1 :
名無しさん@ピンキー:
アニメも好評のうちに終了し原作も大好評連載中、OVA化も決定した「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。
☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること
※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。
■みゆきさんの一言メモ
・投稿の際に、メール欄に半角英数でsageと入力すると、スレッドを上げずに書き込めます
『sage』では有効になりませんので、全角・半角を確認してください
・スレッドの閲覧・書き込みは、絶対ではありませんが専用ブラウザの使用を推奨します
これにより『人大杉』のエラーが回避できます
・SS投下は、一度メモ帳やワードパッドなどで書き上げてからまとめて投下してください
投下間隔があくと、他の方がレスできなくなってしまいます
マターリはぁはぁしましょうか。
☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)(避難所の行方はここ参照)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html ☆派生サイト:てけてけかなたさん伺か化計画
ttp://neo-experiment.hp.infoseek.co.jp/index.html ☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ46
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1211126990/
3 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 15:09:42 ID:y6YTFNsk
>>3を踏んでみた
踏んだらいろいろ飛ばされた末に中年女のエロページにとばされる
途中にスクリプトに失敗していたから危険なスクリプトあるかもしれないし
ブラクラ登録したりして踏まないよーに
5 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 16:54:23 ID:AG2Ul419
>>1 乙!新スレでもはりきってまいりましょー!
>>4 GJ!人柱トンクス。
これも有名税かねぇ
なんだかメガミマガジンがまたやってくれたらしいなwww
>>8 見た。
むぽーーーーーーーーーーーーっ!?
なに、この地球破壊爆弾。
>>8 見てきた
が、ひよりん妄想オチかよw
ガチを期待していた俺涙目 orz
megami100冊買ってくる
らき☆すたでTS(性転換)モノを書く奴とそれを支持する奴らがみんな死にますように
今見田産業
メガミやべえええええ
オチはついたけどなorz
>>1 乙
前スレは速かったな。今回のスレも賑わいますように
>>15 実は10KBちょい残っているので、
SS一本か二本くらいならまだ投下できたり
特に被りがなければ5分後くらいに投下します。
ごきげんよう。それではいきます。
『4seasons』の続きです。
■かがみ→こなた
■かがつか分多め
■エロなし
7レスになります。
§3
――ずっと、きれいな人になりたいと思っていた。
男の子は誰でも一度は世界最強を夢見るそうだけれど、女の子は誰でもきれいになった
自分を夢見るものだ。
美しくなりたい。可愛くなりたい。そう思って女の子は誰でもいつか鏡の前に立つ。自分の顔の、
体のパーツをいちいちあげつらっては、それがきれいかそうではないかと真剣に思い悩んで、
他人と比べて落ち込んだりする。
男たちは、それが男にもてたくてやっている行為だと思っているようだけれど、実のところ
それは少し違う。勿論きれいな自分を褒めてもらえれば嬉しい。素敵だねと云ってもらえれば嬉しい。
けれどそれはただ誰かに褒めてもらうことだけが目的ではなくて、きれいだと思える自分がそこに
存在していることが重要なのだ。
だから、例え世界に自分一人だけが取り残されたとしても、私は毎朝身だしなみを整えるだろうし、
できるだけ背筋を伸ばして生きようとするだろう。
『誰も見ていないと思っても、お天道さまが見てるんだよ』
改築前の縁側でそう云ったお婆ちゃんは、本当にきれいな人だった。しわくちゃで、背筋が
曲がっていて、杖がなければ真っ直ぐ歩くこともできなかったけれど。私の目にはお婆ちゃんの
背筋はいつでも凜と天頂に向けて伸びていたし、その眼差しはどこまでも真っ直ぐに前を向いている
ように見えていた。
人と人とが殺し合い、誰かが誰かと一つのものを奪い合う。そんな時代を生き抜いてきた人だ。
女性の社会進出なんて夢のようだった時代に、たった一人で娘を育ててきた人だ。そういう人生を
生きてきてなお、お婆ちゃんはきれいな人だった。
私が小学校二年生の頃に亡くなってしまったけれど、その死顔は微笑んでいるように安らかだった。
そんな風に、きれいになりたいと思っていた。
見た目だけではなくて、心も体も清潔に。
たとえばだらしなく過ごしてしまった休日の夜には一日を無駄にしてしまったと落ち込むものだし、
本当は間違っているとわかっていることをあれこれと云い訳をしてやってしまったりすれば、あとで
必ず後悔するものだ。
そんなことなら、最初からやらない方がいい。そう思って生きてきた。
いつでも誰かが見ていることを意識して、だらしない格好はせず、ちゃんと前を向いて、間違って
いることは間違っていると云って、そうしてせめてつかさを護れるくらいには強く。
あの日のお婆ちゃんが、私の目標だった。優しくてきれいで正しくて強い。そんな人間に
なりたかった。
けれど気がつけば、いつのまにか私は堅物キャラで通っていた。
ドラマや少女漫画でよくある、主人公を目の敵にする融通の利かない委員長キャラ。その作品を
読んでいるときには、なんてつまらない人間なのだろうと思っていたはずなのに。いざ口を開けば、
私の言動はそんなキャラたちにそっくりだった。
男の子たちにはからかわれることが多かったけれど、それでも私は私が信じる正しくてきれいな
行動を取り続けていった。女の子には頼りにされていて友達もよくできたけれど、その反面、男勝りな
女の子という扱いを受けることが多かった。他人に自分のことを任せきりで、いつも持ち歩いている
手鏡を覗き込んでは男の子にしなを作って媚びを売る。クラスが変わっても大抵一人か二人はいる
そんな女の子はいつだって男の子にもてていて、私はなんだかそれが理不尽な気がしていた。
ずっときれいになりたいと思ってきたはずなのに、いつからか私は違ってしまったのだろうか。
私は、きれいな女の子じゃないのだろうか。
そんな風に悩んで、自分を変えようと思ったこともある。中学二年になった時のクラス割りは、
あまり親しい子とは一緒にならなかったから。私はふと思い立って、委員長キャラを払拭しようとして
みたのだ。あまり自己主張せず、同級生を叱りつけたりするなどもってのほかで、可愛い声と仕草を
意識しながらおしとやかに歩く。
けれどそんな試みはすぐに瓦解した。みさおと同じクラスになってしまったのが不運で、その
だらしなさと底抜けの無邪気さとやる気のなさを前にして、私は突っ込みと世話焼きを抑えきることが
できなかったのだ。
もっとも、あとであやのに聞いたところによると、私のイメージは最初から委員長キャラで首尾一貫
していたようで。成功するはずもない無駄な努力をして周囲から失笑を浴びることにならなかっただけ、
よかったのかもしれない。
今でもあのときの数週間のことを思い出すと、少しだけ顔が赤らむのだった。
――ずっと、嫌いだった。
きれいになりたい、正しくありたいと思っているだけなのに、生真面目で攻撃的に見えている
という自分。
凛々しくありたい、ぴんと背筋を伸ばして立っていたいと思っているのに、少し好意的な言葉を
かけられるだけで、途端に動揺して照れてしまう自分。
そんな自分が醜く思えて、ずっと嫌いだったのだ。
――あの日、こなたに出会うまでは。
あの春の日に、桜に覆われた空の下でこなたが『ツンデレ萌え』と云ってくれたとき、
私の中で何かが変わった。
つい我慢できずにきついことを云ってしまっても『ツンツンモード萌え』と不思議な喜び方を
してくれて。
私がすぐにつかさの元に行ってしまうことを、他の友達は大抵嫌がったものだったのに。
こなたは『双子キャラ最高だよ!』なんて云って、二人纏めて一緒に友達になってくれた。
私が照れて頭の中が真っ白になってしまったときには、そんな私を楽しそうにみつめては
『ツンデレキター!』なんて涙を流しながら喜んだ。
私が何をしても、どれだけ恥ずかしいことをしても、後で思い出して落ち込んでも、自分で
自分のことを嫌いになってしまっても。
その全てを、こなたは笑いながら受け入れてくれた。『萌え』という一言で、私の全てを
肯定してくれた。
だから、私はやっと自分のことを誇れるようになったのだ。
こなたに許されたことで、私はずっと憧れていたきれいな自分に、初めて出会えたのだ。
こなたがいるだけで、私はきれいになれる。
でも、それではこの感情をどうすればいいのだろう。
こなたのことが好きだという、このやり場のない感情は。
口が裂けてもこなたに伝えることができないこの秘められた感情は、こなたに許される
こともなく、私の中で渦巻いているのだ。
あの秋が過ぎて、私は少しだけ落ち着いた。
以前みたいに、こなたのことをもっと知りたいだとか、こなたに自分のことをもっと知って
欲しいだとか、そう思って焦ることもなくなった。
それはこなたの故郷を訪れて、こなたを産みだしたルーツに触れることができて、簡単には
切れることがない絆を結べたと感じたからかもしれない。恋という感情が互いの未知な部分に
抱く憧れだと定義するならば、それはすでに恋心とは呼べないものだろう。
けれど、それでもこなたを好きだというこの感情は、消えることなく残っていて。
それどころか、以前にも増して強く燃え上がっていて。
そうして私はそれが醜いと感じている。
他人の身体を思うさま貪りたいと思っている女の子は、到底きれいとは云えないだろう。
では、その感情をどうすればいいのだろう。
もしそれをこなたに云ったならば、きっとまた泣きゲーがどうの百合アニメがどうのと
ひとしきり世迷い言を並べ立て、そうして最後に『でもそんなかがみ萌え』と云っていつも
みたいに受け入れてくれるだろう。
私には醜く思えるそんな感情も、『それも萌え要素なんだよ』と云って全てそのまま受け入れて
くれて、そうしてそれを驚くほどきれいな物に変えてくれるだろう。
けれど、そんなことが云えるはずもなくて。
だから私は、こうして一人醜い心を抱えて惑っているのだった。
§4
「ただいまー」
階下から聞こえてきた声に、私は慌てて顔を上げた。
一瞬、ここがどこで今がいつなのか、それがわからなくなって混乱する。
けれど次第に意識がはっきりとしてきて、ここが自室の机の上であることに気がついた。
私は机に向かったまま眠ってしまっていたのだった。
慌てて時計を見たら、まだ家に帰ってきてから一時間ほどしか経っていない。寝ていたのは
せいぜい十分くらいだろう。
夜遅くまで勉強するのはいいとして、それで居眠りしてしまったり眠さで効率を落としてしまったら
意味がないじゃないか。そんな風に反省していた私の耳に、トントンと階段を上がってくる跫音が
聞こえてきた。そうだ、ただいまというつかさの声で目が覚めたのだ。
急いで身支度を調えて、挨拶をしようと立ち上がったとき、コンコンとドアをノックする音がした。
「あ、おかえり、どうぞー」
カチャリとドアを開けて入ってきたつかさは、外が寒かったのか、少しだけ頬を赤くしていた。
それがつかさの顔立ちの可愛らしさを引きだしていて、私は改めてこの妹のことをきれいだと思う。
「ただいま。ニット買ってきたよ〜」
「おー、ありがとう」
そう云った私の顔を、つかさはまじまじと見つめていた。そうして突然破顔したかと思うと、
口元に手を当てておかしそうにころころ笑い出した。
「な、なによ急に……。私の顔、なんかついてるか?」
「あはは、お姉ちゃん居眠りしてたでしょう?」
「えっ、あれっ、な、なんでわかっちゃったの?」
「ほっぺに数式が書いてあるよ。……三角関数?」
「はうっ」
慌てて卓上鏡を見ると、居眠りをしていたときにノートの上に乗ていた左のほっぺたに、
シャーペンで書かれた文字がくっきりと写っているのだった。
「だ、誰にも云わないでよこんなこと」
そう云って、鏡を見ながら手でぐしぐしと頬を拭った。鏡の中から見返してくる私は頬を
真っ赤に染めていて、やっぱり私はそれがみっともないなと思う。
「あはは、云わないよ。それよりお姉ちゃん、こっち向いて」
「ん?」
振り向いた私の頬に、冷たい感触が当てられた。つかさが、持っていたウェットティッシュで、
私の頬を拭いてくれたのだった。
「あ、ありがと」
頬に感じるウェットティッシュの感触はなんだかとても心地がよかった。そうして丁寧に
私の頬を拭くつかさも、これ以上なく嬉しそうな満面の笑みを浮かべていて。
私は、こんな時間がもう少し続いてもいいかな、なんて思っていたのだった。
※ ※ ※
その夜のことだった。
「ねえつかさ、聞きたいことがあるんだけど、今平気かな」
「あ、うん、大丈夫だよ」
振り返ったつかさは、鼻と上唇の間にシャーペンを挟んだ面白顔をしていた。
つかさの部屋は、ベランダに通じる大きな掃き出し窓があるせいか、私の部屋よりも少しだけ
寒く感じた。寒くなってきてからカーテンを厚手の物に取り替えたのだけれど、それでも忍び寄る
冷気には勝てないようだった。丹前と膝掛けと厚手のロングソックスで完全武装した面白顔の
女子高生の姿は、あまり他人に見せられないと思う。
「ここがちょっとわからないのよね。教えてもらえる?」
顔はとりあえず無視して私が取り出したのは、勿論問題集でもなければノートでもない。さすがに
つかさに勉強を教わるほど、まだ私は落ちぶれてはいないつもりだった。
「あれ? 手袋なの?」
「う、うん、そうだけど……」
「ゆきちゃん用のも、みさちゃん用のも、あやちゃん用のも、ミトンだったよね?」
「そ、そうだけど、ほら、なんとなくミトンは慣れてきたからさ、最後に手袋にも挑戦してみよう
かなって思ってね?」
「あ、そうだよね、挑戦してみるのは大事だよね」
「……なんかひっかかる云い方だな」
にこにこと笑っているつかさには何を云っても通じなさそうで。私は精一杯憮然とした表情を
浮かべながら、編みかけの手袋をつかさに差し出した。
「あ、ここはほら、指の股の部分が必要だから増し目をして、あとから拾っていけばいいって
ことだよね。指のところは普通に輪編みで」
そう云って、つかさは目の前で少しだけ実演してみせてくれた。
「うわぁ、さすがに手の動きが違うわね」
「え、えへへ、でもこんなのやってれば慣れるし」
照れたようにそう云って、つかさは進めたところを自分でほどいてから返してくれた。私が自分で
編まなければ意味がない。つかさもそれをわかっているから、何も云わずに元に戻してくれたのだ。
「こ、こう?」
「あ、ちょっと違うかな? そこは右の針で奥から手前に、こう、こうやって」
ベッドの上でたどたどしく編み棒を動かす私を、つかさはやきもきした感じで手を動かしながら
見ていてくれた。
「こうかな?」
「やん、違うよー、そこはこうやって左の針に移すんだよー」
「あー、もう、難しいなっ」
そう云ってかしかしと頭を掻く私だった。
そうしてつかさはそんな私を不思議そうな顔でみつめていた。
「な、なによ?」
「……知らなかった。お姉ちゃんって凄く不器用なんだね」
「はぁ? 今更何云ってるのよ。そんなこと、普段私が料理してるところ見てきたあんたが一番よく
知ってるじゃないの。何年一緒に生きてきたと思ってんのよ」
「そ、そうなんだけど……なんでだろう。よくわかんないけど、お姉ちゃんだから、できないんじゃなくて、
なんかそうする意味があるんだと思ってたの」
「あはは、なぁにそれー。あんた云ってること変だよ? お鍋を吹きこぼしたり、卵焼き焦がしたり、
皮むきでどんどんじゃがいもが小さくなってくことに、意味なんてあるわけないじゃないの」
「だってだってっ、わたしにとってのお姉ちゃんって、ずっと憧れの存在だったんだもん。強くて優しくて
なんでもできて」
――それに、すっごくきれいで。
顔を赤らめながら上目遣いに見つめるつかさだった。
私はまさかつかさにそんなことを云われるなんて思いもしていなくて、思わず手にしていた編み棒を
取り落としてしまった。ベッドに置いてあった玉巻に編み棒が当たって落っこちる。それはころころと
赤い糸を繰り出しながら転がっていき、やがて部屋の隅で止まった。
「な、なななな、何云ってるのよつかさ」
「……本当だよ?」
そう云って、にっこりと笑った。
「……ありがとう。でも私、本当はそんなに出来た人間じゃないんだよ」
「うん、最近はちょっとわかるようになったの。お姉ちゃん、わたしのためにずっと無理してたん
だなって」
つかさは、転がっていった玉巻を拾ってくるくると巻きだした。その瞬間私たちの間には赤い糸が
架かっていて、けれどすぐに巻き終わって玉巻をベッドに置くと、その絆も消えてしまった。
「――別に、あんたのためじゃないわよ」
「でも、わたしのためになってたから。だからこんな風にお姉ちゃんのために何かできるの、
すっごく嬉しいな」
つかさは、隣に座って落ちていた編み棒を私に握らせた。
腰を据えて教えるつもりになったのだろう、真剣な顔つきをしていて、きりりと上がった眉尻が
なんだか酷く頼もしく見えた。
「あ、ほら、そこはそのまま拾っちゃうと、穴が開いちゃうでしょう?」
「……ほんとだ」
「こう、くるっとねじって拾い目するといいんだよ」
「くるっと?」
「こう、くるっと」
「……わかんない」
そう云って口を尖らすと、つかさは突然ぷーっと吹き出してケタケタと笑い始めた。
「わ、笑うなー!」
「あはははは、だ、だってお姉ちゃん、凄い可愛いんだもん」
お腹を抱えて足をぱたぱたさせながら、涙を流して笑い続けるつかさだった。
「ちょっと……笑いすぎだよ」
「あははは、ご、ごめん、なんかつぼに……あははは」
私のために何かできるのが嬉しい。そう云ったさっきの台詞は一体なんだったのか。
――もう放っておこう。
ひーひー云ってるつかさを無視して、編み物に精を出す。
くるっとねじって拾い目、か。
編み地から一本渡っている糸を拾って、ねじってから通そうとするけれど、今一ピンと
こなくて上手くいかなかった。改めて私はなんて不器用なんだろうと思う。それは編み物のこと
だけではなくて、こなたとのことだってそうなのだろう。
不器用で、融通が利かなくて、生真面目で。
本当はきっと、もっとスマートできれいな解決方法があるのだろう。でも私にはそんな解決方法は
思いつきもしなかったのだ。
そんなことを考えていると、突然背中にふわりと柔らかい感触が降ってきた。
「――つかさ?」
気がつくと、つかさに後ろから抱きしめられるような格好になっていた。肩に顎を乗せたつかさの
顔が、私の顔のすぐ横にある。
「んーっとね、こうやってねじって、付け根から指先の方に棒を通すんだよ」
そう云って、後ろから私の指を取って動かしてくれた。なるほど口では説明しづらいと思って、
手を取ってみせてくれたのだろう。
――でも、これは。
つかさの吐息が頬にかかって、それが少しだけくすぐったい。
たまに頬と頬が触れあうと、そのすべすべとした感触に驚いて。
ふわりと漂う香りは私とは違う、つかさだけが纏っている匂いなのだった。――つかさは、
夏頃からは私の真似ではなく、自分で選んだ化粧水を使うようになっていた。
そうして背中を包み込むつかさの身体は柔らかくて暖かくて、私はその感触に少しだけ
どきどきしていた。けれどそれ以上に、妹に抱きしめられているというその事実は私の心を
ほっこりと暖めてくれていて、冬の最中だというのに寒さなんて少しも感じられなかった。
「――あ、こうか!」
「そうそう、それだよー。ごめんね上手く説明できなくって――って、あっ!」
やっとできるようになって二人で顔を見合わせて笑っていたのに、つかさは突然そんな
叫び声を上げると、弾かれたような動作で私の背中から身を引いた。
「どうしたのよ?」
「あ、ううん。その、ごめんねわたし、抱きついたりして迷惑だったかな……?」
うつむきがちにそう云ったつかさを見ていて、私はやっとつかさの考えを飲み込めた。
自分が抱きつくことで、私が変な感情を感じてしまったら困るだろうと。つかさはそう思って
身を引いたようだった。
「なぁにそれ、気を遣いすぎだって。心配しなくても、妹に欲情したりしないわよ」
苦笑して、つかさのおでこを軽く突っついた。
それは、確かに少しどきどきはしたけれど。そんなことはわざわざ云うことでもないだろう。
「そ、そっか、そうだよね。えへへ、ごめんね。わたしそう云うのよくわかんなくって」
「まあ、家で男の人って云ったらお父さんだけだもんねー」
「そうそう、だからそういうの想像できなくって。お父さんのこと考えても全然なんていうか、ねー?」
ひとしきり実の父親のことを好き勝手に云い合って、ふと時計を見上げればもうつかさの部屋に
来てから二十分ほど経っていた。
「ああ、いけない、そろそろ勉強に戻らないと――」
そう云って立ち上がろうとしたけれど、それはできなかった。
後ろから覆い被さってきたつかさが、ぎゅっと私の身体に腕を回して抱きしめていたからだ。
「――つかさ?」
先ほどとは違う、抱きしめることを目的としたその行為に驚いて、そうして馬鹿みたいに
少しだけ胸が高鳴った。
「お姉ちゃん、大学受かったら一人暮らしするって、本当?」
私の背中に顔を埋めたまま、くぐもった声でつかさが問いかけた。
――ああ、そうか。誰かからもう聞いていたのか。
それは、云おう云おうとは思っていたけれど改めてつかさに云うタイミングがみつからなくて、
ずっと云えないままにしていたことだった。
「――うん、慶応に受かったら、だけどね。そう考えてるよ」
「――どうして」
「んー、やっぱり片道二時間とかはきついかなぁって」
「それだけ?」
「相談してみたら、そのくらい負担じゃないくらいの収入はあるからって。いのり姉さんからも
背中押されちゃったしね」
「それだけ?」
「家事を全部やらないといけないのは大変だけど、やっぱりそういうの全部つかさに頼りっきりの
人生だと情けないからさ」
「それだけ?」
「司法試験の予備校とかもあって、そういうところに通うときにも東京の方が色々便利だよね」
「本当に、それだけなの?」
その声はいやに近くから聞こえてきて、振り向くとつかさの顔はすぐ目の前にある。今にも
おでこが触れあいそうなほど近くで私を見つめるつかさは、少し涙ぐんでいた。
「こなちゃんから距離を取りたいとか、わたしから離れたいとか、そういうことじゃないの?」
段々と容積を増やしていったつかさの涙は、云い終わると同時にぽろりと決壊して、目尻から
こぼれ落ちていく。
人の涙はどうしてこんなにきれいなんだろう。そんなことを考える。
「――違うよ。そんな部分も少しはあるかもしれないけど、本当にさっき云った理由がほとんどだよ」
そう云って、肩に置かれたつかさの手に手を重ねて撫でさする。
――その時私は、小さな嘘をついた。
こなたから距離を取りたいなんて思わないけれど、つかさから離れたいとは少しだけ思っていた。
こんなに優しくて暖かいつかさと一緒にいたら、きっと私は駄目になってしまうから。いつもつかさが
いるというだけで安心してしまって、一歩も前に進めなくなってしまうから。
だから私は、一人でやっていけることを自分に証明しないといけないと、そう思ったのだ。それが
できなければ、こなたとの新しい関係なんて、到底築くことはできないだろう。
つかさだってそうだ。本当は一人でなんでもできるのに。もっともっと色々な可能性を持っている
はずなのに。私がいることで、私が護ろうとしたことで、私はつかさの可能性を狭めてしまっていた。
もう、私たちはそれぞれの道を進まないといけない。二人で一人の双子ではなくて。お互いが
お互いに依存する関係ではなくて。それぞれに別れたそれぞれの道を。
あの夏の日に別れてしまった、その道を。
けれどこれ以上つかさを悲しませたくなくて、私は小さな嘘をついたのだ。
そんな嘘なんて、私にとっては簡単なものだった。この半年間、もっともっと沢山の嘘を私は
ついてきたのだから。
「――どうして」
「ん?」
私の背中に顔を埋めて、いやいやをするように頬を押しつけながらつかさは云った。
「どうして普通の女の子は女の子を好きになれないの? もしわたしがそうできたなら、
絶対お姉ちゃんを離さないのに……」
「――そんなこと」
言葉を続けようとした私の喉から、奇妙なくぐもった音が漏れ出して。
「――そんなこと、云わないで」
そうして私の瞳からも、涙が次々とこぼれ落ちていく。
冬の夜。その部屋を二人分の泣き声が満たしていって。
私たちは、また少しだけ大人になった。
(つづく)
以上です。前スレが残ってますけど、さすがに入らなそうでしたので。
それではありがとうございました。
>>26 もう寝ようとしたタイミングであんたはなんてものを!GJ!
ここにきてつかさという、もう一つのフラグがきますたか。
さあ、かがみは?そしてこなたは?ますます目が離せない。
この先を、引き続き期待しつつ、オヤスミナサイ(=ω=.)ノシ
>>26 GJ!
ここにきてまさかのつかさ…
一体今後どうなってしまうのだろう。
29 :
42−115:2008/05/30(金) 13:43:08 ID:pHPOv6x9
まずは一句。
昼食の ピザを片手に 投下する
5分後くらいにいきます。
「赤いリボンの悪夢―軍団規模のハッピーバースデー」
・7〜8レス
・エロなし
・こなたフェチども
・誕生日モノ
5月28日朝。
3-Bの教室に入ったこなたは、荷物を自分の席に置いたところでリボンの群れの半包囲下に置かれてい
る事に気付いた。
「おはよう、みんな……?」
「?」がついたのは、“それら”が果たして本当に朝の挨拶をすべき相手かどうか、一抹の疑問が拭い
きれなかったためであり、出来れば無視したいという願望の現われでもあった。
「おはよー」
「おはようございます」
「おーっす」
大粒の汗を顔や頭にこれでもかと浮かべたこなたが、引き攣った笑顔を向ける先に“それら”はいた。
声からして、やはりというか残念ながらというか、つかさ、みゆき、かがみの三人で間違いないようだ。
「きょ、今日もいい天気だねえー」
こなたは、話を逸らしたいついでに目も逸らし、演劇学校入学一日目の役者の卵のような棒読みで窓の
外を見て言う。何が始まるのか知らないが、校庭には生徒たちが集結しつつある。全校集会か何かあった
っけ?
「本当だよね〜」
「まるで泉さんのお誕生日を、この星の大気の全てと、その外にある全宇宙が祝福しているようです。
この説を論文にして学会で発表しましょう」
「はは、私ブラックホールやイゼルローン要塞にまで祝福されちゃうんだ」
ここでかがみがつっこんでくれれば、適当に話をはぐらかすことが出来る。こなたはそう期待したのだ
が……。
「ノーベル賞確実の新理論ね。まあ、私の中では一万年と二千年前から定説だけど」
かがみは、むしろこなたがつっこみを入れたくなるような形で賛同された上、さらに付け加えてこう言
った。
「でもまあ、天気が悪かったところで、こなたの笑顔があれば、わたしの心はハレ晴れなんだけどね」
「宇宙の真理ですね」
「こなちゃんは私のお天道様だね」
「はは……」
何気に独占欲を垣間見せるつかさの黒さも含め、こなたは苦笑するしかない。ここで早くも話を逸らす
ための材料に事欠いてしまったので、こなたは大気と宇宙から教室内に視線を戻す。そしてやっぱり、“
それら”はいた。赤いリボンの群れ、群れる赤いリボンが。やはりそれに触れないわけにはいかないだろ
う。
「あ〜、と。つ、つかさ」
「うん!」
こなたに呼ばれたつかさはぐいと顔を寄せる。
「あの……近いよ、顔」
こなたはイナバウアーのように体を反らすが、つかさの接近は止まらない。覆い被さらんばかりだ。
「こなちゃんの声がよく聞こえるようにするためだよ」
「いや、私そんな小声じゃないでしょ……」
「こなちゃんの顔がよく見えるようにだよ」
「わたしもつかさの顔がよく見えるよ」
「こなちゃんの存在を近くに感じるためだよ」
「確かに近いね」
まるで赤頭巾ちゃんと狼の問答だ。まあ、つかさは食べる気満々なので大きな間違いはない。
「こなちゃんの言葉の味も分かるように、口移しで伝えてもらおうかな?」
「言葉は口移しじゃ伝わらないとよ。味もないし」
こなたは判断を誤ることなく、断言した。「思うよ」とか「多分」なんて付け加えたら、試してみよう
なんて言い出しかねない。
「ふーん、そうなんだ。まあ、その内分かるよね」
こなたの意向に関わりなく、試すつもりのようだ。
「それは興味深い研究テーマですね」
「被験体は多い方がいいわよ」
みゆき、かがみとも乗り気である。
−が、そんなことより。
「つかさ、リボン変えたんだね」
「うん!」
極限まで顔が接近。目は星のように輝き、視線は太陽のように熱い。
「気付いてくれたんだ!」
「そりゃもう……」
正確には変えたとは言えないかも知れない。
普段の黄色いリボンの後ろに、さらに一本赤いリボン。
「何かあったの?」
「こなちゃんの誕生日!」
「へえ……」
微妙に会話がかみ合ってないようだ。日本語は、過去形と完了形の区別がいまひとつ定かではないとさ
れる言語で、多くは完了形だとされるが、確かな事は、こなたの誕生日は現在進行形だということだ。つ
まり、つかさのリボンは、こなたの誕生日であるがゆえに赤いのが増えたという事になる。その真意は…
…考えないことにして、かがみに視線を移す。
「かがみも赤なんだ……。なんか、増えたね」
「こなたぁ〜〜!!」
感極まったかがみが抱きついてくる。
「よくぞ、私の愛に気付いてくれた!」
「そりゃ気付くよ……って、あれ??」
いつ愛について話したっけ?
かがみは普段の、こげ茶色のリボンで左右に分けたツインテールに加え、赤いリボンでもう一組、「前
後」にツインテールが出来ていた。
「プ、プロペラみたいだね……」
4翅のプロペラのようだとこなたは思った。
「こなたを乗せるためのね」
「はい?」
「こなたを乗せて空を飛ぶためにつけたの」
「空を飛ぶ」の夢判断的・スラング的な意味は……ああ、あーあ、残念ながらそういうことか。
「みゆきさんは何かこう……ゴージャスだね」
みゆきのピンク色の長い髪は、赤毛と見紛わんばかりに、おびただしい数の赤いリボンでデコレートさ
れていた。
「ああ、泉さん!」
こなたの向けた苦笑いが引き金となって、みゆきはだばだばしだした。
「気付いていただけないかと心配でした」
「そんなことないよ。わたしとみゆきさんの仲じゃん」
「ああ、なんという勿体ないお言葉!! 色んなところから、色んな液体が止まりません」
トイレ行った方がいいんじゃない、と言いかけてやめた。連れ込まれてしまうだろう。陵桜高校に、ト
イレのみゆきさん伝説を作るわけにはいかないのだ。
「私が泉さんのものだと分かっていただけたでしょうか?」
「そ、そういう意味だったんだ?」
そしてみゆきには一つ、柊姉妹とは決定的に違うところがあった。それは液体の内の少なくとも一種類
を垂れ流す瞳の手前。トレードマークともいえる眼鏡にも、赤いリボンがついているということだった。
「これがないと、泉さんの御姿を拝むことが出来ませんから」
「ああ……視力でね」
こなた、一応納得する。
「でもそれ以外の、リボンがついてない衣類に関しては、脱がした上でお持ち帰りになってかまいませ
んよ。遅かれ早かれ、脱がねばなりませんから」
「そうなんだ……」
脱がした服と、脱がされた人。どっちを持ち帰るという意味なのだろうか?
「どちらにしても身軽になるね」
「はい。子供が出来て身重になるまでは、身軽ですね」
「……」
どういう意味なんだろう?
考えたら負けだと思い、教室の出口付近の不審人物に声をかける事にした。
「お〜い、みさきち〜」
出口を塞ぐように立っていて(こなたを逃がさないようにしているようだった)、本当は目立って仕方
がなかったのだが、あえて無視していた存在だ。保護者のあやのも入ってくる。かがみ一人は引き受けて
もらえるかなと思ったのだが……。
「どったの?」
みさおがいつもにも増しておかしい。赤いリボンを口に巻いているのだ。
「ふがっが〜」
もはや人の言葉とも思えない音を出すので、隣のあやのに通訳を依頼する。
「泉ちゃんのイメージだと、みさちゃんはサルでしょ」
「ああ、うん。かがみがウサちゃんで―」
「こなた、今愛を叫んだ!?」
「ううん、呼んだだけ。つかさが犬」
「こなちゃん、今の告白?」
「ううん、呼んだだけ。みゆきさんがうsh―羊」
「泉さん、今私に身も心も捧げるとおっしゃいました?」
「ううん、呼んだだけ。で、みさきちはサルかなーって思ったけど」
「みさちゃんもそれを知ってたみたいで、赤いリボンで猿轡して、泉ちゃんへの愛を表現したんだって」
みさお、満面の笑み。
「この猿轡、峰岸さんが施したんだよね?」
随分と上手くできていて、感心するほどだ。
「そうよ。ライバルを蹴落とすため、かな」
「ライバル?」
「これなら、泉ちゃんに告白されても返事できないでしょ?」
「……告白に限る事はないと思うけど、確かにそうだね」
黒い笑みを浮かべるあやののおでこの上には、普段の白いカチューシャではなく、赤いリボンがあった。
つかさに似てしまった点はさておき、この髪色に赤いリボンはかなり微妙だ。
それを指摘しようと思った時、近くに何かがワープアウトしてきた。凄まじい時空震が3-Bの教室を襲
う。502Bの二等兵を連れ戻すための戦場でも、これほどの衝撃波はなかっただろう。近くにいた全員が、「吹き飛ばされないようにするため」と称してこなたに抱きついてきた。
時空震が収まると掃除用具入れが内側から開き、一年生が3人中から出てきた。普通に階段を上って来
ればいいのに。
「お、ゆーちゃん。今朝方ぶり」
赤い髪の従妹にまずは声をかける。
「こなたお姉ちゃん、今朝方ぶり」
「しばらく見ないわけでもないのに……髪がずいぶん伸びちゃったね」
「うん。お姉ちゃんの誕生日だから」
ゆたかは多数のリボンを何かで頭にくっつけ、長髪のように背中に流していた。
「ひよりんは……炎髪みたくなっちゃったね」
「ええ、泉先輩の誕生日ッスから」
ひよりは黒い長髪を赤く染め、長さを生かしてリボンのように結んで愛を現していた。
「灼眼にはしないの?」
「んー、コンタクトで失敗してるんで。あ、でも泉先輩なら大丈夫ッスよ」
「私が灼眼に?」
「いや、泉先輩なら目に入れても大丈夫ッス。可愛いんで」
「なんだか、ひよりんの孫にでもなったような気分だね、それ」
「孫の手が必要ッスか?」
言うや否や、ひよりは黄金の左手をこなたの背中に突っ込んだ。
「痒いのここッスね」
「いや、ホックを外そうとするのはやめてほしいな。小さくても、一応しとかないと」
ひよりの腕を引き抜きながら、こなたは恥ずかしげにして俯いているみなみに目を向けた。彼女は長い
リボンを二本、たすき掛けにしている。結び目が丁度胸の上に来ていて、なにやらえっちいデザインの水
着のようだ。……いや、まさしくそのつもりなのだ。
解いてください
先輩の唇で……
囁くように小さく、そう言った声が聞こえたような気がしたが、聞こえなかったことにした。
「ホームルーム始めんでー」
チャイムが鳴り、黒井先生が居室に入ってきた。先生はいたって普通だった。赤いリボンの束を手にし
ている以外は。
「さて、晴れてこの5月28日を迎えたわけやけど」
先生は教室を見渡す。1-Dと3-Cの部外者が三人ずつ、まるで授業参観の父兄のように教室の後ろに突っ
立っていた。6人は何故帰らないんだろうというこなたの思考は、先生の爆弾発言で中断した。
「まさかとは思うが、赤リボンを忘れたなんて奴はおらんやろな?」
見ると3-Bの男子たちもみなリボンを取り出し、思い思いの場所に装着している。男までリボン装備と
は、これはなんていうファイナルファンタジー? 状態異常を防いでくれるのだろうか?
「ういーっす」
白石みのるが挙手する。忘れ物の権威である彼は、歌いながら前に出て、リボンを一本受け取った。
疎外感と嫌な予感。その両方を自覚したこなたは、おずおずと手を上げ、自分も赤リボンを所持してい
ないことを表明したのだが……。
「あの先生? 私も……」
「なーに言っとるんや」
教室中が笑いに包まれる。
「お前は2月8日につけとりゃええねん」
先生の誕生日である。
異議あり
……の合唱。
この時、3−Bと部外者の全員が一つになった。
「お姉ちゃんは赤いリボンが必要なのは、12月20日です」
ゆたかが強い調子で断言した。
「いや、4日遅れだと思うんスけど」
361日後に望みを託し、日和がそう言う。
「9月12日……」
「なに言ってんのよ、あんたたち。7月7日に決まってるじゃない」
「そだねー」
「私としましては、10月25日がお日柄もよろしいかと思うのですが」
「それじゃ少し早すぎるわ。そうね、11月4日でどう?」
「ふが、ふがふがーふがーふが(いーや、7月20日だ)」
3-Bの他の連中も思い思いの日付を挙げる。
思い思い?
言うまでもなく、人間は生まれてくる日は選べない。
「な、何が始まるの?」
嫌な予感は的中し、疎外感は孤独感へと昇華した。自分以外の全員が結託して、何か企んでる!!
「祝賀式典や」
こなたの質問ともつかない呻きに、黒い先生は事も無げに答えを与えた。
「そのためにほれ、全校生徒が集まっとるやないか」
校庭を指す。3-Bにいる人間を除く全ての生徒と教職員が校庭に出ているようだ。蠢く人の群れをよく
見ると、赤い何かが見える。あれは……リボン?
「そのためにだったんですか!?」
ゲーム・アニメ等で、色々非常識な出来事を見てはきたが、これなどはその最たると言ってよかった。
なまじ特殊能力や高度な科学力を必要としないだけに、空恐ろしいものがある。
「New Yorkにイキたいかーーーーーーー!?」
校庭の生徒たちは、パティが指揮を執っていた。拡声器を握り締めて上げる某なつかしのクイズ番組風
シュプレッヒコールに、反応は0。皆無! 一般参加の回答者や、秘密裏に建造した国産の原子力潜水艦と
違い、ニューヨークには行きたくないらしい。
「コナタのモノになりたいかーーーーーーーーーー!?」
おぉぉーーーーーーーーーーーーーーーー
「応」であり「然り」を意味する地鳴り。心は一つである。
「4ガツ16ニチに、赤いribbonを巻いてほしいかーーーーーーー!?」
これには誕生日が同じ生徒の何人かが応えた。一学年13クラス×3学年=39クラス。1クラスの平均を
30人としても、総勢1000人を超える。軍隊なら普通に連隊規模だ。
「というわけや」
「はわわわわ」
その全員が自分にロックオンしていることを悟り、こなたは髪の色もかくやというほどに青ざめる。
「よし、全員廊下に整列や。ウチを先頭に二列縦陣。間に本日の主賓を入れて、しっかりエスコートす
るんやで」
ガタッ
こなたを除く全員が立ち上がる。
サーイエッサー
息もぴったり。
「せ、先生!」
こなた、たまらず挙手。
「気分が悪いので早退していいですか?」
この流れからすれば、決して受け入れられる願いではないのだが……。
「そうか。まあ、しゃあないな」
「へ?」
あっさりと受け入れられてしまった。何故か?
「しっかり休みなさい。その後で、たっぷり可愛がってあげる」
教室の後ろからかがみが言う。
「看病は従妹特権……」
ゆたかも瘴気を放つ。
それ以外の面々も、口々にこなたの申し出を歓迎した。
何か裏がある!!
本当に風邪を引いた時以上の悪寒を覚えながら、次の言葉を待つ。あっさり帰してもらえるだろうか? 家に帰りさえすれば、ゆたかを迎え撃てばいいだけなのだが……。
「おーい、予定変更や」
黒い先生が拡声器を用いて、校庭に整列した連隊に向けて言う。
「泉が早退するそうや。みんなこっから泉家にかけて、等間隔に並びや」
おおーーーーーーーーーーーーーーーー
地響きが大地を、校舎を、こなたの心を揺るがす。
「い、一体何を?」
目に見えてうろたえるこなたをここぞとばかりに抱き締めて、みゆきが説明する。
「泉さんは大切なお体です。このような事態に備えて、代替プランも用意してあります」
みゆきを押し退け、黒井先生が説明を引き継ぐ。
「これから始まるんは、いわばバケツリレーや。泉にはバケツとして参加してもらう」
そういわれても、こなたには長い髪がワカメになりそうなほど訳が分からない。「♪バケツリレー 水
よこせ」という歌なら知ってるが……。
「水でも飲まされるんですか?」
「いや、そのまんまでええよ」
「大切なお体に、そのような無理をさせるわけないじゃないですか」
「火元は泉家や。―と言うても、本当に火をつけるわけやない。火が着くのは、ウチらの心や」
「それはどうも……。で、バケツは何をすれば?」
「何もせんでええねん」
「泉さんには、等間隔に並んだ全校生徒および教職員によって抱っこされ、バケツリレーのバケツのよ
うに人から人へと手渡しで移動し、帰宅していただきます」
「楽チンでええなー」
こなた(泉/泉さん/泉ちゃん/お姉ちゃん/こなちゃん/先輩/コナタ/チビッ子/etc)を抱っこ……。
その抱き心地を想像した旅団が生唾を飲む音が地鳴りとなり、大地を、校舎を、こなたの心を揺さぶる。
生徒と教職員だけなら連隊規模だったのだが、周辺住民が集まりだしたので旅団規模の人数に膨れ上がっ
ていた。家に帰り着くまでには、師団を通り越して軍団規模になっているだろう。
「家に着いたら泉、お前は寝ててええで」
「そうさせてもらいます……ん?」
お前「は」? 「は」って?
「えーと、みんなはどうするのカナ?」
「祝賀式典を勝手に続けさせてもらうわ」
「私の家でですか?」
それは何ていうふえるワカメちゃん?
「家の前の道を借りてや。さすがに家の中には入り切らんやろ」
「全くもって無理です」
「チビッ子の家に興味はあるんだけどな。そのまま住み着いていいか?」
猿轡を解いたみさおが言う。
それを無視して、こなたは状況をある意味みゆき的に言い表した。
「それって超ド級の近所迷惑ですよね?」
「大丈夫や。市の公式行事として、市長さんと市議会議員の先生方も全員出席するそうやから」
「それは……安心です……」
もう諦めるしかないようだ。いっそのこと、ドレッドノート級戦艦が家の前ででんぐり返しでもしてい
た方がマシだと思えてくる。
「ほな整列。行くで!」
こなたを愛してやまない(やまないが病んでいる)無数の手が伸びてきた。
「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
5月28日。
快晴。
埼玉県北東部、茨城と県境を接する某市は、その年最大の活況を呈したという。
おわり
37 :
42−115:2008/05/30(金) 14:01:33 ID:pHPOv6x9
もう一句。
お茶を手に 二日遅れで 祝ってる
これが祝いといえるかどうかは、疑問の余地が大いにありですが、とにかくおめでとさんでした。
何回目の18歳かはさておき、読んでいただきありがとうございました。
>>26 そうか、かがみがこなたの方を向いてしまえばつかさは否応無しに……。
切ないなあ。ぐっじょぶでございます。
>>37 やれ剥くな こなた青ざめ 皆フェチる
いやあ、こなフェチもすっかり初夏の風物詩になりましたね。
というかあなたまでこなフェチに感染していたとは。軍団規模怖いよ軍団規模。GJ。
>>37 きょうも こなフェチは じゅんちょうに かんせんを ひろげている
おれも おかしい おれ どうな て
こな
アッーー
なんというこなふぇち。こうしたふぇちにこなたは似合いますね。
ぐっじょぶでした。
ムダにフェチられるか
何かのためにフェチるか
お前が決めろ
誕生日のせいか……変にフェチが活発だよもー……
旅に出すぎて、もはやここがどこだか、わからにゃいよ(=ω=.))))) |おいでませ大須
>>26 ああ、相変わらず心理描写が巧みだなあGJ !
ここに来てまさかのつかさ。三角関係にドキドキです
>>37 なんというカオスw
こなた災難だなw
>>26 上手いな
個人的にはこれはフラグとはまた違うものだと思ったな
恋愛感情云々ではなく双子の親密な関係性故のものというか
いやフラグといっちゃフラグになるのか?w
とにかくGJ
保管庫に麦笛氏の 「いつも何度でも」 という作品がアップされましたね
作者ページの過去のコメントも全部削除されてますね
見落としなのかな、45−46スレに投下か告知はありました?
仮に 不幸なミスと偶然の不注意が重なった結果だとしても
このタイミングのこの行為は残念
46 :
45:2008/05/30(金) 22:44:21 ID:xW3cwPKl
5/19に46スレに投下されていました
随分日にちが経っていたのと作者ページのコメント全部削除に唖然としたのと
別の保管騒ぎで早とちり、すいません
>>45 前スレの
>>15以降3レスで投下されてますね。
とりあえず自分で保管なさったのなら大丈夫なのではないでしょうか。
でもコメント欄を削除って出来るんですか?
むしろそんなことして良いのかと…
名古屋 大須
こなた「さて、せっかく名古屋に来たんだしマウンテンに行ってみようか」
街頭ニュース
「臨時ニュースです。
現在名古屋市に向かって謎の集団が奇声を上げなら暴走してるようです。
警察の非常線を突破した集団は「こなたー」と声を出しながら向かっているようです。
愛知県知事はこの事態に自衛隊の出動要請を・・・」
こなた「・・・逃げなきゃ・・・!」
こなフェチってこんな感じ?
なんということだ、こんなところで
Elope、Escape こな☆フェチVer.
という展開をむかえるとは……
(=ω=.;;;)<大須だからです、結論……
>>37 GJ!
タイトルの軍団は、そういう意味でしたか。
>>48 Elope&Escape・こな☆フェチVer.…
オリジナルとは別の意味で中部地方が修羅場になる事必至ですなwww
…いやむしろここは「こな&ゆた☆フェチVer.」のほうが適切か?(謎)
>>51 かがみ「あら、そんな存在、私が許すとでも思ってるの(よく磨いだナタギラリ)」
みなみ「そういう輩は……情報連結……ことごとく……解除……」
なるほど
こな☆かがフェチはガロン単位の鼻血により鮮血展開
こな☆ゆたフェチはバイオレンスにより鮮血展開か
こうして大須は血で血を洗う様相に……
(=ω=.)「いや〜日本橋はいいねえ」
みんな「「「「「「「「「「ちょwwwwおまwwwwww」」」」」」」」」」」
しかしあれだな
χ×こなた
χ×ゆたか
なら容疑者χはかがみ様が見てるorみなみ様が見てる状態になるのが悩ましいな
そこでみな×こなですよ。
…あれ?ツインテールの影が2つも…?
55 :
42-519:2008/05/31(土) 03:57:12 ID:e6cH3FZ6
「鷹宮のツインテール」に感想、お読みいただいたかたありがとうございます。
さて、誰も準備されていなかったら五分後に投稿しますね。
二輪の花 第6話
・冒頭のみ、ゆたみなでえっち描写あり
・8レス使用
【第6話:潮鳴り】
みなみの家に小早川ゆたかと、岩崎みなみは集まっていた。
9月14日のことで、三連休の半ば。
ゆたかがピンポンを鳴らすと、みなみの愛犬であるチェリーが飛んできて、ぺろぺろとゆたかの指をなめる。
ゆたかが反対の指で頭を撫でてやっている間にドアが開いた。
「こんにちは、みなみちゃん」
「うん、ゆたか。いらっしゃい」
お母さんは、とゆたかが聞くと買い物にでかけているとみなみがいった。
差し出された紅茶と、チーズケーキを食べながら二人は雑談する。
「お手洗いいってくるね」
「うん、私の部屋で、待ってる」
くすりとゆたかが笑うと、みなみは恥ずかしそうにする。
待っててねと、手をひらひらさせてゆたかはとことこと歩いていった。
***
――ゆたかの指がみなみの秘所を弄ぶように撫で回す。
手探りでゆたかはみなみの敏感なところを探し当て、くちゅくちゅと指をあてがるとみなみは「…あ、あ」と控え目な喘ぎ声を発し、妖精のように小さなゆたかを抱きしめてよがる。
「気持ちいい、みなみちゃん?」
「う、うん……」
そっか、とゆたかはみなみのヴァギナに触れるのを止める。
みなみが疑問の言葉を発する前に唇を重ね合わせる。
「ん、ああ、ああ! ……はあはあ」
「……かわいいよ、みなみちゃん」
「――恥ずかしい…」
「どうして? みなみちゃんのあそこ、だらしないくらいべとべとだよ?
ほら、よく見る?」
「や、やだ……」
小さいという意味ではゆたかに勝るとも劣らないみなみの、小ぶりの胸も、乳首はかわいくたっていた。
ゆたかは左手でその乳首をかわいがった。
普段からは想像できないような色っぽい声を発してみなみは下と向く。
ゆたかはそれを愛でるかのよう、胸を指でいじる。
ヴィイイインと機械的な振動音を発するバイブレーターをゆたかは取り出す。設定を強にする。
みなみが「ちょっときつい……」と懇願するのを悪魔の笑みで拒否し、強制的にヴァギナになでるように当てた。
「ああんっ!!」
期待通りの妖美な声。純粋にゆたかはスレンダーなみなみを可愛いと思った。当て続けていると、びしゅっびしゅっと潮を吹く。
みなみは逆らえない。こうした関係はもう何ヶ月か前から始まったことだが、最初から攻めはゆたかで受けはみなみだった。
そして少なくてもセックスの時にはみなみに拒否権はない。
どんなに乞うたところで全権はゆたかに握られている。
どんなにあがいたところで、最後の最後までイかされてしまう。
みなみはゆたかに告白した。それがタブーの領域であることはわかっていた。
同姓であるということ。そうであるのに、友達としてではなく、好きな人としてみていること。
それでも、告白した。
嫌われてもいい。このまま切ない友達関係を続けるくらいなら、いっそのことはっきりとさせたい、みなみは思った。
ゆたかは首肯した。
「イッテいいよ、みなみちゃん!」
私が、見ていて挙げるから。だらしなくイッて恍惚の笑みをうかべるみなみちゃんをみていてあげるから。
だから、気持ちよくていいんだよ?
ぶるぶるとみなみは体を震わす。バイブレーターの無機質な音がやけに拡大して聞こえる。
「ゆたか……ゆたかあ」
愛する人の名前を連呼しながら、絶頂を感じた。
「ねえ、みなみちゃん」
「うん」
絶頂の余韻も収まり、元の服に着替え、恥ずかしそうにしていたみなみに話しかける。
「……みなみちゃんは、わかってる?」
確認するように笑う。
「――柊先輩のこと?」
「やっぱり知ってたんだ。私が『かがみ先輩と付き合っている』こと」
「……なんとなく、わかった」
みなみはかすれるような声だった。ゆたかはくすりと笑いかける。
笑っているのにみなみは微笑みを返すことなどできやしない。
胸襟に感じる強い痛み、みなみはそれを精一杯抑えようとやっきになる。
執拗に我慢しようとも激しさはますばかりだった。
「そうだよ、それなのにいいの?」
「――私は、ゆたかのことが大切だから」
それならば、どうして私の告白を受け入れたのかという疑問は考えないようにした。
それでも、一緒にいたいとみなみは思ったからだ。
たとえ遊びでも、こうして一緒に居る事実はかわらないから。
泥沼だった。
「協力してくれる?」
「……うん」
ゆたかはベッドの座っているみなみの目線にあうように、かがむ。小さなゆたかではほとんどその必要がなかった。
刹那のごとく唇を重ねて離す。
ぼうっとしているみなみをゆたかはウインクする。
恥ずかしそうに、嬉しそうにみなみは小さく笑った。
「それと」
ゆたかは持ってきた鞄をベッドの上に置き、チャックを空けて、小包を取り出した。
「9月12日にあげられたらよかったんだけど……、みなみちゃん、誕生日おめでとう」
きれいに包装された小包をみなみに手渡す。
「ありがとう、ゆたか」
みなみは複雑に渦巻いた気持ちを抑えることにした。
***
9月13、14、15と三連休も終わった火曜日、こなたはジリジリと煩い目覚ましを手探りで探し当てて止める。
「むにゃ……あ、朝か」
ほとんど無意識のまま立ち上がり、トイレに向かう。
それから階段を上るころには意識もはっきりしてきた。
まだ眠気は全然取れていないが、頭で考えるだけの余裕はでてきた。
「学校憂鬱すぐる。ニートになりたいよ……」
「――学校にいったら負けかなと思っている。18歳ぴちぴち女子高生。ニート候補(目線あり)」
すごくむなしい。それはもう、一人でボケと突っ込みと観客を演じきった関西芸人くらいに寂しい。
ゲームの黒井先生は悲しい。自分のボケを自分で笑う。なんてこなったい。
主演、助演、お客、全部私。
金曜日のことを思い出すと仮病を使ってでも休んでしまおうかと思ってしまう。
頭の中にこびりついて離れないのはゆたかの「かがみ先輩と私、『えっち』したんだよ」という言葉。土日月とウイルスに感染したかのように延々とこなたの頭の中でリピートされていた。
ゆたかの顔や仕草を思い出す。あのゆたかが、あんな顔をするなんて、本当に、どうなっているのかわからない。
今日になって初めてゆたかがこの家からでていってくれて嬉しいとこなたは思った。
「あれお父さん、早いね」
朝食を作る前にリビングいくとこなたの父であるそうじろうが既に椅子に座って新聞を読んでいた。
その顔がニコニコと上機嫌でいたので、こなたはその理由がわかった。
「こなたか、おはよう」
「お父さん、原稿終わったんだ」
「おう! これで朝からエロゲー三昧というものさ。 いやっほうううううううううう そうじろう最高ううううう!!!」
「……変態」
こなたはあほ毛をうにょーんと伸ばしながら朝からキャラの濃いそうじろうに付き合う。
「そういうなよこなた〜 これでもお父さん何日も徹夜続きだったんだぞ」
「そういえば、この間私が帰ったときも書斎にこもりっきりだったね」
「そりゃあ、最後の仕上げだったからな」
「まあ、娘として、おめでとうといっておくよ。あとお疲れ様」
作家という仕事は時間に融通が利く。少なくても締め切りの間以内ならどんな風に過ごしても自由だ。
計画的に書いていけばいいものを、作家や漫画家、同人作家にしても締め切りにならないとネタがでないのが不思議である。
結局ぎりぎりまで遊んで「あと一時間」とか「もう少しで終わりますから」とかヒイヒイいいながら執筆するのである。
泉そうじろうも例外ではなく、締め切り一週間前となると、こなたでさえあまり近づこうと思わない程の鬼の形相になって書斎に篭る。
わざわざ火中の栗を採りに行く気はない。触らぬ神にたたりなし。
泉家は朝食から夕飯まで当番制だが、締め切り前後は、気をきかしてこなたが担当する。
労いの意味もこめて、こなたは台所に入った。
トースターでパンを焼く。それから卵を器用に両手でわってフライパンに入れて、強火で熱する。
「パンと目玉焼きでいいよね?」と聞くと「おう」と帰って来たのでこなたはこがさないように注意をしながらフライパンを見守っていた。
ほどなくしてできあがり、台所に持ってくる。そうじろうは「すまないな」といって鼻歌をならして箸で目玉焼きを食べつつ、パンを口に運んだ。
「そういえばお父さん」
「んー? なんひゃ?」
「……せめて口にあるものくらい飲み込んでから答えてよ」
こなたはだらしないそうじろうを呆れながら見る。
「これだからお父さんは」と思うが、その血は残念ながらこなたに脈々と受け継がれているのである。
「どんな小説なの?」
「今回は凄いぞ! なんといっても.h○ckのような電子空間と現実空間をリンクさせた超大作!」
「ぱくり?」
「違う!」
、そうはいったものの、こなたも泉そうじろうの作家としての実力は認めていたのでほとんど冗談だった。
てゆーか売れないとこなた自身こまる。
「――たく。今回のはウィルスがキーワードだな」
「ウィルスか」
「おう。そのウィルスが駆除しがたい強大なものでな。先進諸国の国家機密、個人レベルの情報をまるごとウィルスによって削除されてしまうんだ。
バックアップデータの場所まで自動探知して消してしまう。インターネットそのものの崩壊。そのため全世界が大混乱に陥り、情報化時代にデジタル・ディバイドが加速し、経験したことのない世界規模での失業、恐慌――」
「――そういえばさ」
「なんだよこなた。これから佳境を説明しようとしていたのに、いけず〜」
「ちょ、抱きつかないでって。暑いしひげこいしセクハラだし」
「なにおー 泉式スキンシップをなんというか!」
「それを日本語では犯罪と呼ぶんだよ――まあ、それはともかくとして」
すりすりとよってくる父をこなたは足蹴にして体を払う。
暑苦しいったらありゃしない。
しかも何日もこもりっぱなしだったから――そりゃあ生活費を稼ぐためにも頑張ってもらわないといけないわけだけど――汗臭いし。
「ウィルスといえばさ、前にお父さん感染していなかった?」
「ああ」
そうじろうはどばーっと大量の涙を流して、
「ひどいもんだよ……せっかくのエロゲーやらAVやらがすべて水泡に帰してしまった」
俺のジャスティスを返せーっ!!!とかなんたらいって地面にのた打ち回る。
「あっそ……」
こなたは堂々とアニメやら美少女ゲームやら、アダルトビデオの話題を娘に振り、嘆くそうじろうをじと目で見る。
とはいえこなたも、そうじろうの立場だったら同じように放心状態であったに違いない。
「でもなこなた」
「ん?」
「おかげで、この小説が書けたんだからありがたかったけどな。幸い小説のほうは全部CD−Rでバックアップとっておいたから被害は最小だったし」
「もしかして小説のウィルスが実在していたりするの?」
「まあ、モチーフはそのウィルスだな。インターネット上ではメイドウィルスと名づけられているんだが、さすがに小説ほどの危険度はないよ」
「メイドウィルスってなんちゅーネーミングセンスやねん」
思わずこなたは関西弁で突っ込んだ。
「いやな、初期のウィルスがメイドさんの画像とか動画に忍び込んであったかららしいぞ」
「つまりお父さんも然るべきサイトに突っ込んで感染したんだね」
核心を突くこなたに、そうじろうは「いや……世の中はかくも恐ろしきかな」とごまかす。
「まあ、いいけどさ……犯罪沙汰だけはほんとやめてね。そのうち単純所持も違法になるんだから」
「心配するな! 俺は三次元の普通の女の子にも萌える兼ロリコンであって単なるロリコンではない!」
「――どっちにしても人間としては最低だよね……」
ぐっと右拳を握り、テーブルで左手を支えながら力説するそうじろうをいつものようにこきおろす。
この人本当に大丈夫か?
「さすがにウイルス対策ソフトにもアップデートされたんでしょ?」
「まあなあ。でも、サンプルを手に入れられたから小説書くには相当役に立ったよ。
しかし類似ウィルスがごまんとあるから対策ソフトでも間に合わないとか」」
「サンプル?」
「おう、パソコンにlzh式で保存してあるよ。これがすごくてな。削除するファイルを指定できるみたいなんだ。
例えば『メイド』とに入力すればそれに関連されるファイルが全て削除される。
それも精度がしゃれにならなくて、まるで人間がいちいちファイルを確認して削除されているみたいだったよ」
熱弁するそうじろうの言葉に、こなたは感心して耳を傾けていた。こなたも気をつけようと、思った。
「このウィルスにはさらに特性があってな。削除されるファイルは自分のパソコン上だけに限らないんだ。
たとえばftpソフトなんかを使っていると自分のホームページスペースにアクセスできるだろ?
そこに勝手にアクセスして関連するファイルを削除してしまうんだ」
「……お父さんと家内LANをつないでいなくて本当によかったよ」
こなたは本気でそう思った。その理論なら私のDドライブまで被害が及ぶところだった。
それは困る。非常に困る。世の中で三番目くらいに大切なものがDドライブに眠っているこなた秘蔵ファイルだ。
もしそんなことがあったら、親子としての縁をきってしまおう、なんてこなたは憤然とするのだった。
「他にも完全に削除されていない――例えば『ごみ箱』から削除しただけのような――ファイルからそうした他のアクセス先やパスワードを盗み出すから困ったものだよ」
「私も気をつけるよ」
こなたは食べ終わった皿を片付けて制服に着替える。
制服に着替えるころには憂鬱度が当社比3倍の出血大サービスになっていて、本気で休もうかなと思いながら携帯に手を伸ばした。
時刻は8時を回っている。
とにもかくにも、もうでないと間に合わない。
しぶる体に鞭打って、空っぽの鞄を取り出し部屋を出た。
玄関先でそうじろうと鉢合わせる。
こなたはがいってくるね、というと、おうと帰ってくる。ドアのノブを回そうとしたとき、
「……そういえばな」
「何?」
「あの事件、知っているか? 桶川市の」
「うん」
「あれ、また被害者がでたようだぞ。こなたも気をつけてな」
「……わかってるよ」
こなたは、勢いよくノブを回し外に出る。暖かい陽光が照りつけて、目を細める。湿気の高い蒸し暑い気温に気がめいる。
今日だけは、待ち合わせにいくのが憚られた。かがみはきているんだろうか、と思いながら駅へ向かった。
64 :
42-519:2008/05/31(土) 04:16:55 ID:e6cH3FZ6
以上でした。
次話になってやっとつかさがでてきます。読み直したらここまで一言もしゃべってませんでした。
>>51 こなた@Erope&Escapeと、こなた@こな☆フェチが大須でばったり遭遇すると。
そして『王子と乞食』を踏襲。
>>64 なんというか……無性にハラハラするんですけど。特に8レス目。
あううあうあうあ
>>64 GJ !
だがしかしっ !
>>65と同じく8レス目からヤバイ予感が・・・
こなた、大丈夫なのか?
