愛あるレイプ

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792名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 05:34:23 ID:zrVJ4liJ
わっふるわっふる
イサキでこんな萌える日が来るとは…
そういやイサキの元ネタもある意味切ない話だよな と自分は思っている

他スレの関連SS紹介もOKみたいだから
789で思い出させてもらったんだが囚われた女スレのヤクザと女刑事を推しておく
個人的に好きな作品
793名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 18:25:45 ID:btobn4t1
>ヤクザと女刑事
おぉぉお!このシリーズ知ってる!!
めちゃくちゃ面白いよな
囚われた女スレも稀に見る良スレだし
794名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 01:00:21 ID:cdLsQMVy
>>780
吹いたw
ぜひお願いします
795名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 02:09:46 ID:4cmoPgmo
>>784
顔に火傷だかを負いコンプレックスを持つ家庭教師が
分け隔てなく接し慕ってくれる、心身共に美しく無垢なお嬢様に焦がれ

いっそ嫌われようとして襲ってしまうSSが、主従スレの前スレで投下されてた
実はお嬢様も家庭教師を…って感じで短かったけどかんなり萌えた
796名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 16:05:29 ID:1hd/HF1z
ある村に住む仲が良い美しい兄妹。
そんな彼らは村の人々にも愛されるような人気者だった。
気弱だけど優しくて力強い兄は平凡な木こりの青年、妹は村を華やかにさせるような天真爛漫の少女。
いつまでも続くと思っていた平凡な日々、しかし突然嵐が起きて兄が切り落とそうとしていた木の上に雷が落ちてしまう。
その近くに居た兄も落雷の影響で顔に火傷を負ってしまい記憶まで失ってしまう。
幸い奇跡的に命に別状は無かったものの顔に火傷を負ってしまった青年の周りはどこか余所余所しい視線になる。
同情的な感情と醜い物を避けるような忌避感が混じった視線。
それを知らない人々から乱暴に浴びせられ続けいつしか兄は荒れていくようになる。
だがその兄を献身的に支え続け、今までと変わらぬ態度と笑顔で癒し和ませてくれる妹に固まった心も次第に解れていく。
様々な場面で自分を救ってくれる妹だと名乗る"見知らぬ美しい少女"を女として見てしまうほどに……。



なんて妄想プロットが>>795の一部分を見て思いついてしまった。
やべえ、また両思いか危ういぜ俺。
しかも近親相姦だ、尚更自重しろ俺。
うん、苦手だったら実は義妹だったとか実は血が繋がっていないとか妄想補完頼む。
なあなあの関係が男側の暴走で男女の関係になっていくのが好きな変態でした、まる。
797名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 18:24:29 ID:+1C14U5/
>>796
あー…
でも読んでみたいかも


さあ書斎に籠も(ry
798名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 23:39:10 ID:wXAbNM07
>>796
分かる、分かるよ!!そういう展開の切なさもどかしさ!!!近親モノよりは血の繋がっていない他人同士の方が読みやすくて好きですが…。何はともあれ
わっふるわっふる
799名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 13:31:13 ID:HjZk2Ubr
はい次
800名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 20:36:40 ID:ii4oaT63
800
801名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 01:02:15 ID:KRVZU8Qg
>>795
オペラ座の怪人思い出した
802名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 11:43:04 ID:Nz2pxVsk
今北。確かにオペラ座すぐる
ただ実物程の閉塞感がなくて距離も近そうジャマイカ
最後はほのぼのENDも選べそうでイイ
803名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 00:23:57 ID:rne2ZceR
恋人・夫婦間のレイプは愛あるレイプにもって行きやすいんじゃないかな
って最近思った。
浮気してると誤解してとか
嫉妬・奪われるんじゃないかと男にうとか。
804名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 00:25:30 ID:rne2ZceR
>>803
間違えた
他の男に奪われるんじゃないかと焦ってとか。
レイプというか無理やりというか・・・・
805名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 07:42:20 ID:43C4DvzH
すれ違いからのレイプですね
806名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 19:05:57 ID:0o8k+ro8
ドメスチックヴァイオレンスと誤解されんように描かないとな
807名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 22:05:14 ID:h0ScSGyu
別れてしまった恋人に想いを残した男が
偶然再会した元カノに想いが再燃して愛レイプというのはどうだろ
相思相愛(誤解から別れてしまったけど元カノも想いを残していた)でも
いいし
元カノはもう恋を終らせていたけど(もう現彼がいるとか)かつて愛した人だから
憎みきれずに切なく別れてしまうのでもいい
808名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 01:55:49 ID:Fd+IVFBa
>>806
大好きだ!
809名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 05:10:38 ID:WuonLzmz
遅レスで申し訳ないんだけど>>730の一言一句に同意してしまった
810名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:06:51 ID:qRu/nuDw
前にちょっと書いたのが>>803のいってるのに近いかもしれない。
ただ、短い上に歴史ものだから、ちょっと好みがわかれるかも……
それでもよければ投下したいんだけど、どうですか?
811名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:34:46 ID:A0/JGWaH
投下すればいいと思うよってシンジ君が言ってた。
812名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:18:35 ID:Do516aYS
>>810
ぜひぜひお願いします!
813ある宮の静謐1:2009/02/07(土) 20:03:59 ID:qRu/nuDw
では失礼して投下します。
歴史上の実在の人物名が登場しますが、勿論これは筆者の妄想によるものなので、
どうぞお許しを。

