かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その13】

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1名無しさん@ピンキー
ここは幽霊、妖怪、妖精、魔女っ子からはては異次元人まで
オカルティックな存在の幼女、少女、娘、女性にハァハァするスレッドです。
エロ&萌え〜なSS、画像を随時募集中!
創作も収集もおかまいなし!

前スレ
かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その12】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1164655218/

関連サイト
過去ログ&SS保管庫
http://tsukinowa.s1.x-beat.com/occult/

関連スレ
【獣人】亜人の少年少女の絡み7【獣化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1207906401/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話23【幽霊】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199204809/
2名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 01:14:52 ID:tiagXY1V
>>1
3名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 09:49:32 ID:iETjhKxb
>>1
乙です
4名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 11:16:00 ID:YOUslLwo
>>1
5名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 02:25:41 ID:s9xRn3BH
>>1
6名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 10:22:45 ID:dnWl406g
7名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 11:13:40 ID:nVYcbqjV
保守
8名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 08:42:12 ID:hBh7ZZQh
>>1
乙け乙け
9名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 16:27:08 ID:gCY+LOdn
てけてけって無いの足だけだっけ? 下半身全体が(というより股も)無い? 
10名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 10:19:07 ID:ZHT11dAI
>>9
今wikipedia見たら下半身丸ごと無いらしい
逆に下半身だけのがトコトコと呼ばれているそうだ
11名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 19:18:16 ID:Svv+/WCH
ぬ〜べ〜先生思い出すぜ!
12名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 14:42:50 ID:r+hPxArh
据え置き型のダッチワイフが意思をもって動き出すんですね

オカルトっていうよりホラーだなぁ
13名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 15:11:53 ID:aBaWXk+L
「わたし、身体が半分ないから…。ちゃんとあなたの事受け止められないから…」
「だから、こうしてあなたを愛してあげたいの…」

そう言うと、そそり立つ俺の

(省略されました)
14名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 17:06:11 ID:GTMCAW1/
究極の質問
・美少女のてけてけ
・首なしナイスバディ(好みによってはつるぺた)

どっちがいい?
15名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 18:51:58 ID:bWtctmlP
てけてけかな
16名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 18:58:57 ID:tTepXjBp
首無しナイスボディだ
17名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 19:45:03 ID:jP59hQal
>>14
頭なでなでできるからテケテケ
足なんて飾りです、エロい人にはそれがわからんのですよ
18名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:00:03 ID:bVz/Pz2Y
てけてけとトコトコの二身合体ということでひとつ。
19名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 01:37:25 ID:Tn2GUD0g
ファイナルフュージョン承認!
20名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 06:09:46 ID:ke/tI3/4
てけてけの頭にとことこが合体!
正常合体・超カンタムロボ!
21名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 05:24:23 ID:I1z9pdu+
今流行?の狐ものでもおk?
22名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 10:09:07 ID:ojp/+lyp
流行、なのか?
もう片方とどっちがいいかは投下する人次第だがな
23名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 12:04:31 ID:HwZs1/ts
プレガウ神がHP開設
ttp://boukenoh.h.fc2.com/
24名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:29:26 ID:hvPXXo8X
なんつーか、芸幅広い人だな
25名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 19:07:40 ID:PaO5Okaa
>>23
10万回ブクマした
26名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 03:14:26 ID:bnmzTksn
他スレで気に入った作品の大半がプレガウ神だったとはな…
27名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 11:47:59 ID:nnN7HqXE
>>23
なんだ、神か

人に歴史ありというか神は一日にしてならずというか
話題になったヤツや途中で止まって続きが気になってたヤツもこの人だったんだなあ
28名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 23:32:03 ID:UAF69b/J
常駐スレのほとんどにプレガウ神が居た件。
俺は彼に毒されてしまっているようだ…
29一発ネタ:2008/05/28(水) 22:27:16 ID:faNyrb/A
ここは、怪異渦巻く魔都アーカムシティ…

主人公はそんなアーカムシティにあるミスカトニック大学の学生である。
これは、そんな主人公が大学の夏季休暇に入ってすぐの頃。
実家に帰ることもなく、ミスカトニック大学の図書館で趣味の邪神研究に
いそしむ主人公の前に、主人公の先輩であるアセナス・ウェイトが現れた。
彼女はおもむろに主人公に命令する。

「私のペンフレンドがうちに遊びに来るんだけど…忙しくって迎えに行けなくてさ
 代わりに出迎え、よろしくねー」

アセナスの強引な要求をうけ、しぶしぶながら出迎えに往く事になった主人公。
だが、出迎えに行った駅のホームで、主人公は白化症の少女と出会う。

「ええと…お出迎えの方、ですよね? 私が、ラヴィニア・ウェイトリィです」

真夏の日差しの下、現実にありながらどこか違和感を感じさせる少女はおずおずと手をさし伸ばした。
こうして、主人公の言い知れぬ脅威に満ちた一夏が、始まる――――。
30一発ネタ:2008/05/28(水) 22:27:35 ID:faNyrb/A
主人公:
ミスカトニック大学で隠秘学を学ぶ青年。
学内ではアーミティッジ教授に追いかけられている所を良く見る。
趣味は邪神研究。

アセナス・ウェイト:
主人公の先輩。自称・魔術師。
円らで大きな瞳がチャームポイント。
主人公は彼女の瞳を見つめていると、どんな無理な欲求も聞いてしまう。
そのせいで、彼女は主人公をパシリ扱いしている。
最近エドワード先輩とつきあい始めたようなのだが…

ラヴィニア・ウェイトリィ:
本編のヒロイン。
アセナスのペンフレンドで、ダンウィッチのウェイトリィ家の分家の少女。
白化症の上に体に少々障害がある為にあまり外に出られず、
学校にも行っていないせいか夢想家な所がある。
いつか、狂気の宇宙から自分を幸せにしてくれる外つなる神が来てくれると本気で信じている。

アルラ:
ラヴィニアの身の回りの世話をするために付いて来たウェイトリィ家のメイド。
エジプト系移民の両親を持つ。
主人公をからかったり悪戯をしたりしては笑っている性質の悪いおねーさん。

シナリオ:愛 工作
原画:ぴっく☆まん
音楽:E・ツァン



…いや、すまん。ちょっとやってみたかっただけなんだ
31名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 22:43:10 ID:a4pbEZv3
ぴっく☆まんwww

シナリオ・原画・音楽の部分の衝撃が大きすぎて
他の部分が霞んでしまったw
32名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 00:18:40 ID:KLn3t6VE
登場人物名が雰囲気出し過ぎw
33名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 23:33:47 ID:rA+Fgcem
5年前のネタを拡充したのですか。

登場人物の名前とか全然覚えてなくていろいろと記憶が吹っ飛んでるなあ、と実感。
34名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 21:40:47 ID:Iu4A/Nul
>アルラ
どうみても折笠ボイスです本当にありがとうございましたw
35名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 01:52:29 ID:KyrQmtzg
萌えスレからか……
36名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 10:07:32 ID:g/Ml3BKT
俺が涼宮ハルヒなら自己紹介で、
「ただの女の子には興味ありません!
 幽霊、妖怪、アンドロイドの女の子がいたら、すぐに俺のカノジョになりなさい!」
と宣言するのに。
37名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 14:58:18 ID:G/KyA+Fx
>>36
お前がハルヒだったら百合なんだが
38名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 15:07:46 ID:g5qduscE
>>36-37
百合か…よし、みんなで読んでいろいろ話し合うから早速作業に取り掛かるんだ
39名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 15:58:27 ID:g/Ml3BKT
んじゃ、涼宮ハルヒトとかのバッタくさい男にしとく。


どんどんカノジョを増やしてハーレム作っておけば、いつかは幽霊妖怪アンドロイドがやってくるだろう、とか思ってたら、普通の人間カノジョが3人できた。
彼は知らないが、その3人のうち一人は幽霊で、普段はエクトプラズムを密集させて肉体もどきを構成してる。
マシュマロみたいな肌触り。ハルヒトにいつもセクハラを受けてオロオロしてる。
もう一人は妖怪で、108匹の部下を従える竜王の娘。その部下の能力を使ってハルヒトのわがままを実現させる。
もう一人は、宇宙からきたアンドロイド少女。彼女はいくつも人工衛星をハッキングしており、あらゆる手段を用いてハルヒトの尻拭いをする。

彼女らの正体を知るのは、ハルヒトが最初に彼女にした幼なじみだけ。
いつもハルヒトに振り回されて迷惑する、普通の人間。
40名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 00:15:50 ID:u9t0tsYM
>>39
なんか良い意味でチープだなwww期待を裏切られそうにないというかw
41名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 22:16:38 ID:4vcfAqOM
>>39
さあ、そのネタをSSに仕上げる作業に戻るんだ!
42名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 14:55:27 ID:m8Da35kH
保守
43名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 01:07:29 ID:JrQUIPGF
保守
44名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 16:49:25 ID:uTdmySMC
上の方のテケテケの話見てたらこれ思い出した

ttp://www28.atwiki.jp/tsundereidayon/pages/28.html
ttp://www28.atwiki.jp/tsundereidayon/pages/32.html
45名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 18:18:39 ID:guZPKYny
見たことあるな、相変わらず悶えた
46名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 01:33:57 ID:UzinatZj
保守
47名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 01:49:42 ID:VFD7YRiY
こんなスレあったのか。
ゴーストにしか萌えられない体質の俺には魅力的すぎる。
これから常駐させてもらおう。
48名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 17:50:36 ID:HgBVhljv
>>47
最近元気ないけどな
49名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 19:35:38 ID:fGh1he7l
突然前触れも無く盛り上がるのがエロパロのスレ、気を抜かず全力で待機が義務だ!
50名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:37:49 ID:vERReEA6
そして十数年の月日が流れた――
51名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 02:48:59 ID:L/E6E5ZN
それでも俺は待ち続けるぜ!かーいいゴーストに会うまでは!

ところで ここ数年、ゴースト好きが加速しすぎて
冗談抜きで人間の女性に興味がなくなってしまったんですが 俺は大丈夫なんでしょうか
52名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 04:01:20 ID:omMMBvV2
>>51
君はすでに人を超えたのだ
53名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 09:35:23 ID:jeDI3iSx
ネタはあるけど時間が無い。
課長になんかなるんじゃなかったー。


マジで、書きたいネタはいくつもあるんだ。
54名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 01:14:57 ID:qaxlUeoF
>>51
覗き小平次の女版見つければ無問題
55名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:58:54 ID:yTIoDXMx
何が?
56名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 03:02:15 ID:odHOb1+e
つまり、おじゃまユ〜レイ君の女の子版が読みたい、と、そーいう訳か。
57名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 02:29:17 ID:m8VtEQgw
保守
58名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 04:21:27 ID:6vp8VcRP
保守
59名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 01:17:18 ID:3aVR4waG
保守
60名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 14:31:47 ID:k2JTw+G0
保守
61名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 23:00:46 ID:suv7Hv7+
そろそろ怪談の季節
62ぬらりひょん:2008/07/21(月) 16:07:10 ID:kvyj42ID
猫娘バージョンお願い!
63ねこにゃんこ 1/3:2008/07/21(月) 16:09:07 ID:LyUNFXlB
 
「……と、ゆーワケなのぉ〜。だからぁ〜、後二・三日お願いしても良いかなぁ〜?」
「どーせ『駄目』ったって、帰って来れないんだろ?」
「ま〜、そーなんだけどぉ〜。それでも〜、一応“言質”取っときたいしぃ〜」
「……解った。けど、『お土産はー、弟か妹〜』とか言うのは、本気で勘弁」
「あらあら、“妹”なら、もーちゃんといるでしょ〜。うふふ、みゃんかちゃん、元気〜?」
「んー、朝け方の落雷時に、俺の腹の上でオモラシした以外は、まぁ元気」
「あらま。……あ、おとーさん目が覚めたみたい〜。ごめんねぇ、直(なお)く」

掛かって来た時と同じくらいの唐突さで、電話が切れた。

「ったく。なーに、やってんだか、あの夫婦は……」

溜息吐きつつ、携帯を閉じる。
……そもそも、要領よく整理すれば、メール一行で済む事なんだが。

『旅先で川に落ちたオヤジが風邪引いて、帰宅日がずれる』

それを、とっ散らかり脱線しまくるランダムアクセス口調で延々と二十分近く……。
 とっくの昔に、“惑わない”領域に到達している癖に、何時まで経っても声音や口調が
“学を志す”頃から、まったく進歩してねーとしか思えないオフクロとの禅問答は
なにかと手間取りがちな家事全般&卒業論文の下書きの下書きの下書き的レポート提出が
重なりまくって、へたり街道まっしぐらな俺のやる気を更に、がっつり磨り減らしてくれた。
 
 
  しかも、目の前のカップ麺は、なんとも形容しがたい物質に変化し終っとるし。


あーこりゃもう、アルコールの力でも借りて無理矢理流し込むしかねーよな……と
冷蔵庫から、オヤジの名前がでかでかと記入してあるヱ〇スの大ビンを取り出す。
 そのついでに、帰宅後ずーっと居間のソファの下から、俺の一挙一動をはしばみ色に輝く
じと目で監視し続けてるサビ柄の“妹”に向かって、紙パックの牛乳を軽く振ってみた。

「おーい、みゃんかー。牛乳飲むかー」
(ずりずりずりっ)

うっわ、視線が合った途端、全力匍匐後退かよ。
 今朝方、完璧に腰を抜かして、涙目で震えてたオマエが正気に戻るまでの時間を利用して
とっぷり朝風呂に漬け込み、完全“ぬっこぬこ”状態にしたのは、やっぱマズかったのか?
ならば……

「ほーれ、みゃんか〜。新発売のダoヅだぞー」
(ず……ぺたぺたぺた)

おー、来た来た。流石、ダoヅ様。
 がしかし、俺のにやにや笑いが御気に召さなかったらしい“いやしんぼ”様は、俺の手が
直ぐには届かないギリギリの場所にぺたりと腰を降ろすと、徐に毛づくろいなんぞをおっ始めた。

どうやら、本猫としては『アタシをそんな、やっすいオンナ扱いするなんて、ホント失礼ねっ!!!』
ってな事を、全力傾けてアピールしてるつもりらしいのだが、その割には顔を洗う為に嘗め回してる
ちっちゃな前足では流れ落ちる涎を掬いきれてないし、何時もなら緩やかにくねらせている長い
シッポさえも、ぱしぱしと床を叩き続けていらっしゃいますが?

まぁ、あんまり焦らし過ぎて更に機嫌を損ねられても困るので、適当な頃合を見計らって
半分溶けかけたダoヅをフタの裏に多めに盛り付け、床に胡坐を掻きながら、名前を呼ぶ。
 ちらりちらりと熱っぽい秋波を送り続けてた癖に『アッ、アンタがソコまでお願いするんなら
仕方ないわよねっ!!!』と言いたげな顔を崩さずに、みゃんかはいそいそ俺の足の隙間に収まった。
64ねこにゃんこ 2/3:2008/07/21(月) 16:10:06 ID:LyUNFXlB
 
……で、アイスに熱中するあまり、超寄り目になっちゃってる“いやしんぼ”様の、間抜けに
可愛い表情をじっくり堪能してたら、急に目の前が昏くなって。
 甘い水音と、下腹部から股間へ走る熱い違和感に急き立てられるように、無理矢理こじ開けた
俺の視線の先では『その体型じゃ、年齢一桁にしか見えねーぞっ!!!』なサビ柄猫耳つるぺた娘が
はしばみ色の超寄り目が間抜けに可愛い表情のままで、俺のイチモツを夢中で舐め回しながら
長い二股シッポを嬉しげにゆらゆらくねらせ……。
  
「……おぃ」
(ちゅるっ、ちゅ、ちゅむ、ちゅっちゅ)
「……こら」
(はむっ、はもはも、れるれろ、れろろん)
「いーかげん、に、しろっ、みゃんかっ!!!」
「(ぷはっ)……あ、にゃおにーちゃん、おはよー」

母方の遠い親戚筋で、結構強力な“猫又”の血を引いているとか言う触れ込みのツンツン仔猫は
今現在、満月の晩か異性の体液を体内に摂取出来た時にのみ、人型を取る事がなんとか可能なんて
怖ろしくふざけた体質の持ち主で。

「……今は、深夜。コレは、“夢”!!! っー言う事で、いい加減、金縛りを」
「ねぇ、にゃおにーちゃん。そろそろ、“オシッコ”出そう?」
「……はい?」
「あのね、にゃおにーちゃん。……みゃんか、今朝、とぉーっても、恥ずかしかったんだよ」
「……安心しろ。俺は、全然、気にして」
「だから、にゃおにーちゃんが、みゃんかに“白いオシッコ”ぶっ掛けてくれれば、オアイコかなーって」
「な……ぁにいぃぃぃぃっ?!」
「とーぜん“お腹の奥にたっぷりと”ね。……じゃないと、七代祟っちゃうからっ!!!」

薔薇色の頬に天使の笑みを浮かべた猫耳の小悪魔が、細く柔らかい鈴の音で、甘美な死刑宣告を下す。
 更に、その瞳がいたずらっぽく輝いた次の瞬間、一杯一杯に広げられた可愛いお口は、最早ギンギンに
張り詰めて、嬉し涙を垂れ流してる俺のイチモツの先端を、パクリと咥え込んだ。
 にちゃにちゃと根元を軽く扱きながら、細く尖らした舌先でぐりぐり尿道口を抉るだけでは飽き足らず
フクロを優しく弄繰り回す様なエロテクを、俺以外の、誰に、教え込まれやがったんだ、こん畜生っ!!!

『うん、ぁ……む、んふ』と鼻に掛かった切ない喘ぎ声や、薄く開かれた瞼の奥底からねっとりと熱く
絡み付いてくる切ない眼差しも、俺を昂らせる触媒となり……。

 
  ……ああっ、こんナことニなるノナラ、ケさ、しョりシ、て……ぇぇぇぇっ!!!


勝手に腰が跳ね上がるのと同調するように、少女は狭い口内を精一杯酷使してスパートを駆けてきた。

(ちゅ……じゅうっ、じゅじゅるう……ぅ、じゅるるるっっっ!!!)
「やめっ、 吸ぅな!!! ……あぁぁぁっ、みゃんかっ!!!」

静止の言葉とは裏腹に、与えられた刺激に素直な根性無しは、洒落にならない位大量の迸りを勢い良く
少女の喉奥底に無理矢理ぶちまける。
 どくんどくんと弾み続ける律動に合わせ、魂を直接注ぎ込んでいる様な凄まじい快感に、総てが
侵食されてゆく。
 更に、飲み込む速度を遥かに上回るペースで与えられた迸りを、栗鼠みたいにぷっくり頬膨らませ
天を仰ぎながら喉鳴らす健気な仔猫の姿に、下卑た劣情が瞬時に沸騰した。
65ねこにゃんこ 3/3:2008/07/21(月) 16:11:19 ID:LyUNFXlB
 
何時の間にか、唯一自由に動かせる様になっていた両の腕で、少女の細い腰を恭しく捧げ持って
大慌てで閉じられかけてた太ももの合間に顔を突っ込み、ぞろりと大きく舐め上げる。

「ひゃっ!!! だっ、駄目だよ、そこは、汚……っ」
「オアイコだろ、莫ー迦」

一拍以上も遅れて、すべすべの太ももで頬をぎゅーっと挟み込んで、ちっちゃな握り拳でぽこぽこ
頭を叩きまくるなんて、素敵な反撃を試みてきたけど、キニシナーイ。
 ほんのり膨らんでた小粒の桃色真珠を丁寧に剥き上げたり、恥ずかしげに綻びかけてる牡丹色の
窄まりをつんつん突付いてみたりと、今宵もあちこちで大忙しだった俺の舌は、甘酸っぱい匂いの
粘液の中心で溺れてるみたいにひくついている小さな泉深くへ捻じ込まれて、任務完了。
 それと同時に、強く鷲つかまれながらなお、逃げを打とうと蠢いていた薄い体がぶるぶるっと震え
天を目指してぴぃーんと張り詰めていた二股シッポごと、くたりと崩れ堕ちるのをしっかり抱きとめた。

「……さぁ、どうして欲しい? みゃんか」

まだ、完全にコチラ側に還りきれてない少女の耳元に、最初から答えの解っている問いを囁く。
 雄の腕の中で甘い唾液を貪り合い、快楽に蕩けた視線を交しながら、個々の境目さえも朧と化す様な
激しいマーキングに励んでいた雌は、その言葉に促されて、ふらふら立ち上がる。
 そしてそのまま、散々弄られて嬲られて疼き続ける互いの秘所から滴り落ちた体液で、てらてらと
光る床にぺたりとうつ伏せて、ゆっくり脚を広げながら、高く掲げた腰の最奥を露にする。

「……下さ……い」
「何を?」
「……にゃおにーちゃんを」
「何処に?」
「やぁっ!!! も……、意地悪、しない……で、きゅぅっ!!!」

半泣き状態の震え声が振り返ろうとした瞬間、括れた腰を強く掴んで、一気に突き入れる。
 白く滑らな背中がしなやかに反り返り、薄い上半身を支える為に精一杯突っ張っていた華奢な腕の
肘から先を地面に投げ出して、細い指で床を掻き毟る仕草が、本当にいとおしい。
 行き止まりを二・三回軽くノックしてから入り口近くまで引き抜き、再度じわじわ押し込むように
擦り付けながら進めてやると、しゃくり上げるような喘ぎ声が一段と高くなった。
 更に、二股のシッポが激しくうねり、俺の胸板を丁重に擽り続けるのが、あまりにも気持ち良過ぎて
リミッターが、完璧に外れてしまった。
 
潰さない様に十分用心しながら、未だ収まらぬ快感で痙攣し続けている四つん這いの体へ圧し掛かる。
 薄く汗ばんで、何時も以上にしっとりと張り付てくるささやかな膨らみをゆるゆると撫で回し
つんと固く尖がってきた小さな蕾を強く捻り上げるのと同時に、細いうなじに思いっきり噛み付いた。
 狭い秘肉が、ぎゅっと締め付けつつ、俺の先端を更に奥深くへ引きずり込むように激しくうねる。

「にゃぁぁぁぁぁんんんんっ!!!」
「……くっ、みゃんかっっ!!!」

二人して床に崩れ落ちる寸前に、小さなお腹の形を変えてしまう程たっぷりと熱い精液を流し込まれて
完全に気を失ってしまった愛しい少女の体を優しく抱き込み、ゆっくりと目を閉じた。
66ねこにゃんこ オマケ:2008/07/21(月) 16:12:30 ID:LyUNFXlB
 
そして今現在、遠くからラジオ体操第一の音楽がかすかに聞こえてくる超爽やかな朝なのだが。 

「……おぃ」
(にちゃっ、にゅむ、くちゅん、くちゅにゅる)
「……こら」
(じゅぶっ、じゅるっ、ちゅむちる、ぺろ〜ん)
「いーかげん、その出鱈目な等身を、なんとかしろっ、みゃんかっ!!!」

流石にこの俺でも、幼稚園児体型の爆乳猫耳娘をどーこーしようとは、思わ……。

「……ん? にゃおにーちゃん、パイズリ嫌い?」
「……嫌いじゃないデス……」
「だよねっ!!! だから、真央ママから教えてもらったテクを全っっっ部習得するまで、頑張ろうねぇ〜!!!」


  ……それって『七代』で事足りるのか? オフクロ……。
67名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 16:17:54 ID:LyUNFXlB
以上

最初は、素直クールな美乳猫娘のお話を書くつもりだったのに……

不思議!!!
68名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 15:28:30 ID:67LfpjE8
>>67
GJだったぜ

> 最初は、素直クールな美乳猫娘のお話を書くつもりだったのに……


冒頭数行、雷オモラシあたりで予定は崩れたと思われる。
69名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 17:40:54 ID:GgFv3kcO
過疎りすぎだろ…
お前らの性癖を満たす最盛期になにやってんだ…
70名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 21:50:44 ID:XVWjLxbl
圧縮回避保守
71名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 01:35:05 ID:vgviUUkq
>>67
とてもGJですた
>素直クールな美乳猫娘のお話を書くつもりだったのに
どんどん書いちゃえばいいじゃない

>>69
最盛期って春じゃね?
72名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 00:59:06 ID:0GkHQrLY
保守
73名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 00:39:32 ID:sTZ3MTYB
幽霊部員
74名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 00:44:00 ID:5izdFAPL
天野小夜子ですか
75名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 00:58:56 ID:nEiwvV21
まだか
76名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 08:09:05 ID:tPRq0UYA
リハビリ中。
77名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 18:08:03 ID:8M1/tq0q
怪談の季節
78面取桟文吉:2008/08/15(金) 23:19:48 ID:9uX2ety2
明日の朝が送り盆だそうな。

で。















帰りそこなったツンデレ亡霊と連れ帰しに来た閻魔庁のどじっこ鬼が居着くわけだな。
79名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 00:20:15 ID:xl/FV7H3
夏厨死ね
80名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 23:24:45 ID:NjT7SRVS
保守
81第6ハンガーの彼女:2008/08/25(月) 19:55:31 ID:0t6RfKvY
「昔な、ここに女学校があったんだ…」またいつもの怪談話だ。
うちの班長は夜番になると決まって怪談話をする。
営内の見張りの為、鉄帽被って、懐中電灯持って守衛室から出る。
最後の防秘物件のハンガーを確かめた時、少女が居た。
「誰だ!何してる!ゆっくりこっちを向け!」初めての事態に声が上擦った。
あかないよ…あかないよ…誰かたすけて
声が聞こえて来たので近づいて見る事にした。
凄くカワイイ長髪の女の子だった。不審人物なのにそんな事を考えてしまう俺って…
「たすけてください…あかないんです…」
黒髪の美少女にすがられた俺は通報義務を忘れて、話しかけた。
「何が開かないんだ?そして君の名前は?」俺が聞いた途端、少女は涙に塗れた顔でこちらを見上げた。
「私の名前は佐和夏子、義勇挺身隊い班…寂しかった…」
「俺は山下吉暉、階級は二曹」思わず自己紹介してしまう俺
「用務庫に閉じこめられたの…それから、人が来ても気づかないか逃げていくの…」
俺の中の恐怖は薄れ、何故か親しみが沸いた。
「お国はどうなったの?まちこちゃんにさつきちゃんは?」
「まちこやさつきが誰か知らんが、日本は負けた。あれから63年が経った…」
俺はそんな事しか言えなかった。
82第6ハンガーの彼女:2008/08/25(月) 20:19:56 ID:0t6RfKvY
「そう…」夏子は一言言ったきり黙ってしまった。
「寂しいなら月一でここに来ようか?」
俺は生身の女の子にも言った事のない事を口走った。
「ありがとう…待ってる」ハンガーの明かりが点いた時消えていた。
「山下!何ハンガーの中でつっ立ってる!交代時間来たぞ!」
日向が後ろに居た。「あ、スマン面倒掛けて…」
「此処って幽霊ハンガーじゃねえか!早く出ようぜうす気味わりぃ」
一ヶ月後 また夜衛の晩が来た。不思議と胸が高鳴る。
「…でな、その倉庫に閉じ込められた娘が居たらしいんだ。で空襲を受けて倉庫は破壊、女の子は打撲で死んだと…」また第6ハンガーの怪談だ。
そして俺は第6ハンガーに向かった。
「会いたかった…」飛びついてくる夏子。あったかくて肉感に溢れている。
とても幽霊とは思えない。そして世間話の後にあの事を聞いた。
「作り話だよソレ…本当のはなしは…」
要は、イジメでも何でもなく、ただ鍵を落として探しているうちに寝てしまい凍死したそうだ…
間抜けだ…ピピピ 交代の時間か…
「んじゃまた来月…」「ありがとう…また今度」
俺は彼女に恋をした。
第6ハンガーには女学生の幽霊がでる…ドジで憎めないカワイイ幽霊が… 
83名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 19:28:21 ID:pXSSY7rC
GJ!
だがsageてたら気付かれないんじゃないか?
その幽霊みたいに
84名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 18:07:21 ID:8IpzLMhI
GJ、でももう少し、場面転換や時間経過の段落わけとかすると、読みやすくなるし物語の余韻がでるよ。
85 ◆QMmp63tnmg :2008/08/27(水) 19:14:28 ID:o2brc7s7
うはwww初めて感想ついたww
真面目な話、どうもありがとうございます。
意見、参考にさせてもらいます。

元ネタは自衛隊の怪談です。
そして近々第二作、砲兵森 を投下します
86名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 21:08:48 ID:5yOV9xxG
>>85
ドジっ娘幽霊とは、いいものだな…
87名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 20:31:20 ID:YQI2X/oq

リハビリ中、リハビリ中。



では、今宵最初の恐怖幽便を読んでみよう。

はい、五郎さん。




「これは、『おれ』の経験した、身の毛もよだつ出来事です。
 前後編の前編です。エロシーンは今回ありません。

 一人称の、訳の分からない語り口が苦手な方は、『ほんこわメイドさん』でNG登録してください。
88『ほんこわメイドさん』:2008/08/31(日) 20:33:40 ID:YQI2X/oq



まずは愚痴らせてくれ。


 国内、海外共に結構なシェアを持つ自動車メーカーがあって、おれの勤める会社はそこから一部、設計を請け負っているわけなのだが。

「下柳君、ちょっといいかい?」

 下柳とはおれの名前、その肩を叩いたのはおれの上司。超絶・嫌な予感と共におれが、なんスか? と応じたくないけれど応じてしまうと、
案の定、面倒な仕事を押しつけられてしまった。

「太田君のかわりに、出張出てくれないか?」

 太田とはおれの後輩。なんでも、体を壊してしまい急遽入院することになってしまったのだそうな。そしてヤツがするはずだった出張を、おれが
かわりに出る、ということになった。クビとか左遷とか、そう言った類のことでなかったのは幸いだが、それでも辛い命令であることは変わりない。
なぜなら。

「おれだって死ぬほど忙しいんだっての!!
 後輩の尻拭いなんてしてる場合じゃねえって!!
 死ぬ、死んじまう!! 今度はおれが入院決定じゃねーか!!!」

 そう叫んだのは、その日の帰りのおでんの屋台。
 サラリーもらってるもんの宿命で、泣く泣く引き受けたんだよ、その代理出張を。
 トキとトコロは先程から変わって、もうすっかり終電間際。高架下の屋台に居座って、そこの大将にくだを巻いているのがおれだった。

「ンで、お客さん、その出張ってのはいつからなんです?」

 酔っぱらいの扱いには手慣れた感じの愛想で、屋台の大将がおれにそう言った。一升瓶の安い酒を、おれに急かされなみなみと注いでいく、
その表面張力を確認してから、おれは答える。

「・・・・・・明日だようッ!」

 じゃあ、もう帰って休まねえと、と大将は返してきた。くそう、最初っからそれが言いたかったんだな、早々に追い出したいらしい、酔っぱらいを。
おれはコップを持ち上げずにまずはじゅるる、と表面に盛り上がった酒面を吸い上げたあと、がっ、と一気に飲み干した。
 そしておれは財布から数枚の紙幣を多めに抜き取り、ばん、とテーブルに叩き付ける。やれやれといった風に釣りを用意しようとする大将を、
おれはびっ、と指先立てて遮った。

「釣りはいらねえ、そのかわり、なんか喰えそうなものをアイツに見繕ってやってくれい」

 そう言っておれがユビさした先で薄汚れた野良猫が、なー、と感謝の声を上げた。
 フフフ、恩返しするんだったら、せいぜい可愛い娘に化けて来いよ、と酔っぱらいの戯れ言吐いて、おれは終電の駅に向かった。



 以上、愚痴終わり。

 いや、終わってなかった、もうちょっとある。



 翌日、早朝の新幹線の車中、おれは、ンだとォーーーッ!! とか叫んで車掌に窘められた。
 倒れた太田は、宿泊先の手配をしていなかったのだ。
 今日を含めて7泊8日、その間滞在するホテルが用意されていないとは。
89『ほんこわメイドさん』:2008/08/31(日) 20:35:31 ID:YQI2X/oq

 おれは大至急、心当たりのビジネスホテルに電話をかけまくり、部屋の空きがないかを必死で交渉した。だが間の悪いことに、いつもひいきに
しているホテルは満室で、当日からの部屋が用意できない。そこ以外のホテルになると少し距離が離れてしまうので、何かと不便になる。それでは
ダメだ。はっきり言って、朝早くから夜遅くまでのハードな仕事量なので、ホテルまでの移動に時間をとられるのがモッタイナイからだ。仕事が終わっ
たらすぐに休みたいし、朝は時間までぎりぎり眠っていたい。
 そう言うわけで、おれも簡単には引き下がれない。そこをなんとか、とゴネて縋って交渉した結果、渋々調整してくれることになった。内装に欠陥が
ありリフォームする予定の部屋だが、泊まれないことはない、というので、それでお願いすることに。少々部屋に問題があっても、仕事から早く帰れて
すぐに休めるメリットは捨てがたいのだ。



 こうしておれは、ただでさえキツイ出張を、問題のある部屋で過ごすことになった。
 
 しかしその部屋の問題は、ただ内装に欠陥があるとか、そういうレベルの話じゃあなかった。





 初日。
 早速の深夜残業で、ホテルに着いたのはもう午前様。
 さっさとチェックインを済ませ、ルームキーを預かった。この手のビジネスホテルは、ルームキーと繋がったスティックキーがついている。鍵で
部屋を空けたあと、そのスティックキーを部屋の入り口、所定のスポットに差し込まないと、部屋の電気がつかない仕組みになっている。つまり
部屋の鍵をもって外にでかければおのずと部屋のすべての電気製品がオフになるので、つけっぱなしになるのを防いでいるのだ。

 そしておれはその部屋、413号室の前に辿り着いた。
 そこはかとなく不吉な数字の部屋だが、気にしない。あまりに疲れすぎて、気にしているほどの余力がないというのが正解だ。

 ガチャリ、と鍵を回して、部屋のドアを開ける。当然の事ながら部屋は真っ暗だ。ビジネスホテルのシングルルームなんだから、部屋はとても
狭い。慌てて動こうものなら間違いなく、そこかしこに足をぶつけてしまうだろう。

「うー、とにかく、今日は早く寝よう・・・」

 おれは、スティックキーをスポットに入れ、部屋の照明をつけてからそのままベッドに倒れ込んだ。そして1、2、3、と三秒数えるまもなく、
のび太くん並の寝付きの良さで睡眠に突入。
 着替え、風呂は明日の朝にしよう・・・。



 翌日、二日目。
 朝起きると、出勤時間まであと10分だった。
 手っ取り早く身繕いを済ませ、急いで部屋を出た。その際に慌てて机の角に足をぶつけてしまうなどという、古典マンガのような慌ただしさだ。


 二日目も相変わらず、鬼のような忙しさだった。

 
 その日、おれが例によって午前様、ホテルのロビーで預けていた部屋の鍵を受け取り、エレベータで4階へ。
 がちゃりとドアの鍵を開け、スティックキーをスポットに収める。すると照明がつき、それとはまた別の、かちり、という音がした。

「・・・? なんの音だ?」

 耳を澄ます。
 窓の外の、車の音。冷蔵庫の、低く唸る音。隣の部屋から漏れる、テレビの音。
 どれにも違和感がなく、先程の「かちり」という音には結びつかない。

 おれは少し首を捻り、気のせいか、と納得しようとしたところ、あっさりと音の主が見つかった。

 電気ポットだ。
90『ほんこわメイドさん』:2008/08/31(日) 20:36:50 ID:YQI2X/oq

 これの「湯沸かし」スイッチが入った音だ。
 おれは別に、今朝の出がけにセットした記憶はない。ポットの中身を見るとそこそこ水も満たされている。
 勝手にスイッチが入る機能か、とも思ったが、もし水が入っていなければ空焚きの危険性もある。そんな危ない機能がホテル備品についている
わけはない。
 おれが水を入れた記憶を持たないのなら、誰がやったんだろうか。考えられるのは、おれが昨日部屋に入る前、ということになる。つまり、おれの
前に泊まった客か。なんとも不衛生な、とも思ったが、急に無理を言ったこちらにも非があるとも思い、文句を言うのもやめた。仕事に疲れてしまって、
いまはその気力もない。

 おれはひとまず、ポットのスイッチを切り、水を捨て、念のためコンセントを抜いた。もし故障だとしたら、寝ている間に発火、火災なんてのも洒落に
ならない。

 そうしてその日は、簡単にシャワーだけ浴びてそのままさっさと眠ってしまった。



 翌日、三日目。
 朝起きたら、部屋を出る10分前だった。昨日と同じじゃん。
 相変わらず慌てて朝の支度をしたが、またしても机の脚をけっ飛ばしてしまった。スゲエ痛い。
 おまけに机の上に置いてあったカップのコーヒーまで零してしまった。
 時間がないもんだから、そんなコーヒーも放置のまま部屋を出た。ぽたぽたと机の上からカーペットにこぼれるコーヒーを想像して申し訳なくも
思ったが、その辺はあとで謝ろう。とにかく朝一番の会議に遅れると、非常にまずいのだ。
はて、おれは夕べ、コーヒーなんぞいれたっけ? などとわずかに疑問も持ったりしたが、仕事が始まってしまうともちろんそんな疑問などどっか
いっちまった。

 三日目も引き続き、悪魔のような忙しさだった。
 だが、そんな疲労も吹き飛ばすような、奇妙な出来事がその夜に起きたんだ。


 その日もまたまた午前様で、部屋に帰ってきたおれ。
 例によって例のごとく、スティックキーを差し込んで部屋の電気をつける。

 かちり。

 そして昨日と同じように、電気ポットのスイッチが入った。
 昨夜ちゃんとコンセントを抜いていたにもかかわらず、である。

 しかしそんなことは些細なことだ、と思い知らされる光景が、部屋の中にはあった。


「〜〜〜〜♪」


 メイド服を着た女の子が、部屋の中にいる。

 黒を主体にしたゴシック系のメイド服、あしらわれた白のフリルがまた清楚な感じ。
 歳の頃はまだ幼い、高校生くらいだろうか。つやつやとした黒髪、それをショートカットで小綺麗にまとめてある。前髪で額を隠し、その上、サイドを
シャギーにして頬を隠しているものだから、顔の面積はほとんど髪で隠れている。だが、そこから覗く黒目がちの瞳が印象的で、まぁ、それが可愛
らしい、穏やかな表情なのだ。

 そんな彼女がなにやら上機嫌で、部屋に備え付けの紙製コーヒーカップに、これまた備え付けのインスタントコーヒーをさらさらと投入。
 鼻歌というかハミングというか、呑気さ全開のにこやかメイドさんが、せっせとインスタントコーヒーを作っている。

おれが、ぼーっとその光景を見ていると、そのメイドさんは、いよいよ沸騰したポットのお湯を、コーヒーカップに注ぎだした。
ごばー、とまた風情のない水音立てて、カップをお湯が満たしていく。そしてそのメイドさん、備え付けの安っぽいプラスチックスプーンで撹拌し、
コーヒーを完成させる。
91『ほんこわメイドさん』:2008/08/31(日) 20:38:38 ID:YQI2X/oq

出来上がったコーヒーの、ゆらゆらと立ち上る湯気をすう、と小さな鼻を寄せて香った後。

「ああ、さすがは最高級のコーヒー、香りが素晴らしいです」

などとのたまった。

さすがのおれも、この言葉には思わず。

「どこが最高級だ、インスタントじゃねーか!」

と、いきおい突っ込んでしまった。
そしてそこで初めて、おれとそのメイドさんは、お互いの顔を見合わせた。
ほんの数秒だったが、確かに双方無言の間を置いて。

「あっ! もしかして、わたしがみえてるんですか?!」

おれが何かを言おうとするよりも早く、そのメイドさんは慌ててそんなことを言い出した後、

「う、うらめしや〜〜〜〜」

と、両手を前に、ずいと延ばし突き出しながら言った。

「いや、それはキョンシーだ」
「ふぇっ! ち、違うんですか?」

すいません、人に見られるの、初めてなもので、などとおろおろ狼狽するメイドさんに、おれはやむなく基本的幽霊ポーズを教えてやった。
両手を胸元に引き付ける様にして、手首から先をだらりと脱力させるんだ。そして頭を、だらりとうつむかせて、怨みを込めて見上げるように
睨み付けて・・・ってちがう! それじゃあただの『うわめづかい』だ!! 相手に媚びてどうする!!! おれを萌えさせる気かッ!!
といったふうに、泪橋の下で拳闘を教えるオヤジのようにしてそのメイドさんに、幽霊ポーズのイロハを叩き込んだ。

「ありがとうございます、とても親切に教えていただいて」

ひととおりの講習が終了した後。ぺこりん、とお辞儀をしておれに感謝の言葉を述べたそのメイドさんは、ではあらためてと仕切り直してから、

「うらめしや〜〜〜〜」

先ほど身につけた幽霊ポーズを披露してくれた。だがいかんせん、もとがかわいらしい上に、怨みオーラなんてかけらも感じないものだから、
ちっとも怖くない。

「・・・だめ、ですか?」

おれの反応が芳しくないことを感じとったのか、恐る恐る窺うメイドさん。あまりにもかわいらしいのでついつい甘やかしてオッケー出しそうに
なったが、おれは何とか踏み止まった。ここではむしろ厳しく指導したほうが、彼女のためになるはずだ。
仕方がない、こうなりゃ手取り足取り密着して教えるしかないか、とおれは彼女の手を取ろうとしたんだが。

するり、とおれの手が彼女の腕を、すり抜けた。

これはまさか・・・

「おまえ、幽霊か?」
「はい、そうですよ?」

なんてこった。
おれはてっきり、人の部屋に勝手に侵入してインスタントコーヒーを作ってくれた、幽霊マニアのメイドさんだと思っていたが、どうやらそうではなく、
本物の幽霊さんだったようだ。
92『ほんこわメイドさん』:2008/08/31(日) 20:40:16 ID:YQI2X/oq

普通、こういう状況に出くわして、相手がうらめしや、とか言い出したらたいていは幽霊で納得できるのだろうが、目の前のメイドさんからはそういった、
幽霊らしい怖さ不気味さ、神秘さや儚さといった超常的な雰囲気は一切感じられない。こうやって、実体を持たない存在だという証拠を体感した今で
さえ、である。

「それよりも、コーヒーいかがですか?」

おれがやや思案にくれていると、メイドさんがそういって紙コップのインスタントコーヒーを差し出してきた。おれが触ろうとするとすり抜けるのに、
どうしてこの紙コップは彼女の手から落ちないのだろうか。その辺りは彼女が任意に決めることが可能なのか、それともポルターガイスト現象とかの
応用で、コップが浮いて持ち上がっているだけなのだろうか。
そんなおれの思考など全くお構い無しににこにこと、さぁ飲め、早く飲んでとコーヒーの紙コップを差し出したまま動かない。
そのにこやかオーラに気圧されて、おれはやむなく紙コップを手にとった。

そしてずずず、と、熱いコーヒーを啜った。

これは。


インスタントコーヒーだ。

何を当たり前のことを言っているのかおれは。
不味くもなく、美味くもなく、実に普通のインスタントコーヒーである。最近は、インスタントではあるが結構おいしいコーヒーもあるのだが、こんな
安手のビジネスホテルに置いてあるノンブランドのスティックコーヒーがそういった高級品であるはずもなく、実に予想どうりの味だった。

・・・いや、確かにさ、ちょっとは期待したさ。
ものはインスタントではあっても、作ってくれたのが可愛いメイドさんなのだ。メイドさん奥義、おいしいコーヒーのつくりかた、みたいなものが
あるんじゃないか、とか。
メイドさんは男のロマンなのだ。ちょっとくらいそういう夢を見ても罰は当たらないだろう。
しかしこのメイドさん、幽霊などというファンタジーな存在でありながら、作るコーヒーにそのファンタジーさを発揮していないのだ。

おれがそんな思案をしている間、さてこのメイドさんはどうしているのかというと。


ワクワクと、希望に瞳を輝かせながら、おれの言葉を待っているのだ。


だからとりあえず、おれは言った。




「普通だな」




・・・おうおう、見る見る萎んでいきやがる。さっきまでのニコニコ笑顔が、拗ねるような、いじけ顔に変わっていく。

「・・・美味しく、ありませんか?」

 しょんぼりとしながら、彼女が言う。見ていて気の毒ではあるが、これしきのことで俺は自分の信念を曲げるわけにはいかない。

「美味くねえな」

 不味くはないが、などという言葉は余計だろうから、あえていわないでやった。
 することのメイドさん、うつむきしょげたまま、小さく、う〜う〜唸っていたかと思うと、おもむろに顔をあげて、おれに言った。

「だんなさまは、本当のコーヒーの味を知らないのです。立派な英国紳士じゃないからです」
93『ほんこわメイドさん』:2008/08/31(日) 20:41:57 ID:YQI2X/oq

 ちょっぴり瞳に涙を浮かべてそんなことを言う。

 まて、とおれは思わず、かたわらにあった新聞紙を丸めて、メイドさんの頭をどついた。
 すぱーん、と小気味よい音を立てて新聞紙はメイドさんの脳天を直撃し、彼女は何とも可愛らしい声で、へぶっ、とかいう奇声を上げた。

「コーヒー飲む英国紳士がいるかっ! イギリス人は紅茶しか飲まねえんだよっ!!」(偏見)

 メイドさんがあまりにもたわけたことを言うものだから、思わずノリ突っ込みをしてしまった。

「そんなことありません! イギリス人はチャイだってラッシーだって飲むんですからっ!
 だんなさまのわからずやっ! インド人っ!」

 そう叫んで、ドアに向かってかけだしたメイドさん。狭い部屋の中、彼女とドアの間には決して小柄ではないおれが立ちふさがっているのだが、
そこはそれさすが幽霊の本領発揮。霞のように体をぼやけさせておれをすり抜けた。

 このまま出ていってしまうのか、さすがになんだか悪いような気がしていたおれは、彼女を追いかけるべく振り返り、ドアの方に体が動いたのだが。


 ごん!