前スレの完走を確認。
埋め小ネタ乙。あと最後のレスのつかさにワロタw
>65
ぐっじょぶ。緊張感のある展開が続きますね。
続きを楽しみにさせて頂きますよ。
準備をされる方がいないようでしたら、投下をさせていただきます。
「Escape 第7話」
・こなた&ゆたか (みなみ)
※注意事項
・シリアス(苦手な方は退避お願いします)
・続きもの
・非エロ
春から夏へと移りゆく季節の、よく晴れた日のお昼前。
私は、みなみちゃんの別荘から、脱出することに成功していた。
「はあっ、はあっ」
自分自身の荒い息遣いだけが、いやに大きく聞こえる。
なだらかに下っていく小道が、森の間を縫うように続いている。
「こなたお姉ちゃん…… 」
絶え間なくわき上がってくる不安に押し潰されそうになりながらも、
最愛の人の名前を唯一の心の拠り所にして、必死で足を左右に動かし続ける。
「誰か、誰かいませんか? 」
こなたお姉ちゃんに助けを求めようと、人家や電話ボックスを懸命になって探すけれども、
道の両側に生えている高い木立に遮られて見つけることができない。
既に、携帯電話は取り上げられていたから、このままではお姉ちゃんと連絡を取ることができない。
「誰も…… いないの? 」
決して言ってはいけない言葉を口に出してしまう。
一体、ここはどこなのだろう?
別荘を抜け出した時は走っていたけれども、5分も経たずに息が上がってしまい、
今は荒い息をつきながら、よろめくように歩いている。
腕時計に目をやると、既に11時を回っている。
もう、かがみ先輩とみなみちゃんが戻ってくるころだ。
私が別荘を脱出していることを知ったら、直ちに追跡を始めることは確実だ。
次に捕まったら既に、狂気の沼地に足を踏み入れてしまったかがみ先輩に、
何をされるか分かったものではない。
しかし、鬱蒼とした森はそれほど長くは続かず、やがて視界が開ける。
眼前には青い海がひろがっていた。
「うそ…… 」
私はうわ言のように呟きながら、白い浜辺に向ってよろめくように歩く。
寄せては砕ける、輪廻のように続く波音が、私をひどく打ちのめす。
「あはは、どうして? 」
細かい砂粒の上にぺたんと座りこみながら、自嘲めいた笑みがこぼれ出る。
「ほんと、私って莫迦だよ」
つかさ先輩は、ことさら隙をみせて、逃亡という甘美な希望を与えた。
私は、策略を疑いながらも、別荘から逃げ出した揚句、どこにも逃げることができないという
絶望を味わうことになった。
あまりにも悲惨で滑稽なピエロだ。
私が拉致された場所は…… 小さな島だった。
前方は、どこまでも拡がる蒼い海、背後は緑に囲まれた小高い山だ。
山頂に近い所に、みなみちゃんの別荘が建っている。
背後を見ることはできないが、ここと同じような景色になっているに違いない。
これからどうなってしまうのだろう?
私は、もうすぐ捕まってしまうだろう。
喜んだかがみ先輩は、私を餌にこなたお姉ちゃんを呼びつけることは確実だ。
いや、既にこなたお姉ちゃんは、かがみ先輩から呼び出しを受けているかもしれない。
私は『絶対に』島から出られるはずはないのだから。
「こなたお姉ちゃん…… もういいよ」
私は、絶望に打ちのめされて砂浜に倒れこみ、小さくつぶやいた。
強い日差しが素肌にちりちりと差し込んできてひどく熱い。
「私、全然駄目だから」
埼玉から名古屋に来ても、全然変わることができない。
半年経っても、こなたお姉ちゃんの大きなお荷物になってしまっている。
こなたお姉ちゃんは、私という存在が足かせになって、幸せを掴むことができないでいる。
「こなたお姉ちゃん…… もう、見捨ててもいいよ」
『そんなこと…… できるわけない! 』
こなたお姉ちゃんの怒った顔が、脳裏に鮮明に浮かんだ。
『私がゆーちゃんを見捨てるなんてありえないよ! 』
こなたお姉ちゃんは、私を見捨てることはしないと、絶対の自信を持って言える。
でも。だからこそお姉ちゃんは、かがみ先輩の卑劣な脅迫に応じることになってしまうのだ。
そして、悲痛な表情で姿をあらわしたこなたお姉ちゃんは、
『目出度く』かがみ先輩のものになるんだ。
暗黒の未来図が、現実のものになる瞬間が確実に近づいている。
「わたしは…… 」
波が砂浜を叩く定期的な音を鼓膜に届かせながら、私は小さく呟く。
私は、こんな酷い目に遭う為に名古屋まで逃れてきたのだろうか?
どうして、かがみ先輩があげる凱歌を、黙って聴いていなければならないのか?
心の中に暗い怒りの火が付き、瞬く間に激しく燃え上がる。
私は、負けない。
かがみ先輩の思い通りなんか、絶対にさせるものか!
慣れない強行軍で激しく体力を消耗し、疲労の極にあったけれど、気力を振り絞って
小さな身体を引き起こす。
困難な状況を打開する手掛かりになるものがないか、必死に探しながら海岸を歩く。
「何か、落ちていないか? 何かを見落としていないか? 」
島を4分の1周程歩いた時……
絶望に打ちひしがれていた時には、絶対に目に入らないモノが見つかった。
「あ…… 」
島に最初から置かれていたのか、どこか別の場所から流されていたのかは分からない。
古びた小さな手漕ぎボートが波打ちぎわに放置されていた。
「オールは? 」
駆け寄って、上から覗き込むと、2本のオールがボートの中にしまわれていた。
それから、船腹を注意深く調べる。
幸いなことに航行に支障となるような、大きな傷はない。
私はほんの小さな可能性にかけて、砂浜に乗り上げているボートを、太陽の光を浴びて
いたるところで煌めく、初夏の海に向かって押し出す。
「お願い…… 動いて…… お願いだからっ 浮かんで! 」
両足を柔らかい砂にめり込ませながら、懸命に踏ん張って、船を押し続ける。
「もう少し…… もう少しだから」
体中から汗を噴き出させながら力を振り絞ると、船はじりじりと海に向かって滑り出していく。
「やったあ! 」
奮闘は報われて、船体は砂浜を抜け出して、海面に浮かぶ。
私は船べりを掴んで、半ば飛び込むようにボートに乗り込む。
「きゃっ」
船は大きく揺れて傾き…… 辛くも復元力が働いた。
胸をなで下ろした私は、二本のオールを船の両側に固定すると、グリップを掴んで、
先端の平らな部分である『ブレード』を海面に落とす。
ちゃぷん。
小さな音が鳴ると同時に、オールを思いっきり握って手前に引く。
ブレードが海水をしっかりと捕えて、ボートは『後ろ』に滑るように動き出した。
「はあ…… はあ」
腰や腕がきしむように痛い。
疲労が全身を絶え間なく襲って、身体がうまく動かない。
いつも思うことだけれども、自分の体力の無さに辟易としてしまう。
体調さえ良ければ、しっかり運動をして、身体を鍛えないといけない。
ごくゆっくりとではあるが、船は岸から離れていく。
目指す場所は、1キロほど離れたところに佇んでいる、比較的大きな島だ。
遠目からは微かに建物らしきものが見えるから、そこでこなたお姉ちゃんと
連絡をつけることができるはずだ。
風はほとんど吹いていないため、波は小さく、海面は穏やかな表情をみせているけれど、
船はとても小さいので、僅かなうねりでもぐらりと揺れて、ひやりとする。
「ゆたか! 」
唐突に私の名前が呼ばれて、私は身体を震わせる。
先を行くチェリーに引っ張られたみなみちゃんが、浜辺に駆け寄ってくる姿が見える。
「ゆたか! 戻って! 」
みなみちゃんは、服が濡れるのも厭わず、長い脚を海に浸しながら必死の形相で呼びかける。
二人の距離は100メートル程だ。
地上ならわずか十数秒で到達してしまうが、海水浴のシーズンではない時期の海では、
絶望的な距離になる。
「ごめんね。みなみちゃん」
私は、ひとりごちると同時に、背筋に冷たいものを感じてしまう。
もう5分早く、鼻の利くチェリーが私を発見していたら確実に捕まっていた。
「お願い。来ないで」
追いつけないと分かっていても、不安から逃れるように、みなみちゃんの顔を凝視しながら、
私はひたすら漕ぎ続ける。
素人がボートを漕いでも、進む速度はたかがしれているが、それでも、じりじりと離れていく。
「ゆたか! お願いだから戻ってきて! 」
みなみちゃんの声が少しずつ小さくなる。
「本当に、ごめんね」
私は、みなみちゃんにもう一度だけ謝った。
去年の春、気分が悪くて苦しんでいる私を助けてくれた、岩崎みなみちゃんと
一緒のクラスになれた時はとても嬉しかった。
みなみちゃんとの距離が近づく度に、私の胸は確かに高鳴っていた。
高校で親友という存在ができたことが嬉しくて、毎日、学校に行くことがとても楽しかった。
病は気から、という訳ではないけれど、体調が比較的安定していたのは、
みなみちゃんのお陰だと思っている。
夏以降、私がこなたお姉ちゃんに恋心を抱いてからも、みなみちゃんは大切な親友のはずだった。
しかし、私はとてつもなく鈍感だった。
私がこなたお姉ちゃんに抱くのと同じ想いを、みなみちゃんが私に対しても持つという可能性に、
愚かにも気がつかなかった。
だから、みなみちゃんが愛を求めてきた時、私は激しい違和感を持って、
拒絶することしかできなかった。
しかし、年末に起こった一連の騒ぎの後、住所を名古屋に移してから半年が経って、
みなみちゃんは遠い存在になっていた。
こなたお姉ちゃんに対する妄執をみせる、かがみ先輩には、激しい怒りや憤りを抱き続けなくては
いけなかったけれど、みなみちゃんに対しては、さほどマイナスの感情は持っていない。
とても綺麗で頭が良くて、他人に優しいのだから、みなみちゃんは私なんかに拘らずに、
良い恋人を見つけてほしいと思う。
みなみちゃんの姿がかなり小さくなってきた。
腰まで水に浸かりながらも、なおも懸命に私に呼びかけるけれども、泳ぎでもしない限りは、
近づくことはできない。
私は、拘りを捨て去ることができない、以前の親友に向かって、微笑みながら軽く手を振った。
「ゆたかっ、行っちゃダメ! お願いだから! 」
普段は無口なみなみちゃんが、声をからして叫んでいる。
しかし、私は彼女の想いに応えることができない。
「ばいばい、みなみちゃん」
私は、少しだけ哀しそうに呟いてから、みなみちゃんから視線を外して、小さな船を漕ぎ続ける。
ボートはごくゆっくりとしか進まないから、すぐに彼女の姿が視界から消えてしまった訳ではない。
しかし、すっかり小さくなったみなみちゃんを、私は最早、景色の一部分としか認識していなかった。
読んでいただいた方、感想を頂いた方、ありがとうございました。
ゆたかとみなみは、とても大切な親友で、理想的な関係だと思います。
ひよりんの妄想どおりに、恋愛感情まで発展するかどうかは、多少、議論の余地がありそうですが。
では。
リアルタイムGJ!
前話見たかぎりではてっきり屋敷に連れ戻されると予想してて
一人で海を渡る展開は冗談で少し思い浮かべてはいたけど
・・マジでするとは・・ビックリですw
無事でいてくれ・・
うぁぁぁ、これはみなみには辛い展開。
最後の段の、『静かな拒絶』の描写が凄いっす。
アレなネタ投下しようと思っ来たんですが、ちょっと時間置きますね。様子を見て23時ぐらいに投下予定。
80 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 22:58:03 ID:j5W4MnfC
>>77 まさに島みやえい子の曲が似合う展開となってまいりますた。
まったくもって、先がまるで読めぬ展開へ。
無理心中か、全員堕ちて結ばれるか、それとも救いの道があるのか
まずは、ゆーちゃんの無事を祈って・・・待機続行。
シリアスな作品のあとにこれってどうよ、という気もしますが、いきます。
まずは、何も言わずこれを見ていただきたい。
こなつー注意。非エロ。
つ【
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0085.jpg】
……あー、なんつーかゴメンナサイ。
以下、シチュ説明という名のおまけ。3レス。
もともとは一発絵だったはずなんだけど、シチュを説明しようと思ったら変に長くなりますたw
そんなわけで、練りこみが足りないです。スマソ。
-----------------------------------------------------
――――――――――――――――――――――――
『えす☆えふ』番外編
こなたが『こな☆フェチ』を発症したでござる の巻
――――――――――――――――――――――――
……さて、前置きが長くなったがそれはさておき。
完璧超常生物・高良みゆきの手によるシミュラクラ・アンドロイドであるこなつーは、基本的にフリーメンテナンスである。
自己修復、冗長構成、機能代行、縮退再構成。さまざまな概念や機構を駆使し、外的要因による破損、あるいはその頭脳が「老衰による死」をエミュレートするに至らない限り、最低限の機能維持が保証されているのだ。
とはいえ、設備や時間が許すのであれば、メンテナンスはするに越したことはない、とみゆきは言う。
メンテナンスにかこつけて、こなつーさんにあんなことやこんなことを……だばだば。との事である。
一分の隙もない、実に説得力に満ち溢れた理由だと思う。
☆
「……ふむふむ、ステータスインジケーターは全部緑……っと。うん、問題なさそーだネ」
ベッドにうつぶせに寝た、こなつーの背中。肩甲骨に沿って設けられたハッチから、内部機構を覗き込む。
「……あのさ、こなた姉さん」
「んー、何?」
「……なんで私のお尻撫でてんのさ」
ジトー、という音が聞こえてきそうな、こなつーの視線。こなたは慌てて手を引っ込める。
「あ、あれ? あれ〜?」
「まさか、姉さんにそーいう趣味があるとは思わなかったよ」
ちょっと意地の悪い、こなつーのニヤニヤ顔。
「いや、わざとじゃないんだって! 自分でも何がなんだか……」
そうしよう、という意思があったわけではない。
全く無意識に……ごく自然に。まるで吸い寄せられるかのように、こなたはそうしていた。
「ん、んじゃ今度は前ね」
「……ホントに大丈夫かな……」
仰向けになり、視界の右下からメニューを開く。メンテナンスコマンド発行。柔らかい胸の皮膚が瞬時に硬化し、パネルラインから大きく開いた。
「どれどれ、……」
ペンライトで照らしながら、お腹のほうから頭に向かって、肩まわりの機構を覗き込む。
故障ではない異常……たとえば異物の噛み込みなどがないか。そういった日常の点検が、日々の快調な動作を約束してくれるというわけだ。
「……ところでさ、姉さん」
「何?」
「それなんて『銃夢』?」
こなたの右手は、こなつーの左胸のあたり……空冷式熱交換ユニットの滑らかなカバーをナデナデしている。無意識に。
「おほわっ!?」
素っ頓狂な声をあげて、こなたは思わず飛び退った。
「いや、悲鳴あげるのはこっちの方だって」
こなつーは基本的に原作準拠なので、アニメ版準拠のこなたと違い、リアクションはあまり派手なほうではない。
したがって、こういう場合でも反応は比較的冷静である。以上、楽屋ネタでした。
「……あ、ありのまま 今起こったことを話すぜ!」
「次にお前は、『俺はこなつーのメンテをしていると思ったら、いつのまにかお尻や胸をナデナデしていた』と言う!」
「俺はこなつーの……はッ!?」
……ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
って、遊んでる場合じゃないだろ常考。
☆
「……ほい、おしまい。いろいろあったけど、こなつーは元気です」
「ありがと。でも私は元気でも姉さんが変です」
「う、釈明の余地もございません」
(=△=.;)←こんなカオのこなたを横目に、いそいそと着衣の乱れを直す。
「ホント、どしたのさ? 昨日なんか変なもの食べたとか?」
「いや、私にも何が起こってるんだかさっぱり……」
右手でこなつーをかき抱き、深い藍色をたたえた髪を撫でる。
「気づいたら身体が勝手に、って、んに゙ゃっ!?」
「ちょ、エスカレートしてるーー!!」
「い、いやホント、私リアルでそーいう趣味ないからハァハァ」
「……ハァハァ?」
「そーいう趣味はない……ないんだけど…………ふっふっふ、せっかくだから、かわいがってやろうでわないか〜」
どうみてもエロゲー攻略中の顔です。本当にありがとうございました。
「はっ!? まさか……そーいう事?」
事ここに至り、こなつーはようやく事態を理解した。
だが、事態を理解したのは、こなつーだけではなかったのである。
「なるほど、泉さんが『こな☆フェチ』を発症するなんて、実に興味深い臨床例でつねだばだば」
「自分自身には萌えなくとも、類似の存在であるこなつーさんがその対象となる……とだばだば」
「次回の『世界こな☆フェチ学会』で発表する必要がありますねだばだば」
それにしても、『☆』と『学会』って死ぬほど不似合いだな。どうでもいいけど。
「み、みゆきお母さんにみつきさんっ!? いつの間にっ?」
天井の羽目板を外して現れた、ピンクと赤の超常コンビに気を取られたその隙に。こなたの顔がぐぐーっと迫ってくる。
「ちょ、ねーさんっ! 『自分には萌えない』っていってたじゃんっ!?」
「えー? そんなの当たり前じゃ……あ、あれ?」
『ボスが来たモード』を発動したかのごとく、こなたの反応が素に戻った。
「お、正気に戻ったかな?」
……しかし、次の瞬間。
「ふぎゅっ!?」
鳩尾に一発食らったような、くぐもった悲鳴。こなたの身体が崩折れる。
「ね、姉さんっ!?」
「……ぅぁ……ぐ……」
喉をかきむしり、苦悶の表情を浮かべてのた打ち回る。……いったい、こなたに何が起こったのだろうか?
「泉さんっ!?」
事態の急変を察した二体の超常生物が、糸を引きつつ天井からするすると降りてくる。アホ毛の少女に身悶えする女、スパイダーマ!
「姉さん! しっかり……って、えぇっ!?」
抱き起こしたこなたの胸元、セーラー服の胸当てのホックが、内側からの圧力ではじけ飛んだ。
タイのあたりに窮屈そうな皺を寄せながら、その胸がみるみるうちに盛り上がっていく。
「な、なんぞこれー!?」
めきめきと音を立て、その腕が、脚が伸びていく。
時間にして、一分足らずの後。
豊かに盛り上がった胸、そして妖艶な腰つき……こなつーの目の前に、絶世の美女が横たわっていた。
「……そんな……」
驚愕の表情を浮かべ、立ち尽くすみゆきとみつき。
「み、みゆきお母さんっ! 何が起こってんのさコレ!?」
その表情にただならぬものを感じ、こなつーの顔に焦りが浮かぶ。
「……ま……負けました……」
十一回裏零対零、二死ランナーなしからサヨナラホームランを浴びたエースピッチャーのように、膝をつき打ちひしがれる四個の巨乳。ネット用語的に言えばorz状態。
「そっちかいっ!」
その一瞬、かがみのツッコミ神がこなつーに乗り移った。
「……ふぅっ」
深い息をついて、絶世の美女が身を起こした。
身長は百七十センチはあるだろうか。切れ長の目とほっそりとした顎。乱れた髪を掻きあげる指は、白魚のように細い。
「……あのー……どちらさんデスカ?」
ぱっつんぱっつんになった冬制服は、サイコフレーム……もとい、胸元やおへそが覗いている。……ぶっちゃけ、ひと昔前の場末のキャバレーのコスプレのようでもある。
「なるほど……デストロイモードか。でもさすがにアホ毛は分かれないんだネ」
「いや、冷静になってる場合じゃないでしょ姉さん」
しばしの間、胸をぱふぱふしたり、指先をしげしげと眺めたりしていたこなただったが、
「……ちびっ子な私萌え〜」
その艶めいた視線を、こなつーへと移した。
「!! ……ちょ、待っ、姉さ、落ち着こ、ねっ?」
とっさに飛び退るこなつー。……しかし、すぐ後ろは壁である。
ポスターの中でにこやかに微笑むリシアンサスが、「あきらめてね☆」と宣告しているように見えた。
「……なるほど、自分のほうが変わってしまえば『自分萌え』も可能になる、というわけでふねだばだば」
「まさに逆転の発想、さすがでふね泉さんだばだば」
「いやーそれほどでもだばだば」
「だばだば」
「だばだば」
そこら中を真っ赤に染めながら、都合六つのおっぱいが、こなつーへとにじり寄る。
「にに、日本語でおk!! てか落ち着いて、ね、落ち着いてみんなっ!!」
「ガイア、マッシュ! ジェットストリームアタックだヨ!だばだば!!」
「だばだば!!」
こなたの号令一下、ナイスバディな三機のドムが、こなつーめがけて襲いかかった。
「結局これか〜〜〜〜〜、あ、アッーーー!!」
― 合掌 ―
-----------------------------------------------------
以上です。
『えす☆えふ』世界からこそ起こりうる、『こな☆フェチ』のひとつの発展形、ということで。
かがみ「こなたが……希少価値じゃなくなったorz」
こなた「Σ(=ω=.)ちょ!かがみ!ひそかに傷つくですよそれ」
かがみ「でも、この妖艶でいてはじける幼さも残るこなたも萌えるわねえ
そうだ、一度やってみたかったのよね……………ぱふぱふ」
こなた「結局このパターンか……あ、でもぱふぱふは私も憧れてたからいっかー(=ω=.)」
こなつー「結局私は襲われることにはかわりないのですか
>>85こらー!
おかーさん!みつきさん!GJいいながら襲わないでアッーーーーー!!」
87 :
麦笛:2008/05/31(土) 23:45:25 ID:F9jOO3fH
お久しぶりです。僕がまたここに来たのを気持ちよく思わない人もいると思います。
前の騒ぎの件で厳しい意見もたくさんもらって、正直へこむこともありましたが、自分なりに反省をして、今度は厳しいコメントが少なくなるようにと思って、スタイルを変えてやっていこうと思います。
文章25
「Konata is in Britain」
☆エロ無し
☆前書き+巻九まで、10レス
☆かがみ&こなた(British)
用意している方がいなければ、3分後くらいに投下を始めますね。
学会が!?
…………あるよな、普通。
GJ
世界には、自分と同じ人がもう一人いるといいます。つまりは、自分の友達も、同じ人がもう一人いるということ。
もし、あなたがそんな人と出会ったらどうするでしょうか。その人が、自分の大好きな人だったり、大嫌いな人だったら・・・。
あなたがその人に出会ったら、もうひとりの事を話すでしょうか。
そして、同じように振舞えるでしょうか。
自分と、その人は良い関係を作れるのでしょうか。
その人が悲しんでいたり、傷ついていたら、どうするでしょうか。
今回は、旅先で「もう一人の」自分の大好きな親友とであった、ある少女のお話です。
少女は、どういう接し方をするのでしょうか。それでは、物語の始まりです。
かがみは、船の上にいた。船の上で、異国の地に残してきた「あいつ」の存在を思い出しては、あふれ出る涙をこらえきれずにいた。
船は風を切って進み続ける。その度に、あいつとの距離が離れていくことが苦痛でならなかった。柊かがみ。汝は、自分自身の侵した罪に苦しんでいた。
あれは、3ヶ月前のこと。
ただお「かがみ、せっかくの冬休みだし、留学をしてみる気はないかな。」
かがみ「え?」
「いやね、いつだかかがみは弁護士になりたいっていってただろう?それなら、世界の法律を肌で感じることが必要だと思ったんだが・・・。」
「お姉ちゃん、すごーい。」
「・・・。そうね。言ってみる価値もあるかも知れないわね。でも、お金は・・・?」
「それは、大丈夫だよ。お父さんの友達が向こうの大学で教えているんだ。今回誘ってきたのもその人だよ。お金は大学の方で出してくれるらしい。もちろん、必要な分だけだけどね。」
「うん。行くわ。お父さん、ありがとう!!」
「わかった。かがみが行きたいならその旨を伝えておくから、自分で準備をしなさい。」
「それでお父さん、行き先はどこ?」
「イギリスだよ。田舎だけど、いいところだ。」
「いいじゃない。」
「お姉ちゃん、時差ボケとか大丈夫?」
「なんとかなるわよ。きっと。」
出発がはやいとあって、かがみはルンルン気分で準備をした。高校を卒業して4ヶ月。自分の人生が何か変わるチャンスかもしれない。私は英語もそこそこしゃべれる方だから、簡単な会話くらいは出来るし、自分の力を試せるときが来たのね、とも思った。
十数年生きていると日本での生活にも段々飽きてくる頃だと思うし、もしかしたらヨーロッパの素晴らしい一面に触れて、そこに将来移住したいと考えるかもしれない。
不安はあるけど、不安になってたって何も始まらないもの。今はこの気分を味わわないといけない。そうかがみは考えて、大きな旅行カバンに勉強道具や生活の必需品を詰め込んでいった。
「歯ブラシや消耗品は向こうで買い物の練習を兼ねて買えばいいわね。えっと、後は・・・本でも持っていこうかな。」
かがみが手に取ったのは、一冊の同人誌。こなたが前に家に来たときに忘れていったものであった。
「こ、こんなのは持っていけないわね。ラノベは何冊か持ったし・・・。」
机の上にそれを置き、後は・・・と周りを見回す。そうそう、こなたに、留学するから冬休みは会えないわよ、と言っておかなきゃ。それが終わったら・・・。久しぶりに、漫画でも読もうかな。
―――4日後、出発の日。
空港には、かがみ、ただお、つかさ。それに、こなた。3人に壮大に見送られることになったのである。
「ていうか、何であんたまでついてきたのよ。」
「いやぁ、せっかくかがみんと長い間会えなくなるからさぁ、少しでも多く目に焼き付けておこうと思って。」
「といっても、冬休みの間のたかが2週間でしょ?あっという間よ。」
「でも、そんな間でもかがみんの黒タイツが拝めなくなっちゃうのは私にとっては大ダメージなのだよ。」
「あ、あんた、家族の前で!」
「慌てるかがみん萌え〜。」
こなたの言葉に、全員がどっと笑う。旅立ちがこんな風に笑って迎えられるなんて、私はなんて幸せ者なのだろうか、とかがみは感動した。
舌を出して照れるこなたとも、ケラケラ笑うつかさとも、2週間の間お別れかと思うと切なくなった。でも、これは自分に必要な留学なんだから、と考えて、真剣な顔つきで搭乗ゲートをくぐった。
イギリスまではかなりの距離がある。かがみはひっそりと持ってきた、こなたとのツーショットを眺めてはため息を一つつき、ライトノベルを読み出すが、なかなか内容が頭に入ってこない。どうしたのかな、私。いつも私の頭の片隅にはこなたがいた。
向こうに行ったらそれが無くなってしまうんじゃないかという恐怖感。頭の中では、うるさいのからしばらくにげられるから良いわとか思っているが、心の底では、やっぱりこなたに対する思いというか、そういうものがこみ上げていた。
そのうち、考え疲れたのか、いつの間にかかがみは眠ってしまった。その夢の中に出てきたのは、もちろん、青い髪のあいつ。こなた。夢の中でもこなたにつっこんでいる私って一体・・・と思いながら、イギリスに着くまでにその甘い快楽を楽しむ。数時間。
その人生のなかで短い数時間が、今自分に一番の快楽を与えてくれているんだということ。いなくなってから初めてわかる、人の大切さ。
目がさめると、そこは異国の地。かがみの下宿先は、本土から船を使って行かなければならない、島の中にある。空港からバスに乗り、船乗り場へと急ぐ。
朝に日本を出発して、9時間くらい飛行機に乗って・・・。そして船。気の遠くなるような時間も、こなたの写真がそれを緩和してくれた。
(ここからの会話やアナウンスは実際は英語ですが、作者により日本語に訳されています。ご了承下さい。)
アナウンス「ポルター島に到着です、お忘れ物のないようにお願いします。」
かがみ「ふう、やっとついたわ。今は・・・ちょうどお昼くらいね。お世話になる大学にでも挨拶に行こうかな。」
バスに乗って、下宿の近くまで行く。移動の連続に少々疲労したかがみだったが、もうすぐ到着だ、と考えると自然に足が動いた。ただおに渡された地図を頼りに、街の中をひたすら歩く。
そこは、中世の頃からあまり変わっていない街で、今でも教会や古い建物が多数存在していた。そんな街の中をかがみは歩いてゆく。
ふとかがみは、教会の前である少女の姿を見かけた。それは、身長が小さくて、青くて妖怪みたいなロングヘアーで、容姿はまさしく「こなた」そのものであった。
その少女は涙を流しながら、教会の花壇のところに座っている。かがみは、「こなた・・・」と無意識につぶやきながら、その少女のもとに駆け寄った。
「ちょっとあんた、どうしたのよ。」
「あ、あなたは・・・?」
「いいから、訳を話してみなさい。」
「実は、私のお父さんが死んでしまって、お母さんも私が小さいときに死んでしまっているから、身寄りがいなくなってしまって、これからどうやって過ごして良いのかわからなくて・・・。」
「お金は?お金の心配は大丈夫なの?」
「それはなんとか。」
うわぁ、設定が見事にこなたといっしょだーと思いながら、かがみは話を聞き続けた。そして、その少女の家では父親がオタクでパソコンや漫画とかが揃っていたこと、少女が自分と同い年であることなどを聞いた。
「大体わかったわ、それで、あなたのお名前は?」
「こなた。お父さんが日本のアニメが好きで、あるアニメの主人公の名前を付けてくれたんだって。」
かがみは言葉を失った。イギリスではこんなにも時間の流れ方が違うのか、と言うことを実感した。よりによって、私の一番大好きな親友・・・いや、恋人と同じ名前の人と巡り会うなんて・・・。
「そう。私はかがみ。こなたは、おうちはどこ?」
「ここの通りを入っていったところ。よろしくね。かがみん♪」
「なっ!?」
びっくりした。まさか、イギリスでもかがみんと呼ばれるなんて・・・。こっちのこなたを、日本のこなたに会わせたら一体どうなるんだろう。びっくりするかな、自分がもうひとりいるなんて。
言葉は違うけど、仕草や言い回しは同じようなものがあるし。でもこのこなたと一緒にいれば、こっちでもそんなに寂しくないかもしれないわね。
かがみとこなたは、こなたの家についた。そこは小さめの一軒家で、誰もいなかった。そうか、お父さんもお母さんも死んでしまったんだっけ。でも、こなたは私の為なのか笑顔を絶やさずに、私に話しかけてくる。
こなたの部屋に案内されると、そこには日本の漫画やフィギュア、同人誌などが沢山置いてあった。日本の、泉家のこなたの部屋によく似た光景。今日からこなたはしばらくの間、ここで1人で暮らさなければいけないのだろう。
幸い自分と同い年で、大学生だと言うことなのでアルバイトをしながらと言うこともあるだろうし、父親が相当な遺産を残していたようなので、心配はいらなかった。
「かがみん、紅茶もってきたよ。」
「さすが、イギリスでは紅茶なのね。」
「え、イギリスではって?」
「い、いや、何でもないのよ。しかし、良くこんなに集めたわね。こなたは日本語は分かるの?」
「うん。大体ね。漫画やアニメで覚えたから。」
「じゃあ、日本語で話しても問題ないかしら。」
「いいけど、それじゃかがみんがイギリスに来た実感がわかないでしょ?」
「それもそうね。それにしても、これだけのもの、全部日本で売ってるのと同じだけど、どこで手に入れたの?」
「いやぁ、私のアメリカにいるペンフレンドが日本に言ってて、その子に送ってもらってるんだ。これがその子の写真。」
「(あ、あれ、これ、パトリシアさん・・・?)」
「パティちゃんっていうの。かわいいでしょ。」
「そ、そうね・・・。」
「いつかかがみんにも会わせてあげたいな。話も合いそうだしね。」
「(て、もうすでに何回も会ってますけど・・・。)」
「最近のお気に入りはね、これ。涼宮ハルヒの限定フィギュア。パティちゃんとお揃いなんだ。」
「(これ、同じのこなた持ってるわよね・・・。)」
「ん、かがみん、どうしたの?」
「え、え、何が?」
「さっきから、なんか元気ないけど。」
「実はね、日本の私の親友にも、こなたと同じような子がいて、その子もこなたっていって、オタクな話が好きなのよ。そいつのこと、思い出しちゃって。」
「かがみん、私悪いことした?」
「ううん、いいの。じゃあ、そろそろ私は下宿の方も見に行かなきゃいけないし、大学の方にも挨拶をしなければならないし、おいとまするわ。」
「かがみん。」
「私、かがみんと別れるのさびしいな・・・。」
「わ、わかったわよ、いっしょに行きましょ、私もこっちのこと全然知らないし。」
「穴場を紹介してあげるよ、あ・な・ば。」
「あ、あんまり変なところには連れ込まないでよ!」
かがみとイングリッシュこなたは、ふたりで話をしながら車通りの激しい道を通る。かがみの日本を出発する前の不安はもうどこにもなかった。こっちで、親友に再会できた。そんな感じ。こなたといれば私はどこだって大丈夫。無鉄砲。
かがみは、こなたに何でも話した。留学で来てること。2週間しかいられないこと。すべて話した。もしこのこなたが悪人だったとしても、かがみはまったくそんなことを気にしないくらい、こなたにすべてを話した。
「ここが大学だよ。」
「へぇ、思ったよりよさそうな大学じゃない。」
「ちょっとかがみん、私はもっと低レベルな大学に行っていると思ったでしょ。」
「そういうわけじゃないわよ。ほら、行きましょ。」
大学の中に入る。広い廊下を通って、階段を上る。周りを見ると、やっぱり金髪や青い目の人が多く、自分と同じ年だとは思えないほど背が高い人もいる。ここで初めて、かがみはイギリスらしいイギリスを感じることが出来た。
こなたは、職員室のドアをガラッと開ける。そして指導教官らしき人のところへ行って、ちょっと話をするからかがみんは応接室に行って待っててね、と言われたので応接室に向かいそこで待つ。
イギリス人は礼儀正しいって聞いたけど、本当かしらね、と思いながら待っていると、ドアがガラッと開いた。
そして入ってきたのは、黒井先生に似たほっそりとした女の人と、こなた。こなたがまず口を開く。
「おまたせかがみん。こちら、アメリカ出身のナナ先生。ちょっとなまりがあるけど、気にしないでね。」
「はじめまして、ナナ・クロイいいます。日本からはるばるよー来たな。」
「は、はい。(どこまで強引な設定なんだよ。)」
「かがみんは、何か困ったことがあったらアメリカ出身のナナ先生か私に言ってね。」
「そんなアメリカ出身を強調せんでもえーやろ。」
「あ、あれ、こなたってここの大学の学生なの?」
「そうだよ。」
「へぇ。意外。じゃぁ、これからよろしくね、こなた。」
「それはどうかな。」
「え?」
「私は体育クラス。かがみんは法学クラス。全くと言っていいほどプログラム違うから、あんまり大学じゃ会えないと思うよ。」
「そう・・・。」
「がっかりした?」
「べ、別に、がっかりなんかしてないわよ。」
「やっぱり日本人は萌えのレベルが違うねぇ。」
「(そ、そういうもんなのかしら?)」
挨拶を終え、かがみは早速法学の講義を受けに行く。ヨーロッパで学ぶ法学は、日本で学んだ物よりさらに発展的な部分もあり、中にはとんでもない法律のこともあったりして、かがみにとっては十分満足のいく物だった。
日本で学ぶより、こっちの方が質のいい講義を受けられたりして、とさえも思った。しかし、ここで講義を受けられるのもあと2週間。それが終わったら、日本に帰らなければならない。
かがみは一人で下宿先に帰り、日本とイギリス、両方のこなたのことを考えた。こっちのこなたは、私が日本に帰った後はどうするんだろう。そう考えると、良いベッドでもなかなか寝付けなかった。
2日後、こなたがかがみの下宿先に遊びに来た。といっても、大学の講義の後だけど。かがみがこなたを迎える準備をしているとき、一通の手紙が届けられた。それは、日本にいるつかさからの手紙だった。
手紙には、次のようなことが書いてあった。
『拝啓 お姉ちゃん
お元気ですか。そっちの生活にはなれましたか。私は、相変わらず宿題が全然はかどんなくて困ってます。こなちゃんと二人で協力してやっているのですが、出来ない人が2人いても出来ないのが現状です。だめだよね、これじゃ。
お姉ちゃんは私たちのことは心配しないで、そっちで楽しく勉強をして下さい。 つかさより。』
かがみの目から、自然と涙がこぼれてきた。誰かが一緒にいること。自分の存在。それが、身に染みた。一人でイギリスに渡って、こっちにもこなたはいるけど、でも、つかさやみゆきと一緒にいるときの方が楽しい。そう思った。
丁度その時、玄関のベルが音を立てた。かがみは涙を急いで拭いて、こなたを迎え入れた。しかし、ただでさえ鋭いこなたにその様子を見逃されるはずもなく、すぐに見つかってしまった。
「かがみん、泣いてたでしょ。」
「す、鋭いわね。」
「どうしたの?訳を話してごらん?」
「意味もなくにやけるな!」
「・・・私はかがみんの役に立ちたかっただけなのに。」
「その手には乗らないわよ。」
「は?」
「(そうか、こっちのこなたと日本のこなたは違うんだ)あ、いや、何でもない。」
「ま、遊ぼうか、かがみん。」
「はいはい。」
かがみは、つかさからの手紙をそっと引き出しにしまって、リビングに向かった。しかし、この数日後に、かがみの生活が変わることになろうとは、夢にも思わなかったのである。
その日は、こなたにご飯を作ってもらった。普段から作っていただけあって、こなたの料理の腕前はなかなか。かがみは、こなたより一足先に食べ終わって、食器を流しに持っていった。
「おお、さすがかがみんは食べるのが早い。まるで怪獣みたいだ。」
「悪かったわね、怪獣で。」
「あ、認めた。」
「み、認めてなんかないわよ。あ、食べ終わったら食器は流しのところにおいて、あとで私が洗うから。」
「サンキュー、かがみん。」
「こなたは、お昼とかも自分で作るほう?」
「私は、夜は深夜アニメとか見るし遅いほうだから、朝そんなの作ってる時間ないんだよねぇ。お弁当作るより、チョココロネ買ったり学食使うほうが早いし。」
「そう。」
「お弁当作りなんて無駄な努力をするよりは、少しでも萌えを極めないといけないのだよ、かがみん。」
「残念でした、私はいつもお弁当よ。」
「自分で作るの?」
「ううん、妹が作ってくれるの。」
「妹・・・。」
かがみは内心しまった、と思った。家族を失ったこっちのこなたに家族の話をしてはいけなかった、と反省した。もし自分から司やお父さんやお姉ちゃんたちが去っていって、自分だけ一人残されたら・・・。
そういうところに、今こなたは立たされているんだ、と思うと、かわいそうに思えてきた。自分は家族に恵まれてる。でも・・・。
「こなた、ごめんね。私・・・。」
「いいんだよ、かがみん。私にはかがみがいてくれれば。」
「そうよね。せっかくこっちで会えたんだもん、あんたといっしょにできる限りの事をしなきゃ。」
大学からお金が出るとあって、かがみとこなたは講義が終わった後は、二人でいろいろなところを巡った。お金もたくさん使った。どうせ、大学からお金が出るんだから、という思いが頭のなかにあったのかもしれない。
ロンドンとか、ナショナルトラスト、ドーバー海峡・・・こなたといっしょに、イギリスのいたるところを回った。楽しい。こんなに留学生活が楽しいなんて、夢にも思わなかった。これも、こなたのおかげかな・・・。
下宿先に帰ったかがみは、家の郵便受けに1通の手紙が届いているのに気づいた。それは、日本にいる父親からのものだった。
『かがみへ
元気にしているかな?そっちの生活は楽しいようだが、少しは金遣いのことを考えてもらいたい。
大学で教えている友人から、少し金遣いが荒いとの連絡が来た。出してもらっているからって、あんまり使い込んではだめだよ。もしこのまま使い込みが激しいようなら、日本にはやく帰らさせるかもしれないということを覚えていてくれ。』
かがみは、落胆した。私、こなたといっしょにいることで調子に乗っていたのかな。お金もいっぱい使って、なくなる度にもらっていたし・・・。
少し節約しなきゃな。こっちでこなたといっしょにいる時間を少しでも長くするために。そう感じて、財布の紐をキュッときつく締めた。
次の日は、こなたとオタクショップ(現地の言葉らしい?)に行く約束をしていたけど、こういう手紙がきちゃったら行きたくてもいけない。
私はこなたに、行けない、ということを言わなければならない。こなたはワクワクしながらくるだろう。そんなこなたにいうのはとても辛い。
玄関のベルが鳴った。こなたがきた、ということだ。静かにドアを開けると、そこにはコスプレをして立っているこなたがいた。
「やっほー、かがみん。あれ、今お目覚め?いよいよこの日が来たねー、wktk。」
「こなた、私、今日、あんたと一緒に行けないわ。」
「どどど、どーして?あんなにかがみも楽しみにしていたのに。」
「実は、金遣いが荒いって大学のほうから怒られちゃって、それで・・・。」
「いいじゃん、行こ行こ。」
「いいじゃんって、下手したら私は2週間より早く日本に帰らなくちゃならなくなるかもしれないのよ!あんたとも早くお別れしちゃうかもしれないのに・・・」
「問題ないって。」
「こ・・・こ・・・こなたなんか嫌い!!!!」
ばたんとドアを閉めて、がちゃりと鍵をかける。かがみは、ベッドにうつぶせになって、泣いた。私はこなたといっしょにいたい。でも、あいつはそんなことわかってないのよ、とこなたを責める。
どうして、こなたといたいの?
どうして、今泣いてるの?
どうして、楽しい留学生活を送れたの?
その答えのすべてには、こなたが大きく関わっている。自分が今回楽しい生活を送れたのは、こなたのおかげ。私は、こなたが好き。好きな人を自分で突き放してしまったのだから・・・。
かがみは、長い間ずっとベッドに突っ伏したまま、動かなかった。気持ちの整理がつかなかったのかもしれない。このままこなたと喧嘩別れしちゃったら、一生後悔するだろう。いつかは元に戻さないといけない。でも、それはいつ?
ふと、玄関のほうでガゴンガゴンと音がした。そして、聞こえるこなたの声。郵便受けのところから、こなたが喋っているみたいだった。必死に自分を呼ぶ声。かがみは、目を真っ赤にしながらその郵便受けのところに駆け寄った。
「かがみん、かがみん?」
「ど、どうしたのよ。今日は行かないって行ってるでしょ!」
「かがみん、お金がやばいんでしょ?だったら、私が出すよ。かがみの分。」
「え?」
思ってもいなかった言葉だった。時間が一瞬止まる。
「私はお父さんの遺産でお金がたくさんあるから、出してあげるよ。」
「で、でも、そんなの悪いし、第一・・・。」
「かがみんは、私と一緒にいたくないの?」
「そ、それは・・・。」
「私、かがみんと一緒にいたいから。長い間、いっしょにいたいから。だから、行こ。一緒に。」
「こなた・・・。」
「親友を救えるのは親友だけなのだよ。かがみん。」
「こなたぁ・・・。」
かがみは泣きながらドアを開けて、こなたをぎゅっと抱きしめる。一瞬でも親友を突き放した自分が恥ずかしかった。どうして、親友をもっと信用することができなかったのか。感動的なBGMが流れてきそうなこの場面で、二人はお互いの愛を深め合った。
「か、かがみん、苦しいよ。」
「こなた、ごめんね、こなた、ううう・・・。」
「かがみん、大好き。」
「私もよ、こなた。」
「さ、早く着替えて、一緒に行こ。」
「うん!」
それからの1週間は、あっという間だった。大学側も、急に私がお金をもらいにこなくなったことに驚いていたみたいだし、なにより、こなたという存在がいるから。
二人で、いろんな事をした。日本にいるだけではわからないような知識もいっぱい教えてもらった。こなたはそっちの話になると急に熱くなるから、困ったものよね。
そして、帰国する日の前日。こなたとかがみは、街を一望できる丘の草原の上にいた。
「2週間もあっという間だったわね。」
「本当に、あっという間だよ。イベントとかも2週間だとすぐ終わっちゃうような感じするし。」
「思えば、あっという間だったけど、長かったわ。」
「そうそう。大学の講義は長い。」
「そういう意味じゃなくて。」
「こなた。」
「ん?」
「こなたがいなかったら、私こんなに充実した生活を送れていなかったかもしれない。こなたがいなかったら、日本が恋しくなってどうしようもなかったかもしれない。」
「そんな、恥ずかしいよ、かがみん。」
「ふう。前にね、日本の親友の話をしたでしょ。」
「そうそう。私みたいなオタクの子なんだよね。」
「そう。本当にあんたにそっくりで、ほら、この写真を見て。今みせようと思って、ずっとしまってたんだけど。」
かがみは、行きの飛行機の中でも眺めた、日本のこなたとのツーショットをこなたに見せた。
「うぉぉぉぉぉ、私とそっくりじゃないすか、これ。」
「でしょ?だから、私こいつと一緒にいるような感じで、こなたにも自然に振舞えたわ。」
「かがみんは、オタクに縁があるんだねぇ。」
「残念なことにね。」
「かがみん。」
「なに?」
「ぬねの。」
「!?」
「冗談冗談。星、きれいだね。」
「そうね。私の住んでいるところからはこんなにきれいな星は見えないわ。」
「きっと、また会えるよね。」
「会えるわよ。空はずうっと、たとえ日本とイギリスがどんなに離れていたってつながっているんだもん。」
「最近は電子メールもあるから、連絡くらいはとれるしね。」
「こなた。」
「なに?」
「ぬねの。」
「か、かがみん!?」
「フフフフフフフフフ・・・。」
二人は、この丘の上で、お互い眠ることなく夜を過ごしたのだった。楽しかった思い出がよみがえってくる。初めて会ったときのこと。
一緒に大学の中に入っていったこと。二人で食事をしたこと。けんかしたこと。そして、二人でたくさんおしゃべりをしたこと。
そして、次の日の船乗り場。
「こなた、2週間の間ありがとう。」
「かがみ、元気でね。また、イギリスのものいっぱい送るからね。」
「本当に、この2週間のことは絶対忘れないわ。」
「私もだよ。かがみん。」
「今度は、こなたが日本にくる番よ。」
「うん。絶対行くね。秋葉原、中野、吉祥寺・・・。たくさん日本の名所を巡りたいもん。」
「そっちの名所か。」
「こんどはかがみんが案内してね。」
「いや、私より詳しいやつが向こうにいるから、案内させるわ。」
「私はかがみんと一緒にいたいのに・・・。」
「こなた・・・。さよなら。」
そのとき、船の出港を告げるアナウンスが鳴り響いた。船が動き出しても、こなたとかがみはお互いが見えなくなるまでずっと見詰め合っていた。
こなたは、かがみが見えなくなると、その場に泣き崩れた。自分の大切な人がまた一人いなくなったみたいで、抑えきれなかった感情が爆発したのだ。一方のかがみも、こなたとの距離が離れていくことに涙を流していた。
ハンカチをだそうとポケットに手を入れると、そこには一枚の折りたたまれた紙。実は、昨日こなたがこっそりとかがみの服のポケットに入れておいたのだ。それを開くと、そこには、小学生が書くような日本語でこう書いてあった。
―――かがみん、いつまでも、いっしょだよ。 こなた。
船を下りて、飛行機に乗り換える。日本への9時間は、イギリスのこなたとの生活を振り返りながらだとあっという間だった。ずっと、頭の中には、こなたの「いつまでも、いっしょだよ」という言葉が焼きついて離れなかった。
空港につくと、行きの時と同じ3人が待っていた。かがみは、こなたをみるとそれに向かって走り出し、こなたに抱きついた。
「か、かがみん、どうしたの、いきなり。向こうで失恋でもしたの?」
「こなた、ただいま。」
「・・・おかえり、かがみん。」
いつまでも、ずっといっしょ。だって、この空はどこまでもつながっているのだから。
99 :
麦笛:2008/06/01(日) 00:10:26 ID:9kGoEllo
以上です。テレビでドッペルゲンガーがどうのこうのという話を見て、それをかがみとこなたで生かせないかと思って今回の文を書きました。
実際のドッペルゲンガーは邪悪なものが多いようですが、どうしても邪悪なこなた像が思い浮かばなかったので、今回の形にしました。
☆訂正点☆
★前書きのタイトルが誤って「巻一」となっています。すみません。
★巻一「高校を卒業して4ヶ月」→9ヶ月の誤りです。初期設定では夏休みの留学、というのを考えていたのですが、都合で冬休みの留学ということになり、打ち直しを忘れてしまっていました。すみません。
これだけの長文を書いたのが生涯で初めてということもあり最後の方は息切れ気味ですが、意見などもらえると幸いです。
前回の件、そして今回の訂正、重ね重ね申し訳ありませんでした。
とりあえず、前の人の投下から一時間はあけような
こなた「これまた斬新な設定だねぇ」
こなた’「全く一緒のドッペル、確かに今までに見ない設定だよね」
こなた「設定の唐突な現出や」
こなた’「変な文章があったのはさておくとして……」
こなた「まずは
>>99、おつかれさま、GJ!」
こなた’「ところで……」
こなた「わたしが」
こなた’「二人……」
こなた「最近攻められっぱなしだった私も」
こなた’「数で勝れば、攻めに廻れるよね」
こなた「か・が・み・ん」
こなた’「久しぶりの、こな×かが、いっくよ〜〜〜♪」
かがみ「ちょwwwwwおまwwwwwwアッーーーーー!!!!」
1時間とか具体的な時間規制はないにしろ、感想レスを書く時間くらい欲しいな。
あ、感想書いた身でありながら、
>>102には同意しておく。
ただお「
>>99、もうちょっと空気というものをだな……」
まあ、麦笛さんに限らず他の職人さんたちにも時々そういう事あるな・・
ちなみに麦笛さん
>>91 >>「でも、そんな間でもかがみんの黒タイツが拝めなくなっちゃうのは私にとっては大ダメージなのだよ。」
麦笛さん黒タイツ属性あり?
麦笛さん乙です。スタイルを変えての再登場、期待してます。
ただ、1時間とは言わないけど、いきなり「3分後に投下」はちょっと……
前書きに投下予告をつけているせいで、間をあけられず「3分後」とかになってしまうのでしょうが、
それでは結局、前の作品への駆け込みレスができなくなってしまいます。
前書きとは別に(←ここ重要)投下予告をして、それからせめて30分は開けて欲しいです。
そうすれば、駆け込みレスもできますので。
いろいろうるさくてすみませんが、ご協力お願いします。頑張ってください。
>105
投下予告から30分もあけるべきではない。
投下の予告は、準備中となっている、他の書き手氏のSSにかぶらないようにする為で、
感想レスの為の時間を空けるためではない。
このスレでは他作品を跨いでの感想がNGとなっている訳では全くないから、
SS投下が終わった後に、「リロード」して確認をし、前の作品の感想レスを入れてあげればよい。
投下時間に関する書き手側のマナーとしては、投下間隔を空けないことと、
前のSSに対してある程度の時間を置くこと以外は不要だ。
>>105 ええと、今まで30分後に投下します、なんて宣言する人いたっけ?
大体5分とか10分くらいじゃない?
というかそれって、その30分間他の人は作品を投下できないわけで、
ある意味予約でスレを占有しているような?
それもそうでした。撤回します。すみません。
こなた「
>>106、
>>107、ご結婚おめでとうございます(=ω=.)」
かがみ「何懐かしいネタやってんのよ」
こなた「仲人は私らが引き受けるよwwww」
かがみ「人の話をきけっ!」
>>99 おお、戻ってきたか。
投下時間はともかくにしろ、内容は前より格段によかったと思う。
ちょっと設定が強引な感じもするけど、それは誰にでも言えることだしな。
時間については、書き手はレスを期待してる人もいるから、あんまり詰め込むのはよくない。
何か予定が入っていたとかならしょうがないところもあるかもしれないがね。
誰も内容について触れないようなので書いてみた。とりあえず、GJとだけ最後に言っておく。
>>109 つまり、こなたとかがみは結婚済みということですね(仲人的意味で)
わかります。
麦笛氏
面白かったよ。そういうIFの世界的なものもいいね。
ただ、イギリスに着いて2日3日でいきなり数週間も居なかったかのような
つかさの手紙はちょっと違和感があった。早すぎるw
113 :
36-273:2008/06/01(日) 08:17:13 ID:4tiZ2xgB
だれもいらっしゃらないようでしたら、五分後に投下いたします。
「かがみの危機2」の続きです
・2〜3レス
・非エロ
・かがみ総受け
114 :
36-273:2008/06/01(日) 08:22:30 ID:4tiZ2xgB
修学旅行二日目のこと―――
「まもなく、バスは清水寺へと参ります。清水寺があります東山区は、歴史的建造物が数多く並ぶ、都会の過疎地として知られており、清水寺のほかにも、知恩院、八坂神社など、有名な寺院や神社が立ち並んでおります」
はきはきと喋るバスガイドさん。
私は今、清水寺へ向かうバスに乗っている。バスは、クラスごとなので、こなたたちとは別なので残念……というわけでもない気分だ。何故なら、昨日から私は、あの三人に何かを狙われているような気がしてならないからだ。
何を境に、ああなってしまったかは良く分からないが、多分、おふざけだろう。……そうだ、そうなのよ。そうなはずなのよ。……と、言い聞かせている。そうでなきゃ、私が発狂しそうだから。
「清水寺かー。大して面白くもなさそうだし、さっさとおさらばしたいとこだなー」
前の席に座っている日下部があくびをしながら、言った。よく言ったもんね。
「ったく、何いってんのよ。京都でも指折りの観光名所で、世界遺産の一部でもあるのよ? よくもまあ、あんたが言えたもんね。そんな奴がいるから、日本はダメになるのよ」
「ちぇー。柊はかたいなー」
その様子に、峰岸や私の隣に座っている学級委員長がくすくすと笑う。何よ、私、何か変なことでも言った?
……まあともかく、日下部にも困ったもんね。
そうこうしているうちに、既にバスは駐車場へと入っていた。これから、班での自主研修だ。
「駐車場に到着いたしました。皆さん、お疲れ様でした」
バスガイドさんがそう言って、クラスのみんなも各々降りる準備につきはじめる。私は、最後列に座っているので、最後に降りることにした。
大体の人が降りてから、私もバスを降りようと、日下部と峰岸が座っている席の横を通り過ぎていると、
「柊ー。疲れたー」
「はあ?」
後方からの喚きに、私は言いながら振り返る。
「うー。柊ー。背負ってくれよー」
喚きの張本人である日下部は座ったまま、手を伸ばしてなにやら喚いていた。
「何言ってんのよ……」
言いながら、周りを見回すが、バスに残っているのは私と日下部と峰岸だけ。それと、運転手さんがいるけど、運転手さんに迷惑をかけるわけにはいかない。よって、助けを求められるのは峰岸だけ。
うーん、学級委員長と一緒に降りてれば良かったかなあ……なんて思っても、それはもう遅い話で。私は、何らかの対処をしなければいけない。
私は溜息をついてから、日下部の隣でいやにニコニコしている峰岸に、
「ちょっと、峰岸。何か言ってやりなさいよ」
といったが、
「うーん、ごめんね。柊ちゃん。こういうときのみさちゃんは、どうにもできないの」
と、平然と返されてしまう。ここまでこともなげに言われてしまうと、言葉に窮してしまう。
私は二度目の溜息をつこうかと考えていると、
「でも……この際、みさちゃんを置いていこうかしら。……ね?」
……いや、峰岸。だからって、何で、私の腕に自分の腕を回してくるの? そして、何で、自分の胸に私の腕を押し付けようとするの?
115 :
36-273:2008/06/01(日) 08:23:04 ID:4tiZ2xgB
「あーっ! あやのーっ! 抜け駆けはダメって言ったじゃねーかー!」
「みさちゃん。約束は破る為にあるの。そして、恋の駆け引きは先手必勝。そして、もうそれは始まっているのよ?」
やけに艶やかな峰岸の声がバスの中に響く。それはいいんだけど、私を抜きに勝手に話すのをやめてくれ、といいたい。そして、運転手さん。さっきから、声は聞こえているはずなんだから、早く助けてくれ。
「ちぇーっ! なら、私だってー!」
日下部はそう言って、峰岸を押し分けて、通路に立つ。もっと言えば、私の目の前である。ついでに、峰岸の腕は放された。
思わず、私は肩を縮こめて、
「……な、何よ」
「実力行使だー!」
といい、私の肩を掴んで強引に向きを変えさせると、強引に私の背中にのしかかってきた。
お、重っ……! ……と、口に出そうになって、慌てて口を押さえる。いや、日下部が特段に重いって訳じゃないんだけど、急にのしかかられたら、こう思ってしまうのが自然って訳で。……私は誰に言い訳をしているんだろう。
と、ともかく、このいわゆる「おんぶ」の体勢、何とかならないのか?
それに……さっきから……
「あ、当たっているんですけど……」
……日下部の胸がさっきからぐいぐいと押し当てられているのだ。それは、思わず敬語になってしまうくらい、差し迫った懸案事項である。
すると、日下部は、
「馬鹿っ! あててんだよ!」
と、言った。
それと同時に、私の頭は茹蛸のように茹で上がってしまい、
「ばっ……。な、何言ってんのよ……!」
としか言えない。
相変わらず、峰岸はニコニコするばかりで、運転手さんはさっきから微動だにしていないようだ。……まさか、死んでいるわけじゃないわよね?
頭を真っ赤にしながら、何を言おうものか、必死で考えていると、
「じゃあ……私たち二人の引き分けにしましょうか」
峰岸はそう言って、また私の腕に自分の腕を回してくる。
「……ん、そうだな。柊は、私たち二人の共有財産だっ!」
ああ、クラスの男子が見たら、「ハーレム状態だー」とか言って羨ましがるんだろうな……。
抵抗することも忘れ、私はこんな馬鹿なことを考えていた。世界一の馬鹿だと思う。
「何だ、柊、日下部、峰岸ー。お前ら遅いぞ、早くしろー」
その声にはっとして、前を見ると、桜庭先生だった。どうやら、私たちが遅いから呼びにきたらしい。
……前言撤回。この状況を見て何も言わない桜庭先生が一番馬鹿だと思う。……やれやれ。
「これから、班ごとの自主研修にうつる。集合は知恩院。忘れずに来いよ。来なかったら、問答無用で置いていくからなー」
クラス全員を前にして、桜庭先生が言った。やっと、あの二人から解放される……という喜びも束の間だ。
今度は、もっと性質が悪いかもしれない三人を相手にしなければいけない。まあ、私が拒絶してしまえば簡単に済む話なんだけれども、悲しいかな、親友を簡単に拒絶することは私には出来ない相談だった。惚れた方の弱み……じゃない、何ていえばいいんだろうか。
とはいえ、道ならぬ恋に進みたくはない。……はず。ならば、私はどうするべきなのか。目の前に迫りつつあるあの三人を見ながら、私は考える。
しかし、
「かがみんダ〜イブッ!」
それは、こなたの急な抱きつきによって、遮られた。
「ゴフッ! ……ちょ、ちょっと痛いじゃないの……」
胸の中にいるこなたに、私は注意する。しかし、やめないどころか、こなたは私の胸に頬をすりすりしてくる。こら、待て。
「そうですよね、やっぱり抱きつくのは優しくじゃないとダメですよね」
みゆき。だからって、後ろから抱きつくのは反則。あ、あんたの胸は反則なんだから……。
押し付けられる胸の感触に私は酔って……って違う! 断じて違う!
「みんなばっかりずるいよ〜。私も私も〜」
つかさも横から私に抱きついてくる。穢れも何も知らないような純真無垢な笑顔が、私の顔のすぐそばにあった。
傍から見たら、さぞ滑稽な姿に映るだろう。前と後ろと横の三方向から私は抱きつかれているのだ。
というか、何故、誰も止めないんだろうか。それどころか、あちらこちらからカメラで撮られているのは気のせいか。
視線のやり場に困り、辺りを見回すと、学級委員長の姿が目に入った。相手も、こちらにすぐ気付き、微笑みを返してきた。……最強の敵かもしれないわね、これは。
……それにしても、まさか、自主研修中、ずっとこんなことばっかりになるのかしら。
私は頭を抱えながら、上を見上げる。私の心とは裏腹に、太陽がやけにさんさんと輝いていた。
私は仕方なしに、三人から伝わってくる暖かな感触にしばし身を委ねることにした。……いや、認めたわけじゃないのよ。私は……あくまでもノーマルなんだからね。そこのところ、勘違いしないでよ……。
この後の自主研修中に、かがみが頭痛の種を五十個以上作ることになるのは、言うまでもない。
117 :
36-273:2008/06/01(日) 08:25:31 ID:4tiZ2xgB
以上です。
最初の2レスで名前を間違えてしまいました。申し訳ありません。肝心なところでミスをする癖、直したいものです……。
本当は別のSSを書いていたんですが、行き詰ってしまったので、これを書きました。
「かがみの危機」シリーズはネタがポンポンと出てくるので、非常に書きやすく、助かっています。
今回は、傍観者的なキャラが欲しいなと思ったので、学級委員長を地の文のみで登場させました。台詞つきだと非難されるのは目に見えるので、こういう形にしました。
多分、次回からは出てこないと思いますけど。
それでは、失礼します。
麦笛氏
ウィキの作者ページのコメントが全部削除されていますが、
誹謗中傷だけならばともかく、全部削除というのは麦笛氏の作品をまじめに評価、批評したり
麦笛氏の行為についてまじめに忠告した方々の思いを踏みにじることになりかねない行為です
どなたがどのような意図で行ったにせよ、ある操作で簡単に削除された過去のコメントを
見ることもできますからあまり意味がないのでは
こういった俺様ルールのごり押しはあまりいい気分がしない
もう麦笛来るな。
どれだけ迷惑かけたら気がすむんだ。
荒らしによる定期的な叩きが始まりました。
毎度の事なので気にしないでね>麦笛氏
1作品投下後はしばらく時間を空ける、てのは昔からこのスレの伝統なので
以後気をつけて頂ければ無問題かと。
こんなに反感を買う書き手も珍しいな。
まぁ仕方ないと思うけどな。
スレの人は初めまして。戸別響です。
昨今の件では、ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。
これからは私自身がスレに投下したいと思います。
早速ですが、5分後に小説を投下したいと思いますが……よろしいでしょうか?