***

 久方ぶりに休暇を得た夫は相変わらず、まるで英国紳士だった。きっちりと着込んだ軍服は洒落っ気は
感じさせぬものの決して地味ではなく、彼の整える体裁がそのまま形になったようである。癖の強い黒髪も、
意気の強そうな鷲鼻も、きゅっと結ばれた唇も遠征前のままだ。デジレは視線を額へ僅かにそらしている。
肌寒さにショールを掴んでいた掌に力をこめた。そうでもしなければ、立っていられなかったのだ。
「おかえりなさい、あなた」
デジレがいった。声に震えはない。できるだけ、悟らせてはいけない。あくまで愛しい夫を迎える妻を、
演じなければならない。デジレの心を知ってか知らずか、夫――ベルナドットは従者に羽織を預け、向き直って微笑んだ。
「ああ、寂しかったかい」
従者はまだ荷物をまとめている。構わず一歩、ベルナドットが近づいてきた。足が、すくんでいる。ベルナドットの
腕が伸び、緊張したデジレの腰を引き寄せる。乱暴ではないが、硬直した彼女は簡単にそれに従った。
 従者がついに立ち上がった。荷物をまとめあげ、抱えている。背を向けるところだった。
「あっ、あの」
デジレの声に従者は振り返ったが、その続きをすぐには聞けなかった。彼女は夫の腕の中にうずもれてしまって
いたからだ。従者の視線はまだあるが、ベルナドットの腕がデジレを離すはずもなかった。
「おまえがいては話せない、とさ。それから、人をくれるなよ。邪魔をされたくない」
きわめて明るい声でベルナドットがいうと、従者も苦笑で倣って頭を下げたらしかった。待って。もう少しだけ、
気持ちが落ち着くまででいいから。恐怖で麻痺した神経のままのデジレをよそに、扉は閉ざされた。錠の落ちる
音がする。外側から鍵がかけられたようだ。
 不意にデジレの体が揺らいだ。首筋をおさえつけていたベルナドットの手が彼女の二の腕と手首を掴み、
乱暴にベッドへと放り出したからだ。支えを失うどころか、勢いよくなげだされたデジレの体はあっさりと
寝台へ沈む。髪飾りがずれ、前髪がひとふさ垂れた。
「お望み通りの二人きりだ」
いいながら、ベルナドットは手袋を脱ぎ捨てた。シーツの海で弱々しくばたつくデジレに素早く覆いかぶさると、
両腕を掴んで開かせる。両脚はドレスごと膝でおさえつけ、デジレはまるで磔刑にでもかけられたようになった。
唇からは小刻みに、ひっと息の詰まったようなか細い声がもれている。
「残念だったな。浮気する暇がなくなるぞ」
ベルナドットはただ目を細めていった。笑ってはいる。歪んだ笑みだった。デジレは横目に彼をとらえながら、
首を横に振った。
「私、浮気なんかしてない」
「そうだな、そうだろうよ」
いいながらベルナドットは、否定するデジレの服を左右に引き剥がした。やぶれてはいない。ふっくらと
形の良い乳房がまろび出て、白くたおやかな太ももがあらわになった。下着はつけていない。二つの脚のその中央、
ちょうど谷間にあたる溝から平らなものがのぞいている。ベルナドットが更にそこをぐっと押し込むと、デジレの体が
大きく揺れた。
814ある宮の静謐2:2009/02/07(土) 20:04:56 ID:qRu/nuDw

