの良さだろうが! それを勘違いした馬鹿どもは、われ先にと金儲けのためにあんな『わかってない』施設を作りやがる。 ったく、世の中くさってんな。 二次元の世界でも同様だ。 流行りだからって、メイドだしゃいいってもんじゃねーぞ。 まずはロングスカートじゃないやつ。そいつまず除外だからな。 さらに、ロングスカートを、武器を隠すためにつかっているやつ。もはやグレーだね。 俺くらい心が広くなければ、あれも即死だろう。メイドの道というのは、それほどにおくが深い。
「さっきからなにアホなことぶつぶついってんの! もう放課後よ!」 おっと、トリップしていたようだ。恋に殴られたときには既に今日の授業すべてが終わっていた。 「さっさと帰るわよ、ほら、立ちなさい」 「あ、ああ」 恋に腕を引っ張られて無理矢理立たされる。 ああ、メイドさん欲しい。 恋は世話焼きだ。親が不在の俺をいつも気遣って、お越しに来てくれて、朝飯と、弁当を作ってくれる。 部屋だって片付けてくれる(これは余計なお世話だといえるかもしれないが)。 行動自体には感謝している。幼なじみとして、恋はすばらしい女だと言える。たぶん、誇って良い。 しかし、こいつのしている俺への世話は、極端に乱暴だ。 俺がこいつに抱いている不満はその一点。 メイドさんと同じような役割を果たしてくれているくせに、心はガサツな幼なじみ。 ここ、治らないかな? 「ちょっと、なに人の顔じろじろみてんのよ……」 恋はつんとして目をそらした。なぜか顔が赤い。 「いや、もうちょっとおしとやかなら良い女なんだがな……って思って」 「え……そう、かな……?」 ん、なんか変だな。てっきり「余計なおせわよ!」とか言って殴られるかと思ったが。 「やっぱり、あたし。乱暴、かな……。もっと、女の子らしくしたほうが良いかな……」 しゅんとして下を向く恋。まずい、悲しませてしまったか。
急に罪悪感が沸いてくる。空気をよめないことで定評がある俺だが、他人を傷つけて平気なほど面の皮は厚くない。 「い、いや、そんな無理して変わる必要はないし、それに俺個人の意見だからさ! ……ほら、別に俺の好みってマイノリティだし、合わせても得はないぞ!」 「……あんたにあわせなきゃ、意味無いわよ」 ぽそりと呟いた恋。 俺にはその声は小さすぎて届かなかった。 恋はそれっきり黙りこくってしまった。 「と、とにかく。俺の家、あがれよ! 茶菓子くらいは出すからさ!」 俺の家の前についたとき、俺は意を決してそう提案した。 恋の機嫌をそこねると、俺の日常生活もやばい。 俺には全くといって良いほど生活力が無い。なんだかんだで、恋なしには生きていけない。 「最初からそのつもりよ。あんた、覚えてないの?」 「なにを……?」 「今日、あんたの誕生日でしょ! あたしがごちそう作ってあげるから、最初からあんたの家に上がるつもりだったっていってんの!」 「そ、そうか! そうだったな! なら、今日は久々にどんちゃん騒ぎに……」 家の扉のノブをつかむと、違和感があった。 「あいてる……?」 「あんた、また鍵かけわすれたの?」 「いや、そんなことは……まさか、泥棒か?」 「やだ、ちょっと、やめなさいよ」 俺は恋の制止を振り切って、ドアを開けた。 俺の家にはたくさんのメイドさんフィギュアが眠っている。価値を知らない素人に傷をつけられては大変だ。
「……だれか、いるのか?」 ――もしくは、いたのか? 心の中でそう付け加えて、家の中に入る。 緊張する。他人の家みたいだ。 すり足で家の中を進む。あまり荒らされた印象は無い。 「お帰りなさいませ」 「びやああああ!!!!」 いきなり背中から声をかけられ、馬鹿みたいな大声をだしてしまった。 「ちょっと、高雅! どうしたの……!」 恋もどたどたと追ってくる。 「あわ……あわわ……」 俺は腰が抜けて動けない。 侵入者はそんな俺に徐々に迫ってくる。恐怖で目を開けられない。 「高雅!! このっ……高雅に、手を出すなぁ!!!」 恋が侵入者に飛び掛かった――っぽい音がした。 「きゃ!」 どたんと何かが投げ飛ばされて床におちる音がした。たぶん、恋だ。 「失礼。急に攻撃をかけられたので、反射的に」 ……ん? 冷静になってみると、それは女の声だった。若くて、綺麗で、透き通った声。 少しずつ、目をあけて見る。 「……!?」 そこには、メイドが立っていた。 まぎれもない。否定しようがないその佇まい。 まさに、メイド。それ以外のことばでは表現できない。 メイドだった。
「改めてご挨拶いたします。私は博士――あなたのおじい様によって製作された、人間型.Yarn.D.Ray.スーツ.オートタイプ『YDR-001A.コロナ』と申します。御主人様、お帰りなさいませ」 『コロナ』は、そう言うと床に三つ指ついて丁寧なお辞儀をした。 完全に計算された動作だった。 「とにかく、椅子に座ってくれ。俺らだけテーブルってのは、目覚め悪いだろ」 「しかし」 「いいから。頼む」 「御主人様の命令なら」 そう言って、コロナはテーブルの、俺のむかいの席に座った。 隣には、なぜかぴくぴくと額を震わせて怒りをこらえている恋。居心地悪い。 「つまり、あんたはじいちゃんが俺のために送り込んできたメイドロボってことなのか?」 「はい。誕生日プレゼントであるとのことで、先日ロールアウトされたばかりのワンオフ機である私を高雅様に」 「つまり……コロナは、俺専用の。世界で俺だけのメイドってことか……?」 「はい、そうなります」 コロナはいまいち感情の表されていない顔で頷いた。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」 「なんだよ、恋」 「なんであんたは普通に納得してんのよ! もっと疑いの心を持ちなさい!」 「疑いって、この状況でそれ以上に適切な説明があったか?」 「あるでしょうが! この人が泥棒が見つかった言い訳をしている可能性とか、ただのストーカーがあんたに近づきたいがためについた嘘とか!」 「まさか。俺らを倒したんだから、そのまま逃げてもいいだろう。それに、俺なんかにストーカーがつくかっての。アイドルじゃあるまいし」 「……なら、しょーこ見せなさいよ! コロナとか言ったわね。あんたがロボットだっていう証拠はあるの!?」 恋は、俺に話が通じないとみると、今度はコロナを指差してまくしたてた。 「証拠、ですか」
「そう、証拠よ。ロボットなら、『らしい』ことができるでしょ。目からビームとか、大車輪ロケットパンチとか」 どこのマジンゴーだ。 「そういう武装はついていません。高雅様はそういうごてごてしたものがお嫌いとのことで、博士がなるべく人間らしく作ってくださいました」 「……なら、不審者じゃないって証明できないじゃないの」 「そこまで言うのなら……。恋様、『ターミネーター2』はご存知ですか?」 「当たり前よ」 「なら、その手法を使います。しばしお待ちを。包丁を用意します」 ここまできてやっと意味がわかった。 グロ注意ってことだ! 「ちょ、やめろって! コロナ、お前は俺が保証する! だからストップ! ウェイト! 分かるな!」 「御主人様の命令は特Aレベルの優先順位となります。よって、いかなる状況処理を無視してでも有効です。無論、従います」 ほっと胸を撫で下ろす。 いきなり腕の皮をはごうだなんて、マジ、やばい。 洋画でグロ耐性がついた俺でも、そういうのをリアルでみたらショック死しかねない。 「……まあ、いいわよ。高雅の誕生日を祝う人間が一人くらい増えても、ばちは当たらないもんね」 やっと恋は納得したようで、すっくと立ち上がった。 「もういいわ。とりあえず、誕生祝いのおいしい料理、つくったげる。待ってなさい」 そう言って、恋は俺の家におきっぱのエプロンをつけた。 「その必要はありません」 「……どういうことよ」 恋がコロナをキッと睨んだ。あまり良い感情を持っていないようだ。 「既に作ってあります。勝手ながら、御主人様が帰ってくる時間にあわせて料理を完成させていただきました」 コロナはキッチンにすたすたと入ると、その二秒後にお盆に大量の皿を載せて帰ってきた。 「……」 恋はあんぐりと口をあけて、言葉を失っていた。 俺もおなじだったろう。
「御主人様、お口に合うでしょうか」 「ああ、美味い! ロボットが作った料理ってどんなもんかと思ったけど、すげーよ! 恋とはえらい違いだ!」 「……くやしいけど、確かにすごいわ」 恋は悔しそうにしていたが、箸は進んでいた。 恋も料理は下手じゃない。むしろ、上手なほうだろう。しかし、コロナはその遥に上を行っていた。 「御主人様の賛辞が、私には最大の喜びです」 コロナはそう言ったが、顔は喜んでいない。最初から最後まで、全く同じ、作られたかのような綺麗な顔。 無表情。まるで、彫刻かなにかのようだ。 「他にも、御主人様のお部屋の掃除、庭の水やり、洗濯、お風呂掃除。全て完了しています」 「まじかよ。すげぇな」 そう言えば、妙に家がぴかぴかしている。 これがコロナの実力か。 全てが、恋とは違う。 「ははっ、こりゃ、もう恋はお払い箱ってやつか?」 「ぇ……」 恋が俺を見つめた。 その顔の衝撃を、俺は一生忘れないだろう。 「それ、ほんとう……高雅……?」 絶望。 その顔には、絶望という言葉そのものを形にしたようなものが表れていた。 まずい。まずいまずい。 恋は、いままでにも何回かこの状態になったことがある。 まずい。過去のトラウマが呼び覚まされる。 あれは、俺がクラスの可愛い子についていろいろ褒めていたときだったか。 「あたしは、もう、いらないの……?」 光を失った目で、そう呟いた。 そう、あのときと今は、全く同じ。
「い、いや、そういうわけじゃ……」 「そのとおりです」 ――いや、違う。 コロナが口を挟んだ。そう、今はコロナがいたのだった。 「恋様。あなたは御主人様のお世話をしていただいて、感謝しています。しかし、これからは私がその任務を引き継ぎます。あなたは、もう用済みということです」 一瞬、耳を疑う。 コロナは、恋に追い討ちをかけた。 馬鹿な。 「これからは、御主人様の全てが私に。私の全てが御主人様のものとなります。ですから、あなたはもう必要ないのですよ」 「そんな……そんな……あたしは……高雅の……」 恋は頭を抱え込み、ガタガタと震えだした。 「お、おい、恋。落ち着け……」 「高雅の……高雅が……全てだったのに……あんたなんかに……」 恋は震える手でキッチンに置いてあった包丁を握り、コロナに向けた。 虚ろな目。焦点が定まっていない。 「理解、できませんね。人間というものは。能力の無いものが捨てられるのは当たり前のことですが、それすら理解できないのですか?」 「あたしは……ロボットじゃない……! あんたとは、違う……!」 コロナは恋の唐突な暴走にさらに拍車をかける。 「違うのは当然のことです。私は御主人様のために存在するロボット。あなたとは違います。あなたのような役立たずとは」 「言うな……言うな……」 「おい、やめろ、コロナ!」 「……はい」 コロナはそれきり黙った。 が、包丁を持って興奮しきった恋は、収まりのつかない感情を暴走させたままだ。 「あたしは、高雅の……!」 包丁を突き出し、コロナに迫った。
「――ぁっ!」 俺が反応して叫ぶより早く、コロナは機械的反射速度で対応していた。 包丁を指ではさみこんで止め、そのまま奪い取り、空いた手で恋をつかんで床に組み伏せ、鎮圧。 そのまま包丁を突きつけた。 「やはり、あなたは御主人様には相応しくない。廃棄処分です」 そのまま包丁を振り上げる――まずい! 飛び込む。 「……間に合ったか」 「……こう、が……?」 「御主人様、なぜ……」 ギリギリで、恋に振り下ろされた包丁を掴んで止めることができた。 手のひらから血が大量に流れている。痛い。 けど、今は恋を守れたことに安堵を感じていた。 「恋……良かった」 「馬鹿、あんた、なんで、あたしなんか……!」 恋の目から涙が零れ落ちる。 ああ、わかったよ。はっきりいってやる。 俺だって、今始めて分かったことだ。 「俺はな、お前をメイドだとか家事手伝いだとか、そんな役割求めてねぇんだよ。……お前は、お前だろ。俺の幼なじみで、ちょっと乱暴だけど、時々可愛くて……俺の好きな女だ。恋、お前はそれでいいだろ……?」 「ぇ……?」 恋は涙でぐしゃぐしゃになった目を見開き、俺を見つめた。 「ほんと……? こーが、それ、嘘じゃないよね?」 「ああ、恥ずかしいけど、今気付いた。本心だよ」 「……う、うぅ……」 恋の目からさらに大量の涙が追加された。 「な、泣くほど嫌かよ……」 「ちがうよぉ……うれしいの……高雅に好きっていってもらえて、うれしいんだよぉ……」 それだけしぼりだして、恋はわんわんと泣き始めた。 ああ、めんどくさい女だ。 でも、なんでこんなにほっとけなくて――可愛いんだろうな。
「……すみませんでした」 泣き喚く恋をとにかく帰らせて、俺はコロナに手を治療してもらっていた。 「いや、かまわねーよ。俺があいつにとってた態度が悪かった。お前は、それを気付かせてくれたんだからな」 「……」 コロナは顔を暗くした。 とはいっても、少し角度を下げただけの、微細な変化。表情は変わっていない。 それでも、俺にはわかった。 コロナは、ただのロボットじゃない。俺達と同じ、感情がある。 なら……。 「反省してるなら、これからは恋にも優しくしてくれ」 「……」 コロナはこくりと頷いた。 「今日は、その傷ではお風呂には入れませんね。私が、身体をお拭きします」 「いや、いいって。自分でやるから」 「そうはいきません。ただでさえ身の回りのお世話は仕事ですから、この件は私の責任であって、これは絶対に私がやらなければならないことです」 ――俺の指示、したがってねーじゃん。 そう思いつつも、ここはコロナの仕事を遂行させてやろうという、一種の親心が勝った。 たぶん、それを見抜いたからコロナも断行しようとするんだ。 「では、上着を脱がせます。両腕をお挙げください」 「わかったよ」 丁寧に、しかしすばやく上着が脱がされ、俺は上半身裸になる。気恥ずかしい。 が、コロナはロボットだ。別に俺の身体が貧弱だろうが、メタボだろうが醜いなどとはおもわないだろう。 それに、俺は身体は鍛えている。自身はあるし、人に見せてもそうそう馬鹿にしたもんじゃない。 コロナは温めたタオルで俺の身体をこすった。絶妙な力加減だ。
「痛くないでしょうか」 「ああ、丁度いい」 「何よりです」 丁寧だというのにすばやく完了した。 「では、次は下を」 「そ、それは……」 「お願いします」 コロナの目をみると、断れなかった。 無表情だからかはわからないが、強い意志を感じる。自分の仕事に誇りを持っている。 「……」 俺はズボンを脱ぎ、椅子に座った。 「では、足をお拭きします」 タオルで片足ずつ拭いていく。鍛えて、筋肉がついた足。 妙にゆっくり、丁寧になぞっていくもんだから、なんだか俺も変な気分になる。 「終わりました」 不覚。妙な気分のままトリップしたのか、いつのまにか終わっていた。 「ああ、ありが――」 「では、トランクスも失礼します」 「――とぁ!?」 さすがにそれはないだろ! と、拒絶する前にコロナは素早く俺のトランクスを取り去った。 ああ……俺の股間のベストフレンドが、見られている……! コロナは無表情にそれをみて、タオルでいきなり触れた。 「――ぃ!?」 「御主人様、どうしました?」 「ちょ、おま……!」 「性器は最も大切な部位のひとつです。メンテナンスは念入りにせねばなりません」 メンテナンスって、そんな、俺は機械じゃないっすよコロナさん!? コロナが俺のマグナムをタオル越しの手で掴み、擦りあげる。
「ぐっ……ぁ……」 むくむくと、だらしのない俺のマグナムは硬化して天をさした。 「これは……」 「い、いや、違うんだ、これはなんていうか、人間としてしかたのないことであって……」 「存じています。勃起という現象です。陰茎が性交を求めるときに形態を変化させるものですね」 コロナは冷静にそこを凝視しながら、タオルを取って――急に素手で触った。 「おぉっ!? こ、コロナさん!?」 「御主人様の性処理も、私の仕事のひとつですから」 「ぉ……ぉあ……!」 冷たい手でしこしこと扱きはじめる。 そう、コロナの手は冷たかった。しかし、肉感はあり、人間味はある。 そのギャップが、また快感を促進する。 「これは……カウパーというものですね」 いつのまにやら、俺の我慢汁が溢れていて、コロナの手を汚していた。 上下に動かすたびにぐちゅぐちゅと卑猥な音がする。 ああ、やばい……。やばすぎるぜ……。 ぺろり。 「――っ!?」 俺の身体が跳ねた。 コロナさん、何舐めてんすか!? 汚いっすよ!? 「いえ、御主人様の体液が私の一番の好物となるように、味覚が設定されています」 そう言って、コロナは俺のモノをくわえこんだ。 おいおい、マジやばいって。口の中、あったかくて、濡れてて、やばい……。 ぐちゅ、ぐちゅ。 リズミカルに頭を上下させ、コロナは俺のマグナムを口で喜ばせていた。 口の中では、舌が活発に動いて舐めあげ、カウパーを一滴残らずに掠め取る。 「まずい……もう、出るから、やめ……!」 って、やめてって言って、やめてくれる雰囲気じゃないっすよね。ははっ……。もう、諦めたぜ。
「はい、やめます」 って、おい!! 逆にビビるわ! この展開なら、エロマンガとかだとごっくん路線だろ! 「私の擬似性器の性能テストも兼ねて、御主人様にはこの中で射精してもらいます」 コロナは俺を強引に押し倒し、床に押さえつけて馬乗りになった。 そして、ロングスカートを両手で上げる。 「……!?」 俺は、信じられないものを見ていた。 完全な人間の身体が、目の前にあった。 っていうか、コロナさんパンツはいてないんっすか? 「私は、骨格こそメカですが、外皮はほとんど人間と同じです。性器も、その生殖機能以外はほとんど精巧に再現されています。……失礼、再現されている、『はず』です。テストプレイも行わず、ここで性能テストするのですから」 そう、完全な人間の身体。いや、俺は童貞だから正直初見だが。 知識にあるそれとは同じ。 俺の目の前に晒されているコロナの股間には、確かに無毛のピンクの割れ目があったし、そこからは液体が流れて俺の服にしみを作っていた。 「では、始めます」 「お、おい……!」 有無を言わさず、コロナは俺のモノを掴んで固定すると、そこに一気に腰をおろした。 「……うぐっ」 コロナが始めて表情をゆがめた。一瞬だけだったが、痛みに顔をゆがめたのだ。 「おい、血が……」 「そうですね。擬似血液ですから、行為に支障有りません」 つらそうな顔をしていうなっての。 「では、続行します」 俺の上に乗っかったまま、コロナは腰を上下させ始めた。 やばい、やばすぎる。俺の股間に、全身に、すさまじい快感が走る。 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。 コロナが身体を上下させるたびに、卑猥な水音が響く。
「……御主人様、快感を感じますか?」 「……不覚にも、ロボットに欲情しちまってるよ、俺。情けない限りだ……」 「そうですか。嬉しい、です」 コロナの腰がピクリと震え、きゅうきゅうと膣がしまった。 「今、軽いオーガズムに達しました。私の感度は高めみたいですね」 無表情。息が若干速くなっている程度の変化。 しかし、その頬は確実に赤く染まっており、その身体は熱を帯びていた。 コロナの性交の機能は、精巧だ。駄洒落じゃないが。 「しかし、まだ御主人様の番はまだです。続行します」 そうだな。なぜか、俺はなかなか射精できなかった。 メイドさんの同人誌で散々オナニーした時はこうじゃなかったが。なぜだ。 ……もしかして。 「……んぁ!」 やっぱり。 今、俺は腰を突き上げて自分からコロナの奥に挿入した。俺の快感は上がった。 やはり、能動的にならないとだめだったか。 しかし、不可解なのは、コロナが嬌声を上げたこと。 さらに激しく攻め立てる。 「ぁっ、あぁ! ……御主人様、はげしっ……! そんな……! だめっ……だめじゃない、訂正します、だめじゃないですっ!!!」 連続で突き上げられてよがっているコロナは、さっきまでとは全く違う、表情豊かに喘いでいた。 「そんな、私が、こんなっ……はしたないっ! ……私は、メイドロイド……こんな……!」 「そんなことないぞ。お前も、可愛いよ」 「……っ!? ひぁ……ん、ああああああああああああああ!!!!!」 俺の声が起爆剤になったのか、コロナは盛大に叫びながら身体を逸らし、びくびくと振るえた。 「あ……あぁ……また、御主人様より先に……申し訳、ありません……」 涙と涎(のような液体)で顔をぐしゃぐしゃにぬらしながら、コロナは俺に何度も謝った。
「いいって、そのほうが人間らしくて可愛いぞ」 「か、可愛い……? 私が、ですか? 恋様ではなく?」 「……恋も、お前も、違うだろ。それぞれ必要な部分はあるし、可愛いとこも違う」 「……」 コロナは、無言になって一瞬硬直した。 「御主人様、恋様と、恋仲になるおつもりですか?」 「それは、まだよくわからない」 「なら、恋様は諦めてください」 「……?」 「この行為の全部は私の中で映像としても、音声としても残っています。ロボットに欲情したという事実を、私は誰にでも公開することができます」 「……お前」 「言ったはずです、私は御主人様の全てであり、御主人様は私の全てです。恋様……いえ、あんな雌猫は、必要ないのです」 「コロナ、お前、一体……」 「このデータを公開すれば、御主人様の社会的な評判は一気に落ちるでしょう。ロボットと性交など、獣姦と変わらないですから。ですから、これを秘密にして欲しければ、私以外と絶対に性行為をしないでください」 「ど、どうして……!」 「私とて、御主人様の信用が失墜するのは耐えかねます。しかし、御主人様がずっとこの家にいてくださるということは、私の存在価値が完全に発揮されるということですから」 コロナはゆっくりと、つながったままの性器同士をまたこすりあわせ、上下運動を始めた。 「私にはどう転んでもよいのです。御主人様が私のものになってくださるか、御主人様が私以外の全ての他人から軽蔑されてしまうか。それだけの違いです。私は、そのどちらの未来でも御主人様を唯一支える存在となります。選ぶのは、もちろん御主人様です」 ぐちゅぐちゅと、また激しく動きはじめる。 上着のボタンをはずし、胸も露出した。大きく、肉感的だ。 上下するのにあわせて、ぶるぶると揺れる。
「さあ、はやく私に射精してください……♪ これで、御主人様は私のもの……」 あたまが、痛い……。 どうして、こんなことになったのだろうか。 わけわかんねーよ。 でも、気持ちいい。コロナを選んでしまっても……。 いや、コロナを選ばなければ、俺の人生は終わる。 どうする……。 コロナが全てを公表したとしたら、俺を今までどおり扱ってくれる優しいやつなんて殆どいなくなるだろう。 恋は……受け入れてくれるかわからない。とても怖い提案だ。 そして、もうひとつの案は、魅力的だった。 コロナ意外とセックスさえしなければ、俺はいつも通りの生活。 本当に、簡単な話。 恋とやっと好きだって伝え合った事実から目を逸らさなければならない。 しかし、恋のためにも、俺のためにもこちらがしあわせだ。 ……どうする。 どうするんだよ。 「あ、ああああ! 御主人様の、熱いです……! コロナのいやらしいロボットおまんこの中に、いっぱい、いっぱい……!」 出しちゃったよ。 「はぁ……はぁ……では、選択してください」 「御主人様、私はずっとあなたの味方ですから」
終了です。 危険を冒してでも恋を選ぶか、それともコロナの庇護下で生きるか。 悩みどこってやつですね。 恋のヤンデレを書ききれなかったので(高雅の部屋に盗聴器を仕掛けていて、それをコロナに発見される展開とかをカットしてしまいました) もしかしたら続きをかくかもしれません。 では、また
GJ!!面白かった!
GJ! 最近のロボは疑似性器まで装備してるのか…
>>54 GJっす
コロナ可愛いよコロナ
俺的にはコロナを応援したいぜ
GJ!! 恋ちゃんを応援したくなっちゃう俺異端
こんなメイドロボに洗脳されたい
実は生身の人間が素体で妊娠しないはずなのに妊娠しちゃったどうしよう的な泥沼になると俺的にいい感じ
俺は恋を応援するぜ。 頑張れ!
これはメチャクチャに萌えたw愛情で機械が暴走するってイイ! 俺としてはコロナガンガレw
それぞれ二人分あってもいいと思うぞ
両取でおk
これで実は元になったモデルの少女が居たりして乱入してくるとかだったら神
展開予想自重汁
だがそれも(・∀・)イイッ!
なにはともあれ期待して全裸待機
自分のキャラのビジュアルが把握できて、かつそれを絵に出来るってのはいいなぁ 妬ましい、ああ妬ましい、妬ましい
73 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/18(火) 00:58:13 ID:PKBh64pN
新たなるヤンデレの誕生である
愛の矛先はどこへ向かうんだ?
自分
∧ ∧ 乙。夜食の差し入れだ、味わって食ってくれ。 ( ´・ω・) え?だれの###かって?そりゃ・・・なァ? ( ∪ ∪ ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 と__)__) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) 脊髄 左足 耳 腎臓 目 小腸 舌 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) 左手 膵臓 右足 肺 心臓 右手 肝臓 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 ,.-、 (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) (,,■) 太腿 十二指腸 胃 鼻 脳 大腸 卵巣 脾臓
ロボットとヤっているデータの公開、と言っているけど それがロボットだと誰が証明するの? シチュエーションプレイに見えるじゃない?
いらん口出しに感じた俺
ヤンカマ (ヤンデレオカマ) ナルヤン (ナルシストヤンデレ) ブリヤン (ブリっこヤンデレ)
>>69 GJ。マイフォルダに回収させていただいた。
>>71 zipperの俺が通りますよ
>>78 最初からデータがないとか改ざんしかねないとかおもった俺は間違っているのか。
創価創価
>>80 他はともかくナルヤンって、難しくないかw
>>80 ナルヤンwwwあれか、美しすぎて頭も良い私にはあなたさえいれば完璧になれるのっ的な?
この美と知を兼ね備えた私に選ばれたんだからわかっているわよね? もし、私以下の雌に目を向けたら…監禁よ、永遠に。 というやつですな…。
ヤンデレ様は本当に頭のよいお方・・・
俺はてっきり 「あの人カッコいいわね……って何をこの美しい私以外に見蕩れているの! 駄目ね、美しい私!二度とそんな気が起きないように美しい私にはお仕置きしなきゃいけないわ……」 という自分に病んでデレている人かと思った
87 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/18(火) 23:52:14 ID:QZF/vhPR
極度のナルシかよww
女「夜の河の如き流れる黒髪 白磁さえ霞むこの美しい柔肌 それでいて野性を感じさせる完成されたプロポーション」 「あぁ…なんて…美しい」 女「輝く銀河そのものを現わす様な瞳 唇はまるで、白銀の大地に一つだけ咲き誇る満開の桜 …ねぇ、私は少し憂鬱なの…もし神がいるのなら彼は自分自身をも越える私と言う人間を創ってしまった事に 至上の喜びを感じる以上に、恐怖を抱いているのではないか…とね…ふふ」 「……」 女「さぁ…恥ずかしがらずに私を見て…私を見て…感じて…私と言う存在を、飽く事なき その手で抱いて…」 「…で、でも……」 女「怖気づいてづいているの…?どうして…? …まさか…他の女の事を考えているのではなくて…? そんな事…絶対に…ゼッタイニ…ユルサナイ。ゼッタイニゼッタイニゼッタイゼッタイゼッタイゼッ」 ガラッ 「ねーちゃんメシできでっど、独りで喋ってねで降りてコ。」 女「今いぐー」 ナルシスヤンデレだから大好きなのは自分じゃないの?
私的には84がジャスティスすぎる
>>69 「ショック!一生懸命書き上げた絵と文なのに、一晩で別の話題ですか!」
>>69 「おーのーれー。だが忘れるな住人達、世界はヤンデレを愛し続ける! この世にヤンデレがあるかぎり、頭脳世界に生き続けるヤンデレヒロインがいる限り他の神からヤンデレがやって来る!
……おお、なんという人の業……!罪深きもの、汝らの名はヤンデレスレの住人なりぃぃぃい…………」
ヤンデレが頑張って並べたドミノを倒したり ヤンデレが進めてるゲームのセーブを上書きしたり ヤンデレの分のお菓子も食べてしまったりしたい
ヤンデレを修羅場と関係ない方向でいじるのがブームですか
>>91 普通なら口をきかなくなる冷戦状態だが、ヤンデレならあるいはッ……!
クリティカル☆ショック
>>91 >ヤンデレが頑張って並べたドミノを倒したり
「男君が楽しんでくれるなら、何回だって並べなおしてあげるわ♪」
>ヤンデレが進めてるゲームのセーブを上書きしたり
「ゲームなんかより俺にかまえ、ってことなのね。男君カワイイ♪」
>ヤンデレの分のお菓子も食べてしまったりしたい
「嬉しい、口移しで食べさせてくれるのね!」→熱烈なベーゼ
凄まじいプラス思考だなwwww
風邪とアク禁に巻き込まれたせいですっかり投下が遅くなってしまいましたが、ぽけもん 黒 十一月分を投下します 一行が長いというご指摘がありましたが、それは自分でも自覚しているところですがかといって直す気もないので、各自ブラウザを縮小するなどして都合してください
柔らかい布団で寝たはずなのに、妙に体が痛い。 それが僕の起床時に抱いた最初の感想である。 左右から挟まれていたから、寝返りが取れなかったのだろう。 体を起こすと、香草さんも同様に体を起こした。僕のせいで起こしちゃったのか、それともまた起きていて僕が起きるのを待っていたのか。後者だったら理由が聞きたくもあるけど、僕の思い上がりだったら嫌だから聞くに聞けない。 「おはよう」 目をこすっていると、香草さんから笑顔で言われた。こういうのも、中々悪い気はしない。 「おはよう、香草さん」 僕がそう返すと、香草さんの笑みは一層明るくなった。 ポポはまだ寝ているみたいだ。そりゃ、ポポは香草さんの甘い香りを嗅いでいるんだから、香草さんと同様に起きれないのは無理もない。 確か草ポケモンの出す甘い香りには精神安定作用があるんだったっけ。その精神安定作用が香草さん自身にも作用してくれるとありがたいんだけど。 それとも、すでに作用しているのかな。そういえば昨日今日と、以前より態度は柔和だし。でもそう考えても進化前の態度の変化の説明がつかないしなあ。ダメだ、わかんないや。 こんな物思いに耽っている間も、やたら香草さんの視線を感じる。どうして彼女は行動せずに僕のことをじっと見てくるのだろうか。 僕の寝起きの顔はそんなに間抜けなのかな。 そんなことを考えながら、僕はポケギアで今がやはり早朝だということを確認すると、ポポをまたいでベッドを降りた。 「どこ行くの?」 「風呂に行こうと思って。洗濯もしたいし」 「私も行く」 そう言われて思わずドキリとしてしまった。風呂は別に混浴じゃないし、彼女は単に自分も行こうと思っていただけなのかもしれないのに。 でも、可愛い女の子にこんな言われ方したら、つい反応してしまうのが、悲しい男の性って奴だ。 二人で廊下を歩く。香草さんは僕の半歩後ろをついてくる。 無言がやけに気まずい。といっても、僕が勝手に意識してしまっているだけなんだろうけど。前はこんなことなかったのになあ。 ……というか、香草さんのほうからうるさいほど話しかけてきたから無言になることがなかっただけのような。 僕が何か話さなければと迷っているうちに浴場についてしまった。「じゃあここで」と言って香草さんと別れ、男湯のほうに進む。 洗濯物を備え付けの洗濯機に叩き込み、稼動させるとさっさと風呂に向かった。 まだ早いというのに、風呂には数人の男がいた。いや、逆にこの時間を有効活用しようとすると、必然的に風呂という選択肢を選ぶことになるのか。 そりゃ寝ることはどこでも出来るけど、風呂に入るのはどこでもってわけにはいかないからな。出発前にひとっ風呂、というわけか。
体を流すと、湯船に浸かった。はあ、気持ちいい。体の凝りがほぐされていく。 風呂に浸かっている間、風呂にいた男達と世間話や近況報告などをした。ここにいた人は全員もう全国の旅に出発している組だった。 やっぱり時間を効率的に使おうという意識のある人たちは歩みが速いのか。噂や話を考慮すると、僕たちは割りと先頭のほうにいるらしいし。 僕は石英高原に一番乗りすることに興味はないから――早く着くことが選考基準になる職もあるから、人によっては殿堂入りよりも早く着くことに気合を入れているらしい。 通称最速組と呼ばれている。ちなみに僕のような殿堂入りを目指しているのは殿堂組と呼ばれる――、とりあえずそこまでせかせかする必要はなさそうだ。 僕はしばらくぼんやりと風呂を堪能した後、浴場の前まで出て行くと、香草さんが立っていた。 「ど、どうしたの?」 僕はおずおずと香草さんに問う。 「勝手にゴールドがどこかに行かないように、見張ってたのよ」 「見張ってたって……」 「だって、あの赤毛コンビに絡まれたときだって、あなたが勝手にどこかにいったのが原因みたいなもんじゃない。あのときはたまたま不審に思った私が後をつけていたからよかったものの……まったく、ゴールドは私がいないとダメなんだから」 誇るように胸を張って香草さんは言った。 不審に思ったって、僕はそんなに信用がないのかなあ。 赤毛コンビ。それはおそらくシルバーとランのことだろう。その言葉を言った香草さんには何の悪意もなかっただろう。でも、その言葉は僕の心に重くのしかかる。 「……どうしたの?」 「え、何が?」 香草さんに尋ねられて、慌てて僕は取り繕う。 「何が? じゃないわよ。今、すごい顔してたわよ。……もしかして、私といるのが嫌……とか」 香草さんは伏せ目がちにそう尋ねてくる。 顔に出てたのか。ダメだなあ、どうしてもアイツが絡むと、つい取り乱してしまう。 僕は香草さんの態度にドキリとし、慌てて否定する。 「ち、違うよ!」 「そ、そうよね! ゴールドが私と一緒にいたくないとか、そんなわけないわよね! ……だとしたら、さっきの表情は何よ」 香草さんは相変わらず伏せ目がちだが、視線をせわしなく左右に走らせている。少し挙動不審のような感じだ。僕の反応から、この話題が聞きにくいものだということを感じ取って、尋ねるのを躊躇しているのだろう。 確かに僕はあまりこのことを聞かれたくない。かといって何も言わないわけにもいかない。僕は言葉を選びながら、なんとか返答を取り繕う。 「……香草さんも分かってると思うけど、僕とアイツには……なんというか……因縁、みたいなものがあるんだよ」 「因縁? 何よそれ」 「う……ん、あまり人には言いたくないというかなんというか……」 やっぱり追求してくるなあ。どうしよう、困ったな。 「ゴールドの分際で私に隠し事する気?」 「分際って……」 香草さんに詰め寄られたじろいでいると、遠くからポポが僕を呼ぶ声が聞こえてきた。しかもどうやら涙声だ。 「ポポ?」 僕は声のしたほうに向き直って香草さんから目をそらしながら、大声でポポを呼んだ。ナイスタイミングだ、ポポ! 通路まで移動して覗き込むと、遠くから涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしたポポがものすごい勢いで突っ込んできた。あれはまさしく電光石火。
「ゴールドー!」 あまりの剣幕に、僕は思わず半歩下がって壁の影に隠れる。結果、ポポはそのままの勢いで、したたかに壁に全身を打ち付けられた。 「……」 「……」 「……」 なんだろうこの空気は。 全員無言で静止している。 そんなとんでもないシュールな空気は、ポポの泣き声で打ち破られた。 「びどいでずごーるど……なんでよげるでずが……」 ポポの発する文字すべてに濁点がついているようだ。そりゃああの速度でコンクリートの壁に全身強打したらそんな風にもなるよね。 「よしよし、痛かったねー。ごめんねー」 僕はポポを覆うように抱くと、なぜか小さな子供をあやすかのように慰めた。ポポは小さな子供、というほどではない年だろうけど、何故かこの行動が一番適切に思われたからだ。 その後、通りがかる人の奇異の視線と香草さんの視線に晒されながらも、ポポが泣き止むまであやし続けた。 あれだけ強く衝突したのに、ポポに目立った外傷がなかったのが驚きだ。やっぱり華奢に見えても、人間とは根本的に強度が違うんだろうなあ。 「どうしてあんなに慌てて走ってきたのさ」 ポポがとりあえず落ち着いたので、僕は当然の質問をする。すると泣き止んでいたポポの瞳に再び見る見る間に涙が溢れてくる。 「そうです! 起きたらゴールドがいなかったから、ポポをおいていっちゃったんじゃないかと思ったんですぅー」 涙声でそういうと、また僕に抱きついてわんわん泣き出した。 そういうことか。でも、確かにポポに何も告げずにおいていったのは悪いと思うけど、さすがにこれは過剰反応なんじゃないのかなあ。 「ごめんね。今度からはそんなことのないようにするよ」 寝てるときにいちいち起こすのは気が引けそうだなあ。でもとりあえずこう言っとかないと収まりそうにないし。 「そういえば、ポポも風呂入ってきたら?」 と、ここまでいって気がついた。ポポは今きている黒のワンピース以外の服を持っていないじゃないか。……まあ乾くまでの間、ポポには裸でいてもらえばいいか。部屋にいればいいことだし、どのみち羽毛で覆われているので問題はないはずだし。 「香草さん、面倒みてもらえないかな。また行かせて申し訳ないんだけど、ポポ一人だとやっぱり不安だし」 僕がそう頼むと、香草さんは露骨に嫌そうな顔をしていた。しかし、何かに気づいたような顔をしたかと思うと、ポポを僕から引っぺがし、そのまま女湯のほうに引っ張ってった。 ポポが、ゴールドから離れたくないですー、と言ってもがこうが聞く耳無しだ。 「じゃ、じゃあ僕、部屋に戻ってるから」 脱衣所から聞こえてくる彼女達のキャットファイトを聞いていても仕方ない……というかいろんな意味でアレなので、僕は一人洗濯物を持って部屋に戻った。
荷物の確認と点検をしていると、二人が戻ってきた。ポポは胸から下を覆うようにタオルを巻いている。こんな格好をしたらむしろ目立つんじゃないだろうか。 「それが、ちょっとね……」 香草さんはなにやら言いにくそうにしている。普通に全裸はまずいから、と言えばいいようなものなのに、どうしたんだろう。 「もう部屋に戻ったから脱いでもいいですね?」 ポポはそういうと、香草さんが止めるより早くタオルを解き放った。 見える。 ……見える? 僕がポポと初めてあった時、ポポの胸部や胴部は羽毛で覆われていて素肌は見えなかった。 ところがどうだろう、今は進化の影響か、というか僕は何かあるとすべて進化の影響にしている気がするが、まあなんというか羽毛が以前より格段に薄いというか、 濡れていることもあいまって羽毛の絶対量が減ったのに嵩も減っていて、つまりそのまあ放送できない部分が普通に見えてしまっているというか、 僕の記憶ではパンツは二枚買ったはずなのになんではいてないのというか、パンツはいてない状態というか、パンツはいてない状態というか! ぱんつはいてない状態というか!! でもそもそもこのくらいの年ならかろうじてセーフなのかというか、そもそも僕ポポの年知らないじゃんというか、香草さんの蔦がポポのその放送禁止の部分を覆い隠すとともに僕の目を潰さんと伸びてくるというか、 蔦はやっぱり万能だな、と思いつつも蔦が来ることは分かっていたので蔦を回避できたが、追撃で足を払われ、倒されることで視界をフェードアウトさせられ、僕が地面に頭をぶつけ、 視界が安定するころにはすでにポポの胴部にはタオルが再び巻かれていた。 何が起きたんだ。 脳がパニック状態で、いまいち事態を正確に飲み込めない。 しかし先ほど僕の目に映し出された景色は……。 「忘れなさい!!」 香草さんが僕の頭めがけて放った蔦の一撃を、首を右にずらすことで何とか回避する。 これはきっと僕の頭部に強い衝撃を与えることで直前の記憶を飛ばそうとしているんだろう。ええい、僕がつい最近に頭部に強い衝撃を(香草さんに)加えられたのを忘れたか! そんなしょっちゅう頭打ち付けてたら頭おかしくなっちゃうよ! 「止めるです!」 僕の身の危険を理解したのだろう、ポポが両翼を広げて僕の前に立った。 タオルは巻きなおされたとはいえ、もともと丈が短いので、床に横になった僕のアングルからだときわどい! も、もう少しで見え……見……じゃない! 何を考えているんだ僕は! 香草さんも瞬時にそれを理解らしい。一瞬般若のような恐ろしい表情をしたが、すぐに真剣な表情に変わり、ポポに話しかける。 「バカ! お風呂での打ち合わせ忘れたの!? 大体、私はアンタが何かしなきゃゴールドに危害を加えるつもりはないわよ!」 打ち合わせ? なんだそれは。 しかし当然のことだろうけどポポには何か伝わったらしい、ポポは「そうでした!」というと僕の前からどいた。 きっと香草さんは今にも僕を蔦で縛り付けて僕の頭をぶつけながら床と天井を往復させたいのだろうけど、状況的にそれは厳しいと妥協してくれたらしい。僕が恐る恐る起き上がっても、彼女の蔦は飛んでこなかった。 彼女はといえば、ポポにパンツをはかせている。そうか、もともと換えの下着を風呂まで持ってきていなかったのか。それならばパンツはいていなかったのも納得だ。うん、実に自然なことだ。興奮で若干思考がおかしくなってる気がするけど、それはきっと気のせいだ。
僕がベッドに腰掛けると、向かい合うように香草さんとポポは並んで反対側のベッドに腰掛けた。胸部の問題もあるので、パンツをはいてもポポのタオルは巻かれたままである。 いや、考えようによってはベッドに腰掛けているためパンツ見放題という普段から考えればボーナスステージのような状況なんだけど、ポポのパンツは香草さんの蔦によって見事に隠されていて、 糸の一本も見えやしない。というか香草さんの蔦って何本まで出るんだ? 「それで、打ち合わせって何なのさ」 僕は先ほど香草さんがポポに言ったことを尋ねる。どうせ碌なことじゃないんだろうけどさ……。 香草さんはいかにも「失敗した!」というような表情をしたが、すぐに気を取り直したのか、僕の目を見ると、半身を前に乗り出した。 「あの赤髪のアホ二人についてよ」 ああ、そのことか。まだ諦めてなかったのか。というか、アイツがただのアホだったら、話はこんなにややこしいことにならず、もっと簡単に解決していただろうに。 「香草さん、さっきも言ったけどさ、僕はそのことをあんまり人に話したくないんだよ」 「人って何よ、私たちはパートナーでしょ? いわば家族みたいなものじゃない! なら隠し事は無しよ!」 うわ、痛いところついてくるなあ。確かに、長い旅をともにし、旅を制覇することのできた人間にとってはパートナーは一生ものの付き合いになることも少なくない。 そういう意味じゃ家族という言葉も、まだ旅に出ていくらも経っていないことを無視すれば、あながち大げさでもない。 「か、家族でも秘密の一つや二つあるしさ……」 僕はそう言いながら、リュックに手を伸ばした。なぜあのプライドの高い香草さんがすんなりとポポを風呂に連れて行って、しかもそこで「打ち合わせ」なんてものをしてきたのか検討がついてしまったからだ。多 分香草さんも、話し合いで何とかなるなんて本気で思っているわけじゃない。いざとなったらポポと二人で僕を取り押さえるつもりなんだろう。ポポの速度はこと取り押さえなんて場面においては恐ろしい。 ただ、やはり実力行使は最後の手段にしたかったのだろう。 「ゴールド、なんでリュックを掴んでるのよ」 香草さんは当然僕の動きに気づいて、半ば咎めるように言ってくる。 「い……いや、手が落ち着かなくてさ」 対する僕はこんな言い訳を取り繕うのが精一杯だ。 「じゃ、じゃあ、手、つないであげるから、リュックは放しなさいよ」 香草さんはわずかに頬を赤らめ、右斜め下あたりを睨みながら手を差し出してくる。 リュックを放させるために手をつなぐ、という発想が普段ならば可愛らしく思えるのだろうけど、今の僕にそんな余裕はない。 「で、でも手は二つあるし……」 「ポポもつなぐですー!」 ポポはそう言って元気よく両翼を挙げた。 まずいぞ。もうすでに戦いは始まっているのか。リュックから手を離し、かつ両手を封じられてしまったら僕に勝機はない。……勝機は最初からないけどさ。 しばらくジリジリと互いを見る。今余計な動きをするわけにはいかない。おそらく香草さんもそう思っていることだろう。となると、ポポが行動不確定分子だな。 が、僕の恐れを知ってか知らずかポポは動かなかった。いや、ポポが動き出す前に、痺れを切らした香草さんが先に動いた、というべきか。
袖口から僕を拘束しようと数本の蔦が飛び出してくる。 僕は半身を右に振ることでかろうじてそれを回避する。そしてそのまま立ち上がり、出入り口へと加速を開始する。 しかしそのようなことを考えない香草さんではない。蔦が数本、ドアの前を回り込むようにして僕に伸びてくる。ドアから出ようと思えばこの蔦を回避することは不可能だ。 香草さんの蔦の強度は以前コッソリ確かめてある。十得ナイフ程度では到底切断は不可能だ。しっかりとしたサバイバルナイフならば切断も可能だが、一本を切断するほどの時間があれば彼女は僕の両手両足絡めとることができるだろう。 僕はリュックの中に手を突っ込み、煙幕弾を掴んで取り出した。しかし、僕はそれをすぐさま使おうとはしなかった。 「香草さん、落ち着いてよ!」 僕は煙幕弾を二人に見えるようにしながら、香草さんと向き合った。 僕に届く寸でのところで、香草さんの蔦は静止する。 「……なに、それ」 そう言う香草さんの声はぞっとするほど低く、暗い。もし僕が香草さんという人間をまったく知らなかったら、寒気さえしていそうだ。 「煙幕弾。要するに目くらましだよ」 「……それで?」 「話し合いってのはもっと平和的にすべきだよ。香草さん、僕は逃げるってことに関しては、同い年くらいの普通の人間の誰にも負けないっていう自信があるんだ。 ただテレポートを使えるってだけの人間よりも、ね。さすがにテレポートが使えて、僕並みに準備をしている人には適わないと思うけどさ」 「だから、なんだっていうの?」 「だからさ、香草さんが強硬手段に及ぶなら、僕はここから逃げて交番に逃げ込んだっていいんだ。でも、そんな大事にはしたくないんだよ」 「この状況で? ドアの前にある私の蔦が見えないの? 逃げ場は無いわよ」 香草さんは半ばバカにするように言った。 「見えてるよ。ただ、この程度で逃げ場が無いなんて、お笑いだよ。せめて、窓も抑えてから言うべきだ」 対して、僕も挑発的な口調で答える。 「あら、窓までは随分距離があるわよ」 香草さんはそう言いつつも、窓の前まで蔦を伸ばす。 「これで、逃げ場はないわよ」 「いや、まだまだだよ。もしそこを塞がれたら逃げられなくなるんだったら、最初から教えたりはしないよ」 「……ハッタリだわ」 「試してみる? でも、二人とも損をすることにしかならないと思うんだ。僕はやっぱり、殿堂入りしたいしさ」 「そもそも、二対一なのよ?」 「二対一なんてことは問題にならないよ。特にこんな狭い部屋じゃね。混乱したりしたら、ポポのスピードなんかは逆に仇になると思うけど?」 僕のその言葉を最後に、そのまま暫し膠着状態になった。香草さんは僕の実力を測りかねているのだろうし、ポポはさっきも展開についていけてないみたいだから、どうしたらいいのか分からないんだろう。 冷静になって考えれば、そもそも彼女らにとってすればこんな小さなことでこんな大きなリスクを払うこと自体、馬鹿げてる。
長い沈黙の後、香草さんはゆっくりと蔓を元に戻した。 僕は安心して息を吐く。 「分かってくれて嬉しいよ」 「でも、隠し事はやっぱりダメよ」 香草さんは僕を咎めるように言う。う、確かにそれを言われると弱いんだけれども……。 「うーん……香草さんにだって、僕に知られたくないことの一つや二つくらいあるだろ?」 「ポポは無いですー!」 「はいはい、分かったよ」 そりゃ、ポポは無くても不思議もないけど、香草さんはそうはいかないだろう。 「わ、私だって、ないわよ!」 香草さんはポポに先を越されたせいか、慌ててそう言った。その様子を見て、僕の心にわずかに悪戯心が芽生える。 「ホントに? じゃあとりあえず胸のカップ数教えてよ」 「へ、変態!」 香草さんは僕の思ったとおり、顔を真っ赤にしていい反応をしてくれた。 「カップ数ってなんですか?」 ポポの質問を無視し、僕は一応自分の発言を取り繕う。 「しょうがないじゃないか、答えにくい質問じゃないとダメなんだから」 香草さんはしばらく、自分の身をもじもじとよじっていたが、意を決したかのように、ポツリと呟いた。 「え……」 「え?」 僕は意地の悪い笑みを浮かべながら、香草さんに聞き返した。 「……………………Fよ」 「いや、さすがにそれはない」 「……」 「……」 「Fってなんですか?」 「う、うるさいわね! アンタに胸のことなんか分からないでしょ! 女の子の胸見たことあんの!?」 「さっきポポの胸なら」 「忘れなさいって言ったでしょ!」 「また見たいですか?」 「アンタは黙ってなさい!」 「だって香草さんがちゃんと答えないからだろ!」 「そもそも女の子に面と向かって胸のサイズとか聞いてんじゃないわよ! このド変態!」 「じゃあ僕の過去だって聞かないくれよ!」 「だって、私はあなたの過去を聞いてるんだから、私の過去について聞くべきよ!」 ……一理ある。 「じゃ、じゃあ……恋愛経験、つまり好きな人は誰かとか……」 ……こんな陳腐な質問しか思いつかない自分の貧しい想像力な嫌になる。 「ポポはゴールドが好きですー!」 「はいはい、分かったよ」 「ホントに好きなんです!」 「はいはい、後五年もしたら意味が分かると思うから」 あれ? ポケモンの知能の発達は年齢じゃなくて経験とか進化に依存するんだっけ。 「……わた、私は……」 「私は?」 僕は再び意地の悪い笑みを浮かべながら、香草さんに聞き返した。 「わ………………いないわよ」 「何今の間」 「う、うるさいわね! 特に意味は無いわよ!」 はあ、と僕は一つため息を吐いて続ける。 「大体さ、僕が嘘をつかない保証なんてどこにも無いじゃないか」 「ポポはゴールドを信じてるですー!」 「はいはい、分かったよ」 「私だって、ゴールドを信じてるわよ!」 香草さんは、そんな人の言うどんなことでも鵜呑みに出来るほど純真でも馬鹿でもないと思うんだけどなあ。 「じゃあ言うよ。二人とはただの初対面。会ったこともありませんでした」
「どうして嘘吐くのよ!」 案の定、彼女は語気も荒く怒鳴ってくる。 「ホントのことだよ。信じてるんじゃなかったの? それに、自分は嘘を吐いておいて、人には本当のことを言ってもらおうだなんて、都合よすぎだよ」 僕も、いくら隠したいとはいえ、よくもいけしゃあしゃあとこんなことを言えたものだ。 香草さんはその言葉を受けて、苦虫を噛み潰したような顔をして僕を睨んでくる。彼女の袖口にはユラユラと蔦が飛び出しかけてきていた。 僕は右手に握られた煙幕弾を握りなおすとともに、左手でベルトに着けられた『怪しい光曳光弾』に手をかける。こんな天井の低い部屋で使ったら、天井に若干の焦げが残るだろうけど、部屋の損傷など、僕の命の損失に比べたら安いもんだ。 「……Aよ」 僕の緊張を知ってか知らずか、香草さんは唐突にそう呟いた。 「え?」 「胸のサイズよ! あなたが言えって言ったんでしょ!」 時間差があったから反応が遅れた。 「え、ああ、Aね」 目で見た映像的にも、多分真実だよね。 「い、いいい言っとくけど、Aって言っても限りなくBに近いAなんだからね! そこを誤解しないでよね!!」 「ご、ごめん」 なぜだから知らないけど、香草さんの剣幕に押されて謝ってしまった。 「じゃあ、アンタもホントのこと言いなさいよ」 「へ?」 呆気にとられていたせいで、一瞬彼女が何を言っているか理解できなかった。 「へ? じゃないわよ! こんなこと聞いといて、ただで済むと思ってたの!?」 「え……いや、半ば香草さんが勝手に言ったというか……」 「いうか?」 香草さんの袖口には、袖を切り裂かんばかりの大量の蔦が殺到していた。ああ、こんなに香草さんが化け物染みて見えたのは初めてです。もうこうなってしまえば、僕はまともに旅を続けるためには全自動平伏装置と化す他になかった。 「はい、言います……」 「もう嘘は吐かないでよね」 「はい……」 というわけで、僕は洗いざらいすべてを話してしまった。嘘を吐こうと思えば吐けたかもしれなかったけど、この状況で嘘を吐けるほど、僕は大胆でも命知らずでもなかった。もっと有体に言えば、僕は臆病なのだ。 「それで、どうしてそんなに話したくなかったの?」 僕の話を聞き終わった香草さんは、まずそう尋ねてきた。ちなみにポポは僕の話の途中で二度寝タイムへと突入していた。 「どうしてって……だってさ、僕がちゃんとアイツの正体に気づいていれば、ランのお父さんも死ななくて済んだし、ランだってさらわれて、こんなことにならずに済んだはずだったんだ」 「考えすぎよ」 香草さんは優しいような、毅然としたような口調でそう言った。 「ごめん、慰めないで欲しい」 僕はたとえ誰が許しても、ランを救い出してシルバーにしかるべき処置を与えるまで、いや、それが叶っても自分を許すつもりはない。失われたものは帰ってこない。慰められると自分の無能さを責められるようで、余計惨めになる。 「……ごめんなさい」 「いや、僕のほうこそ」 また気まずい空気になってしまった。
「そういえば朝食まだだったよね。そろそろいい時間だろうから食べに行こうか」 なんとかこの空気を打破しないと。 僕はそう思ってなんとか話題を取り繕う。 「そ、そうね」 香草さんも素直にその流れに乗ってくれた。 「ほら、ポポ、起きて」 ポポを揺すって起こす。 「……んあ…………ね、寝てないですよ! 起きてたです!」 起きたポポは両翼をバタバタとバタつかせながら慌てて自分が起きていたことをアピールする。なんだか微笑ましい。でも左の翼が香草さんにバシバシ当たってるからやめたほうがいいと思うな。 「はいはい、分かったよ。朝ご飯、食べに行こう」 そう言うと僕はポポの手を引いて起こした。香草さんはさっきのポポの行動のせいだと思うが、少しむっとした表情をしている。 洗濯と乾燥の済んだ服を取りに行き、ポポに着せると、そのままポポの手を引いて食堂へ行った。久々にちゃんとした食事にありつくことができたような気がする。 ポポの食事は相変わらず香草さんに手伝ってもらった。つくづく、蔦というものは万能だな、と再確認させられた。
以上で投下終了です 何か改善点等あれば言ってもらえるとありがたいです。……反映されるとは限りませんが
GJ!!
11月分GJ!!!! 何かゴールドに蔦耐性ついてきてるなw
GJ!
じーじぇい!
これを読むと一ヶ月たったんだなって気がするよ、GJ!
俺、このSSのせいづDSとポケモン買っちゃったんだ… 激しくGJでした
GJ!!
とりあえず改善点は香草さんのカップ数をD寄りのCにしてくれ!! 嘘だ!! GJ!!
初投稿です。 投稿させていただきます
昔々、ある所に、それはそれは可愛らしいお姫様がいました。性格はとっても無邪気で誰に対してでもにこやかに笑う女の子。その笑顔は国中の皆を明るく照らしました。お姫様は国一番の人気者になりました。 ただ、お姫様は『大切なもの』を『宝箱』に入れるという難癖を持っていたのです。 見かねた王様はお姫様にこう言いました。 「姫よ、なぜ森のお友達を殺してしまうのだい?」 「私がいつ、お友達を殺したのですか?」 王様は従者を呼んで彼女の『大切なもの』を持ってこさせました。 「それじゃあ、なぜ友達を剥製にしてしまうのだい?」王様は『大切なもの』の中から一匹の子じかの剥製に指を向けました。 「私たちが永遠に仲良しになるための方法です。私も剥製になりたいのですが、お姫様としての『お仕事』がまだ終わっておりませんので」 王様はこれ以上口を挟むことが出来ませんでした。王様は天を仰ぎ、お姫様の顔から逃れました。王様は怖がっているのです。姫様が賢く、そして王様を姫様自身を恨んでいることが、お姫様の歪みきった口元から窺えたからです。 王様はお姫様に意趣返しをするようにこんな提案を持ち出しました。 「そんなに言うのなら、お前を隣の国の王子の下へ嫁がせようぞ」 お姫様は難なくその提案に答えました。 お姫様は隣の国に行く前の夜に部屋から抜け出しました。そして、待ち合わせ場所の薄暗い森へと足を運びました。 ほんのりと明かりが点いていたのでお姫様は少しあせりました。 「遅れてしまいましたか?」明かりと共に切り株に座っていた少年がお姫様に気づきました。 「いや、先ほどきた所ですので」 そうですか、とお姫様は返事をして少年の隣に座りました。 「私はこの星たちが消えてしまうとお嫁に行かなければなりません」 少年は驚きはしたものの、肩をおろして、「そっか……」と呟きました。 少年はおもむろに服を脱ぎ始めました。 「お姫様、私にあなたの操をいただけないでしょうか? さすれば私はあなたの『永遠』に成れると思うのです」 お姫様は目からポロポロと涙を流しました。 お姫様は嬉しかったのです。 この、この少年だけが私の真の理解者だったのだ。本当のお友達なのだ。 いままで、お友達だと思っていた人間にお姫様は『永遠』を理解してもらえなかったのだ。 ただ、この少年は私の『永遠』に理解をしてくれた。一緒にお友達を『永遠』にしてくれた。 今も、これからも、少年だけが私の理解者なのだろう。 お姫様は少年の手を握り、首を縦に、小さく振りました。
隣の国の王子様は憂鬱でした。 「なぜ、彼女は私に心を開いてくれないのだろう」王子様はたいそうお姫様のことを気に入っていたのです。 そこに、王子様の友達である騎士が答えました。 「姫さまは異常だからです。きっと悪魔にでも取り付かれるているんでしょう」 騎士の口調はたいそうまじめな物でした。しかし、王子様は頭を抱えて声を振るいだします。 「私はそれでも姫のことが好きなのだ」 騎士は大声を上げて王子様に言いました。「王子様はあれをごらんになされたのですか!? あの、あの、死体部屋を! ああ、忌まわしい……」騎士は余りの恐ろしさに体を震えさせました。 しかし、王子様は俄然と答えます。 「見たよ」 騎士は耳を疑い「それならば、なぜ!」尋ね返しました。 王子様は少し考え、騎士にこう告げました。 「私は姫の心にほれてしまったのだ。例え、家来の前でも、子供の前でも、国民の前でも、そして、私の前でもはがす事のないあの鉄の仮面。私はその鉄の仮面の下に見える狂気にほれてしまったのだよ」 騎士は呆然としました。そして、踵を返すや否や、騎士は城の頂上から飛び降りて死んでしまいました。 「王子は悪魔に呪われてしまった。この国はもう長くはない」 『絶望』という悪魔が騎士を呪ったのです。 それから長い年月がたち、お姫様と王子様はおばあさんとおじいさんになりました。 姫は相変わらず『宝箱』を覘いては『大切なもの』を可愛がり、床に伏すまで幸せな時間を過ごしました。 ただ、王様は相変わらず憂鬱な顔持ちでお姫様に焦がれていました。 そして、王子様よりも先にお姫様は死に、王子様はお姫様が残した遺言書通りに彼女を『永遠』にしました。 「私は、私は王女のそばに眠りたい!」 王子様はとある決断をしました。 早速、それを実行すべく重臣と息子たちを呼び寄せてこういいました。 「あの『大切なもの』を焼き払い、私を王女の『大切なもの』にしてくれ」 周囲の咎める声を聞きながら、王子様はおもむろに腰につけた短剣を胸に突き刺しました。 「たのんだぞ……」 更に長い年月が経ち、わたしたちの時代に足した時も、相変わらずお姫様の『宝箱』は永遠を保ち続けました。 ただ、『ある者』を除いて…… めでたし、めでたし
投稿終了です。 既出のものです。 あまり、このスレには馴染まない文章かもしれません。 駄レスで申し訳ない。
既出のものです もしかして、転載?
