らき☆すたの女の子でエロパロ46

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
アニメも好評のうちに終了し原作も大好評連載中、PS2版も絶賛発売中の「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。


☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること

※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。

■みゆきさんの一言メモ
・投稿の際に、メール欄に半角英数でsageと入力すると、スレッドを上げずに書き込めます
 『sage』では有効になりませんので、全角・半角を確認してください

・スレッドの閲覧・書き込みは、絶対ではありませんが専用ブラウザの使用を推奨します
 これにより『人大杉』のエラーが回避できます

・SS投下は、一度メモ帳やワードパッドなどで書き上げてからまとめて投下してください
 投下間隔があくと、他の方がレスできなくなってしまいます


マターリはぁはぁしましょうか。

☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)(避難所の行方はここ参照)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html
☆派生サイト:てけてけかなたさん伺か化計画
ttp://neo-experiment.hp.infoseek.co.jp/index.html
☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ45
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210089599/
2名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 01:15:38 ID:LTt6LAjg
>>1乙!!
さぁ、始めるざますよ?
3名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 01:17:54 ID:mjVi6EkI
>>1
始まるでがんす。
4名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 01:19:03 ID:2/aC59jt
>>1
ふんがー
5名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 01:20:18 ID:AILNnWoZ
まともに>>1乙しなさいよ!
6名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 01:24:38 ID:LrYtakeX
あーいまい乙っ!!
7名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 01:25:45 ID:os/J38U0
麦笛氏へ

一応前スレを先に見てください
8名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 03:31:30 ID:iGIl22ea
それ>>1乙って事かい?ちょwwww
9名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 03:49:59 ID:a8Llv0k/
らっぴんぐが>>1乙久しぶりにこなたさんに興奮だばだば
10名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 04:51:51 ID:GFIhS0IJ
だぁぁ>>1乙って事ない。ちょっ!?
11名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 07:02:05 ID:7t60rTBD
>>1
べ、別にスレ立て乙とかじゃないんだからね!!!

皆仲良くやろうよorz
12名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 08:49:50 ID:ic483Tfq
>>1乙だってヴァ!!

みんな趣向は違うんだし、気に入らない作品があればスルーなりNGなり
大人の対応をすればいいと思うよ
13名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 09:05:18 ID:sciNsFaG
なにはともあれ
>>1乙ってことにはかわりないんだってヴぁ!
14麦笛:2008/05/19(月) 09:56:55 ID:x65fmf8t
>>7
前スレ拝見しました。
自分が流れを悪くしてしまったこと、他の人が投下しずらい環境を作ってしまったことはとても軽率であったと反省しています。
いろいろ批判が起きるというのは自分に落ち度があるということですから、それを素直に受け止めたいと考えています。
しばらくはエロありものは自粛して、ゆっくりと話の構成も考えてエロ無し物から書いていこうと思います。投稿ペースも抑えていこうと思います。
ご迷惑をおかけしました。

@文章24 「いつも何度でも」
★エロ無し物
★かがみ&こなた
★巻4まで 4レス
15いつも何度でも 巻一:2008/05/19(月) 09:57:49 ID:x65fmf8t
その日、柊かがみは一人涙にくれていた。悲しみでも苦しみでもない、ある不吉な感情がかがみを支配して、涙が止まらなくなったのであった。
事の発端は、ある一本の電話からだった。それは、かがみが最も大切で最も好きな泉こなたからのものだった。携帯電話の受信表示画面を見て、心が躍る。泉こなたというその4文字の言葉。かがみを最も元気にしてくれる魔法の言葉である。

「もしもしー、こなたー?」
「やぁやぁかがみん、元気にしてるかね?」
「昨日会ったばかりだろ。」

いつものように、鋭い突っ込みを入れる。最近はつっこむことが快感となるくらい。受話器の向こうで、こなたが続ける。

「今日はかがみんに言いたいことがあってね・・・。」
「なぁに?」
「かがみん・・・大っ嫌い。」

思いも寄らなかった言葉に、思わず「はぁ!?」と声が出る。無理もない。自分が一番大好きな人にいきなり大っ嫌いと言われたら、誰だって信じたくないだろう。でももしかしたら聞き間違えかもしれないから、もう一回聞き直す。

「あ、あんた、今なんていったの!?」
「大っ嫌いって言ったんだよ。」

ピッ。

かがみはすぐに電話を切る。もう何がなんだかわからなくなって、携帯電話を放り投げる。床に落ちた携帯電話は、こなたからの着信を表すバイブレータで何回もふるえていた。
かがみはベッドにうつぶせになる。顔を枕で覆って、それっきり。目頭の熱を感じる。床に落ちた携帯電話は未だ鳴り続けている。うそだ。これはきっと悪い夢だ。
時計を見ると、まだ朝の10時。目覚めてそんなに時が経っていないのに、もう一度悪い夢を見るなんて。
昨日まですぐそばにあったぬくもり。そのぬくもりが自分の手からスルリと逃げていったような気がして、ますますこなたへの思いが膨らんでゆく。
16いつも何度でも 巻二:2008/05/19(月) 09:58:42 ID:x65fmf8t
「うっ・・・うっ・・・こなたぁ・・・。」

かがみの涙で枕が水分を吸って重くなる。泣けば泣くほど心が重くなっていくのは私と同じだわね、と思いながらもとまらない涙を枕に移してゆく。
たった少しでも、永遠のように感じる時間。出来ることなら、このままこの街を離れてどこかに行ってしまいたい。こなたに嫌われたら、もうこの街にいる意味などないのだから。
ようやく、床で鳴っていた携帯電話が止まった。かがみはそっとそれを手に取り、携帯電話の電源を切る。これで私たちはもうおしまいね。あきらめと、喪失感。それだけの思いで、電源ボタンを長押しした。
その数分後、かがみの部屋をノックする音が聞こえてきた。叩いた主は、つかさ。一番良い相談相手で、今までつかさに助けられた点も多い。

「お姉ちゃん、こなちゃんから電話・・・」
「今ちょっと出られないって言って!」

かがみは、つっけんどんに答えてつかさを返す。今は部屋の中にも、心の中にも誰にも足を踏み入れて欲しくない。じぶんだけの世界。ほんの数分前まではかがみとこなた、2人だった世界には今はかがみしかいない。
目に入ってくるのは、枕と、壁。壁をキャンパスにして、とろけそうな心の筆でこなたを描き出す。かがみの描いたこなたは、駅で会うときのように、笑顔で手を振りながら自分の方に走ってくる姿だった。
一通り描き終わると、すっとそれが消えてゆく。消えながら、こなたの言った最後の言葉が頭の中で響く。

「かがみん・・・大っ嫌い。」

何度脳内再生をしても、大っ嫌いが大好きに変わることはない。たった一言が、これだけ人を落ち込ませて悩ませるものだろうか。
ある作家は小説の中で「言葉は最大の武器だ」と人物に言わせていたが、まさに今のかがみは、その武器で打ちのめされたような状態。動きもなく、かがみの部屋の中だけ時間が止まったようだった。

「お姉ちゃん、こなちゃんからなんだけど・・・。」

つかさがノックもせずに部屋に入ってきた。悲しそうにリボンがくたっと垂れているところを見ると、相当かがみを心配しているらしい。
かがみは最初、さっきと同じように出てってと声を荒らげるが、つかさの悲しそうな表情を見て、すこし張りつめていた心の糸がほぐれていくような感じになった。

「こなた、何かいってたの?」
「それがね、お姉ちゃんが急に電話に出なくなるからって、心配してた。お姉ちゃん、こなちゃんと何かあったの?」
「な、何もないわよ。」
「お姉ちゃん、顔に全部出てるよ。」

鋭い。さすが小さい頃から一緒にいた姉妹だと思った。つかさには何も隠せないかもしれない。隠そうとしてもすぐにばれてしまいそうな気がして、自然と視線が下がる。

「こなちゃん、私が電話を切るときに、何か言いかけてたんだけど、なんていうか、のどに何かがつまっていて出ないと言うか・・・。」
「結局言わずにさよならしたんでしょ。」
「そうなんだけど、きっとこなちゃんもお姉ちゃんに伝えたいことがあるんじゃないかと思って・・・。」
「それならさっき聞いたわ。」
「えっ?そ、そうなんだ。」

同じ事を今更二度聞くこともない。こなたが私を嫌っていること。それをつかさに見抜かれないために、かがみがとった苦肉の策であった。
きまりわるそうに部屋を出ていくつかさ。また、部屋の中にはかがみ一人。小さいからだでも、大きすぎる存在。いかにもそれはこなただった。大きすぎて、私の中におさまらない存在。
一方のつかさは、明らかにかがみの様子がおかしいことに気づいていた。絶対うそをついている・・・予想は確信のものへと変換される。つかさは、もう少し姉の様子を見守っていようと決意したのだった。
17いつも何度でも 巻三:2008/05/19(月) 09:59:40 ID:x65fmf8t
先ほどと比べると、かがみの心理状態は徐々に安定に向かってきた。涙でぼやけていた視界も回復し、巣くっていた腫瘍も小さくなっているように思える。
気分転換に、とでも本棚からラノベを取り出して読み出す。1ページ、2ページ・・・。ページをおうごとに、抑まっていた感情が徐々にまた近づいてくる。遠くに行きかけたものがまた戻って来るというのは不気味なもので、一種のメランコリーとさえ感じる。
かがみは、本を閉じた。これ以上自分が何かに支配されるのが怖い。そして、堕ちてゆく自分が怖いから。
外は雨が降っていた。心の雨・・・そんなものかしら、今の私の心は。電話がかかってきたときには晴れ渡っていた空も、一瞬にして荒れた天気に早変わり。

知らない間に、かがみは睡眠に入っていた。泣き疲れとでも言うのだろうか。湿って冷たくなった枕によりかかって、スースーと寝息を立てる。
かがみが見ていた夢・・・それは、こなたと出会ってからの高校での思い出が一本にまとめられたVTRのようなものだった。一緒に夏祭りに行ったこと。黒井先生やみゆきさん達と車で海に海水浴をしに行ったこと。花火大会。
いつも私の隣にはあいつがいた。あいつがいなかったら、こんなに楽しい学校生活は送れなかったかもしれない。私とあいつは、クラスが違えど二人三脚。いや、それ以上の関係だったかもしれない。


「こなた・・・。絶対に離れないから・・・むにゃむにゃ」

かがみから知らない間に寝言が発せられる。できることなら、その寝言をこなたのもとまで届けたいくらい、切なくて甘い寝言。
しかし、その寝言を密かに聞いていた人がいた。そう、つかさである。かがみの様子が気になってずっと小さく開けたドアの隙間からかがみのことを見ていたつかさは、自分の携帯を使ってこなたにメールを打つ。

「お姉ちゃんは、こなちゃんと離れたくないそうです、と。」

メールを打つときはいつも敬語になってしまう、と前々から言っていたつかさが、敬語でこなたにかがみの素直な気持ちを伝える。悩んでいるのはかがみだけではない。
つかさだって、かがみのこういう面は今まで見たこともなかったし、見ていて気持ちのいいものではない。一刻も早くいつものかがみが戻ってきてほしいと願いながら、送信ボタンを力一杯押した。
心臓の鼓動が早くなる。お姉ちゃんはきっと、心のどこかでまだこなたを愛しているはずだ、というつかさの心理が、自然と行動に表れる。

「(今のお姉ちゃんを救えるのは私しかいない。)」

自然と、携帯電話を持つ手に力が入る。その瞬間、バイブレータが細かく振動する。メールが来た合図だ。画面を開いて、内容を見る。そこには、たった一行の言葉。

「すぐ行くから待ってて。」

それを確認したつかさは、黙って携帯電話を閉じる。つかさはもう黙っていることに決めた。後は時間の成り行きに任せるだけだな、と。

一方のかがみは、まだ夢の中にいた。教室でいっしょにお弁当を食べながら楽しく雑談をしたこと。黒井先生の前で「だらしなさは担任に似た」といい気まずい空気をつくってしまったこと。印象に残っているものはよりはっきりと、頭の中を流れていく。
大嫌いといわれても、やっぱり私はあいつが好きだ。嫌われたって、辛抱強く付き合っていけば必ず実を結ぶ。さっきは、ショックが大きすぎて自分からあいつをシャットアウトしてしまったけど、私の正直な気持ちを伝えられれば、向こうも気が変わるかもしれない。
18いつも何度でも 巻四:2008/05/19(月) 10:00:48 ID:x65fmf8t
かがみは目を覚ました。体を起こして、一回伸びをする。大分寝たような気がするなぁと思いながら、床に起きっぱなしの携帯電話を手に取る。電源を入れると、そこには不在着信4件の表示。ため息を一回つき、携帯電話を閉じる。

「こなた・・・私のところに戻ってきてくれればいいのにな。」
「戻ってきたよ、かがみん。」

小さく開いたドアの向こうで声がする。とっさに振り返ると、視線の先には小さいからだのこなたがいた。その奧には恥ずかしそうにするつかさ。

「こ、こなた、どうしてここに・・・。」
「私がかがみんのピンチに駆けつけないわけないじゃん。」
「だ、誰がピンチなのよ・・・。」
「かがみん。」
「何?」
「・・・私が本当にかがみを嫌いになったと思う?」
「そう、言ってたじゃない。さっき、電話の向こうで。」
「今日は、何月何日?」
「何よ突然。4月1日じゃ・・・え?ちょっとあんた、もしかして・・・。」
「かがみん、見事に引っかかったねぇ。」
「だ、だましたのね!」
「かがみん、エイプリルフールの日に、私が大っ嫌いっていった意味、わかった?」
「こなた・・・。」

かがみの目には涙が湛えていた。うれしさとよくわからない感情が入り交じって、それが涙となって出てきたような感じだ。
かがみは、目の前のこなたを力一杯抱きしめる。子供のように、堰を切ったように泣きじゃくりながらこなたを抱きしめる。

「き、きついよ、潰されそうだよ、かがみん。」
「こなたなんか、大っ嫌いなんだからああ!!!うっ・・・うっ・・・うわあああああ・・・・。」
「か、が、み・・・。」

再開を喜ぶ二人から少し距離を置いたところで、つかさは今の二人にもっとも似合うであろう歌を口ずさんでいた。

「呼んでいる 胸のどこか奧で
  いつも心躍る 夢を見たい
   かなしみは 数え切れないけれど
    その向こうできっと あなたに会える・・・」(いつも何度でも/木村弓)
19麦笛:2008/05/19(月) 10:03:51 ID:x65fmf8t
以上です。次回までは間隔を置いて、投下する時はしばらく時間を置いて投下しようと考えています。

それでは、また会う時まで。
2045-450:2008/05/19(月) 10:33:57 ID:WWgMbNOx
スレを跨いでしまう格好になってしまいましたが…拙作「Lucky☆Stars!」に
感想を述べて頂きました前スレ460氏・前スレ461氏・前スレ462こと18-490氏に
遅まきながらお礼の言葉を述べさせて頂きます、本当にありがとうございました。

「元ネタを知らなくても楽しめた」という言葉は、本当に嬉しかったです。
…ですが、時間を置いて改めて見てみると表現方法の不味さや貧困さが
見えてしまって「書き直したいなぁ…」と思ってしまっております。

今度書くとしましたら、このスレに書かれているとある2人の作家さんの
類似シチュSSを読んでの俺個人の感想をベースとしたひよりんメインの物に
なると思われます…が、いつ書くかは全くの未定ですので当てにせずに。
21イクシキャヌン ◆P5TPu/OBR2 :2008/05/19(月) 10:46:00 ID:+5ud3eaI
>>1
乙蜜柑!

>>19
GJですお。
前スレ作品も読ませていただいてますお(´・ω・`)
ご自分のお体第一で、また作品wktkしながら待ってますお


22名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 11:10:20 ID:ic483Tfq
>>19
あくまで個人的な意見ですが、麦笛さんの作品はエロ無しの方が好きです
ナイスバカップルwGJでした
23名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 12:36:49 ID:t4tTIdxs
あーあ
馬鹿なお前らが色々言うからこうなっちまった
24名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 13:31:34 ID:TtCkkUJ+
>>19
GJですた。
個人的な意見だけど、麦笛氏はエロありだと無理してそれに持ってこうとして結局話の構成が曖昧になってるような感じ。
エロなしだと話の構成もしっかりしてて、そっちのほうが俺はいいと思う。
話を沢山書くより、多くなくても良い話を書けばいいんじゃないかね。
25名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 16:04:45 ID:o0ZsOC7U
じっくり書いて構成大丈夫ならエロありでも特にいいと思う
エロい自分w
26名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 16:13:14 ID:6JkwMenY
>>19
GJだよ、このバカップルめ!

エロの有無に関係なく書きたいと思ったものを書いていいと思う。
指摘のあったキャラの呼称や表現とかの細かな点に気をつければ無問題。
ネタの多さ、テンポのよさは十分な武器なんだしね。
27名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 17:47:51 ID:13S6niQe
28名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 19:08:55 ID:yoqsDwhS
>>19
うん、いいね
やっぱり無理して連投するよりも、じっくりと練り上げて書いたほうが良いものが書き上がると思う
ひょっとすると最近投下量が減ってきたから、盛り上げるつもりで孤軍奮闘してたのが仇になった
のかもしれんね
2chやってりゃヘコむことなんて何度もあるものさ
挫けず次回作もがんばって練って戻ってきてくれ

>>20
次回作待ってるよ
2935-215:2008/05/19(月) 20:45:55 ID:niPqq/nS
色々あるけど麦笛氏の投下速度はある種見習いたい物です
御託は良いから続き書け?
PS2が桜藤祭のディスクいれたままぶっ壊れて資料がないまま書けない現状ですorz

ポケモンネタ辺りにでも浮気しようかな・・・
30名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 21:31:13 ID:M4R0bt/L
いい人が多いスレだな
>>19
みんなこう言ってることだし、めげずに頑張って良作品を生み出してくださいな。期待してるよ

31ぶーわ:2008/05/19(月) 22:28:46 ID:INXXklQY
ほんのこつ おひさしぶーわ!!!
ネットから隔離されてて涙目☆どーも僕です!
10スレぐらい見てないおかげで最近の進行状況とか わがんねです!!
KYでごめんなさいでもそんなのかんきもけーね!

俗・人として袖が触れている 3話投下させてもらいます
第三話『据え膳食わぬは男の恥』
・注意!
・TSあり(みさ男)
・パラレル(平安もの)
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0067.txt
相変わらずの 人を選ぶ内容ですね!!!えへへへー☆
次回第四話『狐と葡萄』(仮)

あ、あとこんなん やっちゃいました
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0066.jpg
つい 勢いで!!!
32名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:31:17 ID:INXXklQY
そしてsage忘れ!!!いかほどー
あと書き忘れ

・ネカフェからなのでうpろだからの投下とさせてもらいます
33名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:44:11 ID:P1vaLQOz
おかえりなさい
また色々と謎が謎を呼んでるけど続きが気になってwktkなのですぐっじょぶ
34名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:52:03 ID:IUH/kcgg
>>33
お帰りなさいませご主人さまー(待て
みさきちだけがすべてを知っている、というのもこうしてみると謎ですな。
次回の仮タイトルもちょっと気になるのですが、さて。ぐっじょぶでしたっ。
35名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:53:31 ID:N/GyTAbu
あんたがいてくれれば他に何もいらねえ

お帰り〜(=゚ω゚)ノ
36名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 23:42:46 ID:LgT8W3Bc
>>31
ここだけの話、平安の空気に惹かれて書いた貴方の作品の外伝というか
三次創作みたいのを、すきあらば便乗して落っことそうとしていたじぶんですが、

 や っ ぱ り  原 作 者 は  す ご か っ た

痛々しくも切ない心模様も堪らないですが、あの謎だらけの言葉は……
まじで物語の続きが読めません!
うおわあああああああああめちゃくちゃ楽しみすぎるっ!!
37名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:42:16 ID:q6elPhJA
>19
GJ!
かがみん可愛いよかがみん。
ほんのりと心が温まるようなお話でした。
例え嘘でも、好きな人に「大嫌い」と言われるのはショックが大きいですよね。
次回作も期待していますよ。
38妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/05/20(火) 00:55:47 ID:JSujAuAi
ぶーわさん

おひさーーーーーーー!!!!




……なんか、こんなタイミングで投下するのもなんなんですが。
こなつー注意。時間がなくてやややっつけ気味。

つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0068.jpg



すぢ絵って、うpっても大丈夫なんかなぁ。
39名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:05:33 ID:SemNJxRY
>>38
3秒で保存しますたハァハァ(*´Д`)
4026-598:2008/05/20(火) 01:26:01 ID:QiV50tA1
どうも、26−598です。
こなたの誕生日に向けて執筆していたのですが、行き詰ったので息抜きに…。
毎回「うにゃあああああっ!?」だとマンネリになってしまうので、ほのぼのに挑戦してみました。
かがみ視点のこなかがものです。
41穏やかな一日:2008/05/20(火) 01:27:03 ID:QiV50tA1
朝。
いつものようにベッドから出て来ないつかさを叩き起こし、学校へ向かう。
「うぅ…もう朝ぁ?…まだ眠いよお…」
「あんた昨日は9時に寝てたでしょ!?どれだけ寝れば気が済むのよ…」
家を出てからも半分眠っている状態のつかさを、半ば引きずるような感じで学校へ。
全く、いつまでたってもこの子の眠り癖は直らないわね…。

「お〜〜〜い、かがみ〜ん、つかさ〜〜〜!」
学校の近くの横断歩道。
後ろからこなたの声がしたので振り返る。
「って、こなた!危ないわよ!」
「うおうっ!?」
こちらへ向かっていたこなたの目の前を、車が横切る。
もう少しで当たるとこじゃない…!

「いや〜、けっこう危なかったね〜♪」
「なに人事みたいに言ってるのよ!ちゃんと確認しないとダメじゃない!」
車に対してもそうだけど、危機感の足りないこなたに怒りを覚える。
「うん、ごめん…。でも…」
一呼吸置くこなた。
ちなみにつかさはおろおろとこちらの様子をうかがっている。
「でも、何よ?」
私が尋ねると、こなたは珍しく顔で、
「かがみに早く会いたかったから…。我慢できなかったんだよ」
…なんて言ってきた。

「な、なななな何言ってんのよ、あんたは!」
「かがみん真っ赤〜♪な〜に、かがみは私の嫁なんだから、照れるな照れるな♪」
よしよし、と私の頭を撫でようとするこなた。
「か、からかうなーーーーーーーーっ!」
「からかってなんかないよ〜♪お…そろそろ始業だ、急がねば!」
耐え切れなくなって叫んだ私から、するりと抜け出して走り出すこなた。

「ちょっ、待ちなさいよ!」
「お、お姉ちゃん、こなちゃん、待って〜〜〜!」
こなたを追いかけ、私とつかさも走り出す。
うう、周りの視線が…。
42穏やかな一日:2008/05/20(火) 01:28:05 ID:QiV50tA1
授業中。
まったく、朝は散々だったわ…。
あの後、教室に入ってからも一部始終を見ていたらしい日下部達にからかわれてしまった。
やれ「柊とちびっ子は本当に仲がいい」だの、「ただの友達には見えない」だの、「まるで恋人同士みたいだった」だの…。
私とこなたはそんなんじゃないわよ!

…そ、そりゃまあ、こなたのことは嫌いじゃないわよ?
むしろ好きだけど、ええっと、れ、恋愛対象としてじゃなくって、友達としてっていうか、その…。
「柊ー?」
た、たしかにこなたは可愛いし、一緒にいるとたのしいけど…。
「おーい、聞こえとるかー?」
あ〜〜〜、もう!なんで私がこんなことで悩まなきゃ…って、呼ばれてる!?
「は、はいっ!きゃっ!?」
「うおっ、びっくりした〜。突然立ち上がんなや」

慌てて立ち上がると、すぐ目の前に黒井先生がいた。
「まったく、授業中に赤くなったり、独り言言ったり、急に立ち上がったり…。忙しい奴やなあ…」
「うっ…、すいません」
「ちゃんと授業に集中せえよ。ほな、次いくでー」
周りのクスクス笑いにより、さらに顔が赤くなるのを自覚しながら席につく。
これもこなたのせいなんだからね!
…とか考えるからツンデレって言われるのよね…。
そんなことを考えていると、それまでのことがどうでもよくなってしまった。

昼休み。
B組に向かい、こなた、つかさ、みゆきと4人で昼食。
こなたが訳のわからないことを言い、つかさがなぜか同意する。
そこで私が突っ込み、みゆきが持ち前の知識を披露して…。

いつも通りの光景。
でも、こういう時間がとても貴重で、なにより大切だと最近私は気づき始めた。
「あれあれ〜?かがみ、どうしたの?なんかすっごい機嫌よさそうだね」
いつの間にか私は笑顔になっていたらしい。
こなたが不思議そうにこちらを見ている。

「ふふっ、別に何でもないわよ♪」
「ええっ?何でもないってことはないでしょ?」
「本当だって。…そうね、しいて言うなら…」
今は本当に機嫌がいい。
「…こなたが可愛いって気づいた…かな?」
「ふええっ!?」
普段言えない言葉も、すんなりと言えたしね…。

「か、かがみんにからかわれた!?」
「からかってなんかないわよ?ほ〜れ、よしよし♪」
「う、うう〜〜〜〜〜〜〜」
「あはは、こなちゃん顔真っ赤〜♪」
「本当にお二人は仲がよろしいんですね♪」
三人でこなたをからかう。
たまにはこういうのもいいわね…。
43穏やかな一日:2008/05/20(火) 01:28:30 ID:QiV50tA1
「か〜がみん、帰ろっ!」
放課後。
私のクラスにこなたが飛び込んでくる。
迎えに来てくれたんだと思うと、なんだかすごく嬉しい。
「つかさとみゆきは?」
「二人で買い物だって〜。これはあれかな、みゆつかルートに入ってるのかな?」
「はいはい、帰るわよ〜」
目をきらきらさせるこなたをたしなめ、一緒に教室を出た。

「………」
「………」
二人で並んで、静かに歩く。
さっきまでは騒がしく喋っていたけど、いつの間にか会話が減っていった。
でも、居心地が悪いわけではない。
むしろ、心地よささえ感じる、そんな沈黙。

「ねえ、かがみん…」
「ん…?」
こなたが沈黙を破り、私はそれに答える。
「手、つながない?」
「ええっ!?い、いきなり何言い出すのよ、あんたは…」
いきなりの申し出に驚いて、こなたの顔を覗き込む。
昼休みの仕返しでからかってるんじゃ?と思ったけど、こなたはいたって真面目な様子だった。

「な、なんで手をつなぐの?」
またまた顔を赤くしていることを自覚しつつ、こなたに尋ねる。
「私がかがみと手をつなぎたいから…、じゃあ駄目?」
こなたはいつものニマニマした笑顔ではなく、本当に可愛らしく微笑んだ。

「しょ、しょうがないわね。つないであげるわよ」
そう言って、ほんのりと温かいこなたの手をつかむ。
「ふふっ、かがみんはツンデレだなあ〜♪」
「うるさい!…さ、帰るわよ」
「うんっ!」

こなたと手をつないで、ゆっくりと歩く。
多分私の顔は真っ赤だろう。
隣を歩くこなたもうっすらと頬を染めているのだから。
こんな日が、ずっと続くといいな…。
私とこなたは、しばらくの間手を離さなかった。

4426-598:2008/05/20(火) 01:31:50 ID:QiV50tA1
以上です。
う〜ん、なんて言うか…。
自分はほのぼの書くの下手ですね…やはりかがみには暴走してもらわないと(ry
ではまた。
45名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:33:38 ID:JSujAuAi
ポワワワワワ(満足げな微笑)

これで明日の早朝会議も機嫌よくいけそうだ。GJ〜
46名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:38:43 ID:Yqw8acjI
そしてしばらく手を離さず、
気づいたら近くの草場に押し倒してにゃあああああ

こうですね、わかります

すなわち>>44こなかがGJ!
47名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:43:09 ID:wCAssisO
前スレであんなにめちゃめちゃに荒らしといて、また投下しようとする奴の気が知れないよ全く…
麦笛早く消えてくれないかなあ…
48名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:46:04 ID:KOOVOgRL
書こう書こうと思ってて、書いてみるとあら不思議。意外なみなみちゃんの柔軟性に気付く。
……結構応用きくよな……?ああ、この子ならやるかもね。みたいな

49名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:56:10 ID:Yqw8acjI
ところで>>38の妄想屋氏

>すぢ絵って、うpっても大丈夫なんかなぁ。

何勘違いしてやがる……(ゆ○ぎ)

このスレの名を言ってみろ!(じゃ○)








ようは何がいいたいかというと、
すぢ ていど で じちょう なんて とんでもない
そしてSSも、絶賛wktk中(=ω=.)v
50名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 02:37:18 ID:ohH1ztD5
>>31
人袖の続ききたー!
相変わらずいろいろすれ違いまくらせるあなたが好きだ!
あのときの「かがみ」の扱いとか、ミステリアスになってきましたねぇ。
春宮が男なのにかわいくってしかたがないんですがw

>>38
何をおっしゃる妄想キング。
自重なんてしちゃったら、妄想屋の名が泣くぜ!
スジ絵って断っておけば、見たくない人は見ないさ。
つまり、あんた最高だ!

>>44
キュンときた!
かがみんいいツンデレw
揺れるかがみんの心がかわいいですねぇ。
51書く人:2008/05/20(火) 03:10:29 ID:4o9cTfxu
はじめましてor御無沙汰しております。
年始頃らき☆すた性転換作品を投下していた書く人と申します。
しばらく2chから離れて作品も放置してましたが、このたび執筆再開をいたします。
待っていらっしゃった奇特な方はお待たせしました。
初めての方は、興味がございましたらまとめサイトにて今までの分をぜひ読んでください。
保管庫には性転換以外のネタもいくつかありますのでよろしければそちらも読んでいただけると幸いです。

内容は 性転換 CPは こな♀×かが♂ こな♀←ゆき♂ こな♀←つか♂
52らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜:2008/05/20(火) 03:12:30 ID:4o9cTfxu
 その日曜日、鏡はメールの着信音で目を覚ました。
 目覚めは最悪だった。
 理由は夢見。内容は陳腐な悪夢。
 こなたが誰かに抱かれるのを見せつけられるという奴。
 自分以外の誰かに抱かれ、しかも悦びを露にするこなた。
 初めてではない。あの日、司とこなたが抱き合っている場所を目撃してから毎日見ている夢。
 そしてそれは、こなたと会わなくなってからと同義だ。
 あの日以来、鏡はこなたと会っていない。
 こなたのクラスに足を運ばず、こなたも鏡のクラスに来ることはない。
 同様に三行とも接触がなくなった。
 唯一、あのカルテットの中で顔を会わせるのは、同じ屋根の下で暮らしている司だけだが…
「…ぃっ」
 唇の端に痛みに軽く顔をしかめる。
 切れた唇。理由は外傷。昨日の夜、司によってつけられたものだ。
 あの日以来、鏡と司の間に会話はなくなった。鏡も、そして司も互いを意識的にさけていた。姉や両親達がからかうこともためらわれるほどの徹底ぶりだった。
 そんな冷戦の結果は、掴みあいの大喧嘩だった。直接的な切っ掛けは覚えていない。途中に掛け合った罵声の内容も覚えていない。
 覚えているのは、父親に止められて、頭を冷やせと部屋に放り込まれたという結果だけ。
「何が不満なんだよ、あいつは」
 こなたを自分のものにして、司はこれ以上何を求めているのか?
 惨めな敗残者である自分に見せつけたいのか?
 窓から差し込む朝の光にに使わない、鬱々とした感情が溢れる。
「…そう言えば、今何時だ」
 メールを確認するついでにと、携帯で確認。
 時間は9時過ぎ。規則正しい生活を心がけている鏡にはあり得ない起床時間。
 普段なら飛び起きる鏡だが、今日はそんな気になれなかった。
 大喧嘩をした手前、家族に顔を合わせづらい。増して司に対してもどう接すればいいかわからない。
 このまま今日は寝てようかな?
 そんな誘惑が眠気とともに鏡の四肢にまとわりつく。だが開いたメールの差出人の名前が、眠気の方を完全に吹き飛ばした。
 高良三行。
 のそのそと、鏡は蒲団から這い出した。


らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜


「二人揃って、精悍な面構えになりましたね」
 本気とも冗談ともとれる口調が神社の境内に入った鏡に投げかけられる。
 鏡は声の主の方へと目を向けて、取り繕うことなく顔をしかめて見せた。
 想像通りの2人がいたからだ。愛読しているラノベに出てくる自称超能力者風スマイルを浮かべる三行と、そして痣の浮かんだ顔を鏡に向けようともしない司だ。
53らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜:2008/05/20(火) 03:13:12 ID:4o9cTfxu
 メールの内容は呼び出しだった。
 大事な用件があるから柊家の神社に来い、とのことだった。
 時間指定はなく、今日中だったらいつでもいいとのこと。
 用件の内容を想像すると気が重いかったが、しかしこのまま放置していては…三行のことだ。本当に夜まで待っている可能性がある。
 仕方がなしに着替えて部屋を出て、家族に黙って家を出ようとして…そこで、司の靴もなくなっているのに気付いた。
 ますます気が重くなり、片足だけをスニーカーに突っ込んだ状態でため息をついたが、結局もう片方の足もスニーカーを履かせた。
 いずれけりをつけなくてはならない話題だ。ならばこの機会に済ませてしまおう。
 当事者であり、しかし冷静な三行がいれば話しやすいだろうし、仮に感情的になって喧嘩になっても、正月や祭りでもない境内なら、多少感情的になっても他人に迷惑をかけることもないはずだ。
 そう思いながら、鏡は神社へと足を向けたのだ。

「…で、話ってなんだよ」
 近くに自販機がある石のベンチ。鏡は自販機に寄りかかりながら言う。
 三行は石のベンチに並んで座っている。司はその隣、ただし三行は右端、司は左端。実際の三人の距離は、それぞれ等しかった。
 前置きもなく、三行は切り出した。
「こなたさんが、あの日から学校を休んでいます」
「――っそれが、どうした」
 あげそうになった驚きの声を、鏡は抑えるのに成功した。けれどもそれはあくまで表面上のことであり、内心は荒れる。
 こなたが学校を休む。
 以前五月病を理由に欠席したような奴だ。普段ならまた自堕落な理由で学校をさぼってると考えることだろうが、今の彼女の精神状態と、彼女が置かれた状況は、『普段』ではない。
 やはり、自分のせいなのか?
 自分のあの日の態度が、こなたの心を傷つけたのか?
 その事に罪悪感を抱くと同時に、鏡の心の暗い部分が、逆の感情を発露する。
 いい気味だ、と。自分を振って、嘘泣きしてまで騙して、自分を傷つけた罰だ、と。
 そんなネガティブな喜びと、そんなことを僅かでも思ってしまう自分への嫌悪感。
 そして、既にこなたには自分より近い存在―――恋人である司がいる以上、こなたを慰められるのは司だけだという敗北感と寂寥感。
 それらが複雑に混ざり合い、鏡に意地っ張りな態度をとらせる。
54らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜:2008/05/20(火) 03:14:13 ID:4o9cTfxu
 ただ一言のみで後は口をふさぐ鏡。その心中をまるで見透かしているように三行は小さくため息を吐いた。
「…いろいろ話す前に、まずは誤解を一つといておくべきでしょうね」
「誤解?」
 三行は答えるのは自分ではないという風に、無言のままで視線を鏡から司に移す。水を向けられた司だが、しかし司は拗ねたように目を逸らす。
 三行は口にして促すようなことはせず、ただ黙って司の言葉を待つ。
 一人状況の分からない鏡の視線が、二人の間を何往復かした時だった。ぽつりと、司が呟いた。
「…振られたよ」
「……え?」
 その言葉に、鏡は自分の聞き損じを考えた。
 今、司が『振られた』と言うことが示す意味はたった一つであり、それを示す状況は、全く鏡が想定していた現実と乖離していたからだ。
 鏡は司の答えを待つが、司は不機嫌そうな顔で視線をそらしたまま。
 はっきりとした文章の形で鏡が問いなおす直前、三行の柔らかな口調が割って入った。
「こなたさんは、司さんの告白を正式に断られたんですよ。あの日、こなたさんが学校を休まれるようになる直の日に」
 司の言った「振られた」は、鏡の聞き損じではなかったようだった。だが、だからこそわからなくなった。
「……なんだよ、それ?」
「何、とは?」
 何とか絞り出した声に対して被せられたのは、まるで今、自分達が扱っている話題が大したことではないとでも言うような、穏やかな声。
 その余裕が、鏡には癪に障った。
「全部だよ!いったいどういうことだよ!」
 鏡は座ったままの三行と、そしてだんまりを続ける司に問い詰める。
 もしも二人が言っていることが本当だとしたら、ここ数日の懊悩は徒労であり、その徒労に左右され続けた自分は愚かな道化だ。
「お前ら!人が誤解しているのを見て、笑ってたのかよ!」
 怒りの熱を込めた鏡に、司が冷たく言い返した。
「…そんなの、お兄ちゃんが逃げてたからじゃない」
「なんだよ、それ!」
「だってそうでしょ?もしも少しでもこなちゃんや僕達に話を聞こうとすれば、すぐ分かることじゃないか」
55らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜:2008/05/20(火) 03:14:48 ID:4o9cTfxu
「…っ!あんな…あんなの見せられて、何食わない顔で会いに行けるわけないだろ」
 反論は弱くならざるを得なかった。司が言うことは、あまりにも真実だったからだ。
 その真実を背景に、司の追及は続く。司は逸らした目を鏡に向ける。目に浮かんでいるのは先ほど鏡が司に向けたのと同じ感情――怒りだった。
 しかし、鏡の激情とは正反対の、軽蔑や嫌悪や憎悪、そんな底冷えのする感情が込められた冷たい怒り。
「またそうやって逃げる」
「…逃げてない」
「逃げてるじゃないか」
「逃げてない」
「逃げてるじゃないか!」
「逃げてない!」
「鏡君、落ち着いてください!司君も、そんなことを言うために来たわけじゃないでしょう!」
 一触即発、あわや昨晩の続きとなりそうになったところで、立ち上がろうとした司の肩を、三行が掴んで止めた。
 司に詰め寄ろうとしていた鏡は、小さく息を吐いてもう一度自販機に寄りかかる。
 少し落ち着くと、ついさっきの叫んだ自分の子供っぽさに嫌気がさし、自己嫌悪で必要以上に気分が沈む。
 司が言うのは事実だ。
 自分が無駄な悪夢や苦悩にさらされたのは、結局のところ自分の勘違いのせいであり、その勘違いは(誤解ではあったが)こなたが自分以外の誰かのものになってしまったということを再確認し、打ちのめされるのを忌避した自分のせいだ。
(自分の気持ちどころか、今度は現実からも逃げてやんの)
 情けない気持ちになりながら司を見ると、司の方も怒りが幾分収まったのか、再び拗ねたような表情でそっぽを向いていた。
 気分が沈み、自分が勘違いしていたことに対しての苛立ちが収まると、次に浮かんだのは最初の疑問、こなたのことだ。
 あの時の、踊り場での光景の意味はわからない。
 だが、少なくともあの時のことで、非があるのは鏡――自分側だ。こなたは不当な理由で向けられた言葉で傷つけられたことになる。
 それも親友の――そうであり続けると約束したはずの相手の言葉で。
 二人は、その罪について自分を責めるために、そしてこなたと関係を修復させるために自分を呼び出したのか?
「鏡君」
56らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜:2008/05/20(火) 03:15:25 ID:4o9cTfxu
 ――こなたさんに謝ってください。 そんな風に続くであろうと予想していた鏡にとって、続いた言葉は衝撃的だった。
「僕は――こなたさんのことを諦めようと思います
「それは…!いい加減じゃないのか?」
 怒鳴りそうになって、しかしこれ以上の醜態をさらすまいと、鏡は声を抑える
 自分のことを棚に上げるようだが、それはこなたに対する逃げだ。
 こなたがあそこまで深く傷つき悩むことになった発端は、三行と司の想いのせいだ
 もしそんな簡単にあきらめられるような感情が原因なのだとしたら、こなた、こなたを本気で好きになった司も報われなさすぎる。
 返答次第ではただで置かないという意思を込めて、鏡は三行を睨む。
 その視線を、みゆきは困ったように見返しなが
「それはですね、鏡君。あなただからですよ」
「何がだよ?」
「こなたさんが髪を切った理由も、司君が振られ、例え告白しても僕も振られるであろう理由も、今のこなたさんを助けられるのも鏡君だけだからです」
「だから、なんでだよ」
 少しだけ、痛みを堪えるように目を閉じてから、少しだけ高いトーンで、三行は言った。
「そして――こなたさんが想いを寄せている相手が、あなただからです」


 あの日、南とゆたかに声をかけられた後、三行は昼休みの人気のない図書館に二人を連れて言った。そしてそこでゆたかからこなたが髪を切る直前のやり取りについて話を聞いた。
 泣きながら語られる言葉は、ゆたかの不安定な精神状態を反映して支離滅裂だったが、しかし十分な情報量を持っていた。
 ゆたかが、こなたが鏡を好きだと指摘した後の変調と、そしてその直後の断髪。
 長い髪を女性の象徴として考え、とある推論が成立した。
 そして昼休みの後、学校から姿を消したこなたと、思いつめたような様子の司を見て、推測は確信に変わり―――

「―――今日、ついさっき、司君から話を聞いて確定しました。
 こなたさんが性別の壁によって親友を失ったということと、それを髪を切る前に鏡君に打ち明け、親友であり続けてほしいと言ったこと。
 性別を捨てる意味合いがありながらも、しかしそれにしては髪が幾分長いこと。
 これらの条件を踏まえると、こなたさんは小早川さんの言葉で鏡君への自分の思慕に気づき、しかしそれを否定するために髪を切ろうとして、
 しかし完全に捨てきれなかった、と推測できます」
57らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜:2008/05/20(火) 03:15:47 ID:4o9cTfxu
 一気に、反論や質問をはさむ隙もなく、まるで数学の証明問題の回答を読み上げるように三行は言ってから、最後にもう一度繰り返す。
「こなたさんは、鏡君のことが好きなんです」
 繰り返し言われて、しかし鏡の感情は、実感を得ることができない。
 理性では理解できる。
 三行の得た情報が全て事実なのだとしたら、そこから論理的に導き出された答えは正解のはずだ。
「こなたが…俺を…好き?」
 口に出してようやく感情が追い付く。
 こなたが…好きな人が、自分のことを好き。
 極めて単純で、ありふれている、しかし幸福な奇跡。本来なら、歓喜するべき幸運のはずだ。
 しかしこの奇跡は単純には喜ぶことのできるものではなかった。
 こなたの隣に座は一つ。こなたの胸中のリストには、自分の名前で予約が入っていて、けれどそこに二人、掛け替えのない半身と親友が座りたがっている。
 成就しない想いと言う鎖に縛られぶら下がる、業の深い奇跡。
「…わけが、分からん」
 座り込んでしまいそうな体で自動販売機に寄りかかりながら、力なく鏡が呟く。
 分からない。特に、自分の今の心境に対して付けるべき名前が分からない。
 喜びがある。こなたが自分のことを好きだということが喜ばしい。
 悲しみがある。三行と司の想いが成就しないことが悲しい。
 悔いがある。手を伸ばせばすぐそこにあったのに、それを見逃したばかりか、みんなを傷つける結果になってしまって悔しい。
「何か難しいことでもあるの?」
 顔を上げた鏡が見たのは、いつの間にか近くに寄ってきていた司だった。
 その顔はここ数日ですっかり見慣れた、固く強張った、真剣な表情だった。けれども、目に宿る光には先ほど口論になった時のような冷たさはない。思い出されたのは数日前、こなたに二人のことを相談された日―――自分の気持ちに嘘を吐いた日の夜のこと。
 白熱を帯びた鋼の様な、炎より静かで、炎より熱い意思。
「僕は――逃げなかったよ?」
 まるであの夜の再現とでも言うように、司は鏡に問いかける。
「僕は確かにこなちゃんを傷つけてしまった。こなちゃんを悲しませてしまった。
 怖ったし、そんなことしたくなかったけど、それでも僕は自分の気持ちに嘘はつかなかった。
58らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜:2008/05/20(火) 03:16:18 ID:4o9cTfxu
 傷つけた分、癒せるように、悲しませた分、喜ばせてあげらるように、僕はがんばった。
 そうしたから僕は、こなちゃんと真っ直ぐ向かいあえた。自分に嘘をつかなかったから。
 だから―――僕は幸せだよ」
 司は自分が放った言葉を吟味するようにしてから、もう一度言った。
「うん。僕は、幸せだよ。
 こなちゃんと、しっかり向かい合って、しっかり傷つきあって、しっかり赦しあえたから。
 ちょっと辛いけど、ちょっと痛いけど…この痛みも辛さも、とても大切に思だって思える」
 胸を抑え、そこにある鼓動と疼きを確かめながら、司は断言した。
「だから、きっとこなちゃんも、僕とのことをそう思ってくれると思う」
「…言い切れるのかよ?」
 司のその様子は、鏡にはあまりにも眩しくて目を逸らすしかなかった。
 顔は見なかったが、鏡は司がいつもの―――そして最近は全く目にしていなかった、柔和な微笑みを浮かべたのを感じた。
「ううん。そうだったらいいな、って思ってるだけ。けど…なんでだろ?そう思ってくれるって、そんな気がするんだ」
 三行の言葉とは正反対の、論理性の全くない、主観的な、願望交じりの言葉。しかしそれは、三行の言葉よりもはるかに説得力があった。
 たしかに、もしもこんな風に、まっすぐと向かい合うことができるとしたら―――きっと、どんな辛さも、いつか大切な思い出に昇華できると思えた。
 そして、自分にはもう遅いとも、鏡は思った。
「…もう無理だろ?あんなの嘘ついて、取り繕って、逃げだして…」
「逃げないでよ」
 司は無慈悲だった。嘘も、取り繕いも、一度逃げてしまった事実も、それらのどれも、逃げて良い理由ではないと切り捨てた。
 そんな格好の悪い部分も、直視してさらけ出せと、それによって生じるいかなる痛みも受け入れろと、一欠けらの慈悲も見せずに、言う。
59らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜:2008/05/20(火) 03:17:20 ID:4o9cTfxu
「僕は、逃げなかったよ、お兄ちゃん。ゆき君も、逃げないよ。だから……」
 あの夜、鏡が去った後、一人壁越しに言いかけたセリフの続きを、
「だから…お兄ちゃんも、逃げちゃだめだよ」
 今度は最後まで口にした。


 三行と司は、石のベンチに二人きりで座っていた。
 鏡の姿はない。
 
「サンキュ」

 一言、鏡はそれだけ残して去っていった。
 行き先も何も告げなかったが、しかし視線は前を向いていた。それで十分だ。
「よかったの、ゆき君?」
「司君こそ良かったんですか?」
 何が、とは問わない。二人とも、同じ想いを心中に宿しているのは分かっているからだ。
「僕は、ちゃんと振ってもらえたから。
 それに、もうこれ以上、こなちゃんが悲しい想いをするのは耐えられなかったし」
 司はこなたが学校に来なくなってから、鏡がこなたと向き合う覚悟を決めるのを待っていたのだ。
 けれど予想外なことに、鏡はこなたと会うために泉家に出向くどころか、こなたが学校を休んでいるのを知ろうともしない始末。
 そのままとうとう週末になり、流石に昨日の夜は頭にきて大喧嘩まで発展してしまったのだ。
「僕は、一応後で、しっかりと告白しますよ。
 結果が分かっている分、ショックは少ないでしょうが…ちょっと虚しいですね」
「そっか…」
 それだけ言って、再び無言の時間が始まる。
 司は俯きながらスニーカーのつま先を眺め、三行は流れる雲を見上げていた。
 ぼうっと空を眺める三行の耳に、司が鼻をすする音が聞こえていた。僅かにしゃくりあげる声も聞こえる。
 けれども三行は肩を抱いてやることも、慰めの言葉をかけてやることもしなかった。
 司はきっと、今の自分を見て欲しいと思っていないだろと思ったからだ。
 ちょうど、三行が頬を伝って流れる物を見て欲しくないと思っているのと同じように。


 鏡は泉家には何度か来ているが、その度に悩まされるのが、泉家の父、泉宗次郎だった。
 こなたの招きで鏡達が泉家を訪れた時など、その滞在時間の大半が『娘はやらん!』と半狂乱で騒ぎ立てる宗次郎との戦いに費やされたほどだ。
60らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編〜:2008/05/20(火) 03:17:49 ID:4o9cTfxu
 二度目以降はそれほど酷くはなくなったのだが、それでも隙さえ見せればこなたと鏡達の間にインターセプトを敢行し、その都度こなたに怒られるというパターンを展開する。娘の周囲の男に対する警戒心はハリネズミの如し、だ。
 だがそれでいて、なんだかんだで完全に締め出そうとしている風でもなく、フレンドリーに歓迎してくれるという、一見矛盾した憎めないおじさんなのだが…
「今回は、そう言うわけにもいかないよな」
 娘が髪を切り、あまつさえ不登校になったのだ。
 たとえこなたが、その原因である自分のことを宗次郎に伝えてなかったとしても、今、自分が会いに行けば感づかれる可能性もあるだろうし、そもそも訊かれたら隠すは、今の鏡にはない。
「向き合わないと、な」
 もう、自分から逃げない。
 自分の想いのせいで誰かを傷つけるという未来からも、自分の嘘のせいでこなた達を傷つけたという過去からも、逃げないと決めた。
 随分と遠回りしたし、その道筋は辛いことだらけだったが、それら全てが無駄でなかったと、大切な思い出だと言えるようになるために、逃げないと決めた。
「けど…それもこれもこなたと会えたら、なんだよな」
 娘を溺愛する宗次郎のことだ。こなたの現状を引き起こした最大の原因が鏡だと知ったら、こなたと合わせることなんて許してくれようはずもない。
「……最悪、殴られるのくらいは覚悟しないとな」
 昨晩、司に殴られた傷も癒えない頬をさすりながら、鏡はため息をつく。
 それもこれも自分が逃げた分のツケだ。夏休みの最後、青息吐息で宿題を写すこなたや司を笑っていられない。
「…取り戻さないとな」
 このまま扉の前に立ち尽くしているだけでは、そんな日々に戻ることもできない。
 鏡はインターフォンを押した。
 しばらくすると、足音が聞こえて、扉が開いた。聞こえてきた足音は軽い。ということは…
「はい、どちらさまで…」
 出てきたのは予想通りゆたかだった。そしてこれもまた予想通り、言いかけた声は後方では小さく萎んだ。
「鏡…先輩」
 鏡を見上げるゆたかの瞳は不安げだった。
 三行から聞いた話だけでは、ゆたかが鏡にどんな感情を抱いているかはわからない。ただこの少女にこんな表情をさせている理由の一部には、確実に自分がかかわっているのだ。そう思うと、鏡は胸のあたりが重くなるのを感じだ。
 鏡はゆたかに対してどんな風に話し掛けていいか分からず、結局、用件をそのまま切り出そうとして
「こなたに…」
「こなたに会いに来たんだね?」
 ゆたかの後ろから、鏡のセリフを奪った者がいた。
 わりと背が高いと自負している鏡より、さらに高い位置からかけられる声。
「おじさん……」
 そう呟いたゆたかの様子は、鏡には分からなかった。
 鏡は、宗次郎の表情を見つめていた。こなたを心配して大いにうろたえているか、原因である自分に対して激怒していると予想していた、無精ヒゲを生やしたその顔は…
「鏡君。こなたと会う前に、少し君と話をしたいんだ。いいかい?」
 その顔は頬笑みが浮かんでいると思えるほどに、穏やかなものだった。
61書く人:2008/05/20(火) 03:19:36 ID:4o9cTfxu
以上です、続きは自分がいなかった間に投下された
神SSを読みつつ書きます。必ず今週中に投下します。
62名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 03:53:54 ID:GMyuEHBa
超久しぶり
とりあえずGJ
63名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 04:16:27 ID:IdK0HFt5
>>31
お久しぶりー!
そして相変わらず先の読めない展開だなぁ…それが魅力!
なんだかんだで日下部と峰岸はセットに思えてくる不思議。
しかしいろいろと食い違いが?
これは一度本編を読み返す必要が出てきそう。
4話にも超期待!!

>>44
下手なんてとんでもない!
凄く暖かくなれましたよ。
ほのぼのしてるのはいいものです

>>61
これまたお久しぶり。
続きが読めて嬉しいッス
次回も男同士の腹を割った話し合いになるのかな。
楽しみー
64名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 10:14:09 ID:R1r3Xxo+
>>31
久しぶりでございました!興奮でおかしくなった。失礼
全く変わらない神の文才ですね。
また最後に僕らを騙してください。GJ!
>>61
あなたも久しぶりです
このへたれ鏡がこなたとゴールするの楽しみにしています。
6518-490:2008/05/20(火) 10:45:24 ID:Jk3PVfn8
>>61
お待ち申しておりました。
鏡が今後どう動くのか、こなたもどう転ぶのかwktkしながら続編待ってます。


えっと、他に投下する方がいらっしゃらないようでしたら数分後投下したいと思います。
6618-490:2008/05/20(火) 10:49:03 ID:Jk3PVfn8
誰もいらっしゃらないようなので投下致します。

前スレの『鳴り響く雷鳴』の続きです。

タイトル『振りやまない雨』
つかさ→かがみ→こなた(←ゆたか)
非エロ
4レスお借りします。
67降りやまない雨:2008/05/20(火) 10:51:25 ID:Jk3PVfn8
『コンプレックス』
という言葉を私が知るもっと前から、私はこれを感じていたんだと思う。
生まれてからずっと一緒にいたお姉ちゃんは小さい時からしっかりしてて、周りの人達にいっつも褒められているような存在だった。
それに引き返え引っ込み思案でドジな私はそんな姉が自慢だったし、そんな姉にほんの少し嫉妬もしていた。
勉強もできて社交的な性格と料理は得意でも人見知りな性格とじゃ、やっぱり人から受ける評価は愕然とした差があったし。
『なんでお姉ちゃんばっかり』とか『私だって』という気持ちが無かったわけじゃない。
だけど、そんなコンプレックスを押し退けてしまうくらい私はお姉ちゃんが大好きだった。
これからもずっと私の傍にいてくれる。
私の事を一番分かってくれて、私もお姉ちゃんの事を一番に分かっている。
そう、思っていた。


『今日こなたと寄り道していくから、つかさは先帰ってて』
『って感じでさー、全くこなたときたら』
『あ、ごめん。つかさ。今こなたと電話中で』

だから、お姉ちゃんがこなちゃんの事を好きだってことに私が気付くのはとっても簡単だった。
お姉ちゃん自身、自分の気持ちに気付いてないくらいの小さな思い。
中学校の時にもお姉ちゃんと仲いい子はいっぱいいたけど、高校生になってこなちゃんと仲良くなってお姉ちゃんは少し変わった気がした。
妹の私がそう思うのもおかしいけど、今までのお姉ちゃんは友達関係に執着心というか依存心というものがないように見えた。
いつもどこかで緊迫した線を張っていて。
絶対自分の弱みを見せない、そんな信念を持ってたんだと思う。

「お姉ちゃんは友達といて楽しくないの?」

前に一度、どうしても気になってお姉ちゃんに聞いたことがあった。
てっきり『なに言ってんのよ』といつもの様に言われると思っていたのに。

「ん」

肯定でも否定でもない少し困ったような笑顔でお姉ちゃんは答えた。
その表情はいつも一緒にいた私でさえ初めてみる笑顔で。
あぁ、お姉ちゃんはきっと寂しいんだ。
自分の弱点を見せたくないのに、自分の全てをさらしだすことのできる存在を求めているんだ、と。
私がその存在になりたかった。お姉ちゃんの全てを受け止めてあげる。
弱いとこも強いとこも全部お姉ちゃんごと抱き締めてあげる。そう思った。

68降りやまない雨:2008/05/20(火) 10:52:16 ID:Jk3PVfn8
「つかさ、ちょっといい?」
最初からやる気のない宿題を机に広げてボーとしていた私の意識を戻したのは、2回叩かれたノックの音と扉越しのお姉ちゃんの声。
断る理由なんてなくて、いいよと声を出すとゆっくりと扉が開いていく。

―嫌な予感がした。

それはきっと入ってきたお姉ちゃんの少し揺いでいる瞳と、お姉ちゃんを纏う雰囲気みたいなもので直感的に感じたものだと思う。
悪い予感が当たりませんように、なんて届くはずもないお願いを向けて私はただそんなお姉ちゃんを見つめ返す。

「私…」

いつも学校で見せる凛とした表情じゃなくて、迷っているような、泣きそうな表情をしたお姉ちゃん。
学力でも社交面でもお姉ちゃんの方が数倍優れているのに。
お姉ちゃんは精神面では私より弱い。
そんな弱い自分を自分で認めたくなくて、いつも強気でいる。
だけどこうやって何かをキッカケでその理性が切れてしまう時があるんだろう。
お姉ちゃんの瞳には今にも溢れそうな涙が溜まっていて、グッとそれに堪えるように唇を結んでいた。

「こなたのこと…」

それ以上聞きたくなくて、でも動けなくて。
そんな私とチラッと一瞥してお姉ちゃんが恥ずかしそうに俯いた。

「好き、になった………かも」

それが限界だったのかお姉ちゃんの瞳に溜まっていた涙が溢れ出して、両手でそれを拭いていた。
悪い予感ってあたっちゃうんだね。
いつかお姉ちゃんがこなちゃんを好きだと気付く日がくると確信していたのに。
いざ目の前に突き付けられた現実を受け止められる程、私は出来た人間じゃない。
ずっと傍にいて、お姉ちゃんの事を一番に分かってあげられるのはこなちゃんでもゆきちゃんでもない…………私だ。
お姉ちゃんはなんで私にこんな事を言ったんだろう。
親友に、同性に恋愛感情を抱いてしまうことへの先行きのない恐怖心のせいなのか。
一人じゃ抑えられない程気持ちが大きくなってしまったのか。
どっちにしろ、私は双子の妹としか見られてない。その事実が悲しくて。
私の中で何かがガラガラと崩れ落ちる。
これはきっと私の理性だ。
双子だから、姉妹だからって押し込めてきた現実。

69降りやまない雨:2008/05/20(火) 10:52:54 ID:Jk3PVfn8
「世界で一番、お姉ちゃんが好き」

ずっとずっと言いたくて、言えなかった私の気持ちをかみ締めるように呟く。
世界の国名なんて十数個しか言えない私がこんなこといったら笑われるかもしれないね。
でもそれくらい好きなんだよ。

「えっ?」

少し間を置いてから聞こえたお姉ちゃんの声に答えるように一歩づつお姉ちゃんへと近付く。
やっぱり気付いてなかったんだ。結構態度に出してたつもりだったんだけどね。

「お姉ちゃんが好き」

何回も何回も夢の中でしか言えなかった言葉を繰り返す。
お姉ちゃんがこなちゃん好きでも、それがお姉ちゃんなら私はそれを受け止めるよ。
だけどね…
こなちゃんがお姉ちゃんを好きなのは、ダメ。
お姉ちゃんを受け止められる人は私しかいないから。
まだ唖然としたように立ちすくむお姉ちゃんの首筋に額をつける。
この体温もこの肌も私が守ってあげる。
だから…
そっと壊れ物のように優しくお姉ちゃんを抱き締めると、お姉ちゃんがビクッと肩を震わせた。
好きだよ、お姉ちゃん。

「こなちゃんはね」

首筋から顔を耳元に近付けて、ゆっくりとお姉ちゃんに呟く。



「ゆたかちゃんが好きなんだよ」



7018-490:2008/05/20(火) 10:55:35 ID:Jk3PVfn8
以上です。
訂正:タイトル
振りやまない雨→降りやまない雨
4レス→3レスです。
毎度毎度間違えて申し訳ないです。
続きます。
それでは読んで下さった皆さんありがとうございます。
71名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 11:38:32 ID:ohH1ztD5
>>70
よかった…続くんだ。
ここで終わりで、なんとゆー生殺し!かと思ったですよ。
それはそれで想像が膨らむんですがw
堤防が決壊したつかさの嫉妬心はどこに流れ着くんでしょう。
続きを期待!期待!
72名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 12:54:26 ID:VHXt/w86
い、今平日だよね?


こなつー脅威のメカニズムにストレートなこなかがほのぼの、SEXCHANGEは最終局面だし
つかさは黒化しちゃうし!? なんというかもう、堰を切ったように皆さまぐっじょぶ。
73イクシキャヌン ◆P5TPu/OBR2 :2008/05/20(火) 15:55:46 ID:3XCWL7Uy
>>70
何という双子ラブ・・・(´・ω・`)
GJ!b
74名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 16:07:23 ID:rcWYUJAL
>>61
最近まとめサイトでこの話見つけて、続きがどうなるのか気になってたけど
大分間が開いてて諦めかけてただけに続きが読めて嬉しかったですw
やっぱり異性同士で原作と同じ位仲良くしてると、
友達までの関係でいるのは難しいのでしょうね・・

>>70
双子好きな自分には凄く引き込まれるプロローグでしたw
三角関係の同カップリングの話は他にもありそうだけど
つかさが胸に溜め込まず、正々堂々勝負に出たのは新鮮でした。




ちなみに話は変わりますが・・

同じくまとめサイトで読んだかがみ男化ネタ おす☆かが も私的にお気に入りなんですが
数ヶ月前に自分がエロパロに来た時には3話まであってそれからずっと更新されてない模様・・

兄かがみと妹つかさが喧嘩してしまってる所で話が切れてるだけに
続きが気になるです・・

3話って公開されてどれ位間が空いてます?
そしてたまにまとめサイトに載せそびれてるケースがあるみたいですけど
もしかして4話も投下されてたり?

まあ、結局は続きは作者様のご都合次第なんで
最初の方の質問の答えは自分が知った所で何も変わりませんが・・
75名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 16:47:26 ID:6Ib1+Zzi
ぶーわ氏の乙女チックこなたんにも期待してるんだぜ
76名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 17:17:08 ID:mWEBhZJZ
>>70
なるほど、そうきましたか…。かがみは、そしてこなたはどう行動するんでしょう。
ますます気になる展開にwktkせざるをえません。GJです。
77名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 18:10:18 ID:N50+bbaB
何回やっても何回やっても…あれ?
http://gold.ash.jp/main/advlog.cgi?id=588016&chrid=117111
78名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 18:17:20 ID:N50+bbaB
すみませんー。スレ間違えましたorz
79名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 19:15:57 ID:AhoYDAXg
>>74
おす☆かが3話の投下は33スレ目のようだ。
8019-04:2008/05/20(火) 20:30:30 ID:HE+SXuZr
どもっス。
前回の(なんちゃって)TS物の続きが出来たので、3分後までなにもなければ投下します。

注釈
・エロあり
・ちょっと暗い
・TS?物
・9スレほど使います

あと……当事者の方がいたら先に謝っておきます。
以前、そういう作品が訴えられたというニュースを見たので過敏に反応しちゃう……
当事者の方、もしくはその血縁者の方、本当にすみませんです……
81嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:34:47 ID:HE+SXuZr
「…………」
「…………」

私とこなたは、大浴場の浴槽でお湯に浸かっている。
なんで私までお風呂にいるかというと、こなたから全てを聞き出すため。
脱衣場は寒く、長く話し込むと風邪をひいてしまいそうだったから、こなたが入ろうとしてたお風呂に一緒に入ることにした。
だって、後回しになんかできないじゃない。『想い人が女の子だった』なんていう、衝撃の真実を知っちゃったんだから……

「えっと……その……」
「…………」

ただ、やっぱり気恥ずかしくて、私とこなたはお互いに背を向けている。
いくら女の子だったとは言っても……仮にも私が恋した人。裸を見るなんて、恥ずかしくてできない。

「な、何から話せばいいかな……」

こなたの言葉を促そうとはしない。こういう大事なことは、自分の口から言わせなきゃいけない。
私はただひたすらに、こなたの次の言葉を待っていた。

「見て、わかる通り……ボク、本当は女の子なんだ……隠しててごめんね……」

自分が女の子だってばれてるのに未だ『ボク』ですか、この方は。

「で、でもね? ボクが男だっていうのも、間違いじゃないんだよ」
「へ?」

何を言ってるんだろうと、一瞬分からなかった。
だってこいつの身体は、どこからどう見てもおん……
……ん? 『身体』? ……もしかしたら……

「ボクの体は確かに女の子だけど……心は男なんだ。言ってる意味、わかる?」

わかる。
この間、ネットサーフィンしてる時に見つけたから。
仮定は、確信へと変わった。こなたは、間違いなく……
82嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:36:00 ID:HE+SXuZr
「性、同一性障害……」
「その通りだよ、かがみ」

まさか、こんな近くに障害者がいるなんて……思ってもみなかった。

「小さい頃だからもう覚えてないけど……ボク、レイプされたんだって。それが原因で、心が男になったらしいんだ」

『後天性のものは性同一性障害とは言わず、自己の性を否定しているだけだ』みたいに言われてたわね。
なんて豆知識的なことは置いといて。こなたに、そんな辛い過去があったんだ……

「これはこれで、満足してるよ? 自分で好きなコスプレとかできるし、エロゲしてる時に変なモノが起たなくてすむし」

違う。
こなた……声が震えてるじゃない。
本当は……満足なんか、してないんでしょ?