「尻でも使ったんなら別だろうがな」
デジレの中へ押し込まれていたのは張り型だった。遠征前、ベルナドットが入れたものだ。傷はつけていないし、
そこだけは清潔に保っていたようだから腫れてもいない。ただ、既に潤ってはいるようだった。指を離すと、
ぐちっという水音がする。
「落とさずに生活できるくらいにはなったか」
デジレは口元を覆いながら、ぶるぶると痙攣していた。乳首が尖っている。見下ろしているだけでも嗜虐心を
そそった。ベルナドットはしかしデジレの逃れる視線が面白くなく、豊かなふくらみにあるつぼみをしたたかに
ひねりあげた。
「あっ、あ」
デジレは弾かれたように反応し、シーツを掴んでいた手をほどいた。かわりにベルナドットの手首へ伸び、やはり
痙攣したように首を左右に振る。
「もっとか。淫売め」
「ちが……ううっ」
呻くようなデジレの声はすぐに色を帯びた。仰向けになってなお掌にある乳房をこねるようにもみしだき、
その中心で時折輪を作りながらそれをすぼめる。繰り返すたび、股間の張り型がずるずると動いているのがわかる。
うねるデジレの女芯は異物を排除しようとするとともに、優秀な精子を受け取るための準備を開始しているのだ。
 ベルナドットは嘲りの笑みを浮かべたまま、デジレの悶える四肢を楽しんだ。首筋に幾度も口付けを降らし、
噛んでは吸った。なめてやると痣になる。露出のあるドレスを選んだなら、すぐにこの傷に感づかれることだろう。
それはそれで構わなかった。ベルナドットにとっては、自分の所有物であるという何よりの証になるからだ。
 実際、デジレは"優秀"といえた。それは女性としてだけではなく、"所有物"としてもだ。テクニックはさほどでもないが、
一度教えたことは忘れない。言葉遣いに関してはまだ従順と言い切れない部分もあるが、
体が"出来上がりはじめている"のは誰の目に見せたとしても明らかだろう。
だが、だからこそデジレは、ベルナドットの神経を余計にささくれ立てた。勿論出来がいいことにこしたことはない。
しかしこの女はかつて、あの男のものだった。婚約までたどり着きながら捨て、おまけに自分と引き合わせて
結婚させた。目論見をわかっていながら乗ったのは、利用価値があると踏んだからだ。
だからデジレが今見上げているのは、自分ではない。
デジレが心から愛しく思っている男は、自分ではないのだ。
ベルナドットは腕の中、愛撫にふるえ続けるデジレを通してボナパルトを憎んだ。目に入るものすべてがねたましく、
耳に入ることすべてが信じられなかった。
ところがここのところ、事情がかわってきている。はじめこそ何かにおびえてばかりいる様子だったデジレの目に、
見たことのない甘さがよぎっていた。幾度か女を篭絡したことはある。だがその中に見つけることができた色は、
ただ欲望に満ちたそれとまったく違っているのだ。
正体をつきとめようか悩み、それが指づかいの緩慢に繋がっていることに気づいてベルナドットは思考をやめた。
もし知れば、更にどう扱っていいか困る感情が増える。そんな気がしたからだ。
既にデジレは身をよじり、かなりじれている様子だった。それもそうだろう。栓をしたままの蜜壷は絶え間なく
濡れそぼり、ベルナドットの手で開放されるのを待ち望んでいる。菊座までたれた愛液は半透明に糸をひき、
太ももの汗と共に光を反射した。
「あっ、あ、ごしゅ、ご主人……様……」
随分と前に教えた呼び方を、相変わらずデジレは守っている。ただ眼差しだけが違っていた。それはベルナドットを
知ったからこその光だろうか。奇妙なむずがゆさに襲われ、デジレの髪を掴みあげた。白い体のあちこちに
斑点が散っている。前に抱いたときの分が、まだ癒えていないようだった。
 ベルナドットはそのまま、デジレの顔を自分の股間へと近づけた。下半身では既に力を持った彼自身が、
彼女を食らおうと布の向こうで鎌首を持ち上げている。何を望まれているか、言葉にされぬうちにデジレは
手を伸べた。白い指先が布を開き、自分を犯す一物をつかみ出す。
815ある宮の静謐3:2009/02/07(土) 20:05:45 ID:qRu/nuDw
「ほしいのか」
いったが、デジレは答えなかった。先ほどまでおびえきっていた小娘と同じだと、誰が信じられるだろうか。
すっかり色欲に染まった両目はベルナドットへ媚びるような視線を与え、両手はしかと剛直を包み込んでいる。
われながらよくしつけたものだ。ベルナドットは口にせずに、しかし鼻で笑って侮蔑を伝えた。
「ほしいか、ときいている」
薔薇色に上気したデジレの頬へぴたぴたと怒張をあてた。唇がぱくぱくと開く。魚のように繰り返すばかりで、
言葉はない。ねだる言葉ははしたなさすぎて、形にならないらしかった。
 しかしベルナドットは許さなかった。再び彼女の髪を引き掴むと、強引に口内へ突き入った。一気に咽喉までを
埋められ、デジレは大きく噎せた。
 口を離すことは許さない。鼻をつまみ、より大きく口を開かせ、咽喉のやわらかな肉を楽しむ。はじめは半分も
入らなかったはずだが、いつの間にかえづくこともなくベルナドットを受け入れられるようになっていた。
 頬の肉にこすりつけている頃、ようやく舌が動き出した。彼女の両手はベルナドットの鍛えられた両太ももへ伸び、
丁寧に内側をさすっている。刺激に吐息を漏らし、彼はデジレの頭を激しく上下させた。白く細い顎に、
張り詰めはじめた陰嚢がぴたぴたとぶつかる。赤黒く長大なその砲身はやがて、予告もなく射精の前兆を迎えた。
同時に頭を掴んでいた手も止め、奥まで押し込んで呻く。程なくして白濁が流し込まれた。
デジレの咽喉が嚥下のたびに波打った。舌も、まるで排精を促すようにうねっている。引き抜きながら、
ベルナドットは彼女の変化に口角を吊り上げた。雁首あたりまでを抜いたとき、音をたててデジレが吸い上げたからだ。
飲精のとき、自ら残滓までを搾り出したことはない。命じたことを、またひとつ覚えたようだった。
「だらしない」
ベルナドットが吐き捨てるようにいうと、デジレはようやくかすかな理性を取り戻したようだった。はじめのような
おびえた様ではないが、迷っているのが見て取れる。ああ、とか、うう、とかむずかりながら身を縮めようとしていた。
鼻を鳴らして涙をすする様はなかなかそそるものがあったが、奥歯を軋らせる感情もまたベルナドットを襲った。
「ほしいんだろう」
ベルナドットの苛立ちにびくりと身を震わせ、デジレは眉をたわめた。確かめるようにしながら頷くそれが鈍さに
映ったが、その無様に笑いがこみ上げてくる。ベルナドットは顎を指先でつまみあげ、口元だけでほほえんだ。
「じゃあ、今どんな気分だか報告してみろ。できたらくれてやる」
デジレの吐く息は、寒くもないのに色づいているように感じられた。指にかかる分が熱い。再び自分の下半身が
力を持とうとしているのがわかる。ベルナドットは決して目をそらさず、うっとりと自分を見つめる若妻の言葉を待った。
「……あ、あ」
ようやくデジレの声が形になった。右手でそっとベルナドットの腕を抱き締め、左手はおずおずと彼の頬へ触れる。
もみあげあたりを辿り、首筋を這った。
「……き、気持ちいいです。あなたにたくさん……たくさん触ってもらえて、……口の中を、犯してもらえて」
デジレの手を咎めることなく、ベルナドットはただ待ち続けた。
 だが、それが悪かった。語る言葉に困っていたように見えたデジレの眼に、涙がわっと浮かぶ。頬を伝い、
流れ、顎へ落ちた。
「……あ、会いたかったんです。ずっと。会いたかった、あなたといたかった」
デジレの手に力がこもり、そえていたベルナドットの指へ頬が摺り寄せられる。
「おねがい、ね、こんなものではもう寂しいの。は、はやく、お願い、犯してください……」
これ以上語らせてはいけない、と思った。ベルナドットはデジレをベッドへ沈めると、半分近く排出されかかっていた
張り型を一気に引き抜いた。愛液がほとばしり、宙を舞う。ぽっかりと口を開いた空洞へ覆いかぶさった。
張り型はベルナドットのものより一回り小さかったために、それでもきつく感じる。腰を叩きつけながら、
膝を両手でおさえつけた。
816ある宮の静謐4:2009/02/07(土) 20:06:16 ID:qRu/nuDw
 強姦されて感じるような女のくせに。口に出そうとして、言葉になる罵倒はなかった。ただ腰を動かせば動かすほど、
デジレの表情はいいものに変化した。最初はうんうんと泣きじゃくっていた顔にやがて快美の潤みが帯び、
口を開いて笑みを浮かべ、最終的には涎を溢れかえらせて何度も気をやるようになっていた。
デジレが数えるのも面倒なほど達した頃、ようやくベルナドットの限界が訪れた。嬲ろうと揺り動かしていた
腰の動きがことさらに早くなる。はじめは痛がってすらいた子宮口を叩く。デジレは色ぼけしていたはずだが
その刺激には過剰なまでに身をそらし、ベルナドットの名を愛しげに幾度も呼んだ。口付けは何度交わしたかわからない。
感情は理性より外側にあった。ただ本能だけが、二人のまぐわいを可能にしている。ただその本能の中にある熱に
何らかの名をつけろというなら、ベルナドットは行為自体拒んだに違いない。
「あ、あっ、も、もう」
デジレが最後の悲鳴を上げるのと、彼が達するまでにそう間は開かなかった。
 白く意識をとかしながら、二人は奥底で絡み合って倒れた。