 と、また派手な音がして、メイドさんが顔面からドアにぶつかってしまっていた。

「・・・そうでした、この部屋から出られないのでした、わたし」

 鼻を強く打ったのだろう、ややつぶれた声で彼女はそう言った。
 なるほど、これが『自縛霊』というやつか。

「ううぅ、だんなさまの、意地悪・・・」

 ドアに打ちつけた顔を、ややこちらに向けて恨みごとを言ったメイドさん、その後はそのまま、霧のように姿を消してしまった。自縛霊である彼女、
この部屋から出られないのだろうから、姿は消したんだとしてもいるのだろう、この部屋に。
 しかしまぁ、だからと言っておれが出ていくわけにもいくまい。明日も仕事だ。おれは手早く着替えてシャワーを浴びて、そのままベッドにもぐりこんだ。
 そのまま布団をかぶるおれ、部屋の隅から女の子のすすり泣く声が聞こえてきた。やりゃあできるじゃないか、実に幽霊っぽい。

 おれは、そのすすり泣きに怖がるわけでもなかったが、なんだか少し後ろめたさを感じていた。わざわざコーヒーを入れてもてなそうとしてくれた
相手に対して、おれはきつく言いすぎたかもしれない。明日はまぁ、そうだなぁ、もう少し優しく相手してやるかぁ・・・。



 しかしいつの間にだんなさまになったんだ、などと考えているうちに、おれは深い眠りに落ちていった。





(続く)
94名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 20:42:30 ID:YQI2X/oq

投下終了、後編に続きます。


イワコデジマ、イワコデジマ・・・
95名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 00:01:15 ID:Ix3n5+oY
おおなんか面白そうだ。
期待してまってる。
96名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:29:45 ID:L9nW9xkO
不覚にも萌えた

続き期待
97名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 08:24:31 ID:GdYqP+Em
続き期待
98名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 04:11:55 ID:KulI2xuh
続き怖い、続き怖い(饅頭怖い的な意味で)
99名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 17:48:14 ID:Pc3sH6JL
続き!続き!
100名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 21:05:02 ID:X2/i+P/k
保守
101名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 03:34:53 ID:YHkQG22P
hoshu
102名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 17:12:15 ID:AIvz5nPg
これもプレガウ神だったか……
103名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 02:15:27 ID:fMjcmBqF
hoshu
104名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 15:29:34 ID:Z75UbqCm
続きを読むまでこのスレを離れられなくなった俺スレ縛霊
105名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 17:26:05 ID:7VcRhu10
続きまだかあああああああああああああああああああああああああああああああ
106名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 22:04:05 ID:b6K9zD4c
まだ途中だけど、4日目、5日目を投下しようか?
前後編が前中後編くらいになったつもりで。
107名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 03:52:42 ID:pfVv/kjc
是非よろすこ!!
後に続くっ!
108名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 09:30:24 ID:JEbXKMD8
    + 。 *   ワクワクテカテカ  +
ツヤツヤ  ∧_∧  +
 +   _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
  ⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
  ⊂_。+   ゚+_⊃
    ⊂__⊃.  +  * +   ワクテカ  +
109名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 12:07:56 ID:q1FZx0xF
では、月曜日の夜に〜。(いま社員旅行中)
お土産にちんすこう買ってくるから、気長にお待ちください。
110名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 12:19:22 ID:EOetMx/T
wktk でも塩ちんすこうはお断りします
111名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 18:53:27 ID:cWxVxDX0
あしたが楽しみだ。


社員旅行で沖縄かぁ、いいなぁ。
ぜひ次は、沖縄の幽霊、妖怪でおながいします。
112名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 20:44:12 ID:+QpVFV+x
沖縄の幽霊ったらこんなのしか思い浮かばない
ttp://office-yurika.web.infoseek.co.jp/toho/ookura-pic/t1-1.jpg
113名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 01:28:13 ID:eIAVrXB4
皆様こんばんわ、これ、おみやげです。

            __
          ヽ|・∀・|ノ ズマメ豆腐マン参上!
           |__|
            ||

ズマメ豆腐とは、ピーナツ豆腐のことである。
豆腐といってもゴマ豆腐に近い食べ物で、ミツをかけて食べる。
地元の人に教わって作った、俺の手作りです。



んな、どうでもいい話はおいといて。
以下に、『ほんこわメイドさん』中編を投下します。
ご不要の方はタイトルでNG登録を推奨します。
114『ほんこわメイドさん』:2008/10/07(火) 01:32:06 ID:eIAVrXB4



 四日目。
 ずいぶんとすっきり目が覚めた。
 起きてみると、いつもより少し早い時間。

 起きてみて、声をかけてみた。部屋のどこともない、そのあたりにいるのだろうなぁとあたりをつけて、おーい、ゆうべは言いすぎた、ごめん、と
謝罪してみたが、何も反応しない。
 出てくるのは夜限定なんだろうか。
 それならそれで、帰ってからもう一度声をかけてみるとしよう。

 おれはその日も仕事に出かけていった。相変わらずの忙しさだったが、夕べのメイドさんのことが気にかかって、あまり集中できなかった。
 仕事の最中も気にかけているうちに、彼女に謝ろうという気持ちと同時に、もしかしたらもう会えないのでは、といった可能性にも思い至って
しまったからだ。

 そりゃそうだ、彼女は夕べ出会っただけの幽霊さんで、本当におれのメイドさんになったわけではない。厚意を邪険に返されてまで、おれの前に
現れなければならない因縁なんてあるはずがない。

 人の出会いは一期一会、とはよくいったものだ。まぁ相手は幽霊だが。
 その出会いが最初でも、同時に最後である可能性だってあるのだ。その出会いに対して、こんなふうに後悔を引きずられてしまうくらいならば、
もっとちゃんと接してやればよかったんだな。

 その日は終日ぐだぐだで、何度もミスをして客先に頭を下げる羽目になった。

 そうしておれはホテルに帰ってきた。
 フロントでカギを受け取り、部屋に入る。
 相変わらずの真っ暗な部屋。そこにおれがスティックキーを差し込むと。

「おかえりなさいませ、だんなさま♪」

 あかりのついた部屋の中、夕べのメイドさんが、おれを出迎えてくれた。

「あ、ああ、ただいま」

 年甲斐もなく、ちょっぴり感動してしまったおれ、声もややどもりがちである。お恥ずかしい。

 メイドさんは満面の笑顔でおれを出迎えてくれた。相変わらず眉を隠すくらいの前髪と、口元にまで届きそうなサイドヘアで、顔の面積ほとんどが
髪の毛といったルックスなのだが、そのぶん隠れることのない唇はやさしく結ばれ、瞳に至っては何やら悟りの慈愛までうかがわせるほどだ。

 いかん、さっきまでのネガティブの反動で、このメイドさんが輝いて見えやがる。

 だけど、だからといってそのまんま正直に口に出して褒めちぎるわけにもいくまい。なんか、ご機嫌をとってるみたいに思われそうで嫌だったし、
何よりおれが癪だった。

 と、おれが内心葛藤している間にも、コップ一杯分の分量程度しかないポットが湯気を立て始めた。部屋の電気が入ると同時に沸かし始めたの
だろう。
 そしておれの見ている前で、沸いたお湯を紙コップに注ぎ始める。るるる〜と、何やら聞いたことのない鼻歌、まぁ上品に言えばハミングか、そんな
楽しげなしぐさでコーヒーをつくってくれた。カップにはあらかじめ砂糖やコーヒーの粉が入っていたのだろう、湯を入れただけで出来上がってしまった。
 まさに、絵に書いたようなインスタント。

 だけど、そんなインスタントも悪くない。
 部屋から出られない自縛霊である彼女が、部屋の中にある限られたもので精いっぱいおれをもてなそうとしてくれるのだ。
115『ほんこわメイドさん』:2008/10/07(火) 01:34:01 ID:eIAVrXB4

「さぁ、おいしいコーヒーが出来上がりましたよ、だんなさま♪」

 そう言っておれに、その紙コップを差し出してくるメイドさん。
 インスタントコーヒーだから味の方もしれているだろうに、彼女はためらいもなく『美味しいコーヒーだ』とおれに差し出した。

 そうだな、このコーヒーは、きっと美味しいに違いない。
 彼女の、もてなしの心が詰まったコーヒーなのだ、美味しくないわけがない。

 このコーヒーを飲んだら、夕べのことはきちんと謝ろう。

 おれはコーヒーに口をつけた。



ぶふーーーーーーーーーーーーっ!!!


「きゃーーーーーーーっ!!」

 盛大に噴き出した。さながら黒い霧吹きだ。小さい虹までかかっている。


 ま、まずい。
 昨日のような普通のインスタントではない、ものすごくまずいコーヒーだ。


「だんなさまのばかっ!!」
「な、なにぃっ!」

 おれの噴き出したコーヒーを、正面にいながら幽霊らしく透過して避わしたメイドさんが、さっきまでの笑顔から一転して今度はぷんぷん怒り出した。

「コーヒー豆の一粒一粒には、七人の神様が宿っているんですっ!! アザなんとかとかヨグなんとかとか、そんなえらい神様が大事に育ててくれた
 コーヒーなんですっ!
 それを盛大に噴き出すなんて、だんなさまにはバチが当たりますよっ!!」

 ・・・この馬鹿メイドめ、っていうか馬鹿幽霊、いやとにかく、この馬鹿め。

「・・・・・・ほう、言いたいことは、それだけか・・・」
「・・・・・・あ、あのぅ、なんで新聞紙を?」

 メイドさんがおそるおそる尋ねてきた。さっきのぷんぷん怒り顔も、何やらおれの様子がおかしいことをそれなりに感じ取ったらしく、不安そうな表情に
シフトチェンジ。さもありなん、おれが傍らにあった新聞紙を掴んで、くるくる筒に丸めだしたからだ。

すぱーん!!

 おれの電光・新聞紙ブレードがメイドさんの顔をしたたかに打つ。メイドさんは、へぶしっ! と何やらくしゃみにも似た声を可愛らしく上げた。


「そのありがたいコーヒーに、『塩』をぶち込んで台無しにしちまったバカモンは、どこのドイツだ!?」

 そうなのだ、さっきのコーヒー、間違いなくあれは、砂糖の代わりに塩が入っていた。昔おれも飲んだことがある、間違いない。

 丸めた新聞紙で盛大に叩(はた)かれて、ちょっとだけ赤くなった鼻をさすっていたメイドさんだったが、おれの言葉を聞いてややあって、ようやく
何かに気付いたようで。
116『ほんこわメイドさん』:2008/10/07(火) 01:36:34 ID:eIAVrXB4

「へああっ!?」

 おまえはどこのウルトラマンか、と問い詰めたくなるような驚嘆の声を、メイドさんはその可愛い声で叫んだ。どうやらこの幽霊メイドさんは、
コーヒーに塩を入れることの不条理に今の今まで気がつかなかったらしい。目的を追うがあまりにそれを見失って、その手段自体が目的に
すり変わっていることにも気がつかないタイプの馬鹿だ。さしずめ、『おいしいコーヒーを入れておれを驚かせ、ギャフンと言わせる』ために
試行錯誤するうちに、『おれを驚かせてギャフンと言わせる』だけが残ってしまったんだろう。

「だって、スイカには塩をかけて食べるじゃないですか、ぜんざいに塩を入れると甘さが引き立って・・・」
「甘さの元になる砂糖の代わりに塩をぶち込んでたら、引き立つ甘さなんて最初っから無いだろ。塩辛いだけだ!
 それに言っておくが、コーヒーはそもそも甘い飲み物じゃねえ。スイカやぜんざいと一緒に語るな!」

 メイドさんが恐る恐る口にした、猪口才な理屈をおれは一蹴した。
 そうしてようやく己の過ちに気がついたメイドさんは、へたりこんだ床のカーペットに手をつきがっくりとうなだれた。

「ごめんなさい、アザなんとかさん・・・ヨグなんとかさん・・・」
「その前におれに謝らんか、バカモン」

 よっぽど自信があったのか塩入りコーヒー。メイドさんは深く沈み込んで、うーうーと唸っていたのだが、それからまた唐突に立ち上がった。

「こうなったら、なんとしてでもだんなさまをギャフンと言わせて見せます!」

 やはりそれが目的になってしまっていたか。
 ここはやはり、ちゃんと正しておく必要があるだろう。

「ところでおまえ、ちゃんと味見はしたのか?」
「?」

「このコーヒー、おれに出す前に自分で飲んでみたのか?」
「そんな、だんなさまにお出しするものに私が口をつけるなんて」

 案の定、このメイドさんは『味見しない派』だ。まずい料理を出す奴はたいていこの派閥に属する。
味見をしてこのコーヒーならば『味覚おかしい派』なのだが、それも確かめてみる必要があるな。
 果たして幽霊がコーヒーなぞ飲めるのか、考えてみればおかしな話なのだが、今目の前にいるメイドさんは妙に存在感たっぷりで、それくらいの
でたらめは許容してしまいそうな気がしたので、おれはさっきの塩入コーヒーの残りを彼女にすすめてみた。
 そうしておれにすすめられるまま、彼女はカップに口をつけた。

ぶふーーーーーーーーーーっ!!

 盛大に噴いた。おれと同じ黒い霧吹きで、小さな虹までできている。

「こ、これがコーヒー!?」
「ちがう、断じて違う」

 幽霊さんのように透過できないおれは、メイドさんの噴いたコーヒーをもろにかぶってしまった。とりあえず傍らにあったタオルでそれをぬぐう。
 彼女が、これを不味いと感じてくれてひと安心。『味覚おかしい派』ではなかったようだ。

 おれは、ちょっと待ってろ、とメイドさんに言い残して部屋を出た。そして階下にある自販機で、馴染みの缶コーヒーを購入してきた。

「ほら、これを飲んでみ?」

 部屋に戻ったおれは、幽霊メイドさんにその缶コーヒーを手渡した。とりあえずの、味の基準にはなるだろう。本当は本格的に豆を挽いて
煎れたものを飲ませてやりたかったが、もうすでに深夜で、このあたりに道具を売っている店はない。
117『ほんこわメイドさん』:2008/10/07(火) 01:37:36 ID:eIAVrXB4

「これはなんですか?」
「缶コーヒーだ、知らないのか?」
「ああ、この中にコーヒーの粉が入ってるんですね?」
「違う、もうすでに出来上がったコーヒーが入ってるんだ、開けるだけで飲める」
「そんな! じゃあ私は一体、何をしたら・・・」
「なにもせんでいーから、黙って飲め!」

 あほらしい問答をしてても仕方がない。おれは、間違いなくプルタブの開け方も知らないであろうメイドさんから缶コーヒーを奪いかえし、
新しいコップに中身を注いでから渡してやった。

「こ、これは!」

 彼女はそれをひと口飲んで衝撃を受けたらしい。そして最後まで飲み干してから、心奪われたように一言、おいしい、とつぶやいた。

「だ、だんなさま、これは!?」

「これがコーヒーの味だ。
 もっとも、これは工場で作ってる出来合いのもので、ちゃんと作った本格的な奴はもっとうまいぞ」

 とりあえず、塩が不要なものだということぐらいは伝わっただろう。
 缶コーヒーの味と、先ほど自分の作った塩入コーヒーを比較して、かなりの衝撃を受けているに違いない。

「ま、負けてしまいました・・・。工場で働くメイドさん、おそるべし・・・」

 いや別に、工場にはメイドさんはいない。つうか、コーヒーはメイドさんが作るものなのか!? 専門職なのか!?

「よし、私も負けていられません、最高の塩加減で」

すぱーん!

 塩の話はもういらない。
 おれに新聞紙で頭を叩かれたメイドさん、なぜ叩かれるのかをわかっていなかったらしく、頭を抑えたままきょとんとしていた。

 それからおれは、懇切丁寧に、なぜコーヒーに塩がいらないかを説明した。
 メイドさんがようやくそれに納得したころには、すでに東の空から陽の光がさし始めていた





118『ほんこわメイドさん』:2008/10/07(火) 01:41:24 ID:eIAVrXB4



 5日目。
 ほとんど寝ていない。
 それでも仕事を休むわけにも行かなくて、なんとか部屋を出た。

 当然、仕事の方は散々だった。
 眠っていないから昨日の疲れも抜けておらず、フラフラになりながら働いた。
 まるで、悪いものに取りつかれたかのような状態。いや、確かに相手は幽霊なんだけど、そう言うのともちょっと違う微妙な感覚。

 何とか致命的なミスを回避しながらやり過ごしたおれ、その日の仕事を終えてホテルに戻ってきた。

 そしてフロントでカギを受け取ると、そこの従業員が何やら言いにくそうにおれに話し掛けてきた。

「もしよろしければ、新しいお部屋をご用意いたしましょうか?」

 何でも、おれが当初予約したときは空いていなかった他の部屋に空きができたので、そこに移られてはどうか、と言うことらしい。今の部屋は
修繕予定の部屋なので不便だろう、と。

 とりあえずおれは断った。
 部屋を移るのがめんどくさかったというのもあるが、あの部屋が気にいったというのが理由だ。馬鹿ではあるが、可愛らしいメイドさんつきの
部屋なんか、そうそうないだろう。

 おれが、面倒くさいと言って断ると、従業員はしばし迷ってから話し始めた。

「あの部屋は、出るんです、幽霊が」

 知ってるよ。
 とりあえず声には出さなかったが、その従業員は、おれがそれほど驚いたふうもないのに気がついて。

「・・・何もありませんでしたか?」

 そう、尋ねてきた。
 実際は、その話は本当で幽霊もいるわけだが、おれは部屋を移るつもりがなかったから、適当にしらばっくれてやった。
 それでもその従業員は食いついてきた。

「今日も、お客さまが出かけられた後、フロントに内線がかかってきて、『コーヒーを補充してください、とにかくたくさんです!』という女の子の声が・・・」

 おれはその話を聞いて、小さく噴き出した。
 なるほど、あのメイドさん、コーヒーを大量に取り寄せて、練習でもしているのだろう。
 さて、それじゃあ今夜はちゃんとしたコーヒーが飲めるんだろうか。

 とりあえずおれは、あの部屋を移るつもりがないことを再度告げた。
 その言葉にようやく引き下がった従業員は、それでも念のためにとおれに、小さな袋を手渡した。

「先日からずっと部屋の隅には撒いてあるのですが、とりあえずお持ちになってください」

 ・・・清めの塩か。なるほど、昨夜のコーヒーに入れられたのは、これだったか。
 おれはそれを突き返し、余計なことはしないようにと念を押した。

 夕べ一晩かけて説明したのだ、また塩を入れられたらかなわんからな。


119『ほんこわメイドさん』:2008/10/07(火) 01:44:28 ID:eIAVrXB4


 そして、おれは部屋に戻ってきた。
 カギを開け、電気をつけるとそこにはあのメイドさんが立っていて、笑顔でおれを出迎えてくれた。

「おかえりなさいませ、だんなさま♪」

 ただいま、とおれが応える。
 メイドさんは相変わらず、にこにこと笑っておれを見ていたが、昨日のようにコーヒーを支度するような動きを見せない。

「今日はコーヒーないのか?」

 おれは、ついそう尋ねてしまった。期待していた、と言うのが正直なところで、やはり昨日の説得がちゃんと効果を表しているのか、その成果が
楽しみであったからだ。
 しかしメイドさんはおれの問いに、にこやかな笑みを崩さないままで。

「もうしわけありません、今日のコーヒーは品切れです」

 そう言った。

 いや、さっき聞いた話だと、今日はこの部屋に大量のコーヒーが届けられたはずだ、それが品切れって、一体どういうことだよ。
 おれはふと、部屋のごみ箱を見てみた。そこには大量の、紙コップと粉末コーヒーの紙袋が投棄されていた。
 なるほど、練習に夢中になって、届けられたコーヒー全部使っちまったのか。おれは、今日懸命にコーヒーをつくるメイドさんの姿を想像して、
なんだか微笑ましい気分になった。しかも、それはおれのために頑張ってくれているんだと思うと、正直嬉しくなってくる。
 思い上がりと笑わば笑え、だ。

 おれは、そんな嬉しさをできるだけ隠して表情に出さず、ねぎらいの心でその山を指さし、言った。

「練習も程々になー」

 すると。

「キャーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」

すぱーーーーーーーん!!!

 メイドさんはそう叫んで、傍らにあった新聞紙で思いっきりおれの頭を叩いた。
 字面だけ見ると、なんだか可愛らしい少女の悲鳴のようにも聞こえるのだが実際のそれは、武芸者が仕掛けるときに上げる気合の声のようだった。
声が可愛らしいのが救いと言えば救いなんだが、一体なぜおれが叩かれなきゃならんのだ?

 おれがそんな疑問にややぽかんと反応を遅らせていると、メイドさんは、まるでいたずらを叱るお姉さんのような口調で、おれに何やら述べ始めた。

「これは見ちゃだめなのです!!
 白鳥は、水面下で必至に足掻きする姿を人には見せず、絶えず優雅な姿を見せるものなのです!!
 だんなさまは、メイドさんの努力する姿を見てはいけないのです、見てみぬ振りをするものなのです!!!」

 な、なるほど・・・。

「それをだんなさまは!
 たとえるならば、部員に隠れて『影の努力』をするキャプテンのところに、冷やかしに来た部員たちが
 『隠れて練習お疲れさん♪』とかいって顔を出すような、無粋なことをしたんです!!
 反省してください!!!」
120『ほんこわメイドさん』:2008/10/07(火) 01:45:33 ID:eIAVrXB4

 うっ、そういうふうに言われると、なんだかおれ、すげー悪いことをしたような気になってくる。たしかに、夜の神社で猛特訓する谷口キャプテンの
ところに、部員たちが顔を出してたりしたら、台無しだもんな、あの名シーン。

「というわけで、今日だんなさまにお出しするコーヒーはありません!」

 ぷんぷんと怒り顔でおれにきっぱり言い放ったメイドさん。取りつく島もない。そしてそのまま、スーっと消えてしまった。
 仕方がないので、今日はもう寝ることにした。夕べ寝ていない分、できるだけ睡眠をとらなきゃいけないからな。

 それにしても、コーヒーもろくに知らないくせになんで『キャプテン』は知ってるんだ、などという疑問を抱えつつ、おれはあっさりと眠りに落ちていった。
121名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 01:47:11 ID:eIAVrXB4
       __
      |・∀・|ノ  よい
     ./|__┐
       /  調子
    """"""""""""""
         .__
       ((ヽ|・∀・|ノ  しょっと
         |__| ))
          | |
          調子
    """""""""""""""""
とりあえず、今回はここまで。
残り6日目、7日目は、それほど大きなヤマもオチもなく進む予定。
ではまた後日。
122名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 04:23:11 ID:E+cvw2Sa
GJ !!!

なのだが、エロパロ板なのでそこんとこよろしく
123名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 06:05:01 ID:FTST1e2v
だが癒されるから問題無いな
124名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 10:21:58 ID:B4O1eb27
    + 。 *   ワクワクテカテカ  +
ツヤツヤ  ∧_∧  +
 +   _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
  ⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
  ⊂_。+   ゚+_⊃
    ⊂__⊃.  +  * +   ワクテカ  +
125名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 20:02:11 ID:xA+mx5rP
>>124
他所でも水分発散してなかったか?

沖縄の妖怪にはきじむなーとかいるんだぜ。
……まあ人の形をした精霊みたいなものだけども。
126名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 21:52:04 ID:qVzUZV6K
アカナメにキスされたらえらいことになりそうだな
127名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 22:03:24 ID:8fx2P7Ay
そこで南方妖怪のチンポですよ。
今期の鬼太郎では修正喰らって「ポ」になったけどな。
128名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:39:52 ID:NuVf3FdC
>>126
キスしたまま前立腺を舐められるのか
129砲兵森:2008/10/10(金) 02:08:30 ID:LYVOMDRZ
北富士演習場には砲兵森という森が存在する。
「宿営地はここでありますか!」と叫ぶ明治時代の砲兵の幽霊が出ることで知られている
私の実家の近くにはコウシャの森という名前の森がある。
三年前、陸曹長になったばかりの私は、実家に帰省した。
母親としばらく話をした私は少年時代遊んだ森に行った。
行くと、女の子達が走っている。私は疑問に思い一人に聞いてみた。
すると、「陣地を作るんです」との答えが…
そして、不審に思ったときには集団は消えていた。
後で調べたところ、あの森は高射砲陣地になる予定だったが空襲の際、三角兵舎と作業壕に着弾。
兵員七名、勤労女学生十名が死亡し中止に…敗戦を迎えた。
そして、昔近所のおじいさんが言っていた「コウシャ」は高射砲陣地の事と知った。  
130名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 17:58:49 ID:X6Jee7H1
tesu
131名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 22:09:42 ID:cTC9aMQW
>>129は、ここから話が続くのだろうか?
うまく書けば、切なくていい話しができそうだし、時代と主人公の年齢を調節すれば、死んだ幼馴染の話とかにもつかえそう。

後の問題は、エロ。
132名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 22:09:26 ID:gpqDD0W6
>>130
GJ
133名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 15:29:46 ID:i2nWeqBv
>>121
ちょいと遅れたがGJ!

しかしどっかの国の海軍では塩入のコーヒーなるものがあると何かで読んだ気がするが…
134名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 22:24:50 ID:AUhuk821
豆を原料とする黒い液体に塩を入れる国は……日本だな


調味料だが
135名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 22:37:03 ID:gT0X7kGb
その豆粒ひとつひとつに、アザなんとかとかヨグなんとかとかニブなんとかが宿ってるなんて、初めて知ったよ。
136名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 14:40:28 ID:HbBm2eQD
旧支配者コーヒー(笑)
137名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 22:04:50 ID:qN78iWMu
外なる神々ブレンド(笑)
138名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 00:01:32 ID:Tyu/8mNr
名状しがたきブルマン(笑)
139名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 19:43:44 ID:sAuaqnoF
やっぱり鬼の娘は
角触ると感じちゃうのかな
140名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 12:46:58 ID:lSmXBG2B
エロパロ板に来ておいてなんだがエロいらね派の俺には
ほんこわメイドさんにはこのままの路線で行ってほしいが板の関係上無理なのだろうなぁ
他の板にはこういうスレってないのかな?
141名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 14:17:03 ID:g4Pf2h8C
オカルト板にいけば、萌え幽霊スレとかあるんじゃないか?
142名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 16:29:50 ID:82b8EPuh
創作なんとか板ってのも最近出来たみたいだが
143名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 17:18:35 ID:V6jlX2q2
>>140
すまん、エロシーンある。
144名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 11:13:22 ID:L03isMLh
>>143
むしろ歓迎
145名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 11:15:03 ID:LHHXIg4N
>>143
    + 。 *   ワクワクテカテカ  +
ツヤツヤ  ∧_∧  +
 +   _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
  ⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
  ⊂_。+   ゚+_⊃
    ⊂__⊃.  +  * +   ワクテカ  +
146名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 22:15:50 ID:tmtECk9+
それでは最後、投下します。
できれば、先に投下した分を読み直していただけると、
ノリみたいなものがつながってより楽しんでいただけると思います。
前編1日目〜3日目>>87-94
中編4日目〜5日目>>114-120

では、不要な方はタイトル『ほんこわメイドさん』でNG登録をお願いします。
147『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:19:22 ID:tmtECk9+

 六日目。
 寝すぎた。
 時間ぎりぎりに起きたおれは、あわてて部屋を出た。
 正直、メイドさんの様子も気になったのではあるが相変わらず朝には姿を見せないようで、声をかけたがそれっきり、おれは部屋を出た。

 その日もまた地獄の忙しさ。昨日のヘマをフォローしなきゃならんのだから、自業自得と言われれば何も言い返せない。 

 ようやくその日の仕事も終わり、かりそめの宿であるホテルに帰ってきたおれ。

 ロビーでカギを受け取り、部屋に入る。スティックキーをスポットに差し込み、部屋に電気を通す。

 すると、その部屋には、何とも可愛らしいメイドさんの姿をした幽霊さんがいて、おれを出迎えてくれたのだ、今夜もまた。

「おかえりなさいませ、だんなさま♪」

 おれがただいま、とそれに応えると、彼女は沸かし始めたポットに向き直り、真剣な表情でそれを凝視し始めた。どうやら今夜は出るらしい、コーヒーが。
 そしてしばらく、メイドさんはポットを見つめ、中の水が沸騰する直前になった瞬間、えいやっ、と可愛い掛け声を出してポットのスイッチを切った。
そして素早く、あらかじめ粉を入れてあった紙コップに、その湯を注ぐ。

「できました、だんなさま!」

 軽くかき混ぜ、そしてメイドさんはそのコーヒーをおれに差し出した。彼女の表情は真剣で、自信と、そして裏腹な不安とが一緒になった緊張の色が
満ちている。

「塩は入れてないよな?」
「はいっ、一粒たりとも混入していません!」

 おれは、そのメイドさんの答えを確認してから、コーヒーをひと口。


 ・・・美味い。


 そしてもうひと口。

 本当に美味い。

 そして残りの分を、味わってじっくりと堪能し、飲み干した。

 美味い、信じられん・・・。

 まさか、安物のインスタントコーヒーがここまで美味しく味わえるとは、実に驚きだった。まさに神技、幽霊技、いや、メイド技か。メイドさん奥義、
とはよくいったものだ。

 いや、はたしてそうだろうか。

 そのときちらりと、視界にごみ箱が見えた。夕べと同じく、コーヒーの紙カップや砂糖の紙容器などが堆(うずたか)く積まれている。夕べのことも
あるから、見てみない振りをすることにしたが。
 たくさん練習したんだろう。おとといに飲んだ缶コーヒーの味を頼りに、コーヒーの粉の量や砂糖の微妙な配分を変えたり、お湯の温度を工夫したり。
限られた材料を、一番美味しく飲めるバランスに調合したんだろう。なぜだろうか、おれの好きな味だった缶コーヒーよりもずっと美味しく仕上がっている。

 幽霊の持つオカルトパワーや、はたまた可愛い女の子がいれてくれるコーヒー、メイドさん効果で美味しくなった、なんてのはただの幻想で、実際は
こんなふうに、何度も試行錯誤を繰り返して習得したはずだ。安易に超常的な力のせいにしてしまっては、彼女の努力に対して失礼だな。

 彼女は、コーヒーを飲み干したきり黙ってしまったおれを、心配そうな顔で見つめている。

 そうだったな。
 いつのまにだか知らないが、おれは彼女のだんなさまになっていたんだ。それならそれで、彼女の主人らしく、彼女に応えてやらねばなるまい。
148『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:22:55 ID:tmtECk9+

「うん、美味しいコーヒーだ」

 ぱあっ、と彼女の表情に花が咲く。

「よく、がんばったな」

 おれは、彼女の頭の上にぽん、と掌を置き、やさしく髪を掻き撫でる。

 メイドさんの顔、髪の毛に隠れていないところが赤くなっていく。
 そうして彼女に瞳がじんわりと潤みだしたかと思うと。

「だんなさまぁっ!!」

 とうとう感極まって、おれに抱きついてきた。
 おれの胸元に顔を埋め、両手を背中に回し、ぎゅうっ、としがみついて来る。おれはそれを受け止めて、やさしく抱き返してやりながら、
彼女の体温の温かさを感じていた。


 ・・・え? 

 なんで、体温があるんだ?
 それにおれ、この幽霊さんに触(さわ)れてるぞ?

 いやまて、そう言えばおれ、何度も新聞紙でこの子を叩(はた)いてるな。さっきはごく普通に頭も撫でたりしたし。彼女は自分の意思で、紙コップに
触れたりポットのスイッチを入れたりできるわけで、おれが彼女に触れていること自体はまぁ、なるようになった成り行きのような感じで『あり』なのだろうか。

 つまり彼女の実体化は、『彼女が触れようとする意思』か、『おれが彼女に触れようとする意思』どちらかがあればいいのだろう。
最初におれが幽霊作法を教えようとしてすり抜けてしまったのは、おれの気合が足りなかったか、彼女に逃げられてしまったせいかもな。

 そうするといまこの幽霊メイドさんに抱きつかれて、おれが体温を感じているということは、『彼女がおれの体温を感じたい』と願っているということだ。
幽霊のくせに温かい人並みの体温を持っているのはなんだか解せないが、まぁそれは愛敬か。


 ・・・いやまて。


 ってゆーことは、おれはいま、触(さわ)れて、体温もある、可愛い女の子に抱きつかれているわけか!

 彼女はいまだに、おれの胸元に顔を押し当て時折小さくしゃくりあげながら、しがみついて離れようとしない。
おれに褒められたことがそんなにも嬉しかったのか。
 おれは彼女の肩に手をかけて優しく促してやり、こちらを見つめてくる彼女に唇を寄せた。

「・・・ん」

 唇を重ねられて彼女はやや驚いたようだが、後は瞳を閉じ、おれにそのまま唇を預けてくれた。
 そうやって、唇を触れ合わせるだけのキスを続けるうちに、どんどんこの幽霊メイドさんのことが愛おしくなってきた。可愛らしいけれどもお馬鹿な彼女、
メイドさんのくせにインスタントコーヒーを入れる仕事しかしない、だけどもそれに一生懸命な女の子。一体どんな経緯で幽霊になったのかは知らないが、
それでもこうして、この部屋で彼女に出迎えてもらったことはおれにとって幸運な出来事なのだ。
 惚れっぽい? 手が早い? ほっといてくれ。情熱的と言ってもらおうか。

 とにかく、おれは彼女に恋してしまったようだ。

 おれはそれから、キスを少しだけ強く、彼女の唇を割るように重ね、開いた隙間に舌を差し込んだ。

「ん! ・・・んうん、ん・・・」
149『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:24:53 ID:tmtECk9+

 彼女は侵入してきたおれの舌に驚いたが、それでも抵抗らしい抵抗もせずに受け入れてくれた。彼女の口の中は唾液にあふれ、その中の短めの
舌が、やや不器用にうごめいておれの舌に絡み付いてくる。舌の腹どうしがこすりこすられ、そのたびにぞくり、と背筋を甘い痺れが走り、胸が苦しく
なっていく。
 幽霊の口の中に唾液があろうとも、もうおれは驚いたりしねえぞ。ちなみに彼女のキスはコーヒー味。昼間にさんざん味見をしたんだろう。

ちゅ、・・・・・・ちゅう、・・・ちゅうぅ、

 おれたちのキスの音が、ときおり唇の隙間から漏れる。キスの最中も、おれに口を防がれた彼女は懸命に鼻で呼吸をしていた。体温とか唾液とか
呼吸とかなんて、まるで生きている人間と同じじゃないか。ここまで来れば、おれも確信を持てる。

 これは、『喰っていい』ってことだ。

 実体化が彼女の意思ならば、それをここまでリアルに再現してしまう理由は、それしか考えられない。

 おれは、ながいながいキスを終えて唇を離す。幽霊のメイドさんは、ようやく唇を解放されて、はぁぁぁ、という熱っぽい息をはいた。その顔は紅潮し、
瞳は潤んでいる。

「・・・すごい、これが『キス』なんですね・・・」

 かすれる声で、メイドさんがいう。うっとりとキスの余韻に酔う姿は、だれがどう見ても(もちろんおれしか見ていないが)初心(うぶ)な女の子だ。

「どうだった?」

 キスを終えたとはいえ、まだ数センチも離れていない唇で、おれが彼女に感想を聞いてみる。
 その問いに彼女はといえばゆるやかに、ぱく・・・、ぱく・・・と口を動かすも、言葉というか音にもならない様子だったのだが、少ししてようやく、
その唇の動きが音を得た。

「それが、ぼーっとしてしまって、なにがなんだか・・・」

 顔を赤く染めたまま、困ったような口調での返答。その初々しさに、おれは何ともおかしくなってしまい、ついにやにやと笑ってしまうのだ。


 おれは、あまり我慢できない質(たち)なので、そのままメイドさんをベッドに押し倒した。ひゃん、と空気にかすれるような短い悲鳴をあげたメイドさんに、
無粋とは知りながらも言葉に出して確認する。

「このまま先に進んじまうが、いいか?」

 するとメイドさん、おずおずとうなずいた。

「よくできたメイドさんは、だんなさまのお手つきになって可愛がられるものなのです・・・」

 どっちかっていうと、出来の悪いところが可愛いので抱きたいわけだが、まぁそのあたりは言わないことにした。




 幽霊の彼女、消えるときには服も一緒。
 だったら今、彼女が着ているこの黒いメイド服も、幽霊なのだろうか。服の幽霊? それともこれも、外骨格みたいな彼女の一部? あるいは、
先祖が代々、死ぬときに残す霊毛で編んだ服なのか?