「でもね……時々、辛くなるんだ。『どうしてボクの体は女の子なのか』って。だって、ボクは……かがみ、が……」

今までずっと水面を見つめていたけど、こなたの言葉を聞いて顔をあげ、振り返った。
向こうを向いているこなたの背中が震えてる。さらには、『ぴちょん』という水音とこなたの嗚咽が聞こえてきた。

「……まったく。中身は男なんでしょ? しっかりしなさいよ」
「え……」

私は後ろから、こなたの――健気な少女の身体を、優しく抱き締めた。

「私もね、こなたのことが好きだったの」
「!!」
「正直ね、こなたが男じゃないって知ってガッカリしちゃった。だって、こなたと結婚できないから。だけど……恋人には、なれるわよね」

こなたの前に歩いていって、優しく肩を掴む。
こなたの翡翠のような瞳から流れる涙を、そっと拭ってやった。

「私はこなたが好き。こなたも私が好き。だったら……それでいいじゃない」
「……かがみっ!」

今度はこなたが、私に抱きついてきた。
私の肩の上で大粒の涙を流すこなた。彼女の華奢な(本当は強いんだけど)身体を、両の腕で優しく包み込んだ。
83嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:37:01 ID:HE+SXuZr
そしてこなたの涙が収まった時、私は改めてこなたの身体を見つめた。

「……本当……キレイな身体してるわね……」
「あ……あうう……///」

あはは、やっぱり中身は男の子なのね。こういう話は苦手なんだ。

「あ、あのさ……かがみ……」
「ん、何?」

こなたは困ったように視線を泳がせて……そして、まっすぐに私の目を見つめてくる。

「か、かがみ……ぼぼぼ、ボクを『女の子』にして欲しいんだ……///」

……絶句した。







こなたは、自分で自分の秘所をいじったことがないという。
だから、自分の秘所をいじって欲しい――自分を女の子としていじって欲しいと、そう思ったんだそうだ。
お風呂からあがり、タイル張りの床の上で横たわるこなた。
足の間から、彼女の……キレイなピンク色をした秘所が顔を覗かせている。
こなたの顔は、あり得ないほどに真っ赤になっている。やはり、女の子の自分を見せているのが恥ずかしいんだろう。

「こうして見ると、中身が男なんて絶対にわからないわね」
「あうう……///」
「じゃ、行くわよ」

こなたの左の乳首を指でコリコリと摘む。

「あ、あふ……」
「感じてるわね、こなた」

こなたの口から喘ぎ声が洩れる。
今、私の目の前にいるこなたは間違いなく女の子だ。

「こなた、気持ちいい?」
「あん……よく、わからな……あっ……」
「でも、気持ちいいみたいね。あそこがもうトロトロになってるし」
「え、あ……」

自分の濡れた秘所を見て、全身を真っ赤にさせるこなた。
男の子の心に女の子の刺激ってのは……やっぱり変な感覚なのかしら。
84嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:38:01 ID:HE+SXuZr
「ふっ、はっ、あっ。かっ、かがっ、みっ」
「胸だけでイッちゃいそうね」
「ぼ、ボクっ、あぁっ、ちゃんとっ、『女の子』、してる?」
「ええ、間違いなく『女の子』してるわ」
「あああ! かっ、かがみぃっ!!」

乳首を摘む力を強くしてみると、こなたの喘ぎ声がより一層大きくなる。

「はむ……」
「ひあ!?」

左の耳を唇で甘噛み。その瞬間、こなたの身体が大きくのけぞった。

「ああああああああああああ!!!」

耳、弱いのね。甘噛みしただけでイッちゃったわ。
多分、それ以前に乳首をコリコリしてたことも原因の一つだろうけど。

「はぁー……はぁー……」

びくびくと身体を痙攣させて、口からは声にならない声が洩れ出ている。

「さて、準備はいい?」
「え……?」

身体から離れて、こなたの秘所を指差して言った。

「こっちでもイかなきゃ、本当の意味で『女の子』にはなれないわよ?」
「……うん……////」

消え入るような小さい声で、こなたは返事をした。
皮膚とは違う、ピンク色をしたこなたの秘所をそっと指で撫でる。

「ひやぁっ! なっ何!?」

……やっぱり、中身が男だからなのかな。
私が初めてオナニーした時は、こんなわかりやすい反応はしなかったんだけど……

「あっ! あっ! かっ! かがみぃ!!」

こなたの秘所を優しく撫でていく。
それに合わせて、こなたの身体は面白いように跳ねる。
口からは喘ぎ声と私の名前しか出てこない。完全に意識が『女の子』へと向かっている。

「うひゃあ!?」

こなたのトロトロになった花びらを開いてみた。
そこには、充血して硬くなったクリトリスがある。
このクリトリスを触らないよう、こなたの中に指を入れていく。

「うにゃう!!」

ズブズブと、面白いように入っていく私の人差し指。
第二関節くらいまで入れて、それ以上入れるのをやめた。
85嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:39:35 ID:HE+SXuZr
「あっ、あっ、か、かがみ、が、私の、中にっ」
「うん、ちゃんと私の指を感じてるわね。じゃあ……究極を行くわね」
「きゅ、究極……?」

不安そうなこなたをよそに、人差し指をゆっくり引き抜く。その振動にあわせてこなたが喘ぎ声を出す。
さっきと同じように、こなたの花びらを開いて……

「あふぅ……か、かがみぃ……何、するのぉ……?」
「この突起ね、クリトリスっていうの。ここを刺激すると、ものっすごい快感が得られるのよ」
「あひゃああああ!?」

こなたの次の言葉を聞く前に、私はこなたのクリトリスを口でくわえた。今までになかった感覚が、こなたを襲っているはず。
身体をくねらせて……おそらくその刺激から逃げようとしてるんだろうが、身体は正直だ。自ら腰を動かしている。
こなたの愛液が、私の顔にガンガン掛かってくる。でもそんなのはもう関係ない。

「あふううう! かっ! かが――」

私の名前を言う前に、こなたのクリトリスを思い切りかじった。

「ひゃあああぁぁぁあぁあああああぁあああ!!!」

ひときわ甲高い声でこなたが鳴く。こなたの秘所からあふれ出た愛液をごくごくと飲み干す。
……うん、美味しい。こなたはやっぱり女の子だ。
ぐったりとして天井を見上げるこなた。初めての快感に、放心状態になって――

「あ……あ……ああああ……!!!」

え? ちょっ、こなた? あんた、何泣いて……

「うわああああああああああああ!! やめて、やめてぇ!!」

涙を流し、頭を抱えながら悶えるこなた……
まさか、イッたショックでレイプされた時のことを思い出した!?

「こっこなた! 落ち着いて!!」
「誰か! 誰か助けてぇ!!」

く、ショックで幼児退行してるわね……。こうなったらすることは一つ!
暴れるこなたの延髄にチョップを喰らわせてやった。
86嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:40:36 ID:HE+SXuZr
「あ゛…………」

こなたの瞳から光が消え、その場に昏倒した。



/



「ん……」

目を醒ますと、目の前にはかがみの姿があった。
天井の模様が変わってる。多分、部屋に戻ってきたんだろう。服着てるし。

「あ、こなた。気が付いた?」
「うん……」

脳裏に、気を失う直前の記憶がよぎった。

「かがみ」
「なに?」
「ボク……思い出した。昔のコト」
「レイプされた時?」

あは……やっぱり、気付いてたか。
なんだか、情けないところ見せちゃったな。

「あの時、すっごく怖かった。なんでこんなことされちゃうんだろうって」
「うん」
「それでね、気が付いたら病院のベッドの中にいた。その時にはもう心は男になってて……しかも、それより前の記憶が全部なくなってた」
「……うん」

なにも言わないで、ただ相づちをうつだけのかがみ。
相手のことを一番に思いやるかがみだからこそ、ボクは好きになったんだろうな。

「……逆に、思い出せてよかったと思う。辛い過去の記憶があるからこそ……これから、なんでもない今が、すっごく幸せなんだ……」
「……こなた……」

っはは、情けない声出しちゃって。かがみらしくないなぁ。
……ま、お互い様だろうけど……

「ありがとう、かがみ。かがみがいなかったら、ボク、ずっと男の子として生きてたと思う」

かがみは、こんな異様なボクを認めてくれた。
かがみがいなかったらボクは……下手したら、自分で命を断っていただろうな。

「あ、あのさ、恥ずかしいからそろそろ起きてくれない?」

ん……かがみの顔が赤くなってく。どうしたんだろ?
言われた通り、身体を起こすと……かがみが言った言葉の意味が理解できた。

「こな君……ううん、こなちゃん。話は全部、お姉ちゃんから聞いたよ」
「辛い過去があったんですね……」

つかさとみゆきさんが起きてた。
と、いうことは……さっきの会話も丸聞こえ……!?
87嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:41:43 ID:HE+SXuZr
「か、かがみ! どこまで話したの!?」
「えと……全部。女の子にして欲しいって言って、エッチなことをねだったことも」

ボフンという擬音が聞こえた気がした。多分、ボクの顔は真っ赤なんだろうな。

「泉さんは、なぜ女の子になりたいんですか?」

とっ、とりあえず頭の中を切り替えないと!
で……なぜ女の子になりたいか? う〜〜〜ん……そう聞かれちゃうと……

「ボクは今のままがいいと思ってりけど、いずれ女の子になる必要があると思うんだ。性転換する気はないから……せめて女の子に近付けたらなって……」
「そうだったんだ〜……」

身体が女の子である以上、ボクは男の人と結婚する必要がある。
だから……ね。

「じゃあ、さ。私達も女の子になるお手伝いするよ」

…………………………へ?

「そ〜れ!」

わわわっ! い、いきなりズボンを降ろさないで!

「わ……本当に、女の子なんですね……」

ううう……みゆきさんまでそう言うか……////

「こなちゃん、触るね」
「う、うん……んっ!!」

さっきかがみでも同じだったけど、頭に電撃のようなものが流れた。
これが『キモチイイ』ってことなんだろうな……
そう思ってると、つかさの指がボクの中に入ってきた。
さっきのかがみので慣れたのかな、最初よりは大きな声は出さなくなった。
ぐちゅぐちゅって、エッチな音が聞こえてくる。かなり濡れてるみたい。

「ん……はふぅ……」
「こなちゃんの喘ぎ声……可愛い……」
「ひぁ! そっ、そこは!!」
「ん、もしかしてGスポット? んっふふ〜」

ああっ! つっ、つかさの指の動きが激しくなった!
や、やめて! ボクのなかで掻き回さないで!

「やああぁぁ! だ、ダメぇ! 変になっちゃう!!」
「変になっていいよ。こなちゃんがもっと可愛くなるから」
「あ、ああ!! ひゃああああああ!!」

……あは……イッちゃった……
頭の中が真っ白になったっていうか……なんかヘンなかんじ……
……うん、さっきみたいに幼児退行はないネ……全部、思い出したから……
88嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:45:10 ID:HE+SXuZr
「つ、つかしゃあ……」
「はぐっ! か、可愛いよぉ……!!」

ああ……ダメだ……つかさ、呂律のまわらないボクにノックアウトされちゃった……

「か、がみぃ……みゆき、しゃん……ボク、おんにゃにょこだった……?」
「はい。とても可愛らしかったですよ」
「そんなに気にしなくても、『その時』になったらちゃんと女の子になるわよ」

そ、か……じゃあ……あんまり、気にしなくても……

「あの、泉さん……」
「ふぇ……?」

みゆきさん、顔が赤いな……どーしたんだろ?

「わっ、私も我慢できなくなってしまって……その、いいですか?」
「あぁ……いいよぉ……てゆーか……」

気が付いたら、ボクは自分で自分のアソコ……おまんこをいじってた。

「あ、あふ……もっと、してぇ……もっとぉ……」
「うっわ……こなた、けっこう淫乱だったのね……」
「早く……早くぅ……」
「はい、わかりました。指をどけてくださいね」

言われた通り、自分のおまんこから手を離す。
ん……途中でやめると、身体が……

「大丈夫ですよ。私が引き継ぎますから」
「あっ、あっ! は、入ってくるっ!」

みゆきさんの指が、ゆっくりとボクの中に入ってくる。やっぱり、気持ちいいや……

「あふぅ……全部、入ったぁ……」
「まだですよ」
「え……にゃあああ!?」

みっ! みゆきさんの指がぁ! に、二本目がぁ!

「あっ! あっ! だっダメ! それはぁ!!」
「ダメですか? ではやめ……」
「それはもっとダメぇ! こ、このまま一気に!」
「わかりました。ではっ」
「ああぁああぁぁああ!!」

ほ、本当に一気に来た……
し、しかも、ちゃんと二本入ってる……

「はぁぁぁ……きっ、気持ちいいぃ……」
「泉さん……可愛いですよ」
「あ、あ、なっなかで、うごいてるっ」

にほんのゆびがなかでうごいてる。
すごい……いっぽんなんかより……きもちいいよぉ……

「では、こちらも」
「あひぃ!!」

く、クリちゃんをつまんでる……あ、あ、す、すごいぃぃ……
89嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:47:36 ID:HE+SXuZr
「み、みゆき、しゃんっ。イかせてっ、早く、早くぅ」
「わかりました」
「んくぅ!? ふああぁぁ!! ひゃうぅ!!」

つっ! つぶれる! クリちゃんがつぶれちゃうぅ!

「ひあああぁああぁぁぁああああ!!!」



――ぷつん



「あ゛……あ、あふ、あふぅ……」
「こ、こなた?」
「泉さん?」
「き……いい……きもち、いい、よぉ……もっと……もっと……」

――チョロロロロ……

「わわっ! なにオシッコ洩らしてるのよ!?」
「もっと……もっと、ほしいのぉ……きおち、いいのがぁ……」
「……ダメです。壊れちゃってます……」
「こんな簡単に壊れちゃうとは……やっぱり、女の子の刺激には弱いのね……」
「もっと……もっとぉ……」







あれから1ヶ月くらいが経って、夏休みも終わっちゃった。
いつも通り、遅くに登校。いつも通り、かがみに呆れられたり怒られたり。
でも、違うところはいくつもある。一つは、ボクが着てる制服が女子用になったこと。
面倒だったヨ〜。なぜか始業式で全校生徒の前で『ボクは本当は女の子だった』って言わされちゃったし。みんなからの質問攻めをかわすのが面倒だった……
あと、かがみと恋人同士になったことかな。それも『ちゃんとした男の子の彼氏ができるまで』の間だけど……

「そういえばこなた、あんたいつまで一人称ボクのままなの?」
「え?」

口にくわえてたポッキーを落としそうになった。ちなみに今はかがみの家。
そうは言われても、今までずっとボクだったし……

「そうだよね。女の子になるんだったら、ボクはやめた方がいいかもね」
「試しに『私』と言ってみたらどうでしょう?」

う〜ん……女の子になりたいっての、そういう意味じゃないんだけど……
……えぇい! どうにでもなれ!!
90嘘とホントと二人の愛(後編):2008/05/20(火) 20:49:31 ID:HE+SXuZr
「私、泉こなた♪ あだ名はこなちゃんだよ♪ よろしくね☆」



……………………



あぁぁああぁ〜〜〜〜! 恥ずかしいよ〜〜〜〜〜!! 今絶対顔が赤くなってるぅ!!
ううぅ……恥ずかしくてみんなの顔が見えない……絶対引いてるよ……

「……か、可愛い……」

へ?

「いい! 今のこなた、すっごく可愛かった!!」
「も、もう一度やってください!!」
「あ、待って!! ケータイで動画録るから!!」

……なに、この展開……?

「も、もうやらないよ! は、恥ずかしかったし……///」
「だから余計に可愛いのよ!」
「恥じらいながらぶりっこする泉さん……素敵でしたよ」
「だからこなちゃん! 一回、一回だけでいいから! ね!?」

あ……断ったら……絶対に死ぬな……





結局その後、一回じゃなくて何度もぶりっこさせられた……
しかも巫女服やらナース服やらチャイナドレスに着せ替えられるし……どこにあったのサ……///
9119-04:2008/05/20(火) 20:53:53 ID:HE+SXuZr
>>90
以上です。本当の性同一性障害の方、すみません……無知な自分をお許しください……


ちなみに、中身男なのにこなた視点の時が女の子っぽいのは仕様です。てゆーか無意識のうちにそうなってました……

まだこの性同一性障害ネタはやろうと思います。ゆーちゃんやひよりんやオリキャラを含めた絡みを……
ってか、ここオリキャラありですか?
92名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:56:33 ID:zI9z+Slz
>>31
ぎゃー !? ぶーわ氏おひさ !
続き待ってました&GJ !
>>44
で、人影まばらなところでこなたを押し倒して「うにゃぁああ」ですねわかりますw
>>61
あああ、これまたおひさしぶり GJ !
この作品も続き待ってたよ〜
未完のまま放置されたんだと思って軽くヘコんでた
今週また続き来るそうで、wktkしながら待ってます
>>70
波乱の予感が
つかさが黒くなる?
>>91
オリキャラありじゃね? GJ !
そういう過去がありましたか・・・このままこなた総受け路線? w
93名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:15:30 ID:IdK0HFt5
>>91
結果だけ見ればいわゆる一つのショック療法かな。
しかしこなた総受け状態…w
オリキャラとかも大丈夫だと思うけども。
94名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:23:31 ID:AIk4cqIo
凄まじい新作ラッシュに歓喜の涙が止まりません……皆様GJです♪
ぶーわ氏、書く人氏、18-490氏の続編を心からお待ちします。
あ、でも体調とか気をつけて下さいね?
最後に、ぶーわ氏お帰りなさいませ!

で、話が1本書き上がったので投下しようかと思います。
5分くらい待って誰とも被らなければ注意書の後、本編投下します。
95LD:2008/05/20(火) 22:30:26 ID:AIk4cqIo
そろそろ台風の時期ですね。
仕事に行くのが億劫になるLDです。
どっかの大王の子供たちのような生活をしてみたいものです……
ちょっとレアなCPで思い付いてしまったので書いてみました。

注意書き
・パティ×みゆき
・4レス+後書き1レス使用予定
・今回はエロ有りです

では投下作業開始です。
96デザートは貴女と(1):2008/05/20(火) 22:31:31 ID:AIk4cqIo
 ある週末の昼下がり、パティの部屋ではちょっとした勉強会が開かれていた。
 部屋の主であるパティともう一人、眼鏡を掛けた柔らかな雰囲気を纏った少女がテーブルを挟んで座っている。
「ミユキ〜……私はもうダメデス。休憩にシマショウ……」
 テーブルに突っ伏しながらそう呟くパティに、しかし向かいで本を読んでいた少女――高良みゆき――は
「あら、先程お茶の時間にしたばかりですよ? あとちょっとですから頑張りましょう。そのページが済んだら終わりですし。」
 頬に手を当てて苦笑交じりに励ましの声を掛ける。
「つれないデス……じゃあゴホウビに何かくれるナラ頑張るデスヨ?」
「そうですね。では夕食はお魚にしましょうか? 来る途中のお魚屋で美味しそうなアジの干物などありましたし」
「ミユキ?! それはダメデス! 分かりマシタ! 頑張るのでそれだけはご勘弁を、お代官サマ!」
 一瞬で跳ね起きると、ペンを手にノートを埋めていく。そんな様子に一瞬だけ背後に出た、何か逆らいがたいオーラを消すと
「ふふ、では頑張ったご褒美夕食は腕によりを掛けて頑張りますね?」
 いつもの穏やかな笑顔とともに本を読むのを再開する。そこには英語で書かれた文章が並んでいて、時折傍らの辞書を開いてはチェックを入れていく。

 そんな風に時折お喋りを交えながら少しずつ、確実に課題を進め、終わる頃には夕日が街を赤く染める時間になっていた。
「はい、これで終わりですね。お疲れ様でした」
「がんばったノデス。感動したデス……」
 やり遂げた漢の表情でテーブルとキスをしそうなパティにみゆきは紅茶を差し出しながら、
「では早速夕食の準備をしますね。パティさんは休んでからでいいですから、テーブルの準備をお願いします」
 席を立ってキッチンへ向かうと、掛かっていたエプロンをつける。
「イェスマム……今夜のMenuは?」
「内緒です。それと食後にデザートもありますよ。つかささんから教わったものですが、面白いですよ」
「hum ……デハ普通にナイフとかでOKデスネ?」
「はい、お願いします」

 数分後。
 テーブルにはマスタードを効かせたチキンやサラダ、スープといったメニューが並んでいた。
「相変わらず美味しそうデスネ♪ ミユキも早く食べマショウ! 片付けなんて後デス!」
「そうですね。では冷めないうちにいただきましょうか」
「イタダキマス!」
 パティは美味しいと連呼しながら元気に皿を空にして、その様子をみゆきは楽しそうに眺めながらゆっくりと料理を口に運び。
 しばらくして皿が全て空になると……
「も、もう食べられないデス……」
「大丈夫ですか、パティさん? そんなに無理して全部食べなくても……」
「ミユキが作ってくれたのを残すなんて、そんなの出来マセン……No problemデス」
「ですが……」
「さすがに、デザートは後回し、デス」
「では落ち着くまで片付けしてしまいますね」
 食べ過ぎで動けなくなったパティを心配しつつも空になった皿を嬉しそうにキッチンに運ぶと、エプロンを身につけ、邪魔にならないよう髪を束ね――いわゆるポニーテールにして、洗い物を始める。
97デザートは貴女と(2):2008/05/20(火) 22:31:59 ID:AIk4cqIo
 その後ろ姿を、揺れる髪を眺めながら、パティはふとあるアニメのワンシーンを思い出した。
(ナルホド……確かにポニーテールはいいデスネ。ロングとショートの長所を兼ね備えた……あの馬男の気持ちが分かりマシタ。これはいい萌えネ!)
 右に左に揺れる髪に誘われるようにゆっくり足音を忍ばせてみゆきに近づきそれに気づかないみゆきが最後の1枚を洗い終えると、
「ミ〜ユ〜キ♪」
「はい? きゃっ!」
 待ってましたと言わんばかりの勢いで背後から抱きしめると、露になっているうなじに唇を這わせ、みゆきの豊かな胸を鷲掴みにする。
「ちょっ、パティさん! んっ……な、何するん、ですかっ!」
「食後のデザートを食べに来たんデスヨ」
「わ、私じゃありま……んぁ、だめです……んん」
「ミユキは私にとって最高のデザートデスヨ? どこもかしこも甘くて美味しいデス♪」
 そう言いながら胸を強く揉み始め、うなじにキスの雨を降らせながら、時折痕がつくほど強くキスをする。
「こ、こは……んっ、キッチンで、すよ……ひぁっ!」
「ミユキを食べるのに場所なんか関係ないデス。それに……ここは正直デスヨ?」
 みゆきの言葉を聞き流しながら、服の上からでも分かるほど硬くしこった乳首をきゅっと摘み上げるパティ。
「ひゃんっ! そ、それは、あん……パティさんが、するからぁ……」
 みゆきは甘い声を上げながら身を捩るが、パティに胸ごとがっちりホールドされているので逃げることもままならない。
 それ以前に体は胸とうなじへの愛撫だけで既に熱く火照り始めてしまい、口からは可愛らしい喘ぎ声が漏れる。
「ミユキはいつも可愛い声を出しマスネ。聞いてるこっちがドキドキするのデス。もっと啼かせてあげますヨ」
 宣言と同時にブラウスの胸の辺りのボタンを外すと、中へ手を滑り込ませ、ブラをずらして直にみゆきの胸を撫で始める。
 もう片手はみゆきの体を撫で回しながら下へと降りていき、スカートをゆっくり捲り上げると、
「パ、パティさ……だめ、で……んんっ!」
 流石にみゆきも手で押さえようとするが、その抵抗も胸を形が変わるほど揉まれたり、乳首への愛撫により力ないものになってしまう。
「ミユキ。こういう時はパティって呼んでっていつも言ってるヨ?」
 耳を甘噛みしながら囁くと、胸への愛撫を弱める代わりに、太ももに指を這わせる。
「で、ですが……んぅ!あん……なかなか、はぅ、慣れなくて……ひぁぁ……」
 その指の動きにみゆきの体が跳ねるが、構わず付け根辺りを丹念になぞり、
「ちゃんと呼んでくれるまで、このままって言ったら?」
 一瞬だけショーツ越しに敏感な部分を指が這うと、びくっと大きく体を震わせてしまう。
98デザートは貴女と(3):2008/05/20(火) 22:32:28 ID:AIk4cqIo
 これまでの愛撫でショーツはもうじっとりを湿り気を帯び、みゆきがもう大分感じてしまっているのを明らかにしている。
「Speakingの練習なら言えてるではナイデスカ。それと一緒デス……それに、もうココはグショグショデスネ? このままでいいんデスカ?」
 とは言え一度身についた習慣は、愛しい人の名でもそうそう変えられるものではない。
 そんなみゆきを他所に、うなじや耳に這わせた舌や直に触れる胸への愛撫は緩急をつけて絶えずみゆきを責め続ける。
 ところが最も敏感な所への愛撫はごく稀にしか行われない。しかも軽く触れるだけなので、快楽の炎は燻ったまま一気に燃え上がる事を許されない。
 胸への愛撫で絶頂に達しそうになっても、その度に刺激を止められてしまう。
 ならば自らの手で、と思っても「自分でする」と言う羞恥の方が勝ってしまい、束縛されていないはずの手はパティの腕とスカートの裾を軽く握るだけになってしまう。
「ただ一言、パティと呼んでくれればイカセテあげるヨ、ミユキ……」
 遂にパティはショーツをみゆきの太ももの半ばまで下ろすと、露わになった秘唇をわずかだが直接指でなぞる。
「きゃうっ!? パ、パティ! そこ、すご、いっ! ふぁぁ!」
 その瞬間、とうとうみゆきは今まで言えなかった言葉を喘ぎと共に口にした。
 それを聞いてパティは満面の笑みを浮かべると、
「やっと言ってくれマシタネ♪ 約束ダカラ、目一杯イカセテあげるデスヨ?」
 そう言いながら既に愛液をたっぷり湛えたみゆきの秘所へ指を2本入れると、膣壁を強く擦りながら出し入れをし始め、胸や乳首への愛撫も容赦のないものへと変わっていく。
「あっ、んん! パティ、だっ! うぁぁぁっ!」
 ここまで散々焦らされ続けたみゆきの体は呆気ないほど簡単に絶頂の飛沫を飛び散らせるが、パティの手は休む事無くみゆきを責め立てる。
「やっ、またきちゃうっ! んっ、ふぁぁぁぁ!」
「今まで焦らしたカラ、その分何度でもイッちゃってネ、ミユキ♪」
 2度目の絶頂を迎えてもみゆきは頂きから降りる事を許されず、それどころかパティの指はみゆきの最も敏感な一点を探り当てると、そこを集中的に責め始める。
「ここがミユキの一番気持ちいい所デスネ?」
「あっ、あぁぁぁああっ! も、だめっ! パティ、ゆるしっ、んああああっ!!!」
 3度、4度と立て続けに絶頂を迎えさせられたみゆきはもう自ら立っていられず、その場に崩れるようにへたり込んでしまった。その際パティの指が秘所から抜け、その指が小さな快楽の粒を引っ掛けてしまうと、最大級の快感がみゆきを襲う。
「っ! や、ぁぁぁあああああ!! ふぁ、あぁぁぁ……」
 快楽の波に攫われ、みゆきはとうとうその意識を手放してしまった……
99デザートは貴女と(4):2008/05/20(火) 22:33:43 ID:AIk4cqIo
 全身を包み込む温かい感触に気づくと、みゆきはゆっくりと目を開く。
「ここは……お風呂?」
「あ。ミユキ、気がつきマシタカ?」
 背後からパティの心配そうな声が聞こえる。ボンヤリとした頭で周りを見渡すと、そう大きくない湯船にパティに後ろから抱き締められ、2人で浸かっている事を理解する。
「パティ? あれ?私は一体……」
「Sorryネ、ミユキ。ちょっと調子に乗り過ぎたヨーデス」
 すまなそうに紡がれるその言葉に何があったのか、何故この状況なのかを思い出すと、顔を火が出るほど赤く熱く染めて、
「あ、あのっ。えと、さ、さっきのは……」
「本当にゴメンナサイデス! やっと名前で呼んでもらえたから嬉しくて……」
 パティの本気で心配する気持ちと嬉しさが背中から伝わる体温と共にみゆきの体に染み込んでいく。
 その温かさに身を委ねながら再び目を閉じると、
「ふふ。もう平気ですから、謝らなくていいですよ、パティ。ですが、もうあんな無茶はしないで下さいね? 気を失う程と言うのは流石に、その、恥ずかしいですから……」
「Really? 許してくれるんデスカ?」
「ええ。その代わり、無茶はしない事。約束して下さいね?」
「Ofcorse! ミユキ、大好きデス!」
 言葉と共に後ろからの抱き締めが強くなり、温かさと柔らかな感触が強く感じられる。
「私も大好きですよ、パティ」
 後ろを振り向き笑い掛けると、パティも笑顔を浮かべて唇を重ねてくる。

 ゆっくりと重ね合わせた唇を離し、お揃いのバスローブを纏ってバスルームから出るとパティが冷えたジュースを用意していた。
「ところでミユキ。デザートって何デスカ?」
「あ、そうでした。今出しますね」
 冷蔵庫からボウルを取り出し、中の物を取り分けてパティに差し出す。
「Pudding? 面白いってドコガデスカ?」
「えっと、カスタードとスポンジ部分を一緒に作れるのがすごいんだそうですよ」
「hum? それって『K式 Super Pudding』デハ?」
「あら、ご存知でしたか? ええ、そうつかささんは言ってましたね」
100LD:2008/05/20(火) 22:34:48 ID:AIk4cqIo
以上でおしまいです。
やはり私にとって、えちぃ話は難しいです……でもたまに思いついちゃうんですよねw
最後のプリンネタ、分かる人はいるのだろうか?

卒業式SSが思いつきません……締めのイベントはあるんですが、そこに持って行くまでが……orz
こなたの誕生日までカウントダウンが始まってるのに……シリーズネタで誕生日SSが思いついてるのに……肝心のものが出来ないってどう言うことか?><
101名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:45:34 ID:JSujAuAi
>>100

ぐじょー

……って、「あの馬男」って、井○よしひさのアレかぽに!?
102イクシキャヌン ◆P5TPu/OBR2 :2008/05/20(火) 23:26:35 ID:3XCWL7Uy
そろそろ台風の時(ry
今日は漏れも投下をしたいと思いまつ(´・ω・`)
一ヶ月ぶり?位の投下になるんでしょーか、何か随分忙しかったような暇だったような、でつ。
「愛に勝ってしまう愛」「Bridal march〜愛婚行進曲」の続編で、いのみきでつ。

番外編などは、また投下させて頂こうと思うかもしれませんが、本編的にはこれが最終話でつ。


注意のようなもの

■いのり×みき
■シリアス多め
■挿絵は2枚程
■恐らく27レス使用になりまつ。

問題無ければ15分後位に投下させてくらはい(´・ω・`)


>>100
GJ!(´・ω・`)b
パティ自重不可イイ!
でも個人的にはみゆきが可愛かったでつ、みゆき(´・ω・`)
103夢の世界へ連れていって 1:2008/05/20(火) 23:40:02 ID:3XCWL7Uy
「よっ」
まつりがカードを切る。
「ほれっ」
私もカードを一枚捨て、新たに一枚加える。
「これならどうよ?」
「さあ?どうだろうね、手札決まった?」
「フフン、じゃ勝負といきましょうか!どうよ!フラッシュ!!」
「はいフルハウス私の勝ち〜〜〜」
「うきゃーーーーっ!!!姉さん強すぎ!!!!!」
今現在、私は自室でまつりを相手にポーカーをやっていた……ただ今まつりを8度目の敗北の海に沈めた所だった。
8連敗を喫したまつりは両手で顔を抱え込み天を仰いだ。
「な ん で一度も勝てないワケェ〜〜〜〜!?」
「まつり自分の手札も見ずにズバズバ捨てすぎなのよ、どっかでもったいない手札捨てたりしてるわよきっと」
「今回はいい仕上がりだったもん」
「まあ今回は運が悪かったわね」
「うぅう〜〜〜〜……姉さん、もっかい勝負よ!」
「はいはい……」
再びカードを戻して混ぜる、そして5枚のカードがお互いに行き渡った。
普段は仕事やお母さんへの想いにつまっている私にとって、この時間は息をつける一時だった。
カードを手に取る前に、ドアの音がノックされた。
「ちょっと〜、まつりお姉ちゃん騒がし……って、何やってんの?」
「うわ〜〜、トランプだぁ」
かがみとつかさだった。
「見りゃーわかんでしょっ!姉さんと意地をかけた真剣勝負よっ!」
「意地も何も勝負になってるの?」
かがみのオブラートに包まぬ言葉にまつりが「うぉっ」とのけぞった。
「こ、これからなるのよっ」
「ねぇねぇ、私もいれてほしいなぁ」
まるで場の空気を読まぬつかさの発言に私は思わず笑いをこぼした。
「いいわよつかさ、入んな」
私が開いてる所に手招きする。
「ちょ、ちょっと姉さん、私たちの勝負はどーなんのよっ」
「別に一対一の勝負じゃなくても勝負にはなるでしょ?」
「う……そ、それもそうね、いいわ、なら一番を取るだけよっ」
「かがみも入りなさいよ」
入りたそうにしているものの、自分から上手く言えないでいるかがみに私はもう一つの席を空けて言った。
「そ、そうね、暇つぶしにいいかもね」
おずおずと私が手を叩いた所に腰を降ろすかがみ。
「じゃー始めましょうかぁ!!」
一番気合が入っているまつりが再びに全員にカードを配り直す。
104夢の世界へ連れていって 2:2008/05/20(火) 23:40:54 ID:3XCWL7Uy
「カード交換していいの?」
「2回までね」
「うーーーーむ……」
「……」

「皆OK?」
「うん」
「うあー……だめくさ」
「私もいいわよ」

まつりが手札を見せた、2と5が二枚ずつ、つまりツーペアだ。
「ねぇお姉ちゃん、これは何?」
と、つかさが自分の手札を見せた。
「ああそれはね、1スリーレオパレスっていってね、ノーペアの一つ上よ」
「あり得ない嘘教えんなっつーの、つかさのはスリーカードね、少なくともまつりお姉ちゃんよりは上よ」
「へー」
唯一勝てそうだったつかさにも敗れ、最下位がほぼ濃厚になったまつりはがっくりと項垂れた。
「じゃ私ね、はい」
かがみが出した手札はKが三枚、Jが二枚、フルハウスだ。
「うわーもう全然駄目じゃん私」
本日何度目になるかわからないまつりの嘆き。
「で、姉さんは?」
「ん」
私も自分のカードを披露する……スペード一色で揃えられた8,9,10、J,Q……。
「ストレートフラッシュ、惜しかったわねかがみ」
「……自信あったんだけどな」
頬をかきながらかがみが呟く。
「一回位負けてくんない姉さん」
「負かしてみなさいよ」
「お姉ちゃん達すごいねー」
つかさ、そう言ってるが果たしてわかっているのだろうか。
「もう一回、今度こそは……」
再び仕切り直して張り切るまつりを私は手で制した。
「まつり、ポーカーはまた後にしよう、今はつかさもいるんだからもっと簡単な奴にしましょうよ」
まつりは一瞬「えー」という顔をしたが、つかさ達の手前、普通の表情を取り繕い、
「うう……そーね」
「ごめん、私わかるゲーム少なくて」
つかさが申し訳なさそうに言う。
「気にする事じゃないわよ、それじゃ無難に七ならべでどう?」
「うん、それなら大丈夫」
「私も異論は無いわよ」
「OK,でも勝負は勝負だから手加減は無いわよ」
「それは手加減出来るだけの力量を持ってる人の台詞よ」
「い、いーのよ別にっ!」
こうして私達は夜ご飯まで時間を潰した。
105夢の世界へ連れていって 3:2008/05/20(火) 23:41:53 ID:3XCWL7Uy
「うううぅ、姉さんやかがみはともかく、つかさ相手にすら負け越すなんて……」
嘆きながらまつりが夕食の席に付く。
「後先考えなさすぎなのよ」
最もな発言をしながらかがみも自分の位置に座った。
「でもすごいよねお姉ちゃん達(もちろんまつりは除く)、一回も勝てなかったよ」
先ほどまでのトランプ勝負、7ならべ、神経衰弱、大貧民など……。
ババ抜きを除けば、ほぼ全試合私とかがみの首位決戦であった。
まつりとは違い、かがみは流石に頭を使った勝負に強く、私も久しぶりにトランプで熱くなった。
「でもまつりだって一位とったじゃない」
「一回だけでしょ……しかもババ抜きだし」
拗ねた様にまつりが呟く。
「あらあら……随分と楽しそうね」
お母さんが夕食を運んできた。
私が贈ったネックレスを肌身離さず付けてくれている。
結婚指輪代わりに贈ったのだから外されていたら流石にショックを受けたろうが、それでもやはり嬉しいものだ。
「そうかしら」
私はあえて流す様に答える。
そうじゃないと、思わず甘甘な声が出てしまいかねないからだ。
私たちの事を知っているまつりはそんな私を見て、含み笑いを漏らした。
その目はどう見ても「素直じゃないんだから」とでも言いたげだった。
だが考えても見るがいい、ここで私が素直になったらどうなる事やら……夕食どころじゃなくなるのは間違いない。
「ただいま〜」
神主の恰好をしたお父さんがゆっくりと腰を降ろす。
「あなた、先に着替えてきてください」
「ああ、そうだったね、ごめんごめん」
お父さんは再び立ち上がり、お母さんと目線を合わせた。
お互いに微笑み合う二人。

……そんなお父さんとお母さんのやり取りを見て、私は再び懺悔の心に駆られた。
お父さんとお母さんの間に割って入った私。
理由はどうあれ、私は間違いなく間男ならぬ間女だ、お父さんからお母さんをかすめ取ろうとしている。
先ほどまでの楽しい空気が一転して、私の中に暗い風を吹き込む。
真実を知れば、お父さんは私を許しはしないだろう、浮気うんぬんというよりは、道徳的にも許されはしない。
そして、それ以上に妻と娘に裏切られた……そう思うかもしれない。
実際に「私は」裏切っているのだから、私には返せる言葉などあるワケもない。
仕方がないじゃないか、と開き直るつもりもない、だけど、ならどうしろと言うのだろう。
諦められるのだったらとっくの昔に諦めている、わざわざ家族を崩壊の危機に晒してまで関係を繋ごうとは思わない。
それが出来ないから、こうまで苦しんでいるのではないか。
それに……お母さんの気持ちだってある。
私の思いを受け入れてくれたとはいえ、お父さんとお母さんはお互いに想い合って夫婦になった仲なのだ。
そうして、今でも今までもその関係が続いている、その「夫婦としての繋がり」はわざわざ確認するまでもなく固い。
それを考えた上でお母さんの心がお父さんより私に傾いていると、どうして断言出来ようか、お母さんが再びお父さんを選んだ所で何ら不思議は無い
思いたくは無いが、むしろその可能性の方が高いだろう。
106夢の世界へ連れていって 4:2008/05/20(火) 23:42:42 ID:3XCWL7Uy
どれだけ私が愛していても、どれだけ想っていても、結局私はお母さんの「娘」。
それを覆すことなど出来ない。
私への娘としての愛を省いても、それでもお母さんは「娘としての愛情とは別の愛」で私を選んでくれるのか……まるきり自信が無い。
もちろん母娘だって固い繋がりに違いは無いのだが、私が欲している繋がりは、それとは他にあるのだ。
それを得る為には……やはり、どの道を通ったとしても、犠牲が出る。
怖いものなど無くなった……そう唱えた筈の私の心が、再び不安と恐怖にジワジワと苛まれる。
何故私は皆と違ってこうも辛すぎる愛なのか……思わず愚痴が胸に広がる。
これは神が私に与えた罰なのか?私が何かをしてしまったのか?
そこまで考えて、急に言いようもない怒りもが沸き立つ。
笑わせないでよ、神様が一体いつ私の味方をしてくれた?始めから敵だったじゃないか。
私だけは挑戦権すら与えられないの?そんなの認めない、認められない。
ここまで来て、自分からお母さんを手放す真似をする位ならば、
文字通り、死んだ方がマシだ。
私の中で中立を保っていた天秤が、家族からお母さんへと傾いた瞬間だった。
もう、神様も神事も何も知ったことじゃない。
やる事をやって後悔するか、やる事をやらずに後悔するか、二つに一つだ。
誰も傷付く事の無い愛なんぞ存在しない、だから、私は間女らしくお母さんを奪う、一切奇麗事を言うつもりも無い。
……そうやって強硬な考えを保っていないと、今の私の心はすぐさま折れてしまいそうだった。

お母さんを放せず、家族も手放せない、そんな弱弱しい私の精一杯のあがきだった……。

「よいしょっ……と」
平服に着替えたお父さんが上座に座った。
今はまだ、このままでいいのよね、こうやって皆で夕食をかこむ、このままで……。
「……」
「姉さん?」
「お姉ちゃんどうしたの?」
「いのり?どうかしたのかい?」
ハッ、と気づけば、皆が私を不安げな表情で見つめていた。
「え?ううん、ちょっと考えこんじゃって、何でもないの」
すぐさま普通の仮面を取り繕う。
だが……。
「お姉ちゃん……泣いてるの?」
つかさにそう指摘され、私はその時初めて右頬が涙で濡れている事に気づいた。
「え……あ……」
こんな顔を全員の前で見せてしまった、言い訳が浮かばない。
『目にゴミが入った』嘘ですと言ってるようなものだ、『目薬さしたばっかりで……』嗚咽している理由が無い。
頭が上手く回らない、更に心配そうな顔つきになる皆。
「なぁ、いのり、一体……」
お父さんが第一声を発そうとした時だった。
107夢の世界へ連れていって 5:2008/05/20(火) 23:43:35 ID:3XCWL7Uy
「ちょっと姉さん、また泣いてんのぉ〜〜?」
急にまつりが呆れたような顔をして言った。
「「「え……?」」」
全員がまつりに素っ頓狂な顔を向けた、無論私も例外ではない。
「昨日一緒に「セカチュー」のDVD借りてきて二人で見てたのよ、そしたら姉さん隣でバカみたいにボロッボロ泣いてさぁ……」
ここに至って私はようやく、まつりが助け舟を出してくれている事に気付いた。
―――――私は姉さんの味方でいるから。
あの時の台詞を思い出す。
本当に、この子は……。
「あ……ごめん、どうしても最後のシーン思い出しちゃって……」
何とか嗚咽をこらえ、まつりに返答を返す、心の中で何度もお礼を言いながら。
「いい加減一日経ったんだから泣くのやめなよ、姉さん涙腺脆くなっちゃったんじゃない?」
「ご、ごめん、気を付けるわ……」
皆の顔が安堵した表情に戻っていた。
「急に泣き出すからビックリしちゃったよぉ」
「何だ、お父さんもビックリしたよ」
「ごめんごめん……」
今度はまつりの心遣いに泣きそうになりながらも、そこは何とかこらえ笑顔を搾り出した。
「さ、じゃ冷めない内に食べようか」
皆で手を合わせて、ご飯に箸を付ける。
まつりのおかげで、この場を凌げた、感謝しないと。
そしてそのまつりに対して、恩を仇で返すような真似は……やはり避けたい。
先程の間女宣言はどこへやら、私は改めて一人では無いのだな、と実感した。
そうよ、例え神様が味方じゃなくても、この子は私の味方じゃないか―――――。

……そんな安堵の中で私はご飯に夢中になっていた、だから、
その時のお母さんの思いつめたような、何かを決意したような表情に、気付く由も無かった……。


お母さんが食器を洗っている。
私は手伝おうか?と声をかけたものの断られ、テレビを一人で見ていた。
「いのり?明日は会社あるんでしょ?早めに寝なさいね」
相も変わらずニコニコと、やんわり言うお母さんに、私は照れくさそうに頷いてみせた。
確かに明日は早いしね……これ以上遅刻すればまたあの課長が黙ってないか。
「じゃ、今日は布団に潜るわ……お母さん、お休み」
「お休み、明日は起こさなくて平気?」
「ああ、大丈夫よ、携帯で起きれるから」
「そう、それじゃあお休み、いのり」
私の頬に軽くキスをすると、再び食器洗いに戻るお母さん。
背を向けたお母さんの頬にキスのお返しをして、私は部屋へと戻った。
108夢の世界へ連れていって 6:2008/05/20(火) 23:44:31 ID:3XCWL7Uy
携帯のアラームをセットする。
そのまま横になり、小説を読みながら眠気がやってくるのを待った。
……そのまま三十分位読みふけり、ようやく睡魔が眠りへと誘う。
睡魔と共に、この先待ち受けるであろう事への不安も一時的に溶けていき……。
読みかけの小説を頭の上に置き、私は静かに眠りに落ちた……。

起きる。
アラームが元気よく私の耳元で騒いでいる。
うるさいな、もう少し静かに鳴れないのかしら。
自分でセットしておいて何をか言わんや、だが安眠を妨害された私の頭の中は不当な訴えを主張した。
まだ重い頭を軽くふって、アラームを止め、起き上がる。
服を着替え、鞄を持つと、リビングへと向かう。

「おはよう」
「あら、おはよう」
お母さんは台所で昨日と同じ様に食器を洗っていた。
今日はいつもより更に早く起きたというのに、既にお母さんは洗い物をしている、一体いつ寝ているのかと問いたくなる位に。
「ご飯、用意するわね」
お母さんが皿を出し、味噌汁を沸かそうとした瞬間、私は不意をついて後ろからお母さんに抱きついた。
「……」
一瞬体を硬直させただけで、お母さんは何の反応も起こさない。
昨日の言い知れない恐怖を味わったせいで……今まで以上に肌の温もりが恋しい。
「お母さんは、私のお母さんよね」
「いのり、どうしたの?」
「ごめん、もう少しこのままでお願い」
「……」
どれだけ、どれだけ気丈に心を打ち立たせても、すぐに後から湧いてくる恐怖。
この温もりを強制的に離されてしまう時が、来るかもしれないという、恐怖。
ああ、私って、まだこんな弱かったのか。
長女として、大人として、十分成長してきたように感じていたのは、まるで錯覚だったのだと、再び思い知らされた。
このまま二人で、お母さんを道連れに溶けてしまいたい、私の全てがそう叫んでいる。
そんな想いをぐっと抑え、私は静かにお母さんから離れた。
「ありがと」
「……」
一瞬、本当に一瞬、お母さんの顔に悲の感情がよぎったのを私の眼は捕らえてしまった。
気のせいだ、きっと、全然そう思えていなかったが、これ以上お母さんを心配させる訳にもいかず、無理やり笑顔でやり過ごした。
お母さんは、再び朝食の準備に取り掛かる。
時間はまだ6時過ぎたばかりだから、かがみ達が起きてくるのはもう少し後の話だろう。
「……はい」
コト、と私の前に置かれるご飯、沢庵、焼き魚に味噌汁。
食欲をそそられる匂いに私は少し、落ち着きを取り戻せた。
109夢の世界へ連れていって 7:2008/05/20(火) 23:45:26 ID:3XCWL7Uy
「今日は私も食べちゃう事にするわ」
そう言ってお母さんは自分の分も朝食も用意し、私の向かいに並べた。
お母さんと二人で朝食をとるのは久しぶりの事だ。
「「いただきます」」
二人で手を合わせ、私は焼き魚をつつく。
二人、何の言葉を交わすでもなく、唯黙々と箸を進める。
私と、お母さんだけの時間。
私と、お母さんだけの空気。
これ以上無い程に喜ぶべき状況では、ないのか?
なのに、何で、こんなに……。
私の体は「痛い」って言ってるのかしら……。

「ご馳走様」
私達はほぼ同時に食べ終わり、食器を運ぶ。
そしてお母さんは後片付け、私はバッグから化粧道具を取り出し、薄く化粧を施す。
鏡を見て準備が整ったのを確認すると、後ろからお母さんに声をかけた。
「じゃあ、お母さん、行って来るわ」
お母さんは首だけをこちらに向け、
「いってらっしゃい」
いつもより静かな声が響いた。
「……」
私は玄関に向かう。
靴を履き、外へと出る。

風が、冷たい。
私にこれから起こる事を警告しているかのような、容赦ない冷風が私を冷やす。
何か、今までの冷たさとは根本的な違いがあるような。
それは、今までの私と違うからなのかもしれない。
切符を買う時も、小刻みに指が震えているのがわかる。
歩く、ただホームを目指して。
「あの」
後ろから、同じ位の年齢の女性に声をかけられる。
「切符、落としましたよ」
「あ……」
言われて初めて自分の手から切符が消えている事に気付いた。
「すみません、ありがとうございます……」
軽くお礼を言い、女性の手から切符を受け取って足早に駆ける。
110夢の世界へ連れていって 8:2008/05/20(火) 23:46:10 ID:3XCWL7Uy
「おはようございます」
「おう」
課長との軽い挨拶の後、私はサエの表情が暗く沈んでいる事に気がついた。
正直私も他人に気を回せる程余裕があった訳では無かったが、知らぬ顔をするのもどうかと考え直し、サエに向き合う。
「サエ、暗いわね」
「え……そう見える?」
「あからさまにそうとしか見えないわよ」
普段は明るい彼女なだけに、わかりやすい。
「どうしたの?何かあった?」
「うん……」
彼女は、少し間を置いて、
「フられちゃった」
そう告げた。
「……坂上君?」
「あれ、私、いのりに話したっけ……」
「聞いたわよ」
と、嘘をついた。
「そっか……」
何を言うでもない。
まだ、私の事が振り切れてないのかもしれない。
だとしても、今の私にとってはどうでもいいこと。
前の私であれば、こうも薄情では無かったと思う。
だが、もう私もいっぱいいっぱいなのだ。
そんな思いから、サエがつら憎くなった。
失恋できるだけでも恵まれてるじゃないか、私なんか――――。
……。
もう、思うのが苦痛にしか感じない。
私は考え事から逃げる様に仕事に打ち込んだ。

「……」
私は屋上にいた。
普段は吸う事等無い煙草を加え、火をつける。
どう味わっても不快な苦味にしか思えない吸煙が私の肺を満たしていく。
だが今の私にとっては、この苦味すらもが心地よかった。
何で、こんな風になったのかしら。
「柊」
後ろから、声が聞こえた。
振り返らずとも判る、坂上君、か。
111夢の世界へ連れていって 9:2008/05/20(火) 23:46:59 ID:3XCWL7Uy
「屋上に来るなんて珍しいじゃない」
「そういう柊こそ、煙草吸ってる所なんて一度も見た事無かったぞ?」
「たま〜に、ね……」
言葉だけ返し、相変わらず私の視線は屋上から下を見ている。
下は道路、ミニチュアみたいな車が暇なく動き、ごまつぶ程度にしか見えない人の群れがわらわら動く。
もう一度、煙を吐き出した。
高い所は苦手だった私が、屋上から身を投げ出しているような体勢であるにも関わらず、まるで恐怖を感じない。
隣で、坂上君もポケットから煙草を取り出し、火をつける。
しばし、二人の間に沈黙の時間が続く。
沈黙を破ったのは、私が先だった。
「フったんだってね」
「……え?」
「サエの事」
下を見続けていた顔を坂上君の方に向け、確認する。
「……本人から聞いたのか?」
「相手が誰かまでは聞かなかったけどね、あの子、坂上君好きだったみたいだし」
「そうか……」
本人は考え込んでいるような素振りを見せたが、私の興味をまるで惹く事は無い。
そもそも会話が見つからないが故の話題だ、話が途切れてしまえばそれまでだろう。
「もったいない事したわね、あの子、今時珍しい位いい子よ、親友の私が言うんだから間違い無いわ」
話を繋ぐ為に言わなくてもいい事を言う私の口。
だが、サエをいい子と言った私の言葉に嘘は無い。
あの子とは大学来からの付き合いになるが、他の人間より素直で、明るくて、初めて会った時から好感を持てた。
「そうだな、もったいない事したかもな……」
「そうよ」
坂上君が、何か言葉を繋ごうとしている、その表情は必死にすら見えた。
そして――――。
「……未練たらしく思われるだろうけど、まだ、お前の事吹っ切れてないからだろうな」
「……」
「こんな事言われたって迷惑なのは判ってる、でも、中々上手くいかないんだよな、吹っ切ろうとは思っても」
……そう言われた私の心境を一言で語れば。
「迷惑」を通り越して「怒り」だったのかも知れない。
何を、何を言ってるのこの男は。
それを私に宣言してどうなる訳?
不安、苦しみ、恐怖……全てが私を怒りへと掻き立てる。
それをぶつける相手を見つけたと言わんばかりに、私は坂上君に対して、さも滑稽だと言うような顔を作ってみせた。
「本当に迷惑ね、アンタさ、それを私に話して何を望んでんの?」
「あ……俺は別に望んでるとか」
「ハッ、ずっと待ってればいつか私がアンタに傾くとでも思ってんの?バッカじゃない?」
私じゃない何かが、体を乗っ取ってしまったかの如く、攻撃の対象となった人物を容赦なく責め立てる。
112夢の世界へ連れていって 10:2008/05/20(火) 23:47:44 ID:3XCWL7Uy
「それでも僕は諦めないよ――、って?今時凄いわねアンタ、呆れを通り越して賞賛に値するわ」
「そんな事言ってねえだろっ!」
思わず声が荒くなる坂上君に対して私は逆に冷めた表情になる、顔に失笑すら貼り付けて。
「じゃあ何よ、同情でもしてほしい訳?いいわよ別に、女にフラれてそれを理由に別の女をフって申告しに来た可哀想な坂上君―――」
坂上君の手から煙草が落ちる。
「これで満足でしょ?良かったわねー好きな女に慰めて貰えて、……だからもういい加減諦めたら?想い一つ断ち切れませんだとか、女々しい事言ってんじゃないわよ……!!」
その言葉は、同時に私にも向けられていたが故に、私の心をも酷く抉った。
坂上君の手が、私の腕を掴みあげる。
抵抗しようと思えば出来ただろう、だが、私は動かなかった。
……そのまま動かぬ事、一分経っただろうか。
暫く私を睨み付けていた目が、急に力を失った様に下を向き、掴んでいた手も、私から離れた。
「お前、変わったな……」
落胆したような、失望したような、そんな響きを含んだ声。
「ええ、変わったわよ」
軽蔑したければ、すればいい、そんな些事、今の私にとっては問題になり得ないんだから。
「変わるに決まってるじゃない……」
その呟きは、坂上君に向けたものと言うよりは、独り言に近かった。
「わかったら、もう放っておいて……私はアンタに回してやれる心なんてこれっぽっちも残ってないのよ」
「……」
俯いたまま、この場を去っていく坂上君。
これで一人、友達を失くしたわね……私の何処かが無責任にそう思った。
じく……と今更になって胸が痛み出す。
攻撃対象が消え、後に残った物は、喪失感と疼きだけだった。
坂上君でこの痛みだ、果たして、お母さんを失う時の痛みはどれ程のものだろうか。
考えただけで、気を失いそうだ。
「つ……」
強くなっていく疼きに思わず声を漏らす。
一歩踏み出すも、足がもたれる様に膝から崩れた。
「……」
ああ、ここまで参ってるなんて。
片方の膝に力を入れ、なんとかもう一度立ち上がると、振り返らずに屋上を後にした。

「いのり……何か食べてく?」
サエがやはり朝と同じ調子で私に声をかける。
恐らくサエは、本当はそんな気分では無いのだろうが、私への義理として声をかけたのだろう。
そして、その私は、その義理にすら答えられる元気も残っていなかった。
「遠慮しとくわ、食欲も無いし……」
「そっか」
お互い、それ以上言葉を交わす事も無く、私は足早にロッカールームへと足を運ぶ。
113夢の世界へ連れていって 11:2008/05/20(火) 23:48:31 ID:3XCWL7Uy
着替え、外に出てみると、朝以上に冷たい風が私の体を攻撃してきた。
「……」
これ以上、外の冷気に己の体を晒していたくない。
早く、家に帰ろう、私の足は風に逆らうようにして駅へと急いだ。

家の近くの公園で、ブランコに腰を下ろす。
家に一旦帰って荷物は置いてきた、でも……。
家には誰もいなかった、今の私には孤独な空間が何よりも辛い。
何をするわけでもない、ただ、向かいをボーっと眺めているだけ。
時々、子連れの夫婦が、カップルが、学校帰りであろう子供たちが公園を素通りしていく。
明日も変わらぬ一日を約束されているであろう、私の前を過ぎ去る通行人達。
変わらない事が、どれ程幸福な事か、彼等は気づいているのだろうか?
「バーカ……」
軽い妬みから思わず出た罵倒、だがそれを聞き止める者など一人としていない、いる訳ない。
「……」
ブランコが揺れる度に、私の中に浮かび上がるお母さんの顔。
そして、そのお母さんと、変わらぬ生活の中で結ばれるという、壮大過ぎる空想。

……ふと、公園から続く丘に目がいき、私の足は惹かれる様に足を動かす。
ガードレールの下、見渡す限りの草原が目につく。
決して煌びやかな綺景も無ければ輝く夜景のような華やかしさも無い、だが、全体に広がる緑一色の群れは、一種の幻想的とも呼べる魅力があった。
思わず私は身を乗り出して下を見る。
その草原に、私とお母さんが二人で戯れている光景を想像しながら……。


そうして再び家に戻ってくると、さっき誰もいなかった静寂の空間が嘘の様に、賑やかな空間を作り上げていた。
「あ、お姉ちゃんお帰りー」
まずはつかさ、そしてかがみ、まつりもリビングに顔を出している。
もちろん、お母さんも―――。
「お帰り」
「ただいま」
突付いたら壊れてしまいそうな笑顔が、そこにあった。
114夢の世界へ連れていって 12:2008/05/20(火) 23:49:11 ID:3XCWL7Uy

夕食を取り、お父さんもまつり達もリビングを後にする。
私は暫くリビングにいたが、11時を回った頃に椅子を引いた。
「私、明日も早いから、今日も早く寝る事にするわ」
お母さんにそう告げると、昨日と同じ様にお母さんを後ろから抱き寄せて軽くキスをした。
そのまま返事だけ返してくれると思っていたお母さんが、振り向いて私に体を預けてきた。
柔らかな光を含んだ瞳に、いつもよりはっきりとした意思を宿しながら。
そのまま、再び私の唇が塞がれる。
私の首にお母さんの腕がまわる。
私も、お母さんの背中に手を持っていく、お母さんが少し足を崩した。私もそれに合わせて少し腰を低くした。
お母さんより私の方が5cm近く背が高いから、これ位で調度よくなる。
理性が保てる限界まで、お母さんを受け入れた。
……やがて、口を離す。
「おやすみ」
体が離れた瞬間、私は言いようも無い不安と恐怖に包まれる。
つい私は、一旦離れたお母さんの体をもう一度抱き寄せ、再度唇を押し付けた。
「……」
こんなに、こんなに愛してるのに――――。

何で、こんなに苦しいのか。

こんどこそ私はお母さんから離れ、最後に「おやすみ」と告げて部屋に戻った。

部屋に戻った後、私はすぐに自分の体を布団で包む。
寒かったから。
すごく、寒かったから。
今の私には体温の温もりだけでも十分な慰めになる。
もう、今日はこのまま寝てしまおう。
それが、思考から逃れる唯一の手だ。
私は、目を閉じて無理やり意識を眠りへと移行させようとする。
始めこそ、あまり眠気は無かったものの、無理にでもそうしていれば何時かは落ちるものである。
……一体どれくらいそうやっていただろう、ようやく私の意識が落ち始める。
せめて、いい夢を見れる様にと祈りながら……。


……ん。
私は、急に目が覚めた。
時間は……深夜2時、ちょっと前。
何故、こんな時間に目が覚めたのだろう。

……不意に、ガタ……という音が聞こえた。
……。
115夢の世界へ連れていって 13:2008/05/20(火) 23:49:54 ID:3XCWL7Uy
急に、言い知れぬ不安を覚え、ベッドからはね起きる。
自室のドアを静かに開け、ゆっくりと廊下に出た。
そして……。
聞こえた。
話し声が、いや……。
一方は……怒鳴り声に近い。
どちらの声も、私のよく聞き知っているものだった……。
普段は温厚なお父さんが、あんな声を上げているのを聞いたのは、一体どれ位ぶりだ……。
それに対応するお母さんは口調こそいつものままではあるものの、何処か固さの混じった声……。
私は、心臓を鷲掴みにされたような恐怖を覚えた。
まさか……。
そうだ、私が覚悟を決め、今まさに決断を出さんという所まで来たのを考えれば……。
お母さんとて、同じ風に思っていたとしても、まるでおかしくない。
私は胸を必死でおさえ、会話が聞こえる所まで歩み寄る。
「何を、何を馬鹿げた事を言っているんだ、お前は」
「ええ、馬鹿げた事を言ってるのはわかるわ、でも、本当の事なの」
「本当の事?わかっているのかい、自分の娘に――」
「ええ、百も承知です、でも、事実です」
鼓動が、止まらない。
吹き出た汗が、しみを作っていく。
「だから、私はいつか言わなきゃいけないって思ってたの」
お母さん、その先は、言ったら……。
一度間を置いたお母さんの次の言葉は、まるで、スローモーションの様に、響いた。


「許してください、あなた、私はいのりと浮気をしています―――――」


お母さんの頬を打つ、平手の音が響いた。
そして、私も黙って聞いているのはそこまでが限界だった。
「お父さん、待って」
「いのり―――」
「いのり……」
もう、これ以上お母さんに自分の罪を担がせる訳にはいかなかった。
全て、自分の責任。
家庭崩壊の序曲である根源、つまり自分の責任。
「お母さんじゃないの、全ての原因の発端は、私――」
「待って、いのり」
「私が無理やりお母さんに迫ったの、勿論その後も無理やり浮気させてたのも私、お母さんは被害者よ、加害者は私一人―――」
それは、かばいだてでも何でもなく、決して嘘偽りない言葉だった。
116夢の世界へ連れていって 14:2008/05/20(火) 23:50:39 ID:3XCWL7Uy
「いのり、お前は……」
「被害者のお母さんが殴られる理由は無いわ、殴るなら私、お父さんからお母さんを奪おうとしてる私」
お父さんは、一度あげた手を、力無く下げ……。
「わかっているのか……お前たちは……」
「お父さん、私、本当はイカレてるの、だからわかってるわ、わかってるから狂ってるのよ」
後には引けず、正直な想いを吐露し、結果は、これか。
結局私は、こういう結末を招いた。
どれだけ考えても、都合のいい法案なんて浮かぶ事は無かった。
まつりの援護も無駄に帰してしまった。
最早、誰にも合わせる顔が無い。
私が名実共に、この家の疫病神になった瞬間だった。
「少し……一人にしてくれ」
お父さんはがっくりと項垂れるように座り、私たちに背を向けた。
「……」
一体、何?この疎外感は。
私は今、堂々と宣言したのだ、お母さんを手に入れると。
これは、ベストエンドではないのか?
家族は壊したかもしれないけど、私は欲しい物を手にいれた。
やっぱり、どっちも守りたいなんて、欲張りはいけないものね。
じゃあ、少しは嬉しがりなさいよ。
どうしたの私、笑わないからお母さんがあんなに悲しそうにこっち見てるじゃない。
わらえ私の口。
あ……。
あーーー……。
あーーjk―――y−s−……。

おめddでhdとkdうmkmわたsssし
「ああ……あ?違う、私、あー、あれ……」
「いの、り……?」
よshswかっsjた めsjsasでjjkjkiたkkhuiし meめsjでkkkkksたswsし
「違う……」
「いのり……?」
「……?」
めswでswたswし めswでswたswし
「違う……」
「ねぇ、いのり」
めsでsたsし めsでsたsし
「違う……」
「いのりっ!」

めでたし めでたし
「違う」

『め で た し  め で た し』
117夢の世界へ連れていって 15:2008/05/20(火) 23:51:15 ID:3XCWL7Uy
「あ、ぁ……」
「ねぇ、いのりっ!!」
「ごめんなさい、お母さん、私、全然、違う……」
「何を言ってるの?ねぇっ」
一歩。
また、一歩。
ゆっくり、後ろに下がる私の体。
ドアの所まで下がり……。
私の足は、体は、勢い良く玄関から外へ飛び出していた。
「いのりっ!」
「何処にいくんだ、いのりっ!?」


「……」
深夜の公園。
私は何をするでもなく、ただ、立ち尽くす。
「私の欲しかった結末……こんなのだったっけ……」
あまりにも無残な結果を導いたこの行動。
全然、違う。
何で、こうなったんだっけ、あ……そうそう、私がお母さんを好きで、それを怒られたんだ、そうかぁ……。
「じゃあ、これって、私の思った通りの結末だぁ」
わかってて、行動に移して、そして思った通りの結果を招いた。
じゃあ、私の望み通りって事に、なっちゃうね、今の、この時が。
私、こんな結末欲しかったんだ、今まで全然気付かなかった。
まつり、姉さん願い事叶えたみたい、自分の力で。
もしかしたら、ようやく神様も私の味方する気になってくれたりとか、したのかな。
じゃあ今、遅れてやってきたこの涙も、嬉し涙なんだ、これ。
何かよくわからないなぁ、もう。
「嬉しい」
試しに、言ってみる。
嬉しいのイメージって、こんなのだったっけ。
118夢の世界へ連れていって 16:2008/05/20(火) 23:51:50 ID:3XCWL7Uy
「楽しい」
楽しいのイメージを頭の中で浮かべ……。
楽しいのか、楽しくないのか、わからない。
もう……しっかりしてよ私の頭。
「お母さん」
こんな、こんな状態でも、その名を呟けば、今までと同じ想いが内から湧き出てくる。
「お母さぁん……」
呼ぶ事に、呼ぶ事に呼応する私の体。
好き。
私の麻痺した頭が、それだけを訴える。
慕情だけ、訴える。
まるで、人間の理性を放置した様に。
それが「答え」だと、体が、想い人を求めて泣いている。
答え?
「答え」?