ある宮の静謐:了
817名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 20:11:24 ID:qRu/nuDw
〜言い訳と注釈〜
今回名前を出しましたベルナドット将軍はフランス革命期に活躍した実在の軍人、
その妻であるデジレ・クラリーはナポレオンの初恋の女性・元婚約者です。
なんというかツッコミどころ満載な文章で申し訳ないです。
実は他にもいくつか愛あるレイプを題材にした作品は書いているのですが、
半二次(今回のように歴史上の人物であったり、男性か女性のいずれかが創作キャラである、など)が
多く、何処にさらすでもなく……でした。もしよろしければそういった作品も投下できたら……
などと思っています。


今回読んでいただいた方、背中を押してくださった>>811-812さんには心から感謝しています。
ありがとうございました。
818名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 23:34:19 ID:eI6TcJru
>>816
いい!
めっさ良かったです!
感情の表現が描写と交じってて読み取りづらかったですが、逆に奥ゆかしくて、良かったです。
次作も楽しみにしてます!
819名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 23:38:37 ID:Q4aDJC6D
>>817
愛というか、所有欲みたいな感じもするけど面白かったよー。
妄想的時代小説スレも久しく投下ないから、よかったらあっちにも来てみて下さい。
820名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 00:17:59 ID:LFnS2qVC
すごくいい!!
なんというか…こう…官能小説ってこういうのを言うんだなって思った。

貧弱な感想でゴメン。
でもすごく萌えたんだ。
821名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 01:50:56 ID:WbRH+xLy
>>817
作者さま
これは愛なんでしょうか…?自分に理解力が足りず、よくわからなくて。ごめんなさい。あと2人が結婚するに至った経緯とかも知りたかったです。
そういう馴れ初め等も含めてもえるタチなので。もし設定とか決まってたら教えてください。
822名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 10:24:08 ID:GfIrr3+o
>>821
愛の一歩手前かと。
お互い惹かれはじめてるけど、それを認めたらえらいこっちゃだから、表にはださない感じでしょうか。
 
たしかに、私も>>821さん同様、そこまでの経緯や心理があれば、なおもえますね!