 んなこた、どーでもいい。
 何が大事なのかというと、彼女を引き立てるようなデザインであること、服の素材が上質であること、そしてそれを脱がす楽しみを与えてくれている
のか、という点なのだ。
 その点、彼女のメイド服は満点合格、さらにその下のインナーまでもが生意気なシルク作りという、贅沢仕様。

「わっ、わわっ、み、見ちゃだめですよっ!」
150『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:28:13 ID:tmtECk9+

 おれが、彼女のスカートをめくってその下着を確認すると、羞恥に耐えられなくなった彼女がそんな言葉の抵抗をした。
だが残念、そんな言葉程度では俺のリビドは止められやせん。なぜならば、そんな唇はおれがキスで塞いでしまうからだ。

「ん・・・・・・んふ・・・・・」

 メイドさんの舌も大分緊張がほぐれてきて、おれの舌に合わせて滑らかに動き始める。
舌の腹がこすれあうたびに、おれはぞくぞくとしびれるような快感を得ることができるし、彼女もそうなのだろう、全身を小さく震えさせながらもときおり
ぴく、ぴくりとのけぞるように反応する。

 とてもじゃないが、ここで止めたりはできない。

 黒い服の胸元のボタンを外していくと、真っ白な肌が現れた。上品なレースのあしらわれた黒いブラジャーで寄せられたその胸は、柔らかそうな
乳房で見事な谷間ができている。ずいぶん着痩せするんだな、服の上からではわかりにくかったが、結構な巨乳じゃないですか、メイドさん。

「あ、あまりじっくり見ないでください・・・」

 実にうまくできた構造で、ブラのフロントホックを外すと、締め付けられていたおっぱいがまるでびっくり箱か飛び出す絵本のような按配で解放された。
メイド服の胸元を押し開いて、二つの胸が現れるさまは、まさに圧巻である。
 これはスゴイ。実に面白い。そしていやらしい。
 一言にまとめると、『超オモやらしい』。

「実に立派なものをお持ちで・・・」
「・・・素直に喜ぶところなんですか?この場面」

 おれの褒め方に、恥ずかしいやら不可解やら、微妙な表情で返してきたメイドさん。
 そんな彼女の反応は軽くスルーして、おれは彼女の胸をいじり始めた。まろやかでふくよかな両おっぱいを両の掌で掴み、もにゅん、むにゅん、と揉みしだく。

「ん! ひ! ひにゃああん!」

 おれにおっぱいを揉まれ、肩を縮めて身悶えるメイドさん。ときおりまぶたを開き、おれに鷲掴まれる自分の乳房を見て、より困惑したように眉根を寄せる。
 こころの、主に性欲の赴くままにおれはメイドさんのたわわなおっぱいをこね回した。するとその乳房の先端、淡い色の乳首が、だんだんぷくりと勃起を始めた。

「乳首、膨らんできたな」
「や、言わないでください〜」

 おれは、舌をとがらせてつきだし、その乳首の周りをなめてやった。

「ひっ! や! あっ! はぁっ!」

 メイドさんは息を詰まらせ、可愛らしい声を出してあえぐ。乳首に直接舌が触れることなく、その周辺だけをくすぐるような刺激。じれったさに肌が暴れ、声も乱れる。

「うん、乳首も立派なもんだ」

 おれが舌を離し一息ついたころには、彼女の双球の上の乳首は、小さめながらもびんびんに固くなっていた。もちろん彼女の息も絶え絶えで、
さっきのように微妙な疑問を挟んでくる余裕もない。

 そしておれはようやく、彼女の乳首に直接攻撃を開始した。

「ひうっ!! あ、あ、ああっ、あああ〜ッ!!!」

 おれが彼女の乳首にすいついてしゃぶり倒すと、彼女は悲鳴を上げて悶えまくった。当然彼女の乳首からミルクが出るわけもないが、
それでも彼女の味がして、吸いついた舌先でなぶるのが楽しい。なぶるたびに彼女が悲鳴を上げて悶えまくるのが、スゲー楽しい。

 あまり調子に乗って乳首ばかり攻めると、メイドさんの方が保たない。今でもすでに息絶え絶えで、瞳に涙をためてぐったりしている。
もちろん、おれの方だって我慢できない。ズボンの中で愚息がデカくなりすぎて窮屈だぜ。
 じじじ、とおれはファスナーを下げ、その中からギンギンにいきり立ったペニスを取り出した。
151『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:30:44 ID:tmtECk9+

「じ、実に立派なものをお持ちで・・・」
「おうともさ」

 メイドさんは、おれの逸物をみて、ごくりと息を飲み込む。
 ベッドに横たわり、息を少し整えていたメイドさんは、近づけられたおれのペニスにそっと手を触れさせた。

「あ、・・・あの、これをおしゃぶりすれば、よろしいんですよね?」

 お、フェラチオのことを知ってるのか。なんかそのあたり、知ってる知識と知らない事の差がよくわからん。おれがそのことをちょっと聞いてみると。

「この部屋の、ビデオで見ていましたので、理論は知っています。・・・実践はまだですが」

 部屋のビデオって、見たお客さんが金を払う有料放送じゃねえか。覚えのないビデオ代を請求されるとは、客も迷惑したろうな。
 おれがそんなふうな感想を漏らすと、頬を赤らめたメイドさんが申し訳なさそうに、呟いた。

「そこは、呪いとでも思ってあきらめてもらうしか・・・」

 『見てないはずのアダルトビデオ代金が請求される呪い』なんて、聞いたことねえ。
 とにかく、予習済みってんなら、遠慮なく堪能させてもらおうか。おれは、いまだに起き上がれないメイドさんの顔の横に腰かけて、
彼女を膝枕する要領でその頭をペニスに近づけた。

「あう・・・ち、近すぎです、おちんちん・・・」

 顔のすぐそばに存在するペニス、膝枕されたメイドさんの口元にちょうどさしかかる。彼女が唇を開き、舌を伸ばしただけで、
ペニスの竿に届くほどの距離だ。本来の、左右両の眼が視線を結ぶ位置よりもずっと手前にあるペニスを見つめると、
ことさら距離感がいびつになるのだろう。

「じ、じゃあ、はじめます・・・」

 そしてメイドさんは、膝枕されたまま、片手だけをペニスに添えて引き寄せて、ちゅ、と竿にキスをした。

「これから、おせわになります・・・」

 大きなペニスに向かって小さく、かすれる声でそんな挨拶をするあたり、実に奇妙な律義さ。それだけ聞くと間抜けな言葉だけど、
視覚的にはものすごいインパクトがある。おれのいびつなペニスと、可愛らしいメイドさんの顔がこれほどに近く、そしてそのペニスに対して
彼女がそんなセリフを言うものだから、なんだか、このメイドさんをおれのペニスが隷属させているような、倒錯的な快感すら湧き上がってくるのだ。

「・・・は、あむ・・・ちゅ、」

 メイドさんが、頬ずりをするようなしぐさでおれのペニスをいとおしむ。甘くついばむようなキス、そして舌先でのくすぐるような愛撫。
短く途切れるような吐息が、湿った音を立てておれの耳をくすぐってくる。

 おいおい、なんだこれ、いきなりフェラチオ上級者じゃねーか!!

 ・・・とも思ったが、よくよく考えてみれば、けっして達者なのではない。男のくすぐりどころを熟知しているわけではない。
 彼女は懸命なのだ。
 懸命におれのペニスを愛してくれているのだ。

「ん、ん、ん、・・・は、あん、んちゅ、んん・・・・・・」

 もともと呼吸が浅いのか、はたまた彼女も興奮をしているのか。短く途切れるような息を繰り返しながら、おれのペニスにじゃれついて来る。
 おれは、今の刺激に身を震わせながらも、新しい刺激を求めて次の行為を促した。彼女の頭を少し後ろに下げ、ペニスの先端を小さな唇にあてがう。
152『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:33:00 ID:tmtECk9+

「ふぁ・・・・・んぁむ・・・・・・ん」

 予習の成果か、おれの意図を正しく察したメイドさん、精一杯に開いた唇の中におれの亀頭をふくみ、そのままずるずると飲みこんでいった。
 ペニスの敏感な部分が彼女の咥内粘膜にこすられながら、ほとんど根元近くまで飲みこまれていく。唾液に滑る頬の内側の感触に背筋を震わせ、
ねっとりと動く舌が竿にこすりつけられ、少し固い喉に押し込まれる刺激にどんどん高まっていくおれ。さらにその光景、おれの太いチンコがメイドさんの
可愛らしい顔を犯すさまに、おれはますます興奮した。

「ん、んんう、んぐ・・・ちゅぐ、ん、じゅる、ん、んんん・・・・・・」

 そしてメイドさん、不自由な姿勢ながらも懸命に顔を動かして、おれのペニスをしゃぶりあげた。絶えず喉の奥にペニスを吸い込む吸引を行いつつ、
顔を振って唇や舌の動きでおれを刺激する。

 やべえ、もうもたねえ!

 さっきまで腰のあたりでむずむずいっていた射精感が、一気にペニスを駆けあがる。おれは思わず、メイドさんの頭を掴み押し付けるようにして
ペニスを喉奥につきこみながら、勢いよく射精した。

「ん! んん! んん〜〜〜っ!!」

 苦しそうにうめくメイドさんには申し訳ないが、最高の射精だ。おれは彼女の喉にドクドクと、何度も何度もペニスを脈打たせて精液を吐きだした。
彼女は顔を真っ赤にしながら、おれの精液を出されるがままに飲み干していく。

「ぐ! ごふっ!! げふっ!!!」

 精液の噴き出してくる間隔と、飲みこむタイミングがずれてしまったせいで、メイドさんはおれのペニスを射精の途中で吐きだし、激しくむせこんでしまった。

「げほ! げほっ! ごほっ!!!」

 おれはそれでも止まらぬ射精を彼女の顔に向けて、苦しげに咳こむ彼女の顔と髪に精液をぶちまけてしまった。苦しむ彼女には申し訳ないが、
一度解き放たれた精液は最後まで出し尽くすまで止まらないのだ。
 ようやくおれの射精が収まり、彼女の咳も終わった。口元から涎と、おれの精液をこぼしながら、荒く息をするメイドさん。
白濁に汚れた顔はやや恨みがましくおれを見つめていた。ちょっとやりすぎたかな、と射精から冷めつつあったおれは後ろめたい気持ちになり、
それを取り繕うような感じで彼女の頭を撫でてやった。
 こんなごまかしみたいな行為ではさすがに許してもらえないだろうな、とも思っていたが、おれに頭を撫でられていたメイドさんはだんだんと
表情を和らげ、しまいには幸せそうに笑みを浮かべた。



「はやく、私を可愛がってください、だんなさま・・・」

 フェラチオが終わり、口をゆすいでなんとか喉の苦しさも癒えたメイドさんと、さっそく次のステップに移ったおれ。再び交わしたキスを皮切りに、
どんどんメイドさんの身体を愛撫していく。おっぱいをなぶり、思いっきり彼女をよがらせた後でショーツを脱がせると、もうそこはびっしょりと濡れていた。
スカートを大きくまくりあげ、その部分をよく観察してみると、薄い茂みは湿って肌に張り付き、全体的にほてって十分に肉を柔らかくしている感じだった。
あの苦しげなフェラチオでも、実はぐっしょり濡らすぐらいに興奮していたのかもしれない。
 おれはその、蒸れたような股間に顔を寄せ、彼女のあそこにむしゃぶりついた。

「ひあっ!!」

 びっくりしたような声を最初だけあげたが、その後は悩ましく、声を震わせる。

「あっ、ああっ、んあああっ、ひあ、や、やあああああん・・・・・・」

 おれに腰を押さえられたまま、くねくねと半身をよじって、股間からの刺激に震えるメイドさん。最初は戸惑うような声だったのが、次第に甘く、
喜ぶような声になっていく。彼女の鼓動が早くなり、呼吸もどんどん短くなり、その嬌声も短く区切られるスタッカートのように高まっていく。

「あ、あ、ああ、ああっ、はあっ、あっ、あん、ああっ、あっ、はっ、ああああっっ!!」
153『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:36:35 ID:tmtECk9+

 彼女のあそこにしゃぶりつき、舌で粘膜をなめまくり、さらにクリトリスにキスをして、ちゅうっ、と吸い上げる。

「ひゃあっ!! あああああああああああっっっっ!!!」

 ひときわ高い声をあげた後、くたりと脱力した彼女。間違いなく、絶頂した。高まりの頂点でシーツを握りしめた指も、ぴんと張り詰めるようにして
伸ばされた足も、今やぐったりと力を抜いて、荒い呼吸に身体を震えさせている。
 その、メイド服を乱しながら恍惚に意識を曇らせる彼女を見ているうちに、もうおれもさっきの射精から回復してぎんぎんに勃起していた。お互いに準備は整った。

 いよいよ、これからメイドさんと、セックスだ。

 おれは彼女の上から多い被さるようにして身体を重ねた。そして近づいた顔をさらに寄せて、彼女にキスをした。
彼女の息が収まりかけてきたのを邪魔しないように、ちゅ、ちゅっ、とついばむようなキス。

「ん・・・・・・うん、あ、ん、だ・・・だんなさあぁ・・・・んちゅ、ちゅっ、ん・・・」

 ようやくメイドさんも、おれのキスに応じるように、お互いがお互いの唇めがけて短いキスを繰り返していく。
ちゅっ、ちゅっ、とおれが彼女の唇を吸えば、彼女も負けじと、ちゅっ、ちゅちゅっ、と迎え撃つようにキスで応じる。
そうやって短いキスの応酬を続ける間に、ようやくその間隔が長くなり、しまいにはぴったりを唇を押し付けあい、
伸ばしあった舌を絡ませる濃厚なディープキスへと変わっていった。

 そのころにはいつの間にか、メイドさんの両手はおれの背中に回され、身体を密着させようとしがみついて来ていた。
おれの胸元には彼女の豊満な胸が押し付けられ、彼女の鼓動がどんどん早くなっているのがわかるし、さらに彼女は、膝立てた両腿でおれの腰を
挟みこみ、おれを求めている。

 おれが求め、彼女が求めている限りは、きっとできる、絶対できる。
 たとえ彼女が幽霊という不確かな存在であろうとも、こうしてお互いが抱き合えているのは、おれとメイドさんがお互いを求めているからなんだと思う。
 だからおれは躊躇をしない。

 おれは、メイドさんとのキスを中断し、無言で彼女を見つめた。彼女も、キスでぼーっとした表情ながらも、こくりとうなずいて、
おれと気持ちが同じであることを認めた。

 おれは自分のチンコに手をやって、先端を彼女の割れ目にあてがい、少しだけくにくにと動かして狙いを定めた。そうすると彼女は少しだけ肩を
ぴくりと寄せて身構えたので、おれは無言のまま、鼻の頭をぺろりと舐めた。

「ひゃん!」

 なにをするんだこの人は、みたいな顔でおれを見るメイドさんに、おれは二コリと笑って応じてやった。
ニヤリではなくニコリ、ここ大事。
おれはできるだけスケベにならないよう、そうやって彼女の緊張をほぐしてやったのだが。

「もう、だんなさまの、すけべ」

 そう言って笑われてしまった。くそう、なんだか釈然としねえな。
 なんにせよ、彼女の緊張はほぐれたようなので、おれは腰に力を込め、そのままずぶりと彼女の膣内(なか)に挿入した。

「あぐっ! ああ・・・っ!」

 メイドさんは苦痛に顔をしかめたが、気丈にもそれ以上、痛みのうめき声をあげなかった。ペニスはもう半ばほど彼女の膣内に埋まり、
きつい締め付けとぬめったヒダがおれを出迎えてくれたのだが、そこは痛みのせいか固く強ばるように震えていた。

「だ、だいじょーぶですから、つづけてくださいです・・・ッ」

 おれが動かないことを気遣ってメイドさんがそんなことを言うけれど、むしろその声が震えてるもんだから逆効果だ。
しかしこのままじっとしているわけにもいかない。このまま動かずに彼女に挿入しているだけで射精してしまえる自信はあったけど、そのままじっと
動かないでいられる自信はない。ようは、あんまり気持ち良いんで、男の身勝手な欲望が暴走するのをいつまでも抑えておけない、ということだ。
 おれはできるだけ彼女をいたわりながら、腰を動かした。半ばの位置から引いて、浅く打ち込む。彼女の膣内奥深くにはまだ進まないで、
膣の浅いところを重点的に前後する。
154『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:39:36 ID:tmtECk9+

「いっ、ああっ、く、」

 動く度に、彼女の身体はびくびくと震え、我慢しても漏れてしまう苦痛の声。しばらくはそれをできるだけ気遣いながらも、我慢できない腰の動きを
繰り返す。そうしてちゅくちゅくと、彼女の愛液がたてる音が目立ち始めた頃には、彼女の声にも艶が含まれてきた。

「ん、ァん、あ、あふ、んく・・・」

 吐く息に甘い熱が宿り、強ばっていたあそこの締め付けも、まだまだきつくはあるけれど、それでも少し柔らかみを帯びてきた。
つか、ただ強く締め付けるだけではない、襞のざわめきのようなものが加わって、より強い刺激を送るようになってきた。もう辛抱たまりません!

「ひ、ああああああっっ!!」

 彼女の膣の奥、その一番突き当たりまで、俺のチンコが進入した。
 ずぶーーーーーっ、と未通の肉襞をかき分けて、奥の深くの行き止まり、子宮口を亀頭で思い切り突き上げる。うは、すごい気持ちいい。

「あーーーーーーーっ、ああーーーーーーーーーっ!!」

 メイドさんは、膣のすべてを俺のチンコに埋められて、その衝撃を悲鳴のような声で口から逃がしていく。ただその声は、苦痛からくるような声質ではなく、
熱く悩ましい、身体にわき上がる性感の爆発に戸惑う悲鳴、のように聞こえた。

「だいじょうぶか?」
「だ、だいじょうぶれひゅ、で、でも、ふかい、ふかすぎまひゅぅ!!」

 おれが様子をうかがうと、どうにも歯の根があわぬような声で返してきた。おれは女じゃないからいまいち掴みかねる感覚だが、おそらく腰の芯が
砕けたような、強い快感を得たんだろう。さっきまで膣の入り口を集中してこすりあげたのは彼女のGスポットを暖めるくらいのつもりだったのだが、
その奥にはもっとすごい性感帯が潜んでいるらしい。
 そうなるとおれも、躊躇無く彼女と楽しめるというもので。ペニスを入り口近くまで引き戻し、そして一気に根本まで送り込む。メイドさんは
そのたびに甘い悲鳴を上げて、身体をびくびく震わせて身悶える。

「だ、だんなひゃまぁ、あっ、あうっ、もう、だめれす!」

 懸命に腰を振る俺にしがみつき、おれの肩に顎を乗せるようにしてメイドさんは、そんな風に叫んだ。さっきまでもおれに激しく突き上げられて、
揺さぶられるように声を途切れさせながら、甘い囀りをおれに聞かせてくれていたのだが、その声にもだんだんせっぱ詰まった艶が混ざりだしてきた。
 初めての女の子でも、いけるのだろうか。
 たぶん、俺とこのメイドさんの、身体の相性が素晴らしくあっているからだと思う。かくいうおれも、挿入していくらもたっていないというのに、
すぐにも限界を迎えそうだった。
 おれは最後とばかりに、やや乱暴ではあったが思い切り突きまくった。

「あ! あっ! はっ! はあっ! は、ああああああああああああっっ!!!」

 彼女ももう限界のようだ。泣きながら強く叫び、悲鳴を上げたかと思うとぎゅっ、と身体を強ばらせて、声もなく絶頂を迎えた。
 そしておれも同時に、彼女の中にどくどくと精を放った。



 ぜえ、はぁ、と長く荒い二人の呼吸。ふたりして800メートル走をダッシュで完走しきったような、呼吸の荒さと脱力具合。

「・・・気持ち、よかったか?」

 息が整うのが少し早かったおれ、まだぜえはあ言ってるメイドさんに、感想を聞いてみる。こうして二人一緒にフィニッシュできたのだから、
気持ちよくなかった、なんて回答はないだろう、程度に自信はある。
 答える余裕もなく、息の荒いままのメイドさんにおれが、頬や唇、鼻の頭などに、ちゅ、ちゅっとキスをしながら間を持たせていると、
ようやく彼女もキスで応じることができる程度には回復したようで。

「・・・はい、気持ちよすぎて、死んじゃうかと思いました・・・」

 瞳を甘くぼやけさせたままの彼女がいう感想にしても、なんかずれてる気がする。おまえはもう幽霊で、死んでいるんじゃないか? なんて
ツッコミをしたくもあったが、無粋なのでやめておいた。
155『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:41:49 ID:tmtECk9+

 そうだ、彼女は幽霊なのだ。
 あまりにも人間じみた存在感のせいで忘れかけてしまうが、本来はこんな風に肉体を持たない存在のはずなのだ。
 昔話なんかでたまにある、幽霊が子供を産む、なんて話は、こういうタイプの幽霊が相手だったのだろうか。
 なんて、そんな考察は後回しだ。

「おれも、気持ちよすぎて、まだまだおさまんねーよ」
「ふぇ?」

 そうなのだ。さっき彼女の膣の中で思いっきり射精したばかりなのに、ぜんぜん萎えない。おれのチンコは今も彼女の膣内で、
ガチガチに硬いままなのだ。

「というわけで、もう一戦、いくぞ?」
「いっせん? ひ、あうん!!」

 おれの言う意味を今一つ掴みかねていたメイドさんだったが、おれが硬いままのチンコをずるりと動かすと甘い声を上げた。

「ま、まだするんですかぁ!?」
「当然だ」

 この調子だと、あと2発は軽い。このところ仕事が忙しくて溜まってたからな。

「だ、だんなさまは性欲魔神ですかっ!!」

 メイドさんが涙目で抵抗するのもそっちのけ、おれは本格的に2回戦目に突入。ひにゃん、と可愛らしい声で鳴き始めた彼女を何度も
可愛がってあげた。

 そうして、奮発してあと3回連続。

 メイドさんが気を失ったのと同じくして、ようやくおれにも睡魔がやってきた。おれは、彼女を抱きしめたまま眠りについていった。






156『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:43:02 ID:tmtECk9+


 7日目。
 朝、起きたら消えていた。
 幽霊のくせに温かかったり、なぜか心臓がドキドキしたり、セックスできたりと、まるで全然幽霊らしからぬ奴なのに、朝になったらきっぱり消えて
しまうとかは妙に律義な幽霊っぷり。そのあたりのロジックが今一つわからん。

 その日もおれは働いた。
 とにかくその日を頑張って乗り切れば、あのホテルの、メイドさんがいる部屋に帰れる。うまく行けば早めに切り上げて、定時でだって帰れるかも
しれない。もしそうやって早く帰れれば、あの可愛らしいメイドの幽霊さんとたっぷりセックスができる。

 えてしてそういった邪(よこしま)なパワーこそが正しい仕事の能率と発展を生み出すもので。ビデオデッキの普及がエロビデオに起因したり、
『同級生』をやりたい奴がNECのPC−98に手を出したりと、過去の実績が証明しているわけだ。

 かくしておれは、この一週間で一番の効率化を図り、仕事を定時で終えた。まだいくつかやるべきことはあるものの、それは明日にならないと
着手できない類のもので、明日の最終日一日あれば十分終わらせることができると判断できた。

 そうなのだ、明日で出張は終了する。
 だが幸い、明日は金曜日で、その後は土、日と休暇を取れるし、この出張中に取れるはずだった休暇を連結させれば、4連休だって可能だ。
もちろん宿泊費は個人持ちとなるが、そこはそれリーズナブルなビジネスホテル、少々の連泊くらい何とかならない額ではない、ということだ。

 つまり、この出張が終わったからといって、おれと彼女は永遠の別れというわけではなく、こんなふうに会おうと思えば何とかなるものなのさ。

 そしておれは、定時上がりの時間を有意義に使うべく、急いでホテルへと戻った。まだ夕日も残る黄昏の時間、少しくらい早くても、別に困りは
しない。
 ここに泊まるのももはや慣れっこで、いつものようにロビーで部屋のカギを受け取った。そのまま部屋に直行、・・・しようとして踵を返す。
そうだな、ついでにさっきのプラン通り、部屋を連泊で予約しておこう。

 ちょっと聞きたいんだけど、とおれはフロントの従業員に声をかけた。

「今の部屋に続けて泊まりたいんだけど、他の予約とかは入ってないよな?」

 まぁ、仮に予約が入っていたとしても何とかなるだろう。こういうビジネスホテルはたいてい、当日になってのキャンセルが起こるものなのだ。
何とか交渉して、その開いた部屋と変わってもらえばいい。
 そんな算段のおれに、その従業員はやはり表情を曇らせて言ってきた。

「あのお部屋に連泊は、出来ません」

 予約があるなら、・・・と言いかけて思い出した。
 そういやあの部屋、リフォーム予定なんだったっけ。

「明日、お客さまの宿泊が終わりますと、そのまま工事の業者が作業を行う予定になっておりますので」

 うーむ、残念、連泊は無理か。
 まぁでも、少々のお払いや清めの塩にもびくともしなかったメイドさんだ、リフォームくらいでどうにかなるもんでもなさそうだ。
 仕方がない、少し間を置いて、会いに来ることにしようか。ちょっとした遠距離恋愛と言ったところだな。

 とりあえず、早々に休める日に目途を立てて、予約をとってしまおうと考えていたら、その従業員が申し訳なさそうに、おれに言った。

「あのお部屋は縁起が悪いので、潰してしまうことになりました」






157『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:44:42 ID:tmtECk9+





「お、おかえりなさいませ、だんなさま♪」

 部屋に帰ったおれを出迎えるメイドさん。なんだかちょっぴり、今までとは様子が違う。髪の毛に隠れた頬を赤く染めて、照れながらもおれに
出迎えのあいさつ。これがまた、ずいぶんと可愛らしい。

「はい、コーヒーです。どうぞ、召し上がれ」

 そうして、手慣れたしぐさで作るインスタントコーヒー。ちらりと窺うごみ箱には、やはり残る練習の跡。夕べおれに褒められたコーヒーの粉や
お湯の配分を、身につくまで練習したのか、はたまた夕べの味を超えようというのか。
 うむ、その心意気や、よし!
 おれはまぶたを閉じて、味にだけ集中するつもりで、受け取ったコーヒーを飲んだ。

 ・・・・・・美味しい。

 これは、夕べより美味いかも知れん。コーヒーといっても所詮、味の違いなんて、結局は個人の好みでしかない。ざっくり分けても豆の種類や
煎り方、砂糖のあるなしなどなど、人によって好みは様々だ、味の優劣を競えるもんじゃない。
 でも、このコーヒーは、美味い。
 実に、おれの好みなのだ。
 今まで飲んできた中でも、一番。

 ・・・・・・ん? あれ? なんか変だな。
 かすかに、塩味がするぞ?

 まったく、馬鹿め、あれほど塩を入れるなと言ったのに、性懲りもなく。
 ほんとうに、しょうがねえなぁ。また一から教えてやらにゃあならんのかよ。
 ちくしょうめ。

「・・・・・・だんなさま・・・」

 するとメイドさん、何やら心配そうな声を出した。そうしておれの手にそっと両手を添えて、持っていたカップを丁寧に受け取った。

「だんなさまはアホですねぇ・・・」

 うおっ、馬鹿に阿呆呼ばわりされた!
 メイドさんは、そんなおれの内心をどう読み取ったのかは知らないが、そのままおれの頭に手を伸ばし、胸元に抱き寄せてやさしく語りかけてきた。

「別に、だんなさまのお仕事が終わったら私がいなくなるわけじゃあないんですよ?」

 そしておれの頭をなでなでと、まるで小さい子供をあやすように撫でながら、静かに言葉を続ける。

「私はずっと、ここにいます。だから、私がこの部屋から出られない代わりに、だんなさまが来てくれればいいんですよ。
 そんなこともわからないなんて、本当にだんなさまはお馬鹿さんです」

 ちくしょう、言いたい放題言いやがって。

「私はこの部屋で、これからもコーヒーをつくりながら待っていますね。
 あっ、・・・ほかの人はあくまでも『お客さま』ですから!」

 そう言った後、もじもじと口篭りながら。

「夕べみたいなことは、その、だ・・・だんなさまとしかしません・・・」
158『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:45:27 ID:tmtECk9+

 そして、ぎゅっ、と強くおれを抱きしめた。

「おいしいコーヒーもいれて差し上げます、え、エッチなことだって、いくらでもお相手いたします。

 だから、もう・・・」

 その、馬鹿だけど健気で、可愛いメイドさんは、抱きしめたおれの耳元で、優しく囁いた。

「もう、泣かないでください・・・」
















 

 8日目。
 そうしておれは、ホテルをチェックアウトした。



159『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:46:19 ID:tmtECk9+







 このホテルで起こった奇妙な話は、だいたいこんなところだ。
 あとの話はおまけの、蛇足みたいなもんだなぁ。
 それでも聞くかい?



 ・・・じゃあ、話すとしよう。
 7日目、最後の夜の続きからだな。
160『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:47:54 ID:tmtECk9+



「泣いてなんかねえぞおおおおおおおっっ!!」
「きゃん!」

 おれは叫んで、メイドさんの胸からがばりと顔を離した。子犬のような驚き声でメイドさんは、急に元気になったおれの様子にうろたえる。

 もう、泣かないでください、だと?
 当たり前だ、泣いてる場合じゃねえんだよ!!

 おれは、明日チェックアウトするまでに、このメイドさんを失わないように足掻かなければいけないんだ。泣いてる場合じゃないんだよ!!!

 そうして猛然と立ち上がったおれを、このメイドさん、なんだか所在なげにチラ見しては目を逸らし、チラリと見ては目を逸らし、なんともまた、
もじもじそわそわとしていた。

「あ、あのう、いくらでもお付き合いします、って言いましたけど、あんまり激しいエッチは、私が先にダメになっちゃいますので・・・」

 両手の人差し指先をつきあわせ、てれてれと赤面しながら、それでも何やら嬉しそうに。

「やさしく可愛がってほしいです〜・・・」
 
すぱーーーーん!
ぶふっ!
 
 おれの新聞紙がうなり、メイドさんの脳天に炸裂。彼女は噴き出すように呻いてつんのめった。

「な、なんで!?」

 叩かれた頭をかばうように体勢を立て直したメイドさん、どうして叩かれたのかもわからずにおれを恨めしそうに見ている。

 ええい、脳天気な奴め。
 おれだって、やりたいのは山々だが、今はそれどころじゃないんだよ!

 この幽霊メイドさんは間違いなく、自分の運命を知らない。明日部屋に工事が入り、ドアが取り払われて完全な『開かずの間』にされてしまうことを
知らないのだ。そうなってしまえば、この部屋に縛られる自爆霊である彼女はもちろんおれと会うこともできないし、下手をすればこれからずっと
独りぼっちで閉じ込められてしまうのかもしれない。

 だが、今そのことをおれが彼女に話しても仕方がない。
 自爆霊である彼女自身にはどうすることも出来ないことだろうからだ。



 いや、正直に言うと、『怖い』のだ。




 なにが怖いのか?
 会えなくなること、それは確かに怖い。
 しかしそれよりもいま、このことを彼女が知って、どんな反応をするのか、それが怖い。

 この、馬鹿で脳天気なメイドさんが、悲しそうな表情をしたりするのを見るのは耐えられない。無理をして笑ったりする顔なんて、絶対見たくない。
たとえどんな表情をしたとしても、確実におれはダメージを負うだろうという確信がある。
 そうとも、おれは臆病者だ。
161『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:49:38 ID:tmtECk9+

 だったら、彼女に知られなければいい。
 彼女には知られないまま、彼女をこの部屋から解放する手段を探すのだ。
 何かから逃げる臆病者は、代わりに立ちはだかる別の壁に立ち向かわなければいけない。それからも逃げるようじゃあ、いつまでたっても
逃げたままだろうしな。

 やったろうじゃねえか。

 考えろ。
 とにかくあがけ。
 小賢しくロジカルな思考を総動員だ。


 まずは情報集めだ。
 ちなみにおれ、彼女に、自分がどういう経緯で幽霊になったのか、夕べのベッドで聞いてみたのだが、全くわからないのだという。気がついたら
あの部屋でコーヒーを作っていた、らしい。
 本人がわからないとなると、外堀から埋めて攻めるしかないだろう。


 ケーキを買ってきてやる、とか適当な理由をつけておれはフロントへ。


 フロントで、とにかく古参の従業員に、あの部屋に関する『いわく』を聞いてみた。ホテル側として話しづらいことなのは承知で、それでも粘って、
とにかく話をしてくれるように懇願した。そんなおれに折れて取り合ってくれたものの、だれそれがあの部屋で殺されたとか、従業員が自殺したとか、
そんな話は一切なし。数年前、ホテルができた当初から怪現象が絶えなかったという。
 それじゃあホテルができる前はなんだったのか、というと、墓地とか病院とか、そういったよくある縁起の悪い土地ではなく、山のすそ野を
切りひらいて作った畑だったそうな。

 つまり、ホテルや部屋には因縁いわくの類は一切なし。


 じゃあ、彼女は一体、なにに縛られているのか。

「私も常々、思っていたんですよ」

 メイドさんが言った。

「コーヒーにケーキがつかないのは、片手落ちなんじゃないかって」

 わくわくと、表情を輝かせながらメイドさんがいう。そっちの話だったか。

 もちろんケーキを買うなんてのは方便だったので、おれは手ぶらで部屋に戻ってきていた。そのことをメイドさんに伝えてやる。

「ケーキ? なんのことだ?」

 おれのその言葉を聞いた彼女はその表情をみるみるしぼませた。

「・・・だんなさまはひどい人です・・・」

 そうして、そんな恨みごとをいった。

「メイドさんは国の宝なんです。大切に扱わないと、法律で重く罰せられるのです!」

 いや、確かにケーキを買ってきてやらなかったのは悪かったが、それは言いすぎだ。

「こうなったら、私は悪霊メイドさんになって、だんなさまに祟って差し上げるのです!」
162『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:50:55 ID:tmtECk9+

 な、なんだと!?
 『悪霊』とか『祟る』なんていう言葉におれは思わず身を引いてしまった。その反応に気を良くしたのか、メイドさんはその可愛らしい声をできる限り
低く落として、うふふふ、と笑い、言った。

「だんなさまの歩く先にバナナの皮を置いたり、天井からアルマイトの洗面器を落としたりと、恐ろしい呪いの限りを尽くすのです!!!」
 
すぱーーーーーーん!!
ひぶっ!

 おれは思わず、丸めた新聞紙でメイドさんの頭を叩(はた)いた。まるでくしゃみのような声をあげてメイドさんがつんのめる。

 なんだよ、その、ドリフのコントみたいな呪いは!

 なんというか、メイドさんとしての能力はまぁ、インスタントコーヒー限定ではあるが上達したと認めよう。
 しかし、こいつは幽霊として、まるでダメなのだ。

「ええい、おまえのような奴が幽霊を名乗るなんて、先達(せんだつ)に申し訳ないとおもわんのかっ!!」
「ふえっ、せ、先達ですかっ!!」

 おれが活を入れると、メイドさんは思わぬ反撃に面食らったようだ。
 そのままたたみこむように彼女を言いくるめ・・・もとい、指導していく。

「そうだっ! 近年、貞子や伽椰子が懸命に作り上げてきた『幽霊=スゲこわ』というイメージに泥を塗りおって!」

 いまや、映画『リング』や『呪怨』など、数年前からブームになったジャパニーズホラーでは、日本の幽霊は世界にも認められるほどの恐怖の
代名詞となった。
 そんな日本の幽霊の中にあってこのメイドさんの、なんと気の抜けたことか。
 おれは、さっきまで必至に考えていた思考からあっさり脱線し、彼女に日本の幽霊道を説き始めたのだ。

 メイドさんは、そんなおれの言葉に興味を引かれたようで、おずおずと尋ねてくる。

「『スゲこわ』、ですか?」
「そうだ、スゲー怖いを略して『スゲこわ』だっ!!
 それなのにおまえと来たら、『ほんこわ』は『ほんこわ』でも、ほんのりとも怖くない『ほんこわ』だっ!!」

 そのように、おれは言い放った。
 稲光のようなショックを受けたのかメイドさん、はじめは愕然としていたのだが、次第に表情を取り戻し、不敵な笑みをつくって言った。

「・・・『ほんこわ』ですか。・・・それはけっこう良いかも知れません」
「なんだと?」

 おれは、やや得意げなメイドさんに、その真意を問い返した。

「だって、人によっては、『本当に怖い幽霊』とか、勘違いしてくれるかもしれないじゃないですか」

「ばかもーーーーんっ!!」
すぱーん! へぶっ!

 唸る必殺・新聞紙。

「そうやって誤解した者が真実を知ったとき、より激しいガッカリ感を味わうと知れっ!!」
「ガ、ガッカリ感・・・」

 かなりのショックを受けたメイドさん、そのままがっくりと、膝を突いてうちのめされた。そうしてしばらくして、だんなさまのばかーっ、と呟きながら
消えてしまった。
163『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:52:33 ID:tmtECk9+


 しまった。
 やりすぎちまったぜ。
 別にメイドさんをいじめたいわけじゃないが、つい調子に乗ってしまった。

 まさかこのまま、今日は出てこないつもりじゃないだろうな、と心配になったおれ。

「あー、言いすぎた・・・・・・・・・・・・・・・ごめん」

 謝った。
 だが、部屋に変化はない。

「別に、おまえのことを大事にしてないとか、そういうことじゃないんだ」

 いいわけ、女々しい。
 だけど、言っておきたい。
 これを最後になんか、したくない。

「ただ、おまえとこんなふうに馬鹿話をしたりするのが、楽しいんだ。
 おまえが馬鹿なことをいったりするののにおれが突っ込んだり、そういうやりとりが、すごく楽しいんだ」

 おれは、実に正直に、胸の中身を打ち明けた。

「出会って少ししか経ってないけど、好き、なんだ」

 くわぁ、恥ずかしい!
 だが、おれがそんな恥ずかしい告白までしたというのに、部屋にはメイドさんが戻ってくる気配がない。
 ちくしょう、まさか、本当にこれで終わりなのか?



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちゃんと、ケーキを買ってきてくださいますか?」

 メイドさんの声がした。
 おれは慌ててあたりを見渡してみた。しかし姿はない。

「ああ、もちろん。今からでもすぐに、買ってきてやる!」

「私の分も合わせて、二つ、ですよ?」

「わかった!」

 おれが迷わず答えると、テーブルの上で何かが動いた。

 部屋の小さなテーブルの上におかれたいくつかの備品。ホテルが部屋の利用者のために備え付けた品物の一つ、電気ポットの影から、ちんまりと。
 小さく可愛らしい、小人のような大きさのメイドさんが現れた。

「それならば、許して差し上げます・・・」

 そして小さな妖精のようなメイドさん、相変わらず髪の毛に隠れがちな頬を真っ赤に染めて、こういった。
 
「・・・私も、だんなさまのことが、だいすきです・・・」

 彼女はその小さな姿から、さっきまでの人間サイズに姿を戻すと、ぎゅっとおれに抱きついてきた。おれも彼女を強く抱き返す。温かい彼女の体温。
それを抱きしめることができるこの幸せを、おれは絶対手放すものか、と決意した。

164『ほんこわメイドさん』:2008/10/20(月) 22:53:55 ID:tmtECk9+


 そのとき。
 

びしゃーーーーーん!!!