123 :
戸別響:2008/06/01(日) 13:57:26 ID:tx3nlofM
5分経ちましたので、投下します。
タイトル「陰笑う、太陽の下」
ひかげ&つかさ
非エロ ほのぼの
7レス使用
それでは、投下します。
「はぁ……」
ある休日の昼下がり。
ここはオタクの聖地「秋葉腹」
私がいるのはゲームとかマンガとかをたくさん売っている通称「ゲマズ」
そして私は小学生……
何で小学生がこんなところにいるかって? 私だって、何もなければ
こんな所にはあんまり来たくないよ……
でも、お姉ちゃんがここでバイトしてて、たまにその帰りにいっぱいマンガとか
雑誌とか買ってきて、私たちの家計を圧迫しちゃうの。ただでさえ貧乏なのに……
で、今日はそういうことのないように、見張りとして私はここにいるの。
一応さっきまでしっかりとレジで働いてたんだけど、今はちょっと前に来た、
長くて青色の髪をした女の子と話し込んでるの。私よりも少し大きいから、
小学校6年生くらいかな。そんな子がこんなところにいるなんて…… あ、私も
人の事言えないか…… でもあの子、お姉ちゃんと同じくらいオタクの知識あるよ……
お姉ちゃんと何回か会ってるみたいだし。
今はこんな子もオタクになっちゃうのか……と少しため息をついて、
ふと、その小さい子の近くに、高校生くらいの、紫のショートで、頭にリボンをつけた
女の人がいることに気がついた。
その女の人は、お姉ちゃんと女の子との会話についていけず、少し困ったような
顔をしてるように見えた。なんだろう、お姉ちゃんや女の子とはちょっと違う気が
するなぁ、と思ってみていると、その女の人と目が合って……ってあれっ?
こっちに近づいてくる?
あれっ? 珍しいね〜、こんな所にちっちゃい子がいるよ〜」
「ええ、その子、私の妹なの」
「へぇー。宮河さん、妹がいたんだー」
女の人の疑問(?)に、お姉ちゃんが答えて、女の子が意外そうな声を出して
驚いた。
「へぇ〜、そうなんですか。あ、私は柊つかさ。あなたの名前は?」
と、その女の人――柊つかささん――は、笑顔で私に問いかけた。
「え、あっ、……宮河、ひかげ、です」
私は、その笑顔に一瞬見とれて、答えるのが少し遅くなってしまった。
「私は泉こなた。つかさと同じ高校3年生だよ」
と、つかささんの後ろから、さっきに女の子が私に話しかけてきた。
……って高校生!? しかもつかささんと年が同じ!? わ、私、とんでもない
勘違いを…… い、言わないほうがいいかな……
「ねえ、ひかげちゃん」
「え、あ、はい! なんですか?」
突然つかささんに声をかけられて、私はちょっとびっくりしてしまった。
「一緒にお話しない? 私、こなちゃんたちの話について行けなくて……」
「い、いいですけど……」
少し悲しい顔になって私にお願いをしたつかささんは、私が「いい」と
言った瞬間に、一気に顔を明るくした。
本当? よかった〜。じゃあ、少し向こうに行こっか」
と言ってつかささんが移動したので、私も一緒にそっちへ移動した。
後ろを見てみると、お姉ちゃんと、私が小学生だと思っていたこなたさんが
また二人で話し始めてた。飽きないなー、二人とも……
「ひかげちゃんって、何年生?」
「あ、えっと、…小学校4年生です」
「そうなんだ。ここにはよく来るの?」
「ううん。今日はたまたま……」
そういって私は、今日ここに来た理由を話した。
「……ということなの」
「へ、へぇー……」
あ、つかささん、ちょっと引いてる。
「ど、どれくらい大変なの?」
「う〜んとね、ご飯はいつも白いご飯だけ。お肉とかは良くて週に1回くらいしか
食べられないし、きついときは塩粥だけの時が何日も……」
「ど、どんだけ〜……」
あ〜、つかささん、さらに引いちゃってるよ。まあ、それが普通の反応だよね……
それに今の私、目が死んでるだろうから……
「だって、小学生なのにそん「ほ、ホントに大変なんだね……」
「うん…… どれもこれも、お姉ちゃんの無駄遣いのせいだよ〜!」
そう叫んで、私はお姉ちゃんの方を向いた。お姉ちゃんは相変わらずこなたさんと
マニアックな話をし続けている。
「で、でも、働いてるのもお姉さんなんだよね?」
「まあ、そうだけど…… でも、私の事ももう少し考えてほしいよ……」
私が落ち込んだように言うと、つかささんは何故か私の方を見ながら、
何か考え事をしていた。
「ど、どうかしました?」
「あ、ううん。ただ、ひかげちゃんって、わたしのお姉ちゃんに似てるなぁ、
って思って」
「えっ、つかささんのお姉さん…ですか?」
「うん。お姉ちゃんもさっきのひかげちゃんみたいによく怒ったり
落ち込んだりするの」
「え、そ、そうなんだ……」
そ、そういうところが似てるっていわれても… あんまり嬉しくないなぁ。
と、そんな私の気持ちに気づいたのか、つかささんは慌ててフォローを入れた。
「そ、それに、しっかりしてるのもお姉ちゃんに似てるかも……」
「えっ……?」
な風にお金のことを考えてるなんて。
しっかりしてるなぁ、って私は思うよ」
「そ、そうかな……」
そのつかささんの言葉に、私はフォローとわかっていながら、少し照れてしまった。
すいません。4レス目失敗しました。やり直します。
「ほ、ホントに大変なんだね……」
「うん…… どれもこれも、お姉ちゃんの無駄遣いのせいだよ〜!」
そう叫んで、私はお姉ちゃんの方を向いた。お姉ちゃんは相変わらずこなたさんと
マニアックな話をし続けている。
「で、でも、働いてるのもお姉さんなんだよね?」
「まあ、そうだけど…… でも、私の事ももう少し考えてほしいよ……」
私が落ち込んだように言うと、つかささんは何故か私の方を見ながら、
何か考え事をしていた。
「ど、どうかしました?」
「あ、ううん。ただ、ひかげちゃんって、わたしのお姉ちゃんに似てるなぁ、
って思って」
「えっ、つかささんのお姉さん…ですか?」
「うん。お姉ちゃんもさっきのひかげちゃんみたいによく怒ったり
落ち込んだりするの」
「え、そ、そうなんだ……」
そ、そういうところが似てるっていわれても… あんまり嬉しくないなぁ。
と、そんな私の気持ちに気づいたのか、つかささんは慌ててフォローを入れた。
「そ、それに、しっかりしてるのもお姉ちゃんに似てるかも……」
「えっ……?」
な風にお金のことを考えてるなんて。
しっかりしてるなぁ、って私は思うよ」
「そ、そうかな……」
そのつかささんの言葉に、私はフォローとわかっていながら、少し照れてしまった。
「あ、そうやって照れるのも、お姉ちゃんと似てるなぁ」
「えっ、そうなの?」
「うん。いつもこなちゃんと話しててよく怒ったりするけど、褒めたり
からかったりすると、お姉ちゃん、そんな風に照れたりするんだ」
「へぇー…… って、どうしたんですか? つかささん」
私が納得すると、つかささんは何故か考え込んでいるような顔のなった。
「あ、うん。お姉ちゃんのそういう所を表現した言葉を、こなちゃんがいつも
言ってたんだけど…… なんだったっけ……? え〜っと……ゲレンデ、だっけ?」
「えっ……?」
つかささん、何が言いたいんだろう……
「あ、違う違う! え〜っと…… ツンドラ? ……これも違う気がするなぁ。
え〜っと……」
う〜ん、う〜んと考え込むつかささん。本当に何を……
そういえば、私もそんな言葉、お姉ちゃんから聞いたことがあるような……
あっ。
「……クスッ」
「えっ、ど、どうしたの? ひかげちゃん」
「あ、すいません…… あの、つかささんが言いたいことって、「ツンデレ」
……じゃないですか?」
「あ、うん! それそれ!」
私が答えると、つかささんはとても嬉しそうに声を上げた。
そして、その嬉しそうな顔を私に向けて。
「――ありがとう! ひかげちゃん!」
その瞬間、私はつかささんのその笑顔に見とれてしまった。
その眩しすぎる笑顔は、まるで――
「おーい、つかさー! そろそろ帰ろー!」
と、そこでお姉ちゃんとの会話を終えたのか、こなたさんが小走りで
こちらに向かってくるのが見えた。
「あ、うん。じゃあね、ひかげちゃん!」
「あ、はい……」
別れの挨拶をしてこなたさんと一緒に店を出て行くつかささんに、
私はちゃんとした挨拶をすることが出来なかった。
「ひかげちゃん、私達も帰るわよぅ」
「あ、待ってー!」
続いて店を出ようとしていたお姉ちゃんを、私は急いで追いかけた。
店の外に出てみると、春の陽気を支える太陽が電気街に降り注いでいた。
それを見て、ふと、今日起こった出来事を思い出してみた。すると、また
自然と笑みがこぼれてきた。
そういえば、こんな風に笑ったのって、結構久しぶりだなぁ。
最近お姉ちゃんの浪費癖に、ずっと怒ったり落ち込んだりしてばっかだったし。
その笑った時の、つかささんの困ったり笑ったり、クルクル変わる表情を
思い出して、思わずクスクスッと声を出して笑ってしまう私。
「どうしたの? ひかげちゃん」
「ううん! なんでもないよ!」
突然笑い出した私を見て不思議そうに質問したお姉ちゃんは、私がとびっきりの笑顔で
返したことで、さらに不思議そうな顔をしていた。
その笑顔のままで、私はまた照りつける太陽を見上げた。そしてまた、つかささんの
笑顔を思い出してみた。
「また、一緒におしゃべりしたいなぁ」
そんな事を思いながら、私はお姉ちゃんと駅までの道を、ずっとニコニコしながら
歩いていった。
132 :
戸別響:2008/06/01(日) 14:17:09 ID:tx3nlofM
以上です。……すいません。問題を引き起こしておいて、初めての投下で
投下ミスまでしてしまって…… これからはこんな感じでスレに参加していきたいと
思います。よろしくお願いします。
…
>132
ぐっじょぶなのですよ。
つかさ&ひかげペアは新鮮ですね。
落ち着いた感じの文章は、好きですよ。
よろしければこれからも投下をお願いしますね。
136 :
133:2008/06/01(日) 15:16:52 ID:RXGZlLH1
>>134 言いたいことはわかったよ、すまん
作品をもってすべてとする、それもまた真理
>>132 ナイスほのぼの。
GJなのですよー
保管所で色々あった(進行形?)みたいですが、こうやってスレでも謝罪文書いてますし。
そのまま逃避ーよりは断然いいかと。
これからも応援してますよー
でもせめて問題が収束してからの方がよかったと思う。
内容はもちろん素晴らしかったんだけどね。
まあ、収束と言っても平行線でグダグダ続く可能性もあるからなぁ・・
ここのスレに投下してあれならなんの問題はないと思うな
というか違うスレの作品が置いてあるのが問題なんじゃないか?
一応エロパロ保管庫って名目なんだし、他で書いたのを置く理由がわからん
保管庫の話題なのですが、
保管庫の投票フォームを使ってみるのは如何でしょうか。
このスレに投下したもののみ、保管することを許されるのか、
らき☆すたに関係のあるスレに投下したものまではOKなのか、
らき☆すたに関係があるが、
自身のブログやその他のところに投下したもの、
またはもらったものを保管するのもOKなのか
これをここでやってもレスを無駄に消費するだけなのではないかと思うのですが、
皆さん如何でしょうか?
>>142 何を今更
ここでやってもレスを無駄に消費するだけだから
>>133が示してるスレでやることになったじゃないか…
こんなやりとりあるかなぁ、なんて考えてみた
こなた「もしもし、黒井先生ですか」
ななこ「なんやこんな時間に」
こなた「六月病っていうのは欠席の理由として認めてもらえますか」
ななこ「認めるわけないやろ」
こなた「じゃあ月曜日病というのは」
ななこ「いいから学校来い!」
なんか最近の騒ぎの根っこに、PC環境下にあるかどうかの二極化があるような気がする
携帯端末しかなければ必然的に、リアルタイム付近の数スレしか読まないし、
入れない掲示板やHPの情報を得られないから、何を今更とか短絡的で視野の狭いレスがつくのではないか
(端末について述べてるだけで所持者の事をどうこうと言っているのではない)
>>144 物知りピンク「英国にはかつて『聖月曜日(セント・マンデー)』という習慣がありましたが、
そんなことより、泉さんを迎えに行ってそのまま帰って来ない準備が出来てるのですが、どうしましょう(だばだば)?」
きっとみゆきさんが迎えに行ったらマッハでやって来そうだから無問題(逃亡的な意味で)
148 :
23-49:2008/06/02(月) 00:15:48 ID:xY4irqAw
どうもです
短編が一本書きあがりましたので投下させてください
例によってアレな組み合わせ
他に用意されてる方がおられないようでしたら五分後ぐらいから行きます
・みゆき&チェリー
・エロ無し
・4レス使用
・ま た み な み 家 か
ぴんぽーん。
呼び鈴を押すと、軽やかな音が緑の庭に響いて、秋の澄んだ空に溶けて消えていきました。
「……あら?」
ですが、待つこと数秒。
それ以外の反応が一切ないことに、私、高良みゆきは首をかしげます。
いま少し、そのまま待って、再び八分音符の描かれたこげ茶色のボタンを押し込みましたが、
やはり応答も、中で誰かが動く気配もありませんでした。
と言っても広い家ですし、さらに外門からですので、中の物音など聞こえるはずもないのですけど。
「留守、でしょうか……?」
つぶやいて、見上げます。
道路を挟んで私の背後に建っている我が家と同じぐらいの大きさの、白い邸宅。
どこがどう、ということもないのですが、お向かいさんとしての勘とでも申しましょうか。
誰もいないということが、なんとなく分かります。
珍しいですね。
おばさまはともかく、みなみさんがお休みの日に家を空けるなんて。
それともお二人でお出かけでしょうか。
何にしても、困りました。
小脇に抱えたバインダーに目を落とします。
裏表に町内の商店等の広告が印刷された、やや厚手の一冊。
中に挟みこまれているのは自治会の連絡事項を伝える数枚の書類。
要するに、回覧板です。
まあ、そんな用件ですので、それほど急ぐというわけでもありません。時間を改めるとしましょう。
そう思い、きびすを返しかけたときです。
「――ワンッ!」
耳慣れた、ですが滅多に聞くことのない声が聞こえてきました。
そして微かに、芝生の草を踏む軽い足音も。
目を向けると、門扉の向こうの庭を一匹の白い犬が歩いてくる姿が見えました。
「あら、チェリーさん」
呼びかけると、引き続き私の方へと歩み寄りながら、つい、と鼻先を上げてお返事してくださいました。
こちらの家で飼われている……いえ、こちらの家の四番目の家族にあたる、チェリーさんです。
犬種はシベリアン=ハスキーと伺っていますが、それにしては珍しく、
全身、耳の先から尻尾の先まで雪のように白い毛皮をしていらっしゃいます。
ちなみに女の子……いえ、女性と言うべきでしょう。成犬ですから。
彼女は門扉の手前で立ち止まると、その場にお行儀よくお座りをして私を見上げてきました。
「こんにちわ、チェリーさん。皆さん、お出かけですか?」
そう言うと、正三角形の耳がくるりと回るようにはためきました。
「では、一人でお留守番ですか?」
また、くるり。
そしてまばたきが二回。
「そうですか。ご苦労様です」
今度は目立った反応はありません。
相変わらず物静かな方です。やはり、みなみさんに似たのでしょうか。
失礼にも番犬としての能力を疑ってしまいがちですが、実際はどうなのでしょう?
幸か不幸か、彼女がそれを試されるような事態は、少なくとも私が知る限りでは起きていませんので、
今も昔も不明なままなのです。
まあ、賢い方ですから、大丈夫だとは思いますが。
しかし彼女がいるといなると、ますます分かりませんね。みなみさんはどちらに行かれたのでしょう。
と、言いますか。
なんとなく、周囲を見渡します。
通行人など、他の人の姿はありません。チェリーさんに向き直ります。
「なんだか、久しぶりですね。チェリーさんと二人きりなんて」
ん……少し、頷かれたでしょうか。
そうですよね。
初めて、ということはさすがにありませんが、かなり珍しい状況です。
……たまには、そういうのも良いかも知れません。
「あの、チェリーさん」
まばたき。
「もしよろしければ、お邪魔させていただいても構いませんか?」
真っ白な尻尾が持ち上がり、ゆっくりと左右に振られました。
庭の隅、パラソルが備え付けられた丸テーブルに回覧板を置き、椅子を引いて腰掛けます。
チェリーさんのお許しを得ているとはいえ、しかしやはり、少し緊張しますね。
そのチェリーさんは、私の斜め向かいぐらいの位置で、行儀よくお座りしていらっしゃいます。
もう少しくつろいでいただいても構わないのですが……なんて、客の私が言うことじゃないですね。
「チェリーさんは、今おいくつなんでしたっけ?」
尋ねると、チェリーさんはまた耳を回して首をかしげます。
ええと確か……
いえ、考えてみれば、正確には分かりませんね。
彼女がみなみさんの元に来たときに何歳、生後何ヶ月だったのか、それを知らないわけですから。
ただ、
「もうそろそろ、お婿さんを迎えてもいいお年頃ですよね?」
犬の適齢期を考えると、そのあたりで間違いないはずです。
「素敵な方を紹介してもらえるといいですね」
ぴす。
と、鼻が小さく鳴りました。
ふふ、照れていらっしゃるのでしょうか。
でも本当に、あなたの隣に並ぶのは、どんな方なのでしょうね。
そして、私は……
「……チェリーさん、聞いていただけますか?」
問いかけて、
それからふと周囲を見渡して、誰もいないことをもう一度確認します。
その上で、チェリーさんの白い耳にそっと口を寄せ、
「……実は私、好きなひとができたんです……」
限界まで絞った声で囁きました。
それでもやはり、恥ずかしいですね。体勢を戻して、さらに辺りを見回してしまいます。
頬が熱くなっているのが分かります。
そんな私に、どこか不思議そうに思える目を向けるチェリーさん。
「誰か、ですか? ……秘密です」
唇に人差し指を立てて返してしまいます。
ごめんなさい、チェリーさん。
こんなこと、他の誰にも言えなくて、それなのに胸に秘めておくにはあまりにも大きすぎて。
困ったものです。
この気持ちのことは、どれだけ本を読んでも分かりません。
逆に知識を得れば得るほど分からなくなるなんて、そんなことがあるなんて、思ってもみませんでした。
そしてまた、その困惑が心地よかったりもするのです。
本当に、不思議。
「ただ……そうですね」
不満そうに――そう思えてしまう仕草で首をかしげるチェリーさんの耳に、もう一度口を寄せました。
「……チェリーさん……あなたに少しだけ、似ているんです……」
そう。
真っ白で、ふわふわしていて。
もちろん人間ですから、外見ではなく心のことですが。
表情は豊かな方なので、その点は似ていませんね。
思ったままを素直に表して見せてくれる人なんです。
そしてその全てが、本当に真っ白で、優しくて。
純粋で。
こんなにも純粋な人がいるのか……と。
思い出すだけで、私の心まで洗われるようです。
その驚きが憧れに、憧れが――今のこの気持ちに変わるまでは、長かったのか、短かったのか。
分かりません。
もしかしたら最初からだったのかも知れませんし、
あるいは初めて口に出した今この瞬間なのかも知れません。
「……ねえ、チェリーさん……」
また声をかけると、息がくすぐったかったのか、彼女の耳がさっきまでよりも多く、ぴくりぴくりと動きました。
少しだけ顔を離し、声量も少しだけ上げて、思いついたことを口にします。
「……黄色いリボンとか、着けてみる気はありませんか?」
「――みゆきさん?」
「ひゃあっ!?」
突然の、横合いからの声。
思わず間抜けな声をこぼしながら慌てて身を起こし、
バランスを崩して椅子ごと倒れそうになってしまいましたが、どうにか踏みとどまります。
そして首を向けると、
「み、みみみっ、みなみさんっ!?」
無表情ながら不思議そうに首をかしげているこの家の住人、岩崎みなみさんと目が合いました。
「はい……大丈夫ですか?」
「えっ? え、ええ。大丈夫です。ええ。――あ、すみません、お邪魔してます。あの、これ、回覧板」
「はぁ……」
差し出したそれを受け取ったみなみさんは、手に小さなエコバッグを提げていらっしゃいます。
コンビニかスーパーか、お買い物に行っていたようですね。
「あ、あの、本当にすみません。勝手にお邪魔してしまって……」
「いえ……チェリーが入れてくれたのなら……」
そう言って、視線をチェリーさんに転じるみなみさん。
チェリーさんは、舌を出しながら「ハッハッ」と口を鳴らしていまして、誇らしげなご様子。
みなみさんが目を細めて微笑みます。
そしてチェリーさんの頭をなでました。
が、何かに気付いたようにまたこちらを振り返り、
「……チェリーにリボンを、着けるんですか?」
「えっ!?」
きっ、ききききき聞かれていたのですか!?
一体どこから?!
「いっ、いえっ!! 別にっ! 私はっ!」
まともな言葉が出てきません。
すると妙なものを見る目を向けられて、ますます焦ってしまいます。
「そ、そそっそれよりもっ、みなみさんっ」
「……はい」
ええと、ええと。
――あ! そうです!
「じゅっ、受験勉強の方は、はかどっていますか?」
「はい……シャープペンの芯を買いに……」
疑問符を浮かべながらも、エコバッグを持ち上げて答えるみなみさん。
なるほど、今日もちゃんと勉強をしていたのですね。
ならば、申し訳ないですが、
「そうですか、そうですか。それでは――お邪魔でしょうから、私は失礼しますね」
退散させていただきます。
椅子から立ち上がり、門の方へ――
「あ……あの」
「は、はい?」
「……解らないところが……もし、よかったら……」
教えて欲しい、と。
うぅ……仕方ありませんね。
「分かりました。わ、私でよろしければ」
「……ありがとうごさいます」
ふぅ。
でも、とりあえず話を逸らすことはできたようですね。
しかし……現在中学三年生の彼女が受けるのは、私が通っている私立高校。
そこには、あの人もいるわけで。
黄色いリボン……気づかれてしまうということは……
って何を考えているのでしょう私は。
そんなことのために、今まで応援してきた手の平を返すとでも言うのですか?
そんな馬鹿な。
それに、あの人のことを私が……どう思っているかということまでは、
声をかけてきたタイミングからして、聞こえてはいないはずです。たぶん。きっと。おそらく。願わくば。
「……みゆきさん?」
「あ、いえ。すみません。なんでもありません」
まぁ、仮に分かってしまったとしたら、そのときはそのときです。
どうなるかは想像も付きませんが、その程度のことにも向き合えないようでは話になりません。
なにせあの人も私も、女の子同士ですからね。
「今日は、何の教科をやっているのですか?」
「はい……数学を……」
玄関に向かう私たちの背後で、チェリーさんのあくびの声が小さく聞こえて。
そして秋の澄んだ空に、溶けて消えていきました。
153 :
23-49:2008/06/02(月) 00:26:16 ID:xY4irqAw
以上です
ありがとうございました
みなみは「シャーペン」とは言わないと思うんです(どうでもいい
154 :
黄色いリボン:2008/06/02(月) 00:31:59 ID:2fSHuxoU
>>153 GJ!
チェリーちゃんに話しかけたり、話を聞かれてあせるみゆきさんが可愛いです。
チラシ裏:犬を飼っていたのでチェリーちゃんの描写に思わず頬が緩みます。
>>153 > みなみは「シャーペン」とは言わないと思うんです(どうでもいい
なんか凄い納得した
1本投下します。
注意
こなた×触手
凌辱物になります。嫌いな方はスルーして下さい。
当然エロです。
題名から解るかも知れませんが、夢オチです。
「うーんっと………これは、まずいかな?」
泉こなたは、自分の目の前の現実に冷たい汗を流していた。
現実………いや、夢なのだ。
これが、夢なのだと言う事は、こなた自身既に気付いている。
先程まで自分は、寝巻で自室のパソコンの前にいた。
故に、『制服で夜の学校』にいるこの状態は、夢以外の何物でも有り得ない。
だからといって、自身に今から起きようとしている事を『夢だから』ですませる気にはなれなかった。
こなたの目の前には、ヌメヌメと光を放つ、異形の生物が地面から複数生えていた。
その形は、どこと無く男性器を彷彿させる。
『これって、やっぱり「触手」だよね?』
こなたは、その謎の生物の通称を知っていた。
何故なら、こなたが直前までしていたゲームに出ていたから。
ジワリジワリと『触手』が、こなたに迫る。
本能的な嫌悪感から、こなたもゆっくりと後ろに下がるが、その行動の後、何が起きるのかも、こなたは知っていた。
「あう!?やっぱり!!?」
背中が何かにぶつかる感触に振り返れば、そこには巨大な壁。
逃げ場所は完全に無くなった。
「やだ………ちょっと………こないでよ〜……」
普段とは違う、恐れに震える声。
こなたは、この後も何が起こるのかを知っている。
知っているからこそ、恐ろしいのだ。
突然こなたの足元から、新たな触手が生え、こなたの足首に絡み付く。
その、ヌルっとした感触に全身に鳥肌がたつ。
「こら!!この!!!はなせー!!!」
こなたが全力で蹴りつけ、殴り、引っ掻いても触手はびくともしない。
それどころか急速に成長し、こなたの身体を宙づり状態にする。
「やだ!!この!この!!」
スカートがめくれ下着がまる見えになっているのも構わず、あがく。暴れる。
下着が見えるくらい何だと言うのだ。
ここにそれを気にする『人』は居ないし、これから行われる事に比べれば些細な事でしかない。
「離せ!離してよー!!!ひぅ!?」
暴れていたこなたは、眼前の光景に思わず息を飲んだ。
こなたの視界一面。その全てが、触手に埋め尽くされていた。
学校の面影はもう何処にもない。全く異質な世界だ。
『ぬちゃぬちゃ。ぐちゃぐちゃ……』
気味の悪い音をたてながら、複数の触手がこなたに迫る。
「やだ………くるな………来ない………むぅぐ!!」
触手の内の1本が、こなたの口内を捉えた。
あまりに巨大なソレは、尖端だけでも、こなたの口一杯になってしまう。
「うぐ……んぅぅ……むぅ!?」
息苦しさのあまりこなたが呻くが、触手は構わず口内を蹂躙する。
舌を歯を………咽までも。
「うぅぅ……うぁ……むぅぅ!んぅぅ!!!」
こなたの本能が危険を感じ、体内に侵入した異物を吐き出そうとするが、触手はそれを許さない。
こなたの口内を何度も蹂躙し、徹底的に汚し尽くそうとしていた。
「!!?むぅ!!?うぅー!!」
腹部に感じる感触に、こなたは身をよじる。
いつの間にか近づいて来ていた他の触手が、シャツの隙間から侵入しているのだ。
目で追う事さえ叶わないけれど、身を這うその冷ややかな感触から、複数である事が感じとれた。
シャツの隙間から侵入した触手は、這うようにして、こなたの上半身を目指した。
そして、幼く柔らかな丘と、その先端にある小さな突起物を見つけると、
まるで刺激を与えるように何度もその身を擦り寄せた。
「!!!!??」
刺激を与えられる度、こなたの身が小さく震える。
『うそ………私………』
息苦しく、嫌悪感しか感じない触手から与えられる刺激は、こなたの身体に確かに快楽を与えていた。
その証拠の様に、幼い胸の2つの突起はツンと固くなっており、
まだ刺激もされていない秘部からは、蜜が溢れ始めていた。
『やだ……やだ!!?感じたくない!!!』
だが、こなたはその快楽を否定する。
いくらゲームで見慣れていても、女性としてのこなたにとって触手は嫌悪感しか感じない物体であった。
その物体に凌辱されて快楽を感じる自身の身体を認めたくなかった。
その時、更に数本の触手がこなたの両足へと絡み付いた。
新たな触手は朝顔の蔓の様に、両足を這いあがり真っ直ぐに、こなたを秘部を目指した。
「むぅ!!んーーむぅ!!!」
『だめ!!そこはだめぇぇ!!!』
いくらこなたが抵抗したくとも、今やまるで固定するかのように、こなたの四肢絡み付く触手がそれを許さない。
抵抗される事も無く、目的地にたどり着いた触手は、何かを探すように下着の上を何度も往復する。
『だめ………そんな所……そんなヌルヌルした身体で刺激されたら………』
薄い下着では吸収仕切れなくなったこなたの蜜が、溢れ出し触手達に注がれる。
蜜を浴びた触手達は次々と集まり、更に蜜を求めた。
そして、その中の1匹が薄い布を潜りこなたの秘部へと迫る。
「ふぁ!!?ああぁぁぁ!!?」
全ての触手が一時的に下半身に集中したことで口が開放されたこなたの声が漏れる。
「駄目!!?無理だよ!!そんなの………そんなの入らないよ!!?」
こなたは瞳に涙を浮かべ触手を拒む。
こなたの秘部も触手の巨大さにその侵入を拒む。
だが、触手は諦めず何度も何度も、その身をこなたの秘部へと擦り寄せ、
他の触手がそれを助けるように、こなたの両足を左右大きく開いた。。
「ふぁああ!!だめ………だめだめだめらめぇぇぇぇ!!!」
秘部が大きく開かれ、自身の膣内へ侵入してくる異物。
何よりもそれによって与えられているものが快楽であるという事実。
それら全てを否定する為にこなたは叫ぶ。
だが、触手はそれを意に解する事なくこなたを蹂躙していく。
「ああぁぁ………あぅ………んぅぅ………うぶぅ……むぅぅ!?」
こなたの秘部へは1匹以上は無理だと悟ったのか、口内への凌辱も再開され、
幼い胸にも数本の触手が伸び刺激され続ける。
『だめなのに………嫌なのに………なんで、なんで気持ちいいの………』
更に、あぶれた触手達は他の場所にも群がり始めた。
こなたの小さな手に、脇の間、膝の裏………ありとあらゆる場所を使って自らを刺激する。
そして………
「むぅうう!!うぅ!!!」
ミリミリと音をたてるかの様に、こなたを貫く触手。
新たに貫かれたのは、小さな菊門。
『苦し………………』
既に秘部は、こなたにはあまりに大きなものに蹂躙されており、
その中で、菊門に新たな触手を受け入れるのは拷問。
圧迫感と、本来排泄するためだけの器官に侵入されている違和感。
だが、それすらも………
「ん………ん………ん………」
『………だめ………嫌なのに。気持ち悪いのに……痛いし、苦しいのに………』
激しく動き出した触手に、こなたは確かに快楽を与えられていた。
秘部からはとめどなく蜜が溢れ、後ろを犯す触手、胸や口を凌辱する触手にさえ快感を感じてしまうのだ。
「むうう!!う………ん………ん………」
『ダメ………そんなに乳首の上で動かないで……中を掻き回さないで………後ろで動かないで………
私……わたし………もう………』
「んんんんぅぅぅぅ!!!!!!」
こなたの身体が大きくビクン!ビクン!!と痙攣し、弓なりにしなる。
頭の中に閃光が走り抜けたかのような感覚。そしてくる浮遊感。
同時に、触手達も一斉に動きを止め、白濁色の液体が吐き出し、こなたの身体を汚した。
だが、触手達が動きを止めたのは一瞬だけだ。
すぐに、こなたへの凌辱を再開する。
「むぐぅ!!!」
『そんな……!?今逝ったばっかりなのに………そんなにされたら………』
「ううう………んんん!!!!??」
休む間もなく、強制的に逝かされる。遠ざかる意識の中で僅かに見たのは、自分に群がる触手の群れ。
『……私………もうダメかも………』
「んんん……………」
眩しい光に瞼を刺激され、目覚めると目の前にはパソコン。
画面には、触手に凌辱される少女が映っている。
こなたは、小さく頭をかく。
「そりゃ、こんな状態で寝ればあんな夢もみるよね………」
顔でも洗おうと立ち上がり、こなたは顔を真っ赤に染めた。
濡れているのだ。
おもらしでもしたかの様にびっしょりと。
そういえば、部屋の中も自身の匂いが充満してるような気がする。
「こなたー。早く起きないと遅刻………」
「わー!!起きてる!!起きてるよ!!すぐ行くから先に食べてて」
近づいて来ていた父親の足音を牽制しながら、下着を取り替え、部屋を換気する。
寝巻と下着はとりあえずビニールに入れ、押し入れの中に隠した。
万が一にも、従姉妹や父親に見られたくないからである。
帰ってから真っ先に洗濯することを誓いつつ、
『私って欲求不満なのかな?』
と思ったりした。
泉こなたが、いつもと少し違う慌ただしい朝を迎え、
でも、いつも通りの日常へと戻って行く中、こなたの部屋の片隅で………
「キィキィ………」
小さな笑い声が響いていた。
以上です。
寝れない状態でボーっと書いてたらこんなんなりました。
楽しんで貰えると幸いです。
>>163 異種姦属性もあるわたくしが通りました
GJですとも、ええ、GJですとも。
こうなったら、そのナイトメア、主要キャラ全員分
致して欲しいとおもってしまいました。
(=ω=.)<私だけヤられるってのも癪だしねー#
ぐっじょぶなのですよ。
最後の分は示唆に富んでいますが、なんなのでしょう
>>153 かわいいなみゆきさんw
変形みゆつかGJ ! そうだよ、こんなみゆつかを待ってたんだ !
>>163 な、なんという終わりかた
これは続くということですよね?そうッスよね!?タイトルに「泉こなたの場合」って
あるってことは、他の人のバージョンもいつかは……!
……となると、次はやっぱりゆーちゃんあたりッスかね?一緒の家だし。
そして襲われて限界が近づいてるところで突然みなみちゃんが助けに来て、そしてその
まま二人は……(少女妄想中…)
あ、あれ、ゆーちゃん?その手に持ってるものは一体?…ちょ、タンマ!それは勘べn
>>167 無 茶 し や が っ て …(AA略)
169 :
ナイトメア:2008/06/02(月) 23:43:21 ID:2fSHuxoU
次のターゲットはメガネフジョシですから!残念!
にょろにょろ・・・
アッーーーーーーーー!!
みきさん希望
>>167 みなみさんから触手が生えてくるんですね、わかります
しょくしゅうにょ〜ん
173 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 00:10:06 ID:Sldr3fVH
きらっち達って陵桜に入学するのかな?
もし入学したら
こなた卒業後
ゆたかの主役の座が
危ないかも知れない
テストの点がヤバいみたいだし、キングダムズ全員上がれるかな……
ひよりみたいに誰か落ちて他は受かるみたいなことになるかも
全員受かったとしても、あきらは芸能活動のために中退ということも考えられるか
私立の進学校だから芸能活動は校則で禁止とか?
>>175 原作ベースで考えると、ありうる話なんだよね。
ただ、アニメベースで考えると白石の存在があるから、
たぶん芸能活動も可能ではないかと。
>>177 まあそれを言ったら、私立の進学校で、
しかも決して優等生ではなく、経済的に困窮しているわけでもないこなたが
バイトを許可されている時点で、一種のファンタジーだと考えなければならないのかも。
社会勉強としてバイトを許可している私立校も、中にはあるとは思うが。
こなたとパティはバイトを秘密にしてる可能性とか…ないか
とりあえず白石は留年ということで
180 :
18-490:2008/06/03(火) 15:44:17 ID:sL0LZiQs
>>179 そこで白あきに一波乱が巻き起こるんですね、分かります。
えっと話の腰を折るのもアレですが、SS投下したいと思います。
他に投下される方がいらっしゃらなければ数分後投下致します。
181 :
18-490:2008/06/03(火) 15:48:44 ID:sL0LZiQs
それでは投下させて頂きます。
『降りやまない雨』の続編です。
タイトル『交差する霙』
つかさ→かがみ→こなた
例のごとく非エロ
3レスお借りします。
182 :
交差する霙:2008/06/03(火) 15:51:34 ID:sL0LZiQs
空が綺麗だと、思った。
特に哀愁があったわけでも、感慨を感じたわけでもなく。
ただこのどこまで広くて、深く澄んだ青い空を、綺麗だと思った。
『ツンデレのいいとこはツンとデレの比率だと思うんだよね』
いつだったかこなたが言っていた言葉が頭の中に反芻する。
「なによ、ソレ」
「ツンデレの黄金比だよ」
ふふん、とステータスだとかいう胸を張って自慢気に言うこなた。
「黄金比ねぇ」
「一般的にはツンが8でデレが2っていうけどねー」
「良くわからん」
呆れたように言ってやると、こなたはいつも閉じているのか開いているのか分からない瞳を開けて私を見据えた。
その瞳はどこまでも深くて、思わず見とれてしまうほど綺麗で。
「でも、私は…」
ビュウと春一番らしい風が吹いた。
思わず瞑ってしまった瞳を開けると、そこには楽しそうに笑うこなたがいた。
私をからかう時とは少し違う、はにかんだような笑顔で。
あの時。
確かに私はこなたに恋をした。
こなたがあの時なんて言ったのか、今でも分からないけど。
空みたいに自由に笑うこなたのそばにいたい。守ってあげたい。そう思った。
『こなちゃんはゆたかちゃんが好きなんだよ』
あぁ、だめだ。
こんな青い空を見てると嫌でもアイツのことを考えてしまう。
裏も表もないような、空みたいに澄んだ笑顔を向ける親友であり、私の片思いの相手である泉こなたのことを。
妹のつかさからこなたはゆたかちゃんを好きと聞かされたのは一昨日。
そのつかさに好きだと告白されたのも一昨日の話だ。
結論は出していない。
あの時の私は、双子の妹からの告白よりもこなたへの失恋の方が衝撃的だった。
183 :
交差する霙:2008/06/03(火) 15:54:18 ID:sL0LZiQs
こなたも私の事が好きだと、決して自惚れていたわけじゃないけど…
恋愛感情とまではいかないけど、友達以上の感情を持って私に接してくれているんだと思っていた。
『泉こなた』
先生が書いている数字羅列を一瞥して、ノートの上に親友の名前を書く。
こんなことしたって、なんにもならないって分かっているのに。
こなたは私ではなくゆたかちゃんが好きなのに。
馬鹿だな、私は。
もうダメ元で告白でもしてしまおうか。
半ばやけくそな思考に苦笑しつつ、私が告白したらこなたは何て言うのだろうなんて考えてみる。
夢の中で何度も見た告白シーン。
その中では優しく微笑んで頷いてくれるこなた。
その小さな体を抱きしめる私。
でも結局私は告白なんて出来ない臆病者だ。
『世界で一番、お姉ちゃんが好き』
一昨日言われたつかさからの告白が頭の中で鮮明に再生された。
私もこんな風に告白できたら…
つかさみたく、強くなれたら…
勉強面でも社交性でも私の方が遙かに上なのに、精神的ではつかさの方が圧倒的に強い。
そんなことは子供の時から分かっていた。
つかさは分かっていても絶対それを誇ったり、自慢したりしない子だから…
だから私は弱い自分を出さないように虚勢という壁で自分自身を覆っていた。
つかさが羨ましいな、と純粋に思う。
素直で優しくて、他人のことを自分のことのように考えて。
そんなつかさが私を好きだと言ってくれた。
それはきっと姉に対する、家族に対する感情ではなくて。
私がこなたを思うものと同じものなのだろう。
『柊つかさ』
こなたの名前の横に妹の名前を書くと、なんだかモヤモヤとした感情が胸の奥で沸々とわき上がってきた。
保護欲にも似た、恋愛感情にも似た不思議な感覚。
手に届かないものを追うのに、抑えの効かない自分自身に疲れていたのかもしれない。
だからと言って、差し伸ばされた手に逃げるようなことをしていいんだろうか。
私のこなたに対する気持ちはそんなもんじゃない。
………ホントにそうだろうか?
どうして、こなたじゃなきゃダメなんだろう。
あの長い青色の髪も、私より一回り小さい身長も、猫みたいに笑う顔も。
全て愛しい。
どうして、つかさじゃダメなんだろう。
私がつかさを好きだったら、こんなに辛い思いをしなかったんじゃないか。
つかさに告白されて、素直に頷けたはずだ。
184 :
交差する霙:2008/06/03(火) 15:56:37 ID:sL0LZiQs
「こなた…」
小さく、誰にも聞こえないように呟いた言葉は、ツーンとしたものを残して空気に消えていく。
「つかさ」
呼び慣れてるはずの双子の名前は何故か初めて呼ぶ名前のようで。
私は一体どうすればいいのだろう。
『こなちゃんはゆたかちゃんが好きなんだよ』
何度も何度も思い出すつかさの言葉が私の胸を締め付ける。
大好きだった。
私の名前を呼ぶ声も、フラフラと危なっかしく歩く体も、柔らかそうな頬も。
でも、こなたに思われるのは私じゃない。
こなたが好きなのは、私じゃない。
だから―――
いつの間にかあんなに晴れていた空には灰色な雲が覆っていて。
諦めろ、と言われている気がして。
まるで私の心情を写しているようだなと苦笑する。
鞄に入っていた携帯を手探りで取り出して、送信履歴の2番目にいた『柊つかさ』を選ぶ。
『今、大丈夫?』
授業中に大丈夫もなにもないだろうって思ったけど、思ったより早く返信のバイブが鳴る。
『お姉ちゃんが授業中になんて、めずらしいね』
最初は絵文字だらけで分からなかった文章も今では極力最小限に押さえているらしく、文末に一個ついているだけだ。
『つかさは、私が―』
なんて言えばいいんだろう。
私がこなたを好きでも私を好きって言ってくれる?
そんな都合のいいことがあるもんか。
いや、あっていいはずがない。
『つかさは、私が必要なの?』
聞きたいのはこれだけ。
これだけで十分だ。
つかさは私が必要で、こなたにはゆたかちゃんが必要で。
つかさに逃げるわけじゃない。
こなたから逃げるわけじゃない。
誰に言い訳するわけでもないのに、ギュウとスカートの裾を握る。
私はこなたが大好きだった。
その思いさえあれば、例え届かない思いだったとしても―
『私にはお姉ちゃんが必要なんだよ』
返信しようとした指を止めて、ノートの上に書いた二人の名前をもう一度見た。
これはケジメだ。
こなたを忘れるわけじゃない。
好きという感情のベクトルを変えるだけ。
深呼吸したのに震えてしまう左手で、ノートの上に書かれた『泉こなた』の名前に消しゴムを近付けた。
185 :
18-490:2008/06/03(火) 15:58:03 ID:sL0LZiQs
以上です。
ドロドロ展開大好きです。
あ、一応続きます。
それでは読んで下さった皆さんありがとうございました。
186 :
46-372:2008/06/03(火) 18:50:16 ID:s4JTq3RF
今回も書いてみたので、よければ読んでみてください。
エロなしで、キーワードは「よだれ」です。
今回はよだれを舐める以上の事をしているので、人によっては不快感も感じる人が
いるかもしれませんのでそういうのが苦手で潔癖の人は見ない方がいいかもしれません。
植芝理一/謎の彼女]のパロディ&同著ディスコミュニケーション参照
「らき☆すたの女の子でエロパロ46」の372、527に1、2の話があるのでよければそれも読んでみて下さい。
「謎のこなた]」3
「ふぁっ〜〜〜!!」
いけない!授業中なのについ大あくびをしてしまった。
先生やクラスメイトには、気が付かれなかったようだけど・・・
これじゃ、よく授業中に居眠りして黒井先生に怒られるこなたをバカに出来ないな・・・
最近、テストが近いからって深夜まで勉強しすぎたかもしれない。
あくびで目に涙を溜めながら、そんな事を考えていた。
わたしはその涙を指先で拭う。
少し躊躇しつつその指を、ゆっくりと口に含んだ。
しょっぱい・・・
それはそうだ!汗だって涙だってしょっぱいものだ。
だけど・・・
禁断症状が起きてから、こなたの“だえき”を吸収するのがわたしたち二人の秘密の習慣となった。
同じ学校とはいえ、行き返りはつかさがいるしクラスが違うのでなかなか難しい・・・
夕暮れの教室でこなたの“よだれ”を舐めていらい
定期的にこなたのよだれを吸収しないとイライラして落ち着かなくなり最後には、熱を出して倒れてしまう。
こなたが言うには、わたしが“恋の病”にかかってしまったのが原因らしいのだ。
女同士でおかしいだろうか?
でも、確かにわたしはこなたに友達以上の好意をもっているし、好きは好きなんだけど・・・
まだ告白もしてないし、こなたはどう思っているのだろうか?
その禁断症状は、毎日こなたのよだれを吸収しないと起きるという訳ではない。
実際どれぐらいで禁断症状がでるのか調べてみた。
2、3日ぐらいなら問題ないが、4日、5日たつとイライラしてきて体が火照ってくる。
6、7日目には、集中力がなくなり何をしても、こなたの事だけを考えてしまうし微熱
がでてきた・・・そこでギブアップしてこなたのよだれを吸収した。
まあ、もって1週間と言うところである。
ふ〜ん、困った病気になったものだ。
だいたい保険もきかないし・・・って問題はそこじゃないけどね。
先ほどから、吸収、吸収、と連呼しているがその吸収の仕方というのは、別にこなたの
“よだれ”を原料にしてワクチンを作ったり、錠剤を作るわけではない・・・・
その・・・まあ、こなたにキスをして直接よだれを飲まないといけないみたいなの・・・
何時もどおりみんなの目を隠れてキスをしていたある日・・・
「ねぇ!かがみ、わたしの“よだれ”今日も美味しかった?」
少し、にやけ顔でこなたが茶化してくる。
「別に、そんな事はないわよ!禁断症状が起きるから、しょうがなくやってるのよ!!!」
「え〜だって、2,3日キスしなくても禁断症状はでないのは調査済みでしょ。
ふふふふ・・・それなのに、かがみったら毎日キスをせがんでくるんだもん」
顔がみるみる赤くなるのが自分でも分かる。
ここで、一言・・・うん美味しい、こなたのよだれは甘くて美味しいと言えればいいのに
「“恋の病”だかなんだか知らないけど・・・いい迷惑よ!!
禁断症状になると勉強に身がはいらないし・・・」
恥ずかしくて、心とは裏腹についそんな事を言ってしまう。
これじゃ、こなたの言うとおり本当にツンデレってやつじゃない。
「治療って言ったって、根本的から治すんじゃなくて、対処療法じゃない。
完治させる方法があったら、こんな変な事しないわよ!!」
わたしのバカ!あぁ、違う言いたい事はそんなんかじゃない。
でも、心の何処かで『ツンデレきたぁぁ〜〜!!!』といつものように笑いながらこなた
が言ってくれるのでは・・・と少し期待していた。
そう思っていたが、その言葉は聞こえてこなかった・・・
こなたの顔を見ると、悲しそうな顔をしている。
「・・・変な事、そうかそうだよね。
かがみにとっては迷惑な話・・・なのかな・・・」
そんな、顔しないでこなた・・・
悲しそうな顔でこなたは話し出す。
「ねぇ、かがみ、禁断症状を治す方法は、キスをして“よだれ”を吸収する以外にもう一つあるんだよ。
わたしの“よだれ”を舐めて禁断症状を抑える、そんな対処療法じゃなく。
根本から、完全に治す方法が、それはね・・・」
こなたは、わたしからその碧緑の目を逸らしながら続けた。
本能的にその話は聞きたくないと思った。
出来れば耳を塞ぎ逃げ去りたい・・・
でも、悲しそうなその目がわたしにそれをさせなかった。
「それはね・・・私を嫌いになればいいんだよ―――」
「えっ・・・」
わたしは、その言葉を聞いて固まってしまった。
「それで、禁断症状はなくなり恋の病も治る・・・かがみは、そっちの方がいいの?」
わたしは、俯いたまま言葉が出なかった・・・
下を、見つめて呆然としてしまった。
心が痛い、胸がズキズキする・・・
でもそれはこなたが、『わたしを嫌いになればいいんだよ―――』
と言ったことではなく、わたしがそれを言わせてしまった事に対してだ。
すると、こなたはいきなり
「泣かせてごめん・・・ねぇ、かがみ泣き止んで」
えっ、わたし泣いてなんか・・・
ポタッ・・・
ポタッ・・・
地面に、水滴が1滴2滴・・・
いつの間にか、私の目から涙が滴り落ちていた。
でも泣いてる場合じゃない、こなたに謝らないと・・・
「ヴぁ・・・るだっく・・のはっ、わだじのぼウっ・・ひっ・・・」
悪かったのはわたしの方だよこなた。ごめん!キスは嫌じゃないよ。
それどころか、楽しみにしてる。
大好きだよこなた・・・
そう言いたかったが涙が止まらず。
しゃくりあげて何も話せなかった。
こんな泣き方をしたのは、何時以来だろうか?
小学校の時、神社に住み着いた野良猫がいた。
父さんは、少し迷惑そうだったが、わたしとつかさは「ミーちゃん」と
名前をつけて可愛がった。今思えばありふれた名前だが、その時のわたしたちは
教科書に載っているどんなに凄い偉人の名前より素晴らしいと思えた。
そして、ネコのエサ係なども決めていた。
わたしがエサ係だったある日・・・
エサをあげにいってもそこにミーちゃんいなかった。
なにか嫌な予感がして、つかさとふたりで探し回った。
そしてわたしは見つけた、日が沈みかけた夕暮れに車に轢かれたミーちゃんを・・・
つかさは、ショックを受けて泣いていた。
そんなつかさを見て、姉のわたしはしっかりしないと・・・
その時から、わたしにはそういう思いがあった。
わたしは冷たくなったミーちゃんの体で汚れるのも気にせず、抱いて家に帰り
怒られるのを覚悟で両親に、その事を言った。
・・・両親は怒らずに一緒にお墓を作ってくれた。
その間中、つかさは母さんに抱きついてずっと泣いていたが、わたし泣かかなかった。
それどころかつかさを慰めていた。
「わたしは、お姉ちゃんなんだからしっかりしないと・・・」
そんな姿のわたしを見て母さんは優しく抱きしめてくれた。そして・・・
「偉いわねかがみ・・・でもね。悲しい時は泣いてもいいのよ。
泣いて、泣いて、泣き疲れたら、その後ニッコリ笑いましょ・・・」
そう、囁いてくれた。
それを聞いた瞬間に、わたしは母さんに抱きついて泣いた。
たぶん一生分の涙を流しきった。本気でそう思ったぐらい泣いた。
泣いて、泣いて、泣き疲れて眠るまでお母さんは抱きしめてくれた・・・
忘れられない悲しい思い出。
あの時、一生分の涙を流したと思ったのにあの時以上に泣いている。
ぎゅっ・・・
わたしが泣いていると・・・
誰かに抱きしめられた。
・・・あの時の、お母さんに似ているかも。
そう思い顔を上げるとこなたが、わたしを抱きしめていた。
わたしや、お母さんかあさんと比べると全然小さいのに
優しくて大きくて暖かかった・・・なんだか安心できた。
わたしの泣き顔を見ながらこなたは
「・・・ねぇ、かがみの“涙”舐めていい?」
「えっ・・・」
そんな言葉を聞いて、心臓が止まるぐらい驚いたけど
わたしは無言でうなずいた。
目の前が滲んでよく見えないけど、キスをする時のようにこなたがわたしの顔に近ずいて来た。
そして、キスの軌道と少しずれて唇は、涙が流れているわたしの頬に・・・
ピチャ・・・
ピチャ・・・
こなたの舌が私の頬に流れている涙を舐めとった。
1適1滴が大切な物のみたいに、1適も残さないで・・・
舌は目尻に溜まった涙も・・・
そして、こなたはわたしの目尻だけではなく瞳の中まで入ってきた。
こなたの舌が、私の瞳の表面に触れる。
まるで少しでも舐めたら壊れてしまう砂糖菓子を舐めるかのように、
優しく、わたしの瞳の表面をなぞるように舐めた。
むず痒い、背中がゾクッとする感覚。
生まれてから、初めて感じる感覚・・・言葉では言い表せない・・・
さっきまで涙によって滲んでいた、目の前がクリアになっていく。
こなたの舌によって・・・
みゆき程ではないが、目に異物をいれるというのは怖いと思う。
視力は良い方だけど、もし目が悪くなってもメガネをかけるだろうコンタクトは無理だと思う。
でも、こなたに舐められるのはなんだか嫌じゃない。
なんだかきもちいい・・・
こなた・・・
そうしているうちに、泣き止んだわたしに
「ごめん、かがみの涙をみたらなんだか我慢できなくなった。
・・・かがみの涙凄く甘くて美味しいよ。」
気のせいか少し恥ずかしそうに、こなたは言った。
「私のほうこそ、ごめん。こなたを嫌いになるなんでできない・・・」
勇気、わたしの中の勇気出てきなさい。
そう、心の中で命令をした。
その命令を勇気が聞いてくれたのかどうかは分からないが・・・
次の言葉を言う事ができた・・・
「わ、わたしは、こなたが大好きよ!
それに・・・その、こなたのキスは迷惑なんかじゃないよ。
楽しみにしてる・・・かも・・・」
さっきまでの泣き顔から、一変してニッコリと笑顔でそう言えられた。
そんな顔を見てこなたは
「そう、かがみは、泣き顔より笑顔が一番似合うよ。
わたしねこの前かがみのお見舞いに行った時にね。
禁断症状の治療の仕方を教えたでしょ。
その時、この事も言おうか迷ったんだ。
でもわたしね、怖かった。
もしかしたら、かがみがその治療法を取るんじゃないか・・・
そう思うと・・・
・・・わたしもね、かがみが大好き!!」
“恋の病”にかかっていたのは、わたしだけじゃなかったみたい・・・
二人ともかかっていた。そう、確認できて嬉しくなっているわたしにこなたは
「ちなみに、二番目に似合う表情は、怒ってる顔だよ!なんたってツンデレだからね!」
「ツンデレ言うな!!」
「そうその表情だよ!」
・・・ったく、せっかく人が勇気を出して告白したのにそうやって茶化すんだから!
悔しいわたしは、さっきとは逆にわたしの方からこなたの肩に手をかけてこなたの唇へわたしの唇を近ずけていった。
「今日の、治療はもう終わったんじゃないの?」
こなたは、少し笑いながらそう言った。
「治療じゃないわよ、今回のは恋人同士の愛のキスよ・・・」
「ふふっ、それじゃ一日何回キッ・・・」
『キス』の言葉をこなたが全てを言い終わる前に、わたしの唇によって止められた。
わたしにとって、こなたのよだれが甘いように、こなたは、わたしの涙が甘いのか・・・
それは、嬉しい思いだった。
キン〜コン〜カンコーン♪
教室での、回想シーンを終わらせるのは、先生の注意かチャイムが定番だが
どうやらわたしは後者のようだ。
放課後みんなと帰る前、わたしはこなたに人目の付かない所へと呼び出された。
「ねぇ、かがみ、涙飲ませて!」
こなたは、わたしの“涙”を気に入ったのか、最近わたしに“涙”を要求してくる。
急に涙なんてでない、最初は戸惑っていたが・・・
やはり、涙を流すには悲しい事を想像するのがいいと思い色々と試してみた。
お金をなくした・・・自分の迂闊さに腹が立つ!
好きなラノベの発売延長・・・作者ガンバ!!
成績が悪かった・・・次回は頑張ろう!!!
大学入試に落ちた・・・結構落ち込むけど涙まではでない。
ミーちゃんの事・・・悲しいけど、母さんの抱いてくれた思い出がある。
こなたと別れる・・・
「さようなら、かがみ!別れよう。もう2度と会う事はないよ・・・」
悲しそうな顔で、こなたがそう言って去っていく。
そんな事を、想像してみる・・・
自然に・・・それを考えるだけで、じゅわ、と涙が溢れ出す。
するとこなたの舌が、私の頬に触れる・・・
そして、こなたの舌が目に近づいて・・・
その感触を楽しみながら、こなたがそこにいる事を感じ・・・
涙を流しながら幸せな今を感じる。
わたしの一生流す涙の量は子供の時考えている時より、かなり多かったみたいだ・・・
194 :
46-372:2008/06/03(火) 19:05:35 ID:s4JTq3RF
あぁ、読んだ人引かないで下さい・・・
・・・確かに、アブノーマルです。
書いていて「自重しろ自分!!」と思いつつもやってしまいました。
なんで、涙を舐める所で止めないんだ!それでも十分だけど・・・
その上、直舐めって・・・反省中
こんなの読んでくれてありがとうございました。
>>194 このヘンタイ!
直エロ描写ないってのに
おっきしたじゃねえか
(
( ;=ω=.)
人 Y /
( ヽ し
(_)_)
責任とって、続きを書くことを要求する。
要はGJ!
>>185 GJ!
これからどうなるのかwktk
こなたは本当にゆたかが好きなのかも気になる
197 :
ふた☆自重:2008/06/03(火) 21:54:57 ID:3KSByiEz
亀レスになりましたが、前スレで僕のコメントにレスを付けて下さった方。
コレ
↓
588 :名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 23:10:39 ID:Jf88nQQC
>586
京ぽん2のケータイモードで拝見しましたところ、横幅にフィットするようにリサイズされていました
QVGAの240x320でも線が潰れずに表示されています
どうも有り難うございました。ケータイだとワイド画面のように横長に表示されるって事なんですかね。
☆
初めてパティを描いてみました。あまりの描きやすさに腰を抜かした。やっぱりこの体型は描いてて落ち着きます。
つ
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0086.jpg 正直パティは、ゆきえさん並みにぽっちゃりむっちり体型でも全然OKだと思うんですが僕的には。
胸のサイズ:爆(乳) …みたいな。お腹にお肉が乗ってても良いジャマイカ。
198 :
めがねピンク:2008/06/03(火) 21:58:00 ID:CeQFdpGk
ま……負けた……orz
>>197 おお、むっちり……なんという直球ど真ん中
ありがたやありがたや
前スレの588ですが、フィットされるのは横幅のみでアスペクト比は固定されいるので、
縦長や横長に伸びているということはないと思います
>>185 ぎゃードロドロ !? 先を読むのが怖いですけど、もう少し付いて行きます・・・
でもつかさが、こなたはゆたかのことが好きってウソをついているような・・・
もしこなたが本当にゆたかのことを好きでも、ゆたかのことを好きでなくても
どっちみち三角関係の修羅場しか待ってないような・・・ガクブルGJ
>>194 幸せそうな二人にニヤニヤが止まらないw GJ !
このシリーズ好きだったけど、これで完結なのかな? 一応続き希望と言ってみる
エグいアブノーマルは退くけど、こういうほのぼのなアブノーマルなら大歓迎ですw
差し支えなければ5分ほど後にいかせてもらいます。
「げき☆すた1-2 喜劇『手紙騒動』第一幕第二場 第三場」
・戯曲
・エロなし
・9レス
・完結まで
204 :
42-115:2008/06/04(水) 00:24:47 ID:KgppLC6U
名無しになってしまいました。
カプ要素もありましたね。
・こなた+かがみ←みさお みなみ+ゆたか
第二場
放課後 陵桜高校屋上
給水タンクや脱出シュートなど、身を隠す場所がいくつかある
(ゆたか登場)
ゆたか やっと着いた。屋上まで上がるの、私の体じゃ大変だよ……。お姉ちゃんに手紙を出した人に先を越されてないかな……(隠れられそうな場所を調べる)。よかった、誰もいない。よし、ここに隠れてその人を待とう。(他の人の会話が良く聞こえない場所に隠れる)
(ひより、パティ登場)
ゆたか 田村さんにパティちゃん!? どうして? 二人がお姉ちゃんを呼んだのかな?
パティ ユタカを見失ってしまいマシタよ、ヒヨリ
ひより きっとお手洗いにでもよっているんスよ。髪を整えたり、ひょっとしたら告白の練習したり。
パティ Oh、オトメなユタカの姿が目に浮かびマスネ。
ひより かがみ先輩や岩崎さんも来てないッス。今の内に隠れるッスよ、パティ。
パティ 伏兵ですね。Timingをハカッて、ドラを鳴らして突撃デース。
ひより ジャーンジャーンジャーン。げぇ、腐女子!? って、見つかってどうするんスか? ドラも持ってきてないし。私らは最後まで隠れているッス。
パティ デハ温州マンダリンでも食べながら待ちマショウ。
ひより だから持ってきてないって。(ゆたかと別の場所に二人隠れる。ここからは会話が聞こえる)
ゆたか 二人とも隠れたけど、やっぱりお姉ちゃんを待ってるのかな? 単に漫画のネタを探しているだけかも。うーん、どうしよう。出て行って話を聞くべきかな? あ、また誰か来た。
(みゆき登場)
みゆき かがみさんはまだいらしてないようですね。待つとしましょう。ああ、夕日がきれいですね。砂漠には朝焼けがないといいますが、
夕焼けはどうなのでしょう? 夕焼けもないのだとすれば、掃除とは文明のみならず、この景色を守るための営みということにもなるのでしょうか。断固としてこの景色を砂漠に変えてはいけません。
ゆたか 高良先輩だ……。あの手紙は高良先輩が? 正体を隠すためにあんなへんてこな手紙を書いたのかな? 頭の良い先輩ならそれが出来るかも。でもどうして? お姉ちゃんのクラスで、何か問題でも起きてるのかな?
ひより 高良先輩っス。
パティ 相変わらずけしからんチチしてマスネ。
ひより お前が言うな。それより、かがみ先輩を待ってるらしいッスよ。
パティ 情報ロウエイです。ヤハリこの国にF-22を売るのは危険でーす。
ひより 同じ次元なんスか? 私としては、そういうものはとにかく何でもあった方が作品も生まれるから、ぜひ売ってほしいんスけどねー。
パティ 『ラプター無頼』トカですか?
ひより 『ラプターの鷹』とか。
パティ ウーム、萌えのためならユシュツすべきダト思います。
ひより パティの中ではそういう次元なんスね。
(かがみ登場)
みゆき あ、かがみさん。お待ちしてました。
かがみ あの手紙、みゆきだったの!?
みゆき はい。では私のお願い、聞いていただけますか。文明にまつわる大切なことなのです。
かがみ ちょ、ちょっと待って。心の準備というか、その……色々考えさせてくれない?
みゆき ……はい、では待ちます。
かがみ (独白)女の子同士っていうのも、文明の進歩の証だとかなんとか言うつもりなのかしら。あるいはみゆきは代理人で……(ぶつぶつ呟き続ける)。
パティ Wait! これはどういうことデスカ? カガミがミユキのものになってしまいマスヨ。
ひより 予想外の展開ッス。
パティ ヒヨリ、ユタカとミナミを呼んで来マショウ。シュラバモードに強制突入デース!
ひより 待ってパティ。恋愛に奥手なインテリ同士というこのカプも、それはそれで萌えるッス。
パティ Volumeも十分デスネ。ハサみハサまれ……。
ひより だからお前が言うなって。でも考えてみて、パティ。今じゃなくてもう少し後、二人がしっかりとくっ付いてから修羅場突入の方がネタになるッスよ。
パティ Oh、ナルホド。そしてユタカが、カガミ恋しさに、ミユキをお嫁にイケないカラダにシテしまうのですネ?