823名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 13:20:39 ID:WCaRQavo
>それでもよければ投下したいんだけど、どうですか?
>もしよろしければそういった作品も投下できたら……
不安からこう言ってしまうのはよくわかるんだが誘い受けに見えなくもないので
やめたほうがいいかと
あと注釈は最初の注意書きに加えたほうがいいんじゃないかな
824名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:07:37 ID:vzQ//ECx
たくさんのレスありがとうございます。
感想レス、心から励みになります。

>>821-822さん
了解しました。書けたら、是非投下しますね。

>>823さん
ご指摘、ご丁寧にありがとうございます。
注釈の件、次回はそのようにしてみます。
825名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 23:57:16 ID:qC+U1bxt
480KB超えてるから、投下するなら次スレ立ててからの方がいいんじゃないかな。
826名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 00:18:41 ID:/rEwI6Ev
このスレにもとうとう次スレをたてる時期がきたのか!大好きなスレだから感慨深いものがあるよ
827名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 04:27:44 ID:MyhOa/X5
自分も今投下したくて
下手ながらがんばって書いてる!
私もこのスレ大好きだ〜!!
これからもっと栄えてくれるといいなあー
828名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 11:33:45 ID:M5sYczzi
建てたよ

愛あるレイプ Part2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234146553/
829名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 17:17:31 ID:6AJpvg0d
埋めついでに。

愛あるレイプは>>1に書いてある通り、
男の方に「深い」なにかがあるから萌えるのだと思った。

ただのそこら辺のストーカーとかが自分勝手に相手を犯しても萌えないのは
なんか薄っぺらさを感じるからかなあと。

ずっとそばにいた男とか、二人の間のなにかしらの障害に悩む男とか
心の揺れに苦しむ男とか、
もしくはその男自身に人間的な深さがあるとか。
そういう感情の「深さ」みたいなのが自分の中の萌えを分けているんだろうなあ。

女でいうと、犯されても単純な嫌悪感しかないんじゃなくて、
そこに色々な想いの揺れや深さ、混じりあった複雑なものがあるほうが萌える。

830名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 21:06:50 ID:OTQGNNAi
レス800台で480KB超えか
なかなか埋まらないね
埋めSS職人さんでもきてくれるといいんだが
それとも480KB超えスレは一週間書き込みなしでも落とせるみたいだから
それで落とす?
831名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 03:49:21 ID:/7f330gN
自分は気持ち的に落ちるよりも埋められて落ちるほうが嬉しいんだけどねー
このスレ好きだから。

まあ投下は自分はまだできそうじゃないのでどなたかに頼むしかないんですが...

832妄想ファンタジー:2009/02/12(木) 01:28:20 ID:aS7qTP0J
「え?い、今何て……?」
「勇者なら我が手元にあると……そう言った」
「そんな…だって彼は行方不明になったと…」
「ああ、だから我が城に捕らえられているということだ」
いつの間にか彼は姫の目の前に居た。
まるで光を飲み込もうとするように、闇のようなマントが姫を包み込もうとするかのように広がる。
信じられないような瞳で男を見上げる姫には震えが混じっている。
それをどこか楽しんでいるように紫の瞳で見下ろし残酷な言葉を唇に乗せ続ける。
「奴なら既に戦い…倒したのだ……本来なら拷問して殺すところだったが……」
殺す、その言葉に一瞬姫の身体が大きく震える。
「……利用価値があるからな。生かしてやる……ただし、お前しだいだが……」
俯き絶望して顔色が悪かった姫がその言葉に顔を上げる。
「お前…しだい…?それは……?」
捨てられた子犬のように見上げる瞳に何故か笑いがこみ上げクッと笑いながら……一気に姫の身体を引き寄せた。
動きやすい黄金のドレスに身を包んだ華奢な体が漆黒のマントを纏った腕の中に閉じ込められる、
豊かな流れるような黄金の髪に愛する男ではない男の手が触れ撫でていく。
流石に驚いた声を上げて見上げる姫にそっと囁く。
「我の妻となれ……お前は我の物だ」
「なっ…!?」
思わず絶句して言葉が出ない姫。
当然だろう、今まで敵だった男から求婚されるなど誰が思おう。
だが男はそれを無視して言葉を続ける。
「ただ…我には断られる予定など無い……」
男の言葉の意味は簡単だ、断れば……。
「っ……」
「あまり困ったわがままを言うようだと……
なに、旅立った騎士がその先で死ぬことなど……ありふれた話だとは思わないか?」
「っ!!!……わ、分かりましたから……お願いだから彼には手を出さないでください……」
彼は本気だ…もしかしたら彼は既に死んでいるかもしれない。
でももし、もし生きていたら?助けられるかもしれなかったら?
この人しか助けられる人が居ないんだ……。
最後の言葉は震えていた、兎に角彼が助かってくれればという想いが込められていた。
それを聞いて男が更に不快になることなどまるで想像せずに。
「そうか、では……我が子を孕むがいい、金色の姫君よ!!」
姫は知らない、自らを見つめるその瞳に怒りの他に悲痛があるのを。
それは愛する者に忘れられた苦痛、絶望。
彼女は忘れさせられている、彼がかつて自分と遊んだ異種族の少年だということを。
833名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 01:29:57 ID:aS7qTP0J
やべえ、こっちに間違って続き落とした。
同じのを2スレにも落としたんで1もある完全はそっちで。
本当にすみません。
834名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 19:44:20 ID:ST/q66YY
毎夜悪夢にうなされる妻は俺ではない誰かの名を叫んで目を覚ます
青ざめ、震える睫毛にキスをして肩を抱く
傍に居るよと言ってもその瞳は俺のことを見ていない
誰なんだ、男だろうと言っても 違うの、と言って頭を振るばかり
夫婦だから秘密は持ちたくない、というのは建前だ
本当はただ知りたいだけだ、彼女の瞳の中に居る男のことを
835名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 21:13:40 ID:XsbyELYK