あ……。

私……。

答え、見つけた……

「お母さん、好き……」
何度も口にしたようで、今初めて呟いたような……。
こんな単純な答え、忘れてた。
私、お母さんが好き。
それだけは、本物―――――。

「いのり」
息を切らせてお母さんが私に追いついた。
「いのり、私ね―――――」
「お母さん、お父さんの所に行ってあげて」
「……」
119夢の世界へ連れていって 17:2008/05/20(火) 23:52:30 ID:3XCWL7Uy
「私、今ようやっと答え、出したの」
「……何?」
「私、お母さんが好き」
「……」
「壊した私がこんな事言うのおかしいけど、お父さんのとこに行ってあげて」
それが、私の答えだった。
「一緒に、帰りましょう?」
「ううん」
私は静かに首を横にふった。
「資格が無いとか、そういうのは、もう関係ないんだ、私わかった、まだずっと弱いままだったの」
もし私が強ければ、もしくは、弱くないなら、今のお母さんの言葉通り、一緒に手を繋いで家に帰れたのかもしれない。
もう一度、受け入れて貰おうと思えるだけの強さがあったなら。
静かに公園の丘を歩く。
「自惚れるわけじゃないけど、私がやった事、いつかはまつり達にきっと許して貰えると思う」
確信を込めて言った。
だって、家族だもん。
その家族を壊した私を、許せる筈の無い所業をしでかした私を、柊家は、いつか許してくれる。
都合が良すぎる位に、暖かい家族だから……。
お父さんも、時間差はあれど……結局、優しい事に変わりは無いものね。
「だから、駄目なんだ」
弱い私は、結局答えを出せたのに、最後の最後まで、逃げる結末を選んでしまったんだから。
最後の最後まで、親不孝娘……。
なのに果報者で、滅茶苦茶やらかして、世の中って不公平よね。
まるで、ワルツを踊る様に私の足は軽やかに、ゆっくりと丘を上がっていく。
「ねぇ、いのり?帰りましょう……」
「本当に、自分勝手でごめんなさい、お母さん」
最後まで、周りの事をまるで考えない選択ばっかり選んじゃって、バカだなぁ、私。
でも、足は止まらない。
せっかく、許して貰えるかもしれないのに、もう、戻る元気すら残ってないなんて、ね。
丘の一番上までたどり着く。
崖の下には、早朝でも見晴らしのいい草原が、盛大に目に写った。
夕方に眺めた、あの草原が。
「ねぇ、お母さん、こんなバカ娘で良かったら」
「いのり?こっちに来て……そんな所にいないで、お願いだから……」
私は自分でも驚く程の朗らかな笑顔を浮かべ……。
最後の、お願いを、口にした。


「また、私の事、産んでください、お母さん」


私の足が、丘から離れた――――――。
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0069.png

まるで、風にくるまれているような、そんな錯覚に陥り……。
どんどんと遠くなっていく光景で、私が最後に目にしたものは……。
ずっと上で、私の名前を呼んでくれた、お母さんの顔―――――――。
120夢の世界へ連れていって 18:2008/05/20(火) 23:53:15 ID:3XCWL7Uy


……。
……。
白い。
ここは……。
ゆっくりと、起き上がる。
ここは、家、そう……。
柊家、私の、家。
とても、白がかっている。
私の目が、まだ慣れてないからかな。
廊下に出る。
『おはよー』
つかさがドタドタとリビングに向かう。
私の声は、出ない、そしてつかさも、私に見向きもしない。
『あれ?つかさ、今日はめずらしく早いじゃない』
『えへへー、だって今日はお祭りだし』
学園祭の事かしら?本当に嬉しそうね。
『ほら、二人とも、せっかく時間があるんだからゆっくり食べなさい』
お母さん……。
嬉しそうなかがみとつかさの顔を交互に見て、優しく微笑んでいる。
私の大好きな、あの笑顔だ。
『うわおーー!!!』
ドタンバタンという音をたてながらまつりがリビングに突っ込んでくる。
『ちょっとお、もっと静かに入れないワケ?』
『しょーがないでしょ!?このままだと遅刻スレスレよ!!』
『スレスレっていうかもう間に合わないんじゃ……』
つかさの言う通りね、この時間でまだ家にいれば向こうに着く頃にはチャイムが鳴ってる時間帯だ。
『お母さん!食べながら行くからトーストちょうだい!!』
『はいはい』
全く……今時そんな食べ方する子なんてまつり位じゃない?
『普通食パンくわえながら行こうとする?まつり姉さんさぁ、みっともなさすぎ!長女としての自覚ってもんが無いのかしらね』
『うっさいわよかがみ、朝食取らずに行くなんて、そっちの方がよっぽど非常識なのよ、昼休みまで持つわけないじゃない』
『はーいはい』
『何だ、皆してここにいたのか、お早う』
お父さんも、いつもの穏やかな表情で椅子に座り、新聞を広げる。
『今、朝ご飯食べます?』
『ああ、よろしく頼むよ』
『んじゃいってきまーーす!!』
『気をつけるのよー』
まつりが家を出る。
そして……。
121夢の世界へ連れていって 19:2008/05/20(火) 23:53:53 ID:3XCWL7Uy
ピンポーン
『はーい?』
『お早うございまーす、泉ですけどーー!』
『あっ、こなちゃんだ!』
『何か今日はこなたといいつかさといいめずらしいわねー、やっぱり今日みたいな日は違うわねー』
何もかもが、いつも通りの日常……。

私が存在しない事を除けば……。

私は、いない。
私は、入れない……。
これが、家族を壊した私への、罰?
痛い。
すごく、痛い。
もう私は、この中にはいない。
この光景は、天国のような、地獄。
そう、地獄、私への制裁。
最後の最後までお母さんを、家族を傷付け抜いた私への。
寺の掛け軸に書かれているような地獄ではない、ひょっとして、これが本当の「地獄」なのかもしれない。
『お邪魔しまーす』
『あ、こなちゃん、もうちょっとで用意できるから待ってて』
ここにいる。
『早く準備しちゃいなさいよー?』
私はここにいる。
『つかさのハミパン萌えー』
『親父かお前は!』
私は、ここにいるのに。
『じゃお母さんいってきまーす!』
『いってきまーす』
『おっ邪魔しましたーー!』
『はい、行ってらっしゃい』
お母さん、私は――――。
『さて……どうだい、今日は久しぶりに』
『あら、何処か行きたい所でもあるの?』
『知人から貰ったんだよ、映画のチケット、最近二人で出かける機会も殆ど無かったし、久しぶりにどうだい?』
『ふふ、今時の映画なんてわかるんですか?……でも、そうね、たまにはいいかもね』
『うん、じゃあ着替えてくるから、出かける準備をしておいてくれ』
『わかりましたよ』
待って、私はここに―――――。
『じゃ、行こうか』
『ええ、あなた』
待って―――――――
122夢の世界へ連れていって 20:2008/05/20(火) 23:54:29 ID:3XCWL7Uy
お母さん達が、家から出て行く。
私も後を追いかけようとするけど、家から、出られない……。
まるで、この白がかった柊家の中に、飼われている様に。
本当に私は、もう……。
このまま、この覚めない夢を延々と見続けなければならないのだろうか。
それが、罰なの?
ずっと、私だけがいない柊家の日常を……見続けなければならないのか。
……どうにか、なっちゃいそう。
寒い。
こんなに寒い。
恋しい。
でも、涙も流れない、今の私では。
だから、その分苦しさも流せない。
お願い、だったら早く、早く何かに生まれ変わらせて。
出来れば今度は普通の女の子に生まれたい。
それで、一般幼稚園に通って、小中学校も公立でそれなりに楽しい学園生活送って。
高校に進学して、初めて男と付き合う。
でも所詮、ガキんちょのお付き合いで、高校を卒業する頃には終わってしまい、
就職して、同僚の男性と知り合い、いい感じになって恋に落ち、職場結婚、寿退社。
子供に恵まれ、年を取り、孫も出来、寿命をまっとうして命を終える。
そんな風に生を受けたい。
それが贅沢なら、生まれ変わらせてくれるだけでいい。
早く、この地獄から私を解放して。
それさえ許されないのだったら、このままこの地獄に縛り付けられたままの日々を送らなければならないのなら。


お願い、最後に、最後に一回だけ、お母さんを抱っこさせて。


私が、そう願った瞬間、再び周りが真っ白になった。

123夢の世界へ連れていって 21:2008/05/20(火) 23:55:05 ID:3XCWL7Uy
今度は、何。
また、続きなの?
中々、目を開ける事ができない。
……でも、今度は暖かい。
包まれているような、体を……。
目を、薄く開く。
白い。
ぼんやりと、周りを見る。
もしかして、ホテル?
……今度は、ホテルか。
何だかなあ、こんな時にまでこんな場所が出てくるのかあ……。
しかも私、裸だし……。
……。
でも、あったかい。
それに、人の温もりがすぐ近くに感じられた。
私の隣で、静かに寝息を立てているのは……。
「おかあ、さん?」
今度は、声を出す事が出来た。
私と同じく一糸纏わぬ姿で安らかな寝顔を浮かべている。
……もしかして、私の願いが聞き入れられたのだろうか。
最後に、お母さんを……。
だとしたら、こうやって静かにしている時間すら惜しい、私はお母さんの頬に手をのばす。
体を寄せて、ゆっくりとお母さんの体を包んだ。
夢の中でも……しっかりと、鼓動を感じる。
最後になるであろう極上の幸福感を、私は静かにかみしめていた。
またあの地獄に戻る事になろうとも、例え、生まれ変わる事になろうとも。
今この時の幸せだけは、持っていこう。
今だけは、涙を流す事を許してもらおう。

「……いのり?」
「……」
お母さん、目、覚めてたの?
「ここ、どこ?」
白がかった周りを見て、お母さんに呟く。
ホテルなんだろうけど、何か、違う、だって、夢の中みたいなんだもの。
窓の外は、何も見えない、ただの白。
まるで、ここだけの世界みたいに……。
「どこだと、思う?」
「わからない……」
124夢の世界へ連れていって 22:2008/05/20(火) 23:55:40 ID:3XCWL7Uy
そんな私にお母さんは微笑み、
「私にもわからない……かな」
お母さんの手が私の頬を包む。
「いいじゃない今は、何処とか、そんなこと」
お母さんの顔がぼやける。
涙のせいだろうか……。
「ごめんなさい……」
私は、思わずお母さんに謝っていた。
もちろん、全ての意味を込めて。
「そうよ」
お母さんは、膨れてみせた。
まるで、子供の様に。
「悪い子は、叱ってあげなくちゃね、それがお母さんの務めだもの」
ゆら……と、私の額を撫でた。
「だから、許してあげない」
「お母さん……?」
お母さんも、泣いていた……。
「許してあげないから……ちゃんと謝るの」
私、は……。
「ちゃんと……皆の前で、私と一緒に、謝るの」
私……。

「一緒に、帰りましょう?いのり……」
……。
帰れるの……?
私、帰っていいの?
「だって、私……」
私は、もう……。
「私が、連れて帰ってあげる、大丈夫だから……」
お母さんも、涙声で、ちゃんとしゃべれてないじゃない。
お母さんも、お母さん……。
「……たい」
「……」
私……。
「……に、……たい」
は……。
「いのり……」

「おうちに、かえりたい、おかあさん……」


お母さんの胸に顔を埋めて、赤子の様に泣きじゃくった。
意識が、無くなるまで、ずっと……。

ずーーーーっと……。
125夢の世界へ連れていって 23:2008/05/20(火) 23:56:23 ID:3XCWL7Uy

「はい、お父さん」
「ああ、ありがとう……」
病院のカウンター前のイスに座っているただおは、まつりから握り飯を受け取ると、お茶のプルタブを開けて、軽く流し込む。
「お父さんも、あまり寝てないんだから、少しイスに横になってればいいのに」
「ん……平気だよ」
まつりがただおの横に腰を下ろす。
そして、自分の分の握り飯を用意すると、ただおから茶を受け取った。
「もう、二週間か……」
「そうか、もう、そんなに経つんだな……」
「姉さんちょっと寝坊助すぎじゃない?二週間寝てんのよ?」
「……」
「ねえ、お父さん……」
「ん……なんだい?」
「姉さんの事……怒ってる?」
「……」
多くの言葉は言わない。
ただおは、少し下を向いていたが、やがてまつりの方に向き直り、
「怒ってる訳じゃ、ないんだ……」
缶の中身に目を移して呟く。
「ただ、何でいのりは……」
「……」
「母さんだったのかな……って、思ったよ」
嘘偽り無き言葉、何故いのりは、愛した人が、みきだったのだろう。
「んーーー……」
まつりも少し考え込むような顔をした後、
「私は姉さんじゃないから、わからないけど……」
少し、間を置いて、
「お母さんだから、じゃないのかなぁ、って……」
それは、もちろん「母親」だから、という意味ではない。
「みき」だったから……そう言ったのだ。
「そうか……そうなのかもしれないね……」
ただおは、ふと……みきに惹かれた時の事を思い出し、言葉を合わせる。
そうか……いのりも、そうだったのか……。
「みき」を、愛したのか。
「今はただ……早くいのりに目を覚ましてほしい、それだけが、今一番の望みだよ」
そう告げたただおに、まつりも頷き、宙を仰いだ。
「姉さんも勝手すぎるわよねー、相談も無しに自己完結しちゃう事ないのに……」
色々と、文句を言ってやりたいけど……。
涙と嗚咽で上手くしゃべれない、まつりの背中をただおは軽くさすってやった。
「姉さんのバカぁ……」
本格的に泣き始めたまつりの肩をポンポン、と叩きながらただおも少し、目元を拭う。
――――その時だった。

柊の名前がアナウンスされたのは。
「……え?」
「……」
126夢の世界へ連れていって 24:2008/05/20(火) 23:56:56 ID:3XCWL7Uy

「……つかさ、お母さんは?」
かがみが、目を赤くはらしているつかさに問いかける。
「……まだ、帰ってきてないよ」
病院から、と、返すのが精一杯といった様子でつかさが答える。
「そ……」
もう、二週間か……。
かがみは声には出さず、ただ、病院のある方角を見て思う。
「私達も、帰ったら準備して行こう、ご飯は簡単なものでもいいんでしょ?」
「うん……」
つかさの肩をあやす様に優しく叩きながら、かがみは下校の準備をする。
「あ、かがみー、つかさー」
「あ、こなちゃん……」
「こなた?」
「はいこれ」
こなたが、フルーツバスケットをかがみに手渡す。
「どうしたの、コレ?」
「んー、私これ位しか出来ないから……あと、これも持っていって」
こなたは自作のお守りを手渡す。
「ん……わかったわ、喜んでくれると思うし」
「ありがとう、こなちゃん」
「いや、これしき……」
「あ、皆さんいらっしゃったんですね」
「あ、みゆきさん」
みゆきも鞄を抱えてやって来た。
「何ほどの事も出来ませんが、これから皆で何か、食べにいきませんか?」
「え……」
「やはり、目を覚まされた時には、心配をかけないのが一番では無いかと思いますから」
「……」
みゆきの気遣いに、こなたも賛同した。
「そうだね、やつれた顔で迎えるよりは元気な顔で迎えた方がいいに決まってるもん、そうしよ、二人とも」
「みゆきも、こなたも、有難うね」
不意に、
つかさの携帯が、鳴った。
127夢の世界へ連れていって 25:2008/05/20(火) 23:57:25 ID:3XCWL7Uy
「あ……」
つかさが、ゆるゆるとポケットから携帯を取り出す。
「はい……お父さん?」
「……」
「……え?」

「……つかさ?」
「つかさ?」
「つかささん?」

「お、ねえ……」
つかさの目から、再びぼろぼろと雫がこぼれ始める。
「ねえ、どうしたのよ、つかさっ」
かがみも、表情が崩れ、つかさの肩に掴みかかる。
目尻に、涙を蓄えたまま。
こなたも、みゆきも不安そうに見守る。
「おねえちゃんが……」
聞き取りにくいつかさの声。

だけど……その言葉を、風が優しく皆に運んでくれた――――。


「おねえ、ちゃ……意識、戻ったって……」


5分後に、かがみの携帯も鳴る、もちろん、同じ喜報を伝える為に。


128夢の世界へ連れていって 26:2008/05/20(火) 23:57:54 ID:3XCWL7Uy
……私は、まだぼやける目をそっと開き、目の前にあるお母さんの寝顔を見て、ただ、思った。

……戻ってこれた、という事を。
多分、病室なんだろう、わずかに首を巡らす、まだ、朦朧としながらも今度ははっきりと見える「窓の外」。
そして、握られている私の手。
お母さん、どうやって私の夢に入ってきたのかしら……。
お母さんが、ゆっくりと、目を開ける。
私と合う、視線。
お母さんは、一言もしゃべらなかった、私もまた、目だけを見つめていた。
でも、お母さんは、言葉には出さず、確かに私にこう言ったのだ。

「おかえり」と。

だから、私も目で言葉を返した。

「ただいま」そして「ごめんなさい」

家に帰ったら、ちゃんと皆に謝ろう、お母さんと約束したんだもの。
意味など、問わない。
私は、お母さんの隣にいたい。
そして、柊家の長女に戻りたい。
お父さん、まだ怒ってるかな。
ううん、でも、ちゃんと許してもらおう、許してもらえるまで。
私は、ようやくわかったのだから。
お母さんと家族を天秤にかける必要なんて、無いと言うことに。
そんな事を気にかける必要など、無いのだと。
夢に、教えて貰ったのだから。
愛してるんだもの。
だから……今ならわかる、お母さんの、気持ちが……。
私は、間違いなく愛されてる事も、私が、愛してる事も。

だから、私はお母さんの娘に戻る。
それが、お母さんの愛に答える形になるから。
……でも、また、私がお母さんの事、欲しくなっちゃう時があるかもしれない、いや、きっとあるだろう。

だから、その時は、お母さん。

私を、また夢に連れていって?

そこで、また、いっぱい甘えさせて欲しい、それが私の確かな幸せになるから……。
そして、再び、意識が落ちてくる。
この世界から離されてしまう眠りではない、ただ、暖かい眠気が私を包む。
お母さんの手を、温かみを感じながら。
私の意識は再び落ちた……。
129夢の世界へ連れていって 27:2008/05/20(火) 23:58:29 ID:3XCWL7Uy

「お姉ちゃんっ!!」

「お父さんっ!姉さんは!?」

「ああ、あの何か一緒についてきちゃってごめんなさい、ええと……」

「泉さん、落ち着いて、あの、私達……」

「わかっているよ、有難う二人共、部屋はこっちだから」

「うん、行こう、こなちゃん、ゆきちゃん」

「ああ、行っておいで、でも静かにな、二人とも寝てるから、今は起こさないでおいてあげてくれ、ほら、まつりも何時までも泣いてちゃ駄目だよ」

「は、はい!有難うございます」

「ほらこなた、急ぎなさいって」

「うう……起きたらいっぱい文句言ってやるんだから……」


いのり、一緒にお家、帰りましょう――――――。


おかあさん、わたし、いますごくしあわせ――――――。

ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0070.png


                                    〜END〜
130イクシキャヌン ◆P5TPu/OBR2 :2008/05/20(火) 23:59:40 ID:3XCWL7Uy
以上になりまつ
長々とすいませぬ
お付き合い頂いた方、ありがとうございますあ
ではまた、次の機会もよろすくノシ
131名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 00:04:42 ID:q8Yip3m+
>>130
いい物書きだとは思うんだがどうしてもでつまつ調がウz…馴染めない
無理せんでもいいんじゃないか
132名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 00:10:53 ID:KTbnEBcI
>>130
うう〜痛くて切なかったけど最悪の結末は回避されて良かったです。
大作お疲れさまですた!
133名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 00:27:23 ID:rBPDgIi7
長編(?)お疲れ様でしたー
感動をありがとう!!!
134名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 00:53:31 ID:KDn6kYoN
途中で最悪の結末を予想してドキドキしまくってたけど、読み終えてホッとしました。GJ!
135名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 01:03:21 ID:jmEbo1gi
>>130
何この目から出る汗…
果てしなくGJ&もつかれ
136名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 01:31:23 ID:WBNXg9si
>>19
これ十分いけるっす

>>31
この世界だとさすがに超次元かがこな推奨生命体がいないと恋愛にはならないか?
あやのの発言が気になるが
続きが気になるッス

>>44
でれ分補充 補充っと

>>77
つかさとゆたかが謀ってる

>>91
ネタじゃなくってそうゆう理由で男だったんですか
だから男性恐怖症
137名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 02:09:04 ID:dkELmItO
>>130
うおおお!今この瞬間俺の中でいのみきは伝説になった!
涙が止まらないGJです

番外編、切望します!
138名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 02:13:02 ID:gUEXMHLE
>>130
最後の絵はいのりとみきさんでおk?
長編乙でした
リアル遭遇できてうれしかったです


139名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 04:57:31 ID:NSsQy3gJ
>>130
ド修羅場なのに救いのあるラストに繋がって良かった…
GJ!

いのりに協力すると約束したまつりがただおを籠絡して
家族内カップル二組成立でお互い様だねと丸く収まる
展開を考えてた自分は爛れ汚れきってましたw
140名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 04:58:17 ID:egn1a23g
>>91
GJ!一時はどうなることかと思った…がハッピーエンド?でよかったよかった。
オリキャラは注意書きしてくれればよかろうかと。これまでにも何度もあったようですしね。

>>100
パティとみゆきとはまたレアな組み合わせできましたな。年下攻めに萌え〜
ってか最後のプリンはもしかして鉄鍋…

>>130
やっと読み終えた…なんというトゥルーエンド(でいいのか?)
飯を食うのも忘れて読み耽ってしまったので謝罪と賠償…はいらん。

まとめてみんなGJ!ってことで。
141名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 09:23:28 ID:rR6qJTGR
投下するならいまのうち?
最近の流れについていけない人が
9:25から投下しま〜す
14217-234:2008/05/21(水) 09:26:44 ID:rR6qJTGR
どうもごきげんよう、17-234です。
「その、優しさの理由」
あきら様×白石
エロなし3レス

携帯からなので、遅いと思いますが許して下さい。
盛り上がりに欠けますが仕様です。
14317-234「その、優しさの理由」1/3:2008/05/21(水) 09:29:15 ID:rR6qJTGR
らっきー☆ちゃんねるの収録が終わって、
楽屋に帰ってきた。
畳の上に胡座をかいて座る。

「ねぇ、白石。」
「んぇ?」

僕は、ペットボトルのお茶を飲みながら彼女の方を見る。
彼女……あきら様のことだが…は、斜め45度、ぼんやりと視線を向けている。
どこを見ているんだろう?
僕もその方向に目をやる。
何もないじゃないか。

「……えっち、しよ。」
「ぶあはっ!!」

…よかった、彼女の方を向いてなくて!
僕は、彼女の意外に大人の考えであることと、
それよりも先に、この言葉が彼女から出たこと自体、
1年以上の付き合いの中で考えても、不思議でならなかった。

「な、な、何を突然言い出すんですか!」

机の上のティッシュを素早く取って
自分の顔と服、畳の上を拭く。
濡れた学ランを脱いで、ハンガーにかける。
これ、いつ乾くんだろう。

14417-234「その、優しさの理由」2/3:2008/05/21(水) 09:31:14 ID:rR6qJTGR
あちらからの視線を感じて、見ると、
あきら様は僕をみていた。

「って、あきら様?あの、え」

すたすた、あきら様はこちらにやって来て、
どん、
押し倒された。
14歳の、アイドルに、だ。
頭を強打する。
同時に、僕の頭の中は混乱しはじめた。
僕の体を跨いで、僕の肩を押さえつける。
振りほどこうにも、力が、入らない。
混乱からか、期待からか、僕自身にもわからない力が、体を支配する。

「ねぇ。」
「……なんでしょう、」

僕の真っ直ぐ上に、あきら様の顔がある。
頬を両手で挟まれた。
その手がひんやり冷たいのは、
彼女がさっきジュースを飲んでいたからだろうか。

「あたし、頑張ってるよね。」
「えぇ…あきら様は、頑張ってますよ…」

表情は何処へ置いてきたのだろう。
彼女は口だけを動かして、自分に確認するかのように呟いた。
僕を見ているようで、見えていないような、そんな虚ろな目をしていた。

「偉いよね。」
「えぇ、偉い、ですよ…、あきら様…?」

嘘じゃない。
彼女の顔が、ゆっくりと近づく。
肘を僕の顔の横にべったりとつけ、彼女の指が僕の髪の間をすりぬける。
鼻の先に、彼女の唇があって、
ちょっと首を傾げていて、

「だよね」
「―――」

初めてのキスは、
何故か涙の味がした。
驚いて、彼女の頬に触れる。
僕はその時、彼女の頬が濡れていることに、初めて気付いた。
僕は彼女の何を見ていたんだろう。
こんなにも近くにいるのに。

14517-234「その、優しさの理由」3/3:2008/05/21(水) 09:33:27 ID:rR6qJTGR
彼女の唇が離れて、
嗚咽が漏れる。
ゆったりと、体の重み。
耳元で、すすり泣く声。
僕は、彼女の震える背中を抱き締める。
それが、一番自然な行為だったから。

やがて泣き止み、僕の耳元でため息をつく。

「あきら様…無理、しないでください…」
「してない」
「なにか、あったんでしょう?」
「ない」

低い声でうめく様に答える。
僕は知ってる。
こんな状態になった小神あきらは、なにかを抱えていることを。

「なら、どうして泣いているんですか……」「っさい、バカ…」
「どうして独りで悩むんですか…」
「あんたに、言った所で、なんにも、なん、ないっ…」

再び聞こえ出す涙声。
ワイシャツの肩が、濡れていくのが分かる。

どうして、自分を鳥籠の中に入れてしまうのだろう。
その鍵を持っているのは、誰だろう。

「なんで!!」
「……?」
「なんであんたはあたしに優しくするの……!」

なんででしょうね、
1年以上一緒にいるのに、
どうして理由を今探しているんだろう。

「あきら様?」
「なによ」

視線がぶつかる。
頬に残る涙の跡を、そっと拭ってあげる。
僕は出来るだけ優しく、彼女の頭を撫でる。

「あきら様のことが、好きだから、じゃ、ダメですか?」
14617-234「その、優しさの理由」後書き:2008/05/21(水) 09:39:49 ID:rR6qJTGR
オワタ

4月ぶり?ってか何スレぶり?
文章を書いたのは久々でした。

あきら様はさみしがりやだと思います。
けどそれは誰にも言えないのではないか
自分でもどういって良いか分からなくて
という感じを出してみたかったのですよ

保管庫の自分のところのカウンターが
毎日10くらいまわっているのに気付き
ガチですいません、と毎日思っている
17-234がお届けしました☆ばいにー☆
14745-450:2008/05/21(水) 10:39:31 ID:dZSD99KG
どうもです。
>>20で予告していました作品が書き上がりましたので投下…の前に
感想レスをいくつか。

>>130
「持ち上げて落とす」ならぬ、「叩き落として持ち上げる」展開に
衝撃と焦りを感じつつ最後には物凄い規模の安堵感を得られました。
カップリングの予想外さで引き付けつつ、同時に骨太な物語を
読ませて頂きました事を本当に感謝致します…GJ!!

では、他に投下者がいなければ5分後に投下開始致します。
14845-450:2008/05/21(水) 10:45:07 ID:dZSD99KG
「創作の衝動」
・続き物(第1話)
・非エロ
・ひよりメイン1年生4人(特定のカップリングはなし)
・本編4レス+後書き1レス
・このスレのとある作家さんのSSをモチーフとした表現あり
・モチーフとさせて頂きましたSSの作家さんに対する批判等の意味合いはありません
149創作の衝動 第1話 1/4:2008/05/21(水) 10:46:30 ID:dZSD99KG
「いやー、今回のイベントは新刊の売れ行きも良かったしパティと泉先輩の2人に売り子を
 手伝ってもらって欲しかったサークルさんの新刊もコンプしたし最高だったっス、本当に」
とある同人誌即売会の帰り道。
田村ひよりは自分のサークルの新刊の売れ行きの好調さと欲しいと思っていた同人誌を
漏れなく確保出来た喜びからか、疲労を全く感じさせない軽い足取りで家路についていた。

「さーて、戦利品のチェックと参るっスかね」
誰に言うでもなく、そう呟いてひよりはカバンの中に丁寧に詰め込まれた
同人誌の束を引っ張り出して喜色満面の表情を浮かべながら読み始めた。

「やっぱりどのサークルさんもクオリティ高いなぁ、私ももっと頑張らないと…」
今日手に入れた同人誌のほぼ全てを読み終え、他のサークルへの感心と
自分への奮起を込めた言葉を呟いたひよりの目線に「最後の1冊」が飛び込んだその時…

「…いよいよ、『ラスボス』っスか…」
今までとはまったく違った雰囲気で、ぼそりとそう呟いた。

いや、違っていたのは雰囲気だけではない。
今まで笑顔で同人誌を読んでいたひよりの表情が一変し、
本当に真剣な表情で「最後の1冊」を読んでいた。

数分が経過し、「最後の1冊」を読み終えると…
「はぁ…何とも重いと言うか、リアリティ重視のお話だったっスね…相変わらず」
疲労を感じさせる表情で、溜息をつきながら感想を呟いていた。
150創作の衝動 第1話 2/4:2008/05/21(水) 10:48:06 ID:dZSD99KG
ひよりが『ラスボス』と言っていた同人誌。
それはとある日常物の4コママンガの二次創作作品であった。
原作のメインキャラクターはほぼ女性キャラで構成されているため、
自然と百合物の同人誌の割合も多くなり…ひよりも百合物の同人誌を
描いている事もあり、何度かこの作品の百合物の同人誌を購入していた。

原作の雰囲気の緩やかさからか、基本的にはラブラブで幸せな作品が多いのだが…
ひより曰く『ラスボス』なこの同人誌を出したサークルの作品は「主人公とその従妹」の
カップリングを扱っており、同性に加え血縁関係でもある2人の恋愛の困難さを前面に
押し出したものとなっている事が『重い』とも感じられる雰囲気を醸し出していたのである。

「無理矢理2人を引き剥がして『想い人』を手に入れたって、その人が自分に振り向くとは
 限らない…って言うかまず振り向かないだろうに、どうしてあんな事しちゃうんスかねぇ…」
ベッドに横たわり、『ラスボス』の同人誌の内容を振り返りながら一人ごちるひより。

「家族や、得られるはずだった未来を捨てて…犯罪を犯す事も、厭わないだなんて…
 そんな事をした結果、『想い人』にそっぽを向かれたら…本当に、全てを失ってしまうんスよ?
 それでもやるって言うんスか? 本当に、奪い取るって言うんスか…あなたは?」
一度吐き出し始めた思いはとどまる事なく。
全てを吐露するように呟き続けながら、ひよりはそのまま眠りに落ちて行った。
151創作の衝動 第1話 3/4:2008/05/21(水) 10:49:42 ID:dZSD99KG
数日後。
田村家にはひよりの友人であるゆたか・みなみ・パティの3人が勉強会の為に集まっていた。

「やっと終わったよ〜…」
「…お疲れ様、ゆたか」
「ミナミはホントウに、ユタカが大好きなんデスね♪」
「あうっ、恥ずかしいよパティちゃん…」
「………」
「あーもう、2人とも照れてるじゃないパティ…クールダウンも兼ねて飲み物取って来るね」
「あ、ありがとう田村さん」
「…ありがとう」
「Oh、Thank Youヒヨリ♪」

「こんな物しかなかったけど…って、あれ?」
そう言いながらオレンジジュースのペットボトルとコップの乗った
お盆を持って部屋に戻って来たひよりが目にしたものは…
ゆたかが神妙な表情で薄手の本を見ており、両脇にみなみとパティが居るという光景だった。

(こ、これはあの時の悪夢再びーっ!? …いや落ち着け、あのノートは鍵のかけられる
机の引き出しにしまったからそれはありえないはず…もう少し近付いてみるか)
以前にパティに「黒歴史」の詰まったノートを見られた時の光景が脳裏に蘇ったが、
冷静に考えた後に事実確認をしようと3人の元に近付いていった。

(え…これって、あの同人誌じゃないっスかぁぁぁぁっ!? …いやまぁ、一般向けだから
ゆたかちゃんが読んでもあまり問題はないしそんなに慌てる事はないっスね)
ゆたかが読んでいた本が、数日前に手に入れた『ラスボス』の同人誌だった事で
一瞬再び慌てるが…同人誌の内容を思い返し、大きな問題はないなと安堵していたその時。

「田村さん?」
「え? 何スか、ゆたかちゃん?」
「…この同人誌、題名に添えて『第5話』って書かれてるよね?」
「そうっスけど…」
「第1話から第4話までも見たいんだけど…いいかな?」
「いいっスよ…あ、どうせならそこに至るまでのお話が描かれているヤツ全部出すっスね」
ゆたかの言葉に返事を返し、押入れにある同人誌の保管ケースの1つからあの同人誌を出した
サークルの同人誌の中で『ラスボス』の作品に繋がるものを一通り出していった。
152創作の衝動 第1話 4/4:2008/05/21(水) 10:51:09 ID:dZSD99KG
…それから数分後。
ひよりが出した同人誌数冊を一通り読み終えたゆたかは、さすがに疲れた様子を隠せずに俯いていた。

「ゆたか…大丈夫?」
「ううん、ちょっと疲れただけだから心配ないよみなみちゃん」
心配して声をかけるみなみに、両手を振って大丈夫だとアピールするゆたか。
「…はぁ」
しかし、その直後には疲れとはまた違った沈んだ雰囲気で溜息をついていた。

「どうしちゃったんスか、ゆたかちゃん?」
「ドコか悲しそうな雰囲気デスよ、ユタカ?」
ひよりとパティも、心配になって思わず声をかける。

「うん…このお話がとても悲しかったから、ちょっと落ち込んじゃったんだ」
「お話が…?」
「うん…だって、せっかく2人とも好きだって言ってて思いは通じ合ってるのに
 周りの人達が邪魔しちゃう格好になって引き離されて…『駆け落ち』までしてやっと
 2人で幸せになった、って思ったのにまた2人を引き離されようとしているのが…悲しいな、って」
「ユタカ…」

「…もしも周りの人達に話してたなら、みんな認めてくれたのかもしれないのにね」
ゆたかの言った、その一言が。

(! そうっスよ! その手があるっス! 私も曲がりなりにも漫画描きの端くれ!
私流のこのカップリングのハッピーエンドな話を描いてみるっスよぉぉぉぉっ!!)
ひよりの心の片隅で燻り続けていたものに、火をつけた。

「ゆたかちゃんっ!」
「た、田村さん?」
「描いてみせるっス! ゆたかちゃんが望む、この2人の幸せなお話をっ!!」

-続く-
15345-450:2008/05/21(水) 10:55:38 ID:dZSD99KG
…今回もまた変則的なクロスオーバーとも言える作品となってしまい、
ある意味反則連発になってしまっているかもしれませんが…前回と同じく
「これはらき☆すたキャラに上手く当てはめられそうだな」という思いで
再び書き上げてしまいました。今度は続き物という事で長いお付き合いを
させてしまう格好になってしまいますが、どうかよろしくお願いいたします。
154名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 11:32:03 ID:pMFuwj1R
うぉ…GJのスピードが追い付かない……!orz
ってことで、まとめてで申し訳ないんだけど
職人さんたち、ホントにありがとう!!
155名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 12:13:47 ID:VERT2nVS
>>153
GJ!
つーか『ラスボス』のあらすじに凄く見覚えがww主に中部地方が舞台の(ry
156名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 16:13:22 ID:9kHuUpL7
>>153
GJ!
…なんだろう、「ラスボス」にひどく覚えがあるんだけど…w
そしてひよりんがアレのハッピーエンドverを書いてくれるのね。
楽しみw
157名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 16:57:05 ID:Ncmq0r8n
前スレではフタナリネタが盛り上がって
このスレでは性転換パラレル、性同一性障害物も投下されてますねw

そこでふと思い出した事があるんですけど10年位前のスポ根ドラマで
外見は完全に女性で、女性としての機能もちゃんと備わってるけど
中身の身体能力は男性と同じレベルの障害(?)
って言う物があった記憶があります。
見た目は完全に女性なので検査とかしないと一生分からないものですが。
マラソン物で女性としては驚異的な速さだったけど、その原因は
男の身体能力が備わってるからだった・・という話だったと思います。

ドラマ名も症状の詳しい名前も覚えてないのですが、話の雰囲気から
実在する症状だったと思うのですが分かる人とかいますでしょうか?

何もしてないのにやけに能力が高いこなたとかが実はそれだったとかだと
面白そう(爆)だなと思ったりw
158名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 17:36:48 ID:1zTribAa
>>157
TBSで1998年にやってた、「仮面の女」というドラマという所まではgoogle先生が教えて下さいました
ウィキペでは、実際に"染色体上男性"というケースもあったそうです
15919-04:2008/05/21(水) 18:08:58 ID:fbRcde+t
>>157>>158
ふぅむ……そんなドラマがあったんですか。でもこのネタは無理かもしれないスね……
そういえば性同一性障害ネタなんスけど、お望みのカップリングがあれば承りますよ。
今のところ、ゆーちゃんとひよりんで作るとこまでは構想しております(ゆーちゃん編はシリアス展開)。
こう、やまとは桜藤祭のを持ってないのでパスですが……
160名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 18:11:26 ID:Ncmq0r8n
双子のどっちかとか、ずっと身近にいただけに面白そうですねw
161名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:13:00 ID:0SO7KWj3
なんというGJの嵐!作者の皆様あじゅした!

新しいペンタブ購入して、付属のCGツールでお絵描きの練習してみました。
これで色塗りとか覚えていこう、自分。うん。

↓性転換もGJですが、ふた○りもねっ♪
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0071.jpg
162名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:17:07 ID:0SO7KWj3
ホクロ忘れた…orz
163名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:21:01 ID:QukCWZst
本当にキャラを知りつくして自分のものに消化しきってるなと思える作品
http://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/401.html

何一つ凝ったところのない話なのに
「ああ、ありそう」と笑ってしまう
そして末尾に
それでもつかさに作るかがみ
そしておいしいよって感謝して食べるつかさ
読んだあとに気持ちのよい創造とか余韻が広がる

おそらくこの話を読んで、キャラに違和感があるとか
愛情がないと感じる人は少ないと思う



麦笛氏の作品に対する批判の根っこはこういったことでかなと思って
1レスお借りしました
164名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:05:14 ID:7r0oGOsG
あと長編ものとか読むといいかもね、話の展開の勉強になるし

てけてけ、0から〜、四季ほどのクオリティを求めるのは酷だが

あとは長編ったらなんだろ?
165名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:08:19 ID:kJ/HkwPg
>>161
おまwww どっちに生やすつもりだw
嬉しそうにしてるから、こなたかな? こなたの方なんだな?
襲われるターゲット (?) のかがみも満更そうじゃないなw
166名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:09:53 ID:b1vCJhhQ
>>164
相視点シリーズとか?
167名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:55:06 ID:BWjkZhAH
やさしすぎるおまいらに思わず涙。

最近、某スレで心がすさみかけてたから、
なおさら、おまいらのやさしさが身にしみるぜ(〒ω〒.)






いや、俺は一読者にすぎないけどな。
16842-519:2008/05/21(水) 23:07:02 ID:ONPBa6B0
誰も準備していなかったら5分後に投稿しますね。
二輪の花 5話

・シリアス気味
・こなたとゆたか
・7レス使用
169二輪の花(1/7):2008/05/21(水) 23:13:29 ID:ONPBa6B0
【第5話:soak】

 秋葉原、とあるメイドカフェにて。
 6時にこなたが入店してから、数時間たった後。
 
「泉さん……その、言いにくいんですけど」
「あ、あとちょっと! あとちょっとだけですから!」
 泉こなたは困った顔をする店員に懇願をする。時刻は9時を回っている。閉店まであと一時間のところで、いつも以上に混雑していた。
「うーん、まあ、泉さんだし」
 しかたなくメイド服姿の店員が譲歩する。
 迷惑なのはわかっていたが、後5分。後10分。まるで締め切りを前にした作家のように時間を引きのばす。
 その5分でかがみが来るかもしれない。そう思うと、どうしても店を出られない。
「いらっしゃいませー、ご主人様」
 もう最後にしよう。これ以上は仕方ない。そう思い絶望的な思いでその言葉の先を見つめた。
 店内に入ってきたのは、意外な人物だった。
「……ゆーちゃん?」
 驚いて口に出す。ゆたかはきょろきょろと周りを見回した後、近くにいた店員に話しかける。
 その店員はゆたかの身長にあわせるようにかがみ、耳を傾ける。
 その顔が明るい。こなたが不思議に思っているとるんるんとスキップしながらこなたの方へやってきた声を張り上げる。
「泉さん!」
「……な、なんですか?」
「泉さんを探している人がきましたよ」
「……え?」
 ゆーちゃんが、私を探している?
 かがみじゃなくて? それは、どういう意味だろう。
「すぐに呼んできますね」
 いらっしゃいませ、ご主人様と新たに入ってきたお客に遠くに笑顔を振り向きながらその店員はゆたかのいる方に歩いていった。
 クーラーの風のだろうか。
 襲ってくる寒気にこなたはぶるっと身を震わせた。
170二輪の花(2/7):2008/05/21(水) 23:15:35 ID:ONPBa6B0
「やっぱりここにいたんだね」
「ゆーちゃん、どうしたの?」
 やはりつれてこられたのは小早川ゆたかだった。平然と、呼吸をみださずに店員の後ろについてきた。
「て、ゆーか、どうして私の場所わかったの?」
 思わぬ人物の登場に驚きながらもこなたは、待っていたことが報われた気がして喜んだ。これだけ待って収穫ゼロというのは正直辛い。
 それが待ち人でないにしても、こなたは暖かく迎えようと決めた。なんていたって従妹にあたるゆたかであったから。
 高校入ってからみなみと言う親友ができたせいか、以前ほどべたべたした関係ではないにしろ、従妹には変わりない。
「……かがみ先輩から聞いたんだ」
「かがみん?」
 どうしてゆーちゃんが? というか、かがみはどうしたんだろ。
 まあいいやとこなたは思う。わざわざきたんだし、コーヒーをケーキをオーダーしてゆたかに奢ってあげた。
「それはともかく、何の用? わたしが寂しくなったりした?」
 こなたはお姉ちゃんづらをして笑う。
 ゆたかの顔が邪悪に歪む。その質問をゆたかは無視した。
171二輪の花(3/7):2008/05/21(水) 23:18:05 ID:ONPBa6B0
「――かがみ先輩のこと、好きなの?」
 ぶほっ!
 思わぬ質問にこなたは口に含んだコーヒーをごほごほと、むせる。
 なななななななんですとー?

「え、えと、それ、どういう意味、ゆーちゃん」
「はっきり答えてよ」
 ゆたかが発する怒気にこなたの顔が引き締まる。いつもゆたかではない。
 それでも茶目っ気を失わないように明るく笑いかける。
「そりゃあ、ツンデレだし、かわいいし。かがみのことは普通に好きだよ」
 ゆたかはスティックシュガーを三個もいれた甘いコーヒーを口に運ぶ。
 ずーずーと音をたてて飲む。
「本気で、いってるんだよ」
「本気?」
 それって、どういう――?
「……私はかがみ先輩のことが好き。たぶんこなたお姉ちゃんが思っているのとは違う意味で」
「そ、そっか」
 急な告白にこなたは驚きながらも、冷静をつくろう。従姉としてお姉ちゃんでいないといけない、とこなたは思いながら。
「これ、かがみ先輩からもらったものなんだ」
 そういって黄色の造花を取り出す。
「何の花?」
 あまり花には詳しくないこなたが当然の疑問を口にする。ゆたかはカーネーションだよ、っていった。
 枯れることのない人工花が、風に反応してゆれる。黄色の造花は星のように、いつまでも輝きを失うことなく咲き続ける。
「きれいだよね」
「うん……そうだね」
 かがみが花とはねえ。
 こなたは一人、顔を赤らめながらゆたかに花を渡すかがみを想像してくすりと笑った。
172二輪の花(4/7):2008/05/21(水) 23:20:03 ID:ONPBa6B0
「――それで、お姉ちゃんはどうなの?」
 ゆたかはずいっと体をのめらせる。
「うーん、なんていえばいいかな。『好き』だと、思うけど」
「けど?」
「わからないよ。女の子通しだもん。その気持ちが本当なのか。ただ嫌いじゃないし、一緒にいたいよ」
「……」
 ゆたかはこなた以上に小さい体躯を大きく見せる。

 冗談は言わない方がいいのかもしれない。その真剣な瞳にこなたは大きく身震いをする。
 沈黙がテーブルの周りを支配する。場違いの電波ソングはすでにBGMとしてすら成り立たず、不協和音として耳障りにキーキーと音を立てていた。
 たまらずこなたはコーヒーを口に運び場をつなぐ。
「……でもね、お姉ちゃん」
 その顔がひどく歪む。
 ニヤリと笑った気がした。
「――かがみ先輩はお姉ちゃんのこと、嫌いみたいだよ」

 …え?
173二輪の花(5/7):2008/05/21(水) 23:20:43 ID:ONPBa6B0
 そう告げたゆたかの顔は確かに真剣だった。
「…何いってるの?」
「もっかい言おうか? かがみ先輩はおねえちゃんのこと嫌い。『うざい』っていってたよ」
「ゆーちゃん?
――冗談でも、怒るよ。私だって」
 この子は何を言っているんだろうか。
 へらへらとしていた顔はすっかり緊張しきってゆたかを仇敵を目にしたのかようににらみ付ける。
 嘘でも言って良いことといけないことがある。
 いくらゆーちゃんでも。かわいい従妹だとしても、許せない。その言葉だけは許せない。
「だから言ってるでしょ。『嫌い』だって」
「そんなわけない! かがみんが私のことを? そんなことありえない!」
「――そうやって怒るのは自覚している証拠、だよね」
「ふざけないでよ!」
 こなたは右手をテーブルに叩いた。テーブルをがたがたと揺れる。
 グラスに入ったコーヒーが縦に揺れてこぼれる。叫んだ声に驚いて周囲の目線が集まる。
「……あ」
 取り乱したことを反省してこなたは黙る。
「そんなこと、ないはず」
 呟いた言葉にしかし、こなたは確信をもてなかった。
 目まぐるしく今日のできごとを回想する。

――かがみの態度
――約束のすっぽかし
――目の前にいるゆーちゃん。
 普通であると思う方がどうかしている。
 あながち、間違っていない、かもしれない……。
174二輪の花(6/7):2008/05/21(水) 23:21:22 ID:ONPBa6B0
「いいもの、見せてあげようか?」
 ゆたかはスカートのポケットから携帯電話を取りだした。ふんふん♪と鼻歌を歌いながらを携帯を弄ぶ。
 それからニヤリと嫌な笑顔を見せてディスプレイをこなたに見せた。
 こなたの顔が驚愕と羞恥で赤面する。
「か、かがみ!?」
 そこに出ていたのは間違いなくかがみだった。それにゆたかもいた。
 かがみが一糸纏わぬ姿で写っていた。
 夢にまで見たかがみの裸体。想像するだけだったかがみの乳房。
 こんな時に、やっぱりかがみって綺麗だな――と咄嗟に思った自分に辟易した。
 ディスプレイ上のかがみは憮然と、二コリともしていない。しかし間違いなくかがみだ。
 平均的な女子高校生よりもやや大ぶりの胸。それでいて形が綺麗に整っている。乳首や乳輪が美術に書かれた女性裸像のように神秘的で魅力的だった。
 細い腕。ひっそりとたたずむおへそ。特徴的なツインテールが静止画でぶれずに移っている。

「どうして?」
 ゆたかに対しての言葉なのか。かがみに対してなのか。それとも自分自身に吐いたのか。こなたは絶望的に、そのディスプレイに目を奪われていた。
「私とかがみ先輩。私達……仲、いいよね?」
 こなたは頷くことも否定することもできない。
 打ちのめされて、うなだれて、目に涙を浮かべる。
「それとね、こなたお姉ちゃん」
 いったん言葉を切った。次はどんな言葉でこなたを口撃しようかと舌なめずりをするかのように。
 それでいてこなたに心の準備をする暇はなかったし、ゆたかは与える気もなかった。
「お姉ちゃんが待っていた時間。 私とかがみ先輩、『えっち』していたんだよ。先輩、すごく綺麗だったよ――?」
 もうこなたは何もいえなかった。
 できることとえいえば、顔を落として、こみ上げてくる涙の決壊を堪えることだけだった。
175二輪の花(7/7):2008/05/21(水) 23:22:11 ID:ONPBa6B0
 ゆたかはあざ笑うかのように、ふふと笑みをこぼす。
「私はもういくね。お姉ちゃんが帰ってきているし」
 立ちあがり、出て行こうとする。その最中にゆたかを案内した店員と目が合う。
「あれ、もうお出かけですか? ご主人様」
「はい」
 その店員がこなたに目配せをした。こなたは呆然と頷く。
 私のおごりという意味だ。
「早く帰ってきてくださいね、ご主人様」
 ゆたかは微笑を返して出て行った。

 何がどうなって、こうなってそうなったのか。
 こなたは空になった従妹のコーヒーグラスとチーズケーキに意味もなく視線をおろす。
「かがみが…ゆーちゃんと?」
 その言葉が重い。小さな体では支えきれないほどにのしかかってくる。
 ここにいても仕方ない、そう思いこなたはカウンターへ向かう。見知った店員が応対をする。何を言っているのか目から鼻へ抜けてしまってわからない。
 言葉が表音化してしまっている。
 財布から5000円を出して渡す。
「あ、泉さん! お代は3000円です!」
 遠くから言葉が聞こえたような気がした。
 もうこなたは店からでて、オタクが行き交う秋葉原の中央通へと歩き出していた。
 人のまばらの裏通りに入る。
 涙が際限なく頬を伝う。
「ちょっと我慢できない……かもなあ」
 他人事のように呟いた言葉が、より一層涙腺を刺激する。
 こなたは空を見上げた。
 秋分を目の前にした9月の中旬。午後9時なるとあたりも暗い。表通りの喧騒が嘘のように閑散とし、照らす白熱光もパステルカラーのように淡い燐光を灯すだけ。
「きれい……といっても住人さんみたいに天体観測とはいかないか」
 笑い飛ばせるような体力は残っていなかったが、最近やったゲームも思い出して、こなたは呟いた。

 空は黒い。雲はほとんど出ていないが、東京の空で天体観測など夢のまた夢。
 ふとこなたは手を伸ばした。部長ひとりだけの天体観測。誰も、星もいない。暗澹たる、永遠に続く闇の膨張。
 何も触れずに空を切る。
 自由を感じさせる夜空はしかし絶望的なまでに遠かった。
17642-519:2008/05/21(水) 23:24:04 ID:ONPBa6B0
以上でした。ゆーちゃんは回想を除いて終始こんな感じになってしまってます。
壊れてしまっていてごめんなさい。
177名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:36:13 ID:ZE2BXpO7
>>176乙です
ゆーちゃあああああん
鬱エンドになりませんようにーナムナム
178某TEFIもどき:2008/05/21(水) 23:46:27 ID:BWjkZhAH
鬱となる確率は、高いと思われる。
あのか弱さと儚さ、そしてそれを乗り越えようとするアクティブな内面は、
背が高く物静かで何かと保護したがる人をあてがわないと
どこへ行ってしまうかわからない危険性がある。
何事も適材適所、逆らえば物語は悲しみへと発展する定めと警告する。











ゆたか「みなみちゃん……何書いてるのかな?かな?^^######」
はっ!!……ゆたか……これは……その……;;;;
179名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:12:46 ID:+Qp9G15X
>>176
GJ
別々だったパズルのピースが繋がり始めた感じですね
「花」がそのまんま花だったのは逆に意外でした
かがみからゆたかへの、黄色いカーネーション・・・・・何を意味するのか
そして「もう一輪」はどんな役割を果たすのか・・・・
続きをお待ちしています
180妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/05/22(木) 01:49:53 ID:6sC6zfS8
今日も新作ラッシュで、仕事の合間のスレチェックが大変で嬉しい悲鳴だったっすー!


……そんなわけで、こなつー(>>38)がいるならかがりんも、ということで。
オリキャラ?注意(作者的には「ドラマCD版キャラ+改変」のつもりなんですが……)。

あいかわらず即席塗り。たまには定時で帰らせれーorz


つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0072.jpg



こなつーもそうだけど、用途が用途なのでw、オリジナルよりちと体格がいいのです。
……うそです、画風の問題ですorz
181名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:53:09 ID:nNbZuAtj
これが こなつー を こうりゃく するのに さいてきか された ましん か

ぐっ じょぶ
182名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 06:47:23 ID:rXVPJoLI
>>176
GJ!
かがみがゆーちゃんに黄色いカーネーションを、ね…。
そういうことか。その真意にゆーちゃんは気づいてないね。
ただ「かがみから、花をもらった」って意味でとしか取ってない。
その本当の意味に気付いた時、ゆーちゃんはどうするんだろうね。
こなたもかがみの真意に気付くことができれば…。

つい先日、知り合いから花言葉とかを教えてもらったばかりなんで、
ちょっと驚いた。
18345-450:2008/05/22(木) 10:23:53 ID:S2KnqkU7
>>155
>>156
GJの言葉及びお2人の『ラスボス』の予想どうもありがとうございました。
…「正解」は今回の連作が一息付いた時のお楽しみとさせて頂きまして、
これからのこの話に関するちょっとした事を書かせて頂きます。

今回の作品でひよりんに「描かせる」ものは、厳密に言いますと第1話で
モチーフに使わせて頂きましたSSの「ハッピーエンド版」ではなく…
第1話でモチーフに使わせて頂きましたSSと同じカップリングである、
別の作家さんのSSをモチーフとしたものであります。

大まかなプロットは出来上がってますので、練りこんだ上で
今度の土日辺りに第2話を投下予定ですので期待せずにお待ち下さいませ。
184名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 20:28:00 ID:LvJb/odp
>>176
黄色いカーネーションでぐぐって天高く噴きました。
これはもしかして……一発逆転、期待しちゃって良いですか?

>>180
ロボ――――――っ!
(ちゃらちゃらちゃっちゃーちゃちゃー、ちゃらららっちゃー♪
 ちゃらちゃらちゃっちゃーちゃちゃー、ちゃらららっちゃー♪)

ふう。桜色の突起に目がくらんで思わず股間がカイ○ーバー○トするところでした。ぐっじょぶ。
185名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 20:52:13 ID:IM9I3rfW
>>180
俺も股間がエヴォリュー○ョン・リ○ルト・バ○ストグォレンダァ!しそうでしたw


GJ!
186名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 20:58:12 ID:+Jxe4ph7
>>153
最近ゆたかがかがみの天敵化してる作品のひとつですね
ハッピー分ハッピー分


>>176
調べたら
カーネーション
「女性の愛」「感覚」「感動」「純粋な愛情」


五月15日の誕生花
あなたを熱愛する


造花……枯れない、つまりずっと黄色いカーネーションの花言葉するってことですか?
187名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:02:10 ID:UNuoVbR1
>>186
え〜……言ってしまっていいんでしょうか……
とりあえず、花っていうのは色によって花言葉が変わるとだけ言っておきます。
 
黄色いカーネーションの花言葉をググってみたら……思わず『!?』ってなっちゃいました。
188名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:19:09 ID:w/+m0FSi
花言葉
赤 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「真実の愛」「愛情」「情熱」
白 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「尊敬」「純潔の愛」
ピンク ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「感謝」「上品・気品」「暖かい心」
黄色 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「美」「嫉妬」「愛情の揺らぎ」「友情」
紫 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「誇り」「気品」
189名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:15:01 ID:8OI3v76K
>>180
これはいいかがみん、いや、かがりん!>>38と並べて見て鼻血吹きました。GJ!

最近投下が多くて嬉しい悲鳴だけど、明後日あたりからさらに大変なことになりそうだ。
190名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:41:00 ID:AP83wcwy
>>188
ぐぐったら黄色は「軽蔑」「愛の拒絶」だったんだが
191名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:42:56 ID:AP83wcwy
すまん、「軽蔑」じゃなくて「侮蔑」だった。
まあ、あまりかわらんとは思うが
192名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 23:38:06 ID:78kFtuOZ
>>176
GJ ! ゆーちゃん黒いよゆーちゃん
かがみの心の傷をこなたがどう癒していくのか・・・

>>180
あー、この機体にこなつーは攻略されてるわけねw
193名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:09:53 ID:FHtAsjo6
>>190
楽しみにしてたのに・・・・なんでネタバレするかなあ・・・・・
194LD:2008/05/23(金) 00:13:02 ID:BW+VJG/g
くはっ……2日空けただけでこの作品の数は一体?
皆様まとめてGJです!
続き物も目が離せない展開でドキドキしてますw

流れをぶち切るようで申し訳ないですが、先日のSSへのレスがついてたので、ちょっと返信をば。
>>101
申し訳ないですが、井○さんとやらは知らないです><
一応かがみんも好きなFメタのつもりだったんですが……そういやあの話はアニメでやったのかな?

>>140
レア物が好きなのではなく、みゆきさんが好きです……作品のメインはこなゆたですがw
ちなみに私は受けパティが思いつきません。
はい、鉄鍋です。桜藤祭で鉄鍋ネタがあったのでつい^^;

只今がんばって卒業式SS作成中です。来週中にUP出来ればいいなぁ
195名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:13:48 ID:Puv29dcI
>>193
いや、この程度じゃネタバレにはならないだろ。
この手の話ってのは、「調べる奴は調べる」のも作中意図に含まれてるものさ(・∀・)
花言葉を知った上で、登場人物の心理動向や行動が楽しみになる。
俺のような奴もいるからな(・∀・)b
196名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:29:08 ID:7l9D6fw4
>>195
「調べる奴は調べる」のは当然だし勝手だが、「調べた結果を何も考えずに不特定多数に提示する」てのはどうかな。
ストーリーの内容によっては「物語の最後で初めて花言葉の意味に繋がる事で完成度が高まる」って場合もあるだろ?

「簡単に調べられるけど、敢えて調べずに作品投下待ちという人だって居るかもな」てな所までは考えつかないか?
197名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:37:42 ID:FHtAsjo6
>>195-196
ごめん。余計なこと言った

なんか嫌な予感がするのでこの話はここまでにしてくれまいか
難しいとは思うけど、頼む
198名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:41:37 ID:FK4x7XXB
>>188-197
「死んで花実が咲くものか。死んで花実が咲くのなら、お墓の周りは花畑」
まで読んだ
199名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:41:58 ID:nFAq3pxy
すまん…
200名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:51:08 ID:x6xUJwg3
wktkしてたのにネタバレ orz
それでも作品の魅力は変わらないから、まぁいっか…とはいえ orz
201名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:04:52 ID:nFAq3pxy
本当にすまん…
自分の不慮で悪い空気作ってしまった…
202名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:23:05 ID:SeeWmHqC
>>189
>明後日辺り(日付変わったので明日)から大変なことに

そうか、24日はひよりんの誕生日か(さらに28日はこなた)
おや、ゆーちゃん達がなにか企んでいるようn(ry
203空気を良くするために:2008/05/23(金) 01:26:03 ID:Puv29dcI
こなた「ほ、ほら〜みんな、ゆうちゃんだよ〜」
ゆたか「お……お姉ちゃん?え……えと……
     あの、みなさん、ここはわたしに免じて、なかよく、しよ?」
こなた「うう〜ん、やっぱりミニマム萌え要素はイイネェ(=ω=.)b」





みなみ「ゆたか……ぽっ(何があろうともゆたかなら許せる人)」
かがみ「…………………………(最近ゆたかに煮え湯を飲まされっぱなしで心中穏やかでない)」
204名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:34:11 ID:yvBlG3Nz
ゆーちゃんかわいすぎて悶えた
205名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:36:39 ID:66fLixy/
かがみ「まあ・・・ゆたかちゃんはそれだけいじり甲斐があるキャラってことよね」
こなた「かがみは別の意味でいじり甲斐がありまくりだよね〜(=ω=.)」
かがみ「うるさい!(//Д//)」
206名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:45:27 ID:Mv7Y09Re
>>202

そして今日、5月23日はDVD最終巻の発売日であります。

OVAの話がなかったら、『らき☆すた映像作品の最終商品』となっていたわけで、感慨深い……というか軽く鬱入る商品だったわけですが、
淡々とその日を迎えられたのを喜びたいものです。これでBGMも揃うし。
207名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:46:11 ID:u+DhectN
なんだろう…
全てのSSは劇のようなものであって、
楽屋裏ではみんなが普通に仲良くしてるんじゃないかな
なんて少し>>203>>205を見て思った。本当になんとなく思っただけ。
208名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 02:00:56 ID:yvBlG3Nz
作品は違うけどひぐらしのお疲れ様会には癒されたな
実際は両刃の刃なんだけど、らきすたなら脳内変換もがありかも
209名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 02:11:02 ID:66fLixy/
みさお「でもさぁ、出番があるだけいいじゃんか。あたしらなんか・・・あやのぉ〜(ウルウル)」
あやの「はいはい、泣いちゃだめよ。職人さん達を信じましょ?」
ななこ「そやな。待てば海路の日和有りってな」

ゆたか「あ、まだ居たんですね・・・」

「「「・・・黒っ!!」」」
210名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 02:25:20 ID:xjf0uuSU
出番がないグループにすら入れない人

こう「………」
211名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 02:34:40 ID:Puv29dcI
つかさ「いつも副的扱いのわたしと」
みゆき「いつも鼻血扱いのわたしが」

「「 通 り ま す よ 〜 」」
212ダンボール箱の中身:2008/05/23(金) 03:00:27 ID:x6xUJwg3
阻止
213名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 03:04:22 ID:Puv29dcI
>>212
どっちだ?



☆☆ 見分け方 ☆☆
かがみがとびついたら ・・・ こなた
みゆきが鼻血を出したら ・・・ こなた
つかさが気絶したら   ・・・ こなた

パティがとびついたら ・・・ ひより
ゆたかとみなみが目を光らせてにじりよってきたら ・・・ ひより
214名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 03:05:47 ID:u+DhectN
>>213
それって要するに、
3年組が反応したらこなたで、
1年組が反応したらひよりん、ってことなのではw
215名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 03:10:03 ID:Puv29dcI
みさお「あたしはどうなるんだってヴァ」
あやの「みさちゃんは柊ちゃんに反応するんでしょ?
     そして私は、そんなみさちゃんに反応するの^^」
みさお「ちょ……やめるんだってヴァ……アッー!」

こう「ひよりん反応組からオミットされた……orz」
216名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 03:28:44 ID:xjf0uuSU
ひより「二年生はこうちゃん先輩だけっすからねえ」
こう「年齢で区分けすんなよちくしょう!いっそダブるか」
ひより「同学年なのに先輩呼ばわりされる常時羞恥プレイになるっスよ」
217名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 08:31:18 ID:oxzCxZma
>>207
(・∀・)人(・∀・)ナカーマ
21845-450:2008/05/23(金) 10:04:39 ID:dfeEzsKn
>>207
おおう、何というGJな発想…そんな事言われると、個人的に色々な意味で
印象に残ったSSの俺式「楽屋話」を書きたい衝動に駆られてしまうぜ…。

でもまずは連作の完結からか、明日はひよりんの誕生日だし
お祝いも兼ねて日付が変わるまでには何とか第2話を投稿するか…。
21945-450:2008/05/23(金) 10:08:24 ID:dfeEzsKn
連レススマソ、でも言葉足らずに気付いてしまったので…。

>>218のカキコの意味は「『明後日25日に』日付が変わるまでの24日のうちに」
連作の第2話を投稿すると言う意味合いなのでもうしばしのお待ちを…。
220名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:19:16 ID:QAHshfS9
会社でティンときて、帰宅して速攻で>>203を4コマ漫画にしてみた。

「空気を良くする為」
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0076.jpg

あと、>>207にもティンときt(ry
「舞台裏」
※作品の雰囲気台無しなので、楽屋ネタ嫌いな人はお控え下さい。
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0077.jpg

42-519氏、事後報告でごめんなさい
221名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:21:23 ID:QAHshfS9
う、ちょいと字が小さかったですね……orz
あと、「越え」→「超え」でした。
マジ間違い……orz orz
222名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:25:25 ID:QAHshfS9
んー… 台無しっていう言い方も無いかなあ……?
とにかく、申し訳ない&連投スマソ
223名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:32:10 ID:FK4x7XXB
>>221
大学生だった頃、ある教授が
「『超える』と書いてしまうと、その点を過ぎ去ったあとはそれっきりおしまいだが、
 山を越えるなどの『越える』は一山越えてもまだまだ先がある感じがするじゃないか。
 だから私は『超える』ではなく『越える』と書いたんだ。決して、書き間違いではない」
と言っていたのを思い出しました


……ようするに、(・ε・)キニシナイ!!
GJです
224名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:36:00 ID:66fLixy/
>>220
GJ! 美水先生もびっくりだぁ〜♪
22542-115:2008/05/23(金) 18:44:05 ID:il9uQn3u
しゃべくり好きが昂じて戯曲を書き始めた私が通りました。
226名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 20:25:43 ID:/5T4mzP5
>>220
ティンと来過ぎて非常にけしからんのでもっとやってください。ぐっじょぶ。
227名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 20:35:53 ID:VKbq1g5G
つかさ「ティンティン」
228203:2008/05/23(金) 20:45:13 ID:Puv29dcI
>>220
ネタ振った側としては、
こういうことをされると非常にくすぐったく、
それでいてうれしはずかし朝帰りなのでありんす。
すなわちGJであり続きを描くのは義務である。
22919-04:2008/05/23(金) 21:22:00 ID:mfkBWgHn
どもっス。ひよりんの誕生日プレゼントがまったく浮かばないで困ってる19-04っス。
性同一性障害ネタの続きが出来たんで投下します。
 
注釈
・エロあり(かがみ×こなた)
・約7スレ
 
……もともと『こなたが受けでもしっくりくるのは……』って考えた性同一性障害モノですので、『性同一性障害にする必要ないじゃん』って言葉は飲み込んでください
230暴走かがみんレッツゴー♪:2008/05/23(金) 21:28:03 ID:mfkBWgHn
「こなたがちゃんと女の子として学校に通えるようになって、お父さん嬉しいよ。向こうでかなたも喜んでるだろうな」
「だから引っ付かないでってば! セクハラだし、第一ボクの中身はまだ男の子なんだよ!?」
「んー? だけど、女の子として生きていくんだろ? だから俺もお前を女の子として見る」
「だー! 男の子の中身を捨てる気はないってば!」

女の子として学校に通うようになって早3ヶ月。
それからほぼ毎日のようにお父さんがひっついてくる。さすがお父さん、息子……じゃなかった、娘にも容赦無しか……

「でもさ、こなたはお父さん好きだろ?」
「そりゃ、好きだけど……」

でもそれは恋愛の意味じゃなくって、お父さんとして好きって意味で……
今、私が大好きなのはかがみだし……

「こなたー。来たわよー」
「あ、かがみだ。思ったよりも早かったな」
「んー……仕方ない。今日のスキンシップはここまでだ」

残念そうではあるけど、あっさり離してくれた。
ボクとかがみの関係は周囲の人なら知ってる。もちろんお父さんも。
というわけで、お父さんもボク達の邪魔はしないのだ。

「おっす、こなた」
「いらっしゃい。あがってー」

かがみを招き入れて、そのままボクの部屋へ直行。
荷物を降ろして適当なところにすわるかがみ。ボクもベッドに腰掛ける。
かがみと遊ぶ時は、大体えっちぃことをするんだよね。恋人同士なんだから、当たり前じゃん? ま、しない時もあるけど。
今日はボクの家に泊まりだから、えっちぃことしまくりだよ♪
いやー、女の子って特だね。こんな気持ちいいとは思ってなかったよ。男の子の快感も知らないけど。
まあ、触るだけであんなに気持ちいいんだから男の子よりは特だろうな。

……う〜ん……かがみが言うように、やっぱりボクって淫乱なのかな……
231暴走かがみんレッツゴー♪:2008/05/23(金) 21:29:12 ID:mfkBWgHn
「こなたってさ、エロゲとかやってたのよね。そういう時はどうやって抑えてたの?」

うぐ! い、いきなりストレートな質問……てか部屋に来ての第一声がそれですか……

「や、やっぱり乳首とかかな。あと耳も弱いみたいだし……」
「ふぅん。やっぱり身体は普通の女の子なのね」

ん? かがみ、自分のカバンを漁って……何か出すのかな?

「あんたの男性恐怖症、まだ治ってなかったわよね?」
「う、うん。やっぱり苦手だよ……」
「そこで……克服はできないだろうけど、こんなの持ってきたわよ」

かがみがカバンから出したのは……ディルド!?

「かがみ、まさか!?」
「そーゆーこと。服脱ぐわよ」

ううぅ……やっぱりか……
ボクの前で服を脱いでいくかがみ。恥ずかしいからゆっくりと、だけど……ボクも脱いでいく。
むぅ、かがみめ、やっぱりボクより胸あるな。
……ん? ボク、かがみに嫉妬してる……。もしかしたら、女の子に近づいてるのかも……

「まだディルドは使わないわよ。まずはシックスナインから」
「わ、わかった……」

ベッドにあがって、ボクの足元に頭を向けて横たわるかがみ。
め、目の前に、かがみのおまんこ……///

「あんたこういうの初めてでしょ? 一緒だと先にイッちゃうだろうから、先にやって?」
「うん……」

えと……かがみのおまんこを、舐めればいいんだよね……
うう……知識はあっても……こんなの初めてだよぅ……//

「れろ……」
「んっ」

まずはちょっとだけ舐めてみると、かがみの身体がぴくりと反応した。
不思議な味がする……。これが、女の子の……かがみの味なんだ……



……おいしい。



「あ、あ、こ、こな、たっ」

かがみの喘ぎ声が聞こえてくる。ボクで気持ち良くなってるんだ。
かがみのおまんこから……愛液っていったかな? が、どんどん溢れ出てくる。
ボクの男として(身体は女の子だけど……)の本能かな。もっとかがみを味わいたくなった。
232暴走かがみんレッツゴー♪:2008/05/23(金) 21:30:27 ID:mfkBWgHn
「じゅるる……ペロペロ……ちゅぱっ……ちゅうう……」
「あっ、あっ、こなた……あん……あんた……意外に、うま……ひぁ……」

かがみの吐息がボクのおまんこに当たる。それが気持ち良くて、かがみと一緒にボクの身体も反応する。
上手い……か。ただおいしいのを求めてるだけなんだけど……

「か、かがみぃ……ボクのも……」
「わ、わかった、わ……」

かがみの舌が、ボクの中に入ってくる。何度もやってもらってるけど、やっぱり気持ち良いもんは気持ち良いよぉ……

「こな、た……気持ち、良い……?」
「あったり、まえ、じゃんか……」

二人のおまんこからくちゅくちゅとエッチな音が聞こえてくる。
それと同時にくる快感が、ボクの中の理性を食い付くしていく。
自然と舌の動きが早くなって、それにあわせるかのようにかがみの舌の動きも早くなってきた。
かがみのおまんこ、もうびしょ濡れ。ボクのもなんだろうな……

「か、かがみぃ……も、もう、イッちゃい、そぉ……だよぉ……」
「こなた……わ、私、も……」
「じゃ、じゃあ……」
「いこ、っか……」
「「せー……のっ」」

以心伝心。
二人で呼吸をあわせて、お互いのクリトリスを唇で強く挟んだ。

「ひぁああああ!!」
「ああああああ!!」

そして……二人で一緒にイッた。
かがみのおまんこから大量に溢れ出た愛液がボクの顔面にかかる。かがみも、同じ。

「はぁ……はぁ……」
「ふぅ……あは☆……かがみと一緒にイッた……」

それはある意味ボクの夢でもあった。
いつもえっちぃことをしてるって言っても、一方的にボクが襲われるだけだったから、嬉しいな。
233暴走かがみんレッツゴー♪:2008/05/23(金) 21:31:20 ID:mfkBWgHn
「恥ずかしいこと……言わないでよ……」

ボクの言葉に顔を赤らめるかがみ。いつもと逆で、これまた嬉しい。
そしてかがみは、手を伸ばせばすぐのところにあったディルドを引き寄せた。
改めて見ると……長い。二人用のじゃん。

「まつり姉さんの部屋にあったのを拝借してきたの。一人用のは見つからなかったからね」

なるほど、そういうことだったのか……納得。
だけど……

「それを……ボクの中に入れるんだよね……」
「……こなた、身体が震えてるわよ。もしかして怖い?」

ぎくっ! ……さっすがボクの嫁、なんでもわかっちゃうね。
ボクはゆっくりと、縦に頭を振った。

「それ入れたら……処女膜、無くなっちゃうんでしょ? 痛いだろうし……」
「そう……じゃあ、こうしようかしら」

ん? かがみ、自分のおまんこにディルドの反対側を……

「ひ、あああああ……!」

い、入れちゃった! こういうシーンは見たことるけど、まさか本当にやるなんて!!

「……はああぁぁぁ……こ、これで一緒よね……」

――!!
か、かがみ……おまんこから血が……!!

「そうよ……? 私も……処女……だけど……こなたの、ためなら……安い、ものよ……」

……かがみ……
いずれボクに彼氏ができたら、別れなくちゃいけないのに……
それでも……かがみは、ボクを……

「……いいよ。入れて」
「わかったわ……行くわよ……」

ボクの足を左右に広げて、おまんこにディルドの先を押しつける。
そして……

「ひ、い、いたっ……」

指なんかよりももっとデカイ……
ちょ、ちょっと入れただけなのにおまんこが裂けそうだよぉ……
234暴走かがみんレッツゴー♪:2008/05/23(金) 21:32:59 ID:mfkBWgHn
「あ……こ、こなた。痛みに慣れると、結構快感よ?」
「ほ、ホント……?」
「うん……だから、恐がらなくても大丈夫……んっ」

あ、あ……ああぁあああぁぁあ! い、痛い!! 痛いぃ!!!