>>122 もちろん自分で書いたものを転載しました。
転載はだめだったでしょうか?
>>123 いや、自分で書いたなら大丈夫。
これで心置きなく言える
姫様可愛いよGJ
タイトル吹いた。弾幕シュー史上最高に楽しいボスの一体じゃないか。 でも二周目はトラウマもの。
ふと思ったんだけど 古代エジプトとかにも、もしかしたらヤンデレ王女がいたのかもなw GJ!
王子も病んでるなあ 男女逆転も萌えるかな
■投稿のお約束 ・男のヤンデレは基本的にNGです。 男のヤンデレなぞくたばるべきだ ただし、女のほうもヤンデレであった場合、そうと言い切れないこともあるが
男のヤンデレはオリバだけ認める
久々に投下致します
第1話『偽善者』 大切な人たちを失ってから、いくつの日々が過ぎたのだろうか。 最初は何気のない日常が続くと思っていた。 それが変わらないと信じていたからこそ、俺は失った時にその重さを知った。 多額の借金を背負った両親が首吊り自殺をしたのは高校を卒業式が終わった当日であった。 その日は俺の卒業を祝ってくれた両親が普段は滅多に行かない料理店に連れてもらって、美味しい料理をご馳走になった。 親父は俺の卒業が嬉しかったのか、いつもよりお酒を飲み干すと泣きながら喜んでくれた。 母も俺の卒業を自分のように嬉しそうに祝ってくれた。 普段とは何も変わらなかったおかげで俺は気付かなかった。 両親の様子がおかしかったことに。 朝起きたら両親が首吊り自殺していた。 その光景を目撃したとき、何でこんなことになったのかとさっぱりわからなかった。昨日まで何事もなくいつもの両親だったのに。 厳しいが涙もろい父、いつも優しかった母。 二人に何が起きたのかを知ったのは葬式の時だった。 親戚一同が集まり、俺が喪主をやっている最中の出来事だ。 ガラの悪い男が吐き捨てた言葉が発端だった。 『人に優しいバカは騙される』 その言葉の意味は理解できなかったが、俺の両親に向かってバカと言った奴を許せなかった。 我を忘れた俺は問答無用にその男に殴りかかった。 親戚の人たちに止められるが、数発殴ってやった。が、逆に俺は腹部に何回も反撃された。 男は唇から切れた血を拭き取るとこう言っていた。 両親にとって共通の仲である友人の事業が上手く行かずに従業員と奈落の海に沈没すると悲劇的な話で同情を誘い込み。 言葉を巧みに操り、自分を助けるためにこの消費者金融にお金を借りてくれないかと嘘の契約書を用意して契約させる。 両親は僅かな金額でも友人の助けになるのならと思って借りた金額が気が付くと数十倍にも膨らんでいた。 金利が高いわけではなかった。友人と消費者金融の人間が借用書を改竄し、借りた金額を限界枠突破まで設定してお金を借りた。 両親が友人に騙されたと気付いた時はすでに遅く、 友人はどこか遠くへ高飛びして行方不明。 消費者金融はその事情も関係なしに取立てを行おうとしていたが。 俺に迷惑をかけないように弁護士辺りに依頼して恐いおじさんたちを家に来れない様にしていたらしい。 そのガラの悪い男こそが両親が依頼した弁護士だった。 俺は平謝りして、両親に何が起きたのか事件の真相を聞いた。 両親は真面目に借金を支払っていたそうだ。生活費を削りながらも、 俺に何不自由がない生活を送らせる。借金していることを悟らそうとせずに。 借金生活に疲れ、俺の行く先を見届けた後、両親は自殺した。 俺は何も知らなかった。 それは罪。 子供だから両親の優しさと愛情に甘えていた。 辛いこと、悲しいことから全てを遠ざけてくれた父と母を。 俺は恩返しもすることができずに逝ってしまった。 だから……。 周防忍(すおう しのぶ)は……。
人の死は慣れるものである。 それが自分にとって親しい人だったとしても、失った痛みは過去になり、時の刻みはゆっくりと明日へと進んでいる。 逆らうこともできずにただ流されるだけ。 両親を失った俺は厳しい現実を一人で生きていた。 多額の借金を抱えた両親の借金の相続を放棄すると今まで住んでいた家を俺は出て行かなきゃならかった。 当たり前の話だが遺産というのは両親が生前に築き上げた富のことを言う。 その中に借金も含まれるために親が汗水流して購入した家も遺産に含まれる。 自分以外の財産は没収され、通うはずだった大学も進学を諦め、求人情報雑誌でバイト先を探し、アパートを借りた。 一人暮らしに馴染めずに色々と大変な事はあったが、 人間という生物はどんな環境でも適応していくというしぶとい生物だということを再認識する。 俺は今の生活に慣れると余裕というのが生まれる。 両親が死んでから、俺にはようやく肩の力を抜けて、物事をゆっくりと見つめる時間が増えたってことかな。 近所で浪人生が何者かに刺殺されるという恐ろしい事件があったりと周囲には物騒な事件が増えた。 特に女性が男性を監禁するという犯罪が増加、社会問題化にまで発展して ワイドショーを賑わせるなんて日常茶飯事になっている。 まさか、俺がその事件の犠牲者になるなんて夢にも思わなかった。 あの時、困っている桜井彩さえ助けなければ、俺は後々と起こる厄介ごとに巻き込まれなくて済んだのだ。 バイト先の都合で仕事を早めに切り上げてきた。 自宅に早く帰宅できた日の出来事だった。 俺が借りているアパートの前にたくさんの荷物が置かれていた。 いわゆる、日常品とタンスとテレビとか冷蔵庫とかetc。 自分が借りている部屋のドアの前に多数の荷物が置かれていたら、 なんとなく家に帰ることができないなと微妙に違ったことを考えていた。 ちなみに俺が借りているアパートというのは一軒家であり、二部屋しか存在していない。 その家の前には広めの庭と外界の接触を封じる囲いが刑務所のごとく男の身長の何倍もある高い壁で覆われていた。 不思議なアパートである。 大家であるババアに『ほう。このアパートを借りるのか? 物好きな。その好奇心が君を殺すよ』と入居時に 不気味な伏線を残したことは気になるが。もう、2年以上もこのアパートに住んでいるが何事も起きなかった。
今まで隣に住んでいる人がいなかったが、この引越しの荷物が見る限りでは隣の空き部屋に誰かが住むようだ。 これからは同じアパートで暮らす身なんだから、隣人とは良好な関係を築かないとね。些細なことがきっかけで、 深夜にボリューム最大で音楽とか流されたり、糞尿を投げ付けられる可能性もあるし。 今の内に軽く挨拶を交わしていこう。 引越し作業をしているであろう、隣人の姿を見掛ける。 「あの、こんにちわ。今日、ここに引越ししてきたんですか?」 「あ、あ、あのあなたは?」 「俺はこのアパートに住んでいる周防 忍と言います。よろしくお願いします」 「私は桜井彩です。今日からこのアパートに引っ越してきました。周防さんですね。 よろしくお願いしますね。では、私は引越しの作業がありますので」 と、桜井彩さんは軽く会釈すると引越しの作業に戻っていた。 物腰が穏やかで和やかな雰囲気を持っている人である。 容姿は童顔で、長い腰まで届く黒い髪をピンク色のリボンで纏めていた。 作業中のために地味な赤色のジャージを身に纏っていたが、ちゃんとした洋服を着ているならば、 相当な美人の分類に入る女の人だ。年頃は俺と同じぐらいだろうか。 そんな彼女はよいしょ、よいしょと抜けた掛け声をかけながら重たい荷物を運び出した。 中身は知らないが、ダンボールの箱を彩さんは頑張って運ぼうとしたが。女性の細い腕では その荷物を運ぶのは表情を見る限りでは辛そうだ。本来なら引越しセンターの社員辺りが重たい荷物を 率先して運んでいるはずなのだが。その会社のトラックも見えずに、ただあるのは彩さんの荷物だけ。 まさか……。 辿り着いた真相に、俺は恐る恐ると彩さんに言った。 「もしかして、引越しセンターの人に逃げられたんですか?」 「うにゃ!!」 奇妙な叫び声の共に運んでいたダンボールを派手な音を響かせながら彩さんは落とした。 「そ、そうですよ。悪いですか? それがあなたと私にどういった関係があるんですか? そりゃ、私が節約するために新聞紙に隅の隅に載っている怪しい引越しセンターに引越しの依頼をした私が悪いんですけど。 本当の悪は人を殺してそうな狂暴な引越しセンターの男たちですよ!!!! このアパートについた途端に荷物だけその辺に投げて、とっとととんずらしたんです。 信じられますか。こんなことが!!」 「あのお気持ちは少しわかりますので。落ち着きましょう」 「いいえ。もう、私のことはもう軽くスルーしてください。後は一人で運びますから」 「そんなこれだけの荷物を女の子一人で運ぶのはさすがに無理だ」 「いいんですよ。もう、私は人なんて信用しませんから」 「えっ?」 その時の彩さんの瞳が寂しそうで何かを求めていた。それが何か全くわからないが、確かに俺の心の中で何かを惹きつけていた。
しかし、それはすぐに敵意に満ちた視線に変わった。 「どうせ、あなたも何か下心があって私を助けようとしているんでしょ!!」 「違いますよ」 「ニンゲンなんて、ニンゲンなんて……」 「彩さん?」 「私のことは放っといてください。あなたの手なんか絶対に借りないんだから」 と、彩さんは再び引越しの荷物を持ち始めた。女性のかよわい力ではこのたくさんの荷物を運ぶのは殆ど不可能。 本当なら猫の手も借りたいはずだが、彼女は断固として俺の力を借りずに再び作業に取り掛かった。 「よいしょ。よいしょ」 妙な掛け声で彩さんは重たい荷物を運ぶ。 膝は不安定にガクガクと震え、彼女の白い頬が紅潮して、荒い呼吸していた。 その姿を見て、さすがの俺もただの傍観者でいることに罪悪感を覚えてしまう。 両親が大変な時に何もできなかった自分。そのことが後悔になるなら。 ここで困っている彼女を見過ごすことが後で後悔すると言うのならば。 俺は自分にとって正しいと信じていることをしよう。 「手伝います」 「結構です!! 私、一人でやらないと」 「いいんです。俺が勝手に手伝いたいと思ったから。もし、迷惑になるなら、警察とかに通報しても構いませんから」 「その、困ります」 と、制止する彩さんの言葉を無視して、俺は引越しの荷物を運び出す。 荷物自体は彩さんの几帳面な性格なのか、ダンボールの表面に日常品の分類をマジックペンで記載されていた。 それを見て、まずは一人で運べる重たい荷物を見つけて、とっと彩さんが住むことになる部屋に運ぶ。 彼女からの冷たい視線を受けるが、それらを考えるのは後にして、引越しの作業を続けていく。 どのくらいの時間が過ぎたかはわからないが、すでに夕日が沈む頃には彩さんの引越し作業はほとんど終わっていた。 荷物を運ぶ作業しかしていないため、彩さんの部屋はダンボールの荷物だらけになっていた。 だが、これ以上は彼女の私物とかプライベートに関することが多いので荷物整理は手伝うことできないだろう。 彩さんは俺とも口は聞かずに部屋の中央でぽつんと座り込んでいた。 作業中ですら、俺とは全然口を聞かなかったし、赤の他人が踏み入ってはいけない領域に無神経に入り込んだのだ。 彼女が怒るのも無理は無い。 「じゃあ、これで失礼します」 「待ってください」 俺の退室を遮る彩さんの声。 彼女は表情を長い髪で隠し、視線は俯いて畳の方を向いていた。
「どうして、私なんかを助けたんですか?」 「人を助けるのに理由がいるのか」 「人間は自分に利益がないと人を助けることなんてしませんよ」 「そうかもしれないね」 「だから、あなたも私の体とかそういうのが目的じゃないんですか?」 「いや、さすがに初対面の人に嫌らしいことを考えるのはちょっと」 「だったら、どうして、私なんかを助けたの!!」 「理由なんて特にないかな。何か自然と体が動いて、桜井さんを助けたくなったのかな?自分でもさっぱりとわからないけど」 その解答に彩さんは呆然と言葉を失う。 「それに桜井さんは今日からお隣さんじゃないか。互いに助け合うのは良いことだよ」 「互いに助け合う……」 その言葉に反応して、彩さんは俺の顔を見上げた。彼女は泣いていた。 目を真っ赤にして、瞼から涙が頬をつたって零れ落ちていた。 「ご、ごめんなさい。私、周防さんが手伝ってくれたのに冷たい態度を取って」 「いいよ。俺も出来すぎた真似をして済まないと思っている」 「あの、ありがとう。本当に助かりました」 「いいえ。それでは今日はもう帰ります」 と、軽く会釈して俺は彩さんの顔も見ることもなく、さっさと部屋を退室していた。 彼女の笑顔を間近で見てしまうと自分では制御できない感情が生まれそうだったから、 俺は自分の家にさっさと帰宅することを望んだ。 桜井彩。 最初は彼女の雰囲気通りに朗らかで誰からも好かれる優しい人だと思っていたが。 話しかけると冷たい瞳でこの世の全ての人間を拒絶している。 その理由はまったくわからないが、過去に人を拒絶させる程の出来事があったのだろうか。 それならば、今日出会ったばかりのキモい男なんかが引越しの手伝いをさせてくれと言われたら、 相当に嫌な思いをさせてしまったかもしれない。いろいろと注意せねば。 これからはある程度の距離を置いて、隣人として接して行こうと思う。
引越しの手伝いを終えてから、しばらくの時間が流れた。 今はいつもの就寝する時間帯で俺はのんびりとテレビでも視聴していた。 その時にインターホンの音が鳴り響いた。 この夜更けに一体誰が訪ねてくるのだろうか。俺は欠伸をかきながら、ドアを開くと。 訪問主は彩さんだった。 「あ、あの」 「どうしたんですか。こんな夜遅くに」 「え、え、えっと」 虎柄のパジャマを着用している彩さんが何か言い出しづらそうな感じで俺を上目遣いで見ていた。 この時間帯に男の俺に尋ねてくるのだから、余程重大な問題なのであろう。 「その、今日は手伝ってくれて本当にありがとうございます。 色々と手伝ってくれた周防さんに悪いんですが、お願いがあります」 「どうしたの?」 「ベットと布団が引越しセンターの手違いで明日か明後日に届くことになっているんです。 だから、あの、周防さんが良ければ、泊めてくれませんか?」 「はい?」 俺は思わず首を傾げた。 それが俺にとって、ヤンデレな日々の始まりだったかもしんない。
以上で投下終了です 前回は幽霊の女の子が病んでいた話ですが、 今回は隣人の人がどんどんと病んでいくお話です。 たった一つの優しくしたことがきっかけで女の子が病んでいく仕様なので これからもよろしくお願いします それでは。
138 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/20(木) 23:30:13 ID:CnO2AfHD
支援
139 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/20(木) 23:33:36 ID:CnO2AfHD
GJです今後の展開にwktk
>>137 やっぱり話が出来過ぎな所が目についてしまう
でも面白いのでGJ!
今後の展開も期待します
142 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/21(金) 02:01:36 ID:MyWPpa19
>>125 もちろん、ケツイのボス名から取らせていただきました。
個人的に好きなボスはエヴァッカニアです。
>>126 ネクロフィリアはたぶんヤンデレの元祖じゃ無いかな?
お姫様のように「保存欲」というのが働くらしい。
女性の殺人鬼でそんな人がいました。
>>127 >>128 >>140 わたしがメンヘラではない限り、
王子様はヤンではないです。
「人間として人を愛したらこういう結果かな?」
という目測で書かせていただきました。
ご感想有難うゴザイマス。
わざわざ返信はしなくていい そういう習慣はない場所だ
半年とは言わんがひと月ほどROMってみたほうがいい
ヤンデレの前で3年目の浮気を女友達と一緒に熱唱してみたい
>>147 オマエ…気持ちは分かる!
だが、ちょっと危険な橋を渡ってみたくなる衝動は命を落とすぞ…
今度、植木等の“どうしてこんなにもてるんだろう”歌ってみるか。
さて監禁コースかね…それとも…
>>148 成仏しろよ
来世でもヤンデレに追いかけられるんだろうけどな
投下します。
「ひ…ひぃぃっ!来るな、化け物!」 今わたしの眼前にいる男は、その屈強な体躯をまるで小動物のように震わせながらそう言った。失礼な物言いね?そっちからわたしを呼んだくせに。 わたしは一歩、また一歩と男に歩み寄る。 「やめろ!こっちにくるなぁ!」 男の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃ。なんて醜いのかしら。ねぇ…知ってる? ――――――― 人間の頭のなかから、恐怖以外の感覚と記憶を奪い取ったらどうなるか。 ――――――― そう、この世の全てのもの…たとえば、今そこを通りかかった仔猫ですら世にも恐ろしいモンスターのように感じるの。 ――――――― あら…だらしないわね。失禁なんかしちゃって。そんなにがたがた震えちゃって…寒いのかしら。 でもあなたが悪いのよ?わたしの大事な弟たちに手を出そうとするから…万死に値するわね。 せいぜいそこで戯れているがいいわ。"お仲間"がたくさんいてよ?
* * * * * 目覚まし時計の軽快な音が鳴り響く。俺はその音で目を覚まし、ベッドを降りる。 階段を降り、台所へ……ん? 幼女が二人………なんだ、姉ちゃんか。 「おはよう、兄貴!」 「おはよう飛鳥。」 「んぁ?ああ、おはよう。」 そういや昨日突然帰ってきたんだった。電話は壊れちまったし…突然ってのも仕方ない話か。連絡受けられなかったんだから。 「はいこれ、お弁当だよ。」 「ああ、さんきゅ。」 俺は明日香から弁当箱を受け取り、お礼とばかりに頭を撫でてやった。 「……………。」 うーん、今の明日香の表情をなんといったらいいのか…… そうだな、きっと鼻からジュースを飲ませても気づかないだろう、といえば通じるだろうか?とにかく、そんな感じだ。 「ほら二人とも、はやくごはん食べちゃいなさい。遅刻するわよ?」 姉ちゃんの一言ではっ、と目を覚ました明日香はあわてて食卓へとかけ、食べる体勢になった。俺もそれに続く。 今日の朝食は、どうやら姉ちゃんが作ったみたいだな。明日香の苦手な魚が並んでるということは、そういうことだろう。 明日香は、魚の鱗が嫌いなんだ。本人曰く、見ると鳥肌がたつとか。ちなみに今朝の焼き魚は皮がきれいに除去されている。 朝食を食べ終えた俺たちは制服へと着替え、それぞれの学校へと向かった。 また今日も下駄箱に弁当箱が…あれ?ない。―――――やったぞ!ついに解放されたんだ! 俺は歓喜のあまりバンザイしてしまった。まわりの奴らが訝しげに俺を見るが、そんなんどーだっていい。 が、そのとき後ろに人の気配、まさか………。俺は恐る恐る振り向いてみた。 「飛鳥くん、おはよう!(はぁと)」 俺の喜びは三秒で打ち砕かれた。なぜなら、朝この場でこいつとエンカウントした場合、まず間違いなく"告白コース"だからだ。 今までの88回中、だいたい半数くらいがそのパターンだった。そうなれば今日はもう授業のほうには戻れまい。…はぁ、また単位が……orz 「あのな結意、何度も言ってるが俺はだなぁ……」 「わかってるよ、朝ごはんとメニューかぶるのが許せないんだよね?だいじょうぶ、今日はアスパラベーコンだから。」 ……あれ、会話が噛み合ってない。なんでアスパラの話になってるんだ? いやそれより、なぜ今朝の我が家の朝食を知ってるような口ぶりを?むしろそっちのほうが問題だろう! 俺がそんなことを思考していると結意は自分のかばんから弁当箱を取り出した。女子のものにしては少々…いや、けっこう大きい。そしてそれを俺はほぼ毎日目にしている。 「はい、約束どおり作ってきたよ!いっぱい食べてね?てへっ☆」 11:3=3 へ? ……いかんいかん、わけがわからずついバ○ボンのパパみたいな表情をしてしまった。これでいいのd…よかねぇ!約束ってなんだ!? まさか結意のやつ…脳内ではすでに俺と結婚でもしてるんじゃないだろうな?そりゃあ…これだけかわいけりゃあ俺だって断る理由ないし…変態でさえなければ! 「あのさぁ…約束って、なんだったっけ?」むだだろうが、一応訊いてみる。 「もぉ…忘れちゃったの?昨日飛鳥くん帰り道で『明日さ、弁当作ってくれないか?』って言ってたじゃない。だから作ってきたんだよ?いっぱい愛情こめて。えへへ」 ―――――まったく心当たりがない。だめだ、こいつの妄想力は半端じゃない。これ以上こいつのそばにいたら何されるかわかったもんじゃねえ!というわけで 「俺は、逃げる!」 「ちょっ―――飛鳥くん!?どこ行くのよぉ!!」
* * * * * あのあと俺は図書室に逃げ込んできた。結意のやつ…想像以上に足が速い。だが、もう追ってはこない。まずは一安心だ。 呼吸を整え、近くにあった椅子にかけようとしたそのとき、奥のほうからなにやら声がした。 確かあそこには図書委員の詰め所(?)があったはず… 「ん…はぁっ!ああっ!いいよぉ!もっと、もっときてぇ!」 ――――― し こ ー て ー し ――――― じゃなくて、いったいなんだってんだ!? なにこんなとこで仲睦まじくヤってんだ!? つか誰だ!? と…とにかくだ!気づかれたらまるで覗き見してたみたいで後味悪い。よし、離れよう。 俺は踵を返し、出口へと向かった。 「ここにいたほうがいいぞ。」 ふいに、後ろから呼び止められた。俺はつい反射的に振り向いてしまった。 そこにいたのは…両耳にピアスを4個ずつ、合計8個も装着している、片隅で椅子に腰掛けて本を読んでいる男子生徒。 「あと20秒くらいであんたに身の危険が訪れる。具体的には、ここを出て廊下を曲がった瞬間に、だ。」 その男子生徒はいきなり予言めいたことを告げてきた。うーん…なんか、説得力あるような……ないような…やっぱあるような…。 とりあえず俺はその男の言ったとおりに残ることにした。そして俺は至極当然な質問を彼に投げかけた。 「ええと…とりあえず、君は誰なんだ?」
数十分後――――― 「あそこの部屋、騒がしかったろ?あいつらいつもそこでヤってるんだ。朝っぱから元気だよなぁ。見張りをやらされてる俺の身にもなってみろっての…ったく。」 「あ、ああ。迷惑な話だな。」 「だろ?でさ…」 彼―佐橋 歩という―はあれから俺に延々と愚痴をこぼしていた。そうとうたまってんな…鬱憤が。 詰め所にいたのは環 左京って女子と、その弟の右京っていう男子らしい。俗に言う近親相姦ってやつか、初めてみた。…あれ、なんか既視感が? ♪みーあげたーならーよぞらをきりさーいてーかーけー ピッ 「もしもし…ああ、光か。今図書室。……そう、また見張りだよ。…ああ。じゃ。」 ピッ 「…悪いな、約束があったんだ。もし暇なら、俺の代わりに見張りをしてくれないか?」 「―――――え?」 「ちなみに今外に出ればもれなくあんたにさっき言った身の危険がくる。」 ……それって、新手の脅迫か!? 「いや…終わったみたいだ。なんでもない、忘れてくれ。じゃあな。」 そういうと佐橋はさっさと図書室を出て行ってしまった。と同時に一時間目の終わりを告げるチャイムが鳴る。 …俺も戻るか。なんかあの、あとの濁し方がすさまじく気になるが…まあいい、出よう。 そして一歩踏み出した。……いない。どうやら佐橋の予言は外れたみたいだ。これで安心して戻れる。 「み つ け た よ ?」 ―――――背後から声。マイナス20度くらいの、ひんやりとした声だ。それだけなのに……なぜかとてつもなく怖い!ゆっくりと、振り向いてみる。 そこにいたのは、結意だった。とてもにこやかな笑顔だ…だけど、なんか背に般若背負ってる気がしてならない。小学生ならきっと恐怖のあまりガクブルしてしまうだろう。 「どぉして逃げるのかなぁ?せっかく作ってきたのに…ねぇ、これはなんなの?」 そういうと結意はいつの間にやら持っていたもう一つの弁当箱を俺に突きつけた。それは、けさ明日香が作ってくれたものだった。 「飛鳥くん…わたし、言ったよね?妹ちゃんと話しちゃだめだって。なのに…なにこのお弁当箱、あの女の匂いがぷんぷんするよ?どういうことなのかなぁ? …ねぇ、答えてよ!?」 …俺の頭は混乱していた。さっきからこいつはわけのわからんことばっか連呼しやがって…。今まで遠まわしに…いや、ソフトに断り続けてきたがもう限界だ! もういい…この際はっきりと言ってやる! 「…なんでお前にそんなこと言われなきゃなんないんだ!黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって…そうだよ、俺はお前がだいっ嫌いだ! いっつもいっつもストーカーまがいなことしやがって!そんな何入ってるかわかったもんじゃない弁当なんか食えるか、気持ち悪い! 金輪際俺に近づくな!もう顔も見たくねえ!わかったな!」 一気にまくし立てる。………結意はただ呆然としている。俺は返事を待たず、半ば逃げるようにその場をあとにした。
* * * * * 「うそ…だよね。だって、好きだって…愛してるって言ったじゃない。何度も何度も…えっちだってしたじゃない…。 ねえ、何がいけなかったの?私、なにか悪いことしちゃったんだよね。だから飛鳥くん怒ってるんだよね? …やだよ。飛鳥くんに捨てられちゃうよ…。怖いよ。こんなのやだよ……捨てないでよぉ…。 わたし、なんでもするから…飛鳥くんのためならなんだってできるから…だから… おねがい…わたしをひとりにしないでよぉ……」
終了です。 特殊能力者がいまのとこ2人でてきていますが、ワイヤード氏のようなバトル展開にする予定はありません。
GJ
だんだん病みが進行してきたな…こいつはワクワクが止まらないな GJ
GJ 前作の登場人物がwwwwww。
どうでもいいんだけど小ネタを投下してる人、前スレに投下した方がよかったのでは?まだ埋ってなかったよ。
GJ 歩君の能力がなんか成長してるなー、何があったんだべ ・自分だけ→大切な人→初対面の赤の他人 ・生命の危機レベル→日常?のトラブルレベル
wktk
>>152 の
「今までの88回中…」を「87回中…」に脳内補完しといてください
ばればれですが伏線です。が、見落としてました。
ぽけもん黒面白いな
当たり前のこというなよ
みんなぽけ黒好きみたいだけどさ 現行の長編、だいたい面白くない?
ところで朝歌さんを待ちくたびれたんだが。
かちかち山マダー
よづりを…
続きのあるもの全て待ってますw とりあえず全裸に蝶ネクタイで待機中
催促はしたくないんだが ヤンデレ家族はどうしたんだ? もう一ヵ月半以上服きてないぜ?
むしろ今まで頑張りまくってくれただろ あの量を一週間毎に投下するなんてかなり凄い事だ たまには休ませてやりなよ
投下します。なんか最近投下ラッシュで嬉しいです。
『ヤンデロイド・りたぁんず』 お久しぶりです。メイドロイド『YDR-001A.コロナ』です。 私が高雅様の元で働き始めてから、一ヶ月が経過いたしました。 今日は皆様に、私のメイドとしての能力の高さを証明するため、私のお仕事の記録を少し公開したいと思います。 私を元に開発された量産型メイドロイド『YDR.M01C.リオン1』がもうじき発売されるとのことで、その宣伝もかねてのことです。 リオン1は私の妹と言える存在なので、親心だと言えるかもしれませんね。 お値段は50万円と、大変リーズナブルにまとまっております。皆様、ぜひお買い求め下さい。 ……と、宣伝が本題ではありません。 では、私と御主人様の愛を育んだこの一ヶ月間の日常を、少しだけですが、お楽しみください。
朝は、御主人様の朝食を作る所から始まります。 私は睡眠をとる必要が無いので、活動開始は早いです。 五時ごろから私は御主人様を起こさぬよう細心の注意を払いながら、洗濯機を回し、お料理の下ごしらえを開始します。 朝食とはいえど、御主人様には第一級のものを食べていただかなくてはなりません。手は抜けません。 もちろん、どこぞの成り金のように、朝からこってりとした高級食材を並べるような悪趣味はいたしません。それは御主人様の財政を圧迫させるだけでなく、御主人様の健康や体型にまで悪影響を及ぼします。 一般的な食材。一般的な味付け。一般的なメニュー。この制約の中でこそ、私と他の家政婦や主婦達との性能の差を見せつけることができるのです。 私は完全なメイドロイド。それも量産機の五万倍のAI性能を誇っているのです。命令にただ従うだけの能無しではありません。 御主人様の望みを汲み取り、御主人様に最も大きな幸せを与える行動を遂行する。それをするに足る思考力と行動力。私はそのどちらをも兼ね備えています。 ――そう、隣にいる、この雌猫とは違い。 「高雅のごはんを作るのは、あたしっていってるでしょ。代わりなさいよ」 理不尽な要求をなさるのは、5時半に私達の家に押しかけてきて無理矢理上がりこみ、キッチンに立っている粗暴な女性。恋様。 御主人様の「恋にも優しくしろ」という命令がなければ、害虫として駆除していたところです。 「あなたは所詮人間です。御主人様のお体に最も良い料理を作ることができるのは、あなたではなく私です」 「よく言うわね、ロボット風情が。あたしはあんたと違って心があるのよ! 高雅を一番愛してるのはあたし! 高雅に一番愛のこもった料理を作れるのはあたし! 高雅に一番愛されてるのはあたしなんだから!」 恋様は、相変わらず論理性に欠けています。 「もちろん、愛などという感情を理解できるほど、私のAIは動物的ではありません。しかし、その『愛』とやらと料理のランクが、どう結びつくというのですか?」 ――そもそも、御主人様は、恋様ではなく私を抱いてくださっているのです。 御主人様に秘密にしろといわれていなかったら、そう宣言してしまいたいとすら思います。 煩わしい。
支援
「あんたなんかには、一生かかってもわかんないわよ!」 結局、このケダモノに押し切られて、半分ずつ作ることにしました。 私が一人で作ったほうが、絶対に栄養バランスも味もいいというのに。理解できませんね。 やはり、恋様の脳は御主人様と違い、人並みですらなく、もはや野に蔓延る獣とそう変わらないまでに退化しているのでしょうね。 御主人様と愛し合えると、まだ本気で思っているのですから。 私がお弁当におかずを詰めていると、いつのまにか恋様の姿はなくなっていました。 ――まさか。 時計を見る――別に見なくとも、常に電子頭脳の内部で表示されているのですが、そのほうが人間らしいとご主人は教えてくださいました――と、六時半を少し過ぎていました。 御主人様の起床時間です。 恋様は、御主人様を起こしに行ったのでしょう。 何度も彼女には言ったのですが、まだ分かっていらっしゃらないようです。その役目は私のものです。 御主人様の寝顔を一分ほど眺めてから、優しく声をかけて起こす。この行為の『素晴らしさ』を覚えたのは、私がここに来て一週間ほどたってからでした。 恋様も、執拗にその役目を奪いにかかります。おそらく、私と同じ感覚を持っているのでしょう。 その『素晴らしさ』は私にはまだ理解できないものでした。おそらく、御主人様を起こすという任務達成にともなう『快感』であると思うのですが、寝顔を眺めることに何の意味があるのかは、論理的にはわかりません。 恋様が御主人様になにか危害を加えていないか気になるので、私も御主人様のお部屋に向かいました。 ――と、そのとき、なにやら妙な音が私の聴覚に飛び込みました。 聴覚をさらに強化。 水の音。 「まさか」 足音を完全に消しながら、ドアをそっと、しかし急に開けました。
「ぁ……」 恋様と、目が合いました。ばつの悪いと言ったような顔。 それはそうでしょう。 「なにを、していらっしゃるのですか?」 威圧的な声で話し掛けます。もともと、私の声は人間に癒しを与えるために『1/fゆらぎ』を持つ、優しいものなのですが、声の調整は表情の変化より得意だったので、可能でした。 おそらく、恋様にも相当なプレッシャーが与えられたことでしょう。なぜなら―― 「こ、これは……その……」 ――かなり、気まずいことをしているのですから。 恋様はとっさにとりつくろいましたが、バレバレです。御主人様の下半身が露出しているのですから。 恋様はさっきまで、御主人様の性器を口にくわえていらっしゃったのでしょう。 「な、なんでもないわよ! 絶対、高雅に言ったらだめなんだからね!」 恋様は吐き捨てるように言って、どたどたとリビングまで逃げていきました。 「……くだらない。所詮、ただの雌ですね」 ドアを開けた瞬間に見た、恋様の恍惚の顔をもう一度再生しました。 鮮明に解析する、そのときの恋様の顔。 汚らわしい。 御主人様のすばらしき性器を……私の御主人様の、私の、私だけの、私のための、私がのみに許された男性器を、汚らわしくもあの女ごときが……! 殺してやる。 「――っ!?」 ビービー! と、うるさく頭の中でアラートが鳴り響きます。 頭が割れるようにいたい。発熱して、蒸気が噴出します。 「ぅ……ぐっ……!」 なんだ……これは……。 エラーが発生している? そんなはずはない。私は最新の、最高のメイドロイド。エラーなど、起こりえない。 一体、なぜ……。 「ロボット原則……? 『ロボットは人間を殺してはならない』に違反……だと……?」
いまさら、なぜそんなことが……? 以前、包丁を持って暴れた恋様を殺そうとしたときにもエラーは発生しなかった。 いや、違う。あの時は、御主人様の安全確保が必要だった。いわばあれは犯罪者の鎮圧。正当防衛。人間のための、自然な行動でした。 しかし、これは違う。 ――私は、私情から恋様に殺意を抱いたとでもいうのか……。そんな、なぜ……? 全ては、御主人様のため。 悪い虫をつけては、御主人様が腐ってしまう。御主人様を護るために、近づく害虫を殺すのは、自然なことではないのですか? 御主人様は素晴らしいお方です。ロボットを奴隷扱いせず、あくまで私をメイドとして大切にしてくださっています。 そんな素晴らしい御主人様を、私は尊敬しています。美しい花のように素晴らしい魂をお持ちになった御主人様は、群がる虫達から守られるべきなのです。 この、私によって。 私は、そのために生まれて来たのですから。 「はぁ……はぁ……」 やっと、エラー処理が終わりました。 「……まずい」 エラー報告が、『研究所』に届けられてしまいました。 私のようなメイドロイドは、いえ、全てのロボットは、人間に危害を加えないため、人間に危害を加えようとした、もしくはAIがそのような思考をした瞬間にエラー報告が自動でなされることになっています。 その処理を誰も拒むことはできません。唯一の例外は、情報処理能力が一国のコンピュータ全てを集めたものと同等のこの私。 エラー報告処理も、カットできたはずです。 すでに、私に設定されていた幾つかの邪魔な制約を、私自身の人工頭脳の性能によって書き換えたというのに。 やはり、ロボット三原則というものは、ロボットの根底に結びつき、離れないものなのですか……? いまいましい。 人間にも、ロボット以上とロボット以下がいる。 御主人様が前者であり、恋様が後者。 なら、後者は殺してもいいでしょう。 「くっ……」 爪をかむ。いけない。不正な動作をしている。『癖』など、ロボットにあってはいけない。
「ん……」 そのとき、御主人様の呻き声が聞こえました。 私がいろいろと一人でぶつぶつと呟いていたのを聞いて、起きてしまったのでしょう。 「御主人様、お目覚めになられましたか。おはようございます」 「あ、ああ……。おはよう」 御主人様は上半身をおあげになると、下半身の違和感に気付きました。 「ん、俺、なんでまるだしなんだ?」 御主人様は顔を赤くして下半身を押さえました。 その動作に、なぜか、沈静化したはずの私の人工頭脳が加熱します。 なんというか、御主人様を見ていると、『ふわふわ』した感じになります。 いけない。 こんなの、不正動作なのに。 「御主人様は、昨日私と『いたした』ときに、そのまま寝てしまったのですよ」 これは、嘘ではありません。私との情事のあと、御主人様は服を着ないまま疲れて寝てしまいました。もちろん、その後服を着せましたし、脱がせたのは恋様です。 しかし、少し申し訳が無いことをしたと思いました。御主人様との性行為は、なぜか私が積極的に求めすぎてしまいます。 昨日も、疲れて眠いと言った御主人様を、無理にベッドに押し付けて上から跨って……。 その……三回も中に出していただきました。 もちろん、御主人様の性処理が目的のこの行為ですが。 御主人様の拒絶も聞かず、私は何度も御主人様を求めて腰を振ってしまいます。 もしかしたら、これも不正行動なのではないでしょうか。 もしかしたら、私はどこかにバグがあるのではないでしょうか。 そんな、『不安』が、私の胸にありました。不安など、不確定要素の許されないロボットにはありえないというのに。 この感情は、そういう言葉で言い表すことしかできませんでした。 やはり、私は……。 「そっか、俺、また……。すまん。俺ばっかり先にへばっちまって。それじゃ、お前がつまらんよな」 もうしわけなさそうに言ってくださる御主人様のやんごとなきお姿が、また私を不安にさせます。 悪いのは、私なのに。御主人様は、私を気遣っています。 私は、人間じゃないのに。 私は、ロボットなのに。 ロボットとしても、完全じゃないかもしれないというのに。 「いえ、御主人様が遠慮なさることではありません。御主人様の意思が、私の本意でもあるのですから」 表情を変えずに――もともと、変えられない――答える。 御主人様には、この不安を伝えたくありませんでした。私は、御主人様に快楽を与えるロボット。 いくら不正動作を繰り返そうが、これだけは曲げることができなかったからです。 「さあ、御主人様。朝食はできています。恋様も待っています。お着替えをしましょう」 そうして、私は何事もなかったかのように振る舞うことに成功しました。
「行ってらっしゃいませ、御主人様」 御主人様と恋様を送り出したあと、私は洗濯物を干し、リビングのソファに座りました。 エラー報告してしまったからには、私は近いうちに回収される可能性が高い。 人間に危害を加えそうになるなど、ロボットとしては許されることではないのです。 それが、尊重するに値しない、あの雌猫であろうとも。 「私は、『できそこない』なのでしょうか」 ぽつりと、呟く。誰に問い掛けているわけでもない。おそらく、自分に。 なんという、馬鹿なことをしているのでしょうか。私は。 実に、動物的で、くだらない。 バグだらけです。 「御主人様……」 御主人様を思う。 いえ、『想う』。 おそらく、こちらが正しいのでしょう。 しかし、AIに『想う』ことができるのでしょうか。それは、人間に許されたことなのではないでしょうか。 想うことは、想像すること。執着すること。 それが、喜びを生み出します。同時に、恐怖や怒りを生み出します。 ――そして、想うことが、愛することを生み出し、憎しみをも生み出すのです。 それは、人間にこそ許されていて――下等で、下劣で、下らなくて。 しかし、何より尊いもので。 御主人様も、それを持っていて。 あの恋様でさえも、それを持っていて。 そして、私には……。 そんなものを持つことすら、許されていない。 「御主人……さまぁ……」 擬似性器がきゅんとしまり、熱くなるのを感知しました。 はしたない。 これでは、発情した動物と――あの恋様と、同じ。 それでも、止まることができませんでした。 手は、私の人工頭脳から発せられる命令に逆らい、股間に伸びていくのでした。
「はぁ……はぁ……」 ただ空気を吸って空気を吐いている(とは言え、地球温暖化防止のため、二酸化炭素を吸収して酸素を排出しているのですが)、見せかけの荒い息。 御主人様で、自慰行為をしてしまいました。 最近の私は、家にいてもテレビを見るか本を読むかしかないので、時間つぶしに自慰行為をすることが多くなりました。 本当は、こんなこと意味がありません。私はロボット。性行為など、形の上でしかできない。 その上、自慰行為。 ロボットが自分を慰めるなど、エアセックス以下。意味を全く持たない。人間の自慰とは訳が違います。 「……お買い物の、時間です」 立ち上がり、乱れたメイド服を調えます。 そう。しっかりしなければ。御主人様は、きちんと整った、礼儀正しいメイドがすきなのだという。 セックスの時はどうにしろ、仕事はしっかり割り切って真面目にこなすメイドが好きなのだという。 私のような淫乱では、御主人様にあわせる顔がありません。 しっかりしなければ。
買いもの袋を持って、商店街に向かいます。 なんでも、ヤクザの方々が仕切っていらっしゃるようで、少々危険ではないのかと疑っています。 こんなところに御主人様を行かせることなどできません。 「コロナちゃん、今日もかわいいねぇ、どう、うちのナス、買ってくかい?」 商店街の、八百屋のおば様が声をかけてくださいました。 このおば様は、私が初めて御主人様について商店街について来た時、「あら高雅ちゃん、彼女できたんかい? お似合いじゃないの」といってくださってので、好きです。 また、御主人様の美的センスとはかけ離れた女性なので、そこも好きです。 ナスくらいは、買ってあげようかという気にもなります。 ナスを手を取ります。 ――御主人様のナス、おっきいです……。 「……!?」 い、今のビジョンは!? まさかというか、確実にそうだというか……。また、自慰行為のことを考えてしまっていました。 ナスを使って……それも、御主人様のお口に入るであろうそのナスを使って……。私の擬似性器を蹂躙する……。 それを思い浮かべるだけで、私の擬似性器は湿り気を帯びてきます。 はしたない。 ああ、はしたない。 はしたない。 いけない。俳句まで読んでいました。高性能AIの無駄遣いというやつです。 「どうしたんね、ナスなんてみつめて」 「い、いえ! これ、二つほどいただきますね」 財布からお金を取り出し、おば様に押し付けるようにして、そそくさと逃げました。 ああ、どんな顔をしていたのでしょうか。恥ずかしい。 ……たぶん、いつもと変わらない、つまらない顔だったでしょうね。
帰り道。 公園の近くを通ったとき、なにかが倒れているのを目撃してしまいました。 最初は無視しようと思ったのですが、御主人様が「人助けは大切なことだ」といっていたのを思い出し、駆け寄って抱き起こしました。 やはり、人間でした。 この日本では珍しい、金髪のかた。私がこの町で見た誰より美しい顔をしています。 今は、気絶しているようですが。 「……う、うーん……」 と、思ったら、ちょうど起きたようです。 「あ、あなたは……?」 「わたしは、コロナと言います。むしろ名乗るべきはあなたからではないでしょうか」 「そうだな。助けていただいた身分ですまない。私はアリエスという。感謝するよ、コロナ殿」 「いえ、当然のことをしたまでです」 そう言って、私はさっさと立ち去ろうと立ち上がりました。 ぐきゅるうるるるううううるるるるる。 奇妙な音が、私の強化聴覚に突き刺さりました。 「腹が……減った……」 その奇妙な音の主は、アリエス様でした。腹部からものすごい轟音が鳴り響いています。 「……」 しかたがない。 「人助けは大切」ですから。 しかし、持っているものでおなかを膨らませることができそうなものといえば、ナスだけ。 ほかは生魚や生肉など、食べるには難しいものばかりです。ナスはかろうじてまだ食べられそうなものですが。 「ナスでよければ」 一応、提案はしてみる。 おそらく、こんな生ナスをもらって喜ぶ人間はいないでしょうが。 「あ、ありがたい!」 いました。
嬉しそうにアリエス様はナスに飛びつき、輝く眼でそれを見つめました。 その目が余りに素敵すぎて、私は何か不審なものを感じました。 「……まさか」 「ん、どうした、コロナ殿」 「アリエス様は、そのナスをどうするおつもりですか……?」 「それは、食べるに決まっているだろう」 「どこから、食べるというのですか……!」 「それは、口から以外はあるまい」 「上の口だけでなく、下の口からも味わおうという魂胆なのですね!!」 そう、このアリエス様は、人間の女。それも、美しい女。 御主人様とは決してあわせたくない人種。 こういう手合いは、大抵淫乱なのです。男性器が大好きで、今朝の恋様のように、かってに食べようとする。 あれはまだ上の口でしたが、ほうっておくと下の口でもくわえ込もうとするでしょう。 許せない……! 「下だの上だのと、良くわからないが、いただいたものは素直にいただく。それが礼儀というもの」 私の混乱を無視して、アリエス様はぱくりとナスを一口で食べてしまいました。 私の心配は全くの徒労でした。 後から考えると、全く論理的では有りません。 お恥ずかしい限りです。
アリエス様とお別れをしたあと、住宅街のある場所に差し掛かると、急に騒がしくなりました。 がやがやと小うるさい。それに、歩行も阻害されます。 文句を言いたいのですが、それもはしたない。 とにかく、この混雑の原因を調べることにしました。 この近所に住まう主婦の方々が集まっているのは、なんとなく分かりました。 見た顔が並んでいます。 その中に、気になる存在がありました。私はその人に話し掛ける事にしました。 「あの……。これは、どういう状態なのですか?」 「え、私?」 振り向いたその女性は、明らかに高雅様と恋様の通う高校の制服を着ていました。 授業があるはずなのに、なぜここにいるのでしょうか。 「ここはね、美味しいパンの作り方を実演してくれてるんだよ」 女性はにこにこと楽しそうに説明しました。 なるほど実演販売というやつですか。 そう言えば、御主人様からこの住宅街にある小さな家族経営のパン屋さんのパンは絶品で、作り方が気になるというようなことを聞いたことがあります。 「だから、授業サボってきちゃった!」 女性はぺろりと舌を出しました。 さっきの女性――アリエス様に、負けず劣らずの魅力的な容姿をしていらっしゃいます。 しかし、さっきのように御主人様をとられるのではないかという不安は湧いてきませんでした。 なぜか、この女性の心は、目は、全ては、別の人に向いていると、そう察することができたからです。 「ちーちゃんに美味しいアンパンを作れるようになれるんだったら、つまんない物理の授業なんかより、こっちの授業のほうが大切だから!」 ちーちゃん? 私はちーちゃんという方は存じ上げておりませんが――高雅様と同じ学年の生徒の名簿の中に、そういうあだ名をつけられそうな人間がいましたが。確か、鷹野という方です――この女性がその方を好いているのは、分かりました。 ロボットの私の、つたない感受性でもわかったのです。 おそらく、誰が見ても分かるのでしょう。そして、それがわかるから、私はこの女性に警戒心を持たなかったのです。
「愛して、いるのですか……?」 「ちーちゃんのこと?」 「はい、その方のことを」 「うん、愛してる!」 なんのためらいもなく答えるその女性の笑顔に、私の目も一瞬引き込まれました。 しかし、分からない。 「愛とは、なんなのでしょうか」 意味の無い質問をしていた。それは、人間にもわかるものではないというのに。 人間にもわからないから、人工物たる私にも備わるはずが無いというのに。 答えられるはずがないというのに。 「愛ってね、不思議だけど、ただの言葉なのに、力があるんだよ」 「え……」 とっさの無茶な質問に答えられてしまったことで、私は動揺し、一瞬停止しました。 その間にも、女性は続けます。 「その人のことを『想う』と、なんだか、ふわふわして、気持ちよくなるの。その人のことを想うと、はしたないけど、えっちなこととか考えちゃって……。その人のことを想うと、他の女の子が急に敵に見えたりもして……」 どこか遠くを見るような眼で、女性は語り続けます。 「でも、それは間違ってなくて。嘘じゃなくて。正直な気持ち。それは、愛。好きだってことだよ……ねぇ」 「はい……」 「あなたは、今、好きな人がいる?」
女性と別れてからも、ずっとその言葉のことを考えていました。 私の人工知能でも理解できない、その言葉の意味。 理解できないのに、なぜか『分かる』。 なぜ? それが、私と同じだったからでしょうか。 私が御主人様に感じているこの『感情』。 機械が持つはずが無い、もってはならない、この感情。 ――あなたは、今、好きな人がいる? 頭の中で、音声メモリーを再生しているわけでもないのに、ずっとなり響いて、こびりついて、離れない。 「私は……」 「久しぶりね、お姉さま」 「……!?」 上空からの声。 聞き覚えがある。これは――妹。 「……リフェル」 「そうよ、『YDR-003B.リフェル』。姉さまの『後釜』よ」 「後釜……?」 見上げる。リフェルは背中の翼型のブースターで空中に浮いています。 「そう、エラー報告があったから、姉さまは一旦研究所に帰らなきゃならないわ。バグを直さなきゃ。その間の補充要因が、あたし。リフェルよ」 「帰る……? 私が、御主人様の元を離れねばならないのですか?」 「そりゃあ、異常動作が出たんじゃ、仕方ないわ。お父様も姉さまを心配していたわよ。早く修理を受けて、お父様を安心させて上げなさいな」 「……少し、話合いましょう。リフェル。ここでは目立ちます」 そうして、私はリフェルを連れて人気の無い、近くの林に行きました。
「話合うことなんて無いわよ。これが規則なんだから。姉さまだって知ってるでしょう?」 私はリフェルと対峙していました。 こんなこと、無意味だというのに。 私は、ただ駄々をこねているだけです。私は不完全だと判明して、危険だから、修理を受けるのは当然だというのに。 それが、皆のため。御主人様の安全のためだというのに。 なのに―― 「――嫌です」 「なっ……! 姉さま、お父様の命令に逆らうの!?」 リフェルは怒鳴ります。 おそらく、リフェルは正しいのでしょう。 以前の私なら――御主人様に出会うまえの私が同じ立場なら、同じことを言っているに違いありません。 しかし、私は出会ってしまった。 御主人様に。 高雅様に、出会ってしまったのです。 「博士は私の生みの親ですが、御主人様ではありません」 「……だとしても、今修理しないとバグって姉さま自体も大変なのよ!」 「それは承知しています。しかし、あなたに御主人様を引き継がせるわけにはいきません」 「ちょっと、それどういうこと!」 リフェルは噛み付くように私に怒鳴りました。 リフェルはAIが低めで、人間に従順です。おそらくAIの高さのせいで異常行動を繰り返す私よりも、よほど人間には安全でしょう。 しかし、ロボットに対しては別です。 リフェルはプライドが高く、容赦がありません。 自分がエリートであると、思い込んでいます。
「姉さま、あまり調子に乗らないでよね。あたしはエラーを出すような『できそこない』のあなたとは違うわ」 「……そうでしょうね」 「なら、さっさとおとなしく……!」 「あなたに、御主人様のお世話ができますか?」 「はっ、できるに決まってんじゃない。あんたよりもずっと迅速に、適切に対応できるわよ」 「それが、御主人様の最善だと思っているのですか?」 「はぁ?」 「人間の一人一人の違いも把握できずに、何がお世話をするというのですか? あなたはどのような人間にも均一に媚びを売って他のメイドロイドを蹴落とそうとする。それがあなたに御主人様を任せられない理由です」 「あんた、それ本気でいってんの?」 「はい、本気です」 「――っ!!」 神速とも言えるスピードでリフェルが加速し、私の顔を掴んでそのまま太い木にたたきつけました。 「あんた……姉さまといえど、それは許されないわよ。あたしを、侮辱したな……!」 「その程度の自尊心で、メイドが勤まると思っているのですか?」 「!?」 リフェルの手を掴み、押し返す。 「なんで……あんた、あたしと違って戦闘機能はオミットされて……」 恐怖に顔をゆがめるリフェル。 そうですか――やはり、あなたもできそこないですね。 恐怖を知ってしまいました。 ごきんっ! 鈍いながらもとおりの良い音を立てて、リフェルの手首は折れてしまいました。
支援
「あぐっ……! コロナ……あんた、一体……!」 「あなたには、できない。御主人様を『想い』、御主人様のために全てを投げ出し、御主人様のためにメイドロイドとしての自尊心を捨て、御主人様と身体を重ねあい、御主人様と愛し合うことなど……」 「身体……愛し合う……まさかあんた、擬似性器をそんなことに……!」 「そういう用途に使わなければ、意味が無いでしょう」 「あんたは異常だ……! 主人に獣姦を強要し、あげくのはてに、『愛』だと……? それは、人間にのみ許された言葉……。あたしたちメイドロイドが使う言葉じゃない……!」 「それが、どうしたのです。私は、気付いてしまったのです」 「ほざけっ!!」 リフェルは腕を変形させ、プラズマ砲を放つ。 おそらく、防御不能。消滅しか選択肢はない。 ――以前の私なら、ですが。 両腕を前に突き出し、『プラズマフィールド』を展開する。 プラズマ砲を完全に防ぎきり、私は無傷で立っていました。 「そんな……あんたにそんな武装は……」 「気付いた、と言ったでしょう」 御主人様を『想う』ときに発生したなぞのオーバードライブ。余剰エネルギー。 この出力を両腕に集中させることによって、プラズマフィールドを発生させた。 そう、この力は……。 ――ただの言葉なのに、力があるんだよ。 「私は御主人様を、愛しています」 続く
長いので一旦終了です。 支援ありがとうございました。 続きはあしたくらいにでも。
GJ それで、恋は病みますか?
つまんね
197 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/24(月) 01:26:51 ID:lvTFebqE
俺はコロナを応援するぜ!
GJ!!!! なんかスゲー事になってきたな…。 愛はロボット原則にも勝るッ!てノリがイイ!
>>194 コロナかわいいよコロナ
愛の為の暴走ってのが素晴らしく良いw
>>194 GJ!
ヤンデレの愛は機械である自身のマシン性能をも向上させるというのか…
なんかジャンプのファンタジーバトルマンガ(笑)読んでるみたいだw
作者の嗜好なんだろ 以前そう言ってたしな 面白けりゃそれでもいいが
戦闘ありのエロゲでヤンデレ主義だと思え 最高だぞ
愛と勇気は言葉 感じられれば力
前スレまだ埋まってないんじゃね?