恋人と喧嘩をしたのか、啜り泣く女の声が耳に届いた。
誰にも気付かれないように、木陰に隠れてこっそりと
泣く彼女。
それはいつも、僕が彼女をけなしている時に見せるものだ。
僕だけが気付いている、彼女の秘密だった。
ズキリ、と胸が痛んだ。

泣くな。
僕以外の男の言葉で、泣くな。
僕以外の男が、彼女を陥れるのは許せない。
彼女を傷付けるのは、僕だけの特権であってほしい。
あいつは、彼女に笑顔を齎していれば、それでいいんだ。
他の顔まで、奪うな。
それは、僕のものだ。

それさえも奪うというのなら、いっそその泣き顔を
憎しみで染めてしまいたい。
僕だけに、見せてくれるのならば。
そう、たとえそれがどんな手段であったとしても。


敵対している女に歪んだ愛情を抱き、横恋慕の末に・・・。
ネタにもならないので、埋め使用。
836名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 23:49:34 ID:T/RiEEMy
 エロなしですが、埋め用に。
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 どうして、こんなことになってしまったのだろう。
 鬱陶しく垂れた前髪をかき上げ、天井に向けてわざとらしく溜息をつく。それが一人の
部屋に虚しく響いて、余計に気が滅入る。
 常夜灯のオレンジの光の中、無理矢理起こした自分の上半身に視線を落とす。
 数少ない自慢のタネである白い肌には、花びらを散らしたみたいに無数の紅い痣が
浮いている。胸元、乳房、お腹、脇腹、肩や手にも。この分では、全身に満遍なくついている
ことだろう。
 もう一度、今度は心の底から深い溜息を吐き出しながら、さっきまで頭を預けていた枕を
振り返った。私の頭の形に窪んだ白い枕の上には、大きな丸い滲みが出来ていた。
 私の流した涙だろうか?──それとも彼の?
 おそらくその両方。
 その滲みは否応なしに昨晩のことを思い起こさせる。 
 初めは何気なく、そしていつもと変わらず、ただじゃれあっていただけ。関節技を掛け合って
戯れる、寝る前の二人の間のささいなスキンシップ──のはずだった。
 だけど、昨晩だけは違った。
 じゃれつくうちに、いつしか彼は私の上に圧し掛かり、私の四肢を押さえつけ、力ずくで私を──。
 ダメ!これ以上は、思い出したくない。
 怖い、怖いのだ──何もかもが壊れてしまうのではないか、と。
 私は背筋を走る冷たい恐怖に自分の手で身体を抱き、震えながら背中を丸め、ただそれが
収まるのを待つことしかできなかった。
 油断していた──そう言われれば、まさにその通りだ。一つ屋根の下に男女が生活して
いれば、そういうことが起きたって別に不思議ではない。
 それでも、私と彼は昔から仲良く遊んでいた従姉弟であり、歳も十近く離れていたから──
彼が私に特別な感情を抱いているとは夢にも思わなかった。私にとって彼は家族と同じ
くらい大切な存在──でも、それより先の想いが私自身にあるのかどうかは分からない。
 だけど、私は彼を探しに──迎えに行かなくてはならない。
 彼が帰ることのできる場所は最早、世界中ここ以外どこにもないのだから。私が「帰っておいでよ」と
言わない限り、彼は永遠に一人ぼっちだ。何があっても彼が一人で生きていけるようになるまで
面倒を見ると決めた以上、決して私は彼を見捨てたりしない。
 昨夜の余韻と乱暴に愛された代償である痛みに苛まれながらも、軋む身体に鞭打ち緩慢な
動作で何とかベッドから降りる。
 彼には私が必要だ──そして、私にも彼が──。
 それが彼の求める形なのか、そうでないかはハッキリしなくとも──。
 