ひより ぐわぁ〜、そこまで飛躍するッスか!? いやいや、その発想やよし! 小早川さん恋しさに、岩崎さんも強制参加ッスよ。高良先輩と岩崎さんは姉妹のように育ったそうッスからね。
パティ トイウコトハ?
ひより 心理的には近親相姦……。
ひより・パティ キャ〜〜!!
パティ Oh my god!! ヒヨリのHentai! Ecchi! ドスケベ! キチク! (声が大きすぎて見つかる)
ひより・パティ あ……。
みゆき 一年生の田村さんにパトリシアさん?
ひより ど、どもッス。
パティ Hi,ミユキ、カガミ。Good afternoon? アー、eveningデショウカ? ハハハ。
みゆき ちょうど良いところでした。よろしければご一緒しませんか?
ひより あばばばば、わわ、私、そそそ、そういう趣味は……。
パティ ワタシはヒヨリのことが、急に恋しくなってきまシタヨ。
ひより ちょ、どんだけノリが良いんスか?
かがみ (独白)ど、どういうつもり? 証人か仲人にしたてるつもり?
ゆたか 隠れてた二人が出てきた。やっぱり二人も、同じ目的だったんだ。
(こなた登場)
こなた うぉ!? 三人がかりか!
かがみ こなた?
ゆたか お姉ちゃん!?
ひより・パティ 修羅場キターッ!!
みゆき ああ、頼もしい味方が。泉さんもご一緒していただけますか?
こなた だが断る。いや、かがみをどうかしたいのは山々だけどね、あくまでかがみは私の嫁。私だけの嫁なんで、どうかするなら私だけでしないんだよね。
かがみ どっちにしても、お前が一番危険人物だって事だな。
こなた さあ三人とも覚悟いいかい? 私の嫁を手篭めにしようというなら、たとえ萌え要素の塊やオタク道を共に歩む同志といえども容赦しないよ。
ゆたか お姉ちゃんダメ!! (飛び出す)
こなた ゆ、ゆーちゃんもなの?
ゆたか お姉ちゃんダメだよ! この人たち、手を組んでお姉ちゃんを待ち伏せてたんだから。私見ちゃったんだから!
かがみ (独白)見た? まさか手紙も?
こなた 私じゃなくてかがみを、じゃないカナ?
みゆき 文明を守るための仲間は多い方がいいですね。小早川さんにも協力していただきましょう。
ひより こじれた方がネタになるッス!
パティ 東洋のシンピですね。
(みさおとみなみ、それぞれ反対の袖から登場)
みさお チビッ子!
みなみ かがみ先輩!
ゆたか・こなた また増えた!
みさお 今日という今日は、言わせてもらうからな。
みなみ 言っておかなければならないことがあります。
こなた (みさおに)かがみの事が済んだら聞いてあげてもいいよ。
かがみ みなみちゃんからちょっと待ったコール!?
みゆき お待ちください。かがみさんは先に私との話があるので―。
こなた それダメ! かがみは私の嫁!
みさお 両方ダメ! 柊は私んだ。
みなみ (同時)ゆたか? やっぱりかがみ先輩を?
ゆたか (同時)みなみちゃん? みなみちゃんもお姉ちゃんを?
かがみ どうなってんのよ?
パティ ヒヨリ、ネタ帳!
ひより あーもう、全部記録ッス!
(つかさ登場)
つかさ ゆきちゃ〜ん、やっさいもっさいが〜……って、あれ〜??
つかさ以外 また増えた! (以後類似する部分で、みなみだけは『ゆたか!』でもいいかもしれない)
つかさ えーと、私、ゆきちゃんとやっさいもっさいについてお話したいんだけど、ダメ?
みゆき 少しお待ちください。先にかがみさんとのお話が―
こなた かがみは私の嫁だから、かがみへの話は私を通してもらわないとねー。
みなみ いや、私だ!
かがみ お前ら、マネージャーか弁護士のつもりか!?
ゆたか お姉ちゃん、逃げて!
みなみ ゆたか!
ひより いま何角関係ッスか?
パティ 四角四面の世の中デース。
(あやの登場)
あやの以外 また増えた!
あやの みさちゃん、高良ちゃん。将来についてお話があるんだけど、いいかな?
つかさ 私のやっさいもっさいが先だよ〜。
みさお 待ってくれよあやの。先にチビッ子に話があるんだってヴァ!
あやの 大切なお話なの。先にさせてもらえない?
みゆき 私も先にかがみさんにお話があるのです。こちらも人類の将来、文明に関わる大切なことなんです。
こなた (あやのに)どうぞどうぞ。その間に、私は嫁とアヴァンチュールと洒落込むんで……。
ゆたか お姉ちゃん、逃げてってばー!
みさお てヴァ!
みなみ ゆたか!
かがみ あーあ、夕日がきれいだわ。私の恋心が燃え尽きようとしてるみたい……。
ひより やっさいもっさい……アヴァンチュール……萌え尽き症候群……
パティ ヒャッカリョウラン……ヒャッカソウメイ……
(ななこ登場)
ななこ ほーい、そこまで。全員武器を置いておとなしくしー
ななこ以外 また増えた!
ななこ 何やお前ら、人を借金か体重みたいに。
かがみ ひいぃ!
こなた 先生もかがみを嫁にしようとして来たんですか?
みさお なら敵だ!
ななこ アホ抜かすな! ウチに必要なんは、嫁やのうて婿や。
つかさ ゆきちゃんをさらいに来たんですか? やっさいもっさいのために。
あやの それは困るわ。
ななこ 誰が高良をさらうんや。ウチに必要なんは身代金やない。さらってでも欲しいんは婿や!
みゆき 黒井先生にも文明を守って頂きましょう。歴史の先生なら、ご理解していただけるはず。でもその前に、かがみさんと話をつけなければなりません。
ゆたか 先生まで来た!? お姉ちゃん、とにかく逃げて!
みなみ ゆたか!
ひより 女教師も交えた禁断の百合の花園……。
パティ ニホンの情勢はフクザツカイキ……だがそれがイイ。
(ゆい登場)
ゆい ふう、ふう、屋上まで上がるのは大変だね。
女子高生たち また増えた!
ゆたか しかも私と同じ事言ってる。
みなみ ゆたか!
こなた ゆい姉さん! きーにいさんという人がありながら、あなたまでかがみを嫁にしようとしに来たか!
ゆい ん〜? 何の話だい?
みさお 柊は私んだ!
ゆたか お姉ちゃん、お姉ちゃんを逃がしてあげて!
みなみ ゆたか!
つかさ えーん、ゆきちゃんを連れてかないで〜!
あやの 国家権力まで日下部家の家庭事情に介入するのね。
みゆき 文明を守るため、警官の方にも手伝っていただければ心強いのですが……。
ひより 警察権力の執拗な介入は、実は警官自身が思いを寄せる人への歪んだ愛情と独占欲……。
パティ コスプレだと萌えるのに、ホンモノだと萌えないのはナゼでしょう?
ななこ ちょ、お前ら何があったか知らんが落ち着け。何で成実さんがおるんか、少しは疑問を持てや。
こなた かがみを嫁にするため。
みさお 同じく。
ゆたか お姉ちゃんを逃がすため。
みなみ ゆたか!
みゆき 文明を守るため。
つかさ やっさいもっさいの回し者?
あやの 日下部家の敵。
ひより ネタのためッス!
パティ ホンモノ萌えを広メルため?
ななこ 全部ハズレ。正解は乱闘騒ぎを鎮めるためや。
こなた 乱闘なんてしてませんよ。一触即発だったけど。主に嫁的な意味で。
みさお 全部チビッ子のせいだ。
ゆたか お姉ちゃん、逃げて!
みなみ ゆたか!
ななこ やかましい! お前らの騒ぎが下まで聞こえてんのや。乱闘騒ぎだと思った奴が知らせに来てな。巻き込まれて死んでも惜しゅーない独身者が止めに行く事になったんや。
こなた いやー、先生が武闘派だからでしょう。
ななこ まあな。(こなたに実力行使)
こなた み、認めた……。
ななこ そこでちょうど見覚えのあるパトが通りかかったから、成実さんにも来てもらったというわけや。
ゆい いやー、見知った顔が多くて助かったよ。じゃあ、話は署で聞こうかな。
女子高生 えーっ!
ななこ いや、そこんとこなんやけどな、成実さん。どうやら怪我人もおらんようやし、穏便に済ませてもらえんやろか?
こなた 怪我人ならここに……。
ゆい あー、そうですねー。パトカーに全員乗せられないですからねー。
ななこ そういう理由かい!? でもまあ、頼みます。こいつらが本気で殴り合うような仲じゃない事は、ウチが保証しますんで。
ゆい じゃあそうしましょう。私も身内を二人も連行したくないですから。
ななこ とことんいらん本音が出る人やな……。まあええか。とりあえず部屋用意しますから、そこで話を聞いて、問題があったら灸を据えてやってください。ウチからも言い添えますから。ほれ、行くで。(一同退場)
第三場
放課後さらに更けた時刻 糟日部駅
(こなた、かがみ、つかさ、ゆたか登場)
こなた いやー、みなみちゃんの手紙を、告白イベントと勘違いするとはねー。かがみ溜まってるんじゃないの?
かがみ うるさいわね。あんたみたいなのが身近にいれば、嫌でも溜まるわよ。
こなた そういいながら、結局一緒に帰ってるががみ萌え。
かがみ しょ、しょうがないじゃない、一緒に捕まって一緒に解放されたんだから。それにね、あんただってみゆきの手紙を同じように勘違いしてるじゃない。人の事言えるの?
こなた 私は別に、自分の行動に恥じるところは何もないよ。女だらけだったから冗談で済んだってだけで。
かがみ それって……。
こなた 溜まった男が事に及んでいたら、もうどうなってたことか。
かがみ その危険性はあった……かもね。(こなたにだけ聞こえるように)ありがと……ね。
こなた いやいや、嫁の貞操を守るのは当然の義務なのさ。
かがみ ……前言撤回。
こなた 私はゆーちゃんにお礼を言わなきゃいけないのかな。
かがみ 考えてみれば、すごい行動力よね。
ゆたか う、うん……勝手に手紙を見ちゃった以上、正直に言えないし。
こなた・かがみ そういうことかい!
ゆたか そ、それにお姉ちゃん、こういう挑戦から逃げるような人じゃないでしょ。
かがみ 学校からの挑戦はしょっちゅう逃げてるけどね。宿題、テスト、行事……。
こなた 私の手を煩わすような相手じゃないからね。
かがみ その発想は根本からおかしいぞ。
こなた まあまあ。ゆーちゃんの思い、私の思い、改めて確認できたことだし満足しようじゃないか。
かがみ みゆきも掃除用具の点検が出来て満足そうだったわ。
こなた 先生やゆい姉さんも動員したからね。手分けして効率的にできたもんね。
かがみ いや、屋上での騒ぎと事情聴取に時間を取った事を考えると、効率的とはいえないと思う。
こなた でも、みんなで取り組めたことに意義があるって言ってたよ。
かがみ それは今後、みんなが熱心に『文明保護活動』に取り組めばこそ、でしょ。
こなた 満足といえばつかさの方はどうだった? みゆきさんは、満足の行く答えをくれた?
つかさ うん。やっさいもっさいって、木更津市の昔の船着場の名前から来てるんだって。『矢崎』と『森崎』っていう。
こなた ぷぷ、夢で船着場に追われるつかさ……。
つかさ うえ〜ん、やっぱり笑われた〜。
かがみ こら、つかさを泣かすな。
こなた こうして、妹を思う姉の気持ちも確認されたのだった。
かがみ まとめたつもりか? (一同退場)
(みさお、あやの登場)
みさお ひゃっひゃっひゃっ、ひゃーっひゃっひゃ……。
あやの もう、みさちゃん笑いすぎ。
みさお だって、だって……あたしが眼鏡ちゃんにラブ……ぶぶぶぶ、ラブレターだって!? ひゃっひゃっひゃっひゃ、パン工場以来の大傑作だぜ。
あやの 人事みたいに言って。みさちゃんのお相手は、私の身内にもなるんだから、人事じゃないの。
みさお たしかになー。もう日下部家の一員のつもりだったもんなー。
あやの う……ちゃんと聞いてたの?
みさお ああ、だって柊以外が『日下部』ってのはちょっと新鮮だからな。
あやの そ、そうかもね。
みさお それにして、あたしのお相手があやのの身内かあ。
あやの 誰かいい人いる?
みさお う゛〜、もう『高良みさお』でいいかなって思えてきた。
あやの ええっ〜!?
みさお だって、眼鏡ちゃん家は金持ちだろ。だから毎日一生、三億円の使い道に悩めそうじゃん。
あやの そうね……。
みさお まあ冗談半分は置いといて。
あやの 半分だけなんだ。
みさお あたしに誰かいい人が見つかったら、あたしは『日下部』じゃなくなるわけだ。そして、幼馴染のあやのが『日下部』になる、と。
あやの 言われてみれば、ちょっと不思議な感覚ね。
みさお そこであやのに聞いておきたい。
あやの なあに?
みさお あたしがいなくなって一人減った日下部家では、新たに何人の『日下部』が誕生するのか、だ。
あやの え……と、それって。
みさお 子供だよ、子供。家族計画とかあるんだろ? 何人作るんだ?
あやの そんな……そこまではまだ決めてないよ。
みさお な〜んだ、つまんねえの。
あやの だって……。
みさお だって?
あやの 今はまだ、みさちゃんのことで手一杯だもん。(赤面、モジモジ)
みさお ……ふーん。
あやの みさちゃん……?
みさお やっぱあやのって可愛いよな。アニキが惚れるのも分かるぜ。
あやの みさちゃん……。
みさお いやいや、あたしが男だったら、アニキのものになんかさせなかったな。
あやの みさちゃん?
みさお その場合も『日下部あやの』ってわけだ。どうだ、嬉しいか?
あやの あぅ……。(独白)私がみさちゃんにやりこめられるなんて。
みさお そうだ。あやのは今日から『日下部』って呼ぶことにしよう。
あやの ちょ、みさちゃん!?
みさお そうと決まれば早速布教だ。おーい、柊〜、チビッ子〜。(退場)
あやの みさちゃん、待って〜〜。やめて〜〜〜。(退場)
(みゆき、みなみ登場)
みゆき 文明を守る戦い……要は掃除用具の点検なのですが、
まさかこれが警察沙汰になってしまうとは思いもよりませんでした。
私は今まで、例え勘違いであっても、乱闘沙汰を起こしたことも巻き込まれたこともありません。
ですから成実さんの事情聴取が始まる時は、
何という非日常に足を踏み入れてしまったんだろうと思いました。
ところが事情聴取が進み、それぞれの意図、それぞれの行動、それぞれの勘違い
……それらが明るみになるにつれ見えてきたのは、いつもと変わらない日常でした。
泉さんと日下部さんはかがみさんを思い、
みなみさんは小早川さんを思い、
小早川さんは泉さんを思い、
峰岸さんは日下部さんを思う。
田村さんとパトリシアさんはそれぞれの日常の中にあったといえますし、
かがみさんが出会いを求めている点も去年の夏から変わりません。
つかささんは…………やはりいつもどおりでした。
私はというと、かがみさんに助けを求めたとはいえ、調べ物に取り組もうとしてましたね……。
変わらない日常。
いいえ、当事者が学生である以上、卒業によって激変することは免れないでしょう。
それを越えて命脈を保つものもきっとあるはずです。
掃除一つ怠るだけで埋もれてしまう文明。
時の流れの中に消えゆく人。
いいえ、掃除をすることで文明が生き長らえるように、
人の思いだって磨きをかければきっと……。
きれいごとかもしれません。
絵空事かもしれません。
でも、そう信じたいものですね……。
(みなみ、コクンと肯く)
みゆき あ、電車が来ましたね。(退場)
みなみ 泉先輩を守ろうとするゆたか……可愛かった。(退場)
(ひより、パティ登場)
パティ いやー、濃いケイケンでしたネ。ネタも十分タマッタんじゃないデスか、ヒヨリ?
ひより うーん、まあネタの収集になったはなったんだけど……。
パティ タマッタもんじゃない?
ひより なにシャレてんスか? そうじゃなくてその……濃い経験だった割りに、得たものは少なかったかなって感じがして、ちょっと拍子抜けしたというかなんというか。
パティ ソウですか?
ひより まあ一冊は出せるとは思うんだけど、それだけかな。なんかさ、突き詰めて考えると、みんなあんまり普段と変わらないんだよね。
パティ Um?
ひより だから、かがみ先輩は泉先輩の嫁で、小早川さんは岩崎さんの嫁でしょ。
パティ 『ゆかた!』しか言いマセンでしたネ。
ひより 最初はかがみ先輩が小早川さんの嫁になって、その上で修羅場をどう乗り切るかってのを期待してたでしょ。でもそれとは違った修羅場が来ちゃったし……。なんだかなあって感じッス。
パティ マアマア、一冊ブンのネタが確保できただけでもイイじゃアリませんか。しばらくは、ソノ一冊に全力ピッチングね。
ひより そういうことになりそうッスね。あー、実はもうタイトルは決まってるッス。
パティ 教えてヒヨリン♪
ひより 今回の騒動は手紙を中心に回ってるッス。だから……。
パティ カタコトのワタシにも見えてきまシタヨ。
ひより じゃあ一緒に言ってみるッスよ。せーの―
二人 『手紙騒動』!
(幕が降り始める)
パティ ソウと決まれば、さっそく描きまショウ。電話急げネ。
ひより はは、こうして私は、またあっけなく日常に戻って行くんスね……。(二人退場)
幕
214 :
42-115:2008/06/04(水) 00:35:35 ID:KgppLC6U
とても動きの少ない戯曲になってしまいました。演出任せ(この場合は読み手の皆様)という部分もあります。どうかよしなに。
1ということは2もあるはず……。
何か思いつきましたらその時にまた。
ではありがとうございました。
こなた「
>>214ぐじょお!」
かがみ「
>>214さすがね、といっておくわ」
つかさ「
>>214うにょ〜ん」
みさお「
>>214すげえんだってヴァ」
あやの「
>>214なかなかたのしめたわ」
ゆたか「
>>214活躍させてもらって、ありがとうございます!」
みなみ「
>>214……お見事……」
ひより「
>>214さすがっす!GJっす!」
パティ「
>>214グレイトデス!」
ななこ「
>>214おもろいことしとんなあ、次も楽しみにしとるで」
ゆい「
>>214GJだよおおおお〜〜〜><b」
みゆき「
>>214このような新しい形に挑戦し、見事に成し得たことは
すばらしいことだと思います。存分に楽しむことができました。
また新しい試みができましたら、是非お試しになってください」
>>197 ちちびんたでぶっとばされそうなボデェに萌えた
>>214 乙っした!
いろんなスタイルが書けるって裏山.sys
>>214 らきキャラが舞台に立っているイメージで読了!面白いなあ〜
本当に舞台でやってくれないかなと思いました、某テニスみたいにw
GJ!!
(=ω=.) <♪行けっ かがみ〜ん お前のーツンデレは〜♪
T(#`д’)T <やかましいっ!
みゆき「みなさん、油断せずいきましょう……
こなたさん……あなたは……3−Bの柱となるべきですだばだば」
みさお「げーこーくーじょーだZE!
ちびっこ!おいかけてぶっちゅぶしてやるんだZE!」
こなた「ヌーン、私あと20燃焼系はいけるヨwww
みさきち、あと100燃焼系やる?=ω=.」
つかさ「いけ、こなちゃ〜ん、稲妻とみま号?すぴーどオムツ??うにょ〜ん?」
かがみ「おいこなた!日下部が緩急を使い出したわよ……って、私この役かよ!
ったく……こなたのむふふ〜んな態度がムカつくわね……
私に人生を……考えさせるわけないじゃない!!」
こんな時間にごきげんよう。
寝ようかとも思いましたが、やはり投下しておきます。
『4seasons』の続きになります。
■かがみ→こなた
■かがみゆき分多め
■エロなし
7レスになります。
§5
放課後の学校は不思議なほどひっそりとしている。
今までならば、授業は終わってもしばらくの間教室や廊下は騒がしいものだった。
部活に向かう者や委員会の集まりがある者だけではない。どこかに遊びに行く算段をしている
生徒たちや、ここぞとばかりに机を並べていちゃついている恋人たちや、なんとなく話に花が
咲いてしまって立ち去りがたく感じている仲良しグループや。
そんな生徒たちがちらほらといて、時折華やいだ声を上げるはずだった。
私たちがその仲良しグループの最たるものだったからよくわかる。放課後の学校というものは、
拘束から解放され、今日一日何をしようかと期待に胸を弾ませる高校生たちの高揚感で
溢れているものだ。
けれど今この高等部校舎三階の西翼を満たしているのは、静寂だけだった。受験生たちは、
授業が終わったとしても、開放感などとはまるで無縁な生き物だ。いそいそと荷物を纏めて、
足速に家路を急いでいく。英単語の一つでも、年号の一つでも覚えるため、自宅の机へ
向かって急いでいく。
本当についさっきまでここに四百人近い生徒たちがいたのだろうか。ふとそれが信じられなくなる。
生徒たちがいない学校がこんなに寂しいものだとは思いもしなかったのだ。結局のところ
校舎というのはただの容れ物で、そこに中身がなければ何の意味もないのだろう。そんなことを
考える。
「そんなところかな。お前の方から他に訊きたいことはあるか?」
灰色の進路指導室に響く桜庭先生の抑揚のない声は、静寂に吸い込まれて消えていって
しまいそうだった。
桜庭先生は、整った顔立ちをしているのにまるで外見に気を遣わない人だった。頭はぼさぼさで、
いつも着ている白衣にはところどころスープでも跳ねたのか染みがある。靴のかかとを踏みながら
ペタペタと歩き、所構わず禁煙パイポを食わえだす。趣味は禁煙だということで、それを初めて
聞いたとき私は『禁煙ほど簡単なことはない。私はこれまで百回は禁煙に挑戦した』という
マーク・トウェインの言葉を思い出したものだった。
普通ならば生徒に人気が出る類の先生ではなかったけれど、桜庭先生は不思議なほど生徒にもてた。
それも、男子にも女子にも同じくらいに。
その原因は、なんと云っても小学生みたいな低身長にあるのだろう。同学年の中でもかなり背が低い
こなたと同じくらいの背丈で、とても成人女性には見えなかった。けれどそんな容姿でありながらも
蓮っ葉な口調で筋の通ったことをづけづけと云う。そんなミスマッチが人気の秘密なのだと思う。
「――いえ、特には」
私がそう云うと、先生は束ねた資料を机に立ててトントンと揃えだした。それが面談は終わった
という合図だと受け止めた私は、椅子を引いて立ち上がろうとする。けれど腰を浮かしかけたところで、
先生はつけ加えるように私に云った。
「――まあ、柊姉に関しちゃ私はほとんど心配していない。お前なら落ちてもそれをバネにしてまた
頑張れるだろうからな」
「ちょ、ちょーっ! 待ってください! 私、落ちるの前提なんですかっ!」
「冗談だ。いやなに、一度は私も柊姉に突っ込まれておきたいと思ってな」
云うに事欠いてその理由は一体なんだろう。そんなに私は突っ込みキャラとして名を馳せていたの
だろうか。
少しだけ厭な眩暈を感じながらも、律儀にお望みの突っ込みを返す私だった。
「それは夢が叶ってよかったですね! っていうか、云っていい冗談と悪い冗談があると思うんですが!」
「ああ、あるな。今のは云っていい方の冗談だ」
「とてもそうは思えませんけど……」
「だから云ったろう、お前に関しては私は何も心配していないんだ」
そう云って先生はニヤリと笑った。
なんだか上手く云ったようで、結局のところただトートロジーで誤魔化しただけじゃないか。
そう云ってやりたいと思ったけれど、“上手く云ってやった”みたいな顔をして得意そうに目を細めている
先生を見ると、つい毒気を抜かれてしまって私は苦笑する。
そうか、こういう目に私は弱いんだな。そんなことを考える。
「……一応、ご期待に添えるよう頑張ります。ありがとうございました」
けれど、深く礼をして進路指導室を出ようとした私の背中に、再び先生の声が投げかけられた。
「――本当に、他に訊きたいことはないのか?」
その真面目そうな口調に思わず振り返った。灰色の部屋の灰色の椅子に座って、先生は私のことを
じっと見つめている。眼鏡の奥、見開かれた大きな瞳。今までみたことがない表情だった。それは、
今までずっと見せてきた教師としての顔ではないように私は思った。
「――ありません」
云いかけた言葉をぐっと飲み込んで、私は答える。
「そうか。柊姉は私に訊きたいことがあるんだと思っていたが、気のせいだったか」
唐突に私に対する興味が失せたように、先生は手元の書類に目をやり始めた。私はそんな先生に
もう一度会釈をして扉を閉める。
――訊けるはずがない。
先生はレズビアンなんですか? なんてこと。
口さがない生徒の間でよく話題になる。桜庭先生は養護教諭の天原先生とは幼なじみで、
二人は恋人同士なんだと。
『レズなんだってー、なんかキモッ』
『マジで変態なんだ、ちょっとがっかり』
『どっちがタチでどっちがネコなんだろうな』
クラスメイトがそう云っているところも一度だけ聞いたことがある。わりと勉強はよくできるグループの
人たちだったけれど、他人に対する配慮が少し欠けていて、他の人の反感を買うことも多かった。
案の定、そんな話を快く思わなかった正義感の強い子がいて、その三人の前にずかずかと歩いて
いって云いはなった。
「ちょっと、失礼なうわさ話やめなさいよ! 桜庭先生がそんなのなわけないでしょ!」
――あれは、確か九月くらいだったか。
その言葉を聞いたときの衝撃を覚えている。
心臓に錐を突き刺されてかき回されるようだった。
――“そんなの”なんだ、私は。
そう云われるのが失礼になる。そんな存在なんだ。
わかっていた。それはわかっていたはずだ。
自分が同性に恋をできる人間だと気がついてから、その手の本はよく読んできたのだから。
けれど知識として理解するのと、実際に現実として目にすることとはまた違っていて。
私はそんな彼女の言葉に傷ついて、そうして慄然として青ざめた。彼女の言葉のその先
にあるものに思い至って、少しだけ手が震えた。
――もし。
あいつのことだからあり得ないとは思うけど、もし――こなたにそんな風に云われてしまったら。
それ以降、私は生きていく自信がない。
そう、思ったのだ。
後ろ手に扉を閉めると、部屋を出た廊下は静寂で満たされている。
聞こえる音と云えば、私の上履きがリノリウムの床を踏んで立てるコツコツという音くらいで。
消火栓のランプが赤い光を投げかけていて、それが私を責めたてているように思えた。
――もし、私があの質問をしたなら、桜庭先生はどう答えただろう。
訊いてみたかった気がする。二人が本当にビアンだったなら。
幼なじみだった二人がどこでどうその気持ちに気がついて、どうやってそれを受け入れていったのか。
二人共がそうなのか、それともどちらかは違うのか。違うなら、その関係はどういうものなのか。二人の
ことを誰が知っているのか。両親に告げたときどういう反応をされたのか。将来のことをどう思うのか。
訊いてみたかったと思う。訊いても良かったのかも知れないとも思う。
みだしなみに気を遣っていないはずの桜庭先生の爪は。
きれいに深爪されてヤスリがかけられていた。
§6
一旦誰もいない教室に戻って荷物を手に取ると、念のためB組の方も覗いてみることにした。
けれどやっぱりそこもがらんとしていて、薄暗い教室の中、何かの遺跡のように机が立ち並んで
いるだけだった。
ここにもいないと云うことは、まだ会議中なのだろう。そう思って長い廊下を奥に進んでいくと、
案の定K組の教室にはまだ灯りがついていて、中から人の気配がしていた。
丁度会議が終わったのだろうか、折しも後ろの扉を開けて何人かの生徒が教室から出てくる
ところだった。その中の一人は我がC組の学級委員で、私は片手を上げて挨拶をする。
「おーっす。おつかれさま、今終わったところ?」
「ああ、柊さん進路指導だったんだっけ。うん、今終わったところ。高良さんなら中にいるわよ」
別れの挨拶をしてから教室に入ると、果たしてみゆきはそこにいた。お互いの顔が見えるように
四角く並べた机の中でも中心の席に座っていて、何人かの生徒たちと談笑している。
ただの学級委員会とは云っても、十三クラス分ともなれば総数二十六人の大所帯だ。一人二人
全然知らない人がいてもおかしくはないのだが、幸いそこにいたのは全員見知った顔だった。
「あら、かがみさん、そちらも終わったのですね」
「うん、一緒に帰ろうって思ってね。あ、そんなに急がなくていいわよ。なんの話してたの?」
「ええと、この一年間楽しかったですね、と。そのようなことです」
そう云ってみゆきは立ち上がる。背もたれのコートを羽織って帰り支度をするところをみると、
本当に話は終わっていたようだった。 残りの学級委員たちに手を振って教室から出ると、
みゆきと二人で歩きだす。リノリウムの床を踏んで立てるコツコツという音が、今度は二人分、
廊下に響いては消えていく。
「――なんだか信じられない気がします。つい先日入学したように感じますのに」
「――そうよねぇ」
長身のみゆきは私より歩幅が大きくて、のんびり歩いているように見えるのに、ともすれば私は
遅れがちになる。普段私たちと歩くときにはつかさと一緒に後ろの方にいることが多いけれど、
ずっと気を遣って合わせていたのだろうな。そんなことを考える。
桜色の長髪が踊っているその背中は、不思議と普段より大きなものに見えていた。思えば私は、
ずっとこんな風にこの親友の背中を眺めてきたのかもしれない。
「――あ、ちょっと速すぎましたか? すみません、考え事をしてしまって」
ふと気がついた風で振り返り、顔を赤くして歩幅を緩めるみゆきだった。
「ううん、気にしないでって、みゆき、前っ!」
「は?」
慌てて前を向いたときには遅かった。目の前の障害物に思い切りぶつかったみゆきは、
きゅぅ、と変な声を発して私の方へ倒れ込んでくる。ずしりと重い――それはあくまで私やつかさや
こなたと比べての話で、BMIで云うなら平均値だ――みゆきの身体を受け止めて、私は足を踏ん張った。
「すいません、すいません」
ずれた眼鏡を直そうともせずにひたすら謝るみゆきだったけれど、まずは眼鏡を掛け直して
何にぶつかったのかを確かめる方が先決だと私は思った。
「――みゆき、あんたが謝ってる相手、それ下駄箱だから」
「あ、あう」
それでもこういうドジなところは昔から変わらない。
眼鏡をかけ直してほっと吐息を漏らすみゆきを眺めながら、そう思った。
「よかった、ぶつかった人はいなかったのですね」
「……おい、どこのウィスキーのCMだそれは」
思わず私はまた突っ込んで。
二人で顔を見合わせて笑った。
そうするだけで、殺風景だった昇降口も少しだけ華やいだ。
「あの、少し寄り道してもよろしいですか?」
「いいけど、どうしたの? みゆきが寄り道なんて珍しいわね」
「ええ、実はちょっと」
みゆきが私を連れてバスを降りたのは、大池公園前のバス停だった。ここは、この周辺としては
かなり大きい公園だ。その名に反して少々こじんまりとした池の周辺には遊歩道や芝生が
敷き詰められていて、市民の憩いの場になっている。
私たちが降り立ったバス通り沿いには、公園の外周に沿って長い長い藤棚がしつらえられていて、
今はその面影もないが、藤が咲く季節には紫色の綺麗な花を咲かせていたものだった。
「懐かしいわねー、藤祭りのときにみんなで来たわよね」
「ええ、まるで昨日のことのように思い出します。こなたさんが、かがみさんとつかささんの髪を
藤に見立てて色々と仰ってましたよね」
「……変なことばっかり覚えてるわね、あんたは」
「ふふ、そうではないことも覚えてますよ」
そう云って微笑んだみゆきに私は苦笑する。この子なら本当にどんなことでも覚えていそうで、
何を云ってもやぶ蛇になってしまいそうだったからだ。
「あの日は花曇りの曇天でしたけれど、藤の花やパレードの華やかさは少しもそうは感じさせませんでした。
かがみさんはこなたさんがからかって云う言葉にいちいち赤くなったりそっぽを向いたり口調を荒げたり
していて、私は普段のかがみさんより少しだけ敏感だな、と思ったのです」
「――悪かったわね、私だってどうしていいかわからなかったのよ」
「ええ。やはりあのころからでしたか。かがみさんがこなたさんへの思いに気づかれたのは」
何も云わなくても、やぶ蛇なのだった。
みゆきはその話をするためにここで降りたのだろうか。そんなことを考える。
移動販売の屋台でクレープを買って、行儀が悪いと思いながらも歩きながら二人で食べた。
私は生チョコバナナを、みゆきはミックスフルーツを買っていた。
うららかな休日には賑わっているであろう公園も、平日の薄曇りともなれば閑散としている。
常緑樹の緑は弱い陽射しを浴びて空に溶け込むように滲んでいて、梢を枯らした落葉樹の
灰色がそこかしこに突き出ている。鈍色の空を写した池はそよともゆらがず鏡のように佇んでいた。
女子高生の姿なんて、私たちぐらいだ。その他にみかける姿と云えば、散歩をしている年配の方や、
ベビーカーを押している若い母親などだった。
なんとなく喋りながらなんとなく歩いて、なんとなく自販機で買ったコーヒーを啜りながら、なんとなく
ベンチに座って池を見下ろした。
「――やはり、少し寒かったですね」
そう云って、身を縮ませるみゆきだった。
「今年の冬は例年より寒くなるって云ってたわね」
「そうみたいですね。なんだか本当に地球が温暖化しているのかどうか、疑問に思ってしまいます」
「そりゃねぇ。いくら温暖化って云っても、数年での変化なんて微々たるものでしょうよ。年ごとの
揺らぎ幅の方が大きくて当たり前じゃないの」
「ええ、そうなんでしょうね。なにせ、つい三十年前までは毎年気温が下がっていたようですし」
「え、そうなの? 産業革命以降の温室効果ガスの増加が温暖化を引き起こしているなら、
長期的には緩やかに上がっているはずじゃない」
「そう思いますよね。実際温室効果ガスが温暖化に果たしている割合はやはり大きいようで、
今年の気候変動に関する政府間パネルによる第四次評価報告書では、人間の活動により
温暖化が引き起こされている確率はかなり高いとのことでした。この報告は信頼できます」
「ああそう、それそれ、九割以上の確率で温室効果ガスが主要因になってるってやつよね。
……でも、それじゃなんで三十年前までは気温が下がってたのかしら?」
「不思議ですよねぇ。千九百三十年代から七十年代までは例年気温が下がっていっていて、
気候学者たちは真剣に地球が寒冷化していくのかもしれないと話し合っていたようですよ」
「……むう」
「まあ、気象なんて複雑系の最たるものですから、ちょっとしたことで変わってしまうのでしょう。
百年後の未来予測なども出ているようですけれど、一週間後の天気もよくわからないのですからねぇ」
「まあねー。ってか百年後なんていいから、せめて二ヶ半後の未来のことを誰か教えて欲しい
もんだわね」
「あら、でも今それを知ってしまったら、合格しているにしろそうでないにしろ、これからの行動に
影響が出てしまって、未来が変わってしまいませんか?」
「それはほら、努力して未来を変えたってことで――って、そうするとその未来はもう未来じゃないから、
未来をみたことにはならないのか」
――そうですよ。
みゆきはそう云って、ころころと笑った。
こんな風にちょっと真面目な話をできる相手なんて友達の間ではみゆきだけだったから、
久しぶりに二人きりで話せて楽しかった。けれどこれはやはりどう考えても雑談で、一体みゆきは
この公園にきて何がしたかったのだろうと気になった。
「ねえ、それで何しにここにきたのよ?」
「あ、目的ならもう達成しました。おつきあいいただいてありがとうございます」
「へ? 何よそれ」
「ええと、笑わないでくださいね?」
「そりゃ、内容によるわね」
そう云って、口元に手を当ててニシシと笑う。みゆきはそんな私を見て、なぜだか頬を桜色に
染めていた。
「えっと、お友達と歩きながらクレープを食べてみたかったんです」
「――へ? そんなこと?」
「はい。さきほど会議が終わった後の雑談で、この辺りにはいつもクレープ屋さんがいて、
美味しかったと仰っていた方がいらっしゃいましたので」
そう云って恥ずかしそうにうつむくみゆきを見ていると、私も同じように恥ずかしく感じてしまって、
頬が赤らんでいくのを自覚する。
「そういえば、みゆきとはあんまりこんな感じの出歩き方はしなかったものね」
家が遠かったから。
田園調府からみゆきを呼び出すには、それなりのイベントが必要だったのだ。
ちょっとした買い物なら大宮あたりで済ませていたし、こなたの家は自転車でいける距離だったから
埼玉近辺で遊ぶことが多かった。学校帰りに買い物に行ったりはよくしたけれど、糟日部駅前の
お店に入った後にファストフードでお喋りをしていくくらいで。
クレープ屋で買い食いするようなことも、こなたやつかさとはした覚えがあるけれど、
そういえばみゆきとはしたことがなかったかなと思う。
「いざ終わりが近づいてみると、なんだかやり残したことが沢山あったように思えてしまいまして……」
「……みゆき」
「億劫がっていないで、もっと積極的にみなさんと遊びに行っていれば良かったと。今更ながらに
後悔の念が襲ってくるのです」
こんな風に寂しそうにしているみゆきを見るのは初めてだ。
みゆきはいつもにこにこと笑っていて、なんでも穏やかに受け止めて、膨大な知識量に
裏打ちされた智慧でどんなことも乗り越えていって。
そう、みゆきは私のカミングアウトにもまるで動じずに、さも当たり前のこととして受け止めて
くれていた。性的指向や性自認が環境によらず生まれつきの“特徴”なのだと知っていて、
それを殊更に重く受け止めることをしなかった。ただ髪の色や背の高さが違うのと同じような
感覚で扱って、そうしてずっと私とこなたのことを見守ってくれていた。
思えばそれは、なんと得難きことだったのだろう。そんな親友を持っている性的マイノリティなど、
一体この国にどれだけいることか。
今も何十万人という女の子や男の子が、自分の感情に戸惑って、家族にも友達にも云えずに、
きっと一人で泣いている。自分は異常なのだと、変態なのだと自分で自分を責めて、他人にも
責められて、世界に押しつぶされそうになって泣いている。
そんな中、私には何もかもわかってくれる親友と、自分も同性を愛せればよかったのにと云って
一緒に泣いてくれる妹がいるのだ。
私はきっと、世界一幸せな性的マイノリティだろう。
そうしていつも私を幸せにしてくれるみゆきが寂しそうにうつむいているのを見ていると、
私は胸が締めつけられるような気持ちになるのだった。
「別にさ、これで終わりってわけじゃないじゃない。やり残したことがあったなら、これから全部
一緒にやっていこうよ。私たちはずっと友達なんだから」
そう云って、みゆきの手を取って撫でさする。その感触はつかさのものともこなたのものとも違っていて、
ふわふわと柔らかくてどこまでも沈んでいってしまいそうな、そんなみゆきの手だった。
「――はい、ありがとうございます。ふふ、これからもよろしくお願いいたしますね」
ぺこりと頭を下げて。
顔を上げたみゆきはいつも通りのふわふわした笑顔をしていて、私は少しだけ安心する。
「よろしくね。ってか、どうせまたずっと私とかつかさとかこなたがよろしくされる日々なんだろうけどなー」
私がそう云うと、みゆきもそれが満更でもなさそうで、口元に手を当ててころころと笑っている。
そんなことを離しているうちに、気がつけばいつのまにか陽も落ちかけていた。オレンジ色の暮色が
斜めに差し込んで、こじんまりとした池を黄金の海に変えている。どこもかしこも黄金に輝いて、
私たちは今光の国にいる。
「――ですが」
ぽつりと、みゆきが云った。
「ですがきっと、大学生になった私たちは、みんな今とはちょっと違っているのでしょう。
あの灰色の校舎に同じ服を着ておしこめられて、同じ物を見て泣いたり笑ったりしながら、
少しずつ他人と違う自分だけのものを見つけていって、やがて一人ずつ違っていく。少女だった、
子供だった、思春期だった私たちとは――」
そのとき私が目を細めていたのは、夕陽が眩しかったからではない。
夕陽を浴びて陰を曳いている、みゆきの横顔があまりにもきれいだったからだ。
私はそのとき、アンドレ・ジイドの言葉を思い出していた。
ああ! 青春!
人は一生に一時しかそれを所有しない。
残りの年月はただそれを思い出すだけだ。
青春や思春期を詠んだ言葉は多かったけれど、その渦中にある私にはどれもいまいちピンとこなかった。
この言葉も正直よくわからなかったけれど、思い出したのはその最後の一文のことをふと考えたからだ。
――私は、この三年間のことを時々思い出しながら、ずっと生きていくのだろう。
その言葉を詠ったアンドレ・ジイドは、同性愛者だった。
§インテルメッツォ
そんな記憶が次々と浮かんでくる。
ともすれば降る雪に紛れてしまいそうな、そんな記憶が思い浮かぶまま、私は走っている。
あやのも、みさおも、つかさも、みゆきも。私だって。
みんな懸命に三年間生きてきた。自分にも他の誰かにも、自分の未来や人生にも、せめて
できるだけ誠実に。きっとそう思って、懸命に足掻きながら生きてきた。
――なのに、なんであいつは逃げてるんだ!
わかってる。こなたが背負っているものを、私は全部知ることはできない。それは私の物よりも
重いのかもしれない。わからない。つかさの物よりも重いのかもしれない。わからない。みゆきの物よりも
重いのかもしれない。わからない。
けれど、云ってくれなければ、わかりようがない。
思えば夏のときもそうだった。
あいつはすぐ一人で溜め込んで、何も云わずに勝手にぐるぐるして、誰にも頼らずに傷ついて。
そうしてある日激情を爆発させて、たった一人で逃げるんだ。
これだけ周りに頼れる人がいるのに。私はともかく、みゆきや、そうじろうさんや、ゆいさんや。
つかさやあやのやみさおだって、きっと喜んでこなたを支えるはずなのに。
いつも無理して、なんでもないふりをして、笑ってる演技ばかり上手くって。
――けれど、声をかけたこなたの背中は泣いているように見えていた。
あの日。あの夏の日に、私は泣きながら逃げるこなたを追いかけることができなかった。
私は自分のことで精一杯で、うちのめされてただ路地に倒れ込むだけだった。
けれど今はもう違う。みゆきに助けられ、つかさに励まされ、そうじろうさんに託され、
かなたさんの墓前で誓った。
だから私は走っている。だから私は走ることができている。
角を曲がると、公園が見えてきた。
次々と空から落ちてくる雪が世界をほの白いグラデーションに染めていて、視界はどこまでも
悪かった。けれどあの街灯の下に揺れている青い髪のことを私が見間違えるはずもない。
公園の入り口で柵に手をついてうずくまっているのは、私が追いかけてきた相手、泉こなたに
他ならない。大きく揺れている背中は、乱れた呼吸を整えようと深呼吸しているせいか。
――運動不足ね。
こなたが慣れない受験勉強に身を入れていて助かった。おかげでこうしておいつくことができたのだ。
ぐっと足に力を篭めてラストスパート。
――待ってろこなた。
私が、全部許してやる。
十二月二十四日。
冬の夜を、私は走った。
(つづく)
以上です。ありがとうございました。
>>228 GJGJGJ!!
あぁもうすごい続きが気になる!!ぜんらたいきの日々がまた始まります!
>>228 GJすぎる…
続きが気になって仕方ないですよ!?
こなたが何を思い、どうしてかがみから逃げてしまったのか…
それが次でわかるかもって思うと眠れなくなりそうです
>>228 ああもうーなんなんすかもうーー
あなたの文には本当に引き込まれます、続きも激しく待機!!
>>228 「全部許してやる」のくだりで、一気に体温が上がりました。
がんばれかがみ、今が駆け抜ける時! ぐっじょぶでした!
>>228 ひきこまれました
いまはもうさきをまつのみです
GJです
ああもう、こんな言葉しか思いつかん。
迂闊な感想が書けないわが身がもどかしい
234 :
ふた☆自重:2008/06/04(水) 19:39:15 ID:oEOxM1Vb
>>234 なんというけしからん乳だ、さっきのパティに余裕の勝利ではないか(゚Д゚)9m
ていうかあなた、これはもう「ふた☆自重」ではありませんね。
豊満バディモードのときは「ちち☆自重」とすべきだwwwwww
かがみ「なに寝言いってんのこなた」
>>234 なんて素敵なみゆペット(みゆきさんオナペット)。
これで生えていたら完璧ですね。
……あれ?
>>214 GJ面白かったわw
続編あるらしいんで期待してる
>>228 すげぇぇぇえええGJ !
アンタもう小説家になっちゃいなYO !
おちゃらけた言い方してしまったが、マジでGJ ! 次回も全力で待機 !
・・・ところで冬編が終わったら、この物語完結してしまうのかね? もったいない・・・続き読みてぇ
>>234 GJだが・・・白石てめぇw
238 :
19-04:2008/06/04(水) 21:46:46 ID:tlRO5mNs
どもっス。
需要があるのかイマイチわからないスけど自分では結構気に入ってる『悪霊こなたシリーズ』の続きを投下します。
注釈
・エロ有り
・死人有り
・強姦
・ふたなり
・ちょいグロかな?
では、数レスほど使います。『悪霊こなたの強姦』
みゆきさんもちゃんと死んでくれたことだし、次はどっちにいこうかな。
かがみとつかさ。同じ家にいるし、部屋も隣同士だからなぁ……一人ずつゆっくり殺すってことは無理だろうな。
つかさから先に殺したいわけだけど、さて、どうするべきか……
とりあえず、昼になるまで待つか。夜はもう外出しないだろうし。
………………って、あれ?
「……」
あの黄色いリボンは……つかさだ。こんな夜遅くにどこ行くんだろ。花束なんか持って……
そういえば、この先はお墓だったな。ということはみゆきさんのお墓参りか。
まあどうでもいいや。今からみゆきさんのところに逝かせてあげるから。
とりあえず、いつも通り眠らせておくか。
「あ……」
足の動きは止まっても、上半身は前進運動を続ける。
そのまま弧を描くように、つかさは地面に倒れていった。
この可愛イ寝顔が、恐怖に、苦痛に歪ムのかと思うと、タノしみダ。あはハ、アはハハははハハハ……
……ダメだ、こなた! まだ完全に狂っちゃ! まだ正気は持っておかなきゃ、ブレーキが効かなくなる!
私は殺しの楽しみをじっくりと味わいたいんだ。狂っちゃったらソッコーで殺しちゃって全然楽しくなくなっちゃうよ。
さてと……とりあえずつかさを人目のないところに移動させなきゃな。……お、公衆トイレがある。あそこでいいかな。
「むにゃ……バル……ス……」
可愛い寝言、どんな夢を見てるのかな。笑ってるから楽しい夢なんだろうけど。
その楽しい夢も今夜限り。今から悪夢を見させてあげるよ。あはははは……!
っと、また狂っちゃうところだった。危ない危ない。
さてと……まずは私の身体を実体化しよう。
こないだ悪霊としてレベルアップしたっぽいからそれくらいはできるよね。えいっ。
……下半身は出てきたケド……実体化したかどうか……わからないや……
えーっと、鏡、鏡……
あ、映ってる。間違いなく実体化できてるね。壁に触ることもできるし。
次は……寝てるうちにつかさの視力を奪っておこうか。起きた時に私の身体を見られても困るからね。
……よし、最後の仕上げだ。私をふたなりにしよう。
一度でいいから味わってみたかったんだよね、男の子の感覚。えいっ。
……うおわっ! これまたぶっといのが生えましたねぇ……こんなの、つかさの中に入るかなぁ?
服を脱がして全裸にして、つかさのおまんこを開いてみる。
「んっ……」
ちょっと反応したけど、まだ起きはしないだろうね。今のうちにつかさで遊んでみるか。
つかさの身体を某海賊王になる男みたくゴムにしてみた。あの人のおちんちんって伸びるのかなぁ?
でもまぁ、つかさで実験すりゃわかることかな。
「ひぁ!!」
つかさのおまんこに手を突っ込んで、一気に広げてみた。
すっごい伸びてる……。私の頭が入りそうだよ。
「はあぁぁん!!」
クリトリスを思い切り引っ張って、手を放す。
パチンという激しい音とともに大きく開いたつかさのおまんこが潮を噴いた。
「はふ!? んぁぁぁあぁあ!!」
今度はつかさの子宮口を大きく開いてみる。
おお、すごい……この中って、こんなになってたんだ……
みゆきさんの時は、中を開いたりできなかったからなぁ。今のうちにじっくり見ておこうっと。
「はふぅうぅうう! ひっ、ああああ!!」
ふふふ……つかさの喘ぎ声、可愛いよ。
さてと。さすがにつかさが可哀想だから、早く楽にしてあげるか。とりあえずつかさの身体を元に戻して、と。
「は、ああああぁ……ふぅ……ふぅ……」
さーて。今度はつかさのおまんこに私のをブチ込ませてもらうよ。
前戯(と言っていいかは謎だけど)のおかげで、もうつかさのおまんこはトロトロだし、ちょっとぶっといけど入るよね。
さっき見た時は処女だったんだよなー。つかさの処女ゲットだぜっ。
「ひあぁああぁぁあ!?」
んっ、ちょっときついかな……まぁ、気持ち良いからいいんだけど……
つかさの腰に手をやって、前後にピストン運動を始める。おまんこから血が流れてるけど無視っ。
ああ……つかさの中、気持ち良いよぉ……トロけちゃいそう……
「ひやぁあ! なに!? いっ、いたいよぉ!! なにがっ起きてるのぉ!?」
あ〜……さすがに起きちゃったか……ちょっと優しくしてあげようかな。
ゆっくりとしたスピードで腰を引いていく。出したかったけどなぁ……
「ふええぇ……もしかしてわたし……レイプ、されてるの……?」
あ〜あ〜、泣きだしちゃったよ。動きをゆっくりにしたから、考えるだけの余裕が生まれたんだね。
……つかさの泣き顔……
カワイイナァ……ニクラシイホドニ……
「ん゛ん゛ん゛!!!」
限界まで腰を引いてから、一気に突く。
そしてまたゆっくりと抜いていって……また一気に突く。それの繰り返し。
抜く時のつかさの喘ぎ声と、突く時のつかさのくぐもった悲鳴。そして股間から出る水音が、私の欲望を駆り立てる。
「んは……やめて……許して……くださいぃ……」
ふふふ、泣いて謝ったって許さないよ。それ以上に『オマエタチ』はひどいことをしてるんだから。
私を死に追いやっておきながら罪に問われることもなく……自分たちはのうのうと生きている……
その不公平が! 許せないんだよッ!!
「ひあぁああ!!」
腰の動きを一気に早くする。つかさの悲鳴にも似た喘ぎ声を聞いて、さらに加速させていく。
ん、く……な、なかなか気持ち良いジャマイカ……なんちて……
お、男の子ってのも案外いいものだネ……
「やぁああぁぁあぁあ! たすっ! 助けてぇ!!」
叫んだって、誰も来ないよ? 深夜に出てきたつかさが悪い。
さて、つかさは何回イッたのかな。そろそろ私も出したくなってきちゃった。
「ふわあぁあああ!!」
最高潮のスピードでつかさのおまんこを突いていく。
う、あぁ……出る、出る……!!
「んああぁ!」
「いやあぁぁあぁああぁあああ!!」
あー……いっぱい出た……
おまんことおちんちんの間から、入り切らなかった精液が溢れだしてくる。
とりあえず、ゆっくり抜いて……
「はぅ……えぐ……だれ、かぁ……」
おや、つかさの反応が鈍くなってきた。
レイプされた人ってたまに死んでるらしいからねえ。そうなってくれれば殺す手間も省けるし最後まで気持ち良いし一石二鳥。
「つかさ」
「え……こ、こな……ちゃ……?」
私が黄泉へと誘ってあげよう。ついてきてくれるかわからないケド。
「おいで……つかさも……こっちに……」
「うん……わかっ、た……」
つかさの反応が限りなく薄くなった。調べてみたら……死んではいなかったけど、心が壊れてた。こりゃ修復不可能だネ。
なんだよー、もうちょっと気持ち良くなりたかったのに。早すぎだってばよー。
……仕方ない。このままつかさを犯していくか……
「あう、あう、あ、あ、ああ、あ、あう、あう……」
「あぁ……やっぱさっきより緩いや……。まあ元から結構きついからいいけど……」
☆
「はあ……はあ……つかさ……どこ行ったのよ……!」
お、来たねかがみ。
そりゃつかさが朝になっても帰ってこなケりゃ、必死になるよねー。
……ま、本格的に帰っテ来ないダろうけどネ……
「ん、あれは……つかさのリボン!?」
そうソう。あれが終わったら、わざと公園の中心に置いたンだよ。
「つかさ、もしかして……!?」
あ、気付いタみたい。普通に通ってたら見えない部分を探しハじめた。
でも、そこじゃナい……こっち……このトイレだよ……
「つかさ……どこなの……? もしかして……ここかしら……」
そう、そコだよ。
そして全てを見るガいい。恐れおノのき、絶望しろ。
「!!!!」
(違う意味で)感動のごタいめーん。ぱっぱらぱー。
「つ、つか……さ……?」
「……」
反応はなシ。虚ろな目。血の気の失セた顔。グシャグシャにナった髪。そして……おまんこかラあふれ出た、大量の白濁液。
「いや……いやあぁぁあぁぁあああぁあ!!!」
いイよ……もっト叫べ……絶望しロ……!
つかサはまだ死なナいだろうから……つかさが死んデから……カガみもこッチに連れてってあげル……!
あハハ……アハハハハハハハはハハハ!!
柊つかさ:植物状態、数週間後に死亡
ターゲット:残り一人
244 :
19-04:2008/06/04(水) 21:57:34 ID:tlRO5mNs
>>243 いろいろツッコまれそうな気がしますが、まだ続きます。
自分は楽しいけれど他の住民はどうかって考えれない奴がわくとスレが荒れるんだ
ダーク物好きな俺には良い作品w
ちゃんと注意書きしてるし
オレモスキダヨー
死においやった原因はそのうち出てくるのかな?
SSいきます。
10分続きが投下されなかったら、規制にひっかかったので「つづく」ということでヨロ。
非エロ。
実験的SS。
弱冠パラレル。
番 長 対 決 。
しかし、シチュはいつもの日常とそんな変わらない…と思う。
一人、ハードボイルド。
250 :
19-646:2008/06/04(水) 23:25:48 ID:tn6M37LO
>>234 白石……なんということを
これのせいで「話の続き」におかしな影響が出たらどうしてくれるw
251 :
1:2008/06/04(水) 23:27:43 ID:66wkdqku
「陵桜学園・羅気☆酢多組」
陵桜学園。
今ここには、学園のシマをめぐって争う二つの勢力があった。
一つは、総長ななこ率いる羅気☆酢多組。
もう一つは、総長ひかる率いる羅気☆波裸組。
陵桜学園では、数年前まで羅気☆波裸組と羅気☆茶寝組がシマの主導権をめぐって争っていた。
しかし、羅気☆茶寝組の副長・桜庭ひかるが台頭、総長あきらと裏番ゴットゥーザをその座から下し、組の実権を握る。
その後、羅気☆波裸組を再編成し今に至る。
…読みにくい。
らき☆すた組。
場所は校庭。夕日の沈んだ頃、夜の集会が開かれる。
総長ななこを中心に、こなた、つかさ、みゆき。そして、副長のゆい(実はアンダーカバーコップw←本人は忘れている)が揃う。
みかん箱の上に立つななこを始めとするらき☆すた組メンバーが、一人ずつ叫ぶ。
「押忍!今日もウチはマリーンズの応援に精を出し、サブマリン投法で突っ走るで!?押忍!」
「お〜っす!やっぱり今日も旦那が帰ってこなくて寂しいけど、お姉さん頑張っちゃうよ〜〜!!☆お〜す!」
「押忍!今日も私は、プロ野球中継の延長などに負けず、ゴールデン及び深夜のアニメを制覇するっっ!押忍!」
「お…おす!わ、私は…えっと…その、今日は…おいしいお菓子を作れたらいいな…って。お酢!?」
「押忍!今日も私は新たな知識を得、皆さんのお役にたてる知恵を与えていきたいと思います。押忍!」
と、各人の目標を言い終わったとこで、ななこは言った。
「さぁーて!今日も世界史の勉強を始めるでー!」
「えー!!」
「だいたいなんで、私らが世界史の勉強なぞしなくちゃあかんのですかっ!!」
「泉…ウチら、らき☆すた組は日本制覇なぞ狭い目標は持っとらん!視点は世界なんや!!世界史を制する者は世界を制すんやっ!!」
「歴史と世界情勢はちがいますヨっ!?」
…と、こんな具合で毎日集会が行われている。
「…先生それよかネトゲしません?ドラゴンの攻略法伝授しますよ」
「ホンマか?なら今日は世界史はナシや」
「…」
252 :
2:2008/06/04(水) 23:28:56 ID:66wkdqku
らき☆ぱら組
場所は体育館裏。夜の集会。
総長ひかるが、副長のふゆき、かがみ、みさお、あやのを従える。
「おーす…あー、今日はダルイから特に言うことはない。とりあえずふゆき、結婚してくれ」
「うふふっ…もう、組長さんが一番しっかりしないといけないのに。たまには野菜もしっかり食べないとダメですよ、ひかる先生。おす!」
「押忍!まあ、私も特に言うことはないけど…べっ、別にやる気がないわけじゃないんだからねっ!押忍!」
「押っ忍〜!まー今日も程々にがんばって楽しい一日になれヴぁいーや!押〜忍!☆」
「うふふ、みさちゃんたら…押忍!(全くこの組はしまりがないわねうふふいつもダルそうな総長さんに
ぽやぽやの保健室のオバryにどっかのツンデレに元気だけが取り柄のおばかさんだものねでもみさちゃんだけは
別よだって可愛いんだからこんなに可愛いんだから特別扱いようふふみさちゃん可愛いわよみさちゃんうふふ)」
「あー、それと今度、我々らき☆ぱら組はらき☆すた組と一戦交えることにした。負けることは許さんぞ。それじゃー今日は解散」
集会が終わると各自は自由時間になる。
かがみ、みさお、あやのの3人が話す。
「らき☆すた組と対決かぁー、前回は確かうちらが勝ったんだよなー!」
「でも、あんたは負けたんでしょうが…みゆきに」
「だーって、あいつすげえ怖いんだぜ!あやのが怒った時みたいに!!」
「みさちゃん?(何余計なこと言ってんのよみさちゃん血の雨降らせるわよ覚悟はできてる?