 雷鳴のような閃き、まさに天啓。



 もしかして。


 おれはその思いつきを、実行してみた。





 さて、結構長い話になったけど、今度こそ本当に終わり。
 翌日、部屋をチェックアウトしたおれは、ホテルに頼み込み、あるものを持って帰ってきた。

 そう、電気ポットだ。

 そうして今では、あのメイドさんはおれの部屋に住みついた。
 彼女は、部屋に取りついた幽霊ではなかったのだ。彼女自身も自覚がなかったことだが、実は彼女はあの部屋に備え付けられた備品に
宿っていた精霊のようなものだ。部屋から出られなかったのも当然だ、何せ彼女は部屋の備品、勝手に部屋の外に持ち出すことができない
のだからな。
 おれはあの部屋の備品をいったんすべて部屋から持ち出し、一つ一つ別の部屋に移してから、彼女がその新しい部屋に現れるかを確認した。
そしてようやく、この電気ポットを特定したわけだ。



「おかえりなさいませ、だんなさま♪」

 今日も仕事から帰り、自分の部屋にたどり着くと、あのメイドさんが笑顔で出迎えて、お手製のインスタントコーヒーを作ってくれる。いい加減、
本格的なコーヒーの作り方を覚えてほしいものだが、まぁそれも焦らず教えていこうと思う。
 そんなふうに毎日、彼女は相変わらず馬鹿でそそっかしいが、懸命に仕事を覚えてメイドさんの仕事に励んでいる。

 彼女はこうして、おれの部屋の『備品兼恋人』になったのだ。



「おいしいコーヒーはいかがですか?」



END OF TEXT
165名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 22:55:55 ID:tmtECk9+
以上です。

読んでくださった皆様、お疲れ様でした。


是非皆さんも出張の際は、その部屋をよく観察してみてください。

166名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 00:05:43 ID:leA1ZV/A
>>165
おぉ、神よ…貴方にこの言葉を捧げます…

GJ!!
167名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:07:32 ID:G3PEevcg
GJ!!!! 面白すぎだwwwww
168名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 03:27:33 ID:Y65LJymC
なぁ、ここで聞いていいか分からんのだが
一般的に最強の妖怪ってなんだと思う?

友人2人に聞いたら「鵺」「ぬらりひょん」ってかえってきた。
なんか違う気がする、もっと強そうなのいる気がする。
169名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 11:23:55 ID:SIrNOFNR
格が上がりすぎると神になっちゃうから、そんなもんなんじゃないの。
170名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 12:00:46 ID:RO05kqUL
オカルト板で聞いたほうがいいよ。
「一般的」となれば出来るだけ多数に聞いたほうがいいし、
「最強」の定義が不明。
物理的な破壊力をいうのか、呪いなんかの効力によるのか、相手は人間限定なのか、他の妖怪相手に闘うのか。
ちなみに「豆腐を腐らせる能力」にかんしては、豆腐小僧の右に出るものがいないから、最強間違い無し。

妖力とか言い出すとすれば、鬼太郎スレとかに行け。
171名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 13:22:22 ID:RO05kqUL
追い出すだけでは何なので、俺なりの解答。

物理的破壊力、防御力ならば、だいだらぼっちを推す。歩くだけで池を作ったり地形を変えてしまう巨大な妖怪。
組織力、統率力なら、八百八狸。ぬらりひょんが総大将なんかは水木ワールドの話。
172名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 15:31:04 ID:+S4829HV
SS投下された直後に関係ない質問でレス流すって酷い嫌がらせだな
173名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 16:37:43 ID:mjFF8JyA
>>165
GJ。電気ポットのメイドさんかわいいよ。
174名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 21:08:09 ID:YNDsgIZh
>>165
で、そのメイドさんとの性活についてはいつ語られるのかね?
175名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 02:19:21 ID:G491J3c+
>>165
こんなポット欲しいぜ…
176名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 12:19:43 ID:cLaMylAt
GJ、最高の夫婦(めおと)どつき漫才を読ませてもらった!
177名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 16:13:26 ID:sH/iSwfT
ほんわかしたわーGJGJうますぎる
はぁポット集めようかなぁ
178名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 09:40:02 ID:DY5rRZwX
あげ
179名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 23:26:06 ID:7soa1wbf

そして過疎は始まった。
180名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 08:12:36 ID:BlwxSIK/
今に始まったことじゃない。
181名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 01:34:59 ID:XkHmhJlI
既出かもしれんが
ttp://ryoshida.web.infoseek.co.jp/kaiki/84houkousaki.htm
事実は小説より奇なりとは言うが、こういうのは大歓迎だ
182名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 02:55:56 ID:wKw0kRnL
「私メリーさん、今駅前にいるの」
「はいはいいたずら電話いたずら電話」

「私メリーさん、今マンションの前にいるの」
「そう、あー怖い怖い」

「私メリーさん、今エレベーターにいるの」
「……ちょっと待て、このマンションはセキュリティ厳重だから住人以外入れないぞ!?」

「私メリーさん、今部屋の前にいるの」
「うおおおなんかドアのほうから冷たい風ががががが」



「私メリーさん、今あなたの後ろに…も、もう我慢出来ないっ!!」
「ちょ、おま、いきなりふたなりで来るのはハイレベル過ぎ…アッー!」


――と
こんなわけで
僕の初めてのメリーさん体験は
クソミソな結果に終わったのでした…
183名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 05:42:02 ID:Acc5Acpd
>>181
大歓迎というか…号泣ものだな
184名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 21:51:32 ID:wbc6ZrgE
>>181
根岸鎮衛の『耳袋』の『幽霊、恩を謝する事』だな。
波津彬子が漫画化したのが『怪談マンガアンソロジー コミック幽』に収録されてる。

ちなみに、このサイトでは主人は老人ってなってるけど原著は姥だから老女だ。
つまり百合だぜ。
185名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 02:36:05 ID:B8++ADJ4
「私メリーさん、今一丁目の曲がり角にいるの」

「私メリーさん、今公園の前にいるの」

「私メリーさん、今マンションの前にいるの」

「私メリーさん、今あなたの家の扉の前にいるの」

「私メリー・・・

 きゃあ間違い電話ですぅごめんなさぁぁい!」
186名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 21:28:31 ID:5ic6Z5WS
保守
187名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 07:35:40 ID:DGuwYseT
保守
188名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 00:19:53 ID:xmyfdwfB
保守
189名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 15:30:57 ID:kwpUxOR4
>>157
日中、暗い部屋でずっとコーヒー作ってるメイドさん萌えた
190名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 09:51:43 ID:ndbmumXl
>>189
なんか、同じ作者の「いつまでん」を思い出す。
191名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 08:27:32 ID:FLSiUOrB
保守が必要
192名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 01:13:59 ID:99ztmk3f
もう此処に神はいないのだろうか…
193名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 01:43:04 ID:DQvh1HdP
きっと、いつかは帰ってきてくれるよ。
それに、俺は神じゃないけれど、ちゃんと書いてるよ。
194名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 04:26:29 ID:/4GTNNfh
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
195名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 03:30:37 ID:YFK2NBb8
保守
196名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 18:16:05 ID:pdDyXdY9
ほんこわメイドさんと同時期に構想していたものなので、構成が似ているのはご容赦願います。
まぁ、あまり引き出しの少ないワンパタな奴だと嘲ってくだされば。

エロシーンなし。ごめん。
197いわくつき。:2008/12/29(月) 18:16:43 ID:pdDyXdY9


いわく付きの車。
訳ありの車。


俺はこの夏、なんとか車を買ったわけだが、安月給故に手にした車が冒頭のそれ。

もとより安い軽自動車、そしてさらに安い事故車両。
そのお値段は、インドの安物車tataとたいして違いはないくらい。

その中古車店に勤めている知己に頼み込み、安い車をさらに安く買いたたいて購入決定。

「・・・売ってから言うのもなんだが、この車、確実に『出る』ぞ」

俺から代金の万札を受け取り、ちゅうちゅうたこかいなと数えながらその男は言った。
・・・言うなよ、売ってから。

やつが言うには、この事故車は過去に二度、人の手に渡っているらしいのだが、そのたびに『出た』らしく、恐ろしくなった持ち主がまたこの店に売り払いに来たのだそうな。


まー、しゃあねえな。
事故車ではあるが、車のメカニック的に問題があるわけではない。整備もばっちし。

あとはその、『出る』方さえ気にしなければ無問題。


先ほどから『出る』『出る』言ってるけれど、もちろんそれはお約束通り、幽霊のこと。

確かに、実際出てみたら怖いだろうけど、俺には霊感がないからたぶん大丈夫。
悪友たちと悪ふざけで心霊スポット行ってみたけど、なーんにもなし。ほかの奴らは出た出た騒いでいやがったが、俺には全然見えなかった。

「ほら、あそこ! 血まみれの男が一人見えるだろ!!」

とか言われたけど、そんなやつはいなかった。俺に見えたのは、そこを通りがかったアベックぐらいで、ほかの奴らが怖がって騒ぐようなものはいっさい見えなかった。

つまり俺は、霊感がない、ということで。


そして早速俺、その事故車であるダイ○ツの○ントを駆って、街の流してみた。
いちいち伏せ字を使うのもアレなんで、以後この愛車を『流星号』と呼ぶことにする。
その流星号で、夜の街をドライブだ。
198いわくつき。:2008/12/29(月) 18:17:25 ID:pdDyXdY9




国道を軽快に流していると、なんだか急に冷えてきた。
クーラーが効きすぎてるのかな?
ここは一つエコロジーってことでエアコンの出力を落とした。

うん、実にいい。
いい車だ、○ント。
センターピラーレスなのもいい。
家族で乗れる軽自動車、いいよね。
・・・当面俺には、嫁さんできる予定はないけどさ。


そうしてしばらく流していると、ますます寒くなってきた。
もう、エアコンカットでもいいよな。エコロジーだし。

そう思ってエアコンスイッチに手をかけたとき、ふと助手席が視野に入った。

なんだか、白い『もや』のようなものが、助手席に集まっているのだ。
まるで、助手席に誰かが座っているみたいな感じに見える。

これはあれだな、外の暑さと車の中の温度差でできた霧みたいなもんだな。

俺が窓を開けると、むわっとした外の熱気が入り込んで、代わりに社内の空気とともにその霧も出ていった。




そんなこんなで、俺はようやく手に入れた愛車を堪能していたのだが。
俺はそのあと、実にひどい目にあったのだ。




俺は数週間ぶりに、この車を買った中古車店を訪れた。

開口一番、やれやれひどい目にあったぜ、と口にした俺を、店員の悪友は、ああやっぱり、といった顔で俺を出迎えた。

「『出た』んだろ?」

悪友は、そういって俺を見た。後ろめたさの中にも笑いを含んだ、なんともむかつく表情だ。

だが、こいつは何か、勘違いをしているようだ。
別に、幽霊が出てひどい目にあった、などというわけではない。俺はそいつに、事の顛末を話して聞かせた。



実は、道に迷ったのだ。

199いわくつき。:2008/12/29(月) 18:18:09 ID:pdDyXdY9

俺はどうにも、方向音痴の気があるようで。
自動車通勤に切り替えたはいいものの、会社までの道筋がどうにも怪しくて、いつも迷ってばかりなのだ。
こないだはそのせいで会社に遅刻してしまい、上司に大目玉を食らった。
まぁ、通勤経路はそのうち覚えるだろうからいいものの、この方向音痴は、これからエンジョイする俺のカーライフにかなりの障害となる。
ということで俺は、カーナビをつけることにしたのだ。

「で、どういうカーナビがいいんだ?」

迷わず俺は言った。

安いやつだ。

俺のその言葉にまたこの悪友は、うんざりとした表情でため息をついた。
この野郎、これでも俺は客だぞ、その俺にたいしてその表情は、接客業従事者としていかがなものか。
と、俺がそんなことを口にする前に、やつは店の奥から一つの包みを持ってきた。

「これだったら、一万でいいよ」

やつが持ってきたその包み、開いてみたところ新品同様の美しさ。しかも性能は申し分ない高級品だ。
もちろんこれはあくまでも中古品だから、実際の挙動に問題があるのかもしれないが、それに関してこの悪友、とりあえず問題ない、という。
じゃあ何で、そんな上物をこんな安値で手放すんだ? 、と俺は当然の疑問をやつに問うと、やつも当然といった風に答えた。

「これも、『いわく付き』なんだよ」

どうにもこのカーナビ、俺の愛車『流星号』以上にいわくがあるものらしい。やつは、雰囲気を出すために部屋の電気を一つ落としてから、俺に話し始めた。

「これを買った客が経験したことなんだけどな・・・」

そう前置きをしてやつが語った出来事。


とある深夜、目的地目指して車を走らせていた。
馴染みのない土地からの帰り道、故にそのドライバーは、自宅までのルートを効率よく選ぶために、このカーナビに自宅をセットして車を走らせた。

「次の交差点を、左折してください」
「300メートル先の交差点を、右折してください」

カーナビのスピーカーから、目的地までの順路を指示するナビゲートの声が聞こえる。
機械的ではあるが、柔らかな女性の声。ドライバーはその声に従って、好調に車を走らせていた。
しかし、だんだんと周りの車が少なくなっていき、市街から外れた道を走るようになってきた。
近道なのか、と男は不審に思いながらも従って、そのまま進むのだが、車はそのまま、山の中に入っていった。
いくら何でもこれはおかしい、カーナビの故障か、と思い始めた頃、ぽーん、とナビの音が鳴り、音声が聞こえてきた。

「次の十字路を、直進してください」

そしてドライバーが、その声に従って車を進めると、なんとその交差点は、十字路ではなくT字路だったのだ!
ヘッドライトに照らされたフェンスがすぐそこに迫る!!

「あぶないっ!!」

ドライバーは慌てて急ブレーキを踏み、車を停止させる!
キキキキッ!!激しい音をさせながら、車はようやくスピードを殺し、フェンスに衝突する直前に停止することができた。
そして彼は、眼前に広がる景色を見てぎょっとした。なんと、そのT字路のフェンスの向こうは、切り立った崖だったのだ。

危うく九死に一生を得たドライバーは、ほっと胸をなで下ろしたところ、その耳元で。

「 し ね ば よ か っ た の に 」

200いわくつき。:2008/12/29(月) 18:19:14 ID:pdDyXdY9



「・・・とまぁ、そんないわく付きの代物なんだ」

話し終えた悪友は、さっき消した電気をつけ直した。
さぁ、こんなカーナビでも買うのか? とやつは俺に問いかけてきた。


それに対して俺は、もちろん買うよ、と答えた。

俺を怖がらせようとしたんだろうけど、残念ながら俺に霊感がないことは証明済みだ。
第一、こいつがいわく付きだと断って売りつけた流星号にしたって、別段幽霊など確認もできていない。
それどころかよく走る、いい車を手に入れられて俺は大喜びなのだ。
だから、こいつにそんな話をされて脅されても、俺はいっさい気にしない。


というわけで、俺はそのカーナビを購入した。
車に取り付けてみたところ、実にぴったり。
実は、このカーナビは、元々この車についていたものなのだそうな。

ということは、あるべきところに戻ったわけだ、このカーナビは。


さてそれからの流星号、いや、カーナビという電子の頭脳を持った新生流星号は、実に好調だった。
会社の順路も覚えたし、遅刻もなくなった。休日のドライブに遠出をしても、迷うことなく自宅に帰って来れた。

いやー、実にいい車ですよ、ダイ○ツの新型タン○。



そんなある日。



俺は、日も沈みかけた山道を、愛車新生流星号で走っていた。

田舎に住む俺のいとこが、秋の収穫物があるから取りに来い、というのでのこのこと馳せ参じたわけだ。
野菜やら栗やら新米やら、いろいろとタダでもらって、気分よく帰る道すがら。

当然のことながら、俺は道には疎いので、往路と同じくこの復路もカーナビに頼りっぱなしだ。

「次のY字路を、右に進んでください」

こうやって音声でナビしてくれるもんだから、俺はもうこの声を信用して、ほとんど行く先掲示を見ないまま気軽に車を運転していた。
そして言われるがままに道を選び、車を進めるうちにどんどんと日も暮れてきた。
201いわくつき。:2008/12/29(月) 18:19:50 ID:pdDyXdY9

そして、いつの間にか車は市街地から離れ、再び山の中へ。
なるほど、あの街を横切ると渋滞に遭うから、こうやってショートカットしようってんだな?
つくづく賢いな、カーナビってのは。

そして山の中に突入。そうやってしばらく走らせていると、ぽーん、とナビのお知らせ音が鳴った。

「次の十字路を、まっすぐ進んでください」

俺は、言われるままに直進した。



うおおおっ!!

思わず俺は叫んだ。
ナビの言うとおり、十字路をまっすぐ進んだのだが、急に道が、すごい角度の急な下り坂になってたんだよ。
しかもその道の、なんとも荒れたこと荒れたこと。さっきまでの舗装された道と違って、草木の茂った本当の山道だった。
おまけにそこら中、大きな木が生えているものだから、それをよけて進むのが大変なんだよ!

うわっ、でかい岩まであったよ!

俺は、昔ゲーセンで慣らした腕前で、そういった障害物を避けて躱して、時には跳ねるように車を浮かせながら、何とかそのショートカットを走り抜いた。
こんな俺の運転についてくる車、すごいぜダイ○ツの新型タ○ト!!

いやー、すごい道だった。
まるで断崖絶壁のような道だ。


「ちょっと! なんで死なないのよ!!」


おわっ!!
びっくりした。
気がつくと、助手席に人が座っていたのだ。
しかも、小学生高学年くらいの、可愛らしい女の子だった。

つやつやした長髪をツインテールにして結わえ、根本を赤いリボンで飾ってある。
少し気の強そうな瞳、薄くほっそりと一筋通った眉は、なんとも彼女の表情を凛々しく見せていて、実に俺好み。

ああそう、言い忘れていましたが、俺はロリコンです。

白いワンピースに身を包んだ彼女、助手席から身を乗り出し、俺につかみかかるように文句を言ってきた。
そして、その少女の姿を見て、俺はあることに気がついた。


この女の子、シートベルトを付けていない!!

202いわくつき。:2008/12/29(月) 18:20:23 ID:pdDyXdY9

俺は車を止め、彼女に言った。
シートベルトをちゃんと付けなさい、と。

車を運転する上で、シートベルトは命綱だ。それをしないまま運転するのは、自殺するのと同義なのだ。
飲酒運転やケータイ通話しながらの運転などと並び、車を運転する上では絶対にやっていけないことなのだ。
それに、交通事故を起こした場合、悪くすればほかに被害者を出してしまうことにだってなる。歩行者をはねたり、対向車に衝突したり。
それによって、いったいどれだけの人たちが不幸になるのか。
車は便利な道具ではあるが、使い道を誤れば恐ろしい凶器になる、そのことを、すべてのドライバーは心して運転しなければいけない。
だから俺はもう一度、彼女に言った。
シートベルトをちゃんと付けなさい、と。

彼女は俺にそう諭されて、渋々座席に座り直し、シートベルトを付けた。カチリ、とロックがはまる音がしたので、一安心。
さっきまで何か俺に言っていたようだが、これで安心して聞いてやることができるな。
とりあえず俺は車をスタートさせ、がたがた揺れる舗装されていない道を進んでいった。

・・・で、いったいいつの間に、俺の車に?、と俺は彼女に、基本的な事情を尋ねた。

「あたしはずっと、この車に乗ってたわよ、あんたが乗る前からね・・・」

彼女は、ふて腐れながらそう言った。なるほど、俺が田舎で車を止めてある間に忍び込んだという訳か。
にしても可愛いな、声が。

続いてもう一つの疑問、乗り込んだ理由を聞いてみた。

「そんなのきまってるじゃん」

ふて腐れたような声から一転、彼女は楽しげにそう言ってから、

「あんたの道案内をしてやるためよ、・・・あの世へね」

がたん、と大きく車がはねた。大きな石を踏んだようだ。
そのおかげで彼女の言葉を一部聞き逃してしまったが、要約すると、俺に道案内してくれるためにこっそり乗り込んだという訳か。
ありがたい話だが、この新生流星号には、最新式のカーナビが搭載されている。
現にこうして、地図にも載っていないショートカットコースを教えてくれているのだ・・・って、あれ?
・・・カーナビの画面表示が、消えている。

おかしいな。
さっきのがたがた道のせいで、配線が切れちゃったかな?
仕方がない、帰ったら修理に出すとして、とりあえずはこの女の子に道を案内してもらおう。
とりあえず俺は、彼女の好意に甘えることにした。とりあえず次は、どう進めばいいのかを彼女に聞いてみた。

「・・・とりあえず、まっすぐ進んだら?」

なんだかやる気なさげな声だ。さっきのがたがた道で疲れているのだろうか。
俺はとりあえず、彼女の言うがままにまっすぐ、ただまっすぐに車を走らせた。
退屈そうに助手席に座る彼女、あんまり前を見ているようには思えないが、そこはそれ、土地勘があるのだろうな。
203いわくつき。:2008/12/29(月) 18:21:06 ID:pdDyXdY9

とにかくまっすぐ進んだ。
ひとまずまっすぐ進んだ。
がんばってまっすぐ進んだ。

しかし、いつまで経っても、舗装されている道に出ることはなく、がたがたの山道、というかただ山の中を突っ切って進んでいるだけのようだった。
本当にこれでいいのか、さすがに俺も不安になってきた。

俺が、助手席に座る彼女に、本当にこの道でいいのか? と聞くと、これまた怠そうに、いいんじゃない? とか返してきた。
早く舗装された道に出て、彼女を休ませてやらないとな。

俺は、彼女があまり気分を悪くしないように気をつけながら車を走らせていると、ようやく前方に横たわる舗装道路を発見。ここに合流すればいいわけだな。
そうしてようやく、アスファルトの感触をタイヤが踏みしめて、舗装路に合流、そこで一時車を止めた。

俺はそこで、彼女に問いかけた。
ここからは、どう行けばいいんだ?

すると彼女、相変わらず怠そうに。

「まっすぐ、まっすぐ。とにかくまっすぐ行けばいいのよ」

・・・まっすぐ、まっすぐかぁ。

なるほど、そう言うことか。
俺はまっすぐ、前を見ながらすべてを理解した。

俺はそのまま、まっすぐ車を進めた。
どういう訳だか舗装もされていない、もと来た山道を含めた十字路の、そのまんまの直進コース。
その先は、たった一つの建物につながっていた。

モーテル。
車で乗り付ける、いわゆる一つのラブホテル。

そうすると彼女、急に慌てだして、俺に向かって騒ぎ出した。

「え! ちょ、まって、いったいどこに入るつもり!?」

どこって、君が案内してくれたホテルじゃんか。

「そ、そんなとこ入って、いったい何を・・・」

男と女がホテルに入ったら、やることは一つ!

「や、やだ、まって、とめて、止めてーーーーっ!!」


彼女に言われて、車を止めた。
モーテルの駐車場に。
204いわくつき。:2008/12/29(月) 18:22:08 ID:pdDyXdY9




「いい? あたしの話を、ちゃんと聞きなさい」

そのように、彼女は俺の車内で言った。
ここまで俺を誘っておきながら、彼女はなんと、直前で拒否をした。
こんな可愛い女の子とホテルでエッチできるなんてついてるな、と俺は浮かれていたのだが、さすがにここに来て怖くなったのだろうか。
すべてを話すから、ちゃんと理解してほしい、と彼女が強く頼み込むので、俺はまぁ、彼女に付き合ってやることにした。

「いい? あたしは幽霊なの。悪霊なの!
 この車で事故にあって死んで、そしてこのカーナビに取り憑いて、たくさん人を殺す予定の、悪霊なのよ!?
 あんた、それが怖くないの?!」

怖くない。

俺はきっぱりとそう言った。
いやまて、怖いと言えば、怖いなぁ。
まんじゅう怖い、といったのと同じような意味で。

しかし幽霊とは、なんとも驚いたなぁ。
霊感なんかまるでない俺にも、見える幽霊がいたんだな。
しかも、こんな可愛らしい女の子。
こんな嬉しいことはない。

俺がそんな感慨にふけっていると、彼女はおそるおそる、俺に声をかけてきた。

「ね、幽霊なんて、気持ち悪いよね? 変だよね?
 お兄さん、まさか、幽霊相手に変なこと、しないよね?」

いや、する。
俺はそう、はっきりと断言した。
たとえ相手が幽霊だって、こんなに可愛いのだから、俺の性欲に何ら支障はない。
いやむしろ、幽霊だと聞いてますます『やる気ゲージ』が上がった位なのだ。

「あ、あ、あたし、まだ子供だよ!? 享年12歳の、小学6年生だよ?!
 こんな子供に変なことしたら、法律で捕まっちゃうんだらね!!」

残念だが、幽霊に法律は適用されない。
素晴らしいな、幽霊。アウトローだぜ。

俺は座席のシートベルトを外し、まだうじうじと煮え切らない彼女に覆い被さるようにして、その愛らしい唇にキスをした。

205いわくつき。:2008/12/29(月) 18:22:47 ID:pdDyXdY9



長い、長いキス。

最初は遠慮して、唇を触れあわせるだけの幼いキスだったけれど、それだけでは俺は我慢できず、舌先で彼女の唇を割ってディープキスに突入した。
びくりと驚いて逃げる舌を、逃すまじと俺の舌が追い、絡め取ってやる。

「ん!、んん!!」

そして俺は、彼女の口の中で思う存分舌を動かし、くちょくちょと唾液を攪拌させて唇を犯した。
さらに彼女の舌を誘い出し、俺の口に含んでちゅうちゅうと吸い付いてやる。

「んんんんんんん!!!!!」

そんな、大人のキスを、長く長く、長く続けてから、ようやく彼女を解放した。

「んはっ、はっ、はぁっ、はああっ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」

防がれていた口を解放されて、彼女は苦しげな息を弛緩させて、大きく息を吐いた。


ここで俺は聞いた。

ここまでは、無理矢理しちゃったけどあとは君の言うことに従うよ。
やめてほしいんだったら、そう言ってくれ。これ以上はもうやらない。

でも、さっきのキスが気持ちよくて、この先のことにも興味があるんだったら、続けるよ?


俺がそうやって問いかけると、彼女は、キスの余韻にぼう、と顔を上気させたまま、

小さく、こくり、とうなずいた。



俺って、ずるい大人だよなぁ。



そうして俺は、狭い車の中、小さな女の子を可愛がってあげた。




206いわくつき。:2008/12/29(月) 18:23:20 ID:pdDyXdY9


さて、それから。
相変わらず、俺の愛車の流星号に搭載されたカーナビは、電源が入らないままだった。
しかしそれを修理に出したりはしない。

俺が仕事を終えて、駐車場に駐めてある流星号にたどり着く。
そして運転席に座り、エンジンをかけ、カチリとシートベルトを締める。

すると助手席で、カチリと音がした。
そこには、あの女の子が座っていて、きっちりとシートベルトをしたところだった。

「お兄さん、おつかれさま!」

そう言って俺をねぎらってくれた彼女に俺もお待たせ、と応えて、車をスタートさせる。


彼女は、この車の最初の持ち主の娘さんだった。
しかし、シートベルトをしないまま助手席に乗っていて、急ブレーキの反動で頭を強くフロントガラスに打ち付けて、死んでしまったらしい。
運転者である父親がカーナビに気を取られ、慌てて赤信号に間に合わせようと踏んだ急ブレーキだったのだ。
事故のあと、父親はすぐにこの車を手放した。

それ以来、彼女の魂は車とカーナビに分かれて、縛られてしまっていたのだ。



「あっ、次の信号を右に! ・・・って、ああもう、なんでさっさと進路変更しないのよ!!」

仕方がないだろ、そういうことはもうちょっと早く言ってくれっての。


俺は彼女のナビに従って、今日もまた車に乗る。

この車に縛られた彼女はここから出られないけれど、その辺りは仕方がないと割り切るしかないだろう。
それでも俺は、こうやって彼女がいる車でドライブできるのが楽しくて仕方がない。
彼女も、俺が車に乗ると上機嫌でナビしてくれている。
エッチも車の中でしかできないけれど、幸い俺の家の駐車場は屋根付きの個室だから、周りを気にする必要もない。

207いわくつき。:2008/12/29(月) 18:24:21 ID:pdDyXdY9


「はい、そこで左折して〜」

・・・って、ここはアイスクリームショップじゃんか! 俺の家と違うだろ!!

「だって、アイス食べたいんだもん!」

時々こうやって、こっちが指定した場所とかけ離れたところに連れて行かれたりするけれど。


それもまぁ、楽しいかな、と思える毎日である。


END OF TEXT
208名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 18:26:38 ID:pdDyXdY9
当方がこのSSで言いたかったことは、
・シートベルトはしっかり付けましょう。
・飲酒運転などの危険運転は、絶対にしないように。
・ダイ○ツ車を買ってください、お願いします。
以上です。
合い言葉は、社員乙。
(実際は正社員ではなくて派遣社員なのですが)


皆様も年末年始、お酒を飲む機会も多く気がゆるむ時期でもありますが、くれぐれも安全運転でよろしくお願いします。
209名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 19:23:43 ID:vMEJ6RJy
>>208
社員乙。取りあえず免許取って来る。
210名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 20:06:34 ID:FBHtC8jU
>>208
社員乙。探してくる。
211名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 20:36:04 ID:YFK2NBb8
>>208
社員乙。
つか笑いどころ多くて何度もふいたw
212名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 22:51:46 ID:e1ejBos8
>>208
社員乙。出来ればロリエロシーンを書いてほしい!
つか、ダイ○ツの派遣社員て、いまヤバイんじゃないの?
213名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 22:52:07 ID:/e61JJWC
社員乙 マジでワロタ。崖下りやったのか…サスかなり痛んでそうだな…
214名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 02:33:47 ID:m8itkBfH
>>208
社員乙!
もう乗ってる!
215名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 02:43:54 ID:aNWdK3LX
社員乙。運転能力ハイスペックすぎ吹いたwwww
そして車種伏字で隠す気ねーだろwww
216名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 21:44:07 ID:3GeZZmis
社員乙。
最初スレを開いたときGJが一個もないからどんな駄作が投下されたんだと思った。
この主人公は実は霊感もちだよな?
彼が見た心霊スポットのアベックって実は幽霊?
217名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 01:40:49 ID:w4TmyblT
じゃGJと入れてやろう。
何が起ころうが「あーよしよし」「まあいいや」「安いの!」を貫いて車縛霊に全然動じない
男の脳天気ぶりに吹いたwwww

タ○トはセルシオ並みに車内が広いから、リアシートで抱き合ってゆっくり楽しめそうだなw
218名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 10:53:12 ID:DKmDlLKo
ところで社員、中古車買う話でよかったのか?ww
219208:2008/12/31(水) 13:37:35 ID:aSDRLnrr
>>218
しかも事故車とか、社員にあるまじきSS。(正社員じゃないけど)


>>217
センターピラーレスをエロに応用することができないだろうかとか、しばらく悩んで断念した。


エロシーンは、自分HP掲載時にでも追加しておきます。
220208:2008/12/31(水) 13:38:09 ID:aSDRLnrr
読んでくれた皆様、ありがとうございます。
221名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 00:37:08 ID:56yP1hte
あけまして社員乙
初日の出&初詣ドライブにGOだ!
222 ◆wlWyhGQLHg :2009/01/01(木) 19:19:41 ID:grARIpl5
なんとなく季節小ネタ投下します。
オカルト要素薄め、エロもほとんどなしなので、お嫌いな方はトリをNG指定お願いします。
223 ◆wlWyhGQLHg :2009/01/01(木) 19:20:20 ID:grARIpl5
遠く響く除夜の鐘の音。
点けっ放しにしたテレビでやっているのは毎年恒例のあの番組。

「今年も終わりだなぁ」
「ですねぇ」

返事はコタツの向こう側から。

「なあ、せっかくだし二年参りとか行かね?」
「やですよぉ」

即答だった。
まあ、わかってたけどな。
声の主は超が付くほどの寒がりだ。

「だいたい、神様ならここにいるじゃないですかぁ」
「あー、そうだっけなぁ」
「そおですよぉ、さあ、いますぐ崇め奉るです」
「ふざけろよ」

他愛のない会話。
ただ、あながち内容は嘘でもない。
コタツの向こう側で寝そべってる彼女は、自称福の神様だった。
224 ◆wlWyhGQLHg :2009/01/01(木) 19:21:14 ID:grARIpl5
俺達のことを頭のおかしいやつらだと思うだろうか。
けど、福の神かどうかはわからないが、少なくともこいつが人間じゃないことだけは確かだった。
小学生と言えば誰も疑わないその見た目は、俺が幼いころから全く変わっていない。
本人曰く俺の家を代々守護する存在らしいが、そのわりにはうちはそれほど裕福でもなく、
それが人間でないことは認めるにしても福の神というのが眉唾にしか思えない理由だったけれど。

「けど、こうしてただ寝てるだけってのも時間の無駄じゃないか」
「どうせ2、3日過ぎたらまた働きアリのようになるんですから、今は怠惰でいてもいいと思うですよぉ」

神様が許しますなどとのたまう福の神様。

「って、働くのは俺で、お前を家でゴロゴロしてるだけだけどな。
 せめて家事くらいやってくれよ」

それぐらいしてもらってもばちは当たらないと思ったのだが、彼女にはそれが不満だったらしい。

「何を言ってるですか。
 ふくちゃんだって毎日頑張って働いているのです。
 そんな雑事に鎌ってはいられないのですよぉ」
「はぁ?」

こいつが働いているなんてのは初耳だった。
実は隠れてバイトでもしてて貯蓄でもしているとか――、

「ご主人に福が来るように毎日コタツの中で祈ってるですよ」

期待した俺が馬鹿だったよ。
俺の脱力感などお構いなしで、こいつはそれが福の神のお仕事なのですとうっすい胸を張っていた。
いや、コタツの両側でお互い寝っ転がってるから角度的に見えないんだが、間違いなくそうしているという確信がある。

「お前なぁ……」

と、俺の中にふいにちょっとしたいたずら心がわきあがる。
本当にちょっとした、まあ期待を裏切られたお返しということで。
225 ◆wlWyhGQLHg :2009/01/01(木) 19:23:25 ID:grARIpl5
「ひゃぁん!?」

コタツの向こうから素っ頓狂な声。
完全に不意打ちで、いわゆるひとつの大事なところをつま先で突付かれたんだ。
そりゃあそんな声も出るだろう。

「な、なにするですかぁ、って、ひゃ、ちょ、やめるですよぉ」

抗議の声を無視して連続攻撃。
ふくちゃんは必死に左右に逃げようとするが、所詮狭いコタツ内のこと。
どこへ行こうと俺の射程範囲からは逃げられない。
本当に逃げようとすればコタツから出るしかないが――、

「寒がりのお前では逃げられまい」
「う、うーー……」

くくく、葛藤している葛藤している。
俺は内心ほくそえみながら攻撃を続けようとした。
だが、ふくちゃんの次の言葉に思わず足の動きを止めてしまう。

「エアコンつきの部屋に住めないことを逆手に取るとは、ご主人卑怯ですよぉ」

刺さった。
ぐっさりと刺さったぞ。

「お、お前、そりゃ言っちゃダメだろ」

俺だって一生懸命働いているのに。
ちょっと泣かせてやろうと思っていたのに、なんか俺の方が泣きそうだ。

「そもそもお前本当に福の神なんだったら、ちゃんと福呼べよ」
「ふくちゃんはちゃんとやってるですよぉ。
 けどご主人の家系は昔から運が悪すぎるのです。
 いくらふくちゃんが+100しても、スタート地点が−100だと0にしかならないのです」
226 ◆wlWyhGQLHg :2009/01/01(木) 19:23:55 ID:grARIpl5
「く、くそっ! そこまで言うなら、もう容赦はせん!」
「ひゃ!?」

両腕をコタツの中に入れて、ふくちゃんの両足をがっちりキャッチ。
そうやって完全に逃げられなくなった股間を、もはやつま先ではなく足の裏全体でホールドした。

「ご、ご主人!? あ、や、あやあ、それはだめですよぉ」

そのままマッサージするように足の裏をグネグネと波打たせる。
ふくちゃんの体がビクビクと痙攣し、コタツがガタガタと音を立てた。

「だが、これはまだ序の口だ!」

軽くほぐれたところで本命の攻撃に入る。

「ズガガガガガガガ!」

それはもちろん効果音つきでの振動攻撃だ。

「ひゃ、やめ、やめるです、ぁ、ああ、ああん!」

スタッカートを聞かせたふくちゃんの悲鳴。
だが事前に宣言したとおり一切の手加減抜きで電気アンマを継続させると、
やがてふくちゃんの声からは意味のある言葉は消え、声の質も悲鳴というより完全に喘ぎ声にしか聞こえないものになっていく。
そして――。

「ふやあああああぁぁぁ」

一際甲高い声をあげて、ふくちゃんは腰を突き出しながら足をピンと伸ばしたのだった。
227 ◆wlWyhGQLHg :2009/01/01(木) 19:24:25 ID:grARIpl5
「フッ、勝った」

足の裏にじんわりと生暖かい液体を感じながら、やりとげた男の感慨に耽る俺。
だがそれも一瞬のこと。

「って、あれ、ふくちゃん?」

なんか、いくらイッたにしても妙に液体の量が多すぎるような気が。
あと、ちょっとこれ、さらさらしすぎじゃね。

「って、ふく様ーーーっ!?」

それが愛液ではなくおしっこだと判断した瞬間、俺は慌てて上半身を跳ね上げた。
向こう側にはコタツ布団から頭だけ出した福の神様。
その顔は到底他人には見せられないくらい、だらしなく緩みきっていた。
天井に向けられた瞳は焦点が合っていないし、はんぱに開いた口の端からはよだれの筋ができている。
とてもじゃないが自分の意思でおしっこを止められる状態じゃないことは一目瞭然。
そうこうしている間にも、足に感じる液体の感覚はどんどん勢力を拡大していく。
こうして、俺の新年最初の仕事は洗濯に決定したのだった。

教訓
神様は大切にしましょう――
228 ◆wlWyhGQLHg :2009/01/01(木) 19:24:52 ID:grARIpl5
以上です
229名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 19:07:16 ID:E7YV3iiN
ほのぼのGJ。
しかし名前、フクちゃんといわれると、早稲田のフクちゃんを思い出してしまう俺オッサン。
230名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 19:53:57 ID:e21rCXIH
新年早々なんという罰当たり。
せっかくプラマイゼロにしてくれてるのに不幸なのは間違いなく自業自得。

>>229
俺の脳内ではこの福の神の外見は福陽気妃になっちゃったぜ。
231名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 20:03:49 ID:ml7Rk1Sc
GJ!
オレの脳内では、某引きこもり座敷童4コマの絵柄で再生された
あの長男のほうが成長した姿で
232名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:21:41 ID:13dC4JLb
なんという天罰。GJ
233名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 03:06:26 ID:ZEabmbua
真夜中にネットをしてたら、ふと人の気配を感じて、
アパートの窓を見たら、何か人の手らしきものが写ってるんです。
こんな寒い夜に、一体なんだろう?と思って目をこらすと、
なんだか窓辺にぼんやり人の顔まで見えるんです。
思わず窓を開けたら、白っぽい和服を着て真っ青な顔をした
女の子が、冷たい目でこっちを見ながら立ってました。
「うーらーめー…」
「こんな夜中に何やってるの!?そんな格好じゃ風邪引いちゃうよ!」
ってことで、その女の子を強引に部屋に入れて、台所にあったココアを入れてあげました。
「うーらー…」
「駄目だよ、真夜中にそんな薄着で外を出歩いちゃ…。身体もすごく冷たいし…」
とりあえずコタツを勧めたら、その女の子は未練がましい顔でこっちを見ながら
熱々のココアをちびちび飲んでました。
「うー」
「少しは温まった?」
「うーらー…」
「こんな真冬の夜中に出かけるならもうちょっと厚着しないと」
「ば、ばかぁ!わ、私の格好から、少しは察しなさいよ!!」
その後一晩中、やれ未知なる存在への想像力だとか、やれ最近の人間の信心はとか説教されました。
そのまま結局朝になったのですが、その女の子は荷物も何も持っていなかったので
家にあったホッカイロとジャンパーを貸して帰ってもらうことにしました。
「ア、アンタなんて、呪われて早く死んじゃえばいいんだわ!!」
帰り際になんだかすごく怒っていたみたいだけど、
何か気に障ることをしてしまったのかな。
そしたら翌日の真夜中に、また窓に白い人影が見えたんです。
窓を開けたら、昨日の女の子がまた立っていました。
なぜか二人分のお弁当を持っていたんですけど
「こ、これは夜食がちょっと余っちゃって…。べ、別にアンタのために作ったんじゃないからね!」
だそうです。
とりあえずお弁当は二人で食べました。

保守
234名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 11:22:28 ID:cbAKiDIE
ナイス保守
その幽霊さんがどこでどうやって弁当作ったのかが気になるな
235名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 08:00:53 ID:Rzj08p3/
そういえば保管庫の人どうなってるのかな・・・
ずっと更新されていないが生きているのだろうか?
236名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 19:48:49 ID:8XyrAXg5
生きてるかもしれない、死んでるかもしれない。
そのどちらかはわからないけど、もう更新されないことはわかる。
237女vs猫又幽霊:2009/01/15(木) 21:20:59 ID:l+gihR3q
午前二時、草木も眠る丑三つ時・・
ふと後ろに気配を感じ女は振り向いた

「うらめしにゃ〜〜!」
「!!」と女は振り向く
「!!」と幽霊は、女の顔に恐怖する
「きゃあああぁあぁぁ〜〜!」バタン!

「フギャアアアァァ〜〜!」バタン!