「んっこなた! 我慢よ!」

がっ、我慢ったって、痛いもんは痛いんだよぉぉ!!

「じゃあ……一気に入れるわよ!」
「ふぎゃああああああああああああ!!!」

………あ゛………

「えう……痛い……痛い、よぉ……」
「……え〜っと……また、壊れた……?」
「ひ……い、いた、いぃ……動かない、でぇ……」
「はぁ……こなたってば、本当に中身は男なのかしら? ホルモンバランスとかの関係で、仕方のないことなんだろうけど……」
「ふんっ……ぬらばぁ!!」
「おわっ!!」

某アメフト選手風にふっかーつ!!
へへ〜、そう簡単に落とされちゃたまらないっての! いい加減ボク総受けの流れを断ち切らなくちゃ、身が持たないよ!

「……はぅ……」

とは言ったものの……まだ痛いよぉ……

「アンタ……今の勢いはどこ行ったのよ……」
「ひ……あ、あんまり動かないでぇ……」
「まったく……。まだ根元まで入ってないから、奥まで入れるわよ」
「ひぁ!」

あっ! あっ! う、動いてる!

「……よっし、奥まで入ったわよ」

ボクとかがみのおまんこがくっついてる。それに、ディルドを通じて繋がってるんだ……
235暴走かがみんレッツゴー♪:2008/05/23(金) 21:34:40 ID:mfkBWgHn

「下のおくちでキス……ってやつ?」
「ばっ! 恥ずかしいこと禁止!」

ふふふ……痛みに慣れてきて、だんだん気持ち良くなってきちゃった。
下を見てみると、二人のおまんこから血と愛液が混ざって出てきてる。かがみも感じてるんだな。

「でも、なんか変な感じ……いくら閉じようとしても、開きっぱなし……」
「それが気持ち良いんじゃない。とりあえずスイッチオン、と……」

かがみがディルドのボタンを押した。

――ブブブブブブブブ――

「「んっはああああああああああ!!?」」

あっ! ああっ! す、すごい!! なかでふるえてる〜〜!!

「ひゃうん! あぁぁぁっ!! ん……はぁ!」
「ひう! あひぃ!! んぁ!」
「かっ、かがみ! とめっ! 止めてぇ!!」
「だ! だめ! かっ! からだが! うごかないのぉ!!」

やああぁぁぁぁ!! だっ! 誰かたすっ! たすけっ! てぇ!!

「「ああぁぁあぁあああああああ!!!」」

あっ! あ! 止まらない! 快感が止まらないぃ!
はぐ……くっ、そぉ! まっ……けるもんかぁ!!
ボクは快感で動かない身体に鞭を打ち、ディルドのスイッチを押した!

――ブブ……ブブ……ブーン……――

はぁ……はぁ……と、止まった……
こ、腰が抜けて……動けないや……

「か……かが……みぃ……だいじょー……ぶ……?」

はぅ……呂律が回らない……

「…………」

あ、れ……? かがみ、ディルドを抜くのかな……手を伸ばして……
236暴走かがみんレッツゴー♪:2008/05/23(金) 21:37:09 ID:mfkBWgHn
――カチ☆

「ふぎゃああああああ!?」

か、かか、かがみぃ!? ひっ、人がせっかく止めたのにっ! なにまた電源入れてるのさぁ!!

「あっ! あっ! きもっ! 気持ち良い!! 良い!!」

! ま、まじっスか!? はひっ! か、かがみが先にっ! 壊れちゃった!!

「あふっ! ひゃん! はひぃぃ!!」

……あ゛……もう、だめ……身体が……動か……な……







・五時間後・

「こなたー、かがみちゃーん、夕飯の準備が――」
「あ……あ……はふ……はふぅ……」
「ひ……あは……あはは、は……」
「!!?」

ん……おと……さ……?
わか……ん……ない……めも……みえ、ない……し……こえ、も……きこえ、ない……
この、さい……だれでも……いい……だれか……たすけて……









そのまま意識を失って、気が付いた時には次の日のお昼になってた。
『ボクの男性恐怖症を克服するため』とかいってたけど、逆に怖くなっちゃったじゃないかぁ……

「こなた、一緒にWiiやろ♪」
「ひぁああ!!?」

し、しかも『それなりに太くて長いモノ恐怖症(ボク命名)』とか、わけのわからないことになっちゃったし……
はぁ……いつになったら治るのかなぁ……
23719-04:2008/05/23(金) 21:40:01 ID:mfkBWgHn
以上です。ディルドで処女膜が破れるか調べてもわからなかったので、勝手にそうさせていただきました。
あと『暴走かがみん』とかいうタイトルだけど、あんまり暴走はしてませんね。
 
次はゆーちゃんかつかさかパティになりそうです。
238受(=ω=.):2008/05/23(金) 22:10:15 ID:Puv29dcI
か……体がもちましぇん……
ここんとこ受けばっかり……
す、少し休憩を……
って、かがみ!?まだやるの!?


かがみ「>>237ぐっじょーーーーー!(ルパンダイブ)」

いい加減休ませてアッーーー!!
239名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 22:11:25 ID:Q993JKLB
>>237
GJ ! なんにせよ、かがみ立派に彼女できていてよかったw
こなたの幸せ者めw

次回も頼むわ
240名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 23:59:50 ID:FK4x7XXB
コネタ

 <ついにこの日が、やってきたー!>
 <数々の名作を生み出してきたらき☆すたスレに、また新たな燃料投下!>
 <今度のお題は『誕生日』。年に一度の行事だけに気合の入り方も一味違う!?>
 <話題のシリーズ最新作、第46弾!>
 <監督は前回に続き、エロパロ板のみなさんです>

 <★地上波初登場 金曜口ー├゛ショー 「らき☆すたの女の子でエロパロ46 〜怒涛の投下ラッシュ〜」>
 <このあとすぐ!>     ナレーション:坂g……、柊みき


「……部長、なんスかこれ」
「んー? 暇つぶしで作ってみた」
「『作ってみた』って……」
「ラジオ代わりにテレビつけたらちょうど流れててさ、映像切り貼りして。MADってやつ?」
(MADってそんな簡単にできるもんでしたっけ……)
「細かい突っ込みはナシの方向で」
241名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:04:04 ID:vg8ss/nh
こうちゃん先輩凄え・・・
242名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:07:36 ID:HCC7BZil
ひよりん誕生日おめ!!
今SS仕上げてるからもうちょい待っててくれいっ。
243名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:15:00 ID:z9bMXLJw
性転換モノが凄くウザいです
ウザいです
244名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:23:51 ID:wZGalap8
自作に一年生未登場のわし涙目。
245名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:50:14 ID:vg8ss/nh
ひよりと絡める人材といえば、こなた・パティ・こう・つかさ
ゆたか・みなみ・ゲーム主人公ぐらいで
あとは微弱な繋がりだとかがみ・みゆき・ふゆき・やまとぐらいかな
246高良財閥令嬢:2008/05/24(土) 01:01:33 ID:ayK2+RTf
だばだば

お誕生記念に、かねてよりたっぷりと萌えてみたいと思っていました。

あの日本風のストレートロング、

あのめがね、あのおでこ

なにげに愛らしいお顔

そしてトレードマークともいえる腐暴走癖

ああっ……あげてみると

これほど萌えるお方も、そうそういらっしゃいません

辛抱たまりません、さっそく田村さんを

私の胸に収めたくなってきましただばだば
247名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 01:21:55 ID:0HFM4Ne4
きっと小さい頃から
「好き嫌いしちゃだめよ〜。残さず全部食べなきゃ〜」
って言われて育ったんでしょうね。
だからひよりんだって残さず美味しくいただいちゃいます!
248名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 01:27:31 ID:QWuP923J
ツインテ「ちょっと>>243!気に入らないものはスルーしなさいって>>1に書いてあるのが見えないの!?」
ネコグチ「イヤイヤかがみん、同じところに煽りもスルーって書いてあるんだけど」
ドンダケ「スルー?あっ、マクドナルドで車から注文するやつだよねー」
カンペキ「私はおしゃべりがだーいすきなんですよ」
249名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 01:28:46 ID:HCC7BZil
SSが完成したので投下いたしますね。
見直しなどに数分要しますので、投下開始までにはもう少しかかりますが…。
250名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 01:34:49 ID:ayK2+RTf
>>248
こらwwwwただでさえハナヂーな令嬢にらんらんるーをミックスするつもりかwwwww





ウィキ「いいんです、いいんです、ハブられるよりずっと幸せですからだばだば」
ドンダケ「某動画サイトの傾向、まだ根にもってたんだゆきちゃん・・・」

>>249
マナカナモ「全裸待機っ!!(=ω=.)」
ツンデレ「こら!マジで脱ぐな!うれし……じゃなくはずかしいじゃない!」
2519-727:2008/05/24(土) 01:41:00 ID:HCC7BZil
遅くなってすみません。
ひよりんは俺の妹!
ということで、ひよりん誕生日SSを投下いたします。
自分のらき☆すた、特にひよりんを中心とする一年生ズへの愛を全力でぶつけてみました。
結果として自分の集大成のような作品になったと思うので、
読みづらいとは思いますが、お読みいただけたら幸いです。


・14レス使用します
・一年生ズ中心のひよりん一人称です
・ほのぼの系、オチ無し山無しの特定カップリング無しです
・お読みいただければ分かると思いますが、呼称は間違いではありません。

では、いきます。
252ひよりんの Happy Happy Birthday (1/14):2008/05/24(土) 01:42:33 ID:HCC7BZil
 二年生。
 そう呼ばれるのにも少し慣れてきた五月初頭、
 私達四人はいつものように教室でとりとめのない話題に花を咲かせていた。
「そういえばひよりちゃん、今月誕生日だったよね」
 花のように笑顔をぱっと咲かせ、ゆーちゃんはそう言って私のほうを向いた。
 ゆーちゃんは二年生になる少し前くらいから、体調を崩すことが少なくなった。
 心なしか背も少し大きくなって、今では体育の授業にもみんなと同じように出ていることが多い。
 成美さんに会うたびに「どれもこれも三人のおかげだよっ。本当にありがとうね」なんて言われるけど、
 きっとそれはゆーちゃん自身が強く成長したからだと思う。
「うん、よく覚えててくれたね」
「もちろんだよっ! 一年生の時はひよりちゃんもパティちゃんもお祝いしてあげることが出来なかったからね」
「Yes, デスからこの前のワタシのBirthdayは、みんなでとてもセイダイなお祝いをしてくれましたネ」
 記憶にも新しい四月十六日、私達四人はゆーちゃん家、もとい泉先輩の家でパティの誕生日祝いをした。
「あの日は本当に楽しかったでス。アリガトね、みんな」
 みんなでプレゼントを渡したり、お菓子を食べたり、ゲームをしたり……
 それは何てことのない時間だったかもしれないけれど、すごく楽しかった。
「あの時はいいモノも見られたしね、パティ」
「ソウソウ、あの時のユタカとミナミはvery very cuteでしたネ、ヒヨリ」
 何の話かというと、トランプで負けたゆーちゃんとみなみちゃんが、勝ったパティにさせられた罰ゲームの話だ。
 あの時はパティが私のほうを向いて何やらニヤニヤしていたから、何の罰ゲームを出すのかと思ったけど、
 まさか「デハ、二人は抱き合ったママ、一分間見つめ合ってクダさいネ♪」なんて言いだすとは思わなかったから、
 私はそれだけで立ちくらみを起こしてしまうほど舞い上がってしまった。
 実際に二人が抱き合っているところはそれはもう至高の光景で、
 スケッチブックを持ってきていなかった自分を真剣に悔いたけれど、
 おかげで目を閉じればいつでもその光景が思い出せるほどしっかりと網膜に焼き付けることが出来た。
 そう、もちろん今でも…………って駄目だめ、今は自重しなきゃっ。
「あうぅ、忘れてくれると嬉しいんだけどな」
「うん……恥ずかしいから、あんまり思い出さないで……」
 二人はあのときみたいに顔が真っ赤だ。
 ここだけの話、抱き合っているときの二人は本当に『お似合い』で、
 放っておいたらそのままキスしちゃいそうなくらいだった。
 あの泉先輩も、「むぅ、これは確かにひよりんが自重できなくなるのも分かるかも」って言ってたし、
 これはますます今後の二人に目が話せないかも?
 ちなみに私は帰ってからこのことをネタに30Pの漫画(もちろんモデルは言わずもがな)を書いた。
 すいすいペンが進んで、気付いたら出来上がっていたみたいな感じだったけれど、
 さすがにこの時ばかりは自分の行動に嫌気がささざるを得なかった。
 あの漫画は、これからもずっと机の奥底に眠らせておこう……。
「そ、それで、今回もこなたお姉ちゃんの家でパーティーをやりたいんだけど、どうかな?」
 私とパティにニヤニヤと見つめられる気恥ずかしさをうち破くようにゆーちゃんはそう切り出した。
「Oh,very niceなideaでスね!」
「うん、すごくいいと思う……」
「ありがとうゆーちゃん。でも、またお邪魔しちゃっていいのかな?」
「うん、こなたお姉ちゃんもOKって言ってたし、そうじろうおじさんも大歓迎だって」
「パパサンらしいでスね」
「あの時も勝ち組がどうのこうのですごかったもんね、泉先輩のお父さん」
 泉先輩は「いつものことだから気にしないで」なんて呆れてたっけ。
「でも、そういうことなら、今回もよろしくね、ゆーちゃん」
「うん! じゃあさっそくプレゼントとか用意しなきゃね」
「ひよりのプレゼント……何がいいかな」
「ヒヨリのタメに、精一杯愛情コメるからネ」
「ちょ、ちょっと、そんなみんなして張り切らなくてもいいよっ。
 でも、ありがと。楽しみにしてるからね」
253ひよりんの Happy Happy Birthday (2/14):2008/05/24(土) 01:43:24 ID:HCC7BZil
 そんな会話があったのももう半月ほど前で、今日は五月二十四日、土曜日。つまり、私の誕生日だ。
 空は快晴。誕生日に晴れも雨も関係ないけれど、
 やはりこういう特別な日は気持ちいいくらい晴れていてくれたほうがありがたい。
 朝起きて一番にする日課も今日はお預け。
 部屋を出て洗面所に足を運び、冷たい水で顔を洗ってタオルで拭いて台所へ。
 そして冷蔵庫から私専用の牛乳を取り出し、コップには注がずに直飲みする。
「ふぅ」
 朝はこうすれば大抵目が覚める。もちろん締め切り前とかで徹夜とかじゃなければだけれど。
 ちなみにこうして毎日牛乳を飲んでいるのにも関わらず早くも私の成長は打ち止めになったらしく、
 この前の身体測定でも一年前とほとんど変わらない数値を見ることになった。
 あのときはみなみちゃんと慰めあったっけ。
 今思うとあれもいい思い出……
「なわけないじゃん……はぁ」
 それでももうパティやこうちゃん先輩に「小ぶりだねー」とか言われるのにも慣れたし、
 それに偉大なる泉先輩の言葉を借りるならば、
「そーゆう需要もあるんだもんね」
 そんな誰に対して言ったのか分からない言い訳を呟いて、私は牛乳パックを冷蔵庫にしまった。
「さて、遅刻しないうちにさっさと支度しちゃいますか」
 今日のパーティーの主役は私。
 もちろん『主役は遅れてやってくるもの』なんていう言葉もあるけど、
 さすがにみんなを待たせるのは忍びないからね。
 今日はちょっと大人目の白のロングスカート。
 麦わら帽子もかぶったら清楚な感じに見えるかな。
 服装が決まったら朝食を取って、荷物を持って玄関に。
「じゃあ、行ってきまーす」
 今日は一日、きっと楽しい日になるだろうな。


「う、しまった……早く着きすぎたかも」
 遅刻しないように、とは言ったものの、さすがに一時間近く早く着いてしまってはやりすぎだと思う。
 はやる気持ちが抑えられなかったというのもあるけど、これは大失敗だ。
 迷惑かなぁと思いつつも、近くで暇を潰せるようなところもなかったので、
 私は泉家のインターホンを小さく押した。
「はーい、って、ひよりちゃん? ずいぶん早く来たんだね」
 扉の先に出てきたのは私服姿のゆーちゃんだった。
 最悪着替えてないかな、と思ったんだけど、そんなことはなくて良かった。
「うん、ごめんね。ちょっとばっかし急ぎすぎちゃったみたいで……」
「ううん、いいよ〜。私も準備できてたし。じゃあ、あがってあがって」
「ありがとゆーちゃん。おじゃましまーす」
 そう言って玄関に上がって靴を脱いだあたりで、見慣れた姿が見えた。
「おー、ひよりん。お誕生日おめでと」
 いい意味で力の抜けた声で私を祝ってくれたのは、ついこの前まで同じ高校に通っていた泉先輩だ。
 卒業してからもここやアキバで何度か会っているから、卒業生という実感はないけれど。
「泉先輩、ありがとうございますっス。今日はお出かけですか?」
「うん、ちょっとねー。あ、プレゼントは用意できなかったけど、
 今度私のバイト先のメイド喫茶においでよ。特別サービス付きでおごっちゃうよ〜」
「いやいやっ、悪いっスよ、そんな」
「まぁまぁ遠慮しないの。いつもいい本読ませてもらってるお礼ってことで。
 んじゃまー、また後でねー」
 パタン、とドアが閉まる音と、それに続いてタッタッタと駆けていく音が聞こえ、
 私はその軽快で楽しそうな足音に今朝家を出て行くときの自分を重ねた。
 きっと、泉先輩も大切な友達に会いにいくんだろうな。
254ひよりんの Happy Happy Birthday (3/14):2008/05/24(土) 01:44:20 ID:HCC7BZil
「ちょっとおじさんに挨拶してくるね」
 ゆーちゃんにそう告げ、二階に上がってリビングに入ると、
 おじさんはいつも見る作務衣姿で、パソコンに向かって何か作業をしているみたいだった。
「おじゃましまーす」
 私がそう言うと、背を向けていたおじさんは振り返って、
「いらっしゃい。ひよりちゃん、だったよね。お誕生日おめでとう。
 今日は遠慮なくゆっくりしていきなさい」
 おじさんはそれだけ告げるとまた背を向けてパソコンのキーボードを打ち始め、
 私は邪魔にならないように簡単なお礼だけ言い、すぐに階段を下りた。
 ゆーちゃんのおじさんはとても良い人だと思う。
 だから、泉先輩とゆーちゃんの名誉を守るためにも、
 後から聞こえてきたメガネっ娘がどうのこうので萌えとかいう声は気のせいだったことにしよう。

「そしたらお姉ちゃんがね……」
「ふふ、泉先輩らしいね」
 二人だけでパーティを始めるわけにもいかないので、
 ゆーちゃんの部屋に戻ってからは、いつもみたいにおしゃべりをして時間を潰した。
 といっても、多分みんなが来てからもこうしておしゃべりだけでほとんどの時間が過ぎていくのだろう。
 でも、私はそんな時間が好きだからみんなと一緒にいるんだと思う。
 そしてそれはきっと、すごく素敵なことなのかもしれない。
「それでひよりちゃんは、」
 そんな調子で話していると、ふとゆーちゃんの言葉がそこで切れた。
「どうしたの、ゆーちゃん」
「んーん、何かいつ頃から私ってひよりちゃんのこと、『ひよりちゃん』って言うようになったんだろうって思って」
 ゆーちゃんはそう言ってはにかむように笑って、
「前は私、ひよりちゃんのこと『田村さん』って呼んでたでしょ?」
「そういえば、私もゆーちゃんのこと、前は『小早川さん』って言ってたなぁ」
「ね。いつの間に変わったのかなぁって。
 どうでもいいことなのかもしれないけど、何かちょっと気になっちゃって。
 前に、今仲良くしてる人と話すようになったきっかけって
 何だったかなって話をしたことがあったでしょ? あれと似た感じかも」
「そういえばそんなことも話したね」
「あのころはまだ私もひよりちゃんも、お互いのことを名字で呼んでたよね。
 実を言うと私、早くひよりちゃんのこと名前で呼びたかったんだ。
 みなみちゃんとパティちゃんと同じ友達なのに、ひよりちゃんは一人だけ名字なのはおかしいなって」
「ふふ、そんなの気にしなくて良かったのに」
「ううん、きっと私にとっては重要なことだったんだと思う。
 だから何度か呼び方を変えてみようと思って頑張ったんだけど、一度定着した呼び方って変えづらいじゃない?
 結局上手くいかないまま、ずっと『田村さん』のままだったんだよね」
「でも気付いたら、」
「うん、気付いたらいつの間にか名前で呼んじゃってた。
 不思議だよね、そういうの。
 意識して何度やろうとしてみてもなかなかできないのに、意識しないでいたほうが上手くいっちゃうんだもん。
 だからそんな風に大切な人との関係は、"作る"っていうよりは"なっている"ものなのかもしれないって、そう思ったんだよね」
 部屋に穏やかな静寂が漂う。
 私はゆーちゃんの言葉に心打たれていた。
 私がゆーちゃんへの呼称を変えたのはいつだっただろうか。
 ゆーちゃんが私への呼称を変えた後? それとも先?
 はっきりと思い出せないけれど、それはほとんど同時だったのだろう。
 気付かないほど自然に、私達はそれまでよりも絆の深い関係に"なっていた"のだから。
「あ、あははっ……やっぱりこういう話って改めてすると恥ずかしいよね」
 ゆーちゃんはいつかのときと同じように、恥ずかしそうに笑った。
 それにつられて私も笑顔になる。
「あ、みなみちゃん達来たのかな。行ってみよ、ひよりちゃん」
 そうしているうちにチャイムが鳴り、私達は玄関へと急いだ。
255ひよりんの Happy Happy Birthday (4/14):2008/05/24(土) 01:45:49 ID:HCC7BZil
「お誕生日おめでとう、ひよりちゃん(ひより、ヒヨリ)!」
 三人の掛け声の後に、クラッカーが弾ける音がして。
 私は改めて今日が自分の誕生日であることを実感した。
「ホントは玄関で三人でヒヨリを待ち伏せしたかったのでスが……」
「ひよりが来るのが早かったから……」
「う、ごめん……なんか遅れちゃいけないかなと思ったら早く着きすぎちゃって」
「マァ、ヒヨリらしくていいでスけどネ」
 パティはそう微笑うと荷物の中から綺麗な包みを取り出して、
「デハ、さっそくpresent timeにしまスか?」
「そうだね、少し早いかもしれないけど、早めに見てもらいたいしね」
「うん、いいと思う」
 ゆーちゃんとみなみちゃんもパティに続いた。
 二人は手のひら大の包みで、パティは少し大きい薄めの包み。
 三人が三人とも私のために用意してくれたプレゼント。
 一体何が入っているんだろう?
「じゃあ、私からね。はい、おめでとうひよりちゃん」
「ありがとう、ゆーちゃん」
 丁寧なラッピングを解いていくと、出てきたのは指輪を入れるような箱を少し大きくしたような箱だった。
「開けてみて?」
 ゆーちゃんに促されてそれを開けると、中から見えたのは緑色の光。
「わ、綺麗……」
「エメラルド、だよ。ひよりちゃんの誕生石」
 リボンのモチーフに輝くそれは小さいながらも毅然とした、しかし目立ちすぎない光を放っていた。
 エメラルドのネックレス。それがゆーちゃんのプレゼントだった。
「It's a beautiful... 素晴らしいでス」
「本当、すごく綺麗」
「でもこれ、高かったんじゃない?」
「ううん、インターネットで探したら結構安く手に入ったんだよ。
 こなたお姉ちゃんにも手伝ってもらって、どれがいいかなーって。
 いくつか候補はあったんだけど、最終的にはリボンの形のそれにしたんだ。
 リボンは私、エメラルドはひよりちゃんで……その、そんな風に一緒にいれたらいいな、なんて思って」
 ああっ、もう、この子は。どうしてこんなに可愛いんだろう。
 少し照れて赤くなっているその表情なんて、反則だよっ。
 でも、今の言葉、嬉しかったな。
「ありがとう、ゆーちゃん。大切にするね」
 このネックレスが、二人の象徴が壊れてしまわないように、大切に。
 仮に壊れちゃったとしても、私達の関係までは簡単に壊れたりしないだろうけど、
 ゆーちゃんがそういう意味を込めて渡してくれたんだもん、大事にしなきゃね。
「うん、でも、たまに付けてくれるともっと嬉しいかな」
「そ、そだね、ごめんごめん。よ……っと。えと、どう、かな?」
 ネックレスを付けてみると、みんなの顔がみるみる輝いていって。
 私はこれから先何年分かの褒め言葉を一気に浴びることになった。

「じゃあ、次は私……。おめでとう、ひより」
「ありがと、みなみちゃん」
 みんなの興奮と私の戸惑いもやや冷めやらぬ中、
 私がみなみちゃんから受け取ったものは、
 ゆーちゃんと同じくらいの大きさの、けれどゆーちゃんのよりも少し重い箱で、
 中を開けてみると、可愛らしいピンク色のボトルが入れられていた。
 私はそれまでこういうものを持ったことはなかったけれど、
 そんな私でもすぐにこれが何なのかは見当が付いた。
256ひよりんの Happy Happy Birthday (5/14):2008/05/24(土) 01:47:21 ID:HCC7BZil
「これは……香水?」
「うん……香り、どうかな?」
 みなみちゃんにそう言われて、キャップを取って香りをかいでみる。
「あ……いい香り」
 それは甘すぎず、爽やかで品のある香り。
 全体的にはバラのような香りで……ん、薔薇?
 まさかみなみちゃん、私の趣味を知っててこれを?
 って、んなわけないでしょ……自重しろ、というか何考えてるんだ私っ!
 そんな私の脱線しかけた思考を知る由もなく、みなみちゃんは優しく微笑んで、
「よかった、気に入ってもらえて」
「うん、すごくいい香りだよ、これ。ありがとう、みなみちゃん。
 でも、私こういうの持ったことないから……どうやって付けたらいいのかな」
「ううん、別に無理して付けなくてもいいから……」
「えっ? でも……」
「その香水の名前を見てみて」
「名前?」
 そういえば何かボトルに文字が書いてあったっけ。
「えーっと、『Forever and ever』?」
「そう……ゆたかと同じになってしまったけれど、その言葉が本当の私からの贈り物」
 『Forever and ever』、それにぴたりと当てはまる訳は今は上手く思いつかないけれど、 
「これからもずっとよろしくね、ひより」
 みなみちゃんの真っ直ぐな気持ち、ちゃんと伝わったよ。ありがとう、みなみちゃん。

「デハ、最後はワタシでスね」
 そう言ってパティが手に持っているもの。
 実は私は既にその中身の大体の予想はついている。
「誕生日おめでと、ヒヨリ♪」
 この大きさ、そして手に持ったときに分かるこの重さ、厚み。
「パティ……これ、『アレ』でしょ」
「Non non,タダの同人誌ではアリませんヨ〜?」
 あ、せっかく隠してたのに自分で言っちゃったよ……。
 いやまぁ、隠すことでもないような気もするけどさ。
 それにしてもパティらしいプレゼントだなぁ。
 って、私もパティの誕生日に同じものをあげたから人のことは言えないんだけど……。
 でも、ただの同人誌じゃないって、一体?
「はっ、こ、こここここれはぁっ!!?」
 中身を見て、私は思わず声を張りあげてしまった。
 だって、それは私が欲しくて欲しくて、
 でもお店でもサークルのほうでも在庫がなくなっちゃってるやつだから、
 もうほとんど諦めていた本だったんだもん!
「喜んでもらえましタか?」
「うん、うん! すごいよこれ、超レアなやつじゃん!! どうやって手に入れたの?」
 私は興奮気味、というかあからさまに興奮してパティに聞いた。
「禁則事項でス♪ と言いたいところでスが、
 実はワタシのバイトしているmaid喫茶の常連サンが、ナントそのサークルの人だったのでス。
 いろいろ話しているウチに、ホカン用に数冊取ってあった内の一冊を譲ってもらえることになったのでスよ」
「へぇー、役得ってやつだねぇ。っていうかすごっ! 私も会って話したいよ〜」
「デハ今度その人に予定を聞いておきまスね」
「やった! ありがとう、パティっ!」
「Oh,突然のhugなんて、ヒヨリは大胆でスね〜」
 まさかこんなことになるなんて。
 泉先輩もおごってくれるって言ってたし、これはもう今から楽しみだっ。
「あ」
 ふと我に帰って横を向いてみると、当然のように困惑の色を浮かべているゆーちゃんとみなみちゃん。
 もしかして、いや、もしかしなくても、また私やっちゃった?
「……ごめん、二人とも……」
「Don't mind ヒヨリ、ソレでこそ立派なA-Girlでス」
 パティの一言が妙に胸に染みた。
257ひよりんの Happy Happy Birthday (6/14):2008/05/24(土) 01:48:23 ID:HCC7BZil
「で、でもひよりちゃんがそこまで喜ぶんだから、
 そんなにその本がすごいってことだよね。どんな本なのかな、見てもいい?」
 ちなみに私が今までこの本を手に入れられなかった理由は、ただ単に在庫がないからって理由だけじゃない。
 実は私の年齢的なものも関係しているわけで、つまりそれはどういうことかというと……
「こ、これはだめっ! ゆーちゃんには、その、ダメっ!」
「NO! オナカマを増やすchanceでスよ、ヒヨリ!」
「いやいやいやいや、なに言ってんのパティ! さすがにそれはまずいから!」
 ゆーちゃんには悪いけど、ゆーちゃんのキャラのためにもこれは見せるわけにはいかない。
 ゆーちゃんとみなみちゃんは、
 今まで私達と付きあってきただけあって全てを察したのか、
 顔をちょっと赤くして、さっきと同じように困った表情になっている。
 ごめんね、こんな私だけど、これからも仲良くしてあげて下さい。


 騒がしくなってしまったプレゼントの時間も終わり、
 私達はお菓子やジュースをお供におしゃべりをしたり、ゲームをしたりした。
 ちなみにこの日私はさんざんだったわけで……
「サァ、どっちにしまスか?」
(確率は……二分の一! 右か、左か、どっち?)
「てりゃーっ、右だぁっ! だぁーっ、またジョーカーじゃんっ!!」
「残念でシたね、ヒヨリ」
「まだだ、まだ終わらんよ! 今度は私のターン! さぁ、どっちを引く、パティ!」
「Hmm, デハ、こっちをドローしまス! Oh,yes! 私の勝ちでスね〜♪」
「うう、これで5回連続負けだよ〜……」

 * 

「『仕返し』……誰かを十五マス戻すか、十万ドルもらうか……?」
「ドウしまスか、ミナミ?」
「じゃあ……一番先に進んでいる人を、十五マス戻そうかな……」
「一番進んでる人っていうと、ひよりちゃん?」
「ごめんね、ひより」
「いいよー、ゲームだし、これくらいどうってことないもんね。
 それなら次の私の番で取り返すまでっ! いよっと……やった、十の目!」
「あっ……」
「……ごめん、ひより」
「えっ、どういうこと……? ああっ! 十マス先って、『ピカソの絵を購入、三十万ドル支払う』じゃん!!
 これさっきも止まったのにぃっ……うう、また借金が増えたよ〜……」
「子供の数だけは多いんでスけどネ、ヒヨリは……」

 *
 
258ひよりんの Happy Happy Birthday (7/14):2008/05/24(土) 01:49:27 ID:HCC7BZil
「じゃあ、負けたひよりちゃんとパティちゃんは……抱き合って一分間見つめあうことっ!」
 そんな感じで何をやっても負けばかりだった私が、
 ゆーちゃんの罰ゲームの餌食となるのは、そう時間のかからないことだった。
「ツイに来ましたネ、このトキが……」
「うん、こうなるんじゃないかとは思ったけど……ってパティ、なんでそんなにニコニコしてるの?
 ……はっ! パティはこの状況を恥ずかしがるよりも、むしろ逆に楽しむタイプ!
 これって私の公開一人罰ゲームなんじゃ……?」
「さぁさぁ早くぅっ、みなみちゃん、カメラの用意はいい?」
「ゆたか、ノリノリだね……」
「ではヒヨリ、Are you ready?」
 パティが妙に子悪魔チックな笑みを浮かべて聞いてくる。
「い、イエス……」
 待て待て、何でたじろいでるんだ私。
 今からすることだって、パティと抱き合って、み、見つめ合うだけじゃん。
 抱き合うだけならさっき私からもしたし、全然問題ないもん。
 うう、駄目だ、やっぱりなんか緊張する……。
「じゃあ、スタート!」
「わ、わわっ」
 ゆーちゃんの掛け声と共に近づいてきたパティは、
 躊躇もせずに私の腰に手を回し、私の体をぐいっと引き寄せた。
「ち、ちちち近い近いっ! 近いって、パティ!」
 隙間が全くないほどの密着状態。
 身長差があるとはいえ、私とパティの顔は今にも危ないことになりそうなくらいだ。
「ほらほら、ひよりちゃんもパティちゃんに抱きつかなきゃっ。
 それから一分間だからねっ? あと、ちゃんと見つめあうのも忘れずに」
「ゆたか、なんだかキャラが……」
 どうやら私はとんでもない子を敵に回してしまったらしい。
 うう、あのときはごめんね、ゆーちゃん。まさかこんなにこっ恥ずかしいものだったなんて。
 今更謝っても、許しちゃくれないだろうけど。
「こ、これで、いいかな」
「No,ヒヨリ、ちゃんとワタシの目をみないとダメでスよ?」
 なんでゆーちゃんじゃなくてパティがそれを言うのさ。
 仕方ない、意を決して……って、何で私はこんなに身構えてるんだろう。
 単に目を見るだけだよっ。簡単簡単っ。
「うん、そうそう。じゃあ、一分間はじめっ!」
 ゆーちゃんの手にいつの間にか握られていたストップウォッチが動き出し、
 私の長い長い一分間が始まった。
 目の前にはパティの顔。これだけ間近で誰かに見つめられることはないから、ちょっと恥ずかしい。
 ……それにしてもパティ、目ぇおっきいなぁ。吸い込まれちゃいそう。
 きっとバイト先でも人気高かったりするんだろうな。
 改めて思うけど、女目線で見たってすごく可愛いし……。
 うあー、なんでだろ、なんかドキドキしてきた……落ち着け私、相手はパティだぞ〜……。
「三十秒経過!」
 やっと三十秒かぁ、意外と長いなぁ……
 ていうかパティ、なんか迫ってきてない?
 き、気のせいだよね? い、いや、なんか心なしかパティの目が私を狙ってるようにも!?
 そんなそんなっ、わわ私まだ心の準備が〜ってそういうことじゃなくって!
 ダメだって、二人が見てるんだから! って、そういうことでもなーいっ!
 じ、時間はっ!? もう三十秒くらいたったよねっ? ゆーちゃん、早くコールを! 
 ああああっ、パティ、何ちょっと顔を傾け始めてるのさ! 目を閉じないの! 口も突き出さない!
 誰かっ! HELP! I need somebody!
 ゆーちゃんもムービーとか撮らなくていいから!
 ひあぁ、テンパりすぎて頭がくらくらしてきた……
 とにかく誰かーっ! 助けてぇっ!
「あ、ごめんごめんっ、二分くらい経ってたよ〜。じゃあ、お終いっ!」
 え、終わり? ほっ、よかっ……た……
「ひよりちゃん!? 大丈夫!?」
「Oh,no! しっかりシテください! ヒヨリ!!」
259ひよりんの Happy Happy Birthday (8/14):2008/05/24(土) 01:50:43 ID:HCC7BZil
 極度の緊張から開放された安心感からその場に倒れこんでしまった私がようやく目をさましたのは、
 それから十数分ほど経った後だった。
「Sorry〜、少し度がスギましたネ……」
「もー、あの時はホントにキスされるかと思ったんだから……」
「ね。私達は事前にパティちゃんからそういうことをやるよって聞いてたから
 ある程度は安心して見てたけど……それでも本当にするんじゃないかなって思っちゃったもん」
 私がさんざんあたふたさせられたパティのあの行動は、案の定タチの悪い悪戯だった。
 それにしても、まさかゆーちゃんたちもグルだったなんて……。
 誕生日なのにっ! 今日は一応私の誕生日なのにぃっ!
「でも、ひよりの反応、可愛かったよ……」
「Ye〜s,ワタシもヤリがいがありましたヨ」
「そうそうっ、なんだか小さな動物さんを見てるみたいだったもん。
 あ、ムービーあるよ、見る? 特にラスト二十秒くらいがすごく良くってねぇ」
「泣くよっ!? 私もう泣くよっ!?」
 その後、携帯をテレビに出力してのムービー上映会が始まり、
 私は十七の誕生日に一生心に消えないであろう深いキズを残した。
 みんなの笑顔と共に。
「アノ……ヒヨリ? 機嫌直して下さいネ〜……」
「うん、ごめんねひよりちゃん、ちょっと調子にのりすぎちゃったかも……」
「誕生日なのに、私の誕生日なのに……」
 体育座りをしてむくれる私の機嫌を直すのは大変だった、というのは、後のパティの談。


「じゃあ、そろそろ晩御飯の準備をするね」
 日が傾き始め、みんなにも騒ぎ疲れの色が見え始めてきた頃、
 私達はゆーちゃんと一緒に二階のリビングへと移動した。
「今日はワタシも手伝うヨ、ユタカ」
 エプロンを巻いて台所に立つゆーちゃんに、
 パティが寸足らずの、おそらく泉先輩用のエプロンを巻きながら近づき、
「ヒゴロの家事で鍛えた料理のウデ、見せてあげまス」
 そう言って腕まくりをして、某お菓子会社のマスコットのようにペロリと舌を出した。
「お、もう晩御飯かい」
 私達の話し声が聞こえたのか、はたまたお仕事が一段落して丁度休憩にきたのか、
 おじさんも顔を覗かせた。
「俺も手伝おうか、ゆーちゃん」
「ううん、今日はパティちゃんが手伝ってくれるみたいだから」
「ソウいうわけで、パパサンは休んでいて下さいネ」
 ゆーちゃんとパティにそう言われ、
 おじさんは少しの間寂しそうにしていたけれど、
「ふむ、しかしこうして後ろから見ているのも悪くないかもな。
 エプロン姿の外人さんというのもなかなか……」
 と言い出したときにはさすがの私もどうしようかと思った。
「あの、そういうのは心の中で言ったほうが……成美さんに言いつけますよ?」
 私にそう言われてあたふたするおじさんを見て、
 私はやっぱりこの人は何故か嫌いになれないな、と思うのだった。
260ひよりんの Happy Happy Birthday (9/14):2008/05/24(土) 01:51:44 ID:HCC7BZil
 包丁の音が軽快にリズムを刻み、順調に料理が進んでいると思われた最中、
 突然ゆーちゃんの「あっ」という声が聞こえたのは、
 私がリビングに置いてあったロデオボーイIIIでバランスを崩して勢いよくこけ、
 みなみちゃんにおなかと顔を押さえられながら笑いを堪えられていたときだった。
「どうしたの、ゆーちゃん」
 心配になって私とみなみちゃんがキッチンのほうへ行くと、
 ゆーちゃんは冷蔵庫の前でなんだか困った顔をしていた。
「それが、生クリームが切れちゃって。新しいのがあると思ってたんだけど……」
 机を見るとケーキの材料と思われるものが並べられていて、
 私自身料理をすることはほとんどないけれど、
 ボールにあけられた生クリームはそんな私が見ても明らかに足りないと分かる量しか入っていなかった。
「それなら、私が買ってくるよ。何もしてないっていうのも悪いしね」
 私がそう言うとゆーちゃんはもちろん最初は反対したけれど、
 私がどうしても、とお願いすると、他に方法も無かったこともあって、
 結局私とみなみちゃんでおつかいに行くことになった。
「急いでないから、ゆっくり行ってきてね」
「二人トモ、気をつけてネ」
「うん、まかせといて」
 エプロン姿のゆーちゃんとパティに見送られながら、私達は近くのスーパーへと出発した。
 
 てくてくてく、と決してちぐはぐではない二人分の歩調だけが聞こえる。
 私とみなみちゃんが二人きりで行動することは珍しい。
 一年前なら、私はきっとこの静けさを、居心地の悪いものに感じていただろう。
 何も話さないみなみちゃんを、私は怒っているのかなと勘違いしたかもしれない。
 けれど、今は違う。
 みなみちゃんはこういう子だって、知っているから。
 少しおしゃべりが苦手なことも、感情をあまり表に出さないことも知ってる。
 すごく優しくて、誰よりも友達思いなことも、自分の胸のサイズを気にしていることも、
 クールでかっこいいというよりも、実は「可愛い」という言葉のほうが似合うことも知ってる。
 そんな風にたくさんみなみちゃんのことを知っているからか、
 私はこうして何も話さずに歩いているだけなのに、すごく安心することが出来る。
「ひよりは」
 そんなことを考えていると、突然みなみちゃんが口を開いた。
「ひよりは、最近少し変わったよね」
 そんな予想もしていなかったことを言われて、私は少し戸惑った。
 変わったって、どういうことだろう?
 自分ではそんなつもりはほとんどないし、むしろ、
 みなみちゃんのほうが最近、すごく楽しそうに微笑うことが多くなったから、
 変わったといえばみなみちゃんのほうだと思うんだけれど。
「立ち位置の変化、っていうのかな……。
 ちょっと前までのひよりは、私やゆたかを、一歩離れて見ていた感じ……
 あっ、もちろん違ったらごめんね……でも、なんとなくそんな気がした。
 けど、今は……もっと奥まで踏み込んできてくれているような、そんな感じで、
 ……ごめんなさい、なんだか上手く伝えられなくて……」
「ううん、大丈夫」
 みなみちゃんは少しの間言葉を考える素振りを見せ、そして一呼吸置いてから、
「だから私……嬉しいんだ。ひよりと、もっと仲良くなれて。
 ゆたかやパティと同じように……ひよりも私にとって初めてできた、大切な親友だから……」
261ひよりんの Happy Happy Birthday (10/14):2008/05/24(土) 01:53:03 ID:HCC7BZil
 甘い蜜に吸い寄せられるようにみなみちゃん達に近づいていき、
 それこそ本当に一歩引いて、百合の花を愛でるように見ていた私。
 きっと、みなみちゃんの言うことは本当のことだ。
 けれど、もちろん踏み込んできている、という部分も本当のことなんだろう。
 そっか。そういうことだったんだ。
 こんなにもみなみちゃんを身近に感じられるようになったのは、私が変わったからなんだ。
「ありがとう、ひより」
「ううん、こちらこそありがとうね、みなみちゃん」
 良いところも、悪いところも知ってる、
 友達という枠を超えたお互いを信頼しあえる関係。
 それがなんなのか、どういうことなのか、みなみちゃんは教えてくれた気がする。
「でも……あまり私達を漫画のモデルにしちゃ、駄目」
「はい……ごめんなさい」
「ふふっ……」
 そう、私達は良いところも、悪いところも全て知っている、そんな関係……。


「ありがとう、みなみちゃん、ひよりちゃん」
「どういたしまして」
 私達が泉家に戻ったときには既にメインの晩御飯の支度はほとんど終わっていた。
 鍋から良い香りがしてきて、思わずおなかが鳴りそうになる。
「ケーキが出来るまでもうちょっとだけかかるから、みんな先に食べてて」
「ありがと。でも、やっぱりみんな揃ってからのほうがいいからね」
「うん、出来上がるまで、待ってるから……」
「ワタシも最後まで手伝いまス。だから、みんなで食べようネ、ユタカ」
「うん、ありがと、パティちゃん。じゃあ、急いで作っちゃうね!」

 それから数十分後、私達とおじさんはほかほかと湯気を立てている鍋を囲み、席についた。
「わぁ、美味しそうだねぇ」
「うん、すごく美味しそう……」
「モチロンでス。私とユタカが愛情込めてツクりましたから。ネー、ユタカ♪」
「うん、結構美味しく出来たと思うから、遠慮なく食べてね」
 待ってる、とは言ったもののやはりあの香りをかいでおあずけを食らうのは少し酷なものがあり、
 私はいただきますの合図を待たずにすぐにでも食べてしまいたいくらいだった。
「ただいまー。ごめんごめん、ちょっと遅くなっちゃった」
 では早速いただきます、と手を合わせようとしたとき、丁度泉先輩が、
 行きのときには持っていなかった青や緑の袋を下げて帰ってきた。
「おおー、美味しそうに出来たね。クリームシチュー?」
「うん、パティちゃんにも手伝ってもらったんだ」
 鶏肉に、人参、玉ねぎ、ジャガイモ、ブロッコリー等の色とりどりの野菜。
 ゆーちゃんとパティが今日作ってくれた料理はクリームシチューだ。
 文字通り綺麗なクリーム色をしたそれは、口の中に入れた瞬間にとろけそうで、
 見ていると思わず涎がこぼれてしまいそうになる。
「ホントに美味しそうっスよね。早く食べたくてしかたがないっスよ!」
「ごめんねひよりん、すぐに手洗いしてくるから、待っててね。
 ……で、何でお父さんはさっきからずっと俯いてるの? 大体想像はつくけど」
 泉先輩が口を三角にして、やや呆れたようにおじさんのほうを見た。
 そういえばさっきから一言も話してないような……どうしたのかな?
 泉先輩にそう言われたおじさんは、
「……こなた、今までも何度かこういう機会はあったが」
 と小刻みに震えながら喋り始め、
「やはりいいものは何度体験してもいいっ!」
 と勢いよく立ち上がって手をバンザイの形にしたかと思いきや、
 突然「どわー」と涙を流し始めた。
 思い出した、確かパティの誕生日のときもこんなことがあったっけ。
 いやぁ、なんというか、この人は自重という言葉を知っているのかな。
「あー、はいはい、良かったね」
 泉先輩は慣れた様子で軽くあしらい、ゆーちゃんは困っているようだったけど、
 これまた慣れた様子の、なんとも言えない笑みを浮かべていた。
 あの、いつまで泣いてらっしゃるんですか、おじさん。
262ひよりんの Happy Happy Birthday (11/14):2008/05/24(土) 01:54:05 ID:HCC7BZil
「「「「「「いただきます(マス)」」」」」」
 ゆーちゃんとパティの作ったクリームシチューは見た目と香りもさることながら、
 味も当たり前のように良くって、思ったとおり口に入れた瞬間にとろけ、
 口の中にまろやかな味と香りが広がり、噛み締めるごとに肉と野菜の旨みが出て、
 何回口に運んでも飽きることはなかった。
「うーまーいーぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「Oh,ヒヨリの口からbeamが出てまスね……」
「あ、天使に連れ去られちゃう……」
「でも、ホントにおいしいよ、ゆーちゃん。ルウ使ってないんでしょ?
 うーむ、ひよりんが飛んでいくのも分かるかも」
「こりゃあ、こなたといい勝負かもな。何か隠し味とか入れたのかい」
「はい、最後に生クリームを少し入れたんです。
 そのほうがまろやかになるみたいで。上手くいってよかったです。
 みんな、たくさんあるから遠慮なくおかわりしてね。あ、でもケーキもあるからほどほどにね」
 それからリビングに何度もおかわりを告げる声が上がり、
 温かな雰囲気とともに、晩御飯の時間は穏やかに流れていった。
「じゃあ、そろそろケーキを出しちゃうね」
 みんなの手も止まり始め、食事の時間がおしゃべりの時間へと変わりつつあった頃、
 ゆーちゃんがそう言って持ってきたのは、ろうそくの立てられた苺のショートケーキだった。

 ろうそくが灯され、電気が消えてみんなの歌が始まる。

  ――Happy birthday to you,
    Happy birthday to you,
    Happy birthday, dear ひより
    Happy birthday to you.

 歌を捧げられる人を世界一幸せにする、素敵な歌だ。
 ありがとね、みんな。

「ふーっ」
 ろうそくを吹き消すと、パン、とクラッカーが弾ける音がして、
 一斉に拍手と「おめでとう」という言葉が部屋を埋め尽くした。
 ケーキの上の「ひよりちゃんお誕生日おめでとう」と書かれたチョコレートを見て、
 私はなんだか無性に感傷的な気分になるのだった。
263ひよりんの Happy Happy Birthday (12/14):2008/05/24(土) 01:55:21 ID:HCC7BZil
「じゃあ、切り分けるね」
 赤と白のコントラストが美しいケーキが、ゆーちゃんによって七等分されていく。
 それを見ているだけで、先ほどのセンチメンタルな気分も、
 ほどよい満腹感も、どこかへ飛んでいくみたいだった。
 お皿がみんなのところに行き渡ったのを見て、私は誰よりも先にそれにフォークを入れた。
「うーまーいーぞおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
「俺は勝ち組だああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
「ちょっ、お父さんうるさい! あとひよりん、巨大化しないで!!」
「うん、すごくおいしい……」
「Delicious! 頑張って作ったカイがありまシたネ、ユタカ」
「うん! みんなに喜んでもらえて嬉しいな」
「決して苺本来の味を損なわない上品な甘さ、ふんわりとした生地とクリームとの絶妙なコラボレーション!
 洋菓子好きの私が言うんだから間違いないっス!!
 これはまさに味の王道カップリングやああああああ!!!!!!」
 賑やかな声が耐えない食卓の灯は、
 ろうそくのようにいつか消えてなくなるということを知らないようだった。
 おばさん、騒がしくしてごめんなさい。


「うー、まだちょっと苦しいかも……」
 さすがに食べ過ぎた……。
 一番にお風呂に入れさせてもらった私は、浴槽の中でそのことを悔いた。
 でも、美味しかったなぁ、あのシチューとケーキ……
「ヒーヨリ♪」
「わぁっ! 」
 私が目を閉じてさっきの味を思い出していると、突然パティが入ってきた。
「あーびっくりした……ってパティ、まさか入る気?」
 パティは裸にタオル一枚の状態だった。
 相変わらず上はほとんど隠してないところがパティらしい。
「Yes, ハダカのツキアイでス! というコトで、おじゃまするネ、ヒヨリ♪」
「ちょっ……まぁいいけど、って、変なトコ触らないの!」
 浴槽に入ってくるパティに軽くセクハラまがいのことをされ、私は水しぶきを上げて抵抗したけれど、
 気がつけば私はパティに後ろから抱きつかれる形になってお湯に浸かっていた。
 向き合うよりはいいけど、これもなんだか恥ずかしい。
 ただ、一旦この形に落ち着くと、私もパティも暫くは何も喋らなかった。
 ゆっくりとお風呂に浸かり、湯気の中に数時間前の光景を写しながら、
 一日の余韻に浸るように静かな時間を過ごした。
264ひよりんの Happy Happy Birthday (13/14):2008/05/24(土) 01:56:45 ID:HCC7BZil
「今日は楽しんでくれましタか?」
 ピチョン、と水滴が落ちる音が聞こえ、
 それを合図にするかのように、パティがそう言った。
「うん、すごく楽しかった。お祝いされるって、良いね」
「あのトキのこと、もう怒ってないでスよネ?」
「あのときのこと? あー、罰ゲームのことね。
 うん、あのときは本気で怒ってるわけじゃなかったしね。今だって、パティに言われるまで、忘れてたし」
 もちろんびっくりはしたけどさ。
 というか、いつから仕込んでいたんだろう、あの悪戯……。
「よかった、ソレは安心しまシたネ」
「あのときはテンパっちゃって頭が回らなかったけど、
 よくよく考えるとパティもあのままキスはしないだろうしね」
「でも、ワタシはあのままヒヨリにkissしてもよかったんでスよ?」
「へっ? えええええええっ!?」
 それってどういう……!?
「Non non, モチロンnotパテ×ひよ的な意味でス」
 パティはそう言うとぎゅっと私との距離を縮め、
「ソレくらい、ヒヨリのことがスキってことでスよ」
 そう耳元で囁くように言った。
 愛の告白をされたわけではないのだけれど、かあっと顔に血が昇っていくのが分かる。
「……あの、当たってるんですケド……」
 恥ずかしさを誤魔化すように、私はそう言った。
 当然のように、「あててんのよ」なんて言葉が、すごく流暢に返ってくる。
 けど、それ以降パティは何も言わなくって、
 私は覚悟を決めて、おそらく今言わなくてはいけないのであろう、
 紛れもない私の本心を、口を開いて言葉にした。
「……私も、パティのこと、スキだよ」
 うああっ、私も別に告白してるわけじゃないのに、すごく恥ずかしい……。
 パティはよく平気でこういうことが言えるなぁ……。
 正面から顔を見られてなくて良かった。
 多分、すごく真っ赤になってるだろうな、私の顔。
「フフっ、ありがと、ヒヨリ」
 パティは満足そうにそういって立ち上がり、
「ひゃあっ!!?」
 私にキスをした。
「ウブでスねー、ヒヨリは。ホッペにチューはイケませんでしタか?
 背中流してアゲるから、コッチに来てください、ヒヨリ♪」
「もう、パティったら……」
 そう言いつつも、キスをされたことをまんざらでもなく思っている自分がいることを、
 私はどうしてか不思議には思わなかった。
265ひよりんの Happy Happy Birthday (14/14):2008/05/24(土) 01:57:50 ID:HCC7BZil
「「「「おやすみ(オヤスミ)なさい」」」」
 一緒にお風呂に向かうゆーちゃんとみなみちゃんでパティと一しきり妄想し、
 こんな日でもまったく自重していない自分に嫌気がさすところまでいつものようにこなした後、
 お風呂から上がった二人と一緒に四人分の布団をゆーちゃんの部屋に引いた。
 誕生パーティの終幕を知らせるかのように電気が落とされ、私達は眠りにつく。
 来年は一体、どんな誕生日になるのだろう。
 そんな三百六十四日後のことを今から考えると、私はなかなか寝付くことが出来なかった。
 そして、次のみんなの誕生日には、精一杯お祝いをしよう、と、
 今からみんなの分の誕生日プレゼントをあれやこれやと一生懸命考えるのだった。






 カシャッ ピロリーン
「ふぇっ? な、なななんの音?」
「あっ、ひよりちゃん起きちゃった。おはようっ、もう十時だよ〜」
「ひよりの寝顔、とても気持ちよさそうだったから……」
「ミンナで撮影会をしていたのでス。後で送ってあげるネ、ヒヨリ」

 そして、みんなの誕生日にはどんな悪戯をしかえしてあげようかな、と思うと、
 私は今からみんなの誕生日がすごく待ち遠しくなるのだった。
2669-727:2008/05/24(土) 01:59:22 ID:HCC7BZil
これで終わりです。いかがでしたでしょうか。
これを読んで、一度でも「この子達可愛いなぁ」と思っていただけたのなら、
私がこれを書いた意味があったというものです。
尚、ゆーちゃんが小悪魔キャラ、ひよりんがいじられキャラになるのは自分の癖なようです。
余談ですが、ケーキのレシピを調べるため、「ケーキ 苺」でググったところ、
美水先生原画のあの作品が一番上に来てびっくりしました。
では、読んでくださった方、ありがとうございました。誤字等ありましたらすみません。
267名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 02:16:11 ID:0HFM4Ne4
>>266
( ゚∀゚)o彡゚ひよりん!ひよりん!
かわいーなーもー!
読んでるこっちがほわほわしちゃう、なんというほのぼのひよりんデイズ!
GJと言わざるを得ない!

でも途中の
>おばさん、騒がしくてごめんなさい
では不意を突かれてうるっときた…
ひよりん良いこだな〜
268名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 04:16:44 ID:RKjMcXCL
こいつら可愛いよなー
GJ
269名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 04:26:18 ID:5i9WiSw5
>>220
うは。自分が何気なく言ったことがこんな形に…
なんか凄い嬉しいな
GJ!

>>239
GJ
かがみ、なんつーものを…って思ったらまつり姉さんのなのね。
どっちにしろなんというものをw
しかしこなたのために、文字通り体張ってるねかがみ…最高の彼女じゃないか。
この幸せものが!!
270名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 04:52:39 ID:RKjMcXCL
ゆたかとみなみの純粋さに惹かれたと言っている自称不純なひより自身も
実は純粋で可愛いからなあ
271名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 09:02:16 ID:M+qGMsuW
>>266
長めなのにサクッと読めたぜ
みんなかわいいッス!堪りませんGJ
クリームシチューとショートケーキ買ってくるノシ
272名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 09:31:32 ID:kGw851Mt
>>266

乙GJ〜〜〜
一年組はまったりしててよいなあ
273名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 09:42:18 ID:95Elr82J
>>266
ひよりん。かわいーよっ、ひよりん
誕生日なのに、いじられまくるひよりんに
ちょっと涙した
一年生ズ(二年生ズか)の仲の良さが伝わってくる
ほのぼのとした、いい話でした
GJ!
27445-450:2008/05/24(土) 10:18:23 ID:unRpuFYW
どうもおはようございます。
ひよりん誕生日記念(と言うには微妙ですが)第2弾として、
「創作の衝動 第2話」を投下…の前に、レスを少々。

>>250
ここでの「だばだば」は鼻血ではなく涙に思えたのは俺だけでしょうか…

>>266
笑いとほのぼのの絶妙なマッチングが長さを感じさせない
見事なテンポの良さを醸し出していましたよ…本当にGJ!

では、他に誰も投下者がいなければ5分後に投下開始致します。
27545-450:2008/05/24(土) 10:22:14 ID:unRpuFYW
「創作の衝動 第2話」
・続き物
・非エロ
・ひより&こう(カップリングという意味合いではありません)
・本編3レス+後書き1レス
・このスレのとある作家さんのSSをモチーフとした表現あり
(今回は第1話とは別の作家さんです)
・モチーフとさせて頂きましたSSの作家さんに対する批判等の意味合いはありません
276創作の衝動 第2話 1/3:2008/05/24(土) 10:25:08 ID:unRpuFYW
「ゆたかちゃんっ!」
「た、田村さん?」
「描いてみせるっス! ゆたかちゃんが望む、この2人の幸せなお話をっ!!」
田村家での1年生4人による勉強会での一幕から数ヶ月後。

「うむむむむむむ……」
田村ひよりは、所属しているアニメーション研究部の
部室の片隅にて思案顔をしながら唸っていた。

「どーしたのひよりん? 随分真剣に悩んでるみたいだけど」
「あ、こーちゃん先輩こんちはっス…まぁいつもの通り作品のネタに悩んでまして」
「いやさ、それでもいつも以上に真剣な様子だから気になってさ」
「そんなに普段と様子が違ってたんスか…やっぱり、色々な意味で
強く気持ちが込められている作品だからなのかなぁ…今描いてるのが」
部長である八坂こうからかけられた言葉に、改めて今自分が描いている作品に
対する思い入れなどを含めた気持ちの強さをひしひしと感じるひより。

「よかったら話聞いてあげようか? まぁ、話したくないなら無理にとは言わないけど…」
「…お願い出来るっスか? 一人で考えていても正直煮詰まり気味の状態なもんで…」
こうの言葉に、渡りに船とばかりに飛び付くひより。

「実は……」
数ヶ月前の同人誌即売会にて購入した『ラスボス』の同人誌の事。
それを含む出版したサークルの作品を読んでひよりが感じた、『重い』気持ちの事。
勉強会の一幕にて、ゆたかの言葉をきっかけとして自分が今描いている同人誌の事。
それら全てを包み隠さず、溜め込んでいたものを吐き出すようにひよりはこうに話した。
277創作の衝動 第2話 2/3:2008/05/24(土) 10:27:14 ID:unRpuFYW
「ふんふん…なるほどね」
場所は変わって、田村家のひよりの部屋。
ひよりの話を聞いた後、「その現物を見たい」というこうの希望で
ひよりは一緒に帰宅し…『ラスボス』の同人誌を出したサークルの作品一通りと
元ネタである4コママンガの単行本…それに加えひよりがあの勉強会後のイベントから
出している『ラスボス』と同一カップリングの同人誌2冊にこうは目を通していた。

「でさ、ひよりん」
「は、はいっ」
「次の本では、どういった話にするかは決まってるの?」
「え、ええ…2人が恋人として付き合ってる事を2人の友達全員に告白するって
 いうのは決まってるんスけど、扱いの難しいキャラが2人いましてどうしたもんかと…」
ひよりが『扱いが難しい』と言っているキャラ。
それは、主人公と絡む回数が多い勝気で素直さには少々欠ける『ツンデレ』系のキャラと…
主人公の従妹の同級生で、口数は少ないが従妹を大切にしている『クーデレ』系のキャラの2人だった。
この2人は、それぞれ主人公とその従妹とのカップリングが『ほぼ公式』状態である事もあり
主人公と従妹が『付き合ってる』事を告白したからと言って簡単に認めて身を引くという
展開にしてしまっては物足りないだろうという事がひよりを大いに悩ませていた。

「…あのさ、ひよりん」
「は、はひっ」
「『付き合ってる事を認める』=『自分は身を引く』とは限らないと思うね、あたしは」
「え、でもそうなると残るのは泥沼の修羅場しか…」
「いやいや、さっきの言葉をよーく考えればそれ以外の道も見出せるはずだよ」
「う〜む……」
こうの言葉を聞いて、真剣な表情で思案するひより。
(認めても身は引かない…あ、あのサークルさんの作品でのあの2人は『奪い取る』事を
画策していたから2人の交際を『認めて』はいないって事になるっスね…となると、
認めた上でなおかつ身を引かないって展開というのは…あっ!! そういう事っスか…!!)