ついでにその体押し倒して操を奪ってやるわよみさおだけにねなんちゃってうふふだれがうまいこと言えとry)」
「私は誰の相手になるのかしら…?確かにみゆきは勝負強そうね…つかさには勝てそうだけど、やりにくいわね…
かといって、こなたもなあ…」
「柊ちゃん、らき☆すた組のこと詳しいのね(この女スパイかしら何がツッコミよ何がツンデレようふふなんでこんな女に
みさちゃんが懐いてるのよみさちゃんは私のものよ絶対他の誰にも渡さないんだからうふふ)」
「べっ…別に向こうのことがそんな気になってるわけじゃないんだからねっ!」
「私はなんもいってね〜ぞ?」
かがみは立ち上がりながら言った。
「さてと…そろそろ行くか」
「ひいらぎー、たまにはうちらと夜食食べよーぜ!」
「そうね、たまにはどう?(さっさと行きなさいよみさちゃんに近づくんじゃないわよみさちゃんは私のものよ
私だけのものなのようふふああ可愛いみさちゃんこのデコの光るうちはみさちゃんは渡さないわ。決っっして。うふふ…)」
「う〜ん、悪い。また今度ね、じゃあ」
かがみは行ってしまった。
「う〜…ひいらぎが冷たい…」
「よしよし…柊ちゃん、毎晩どこに行くのかしらね?(ああやっとお邪魔虫が消えたわうふふこれでみさちゃんと
二人きりになれたわうふふさあ今夜はこの愛しい顔をどう料理したあげようかしらねうふふ)」
「ふゆきー、ちょっと痛いぞ。もう少し優しくやれ」
「はいはい、もう…耳掃除くらい自分ですればいいのに…」
ひかるはふゆきに膝枕してもらいながら、耳掃除をしてもらっている。
「いいじゃないか。それだけ私らが仲の良い証拠になるだろう」
「もう、ひかるちゃんたら…」
「結婚してくれふゆきー」
「はいはい…」
こんな組長たちの様子に苦笑をしながら、かがみは目的の場所へ向かった。
253 :
3:2008/06/04(水) 23:32:40 ID:66wkdqku
「おーす、こなた」
「かがみん、やふ〜」
夜中の3時。ここは深夜のコンビニ裏。
どちらの組もこの時間は休憩時間になる。
かがみは、この時間にいつもらき☆すた組の所に遊びに来る。
らき☆すた組のメンバーとかがみは大の仲良しで、かがみはよくこっそりと会いに来るのだ。
夜食を食べながら、4人で話す。
もちろん総長に知られるわけにはいかないから、内緒。
「それで、うちのひかる総長なんて、ふゆき副長にべったりなのよ〜」
「あはは、そうなんだぁ〜」
「そういえば、総長が今度またあんたたちの組と勝負するって言ってたわ」
「むぅ、またやるのか…めんどくさいなー」
こなたが、いやいやそうに言った。
「私だって…あんたたちとケンカなんてしたくないわよ」
かがみはこなたの視線に気付く。
「つ…つかさが心配なだけよ!」
「ふー…ん」
「そっかぁ、らき☆ぱら組が攻めてくるかあ…」
「うん…あんたたちとなんて戦いたくないわよ…」
「私だってお姉ちゃんと戦うのやだよぉ…」
つかさが不安そうに言った。
「別に私が相手になるとは限らないでしょ?」
「あーあ、私もらき☆すた組だったら良かったのにな…」
かがみが心の声を口に出す。
「ふふ、私と一緒の組が良かった?」
こなたがにやにやしながら言う。
「違うわよっ!…つかさのことが心配だし…それに」
みゆきが言った。
「あの…朝の集会が始まるので、行った方が…それにかがみさんもそろそろ戻られては…?」
「あ…そうね。もう行かなくちゃ…じゃあね…」
「うん、またね…かがみ」
名残惜しそうに別れた。
254 :
4:2008/06/04(水) 23:33:58 ID:66wkdqku
3日後…稜桜学園・深夜
校庭に各々の組が並ぶ。
らき☆すた組に、ななこ、ゆい、こなた、つかさ、みゆき。
らき☆ぱら組に、ひかる、ふゆき、かがみ、みさお、あやの。
「ウチは!!陵桜学園らき☆すた組!!黒井ななこであ〜る!!」
「あー、陵桜学園らき☆ぱら組ぃ、桜庭ひかるだ」
二つの組の総長がそれぞれ名乗る。
そして、らき☆すた組とらき☆ぱら組の決戦の火ぶたが切って落とされた。
ルール:
勝負はメンチ対決。メンバーの勝ち抜き戦と総長同士の対決がある。
両者がメンチ切って、先に相手から目を背けたり、戦意を乱された者が敗北となる。
「ふふん、ほな始めよか〜!一番手は泉!!お前に決めた〜!」
こなたが、ゲットだぜー!☆とか言いながら前に出る。
「んー…じゃあ、こっちはお前…名前なんだっけ。まあいいや、行け」
う〜…名前くらい覚えてくれよぉ〜…とか言いながらみさおが前に出る。
●こなた対みさお
らき☆ぱら組から応援の声が届く。
「日下部、負けるんじゃないわよっ!」
「みさちゃん頑張ってね(みさちゃんああ私の可愛いみさちゃんこの勝負に勝ったらご褒美に私の手料理死ぬほど食わせて
ベッドの中でアッー!とかヴァッー!とか言わせてめちゃくちゃにしてあげるからねそりゃもう勝負に関係なく)」
「ちびっこなんかには負けねーんだってヴぁ!」
「ふふん、みさきちが私に勝つなぞ、一万と二千年早い!」
勝負開始。
「あ゛〜?」
みさおは上目使いで眉を八の字にしてこなたを睨みながら(さながら可笑しい顔w)、首をひねりつつ、こなたの顔に近づいていく。
「じ〜〜〜〜」
「(=ω=.)」
「おい、ちびっこぉ〜」
「(=ω=.)」
「なんだよその顔は〜」
「(=ω=.)」
「なんか言えよぉ〜」
「(=ω=.)」
255 :
5:2008/06/04(水) 23:36:26 ID:66wkdqku
こなたは、何を言われても全く動じることなく、表情も変えない何も言わない。
みさおはそんなこなたに、だんだん焦り始める。
「…なんか返事しろよ、ちびっこぉ〜」
「(=ω=.)」
「ぅ〜〜〜…聞こえてんのか、こいつぅ〜〜〜」
「(=ω=.)」
「…あ゛〜〜〜〜!!!なんなんだよも〜〜〜〜〜!!!!」
「(=ω=.)」
みさお戦意を乱され、敗北。
「…みさちゃん、帰ったら、お仕置きね?^^激しいわよ。と っ て も 。」
「なに、その犯罪予告…」
かがみがボソッ呟く。
「ふっふ〜ん、どうや〜!次はウチの組の頭脳・高良行けっ!!」
精一杯頑張ります、と丁寧に言葉を発し、みゆきが前に出る。
「…ちっ。じゃー次、お前。名前は〜…あー、めんどくさい。早く行け」
やっぱり私は背景なのね(ドチクショ)…とか言いながらニコ顔のあやのが前に出る。
●みゆき対あやの
らき☆すた組から声援が飛ぶ。
「ゆきちゃんがんばれ〜!」
「みゆきさん、その巨乳で押し倒すのだ〜!!」
対決前に、みゆきが丁寧に挨拶をした。
「どうぞ、お手柔らかによろしくお願いします」
「うふふ、こちらこそ(お手柔らかにですって何言ってんのよこのピンク女ナマ言ってんじゃないわよ
これは命をかけた勝負なのよサヴァイバルなのよやるわよやってやるわよ覚悟はいい?そして滅ぼすわよ?うふふ…)」
FIGHT。
「…」
「…」
両者は、体一つ、眉一つ動かさず、にらみ合っている。…笑顔のままで。
みゆきの胸がつかえて、顔をあまり近付けられないあやの。
本来、癒し系であるはずのこの二人の背後にはドス暗いオーラが流れている。
どちらも一歩も引かない。
にらみ合うこと、数時間。
疲労困憊で両者ノックアウトとなる。ツマンネ。
「あ〜、あやのぉ〜惜しかったな〜」
みさおが少し残念そうに笑った。
「ごめんね、勝てなかった…(チッ意外と防御が硬いのねあの女つーかあのでか乳邪魔なのよせっかくこの勝負に
勝ってみさちゃんに誉めてもらおうと思ったのに見てなさいみさちゃん次はあなたの前で必ずぶちのめしてみせるわうふふ)」
256 :
6:2008/06/04(水) 23:37:52 ID:66wkdqku
みゆきは、疲労で鼻血を吹いていた。
「あと一息でしだばだば」
「…ごくろうさま、ゆきちゃん…」
その様子を見て、こなたが言った。
「鼻血もしたたるいい女」
「どこがだよ!!!」
相手チームから突っ込みが入った。
「…まあ負けなかったからええか。次は柊!行けっ!」
こなたやみゆきに応援されながら、がんばる〜…とつかさが前に出る。
「…じゃーこっちも。柊、行け」
背景コンビに、全くあんたたちはだらしないんだから…私の勝負を見ていなさい!と言いながらかがみが出て来た。
●つかさ対かがみ
「妹だからって容赦しないわよ〜…」
かがみは、つかさをぎらりと睨んだ。
「ひぅう…お姉ちゃん怖いよ…」
勝負が始まる。
かがみは、何処で覚えたのか、恐ろしい顔、恐怖を植え付ける動き、震え上がらせる声の三大技法でつかさを攻めまくる。まさに凶ちゃん。
「ふぇ〜…そんな怖い顔しないでよぉ…」
「あ〜?さっさと尻尾まいて帰りなさいよ、オラオラ」
「ふえ〜〜〜ん…!!お姉ちゃん、怖いよ〜〜!」
つかさ。泣きながら逃げて、あっさり試合終了。
つかさは、みゆきに抱きつきむせび泣く。相手が悪かった。
「…かがみ、こーゆーの型にハマリ過ぎ(=ω=.;)」
「…うっさい!!!」
「やったな、ひいらぎ〜!」
らき☆ぱら組の初勝利にかがみは温かく向えられる。
かがみは、ふふんと胸を張りながらも、後でつかさに謝っておかなくちゃ…と思っていた。
「くっ、相手が悪かったか…!よーし次は副長対決や!いけ〜ゆいっ!!」
お姉さん頑張っちゃうよ〜!!と意気揚々、出てくるゆい。
「よし、行けふゆき。それと結婚してくれ」
もう、ひかるちゃんたら…と苦笑しながら前に立つ天原ふゆき。
257 :
7:2008/06/04(水) 23:39:05 ID:66wkdqku
●ゆい対ふゆき
ゆいは二丁拳銃を構え、ふゆきは両手にサソリ毒の注射器を構える。
そして二人は…
失格になった。
いくらなんでもねえ。
「うー…なんでてっぽー使っちゃいけないのさ…楽に終わらせられるじゃん…」
つっこみ所の多い嘆きをいれるゆい。
ゆい姉さんて時々、田舎のおばあちゃんみたいな喋りに聞こえるよね。関係ないけど。
「あらあら、蠍の毒は使っちゃいけませんでしたか?」
「…」
こうして、メンバー一通りの対戦が終わった。
こなた○ ― ×みさお
みゆき△ ― △あやの
つかさ× ― ○かがみ
ゆい × ― ×ふゆき
こうして勝敗は、各組1勝1敗。
この中から、唯一勝った者同士で再び戦うことになる。
●こなた対かがみ
「ふっふっふ、やはり、かがみと戦うことになったか」
「あんたには負けないわよ!」
らき☆すた組の声援
「泉、負けんなや〜!」
「泉さん、頑張って下さい!」
らき☆ぱら組の声援
「ひいらぎ〜!頑張れ〜!!」
「頑張ってね柊ちゃん(うふふ調子載ってんじゃないわよこのツンデレ女弱気な妹に勝ったからってえばってん
じゃないわようふふてゆーかみさちゃんが応援してるのがすげーむかつくのようふふ)」
258 :
8:2008/06/04(水) 23:40:31 ID:66wkdqku
試合開始。
かがみがにらみながら、攻める。
でも、こなたはかがみより頭一つ小さいから、少し腰を落としてこなたの顔に近づく。
「じー…」
こなたは、かがみのことを睨みもせず、あどけない顔でかがみの顔をじっと見つめている。
(まったく…こいつは何を考えてるんだか、ホントに分からないわ!)
そうして、顔を近づけていくのだが、こなたの顔と距離が近くなるたび、かがみの顔の体温が何故か熱くなっていく。
表情一つ変わらないこなたとは裏腹に、かがみはだんだん冷静さを保つことができなくなり、しかも、顔がだんだん赤くなっていった。
なっ…なんで恥ずかしくなってくるのよっ!!
かがみの目いっぱいに広がるこなたの顔。
顔を赤くしながら、にらんでるんだか困ってるんだか照れてるんだか、なんだかよくわからない顔のまま、
至近距離でこなたと見つめ合う状態になってしまった。
(くそぉ…こいつ、何故なにも喋らない!!こっちのペースが崩されるっ…!)
「うぅ〜〜…」
かがみの顔がさらに赤くなっていく。
(か、顔が熱いっ!…どうしてこんなに緊張してんのよっ!!)
「どうしたのかな〜?か〜が〜み?」
こなたは、かがみの顔にずいっとさらに近寄った。二人の顔の距離は、ほんの1、2センチ。
かがみの心臓がどきんと高鳴る。
こなたが睨んでるわけでもないのに、かがみは動揺している。
(なっ、なんでこんなに恥ずかしいのよ、もぅっ!!)
こなたの口元がにやぁと綻ぶ。
「むふ〜、かがみ何一人で勝手に顔赤くしてんの〜?」
「…う…うるさぃなぁ!こ、これはハンデよ!!」
「…こんなに押されてるのに」
じぃ〜〜〜〜〜〜〜〜…
「…こうしてるとさ、なんかキスしちゃいそうだよね☆」
「なっ…なぁあ!!!」
かがみの顔は沸騰していた。
「可愛いな♪か・が・み・は☆」
と言って、こなたはかがみの頬をぷにぷにとつついた。
「わっ… …あ…あ…」
あまりに恥ずかしくてもう表情も作れないかがみ。
こなたはニヤっと笑ってかがみの顔に近づいていく。
259 :
9:2008/06/04(水) 23:42:52 ID:66wkdqku
「か、が、み♪」
つん。
二人の鼻と鼻がキスをした。
「ひぁあっ!!」
耐えかねなくなったかがみは、ぷいっと顔を背けてしまう。
「やった!私の勝ちぃ♪」
かがみは、手で高鳴る胸を押さえながら荒く息をしていた。
「はー…はー…」
「どしたの?かがみぃ〜」
こなたがまた顔を近づけてきた。
「ふわぁっ!!も、もういいって!私の負けだからぁ!もぅいいわよぉっ!!」
かがみは後ろを向いてしまった。
こなたは、そんなかがみの様子を見て、ニヤニヤしていた。
かがみ敗北。
こうして、残る勝負は総長同士の対決となった。
●ななこ対ひかる
「正々堂々勝負といくでー!」
「分かった。ふゆきー」
「なんですか?」
「結婚してくれ」
「話聞いとるんかおのれぇ!!!」
試合開始。
睨み合う両者。
総長同士とだけあって、一歩も引かない両者。
背の低いひかるは上目使いで「あー?」と睨む。
一方のななこは目だけでなく、口でも攻める。
「なんや、ボケコラー。ヤキいれたろかぁ!?」
「…お前の死に場所を探してやるぜ…墓にはなんと刻む…?」
「二人とも怖いよー…!」
つかさはおびえている。
「なんや、この年増女」
「私は年がわかりにくいからいいのだ」
「ただ背が小っさいだけやんか」
(ちっ…食えねぇ女だ)
(くっ…こいつも泉みたいに表情よくわからんやっちゃな…よ〜し…ここらで…)
260 :
10:2008/06/04(水) 23:44:18 ID:66wkdqku
「ふーむ、らき☆ぱら組の総長さんはふゆき副長にベッタリだそうやなあ…」
「…なぜ、お前がそれを知ってる」
「へへ〜ん、ウチの情報網は広いんやで♪おぉ、動揺してるか?動揺してるか?」
「…するか」
さらに睨み合うこと小一時間。
が。結局、勝負はつかなかった。
故に、1勝多くしているらき☆すた組が今回の勝者組となった。
「やったで〜!!ウチらの勝利や〜!」
「わーい♪」
「…ちっ」
「ぅあ〜〜〜負けちまったぜ…」
「…負けちゃったわね」
「わ〜い!やったね〜」
「私たちの勝利ですね…」
「ふふん、らき☆すた組は無敵なのだよ☆」
「…」
かがみは、喜ぶこなた達の方をちょっと切なげに見ていた。
ひかる先生は何か考えていた。
後日…
らき☆ぱら組の集会にて。この前の対決の反省会が行われていた。
「…柊、お前はあのチビに弱いらしいな」
ひかる総長に指摘され、ぎくっ、としたかかみ。「どのチビだ?」とひかるを見つめるみさお。
「…今度、うちの組に新メンバーを入れて再編成することにしたんだが…柊、お前をこのらき☆ぱら組の面子から外す」
「えっ!?」
「うちの組の情報漏れがあったみたいでな。お前が密かにあっちの組の奴らに会いに行ってるのは知ってる」
「あ… …ごめんなさい…」
「それで。まー…なんだ、お前は今日かららき☆すた組に行け。もう向こうの総長に話は通してある」
「えっ…?」
突然のことで、ぽかんとなるかがみ。
願ってもないことだったはずなのに。
じゃ、じゃあ、向こうの組に入れるの…?こなた達と同じ組に…
「いいんですか…?」
261 :
11:2008/06/04(水) 23:46:08 ID:66wkdqku
シュボッ…
ひかるはタバコをくわえ、ライターで火をつける。
しかし、ふゆきがひかるのタバコを口元から外し、変わりにパイポをくわえさせられた。
ひかる先生のちまい後ろ姿は、夕日に照らされていた。
「せいぜい向こうの妹たちの面倒でも見てやるんだな」
「あっ…ありがとうございますっ…!」
「あー、いいから早く行け」
こうして、かがみはらき☆ぱら組から去って行った。
「みゅ〜〜…ひいらぎがあのちびっ子の組に行っちまったぜ…」
「よしよし…(うふふああみさちゃんが私の胸で泣いてるなんて可愛い子なのそのぱっちりした目も可愛らしい声もちょっと飛び出た八重ヴァも何もかもが愛しいのよああみさちゃんうふふ)」
「あやのは、どこにも行かないでくれよなー…」
「ふふ、大丈夫。私はみさちゃんとずっと一緒よ…(ええもちろん離すもんですかこれでみさちゃんの全てが
私のものよみさちゃんああ私の可愛いみさちゃんずっと一緒だからねもう離さないわよ。 … 一 生 。)」
ふゆきがひかるに話しかける。
「ふふっ、柊さんが行きたがってたから、行きなさいって素直に言えなかったのかしら?」
「何かな。そういうのはシャクだったからな」
「ひかる先生は素直じゃないですね」
「私は素直じゃなくていい」
「…でも、一人減ると寂しくなりますね」
「行くべき所へ行ったまでだ。飛びたがってる鳥を籠から出してそれをみ守る…それもいいじゃないか…」
ひかるは後ろを向いて言った。イブシ銀。
シュボッ…
ひかるはライターに火を付けて口元へ運ぶ。
…が、パイポに火はつかなかった。
「ひかるちゃん…わざわざ向こうの組に頼みに行ってくれたのよね…?」
「…あー、向こうも渋ってたがな」
「それでもなんとか頼んでくれたのね?柊さんのために…わざわざ一人で頼みに行ったのよね…
私も一緒に行ってもよかったのに…」
「…所詮、私は道化。恥をかくのは私だけで十分だ…」
「ひかるちゃん…」
ふゆきが少し頬を染めながら、ひかるの背中に微笑む。
夕日に照らされたひかるは、ふゆきの目には少し大きな背中に見えた。
「なあ… ふゆき… 」
「…結婚してくれ… …ですか…?」
262 :
12:2008/06/04(水) 23:47:22 ID:66wkdqku
「タバコ返してくれ」
「…」
ふゆきはタバコを返さなかった。
…そして、らき☆すた組にやってきたかがみ。
「そ…それで今日から、私も、こっちの組になったから…まあ、よろしくね」
「わーい、これからはお姉ちゃんと一緒だねー!」
「うふふ…私も嬉しいです!」
「う、うん。ありがとね二人とも」
「まあ、ウチの組に入ったからにはしっかり頑張りぃや〜」
「…はい!」
「かがみぃ」
顔をニマニマさせながら、こなたが寄って来た。
「な…何よ」
「改めて聞くけど、私と同じ組になれて良かったのかな?かな?」
「あー!うっさい!!!擦りよるな!!」
こなたは嬉しそうに、かがみに微笑んでいる。
「… …まぁ…そうよ…いけない!?あんたと同じ組になりたかったの!悪い!?」
「…そーそ。たまに素直になるかがみが可愛いんだヨ」
こなたは満足そうな顔をして笑った。
「…ばか」
かがみは口と尖らせて言った。
さらに後日。
らき☆すた組は今回での対決を機に戦力アップを測った。そこでスカウトされたのが…
「あっ…あの…大きな戦力にはなれないと思いますが…よろしくお願いします」
超ちびっこのゆたか。
そしてもう一人。
「うふ、みゆきと一緒にがんばるわよ、…おす!」
みゆきの母、ゆかりだった。
263 :
13(完):2008/06/04(水) 23:49:58 ID:66wkdqku
一方、らき☆ぱら組でも、新戦力が導入されていた。
「…ゆたかと…同じ組になれなかった…でも…がんばる… …おす」
無口の伝道師・みなみ。
「女同士のメンチ対決…あーなんか 同人のアイデアが豊富に沸いてきそうっす! 頑張るッス!!押忍っ!」
「Hi!ミンナとの対決トテモ楽しみネ!!osu!!」
腐女子のひよりと欧米腐女パティだった。
こうして、戦いはさらに激しさを増していく…
ムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムム ムムムムムムムムムムムムムムムムム
ムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムム ムムムムムムムムムムムムムムムムム
完。
自分でもびっくりするくらい長くなってしまった…ゴメソ。
どうだろうね…このSS。
あ、あと留意点一つ言い忘れてた。
・あやのの黒い。
以上の留意点を読んだ上でこのSSをお読み下さい。
>>263 まずは独自設定物語に笑わせていただいたGJ!
そして、鼻血みゆきに続いて、
黒饒舌あやのを
新たにこのスレの常連に
登録したいと思いました!
コレは新しい!新しい!
心の内は黒くて饒舌でみさおを虎視眈々と狙っている裏変態キャラ
これはとてつもなく汎用性がありそうだ(゚∀゚)9m
>>264 ふおっ!いきなりお誉めの感想嬉しいっす。
長い間、推敲しながら作ってると、正直これ面白いかな?と思ってハラハラしながら投下することあるよ。
あと、
ムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムムム
これは、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
が文字化けしてしまったものです。決してこのスレを呪うなんてつもりはありません。ではノシ
>>263 黒あやの実験は成功したということでGJ。
本格的な実用化をwktk。
鼻血みゆき・・・何かに萌えるごとに鼻血が絶えない、
致死量はとっくに放出してるのに五体満足という
萌え要素にして無敵超人。
こな☆フェチから、見事キャラ立ち昇華を成し遂げた、
今やこのスレに無くてはならぬ存在。
コナーク・・・周囲にフェチられるごとにダンボールを被る。
なぜかそれで完璧な潜伏が可能となる萌え特殊工作員
但しかがみには通用しない。
暴走かがみ・・・こなたに萌えるごとにバーサークモード発動。
潜伏こなたをあっさり見破っては襲い掛かり、
「にゃあああああ」と言わせるのが日課。
黒つかさと白つかさ・・・嘗てこのスレを席巻していた表裏一体のモードキャラ。
黒はうらみがある者にバルサミコの呪いをかける。
白は何でもかんでも平和的解釈をして
あらゆるものの憎しみを中和してしまう。ある意味無敵。
……すまん、苦情なら受け付けるorz
>>263 みんな個性あるなー・・・w
そしてひかるセンセかっこよすぎ。
これはかがみも大喜びですね。GJ!
>>269 なるほどねー。
前にみゆきさん本来の性格でのSS作ったけど、難しかったなー。元は、やんわりぽやぽやの女の子だもんね。
だからこそ、
こなたは可愛らしい笑顔でみゆきに微笑んだ。
みゆきは鼻血を噴きながら「ひゃほおおおおおおおおうううっっ!!!!」と
叫びながら窓ガラスを突き破り、外に落ちていった。
ていうのが余計面白い。
さて、今日は久方ぶりの休みなんで、これから溜まったSS読んでいくゼ☆
…他にやることなかったのか俺はorz
273 :
ちち☆自重:2008/06/05(木) 19:17:43 ID:+J96vOJF
>>273 ちょw 豊満自重w むしろこれはこれでストライクな俺自重。
88-55-87(2巻巻頭から妄想)から99-66-97とか。
というかこうなったら、むっちりみゆきさんを妄想して一本抜いちゃう白石のSSで一つ。
だんだん白石が好きになってきました。
275 :
42-519:2008/06/05(木) 20:48:56 ID:MdWQm29D
>>273 でかい……だがそれがいい!とりあえず白石落ち着こう。
さて、誰も準備していませんでした、5分後に投稿しますね。
二輪の花 第7話
・8レス使用
・非エロ
「おはよ、こなちゃん」
待ち合わせ場所にいくと、柊つかさが笑顔で出迎えてきた。こなたは挨拶を返し、すぐに異変に気づく。
「……かがみは?」
「なんだかお姉ちゃん、今日は早く出る用事があるんだって」
「そっか」
そういいながら、安堵している自分に嫌悪感をこなたは覚えた。
かといって合わせる顔がないのも事実だったし、陵桜学園への最寄り駅に近づくたびに大きくなる心臓の鼓動が急速に収束していたことには嘘をつきようのなかった。
「風邪治ったんだ」
「うん、でも休日中ずっと家に居たんだ。暇で暇で〜」
「元気でなによりだよ」
というより、つかさが普通の風邪で安心した。
9月も中盤に差し掛かり、周りの景色もほのかに秋めいてきた。広葉樹の花はもみじ色にかわり、ひらひらと落ち葉を降らす。
落ち葉の上を歩くとくしゃっ、とこ気味いい音を奏でて踏み分ける。
この音ってかわいいよね、とつかさが話しかけるので、こなたは肯いた。
まだまだクーラーやら扇風機やらが欠かせない季節で、青を基調としたセーラー服を着ている二人にも額や脇にうっすらと汗で湿らせる。
道中無言では退屈なので、二人は共通の話題である中間テストについて議論する。
「こなちゃんは大丈夫? 私、どうしよ〜。また50点とか取るとさすがにお父さんも呆れちゃうかなあって」
「まあつかさんところはかがみが優秀だから、比較していろいろ大変だね」
「でもそれは単に、お姉ちゃんが頭いいだけなんだよね。私も良ければいいんだけど、なかなかうまくいかないや」
「…まあ、こればっかりはねえ」
二人してため息。二人とも進級に響くほど点が悪いわけでは決しないのだが。
横断歩道にはいつもこなたは苦言を呈す。
「この信号機明らかに空気読めないよね。私在学中にこの交差点に車がよぎったのみたことないよ」
「わたしも〜、それでいて赤でいる時間が長いんだから困っちゃうよね」
「てゆーか学校のアクセス悪杉」
「あはは」
「――だから車多杉」
「特にここって、青の時間が短いんだよね」
「だよね。登校時間帯だと人が多くて、渡り終える前に点滅するから少しびびっちゃうよ」
「私、昔それで転んじゃってね、ほんとどうしようか焦っちゃった〜」
「かがみんも大変だね」
「えへへ、お姉ちゃんはいつも助けてくれるの」
「そっか」
かがみ、どうしたんだろうとつかさに聞いてみようと思ってやめた。
もうすぐで学校だ。心配しなくてもかがみとあう機会はあるとこなたは思った。いくら拒否しようと否応なしに。そして胸が痛む。
赤から黄色へと色彩が変化する。そこでつかさが一歩歩こうとする。こなたはセーラー服をつかんでそれを静止した。
もういちど黄色から赤。その後青に変わった。
「ごめーん、こなちゃんありがとう〜」
「つかさ、いい加減覚えなよ」
そこからすぐ先にバス停がある。
バス停に乗って、陵桜学園へ。
「やほ」
お昼休み。いつものようにかがみはC組にやってきた。こなたの顔に緊張が走る。
かがみはなんでもなしに挨拶をした。
「うん、おはよ、かがみ」
「……もう昼だろ」
「でも今日初めてあったんだから、やっぱりおはよ」
ぎくしゃくとした会話に、みゆきとつかさが加わり、賑やかさを増す。
「かがみさん、お元気そうでなによりです」
「みゆき――この前はありがとね」
「本当にありがとうゆきちゃん〜 私ひとりじゃ不安だったよ」
「ええ、お力になれたのであればなによりです」
みゆきは貴婦人のように優雅に笑う。育ちのよさが見て取れる。
かがみが弁当箱を広げると、鳥の唐揚げ、きんぴらごぼう、ハンバーグ、三色ごはんがきれいに型崩れせず盛られていた。
「おお、さすが豪華だね」
こなたが感心する。
「まあつかさが当番だからね」
「いや、かがみんの弁当もいいと思うよ? ダイエットに最適だし」
「うるさいな」
……かがみはかがみのままだ。
それなら今は、あの時のことなんて忘れておこう。せめてこんな時間は、いつもの時間を切り取っていてもいいんじゃないか。
こなたはそう、それでいいんだと自分を鼓舞して景気よく朗らかな声で、
「黄金生活にでられるようなレシピだよね、かがみんは〜♪」
「どーせ私は消費専門だよっ!」
「いや〜じゃあ私のも食べてみる?」
「え、いいの?」
「今度作った挙げるよ。どーせ二人分作ったって大して時間は変わらないし」
「そ、そっか。その、楽しみにしているわよ」
顔を赤くしながら、嬉しそうにかがみは笑った。こなたはその顔をほとんど見ていなかった。
そんな日常すら長続きしない。当たり前は脆弱で、ぼろぼろになってしまっていたから。
おどおどしている(そう見えなくもない)女生徒が廊下付近でうろうろしていることににクラスメートの誰かが気づく。
あまりの小ささにそのクラスメートは曖昧な笑みを浮かべながら「誰かをまっているの?」とあやすようにいった。
その少女は「はい……、泉先輩を呼んできてもらえますか」
クラスメートが賑やかに弁当をつまむこなたたちに机に赴く。あまり仲の良くないクラスメートの来訪に一同が疑問符を浮かべていると、その理由を述べる。
こなたとかがみが同時に息を呑んだ。
みゆきははっと目をせわしなく動かし、つかさはみゆきの顔を不安そうにちらりと見つめた。
***
「ゆーちゃん、何か用」
もう普通に接することなどできない。こなたは敵対心を隠せずにぶっきらぼうにいう。
「この前の写真、どう?」
ゆたかはいの一番に切り出す。
「……それがなに?」
「わかった? 私とかがみ先輩の関係。だから邪魔しないでくれる?」
「――本当に?」
「……どういう、意味かなあ?」
ゆたかの顔を直視できない。
もしかしたら、少なくても今日はいつもの生活をすごせると思っていたのに、あっという間に現実に引き戻されて苦痛のあまり呻吟する。
こんなどろどろな関係、ゲームや漫画だけでいい。そりゃ何度か剣と魔法の世界なんてものにこなたはあこがれもしたが、それでいてこうした生活も、好きだった。
かがみとふざけあって、つかさとみゆきさんと一緒に、いやいやながらも勉強する毎日は、今になって確かに楽しかったと、こなたは思う。
「本当に、かがみと付き合っているの?」
「写真、みたでしょ」
「……それは」
「だから、かがみ先輩のことを考えてあげて。もしここでこなたお姉ちゃんがしゃしゃりでたら、かがみ先輩はきっと困る」
「そう、なのかな……」
「前も言わなかった? かがみ先輩は――」
「や、やめて!」
思わず大声を発する。たとえそれが事実でもききたくない。
目の前に居る少女は、もはやかわいらしく何事にも純粋なゆたかなんかではなかった。
「もちろん、対価はあるよ。ほら」
「……」
半ば呆然と差し出されたものをこなたは見つめていた。
「なんだったの」
とぼとぼと歩いて戻ってきたこなたに、真っ先にかがみが聞いた。
こなたは虚ろにかがみの顔を見てどおう告げればいいか、間をおきながら考える。
「――私に最低の役を演じろだってさ」
「なによ、それ」
「さあ」
それっきりこなたは黙った。
「ねえ、こなた」
かがみはお昼休みが終わる前にもう一度はなしかける。生返事が返ってくる。
「これ、もってて」
そういって一輪の花を渡す。真っ白な造花だった。
どっかで見たような気がする。それでいて全然思い出せない。
「何これ?」
「カーネーション」
「母の日は5月でしょ? てゆーか、かがみんのお母さんでもないけど。頭狂った?」
「なぐったろか」
「……じゃあなにさ」
やっと生気を取り戻したこなたはすねたように言う。何がしたいんだかがみんは。
「女の子の、あんたにね」
「わけわかんないよ」
「とにかくもらっとけ、あと覚えとけ。じゃあ私いくから」
むりやりこなたに造花を押し付けると、図ったようにチャイムの音が鳴り響く。ちょっとまってよ、との呼びかけは鐘の音にかき消される。
かがみはツインテールを左右にゆらしながら教室をでていった。
「なんなんだいったい」
こなたは呆然としながら机に置かれた一輪の、白い花を見つめた。
しかたなしに鞄にしまった時、いつものように黒井が遅れてやってきて、肩で息をしながら教壇にたつ。
これって私へのプレゼントか?――いつものように聞いたふり、ノートを書いた真似だけしてこなたは差し出されたカーネーションの花を頭の中で描写した。
五時間目が終わった休み時間、こなたは疲れているのか、うつらうつらと頭を左右にかくんかくんさせているみゆきに話しかける。
ちらりとこなたがつかさの机を見たとき、つかさも頬杖を付いて目を閉じていた。
「みゆきさん」
「むにゃむにゃ……だめですよう、こなたさん。そんなことされましたらあ、私の胸がさらに大きく……」
「ど、どんな夢?」
「どんな夢とおっしゃりますとお、そうですね……こなたさんのかわいい御手が、私の――え、ええ!!
い、泉さん! 私何か変なこと言いましたか?」
「変なことというか、続ききぼんぬというか……まあ、それはいいや。ねえみゆきさん、カーネーションについて何か知ってる? 暗示とか」
みゆきはいつものように考えるような仕草をして、頭の中から情報を的確に選び出す。
「……母の日に送るものですね。赤のカーネーションなどは、よくテレビでも耳にしますし、私も贈りました」
「いや、私でもそれくらいは知ってるけど」
なんとなく馬鹿にされた気がしてこなたは不満を、きわめて明るく、嫌味にならないように述べる。
「申し訳ありません、別に泉さんを馬鹿にしているわけではっ!」
「わかってるよー、それで教えてくれない」
「そうですね――アメリカのアンナ・ジャービスさんが提唱したと言われているそうです。
花言葉としては『女性愛・感覚・感動・純粋な愛情・真実の愛』が一般的です。
私が図書館で調べたときに書いてありました。ただし、バラなんかは色によっても、つぼみなのかどうかなどにも変わりますから一義的なものではありませんが」
「花言葉か……うーん」
「あ、そういえば」
みゆきはぽんと手をたたいて、
「小早川さんもカーネーションを持っていらっしゃるそうですよ」
みなみさんが話してくださいましただけで、小早川さんから見せて貰ったわけではないのですが、と付け加える。
そうだ。こなたはゆたかと秋葉原であっていたことを思い出す。あの時、確かにゆたかは一輪の造花をこなたに見せていた。
鮮やかな黄色の造花を、こなたと同じように。
謎が謎をよぶなあ、とこなたはバッグに入っている白いカーネーションの造花を一瞥しながら思う。
ゆーちゃんに? そして私に?
常識的に考えれば、母の日に贈るものだ。
もちろんそれ以外の用途もあるとは思うけれど、カーネーションといって思い浮かべるのは優しく微笑む母、母の日だろう。
――母の日。
お母さんならこの意味もわかったのだろうか、と天井の虚空をぼんやりと眺めながら、こなたは写真でしか知らないかなたの顔を思い浮かべる。
ほくろとあほ毛がない以外は瓜二つのかなたが、若き日のそうじろうと一緒に微笑んでいる。
いつまでも色あせない、切り取られた世界で永遠に微笑をたたえる。
かなたはそうじろうのことを「そうくん」と呼んでいた、とそうじろうは言う。
こなたの知らない両親の若き日、それを想像すると背徳と形而上的な罪悪が胸につっかえて残った。
(そういえば)
ひぐらしのカナカナと鳴く声が響き渡るいつしかの夏の日に、どこかで見た気がする。
誰かと一緒に、誰かのために。それがどこで、何かは、霧がかかったようにぼんやりとしていて思い出せない。
あんなお父さんのどこがいいんだろうか、なんて苦笑する。
お父さんのことを「そうくん」と呼んで微笑むかなた。とはいえ最近、こなたがそうじろうを見直した「俺が世界で一番、かなたを愛している」との言葉。
あのときのそうじろうは、確かにかっこよかった、とこなたは思う。少なくてもお母さんはいい相手を見つけた、と。
照れくさそうに、幼馴染で、永遠の憧れだったかなたをデートに誘ったり、プロポーズするそうじろうを想像する――まるでリアルギャルゲーみたいだ。
「あの、泉さん」
そうしたノスタルジックな回想に浸っていたとき、みゆきの声で現実に引き戻される。
「あ、ごめん、話しているときにぼーとしてて」
「いえいえ、私もお恥ずかしながら同じことをしましたので……」
「それで、何かな?」
「泉さん、最近悩んでいらっしゃいませんか?」
…………息を呑んだ。
こなたは落ち着きを払おうと努力する。
みゆきは心配そうな顔で、こなたを見つめている。
ゆるいウェーブのみゆきの髪がなびいた。まばたきをした後のみゆきの瞳は強い決心で満ちているようだった。
「――大丈夫だよみゆきさん。昨日私徹夜でネトゲーでさあ! もう眠くて眠くて」
「本当に、本当にそうなのですか?」
みゆきは訴えるような目で、繰り返した。同じことをかがみに聞いた。そのときは――。
「大丈夫大丈夫、ちょっと疲れてるだけだから。だからさ、次の時間たぶん寝ちゃうと思うからノートよろ〜」
「そう、ですか」
チャイムの音が鳴り響く。それに感謝するようにこなたは、みゆきの瞳から逃れ、席に戻る。
罪悪感に後ろ髪を引かれる思いもあったが、こなたは頬杖をついてぼんやりと教科担当の教師が来るまで物思いにふけっていた。
284 :
42-519:2008/06/05(木) 21:11:37 ID:MdWQm29D
以上でした。陵桜学園のモデルは見たことがありませんので、そこはファンタジーで書いてます。
すっかりカーネーションも季節外れになってしまいました。一応この辺りを書いた時点では母の日前だったんですが……。
>>284 まさか白いカーネーションだとは思わなかった
どういう意図でかがみがこなたにこれを送ったのか気になる
そして・・・できることならかがみが救われる結末であって欲しいと祈らずにいられない GJ !
>>284 GJ!
ここでかがみからこなたへ、
白いカーネーション…。これをどういうつもりで渡したんだろ。
そのままの意味なのか、または別の意味があるのか…。
最後には、かがみが救われると信じたい
白いカーネーション…意味は調べてわかったがかがみの意図が余計にわからん。
読解力不足なんだろうか…。
「覚えとけ」ってのも気になるよなあ
続きが待ちきれない…!
かがみも、こなたももちろんそうだが
ゆたかも掬われて欲しいなぁ
衛生委員〜衛生委員〜
素直に赤かピンクにしとけばいいような気がするが、こなたが「かがみの伝えたかった意味」に
気づくのかどうか。はらはらぐっじょぶ。
>>289 私が救うし……掬う……
ていうか……最近ゆたかと……触れ合えてない(´・ω・`)
これはなに?……いじめ……?;;;
続きが読めて嬉しいです。GJ!
こなたには白のカーネーションですか……
かがみ大胆だなw
294 :
麦笛:2008/06/05(木) 23:27:28 ID:078s82Lz
毎度ご迷惑をおかけしています。
このレスも「流れ読んでいない」とか思われてしまうかもしれませんが、辞去の報告をさせていただくためにレスをさせていただきます。
この度誠に勝手ながら、まとめサイトの方でもご提案があり自分の中でも考えた結果、
このスレッドから離れて、自分のサイトというものを立ち上げてゆっくりと更新をしていくことにしました。
自分のサイトを閲覧したい方のために、まとめサイトの私の作者ページにサイトへのヒントを載せておきましたので、必要ならご覧下さい。
このスレッドを利用している皆様に多大なる迷惑をかけてしまったことは、自分の中でも後悔しか残らないくらい申し訳なく思っています。
自分の度重なるミスにも温かいコメントを下さる方々がいて下さり、その時どれだけ気持ちが楽になったことかわかりません。
良いコメントや、時に厳しいコメントを下さった皆様には、感謝と反省の気持ちで一杯です。
時に喜び、時に落ち込み、このスレッドで皆様と過ごした1ヶ月間は自分の中でとても充実していました。
このような結果になったのは、全て私の責任です。今後は完全にエロ無しの文章でやっていくつもりです。
最後に、約1ヶ月お世話になったこのエロパロ版の更なる発展を祈りながら、このスレッドから去りたいと思います。
皆様 どうもありがとうございました、そして、申し訳ありませんでした。
麦笛
>284
ああ……そろそろすべてが収束してゆくのか……
もっとみゆきさんを頼ろうよこなた!いや、あんな寝言言われたらかえって信頼できないだろうがw
>294
おう、こういう場での行いとしては非難されても仕方ないような事だったが
その創作力は埋もれさせるにはもったいない、ぜひ頑張って続けてくれい
>>294 スレ汚しになるからカキコするな。最後までウザイ奴。
>>294 長い
さようなら、サイトの発展を祈る。
ていうか、追い出しムードを作ったのは約一名のDQNのような気もするなあ。
他の人は老婆心から注意しただけで。
ていうか、最近耐性なくてすぐに喧嘩口調
あまつさえ有無を言わさず罵詈讒謗誹謗中傷しかしない奴がいるが、何がしたいのかね。
気に入らなければ、NGにでもなんでもやって無視決め込めばよかろうに。
俺も麦笛氏には色々注意した側な手前大きなことはいえんけどさ。
悪口しかいえない奴は、荒らしと寸分も違うところないよ。
スレにとって害しかもたらさないから、そいつこそ消えてほしい。
↑
これは何も麦笛氏に対するものにかぎったことではない。
最近それ以外でも目に余る誹謗中傷レスががあるからな。
あ、そうか、俺も釣られたのか。
ああやばい、これがもとで売り言葉に買い言葉テンプレ張られちまう。
これも荒らしの手口だったっけ('A`)
というわけで麦笛氏、出て行くというなら仕方ないけど、がんばってほしいデス。
色々あったけど、作品を書き続けるのは本人の自由だしね。新天地でガンガレ
SSでない長文を見るとついつい立て読みを探してしまう
今回はネタとかガセとかじゃなくて本当に去っていくのですか……
よくコピペになっている、"真スルー"を住人全員ができるようになれば
こんなことにはならなかったかもしれないと思うと残念ですわ
たとえネタだとしても煽りに反応しないような耐性があれば……
>294
今回の件は、あまり気にしなくてもいいです。
単に、スレの雰囲気に合わなかっただけのように思えるので。
別所でも、良いSSを書かれることを期待しています。
うー、なんというか……
いろいろありましたが、やはり職人さんが去っていくのは残念です。
麦笛氏、新天地でも頑張ってください、としか言えません。
おバカなネタ絵を投下しようと思ったんですが、しばし自重しますね。
明日のこともあるので、1時間ぐらいですが。
>>303 何度でも声を大にして言う
お の れ は 自 重 ☆ 禁 止
1時間後がたのしみ(≡ω≡.)b
>>303 自重する妄想屋なんて…妄想屋さんなんて…うわああああーーーーん!!
1時間後を楽しみに待つとしよう。
>>284 ゆたかがこなたとどんな取引をしたのとか、なぜかがみがゆたかに捕食されに行くのか
疑問が付きませんが道は見えませんがハッピーエンドの匂いがします
もし? みゆき→こなたでしょうか
たのしみ
>>263 みなみがまたやりそうな
GOGO
>>244 かがみ、こなた達を殺した犯人に復讐しようとするというストーリが浮かびました
柊家って神社だよね
こなた最期メビウスのボガード見たいのに喰われそうな気がする、あるいはふぇち化したごーすとかがみ達に捕食される
>>228 思えばこなた→かがみに取れる行動をこなたがとった事があった気が
次はきすの前後ですか?
>> ――“そんなの”なんだ、私は。
>> そう云われるのが失礼になる。そんな存在なんだ。
・・・・
>>214 GUU
>>194 すごいラブストリー
>>185 つかゆか同盟にかがみは勝てないようですね
逆転のチャンスはみゆき、みさお、みなみ達しだいでしょうか
てか、絶対つかさとゆたか組んでますよね
>>294 サイト登録しました
……ひとつ言い忘れました。(絵の)タイトルは『永久機関w』ということで。
んじゃ!(シュタッ)
>>308 なんという幸せすぐる永久機関!
しかし、貧乳のこなたにはこれは拷問では・・・www
あ、もっと拷問な人がいるからいいのk
「情報連結……解除……
あqwせdrftgyふじこlp;……」
アレ?(・∀;.:,.;..
これは胸ぺったんガールズへの挑戦と見た!
よし保存してネタを考えておこう。
…他の速い職人さんがいたらお蔵入りだけど。絶対俺より上手いから。
なにをおっしゃるうさ……かがみさん
ここに来ると原作を思い出せる
アニメの印象が強すぎて原作に帰る機会が減っている今、とても貴重な場所だ
>>313 原作っぽい言動のこなたも多いもんな、ここのSS。
アニメ版と原作版が共存してるがごとき作品もあるし。
原作からもアニメからもかけ離れた隔離世界だろこのスレは
『いい意味で』
こなた「ハァハァ…かっかっかがみんっ!ツーンデレデレ!」
かがみ「い、いやっ!こなた!目を覚まして!」
パティ「無駄ネ!エロスカスタマイズされたコナタはもうSexualモンスター!大人しくヴァージンを捧げるのDeAth!!」
かがみ「わ、私たちっ…キスも…まだっ」
???「待ちなさいっ!」
パティ「な…貴方はッ!」
???「乙女の純潔踏みにじる…悪魔の軍団許さない…私は毎日勝負下着!仮面アヤノーぶりゃぁーっく!(いさお 仮面ライダーBlackでググってくれ)」
パティ「くっ!チョコザイナー!コナタ!」
こなた「おっぱいのペラペラソース!」
あやの「遅い!ライダー…パイルドライバー!」
こなた「もきょっ!?」
パティ「あ、あわわわ…な、何て事を!コナタがめり込んで」
あやの「隙有り!猛虎原爆固め!」
パティ「マイガーッ!」
あやの「柊ちゃん!」
かがみ「峰岸…助かっ」
あやの「メイクラブ!」
かがみ「状況かわんネッ――!」
あやの「柊ちゃんのはじめて、美味しかったわ」(シャワーをあびながら)
かがみ「…」(シーツにくるまりながら)
>>307 これはいい永久機関wこなたが羨まs(ry
じゃあSSの代わりにあなたはその絵の制服無しverをですね(ゴニョゴニョ
>>317 そして、
再生されたコナタが仮面アヤノーBlackを倒し、
進化した仮面アヤノーBlack Rxが再生コナタを倒し
復活を遂げた超再生コナタが仮面アヤノーBlack Rxを倒し、
3クール目でテコ入れされた仮面アヤノーBlack Rx Sp1が超再生コナタを倒し、
装いを新たにしたコナタVer.2.0が……
こなた「『強さのインフレ』はいずれ破綻するんだよ。DBZしかり、キン肉マンしかり」
かがみ「アンタが言うな」
みゆき「でも、『最後の最後に、基本中の基本の技で勝つ』、という回帰現象には、えもいわれぬ『燃え』がありますよね」
かがみ「み、みゆき!?」
320 :
19-04:2008/06/06(金) 17:30:18 ID:Q7Gac99G
どうも。
夜中目を覚ました時にふと閃いたものを投下します。
注釈
・エロあり
・ゆたか×こなた
・ネコ
五スレほどいただきます。
他に準備してる方がいなければ五分後に投下します。
「う〜ん、いいお天気〜」
ベッドから起きてカーテンを開けると、朝の眩しい日差しが私の部屋にさんさんと降り注いできました。
朝からこんなにお天気がいいと、何かいいことが起きるんじゃないかなーって思います。
ただ、今日は休日で、どこにも行く予定がないんですよね……。
とりあえず、私――小早川ゆたかはパジャマを脱いで部屋着へと着替えることにしました。
その途中、突然私のケータイが鳴り始めました。これは……メールの着信音。
着替えを住ませて開いてみると、隣の部屋のこなたお姉ちゃんからのメールでした。
今すぐ私の部屋に来て!!!!!!!!!
こなたお姉ちゃん、ビックリマーク打ち過ぎだよ……
それに、どうしてメールなんでしょう? 隣の部屋なんだから、来てもらうだけなら呼べば声は届くのに。
……考えても仕方ありませんね。私は部屋を出て、こなたお姉ちゃんの部屋へ向かいました。
「こなたお姉ちゃん、入るよー」
ノックして、しかし返事がないことを疑問に思いつつ、私は扉を開きました。
「こなたお姉……ちゃ……?」
……絶句しました。
だって、私の目の前にいるこなたお姉ちゃんは……
「にゃ、にゃーにゃん! にゃーにゃーにゃんにゃ!!」
頭には猫耳、背中からのびてるらしい猫の尻尾、手足は三本指になっていて肉球までしっかりとあり、喋る言葉は『にゃー』だけ……
……信じられないけど……こなたお姉ちゃんは、猫になっていたんです……
《ハヂメテのデキゴト〜こなた・ゆたか編〜》
『朝起きたら、こんな風になってた』
こなたお姉ちゃんは言葉が話せないようなので、ケータイのメール機能を使って文字を打ってもらってます。
『二足歩行も無理だし、服が邪魔でうまく動けないからゆーちゃんを呼んだ』
「で、でも、私には何もできないよぅ……」
病院に行ったとしても、これが病気かどうかもわからないし……
こんなこと、生まれて初めてだから……
『とりあえず邪魔だから服を脱がして。この手じゃ服も脱げないよ』
そう言って、こなたお姉ちゃんは私に手のひらを向けてきます。
指が三本になってるうえに、肉球が邪魔で物を掴むこともできないんだね。爪はあるみたいですけど。
言われた通り、私はこなたお姉ちゃんの服を脱がしました。尻尾がキツそうなので、ショーツも脱がしちゃいます。
こなたお姉ちゃんの裸が目の前にあるんですが……こなたお姉ちゃんが猫になっちゃったことへのショックからか、あんまり気になりませんでした。
『ありがとう、助かったよ』
「ううん。……それよりも……」
猫耳と猫の尻尾、手のひらと言葉以外は全部普通に人間ですからね……。ぱっと見はコスプレにしか見えません。
だけど、こなたお姉ちゃんの猫耳はちゃんと頭にくっついているんです。
しかもお尻の上にある尻尾はうねうね動いてます。間違いなく本物ですね。
「どうしてこうなったかわからないの?」
『うん。昨日も今まで通り普通にすご』
「うみゃああぁ!!」
突然そう叫んだかと思ったら、こなたお姉ちゃんは猫のように身体を丸めました。
まるで何かに必死に耐えているかのように、こなたお姉ちゃんの身体はプルプル震えています。
「こ、こなたお姉ちゃん、どうしたの?」
「にゃ……にゃあ……」
ゆっくりと手を動かして、ケータイに文字を打っていくこなたお姉ちゃん。
本当に……辛そうに見えます。
『わたしはつじょうきみたい』
「わ、た、し、は、つ……えぇぇえ!?」
は、発情期!? と、いうことはまさか……
「うにゃ! にゃあぁあ!」
こ、こなたお姉ちゃんが自分の大事なトコロを弄り始めました。
人間の発情期だから……お、オナニーになるんですね……
「ふにゃああ! にゃひいぃぃ!!!」
……!
こなたお姉ちゃん、自分の『猫の爪』で大事なトコロを引っ掻いてる!!
あ、あれじゃあこなたお姉ちゃんの大事なトコロが傷ついちゃうよ!!
「こなたお姉ちゃん! ちょっと我慢して! 今なにか探すから!!」
「う、うにゃあ!」
こなたお姉ちゃんの返事を聞いて、私は部屋を飛び出しました。
なんとかしてこなたお姉ちゃんを鎮めないと!!
/
「お姉ちゃん!!」
「にゃ……にゃぁぁ……」
帰ってきた時、こなたお姉ちゃんは丸まって涙をポロポロと流していました。
手は自分のお腹と床の間に挟んでいました。抑えつけて、オナニーをしないよう我慢していたんだ……
『ゆーちゃんわたしもうがまんできないよ』
変換も句読点もなく、メールにそう文字を打っていきます。
それを打ち終わった瞬間、こなたお姉ちゃんの手はまた……
「ダメ!!」
「うにゃああぁ! にゃにゃにゃにゃーーー!!」
こなたお姉ちゃんの腕を掴んで、動きを止めます。
『やらせて』、と。そう叫んでいるように聞こえました。
でもそれだけはダメ。こなたお姉ちゃんの大事なトコロを傷つけるわけにはいきません!!
「発情期っていうことは、性交をすれば収まるはずだよね!? だから『疑似性交』ってことで細長いもの持ってきたよ!!」
「にゃう!!?」
家中引っ掻き回して探してきてやっと見つけたのは『バナナ』。
こなたお姉ちゃん……ごめん!!
「うなああぁぁあああぁぁぁああ!!」
私はバナナの一本を、こなたお姉ちゃんの大事なトコロに突っ込みました。
悲鳴をあげるお姉ちゃんの身体は限界まで仰け反り、大事なトコロからは大量の液体が溢れてきました。もう、イッちゃった……
「にゃ……にゃふぅぅ……」
「こなたお姉ちゃん、落ち着いた?」
「うにゅ……」
目に涙を溜めて、首を横に振りました。
こんな太いものが入ったのに、まだ落ち着かないんだ……
「じゃあ……動かすよ!」
「ふにゅ!? なぁぁあああぁあ!」
奥深くまで入ったバナナを前後に動かしていきます。
お姉ちゃんの大事なトコロはぐちゅぐちゅと淫らな音をたてています。
あ、ああ……私も我慢できなくなっちゃったよぉ……
「はふ! も、もうこんなに……」
「にゃあぁああ! ふにゅぅうぅうう!!」
バナナを動かしながら、私はショーツの中に手を突っ込んで自分の大事なトコロを触ってみました。
ちょっと触っただけなのに、すっごく気持ち良いよお……
「にゃあぁああぁぁあああああ! ににゅ!! ににゅぅうぅぅう!!」
「あ、ああ! こっ、こなたっお姉ちゃん!! 私もイクぅっ!!」
「みゃあああぁああぁぁああああ!!」
「ひあぁぁあぁあ!!」
/
「……ゆー……ゃん……ゆーちゃ……」
なんでしょう……誰かの声が、聞こえてきます……
なんだか……聞き慣れた声なんですが……すごく久しぶりに聞いたような……
「……ちゃん! ゆーちゃんてば!!」
「ん……あ、あれ……?」
目を開けると、制服に着替えたこなたお姉ちゃんが……
「ゆーちゃん、早く起きて! 早くしなきゃ学校に遅刻しちゃうよ!!」
「え……えぇぇ!? もうこんな時間なの!?」
「玄関で待ってるから、早く支度してね!!」
そう言って、こなたお姉ちゃんは私の部屋から出ていきました。
今日、学校……ということは、今までのは全部夢だったのかな……
「あー、ごめんねゆーちゃん。私の勘違いだったみたい」
「ううん。勘違いは誰にでもあることだから」
テレビを点けてみたら、今日は土曜日だということがわかりました。
結局、朝の騒動は空騒ぎだったのです。
「じゃ、私はいつものとおりネトゲしてるからね〜」
そう言って、こなたお姉ちゃんはリビングを出ていきました。
……お姉ちゃん、ちょっとだけ顔が赤かった……
それに、眠った時と起きた時の下着が違ったような……?
・その頃・
「ふぅ……夢だと思ってくれたらいいんだケド……。あんな出来事、誰にも知られたくないよ……///」
326 :
19-04:2008/06/06(金) 17:43:56 ID:Q7Gac99G
以上です。エロ度が結構低いです……
『ハヂメテのデキゴト』シリーズはまた電波を受信したら別の人達でやらせます
327 :
19-04:2008/06/06(金) 17:45:49 ID:Q7Gac99G
っと、忘れてました。
画力のある方がいるなら、このSSの絵を描いてほしいんです。
こういうお願いをしてもいいのかどうかわかりませんが……お願いします
328 :
ふた☆自重:2008/06/06(金) 19:23:14 ID:+mnj121f
329 :
19-04:2008/06/06(金) 19:46:44 ID:Q7Gac99G
>>328 いやいやいや!ふた☆自重氏に描いていただけるなんてこっちが恐縮っス!!ありがとうございました!
ふたなり絵とかSSはかなり好きなので、これからも楽しませて(?)ください!
さすがはねこ☆自重氏!!
発情に悶えふにゃけるこなたに萌えた!!
超GJ!
>>327 ま た バ ナ ナ か
やっぱしこなたには猫ですね。ぐっじょぶでした。
>>328 これはwww
なんてかわいいこなた。
ぴんく「いつでもお持ち帰りの準備はできてますよだばだば」
>>331 だからあたしの腕の中っていってるでしょうまったくふにふにさわさわくちゅくちゅあほげあほげ
333 :
19-04:2008/06/06(金) 21:40:45 ID:Q7Gac99G
フェチの世界でこなたが猫化したらとんでもないことになりそうですね……。しかも発情期こなただとしたら……カオスwwww
そんなSSも読んでみたいけど、自分はフェチ物無理なんスよね……
>>327 また(股?)耳かきが……。
さて、投下よろしいでしょうか。
336 :
ふた☆自重:2008/06/06(金) 22:16:33 ID:4D1TmnNo
まとめてしまって申し訳ありませんが、レスを付けてくださった皆様、有難うございました。並びに作者の皆様、GJでございました。
>>妄想屋氏
僕は貴方の多才さが羨ましい…!w
>>19-04氏
>こっちが恐縮っス
いえいえそんなそんな。僕もねこなたを描けて楽しかったです。^^
337 :
42-115:2008/06/06(金) 22:23:48 ID:mYdlHcR/
いくでがんす。
「平均化の果てに見えてしまったかもしれないもの」
・エロなし
・5〜6レス
・こなた+みゆき ……のような、そうでないような。
今日も仲良く昼食ぱくぱく。
昼休み毎に一堂に集う四人の今日の話題は、なんともはや身長である。
この話題というか「身長」という言葉自体が、こなたにとっては禁句といっても過言ではない
だけに、彼女は早く他の話題に移らないかなと切に願い、逆にこなたに普段何やらかんやらとか
らかわれることの多いかがみが殊積極的に話したがったのは、まあなんというか、彼女らの日常
が反映されているとも言えなくない現象であった。
「あんた本当に小さいよね」
「需要はあるよ」
「みゆきとは頭ひとつ違うんじゃない? 身長だけじゃなくて成績もだけど」
「アホ毛を含めると、半分くらいで済むんじゃないかな。成績以外は」
「私とも頭半分くらい違うよね」
「アホ毛も含めると、そんなに差はないよ」
「それより、おじさんとの差がすごいよね。近くに立ったら見えなくなるんじゃないの?」
「ん〜、アホ毛があるからどうにか見えるみたい。視界の下の方ににょろんと」
「へー。大切なんだ、それ」
「そうだよー」
こなたはアホ毛に手を伸ばし、磨くようにいじる。
「これがないと分からないって言ったの、他でもないかがみじゃん」
「あー、確かに言った。現にそうだったし」
これにはかがみ、反論の余地なく納得する。
「私が誰の目から見ても小さいというのは、千歩譲って認めよう」
「千歩譲ったら学校の敷地の外に出られそうね……」
「でも、そういうみんなはどうなの? 平均より小さければ、その次元では私と同じということになるよ」
「う゛……」
かがみは一気に窮地に陥ったように感じる。
「そういうものの見方も出来ますね」
みゆきはこなたを支持した。そして誰の指摘を受けるまでもなく、この論争(?)に一石も二
石も投じることが出来るのはみゆきだけだったので、早速投じた。
「平均身長の数値は、統計の取り方……いえ、まとめ方ですね。それ次第で変化するもので、
若年層においては一歳ごとですし、成人層においては十歳ごとにまとめたり、成人を全て一くく
りにする場合もあります。そのためこれという確たる数値を示すことは難しいのですが、一般に
日本人女性の平均身長は158cmとされてます」
「私ちょうど平均だ」
つかさがどこかとても嬉しそうに言う。
「私はそれ+1cmだから、やっぱり平均以上ね」
これはかがみの勝利宣言となろうか。
「うーむ、あと16cmか。ちょっと難しいな……」
こなたは顎に手を当て唸る。
「いや、もう無理だろ」
「どうかな。こうも規格外に小さいと、まだひょっとしたらっていうのもあるでしょ。ねえ、
みゆきさん?」
「そうですね。身長の世界記録を持つ男性は、死亡して死体となった状態でも身長が伸び続け
たといういいますから」
「いや、そこまでして大きくなりたくもないんだけど……」
「そ、そうですよね、普通は……すみません」
何のフォローにもならないことを言ったみゆきは、真っ赤になって頭を下げる。
「ねえ、男性の方はどうなの?」
ふと思いついたようにつかさが聞く。性別が二つしかない以上、そちらに興味を持つのは当然
の流れといえようか。
「男性はこれまた統計のまとめ方によるのですが、170cmとも172cmともいわれています」
こなたがやっぱりという感じに腕を組む。
「ウチのおとーさん、だいぶ大きいや。身長がだけど」
身長以外の何を話してたんだ? というつっこみは置いといて、かがみも我が家の父の身長を
思い出し……。
「私の方はどっちにしろ小さいのか……」
少し肩を落とす。
「男性の平均身長においては、統計上はアメリカ人のそれに迫りつつあるそうですよ」
「そうなんだ」
つかさは、道を聞いてきた推定・アメリカ人の巨漢を思い出して目を丸くする。
「多民族国家というのが関係するんでしょ?」
かがみがニヤリとする。平均化のまやかしが垣間見えたようだ。
「さすがかがみさん。アメリカ人は、イギリス系とドイツ系でほぼ半数となります。どちらも
ゲルマン系ですね。そこに、ゲルマン系と比べれば小柄なラテン系、たとえばフランス系の約
12%などが加わります」
「ラテン系って小さいの?」
こなた、つかさはもとより、かがみまでも意外そうな顔をする。
「日本人よりは大柄ですが、ゲルマン人と比べるとやはり小さいという事になります。黒井先
生が授業で、ローマ兵の兜の羽根飾りについて話されたの、覚えてませんか?」
こなたとつかさは当然のように首を横に振る。かがみも首を傾げた。
「こっちじゃ話さなかったかも。どう関係するの?」
「あ、いえ、何の事はないんですが、ローマ兵の羽根飾りは、体格的に勝るゲルマン人に対し
て、見劣りしないようにするための……いわば虚勢を張るための小道具だったそうなのです」
「「「へー」」」
「あるいは、新大陸やカリブ海の、スペインの要塞の天井の高さとか……」
「またえらく限定的なものを持ち出すわね」
「これは、つまりですね……。天井の高さがラテン系のスペイン人の身長に合わせて作られて
いて、スペイン兵は立ったままでいられるのに対し、襲撃するイギリス系の海賊にとっては低す
ぎて、中腰にならないといけなかったのです。これが戦闘時など、スペイン兵にとっての大きな
アドバンテージとなったそうですよ」
「「「ふーん」」」
三人はラテン系の身長について納得がいったようだ。
「アメリカ人の身長については、さらにアジア系なども統計に加わりますから、平均としては
ゲルマン系だけものに比べてかなり低くなることになりますね」
「そうなればアジア人でも、食糧事情のいい国の平均は、アメリカ人のそれに迫ることも可能
ということね」
かがみが思案顔で言う。聞きながらこなたも、なにやら思案顔になっていく。
「そうです。長らくその代表が日本だったわけですが、最近の統計で韓国に抜かれ、現時点で
も中国と大差はなく、経済成長が続けば中国にも抜かれるのは確実と見られているそうですが……」
「そんな数値までが、日本の凋落を暗示してるってこと?」
「経済に関しては、私達の世代が頑張るよりないということですが、身長は民族単位の遺伝や
食文化とか……ああ、何かいい訳めいてしまいますね。どこまでかが真実だとしても」
みゆきは苦笑い。かがみは含み笑いでこう言う。
「まあ、私とつかさとみゆきは、平均以上ということで責任を果たしたとしときましょ」
そしてその笑いの先にいたこなたはというと、なにやらまだ考え込んでいた。
「平均化、かあ……」
「こなちゃん、どうしたの?」
残る二人もこなたを見る。
「かがみ、つかさ」
改まって何か言おうとしていることを、柊姉妹は感じ取る。
「へ……平均値で決闘(デュエル)だ」
「はい?」
かがみのみならず他の二人も、頭から「?」を射出してその心理状態を視覚的に表現する。
「だから空気読もうよ」
「呼んでないのはどっちだ、藪から棒に」
「だからね、需要がある……というか、なくもないという一点以外に、私が身長の話題では何
を言っても太刀打ちできないわけだからさ」
「そうでしたか」
みゆきが心痛そうに肯く。
「この話題が楽しかろうはずはありませんよね。もうやめましょう」
「といいたいところだけど」
苦痛を訴えながら、自らまぜっかえしてしまうのが、あるいはこなたのこなたたる由縁なのか
もしれない。
「私も一矢報いたいわけよ。分かる、この気持ち?」
「はあ……」
「だから、日本人男子の平均よりはるかに高いおとーさんを加えて平均化すれば、かがみの家
に勝てるんじゃないかなーって思ったの」
残る三人は顔を見合わせる。
それで負けたりしたら目も当てられないのではと危惧するのは、みゆき。
微妙に難しいこと言われて理解できてないのが、つかさ。
そしてかがみは……。
「いいわよ」
……受けて立った。
「心の友よ〜」
感激したこなたは、かがみの両肩を掴んで揺する。
「いや、敵だし。ていうか食後にそれはきついからやめてくれ」
かがみとて考えなしに受けたわけではない。家族で一番小さいのが158cmのつかさだから、平
均化した数値はそれより大きくなるわけで、そこに勝算を感じ取ることが出来たのである。まあ、
つかさと1cmしか違わない自分が、平均値を押し上げるのにあまり寄与しないのは、やや心苦し
い点がなくもないのだが……。
というわけで。
「みゆき、計算お願いね」
「お任せください」
紙と書くものを取り出し、準備完了。
まずは泉家のターン。
「おとーさんが181cm、私が142cm。以上」
(181+142)÷2=161.5
「平均化すると何と言うか……すごく伸びるといったとこ? 日本人女性の平均をも超えちゃ
ってるし」
かがみが呆れたように言う。
「最大と最小の差が39。分布域が広いからでしょうね」
「さあさ、私のターンは終了だよ」
というわけで柊家のターン。
「大きい方から順に168cm、166cm、162が二人、私が159cm、つかさが158cm」
(168+166+162+162+159+158)÷6=162.5
「くああぁ……負けた」
膝を突き、頭を垂れ、全身と全霊を以って絶望を表現するこなたと……。
「……」
これといって感慨も何もないかがみ。
「かがみ、嬉しいかい? 粉砕? 玉砕? 大喝采?」
吹流しのような涙をるーと流しながら、こなたが問う。
「玉砕だと負けてないか?」
というかがみのつっこみにもめげず、こなたはすぐに気を取り直してこう言うのだった。
「まあ、私が規格外に小さいということは、一万歩譲って認めよう」
「一万歩譲ったら、駅まで行けそうだけどね」
「でもさ、かがみの家の人たちも大きい人揃いで、それはそれで普通じゃないんじゃないかな」
「確かに……。お父さんが平均より小さい割には、みんなよく育ったわ」
「これは、それぞれどなたの身長なんですか?」
みゆきが何気なく問う。
「168がお父さん。平均よりは小さいけど、一家では一番大きいわね。166が長女のいのり姉さ
ん。162がまつり姉さんと母さん」
かがみが何気なく答える。
「生まれた順に大きいんだね、私達」
つかさが大発見をしたかのように言う。
「どうしてかな?」
なんて誰かが言えば、部外者のこなたとみゆきとて、理由を考えずにはいられない。そして二
人同時に、ある不躾な考えに行き着いてしまった。二人は顔を合わせ、互いが同じ考えであるこ
とを感じ取る。
「死んでからも伸びるくらいなら、お姉ちゃんたち、まだ成長しているのかも」
「年齢に比例するってこと? どうなのみゆき。そういうのってあるの?」
ガタッ
表情を暗くしたこなたが、不意に立ち上がる。
「ちょ、ちょっとトイレ」
立ち去る寸前、そんの半瞬だけみゆきに目線を送りアイコンタクトを行う。
ガタッ
みゆきも立ち上がる。口元にいつもの笑みはなく、反射光に翳る眼鏡が表情を隠すが、寄せら
れた眉根がそれの険しいことを教える。
「わ、私も、失礼させていただきます」
二人が逃げるように去った教室で、柊姉妹は首を傾げる。
「弁当が当たったのかしら?」
「こなちゃん、コロネだよ」
「期限切れのでも食べたんじゃない?」
姉妹は特に気にもしてなかったが……。
こなたとみゆきは、人気の少ない空き教室の多い一角の廊下で、互いの気持ちを確かめ合って
いた。といっても告白的なそれではなくて……。
「私はともかく、みゆきさんもとは意外だよ……」
24センチ上のみゆきの顔を見上げて、こなたが言う。
「このような考えは、口が裂けても言えませんね」
24センチ下のこなたを見下ろしながら、みゆきは肯く。
「とにかく今後、身長の話題はしないという方向で。もとより、私はその方がありがたいわけ
だけど」
「心得ました。でも、口を滑らせたりしたらどうしましょう」
「その時は、冗談じゃ済まない事になるかもね」
「絶交ということですね……」
「この考えは、誰にも話さずに墓場まで持っていかねばなるまいよ」
なぜ四姉妹は、生まれた順に身長が大きいのか。
こなたとみゆきが直感的に思いついた理由は、二人とも一人っ子で、親の愛情を一身に受けた
からこそ思い至ったといえるのかもしれない。
「たとえ二人に三行半を叩きつけられても、私たちは強く生きていこうね」
「泉さん……」
ひしっ
二人は抱き合う。
「みゆきさん。私が秘密を守って先に死んだら墓碑銘は、『秘密とともにここに眠る』とでも
してね。私はみゆきさんの右の眉と、墓碑銘を見届けてから天国へ行くよ」
「私の場合も、同じくお願いいたします」
「うむ、良きに計らう」
こなたとみゆき、かく考えり。
四姉妹は生まれた順に身長が高い。言い換えると、姉から妹に下るにつれて身長が小さくなる。
それは子供が産まれ、扶養家族が増えるに従って家計が圧迫され、栄養状態が悪くなったこと
が子供の身長に影響した結果なのではないか。
かがみの大食いも、つかさが料理に、しいては食べ物にやたら拘るのも、そういった幼少時の
栄養状態が遠因ではなかろうか、と。
おわり
344 :
42-115:2008/06/06(金) 22:29:22 ID:mYdlHcR/
もちろん作者がかく考えり、です。道を歩きながら。
危なかったです、色んな意味で。
では、あじゅした。
>>344 いいねえこりゃ、なかなか面白い。
日常系ものでありながら、一寸先に潜む闇……
でも未来永劫明かされることの無い闇……
この4人にはやはり、最後まで幸あってほしいものです(≡ω≡.)