振り向いた時、そこには恐ろしい顔(注:化粧パック中の女の顔を見たから)をした猫耳を生やした猫又の幽霊が居た・・女は、恐怖に絶叫を上げ気絶した

「フフフ、この女油断しきってるにゃ、脅かしちゃうにゃ♪」
と、上記の脅し台詞をかけて振り向かせたまでは良いが、その顔は人に非ずの藍色で、とても怖い顔(注:洗顔パック中に猫又幽霊を見たから)だった
見た事も無いその顔の余りの怖さに頭部の毛が逆立ち、凄まじい悲鳴を上げ猫又幽霊は、気絶した

静まり返った部屋の中に見事に相打ちKOとなった二人が横たわって居た・・

おわり
238名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 00:22:16 ID:E22TrwOf
>>237
GJ

その後女の洗顔パックを剥がした猫叉幽霊が
女の美貌に欲情して百合展開に繋がるわけですね
239名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 15:08:31 ID:yBxMQerZ
作者さまのサイトにてメイドさん完結編がアップされてる。
240名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 00:44:18 ID:zD7f/8JB
>>239
社員乙は保管しないのかな?
241名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 01:01:16 ID:X7KFBjbS
242名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 13:33:12 ID:zjzZru/i
ハニワってw
243名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 23:03:40 ID:Z6rEftn3
今洒落怖スレの保管庫見てるんだが、本当に洒落にならないくらい怖い
いくつかは反撃スレで知ってるから怖いのも誤魔化せるが、やっぱり怖い


だがそれ以上に、ここにある話を題材にSSを書けないかと考える自分の性欲が怖い
244名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 02:17:39 ID:2L/QvqS4
>>243
さあ今すぐ書く作業に入るんだ
245名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 22:56:10 ID:NCJTUoby
ツンデレ猫又1

ある日転がり込んできた女の子は猫又だった!
「七代先まで祟ってやるんだから!」
別に猫に対しひどいことした覚えはないのだが。
死にかけてる子を動物病院に連れて行き、
その後もまともに歩けるようになるまで面倒を見たことはあるのだが。
でも祟るとか言ってる割に何もしない。
昼間は猫の姿で俺の膝の上で喉を鳴らしながら日向ぼっこ。
腹が減ったら可愛くおねだり。
夜になると人の姿でツンツンしてるだけ。
本当に何もしない。
246名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 22:56:38 ID:NCJTUoby
ツンデレ猫又2

ある日からかってやろうと、
「おまえ実は俺のこと好きなんだろ?」
と聞くと顔を真っ赤にして、
「何いってんのよ!あんたなんて好きなわけないじゃない!」
ぷいとそっぽ向いた。
「俺もお前のこと好きだぞ」
と追い討ちをかけると、
「もう許さない!末代まで祟ってやるんだから!」
そう言って布団に潜り込む。
翌日からは猫形態で更に甘えてくるようになった。
うちの猫はそんな可愛いやつ。
247名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:19:47 ID:NLawRaRs
>>245-246
GJ
これはよいツンデレ
248名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 05:46:50 ID:fYtIYKxr
下がりすぎの為浮上
249名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 04:29:55 ID:z0KLJfXM
>>245
「そうか、七代先まで祟るのか」
「そうよ!祟ってやるんだからね!」
「でもなあ。俺彼女とかいないし、結婚相手もいないしなあ。七代とか言う前に俺の代で絶えちゃうなあ」
「そ、それは望むところね!」
「あ、いいこと考えた。お前が俺の子供産んでくれればいいんじゃん!」
「ニャ、ニャ、ニャニ言ってんのよ!!!」
「だってお前おっぱいはプリンとしてて可愛いし、尻尾とか生えてて可愛いし、釣り目っぽい顔とか可愛いし」
「ニャー!ニャー!ナナナニャニ、と、突然ニャニを」
「うりうり。ほら、お前の尻ってけっこうでかいのな。元気な子供産めるぜ」
「だっ、あっ、だめ、だめっ、尻尾の付け根、さわったら、だ、だめっ」
「ダメっていうんだったら俺の腰に股間擦り付けるのやめればいいじゃん?」
「か、体、勝手に、あっ、だっ、だめ、あっ、ふっぁぁああああっ」
250名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 15:02:27 ID:DjnTnmFx
>>249
ぴちゃぴちゃぴちゃぺろぺろぴちゃぴちゃぺろぺろ…
「結構上手いな。気持ちいいぞ」
「当然よっ!あんたの精を吸い尽くしてやるんだからにぇっ!」
「うれしそうな顔して、説得力ないぞー」
「ふ、ふんっ!じゃあこれならどう!?」
むにゅっ…むにっむにっむにゅむにゅむにゅ…
「うは、パイズリですか」
「きっ、気持ちいいでしょっ!がっがっ我慢しニャいで…イッちゃいニャさい!」
「我慢できないのはお前の方だろ?太ももがもじもじしてるぞ」
「そっ、そんニャことニャい!ニャいのっ…ニャいんだからぁ…にゃあ…」
「ん?もうご奉仕は終わりか?」
「にゃう〜…」
「わかったよ、そんな物欲しそうな目をするな。可愛くしてたら優しくしてやるから」
「にゅぅ…」
251名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 21:17:56 ID:bLrsqI+B
「七代祟る」と言えば、有名なのは「鍋島の化け猫」だな
龍造寺家で飼われていた「こま」という猫が、碁の盤面のイザコザから斬殺され、身分領地を鍋島家に奪われた主人の仇を討つ、という話
正確には、鍋島家の側室に化けて紛れ込んだが、家臣の一人に正体を見破られて退治され、「七代祟る」と言い残して死んだが、結局本当に七代滅ぼしたのだとか
一代滅ぼすごとに尻尾が一本ずつ増え、佐賀県杵島郡白石町の秀林寺にある猫塚には七本尻尾の猫が彫り込まれているので、興味がある方はどうぞ
252名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 02:02:22 ID:oHbe5GZn
むしろ
「なんで退治しちゃうんだよっバカぁっ!」
と、家臣に閉門蟄居を申しつける
化け猫萌えなバカ殿の俺
253名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 02:21:41 ID:oHbe5GZn
その後
祟りに来たモノでさえ人に化けるのだ、
よほど憐れみをかければ必ずや人に変化(へんげ)して恩を返すに相違ない、
とばかりに飼い猫を溺愛する俺バカ殿
そしてとうとう人間に化けた飼い猫が、ある夜の夢枕に立った!
「殿……それがしを抱いてくださいませニャ」

……飼い猫がオスだってこと、すっかり忘れてた俺バカ殿あぼーん orz
254名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 11:48:04 ID:U/g5kKQy
バカ殿の多過ぎるインターネットですね
255名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 22:40:41 ID:tAbqKSNf
>>253
可愛ければ性別など問題ではないッッ!!
256名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 22:52:20 ID:dxFuOiDO
>>253
♂猫又が数百年の間に培った超絶テクで
ご主人様(♀)をメロメロにしちゃうんですね。わかります
257名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 03:31:36 ID:XGWlWmgz
バカ殿
258名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 08:20:45 ID:quvhRs23
ほしゅっとくか。
259名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 19:28:33 ID:YXsgpA2t
あげていいよね
260oo:2009/02/15(日) 00:41:35 ID:8RsBRxOC
axyz8022@ドコモ

09026398022
261名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 16:19:50 ID:JfMLGMad
SS保管庫見れない?
262ミー、ナー、ヤーちゃん:2009/02/20(金) 11:04:38 ID:SdEyBqmw

――二週間前三匹の子猫を拾った、捨てられてかなり衰弱しては居たが、必死の看病により今ではすっかり元気なんだけど、元気は良いんだ。
問題は、その三匹が女の子に変身してしまうからだ!
まあ確かに拾った時に三匹共尻尾が二つに分かれてたのもある。
調べたら「猫又」だと言う妖怪の子?らしいが、猫又って、子猫つか生まれた時からなるもんなのか?
まあ確かに「恩義」を感じたらなるとかあるが。

今は、三人それぞれ女の子の姿のまま俺の部屋中で好き勝手に居やがる。
まず、俺が寝て居る布団の中に素っ裸で潜り込み「ぬに〜♪」と温そうにして俺に甘えてるこいつは、「ミー」元は白猫で、白い透き通る裸の金髪で、青い目をしている。

ミーは、甘えん坊で、なつっこくて寂しがり屋の子で、俺が居ないとか見てないと震えて何もしない臆病で大人しい子、俺が居る時はずっとくっついて離れない、膝の上とか一緒に寝るのが大好きだ、つか猫の時一番衰弱してて一番面倒を見てたからかな?

あそこでうつぶせに寝そべり、ゴロゴロしながら猫のおもちゃを指でつついて遊んで居るのは「ナー」黒猫で、一番やんちゃな子で、寝るまで常に何かして遊んだり走り回る元気な子だ、性格は、サバサバしてて合理的で自由気ままつか一番猫らしい子だな。

薄茶色の肌と黒髪と緑色の目を持つ女の子が、裸でゴロゴロしているが、そろそろお寝むだろうな。
んで、コタツの中に頭から突っ込んでるこいつは、「ヤー」性格は、ずぼらと言うか本当に何考えてるか解らない悪戯っ子の自由猫で、常に何かしらイベントを起こす。

茶虎縞猫で、ナーよりは薄いがミーよりは白くない肌で、髪色はオレンジで赤い目は常に何か獲物を狙う感じの困ったちゃん、コタツに何してんだか?

ふと彼女を見ると、下半身裸で可愛いお尻を丸出しにして可愛いあんよをパタパタさせてたが、足裏が汚れてる事に気が付いた、ああまた何か悪戯して汚したのかこいつめ!

俺は、眠ってるミーを起こさない様にそっと抜け出して、ヤーの足を掴み引き摺り出すとヤーの身体中が煤だらけだ…。
ああ、最近掃除して居なかった押し入れに居たのか。
ヤーは、「うにゃあ!」とバタバタ暴れるが、構わず風呂場へ連れて行き洗う事にする、ミーもナーも可愛い寝息をたててるが後であいつらも洗わなきゃ。
ヤーは、シャワーと判ると目をキラキラ輝かせる。

ミーやナーは嫌がるが、こいつは、水浴び大好きだからだ。
俺も服を脱ぎ彼女の身体を洗ってやる、全身をくまなく俺に撫でる様に洗われて居る彼女は、「にゃ、にゃ、にゃん♪」と気持ち良さげに上機嫌だ。

ペッタンコな胸やただ割れて居てぷっくりした恥裂故にまだ手は出さないが、近い将来成長した彼女達は、破滅的に可愛くてやらしいんだろうなあ…。

シャワーの音で起きたのか、寂しがり屋のミーがドアの外で、「うな〜…」と泣くので、ミーの手を引っ張り抱きながら洗ってやる。かなり嫌がるが、俺と一緒なので、必死に我慢している。
ヤーはと言うとその間シャボン玉を作って遊んで居た。

その内ナーもやっぱり寂しいのか、入って来て「じぃー」と俺を見つめるので、ついでに彼女も洗う、洗い終わったミーは、俺の後ろでヤーと二人で湯船に入りみずかけあっこをしている。

ナーは嫌がり暴れるが、俺が撫でながら子守歌を歌うとうっとりしてされるがままになる、何だかんだいってまだ彼女は幼いのだ。

―――三人共洗い終わり、俺も洗い終わり、その後みんなでご飯を食べて仲良く四人で寝て居る、ミーは仰向けの俺の上で眠って居る、彼女の体重と温もりが心地良い右には腕に抱き付いて寝てるヤーと背を向けてるが、しっかりと俺の左手に背中をくっつけて居るナー。

さて、明日は彼女達に服着せなきゃ、成長早いから自分で作らないと金が持たんしな!
裁縫は得意なんだぜ?
よし、頑張ってお前らを育てるぞ!
おやすみな。
彼女達のほっぺや額にキスをして俺は眠りに就いた。
263名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 11:12:13 ID:SdEyBqmw
思い付くまま書きましたが、如何だったでしょうか?気が向いたらまた続編を書きたいと思います。
264名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 14:11:04 ID:3b8+zcCE
猫幼女だと…ゴクリ…
ぜひおながいします!
265名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 14:39:50 ID:A/zyPCYm
>>263 GJ!!猫又達がしゃべりはじめるのが楽しみ。
266名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 04:06:50 ID:2UUt0bHH
まとめサイトどうなってるの?
読めない・・・
267名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 23:41:32 ID:WiNhSxD0
>>263
GJ
続きの投下を楽しみにしてます
268名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 11:31:05 ID:YMFBrHtT
天女の水浴びを覗き、
羽衣を隠して、
返して欲しければ妻になれと迫り、
結局返さない。

良い人生だよな。
269名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 20:36:20 ID:KgFJvawA
最後は天女に子供たちごと逃げられて一人ぼっちの老後だけどな。
270名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:32:36 ID:nd0xTmH/
思いつきで書いてるが一つ投下
続きは近いうちに
271名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:33:10 ID:nd0xTmH/
「うらめしや―――」

絞り出すような低い声で、確かにそう聞こえた。
断定はできないが、女の声のようだ。
ふとあたりを見回す。
ここがどこか、それを確認するための手助けになるようなものは何もない。
あたり一面は、霧のような靄で覆われ、数メートル先も見えない。
なぜ、どうやってここに来たかはわからないが、気がついたら、ここにいた。
そして周りには俺以外誰もいないようだ。

「うらめしや―――」

また先ほどと同じ声が聞こえた。
この状況から考えて、俺に向けられている可能性が高い。
まるでうめき声とでも例えられそうなその声は、頭に付いて離れない重苦しさを持っていた。
辺りに何もなく、どうしようもない状況だということが分かり始めてくると、
その不気味な声が、妙に俺の不安を掻き立てる。
またすごい勢いで首を動かし、眼を凝らして辺りを見回す。

「私の姿を見れば、お前には死が訪れようぞ――――」

三度声が聞こえ、恐る恐る背後を振り向く。
そこには白装束をまとった女が立っていた。
直感でそれが声の主だとわかってしまった。
今の今まで全く気配は感じなかった。
恐怖と戸惑いのあまり、声をあげることはおろか動くことすらできない。
ひどく乱れた長い髪が顔を隠しているが、体の向きからしてまっすぐに俺を凝視している。
身につける装束にも劣らない、真っ白な肌が余計に不気味さを醸し出す。

「ぎゃははははははは――――――」

髪の毛の隙間から、片側の眼だけ覗かせたかと思うと、
辺りに轟くようなけたたましい笑い声が響いた。
ニタリと口元を開き、不規則に体を震わせている。

そこで、俺の中の何かが決壊した。
272名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:33:41 ID:nd0xTmH/

「だったら一発やらせろ」
「…え?」
俺の一言で不気味な笑い声が止んだ。
目の前の女の動きも、ピタリと止まった。
「死ぬのはかまわねーから、一発やらせろ」
「…え、えええ?」
今度は逆に目の前の女が、驚いたような仕草を取っている。
驚きのあまり漏れたその声には、先ほどのような気味の悪さは無く、小鳥のようなか弱い声だ。
それにつられ、俺の中の恐怖感もすさまじい勢いで消え去っていく。
「なんだ、可愛い声が出るじゃないか…」
一応身構えながらも、彼女の方ににじり寄る。
白装束の胸元を柔道の組み手のように鷲掴みにすると、足元を払いのけ尻もちをつかせた。
そのまま流れるように仰向けに押し倒す。
同時に、白装束の胸元がはだけて彼女の両の乳房が露わになった。
「ほう…、ノーブラとはずいぶん準備がいいじゃないか」
俺の両手は導かれるように、その膨らみに伸びた。
片手では覆いきれないほど、豊満でやわらかい。
「い、いやあああぁっ!」
悲鳴をあげた顔に眼を移す。
押し倒した衝撃で、髪が後ろに流れ顔が露わになっていた。
期待していなかったから見ないようにしていたが、
透き通るような白い肌の、どことなくあどけなさを残す、整った顔立ちだ。
「なんだ、割と美人じゃないか…」
思わず自分の口元が緩むのがわかった。
だが、この状況では隠す必要もない。
「い、いやあぁ…、やめてくださいっ!!」
マウントポジションを取っている俺の下で、その女の子が涙を浮かべている。

「ふへへっ…、そそる表情をしてくれるじゃないか」
「い、いやあぁ!」
まるでさっきとは別人のようになってしまった女が、震える声で訴えてくる。
その眼も涙ながらに俺に訴えかけているようだ。
「ノーブラってことは下も履いてないんだよなあぁ!?」
俺はわずかに体を後ろにずらし、彼女の腰に緩く締められていた帯を取り去った。
続けて乱雑に白装束を剥ぎ取る。
もうその布は、仰向けに寝ている彼女の両腕を隠しているだけだ。
「素晴らしいじゃないか…」
案の定、露わになった彼女の下半身を隠すものはもう何もない。
着物のような装束の上からでは分からなかったが、
豊満な胸とは不釣り合いなほど、華奢な体だ。
そして白く滑るような肌。
それがヘソの下にある茂みを際立たせた。
彼女は声にならない嗚咽をあげ、怯えているようだ。
俺は構うことなく、彼女の股の間に指を忍ばせた。
「あうっ…!!」
女の口から、艶めいた吐息が漏れる。
「喜べ!俺は死ぬ前に童貞を卒業できそうだぞ!!」
AVで得た知識をフル投入して、股の間に伸びた手を動かす。
それに合わせて、彼女の眉が歪むのが見えた。
だが今の俺は、相手の満足など求めていはいない。
273名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:34:15 ID:nd0xTmH/
もう盆と正月が一度に来たような気分だった。
何から手を着けていいかわからない。
俺はマウントポジションを保ったまま彼女の胸元まで移動した。
「…ひぁっ!!」
恐る恐る瞼を開き小さな悲鳴をあげた彼女の眼の前には、
はち切れんばかりに怒張した、俺のモノがそそり立っている。
「舐めるんだ」
女の顔にかかるほど鼻息を荒げながら、吐き捨てるように言った。
彼女は眼を反らし震えている。
最後の抵抗か、口を真一文字に結んで時々こちらを睨みつけてくる。
俺はそんな彼女のほっぺを摘み、唇を開くと自分の唇を重ねた。
重ねたというより、押し込んだという方が適当かもしれない。
それから舌で、頑なに閉じる歯をかき分け、大量の唾液を流し込んだ。

顔を離すと、今度は大きく口を開け異物でも吐くような咳をしている。
だが口を開いた隙を見逃しはしなかった。
もう爆発寸前のモノを彼女の口に捩じ込む。
そのまま彼女の頭を両手で抑え、強引に動かした。
しかし、計算外だったのは、想像以上に気持ちよすぎたことだ。
彼女が逃れようとして、舌を激しく動かしたせいで、
我慢する間もなく、そのまま口の中で果ててしまった。



数秒は余韻に浸っていたが、徐々に冷静さを取り戻してきた。
かなしいかな男の性で、さっきまでは無敵モードだったのに、
何やらよくわからない現状に混乱してきた。
「そういや、お前……誰だ……?」
傍らで咽ている女に恐る恐る話しかける。
「ゴホッ、ゲホッ! き、聞く順番がおかしいです!!」
彼女は、涙と涎と精液でぐしょぐしょに汚れた顔を装束の袖で拭っている。
「なんか俺が死ぬみたいなこと言ってたけど、死神?
 てかここどこだかわかる?」
冷静になればなるほど、不安感と後悔が襲ってくる。
不安を払拭するためか、マシンガントークのように次から次へと質問が口から出る。
「…まったく」
女が背後にペッと唾をはき、溜息混じりの返事をした。
「ここはあなたの夢の中です」
「何言ってんだ、お前」
真顔で答える彼女に軽くデコピンをお見舞いした。
片手でおでこをさすりながら、また溜息をしている。
「…なんて最低なクズ人間の夢に入ってしまったの、私は……」
だが辺りは未だに霧に包まれている。
それ以外にも説明のつかないことが多い。
「で、お前誰よ?」
「私は…、まあ悪夢を司るあやかしで妖怪の一種みたいなもんです」
「ふーん」
あまりに下らなすぎて、途中から聞いてもいなかった。
話なんぞそっちのけで、改めて周りを確認すると、いつ脱いだか覚えていないが、自分が全裸なのに気付いた。
何を着ていたか覚えていないが、そばにはそれらしき物は落ちていない。
とりあえず、隣で得意げにお化けの説明をしている女から白装束を剥ぎ取り羽織った。
「なっ!ちょっと!!なんて最低なことするんですかっ!?」
「いいじゃん、お前どうせ化け物なんだろ?」
「な……、ひ、人に説明させておいて全く聞いてないんですね!!」
「人じゃないってところは聞いた」
上げ足を取られて腹がったったのか、女は頬を脹らませてこちらを睨んでいる。
274名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:35:07 ID:nd0xTmH/
「ま、いーか。 で、俺はいつ死ぬの?」
「そ、それは…、えっと…」
女は右手と左手の人差し指をツンツン合わせながらどもっている。
「早く楽にしてくれ。 もうこの世に何の未練も執着もねーんだ」
「ダ、ダメですよ! 命を粗末にしちゃ!」
目の前の女は慌てているようだが、言っていることが支離滅裂だ。
「何言ってんだおめー」
再びデコピンをお見舞いした。
「高校卒業して今年で5年目…、浪人生活も今年で5年目……。
 どうやら弟の方が早く大学を卒業しそうだ……。 
 受からない受験に、もはや両親に見捨てられぎみの冷めた日常…。
 同級生は就職が決まり楽しそうだ……。
 中にはもう就職したり、結婚したやつもいたっけ……」
遠い目で呟く。
もう自分の人生など、ネタにもならない悲惨なものだった。
「去年から親は俺に対する一切の投資を中止した。
 辞めさせられた予備校……。
 隠れて食べる晩飯……。
 盆や正月が地獄だ…、親戚という名の悪魔が来る……。
 外に出たくない……。
 うちにも居場所はない……」
黙って聞いていた女は、両手で胸を隠しながらも呆れ顔だった。
「もう社会には戻れない……。
 てか戻る気力も勇気もない。
 早く殺してくれ、生きてるのが辛い!」
女は一通り黙って聞いていた。
というより、開いた口が塞がらないといった様子だ。

「なあ、どんな方法でもいいから殺してくれ!!」
思わず黙り込んでいる女に詰め寄った。
両肩を掴み激しく揺さぶりながら、怒鳴りつけるように頼みこんだ。
「頼む、死神様!!!!」
「だ、だから、私は死神じゃないですー!」
その一言で、手を離す。
女は惰性で、後ろに吹っ飛び後頭部をぶつけてしまったようだ。
「いたたたた……」
「なんでもいい、楽にしてくれ!!」
「む、無理……だと思います……」
女が後頭部をさすりながら、聞こえるかどうかというような小声で答えた。
「す、すいません…。
 私、低級のあやかしで、こうやって人の夢に勝手に入り込んで脅かすことしかできないんですよね……。
 だから…、死ぬとか嘘っぱちです」
275名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:35:40 ID:nd0xTmH/
「なんだそりゃ…、なら早く消えろ」
本当なら嬉しいのかもしれないが、今の俺には落胆が大きい。
「そ、それもちょっと……」
あいかわらず彼女は後ろ頭をかきながら伏し目がちになっている。
「えっと…、あなたが起きてくれないと出れないんですよね、いちお……。
 普通あれくらい脅かすと飛び起きてくれるんですけど……。
 こんなパターン初めてでして……、はい」
まだ恥ずかしげに、モジモジとしている。
「…なんだ、お前も救いようのないクズじゃねーか」
「なっ!! い、一緒にしないでください!」
顔を真っ赤にして否定してきた。
元が色白だから、わかりやすい。
というかずいぶん感情的な妖怪だ。
「だって、勝手に他人の夢に入り込んだはいいけど、脅かして起きなきゃ監禁されるんだろ?
 クズじゃん……」
「…改めて言われると、ぐうの音も出ないです」
「でもフェラできるな」
「やらされただけです!!」
「でも夢なのに気持ちよかったぞ」
「私と関わっての刺激は、ちゃんと感じるみたいですよ、いちお。
 別のものから与えられた刺激って認識されるみたいです」
「なんだ、完全に俺の奴隷じゃないか」
「ち、違います!! 早く解放してください!!!」

全裸の女に抱きつかれるなど、一生ないと思っていたが、思わぬ形で実現してしまった。
実際は夢らしいので、実現というべきかどうか不明だし、
相手も妖怪らしいので、50%達成といったところかもしれない。
その女は、「解放してくださいよー」と叫びながらすがっている。
しかし、そんなこと言われても起き方がわからない。
「でさー、俺の夢に出てきた目的はなによ?」
「何って…、これしかできないんで、やってるようなもんですね!」
「ひっでえクズだな」
「ち、違います!!!」
「夢に入ってない時はどうしてんの?」
「どうって…、誰からもまーったく認識もされないんで、ふよふよその辺を漂ってます」
「そんだけ?」
「ターゲットを見定めたりしてます、いちお」
「日々それの繰り返し?」
「まあ、そうですね」
「俺以下のクズなんて初めて見たわ」
「ちょ、ちょっと、一緒にしないでください!」
「一緒になんてしてないだろ。 俺以下だってば」
「…ひ、酷い……。
 で、でもあなただって、ご飯食べて排泄の繰り返しで、それ以外には二酸化炭素生んでるだけじゃないですか!」
「ぐ…」
言われてみれば図星すぎて、また虚しさが込み上げてくる。
276名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:36:11 ID:nd0xTmH/
「はあ…」
「はあ…」
どちらからともなく黙り込んでしまっていたが、同時に溜息が漏れた。
それを合図にお互いに顔を上げて、目が合ってしまう。
「まあ、なんだ……、最後にお前みたいに、クズだけど面白いやつに会えてよかったわ」
「…どうも。 ……一言余計ですけど」
「どうせ何をやってもダメなら、死んで幽霊やってる方が楽そうだわ」
「や、止めてください! 絶対生きてる方が幸せです!」
「お前は、言ってることがよくわからんやつだな…」
「相談なら乗りますから! ね、考えなおしてみてください」
女はジッとこちらを見つめながら、真剣そうに話している。
何年も人とまともに会話したことのない俺にとって、
夢とは言えこのシチュエーションは辛かった。
「な、なんでお前、急にいいやつになってんだよ…」
実体じゃないとはいえ、犯したことに罪悪感を感じてき始めてしまった。
「それは、えっと……」
言われて恥ずかしくなったのか、彼女は両手で顔を隠して少し間を置いているようだった。
「なんていうか、私、こんなに誰かと喋ったの初めてなんですよね……。
 認めたくないですけど、私お化けの中でもレベルひっくい方なんで、
 周りのお化けたちにも相手にされないし、
 かと言って人間とまともに話しようなんて考えもしなかったもので……」
277名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:36:41 ID:nd0xTmH/
続きはまた後ほど
278名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:38:20 ID:8/ffLXNy
イイヨイイヨー
保守
279名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 08:27:46 ID:H7y3H7KC
>>272
GJ
夢に監禁ハァハァ
280名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 13:07:22 ID:YVHuFLqZ
夢でもし会えたら〜素敵な事ねええ〜貴女とこのままで〜眠り続けた〜い〜♪
なGJ!
281やぶ:2009/02/27(金) 11:17:00 ID:+p6q7ytb
幽霊少女1

 僕がまだ小学生低学年の時の話だけど、一時期幽霊が見えて困った時期があったんだ。
 その頃は中学生の姉と同じ部屋で、二段ベッドに姉が上段、僕が下段に寝ていたんだけど、それは突然現れた。

 その日は姉が先に寝ていて、すでに熟睡しているようだった。
 僕も布団に潜るとすぐに眠くなり目を閉じたんだけど、しばらくして何か胸騒
ぎを感じてそっと薄目を開けた。すると、姉がいつの間にか下に降りていて僕の
ことを覗き込んでいた。
「なに、お姉ちゃん?」
 声を掛けようとしたんだけど、なぜか口が開かなくて、僕はむーむー唸ってた。
今思うと金縛りにあっていたんだと思う。
 その内だんだん暗さに目が慣れてくると、上段から垂れ下がった姉の手が見えた。
 相変わらず寝相が悪いなって思ったあと、僕はあることに気付いた。
 姉は上で寝ている。じゃあ、僕を覗き込んでいるのは、誰?
 そのことに気付くと、身体は寒気でぶるぶると震えだした。頭の中にドクン、
ドクンって音が聞こえてくるほど、心臓が激しく脈打っているのに。
 勇気を振り絞り、僕を覗き込む顔に焦点を合わす。 それはやはり姉ではなかった。髪の毛を野暮ったく三つ編みにした、どこにで
もいるような、平凡な顔立ちをした女の人だった。
 どこか見覚えのあるその顔は僕をじっと見つめ、何かを言おうと口を開く。
が、それは言葉にならず、悲しそうなため息に変わった。
 その瞬間金縛りが解け、僕は凄い勢いでベッドから飛び出し、急いで母の部屋
に飛びこんだんだ。
 その日は母と寝て、次の日から必ず姉より先に寝るようにした。
282やぶ:2009/02/27(金) 11:20:51 ID:+p6q7ytb
幽霊少女2

 あれから何年か経ち、隣り町で安く一軒家が借りられることになり、引越しす
ることになった。
 中学生になっていた僕は隣の町の中学校に通うことになったけど、ようやくこ
の幽霊の出るアパートを引き払えるってことで清々しい気持ちだった。
 だって、今でもあの恨めしい女の顔を覚えているから。

 でもそれは甘かったんだ。

 新居での生活に慣れたころ、夜中にふと目が覚めると人影が。
 家が変わったんだから大丈夫、あれは今度こそ姉に違いない。そう言い聞かせ
て自分を無理矢理納得させる。
 しかし、ある重大な事実に思い立った。
 …姉は隣の部屋だ。
 引越し後、さすがに中学生の弟と一緒の部屋は嫌!
 と、姉は無理矢理一つ部屋を占拠して、僕は本来物置に使う納戸に追いやられ
たのだ。
 やばい、やばいよ!
 布団を引っ被ろうとしたけど、身体はすでに金縛りになっていて、ほとんど動けない。
 なんとか目をこじ開けて、人影をしっかりとのぞき見る。

 や、やっぱり!
 それはやはりあの三つ編みの女だった。
 ただちょっと違うのは、幼い頃は自分よりずっと年上だと思っていたのに、中
学生になった今の自分からみるともっと年下、おそらく小学校5年生か6年生ぐ
らいに見える。
 そして恨めしそうに見えたその顔も、深い悲しみを必死に我慢しているように
見えた。
 まあ、満面の笑みを浮かべた幽霊もそういないだろうけど。
「う、うう…!?」
 が、わけもなく金縛りにあわされ、怖い思いをさせられる僕には迷惑以外のな
にものでも無い。
 これがとんでもなく可愛い美少女幽霊とかならまあ、ちょっとはうれしいけど
、どこにでもいる平凡な顔、というレベルでそんな陰気な表情を浮かべられてた
日には…。
 せめてもうちょっと可愛いければよかったのに!
 そう思いながら唯一自由に動く瞼をぎゅっ、と閉じ、金縛りが解けるのをじっ
と待つ。
 いつまでそうしていただろうか。いつの間にかその状況下でも眠ってしまった
らしく、目覚ましの音で目が覚めた。
283やぶ:2009/02/27(金) 11:28:11 ID:+p6q7ytb
幽霊少女3

「ま、また出た!」
 そう叫び、僕は台所兼ダイニングに飛び込む。
 朝食の支度をしていた母がびっくりして卵を落っことし、それを運動神経が馬
鹿みたいに良い姉がキャッチする、というめずらしい光景が繰り広げられたが、
今の僕にそれを称賛する余裕は無い。
「お姉ちゃん、またお姉ちゃんと一緒の部屋で寝かしてよっ!」
「やだ!やっと念願の一人部屋を手に入れたんだから!」
 速攻で断られ、僕ちょっと涙目…。
「なんだよ!お姉ちゃんは僕が祟られて死んじゃってもいいのかよ!?」
 涙を隠そうともせず僕がまくし立ててると、さすがにちょっとかわいそうに思
ってくれたのか、少し思案顔になる姉。
「まあ、あんたちっちゃい時からずっとそれいってるもんね。先輩のお姉さんに
お寺の息子が知り合いにいる、って言ってたから、相談しといてあげる。」
 ホントに!?
 お礼に姉の顔にキスの雨を降らせたら、本気で殺されそうなくらい殴られた。「まったく。昔はあんなに勇敢だったのにねぇ」
 ため息をつきながら卵を受け取る母。
「えー?こいつに勇敢な時期なんてあったっけ?」
 姉がものごっそ懐疑的な目で僕をみる。
 うん、悔しいけど僕もそんな時期があったなんて知らない。
「あら、忘れちゃった?このこ、昔大きな犬に襲われてた女の子を助けたのよ?」
 すいません、初耳です。
「やあねぇ。あの時、右手噛まれて大変だったんだから」
 ほら、これがその痕、と言って僕の右手の袖をめくる。
 確かにそこはケロイド状になった傷痕が昔からあるんだけど。
 そうかぁ、これは名誉の負傷だったんだな。でも、なんで全然覚えてないんだろ?
「ああ、あの時勇気と蛮勇は違うのよ、ってトラウマになるまでたっぷり叱った
せいで、こんなヘタレになってしまうとは」
 よよよ、とオーバーに泣き崩れる母。
 ちょ!実の息子に向かってヘタレ言うな!おまけに原因はあんたじゃないか!
284やぶ:2009/02/27(金) 11:40:40 ID:+p6q7ytb
幽霊少女4

 学校が終わり、少し本屋で立ち読みしてから家に帰るとお客さんが来ていた。
「ちょっとあんた、人に頼んどいてゆっくり帰って来るって、どういう神経して
んのよ!あんたのためにずっと待って貰ってるのよ!?」
 なぜか顔を赤らめた姉が小声でまくし立てる。
「え、だってそんなすぐに来てくれるなんて…。」
 リビングを覗くと、今朝言っていた恐らく先輩らしき女性が姉と同じように顔
を赤らめ、一組の男女、というかぶっちゃけ男の方を熱い眼差しでぼーっ、と眺めている。
 坊主頭のその男は静かに出されたお茶を飲んでいるだけだったけど、同じ男の
僕から見てもかっこよくて、姉達が見とれるのも良くわかる。
 この人がお寺の息子って人なのだろう。
 でも僕はその横に立ったおねーさんが気になって仕方ない。さっき本屋で立ち
読みしてたグラビアの女の人より美人で、おっぱいも大きいような気がする。
 少し誇らしげにしている表情が可愛いらしい。
 いーなー。こんな綺麗なおねーさんが幽霊で出てきてくれてたらよかったのに。
「こんにちは。待たしちゃってごめんなさい」
 挨拶をすると、そのおねーさんがニッコリ笑ってくれた。
「あら、素直で可愛いらしい男の子ね。はじめまして、私、奈々絵っていうの。よろしくね」
ちぇっ、完全に子供扱いだよ。
「で、この方がTさん。きっとあなたを助けてくれるわ」
 紹介されたTさんが軽く頭を下げる。
「じゃあお部屋に案内しますね」
 姉が先だって僕の部屋に向かおうとする。
「ちょっ、10分、いや5分待って!」
 僕はマイ コレクションを隠すためそう言い残してダッシュした。


「早速で悪いんだが、詳しく話しを聞かせてくれるか?それと、変に縁が組まれ
ると困るから、他の人は一旦部屋から出ていって欲しい」
 Tさんがそう言うと、渋々といった感じでみんな部屋から出ていく。
285やぶ:2009/02/27(金) 11:53:12 ID:+p6q7ytb
幽霊少女5

「なるほど、な…。」
 およそ10分後、僕の話しを聞いたTさんがマルボロを燻らせながら、一人合点
したように頷く。
「どうやらその霊はお前さんに惚れてるようだ。ま、だったら話は簡単だな。
一回SEXの相手してやりゃ昇天するさ」
 Tさんがとんでもないことを言い出す。
「ちょっ、何言い出すんですか!?。だいたい僕、あんな子知らないし、初めてが幽霊だなんて嫌です!」
「なんだ、まだ童貞か」
うっ!?いやその、やっぱ責任取れないうちにそういうことするのは!
「はは、歳のわりにしっかりしてるじゃないか。まあ霊相手ならそう滅多に妊娠
しないし、生身の女とやる予行演習だと思えば良いって」
幽霊相手でも妊娠したりするんだ!?
じゃなくて、
「で、でも、その子はっきりいって可愛いくないんです!やっぱり初めては好き
になった子としたいし、それにほら、相手はまだ子供じゃないですか!?」
 僕の言葉にTさんが少し悲しそうな顔をする。
「その子はな、もう大人になることは出来ないんだよ」
うっ!
「それに、可愛いくない女なんて、この世にもあの世にも存在しないんだぜ?」
 それはTさんの回りには綺麗な女の人しか集まらないからでは?
「そういうことじゃないんだがな。ああそれと、お前さんは覚えていないようだ
が、その子とは何かしら縁が結ばれているはずだ。なるべく思い出してくれ。俺
がみたところじゃ、右手になんか関係してるようなんだが…。」
 右手?うーん、小学生低学年の頃、犬に噛まれたことがあるそうだけど…。
 あんまり覚えてない…。
「そうか。まあ、いい。とりあえず…。」
 そう言ってTさんは紙の束を取り出した。
286やぶ:2009/02/27(金) 12:15:48 ID:+p6q7ytb
幽霊少女6

 ベッドに置かれた目覚まし時計が2時をさす。
ぱき、と微かなラップ音がすると、ベッドの脇にふっ、と小さな人影が現れる。
 その人影はそっとベッドを覗き込み…。
「破っ!」
 その瞬間、気合いの声とともにその小さな影が吹き飛んだ!
「残念だったな」
 ベッドに寝ていたのはTさんだった。僕はというと、霊から見えなくなる結界をはって貰い、部屋の隅で縮こまっていた。
 明かりをつけると、その小さな人影はやはりあの女の子だった。
 床にへちょりと座り込み、先程のTさんの気合いでボロボロになってしまったワンピースの切れ端を手繰りよせていた。
 布の裂け目から、ようやく膨らみ始めた胸がちらりと顔を覗し、幽霊少女は恥ずかしそうに顔を赤らめ必死に隠そうとしている。
 う、ちょっと可愛いかも…。
 不覚にもその姿にちょっぴり萌えてしまった僕。
「お前はこの世に留まっていてはいけない存在だ。大人しくしていればちゃんと
成仏させてやる。もし抵抗するなら、無理矢理滅することになるな」
 Tさんの言葉に幽霊少女はただでさえ青白い顔からさらに血の気を無くす。
「大人しくするか?」
 Tさんがさらに問い掛けると、何だか可哀相なくらい必死にブンブンと頷いた。
「ん。素直でいい子だ。この世に何か未練が有るんだろ?話してみな」
 そのとたん、幽霊少女はぼんっ!と音がしそうなほど瞬時に顔を赤く染め、恥
ずかしそうに目を伏せる。
「ふむ。思ったとおりか」
 Tさんがずいっ、と一歩近付くと幽霊少女はびくっ!と肩を震わせ、不安げにTさんを見上げる。
「処女のまま、女の喜びも知らないままあの世に逝きたくないんだろ?俺が相手
してやるよ」
 Tさんがさらに一歩近付く。その途端、幽霊少女は弾かれたように立ち上がり
、逃げるそぶりを見せた。
パチュン!
が、その行くてを阻むように不意に紫光が閃き、それに触れた幽霊少女が声にな
らない悲鳴をあげる。
「逃げようとしても無駄だ。この部屋全体に結界を施してある」
 Tさんの言葉が聞こえているのかいないのか。触れてしまった左手を抱え込み、床にうずくまってしまった幽霊少女。
 よっぽど痛かったんだろうな。
 その涙を必死に堪えている姿に僕の胸がズキン、と痛む。
287名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 12:18:16 ID:ZwCwAXuy
「かんぽの宿疑惑」が表面化しても、小泉竹中売国一家が日本郵政批判の先鋒に立っていたなら、
「偽装」を通すことも可能だった。ところが、小泉竹中売国一家は軽薄にも、
慌てふためき日本郵政とオリックスの全面擁護に回り。自らの化けの皮を剥いで、
売国一家の本性を国民の前に曝してしまった。
外資系保険会社から巨額の資金が注がれているTVメディアは売国一家の片棒をなりふりかまわず担いでいる。
 彡ミミミミ))彡彡)))彡)
  彡彡゛゛゛゛゛"゛゛""""""ヾ彡彡)
  ミ彡゛ ..小鼠小僧     ミミミ彡 あのアメリカを愛し
 ((ミ彡 '´ ̄ヽ '´/ ̄ ` ,|ミミ))  この日本をぶっ壊す。
 ミ彡  ' ̄ ̄'  〈 ̄ ̄ .|ミミ彡
 ミ彡|  ) ) | | `( ( |ミ彡
((ミ彡 |  ( ( -し`) ) )|ミミミ  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ゞ|  ) )  、,! 」( ( |ソ < 売国をとめるな
     ヽ( ( ̄ ̄ ̄' ) )/    \_____________
  _/ |\、)    ' (イ
/      `──'´ // ̄`ヽ    
   ヽ\\/ \/     \     
    \               \ 
                \
              l       \
          \   \      \
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   \         \:::::_ヽ__  _\
     \       ヽ/,  /_ ヽ/、 ヽ_
       \       // /<  __) l -,|__) >
         \     || | <  __)_ゝJ_)_>
           \   || | <  ___)_(_)_ >
             \_| |  <____ノ_(_)_ )
288やぶ:2009/02/27(金) 12:21:02 ID:+p6q7ytb
幽霊少女7