「こうちゃん先輩、どうもありがとうございましたっス!!
 おかげでいいアイデアが浮かんで来ましたっス!!」
「お礼なんて別にいいよ、もう少ししたら新しい部誌に取り掛からないと
 いけないからひよりんに同人で長い事悩まれ続けると部としても困るしさ…
 じゃ、あたしはもう帰るね…新刊楽しみにしてるよ、ひよりん?」
「任せて下さいっス! 一気に済ませて部誌にも余裕持って取り掛かるっスよ!!」
278創作の衝動 第2話 3/3:2008/05/24(土) 10:29:44 ID:unRpuFYW
『いいわ、認めてあげる…でも覚悟しなさい、油断してたら奪っちゃうからね』
『先輩、認めてくれてありがとうございます…でも、お姉ちゃんは絶対渡しませんっ!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『先輩にひどい事を言われたら、いつでも私に言って…私はずっと、味方だから』
『お? それって、宣戦布告と取っちゃっていいのかな?』
『そういう風に取って頂いて構いません、でも…出来ればそういう事にならないで欲しいです』

「ふぅ、ペン入れ終わった…しっかし、プロットからペン入れまでここまで短時間でやれたのは
 自己新記録じゃないっスかねぇ…自画自賛だけど凄い勢いだったなぁ、本当に」
こうが帰宅してから数時間後。
こうの言葉から閃いたアイデアをベースにプロットを組み上げ、ラフを上げて
原稿の下書きに移り…ペン入れまで一気に終わらせた事に、ひより自身が驚愕していた。

「さすがに疲れたし、一息入れますか…」
そう呟いて床に横たわったひよりの目に、1冊の冊子が目に入る。
「あ、そういや次のイベントのスペース何処だったか確認してなかったし見ておくっスかね」
そう言いながら床にあった冊子…次に自分のサークルが参加する同人誌即売会の
パンフレットを手に取り自分のサークルのスペースの位置を確認するひより。

「えーっと…あ、ここっスね…ん?」
自分のサークルのスペースの位置を確認したひよりの目に、ある物が飛び込んで来る。
「隣のサークルさんの名前、何か覚えがあるっスねぇ…」
自分のサークルのスペースに隣接するサークルの名前に引っかかりを感じ、思案するひより。
「あ…あああっ…!? ちょ!? おまっ!? マ、マジっスかぁぁぁっ!?」
『引っかかり』の正体を悟ったひよりが、驚愕の声を上げる。

次にひよりが参加する同人誌即売会にて、自分のサークルのスペースに隣接するサークル。
…それは、以前にひよりが購入した『ラスボス』の同人誌を出していたサークルだった。

-続く-
27945-450:2008/05/24(土) 10:33:38 ID:unRpuFYW
さて、どうにか今回の話であるひよりんの誕生日当日にうpれた事に
安堵していますが…誕生日祝いと言うには微妙ですみませんm(_ _)m

今回モチーフに使わせて頂きました作家さんは…作中にSSの一部を
改変したものを載せてるからバレバレでしょうね、十中八九…。

さて、次の第3話は一つの山場になりますがどれだけ盛り上げられるかは
微妙ですので…皆様、期待せずに気長にお待ち下さいませ。
280名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 10:42:36 ID:kGw851Mt
「これ今、フラグ立ったねっ!」
「……何のフラグよ?」
「合同誌フラグ。いや〜、お目当てのサークルがくっついてくれると巡回楽になるよ〜」
281名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 12:22:26 ID:nVPlOP1T
>279
ぐっじょぶなのです。
続きをとても楽しみにお待ちしていますよ。

さて、準備をされている方がおられなければ投下いたします。
28223-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/05/24(土) 12:28:36 ID:nVPlOP1T
「Escape 第6話」

こなた&ゆたか(かがみ、つかさ、みなみ)

※注意事項
・続き物
・非エロ
・シリアス、ダーク(※あわない方は回避をお願いいたします)

283名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 12:31:13 ID:nVPlOP1T
>282
追記
・かがみ視点
・6レス使用
284Escape 1/6:2008/05/24(土) 12:34:39 ID:nVPlOP1T
 私は、額に浮かぶ汗を拭いながら、小高い丘の頂上にそびえ立つ別荘を仰ぎ見た。
 白亜の外壁が、初夏の陽光を受けて眩い輝きを放っている。
「みなみさんの、別荘におじゃまするのは久しぶりです」
 白を基調としたワンピースに、大きな麦藁帽子と、一昔前の令嬢を思わせる少女が感慨深げに呟いた。
 誰もが美人と見とめる顔立ちだが、やや野暮ったい丸い眼鏡が、親しみを他者に与えている。

「みゆき。買出しに付き合ってくれてありがと」
「みゆきさん。ありがとうございます」
 私と、隣を歩いている2つ年下の少女は、礼を述べた。
 昨晩は、眠れるゆたかちゃんを別荘に運び、今朝は買い出しの為に運転している。
 流石に負担が重すぎるから、買い物は夕方にしようと言ったのだけど。

「久しぶりに、泉さんにお会いできるのですから、多少の手間など惜しんでいられませんよ」
「あんたも相変わらずね」
「お褒めにあずかり光栄です」
 やれやれ……
 私は、肩を竦めてみせた。
 みゆきの暗躍が、ふたりの駆け落ちの主な原因だということを知ったのは、
追跡を諦めてから程ない頃だった。
 結果としては、みゆきの工作が思い切り裏目に出たということだけど、恨むつもりは毛頭ない。
 みゆきも、私やみなみちゃんと同様に、自分の欲望の赴くままに二人の仲を引き裂こうとして、
惨めに失敗しただけで、いわゆる同じ穴のムジナに過ぎないからだ。
285Escape 2/6:2008/05/24(土) 12:35:37 ID:nVPlOP1T
「みゆきは、今もこなたの事を想っているの? 」
 別荘の玄関の鍵を空けながら、敢えて尋ねてみる。
「さあ、どうでしょう」
 しかし、みゆきは普段と変わらぬ微笑を浮かべながら、首を横に振った。
「もう、あきらめたのかしら」
「そういう訳ではありませんが…… 」
 私のあからさまな挑発を軽く受け流し、買い物袋をテーブルに置いた。

「泉さんのお尻を追い掛け回しても、あまり、いい結果が得られませんでしたから」
 皮肉めいた言い方が、多少癇に障る。
「私のやり方が間違いだっていいたいの? 」
「いいえ。そんな事はありませんよ」
 買い入れた食材を仕分けながら、みゆきは苦笑した。

「私は、今回はのんびりと鑑賞する側に回らせてもらいます」
「本当かしら? 」
 私は疑わしげな視線を向けた。みゆきの言葉は額面通りに受け取ってはいけない。
「傍観者として、みなさんの動きを見守るだけで十分だと思っておりますので」
「ふうん」
 私は、曖昧な相槌を打った。相変わらず腹の底がしれない女だ。
「それに、もっとも激しく躍る者が、もっとも疲れるといいますからね」

 みゆきの物言いには、皮肉と言うスパイスがたっぷりと振りかけられていたのだが、
敢えて追求をするのは愚かというものだ。
 とりあえずは、現時点で味方になってくれていることに満足すべきだろう。
286Escape 3/6:2008/05/24(土) 12:36:34 ID:nVPlOP1T
「そういえば、つかささんはどうしたのでしょう? 」
 野菜を冷蔵庫に入れながら、みゆきが首をかしげた。
「玄関でチャイムは鳴らしたのですが…… 」
 みゆきを手伝っていたみなみちゃんも、首を横に振っている。

「たぶん部屋で寝ていると思うわ」
 私は、荷物を整理する手を止めて言った。つかさはとてもよく寝る子だから。
 しかし、みゆきは怪訝な顔をしている。
「でも、小早川さんが一緒にいるんでしょう? 」
 忌まわしい名前が飛び出し、私は、身体をぴくりと震わせた。

 脳裏に、名古屋の大須で大立ち回りを演じた時の、苦い記憶が蘇る。
 正直なところ、こなたさえ何とかすれば、体力の無いゆたかちゃんを、
捕らえることなど造作もないと考えていた。
 しかし、私達の動きを読まれた上に、強く抵抗されて一度は逃走を許してしまった。
 幸いなことに、二人が居住しているアパートの最寄駅に張りこませたつかさが、
首尾良く仕事をしてくれたから良かったものの、一歩間違えれば、半年前と同じ醜態を晒すところだった。

「どうしました? かがみさん 」
「なんでもないわ」
 心配そうに見つめている視線に対して首を横に振りながら、私は立ちあがった。
「つかさを起こしてくる」
「私も、行きます」
 今まで黙っていたみなみちゃんが、後に続いた。
287Escape 4/6:2008/05/24(土) 12:39:12 ID:nVPlOP1T
 軋んだ音を立てながら階段を昇って、つかさに割り当てられた部屋に入ると、予想通り眠っていた。
「つかさ…… 起きなさい」
 身体を何度か揺り動かすと、瞼がうっすらと開かれる。
「うーん」
 猫のように手の甲をぺろりと舐めながら、何度も瞬きを繰り返した後、のんびりとした声をあげた。
「おはよ― お姉ちゃん」
「おはよ。つかさ。早速で悪いけれど、ゆたかちゃんはどうしたの? 」

「うーん。わかんない」
「先輩! ゆたかはどこです! 」
 みなみちゃんの表情がたちまち変わる。
「たぶん、逃げたと思うよ」
「どうして逃がしてしまうんですか! 」
 取り乱しながら、つかさの胸倉を掴んで、顔を真っ赤にして叫ぶ。
「まあまあ、落ちついてよ。みなみちゃん」

 つかさは、ひどく興奮している後輩をなだめてから、誰もが吸いこまれそうな笑顔をみせて言った。
「ゆたかちゃんが『ココ』から逃げられると思う? 」
「あ…… 」
 みなみちゃんはようやく気がついて、つかさを掴んでいた手を離した。
「でも、私、ゆたかを捕まえてきます」
 みなみちゃんは宣言すると、忙しなく立ちあがって、部屋から出ていこうとする。
 いくら逃げられないと分かっていても、一刻でも早く、ゆたかちゃんの身柄を確保したいのだろう。

「みなみちゃん」
 つかさは、ドアを開けたみなみちゃんの背中に声をかけた。
「チェリーちゃんを連れて行った方がいいよ」
「チェリー? 」
 振り返ったみなみちゃんは、一瞬、怪訝そうな顔つきを浮かべたが、直ぐに納得したようだ。
「チェリーに警察犬の役目を果させるのですね 」
「うん。ゆたかちゃんの下着が洗濯かごに入っているから使ってね」
「あ、ありがとうございます」
 つかさに頭をさげると、みなみちゃんは、小さい女の子を捕獲する為に外に出ていった。
288Escape 5/6:2008/05/24(土) 12:40:41 ID:nVPlOP1T
「つかさ…… アンタ何を考えているの? 」
 私は、飼い犬を連れて駆け足で、別荘から遠ざかる少女を見下ろしながら尋ねる。
「私、単純な話は好きじゃないんだ 」
「何、それ? 」
 つかさの言いたいことが全く分からない。

「えっとね。 ゆたかちゃんは囚われのお姫様だと思うの」
「はあ…… 」
 お姫様という言葉に引っ掛かりを覚えるが、指摘するほどではない。
「私達に捕まってからは、ゆたかちゃんは大人しく待つこと以外に、何もすることがないよね」
「それが、何か問題なの? 」
「ゆたかちゃんには、もしかしたら脱出できるかもしれない、という希望をもって欲しいの。
例え、儚い望みでもね」
「あ…… 」
 何となく、つかさの言いたい事が分かって…… 慄然とする。

「あんた。本当に恐ろしい子ね」
 つかさは、ゆたかちゃんに脱出という希望を与えてから、再び絶望に陥れようとしている。
 つまり、少しでも長く愉しむために、ゆたかちゃんを『わざと』逃がした。
「でもね。こころの一部では、ゆたかちゃんが見事に逃げおおせることも願っているんだ」
 つかさは、天使のように無垢な微笑を浮かべたが、笑う気にはとてもならなかった。

 こなたとゆたかちゃんが、遠い土地に逃げたことによる悪影響は、やはり深刻だ。
 私はこなた、みなみちゃんはゆたかちゃんに対する妄執を抑えることができないし、
つかさは心の奥底にとんでもない闇を抱えてしまった。
289Escape 6/6:2008/05/24(土) 12:41:59 ID:nVPlOP1T
「お姉ちゃん。こなちゃんに電話しないの? 」
 背中を這い上るうそ寒さに震えている私に、つかさが尋ねた。
「あ、ああ、そうだったわね」
 我に返ってポケットから携帯を取り出し、ボタンを押して耳に当てると1コールでこなたが出る。

『ゆーちゃんをどこにやったの? ゆーちゃんを返してよ! 』
 切羽詰った怒鳴り声がいきなり聞こえる。
「こなたと話が出来てとても嬉しいわ」
 今まで、何百回と電話をかけたにも関わらず、全て着信を拒否されていたのに、
ゆたかちゃんが攫われたらあっさりと繋がるとは、とても分かりやすい。
 こなたの愛を一身に受けるゆたかちゃんに、改めて嫉妬してしまう。

『何、笑っているの! 』
 一方、追い詰められたこなたは、余裕が全くない。
「あははっ、ごめんね。でもね…… 」
 この瞬間、私はとても邪悪な笑みを浮かべているに違いない。
「ゆたかちゃんは逃げてしまったから。行方はわからないわよ」

『嘘だっ! 』
 こなたが叫んだ。昔、彼女に強引に見せられたアニメに出ていた、女の子と同じ台詞だ。
「本当よ」
『嘘に決まっている。だって、ゆーちゃんが逃げたのなら、かがみは慌てているはずだよ』
 やっぱりこなたは大好きだ。
 受験の為の勉強はしなかったけれど、頭の回転はとても速い。
「ゆたかちゃんに逃げられたのは本当よ。でもね 」
 こなたにみなみちゃんの別荘の場所を教えてあげる。

『そんな…… ひどいよ 』
 予想通りこなたは絶句した。
 憔悴する想い人の姿を想像すると胸が痛むが、心を鬼にしなくてはいけない。

「こなた…… 来てくれるわよね。勿論、駅まで迎えに行ってあげるわよ」
 私は、敢えて勝ち誇った笑みを浮かべて、最愛の少女に対して念を押す。
『ゆーちゃんに何かしたら絶対に許さないから! 』
 永遠ともいえる沈黙の後、呻くような低い声が耳朶に届いた。
29023-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/05/24(土) 12:45:58 ID:nVPlOP1T
読んでくれた方、ありがとうございました。
まずはひよりん誕生日おめでとう。

「ラスボス」に相応しい、救われなさを追求できればと思います。
では。
291名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 12:50:46 ID:ayK2+RTf
>>290
なんだなんだ、この、
下手すると全員死に兼ねない展開は。
カップル組、それを引き裂き組み、第三者組
ますます目が離せぬ怒涛の展開。
続きを全裸待機っ!(=ω=.)

かがみ「何よ何よ……こなたのばかっ……」
(=ω=.)「おーおー早速さびしんぼうさちゃんですねーよちよち」
かがみ「うるさいっ!!」

みなみ「ゆたか……ゆたかっ!」
ゆたか「みなみちゃん、チェリーつれてどうしたの?」

みゆき「サクシハワタシヒトリデジュウブンデスノニ……
     ツカササンノクセニ……ツカササンノクセニ……」
つかさ「ゆきちゃんの様子が変だよ、どんだけー」
292名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 14:12:49 ID:ihcoF4rs
>>290
正直読んでてハラハラするw
かなり気になる所で終ると次までの待ち時間が凄く辛いw(多分褒め言葉)

293名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 14:29:56 ID:/oqcnyoA
>>290
うおおおおぉぉぉぉぉゆたか逃げてくれえええぇぇぇぇぇぇぇ
294名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 14:47:03 ID:s4leQBmZ
うひょひょ・・・こりゃ最後は無理心中コースまっしぐらかねえ
29542-519:2008/05/24(土) 15:16:25 ID:SZzgRNFT
「二輪の花」にお読みいただいた方、ご感想いただいた方ありがとうございます。
>>220
即保存させていただきました。ネタに使ってくれてありがとうございますです。
私自身書いているときは頭の中でお疲れ様会を書いて妄想していたりします。

>>276
これはこれで危ない展開に入りそうですね…。続き期待してますです。
296名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 15:54:47 ID:ayK2+RTf
島みやえい子の歌を主題歌にするとなおいいと思ってしまった。
297名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 16:29:21 ID:s4leQBmZ
>>296
それだ!
298名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 17:07:19 ID:O5jUg9ge
うーむ、相変わらずのハイクオリティ
この作品が読めるのは幸せであります

みんなどこへ行っちゃうんだろう……
せめて全てが終わった後、二人の間に平穏な日常が戻りますようにぐっじょぶ
299名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 18:49:16 ID:5i9WiSw5
>>290
うあぁ・・・
本当にどう転んでも暗い結果しか予想できなくなってきた…
つかさ怖いってばさ
300名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 20:11:31 ID:JIcA4zPp
>>290
はじめてこのシリーズ読んだんだが・・・
ゴメン俺には無理だ
あまりにも登場人物のキャラが違いすぎるし歪んでる
以後スルーするよ

でもこんな作品があってもいいとは思う
続けて完結まで頑張ってくれ
301名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 20:56:59 ID:OhrRLKwk
>>290
黒いなァ〜・・・・・メチャ黒い。

最終的には無理心中まで逝きそうな気がしてならんよ・・・・・・

いかん、こなた自殺スレの影響を多分に受けちまってるな、俺。
百観音温泉でマターリして来る。
302名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:01:14 ID:+YHiWGoi
誰かっ、誰か楽屋裏ネタを書くんだ!
303ご所望がでたので:2008/05/24(土) 21:17:37 ID:ayK2+RTf
木役のみさお「ふぅ〜、背景も疲れるんだってヴァ
         たまにはひぃらぎに、あんなに愛されてみたいんだってヴァ」
木役のあやの「私はゆたかちゃんに興味あるわね
         そうだ、広大な森の中、迷わせる振りして……」
木役のみさお「くっ……黒っ!?」

304名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:27:07 ID:s4leQBmZ
みゆき「ラストは東尋坊からカメラがグーッと引いてエンドテロップが流れるのが宜しいですね」
つかさ「舞台が回ると岩崎宏美が出てきて「聖母たちの子守唄」を歌うんだよね」
こなた「やっぱさあ、ラストは敵のアジトが大爆発炎上して炎の中から大門団長が還って来るんだよね」

かがみ「あんたらいくつだよ・・・」
305名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:34:44 ID:k+egvqUO
>>290いつも乙です
先に言っておくけどこのレスは批判じゃないっす

>>300も言ってるけど(前スレの、一人が言ったら続々と〜なつもりはないよ)
俺も今回(今作)はちょっとキャラ崩壊しすぎなんじゃないかな、と感じた
まあ、恋愛系SSは原作のほのぼのまったり系とマッチできるし、ほとんど設定性格を変えないですむのに対して
こういう救いがない?SSは原作と正反対だから、どうしても性格改変が必要で余計に違和感を覚えてしまう
だから思っても見ない展開になった時に、「おお!○○が!」じゃなくて「えー…○○はこんなじゃないだろ…」って思った

そういうSSだから、とか自分が気に入らないSSはスルー、って言われたらもちろんそれまでだけど
あなたの作るSSは基本的に大好物なんで、もしよかったら次回はらき☆すた重視でSS作ってくれると嬉しい
と、一読者かつ一ファンの意見をば
306名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:45:10 ID:uN0Gns31
誰かが楽屋裏ネタとか言うたびになぜかギャグ漫画日和を思い出す。
クマ吉が逮捕されても必ず戻ってくるのが平和に見えて、クマ吉が逮捕されるのは劇の一部って無意識に考えてるのかな……
30723-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/05/24(土) 21:58:56 ID:nVPlOP1T
感想いただいた方ありがとう。
作品と違いすぎるだろというご意見はある意味当然かと。
ただ、意図的にズレを拡大させていった部分はあるので、そこらへんを斟酌して頂けるとありがたし。
その中でも、可能な限り原作は重視していきたいと思います。

308名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:00:12 ID:fgZSTXrs
んー、どうだろう。さすがにこの作者さんはそういう反発があるのをわかっていて
覚悟もできている人だと思うので、あえて擁護しようというわけでもないんだけど。

自分はこれが性格改変だとはあんまり思わないかな。
いみじくも今回投下分で書かれているように、

>こなたとゆたかちゃんが、遠い土地に逃げたことによる悪影響は、やはり深刻だ。
>私はこなた、みなみちゃんはゆたかちゃんに対する妄執を抑えることができないし、
>つかさは心の奥底にとんでもない闇を抱えてしまった。

最初から歪ませて書いているならアレだけど、元のキャラの性格がガラスの壁やelopeを経て
変わっていくところを書いてきたわけだから、そこにある種の誠実さはあると思う。。
むしろ心がある人間として書くなら、悲劇を体験して性格が変わらない方がおかしいと思うし。

なので「えー…○○はこんなじゃないだろ…」じゃなくて、そんな風に歪んでしまった○○を嘆くべきなのかと。
309名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:01:01 ID:fgZSTXrs
ってうわ、被った上に超蛇足だ。
310名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:05:11 ID:s4leQBmZ
こなた「こーゆーのも二次創作の醍醐味って奴だよね」
ひより「創る側は常に真剣っスよ」
311名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:08:15 ID:ayK2+RTf
これ、基本には忠実だしょ。
作中の歪みは、「シチュエーションのため仕方なく」だと思うし。
そういった意味では、よく練り上げられた作品だと思うぜよ。

でも基本こなかがの俺だから、内心つらいというのは事実(=ω=.)
だがつらいからこそ、鬱作品の醍醐味とも言える。
気にせず続きを書くがよい。読者たる我々は先を待つのみだ。
312名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:08:17 ID:ihcoF4rs
>>305
愛ゆえに狂ってしまったヤンデレ化という状態でしょうか

それにしても名古屋に住居を構えれて 仕事もしてて ゆうちゃんは通信教育(だったっけ?)で高校も続けている。
二人の親も渋々ながら承諾してるし、最初に駆け落ちした状態とは違って名古屋に確固たる基盤を二人は持ってるので

しばらく我慢しても「自由の身」にさえなれば基本的に名古屋に行く(帰る)だけでOKなはず。
みんな普段の生活があるだろうし24時間付きっ切りというわけにはいかないだろうし・・

かがみ達もそれを考えた上で行動に出てるという事は・・・(((( ;゚Д゚)))

ふう・・これ以上は今考えるのやめよ
313名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:08:52 ID:qJQTn9xR
>>306
ギャグマンが日和のあきら様MADをどうしても思い出す。

みのる「変態じゃないよ、変態という名の紳士だよ」
あきら「じゃぁラジオでBLの攻受をやるな」
31442-115:2008/05/24(土) 22:10:41 ID:wZGalap8
 みさお「なあ、あやの」
 あやの「なあに、みさちゃん?」
 みさお「どうしてあたしら外にいるんだ? あいつらみんな楽屋の中にいるじゃん」
 あやの「ここが劇場の裏手だからよ。この壁の向こうがその楽屋ね」
 みさお「みてーだな。楽しそうにしてる声が聞こえるぜ」
 あやの「出番のある人たちは楽屋の中、出番のない私たちは楽屋の裏、つまり楽屋裏があてがわれているの」
 みさお「外じゃ背景にすらなれないじゃん」
 あやの「まあまあ、楽屋の中にいたらいたで、見なくてもいいものを見なきゃいけなくなるわよ」
 みさお「例えば?」
 あやの「100kgのバーベルを持ち上げちゃう小早川ちゃんとか」
 みさお「めちゃめちゃ丈夫じゃん」
 あやの「本当は絵が下手な田村ちゃんとか」
 みさお「全部小道具だったのかよ」
 あやの「実はインド人のパトリシアちゃんとか」
 みさお「京都に連れてったら通訳になるな」
 あやの「グラヴィゴードやスピネットやハーディ・ガーディしか弾けない岩崎ちゃんとか」
 みさお「そんな古楽器、誰も知らねえって。あたしも知らないけど」
 あやの「寝なくても生きていける妹ちゃんとか」
 みさお「寝逃げできねえのかよ」
 あやの「鼻血の代わりに青汁を噴く高良ちゃんとか」
 みさお「そんな体質、救済(キュー●イ)できねえってば」
 あやの「オタクでエロゲ・ギャルゲ好きで、アニメも漫画もフィギュアも大好きで、いつも暴走してる柊ちゃんとか」
 みさお「ほ、本当かよ!?」
 あやの「その柊ちゃんにいつも手を焼いている、ツンデレで良識人で、家事が苦手で読書家の泉ちゃんとか」
 みさお「わざわざ入れ替える必要あるのかよ!?」
 あやの「嘘しか言わない私とか」
 みさお「楽屋裏でも言ってるだろ。もうええわ」
 あやの・みさお「どうもありがとうございました〜」


 という楽屋「裏」ネタ……。


315名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:15:08 ID:k+egvqUO
>>307
なるほど
当たり前だけどしっかりと考えてるんだなあと改めて感じました+安心しました
今作は申し訳ないですがリタイアしまう。ですがこれからも頑張ってくださいです

>>308
確かに。過去作品の過程を経てここまで歪んでしまったんだよなあ
読みが浅いみたいだ、ガラスの壁からもう一度読んでみようかな
316名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:19:55 ID:ayK2+RTf
>>314

こなた「ますますノリにのっているのは、このふたり〜〜!」
かがみ「(に、似てるわね)VAとデコの化学反応、ハイケイズ!」
こなた「背景のくせに目立ってるあの二人が、今夜はあのアニメをメッタ切りにする〜!」
317名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:37:52 ID:DbFnAiRK
みなさんGJなのです。
ところで、

>>279>>278)の
>自分のサークルのスペースに隣接するサークル。
>…それは、以前にひよりが購入した『ラスボス』の同人誌を出していたサークルだった。

の直後、>>282で当の『ラスボス』が出現するとはw
もしや>>280の発言が現実となるのか?w
318名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:18:36 ID:kGw851Mt
>>314

ぐっじょw

『糟日部みさお・あやの』のご両人でしたー!
319名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:24:31 ID:2338/HP0
>>114
実はインド人に盛大に吹いたwwww
こなかが設定入れ替えを誰か(ry
320ふた☆自重:2008/05/24(土) 23:25:28 ID:kT0dNBI3
イラストへのレス、あじゅしたっ。恐縮です!

>>223
 その教授に抱かれたい…!(おい

>>229
 なんという擬似ふたSS!w 大好物を有難うございます(興奮

 ☆

 そして興奮ついでに… ひよりん、誕生日おめでとー!
 SSは投下できなかったが、イラを描いたから受け取ってくれー!

その1
 つttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0078.jpg
その2
 つttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0079.jpg
その3
 つttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0080.jpg

 こんなエロ絵でしか君を祝福できない俺をなじってくれ! んああっ(?
 なかなかSSを書く時間が取れない… もうすぐこなたの誕生日だっていうのに… orz
321名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:28:27 ID:cy7e5pMd
みゆきさんに見えてしまう俺って
みゆふぇち?
322名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:39:22 ID:15lxYDeg
ゆたかってこなたちが卒業したら主人公だろうから
黒化だけじゃなく赤化もすべきだと思います。
323名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:44:39 ID:pvje9fbT
それはない
324名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:49:50 ID:vg8ss/nh
今赤化と聞いてマルクスにハマったゆたかを妄想した
325名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:53:20 ID:kGw851Mt
>>320
うめえええええええ


画力分けてつかぁさいorz
326名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:57:06 ID:OhrRLKwk
>>320
速攻で保存しますた
327名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:00:04 ID:wZGalap8
>>324
ゆたか「万国の男の子みたいな名前の女の子団結せよ!」
328名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:49:22 ID:Xzj3bY63
こう「わたししかいないと思うんだけど」
ゆたか「さあ、2人で旅立ちましょう、男のような名前ズとして!」
こう「あ……ああ……(出番ないし、いっか〜)」







みなみ「ゆたか……最近何のつもり?……いじめ?……;;;」
329名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:59:01 ID:Xzj3bY63
おっと、あやうくGJし忘れたぜ

>>320えろえろひよりん、超GJだ!光の速さで保存したっ!!



パティ「もちろん相手は、アレが生えたわたs……」
俺「過去スレであった、ひよりんとオリ男の超ラヴラヴ話の絵ですね!わかります!」
パティ「F○CK!!SONOFAB○TCH!!!!」
俺「アハハハやっぱりエロってサイコーですねパティさんそろそろその鈍器をやめtひでぶ」
33045-450:2008/05/25(日) 01:08:28 ID:PTrhbF5H
>>290(23-251氏)
>>317
イ、イヤイヤイヤマダダレモ23-251氏ノSSガ『ラスボス』ノモチーフダトハ
ヒトコトモイッテマセンジョ?(そっぽを向いて顔面に冷や汗垂らしながら)

>>329
すまんパティ俺も真っ先にあのひよりんラブラブSSをイメージs(ぐしゃ)
331名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:39:11 ID:qJIoWmHe
>>320
ひよりんたまらん!GJ!
332名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 02:26:56 ID:mnL0NJFo
ゆたかってこなたちが卒業したら主人公だろうから
黒化だけじゃなく赤化もすべきだと思います。
333名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 02:27:56 ID:mnL0NJFo
>>332
間違い
334名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 03:50:52 ID:M+asd+RF
>>332
赤化ってことはあれだな、二年に上がる前の春休みにそうじろうの書斎で
埃をかぶってた共産党宣言を読んで覚醒、新学期早々「プロレタリア文学同好会」という名の
共産主義者同盟を設立。その後スターリンの数々の強烈な逸話を知り心酔、
しかし活動を認めてもらうため表向きは反スタ日共寄り。
影で腕っ節の強そうな生徒を得意技の黒化と普段のやさしい顔を巧みに使い分けオルグ、
文化祭では部の出し物がインターナショナルとソヴィエト時代の国歌をロシア語で合唱
そのうち教師達が危惧するほど影響力を増し、全校集会でカストロばりの長時間演説を披露

そして大学でも同様の活動を経て、10年後「真・日本赤軍」の若きリーダーとなる

あぁでも黒化だとアナキストになるとも取れるからまた違う道にも行きそうだ。
スレ汚しスマンカッタ。酒の上での戯言と受け流してくださいな。
335名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 04:14:52 ID:qJIoWmHe

だがゆーちゃんが手に取ったのは、よりにもよって「我が闘争」だった・・・
336ゆたかが赤化するなら:2008/05/25(日) 04:16:43 ID:Xzj3bY63
「日本を赤にするなどゆるさない!アイアキバ!」
「アイツンデレ……なにこれ、また何かのネタか?」
「アイミコ……このビン、中身はいってるよ、もったいないなぁ」
「アイドジッコ……そもそも共産主義というものは日本にとってはうんたらかんたら」
「アイフジョシ……ここでも私、これっすか……」

「我等!」
「「「「「幸国戦隊星日本!」」」」」





「クールクールクール……ゆたかに仇なすもの……
 このカムチャツカクールが……許さない……」
337名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 04:17:53 ID:mnL0NJFo
こなた GO音赤
みゆき GO音青
つかさ GO音黄

みさお GO音グリーン
あやの GO音黒化
33819-04:2008/05/25(日) 05:45:55 ID:1dEuRDt3
ども。人がいない今のうちに新しいもの投下です。
内容がヤヴァイので批判が多い気もするけど……

注釈
・エログロ
・こなた自殺後
・殺人
・続きもの

プロローグ的なものを含めて2話連続投下です。5レスほど使いますね。

『悪霊こなたの生誕』
『悪霊こなたの実験』

生誕の方は1レスしか使いませんが……
では投下します。
339悪霊こなたの生誕:2008/05/25(日) 05:49:14 ID:1dEuRDt3
復習。あ、いや、違う。復讐だ。

う〜ん、もっと狂ってるのかなって思ったけど、意外と冷静なんだね、『悪霊』って。
今、私の目には『私』が映ってる。ただし、鏡とかじゃないよ。
もっと正確に言うならば、『私の死体』。
肘や膝の関節からは骨が突き出ていて、首が変な方向に曲がってる。
いやー、人間って脆いんだね。四階建ての校舎の屋上から飛び降りたくらいで、こんなに悲惨な死に方ができるんだから。
……あはは、黒井先生が駆け寄ってきた。即死だから、救急車を呼んでも意味無いよ?
さて、と……これからの『お楽しみ』に備えて、今は休んでおこうかな。
それまで……待っててね。私を死に追いやった『かがみ』、『つかさ』、『みゆきさん』。時がきたら……



   ワタシガコロシテアゲルカラ……



……あ、狂ってるネ。うん。
340悪霊こなたの実験:2008/05/25(日) 05:52:05 ID:1dEuRDt3
さーて。事態も収束してきたことだし、さっそく殺しに行くかな。
まずは……よし、みゆきさんにしよう。
それにしても、霊体って便利だね。壁をすり抜けれるし、人の身体に乗り移れるし。悪霊だから魔法みたいなのも使えるし。
そんなこんなでみゆきさんの家までひとっ飛び。壁を抜けて、みゆきさんの部屋を探す。

「ん……は……」

んん? この部屋から女性特有の甘い声がするな……
どれ、オナニーでも覗いてくるか。

「あ……はふぅ……んは……ああ……」

あれ、みゆきさんじゃん。
うっわー、みゆきさんはこういうことしないだろうって思ってたのに……ちょっぴりショック。

「う……はぅ……ひっく……泉……さん……」

てゆーか、なんで泣きながらオナニーしてるんだろ。それに、泉さんって……
……ああ、そういえばかがみのクラスに泉って男の子がいたな。あの人を想ってのオナニーか。
みゆきさん、そういうのに関しては奥手だろうし、『想いを伝えられない自分がふがいなくて』ってとこかな。
……ああ、だめだ……私も、身体が火照ってきちゃった……なのにオナニーできないってのはある意味拷問だよ……
私は今、霊体。ベタな話だけど、足がないから股が開けない。オナニーできないところが、唯一の不便なところだよ。
……あ、そうだ。みゆきさんの身体を借りよう。まずはみゆきさんを眠らせて、と。

「……すう……すう……」

……よし、眠ったな。ありがたく使わせてもらうよ。
みゆきさんの頭の入っていく。目を開けると、ピンク色の髪が見えた。もうみゆきさんになってるみたい。
……おおぅ、視界に巨大な胸が。私の憧れだったものが。
よし、さっそくみゆきさんの胸を揉んでいこう。
341悪霊こなたの実験:2008/05/25(日) 05:53:21 ID:1dEuRDt3
「ん……は……」

あ……す、すごい……私のやつより、気持ち良いよぉ……

「ち……乳首は……ん!!」

は、ぁぁ……病みつきになりそうだよぉ……
つ、次はおまんこを……指、入るかな……

「んは!? ひうぅ! はひ!」

あ! あ! き、気持ち良い! 私がしてた時よりも!
そ、そうか! みっ、みゆきさん、がっ! あんまり慣れてない、んだっ!

「ふぁ!! あ……はぁ……」

と、とりあえず人差し指は全部入った……
よ、よし、みゆきさんのGスポットを探そう……
はうっ……膣壁を触ってるくらいなのに……すっごい気持ち良……

「ひあああぁぁ!?」

か、軽くイッちゃったよ……も、もしかしなくてもここがGスポットだな……
よし……今度はGスポットとクリトリスを……

「はぅん!!」

ふぁ! ああ! すごい! ゆ! 指が止まらない!!

「あ! ひぁあ! ああああぁあぁああ!!」

……はぁ……はぁ……か、簡単なイッちゃった……
こ、これいいな……乗り移った人の感度で……気持ち良くなれるなんて……

「はあ……あ……」

やっばいやっばい。危うく『みゆきさんを殺す』目的を忘れてたよ……
台所まで行くの、面倒だな……包丁に来てもらうか……
人差し指を立てて魔法発動。するとしばらくしてから包丁がふわふわと浮かんできた。
それを手にとって、自分の(みゆきさんの)お腹に刺した。
342悪霊こなたの実験:2008/05/25(日) 05:54:49 ID:1dEuRDt3
「はぐあああああぁ!!」

痛い! 痛いぃ!! つ、痛覚を切り離すの忘れてたぁ!!

「かはっ! や、やば……! は、早く、早く……!!」

しばらくして、私の感覚から痛覚を切り離せたおかげで痛みは一瞬で治まった。
あっぶなぁ……あやうく二度死ぬところだった……いや、私が乗り移ってる限りは死なないんだけどさ。
とりあえず、呼吸が整うまでしばらく安静……
それから包丁を抜いてみると、お腹から大量の血が溢れてくる。

「……」

そういえば前から疑問だったんだけど……内臓を揉まれる感覚って、どんなのかなぁ?
よし、思い立ったが吉日ってね。みゆきさんの身体で実験してみよう。
まず、内臓を傷つけないように胸元からうす〜く皮膚と筋肉を切り裂いていく。よし、おまんこの近くまでいっちゃうか。
切ったところの端から左右に同じように切り裂いて皮膚を開く。
大量の血が流れてくるけど、気にしない。いずれ死ぬ身体だし、なにより痛覚がないからね。
……おお……すごい……肺と心臓が動いてるとこ、ナマで見た……てゆーかすごい色……
とりあえず肋骨を外して……手始めに心臓を揉んでみるか。

「ふぁ!?」

あ、凄い……揉むのにあわせて血が身体中に流れていくのがわかる……。けど……気持ち、悪い……
胃……とかは、なんか出ちゃいそうだからいいや。肛門と食道のあたりで切り取っておこう。
次は……膀胱だね。パンパンに膨らんでる。
……はぅ! お、おしっこが漏れそう……だけど……気持ち良い……

「は、あ……ああああああ……」

チョロロロと音を立てて、おまんこの少し上の穴から黄金色の水があふれ出てくる。
すごい、膀胱がどんどん小さくなっていく……

「あふう……」

よし、終わったかな。膀胱と腎臓も邪魔だから取っておこう。
そして最後は……子宮と卵巣。
性器そのものだからなぁ、やっぱり膀胱以上に気持ち良いものなのかな。
343悪霊こなたの実験:2008/05/25(日) 05:56:52 ID:1dEuRDt3
「はふぅ!? あ、ああああああ!」

……ま、またイッちゃった……子宮を直接って、気持ち良いどころの騒ぎじゃない……

「ぁう! ぁぅぅ!! はあぁああぁ!! ぅはぁあ!! ひあ゛ぁ!!」

こっ! これっ! ヤバイ! 気持ち良いなんてレベルじゃない!! だ、だけど手が! 止まらないぃ!!









「みゆきー? さっきからなにを騒いで――」
「あ……お母……さ……」
「きゃあああぁぁあああぁああああ!!!」





ふう、危ない危ない。あのまま子宮やってたら、間違いなく意識がぶっ飛んでたネ……
強制的に意識を切り離したから途中でやめられたとはいえ、あれは病みつきになるわ……
とりあえず、みゆきさん殺害はせいこーかな。あれで生き返ったら完璧超人の域を超えてるよ……
あー、楽しかった♪ さて……




   ツギハダレヲコロシテアゲヨウカナ?




高良みゆき:死亡
ターゲット:残り二人
34419-04:2008/05/25(日) 06:01:24 ID:1dEuRDt3
以上です。グロさも作者の表現力で半減しちゃった感が否めません。
次回からはエロはあってもグロはないです。……………………たぶん。
とりあえず、みゆきさんに追われているのでここま
345名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 07:51:03 ID:14ZLhOq0
>>290
遅くなりましたが、ますます加速のついていくヤンデレ模様にぐっじょぶ。
誰もが誰かを思っていたはずなのに、一つ歯車が狂ったために「ありえてしまった」
未来の行く末を楽しみに見届けたいと思います。

>>300
速攻保存はデフォとして、なんて素敵なプレゼント。
お相手がはっきり描かれていないのが妄想力をかき立てます。むらむら。

そしてひよりんにも10ヵ月後に素敵なプレゼントですか、もしかして。
妊婦女子高生! 妊婦女子高s(打撃音
346名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 08:58:32 ID:vAwHLOIw
しかしまぁ、つまらんスレだな。
はやく落ちろ。
347名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 09:00:19 ID:vAwHLOIw
       / / /                    \
         /Y^Y^ヽ/  /    /  .イヽ        \ \
.       /: : : ∨: : /  /     / / / !  !  ! !   \ ヽ
    /: : : : :::/: : :.l  /     / イ / |  |  | l  ',   l`ヽ.l
   /: : : : : :: /: : : :{  l、_  / / ! /  |  |  ,.l -ト  l   |   l
   \: : : : : : i: : : : :|  { `メ、 l/ l/、::/ノ ̄ ̄`ヽ、―ニ 二
    \: : : :.|: : : : :|  | / /` ::/':::::/ ´`ヽ _  三,:三ー二
       \/l___.r|  l イ ヽ゜、 .ノヽ--/ ̄ ,
        |  l  l{ ヘ l/   ".ミ }  ...|  /!/           
        |  l  lト、_V      」_}`ー‐し'ゝL _
        |  l  l   ̄lヽ、    _,:ヘr--‐‐'´}    ;ー------
        l  l   ',    |   > .、,,ノ`ヾ:::-‐'ーr‐'"==-
.        /   ト、  ヽ、 |/: :.|   T:.ヽ |   l   |
      /   /  \  \|: : :.<   Lュ: 弋.  l   |
      /   /   | >、  \: : \___ ヽ: : lヽ.l   |
.     /   l   /⌒ヽヽ  ヽ: : : \  ̄| : l: :l|   | |
348名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 09:02:01 ID:vAwHLOIw
             ─-ぇ-─ 、
∠. ___rく.__ >
/:.:.:.:.:.;L:.!|ヽ:.:-、.: \
/ .:/ l .:/::/l| `、|.:.|:.:、:ヽ
.:..::|. .:.|/|;厶リ   jA.:.!::.:W
|.:.::|::..:.|/r':ハ   r小ハ::.:!
|.::rli::.:.| 込リ   ヒソ:{:.|V
j:::`li\|、   ヮ  ,.イ:.:!  
V\lY¬ミ、t-</lハ/  
/´⌒´     ゙ヽ⌒ヽ
/   ィ   ,  ヽ  , )` `ヽ
/    ノ^  ー   '` ー 'ヽ   ゙i
.ノ  ,,,ノ             Y´゙ )
(   < |             !  /
ヽ_  \           ノ_/
ヽ、__ ヽ.ー     @  ノ  ソ、
〈J .〉  ヾ、.::;;;;;;::.ノ |ヽ-´
/""     ;ミシミッ  .|
レ    .イ、_∪ノ  .リ
.,ゝ    ,ノ   |  ' ヽ ノ
/ ` レリ  i´   リ
i    /    `、   i'
〉  イ      〉  |
/  ::|      (_ヽ \、
(。mnノ       `ヽ、_nm
349名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 09:03:56 ID:vAwHLOIw
         _ ,
       .'´  ノ ヽ
       <h>〃ハヽ〉
       | |(il.゚ ヮ゚ノi| <うんこでちゃうぅぅぅぅ
       |/,   つi|| 
.      (_(_, )iノ
        ノ)しし'
 プリプリ(;;:::.:.__::;)
     (;;:_:.__゚.:.:⌒)
    (;;;::。:.. :;+;::;;`)
     `~^' ''''''''""~

350妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/05/25(日) 12:21:13 ID:QGVhWzCs
えーと、オリキャラ?注意。
ここまで描いたら、この人も外せますまい。残りのひとり、みつきさん。


そしてもうひとり……いや、『心』が入っていない『もう一機』の姿が……。


つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0081.jpg



――――――――――――――――――
『あの事件』(えす☆えふ2)の時から、つかさに惹かれはじめていたみつき。
 そんなみつきが作り上げた、つかさの分身……TSUKASA-02。
 みつきは彼女に、「みかさ」という仮の名を与えていた。


 だが……みつきは躊躇していた。
 自分のエゴで、『心ある存在』を生み出すことを。


 今日もTSUKASA-02は、メンテナンスハンガーで眠り続けている。
 ――彼女が目覚める時は、はたしてくるのだろうか?

――――――――――――――――――
351名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 12:26:43 ID:Xzj3bY63
おおっ!ついにメインレプリカント4体がそろうのですね!
ここまできたからには、えす☆えふ・つかつー編も期待せざるをえない

( =ω=.)o彡゜ SS!SS!
352名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 12:50:34 ID:BK4e34xe
         _ ,
       .'´  ノ ヽ
       <h>〃ハヽ〉
       | |(il.゚ ヮ゚ノi| <うんこでちゃうぅぅぅぅ
       |/,   つi|| 
.      (_(_, )iノ
        ノ)しし'
 プリプリ(;;:::.:.__::;)
     (;;:_:.__゚.:.:⌒)
    (;;;::。:.. :;+;::;;`)
     `~^' ''''''''""~
353名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 13:37:20 ID:x3f5swty
>>344
何かの続き物でしょうか
こなたこわいよー><
354名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 13:46:32 ID:b10hBPJf
かがり「あんたは、こなたさんの身代わりとしてこなつーが好きなんでしょ!」
つかさ「そんなことなよ!つーちゃんだから好き!」

つかさ×こなつー的展開を期待していた自分はつらいですけれど
次作品を楽しみにしています
355名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 14:29:53 ID:xgMti0Kg
>>354
かがりはガンダムぽ
356名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:30:02 ID:Mi8WhfZu
ちょっと気になったんだが、スレに投下してない作品をまとめwikiに収録っていうのはいいのかな?
とか思ってちょっと気になって作者名を検索してみたら、もしかして「頂き物保管庫」として利用されてる・・・・?
357名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:33:30 ID:LjqgxWrg
既に『ちょっと分量多くなったからまとめWikiの方に投下しますね』的な使われ方をしていた気がするから、大丈夫じゃないかな?
きちんとこちらでも告知するのは必須だと思うけど
358名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:36:42 ID:Mi8WhfZu
>>357
いや、こっちには全く告知がないけどその人のblogでは告知がされてるとかいう奇妙な状態でさ。
-------------------------------------------------
●●様から頂きました小説『●●●●』
●●●&●●●

●●様、ありがとうございました

まとめwikiに保管しました
-------------------------------------------------

なんかわけがわからないんだよ。
359名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:41:32 ID:gR0wS9M/
「らき☆すたSS総合保管庫」みたいにあちこちで使われてるんじゃあるまいな…
360名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:51:07 ID:F1oFmyL2
>>358
このスレの作者が別スレに投下したっていうんならともかく
「エロパロスレまとめの保管庫」に全く関係ないSSを投下するのは
ルールに反してるんじゃない?
361名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:52:51 ID:Mi8WhfZu
OK、よく読んで事態を把握した。

ここの住人がらき☆すたSS系blogを運営している。
(但し最終投稿が去年12月)
 ↓
そのblogでSSを投稿してもらった
 ↓
その作品をエロパロまとめwikiに収録


という形なんだが、作者自身はこのスレに直接関係無いんだからこれってアウトじゃないか?
362名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:58:08 ID:F1oFmyL2
あくまで「スレのまとめ保管庫」である以上
関係ないやつはアウトだと、自分は思う。
もし話がもつれるようなら避難所の方に。
363名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:58:55 ID:dPxtDVm/
トップページには「BBSPINKのらき☆すたエロパロスレで投下された作品を保管しています」って表記してあるけど、「それ以外の作品は保管不可」とは書かれてないから、>>359で書かれてるように広義解釈してるのかも。
いずれにせよ、ここでの告知と報告所への報告は必須だよな〜と思われ。母体はココなんだから。
364名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 18:02:58 ID:vrOfJXyq
避難所で詳しく事情を聞くとか議論をするとかしたいな……
365名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 18:10:03 ID:Mi8WhfZu
>>362 >>364
避難所の相談所スレにまとめと提起を投下しておきました。
366名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 18:23:21 ID:RorARMCO
皆さんお気づきと思いますが
件のblogはアクセス解析ツール(忍者ツール)がしつこくアタックしてくるから
勤務先とかからはアクセスしないほうがいいですよ
367名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 18:41:05 ID:t+T8RXwy
今北今見た
それはアウトだろ
他スレのものをこちらに保管なら見たことあるけど、
投下してないものをこちらに保管するのはダメだろ、と思うのだが
368名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 18:43:55 ID:F9LKykuF
まずは

「現在、スレに告知のない作品、作者以外の保管の可否について討論中です、該当する保管は見合わせてください」

と保管庫TOPの無断転載の注釈をすぐ入れる事を提案しますがいかがでしょうか
369名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 18:46:51 ID:8sbBPeBP
折角避難所の相談スレがあるんだから、これ以降はそっちでやったほうがいいんじゃない?
>>365でまとめを投下してくれたみたいだし
370名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 18:51:04 ID:4EtNmxFI
371名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:37:18 ID:djKOQdiU
>>350
みゆきさんロボになってもおっぱいでっかいw
372名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:42:30 ID:1vZqrKBx
エロなしです。キーワードは「よだれ」です。
潔癖の人は見ない方がいいかもしれません。
植芝理一/謎の彼女]のパロディです。

「謎のこなた]」

「こなた・・・一緒に帰るわよ!!」
そう言い教室の中に入ると夕焼けを背にして、こなたは自分の机で寝ていた。
今日はつかさは風邪で休みだし、みゆきも委員会の仕事が忙しいから、こなたと二人きりで帰るかな・・・そんな事を考えて迎えに来てあげたのに、こなたは机に顔をうつ伏せにして寝ていた。
「Zzzzzz・・・」
ったく何て漫画的なイビキをして寝ているのかしら、そう思い呆れていると・・・
「ムニャムニャ、もう食べれないよ!」
・・イヤイヤ、こなたさんそれは、あまりにも古典的な寝言過ぎますよ。
本当は起きてるんじゃないの?そう思い、こなたの席の前に立ち。
「しょうがない奴ね。こなた!もう下校時間よ!起きなさい!」
肩を揺すりながら声をかける。
「ん・・・ん〜・・・あっ・・・!?っががみ?」
今まで寝ていたせいか目が少し潤んでいて、少しダルそうなこなたの声、無邪気さと色っぽさが同居しているような顔だった。
そして、半開きの口元からはよだれが垂れていた。
よく見ると、机にはよだれが池のように溜まっていた。
それを見た瞬間、心臓から全ての血が一気に全身の隅々まで流れるそんな感覚におちいってしまった。
「・・・・」
「・・・・」
どれくらいこなたの顔を見つめていただろうか?
「かがみ?どうしたの?」
その一言で、我に返った。
「も、もう下校時間よ!帰るわよ。ったく、どうせ徹夜でネトゲーでもやってて寝不足なんでしょ。」
「よく分かったね。さすが私の嫁ってエェ!!もうこんな時間!!見たいアニメ始まっちゃうよ!!」
そう、言い席から飛び上がり帰ろうとする。
「こ、こなた!口んところ・・・よ、よだれついたままよ!」
373名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:44:13 ID:1vZqrKBx
「えっ!本当だ!!」
こなたは、袖でよだれを拭いた。
「とにかく、顔を洗ってきなさい!!」
そう言うと最初は嫌がっていたが、こなたは渋々と顔を洗いに行った。
教室には、私一人が残された。
後で考えても、なぜそんな事をしたのか今だに答えはでない。
私は、こなたの机にできているよだれの池に、自分の指をつけた。
なんでだが、少しも汚く感じなかった。
まだ、温かい・・・こなたの温度がする。
そして、指に付いたよだれを何の迷いもなく自分の口に持っていった。

ぱくっ・・・

「あまい・・・」
ただひたすらに甘かった。人間の舌は、5つの味を感じるというが、今の私の舌は甘みを感じる部分しか働いていないのだろう・・・そう、思うぐらい甘かった。
どれ位、こなたのよだれが付いた指を舐めていただろう。
こなたのよだれと私のよだれが舌の上で一緒になり、一つのよだれとなりそして胃の中に流れていく・・・それまでの間ずっと甘かった。
舌だけでなく、食道にも胃にも味を感じる機能があるのではないか?
本気でそう考えた。
お菓子の袋を、開けて一つだけ食べて満足する人は余りいないだろう。
特に、私はお菓子が大好きである。
当然の様に、「もう一口・・・」
そうつぶやき、自分の指をまたこなたの机に向けようとした時に、我に返った。
・・・って、わたしなんでこなたの“よだれ”なんかなめてるのよ!!?
誰にも・・・見られてなかったわよね。
周りを見回しても、誰もいなかった。
一安心していると、少しして教室のドアが開き何も知らないこなたが帰ってきた!
「ヤフーー!!お待たせ!顔も洗ってきたよ。早く帰えろって・・・かがみどうしたの?なんだか顔赤いよ?」
「な、何でもないわよ。それより早く帰るわよ。」
そんな事があり、私達は学校を後にした。
帰りには、こなたの顔がまともに見られなかった。
心臓の音が、こなたに聞こえるのでは?そんな心配をするぐらい・・・
でも、先ほどの事が気になり思い切ってこなたに聞くことにした。
374名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:46:47 ID:1vZqrKBx
「こなた、今日チョココロネとか甘い物食べた?」
「ん〜今日は、弁当だったし食べてないよ!」
そうだよね。今日も昼は一緒に食べてたけど甘そうな物を食べている様子はなかったし・・・
「じゃあ、甘いお菓子とかジュースとか?」
「それも、ないよ!!でも何で?」
こなたはそう聞いてきたが、答えられる訳ない。
さっき、こなたのよだれを舐めたけど凄く甘かったからなんて・・・
でも、確かに、あの甘さはチョココロネやお菓子の甘さではなかった。
なんと言うか、そう言う甘さではなく今まで感じたことの無い甘さだった。
こなた自身の甘さというか・・・
そう考えていると、先ほどの甘さをまた思いだしてしまった。
凄い甘いんだけど、決して甘ったるしくない幸せになれる甘さ・・・
隣にいるこなたの、唇を見る。
あの唇に、キスをして舌を入れてよだれを舐めればまたあの甘さを感じられるのだろうか?
そんな事をボーと思いこなたの唇を見ていると、こなたの唇が動いている。
甘そうだな、甘いんだろうな・・・
「・・・っがみ!かがみ!どうしたの?今日のかがみ何か変だよ!?」
そこで、初めて私に話しかけているのだと理解した。
やはりと言うか当然と言うか、こなたにそう指摘されてしまった。
まあ、いきなりそんな質問されたら当然か・・・
つかさが風邪だから、栄養のある甘い物を食べさせようかと考えていた。
ちょっと苦しい言い訳だったけど誤魔化せたと思う。たぶん・・・
家に帰り母さんにつかさの具合を聞いたら、もう平熱で明日の学校には問題ないらしく一安心した。
ごはんを食べて、お風呂に入りいつもの勉強の時間だが、いま一つ勉強に身が入らない。
「今日は、もう寝るか・・・」
いつもと比べると、だいぶ早い時間だったが就寝する事した。
見なれた天井を、ベッドの中から眺めていると今日あった事を思い出していた。
なんで、こなたの“よだれ”はあんなに甘かったのだろう・・・
答えの出ない、事を考えているうちにいつの間にか眠りに落ちていた。

その晩私は夢を見た

どこなのか知らない奇妙な街で・・・

私とこなたが・・・

二人で踊っている夢

そして、その夢は目を覚ました後も鮮明に覚えていて・・・

何日たっても私の頭の中で薄れる事がなかった。


終?or続く?
375名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 23:46:59 ID:mnL0NJFo
>>344
何がこなたを死に追いやったのか分かりませんが自殺だとすれば
かがみたちはこなたを想ってるのにこなたは真逆に捉えてそうです
そして、それを知らないかがみたちは自殺の訳ないと
誰か犯人を探してそうです

それで殺人が起きたり
376名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 23:47:16 ID:Kzq6Jzn2
>>374
これはあれですね、数日後にかがみが熱で学校を休む→こなたとみゆきがお見舞いにくる
→そのままアニメ第一話へ(ただしこな×かが要素付加)、ということですね(違
377書く人:2008/05/25(日) 23:48:26 ID:cXh8o3XF
短いくせに物凄く難産でした。続きどうぞ。

性転換・かがみ♂×こなた
378らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編2〜:2008/05/25(日) 23:49:29 ID:cXh8o3XF
「えっと…お茶、飲むかい?」
 鏡を居間に通した宗次郎が、最初に言ったのがそれだった。
 鏡は断る理由も余裕もなく、宗次郎が台所に向かうのを見送った。ゆたかは、二人に不安そうな目を向けながらも、自分の部屋に戻って行った。


らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編2〜


 見なれた――そう言ってもいい程度に何度も訪れた泉家の居間で一人になって、鏡は宗次郎に声をかけられた瞬間に失った落ち着きを、僅かながら取り戻す。
 落ち付いた頭に浮かんだのは、宗次郎がどう思っているかについてだ。
「殴られる、くらいは覚悟していたけど…」
 あるいはこなたに会わせないといわれるか、何かしら問い詰められるか…。
 少なくとも、茶をすすめられる程に友好的な対応は想定していなかった。
 娘を溺愛する父親としては、考えられない対応だ。
 それこそ、娘の断髪や引きこもりなど、何とも思っていないとでもいう風な。
「いっそ、またアニメかなんかの影響だと思ってスルーしてたりな…」
 あり得ない推論を口にして、鏡は独りで小さく笑う。
 思考に詰まって、鏡は今の中に視線を彷徨わせる。
 接続されっぱなしのゲーム機、カレンダー、カラス戸…やがてその目は、一枚の写真に留る。
 こなたの母、泉かなたの写真。
 何度見てもこなたとそっくりだった。いや、この場合、こなたがかなたに生き写し、というのが正しいが。
 見分けれるポイントは、泣きボクロと、こなたの方が若干色黒なところと、そして頭から飛び出たひと束の癖毛。
 その三点を隠してしまえば、全く見分けがつかない。
 体格も、顔つきも、そして長い髪も…
「あっ…」
 思いかけて、こなたは既に髪を切ってしまっていることを思い出し、少し気が滅入り、そして同時にやはり宗次郎は、こなたの変調について用意ならざる想いを抱えていることを確信する。
 こなたが髪を伸ばす理由を鏡は知らないが、長い髪を維持するのにはそれなりの手間がかかるのは知っている。
 長い髪を切るのは、今までかけた手間も切り捨てるということだ。
「待たせたね」
「あ、いえ…」
 宗次郎が戻ってきて、鏡は思考を中断する。
 宗次郎は鏡と向かい合うように座り、湯呑を鏡と自分の前におく。
 鏡は居心地の悪さを感じながら、湯気を立てる湯のみと宗次郎の顔を見比べるように、視線を往復させる。
「あー、と…」
 宗次郎が口を開いたが、出てきたのはうめき声の様な意味のない声だった。その口元は、どこかひきつったような愛想笑い。
 怒りを抑えている、というわけではなさそうだ。むしろどちらかと言うと、鏡と同じ気まずそうな雰囲気だった。
 指先で頬をかきながら、宗次郎は言葉を探すようにしてから、こう切り出した。
「…驚いたろ?」
「え?」
「いや、こんな風にお茶を出したりするとは思ってなかったんじゃないかなって…」
「あ、え、いや………。―――はい」
 全くの予想外の反射的に否定しようとして、しかし鏡は観念し、結局正直に答えた。
 それを受けた宗次郎の方はと言うと
「そっか、やっぱりなぁ」
 それだけ言って、どこか面白そうな、くすぐったそうな表情をする。しばらく独りで納得して、そうかそうかと頷いていたが、鏡の怪訝そうな表情に気付くと、気恥しげに笑った。
「俺もこなたが髪を切って、しかも仮病使って学校を休み始めたときは、そりゃ原因を作った奴に対して腹も立ったさ。
 それに、鏡君が訪ねて来た時、なんとなく君がその原因だってのは分かったし、その瞬間、一発殴ってやろうかって思ったよ」
「…すみません」
 それは予想通りの言葉だったが、実際に言われると想像以上に気分が沈む。
 だが宗次郎が続けたのは、さらに想像外の言葉だった。
「だけど…なんか玄関先で鏡君の顔を見たとき…なんか、思っちゃったんだよね。
 ―――お義父さんに、かなたを下さい、って言いに行く時の自分も、こんな感じだったのかな、って」
 鏡は目を見開いて、照れくさそうに言う宗次郎の顔を見た。
 宗次郎はまるで思わず惚気話を聞かせてしまったかのような、照れくさそうな顔をしていた。
 もちろん、宗次郎がこなた達を巡る事情を知っているはずもない。鏡自身ですら全容を把握したのはついさっき、三行達と話した時なのだから。
379らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編2〜:2008/05/25(日) 23:51:10 ID:cXh8o3XF
 三行が宗次郎に連絡を入れたのか、という馬鹿な想像までする鏡だったが、すぐに思いなおした。
 たぶん、宗次郎は事実を全く把握していない。夕暮れの教室のことも、あの踊り場のことも、その時々に交わされた会話も…。
 しかし宗次郎は、それでも真実に辿り着いたのだろう。おそらくは、こなたと鏡の様子と表情から―――。
「……責めないん…ですか?」
「何をだい?」
「だって俺は…こなたは…」
 どういうべきか迷う鏡を、宗次郎はそっと押しとどめて、言う。
「俺にその権利はないよ。それに、仕方のないことだと思うからね。
 ―――人を好きになって傷つくのはさ」
 宗次郎は鏡から別の所へと目を向ける。
 その視線の向かった先は、かなたの写真だった。
「俺も、かなたが死んじまった時は、悲しかったから」
「それは誰も悪くないじゃないですか!けど、今は…!」
「同じだよ」
 断言され、鏡には反論するすべを持ち得なかった。
 誰かを愛し、先立たれ、しかしそれでも真っ直ぐと、その人を想い続ける者に対して、今の自分はあまりにも惨めで中途半端な存在にすぎないから。
 俯く鏡。
 宗次郎は言葉を選ぶように間を置く。
 自分で持ってきた湯呑に口を付けてから、
「…まあ、あえて俺と君達の違いを挙げるなら…鏡君やこなたには、まだ出来ること、やらなきゃならいことが、たくさん残っているってところかな?」
 ――お兄ちゃんも、逃げちゃだめだよ。
 宗次郎に司の笑顔が重なった。

「――こなたに、会わせてください」



 学校を休んで、もう三日目――だろうか?
 天井を見上げながら指折り数える。
「えっと――今、朝?昼?」
 時計を見ればいいという当たり前のことを考え実行するまで、時間がかなりかかった。
 頭がぼうっとしているのは、体内時計が狂っているせいかもしれない。
 あの日、鏡に誤解された後、気がついたら家に戻っていた。
 どうしたのかと色をなくして問う宗次郎に、具合が悪くなったと言って部屋に籠った。
 それからちょうど始まっていた生理を理由にして学校を休みはじめた。
 本当なら、すぐにでも鏡に会って誤解を解くべきだったのかもしれない。
 けれどもあの時の鏡の声が頭の中を反響して、最適なはずの行動に移るのを邪魔する。
「ゲームなら、家にこもるなんて選択肢絶対選ばないのにねぇ」
 フラグを逃すだけなのに、と自嘲。
 引き籠っている間、ギャルゲは全くしていない。する気が起きない。
 同じ理由で漫画もアニメもNG。見れるのは純粋なギャグ系ぐらい。どんなものでも、少しでも鬱な展開の影が見えるだけで、すぐに鏡の言葉を思い出す。
380らき☆すた SEXCHANGE  〜正対編2〜:2008/05/25(日) 23:52:26 ID:cXh8o3XF
「末期だねぇ…」
 寝ても覚めても彼のことを考える。
 恋に落ちた者を表現する定言句。
 煩悩雑念で満載の自分には縁のない言葉と思っていたのに、今ではすっかり言葉その物。
「どうしてだろ?」
 どうしてこんなことになってしまったのか?
 どうして司や三行傷つけてしまうようなことになってしまったのか?
 どうして鏡に誤解されるようなことになり、しかもそのままで放っておくのか?
 どうして鏡のことを好きになり、しかもあんなタイミングで気付いてしまったのか?
 どうして―――
「どうして―――こんな苦しい目にあうんだろ?」
 分からなくて、悔しくて、悲しくて…。
 しかも悪いことに、ただ鏡のことを考えるのが苦しく辛いだけではないのだ。それだけなら嫌いになってしまえば済む。
 鏡の笑顔を思い出すだけで、冷めきった心に灯がともったように暖かくなる。
 鏡との会話を思い出すだけで、想い悩み疲れ擦り切れた心が優しく包まれるような気がする。
 鏡との思い出の全てが甘く、暖かく――

『離れろよ』

――けれどもその行き着く先は、苦く冷たい拒絶の言葉。
 行き着く先が苦しみと分かっていても、摂取がやめられないのはまさに麻薬。その様子は誘蛾灯に群がる蛾。
「何なんだろうねぇ…」
 同年代の少女と比べても小さな胸の内に、感情はただただたまる一方で、僅かなはけ口は独り言と一緒のため息だけ。
 鬱々とベッドの上で寝がえりを打っていると、扉をノックする音がした。
 ゆたかだろうか、宗次郎だろうか?
 2人には心配をかけていると、こなたはすまないという感情を得る。
 ゆたかは、こなたが髪を切ったのも、そして現在の引きこもりも自分が原因と思ってりう節があって、時々来て元気づけようとしてくれている。
 宗次郎も、こちらが仮病と分かっていても、何も言わずに学校を休ませてくれている。
 早く立ち直らないとな。
 そんなことを考えているこなたは、扉の向こうから届いてきた声に、氷付いた。
 その声はこの数日、寝ても起きてもこなたを苦しめ、しかし同時に、思い出すだけでたまらないほどの甘い感覚を、こなたの胸の中に思い起こしてくれる声――

「こなた…入っていいか?」

 鏡の、声だった。
381書く人:2008/05/25(日) 23:55:38 ID:cXh8o3XF
以上です。
実はこの宗次朗、書き始めた当初からぜひとも書きたかったシーンだったのですが…いざ書いてみると難産で
何度もリテイクしてしまいました。
次回ついに鏡がヘタレを返上する予定。
エロ…は、どうしましょう。ふたなりならまだしも、エロをすると完全に男化しなきゃならず
ただでさえ薄くなってるかがみん♀の面影が完全消滅してしまうorz
とりあえず、書きながらエロ関係は考えます。
382名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 00:00:39 ID:cXh8o3XF
>>372
いいですよね、『謎の彼女X』!
あのシュールで、しかし等身大の恋心の本質を抉る作風。
あんな風な作品を書いてみたいものですよね。
続きを楽しみにしています。
383名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 00:01:53 ID:WyGndHK1
>>378
GJでした!
ROM専だったのですが、最近の流れもあり。
リアル投下に初遭遇だったこともあり、でちょっと始めて書き込みます。

こういうこなかがも、新鮮でいいですね。
ほか二人も良い味出していただけに、今後どう絡んでくるか楽しみです。
続きを楽しみに待っています!
384名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 00:06:31 ID:iU8b8mWr
b
385名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 00:17:27 ID:EBEmclfJ
>>378
基本こな×かがなだが♂かがみも支持している俺としてはまさに佳境!
男親としての決断をみせてくれたそうじろうもこれまたすばらしい。

>エロ…は、どうしましょう。ふたなりならまだしも、エロをすると完全に男化しなきゃならず
>ただでさえ薄くなってるかがみん♀の面影が完全消滅してしまうorz
( =ω=.)o彡゜エーロ!エーロ!
片方♂の純粋なセクース、一度は見てみたかったのですよ
男ツンデレとのなれない同士のヘタレセクース、
ソレナンテエロゲ!!!うはwwwwwおkwwwww
♀かがみんの面影が生きるかどうかは、
ひとえに、あなたの、愛だよ!にかかっている!!

かがみ「こなたぁ〜^^###」
Σ(=ω=.)か、かがみ様いつのまに!?
386名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:02:24 ID:ljjWfEDX
性転換うざい
性転換支持する奴はもっとうざい
腐男子か腐女子か知らんがらき☆すたでやるな
キモいだけ
38716-187 ◆Del8eQRZLk :2008/05/26(月) 03:26:02 ID:aERYprvT
こんな時間にごきげんよう、えー、お久しぶりですが投下させていただきます。
『4seasons』の続きで、冬のお話になります。

■かがみ→こなた
■あやみさ分多め
■エロなし

6レスになります。
388冬/きれいな感情(第一話)1/6:2008/05/26(月) 03:26:41 ID:aERYprvT
§プロローグ

 ――なんでキスなんてしたのよ。

 十二月二十四日。冬の夜を私は走っていた。
 丸裸の街路樹は、葉を茂らせる代わりにオレンジ色の豆電球を身にまとい、夜の街に
ぼんやりと浮かび上がっている。行き交う車のヘッドライトは街の底を進む光の川のようだった。
どこかの店舗から『ジングル・ベル』のメロディが流れてきて、通り過ぎていく人々は皆どこか
幸福そうな顔をしていた。その顔を見て、私はディケンズの『クリスマス・キャロル』を思い出していた。

 ――なんでキスなんてしたのよ。

 聖なる夜は住宅街の夜景も一変させている。そこかしこでささやかなイルミネーションが
またたいていて、闇の底を普段より少しだけ明るくさせている。ドアにかけられたリース。
窓に浮かび上がる家族の人影。楽しそうな笑い声。クリスマスチキンを焼いているのだろう、
漂ってくるハーブの香り。それが、商店街を満たしていた作られたクリスマスムードよりずっと
日本のクリスマスらしくて、胸がつまる。

 ――なんでキスなんてしたのよ。

 さっきまでちらちらと見えていた青い髪の後ろ姿も、今はもうない。脱兎のごとき逃げ足の速さに、
あらためて舌を巻く思いだった。いや、逃げているのが狐で、追いかけている方が兎じゃないか。
そんなどうでもいい考えが頭の中に浮かんできて、それが少しだけおかしかった。

 ――逃げるくらいなら、キスなんてするな!

 初めてのキスはケーキの味。甘い甘いバニラエッセンスの香り。ホイップクリームのように
唇の上でふわりと溶けた。
 ――イチゴの香りを嗅ぐとショートケーキを思い出しちゃう。
 そう云ってつかさが笑ったのは、いつのことだったか。随分前のようにも思える。つい最近の
ようにも思える。
 ストロベリーケーキは、私の中でキスの味になった。これから先誰かとキスをする度に私は
あの味を思い出すだろうし、ケーキを食べる度に今日のキスのことを思い出すだろう。
 こなたの唇は、少しだけ濡れていた。

 ちらちらと雪が降ってきて、思わず笑ってしまった。

 イエスか聖霊か父なる神か、その悪戯をしたのが誰かはわからないけれど、余りにもできすぎている。
余りにもできすぎていて、まるで私がこの世界の主人公みたいで、思わず笑ってしまった。
 けれどどこかの家から「あ、雪が降ってるよ」と子供の声が聞こえてくるのを聞いて、主人公は
私だけじゃないのだと思い直す。こんな夜には誰もが主人公になれるのだ。誰もが聖夜に祝福されて、
誰かにとって特別な人になる。ましてや雪なんて降れば尚更だ。
『今夜は今年一番の寒さとなるでしょう』天気予報はそう云って、その通りに雪まで降ってきたのに。
走り続ける体には、身につけているコートが暑いくらいだ。
 ぜーぜーと息を吸う。必死に息を吸うことしか頭になくて、吸った息はどこに行ってしまったのかと思う。
勿論呼気となって吐き出されて白い雲を作って消えていくのがそれなのだけれど、そんなことを考える
余裕は頭の中にはなかった。息を吸うこと。それとこなたを捕まえること。それだけが頭の中にあった。
 それだけを考える私を突き動かしているのは、どちらかというと怒りの感情だ。
 なんで逃げるんだ、あのバカは!
 こなたへの、自分への、こんな夜への、舞い散る雪への、受験というシステムへの、男と女に別れた
人間への、そんな全てを孕んだ世界への、怒り。
 そんな感情が疲労に崩折れそうになる足を奮い立たせていて、そうして私はそれが醜いと思う。
 雪は強くなってきていた。夜の薄闇を背景に月の光を受け、白いすだれのように空を埋めていく。
じっと眺めていると見当識を失って、それが降っているのか舞い上がっているのかわからなくなってくる。
389冬/きれいな感情(第一話)2/6:2008/05/26(月) 03:27:20 ID:aERYprvT
 積もるのかもしれないな。そんなことを考える。
 いっそ積もってしまえばいい。そんなことを考える。
 降って降って降り積もって、世界の全てを埋めてしまえばいい。カッカと私の頭を湧き立てる怒りも、
逃げていくこなたの弱さも、大人と子供の間で怯えて震えている私たちも、みんなみんな埋まって
しまえばいい。
 そうしてまっさらな雪原となって、フラットな平面になって、何百年か後に掘り返されたときに、
みんなきれいな氷の彫刻となっていればいい。
 愛だとか、友情だとか、未来だとか、夢だとか。言葉にすればどこまでもきれいなのに、
きらきらと光輝いて見えるはずなのに、どうしてそれを口にする私たちの思いはこんなにも汚れて
いるのか。愛は嫉妬を、友情は打算を、未来は不安を、夢は逃避をどうして内包してしまうのか。

 ――だから。
 ――だから、そんな私の感情は、雪に埋もれて凍ってしまえばいいのだ。
 そうして何年か経って、何十年か経って、心の奥の方に埋まった今日のこの日のことを
思い出して懐かしめればいい。どろどろした感情なんて全部記憶から捨て去って。
 思い起こせばあの頃は純粋だったなと、子供だったんだなと。
 そう思えればいい。
 ずっとずっときれいな物だけを見て、いつだってきれいな感情だけを抱いて生きていきたいのに。
 そんな風に考える今の私の感情は目を背けたくなるほど醜くて、どこまでも必死で、どうしようもなく
苦しくて。

 ――なんで、キスなんてしたんだよ!