そこの二人、勝手に変なこと考えるなw
347 :
42-519:2008/06/06(金) 23:53:11 ID:BYTWdfPn
二輪の花 第6話 第7話にお読みいただいたかた、感想いただいたかた、ありがとうございます。
あまり意味のないですが、7話のタイトルをつけ忘れていました。第7話は「hope」です。
>>344 >「みゆきさん。私が秘密を守って先に死んだら墓碑銘は、『秘密とともにここに眠る』とでも
してね。私はみゆきさんの右の眉と、墓碑銘を見届けてから天国へ行くよ」
>「私の場合も、同じくお願いいたします」
こなみゆっぽくって素敵です。ぐっじょぶでした。
>>344 GJ!
四人組思慮深いよ四人組
「……でも、そうするとさ」
「何よ、まただしぬけに」
「うちのお母さん、私が小さいころに死んじゃったじゃん?」
「う……その話を持ち出されるとリアクションに困るわね」
「今頃、身長五十七メートルとかになってたりすんのかな?」
「あんたなぁ……」
(……いいのよ、こなた。私のことを、そうやって茶化して話せるというのが、お母さんは嬉しいわ。
でもね、身長はともかく、視点的には上空三万五千メートルから見下ろしてたりするんだれけどね☆)
随分いい視力してるんですねかなたさん
監視衛星「かなた」
351 :
ふた☆自重:2008/06/07(土) 01:31:23 ID:w9FGIC1P
>>351 GJ!幸せそうなこなかがは、活力剤になりますw
こなかがスレは今、またひどい荒らしが来ているのでorz
また後日よろしくね…
>>350 噴いたw
>>344 な、なんだってー(AA略)
なんというMMR的結論、人類滅亡も近いかも。
そうか、コナフェチはじんr(ココで書き込みは途切れている)
>>344 ぶははははは!
なんかこう、思いついたしょうもない事で真剣になってるこなゆきが可愛くて仕方ない。
というかみゆきさんだからぽろっと口を滑らせて、こなたもろともたんこぶをこしらえていそうに見えるのは気のせいか。
ぐっじょぶでしたー。
>>351 おお、これは良いナイトこなた。目覚めに萌え分を補給できました。ぐっじょぶ。
>>355 原作読んでると「そうじろうちょっと交代しろ!」
って思うのに、
まさかこなたと交代したくなる時がくるとは!
これは世界を救うおっぱひ!
>>355 これは覚醒☆こなたか!?(゚∀゚)
ひとたび覚醒すると、鼻血みゆきですら指先一つでイカせられる。
こなた……恐ろしい子……
だが油断はできない、こな☆フェチアルティメットマスター、
バーサーカーかがみが控えているっ!
>>355 ちょっw、ホントに描いてくださるとは!
最近(主にこな☆フェチ的な意味で)やられっぱなしのこなたが、
まさかまさかのBusty Girl's同時攻め!GJです!!
いかんいかん、こな×ゆきのプロットが…書きかけのSSがあるのにっ。
妄想屋(仮名)氏に
>>357の絵画を申請する。
…いや、できればでいいのでお願いしまつw
>>351 確かにこなかがスレ酷い荒らし来てるけど、雰囲気回復のため後日投下よろしく頼むGJ !
>>355 このエロス大王めw
俺も
>>357の提案に乗った ! 覚醒こなたvsバーサーカーかがみをぜひ !
361 :
38-608:2008/06/07(土) 21:53:35 ID:PNnYSrw9
アニメ本編の密かなこなかがシーン考察
この前かがみ単独スレで、アニメ20話で真夏に何故か黒タイツ履いてたかがみの話題が出てたので試しに視聴してみました。
かがみスレの人が指摘してた通り、作品中の数日前の場面でのかがみは同じ服装にタイツ無しの格好だったから
この服装にはタイツを……みたいな服同士のコーディネートで履いてた訳じゃなくて
恐らくこなたが炎天下の中必死に来る事を予想して部屋のクーラーを全開にして準備してて
自分はそのせいで寒くなったから履いた…みたいな感じだと思われます。
余談だけどみんなの夏季の私服とか見てみると
ラフな格好を好むこなたやノースリーブワンピース等の肌の露出が多いつかさに比べて
かがみは重ね着等のしっかり着る感じのが多いみたいで
暑さには比較的強いんじゃないかと予想。
だから寒さに弱いのかというと、その場面の上の服はノースリブYシャツだったから違うと思うけど……
……自分が思うに多分生理が近くて一時的に冷え性っぽくなっていた?
いずれにせよ、こなたの為に自分自身が寒くなる位冷房全開にして準備するかがみ。
自分が寒くなっても炎天下の中歩いてくるこなたの事を思って設定温度を上げようとしないで
自分が防寒してしのぐ健気さにかがこなを垣間見ましたw
っという訳でそんな黒タイツかがみんを見て思いついたネタを22時になったら投下してみようかと思います。
こなた(+つかさ)×かがみ
計10レス程度使用
共通ルート2レス+Aルート5レス
Bルート3レス
せっかくだから展開に迷った違うルートも投下してみますw
「うぅ……さすがにちょっと寒くなってきたかな……」
こなたが宿題をやりに(写しに?)来る事になってる夏休み前半のある日、
かがみはこの暑さの中苦労して歩いて来てるであろうこなたの為に
クーラーを全開にして待っていた。
冷房が必要以上に効いた部屋は苦手なかがみ。
普段だったらここまで過剰な強さにはしないはずだが
こなたの事を思うとどうしても全開にせずにはいられない。
「あいつの事だからきっと着いた時には暑さでバテバテになってるんだろうなぁ……
うぅ…足が冷える……おへその下がムズムズする……」
いくら真夏真っ盛りいとはいえこの部屋に限っては下手な梅雨入り前よりよっぽど寒い世界になってしまってる。
そんな中袖の一切無いノースリーブYシャツとミニスカ並の丈しかないキュロットで長時間いるのは
さすがに全く平気という訳にはいかないみたいだった。
それでも普段だったらまだ我慢出来るレベルで実際今も上半身は問題なかったのだが……
不運にも女の子の日が近かったせいで下半身―――下腹部や足全体がこれ以上冷気に晒される事に悲鳴をあげ始めていた。
でも今はこの部屋の中で宿題をしていたいし
こなたの事を考えると設定温度を上げるのも気が進まないかがみ。
「……やっぱり我慢しないで、季節外れだけど暖かい格好しといた方がいいか……」
部屋から出たくない、クーラーも弱めたくないとなれば残るは服装を何とかするしかない。
上半身はこのままで大丈夫そうだから下半身だけでもを少し暖かくしよう
……そう思ったかがみはクローゼットの中を漁りだした。
最初に長ズボンが目に留まったけど、それを履くなら今履いてるキュロットを中途半端に
片付けなければならないので、手軽さを優先してあえて季節外れの黒いタイツを取り出す。
コンコン、ガチャ
「お姉ちゃん、英語の辞典貸し……あれ? お姉ちゃんどうして着替えてるの?」
その時部屋に入ってきたつかさがキュロットを脱いでいるかがみを見て不思議そうに首をかしげた。
「ああ、ちょっと寒いから暖かい格好しようと思ってね」
そう言いながらタイツに足を通すと一気に腰まで引き上げるかがみ。
半年振り位に感じる、靴下やニーソックスには無い独特の
締め付ける様な感覚に慣れてない下半身全体が少しチリチリしたけど
その違和感はすぐに収まり、変わりに下半身全体を包み込んでいる保護感みたいな
ものに何だかホッとした。
生理のせいで弱点になってる下半身に直接風が当たらなくなっただけでこうも
寒さは和らぐものなのか……
(時々街で真夏でも厚いタイツを履いているOLさんとかを見かけて
理解不能だったけど職場に過度の冷房がかかっていたとしたら納得できるわね……)
もし薄い夏服で一日中この部屋いたいな所にいないといけないとしたら案外あの人たちの服装も納得いく
ものだと、同じ様な境遇に立たされて初めて実感する。
「そんな事する位ならクーラー弱めればいいのに……この部屋の中ならその格好で丁度いいかもしれない
けど出る時が暑いよ?」
「しっかり冷やしておかないとこなたがダレて勉強はかどらなそうだしね。
みゆきなんて制服の時は年中タイツなんだしこれ位なんでもないわよ」
つかさの疑問に正直に答えるかがみだったが、それを聞いたつかさは片手を口元に当てながら
少しからかう様な目で見てくる。
「……ふ〜ん…」
「な、何よ?」
「……こんな冷房の掛け方するなんてお姉ちゃんらしくないって思ってたけど……
なるほど〜 こなちゃんの為だったんだ〜」
「そ、そんな目で見るな! 別に深い意味は無いわよ! こなたがダレてると迷惑だと思っただけよっ」
必死に言い訳しようとするかがみを微笑ましそうに見つめるつかさだった。
★以降柊家に到着したこなたがかがみがタイツ履いてる理由に
つかさに言われるまで気づかない→
>>364あたり
普通に感づく →
>>371あたり
こなた「おい〜っす……暑いっすね……」
かがみ「全くよね 部屋、冷房ついてるわよ」
数分後、柊家に到着したこなたは出迎えたかがみとこの猛暑を愚痴り合ったものの
暑い事を肯定してるはずのかがみの服装が明らかに矛盾している事を内心違和感を感じていた。
(かがみ……暑いのなら何でタイツ…?)
疑問を抱えながらもとりあえず早く暑さから開放されたかったこなた。
かがみに案内されるまま冷房の効いた部屋へ逃げ込み存分にくつろがせてもらい、
大分落ち着いた所でつかさと3人で仲良く宿題の消化を始めた。
「……ねえ、かがみ」
「なに?」
「そのタイツ、履いてて暑くないの?」
しばらく経った所で改めて思っていた疑問を口にしてみる。
「別に、冷房も強いしこれを履いてた位でちょうどいいわよ」
「でも何だか見てる方が暑いよ〜 私とつかさはこの格好で全然平気なんだし、履くほどの事じゃないんじゃない?」
「わ、私の勝手でしょう?」
少し前まで炎天下の中を長い距離を歩いていたこなたと
長時間寒い部屋でジッとしてたかがみとでは
同じ部屋にいてもその体感温度は大きく違うものだった。
かがみの事情に気づけず追求するこなたと
性格上、素直に寒い理由を話せないでいるかがみ。
「私もあんまりファッションに気を使わない方だけど、そんな私が見ても
今のかがみの格好ってアンバランスで変かもしれないよ?」
「!!」
「こ、こなちゃん……」
お洒落に気を使う年頃の女の子にとってそれほど屈辱的な言葉は無かった。
「……っ……もうっ! 分かったわよ!脱げばいいんでしょ脱げば!」
そう言って部屋の隅に行くと、キュロットと共にタイツを脱ぎだしてしまうかがみ。
露になった下半身に再びクーラーの冷たい空気が触れ出してしまい、そのひんやりした感覚に少し眉を潜めてしまう。
「おぉ〜 かがみの生着替えだ〜」
「うっさいっ こっち見るなっ」
かがみの着替えてる様子を見ていつもの様におちょくりを入れていると……
「ヒソヒソ(こなちゃん、ダメだよぉ)」
つかさがノートを見せて貰う様な素振りでこなたに寄り添うとかがみに聞き取れない小声で話しかけてきた。
「(つかさ?)」
「(暑い外を歩いていたこなちゃんと違って、お姉ちゃんはこなちゃんが来る前からずっと寒い部屋で我慢してたんだから。
本当は冷房が効きすぎた部屋は苦手なのにこなちゃんの為に無理して冷やしてたんだよ)」
「(え……そ、それじゃあかがみのタイツの理由って私のためだったの!?)」
「(……うん……それにお姉ちゃん女の子の日が終ったばかりだから本当は体を冷やすの凄く辛いんだと思う……)
それを聞いた初めて事の重大さに気づくこなた。
「(そ、そんなっ!……それってかなり無理してるじゃんっ! こうしちゃいられないっ! つかさっちょっと手伝って!)」
「(う、うん)」
「さっきから何ヒソヒソ話してるのよ? ほら、これでいいでしょう? 文句ある?」
キュロットのみのナマ足に戻りタイツをベットの上に乱暴に投げ捨てると、
やや不機嫌そうに二人の元へと戻ってくるかがみ。
「はいはい、文句ありまーす」
だが早速つかさに元気に意義を唱えられる。
「かがみ……やっぱりさ……そのタイツ履いててくれない?」
「ちょ、ちょっとっ、あんたが脱げって言ったから脱いだのに今度は何言い出すのよっ」
脱いだそばから今度は逆の事を言われて思わず怒鳴ってしまうかがみ。
「かがみ、さっきは本当にごめんっ! 真面目に寒かったんだよね!?
かがみが私のせいでもっと寒くなってしまって体を壊したりなんかしたら嫌だよっ!」
そう言いながらウルウルした目で覗き込んでくるこなた。
「べ、別に深刻になるほど寒くないわよっ。あんた達だってナマ足出しまくりじゃないの」
「お姉ちゃんは体調があんまり良くないし、こなちゃんが来るまでずっとこの部屋にいたんだから
私達より暖かくしないといけないのっ」
意地っ張りな性格がまた災いし意地を張ってしまうもののつかさにまで参戦される。
「ふ、二人ともちょっと気にしすぎよっ」
『問答無用!』
それでもあくまで否定をしていると、二人はそう叫びながらかがみに飛び掛ってきた。
つかさに後ろから腕ごと抱きしめられて動きを封じられると、こなたにキュロットを下ろされる。
「ちょっとっ! いきなり何してるのよっ! 変態!」
「お姉ちゃん、ごめんね」
「大丈夫 大丈夫、元通りに履かせるだけだから安心したまえ。はい足上げて〜」
いつの間にかこなたはベットに投げ捨ててあったタイツを拾いあげており、それをかがみの足に通しだす。
「かがみのお着替え お手伝い〜」
「は、恥ずかしいからやめいっ!」
「お姉ちゃん、暴れちゃダメっ」
何だか、厚着を嫌がってるのに心配した母親から一方的に身に着けさせられる幼児
を連想してしまい屈辱感から身をよじって抵抗する物の、
つかさにしっかりと組み付かれてしまっててほとんど意味を成さず
結局こなたに最後まで履かされ直されてしまった。
「はい、出来上がり〜。あと、はいこれ」
そう言ってキュロットを手渡してくるこなた。
「お姉ちゃん、寒くなくなった?」
「あ、あんた達……」
ついつい意地になってまた脱いでしまいたくなるけど
恐らく実行するとまた二人掛りで押えつけられるに決まってるし
何だかんだで好意でしてくれたのを拒絶するのも気がひけた。
しょうがなくしぶしぶとタイツの上にキュロットを履き直す。
「ほら、お望み通りこなたがさっき言ってた変な格好に戻ってやったわよ? 満足?」
「か、かがみ、さっきのは取り消すよ。確かに真夏の薄着にタイツってアンバランスだけど
改めて見ると何だがそのアンバランスさに凄い萌えを感じるよっ」
先ほど勢い余って口走ってしまった失言を慌ててフォローするこなた。
「確かに言われてみれば何だかお姉ちゃん大人っぽいかも〜」
「タイツ属性のあるみゆきさんが大人っぽいのも何だか納得だよね〜」
「あんた達……手の平ひっくり返した様に褒めてもわざとらしいんだけど……って、こらぁっ!」
かがみが素直に褒め言葉を受け入れれないでいると、再び今度は下半身に特攻して来る二人。
「黒タイツかがみん萌え〜さわり心地いいね(ナデナデ)」
「うん、スベスベしてて気持ちいいよね〜(ナデナデ)」
「こ、こらっ つかさっキュロットの中にまで手を入れるなっ! こなたっ顔を押し付けるなっ!」
必死に二人を引き離そうとするけど簡単に離れてくれそうにはない。
「……あんまり悪戯するのなら……また脱ぐわよっ!」
『それはダメっ!』
そこで少し方法を変えてみようと思い、試しにそう言ってみたら効果覿面だったみたいで二人は慌てて足から離れた。
「ふ〜ん、何でダメなのかな〜? そんなに私の事が心配なのかな〜?(ニヤニヤ)」
「う、うぅ、かがみ……さ、さっき言ったのにまた言わせるか……」
「もちろん心配に決まってるよっ。ね? こなちゃん?」
「う、うん……かがみには元気でいて欲しいから……」
思い切ってからかいに出てみてこなたは最初は狙い通りの反応をしてくれたものの
素直すぎるつかさに釣られて正直な本心言われてしまいかえって照れてしまうかがみ。
「し、しょうがないわね……。あんた達がそこまで言うのならそれに免じて履いててあげるわよっ」
「ツンデレきたぁ〜〜」
「ツンデレ言うなっ!」
そう言いプイッっとそっぽ向いてしまう可愛いかがみを見て
すっかりいつもの調子を取り戻してからかってしまうこなただった。
「……あの……所でさっきから思ってたんだけど……こなちゃんの汗ももう引いてるだろうし
こういう事するより冷房を弱めれば良かったんじゃないのかなぁ?」
「………あ……」
「つかさ……それを言うのは野暮ってものだよ」
夕方
「全く……散々だったわよ」
こなたも帰り冷房を切って少し暑くなったので
普段の格好に戻ろうと思い改めてキュロットを下ろすかがみ。
「さすがに冷房キンキンじゃないのならこの時期にこれはちょっとキツいわよね」
そう言いながらタイツの腰のゴムに手を掛けたものの……
「……………」
何だかせっかくこなたが履かせ直してくれたタイツを脱いでしまうのが
勿体無いような気がしてどうしても手を下に持っていく気になれなかった。
「ま、まぁ、今晩は大分涼しくなるらしいし、受験生としては寒くない格好をしとくに越したこと無いわよね
夜になってまたいちいち履き直すのも面倒だし」
そう自分に言い聞かせタイツをゴムをグィッっと上に上げ直してキュロットを履きなおすかがみだった。
晩御飯
まつり「かがみぃ〜いくら寒いのが好きじゃないあんたでも、冷房もつけてない夏にその格好は無いんじゃない?」
かがみ(姉さんったらこなたみたいな事をっ…)
つかさ「大好きなこなちゃんが心配して履かせてくれたんだから脱ぎたくないんだよね〜?」
まつり「ふ〜〜ん(ニヤニヤ)」
かがみ「な、何よ」
いのり「全く……こなたちゃんとは本当に仲いいのね」
みき「クスクスッ」
ただお「かがみの事をそこまで気にかけてくれていい友達じゃないか」
かがみ「な、何よ!? べ、別にそんなんじゃないわよ。今晩は冷えるから履いておいた方がいいと思って
そのままにしてるだけだからねっ!」
『はいはい♪』
かがみ「な、なんのよぉ〜〜!」
つかさ「じゃあ脱ぐ〜?」
かがみ「……嫌よ」
『ニヤニヤ』
ちとレスアンカ調整で1レス空けます
・・・無駄に消費して申し訳ありません・・
こなた「おい〜っす……暑いっすね……」
かがみ「全くよね 部屋、冷房ついてるわよ」
数分後、柊家に到着したこなたは出迎えたかがみとこの猛暑を愚痴り合ったものの
暑い事を肯定してるはずのかがみの服装が明らかに矛盾している事を内心違和感を感じていた。
(かがみ……暑いのなら何でタイツ…?)
疑問を抱えながらもとりあえず早く暑さから開放されたかったこなた。
かがみに案内されるまま冷房の効いた部屋へ逃げ込み存分にくつろがせてもらい、
大分落ち着いた所でつかさと3人で仲良く宿題の消化を始めた。
「……ねえ、かがみ」
「なに?」
「夏なのにわざわざタイツを履いてるっていう事は冷房が寒いの?」
しばらく経った所で改めて思っていた疑問を口にしてみる。
「え? う、うん、まあね……でもこうやって暖かい格好をしておけば平気だから」
そう言って照れくさそうに自分の足をポンポンと叩くかがみ。
「う〜ん、そこまでして冷房を強くするなんて何だかかがみらしく無い様な……」
「べ、別に私だってそういう事はあるわよっ。鳥肌まで立つほどの無理な寒さにしてるわけでもないし」
「でも……タイツを履きたくなる位は肌寒かったんでしょう?」
「……まあ、正直ね……」
それを聞いたこなたは少し考え込んだ後
「私も寒くなってきたし冷房弱めるね」
っと言い設定温度を大幅に上げてしまった。
キンキンに冷えてた部屋の空気が時間の経過と共にどんどん暖かくなっていく。
「こなた……ちょっと弱めすぎじゃないか?」
最終的には汗をかくほどじゃないにせようっすらと暑さも感じるようにまでなってしまい
下半身が冬仕様なかがみはしんどそうにしだした。
「そうかな〜? 普通の夏の格好をしている私にとってはそうでもないけど〜?」
実際は自分も少し暑かったけどあえて嘘をつくこなた。
「私も夏の格好してるけどちょっと暑いよぉ〜」
「つかさは暑がりだね〜」
「ああ、もう!」
かがみはそんな二人のやり取りを片目に部屋の隅に行くと、キュロットと共にタイツを脱ぎだしてしまった。
「おやおやかがみ、どうしたのかな?」
「クーラーがここまで弱まってる部屋でこんなん履いてられないわよっ」
そう言いタイツのゴムをつま先まで一気に下ろしてしまう。
タイツのせいで軽く蒸れていた下半身に久しぶりに直に空気が触れてそれが凄く心地よい。
「かがみの生着替え萌え〜」
「うっさいっ こっち見るなっ」
かがみの着替えてる様子を見ていつもの様におちょくりを入れていると……
「ヒソヒソ(こなちゃん、さすがだよぉ〜)」
つかさがノートを見せて貰う様な素振りでこなたに寄り添うとかがみに聞き取れない小声で話しかけてきた。
「(つかさ?)」
「(お姉ちゃんったら本当は冷房が効きすぎた部屋は苦手なのにこなちゃんの為に無理して冷やしてたんだよ)」
「(やっぱりそうだったんだ……そこまで気を使わなくても良かったのに……)」
「さっきから二人で何ヒソヒソ話してるのよ」
キュロットのみのナマ足に戻りタイツをベットの上に投げ捨てると
ややスッキリした顔で二人の元へと戻ってくるかがみ。
「……かがみ、私の為に無理して冷房強くしてたんでしょう? 気を使わせちゃってごめんね」
「べ、別に大した事じゃないわよっ それよりあんたこそ本当は少し暑いんでしょう?
もう少しクーラー強くしても私はこのままでも平気だから遠慮するんじゃないわよ」
「う〜ん でもやっぱりかがみの事が気になってしまうよ〜」
「つかさはどうなのよ?」
「えっと……このままだとこなちゃんが可哀想だし……かと言って強くするのもお姉ちゃんに悪いし……」
「……しょうがないわね……」
柄にも無く躊躇してしまってるこなたと優柔不断なつかさを見かねたかがみは再び
キュロットを脱ぐとタイツを履き直してしまった。
「かがみ?」
「こなた、何でか分からないけど今日はずっとこの格好でいたくなっちゃったわ。
……それにしてもこれ履いてると暑いわよね〜 クーラー強くしてくれない?」
「……やれやれ、かがみんにも困ったものだ」
これ以上の遠慮しても良い事は無さそうだと思ったこなたは素直にクーラーの設定を少し戻すのであった。
小一時間後
「うぅ…外に出るとやっぱりこれ暑いわ……」
ジャンケンに負けてコンビニにアイスを買いに行くことになったかがみだったが
今日はこのままでいると公言してしまった以上
外は炎天下だと分かってても脱ぐわけにはいかなかった。
はたから見ると季節はずれの格好をしているので周りの目がちょっと気になる。
「ふう……ただいま……」
「おかえりかがみんや」
「お姉ちゃん おつかれさまー」
「全く外はやっぱとんでもなく暑いわよ……(モジモジ)」
そう言いつつタイツを脱ぎたそうにモジモジするかがみ
「でも今日はそのままでいるんだもんね〜?(ニヤニヤ)」
「私も確かに聞いたよー(ニッコリ)」
「うぅ…勢いであんな事言わなければ良かった……」
オワリ
374 :
38-608:2008/06/07(土) 22:12:41 ID:PNnYSrw9
以上です
要するに何が言いたいかと言うと………
2 0 話 の 真 夏 に ノ ー ス リ ー ブ に 黒 タ イ ツ な か が み ん は 凄 く エ ロ い ! ! !
そう思ってるのはきっと自分だけじゃないはずw
>>374 GJ!
新しいフェチを確立した貴殿に敬礼(≡ω≡.)>
じっくりたっぷりと萌えさせていただきますSir!(≡ω≡.)>
>>374 右(上)に同じく敬礼!!(≡ω≡.)>
どっち選んでも、楽しいかがみ達でした。
やっぱりこなかがはイイ。
こなたの方程式で確認した。
た し か に タ イ ツ だ っ た(まだ20話見ていない)
空白の部分を考えるとかがみん萌え。
378 :
ふた☆自重:2008/06/07(土) 22:49:20 ID:Gvp+ate7
投下します。
こなたとつかさは付き合っている。
一体いつから気付いていたかと言われれば、本当は最初から全部気付いていた。
それは別に私の勘が意外と鋭かったからということではなく、そもそも二人とも
嘘をつくのも隠し事をするのも下手だったからだ。
だから私の目に見えないように手をつないだつもりなんであっても本当は気付いていたし、
たまの休日につかさが早起きして満面の笑顔で出かけていくのも別に不思議に思ったりは
しなかった。夜遅くに帰ってきたつかさの顔が、明らかに赤かったのを覚えている。
あの日二人が何をしたのか、わかりきっているのに最近はそんなことばかりを考える。
二人のことで頭がいっぱいになっている。
梅雨が始まって夏のように蒸し暑く、冷房をつけっぱなしにして寝ていたのが
悪かったのだろう、風邪をひいた。
油断してこじらせて、もう学校を休んで四日目になるというのに完治する気配はまだなく、
日がな一日、こうしてベッドで横になっている。眠りたいときに好きなだけ寝ているせいで昼夜の
感覚がおかしくなってきていて、ゆうべは数時間しか眠れず、眠いような、眠くないようなおかしな
気分がする。熱は上がったり下がったりを繰り返し、頭がぼうっとして色々な思考がまぜこぜになる。
ふたりは、いまなにをしているんだろう。
ふわふわする頭でなんとか輪郭を保つのは、そんな考えだけだった。
いったん考え始めると、二人の行為の細部まで浮かんでくる。妄想と言っていいかもしれない。
今はちょうど十二時半で、昼休みの時間だ。
二人だけで御飯を食べたりしているのだろうか。
談笑していると、不意にこなたがつかさの頬にキスをする。そういういたずらはこなたの
得意とするところだ。つかさは驚いて身をよじらせ、顔を赤くしながら、でもいやがったりは
せず、笑いながら「やだ、こなちゃんたら」、とか言っている。
制服の中に手を伸ばしたこなたは、最近少し大きくなってきたつかさの胸を玩び、声を
上げようとするつかさの唇を自分の唇でふさいでしまう。
立ち入り禁止の屋上で、お弁当なんかそっちのけで、二人は情事に興じている。
梅雨の時期、運良く燦々と輝く太陽が顔をのぞかせた日の昼、そんなことが起こっている。
思い浮かぶ映像は鮮明で、胸に空洞が空いたような虚脱感を感じる。
ひどくだるい体を起こして一階に降り、冷蔵庫から牛乳を取り出す。手先がふるえ、白い液体が
こぼれて床を濡らした。拭くのもおっくうで、コップになみなみと注がれたそれを一気に飲み干した。
そういえば、今日は朝から何も口にしていなかった。
甘ったるい水分が喉を潤してくれて、ほんの少しだけ頭がはっきりする。汗にまみれた体が
すうっと冷えるのを感じる。やっと雑巾で床を拭き、膝から崩れるように椅子に腰を下ろし、だらりと
両手を落とす。テーブルの脇に置いてあった体温計を腋に差し、天井を見上げると、私の部屋の
ものによく似た電灯がある。頭痛がひどくなり、すべての映像を遮断しようと目を閉じる。
私の小さな恋は、なんのドラマも起こらず、なんの結末も迎えず、そして私以外の誰にも
知られることもなく、始まる前に静かに終わった。
いつからこなたに惹かれていたのか、それはわからない。気がついたら、いつも目でこなたを
追っていた。小さく華奢な体、長く綺麗な髪、やわらかそうな唇……私はこなたに夢中だった。
かがみ、と呼ばれるたびに胸が跳ねた。ふざけて抱きついてくるたびに、抱きしめ返したくなった。
かがみ、かがみ、かがみ。こなた。
私も何度もこなたの名前を呼んだ。名前を呼び合うだけで距離が近づく気がしていた。
なんて独りよがりで、わがままな妄想だろう。
こんな少女趣味な考えは、きっとつかさでも持たない。馬鹿馬鹿しすぎて、恥ずかしくなってしまった。
ふと、私とつかさがどう違うか考える。つかさはお料理が得意だ。私と違って素直で、優しくて、
笑った顔はとっても可愛くて……こなたはそのどれに惹かれたのだろう。
もしかしたらそのうちの一つ。もしかしたらその全て。
もし、私がもう少しつかさと似た女の子だったら、こなたは私を選んでくれただろうか。
そこまで考えて、思わず笑ってしまった。そんなことを考えても、どうしようもない。
考えること自体、何の意味もない。せいぜい自分を慰めるくらいの役にしか立たない。
こなたがつかさを選んだのは仕方のないことだって……虚しい空想だ。
だが、誓って言える。私はつかさを恨んだことなど、一度もない。
他でもない、私が初めて本気で好きになった、ずっとずっと一緒にいたいと思ったそのこなたが、
つかさを選んだからだ。その気持ちを邪魔することなんて、私には出来っこなかった。
こなたは以前よりもはるかにきらびやかに輝いているように見えたし、つかさも笑っている顔を
よく見せるようになった。
これでよかったのだと思う。私が黙っていれば、石のように何もしゃべらなければ、私たちはずっと
笑っていられる。私が気付いていると知れば、みんなの関係はきっとぎくしゃくする。だから、私は
何も語らず、そぶりも見せず、ただ黙っている。静かな山羊……。
ピピ、と体温計が音を鳴らした。熱はひいていた。
コップにもう一杯牛乳を入れ、一気に飲み干した。
体にひどいだるさを残したまま椅子を立ち、足をふらつかせながら部屋に戻った。
倒れるようにベッドに横になり、天井を見上げた。熱はもうないはずなのに、頭が割れるように痛い。
目を閉じるとちりちりとした映像がまぶたの裏に浮かんだ。
ふわふわした妙な感覚が体を支配し、途端に眠気が襲ってきた。
こなたとつかさが手を繋いでいるところが思い浮かんだ。悲しいのか、そうでないのか、自分でも
わからない感覚に身を浸したまま、私は意識を手放した。
私は青い夢を見る。
風の舞う丘。たなびく草木。白いワンピースの少女。どこまでも伸びる飛行機雲。走るノイズ。
ここはどこ?ここは夏?まぶしいほどの太陽が私の肌を突き刺す。
私はどこに立っている?足に感覚はなく、宙に浮いているような。
さざめく風に木の葉が揺れる。ワンピースの少女が私を見る。長い、長い髪をたなびかせる。
私は彼女を知っている。彼女の名前を呼ぶ。
少女も私の名前を呼ぶ。聞き取れないけれどそれは私の名前である。
見詰めあいながら私は彼女の顔がわからない。麦藁帽子の陰に隠れて。
やがて彼女は私に手を伸ばす。私に触れようとしたその小さな手が、不意に遠くなる。
気付けば少女は樹の下に。私を見つめて立っている。
私は彼女を追いかける。彼女と離れたくないと思っている。私はただひたすらに走って、走って、
息が切れるほど走って、しかし丘の上の樹は近づかない。
彼女の名前を呼ぶ。何度も何度も。喉がつぶれてもかまわないほど、大きな声で呼びすがる。
少女は樹に寄り添って、私の名前を呼ぶ。小さすぎる声で何度も何度も。
まだ。まだ足りない。もっと呼んで。私の名前を。
少女が私の名前を呼ぶたび、私は少しずつ少しずつ樹に近づく。まだ足は動く。
いつか彼女に近づいてその手を取り、私は満たされるだろう。それが私のすべてであり、私の望みだ。
しかし彼女はいつしか私の名前を呼ぶのを止め、麦藁帽子の陰に隠れた瞳を確かに閉じて、
眠ったように崩れ落ちる。私の足が静止する。
私は知っている。その静かに、すべてを包み込むように優しい樹が少女の支え。大切なもの。
その樹に……そのような樹になりたいと私は思った。願った。しかしそれは叶わない。
私は子供のように、その言葉しか知らないように、彼女の名前を呼び続けて……
目を覚ますと、さっきと変わらない灰色の天井が視界に入った。
映像がぼやけて見え、頬を指でなぞる。うっすらとした水分が付着する。
ひどい夢を見た気がした。殆ど覚えていないのに、ひどく悲しく、寂しい夢だったという感覚が残っている。
袖で顔をぬぐって時計を見ると、夜の七時をまわろうかという時間だった。
体を起こして廊下に出た。眠りすぎて頭がふらふらした。
つかさの部屋の明かりはついておらず、まだ帰ってきていないようだった。
一階のリビングに降りる。姉さんも父さんも母さんもまだ帰ってきていない。今日は皆、遅い。
朝から牛乳しか飲んでいないのにまるでお腹がすかず、何かを食べる気にもなれなかったので
部屋に戻り、窓を開けた。いつの間にか濃い紺色に変わった空で星がまたたいている。
ぼんやりした気分の中で、私はまたこなたとつかさのことを思い出す。
そして、夢。私の見た夢……かすかに覚えている……しろい、ワンピースの……
そのとき、私の携帯がけたたましい音を上げた。しばらく誰からも連絡がなかったので驚いた。
「もしもし」
『もしもし。かがみ?』
体が凍った気がした。四日ぶりに聞いた親友の声だった。
『いやさ、大丈夫かなーって。風邪も放っておくとタチ悪いからね。明日には学校来られるかな?』
「平気よ、これくらい」
『そっか。よかった』
本当に安心したように言う。私は意識の底で、かすかな希望にすがろうとする。
……馬鹿馬鹿しい。本当に馬鹿馬鹿しい。
『それでね、ついでって言っちゃアレなんだけど、連絡。今日ね、つかさは私のうちに泊まるから』
「そう」
自分でも寒気がするほど自然な声だった。それくらいのことは、あって当然だと思っていた。
『うん。今、つかさに……』
「替わらないでいいわ。よろしく言っておいて」
『そう?なら、いいけどさ』
どう説明したらいいのか、わからない。私は話を続けたいと思いながら、早く切って欲しいと思っている。
本当は、手間だと思ってるんでしょう?
私となんか話してる時間なんて、ないんでしょう?
隣にいるつかさと、今すぐにでも話したいくせに。
夢。夢。私の見た夢が、何かを引きずっている。
静かに沈黙を守ろうとする、守りたい私をその何かがこじ開けようとしている。
『……かがみ?』
「……」
私の名前を呼ぶ声。呼ぶ声。静かに。
なまえをよばれるたび、きょりがちかづく。
なまえをよばれるたび、きょりがちかづく……
視界が歪んだ。
『かがみ。おーい、かがみー。聞いてるー?』
「……ひ」
私の中で何かが切れた。激しい頭痛とともに喉の痛みを感じた。
『か……』
「ひ、ぐ……うぅ……」
『かがみ?泣いてるの?かがみ……』
ねえ、呼んで。もっと、もっと。私の名前を。
もっと、呼んでよ……
真夏のように暑い梅雨の日の夜だった。
晴れた夜の空で星がまたたいていた。
静かな静かな部屋の中で、私はいつまでも彼女の名前を呼べないでいる。
終
ありがとうございました。
390 :
357:2008/06/08(日) 01:22:14 ID:eJK+G4g+
>>388 キタ━━(゚Д(○=(≡ω≡.)=○)Д゚)━━!!!
まさか、思いつきで出したネタが、妄想屋様で実現するとは!!!
ネタひり出し人冥利につきるたあこのことさ!!(゚Д゚)9m
それにしても、ROUND36とか、どんだけやねんwwwwww
まさにこの2人、一歩も譲らない、この組み合わせは永遠と
あらためて思わされたぜコンチキショウヽ(`Д´)ノ
さり気に、みゆきの頭にかじりついてるつかさもGOODだぜ兄貴(゚∀゚)
みなさまぐっじょぶなのです。
どなたも準備されていないようでしたら、投下させていただきます。
「Escape 第8話」
・こなた&ゆたか、かがみ、みなみ、みゆき(かがみ視点)
※注意事項
・シリアス(苦手な方は回避願います)
・非エロ
・続きもの
・6レス程度使用
「かがみさん。そろそろ出発しませんか? 」
「そうね」
こなたを迎えに行くために腰をあげた時、みゆきの携帯電話が鳴る音が、部屋中に響き渡った。
「もしもし、高良です。みなみさんですか? 」
みゆきの表情が一瞬で変わる。
「みなみさん! しっかりしてください! 」
「どうしたの、みゆき? 」
焦燥に駆られて叫んでいるみゆきに向かって一歩踏み出した時、彼女は半ば放心したように呟いた。
「小早川さんが逃げた…… のですか? 」
私も驚いて、すぐ近くに寄って耳をすます。
『ゆたかは…… ボートで逃げたんです! 』
僅かに聞こえたみなみちゃんの言葉に、心臓が止まりそうになる。
「代わって! 」
「はっ、はい」
半ば奪い取るようにしてから、携帯に耳を押しつける。
「もしもし。柊よ」
『あっ…… かがみ先輩』
明らかに意気消沈した声が聞こえてくる。
「みなみちゃん。ゆたかちゃんは、『ボート』で海上に逃げたのね」
『私とチェリーが浜辺に着いた時は、ゆたかは…… 海の上でした』
みなみちゃんは、とても疲れた声で話している。
俄かには信じがたい話だが、嘘を言っているとは思えない。
虚言を弄する人間ではないと断言できる程、彼女の人となりを知っているわけではないが、
みなみちゃんが、今の状況で嘘を付くメリットが思い当たらない。
『もう少し早く見つけていれば…… 』
みなみちゃんは小さな声で後悔の言葉を口にする。
しかし、私の胸の奥底からわき上がった感情は悔しさではなくて、むしろ高揚だった。
(やるじゃない。ゆたかちゃん)
仮にも、こなたが好きになった女の子だ。
どんな絶望的な状況に陥っても、決してあきらめず、活路を見出してしまうところは称賛に値する。
単に可愛いだけで、めそめそと泣いてしまうような子を、こなたが気に入るはずはない。
「みなみちゃん。落ち着きなさい! 」
私は、激しく落ち込んでいるみなみちゃんを叱咤した。
「まずは、深呼吸しなさい」
『えっ!? 』
戸惑っているようだが、構わず続ける。
「大きく息を吸って」
空気を吸い込む音が微かに聞こえる。
「吐いて」
みなみちゃんの吐息は、はっきりと耳朶に届いた。
「少しは良くなった? 」
私は、笑顔をつくって問いかける。
『はい。すみません。かがみ先輩』
やれやれ。これでようやくまともに話ができる。
「ゆたかちゃんを最初に見たのは何時ごろかしら」
『それは…… 11時半頃です。その時にはもう岸を離れていました』
腕時計を覗き込むと、すでに12時半になっている。
「ゆたかちゃんは、何処に向かったの? 」
行き先の見当は、既についているけれど、慎重を期すためにあえて問いただす。
『ゆたかは、すぐ近くの島を目指しています』
「ここから一番近い位置にある島ね」
みゆきに頼んで、愛知県の地図を運んできてもらう。
私たちのいる島と、ボートに乗ったゆたかちゃんが向かいつつある島は、わずか1キロ程度しか離れていない。
「ゆたかちゃんは、『篠島』に向かったのね? 」
『ええ。おそらく』
篠島は三河湾の入り口付近にあり、知多半島と渥美半島の間にある有人島だ。
面積は約1平方キロメートル、全周は約9キロと、狭いが入り組んだ海岸線を形成している。
「まだ、ゆたかちゃんのボートは見えるの? 」
『ええ、微かに…… 』
「ゆたかちゃんとは、どれくらいの距離が離れているのかしら? 」
『はっきりしたことは分かりませんが、隣の島まで、半分程のところまでは達しているようです』
みなみちゃんは、普段の冷静さを取り戻して、状況を説明してくれた。
「そう」
私は頷いてから、頭の中で計算した。
1時間で1キロを半分ということは、1時間で500メートル程進んでいるということか。
彼女が篠島に着くには、あと1時間ほどかかるとみておけばいいだろう。
既に、私はこなたに対して、午後2時に名古屋鉄道の河和駅まで迎えにいくことを伝えてある。
「少し厳しいわね…… 」
今から待ち合わせの時間を変更することは、こなたに不審を抱かせるので好ましくはない。
では、こなたとの待ち合わせに遅れてでも、篠島に向かいつつあるゆたかちゃんを、
海上で捕えることを優先させるか?
それとも、ゆたかちゃんは放置して、予定通りに河和駅に行ってこなたを迎えにいくか?
今すぐにみゆきに船を出してもらうとすると、船着場まではおよそ15分、
船を出す準備にも同じく15分ほどかかる。
更に、ゆたかちゃんのいる海域に到達するのには、10分から15分ほどは必要だ。
ゆたかちゃんの状況にもよるが、篠島に到達する前に、傍に近づくことはできるだろう。
しかし、海上にいる彼女を、レジャーボートから掬い上げることはかなり難しい。
とても不安定な手漕ぎボートに乗っているゆたかちゃんに、下手に手を出した場合、
ボートをひっくり返してしまいかねない。
船から人間を海上に落下させることは、少なからず死を意味することになり、危険極まりない。
それでは、海上を進むゆたかちゃんを無視して、こなたを河和駅まで迎えに行った場合はどうなるか?
待ち合わせ時間となっている午後2時までには、確実に着くことはできる。
しかし、上陸を果たしたゆたかちゃんが、こなたへの連絡に成功した場合、
こなたは河和駅に現れず、最悪、二人とも取り逃がすことになりかねない。
2つの案には、それぞれメリットと、デメリットがあるが、迷っている余裕は全くない。
「こなたを迎えにいくわ」
私は、電話口にいるみなみちゃんと、傍にいるみゆきに対して、はっきりと言った。
「つかさは留守番と、非常時の連絡役を頼むわね」
「がんばってね。お姉ちゃん」
つかさはにこやかに微笑んで、私たちを見送った。
別荘を出てからしばらく坂道をくだり、浜辺にでてみなみちゃんと合流する。
私たちは、桟橋に係留されているレジャーボートに乗り込んで、出航の準備を整えるみゆきを手伝う。
「みゆき。お願い」
「ええ。わかりました」
みゆきはうなずき、エンジンを始動させる。
レジャーボートはゆっくりと桟橋を離れ始めた。
今日の海はとても穏やかで、波やうねりはほとんどない。
「観光に来ていれば…… 素晴らしい景色を堪能できたのですが」
みゆきは舵をとりながら、少しだけ寂しそうな表情を浮かべた。
小型船は、雲ひとつない陽光の下、篠島、日間賀島を右手にのぞみながら、
左側に見える知多半島の先端に位置する師崎港を通り過ぎて、丘陵地帯が連なる半島の沿岸を進む。
空はどこまでも蒼く、強い日差しを受けた海はいたるところで輝きを放っている。
時折、カモメとおぼしき海鳥が近くを通り過ぎ、離れた場所では大型の貨物船が
ごくゆっくりと航行している。
どこまでも綺麗で心が穏やかになる、平和そのものの光景だ。
もっとも、運命を狂わす一連の出来事が起こらなければ、純粋な観光として、
三河湾の入り口に佇む、風光明媚な島々を楽しむことができたのだが……
心地よく吹き抜ける風に身をゆだねながら、過去を振り返る。
以前、私は、努力すれば大抵の事は何とかなると思っていた。
学校の勉強という狭い分野では、自分のやった事が、テストの成績という形で
ストレートに反映されたからだ。
しかしながら、受験のための勉強は、人が学んでいくべき事のほんの一部に過ぎない。
恋愛という複雑で、理不尽極りない感情への身の処し方は、当たり前だが学校では決して教えてくれない。
私は、この半年間、何かに追われ続けるような強い焦りに苛まれていた。
単なる焦燥感ならば、実らない片想いを経験した者ならば、誰もが感じることだろう。
時が過ぎれば、ほとんどの人は失恋という事実を、単なるあきらめか、
甘酸っぱい思い出として、受け入れることができる。
しかし、こなたとゆたかちゃんが付き合っているという事を知ってからの、
私の行動は異常だった。
恋敵を攫い禁した挙句、想い人を誘き寄せるエサに使うという、非道な振る舞いは
正気の人間がやれることではない。
私は、失恋を認めるということが、どうしてもできなかった。
自分自身の、決して広いとはいえない世界にとって、こなたの存在は全てに等しい。
泉こなたをあきらめて生きる事に何の意義を見出すことはできない。
こなたを失った後、抜け殻みたいな人生を送ることなど、とても耐えられる事ではなかった。
「かがみ先輩…… 泉先輩のことを考えていますか? 」
珍しく、みなみちゃんの方から声をかけてくる。
「ええ。あなたが、ゆたかちゃんの事を思っていたようにね」
私の物言いに、みなみちゃんは微かに口元を緩めた。
彼女が笑う姿はあまり見たことがないけれど、今の微笑みは、胸が苦しくなるほど綺麗だ。
「私にとって、ゆたかは太陽であり光です」
みなみちゃんは、私の瞳をまっすぐに捉えて、ゆっくりと語りかけてくる。
「私は、中学の時はとても無口で、いつも本ばかり読んでいる、他人との接点が薄い存在でした」
彼女は小さく溜息をついた後、言葉を続ける。
「しかし、ゆたかは私の全てを受け入れてくれました。
ゆたかだけが私を分かってくれていました。だから…… 」
みなみちゃんはとても辛そうな表情を浮かべて、重すぎる言葉の塊を吐き出した。
「ゆたかが私を想ってくれていると、勘違いしてしまいました」
瞼から熱いものが溢れ出して、頬をつたう。
「間違いに気づくことができなかった私は、ゆたかから完全に見捨てられてしまいました…… 」
たぶん、先程ゆたかちゃんを追っていた時に、何か最終的な事を言われたのだろう。
「もう、ゆたかちゃんをあきらめるの? 」
嗚咽がおさまるのを待って尋ねたが、みなみちゃんは何も答えなかった。
知多半島の沿岸を30分ほど北上すると河和港がみえてくる。
みゆきは慎重に船を操り、高速船の乗り場にほど近い場所にある桟橋に接岸した。
港から10分ほど歩くと、待ち合わせ場所となっている河和駅が見えてくる。
やや古びた駅舎に入ると、赤色の塗装を施した列車が静かに停まっていた。
私はベンチに腰掛けながら、腕時計を見つめた。約束の時間までには少し間がある。
「もう少しですね…… 」
隣に座るみゆきが話しかけてきた。
「そうね」
こなたと会う時間が近づくにつれ、鼓動が速まり、喉がカラカラに乾く。
私は、ポケットから白いハンカチを取り出して、無意味に開いては折りたたむ。
こなたは私をどんな目でみつめるだろうか?
少なくとも、旧友に対する穏やかな視線はないはずだ。
軽蔑という成分が含まれている瞳を向けられることに、私は果たして耐えきれるだろうか?
「かがみさん。少し…… 落ち着いてください」
「ごめん。みゆき」
私は謝って、くしゃくしゃになってしまったハンカチを仕舞った。
どういう結末を迎えるにしろ、まずは会って、話をしてからだ。
間もなく、列車が到着いたします。
スピーカーからアナウンスが降り注くと間もなく、電車がホームにゆっくりと滑りこんでくる。
「こなた、乗っているかしら? 」
「どうでしょう? 」
みゆきは、微かに首をかしげた。
私達3人の視線が集まる中、赤い塗装が施された列車は停まり、自動ドアが開く。
十数人の乗客がぱらぱらと降りてくる。そして――
最後尾の車両から、蒼く長い髪をなびかせた少女が、ゆっくりと姿をあらわした。
読んでいただいた方、感想をいただけた方、ありがとうございます。
話は終盤に入ります。
かがみとこなたがどんなやり取りをするのか、自分でも怖いものがありますが、
いましばらくお付き合い願えればと思います。
では。
誤字訂正します。失礼しました。
>396 下から6行目
禁した(誤)→監禁した(正)
401 :
こなかが派:2008/06/08(日) 02:15:03 ID:eJK+G4g+
いやはや、なんとも。
こうまで2転、3転。
ストーリー展開、キャラの思惑の錯綜。
氏のストーリーテリングっぷりに、感服せざるを得ない。
いよいよ、こなたとかがみの、待望の対面(かがみにとって)
どのような詰むや詰まざるやが展開するのか、
先を待ちましょう、今はそれのみです。
今回、あえてこのハンドルで出しましたが、
確かにこの立場ゆえ内心つらいのは正直あるけどwww
それでもここまで読ませるのはマジすごいと思いますです。
>399
こなゆたの逆転はあるのか、かがみは何を望むのか、つかさは大人しく留守番してるのか
全てが気になって仕方がないですぐっじょぶ
>>399 ついに対面…か…
どうなっちゃうんだろう。
正直、怖い。でも続きが気になるorz
>>317 >>かがみ「わ、私たちっ…キスも…まだっ」
>>あやの「柊ちゃんのはじめて、美味しかったわ」(シャワーをあびながら)
>>かがみ「…」(シーツにくるまりながら)
あやのが助けないでよかったのでは
>>326 ば な な
>>344 栄養状態といえばツンデレ二号
普通に大丈夫か?
>>374 かがみはこなた大好き屋
20話まだ借りてないや
>>387 かがみ切ないけど
妄想の中にいないみゆき……がんばれ
>>399 ゆたかに勝ってもかがみにとってみゆきやつかさも敵なりかねませんから……かがみ
>>399 GJ!かがみに理性が残ってて意外だったけどw
かがみの場合はむしろ「理性的であるからこその狂気」だと思ってる。
冷静であるが故に狂い切れず狂って行く感じ。
408 :
45-450:2008/06/08(日) 11:29:06 ID:pjCoPq0i
どうもお久しぶりであります。
前スレで「書きたい」と言っていました「SSの舞台裏」話の
1本目がようやく書きあがりましたのでいざ投下…の前に感想レスを1つ。
>>399 いよいよ、この話も大詰めですか…
もう沢山の方が言ってますが、読んで凹んでしまいながらも
ついつい読みたくなってしまう文章力の素晴らしさは純粋に凄いと思います。
…最後はどうか、「二人」に幸せがあらん事を。
今貴方に言いたい事は…ただこれだけであります。
さて、他に投下者がいなければ5分後に投下開始致します。
409 :
45-450:2008/06/08(日) 11:34:51 ID:pjCoPq0i
「エロパロスレ舞台裏シリーズ〜鈍色プライオリティー編」
・非エロ
・みなみ&ゆたか+こなた・ひより・パティ
・楽屋ネタ物(苦手な方スルーお願い致します)
・本編3レス+後書き1レス
・ぶーわ氏作「鈍色プライオリティー」のネタを使用
シャァァァ…
キュッ
「…ふう」
今回の舞台で使った血のりと自らの汗をシャワーで洗い流した
長身短髪の少女―岩崎みなみ―は、短く息を吐いてシャワールームを出た。
「あ、みなみちゃん今回は本当にお疲れ様ー」
「…そちらこそお疲れ様です、泉先輩」
「いやいや今回のあたしはチョイ役だから気を使わなくてもいいよー、
それにしてもみなみちゃんのヤンデレっぷりは凄まじかったよホント」
「ヤンデレ…?」
着替えを終えて楽屋へと戻り、今回の舞台のもう一人の出演者である
背の低い長髪で猫口で左目元に泣きぼくろのある少女―泉こなた―と
会話を交わしつつ…みなみの目は、三人目の出演者にして親友の姿を探していた。
「…あ」
みなみの目が探していた人物の姿を映し、口元が微かに緩む。
そしてゆっくりと目標の人物に近付き…軽く肩を叩きながら、ねぎらいの言葉をかけた。
「…ゆたかも、お疲れ様」
「うひゃあっ!?」
不意に肩を叩かれて声をかけられたからか、今回の舞台の三人目の出演者である
短いツインテールの少女―小早川ゆたか―は思わず驚きの声を上げてしまっていた。
「…ゆたか?」
「どったの、ゆーちゃん?」
「あ、みなみちゃんもお姉ちゃんもごめんね…ちょっとビックリしちゃって」
「そう…こっちこそゴメン、驚かせるつもりはなかったんだけど…」
ゆたかの詫びの言葉に、みなみも驚かせてしまった事への詫びを返す。
「あ、二人ともシャワー浴びて喉渇いちゃったでしょ? 飲み物買って来るね」
そう言いながら、小走りで楽屋の外に出て行くゆたか。
「どしたのかな、ゆーちゃん?」
「…(もしかして、舞台での私が…?)」
そんなゆたかの様子をちょっと心配するこなたを横目に、
みなみは先程までの舞台を思い返しながら思案をしていた。
「う〜…お芝居だってわかってるんだけど、まだちょっと怖いよぅ…」
楽屋から少し離れた所の自動販売機でジュースを三本買ったゆたかだが、
先程までの舞台でのみなみの演技が忘れられず楽屋に戻るのに二の足を踏んでいた。
…今回の舞台は、みなみがゆたかに告白したものの受け入れられず
それでも想いを捨てられないみなみが心を病んでしまい…
ゆたかの目の前で、包丁で自分の腹をメッタ刺しにして自殺してしまう…
という、暗い内容で「観る人を選ぶ」内容の話だった。
ゆたかの脳裏には、その舞台でのみなみの「狂った笑顔」と「狂った笑い声」が
強く焼き付いてしまい…みなみの顔を見る事にも、恐怖心を抱いてしまっていた。
「…でも、いつまでも戻らないと二人に心配かけちゃうし…」
しばらくの間自販機の前で立ちすくんでいたゆたかだったが、
二人に心配をかけたくないという気持ちが僅かに上回って
楽屋へと戻る道を行きと同じく小走りで駆け出して行った。
「ただいま、遅くなってごめんね」
「いやいや、気にしてないから謝らなくていいよー」
「…うん、私も気にしてないから気に病まないで」
戻って来たゆたかの詫びの言葉に二人も返事を返し、
買って来たジュースの口を空けてそれぞれ飲み始める。
「…ゆたか」
「な、何? みなみちゃん?」
三人ともジュースを飲み終わった所で、みなみがゆたかに話を切り出す。
「…今、私の事を怖いって思ってる?」
「え? そ、そんな事…ないよ?」
「…お願い、正直に言って」
「…うん、ごめんね…」
みなみからの言葉に、反射的に嘘を返してしまうゆたか。
だが、みなみからの真剣な眼差しに射抜かれてしまい
躊躇いがちなか細い声でゆたかは本心を呟いた。
「そう…」
ゆたかの返事に短く言葉を返したみなみは、
直後にいきなり自分の着ていた上着を脱ぎだした。
「み、みなみちゃん!?」
「ちょ!? どったのみなみちゃんっ!?」
みなみのいきなりの行動に、ゆたかもこなたも驚きの声をあげる。
だがみなみはそんな二人に厭わず上着を完全に脱ぎ、
ゆたかの手を取って自分の胸の右側に掌を当てさせた。
「ほら、ゆたか…感じるでしょ、私の鼓動?」
「…う、うん」
「…この鼓動が、私が今生きている証」
「…うん」
「さっきの舞台では、最後に私は死んでしまったけど…
今ここにいる、『現実』の私はちゃんと生きているよね?」
「うん」
「…お腹をさすってもらえるかな?」
「うん」
「…どう? お腹の何処かに、傷はあった?」
「ううん、何処にもないよ」
「…ほら、わかったでしょ? さっきの舞台は、『夢』のようなものだって事が」
「うん…ごめんねみなみちゃん、怖がったりなんかして…」
「…謝らなくていいよ、ゆたかは何も悪くないんだから」
「…ね、みなみちゃん」
「…何? ゆたか」
「みなみちゃんの体に、耳当ててもいいかな…?