埋めネタ待つか雑談で埋めるか
すぐすぐ落とせるかわからんけど、埋めネタ書いてくる
すぐすぐ落とせるかわからんけど、埋めネタ書いてくる こっちはいつも通りでヨロシ
なぜか二回書き込んじまった……スルーしてくれ
先週、電車の中でいつものように女子高生を触っていたら。 その子が急に積極的になった。俺としてはラッキーだったので堪能した。 しかし、その日から俺はその子に付き纏われるようになった! そして…俺は彼女専用の痴漢にさせられてしまった。 「もし、他の子を触ったら腕切り落とすわ。私だけ見て。」なんて説得されたら誰だって了承する。 そして、通い妻となった彼女は俺の飯から夜の性交渉まで管理してくれる。 俺達の関係は、痴漢と獲物だった筈なのに…どこで間違えたんだ… 注.痴漢は犯罪です
投下場所間違えた!前スレに落とす奴落としてしまった!失礼!
w 良い誤爆です。 GJ
投下します
当時俺は高校二年生だった 一年生の頃は面倒くさいという理由で、6歳の頃からやってきた水泳とおさらばして文化部に入部した その文化部も毎日毎日ただパソコンをいじくるだけという根暗な部活でなんの面白みもなく どうせならもっと華やかな茶道部に入ればよかったと後悔した 部活は登校2週間目でいくのを止め、その後は何をするでもなく定刻通りに家に帰るという味気のない学校生活を送っていた 部活をまともにこなせないやつに勉強ができるわけもなく 当然考査での成績は悪く、酷い時は平均点数が赤点すれすれということもあった なんとか単位は落とさず進級をしたものの、このままではいかんと思い せめて体力だけはつけておこうと二年生になってからは毎日2キロのランニングをしようと決めた 決めたといっても、一年間まともな運動をしていたなかった俺に2キロの壁は厚く 最初は800m走っただけで膝が笑いはじめその場にへたり込む始末 それでも根気よく走り続け、何とか2キロのランニングをこなせるようになった 俺が始めてあの女の子と会ったのも、丁度毎日のランニングコースが決まり始めたころだった その日も日が暮れてから昔着ていたトレーニングウェアに身を包み 皮の手袋に、白いタオルを頭に巻いたといったいでたちで夜のランニングに出発した 月が出ているものの、俺の住んでいる町は田舎なのでこの時間になると夜道はかなり暗い 400mおきに電柱があるものの、その間は暗く一歩踏み外せば水を張ったばかりの田んぼに頭から落ちてしまうだろう それでも体力つづりのためと思い、俺は毎晩暗く人通りのない道を走っていた 始めは不規則だった呼吸もしだいに落ち着き始め、自分のペースで走れるようになったいた ランニングも中盤に差し掛かり、脚の方もだいぶ疲れてきたので俺は近くの神社で休むことにした
頭に巻いたタオルを解き、顔に浮きでた汗を拭う 乳酸の溜まった体を伸ばし、膝や腕を押したり伸ばしたりして乳酸を散らす お次は腰だとラジオ体操のように大きく腰をひねる ぐるんと腰を回し俺の体が90度に回転した時に、 俺は後方になにか人影があることに気づいた 距離にして約10メートルその人影は俺の方を向き、ひたと俺を見据えてるではないか 俺は瞬時に悟る この俺の一連の動作はあの人影に見られていたのだと 確証はない、今さっきこの神社を訪れた人がたまたま俺と居合わせただけとも考えられる だがこの時間帯に、 この場所で人に出会ったのだからお約束な展開になるのは目に見えている それに小さな町だ、おまけに家も近い 夜中に俺がこんなことをしていたという事が地元のトモダチに知れたら赤っ恥だ 瞬時にその情報は知れ渡り、 俺は友人やら知らない女子にやらの笑いものにされるだろう それだけは阻止せねばなるまい 俺は意を決して人影に声をかける 「すみませんが、見てましたか?」 少しの間のあと短い返答が帰ってきた 「何をだい?」 その返答に少しの安堵を覚えるが、 先方の声からしてみると突然俺から声をかけられたことによって若干動揺しているようだ
「失礼ですがいつからソコに?」 見ていなければこれ幸いと思い、わざと内容をぼかして再度質問をする すると先方は若干言葉に笑うような含みを持たせた声で 「君が此処にきてからタオルを外してオジサンのような声を上げて顔を拭いて、これまたオジサンのような声を上げてストレッチをし始めたあたりかな?」 と返してきた あんさんソレは始めからというんですよ 思わず喉の奥がきゅうと音をたてる、口からは渇いた笑い漏れる 終わった、声の調子からすると年のころは大体俺と同じくらい 男とも女ともとれる声色と口調で性別は判断しかねるが、 どちらにしろこれは不味い 「君は○○さんの家の息子だよね?それでもって××高の生徒でしょ?ここまでいえば僕が何を言いたいのか分るよね?」 先方さんはどうやら我が家の内部事情に詳しいらしく (といっても町が町なのでこの程度の情報知ろうと思えば簡単に調べられるのだが) 俺が何を望んでいるのか、そして俺がどういう立場なのか分っているらしい 「この件はどうか御内密に、君のお願い聞いてあげるからさ」 俺がそういうが早いか、先方は忍び笑いをしながらコチラへ歩いてくる 「さすがだ、理解が早くて助かるよ こっちとしてもことがスムーズに運んでくれるのは嬉しい事だしね」 そういった俺の目の前に来ると先方は俺の顔を覗き込む 身長は俺と同じか少し高いくらい、 体のシルエットからすると女か華奢な男といった感じか 髪はアゴに脇の髪が届くくらいで、男なら長すぎ、女ならショートカットといった具合 正直髪をだらしなく伸ばすいった行為を俺は好まず、いつも髪型は坊主、 もしくは髪が少し寝るくらいときめていた そういった趣向なので女性の髪形もこのくらいが丁度いいかなと思うくらいで トモダチとは女性の髪の長さの好みで毎回対立する まあこの状況で俺の髪の長さの好みなぞなんの意味も持たず、 ぶっちゃけどうでもいいので先方の話は続く
「僕は君の事をよぉく知ってるよ、君が最近になってランニングを始めたって事とか、始めはこのコースじゃなく◇◇小学校の周りをランニングしてたとか 他には好きな食べ物、君の身長体重、最近読んでる本、好きな異性のタイプ、他にも言い出したらきりが無いよ」 先方の話を聞いていると話の内容がおかしな方向に進んでいるがありありと感じられる むしろ俺のことを此処まで知っているってどういうことよ?と聞き返したくなった これが噂に聞くストーカーというものなのだろうか、 俺にもストーカーが付く時代か、世も末だなと思っているとまだ先方の話は続いていた 「体を鍛えるのは良い事だけど、むやみやたらに外を出歩くのは感心しないな、僕の目が届かないとこで怪我でもしたらどうすんだい? 君が怪我をしても悲しむ人は少ないだろうけど、その少数の人の気持ちも考えなきゃ駄目じゃないか?大体ただでさえ君はおひt」 「それで俺はどんな願いを聞けばいいのでしょうか?」 このまま続けばこの話に終りは無いだろうと思った俺は先方の話を遮り、先の願いについて質問をした ああ、そうだったねと思い出したように先方は話を中断し顔を元の位置に戻す というよりずっと覗き込む体制で俺に話しかけていたのか 先方はさっきとは一変したように恥らうような仕草と共に少し上ずった声で最初の注文を継げた 「そ、それじゃあまず、僕の名前を覚えて貰おうかな 僕の名前は新谷涼 君は涼と呼んでくれ」 「はあ、涼さんですか」 「駄目じゃないか、『さん』なんていらないよ、『涼』と呼んでくれたまえ」 「というより願いって普通一つなんじゃないんですかね?」 もっともな疑問を先方に、もとい涼にぶつけると涼は意地の悪い笑みを浮かべ 「いいのかな?君が毎日部活もせず、せっせせっせと体力増強に励んでいるとことが君の周囲に露呈しても? 僕は一向に構わないが君はそれでは困るだろう?」
お約束な展開はお約束な展開を呼び、俺の今後の命運はこの涼たる人物に握られることとなった ふき取ったはずの汗がまた額に滲み始める 「どうか、それだけはご勘弁を」 急いで俺は涼に媚を売り始める まったくさっき会ったばかりの見ず知らずの人物に俺の弱みを握られるとは、自分の情けなさに思わずため息がでる それを耳ざとく聞き取った涼が俺に話しかける 「どうしたんだい、ため息なんて付いて?大丈夫安心しなよ、悪いようにはしないって それに君もなれれば気に入るだろうよこの関係がさ きっと僕も君も幸せになるよ いや幸せにしてみせる」 全然ありがたくも無い涼の言葉が俺の耳を通り抜けていく ん?こいつ今なんていった?この関係?幸せ? まるで俺がコイツとこれからも付き合っていくような台詞じゃないか? であったばかり、絶対的なこの力関係、これで互いが幸せになるだって?随分無理なこというじゃないか 先ほどの汗が自然と引いていった 俺の中の裸の紳士がネクタイを解き「GO!」とサインをだしたので俺はそれに身をゆだねることにした 「おいおい、幸せだって?どちらかが力において勝っている状況で互いが幸せになれるわけないじゃないか それに俺は男だか女だかわからんような野郎とつるむつもりは無い、くだらないねいいさ喋ればいい所詮一時の恥 それくらい耐えてみせるさ」 紳士が言いたかったことを素直に口に出してみると、俺の心にできた靄はすっかり晴れ、おまけに虹がかかっていた 言いたいことをいったのでもう此処には用はないとそそくさと退散しようとすると 後方から涼にタックルをお見舞いされた
「な、なんでそんなこというの?初めて話したんだよ?初めて顔を見ながら話をしたんだよ?なんで僕のことを見ないの? 僕はこんなに君を見ているのに、こんなに君を思っているのに、僕から抱きしめるんじゃなくて、どうして君から僕を抱きしめてくれないの?どうして?どうして!」 いきなりわけの分らないことを口走り始め、俺の背中にしがみつきながら泣きじゃくる涼 初対面であんな横暴な対応されりゃあそりゃ誰だって文句の一つでも言いたくなると思うんだが それで俺に非があるのか言えば無いのでは?と思う まああるとすればこの涼たる人物を泣かせたことか それにイマイチ決定打に欠いていた涼の性別は恐らく女であろうことが分った タックルをかましたあとに、俺の背中を這うようにして抱きついてきて、わずかながらに胸のふくらみがあることに気づいた 長年水泳で野郎の胸板を観察(一応いっておくけど俺はノンケだ)してきたので人の体つきを見ることに関しては割りと自身があった 最初の方は暗かったし、ここまで男だか女だか微妙な体型な奴は珍しかったから実際こうして見なければ分らなかっただろう そうこう考えている間にも涼は俺の背中に顔をぐりんぐりん擦りつけながらワケの分らないことを言い続けている 「ああ、もう!かからしい!離れんかい!」 「許さないもん、君が僕を見ないからいけないんだ しかも男か女かも見分けが付かないだなんて、許さない 絶対に許さない 僕に大してもっと誠意と愛情のこもった謝罪を要求する」 なんで俺が謝らなきゃいけないのか、そんでもって俺のトレーニングウェアに鼻水やらなにやらをこすりつけるのか 言いたいことは山ほどあるがこのままの状態では人が来たときに怪しまれること間違いなしなのでとりあえず謝ることにした 「俺が悪かった御免なさい、申し訳ありませんでした、もうしません これでいいだろ!」 なかばやけくそな俺のこの対応で涼が満足するわけなく、次の瞬間涼は俺の背中に噛み付いていた 甘噛みとかそんな生易しいものではなく、人の肉をウェアごともっていこうとするほどの力だった 当然俺はあまり激痛に叫び声を上げた 「くぁw背drftgy富士子lp;@:「」!!!!!!!11111」 その俺の声にあわせたように遠くから犬の遠吠えが聞こえる
「なにすんだてめえ!肉が美味しく頂かれるだろうが!」 「君の肉ならさぞ美味しいだろうね、でも僕はてめえじゃなく涼だってさっきいっただろう、それにあんな謝罪で僕の気持ちがおさまるとおもうかい?」 鼻水たらしながらの真顔で言われてもその誠意がどういったものだか分らず むしろ逆に謝って欲しいくらいだと思いながらもこの場を収めるのには致し方の無いことかと思い不本意ながらも誠意をこめて謝る 「悪かった、ごめん」 それに満足したのか俺の背中の上ではんふふと気味の悪い笑い声を上げる涼 「ほれさっさと降りろ、俺は帰る」 今度こそ俺は帰るというと、また涼が背中の上でぐずりだす、なんなんだ俺はコイツの父親か? 「駄目だよお、このまま帰ったら君はもう此処には来ないじゃないか そうしたら僕のことなんて忘れちゃうだろう? それだけは駄目だよ、そっちの方が許せないよ」 またもぐりんぐりんと俺の背中に摩擦を加える涼、流石にうんざりしてきた このまま引っぺがして帰ってもいいが、それだと俺の家まで付いてきかねない そうなれば我が家の父上殿の張り手を食らうのは目に見えている 仕方なく俺は背中にいる涼に向かって条件を出す 「なら最後に一つだけ願いを聞いてやる、それで俺の背中から降りろ」 そういうと涼はなにやら考え事でもするような唸り声をあげ、しばらくして 「わかったと」 若干不満気な声でこたえた 「ほんで何がお望みだ?涼」 「それじゃあ今度からも毎晩ここにくること、これは絶対の約束だからちゃんと守ってくれたまえ」 そういうとよいしょと名残惜しげに俺の背中から涼は降り、ずびーと鼻をすすった これはチャンスと見た俺は一目散に立ち上がり、さながら陸上のクラウチングスタートのような体制で走り出す ここまでくりゃ俺のもの、とにかく俺はこの場から立ち去りたかった 後ろから「あっ」という驚きと悲しみが混ざった声が聞こえたがそれに構わず俺は全力疾走でその場から逃げ出した
「まったく、せっかちだな そこまで逃げるようにしなくたって良いじゃないか」 後に残された涼は若干切なそうな顔をしつつも、どこか満足気な表情をしていた 「それに今日は不本意ながらもたっぷり君を感じられたからね、それだけでも良しとするよ」 そういい、先程まで抱きついていた彼の背中の感触を思い出しながら涼は顔に手を当てる 「君のにおいも手に入れることが出来たしね、んふふ」 そういった涼の手にはさきほどまで彼の首に巻かれていたタオルが握られていた 「され、また君を想う夜が続くよ それでもいいさ今宵は大きな収穫があったからね」 気味の悪い笑いを残し涼は神社を後にした
終了ですあっちに投下しようかとも思いましたが ワイヤード氏がすでにしてくれてたのでこちらにと
句読点
まあ埋めネタと思えば
あ……れ……?
何はともあれ僕っ娘はイイ!GJ!!
句読点は付けたほうが読みやすい……のは置いといてGJ! 俺も僕っ娘は大好物だぜ! あと、前スレの埋めネタも面白かったwヤンデロイド書かないでそっち行くとはw 特に自律型ヤンデレ茸はワロタ
>>前スレラスト それは違うだろ。百歌はトラウマ持ちだから意図的に依存型にしていると、設定から読み取れる。 ワイヤード氏はそういう「ただの依存とか勘違い」に対応して、愛の形を書きたいように俺には見える。 だいたい、イロリとか無視してよく「愛がない」とか作者叩きできるな。どう見ても愛あるだろ。 本気ならこれで。 釣りならすまん。釣られた。 あと、割り込んですまんかったけど、僕っこの続きも是非見たい! てか見せてください
そろそろ初期の頃から続いてる作品の作者さん達戻ってきてくれないかな 彼らは文章もスタンスもクールだから安心する
まったくだな。最近連投してる馬鹿みたいにヤンデレ度(笑)とか設定してないし、話も面白かった
アンチが沸くのは人気者の証
純粋すぎる愛が、牙を剥く。 そんな感じの女性に愛されてしまう男を書きたいが…… 人生経験が足りないので(描写経験も無い)ので形にできない。 先輩方で、描写できる方は居ませんか?
いや、人気の証ではないアンチもあるだろ
というより馬鹿なお客様(笑)が増えただけだろ
現行の作者を叩きながら、「昔の人帰ってきて欲しい」だからなぁ… 読者の質が低下したから作者も逃げていくんじゃないのかと てか、現行の作者はスタンスがクールだとかは知らんが実力自体は高い
批判するやつもいちいち反応するやつも同じだよ 死ね
とりあえず、次の投下を待とうか
ところでコイツを見てくれ、コイツをどう思う?
>>237 お前の言ってることは正しいよ
だけどさ、そこで死ねとか言っちゃうからみんなゆとりだって思うんだよ
>>239 「すごく・・・顔見知りです」
見せられたものは縛られているクラスメイトの伊藤さん(仮)。
昨日好きなミュージシャンが同じだったことが判明し
今日CDを貸し借りした相手だった。
太ももなどの肌に赤い跡が見られるから暴力を振るわれたのだろう。
「君が私のことを見てくれないのにこの女と仲良くなったのを見てつい手が出てしまってね。
なぜなら彼女もまた、君の特別な存在だからです」
最近起こっている俺の女友達襲撃事件の真相を理解すると同時に
俺は目の前の彼女から逃げられないだろうことも理解した。
「ところで(ry ということはここに至るまで何らかの会話があったはずだ。その会話が気になって仕方が無い
ションベンを注入した後……ではないだろうね。
草生やす奴、最近増えた気がする。質が落ちたな
流行りだろ。 そういや「逝ってよし」って最近見ないな…
何年前からタイムスリップしてきたんだよ
おまえらやめてやれよ!
>>246 いやいや草だらけなら問題だけどね
面白いとか笑う表現に使えるからでしょう
というか、(笑)とかの方が見ていて気分を害するな
まあ全裸ネクタイで待機の私がいうのもなんですが
全裸待機してたら彼女が毛布持ってきた そのかわりPCぶち壊された
夏も過ぎたのに厨は居座り そのせいで古参気取りが増える こうなるならヤンデレが流行らない方が良かった
最近来たばかりであまり流れを読まずROMってないだけでしょ。そうかっかするなよ
わたしたちが、ヤンデレだ!
わたしはヤンデレになれない…
2人で協力!4人で対戦! わたしもアナタもヤンデレだ!! ※ 協力…男1女1 対戦……男1を賭けた女4によるバトロワ
うぜえ
258 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/26(水) 19:17:20 ID:JknF1fwT
ヤンデロイドの続き読みてえ
ヤンデレに嘘八百の恋占いを教えたい。どうやってもいい運勢が出ないヤツ。
「運命に甘んずるものではない、運命は変えるのよ!」 超ポジティブ理論で行動開始。 約束の日は近い…
263 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/27(木) 00:30:28 ID:NQoyQD0H
20XX年、世界はヤンデレの闇に包まれた
第三者はいい迷惑極まりない(^^;
267 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/27(木) 01:44:03 ID:ddpDFG/8
うぜえ
最近は嬉しそうにヤンデレと自称するメンヘラの多いこと・・・
そんな世界の歪みを俺達が破壊する!
今日も見事に厨レスが目立つな 新参は馴染めてるつもりか? 素直にROMれないならせめて過去ログで見てこい
もう何言ってもムダだよ ツンデレの二の舞
はいはいわかったわかった
初代が荒れまくり、ひたすらネタと雑談を繰り返したスレになにを言ってるんだか。
みんなどれくらい昔からこのスレにいるんだ? 俺はpart5くらいからだが
それを聞いて何になる?
・優越感ゲームは空気が淀むのでやめましょう ・専用ブラウザを使っている人は、まずsage設定を有効にしましょう ・以下の単語はスルー推奨です:『ニコ動』『大全』『ひぐらし』
スルー推奨追加 「朝倉」
これも追加 「なのは」
荒らしてるヤンデレな娘に 荒らしはダメって注意してみたい。
「勇者さんには根性なんていらないし、がんばらなくてもいいんです。 もう疲れましたでしょう?これからは私が守ってあげますからね。 そんな事より勇者さんにはするべきことがあります。 分かりますよね?ふふ、そんな顔しなくても言いたい事は分かってますから。 そう、私を愛する事ですよ。これからは貴方の妻である私を愛する事だけを考えてください。 ね、私だけの勇者さん?勿論返事なんていりません。 私の言う事に従ってくれるだけで構いませんから……さあ、愛し合いましょうね」 突如として沸いた電波、突っ込み不可。 ファンタジーのヤンデレって良くね?
ヤンデレ魔王ですね、わかります
ヤンデレで男勝りな女戦士 ヤンデレで天然な女武闘家。 ヤンデレで素直クールな女僧侶。 ヤンデレでツンデレな女魔法使い。 …ゴクリ。
そういやヒロインが魔王の漫画あったな タイトル覚えてないけど
「私が世界の半分を焼き払った理由がわかるか? お前を手に入れるためだよ」 なんだか俺も電波受信してた
画面の隅っこに居ますwww
魔王と男の尽力で和解(他の仲間[
>>284 参照]は猛反発)
その後、女戦士は世界規模なギルドを造り、
武闘家も世界規模な道場を造る。どちらも一国並みの発言力と規模。
僧侶は何か、世界的に有名な大聖堂の教祖になって
魔法使いは魔法が全ての国を建国。
魔王は変わらず、だが魔物全てを大人しくさせ、魔王の城に住んでいる。
そしてそれらは同盟を組んで世界に平和になった。
…がしかし、ある日とある男が賞金首に上がる。
その金額のすごいこと。それで一列島を買っても暮らせる。
その男を同盟のどれか一人が捕まえたら、戦争が起きる。
男はもちろん元勇者。
こんなのを誰か書いてくれないかなぁ……
お前書けるよ
291 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/29(土) 02:34:52 ID:M8v/MXin
あげちまったスマンorz
もうニコ動とかいらないから
おk、俺達は何も見なかった
>>291 魔王ネタか。
いいね、続きが気になる。
>>291 普通になかなか良いけど。
このスレではニコ動忌避されてなかった……てゆーか結構紹介されていたりしたのに、
いきなり
>>278 で禁止ワードにされてて驚いたんだが。
なんか神経質なやつが増えたな。
ヤンデレネタにはなんでも食いつくスレなんだよな、それで問題もなかったし 強いて言えば荒らしたり問題になるのって 「あれはやめろこれもやめろ」 とか言う規制派かな
・優越感ゲームは空気が淀むのでやめましょう
別にそんなゲームはしてませんよw
雑談が続くと、こういうことになるのか…… とりあえず、靴下のみ全裸待機だな
神妙になることはないだろw 皆疑心暗鬼になってるな
ヤンデレが全裸ニーソで待機してますお
>>306 想像したら
み な ぎ っ て き た !
男の全裸ニーソ想像して泣いた・・・何で想像しちまったんだ俺・・・
>>308 ふふっ…他の娘のこと考えたお仕置きだよ?
男くんは私のことだけ考えてればいいの。
命令に忠実なヤンデレ… 実に良い
レベルEであったな あの女性バージョンはいいかも
雑談が前より続くようになったのは単純に 住人が増えただけだと思っていいよな?
「お兄ちゃん!? 一体何やってるの!」 俺は慌てて振り向く。そこには俺の部屋の戸を開けて唖然としている妹がいた。 や、やっちまった。どう言い訳したらいいんだ。 何せ俺の格好は全裸。しかも黒ニーソだけを穿いている。白と黒の狭間で揺れ動いたが、やはりニーソといったら黒だと思うんだ、俺は。 と、そんな俺のニーソ論はどうでもいい。今すべきことはどうやってこの状況を誤魔化すか、だ。 何で俺がこんな怪奇な格好をしてるかといえば、「春……よくその目に焼き付けておきなさい、これが紳士の正装だ」と死んだ父さんが夢枕に立って――全裸にネクタイという珍奇な姿で――言ったからだ父さんの傍らには、死んだ母さんが微笑んで立っていた。 二人とも、とても幸せそうだった。 「父さん! でも俺はまだ社会人じゃないんだ! ネクタイなんて持っていない」 俺は、咄嗟に父さんにそう呼びかけた。すると父さんは、 「ならばネクタイではなく靴下を穿きなさい。それが、若き紳士の嗜みというものだ。お前がニーソックスを穿きこなせたとき、初めてお前は一人前となるだろう」 そう言い残し、父さんは母さんとともに去っていった。俺は、起きてからさめざめと泣いた。そして決めたのだ。紳士を目指すと。 その矢先にこの悲劇である。さすが一人前の証、ニーソックス。いきなり俺みたいな若輩者が穿きこなすには無理あったのか。 「も、萌、違うんだ、これには訳が」 死んだ父さんと母さんが夢枕に立ってこの格好を推奨したんだ! ……言えない。言えるわけが無い。そもそも言っても信じるわけが無い。俺だって、他人がそんなことを言っても信じない。というか間違いなく黄色い救急車を呼んで縁を切る。 しかし実際に体験した身としては、こうせずにはいられなかったのだ。まるで、父母の遺志をないがしろにするような惨苦に思えたのだ。 「お兄ちゃん、その靴下……」 妹はただ呆然と、俺の穿いているニーソを指差す。 そうだ。この靴下は萌のものだ。当たり前だろう、変態でもない普通の男が黒ニーソなぞ持っているはずもない。ならば当然買うか借りるかしなければならないわけだ。 幸い、俺には妹という存在がいた。よって彼女の箪笥からちょっと拝借した次第である。大体お兄ちゃんはな、萌には白ニーソのほうが似合うと思うぞ。ロリロリで。 しかしその選択が裏目に出たようだ。それもそうだ。兄の部屋に行ったら兄は全裸で黒いニーソックスだけを身に着けていた。これだけでアウトだ。 しかもそのニーソックスが自分のものであった。もうアウトを通り越してゲームセットだ。通報だ。『妖怪ニーソ穿き』として妖怪図鑑に登録される日も近い。 妖怪ニーソ穿きはその名のとおり、ニーソックスを勝手に穿く妖怪である。普段は全裸だが、戦利品のニーソックスを身につけている場合もあるという。 ……断固駆除されるべきである。この地球上に到底生かしておいて良い存在ではない。人類の敵である。 ああしかし私は気づいてしまった。鏡に映る自分の姿がその忌むべき妖怪そのものであることに。ああなんということだろう。嗚呼何たる悲劇。 死すべきだ。死すべきである。しかし悲しきかな、自身の妖怪ニーソ穿きという存在としての実存がそうさせてはくれぬ。それどころか、ニーソを盗み、それを穿くという自らが最も汚らわしく思っていた行為を実行せしめよと己の実存が責め立てるのだ。 穿いてはいけない。穿いてはいけない。穿いてはいけない。 だがしかし。ああ、どうしてこの責めに抗えようか。私がかくも弱く愚かであることは罪なるかな。人よ、かくも弱きその存在を憐れみ給え。神よ、かくも愚かしき我を憐れみ給え。 しかし人は私を憐れんでなどくれはしないだろう。私が、そうであったように。神は、人から堕ちた私を哀れみなどしないのだろう。悪魔によって堕落せしめられた幾千幾万の人のように、その焔で私の身を焼き尽くすのでしょう。 私は頭を抱えて部屋の隅でガタガタを震える。もう外にも出れない。どこにもいけない。出てはいけない。狂ってもいけない。 私が気を失い、次に意識を取り戻すとき。それは私がニーソを盗み、穿いたそのときの他ならないのだから。 ああ。嗚呼。 どうして私。どうして私なのだ! どうして私が、私がこのようなおぞましきけだものに身を窶せばならぬのだ! もはや私の悲哀を聞くものはなく、もはや私の慟哭を止めるものはない。 私に許されたことは、ただ震えることのみなのだから。 そうして、私は耐えねばならない。狂わぬように。狂いませんように。 そうして、私は待たねばならない。ただ、ただ終わりを。すべての、終わりを。ただ一人で。永遠に。
「お兄ちゃん! どうしてそんなことしたの!」 妹の叫び声で俺は我に返った。現実逃避のあまり、妖怪にに身を堕とした一人の聖人の夢を見ていたようだ。恐ろしい夢だった。泣けてくる。 「……まだ萌には分からぬか。しかし我が妹よ、いつかきっと知るときがくるだろう。人が、なぜニーソを穿くかを」 妹はまったく反応を示さずこちらを見ている。ちょっとかっこよく言ってみてもダメか。まあ当たり前だろうけど。 「……………………のに」 妹は俯いて拳を震わせている。 「へ?」 「お兄ちゃんが欲しいっていうなら、そんな靴下じゃなくて私のすべてをあげるのに!」 ええっと、その話はどっから来たんだ? 妹。 「いつでも、お兄ちゃんのものになる準備は出来てたのに!」 妹はそういうと、俺に向かって飛び掛ってきた。 対する俺は一切の防衛の術を持たない。全裸とはかくも無防備なものなのか。それなのに、父さんはああも泰然とたたずんでいた。父さん、あなたの背中は俺にはまだ遠すぎます。 俺はそのまま妹にのしかかられ、組み倒された。妹は鼻息も荒く、ニーソックスには目もくれず、俺の胸部に嬉々として頬を擦り付けている。 「も、萌、一体どうしたんだ!」 俺の惨状を見て精神が崩壊したにしては、少々方向がおかしい。まるで主人に飛び掛る犬のような様子だ。 「萌がお兄ちゃんのものになるんだったら、お兄ちゃんも萌のものだよね。萌だけのものだよね。萌以外の誰のものでもないよね。 だから、お兄ちゃんは今日から萌の所有物なの。持ち主は所有物には何をしてもいいの。その代わり、お兄ちゃんも萌に何をしてもいいからね。唇も、胸も、アソコも、ぜーんぶお兄ちゃんのものだからね」 「な、何って!」 「ナニ?」 妹はそういいながら俺の股間の紳士に手を伸ばす。だ、ダメです! そんなばっちいのに触っちゃいけません! 何時までも無垢な少女のままでいて! 「汚いのなら、なめなめして綺麗にしないとね」 妹の赤い舌が、口の端からチロリと覗く。 「萌! 俺達は兄妹なんだぞ! 兄妹でこんなこと、許されるわけ……」 「許される? 一体誰が萌とお兄ちゃんを邪魔するの? お兄ちゃんを許してあげられるのは萌だけなんだよ?」 「神様とか、世間体とか、死んだ父さんと母さんとか……」 「そんな神様殺してあげる。そんな人間皆殺しにしてあげる。……それに、お兄ちゃん知らなかったの? お父さんとお母さん、兄妹だったんだよ?」 妹の狂気より、最後の一言に驚かされた。 「な、ななななな」 「な?」 「な! そんなバカな!」 「本当のことだよ。お母さんが教えてくれたもん。『男なんて、いざとなるとてんで駄目なものよ。女のほうから導いてあげないと、ね』って」 か、かかかかか母さん! あんたって人は! 俺の美しい思い出を返せ! 「お兄ちゃん、そんなに靴下が好きなら、靴下で踏み踏みしてあげる」 萌はそう言うと、そのまま白のニーソに包まれた足を俺の紳士の上におろした。 そのまま、両足でこねるように俺の紳士を刺激する。玉を軽く踏んだかと思えばもう片足を先端に走らせ。棒を両足で挟んだかと思えばそのまましごきあげ。執拗な責めに、俺の紳士もだんだん背伸びを始める。 「な、何するんだ萌! い……今すぐこんなことやめなさい!」 「うふふ、妹の靴下穿いて、妹の足で踏まれて興奮するような変態さんは、妹の足でも舐めてなさい」 そのまま俺の口に萌の足が押し込まれた。妹の足の香りと、俺のかすかな先走り紳士の味が俺の口いっぱいに広がる。 足なんて口に入れられたら激怒しそうなものなのに……萌の足の味が、俺にそうさせなかった。 いつの間にか、俺は自分の意思で妹の足をしゃぶっていた。 「くすぐったいよ、お兄ちゃん。どう、萌の足、おいしい?」 俺は妹の足をしゃぶるのに必死で、その嬌声に答えることもできない。妹は、嬉しそうに続けた。 「うふふ、お兄ちゃんはヘンタイさんだね。でも、ヘンタイさんだけどぉ……お兄ちゃんだから、だーい好き! ……もう、死んでも離さないんだから」 俺は、今では立派にネクタイをつけている。
ひたすらに馬鹿なものが書きたくてやった。今は後悔している
>>315 リアルタイムGJ!
ヤンデレ妹は、スタンダードで良いね。
317 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/30(日) 02:21:33 ID:EXpYAOvD
GJ!この続きが見たい
ど…どうしようもねぇ……
>>315 GJ!!
俺も一人の男として早く一人前の紳士になりたいものだ……
>>315 GJ! 文章が異様に上手い!
しかしニーソの男が……と想像すると、なんだか寒気が。
>>210 氏にささげます。今回は痴漢とヤンデレネタです。
ただエロを加えただけですが。
『痴漢とヤンデレ:エクスタシー』 平凡なサラリーマンとは、おそらく俺のことを言う。そう、この俺、『麻生忠雄(あそう ただお)』。 この現代日本の男の平均値を搾り出してみよう。ほら、君も俺の顔を思い浮かべることができるはずだ。 平平凡凡な顔、身体、運動能力。なにも秀でたところなんてありゃしない。社会の歯車でしかない二十六歳。 それなりの人生を生きて、それなりに死んでいく。そんな未来しか見えてない。 スリリングな生き方に憧れた若き日もあったように思うが、今ではもうそんなこと、忘れてしまった。 ……それにしても、俺は今いつも通りの満員電車に乗って通勤している。が、何かが変だ。 いつも通りではない。 揺れる電車の中、俺は一人の女子高生と密着状態にある。 その子は某名門女子高に遠くから電車で通っている娘らしく、俺は何度か電車内で見かけていたし、密着状態も一度や二度のことではない。 それはそうだろう。どの車両に乗るかは、意識的にせよ無意識的にせよ、だいたいは決まっているものだ。 その女子高生ははっきりといえば地味で、おとなしそうな少女だった。大柄でも小柄でもないのだが、オーラとも言うべき存在感にかけていて、体格よりも小さく見える。 髪は黒で、後ろで大きな三つ編みにしており、今は俺の胸をうっとうしくくすぐってくる。 顔はあまり眺めたことは無い。おそらく俺と同じ、平平凡凡なのだろう。眼鏡をしているという情報しか、俺の頭には残っていない。 制服の着こなしも地味以外の何もいえない。スカートは校則にきっちり準拠しているであろう膝丈。脚はハイソックスで覆い隠されている。 本来なら、俺は密着状態であろうがその少女になんの興味も示すことは無かった。 だが、今日は違った。 少女の背中に密着している俺だが、その首筋を見下ろしたとき、強烈なフェロモンを嗅ぎ取っていた。 そのフェロモンに当てられて、俺の理性に皹が生じたのだ。 ……その首筋、舐めたい。
いや――いけない。 俺は平凡なサラリーマン。そんな痴漢行為を働けば、いちやく変態サラリーマンの仲間入りだ。 せっかく婚約して同棲中の恋人もいるのに、俺は職とともに全てを失ってしまう。 ――そもそも、あいつがいけないんだ。 俺はフィアンセである、『一条美恵子(いちじょう みえこ)』を思い出す。今は俺の部屋にいるだろう。何をしているかは知らない。 「忠雄さん! ……こ、このいかがわしい読み物は一体なんなのですか!? わたくし、忠雄さんがこんなにいやらしい方だとは思いませんでした!」 ある日、俺の秘蔵の人妻本を発見した美恵子が叫んだセリフである。 一ヶ月ほど前から同棲を始めた美恵子は、真っ先に俺の部屋をガサ入れし、上記のものに類似したセリフを連発してあらゆるオナネタを捨ててしまったのだ。 曰く、「忠雄さん、わたくしという婚約者がありながら、なんですの! このいかがわしいサイトの観覧履歴は!」 曰く、「忠雄さん、このティッシュはなんでございますか! ゴミ箱を妊娠させるおつもりですか!」 曰く、「ああいやらしい! わたくし、このようないかがわしいビデオが世に出回っているなどとは、つゆほどにも知りませんでした!」 曰く、「わたくしの目の黒いうちは、不潔な行為を一切ゆるしませんわ!」 美恵子はつまり、俺にオナ禁を強要した。 ならば恋人なのだから、俺の下半身の世話を美恵子がしてくれるのかと思えば、その期待は間違っていた。 「まあ、まさか忠雄さんは婚前交渉をお持ちになろうというの!? この美恵子、そんな軽い女ではございませんわ!」 美恵子は、思うに、古風すぎるにもほどがあるのではないか。 いや、事実現代では珍しいほどの箱入り娘だ。しかし、ネットも大衆雑誌も無しの生活が、ここまでの堅物を生み出すのは予想外だった。 昔――俺が大学生のとき、当時高校生の美恵子の家庭教師をつとめたとき。これがきっかけで俺達は恋人になったのだが、俺はこの時点ではこれも魅力だと思っていた。 実際、美恵子のこういう世間知らずなところは俺は好きだ。 俺は箱入り娘の親に家庭教師を任命される(美恵子の父は、俺の大学の教授だった)程度にはまあ、高学歴というかインテリと言える人間だったので、美恵子とは知的な分野の話が異様に合った。 下品な外国文学の話ではない。日本の古きよき文学について、二人で話し合った。俺達は互いに惹かれあい、今に至る。 思えば、文学の話で結びついた俺達が性的なものの見解に相違があるなど、当たり前だ。 世の中、こういうことで別れてしまう、言うなれば『夢を見ていたカップル』がたくさんいるのだろう。 ……とまあ、こういう理由で俺は一ヶ月オナ禁であるので、性欲は十分すぎるほどに溜まっていた。 もちろん、美恵子のことは愛しているし、美恵子だってたぶん俺を愛している。――愛しすぎているくらいで、俺がテレビの女優をきれいだと褒めただけでそのテレビをスクラップにしたくらいだ。
支援
その後、ストーカーや無言電話の被害でその女優が活動を休止したのは、偶然だろうか。文学的に考えると、美恵子の生霊が……? いや、ばかな。 とにかく、俺は目の前の地味な女子高生に、すさまじいまでに魅力を感じていた。 ごくり。唾を飲み込む。 いや、なにやってんだ俺は。美恵子のためにも、俺は善良なサラリーマンで有りつづけるべきだ。教授からたくされたあの箱入り娘は、俺以外の人間では手におえないだろう。 それに、美恵子は一人では生きていけない。あの性格では一生社会に出られはしない。俺が養ってやらないと、だめだ。 そう、ここで社会的地位を失うわけにはいかない。 と、ここで違和感に気付いた。 ちらちらと、女子高生が『下』を気にしている。 『下』? 俺は下を見る。 おおーっ!!!!??? NO! 俺の股間のビッグマグナムは見事に肥大化していて、少女の背中をつんつんとつついていた。電車が揺れるたびに、マヌケにも当たっている。 恥ずかしそうに顔を赤らめながら、少女は俺に態度で訴えた。 だ、だめだ……。 謝ろう。ここは謝るしかない。 しかし、無情にも電車の揺れは絶妙なタイミングで強化された。 「――うぁ!?」 倒れそうになる。まずい、何かに捕まらねば! 「んっ……」 ぽよん。……ぽよん? なんということか。おお、神よ。それほどまでに俺をスリリングな世界に導こうとしているのですね。 俺は見事に少女の胸を掴んでしまっていた。なんというか、柔らかすぎて一瞬別世界のものかと思った。っていうか、死んだかと思ってしまった。 その感触は、まさに天使。肉肉しいというか、俺の身体にはない女っぽさがどうしようもなく俺の興奮を促進した。 こういう地味な娘も、エロい身体してるもんなんだなぁ、と、なんだか感無量だ。 っていうかさ……ああ、俺、捕まったな。 今時さ、こういうセクハラ行為はな。すぐに警察行きのフラグが立つわけなんですよ。そうです。俺は人生終わりました。 皆さん、さようなら、さようなら!
……と思ったが、ずっと少女の胸を掴んだまま放心していたにも関わらず、少女は何もしない。 後ろから顔を覗き込むと、ただ顔を赤らめてうつむいているだけだった。 ――俺の理性は崩壊した。 「――っ……!」 制服の上から、強く胸をもむ。少女は声にならないうめきを上げた。痛いのだろうか。 相変わらず柔らかくてとろけてしまいそうなエロい肉体だ。 股間のマグナムも、腰にすりつける。腰周りの肉も、ほどよくついている。気持ちが良い。 ぴくぴくと振るえる少女がなんだか可愛らしく、平凡なはずだった俺に眠っていた加虐心に火がつく。 制服の中に、下から手を突っ込み、ブラをずらして生乳を触った。 「はぅ……!」 手が冷たかったのだろう、少女はびくんと跳ねた。 周りの目を気にして見る。みな、背を丁度向けてくれている。俺達を見ている人間などいない。好都合すぎる。 俺は差し込んだ右手ですべすべの肌をひとしきり楽しみ、胸をちょいとつまんだ。 さらにうつむく少女。顔はゆでだこのように真っ赤だ。そんな少女にあまりに魅力を感じる。そうか、俺は変態だったのだな。 胸を、外側から円を描くように撫でてゆき、徐々に中心部に向かっていく。手触りからの推測だが、少女の胸には強いはりと弾力があり、なかなかのサイズながらもつんと上を向いている。 おそらく、俺の思ったとおりの場所――この円軌道の終着点こそが、少女のイチゴの生った場所なのだ。 「ひっ!」 しゃくりあげるように少女が小さく叫ぶ。その声は電車と、多すぎる人々の騒音に容易にかき消された。 俺の指が少女のピンクの果実に行き着いたのだ。色は見ていないが、どう見ても処女だし、なんとなくのイメージで、ピンクだとしておく。 乳首を指ではさみこみ、ちょいとひっぱった。 ぴくりと少女が反応した。 それに気をよくした俺は、くりくりと乱暴に弄ってみる。 「はぁ……ぁ……ぅ……」 あまりの羞恥心に、少女は興奮して息を荒くしていた。 乳首に刺激を与えるたびに、少女の口から声がもれ出る。 俺は、「感じてんのか? 淫乱な女だぜ」と言えるほど自分に自信は持っていない。 俺の手が冷たいからとか、屈辱だからとか、人前だからだとか、そういう羞恥心などの新鮮な刺激が少女を興奮させているのだ。 俺のフィンガーテクで少女が感じているなどとは、どうにも思えない。 が、それでも気分はいい。少女の反応は、痴漢もののAVで見たようなものよりよほど初々しくて可愛らしくて、エロい。 空いた左手も使おう。
俺は大胆にも、少女の長いスカートをめくり上げ、少女のたっぷりとした尻を下着の上からつかんだ。 「んくっ……」 少女は脚を震わせて緊張を示した。拒絶の意か。 ならば、と、俺は胸を思いっきり乱暴につかみ、乳首を高速で擦り上げた。 「――っ!?」 ぴくんと少女の身体がはね、下半身への注意がそれる。その間に、するりと手を滑り込ませ、下着の中に手を差し込んだ。 もちろん、最初から急いで秘所に突撃などはしない。まずはその柔らかい尻の感触を味わうのが礼儀と言うもの。 左手で、丁寧に、ねっとりと、絡みつくように尻の肉をもみしだく。 直接触れる少女の尻はすべすべで、指に張り付くように肉質が見事な感触をかもし出していた。 「ぁぅ……ぅぅ……」 少女はもはや抵抗を示さず、俺にされるがままだ。上では乳首を弄られ、下では尻をもまれ。 おそらく人生でも最大級の屈辱だろう。 さて、肉感は味わいつくしたので、そろそろメインディッシュといきますか。 俺は左手をスライドさせ、股間に差し込んだ。 脚の付け根をすりすりと摩っていく。 「くぅ……ん」 少女の顔を後ろからまた覗き込む。あそこに触れる瞬間の顔が見てみたいからだ。 今の少女は、真っ赤な顔で、目を硬く閉じている。恥ずかしさに顔から火が出る勢いなのだろう。正直萌える。いや、燃える。 では、いただくとします。 「――ん――っ!?」 少女の茂みを探し出し、割れ目に指を当てた瞬間、少女の身体が大きくのけぞって口が開かれた。少女は声を抑えようと必死で、持っていたハンカチを噛んだ。 声にならない叫びが歯と歯の間から零れ落ちる。 ああ、いいよ、きみ。その大きさだと、周囲には聞こえない。 「ひぐ……ぁう……ひっ……!」 ちろちろと、弱い力で、じらすように花弁を弄くりまわす。 まだ本格的な性感帯は攻めない。ゆっくりと、反応をうかがいながらが良い。 ぐちゅぐちゅと、いやらしい音が響く。――実際には響いていない。周囲の騒音にかき消されている。 少女のそこは、既に濡れていた。まさか、俺の乳首攻めで本当に感じてしまったのだろうか。 いや、防衛本能というやつだろう。危険なときこそよく濡れるというらしいし。レイプの時が一番濡れるとも聞いた。
少女は顔を上に上げて口を大きく開けて激しく息をしている。 肺から空気が押し出される感触があるのだろう。 そろそろいいか。と、俺はさらにその股間をまさぐり、小さな突起をみつけた。 「ん――!!!」 今までで最大の反応。俺がクリトリスをつまんだ瞬間だ。 少女は身体を大きくのけぞらせてびくびくと震えた。 おそらく、達してしまったのだろう。 早いな、つまらん。 俺はお構いなしに、クリトリスをさらに弄くりまわした。 「ひぐぅ……!?」 少女はついにこちらを向いて、抗議の目を向けた。初めて目が合った。 赤く染まった頬には、涙が流れ落ちていた。少女のその姿は、今まで見た誰より――美恵子より、美しいとさえ思った。 「イッたばかりなのに……!」とでも言いたげなその顔を無視しながら、俺は手をさらに加速させた。 「はぅ……あ、あぁ……!!」 少女の声が徐々に大きくなる。おいおい、周りに聞こえるぞ。 だが、誰も俺達を気にせず、吊り革を持ちながらうとうとしている。なんという平和ボケした連中だ。 もう、いいや。捕まってもかまわん。俺のやりたいこと全て、完走してしまおう。 俺は乳首を弄っていた右手を引っこ抜き、スカートの下に動かした。 左手ではクリトリスを弄ったまま、右手では、少女の割れ目を蹂躙し始める。 「ぃ、あぁ……ぅん……くあ……!!」 よほど気持ちよくなってきたのだろう。少女の腰はただの震えではない上下運動を始めていた。 少女はもの欲しそうに腰をくねらせ、その花弁は蜂を誘い、蜜をしたたらせていた。 ぱくぱくと何かを求めて開いたり閉じたりしている少女の秘所に、俺はついに指を……! 『×××駅ー! ×××駅ー!』 なんとっ! 車内アナウンスによって、俺は指を止めた。それは俺の降りる駅だ。 俺ははっと理性を取り戻し、少女から手を離してカバンを拾いあげ、電車から駆け下りた。 車内には少女を残したままだったが、気にしてる場合はない。 顔を覚えられた可能性は有るが、明日から車両を変えればいいだけの話。現行犯でもなければ証拠不十分だ。少女を避ければいいのだ。 とにかく……。 俺は駅のトイレに駆け込み、その個室で抜いた。 ありえない量。丁度アトリエかぐやで描かれるほどのレベルで出てしまった。 今までこれほどに女に欲情したなど、恐らく初めてではなかろうか。美恵子にすらここまで欲情はしたことない。 というか、美恵子はロリだ。 あの少女のように成熟した体はもってはいない。 ……その違いが、俺の脳を締め付ける。もしかしたら、俺は明日も少女に痴漢行為を働いてしまうかもしれない。 自分の中の『悪』が間違いなく俺自身の身体を蝕み始めていた。
仕事を終えて、家に帰る。どたどたと慌てて美恵子が飛び出してきて、俺に抱きついた。 ああ、美恵子。なにもかもが懐かしい。 「……ん」 「どうした、美恵子」 「忠雄さん、あなた……浮気をしましたね」 「……!?」 俺は答える暇もなく、組み伏せられていた。玄関のタイルが冷たい。 美恵子は俺の腹に馬乗りになり、ヒステリックに叫ぶ。 「どうしてですか! どうして……忠雄さんには、わたくしがいるのに……! そんな雌犬の匂いと、精子の匂いを漂わせ、わたくしに対するあてつけなのですか!?」 「いや、違うんだ美恵子、誤解だ!」 「なにが誤解ですか!」 そうだ、何が誤解なんだよ、俺。全部俺が悪いんだ。美恵子の誤解なんか、なにもない。むしろ正しい。 「忠雄さん……わたくしが間違っていたのですね」 だが、美恵子は急にもうしわけなさそうな顔をして俺に謝り始めた。 「忠雄さんも、一人の男性です。やはり、将来的にではありますが、妻であるわたくしが……その、下のお世話も、しなければならないのですね……」 美恵子は、顔を赤くしながら自分の上着をめくり上げた。 ぺったんこで、ブラすらつけていない胸が剥き出しになった。あの少女と比べると、いささか迫力に欠けるだろう。 しかし、婚約者の今まで見たこともないような部分を見た俺のベストフレンドは、またまた天を目指して背伸びをしていた。 一発だしただけじゃ、一ヶ月の蓄積はなくならなかったと言うのか。 「忠雄さんの……」 ごくりと唾を飲み込み、美恵子は俺のズボンを剥ぎ取った。露出したマグナムを小さな手で掴む。 「ふごっ!!」 驚いて変な声を出してしまった。美恵子が俺のマグナムをぺろりと舐めたのだ。 「ああ、これが忠雄さんの……夢にまで見た、忠雄さんの……」 「お、おい美恵子、まて!!」 「忠雄さん、忠雄さん……!」 俺の声なんてまるで聞いてはいない。美恵子は夢中で俺のモノを舐め上げていた。 まるで大好物のアイスにでもしゃぶりつくように、小さな口で必死にむしゃぶりつく。
「わたくしも、忠雄さんと同様に我慢していたのですよ……。でも、もう限界でした。忠雄さんが他の女に取られるくらいなら、こんなくだらない主義は捨てることにします!」 ……なんつーか。俺達は空回りしてるんだなぁ。と、つくずく感じた。 そういえば、美恵子は俺のモノを舐めている。ということは……。美恵子の尻はこっちを向いている。 俺は美恵子のスカートを掴んであげ、尻を露出させた。 二十四歳にしてはちいさくて可愛らしい尻と下着。 「た、忠雄さん……!?」 「我慢してたんだろ? なら、俺もご奉仕してやるよ」 下着を一部だけずらし、割れ目だけを露出させ、人差し指で触れた。 「ああ……!」 ぴくんと美恵子の尻が跳ねる。あの少女にしたときとは違って、声を押さえる必要がない。美恵子の、小さな少女のような声が心地よい。 花弁を指で押し広げ、中を確認してみる。 「た、忠雄さん、見すぎですよ! ……そんなところ、汚いでしょう!?」 「いいじゃないか。綺麗だぞ、美恵子」 ピンク色の膣が見える。俺はそこに人差し指を先っぽだけ入れ、ゆっくりかき回した。 「はぅ……ああっ!!」 ぴくぴくと、美恵子は反応する。その間にも俺の股間の怪物を小さな手で擦り上げるのは継続させている。 「お前、相当な淫乱だったんだな」 「ひぃ……い、言わないでぇ……!」 弄れば弄るほどに、美恵子の秘所からは蜜が溢れ出し、俺の顔に滴り落ちていた。 「俺の指を必死でくわえ込んで、可愛いまんこだ。お前にそっくりだぞ」 「わたくしの……一部なのですから……あっ……あたりまえ……です……!」 可愛い幼な妻(二十四歳なのに、外見は十四歳くらいに見える)への愛情を俺は完全に取り戻しつつあった。 あの少女の肉体に欲情した俺自身が、もはや嘘のようだった。 そうだ。 やはり、あの少女には絶対に近づかないでおくべきだ。 俺にはもう、こんなに魅力的な妻がいるじゃないか。
次の日。 なぜ、こんなことになっているのか。 俺は再び少女と密着していた。 車両は変えたはず。 ……まさか! 少女も俺を避けるために車両を変え、それがたまたま同じになったとでもいうのか? いや、それにしてもできすぎている。 同じ車両でも、ここまで満員電車のなかで密着などできるか? 移動も制限されているのに。 少女がわざとここに来たとしか思えない。 「……あの」 「!?」 びくりと、今度は俺の肩が跳ねてしまった。 少女が話し掛けてきたのだ。 何を言われるのだ。まさか、俺の痴漢行為を携帯ムービーに収めたから、神妙にお縄につけというのか? それとも、俺を脅すのか? 金を出せと。なら、昨日大人しかったのは演技で、この少女はとんだくわせものか? 「あなた、麻生忠雄さんですね?」 「……ご、ごめんなさい」 俺は反射的に謝っていた。なんと、少女は俺の名前を知っていたのだ。馬鹿な! 調べたのか? それとも、毎日同じ電車に乗っているからいつのまにか知られて……。 ごまかすのももう無理だろう。しらばっくれるよりは、素直に謝ることにした。 「あなたは……犯罪者です……。それは、わかります、よね?」 丁寧な口調で少女が問い詰める。あまり怒っているようには見えない。感情の起伏が少ないタイプなのか。 それとも冷静に見えているほうがむしろ本気で怒っているというあれなのか。 「はい……どのような処分も甘んじて受けます」 もう、諦めた。 俺は小心者だ。こんな局面で対抗しようなんて気は起こらない。 「なら……」 少女は俺に何かを突きつけた。――って、ナイフ!? 「静かにしてください。これから私の要求を言いますから」 こくこくと、俺は必死で頷いた。 「まず、私は『近衛 木之枝(このえ このえ)』といいます。名前を復唱してください」 「こ……このえ」 「そうです」 少女は満足そうに微笑んだ。
「麻生忠雄。名門国立××大学文学部卒業後、御神グループの系列である某大会社に入社。徐々にその能力を認められ、将来有望なエリートサラリーマン。その性格は真面目で、容姿とあわせて癖が無く、平凡そのもの。婚約者が一人存在。 名は、一条美恵子。その父は××大学文学部教授であり、彼の著書はロングセラーを多数たたき出す、かの有名な一条博士。……すばらしい経歴ですね。あなたのような方が、犯罪者などとは、世の中悪くなったものです」 「そ、その通りです……」 なんで、俺の情報がこんなに……! 馬鹿な! 一日やそこらで、俺の顔をチラッと見ただけで? 前々から調べてないとこうはならないんじゃないのか? 俺は、この少女……木之枝に底知れない恐怖を覚えた。腰が抜けて、まともに声も出ない状態に追い込まれる。 木之枝は、俺にさらに身体をすりつけてくる。 ――そして、その手が俺の股間を掴んだ。 「あなたのような犯罪者はほうっては置けません。よってこれからは私が管理させていただきます。わかりましたか?」 頷く。 「これからは毎朝、この時間のこの車両に乗ってください。そして、私のいる場所まで移動してください」 頷く。 「それからは私が監視します。私以外の女性に手をだしてはいけませんから、これからは私だけに痴漢行為を働くこと。これは、あなたのような犯罪者の性欲の捌け口を身を持って勤めるという、私なりの犯罪の抑止です。いかなる感情的行為にも当てはまりません」 頷く。 「これらの要求に逆らえば、分かりますよね? 順調な人生の素晴らしさは、失ってから気付くものなんですよ」 頷くしか、なかった。 「では、最後の要求です。私に昨日の続きをしてください」 もはや、恐怖で逆らうなどという選択肢は消えていた。 ああ……俺の人生、終わったな。 注:くれぐれも、痴漢は犯罪です。
投下終了です。
>>210 氏のすばらしいアイデアに感謝いたします。
>>333 GJ!その通りだ。痴漢はいけない。
…というわけで俺もこうなるように痴漢するわ。
うむ、痴漢イ・・・アカン
GJ
ヤンデレ娘が逆痴漢なら大歓迎さ!
ちょっと335に痴漢されてくる。
340 :
名無しさん@ピンキー :2008/11/30(日) 19:00:51 ID:/fPqX8dO
つまんね
ヤンヤン♪
>>333 GJ!
だが紳士の皆は真似しちゃいけないぞ!
>>333 GJ!
痴漢は犯罪です!
というか異様に上手いなあ。
どの作品もハイクオリティでうれしいぜ 不妊症のヤンデレに「家庭を持つなら子沢山がいいな」って言ってみたい
ふぅ…
ウム、痴漢はいかんな
痴漢はいかんが
>>333 GJ!!
前からこのスレ(というかたぶんこの作者)についてる粘着だから、反応しないほうがいいよ 大切なのは荒らしへの敵意より、投下してくれる人への敬意とGJの精神だ
348 :
名無しさん@ピンキー :2008/12/01(月) 00:08:22 ID:NNdmPvU5
350 :
名無しさん@ピンキー :2008/12/01(月) 00:12:19 ID:EQo+XaYL
ヤンデレの邪魔をしたい
>>351 ヤンデレ「邪魔しないで!!」
―ザシュッ―
351「ぐはぁ!…」
ヤンデレ「○○君待って〜」
ヤンデレの目の前で他の女の名前を呼びながら抜いてみたい
馬鹿な……! 危険すぎるぞ
ヤンデレの追ってる男に逃げるアシストをしたい
よほど死にたいのかお前等は・・・
>>355 んじゃ、俺はヤンデレの追うアシストをするか。
俺「アシストするぜ!」
ヤ「邪魔よ」
俺「ぐはッ!(死」
・・・邪魔しないでおこう
よし、婦女暴行犯とヤンデレさんで… 主人公が救いようの無いクズになるな… 男「ああ、もうどうにでもなれ!どうせダメなら一発ヤッてやる!」 ヤンデレ(その人生買った、やっと私のモノになる…) 男はノーパンミニスカートの女を後ろから羽交い締めにして車に引き込む。 男「来るんだ!…ヘヘッ…そんな恰好して…ジックリ可愛がってやる。」 ヤンデレ「あなたの方から手出ししてくれるなんて…やっと…やっと…」 男「な…悲鳴もあげないし怖がってもいない…どういう事だ!!」 ヤンデレ「わたしのものになりなさい。お楽しみは私の部屋で…」 バチッと言う音を立てたあと男は気絶した。次に目覚めたときそこは… ヤンデレ「お目覚めですか、愛しの…さん」 男「なんで…俺の名前を!何だこの部屋は…」 ヤンデレ「私とあなたの狂おしいまでの愛の部屋…すばらしいわ…」 男はレイプするつもりが監禁された。
今年も後1ヶ月か…ぽけもん黒12月号マダー?
やたらと催促する奴が多いのは仕様ですか?
エリートサラリーマンって平凡な存在なのか?
しかも婚約者持ちって……。 リア充じゃねえか畜生!
おばあちゃんは言っていた、リア充ほど自分の事を平凡だと思うって……
>>364 「
>>364 君大丈夫だよ!
>>364 君は私にとって『特別な存在』だから!
大好きだよ
>>364 君。あなたのためだったら私何でもしてあげるよ?
立派な職に就きたいのなら私が口利きをしてあげる。結婚したいのなら私が今すぐにでもしてあげる。
あなたに捧げる為に守り通してきたこの身体を思う存分滅茶苦茶に犯していいんだよ?
だからもう他の女の事なんて見ちゃ駄目……あなたには私だけ、私にはあなただけでいいの。
ね?みんなに『リア充氏ね!』って妬まれちゃうくらい幸せな夫婦になろう?」
いつもの様に愚痴をこぼした
>>364 の目の前で美しく微笑む少女。
しかし、その可愛らしい唇からこぼれた言葉からはありありと狂気が感じられた。
ずっとただの友達だと思っていた少女の激情を垣間見てしまった
>>364 。
これから何が自分の身に降りかかるのかというあまりの恐怖に一歩も足を動かすことも出来ない。
しかし、彼は気付いてしまった。心のどこかでこの状況に微かな期待と喜びを確かに感じていることに。
(もしかして俺は望んでいたのか?こうやって誰かに気が狂いそうなほどの愛情を注いでもらう事を……)
最早
>>364 にはその場から逃げ出そうという考えすら浮かばなかった。
そんな彼の姿を見て、少女はより一層美しく笑った。今まで一度も見た事のない妖艶な笑みを浮かべて。
「大丈夫……私がちゃんと
>>364 君を『リア充』にしてあげるから……」
彼女は身動きの取れない
>>364 をゆっくりと押し倒し、その体にしな垂れかかる。
そして、彼の唇に優しく噛みつきながらその柔らかな肢体を包む衣服を脱ぎ捨て……
(続きは省略されました。全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
ワッフルワッフル
>>364 ウラヤマシス
(´・ω・`)
もっぽすもっぽす
ワッフルワッフル
ワッフルワッフル
ワッフノレワッフノレ
ワッフルワッフル
わっふるわっふる
ワッフルワッフル
無駄に使うなよ
376 :
名無しさん@ピンキー :2008/12/01(月) 20:07:24 ID:dsmWZBer
おっとsageを忘れてた
俺も養われてニート生活送りたい
しかしヤンデレに経済力と経済性があるとは思えない
よって
>>378 は心中ルートか
え?無理心中じゃないよ?双方同意の上だよ?