「どういう状況かわかっただろう?ちゃんと成仏させてやるから、覚悟しろよ」
 Tさんが少女の顔に指をかけ、無理矢理その泣き顔を上げさせる。
 三つ編みの少女幽霊はすっかり怯えてしまったらしく、涙を堪えながら身体を
震わせるばかりで逃げることも出来ない。
「大丈夫、ちゃんと女にしてやるさ」
 そういってTさんは少女の小さな胸に手を伸ばすと、ボロボロになったワンピ
ースの切り口から指を差し入れた。
 幽霊少女はビクッと身体を震わせ、必死に手を伸ばし抵抗する。
「抵抗すると痛い目にあわせるぞ?」
 Tさんの顔が少し怖くなり、今にも泣き出しそうな少女の顔を容赦なく張り倒した。
 えっ!?ちょっ、流石にそれは…。
 床に叩きつけられた少女は三つ編みが解け、セミロングのさらさらとした髪がふわっ、と広がった。
 戸惑う僕を尻目にTさんは完全に怯えきった少女を乱暴に押し倒し、ようやく
大人の女へと変わる兆しが見え始めた小さな膨らみを、ぐにっ!
と力任せにもみつぶす。
 少女の声にならない悲鳴が上がった。
 細い背中がピーンッ!とのびきり、痛みでぶるぶると震えている。
「膨らみはじめは無茶苦茶痛いんだってな?」
 そう言うとTさんは少女のはかない抵抗をあっさり片手で封じ、快楽を与える
より痛めつけようとしているような乱暴な愛撫を始める。
 とんでもない激痛なのだろう。少女は髪を振り乱し、その頬にはついに堪え切
れなくなった大粒の涙がとめどなく流れ出る。
「や、やめろ!やめてくれ!」
 僕は思わずTさんの腕にしがみついていた。
289やぶ:2009/02/27(金) 12:24:40 ID:+p6q7ytb
幽霊少女8

「どういう状況かわかっただろう?ちゃんと成仏させてやるから、覚悟しろよ」
 Tさんが少女の顔に指をかけ、無理矢理その泣き顔を上げさせる。
 三つ編みの少女幽霊はすっかり怯えてしまったらしく、涙を堪えながら身体を
震わせるばかりで逃げることも出来ない。
「大丈夫、ちゃんと女にしてやるさ」
 そういってTさんは少女の小さな胸に手を伸ばすと、ボロボロになったワンピ
ースの切り口から指を差し入れた。
 幽霊少女はビクッと身体を震わせ、必死に手を伸ばし抵抗する。
「抵抗すると痛い目にあわせるぞ?」
 Tさんの顔が少し怖くなり、今にも泣き出しそうな少女の顔を容赦なく張り倒した。
 えっ!?ちょっ、流石にそれは…。
 床に叩きつけられた少女は三つ編みが解け、セミロングのさらさらとした髪がふわっ、と広がった。
 戸惑う僕を尻目にTさんは完全に怯えきった少女を乱暴に押し倒し、ようやく
大人の女へと変わる兆しが見え始めた小さな膨らみを、ぐにっ!
と力任せにもみつぶす。
 少女の声にならない悲鳴が上がった。
 細い背中がピーンッ!とのびきり、痛みでぶるぶると震えている。
「膨らみはじめは無茶苦茶痛いんだってな?」
 そう言うとTさんは少女のはかない抵抗をあっさり片手で封じ、快楽を与える
より痛めつけようとしているような乱暴な愛撫を始める。
 とんでもない激痛なのだろう。少女は髪を振り乱し、その頬にはついに堪え切
れなくなった大粒の涙がとめどなく流れ出る。
「や、やめろ!やめてくれ!」
 僕は思わずTさんの腕にしがみついていた。
「おいおい、除霊してくれ、って頼んできたのはお前さんだろ?」
 少女はTさんの腕から解放されるなり僕の背後に逃げ込み、シャツの裾をギュ
ッ、と握りしめ体をぶるぶる震わせる。
 背中ごしにその震えが伝わり、何か強烈なデジャブを感じた。
「確かに除霊してくれって頼んだのは僕だけど、こんなの…、こんなの…。」
 後は言葉にならない。
「それじゃ、お前さんが成仏させてあげな。その子もそれを望んでる」
 なんだか少しホッとしたような表情をするTさん。
 それを見て気付いた。
 ああ、そうか。僕がそう言い出すよう、Tさんはわざと乱暴にしたんだ。
 霊能者に無理矢理除霊されるってのは、幽霊からしてみればこういうことなんだ。
「あの…、ごめんね?」
 僕は振り返ると、背後でぶるぶる震えている少女に声をかける。
「…。」
 少女は涙がいっぱいたまった瞳で俺を見上げた。
 う!?
 こんな時なのに、やばい、マジで可愛いい!
 少女はまるで捨てられた子犬のようだ。
 縋り付くような目で見つめられ、僕は思わずどきっ、としてしまう。
 この子、こんなに可愛いかったっけ?
 僕がそんなことを考えていると、少女がギュッ、と僕に抱き着いてきた。
 うわ、服がボロボロだから感触がもろに…。
 小さいが確かな膨らみが僕の腕に押し付けられ、硬さの残る不思議な柔らかさにドキドキしてしまう。
「だ、だだだ、大丈夫だから、あ、安心、し、して!」
 僕の方が全然大丈夫じゃない。でも、このコを安心させてあげなきゃ、という思いが僕の身体をつき動かし、少女の頭を優しく撫でる。
 さらさらの髪が凄く気持ちいい。
「さて、邪魔者は消えるとするか」
 え?ちょっ、待って!
保守るから!
290名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 13:25:37 ID:mGiF4ily
これが保守とかw
クォリティ高ぇw
291名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 14:41:02 ID:jyKYax8G
なんという壮大な保守
292名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 18:55:50 ID:FqVrkZZv
ところで刑部姫って中編で止まってるまま?
293名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 19:46:14 ID:8k7NCXwH
途中のコピペ嵐の文章を続けて読んでしまって一瞬マジで混乱したw
294名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 23:42:28 ID:+HjFoV4J
ちょ、寺生まれのTさんかwwwww
295やぶ:2009/02/28(土) 04:03:51 ID:IshU1RAe
うん、ごめん。長い保守で。
最初はちゃんと成仏させるまで書くつもりだったけど、なんか途中で力尽きた。

というか、7番と8番が前半重複しちゃった…。
296名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 13:00:36 ID:+iPgif3b
鎌鼬
一匹目。動けなくなるまで愛撫する。
二匹目。処女膜をやぶる。
三匹目。媚薬を塗っていく。
297名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 21:33:29 ID:9au3BCex
俺、最後でいいわ…
298名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 10:31:44 ID:dpZ2bvSy
>>295
続きを書いてくれ。中途半端は嫌だ
299名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 19:53:49 ID:vNhw/6xz
西洋の妖怪でもいい?
300名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 22:40:37 ID:F9aMiV3f
多分大丈夫
301やぶ:2009/03/06(金) 14:54:01 ID:B/WE8S5d
>>298
じゃあ続きがまとまったらUPするんで、気長に待ってて下さい。
ところで幽霊の絵を描いてみたんだがどうだろう?
http://imepita.jp/20090306/354280
302名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 17:50:59 ID:wxJOE6zj
うまいじゃないか。俺に教えて欲しいわ
303名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 18:36:25 ID:nRSxDEs0
>>301
ファンネルに萌えた!
304名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 20:25:36 ID:CHaS2sOv
GOOD
305名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 00:17:58 ID:lzVKigWB
>>301
まだかな〜気長に待つぜ
306名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 07:47:21 ID:EP+Og2k4
まだか〜
このままだとこのスレが俺によって廃れる
307名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 18:30:21 ID:ZDdyEF6u
東洋とか西洋とか言わずに、宇宙人の女の子にすれば良くないか!
308名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 17:25:07 ID:XFOPTecn
おっぱいしか見えないドジ幽霊娘、つまりおっぱいのみ二つか愛らしくプヨプヨ揺れながら空中をば…

…と言う夢を見ましたよ。
309名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 19:09:45 ID:xB+FD9bp
どっちも生殺しですなw
310名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 03:43:19 ID:8q9M78Ni
ここも落ち始めたね。職人来れば変わるかな
311名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 10:55:32 ID:8HWY5NQT
>>310
君がSSを投下すれば変わるよ、きっと!
312名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 18:57:53 ID:5dB84zsM
>>311
文才ないから書いたとしても物語として成り立たないから無理
313名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 02:08:07 ID:DSdnOaN+
ココはまったりと雑談しながら職人を待つスレなんだぜ
314名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 02:56:21 ID:A4jZg4IW
そうだったのかすまない
315名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 07:34:22 ID:3WAd+sBM
「一回、二回……九回。一回足りない」
夜な夜な、自分を一晩で十回も犯し、殺した仇をさがしている幽霊。
番町皿屋敷
316名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 07:37:55 ID:SIYQ2bhY
優しい愛撫で絶頂に導いてあげると成仏してくれるんですね
317名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 08:26:47 ID:0npVWg/c
>>315
落語に、ときそばってぇ噺があってなぁ
318名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 00:30:23 ID:Ax4ySSVf
>>315>>317で小ネタ書こうとして挫折した
319名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 16:48:51 ID:nJSkj03N
エロが書けない・・・
320即席だが導入だけ…:2009/03/16(月) 17:22:34 ID:d++UuqiX

むかーし、むかーし、ある皿屋敷にて、夜な夜な独身女性の部屋に夜這いをかけては処女を奪い、尚且つ必ず10回以上は犯すと言う性豪が居たそうな。

町中が、そやつを探すも一向に御縄にかからなかったそうな…。
ある夜の晩…。
身体がとても弱いが、町内では美人と評判であった小菊と言う娘さんがおったのだが、その性豪に犯されて事切れたのだと。

彼女は、その性豪の凌辱に耐え切れなかった様で、恐らく何度目かの最中に亡くなったと思われる。
発見時は、大股開きの無残な全裸姿で、女陰から精を垂れ流した状態であり、その顔は憤怒と無念で一杯な表情の死体だったと言う…。

余命幾許も無いとは聞かされては居たが、処女を奪われた挙げ句に乱暴に汚され犯されてさぞ無念だったであろう…。
一応葬式や埋葬を済ませた物の成仏しなかった様で、夜な夜な彼女が幽霊として
彼女が亡くなった庭に現われて、「一回…二回…三回…ああ、私を犯した男…貴方ですか?ここが疼くの、憎いわ…あはぁーん…」
と悩ましい喘ぎ声で、通り掛かる男を誘惑し、捕まえては、精が尽き果てるまで搾り取るんだとさ…。

大抵の男は、2回〜6回で尽き果てる為にいつも彼女は、「駄目…全然違う…〇回たりな〜い…」とシクシク泣くのだとか。そんな事が続き、流石に怖いし憐れなのと、近隣の男達が不抜けになるのもいかんので、高名な祓い屋に頼み込み、彼女を御札に封印したとか。

封印された御札は、近所の神社の大木に貼られ、それ以来、150年間程彼女は、現われる事が無かったが、ある日、無知な一人の愚かな男がふざけて封印の御札を剥してしまい、彼女が解き放たれたのだ!

彼女と愚かな男の珍騒動については、ネタぎれなので誰かお願い…。
321名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 17:30:33 ID:d++UuqiX
小菊が男を犯す様子とかせめて後ほど投下しますね。
322名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 20:02:31 ID:KDj+434u
お汁ちゃんがいいな。
323名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:18:51 ID:4L+hjias
鬼太郎の亀姫&長壁姫を見て
超ワガママな化け狐のお姫様と人間の男との恋模様とか連想してしまった

最初は遊びで男を振り回してた狐なお姫様も。いつしか本当に愛するようになるも
位が高い誇り高き妖狐族の姫君としてのプライドゆえに素直になれずにいて
そんな二人がある大事件から急接近し結ばれるみたいな
324名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 15:52:57 ID:Hh1W8BR7
夜這いは当て字で昔は「呼ばい」
325名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 18:57:55 ID:3dytZxtO
                         ト、
                         | ヘ                        _/}
    少 し …                     | . ヘ                        /    /
                          _,ゝリ. |                   /     /
      頭 冷 や そ う か …    ,--メ、_ 〉-┴―' ' ― ― - : - 、        /   / /
                       ノ--' \、: : : : : : : : : : : : : : : : : \    / /  /
                    , '": : : : : : ヽ}: : : : : : : : : : : : : : : : : : \. /  _/^ヽ
                   / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :Y/三`: : : : : ヘ
                  /, イ  : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_,. ‐'" ノ木\:`ヽ、.: : : : ::ヘ
       _            / / : : :./ : : :: :./ : : : : : : : : : : :.:ヽ: : : /:ハヽ \ : : ヽ: : : .ヘ
     ./-- ヽ           /: : /   /    /  : : : : :.      :V: ://ハ ヽ \:  \:. ヘ
    /    ヽ           /.:..:;イ..:..:../:..:..:..:..:.,!..:i..:.i.:..:..:..:..:..:..:..:. .:..:..:..:V..:/..::ハ ヽ   V..:.  :...ヘ
    |      ',       |:.:./::|.:.:.:.:|.:.:.:.:.i:.:.i:|.:.:ハ:.ハ.:.:.ト:.、:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.V:./:/  ',    V:::.:.:.:.: .ヘ
    {      ',       レハ:.|::.:.:∧::i.:::| ::::|,士弌 ヽ_心ヾヾ、_'i.:::i.::.i.:}/:/   ヽ   V::::...:..:..:..ヘ
      ',       ',      /;:| 'ハ:.:.:.ハ:N::.:.ト:.:.|`込ラ` \弐弌ヘ..i:.:|.:.:}イイ´    \.  }:::::::::.:.:. .:.ヘ
      ',      \     {ハ| /ハ:.:ハ:.:ヾ::ヾト、`""    ヾヒ乃}:|:ノ:.:b ノ      \( \:::::::.:.:.:.::ヘ
       ヽ      \__/"⌒ヾ!ヽ\ゝヽハ`  ,    `'''''゙ レリ:/<_    r---、\ \::::::::.:.:.}
       \.      }、ヾヾ\ (⌒ヽ   ト\ ト::ト、  、__     ノイ| !    `TT'´   \    ':,::::::.:.|
      /⌒\__ノ \:..\ \`ヽ   》  ヾ!. \     ,. イイ:.::| !     !:ハ      \__ }:::::..リ
    __/:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::.:..:ヘ:ヾ ヽ \ 《   /ト\ `ー<__/ /:.:/ノ    ノノ }         } \:.:/
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.ヽ::::::::::::::::::::::.:ヘ.ヾヾヽ:  i \./  ≫   {\lニニコイノ /   /  !           } ハ
  .{.:.:.:.:.ヽ:.:.:r´⌒ヽi::::::::::::::::::::::::::i:ll.:.ll:. ツリ }. / ≪    ',  |::| ン /  ≪   |          /ノ .|
  /.:.:.:.:.:.:.:.V    {:::ヽ:::}::::::::::::::.|:||.:||.:.:} リノ {   \    \二ー/   /   |        // ノ
 (.:.:ヽ/⌒\   )-、./⌒\ソ|:||.:||.:/Y____,イ-----\   ヘ /   /_____|     =ニノ/
  \r'\   ヽ__/    /.:ノ:||.:||//:/  {       \  V  /       `}__/´ , イ'
   \ \__ノ (/ヽ_ノ 7.:.リ:.リk::::|  ヘ  ,___ゝ、. |∠_, ------、  ト、_ /  ノ、
     \_/\  L/   /.:./:./イ||.:.|  .人 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:}}  イ \     \
            \      ./.:./:./.∧ト、|  ./   \__,:.:.:.:.,.:.):{:ヽ.:.:.:.:ヽ.:.:.ノ.:.}} ノ}   |\     \

苦情はこちらまで
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1235451887/

326名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 09:52:39 ID:BmBJfL1z
≠ゥ
327名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 01:27:06 ID:/I9Mq/DF
保守
328名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 04:42:41 ID:fHmCN+Fs
保管庫どうする? と相談しようにも、その前にこ の過疎っぷりをどうにかしないといけないのかも。
329名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 21:45:30 ID:0o5G8gnp
保管庫ねぇ・・・・どっかのWIKI使うか・・・・・・?
330名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 10:43:27 ID:CGPSXBAJ
しょうがないな。俺が一ヶ月以内にSSを書いてこよう
331名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 11:30:00 ID:AFQlaC+o
>>330がそういうんだったら、俺も>>330の投下後、一ヶ月以内にSSを書いてこよう。
332名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 14:27:20 ID:LzTK2Z3I
じゃあ俺はSSが投下されたら、
一ヶ月以内にGJするよ。
333名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 19:15:13 ID:KJKupzfn
ウエイト板のアイドル筋骨マン ◆iW7lgUWerU
173cm70kg
http://imepita.jp/20090330/408970 ←雑誌にも取り上げられる人気ぶり

http://imepita.jp/20090316/561890
http://imepita.jp/20090325/653340
http://imepita.jp/20090325/671870

【霊能者か】筋骨マンを語れ!2【貧乏神か】
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/muscle/1237184676/

筋骨マンの舎弟
身長178cm
約一年前約80kg
http://h.pic.to/tut05
現在約110kg
http://h.pic.to/139sph
334名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 21:24:10 ID:yXOmGFAt
>>333
つーか、色んな心霊写真見たが、少女の素っ裸体育座り幽霊って初めて見たよ…
335名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 18:17:19 ID:H9ocwI2i
>>334
釣られはせん
釣られはせんぞぉぉぉぉぉっ!!
336名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 17:28:15 ID:Fyhi1p1G
>>334
このエサうまそうクマァァァァ
337名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 20:39:19 ID:X+BWk3/X
隣のページの女の子が気になる
338名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 01:38:23 ID:QmfyUbqa
性を知らずに風呂場で無くなった少女が、あるボディービルダーの身体に性的興味を持ってしまい、全裸体育座りでさり気ないアピールを…
339名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 08:31:18 ID:7e47r2vW
風呂場の幽霊=バス子
340名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 23:26:35 ID:TxttTfnM
なんかこのスレ見てると普通に幽霊とヤってるけど、
それでいーのか?
341名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 23:32:45 ID:TxttTfnM
普通に触れてる、て意味ね。
342名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 08:39:46 ID:W/YexK+n
別に幽霊は触れないっていう定義がある訳じゃないし。
343名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 11:55:25 ID:4x+mGPcr
子種汁を欲しがる精液大好きだった幽霊娘
344名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 19:20:45 ID:W/YexK+n
誰にも見えない幽霊
因縁のある者にだけ見える幽霊
誰にでも見える幽霊
昔はこの3種類しかいなかった。
345名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 22:32:27 ID:6d1rPiZM
昔は幽霊って因縁のある相手にしか見えないものだったと思うのだが
346名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 10:54:13 ID:Y02xGKUK
>>341
ポルターガイスト現象の一種と思えばおkかと
347名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:20:31 ID:fgRvOfIv
>>346
このスレそういったこだわりはないんだな
348名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 11:30:32 ID:EFT6FxTx
自分で書く上での設定はあるけど、それをSSの中に織り込むとむだに行数がかかるし、
一人称だと、なんでおまえが知ってるんだそんなこと、となる。
349名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 22:18:53 ID:r0jCfx6e
・ちんぽねぶり(ちんぽいじり、ちんぽなめとも言われる) ※出典(俺的脳内妖怪目録)
部屋でだらだらごろごろと過ごしながら、悶々とした卑猥な妄想をする者の所へあらわれ
その精力を陰茎から根こそぎ搾り取ってしまうという、美しい女の姿をした妖怪。
ちんぽねぶりがあらわれると部屋の中にはどこからともなく甘い香りが漂いはじめ
それを吸ってしまうと全身がたちまち痺れたように動かなくなってしまい
どうあがいてもちんぽねぶりから逃げることはできなくなってしまうと言われている。
説によってはちんぽねぶりが漂わせる甘い香りには催淫効果があるとしているものもある。
まずちんぽねぶりは身動きのとれなくなった男にゆっくりと衣服を脱ぎながら近づき
吐息のかかる距離にまで近づいたあとに「してあげよっか…」と語りかけてくるのだという。
そこで強い意志をもって「お断りします」と唱えるとちんぽねぶりは悲しそうに消える。
しかし「お願いします」と言ってしまおうものなら、ちんぽねぶりはたちまち笑みを浮かべ
待ちかねたように男の衣服を残らず剥ぎ取り、その柔らかく白くしなやかの指先や
プリプリとした肉厚の舌や唇、あるいはこの世のものとは思えないほどの名器だと言われる
こぶりながらも中に肉ひだがぎっしりと詰まった肉壷を使って陰茎へ刺激を与えはじめる。
そしてそのままあっという間に精力を吸い取り終えたらいつの間にか消えているという。
いまだ全国に伝わる伝承の中で「襲われて嫌だった」という話は伝わっていない。
一般的な説によれば、男の精力を好んで吸い取るのはそれが彼女達にとっての餌であり
定期的に吸い取らないとその力がひどく弱まってしまうからだと言われている。
またちんぽねぶりはその体を自由に変化させることができる妖怪としても知られており
餌となる精力を最も効率よく搾取するために、襲う男が最も精力をたぎらせる姿になり
その容姿たるや乳幼児から熟女までに及び、服装や髪型までもが変わってしまうという。
地方によってはちんぽねぶりは神格化され、守り神として称えられている所もあり
またちんぽねぶりが人間の男と恋をし、結ばれた二人は人里はなれた山奥で仲良く暮らした
というような人々の暮らしに密接する説話もあり、必ずしも害のある妖怪とは伝わっていない。
しかし関東北部では、ちんぽねぶりの群れが人里を襲い多くの少年が連れ去られ
その八日後に少年達が帰ってきたころ、彼らの陰茎はすでに赤黒く熟れてしまっていた
という恐ろしい話も伝えられており、その地域では今でもちんぽねぶりは恐れられている。
ちんぽねぶりに伝わる面白い話として知られているのが、ちんぽねぶりを招く儀式である。
ちんぽねぶりスレに「長文乙」と書き込むことで、書き込んだ者の元に真夜中に現れるという。
書き込み数が多くその思いが強いほど、ちんぽねぶりが現れやすいといわれている。
350名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 22:32:54 ID:b4XiHu3w
>>349
それなんてサキュバス?
351名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 23:41:41 ID:MsHr3gcV
>>349
長文乙

さあ書き込んだぞ!!
352名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 00:19:07 ID:h5R6Q8NN
>>349
ゲシュタルト崩壊しそう。長文乙


wktk
353名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 07:06:58 ID:kDk2fV1e
>>349
長文乙
354名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 11:42:37 ID:Jo6/UHwq
>>349
長文乙
355名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 17:01:09 ID:GaS2liKz
>>349
長文乙
356名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 19:06:20 ID:N75DO6tR
こないなぁ…

ハッ!もしやこれがウワサのちんねぶ詐欺?!
357名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 19:56:01 ID:oyzDydZ/
>>349
長文乙
358名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 23:38:05 ID:RmcL9W8s
>>349
長文乙
359名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 00:22:14 ID:1eXruTmx
いつからここはちんぽねぶりスレにww
360名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 05:43:06 ID:ZK89t277
つーかおまいら、自分のところにどんな「ちんぽねぶり」が現れたのかとかを報告しようぜ?!
押し黙ってるだけじゃ、せっかくの「ちんぽねぶりスレ」が盛り上がらねーじゃねーの。




俺?
まだ召喚してません。


>>349
長文乙
361名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 00:31:40 ID:UqiI+hL/
362名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 01:40:42 ID:CvLm22OP
363名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 01:43:44 ID:CvLm22OP
364名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 22:07:34 ID:AjMzcG1L
退院待ち
365名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 00:49:02 ID:kMgbumTh
そして退院の日

霊娘「おかえりなさい…。むかえに……きました……。」
366名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 09:11:10 ID:BFBQklwk
そして退院する彼の背後から、


「……もう行っちゃうの?…くすん」
入院中に仲良くなった幽霊娘が寂しそうに見つめていた。
367名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 19:17:44 ID:yp+kNGeK
「また。いつか必ず会いに来るから」
そういい少年は退院していった。
一年後
霊娘はその言葉を守っていた。
368名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 00:19:50 ID:djnaDxoV
>>330

> しょうがないな。俺が一ヶ月以内にSSを書いてこよう

あと一週間だが、大丈夫かい?
俺は>>331なんだが、もうこっちのSSは出来てるぜ。
369名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 06:22:15 ID:ofOb1/3G
>>349のちんぽねぶりについてSSを作成したんだけど、
勝手にネタ元にしてよかったのか、いまさらながらに心配になった。


そこんとこどーなんでしょーか。

ダメなんだったら、適当にバッタモンくさく改訂してから投下します。



今夜〜明日夜くらいに投下しますので、下記項目が駄目な人は、今のうちからタイトルをNGワードに放り込むことをオススメ。
タイトル ちんぽねぶり報告事例

・エロがメイン
・エセ侍言葉
・分量50KBほど


他の職人さまで投下予定ありましたら、お気になさらずに投下してください。こちらでタイミングをずらしますので。
370名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 12:39:08 ID:cMp6/uKY
ちんぽねぶり書いた人に、訊いてみました。

ってよく考えたらオレ規制中じゃん ダメじゃん書き込めないじゃん
誰か>>57のリンク先に元気よく
「ちんぽねぶり書いた人だよ!好きにつかっていいよ!楽しみにしてるよ!」
って書き込んできてあげてはもらえませんか?

だそうです。
371名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:09:37 ID:T7ZSNAGi
だが断る
372>>369:2009/04/30(木) 07:01:35 ID:Szttuq0R
>>360さんからの報告を元に作成しました。
妖怪ちんぽねぶりの報告書です。

報告書ですから、オチもなければヒネリもありません。

ああ、世の中にはこういうちんぽねぶりもいるのだなぁ、と思っていただければ幸い。

ちんぽねぶりについては、>>349を参照。
373『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:04:39 ID:Szttuq0R



「たのもう」

報告者Aさん(32歳)の住む安アパートの扉がノックされたのは、日付も変わったばかりの深夜であった。

Aさんはちょうどそのとき、就寝前の日課であるネットサーフィンをだらだら楽しんでいるところだった。
彼は主に、某有名巨大掲示板群の傍流である、アダルト向けの掲示板を訪れるのが日々の楽しみであったのだが、
ここしばらく、彼の常駐するスレにお目当てのネット小説が投下されないことに寂しさを感じていた。

Aさんはお察しの通り独身で、この古びたアパートの一室で一人暮らしをしている。
そんな彼をこんな時間に訪ねる人間とは、いったいどんな人物だろうか。

昔はよく夜通し遊んだ友人たちも、多くは家庭を持ち、こんな深夜に訪ねてくるとは思えなかった。
いや、それどころか、ノックの音と共に聞こえてきた声は、若い女の声だった。いや、若いと言うよりも、幼いと言うべきか。
それでもその声はしっかりと背筋の通った声色をしているので、声の若さの割にはずいぶんと大人びても聞こえる。

そんな少女の、凛とした声で、たのもう、と一言だけ。

Aさんは、ぎょっ、としてドアを見た。
狭いアパートなので、彼がいる部屋からダイニングキッチンをまたぎ、玄関のドアまで視線が通ってしまう。

ドアには小さなレンズの覗き穴が空いており、そこからドアの外の様子が窺えるようになっている。
Aさんは恐る恐るドアに近づき、そこを開けることなく外の様子を窺った。

(・・・・・・誰もいない・・・)

ここはアパートの二階、レンズで窺える視界の中には、暗い夜の闇と、灯りに照らされた部屋の前の様子のみ。

誰かの悪戯か、とAさんは荒く溜息をついた。こんな深夜に迷惑なことだ、などと心の中で悪態をつき、ドアから離れようとした。

そのとたん、

「たのもう」

と、再び声がした。

戻りかけていた身体を慌ててドアに戻し、もう一度レンズを覗くが誰もいない。
今度はドアのチェーンを外し、鍵を開けてドアを開く。

そのとき、ふわりと甘い香り。
以前、Aさんがつきあっていた彼女が勤める生花店で嗅いだことのある、ほんの微かな花の香り。
椿だ。

「かたじけない」

そう、声がAさんの背後から聞こえた。部屋の中だ。
振り返ると、先ほどまで彼がいた部屋の真ん中にある卓袱台の側に、一人の少女が座っていた。
年の頃、おおよそ13、4くらいだろうか。目鼻立ちの整った、端正な顔つきの美少女だ。
長い黒髪はずいぶんと密度の濃いボリュームで、細く華奢な彼女の肩を覆ってしまえるくらいに多い。
彼女は背筋を正し、綺麗な姿勢の正座で座っているのだが、その装束がまた奇妙だった。
濃紺の袴、そして剣道着。
さすがに面や胴、籠手などの防具こそつけてはいないが、傍らには一本の竹刀。
中学生美少女剣士がそこにいた。
374『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:05:55 ID:Szttuq0R

「い、いつのまに・・・」

それにしてもいつのまに。
少なくとも先ほどまではドアの外からノックをし、声をかけてきた。
それが、Aさんがドアを開けた瞬間、そこをすり抜けて押し入ってきたわけでもなく、ごく自然に部屋の中にいた。
Aさんがその驚きを呟くと、少女は視線をAさんから逸らさずに答えた。

「拙者の求めに応じて戸を開けてくれたからのう、招き入れてくれたと思うた」

もちろんそういったことが聞きたかったわけではなく、Aさんはもう一度問いただした。

「いつのまに俺の部屋に入ったんだ? 今さっきまで外にいたんじゃないのか?」

少女は、ふうと小さく溜息をつき、Aさんを諭すように言葉を繋ぐ。
幼ささえ感じる彼女の声は年頃の少女らしく高い。
しかしその高さは、キンキンと鋭く刺さるような高さではなく、穏やかに耳をくすぐるような高さなのだ。

「本来ならば拙者等はいかような場所にも即座に現れることができる。
 鍵のかかった部屋であろうとも、神仏をまつる本殿であろうとも、そこにお主のような男がいる限り、な」

そして、やや辟易とした表情で目をそらす。

「だが、そういった『礼儀知らず』は好かぬ。
 我らの同胞(はらから)はいくらも気にせぬようだが、拙者からすればそのような礼儀を知らぬ振る舞いは言語道断」

少女の言葉はずいぶんと堅く、なにやら時代がかった言い回し。それに、自分のことを『拙者』とよぶ。
これはまるで、時代劇のお侍様だ。
日常生活で頻繁に聞くことのない言葉は、古い日本の言葉。しかしその言葉は、現代人であるAさんでも理解できる。
歴史的な正しさとはまた別に、今の時代の人間にも分かる言葉遣い。
いま、Aさんの目の前にいるのは、濃紺の剣道着を身につけ、エセ侍言葉をしゃべる、中学生美少女剣士なのだ。

Aさんは愕然とした。

「もしかして、おまえ、・・・・・・『ちんぽねぶり』か・・・?」

「左様」

少女はきっぱりと答え、きりりと唇を結んだ。





「まさか、本当だったとは・・・」

Aさんは、何とかパソコンの前まで戻ってきた。そしてちょうど開いていたウィンドウの文字を見る。

『ちんぽねぶりスレ』

そこは、いわゆる都市伝説のスレッド。
だが、そこかしこにずいぶんと淫猥な言葉が踊る、アダルトスレッドだ。
375『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:07:42 ID:Szttuq0R

いわく、ちんぽねぶりという妖怪がいて、淫らな妄想に耽る男の精を吸って生きているのだという。
そしてその妖怪が現れるときは、その男の望む姿で現れ、男の欲望を大いにかき立てるらしい。

では、この少女がいわゆる妖怪『ちんぽねぶり』だとして、この身形容姿はAさんの趣味なのかというと。

「すげえ、超ストライクだぜ・・・」

ばっちり趣味なのだった。





Aさんは、目の前の少女にドキドキと心を揺らしていた。
なにせ、Aさんの好みのタイプである、『エセ侍言葉をしゃべる中学生美少女剣士』なのである。

「ふむ、まだ動けるか」

少女のやや感心したような呟き。

ちんぽねぶりという妖怪の特徴として、甘い香りを漂わせて相手の力を奪う、というものがある。
Aさんが扉の側で嗅いだ花の香りがそれなのだろう。
確かにその香りによってAさんは脱力したのだが、何とか自力でパソコンの前まで戻ってこられるくらいに体の自由は効いた。

「これも、拙者の力が未熟な故か」

本来の椿の香りはほんのかすかなものだ。その繊細な香りが能力の発現を押さえているのかもしれない。

しかし、たとえかすかな香りだとしても、Aさんに効いているのは確かで、今こうして少女の側に座っていても、
しだいにそこから立ち上がる力を失っていくような状態だった。

「さて、それではさっそくだが、精を吸わせてもらおうか」

少女は正座のまま、Aさんにそう言った。
『精を吸う』という行為はこの妖怪にとって性交を手段とする。
平たく言えば、男とセックスして相手を射精に導き、それをエネルギーとするのである。

「こう見えて拙者、男と交わりその精を吸うのはこれが初めてだ。
 喜べ、お主の好きな『初物』だぞ?」

びくん、とAさんの鼓動が大きく跳ねた。彼女が言うとおり、確かにそれはAさんの大好物である。
いったい、どこまでAさんを喜ばせるつもりなのだろうかこの妖怪は。

「生まれてしばらく経つものの、なかなか波長の合う男がおらなんだ。
 このまま精を吸うことも出来ず消滅もやむなしと肝を据えていたところ、ようやくお主が書き込んだのだ」

彼女は、ぴっと指を指す。その先はAさんのパソコンモニタ、そしてその中の、先ほど彼が書き込んだ一文。

『長文乙』

「よくぞ、よくぞ拙者を呼びだした」
376『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:08:55 ID:Szttuq0R

彼女の指に倣って画面を見つめていたAさんは、ゆっくりと視線を彼女に戻した。
彼女は、Aさんを見つめ、静かな口調で。

「さて、」

とゆっくりと区切ってから、

「お主も知っての通り、我らには習性がある。
 お主らの生命力とも言うべき『精』を吸うにあたり、なにも無理矢理これを奪うつもりもない」

そういって、Aさんの妄想を具現化したような姿をした妖怪は、「故に問おう」、と前置きして。

「これからお主の『精』を吸わせてもらうが、よいか?」

少女は、Aさんの瞳に問いかけた。
そして問われたAさんは。
相手が妖怪であるとか、自分の命に関わることであるとか、訂正の効かないたぐいの問いであるとか、
そういった懸念事項を頭の中で列挙しながらも、大して迷うことなく、頷いて応じた。

その答えに目の前の少女は、満足そうに頷いて。

「これでようやく、精が吸える」

彼女はそしてAさんを見、端正な顔を少し、少しだけ淫靡に歪め、

「お主も死ぬほど楽しませてやるから、覚悟せい」

そう言って、笑った。




「さて、まずは何からして欲しいのだ?」

Aさんと少女の座る距離はおおよそ2メートル。
彼女は正座の姿勢からわずかに腰を浮かせると、前方に着いた手を滑らせて、低く這うような姿勢で近づいてきた。

「拙者の処女まんこに早くぶち込みたいか?
 それとも、拙者のような小娘の唇にそのちんぽをくわえさせ、喉奥を犯したいのか?」

そして彼女は、清楚な外観からは想像もつかない卑猥な言葉で迫ってきた。
表情は先ほどまでのきりりとしたものから、わずかに淫らな熱を帯びたものへ変化している。
二人の距離が縮まり、お互いの鼻同士が触れ合うところまで接近した。

「ほう、成る程成る程。初物はあっさり破らず、先に初物ならではの楽しみを堪能したい、とな」

Aさんの思考がだだ漏れ、というよりも、嗜好を把握されすぎている、ということなのだろうか。
彼女の言うことはすべてもっともな話なのである。
むしろ、ちんぽねぶりという妖怪の特性からすれば、狙った男のリビドーを感じ取り叶えてやることで、
もっとも高い純度の精を奪うための能力といったところだろうか。

「よかろう、それでは、『ぶっかけ』をさせてやろう。
 生娘の顔に、髪に、剣道着に、お主の汚い汁を好きなだけぶっかけて、どろどろに汚すがよい」

そう言って彼女は、鼻先同士をちょん、と触れ合わせ、そしてキスをしてきた。
舌も忍ばせないような幼いキスだったが、それだけでAさんの背筋がぞぞぞと粟立った。
確かに、『持って行かれた』。
こんなキスだけでも、かなりの精気を持って行かれたと、Aさんは少し怖くなった。
377『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:10:35 ID:Szttuq0R

彼女は、そんなAさんの反応に、キスから離れた唇を小さくねぶり、お主も初心(うぶ)だのう、などとからかってきた。
香りの毒にやられてうまく身体が動かないAさんに代わり、彼女が主導権を握っていた。
Aさんはなすがまま、自分の部屋着を乱しズボンをずらす彼女に抵抗もしない。
そしてとうとう、下着の内よりペニスが取り出された。彼女はそれらの行為を、鼻先で見つめ合う顔の位置を変えずに、手探りのみで行っていた。
すでに勃起を果たし、ギンギンにいきり立つAさんのペニスに、白魚のような少女の指が這い回る。

「・・・これはこれは。たいそう『おなご泣かせ』な逸物だのう」

は、は、と少女の短い息がAさんの頬にあたる。同時にAさんも、息を詰めるようにして呻く。
少女の指が、Aさんのペニスの、裏筋をなでるように滑り、がっちり開いたエラを擦るように蠢く。
次第に彼女の指の動きが大胆に、男を責める強さを持ち始めた。
指の腹で擦るように亀頭と裏筋の継ぎ目を責め、先端から滲み出すカウパーをねちねちとこねるようにして塗り広げていく。

そして、指先だけの愛撫から、掌全体を使った愛撫へと変化する。
しかし、ペニスを握るように指で輪を作っても握りきれない。これはAさんのペニスの極太さのせいか、それとも少女の掌の小ささか。
おそらくどちらもがあって、このようなアンバランスを生み出しているのだろう。

「お主のちんぽは太すぎて、拙者の指では『輪』が作れぬ。
 まったく、こんなデカマラを、年端もいかぬ生娘にぶち込むつもりだとは、なんたる強欲か」

それは、大の大人が幼い少女を抱く、という犯してはならぬ罪。
普段からのAさんが持つ、良識の荊。

「だが、赦そう」

しかし少女は、Aさんを受け入れた。

「拙者の身体に、遠慮はいらぬ。
 なにせ、お主の欲望をぶちまけるためだけに存在する身体なのだ。
 何を気後れする理由があろうか」

そういって、Aさんの心にある最後の戸惑いを打ち消した。
彼女の指は、完全に握りきれないまま上下に大きくスライドし、ペニス全体を擦りだした。
しゅこ、しゅこと指とペニスの摩擦音がリズミカルに聞こえ出す。

「ほれ、ほれ、気持ちよいか?」

Aさんは正直に頷く。彼女はそれに気をよくしたのか、ふふふ、とくすぐったそうな笑みをこぼした。

「ならば、思う存分ぶちまけるがよい」

そして彼女は初めてAさんの鼻先から離れ、顔をペニスの前に持ってきた。

「ふふふ、醜いな、お主のちんぽは。
 醜くて、逞しい。
 惚れ惚れするような、無骨なちんぽだ」
378『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:13:06 ID:Szttuq0R

少女はAさんのペニスを間近で眺めながら、うっとりと呟く。
その間も続けられる少女の手扱きに、Aさんの限界も近づいてきたようだ。

「ほれ、いけ、いってしまえ。
 お主の吐き出したもの、全部受け止めてやる故、たっぷりと拙者を汚すがいい!!」

少女に言われるまま、より激しくなる手扱きの刺激に高まって、Aさんは限界を迎えた。
びゅく、びゅくと何度もペニスが跳ね、大量のザーメンを少女めがけて吐き出した。

「ッ!!」

少女はその生臭い白濁液を、宣言通り顔、髪、そして濃紺の剣道着で受け止めていく。
勢いをつけたザーメンが凛々しい少女の顔を汚す。
まるで白い麺類を思わせるほどの濃厚な精液が彼女の眉、つむった瞼、鼻、サラサラとした黒髪に次々と引っかけられる。
そしてようやく勢いの落ち着いた噴射が彼女の胸元、濃紺の剣道着の布地に飛び散り、淫らな白色を織り込めていく。