みなみちゃんの生きている証、ちゃんと聞きたいから…」
「…いいよ」
その言葉と共に、みなみは自分の胸にゆたかの頭を預けさせる。
そうして目を閉じてみなみの鼓動に聞き入るゆたかの頭を、
みなみは赤ん坊をあやすようにゆっくりと撫でていた。
(ゆーちゃんももう大丈夫そうだし…お邪魔虫は退散しますかねぇ)
二人の様子をしばし見守っていたこなただったが、ゆたかが安心して
みなみに体を預けている様子を見て安堵したのか忍者ばりの忍び足で
音を立てずにこっそりと楽屋を出て行った…その直後。
「わ…我が生涯に、一片の悔い無しっス…」
「ヒヨリ、しっかりするのデス! ヒヨリはまだ死ぬには惜しいのデスヨ!!」
どこぞの拳王の最期の言葉を呟きながら、鼻血を出して拳を上に突き上げながら
満足げな表情であおむけに倒れている黒髪長髪な眼鏡腐女子―田村ひより―と
そんなひよりを介抱(?)する金髪アメリカンオタク少女―パトリシア=マーティン―の
姿を見つけ、こなたも手伝ってひよりを医務室に運んだのはまた別の話。
413 :
45-450:2008/06/08(日) 11:50:35 ID:pjCoPq0i
以上です。
…本編1レス目の投下が遅れてしまって申し訳ありませんでしたorz
その時に限って妙にパソが重くなってしまって…
久々に純粋なみなゆた物でみなみん本人もご満悦であれば嬉しいかな、と。
それでは、また。
>>413 GJ!
なんか当時の戦慄を思い出しました
あれは確実にトラウマる
あとせっかくぶーわ氏の話の舞台裏なんだし、『あの人』出しても良かったな
ほら、最近見ないあの人
「呼びましたか?」
「いいから行くわよ」
「ああ相変わらず敬ってくれない…」
こうですか?…ぶーわ氏すまん…
416 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 13:34:20 ID:P6a6IVqL
ホコ天廃止
エロゲ規制
残虐ゲーム規制
二次元規制
終了です
417 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 14:51:23 ID:QbGHyJol
みwikiが受けの作品少なくね?
特に被りがなければ、5分後くらいに投下します
ごきげんよう。それではいきます。
『4seasons』の続きです。
■かがみ→こなた
■男×こなた要素があります
■エロなし
6レスになります。
§7
どうしてそういうことになったのか。それは恐らく十二月十二日の出来事に関係がある。
その日以降、こなたはずっと沈みがちだった。一見したところ普段どおりで、相変わらず
ニマニマと笑いながらふざけたことをぬかしていたけれど。その笑顔はどこか痛々しく、
その発言は私たちの耳にはどこか空虚に響いていた。
けれど、だからこなたが私にキスをしたのかと云えば、それは少し違うように思える。
その日の出来事は確かに私へのキスに繋がっていきそうに思えるけれど、きっと原因は
それだけではないだろう。
むしろその印象の強さで云えば、つい昨日、終業式の日に起きた出来事の方が影響は
大きいように思う。だが、それでもその出来事が原因となってこなたにキスをさせたのかと
云えば、やはりそれは違うのだろう。
そう、女子高生が親友にキスをしようと思うまでには、一つの原因だけではなく、きっと
色々な出来事が影響しているはずだ。
それは例えば私がアルバムでしか見たことがない、こなたが小学生時代の出来事が関係
しているのかもしれない。
それは例えば私がアニメライブで、前が見えなくてぴょこぴょこ跳ねていたこなたに席を
代わってあげたことが関係しているのかもしれない。
それは例えば今年の秋、一緒にお墓参りに行った後に立ち寄った、兼六園での出来事が
関係しているのかもしれない。
その全てが関係しているのかもしれないし、その全てが全く関係ないのかもしれない。
人の心のことなんて、わかりようがない。自分のことですらよくわからないのに、ましてや
他人のことなんて尚更だ。
『気象は複雑系だから、一週間後の予測すら上手くいかない』
そう云ったみゆきのことを思い出している。
けれど、一番複雑で予測不可能なものと云えば、人の心なのだろう。そんなことを考える。
――だから。
こなたがどうして私にキスをしたのか、その理由はよくわからない。
よくわからないけれど。
それでもきっと、その日十二月十二日に私がこなたの誘いを断っていれば、あの出来事も
起きず、こんなことにはなっていなかったと思うのだ――。
※ ※ ※
「おーい、かがみさまー!」
「断る」
「ぬわっ、なんという即断っ! NOと云える日本人キタコレ!」
それは十二月十二日の放課後のことだった。
チャイムが鳴るやいなや、スパンと教室の扉を開け放って矢のように飛び込んできた
こなたに、私は云った。
こいつが私のことを『かがみさま』なんて云うときには、どうせろくでもないことを考えて
いるに決まっている。ましてやこんな風に満面の笑みを浮かべていたら尚更だ。だから私は
教科書を鞄にしまいながら、わざと興味のなさそうな声で喋るのだ。
「だって、どうせろくな話じゃないんでしょー」
「いやいや、それがもう。かがみもこの話を聞けば、きっと泣きながら是非一緒に行かせて
くださいと頼むようになるね」
手に持っていた鞄とコートを私の机に置いて、こなたは口から出任せを並べ立て始めた。
コートを着込む時間も惜しがって、私の所まで駆けつけてきたのだろうか。そんなことを
思いながら、私はいそいそとマフラーを巻きだしたこなたに目を奪われていた。
ふぁさ、とマフラーを翻して背中に垂らすと、そこに籠もっていたこなたの匂いが私の
ところまで漂ってくる。制汗スプレーか、ボディーソープか、シャンプーか。石鹸めいた
さわやかな香り。
その匂いと光景に、どきりと私の胸が高鳴った。
なんでだろう、私は昔から女の子がマフラーを巻くところが好きなのだ。
人によって違うそれぞれのやり方で、冬の寒さから身を守ろうとしてくるくると身体に巻き
つけるその仕草。それはなぜだか、私を秘密の儀式を覗き見たような気持ちにさせるのだ。
ちなみに男の子の仕草にはなぜかそれを感じない。彼らの場合はただマフラーを着るだけだ。
「まー、とりあえず云ってみなさいよ。聞くだけ聞くから」
「……あ、あのね、帰り久しぶりに太宮に寄っていかない?」
「だが断る」
「どわーっ! かがみんのいけずー! いけず後家ー!」
それを云うなら行かず後家だろう。それだけでも悪いのに、よりによって“行けず”とはなんだ。
けれどそう突っ込もうとしたとき、みさおとあやのが私たちのところへ近づいてきて云った。
「おうっ、ちびっこたち今日は寄り道かー、余裕ですなぁ」
「あんたに云われるとなんかむかつく。ってかまだ行くとは云ってないわよ」
「まだってことは、これから云うのかな? かな?」
私の髪をつんつんとひっぱりながら、こなたが云う。
「云わねーよ、ってか人の髪いじるな」
「かがみちゃんたちがどこか行くなら、私たちも久しぶりに糟日部あたりでちょっと遊んで
いこっか?」
「お、いいなー。わたしはあやのさえよければいつでもオッケーだぜ」
「っておい、なんであやのまで私たちが寄り道するの確定してるみたいな云い方なの?」
「往生際が悪いね、かがみんや」
ポンと私の肩に手を置いて、嘆息するようにこなたが云った。
「悪くない!」
「だってほら」
こなたが指さす方をみると、教室の入り口でつかさとみゆきが笑いながらこちらに手を
振っていた。
「それじゃ先帰ってるね、お姉ちゃん」
「また明日です、みなさん」
口々にそう云って、私の妹と親友は、くるりと身を翻して帰っていったのだった。
※ ※ ※
「――裏切られた」
太宮駅の改札から出て、私はぽつりと呟いた。
「かがみ、まだ云ってるー」
隣でこなたがふにゃふにゃと笑った。
十二月も半ばに入った太宮駅前は、もはやクリスマスムード一色だ。時計台には緑と赤の
リース飾りがつけられていて、そこかしこに豆電球の塊が樅の木を模して立ち並んでいる。
どこからか流れてくるのは、大御所ミュージシャンが高い声で歌ういつものクリスマスソング。
気の早いサンタクロースが、パチンコ屋の名前を呼びながらポケットティッシュを配っていた。
よくわからない何かを沢山出すのだそうだ。
「うー、寒いね」
そう云って、こなたはぎゅっと目をつぶってぶるると震えた。なんだか水浴びをした後の
猫のようだと私は思った。
確かにこのところ曇りがちの天気が続き、気温もどんどん下がっていっている。クリスマス
前後には雪が降るかも知れない。今朝見たニュース番組で、キャスターがそう云っていたのを
思い出す。私も少し寒くって、ポケットに手をいれてちぢこまった。サンタクロースの衣装は
暖かそうだな。そんなことを考える。
そのサンタから、こなたはちゃっかりとポケットティッシュをもらっていた。こなたはどこから
どうみてもパチンコ屋の客とは思えないだろうから、サンタもティッシュを差し出しはしなかった。
けれど目の前に立って細目でずいと手を出されたら、サンタも良い子にささやかなプレゼントを
渡さないわけにはいかなかったようだ。
「んー、最近はアニメとか漫画のパチンコ台増えたよねぇ」
印刷された広告を眺めながら、こなたが云った。
「そうね。よくわからないけど、需要あるのかしら?」
――さすがにこの分野には手が出せない。
口惜しそうにそう云うこなたに、私は笑った。
――赤本を、買いにきたはずだ。
こんな時期に今更赤本か、と思ったけれど、どうやら新しく滑り止めを増やすらしかった。
今朝学校に行く前に立ち寄った糟日部の書店には丁度置いてなく、ここの三省堂なら
確実に置いてあるはずだ。そう思って私を誘って太宮くんだりまで足を伸ばしたと、こなたは
そう云った。
「――で、なんで私たちは今ゲマズにいるんだ?」
「いや〜。蜜に吸い寄せられる蝶みたいな?」
アニメのポスターやPOPで満ちた賑やかな店内で、こなたは細目で笑いながら頭を
掻いていた。
「ほら、私最近頑張ってるし。頑張った私へのご褒美オタズッグなのだよ。かがみんだって
そう云ってスイーツ食べるじゃん?」
「た、食べないわよ」
「いーや、食べてるね。だってほら、このへんむにっと」
「だからつまむなバカッ!」
「むっっふっふ、その慌てぶり。やはり体重が増えてると見たっ」
ニマニマと笑うこなたのことが本当に憎たらしいと思う。一体誰にきれいだと思われたくて、
私が自分を磨いていると思うのか。けれどそんなことを考えて、私は心の中で苦笑する。
それをこなたに知られたら困るのは私のはずなのに、恋する乙女というものは理不尽な
存在なのだと思う。
「う……だ、だってしょうがないじゃない。勉強ばっかで全然動いてないんだもん」
「ククク……そんなかがみに出歩く機会を与えてあげようと云うわたしが悪党のわけがない……。
云わば寄り道に誘ったのは善意。良心的行動でございます。ざわ……ざわ……」
「すまんがさっぱりわからん」
「そっか」
そう云って、こなたは山のように積んだ本とCDをレジに差し出した。
私もついでに、ラノベの新刊を三冊買った。
「結局かがみも結構買ってたじゃん」
太宮駅東口、ルミネ前にある喫茶店の窓際の席で、こなたはそう云って笑った。その半透明の
窓から見える駅前広場では、誰もが寒そうに肩をすくめながら足早に家路を急いでいた。
駅前のサンタクロースは、まだ健気にポケットティッシュを配っているようだ。
――こなたは、チョコレートバナナパフェを注文した。
思い出す。あの日のことを懐かしく思い出す。
この喫茶店のこの席は、あの夏の日にこなたと私が喧嘩をしたときの場所に他ならない。
女子高生に気軽に入れる喫茶店なんてそう数はないし、買い物をした帰りに少しお茶でも
飲んでいこうと立ち寄ることはよくあることだ。だからこの喫茶店に私たちが入ったことは
特別珍しいことでもないだろう。
けれどこなたが選んだ席が丁度あの日と同じ席で、こなたが注文したものがあの日食べていた
ものと同じであることは、偶然だとは思えなかった。ひょっとしたら、こなたはあの日をやり直したいと
思ったのかもしれない。そんなことを考える。
喧嘩して別れ、こなたは泣きながら逃げ出して、私はそれをおいかけることができなかった、あの日。
意識的にせよ無意識にせよ、あの日のリベンジをしたいと、こなたはそう思ったのかもしれない。
「わ、私はほら、買ってもすぐに読まないわよ。当分棚に置いたままのつもりだもん」
そう云って、私はフルーツパフェを口に運んだ。さすがにこの季節には、マンゴーフラッペは
置いていなかったのだ。
「それを云うならわたしだって買ってもほとんど読まないよ?」
「え、そうなの? あんなに買っておいて?」
「うん、やっぱり買っておくと安心するし。ベッド脇の未読用本棚はすでにもうぎっしり
で、さながら小山のように。読んでないから表紙も覚えてなくて、同じの何冊も買っちゃったりして。
まー、保存用にするからいいんだけどね」
「……それ、むなしくならないの?」
「たまにね」
そう云って、ペロペロとパフェを舐めるこなただった。
「あ、でもだから今日はキャラソンとかドラマCDを重点的に攻めてみた」
「攻めてみたって、おい。ながら勉強する気満々かよ」
「えー、ダメデスカ? わたしの場合、静まりかえってるよりそっちのが頭に入るのだよ。
高校受験だってそれで乗り切ったし」
「いや、それで頭に入ってるならいいけどさ。実際成績ぐんぐん上がってるし。でも“乗り切った”
とか云って、高校受験と一緒にするなよ。受け身になってちゃ駄目なんだからね」
「んみゅー。相変わらずかがみは真面目だねぇ」
限りなく厭そうな顔をして、こなたはテーブルに突っ伏した。ぱさりと青い長髪がテーブルに
広がって、滝のようにその縁からこぼれ落ちていく。
「大学受験くらい、真面目にならないでどうするんだっつーのよ」
その頭をぐりぐりと押さえつけて、私は云った。それはこなたがまたいつものように『はなせー』と
云ってくれるのを期待してのことだった。けれど、そのときこなたはなぜか気持ちよさそうに
目を細めてしまったのだ。
そうすると私がしているこの行為が何か別の物に変貌してしまったようで、私は慌てて手を離した。
きっとまた、私の顔は真っ赤に染まっている。そう思った。
「んー、でも落ちたって死ぬわけじゃないしね」
こなたは、そんな私の動揺に気づかなかったのか、のほほんとした声でのんきなことを
云いだした。そうして私はそれにほっとして、いつも通りの突っ込みを返すのだ。
「バカッ、何云ってんのよ、これで結構将来決まるんだぞ」
「えー、そっかなぁ? 高卒でも大卒でも楽しく生きられるかどうかにはあんま関係なくない?」
「そりゃそうだけど、選択肢が全然違うでしょ。どれをとってもやりたくない道しか選べなく
なったらどうすんのよ」
「まー、そうなったらかがみとかみゆきとかつかさに寄生して生きるからいいもん」
――きっとみんな喜んで拾ってくれるよー。
テーブルの上でつぶれたまま、ふにゃふにゃとした表情でそう云った。
その言葉を、素直に嬉しいと思った。こなたがそんな風に云ってくれて、私は素直に
嬉しかった。
けれどそんな思いは心の奥にそっとしまいこんで、私はいつもの真面目な表情を作って
こなたを睨みつけるのだ。
私には、こなたを拾うことなんてできないのだから。
こなたは私のことをただの親友だと思ってくれているだろうけれど、私にとってこなたは
そうじゃない。恋心を隠したままのルームシェアなんて、上手くいかないに決まっている。
「あのなぁ、つかさはともかく、弁護士や医者なんて当分の間稼ぎにはならないわよ?
インターンやら法科大学院やらあるし、そこまでスムーズにいけるとは限らないし、っていうか、
そもそも大学受かるかどうかわかんないし……」
「自分で云ってるうちに段々不安になってきちゃったかがみ萌え」
「う、うっさい!」
「まあまあ、少しくらい回り道しても大丈夫だよ。かがみがちゃんと稼げるようになるまで
待っててあげるからさ」
「ほう、それはお気遣いどうも。――っておかしいだろ。なんであんたがそんな偉そうなんだよ」
「えー? もうホントかがみは細かいな。一体なんて云えば満足なのさ」
「まずはその寄生しようっていう根性からなんとかしろよ」
「だが断る」
「断んな」
――どうしよう。
いつもみたいなこなたの憎まれ口に、いつもみたいに突っ込んで。
そんないつも通りの日常に、私は胸の中にわき上がる感情を抑えきることができなかった。
――楽しい。
こうやってこなたと二人で話しているだけで、涙が出そうになるほど楽しい。
ちょっとすねて見せる顔、だらけきってのほほんとした顔、隙あらばいじり倒そうとして
厭らしい笑みを浮かべた顔。ぽんぽんと弾む会話。くるくると回る二人。きらきらと輝く私たち。
一瞬一瞬が永遠で、一言一言が宝石のようだった。
どうしてこなたは、こんなに私のことをわかってくれるのだろう。どうしてこなたは、こんな風に
私の張り詰めた心を解きほぐせるのだろう。こなたと話しているだけで、私の中で凝り固まっていた
受験に対する不安がチョコレートのように溶けていき、そうして未来に対する甘い期待へと形を
変えていく。
こなたとこうやってくだらない話をしているだけで、どんな場所もあの淡い期待に満ちた放課後の
教室になっていく。
まだいくらでも時間があって、これからどんなことだってできるはずの、あの無限の可能性に
満ちた放課後の一時に。
そうしてこんなに楽しいと、どうしても私は願ってしまうのだ。
こんな関係がずっと続いて欲しいと。こんな時間が永遠であって欲しいと。
――けれど、そんな願いが叶うはずもなくて。
案の定、そんな幸せはそのすぐ後に砕け散ってしまったのだった。
※ ※ ※
お店を出て、二人で駅に向かって歩く。沈み掛けた夕陽が、太宮の街をオレンジ色に
染めあげていた。それはまるで子供の頃の思い出にあるような光景で、私は昔のように
家に帰らないといけないのを寂しく感じていた。
けれど今私の隣にいるのは、昔とは違って、つかさでもなければお父さんでもない。
高校生になった私にとってなにより大切な人、泉こなたと私は歩いていく。
――手を、繋いでみるというのはどうだろう。
私がそんなことを考えたのは、子供の頃、よく家族とでかけたときに手を繋いでいたことを
思い出したからに他ならない。
仲が良い女友達同士なら、手を繋ぎながら歩くことはおかしなことではない、と思う。今でも
つかさとは時々そうして歩くのだし、クラスでも特に仲がいい子たちは手を繋ぎながらトイレに
いったりする。だから、それは決していやらしいことではないはずだ。
私は、少しだけたがが緩んでいたのだろうと思う。普段の私なら、そんな行動を自分から
起こすはずもなかった。もしそのときそうしていたなら、またさんざんっぱらこなたにいじり倒されて、
未来永劫ネタにされ続けていたことだろう。
けれどそのとき私がこなたと手を繋がなかったのは、私が思いとどまったせいではなかった。
意を決して差し出した私の手は、こなたの手を掴むことはできなかったのだ。その手
が掴んだのはただ空気だけで、私はこなたに触れることができなかったのだ。
「――こなた?」
さっきまで隣から聞こえてきていたこなたの跫音が、今はもう聞こえてこない。一緒に
隣を歩いてきたはずのこなたは、そのとき一人で立ち止まっていた。
――信じられない物を見たように、大きく目を見開いて。
振り返った私が見たのは、こなたのそんな表情で。私はこなたがどうしてそんな顔を
しているのか訝って、その視線の先を追ってみる。
駅前の、時計台の前に。
さっきまで待ち合わせをしていたのだろうか、そこに一組の男女がいる。オフホワイトの
ロングコートに桜色のショールを合わせた小柄な女の子と、制服にコート姿の、眼鏡を
掛けた背の高い男の子。おそらく、私たちと同年代だろう。
そうしてその男の子も、こなたと同じように目を見開いて、私たちのことをみつめているのだった。
――いや。
見ているのは私たちのことではない。
ただ、こなたのことだけをみつめているのだ。
「――こなた?」
さっき私が云ったのと同じ言葉を、その人が口にする。低くて深い、よく響く声だった。
一瞬私は、『こなた』というその三音にどういう意味があったのか、それがよくわからなくなって
うろたえる。その言葉は、こんな風に通りすがりの男子高校生の口から聞こえてくる言葉では
なかったはずだ。
けれどその言葉は、疑いようもなくこなたのことを指していて、私の隣にいるはずのこなたの
ことを呼んでいて。それに気がついたとき、私は理不尽な腹立ちがわき上がってくるのを感じていた。
なんで、この人はそんな口調でこなたのことを呼ぶのだろう。
どうして、そんなに哀感に満ちた口調で、私が大好きな人の名前を呼ぶのだろう。
私はそれが腹立たしくて、その人のことを睨みつけていたはずだ。
「――くん」
けれど私の後ろから聞こえてきたこなたの声は、同じような哀調を帯びていて。
私はそのとき、私の願いが砕け散ったことを知った。
振り向けない。
私はどうしても振り向けない。
もし振り向いて、こなたの顔を見てしまったら、きっと何かが終わってしまう。ささやかな
願いだけではなく、もっともっと大切な何かが。
だから私は振り向くこともできず、彫像のようにその場に立ちつくしていた。男の子と
一緒にいたロングコートの女の子と同じように、なにも云えずにその場に立ちつくしていた。
夕陽に照らされて、長く伸びた影が四人分。
ティッシュ配りのサンタクロースが、そんな私たちを不思議そうに眺めているのだった。
(つづく)
以上です。ありがとうございました。
>>426 GJすぎる…
この男の人は、昔の彼氏とかそんななのかな…
本当に毎回毎回、引き込まれてしまう
この日の出来事が、イブの日にどう関係してくるんだろう…
ここにきて、まさかの急展開とは!
やっぱり、こなたの態度からみて、
2人はただならぬ関係だったんだろなあ。
先がますます、ものすごく気になる、
続き、お待ちしております。GJ!
>>399 >「ゆたかが私を想ってくれていると、勘違いしてしまいました」
このセリフが切ない(ノд`)
>>413 何だか和みました。GJ。
こな☆フェチの舞台裏とかあったら面白そう。
もしかしたら変わらないのかもしれないけどw
>>426 おおぅ、予想だにしていなかった展開に!
こっから何がどうなってキスまでいくのか…自分にはもう待つことしかできませんヨ。
ということで続きに期待&GJでした。
>>429 ― 『えす☆えふ』の舞台裏 ―
「いや〜、今日の撮りは疲れたねぇ。一人二役は大変だヨ〜」
「何言ってんのよ。今日はそんな激しい演技なかったじゃないの」
「あったよ〜。ほら、こなつーと並んで歩いてるシーン」
「ああ、そういえばアレ、あんたのメイクだったわね。……でも、なんで並んで歩くだけで疲れるのよ?」
「え〜? ものすっごく疲れるんだよ〜、あれ」
「なんでよ? 別撮りして合成するだけでしょうに」
「合成? そんな予算出るわけないじゃん。一発撮りだよアレ」
「は?」
「こう、ものすごい勢いで反復横跳びをだね」
「待てコラ」
------------------------------
広こな@こなつー
「綾こなってば、出まかせ言ってるなぁ……
……あ、やばっ、もうすぐ角川の仕事じゃん!
コンプにエースにASUKA……あ〜、これじゃ体がいくつあっても持たないよ〜(T△T.;)」
>>430 ジャーマネ「次50人こなたの仕事はいりました〜」
こなた「人を殺す気ですか(〒ω〒.)」
432 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 18:02:25 ID:oVWAUe2J
死ね
>>432 嫉妬しても仕方が無いんだ、こなフェチを発症したが最後、あの少女を追い掛ける狼になるのだから・・・
以下いつもt(ry
こなち
「私こなち、6さい。
うりだしちゅうのこやくスター、ってママがいってたけど、よくわかんないや。
こなたおねーちゃんのそっくりさんなんだよ♪
わたし、こんど『6さいこなたん』っていうさくひんにでるんだよ〜、よろしくね♪」
かがみ
「いいのかなぁ……」
6さいこなたん、Amazonで予約済み
>>374 俺もあのシーンは、こなたのために冷えた部屋で待っていたかがみが寒かったからだろうと
思ってた。GJ !
>>387 なんて切ない・・・ドロドロになるかもしれないが続編を期待せざるを得ない
>>388 またなんちゅー絵をw 35回も今までエッチしたんかい !
>>413 いいね舞台裏。鬱になりかけた心が回復する
>>426 神SSktkrって、あああ男の影っ ! ここに来て急展開に目が離せない
でもこなたってネトゲはともかくリアルだと男と接点無い気がするのだが・・・続きに期待GJ !
437 :
ふた☆自重:2008/06/08(日) 22:55:04 ID:fPF/keRK
438 :
357:2008/06/08(日) 23:08:30 ID:eJK+G4g+
>>437 結末キタ━━(゚Д(○=(≡ω≡.)=○)Д゚)━━!!!
双方負けて悔いなしのイキっぷりにこちらも悶絶!
そして周りは、そんな2人に興奮してこなかが☆フェチとなり、
おそいかかる……とおもいきや、
ROUND142にてようやく共倒れという結末を迎えたため、
そのために興奮しすぎて周囲もすでにイき倒れwwww
嗚呼、恐るべきかな、こな×かが……
むしろ両方勝ちじゃね?
勝ちというのは、最後に立っていることをいうのです。
2人で倒れちゃったから双方負けw
「か……かがみひ……ちゅぎは……まけにゃいんだからぁ……」
「はぁ、はぁ……それは……こっちの……セリフなん…だか…ら……」
「うにょ〜ん(とっくに気絶)」
「だめです……お二人とも素敵過ぎて……もう体が……動きませんだばだば」
>>426 ああ、果たして二人は無事にゴールできるのだろうか…この二人には幸せになってもらいたいなあ…GJ
>>441 ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>399 いよいよ佳境という奴ですな。さてどんな手で来るか…
「人質一つにもこうも差が出るとはな…黄泉ならば現実に人質は取らずに脅迫する手段をとる」
「いや偶然だけど今現在そうなってる状態だから。ってかそれ何のネタだ。しかもお前人質取ったことあるのかよ」
「満遍なく突っ込んでくれるかがみん萌え」
「うるさい」
トゥルーエンド…は難しいだろうな…その鍵を握るのはまだ真意を見せていない(?)みゆきさんか?
それとも純然と味方になったとは限らないつかさか?
「最も…何を持ってトゥルーエンド、と呼べるのかは人によるのではないでしょうか」
「難しいことはわかんないけどねぇ」
>>407にまるっきり同意。自分がしてる事をしっかり自覚しているからこその行動だと思うし…
だからこそ思いの強さが余計に感じられるっていうか。
>>413 ここのところいい目見てないみなみが救われたな。ってかひよりん自重しろww
これはいい舞台裏ですなw
>>426 いつ見ても文章が凄いなあ…ってかこなた…
「ククク……そんなかがみに出歩く機会を与えてあげようと云うわたしが悪党のわけがない……。
云わば寄り道に誘ったのは善意。良心的行動でございます。ざわ……ざわ……」
利根川こなたwwww
どう繋がっていくのか、どうやってよりを戻していくのか、楽しみです。
>>437 結局勝負なしwww
「今日のところはお互い痛み分け…にしておくけど…こ…今度は負けないからっ!」
「はぁ…はぁ…つ…次は私が勝つんだから…っ…」
で、再戦、無限ループと
>>441 ちょwwwよくぞ作ったwww
要するにみんなGJということじゃ!
要するに全部GJ!
きゃああああああ
ニ連発でネタ発展!わが人生に一片の悔いなし!
不思議
誤爆したorz
>>441 最初本物かとガチで思ったww
>>413 ゆかみなが安定しけますからそうなりますね
>>414 あの生命体はかがこなでの理由で出現してるみたいでうから
>>426 この男件の魔法使いでしょうか、あるいはネトゲの嫁?
流れる水のごとくどっぷり浸りました
>>441 今、気付いたけど、
お届け先:かがみん
になってるwww
451 :
42-519:2008/06/09(月) 01:47:27 ID:/ivqxOTi
誰も準備していませんでした、5分後に投稿しますね。
二輪の花 第8話
・微エロ。ちょっぴり痴漢注意
・ゆたか回想、ゆたか視点
・10レス使用
【第8話 feel】
「じゃあ、こっちだから」
「うん、みなみちゃん。またあした学校でね!」
そういってみなみちゃんは手を振る。私はそれに応えるように微笑み返す。
私とみなみちゃんが分かれる駅。いつも悲しくなる。だってもうすぐみなみちゃんに「さよなら」もしくは「またね」と言わなければいけないから。
本当は、そもそもみなみちゃんは私と同じ路線に乗る必要はない。東京都在住のみなみちゃんは、別の電車に乗ったほうがよっぽど早く帰ることができる。
それなのに、みなみちゃんは私と知り合ったときからいつも私と一緒に帰ってくれる。
時には委員会や二人の用事の都合上一緒に変えることができないときもあるけど。
あしたになればまたあえる。そんなことはわかっているけど、それでも寂しい。
「またね、ゆたか」
みなみちゃんは私の電車がくるまで待ち続ける。
きっと体調を壊したとき、一緒に居ないといけないという義務感がぎりぎりまで私と付き合ってくれる理由なんだと思う。
私は生まれつき体が弱い。保健室の利用回数は中学ではもちろんダントツ。
高校入試でも――そう、あの時にみなみちゃんにであったんだけど――私は入試こそ無事終わらせられたものの、高校から出る前に貧血を起こした。
「…ああ、私って、なんでこんなに弱いんだろう」
泣きたくなる。へとへとと倒れる。そんな私をみなみちゃんは嫌な顔ひとつせず、保健室に運んでくれた。
それが、みなみちゃんと私の出会い。運命の出会いで、最高の出会いだと思った。
新学期、新生活も少し慣れ始めた6月。私の虚弱体質は相変わらずで、すでに5回は保健室にお世話になった。
体育の授業があるたびにみなみちゃんを心配させてしまう。
自分が恥ずかしくて、悲しくて、こなたお姉ちゃんに知られないように一人で何度か泣いたことがある。
だって最低じゃないか。私はいつもみなみちゃんに頼ってばっかりだ。それなのに私といったら何ができるんだろう? そう思うと枕をぬらしてしまう。
「私は、ゆたかと一緒にいたいから、いる」
みなみちゃんの、精一杯私を安心させようとささやいてくれた言葉。
その時の、いつもの無表情(これはあくまでも、みなみちゃんの内に秘めた優しさを知らない人にはそう見えるだけ。私から見れば表情豊かで、いつだって優しい)はどこいったのか、赤くなりながら微笑みかける。
そんなみなみちゃんが暖かくて、私は本当に一番の親友を持ったと思った。
電車が来て、私はみなみちゃんに別れを告げ、電車に乗る。
黄色い線の内側に下がっていても風圧でふわりと髪が浮く。みなみちゃんのショートヘヤーも風圧でなびく。
「またあした」
みなみちゃんの寂しげな顔をドアの窓越しにみると、やっぱり寂しい。私はきっと、みなみちゃん以上に寂しげな顔をしている。
電車の中はよく冷房が効いていて、半そでのセーラー服では肌寒いくらいだった。こうした時に半袖融通が利かないので大変だ。
幸手駅までは数駅。たいした時間ではないけれど、みなみちゃんと、こなたお姉ちゃんを心配させないようにまっすぐ帰ろうと思う。
――その矢先、お尻に感じる、異物。
(まさか、痴漢?)
この時間帯は帰宅ラッシュに重なるのか、乗車率はとっくに100%を超えている。冷房が効いているとはいえ、時には気分が悪くなる。
それでも、恥ずかしいことながら、困っているといつも誰かが助けてくれる。情けないとは思うけれど……
くにゅっ
やっぱり痴漢だ。お尻を揉まれた。
――怖い。大声を張り上げればいい。
「この人、痴漢です!」とテレビでやっているように、あるいは昔こなたお姉ちゃんが実演してみせてくれたように、やってみせればいい。
そんなことできやしない。
怖いから。
そうしている間に、痴漢も慣れてきたのか、スカートの上から触るのをやめて、その手を中に滑り込ませる。
密集した、人だらけの密室。そっと周りを除いてみると、誰も気づいていないみたいだった。
不安と安心が同時に訪れる。恥ずかしいのと、誰も助けてくれないという絶望。
(や、やめてください……)
声に出したはずなのに、恐怖でかすれてしまう。自分ですら何をいったかわからないのに、痴漢にも、誰にも聞こえないと思う。
パンツがずらされ、お尻にエアコンの聞いた冷気を感じる。
じかに触られたとき、言いしようのない悪寒が全身を駆け巡る。男の人はごつごつとしていて、ざらざらとしていた。
その手が汗で濡れていて、私は全身をぶるっと振るわせた。
い、いや……っ!
もうだめ。泣いてしまいそう。ひっく、瞳に涙を浮かべたとき――
「この人、痴漢です!」
どこかで聞いた声。男の手に別の誰かの手がつかんで、私と引き離される。
何がなんだかわからないまま呆然としつつも、羞恥心を感じですぐに下着をはきなおす。秘部がじんわりと生暖かった。
さっきまで私を弄んでいた手が、か細い手によって手首をを掴まれ、高らかとつり革近くまで挙げられていた。
あとで聞いた話だと、それは手の甲、つまり偶然触れてしまったとき、手のひらで、つまり故意なのかをはっきりするのに有効らしい。
電車内に響くような凛とした声に、車内の観客の視線がその少女と、男、そして私に向く。
「ゆたかちゃん、大丈夫?」
何度かあったことがある。そう、いつもこなたお姉ちゃんと一緒に居る。
長い長いツインテールが特徴的。こなたお姉ちゃんの話で何度も聞いた、みなみちゃんと比べると小さいけど、私から見たら大人の女性。
かがみ先輩はそうした注目を意に介せず、私に話しかける。
ひっく。
安堵のあまり私は、えぐえぐと涙を流した。情けないと思った。
初めて私は痴漢していた男の顔を見た。40歳くらいの、初老の男の人。サラリーマンなのだろうか、スーツを綺麗に着こなしている
とてもそんなことをするようには見えない。優しそうなのに、拳をつり革近くまで挙げさせられていることが、何よりの証拠で私は悲しくなる。
その男の人は、観念したように黙っていた。
幸い次は幸手で、私の降りる駅だった。かがみ先輩も一緒に降りた。もちろん左手にはその男を連れて。
もともと私の家、つまりはこなたおねえちゃんに会う用事があったらしい。
今日も学校はあったけどかがみ先輩は放課後用事があり、こなたお姉ちゃんはバイトで二人とも別に帰った、と聞いた。
そのまま駅員室に立ち寄り、警察の方を呼んでもらう。
かがみ先輩が怖いのはわかるけど、こういうことはきちんと警察に説明しようね、と私を励ます。私の目は涙で赤く腫れていたけど「はい」と力強く頷く。かがみ先輩が一緒に居てくれるということはとても心強かった。
いかにも警察官という男の人に経緯を聞かれる。お姉ちゃんが来るのかなと一瞬思ったので残念だった。
そもそもお姉ちゃんは交通課勤務だから管轄は違うのだけれど、警察官であることは限りないから、やっぱり残念だと思う。
痴漢していた男も犯行を認めていて、すんなりと私は解放された。
検挙や告訴についてなど、詳しいことは小早川さんの落ち着いたころに、こちらから連絡差し上げますと警察の方が丁寧に教えてくれる。
私はかがみ先輩と一緒に家に帰った。
かがみ先輩はほとんど一日中一緒に居て、私を慰めてくれた。
***
「――さん、小早川さん」
その声に目を覚ます。
「え?」
顔をあげると、見知ったクラスメートがいた。
あまり話したことはないけど、席が近くということもあり、授業の合間とか、授業中にひそひそとおしゃべりくらいはする。
腰まで届く長髪、人懐っこい大きくて丸い瞳の持ち主で、クラスの中でも明るくて人気者の部類に入る。
「六時間目、終わったよ。珍しいね、小早川さんが居眠りしちゃうなんて」
「う、うん。ちょっと、疲れていたのかな。先生、怒ってなかった?」
「大丈夫。あの先生、かわいい子には甘いからね。あたしがやったら、どうせたたかれるんだろうけど」
「そ、そんなことないよ」
適当に挨拶をした後、その子は他の、より仲のいい友達のところへ向かってゆく。
ホームルームは時間割上は10分後であるけど、実際には担任が来るのをもって開始とするのでまちまちだ。
私の担任は、さほどずぼらではないが、授業の関係か、やはり20分くらいは遅刻してくる。
みなみちゃんは丁寧にノートを取っている途中だった。黒板を見ると、女の教師らしいこまごまとした字が黒板一面にびっしり書き付けられている。私は授業はまじめに聞くほうだが、気づいたら寝てしまっていた。
最近はいろいろと疲れているからかもしれない。
仕方ない、私はみなみちゃんに話しかけ、作業を中断させたことに多少の罪悪感を感じながら、
「みなみちゃん、ごめんね。私寝ちゃって、あとで写させて貰っていい?」
そうみなみちゃんにお願いすると、みなみちゃんはすぐに頷いてくれた。
図書室にはコピー機があるから、そこでコピーさせてもらおう。お代はかかるけど。
――それから、夢の内容を私は思い出した。
6月のはじめのことだ。私が痴漢に会ったのは。その時のかがみ先輩がかっこよくて、私はいけないとは思っていたけど、好きになってしまった。
いつだってかがみ先輩は優しかった。告訴はしない方向で、示談で済ませることになった。
相手の弁護士側からの提案だ。
痴漢されたという屈辱よりも、どうしようもできなかった自分に怒りを覚えていたから、別段私は相手の男性に憎しみも抱かなかった。
精神的苦痛、そのほか諸々の示談金は私から見れば大金だった。結局使わずに銀行の口座にいれてもらう。
私の姉であるお姉ちゃんは本当に怒っていて、むしろ私はお姉ちゃんを宥めるのに苦労した。
交通課配属なのに「逮捕してやる!」と、暴れまわっていたらしい。
そうした手続きのときも、いつもかがみ先輩は私を心配してくれた。
……それで、私は思い切って告白して、そうして撃沈した。
かがみ先輩は「うん、その気持ちはありがとう。でもね、やっぱしゆたかちゃんとは、そういう関係じゃないと思うんだ。
ゆたかちゃんのこと、私も好きだけど、それはあくまで可愛い後輩、こなたの従妹として、だから」
仕方ないと思う。かなわない恋だったし、第一女の子通しだ。
だから、もう諦めよう。すっぱり忘れて、みなみちゃんや、田村さん、パトリシアさんと一緒に普通の高校生活をおくろう。
そう思っていたし、事実私はこの失恋を私だけの心の日記にしまい、厳重に鍵をかけて心の一番深い深い闇にしまっていた。
あの日、かがみ先輩は私の家――というより、こなたおねえちゃんの家――に来た。
私が三月からお世話になっている泉家の家。
珍しくもない。かがみ先輩やつかさ先輩とこなたお姉ちゃんは、小中は違うものの、家自体も近いせいか、よく私が住んでいる家に遊びに来ている。
高校に入学する前も、何どかかがみ先輩達にまざって、高校での心構えをご教授してもらった。
次の日が休日だったせいか、こなたおねえちゃんの部屋で泊り込みで遊ぶらしい。
つかさ先輩は宿題におわれているとかで、来ていなかった。
私からすると、こなたおねえちゃんはどうなんだろう……と思ったけど、私は何も言わなかった。
私は居候の身として、早めにお風呂に入り、わりあててもらった自室でくつろいでいた。
そうじろう叔父さんは、とある大物作家主催のパーティーに参加のため、朝から幸手をでて、東京の帝国ホテルにでかけていた。
「あんなところででられるんだから、幸せだよ」
「ふーん……そんなに、すごいことなんだ」
「なんたって帝国ホテルだからな。あのキアヌリーブスをも感動させたんだ」
「そうなんですか?」
「おう、映画の台詞であどりぶで帝国ホテルの名前を追加したそうだぞ」
朝食のときの会話だ。
上機嫌で叔父さんはでていった。いってらっしゃいです、と私はこなたおねえちゃんと一緒に見送った。
こなたお姉ちゃんが、お風呂に入るから、かがみんは適当にぶらぶらしてていいよ、と言ったのを聞いた。
こなたお姉ちゃんは最低でも一時間は湯船に使っている。
……ほんの、出来心だった。
三十分くらい立ってから、私はきまぐれにこなたおねえちゃんの部屋に訪れた。
かがみ先輩は頭がいい。私はこなたお姉ちゃんも尊敬していたけど、少なくても学問的なことはかがみ先輩や高良先輩に聞いたほうが早いことを学習していた。
だから、この宿題の質問をしよう、そう自分を納得させて私は、こなたおねえちゃんの部屋に入った。
ノックをし忘れたのがいけなかったのかもしれない。
「こなた…こなたあっ!」
開きかけた扉を、かがみ先輩の嬌声を聞いて、思わず閉めた。
幸い音はほとんどでなかったし、かがみ先輩は「行為」に熱中していたせいか、小さな物音には気づかなかった。
あわてて、扉を閉じ、耳を澄ます。
「もう、こなたのばか。私がこんなに、こんなに好きなのに、こなたはどうして気づいてくれないんだろう。
そりゃあ、女の子通しだし、変なことはわかる。
でも、こんな風に誘われ一人っきりにさせられたら、緊張しちゃうじゃないの。
なんだか今日は妙に生活観が感じられて、体がうずくし……」
あ、ああ!
色っぽい艶やかな声。生々と聞いたのは初めてだった。
しばらく私は立ち尽くして、いけないいけないと頭に言い聞かせながら私は聞き耳を立てていた。
だって仕方ない。
私の好きな人だ。好きな人の情事。私はまだ、諦め切れていなかった。
厳重に鍵をかけて、誰にも知られないように封印していた、私のかがみ先輩にたいする思いが紐解かれて、氾濫する。決壊したダムのようにあふれ出た感情は、私には到底抑えきれるものではなかった。
――魔が差した。密かに感じていたデジャヴがはっきりと形となって私の心に巣食っていた。
こなたお姉ちゃんが、私がやめてといっても、無理やり私に聞かせた話。
私は真っ赤になりながら聞いていた、えっちなゲームの話。
それが頭の中に浮かんだ。
「ヒロインのえっちな所を偶然覗いちゃってさー、それをネタにゆするんだよ。そのヒロインのツンデレっぷりがもう」
「やだ、お姉ちゃん」
「あー、ゆーちゃんには早かったかな」
「ち、違うもん! 私高校生だもん!」
無意識にズボンのポケットに手をあてる。
確かな感触。
動画機能付きの携帯電話。一世代前の、1円でかった携帯電話。
どうしてだかわからない
私はカメラモードに設定して、がちゃりと、扉を開いていた。
462 :
42-519:2008/06/09(月) 02:09:20 ID:/ivqxOTi
以上でした。導入に話数を使いすぎてしまいましたが、以後は比較的早い展開になっていくと思います。
これが普通のみなゆた物でしたら、あの時に現れたのはみなみだったでしょうが、残念ながらこの話はぼのぼのではないので、そうもいきません。
>>462 GJ!
ゆーちゃんがかがみに惹かれた理由はこういうことですか。
だとしても、あんなになってしまうにはまだ何かあるはず…。
この時撮ったものを使って強請ったのかな…
GJ
ゆーちゃんの、かがみをが好きな理由が明らかにされ、話が繋がりました。
続きが楽しみでなりません。
なるほどー。こうして、話が繋がると。
でも、みなゆた物でもこれ見たかったりしてw
続き待ってます。
SSいきます。
4レスくらい。
タイトルは「黒井ななこの激鬱orz・どうしようもねえバカップル」
467 :
1:2008/06/09(月) 05:51:42 ID:Ih0AczkG
ある日のお昼休み。
3年B組の担任教師である黒井ななこは考えていた。
最近、B組に入ってきたある生徒は、真面目で成績が良く、とても出来た生徒なのだが…
一つ、困った点がある。
こんな事を考えながら、黒井先生は教室であんぱんをかじりながら、牛乳を飲んでいると…
「こぉにゃぁたぁ〜♪♪♪」
牛乳噴いた。
…いつの間にやら、B組に加わっていた柊姉。
しかも、いつもいつも泉とべったべたくっつきよるん…
「か〜が〜みん♪」
しかも、泉の方もまんざらでもなかった。
授業が始まる前、黒井先生が出席をとっている時。
「えー、泉ぃー」
「…」
返事がない。
「…おーい、泉ぃー」
「ちっちっち、先生、私は『柊こなた』になるんですよ」
と言って、こなたは隣の席のかがみとイチャイチャしている。
「もうすぐ、私とかがみは結婚するんですよ」
「この国じゃ女同士で結婚できんわっ!」
「え〜、みゆきさんなんとかしてよ〜」
「分かりました」
「なるんかいっ!!」
『結婚』という言葉に知らず知らずのうちに自分を痛めつけている黒井センセ。
468 :
2:2008/06/09(月) 05:53:05 ID:Ih0AczkG
「でもこの前、桜庭ひかる・ふゆき夫妻結婚披露宴の招待状が来てましたけど」
「あ…そういやそんなの来とったな。どうやって結婚したんやあの二人…」
みゆきが言った。
「私が手引きをしました」
「お前かよっ!!!」
おっと、思わず標準語が出てしまった。
「高良財閥の力で日本の法律を変えさせて頂きました」
「…」
「ねえねえ、みゆきさん。私、かがみとの子供を作って幸せな家庭を築きたいんだけどなんとかならない?」
「女同士で子供が作れるかっ!!」
「なりますよ」
「なるのかYO!!」
おっと思わず標準語がry
「高良財閥の科学力で、泉さんとかがみさんのお子さんを作ってさしあげましょう」
「科学て!財閥て!!子供て!!!」
…ああ、なんでウチの学校には女同士のカップルばかりできるんや…
そういや、1年の方にも、ちびとのっぽのカップルや、眼鏡に襲いかかる欧米人のカップルがいると聞いたな…
黒井先生はいろいろ突っ込んでやりたい気分だったが、今のこいつらに何を言っても無駄だと分かっていた。
とりあえず、出席の続きをとる。
「…柊…こなた…」「はーい!」
「柊かがみ!」「はい!」
「柊つかさ!」「は〜い」
「高良みゆき!」「はい」
…と、1クラスに3人も柊性がいることに疑問を感じている黒井先生。
そして、みゆきは自分だけハブられた感を感じていた。
いっそのこと、つかさの嫁になってしまおうとか、考え始めていた。
469 :
3:2008/06/09(月) 05:54:55 ID:Ih0AczkG
とある休み時間。
B組に八重歯の生えた元気っ子が遊びに来た。
「おーい、ひいらぎ〜!」
「何?」
「何よ?」
「な〜に?」
三者三様の返事をする、柊こなた、柊かがみ、柊つかさ。
…みさおの頭が痛くなった。
とある授業中。
「こ〜な〜た♪」
相変わらず、泉…もとい、柊こなたにデレまくりの柊かがみ。
「か〜が〜みん♪」
そして、授業中にも関わらずそのバカップルを見せ付ける二人。
なんかすげえくやしかったので、黒井先生はこの隙を狙ってかがみを当てる。
「柊かがみー、今の問題聞いてたかー?」
「はい。スリジャヤワルダナプラコッテです」
「なんや、聞いてたんか」
「こ〜な〜た♪」
「か〜が〜みん♪」
「…」
イチャつくなといくら言っても、全く聞く余地はないし、かと言って問題を当てても、賢いかがみには一切通用しなかった。
しかもこなたが授業中に寝なくなったという効果をあげているため、あまり問いつめることはできなかった。
故に半ば放置されている状況だった。
470 :
4:2008/06/09(月) 05:56:40 ID:Ih0AczkG
とある個人面談にて。かがみVSななこ
「柊、お前最近どうや?」
「こなたがますます可愛くなってると思います!」
「ここんとこテストの点が落ちてるで?」
「こなたはしょっちゅう私にくっついてきて…」
「まあ、さして問題があるっちゅう程ではないんやけど」
「べ、別に嬉しいってわけじゃないんですからね!!」
「それよりウチが気になるんわな…」
「で、でも、それが嫌ってわけじゃないんですけどね…///」
「最近、授業中の態度が」
「かがみ〜w♪」
後ろからこなたが呼びながらかがみに手を振っている。
「こなたぁ〜〜〜w♪」
かがみは満面の笑みで手を振った。
「聞けよ、オイ!!!」
おっと、標準ry
…そして、黒い先生は諦めた。
B組にはどうしようもないバカップルがいるのでした。
それから数日経ったある日。
黒井先生は出席をとっていた時。
「柊こなた!」「はーい!」
「柊かがみ!」「はい!」
「柊つかさ!」「は〜い」
この柊性が三人もいることに慣れ始めた頃。
「柊 み ゆ き」
「はい」
…もう一匹増えたorz
471 :
5:2008/06/09(月) 05:58:13 ID:Ih0AczkG
「こ〜な〜た♪」
「か〜が〜みん♪」
「ゆ〜き〜ちゃん♪」
「つ〜かささん♪」
4人はとうとう家族になっちまったとさ。
めでたしめでたし。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
完。
タイトルは「黒井ななこの激鬱orz・どうしようもねえバカップル」
ですが、
…ほんとは、大結成!超ヒイラギ8姉妹 なんてタイトルをつけようとしたけど、理性が咎めたw
あ、あとこなかがスレにこれの前哨戦置いときました。
_、_
( ,_ノ` ) n
 ̄ \ ( E) グッジョブ!!
フ /ヽ ヽ_//
あとこなかがスレのもやはり・・・w
>>471 GJ!先生も大変だなw
ところでみなみちゃんの家のチェリーはオス?メス?
>>471 あなたはなんと言うカオスをw
1年編
「岩崎」
「………はい」
「はい!」
「何で小早川が一緒に返事しよるん?」
「………ゆたかは私の嫁…」
「はい!だから私は「岩崎ゆたか」なんです!」
「_| ̄|○」
「田村」
「は…むぐ!な、何するっすか!パティ!」
「ダメですヨヒヨリ。貴女は今は「ヒヨリン=ユーリ=マーティン」なのデスカラ」
「何っスかそれ!しかもミドルネームまで勝手につけてるし!」
「ヒヨリは素直じゃないデスネ」
「(こいつらもかい…)」
…すまん。
>>462 むむむ…ちょっと切ない恋模様の行方はどこへ…
ゆーちゃんはダークサイドへ突入してしまうのか…??
ハラハラしながら続きに期待しております。
しかし気になった点が、『女の子通し』と言う表現が二回ほど出てきましたけど
この場合「どおし」ではなく「どうし」だと思うのですが。
>>471 もうどこをどう切っても止まらないバカップル集団………!!
いっそ黒井先生もこうちゃん先輩辺りと結婚しちゃえばいいのにw
素敵な作品をありがとうございました。
二十五分になったら投下してOK?
比較的ダークガチエロ系なので嫌いな人注意
登場人物
ゆかりママ かがみん 他
傾向
ダーク アナルスキー
最近私はお尻の穴が好きだ。
それはもう、若ければ男女の境無く大好きなのだ。
…ちらっと時計を見る。日曜日の午前10時。時間は問題ない。
「うふふ〜♪たまには朝からでもいいかしら〜♪」
わたしは子機を手に取ると、慣れた手つきで番号を押し始めた。
「お、お邪魔します…」
僅か数分で、彼女はやって来た。相変わらずの忠犬ぶりに思わず濡れてしまう。
「きゃ〜。待ってたわぁ、かがみん♪」
真っ赤な顔で俯く彼女は柊かがみ。わたしの娘の親友。
きっかけは単純だ。可愛かったから押し倒して、たっぷりと薬をキュッと締まったお尻の穴に塗り込んで散々いじくり回しただけ。
メロメロになってしまえばもうこちらのものだ。
それからは毎日二人でラブホテルにしけこみ、アヘアヘと狂うまでお尻を弄って仕込む。
そうすればそこは排泄器官から立派な性器になるの。
「はぁい、おめどにお薬しましょうね〜♪」
テーブルに手をつき、可愛いお尻を突き出すかがみん。
ワクワクを抑えながら、チューブ入りの軟膏と、真新しい注射器を用意した。
「お薬ぬりぬりしたら、お注射しましょうね〜♪」
ゆかりさんはにこにこしながら私を焦らす。私のお尻の穴はもうどうしようもないほど改造されてしまった。
「今日はお注射二本にしましょうね〜? めざせっ、うんちの度にエクスタシィ〜♪」
「も、もう遅いです…」
私のお尻の穴はどうしようもなくだらし無くなってしまった。
トイレでいってしまうのが通例になってしまっている。
出す時はお尻の穴から背中に快感が走り、ウォッシュレットが最強で潮を吹いてしまった事もあった。
私のお尻の穴ににちゃりと軟膏が塗り込まれる。
お尻の穴に集まるむずむずが心地いい。
「はーい、お注射しますよー」
ちくりっとお尻の穴に鋭い痛みがはしるも、すぐにそれは快感として脳に伝えられてしまった。
「うふふ…こぉんなにかがみんは可愛いのになあに? このだらし無いお尻の穴」
見られている。
それだけで私のあそこはだらし無く口を開けて涎を垂らしているにちがいない。
「じゃあ、二本目お注射しましょうね〜」
ああ…一本でこんななのに、もう一本だなんて…狂ってしまうんじゃないだろうか。
狂って頭を振り乱し、情けなくオナニーしてお尻の穴でいく自分。
気が狂って、野外でオナニーして、知らない人に…
ぞくん
「あらあら、かがみんのお尻の穴、ぱくぱくしてるわよ?」
「は、はやくう…狂わせてくださいっ…」
「ふふっ、いいのかしらぁ? 泉さんとかに申し訳なくなあい?」
こなたの顔が、つかさの顔が、みゆきの顔がふっと浮かぶ。
けれど――
「…皆に謝りなさい? 変態でごめんなさいって」
「…こなたぁ…つかさぁ…みゆきぃ…ごめんね…ごめんねぇ…!」
「もっといやらしく謝りなさい!」
「皆ごめんねぇっ! わたしお尻の穴で一日三回オナニーしなきゃだめで毎週ご主人様にお尻の穴ほじくってもらわなきゃ死んじゃうド変態でごめんねぇっ!」
ちくり、とした快感がお尻の穴から全身に駆け回る。
がくがくと体が震え、私は意識を失った。
目を覚ますと、私はゆかりさんの部屋に居た。
立とうと思っても両手両足が動かない。辛うじて動く頭を動かして自分の置かれた状況を見るとそれはそれは変態チックな状況だった。
ニーソックスだけを履いた状態でベッドに大の字に固定。お尻はむずむず。
…あの人の好きそうなシチュエーションではある。
「目は醒めたかしら〜?」
なまめかしいスケスケのネグリジェで噂のあの人が颯爽と登場。
手には蝋燭数本に、でっかいイヤホン、アイマスクに大人の玩具が沢山。
「…あの、何する感じですか?」
「ふっふーん。今からかがみんをパーフェクト変態さんにしちゃいます♪」
ニコニコしながらこちらへやってくるゆかりさん。
私は口で嫌がりながらも、あそこを濡らし、変態への扉を押し開けていた。
あれからどれだけ経っただろう。
何も見えない。常に自分が今までに言った恥ずかしい言葉に耳から脳を犯される。
胸とおへその上に立てられた蝋燭が垂れ、容赦なくわたしの体に激痛を与えるけれど、お尻に入れられた大人の玩具によって痛みも快楽に書き換えられてしまう。
「ご飯よ〜」
イヤホンとアイマスクが外され、蝋燭が剥がされる。
「じゅ、じゅうにきゃいひきまひたぁ」
「いい子ね〜。じゃあお肉を食べさせてあげる」
目の前でゆかり様がお肉を咀嚼し、そっと私の卑しい唇にキスをしてくださった。
美味しい。なによりも、ゆかり様の唾が美味しい。
「は、ぁ、ぁぃおぉぉ…」
「まあ、これはご飯をあげてるだけなのよ? それなのにいっちゃうなんて…いけない子ね」
ぎゅうっと真っ赤に尖った私の雌乳首を摘んでいただいた。
…ああ、嬉しい。
「それとね。今日は雌人形の貴女にお友達を連れて来てあげたのよ」
「おとも…らち…?」
ゆかり様に手を引かれて髪の長い雌豚が姿を表す。
「――! ――!」
皮のマスクのせいで顔は見えない。けれど、胸糞悪いやつなのはわかった。
「ふふっ、このこのクリちんぽ、気持ち良いのよ? たっぷり薬でパワーアップさせたんだから♪」
ゆかり様に撫でられる雌豚。なんで? どうして? ゆかり様の雌は私だけのはずなのに。
許せない、許せない、許せない、許せない!
「そんな顔しないの。あっ…この子三日近くいかせてないから、いかせちゃだめよ? 壊れちゃうかもしれないから」
そう言いながら雌豚を私の上にのしかからせて固定し、私の両手の拘束を解いた。
これはゆかり様のサインだ。私にこの雌豚を壊せっていう。
「――!――!」
「煩いんだよ。この豚」
ばしっと頭を叩く。
「あんた、壊してあげるわ。ゆかり様もそれをお望みみたいだし」
「―――!―――!」
私は雌豚のクリトリスに指を這わせる。
小指程もあるそれは、カチカチになり、ひくひくと震えていた。
「ほら、壊れなさい!」
無茶苦茶にクリトリスをしごく。
びくんっ、ぴくんっと体が震え、雌豚が必死に身をよじった。
逃がさない。
空いているほうの手で雌豚の穴を乱暴に愛撫する。
「―――――!」
クリトリスをしごき、雌穴を愛撫し続けると…
程なく雌豚は果てた。狂ったように何度も何度も。
「――」
完璧に動かなくなった雌豚を見て私は少し満足する。
「…さて、と。惨めな雌豚の顔でも拝んでみますか…」
ぐいっと皮のマスクを引っぺがすと
「かが…みん…」
そこには
「助け…きたよ…」
「あ…う、そ…」
虚ろな目をした が
「あ、はぁ〜…クリ、クリちんこもっといじってぇ」
「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
イタ。
「…お母さん。これはなんですか(OωO#)」
「え、ええっと…お、お母さん漫画家でびゅ〜してたの♪ペンネームは“お宝鬼畜人妻”で、ジャンルは勿論男性向け…」
「もう帰ってこないでくださいね(OωO#)」
「み、みゆきぃ〜! 開けて〜! お母さんお腹空いたぁ〜!」
「あ、峰岸さんですか? ええ。ノーザンライトボムを私の母に…ええ、はい」
おはりです。
話数書き忘れたOTZ
書いたのはいいけど悪いことをした。カッとなってやった今は反省している。
483 :
ふた☆自重:2008/06/09(月) 11:52:36 ID:bWSpTuo2
484 :
45-450:2008/06/09(月) 13:15:49 ID:VJKkJore
先日投下しました舞台裏SSにGJのレスをして頂きました皆様、
遅まきながら&まとめてになりますがお礼の言葉を一言。
皆様、本当にどうもありがとうございました。
この「舞台裏」シリーズですが、まだいくつか書きたいなと思ってる
SSがありますので(現在のところ、イクシキャヌン氏のいのみきSS3部作と
23-251氏の「Elope」関連作品の「舞台裏」を書きたいと考えています)
アイデアがまとまり時間が出来ましたら投下したいと思っています。
他にもコミックアラカルトのネトゲネタから派生したネトゲネタ物も
「舞台裏」シリーズと同じ短編連作の形式で書きたいと思ってたりします。
485 :
kt:2008/06/09(月) 13:38:29 ID:1cj/l7k/
どうも
ktです
ふとこんなネタを思いついた
…というかこんなことがあったのでひよりんに代弁してもらいました
ということで…それでは
「びーえるのえほん」
投下してもよろしいでしょうか?
・7レス
・ひより視点
・単発モノです
・ネタ多め(少しだけニコニコネタあり)
です、どうぞ
486 :
kt:2008/06/09(月) 13:39:35 ID:1cj/l7k/
「田村さん、今日みんなでカラオケに行こうよ!」
授業が終わって放課後―…私はゆーちゃんにみなみちゃん、パティと一緒に
カラオケに行こうと誘われた、どうやらパティの発案らしいっスけど…
…いつもなら「ネタがキタ―――!!!」と喜ぶところだけど…
「いや〜…ゴメン!ちょっと今日用事があって…」
「そうなんだ…また一緒に行こう、ね!」
ゆーちゃんの表情は悲しそうだった
…でもみなみちゃんが慰めてくれたらしく帰り際には笑顔になっていた
びーえるのえほん
別にゆーちゃんが嫌い!…とか2人の関係を邪魔したくない!…とか言う理由じゃなくて……
…実は今日、駅前のビルの中に新しく大型書店がオープンするらしいんス
どうやらその書店にはスクリーントーンとかの画材も置いてあるらしく、、、
いち同人作家でもある私はどんなものがあるのかとwktkしている訳でして―…
「でも…だからって友達の誘いを断らなくてもよかったような気がするっス……」
……でもやってしまったことは仕方ないっスね、うん、またいつでも遊びに行け…るんだろうか?
私の趣味の1つに本屋巡りっていうのがあって、、、
ネタ集めに休日や学校帰りに本屋による…っていう別になんの面白みも無いモノで―…
「あー、、、やっぱりカラオケに行けばよかったかなぁ……」
と、もう何度つぶやいたか分からない言葉をはきながら歩く
そして、数時間後目的地が見えてきた
「っと、ここっスね」
その本屋は雑貨屋か服屋かとかのお店の2〜3階に出来たということらしい
…と曖昧なのは私がオシャレとかに興味がなくて今まで入った事無いお店だからっス
私は早速中に入りエスカレーターに乗って2階を目指す
「おぉ!オープンしたてという事もあって人が多いっスね〜」
どうやら2階は文芸書とか雑誌、専門書のフロアみたいだ
こりゃ、、無駄に広いっスね…
「ふぅん、なかなか充実してるっスねぇ」
スポーツ、音楽、小説、などなど色々な分野の本が置いてあり
うん、資料集めにもってこいの場所だ
「さて、次は―」
私はエスカレーターに乗り3階へと向かう
3階は漫画やアニメ、児童書のフロアということらしい
wktkしながら突入!…したのはいいんスけど……
「んー…やっぱりそんなもんスかねぇ…」
確かに画材や漫画もあるにはあるっスけど―
やっぱりアから始まる店やセから始まる店の方が……といった感じっスね
…専門店とかと比べる方がアレっスけど
「…やっぱり行った方がよかったのかなぁ……」
ん?、奥の方は児童書のコーナーっスね、とりあえず行ってみ―…
! ?