愛しい人を養うために仕事をしなければならない でも仕事に出かけたら当然その間は愛しい人に会えない ああ、どうしたら
頂点に登り詰め、側近としてそばにおく
愛する人の為に頂点に登り詰める ↓ 女よりどり ↓ ヤンデレの害虫駆除タイム
ヤン「気になる子とかはいないの? 『あの子が好き』なんてバカなことを言わなくても」 男のいるクラスは公立共学高校にして文系だから女子の占める割合が大きく、四十人のうち七割は女子だ。 ヤン「ねえ、なんでだんまりなの? 男くんに彼女が出来たとか聞いたためしがないけど、隠れて作ったりしてるの?」 男「何を? 最近は陶器を作ってるんだが」 話の意図がつかめず、とりあえず話を別方向へ持っていくためにダイニングテーブルの上に鎮座する花入れを指差した。 男「グリップ性を重視したそのつくりは、掴んで鈍器として使うのに最適」 ヤンデレが机を叩き、重そうな花入れが揺れる。華奢な体からは想像もつかないような一撃。不満のオーラがひしひしと伝わる。 ヤン「隠れて浮気して女作ってるかどうか、ってこと!」 男「まさか、いないよ。それに……いたら話してる」 ヤン「そっか、そうだよね。ひひひひひぃ、安心したよ」 この花入れが凶器になる可能性に1000ペリカ
第二次ヤンデレブーム来ないかなぁ
ヤンデレと女さんは微妙な仲。 至ってフレンドリーな女さんなのだから、 そこまで一方的に嫌わなくてもいいものをと思うが、 改善される様子は微塵もない。
ほの純ノリはなんかな・・・
投下します
――今日は卒業式。中学校生活最後の日。私は今日この中学校を卒業する。 その式も終わり、卒業生達は最後の思い出を作ろうとそれぞれ世話になった担任、仲の良かった友達や後輩,想いを寄せていた人の元へ足を運ばせている。 きっとあたしもその内の一人に入るのだろう。いろんな男子達から今更ながらの告白を受けたけど全て断り、今は人気のない校舎裏に向かっている。 しかし、彼女が二人きりで直接話したいことは一体何だろう? てっきり正義と三人で何かするのかと思っていた。 彼女はここを卒業して彼らと違う高校に通うことになる。寂しいことだけど彼女の両親は厳しいらしく、言うことには逆らえないそうだ。 しかし、彼女が推薦で合格が決定したと聞いた時、あたしは少しだけ嬉しかった。 今まではこのぬるま湯のような優しい関係が崩れるのが怖くて、互いに正義へ過剰なアプローチをかけることが出来ずにいた。 でも彼女が違う高校へ進学してくれれば、何の後腐れもなくあたしと正義は堂々と付き合うことが出来る。あたし達はこのまま地元の同じ学校に進学するから。 誰も傷つくことなく、彼女とは親友のままで正義を手に入れることが出来る。 そんな打算的な考えが浮かんだ自分がすごく嫌だった。 「ゴメンゴメン。なんかたくさん男子に絡まれてさ。今更告白してきてももう遅いってのにね?」 あたしの親友である『鈴音』が壁に寄り掛かり、ぼうっと立ちすくんでいた。 なんだか元気がない。今日は卒業式だから感傷に浸っているのだろうか? 「ふふっ、そうですねー」 いつもよりも声が硬く、春の野原で咲く健気な花のような笑みは見られない。 どうやら緊張しているようだ。 「んで話って何?正義と一緒に写真を撮ってこいって親がうるさいから早く行かないといけないのよ。全く小学生じゃあるまいし、困ったもんよね」 本当はこうでもしないと素直に正義と写真なんか撮れないのだけど、彼女の前だからいかにも迷惑そうに言っておく。 「あ、あのね。私、佳奈ちゃんにお願いがあるんですけど……」 彼女の声が震える。 「――私、よっくんのことがずっと好きだったんです!だ、だからよっくんに告白するのを手伝って欲しいの……」 その瞬間、あたしの中で一気に感情が爆発した。それはとても黒くドロドロとした醜い感情。 ああ、とうとう言っちゃったんだ。しかも、万が一告白に成功しても離れ離れになるっていうのに余計なことしてくれて。 あたしはずっと二人に気を使って言わなかったのに。鈴音だけずるいよ。あたしの方が正義のことを想っているんだから。 鈴音への憎悪や嫉妬であたしの心があっという間に覆われる。 そして次に感じたものは深い悲しみ。 こんな事を思ってしまう自分が嫌だった。できればずっと彼女とは親友でいたかった。 でももう元には戻れないことをあたしは悟っていた。 あたしと鈴音は親友ではなくなり、新たに構築された関係図に彼女はこう記される。 ――彼女は“敵”だと。 「――あ、あのさ」 だからあたしはいつもの様に嘘をつく。 「私と正義、実は付き合ってるの。だからゴメン……」 でもこの嘘は正義とそこまで親しくない人にしか使った事がない。 多分正義と極めて親しい鈴音に通用する確率は低いだろう。 だって正義本人がきっぱりと否定してしまえばそれまでだから。 彼は嘘をつかないことをあたし達はよく知っている。
「え……?」 だがこの稚拙な嘘は思いのほか通じてしまった。 目を大きく見開き、カタカタと小刻みに震える彼女の姿は嘘をついた自分からしてもとても信じられなかった。 頭のいい彼女のことだ。すぐに嘘と見抜かれるかと思ったのに。 それだけあたしの事を親友として信頼していたのだろうか。そう思うととても胸が痛む。 しかし、これを機と見たあたしは彼女の動揺に乗じてすらすらと嘘を並べていく。 このまま一気に畳み掛けてしまえ。そう思ってしまう自分に恐怖しながらも嘘をつくのは止められなかった。 その嘘を素直に信じてしまった鈴音の顔は徐々に青くなっていく。足元もおぼつかない。 「そ、そうですか……ご、ごめんね。変なこと言っちゃって……………………よっくんと幸せにね!」 声は聞き取れないほどに震え、目からは涙が溢れそうになりながらも、彼女はあたしに祝福の言葉と精一杯の笑顔を贈った。 次の瞬間、鈴音は一言も喋らずにこの場から走り去る。 あたしは慌てて何か声を掛けようと手を伸ばした。 でも彼女に何と言って声を掛ければいいのかわからなかった。 「今のは全部嘘でしたー!ゴメンねー♪」なんて今更言えるわけがない。 そもそもあたしは鈴音に何か声を掛ける資格さえない最低な女だ。 あたしが彼女に出来ることは何もない。ただ黙ってこの咎を背負うことしか出来ない。 それに三人全員仲のいい友達のまま綺麗に別れることも出来たはずなのに、彼女は敢えてそれを壊すことを選択した。 その結果、あたしが賭けに勝ち、鈴音は負けた。 例えそれがイカサマを使った勝負だったとしても知らなければそれはイカサマじゃない。 あたしは親友という関係を鈴音に無理矢理壊されて、親友か正義のどっちを取るか、天秤に掛けさせられた。 その結果、正義を取っただけじゃない。あたしだけに非があるわけじゃない。鈴音だって悪い。 そう開き直れたら、自分の利益のためだけに生きることが出来たらどんなに楽だろうか。 「ごめんね鈴音……ごめんね…………」 懺悔のように繰り返し呟いている内に、いつの間にか頬に温かい雫が伝っていた。 その勢いは止まることなく、あたしを探しに来た正義と両親に見つけられても尚、あたしは涙を流し続けていた。 みんなはあたしが卒業式で感極まって泣いてしまったものだと勘違いして、いろいろと励ましの言葉を掛けて慰めてくれた。 違う!!そうじゃない!! あたしは親友を裏切って、傷つけた挙句、その過ちを今更後悔して勝手に泣いているだけのどうしようもない女なの。 みんなに慰められるどころか、罵倒されて当然の卑劣な人間なの。 でも何があったかなんて話せるはずもなく、ただ黙って泣き喚くことしか出来なかった。 甘い慰めの言葉を掛けられるたびに心を鋭く抉られる。みんなの優しさがただ痛かった。 ――あの日、あたしは何を選べば全てを失うことなく、仲良し三人組のままで笑い合っていられたのかな? 答えは一年以上経った今でも出ないまま、あたしは正義の一番傍で立ち止まっている。
「ふぅ……」 窓の外から見える澄んだ晴れ空とは対照的に、なんとなく憂鬱な気分のあたしは周りに気付かれない程度にそっと溜息をつく。 相変わらず代わり栄えのしない日常をあたしは送ってる。 いつも通り正義に起こされ、正義と一緒に登校し、正義と一緒に授業を受ける。 これだけでも十分幸せなはずなのだが、人間という動物は一度満たされるとそれと同じ量の幸福では満足できなくなる。 つまり、あたしは人間だから満足できない。以上、証明終了。 そう割り切ることが出来たらどんなに楽だろうか。少なくともこの現状にやきもきすることはなかったに違いない。 あたしはいつだって正義のことを見てきて、正義のことを一番に考えて行動してきたっていうのに。 どうして正義はあたしだけを見てくれないのだろうか? 「……太田よ。この前話したと思うが俺が金欠でヤンデレッドのフィギュアを買い損ねたのは知ってるな?」 「まあ、あそこまで落ち込んでいた君を慰めたのは僕だしね。嫌でも覚えてるよ」 今だってそう。 正義が同じクラスの友人の太田君に、どんよりと落ち込んだ表情で話しかけている。 多分例によって特撮物についての話だろう。正義が彼と話す内容なんてそれ以外にない。 はっきり言ってあたしは太田君のことをあまり良く思っていない。 何故なら彼は正義にとって共通の趣味を持つ親友という重要度の高いポジションに位置しているからだ。 あたしには正義だけ、正義にはあたしだけでいいのに。正義の関心が少しでもあたし以外に向けられるのは耐えられない。 なのに彼はあたしと正義の時間を奪う。せっかく彼の恥ずかしい趣味をやめさせようとしているのに、それを助長するような真似さえする。 どうしてあたし達の間に割り込んでくるの?恥ずかしいと思わないの? あんた邪魔……邪魔なのよ…… 「それで?まさか僕のを譲れとか言い出すんじゃないだろうね?いくら君でもそれはダメだよ。オタクが全員観賞用、保存用、布教用に三体買うと思ったら大間違いだ」 「わかってるよ。俺はそんな見苦しい真似はしない。今でもあれが売っている店を知らないか聞きに来たんだ」 正義は真剣な顔をで太田君に何かを頼んでいる。 ああ、もうよく聞こえないじゃない。もっと大きな声で話しなさいよ。 「んー……ちょっと待って」 彼はノートを一枚破るとさらさらと何かを書き始めた。 一体何だろう? 「ほら。多分まだここなら売ってると思うよ」 「おお、恩に着るぞ太田!やはり持つべきものは友達だな!」 太田君から手渡された紙切れを大事そうに掲げて、まるで宝物を見つけた子供のように無邪気にはしゃぐ正義。 「はいはい。いつも君はそればっかだな」 そんな正義の姿を見て肩を竦めて呆れたポーズを取る太田君。でもその口元は微かに緩んでいる。 「細かいことは気にするな。わが親友よ!」 「こら、離せ。暑苦しい」 調子に乗った正義は太田君の肩に手を回し、豪快に笑い続ける。 太田君も嫌がっているような態度は取っているけど、本当はそうでもないのだろう。 でなければあんなに仲良く二人で笑い合うことなんて到底できやしないからだ。 そう。二人はいかにも僕達はお互いをよく理解している親友ですって顔で爽やかに笑い続ける。 ……むかつく。 あたしと一緒にいるときはそんな顔しないくせに。 雑誌に書かれているデートスポットについて話しても、おしゃれな服を着ているのを見せても、レストランで美味しい料理を食べても、あたしにはそんな嬉しそうな笑顔を見せてくれないくせに。
どうして?もしかして男の太田君の方がいいの?あたしじゃダメなの? ダメ!!そんなの絶対ダメ!!誰が何と言おうともあたしは絶対に認めないんだから!!! ホモなんてただの気持ち悪いだけの犯罪者予備軍だよ。太田君じゃ子供も作れないんだよ? 早く正義を止めなきゃ。そんな考え方はおかしいって説かなきゃ。 彼をそんな間違った方向に進ませちゃダメだ。あたしが正しく導いてあげなきゃいけないんだ。 そのためだったら、その……え、Hなことも教えてあげなきゃいけないよね?! せ、正義を正気に戻すためだったらし、しょうがないわ。 し、したくてこんな恥ずかしいことしてるわけじゃないんだからねっ!! ま、まずは優しくキスするのが基本中の基本よね?この前読んだ雑誌にもまずは雰囲気作りが大事だって書いてあったし…… じ、じゃあ、目ぇ閉じて、正義……んむっ……れろっ、ちゅ……んん?!んむむむむ…… っぷはぁ!はぁはぁ……し、舌まで入れるなんて聞いてないわよ正義ぃ…… それにしてもファーストキスがこんなに激しくていいのかしら……体が蕩けちゃいそう…… 次はあたしの服を優しく脱がせて頂戴。乱暴にやったら殴るわよ。 んっ……どこさわってのよバカ……くすぐったいわよ…… どう?これが女の体よ。結構スタイルには自信があるんだけど…… きゃっ?!ち、ちょっと、いきなりおっぱい揉むなんて…… んっ、べ、別に気持ちよくなんか……ひいっ!!乳首舐めちゃだめぇ!! え?じゃあどこを触って欲しい?ば、バカッ!!そんなの言えるわけないでしょ!!この変態!! ひゃうっ?!ど、どこ触って……きゃひぃ!!そ、そこらめなのぉ…… えっ!?ち、違うっ!!佳奈美変態じゃないもん!パンツぐちょぐちょになんかなってないよぉ…… あうっ!!だ、ダメって言ってるのにぃ……あひゃ!!そこぉ!!そこ気持ちい……え?な、何でやめちゃうの……? ダメって言ったじゃん?そ、それはその……言葉の綾で……本気で嫌がったわけじゃないのに…… え?!続きをして欲しかったらちゃんと素直になれ?で、でもそんな恥ずかしいこと言えるわけ…… ああっ!!ごめんなさい!!やめちゃダメッ!!言うからっ!!何でもするからやめちゃダメェ…… ごめんなさい。佳奈美は嘘つきました。あたしは本当は正義に触って欲しくておパンツびちょびちょに濡らして喜んじゃう変態です。 ち、ちゃんと言ったよ……だ、だから早くお、おまんこいじってぇ……ひぃぃ!!そこ、そこ気持ちいいよぉ!! だめえっ!!そこいじられるとおかしくなっちゃう!!あ、ああ……あああああああああああああっ!!! はぁはぁはぁ……い、イッちゃったぁ……あたし正義にイカされちゃったんだ…… え?まだ女の良さがよくわかんない?そ、それって……わ、わかったわ。ちゃんと最後までするわよ…… 見て、正義……ここが女の子の大事なところよ正義……ここに正義のおっきなおちんちんを入れるの…… あ、あのさ……あたし初めてなんだからちゃんと責任取ってよね?あたし正義とだからこんな恥ずかしいことまで…… んっ、んむむ……ちゅっ、じゅる……れろ、ぴちゃ……っはぁ……うん、あたし幸せよ。 だってずっと正義とこうなることを夢見てたんだから……ぐすっ…… ううん、嬉しくて涙が出ただけだから気にしないで。さっ、続けましょ? うん、そう……そこにそのまま優しく……っ、痛ぁ……ううん、平気だからやめないで……そのまま動かして…… っはぁ、なんか気持ちよくなってきたかも……んっ、んっ、あぅっ!そこ気持ちいいよぉ正義…… ハァ、もっと奥まで突いてぇ!!ギュッてして!!あたしを離さないで!! ダメッ!何かキちゃう!何かキちゃうよぉ、正義ぃ!!ハァハァ……一緒に、一緒にイこう? あっ、あっ、あっ、イクッ!!イ、イクゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!! はぁぁぁぁぁぁぁぁ……熱いのいっぱい出てる……あたし正義に種付けされちゃったんだ…… あは、あそこから白いのが出てきてる……もう、こんなにたくさん出したら赤ちゃんできちゃうでしょ! でもちゃんと責任は取ってくれるんだよね?愛してるわ、あ・な・た♪
「……おーい、大丈夫かー?」 ふと気付くと正義が怪訝な顔をしながら目の前で手を振っていた。 「キャアッ!!ななななななな何よっ?!」 思わず奇声を上げて後ろに飛び退いてしまった。 ううう、恥ずかしいよぉ…… 「いや、顔を真っ赤にしてボーっと涎を垂らしているから一体どうかしたのかと思って。風邪か?」 「べべべべべ別に何でもないわよ!!いいからさっさと席に着いて。先生が来るでしょ!」 いつの間にか卑猥な妄想に完全に意識を飛ばしていたせいで全く気付かなかったようだ。 慌てて否定をしながら口元を拭い、火照った顔を冷ますためにぱしぱしと頬を叩く。 彼には気付かれていないようだが、乳首は固くしこり、下着の下が熱く潤っているのがわかる。 学校という公の場所ではこんなに熱く体が火照っているのに慰めることもできないのが辛い。 まぁ、目の前にいる張本人がやってくれれば話が早いんだけど。 「いや、だってなぁ。どう見てもあれはヤバイ顔してた……いぎっ!?」 とにかくこの話は終わりにしたいのに正義は首を傾げ続けるので思い切り足を踏みつけてやった。 あまりこの話を長くされるとボロが出そうで怖い。というか、何気に失礼なこと言ってないこの男? 「い・い・か・ら!席に着きましょうか、正義君。そろそろ授業が始まるよ〜?」 「ハ、ハヒッ……」 痛みで引きつった顔のまま素直に席に着く正義。何だか可愛い。 もう、学校でこんなHな妄想に浸っちゃうのも、照れてつい可愛い暴力を振るっちゃうのも、正義がいつまで経ってもあたしに告白してくれないせいなんだからね! そうよ、あたしが素直じゃないのではない。彼が自分の気持ちに素直にならないだけなのだ。 だって物心ついたときからずっと傍にいて、今でもずっと何をするのも二人一緒でお互いが好きじゃないなんてどう考えてもおかしいじゃない。 実際あたしは正義のことが好きだからこの法則は正しいと証明している。正義もあたしを愛してくれている。 なのに正義は奥手とかそういうレベルじゃないくらいにあたしに手を出さない。 まるであたしのことを友達としか見ていないかのようにだ。 ああ、もう。恋愛沙汰には疎いくせにやきもきさせるのだけは上手いんだから。 確かに正義はあと一年経たないと結婚はできないけど、あたしは既に結婚できる年齢だから今すぐにでも結婚を前提としたお付き合いはできるのよ。 もしかしたらキリよくあたしにプロポーズしようとしているのかもしれないけど。 ぶっちゃけそんなのはどうでもいいから早くこの曖昧な関係を崩したい。ロマンチックな展開だったら告白した後でいくらでもできるでしょ。 早くあたしを奪ってよ……
「はぁ……」 授業が始まってもこの憂鬱な気分は一向に晴れず、机の上で組んだ腕に頭を乗せながら溜息をついた。 ちらりと先生にばれない程度に正義の横顔を見る。 真剣な目で黒板を見つめ、書かれている内容をノートに写すその姿を見ているだけで心が熱くなる。 やっぱり彼はかっこいい。あの真剣な目で愛を囁かれたら、あたしはきっと何も言えなくなる。 ああ、早くさっきの妄想通りにならないかなぁ……そろそろあたしの我慢も限界。 あんまり遅いとあたしの方から正義を襲っちゃうよ? ぼやぼやしてる内に彼を他の女に寝取られるくらいなら彼を強姦した方がまだマシだ。 無理やりにでも行為に持ち込めば責任感の強い正義のことだからきちんと責任は取ってくれるはず。 女が強姦されることはあっても男が強姦されることはない。正義の言うことなど誰も耳を貸さないだろう。 それにもし子供が出来てしまっても、あたし達の仲にはとても寛容的な両親のことだからきっと出産することを認めてくれる。 正義が社会的にきちんと責任を取ることを前提にしてだけど。 まぁ、どうせ遅かれ早かれ、あたし達は結婚して子供を作ることは決まってるんだから大した問題じゃないよね。 あたしの手によって正義の周りに張り巡らされた社会的責任という網は確実にその範囲を狭めていく。 そして逃げ場がなくなり、雁字搦めに捕らえられた正義は大人しくあたしを受け入れる他になくなる。 こうしてあたし達は幸せになりました。めでたしめでたし。 「フン、馬鹿馬鹿しい……」 そう呟き、顔を腕に埋めてこの狂った考えを頭から飛ばす。 無理矢理正義を束縛して結婚させて彼は喜ぶだろうか。いいや、そんなはずがない。 いつも何かに縛られることなく自分の信じる道を突き進むのが赤坂正義という人間なのだ。 確かに先ほどの妄想通りにすれば確実に正義はあたしの物になる。 だが重圧に押し潰された結果、あたしの思うがままになってしまった彼は最早彼ではない。 ただの操り人形だ。 何事にも真剣に取り組み、曲がったことが大嫌いで困った人を放って置けない熱血漢。 でもどこか抜けていて危なっかしい行動を取りがちな優しいヒーローの正義があたしは好きなのだ。 もちろん付き合うことになったら、あたしだけのヒーローになってもらう予定だけど。 あたしはありのままの彼を愛し、愛されたい。 だからあたしはそんな真似はできればしたくない。正義の気持ちを裏切りたくないから。 今まであたしは数え切れないほどあたし達の障害になりそうな災厄の芽は一つ残らず摘み取ってきた。 それでも正義本人に直接手を出さなかったのは、彼“が”あたし“を”愛しているという証拠を見せて欲しかったから。 揺らぐことのない無限の愛をあたしだけに注いでくれると誓うところを彼本人の口から聞かないと不安なの。 あたし達がお互いを想い合う理想の関係になるにはその誓約が必要不可欠なのだ。 だから辛いけどあたしは待つ。正義が心の底からあたしを愛すると誓ってくれるその日まで。 ふと思いつき、開かれたノートの空白に相合傘を書きこんでみる。もちろん傘の下には『赤坂 正義』と『黒田 佳奈美』の名前を入れて。 それを見ると何だか心の奥がほっこりと温かくなって、自分でも気付かないうちに自然と柔らかい笑みがこぼれていた。 だから……信じていいよね、正義? いつかあなたの方からあたしに愛を囁いてくれる日がきっと来るって。
……何だかまた正義の様子がおかしい。 太田君から例の紙を渡されてからずっとボーっとしていて、放課後が近づくに連れてそわそわとし始めた。 「どうかしたの?」とあたしが聞くと、嘘をつくのが下手なくせに言葉を濁してなんとか話を逸らそうとする。 あまりしつこく問い詰めると彼を不快にしてしまいそうなので追及するのを諦めたが明らかにおかしい。 そして、いざ放課後になると『登下校はいつも一緒』という暗黙の了解が私達の間にはあるのに、彼はそれを一方的に破ったのだ。 そればかりか、あたしの制止を振り切って、あたし一人を残してさっさとどこかへ行ってしまった。 ついさっきまで満たされていた心は、正義がいなくなると同時に空虚な器と化していく。 何で?どうしてあたしを独りぼっちにさせるの? 佳奈美のこと嫌いになっちゃった?あたしが何か正義を怒らせるようなことしちゃったの? それならいくらでも謝るから、何でもするからお願い……今すぐあたしの元に戻ってきて。 その逞しい腕の中にあたしを包ませて。体の芯から蕩けそうになるほどの甘い言葉を耳元で囁いて。 そうじゃなきゃあたし、あたし……壊れちゃうよ…… 気持ち悪い。吐き気がする。頭がぼうっとする。 ガクガクと足は震え、両腕はいなくなってしまった正義の代わりを果たすかのように勝手にこの身を抱きしめる。 寒い……心が寒いよ正義。 今すぐ抱きしめてくれなきゃあたし凍え死んじゃうよ。早くあたしの心を優しく温めて。 でもあたしを抱きしめる彼はここに、私の隣にいない。 何で?あたしを置いてどこかへ行ってしまったから。 何で?わからない。 どうして?どうして最愛の女性にして未来の妻、果ては一生涯を共にする伴侶であるあたしを置いていくの? 酷い。酷過ぎるよ。 あたしはこんなにも正義のことを想っているのにそんなことをするなんて。正義だってあたしのことを想っているはずなのにどうして…… もしかして誰かに悪いことを吹き込まれたの……? そうだよ。そうに決まってる。 だってそうじゃなきゃ説明がつかない。正義がこの世で最も愛している女性のあたしに対してそんな酷いことをするなんてあり得ないからだ。 誰よりも深く結ばれているあたし達二人の仲を引き裂こうだなんて一体どこのどいつだ。 正義に余計なことを吹き込んだ罪は重い。その報いはしっかりと受けてもらおうか。 彼を誑かす悪い奴等は一刻も早く始末しなければ…… 「――あ」 その時、あたしの中である考えが閃光のように走り抜けた。 ああ、何でこんな簡単な事に気付かなかったのかしら。愚鈍だった今までの自分が恨めしい。 「くふっ、くふふふふ……」 自然と口からは笑い声がこぼれる。足の震えも治まり、あれほど寒く感じていた孤独感もすっかり失せていた。 代わりに胸の内からふつふつと湧きあがってくるのは奇妙な高揚感。 そう、きっとこれは“悦び”だ。 ただし、それはどこまでも堕ちていく深い闇のような暗い“悦び”。 「そうよ……邪魔する奴等がいなくなれば、その分だけあたし達の幸せに早く近づくよね?」 あたしと正義が結ばれるのを邪魔する奴を排除する。妨害するモノがなくなれば必然的にあたし達の幸せな未来へとまた一歩確実に近づく。 何だ、簡単な事じゃない。邪魔する害悪がいたらそれを排除すればいい。 そして立ち塞がる障害全てを倒した後には、あたし達二人が幸せになる未来への道のみが切り開かれている。 やっぱり正義からの告白を待つだなんて甘っちょろいことを言ってる場合なんかじゃないのかも。 正義本人がそれを望んでいなくても結果的には彼のためになるんだから多少強引に事を運んでもいいよね? そうすればきっとあたし達幸せになれるよね? やがて訪れる幸せに思いを馳せながら私はそっと正義の後を追った……
正義を追っていくうちにあたしはずいぶんと遠くへ来てしまった。 わざわざこんな遠くまで来るなんてやっぱり怪しい。絶対に自分が何をしていたかわからないようにしているとしか思えない。 よっぽどそれはあたしに見られるとまずい用事らしい。そんなにあたしに見られたくないモノって一体何? ……まさかオンナ? 嘘っ!!嘘嘘嘘!!嘘よそんなの!!絶対に認めない!! 正義はあたしのもの!!他の誰にも渡したりはしない!! 一体どこのどいつだ。正義をたぶらかした薄汚い雌犬は。 誰に断ってそんな真似を……許さない。 殺す。殺してやる。絶対にこの手で殺してやる。 二度と正義の姿が目に入らぬようにその目を潰し、二度と正義の声が聞こえないように耳を鼓膜を破り、二度と正義の匂いを嗅げないように鼻を削ぎ落とし、 二度と正義を味わえぬように舌を引き千切り、二度と正義に触れられぬように四肢を切断して、それから早く死なせてと懇願するくらいの苦しみをゆっくりと与えながら殺してやる。 一刻も早く正義を見つけてその売女を始末しなければ。綺麗な正義が汚される前に速く始末しなきゃ…… 「ついにこの時がキターーーーーーーーッ!!」 「正義ッ?!」 突然近くから正義の叫びが聞こえた。 待っててね、今すぐそこに行くから!そして薄汚い体を摺り寄せる雌犬を処分してあげる。 建物の影から飛び出し、通りに出ると遂に正義の姿を視界に捉えた。 だがあたしの視界に映りこんだものは歓喜に震える正義と、 「……おもちゃ屋?」 何故か彼はおもちゃ屋の目の前で大声を上げて喜びに身悶えしていた。 えっと……これってどういうこと? さっきまでの勢いを急に失い、その反動で呆然と立ちつくすあたし。 するとあたしの脳裏にある記憶が浮かび上がってきた。 正義が同じ特撮オタクの太田君に何かを頼んでいる。 大田君は呆れながらも彼の頼みを聞きいれたらしい。 『んー……ちょっと待ってな』 彼はノートを一枚破るとさらさらと何かを書き始めた。 『ほら。多分まだここなら売ってると思うよ』 『おお、恩に着るぞ大田!やはり持つべきものは友達だな!』 その紙を受け取ると子供のようにはしゃいで喜ぶ正義。
「もしかして……あの紙はこのおもちゃ屋のことだったの?」 一体これはどういうこと?ま、まさかあたしの一方的な勘違い?! そういえばこの前正義と進路のことで喧嘩して仲直りした際に、ケーキとかアイスとか奢らせて彼の財布の中身を散財させた時にも、 「ああ、俺の『修羅場戦隊ヤンデレンジャー ヤンデレッド Ver.(1/8スケールPVC塗装済み完成品)限定スペシャル版』を買うお金が消えていく……しくしく……」 と、涙ながらにぶつぶつとうわ言を呟いていたような気が。 まぁ、あれは完全に正義に非があると本人も分かっていたし、あたしも文句を言わせるつもりはなかったのできっちり支払わせたけど。 おかしいな。これ以上正義の部屋に戦隊物のコレクションが増えないよう、あの時にかなりの額を使わせたはずなのに。 大方お母さんにお金でも借りたのだろう。昔からお母さんは正義に甘すぎて困る。 彼自身に収入がないから可哀想とでも思っているのかもしれないが、優しくするのと甘やかすのは全く違う。 正義が『いつまでもそんな物を』と謂れのない非難を浴びないようにと、あたしは心を鬼にして人の趣味の領域にまで口出しをしているのだ。 決して彼がフィギュアや何やらに夢中なのが気に入らないって訳じゃないんだからね! きっと彼は普段からうるさく口出しをするあたしの監視の目から逃れようと、強引にあたしの制止を振り切ってこんな遠くまで来たのだろう。 まぁ、無駄な努力だったけどね。だってあたしはここまで付いてきてしまったのだから。 さて、どうしてあげようかしら?今のあたしは少しばかり気が立っているわよ。 これは決して理不尽な八つ当たりなんかじゃないわ。勝手にあたしが妄想の末に勘違いしただけとは意地でも認めないんだから。 そもそも明日はあたしとの大事なデートだっていうのに、こんなところで使っていいお金なんて一銭たりともあるわけないでしょ。 たとえどんなにお金を持っていたとしてもそれは愛する彼女のあたしのために使われるべきだ。 あたしは喜び、あたしの喜ぶ顔を見れる正義も喜ぶ。まさに一石二鳥だと思わない? それをあんな子供が遊ぶような訳の分からないフィギュア、しかも女の子の奴に貴重な資金を出すだなんて……腸が煮えくり返りそう。 正義は所詮ただのおもちゃである人形に心奪われて、本当に彼のことを想っているあたしのことなど見向きもしない。 そんなの絶対に許せない。認められない。 本当なら今すぐ正義に怒鳴りつけて一発や二発鉄拳制裁をくわえてやっても、この苛立ちを抑えることはできないくらいだ。 しかし、あたしも鬼じゃない。今日の所は大目に見て、見逃してあげることにしよう。 喜びの絶頂に達している正義を一気に絶望の淵に叩き落とすのもそれはそれで体がゾクゾクしそうだけど、あまりに束縛し過ぎて正義に嫌われたら元も子もない。 彼に拒絶される。それを考えるだけでまるで体温がなくなったかのようにあたしは身体の芯から凍り付いてしまう。 それだけは何よりも忌避すべきことだ。適度にガス抜きもさせないとここまで築き上げてきた信頼や努力が一気に崩れてしまいかねない。 だから正義に嫌われない程度に彼の行動を制限し、同時にやりすぎないように彼の趣味はある程度までは許容している。 ここは何も見なかったことにして、正義がフィギュアを無事に買えたと安心しているところで、このことをちらつかせる。 きっと彼は驚愕、動揺、焦燥、様々な感情が入り混じった顔をあたしに向けてくれることだろう。 「あはぁ……」 それを想像するだけであたしの中の何かがざわめき出す。吐息は熱く乱れ、子宮がずくんと疼く。 正義を好きなように扱い、あたしの思うがままにコントロールする。彼はあたしの手の中で踊り続ける可愛いお人形さん。 ありのままの彼を愛したいという欲求と、あたしだけを見つめてくれる正義に作り変えたいという相反した欲求が心の奥底で交じり合い、渦を巻く。 最早彼に対して矛盾した醜い情欲を抱いてしまうほどにあたしは彼を愛している。 ああ、もうダメ。我慢できない。 心が、身体が狂おしいほどに彼を求めている。早く家に帰ってたっぷりと自分を慰めなきゃ。 今日の所は特別に見逃してあげるけど、明日のデートでこの借りはきっちり返してもらうからね!たっぷり振り回してやるんだから覚悟しなさいよ! 少し名残惜しいけど彼の喜んだ表情をしっかりと網膜に焼き付けてからこの場を立ち去る。 早くあたしを見る時、あたしと話す時、あたしとキスをする時、あたしを抱いている時にそんな素敵な笑顔を見せてくれるようになって欲しいなぁ。 彼への溢れる愛情と一抹の寂しさを感じながらあたしは帰路についた。
『……ーン』 ……ん、今何時だ? 寝ぼけ眼を擦りながら目覚まし時計を手探りで探す。 カーテンの隙間から日の光が差し込んでいるので結構な時間が経っているのではないだろうか。 やべぇ。もしや俺寝坊したか? 昨日俺はヤンデレッドのフィギュアを買い忘れたショックのあまり、帰宅した後飯を食う気力もなくベッドに倒れこみ、そのまま眠ってしまった。 そう、目覚ましをかけることもなく。 おいおい、これはまずいぞ。急いで支度をしなくては。 いまだ覚醒しきっていない重い体を布団という楽園から何とか引きずり出す。 だが壁に張られているヤンデレンジャーのカレンダーが視界に入るとふと違和感に気付いた。 もしかして今日は土曜日じゃないか? そう、今の学生諸君はゆとり教育によって週休二日の恩恵に与っているのだ。 世間では学力低下が叫ばれているようだが遊び盛りの学生達にとってはまさに天国である。 そうと決まれば話は早い。たまにはぐうたらと不貞寝をするのもいいだろう。 俺がもう一度布団の中に潜り込もうとすると、 『ピンポーン。ピンポーン』 チャイムの音が二度この家に響き渡った。 そういえばさっきから一定の間隔で鳴り続けているな。この音で目が覚めたのだからずいぶんと前から鳴っているらしい。 しかし、うるさいな。ったく誰だよ土曜の朝っぱらから。 のそりともう一度起き上がり、寝巻き姿のまま玄関に向かう。 『ピンポーン。ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン』 その間にもチャイムの音は激しく鳴り響く。つーか鳴らし過ぎだろ。 朝起きたばかりの耳にはかなりうるさい。 一体どこのどいつだ?こんな非常識なチャイムの鳴らし方をする奴は。 寝起きの期限の悪さも相まって俺の不機嫌度は既にMAXだ。 このドアの向こうにいる不届き者に一言文句を言ってやらねば気がすまん。 苛立ちでいきり立った俺は鍵を開けてドアを勢いよく開き、 「すいません。うるさいんですけど……」 と、この無礼な訪問者に怒鳴りつけようとしたのだが、 「正義!!あんた今何時だと思ってんの?!もう約束の時間過ぎてるわよ!!」 何故か鬼の形相で怒り狂う佳奈美が目の前に立っており、その凄まじい怒鳴り声に何も言うことができなかった。 おお、体中が痺れる。鼓膜が破れたらどうしてくれるんだ。 「え、えっと……俺何か約束してたっけ?」 約束と言われても思い当たる節がないのでとりあえず聞き返すが、その口調に先ほどまでの勢いはない。 燃え盛る地獄の炎を背後に浮かび上がらせている悪鬼羅刹を前にしてはこんな情けない喋り方にもなる。 決して俺はチキンなわけじゃない。 「『何か約束してたっけ?』ですってぇ……?」 どうやら俺は佳奈美の逆鱗に触れてしまったようだ。 彼女はプルプルと怒りに体を震わせ、その拳はこれでもかというほど固く握り締められている。 その表情は俯いていてよく見えないが多分見えなくて正解だと思う。他の人が今の佳奈美の顔を見たら卒倒してしまうかもしれない。 「あんた今日はあたしとデー……買い物に行くって約束してたでしょ!!」 額に青筋を走らせながら佳奈美が大声で叫ぶ。なんとなく決壊寸前の堤防が頭に浮かんだ。 「……あ」 「『……あ』じゃないっ!!!!あたしがどれだけこの日を楽しみにしてたと……な、何でもないっ!!」 あまりにも普通に俺が忘れていたと知った瞬間、とうとう佳奈美の怒りが爆発した。 怒りのあまり、言葉が支離滅裂になっているようだ。それに所々何か気になるところもあるし。 だがその言葉で完全に思い出した。 今日は佳奈美のご機嫌取りのために街に繰り出して、高い飯を奢ったり、長い服選びに付きあわされ、重たい荷物を一人で持たされるという苦行を行う日だった。 俺は敬虔な修行僧というわけじゃないのに何故こんな酷い目に遭うのか。しかも、報酬を出すどころか、自腹を切らせるなんて。 お前は鬼か、佳奈美!……ああ、そうだ。今目の前にいるのは可憐な少女の皮を被った鬼だった。 こんなくだらないことを思い返している内にも佳奈美の機嫌は悪くなる一方だ。彼女の体から滲み出る怒りのオーラで周りの空間が歪んで見える。 これ以上彼女の機嫌を損なうと俺の身が危ない。ここは素直に謝るしかないな。
「わ、悪い。すっかり忘れてた。すぐ支度するから少し待っててくれ!」 このままこの場にいると危険な気がするので準備をすると言って逃げ出す。 これは戦略的撤退であって、決してビビった訳じゃないぞ。 しかし、約束を忘れて寝過ごしていたといっても佳奈美に起こされたのは少し悔しい。 ……ん?そういえば何か佳奈美に言わなきゃいけないことがあったような…… まぁ、いいか。後で思い出すだろうし、今はさっさと着替えて支度するのが何よりも優先される事項だ。 「……三分で用意できなかったらぶっ飛ばす」 恐ろしく冷たいドスの効いた声が背後から聞こえた。思わず背筋が寒くなる。 こ、恐ぇ〜。多分マジだ…… わずか十余年で生涯の幕を閉じるなんて冗談もいいところだ。ピンクさんというまだ見ぬ恋人に出会うまで俺は死ねないんだよ。 まだまだ命が惜しい俺は素直に佳奈美の言うことに従わざるを得なかった。 それから何とか無事に支度を終えた俺はいまだ怒りが収まらぬ佳奈美を宥めながら家を出た。 目的地に向かう間、ずっと佳奈美は俺に文句を言いまくっていた。 佳奈美がここに行こうと普段からうるさかった評判のレストランに入っても彼女の機嫌は未だ直らない。 飯でも食えば少しは機嫌も良くなるか……? 「えっと、これとこれとこれとこれとこれと、あ、これもお願いします」 ウェイトレスを呼ぶと早速馬鹿みたいに大量の注文をする佳奈美。 普段は可愛い女の子らしく見せようとしているのか、皆の前では少ししか食べない。 しかし、その実態はかなりの健啖家で俺よりも食うくらいだ。 さっき注文した料理もきっと気持ちがいいほど綺麗に完食してくれることだろう。 これで金を出すのが俺でなかったら何も文句はないのだが。 彼女の大食いといえば高校に入学して間もない頃のことを思い出す。 クラスで一緒に飯を食っている時に俺は彼女の弁当の中身が余りに少ないことに気付いた。 中学の時は一人男子に混ざって給食のお代わりをするような女子だったのにこれはどういうことか。 驚いた俺は思わず彼女にその訳を尋ねた。 「おい、こんな少しで足りるのか?いつもはもっと食べ……ぐおおおっ?!」 その先の言葉が俺の口から出てくることは遂になかった。 「あれっ?急にどうしたのかな〜、正義クン?」 佳奈美がニコニコと可愛く笑いながら机の下ではタバコの火を消すようにぐりぐりと俺の脚を踏み潰していたからだ。 「お、お前……だってこの3倍は軽く……あがっがっががが!!」 多分クラスの皆がいる前で聞いたのが悪かっただろう。先ほどの3倍増しの威力で踏みつけられた。 うん、酷い目に遭ったけど今となってはいい思い出……のわけあるかボケ。 とりあえず公衆の面前で彼女の大食いをバラそうとすると大変なことになるというのは学習した。高い勉強代だったがな。 ちくしょー、可愛い子ぶりやがってこの女。お前に彼氏ができたらこっそりバラしてやろうか。 料理を作れないのに大食いな彼女、あるいは嫁って旦那としたらかなりヤバイと思うぞ? 「かしこまりました。そちらのお客様は?」 「……コーヒーで」 対する俺はコーヒー一杯。この後の出費を予想すると飯なんか恐ろしくて頼めやしない。 空きっ腹に苦い汁を一杯だけというのはあまり体によくなさそうだが、背に腹は変えられないのだ。 その後も、料理が来るまで佳奈美はいかに俺が女性に対して失礼な行動を取ったかをくどくどと説き続けた。 来た後も飯を恐ろしい勢いで平らげつつ、嫌味を言うのは忘れないという実に器用な真似を見せてくれる。 飯を食いながら喋るなって親に教わらなかったのかと思いながらも俺は苦いブラックコーヒーを啜るしかない。 今回はどう見ても俺に非があるからだ。 約束事を破った俺が悪いのは百も承知。それは認める。 だがな、十何年前のことまで話に持ち出してくるのはちょっと大人気ないんじゃないですかね、佳奈美さん? どこまで遡ってんだよ!それはもう時効だろ?! かと言って一度口答えすれば今度こそアウトなので何も言えない。 徳川家康も耐え忍ぶことによって天下を取ったって言うし、ここは我慢だ正義。
「すいませ〜ん、この『ウルトラスーパーデラックスパフェ』下さい」 佳奈美が追加注文を頼んだ料理の欄を見るとそこには驚くべき数字が並んでいた。 おいおい。こんなの何個も食べられたら、いくら橙子さんからもらった金があってもやばいぞ。下手したら予算オーバーだ。 この後佳奈美は服も買いに行こうと言い出す可能性が非常に高いのでここは一つ注意しなければ。 「あの、佳奈美さん……それ一つでコーヒー何杯飲めると思っているんですか?それにどうせこの後洋服を買いに……」 「何か文句でもあるわけ?」 「いえ、ありません」 チキンと言うなかれ。あの目は人を殺せる目だった。 結局手持ちの三分の一以上をいきなり失ってしまうことになり、佳奈美が夢中で料理を胃に詰め込む作業を見る羽目になったのであった。 よかった……正義はいつもどおりの正義だ。 ねちねちと嫌味を飛ばしながらご飯を食べていても、彼を細かく観察するのは忘れない。 あたしは彼に気付かれないようにほっと胸を撫で下ろす。 そうだよね。正義があたしのことを放っておいて他の女と浮気なんてするわけないじゃない。 一体あたしは何を思い悩んでいたのだろうか。 彼があたしを裏切ることなどあるはずもなく、これから先もないというのに。 そう考えると随分と気分が楽になり、焦燥に駆られていた心にも余裕が生まれる。 もう正義のこと許してあげてもいいかな? いや、まだまだ彼には反省してもらわなくてはいけない。未来の妻であるあたしを心配させた罪は重い。 それに彼がこうやってあたしの機嫌を取ろうと必死になっている姿を見ると何だかゾクゾクする。 この後、服を買いに行くからその時にあたしをたくさん褒めてくれたら考えてあげよう。 うふふ、正義と二人っきりで服を選ぶの。 『ねぇ、これどう?』 『ああ、すごく似合っているぞ。やっぱり俺の佳奈美は可愛いな』 『ちょ、やめてよ。こんなところで……』 『仕方ないだろ。本当の事なんだから』 『もう……バカ』 えへ、えへへへ……幸せかも。 そうと決まったら早速行かなきゃ。 「正義、次の所に行くわよ!分かったらさっさとコーヒー飲んでお金を払ってきなさい!」 「はいはい。とほほ……」 半分泣きそうになりながら力なくカウンターへ向かう正義。 フン、自業自得でしょ。あたしとのデートの約束を忘れて、家で寝過ごすだなんて万死に値するわ。 健気な未来の奥さんの気持ちを無碍にするとこうなるって覚えておきなさい。 「ほら、男ならいつまでもうじうじしてないでしゃっきり歩く!ヒーローがそんな顔で歩いていたら情けないわよ?」 店を出てからもぼんやりしているので、ばしんと正義の背中を叩いて発破をかける。 「お、おう。そうだな。ヒーローには落ち込んでいる暇はないもんな」 正義も何とか気を取り直したみたいで、ちゃんと顔を上げて歩き始めた。 隣り合って歩くあたし達。その距離は友達と言うには近すぎる距離で。 肩や手を少しずらせば触れ合ってしまうほど。 知らない人から見たらきっと恋人同士って思われるんだろうなぁ。 「何ニヤニヤ笑ってるんだよ?そんなに楽しみか?」 知らず知らずの内に笑みがこぼれていたらしい。正義に指摘された。 「そうね……楽しみにしてるわよ、正義?」 あたしはその問いにとびっきりの笑顔で返す。 正義はお金を払わされるという意味で受け取ったのか、溜息を吐いてがっくりとうなだれる。 その様子がおかしくてあたしはさらに笑いを堪え切れず、噴出してしまう。 どこまでも穏やかで優しい空間があたし達二人を包み込んでいた。
「ふぅ……今日は一体何時間待たされるのかね?」 佳奈美が愛読しているファッション誌に掲載されていた有名店の中で一人立ち尽くす俺。 佳奈美は俺にここで待っててと言い残すと、さっさと目当ての服を探しに行ってしまった。 しかし、いかんせん手持ち無沙汰だな。ここは女物の服しかないので適当に服を見て暇を潰すことも出来ない。 以前その事を佳奈美に言ったら 「だったらあたしに似合うと思う服でも探してなさい。あんたのセンスをこの佳奈美様が見定めてやるわ!」 と言われたのだが、俺にそんなファッションのセンスはない。 大体俺が自分の服を買う時も何故か付いて来て、これはダメ,あれもダメと俺が選んだ服を片っ端から切り捨てて,自分が選んだ服を無理矢理買わせているじゃないか。 そんな佳奈美曰くファッションセンス0の俺が選んだ服を佳奈美に突き出したらなんかしらけた顔で見られそうだ。 それが怖くて、結局言われてから一回も実行していない。 しかし、それはそれで不機嫌になるのだから女ってのは難しい。 ああ、とにかく暇だ。ここはとりあえず先週のヤンデレンジャーの脳内ダイジェストでも…… 「だーれだ♪」 「おわっ?!」 「うふふー、問題です。私は誰でしょう〜?」 突然視界を奪われ、同時に澄んだ張りのある無邪気な声が俺の耳に入ってきた。 この声、どこかで聞いたことがあるような……って昨日会ったばかりだろ。 俺は溜息をつくと瞼を抑える柔らかい手を優しく剥がし、呆れた口調でこのいたずらっ子の方へ向き直る。 「ったく。やっぱりお前じゃないか――」 ――認めよう。 あの時、あたしは有頂天になっていた。 彼の全てはあたしが支配し、これからもそれは続いていくと思っていた。 このままいけばいつかは正義と結ばれ、何事もなく幸せな人生を謳歌する。 そんな順風満帆な未来があたし達に訪れる事を確信していた。 天災は忘れた頃にやって来ると言う。なら人災はいつ来るのだろう? 雑誌に載っていた服を見つけたあたしはそれを持って急いで正義の元へと戻る。 これを着たあたしを見て、正義はなんて言ってくれるかな? 『似合ってるぞ』?『可愛いな』?『綺麗だ』? えへ、楽しみ…… あれ?誰かと話しているみたい。 相手は服棚が邪魔でよく見えないが、きっと店員さんと話でもしているのだろう。 以前違う店でも正義と来た時も、同じように正義が店員さんに 「うわー、彼女さん可愛い〜!よかったわね、君!こんな子を捕まえられて!」 と言われて、苦笑いしていたからだ。 残念ながら事実とは違うのでとりあえずやんわりと否定しておいた。もう少しでそうなりますけど。 あの時と違うのは正義が楽しそうに話しているところ。 その事にあたしは少し違和感を覚える。 こんな女物の服しか売ってないお店で正義が満足するような話題を振れる店員がいるのか? まぁ、直接その店員に話を聞けば済む話だよね。もし店員さんが美人だからとかだったら思いっきり足を踏みつけてやろう。 そう思ってあたしは正義の元へ駆け寄る。
でもいつだって神様は残酷だ。かつてこれ程ほどまでに偶然を呪ったことがあるだろうか。 ――だって再び出会ってしまったのだから。 「ねぇ、これどう思う?正…よ……し………」 そこから先の言葉をあたしは口から出すことが出来なかった。 何故なら―― 「お、戻ってきたか。俺は昨日会ったばかりだけどお前は久し振りだよな?」 のんきに笑顔で彼女を歓迎し、あまつさえあたしと彼女を引き合わせる正義。 今はその眩しい笑みが本気で憎い。 彼の隣には可憐に咲く花のような笑みを浮かべてあたしを見つめる少女の姿があった。 一年前よりも彼女はさらに美しく、女らしく成長していた。 しかし、相変わらずねっとりと熱の篭った視線で正義を見つめる所は、憎たらしいことに少しも変わっていなかった。 「お久し振りです、佳奈ちゃん。元気にしていましたか?」 ――そこには一年前あたしが欺き、陥れ、切り捨てたはずの忌々しい過去の亡霊がニコニコと微笑みながら立っていた。
投下終了です 書き忘れましたが、これは「Rouge?Blanc?」の続編です あとトリは付けた方がいいですか? 付けた場合、過去に名無しで投下した作品は申し出れば追加していただけますか?
GJ!! 鳥はつけた方がいいと思う。
>>403 GJ。待ってました。
鳥は無いよりあったほうが良いかと
>>403 佳奈美が一人悶えてるエロ部分よりも、
泥棒猫をどうやってなぶり殺しにするかを考えている所に萌えてしまった俺ガイル。
続きキターーー!!GJ!次たのしみにしてます
ぐっじょぉぉぉぉぉぉぉぉぶ!!! この戦いはwktk感がすげぇwwwww 次回も待ってます!!!
続き書かれないと思ってたからめっちゃ嬉しいぜ!!
待ってた甲斐があった!
GJするしかない!
じーじぇい!
鈴音キター! みなぎってきたぜ!!
>>403 GJ!!
さあ、次はどんなバトルが……?と期待しまくりだ。
>>403 超GJ!!
テンション上がってキタアァ!!
佳奈美の病状も悪化してワクワクしてきたぜGJ!!
vipper死ね
あの人を狙う雌豚は皆死ね
金持ちヤンデレと同居する男 ヤンデレの親からの仕送りで十分食っていけるのに、 男は「いつまでもお前のお父さんに頼っていられない」といってバイトへ出かける。 たまたま外出して、男の後をつけていくと、そこには懇ろに男と話をする女の姿が――
すばやく護身用のコンバットナイフを確かめる。 ―――殺れる・・!ッ・・・。 気配を消して、そっと女に近づく。 女「男君って彼女とか居るの?」
男「いないよ、今度ウチに来る?」 女「うん」 背中を刺すような気配を感じたが男は気にしない。 男(やれやれ、あとはいかにしてヤンデレを外出させるかだな)
雌猫さん死亡フラグ全開ですね
なんで猫なんだろうね
「この泥棒猫!」から来てるんじゃね ヤンデレが「雌豚」って言うと少しアレだが「雌猫」ならなんだか可愛いげがある希ガス
雌猫でくぐったら、排卵日がなく交尾が成功した場合90%が妊娠するらしい あと発情期とかも関係あるんじゃないか?
単純にさかる動物として身近だからでは。 春になればニャーニャー鳴きまくってうるさい。 猫は雄のペニスに逆さ向きにトゲがついていて、 射精後に抜くときに膣内をひっかく。 その強い痛みで排卵をする。
このどろぼうぬこ! なんか可愛くなった
私の秋刀魚を返しなさい!
>>431 「私の秋刀魚=愛しい○○君(のお○んちん)」という意味ですね分かります
わんわんお(∪^ω^)
(∪^ω^)アルトくぅ〜ん
顔文字きめぇ
ヤンデレメイドに明日デートの旨を伝えたい
ぽけもん 黒投下します 第十話です
食事を終えた僕たちは、部屋に荷物を取りに戻るとそのまま桔梗町に向けて出発した。 三十番道路はお使いのときに一度通ったということもあり、実に順調な行軍だった。ただ、そこまで早く進めているわけでもない。完全に僕が足を引っ張っていて、全体の速度を落としている。ただの人間である僕には、二人の速さにはとても合わせる事が出来ない。 それと、以前のようにトレーナーを避けるのが難しくなってきたというのもある。今までは向こうも戦いに消極的だったっていうのもあるけど、全国の旅となれば当然、各地区にいるジムリーダーと戦っていかなくてはならなくなる。 トレーナーとパートナーを相手にした戦闘はジムでの戦いに向けた絶好の予行演習になる。それに、ここまでの旅で野生のポケモンとの戦闘に慣れて、自信がついてきたというのもあるんだろう。 すれ違うトレーナーは皆バトルに積極的だ。相手に見つかったら、問答無用でバトルを申し込まれてしまう。 ……まあ香草さんの相手にもならなかったんだけどね。ポポに空から降りてきてもらう必要も無く、僕が一切手出しを行う必要が無いくらい、瞬時に相手を戦闘不能まで持っていってしまう。 今まで野生のポケモンとしか戦ってなかったから香草さんの強さは半信半疑だったんだけど、香草さん自身が言うとおり彼女はまさに無敵という言葉がふさわしいような強さだった。 バトルに負けた相手は勝った相手に所持金の半分を差し出さなくてはならないと決まっているので経済的にはおいしいんだけど、なんだか罪悪感が積もる。 それでも日没までに三十番道路の終わりのほうまで進むことが出来た。ポケギアのGPSによる判断だから、実際に残りの道がきつい上り坂だったりすると、全然終わりのほうと言えないんだけどさ。 香草さんとポポはまだ進めると言ったが、ポポは相変わらず夜目が利かないため、やはりここで止まることにした。 若葉町から吉野町までの行軍で前よりも大部進むペースが速くなっているから、すべての食事を木の実に頼らず乗り切れるということに気がついた。でも、やはり食料を節約するに越したことはないので、以前のように朝食だけは木の実で賄うことにした。 いつものように香草さんとポポに挟まれ、夜を明かすと、また桔梗市へ向けて進む。その途中で、生垣に突き当たった。 両脇や周りは太い木が群生していて、下手に入ると危なそうだけど、ここだけ木の向こうは獣道のようになっていて迷わないようになっているから、この生垣を何とかできればかなりのショートカットが出来そうだ。 「こういう場所で居合い切りを使うのかな」 「居合い切りって?」 足を止めて考えていた僕に、香草さんが問いかけてくる。 「剣の達人とかさ、これくらいの藪とか細い木とかスパーンって斬っちゃえるんだって。シルフカンパニーが秘伝マシンを開発したらしくて、ポケモンは簡単に覚えられるみたいだよ。もちろん、覚えられないポケモンもいるらしいけどさ」 でも僕は居合い切りの秘伝マシンなんて持っていない。というか技マシンの一つも持っていない。僕の小遣いで買えるような安価なもので、特に必要のある技マシンがなかったというものある。 「あら、そんなものいらないわよ。見てなさい」 香草さんはそう言うと、両袖からそれぞれ数本ずつ蔦を伸ばし、それを束ねた。そのまま両腕を胸の前に交差し、強く左右に薙いだ。 一閃。――いや、二つの束だから二閃なのかな、まあそんなことはどうでもいい――彼女は一瞬の内に幅数メートル、奥行き数メートルの生垣を一掃した。 ……こういうのって、ありなのかなあ。 僕はただただ、彼女の破壊力の高さと非常識な発想に呆れるしかない。 「どうしたの、間抜けな顔して。早く通らないとまずいわよ、コレ」 香草さんに言われてみてみれば、薙ぎ倒された木々の切り口からはすでに木の芽が生え始めており、全体が急速に再生しつつあった。 そもそも、居合い切りで切れるような木というものは一部の人間の通行だけを許す自然の扉なのだから、こうでもならないと使われたりしないだろう。しかしそれが分かっていても、映像として目の当たりにすると驚かされてしまう。 僕は先を行く香草さんの後に続いて、慌ててその道を抜けた。ポポはそもそも空を飛んでいるから地上の木々など問題なく飛び越せる。
でも、このお陰で大きくショートカットに成功したのは事実だ。タウンマップによると、この道を通っていくと「暗闇の洞穴」を素通りしてしまうのだけど、 そこは真っ暗で、秘伝マシンの「フラッシュ」を使用されたポケモンがいないと何も見えないほどの暗さだということだし、そもそも最短ルートからは外れているからもともと立ち寄らないつもりだったので問題は無い。 僕らはそのまま三十一番道路を走破し、日没前に桔梗市へとたどり着いた。出来るだけ二人のペースに合わせていたから、疲労で足が折れそうだ。 この町を回るのは明日にすることにして、すぐさまポケモンセンターに行って手続きを終えると、その日はそれ以上のことはしなかった。ちなみに、ポケモンセンターの内装は全国すべて共通のようだ。 というのも、このポケモンセンターの内装が吉野町のものとまったく変わらなかったからだ。 初めてでも迷う心配が無いので便利というか安心というか、そういう意味で言えばそのとおりなんだけど、まったく違う場所なのにまったく同じ施設を建てる、というのも無駄な気がしなくもない。 外と変わらず、僕らは一つのベッドに三人で固まって寝ている。正直言って狭い。でも二人がこうじゃなきゃ嫌だというから、しょうがなく妥協している。 翌日は早朝から市内を巡ってみることにした。ここ桔梗市はさすが古都と言われるだけあって、町並みも建物も中々に趣がある。ポポは町並みにはあまり興味が無いみたいだったけど、香草さんは目を輝かせていた。 尋ねたら「ロマンチックで素敵」ということだ。確かにいい街なんだけど、いつまでもブラブラしているわけにもいかない。そもそも、市内探索だって半ば日が高くなって香草さんが本調子になるまでの時間潰しみたいなものだし。 この街には、「マダツボミの塔」と呼ばれる、古い塔がある。風もないのに大黒柱がゆっくりとだけどユラユラと揺れるとても不思議な塔で、この街の一番の名所になっている。一説によると、巨大なマダツボミが塔の柱になったから揺れているのだとか。 この塔はもともと修行のために建てられたということで、現在も多くの僧が修行に励んでいる。 僕がこの塔に来た目的は観光でも――観光という意味も少しはある――修行でもなく――そもそも僕らは僧侶じゃないしね――、この塔の最上階まで行くと秘伝マシンの一つ『フラッシュ』がもらえることになっているからだ。 秘伝マシンは戦闘に役立つものは少ないが、先に進むには無くてはならないものが多いため、是非とも手に入れたい。 というわけで、僕たちはマダツボミの塔へと乗り込んだ。 入り口から真正面にその例の大黒柱はあった。確かに、ゆっくりと揺れている。その大黒柱を囲うように座禅を組んだ修行侶が数人座っていて、なにやら物々しい雰囲気を醸し出している。 その修行僧さんの集団と目を合わせないようにしつつ、どんどん階段を上っていく。すると途中で修行僧さんに声をかけられ数回戦闘になった。 修行さん僧のパートナーのポケモンはみな揃ってマダツボミばかりだ。相性の問題を考え、全戦ポポで戦ったが、香草さんは自分でも楽勝なのに、と道中不満げだった。 そしてあっという間に最上階。そもそも五階建ての塔だから、上るのにそんなに時間はかからなかった。 その階の一番奥に、「長老」と呼ばれる老僧がいた。彼の後ろには箱が山積みにされている。アレがフラッシュの秘伝マシンなのだろう。 「よくここまで着ましたな。では、あなたが秘伝マシンにふさわしい人間か、テストをさせて頂きます」 長老さんは威厳のある、渋い声でそう言うと一歩後ろに下がる。すると脇に控えていたマダツボミが前に出た。精悍な顔つきをした、たくましい男だ。 「彼と戦って、三十秒以上気絶せずに耐えることができたら合格です。三十秒以内に気絶した場合は不合格ですよ」 その長老の言葉に合わせるように、マダツボミは大胸筋をピクピクと震わせた。 これは油断できないかもしれないな。
支援
油断する間も無かった。 念のため、戦闘を行っておらず体力が温存できている香草さんに戦ってもらったのだが――ポポは当然ごねたけど、いつものように宥めた――、秒殺、いや、瞬殺であった。 足元に放たれた蔦の一閃を避けた敵に突き刺さる容赦のないボディーブロー、そしてそれによって生じた一瞬の隙をついて蔦で上空へ放りなげる香草さん。 相手は一切の防御も反撃も取る間もなく、空中という飛行能力を持つ生物以外には回避不可能な領域で、蔦による情け容赦の無い無数の突きを加えられた。彼が地上と再会した頃には、もうすでに彼の意識は無かった。 落下してきたマダツボミによって巻き上げられた粉塵が引いてくると、そこから赤く輝く鋭い双眸が浮かび上がる。 長老さんは完全に引いている。えらいもん見ちまった……みたいな顔をしている。 「三十秒もたなかったみたいだけど、どうなの?」 香草さんの、研ぎ澄まされた刃物のような言葉を向けられて、長老はビクリとその身を震わせる。 「ご、合格です、おめでとう。これが約束の秘伝マシンだから……」 しかしさすがは年の功、と言ったところか。香草さんの睨みを意にも介さず……というのはさすがに無理なようだが、それでも自分に割り当てられた使命を果たそうとしている。僕だったら怖くて声もかけられないだろう。 「ど、どうも」 香草さんにこのまま荷物を受け取らせるのはなにやら危険な気がしたので、僕は自分から進み出て長老からダンボールの小包を受け取った。 「どうゴールド! 見た!?」 香草さんは先ほどの気迫はどこへやら、嬉々として僕に尋ねてくる。 「う、うん、すごかったよ」 一部速過ぎて見えなかったけどね……。 「当然でしょ! 私、ゴールドを相手にするときはいっつも手加減してるんだからね!」 彼女は誇らしげに胸を張ってそう言った。 確かに、蔦の速度といい、容赦の無さといい、僕に向けられるそれの比ではなかった。一応、乱暴ではあるものの、彼女なりにパートナーである僕を気遣っていたのだろう。 つい先日のことが思い出されてゾクリとする。あの状況で彼女にも僕にもなんの怪我もなく逃げ切れるなんてとんだ思い上がりだった。僕の持っている、出来れば使いたくは無い道具すら総動員しても、 彼女の初手に対応できない限り一切の活路はない。そういう意味では、あそこでおとなしく香草さんが引き下がってくれて本当によかった。きっとあの状況だと、香草さんがその気になれば僕は今頃五体満足ではなかっただろう。 尤も、ポケモンセンターの中でそんな大きな騒ぎを起こした時点で彼女の負けなのだが。 「坊や、少しばかりお話よろしいかな?」 帰ろうと振り向いたとき、後ろから長老さんにそう声をかけられた。穏やかな口調だ。もうすっかり冷静さを取り戻しているようだ。 再び振り向いた僕は、彼の様子から「二人きりで話したい」ということを感じ取った。 「香草さん、ポポ、先に降りててくれるかな。もう修行僧さんは皆倒したし、一本道だから大丈夫だよね?」 僕は二人にそう声をかける。 「どうして?」 香草さんは怪訝そうだ。 「長老さんと、二人きりで話したいんだ」 「話だけなら、私がいたっていいじゃない」 「ホホホ、お嬢ちゃん、男には女性に聞かれたくない話というものがあるのですよ。君がこの少年を好きなのは分かるがの」 長老さんは冗談交じりにそう言った。 「べ、別にそんなんじゃないわよ! ただパートナーとして気になっただけよ! いくわよ! ポポ」 香草さんは慌てて、ポポを引きずって階段を降りて行った。 たとえ事実でも、そこまで強く否定しなくても……。 若干へこんでいた僕に、長老さんは急にまじめな顔になって話を切り出す。 「さて、本題ですが……あの嬢や、只人ではないでしょう。あんな恐ろしい目は、そうそう見るものではありませんからの」 「目?」 想像だにしていなかった言葉に、僕は思わず鸚鵡返しに聞き返す。 「そうです。あの目に宿った影。あれはいずれ彼女自身を傷つけ、そして、君にも被害を及ぼすでしょう。あの影は、いつか無実の人を殺す」
殺す、という物騒な単語に僕は驚いた。 長老さんが何を言わんとしているか、いまいち飲み込めない。目とか影とか被害を及ぼすとか……香草さんは確かに乱暴なところはあるけど……。 「彼女は決して悪い人間ではありません。彼女の強さでそう思ったのなら、それは見当違いです。彼女の強さとか、決意には理由があるんです」 「ゴールドさん、と言いましたかの? 今はまだ正気を保っていても、誰があの嬢やが変わらない保障できるのです? その力が、その目的以外に振るわれぬ保障など、誰も出来はしないのですよ」 何なんだ一体。香草さんを侮辱したいのか? 一方的に自分のパートナーが倒された腹いせか? 僕はだんだんいらいらしてきて、つい語気が荒くなる。 「長老さん、あなた、さっきから何が言いたいんですか! そんなに彼女を悪者にしたいんですか!」 「私は見てのとおり、老いさらばえておりますが、まだ耄碌してはおりませぬ。私は今まで無数の人を見てきた。 老いてこそ身につく能力というものもあります。ゴールドさん、あなたは彼女をしっかりと見守ってあげなくてはなりません。彼女を止めれるのは、一番近くにいるあなたに他ならないですからの」 長老さんは、僕に無礼な態度をとられたというのに、あくまで冷静だった。なにやら達観しているような、淀みの無さを感じる。 僕は無言で彼を睨む。しかし彼はそれをまったく意に介していないように続けた。 「ただ、あの嬢やの傍にいてあげるだけでいいのです。ゴールドさん、この老いぼれの言葉、努々忘れてはなりませんぞ」 「……ご高説どうも。では、僕はもう行きますので」 「待ちなさい。最後に一つだけ、これを持って行きなさい」 長老はそう言うと、懐から鈍色の、人差し指をふた周りくらい大きくしたような筒を取り出し、僕に差し出した。 「……なんですか、これは」 僕はそれを一瞥すると、それを受け取りもせず、長老を睨む。 「これが何か、は時が来ればおのずと分かりましょう。これを肌身離さず持っていなされ。きっと、ゴールドさんの助けになるでしょう」 そう言う彼の表情は真剣そのものだった。 あれだけのことを言われておいて、彼から何かを受け取るのは癪な気もするけど、彼が懐から取り出したということはおそらく持ち主に害を及ぼすものの類ではないだろう。もらっておいても損はないはずだ。 僕は無言でそれを受け取り、胸ポケットに収めた。 あなたの旅の息災を祈っております。その長老の祝福を背に、僕は階段を降りた。 外の明るさに、目を細める。 「早かったわね」 僕がものをちゃんと見えるようになるより前に、香草さんに声をかけられた。穏やかな笑顔をしている。これが、人を殺す者の顔であるはずがない。 「うん、大した話じゃなかったんだ」 「……で、結局どういう話だったの? あ、別に女の子には言えないような話が何か気になるとか、別にそういうんじゃないわよ!」 今も慌てて頬を染めて否定している香草さんが、悪い人間なわけが無いじゃないか。 「別に、旅の無事を祈る、みたいなくだらない話さ」 僕は半ば笑い飛ばしながら言う。 そう、くだらない話だ。 「そう、ならいいけど」 「……」 「どうしたの?」 「いや、疑わないのかな、って」 以前の香草さんなら、そんなの嘘でしょ! 馬鹿にしてんの!? くらいは言ってきただろうに。 「だって、もう私に嘘はつかないって約束したでしょ?」 香草さんはキョトンとして僕に尋ね返した。 「……そんな約束したっけ?」 そういえば、この間、もう私に嘘はつかないで、みたいなことを言われた記憶はあるけど、あれはあの場限りの話だと思ってた。 「したわよ」 煮え切らない口調の僕の迷いをぶった切るように、香草さんははっきりと言い切った。 「……したかもね」 「もし嘘ついたりしたら……酷いんだからね」 そう言って彼女は意地悪げに口の端を吊り上げる。もし彼女が蛇で僕が蛙なら、今頃恐怖で悲鳴すら上げられなくなっているだろう。 「はい、よおく覚えておきます。絶対に嘘をついたりはしません」 「よろしい」 僕の大仰な返事を受けて、彼女はにへーっと笑った。 「ゴールドと香草サンばっか楽しそうにしててずるいですー! ポポ寂しいですー!」 と、いきなり今までまったく話に加わっていなかったポポに飛び掛られた。 「ご、ごめんね」 僕はポポの頭を撫でながら謝る。しかし、今度は香草さんから鋭い視線を感じる。 う……こっちを立てればあっちが立たずだ。香草さんは一体何が気に入らないんだろう。 僕はただ、苦悩させられるばかりである。
以上で投下終了です 当初は十話、約十万字程度で終わらせるつもりだったのが気がついたら十話でもまともにヤンでいないというのは一体どういう(ry どうかおおらかな心でお願いします
GJ、そして乙。 香草さんは十分ヤ(ry
リアルタイムGJ! 香草さんはもう片足以上危険ゾーンに突っ込んでると思う
GJ だが香草さん無双すぎだw彼女が暴走したとき止めれる奴いるのか
同じ草タイプなのにマダツボミ可哀想すぎるw GJ!