 十二月二十四日。冬の夜を私は走っていた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 4 s e a s o n s

 冬 / き れ い な 感 情

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


§1

「あー、B判定かぁー」
 返ってきた進研模試の合否判定を眺めて、私はため息をつきながら机に突っ伏した。それでも
C判定だった夏前に比べると上がっているし、十分合格圏内ではあるはずなのだけれど。
 六十〜八十%というその確率が果たして安心していい数値なのかどうか、私は決めかねていた。
確か去年の進研模試の判定と実際の合格率を検証してみた結果では、難関私立大では軒並み
実際の合格率が判定結果の下限近くに位置していたはずだ。してみると今の私の合格率は
ぎりぎり六十%くらい。六十%なんてほとんど五十%と変わらないわけだから、結局のところ
受かるか落ちるか半々でどっちかわからないんじゃないか。
 今日の天気は雨か晴れかのどちらかでしょう。そんなやる気のない天気予報は聞いたことがない。
必死で頭をひねって解答した結果が“どっちかわからない”ではなんのための模試だったのか。
いや、そのために頭をひねった分知識は頭に刻み込まれているはずだから無駄ではなかったのか。
『アニメなんかだとさ、確率が低ければ低いほど百%に近づくよね〜』
 慌てた顔をしてそう云ったあいつのことをふと思い出す。
390冬/きれいな感情(第一話)3/6:2008/05/26(月) 03:28:26 ID:aERYprvT
 秋口のころのことだった。模試の結果を体の後ろに隠しながら、あいつは云ったものだった。
確かにアニメやなにかだと、九十九%の確率で負けるとなったら残り一%の確率で主人公は勝つのだし、
0.00001%の確率でも主人公が乗ったロボットは起動する。けれど現実はアニメじゃない。それは全部
本当のことだし、みんなが寝静まった夜に窓から空を見ていてもとてもすごいものは見られない。
ってなんだこれは、なんのネタだったか。ああ、そうだ、ガンダムのどれかの主題歌だ。私もいつのまにか
染められているな、なんてことを思う。
『ガンダムはオタクの基礎教養なのだよ、かがみんや』そんな風に猫口をニマニマとさせながら、
あいつがガンダム主題歌をカラオケで熱唱したのはいつのことだっただろう。そうだ、春だった。
あれは確か、まだ三年生になっていない春休みのことだ。
 私がまだ、こなたへの恋心を自覚する前のことだ。それだけはよくわかる。
 私の中で、春のあの日以前とそれ以降のことは、記憶の中で明確に区別されていた。それ以前のことは
“思い出”であり、それ以降のことは“今”だった。それだけあの日気がついたことは――こなたに恋を
していると気がついたことは、私の中で世界が壊れるほど衝撃的な出来事だったのだ。たとえばある日
自分が『異邦人』であることに気がついたグレゴール・ザムザのように。
 そうしてこなたが私のように『異邦人』である確率は――同性のことを好きになれる確率は
――三%以下であり、それはアニメならぬ現実においてはほぼあり得ないに等しいのだ。

 ――わかっている。自覚している。私は目の前の試験結果から目を逸らしている。

 教室のそこかしこから同じようなため息が聞こえてくる。HR後の教室は、授業が終わった開放感など
微塵も感じさせない淀んだ空気に満たされていて、なんとも気が滅入るものだった。
 十二月も半ばに入り、三年の教室がある高等部校舎西翼の三階そのものが、ピリピリとした
受験ムードに包まれていた。けれど窓の外の景色は去年の冬とまるで変わらない。野球部員たちが
ちらほらと集結しているグラウンドの向こう、枯れた木々が寒空に梢を張り巡らせている。その先は
住宅街と畑が点在している光景の中、遠くには土手に覆われた大落古利寝川が鈍色の空を写して
流れていた。
 この場所からそんな景色を眺められるのも、あと三ヶ月と少し。まだ先だ、まだ先だと思いながら
過ごしてきた一日一日がこんなところまで私を連れてきていて、気がつけばもう卒業の二文字が
目の前にある。
 こんな風にしてきっとこれから先の人生も過ぎていくのだな。目の前の机に刻まれたひっかき傷を
見ながら、そんなことを思う。それは私がつけた傷ではなく、最初からこの机についていたものだ。
化粧板を貫いて深くうがたれた二つの穴と、その下に弧を描いて刻まれた長いひっかき傷。それは
笑っている人の顔のようにも見えて、私は毎朝こっそりとその顔に挨拶をしていたものだった。
 こなた辺りにばれたら散々弄り倒されるだろうそんな日課も、あと少しで終わる。三月になったら
私たちはこの陵桜学園を卒業するのだ。
 そのときに果たして私は笑っていられるのだろうか。そんなことを思う。
 それを決めるのは、私が目当ての大学に入れているかどうかなんて、そんなことだけではなくて――。
「よぉ、黄昏れちゃってどーしたかがみぃ。そんなにモロ落ちそうな成績だったのかぁ?」
 物思いに耽っていたところに、底抜けに脳天気な声が聞こえてきた。
「そんなんじゃねーよ。っておいっ! 勝手に見るなバカ!」
 伏せていた判定結果の用紙をめくろうとするみさおを制止して、ポカリと頭を叩いた。
「むぅー、かがみが叩いたー」
 そんなことを云って、わざとらしくあやのに抱きつくみさおだった。
 全くこいつも少しくらいは空気を読んで欲しいものだ。皆それぞれに自分の成績と向き合っている
受験生だらけの教室で、堂々と判定に言及するなんていい根性をしている。ましてや落ちそうな成績
だとか、タブー中のタブーに気軽に触れやがって。案の定、周囲の席で何人かの生徒が頭を抱えて
いるのだった。
 そんなことを思っていると、そのバカの口からは続いて爆弾発言が飛びだした。
「まー、私はもう推薦決まってっから人ごとなんだけどな。ほんと受験生は大変だよなぁー、
うひゃひゃひゃひゃ」
391冬/きれいな感情(第一話)4/6:2008/05/26(月) 03:29:25 ID:aERYprvT
 その瞬間静まり返ったクラスの雰囲気をどう表現すればいいのだろう。突然極寒のオホーツク海に
投げ出されたようにというか、こなたと観に行った『時をかける少女』のクライマックスで未来人
ケン・ソゴルが時間を止めたときのようにというか。
 とにかく凍りついた教室の中で、ただ一人何も気づかずにへらへらと笑うみさおのことを、私は危うく
尊敬しかけるところだった。

「……みさちゃん、いつか刺されるよ……?」

 そのとき聞こえてきた地の底から響いてくるような低い声が、あやのが発した物だと気がつくまでは。

§2

 珍しいと云えば珍しい。
 鷹宮駅で電車を降りたとき、一緒にいたのは私とあやのとみさおの三人だけだった。十一月頃からは
皆ほとんど寄り道もせずに帰宅するようになっていたから、鷹宮駅からあやのたちと一緒に帰るのは
当たり前のことだったけれど。いつも一緒にいるはずのつかさは、今日は進路相談があるとのことで
学校に残っているのだった。
「あ、ちょっと寄り道していいか?」
 商店街を抜けようかというころだった。ふと、残りが心許ないなと思っていたものを思い出して、
ついでに買っていこうと思ったのだった。
「うん、いいわよ。どこいくの?」
「裏通りに確か手芸用品売ってるところあったわよね? ちょっとニット買ってこうって思って」
「あ、あー。あったけど……。あそこ、ちょっと前に潰れちゃってるわよ?」
「え、うわっ、まじかっ!」
「おーっと、どんだけかがみが普段編み物してないか、それが今白日の下にっ」
「うっさいわっ! あんたに云われたくないっ!」
「へへん、私の場合はそーいうの全部あやのがやってくれっからいぃのだっ」
「いばるようなことかよ。あんただって一生あやのと一緒に生きてくことなんてできないだろ。
志望校だって別なんだし」
「いやー、でもあやのは兄貴と同じとこだしなぁ。それに……なぁ、あやの?」
「……う、うん」
 目配せするみさおに、顔を赤らめて答えるあやのだった。その含羞に染まった顔を見ていて思い出す。
あやのはみさおの兄と付き合っていて、もしかしたら結婚するかもしれないという関係なのだと云うことを。
 その人のことは、中学生の時に二、三度みさおの家で見かけたことがある。その頃彼は多分高校生で、
本人を見て受けた印象としては、礼儀正しくて優しそうな人だということしか記憶にはない。ただ、
あやのやみさおと話しているところを見て、この三人は本当に仲がいいんだなと、そう思ったことを
覚えている。
「……もう、またかがみちゃん、そんな顔して」
「いや、別にそんな呆れたとか地雷踏んだとかじゃないわよ。ただ、そのことについて、あんまり
深く考えてなかったのよね。そっか、結婚したらみさおのお義姉さんなのか……」
 それは、ある意味この二人に一番ぴったりとくる関係なのかもしれないと思う。今でもすでにあやのは
みさおの姉のような存在なのだ。いや、それは今に限ったことではなく、私がこの二人に出会った頃から
そうだった。なにせ初めてこの二人とちゃんと会話を交わしたとき、あやのはみさおがはしゃいで飛ばして
しまったブレザーのボタンを縫い止めていたのだから筋金入りだ。二人と同じ小学校だったクラスメイトが
云うには、昔からこんな感じだったらしかった。
 そんな二人だからこそ、姉妹という関係は余りにもぴったりしすぎていて、そうして私はそこに
一抹の違和感を感じていた。
 それは、余りにもぴったりすぎるのだ。
 その先のことを考えるのは、あやのにもみさおにも、そして何よりみさおの兄に失礼な気がして、
私はそこでそれ以上考えるのを辞めた。友達相手でも簡単に踏み込んではいけない領域があって、
そうして今の私はまだそこに踏み込む覚悟を持っていないのだから。
 友達であっても親友であっても、他人と関わろうとするならばそれだけの覚悟が必要なのだ。
今年の夏、私はそれを学んだ。
「まあ、あやのはお義姉さんっていうより、すでにあんたのお母さんみたいな感じだけどな」
 そう云って、ニシシと笑う。
「まっなー、正直私の母さんよりお母さんらしいと思うぜ」
「……いや、別に褒めたわけじゃないんだが」
「な、なんだってー! かがみ、あやののことバカにしてたのかっ」
「バカにしたのはおまえのことだー!」
 ギャーギャーとわめき立てる私たちのことを、あやのは嬉しそうに微笑みながら眺めていた。
392冬/きれいな感情(第一話)5/6:2008/05/26(月) 03:32:13 ID:aERYprvT
 道すがら、閉店してしまったという手芸用品屋の話をしながら歩いた。私が中学生のころ、
少しは女らしい事でもしようと思って手芸に手を出していた頃のこと。みさおは例によって私の
不器用振りを思い出して笑った。あやのは例によってほんわかと微笑みながらそんな私のフォローをした。
「最近は、駅前の商店街もシャッターが降りてることが多いよね」
「そうよね。お父さんも商工会に顔出したりするけど、どこもいっぱいいっぱいだって云ってたわよ」
「そりゃそうだよな。食いもんなんてスーパー行くし、小物だってでっかい専門店にまず当たるもんな。
駅前のちっちゃい店舗なんてあてにしないっつーか」
 かく云う私も、気晴らしに手芸をしようと思って買い物に行ったのは、糟日部駅前のミズサワヤ
なのだった。
「あのお店やってた小母さんはどうしたの? あやのは最近まで常連だったのよね?」
「うん、お店たたんで東京の娘さん一家と暮らすんだって云ってた」
「そっかぁ、不義利してて云えたことじゃないけど、なんだか寂しいわね」
「覚えてっか? 八百屋のこういちのとこも、店継ぐはずだった長男がIT企業だかに就職したとかで、
潰すの潰さないのでもめてるらしいぞ」
「あー、いたいた。あの丸刈りの。そっか、あんた野球部で仲良かったもんね」
 ――変わっていくんだな、と思う。
 子供の頃、まだ何も知らずに近所を走り回っていた頃は、この街は大きくて、何もかもしっかりしていて、
色んな物がずっと変わらずにそこにあるのだと思っていたけれど。大人になって改めて見てみると、
なんてもろくて移ろいやすいものなのだろうと思う。
 この、人の世というものは。ほんのちょっとしたことで壊れてしまい、そうしてもう二度と元には
戻れないのだ。
 みさおとあやのだって、そしてあやのの恋人であるみさおの兄だって、きっとそういったすれ違いの
可能性を何度も乗り越えて、今もあの頃と変わらないように見える関係を築いているのだろう。
 けれどきっと、私には見えないところで、三人は子供だったあの頃とは少しずつ違っているはずだった。
 一度大人になってしまえば、男と女の違いを識ってしまえば、あの頃みたいな無邪気な関係なんて
決して築けやしないのだから。
 そう、私とこなたの関係のように。

 住宅街の外れで、手を振ってみさおと別れた。飼っている犬が、キャンキャンと吠えながら尻尾を
振ってみさおに飛びかかっていた。あの犬も昔と変わらない。けれどもう、寿命も近いはずだった。
 用水路沿いを、あやのと歩いていた。
 さやかな水の流れはちろちろと澄んだ音を立てていて、空を写した水面には小魚の銀色の背が光って
揺れている。夏の盛りには色々な草花で萌え芽吹く土手道も、今は枯色に染まっている。
 その小川の向こうには、鬱蒼と茂った森林が見えている。そこが私たちの住む鷹宮神社を取り囲む
鎮守の森だった。子供のころ、つかさと一緒に探検気分で迷い込んでからは一度も足を踏み入れたことが
ない、天孫降臨の神代から続いている――と、云われている――曰くつきの森だった。
 かさりと私が枯れ草を踏んだとき、あやのがおもむろに口を開いて云った。
「かがみちゃん、さっき変なこと考えたでしょう?」
 目を細めておっとりと笑うあやのの表情は、なぜだか放課後の教室を別の意味で凍りつかせたときの
ことを思わせた。
「な、なによ変なことって。全然わかんないわね」
「……そう? ならいいけど」
「……目が笑ってないわよ」
「あら、失敗失敗」
393冬/きれいな感情(第一話)6/6:2008/05/26(月) 03:33:11 ID:aERYprvT
 にっこりと笑うあやのは本当に楽しそうで、私は改めてこの子に対する認識を新たにするのだった。
「かがみちゃんが何を考えたかはわからないけど。あの人のことは本当に大好きよ。女としてね」
「……ずるいわね」
 嫣然と微笑んで、あやのは頬を桜色に染めた。私はそんなあやのにどぎまぎしてしまって、
自らの業の深さを呪いながら視線を逸らして嘯いた。
「ずるい? どうして?」
「女として、なんて云われたらね。私たちのグループであんたに対抗できるやつなんていないわよ」
「変なこと云うのね。対抗とか、そういう事じゃないでしょう? 私はみんなのこと大好きよ。
それぞれ色んな物を背負ってて、頑張ってるじゃない。泉ちゃんだって、普段見せてる通りの子じゃ
ないんでしょ?」
 用水路を渡る風は、冬の冷気を孕んで身を切り裂くように吹いている。私のツインテールが、
あやのの彼氏が好きな長さに切りそろえられた髪が、風に踊る。慌ててマフラーを引き上げて
顎を覆うようにしても、全身に感じる寒気は中々ぬぐえなかった。
「――でもね。私にとってはみさちゃんはどうしても特別なの。みさちゃんは私にとって太陽で、
ヒーローで、心の拠り所だから。好きとか嫌いとか、女としてとか恋人としてとか、そんなことじゃなくって、
私はみさちゃんがいないと生きていけないんだ」
「――わかるよ」
「うん。かがみちゃんならわかってくれると思ってた。本当は、大学も一緒がよかった。……でも、
それは駄目だよね」
 用水路を渡ると、あやのの家はすぐそこだ。

 ――結局、片足を踏み込んでしまった。

 別れ際に見せたあやのの笑顔は、どこかそれまで見てきたものと違っていて、何かの重荷を
下ろしたようにさっぱりとした表情のように見えた。
 あやのは恐らく同性愛者でもなければ両性愛者でもない。それでも、いや、それだからこそ、
あんな風にみさおのことを愛せるのかもしれない。そんなことを考えた。

 ならば、その感情はきっとどこまでもきれいだ。

 鬱蒼と生い茂る、迷宮のような鎮守の森を見渡しながらそんなことを思って。
 私は、自分がこなたに対してもっている感情が、酷く汚れているように感じていた。

(つづく)
39416-187 ◆Del8eQRZLk :2008/05/26(月) 03:33:37 ID:aERYprvT
以上です。
23-49様の書くあやのが私は好きです。

それではありがとうございました。
395名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 03:49:43 ID:G5w7JOyQ
>>394
続き待ってました!激しくGJです。

今の時間まで起きてて良かった…
396名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 04:22:26 ID:XpVDR29L
>>394
乙です!今回も熱いですね。
もうすぐ終盤(?)だというのにまだまだ先の展開がありそうで、wktkしながら続きを待ってます。

#あえて無粋な突っ込みをすると、カフカとカミュを混同してませんか?
397名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 05:29:51 ID:Eaoevp9z
>>394
続きがきたー!GJです!
イブの日、一体何が…なんでこなたがキスをして、どうして逃げ出しちゃったのか…?
まだまだいろいろありそうで楽しみです!
39816-187 ◆Del8eQRZLk :2008/05/26(月) 08:47:13 ID:aERYprvT
おはようございます

>>396
や、混同はしていないです。
かがみが文芸作品から連想したというだけで、それが同じ作者である必要はないように
思えますが、そんな風に読めてしまいますか。うーむ。
399名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 09:17:24 ID:fCFC/2X3
>>394
お待ちしてました。

というかプロローグからして、全裸待機をせざるを得ないのですが。
思わずかがみと一緒に走りそうな気分でした。ぐっじょぶ。
400kt:2008/05/26(月) 10:08:38 ID:jejmwJpT
どうも!
ktです

それでは
『ふたみゆ☆〜合体編~☆』
投下してもよろしいでしょうか?

・10レス
・『ふたみゆ☆〜実験編〜☆』の続きです
・ふたなり注意
・みゆ×つか、つか×みゆ
です、それではどうぞ
401ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:09:47 ID:jejmwJpT
「もしもし、 つかささんですか?……今から会えませんか?」
そんな電話をゆきちゃんからもらった時、私は嬉しかった
―だからその電話をもらった後すぐに着替えて家を飛び出したんだけど…


ふたみゆ☆〜合体編〜☆


「つかさ!もうすぐ暗くなるのにどこに行くのよ?」
家の玄関を開けようとしたとき、お姉ちゃんが私を呼び止めた
「ゆきちゃんのとこだよ〜、今日遅くなるかもしれないかも〜」
「そっか、、まぁみゆきなら安心ね」

そんなやりとりをしてバスに乗ったりしながらゆきちゃんの家に向かった
「えーと…家を出たら電話をするんだっけ?」
ゆきちゃんは「会えませんか?」という電話のあと、メールで
『あと家の方を出たら電話をしてきてください』って着たんだけど…
「…なんで最初の電話の時に言わなかったんだろ?」
そう思いながらゆきちゃんに電話をかけた

「もしもし、ゆきちゃん?」
「…ぁ、はい…もしもし…どうかしました?」
ゆきちゃんの声は震えているというかなんていうかそんな感じの声だった
「うん、今向かってるとこだよ〜もうすぐかなぁ…」
「え!?、、いや…ちょっ、はや…あっ」
つー、つー、つー、つー
「…切れちゃった」
どうしたんだろう、、、いつものゆきちゃんらしくない電話だったけど―…
そんなことを考えている間にゆきちゃんの家の近くになりそこで降りた
〔早い〕ってどういう意味何だろう?…う〜ん、、行けば分かるのかなぁ…
私がその考えでまとまったとき、ゆきちゃんの家に着いた
402ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:10:38 ID:jejmwJpT
「う〜ん…早く着きすぎたのかなぁ……」
私はそうつぶやきながらゆきちゃん家の門の前をうろうろしていた
「……どうしようかなぁ…」
そう言ってまた私は門の前をうろうろし始めてしまった
うう…決断力が欲しいよぉ…

すると、インターホンからゆきちゃんの音声が聞こえてきた
「つかささんですか?、どうぞお上がりになってください、
門と玄関は開けてありますので…ちょっと今出られなくて
…部屋に直接来てくださいませんか?」
な〜んだ開いてたんだぁ〜…
でもこういうのってサスペンスドラマによくある設定みたい…
ゆきちゃん、私がうろうろしてるのみてたのかなぁ…

玄関を開けて、廊下を歩いてゆきちゃんの部屋を空けると…
その部屋からはかなりの鼻をつくにおいがした
「…つかささん…私……」
目の前には毛布にくるまっているゆきちゃんがいた
「ゆきちゃん、こんばんは〜…どうしたの?なんだかこの部屋すごいにおいだね〜」
「…………それは……その…」
ゆきちゃんは答えづらそうにしている
何分かの沈黙が続いて、ゆきちゃんが口を開いた
「…ふたなりって知っていますか?」
「確かそれ…こなちゃんが前に言ってたよね?、それがどうしたの?」
「…その…なったんです……それに…」
「どういうこと?」
「だから!…その…生えたんです……ペニスが」
「ペニス?…イタリアの首都だっけ?、、ゆきちゃんすご〜〜い!!」
「〜っ……だから!…もう…………………おちんちん、です…」
そう言ってゆきちゃんは毛布をどかし、立って―
…スカートをおろした
403ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:11:57 ID:jejmwJpT
「ひゃっ!?」
びっくりしたー…だってゆきちゃんの股間に男の子のおちんちんがついてるんだもん
それに…立ってるし
「私、、おかしくなったんです…今、つかささんとセックスを、エッチをしたくてたまらない
んですっ!!、このムラムラと湧き上がる衝動を止められないんです…自分でもおかしいと
思ってっ!……だからその気分を抑えようとさっきから何度も何度も抜いてるのにおさまって
くれなくて……」
ゆきちゃんの目には涙が溢れていた
「女の方同士でこんな気分になるなんておかしいですよね……でも私っ…どうしたらいいのか
わからなくて…っ!、、私が私じゃなくなりそうで…怖くてっ!!…」
そう喋ったゆきちゃんの目からは涙がこぼれ落ちていた

そうだったんだ…
でも、そういうことなら―…もうとっくに答えは決まっている
「してもいいよ、えっち」
「分かってます、駄目―…へ?!」
「だって私、ゆきちゃんのことが好きなんだもん」
「いや…あの、、」
ゆきちゃんは戸惑ってる?みたいだけど…どうしたんだろう?

「…女の子同士、、なんですよ?」
「それって関係あるの?、言ったよ私、ゆきちゃんのことが好きだって」
「でも好きなだけじゃセックスなんて―…」
「え〜とぉ、愛してるの方だよ」
「……初めて、なんですよね?」
「…うん、でも―」
「…でも?」
「ずっと、ずっと…初めてがゆきちゃんならいいなって思ってたんだ」
これは本当のコト、、私は私の初めてがこれから知り合うかもしれない男の人より…
…ゆきちゃんとの方を望んでいた、、女の子同士だから無理だろうって思ってた…
この気持ちは胸の奥に閉まっておこうって
―そんな時にこんなコトが起こった……絶好の、機会だと思った
404ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:13:08 ID:jejmwJpT
「…でも……」
も〜!ゆきちゃんの方から誘ってきたのに、、、仕方ないなぁ
私はゆきちゃんに近づいて肩に手を置いて―
「つかさ…さん?」
そしてゆきちゃんにキスをした
「んっ…は……」
一時してゆきちゃんの唇から私の唇を離した
…ってこれ、、私のファーストキスだ!
……なんだか急に恥ずかしくなってきたよぉ…
「つかささん…」
気を取り直して私はゆきちゃんに問いかける
「しようよ、ね。」

そして私達は、もう1度キスをした



「では…始めます、よ」
「…うん」
私達は裸で向かい合わせになっている
…自分から言い出したことなのに……なんでこんなにドキドキしてるんだろう
それにしても、、、いつみてもゆきちゃんのおっぱい大きいなぁ、、
夏のみんなで海水浴に行った時も思ったことだけど―…

ゆきちゃんの顔が近づいてくる
私は眼を閉じゆきちゃんに身を任せた
「んんっ…」
唇と唇が触れ合う、、そして向かい側からゆきちゃんの舌が入ってくる
私はそれを受け入れ、更なる快感が私を襲う
「ん、、ふ…ぁっ…」
このキス、、私がさっきしたのとは……違う…なんていうんだろう?
…ディープキスって言うんだっけ?

ちゅぱっ…ずずっ…ちゅっ…
舌と舌が濃厚に絡み合い、お互いの唾液がお互いの口を行き来する音がする
私は部屋に響くキス音で更に興奮していく
405ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:14:24 ID:jejmwJpT
―ゆきちゃんも興奮してるんだぁ…

私のお腹あたりにゆきちゃんのおちんちんが当たって…
それはビクンっビクンっ…って動いている
…それは最初にゆきちゃんに見せられたおちんちんより更におっきくなっていたんだ

ゆきちゃんが唇を離し、長い長いキスが終わった
唇と唇が離れる時、お互いの唇からは唾液が糸のように伸び落ちていく
…それはまだキスを続けていたいという唾液の意思表現なのかなぁ?…とか思ったりして―
「…あれぇ?」
私はふらついてゆきちゃんの胸にもたれかかる
その時にキスをしていてずっと息をし忘れていたことに気付いた
…あぁ、、そりゃこうなるわけだよ
「つかささん!?」
「はぁ…はぁ……大丈夫…だよ、ゆきちゃん」
苦しい…息苦しい……でもそれよりも幸福感・充実感の方が勝っている自分がいた
「そう…ですか?」
「うん……ゆきちゃん、もっと―…もっとしようよぉ」
私はそう言いながらゆきちゃんのおっぱいを噛む

「…っああぁぁ!」
ゆきちゃんのおっぱいは柔らかくて…とっても気持ちいい…
ずっと顔を埋めていたいくらいだよぉ…
そう思いながら私は乳首を舐めたりあまく噛んだり―
「あぁ…っあ…ん…」
そしておっぱいを揉んだりする
「あ……ん…」
どうやったらこんなおっぱいになれるんだろう…?
聞いてみようかなぁ…あれ?
「…はっ………はっ…」
「…ゆきちゃん?」
なんだかゆきちゃんの様子がおかしい…どうしたんだろ?
「…お……」
「尾?」
「…おっぱいもいいですけど…っフェラも…ですね…お願いしますっ!!」
「ふぇ?!」
いきなり私はゆきちゃんに頭を捕まれおちんちんをくわえさせられた
406ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:15:22 ID:jejmwJpT
「舐めてくださいっっ…あまく噛んでっ…舌を使って…そう…そうです…」
「んっ…ちゅっ…ちゅぱ…んっ…」
さっきのはいきなりすぎて戸惑ったけど…慣れればどうでもよくなったような気がする
でも…こんな感じでいいのかなぁ?
私はおちんちんを舐めたり・噛んでみたり・顔を前後に動かしたりする
…まぁそれはいいんだけど…いいかげんゆきちゃん手を頭から離してくれないかなぁ…
たまに喉の奥の方までおちんちんを押し込まれてちょっと苦しくなるのだ
…これはちょっと慣れない、、かな?

「んはっ…はぁ…い…んひぃっ」
なんだかゆきちゃんは満足してるみたい…よかったぁ、、、
「…めなさい……」
「んふ?」
ぽたっ
…なんだろう?、、水滴?
気になって上目使いでゆきちゃんの顔を見る
―ゆきちゃんは…涙を流していた
「…ごめんなさい…ごめんなさい…身体が勝手に、、私―…いっ」
びゅうぅぅううううぅっ!!
「!?!!!??!」
その時、ちょうど喉の奥にまで押し込まれていたおちんちんから精液が噴出してきた
「ぐ…あ、、うぅ…」
喉に、、食道に、、胃に…直に精液が流れ込んでくる

―ぁあ、ゆきちゃんの味だぁ…

熱くて…けっこう気持ち悪いけど…不思議と私のこころは満たされていた
「ぬ…はっ…」
口からは飲みきれなかった精液がくわえている隙間からこぼれおちている
「はぁ、、ひぃ…」
ゆきちゃんはおちんちんを私の口から離し、ベットに倒れこんだ
「げほっ…あぁ……ふふっ♪」
私の口の中にはまだゆきちゃんの精液が残っている
「そうだ、、ねぇ!ゆきちゃん」
「なんでs―…!?!」
私はゆきちゃんにキスをし―…余った精液を舌や唾液を使ってそれを彼女に送り込んだ
407ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:16:48 ID:jejmwJpT
「…んふっ……っ…」
ゆきちゃんは驚いていた、、いきなりこんなことをされたら誰だって驚くよ、うん
でも、、これはさっきのしかえし―…というよりも…
「えへへ…ゆきちゃんの味をゆきちゃんにもあげたかったの♪
…私1人だとなんだかなぁって思って、、どうだった?」
「…え、と、、さっきも自分の精液を舐めてみたのですが…それとは別に、、
つかささんの味もして………おいしかった…です」
「「……」」
「…そんな…その、、恥ずかしいよぉ…」
「……はい…」
「「…………」」
「…そろそろ、、挿れましょうか」



「い、挿れます…よ?」
「………うん」
どきん!、どきん!、どきん!、どきん!
うぅ〜…今の今までえっちなことをしてた時はこんなにドキドキして無かったのにぃ…

ずりゅっ

…うっ?!?
「ゆ、ゆきちゃんっ! い、痛いよぉっ!!」
「い、痛いんですか!?…そうですね……じゃあ、止めますか?」
この状態で止めるなんて中途半端もいいとこだと思うけど…
どうしよう…でも、、なんとか慣れてきたし…
「くっ、、いっ…でもっ!して…お願い…だから……」
うん、、なんとか…なりそうな気がしてきた………かも
「動かしますよ…」
「…いっ、、あ…」
ゆきちゃんが腰を動かし始め、ベットがぎしぎしと軋みだす
408ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:17:56 ID:jejmwJpT
自分のナカにゆきちゃんが入ってきている…
―そう考えると私の思いはさらに…爆発しそうで…
じゅっちゃっ、ぐちゅっ、ぱんっ、ぐちゅぅっ
ゆきちゃんと繋がっている、繋がっているんだ…この音が…そのアカシだ
「あ、い、、やぁ、ひぃ…あぁ!、、、き、気持ちひぃぃいよぉおおおお!!」
「私もっ!!、、私もですっ…はっあ…もっと、、早くしますねっ」

ぁあっ…!気持ちいいっ…!!大好きな人とこんなことができるなんて…
もう、、壊れそうだよぉっっっ!!
「…今のつかささんがどんな顔をしているのかっ、、教えてあげましょうか?
…舌を出して…目がトローンってなっててっ!とってもエロいんですっ!
つかささん今とってもいやらしい顔をしているんですよ?」
「〜〜〜っ…や、め、…言わないでぇぇえぇっ!」
そんなこと…もう分かってるよぉっ
…だから、、今1度言われると余計に…恥ずかしいよぉ…

「あぁ…きも、気持ち、きもちひぃいれす!…もうっ腰が止まらないぃぃいぃいっ!!」
「あっ、あっ、あっ、あっ…」
ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!
という音が心地よく感じる……この快感が終わってほしくない
…でも、終わりは近づいていて…
「イクぅっっ!、イッちゃうよぉおぉぉおおぉっ!!!」
「私もっっ、つか…、、一緒にぃぃぃいいいぃぃっ!!!」
「「っあっ…ぁあっっっ〜〜〜〜〜〜!!!!」」
409ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:19:13 ID:jejmwJpT

――
「申し訳ありませんでしたっ!」
それがし終わった後のゆきちゃんの第一声だった
「いや、もう終わったことだからいいよぉ〜…」
「よくは無いですっ!、、私なんかがつかささんの初めてを…くぅ…
…それに私達は女の子同士なんですし…あぁ…」
なんだろう?、、いつものゆきちゃんと…今日来てする前とした後のゆきちゃん
の性格?というかなんだろう…違う気がする…気のせい、、かなぁ?
う〜ん、、何か話題を変えたほうがいいのかなぁ
…でも何がいいんだろ?、、、あれ?

「ゆきちゃん!、無いよっ!」
「え?、何がですか?」
「だからっ!おちんちんが!」
「へ? あ! あれ?! 本当ですね!!」
ゆきちゃんの下半身を見るとついさっきまであったおちんちんが消え
元の女の子の下半身に戻っている
「何だったんだろうね〜、これ」
「ええ、、、なんというかペニスが生えていた時は気分が上がるというか…
新たな自分…というか、、生まれ変わったような感じで、、、」
「何でこうなったんだろうねぇ…」
私達は2人でう〜んといいながら考える

「ゆきちゃん、おちんちんが生える前にいつもと違う事をしなかった?」
「いえ、特には、、した事といえば―…ふたなりについて調べた事と
風邪薬を飲んだくらいでしょうか?」
「もしかして!その薬が原因なんじゃないのぉ?」
「まさか、そんなことは―」
そのとき、突然部屋のドアが開いた
「みゆき〜! お母さんのお薬知らな〜い?、これからみきさんと―…あら? あらあら?」
ドアを開いたのはゆきちゃんのお母さんだった
410ふたみゆ☆〜合体編〜☆:2008/05/26(月) 10:20:41 ID:jejmwJpT
「あら、、あら?…あら〜…」
ゆきちゃんのお母さんは戸惑っているみたいだ
…そりゃあそうだよね、、今の私たちって―
裸のまま布団をかぶっていて・周りにはティッシュがいっぱい
なんだもん…考えられることは一つ…だよね、、

「お邪魔だったみたいね、ささ、どうぞごゆっくり…うふふふ♪」
ゆきちゃんのお母さんはニヤニヤ顔でその場から立ち去ろうとした
「ま、待ってください!ゆきちゃんのお義母さん!」
「…つかささん…その……字が違います」
私は勢いでゆきちゃんのお母さんを呼び止めてしまった
「なぁに?」
相変わらずニヤニヤしているゆきちゃんのお母さんだ
「えっと…そのお薬ってもしかしてこれですか?」
「それよ!それっ! どこにあったの?」
「ゆきちゃんの部屋にあったらしくて…ところでこれって―」

「うん? それは高良製薬に作らせた試作段階の薬でね、『ふたなり薬』って言うの
、そのまんまなネーミングよねぇ…」
「「へ?」」
「まぁ、ある種の興奮作用が―…どうしたの?」
「いや、、つかささんの予想があっていてびっくりして…」
「私も〜、、びっくりだよぉ〜…」
「ふぅん…」
ゆきちゃんのお母さんは何分か悩んだあと
「それ、2人にあげるわ」
「え? でも…」
「あと1つ予備があるのよ、効き目が弱いんだけどね」
そう言ったゆきちゃんのお母さんはニヤニヤしながらこの部屋をあとにした

「どうするぅ? ゆきちゃん…」
「……そうですね、、ええ、、この薬とはちょっとした付き合いになりそうですね…」


ふたみゆ 終
next → ふたつか
411kt:2008/05/26(月) 10:22:11 ID:jejmwJpT
ありがとうございました
とりあえずみゆ×つかオンリーとかじゃ無しに10話くらい思いついたんですが
…どうしましょうか
エロ描写を上手くしたいなぁ…


さて、次回の『ふたみゆ』もとい『ふたつか』は
「学園のトイレでふたなりつかさ×淫乱みゆきがあんなことやこんなことを!?」の巻
※予告無しに内容が変更される場合があります、ご注意ください※

というかこの作品でもう淫乱みゆきになっているような気がしますが気のせいです
…にしてもふた☆自重氏よりも先に投下しちゃってよかったんだろうか……
412ふた☆自重:2008/05/26(月) 19:38:37 ID:fK/GiHO1
ひよりん可愛いなあ〜。 とつき十日! とつき十日!(おい
イラストにコメを下さった皆様、ありがとじゅしたっ。
やはりあの等身を描くのは難しいです。ぶっちゃけ、むっちりたっぽり体型(ボテ腹含む)が好きなので。
多分、みゆきさんとかパティとかは、僕のタッチと相性が良いかなと。今度描いてみます。

>>411
順番なんて関係ないぜ、だから自重せずにどんどん投下すればいいさ!
無! 問! 題! Σd(=ω=.)
美味しく頂きました。GJ!

っていうか奥様方、その薬でどんな金妻プレイを……っ!?(ハアハア
夫に満足できない昼下がりの奥様達のお話にも激しく期待しますっ。

>>295
よかった……! 怒られると思って内心ビクビクしてました(つД`)
こちらも、今後の展開に激しく期待っ。



そして… 懲りずにまた(勝手に)描いてしまった orz
「Escape 第6話」より
警察犬チェリー、出動!(舞台裏ネタ注意)

ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0082.jpg

申し訳ないです。でも自重できないんだ……!
413名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 19:44:39 ID:v2IGaMxC
「謎のこなたXを」書いたのですが、「謎の彼女X」ネタ分かる人いるんですね。
決して、メジャーな作品じゃないので分かってくれる人がいて嬉しかったです。
Wikiで偶然、らきすた作品を読んで勢いで書いてしまった。
少しでも、反応してくれる人がいて嬉しいやら恥ずかしいやらでした!
414名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 19:51:53 ID:EBEmclfJ
>>411
みゆつか━━(゚Д(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━!!!
しかもエチ導入前のシチュもたまらぬ出来になってて2重にハァハァさせていただきますた。
というわけで>>412は責任もってみゆつかふたも描かないとばるさみこsされるかもw

>>394
氏のファンしてた俺としては、久々のシリーズ復活に感涙。
季節の変わり目を、なんつう怒濤の展開で導入してくれるんだおのれは。
さあ最後の季節、2人の心はどううつろうのか、引き続き全裸待機(=ω=.)

>>412
なるほど、バターですね、わかりまs
あ、みなみさんにゆたかさん、その手に持った鈍器はなんですk
415名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 19:56:18 ID:TWeKMghG
>>412
なんという萌え。
俺の仲でゆたか株があがってきました。そのままなら……
416名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 21:03:43 ID:JmG69T+s
>>356-370の件

スレ住民の関心は薄いようですが、いいのでしょうか
私の勝手な思い込みですが最近のスレの流れや作品投下の中には、
面倒なことは人任せな雰囲気を感じています


避難所に誘導された件を再度スレに書き込むのはよくない事かもしれないのですが、
だけど気になる人はちょっと立ち寄ってレスしてほしいと思い敢えて書きました

私はこの件でスレには二度と書き込みませんのでスレ汚しをご容赦ください


それとは別にこの問題発生以前に、理由については述べられていませんが、
保管庫のましまろ氏が降りたい旨の書き込みをされている事もお知らせしておきます
417名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 21:21:19 ID:v6u5ylYK
>>416
なんでこのスレで語らずに避難所に誘導されたかをまず考えようよ
418名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 21:28:52 ID:EBEmclfJ
まあまあ、承知の上で言ってるんだろうさ。
「もしかして忘れ去られてる?」という思いで不安だったんだろう。
今一度、一度でいいから、みなに真剣に見てもらいたいから、あえてここで発言したんだろう。
「真剣に見て、真剣に思うことあれば、語ってください、避難所で」
といったところだ。
419名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 21:53:56 ID:EWMXOyxp
>>374
続きが気になる ! ぜひ続けてくれ ! GJ !
小説のパロディだけあって比喩が文学的で好みだった

>>381
GJ ! かがみついに男を見せるときが来たね !
今までの辛さを吹き飛ばすくらいにギュ〜っとこなたを抱きしめてやってくれw
エロ入れるかどうかは、作者の貴方に任せる !

>>394
続き待ってました ! GJ !
その辺の小説よりずっと面白いな貴方のSSは !
敢えて物語終盤と思われる場面を冒頭に持ってきて、そこに至るまでの過程を色々妄想
させるなんて、貴方只者じゃないなw
きれいな感情の行く末を見守らせてもらいます

>>411
みゆつか分不足に悩んでた俺にとって貴方はまさに救世主Gj !
420名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:12:27 ID:cf1p0rTQ
性転換とかふたなりとかキモいもんばっかり書いてるんじゃねーよてめーら
支持する奴はもっとUZEEEEEEEEE
421名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:22:20 ID:MCN1yt4f
他の準備された方がいらっしゃらないようでしたら投下したいのですが、いかがでしょうか。
422名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:26:56 ID:EBEmclfJ
>>421
どんとこいらき十字団
42342-115:2008/05/26(月) 22:28:22 ID:MCN1yt4f
 では。

 「げき☆すた1-1 喜劇『手紙騒動』第一幕第一場」

 ・戯曲
 ・ある種のパラレル(携帯電話が普及してない世界)
 ・エロなし
 ・こなた+かがみ←みさお みなみ+ゆたか
 ・8レス
424喜劇『手紙騒動』:2008/05/26(月) 22:30:10 ID:MCN1yt4f
 (前口上)
 携帯電話が普及しなかった世界。
 電子ならざる原始的なメール、つまり手紙のやり取りが、確固たるコミュニケーション手段として確立されていた。



 第一幕

 第一場 昼休み 靴箱が並ぶ陵桜高校昇降口

 みゆき登場

みゆき (考え事をしながら右に左にうろつく)……はっ、
 掃除という行為について考え込んでしまっていました。
 掃除。辞書には、家の家具や床のゴミや汚れを取って、
 綺麗にする事と出ていますが、この営みの大切さを、
 皆さん分かっていらっしゃるのでしょうか?
 確かに放課後になれば、すぐに帰りたいでしょう。
 暑い日に校庭のゴミ拾いなどは嫌かも知れません。
 でも、それこそ文明を守るという行為そのものだと、
 ぜひ気付いていただきたいものです。というのも、考古学者は発掘を行います。
 主に、古い文明の営みを掘り起こすものです。
 でもそこで疑問に思ったことはないのでしょうか。
 何故発掘しなければならないのか。
 遺跡や遺構は何故土中に埋まっているのか。
 何故最初から地表に露出してないのか。
 ……答えは明白です。掃除をする人がいなくなってしまったから、
 埃の中に埋もれてしまったのです。
 掃除とは、文明を守るための行為そのものなのです。
 いずれ掃除の重要性を訴えるキャンペーンも必要になるでしょうが、
 さしあたっては掃除用具の点検を行わなければなりません。
 各教室の分はそれぞれの委員に依頼しましたが、移動教室等も早急に確認し、
 足りない分は補充し、破損している分は取り替えなければなりません。
 用具が整備されていなければ、掃除をする気も起きないでしょう。
 部屋が大変片付いていたかがみさんなら、掃除の重要性も理解していただけるはずです。
 心苦しい点が無きにしも非ずですが、
 かがみさんに手伝っていただきましょう。
 (メモ帳を取り出す)
 (書く)『大切なお話があります。力を貸していただきたく存じます。放課後、屋上にいらしてください』
 (かがみの靴箱に入れる)
 朝の内にお話できればよかったのですが、
 今は教室にもいらっしゃらないようなので、このような手段を取らなければなりません。
 お時間、いただけるとよいのですが……。(退場)
425喜劇『手紙騒動』:2008/05/26(月) 22:31:07 ID:MCN1yt4f

 みさお登場

みさお (う゛ーう゛ー言いながら反対の袖に消えかけて、慌てて戻ってくる)
 お……柊の事考えてたら通り過ぎちまったぜ。
 うぅ、柊の奴、相変わらず冷てーよな。
 今日も昼休みの始まりと同時にどっか行っちまったし。
 B組を覗いたけど、今日はチビッ子もいねーし。
 きっと今頃、あいつらだけの秘密の場所で、楽しくお昼してんだろーなー。
 あ゛〜〜、想像したら腹立ってきた。
 そもそも、あのチビッ子は何なんだ?
 あたしら柊の何なんだ?
 もう付き合いも五年目になんだぞ。
 てことはもう丸四年だ。
 四年てことは、あの、アレだ。
 あー……何日になるんだ?
 一年が360日……だったよな。
 だから、んーと……あ゛ーもう!
 とにかく悪いのはチビッ子だ。
 今日という今日はガツンと言ってやって、
 柊がウチのだってことを思い知らせてやらなきゃ気が済まねーぜ。
 (手紙を取り出す)
 へへっ、決闘状だ。
 書くのに午前中いっぱいかかっちまったぜ。
(こなたの靴箱に入れる。扉は開けっぱなし)
 こいつでチビッ子を屋上に呼び出して……。
 くくく、特に奥の手があるわけじゃねーけどな。
 まあ、直アンパン……じゃねえや、直談判すれば道も開けるってもんだぜ。
 柊との付き合いは、あたしらの方が先輩なんだ。
 後輩としての立場をわきまえろって言ってやるぜ(退場)。

 ゆたか登場

ゆたか みなみちゃん、鼻血を出した田村さんを保健室に連れて行ったきり、戻ってこなかったなあ……。
 『ユリが、ユリが』って言ってたけど、ユリ根でも食べ過ぎたのかな?
 今日はお弁当じゃないから、学食に一人で行かなきゃ。
 心細いなあ。
 こんなことなら、ユリ根でもいいから、お弁当にしてもって来るんだったかな。
 はあ、学食にわたしに食べられる物あるといいけど……。
 それに引き換え、こなたお姉ちゃんは体が丈夫でいいなあ。
 身長なんてわたしとあまり変わらないのに。
 (こなたの靴箱が開いたままなのを発見)
 あれ? 3年B組泉……こなたお姉ちゃんのだ。
 何で開けっ放しなんだろう?
 閉めといた方が……。
 (みさおの手紙を発見)
 あっ! これはラブレター!?
 それにしては封筒にも入れずに剥き出しだし、畳み方が乱暴かな……。
426喜劇『手紙騒動』:2008/05/26(月) 22:33:45 ID:MCN1yt4f
 (手紙を開く)
 なになに、
 (読む)『お若えの』
 ……年配の人が書いたのかな?
 (読む)『お前がいかなる身分の者か知らないが、先輩後輩の上下関係をわきまえない者だと言うことは確かなり』
 お姉ちゃん、最上級生なのに……?
 (読む)『終がお前のところへ行く。するってえと、あたしらは背景ですらなくなる。これこそが、お前に決闘を申し込む理由にあらざるなり』
 違うんだ……。終って誰だろ?
 (読む)『あたしはお前を、屋上で待ち伏せしてやるぞ』
 お姉ちゃん、屋上になんか寄るかな?
 (読む)『もしかしてあたしがやり込められるようだと、お前は食べるに値しないミートボー
ルのようなものなり。御機嫌よう。終がお前に独り占めされ続けるかもしれないけど、あたしは
そうならないよう希望するものなり。お前の返答次第で、お前の親友にも敵にもなる者より。愛
を込めて』
 何だろう、これ?
 「愛を込めて」って点だけラブレターみたいだけど。
 まあとにかく、お姉ちゃんに好意を抱いているわけじゃないみたい。
 これをお姉ちゃんに見せるわけにはいかないな。
 (手紙を仕舞う)
 差出人が誰なのか見極めて、お姉ちゃんに気をつけるように言わなきゃ(退場)。

 ひよりとパティ登場

ひより うぅ、再発しそうッス(倒れる)。
パティ ちょ、ヒヨリ! しっかり! 邪悪なコト考えながらホスピタルに運ばれたら、doctorに『オラオラ、輸血だ』って血を抜かれマスヨ。
ひより それ、『新フ●テンくん』? またディープなネタを知ってるね、パティ……。
パティ 四コマmangaは日本が生んだ文化の極みネ。それより、本当にダイジョブですか?
ひより (立ち上がる)授業中も小早川さんのことで気が気でない岩崎さんを見てたら、ネタが
次々と湧き出て、ついでに鼻血も湧き出て……。
パティ ヒヨリもまだまだ若いネ。
ひより 頑張ってる、無理もしてる、来週も弾けてるッスよ。で、その岩崎さんなんだけど?
パティ ヒヨリの事をワタシに引き継いで、class roomに戻ったみたいデスヨ。でも今のを見る
限リ、ユタカには会えてないはずデス。さっきのユタカをドウ見ますか、ヒヨリ?
ひより なんか思い詰めてるようだったよね。女の子が靴箱の前で思いつめるといったら……。
パティ 足の臭いデスカ?
ひより そうじゃないけど、んー、都合がいいのか悪いのか、日本には『鬼の居ぬ間に』って諺
があってね。
パティ つまり……。
ひより・パティ ラブレター……?
427喜劇『手紙騒動』:2008/05/26(月) 22:34:19 ID:MCN1yt4f
ひより いや、いやいやいやいや、あの小早川さんッスよ。ピュアで純粋でドジッ娘でチビッ子
で病弱で臆病で萌え要素液つゆだくの小早川さんッスよ。
パティ でも、ヒヨリがそのオニを、オニさんこちらと拘束プレイしたのデスよね?
ひより いや、プレイじゃないから。誘ってもいないし。ていうか、何で小早川さんが出したっ
て前提で話してるんスか?
パティ ユタカには需要がありマス。でもソレは、需要がなくはない・とても少ない・なくはないがまあありえないという意味デス。
ひより この場合本人に失礼なのか、より岩崎さんに失礼なのか分かんないッスね……。でもそ
うすると確かに、出した側って事になるッスね。相手は誰……って、ここ3年の靴箱ッスよ!?
パティ Chanceデスよ、ヒヨリ。
ひより えと、それってやっぱり、誰に宛てたか知るチャンスって意味……?
パティ Off Cauce!! モチロンです!
ひより 岩崎さんを焚きつけて修羅場現場を目撃して、それを同人作家としての血肉にしろと?
パティ Ah〜……、ヒヨリがそうノゾむなら、それでOKデス。ワタシとしましては、ユリネタの
供給源がなくなると困るのではと、シンパイしたのですが……。
ひより パティ。
パティ ハイ?
ひより 私さ。
パティ Um?
ひより 小早川さんの相手を、女の人だって前提で考えてたよ〜!
パティ Oh! ゴウが深いネ、ヒヨリン♪
ひより とにかく、相手が誰かを確認するのには異論はないッス。
パティ じゃあ、片っ端から開けましょう。絨毯爆撃デース(開け始める)。
ひより パティ、自重! 合衆国の人が日本でそれ言うの危険すぎるから!(開け始める)。
パティ 左右とも弾幕が濃くなってしまいマスネ。
ひより (かがみの靴箱でみゆきの手紙を発見)ま、まさかの大発見!?
パティ ナント、ユタカのお相手はカガミでしたか。
ひより 早速岩崎さんに知らせないと。
パティ 電話急げ、デスネ。
ひより 善は急げッスよ。
パティ 電話も急いで出ナイと、切れてしまいマス。
ひより いや、今は電話より岩崎さんッス。(手紙はそのままで二人退場)

 こなた登場

こなた (そのまま反対の袖に消えかけて、慌てて戻ってくる)
 あ、嫁の事考えてたら、その嫁を探すのを忘れてたよ。
 まあ、私のアホ毛レーダーに反応がない分には、近くにはいないって事だね。
 いやー、どこ行ったのかな?
 今頃ダイエットメニューを一人で寂しくつついてるのかな?
 それを見られるのが嫌で、一人で姿をくらませるなんて、可愛いねーウチの嫁は。
 まあ、私は私で、そんなかがみを想像するだけで、チョココロネ3個いけちゃうし、
 コロネ体型になったらなったで、私がおいしく頂いちゃうわけだから心配ないんだけどね。
428喜劇『手紙騒動』:2008/05/26(月) 22:35:05 ID:MCN1yt4f
 とはいえ、本人に会えないのは不便だね。
 5、6限は移動教室だから、下手すると捕まらないかもしれないよ。
 いやいや、きっと待っててくれるとは思うけど、
 みさきちの魔手に攫われてしまうとも限らない。
 みさきちときたらおバカキャラの癖に、
 VAVA言いながら、私の嫁の簒奪を企んでるらしいからね。
 かがみが囚われの姫君になったら、
 私は伝説の勇者、浪漫の騎士、元ソルジャークラス1stになる事だっていとわないよ。
 魔王……いや、VA王・みさきちの城に乗り込んで、
 千と一夜の死闘の後に姫を救い出し
 、子供作って国を作って、そして伝説への王道ファンタジイってわけさ。
 でも、それじゃ放課後に寄り道できないな。
 むー、よもや逃がすつもりはないけど、念のため、靴箱に手紙を仕込んどこうかな。
 (紙を取り出すして書く)
 『金太 待つ ゲマズ』
 じゃないな……。
 (書く)『♪それはゲマズで5時 二人でアヴァンチュール』
 こんなもんかな。
 これをかがみの靴箱に仕込んで……お?
 (みゆきの手紙を発見して読む)
 なんと先客が〜!
 お、おのれぇ〜、屋上で私の嫁を手篭めにする気だな。
 こうなったら待ち伏せして、南斗神挙伝承者として腕を振るうしかないようだね。
 ふっふっふ……さいたま地方気象台、
 正午発表の糟日部地方の天気予報はズバリ血の雨!
 私のアホ毛レーダーも、確かに雨雲を捉えているよ。
 この胸の中に燃え滾るかがみへの想いの中にね……(退場)。

 みなみ登場

みなみ (そのまま反対の袖に消えかけて、慌てて戻ってくる)
 ああ、ゆたかのことを考えていたら、通り過ぎてしまった。
 ゆたかがラブレターを出したなんて、信じたくない……。
 しかも相手は、かがみ先輩だなんて。
 恐れていた日がこんなにも早く来るなんて……。
 そう、ゆたかはいつかは私の存在を必要としなくなると思ってはいたし、
 所詮は女同士の夢のように儚い想い。
 男として与えるべき物を、私は持っていない。
 かがみ先輩は強い方だ。
 女でありながら、本来男が与えるべき物をも、きっと持っている。
 だからこそ、ゆたかにはかがみ先輩なのだろう。
 本来ならゆたかの恋を応援こそして、
 祝福すべきなのに、今私は何をしている?
 何のためにここにいる?
 かがみ先輩にあって、私にないものか。
 心当たりが多すぎる(胸に手を当てる)。
429喜劇『手紙騒動』:2008/05/26(月) 22:35:41 ID:MCN1yt4f
 別にいいじゃないか、ゆたかのそばに寄り添うのが、私以外の人だって……。
 いやダメだ!
 ゆたか、ゆたか、ゆたか、ゆたか。
 私の心の奥底、光の届かぬ深淵より湧き起こるこの叫び。
 せめて、せめて一言、かがみ先輩に言わなければ。
 私がゆたかのそばで確かに生きたという証として、
 『ゆたかをよろしく』と。
 ああ、でもわたしのその勇気が持てるだろうか?
 持たなければ、心の叫びがやがて私の身を引き裂くだろう。
 それならばそれで構わない。
 そうだ。
 かがみ先輩を屋上に呼び出そう。
 (手紙を書き、かがみの靴箱に入れる。扉は完全には閉まらない)
 ゆたかの手紙はすでに渡ってしまったか……
 だからどうだというのだろう。
 もし渡っていなかったとしたらどうしたい?
 そう考えること自体、私の心がもう引き裂かれたという証なのだろうか。
 つなぎ合わせるには、やはりかがみ先輩への一言が必要だ。
 さもなければ、私は東京タワーに頂上にでも登って、
 23区も裂けよとばかりに叫ぶだろう。
 『ゆたか!!』と。
 例えそうしたところで、埼玉にいるゆたかの元に、
 この想いも声も届くはずはないのに。
 23区を裂く事が出来ても、二人の仲を裂くことなど出来ないのに。
 ああ、こんなことで私は生きていけるのだろうか?
 これから、ゆたかの笑顔が他の人にだけ向けられているという事実に、
 耐えていかなければならないのに……(退場)。

 かがみ登場

かがみ ふう、どうにか食べ終わったわね。
 体重がまた少し気になってきたからダイエットメニューにしたけど、
 こんなのこなたに見られたらなんて言われるか……。
 まあ、それで逃げ隠れしちゃう私も私だけど。
 でもあいつのことだから、
 前みたいに『カロリー計算してあげようか』なんて言い出すかもしれないわ。
 ったく、宿題一つちゃんとやらないくせに、そういうことに頭を使うのは大好きなんだから。
 その後、『私なりにかがみの健康に気を遣っただけだよ』なんて言いやがってさ……。
 う、嬉しくなんかないわよ。
 どうしてあいつに、そんな心配されなきゃいけないのよ。
 ……ああ、でも、
 普段どんな物をどれだけ食べているか知られてるからこそ、
 こんなことに気を揉むんだろうな。
 もう三年か……。
 なんだかんだで、長い付き合いになっちゃったわね。
430喜劇『手紙騒動』:2008/05/26(月) 22:36:19 ID:MCN1yt4f
 彼氏とかは出来なかったけど、
 友達は確かに出来たって思ってもいいんだよね、こういうのって。
 まあ、こなたは友達半分、悪友半分なんだけど。
 あ……べ、別に彼氏を諦めたとかじゃないんだからね。
 いい人がいれば、そりゃ私だって……。
 彼氏が出来たなんて言ったら、こなたの奴どんな顔するんかな。。
 宿題ちゃんと自分でするようになるんかな。
 ……いや、デート現場に乗り込んで、
 臆面もなく『写させて』なんて言うな。
 絶対言う。
 彼氏も彼氏で私より出来ない奴なら、
 『ごめん、実は俺も……』なんて言いかねないし、
 逆に私より出来る奴なら、こなたの面倒を押し付けたりして、
 そっからこなたと仲良くなって、哀れ私は寝取られ女。
 ……って、結局こなたのことばっか考えてるし。
 こんな感じの内は、彼氏なんて夢のまた夢ね。
 あーあ、いいですよーだ。
 どうせ恋もダイエットも実らない負け組女ですよーだ。
 (自分の靴箱を見る)
 あれ?
 ちゃんと閉めたはずだけど……。
 (みなみの手紙を発見する)
 ええ!?
 こ、こ、これってもしかして。
 早まっちゃいけないわ。
 つかさが夕飯の買い物のメモを置いただけかもしれないし。
 (読む)『一言、たった一言、どうしてもお伝えしたいことがあります。放課後、屋上まで来てください』
 一言? 一言って?
 何て口説かれるんだろう?
 なんて答えたらいいんだろう?
 手とか握られちゃうかな?
 抱き締められたり?
 か、顔が近付いてきてそのまま……キャー!
 早速ダイエットの成果が出たのね。
 引き締まったウエストに振り向いてくれた誰かが、勇気を振り絞ってこれを書いたのよ。
 桜は散っても、私の心は春なのね。(退場)

 つかさ登場

つかさ あれお姉ちゃんかな?
 見つかっちゃったかな?
 ああ、よかった。行っちゃった。
 ふう、こなちゃんとお姉ちゃんがいないから都合がいいと思ったけど、
 ゆきちゃんまでいなくなっちゃうから、困っちゃったよ。
 おかげで急いでお弁当食べて、
 急いでゆきちゃんに相談するためのお手紙書いたけど、
 間違いとかないかなあ……。
 でも書き直してる暇ないから入れちゃお。
 (手紙をみゆきの靴箱に入れる。扉は完全に閉まってない)
 うぅ、今日もあの悪夢にうなされて、おかげで寝不足だあ(あくび)。
431喜劇『手紙騒動』:2008/05/26(月) 22:36:49 ID:MCN1yt4f
 一体あれって何なんだろう?
 『やっさいもっさい』って。
 机でうとうとしているとき、思わず口走っちゃったんだけど、
 あのときから私の夢に『やっさいもっさい』が出てきて、
 毎晩追いかけられるようになっちゃった。
 誰かに相談したいけど、みんなの前で『やっさいもっさい』なんて言ったら、
 前の犬の芸の時みたいになるかもしれない。
 あの時は何とかなったけど、
 もしみんなが『やっさいもっさい』についてよく知ってて、
 それが変な意味だったりしたら……うぅ〜、もう恥ずかしいのは嫌だよぉ。
 かといってうなされるのも嫌だし……。
 ゆきちゃんなら優しいし、物知りだからきっと私の悩みも聞いてくれる。
 『やっさいもっさい』が変な意味だとしても笑わないで
 ―それとも笑って、かな―済ませてくれる。
 ああ、早く放課後にならないかな。(退場)

 あやの登場

あやの みさちゃん、珍しく熱心にノートをとってると思ったら、手紙を書いていたわ。
 それも午前中ずっと。
 女の子があれだけ真剣になって書く手紙といったら、一つしかないわ。
 そう、ラブレター。
 最初は私もそうだったわ。
 他のことにはそわそわと落ち着きがなく、
 ただ愛しい人の面影のみを抱き締めて……
 ううん、みさちゃんの場合、むしろ手紙を書くのに集中して、
 いつもより落ち着いていたくらいだけど、
 それは他の子の場合と同じ。
 浮かれるか、沈み込むかね。
 相手が誰か気になるけど、今はそっと見守るべきよね。
 まだOKもらったわけじゃないし……。
 (みゆきの靴箱に気付く)
 あれ、あそこ開いてる。
 あの高さだと、私のおでこが丁度ぶつかっちゃう高さだわ。
 閉めとこっと。
 (手紙を発見)
 ええっ!?
 でもまさか……。
 ううん、偶然よ偶然。
 みさちゃんと高良ちゃんに、たまたま同じ日に春が来ただけよ。
 でも一応……。
 (読む)『大事なお話があまりす。屋上で持ってます。心ず来てね』
 ……字は丁寧だけど、この誤字・脱字。
 いかにもみさちゃん的だわ。
 どうしよう、相手が高良ちゃんだなんて。
 みさちゃんを諌める?
 高良ちゃんを止める?
 とにかく、じきにみさちゃんの身内になる私としては放っておけないわ。
 放課後、屋上に行かなきゃ。(退場)


 第二場に続く


43242-115:2008/05/26(月) 22:40:09 ID:MCN1yt4f
ある戯曲の書式に倣ったのですが、横書きだと恐ろしく読みにくくなってしまったことを深くお詫びします。
みさおの決闘状はどこかで見覚えがあるかもしれませんが、はい世界的に有名なあの方です。

では、読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
433名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:42:57 ID:EBEmclfJ
>>432
ああっ!いいところで止めるなんてっ!あんたはサディストかっ!
こうなったら、次作品が来るまで、全裸待機するしかないのか!

しかし、あるようでなかったこの形式。
ステージインする度にスポットを浴び、ついでに観客の拍手も浴びる
登場人物の姿が目に浮かぶようだ。
何気にせりふ回しとネタ回しも絶妙だし。

次の幕上げ、にぎにぎしくお待ち申し上げております。
434名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:44:03 ID:71RRuLOb
>>432
乙です
みさおさん、あなた高3ですかww
435名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:49:28 ID:cf1p0rTQ
性転換モノを投稿する奴は本当に自重するべきだと思う。
そういう人から嫌われるようなネタを投稿しているという自覚が無い。
応援してる奴はもっと自覚が無い
436kt:2008/05/26(月) 22:56:34 ID:qvmO25AE
ふた☆自重氏、感想を書いてくれた方々ありがとうございます…
けっこうみゆ×つかモノって人気あるんですね…これからどうしよう…

猿のようにオナニーしまくるひよりんとか、
お前ら何回ヤる気なんだ?な ゆた×みなとか、
ギャグを交えながらのやまと×こうとか、
かがみんが強姦パウダー!とか、
アダルティなお2人の情事とか、
えっちテク上達のためにふゆき先生相手にレッスンするみなみとか、
色々ふたなりネタが漠然と思いついてますが…
…投下するのはいつになるんでしょうね(遠い目
437名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:59:03 ID:EBEmclfJ
あのひよりんは衝撃的だったなあ……(トオイメ
438名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 22:59:21 ID:XKz3yZI0
つかみゆにも期待
439名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:47:18 ID:DdTwaBEd
>>394
かがみの想いが意識するしないに係らずした行動がこなたの心を動かしたんでしょうか
440名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:02:20 ID:pf/XlfFK
そろそろ黒井先生に出番があっていいと思うんだ
441名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:05:39 ID:vz08h6Ll
ゆい「わたしは?」
442名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:11:24 ID:8s+ywGOU
こなたは犯罪に走る、なんてことは無いだろうが妄想した。

こなた「かがみ・・・その写真!」
かがみ「こなた、まさかあんたが万引きなんてねぇ・・・」
つかさ「幻滅だねこなちゃん」
みゆき「その写真は差し上げますわ、ネガは別にありますし」


こなた「何が目的なの・・・?」
かがみ「エロゲやってるから、飲み込み早いわねぇ」
つかさ「どうしようか・・・ねぇ?」
みゆき「泉さん、ご家族にご迷惑をかけるような事はしたくありませんわよね?」
こなた「・・・っ」

やはり、ここまでしか書けない。
443名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:16:57 ID:vz08h6Ll
こなた「はぁ……もうすきにしていいよ、ていうかいつもどおりだしさ(=ω=.;)」
かがみ「だきだきすりすりさわさわくちゅくちゅ」
つかさ「うにょ〜ん(気絶)」
みゆき「だばだばぱふぱふ」

みさお「証拠」
あやの「写真を」
ゆたか「ゲット」
みなみ「したと」
ひより「聞いて」
パティ「飛んデ」
ななこ「来たでぇ〜」




こなた「みんな、万引きは犯罪だよ、絶対やめようネ
     こなたから、みんなに約束アッーーーーーー!!!」
444名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:27:16 ID:j52ze3zi
どんな鬱物もこなフェチの前では無力なり…www
445名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:31:04 ID:FBHPHpI6
ゆい姉さん「交通安全課とはいえあたし警察なんだよ…(´;ω;`)」
446名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:48:21 ID:BPPKQUnI
つかさ「万引きといえば、お姉ちゃんたちが成田山で―」
かがみ「つかさ。こなたに変な動画見せられたでしょ」
こなた「アッーーーーーー、みゆきさんエロス、ヘーイ」
みゆき「(だばだばちゅっちゅもみもみ)泉さんは、びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛」
447名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 02:18:51 ID:8s+ywGOU
ちょっと覗いてみたら・・・

恐るべき、こなフェチ!
448名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 07:05:00 ID:4bWMnuBU
 ゆい「もう!万引き犯は警察が連れてくよ!」
こなた「連れてって連れてって(やった、助かった)」
 ゆい「じゃあ事情聴取するから取調室入って」
こなた「はいはい入りますよ〜」
 ゆい「まったく万引きするなんてお姉さんは悲しいよまったくまったまたm…はぁはぁ、コナタトフタリキリ」
こなた「ちょ、ゆい姉さん?」
 ゆい「わるわ悪い子はおねえさんがおしおししおしりお仕置きしなきゃねぇぇえ」
こなた「そ、そうだ、今度から取り調べを録画するようになったんじゃなかったっけ!」
 ゆい「まだ試行されてないよ」
こなた「げっ」
 ゆい「それにこなたと二人でなら、カメラで撮られたって私、かまわないよ………ポッ」
こなた「いや、そういうプレイ用のカメラじゃないから!」
 ゆい「わかったら観念して穴という穴をおねえさんにゆだねなさーい!」
こなた「アッー」
449名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 07:52:15 ID:vz08h6Ll
だが、こなフェチの前では、
国家権力も、無力。

壊される取調室の壁
「「「「「「「「「お も ち か え り 〜」」」」」」」」」
「アッーーーーーー!!」

ゆい「ああああ〜こなたちゃあああああん;;;;そして出番〜〜〜〜;;;;」
45023-49:2008/05/27(火) 08:00:54 ID:P3rXv8Hn
どうもです

前作のメドリレではたくさんの感想ありがとうございました
続きを希望してらっしゃる方もおられるようですけど、
ぶっちゃけノープランでして、書くことになるにしても相当先になると思います

で、今回はそっちとは無関係な単発
ダラダラと書いてたらこんな時期になってしまいましたが
こなた誕生日SSというわけではありません
被りそうな方がおられないようでしたら五分後ぐらいから投下させてください

・カップリング不定
・エロなし
・10レス使用
・キャラ崩壊、暴力描写、死人注意
451立ち枯れの花 1/10:2008/05/27(火) 08:06:11 ID:P3rXv8Hn
 
「――どうして、来たの? どうして……」
 その人は悲しげに声をこぼした。
 初めて聞くはずのその声は、なぜだかとても、懐かしかった。





   立ち枯れの花





 何が起こったのかを一言で説明するのは難しい。だから順を追って話そうと思う。
 五月の下旬。
 場所は学校の、三年B組の教室。時間はお昼休み。
 私、泉こなたは親友のかがみ、つかさ、みゆきさんの三人と一緒に昼食を食べていた。

「そういえば、もうすぐこなちゃんのお誕生日だね」

 「納豆の糸とお餅はどちらがより伸びるのか」について熱く語り合っていた最中、
 何からどう連想を働かせたのか、つかさがそんなことを言い出したのが、たぶん始まりだ。

「あー、そだね。……十八歳かー」
「考えてみれば、あんたって何気に一番年上なのよね、この中じゃ」
「では、私が最年少ですね」
 お箸をくわえながら器用に喋るかがみに、みゆきさんが柔らかくうなずく。
「どー考えても逆よね」
「むぅ」
 実はけっこう気にしてるんだけどね、この見た目のことは。
 しかし表には出さない。
「ねぇこなちゃん、プレゼントは何が欲しい?」
「ん? う〜ん……」
 つかさに訊かれて、反射的に思い浮かんだのは近日発売予定のいくつかのソフト。
 ど・れ・に・し・よ・う・か・な――と吟味しかけて、さすがに自重する。
「そだねぇ。イロイロあるけど、みんなのセンスに任せようかな」
「へえ。意外と殊勝なこと言うじゃない。てっきりいかがわしいゲームの名前でも出るものと思ったわ」
 ……鋭い。
「ふふん。コレが年長者の余裕というものだよ」
「一ヶ月ちょいしか違わんでしょうが。てか今一瞬固まったよな?」
 私とかがみ、両者のボケとツッコミが冴え渡る。心地よいリズムだねぇ。
「そっかぁ。う〜ん、何がいいかなぁ」
「こういうことは考えるのも楽しいのですけど、やはり迷ってしまいますね」
 そしてそれぞれマイペースなつかさとみゆきさん。
 和むねぇ。
 ってか、当然のようにプレゼントをもらえることになっちゃってるね。嬉しいけど、ちょっとくすぐったい。
「私たちは去年、イヤリングと服をもらったよね?」
「『服』って言っていいのかアレは……」
「あ。あとお花ももらった……」
 去年のつかさへのプレゼントを思い出し、そーいやアレ、着て見せてもらってないね、
 などと思っていると、そのつかさの表情が急に曇った。
452立ち枯れの花 2/10:2008/05/27(火) 08:07:11 ID:P3rXv8Hn
「つかささん?」
「……ごめんね、ゆきちゃん。イヤリングは大事にして、ときどきつけてるんだけど……お花の方は
枯らしちゃったの……」
「あー、私もだわ。ごめんみゆき」
 かがみも自己嫌悪っぽくぼやく。
 真面目だねぇ二人とも。
「あ、そんな。それは仕方がありませんよ。花の命は短いものですから」
 そんな二人を、みゆきさんも丁寧になだめる。
 花の命、か……
「うん……そういえば、小学校のときに朝顔の観察とかあったじゃない? あれもすぐに枯らしちゃって、
お姉ちゃんのを写させてもらったり……えへへ」
「あー、あったわねぇ」
「ありましたね。私も、最初は上手に育てられませんでした」
「へぇ。みゆきでも失敗したんだ」
「ええ。母に言われたとおりに世話をしたのですが……」
「あ、ああ、そう。――こなたはどうだったの……って、どうしたの?」
「え?」
「なんか元気ないじゃない。そういえば急に黙っちゃって」
 かがみの不思議そうな顔。
 珍しく真正面から目を覗き込まれて、思わず固まってしまった。
「こなちゃん?」
「泉さん?」
 つかさとみゆきさんも気遣わしげな顔を向けてくる。
「あー……、うん。私もやったよ。観察」
 とりあえず、話を戻す。
「ただ、あんまりいい思い出じゃないんだよね」
 そして口が滑った。
「なに? おじさんに丸投げしたのが先生にバレて怒られた、とか?」
 ニヤニヤと、かがみ。
 その顔を見て、私は――


     ☆


 たぶん、ここが分岐点。
 ここで、「まぁ、そんなトコ」みたいに言って流しておけば、あんなことにはならなかったと思う。
 しかし私は話してしまった。
 そうした理由はわからない。ただ、なんとなく、だ。
 なんにしても、話してしまった。
 立ち枯れの花にまつわる、あの憂鬱な思い出を。


     ☆


 あれは小学校の……何年生だったかなー? 一年生? 二年生?
 ん、まぁどっちだっていーや。
 とにかくあの頃の私はまだ純粋なお子様でねぇ……
 え?
 ひどいなー。ホントだよ。
 確かにお父さんの“英才教育”はもう始まってたし、コミケも体験済みだったけど。
 少なくとも萌えのなんたるかを理解するにはまだまだ及んでなかったよ。
 で、純粋なお子様だった私は毎日熱心に鉢植えの世話をしたわけです。
 そりゃぁもぅ一生懸命だったよ?
 自分のジュースを我慢して水の代わりにあげようとして怒られたりするぐらいにね。あはは。
453立ち枯れの花 3/10:2008/05/27(火) 08:08:14 ID:P3rXv8Hn
 だから……
 そんなだったから、嬉しかったよー?
 初めて芽が出たときは。

“おとーさん! おとーさん! 「め」! 「め」がでたよ!”
“おおー、よかったなぁこなた。明日にはもっと大きくなってるぞ?”
“そなの!? やったあ!”