顔を上げ前を向いた私に衝撃が走った
…正面の絵本のコーナーにそれはあった
絵本の特集が組まれているところにでかでかと書いてあったのだ
『BLの絵本』、と
何…だと…?
『BL』で『絵本』!?
い、いや、、、まぁ…そんな…ねぇ?
ふ普通に考えたらこれは誤植とか釣りのたぐいっス!!!
…そんなことは分かっている
「そ、そんな文句で腐女子の気を引こうとは卑怯な!」
私の声が大きかったのか、店員さんが私の方を見る
「……すいませんっス」
落ち着こう、おつこうこうよ私…
私は裸マフラーや胸パッド、嘘泣きやロードローラーにも耐えてきたんス!!
こんな…こんな……こんあ釣りなんかにっ!……くっ
だが待ってほしい
これがもしモノホンだったとしたら?
…いや絵本とかの児童書のコーナーっスよ?、、そんなかにBLってのは…
いや、人間には1%の可能性にかけるべき時ってモンがあるんじゃないっスか!
……ぁあ、、もう何がなんだか分からなくなってきたっス
………そもそもBLってなんだったっスかね
そう、うん…
女の子が背景な世界観で蝶☆イケメン男子もしくは男性がくんずほぐれず♂ラヴ×ラヴ♂チュッチュ
…そんな感じのはずっス
対して絵本は…
子供が読むもので、お母さんが読み聞かせしたりするやつですよね?
…でも最近は大人の絵本とかもあるみたいっスけど…
……じゃあBLの絵本って例えば―…
『ぼくはずっときみのことがすきだったんだ』
『じつはおれもなんだ』
『じゃあきすしようよ』
『うん!』
『だいすきだよ』
(ひびくきすのおと)
……
………
オッケーイ!(…例えがひどいっスけど)
蝶オッケ…いや、まてこれは罠っス
「…落ち着け、落ち着くっスよ…ひより……クールに…クールになるっス…」
そうだ、、これは釣りだ!釣りなんだッッッ、、そう思った方が…
……でもこれがモノホンならそれをネタに描けるし、
ネタだったらそれをネタにして描けばいいんだし…
……いや、、、うん、ネタっスよこれ
常識的に考えてそんなモノあるわけないじゃないスか
あったらファッキン処分っスよ
…とりあえず児童書のコーナーに行こう、見て回ろう、うん
そう思って私は時計を見る
私はびっくりする…さっき店員さんに注意されてから1分もたってなかったのだ
「…てっきり10分くらいつったてた気がしたんスけど…怖いっスね…」
―
「…そうは言ったものの……」
やっぱり……気になるっスね
私はごくりと唾を飲む
でも、、場所が危険すぎるっス……
その『BLの絵本』のコーナーはレジのすぐ隣にあるのだ
どうするひより?、人間を捨てるのかッッッ!?
……いやもう捨ててる気がするっスけど…
……………行く、、、か?
そう、ちょっとだけ見たらいいんスよ、、ほんの……ちょっとだけ―
大丈夫、何を隠そう私は空気化の達人っス…こんな距離くらい
人に怪しまれずに・気付かれないように近づけるっスよ……」
そういったものの足が震え、手が汗ばんでいる私
そう、まるで今の私は人生をかけて標的を狙う腰抜け下っ端スナイパー
…そしてそのスナイパーは失敗続きで、、、次に失敗したら・・・で…
今日はもう3日目―…って話が飛んでるっス…
今の私はさながらスネークもといヒヨークの方が…
…いやヒヨークって…どうなんだ?
しかし何故っスかね…
こう足を進めているのに…
たった数mの距離なのに…
一向にたどりつかないッッッ!
……気持ちの問題っスか?
…心の奥では、、これを…拒んでいる?
「ふぅ…ふぅ…」
汗が止まらない、口の中乾いてカラカラになっている
…握り締めた拳は汗が感じられて気持ち悪い
……あぁ…なんかもう1時間くらいたってる気がするっス…
しかし時計をみるとまだ1分どころか50秒も来ていなかったことに驚いた
ドクンっ、ドクンっ、ドクンっ、ドクンっ
何でこんなに心臓が鳴っているんだろう…
そんあに興奮しているんスかね…私はっ?
あと、、、数p…
10……5…
ごくんっ!と私は唾を飲んだ
やっと、、、着いた…
「おつけつ!おくつくっスよ…ぴより!」
普通に…れれれ冷静に……参考書を買いに来たかのように振る舞うっス
大丈夫、、、まだ…ばれて…ない?
深呼吸をして…ふぅ〜…
そしてその中にあった1冊の絵本を手にとった
ふぅ〜…
私はもう1度呼吸をととのえる
「…いざっ!」
ご ☆ 開 ☆ 帳 !
あー……
…うん………
…………
えー…と………内容?
……いたって普通の内容で…普通の絵本だったっス
なんだこれ!? どこがBLなんスか?
そう思いながら私は絵本の裏を見る、そこには―
『BL○○』(○○には印刷とか製本とかそんな感じの言葉が入ります)
と書いてあった
…そりゃ確かに『BLの絵本』だわ
こいつぁ一本取られたっス
…HAHAHAHA!
「な!名前が紛らわしいなんて卑怯だ!」
声が大きかったのかまた私は店員さんに見られた
「…ごめんなさい」
あぁ……なんか、、、この数分間で寿命が10年くらい縮まった気がするっス…
「……買ってしまった…っス」
今日は何も買わないつもりだったのに…見るだけだったのになぁ…
くぅ、、、多々買いの世界に生きるということはこんなにも厳しいとはっ!
………なんだか異様に虚しいっス
「…ネタにはなるっスよ、、うん、ネタには…」
☆
―
後日、学校にて
「この前買い物に行ったときの話なんだけどね」
お、この声は泉先輩っスね
「…突然なんなのよあんたは」
相手の方はかがみ先輩みたいっスねぇ
「お店ののぼりに『日本3倍』って書いてあってさ、なんだこれって思ってたら
それ、風が吹いてて裏返しに見えてたって話なのだよ」
「ふ〜ん…『本日3倍』ってことか、まぁ確かにそういうことあるわよね」
よし、いくぞうっ!
「話は聞かせてもらったっス!」
「田村さん!」
「…ひよりん?」
「ふふ…実は私にもかーなーり面白い話がありまして―…」
ひよりんのこの話がこなた・かがみ・ゆーちゃん・みなみ…
そしてこーちゃん先輩にウケなかったのは言うまでもない
※パティにはなぜかウケました
493 :
kt:2008/06/09(月) 13:48:55 ID:1cj/l7k/
ありがとうございました
途中にある誤字はわざとですw
「…」が多いのはひよりの精神世界だからってことで…
ほぼ実話ですw
……さすがに絵本を買ったり、ひよりんみたく暴走したりはしませんでしたが…
『BLの絵本』なんてコーナーを場違いな場所で見つけたら誰でも戸惑うと思うんだ
ところで…これって801に引っかかるんでしょうか?
「ふたつか」は鋭意製作中です
「鼻血)ry会4.8★」は次くらいに…
…って下は誰も待ってないかもですが
>>493 BLの絵本って・・もしかしたら本屋の人分かってやってたのかもしれないですね〜
なんか本編のようなあるあるネタGJっす
そろそろ次スレですかね?
>>495 480KBまでまだあと40KB近くあるので大丈夫でしょう
>>481 こなたとかがみが仲良く調教される展開はまだですか><
>>462 GJこのSS毎回楽しみにしてる !
ゆーちゃんが暴走した裏にはそんな理由があったのか
次回から本筋に戻ると思うが、こなたにはできれば王子様的な立ち回りを期待してしまう
>>471 コーヒー吹いたwww
こなかがスレの姉妹作かw 両作ともいい感じにブッ壊れていて腹抱えてワラタww
>>493 ひよりん自重しろw
BL本買った事あるの? どんなものか読んでみたいような・・・
>>483 特盛り具合がすげええええええ
このパティがチアなんかやったら何人の男子生徒が前かがみになることやら…
>>493 さすがひよりん!これは間違いなく逮捕される勢いw
> 何人の男子生徒が前かがみになることやら
それは
「何人の男子生徒が後ろこなたになることやら」
と同義と思ってよろしいか
だれがうまいこといえと(≡ω≡.)
502 :
kt:2008/06/09(月) 22:11:33 ID:V/0PrDXS
感想ありがとうございます!
BL本は…まったく見たことないですね
BLと聞くと阿部さんしか思い浮かびませんw
でも百合は大好物です!
阿部さんはどっちかって言うと…GL(Guys Love)かな?
差し支えなければ投下をばさせていただきます。
505 :
42−115:2008/06/09(月) 22:42:48 ID:8M1XgjU8
では。
「かがみはそれをがまんできない 前編」
・7レス
・エロなし こんなタイトルですが
・秋
状況証拠
そろそろ帰ろうかな……。
少しの集中力の低下と、かなりの空腹をこれ以上放置するわけにもいかず、読んでいた本から顔を上げた時、かがみの嗅覚は秋の味覚の匂いを捉えたのだった。
週末。
土曜日。
かがみは自転車でこなたの家へと来ていた。
「朝も早よからご苦労だねー」
出迎えたこなたが言う。これは歓迎の意を表しているのかどうか、かがみは疑問に思わずにはいられない。
「いや、あんたが呼んだんだろ?」
かがみが泉家の敷居をまたいだのは午前九時。確かに早い。
「いやー、かがみの家だと色々と主導権を握られちゃってねー」
「宿題を写させてもらうのに支障が出ると?」
「あ、あははは……」
こなたときたら、誤魔化し笑いのついでにあくびまでサービスする。
「あんた、ちゃんと寝たの?」
「うん一応」
「一応ね……」
来客の予定に自重する程度には、といったところだろうか。
「ほら、さっさと始めるわよ。私だってまだ手をつけたばっかなんだから」
そう言って廊下を先に歩くかがみ。こなたは靴を揃えてやってからそれに続く。
「つかさは?」
「まだ寝てる」
「だよねー。宿題は大丈夫かな? 私が心配するのも変だけど」
「帰ったら尻拭い確定ね」
「大変だね〜。家出しちゃえば?」
「極端なこと言うな。むしろ誰かさんが自助努力して、負担を軽減してくれれば助かるんだけどね」
こなたの部屋のドアを開けるかがみは、横顔の目が座っている。
「むう〜、かがみのためとあらば、頑張らねばなるまい」
そんなこなたの一大決心(?)とともに始まった対宿題戦は、思いの外早く午後1時には片付いてしまった。こなたの奮闘ぶりを珍しくかがみが褒める。
「さすがに一夜漬けが得意とあって、短時間の集中力はなかなかね」
「ふっふっふ、本気を出せばこんなもんよ。問題は長続きしないことと、覚えた事をすぐ忘れちゃうことなんだよね」
「それは問題だ。大いに問題だ。断じて改めろ」
そう言いながらかがみはふと、努力は惜しまないがなかなか結果に繋がらないつかさとの比較をしてしまう。そもそも、もう起きているだろうか?
「つかさにも見習ってほしいわね。あんたもあんたで、つかさを見習ってほしいんだけど」
「また謎なことを言うね〜。じっちゃんの名にかけて、その意味するところを解けというんだね?」
「『こなちゃんのくせに』って言われない程度にはなりなさいってことよ。さて……」
かがみ、妙にそわそわした様子を見せる。
「お昼かい、かがみ?」
「もう一時よ。当たり前でしょ」
「クラッカーにする?」
「いや、まともなものが食べたい。ていうか、あんたはお腹減ってないの?」
「かがみとは生活のサイクルが違うし」
「そうだったわね。ごめんね、私のサイクルに合わさせちゃって」
「いーえぇ。それに元々小食だし」
「コロネ一個でもつものね」
「寝食を忘れちゃうこともしばしばだし」
「勉強と宿題もな」
「自分より、ゲームキャラの食糧確保に奔走したり」
「さしあたり、私の食糧確保に助言してくれるとありがたいんだけど」
「かがみを操作できる?」
目を星だらけにして握り拳のこなたが迫る。
「だとしたら何をさせたいんだ?」
「アンナコト、コンナコト、イケナイコト」
「帰っていい?」
丁度ノートや教科書をバッグに戻したところだったかがみが、立ち上がって言った。
「あ゛〜〜、タンマタンマ」
こなたは抱きついてでも止める。
「宿題終ったんだし、私は用済みでしょ」
少しとがらせ気味の唇が、拗ねたように言う。
「も〜、分かってないなあ」
肩や二の腕にすりすりしながら、こなたが言う。
「かがみと遊ぶ時間がほしくてかんばったんじゃないか」
そう言ったらかがみの顔に朱が差した。
ツンデレキタ!?
「私がいないとなれば、つかさが一人で頑張るかもしれないからね」
「そうだねー」
「べ、別にあんたのためじゃないんだからね」
「お約束通りのセリフをありがと」
というわけで二人は昼食を買い求め、泉家を出る。
秋めいてきた空と街と空気が、外歩きにはこの上なく心地よい。
夏よさらば。悲しいかな、出会いの季節は去った……。
まあ、退屈だけはしないからいいんだけどね。
隣で揺れるアホ毛を見ながら思う。
「弁当じゃないんだ」
視線に気付いたこなたが問う。
「まあ、ね。途中で買うこともできただろうけど、どれくらいお腹が空くか予想がつかなくて」
「それって今年何度目かの……」
……ダイエット?
声に出さず、口だけ動かして言うと、かがみの顔に悲壮かつ壮絶な表情が浮かぶ。
「体重計が秋を先取りしちゃったか」
「どうせ私は馬よ……」
肩を落として、怪談シーズンに遅れてやってきてしまった幽霊のように生気のない顔で歩くか
がみが気の毒になってしまったので、こなたはこう言う。
「わ、私もやろうかな」
幽霊がこちらを見る。
「あんたに必要なのは、縦方向の逆ダイエットでしょ」
「それが出来れば苦労しないよ」
「私も同じよ」
「なるほど」
こなたには初めてダイエットに関する実感のようなものが湧いた。
「よく分かった」
「まあいいじゃない。需要あるんでしょ」
「アレは自分で言うから慰めになるんだけど……」
コンビニの前を通り過ぎ、スーパーの方へ歩き続ける。軽食ならそちらの方が安くて量も多い
ものが、惣菜コーナーに置いてある。
「値段はともかく、量は別にね……」
そう言うかがみは、小食のこなたをして「これだけ」と思わしめるほどしか購入しなかった。
昼食が済んでしまえば、やることもない。
二人して漫画を評論したり、ゲームをしたり。やがてこなたの一人プレイとなり、かがみは持
ってきた本を開く。異変らしい異変といえば、かがみがおやつをつままなかった事くらいだろう
か。
やがて夕刻となり、かがみが立ち上がる。
「そろそろお暇するわ」
「ああ、もう?」
こなたはゲームを止め、時計に目をやる。
6時35分。夕焼け小焼けでまた明後日といった感じの時刻だ。
「あれ?」
読んでいた本をバッグに仕舞ったところで、かがみは嗅覚が捉えた秋の味覚が、やはり錯覚で
はないことに気付く。
「いい匂いがするわね」
窓を開け鼻で深呼吸し、左右を見渡す。
「どこかの家が松茸ご飯を炊いてるみたいね」
「ああ、それウチ」
「え?」
自分の顔を指差すこなたは、ずっとゲームをしていた。ということは……。
「準備はおじさんがしてるの?」
「うん。先月出した本が予想より売れてね。国産モノを奮発したんだって」
「へー」
いいわね、と言いかけた言葉を慌てて飲み込む。それではまるでご相判預かりたいと言わんば
かりではないか。
「よかったわね、いっぱい売れて」
松茸ご飯ではなく売り上げに対して言うことで、これを切り抜ける。あ〜、お腹減った……。
「お父さんの場合、趣味に消えるお金が増えるだけなんだけどね」
「あんたがバイト始めた動機も同じようなものだったわね」
「松茸は買わなかったけどね」
廊下に出てもなお話す。
「手伝わなくてよかったの?」
「かがみが来るって言ったら、俺がやるからいいって」
「あー、そうか……」
ありがたいし、悪いとも思うのだが、何か微妙にウラがありそうに感じるのは気のせいだろう
か?
「おじゃましました」
泉家は二階にキッチンがあるという特異な構造なので、階段のところで二階にいるであろうそ
うじろうに辞去を告げる。すると慌てたような足音とともにそうじろうが階段の上の現れ、手招
きする。
「かがみちゃん、ちょっとちょっと」
「何ですか?」
和服の上にエプロンで頭巾という奇妙ないでたちのそうじろうについてキッチンまで行くと、
それがあった。
「?」
二重にしたボウルの間に氷水を入れ、内側のボウルには炊きたての松茸ご飯が湯気を立ててい
た。冷凍保管するための処置のようだが……?
「いやー、炊きすぎちゃってね。邪魔にならないなら持って帰らないかい?」
「い、いいんですか?」
声が震える。味覚と嗅覚と消化器系の全てが疼く。食べたい! 食べたくて仕方ない!
「じゃあ……いただきます」
「そうかそうか。確かかがみちゃんのところは、今日は三人なんだよね」
両親は神社・仏閣を巡るため東北へ旅行中。長女は出張というわけで、柊家は学生ばかり三人
である。夕食の準備はまつりとつかさに任せてある。
それにしても腑に落ちないのは、そのことはこなたが話したんだろうけど、いちいち覚えてい
る必要はあるのだろうかということだった。
「たらふく食べるのには足りないけど、中ぐらいのおにぎりして食べるくらいなら三人分ある
から」
「あ、ありがとうございます」
深々と頭を下げる。
「じゃあ、冷えるまで待っててねー」
こなたはそう言って、しゃもじでことさら冷却中の松茸ご飯をかき混ぜ、香りを散らす。虫が
鳴かないよう、かがみは慌てて腹を押さえた。
「つまみ食いはダメだよ」
「誰が! こ、子供じゃあるまいし」
「ダイエット中の女の子と、減量中のボクサーほど手癖の悪い生き物はいないって言うけどねー」
サラダ用のプチトマトのヘタをとっていたそうじろうが、手を滑らせそうになる。女子高生の
生な会話(??)、ええなー。
冷却が終るまでの間、かがみは椅子の一つに座り、人が変わったようにじっと松茸ご飯を見つ
めていた。まるで湯気が出なくなる過程を観察するかのように。
「食べたくてしょうがないって顔に書いてあるね」
そう言うこなただが、五感のうちの二つはおろか、消化器系まで疼いたといったらどんな顔す
るだろうか。
「俺にも見える」
そうじろうは、かがみがどれほどの苦痛に耐えているかを想像してみる。ダイエットに加え、
普通に腹が減る夕刻時。その上ご馳走を前にしてのお預け状態だ。
そうじろうはそれを、実に彼らしい言葉でこう例えた。
「イキたくてしょうがないのに、寸止めされてイカせてもらえない時の顔みたいだな……」
食品用の小さいポリ袋に入った冷却済みの松茸ご飯とともにかがみが辞去すると、泉家では夕
食が始まる。親子二人きりの食卓も早十数年。今さら寂しさもないものだが、かがみが帰った直
後だけに、食べてけばいいのにと思うところがないわけではない。帰るのが遅くなっちゃうし、
まつりさんとつかさが待ってるもんなあ……。
「かがみちゃんとは何したんだ?」
そうじろうが何かを期待して尋ねる。
「宿題やったりゲームしたり、かがみは本も読んでたよ。おとーさんが期待・妄想するような
ことは何もなかったから」
目を輝かせるそうじろうに、こなたは釘を指す。本当にぶっ刺したろかと思うほどに。
「そーか……。あの顔に伏線があるのかと思ったけどなあ」
「私がそうさせたとでも?」
「ん〜、んなわけないか〜」
娘に睨まれ、誤魔化すように手を振る父。白状してどうする?
片付けはこなたが一人でやる。髪をまとめ、食器を水に漬け、スポンジを持ち、洗剤をつけ……。
「今日はいい番組がないな。録画でも見るか」
テレビをつけたそうじろうがぼやく。
「それなら私、BGMにしたいのがある」
未鑑賞のDVDを聞きながら皿を洗おうと、こなたは自室に向かった。
「あれ?」
目当てのDVDを手に部屋を出ようとすると、ベッドの上に見慣れぬ文庫本が転がっているのを
見つけた。かがみの忘れ物のラノベだった。
時計を見る。そろそろ家に着いた頃だろう。こなたも自転車で柊家に行ったことがあるから、
所要時間は大体分かっている。よし、電話してたまのドジッ娘ぶりをからかってやるか。
「もしもし、泉ですけど」
「あ、こなちゃん」
柊家の電話を取ったのはつかさだった。
「あ、つかさ? かがみ帰ってる? そろそろ着いてる頃だと思ったんだけど」
「お姉ちゃん? まだだけど」
『つかさー、出来たよー』
まつりの声が聞こえてきた。
「あ、ごめんね。そっちはこれからなんだ」
「うん。お姉ちゃんを待ってたんだけど……」
仕方ない、ドジッ娘ぶりは諦めるか。
そう思ってつかさに伝言を頼もうとした時……。
『ただいまー』
かがみの声がした。
「あ、お姉ちゃんだ。替わるね。(声が少し遠くなる)お姉ちゃんお帰り。こなちゃんからだ
よ」
『ええ!? こなたから?』
かがみはやけに慌てている様子である。さては空腹が限界で、早く夕食にありつきたくて焦っ
てるな。
そう思ったこなたは、誘拐犯からの電話に臨む被害者家族のように、引き伸ばしてやろうとし
た。いやむしろ、イキたくてしょうがないのを焦らすように?
「何?」
かがみが電話口に出る。
「やあ、かがみん」
「うん」
「ごきげんうるわしゅ」
「うん」
反応がなんだか淡白だ。ツンデレで空腹ならもっとこう……。
「無事にお着きのようで、お慶び申し上げます」
「そうじゃなきゃ電話になんか出ないわよ」
おー、これこれ。こんな感じ。
「ではかがみ様。バッグの中をご覧ください」
「え!?」
かがみはまたもや、やけにうろたえたような声を上げる。
「何かが足りないはずだよ」
「うう……」
今度は呻く様な声。そんなにお腹が減っているのかな?
そしてはじまる長い沈黙。長い長い沈黙。長い長い長い沈黙。長い長い長いなg―
空腹で倒れちゃった? いや、床にぶつかる音とかしてないな。でも音がしないといえば、か
がみのお腹の虫……じゃなくて、バッグを漁るような音も聞こえない。
「おーい?」
「はう!!」
大げさに驚くかがみに、こなたの方が手にしたDVDを落としそうになる。
「あの、かがみ? 本忘れていったよ」
「え?」
がさがさ、ごそごそ……。バッグを漁る音が聞こえてくる。やはり最初は探してさえいなかっ
た? それに、かがみが本をしまうところ見なかったっけ?
「あ、本当だ」
ようやくという感じで、かがみはほんの事に気付いた。
「実は二冊持っていったのよ」
「読むの速っ!」
宿題が終ったのが午後一時。それから昼食を買って来て食べて、ゲームした後に読み始めたの
だから……。
「それって何て速読法?」
「いや、片方は読み終わる寸前だったのよ。忘れたのは読み終わった方。うっかりしてたわ」
なるほど。かがみが本を仕舞うのを見たのは間違いではなかった。
「萌えないねー、それ」
「何よ?」
「いや、その一冊だけ忘れるって言う中途半端なドジッ娘ぶりが」
「別に、あんたを萌やかすために読んでるんじゃないんだけど」
「どうせならこう、二冊とも忘れたついでに、私の本を本棚ごと持って帰っちゃったとかさ。
そんなのよろ」
「それはドジッ娘じゃなくて引越し屋だろ」
「松茸ご飯の香りに惑わされちゃったってっとこカナ?」
「まあ、そんなとこ……。わるい、月曜に学校に持ってきてくれる?」
「いいよ」
「それまでに読んでもらっても構わないし」
「文字ばかりの本はちょっと……」
「おもしろいから、読んでみなって」
「背表紙には<下巻>ってあったような気がするんだけど?」
「<上巻>を買ってきてでも読む価値あるよ」
「挿絵だけ堪能させてもらうよ」
「それが関の山ね」
「それより、長電話いいの? 凶暴なかがみのお腹が、電話を食べたくてうずうずしてない?」
「食うか!」
つっこむ元気はあるらしい。
「でも、あんたがそう言うのなら切るわよ」
「あい」
「月曜、本お願いね」
「あい」
「じゃ」
「あーい」
受話器を置いてからふと思う。つかさとまつりさんが考えた今日の献立は何だろうか? 松茸
ご飯に合うかな? まあ合わなくても保管処理はしてあるから、明日にでも食べてもらえばいい
でしょ。
そんなことを考えながらこなたが皿洗いを再開したのが、土曜の夜のことだった。
つづく
513 :
42-115:2008/06/09(月) 22:52:21 ID:8M1XgjU8
はい、ありがとうございました。
核心や着想源を語るべき段階ではなく、元々語るほどのものもなく、
何の盛り上がりもないまま後編に続いてしまいます。
乙
食ったな……かがみ……
GJ
(≡ω≡.)ニヨニヨ
あれ、今日は平日、だよね?
シリアスに百合に鬼畜(オチ完備)にほのぼの、良作の無呼吸連打に俺、死亡確認。
まとめてで恐縮ですが、皆さまぐっじょぶ!
……それにしても。
>>514 >>515 あー。 あーあーあーw
まあなんといいますか、合掌しつつ後編を待機します。ああ、俺も混ぜご飯食べたい。
GJ! 女子高生の生な会話(??)、ええなー。
>「イキたくてしょうがないのに、寸止めされてイカせてもらえない時の顔みたいだな……」
見える……そのあとのそうじろうの頭にでっかいタンコブが見える……www
追伸:
食ったな……かがみ……
>>462 なる、自然発生しそうにない組み合わせだと思ったら
>>471 大結成!超ヒイラギ8姉妹
いのりとまつりは誰を捕食する気?
>>482 すっかりあやのがプロレスキャラに(最期のプロレス技ですよね)
最強生物ゆかりさえ……
>>493 略字が必ず必ず一定になるとは限らないと思ったら
>>514 さらに実は柊家も松茸とか
>>519 あいかわらずかわいい絵wまあ皆そうじゃないかと考えてるみたいだし…これからどうなるのかどうなるのかwktk
>>520 おそらく、
>>471は夏の某特撮映画のパロをしたいんだと思われ。超ウルトラでググってみw
連スマ
とか言いながら、ちょっと某所で問題のハヌマーン見てきた。
……前言撤回。こりゃひどすぐるorz
やー、ハヌは、元の作り手の会社からも完全に黒歴史にされてるからなw←多いに板違い。
さっき、23話見てたら、こなたがパソコンのデータ処理してて、
ツンデレから画像に
て、あったんだけど…密かに撮ったかがみの写真なんてあるのだろうかw
コピーにやたら時間かかってたから、写真や動画でも整理してたんじゃないかと。
写真(小さなファイル)から動画(大きなファイル)にコピー対象が移った時に、残り時間が大きく変動したりするし。
みんなに配布するために、修学流行の時の画像や動画をFTPサーバにコピーしてたとか?
確か、ツンデレの他にポニーテールのフォルダとかいろいろあったけど、
ツンデレっていうとやっぱ…なあ。
そういえば此所に投下している作者さんは、普段の活動(仕事に非ず)もSS書きだったりするのかな。
何となく、皆は普段どういう活動をしているのか気になってしまった。
何人かは知ってるな
ここで書いたのの番外編とかまんまここのネタとかあって面白いよ
探すのは大変だけど
530 :
鬼畜スキー:2008/06/10(火) 16:20:26 ID:1dvOjyFi
少し前にゆかりママがかがみんを…妄想書いた者です。
投下して大丈夫そうなら二十五分に投下してOKですか?
もう17時になってるけど、投下しないの?
もしかして誰かが許可を与えてくれるのでも待ってるのか?
もしそうなら、そんな権限持ってる誰かなんて存在しないので、
かぶりがないのを確認したら勝手に投下すればいいと思うんだが
こなた「やっちまいな」
きっと(17時)25分のことだったんだよ!!!
534 :
鬼畜スキー:2008/06/10(火) 17:24:11 ID:1dvOjyFi
スマンコフ。電池切れてた…
じゃあ投下するよ!
一応主役こなたデス
535 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 17:25:32 ID:MPqz6i5a
それはこなたがかがみの家に遊びに行った時の事…
「ねーねーかがみん」
「あん? うおっ!? あ、あんた何私の下着ばらまいてんのよ!」
ベッドの上に散乱する色とりどりの下着。
それを見ながらにっこりこなた。
「ぱんつ天国!」
ぐっとサムズアップ。響く怒声。舞い踊るぱんつ。
「こ、これはぱんつレボリューション!?」
「黙れぇぇ!」どかーん
さて。こなたはこの一件以降ふと友人のぱんつが気になって気になって仕方がなくなった。
そしてこなたは決意する。ぱんつ祭決行を――
「こなちゃんおはよー」
「よーっすつかさー」
いつもの様子のいつもの二人。あのぱんつレボリューションがあった事なぞ知らないつかさは警戒心0アホウドリ状態だ。
ニコニコ笑うつかさだが、次の瞬間戦慄が走る。
「あのさー。ぱんつ見せて〜?」
「ほぇ、ぱんつ…?」
きょとんとしたつかさの隙を突いてこなたの目が煌めく。
一瞬の内にズボンをひんむき、可愛らしいストライプのぱんつを白日の元にさらけ出した。
「えっ!?えっ!?」
「更にマジックカード、脱がせの神髄を使用――! つかさのぱんつを脱がすっ!」
足払いから、尻餅をついたつかさのぱんつを素早くぬきとるこなた。その姿はもはやパンツ職人――!
「フンカフンカ! う、うぉぉぉぉ! つかさの匂いに紛れてチーズの香り! こりゃあスゲェ! 子宮にギンギンクルー!」
「うわぁぁぁぁん! こなちゃんのえっち! 返してよー!」
「やだいやだい! これは私のぱんつコレクションに加える! サラヴァ!」
翌日、つかさを皮切りに友人達が次々と毒牙にかけられていく。
みゆきの紐パンが、ゆたかの熊さんぱんつが、パティの褌が…(ちなみにみさおのスパッツはスルーされた)
残るは二人。かがみとあやのだけ。
「…ぱんづぅぅ! よぉぉこぉぉせぇぇ」
「…来たわね」
「柊ちゃん、いいの? 今ならまだ引き返せるのよ?」
「…これが、あたしの友情よ」
無差別に襲い掛かるぱんつモンスターこなた。
もはや学園総ノーパンやむなしというとき…彼女達が現れた。
「…止める。私の全裸に代えても」
学園の産んだ至高のツンデレ、純白の下着姿で登場だッ! 目をかっぽじって良く拝みやがれッ!
柊“ジーニアス”かがみーッ!
「…いい覚悟よ。決着は覚悟の量で決まるわ」
でたァァァ! 彼氏の為なら露出やむ無し! 謎のタイガーマスク美少女戦士!
あやの“クラッシャー”タイガーッ!
「ウォォォォォォ!」
説明不要ッ! 豪放不遜ッ! 天衣無縫ッ! 最強最悪のぱんつモンスター!
泉〜ッ! コナァァーーーーターーーー!
これより、ぱんつレスリング六十分一本勝負を行いますッッッ!
「捕らえたッ!」
がっしりとコナタの手をロックし、かがみが動きを止める。
呼応してあやのが走った。 狙いは延髄。一撃勝負。
「ウォォォォォォ!」
「なっ」
しかし、コナタは力付くでロックを外し、逆にかがみをロープに振ってあやのの方を向いた。
一瞬だった。
「くっ、迂闊だった…」
叩き落とされたあやのの尻を見て、コナタが妖しく笑う。
「こなた! 止めなさい! 止めなさいってば!」
「…柊ちゃん。彼に…ダーリンに…私は勇敢だったって伝えて…」
ぷりんとした尻に、コナタの顔が埋まる。
「ああーッ!」
見開かれるあやのの瞳。回りに響くじゅるじゅるという音。
女子は目を逸らし、男子は前屈みになる。
「いやっ! いやぁ! 吸わないで! ひゃあああ! そこはらめぇぇぇ!」
その悲鳴を最後に、あやのは動かなくなった。
ぶちぶちぶちぃっとぱんつを食いちぎり、コナタはそれを飲み込む。
「…喰って、やがる」
ななこの驚愕した声。
「…勝負ぱんつをとりこもうとしています…」
冷静に解説するみwiki。
(勝てない)
本能的にかがみは悟った。
コナタの目がかがみを捉える。 もう――駄目。
「諦めないで」
飛び出したのはみなみだった。 恥ずかしげにスカートを捲くりあげ、アダルティなぱんつをさらけ出す!
コナタはそれに飛び付いた。わなだとも知らずに――
かがみは走る。
みなみの股間にフンカフンカしているコナタのもとへ。
「うぉりゃあああぁぁぁ!」
乙女力発動である。
純白ぱんつから溢れ出る恥ずかしいパワーが爆発し、綺麗なアーチを描く!
「TNDRスープレックス!」
激しい振動がマットを揺らし、一撃でコナタをマットに沈めた。
人類は勝利したのだ。多大な犠牲を払って。
「みなみちゃん!」
「ゆたか…」
完
みさお「み″ゅう゛う゛う゛う゛う゛…」
Nextみさおりあん
おはりです。ダラダラで申し訳なか…
>>539 勢いにワロタ
じゅるじゅるしたいです、はい
>>539 ガチエロかと思ったら馬鹿エロか! だがその馬鹿さ加減やよし。
みなみちゃんのアダルティぱんつを脳内でくんかくんかしながらぐっじょぶ。
542 :
46-372:2008/06/10(火) 18:53:38 ID:xbRn+RJX
今回も書いてみたので、よければ読んでみてください。
エロなし(?)で、少量の流血&ソフトSM的な表現があるので注意して下さい。
でも、基本はこなたとかがみの甘々の話です。
人によっては不快感も感じる人がいるかもしれませんので、そういうのが苦手で潔癖の人
は見ない方がいいかもしれません。
植芝理一/謎の彼女]のパロディです。
「謎のこなた]」1、2,3もあるのでよければそれも読んでみて下さい。
でも、1話完結の話なのでこれだけ読んでも問題ないと思います。
「謎のこなた]」4
「面倒くさい〜〜!やる気でない・・・」
わたしの隣でこなたが、文句を言っている。
今日は体力測定なので、みんな合同で測定している。
ちなみに、つかさはソフトボール投げ、みゆきは走り幅跳びをやっている最中だ。
「もう!次の100m走で最後でしょ!頑張りなさいよ」
「授業がないのはいいけど、これもこれで疲れるよ〜」
ったく、こなたの怠け癖にも困ったものだ。
そのくせ、全ての種目でトップクラスなんだから・・・
「そりゃ、かがみはダイエットになるから張り切るのも分かるけどね」
「なっ、そんな事ないわよ!」
「そう?でも最近お菓子食べないし〜
今日の、昼ごはんの弁当もかなり質素だったよね。
だけど、その割には・・・」
にんまり顔でこなたが、こちらを見て言ってきた。
ここで怒ったらさらに茶化してくるだろう、わたしは冷静に
「・・・それより、次はこなたの番よ。こなたの活躍を見てるから、頑張ってね! 」
そう言って誤魔化しつつ、こなたを追いやった。
ったく、しかしそういう所だけはよく見てるんだから・・・
「よーい!スタート」
先生の掛け声が響いた。
スタートの瞬間から、こなたは頭一つリードしている。
やはり、早い・・・脱兎のごとくと言う感じだ。
そう思い見ていると、次の瞬間こなたはバランスを崩し地面に転がった。
「こなた!!!」
無意識に、そう叫んでしまった。
一瞬、転んだこなたより大声で叫んだわたしに注目が集まった。
だけど、その視線も気にせずにこなたの所に駆け寄る。
「こなた!大丈夫?」
膝を押さえながらこなたは
「イテテテッ・・・失敗、失敗、コケちゃったよ」
膝を見ると、傷口から少し血が流れていた。
その他には、特に怪我がないようだ。
「先生、わたしが保健室に連れて行ってきます!!」
クラスも違い保健委員でもないわたしだが、断定口調で言ったからなのか?
先生は、気にする様子もなく許可してくれた。
こなたの前に、屈んで背を向ける。
「さぁ、こなた・・・」
こなたは、わたしの行動を理解したらしく
「えぇ、いいよ。おんぶなんて、自分で歩けるよ」
こなたは恥ずかしがっておんぶを拒否した。
わたしは、こなたの前に立ち両手を前に差し出して。
「そう!それじゃお姫様抱っこだね。おんぶどっちがいい?」
「うっ!それは・・・」
こなたは、観念したらしくわたしの背に手をかけた。
わたしは、足に力を入れてこなたをおんぶした。
「軽いわね・・・こなた」
同じ年齢とは、思えないほど軽かった・・・
まるで、重力に束縛されない天使をおんぶしているみたい。
天使の姿のこなた・・・結構可愛いかも・・・
ハッ!!何変な想像してるんだわたしは・・・
天使こなたの想像を振りさって、わたしはこなたに声を掛ける。
「しかし、運動神経のいいこなたが、転ぶなんて珍しいわね。夜までネトゲーでもやってたんじゃないの?」
「違うよ、普段は面倒くさくて本気を出さないけど、さっきのは珍しく本気で走ったから足がもつれちゃったんだ・・・」
ふ〜ん、普段本気を出さないであの運動能力か、それは凄いかも・・・
「そうなの・・・で?なんで、怠け者のこなたが珍しく本気だしたの?」
「だって、好きな人に『頑張ってね!』って言われたらやっぱり頑張っちゃうよ・・・」
最後の方は、聞き取れないぐらいの声で言った。
赤、赤、赤・・・自分の顔が赤くなっていくのが分かった。
なによ、普段は憎まれ口しか叩かないのに、不意にそんな可愛い事いうなんてずるいよ。
でも嬉しいな、こなたがそう思ってくれるなんて・・・
わたしは幸せな気持ちになりながら、こなたを背負っている。
途中の洗い場で、膝の汚れを流し落としてから保健室へと向かった。
ガラッ・・・
保健室のドアを開けた。
・・・しかし、保健室には誰も居なかった。
545 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 18:57:16 ID:BMiV6rmW
こんなお馬鹿な話嫌いじゃないです。
むしろもっとやれwGJ
「あれ、天原先生は?留守か・・・しょうがない、道具を勝手に使わせてもらおうかな・・・」
こなたを椅子に座らせて治療道具を探した。
「えっと、まずは消毒液と・・・あとガーゼかな・・・」
道具を揃えてから、こなたの膝の傷口を見る。
まだ完全に出血は止まっておらず、膝から血が流れている。
こなたの前に座り、消毒しようとしたが・・・
真っ赤な血が流れているのを見ていると、なぜが喉の奥が疼いた。
そういえば、運動してから水分補給してないな・・・
なんでだろう、なんで今そんな事を思うのかな?
無意識に、わたしの口はこなたを求めた。
・・・気が付くとわたしは、こなたの傷口を舐めていた。
ピチャ・・・
ピチャ・・・
舌にまとわり付くこなたの血・・・
あれ?わたしなんで、こなたの血を舐めてるんだろう?
心の片隅でそんな疑問があるが、それ以上に美味しいという思いが勝っていた。
口全体が濃厚な甘い香りに包まれる・・・
そしてわたしの舌は、その甘さに染まっていくのも分かった。
後を引く甘さでこなたを感じた。
もっと、もっと、こなたを感じたい・・・
わたしは傷口に軽く歯を立てた。
「っ・・・」
こなたの、声で我に返った。
わたし、何をやってるんだろ?
「ごめん!こなた・・・」
わたしは、傷口から口を離し謝ったが
「大丈夫だよ。かがみ・・・それより、そのまま消毒続けて・・・」
えっ?それは、このまま舐めてていいって事なのかな?
すこし、躊躇しつつ再びこなたの傷口を消毒する。
わたしの舌で・・・
どれぐらい、こなたの傷口を舐めていただろうか?
もう、ほとんど出血は止まっている。
でも、わたしはこなたの傷口を舐めるのを止めない。
美味しい、もっと欲しい・・・
体が熱い、顔が火照ってきた。
頭がボーとしてきて、フワフワして気持ちいい・・・
何か気分が楽しくなってきた。
「・・・ね・っ・・おい・・・・しい・・・?」
なにか、こなたが言ってる・・・
でも、よく分からない・・・
なんだか凄い幸せな・・・
気分だ・・・
・・・
・・
・
かがみが、私の傷口を舐め始めてどれくらい経つだろうか?
出血はほとんど止まったが、傷口にはかがみの舌の温かさが今も続いている。
私の傷口を舐めている、その姿を見ると・・・なんだが、無性に愛らしい。
「ねえ、美味しい?」
かがみの頭を撫でようと手を近ずけた。
するとかがみは、聞こえるか聞こえないかの小さい声で呟いた。
「ねぇ、こなた、一口ちょうだい・・・」
「えっ?」その次の瞬間
ガブッ
・・・ガブッ?確かに、ガブッを言う音が聞こえた。
気のせいか、腕が少し痛い・・・いや気のせいじゃない。
ジワジワと腕の痛みが増してきた。
見ると、かがみが私の腕に噛み付いていた。
「えぇ!!ちょっと痛い、痛いよ。かがみどうしたの?」
私は腕を振り回しどうにか振り払ったが、腕にはクッキリ歯形が・・・
「なんで?なんで嫌がるの・・・こなたはわたしの事嫌いなの?」
潤んだ目で、いきなりかがみは私に語りかけてきた。
「いや、好きとか嫌いとかそういう問題じゃ・・・」
「わたしは、こなたが好きよ。好き好きだ〜い好き!ふふふっ・・・」
・・・いや、そんな笑顔で好き好きと言われると恥ずかしいよ。
「だからね!こなたを一口ちょうだい!!」
かがみは、笑顔で歯を見せてそう言った。
「だあぁーー!!なんで、そうなるかな?」
「・・・ぐ・・・っぐす・・やっぱり、わたしの事嫌いなのね。わたしはこんなにこなたの事好きなのに!!」
かがみは、涙を流しながら言ってきた。
えぇ!今度は、なんで泣いてるんですか?
まてよ・・・
このハイテンションからのローテーションどっかで、見たことあるな・・・
アッ!ゆい姉さんが酔っ払った時と同じだ!!
「あの、かがみさん!もしかして酔っ払ってますか?」
「ふふふっ・・・酔っ払ってないよ!地面が、揺れてフワフワして気持ちがいいだけだよ。
でも酔っ払ってないよ!」
そういうかがみの顔は紅色に染まり、目が虚ろで呂律があまり回ってない。
体も、ユラユラしてる。・・・どう見ても酔っ払いです。
あとネクタイを頭で縛って、寿司の折りずめを持っていれば完璧です。
なんで、私の血を舐めたら酔っ払うかな、そんなデフォ聞いた事ないよ。
そんな事を少し考えていたら・・・・
ガブッ
今度は、首すじに噛み付かれた。
「ふゅふぅふ・・おふぃふい、ふぉなた・・・(ふふっ美味しいよこなた)」
噛まれつつ私は、保健室のベッドに押し倒された。
「あっ・・・かがみ、落ち着こう・・・っと言うか、かなり痛いよ」
噛みながら何か言っているかがみを、落ち着かせようとする。
でも首すじを噛まれて痛いのに、なんだか気持ちいい・・・
第三者が見たら、まるで吸血鬼に血を吸われているみたいだろう。
聞いた話によると確か、吸血鬼に血を吸われている人は性的快感を感じているらしい・・・
噛まれてみると、少し分かるかも・・・痛いけど、そんなに嫌じゃない。
少し気持ちいい・・・
そう考えていると、かがみの歯が首すじから離された。
「んっ・・・もっと・・・・」
そう無意識に口を開いた次の瞬間、かがみの唇とわたしの唇が重なった。
キスをされた・・・酔っ払ったかがみは積極的だ。
かがみ舌が、わたしの中に進入してくる。
私の舌とかがみの舌が絡まり一つの生き物のように暴れている。
そして、私の舌はかがみの口へと持っていかれた。
カリッ・・・
「んっ・・・」
舌を甘噛みされている。思いっきり噛まれないで良かった。
でも少し強く、そして時に優しく私の舌を噛んでくるかがみ・・・
なんだが、舌をマッサージされているみたいで気持ちいい・・・
舌を噛まれると、それに比例して“よだれ”が口内にあふれ出す。
かがみは、それを美味しそうに飲みこむ。
もう十分堪能したのか、かがみの唇が私の唇から離れた。
キスが終わった後かがみは笑顔で
「ふふふっ・・・こなた、美味しかったよ」
少しヒリヒリしている舌を気にしている暇もなく。
かがみの手が、私の体操服の裾に手をかけた。
「ちょ!かがみ、ココ保健室だよ。他の人が・・・」
「わたしは、大丈夫だよ。こなた・・・」
いや、かがみはよくても・・・私はかなり恥ずかしいよ。
抵抗して裾を押さえる私、それをかがみが力一杯に脱がそうとする。
するとかがみは私の耳元で優しい口調で言った。
「こなたはわたしの物なの、わたしだけの物・・・だから一口ぐらいいいでしょ?」
それを聞いて私は、なぜかかがみになら一口ぐらいいいかな・・・
と思い裾を押さえる力を緩めようとした。
その時・・・
ガラッ・・・
保健室のドアがいきなり開きそこには、天原先生が立っていた。
『えっ!!』
私と、先生の声がハモった。
先生は赤面している。それはそうだ。
女子高生二人が、保健室のベッドの上でそんな事をしているのを目撃したら・・・
ハッ!!と言うかもしかして私、今ピンチだったのか?
おかしいな私にⅯ属性はないのに・・・
だいたい、ツンデレキャラのかがみの方がⅯ属性って相場が決まってるのに・・・
かがみがなんで、Sキャラになってるんだ?
それになんで、一口ぐらいならいいかな?と思ってるんだ私!!
いけない、いけない!正気に戻れ・・・
これは、天の助けだ。
「助けて・・・」
助けを求める前に、先生は真面目な顔で
「先生ね。愛に性別や年齢は関係ないと思うの・・・
私も桜庭先生となら、別に嫌じゃないし。
でも、最近仕事が忙しくて全然かまってくれないの・・・
結婚してくれ!って言ってくれたのに・・・
ひかるちゃんのバカ・・・
・・・でも、そうよね!待ってるだけじゃ駄目よね。
こっちから、積極的に行かないとね!私も頑張る。
この事は誰にも言わないで秘密にするから!
邪魔して御免なさい。ごゆっくり・・・」
そう言って、ドアを閉めて先生は去って行った。
いや、何を頑張るんですか先生?
「・・・先生!!違うんです。いや、違くはないけど・・・やっぱり違うんです。助けて!!」
その言葉は誰もいない、空間に虚しく響いた。
背中に、肉食動物の眼光が・・・振り向くと
そこに、効果音をいれるなら『キュピーン』というのが一番だろう。
眼をギラギラさせながらかがみが、こちらを見ている。
「ふふふ・・・先生公認だね。こ・な・た♥」
そのまま、押し倒されて・・・かがみが再び体操服に手をかけようとする。
そして、私の胸を見ながらかがみは
「こなたの、胸柔らかくて美味しそう・・・
こなた大好きだよ。食べちゃいたいぐらい・・・
一口だけ・・・ねぇこなた・・・」
「・・・・」
蛇に睨まれた蛙ならぬ、ツンデレに睨まれた私
潤んだ目で、私を見上げて言ってきたかがみは、凄い綺麗で少しエッチだ・・・
ココで、駄目と拒否したらどうなるだろう?
理由は分からないけど、嫌だと言えば止めてくれそうな気がする。
でも、私の口から発した言葉は
「いいよ、かがみになら・・・」
そう言って裾を押さえるのを止めた。
覚悟を決めて目をつぶる、心臓はもう壊れる寸前だ。
そして、かがみの手と歯が私の胸に・・・
「・・・んっ?来ない」
「zzzz・・・」
目をあけるとそこには眠っているかがみの姿が・・・
「・・・そういうオチですか」
「お、重いよ・・・かがみ」
その日の放課後、私はかがみをおんぶして帰宅した。
「こなちゃん大丈夫?変わろうか?
だけど、こんなに寝てるなんてお姉ちゃん夜中まで勉強のしすぎなのかな?」
私の背中でずっと寝ているかがみを心配するつかさ・・・
「大丈夫だよ。ただ寝ているだけだしね。それにこれは私のせいでもあるし・・・」
まあ酔い潰れただけだし。そう考えていると、ふいにかがみが寝言をいった。
「ムニャムニャ・・・もう食べられないよ。こなた・・・」
「ふふっ、お姉ちゃん何か美味しいもの食べている夢を見ているのかな?」
「・・・そうだね。『食品』を食べている夢であってほしいけど・・・」
そう、独り言のようにつぶやいた。
「ところで、こなちゃん・・・ケガはもう大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ!」
「そう言えば首すじの所にシップ張ってるけど、転んだ時に首もケガしたの?」
「・・・いや、それはその・・・」
かがみの噛み付いた歯形が、クッキリ残ってるから隠しているんだよ!
とはつかさには言えない・・・
「ちょっと寂しがりやの、ウサギに噛まれたんだ・・・」
「へっ?学校にウサギなんていたっけ?」
つかさは「?」という顔をしていた。
私は、気にせずに・・・
「それより!さっさと帰ろうよ」
するとおんぶしているかがみが、また耳元で寝言を囁いた。
「ムニャムニャ・・・こなたごめん」
ふ〜む、かがみも夢の中で反省してるのかな・・・
「ごめん・・・ごめん」
「もういいよ。かがみ」
「ごめん、もう一口ちょうだい・・・」
『・・・』
「・・・つかさ、悪いんだけどのど渇いたから飲み物買ってきてもらっていいかな?」
そうお願いするとつかさは、なんの疑問も抱かずに飲み物を買いに行ってくれた。
残されたのは、私とかがみの二人きりだ。近くのベンチにかがみを座らせた。
「かがみ!かがみ!起きてる?」
返事がない、まだ完璧に寝ている。
「反省してないかがみには、お仕置きが必要だね・・・」
そう少し笑いながら私は言って、かがみの首すじに噛み付いた。
「あっ・・・」
甘い吐息を出すかがみ・・・起きる様子はない。
もう少し強めに噛む、それに反応して少し震えている。
・・・かがみの気持ちが分かった気がする。
噛む方も、噛まれる方も気持ちいいかも・・・
首すじを噛むのを止めて口を離す。
そこには、クッキリと私の歯形が残っている。
「かがみはわたしの物、わたしだけの物・・・だから一口ぐらいいいよね?」
寂しがりやのウサギにそう囁いた・・・
552 :
46-372:2008/06/10(火) 19:07:06 ID:xbRn+RJX
あぁ・・・「謎のこなた]」を書こうとするとなぜか、アブノーマル方面に・・・
なんだか、自分の書くこなたは、少しクールなので今回はこなたを責めてみました!!
「自重しろ!!」って、それでも今回は自重した方なのですが・・・
最初はエヴァが使徒を喰らうごとく、もしくはバキよろしくピクルがエサを喰らうようなシーンを想像してたんです。
違うんです!想像だけです・・・そんな汚い物を見るような視線はやめて下さい。
まあ、そんなシーンを書く実力も根性もありませんけど・・・
『だいたい、ツンデレキャラのかがみの方がⅯ属性って相場が決まってるのに・・・』
勝手に持論を書いてみましたけど、みなさんも同じ意見なのでしょうか?
う〜む、反対意見もあるかな・・・
とにかく読んでくれて、ありがとうございました。
553 :
46-372:2008/06/10(火) 19:11:35 ID:xbRn+RJX
あれ?いつのまにか480KB超えてる!
と言うか、自分が原因ですね。
でも自分、スレッドなんて立てた事ないんですが・・・
誰か、立ててくれませんか?
それは無責任ですか・・・
>>553 割り込んでしまい申し訳ないです。
もう百度テンプレ読んできます。
557 :
46-372:2008/06/10(火) 19:24:56 ID:xbRn+RJX
>>556 気にしないで下さい。
問題ないです。
その代わりと言って何ですが
自分の作品を読んでくれれば嬉しいです!!〈←厚かましい!!〉
>>528 自分は普段、音楽製作と2Dアブストラクトデザインで動いていますね。
そういえばSS…というか、文章はここでしか書いていませんな。
>>539 凄まじい勢いで展開されていますねー
ギャグ方面へ一直線なのがまた良かったです。
自分、こういうギャグ展開を書けないんだよなあ…
>>552 GJ!
個人的に噛みつきネタは好きなので、楽しめました
こなたもかがみも、SでありMでもある気がします
気のせいかしら
560 :
42-115:2008/06/10(火) 21:20:21 ID:oaVL77BA
>>519 それにしたって早すぎますよww
投下終了から二時間経ってない。
盛り上がりがないまま続いたのに、感想戦(かがみ「将棋かよ!」)が予想外に盛り上がりましたね。
>>560 一発描きできないんで、下絵→清書(?)の2枚描きなんですがねぇ……
主線ぼかしってステキ。線の荒さがごまかせるからw
562 :
42-519:2008/06/10(火) 22:28:30 ID:MFENLNQy
第8話にレス、お読みいただいた方ありがとうございます。
>>475 ごめんなさい、「同士」のミスです。wikiのほうで直しますね。
>>498 王子になるのを期待するばかりです。
連投申し訳ありません、
>>476のアンカミスです。
>>513 >>凶暴なかがみのお腹が、電話を食べたくてうずうずしてない?
電話線をかじるかがみで妄想がとまりません。ぐっじょぶでした。
>>539 >柊“ジーニアス”かがみーッ!
なぜだか反応してしまいます。ぐっじょぶなのです。てゆーかまたプ ロ レ ス 技 か (w
564 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 23:55:20 ID:f+kS6fA4
さあ、埋めるざますよ!
フンガーっていう水泳選手がドイツにいる
>>528 歯車は〜シリーズとかてけてけの人とかは有名だよね
他にもあったら作者だけでいいんで教えてくだはい
幸(みゆき)という騎手がいる。
>>566 ちょw 実名w
アレか。今度からスレのはじめの「
>>1乙んがー」のあとに加えるか。
>>569 みゆき騎手はわりと有名だね。
「幸」一文字だったので、読み方に困っていたのも今は昔。
あとはなんだろ、泉姓はわりとポピュラーだからなあ……。
んーと。
「泉」アツノ?(昔テレビで「白蛇占い」とか言うのをしてた人)
「こんなん出ましたけどぉ〜」
「いつも思うけど、占い中にナウシカみたいな声になるのって意味あるの?」
「それは禁則事項だよ、かがみん♪」
岩崎と言う若手騎手がいる。
小早川と言うプロ野球選手がいた。
田村という騎手はかつて父娘でいた。
泉…元彌・ピン子…それくらいか。
柊はわからん。
推理作家のパトリシア・モイーズ、パトリシア・ハイスミス。
メジャーリーガー/ニューヨーク・ヤンキース監督のビリー・マーティン。
ドイツ語読みだとマルティン・ルター。
フランス語読みだとマルタンで、ゴロゴロいる。
ラテン語読みのマルチィヌスまで挙げるとキリがないw
>>572 >パトリシア・ハイスミス。
ぱてぇ
「ハイミスとは失礼デスね!」
シャーカガミ
トシツカサオー
ユキチャン
こなた絡みの競馬関係がない事実に絶望した!
では妄想で補わざるを得ない。
ペタステータス
ディードライヴ
ヲタジョシコーセー
アリガトジュシター
コナタノカガミ(此方の鏡、から名づけたという設定w)
うちの会社に「かがみ」という苗字の人がいるみたい。
温度チェック表に書いてあるのを見ただけだから、どんな人かは知らないけど。
そういえば俺の会社の寮には「高良」という人がいた。
>>577 苗字としては「加賀見」、「加賀美」、「各務」というのがあるみたい。
地名でも「各務ヶ原(かがみがはら)」というのがある……ん? はら? 腹?
こなた「各務ヶ原……かがみヶはら……わきわき」
かがみ「またつまんだら……襲うわよ」
こなた「ゴメンナサイカガミサマ、ぶっちゃけ目がコワイです、手つきがいやらs(ry」
みさお「みゅ〜〜〜ん、さっき柊のつまんだら今度は拳骨で人中なぐられたんだZEEEE;;;」
あやの「よしよしみさちゃん(ふふふふふこれでわかったみさちゃん浮気なんかするから
罰があたるのよあなたは私から永遠に離れられない運命宿命黙示録なのうふふふふふふ)」
>>579 地名で言えば、高知県に香我美(かがみ)町という町があったな(現在は合併で香南市に)
町名はなくなったが、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の駅名として今も健在。
専門学校なんだが、同じクラスに美幸って子が二人いてな
>>579 気になったのでみwikiさんに聞いてみたら、「か『が』みがはら」は「各務原市(か『か』みがはらし)」にある駅名らしい。
市の呼称は「か『か』みがはら」で統一されてるはずなのに、「か『か』みはら」、「か『が』みはら」、「か『か』みがはら」、
「か『が』みがはら」と地元ですらごちゃごちゃになっているという噂。
「ややこしいからさ、もうかがみん市で良くない?」
「どさくさに紛れて末代までの恥を製造するな」
>>583 秋葉原も、元は"あきばはら"だったと言いますね。
アキハバラ
トウセンアキハバラ
本多こな勝「戦場に真っ赤な誓い!」
風魔かが郎「身長が不釣り合いだな。混沌とか言えばいいのか?」
586 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 17:52:46 ID:KkMKRwOW
>585
ちょwwwwww
無双ネタできたかwwww
尾久(おく)駅と尾久(おぐ)とか、吾妻駅(あがつま)と吾妻(あずま)とか、
山手線(やまてせん)と山手線(やまのてせん)とか、調べたら結構ありますね
あと、名前が駅名になってるのをざっと探してみたら、
三木("みき")、由比("ゆい")、綾ノ町("あやの"ちょう)、雪が谷大塚("ゆき"がやおおつか)、
七光台("ななこ"うだい)、港南台("こう"なんだい)、南浦和("みなみ"うらわ)、冬木("ふゆき")、
ユーカリが丘("ゆーかり"がおか)、日向和田("ひなた"わだ)……などがありました
ちょっと苦しいのも混じってますが……
雪が谷大塚駅今通ってるんだがw
>>584 「あきばがはら」だったような気がするが。
>>587 関東人にありがちなこと↓
*****
かがみ「迷ったわね。ここからどの電車に乗ればいいか分からないわ」
こなた「すみません、『みた』駅へ行くにはどの電車に乗ればいいですか?」
ハルヒ「みた? そんな駅あったっけ?」
キョン「オレも知らんなぁ」
長門「この地域で『みた』という名称の駅は存在しない。ただし、東京都内にはある」
古泉「ひょっとして、三田(さんだ)駅のコトではないでしょうか?」
こなた「さんだ?」
古泉「数字の『三』に田んぼの『田』と書いて『さんだ』と読みます」
こなた・かがみ「……………///////」
***
『この電車は、JR宝塚線、新三田行きの快速です────』
こなた「ほら、よしよし。人間間違える時だってあるって。ホラ、ね?」
かがみ「な、撫でるな/////」
*****
もちろん逆もあり得ます(経験者は語る)
>>589 関東では「や」、関西では「たに」と読む傾向があったりしますな。
「渋谷」の場合、関東では「しぶや」、関西では「しぶたに」。
しかし、放出(はなてん)と茨田(まった)に勝てる変読地名はないと、おぢさんは信じてるんだ。
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寝逃げで次スレです
らき☆すたの女の子でエロパロ48
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/: . : /ヽ、: . :/: /: . : . |: l: . : . : . : .l : . : . :_.ノ\: . \ |: /: .,>〜{!ゝ ゝ' '┼ z z ,!: . : . :l : .,
/: . : / `ー!:./=-: . /!: !: . : . :-=!ニ二 _ ヽ ̄ |: ヽ{ , - |. | ― 、 |: . : .l:.|: . !
/: . : / /: ̄: |/: . :._,/斗:|: . : . : .}: .ハ: . : . : . ̄ヘ-ヽ .|: .|:l/ l! l! ヽ,: . : .:|:.! : |
/: . : ,''´: . : . : .|:  ̄: / |: !: . : . : l: メ、l: . l: . : . : . ',: .ヽ |: .|ハ | | l: . : . |/: . !
/: . :.:.|: . : . : . : |: . : / .|: !: . : . /!:/ 「:¨|: . : |: . : .,ヽ: ', .|: .|小 ヽ r l: . : . :!: . :.|
. /: /: .:.:|: . |: . : . :|: / .Vl: . : / .レ !: .|: . : |: |: . | ヽ} |: .|:.|: ! ィ弌ミ ィ弌=ミj: . : . :ト、:.:,′
イ/:.:.:.: |: /|: . : . :|' _ , l: . / レ1: . :.|:.:|: . | |: .|:.|: |" 〃:l : . : . | }: l
/: . : . :.:|∧|: . : . :ド===≠' ヽ/ 、`ー /!: . /:.:.|: . | |: .|: !:.l , !: . : . :|' : |
∠: . -− .7: ハ: . : .l:| `≠= ./:.!: /: .:.:|、:.:| ヽ:l: . :`> .. ` .. ィl: . : . :/: ..:|
/: イ:ハ: . : l:| ,、_ ' .,: .:.!/: l: .:.| ヽ! l: . : .|!: . :|: .フ,T ´!ヽ:ll: . : . /: . : |
/ノ レ ', : . l:ト .. 〈`´ ノ ..イ: . : . :l: .:.| |: . : .l!:ィ;;´;;;;{-―-/;;;;;l: . : ./、: . :.:|
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