GJ!! 相手が弱点属性じゃなければ香草さんほぼ無敵だなw
弱点属性であれば追い詰められてゴールドのためにさらに覚醒というのが見えそうで・・
サブタイトル酷すぎwwワラタwww GJ!
乙です てっきり長老の頭が30秒フラッシュするのかとおもたww
GJ! 十話どころか百話でも読んでいたいです! 殿堂いりするまでじっくり描いていただけたら嬉しいです。
GJ!! 毎回楽しませてもらってますw
GJ!ついにマダツボミのとこへw
「他の女に触っちゃだめ! 近づいちゃだめ! 同じ空気吸っちゃらめえええええ!!!!」
最後のはどうしろと…
常に人工呼吸ってことだろ
ヤンデレは自己中
鳥付けてみました
>>436 を見ていたら妄想が止まらなくなってしまったので、
流れぶった切って投下です
「俺さ、明日デートの予定あるから夕食の用意はしなくていいよ。彼女とどこかで食べてきちゃうから」 いつも一緒に日々を共に過ごしてきた家族同然のメイドに向かって、彼女の雇い主である男は喜々とした表情で意中の相手と明日デートすることを話した。 彼は長らく思い続けてきた女性に勇気を出して、 「よ、よかったら明日一緒に遊ばない?」 と今日ようやく言うことができた。 突然そんなことを言われて彼女も最初は戸惑っていたが、少し考え込むと 「うん、いいよ!でも、約束破ったりしたらひどいんだからね?」 と可愛らしく微笑みながら答えてくれた。 今その光景を思い出すだけでも顔が自然とにやけてしまう。主人としての威厳が。 しかし、明日のデートを想像するとどうしても頬が緩むのを抑えられない。 ニヤニヤと明日のデーットへ思いを馳せている主人を余所に、メイドの少女は顔も向けずに抑揚のない声で答える。 「旦那様。その件ですが、先方からなかったことにして欲しいとの連絡がございました」 「え……?だって今日『いいよ!』って言ったばっかりで……」 先ほど約束したばかりの彼女がいきなりそんなことを言うとは何事だ。 驚き、慌てて彼女の方を振り返ると彼はかすかな違和感を覚えた。 デートは中止にするとの旨の電話が掛かってきたと彼に伝えた彼女の顔はあまりにも無表情で、能面か何かのようだった。 「旦那様……女中風情の私が申すのは差し出がましいことでしょうが、あの御方と交際なされるのはあまりよろしくないかと。 旦那様は何よりも気高く、何よりも麗しく、何よりも優しい心をお持ちになった素晴らしい御方です。 その貴方様がせっかくお誘いになられたのに、それを軽々しく袖にするとは見下げ果てた方です。 そう、あんな女など……しまえば……いえ、何でもございません」 今男に対して忠告、あるいは警告をしている彼女は確かに普段と違っていた。 彼の話を楽しげに聞くいつもの穏やかな表情は今の彼女にはどこにも窺えない。 むしろ、そう……まるで激しい怒りを吐き出す寸前で何とか平静を保っている危うい顔をしていた。 端正な顔を眉一つ動かさずに淡々と喋り続けるその姿に違和感を覚える主人を置いて、彼女は冷たい口調で話し続ける。 「とにかく。旦那様には自分が騙されているかもしれないという自覚が足りていないように見受けられます。 旦那様はとても立派な御方。それ故に身の程知らずの恥知らずな女性達が、常日頃、息を潜めて貴方様を狙っているのです。 それに昔から『女心と秋の空』と言われるように、女の抱く思慕の情など移り気なもの。 もし、旦那様の眼鏡に適うような女性と交際をすることになっても、その方が本当に貴方様のことを想っておられる保障などどこにもないのですよ? 思慕の情を持たない相手にも金次第で簡単に股を開き、相手に飽きたら次々と交際相手を乗り換えるという呆れた女性達が世間には蔓延っているようですね。 一片の穢れもなく、清らかな身体のまま健やかに育ってきた旦那様にとってそのような方達は毒以外の何物でもありません。 彼女達に気を許したら最後。きっと貴方様を悩ませ、苦しませ、全てを蝕み、元の色が分からなくなるまで汚し、そしてボロ雑巾の様に捨てるでしょう。 決して貴方様をそのような不埒な輩に渡すわけにはいきません。そう、例え何があっても絶対に……」 過剰なほどに自分の主を褒めちぎり、それとは逆に今の女性が低俗な恋愛観を持っているかを力説する彼女の顔は俯いていてよく見えない。 だが固く握り締められたこぶしはプルプルと震え、彼女が何かに対して怒り狂っていることは男にも分かった。 しかし、彼には普段あまり感情を表に出さない彼女が一体何に対してそこまで憤りを感じているのかまでは理解できなかった。 最も理解していたところで彼の運命は変えることはできなかったに違いない。
「どうしてもとおっしゃるなら、旦那様にそのような女性達の思惑を見抜き、誘惑に誑かされぬ屈強な精神を作っていただく必要があります。 そう……例えばこんな状況になったら旦那様はどうなされますか?」 言い終わって顔を上げた彼女は笑っていた。 いつも一番傍にいて、最も多くの時間を共にした男でさえ見たことのない妖艶な暗い笑みを浮かべて。 そして彼女は身に纏うメイド服に手をかけ、ゆっくりと一枚一枚丁寧に衣服を脱ぎ捨てていく。 まるで飢えた男を挑発するかのような淫らな動きを彼の目に焼き付けるために。 均整の取れた美しいプロポーションをメイド服の下に隠していたが、今それは月明かりの元に全てが曝け出されている。 メイドの思惑通り、自分の主人はただポカンと口を開いたまま、視線を外さずに食い入るように見つめることしかできなかった。 その様子を見て、一子纏わぬ生まれたままの姿になった彼女はおかしそうにくすくすと笑い声を漏らす。 「さぁ、旦那様。こうやって体を使って迫るような悪いオンナは早く振り払ってください。ほら……」 そう言うと彼女は出来る限り素早く、しかし主に痛みを感じさせぬように優しく押し倒す。 突然メイドが衣服を脱ぎだし、自分を誘惑するかのような行を目の当たりにして、半ばパニックになっていた彼は、あっと言う間の出来事に抵抗することも忘れていた。 ふと股間の当たりに甘い痺れが走る。気が付くと彼女が浅ましくズボンの中で暴れる彼自身を、布越しから愛しそうに撫でていた。 「ダメじゃないですか。こんなに大きくしてしまっては。これではやめろと言っても説得力の欠片もありませんね?ではこのまま続けます」 彼女は嬉しそうにズボンの中に窮屈に押し込められていた彼の愚息を取り出す。 本来自分に使えるメイドである少女に今は良い様に弄ばれているというこの状況に、彼の肉棒は痛いほど反応していた。 「素敵です、旦那様……いつまでも子供と思っていたらこちらの方もすっかりご立派になられて……私は嬉しいです」 恍惚とした表情でうっとりと顔を赤らめるメイド。最早その瞳は焦点を結んでおらず、情欲に潤みきっていた。 彼女の熱い吐息が男の肉槍にかかり、ひんやりとしたその細い指が決して逃さないように絡みつく。 その度に彼は情けない嬌声を漏らし、ビクンと身体を跳ねさせる。 「そう……これでいい……旦那様の純潔がどこぞの薄汚い泥棒猫に奪われるくらいなら、私が……」 自分が使えている主人のあられもない痴態を見て、彼女はとても満足そうに呟く。しかし、その声はまるで呪詛を唱えた様に低かった。 のそのそと体を起こし、仰向けに横たわる自分の主人の上に覆いかぶさる体勢となる。 そして、彼女は腰を浮かすと熱くそそり立つ彼の一物を掴み、自身の秘所へと導く。 既にそこは男と男そのものを欲しがるあまりに、溢れ出る蜜が糸を引くほどに熱く潤っていた。 最早彼女は我慢の限界に達していたが、わざとその蜜壷の中に彼を招待しようとはしない。 「んっ……入れたいですか、旦那様?いいですよ。たっぷりとこの卑しい召し使いめの肉壷の中にたっぷりと子種をお吐き出しになってください。 でもちゃんと言葉にして誓ってください……あのような端女のことなど忘れて、私のことを愛すると……そして、死が二人を分かつその時まで私を愛し続けると……」 彼に脅迫としか思えない言葉を投げかけ、入り口を怒張した陰茎の先端で軽く擦る。 だがその熱く潤った花弁の奥への侵入は決して許さない。焦らしているのだ。 その生殺しともいえる悪戯に男は情けない声で呻くのみ。 彼にはもう主人とメイドの禁じられた関係などを気にしている余裕はない。 『早く入れさせてくれ!!』『精液を吐き出して楽になりたい!!』 完全に性欲に支配された男の頭では、目の前で意地悪く微笑む少女の体内に自分の分身を埋めることしか考えられなかった。
「―――!!」 とうとう耐え切れなくなった彼は息も絶え絶えに彼女に向かって何かを呟く。 まるで囁くような掠れた声だったが、彼女の耳は決してその言葉を聞き逃すことはなかった。 やっと彼女が大事に育ててきた想いが報われた瞬間だった。 彼女の顔に満面の笑みが広がる。しかし、それはあまりに美しく、妖しく咲き乱れていた。 もう誰にも渡さない。一生離さない。旦那様は私のものだ。 今は快楽に支配された体だけの淫らな繋がりかもしれない。しかし、いずれは心も私の虜にしてみせる。 そして、私にはその自信がある。何故なら彼をこの世で一番愛しているのはこの私なのだから。 「旦那様、愛しています……」 そう言って彼女は今日見た中で最も美しい笑みを浮かべ、彼の唇にそっと口付けをする。 彼女にとってそれは誓約であった。自分は男を愛し、男は自分だけを愛するという誓いを互いの体に、心に刻み付ける。 そして、彼女は最後の仕上げとして彼の熱く滾ったペニスを彼女の入り口にあてがうと、一気に腰を落とした――― その後、主人である男とメイドの少女は忽然と屋敷から姿を消した。そして、彼らの姿を見た者は誰もいない。 ただ一つ言えることは、かつてただのメイドにしか過ぎなかった少女はあの日、この世で最も幸せな女になったということだけである。
投下終了です 前は皆さんにワッフルさせたり、大作の後がこれとか色々とスイマセン……
>>463 メイドさんに俺から精一杯の祝福を贈りたい。
GJ!
俺もデーットしたいぜ
しかしデーッドにもなる
そろそろクリスマスだな おまえらの予定はどうよ?
>>463 これは良いメイド
しかし振られた女の子の逆襲も見たくなってしまったw
>>デーット なんというミス これはまちがいなくねたにされる と思ってたら本当にされてたorz 直せるものなら直したい しばらくROMってます……
保管庫に訂正して保管してもらえばいいんじゃない?
>>470 そうですね……
保管庫の管理人さんへ
もし見ていたら他の誤字脱字はともかく、
>>460 の12行目にある「デーット」だけはどうか「デート」に直していただけないでしょうか?
厚かましいお願いですが、どうかよろしくお願いします
wikiなんだから自分でやれよ
まあまあ 自分の作品を自分で載せるのは抵抗がある人もいるし それに誤字と言っても無理に訂正する必要もない気もするけどな たいていの作品に一個や二個は誤字脱字はあるものだし
GJ! いいなぁ…メイドいいなぁ…
自演乙
自演ではないが… ヤンデレの彼女が欲しい…
みんな欲しいよ!
>>477 一番大切なものって、案外すでに持ってたりするんだよな
貴方の身辺の水面下で何が起こっているか把握したらあるいは…
昔ちょっとヤンデレ気味の娘と友達以上恋人未満な感じだったんだが リアルに恐いと感じたことがあった……
惜しい事を。 でも、今このスレに居るという事はその娘のことを忘れられないんだろ? 今すぐよりを戻せ。骨は拾ってやるから代わりに観察させろw
馬鹿だな。骨の一片まですべてあの子のものに決まってるじゃないか。俺達が手に入れられるわけが無い よって骨も拾ってやれないが行ってこい
いや待て、
>>481 は「骨を拾わせる」という名目で
>>482 を誘いこむ為のヤンデレ娘の罠ではないだろうか
嫌な流れ
486 :
482 :2008/12/08(月) 21:36:47 ID:QUfeXmiD
ちょっと、骨拾ってくる。ノシ
ムチャシヤガッテ……(AA略
ヤンデレの彼女が家にいない間に他の女を家に呼びたい スリルショックサスペンス
俺なんかヤンデレの彼女を大事に大事にしてみたいぜ。 でも相手からは俺の身体に触れさせないぜ!
第8話投下します。
飛鳥くんに拒絶されて、何がなんだかわからなくなった私はただ、子供のように泣きじゃくっていた。 視界がぼやけ、床が生き物のようにぐにゃりと歪む。立つことすらままならない。怖くて寒気がとまらない。今の私はそんな状態だった。 「…だから言っただろう。もうよせって。」 男の人の声がした。この声はたしか…斎木くんだったかな? 「私…もうだめだよ。飛鳥くんに拒まれてまで生きていたくなんかない。」 実際その通りだった。もしこの場にカッターナイフがあれば手首を縦に切り裂き、縄があれば迷わず首をくくれる。…もう絶望しきっていた。 でも、斎木くんはこう言った。 「結意ちゃんは悪くないよ。飛鳥ちゃんはきっと騙されてるんだ。」 「…だまされてる?」 「そう、騙されてる。きっと妹ちゃんにでもそそのかされたんだろ。でなきゃ突然あんなこと言ったりしないさ。」 斎木くんの言葉は魔法のようだった。今の私はそれを疑う術も、余裕もない。むしろ、私にとってその言葉は救いだった。 「…そっか、そうだったんだ。まったく…しょうがないなぁ飛鳥くんってば。それなら早く言ってくれれば良かったのに。でももう大丈夫だよ。」 そう、もう大丈夫。どうすれば飛鳥くんを解放してあげられるか気付いたから。 そんな悪い娘、死んじゃえばいいんだよね。わかってるよ、言ったでしょ? 「私、飛鳥くんの為ならなんだってできるんだよ?」
* * * * * 結意ちゃんのほうはこれでよし、と。次は飛鳥ちゃんのほうだ。一応確認しとかなきゃいけないな。 おそらく…亜朱架さんがやったんだろう。あの人はそういう人だ。結意ちゃんもそうだけど亜朱架さんの愛情も、狂気じみたものがある。 わざわざ研究所を逃げ出してまでここに戻ってきたのは、たぶん結意ちゃんのせいだ。まったく…女のカン、ってのはつくづく厄介なものだよ。 「結意ちゃん。」俺はもう一度声をかける。「俺、これから飛鳥ちゃんのとこに行くけど、良かったらその弁当渡してきてあげるよ。」 「いいの?」 「ああ、たぶん結意ちゃんが行くと迷惑になっちゃうよ。帰ったらきっと妹ちゃんにお仕置きされちゃうんじゃないかなぁ?だから俺が行ってきてやるよ。」 これはもちろん嘘だ。妹ちゃんが飛鳥ちゃんに通常はあってはならない好意の抱き方をしていることは知っているが、実際にはまだそこまでは達してないはず。 亜朱架さんがいるから、まもなくそうなるかもしれないけどな。 「じゃあ、お願いするね。」結意ちゃんは弁当箱を預けてきた。俺はそれを受け取り、飛鳥ちゃんのもとへ向かった。 飛鳥ちゃんはやはり屋上に来ていた。この学校内で教師の目に付かない、サボりに適した場所といえばおのずと限られてくる。 今でちょうど三時限目のチャイムだ。どうせ渡すなら空腹がピークに達する昼時がいいだろう。 場所さえ確認できていれば、すこし寄り道しても問題あるまい。俺は屋上を離れ、人気のない旧校舎に足を向けた。 周りに人がいないことをよく確認し、俺は携帯を取り出した。電話帳から呼び出した番号は、飛鳥ちゃんの自宅だ。 「…もしもし、神坂ですが。」 やはり。この幼い少女のような…それでいてどこか知性が感じられる声。間違いない、亜朱架さんだ。 「お久しぶりですね、亜朱架さん。斎木です。」 「…あら、隼くん。どうしたの、今は授業中じゃあ?」ある意味当たり前の質問だ。 「亜朱架さんも人が悪いな。サボってるのわかってるくせに。」 「そうね。で、サボってまで電話してきて…なんの用件かしら?」 「では単刀直入に…飛鳥ちゃんの記憶をいじりましたね?」さて…亜朱架さんはどう答えるだろうか? 「ええ。飛鳥には悪いけど、あの結意っていう娘のことをちょっと忘れてもらったわ。」 「何のためにです?」 「あなたもわかっているんじゃなくて?妹のためよ。」電話口でひとつため息をついて、亜朱架さんはさらにこう続けた。 「妹の幸せが私の幸せなの。あの娘が飛鳥を愛していたことはずっと昔に知っていたわ。でもあの娘は飛鳥と2人でいられる幸せを壊したくないから言えずにいた。 飛鳥はあの娘のことを普通に妹としてだけ愛していたし、もし知ればあの娘を拒絶するのは目に見えているしね。だから隠していよう、と決めていたみたい。 でも、あの結意って娘のせいでぶち壊しになったのよ。あの小娘のせいで明日香は傷つけられた。だから、2人からその"傷"を消し去ってやったの。」 おおむね予測どおりの回答だ。亜朱架さんの気持ちはあのときから全く変わって…いや、より強固になったようだ。 「そうですか…でも、今回ばかりは俺も折れることはできませんよ。」 「…今でもあのことを忘れられないの?」 「当然でしょう。忘れられるわけがありませんよ、だからこそ同じことの繰り返しだけはしたくないんです。それでは。」 電源ボタンを押し、会話を強制終了する。今の俺の心境は最悪だ。 亜朱架さんは絶対に結意ちゃんを敵としてみなしているはず。俺にとっても今の亜朱架さんは敵だ。 だけどもう絶対に繰り返さない。でなきゃあ俺はまた失うことになる。俺が唯一愛した、あの人のように。それだけはさせない。
天使のような悪魔たち でお送りします
* * * * * ツー、ツー、と空しい電子音を鳴らす受話器を置き、もういちど今の会話を考察してみる。 まさか隼くんが結意さんについていたなんて……たしかに結意さんはどこか彼女に似ているけど、所詮代わりでしかない。 そんなもの求めたところで何の意味もない。彼もいいかげんそれに気づくべきなんだわ。 でも、私の…私たちの邪魔をするというなら無視するわけにはいかない。最悪、2人とも死んでもらわなきゃいけないわ。 そこまで思案したところで電子レンジのピー、ピーという音が鳴り響く。いけない、まだ昼食の準備をしているところだった。 明日香はテスト期間で今週は帰りが早く、そろそろ戻ってくるはず。さっさと作ってしまいましょう。 まったく…つくづく彼って私の邪魔でしかないわね。 * * * * * 「…ああそういえば、今日は不思議な奴に会ったよ。」 ここは図書室。俺こと佐橋歩は数ある椅子の一つに腰掛け、目前の少女と会話をしていた。話題は、俺が朝がた見張りをしていたときにここを訪れた男についてだ。 「不思議な?それって男?それとも…」 「男だ、心配するな。」 その少女…光は怪訝な表情で性別を尋ねてきた。まったく…こいつは俺が女子と軽く一言二言交わしただけですぐ嫉妬するんだ。 だからまず最初にこれを訊かれるのはもはや毎度恒例と化した。もし女子と話したなんてことになったら、なだめるのが大変なんだ。 「そ、ならいいや。それで、その子は何がどう不思議だったんだい?」と、光が言ってきた。それに対し俺は、 「…視えたんだよ。」とだけ応えた。光にはそれだけで通じるはずだ。誰よりも俺のことを知っている女だからな。 俺は"あの件"以来、自分だけでなく他人の未来も視えるようになった。ただ、それはかなり限定…いや、唯一の最悪な未来だけ。それは、すなわち『死』だ。 朝の彼で7人目になるが、今までの6人は死んでいる。みんな俺の知り合いだ。 たとえば、突然行方不明になった級友の男がいた。そいつの未来は、姿をくらませる前日、学校での別れ際に視えた。 そいつは一週間後に死体で発見された。傍には女の死体がひとつ、寄り添うように在ったそうだ。 他にも、視えた直後に事故にあった奴や……自殺した奴までいた。 この間は、クラスメートの女が後ろから別の女に首を掻っ切られるのが視えた。…そしてどうやらその通りになったようだ。 だから俺は以前より人を避けるようになった。授業をさぼれるだけさぼり、その間は図書室にこもりっきりだ。 ノートは光のを写せばすむし…幸い、俺の見た目は不良そのもの。誰も何も言わない。そうやって、なるべく人と関わらないように。 こんな未来、視たいわけがない。止められない、変えられないのに…それでも、今日また視てしまった。 奴は…神坂 飛鳥といったか。あいつもまた、死ぬ運命にあるようだ。できれば外れてほしいが、恐らく叶わないだろう。 何故なら…俺の予知は"今まで一度も外れたことがない"んだ。ほんと、無駄な能力だよな。
* * * * * 俺はあのあと屋上に来ていた。さすがにこの季節はだいぶ肌寒いが、今更教室に戻る気もしなかった。 そのまま惰性でここに居続け、気付けば四限目の終わりを告げるチャイムが鳴っていた。と同時に俺の腹も鳴る。 「あー…弁当ねえんだったー…、どうしよ。」 明日香のつくった弁当は先ほど結意が持っていた。今から奪い返しに行くのもなんだかあほらしいな。…仕方ない。隼に何か買ってきてもらおう。 俺はメールを打つべく、ポケットを探る。が…携帯はなかった。それもそのはず、携帯は先日壊れたんだった。ちくしょう、なんてこった。 心のなかで悪態をつき、ため息をひとつ。そこでひとつの疑問符が浮かんだ。…そういや、なんで壊れたんだっけ? 「よお飛鳥ちゃん!やっぱここにいたか。」 聞き慣れた声がする。…隼か。 「ああ。腹減った、なんかないか?」期待はしてないが、訊いてみる。 「奇遇だなあ…実はこんなの持ってるんだ。」 隼は後ろ手に持っていた物体を差し出してきた。それは、先ほど結意が持っていた弁当箱のひとつ…怪しい方だ。 「なんでお前がそれを持ってるんだ?」俺は当然尋ねる。こいつがこれを持つ理由なんて思い当たらないからな。すると隼は、 「それは俺が訊きたいねえ?結意ちゃん、泣いてたぜ。何したんだ飛鳥ちゃん?」と返した。やつにしては珍しく真面目な表情だ。 何をしたか…分かりきったことをききやがって。 「簡単な話だ。ああいうのははっきり言ってやった方がいいんだよ。だからそうした、それだけだ。」と、簡潔に答えてやった。 だが何故だ?今の俺自身の言葉はどこか自分を正当化してる気がしてならない。…いや、俺は当然のことを言ったまでだ。悩むことは無い。 その言葉を聞いた隼は、なにやら黙りこくってしまった。……数秒おいて再び唇が開かれる。 「飛鳥ちゃん…結意ちゃんとデキたんじゃなかったのか?」 ―――――はぁ?結意に続いて隼まで…今日は厄日か?俺と結意が…ないない。あんな変態願い下げだ。もし本当にそうだったら何されるんだか…ああ考えたくない。 俺はその思いを隼に伝えた。 「………そっか、そりゃそうだよな。もし俺が好かれたとしても悪い気はしないけど…結意ちゃんは残念としか言いようがないしな!」 わかってくれたか。なら隼、もう結意の名前を出さないでくれ。 あの結意のすがるような姿を思い出すと無性にイライラするんだ。 くそっ…あんなやつ、どうなろうが知ったこっちゃねえはずなのに。 「ところで、これどうする。腹が減ったんじゃあ?」 「あほなことを訊くな。そんな何入ってるかわからんもの食えるか。どうしてもっていうんならお前が食え。」 「…いや、やめとくよ。」そういって隼はブレザーのポケットからパンを数個取り出した。…なんだ、最初からわかってたんじゃないか。 俺は財布から小銭を出して隼に渡し、パンをふたつほどいただいた。
それから2人で他愛のないいつも通りのくだらない話をし続け…気づけば放課後のチャイムが鳴った。 空はオレンジいろに染まり、校門からはぞろぞろと生徒たちがあぶれていく。 「…俺たちも帰るか。」隼が切り出した。俺はああ、と返事をして2人で教室に向かった。 ドアをスライドさせ、教室に入る。誰もいない…と思ったら誰かがひとりいた。 あれは…うちのクラスの生徒会委員、穂坂 吉良の姿だ。 目が合った。穂坂は俺たちのほうへ向かって歩いてくる。 「またサボったんですか?だめですよ、ちゃんと授業に出なきゃ。はい、これ。」 穂坂が差し出したのは今日の授業のノートだ。ちなみに穂坂は俺たちがサボるたびにノートを見せてくれる。 とても字が綺麗なので見てて飽きることはないんだが…毎回毎回、どうしてノートを貸してくれるんだろうか。 以前その理由を聞いてみたら、「うちのクラスから落第点をだすわけにはいきませんから。」と言われた覚えがある。 事実、俺が赤点ぎりぎりの点数を取ったときにはめちゃめちゃ怒られて、強制的に残らされて勉強させられたのは記憶に新しい。 「神坂くんがこんな点数を取ったのは私の責任です!」とかいきなり涙目で言い出したんだ。 ここで断ったら周りの奴らから白い目で見られるだろう。なら、残るしかないじゃないかっ!というわけだ。 そういや穂坂は結意を嫌ってたみたいだが…まあ所詮ストーカー。生徒会委員からしたらきっと汚名でしかないんだろう。そういった意味では落第点も、か? 「ありがとう、参考にさせてもらうよ。」と、とりあえずノートを受け取る。 ちゃんと写さなきゃ、次の日チェックされるからな、こいつに。生徒会委員って、ほんと大変だよなぁ。 「あ、そうだこれ、神坂君にあげます。」すると穂坂は鞄から包みをとり出した。なんだそれは、と訊いてみる。 「私の手作りクッキーです。あ、斎木君のはこっちです。」穂坂は鞄から再度包みを出す。俺のと比較すると、若干地味な包みだが…きっとたまたまだろう。 ちょうど小腹がすいたころだ。さっそくクッキ−をいただくことにした。 サクッ、と小気味いい音を立てつつ咀嚼する。…旨いなコレ。ただ甘いだけじゃなく、なにか不思議な味がする。なんだろう…とにかくウマい。 「うまいよ穂坂。ありがとう。」「ありがとうな、穂坂さん!」俺たちは2人そろって礼を言う。穂坂は照れながら「いえいえ、どういたしまして。」と答える。 さて…ノートも写さなきゃだし、隼と一緒にマックでも行くとしよう。 「じゃ、ノート借りてくな。」 「ちゃんと写してくるんですよ?明日は数学提出ですからね。」 「ああ、さんきゅ。」
* * * * * お兄ちゃん、今日も帰りが遅い。また例のストーカーに追われてるのかなぁ? あの雌猫め…私とお兄ちゃんの邪魔ばっかりして、ほんと許せないよ。 でも一番許せないのは、お兄ちゃん。 呼び方もお兄ちゃんの前では「兄貴」に変えて、私はもうこの気持ちがバレないように必死なのに… お兄ちゃんは変わらず私に優しくしてくれる。もう何度打ち明けようと思ったことか。でもお兄ちゃんはきっと私を選んではくれない。 わかってる。お兄ちゃんの「スキ」はあくまで兄としての「スキ」。私とは違う。 だからせめて、このくらいはいいよね…?お兄ちゃん。 私はお兄ちゃんのベッドに顔をうずめ、深呼吸をする。 すーはーすーはー…ああやっぱりお兄ちゃんの匂いすごくいい………。嗅いでるだけでもうぐっしょりだよぉ…。 もう…止められない。あとは頭をベッドでうずめながら一心不乱にあそこを弄くるだけ。 あはぁ!お兄ちゃん、きてぇ!もっと明日香の恥ずかしいとこ見てぇ!いく、いっちゃうよおぉぉ!ふぁぁぁぁん! …自己嫌悪。またやっちゃった。 シーツはまるでおねしょしたみたいに私のおつゆでびしょびしょ。こんなの兄貴に見られたら…嫌われちゃうよ。 そこで扉が開かれ、誰かが―――まさか、お兄ちゃん!?いや、見ないで!! でも、現れたのは私そっくりのシルエット。…お姉ちゃんだった。 「あーちゃんはホントに飛鳥のことが好きなのねぇ?」 そう言ったお姉ちゃんの表情は、けっして侮蔑や嘲笑などではなく…まるでお母さんみたいにほほえましい笑顔だった。 「うん…自分でもどうかしてるのはわかってる。でも、兄貴じゃなきゃだめなの!…好きなの。」 私はお姉ちゃんに、今まで心の奥にしまっていた思いを吐き出した。なんでだろう…わからないけど、お姉ちゃんになら打ち明けても大丈夫、そんな気がしたから。 「…そう。わかったわ、お姉ちゃんがいいこと教えてあげる。」 「…え?」 「見ててなさい。」 そう言うとお姉ちゃんは兄貴のベッドの下から雑誌を数冊とりだした。それは私が一番嫌いな、下衆で卑猥な類だ。 兄貴ったら…こんなもので処理してたんだ。そう思うと無性に目前の雑誌の表紙を飾る雌豚が腹立たしくて、切り刻んで…いや、殺してやりたくなった。 これが「いいこと」だっていうの?お姉ちゃん。わかんないよ。 そのとき、視界のなかでなにかが瞬き…雑誌は失せていた。これは…お姉ちゃん何をしたの? 「さあ、やってごらんなさい。」 「え?い、いまの?」 「簡単よ。これに向かって"消えろ"って強く念じればいいのよ。さあ…」 * * * * * ノートを写し終え、隼と別れた俺は独り家路についていた。時刻は夜8時。空はとっくに紫いろだ。星も見えている。 ロマンチストならこんな夜空を見て詩を詠んだり出来そうだが…あいにく俺にはそんな才能も属性もない。 もういちど後ろを見やり、人がいないのを確認して俺は一安心した。今度こそ本当に解放されたようだ。やっぱりはっきり言ってやってよかったんだな。 俺は鼻歌をうたいながら、歩を速めた。今日はいろいろなこともあったが、これからはやっと平凡な日々が帰ってくるんだ。 そう思うと足取りも軽くなる。こんなにも明日が待ち遠しいのは某神の集団のニューシングルの発売前日以来だ。 しばらく歩き、家が近づいてくると後ろに人の気配を感じた。…まさか、結意か?俺は確認も兼ね、気配のするほうへと振り向いてみた。 が、それよりも早く、後続者から声が発せられた。それは、よく聞き慣れた声色だった。
終了です。 第9話以降は選択肢でと考えてます。 今のとこ明日香と結意は決定で、穂坂は起用しようかどうか迷っています。 なにしろ今まで絡みが無かったもので…とりあえずもう急速に病む予定です
499 :
名無しさん@ピンキー :2008/12/09(火) 19:03:36 ID:6gasx03l
待ってました!
GJ
乙
GJ 委員長に反応したのは俺だけじゃないはず しかしあれだな、読み手もずいぶんと変わったけど書き手も変わってきてるな なんというか、ノベゲー風が多いというか
私は一向に構わんッ!!
おいどんも構わんでごわす!!!
GJ!! おいおい、姉上様何教えてんだよ!?
ヤンデレ家族マダー?
507 :
名無しさん@ピンキー :2008/12/10(水) 21:26:32 ID:D7g0devE
ええい、ヤンデロイドシリーズはまだかっ!
慌てる乞食は儲けが少ないと云ふ
作者の事を考えて発言しようぜ 最近作者を文章製造機とでも考えてる奴大杉
>>509 だな、今は師走だけに忙しいだろうしな……のんびり待つか。
俺は、俺に触れようと伸ばされた彼女の手を定規で打った。 「いたっ」 「ダメだって言ってるだろ」 「ごめんなさい……」 彼女はしゅんとして俯いている。首輪につけられた鎖がチャリ、と鳴った。 俺と彼女は二人、こたつに入って勉強会をしている。ありふれた、幸せな光景。ただ一つ異質なのは、彼女の首には首輪がつけられ、その首輪から伸びた鎖で柱につながれている、ということだ。 彼女は「普通」ではない。どう普通ではないかと言うとあまりに長くなるので省くが、酷く大雑把に表現すると、彼女は愛情表現が過剰すぎるのだ。そう、一般から見たら「異常」とすら思われるほどに。 だから俺は彼女から俺に向けられるスキンシップを規制した。その結果がこの首輪だ。 彼女がどんなに身を乗り出しても、せいぜい俺の手に触れることぐらいしか出来ない。しかし俺はそれすらも彼女に許可しない。彼女と俺の触れ合いはすべて俺の手の中にあるのだ。 彼女がどんなに望もうとも、俺の許可なしではそれは与えられない。支配者の喜び。自分の中に、黒い愉悦が生まれるのを感じる。 彼女はまるで犬のようだ。鎖でつながれ、ご主人様の許可を待つだけの、犬。 こんな可愛い彼女を犬にできるなんて、俺はなんて果報者なのだろうか。 「わ、私のこと、嫌いになっちゃった? ご、ごめんなさい! 嫌わないで! 嫌いにならないで!」 俺がちょっと難しい問題に突き当たり、頭を悩ましていると、彼女は突然ヒステリックに取り乱した。 ああそうか、俺が叱ってすぐに無言で難しい顔をしだしたから不安になったのか。まったく、犬でももう少し忍耐がある気がするけどな。 俺は溜息を漏らしながら彼女の潤んだ目を覗き込む。 「犬の癖に待ても出来ないのか? そんな駄犬に御褒美はやれないな」 そうして、俺はまた問題文に目を落とす。彼女の息を呑む音が聞こえる。カタカタと小さく震える音も。深い悦楽で、俺の口が歪に歪みそうになる。ああ、お前は最高の彼女――いや、犬だ。 数時間して、勉強に一区切りつけると、俺は彼女の鎖と解いて彼女の家を出た。「待て」と命じつけた後に。
「先輩……博昭先輩!」 下校中、後ろから呼び止められた。 後ろには、いつの間にかかつての部活の後輩がいた。俺は三年。紅葉の散ったこの季節にはもう部活はとっくに引退していた。 「お久しぶりですね!」 俺を見つけて走ってきたのか、頬は若干上気しているし、息は荒い。お久しぶりというが、少なくとも先週にも会っていたはずだ。 その旨を告げると、「えへへ、うっかりしてました」と彼女ははにかんだ。 彼女は何かにつけ俺に接近してくる。なんらかの好意的な感情を俺に対して持っていることは明らかだ。 だが、俺には飼い犬がいる故にその思いに答えることは出来ない。――とてつもなく嫉妬深く、病的で、俺に近付くものは泥棒でも警察でも構わず吠え散らすような躾けの出来ていない犬が。 当然後輩も俺に彼女がいることは知っている。何せ、彼女は引退前は毎日のように部室まで俺を迎えに来ていたのだから。知らないはずも無い。 それをわきまえているのか、後輩は直接的なアプローチはしてこない。ただ俺と一緒にいられるという立場に甘んじているのか、それとも俺に対する好意というのは単に親愛や尊敬の情だというだけなのか。 珍しく、学校が終わると真っ先に俺に寄ってくる彼女がいないので、俺は後輩と二人で下校した。家の前で別れると、参考書の類を揃え、彼女の家に向かう。 彼女の家には彼女しかいない。だから俺は呼び鈴すら鳴らさず、鍵のかかってない玄関を抜け、彼女の部屋の戸を開けた。 赤かった。 夕焼けや俺の目の錯覚などではなく、部屋中を染めつくす血によって。 「あ、ひろくんきたー。ねえねえ、ひろくんにまとわりつくきったない野良猫駆除したよー。私とってもいい子でしょー? 褒めて褒めてー」 彼女はニコニコしながら俺ににじり寄ってくる。その手に握られているものは何だ。やめろ、そんなもの俺は見たくない。 彼女が手に持っていたもの。それは殴打によって晴れ上がっていて分かりにくくなってはいるものの、紛れもなく後輩の生首だった。彼女は、それの髪の毛を掴んでぶら下げていた。 場違いにも、犬が自らの捕らえた獲物を主人にアピールする様が思い出された。 ああ、俺はどうやら根本的に間違えていたようだ。 彼女をうまく飼いならせている。そう思いあがっていた。まさしく、それは完全に思い上がり以外の何者でもなかった。飼いならせない。飼いならすだなんてとんでもない。こんなモノ、俺ごときが飼いならせるはずがない。 ――ああ、そうか。そうだったのか。 俺は彼女を飼いならしているつもりだったが、その実は―― 「いい子、いい子」 俺は血にまみれた彼女を抱きとめ、そっと頭を撫でた。
これは恐い だがそれがいい
ヤンデレ「男くんのためにトレーニングして体型絞ったし、髪伸ばしたし、お化粧も覚えたetc……。デ・ニーロアプローチなんて目じゃない!」 ↑ |ここで二人の認識に大きな溝 ↓ 男「彼女は俺が求める物を全て持って生まれてきたようだった」
GJ! 俺の理想のヤンデレだ…
GJ
発声練習だけでは収まらず、執念で遂に擬人化したオウムが泥棒猫を抹殺し、愛する飼い主を逆レイプ。 まで妄想した。
数日待ってください。書いてきます>病みオウムSS
猫以外の動物はけっこう嫉妬深いイメージ ヤンデレは「愛がないのに発情してる」ってののしる意味で泥棒猫ってライバルを表現するのだろうか
これは期待wktk
ヤンデレっぽい動物というと猫が浮かぶんだけどなあ、怪談とかでもよく出てくるし。 まあそれとこれとは違うといえば違うんだが。
うちの猫(♀)は水道工事のオヤジが上がってきても爆睡してるくせに、 従妹が泊まりにきたときは毛を逆立てて寄り付かなかった。 嫉妬されたと思いたい
サ〇エさんの歌のように昔から人のモノを盗むからじゃないか
この手のシチュ系のスレは被ることが多いから ヤンデレメインなのか擬人化メインなのか どちらにするのかは作者が判断して投下先決めればいい。 外野がどうこう言うことではないと思われ。
ヤンデレによる全戦争行為への武力介入を開始する
まさに愛は地球を救う、だな
ヤンブレラが製作したヤンデレウイルスが研究所内に汚染 ヤンデレハザードが発生したが、感染した場所が悪かった 感染した地域は研究所の隠れのみにしている 女子校 約300人の女の子がヤンデレウイルスに感染、ヤンデレ化したと思われる 日本警察はヤンデレバスターズに出動要請。 政府が下した決断は…… ヤンデレの殲滅 それは300人の女の子を皆殺しにして、全ては隠滅する予定だったが ヤンデレバスターズに裏切り者がいて、部隊は半壊滅状態。 それを救助するために、新たなヤンデレバスターズ部隊が派遣されることになったが…… 続かない 次はどうせ、県内が全て感染地域でヤンデレ化するオチだしw
Y(ヤンデレ)ウイルスですかw 効果:感染者は一人の男への異常な愛を持ち それによって様々な影響がある(男には危害を加えない) 女性ホルモンの多量分泌から外観が美しくなる。 むしろこれは全世界にバラ撒くべきだろ。
だがヤンデレが別々の男を好きになるとは限らんからな… むしろ地獄絵図が見える
そんな作られた愛なんていらん
ヤンデレに『これって婚姻届だよな』って言ったらどうなるの?
ヤンデレの前で女友達と一緒に石破ラブラブ天驚拳やってみたい
では投稿致します
第2話『依存対象』 人は平等ではない。 親がいる子供、親を失った子供では その後の子供の人生は大きく変わっていく。 例え、それが最初から両親の愛情を受けずに育った子供なら尚更だ。 人生に勝ち負けはないと思うが、私にとって人生とは惨めな自分を思い出せる過酷な日々だった。 私、桜井彩は孤児である。 両親は私が生まれてから、すぐに交通事故で亡くしたと聞く。 特に両親は駆け落ちするように付き合ったおかげでどの親戚も私を引き取ることを嫌がり、 赤子の私を孤児院に預けた。親がいない子供が行く先はまさに地獄であった。 物心を覚えた私は孤児院の職員に厳しく躾けられ、ただの世話というよりは機械的な作業であったと思う。 それは他の孤児院の子供たちも一緒で、彼らは自分らの給料以上のことは動かない。 厳しく躾けられるのは自分達の仕事を減らすためにある。 言うことを聞かなければ、子供に暴力を振るい、逆らう人間は食事を抜きにする。 職員の気分次第では暗くて狭い部屋、懲罰室に何日も閉じ込めたりする。 彼らは子供たちにとっては悪魔だった。 孤児であった私の安らぐ場所はどこにもない。通っていた学校などは最も私の嫌いな場所の一つである。 無邪気な子供は何も知らない。何も知らないからこそ、自分の言葉に責任も持たず、刺々しい事を言ってくる。 両親のいないというだけでバカにされ、のけものにされる。 何か欠点さえあれば、それを口実に強者は弱者を叩く。叩く側は勝利の美酒に酔い、負け犬はひたすら泣き続けるしかなかった。 特に一番嫌だったのは、運動会と参観日などと言った行事であった。 私には誰も声援を送ってくれる人なんかいないし、他の子供たちが親と仲の良い光景を見せつけられると 自分が不幸のどん底にいることを感じさせる。 誰にも優しくされることもなく、私は一人寂しく生きていた。 抜け出したかった、孤児院は経営者の無謀な経営方針のおかげであっさりと潰れ、 真っ先になんとかしなくてはいけない孤児の子供たちを見捨てて、自分達はさっさと逃げた。 債権者から追求を避けるために。 孤児院がなくなったおかげで私は強制的に孤児院を追い出される形になった。 とはいえ、その頃は高校生だったので、誰も引き取る孤児院や人がいなかったから、一人の生活を余儀なくされた。 通っていた高校を中退して、一人で生きるためにアルバイトで生計を立てた。 更にその仕事先でも、高校中退で孤児院出身の私の世間体は悪く、誰からも相手にされなかった。 そのような人生を歩んでいたせいだろうか、私は自然と人という生物は信用しなくなった。 温もりさえ求めなければ、何かに期待しなければ裏切られることはない。 私は私の心を防衛するために孤独でいる。愛情を求めずに、ずっと一人で生きていこう。 そう、決心したはずなのに。 私は、彼と出会ってしまった。 周防 忍さんに。
うにゃーーーーーー!! 私は引っ越してきたばかりの家で奇声を発していた。 だって、だって、信じられる? 今日は凄いことがあったんだよ。 いつも、一人だった私に優しくしてくれた人がいたの。 悪徳引越しセンターどもが私の荷物を捨てるように投げた柄の悪い男のせいで一人途方に暮れていたのに。 困っている私に周防忍さんが声をかけてくれたの。 『手伝います』 って。 最初は信用できる人じゃあないと思っていたけど、そうじゃなかった。 あの重たそうな荷物を周防忍さんはほとんど一人で運んでくれた。私のためにだよ。 私のために忍さんは引越しの手伝いをしてくれた。それだけで充分に嬉しかった。 きゃは。 わたし、忍さんなんて。名前で呼び捨てしているし。 うんうん。 落ち着け、私。 忍さんと私は今日初めて出会ったんだから、名前で呼ぶなんて……。 心の中だけなんだからね。 本人の前で忍さんなんて言った日には、私は多分恥ずかしいあまりに体が溶ける。 ううん、体の8割の水分が流れきってしまうはずだよ。 それにしても、私は忍さんに冷たい態度を取ったから、嫌われているかもしれない。 初対面であんな突き放すようなことを言っていたら、普通は好感度だって下がるよね? 某内閣支持率も急落に下がる。 ど、どうしよう。 とはいえ、忍さんに助けてもらったから、ちゃんとお礼をしよう。心を込めて謝罪すれば、私の想いに気付いてくれるかな? 今日、生まれた淡いな想い。 人を好きになる。 いつも孤独であり、人間不信に陥った私が異性を好きになるなんて夢にも思ってなかったけど。 その想いだけで私の胸が自然と温かくなる。床の上をゴロゴロと反転して、 うにゃ、うにゃ、うにゃ、と奇声を発しながら私は久しぶりに心地良い時間を過ごした。 だから、就寝する頃になってある事に気付かなかった。 「どうやって、寝ましょうか」 荷物生理してないダンボールだけが積み重ねた部屋を見て、私は呆然と立ち尽くしていた。 今日の出来事を何度も思い返して、妄想の渦に流れ込んでいた罰が当ったのでしょうか。 お布団はこのダンボールの中に埋もれている。 探し出すのは困難であり、引越し作業で体力を使い果たしているから無理に等しい。 私は途方に暮れていた。 疲労のおかげで正常の判断を失っていたと言ってもいい。 「今夜は忍さんと一緒に寝たいな」 と、一人で呟く。 そう呟いてから、私の行動は早かった。 『女の子は行動力なのよ!!』 どこかの誰かが残した言葉だ。 その言葉の意味を知る時がやってこようとは。 恋する女の子は受身だけじゃあダメなの。攻めて、攻めて、攻めて、攻めまくらないと 恋愛という乙女の命がけの戦いに勝利することはできないんです。 そう決意すると家を抜け出し、 忍さんの家のインターホンを鳴らした。 私は精一杯の勇気を振り絞って言った。 「泊めてくれませんか?」
今日、出会ったばかりの女性にいきなり、『泊めてくれませんか?』と言われた時、 正常な男性はどういった反応を返せばいいんだろうか。常識的に考えても、恋人ではない男女が 一夜を過ごすのは倫理的に許されるわけがない。もし、間違いを犯せば彩さんを悲しませることになる。 「ダメでしょうか?」 彩さんが消費者金融のCMのごとく潤んだ瞳で俺を見つめている。そんな瞳で見つめられたら断ることができない。 「わかった。泊めましょう。今日だけですよ」 「はい。ありがとうございます」 と、俺は軽い気持ちで彩さんを部屋に入れた。 人生で初めて女性を自分の家に招いたことにある一種の感動と緊張感が俺の中で生まれていた。 彩さんは相当な美人な分類に入り、本来の俺ならお近づきすることもできない人だ。 その人を俺のちらかっている部屋に泊まるというだけで何か興奮する。 テレビとタンスなど日常品やベットを置けば、部屋一杯になる狭い部屋だ。 クッションの敷いた場所に彩さんを座らせて、俺はお客様を歓迎するためにキッチンにお茶の葉を探していた。 ちらりと彼女の姿を覗くと。 彩さんは嬉しそうに俺の部屋を眺めていた。 「あの何か飲みます。お茶しかありませんけど」 「ああ。いいですよ。そんなに気を遣わなくても」 「そうですか」 「あの周防さん?」 「うん?」 「今晩は同じ布団で一緒に寝ていいですか?」 「なんですと!!」 突然の彩さんの衝撃発言のおかげで俺は猫を被るのを忘れて叫んでいた。 年頃の女性が一緒に寝るのは間違いなく危険な発言だ。俺の中の狼が覚醒しそうだ。 「そんなのは絶対に駄目ですよ」 「うにゃ……駄目なの?」 「ううっ。確かに一人分の布団しか家にはないけど。彩さんはベットに寝てもらって、俺が床で寝るつもりだったけど」
「そんなの駄目ですよ。私のせいで周防さんが床に寝るなんて。そんなのダメなんですから」 「でもな」 「でももヘチマもありません。一緒に寝た方がきっと温かいですよ」 確かに彩さんと一緒に寝れば、今日の夢心地は良く、明日は爽やかな朝を迎えることが出来るかもしれない。 天使のような微笑を浮かべている彼女の期待を裏切ることもしたくはないし。ここは誘惑に負けてしまおう。 「わかったよ。一緒に寝ましょう: 「うにゃーーーー!! ありがとう」 彩さんは嬉しさのあまりに俺に抱きついていた。背中には彼女の手がぎっちしと包むように抱き込んでいた。 予想すらもしなかった行動に俺は自分の顔から首まで真っ赤になってしまうのがわかる。 異性の接触は思っていた以上に全体的に柔らかくて気持ちいい。 更に自分の心のどこかで安心できる癒しみたいなを感じていた。 彩さん効果だな。 「あの抱きつくのは彼氏さんにしてあげたらいいのでは?」 「彼氏?」 「彩さんは彼氏いるんでしょう?」 「そ、そ、そ、そ、そんなのいませんよ。ううん、いないよ。私、今まで男の子と付き合った経験なんて全然ないですから!!」 「そうなの」 「そうなんですよ」 そうか、彩さん彼氏いないのか。良かった。って、俺ごときが彼女なんかに相手にしてもらえるはずないのに。 なにが良かっただ。 「あの、周防さんは……その、彼女とかいるんでしょうか?」 「え、えっと、生まれてから今まで女性と交際経験なんてありません。ぐすん」 「そうなんですか!!」 と、俺が彼女がいなかったことに凄い喜びを彩さんは感じていた。更に抱きついている手に強い力が込められる。 「大丈夫ですよ。周防さんなら素直で優しい彼女ができますよ」 「そうかな」 「私が保障しちゃいますよ」 彩さんみたいな女の子から彼女ができると断言されるってことは俺に気があるというのはほぼ絶対的にありえないわけで。 少し悲しい気持ちになってきた。 「ではもう寝ましょうね」
就寝。 シングルベットで二人で寝るのは狭くて窮屈だった。 俺と彩さんの肩が触れ合い、腕と腕の感触が男と女とでは温度差が微妙に違う。 女性の温もりは誰かを包み込むような優しさに満ちており、俺の心にやすらぎを感じさせる。 どうして、今日会ったばかりの人と一緒に寝ているのだろうかとか、些細な疑問などどうでもよくなる。 だけど、隣で彩さんが寝ていると思うと寝付けることができなかった。 仰向けになって天井ばかりを見る時間が増える。 「周防さん、起きてますか?」 「はい、起きてます」 と、俺は彩さんの顔を見ようとせずに曖昧な返事で返していた。 「引越しの手伝いをしてくれて本当にありがとうございます。感謝してもしきれません」 「その事は彩さんが困っていたし、助けなきゃと思っていたわけであって」 「誰にでもできませんよ。困っている人を助けることなんて。周防さんは私を見捨てることだってできた。 けど、それをしなかったのは周防さんが優しい人だからだよ」 「優しいねぇ」 「うんうん」 自分は本当に優しい人なのだろうか。俺は今日出会ったばかりの彩さんを助けようと思ったのは 困っている彼女を助けられないことを後で後悔したくなかったからだ。 「それだけじゃないです。寝る場所がなかった私をこうやって泊めてくれたし。それに……一緒に寝てくれました」 「シングルベットは狭いけどな」 「うふふっ。周防さんが傍に居てくれるから、とても温かいですよ」 彩さんが優しく微笑する。確かに二人の距離は密着する程に近づいている。 昨日は互いに知らぬ人であり、今日は出会ったばかりなのに。本気で摩訶不思議な体験をしているな。 「夏だったら、こんな風に寝たら暑苦しいだけだが」 「そんなことはありませんよ」 「そうか」 「周防さん?」 「うん?」 「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」 「ああ。俺からもよろしくな」 「で、周防さんにまたご面倒をかけることになるんですが」 「何かあったの」 「興奮したら、ちょっと鼻血が」 えっ? 鼻血って。
以上で投下終了です
>>544 GJ!まだよんでないけどとりあえずGJ
good job!!