「・・・・・・くぅ、これが、お主の精液か・・・・・・」

初めて、男の精を受け止めたその妖怪は、甘美な興奮に身を震わせた。

「かけられただけで、拙者、軽く果ててしもうた・・・」

恍惚に頬を染め、そう告白した少女。両肩を強く抱くようにして身を縮めたあと、深い官能の吐息をはいて、Aさんを見つめる。

「・・・まだまだ、終わらぬよな?」

Aさんのペニスは、少しも萎えることなく屹立している。
彼はそのペニスに力を込め、ぶるんと震わせることで少女の誘いに応えた。



そのあと、Aさんは少女の喉を犯した。
少女の唇を割って口内に進入したAさんのペニスは、ずるずると奥深く飲み込まれ、喉の奥まで潜り込んだ。
信じられないことに少女は、Aさんの長大なペニスを根本まで飲み込んでしまったのだ。

「んんっ! んぐっ! んむんんんんんっっ!!」

普通の人間ならばえづいてしまい、ここまでのディープスロートは無理なはずなのだがそこは妖怪、むしろ恍惚の表情を浮かべていた。
彼女は、陰毛の茂みに顔をつっこませるほど根本まで深く咥え込むと、それでもまだ奥へと吸引し、喉を収縮させて締め付けてきた。
そして、その吸引力はそのままに、ずるずると頭を引きはがすようにペニスを半ば解放した。
そしてそれでも亀頭だけは解放せず、そこを中心に激しく口の中でねぶり回す。

ぶちゅ、びちゃ、あはぁ、はんむ、ちゅば、ちゅばっ・・・

唾液を巻き込んで舌がペニスにからまる音や、少女の短い吐息、そして容赦のない吸引音。そんな淫らな音がいくつも絡まり、Aさんの耳をも犯す。

「はふぅ・・・、美味い、・・・・・・お主のちんぽ、美味すぎるぞ。
 こうやってしゃぶり続けているだけでも、んはぁ、幸せ気分でアタマがトロけてしまいそうだ・・・・・・」

熱い吐息と共に彼女はそんなふうにペニスにおもねる。
そしてまた、喉奥深くペニスを飲み込み、吸い付き、吐き出すという行為を繰り返す。
そのたびにAさんは狂おしいほどの快楽を与えられ、低く呻き声をたてる。
美しい少女の顔が、頬をへこませ、まるでタコのように口をすぼませてペニスに吸い付く姿は、ずいぶんと滑稽だ。
美しい少女がここまでみっともなくペニスにしゃぶりつく姿など、そうそう拝めるものではない。
しかし彼女はそんななりもかまわず、懸命にAさんのペニスをしゃぶりたてる。
美しい少女が浅ましく自分の性器へ奉仕する姿は、滑稽であればあるほどAさんの気分を高めていく。
ずるずるとペニスを吐き出しては、また激しく吸引し、喉の奥の奥まで迎え入れる。
Aさんは、荒々しくしゃぶり倒されるペニスの刺激に強い目眩を覚えた。
379『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:16:27 ID:Szttuq0R

「んんっ! んぶっ! ぶふっ! ぐぶっ!!」

少女もまた、喉奥を荒らされる刺激に呻く。ペニスが奥へ奥へ潜り込むたびに、えづくような呻き声を上げる。
蛙の鳴き声にも似たその声は、その被虐さえも彼女の喜びであるとばかりに、どことなく嬉しそうなふうにも聞こえてくる。
そしてついに、Aさんにも限界が訪れた。
ペニスの根本が熱くなる感覚。すぐにでも射精をしてしまいそうになる衝動を、Aさんは奥歯をかみしめてこらえた。
そしてその動きを、ペニスの脈動から読みとった少女は、彼の衝動を一気に解き放つため、強烈なピッチを開始する。
そして、彼女の与えるとどめというべき刺激と、Aさんの射精をこらえる自制がぶつかる。拮抗はほんの数秒。
たまらずAさんは、少女の喉奥に射精した。

「くあああっ!!」

Aさんは唸った。これはただの射精ではない。
普通ならば、どくっ、どくっ、と何度かの脈動によって噴き出す精液が、少女のバキュームによって一気に吸い出されたのだ。
じゅーーーーーっ、じゅーーーーーーっ、と何度かそのバキュームは続き、文字通りAさんは精を吸い取られた。
まさに、妖怪ちんぽねぶりの名に偽りなしといったところか。Aさんは、その苦痛にも似た極上の快楽に、身悶えして溺れていた。



「・・・うむ、美味い。これが喉から摂取する精液の味か」

そういって彼女、口元の涎と精液を拭った。
ずいぶんと大量の精液を胃袋に流し込んだ彼女、小さく、けふ、と可愛らしいげっぷをした。
こうしてAさんの元に現れるまで、一度も男の精を吸ったことがないという彼女、
おそらくその胃袋の中に流れ落ちた代物は、このAさんの精液が初めてなのだろう。





「さて、いよいよ拙者の初物をお主に破らせてやろう」

そして彼女は身を起こし、Aさんを見つめて言った。

「ここで問題なのは、お主がどういった『まぐわい方』で拙者の処女膜を破りたいのか、という点だ」

彼女は、掌にこぼれた精の残滓を舐め取りながら、

「このまま拙者がお主にまたがり、まっすぐ天を向いて勃起するお主のちんぽに膜をあてがって、拙者の体重でじわじわと膜を裂くのがよいか?」

くるくると人差し指で空中に円を描きながら、

「それとも、獣のように拙者を這いつくばらせるのが好みかのう。
 無様に持ち上がった拙者の尻を掴み、尻穴をいじりながらマン肉を広げて膜のひくつきを眺めてからぶち破るか?」

今度はその指を顎下にもっていき、うーんと唸ってから、

「姿勢はおとなしく正常位がよいか?
 拙者自ら、がばりと大股を広げ、腰を突き上げるように見せつけながら自分の指でマン肉をぱっくり開いてやるのもよいな。
 せっかくだ、そのまま拙者の処女膜を記念撮影させてやってもよいぞ?
 お主が『写メ』とやらでハメ撮りするつもりならば、そうだな、一緒に写るように、拙者の臍の下あたりにわかりやすく『処女喪失五秒前』とでも書いてやろう。
 むろん、書いたからには五秒後に、拙者の膜をぶち破ったところも撮らんとな」

そういったあと彼女、はて、そうなるとそのときには臍下の文字は偽りとなるな。
お主、なんぞよい手はないかのう、・・・・・・と、悩んだ答えをAさんに求めたのだが。
380『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:19:36 ID:Szttuq0R

「・・・・・・・・・マジ?」

Aさんは、軽く引いていた。

「えーっと、そういうどぎついのばかりじゃなくて、純愛系エロゲとか少女マンガみたいにロマンチックなロストバージンとかは?」

そのAさんの提案を聞いた彼女、むにゅうう、と眉根を強く寄せて溜息をついた。

「綺麗事をぬかすでない。お主の欲望が、そんなにあっさりしているわけが無かろう」

そしてAさんのおでこを白い人差し指でつん、とつついてから、

「それともなにか、お主は、」続けてつん、つんと突きながら、「この後いきなり夜が明けて、雀の鳴き声がチュンチュンと鳴き始める朝に、」
さらにつん、つんつんとつついて、「素っ裸の拙者がお主に身を寄せて『あたし、もうあなたのオンナになっちゃったんだね・・・嬉しいな』などと
ほざいてお主の胸に『の』の字を書きながら、」づんづんづんづんと繰り返し突きまくり、「お主の煎れてくれた夜明けの珈琲を一つの茶碗で
一緒に飲むとかいった、」づづづづづんと鋭い連打をかました後、「そんな生ぬるいエロスで我慢できるとでも、」どづん、と強く一突きした後、
「ぬかすつもりかぁーーーーーーーっっ!!」傍らに置いてあった竹刀でAさんの額に鋭い『突き』をぶちかました。

額に強力な一撃を食らったAさんはのけぞり、転がり跳ねるようにワンバウンドしてから、ボグワッシャァーと吹き飛んだ。

「たわけも程々にいたせ! 拙者はお主の欲望に波長を合わせてここにやってきたのだ、いまさら外面を整えても仕方が無かろう!」

ダイニングを越えて転がった先の玄関の土間にアタマからつっこんだAさんは、ゴメンナサイ、と力なく手を振って謝罪した。






で、結局。

「どうだ、よく見えるか?」

今の剣道着少女の姿勢は簡単に言えば、肩が地面について失敗したリンボーダンスのような姿であった。
つまり、ひざを折って縮めた形の肩ブリッジである。
仰向けに横たわりつつも腰を浮かせ、それを支えるように足の裏は部屋の畳の上にぺたりとついている。
ひっくり返されたカエルのようにひざを縮めて曲げ、その太股は根本で大きく開いている。
先ほどまで着けていた衣服は、この段にいたってずいぶんと崩されていた。
濃紺の剣道着は胸元の合わせが大きくはだけ、真っ白なおなかと、シンプルな水色のスポーツブラが露わになった。
同じく濃紺の袴を脛あたりまでずり下ろし、カエルの両足首に引っかかっている。
大胆に開いた股間は、ブラと同じ淡い水色のローレグショーツで守られてはいたのだが、その股布のあたりはさわやかな水色を淫靡に湿らせていた。

「その『デジタルビデオカメラ』なる写真機、撮れておるか?」

彼女はその姿勢のまま、デジタルビデオカメラを構えるAさんに訊ねた。
先ほどまで彼の身体を押さえつけていた甘い香りの毒は、いつの間にかAさんに身体の自由を許していた。
決して毒が薄まっただの抵抗力がついただのではなく、むしろ毒に促されるようにして、動くことが出来るようになった。

結局、欲望のまま従うことにしたAさんは、写メといわずビデオカメラを取り出した。
手のひらサイズのハンディカムで、手ぶれ補正機能もあるのでハメ撮りにはもってこいの最新式だ。
もちろん本来の使用目的は仕事用である。ただ単に動画が撮れればいいだけの用途に対してここまで高価高性能なものは必要はないのであるが、
それでも心のどこかで『いつかはハメ撮りに使えたらいいな』とかの祈りにも似た希望的将来視をもって購入したハイスペックである。
そしてついにその投資が報われるときが来たようだ。

「思う存分撮るがいい。拙者はこの通り生身の身体を持つ物の怪だからのう、ちゃあんと写真機にも写るように出来ておる。安心いたせ」

そして彼女は、ちょうど肩ブリッジをしたような姿勢のまま、空いた両手で胸のスポーツブラの裾をつまみ上げ、伸縮する生地を大きく首もとにまくり上げた。
そこには、あるかなしかの乳房の膨らみと、その先端につん、と飛び出した桜色の乳首。その二つの突起が、少女の鼓動にあわせて揺れている。
381『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:21:10 ID:Szttuq0R

「ふふふ・・・、先ほどから拙者の乳首は、勝手に先走り尖ってしまっておる。
 いくら出しゃばってみたところで、拙者やお主が触れぬことには悦楽の欠片も得られぬと言うのに、この馬鹿乳首が。
 ほれ、お主も見ておるだけでのうて、拙者の馬鹿乳首をはよう弄ってやってくれ」

言われるままに、Aさんはビデオ片手に、もう一方の手を少女の胸に近づけていく。
そして指先が、真っ白な乳房に触れたとき。

「あっ!」

びくっ!と痙攣一発、少女が官能の叫び声をあげた。

「・・・・・・な、なんだ?」

唐突な反応におっかなびっくり、Aさんは恐る恐る少女の反応を窺った。
少女は、ブリッジのような姿勢のまま跳ねるように背をそらせ、少ししてからようやく、全身に籠もった力をようやく抜き始めた。
そして、はふぅ、と大きく息を吐いてから。

「・・・・・・波長が合いすぎる、というのも思うたより難儀なものだのう。
 この身体、お主が相手では、『感じすぎる』ようだ」

どうやらこの妖怪、先ほどはAさんに指先で乳房を触れられただけで軽くイってしまったようだ。
別に、Aさんが恐るべきフィンガーテクニックの持ち主であるというわけではない。
彼女の言葉通り、Aさんの身体は彼女の性感にとって、相性がよすぎるようなのである。
先ほどのキスやフェラチオのように、彼女主導であればある程度のコントロールは効く。
しかし、乳首に来るものと思っていた刺激がポイントを外されてしまい、彼女の不意を突くようにこの強い刺激が来ると、
まるっきり無防備なものだから相当の衝撃を受けたようだ。

「・・・さすがに、いきなりはまずかったようだな。
 少々、『慣らさねば』ならぬようだ。
 手伝って、もらえるかの?」

「ど、どうすりゃいいんだ?」

手伝えといわれてもなにをどうすればよいのか、Aさんの思考の追いつくところではない。
そんなAさんに、彼女は少し照れながら。
ブリッジの姿勢を崩し、ぺたりと力を抜いた彼女は、ゆっくりと両手をAさんに差し出した。

「しばらくの間、拙者を、ぎゅっ、と抱きしめてくれればよい」


カメラを置いて両手で彼女を抱き上げ、そのまま抱きしめる。
はじめこそ、触れ合う肌の刺激に彼女はびくびくと痙攣を起こしていたが、しばらく抱きしめてやるとそれも収まってきた。
Aさんは、自分の腕の中で縮こまる妖怪が次第に安らかに落ち着いていく様子を見ていて、少々残念な気がしていた。
今この、彼女の穏やかな表情をこそビデオに残してやりたかったのだ。
つくづく両手がふさがっていなければなぁ、と。
しかしその両手も、こうして可愛らしい少女を抱きしめることが出来て、それはそれで幸せなのだった。



「仕切り直しだ」

凛とした声をややぶっきらぼうな口調に変え、少女は宣言した。

「せっかくエロいムードになってきおったのに、台無しだ」

「いやいや、これはこれで、いい感じだよ」
382『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:22:14 ID:Szttuq0R

一度Aさんから離れ、先ほどと同じ肩ブリッジの姿勢をとろうとする少女に、彼はほくほくと笑みを浮かべていった。
しかし、彼女はきつくAさんをにらみつけ、声を低く落として抗議した。

「このたわけ者が。我らちんぽねぶりはエロくてなんぼの存在なのだ。
 お主があれで満足だというのならば、拙者はこれで退散いたすが?」

その言葉にAさんはすぐさま先ほどの言葉を撤回した。

「ふん、だったらさっさと、拙者を燃え上がらせよ。
 お主のちんぽも、気合いを入れ直せ!!」

言われてAさん、本格的に愛撫を開始することに。彼女の側に寄り添う形で横になった。
相変わらず左手にはビデオカメラを構え、真横に起こした液晶モニタをカメラ側に向けた。
ちょうど、撮られる側に回ったAさんだが、それでもファインダーには自分の姿を入れないで、
淫らに着乱れた剣道着姿の女子中学生(相当)をとらえていた。

「ほお、このように写るのか『ビデオカメラ』というやつは。
 これは、気合いを入れて乱れねばならんな」

モニタには、少し前までの淫らさを復活させた少女の笑みがある。Aさんはカメラそのままで、空いた手を先ほどと同じ乳房にあてがった。

「んっ、」

少女は目を細め、薄い胸から得られる男の指の感触に心をとろけさせ始めた。
どうやら『慣らし』の成果もあり、これだけで果てるようなことにはならなかったようだ。
Aさんもその反応に安心し、さらに大胆に手の平で撫で始めた。

「ああっ、は、うん・・・」

はじめは探るように穏やかに、次第に欲望のまま大胆に。Aさんは夢にまで見た処女中学生(相当)の胸を撫で回した。

「あん、いいぞ、もっと、もっと乱暴にいじってかまわん、」

それならばとAさんは、今度は乳房でなく乳首を、二つの指でつまみ上げた。

「はああああああああああああっっっっ!!」

びっくんと全身を跳ね上げて少女は歓喜した。

「あああっ! ちくび、乳首すごいっ!!」

瞬間の強い刺激に大きく口を開けて喘ぐ。
彼女はAさんが乳首をひねるたびに大きく声を上げて身体を震わせる。

「く、はぁあーーーーーーっっ!!」

Aさんの指先の動きだけで、面白いように少女の身体が跳ね回る。
そしてあげる嬌声がAさんの耳を楽しませる。
ビデオのレンズは少女の表情をとらえ、幼さの残る風貌からは考えられないほどの淫らさで、Aさんの与える快楽を受け入れている。

そしてAさんは、少女の胸に吸い付き、舌で乳首をねぶり始める。
もちろん彼女はその刺激にもよがり叫んだが、もっと強烈なのは、自由になった指で彼女の秘裂をいじり始めた刺激である。

「はっはっ、はああっ、あひっ、ひあああああっ!!」

とっくの昔に、彼女の割れ目からは蜜が溢れだし、ぐしゃぐしゃに湿ってふやけている。
Aさんは、見た目ローティーンのこの妖怪が、いつでも自分を受け入れる準備ができていることを理解した。
383『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:24:50 ID:Szttuq0R

「気持ちいいか?」

そして、答えの予測できる問いを、彼女に問いかける。
しかし、息も絶え絶えの彼女が返した答えは、彼の予測とは異なるものだった。

「・・・このようなもの、拙者にとっては、戯れ事にすぎぬ」

先ほどまでの快楽に目を閉じてよがっていた彼女は、荒く息を吐きながら、うっすらと目を開いた。

「拙者の本懐は、お主から精を吸うことだ。
 お主のちんぽを、拙者の膣内(なか)にぶち込んでもらい、ドロドロの濃厚ザーメンを出し尽くしてもらうことだ」

開いた目を、カメラのモニタではなくAさん本人に向けた彼女は、

「拙者の身体をいじることも、お主の楽しみの一つであろう。
 それはそれで、拙者も気持ちよい。
 この身体も、浅ましく反応しおる。

 だが、そんなものがお主の本当の欲望ではなかろう?」

からかうような、諭すような、なんとも奇妙な口調で、語りかけた。
そして、彼女は右手をAさんの持つカメラに添え、自分の顔をモニタから外した。
カメラは彼女の手に押されるまま彼女の下方に移動し、大きく開いた股間を映し出した。

「早くここに、お主のちんぽをぶち込むがいい。
 拙者にとってこんな処女膜など、邪魔物でしか有り得ぬ」

空いた方の手を、ビラビラのはみ出しもない『すじマンコ』にあてがい、指先でぱっくりと肉を割った。
カメラのモニタは、その、愛液にまみれてぬらぬらと煌めく秘粘膜と、引っ張られて入り口の広がった膣口、
そしてその中に潜む処女の薄膜を、はっきりと捉えていた。

「拙者の処女膜は、後生大事に飾るものではない。
 お主の『男』によって破られるための物なのだ」

彼女の声に、先ほどからずっと勃起していたAさんのペニスが、さらに強く脈打った。



膝立ちのような姿勢でAさんは、仰向けになっている彼女の腰を引き寄せ、互いの性器を重ねてみた。
それは、なんとも倒錯的な光景だった。
大人の男として、それなり以上の体格であるAさんと、どう見ても中学生かそれ以下の年頃と思われる少女の身体。
ただでさえ背徳的な対比であるが、その二人の性器はもはやそれどころの話ではない。
大人の女になるための肉付きなどが決定的に足りない、第二次性徴途中の細身。細い腰、細い腿、そして当然、小さい性器。
そこにあてがわれるペニスの、なんといびつな大きさか。
Aさんの心の中の、鬼畜になりきれない善良な部分がざわりと騒ぐ。裏を返せば臆病な心の現れでもある。

「心配せずともよい。
 お主のちんぽがいかほど大きかろうが、拙者のまんこは壊れたりせぬ。
 拙者、これでも妖怪なのだ」

彼女にそう囁かれて、Aさんはぐびりと唾を呑んだ。
そうだ、気にすることはないのだ、とやる気を出す。

「そうだ。早くお主のちんぽを入れてくれ。
 拙者の処女膜をぶち破って、一人前の女にしてくれ」
384『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:27:31 ID:Szttuq0R

ペニスの先端を少女の割れ目にあてがう。ぬち、と湿った音がして、少女の肌の熱さが粘液を通して亀頭に伝わると、
今度は彼女自ら指先で割れ肉を開いて男を招いた。くぱりと開かれた少女の粘膜と、押し付けられるAさんの亀頭先端。お互いの粘膜同士が触れ合った。
Aさんは、彼女の割れ目に沿って、くちゅ、くちょと亀頭を滑らせて挿入直前の助走を楽しむ。その刺激に、彼女もまた肩を震わせて挿入の期待を楽しんだ。
少女の愛液が亀頭先端にたっぷりと塗り込められ、挿入の助けとする。
もっとも、これほどヌレヌレの少女の膣ならば、改めて愛液をまとわせなくとも十分なようにも思えるが。

そして、亀頭が少女の膣口に狙いを定めた。
Aさんの右手は少女の腰をつかみ、左手ではビデオカメラが少女の破瓜の瞬間を逃すまいと焦点を合わせる。

Aさんは、狙いが外れてしまわないよう角度を合わせ、掴んだ少女の腰を引き寄せた。
ぐっ、と押し付けられる亀頭が、膣口を広げ沈んでいく。

「ッ! あ、ぐッ!」

少女が顔をしかめ、呻く。同時にビデオカメラは、めり込み始めたペニスと膣口のはざまから、赤い血液が伝うのを捉えた。

「だ、大丈夫か?」

「・・・・・・ふん、いっぱしに、破瓜の血まででおるようだな、この身体は。
 痛みもある、おかげでしばらくは快楽に集中できぬ。
 だが、それもお主の望みの一つだろう?
 せっかく生娘の初物を喰ったのだ、拙者が痛みをこらえる姿も堪能しておけ」

口の端を曲げて、痛みの混じった笑いを浮かべる少女がそういった。
だが、それに対してはAさん、反論がある。

「別に俺、サディストじゃねえし」

性格的なものをSかMかの二極で論じれば、少なくともAさんはS側の性格をしているのだろう。
しかしそれは、セックスにおいて相手を苦痛で苦しめなければ気が済まないといった極度のものではない。
せいぜい彼の処女好きは、『ティーンズの女の子はあまり遊びすぎていない方がよい』、くらいのものだ。
彼の持つ夢見がちな思いこみは独占欲の現れでもあるが、その程度のものは誰しも持っている部分であろう。

だから、相手が痛がってばかりのセックスを、別段楽しいとは思わない。

「お主がそういうなら、それでもよい」

痛みのなか浮かべた笑みを、少しだけ柔らかくして彼女は言った。

そしてAさんは、彼女の苦痛の様子を見ながら、じっくりと落ち着いてペニスを挿入していった。

彼女の処女膣は、ぎゅうぎゅうに肉襞の密集した狭穴で、それでも大量の愛液がペニスを吸い込むように招いていた。
彼が今まで抱いてきた女の、どれよりも極上な女穴だ。
ともすれば一気に奥まで突き入れてしまいたい衝動に駆られるが、先ほど言った手前、彼女の痛みを押さえることを優先しての挿入だ。

「じれったいものだな、これも・・・ッ!」

苦痛にひくひくと身体を震わせ、少女が言う。
実際、この小柄な少女の小さな膣に、Aさんのペニスが入って『この程度』の痛みで済んでいることは、確かに彼女が言うとおりその素性故なのだろう。
セックスを糧にする妖怪であるからこそ、『この程度』で済んでいる。

「なぁ、キスしてもいいか?」
385『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:29:28 ID:Szttuq0R

Aさんが、苦痛に呻く少女にわざわざそんなことを訊ねる。
それには彼女も、眉をひそめて答えた。

「お主、またぞろ乙女趣味の悪い虫が騒ぎ出したか。
 『破瓜のあいだ、優しい口吸いで宥めながらのセックス』など、今時の少女漫画でも扱っておらぬわ!」

読んでるのかよ今時の少女漫画を、とAさんは突っ込みそうになったが踏みとどまった。
彼は、片手に持っていたビデオカメラを傍らに置き、

「馬鹿、そんなロマンチックなキスじゃねーよ」

そういって、少女の薄い唇に吸い付いた。

「んむっ!」

交差するように唇を重ね、深く舌を差し込むディープキス。確かに、これは『乙女趣味の優しいキス』ではない。
進入するAさんの舌を少女の舌が迎え撃つ。お互いが強く絡み合い、舌を擦りあう。
ぞくぞくする快感をAさんは彼女の舌から受け取ったが、それは一方的なものではなく、彼女もまたAさんの舌によって身震いする快楽を得ていた。

ん! ちゅっ、ちゅく、ちゅぷ、あむ、ふんんん・・・・・・ちゅば、

そして、Aさんはそのキスの間にも腰を進め、とうとう彼女の最奥まで到達してしまった。こつんと、少女の子宮口を亀頭が叩く。

「・・・・・・・・・ふふふ、とうとう繋がった」

キスを終え、彼女は感慨深く言った。その表情はキスの影響か破瓜の達成感か、ほんのりと紅潮している。
彼女は、細い両足をAさんの腰に絡めてくる。その足の動きが股の筋肉の強ばりとなり、より強く膣で締め付ける力を増す。
Aさんは、極上の肉襞がさらに強く絡みついてくる感触に、尻に力を込めて堪えた。

「拙者の痛みもようやく消えた。
 あとはお主の欲望の限り、手加減なしでハメまくってよいぞ。
 思う存分、拙者の肉壷を堪能するがよい」

彼女の言うとおり、確かにもう表情に苦痛は存在しない。Aさんは我慢できずに、ペニスを膣口付近までずるずると引き抜いた。
ペニスのカリが、引き抜かれるのをあらがうようにして少女の膣壁を引っかいていく。

「んあっ!」

膣壁を擦られる感触に身をぞわぞわと震わせていた彼女だが、膣の中にある、強く感じるポイントがカリで擦られ、身体全体がびくんと跳ねた。

そしてAさんは再び、ペニスを奥深くまで押し込んだ。
引き抜くのとは逆方向、ペニスの形は極太の矢のように膣肉を引き裂くように潜り込んでいく。

「ひぐっ!!」

最奥まで進んだペニスは、行き止まりになっている子宮口にぶち当たってもお構いなしに、内臓ごと子宮を押し上げてくる。

「んぐ・・・・・・、こ、これは、効く・・・ッ!」

眉根を寄せて衝撃を堪えながらも口元は快楽に笑みを浮かべる。
少女は、子宮を持ち上げるほど深く突かれて幸せそうだ。

彼女の反応に、もう手加減不要なことを確信したAさんは、ピストンのスピード、そしてパワーを全開にした。正直、Aさんの忍耐も限界が近かったのである。
386『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:31:09 ID:Szttuq0R

「ひっ! ああっ!! あうっ! うくぅ〜〜〜〜〜っ!!!」

彼女もまた、焦らされていたような疼きを解放させて、悩ましくAさんを迎えた。

「すご、・・・い、・・・すごいぞ! こ、これが、・・・本物のセックスか!!」

ばしんばしんと荒々しく打ち付けられる腰により、何度も何度も彼女の膣奥は荒らされた。
どん、どんと乱暴に子宮口を殴りつけるかのように亀頭が彼女の最奥で暴れ回る。

「あひっ! あ、ああ! あああ〜〜〜〜〜〜〜っ!! すご、い、おぬしのちんぽ、すごい〜〜〜っ!!」

彼女はのけぞり、押さえ込まれた腰から上、上半身をがくがくと乱して快楽にあえいだ。
そして時折、Aさんとキスを交わし、お互いの唾を交換しあっては喉を潤した。

「ああっ、こ、こんなに、はげしく、つきまくられては、せっしゃ、もう、もう!」

「拙者はもう、堪え切れぬ! は、はよう、お主もいってくれ!!
 後生だから、拙者の子宮に、お主の精液をビュルビュル射精してほしいのだ!!
 拙者の子宮に、ドロドロのザーメンを流しこんでっ!!」

Aさんの限界もすぐそこだった。少女にいわれるまでもなく、ラストスパートの激しい打ち込みを開始した。

「きっ!! きついっ!! すごいっ! はああ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

そしてAさんのペニスが、少女の壮絶な締め付けの中でさらに膨らんだ。
ドビュウッ!! ドビューーーーーーーッッ!! ビュブゥーーーーーーーーッッ!!!
Aさんの放つ大量の精液が少女の膣奥であふれかえり、そこにある精液だまりはおろか、子宮の中にまでドクドクと流れ込んだ。

同時に。
少女が、絶頂した。
目の前が白く爆発し、全身を快感が駆けめぐった。
自分がどんな姿勢で組み伏せられているのかも分からず、ただ受け止めきれない快楽の嵐に身を任せ、天高く跳ね上げられたかのようだった。
その後はもう、ただただ忘我の空を漂い、いつ果てるかもしれない多幸感に身を委ねていた。





387『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:37:55 ID:Szttuq0R








「・・・は、初めてで、これほどすごいセックスをされてしまうとは・・・」

しばらくの間、死んだように気を失っていた少女であるが、ようやく意識を取り戻した。

「病みつきになって、お主のセックスが忘れられなくなったら、どうするつもりだ・・・」

アクメに呆けた顔に、うっすらと笑みを浮かべた。
Aさんは、その戯れ言を聞いて、戯れ言で返す。

「そのときは、まぁ、責任とるよ・・・」

「ふっ、・・・たわけが」

そして彼女は、催促されるのに応えて唇を差しだし、Aさんとキスをした。
まるで、本当の恋人同士のような甘いキスの後、Aさんが言った。

「ではそろそろ、第2ラウンド開始といくか」

「な、なにっ!?」

彼女はとっさに驚いた声をあげてしまってから、『それ』に気づいて納得する。

「たしかに、少しも萎えておらぬな・・・」

未だ少女の膣にはめられたままのAさんのペニスは、依然として力を失っていないのだ。
今さっき射精したばかりだというのに、少女のきつい締め付けに抵抗する硬度は健在だ。

「よかろう、好きにいたせ」

少女の了解を得て、Aさんは再び動き始めた。

「ひあっ!! そ、そう急かずとも・・・ふ、ああああっっ!!」

先ほどの絶頂の熱もまだ残っている身体は、Aさんの突き上げにすぐにでも熱く反応する。
先ほどの一戦目は、ただただ身を急かす欲望に突き動かされてしまい単調になりがちだったAさんの動きも、女を泣かせる様々な動きを見せ始めた。


そうして、Aさんと妖怪『ちんぽねぶり』の少女は、そのあと何度も続けて交わった。
バックであったり、女性上位であったり、松葉くずしであったり、まんぐりがえしであったり、様々な体位をAさんは堪能した。
とにかくそうして、この妖怪少女は何度もアクメを迎え、そのたびにAさんから精を吸い取ったのだ。









388『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:40:06 ID:Szttuq0R



「気になってるんだが」

Aさんは言った。

「剣道着美少女中学生は決してマイナージャンルではないと思うんだが」

彼の言うとおりだ。
全国都道府県庁所在地にある『剣道着美少女中学生愛好会』支部では、日々新しい会員の登録が進んでいる。
大手の『メイドさん愛好会』や『レオタード少女愛好会』と比べてしまうとシェアは小さいものの、ここ数年でかなり会員数を伸ばした。
Aさんは厳しい審査を乗り越え、同会に十数年前に入会を果たした。
そのときの会員番号は百番台であったから、少なくとも愛好家は百人以上いたわけだし、年々増えているはずだ。
この目の前の妖怪が、今までだれも手をつけないでいたなどとは、にわかには信じがたい。

少し前まで、泣き叫んで何度も何度もいきまくっていた少女はAさんの腰のあたりに横たわり、自分を幸せにした男の肉棒を優しく舐め清めていたのだが、
その彼の主張にふむ、と唸った。

「たしかにな。最近、『侍』ももてはやされておるようだしな」

とある球技の国際大会チーム名しかり、テレビ朝日系列で三十年以上続く特撮ドラマシリーズしかり。

「だが、そのような『にわか』など、歯牙にもかけぬ」

そして彼女は起き上がり、もう一度Aさんの瞳を見つめ、言った。

「先ほども申したであろう。波長が合わぬのだ、他の男どもとでは」

妖怪少女が、軽い腕組みをして言う。
彼女のその言葉、聞きようによっては、くすぐったいトキメキのようなものを感じる。運命の相手、唯一無二の片翼の鳥。
ついついそれら思考が表情にもれて、ポワワと腑抜けた表情を作るAさんだったが。

「・・・お主の考えておること、おおかたは読めるが、あまり先走らぬ方がよい。
 我らちんぽねぶりにとって、お主ら人間の男は餌にすぎぬのだからな」

呆れ顔で彼女は言った。
なにやら釘を差された格好だが、Aさんもそれでへこたれるほどヤワではない。彼もそこそこ訓練された強者の変態である。

「じゃあ、また腹が空いたら、俺の所にくるんだな?」

その問いに彼女は、つい、と視線を逸らして答えた。

「何度も申すとおり、他の男では波長が合わぬのだ。
 故に、拙者が精を受けとることが出来るのは、お主しかおらぬ。
 しかたなしだ、やむなしなのだ!」

ぷい、と拗ねるように、照れるように彼女は呟いた。
Aさんは、ここで先ほどの、いまわの際の言葉を蒸し返してやろうかとも考えたのだが、あまり苛めすぎるのもどうかと思い、やめておくことにした。

389『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:41:00 ID:Szttuq0R

「いいさ、仕方なしでも。腹が空いたら遠慮なく来てくれ。たっぷり濃ゆい奴を溜めておいてやるからな」

そう言ってからAさん、彼女の名前をいまだ知らないことに気がついた。

「いまさらだけど、名前を聞いてなかったよな?」

先ほどの照れからか、はたまた違う別の感情からか、彼女はぶっきらぼうに答える。

「ない。
 今まで拙者は、何者とも共に居たことがないからな、他者から名を呼ばれることがなかったのだ」

だから、と彼女は区切ってから。

「お主が好きなように呼べ」

そして彼女はAさんの瞳を見た。
応じてAさんも、彼女の瞳を見た。
その、妖怪少女の瞳の中にある儚げな世界を覗いたAさんは、彼女の問いの意味を悟ったのだ。

これは、儀式なのだと。



だったら、とAさんはほんの少し思案して。

「『椿(つばき)』、でいいかな?」

彼女から香る、甘く奥ゆかしい匂い花。
今も残り香を漂わせる、彼女の姿と結びついた。

「・・・悪くない」

そう答えたあとの彼女は、小さく今一度、椿、という初めての自分の名を呟いて、満足げな笑みを浮かべた。



390『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:42:04 ID:Szttuq0R


「では、またな」
「ああ、じゃあな」

新しく『椿』という名をもらった妖怪ちんぽねぶりは、来たときと同じに玄関から立ち去るべくドアの側にたち、別れの挨拶をした。

そしてドアを開け、椿は去り際に一言、Aさんに声をかけた。

「くれぐれも、死なぬようにな。拙者の分も残しておけよ」

霞のように消えた椿の、最後の言葉に首を傾げながらAさんは戸締まりをして部屋に戻った。
するとそこには。

「コンバンワー!」
「こ、こんばんわ・・・」

卓袱台の側に、チア服を着た銀髪欧州系ハーフ少女と、スク水姿のおっとり内気少女が座っていた。

部屋の中に立ちこめる、甘ったるい洋菓子の香りとさわやかなソーダ水の香り。
混じり合うことないそれらの香りを吸い込んだAさんの身体には、なんとも不思議なことに、新たな力、いや、精力がわき上がっていた。

そう、このふたりも、妖怪ちんぽねぶりなのだった。


それにしても、どうしてこうもAさんの元にちんぽねぶりたちが現れるのか。

Aさんは、『エセ侍言葉を話す中学生美少女剣士』も好きだが『何でもポジティブに励ますチア服姿の銀髪ハーフ女子高生』も捨てがたく思うし、
『真面目なんだけど内気なもんではっきり喋れないスク水小学六年生』を無視するわけにもいかない性格をしていた。

つまり、Aさんは、たくさんの女を独り占めしたがる、どうしようもないハーレム嗜好の持ち主だったのである。

「・・・・・・こりゃあ、本気で死ぬかもしんねーな」

そう言いつつもさっそく股間に力が漲ってくるAさん。






さて、よく耳にする『ちんぽねぶり』の都市伝説では、とりつかれた男は精を絞り尽くされて死んでしまうこともあるのだが。

我々は知っている。
得てしてこういう、どうしようもないくらいに好色な男こそ、そう簡単に死んだりしないということを。

その実証とも言うべきこの報告者、Aさんは今も確かに存命し、毎日訪れるこの妖怪たちを相手に絶倫の限りをつくしているのだという。


つまり、男の欲望こそが、真に妖怪と言えるのかもしれない。




以上で、報告事例その1を終了する。

END OF TEXT
391『ちんぽねぶり報告事例その1』:2009/04/30(木) 07:43:33 ID:Szttuq0R
以上です。

エロさを前面に押し出そうと女の子の淫語を中心に構成したら、なんだか訳の分からんセリフをベラベラしゃべる謎妖怪ができあがってしまった。
392名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 13:48:19 ID:bpxCV5o+
乙です ちんぽねぶりの作った人ですけど楽しく読ませてもらいました
393>>369:2009/05/01(金) 01:42:19 ID:994NJBRL
読んでいただいた方、お疲れ様でした&ありがとうございます。


どうにもいびつになってしまった自覚はあります。
ちゃんと、普通のエロシーンを書く練習もしないといけないなぁと痛感しております。

次はがんばろう。



以下、宣伝です。

以前こちらに投下した「いわくつき。」にエロシーンを追加したものを、自分のホームページに保管しました。
お暇でなおかつ興味のある方は、どうぞ。
まぁ、変なエロなんで、抜ける類の代物ではないことはお約束。

さらに昔に書いた「ほんこわメイドさん」のその後ものせてあります。
(こちらは、以前こちらのスレで紹介していただきましたが)

3メートルの宇宙人
ttp://boukenoh.h.fc2.com/
394名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 12:09:02 ID:V2jyHco5
GJ!報告事例その2を読みたいです!
395名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 23:24:20 ID:zT7LufMc
GJ!『長文乙』にワロタ
その1の追加報告もあれば是非

文体等に見覚えがあったがやはり3M氏でしたか
『いわくつき。』もGJでした
396名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 08:52:54 ID:ZFOyepFC
メカ妖怪少女とかはどうだろうか。
397名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 07:43:16 ID:5tXhRfHr
>>396
グレムリン娘?
398名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 11:17:01 ID:Eocef4JN
付喪神?
399名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 18:14:05 ID:2pKpPiE/
ゴジラ対メカゴジラみたいなノリで、


あかなめの女の子と幸福にエッチな暮らしを過ごす青年の元に、
宇宙からの侵略者がメカあかなめを送り込んでくるという。

青年をかけて、あかなめ対メカあかなめの熾烈な戦い(エッチ)が始まる!!


みたいなやつ。
400名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 22:36:01 ID:cfA7NlPD
自分を宇宙人と思っている女の子、
ただの地球人なのかもしれない、見た目も内臓もまったく地球人と同じとしか判別できない、
しかし実は『本当は宇宙人の生体兵器』の一種で、何らかの感知できない器官が埋め込まれているかもしれない


そんなエセ宇宙人な女の子ネタを思いついたけどこのスレ的にはセーフなのかアウトなのか
401名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:20:35 ID:EdbtEI+A
>>400
宇宙人ならセーフ
地球人ならアウト
402名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 12:48:24 ID:Wg31+usC
>>400
宇宙人のようで実は地球人、ところが本当は宇宙人、てのはどう?