 ええ、ええ。
 ますます張り切りましたとも。朝早ーくから起きるようになったりね。今じゃ考えられないけど。
 ん……でも、もしビデオがなかったら今でも同じぐらい早起きしてたかもね。早朝アニメのために。
 ……ああ、ごめんごめん。
 それで、ね。
 うん。途中で枯れたりはしなかったよ。

“やっ……”

 嬉しかったなぁ……

“やったあ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!”

 飛び上がって喜んだからね。
 ……ふむ。
 こうやって考えてみると、当時の私って意外とマットーな萌えキャラだったのかも。ロリだし。
 ……はいはい。
 まじめに、まじめにね。わかってますよ。……ちょっとぐらいいーじゃん。
 でも、いい話なのはここまでだよ。
 ここからは号泣必至!
 さぁハンカチの用意は済ませたか? 神様にお祈りは?
 部屋のスミでわんわん泣いて顔中をくしゃくしゃにする心の準備はOK?
 ――っだあ! もぉノリ悪い!
 まぁいいや。
 それでね、花が咲いて……あ、ちなみに青だったよ。私の髪の色とおんなじ。
 何日目ぐらいだったかなー?
 さすがに一日二日ってことはなかったと思うけど、とにかくあっという間だったよ。

“おとーさん……”
“泣くな、こなた……”

 そ。
 枯れたの。単純に花の寿命でね。ホント短いよねー。
 もーわんわん泣いちゃってさ。
 そしたらお父さんがね、急に花に手を伸ばしたんだよ。

“おとーさんっ?”
“大丈夫だ”

 びっくりしたよ。
 だっていきなり花をこう、くしゃくしゃってね。
 泣くのも忘れてただただびっくりする私に、お父さんは差し出したわけだよ。

“これ……”
“そうだ。種だよ、こなた”

 ああ、うん。もちろん種から育てたわけだからね。形とかは知ってたよ。
454立ち枯れの花 4/10:2008/05/27(火) 08:09:15 ID:P3rXv8Hn
“この花は死んじゃったけど、それで終わったわけじゃないんだ。こうやって、次の命が残ってる”

 うーん。
 お父さんも、あのころはまだ格好よかったかなぁ。今じゃ見る影もないけど。
 ま、それはそれとして。
 そのとき思ったんだよ。

 お母さんみたいだ、って。

 ほら、お母さんも私が物心つく前に死んじゃったわけじゃん?
 だから、この種も私と同じで、あの花には出会えなかったんだなぁ……って。
 ほぉらコレがおまえのお母さんだよーって見せて上げられないのが悔しかったねぇー。
 ――ちょ、やだな。そんな顔しないでってば。
 でね。
 次の年になって、また植えて……ああ、思い出した。
 今話したの、幼稚園のときの話だ。
 小学校の入学式で、何かのきっかけでこのこと思い返した記憶があるよ。
 えっと、それで……次の年になってまた植えて、また世話して、咲いて……そしてまた枯れて。
 また、種だけが残って。
 そしたらもー、なんかヤになっちゃったんだよね。
 私もこうやって自分の子どもに会えなくて、子どもも私に会えなくて。
 ずっとそんなのなのかなーって、思ったら、ね。
 うーん。
 ひょっとしたらあの瞬間からだったのかも知れないね。
 私が三次元に絶望してこっちの道に走り始めたのは……って。
 あれ?
 どしたのみんな?


     ☆


 語り終わってふと見てみると、三人が三人ともうつむいて肩を震わせていた。
「あれ? どしたのみんな?」
「こなちゃん!」
「こなたぁ!」
「泉さんっ!」
「へ? ――わぁ!?」
 そして声をかけたとたん、一斉に抱きついてきた。
 主にみゆきさんの豊かな胸に押し流されて机の上のお弁当たちが大変なことになる。
 チョココロネもぐっちゃぐちゃ。
「な、ちょ、なに?」
「大丈夫だよこなちゃん! こなちゃん、こんなに可愛くて元気なんだもん! きっと素敵な人に出会えて、
赤ちゃんもいっぱい産めるよ!」
「へ? あ、そ、そう?」
 いや、あの、つかさ?
 ありがたいお言葉ではあるけど、あんまり大声で言うことじゃないと思うよ?
「ごめんっ、こなた! 私、卒業したらあんたを連れてドイツに移住する計画を立ててたけど、破棄するわ!
女同士で結婚できても子ども作れなきゃ意味ないもの!」
「は? え? かがみ?」
 ドイツ? ってなに?
 てか、なんでかがみの人生設計に私が巻き込まれてるの?
「そんなことはありません! 我が高良グループの技術の粋を集めれば女性同士でも子どもは作れます!
こんなこともあろうかと、密かに準備をしておいたのです!」
「な、ちょ、はいぃ?」
 みゆきさんまでっ?
 どんな技術? いやそれよりも、いったいどんな事態を想定してたの?
455立ち壊れの花 5/10:2008/05/27(火) 08:10:15 ID:P3rXv8Hn
「ちょっとみゆきっ!」
 っと。
 かがみが私から離れ、みゆきさんのことも引き剥がしてくれる。
 よかった、元のツッコミかがみに戻った。ついでにつかさもどうにかしてくれると嬉しいな。
「その話は本当なの!?」
 戻ってなかった!?
「当然です。そもそも精細胞は減数分裂によって通常細胞の半分しか染色体を持っていませんから、
Χ、Υ、どちらかの染色体さえあれば精製は可能です。中略。そしてこのシステムの最大の特徴は
双方が女性であるが故に、どちらが妊娠・出産を担当するかも任意で選べるという点にあります。
すなわち、泉さんの身体に負担を強いることなく子どもを授けることができるのです!」
 今、途中で「中略」って言わなかった?
「ゆきちゃん、すごぉい!」
 つかさまで食いついた。
「というわけで、泉さん」
「や、どういうわけ?」
「任せてください。元気な赤ちゃんを産ませていただきます!」
 無視された。
 てか壊れた。
「ちょっとみゆき! なんであんたが産むことになってるのよ!」
「そうだよゆきちゃん! 勝手に決めないでよ!」
「そうは仰られましても。この中の誰がより安産型かを考えれば、当然の結論じゃないですか」
 いや、あの。
 そういう選択基準を持ち出す時点で既に間違ってる気がするのは私だけでしょうか。
「それを言うなら私たちだって! 四人の子どもを産んだお母さんの血を受け継いでるんだからね!」
「そうだよ! それと、私はお料理とか家事好きだし、いいお母さんになる自信あるよ!」
 私だけですかそうですか。

「ちょおっと待ったあーーーーっ!!」

 と、
 バーン! と物凄い音を立てて教室の扉が開け放たれ、新たな人物が転がり込んできた。
 口元の八重歯がきらりと光る。
「身体の丈夫さなら私だって負けないぜ!」
「なんでみさきちが……」
「話は聞いてたぜ、ちびっ子! お前の子はあたしが産む!」
 聞いたって。明らかにさっきまでいなかったよね?
「駄目よ、みさちゃん」
 あ、もう一人いた。
 私の手をがっしと掴んで熱く語るみさきちをひょいとどかしてくれる栗色の影。おデコがきらりと光る。
 ああ、峰岸さん。みゆきさんがアレな今、頼りになるのはアナタだけです。
「なんだよー。あやのには兄貴がいるじゃんかー」
「だから、傷心のお兄さんを慰めるっていう大事な役目が、みさちゃんにはあるでしょ?」
 ん?
 みさきちのお兄さんって、峰岸さんの恋人だよね?
 それが傷心って……棄てる気か!? この人もか!
 ああもう、なんなのこの状況。
「いやはや、センパイ方にこう言うのもアレっスけど、みんなわかってないっスねえ」
「うお、ひよりん。どっから」
「結婚っていうのは子どもを産んでハイ終わりじゃないんスよ? その後も一生添い遂げるには、
やっぱり趣味の合ったもの同士じゃないと。その点私ならバッチリっス!」
 いや、そんなペコちゃん顔で親指立てられても。
「Wait! ソゥイゥコトならワタシも Bach-Goo デス! ソレにワタシのフルサトの Massachusetts デハ
既に同姓婚が認められてイルのでマスマス好都合デス!」
「パティ……」
 だから、どっから。
 てかパティってマサチューセツ出身だったの?
456立ち壊れの花 6/10:2008/05/27(火) 08:11:17 ID:P3rXv8Hn
「逆に考えるのデス。設定が決まってナイなら自分で決めてシマエばイイ、ト!」
 危険な発言しないでよ。ってかモノローグに返事しないでよ。
「はうぅぅ、どうしよう……私は何のツテもないし、身体も弱いからお姉ちゃんの子どもも産めないよぉ……」
 ……。
 いや、もはや出現の唐突さについては何も言わないけど、内容がアレな割りに仕草だけが普段どおりの
 萌えキャラなのはあざといと思うよ、ゆーちゃん。
「埒が明きませんね。こうなったら、次の学力テストの結果で泉さんの伴侶を決めましょう」
「乗りマシタ! モチロン english 限定ですヨネ?」
「ま、待ってよ不公平だよぉ。こなちゃんの好きなチョココロネを一番上手に作れた人にしようよ」
「いいアイデアね、妹ちゃん。乗ったわ」
「待つっス。泉先輩の好きなモノといえばやっぱり萌えっス。だから萌え絵コンテストで決まりっス」
「いやいやいや、できねーヤツのいる方法はダメだろ。早食い競争とかにしようぜ。ミートボールの」
「なるほど、それなら公平ね。でもポッキーにしない? こなたとポッキーゲーム♪」
「あうぅ、どの勝負でも勝てそうにない……そうだ! 逆に身体の小ささを生かして、手っ取り早く私自身が
お姉ちゃんの子どもになればいいんだ!」
 げんなりする私を余所に、壊れてしまったみんなは輪になって何やら議論を始めてしまった。
 しかもどんどんあさっての方向に……って、待てよ?
 ひぃ、ふぅ、みぃ……
「……一人、足りない?」
 いや、むしろいない方がこの場合は正常なんだけど、それはさておき。
 首をかしげたその瞬間、力強い、でも優しい動きで誰かに腕を引っ張られた。反射的に見上げると、
「先輩……ここは、危険です……」
「み、みなみちゃん……」
 現れなかった最後の一人、岩崎みなみちゃんその人だった。
 そしてそのまま、みなに気付かれぬよう教室の外まで連れ出してくれる。
「あ、ありがと。助かったよ」
「どう、いたしまして……」
 ああ、混沌渦巻くパンドラの箱の中に、最後に希望が残ってた。
 いや、むしろこの場合はフツーに王子様かな。
 気に入った。うちに来てゆーちゃんをファックしてもいいよ。ってか是非とも引き取って。
 って、さすがにソレは失礼だよね。女の子、それの命の恩人に向かって。
「……いえ、嬉しいです……」
「え?」
 私の手をしっかりと掴んでぐんぐん廊下を進みながら、振り返りもせずにみなみちゃんが呟いた。
「女らしくない方が、世間の目も誤魔化しやすいですから……」
「……」
 え、ええっとぉ……
「み、みなみちゃん?」
「……はい」
「その……そ、そういえばさ、さっきはなんで私のクラスにいたの? ――あ、そっか。ゆーちゃんたちの
様子がおかしかったから、追いかけてきたんだね?」
「ええ……先を越されるわけには、いきませんでしたから……」
「……」
 みなみちゃんは、右の手で私の腕をしっかりと握っている。
 そして、
「ね、ねえ、みなみちゃん。そっちの左手に持ってるカギみたいなのって、何かな? ……かな」
「……みゆきさんの研究室の、合鍵です」
「……」
「……こんなこともあろうかと、密かに……」
「……」
「……」
「誰か助けてええええええええええええええええええええええええええええええええっっ!!」


     ☆
457立ち壊れの花 7/10:2008/05/27(火) 08:12:17 ID:P3rXv8Hn
「――見つけたわよ、こなた」
 半ば引きずられるようにして一階まで降りてくると、昇降口の手前でかがみたちが待ち構えていた。
 どうやら私たちが使ったのと逆側の階段を下りてきたらしい。
 長い直線廊下の中ほどで、十メートルほどの距離を挟んで対峙する。
 こちらは私とみなみちゃん。
 あちらは、かがみを先頭にして、みゆきさん、パティ、みさきち、峰岸さんが続いている。
 ……三人足りない。
「……何の用ですか、柊先輩」
 私をかばう形で一歩前に出て、みなみちゃんが硬質な声で問う。かがみの片眉がピクリと跳ねた。
「フン――話し合っても埒が明かなくてね、手っ取り早く奪い合うことになったのよ」
「ちょ、奪い合うって……」
「もちろん、あんたをよ。こなた。――ルールは一つ。『早い者勝ち』」
 言い放ち、かがみは肉食獣の瞳を私に向ける。
 みなみちゃんがさらに一歩、横に動いて私を隠した。
「……なら、私の勝ちですね」
「いいえ。残念ながら、あなたはフライングで反則負けよ。どきなさい」
「ルールは一つじゃなかったんですか?」
「随分と口が立つわね。それが本性ってわけ?」
「ちょっと待って!」
 火花を散らす二人の会話に、耐え切れなくなって割り込む。
「ゆーちゃんと、つかさと、ひよりんはどうしたの?」
 嫌な予感がする。
 今あちらにいるのは、体力面で優れた者ばかりだ。……一人を除いて。
「……もう戦いは始まってるの」
 その一人、峰岸さんがゆっくりと口を開いた。
「それじゃぁ……」
「うん。脱落しちゃった」
 にっこりと、ふだんと変わらぬ穏やかな笑みを浮かべながら、彼女はこともなげに言ってのけた。
 それをみゆきさんが、艶然と微笑みながら引き継ぐ。
「ええ――こんなふうに、です」
 同時。
「――ぐっ!?」
 まず、やや気まずそうな顔で視線を逸らしていたみさきちが。
「ア――カハッ!」
 続いて、青い瞳を妖しく輝かせていたパティが、胸を押さえて倒れこんだ。
「みさちゃ――んゔっ!?」
 峰岸さんも。
「みんな!?」
「……毒?」
 私の叫び声に隠れるように、みなみちゃんが小さく呟く。
 毒?
 毒って言った?
「みゆきっ、あんた……!」
「おやすみなさい、かがみさん」
 そして一人だけ変わらず立ち続けているみゆきさんを睨みながら、かがみも倒れた。
 四人ともぴくりとも動かなくなる。
「……何をしたの、みゆきさん」
「少しばかり、眠くなるお薬を。……大丈夫ですよ? 死ぬことは、まぁ、たぶんありません」
「まさか、ゆたかにも……」
「ええ。皆さんは、自分が仕留めたと思ってらしたようですけれど」
「よくもっ……!」
 みなみちゃんの気配が膨れ上がる。
 一瞬、その緑色の髪の毛が逆立ったように見えた。
「あら? 泉さんより小早川さんの方が大事なのですか? なら、今ならまだ間に合うかも知れませんよ?」
 それを前にしてなお、みゆきさんは余裕の態度を崩さない。
 この上さらに、何かを隠し持っているとでもいうのだろうか。
458立ち壊れの花 8/10:2008/05/27(火) 08:13:18 ID:P3rXv8Hn
「それはそれ! これはこれです! ゆたかの分まで、私は戦う!」
「よく言いました! 昔のあなたに戻りましたね、みなみさん!」
 両腕を鳥の翼のように広げ、みゆきさんも高らかに謳い上げる。そして――

「――なるほど」

 声が挙がった。
 私でも、みゆきさんでもみなみちゃんでもない、第四の声。
「つかさの仇は、あんただったってわけね?」
「え?」
「てっきり私が手にかけてしまったものだと思ってた――わ、よ!」
 向こうの床で、菫色の何かが弾けた。
 同時にみゆきさんの身体が「く」の字に折り曲がり、膝を付く。
 入れ替わるようにして、足を蹴り上げた格好でかがみが立ち上がっていた。
「ば、馬鹿な……! 私のうな玉巻きを、食べなかったのですか……!?」
「お生憎さま」
 足を下ろし、かがみは乱れた髪をかきあげる。
「ダイエット中なのよ」
「ふ、ふふ……なるほ、ど……」
 最後に悔しげに笑って、みゆきさんも動かなくなった。
「今の動きは……」
「知ってるの? みなみちゃん」
「いいえ。知りません」
 抑えた声で答えながらも、みなみちゃんはかがみから目を逸らさない。
「……さて」
 かがみがこちらに向き直る。
「あとはみなみちゃん、あなただけよ」
「最初から一人でしたが」
「減らず口を……!」
 激昂したかがみの足元が、爆発した。
 否。爆発を思わせるほどの踏み込みで床を蹴り、さながら砲弾と化したかがみが突っ込んでくる。
 そのまま間合いの直前で独楽のようにスピン。ツイン・ティルが渦を巻く。
「でえぇいっ!」
「そんな大技……っ!」
 芸術的な軌道で放たれる後ろ回し蹴りを、みなみちゃんは両腕をクロスさせて受け止めた。
 が、モーションの大きさに比例して威力も上がるのが“大技”なのだ。
 完全に受け止めたと思われたみなみちゃんの右足が一歩、よろめいた。
「くっ……泉先輩! 下がって!」

「だが断る」

 危機感のこもった警告の声を、私は無視し、腰を深く落とした。
「なっ!?」
 足払い。
 みなみちゃんの身体が大きく傾く。
「私はね――」
 バランスを取ろうと投げ出された腕を捕らえ、重力と体重移動のベクトルに最小限の力で修正を施し、
 そのスレンダーな長身を、予想外の出来事に目を剥くもう一人へと向かって、
「――守られるだけのお姫様じゃ、ないんだよっ!」
 投げ飛ばす!
「そんな――」
「このっ――」
 かがみと、みなみちゃん。
 二人の身体は空中で激しく激突し、絡み合ってリノリウムの床を転がった。
 それを見届け、私は大きく息をつく。
 終わった……
459立ち壊れの花 9/10:2008/05/27(火) 08:14:20 ID:P3rXv8Hn
「――納得いかねえっ!!」

 まだだった。
 みなみちゃんは完全に目を回したようだが、かがみはフラつきながらも立ち上がる。
「……やってくれるじゃない」
「格闘経験者だからね。公式で」
「そうだったわね……」
 そうして。
 私立陵桜学園高校、本館一階の昇降口前廊下には、私とかがみだけが残された。

「でも……これはつまり、私を選んでくれたと思っていいのよね?」
「違うよ」
「じゃあ、どういうことよ」
 訝しむかがみに、ニヤリ、と笑みを作ってみせる。
「私が勝てば、私は私自身のもの――そうでしょ?」
 虚勢だ。
 かがみもまだフラついているけど、私も相当なダメージを負っている。
 主に精神的に。前半で。
「……なるほど。あんたらしいわ」
「そうでもないよ」
「なんでもいいわ。……でも、結局こうなるのね」
 言って、かがみの表情が、急に自嘲的なものへと変わった。
「何が?」
「結局、私とあんたになるってこと。日下部とゆたかちゃんで始まろうが、間につかさとパトリシアさんが
挟まろうが、最後には“かがこな”に行き着いてしまうのよね……運命、かしら?」
「楽屋ネタはやめようよ。――それと、一つ間違ってるよ」
「何がよ」
 彼我の距離は、おおよそ四メートル。お互いに一歩で間合いに入れる距離だ。
 恐らくは、次で全てが決まる。
「“かがこな”じゃなくて、“こなかが”だよ」
「……言うじゃない」
 かがみが半身の体勢を取る。正中線を隠した、古武術の構えだ。
「まぁ、たまにはね」
 対する私は、合気の極意。脚を肩幅に広げた自然体。
「……最後に一つ、訊いていい?」
 息を吸って、吐く。
「……いいわよ」
 かがみも。
「この展開、おかしくない?」
「今さらかよ」
「今さらか」
 二人の呼吸が、重なる。
 空気が、止まった。
「じゃあ……行くわよ、こなた」
「うん……来なよ、かがみ」
「こなた……」
「かがみ……」

「――こなたあああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」
「――かがみぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっ!!」

 二筋の咆哮が校舎を揺るがし、そして――


      ☆
460立ち壊れの花 10/10:2008/05/27(火) 08:15:22 ID:P3rXv8Hn
「――ま、そんな感じかな」
 全てを語り終え、私は顔を上げた。
 遥かに澄み渡った青空と一面のコスモス畑だけがどこまでも広がる、不思議な世界。
 たぶん、この世の風景じゃない。
 そして、私の目の前にいる、この人も。
「そのまま結局負けちゃったみたいだね。よく憶えてないんだけど」
「そう……」
 空と――そして私と同じ、真っ青な長い髪を風になびかせて、その人は悲しげに目を閉じる。
「意味がわからないわ」
「うん。私もわかんない」
「やっぱり、そうくんの教育方針が間違っていたのかしら……」
 深い深いため息に、あははと笑って私は返す。もう笑うしかないよね。
 いや、でも、そんなことより。
「……あの、さ」
「なぁに、こなた?」
「お母さん……なんだよね?」
 期待を込めた私の問いかけに、だけどその人は静かに微笑むだけだった。
「お母さんなんでしょ? ねえ? 私がこんな、その……アレになっちゃったから、会えたんだよね?
てことは、これからは一緒にいられるんだよね? いてくれるんだよねっ?」
「……いいえ」
 そしてゆっくりとかぶりを振る。
「それはできないわ」
「なんで……」

「だって…………――まだ、授業中だから」


     ☆


「――は?」
 思わず疑問符をこぼした、その瞬間。

 ガ ツ ン ッ !

 頭頂部に重たい衝撃が降ってきた。痛い。ってゆーか、痛い! めがっさ痛い!
「目ぇ覚めたかぁ、泉ー?」
 キィーンとやかましい耳鳴りに混ざって微妙に怪しい関西弁が投げかけられる。
 痛む頭を苦労して持ち上げて見上げると、潤んだ視界の中に拳を握り締めた黒井先生が立っていた。
「……せんせぇ?」
「あぁ、先生や。センセがココにおるってコトは、つまり授業中や。――さっさと教科書開けっ!」
「さ、サーイエッサー!」


     ☆


「――それで、どんな夢だったのですか? もしよろしければ、お聞かせください」
「物好きね、みゆき……」
「いえ、最近夢占いの本など読みまして。興味があるんです」
「いや……とてもじゃないけどお聞かせできるようなモノでは……軽くR-18指定入ってる感じで」
「ちょ、学校でどんな夢見てんだおまえは」
 お昼休み。
 私はいつものように、かがみ、つかさ、みゆきさんの三人と一緒に昼食を食べている。
 とりあえずの話題は未だかつてないほどに私のテンションが下がっていることについてで、
 適当に話したりはぐらかしたりしていたところに――
「十八……」
 つかさが小さく呟いた。

「……そういえば――もうすぐこなちゃんのお誕生日だね」
46123-49:2008/05/27(火) 08:16:56 ID:P3rXv8Hn
 



異状です
ありがとうございました


偉い人は言いました
「混ぜるな危険」と
462名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 10:02:46 ID:H/aX6trX
後半の展開に壮大に吹きました。
ってかフルメタwwwwwwwwwww
463名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 11:50:37 ID:Y8fCFW4P
ちょwwなんだこれwwあんた天才か!www
464名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 12:16:29 ID:rlPeDBaN
>>461
なんだこれw盛大に吹いた
つっこみどころ満載だわwGJ
465名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 12:43:06 ID:Mj1zGQOj
>>461

前半との落差にぶっとんだwww

やられた……
466名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 15:14:26 ID:0zmILqT1
>>461
なんというバイオレンススペクタクルこな☆フェチ
興奮しながらも笑ってしまたwww
この生誕プレゼントは間違いなく…迷作(誉め言葉)
467名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 16:19:01 ID:I3n0Poec
>>461
GJwww
まさかこんな形になるなんてwww
ある種のループになりそうな気がするw
468名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 19:47:01 ID:9qqziIoD
異常なまでの下らなさだな。
レス付けてるやつの馴れ合い臭も自覚のないままどうしようもないレベル。

こんなやつらにしか支持されなくなってるようじゃ、らきすた自体もう終わりどきだな。
469名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:03:57 ID:ZBUEpYVs
>>461
わけわかんねー!w


が、噴いてしまったので俺の負け。ぐっじょぶ。
470名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:17:59 ID:BPPKQUnI
>>461
何と何が混ざったか分かってしまったのでわしの負け。
ゲー・ヨット(GJ―ドイツ語で)
471名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:47:06 ID:f4Nzdowo
コソーリ乙女みなみをリクエストしてみる
472名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 22:27:11 ID:0YThg+B1
>>432
GJ戯曲形式とは面白い
続きあるみたいだから、頑張って書いてくれ

>>461
あんたこんな話も書けるのかwww GJ !
473名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 22:27:26 ID:jTMY7lTj
かがみんになりきって俺とメールしてくれ
http://ex25.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1211893530/
474名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:46:17 ID:9d1HdJjB
死ね

475名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:59:52 ID:vz08h6Ll
.                                 , -――- 、 _ _/ヽ
.                               /: : : : : : : : : : : : : : : : !-.-.‐.‐.‐. ァ
.                           __∧': /   . . . : : : : : /: :/: : : :`: :<
.                       .  /:::::::::::::::::〉: : : : : : :./: : : :,:イ: :∧: :i: : . .\:`ヽ
.                         〈::::/:::::::::::/: : : : : : :/ : : : / /: /  ',: |: : ハ: : ヽ  \
.                         ∨:::::::::::::/: /: : : : :/: :-∠_/_:/   |: |: : :∧: : :ヘ、  ',
.                         〈:::::::::::::/: /: : : : :/: :.X   //   \!∧: : : :',: : : ハ\j
┏━━┓    ┏┓    ┏━━┓     /\:::::/: /|: : : : /i/  \      /`ー∨: : :l: : : :.!  .        ┏━┓┏━┓
┗━┓┃┏━┛┗━┓┃┏┓┃     ,'.:: : :ヾ:./´ !: : : /  ̄ ̄ ̄       ___∨: :i:. : : :!         ┃  ┃┃  ┃
    ┃┃┗━┓┏━┛┃┗┛┃┏━━i.: : : ./イ!  |: : /      __    \    /!: ;イ::. .:.:i〉.━━━━┓┃  ┃┃  ┃
    ┃┃  ┏┛┃    ┃┏┓┃┃   !: : : : .::|:.ヽ_j: /     /:::::`:.、   \ /、|:/:.|:::. : ,'.         ┃┃  ┃┃  ┃
    ┃┃┏┛┏┛    ┗┛┃┃┗━━j: : : : : .:!:.:/ |/ \    /::::::::::::::::::〉     ! }':.:.:|∨:/ ━━━━┛┗━┛┗━┛
┏━┛┃┃┏┛          ┃┃      |: : : : : .:|:/    > 、j::::::::::::::::::/   , イ-<:.:.;イ:.W          ┏━┓┏━┓
┗━━┛┗┛           ┗┛     |: : : : : .:|'   /   |` ーrー-イ--‐ '  |:.:.:.∨:.!: |             ┗━┛┗━┛
                          |: : : : : : !   〉     |  /ヽ  ヽ.    j:.:.:.:.:. : !: |
                          |: : : : : : |  /`ー 、  |    ,!  }、   |:.:.:.:. : :.|: !
                          |: : : : : : | ./    ヽ |\/,|  / ハ   |:.:.:. : : :.|/
                          |: : : : : : |/      `|\///   |  .|::. : : : : |




誕生日、おめでとう☆
476名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:00:04 ID:Bxs9Q96Q
もうまもなく、こなたの誕生日
誕生日記念SSを投下したいと思います
よろしいでしょうか
477名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:00:23 ID:9d1HdJjB
>>468
死ね
478名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:00:34 ID:H/aX6trX
盛大にどうぞ
479475:2008/05/28(水) 00:01:35 ID:vz08h6Ll
タイミングはずしたおれバカスorz

どんとこい>>476
480名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:02:02 ID:Bxs9Q96Q
すんません
ちょっとすぎてた…orz
誕生日おめでとう、こなた

と、いうわけで投下開始してよろしいでしょうか?
48128-538:2008/05/28(水) 00:03:41 ID:y4HsE1km
なんか、すんません…orz
それでは、投下させていただきます


こなた お誕生日おめでとう
ってことで、一応誕生日SSです

こなた&かがみ
8レス
エロ無し

タイトルは”Message”
482Message(1/8):2008/05/28(水) 00:04:41 ID:y4HsE1km

 いつもと変わらない夜。
 少しだけ違っているとすれば、明日が私の誕生日ってこと。
 誕生日って嬉しいんだけど、今年はちょっと寂しい感じもするかな。
 だって、かがみ達と一緒にいられる時間が、確実に減ってることを実感しちゃうから。
 かがみとつかさの誕生日を過ぎれば、最後の夏休み。
 みゆきさんの誕生日の頃は、きっと受験モードだよ。
 その時、私はどうしてるんだろうね。
 進路のこととか、将来のこととか考えたこと無いけど、一つだけはっきりしてることがある。
 私はずっとかがみの傍にいたいってこと。
 私はかがみのことが大好き。
 いつからか、なんて分からない。
 気付いたら好きになってたんだよ。
 一緒にいられる時間が短くなっていくのを感じるたびに、かがみへの想いの強さを再認識させられる。
 だから決めたんだ。
 卒業式の日までに、かがみに告白するってね。



 朝、心地よい温もりを感じながら目を覚ました。
 カーテンを開けて空を見上げると、雲ひとつ無い晴天。
 太陽が力強く輝いている。
 その太陽に向かって「みんながいつまでも、今のまま仲良くいられますように」と願う。
 そして、「卒業式の日までに、柊かがみに告白する」と誓う。
 その二つが、矛盾していることに気付いて苦笑する。
 私がかがみに告白すれば、どんな結果になっても今の関係は終わっちゃうよね。
 だから慌てて、「みんながいつまでも、仲よくいられますように」って願いなおした。
483Message(2/8):2008/05/28(水) 00:05:21 ID:y4HsE1km

「おはよー」
「あ、おはよう」
 教室に着いてみんなに挨拶すると、つかさがとてとてと寄ってくる。
「こなちゃん。お誕生日おめでとー」
 そして、リボンのかかった小さな包みを、両手で差し出してきた。
 袋からは、わずかに甘い香りがする。
 つかさお手製のクッキーかな。
「ありがとう、つかさ」
 つかさはお礼の言葉を聞くと、満面の笑みを浮かべた。
 そして、その横に立っていたかがみは、そっぽを向いてプレゼントを片手で差し出している。
「私は、つかさが言わなかったら忘れてたけどな」
 その言葉に対して、不満を口にしようとしたとき、つかさが爆弾を落としてくれた。
「あれ、お姉ちゃん。私より先にプレゼント準備してなかったっけ?」
「つ、つかさーっ」
 教室に響くかがみの大声。
 周りの人たちが、何事かとかがみに注目する。
 それに気付いたかがみは、恥ずかしそうに俯いちゃった。
 でもよかった。
 かがみもちゃんと覚えててくれたんだ。
 そのことが、とっても嬉しいよ。
「ありがとー、かがみ」
「あんたが誰からもプレゼント貰えなかったら、かわいそうだと思っただけよ」
 ちょっとだけ早口になったかがみ。
 そんなに照れなくても良いのにね。
「あの、泉さん。お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう、みゆきさん」
 私はプレゼントを受け取ると、みゆきさんに抱きついた。
 みゆきさんって、スタイル良いよね。
 胸の感触もふかふかで、羨ましいなぁ。
「あ、あの、泉さん……」
「この、セクハラ親父。何やってんのよっ」
 鈍い音と同時に、頭に痛みが走る。
 黒井先生張りの拳骨だよ。
「うおぉっ、痛いじゃんかがみ」
「あんたは、それくらいのことをしたってことよ」
 頭を抑えてかがみを振り返る。
 両手を腰に当て、私を睨みつけていた。
「あの、私は別に構いませんが」
「ほら、みゆきさんだってこう言ってるんだし」
 もう一度みゆきさんに抱きつこうとしたけど、襟首を掴まれて止められた。
「むひゅっ」
 制服で首を絞められる格好になって、変な声が出ちゃったよ。
 私の動きが止まっても、後ろに引っ張られる力は緩まない。
「かがみ、チョーク、チョーク」
「あ、ごめん。でも、あんたが悪いんだからね」
「もしかして、かがみも抱きつかれたかったのかな。それならそうと、言ってくれれば――」
「じゃれるなっ、抱きつくなっ」
 私たちのやり取りを、楽しそうに見つめるみゆきさん。
 そして、ちょっと呆れたような表情のつかさ。
 そんなやり取りをしている間に、ホームルームの時間が近付いていた。
「さてと、教室に戻るか。っと、こなた、誕生日おめでと」
「ありがとう、かがみんっ。また後でねー」
484Message(3/8):2008/05/28(水) 00:05:56 ID:y4HsE1km

 永かった睡魔との闘いに打ち勝った私に、自分へのご褒美タイム。
 いや、昼休みになっただけなんだけどね。
 今日は誕生日だから、チョココロネを二つ買ってきたんだよ。
 鞄から取り出してると、片手を挙げながらかがみがやってきた。
「おーっす。来たわよー」
「いらっしゃい、かがみ…… あれ、お弁当は?」
 かがみの手には何も持たれていなかった。
 いつものお弁当箱が見当たらない。
「や、その、なんか食欲無くてさ」
「またダイエットしてるのかな。懲りないねえ」
「違うわよっ。体重は普段より少ないんだからっ」
「でしたら、何か悩み事でもあるんですか、かがみさん」
 ダイエットしてるわけでもなく、体調も悪くはなさそう。
 なのに食欲が無いって言われれば、誰でもそう思うよ。
「別に何にも無いわよ」
 かがみは視線をそらし、感情を感じさせない声でそう言った。
 こういうときのかがみは、触れて欲しくないって思ってる。
 だから、無理には聞かない。
「仕方ないなぁ。お弁当を忘れたかがみ、これどぞー」
 私は、かがみにチョココロネを一つ差し出す。
「な、なによ。大体、あんたのお昼ご飯でしょ。つか、忘れたわけじゃない」
「大丈夫だよ、もう一個あるし。誕生日だからって、二個買ったんだけど、余っちゃいそうだからさ」
 かがみの手をとり、無理やり持たせる。
「ほらほら、遠慮しないでさ」
「わ、分かったわよ。食べればいいんでしょ、食べれば」
 かがみは嬉しそうな、それでいて寂しさを感じさせる表情を浮かべた。
 それが意味するところが分かんないけど、とりあえずお昼ごはんにしよう。
485Message(4/8):2008/05/28(水) 00:06:36 ID:y4HsE1km
 食事が終わったところで、みんなから貰ったプレゼントを取り出した。
「ね、プレゼント、開けてもいいかな」
 かがみからのプレゼントを手に持って、リボンに手を掛けながら聞いてみた。
 一応聞いただけで、開ける気満々だよ。
 だって、少しでも早く見たいじゃん。
 特にかがみからのプレゼント。
 そして、リボンをほどこうとしたとき、その手を掴まれた。
「駄目っ。帰ってから開けてよ」
「どうしたの、かがみん」
 私の手を掴む力が、強くなる。
「いや、なんか恥ずかしいからさ……」
「えーっ、いいじゃん。もう、貰ったん――」
「帰るまで、中身を想像するのも楽しいと思いますよ。泉さん」
 食い下がろうとした私に、にっこりと笑いながらそう言ったみゆきさん。
 ただその笑顔には、私を諌めるような威圧感があった。。
 それに、かがみの様子も変だし、ここは引き下がるとしますか。
「ん、分かったよ。帰ってからのお楽しみにするよ」
「ありがと、こなた」
 すこし寂しげな雰囲気のかがみ。
 まただよ。
 いったいどうしたんだろね。
 みゆきさんはさっきと同じ笑顔のままだけど、威圧感は消えてる。
 つかさはちょっと不満そうだね。
 きっと、プレゼントの感想を聞きたかったんだろうけど。
「泉さんは、今日で十八歳になられたわけですね」
「そうだよ。私は今日から大人なんだよ」
 胸を張って、軽く胸を手で叩く。
 やっと、十八歳未満という足枷から開放されるんだよ。
「年くっただけで、中身も外見もまったく変わってないケドな」
 そう言いながら、かがみは私の頭をぺたぺたと触ってくる。
 唐突だったけど、みゆきさんが話題を変えてくれたおかげで、いつもどおりのかがみに戻ったみたい。
「むぅー、さわるなー」
 手を払いながらがかみの表情を見ると、とても楽しそうだった。
 その後は、昼休みが終わるまで、いつものかがみのままだった。

 バイトに向かう私は、駅でかがみとつかさと別れる。
 別れ際、かがみが何かを言おうとして、憂いを帯びた表情を見せる。
 最近たまにあるんだよね。
 昼休みのときも、みゆきさんに悩みでもあるかって聞かれたときに、一瞬だけどさっきと同じ表情をしてた。
 あと、なんだか寂しそうな感じがするときがある。
 やっぱり悩み事があるのかな。
 やっぱり、今度聞いてみようかな。
 役に立たないかもしれないけど、人に話せば楽になることもあるからね。
 そんなことを考えてたら、駅を一つ乗り過ごしちゃった。
 そのせいで、バイト先に到着したのは時間ぎりぎり。
 バイトの前にプレゼントを見るつもりだったんだけどな。
 考えても時間は戻らないから、ちゃっちゃと着替えて店に出た。
486Message(5/8):2008/05/28(水) 00:07:12 ID:y4HsE1km
「おつかれっしたー」
 店のみんなに挨拶をして、更衣室へと引っ込む。
 ふいー。やっと終わったよ。
 サプライズ誕生日パーティーなんて、店長もやってくれるね〜。

 バイト終了まで三十分を切った頃、店長に言われてステージへと上らされたんだ。
 店内を見ると、お客さんも含めてみんながクラッカーを持ってたよ。
 そして、一斉に鳴らされるクラッカー。
 ステージに運ばれてきた、でっかいケーキ。
 バイト仲間から花束とプレゼント。
 そのまま帰るわけにもいかなくて、お客さん全員に挨拶したり、ステージで踊ったり。
 結局、予定より一時間も長く店にいることになっちゃったよ。

 ところで、このプレゼントはどうやって持って帰れというんだろう。
 花束が一つに、大き目の箱が二つ。
 花束は袋に入れてしまえば、片手で持てる。
 問題は箱の方。
 どう見たって、片手で二つは運べない大きさだよ。
 そんなことを考えながら、着替えを終わらせた。
 お父さんに迎えに来てもらうか。
 そう思って、携帯を開くと不在着信が一件とメールが入っていた。
 どちらも、発信者はつかさ。
 メールを確認すると、「プレゼントどうだった?」だって。
 家に帰ってから開けようと思ってたんだけど……
 でも、帰ってからじゃ遅くなっちゃうから、中を確認してメールしとくかね。
 つかさも待ちくたびれて、メール送ってきたんだろうし。
 鞄から学校で貰ったプレゼントを取り出して、一つずつ開けていく。
 つかさからのプレゼントは、手作りクッキーと花柄のハンドタオルだった。
 そのクッキーを、一つ口に放り込む。
 程よい甘さが、バイトの疲れを癒してくれる感じがする。
 相変わらず、良い仕事しますねぇ。
 携帯を操作して、つかさにお礼のメールを送る。
 みゆきさんのプレゼントは、シャーペンとボールペンのセット。
 これは、ちゃんと勉強するように、ってことなのかな。
 これって、どっかのブランド品なんだろうな。
 ネットで調べてから、お礼のメールを送ろう。
 さて、お次はかがみからのプレゼントだね。
 リボンを外し包み紙を剥ぎ箱を開けると、リングが二つ通してあるペンダントと手紙が入っていた。
 あれ、このペンダント。
 どっかで見たことあるような気が……
 うーん、思い出せない。
 間違いなく見たことあるはずなんだけど。
 ま、そのうち思い出すでしょ。
 思い出すことを放棄して手紙を開くと、かがみの綺麗な文字で短い文章が綴られていた。
487Message(6/8):2008/05/28(水) 00:08:00 ID:y4HsE1km
 私は手紙を読み終えると、ちょっと震える手でペンダントを身につけ、自宅へ電話した。
 呼び出し音がニ回、三回と繰り返される。
 はやる気持ちのせいで、ほんの数秒が長く感じられる。
 四回目の呼び出し音が途中で途切れ、お父さんの声が聞こえた。
『お、こなた――』
「ごめん。言うの忘れてたけど、バイト先で皆がお祝いしてくれるらしいから、ご飯いらないね」
 電話の向こうから、ゆい姉さんの声が聞こえた気がする。
 もしかして、家でパーティーの準備してくれてたのかな。
 ごめんね、嘘ついて。
「あと、かえるの遅くなるから。じゃね」
 何か言われる前に、一方的に話をして電話を切る。
 そして、マナーモードに切り替える。
 案の定、すぐに家からの着信。
 でも、私は電話に出ずに、再び心の中で謝罪する。
 今は、一分一秒も時間が惜しいんだよ。

 お店で貰った花束とプレゼントを、更衣室の隅に置いて部屋を出る。
 プレゼントは明日取りに来ることと、花束を水につけておいてもらうように頼んでから、急いで店を出た。
 駅に着き、電車に飛び乗った私は、もう一度かがみの手紙を読み返す。

 ―― こなたへ

    お誕生日おめでとう。

    今年は自分でちゃんと勉強しなさいよ
    でないと、受験のとき苦労するわよ?   ――

 なんだかんだ言いながら、私の心配をしてくれるかがみ。
 たまに、結構きついお言葉を頂戴することもあるけど、とっても優しいんだよ。
 そして、恥ずかしがり屋で、自分を素直に出せないんだよね。
 だから私はついつい、からかっちゃうんだ。
 だって、そうしないと本音を聞けないから。

 ――
    もし、進路を決めて無いんだったら、一緒の学校にしない?
    やっぱり同じ学校に知った人がいると……
    こなたがいてくれると心強いしね

                            かがみより  ――

 普段のかがみだったら、絶対にこんなこと言わないよね。
 そりゃそうだよ。
 だって、これはラノベからの引用だもん。
 ヒロインが、主人公に言った言葉だよ。
 どこかで見たことあると思ったペンダントは、その主人公が着けていた物だ。
 そして、この二つが意味するのは――
488Message(7/8):2008/05/28(水) 00:08:35 ID:y4HsE1km
 考えにふけってる間に、電車は鷹宮駅に滑り込む。
 減速し停車するまでの時間が、やけに長く感じた。
 扉が開くと同時に、改札へ早足で向かう。
 駅から出ると、いても立ってもいられなくて全力で走り出した。
 目的地である鷹宮神社に着くと、境内で息を整えながら、携帯を取り出し操作する。
 画面に「送信完了」と表示されるのを確認して、携帯を閉じる。
 呼吸は落ち着いていくけど、気持ちは昂っていく。
 私はかがみのメッセージに気付いた。
 だったら、私がすることは一つだけ。
 かがみにちゃんと返事をしよう。
 私の気持ちを伝えよう。

 私はベンチに座り、目を閉じてかがみを待った。
 足音が聞こえてくる。
 その音は少しずつ大きくなり、私の目の前で止まった。
「こなた、どうしたのよいったい……」
 わずかに震える声を耳にして、私は目を開く。
 パジャマにカーディガンを羽織ったかがみが立っている。
 顔を上げると、かがみは顔を横に向け、視線を外した。
「かがみ。プレゼントありがと」
「な、なによ。それを言うためだけに、わざわざここまで来たの」
 私は静かに、首を横に振る。
「手紙も読んだよ。それで、かがみに返事をしようと思って」
「し、進路のことなら、電話でも良かったのに」
 それを聞いて、思わず笑みがこぼれる。
「素直じゃないなあ、かがみは」
「何のことよ……」
 私は立ち上がると、かがみの正面に立ち手をとる。
 かがみは、体を強張らせた。
 繋いだ手から、かがみの震えが伝わってくる。
「じゃあ、こう言ったほうがいいのかな」
 私は、胸元に隠していたペンダントを表に出し、かがみの横に回ると耳元で囁いた。
「そうだね。私もかがみといると楽しいし、ずっと一緒にいたいと思ってるから」
 かがみは驚いた表情で、やっと私を見てくれた。
 それから笑顔になり、涙を流ながら言葉を紡ぐ。
「そ、それは…… 告白と受け取っていいのかしら?」
 手紙の後半部分。
 あれは、お互いが想いを伝え合うシーンの一節。
 私たちはそのシーンを再現している。
「かまわないよ。私はかがみのこと大好きだから」
 そして、ペンダントからリングを一つ抜き取って、かがみの手をとる。
「私も、こなたのこと大好きよ」
 返事を待って、かがみの指にリングを通す。
 そして、どちらからともなく抱き合った――
489Message(8/8):2008/05/28(水) 00:09:57 ID:y4HsE1km
―― Epilogue


「か、かがみ。もうそろそろいいかな」
 あれから既に十分以上が経過しているにもかかわらず、かがみはまだ私を抱きしめたままだ。
「あ、ご、ごめん」
 かがみは顔を真っ赤にしながら、慌てて私から離れる。
 私がベンチに座ると、かがみも隣に腰を下ろす。
 どちらからとも無く手を繋いだ。
「ね、かがみ。もし私が気付かなかったら、どうするつもりだったの」
「何も考えてなかったわ。こなたへの気持ちが大きくなりすぎて、勉強も手につかなくなってたのよ」
 かがみは空を見上げた後、大きく息を吐いた。
「だから、こなたに対して行動を起こしたっていう事実が欲しかった」
 だから最近のかがみは、おかしかったんだね。
 そして、そんなにも私のことを想ってくれていたんだ。
 そのことに気付かなかった私は、相当鈍感なのかなぁ。
 でも、かがみも気付いてくれなかったからお相子だよね。
「でも、よく気付いたわね」
 私の頬を指でつつきながら、かがみは嬉しそうに笑っている。
「そりゃ、あんだけ熱く語られたら、嫌でも覚えますよ?」
 かがみの家に遊びに行ったときに、そのシーンのことだけを一時間以上聞かされましたからね。
 そのおかげで、かがみのメッセージに気が付いたんだけどね。
「そっ、そんなに語ってないわよっ」
「それに、攻略に使えそうな情報を記憶するのは、基本ですよ?」
「なんだよっ、攻略って。私はゲームのヒロインか?」
 うんうん、かがみらしさが戻ってきたね。
 ふと空を見上げると、朝と同じように雲ひとつ無い空。
 力強く輝いていた太陽の変わりに、星達が優しく瞬いている。
 そういえば、これは誓いを果たしたことになるのかな。
 ならないよね。
 だって、私自身の言葉で伝えてないもん。
「かがみ大好きだよ。ずっと傍にいたい。私と付き合ってくれないかな」
 だから、かがみの瞳を真っ直ぐ見つめて、私の気持ちを、私の言葉で伝えた。
 かがみも目をそらさずに、ちゃんと応えてくれた。
「わ、私もこなたのこと大好きよ。だから一緒にいようね」
「うんっ。これからもずっと一緒だよっ」
 空を見上げると、流れ星が夜空に輝いた。
 私はその流れ星に、朝と同じ願いを掛けた。
 きっと叶うと信じて。
49028-538:2008/05/28(水) 00:11:11 ID:y4HsE1km
以上です
お目汚し、失礼いたしました

今回は、こなたが誕生日にバイト先?から、家に掛けた電話が気になって書きました
あと、途中でラノベ云々とありますが実在しません

それでは失礼します
491名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:15:08 ID:x9WMZ+pB
GJでした。
いいなあ、やっぱりこなかがは変わらず甘さが素敵なのですね
492名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:15:44 ID:MH9c6FOe
>>490

誕生日一発目からこなかが、

こいつははなから、縁起がいいぜ!

さあ今日はこなたラッシュだ(=ω=.)9m
493名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:22:10 ID:Mw9GPt4u
>>490

あぁぁったけぇぇぇぇぇ!!

ぐっじょ!明日もがばれるかもしれない。
494名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:54:05 ID:kS3PMFHF
>>490
もう寝ようと思ったのに2424しちゃったじゃないかww GJ
495名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:24:19 ID:GL2GMlco
>>490
あの電話にこんなドラマが隠されていたとは!
バイトは終わってた、家でみんなが自分を祝おうとしてるのも気づいてる、それでもかがみのそばにいたくてたまらなくなっちゃったんですね!
このままかがみと一夜を明かしたんでしょうか…なんという誕生日!
こなたオメ!!
496名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:24:22 ID:4hcKABBi
私、泉こなたは今、埼玉を離れ東京に来ている。
今日一日誰にも会いたくない。
学校をズル休みしてこうやって昼間の新宿を徘徊している。

全ては―
今日という日が私の誕生日に尽きるからだ。



「Escape」
今日一日、逃げ切れるか?
497名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:30:29 ID:4hcKABBi
>>496
言っておくけど・・・ネタだから。
498名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:32:42 ID:w1QK/sC+
>>497
ネタを具現化してしまうのがこのスレだ!
499名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:34:05 ID:Mw9GPt4u
>>496

みゆき
「こな☆フェチに誕生日とその他の日の別はありませんよだばだば」


こなつー
「……えっと、光学迷彩どこにしまったかな……(ごそごそ)」
500名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 02:02:07 ID:GL2GMlco
 みゆき「光学迷彩は赤外線センサーなどでは簡単に探知されてしまいますよ」
こなつー「そんな赤外線センサーなんて普通もってない…」

みゆつー&かがつー「普通の人は、ね(ですね)」

こなつー「ぎゃー」

みゆき「それでは」
かがみ「ちょっと」
つかさ「お出かけ」
あやの「する」
みさお「んだってヴぁ」

全員「いざ新宿へ!」
501歌舞伎町の希少価値:2008/05/28(水) 07:45:48 ID:MH9c6FOe
一度隠れし者でも、必ずや見つけられる、
その意味を知るときを迎え足を踏み入れたは歓楽街
消えていった母(おんな)を憎めど夏は今
希少価値という肩書きを誇らしげに掲げる〜







いやはや、ここはダンボールがいっぱいあって隠れ蓑にはことかかないネェ
ま、かがみにはザルでしかないけどね……
そんなかがみを炭鉱のカナリアとして、みんなが動き出してるみたいだし……

渋谷にでもいくかネ
502名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 08:01:36 ID:9vWmTehA
>>501

椎名りんご乙

下の名前を平仮名にするだけで、らき☆すたっぽくなるなぁ。



「椎名林檎さんって、らの行で巻き舌になるのがかっこいいよね〜」
「へー、つかさってなかなか渋い曲聴いてるんだネ」
「一番好きなのはね〜……『愛妻家の朝食』かなぁ。後半がいいよね」
「……へー、そうなんだ」


「ところで皆さん」
「何? みゆき」

「巻き舌宇宙で有名な紫ミミズの剥製は、ハラキリ岩の上で音叉が生まばたきするといいそうですよ」

「……か、かがみん!すぐみゆきさんの電源を切って!
 うろたえちゃダメだよ、これは小ネタだ、いつもの小ネタなんだよ!」

― FISSION MAILED ―
503椎名林檎な流れに:2008/05/28(水) 08:32:34 ID:klV4+mgS
こなつー「僕は透明人間さ〜もっと透けていたい……いや、マジで隠れさせて……orz」
かがつーみゆつー「だから光学迷彩は無駄だと何度(ry」
こなつー「アッーーーー!!」
504名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 09:56:28 ID:fLa2hHLj
こなた誕生日おめ!そして>>490ぐっじょ!
この話のかがみ視点を考えるとより一層ニヤニヤが止まらないっ…!w
5057-896:2008/05/28(水) 10:06:02 ID:6Ou+XjYY
こな誕生日おめでとー><
しかしSSとか全くもって書き上がらなかった
というかネタすら思いつかなかったので、絵で支援しますことよ!!
過度に!!もうなんていうか過度に!!
もう一回、こなたおめでとーー!!
5067-896:2008/05/28(水) 10:07:07 ID:6Ou+XjYY
あらいけない、貼り忘れだわ><
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0083.jpg
507名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 10:29:17 ID:N2m8c3sC
みゆつー

みゅーつー

わたしはなぜかここにいるのよ
508名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 12:18:12 ID:GirIgJDF
こなつー×みゆつー&かがつーって、なにげにクロスオーバー企画だよなw

あっちはみつきとかがりじゃん
509名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 12:39:06 ID:cCx25WGH
>>506
なぜあなたの描くこなたはこうどうしようもなくかわいいのか・・・・
こりゃあみんなフェチるはずだぜw
7-896氏フォルダに保存しすぎて携帯の待ち受けになったが微塵も後悔していない
510名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 12:42:04 ID:klV4+mgS
>>508
脳内で言いかえればいいのさ。

こなつー「か…かがり、みつきさんっ…もういい加減に
…って、つかつー!?いつの間に人格インストールを…ってやっぱり気絶するんだ…」






さらに南下中のこなた「恵比寿もなかなかいい場所やネ(=ω=.)」
511名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 13:21:30 ID:GL2GMlco
ななこ「よっしゃ、もっと南下して神奈川までこい!」

あまりの出番のなさにビール片手に自宅でやさぐれていた先生の叫び
512ふた☆自重@外回り(サボリ)中:2008/05/28(水) 13:42:33 ID:b4yjcS3T
こなた、誕生日おめでとう。





……
何のお祝いの用意もできなかった僕を許して。 orz
51319-04:2008/05/28(水) 14:16:50 ID:yTtjNJXB
こなた、誕生日おめでとうございまする。
プレゼントのR18指定SSは今日間に合わないかもだけど許してください
514名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 16:13:29 ID:lyzgdTrB
>>490
なんという甘さ・・・GJ !
想いを我慢できなくなってプレゼントに隠れたメッセージを託すかがみw

>>506
うまいわーGJ !
515名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 16:14:31 ID:klV4+mgS
>>511

しかし現実は甘くなかった。

こなた「恵比寿から日比谷線乗って……これで秋葉原まで一直線(=ω=.)」




フェイントでしたっ!

ああああああああああ!
516名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 16:42:10 ID:BO6X6uhc
東京都内を電車で逃げ回る鬼ごっこ話キボン。
東京在住じゃないんで、さすがに俺にはむりぽ。取材できんorz

鍵になるのは、浜松町から大門(だっけ)までの徒歩移動かな。
51742-519:2008/05/28(水) 16:44:20 ID:sjPGzAVw
誰も準備していませんでしたら、五分後に登校しますね。
 ・こなたとかがみ、非エロ。
 ・3レス使用
 ・ストリートファイターネタ
518鷹宮のツインテール:2008/05/28(水) 16:51:37 ID:sjPGzAVw
K.O.!!!


――perfect!



「ぱ、ぱーふぇくとだと…?」
 柊かがみは画面上にチカチカと点滅するperfect――つまり、ノーダメージ――の文字を呆然と見つめていた。
 持ちキャラである春麗がばたっと倒れ、リュウが拳をあげてガッツポーズをしている。
 コントローラーを握るかがみの手が、わなわなと震えていた。
「はっは、どーかねかがみん? 私の実力は? なんならこなた様ってよぶ?」
 こなたが誇らしげにかがみを見下す。
「く…も、もっかいよ! ちょっと手加減しただけなんだからね!」
「ほうほう…いいツンデレだね。よーし、勝負に乗ってあげようじゃないか!」
 こなたはスタートボタンを押して、キャラ選択場面を出す。かがみはもう一度春麗を選び、こなたはリュウを選んだ。

「…こ、今度は負けないんだからね!」
「ふ――返り討ちにしてあげるよ!」
 ラウンド1、ふぁいっ!という声とともに画面上のキャラクターが動き出す。
 ←↓→+弱パンチ――気功拳をかがみが入力する。

「真空――」
 リュウが叫ぶ。
「うわ、ちょ、おま!!」
 かがみは画面上に向かって叫ぶ。無駄なのはわかっていてもついつい声に出してしまうのはかがみの性格柄しかたない。しかし春麗は気功拳の発動ポーズを見せ「きこう」と叫びはじめていた。

「波動拳!!!!」

 スーパー必殺技、ゲージ1を消費する真空波動拳をもろにくらい、春麗が倒れる。HPゲージが4分の1程削られる。
「く…や、やるじゃない!」
「はっは、かがみんも甘いね。牽制の気功拳なんて私に真空波動拳を打たせろっていってるようなもんだからね」
「ま、まだまだこれからよ!」
「それもチェンリーだったのが残念だね。気功拳は発動が遅いから、もろヒットだよ」
「うるさい!」
 弱パンチ+中キック+下段強キック。タイミングよく基本技を入力する。
 しかし場なれしているこなたはきちんとガードし、隙を突いて攻撃を入れていく。
 リュウの左ジャブ。かがみは落ち着いて反対方向に十字キーを動かしてガード。すかさず中パンチ。最後に下段強キック。左下に押し倒して足払いをしゃがみガードする。
「あ、ちょ、ちょ…」
 →→、ダッシュで近づく。狼狽したかがみはコマンドを間違える。むなしく対空技である天翔脚が発動する。こなたは「ちゃーんす!」と叫びながら、その無防備状態である落下終了を狙っていわゆる昇竜コマンド+弱P+中Pを入力する。

「いまだ!」
 リュウがかがみ、拳が春麗にヒットする。この技は一発目があたらないと不発である。
「ああ!」
 かがみが絶叫する。
「真・昇竜拳!」
 その言葉とともに、リュウが昇竜拳を繰り出す。

――ゲージは、ゼロ。
519鷹宮のツインテール(2/3):2008/05/28(水) 16:53:43 ID:sjPGzAVw
K.O.!

***

「く…こなた、格ゲー強すぎ」
 それから5連敗したかがみは忌まわしげに呟いた。
「まあ格闘ゲーム所持者に挑むこと自体が間違っているんだけどね」
「その熱意を勉強に使いなさいよ」 
 こなたは何度も何度も繰り返されたその言葉に「――不思議とゲーム以外はやる気でないんだよね〜」といった後、「クイズマジックアカデミーなら賢者の領域なんだけど」と繰り返した。
 ゲーム機の電源を消し、雑談タイムに入る。
「――それにしてもかがみんも成長したね」
「なにがよ?」
「最後のほうは私のゲージ、3分の1くらいは減らせたよ」
「うっさい! 嫌味か!」
「いや〜ほめ言葉だよ? これでも幸手の少女A――で通っているんだからね私は」
 こなはふんっと、鼻を鳴らし、胸をたたく。
 かがみは呆れながら、
「どんぐらい費やしたんだお前は」
「そ、そういった現実的な話は欝になるからなしの方向で」
「ならやるなよ、なら」
 かがみはじと目で、冷や汗をたらしながら目をそむけるこなたを見つめた。

――7月某日。汗で髪が張り付いてくる、連日の猛暑である。25度を夏日、30度を真夏日。去年からは35度を猛暑日と天気予報では言うようになった。温暖化の進行は深刻である。
 ちなみに2007年度8月16日に埼玉県熊谷市では最高の40・9度を記録している。ヒートアイランド現象やらフェーン現象も関係しているが、近い将来は40度にも名前がつけられる可能性は否定できないだろう。

「それでさかがみん」
「あによ?」
「まさかかがみんが、このまま引き下がるわけはないよね?――まあこのまま負け犬で、こなた様とひれ伏すのでもいいんだけど」
 見下すような物言いにかがみは、かちんとくる。
「じょ、上等よ! 再戦を要求するわ!」
 意味もなくかがみは立ち上がり、拳を握り締めて宣言をする。
「よしよし、そうこなくっちゃ〜♪
 一週間ほど貸した上げるから、腕を磨いてくるといいよ」
 扱いやすいなあかがみんは♪っと、こなたは気づかれないようにニヤニヤと笑った。
「決まりね。勝負は一週間後の日曜日、午後5時ね」
「望むところだよ」
 その後はいつものように、漫画を読んだりしてこなたと過ごした。





 一週間後。
520鷹宮のツインテール(3/3):2008/05/28(水) 16:54:56 ID:sjPGzAVw


 K.O.!



「ふぁ、ファイナルアトミックバスターだと……?」




 柊かがみは、画面上でバンザイしているマッチョなプロレスラーを憮然としながら見つめていた。
「ロシアの赤い帝王はすべてを飲み込み、投げまわすのさ〜」
「それにしても、あんた、よくあんなめんどくさいコマンドを軽々と入力するわね」
 ザンギエフのゲージ消費技である「ファイナルアトミックバスター」はスティックを一回転させる必要がある。それが初心者には鬼門であり、ついでに容姿もあいまって受け入れがたい雰囲気を醸し出している。
 当然のことながら、これがCPUだと波動拳のノリで繰り出してくるわけだが――。
「愛だよかがみん」
「……このキャラに愛着あるのか?」
「いや、まあ、どーなんだろ?」
 こなたはオタクではあるが、腐女子属性は持ち合わせていないので、そこは曖昧に答えた。
 ちなみに持ちキャラはリュウが基本であるが、一通りこなせるのがこなたである。それゆえに「七色の魔法使い」というへんてこりんな雷名もとどろかしたことがあった。

「もっかい、もっかいよ! こんどこそかがみスペシャル!を決めてやるんだから!」
「うわー……かがみ、自分のコンボに名前付けてるんだ。いいねえ…『かがみスペシャル』だって♪」
「あ、ああ!……うううううるさい!」
 かがみは顔を赤くしながら失言を否定した。
 こなたが「萌えるねかがみんは♪ 『かがみスペシャル』、かがみスペシャルねえ――」とここぞばかりに言葉尻をとらえてかがみをもてあそぶ。かがみはもう、火が出るかと思うほど赤くなっていた。

 今日もこなた達は某有名ゲームをやりこむ。負けず嫌いのかがみはすっかりこなたに感化され、こなたに勝てるように練習してくるのだった。
 いつしかかがみはこなたにも匹敵するほどのゲームセンスを見せる。
 

――鷹宮のツインテールという異名が埼玉県の格ゲーファンの間に轟くのは、もう少し先の話である。
52142-519:2008/05/28(水) 16:58:23 ID:sjPGzAVw
以上でした。とりあえずこなた誕生日おめでとう。

格げーはへたくそなので細かい突っ込みはご勘弁ください。
現実的にそこまでかがみとこなたの実力差があるとは思えませんけれども――
522名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 17:25:31 ID:klV4+mgS
>>521

GJ!

だけどかがみよ、あんた対抗するゲーム間違っちゃいないかい?