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 以上です。では、またどこかで。
837名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 23:59:31 ID:Hx22BxgI
>>836
めちゃくちゃ好みです!
また次スレでぜひ投下待ってます!
このお話の詳しい話も読みたいですー
838名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 11:08:54 ID:sfylMY3t
>>836
エロなしなのに妙にエロくって…引き込まれましたw
またあなたのお話を読んでみたいです。
839おっさんと少女 1:2009/02/19(木) 00:40:31 ID:xRHyxRVI
>>569のコメでおっさん少女萌えが再燃したので埋めついでに投下してみます。
架空な世界で戦後の話。エロまで長いのにエロくない上に短いのは仕様です。


 国境近くにあるこの付近では敵兵や逃亡兵の姿の目撃情報も多く、遠くに行かないように、そう先生から口を酸っぱくして言われていた。しかし近隣で食べれる物は取り尽くしてしまった今、子供達は毎日のように足を延ばし人里離れた山奥へと食べ物を探しに行っていた。
 だが、そこで敵国の残党兵に出会ってしまったのだ。
 銃声が響き、必死になって逃げた。散り散りになってしまった友人等を心配しながら、そして今なお撃たれるのではないかと怯えながら木陰に潜む。
「チカねえちゃん怖いよお」
「私たち、殺されちゃうの?」
 自分より年下の子供が二人、啜り泣いていた。
「大丈夫だよ、大丈夫、だから、おねえちゃんが付いてるから、だから、静かにしなきゃだめだよ」
 この中で一番の年上は自分だった。だから、安心させないといけない。
 ぎゅっと二人を抱きしめる。強く、強く、そうすれば、自分の震えもきっと止まる。
 恐怖と責任感で押しつぶされそうになりながら、敵兵が気付かない事を祈りながら、ぎゅっと目をつむる。
 だが、祈りは届かなかった。
「こんな所にいたのか。丁度いい」
「!」
 一瞬足がすくむ。しかし、年少の子供を守らなければならない。
 もう、家族を目の前で失うのは嫌だった。そう思うと、身体が勝手に動いた。銃を持つ手に飛びついたのだ。
「何をしやがる」
「二人とも、早く逃げて!」
 振りほどこうと殴られるが、放すまいと爪を立ててしがみついた。
「畜生」男が呟いた。
 身体が浮いたかと思うと木に叩き付けられる。何が起こったのか、理解できなかった。 弟分の泣き叫ぶ声と、脇腹に焼き付くような痛みと、そして世界の反転をぼんやりしながら感じるだけだった。
「見つけたぞ!」
 遠くで知らない男の声が聞こえ、銃声が鳴り響いた。
 覚えているのは、寒くて暗い世界と、子供の泣きじゃくる声と、そして、自分を励ます男の声と、手を握ってくれる温もりだった。

840おっさんと少女 2:2009/02/19(木) 00:41:52 ID:xRHyxRVI

 気がつくと真っ白な部屋にいた。ベッドに一人寝かされ、見覚えのない男が傍らに座っていた。
「大丈夫か?」
「え?……あ、あの……ここは……私一体……」
 起き上がろうとすると、目の前の男が手を添えてくれた。
「ここは麓の病院だ。お前は、三日前に山で敵兵に襲われたんだ」
「……てき、に……あ! あの子達は!?」
「大丈夫だ、みんな無事だ。お前が頑張ったお陰だ」
「よかった……あ、あの、あなたは、もしかしてあの時、助けてくださった方、ですか?」
「……ああ。そうだ」
「あの、助けて下さってありがとう、ございます」
 慌ててお辞儀しようとしたが、腹部の激痛に身体が凍った。
「まだ傷は塞がっていない。無理をせずゆっくりと休みなさい」
「だめです、休むと、食べ物探せません」
「お前たちが襲われたのは、俺の責任だ。だから、食料も、治療も、何も心配しなくていい」
「え?」
「すまん、怖い思いをさせた。だが、もう大丈夫だ、安心しろ」
「……あ、れ? 私、なんで……あ……」
 震えを抑えるために、自分自身に爪を立てていた事にようやく気がついた。
 両親も仲の良かった友人も戦火で失った。響く銃声、追いかけられた恐怖、殴られ、撃たれた痛み、押し込めきれなかった感情が、見開いた瞳から涙を溢れさせた。
 急に目の前が暗くなった。男の逞しい胸元へとそっと引き寄せられたのだ。煙草と火薬の匂いに一瞬身体が固まる。しかし背中と頭を撫でるその手は、大きくて、温かくて、チカは縋りついて泣きじゃくった。
「よく、頑張ったな」
「ふえ……えぐ……こわか……たけど、でも、でも……」
「お前が無事で……生きていてくれて、よかった」
 この時は、全く気がつかなかった。男が、震えていたことを、泣きそうだったことを。後になって、彼の実の娘がたった四歳という幼さで銃弾に倒れたことを知った。