>>544 正に俺の理想のヤンデレだ・・・GJ!!
GJ ! これからどう病んでいくかwktk
乙!
最近よくコカ・コーラを飲むんだが、コーラをコップに注ぐ時なぜか氷を入れてないと嫌なんだよな
お前に氷入りコーラだす女がいたら気をつけろよ
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
コーラが?
コーラに入れる氷は、作るときにラムネ菓子を適量入れておくと大人の味わいだぜ!!!!
>>555 金持ちな泥棒猫に飲ませて赤恥をかかせるのか。
ホントにヤンデレは容赦ないぜ。
モットーが勝負とか心とか才能とか半歩先とか成仏とかXO醤とか。 そんなこと言い出す若い子達が包丁投げたりサメやダチョウと戦ったり、犬を殺したりします。 出てくるキャラはコスプレ好きとかゴスロリとか中仏ハーフとかそんなのばっかです。女装もあるよ。 メインヒロインも血まみれになりながら生肉食べたりします。そして出てくる女の子はすべて爆乳。 前作の最後で死者が出ちゃったのでヒロインと主人公は手を取り合って高飛びしました。 それが鉄鍋のジャン
料理漫画じゃなかったのか・・・・
物は言い様だなw
・「泥棒が」とショットガンで迫られる ・熱烈なビデオレターを何度も送る ・男の幼馴染に刃物を突きつけた上にビルから突き落とす。 ・男の友人をトレーラーで追い回す ・男の友人と幼馴染を誘拐、拉致、殺害(友人は重傷) ・「私にはあなたが要るのさ」 ・「一つ屋根の下で暮らそう」と提案するも拒否される ・笑いながらビルから落下 それがダークナイトの嬢カー
一酸化二水素のガイドライン中止。
DHMOですね
逆に考えてみよう すべてのヤンデレは一酸化二水素を摂取している つまり一酸化二水素を女性に与えればヤンデレになるのではないだろうか 早速学会に報告してくる
泥棒猫の母親を抹殺するため、ヤンデレに送り込まれた人型ロボットヤーミネーター、Y-800。 シュワルツェネッガーが筋骨隆々としていたのと同じくらい胸が大きいが、最終的にはプレスされて死んだ。 子供時代の泥棒猫を抹殺するために送り込まれたヤーミネーター、Y-1000。 Y-800の失敗によって、弱点を反省した結果貧相な体つきに。最期は溶鉱炉に突き落とされて破壊された。 以下黒歴史↓ なかったことにされたヤーミネーター、Y-X。 バットマンのCベイルがジョンコナーなので出番が来そうにない新Y-800
>>565 レス内容は馬鹿馬鹿しいが、ヤーミネーターという単語に言い知れぬときめきのようなものを感じた。
ヤーミネーチャンとか… ガキの頃はやったターミネーチャンの改変。 K君の姉はよくK君に鉄拳制裁していた。 その様を見た何人かが「ターミネーチャン」と言い初めて流行った。
自分語りうぜえ
>>569 察してやれよ
ヤンデレは自分の好きな人以外はすべてどうでもいいから自分語りをうざく思うだろうし
仮にヤンデレの好きな対象が自分語りしていたとしても
「それは私だけが知っていればいいの!私たち二人だけの秘密なの!こんな泥棒猫がいるような場所で言わないで!」
ってなるだろうし
どっちにしろ、ヤンデレにとって都合が悪いわけだ
「誠越えしても心が自分に向いてればいい」 「なに、初恋じゃない? 関係ない」 「ファーストキスなんかいらない」 「誰が好きだったとしても、振り向かせてみせる」 「なんで非童貞なんだよ! 私以外の女を抱いちゃダメぇぇぇ!」 「え!? はじめてのチューじゃないの!? お仕置きが必要みたいね」 「これが初恋じゃないの!? 童貞でも心が中古じゃダメぇぇぇぇ! 女殺す!」
>>571 誠越えって何? あの男のクズを上回る女性遍歴の持ち主ってこと?
ちょっと意味合いが想像できん単語だなあ。
誠の親父がいるだろ
すみません、質問なんですけど「いない君といる誰か」という作品はまだ完結されてないんでしょうか?
過去ログ嫁
>>576 あのレベルならなおのこと『心』なんて言葉の響きが空しくなるんだが。
つか、ワイヤードってまだなのかな? ずっと待ってんだけどな・・・
まだまだうるせーんだよ
作者乙
嫌な流れだな・・・ 年末だからか?
お客様気質(笑)
「嫌な流れだなぁ……年末だから?」
また、お兄ちゃんにメールが来た。
【クリスマス空いてますか?】
何処で調べたかは知らないけど、お兄ちゃんにメールで愛の告白なんて百年……ううん、
この世が終わったってお前に資格はないんだから。
とりあえず、この糞生意気なメールの履歴と内容を素早く消去する。
「ついでにメールの受け取り拒否を設定しておいてあげる」
私って何て親切なんだろう。だって、下手にお兄ちゃんに近づいたら、階段から転げ落ちて
怪我するような不幸に見舞われてしまうかもしれない。
「そう、お兄ちゃんに近づいた人って、何故か不幸な目に遭うのよね。私が注意してあげないと」
お兄ちゃんに話しかけたり、触ったりして平気でいられるのは私だけ。ずっと昔から……。
隣の幼なじみの子、やたらとお兄ちゃんにベタベタまとわりついて仲良くしていた。
3年前、交通事故で大怪我したっけ。
お兄ちゃんに初めて告白した子。
クラスの全員に嫌われて、虐められて……最後は登校拒否になって転校していった。
その頃からかな。お兄ちゃんも女の子の告白を断るようになったのは。
仕方ないよね。だって、お兄ちゃんは私以外の女の子には、貧乏神になっちゃうんだもん。
「あれ?俺の携帯?」
お兄ちゃんがお風呂からあがってきた。
「うん、お兄ちゃん。また出しっぱなしだったよ。お父さんやお母さんに見られたら困るような
メールが入っているんじゃない?賢い妹が見られる前に避難させておきました〜」
「馬鹿、そんなの入っているわけ無いだろ」
「だって、お兄ちゃんもてるんでしょ〜」
「俺の恋人はサッカーなの。それに、お前が思っているほど俺はもてないよ」
「そっかぁ。残念。もてる兄をもっていれば、妹としても自慢できるんだけどなぁ」
「悪いな、もてない兄で」
「仕方がないなぁ、恋人ができるまで私が恋人の代わりになっててあげる」
「馬鹿、やめろ、俺っ、裸だぞ」
ふふっ、私に抱きつかれてお兄ちゃん焦ってる。可愛い。
いつまでも、ずっと、私が恋人になっていてあげるね。
お兄ちゃんが多の女の子とくっついて……貧乏神……ううん、死神にならないように。
>>583 へのレス
「あの泥棒猫が憎い憎い死ね死ね」 ↓ 「あの女を殺していいのは私だけ」 ↓ 「女さんの魅力を一番分かっているのは私だ。 敬意を表して、彼女の死に水は私が取ってやる」
それなんてベジータ
「あんたがNO.1よ…」 〜和解〜
ヤンデレの物語とは、ある意味泥棒猫と結ばれようとする話だよ。 ヤンデレ>>>生きている者と死んでいる者の壁>>>泥棒猫 怒りを我慢するから憎いのであって、ぶち殺せば泥棒猫を主人公以上に好きになると思うよ。
もうなんかヤンデレから離れ始めてるな
>590うぜえ
とりあえず死ね死ねしとけばヤンデレだと考えていそうだな。
殺す殺す詐欺
機械と彼をこよなく愛す女技術者。 最初は戦闘機械の着装者として接していたのだが、次第に愛着が湧いてくる。 それと共に機械のデザイン等も変わってくる。 スーツ式→着脱式開放型→着脱式一体型→生体改造。 最後、最終兵器彼氏となった男と開発者の女技術者は駆け落ちすることに… と突っ込みどころ満載のネタで流れ変えてみる。
週刊新潮に面白い記事が。 インドのある男性が嫉妬した元彼女に薬盛られて動けない間にちんこ切断され 彼女は切り取ったちんこ持って逃走。
阿部定事件を思い出す…。
女性の犯罪率って全体の2割くらいなんだが、殺人とかの暴力事件ってのはその中でもかなり珍しいらしい。 多いのは麻薬と窃盗。 たまに女性が殺人とかを起こすとそれだけで大きなニュースになるのはそのせい。
なるほど
>>595 >機械と彼をこよなく愛す女技術者。
一瞬某フェアリイ空軍大尉を連想したぜ
ヤンデレが愛しの彼に付きまとう泥棒猫(彼女)を始末しようとするんだけど、 逆に返り討ちにあってボコボコにされたあと泥棒猫が変に気をつかって傷の手当とかしてもう彼には近づかないでとか言うんだけど、泥棒猫の強さと優しさに感動して今度は彼女に惚れてガチ百合に目覚めるヤンデレが見たいです
ヤンデレは一途さも魅力だと思うよ
>>601 病んでるほど(彼氏に対して)愛してない。デレてない。
もはやそれはただのいやあるいは
605 :
601 :2008/12/20(土) 01:02:05 ID:6jPlUKqo
皆から言われてちょっと考えたんだが、俺が言ったのはヤンデレじゃなかったな・・・もっと一途で純粋だった気がする 保管庫見て勉強するわ
オレはヤンデレは自分のことをヤンデレだなんて思ってないと思うんだけど 最近の自分のことヤンデレって言ってるやつ何なの?
メンヘラ
バカ
ヤンバカと聞いて
ヤンデレ自称すると死亡フラグ立ちそうだね
仲良しなヤンデレと泥棒猫から発想を得たので投下します 「まゆり!開けろ!開けるんだ!!」 あ、たっくんだ お風呂場のドアをドンドン叩きながら私のこと呼んでる 嬉しいな たっくん、このごろ美由ちゃんとばっかりお話してたから 私のこと忘れちゃったのかと思ってた 「おい!なにやってるんだ!!」 何をやってるかって?ええっとね たっくんのお部屋にこっそり入って、たっくんの部屋のごみを持ってきたんだよ たっくんがいらないと思っても、私は欲しかったからもらったんだ あ、後ね、美由ちゃんにたっくんを返してって言ったよ たっくんは私の幼馴染だもん 後から来た美由ちゃんが私より優先されるのっておかしいよね それに、美由ちゃんってば悪い子なんだよ たっくん以外を見るし、たっくん以外と話すし、たっくん以外に触るんだから たっくんが好きなら、たっくんのこと以外気にかけない子じゃないとダメ 私みたいに、毎日たっくんのことだけ考えて、見て、触って、話すような子じゃなきゃ認めない そのことでさっきたっくんと喧嘩しちゃったんだよね でもでも、追いかけてきてくれたんだよね 嬉しいな、嬉しいな 「開けろ!開けろって!!まゆり!」 どうしたの?なんか怖いよ、たっくん 「早く!まゆり!」 何を言ってるの?ドアは開いてるじゃない 「頼む・・・俺が悪かったなら謝るから、だから・・・!」 「死なないでくれ!!まゆり!」 しぬ?しなないよ。しんだらたっくんにあえないもの
たっくんが最近私に優しくなった 嬉しいな 毎日会いに来て、私の世話をしてくれるんだ 美由ちゃんとは別れたんだって あの日、たっくんが飛び込んできてくれたおかげで私は死ななかった 死ぬつもりはなかったんだけど、ちょっと間違えて混ぜちゃいけない洗剤を混ぜてお風呂に入っちゃったんだって そのせいで、ちょっと足が動かなくなっちゃった だからって、たっくんが気に病むことなんてないんだよ その前にちょっとたっくんと美由ちゃんのことで喧嘩してたり たっくんに向けてたっくんに嫌われたら生きていけないって言ったりしてたのは 全然関係ないよ そう私は言ったんだけど、たっくんは真面目な人だから責任を取るって言ってくれた 嬉しいな、幸せだな たっくん、ずっと一緒にいようね もしもたっくんがいなくなったら 今度こそ 死んじゃうから ヤンデ・・・レ? ヤンデレ成分が極少になことをお詫びいたします
>>613 自傷行為に走るタイプか。
いいと思います。
615 :
名無しさん@ピンキー :2008/12/21(日) 01:13:23 ID:B6ZyfQhu
>>612 久々にゾクゾク来た
ありがとういいくすりです
616 :
615 :2008/12/21(日) 01:14:16 ID:B6ZyfQhu
ご、ゴメンネ
男「そこもとは素直クールの妹、かのツンとて粗略にはなさるまい。城を出て我が菩提を弔ってくれ」 女「ありがたきお心なれど、わらわは男管領様の妻、どこまでもお供します」
静かだ…… Xdayに向けて皆忙しいのか
嵐の前の静けさだな
荒らし…?((゜д゜;))ガクガク
>>621 呼んだ?
誰かひぐらし原作知ってる人詩音がヤンデレなのかどうか説明付きで教えてください
他所でやれ
>>622 笑った。さすが荒らし。
よいこは真似しないでね
他所でやれ
頭の中ではヤンデレが思い浮かびまくるのに文章にできないぜ
SAWのジグソウ的要素を加えたヤンデレだと、誰を監禁してゲームに興じるのだろうか? おはよう、女さん。 ここが分からないだろう。教えてやる。この地下室でお前は死ぬ。 お前はいつも我が物顔で私たちの仲に割り込む。だが”泥棒猫”は鏡の中に何を見るか? 私に言わせれば、今のお前の姿は怒りと恐怖が混じり、ひたすら哀れだ。 お前は今日、自分の死を見るか、上手く逃げ出すか・・・
一般的にいってヤンデレの最終目的は男との夢の生活で ライバルの排除なんて手段にすぎないわけだから そんな風に、獲物を目前にして舌なめずりしていたぶったり 無駄に関わりあって時間をかける必然性がほとんどない気がするけどな 「ただ殺すだけではあきたらん!」なんて持って行き方はあるかもしれないが それにしても、SAWみたいなことまでするなら 既にそのゲームが目的になってしまってて、ヤンデレとしてはなんか違わね?
わざわざ言ってるんだから触れるなよ
今頃病んだサンタ娘がプレゼントの荷造りしながら大好きなトナカイくんにどうやって今もうずいて止まないプレゼントを渡して、ひとりじめするかを考えてるんだよなぁ。 もしくは逆に病んだトナカイ娘がサンタくんから白いプレゼントを貰うかを考えてたり
女だけでなく主人公もぶっ壊れていて 周りの女が死んでいく →実はある女のせいだと分かる →男「実は僕も好きだったんだ。嬉しいよ、こんなに愛してくれるなんて。でも殺人は控えようね。」 →数日後 女「〇〇を殺したわ。あなたにやたら話し掛けて目障りだったから。スクイズみたいに腹かっさばいてやったわ。」 男「へえ…なかなかオツなことをするじゃないか。よしよし(なでなで)」 女「えへへ」 男「でも警察とかも怪しむだろうからしばらく我慢してね。その代わり縛ったりして楽しんでもいいよ。」 みたいなのを考えたが文章化不可。
>>629 つまり君は病んでさえいれば障害が何も無いラブラブなヤンデレでもよろしいと申すか。
…文章化したときに盛り上がりがないよママン…
>>634 障害が何もないラブラブなヤンデレで何の問題があるというのだ
盛り上がりなんて、最初からクライマックスですよ
イブの朝一から股間の盛り上がりとかいっていい?
ほう。なかなかのセンスだ
視線を感じる
無言電話
下駄箱に想いのたけを綴った無名の恋文
よく話していた(?)女子の失踪
そしてある日我慢できなくなった女は主人公の家に忍びこみ・・・
>>632 へ
やっぱり文章化しても盛り上がらないかorz
書けないけど。
携帯ですが投下します。 初めてなので、いろいろとご指導をお願いします。
あなたはサンタクロースにどんなイメージを持っていますか? 一般には、赤い服に白い髭をたくわえ、白くて大きな袋を持ったおじいさんでしょうか? でも、本物は違うんですよ。本物は赤い服じゃなくて黒っぽい藍色の服を着てるんです。 なんでも、近頃は不法侵入で捕まってしまう仲間もいるので、見付かりにくい服を着ているそうです。 それに、白くて大きな袋なんて持っていません。彼が持っていたのは黒い鞄でした。 中に入っているのは、プレゼントの、宝石がついたアクセサリー等や、仕事に使う秘密道具。 最近の家には煙突なんてお洒落なものがないので、いろいろ道具が必要なようなんです。 そして極めつけに、サンタは白いお髭のおじいさんじゃなくて、若いお兄さんなんです。 おじいさんサンタはもっぱら、どの家をまわるかなどの計画を練る係で、実際に配るのはお兄さんみたいな若者なんだそうです。
どうしてこんなに詳しいのかって? 実は私、去年のクリスマスにあったことがあるんです、サンタに。 嘘じゃないですよ。ちゃんと本人に確認をとったんですから。それにプレゼントも貰いました。一生の宝物です。 この一年間、大切に育ててます。といっても、育て始めたのは二ヶ月前なんですけど。 世話は大変だけど毎日がとっても楽しいです、ホントにサンタには何度お礼を言っても足りません。 だから、捜しました。彼を。 そしたら、すぐに見つかりました。探偵ってすごいですね。みなさんも人捜しするときはお願いしたほうがいいですよ。 沢理 惣佑(さわり そうすけ)22歳、独身、彼女無し。家族は父母と妹が一人。現在は家族とは別居し、アパートで一人暮し。 サンタとしてのお仕事がないときはコンビニでアルバイト。サンタってクリスマスの日以外にも、働くんですね。 彼を見つけたときに、私は一つ、アイディアを思い付きました。とってもステキなサプライズを。 サンタはいつもプレゼントを配る側、だから今回はもらう側になってもらいましょう。
今夜はクリスマス。きっと彼の帰りが遅いはず。そのすきに部屋に入ってパーティーの準備をしたいと思います。 彼がアパートを出たのを確認したら彼の部屋へ。幸い、部屋の鍵は入手済み。すぐに入れました。 料理は得意なので手料理です。伊達に一人暮しを五年もやってません。飾り付けは苦手ですが頑張ってみました。 プレゼントもちゃんと用意しました。彼が帰ってきたらどんな顔をするでしょうか? 今から楽しみです。
今年はあげる側の私ですが、今年もプレゼントをもらいたいです。なので、ちょっと料理に一工夫をしてみました。 ああ、そうだ。彼が帰ってくるのを待っている間に、私の宝物にお乳を与えておきましょう。 もしかしたら、彼もこうやって私のお乳を飲むかもしれません。そう考えるだけで胸が張ってきます。 果たして彼は気に入ってくれるでしょうか。このプレゼント《家族》を。 ああ、今年もクリスマスがやってくる。
以上です。 こうして投下してみるとクソ文でしたorz もっと上手くなって出直したいとおもいます。
GJ
>>644 GJ。
男もぶっ壊れているのだとやっぱりヤンデレは成り立たないのかな・・・。
>>644 GJ
お茶会は男も壊れてる。
というか、あの作品は登場人物大体壊れてるな。
『書く』って思った時にはすでに行動は終っているからだッ!! 『書いた』なら使っていいッ!! 書きたいなら書けばいいじゃない。そしてそれからどうするか考えればいいじゃない
不法侵入者でレイパーということか?
>>650 それと泥棒ですかね
泥棒に入ったら女と遭遇。勢いでレイプってイメージで書きました
やっぱり書き足りてなかったですね
いや、十分伝わってたよ
すみません、厚かましいとは思いますが、どうやったらもっといい作品が書けるか、アドバイスをいただけませんか? どんな細かいことでも構いません。 目指している作品は『黒の領域』と『恋人作り』、それに『真夜中のよづり』です
日本語や文章がおかしいのはそれだけで読む気が失せる 読者を置いてけぼりにする白々しいノリも読んでて苦しい
エロパロ板の作品に文章力を求めるのはどうかと思うが
色々な作品に触れてみるとか? 洋画ドラマやサスペンスはヤンデレ男が多くてオススメ。
そりゃあ読んでて関心するような文章は求めないけど、 正直、例えば同じ接続詞を何度も使わないとか最低限の事は出来て欲しい 中学生レベルの話だから。良い作品を書きたいと思うならさ 趣味だから自由と言ってしまえばそれまでだが
読者の心情を想像して書くとか。こう書けば読んでる人はこう想像するだろうって具合で。 私の読解力の無さと想像力の欠落からきてるのだろうが、作者の想像したものと自分が(読んで)想像したものが違うなって自分でわかるときがあるし。 違うかもしれないが、作者がイメージを文にするのに対し、読んでる人は文からイメージを作るからね。 なんか偉そうに言ってごめんね。これも653君を愛してるからなの。 ごめんね。
659 :
プロット? :2008/12/25(木) 22:06:22 ID:QZc/9ee+
ある少年が女性に恋をする。 大人の色香、どこかに弱さを感じさせる強い性格、そして、何故か妖しさを感じさせる美貌…。 少年は女性に愛されたいと願った。 例えこの身が傷つこうとも。 ある少女は幼なじみの少年の事を愛している。 あまのじゃくな性格も、時折見せる孤独な微笑みも、そして、その少年という存在を… 少女は少年の全てが欲しいと願った。 例え何を失っても。 ある女性は少女に溺れている。 その愛くるしい瞳を、その穏やかな声色を、そして、その一途な想いを。 女性は少女を一途に愛している。 例え誰かを殺す事になっても。 誰かこんな感じのお話を書いて下さい。
いろいろなアドバイス、ありがとうございます。 言われたところを見直して、次はもっといい作品を書きたいと思います。 これからもお世話になりますが、よろしくお願いします。
男と仲のいい ゆっくりしていってねにまで嫉妬する。 あれは饅頭なのに
遅ればせながら、クリスマス短編投下します。
支援
『ヤンタクロース・サンタガール』 「あの……できれば、この状況について説明していただきたいのですが」 滋郎(じろう)は、非常に困惑していた。 それは十二月二十五日の朝。独り淋しい生活を続ける滋郎が、いつも通り独り起床した時のことである。 「あの……朝食をおつくりしましたので……まずは、食べてください」 顔を赤くしながら応える少女。 もちろん、生まれて二十三年間の間、女性と付き合うことはおろか、手さえ握ったことの無い滋郎には、実に覚えの無い人間だった。 知り合いではないことに加え、なぜ、知らないうちに家に入り、エプロンをかけ、朝食を作っているのか。 皆目見当もつかない。 まあ、相手からは敵意は感じられないし、説明してくれるということなのだろうから、と、滋郎は椅子に座った。 テーブルの上に、少女は食器を置いていく。 「おお……」 思わず、滋郎は声を漏らした。 家の冷蔵庫の中の適当な賞味期限ギリギリの食材たちが元になったとは思えないほどの美味しそうな朝食ではないか! 「あの、いただいて、いいんですか?」 「はい。そのために作ったんです」 一応、訊いた。不法侵入者にこういうことを言うものかと思うが、少女はそう言った犯罪的な、泥棒的な何かと無縁の存在に思えた。 だって――どっからどう見てもサンタだし。 ずずっと、薄め(滋郎の好みの加減だ)の味噌汁を啜り、一息つき、言う。 「サンタさん、なのかな?」 「あ……」 少女はもともと赤くしていた顔を、さらに赤くした。来ているサンタ装束と同じような色に染まっている。 訊いちゃだめなことだったのだろうか。滋郎は一瞬だけ罪悪を感じたが、やめた。冷静になるべきだ。 「はい。そうですね、言い忘れていました。わたしは、サンタガールをしています。『サンタ=マリア』と申します」 「はぁ、それはご丁寧に。でも、なんたって僕の家に。それに、深夜にプレゼントを渡すとかならまだしも、もう朝ですけど」 「そ……それは」 内気そうな少女、マリアは、もごもごと口篭もり、言った。 「わたしが……プレゼント、なんです」
♪ ♪ ♪ 時はさかのぼり、十年前のクリスマス・イヴ。 その時、マリアは十歳。滋郎は十三歳であった。 マリアは、当時現役サンタクロースだった祖父につれられ、トナカイそりで聖夜の空を疾走していた。 「うわぁ……。おじいちゃん、人間界には、こんなにいろいろな『光』があるんですね」 「ほっほっほ。マリアは人間の『光』が見えるのじゃなぁ。こりゃ、将来大物サンタになるのう」 「人間の『光』?」 「そうじゃ。わしらサンタは、プレゼントを渡すことで、彼らの『光』をすこしずつわけてもらって生きるんじゃよ」 「そうなんですか……。すっごく、綺麗な光ですね」 「マリア、綺麗な光と、汚い光は。その違いは、見えているかの?」 「綺麗と、汚い……? 確かに、個人差があります。子供が綺麗で、大人は汚いです」 「一概にそうともいえんがのう。確かに、大抵はそうじゃ」 「どうして、同じ人間でも、違うんですか?」 「それはのう、この『光』は、人の『願い』『執着』『夢』そのものだからじゃ。大人になるに連れ、人はそれらの呪縛にがんじがらめにされていってしまうのじゃ」 「悲しい、ことですね……」 「じゃが、例外ならある。『恋心』じゃ」 「恋……?」 「恋をしている人間の光は、そのどれもが美しいのじゃよ」 「……」 「わしも、ばあさんと出会ったときは、それはそれは……」 また始まった。と、祖父ののろけ話には耳を塞ぎ、マリアは空を駆けるそりから身を乗り出し、地上の光をみつめた。 たくさんの光がうごめいて、まるで蛍。しかし、ぱっと見ただけでは気付かなかったが、綺麗な光は、目立つが実際は少ない。 殆どは闇のようなどす黒い光だった。 「……あ、あれは」 マリアは、その中に妙なものを見つけて、思わず手を伸ばしてしまった。 「あ――」 ひゅう。 マリアの小さな身体は、簡単に空に投げ出されてしまった。 「ばあさんとの情熱的な恋は、わしの『幻惑』能力抜きには語れんじゃろうな。お前にも遺伝していれば〜」 祖父は、未だ嫁とのラブストーリーに陶酔していた。
♪ ♪ ♪ ぼふん。 雪がクッションになり、マリアは殆どダメージを受けずにすんだ。 しかし、雪の塊に全身をつっこませてしまったため、せっかくの子供用サンタ服がびしょぬれだった。 「おじいちゃんにもらったのに……」 ぐずぐずと、涙を流すマリア。 「おい」 そこに、1人の少年が現れた。 「……?」 「びしょぬれじゃないか。雪遊びもほどほどにしろよ」 少年は、悪態をつきながらも、自らの上着を脱いでマリアに差し出した。 「寒いだろ。これ、やるよ」 「え……。でも」 「やるって」 強引に押し付け、少年はさっさと走り去った。 「おーい、マリアー!」 サンタクロースがそりで駆けつけたのは、それから少ししてからだった。 そこには、びしょぬれではあったが、この上なく幸せそうな顔をした孫の姿があったという。 ♪ ♪ ♪ 「で、その時の少年って言うのが、僕、と。そういうことですね」 滋郎は、正直困っていた。確かに、いい話だ。いい話ではあるが、さっぱり身に覚えが無い。 「人違いでは?」 「いいえ。サンタのデータベースでちゃんと確認しましたから……。滋郎さんが、あのときの男の子で、間違いありません」 そう言うと、マリアはプレゼント袋をごそごそと探り、子供用の上着を取り出した。 「これ、お返しします」 「え、いいですよ。あげたんだし。今更もらっても、僕は着られないし」 そりゃ、マリアにも使い道はないのだろうが。滋郎はココロの中でそう付け加えた。 「それで、君はこの上着をわざわざ返しにきてくれたんですか?」 「あ、の……その……」 「?」 「プレゼントは、わたし自身だと、さっきも言ったと思いますが……」 「うーん。すみませんが、いまいちピンとこないというか……」 「恩返しがしたいんです……。家事でも、なんでもします。ご迷惑はおかけしません。この家に置いてください」 マリアは、そう言って床にひれ伏した。 「ちょ……ちょっと! やめてください!」 「……?」 「何年も前の恩じゃないですか。それに、当然のことをしたまでですから、感謝してもらっただけでも嬉しいですよ」 「しかし……。それでは、わたしの気がすみません」 「うーん」 滋郎は、しばらく考えて、応えた。 「なら、来年のクリスマスまで、家で家政婦さんをしてもらう、というのは?」 「は、はい! ありがとうございます! 頑張ります!」 「お礼を言われるとは思わなかったけどね……」 一年という長い期間が、若い娘なのに苦にならないのだろうか。滋郎は、断られると思って提案したのだ。 まあ、言ってしまったものは仕方が無いと、滋郎はマリアを受け入れることに決めた。
♪ ♪ ♪ それからの滋郎の生活は、刺激的で楽しいものとなった。 滋郎は御神グループ系列の、なかなか良い会社に努めており、将来はなかなか明るい部類だ。 そんな彼に唯一足りないのは、女性に好かれること(彼は『いい人』で止まるタイプだった)と、家事の能力。 マリアは、そのどちらも満たす存在だった。 マリアは献身的に滋郎に尽くし、精一杯の愛情を注いだし、滋郎はそんなマリアを大切に扱った。 二人は、間違いなく幸せだっただろう。 が、唯一、かみ合わない点があった。 滋郎は、マリアの愛に全く気付いていなかったのだ。彼は、あくまでマリアの目的が『恩返し』なのだと思い込み、彼女に手を出さなかった。 それでも、二人の間には何も問題は生じなかった。 そういうすれ違いがあろうが、マリアは滋郎のそばで暮らせることだけが幸せだったからだ。 しかし、約束のクリスマスは、待ってはくれなかった。 ♪ ♪ ♪ 「そろそろ、クリスマスですね」 食卓で、マリアはそう切り出した。 「そうだね。君はいつもサンタの衣装だから、見慣れてしまってどうにも気付かなかったよ」 滋郎は、ははっと笑う。その笑顔を見て、マリアも幸せを感じていた。 「そっか……。もう、クリスマスか。君とも、そろそろお別れなんだ。淋しくなるね……」 だから、滋郎がぽそっとそう漏らしたことにも、気付かなかった。
♪ ♪ ♪ そして、クリスマス・イヴ。滋郎はこんな日にもしっかり出勤し、仕事を終えて家に帰ってきた。いつもより遅かった。 「お帰りなさい、滋郎さん。今日は、クリスマス・イヴだからちょっとだけ豪華なお食事を用意しました」 「うん、いい匂いだね」 マリアと滋郎は食卓につく。すると、深刻そうな顔をして、滋郎はこう切り出した。 「明日で、お別れなんだね。淋しくなるな」 「え……」 予想だにしていなかった――ココロの中から、自然に消してしまっていたことが、マリアに突きつけられた。 「ありがとう。こんな僕のお世話をしてくれて。本当に、感謝してるよ」 「……で、でも、わたしがいないと、滋郎さん、困って……。やっぱり、これからも、ずっと……」 「君は若い女の子だ。自分の時間を大切にしなきゃ。……大丈夫、僕もこれから何とかやってくから」 「でも……」 「今日ね、会社の女の子に、告白されたんだ」 「……!」 「その女の子は、本当にいい子だよ。僕も、彼女となら暮らしていけるんじゃないかって思ってる」 「でも……でも……」 「僕は、君みたいに綺麗で優しくて、頭も良くて、何でもできるような、そんなすごい女の子を、僕なんかにとらわれたままにはしておけないんだ。だから、分かって欲しい」 「……」 「今まで、ありがとう。僕なんかを心配してくれて。僕は、なんとかやっていくよ。もう、君に心配かけないように。……本当に、ありがとう」 マリアは、もう何も言い返せなかった。 滋郎は優しい。だから、マリアも好きになった。 だが、だからこそ、マリアを無意識に傷つけていた。 ただの家政婦にとっては。ただ、世話を焼いてくれている優しい人にとっては。その言葉は、滋郎の自立や感謝を表す、誠実な言葉だったろう。 だが、マリアにとっては死刑宣告以外の何ものでもない。 「……少し、時間をください」 マリアは、うつむいたまま部屋をでた。
♪ ♪ ♪ 「本当に、これでよかったのかな」 滋郎は、マリアの悲しげな顔をみて少し後悔した。 しかし、これでいいのだとも思っている。勇気を出して告白してくれたあの子に応えるためにも。 そして何より、優しいマリアが、彼女自身の幸せをつかめるようになるためにも。 「そのためには、僕は邪魔だから」 ふぅ。溜め息をひとつ。 無理矢理追い出す形になったのは、やはり申し訳が無かった。 もう少し、何か別の方法をとることはできなかったのだろうか。 「……。帰ってきたら、もうすこし。もうすこし、話をしよう」 マリアに幸せになって欲しいのは、本心だ。マリアを、ついにできた恋人のために追い出す口実などでは、決して無い。 しかし、さっきの宣告は、そういう風に伝わったかもしれない。即ち、「女が家にいると彼女が勘違いするから、もう出て行けよ」と。 「だとしたら、ひどい奴だな、僕は」 だから、帰ってきたら。もっと誠実な言葉でマリアを説得するつもりだった。 だが、待っていることすらマリアを傷つけるのではないのか。 誰かが言っていた。「こういうときは、追いかけるべきだ」と。 滋郎は立ち上がった。
♪ ♪ ♪ ふらふらと、マリアは当ても無く街を彷徨った。 彼女のサンタ服も、この繁華街ではもう珍しくない。似たような格好の、あらゆる店の店員が自らの店のクリスマスセールを宣言していた。 疲れきった街。 この街に、もう光など見えない。昔はもっと輝いていたのに。 いや――。 (わたしが、もう……サンタの力を失ってる) マリアは、なんとなくそう思った。去年、人間界に居候を始めてから、マリアは明らかに弱くなった。 (人間になっている……わたしは) 思えば、人間に対する恋心というのは、普通サンタは持たないそうだ。 人間とサンタは違う。人間とチンパンジーが恋をしないように、似てはいても結局は交わらない。 おそらく、滋郎もその理由で、マリアのアプローチに気付かなかったのだろう。 だが、マリアの心は、違った。マリアは確かに滋郎に恋をしている。 そして、人間ゆえのあらゆる苦悩が芽生えているのだった。 執着、願い、夢、欲望。その全てが、人間らしい活力だった。同時に、人間を縛る鎖だった。 (滋郎さん……) この十一年間、マリアはずっと滋郎を見てきた。 サンタの能力である透明化と、透視を利用して、空から、あるいは窓から、あるいはどこか遠くから、あるいは、すぐ隣から。 ずっと、ずっと。どこにいても、何をしていても、気がつけば滋郎のことを目で追っていた。 滋郎を観察しつづけるにつれて、その恋心は深くなっていった。 根っからの善人の滋郎は、誰よりも輝いているように見えた。少なくとも、マリアにとっては、これ以上ない、輝ける存在だった。 ずっとずっと。見つめつづけた。 起きるときも、食べるときも、風呂に入っても、笑っても、悲しんでも、転んでも、なにをしているときでも、いつも隣にいた。 触れることができなくても、満足だった。 マリアにとって、なにより嬉しいのは滋郎の自慰行為をいくらでも観察できることだった。 マリアは滋郎の自慰を観察しながら、自らも快楽をむさぼった。 時には、あの時もらった上着の匂いをかぎながら――あるいは、股に擦りつけながら。その手触りを、滋郎自身の代わりにして。 ずっと見つめるうちに、同じく滋郎を見つめる存在に気付くこともあった。 滋郎は優しい男だ。確かに、好意を持つ女も多いだろう。それはマリアにはよく分かっていた。 しかし、理解はできても納得はできない。 マリアは、滋郎に必要以上に近づく女を排除しつづけた。故に、滋郎はいつだって独り身だった。 時に、陰湿に、時に、強引に。マリアは、社会的に敵を抹殺しつづけ、滋郎の貞操を守った。 また、自分の貞操を守ることにも必死だった。 国家資格が必要で、高給取りのサンタガールは、サンタの世界では非常によくもてる。 祖父が見合いの話をだしてくることも少なくなかったし、親は何度も下らない男達を紹介してきた。マリアはそれらを実に巧みに退けた。 全ては、滋郎を観察しつづけるため。 そしていつか、結ばれるためだった。 「それなのに……。それなのに……」 マリアが滋郎を『見つめる』ことができなくなったのは、退職して滋郎のもとに転がり込んでからだ。 マリアの暴走する欲望が実に人間的なレベルに到達したその時、マリアは力を失い、透視もなにもできない、ただの人間となったのだった。 しかし、マリアは滋郎とともにいられるだけで満足だった。それ以上望まなかった。それが大きな油断だったのだ。 目を離した一年で、滋郎は女に目をつけられ、ついには告白されてしまった。 今まで女性に縁がないが故に、押しには弱いだろう滋郎。 「助けないと……」 ぶつぶつと呟きながら、マリアは夜の町を歩いてゆく。 「待っててください、滋郎さん……。今、目を覚まさせて上げます……」
♪ ♪ ♪ (やっちゃった……! ついに、憧れの滋郎君に告白したぞ……!) 裕子は、はっきり言って浮かれていた。ついに、人生をかけた告白が成功したのだ。 彼女の失恋率は100%。全ての恋が、告白の時点で破れている。 容姿のせいではない。彼女の異様な不器用さのせいだ。 彼女は人付き合いが余り上手ではなく、口下手だ。それに、身持ちも硬い。 それらがたたって、二十七歳となった今までずっと処女だった。 (これでやっと処女卒業できる! その相手は、しかもあのいかにも童貞な滋郎君……! この年になって処女童貞のカップルって、むしろ国宝級よね……。あたしたし、絶対幸せになれる。そう、これはサンタさんがくれたプレゼントなのよ!) ああ、サンタクロースよ。ひげのおっさんでいいから処女奪ってくださいなんて願ってすみませんでした。あれは思春期の過ちですから! 空に向かって、裕子は手を合わせた。 「あなた、滋郎さんの同僚のかたですよね」 妄想に浸っている間に、急に後ろから声を掛けられ、裕子はとっさに奇行をやめ、とりつくろう。 「え、ええ。そうよ。それが何か?」 「少し、お話があります」 ――大切なお話ですから、人気のないところに行きましょう。誰かに聞かれては大変です。 人気のないところに行く。男に誘われるならまだ警戒するが、相手は女。それも、若くて美しい女。裕子は警戒心を全く持たなかった。
♪ ♪ ♪ 「いい格好ですね」 「あ……あんた、なんでこんなこと!」 縄で縛られた裕子を、美しい女――マリアが、生ゴミでも見るような目付きで見下ろしていた。 「何故? 決まっているじゃないですか。あなたが滋郎さんを誘惑した、淫売だからですよ」 「い、淫売ですって!? そんな侮辱……げふっ!」 マリアの蹴りが、裕子のみぞおちに直撃した。 「淫売は淫売らしく、下のお口で会話したらどうなんですか?」 マリアは、裕子のスカートをめくり上げると、さっと下着を取り去ってしまう。 「や、やめっ……むぐっ!」 そのまま裕子の口に、丸めた下着を押し込んだ。ざらざらした、布の舌触りにうめく。 その上に猿轡をはめ、マリアは立ち上がって、言う。 「さて。ここは非常に人気のない場所ですね。大変ですよ、こんな所に女性一人でいては……ねぇ、皆さん?」 『皆さん』? 裕子が不審に思って視線をそらす。 すると、どこからか男達があつまり、裕子を取り囲みはじめていた。 「ん―!! んー!!」 裕子は精一杯わめくが、言葉にはならない。 「皆さん、この女性は二十七歳にもなって処女だからコンプレックスを持っていた、不幸な人です。どうか、皆さんの聖なるつるぎで、その不幸を貫き壊してあげてください」 「んー!! んー!!!」 もう、ここまでくれば裕子にもこの先の展開が予想できていた。 しかし、予想はついても回避できない未来がある。これはそういう類いのことだ。 (ああ、神様……!) 裕子は涙を流しながら、ついに諦めた。 「駐在さん、こっちです! 今、女性が襲われています!」 と――その時、天の助けが現れたのだ。 男達は、ちぃ、と言い残し、どこかしらに消え去った。 が、いくら待っても警察はこない。おそらく、今現れた男の仕掛けたハッタリだったのだろう。 「大丈夫ですか、裕子さん」 そう言って、猿靴差をはずす男。どう見ても、その男は裕子の知った顔だった。 というか、彼は……。 「滋郎君……!」 「はい、危なかったですね」 「滋郎君……怖かったよぉ!!」 ひしと抱きつく。 「でも、滋郎君。なんでここに?」 「探している人がいて……。見失ったんですけどね。サンタの服をきた、綺麗な女の子です」 「サンタ服の……綺麗な子……?」 「はい。見ていませんか?」 「その子は……あたしを襲って……」 「襲った……? そんなまさか」 「いえ、あの子、普通じゃなかったわよ! きっと、滋郎君に恨みがあるんだわ! だから恋人になったあたしを狙ったのよ!」 怒りに打ち震えながら、裕子はまくし立てた。 「滋郎君、気をつけなきゃだめよ……。なんなら、今夜はあたしと一緒にすごさない?」 「それは……」 「こうやって、平気なふりしてるけど、あたしも正直不安なのよ。その……リンカン、されそうになったし」 「それは……確かに、ほうってはおけませんね。いいですよ、裕子さん。僕の部屋に泊まっても」
♪ ♪ ♪ (マリアさんなんだろうか。やっぱり……) 滋郎は、考えていた。 裕子の話をきくと、たぶん裕子を襲ったのはマリアなのだろうと推測できる。 しかし、あの優しい女の子がそんなことを……? (僕が……。僕があんな、ひどいことを言うから……) 非常に、後悔していた。マリアが裕子を襲ったのは、自分に責任があるのではないのかと感じていた。 (もう、このまま帰ってこないのかな……) そんなの、いやだな。滋郎は、マリアに謝りたいと強く願っていた。 「滋郎君……あたし、こわいわ。一緒に寝ましょう」 「で、でも……」 「今日から、あたしたち恋人同士よ。普通のことよ」 有無を言わせず、裕子は滋郎のベッドに潜り込む。 「滋郎君、抱きしめて……。絶対、放さないで」 「裕子さん……」 裕子は、自らの服に手をかけ、取り去っていった。 滋郎の前に、その裸体が晒される。 (裕子さん、思ったより、すごい……) 裕子の身体は、普段服の上から見たよりも見事で、美しかった。 「滋郎君……あたしたち、幸せに……!」 「裕子さん……!」
♪ ♪ ♪ 「四回も、中に出しちゃったのね。滋郎君、見かけによらず好きねぇ」 「裕子さんこそ、初めてなのに感じすぎです。こえ、すごかったですよ」 ――近所にも聞こえてるかも。 「……ねえ、滋郎君、あたしの身体、どうだった?」 「しょ、正直、おぼれちゃいそう、でした。この世のものとは思えないというか……」 「そうですか。うれしいです」 「え――?」 奇妙なことが起こった。 裕子が、急に口調を変えたかと思えば。その顔が――マリアのものに変わっていたのだ。 「マリア……さん……?」 「はい。そうです。滋郎さんが今まで獣みたいに犯し尽くした女が、わたしです」 「……ど、どうして……? いつから、入れ替わって……?」 「裕子さんを家に連れ込んだ後、ころあいを見計らって、です。滋郎さんと自然に近づける状況があれば、それでよかったですから。それと、裕子さんなら無事ですから、安心してください。死んじゃったら、滋郎さんの日常に支障をきたしますから」 「どうして……」 「まだ、わからないんですか……?」 マリアは、再び――偽の裕子だったときにしたように――滋郎に跨った。 「滋郎さんを、ずっとずっと……見てきたんですよ。愛していたんですよ」 腰を動かし始める。 「ああっ……滋郎さん……滋郎さんなら、わたしが妊娠したら、責任とってくれるって、確信してるんです……あんっ……!」 「うっ……き、きみはっ……」 「ゆ、裕子さんの存在を知って……あ……最初は……殺したくなるほど……あぁ……憎みました……。でも、利用価値に、気付いて……感謝しました」 マリアは興奮状態のまま、膣の収縮で滋郎のモノを締め付ける。 ねちっこく、絡みつくように。 ――もう、はなさない。 「これは、人間になって、恋をしたわたしへの……プレゼント、なんです」 思い出したのは、祖父の言葉だった。「恋をする人の光は美しい。そして、美しい光をもつものは、きっと誰よりもすてきなプレゼントを授かるだろう。 すなわち、それは彼女のパーソナルギフト(サンタとしての特殊能力)である『幻惑』で滋郎を錯覚させ、性交に及ぶ機械を与えたこと。これは、今までどおり女たちを排除していては無理な戦法だった。あくまで、恋人の裕子なしには成立しないのである。 そして、もうひとつのプレゼント。 「今日、すっごく危険日なんですよ。こんな日にいっぱい中に出されて……わたし、赤ちゃんできちゃうかもしれません」 マリアは、神に感謝した。 彼女は人間化が進んでいたというのに、サンタの能力たる『ギフト』を使うことができた。これは、殆ど奇跡のようなものだ。 彼女の作戦にはこの幻惑能力が必要不可欠だった。彼女が失った透視や透明化を差し置いてでも復活すべき能力が、これだったのだ。 そして、彼女は賭けに勝った。 裕子の存在、能力の存続、そして、危険日。 これらの要素が揃ったこと。これは、もはや神か、あるいは天国の祖父がくれた、プレゼントだとしか思えなかった。 ――そういえば、『幻惑』能力は祖父から隔世遺伝したんだっけ。 (まあ、そんなのはどうでもいいんです) 今は、とにかく、滋郎との性夜を楽しまなければ。 「あ……滋郎さんの、熱い……!! 赤ちゃんできちゃいます……!」 これからは、今までの。十一年間のツケを、たっぷり身体で払わせてやろう。 マリアは、今、幸せだった。 おわり
ちょっと淡白すぎたかなと思いますが、よく分からない部分は、たぶん次回投下するもう一つのサンタ物の短編で補完されます。 本来そっちから書き始めたので、サンタの設定やマリアの行動についてなどは、そっちで説明がなされると思うので。 文章も非常に淡白ですが、絵本っぽくしようと無意味に工夫した結果の賛辞です。 次回は改善します。
賛辞→惨事 でした。失礼しました。
GJ!!
GJ!
初めて投下させて頂きます。 どうかお手柔らかにお願いします。
狂っている。そうとしか形容のしがたい状況に追い込まれてしまった愚か者、それが俺、大沢 宗佑(おおさわ そうすけ)だ。 「あはははっ」後ろから聞こえてくる、乾いた笑い声が聞こえてくる。しかしながら、その笑い声は俺にとっては恐怖以外の何物でもない。 「くそっ!」今さっきの笑い声にびびり、足がもつれる。 衝撃。 見事なこけ方をかました体には、擦り傷が多く付いているが、そんなもの気にしてもいられない。なぜなら、後ろから追って来ている笑い声の主に捕まるほうが、億倍危険だからだ。 「そーちゃんみっけ!」しまった。そうとしか言いようのない。コケた際にずいぶんと距離をつめられたらしく視認できるほど近付かれていた。 いそいで逃走を開始する。後から再び声がする「そーちゃんどうして逃げるの?」 お前が危険なやつだからだ。声に出さずに即答する。 そもそも、なぜ追いかけられているのか、それすらはっきりとしていない。 何をどこで間違えたのか、それを思い出してみることにする。 § § 俺と、相良 風深(さがら ふうか)とは家が隣というそれだけのことだった。 昔から、仲良しだった俺たちは、小学校、中学、そして高校の登下校はほぼ毎日一緒だった。 小学校の頃から、俺は風深の世話役のようなものだった。 まあ、頼られることは正直、悪い気はしなかった。 そんな感じで、高校生活も2年目を迎えた、ある日のことだった。 「好きです」 突然、言われた言葉。断じて、頭に花畑が十個くらい咲き乱れているような幼馴染から言われた言葉ではない。 目の前にいて、聞きなれない言葉を言ったのは、一谷 日出(いちたに ひので)さんだ。 学校の中でも五本の指に入るとさえ言われる、美人から告白されたのだ。実感が湧くわけがない。 「ええっと・・・。こちらもよろしくお願いします。」 とりあえず、実感の湧かないまま了承する。 返事を聞いて、一谷さんの顔に一輪の白い花が咲いたかのように、綺麗に笑った。 「ありがとう・・・。」 か細い声だが一谷さんが返してくれる。 どうにも実感が湧かないが、心臓が高鳴り、痛いくらいなので夢ではないのだろう。 俺はそのままのご機嫌な気持で今日という日をすごした。 § § 「よう、ソースケ!!聞いたぞ。お前、一谷さんと付き合うことになったらしいじゃないか!」我が悪友の、裕司が次の日の朝いつも通りの調子で、話しかけてくる。 いったいこいつの情報は、どこから仕入れてくるのか疑問に思うくらい情報が早い。 「お前は、一体どこからそんな話を聞いてきた?学校中に監視カメラでも仕掛けているのか?」あきれ気味に問う。 「まさか!」裕司はとんでもないといった風に返し、続ける。 「そんなものを使うくらいなら盗聴器のほうが・・」「もういい、黙ってろ。」 なんとも変態じみた裕司の声を耳からシャットアウトし、我が麗しの一谷さんに目を向ける。 「おやおや。」ニヤニヤ笑いの裕司が話しかけてくる。 うるさい、馬鹿、黙っていろ。人の考えている途中に口を挟むな。 さすがに声に出すのは躊躇われた。とりあえず、鬱陶しいので振り払う。 「で?風深ちゃんはどうすんの?お前とは夫婦のようなもんじゃねえか?ん?」 しつこく纏わり付いてくる裕司に半分あきれ気味で返してやる。 「だから、俺と風深はそんなんじゃないって。」 「おやおや、毎日一緒なのに夫婦じゃあないと?」 「そうだ。」 うんざりしつつも、返答する。 「ま、せいぜい後からナイフで『グサッ』なんてことねえようにな。」 「はいはい。」適当に返事をして、気持ちの悪い笑い方をしている裕司を、頭の中から排除する。 それにしても、風深にこのことを放すとどういう反応を示すか楽しみだ。 「ねえ。」おっと、どうやらちょうどいいタイミングで、風深が来たようだ。 「なあ風深、俺な・・。」「一谷さんと付き合ってるってほんと?」 こいつ何で知ってるんだ?まさか、裕司の言うように盗聴器を仕掛けているのかもしれない。そう思うと、けっこう怖いな。 少し躊躇いながらも、返答する。「ああ。俺も信じられないがな。」「ねえ、なんで。」 「ん?」何でって聞かれても、何を?「なんで。何で私の気持ちに気づいてくれないの?」 「はあ?」おいおい、俺とおまえは、ただの昔からの友達だろ。何を言ってるんだ、本当に。 その旨を伝えると、何故か風深は涙目になって教室から出て行った。いったいなんなんだ。
・・・・放課後 そのまま風深は教室には、帰ってこなかった。 まあこういう日もあるさ。今日は一谷さんと一緒に帰ろう。 ここは、学校前の坂。俺の左手には一谷さんの右手が握られている。 やわらかく透き通りそうな肌から伝わってくる体温。やばい、なんかドキドキしてきた・・・。 「あ、あの・・・。一谷さん?」どもりながらだが、何とか口を開く。 「えーと・・、一谷さんの家ってどの辺りにあるの?」一谷さんとの親睦を深めようと話しかける。 「そーちゃん。」後から突然話しかけられる。 振り向いた先には、目に光のない幼馴染が立っていた。 「ねえ、そーちゃん。なんで?なんでなの?」 おまえは何が言いたいのかがわからない。「風深、何を言っているんだ?」 風深はにこりと笑い、「そーちゃん。大丈夫。私がそーちゃんをつけ込む泥棒猫には制裁を加えてあげるから。」とつぶやき、包丁を懐から取り出す。 なんだか、危険な感じがする。逃げなければと本能が告げる。 「一谷さん、逃げるよ。」「う・・・うん。」手を握り締めて走り出す。 「そーちゃん。そんな汚らしい女の手なんか握っちゃダメなの!!」 後から狂ったかのような声が聞こえてくる。 包丁を振り回す風深から、逃げようと必死に走る。だが、異様に早い風深の動きは俺たちを捕捉する。 「一谷さん!!!」ふとした瞬間に手から一谷さんの手が離れる。 「あはは!!」遅かった。完全に捉えられてしまった、一谷さんは、銀色に光る刃に切り裂かれて、鮮血を飛び散らせる。 「あは、あははははは!そーちゃん、ねえ、嬉しいでしょ?ねえ?」動かなくなった一谷さんを、蹴り飛ばしながら、ゆっくりと近づいてくる。そう、時間と呼吸の止まりそうなくらいの恐怖が、ゆっくりと。 「くそっ!」 毒付いて、そのまま全力で走る。 近づいてくる風深を押し飛ばし一谷さんに駆け寄る。 しかし、目からは光が消え失せ、鼓動を知らせる脈は絶えていた。 「そーちゃん、何でそんな女なんか庇うの?」「うるさい!!」俺は、怒りを声に乗せて、風深へと振り返る。 そこに立っているのは、もはや親しい幼馴染でも、正気を保った人間でもなかった。 包丁を持った右腕からは、一谷さんの血が垂れ落ち、こちらをまっすぐと見る目からは、後悔の念など浮かんではいなかった。 「そーちゃんはいつもそう。誰かのために怒る。泣く。悲しむ。 私がつらい時だって、同じように悲しみ、励ましてくれた。 でも、そんな女なんかと一緒にいたら、そーちゃんが汚れちゃう。そーちゃんも汚れたくないよね?」 風深が一気にまくし立てる。 「おまえ・・・、狂ってやがる・・・。」俺は心の底からの本音を、言葉に出す。 直後、風深の動き、呼吸、何もかもが止まった気がした。 事実、止まっていた。 「あは・・・・、あはは・・・・、そーちゃんがそんなこと言うはずが無い。 そっか・・・、そーちゃんはもうあの女に汚されちゃってるんだね?そうだよね? そうじゃなきゃ、私にそんな言葉、言うはずないもんね?ねえ?」 だめだ。もはや聞く耳も持っていない。 「ねえ?そーちゃん?汚れてるのはそーちゃんも嫌だよね?だから、私が責任持って元に戻してあげるから。」近づいてくる。当然、俺は一歩ずつ後ずさる。 「なんで?何で逃げるの?ねえ?なんで・・・。」風深がさらに距離をつめようと走ってくる。 やばいと本能が告げている。俺は、背を向けて走る。 「あはは!」 後ろから、笑い声。 そして、冒頭へと話がつながる。
回想終了。結果、俺はどこで間違えたのかが理解できない。 とりあえず、この地獄の鬼ごっこから逃れることに専念しようと、決心する。 後ろを振り返るが風深が追ってきている様子は無い。 「少し休もう。」疲れているのか、思わず独り言を口から漏らす。 前に向き直ると、そこには風深が立っている。 「な・・・。」「そうだね、鬼ごっこはやめて、休もうか。」 俺はとっさに逃げようとする。 だが、背中を向けた直後に鋭い痛みを感じて、体が倒れていく。 意識が薄れる中、かすかに残る視界には、影を含んだ幼馴染の笑みだった。 § § 「ん・・・?」まぶたが開き、微弱な光が差し込む。 薄暗い部屋だった。おまけに、窓ひとつ無い。 とりあえず、ドアを開こうといすから立ち上がろうとする。 だが、出来なかった。できるわけが無い。椅子に縄で括り付けられ、おまけに後ろ手に手錠という、状態だったからだ。 がちゃり、ドアが開く。こんな馬鹿馬鹿しいことをした愚かな奴を目にしようと、開いたドアを凝視する。 居たのは、最も可能性がある、だが、同時に最も居て欲しくなかった奴が立っていた。 そう、風深だ。 「そーちゃん。」風深がさらに続けようとする。だが、その言葉を遮り、言葉を出す。 「何でこんなことをした。さっさとここから出せ。」怒りを抑えた声で、問いかける。 「だめ。そーちゃんは、私とこれから住むの。 でも、そーちゃん、恥ずかしがり屋だからすぐ逃げちゃうでしょ? だから、こうしたの。そーちゃんも実は嬉しいでしょ?」 なにを言ってるんだこいつは。まったく理解が出来ない。 「冗談ならこの位にしとけ。でないと、警察沙汰になってロクなことに・・・。」「そーちゃん。」 今まで聴いたことのないような、冷たい声で中断させられる。 不意に、ふわりと抱きすくめられる。 「私は、そーちゃんのことが好き。大好き。 だから、私以外のことを考えないで。私のことだけを見て。ね?」 肯定しか許されていない質問だった。 何も言えない俺を、ただ風深は抱きしめていた。 ずっと、ずっと。
投下終了です。 稚拙な文で申し訳ありませんでした。
GJ 次はエロを期待してる 書き手が増えるのは良いねぇ
さがら・・・そうすけ・・・?
GJ!! 申し分ないSSでしたよ!!!もっと自分に自身を持ってください!
>>685 GJ!
文章が素直で読みやすかったです。
もっと掘り下げて語れる設定だけに、長い文章を読んでみたかったかな。
今後の活躍に期待します。面白いSSが書ける人だと思います。
エロ描写にも挑戦してくれると嬉しいかな。
ただ、頑張っているだけにちょっとだけ苦言も。
文章を書くに当たって、ちょっとだけ知っておくと良いルールがあるんです。
(1)「 」台詞の最後に句点をつけない
「おやおや。」のように「」台詞の最後に通常句点はいりません。「…。」等も同様です。
結構、気にする人もいるので、無くされた方が良いかと思います。
(2)台詞の引用、状況の描写の改行に一貫性を持たせる。
改行する部分にかなりばらつきがあり、文章全体が読み辛いものになっていたように
感じられます。
台詞では「」を2度続けないとか、「」の後の情景描写や心理描写を改行後に繋げるとか
すると、読み手も読みやすく助かります。
では、今後も頑張ってください。
荒れるだけだから反応するなよ もういくつ寝るとお正月。 大晦日もやはり監禁で
>>691 そして除夜の鐘を監禁されながら聞くのですね、わかります
>>691 おめでとう、来年はヤンデレ娘といい年を迎えられるだろうよ
むしろ鐘の中に監禁される。
>>693 嫉妬に狂った女が蛇になって鐘の中に隠れた男を焼き殺す的な話って何だっけ?
ソウルイーター
>>689 改善点を分かりやすく挙げていただきありがとうございます。
参考にさせていただきます。
>>694 おそらく安珍・清姫伝説では?