「見ろよ!あいつ鷹宮のツインテールじゃね?」
「おおおおおおすげえ!虫姫さまふたりウルトラをノーミス全コンプだと!?」
523名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 17:33:23 ID:rXD2SXbq
>>521

小足払いとケツ蹴りアパ昇を破らぬ限り、おまえに勝ち目はない!w



体力ゲージ1ドットから百裂脚を全部ブロッキングして、竜巻旋風脚で逆転勝利するケンの動画を思い出した。
あれは凄かった……
524名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 17:34:50 ID:1sWecxJc
GJ
525名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 17:40:42 ID:fX2RDPwB
>>521
スパ?�なつかしすw
ザンギ結構好きだったのでなんか嬉しいw

鷲ノ宮のツインテールw…俺にはやっぱり怪獣名にしか聞こえませんw
526名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 18:25:13 ID:kS3PMFHF
ちょっとコンプ買ってくるw
ttp://www.lucky-ch.com/info/info_compace0807.html
527名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:25:35 ID:rKfP8xyR
祝!こなた誕生日!!
全国の、こなたは俺の嫁!さん達のお祝いの叫びが聞こえてきそうです。
今回も書いてみたので、よければ読んでみてください。
エロなしです。キーワードは「よだれ」です。
今回は、前回のよだれを舐める以上の事をしているので
そういうのが苦手で潔癖の人は見ない方がいいかもしれません。
植芝理一/謎の彼女]のパロディです。
>>372に最初の話があるのでよければそれも読んでみて下さい。

「謎のこなた]」2

「38度3分・・・」
体温計を見ながら、心配そうに母さんは言った。
「おかしいわね、つかさの時は、すぐに治ったのに・・・」
ふ〜む、つかさの風邪をうつされたのに、つかさの時より長引くなんて不公平だ。
いつもと変わらない天井を見ながら、そんな事をボーと考えていた。
学校を休んでもう五日も経つ、授業はどれぐらい進んだのだろう。
今までこんな長い間学校を休んだ事がなかったので、早く学校に行きたいな・・・
そう思う一方で、少し安堵している自分がいる。
こなたと会っても、まともに顔を見られないかもしれない・・・
よだれを舐めた日からどうしても、こなたを意識してしまう。
「明日病院でちゃんと診てもらったほうがいいわね。食欲はある?」
「ない・・・」
「でも、何か食べたほうがいいわ!おかゆを作ってあげる」
「それより、もっと甘い物が食べたい。アイスとかチョコレートとか・・・」
こなたのよだれを舐めた日以来わたしは、甘い物が無性に食べたくなっている。
その他の物は、あまり食べたくない。
母さんは、それを見て心配している。
だけど、体が甘い物を欲しがっているのだから許して欲しい・・・
「アイスは昨日全部食べてしまったでしょ。
しょうがないわね、夕食の買い物の時に買ってきてあげるから・・・」
結局、母さんが作った。おかゆは2,3口しか食べられなかった。
おかしいな、風邪なのに喉も痛くないし鼻水もでない。
でも胸が、ドキドキして顔がポカポカとする。
そして、食欲がないのに甘い物は普段どおりに食べられる。
でも、何か物足りない感じがする。本当に、風邪なのかな?
528名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:26:52 ID:rKfP8xyR
そう考えつつわたしは、深い眠りに落ちていった。

遠くでつかさの声が聞こえてきた。
どれぐらい寝ていたのだろう・・・
学校はもう終わったみたいだ。
こなたは何をしていたのだろう・・・元気だろうか?
会いたいな・・・
そう考えていると、部屋の中に人の気配がする・・・つかさだろうか?
目を開けるとそこには、こなたの姿が・・・
「かがみって意外と可愛い寝顔してるんだね〜♪」
驚いた、私の願望が幻覚を見せているのでは?と思ったがそうではないらしい。
確かに、そこにいつものこなたがいた。
「何だよ!何しに来たんだよ!帰れよ!」
凄く会いたかったのに・・・
でも本人が目の前にいるとついそんな言葉がでてしまう、自分の性格が恨めしい。
そんな、わたしの考えなど露知らずこなたは、わたしの机から宿題を漁りはじめた。
ったく人の気も知らないで・・・
それを苦笑いしつつ見ていたつかさが、なにかに気が付いたように
「あっ、お茶と私が焼いたクッキー持って来るね。お姉ちゃん他に欲しい物ある?」
「そーね、甘いアイスクリームとか・・・って今アイスないんだった・・・」
どうも、ボーとして頭がよく働かない、さっき母さんが言っていたのに・・・
「お姉ちゃん!アイスクリーム食べたいの?」
「でも、母さんが今ないって、後で買って来るって言ってたから気にしないで・・・」
そう言ったのにもかかわらず。
「じゃあ、私が買ってくるよ!!」
つかさは、目を輝かせてそう言った。
いいわよ!と引き止めたのにつかさは、アイスを買いに行ってしまった。
こんな、強引なつかさは珍しい。
どうやら、風邪を私にうつしたのを気にしているらしい。
ったくそんな事気にする事ないのに・・・
「ねぇ、かがみ。つかさがアイス買って帰ってくるまでどれぐらいかかる?」
「そうね〜たぶん、近くのコンビニでも15分ぐらいはかかるかな・・・」
「それじゃ、それまでの間私と二人っきりだね!」
普段は、見せない真剣な顔でこなたは私に言った。
「えっ!それってどう言う・・・」
529名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:28:17 ID:rKfP8xyR
ドサッ!!

私が、言い終わる前にこなたはベッドの上に腰を勢いよく下ろした。
碧緑の眼が、私を静かに見つめている。
少しの沈黙、私から何か言い出した方がいいのか迷っているとこなたが
「ねぇ、かがみ!かがみのかかってる病気って何?」
「そ、それは、つかさからうつされた風邪よ!」
こなたの真剣な表情のせいか、少し戸惑いながら答えた。
「・・・かがみが今かかっている病気は、風邪なんかじゃないよ。
風邪はね、喉の炎症や鼻水か主で、熱はそれほど高くならないんだよ。
・・・まあ、今の説明はみゆきさんに教えてもらったんだけどね。」
確かに、喉も痛くないし鼻水もでない。熱は高めだ・・・
でも、風邪じゃないなら何なの?インフルエンザ?
そう考えていると・・・
「わたしね・・・かがみの病気の原因しってるよ」
こなたは、わたしの目を見つめながら話し始めた。
「この前の放課後、机で寝てたわたしを起こしたでしょ?
あの時・・・机にこぼれていたわたしの“よだれ”―舐めたでしょ?」
たぶん第三者がそこにいたらわたしの顔が、真っ赤になっていくのが見られただろう。
こなた、あの時見てたの?
いや、でも間違いなくあの時、教室にはわたし以外誰もいなかった。
こなたの質問に、私は俯いたままで答えなかった。
いや、答えられなかった。あんな事をしたのを認めたら、馬鹿にされてしまう、それどころかもう、軽蔑されて友達をやめられてしまう・・・
そう考えているとこなたの優しい声で
「笑わないし、馬鹿にもしないから本当の事教えて・・・」
・・・私は無言で頷いた。
「そう、やっぱり・・・ねぇ、かがみ・・・目閉じて」
こなたがそう言うと、何の疑問も持たず私は目を閉じた。

くちゅ・・・
くちゅ・・・

目を閉じ、敏感になった耳にそんな音が聞こえてきた。
歯ブラシをした後、口をゆすぐそんな音に似ていた。
何をしているのだろう?目を開けようか・・・
530名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:29:38 ID:rKfP8xyR
そう思っている時に唇に何かが触れたのが分かった。柔らかくて瑞々しい感触だった。
目を開けた時には、こなたの顔が目の前にあり、私とこなたの唇が触れ合っている。
キス・・・
こなたに、キスされちゃった。
そんな状態なのに私は、こなたの碧緑の眼を見つめながらなんて綺麗なんだろう。
こなたの目の中に吸いこまれてしまう・・・そんな事を考えていた。
キスをされたその直後、こなたの口から私の口へと温かく甘い液体が流れ出してきた。

ゴクッ・・・
ゴクッ・・・

真夏の暑い日、自分の汗が垂れてコンクリートに触れた瞬間に蒸発してしまう・・・
そんな日に喉の渇きを我慢しながら家に帰り、速攻で冷蔵庫にある冷えた麦茶を飲み干す。
私はそんな感じに、こなたの“よだれ”を咀嚼して飲み、そして求め続けた。
この時がいつまでも続きけばいいのにそう思っていたが、この至福の時間は終わり告げた。
触れ合っていたこなたの唇と私の唇が、ゆっくりと離れていく・・・

つっ〜〜〜

離れる時よだれの糸が一つ、お互いの唇の間を結んでいた。
放心状態・・・甘かった・・・純粋に甘かった。そしてこなたの味がした。
頭が、ボーとして心臓が壊れそうなほど動いている。
現実味がなく、この事を実感するために
「甘い・・・」そう声に出して言った。
しかし、自分の耳に聞こえてきたのはそれとは違う。
「あにゃfi・・・」
呂律が回らず、声の抑揚が定まっていない・・・
なにを言っているか分からないそんな甘い声だった。
この時誰かが私の顔を写真に撮っていたら、今年のお年玉&お小遣いの全てを払っても、いや、それどころか小さい時から貯めてある貯金を全て払ってでもわたしはその写真を買い取るだろう。
紅色に染まったその顔の半開きの口からは、よだれが垂れているのが自覚できる。
目の焦点は合っていないだろう。
そして、その目からは自分の意思とは無関係に涙も流れている。
惚けている顔と言うか・・・
家族の前でも見せた事ないし、そしてこれからも見せることの無い顔をしていると思う。
531名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:30:40 ID:rKfP8xyR
その後何分間、茫然自失でボーとしていだだろう・・・
やっと、落ち着いてきた。
「こ、こなた、今なんだったの?」
質問したが・・・
「かがみ、口んところ・・・よだれついたままだよ。
 顔を洗ってきた方がいいよ。答えはその後だよ!」
なんだか、聞いたことのあるセリフだが、確かにその通りなので顔を洗う事にした。

冷たい水が、心地いい。洗面台で顔をよく洗い。
自分の顔を鏡で見る・・・
そこには、いつも見ている変わらない顔があった。
「よし!」
両頬を、両手で軽く叩き。気合を注入!!
なんだか、今日はずっとこなたペースで、少し悔しい気分だ。
階段を、いつもの一段ずつ上るのではなく。二段飛ばしで駆け上がる。
ドアを開ける前に、一呼吸・・・ノブをいきよいよく回す。

ガシャ!!

「こら!!こなた、さっきの何なの説明しなさい!!」
「かがみ・・・説明するけど、気分はどう?なんだか元気そうだけど?」
また、話をはぐらかすつもりね。
・・・ってあれ?言われてみればなんだか、体が軽い。
熱も全然ない気がする。
さっきまでが嘘のように元気でいつもと同じ感じだ。
いや普段より調子いいかも・・・なんでだろ?
混乱している私を、横目にこなたは話しだした。
「なんでキスをしたかだよね? それはね、治療のためだよかがみ・・・
 この前の放課後、かがみはわたしのよだれを舐めて吸収した。
 でも、そのあと再び吸収してないから起きたんだよ。
 ・・・“禁断症状”がね」
今日の、昼ごはん何を食べる?私はチョココロネだよ。
そんな、何気ない会話するような感じでこなたは言った。
「ちょっと待って!!こなた、今わたし混乱してるかも・・・
 えっ〜と、つまりこなたのよだれには特殊な能力があってそれを舐めたから
“禁断症状”が起きたって事なの?」
532名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:31:45 ID:rKfP8xyR
そう言いこなたの顔を見つめるが・・・
そこには、ポカンしたこなたの顔が・・・そして
「くっ・・・ふっふはははははっ!」
最初は、小さな笑い声がそして笑い声はどんどん大きくなっていった。
「うふふふふふふ・・・・
 あははははははっははははは・・・・くッ苦しい!」
腹を抱えての大笑い。
「な、なんで笑うのよ。さっき、こなたの言った事をまとめるとそう言う事じゃないの!」
「ふふふふふっふもっふ・・・でそんな特殊能力のある私は、危険な組織から身を狙われて戦争ボケ男の軍曹にでも護衛されるのかな?それなんてラノベ?」
「なによ!わたしは本気で聞いてるのよ。ちゃんと答えなさいよ!」
「ごめん、ごめん。かがみが、あまりにユニークだったからついね
 でもね、わたしにはそんな特殊能力なんてないよ。
・・・つまり原因は、かがみにあるんだよ。」
「わ、わたし?」
「そう、かがみのかかっていた病気はね。別に珍しい病気じゃないんだよ。
人類のほとんどがかかってきた。病気・・・・」
そう言うとこなたは、少し深呼吸をした。そして・・・

「・・・“恋の病”だよ―――
わたしの、よだれが特殊だからじゃないよ。
かがみが、わたしのよだれをまた舐めたい。
好きなわたしのよだれを・・・
その願望が禁断症状の理由だよ」

私の目を、直視しながら優しい顔でこなたは言った。
「ねぇ、かがみ。この前の放課後に起こしてくれた時、わたしは見たいアニメが始まる
て言って飛び起きたよね。でもね、その日は見たいアニメはなかったんだ。
かがみと目があった時にね。真剣にでも愛おしくわたしを見つめるその眼をみてわたし
そのまま熔けるんじゃないか、そう思って恥ずかしくなってついそんな叫び声をあげたんだ」
少し恥ずかしそうにそう言いこなたは、間を置いてからまた口を開いた。
「かがみ・・・もしかして、あの時・・・
友達としてじゃなく、恋の対象としてわたしの事好きになったんじゃない?」
それを聞いた私は、言葉がでなかった。
533名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:33:57 ID:rKfP8xyR
確かにあの時、よだれを流したこなたの寝顔を見た時に感じたのは、今までに感じた事のない感覚だった。その時は、分からなかったが今は分かる。
わたしは、柊かがみは泉こなたが好きだ。心の中でそうつぶやいた。
だが、それが言葉となって発声できない。
こなたとわたし喋らない二人、沈黙だけが、私の部屋の住人という感じだろうか・・・
やっと何か言おうとしたその時こなたが
「おっと!!もうこんな時間!!見たいアニメ始まっちゃうよ!!
・・・あっ、今回は恥ずかしいからじゃないよ。本当に見たいアニメがあるんだ。
つかさには悪いけど、クッキーはまた今度食べるって伝えといてね」
こなたはそう言うと、何事も無かったように立ち上がり部屋のドアを開けて出て行った。
出て行く時に「明日から、学校に出て来られるよね。楽しみにしてるよ!」
そういい残して・・・

つかさが帰ってきたのは、結局それから1時間後だった。
「おねぇちゃん、ごめん・・・アイスを買って早く帰ろうとして近道したら迷っちゃった・・・
 せっかく、買ってきたアイス溶けちゃった・・・」
半泣きになるつかさを慰めつつ私は、完全に溶けて液状になったアイスを一口飲んでみた。
甘い・・・だけどこなたの方が・・・
いつの間にか、元気になった私をつかさや母さん達は喜んだが
理由を知っている私は少し複雑だ・・・

その晩わたしは夢を見た

最近いつも見る夢だ

どこなのか知らない奇妙な街で・・・

私とこなたが・・・

二人で踊っている夢

でもその日の夢は少し違っていた

踊りながらわたしとこなたはキスをしている

それが踊りの一部であるかのように・・・

この夢も目が覚めたあと鮮明に覚えているだろう・・・
534名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:39:06 ID:rKfP8xyR
ダラダラと長い文章&たぶん誤字脱字すいません。
相変わらず勢いで書いちゃいました。
でも、この話のこなたとかがみを想像すると自分で書いといて
なんですが・・・何か萌えます!!
もし、機会がありましたらまたいつか・・・
535名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:40:59 ID:MHohldo/
帰れよ。
とりあえず人生踏み外すなよ。あ、まいっか。
536名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 20:08:32 ID:MH9c6FOe
>>534
あまああああああああああああああああああい!!!!
おまいさん、なんてもんを書いてくれるんだ(´Д`; )ハァハァ
とてもすばらしいこなかが!!最高!!
極上の誕生日プレゼントになったかとおもいますGJ!(=ω=.)b
>>535がなにかいってますが、無視の方向で(・∀・)b
53719-04:2008/05/28(水) 21:11:29 ID:yTtjNJXB
ソッコーで仕上げた、こなたの誕生日SS……投下したいと思います。

・エロ有り
・こなた、かなた×そうじろう
・続きものにはならない……はず
538『愛』が届いた誕生日:2008/05/28(水) 21:13:31 ID:yTtjNJXB
「ふぁぁ……そろそろ寝ようかな」

泉こなた。本日付で18歳となった少女である。
友達や家族、バイト仲間に祝ってもらい、今やってるネトゲの中でも祝ってもらった。
そして時刻は午後11時。こなたにとってはそこまで遅くはない時間だが、いろいろあったせいか今日は疲れて眠たくなったのだ。
パソコンの電源を切り、椅子から立ち上がって着替えを始める。
一度全裸になり、全身鏡で自分を見てみる。
胸は小振りで、股関には一本の毛も生えていない。剃ったわけではなく、生まれてこの方、生えたことがないのだ。

「むぅ……」

友達から『小学生』と言われるわけだ。
生理はちゃんときてるから子供をつくれないというわけではないが……

「……なんか着替えるの面倒になっちゃった……」

全裸のままベッドに飛び込む。中には入らず、上に寝そべるだけ。

「……」

貰えなかった。
彼女が一番欲しかったものが。
仕方のないことなのだろうが……どうしてもそれが、欲しくてたまらなかった。

「……おとーさん……」

気が付いたら、自分の股間に手をやっていた。

「ん……は……」

いけないことだとわかってはいるが、その手が止まることはない。
そして、その望みが叶うことも永遠にないだろう。
父と娘。その関係が憎くて憎くてしょうがなかった。
539『愛』が届いた誕生日:2008/05/28(水) 21:15:52 ID:yTtjNJXB
「えぅ……どーしてあたし……ん……おとーさんの……娘なのさぁ……ひぐ……あふぅ……」

嗚咽と喘ぎ声がこなたの口から洩れ出てくる。
これほどまでに愛しているのに、何度も何度もお願いしているのに、その想いは届かない。

「ひっく……あ、ああ……イク、イッちゃう……!!」

自らの秘裂を弄る手を早め――

「あ、ああぁあ……!!」

絶頂を迎えた。秘裂から溢れた愛液がベッドを汚す。
しかしそれでも、こなたの欲求不満は、父を想う気持ちは消えなかった。

「あ、あ、あ……と、止められない……!」

秘裂の中に指を突っ込んだり、小さなつぼみをコリコリと摘んだり。
そして二度目の絶頂を迎えようとした、その時だった。

“こなた”
「え……?」

聞いたこともないはずなのに、懐かしいような、不思議な声がした。
顔をあげると、そこにはこの世にいるはずもない人物がいた。

「……おかーさん……」

泉かなた。こなたの母親であり、こなたが生まれてすぐに亡くなってしまった人物だ。

「どーして、おかーさんが……」
“こなたのお誕生日をお祝いしたかったのと……見るに見兼ねて、ってね”

そこで思い出した。今、自分がどんな格好でいるのか、何をしていたのか。

「〜〜〜〜〜!!」

恥ずかしさから顔を真っ赤にし、悲鳴にも似た声をあげた。

“大丈夫よ。私も……同じような時期があったから”
「え……?」
“それでね? 今日はこなたに、素敵な誕生日プレゼントを贈るわ。代わりといったらなんだけど……身体、貸してくれる?”

その内容を察知したこなたは、首を縦に振った。


・・・


「ふぅ……ちょっと休憩……」

泉家の書斎。一家の大黒柱であるそうじろうは、小説の仕事が一段落したところで身体を伸ばした。
と、その時だった。
540『愛』が届いた誕生日:2008/05/28(水) 21:17:47 ID:yTtjNJXB
『ねえ』
「お? こな……!?」

こなたが書斎に入ってきた。しかもさっきの、全裸のままで。

「こ、こなた!! お前……!!」
『違うよ、そう君』
「え……」

そう君。そう自分を呼んでくれるのは、一人しかいなかった。
こなたに、その呼び名を言ったことはない。ということは……

「かなたが……入ってるのか?」
『その通り。久しぶりね、そう君』

かなたはそのままそうじろうへと歩み寄る。しかしそうじろうからしてみれば、裸の娘が自分に近づいてきているようにしか見えないのだ。

「か、かなた……お前、なんで裸……」
『そう君と……えっちしたいの』
「!!!」

かなたはこなたの身体で、そうじろうと唇を重ねた。

『こなたから許可は貰ってるわ。だから……』
「……本当、か……?」
『もちろんよ。だから……ね?』

しばらく考え込んだ後、そうじろうはゆっくり服を脱いだ。



「かなた……本当に、いいんだよな?」
『もちろんよ。私を信用して』

そうじろうにとって、それだけはしないようにと頑張ってきた、娘とのエッチ。しかし本人も妻も認めているのなら……断る理由はない。
最終確認を済ますと、そうじろうは娘の秘裂に舌を入れた。

『ん……いいっ、わよ……』

感度は身体による。オナニーしかやったことのないこなたの感度は抜群であった。

(あ……! あ……!! ね、念願の、おとーさんとのえっち……!!)
(こなた、今はまだ我慢して。その時になったら……ちゃんと変わってあげるから……)

こなたの意識は、かなたと繋がっている。
快感も、見ている景色も、こなたにはそのまま伝わってくるのだ。

『あっ! ああっ!! そ、そう君!!』
「よし、一気にイかせてやろう」
『ふぁあぁぁあ!!』

そうじろうが幼いつぼみを摘んだ瞬間、『かなた』は絶頂を迎えた。
こなたの愛液が、そうじろうの顔面に発射される。
541『愛』が届いた誕生日:2008/05/28(水) 21:18:59 ID:yTtjNJXB
『はぁ……はぁ……』
「……」

ぴくぴくと痙攣する『かなた』を見て、

「な、なあ、やっぱり入れなきゃダメか……?」
『も、もちろんよ……だ、大丈夫だって……こなたの許可はちゃんと取ってあるから……』
「……わかった。それにしても娘の身体を使ってまでこんなことしにくるなんて、かなたは相変わらず淫乱だな」
『!!』

ボフンという音と共に、『かなた』の顔が真っ赤になった。

(お、おかーさん……マヂで……?)
(だ、だってそう君が上手すぎるから……!)

そんな内部でのやりとりなど露知らず。
そうじろうは『かなた』の足を開き、自らの肉棒を秘裂にあてがった。

「……行くぞ」
『……うん……』

少しだけ力を入れると、娘の膣口に肉棒の先が入った。

『ッ……!! ぃいいぃい……!!』
(い、痛いぃ……!! け、けど……おとーさんが入ってるぅ……!!)

こなたの処女は、実の父親に捧げられた。
それは、こなたにとってはこの上ない幸福であったが……
そうじろうは、なんとも複雑な心境であった。

(じゃ、こなた……後は、頑張ってね……)
(う、うん……ありがとう、おかーさん……)

こなたの身体からかなたの魂が抜け出る。ただ姿を消しているのか、二人がそれを見ることはなかった。

「かなた、動くぞ」
「ちょ、ちょっと待って、『おとーさん』……」
「!?」

今のこなたが『こなた』であることに気付き、そうじろうは動きを止めた。
542『愛』が届いた誕生日:2008/05/28(水) 21:20:05 ID:yTtjNJXB
「ここここここなた!? い、痛いだろ!? 今すぐ抜いてやるから!」
「待って」
「!」

こなたの腰を持つ手の力を抜き、そうじろうはこなたの瞳を見つめる。
その瞳は……潤んでいるようだった。

「あ、あのね……あたし、おかーさんのために身体を貸したワケじゃないの……」
「え……」
「こうやって……おとーさんとえっちしたかった……! おとーさんのことが……大好きだったの!!」
「!」
「だけどおとーさん、はぐらかしてばかりで全然やらせてくれなかった! おとーさんのことを想いながら自分で慰めるしかできなかった!
 だから……だから抜かないで! 最後までちゃんとやってよぉ!」

叫びにも似た、こなたの悲痛な声。
自分で『やってはダメだ』と決めていたことが、逆に娘を傷付けていたなんて……全然気が付かなかった。

「……俺もまだまだだな。娘の気持ちもわかってやれなかったなんて……」
「えぐ……おとー……さん……」

そうじろうはこなたの肩をポンと叩くと、部屋にいるであろう人物に話し掛けた。

「かなた、出てきてくれ」
“……なぁに? そう君……”

こなたの向こう側に、ぼんやりとかなたが見えた。
手招きするように手首を動かして、

「かなた、こなたの中に入れるんだろ? 三人でやってみよう」
「え……?」

涙でくしゃくしゃになった顔をあげて、こなたはそうじろうを見た。

「いい……の……?」
「かなたが応援してたみたいだしな、断る理由はないよ。……それに途中で抜けたから、まだ身体が疼いてるんだろ?」
“もう……そう君てば……”

顔を赤くしながらも、かなたはこなたに身体を重ねた。
そしてかなたの身体が見えなくなり、

“こなたと感覚だけ繋げたわ。これで三人でえっちしてることになるわよ”
「えへへ、家族三人でえっちか……」
「こういうプレイもたまにはいいかもな。じゃ、動くぞ」
543『愛』が届いた誕生日:2008/05/28(水) 21:21:33 ID:yTtjNJXB
こなたの腰を抱えて、ゆっくりと腰を動かした。
痛みはまだあるものの、次第と快感を得られるようになっていく。
こなたの血と、愛液と、そうじろうの粘液が混じり、股間がいやらしい音を立て、それが三人を更に高めていく。

“そっ、そう君! きっ、気持ち良い!!”
「あ、ああ! な、んか! おかしく! なっちゃうぅ!!」
「いいぞ、こなた! 感じてる証拠だ!」

そうじろうの突きが一層早くなる。こなたも自らの腰を動かしていく。
快感を感じる度にこなたの膣口は締まり、それがまたそうじろうへ快感を与えていく。
こなたと感覚を繋ぎ合わせているかなたは、身体こそ動かせないものの、約20年来にもなる快感で『自分自身の身体であったなら何度もイッていた』だろう。

「こ、こなた! かなた! も、もう出るぞ!!」
「い、いーよ!おとーさんのせーし!! 私の中に!!」
“あ、あぁ! 私もそれ言いたかったのにぃ! あぅ!!”

それが合図だったかのように、そうじろうの突きが更に激しくなる。そして……

「あ! あぅぅ! ひぁ、ああぁあぁぁあああ!!」
“はひぃぃいいぃぃ!!”
「んく! うああああ!!」

こなたの中に、そうじろうの精液が注がれていく。
こなたの手は力を失い、くたりと床に落ちていった。

「あ……はぁ……」
“ふぇぇ……そう君……多すぎ、よぉ……”
「す、すまん、最近やってなくてな……」
「はひっ!」

こなたの膣から肉棒を引き抜いていく。
ぱっくりと開いたその秘裂からそうじろうの精液が溢れだし、床を汚していく。

「あ……はは……おとーさんの……せーし……あは……あはは……」
“あ、あら? こなたってば、激しすぎて壊れちゃったみたい……”
「う……こなたの中があんまり気持ち良かったから……」

涙を流しながら不気味に笑うこなた。
それは快感のせいだけではなく……何年も積み重ねてきた『欲求不満』が壊れたことによる脳への衝撃もあった。



そして……

「ねぇおとーさん、えっちしよ♪」
「ああ、いいぞ。かなたー、来てるかー?」
“ええ、ここにいるわ”

結局、三人でのえっちが毎日の日課へと成り代わったのだった。

「えへへ……誕生日までは、こんなこと永遠にないと思ってたのにな」
“ふふふ……良かったわね、こなた”
「最高の誕生日プレゼントになったな」
「うん! ありがとう! おとーさん、おかーさん!!」
54419-04:2008/05/28(水) 21:23:41 ID:yTtjNJXB
以上です。時間がなかったので雑かもですが……
 
 
 
とにかく!こなた、誕生日おめでとう!
545名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 21:35:45 ID:R2t968cF
>>544
GJ!
スパッと書けて羨ましいったらありゃしないw

しかし、
そう×こな でエロ……
ネタが被ったなぁw
546名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:55:45 ID:iJ8LkgKe
本当は各SSに感想をつけれたらいいのだがもう時間的にあれなので、これだけは言っておこう。
こなた誕生日おめでとう
547名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:59:01 ID:MH9c6FOe
   / : ,. -/: : : : : : : : /: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
. /,.. '´/: : : :/: : : : /: : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
//   / : : : : /: : : : : /: : : :,! : : : : : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.    /: : : : : /: : : : : /: : : /.|: :|: : : : : |: : : :l: : : : : : : : : : : : : : : : : l
   /: : : : : /: : : : : /-‐ x' !: :|: : : : : |!: : : :l: : : : : :ヽ::::: : : : : : : : :|
   !: : : : :/: : : : : / : : :/ ヽ| : | : : : : | l : : : |: : : : : : :ヽ:::ヽ : : : : : |
.   !: : : :,.イ: : : : : :l : : /   l : !: : : : :| ,.x-‐‐!-、: : : : : ハ::::ハ: : : : : !
  |: : :/ !: : : : : :|: : /     l: |: : : : :|  ヽ: : !、: ヽ、 : : : l::::::l: : : : :|
  |: :/  |: : : : : : ! ll`!‐- 、 l |、: : : :|  ヽ: :| ヽ: :!: : : : :l:::::::!: : : l
  |:/   l: : : : : イ l |   ,!`'.| ヽ: : | - ..__ヽ| ヽ: l: : : : :l、:::::l: : :!
      |: : : : :l l:|  r'ー',ノ    ヽ: |  |  `丶、ヽ:|: : : : :|:ヽ::l : |
        !: : : ,.!: |!  ` '´     ヽ!  r'、__ ,./'/l: !ヽ : : |):ヽ|: l
       ', : / | : '、 '"'"  ,      ヽ._,. ' l:∧!: 〉、 ,.! '´ ,):|
         ヽ:l !: : :`ヽ、   、_     '"'" ・ l/: : : :l/  /: l
        '.| | : : : :|:l/丶、  `ー'     r‐〈: : : : /  /、 : |
          l: : : : |:| l:.:.:.:.:` ー,┬ '' ´ ,〉、r'ー-'、 /=-ヽ: :!
         /! : : : |:! |:.:.:.:.:.:./ '   , ':/:.:.}-- ..__, !'" `ヽ:|
           / !: : : :|:! l:.:.:.:.:.:l`ヽ、  / /:.:.:.l.__,. l_,. --、:}:l
        {   !: : : |:| |:.:.:.:.:.|   `/ /:.:.:.:.:{     l     ヽ!

みんな、誕生日祝福、ありがとじゅした〜〜
548名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 00:14:02 ID:uS1Zh7K4
こなかがスレでも多いに盛り上がったよwスレが良い方向に向かってくれてよかった。
笑えたり感動したり時折壊れてたりw

これからこのスレのSSじっっくりと読まさせて頂きます。皆さん本当にGJしたっ!!

こなた、誕生日おめでとう!!!
549名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 00:25:45 ID:voeWZ5rG
>>534まさか続いてくれるとは思ってなかった!GJ!
55020-612 ◆xdkSnUtymI :2008/05/29(木) 01:14:51 ID:Bihs6nMZ
完全に出遅れ、今さらな状態ではありますが、投下したいと思います。

・2レス
・エロなし

です。
551755 ◆xdkSnUtymI :2008/05/29(木) 01:15:57 ID:Bihs6nMZ
真っ暗な闇の中を、私は歩いている。
光のない世界の中で、見えるのは自分のからだだけ。

だけどおかしい。

私のからだはもう少し大きかったはず。
小さいことをからかわれてはいるけど、私もあしたで18歳。
いくらなんでもこのからだは小さすぎる。

それになんだか自分の思うとおりに動いてくれない。
ただまっすぐ歩き続けているだけ。

 − おかあさあん −

どこから小さな子どもの声が聞こえてくる。
どこにいるんだろう?

 − おかあさあん −

まただ。
はっきり聞こえてくるんだから、そんな遠くではないはず。
探してあげたい気持ちはあるんだけど、私の視線は前を向いたまま。

どうしたらいいんだろ?

 − おかあさあん! −

その声が自分のものであることに気づいた時、私の視界は暗転した。



「……」

回復した視界の先には見慣れた天井。
私のからだはベッドに横たわっている。

そう、ここは私の部屋。

ということは、さっきのは夢だったんだ。
久しぶりに見たな、あの夢。
幼いころに見始めた、胸が押しつぶされそうなあの夢を。

「もう大丈夫だと思ってたんだけどなあ」

ひとりつぶやいてベッドから半身を起こす。
あくびをしてから目覚ましを手に取る。
見ると、目覚ましは5時を示していた。

「うわ、めちゃくちゃ早起きじゃんか」

どうしちゃったんだろうと思いつつ、ベッドから出ることに。
二度寝しちゃったら遅刻確実だしね。

とりあえず、備え付けの鏡で今の自分の顔を見てみることに。
あちゃあ、こりゃダメだね。
まるっきり病人だよ、私。

このままじゃみんなに心配かけちゃうね、確実に。
ひとまずシャワーでも浴びることにしますか!
552夢からの旅立ち(2/2):2008/05/29(木) 01:16:59 ID:Bihs6nMZ
「♪〜」

鼻歌まじりでシャワーを浴びる。
元気のない鼻歌だけど。

どうも、さっきの夢が気にかかるんだよね。
あの夢を見るときは、心のどこかに寂しいって気持ちを押し込めている時が多い。
お父さんが取材旅行に出かけて、ゆうちゃんやおばさんの家に止まりに言った時にちょくちょくね。

でも一番多かったのはお母さんのこと。
やっぱり私だけお母さんがいないってのは寂しかったしね。
けど、そんなことお父さんに知られたら、死にそうな顔をするから口にしなかった。
だけど、結局はお父さんに気づかれて心配させちゃったんだけどね。

でも、今回のは違う。
なんなんだろうなと考えていたけど、全然思いつかなかった。

身体があったまって血色もよくなったみたいなので、もう一度パジャマに着替えて部屋にもどる。
ドライヤーで念入りに髪を乾かしながら、また原因を考え出したんだ。
>髪が長いと乾くまで時間もかかるし、考える時間もいっぱい取れるだろうしね。



「あっ、そうか」

気づいたのはちょっとした偶然だった。
乾かしながら髪形を変えて遊んでいるうちに作ったツインテール、それを見たときのことだったんだ。

私は、みんなと別れ別れになるのが怖かったんだ……

かがみ、つかさ、みゆきさんの3人との友人関係。
これがなくなってしまうのが怖かったんだね。
なんだか目頭が熱くなってくる。

待て、待つんだ泉こなた。
今泣いてどうする。

目を閉じて頭をふり、無言で自分に気合を入れる。
今ここで泣いたって何にもならないんだぞ!
とにかく、卒業はまだずっと先の話だ!
みんなとのいい関係を続けていけば、必ず打開策はあるはず。

だから、ギブアップするには早すぎる!

もう一度気合を入れなおして、作り笑顔で鏡を見る。
うん、さっきよりいい顔になったね。

ようっし、最期の学園生活、みんなと一緒に楽しむぞうっ!
55320-612 ◆xdkSnUtymI :2008/05/29(木) 01:22:56 ID:Bihs6nMZ
以上です。

完全に出遅れでごめんなさい。
書いてみたくて即興で書きはじめたはいいけど、結局こんな時間になってしまいました。
1レス目の名前欄は『夢からの旅立ち(1/2)』と読み替えていただけると嬉しいです。

では、クロスSSの作成に戻りたいと思います。

あ、一つ質問なんですが、クロスSSをクロス先のスレに再構成して投下ってのはまずいでしょうか?
554LD:2008/05/29(木) 03:48:16 ID:qh9Or9Wj
SS書き上がりました故、投下しようと思います。
が、その前にいつも言ってる気がしますが……皆様GJ!
癒し系からえちぃもの、シリアス、ダークまで何と幅の広いことか……

>>45-450
私の作品を使ってくれるなんて!
これ以上ない喜びを感じながら読ませて頂きました♪
第3話も期待してますね〜……あの『ラスボス』と並ぶのか……どうなるんだろう?

では、5分ほど待機してから投下作業スタートします。
555LD:2008/05/29(木) 03:55:09 ID:qh9Or9Wj
改めましてこんばんわ、LDです。
まずは謝罪から……ゴメンナサイ、こなたさん。間に合わなかったですorz

と言う訳でこなたの誕生日SSです。
糖分100%でお送り致します。
では恒例の注意書き
・「こなた&ゆたか」シリーズの続き
・本文4レス&後書1レス使用予定
・非エロ……のはず

では投下開始です!
556Happy Sweet Birthday!(1):2008/05/29(木) 03:55:51 ID:qh9Or9Wj
 バイトも終わり、だいぶ日の沈むのが遅くなった街をのんびりと歩く。
 今日5月28日は私の誕生日だ。
 去年はゆーちゃん達と思いっきりすれ違いになっちゃったけど、今年はちゃんと帰るようにバイト仲間に言ったらすんなりとOKが出た。
 お願いしたら二つ返事で、と言うか逆に早く帰れと言われたのはどうなんだろう?
 いや、チーフになって増えた仕事もちゃんと終わらせてるから問題はないんだけど。
 私とゆーちゃんの仲はバイト先でも既に認められていて、ゆーちゃんが来ると仕事が残っていても帰らされそうになったりする事も何度かあったっけ。
 ただ、ゆーちゃんまでバイトさせようとするのは勘弁して欲しい。
 実際にうちで働く事になったら、まぁキャラ物のコスプレは無理っぽいけどメイド服なんか着せたら人気出るだろうと思う。
 けど、ゆーちゃんのそういう可愛い姿を見るのは私だけで十分、悪い虫が付いたらなんて考えまで浮かんでしまう辺り、かなり独占欲が強いのかな?なんて思わず苦笑してしまった。
 そんな他愛のない事を考えながら、行きよりも重くなった荷物を手に家路を急ぐ。
 荷物の中身はバイト仲間からのプレゼントの他に、かがみ達からの物も入っていた。
 新生活で忙しいはずなのに皆でバイト先まで来てくれて、少し大人びた元気な姿を見せてくれたのは本当に嬉しかったな。
 当日になって時間を変更したステージイベントの始まる30分くらい前に休憩と準備の為に裏方でくつろいでたら皆が来たんだっけ。
 わざわざパティが連絡してたらしく、時間変更も皆が来るのもパティを始めとしたバイト仲間で計画してたんだそうな。
 ダンスの後にサプライズイベントで私の誕生日をお客さん達も巻き込んで祝ってもらえたのは嬉しいやら恥ずかしいやら何とも言えない気分だったよ。
 つくづく私は幸せ者なんだなと、今日1日を振り返っているともう家まであとわずかだった。
557Happy Sweet Birthday!(2):2008/05/29(木) 03:56:27 ID:qh9Or9Wj
「ただいま〜」
 そう声を掛けると、奥から一人の少女が出てきた。
 いや、家には私以外の女の子は1人しかいないんだけど、その格好に思わず呆然としてしまった。
「お帰りなさいませ、お嬢様。お荷物をお持ちします」
 なんて言いながら、いまだ衝撃から立ち直れない私からその少女――メイド服に身を包んだゆーちゃん――は荷物を受け取ると、
「如何なさいましたか? もしやお加減でも優れないのでしょうか?」
 と言っておでこをこつんと合わせて、いつもの笑顔を浮かべると
「おかえり、お姉ちゃん♪」
 私の唇に軽くキスをしてくれた。
 それが鍵となって魔法が解けたかのように、私は思わずその場にへたり込んでしまった。
「え、えぇぇっ? お、お姉ちゃん大丈夫?!」
「どうした、ゆーちゃん? こなたは帰ってきたんだろう? って、なーにそんな所に座り込んでるんだ、こなた?」
「あ、いや。ちょっとビックリしただけだよ。ただいま2人とも。 あと、すごく似合ってるよ、ゆーちゃん」
 ようやく立ち上がり心配そうなゆーちゃんを優しく撫でてあげると、安心したのか顔を綻ばせる。
「急に動かなくなるからびっくりしたよぉ。 本当に大丈夫?」
「へーきへーき。いやまさか、ゆーちゃんがそんな格好するとは思わなくてさ。どういう風の吹き回しかな?」
「えっと、田村さんがね、この格好ならお姉ちゃんを驚かせられるよって。わざわざ用意してくれたんだ」
 むぅ、ひよりんの差し金か……ま、まぁ思わず見惚れるくらい可愛いからよしとしよう。
 しかし……絶対うちじゃバイトさせられないね、こりゃ。悪い虫が付く事間違い無しの激萌えロリメイドだよ。
 などと固く決心しながらゆーちゃんに先導される形で部屋に向かい、着替えを済ませて居間に向かうと……

『ハッピーバースデー! こなたお姉ちゃん!(こなた! こなた先輩!……)』
 クラッカーと共にお祝いの言葉が口々に投げ掛けられた……って、人数多っ?!
「ちょ、何この顔ぶれ?! ひよりんはともかくとして、何でかがみ達までいるのさ!」
「あら、いちゃ悪いの?」「それはひどいよ、こなちゃん」「私達はお邪魔でしたか?」
 そう、そこにはお父さんとゆい姉さん、ゆーちゃんにメイド服を着せたひよりんを始めとした新2年組、そしてバイト先に来てくれたかがみ達3人が揃っていた。
「や、悪いとかじゃなくってさ。さっき別れた時は明日も学校で忙しいとか言ってなかったっけ?」
「あぁあれね。嘘に決まってるじゃない」
「たまには泉さんを驚かそうと思いまして」
「皆で決めたんだよね〜」
 なんて順番に言いながら揃って「ね〜」なんて言う3人を前に、私は本日2度目のへたり込みをしていた……アルファベットで書くなら「orz」って感じで……
558Happy Sweet Birthday!(3):2008/05/29(木) 03:56:58 ID:qh9Or9Wj
 ショックから立ち直り、気を取り直すと誕生日パーティの再開だ。
 ここまでのメンツが揃うのは卒業してから初めてと言う事もあり、当然ながら半ば同窓会になっていった。
 新学年でもゆーちゃん達は4人同じクラスになった事。黒井先生は相変わらず元気一杯だと言う事。かがみとみゆきさんの大学生活。つかさの専門学校での事。私のバイトでの事……
 どれも新鮮で、懐かしくて、やっぱり楽しくて。
 あの時はかがみと誓った事だったけど、やっぱり皆いつまでも友達でいられたらいいな、と改めて心から願った。

 さすがに平日ではお泊りも出来るはずもなく、9時を回ると楽しい時間も終わりを告げる。
 お父さんとゆい姉さんの車に別れて乗る皆を見送ると、家には当然ながらゆーちゃんと2人っきりになる。
 ゆーちゃんは相変わらずメイド服のままで、私と寄り添うようにソファでくつろいでいる。
「しっかし今日は騒いだね〜。今日も、かな?」
「ふふっ。そうだね、お姉ちゃん」
「ところで、いつまでその格好でいるつもりなの?」
「ん〜、とりあえず片付けをしてから、お風呂入る前には着替えるよ」
「へ? でも借り物でしょ? 汚れとか付いちゃわない?」
「大丈夫だよ。お手入れの仕方とか色々聞いてるから」
「そかそか、なら安心……ん? あれ? それ借り物、だよね?」
「え? ううん、田村さんがくれるって……」
「はい?」
「この前ね、田村さんのお手伝いをした時にお礼だって言って。でもさすがに悪いから、また機会があればお手伝いする約束でもらっちゃったの……お姉ちゃんも喜んでくれるみたいだし……」
「ひ、ひよりんのお手伝い? それって同人の……」
「うん。ほら、私、絵本描いてるでしょ。その練習にもなるからって。それに、たまに色んな服着てモデルさんみたいな事もしてるんだよ」
 ……ゆきおばさん、ゴメンナサイ。もしかしたらゆーちゃんが染まっちゃうかも知れません……
 ゆーちゃんは絶句した私を不思議そうに見ると、ふと何かを思い出したようにメイド服のポケットを探ると1枚のチケットを差し出してきた。
「ね、お姉ちゃん。これもう1つの誕生日プレゼントなんだけど、もらってくれる?」
 あれ? この光景はどっかで見たような……いやいや、ゆーちゃんがまさかあんな事するはずないって。
「ありがとー、ゆーちゃん♪……なになに? 『御奉仕券 5/31&6/1限定』?」
「うん、ここ最近お姉ちゃん忙しいでしょ? だからたまにはゆっくりしてもらおうかな、って」
 はにかむように笑うゆーちゃんの頬がうっすらと赤いのは多分こんな事を言い出すのが恥ずかしいんだろうね……反則級の可愛さだけど。
「喜んで使わせてもらうよ、ゆーちゃん。そういやお父さんはその日に取材旅行だって言ってたっけ。って事は、ゆーちゃんのメイド姿を独り占め?」
「あぅ……そ、そうだよ」
 真っ赤になって俯くゆーちゃんを抱き寄せて、顎に指を添えて上を向かせると、潤んだ目をゆっくり閉じて……小さな唇に優しくキスをしてあげてから、
「ね、ゆーちゃん。片付けなんて後でいいからさ。今から一緒にお風呂に入ろうか?」
 耳元で囁く。びくっと体を震わせながらこくりと小さくうなずくのを確認して立ち上がると、ゆーちゃんを抱き寄せたまま膝の裏に手を差し入れてひょいっと抱き上げる。
「ひゃっ! お、お姉ちゃん?!」
「前はみなみちゃんにしてやられたからね〜。私にだって出来るんだよ〜♪」
 有無を言わせず、お姫様抱っこのまま風呂場へ向かい……
559Happy Sweet Birthday!(4):2008/05/29(木) 03:58:25 ID:qh9Or9Wj
 おまけ

 5月31日の朝。
 ちゅんちゅんと小鳥のさえずりの中、腕の中の大切な子の温もりを感じ……ない?
「あれ? ゆーちゃん?」
 おかしい。夕べはゆーちゃんと甘い時間を過ごしたはず。たいてい私の方が先に目覚めるのに……
 ゆっくり体を起こすと、1枚の手描きのチケットが目に入った。
「あ、そっか。今日だっけ」
 そう、今日と明日はゆーちゃんのご奉仕を独り占め出来るんだっけ。だから頑張って起きたのかな?
 そんな事をボンヤリ考えていると、トタトタと軽い足音が聞こえてきた。ドアをゆっくり開けてフリルたっぷりのエプロンをつけたゆーちゃんがひょっこりと顔を出した。
「あ。おはよう、お姉ちゃん。朝ご飯出来てるよ〜」
「うん、おはよー。今日と明日はよろしくね。そういえば、まだメイド服じゃないんだ?」
 と何気なく聞くと、顔を真っ赤にして俯いてしまうゆーちゃん。そんな恥ずかしいかなぁ?
「う、うん。それはまた後でね。は、早く来ないと冷めちゃうよ!」
 慌ててUターンしていくゆーちゃん……ちょっと待って。今なんだか後姿に違和感があったよ?
 ゆーちゃん、あんなに背中の開いた服持ってたっけ?
 と言うか……服、着てた??
560LD:2008/05/29(木) 04:00:32 ID:qh9Or9Wj
以上で終了です。
お風呂で、そして31日に何があったのか?
それは皆様のご想像にお任せします♪

甘いものしか書けません……でもいいです。糖分取り過ぎで死ぬなら本望です!(マテ

それよりも、早く卒業式を迎えさせてあげないと〜〜><
561名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 09:58:36 ID:gjyz1HUG
ゆーちゃん!
ほんのりとえっち。ぐっじょぶでした
56245-450:2008/05/29(木) 11:21:01 ID:uIE3uHDy
どうもこんにちわ。
…昨日のこなたの誕生日、忙しさもあっておめでとうの一言すら言えませんでしたorz
やはり外人にかましたコンボ以上のフルボッコ辺り喰らいますでしょうかorz

さて、このスレも埋まりまでもう少々になりましたので
拙作「創作の衝動」の第3話にして最終話を投下…の前に感想レスを少々。

>>544 by19-04氏
「これなんてエロg(ry」な展開から、ちょっと変わった形なれど
家族3人の暖かさのある絆に結びつける流れがお見事でした…GJ!

>>560 byLD氏
相変わらずの「全員が幸せなこなた&ゆたか」物を書き上げるその手腕、
惚れ惚れすると同時に俺にとっての心のオアシスであります。
サプライズと暖かさと笑いと隠し味のエロスが絶妙に交じり合って
素晴らしい作品でありました…卒業式編もwktkしながらお待ちしてます。
しかしひよりん(とは書かれてなかったけどまず間違いないはず)よ、
メイド服は良いとしてさすがに「はd(ry」は自重しろと言いたいwww

さて、他に投下者がいなければ5分後に投下開始致します。
56345-450:2008/05/29(木) 11:27:13 ID:uIE3uHDy
「創作の衝動 第3話」
・続き物(最終話)
・非エロ
・ひより&パティ(カップリングという意味合いではありません)
・オリキャラ有り
・本編4レス+後書き1レス
・このスレのとある作家さんのSSをモチーフとした表現あり
・モチーフとさせて頂きましたSSの作家さんに対する批判等の意味合いはありません
564創作の衝動 第3話 1/4:2008/05/29(木) 11:29:26 ID:uIE3uHDy
「ふぉぉぉぉぉ………」
とある同人誌即売会の1スペース。そのスペースの本日の主である
田村ひよりは、これまでにない緊張の面持ちでそこに佇んでいた。

「ドウシマシタカ、ヒヨリ?」
彼女のクラスメートにして友人であり、今までに何度も売り子の手伝いを
しているパトリシア=マーティンもその只ならぬ様子を見て声をかける。

「あ、パティ…心配させちゃったならゴメンね、
 今日の本は売れるのかなぁ…ってつい思っちゃって」
「大丈夫デスヨ、自信持ってクダサイヒヨリ♪」
(ゴメンねパティ、さすがに本当の理由は話せないっスよ…
まさか、今描いてる同人誌のシリーズを描くきっかけとなった
サークルさんが私の隣のスペースだなんて事は…)
パティの声に返事を返しつつ、心の中で嘘をついている事を詫びるひより。

そうこうしているうちに、隣のスペースにもサークルの面々が到着し準備に移る。
…数分後、準備が終わったのか隣のサークルの面々の1人がひよりに声をかけて来た。

「どうも、おはようございます」
「は、はひっ!?」
不意に声をかけられた事に驚き、妙な声を上げてしまうひより。

「あ、いつも私のサークルの作品を買っていただいている方でしたか…
 毎度本当にありがとうございます、お礼と言っては何ですが今回の新刊をどうぞ」
「ど、どうもありがとうございまス…あ、あのっ私からも今回の新刊…と、
 続き物ですので1冊目と2冊目も一緒に差し上げまっス」
「これはご丁寧に、こちらこそどうもありがとうございます…では、お互い頑張りましょう」
「は、はいっ」

ひよりが以前に買った「ラスボス」の同人誌の作家である、隣のサークルの代表。
…その人物は、作品から感じる「重さ」や「心の闇」といった要素を感じさせない
礼儀正しく丁寧で…穏やかな雰囲気を持った、優しい印象の人物だった。
565創作の衝動 第3話 2/4:2008/05/29(木) 11:31:33 ID:uIE3uHDy
「は〜、今日は今までのイベントの中で一番疲れたっスねぇ…」
即売会が終了し、自宅に戻って自室のベッドに体を投げ出したひよりは
ありありと肉体面と精神面での疲れを感じさせる声を上げていた。

「それにしても…あんなに優しい雰囲気を持った人が、こんなに重い作品を
 描いていたとは…人は見かけによらないと言うけど、身を持って感じたっスねぇ…」
先ほどまで読んでいた、イベントの開始前に作家自ら渡した
「ラスボス」を出したサークルの新刊の内容を思い出しながらひよりは呟く。

…このサークルの今回のシリーズの例に漏れず、今回の新刊も各キャラの
「心の闇」を前面に出しており…前回の「ラスボス」以上の「重さ」を醸し出していた。
「しかし、どうしてこんな重い作品を描くようになったんスかねぇ…?
 このシリーズの前までの作品でも、一部で重い雰囲気のもあったけど
 今回のシリーズほどではなかったっスし…何か理由があるんスかねぇ?」

そんな事をぼんやりと考えている、その時。
「〜♪」
「あ、新着メールっスか」
パソコンからの新着メール着信音を聞いて、ひよりは机に向かって行った。

メールソフトを立ち上げ、新着メールを確認するひより。
「見慣れないアドレスっスねぇ、でもあからさまにスパムって感じでもないし…
 え、題名が『本日はお疲れ様でした』って…ま、まさか…まさかっ!?」
一気に緊張の面持ちになったひよりが、微かに震える手でマウスを動かしメールを開封する。
566創作の衝動 第3話 3/4:2008/05/29(木) 11:33:17 ID:uIE3uHDy
「いきなりメールという形で驚かれていましたら申し訳ありません。
 ですがブログのコメントとして書くには文章があまりに長くなってしまう事は
 避けられない為、こうしてメールを送らせて頂きました。

 本日そちらから渡して頂きました、新刊を含めた3冊を読ませて頂きましたが…
 何ともほのぼのとした暖かい話の内容に、大袈裟でなく心が癒されるのを感じました。
 同じカップリングを扱っていながら、重い話を描き続けている私にとってお世辞抜きに
 あなたの作品が『心のオアシス』になりました。本当に、どうもありがとうございます。

 話は変わりますが、今回の新刊を含むシリーズの1冊目の後書きにて
 『今回、この作品のこのカップリングで描こうと思ったきっかけは
  とあるサークルさんが描いている同じカップリングの同人誌だ』と
 いう風に書かれていましたが…自惚れでしょうが、もしかして私が
 長いこと描いている同一カップリングのシリーズ物の同人誌なのでしょうか?
 どうしても気になるので、差し支えなければ教えて頂ければと思っています。

 それでは、これからもこのシリーズを初めとしたそちらの同人誌を楽しみにしております。」
567創作の衝動 第3話 4/4:2008/05/29(木) 11:36:14 ID:uIE3uHDy
「あららー…あっさり勘付くと思ってたのに、拍子抜けな結果になったっスね…」
メールを確認した時の緊張感から開放されたひよりが、安堵に極僅かな
落胆の混じった少々複雑な気持ちのこもった言葉をぼそりと呟く。

「よしっ、それならせっかくだし向こうの『気になる事』についてお教えするっスかねぇ」
そしてその直後、これまでにない程の晴れやかにして嬉々とした表情でメールの返信を書き始めた。

相手の「気になる事」についての返答。
今回のシリーズを描こうと思ったきっかけについての、突っ込んだ部分も含めた理由。
そして、向こうへの質問としての「何故ここまで重い話を描いているのか」といった疑問。
それら全てを込めた返信を送った事をきっかけとして、2人は同人作家としてや個人的な
思いや悩みを吐き出せる「良き仲間」という関係へと一気に駆け上がって行った。

…それから数ヵ月後の、とある同人誌即売会。
「今回は結構離れた位置になっちゃったっスねぇ…えーと、あそこっスね」
ひよりは新刊を手に、あの「ラスボス」を出したサークルのスペースへと足を運んでいた。

「どうもおはようございまっス」
「あ、おはようございます」
「今日の新刊っス、今回はバレンタインネタっスからとびきり甘いっスよ」
「どうもありがとうございます、こちらの新刊もどうぞ…毎度『重い』話で申し訳ないですが」
「いえいえ、気にしなくていいっスよ…メールでも言いましたけど、私の今のシリーズと
 あなたの今のシリーズは言ってみればコインの表裏のような関係なんスから」
「そうでしたね」
「あなたの作品の『闇』が、私の作品により強い『光』を描こうとする為の発奮材料になり…
 私の作品の『光』が、『闇』を描き続けるという茨の道を歩むあなたの道標になれればと
 思ってるっス…まぁ、私の作品という『光』じゃ心もとないかもしれないっスけどね」
「いえ、そんな事ないですよ…あなたの作品は、本当に私にとっての『心のオアシス』なんですから」
「そうでしたね…それじゃあ、今日も1日お互いに頑張って行きましょうっス!!」

-END-
56845-450:2008/05/29(木) 11:47:28 ID:uIE3uHDy
さて、今回も自分が書きたい物を何とか書き上げる事が出来まして
非常にスッキリとした気分になりました…モチーフとして使わせて
頂きました作家さんお2人には非常に申し訳ありませんがm(_ _)m

…さて、(ご本人にもバレバレですが)今回の作品でモチーフに使わせて
頂きました作家さん及び作品の「種明かし」をさせて頂きます。

第1話で「ラスボス」という形で使わせて頂き、第3話にてオリキャラとして
出演して頂きました方及び作品は…23-251氏の「Escape」であります。

そして今回の作品でひよりんにマンガ化させました作品は…
LD氏の「こなた&ゆたか」シリーズより、「夏の夜の約束」(第2話にて使用)と
「少女達の聖戦」(第3話にて使用)の2作品であります。

正直第1話を書いた直後は何を言われるかgkbr状態でありましたが、
GJの言葉を頂き…23-251氏及びLD氏にも好評の模様で非常に安堵致しました。

さて、次に書くとしましたら>>207でありました色々なSSの「舞台裏」話を
書きたいな何て思っていたりしますが…さすがにアレでしょうかね?

それでは、また次の作品にて。
569名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 13:11:45 ID:heGtp9D/
>>568

GJ!
なんかこう、これぞ同人作家!って感じですな。
心のコラボレーション万歳ッス!
570名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 14:11:26 ID:XHGx1Itr
次スレ立てチャレンジしてきますね
571名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 14:14:00 ID:gjyz1HUG
>>568
本人登場ktkr
ひよりらしくてぐっじょぶでした
>>570
がんばです
572名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 14:15:41 ID:ileq93Xo
間違えて新スレの方に貼っちゃったorz

次スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ47
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212038014/
573名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 20:59:13 ID:yA2nAxkY
もう次スレの季節か。 >>570、スレ立て乙。
574名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 10:42:01 ID:lSZi4c1a
梅梅
575名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 10:46:58 ID:rOmj9/dY
就活が忙しくて読めなかった分を全部読むぞー!と意気込んではみたけど、
何スレあるんだこれ…
576名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 12:22:08 ID:eGw8A/N+
>>568
自分は裏話的なSS、読んでみたいです。
注意書きさえしっかりすれば大丈夫だと思いますよ。
577名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 14:56:03 ID:irx3zJid
>>575
以前に比べてスレの進行がゆっくりになったとされる3月(40スレ目頃)以降でも、
10日〜15日で1スレ使い切ってしまう速さだからなw
578名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:25:44 ID:NV5xR1Yx
そろそろ埋めネタの頃合いでしょうか。
今日突然、奇妙な電波を受信したのでそれを投下します。
3スレ使用で、エロやら特定のカプやらのないものです。
579埋めネタ 〜これ、なんていう病?〜 1/3:2008/05/30(金) 18:28:39 ID:NV5xR1Yx
 最近、つかさが妙にはまっているものがある。
 それは……
「おねえちゃ〜ん、だっこしてー」
 そう、つかさがはまっているのはいわゆる『抱っこ』。
 最近、どういうわけかつかさはしょっちゅう抱っこをせがんでくる。
 そういえばこの前、部屋にあるにゃもーのぬいぐるみに抱きついていたわね。
 もこもこしてて気持ちいいー、とか言いながら頬ずりまでして。
 それはもう、そのままトリップしてしまうんじゃないかってくらいに。
 それが原因かは知らないけど、つかさは最近手当たりしだいにいろいろなものに抱っこをしているみたい。
「えへへ、だっこぎゅー」
 そう言いながら私にしがみつくつかさは、本当に楽しそうな表情をしている。
 こりゃしばらくは離してくれそうもないわね。
 昨日なんかは私より早起きしてまで、寝ている私に『だっこぎゅープレス』を仕掛けてきたほどだし。

 もちろんそれは、学校でも同様の状態なわけで。
 抱きつき癖がついてから、つかさは誰かれ構わず抱っこしたがるみたい。
 この前は
「こなちゃん、可愛い〜」
 といって、ずっとこなたを抱っこしていた。
 こなたには迷惑だっただろうけど、分からなくもない。
 ちっちゃいから、抱っこし易そうだし。
 で、今抱きついているのは誰かというと……
「日下部さ〜ん」
「みゅあっ!?」
 私のクラスの日下部みさおである。
 なんでも、『みゅう』という鳴き声が可愛いんだとかいって。
 鳴き声というと失礼だとは思うけど、なんかわかるわ。
「えへへ、だっこぎゅー」
「みゅぅ〜」
 私にも仕掛けてきたみたいに、だっこぎゅーから頬ずりのコンボ。
 日下部はというと、おとなしく抱きつかれっぱなしの状態でいる。
 そんな様子に、『飼いならされた』という言葉がつい浮かんだ。
 少し可愛い気もする。少し撫でてみようかしら。
 ほーら、なでなで〜。
「みゅ? ひ、ひいらぎ?」
 あれ、驚かしちゃったかしら?
 ほら、ごめんね。
 なでなで〜、なでなで〜。
「みゅっ」
 ほら、機嫌も良くなったみたい。
 確かにこれは良いものね。
 癖になりそう。
580埋めネタ 〜これ、なんていう病?〜 2/3:2008/05/30(金) 18:29:17 ID:NV5xR1Yx
 ところで、つかさの『抱っこ病』には困ったことがある。
 それは……
「わーい、だっこぎゅー」
「あ、あの、泉さん……?」
 それは、この病気が特定の条件下で他の人にも伝染るということである。
 つかさについてきた二人のうち、こなたの方は既に伝染ってしまったみたいで。
「こなた、みゆきに迷惑でしょ。ほら、みゆき」
 そう言ってみゆきをこちらへ寄せ、頭をなでなでしてあげる。
「あ、あのぅ……?」
「まったく、つかさもこなたも人のことを考えないんだから。急に抱きついたら迷惑じゃない」
 みゆきの頭をなでなでしながらそう言う私。
 ……え、何?
 私は別に伝染されていないわよ。
 私はただこうして、なでなでしてるだけじゃない。
 抱きつくのよりは、ずっと良いでしょ。
 ……あれ、日下部は?
 さっきまでなでなでしていたのに。
「あやの、さっき、ひいらぎに撫でられたっ」
「良かったね、みさちゃん」
 嬉しそうにしてる日下部にそう言いながら、峰岸が日下部をなでなでしている。
 本当に嬉しそう……じゃなくて、何さりげなく日下部をかすめ取ってんのよ。
 てか返せ。
「みゆきさーん、だっこぎゅーして〜」
「えっと……こう、ですか?」
 だからこなた、抱っこはみゆきに迷惑じゃないの。
「わーい、だっこぎゅー」
「こうしてみると……なんだか、これも良いものですね」
 と、抱きつくこなたの頭をなでなでしているみゆき。
 あんたもなんか『なでなで病』みたいなのになったのか?
「だっこぎゅー」
「なでなでー」
 気付くと、教室のあちこちからそんな声が聞こえている。 
 ああ、この教室はすでにこの奇妙な伝染病の餌食になってしまったのか。
 ……わ、私は別に、そんな変な病気なんか感染してないってば!!
581埋めネタ 〜これ、なんていう病?〜 3/3:2008/05/30(金) 18:30:03 ID:NV5xR1Yx
 その翌日、一年生の教室。
「みなみちゃ〜ん」
 と、ゆたかがみなみのほうへ駆けていき、そして……
「だっこぎゅー」
「……ゆたか?」
 抱きついてきたゆたかに少し戸惑いながらも、その手は自然とゆたかの頭をなでなでしている。
 当然その横では、ひよりが二人の様子に悶えていた。
「こ、小早川さんに岩崎さん、朝から何してるッスか〜! 小早川さん、アナタのだっこぎゅーは反則ッスよ!!」
「ヒヨリ、ダイジョウブですカ?」
 トリップしかけたひよりの意識を確認するかのように、パティが話しかける。
 パティの言葉に一応反応したあたり、まだ意識は飛んでいないようだ。
 それを確認するや否や、パティはひよりの唇に自分の唇を近づけて……
「パ、パティ? 何してるッスか!?」
「モチロン、Kiss ですヨ。ムコウがあんなにミセつけてくるのなら、こちらは『Kiss Infection』を流行らせてやるのデス!!」
「か、顔近いって、パティ!! そもそもキス・インフェクションって何だか説明して……」
「問答無用!!」
「アッーーーー!」

 三年生の間に広まった奇妙な伝染病。
 その被害は一年生にも広がっただけでなく、新たな病原菌まで生み出しているようだ。
582名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:32:23 ID:NV5xR1Yx
急にこんな電波を受信したので、埋めネタにでもと。
一年生の方の感染経路はもちろん、
だっこ病:つかさ→こなた→ゆたか
なでなで病:かがみ→みゆき→みなみ
ということで。
それでは、以上です。
583名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:45:09 ID:c5zARXcm
>>582
ほわほわしたムードではあるものの、大変な事態になってますねw
というか自覚なしのかがみがいいです!
GJ!
584名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:53:31 ID:l1DF3UvN
白石と店長がだっこぎゅーしているシーンを想像し、精神的な苦痛を受けました。
謝罪も賠償もいらないので、続きをだっこぎゅー。

GJ〜〜
585名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 19:48:07 ID:HPK2sepb
白石「こ……この病は……今ならこの僕も、
    あの愛らしい人たちにだっこやぎゅーをしてもらえるチャンスかも!」
こなた「だっこぎゅー」
かがみ「なでなでー」
つかさ「だっこぎゅー」
みゆき「なでなでー」

白石「つ、ついに……キターーーー!さああと数歩……」

こなた「だ……セバスチャン……くさいよねー」
かがみ「な……くさくってさあ」
つかさ「だ……くさいねー」
みゆき「な……こまりますよね、くさいのは」

立ち去る四人

白石「な……なんだその扱いは〜〜〜!!!!!!!!」

そして、新たなる伝染病「くさいよね」が誕生する、白石限定で。
586ふた☆自重:2008/05/30(金) 21:26:46 ID:obpjqXcX
……という訳で、ましまろ様からOKサインを頂いたので、「せん☆ずり 〜こなた〜」に挿絵をサイズ確認をかねて試し貼り。

う〜む。若干、画像が大きいような気がするけど、どうでしょ。ケータイからご覧になってる方とかは、どんな具合に見えるのかしら〜。
587名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 22:36:11 ID:akXxq9lH
>>586
どこに貼ってんの??
588名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 23:10:39 ID:Jf88nQQC
>>586
京ぽん2のケータイモードで拝見しましたところ、横幅にフィットするようにリサイズされていました
QVGAの240x320でも線が潰れずに表示されています
58945-450:2008/05/31(土) 03:02:01 ID:F+9HRVh4
あと一息なのでこちらも埋めの手助けをば。

>>576
励ましのお言葉、真にありがとうございます。
いくつか「楽屋裏話」を書きたいSSはありますので
次スレで1本は書きたいかなと考えてたりしています。

>>582
何と言う全方位的ターゲット不定な変則フェチ風味…
ほのぼのしたお話ながら微妙にカオス風味な中身が
何とも言えない独特の空気を醸し出しておりました、GJ!
590名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 16:41:11 ID:24RrshsD
埋め小ネタ


「ちわー」
「姉さんこんにち……うわぉ」
 遊びに来たゆい姉さんは、普段の覇気やら元気やら、そういうプラスの雰囲気が感じられなかった。
 なんというか……沈んでる?
「また、何かあったんですか」
「ちょっと長い話になりそうなんだけど、それでもいい?」
「あと2KBとちょっとしかないので、できれば手短にお願いします」
「2キロ? まあいいや。できるだけ短くする」

「……ここへ車で来る途中、ガソリンが切れそうになっちゃってさ、GSに寄ろうとしたんだけどちょっと値段が高かったのよ。
 まだ安い所がある。まだまだ安いところがあるっていくつか見送ってたら、GSがなくなっちゃって……。
 そろそろガス欠で本当に動けなくなる! って時にやっと一つ見つけてそこへ駆け込んだの。
 でもそこはこの辺じゃ一番値段が高い所で……」
「ああ、それで落ち込んでると」
「本題はその後の話。やっぱりこの辺じゃ一番高いから、私以外の車がいなくて閑古鳥が鳴いてたの。
 そんな状態だから、私が入るなり店長さんがすっ飛んできてね。手厚くもてなしてくれて、色々世間話とかもして」
「ん? 逆に喜ぶべきことじゃないの? それって」
「いや、そのうち税率とかライバルのGSとか暗い話になってちゃってさ、この前までいたバイト君の話が出てきて……。
 『ここにもバイトが一人いたんだが、先週いきなり辞めたいと言って出て行ったんだ』
 『それで、どこに行ったのかと思ったら、時給の良いライバル店がヘッドハンティングしてやがってさぁ』って」
「……」
「『もうバイトにも見捨てられて、廃業しようかと思ってた矢先に私がやってきたもんだから私が天使に見えた』って」
「ゆい姉さんが天使ねぇ……」
「最低限の量だけ入れるつもりだったけど満タンにしてもらって、洗ったばかりだけど洗車もしてもらって……。
 ……気付いたらお財布から諭吉さんが居なくなってた」

「……」
「……」
「……で?」
「で? って、これで終わりだけど」
「オチはないの?」
「いやー、お姉さんびっくりだー」
「オチてませんよ?」
「小ネタに色々求めるのは酷ってもんだよ」
「でも最低限のオチぐらい用意しててもバチは当たらないと思うよ」
「オホン、それでは“らき☆すたの女の子でエロパロ46”この辺でお開き。また次スレでお会いしましょう!」

らき☆すたの女の子でエロパロ47
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212038014/


「……いいの? こんなやっつけな終わらせ方で」
「たまにはいいんじゃない? こんな終わり方も」

終われ
591名無しさん@ピンキー
                 _
               / /
             ,  -― (  /
.         /: : : :-=千</ ̄>     このスレッドは、
         /.:.:.:.: /.:.:.:.:.:/.:∧`ー<
.        ,'::::/::::/::/⌒イ::/ |:l_:::::::ヽ   bbspink.com、コテハンの皆さん、
       /::::,':::: W|/ j:/  j∧`::: ハ    名無し・ROMの皆さん、
        レl(|::::: | ○      j::/:/::::|   らき☆すたの愉快な仲間たち
.        l/|::::: |      ○ん|/:∧|
.         lヘ:: ト、  ◇   /::::: /    で、お送りいたしました。
.          _ム:|-f`_r―ァ≠!:::::/
        /=、\`}ヽ// j/            糸冬
         (   \{: リ ∧           ----------------
        ノ  _,}V/ }           制作・著作 NHK


    らき☆すたの女の子でエロパロ47
    http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212038014/