 全ての子供を学校に通わせられるほど、孤児院は裕福ではなかった。
 だから、成長した子供はここを出て行き、都会に出て働くのだ。
 ところが、チカが成長するよりも先に孤児院が閉鎖された。国境近くにある孤児院の敷地は、兵舎の建設地として接収され立ち退く事になったのだ。
 他の施設に振り分けようにも数は限られており、まだ幼い子から選ばれた。このまま引き取り手のない子供は行く当てもなく放り出される。チカもその一人だった。
 ところが、あの事件をきっかけに定期的に寄付に訪れていた志木が、後見人になら、と名乗り出た。
「仕事があるから一緒に住む事は出来ないが、援助は惜しまないつもりだ。
寮のある学校に通えばいい。交換条件として、時々俺の部屋を掃除する事、いいかな」
 あの大きくて優しい手が、頭を撫でてくれた。
 寮もあるエスカレーター式の女学校を探してくれたのも、入学できるように手配してくれたのも志木だった。
 それから、学校に通いながら志木の休みに合わせて月に2、3回掃除をしに行く日々が始まった。
 いつしか掃除だけでなく食事も作るようになり、夏季や冬季の寮の閉鎖期間や、志木の長期休みに合わせて泊まる事もあった。
 志木がチカの為に合い鍵を作ったのは、早朝帰宅できるはずが急な仕事で真冬に半日も待たせてしまった反省からだった。
 しかし合い鍵を渡されても、チカは出来る限り志木が休みの日に通う事にしていた。
 志木が自分の成長を楽しみしていると言ってくれた事もある。
 だが、何よりも志木に会えることがチカにとって一番重要な事だった。
 初めて出会った時から七年が経った今でも、志木は命の恩人で、保護者で、チカにとって誰よりも大好きな男だった。
 例え、後見を名乗り出た理由が仕事上のミスで傷を負わせた償いだとしても、志木にとっての自分が戦時中亡くした娘の代わりだとしても、それでも、構わなかった。

841おっさんと少女 3


「正式にお前を引き取りたい」
「え?」
「辞令が出て、次の任務が明けたら本部に戻る。そうしたら、普通の会社勤めと変わらん。
お前を独り寮住まいにさせなくても、俺の部屋で一緒に暮らせる」
「一緒に……暮らすって」
「俺の娘になってくれ。お前が大学を出るまでは、親子で過ごそう」
「……」
 自分でも卑怯だと思った。
 娘が死んですぐ、妻とは別れた。仕事に打ち込むことで娘の死を、独りの寂しさを紛らわそうとした。だから恋人が出来ても長くは続かず、チカと出会ったあの日、別れた苛立ちから残党を逃がしてしまったのだ。
 その責任感もあった。そして、少女に親が必要だと思ったのも真実だ。だが、今となってはそれはオマケでしかない。
 書類の上だけでも親子になることで、「お父さん」と呼ばれる事で、自制できるかもしれない。
 ふとした弾みで少女を女として意識してしまう自分から、逃げているだけだった。
 引き取ったばかりの頃はTシャツ一枚で一緒に寝たことだってあった。気がついたのは去年の冬休み、チカが高熱で寝込んだ時だった。パジャマが汗で張り付き、浮かび上がった身体のラインに、潤んだ瞳と苦しげな吐息に、彼女が女であると認識してしまった。
 十年前、幼くして亡くした愛娘の代わりだった筈なのに、娘のように思って来た筈なのに、娘として面倒を見ようと後見に名乗り出た筈なのに、だ。
「……すみません、少し、考えさせて下さい」
「急がなくていい。しばらく任務でいないからな」
「そうですか……次は、いつ、会えますか?」
 気遣わしげに見上げてくるチカに、志木は苦笑した。
 どこに行くのかは聞かない。機密事項だと知っているからだ。
 本来なら帰ってくる日も言ってはならない。だから、拘束期間と事後処理、チカの休日を算段して日付を指定する。
「一ヶ月後の土曜に昼メシでも作りに来てくれ」
「わかりました。一ヶ月後の土曜……三月、十日……志木さんのお誕生日ですよね」
「ああ、そういえばそんな時期か。もう36か……そりゃ俺も年を取るはずだ」
「そんなことないです。志木さんはまだまだ若いですって。そうだ、何か、食べたい物ありますか?」
 くすくすと笑ってはいるが、どこか寂しそうだった。
 養女の話が嫌だったのだろうか。気になったが、そこまで踏み込む勇気がなかった。
 踏み込んでしまったら、今までの関係ではいられなくなる気がした。
 だから、明るい口調を心がけ、少しおどけて見せた。
「チカのメシは美味いから、何でも嬉しいんだが……そうだなぁ、ハンバーグとポテトサラダがいいかな。あ、ニンジンとピーマンは抜いてくれよ」
「もう、志木さん、子どもみたい。好き嫌いはダメです」
 今度は、いつも通りに笑ってくれた。