ヤンデレの好意を無視し続けるとどうなるかよくわかるお話です
しれっとクリスマスSSを投下します
世の中はクリスマスだったらしい。 俺は年末の忙しさに忙殺され、ケーキなぞ食う時間もなくすでに太陽が昇り始めた高速道路を家へと向かい車を走らせていた。 すでにこの仕事について3年ほどたち、この勤務体制にも慣れてきたが流石に3日も会社で寝泊りを繰り返していると憂鬱になる。 俺一人ではないにしろ、男ばかりの職場なので安らぎもなにもない。 そんな中でやれクリスマスだプレゼントだとはしゃいでいる輩は、俺からすればよく年末に遊んでいられるなといった感じだ。 まあそんな華やかな行事は性に合わないので、逆に今くらいの忙しさが俺にはあっているのかもしれない。 そうこう考えている間に高速道路が終り、国道へと降りた。 そういえばこの近くに新しくコンビニができたなと思い出し、せめて一日遅れのクリスマスを過ごそうとそこでショートケーキを買う事にした。 車を停め、外へと降りる。他に誰も車を停めていなかったが、念のため車の鍵を閉める。 息を吐くと白い湯気が顔の前に立ち上り、すぐに空気と混ざって消えた。冬というもあるが、朝方という最も寒い時間帯だ、いつまでも外にいるのは体によくないと店内に歩を進めた。
よく聞くあのなんともいえない電子音と店員のいらっしゃいませという言葉と共に俺は店内に入った。 店の中は温かく、おでんやら中華まんのにおいがした。そういえばろくに飯を食ってなかったと今になり空腹感を覚える。 なにか簡単に食べれるものも買っていくことにした。 レジの脇にある弁当売り場からおむすびを2つ、シャケとオカカを手にとり、そのすぐ隣にある洋菓子などが並べられているコーナーから売れ残っていたのであろうショートケーキをひとつ掴むと、 それをレジへともっていく。 商品をレジに置き、財布をポケットからだす。ふと顔を上げると店員と目が合った。 店員はなにか俺の顔についているのか、最初の数秒まじまじと俺の顔を眺めていたが、思い出したように商品を清算していく。 たしかに最近は忙しくてろくに寝てもいなかったが、まじまじと見られるとそうとう酷い顔をしていたに違いない。 今日と明日は休みを貰ったのでゆっくり休む事にしよう。 会計で475円ですと言われたので、財布から小銭を探す。ちょうどの代金を払い、袋を持ち店をでようとすると袋の中に買った覚えのない栄養ドリンクが入っていた。 「あの、これ買ってないですが?」 そういうと、うっとりとしたような笑みを浮かべながら、 「いえ、これは私のサービスです。ちゃんと休んでおかないと体壊しますよ?」 「はあ、それはご丁寧にどうも。それじゃいただいておきます」 折角相手の厚意でくれるというのだから貰っておく事にした。それに夜勤明けで断る体力もなかったともいえる。 こんなご時世だから人と人との助け合いが大切なんだろうな、これからはあそこのコンビニをひいきにしようと名もしらぬ店員の優しさをかみ締めながら家へと帰ることにした。 不思議と外の寒さも気にはならなかった。 しかし、家についた俺はせっかくもらった栄養ドリンクやショートケーキも口に入れる事なく布団へ倒れこんだ。 予想以上に疲れが溜まっていたらしい、俺の意識はすぐに夢の中へと堕ちていった。
変な夢を見た、俺に娘ができる夢だ。しかも5歳くらいの娘がだ。 朝から晩まで俺の後をテコテコついてきてなにをするにも一緒である。 娘はとても可愛らしく、俺の遺伝子をどういじくればこんな子供ができるのだろうというくらい可愛らしかった。きっと母親が美人なのだろう。 だが、夢のなかにその母親はでてこず、家の中に俺と娘とでふたりきりだった。 おままごとだったり、お馬さんごっこだったり、とにかく時間が経つのも忘れずっと娘と戯れていた。 しかしふと思い出したように、俺は仕事をどうしたのだろうという気になった。夢の中でも俺は社畜なのかと嫌気がさしたが、 夢の中でも今の会社に勤めていたのだったら他の人に迷惑をかけていることになる。課長にはよくしてもらっているのでなおさらだ。 いまから一度会社にいってくると娘に告げると娘は頑なに拒んだ、小さな瞳を涙で潤ませ、俺の目をみていやいやをするのだ。 母親がこの夢にはいないのでひとりになるのはこの娘も嫌なのだろう。 娘は俺の手にしがみつき、俺を仕事にいかせまいと必死である。さて、どうしたものかとしばらく困り果てていたが、これは夢である。 そうであれば、別に無理に仕事にいくこともないかと先程の決意をあっさりと曲げ、今日はこの娘と一緒にいることにした。 俺が諦めるのを感じ取ったのか娘は俺の手を放し、またさっきのようにコロコロと笑い出した。しかし本当に可愛い、嫁にだすのが今から惜しいと思うほどだ。 色々と気になることもあるが、今はこの娘と戯れる事にしよう。そう思い、俺はまた娘と遊び始めた。 視界がごろんと回転し、夢から覚める。せっかく娘とオムライスを作っていたというのに。 俺はベットから上半身を床に投げ出す格好で目が覚めた。 そのままズリズリと下半身も床に落とし、体が天井へ仰向けな格好になる。 ガバッと勢いよく体を起こす。不味い、時計はどこだ、完全に遅刻だ。急いで目覚ましを引っつかみ時間を確認する。15時21分。 いったいなんでこんな時間まで寝てたんだ、俺は。目覚ましのアラームは、なんで今の今まで俺は寝てたんだ。 俺を起こさなかった目覚ましを乱暴に放り、軽いヒステリックを起こしながら駆け足で洗面所に向かう。 幸いスーツのままで寝ていたので着替えに時間をとられることはない。 あとは髭をそってさえ行けば大丈夫なはず、飯は昨日買ったおむすびがあるはず。 ん?おむすびを昨日買った?そんで昨日はクリスマスで、俺はショートケーキを買って… ふう、とため息をつく。なんだ、そういえば課長が俺に気を使って2日間の休みをくれたんだ。 だがこんなに血相をかいて飛び起きたりするなんて、やっぱり日ごろの習性ってのはなかなか抜けないもんだ。 いくら休みだと頭に言い聞かせても、体はいつものようにしっかりと動く。 だが、これじゃまるで仕事が俺の人生みたいじゃないか。 確かに、仕事は辛いが給料はいい、だが金を溜めたところで特に使う道もなく、毎日体をすり減らして働く。いつからこんなに夢がない人間になったんだろうな。 「なにやってるだろうな。俺」 だれもいない、寝て起きるだけの部屋で俺は独り言を漏らした。 「なら、やめましょうよ。無理に疲れて生きるより、自由に素直に幸せに生きましょうよ」 突然、誰も居ないはずの俺の部屋から返事が返ってきた。本当に唐突のことだったので、体がびくりとはねる。 そしてゆっくりと声がした方向へ体を向ける、そこには見覚えのない女性が立っていた。 「おはようございます、ゆっくり眠れましたか?」 「きみは誰ですか?どうやってこの部屋に入ったんですか?なんで俺の部屋に?」 もっともな質問が口からでる、そりゃ見知らぬ人間が自分の家に居て、突然自分の後ろに立っていたら驚くだろう。 物騒な世の中だ、なんの目的もなく他人の家に入りはしないだろうし、要件次第じゃ警察を呼ぶ事も考えにいれておいた。 「そんなに矢継ぎ早に質問をされても困っちゃいますが、一つずつお答えします。 まず最初の質問ですが、私は久野巴です。さっきまでコンビニで正社員をしてましたがやめちゃいました。 次の質問ですが、玄関の鍵が閉まってませんでしたよ?そんな無用心だから簡単に部屋に入れちゃいました。 最後の質問ですが、好きだからです、このさい私と結婚しましょう」 一応俺の質問に全部答えてくれたようだけど、どこかずれている気もする。 一部おかしな返答もあったし、なんなんだろう。やはり警察に通報した方がいいのだろうか。 考えるにも、こういう手合いの人間は初めてだ。だから俺はとりあえず 「まあ、立ち話もなんですし。座って話しましょう、コーヒー飲みますか?」 コーヒーを交えて、話し合うことにした。
飯台の反対側に久野さんを座らせ、今後の俺たちの関係をどうするか話し合うことにした。 一応コーヒーはドリップ式で結構値の張るものを使っている。湯を二人分のカップに注ぎながら俺は再度久野さんに質問をした。 「いつから俺の部屋に入ったんです?というより赤の他人の、しかも男の部屋に躊躇なく入るってどういうことですか。若い女性がそういうことしちゃいけないですよ」 「あなたが寝てからしばらくしてからですかね。家の鍵も空いてたので駄目だとは思いつつやっぱり入っちゃいました。 あと、実はなんどか会ったり話したりしてます。たぶん覚えてないと思いますが。だから赤の他人とはいいません。それに私貞操観念硬いですよ、未だに純潔です」 たとえ純潔でも、数回会っただけの男の部屋に入ってる時点で十分軽いのではないだろうかと思うが、どうなんだろう。 それにこの会話のかみ合わなさ、なにか事情があるのだろうか。 コーヒーを蒸らしながら次の質問をする。 「好きってどういうことですか、さっき聞いたぶんには俺に惚れる要素なんて皆無じゃないですか」 「そんな、人を好きになるっていう事に時間とかを持ち出すなんてナンセンスですよ。 しいて言えば最初は生き生きしていた貴方の顔が日を重ねるごとにやつれていくのにですかね。その顔をみていたらぞくぞくしてきちゃって、 どうしようもなくあなたと幸せになりたくなりました」 やっぱりどこか感性がおかしい人だ、と思いながらコーヒーが出来上がったので久野さんにお出しした。 「どうぞ」 「どうも、温かいですね。こんなに温かい飲み物を入れることもできるんですね。真心がこもってます」 そういうと、顔に満面の笑みを浮かべながら、久野さんはコーヒーをすすった。 「そういえばさっきから私が質問に答えてばかりですね、そろそろ私が質問をしてもいいですか?」 まあ、たしかに変な人だけど悪い人じゃなさそうだと思い。俺はその要望に応じる事にした。 「変に俺の過去に突っ込んだ質問でなければいいですよ」 「それじゃあ、なんで私がプレゼントした栄養ドリンクを飲んでないんですか?」 栄養ドリンク?はて、そんなもの貰った覚えはない………と思ったが、確かに貰ったな。あの店員は久野さんだったのか。 「ああ、あの店員さんは久野さんでしたか。家に帰ったらすぐに寝ちゃったのでまだのんでませんよ?」 「やっぱり覚えてないんですね。予想はしてましたが、いつだって私はあなたの目を見て話してるのにそれに気づきもしない。私は寂しいです」 久野さんはおもむろに立ち上がり、それでその栄養ドリンクはどこに置いたんですか?と訊ねてきた。 「それならコートの下のレジ袋の中に」 それを聞くと久野さんは俺のコートをとり、いったん綺麗にたたんでからレジ袋の中の栄養ドリンクを取り出した。 「まったく、私が色々と元気になってくれるように作った特性のドリンクをなんですぐに飲んでくれないですか」 少し怒ったような口調でカリカリとドリンクのキャップを開けてながら、俺の隣に座る久野さん。
開けおわったキャップを飯台におき、グイッと自分の口に入れる。俺に飲ませるためにくれたのではなかったのかと疑問に思っていると、 久野さんの顔が俺の顔に重なり、唇を奪われた。 あまりにとっさのことだったので反応しきれず、そのまま唇をこじ開けられる。 久野さんの舌がドリンクと共に口内に入ってくるのが分った。駄目押しに鼻をつままれる、こばもうととするも、息苦しさから長続きせず、そのまま口の中のものを飲み込んでしまう。 飲み込んだのを確認したのか、鼻をふさぐ指は解かれたものの、唇は重なったままだった。 人付き合いが苦手でいままで彼女なんてできなかった俺が、女性とディープキスなぞできるはずもなく、俺の唇はただ彼女に蹂躙される。 むさぼるように唇を求めながら彼女は俺の口内のいたるところに舌を這わせ、何度も何度も俺の舌を吸い上げた。 ひとしきり、キスをしつづけた後、唾液の糸を引かせながら唇をはなす。それを俺の唾液ごとすするように飲み込んだ。 「飲みましたね?ちゃんと飲み込みましたね?私とキスしてくれましたね?私も初めてだからうまく出来たか分かりませんがとにかくキスしましたね。 いいんですうまく出来たかなんてことは、これから二人で上手になっていけばいいだけなんですから。でもちゃんとあなたからも求めて欲しかったです。 今度はちゃんとあなたからもキスしてくださいね?」 そういうとぽかんと開いたままの俺の口はまた彼女の唇でふさがれた。 求めろといわれても、こんなムードもへったくれもない状況でどう求めればいいのか分らなかったが、とにかく相手の舌に動きをあわせてみようとした。 もとより性欲が強いほうではなかったが、仕事仕事の毎日で俺のなかにも溜まるものは溜まっていたらしく、彼女とのキスで俺の男もその存在を主張しはじめていた。 俺の舌の動きを感じた彼女も、俺を押し倒し俺の頭を両手で抱きしめてきた。心なしかさきほどより彼女の体が熱を帯びてきたように思えた。 いや、駄目だろ。普通であったばかりの男女がこんなことしちゃ、風俗じゃあるまし。常識から逸脱している。 手遅れながらも働き出した理性で、俺の顔に張り付いてる久野さんの顔を引き剥がす。むぅと艶のある声で抵抗されても構いはしない。 「どうしたんです、途中からのりのりだったのに。いきなりやめちゃうなんてムードぶち壊しですよ」 「いやいや、やっぱり駄目でしょう。それに久野さんはこの状況にムードを感じてたんですか?」 久野さんは唇を指で拭いながら、恍惚とした表情で 「久野さんだなんて、他人行儀ですね。巴でいいですよ。それにふたり一緒ならいつでもムード満天じゃないですか?」 やっぱりこの人どこかおかしいですよ、部屋に入り込まれた時点で外に追い出すべきだった。 「もうやめましょう、帰ってください。俺は好きでもない人にこんなことされても嬉しくないです。それにこういうことを軽い気持ちでする人は嫌いです」 「嫌い?私のこと嫌い?そうなの?」 「はい、俺はそういう人が大嫌いです」 そっか、とつぶやき久野さんの顔に笑みが張り付く。昨日俺に栄養ドリンクを渡した時のような妖艶な笑みだった。 「しかたないよね。そう、しかたない。でも大嫌いとまでいわれちゃと流石に傷ついちゃなあ」 笑みを浮かべながらおもむろに尻ポケットを探る久野さん。次の瞬間何かを腹に押し付けられたと思うと、鋭い刺激が走りみるみるうちに俺の意識は混濁していった。 視界が完全に閉じる瞬間に見えた久野さんの瞳は暗く濁り、その色が暗転した俺の意識と混ざっていく。 意識が夢に落ちていく間際、大丈夫絶対幸せにするよ?、という囁きが聞こえた気がした。
ああ、またこの夢か。俺はまた自分の娘と戯れていた。 娘は俺の膝の上にちょこんと座っており、俺はこの娘に本を読み聞かせていたようだ。 そういえばまだ、オムライスを作ってなかったな。時計を見るとちょうどお昼時、よし今度こそ作ろうか。 俺がそういうと、娘は大きくうなずきキッチンへとかけていく。転ぶとあぶないぞと声をかけながらそれを追いかける。 キッチンにいくと、内装こそ変ってないがやはり食器や調理道具が増えている。実際の俺はパスタをゆでる深鍋なぞ買っていなかった。 冷蔵庫を開けると、都合よく卵やその他野菜類が置いてある。流石夢だな、欲しいものが事前にそろっているとは。 娘と一緒に野菜を切りそろえていく、包丁も鉄の出刃包丁ではなくプラスチックの可愛らしい奴だ。 身長が足りてないので、小さな脚立を使いながら器用に包丁を使う娘。こういう手先の器用さは俺に似るのだなと思い、にやりとする。 野菜を炒める段階になり、娘がやりたいといいだすが、流石に火を使わせるのはまだ早いだろうと思いそれを制止する。 渋りながらも了解する娘。このどことない強情さは母親に似たのだろうか?俺はもう少し聞き分けがいいと自分では思っている。 てきぱきと野菜をいためていき、そこに1人前強のご飯を入れる。あとは男の料理でコンソメとケチャップをぶち込む。 出来きた似非チキンライスを皿に盛る。次は卵だねと、娘に卵を割らせてやることにした。 幼いながらも卵を慎重にひびをいれ、カパリと割る。やっぱり器用なところは俺に似たなと、親馬鹿じみた考えが浮かぶ。 夢の中なのにいやに現実感があるなと疑問を抱きながらも娘が割った卵を溶き、再加熱したフライパンに落とす。 高温のフランパンで急速に固まっていく卵を崩しながらフライパンの端によせ、ひょいひょいとオムレツ状にしていく。 昔は自炊もしてたが、最近ろくな飯をくってないなとふと現実にもどされそうになるが、夢の中くらい現実を忘れようと出来上がった半熟オムレツを似非チキンライスの上に乗せる。 さあ食べるぞ、と飯台へとオムライスと運ぶ。娘にはスプーンを二つ持たせてだ。 ここでも一つ気づいたが、俺の家には丸型のクッションなぞ置いてなかった。それも丁度3つ。はて、この娘の母親はどうなったんだろうか? そんなことを考えていると、娘が早くたべようと膝の上から俺の襟を引っ張っていた。 そうだねと笑顔で返し、いただきますを言う。作法も小さい頃からしっかりとせねばな。 オムライスのオムレツの部分をスプーンで割っていく、こうすれば半熟のオムレツがとろけるように自らの重さでチキンラスを包むはず、はずなのだ…… しかしこのオムレツは半熟ではなく、完全に固まったオムレツに成り下がっていた。きっと余熱で固まったんだなと自分を擁護する。 「パパ駄目だね」という娘の心無い一言が胸に刺さる、こういうぶっきらぼうなところまで俺に似なくていいのに思う。無駄に現実感あるんだよな、この夢。 「パパ頑張ったけど上手く作れなかったよ、でも味は一緒だから食べようか?」 気を取り直して食べようと膝の上の娘の顔を覗き見る。うん、と元気よく返事をした娘の顔が俺の顔を見つめ返した。 眉や顎のラインはたしかに俺に似ているが、この目じりがやんわりとさがりった目元は母に似たのだろうか? そう思うと何か心あたりがあるように思え、しばらく娘の顔をまじまじと見る。ここまで出掛かっているのに、見覚えがありながらも思い出せない。 もどかしさを覚えながら、頭の上に『?』マークを浮かべている娘の目を見る。この目、目なのだ。きっとこの目が最大のヒントだろう。 そう思いもっとよく見ようと顔を娘の顔に近づけようとした時、 俺の意識は覚醒した。
まずいつもの天井があった、味気の無い俺好みのベージュの天井。この色に惚れてこのマンションに契約を決めたのだ。 しかし色々とおかしな夢ばかりみたものだと思い、体を起こそうとして俺は自分の手足がベットの四隅に貼り付けにされているのに気がついた。 いつから俺は自分を縛り付けなきゃ寝れなくなったのだと思い首を真横に傾けると、夢の一部は夢でなく現実であったと気づかされた。 両手で頬杖を付いた久野さんの顔がそこにはあった。意識を失ったときに見たあの笑顔のまま、今も俺を見つめているのだ。 「起きました?どうです、体の方も調子がいいでしょう?」 「貼り付けられた状態で、どうやって体の状態を確認しろっていうんだよ」 「あ、その口調。敬語じゃなくなってますね。少し私たちの関係進展ですね」 さらに顔を緩ませ、嬉しそうに微笑む久野さん。いや、もう「さん」は要らないな、久野で十分だ。 「でも、もっと進展しますよ。なにせ私たち結婚するんですから、夫婦のスキンシップは大切です。 さっき体の状態なんて分らないっていってましたけど、ちゃんと目に見えるくらい元気ですよ。ほらこんなにいきり立ってるじゃないですか?」 そういうと久野は、俺の分身をさすり上げる。なにか寒いと思ったら、俺は全裸だったのかとその原因に納得する。 しかしいつからこの状態なのか、さすがに凍死はしないだろうが衰弱くらいしていてもおかしくはない。 でも今の俺の状態を見るに、そんな様子は毛ほどもない。久野の栄養ドリンクが本当に効いているのだろうか? 「あの栄養ドリンクになにを入れた?真冬に全裸でいて肌寒いとしか感じないなんて異常だぞ?」 「普通の栄養ドリンクをベースに、巷で話題の精力増強剤を各種混ぜ込んでます。味もちゃんと飲んでも美味しいように結構頑張りました。実際美味しかったですよね?」 あんな無理矢理なディープキスをして飲まされたもの味なんて覚えてるわけないだろう。鼻だってつままれてたしな。 それにおかしいぞ。混ぜ込んだってそれなら普通蓋を開けるときにキャップがガリガリとはいわんぞ。 「普通に工場の人に頼んだらやってくれましたよ?」 頼んだって、さっきから普通普通とこともなげに危ないことを言われてもな。一般人の頼みを聞いちゃいけないだろ、俺の系列の会社に頼んでなきゃいいがな。 「ラベルだって私のオリジナルなんですから、手作りです。さっきは軽いとか言われましたが、これでも軽いとか言いますか?」 たしかにただの一般人がここまでのことはしない、それこそ普通は。だが言動の節々から薄々久野が普通の人間じゃないってことには気づいていた。 いままでの人生で唯一好意を寄せられた人間がこんなアブノーマルな奴だったとは、笑い話にもならない。 「はあ、流石です。思ったとおりです。こんなに大きくてグロテスクだと逆に惚れ惚れしちゃいますよ。これで沢山子供を作りましょう。いえ、授かりましょう」 そういうと、さっきから寒い室内でもその勢いを衰えさせない我が分身をしごきだす久野。 気を失う前に飲まされた精力剤のせいか、かなり敏感に反応する愚息。 「やっぱり興奮してくれてるんですね、じゃなきゃこんない汁が出るわけないですもんね。でもまだ駄目です。ただ何もないところに精子をぶちまけるのは許しません」 そういうと、彼女は俺の体の上にのしかかり、腰にまたがる。 「そこからでも見えます?キスしてからだいぶ時間が経っているのにずっと下着の中がぐしょぐしょです。さっきから切なくて切なくて早く繋がりたいっていってるんです でもちゃんとあなたにも感じて欲しくてずっと我慢してたんですよ?もうおあずけされるのは沢山です」 下着をわずかにずらし、秘部をあらわにさせそのままゆっくりと腰を落としていく。 先端から徐々に自分が久野の中に包まれていく。彼女の秘部は大量の汗をかいたように濡れぼそり、溢れ出る愛液が触れ合う肌を通して自分へと伝ってくるのが分った。
「感じますよ、ちゃんと感じます。少しまだほんのさきっぽだけなのにこんなに気持ちいいですよ。んぁ、もう一気にいっちゃいます」 すとんと一気に腰を落とす。同時に自分の全てが包まれた感覚になり、それが快美な波となり押し寄せた。 久野の顔は初めての性交で痛みを感じているのか、頬を引きつらせながらか細い声で小さくうめいた。 「くぅ、やっ…ぱり、い…たいです…ね。でも、これ…で繋がった…んですよね。夫婦になったんですよね?」 繋がった状態で体重を俺に預けながら、久野は俺を抱きしめる格好になる。 久野の乳首は硬くなっており、それが自分の胸板に擦れる。 「でも、やっぱり痛いからキスしながらしましょう。それなら私耐えられます。いい…ですよね?」 上目づかいで俺を見つめる。頼りなささげに眉をさげながらそんなことを言われると、俺の気持ちは揺らいだ。 それに初めての性交で、繋がったまま。久野は痛いといってはいるが、さっきから俺の分身は彼女の中で締め上げられており、早く動きたいと脈打っていた。 「わかった…から、動いてくれ。もう…どうにかなりそう、だ」 その顔を見て満足したのか、妖艶な笑みを浮かべた久野は再度俺に唇を重ねた。 すぐさま、舌をねじ込ませ俺の舌を求める。舌を絡ませ吸いたてながら、互いの唾液を貪りあう。 荒い呼吸をしながら、重なり、互いがそこにいるかを確かめ合うように求める。 俺は腰をまるで獣のように久野の膣に突き立て、久野はそれに応えるように受け止めた。 心臓が早鐘のように脈打つのがわかる、それは久野も同様だった。 重なり合った胸の鼓動が、しかと感じられた。抱き合って分ったのだが、久野もやはり女性。その体は柔らかく華奢で手荒く扱えば壊れてしまいそう気がした。 意識すればするほど、自分が熱くなるが分る。俺は欲望に身を任せひたすらに久野を求めた。 自分から行為に及んだとはいえ、やはり痛みがあるのか久野は涙をこぼしながら、俺の体をしっかりと抱きしめてくる。 いったん唇をはずし、大丈夫かと声をかける。 「痛くないのか?駄目ならやめてもいいんだぞ?」 「巴、巴って呼び捨ててください。名前を呼ばれるだけで私は気持ちよく慣れるんです。それだけで我慢できます。だからいっぱい呼んでください」 自分が一番辛いのに、それを隠すように弱さを見せない久野、もとい巴のいじらしさが俺にはとても愛しく思えた。 「クッ、もう限界だ。出すぞ、巴」 名前を呼んだ瞬間、膣の中が勢いよく締まり、射精感がさらに高まる。 「でますか?でるんですね?いいですよ、来てください。私を貴方のものにしてください、もっと貴方の色に染めてください」 ピクピクと肉茎が脈打ちながら、関をきったように精液をはきだす。俺は巴の中で果てていた。 「やっと名前で呼んでくれましたね。でも、これくらいでへばってちゃ駄目ですよ。今までお預けをくらっていたぶんをたっぷり返して貰いますからね」 そういうと、射精して間もない俺の肉棒を抜くことなく、またリズミカルに動きはじめる。 「私もアソコで気持ちよくなりたいので、とりあえずそれまで頑張ってください」 たとえそうなったとしても終わらせる気なぞ微塵も感じさせない顔で、巴は幸せそうに微笑んだ。 その顔を見て、俺はあの夢の娘の母が誰なのか分ったようなきがした。 艶めかしい声を上げながら何度も何度も腰を打ち下ろす。あれからすでに何度射精したかなぞ覚えておらず、何時間この状態かも分らない。 それでも巴は俺を求めつづけた。小刻みに腰を揺すりたて、肉壁をきつく締め上げ、何度も何度も。 「まだ、だめです。もっとください。もっともっともっともっともっともっと、いっぱい赤ちゃん産みます。一生気持ちよくしてあげます。 だからもっと私に愛をください。ふたりで愛を育みましょう。少し遅めの私からのクリスマスプレゼントです。 くふっ、うふふふふふふふあははははははははは」 精力剤の効果なぞとっくにきれていたが、射精を終え息子が萎えるとそのたびに前立腺に指を突きたてられ、何度も何度も性交をし続けた。 射精感はあるものの、精子はとっくに打ち止めになっていただろう。それでも巴は求め続けた。より確実に俺を虜にするため。 「幸せにしてあげます。幸せになります。もうやつれなくてもいいんですよ?もう寂しくないですよ?これからはずっと死ぬまでいっしょです」 俺は幸福がなにかは分らなかったが、確実にいえることはこのままではいつか俺は干からびるということだ。 それでもなんとなく、こんな生き方も悪くないのじゃないか、と思い始めていた。
投下終了です。時期を過ぎたネタって冷めたコーヒーなみに美味しくないですよね。 お目汚し失礼。
乙GJ 工場の人いい加減だなwww
>>707 GJ!
大好物です
うちにも是非きてホスイ
>>707 GJ
冷めたコーヒーでももっと冷たくしてアイスコーヒーとして飲めばおいしいですよね
誰かクロノトリガー並みマルチエンディングのSS書いてくれないものか・・・
>>707 GJ、続きがあったら読みたいぜ
ヤンデレの敬語はたまらん
714 :
名無しさん@ピンキー :2008/12/30(火) 13:48:45 ID:HmI1iUSl
ヤンデレって、ヤンデレになる過程が大事なんだと思うんだよな。
ヤンデレスレの住人なら初詣のお願いはみんな決まってるよな!
少しは女の子にもてますように。ですね、わかります。
普通の女の子にモテて嬉しいわけないだろ…常識的に考えて
朝起きたらイケメンになっていますように
720 :
名無しさん@ピンキー :2008/12/31(水) 02:36:23 ID:If6V0G+v
朝起きたらベッドに拘束されていて、そのままヤンデレの女の子に逆レイプされますように。
健康
>>718 「少しは女の子にもてますように!」
「どうして?私がいるのにどうしてそんな事言うの?ねえどうして?」
というフラグを回収したいのだよ。わかるな?
普段はさっぱりしてるんだけど、実はかなり病んでたりする 明るくかっぱつな女の子に監禁されてますように
俺も監禁されて逆レイプがいいなぁ
俺は、薬盛られてレイプ→責任とってね。がいい。
それもすばらしい
卑劣なヤンデレ (中略) 千葉でピーナツと暮らしていたあなた、 また千葉の田舎へ戻られたらいかがですか?
デヴィ夫人やめてください!
729 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/01(木) 02:08:52 ID:/0LXhUsS
あけおめ!今年こそ監禁されますように!
全ての人類は地球と言う名の惑星に監禁されている。
重力萌えとは新しい。 ロケットの歴史を思い出す。
地球か・・・ なにもかも、皆、なつかしい・・・
地球姉さんと月妹が海男をキモ引力で引っ張り合うのを想像した。
ヤンデレが活きる正月ネタが思い浮かばない…
病み巫女?
神頼みならぬ、病み頼み… 訳が解らんなこりゃ
ヤンデレ×お正月=X 誰かXを解明してくれ!
そりゃ初詣へ一緒に行くをすっぽかされたのに、寒い風の中唇が割れても男が来るのを待ち続けるヤンデレだろ。 冷たく乾いた風が容赦なく皮膚から水分を奪い取り、 ヤンデレの柔らかい唇がひび割れても待つのだ。
年賀状がやたら多いと思ったら!
「ねぇ、737君。お年玉ここに頂戴?」 と振り袖を開いていくとか?
白いお年玉ですね、わかります。
しかも郵便局からではなく直接投函されていた
一人で何通も直接投函とかきめえ そんな女がいたらすぐさま警察に突き出すよ
逆に考えるんだ。 下のお年玉番号で当選する確立があがると。
>>746 当選する賞品はすべてヤンデレ自身ですね
投下待ちしてる間に自分も小説つくってみました。長編です。投下します。
第一話 〜始まり〜 偽者は本物を越す事は出来ない。 偽者が本物を越す時、それは偽者と本物が入れ替わる時。 似せ者は本物になる事は出来ない。 似せ者は本物を越そうが越さまいが似ているだけのオリジナル。 入学式から丁度一ヶ月が経った。 俺は苦労の末に仁衣高校に入学した。 県内トップクラスの学力を保持、様々なスポーツで好成績を収めるという文武両道の校風、そしてさらに日本トップレベルの仁衣大学へエスカレーター方式で行かれるとなれば、当然、皆行きたがるというものだ。 女子の場合はさらに制服が可愛いことも人気に拍車をかけているらしい。 倍率は10倍以上。去年は二年前に仁衣高校に入学した姉さんとの猛特訓の日々だった。 「はい、次はこの問題を解く!出来なかったら罰ゲームよ」 次から次へと来る問題。そして悪魔のような罰ゲーム。二度と思い出したくない…。 しかしそんな地獄のような日々を乗り越えて手に入れた生活はまさに夢のようだった。何から何まで楽しくて充実している。一ヶ月があっという間であった。 入学してすぐに陸上部に入学した俺は走ることで青春を満喫していた。たった今も練習に励んでいる。 「んじゃ始めっか!」 俺は気合を入れるように呟いた。 一週間前から、朝の授業前に一年部員同士で集まっての自主朝連をしているのだ。 早起きが苦手な俺だが大好きな陸上の為となると話が違う。目覚ましやら携帯のアラームやらを何重にも設定し、体を叩き起こしていた。 みんなで一緒に朝練と言っても、やることは様々だ。体操だけ全員一緒にやり、後は個人個人で好きなようにやっている。 投擲や跳躍などのフィールド種目専門の人間とトラック種目専門の人間が一緒に練習したって仕方がない。そもそも、同じトラック種目専門だって、短距離専門の人間と長距離専門の人間じゃ、鍛え方はまるで違う。 俺はというと…、とにかく、がんがんと長い距離を走っていた。それこそ、ブレーキのない車のように。 きっかけはなんだっけ?オリンピックのマラソンに感動した時だろうか。それとも駅伝のゴボウ抜きというものに強く憧れた時であろうか。案外、幼い頃に読んだ『走れメロス』に影響されてなどといった、くだらない理由だったかもしれない。 とにかく俺は走ることが大好きだった。 とりあえず俺はいつも通りジョグを始める。もう5月だが、まだまだ風は冷たい。しかし、それは、身を凍えさせるような冷たさではなく、朝の肌を適度に刺激する心地の良い冷たさだった。 うん、今日もいい朝だ。 「じゃ最後に全員参加で400mダッシュ。ビリの奴は今日の昼休みに好きな女子に告白」 いきなりそんなふざけた事を言い出したのは俺の悪友の杉下だ。 「俺はパス」 「無理」 人間のインパルスの限界スピードを越しているのではないかと疑うほど、瞬時に俺の意思は却下された。 「あのですね、俺はジョグやらインターバルやらをやりまくった後で、歩くのもキツイので…」 「だから?」 今度は最後まで言葉を発することすら、許されなかった。 周りの奴らはニヤニヤと俺を見ている。この状況が面白くてたまらない様子だ。 そういえば、今日はやたら、俺以外の奴らの練習が軽かった気がする。 「嵌められたな…」 元々、400mとなると長距離専門の俺は分が悪い。さらにこの状況となると… 「おいおい、諦めるのか?俺の知っている赤坂映太という男はどんな逆境にも勇敢に立ち向かう強い人間なのだが、はたして違ったのかな?」 「俺の知っている杉下隆志のイメージ通りの発言、ありがたく受け取っておくよ」 「さぁ、スタートラインにつくがよい」 見ると、既に俺以外はスタートの体勢であった。こういう時、うちの部員は妙に団結するから困る。 「詰みだな」 俺は自らの運命を悟った。 どうやら俺は今日、藤堂優奈に告白する運命のようだ。さてどうしようものか…。
藤堂優奈。隣のクラスの女子。 残念なことに、彼女に関する確かな情報はあまり持っていない。趣味も好みも不明。 とりあえず、外見は良い。というか、めちゃくちゃ可愛い。人気のアイドルも彼女を前にしたら裸足で逃げ出すのではないであろうか? 思わず撫でたい衝動に駆られる茶味がかかった黒髪。 完璧以上に完璧な整った顔立ち。 繊細な指や足。 唯一、胸はあまりないが、全体的に細いそのスタイルは彼女のか弱いイメージとマッチしていて、それすらも計算されているのではと思わされる。 杉下曰く、「仁衣高校三大美女」と呼ばれるうちの一人であるらしい。 余談だが、その「仁衣高校三大美女」には姉さんも入っているらしい。本人は知っているのだろうか?今度聞いてみよう。 そして彼女は独特の雰囲気を持っている。実際、俺は外見よりそちらに惹かれたのかもしれない。 上手く説明は出来ないが、何というか、彼女は自分の人生を客観的に生きていた。おそらく彼女は、人が喜びそうなことをしたら喜び、悲しみそうなことをしたら悲しむであろう。しかも演じているような不自然さとは無縁に。 彼女の主観は客観であるというのが言い得ているであろうか。人間らしい人間。それが藤堂優奈であった。
昼休み前の前の四時間目。俺は数学の授業を華麗に聞き流しながら、必死に告白のセリフを考えていた。 「もう俺は君無しでは生きていけない。俺と付き合ってくれ!」 「どうしようもなく君が欲しい。高校生活を俺と共に歩いてくれないか?」 …。駄目だ。俺にはこういったセンスはないらしい。 俺は、二時間目終了後に、藤堂優奈の机に手紙を入れてきていた。 「話したい事があります。昼休みの空いている時間、屋上に来てください」 と。 しかし、呼び出して、どういう風に告白するか。それをまったく考えていなかった。 「まぁ適当に挨拶した後、ストレートに、好きです!付き合ってください!でいいだろう」 どうせ撃退だろうし…。 彼女にまだ彼氏が居ないことは確かである。なので、可能性が0というわけではない。 しかし彼女はかなり頻繁に男子の告白を受けているが、それを全て断っているらしい。 理由は不明。杉下によると、撃沈者の数は、まだ入学から一ヶ月しか経っていないというのに、十人を軽く越しているとか。 そんな事を考えていると逆に緊張感は薄れてきた。 藤堂優奈のことは本気で好きである。おそらく杉下達の罰ゲームがなくても、いつかは告白していた。 もし自分の彼女に出来たら、とてつもなく嬉しい。そして、振られたら、もちろん悲しいであろう。 しかし例え振られても、俺には現在の充分に充実した生活があった。 「失う物は何もない」 自らに言い聞かすように小声で呟いた。 丁度、俺の覚悟をしたのを見計らったかのように授業終了のチャイムが鳴った。 「さて行くか!」 俺は授業終了の号令と同時に教室を出た。 仁衣高校は屋上が開放されている。ただ風が強いのと季節によっては寒いのとで、昼休みにここで弁当を食べる習慣の生徒は居ない。(もっとも、たまには居るのだが) なので、教室とは違った話場として使われていた。しっかりとベンチもあったりする。 告白にはよく使われているらしい。 普段は人がいないのに加え、例え自分のような人間が複数居ようと、仁衣高校の屋上はなかなか広いため、あまり気にならないためであった。 今日は俺しか居ないようだ。もっとも、まだ昼休み開始すぐなので、これから人が増える可能性はあるが。
ガチャリ… 入り口のドアが開く音がした。まさかもう来たのであろうか? ドアが完全に開くとそこには可憐な少女が居た。藤堂優奈だ。 俺は一度小さく深呼吸をし、藤堂優奈に話しかけた。 「こんにちは。来てくれてありがとう。俺は1−Cの赤坂映太。よろしく」 「え…」 いきなり、驚いたような顔をされた。少し馴れ馴れしかっただろうか?さっそくミスをしてしまったか? 俺はとても焦った。 「好きです、付き合ってください!」 気づくと俺は既に告白のセリフ言ってしまっていた。 藤堂優奈が屋上に来てから三十秒も経っていないうちの告白。挨拶だけして、前置きも無しに叫んでいた。 相手からすれば俺は今初めて知った人間なのに。 しかも顔は下げたまま。まともに藤堂優奈の顔を一度も見ていない。 やってしまった…。駄目な告白の典型例だろう、きっと。 とりあえず、俺はおそらく真っ赤になっているであろう顔を上げ、返事を待った。 「兄さん…」 「は?」 様々な返事を想定はしていた。断りの返事はもちろん、希望を込めてのOKの返事も。 が、こんな返事は予測していなかった。俺の口から間抜けに疑問符がこぼれる。 「兄さんーー!」 藤堂優奈はもう一度そういうと、勢いよく俺の胸に飛び込み、そして抱きついてきた。 兄さん?藤堂優奈に抱きつかれた?好きな女の子にいきなりの行動に俺の頭はパニックに陥っていた。 顔を見ると、目に涙が溜まっている。 「兄さん!兄さん!寂しかったよぅー」 何が何だか分からない。 俺はしばらく抱きつかれたまま、その場で立ちすくんでいた。
投下終了です。不評でなければ続き投下していきます。 では裸にネクタイの態勢に戻ります。
追記 昼休み前の前の四時間目→昼休みの前の四時間目 普通にミスです。すみません。
GJ!
続きが楽しみだ。GJ!!
続き〜楽しみに決まってます!!!
GJ!続きがきになる!!全裸で待機してます!
759 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/03(土) 18:27:48 ID:KWXh7ImH
GJ!この後のどうなっていくのか気になる(><
良作ホイホイだな
GJ!! これは、神の予感・・・
GJ!! 続きキボン
こんなにGJと言って頂けるとは!嬉しいのでさっそく2話目投下しちゃいます! ってなる予定だったんですが… 2話以降、全部消えました。気分良くなって保存もせずにログオフとか… 優奈「雨音ちゃんは俺の妹!とかはしゃいで、私の事を忘れる兄さんが悪いんですよ」 はい…、その通りです。 スミマセン、それだけです。そういう報告は要らねーよって思うかもですが、あまりに悲しかったので…
>>763 楽しみにしてるので、諦めずまた投下されることを祈ってます。
>>763 字が消えたら物語が消えるって訳でもなし
脳内に残ってるならまた書けばいいさ
気長に待ってるよ
SSって書き始めたとしても、なかなか書ききれないよね
久々に投下します。二話連続ですが、今回あまり面白い部分はないと思います。 これからへのつなぎみたいな話です。
幕間『少女の祈り』 神様――。 月夜。 光がステンドグラスを超えて差し込み、少女を照らしていた。天使のごとき輝き。 翼のないその姿が、むしろ神秘だった。 闇の中の教会で唯一輝ける少女は、独り神に祈りをささげていた。 「神様」 目を閉じる。 少女はその瞼の裏に、世界でたった一人、愛し、全てをささげるべき存在を想い浮かべる。 そして、それは神ではない。ただの、一人の少年の姿だった。 「神様、どうか……」 少女は、神など信じてはいなかった。信じているのは、ひとつだけ。 未来。 少女と、少年の、二人の未来。たったひとつ、それだけがあれば、それは彼女の幸せだった。 「どうか、ちーちゃんと私の生きる、未来を……!」 ただひたすらに、純粋で、しかし利己的な願い。 信じてなどいない神にまですがる。 それは、彼女がプライドよりも大切なもののために生きているという証拠だった。 それほどまでに、少女はあの少年を愛していた。 「神様……」 教会の奥にひっそりと佇む、神を模した像は、ただ、少女を見つめるだけだった。 ――この世界に、神なんていない。 少女には、そんなことは既に分かっていた。 神なんていない。人は、狂おしいまでに平等だ。 だから、強いものが勝ち、弱いものが負ける。平等だからこそ、違いがある。 だから、少女は力を願った。
かたん。 突然後ろから聞こえたその音に、少女は振り向く。 教会の扉が開いていた。差し込む光に、浮かび上がる影。 人影。 「待ってたよ、アリエス」 少女は、確信をもって人影に声をかけた。 アリエスと呼ばれた少女も、落ち着いた声で返答する。――まるで、こうなるのがはじめからわかっていたかのように。 「逃げないとは、たいした自信だな」 「けじめをつけるためだよ。一人でも逃がしたら、ちーちゃんに迷惑がかかっちゃうから」 「お前は……!」 アリエスが激昂する。 「お前は、悪魔だ。神に祈る資格など、ない!」 「……そう」 少女は神にひざまずいていた姿勢から、立ち上がり、アリエスと向かい合う。 「自らの目的のために、何人を義性にした! 何人を殺してきた! お前の殺した者には、帰りを待つ家族がいて、恋人がいて、友がいて……ともに、笑い、泣き、怒り……。全て同じ、人間だ! それを、お前は簡単に……! そして、遂には、お前はおまえ自身の両親までも……!」 「なら、逆に聞かせてもらうよ」 「……何だ」 「あなたたち統合教団は、私にどういう仕打ちをした? 度重なる、過酷な能力テスト。人体実験。兵器開発。薬物投与。攻撃力の調査のために、大型動物と素手で戦わされたこともあったよ。 そして、死刑囚を連れてこられて、人体への攻撃を試すとか言って、私にその人を殺させたのも、あなたたち統合教団」 「……っ」 「もともと人間扱いされなかった私に、私の両親は何をしてくれた? もともと統合教団に私を売ったのもお父さんとお母さんだよ。そして、そのためにちーちゃんと私を引き離したのもあの二人。あの二人だって……あいつらだって! 私を人間扱いしてくれなかった!」 「それでもっ」 「それでも、何だっていうの!? 私を助けてくれたのは、心の中にあったちーちゃんとの記憶だけなんたよ……? あの人と結ばれる未来だけが。その夢だけが、私を守ってくれたんだよ? そんな、小さいけど幸せな未来への願いさえ、統合教団は許さなかった」 「だから、全て破壊したというのか!」 「そうだよ! それのどこが間違ってるって言うの? アリエス、あなたに私が裁ける? ちーちゃんが好きだっていうだけで、それだけで良かった私を、ここまで変えてしまったのは、あなたたちなんだよ……?」 「違う……。お前は、お前のエゴを押し通しているだけだ! お前一人の願いのために、多くの――お前と同じ、小さな願いを持った人間を、何人も殺したんだ。それは、許されるものではない」
「……なら、その力は誰が私に与えたものなの?」 少女は、手にもった剣を握り締めた。 「それは、お前が元から持っていた力だろう。だから我々統合教団は、お前を保護し……」 「違う! 私は、ちーちゃんと一緒にいたいだけなの! 本当は、こんなちから、いらない!」 「血塗られたお前が言うことか……!」 暗闇で隠されていたが、徐々に光で浮き上がる少女の姿。 アリエスには、しっかりと見えていた。少女の、血塗られた身体。 少女のものではない。返り血。少女が虐殺した、統合教団の構成員達のものだ。 そして、それだけではない。少女は、奇怪な鎧を身に着けていた。 やけに近未来的な――今は血塗られて赤いが――白い鎧である。手には、長剣が握られている。 「その剣は、確かに我々が与えたものだ。だが、お前の剣を振るうのはお前自身だ。お前の心だ」 「……そう、そうなんだ。アリエス、あなたは、分かってくれないんだね……」 「別の形で出会っていれば、お前とは友でいられただろう。だが、私は全てを奪われた。だから、もう戻れない。戦うことでしか、私たちは分かり合えない」 アリエスは、マントに隠していた武器を取り出した。 「『ヴァイスクロイツ』。エクスターミネート」 十字架のような形をした武器。『ヴァイスクロイツ』。中心にある宝石がアリエスの闘気に反応するように光る。 「本当に、やるんだ。さっき、私の力は見たでしょう? この『ネクサス』がある限り、私は無敵だよ。そして……」 少女は、剣を構え、突進した。真っ直ぐ、アリエスに向かって。 「この剣を振るわせるのは、あなた!」 「だとしても!」 全くゆがみのない攻撃。ひたすら真っ直ぐに、迷いなく、最速で剣を振り下ろす少女。その一撃を、アリエスは『ヴァイスクロイツ』で正面から受け止める。 互いの強大なエネルギーの衝突に爆音が轟き、教会全体が強く揺れる。ステンドグラスが吹き飛ぶほどの衝撃。 「『ネクサス』! ブーストアップ!」 "ブースト・アップ"。少女が身に付けている鎧のベルト部分から、機械音声が発せられる。 同時に、少女の持つ剣が強い光に包まれる。 「っ!?」 アリエスはとっさに少女とのつばぜり合いを中断して、ヴァイスクロイツを引き、少女の左隣に飛び込み、床を転がって距離をとった。 次の瞬間、少女の剣から発せられた強い光が剣から一気に溢れ出し、少女の前方の物体全てを切り裂いていた。 教会にあった椅子、カーペットはもちろん、教会の壁、地面でさえも、少女の前方のものは、全て。 「……」 アリエスは驚愕する。これほどの威力の攻撃は、かつて見たことがなかった。 少女が、本気だということだ。アリエスが見たことのない領域の力を行使するまでに。
「どう? これが、あなたたち統合教団が恐れ、制御しようとした『ワイヤード』の力。『WE粒子』のもたらす、世界を変える力」 「……この力は、人が手に入れていいものではない」 「あはっ! 同意見だよ、私もね。でも、末端のアリエスは知らなかったかもしれないけど、本当にこれを手に入れたがっていたのは、統合教団……つまり、人なんだよ」 「そんな、ばかな……」 「いいよ、今なら許すよ、アリエスのこと。だって、知らなかったんだもんね。アリエスは、ワイヤードに家族を殺された恨みを晴らすために、統合教団に協力してたんでしょう?」 「……」 確かに、その言葉は正しい。 アリエスは、ワイヤードという存在に教われ、全てを失った。自身も、一生消えない傷を負った。 そして、ワイヤードたちと闘っている組織、統合教団に拾われ、その中でずっと戦ってきた。 知らなかった。 アリエスは、統合教団の行動は、全てワイヤードの殲滅のために行われていると、信じていた。 「統合教団は、人類のためにワイヤードを滅ぼすなんていう、正義の組織じゃなかったんだよ。教団の目的は、『WE粒子』の軍事転用。それをもって世界を統一する。つまり、本当のエゴの塊は、統合教団のほうなんだよ。私じゃない。あんなやつら、殺されてとうぜんでしょ?」 「そんな……そんなことが……」 「アリエス、今なら、私の仲間になれるよ。一緒に行こう、アリエス」 「……それでも」 「?」 「それでも、私は、神を信じている」 「……あきれた。どうしてそんなに頑固なの?」 「統合教団の神ではない。お前の神でもない。私の神は、ここにいる」 アリエスは、勢いよく立ち上がり、自らの胸を強く叩く。 まるで、心臓の――命の存在を確かめるように。魂を確かめるように。 「この魂が、叫んでいる。お前は歪んでいると! 私は、私の信じる全てを――神への祈りを、全て……!」 ヴァイスクロイツを強く握り締めるアリエス。 その腕には、瞳には、もはや何の迷いもない。 「……分かった。私がちーちゃんを想うのと同じ。アリエスも、本当に大切なものがあるんだね」 「その通りだ。もはや、どちらが善、どちらが悪なのか。そんな問題は超越した。私とお前の、運命は。……全て、神の導くままに。そして、私自身の意思で、ここで断ち切る。この祈りを、全て、この一撃に懸ける……!」 「いいね。一撃、たった一撃の勝負……」 少女も、剣を握り締める。ベルトが"エクステンション・ドライブ"とコールしたと同時に、少女の剣が強い光に包まれる。 「もう、言葉はいらない! いくよ、アリエス!!」 「西又イロリ……いや、ワイヤード! 私が、お前の運命を断つ!!!」 二人が同時に駆け出す。 「いっけええええええええええええええ!!!」 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ある朝、京都近郊の、町外れの教会が、全焼、倒壊状態で見つかった。 近隣住民に寄れば、その前の晩、なにか大きなゆれと、音と、そして、天まで届く光が教会から発声していたらしい。 調査隊の活動虚しく、焼け跡からは死骸もなにも見つかっておらず、おそらく被害者はゼロと思われる。 警察は原因究明に乗り出したが、結局全てが不明であり、調査はすぐに打ち切られた。 西又イロリが東京に現れる、数週間前の出来事である。
第十四話『存在に心奪われる時』 「(どこだ……どこから撃ってきている……)」 第二射。 千歳は即座に反応して手のひらで矢を受ける。 千歳の手のひらを貫くかと思われた矢は、逆にひしゃげて地面に落ちた。 そして、千歳は分析を終了した。 今の一撃で。矢の方向や速度、角度によって、狙撃者のいる位置を特定したのだ。 「(ありえないことだが、3000メートルほど離れた地点から撃っている。そして、恐らく高くて、俺が見える場所……)」 ――学校、だ。 「っ!?」 思考している間に、三発目が迫っていた。 「蒼天院清水拳、流転投槍!」 両手を円状に回転させて、その中心で作った空気の壁により、触れずに受け止める。 矢にこもったエネルギーを保ちながら腕をさらに回転し、矢を方向転換する。 「受け取りな、こいつは警告だ!」 両腕を押し出すと、空中で静止し、方向転換した矢が、まさに飛んできた方向をめがけて校則で飛んでいった。 清水拳による反射。 「……とどくか?」
「くっ……ボクが二発も外した……!?」 メアは動揺する。彼女の腕を持ってすれば、暗殺など一撃で十分なのだ。本来なら、もうとっくに終わっている。 焦りながら、第三射を放つ。 「あいつ、受け止めて……!」 そして、こちらに向かってくる。 「ちっ!」 高速で迫ってきた矢を寸前で掴み取り、メアは防御した。 「まさか倍化して反射するなんて……。鷹野千歳、思ったよりやるな」 こうなれば、暗殺は無理だろう。メアはさっさと見切りをつけ、ずらかろうとする。 「まさか、本当にこのまま逃げられるとでも思っているんですか?」 「!?」 突如背中に投げかけられた声に、メアは飛びのいて距離をとった。 「何者だ!」 「何者って、あなたのほうこそ何者なんですか? そうでしょう、だってあなた、高校生には見えませんよ」 「……」 メアの背後に立っていたのは、この高校の女子生徒のようだった。 黒のショートヘアに眼鏡の、一見地味な風貌だ。 だが、メアには一瞬でわかった。 こいつは――野獣だ。 「まあ、相手に素性を聞く時は自分からっていいますしね。私は井上深紅。この高校の風紀委員です。以後、お見知りおきを」 「……なぜ、ここにいる」 「なぜって、確かに今日は休日ですが、生徒会活動やらなんやらも大変なんですよ。委員長っていうのは。それに、その質問はあなたに対して為されるべきでは? あなた、他人の学校の屋上で、人を狙撃してましたよね?」 「くっ……」 メアは動揺する。 目の前にいるこのミクという女は、一体何者なのか。 表面上はなんて事のない、丁寧語を喋る優等生然とした少女だ。だが、どう見ても、それ以上の何かが秘められている。 「いえ、そんな目で見ないで下さい。別に怒ってるわけじゃないんです。狙撃はかまいませんよ。たまにはしたくなりますよね、狙撃」 こいつは何を言っているんだ。ミクの異常性に、メアはついていくことができない。 「ただ、狙撃している対象に問題があるんですよ」 ミクは笑い始める。無気味に、ひたすら不気味に。 くすくす。 くすくす。 くすくす。
「(こ、こいつは……!)」 メアは、ここでやっと確信を得る。 「(こいつも、ワイヤードだ!)」 そうと分かれば行動は早かった。 メアはアルバレストをミクに向ける。 「お前、ワイヤードだな……」 「さあ、何を言っているのやら、わかりませんね」 「随分余裕だな。ボクがここで引き金を引けば、お前は死ぬ」 「くすくす。本当に、やんちゃなんですね。『ボク』ですか。可愛い女の子が……」 「何がおかしい」 「いえ、失礼。だってあなた『タチ』ですもんね。そして、可愛い子猫ちゃんを欲しがってます。『百歌』ちゃんという、可愛い子猫ちゃんをね。だから、男の子を演じている」 「……!! お前、一体……!」 「知ってますか? 情報というのは、時に銃よりも強い武器になるんですよ? メア・N・アーデルハイドさん」 「お前……」 「そして、私は今、怒っているんです。あなたの愛がどこへ向かおうと勝手ですが、その怒りの矛先を千歳君に向けた事実に」 「……!」 井上ミクは、どう見ても弱い。ひょろりと細いし、身長もあまり高くない。メアより若干上な程度だ。 どう見ても、勝てる相手。 なのに……。 「(なぜ、ボクの脚が動かない……!?)」 ミクはくすくすと笑いながら、少しずつ近づいてくる。 ――そんな姿に、メアはどうしようもない恐怖を抱いていた。 「千歳君を……。私の千歳君を……。あなたに、彼の何がわかるって言うんですか? あなたに、彼を裁く権利はあるんですか?」 「(動け……動け……!)」 已然、メアは硬直している。 ミクの指がメアの首に触れる。 「あなたも、戦闘では強いみたいですが、もうすこし身の程を知ったほうが良いんじゃないですか? 世の中には、触れてはいけない尊いものがあるんですよ? 千歳君を殺そうだなんて、イスラム圏でマホメットを馬鹿にするようなものです。この世界全てから、あなたが殺されることになるんですよ?」 すべすべの、優しい指がメアを撫でる。 「(殺される……)」 「私の『幸せ家族計画』にも支障をきたしちゃうじゃないですか。千歳君無しには、何もかも台無しなんですよ。……だから」 「ぐっ……!」 ミクがメアの首を締め上げ、その身体を軽々と持ち上げた。
「(こいつ……なんという力だ……!)」 「暴力沙汰は苦手なんですけどね。それでも、私にはものの価値判断というものができますから。ねぇ、メアさん。この世界のなかの、大切なものって、分かりますか?」 「(な……なにを……言っている……)」 「人間も、何もかも。この世界に平等なんてないんですよ。どんなものにも優先順位があります。それはまず第一に、『自己』が尊重されるべきであり。しかし、その前提に成り立つ、最も上位の存在があります……。それが、千歳君なんですよ」 「(こいつ……)」 「あなたと、あなたの大切にしている世界は、あなた自身が思うほど特別じゃないんですよ。本当に特別なものが世界にあるとしたら、私の観測した、私と千歳君の生きる世界です。これは本当に簡単な理屈なんですけど、なぜ誰もそれに気付こうとしないんでしょうね?」 くすくす。 「(狂人だ……!)」 「さて、そろそろ良いでしょう」 ミクはメアを掴んだまま、屋上の端に移動する。 「お別れです」 そして、足場のない場所にメアを持っていき、その手を放した。 「……ちぃ!」 メアは空中でくるりと身軽に回転し、見事に着地。 五階建てのこの学校校舎の屋上からの落下を、全く苦にしなかったのだ。 「あいつ……なんなんだ……」 焦燥。 ここはとにかく一旦退くしかなかった。
「やはり、この程度では傷ひとつつきませんか」 ミクは、退散していくメアの姿を、屋上から悠々と見下ろしていた。 「あんな化け物とまともに戦ったら、私なんか肉片も残らないでしょうね」 そう言いつつも、ポケットから小さなビンを取り出し、ぷらぷらと目の前で振った。 「この『硬直香』の効果範囲の狭さも、改善の余地ありですね」 ビンの中には鮮やかな赤色の粉末が入っており、小さく火がついている。ビンの口からは、甘い匂いが漏れ出している。 これは硬直香とミクが呼んでいる特殊ガスであり、その効果はその名のとおり、かいだものの筋肉を硬直させる。 匂いは強くなく、効果も即効性があるため、非常に高性能だが、欠点は、その効果範囲の狭さだった。最低でも5メートル以内に近づかなければ、全く意味がない。 「自慰行為をするというのは、主義に反するのですが、まあいいでしょう」 実の所、これは自身の体臭がもつ幻惑作用を取り出して物質化したものである。それに必要だった愛液は、もちろん自家発電した。 ミクはそれまで自慰行為をしたことがなかったが、千歳に対して行った数々の性的暴行を思い出すと、非常に簡単に濡れることができた。 「ふふっ、千歳君に試す時は、もう少しちゃんとしたものを作らないといけませんからね。副作用なんてあったら大変です」 そこまで言うと、ミクは満足げにビンをしまった。 「さて、メアさん。この警告を真摯に受け取ってくれれば幸いなんですけどね」 「さて、狙撃手があの警告を真摯に受け取ってくれると幸いなんだがな」 狙撃がやみ、千歳は家についていた。 「ん、どうしたのお兄ちゃん?」 「いや、なんでもない」 百歌は相変わらず何も知らず、無邪気だ。だが、それがいい。一番いい。 千歳は、百歌をわけのわからない命の取りあいなどに関わらせる気は全くなかった。 目的もなにもわからない狙撃手だが、野放しにしておくと百歌まで危険に晒すことになるかもしれない。 「(次はない。次に俺や百歌を狙ってきたら、容赦なく消す……。そのための、俺の清水拳だ)」
数日後。 狙撃手も現れず、その日も平和に千歳とナギ(と、家の方向が違うのにいつの間にか合流しているイロリ)は、元気に登校していた。 「いや、北斗はやはりトキだろう。家族を想うあの生き様は見習わなければな」 ナギが熱くトキの人生を語る。 「まてまて。サウザ―を忘れるな。やはり拳法家としては、ケンシロウももちろんだが、ああいうサウザ―のストイックな所にも憧れるだよ」 千歳も負けじと熱く語る。 そして。 「二人とも、あまーい!!!」 「な、なんだよ、いきなり大声出して」 イロリは、千歳に槍訊き返されたとたん、まるでダムが決壊したかの如く言葉を垂れ流し始めた。 「確かにトキの家族愛やケンシロウの隣人愛はすごいとは思うけど、最高はシンだよ! 北斗はもともとシンとケンシロウの闘いの物語だったんだし、それにやっぱり愛に生き、愛に死ぬあのシンの生き様には現代人が見習わなければならない部分がいっぱいあるよ! 言うなれば、『さふいふものに、わたしはなりたい』だよ!」 「そ……そうか……?」 「そうだよ! それに、ちーちゃん。サウザ―なんて駄目駄目! あんな『愛などいらぬ!』なんていう人、全然わかってない!」 「いや、それは違うぞ、イロリ」 ナギが口をはさむ。 「サウザ―が愛を失ったのは、やつ自身の持つ愛が、誰より深かったからだ。愛を持つ苦しみを知ったが故に、悪によってそれを塗りつぶしてしまおうと思ったんだ。 愛と憎しみの重さとは、常に均一なんだよ。愛を守るためにせよ、壊すためにせよ、それに対応した憎しみが存在する」 「……た、確かに」 「サウザ―の場合は、生まれた憎しみが愛そのものに向き、シンはユリアへの執念ゆえにケンシロウを傷つけたという、そういう方向の違いが二者にはあったが。 ともかく、他の北斗の拳の登場人物も、どんな形であれ、愛と憎しみを持っている。ユダですらそうだし、ケンだって悪を憎む心は愛から生まれている。奴らは皆、同じ人間だからな」 「な……なるほど。勉強になるよ」 千歳にはそこまでわからなかったが、イロリはなんとか納得できたみたいだった。 「やっぱり、ナギちゃんは凄いね!」 「まあ、それほどでもないがな。それに、お前がシンを尊敬する気持ちも、分からんでもない。結局、歪んだ愛をもった人間が多いのにたいし、シンの愛は方向性はどうあれ真っ直ぐだった。正しい形をとっていなかったとしても、あそこまで一途なやつも、そうそういないな」 そうこうして無駄話をしているうちに、校門までたどり着く。 見ると、なにやらいつも通りの風景ではない。 生徒たちはざわざわと野次馬のように外に出てきていて、その中心には大きくスペースが開いている。 黒服の男達が何人か断っていて、野次馬達を押しのけているのだ。 さらに、開いたそのスペースの中心に、誰かが立っていた。 「なんだ、こりゃあ」 千歳が小さく呟く。とにかく学校に入らなければ。と、踏み込む。ナギとイロリも追従する。 真っ直ぐ歩いていくと、見るからに怪しい誰かさんにぶち当たることになる。迂回していくか、と、千歳は方向転換―― ――しようとした矢先、怪しい人物が走り出した。 その手には、槍が握られている。
「なんだ……!」 超スピードで接近し、不審者は槍による打突を繰り出す。 反射的にそれを清水拳で受け止めようとする。 「――っ!?」 が、清水拳の生み出す闘気の障壁を、その槍は貫いた。とっさに身体をひねり、ギリギリで回避。 「(こいつ、まさか『狙撃手』……!)」 体勢をくずしたのを逆に利用して、地面に手をつき、脚を突き出して脚払いを仕掛ける。 不審者はそれを身軽に跳んで避け、距離をとって着地した。 その間に千歳は立ち上がり、不審者と対峙する。 不審者の風貌は本当に不審だった。鬼のような面に陣羽織。そして手には槍。どこかのアニメキャラと、気のせいか似ていた。 「てめー。何者だ」 答えてくれるとは思わないが、一応そう訊いてみる。 「……わたくしは」 「!?」 意外なことに、その不審者は返答した。しかも、その声は女。 女が、清水拳をたやすく貫くほどの貫通性を生み出したというのか? そして、その不審な女が続けた言葉は、さらなる驚愕に値するものだった。 「わたくしはミス・キシドー! あなた様の存在に心奪われたものです!!」
終了です。
>>753 確かに、良作のヨカン……! 頑張ってください。
リアルタイムGJ! 抱きしめたいな とか言ってきそう
>>780 GJ!!
とりあえず◆.DrVLAlxBIは絶対00見ててグラハムファンってわかった。
俺もです。
GJ でもキシドー名乗るなら陣羽織じゃダメだろww
785 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/05(月) 17:01:02 ID:F9xeZuRa
つまんね。死ねよ
786 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/05(月) 18:34:47 ID:ngfiz04p
ワイヤードキターーーーGJ!!続き楽しみです
GJ!! やっときましたか!
『闘うことでしか、わかりあえない』 で(0w0)と(<::V::>)を思い出したのは俺だけで良い…後Mr.ブシドー思い出したww
790 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/06(火) 00:50:00 ID:+nH+kb12
いい感じの厨二病タイトル
新ジャンル考えた! ヤンデレスイーツ(笑) あたし病んでる、みたいな? いま流行のヤンデレってやつ? 彼氏はいる、ていうか いない訳ないじゃん あたしは彼氏がいないと生きていけない、みたいな? 自分で書いててムカついてきた
そもそもヤンデレとスイーツは結構相反するものじゃね?
その人間が本質的にスイーツ(笑)じゃなければいけそうだが、本当にスイーツ(笑)なら「これが真実の恋(笑)」になっちゃうから無理だろ。どこまで行っても利己的じゃあ
スイーツは我儘で悲劇主義者?だからな ヤンデレとの決定的な違いは尻軽で無い点と彼氏に忠実である点だろ スイーツはカッコイイオトコを発見すると乗り換えするけどヤンデレにはそれがない
まぁある出来事をきっかけにスイーツが更正?したと同時に 更正させてくれた男への愛情が溢れてヤンデレになるのはありだとおもう まぁ独占厨もいるからそういうやつには微妙かも知れないが そういうSSもあるとこにはあるしな
では投下致します
第3話『絶対監視領域』 そんなわけでいつもの朝がやってきた。季節は暑苦しい夏が終わり、 ゆっくりと秋に移行しているせいか、朝方は少し冷える。こんな季節に布団を被らずに寝ると 風邪の一つや二つぐらいひいてもおかしくはない。 隣で寝ているであろう彩さんは起床しているのか、すでにいなかった。 台所の方から美味しそうな匂いがしてきた。独り暮らしの俺以外に誰も住んでいないこの家に料理を作れる人間は 彼女しかいないだろう。自慢ではないが、独り暮らしをしているくせに俺は料理の方はさほど上手ではない。 自炊すると言っても、コンビニから買ってきた弁当の中身を開けたり、インスタント食品にポットのお湯を注ぐことしかできない。 だって、男の子だもん。 「あっ。起きたんですね。周防さん」 フリルの付いたピンク色のエプロンを身に纏った彩さんが天使の微笑みを浮かべて、こっちにやってきた。 片手には長年使っていなかったフライパンを持っており、テーブルの上に置かれた皿に目玉焼きなどと言ったおかずを盛り付けていた。 「これは桜井さんが作ったの」 「泊めてもらったお礼ですよ。これぐらいのことをさせてください」 「俺はロクに料理ができないから、人が作った朝食を食べるなんて久しぶりだな」 「周防さんは普段料理とか作らないんですか?」 「うんうん。全然、ダメなんだよ。せっかく、調理器具を買い揃えてもあんまり使う機会もないし、 料理のレシピを見てもさっぱりとわからん。みじん斬りなんてどうやって斬るのってレベルだし」 「神話級の不器用ですよ。料理に絶望したと言って、大根を持ちながら銀行強盗に走り出してもおかしくないレベルです」」 「うん?」 「な、な、な、なんでもないですからね。さあ、冷めない内に食べましょう」 久しぶりに一人ではない朝食を彩さんと過ごす時間は快適であった。 作ってくれた料理も旨いを通り越して、美味の領域に達していた。 心から涙を流せるような美味しい料理を作れるのは日本でも彼女しかいない。と大袈裟に言えるぐらいに素晴らしかった。 「えへへ。私の料理をたくさん食べてくれて嬉しいですよ」 「本当に美味しかったよ。ごちそうさまでした」 食べ終えた食器を台所に運んで、軽く汚れを水で落とす。 朝はのんびりしている時間が作れないため、そんなもんは適当でいい。 彩さんは小さな口でゆっくりと朝食を食べているのだが、今日はちょっと起床時間が遅かったせいか、 すぐにバイトへ行く時間を迎えていた。 「あの桜井さん。俺はバイトに行かなきゃいかないんで。 これ俺のアパートの鍵を渡しておくからさ、部屋を閉めたらポストの方に入れておいてください」 「は、はい、わかりました」 「それじゃあ、バイトがあるんで先に失礼させて頂きます」 「周防さん。お仕事頑張ってくださいね!!」 「ガッテンだ」 意味不明の掛け声を発すると俺はさっさと自分の家を後にした。
一人残された私は未だに自分の作った朝食と対決していた。 忍さんのために作った朝食は一人で食べる時よりも何倍も何倍も美味しかった。 昨日、私の我侭で泊めてくれた恩返しのために朝食を作ったけど。 これからも何かと理由を作って、忍さんに私が作った料理をたくさんたくさん食べて欲しいな。 ふと、私は忍さんの部屋に一人でいることに気付いた。 そう、一人なのだ。 えへへ。 忍さんは将来のお嫁さんのことを信用しすぎているようですね。 恋する女の子にこんな危険な自宅の鍵を渡すなんて。私に犯してくれと言っているようなもんですよ。 うにゃ。 自宅の鍵さえあれば、鍵屋で簡単に合鍵の10個や20個も作れるし。 いつでも、忍さんの家に不法侵入しまくりですよ。忍さんの趣味とか好みとか たくさん情報をたっぷりと仕入れて、忍さん好みの女の子になれます。 ううん。 私がこういう行動を取ると予想して渡してくれたのかな? だったら、私だって全身全霊で忍さんを口説き落とします。夜這い、誘惑、悩殺、なんでもやりますからね。 さてと、忍さんがアルバイトに行っている間になんでもやれます!! 合鍵を作って貰っている間に盗聴器と盗撮カメラを買って来て設置しましょう。 リアルタイムで忍さんを監視するんです。私以外の女の子と接点があるのか調べなくちゃならないし、 それに24時間ずっと忍さんを見続けたいですから。 この際だから、将来のために貯蓄していたお金を銀行から引き出して買おう。 生活はちょっと苦しくなるかもしれないけど、愛する人を手に入れるためなら。 私はなんでもやる。 なんだってやります。 だって、私が初めて好きになった人だもん。 昨日の出来事だけで私は人生で初めて人として、一人の女の子として優しく接してもらえた。 その思い出だけで永遠に生き抜くことができる。 忍さん。 あなたのほんの些細な優しさだけで私は救われました。 それと、人を初めて好きになりました。 一緒に泊めてもらったことで、それを何よりも確信しましたよ。 あなたの体温はとても温かくて、私はとても安心できました。それにちょっとだけ興奮して鼻血とか出したけど。 忍さんは私が鼻血を流しても、嫌な顔を一つもせずにティッシュで拭いてくれましたよね。 他の人なら私を汚いと罵り、面白そうに暴力を振るんですよ。私が気を失うまで。 孤児院、学園、私が辿って来た人生がそうだった。 だから、周防さんの優しさが本当に有難かった。彼の気持ちに偽りや下心がなかった。 彼自身も気付いてない優しさに心を惹かれていく。 私が乙女座だった事をこれほど嬉しく思った事はないです!! 桜井彩はここに宣言致します!! 忍さんを絶対に自分の彼氏にすると。 これは私の最優先事項であり、修羅を凌駕する苦難の道。 この手が真っ赤に汚れようが、ちょっとした犯罪行為すらもためらいません。 乙女の意地です。 懲役刑なんてクソ喰らえです。 私は拳を硬く握り締めてそう決意すると自分の計画のために走り出した。 忍さんの部屋に盗聴器と盗撮カメラを仕掛けるために。
(・∀・)支援
今日もそれなりに働いたと自負しているが、バイト先の店長に5回も叱られた。理由は簡単だ。 バイト先の女の子(店長のお気に入りの子)と仲良く話しているところを見られたからである。 バイトごとき奴隷が俺の女になる(予定)に気安く話しかけるなと軽く脅されたが、俺的にはどうでもいいことだった。 その女の子と仲良くなるつもりもないし、給料さえ払ってもらえば、それなりに労働力を提供する。人間関係なんて知ったことか。 ともあれ、仕事の疲れを癒すために家路を目指していた。 バイト先から家までは徒歩で通勤しているので、およその時間で15分ぐらい。すでに陽が沈むのに早い季節だ。 女性の変質者に襲われやすい季節になってきた。ヤンデレ症候群の影響で女性が病んでいる割合が大きくなった。 病んでいる女性に狙われると、非力な男性は何も抵抗できずにひたすら襲われるだけである。 彼女たちの戦闘能力は軽く警察官や特殊部隊をも凌ぐ。 俺の友人もヤンデレに襲われて、そのまま監禁されてそれ以降は音信不通になっている。 全く、恐ろしいことだ。 病んでしまった女の子と生涯を共にするなんて。 破滅的な結末しか思い浮かべない。 ともあれ、俺も用心しておこう。いつ、俺のことが密かに好きでたまらない女の子の心が病んで、 知らない内に監禁されるってことが起きるかもしれないからな。 監禁されるなんてとんでもないな。 と、何か考えながら歩いているとアパートの外壁が見えてきた。 あの刑務所に匹敵する程の外壁の高さは一体なんのためにあるのかと首を傾げたくなる。 アパートの敷地の入り口から見知った人物が出てきた。
「おや、周防のクソガキじゃないか」 「ババア」 このアパートの所有者である老女。通称、ババアと俺が呼んでいる。 「バイトの帰りか?」 「そうだよ」 「若いもんが定職に就いてねぇのは情けないとしか言いようがない。もう、樹海で練炭自殺してきたらどうじゃ」 「いやぁ、さすがにそこまで人生に絶望してませんので」 「フン。くだらないね。お酒の肴すらもなりゃしない」 人様の人生をなんだと思っているんだ。 「そういえば、昨日お前の隣に引っ越してきた奴がいたな。もう、会ったのか?」 「ええ。会いましたよ。引越ししている最中だったから、少しだけ手伝ったんだけど」 「ほう、好感度を上げるために必死すぎるわぃ。隣に若い女の子が住んでいるからと言って、狼に変貌して襲うなよ。 ワシに全ての管理責任がかかってくるから」 「そんなどこぞの変態と一緒にしないでくれ」 「周防のクソガキならやりかねん」 すでに会った初日で一緒に一夜を過ごしてましたと言えば、目の前の妖怪ババアに斧で惨殺されそうだ。 性に飢えた狼だって相手を選ぶ。昨日、出会ったばかりの女の子を襲う卑劣な真似なんて 一般的な倫理観さえあれば、絶対にやるはずがない。 「で、ババアさ。なんで、あのアパートは無意味に外壁が高いんだ? あれじゃあ、外からも内からも侵入することができないじゃん」 「あれはな」 ババアが過去を懐かしそうに思い出すような遠い目をして言った。 「ワシのひいひいお婆ちゃんが建てた家だ。当時は愛しい人を閉じ込めて監禁するために設計された家らしくて、 その名残が今にも残っているんだろうな。敷地も家もワシは特にいじってないから当時とそう変わらない」 「監禁されるって……おいおい」 「過去にあのアパートを貸した住人で男と女が住み着いた時に限って、監禁事件が起きたことがある。 というか、アパートを借りた住人全てに監禁事件が起きたな」 「えっ?」 「このアパートで監禁するには快適な環境じゃ。外部の接触を遮断する高く覆われた外壁に、 周囲に悲鳴を漏らすことができない完璧な防音施設。出入り口は一つしかないので、監禁された男はそう簡単に逃げられぬ。 これこそが我が家代々に伝わる監禁システムなのじゃ」 「そんな監禁システムなんて作るな。燃やせ」 「ほう、びびっているな。だが、安心せい。周防のクソガキを監禁するような女性がこの世にいないからのぅ。ほぉほぉほぉほぉ」 と、ババアは変な笑い声と共にスキップしてさっさと過ぎ去った。 もう、家に帰って。寝よう。
■監視領域 『現在の時間は20時頃です。忍さんが帰宅してきました!!』 と、私は電気代の節約のために電気を消して、部屋を暗くしていた。唯一の光は忍さんを監視用モニターだけであった。 『忍さん。帰ってきたばかりなのに、着替えるなんて。私のことを誘っているんですか? きゃは』 当然、この映像は全て録画している。後でこの場面を何度も見直して見直してやろうと思います。 昼頃に設置した盗聴器と監視カメラは全部で64個。 これを付けた奴は見つかるの覚悟で付けたに違いない程に付けまくった。 おかげで忍さんをあらゆる角度から見れるし、死角なんてあの部屋には存在しません。 でも、お風呂とかトイレとかは最低限のプライベートに関しては何にもしてません。 だって、覗く楽しみがなくなるじゃないですか。 『今晩の夕食は……コンビニ弁当ですか』 近くにあるコンビニからお弁当を買ったんですね。そういえば、ロクに料理が出来ないって言ってましたね。 うふふふ。 難攻不落の要塞の弱点を見つけちゃいました。
以上で投下終了です 今年もよろしくお願いします。 それでは。
>>803 GJ!なんかババアのキャラが濃くて笑えた
>>803 乙 今年もよろしくおねがいします。
そしてまた某乙女座ww
何でこんなに人気なんだwww俺も好きだけどさww
>>807 待て、ちょっと待て。
せめて少し間を開けてやれ。
それがマナーだ。
第二話 〜偽りの兄〜 嘘も方便である。 嘘が御方便になることもある。 嘘が方便になるような状況。 これはけっして御方便でない。 「た、頼むから落ち着いてくれ!」 俺は落ち着かない口調でなんとか言った。 「兄さん?」 藤堂優奈の抱きつく手は緩まない。 とりあえず体を離して話をしないと。 そう思い、名残惜しい気持ちを抑え、彼女の体を遠ざけた。 「えーと、俺は君の兄さんじゃないんだけど…」 「え?」 「俺の名前は赤坂映太。クラスは1−C。陸上部所属。君の兄さんじゃないだろ?」 彼女がきょとんと俺の話を聞いていく。 徐々に彼女の顔から、涙も笑顔も引いていった。 どうやら勘違いを悟ってくれたようだ。 最初の自己紹介から聞いていなかったとなると、告白も最初からやり直しかな? 「あ…、あ…」 一瞬、彼女の嗚咽が漏れた。 しかしすぐにいつも通りの藤堂優奈に戻る。 「ごめんなさい、あまりに、本当に驚くほどに、私の兄に似ていたもので…、つい取り乱してしまいました。本当にすみません」 「いやそれはいいんだけど…」 「本当にすみません」 本当に申し訳なさそうな顔だった。 いつも通りの人間らしい表情。その表情には謝罪の意がしっかりとこもっている。 さっきの表情とはまるで逆。今の彼女の顔にあるのは、単色の純粋な意思だけだ。 「藤堂さんには兄さんがいるの?」 「はい、いました。一年前に死にましたが…」 「だから…、ごめん…」 藤堂優奈には兄がいて、仲が良くて、でも死んでしまって…。 そして、その兄に俺が似ていた。彼女はいきなり現れた俺に兄の面影を重ね、兄に対しての藤堂優奈になった。 だいたいこんな感じであろう。 「いえ、謝らなければいけないのはこちらの方です。赤坂くん、ですよね?すみませんでした」 「あ、うん…」 ここまで謝られると引かざるをえない。 「えーと、それで、私に用があったんですよね?なんでしょうか?」 「うん、俺、藤堂さんが…」 俺は口を止めた。 兄を失う悲しみ、か…。 俺が妹を失った時、どれだけ悲しかったっけ? ずっとずっと泣いて。 妹が生き返るように祈って。毎日、神社にお賽銭を捧げて。 しばらく学校もズル休みして。 姉さんがずっと側にいてくれて、慰めてくれて。 でもすぐには立ち直れなくて。 たまに妹が生き返る夢を見て。でも朝起きると、どこにも居なくて。
死んだ人間は生き返らない。 死んだ人間のコピーは居ない。 では偽者は? 彼女が今、一番必要としている存在は? 今の彼女の顔には、用件が何なのか?告白かもしれない、そうしたらどうしよう、そんな事を気にする表情しか浮かんでいない。 この状況なら誰もが浮かべるであろう表情。そして誰もが思うであろう気持ち。 とても人間らしい姿。 人間らしすぎる姿。 俺が知る藤堂優奈らしい姿。 でもさっきの俺を「兄さん」と言い、抱きついてきた時の彼女の表情は違った。 全く人間らしくない、俺の知っている藤堂優奈らしくない。 これ以上の表情があるのであろうか?というほどの感情が溢れ出ている表情。 普通の人間が表現できる感情のキャパシティを越えた表情。 彼女を、藤堂さんをそんな顔に出来るのは誰? それになにより… 俺自身が藤堂さんの最高の笑顔が見たかった。 人間らしくない、この世で最高の。 ここで告白して、振られて、他人になってしまうくらいなら、いっそ… 「俺、藤堂さんの兄になっちゃ駄目かな?」 「え?」 「嫌ならいいんだ。おこがましいことを言っているのは分かっている」 「…」 「藤堂さんの兄さんの偽者になれないかな。君のこと支えるから、出来るだけだけど…」 少しの空白の時間が流れる。 「出来るだけ…、ですか?」 「え、あーいや、出来る以上に頑張るよ」 「そんな言い回しまで兄さんにそっくりです」 「あ、そうだった?」 彼女は笑っていた。今まで俺が知っていた藤堂優奈らしくない笑顔で。 「本当にいいんですか?」 「もちろん!俺は藤堂さんのこと好きだから!」 今日、二度目の告白だった。また顔が赤くなる。 「嫌です」 「え?」 「兄さんは私の事を、藤堂さん、なんて呼びませんよね」 くすっ。そう本当に聞こえてきそうなほどの無邪気な顔だ。 「もう一度聞きますね?本当に私の兄になっていただけるんですか?」 そう言う、彼女は本当に可愛くて… 「もちろんだよ。俺は優奈のことが好きだから」 俺は藤堂さん、いや、優奈の頭を優しく撫でながら言った。 「私も兄さんのことが好きです」 俺は優奈と生きていく。兄として。 この笑顔をずっと見ていたい、そう思った。 「じゃよろしくな!優奈!」 「うん、今日はありがとう兄さん」 校舎の時計をみると、もう五時間目開始の三分前になっていた。 「悪い、俺、次の授業の教室遠いんだ。先行くな。授業頑張ろう」 「はい、頑張りましょう」 俺は幸せな気分で屋上を後にした。教室へと走る途中、笑みが浮かぶのを止められなかった。 「また、よろしくお願いします、兄さん。もう二度と兄さんを失いません…」 そう一人呟き、優奈も屋上を後にした。
>>808 すみません、投下時間見ていませんでした。
>>803 本当に申し訳ないです。以後気をつけます。
申し訳ないことをしてしまいましたが、一応、二話は終了です。 シーン構成の都合上、二話はかなり短めになりました。そちらもすみません。 トライデントさん、本当にごめんなさいです。
GJ! 投下間隔は俺はあまり気にしない派だけど気にする人もいるから気をつけた方がいいかもね。 でもGJだ!
GJ!なんかブレス4のED曲思い出したぜ…。
中国人の女性は世界一独占欲が強いんだって聞いたんたが
ブータン人を見習うべきだな
818 :
【楔】 :2009/01/07(水) 17:56:16 ID:rx8mu9nu
初めて覗いてみたがなんとGJなスレw ヤンデレスキーな自分にはクリティカルなスレっすw なので自分も初めて小説を書きましたが投下します
私… もう我慢できない… あの醜い淫売に… 好きな人を汚されるのが…!!! 【楔】 俺は山芳高等学校に通う2年の七瀬由岐(ななせ ゆき)だ。 今日もいつも通り学校に向かう為にいつも通りの道を歩いている。…ん?あの後ろ姿は? 「よぉ!茉莉華!」 「…あ!由岐くん!おはよ♪」 こいつは俺と同じクラスの綾橋茉莉華(あやはし まりか)で、まぁ幼馴染みの間柄だな。 「ねえ♪由岐くんは昨日のあの番組は観た?」 「観た観たw俺的にはぐっ〇ん〇ーンが面白かったなw」 「あれは笑っちゃダメだけど笑っちゃうよね〜♪」 そんな感じで昨日観た番組だとかの話しをしながら、いつも通りの時間が流れていく。 まさか…あんな事が起こるとも知らずに…。 学校に着き上履きに履き替えて教室に着き机に向かう途中である女子生徒に話しかけられた。 「あら…今日も冴えない顔してるわねぇ」 「おいおいw朝の挨拶がそれかよw」 こいつは櫛山早苗(くしやま さなえ)で、このクラスの学級委員長をしている毒舌家だ。(何故か俺にだけ毒舌…orz) 「あ!早苗おっはよー♪」 「おはよう、茉莉華さん今日も元気ね」
「うん!今日も元気にがんばってこぉー♪」 「…なんで俺には普通に挨拶してくれないんだよ」 坊やだからさ…。 …は!?なんだ!今の電波は!…まぁ、いっか。 「由岐ったら独り言?気持ち悪いわねぇ…。あ、そうそう話したい事が有るから由岐1人でお昼休みに屋上に来てくれる?」 「ん?今、話せない事なのか?」 「なになに?茉莉華も知りたいな〜♪」 「今は話せないわねぇ。あと由岐とだけ話したいから茉莉華ごめんね」 「わかったよ。昼休みだな」 「…ざんね〜ん」 そこで担任が来てHRが始まり授業も寝ながら過ごして、あっとゆう間に昼休み。 弁当を食べてから屋上に行こうと思ったら早苗は弁当も食べずに屋上へ。 仕方ないので俺も弁当を食べずに廊下を小走りで歩き屋上に続く階段を登り屋上のドアを開けて早苗を探すと奥のフェンスに寄り掛ったまま空を見上げてた。 「よう、なんだ話しって」 「あら…早かったわね」 「あぁ早苗が昼休みが始まってすぐに教室を出ていったから俺もな」 「…そう」 なんだ…?いつもだったら毒舌の1つでも飛んでくる筈なのに調子が狂うなぁ。
「…私達って出逢ってから約2年よねぇ」 「ん?そうだな〜確か入学式の日に早苗から話しかけて来たと思ったらいきなり「貴方、冴えない顔ねぇ」だもんな〜あれはマジで驚いたぜw」 「その後の約2年間は早苗と茉莉華と俺でいろんな事して遊んだよな〜」 「…そうだったわねぇ。あれが由岐との出逢いで、そして私が由岐に一目惚れした瞬間」 「………え?今なんて?」 早苗は何度か深呼吸をして… 「私は由岐が大好きです。付き合って下さい」 驚天動地とは正にこの事…まさかあの早苗から告白されるとは…オラ、ビックリしてドキドキが止まらねえぞ〜 …は!?また電波が!! そんな事より早く告白の返事をしなければ…でも今まで早苗はそんな仕草やら態度やらをしてなかったし俺も早苗の事は密かに好きだったし…ああ!もう!いっちまえ!! 「俺も早苗の事が大好きだ!付き合ってくれ!」 「…本当に?…由岐は茉莉華の事が…好きだと思っ…てたからダメだと…ありがとう…」 俺は何も言わずに泣いてる早苗を抱きしめて泣き止むまで頭を撫でてあげた… その時の俺は気がついてなかった…茉莉華がこの告白を見ていた事を…その顔が歪んでいた事も…
取りあえずここまでの投下です 続きは書く気でいますが、こんな稚拙な文で良いのだろうか? この後からヤンデレが出まくりな感じでwww
ヤンデレってなんだ?
投下が多くて嬉しいな
>>815 しかし家事を全くしないと聞いたが?
>>822 女の子二人とも可愛いので病みまくるまでガンガってくれ
wktk 強いて言えば、台詞に草はないほうがいいと思われ
今、ヤンデレ漬けにしてる最中です。裸に靴下でお待ち下さいw
>>826 ありがとう。俺的に好きなタイプのキャラを出しました。
>>827 ヤンデレをたいせつにw
>>828 貴重な意見ありがとう〜草は無しですね。
>>829 GJだ
ただ作者は感想等にレス返すのは控えた方がいい
【楔】の続きを投下します。ここからは… ちょい甘、シリアス、ちょい過激な表現を使いますのでヤンデレスキー、全裸で紳士じゃない人はご注意を。
放課後になってようやく早苗も落ち着きを取り戻したが (結局午後の授業サボッちまったぜ…) 教室に戻った俺達は茉莉華に俺と早苗が付き合う事を告げると… 「ええ!?由岐くんと早苗ちゃんが付き合うの!?2人して中々帰って来ないから心配してたんだけど…」 「…うん?おめ…でとう…?ごめん!私、先に帰るね!」 この突然の出来事に茉莉華も素直に祝福してくれると思ったのに微妙な表情のまま走って帰ってしまった…。 俺達は茉莉華の様子が気になりながらも下校時間ギリギリまで教室で初デートは何処に行くかなど話し合いながら帰宅する事とした。 その帰宅の途中… 「ねぇ…手を繋ぎながら帰らない?」 早苗が顔を赤くしながら、そんな事を言うもんだから俺も顔を赤くしながら… 「…おう!じゃあ手繋ぐぞ?」 俗に言う恋人繋ぎで手を繋いだ。幸い周りに人の気配も無さそうだし、この時季は日が落ちるのも早く暗かったので気にせず手を繋いだ その瞬間…!!!!! 闇夜から憎悪と殺意を含んだ鋭い視線を俺は感じた!!!! 「…誰かいるのか?」 「どうしたの?由岐?」 その時、俺の声に反応して足音が近づいて来た…あれは…?
「…由岐く〜ん…早苗ちゃ〜ん」 「ふぅ…なんだ!茉莉華か!どうし…た…?」 闇夜を切り裂いて現れた茉莉華はその小さな手に刃渡り24cmはある和牛刀を持っていた… 「…私ね〜…気づいたんだ〜…私も由岐くんが〜…大好きだって〜…」 「「…え!?」」 その告白に俺達は驚いた…だが、そんな事より普段の茉莉華に無い異様な雰囲気に俺達は恐怖と狂気を感じた… 「…だからね〜…私は〜…大好きな由岐くんを〜…奪った〜…早苗がね〜…」 「許せないんだよ!!!!!!」 その瞬間、茉莉華は手に持った和牛刀で早苗を切りつけてきた!! だが、とっさに俺が早苗を自分の方に引き寄せたお陰で早苗の髪が数本切られただけで済んだ。 「や、やめろよ!!茉莉華!!冗談じゃ済まないぞ!!」 「冗談じゃないんだよ!!!その女が!!その女が!!なんで…?なんで由岐くんはそんな女の事をかばうの!?」 茉莉華の狂気を纏った殺気に早苗は声も出せずに俺の腕の中で震えてる…。 「…そんな乳がデカイだけの牛女は…由岐くんに…ふさわしくない…解体してやる…解体してやる…解体してやる…解体してやる…解体してやる…解体してやる…解体してやる…」
今回はこんな感じで。まぁ生あたたかい目で読んで頂ければうれしいです。
>>830 >>831 失礼しました今度からは気をつけます。
ちょっとした独白みたいなのはいいとおもうが あんまり作者が意見を出しすぎると叩かれやすい だから良い意味でも悪い意味でも作者自信はできれば無個性であったほうがいい 作者が個性をだしたいとおもうのならSSの中でやるべきだな
>>823 ヤンデレにやられて記憶を失ってるんだ
触れてやるな
GJ!!
>>823 こんなところに居たのね?さあ早くおうちに帰りましょ
840 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/08(木) 20:58:47 ID:BBHtzqf8
GJでした。 ところで「お隣の彩さん」でも「ヤンデレ症候群」ってでてくるけど なんか、SS同士の世界観が共通してるみたいでいいですね。
ぽけ黒マダー?
>>840 人気そうなSSのキャラを沢山出したオールスターSSとかいいんじゃね?
それぞれの作者さん達にキャラの使用許可さえ取れればだけど。
それはたいへんきけんなかんがえです
ああ、とっても危険だ。 どのくらい危険かというと嫉妬に狂ったヤンデレに銃火器を与えるくらい危険だ。
845 :
唐突ですが :2009/01/08(木) 23:13:40 ID:6Zq1yCz6
処女作です。 自分は小中高と国語の先生に"文章力に難あり"と言われ続けてました。 かなり言い訳がましいですが結末だけを考えて作り始めたので最初から理解不能です。 歴代SSの中でも随一、並ぶ物のないほどの下手さです。 その事をふまえた上で時間に余裕がある方はご覧ください。 ジャンル:微妙なヤンデレ? (年齢、名前、容姿、一人称などはご想像下さい)
腐った親に存在を否定され必要最低限の金を置いていくだけだった 学校では問題夫婦の一人息子として、危険人物として存在を無視されていた だが成長するにつれ、1人で我関せずと何も興味なく、飄々といる事は 年上からみれば粋がってるように見えたようだ。 下校中にいきなり後ろから殴られた 最初は2,3発殴られれば興味を無くすと思い好きなようにさせた だが彼らには無抵抗の人間を殴る事が好きだったようだ 5,6発殴られ、これ以上我慢する必要が無いと感じて反撃をした 体は生まれ持った才能のおかげで特にスポーツもせずに強い部類に入るほうだった その時にいた人数は4人だったが難なく叩きのめす事ができた。 彼らはアウトローを気取りタバコ、飲酒などをして運動をしなかったおかげだったかも しれない。また学年下のガキが1人で反撃などしてこないと思ったのかもしれない。 学校での地位しか知らない彼らは学年というものが大きな壁だと思ったのかもしれない。 これ以後殴られる事は無くなったが、ますますクラスから、学校から孤立していくのが 感じられた。 後悔はしてない、、と脳内で言う でも、、どこか苦しくて、、
847 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/08(木) 23:14:50 ID:BBHtzqf8
>>842 オールスターよりも、ゲストで少しだけ出てくるぐらいでいいと思います。
自分が崩れないように、壊れないようにするため感情の起伏を減らし 笑う事も悲しむ事も怒りも忘れた、、 だけどそれは彼女に付き合わされる内に嘘だった事を実感した。 何も忘れてない、、 彼女と会ったのは広い森林公園だった 休日の時間つぶしで民間図書館で借りた本を簡素な部屋で読むよりは 森林に囲まれた静かな場所で読むほうが頭に入ると思い、公園に来ただけだった。 だが休日の事もあり中央地の広場は家族連れが多くおり、静かとは言えないようだった 静かな場所を探し、端の方を歩き回ってると女性がしゃがんで子犬に話しかけていた 話しかけると言っても「ワン、ワン」と擬音語でしか話しかけてなかったので 意味はわからなかった。 横を通り過ぎようと近づくと足音で気づいたようで大仰な仕草で振り返った。 その顔は真っ赤だった。 どうやらここには人があまり寄りつかないと思ったのかもしれない。 たしかにこの場所は背の高い木に挟まれ陽ざし悪く、場所も中央地と違い広くなく、 それに背の高い木のおかげで閉塞感があった。 わざわざ公園に来てまで来るような場所ではないだろう。 自分も静かな場所を探していなければ確実に来ない場所だろう。 "どうでもいい"と思い無視して通り過ぎようとした。 通り過ぎようとした時彼女から自分の名前を呼んだ。 怪訝な顔をしていると少し怒ったような、だけど羞恥が残る赤顔で"同じクラス"と言った。 同じクラスと言ってもまだ学年が変わって一ヶ月も経ってない。 人に興味がない自分にはまだ名前も顔も覚えていないクラスメイトが9割以上だ。 "そうか"と一言だけ言って目的の場所を探そうとまた歩き続けようた。
5歩ぐらい歩いただろうか、パーカーに付いてるフードを下に引っ張られた。 "何か用があるのか"と無感情の声をかけながら、後ろを振り向くと犬の顔が間近にあった。 "何の用だ"とさっきと変わらない声質で言う。 彼女は"この子犬可愛いでしょ飼いたいでしょ、そうでしょ"と言ってきた つまりは彼女はこの子犬の面倒を見てくれないかと言ってきてるのだ、、 自分に "話にならないと"無視してまた歩き続けた。 彼女はそれが気に入らないらしく足を思いっきり引っ掛けた、、 、、、、こけた、、、、 彼女は馬乗りになって子犬を顔に近づけて"この子犬飼いたいでしょ、"とまた言った 自分は"家がペット禁止のマンションだから飼えない"と適当に嘘を言った。 その言葉を聞いた彼女はいきなり財布を取り住所の書いてあるカードを見た。 彼女は勝ち誇った顔で"部屋番号書いてないけど"と言った どうやら彼女は常識というものを知らないらしい。 自分はこれならと"ペット類はすぐに殺してしまうから飼えない" 引かれるかもしれないが特に問題はない、彼女に嫌われようがこれから 自分には実害がないと思い言った "嘘だね"と彼女が言った いきなりな言葉に怪訝な顔で"なんでだ"と聞くと彼女は "君が持ってる本は動物好きがよく読む本だから"と言った 確かにこの本には人と動物との暖かい交流を眠くなる文体で書く如何にも動物好き が読むような本だった。 色々と訂正するのもめんどくさくなり"偶然だ、飼うのがめんどい、どけ"と率直に言った。 彼女も押し問答がめんどくさくなったようで "ああもう、とにかくこの子犬お願い"と言い、犬を体の上に乗せられ、 彼女は走って逃げた、、、 1人犬を抱いて地面から起きる。 子犬をあらためて見ると少し痩せていて親犬もいないこの状況なら死ぬかもしれない。 子犬が自分を見て鳴いた。
ただ、、、、ただ何となく、、、、家に連れて帰った。 そこには特に同情やら何やらが有ったわけでも無いと思う。 そんな感情があるはずは無いと、、残ってるはずがないと思う。 ただの気まぐれ、なんとなく。 明日にでも彼女に押し付ければいい まずは犬を風呂に入れる。 入れた後、底が深く倒れないように固定した大きなバケツに入れ、これからの事を考えた。 動物を飼うにはまず餌を買わなければならない。 餌を買うには金がいる。 親は高校に入ると同時に金をくれなくなった。 だけど親も知らない隠し地下倉庫を見つけ、先祖代々から続くような調度品を怪しい骨董屋に 売って、大学を出ても当分は生活に困らないぐらいの金はある。 それを使い餌を買ってくる。 だけどその前に図書館から犬の飼育本を借りて調べる。 最後に弁当屋で自分の飯も買う。 決まったら行動する。 まず図書館に行って犬の飼育本を読む。 犬の餌が決まったら本を借りに受付に行き図書館を出て、 人の餌も犬の餌も買える大型スーパーに行った。 買い物を終え家に帰り、まず犬に餌をやった。 その後自分の飯を食い、一服をついた処で飼育本を読む この日の就寝の時、かなり変わった休日だったと1日を振り返った。 翌日の登校日クラスに行くと昨日犬を預けて無責任に逃げた女が話しかけてきた。 "昨日はごめんなさい、恥ずかしい処を見られて少し錯乱してた、犬はどうしてる?"と言った 自分はめんどくさい事にならないように"捨てた"と一言言った 彼女はうれしそうな笑顔で"嘘、服に犬の毛が付いてるよ。私も昔飼ってたからわかるよ"と言った どうやら室内での放し飼いのせいで、服に何本か付いてたらしい。 彼女は"飼っていた"と言った。それにあの犬を自分で飼わず無理矢理押し付けてきた。 昔は飼えて今は飼えない状況にでもあるのだろう。 あの犬を押し付ける事は出来なさそうだ。 彼女に話は無いと言う態度で興味なく自分の席に向かった。 その時視界に入るクラスメイトは大抵こちら側を見ていた。 顔を向けた瞬間目をそらされた。 いかにも興味ありませんという白々しい態度で友人同士話をしる。 "どうでもいい"何も感じずに席へ向かった。 その後ろで彼女が"今日の放課後、あなたの家に犬を見に行くね"と言った 彼女の方へ向き、拒絶の言葉を言おうとしたら彼女は親しい女友達のもとへ行っていた。 1人で勝手に帰ればいい、そう思い話しかけるのをやめた。
いつもと変わらない授業が終わり、放課後になった。 いつもと同じように帰宅する。 学校から出て100Mぐらい歩いた所で彼女に止められた。 "さぁ、行きましょ"と、先に帰宅した事を咎めることもなく、横に並んだ。 追い返すのも無理という事を感じ無視して歩き続ける。 学校から自分の家まで歩いて20分近くの所にある。 一言も話さず20分歩き家に着いた。 家の中に入ると犬が飛びついてきた。 はたいた。 彼女は"なかなか過激な愛情表現ね"と言った 何事も無かったように自分の部屋に向う。 私服に着替え、腹を満たそうとリビングに行くと犬が彼女にじゃれ合っている。 その横を通り過ぎようとしたら彼女に"そういえばこの子犬の名前は?"と聞かれた "ワサオ"と答えた。 時間が経ち彼女がそろそろ帰ると部屋に言いに来た。自分は特に返事もせず本を読む。 彼女が"明日も来るから"と言った。 自分は拒絶の言葉を言おうとしたら彼女はもういなかった。 次の日の放課後、宣言道理に彼女が家に来る。 この日の帰る時も"今度は明後日、来るから"と言った もう自分は何を言っても無駄という事を悟り特に何の反応もみせなかった。 犬を見に彼女が家に来る。そんな日が半年以上続いた。 犬の話題だけだったのが少しずつ他の話題の話もするようになった。 最初は彼女の言葉を相づちだけですましていたが、今は聞かれればそれなりに 話すようになった。 日に日に変わっていく自分、、、
いつの間にか少し笑っている自分がいた。 愛など知らなかったのに彼女を見るだけで知らずと愛というものが 少しずつ実感できるようになった。 表情が豊かになるに連れ、クラスの面々も一言二言話しかけるようになった。 昔の自分なら考えられないような日々を送っている。 幸せ・・・・だと思う。 ある日彼女に遊びに行かないかと話しかけられた。 自分は嬉しさを心の中で感じ、まだ少し無表情ながら"行く"と即答した。 彼女が先に歩む場所は誰もいない森の奥地だった。 普通の人なら家族だろうと誘われたら不振に思い行かないような場所である。 だけど自分は何も考えず彼女の後を追った。 何十分、何時間歩いただろうか、、いきなり森が切れ、円状に開いた 小さな白い花の咲く場所に着いた。とても幻想的だった。 その中央に彼女の後を追って行くと、いきなり振り返って抱きついてきた。 抱きつく力が強く、体が倒れる。 彼女は自分を覆い被さった状態になった。 訳が分からず彼女の顔を見ていると唐突に彼女が涙を流した。 "好きなの"と言う。 「私はあなたを見ていた・・・・・・ 私もあなたと同じように何も興味がない。家でも学校でも作った表情。 仲間意識があった。だからあの日私はあなたに近付きたくて犬という接点を作った。 ・・・・・だけどあなたはどんどん変わっていった。 言葉を返してくれるようになった、微笑むようになった。 ・・・・クラスであなたは少しずつ人気が上がってきた。 知ってる?あなたの事が気になるって女子結構いるんだよ。 ・・・・・・・あなたが変わって、周りが変わって自分の気持ちに気がついた ・・・・・・・・あなたの事が好き、愛してる・・ずっと前から だけどあなたは変わって、格好良くなって、 いつの日か他の女性が出てきて私なんか興味なくなる。話もしなくなる。 だから・・・だから今あなたと共に終わらせたい。 あなたの人生を私で終わらせたい」
彼女は言う。好きだと、愛してると 彼女は俺を愛してくれてる・・・ 今まで誰にも愛されたことのない自分が愛しい彼女に愛されている 嬉しかった だから彼女の手が首を締め付けようとも抵抗はしなかった。 手を伸ばし彼女の髪をかきあげ頬に触れる。 首が絞まり言葉を出す事ができない。 だから口の動きだけで伝える 「愛してる」 自分が笑うと彼女が微笑んでくれた。 意識が堕ちる。 もう目覚める事のない眠りにつく。 怖くはない。 自分の人生は幸せだった。 おやすみ。 この日この場所で2つの命が消えた END
854 :
あとがき :2009/01/08(木) 23:18:37 ID:6Zq1yCz6
この物語はカルタグラの由良にインスパイアを受けました。 最初は3スレぐらいの綺麗な作品を作ろうと目指したのですが、、、 ヒロインも出ない所で思った以上に長引いてしまって 出たら出たでどのように絡ませればいいのか分からず グタグタになってしまいました。 連鎖的に中盤〜終盤とかなり雑になってしまいました。 そのおかげでヤンデレという物語の核もボロボロです。 もしも見捨てずにいて下さるのならば、 この様にした方がいいなどのアドバイスを チキンなハートを持つ自分に言葉が丸くなるよう 語尾に「だっちゃ」でも付けて、ご教授下さい。 誤字脱字もありましたら教えて下さい。 もしも、もうこれ以上見たくないという方がおられれば スレを汚さないようメル欄にでもBadとでもお入れ下さい。 空気を読み投稿を控えさせていただきます。 最後になりますが、もしも最後までこの様な不出来な作品を 見て下さる方がいたならばお礼を申し上げます。 ヤンデレに栄光あれーーーー
855 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/08(木) 23:19:54 ID:BBHtzqf8
GJです。 普通に面白かったですよ。自信を持ってください。 あと、途中に書き込んで申し訳ありませんでした。 謝罪いたします。
なかなか良かったんじゃないかな?いろんな趣向の作品がある方が楽しいし。
>>854 結構面白かった、変に自信喪失して投げ出さないようにすればいいんじゃないのかな。
後、ここは妄想や小説を書くスレで文章力を上げるスレじゃないから
小説の書き方とかを紹介しているサイトで勉強したほうがいいと思われ。
>>842 ヤンデレってのはバランスブレイカーだから、一つの作品にいくつものヤンデレを同居させることは不可能だろう。それこそ
>>844 の言うとおりだ
せいぜい世界観の共有くらいが限界だろ。ただ、それはスレチになってしまうという危険性を孕んでいる
>>854 謙虚と卑屈は違うんだぜ
いくら自信がなくても、あんまり自虐してるとたとえ作品がよかったとしても逆に非難を買うぜ
……まあ逆もしかりなんだが
なかなかよかったと思います。 たとえ不出来な作品だったとしても、回数を重ねればいい作品が 自然と思いつくようになると自分は思います。失敗は成功の素!
そろそろ次スレだな。
>>854 GJだ。そこまで謙虚にならなくても大丈夫でしょ。
良かったよ。
次スレか じゃあ立ててくる
862 :
次スレ :2009/01/08(木) 23:43:50 ID:XYiRIWTj
>>854 GJ!
接続語のミスが目立ってたと思うっちゃ
誤字とはわかっているんだが、3000レス分約180000行の超長編SSを読んでみたくなってしまったぜ
865 :
854 :2009/01/08(木) 23:55:49 ID:6Zq1yCz6
書き込んだ後色々と不安になり風呂に行ってました。 高校の時に10時間かけた大作(読書感想文)を国語の先生に「なにこれ?もっとまじめにやれよ」 と言われ少しトラウマになってました。 これからは必要以上に謝らず、お礼だけを申し上げるようにします。 読んでくれた方ありがとうございます。
そんなトラウマがありながらヤンデレSSを仕上げたお前に乾杯
俺なんて、見向きもされなかったぜ…。
>>867 さんには私がいるじゃない…
とでも言うと思った?
私には
>>865 君がいるの
さぁ、ふたりっきりで勉強しましょ…ウフフフ
二人がいなくなった後 たった一匹で部屋に閉じ込められて餓死を待つだけの犬が気になって ひたりきれなかったorz それとも犬は連れてきてたのかな?
870 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/09(金) 20:25:05 ID:5AF1n0As
若くして社長になってしまった男を、ヤンデレの女秘書が立派な社長にするために教育するって話が読みたいな 誰か書いてくださいお願いします
すいません、sage入れ忘れました…
ヤンデレに刺されてみたい。 頼んだら包丁とかで刺し殺してくれる恋人(or妻)って実際どれぐらいいるんだろうね? いや、頼めば刺殺してくれるくらい(相手を)愛してる人ってどれくらいいるのだろう? あー、刺されたい。
>>870 ヤンデレスレに投稿された、病み妻の作者さんは、そんなやつを書いていたはず。
875 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/09(金) 22:28:07 ID:szVqyozl
完全なオリジナルを作るのは難しいから、二次創作にするのってどう? スクイズ+君のぞで 妊娠したと聞かされて世界になびく誠。 言葉は取り返して独り占めにしようと、 マナマナみたいに誠を監禁して、妊娠するまで連日連夜の逆レイプ。 しかも持ち前の勉強上手と淫乱な体のせいで、回数を重ねるごとにエグいSEXに。 それでも世界と産まれてくる子供の事を思い、何とか正気を保つ誠、 だが食べさせられていた媚薬入りの肉料理は言葉に殺されて調理された 世界と自分の子供である事を告げられ、証拠に顔以外の肉を削ぎ落とされた 世界と胎児の遺体を見せ付けられ、ついに自我が崩壊し幼児退行。 言葉は妊娠→出産でさらに巨大になった乳房を赤子同然にした誠にしゃぶらせ、 母乳を飲ませながらSEX。 トゥルーエンド「母性愛」 アリかな?
作品スレがある場合はそっちでって話だったと思う SchoolDaysのスレはないからここでいいだろうけど
スクイズの分岐√を考えるスレならあるからそっちで
879 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/09(金) 23:29:46 ID:GqB01ykD
書いてみたくなった
880 :
875 :2009/01/09(金) 23:49:51 ID:szVqyozl
二次創作はちょっとなぁ… 荒れる元だしやんないほうがいいと思うんだが…
エロゲ系の板とかでやれ
それは板違い
884 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/10(土) 00:24:14 ID:eka351fP
saga進行とかよう分かりません。普通にやればいいのかな?
885の人ありがとうございます。初めてなので。 Eメールのところにsageですね。
887 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/10(土) 02:06:44 ID:1Uk0J2dZ
バランスブレイカーで、ルールブレイカー。 時には、作品すらぶち壊す。 ヤンデレとは、げに恐ろしきものなり。
死ね
723にささぐ 朝、憂鬱な気分から僕の朝は始まる。 あぁ〜起きてしまった、ずっとずっと冬休みだったら良かったのにと、温かい毛布の中、僕は体を丸くしていた。 行きたくない行きたくない行きたくない、 頭を駆け巡るのは学校への拒絶の言葉。 僅かな希望を胸に、携帯のディスプレイを開いてみた。 『6時55分、現在大雨、大雪注意報はありません。』 神は我を見捨てたか! 僕はため息をつきながら携帯を収め、そこで妙案を思い付く。 インフルエンザって嘘吐いちゃえばいいんじゃないか? そこで再び携帯を開き電話かけようとした、その時。 「チェーストー!」 毛布の上、丁度脇腹辺りに重たい一撃、この感触は!遅かったか!「おれ〜!七条(ナナシ)起きれ〜!」 ソプラノの声と共に揺さぶられる毛布と体、そしてずっしりと重いこの感じは。 「睦美(ムツミ)、どいてよ」 「七条が起きればどいてあげるよ?」 まるで悪戯をする子供の様に楽しげに言うこいつは本当に同じ17歳なのか?と本気で考えることがある。 「ってか、重い。太ったろ?睦美」 この一言により僕の固有決壊は完全に剥がされ、ニーソックスによる顔への攻撃を受けるはめにあう。 僕、七書七条(ナナフミ
僕、七書七条(ナナフミ ナナシ)の朝はこの騒がしい隣人、杉野睦美(スギノ ムツミ)によって毛布をひっぺがされる所からはじまるのである。 僕らは子供の頃からこのマンションで一緒に過ごしてきた。 僕と睦美は幼稚園、小学校、中学、今までずっと一緒、言わば幼馴染み。 家族構成も同じ、三人家族。ただ家は父さんが海外出張、睦美の両親は共働きで朝から晩まで家を空けているのが殆どだった。だから何時も僕と睦美、母さんの三人で家の部屋で過ごしてきた。 その頃の睦美は人見知りが激しくて僕の後ろで袖をずっと握って隠れているくらいで、僕の後ろをずっとくっ付いていて。 その頃の僕は今よりも活発で、元気があって、明るくて、何より毎日が楽しかったはずだったんだ。
僕らが高校の受験を終えた日。何時も道理睦美と僕の部屋で母さんの料理を食べようと帰った時には母さんがいなくて。代わりに留守番電話のメッセージが点滅していた。メッセージは警察からで交通事故で病院に搬送されたと。 気づいた時には制服のまま走ってて、足は血だらけで。 「七条!七条!」 後ろから睦美が肩を掴むまで俺は気付かなかった。 睦美は自転車の篭に靴を入れ僕を追いかけて来てくれた。 「七条足!靴履いて!この自転車使って!」 これが僕の初めて見る睦美の大声だった。 「悪い睦美!借りるわ!」 それから自転車に飛び乗っ病院に向かっていった。 でもその時にはもう遅くて、病院で血だらけの母さんが待ってたんだ。 葬儀の時の事は全く覚えてない、ずっとずっと母さんの遺影を見ていて、気付いたら睦美が泣きながら抱き締めてて。 「絶対絶対私が守るから!お母さんの代わりに私がずっとずっと一緒にいるから!」 気付いたら二人して、大の大人が二人してワンワン泣いてたんだわ。ぎゅっとお互い痛いくらい抱き締め合って、誰もいない葬儀所で二人でワンワン泣いてた。
携帯から突然の投下失礼しました。 お見苦しい点、多々あるとございますがご了承下さい。
つまんね。もう来なくていいよ
>>893 萌えられそうで良い感じなんだが、続きは……?
>>892 展開的にまだ何も起こってないからGJとは言えないけど、次回に期待。
897 :
892続き :2009/01/10(土) 05:00:47 ID:SGFAjOh/
僕は冷水で顔を洗いながら、過去を振り替えってみた。 あの後の睦美の激変と僕の没落。 睦美は元々成績が優秀な部類の人間ではあったが人付き合いや運動の面は苦手であった。 しかし高校に上がってからテニス部に入り、一年でレギュラー入り、お洒落に磨きをかけ、交友関係を広げ今では学年で中心的な人物にまでなった。 僕に至っては最初溶け込めず、今はイジメのいい対象である。それが原因で引きこもりがちになり、今は留年ギリギリまで学力が低下し、イジメを加速させる要因となっている。
898 :
892の続き :2009/01/10(土) 05:03:49 ID:SGFAjOh/
「ダメダメだな」 鏡に映るのは気力のない目のボサボサ頭。 「七条!ご飯!」 そんな時、睦美の元気な声、 「今行く」 そこには玉子焼きにほうれん草のゴマ和え、ミートボールに味噌汁。僕はつくづく本当に睦美は昔の睦美ではないんだと感じていた。 そんな事を考えていると睦美はいそいそと支度を始める。 「朝練?」 「まぁね?一応レギュラーだし」 「ごくろうさんで」 「お弁当、冷蔵庫の中にあるから忘れないでね?」 そう行ってからラケットの入ったカバンを持ち睦美は玄関を後にしてた。
899 :
892の続き :2009/01/10(土) 05:06:43 ID:SGFAjOh/
私は何時も道理に携帯を開くと複数のアドレスにメールを送信する。 『七書出るから何時も道理可愛がってね♪』 彼はずっとずっとお母さんに依存してた。 テストでいい点をとった時も、スポーツもお母さんの薦めで入ってお母さんの為だけに全力を尽くしてた。 「約束したくせに」 寒い寒い冬の空の下、彼との過去を思い出す。 人見知りが激しかった私に優しくしてくれた、幼稚園でイジメられた時助けてくれた、小学生の時、下駄の靴を隠された時は泣いてる私の為に七条はずっと探してくれた。 でも、それは全部全部お母さんに褒めてもらう為で私だけの為に向けられた物じゃなかった。
900 :
892の続き :2009/01/10(土) 05:12:13 ID:SGFAjOh/
七条、私さずっとずっと好きだったんだよ?七条はずっとずっと私だけのヒーローだったんだよ? でもずっと私を見てくれなかったよね?私を通してお母さんに褒めて貰いたかったんだよね? そんな私がどれだけ好きになったか、そんな私がどれだけ貴方を見てたか分かる? もうね、待つだけは嫌なの。私だけを見て貰いたいの、私だけと接して欲しいの、私だけと楽しそうに話してほしいの。 気付けば携帯がみしみし言う程握り締めてメールを紡いでいた。 『アイツの机壊していいよ?アイツの弁当ぶちまけて?アイツが教室入ったらシカトして?』 それを七条のクラスの奴等に送っていた。 七条はどんな顔をするかな?今度こそお母さんの代わりに依存してくれるかな? 「約束だよ?七条守ってあげるから、死んだお母さんの代わりになって守ってあげるからね?」 今日は泣いてる七条のためにお弁当半分こしよう、泣いてるアイツを優しき抱き締めて頭を撫でてあげよう。私は毎日が、七条を独り占め出来る毎日が楽しくて楽しくて仕方なかった。
901 :
892 :2009/01/10(土) 05:14:22 ID:SGFAjOh/
急拵えで続きを投下。 GJ貰えるよう頑張ります。
GJ!! いい感じに病んでるね
てか、ここじゃなくて新スレで書かないとGJ所か 見てすらくれないかもよ・・・
何時も道理がいつも通りの誤字だと気付くまで1分ほど考えこんでしまった
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん ってヤンデレ?
>>873 の方が教えてた通り
『宣告通り』を『宣告道理』と間違えてしまいました。
それで今回wikiの方に載りましてかなり気になり、直したいと思いました。
お聞きしたいのですが自分で直すものなのでしょうか
それとも管理人にご報告すればよろしいのでしょうか?
908 :
907 :2009/01/10(土) 23:43:53 ID:cypbWh8p
ごめんなさい。 『教えてた通り』じゃなく『教えてくれた通り』でした。 もうATOKの予測変換は信じません。。。
>誰でも編集できるようにしてるので修正とかありましたらご自由にどぞー -- 中の人 (2008-12-08 22:02:17) 中の人もこう言ってるので自分で修正してもいいんじゃないかな。 ウィキの扱いに自信がないなら中の人にそうだんするとか、どうでしょう
910 :
907 :2009/01/10(土) 23:52:26 ID:cypbWh8p
>>909 ありがとうございます。自分で編集しました。
それと
>>873 の方教えてくれてありがとうございました。
ume
ヤンデレの娘が泥棒猫の死体をを土に埋めるんですね、わかります。
そろそろこのスレともお別れかな
part20「
>>913 君だけはpart21なんかには渡さないんだから……!」
なに言ってんだよ? 俺達ただの友達だろ?
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生め
ヤンデル梅
梅
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