遠い先祖が宇宙人で、遺伝子に紛れて特殊な能力を持っている、みたいな。
403名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 21:53:58 ID:5+u0mbIy
「私と付き合って下さい!」
「幽霊風情が何を抜かしますか」
「あなただけなんです、私の投げたお皿を全部受け止めたのは」
「当たり前でしょうが。私はホテルのスタッフですよ」
「付き合ってくれないと……」
「どうすると言うんですか。呪う? 取り憑く?」
「今から持っているお皿、全部割ります」
「ああっ、早まってはいけませんっ!」
「えいっ――おおっ、スライディングキャッチ」
「お皿を大事にしない方は、私が逆に呪いますよ!!」


で、話は変わるんだけど、マンドレイクネタって出たことある?
花人間になるかもしれないけど、今度書いてみようかと思っているんだが
404名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 22:11:12 ID:fQnZ3A/Q
>>402
魔族大隔世ですね。
405名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 07:36:10 ID:cSwHdYKY
>>403
書いて!
406名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 21:48:34 ID:eAY9jYdQ
というか>403の幽霊とスタッフの話を読みたい
407名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 09:22:39 ID:s3q9h7xa
 五月も終わりの日暮れ、私は山の川辺にある蕎麦屋を訪れた。
 今はほとんど見かけなくなったが、ここは昔、蛍の名所として知られた。
 冷たいざるをいただき満足した私は、しばらく辺りを散策することにした。

 少し歩いたところで、浴衣を着た可愛らしい女の子に出会った。
 近くの子だろうか、と声をかけてみる。
「こんばんは」
 彼女は驚いた様子で私を見た。

 聞けば、彼女は幽霊らしい。
 この川で溺れ、以来成仏出来ないままずっとここにいる――と言う。
 どんな未練があるのかと尋ねると、彼女は俯いて押し黙ってしまった。

 私は彼女の隣で、しばらく川を見ていた。
「……誰かと、付き合ってみたかった」
 突然、彼女は消え入るほど小さな声で、そう打ち明けた。
 彼女は再び俯き、恥ずかしげに溜息をついた。

 私は生まれてから今までの話を、彼女に聞かせた。
 冗長な話を、彼女は飽きもせずに聞いてくれた。
 頻繁に質問されたが、なるべく省略せずに、教えた。

 そして、彼女の思い出も聞かせてもらった。
 昔の自分と重ね合わせるようにして、私はそのたどたどしい言葉を反芻していた。
 彼女は何度か、楽しそうに笑った。

 長時間話し込んでいたせいか、辺りはずいぶんと暗くなっていた。
 私は彼女に、他に何か出来ないかと考えていた。
 そんな思案の最中、送っていく――と彼女は言った。

 私は川を少し下った所にある、駐車場に車を止めていた。
「楽しかった」
 車から距離を置いて、彼女は言った。
 体が夜闇に溶け込み、霞んで見えた。

「また来るよ」
 私はそう言って、車に乗り込んだ。
 しかし、不安げに見つめる彼女がどこか心配だった。
 私は車を下り、改めて彼女に近付いた。

 私は彼女の目の前にしゃがむと、抱擁を交わした。
 感触はまるで、あるようでなかった。
 と、川辺に小さな光が、転々と見え始めた。

 蛍だった。その点滅は瞬く間に、辺り一面へと広がっていた。
 そして彼女の姿は、いつの間にか消えていた。
 私はその光景を、しばらくただぼんやりと眺めていた。

 私はあれから何度か、ここに足を運んでいる。
 もうすぐ、六月も終わろうとしている。
 しかしあの夜以来、彼女にも蛍にも、出会うことはない。


某スクリプトみたい、と少しでも思ってもらえたら嬉しいです
408名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 09:41:51 ID:SUO+MyCt
催眠オナニーの幽霊ちゃんが良いなあ。
409名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 13:02:16 ID:1Y/Bgy4L
>>407
良い感じだ。

>>408
詳しく。
410名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 13:48:06 ID:SUO+MyCt
スレチの気もするんだが。

ここの幽霊ちゃんってやつね。
ttp://107baknyuata.blog110.fc2.com/blog-entry-53.html

ヘッドホンで横になれる環境で聞いた方が良いですよ。
411名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 07:17:58 ID:ny1wGv2t
鵺は声が鵺(トラツグミ)に似てたから鵺なんだってよ。
しかも、姿を見た者がいないからあのキメラみたいな姿は想像だって。
412名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 19:51:46 ID:Svq/tpRc
ホス
413名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 15:58:52 ID:uNeLCGBM
>>411
へぇ〜
414名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 22:13:05 ID:+B73UVjX
鵺(トラツグミ)の鳴きまねが得意な少女妖怪が住む森の奥、いもしない鵺(ぬえ)という妖怪の噂を立てられて、誰も寄り付かなくなってしまう。

道に迷い、たまたま森の奥に立ち入った青年と、少女妖怪がであう。
ずっと独りぼっちだった少女妖怪は、久しぶりに会えた人間に、興味を持ちはじめる。
415名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 02:02:53 ID:UL15v57b
保守
416名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 07:54:15 ID:JanOZCHG
>>414
何故書かない?
417名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 22:23:29 ID:DX1zzWWx
ほす
418名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 02:23:57 ID:h8koPGJ7
マンドレイクさんのお話を一応、途中まで投下しておきます
419名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 02:24:52 ID:h8koPGJ7
 産廃埋立予定地だか何だかって噂のあった、だだっ広い土地。
 ここ十年近くそのままだが、一体どうなってんだか、一市民の俺には見当もつかない。
 そういや、子どもの頃は立入禁止の札を見て、冒険だなんて逆にワクワクしながら、友だちと入り込んだっけな――。
 そんなことを思いながら、颯爽と入り込む俺は悪い奴。

 金網と有刺鉄線でまぁ、昔から際どく囲われてはいるが、俺たちも子どもながらに考えたもんだ。
 何かって? 大脱走や城攻め――はちと大袈裟だが、トンネルを掘った訳だ。
 バイタリティ有り余っていたとはいえ、よくもまぁ……とは今でも思うが。
 掘った土はすぐ近くの森に放り込み、ベニヤ板で入口出口を塞ぎ、土を塗せば誰も気付かない。
 服は汚れるが、少し拡張して今でも俺は使わせてもらっている。

 トンネルを抜けると、目の前は一面の菜の花で覆われている。文学の世界だねこりゃ。
 外側は人目に付きやすいので、俺は暫く歩いていく。
 迷わないかって? 雑草畑じゃあるまいし、昔から何度も来ているからね。
 敷地のちょうど真ん中辺りまで来たので、シートを広げて横になる。

 こんな幸せ、なかなかないな。俺たちだけの隠れ家だ。
 当時の友だちは今、この変には住んでいないから、ここに来るのは俺一人だけど。
 ここでは市街地の様々な雑音はなく、聞こえてくるのは鳥や虫の鳴き声だけ。後はたまにヘリや飛行機が通るくらいか。
 俺は満ち足りたあの時のことを、こうやってしばしば思い出しに来る。

 ふと、変な香りが漂ってきた。どうも香水? に近い匂い。
 この辺の種でそんな香りを発する花は存在しないので、だとしたら風か何かで運ばれてきたのか。
 俺は起き上がって周囲を見渡してみた。すると、少し先に地肌が見えた土地があり、そこに何やら巨大な花が咲いている。
 紫色で形状的に茄子っぽいが、どうも大きさが場違いというか、ありえない。
 さて、どうしたものか……。
 
 しばらく様子を見ていたが、どうも引っこ抜いてみたい衝動に駆られる。
 注視すればどうも、プルプルと震えているようにも見えるし、何かおかしい。
 俺は葉の下、太い根辺りを掴むと、力を込めて引っ張った。
 1……2の……3――!
「!?」


 俺は意識を失っていたらしい。目を覚ますと、そこは誰かの膝の上だった。
 ――誰かの膝の上!?
「誰だっ?」
「やっと目が覚めたか」
 女性の声だった。上から見下ろしてくるのは人……じゃない。
 俺はすぐに頭を退けると、距離をとって向かい合った。
 目の前にいたのは、先程の花と無数の葉が頭となった、人間? もとい、これはマンドレイクか?
「そう恐れるでない。お前は私の恩人だ」

「さっきはすまん。地面から引き抜かれる際、痛みでつい悲鳴が出てしまった」
 喋っている。それもこれは二股大根なんてレベルのものじゃない。
 しっかり人の大きさ・等身・質感をしており、手足の指までしっかりと揃って動いている。
 膝枕の感触も確かに柔らかかったし、そしてこれは……。
「は、裸――」
「おお、そうだ。何か着る物を貸してはくれんか?」

 こいつの体格が結構小柄だったのが幸いした。
 一応来ていた作業着を脱いで、それを着せる。まだ下がやや心許無いが、真っ裸よりは遥かにマシだ。
「ありがたい――しかし、迷惑のかけ通しだの」
 そう言って苦笑を浮かべるマンドレイク。
 しかし、人間を模しているのだとしても、これは見惚れてしまうほどの美少女の姿。
420名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 02:25:59 ID:h8koPGJ7
「さて、何から話して良いものやらだが、とりあえず改めて礼を言わせてもらうぞ」
「あ、ああ」
 突然これだけのことが起こった訳だ。頭が混乱してまともな返事なんて出来ようものか。
「驚くのも無理はない。私は――そうだ、まだ名前を言っていなかったな」
 で、何を言うかと思えば――。
「……むう、困ったの。よく考えれば私には名前がない」
 実に暢気というか、天然というか。

 俺は勝亦法市。少し坊さん臭い名前だとかよく言われる。
「――なるほど、ほういち、か。では法市、私の名前を決めてはくれんか?」
 しかし何だ、この微妙に現代感覚とずれた喋り方は。それもマンドレイクの割に日本語ペラペラって……。
「本当にお前、名前がないのか?」
「……思い出せん。前世人間だったことくらいは、想像がつくのだが」
 確かに。そうでなければおかしい。

「しき? 紫の姫と書いて、紫姫か」
 先日読んだ小説から。これで精一杯だ。そのまま茄子姫じゃあれだし、江戸時代以前に遡ってしまう。
「……自分の名前を貰うというのは、嬉しいものだの」
 そんなことで喜んでもらえるとは。まぁ、そんな機会は基本的にないしな。
「何を照れておる」
 いや、照れているのはお前だろ。

 それにしても、マンドレイクの悲鳴を聞いて俺よく死ななかったな。気は失ったが。
「では、改めて自己紹介だ。私はマンドレイクの紫姫。法市――お前が来なければ、直に枯れ果てるところだった」
 やっぱりそうなのか。しかし現実離れも良いところだな。
 しかしこの分じゃこいつ、何も分からないだろうし――。
「難しい顔をしてどうしたのだ」
「いや、未だに目の前で起こっていることが、いまいち信じられなくてな」

 すると紫姫も同じように難しい顔をして見せた。
「私も何か、変な気はするが……すまん。あとは、よく分からんのだ」
 じゃあ、これからは好きにすれば? とも言える訳だよな。
「……何だその余所余所しい目は。まさか法市、私をこのまま野晒しにするつもりなのか?」
「え? だめ?」
「だめに決まっておるっ! まだ法市には何の礼も返せておらんからな」

「礼って言われても、何が出来るんだ?」
 ま、とりあえずまずはそこからだよな。
「こほん。良いか? 私の体は薬になる。麻薬に近いがモルヒネのように、鎮静剤の――」
「んなもん使えるかよっ」
 紫姫は説明を中断し、腕を組んで首を捻る。そして、閃いたようにまた口を開く。
「こほん。では、黒魔術や錬金術なんてどうだ? ただし場所や器具が必要にな――ちょ、ちょっと待てっ!」
 聞いちゃいられない。

「礼なんて良いですから、この世に生を受けたことを思いっきりエンジョイされて下さい」
「せ、殺生な! ならば、ならば何でもする。頼む、置いて行くな――」
 つくづく変なのに出会ってしまった。俺にどうしろと?
「今は法市しか、頼れる者がおらんのだ……」
 何だか可哀想な気がしないでもないが、うーん。
「……」
 あーすっかり黙りこくっちゃった。黙ってればそれなりに可愛――っておい俺。


「何と、ここは立ち入り禁止区域だったのか。道理で人の足音が全くせん訳だ」
 結局連れて来てしまった。トンネルの外まで。
 まぁ、空を眺めながら昼寝、って気分でもなくなったし、帰るしかない。
 で、紫姫に関しては道すがらどうするか考えるか。最悪心を鬼にして、埋め直すことも検討で。
「聞いておるのか?」
「聞いていますとも」
 からかっている分には面白いんだが。
421名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 02:27:02 ID:h8koPGJ7
 考えてもみてほしい。俺が仮に連れて帰るってことになったとしたら、世話焼きの一方通行。
 何の為にお前を引っこ抜いたんだっつーの、ってことになる。
「で、他に出来ることは?」
「光合成が可能だ」
 語るに落ちたとまでは言わないが、そうですか。

「どうしても、俺が面倒見なきゃいけないのか?」
「何を言う、私は法市に礼をだの――」
 可愛いから許すが、そうでないなら張り倒すかもな俺。
 第一、礼なんて必要性を感じない。特に紫姫が出来そうな範囲で考えられることだろ?
「目が白けておる」

「時に法市」
「何だ?」
「お前は一人身なのか?」
 私生活に踏み込む気満々って、勘弁してほしい。
 ああ、そうさ。大人になってからは対人関係が煩わしくってずっと一人だ。そんなこと今更自己確認したくもない。
「……よく分かったぞ。では、私が法市の嫁になろう」

「目が笑っておらん」
 何で押し掛け女房されにゃならんのよ。
 確かに態度はともかく、引き抜いた以上は俺にも責任があるかもしれない。
 だが、出会って早々それはありえん。
「嫌か?」
 そんな目で俺を見ないで下さい。

 どうやら俺は面食いで、徐々に骨抜きにされているらしい。
 文字通り甘い香りに誘い込まれた、俺は虫か?
 このまま関わって良いものか、考えている間に情はどんどん移っていく……。
「うーむ、仕方あるまい。では体を売るか」
「ぶっ――! なっ、おい、何さらりと怖いことをっ」
「法市が返事をせんからだろうが。人が求めるものは突き詰めれば二つ――お金と愛だ。お前が愛をいらんと言うのなら、私はお金を稼いで恩を返す」

 言いたいことは分かるが、そういう売り飛ばすような選択肢は、俺としては出来る限り避けたい。
 そんな十字架は背負いたくない。なら土に還ってもらう方がまだ……ともここまで来ると言い辛いな。
 それに何だかんだで結局、俺が面倒見ないといけない流れになってきてないか?
「急に現実的なこと言い出すなって」
「これ以上、法市には迷惑をかけられんのでな」
 迷惑……か。
 空回りしてはいるが、人が良い奴――と言わざるを得ないな。いや、人じゃないんだが。
 そして俺は、何かをしてもらうことにも、頼られることにも慣れていない。

 優しい言葉をかけてやるべきか、まだ躊躇している。
 知識は確かにある。だが、人間としてみれば何の保護もなく外に放り出されたに等しい。
 紫姫は隣を歩きながら、俺の顔を見ている。
 あどけない感じが、どこか心を擽る。内面はまた違うのだろうが、外見は俺の年の半分程度か。
 で、その割に大きめの胸と、スラリと整った体型。悪気はないが、裸が目に焼きついてしまった。
 そして肌はやや植物の根に近い、褐色の入った濃さをしているが、違和感はあまりない。
 結局、マンドレイクというよりは、人間に都合良く作られた有花人とでも言うべき存在が、そこにいる。

 しっかしまあ、ファンタジーだわ。
「じろじろ見るでない。まあ、無理もないがの」
「お前も俺の顔を眺めているんだから、ちょうど良いだろ」
「……法市」
 紫姫が正面から、覗き込んでくる。
「ひょっとして、私のことが気に入らんのか? 喋ってばかりで、五月蝿いか?」
 あらら、結構気にしていたようだ。
422名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 02:29:41 ID:h8koPGJ7
「心配するなって。俺の顔と性格はこれが地なの」
「すまん」
 急にしおらしくなって、どうしたと言うんだろう。
 こう、感情がころころ変わるから、昔から女って苦手だ。
「私のやること為すこと、空回りだの。法市に恩を返すどころか、駄々捏ねて付いて来てこれだ。情けない」
 何か……ムズムズしてきた。

 足を止めて、その場に立ち尽くす紫姫。
「何やってんだ置いてくぞ」
「――え?」
 勝手にどっか行く分には全く構わない。が、本人にその気はないようだ。
 だったら、俺が心の狭いことをするのは良くない。
「このままじゃどっちにしたって何も出来ないだろ?」
 結局、俺も人が良いってことだな。気持ちはある程度固まった。


一応ここで終わり
423名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 02:40:39 ID:3hqMlwGP
なまごろしですか!
424名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 10:32:27 ID:3ER0LgU4
もう、死ぬほどwktk。
425名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 00:49:23 ID:xEdaEepZ
ああああああ早く続きを!
426名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 05:12:36 ID:6gfp73wR
マンドレイク書きですが、規制の為しばらく投下無理そうです
ごめんなさい
427名無しさん@ピンキー:2009/06/17(水) 09:48:29 ID:hlGIETXB
ゆっくりでイインダヨー
待ってます
428名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 01:38:42 ID:0lbd9N6z
憎むべきは規制の原因
429名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 13:23:04 ID:Nsqinal6
規制、割と早く解けました。ただストックが全く溜まっていないので
今回のを出して、またしばらく投下出来ないかもしれません
短いですが、とりあえず
430名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 13:24:58 ID:Nsqinal6
 紫姫は拒否したが、構わず家に上げた。
 虫が寄って来るでもない限り、居てもらうのに問題はないだろう。
「また法市に迷惑を……」
「馬鹿、人当たりの良くない俺がここまでしてやってんだ。黙ってご厚意に甘えろ」
 しかし俺を見つめて、困った顔をする。
「そこまで良くしてもらう理由が、一片たりともないだろう」
「あー情けってもんが分からない奴だな。お前を放っとけないから連れて来たの」

 で、何? 次は口開けてぽかん、ですか。
 ある意味で犬や猫と思えば良い。ついふらっと情に絆されて、飼い始める――そんな感じ。
「俺に恩を返すにも、まずは拠点がいるだろ? だからここを使えって言ってんだ」
「だ、だが――」
 変に強情なんだよな。そんな態度されると益々譲りたくなくなる。
「俺しか頼れる者がいない――じゃあ頼れば良いじゃない。俺は嫌だなんて一言も言ってない」

「あれはつい、駄々を捏ねただけだ」
 もうこうなったらとことん付き合ってやる。
「でも本音なんだろ? 建前はよ〜く分かったから、正直になれ」
 図星のようだ。嬉しい反面どこか納得出来ない――そんな表情の紫姫。
 俺だって、さすがに浮浪者なんかをこうやって連れて来たりはしない。
 今言うと余計混乱させそうだから言わないが、俺が見て話して、許容出来ると思ったから連れて来た。
 面食いだろうが何だろうが、人はそういう部分で判断するもんだ。

「法市、お前は私が恩を返せると思うのか?」
 期待してない。そんな必要もないし、気が済んだら自分の思う通りにすれば良い。
「だったら、お前が大人しく言うこと聞いてくれるのも、俺にとっちゃ恩返しだな」
 意表を突かれたように、え? と声を漏らす紫姫。
「……どうも釈然とせんが、法市がそう言うのなら――」
 扱い易い奴。

「――だが、これも借りだ。必ず耳を揃えて返すからの」
 強迫観念にでも駆られているのか? この執念深さはどこから来るんだか。
「ともあれ、正直嬉しいぞ。何と感謝すれば良いのか……ありがとう、法市」
 紫姫は満面の笑顔で、そう言った。ああ、何か少し、胸が透いた。
 俺が今まで深く必要として来なかった、人との繋がり。様々な柵が鬱陶しかった。
 しかしこいつにはそんなものがない。言わば物言う花――そのまんまだが、これこそ俺が求める相手なのかもしれないな。
 って、何考えてんだか。

「これ、照れるな」
 いや、照れてはいない。
 それにしても……俺の作業着のままなのもあれだな。家にあるのは男着だけだし、そもそもサイズが違いすぎる。
 この辺は人間と同じ。だが、今更面倒だなんて言わない。
「さて、じゃあ適当に服でも買いに行くか」
「? ちょっと待て、自分主導が過ぎるぞ。気持ちは嬉しいが、私はこれで良い」
 俺は受け身が苦手。なら、押していけば良いだけのこと。
「今後それで外出もあれだろ。それに、俺も困るからやるの。俺を困らせたいのか?」

 反論出来ずに不満を露にする紫姫。だが、そうでも言わなきゃ聞かないだろうし。
「服着るのは嫌いか?」
「そういう問題ではなくての――」
「可愛い服を着れば、俺は喜ぶぞ。それもまた恩返しだ」
「うっ……」
 一コロです。このどこか抜けたところがこいつらしい。

 とりあえず長めのコートを見つけたので、着せ替える。
 前世の感覚が色濃く残っているのか、教えもしないのに脱ぎ着をこなす。
 細かいことを深く考えても仕方がないし、服も少しは選びやすいと思えば良いか。
 と、紫姫が俺を見る。
「裸がそんなに気になるか? 私は気にせんがの」
 人並にそんなこと言い出すとは。
431名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 13:26:44 ID:Nsqinal6
「俺が気にしていたら、何? 引く?」
 俺もそこまで理性が働かないほど駄目人間じゃない。
 気にならないと言えば嘘になるが、相手が相手だし過剰に意識するのも違う。
 それに――いや、良い。からかうならからかえ。
「法市になら、何をされても構わんぞ」
 うわあ……。
「――人が傷付くような顔をするでない」
「それも恩返し、ってことで言ってるのか?」
「……」
 視線をずらす紫姫。

「……ある意味そうだの。だが、それだけではない」
 最初の天真爛漫さはどこへやら。
「――皆まで言わすな」
 不覚にも、その表情が可愛かった。しっかりしろ俺。
「ぼんやりしてた、俺も着替える」
 思考を断ち切るように、その場を離れる。
 やばいな。本気で何か、惹き込まれているというか何というか。

「おお、そうだ。私にまだ出来ることがあったぞ」
 着替えの最中に来ないで下さい。
 自他の露出に抵抗がない割に、よくあんな思わせぶりな台詞が言えるもんだと感心してしまう。
 それとも何だ。俺が初心なだけか?
「こほん。あー、私の放つ様々な香りは、人の意識に少しだけ影響を与える」
「……何それ? 魔法?」
「まあ、そんなものだ。若干中毒性はあるが、体には無害だ」
 魔法と来たか。その手の話は非現実的すぎて苦手だ。
 おまけに、やけに自分のことに詳しいよな。
 ま、この辺に突っ込み入れ始めると収集つかなくなるから、黙って見守るが。

「あまり乗り気ではないようだの」
 そりゃお前、ごく一般的なマンドレイクは栽培禁止種に指定されるほど危険な、麻薬にもなる植物だ。
 どういう手を使うか知らんが、警戒するのも当然だろう。下手すりゃ俺、廃人になるぞ?
「――そんなに怖い顔をするな。催眠術のようなものだと思えば良い」
「……」
「例えば、魅了する香り」

 甘い匂い。何か気分がうっとりと、そして高揚していく。
 目に映る紫姫が、何だかとても色っぽい。ああ、紫姫……。
「――っておい!」
「怒るでない。だからすぐ止めた」
「……」
 望んでいないことをやらされそうになって、少しムカッときた。
「法市?」
「今度勝手にやったら、怒るぞ」

「あ、えと――すまん。つい……」
 やめよう。こいつのこんな顔は苦手だ。
「しっかし、何で魅了なんだ?」
「い、いや、その……法市を魅了したいとか、そんなつもりは別に」
 ああ、合点がいった。
「だったら、そんなことしなくたって――いや、何でもない」
 やべ、思わずこっ恥ずかしいこと言ってしまいそうになった。
 見ると紫姫は、顔を赤らめてぼーっと俺を見つめている。
「……まさかお前、まだ何かしてるのか?」
432名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 13:30:39 ID:Nsqinal6
 紫姫は上機嫌だった。
 何か術中にはまってしまったような気分だ。おまけに墓穴まで掘った。
 ああそうだ。そんなことしなくたって、充分お前は魅力的ですよ。
 そうでないなら今頃埋め直してるよっ。
「法市、この服はどうだ?」
 現在家の近くにあるショッピングモールにて、買い物中。
 簡単な下着だけ揃えて先に着せ、今は紫姫の洋服を選んでいる最中だ。

 馬子にも衣装――なんて美辞麗句立てるまでもなく、似合う。
 悔しいが、完全に骨抜きにされた。俺の負けだ。
「お似合いですよ、お客様」
「そうか。ならばこれにしようかの」
 男の俺が服を選ぶのも、なかなか難しいものがある。
 だから店の人に頼んで、自由に決めてもらうことにした。
 試着室から出てくるたびに、必ず俺に見せに来る紫姫。
「法市が喜ぶ服を、選びたいのだ」

 すっかりその気にさせてしまった。
 紫姫は恐らく、いや確実に俺に好意を持っている。
 俺は……どうすりゃ良いんだ?
 俺が抱いているのもまた、好意か? 単なる情ではなく?
「じゃあ、これだけお願いします」
 俺は会計を済ませる。
 ――ただ、何か新鮮で心がときめく。


一応ここまでです
433名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 10:48:59 ID:PKgqltmm
GJだ。
だんだんバカップルになってきたな!
434名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 23:02:10 ID:Q89hDtD6
GJ!
続き!続き!
435名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 09:19:44 ID:oocdaGpc
疲れて妙なテンションのまま書いた
一応下ネタ系ギャグ&エロのようなもの
436名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 09:21:58 ID:oocdaGpc
「おはようございます、私は雪女の和沙なのです」
「何このロリ」
「ロリ言うな! 齢百二十の列記とした大人なのですよ?」
「それまた大ヴェテランさんが何の御用ですか」
「連れの天狗に暑さ対策を訊いたら、海へ行け言われたのです。オマエ、私を連れてけ!」
「藪から棒に見知らぬ人を捕まえて、全く何言ってるんだ。早速水着を買いに行こう」
「決断早っ!」

「そうして紆余曲折を経たり経たれなかったりして、和沙を海に連れて行くことになったのである」
「どんな活用してるのですか。しかし、妙にあっさり行き過ぎて怖いのです」
「心配しなくとも、捕まる時は捕まるよ」
「何というポジティブ思考! 恐れ入るのです」
「”行き当たりばったり”が俺の信条だからね」
「大丈夫なのですかロリコン」
「ロリコン言うな。ペンギン大魔王のようだろ」
「全くもって意味が分からないのです」

「しかし私が雪女であることに突っ込まないのですか?」
「そういえばクーラーいらずだね」
「溶かす気か! 通りで車の中熱いと思ったのです」
「そんな暑い夏を満喫する本日のドライビングBGMチェケラッ」
「――何か雰囲気良い曲なのです。タイトルは何なのですか?」
「PASSING BREEZE」
「おおっ、クールなのです。ロリコン少し見直したのです」
「だからロリコン言うな。これで痛車だったら最高なのに」
「イタ車じゃなく痛車かよ!」

「そんなこんな言いながらビーチに付いたぞなもしもし亀さん卑猥だわ」
「最後に余計な物がくっ付きまくってる!? それにしても、ここが海なのですか…」
「じゃあこの辺にシートとパラソルを置くことにしよう。ここが俺たちの愛の巣だ」
「(無視)あれ? 何か、変な香りがするのです」
「潮の香りだ。ただし絶(ry」
「次下ネタ使ったら凍らせるのです」
「さて、着替えるとしようか。じゃあ和沙…アタシが優しく脱がせてア・ゲ・ル(はあと)」
「何でオカマ口調なのですか。下に着てますから、全く問題ないのです」
「それもまたそそるな。ついでに言うと最初は脱がずに着物の裾だけ捲って生足を覗かせながら、裸足で寄せる波と戯れつつしっとりと濡れる光景も色っぽい」
「長い」

「しかし最初白とか布地少ないビキニ選んでいた癖に、最終的にはこの黒ワンピースというのはどういう風の吹き回しなのですか?」
「ロリだけど流れるような黒髪と揃いで似合うのは、やはり正統派かなと」
「ロリが余計なのです。でもこれ結構良いのです」
「喜んでもらえて何より。安易にスク水にしないのも俺のジャスティスではある」
「程々でやめとこうよ…何でそうやってわざわざ自分を貶めるの…なのです」
「簡単だ。そこに”萌え”があるからさっ☆」
「山から来た私が言うのも何なのですが、数年前に帰れ」
437名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 09:23:51 ID:oocdaGpc
「あー泳ぎに行った。可愛いなあ……と、あれ? 戻って来た」
「けほっ、げほげほ」
「どうしたんだ和沙」
「何なのですかあの水は!? 塩っ辛い!」
「そういうもんなのよ(遠い目)」
「いや、(遠い目)じゃなくて。それに水自体は冷たくて気持ち良かったのですが、途中から足場がないのですよ?」
「ないね」
「ロリコンやる気ないのです。このか弱い私に泳ぎの一つでも教えたなら、男の株もぐーんと上がるのですがねえ」
「そうだね」
「してその視線の先には……あーっ! 巨乳の女の子なのです! 酷いのです!」
「何が酷いんだ? 私という者がありながら、他の女性に現を抜かすなど断じて許すまじ――とでも?」
「そ、そんなつもりではないのです。ただ…」
「和沙には和沙の良い部分があるよ」
「え? それって、何なのですか?」
「例えばロリであることとか」
「……」

「――ロリじゃないのですー! うわ〜ん!」
「……あー、逆ナンしてくる割には意外とナイーブな子だったんだな。追いかけるか」
「……」
「ローリィー!?」
「ロリて呼ぶなっ!!」
「探したよ和沙、こんな所にいたのか」
「私は海に行きたかっただけなのに、どうしてこんなことになるのですか……」
「ごめんな。はい、これはお詫びと仲直りの印」
「――これは、何なのですか?」
「貝殻だよ。耳に当ててごらん」
「……わあっ、何か不思議な感じなのです」
「可愛いよ、和沙」
「……ごめんなさいなのです。そして、嬉しいのです。大事にする」
「でもその貝はね、アワ(ry」
「凍れっ!!」

「アイスキューブのロリコンいい気味なのです」
「かきーん」
「でも、これは今日のお礼なのです……ちゅ」
「かきーん」
「ではロリコンが溶けるまで、浅瀬で遊ぶのです」
「かきーん」

「う、どうやら冷凍睡眠していたようだ。ここは何処タワシは金? 和沙がいない。まさか流されたとか……とりあえず探そう」
「……」
「……!? 和沙っ!」
「……」
「こんな外れまで流されちゃって…やばい、息がない。とりあえず人工呼吸だ」

*中略*

「ぷはうっ――!」
「良かった、意識が戻ったんだ」
「…その…声は…ロリ、コン? 私を…助けて…くれたの、ですか…」
「喋っちゃだめだ」
「……下半身が、何か、ムズムズするのです…ロリコン、何処?」
「あ、まだ起き上がったら――」
「#$%&*!?」
438名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 09:27:43 ID:oocdaGpc
「永久凍土に閉じ込めても良かったのですが、今回は命を助けてくれたことで辛うじて相殺なのです」
「ごめん、なかなか息を吹き返さないから、起死回生をと思って下(ry」
「黙れ。…うう、悲惨なのです…原因は私にあるとはいえ、これではお嫁に行けない……」
「本当にごめんな和沙。ごめん……」
「……責任取ってもらうのです」
「って、うわああっ! だめだって、もし誰か来たら――」
「オマエが言うな。その時は凍らせてやるのです」

「……ここがもうこんなに固いということは、さっきのはレイプなのですね」
「ちょっと、手はやめて!?」
「なら足? それとも口が良いのですか?」
「口で」
「…オマエはこれからロリコンから変態ロリコンに格上げなのです」
「……あ、ううっ…気持ち、良いよっ…和沙、かず…さ、うっ――!」

「……べぇっ、変態ロリコンここに極まれりなのれす」
「味はどうだった?」
「少ししょっぱかった――って何言わすのれすか。そんなに興味あるならオマエにも分けてやるのれす」
「ん、む――っ!?」
「……ぷは、…キス、意外と上手いのです…って、んんっ――!?」
「…んー」
「――ぱぁ、ふあぁ…油断も隙もありゃしないのです」
「…和沙、怒ってる?」
「当たり前なのです。謝ったって許さないのです」
「でも、嫉妬してたよな? 俺のこと、本当は嫌いじゃない?」
「キ・ラ・イ、なのですっ!!」
「嬉しいな」
「聞いてないし!」

「和沙だって下がこんなに。感じてたのか?」
「ひゃうっ! う、煩いのです!」
「大丈夫、痛くしないから」
「変態ロリコンは手を出すな! なのです」
「…責任取ります。セクハラ発言と巨乳の子にはなるべく気をつけます。人工呼吸で(ryはもうしません。ついでに泳ぎも教えます。だから、許してくれなくても良いから、俺と一緒になって下さい」
「きゅううううう〜」
「あ、溶けた」
「どくん」
「あ、戻った」
「…泳ぎはついでなのですか。でも……オマエがそこまで言うのなら……手は、出して良いのです」

「和沙の中、きついけど柔らかくて熱くて冷たい」
「ううんっ――! どっち、なの…ですか…あんっ」
「直に見るけど、和沙の胸は、割と大きいね。そして綺麗だ」
「どうせっ、ロリにしては、なのですっ」
「でも、これからはずっと俺の物だから、な」
「うう…ばかっ」
「キス、しよう」
「ん、んむふうぅ――」
「くちゅ、ちゅ…ちゅぱ…ちゅう」
「……はふう、はぁ…」
「…なあ、もっと大胆になれよ。舌を絡ませたり、腕をきつく回したり、腰を振ったり、あちこち噛んだり冷たくしたり」
「変態ロリコンの癖に、甘えん坊なのです……腕はこう、で良いのですか?」
439名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 09:28:38 ID:oocdaGpc
「うん。じゃあ、強いのいくからね……うう、くっ…はあっ」
「ああっ! ひ、いいっ…く、んっ…ああうっ! はあんっ!」
「和沙っ、うっ…好き」
「ん、ふうっ…私も…あっ…好き、な…やっ…のです」
「和沙っ!」
「ううっ、ダメなのですっ! 気持、ち良すぎ…て、い、イっちゃいそう、なので…すっ!」
「俺も、限界――うくっ、中に…出すから…! あ、出…るっ――!」
「っ――!!」

「熱くて……動けないのです」
「もう一度、言っておく。俺は和沙が好きになった。もうどこにも行かせない」
「うう…変態ロリコンなんか、私は……嫌いじゃないのです」
「和沙っ」
「うあ、止めるのです! さっき出したばかりなのに…こら、どこ触ってるのですか! ひゃんっ!?」
「今度はちゃんと水着を脱がしてあげる。和沙の裸が見たい」
「はあっ…な、何なのですか…止めて、胸舐めるのだけは――ああ、ぁんっ!」
「かきーん」
「……はっ!? しまったのです、本能からついまた変態ロリコンを氷漬けに…」

「和沙は胸が弱いということがよく分かった…ふふ」
「これから許しなく弄ったらアイスキューブなのです」
「ああ。でもこれから、ってことは…」
「――オマエが責任取るって言ったのです。男に二言あるのですか?」
「俺はないが、和沙がどうかなと」
「……!」
「顔真っ赤にしちゃって、可愛いなあもう。ぎゅう、ってしてやる」
「う……許した訳ではないのです。でも、私も…オマエと一緒になりたいのです」

「そうして刺激的な一日を過ごした男は、疲れて眠る和沙を乗せて家路へと向かうのであった。僕らの夜はまだこれからだ!」
「なんつーナレーション入れてるのですか。眠れないのですこの真性変態ロリコン!」
「だからロリコン言うなってば。前二つはともかく」
「そっちは良いのかよ!」
「そんな恋するベイビーに送る本日のラストソングお聴き頂きましょう、smileでクラゲ」
「……オマエ、無駄に選曲センス良いのです。好きな人がいるか、いたのですか?」
「…ああ、アキバ系の猟奇的な彼女がいた」
「あ、ごめんなさいなのです…」
「気にしない。俺は行き当たりばったりなんだ。それに、もう身を固めるんだからな」
「……ありがとう、なのです」
「海にはまた行こう。今度はもっとあんなことやこんなこと、ついでに泳ぎも教えます」
「相変わらず泳ぎはついでなのですか…でもまた、連れて来てほしいのです」

「さあ着いた、我が家だ。……こちらが玄関」
「わあ…」
「これからは、ここが俺たちの愛の巣だ」
「……否定せずにおくのです。そしてもう一度、今日のお礼なのです……ちゅ」
「…可愛いよ和沙。それにしても、今日は記念日だな。何の日にしようか――そうだ、ロリの日で」
「誰がロリだ!」


おしまい
440名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 13:02:47 ID:dRTfSN0d
>>436-439
GJ。会話のテンポがいいな。
ただ一つだけ言わせてもらうなら、俺は「PASSING BREEZE」より「MAGICAL SOUND SHOWER」の方が(かきーん)
441名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 19:20:46 ID:kekEPllP
GJ
442名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 23:06:42 ID:VcdJQTHc
保守
443名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:03:25 ID:5S5+KJNt
 家に帰り着いた。
 洋服が重い。紙袋をこんなに持つなんて経験は初めてだ。
 玄関に荷物を下ろすと、紫姫が俺の手を取って労ってくれた。
「改めて、ありがとう法市。感謝しても、しきれないくらいだ」
 紫姫の言葉には裏表がない。その気持ちを率直に表意しているだけ。
 それが何か、嬉しい。やりがいを感じる。
「じゃあ夕飯でも作るから、適当なの着て待ってろ」
 でも俺は、素直じゃない。自分でも分かっているし、変える気も起きない。
 なのに、不思議とそれで良いと思える。

「待て。これでは居候になる私の立場がない。せめて料理はさせてくれ」
「そういや、出来るのか? いや、そもそも食事はするのか?」
 一応、今まで埋まっていた訳だからな。
「本当は光と水だけで生きられるが、人並に活動するなら補わなくてはの」
 そういうもんなのか。
「料理の感覚は何となくある。任せてはくれんか?」
 でも怖いから、手伝うってことでここは折れてくれ。
「――私を心配してくれるのか」
 もうこれは軽くフィルターかかってるレベル。

 台に乗り、俺の長いエプロンをして、野菜を切る紫姫。
 下手ではないし、確かに慣れているようには見えるんだが……。
「ふらふらしてないか?」
 手つきが危なっかしい。体が何となく、経験に付いて来ていないというか。
 俺は背後に立ち、紫姫の手ごと包丁を握る。
「――!」
 変に反応して固まってしまった手は、小さかった。
 歳の離れた妹でもいたら、こんな感じなのか。

「こうやって、切る」
「分かっておる」
 そんなやり取りをしながら、一通りの作業を終わらせた。
 本日は適当にカレーとする。切るだけ切ったら後は順序良く、鍋に放り込んでいくだけ。
「甘い辛いにご注文は御座いますか? お姫様」
「からかうでない。法市の好みが、私の好みだ」
「激辛でも?」
「うっ……さすがにそれは遠慮だ」

 という訳で中辛のルーを放り込み、とろみが出るまで弱火にかける。
 その間、食器だご飯だサラダだと、俺の周囲をパタパタと動き回る紫姫。
 微笑ましいなんて思いながら、適度に手伝いつつもその姿を眺めている。
 それにしても……身長差が割とあるので、その都度目に飛び込んでくる不思議な頭。
 頭頂部に見えるのは雌蕊と雄蕊だろうか。そして花弁。
 髪のように生えているのは、がくではなくやっぱり葉。
「やっぱりお前、不思議だわ」

「店員は割と違和感なく、私に接してくれたがの」
 紫姫がエプロンを外す。
 下にはチェックの落ち着いた柄が似合う、ワンピースを着ていた。
 より人間らしい装いが、元の外見を一層に引き立てる。
「仮装か何かだと思ったんだろ」
「法市、改めて訊くが……その、似合うか?」
 直球勝負ですか。
「ああ。俺はそう言っただろ?」
444名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:07:52 ID:PqzQZYYb
 似合ってます、なんて格好付けた台詞は生来苦手で、どうもこうぶっきらぼうになる。
 目一杯、褒めてやるべきだろうか。俺は喜んであげる必要がある――?
「て、照れるでない」
 いや、本人はもっと単純に嬉しいようだ。
「照れてねーよ」
「実は私も不思議なのだ、法市。お前には恩を返す喜びよりも、もっと別の――強い何かを感じる」
 これまでの言動を考えれば、それが何なのかは見当が付く。
「鼻で笑うな」

「ほい。じゃあとりあえずここまでにして、飯としよう」
 お茶を濁され、口を尖らす紫姫。ユニークな奴。
 だが、それが良い。複雑な関係は面倒だ。ナチュラル故に、楽しい。そして面白い。
 あー、俺という人間も駄目が極まったかな。
「夕食の準備が整いました、お姫様」

『いただきます』
 カレーを頬張る紫姫。
「――これは美味い。懐かしい味がするの」
「食べたことあるのか?」
「感覚だけ残っておる。それが自然と出てくるのだ」
 じゃあ何か? やっぱり元は日本生まれ日本育ちか。マンドレイクの癖に。
「ほれ法市、あーん」
 思考を巡らせていると、紫姫が笑顔で体を乗り出していた。
「……」
「まるで珍しい物でも見るようだの」

「そりゃ、世間的には絶滅危惧種」
「法市が喜ぶと思ったのだが……」
 買い被らないで下さい。いつから相思相愛のカップルになった?
「結構、シャイだの」
 そう言って、スプーンの一口を自ら食べる。
 しょげてはいない。寧ろからかわれたかのようだ。
 擦れていないようで、所々大人びた部分があるという、アンバランスさ。
「だが、嬉しいぞ。感謝の安売りになるかもしれんが、法市とこうして食事が出来て、胸がいっぱいだ」

 俺も嬉しいんだが、調子が狂う。そんな台詞、普通口にしない。それも大真面目で。
 枠に収まらない性格だなと思う。
「……法市、私は変なことを言ったか?」
「黙って食え」
 焼きが回った――今の俺にぴったりの言葉かな。
「あ……すまん」
 適当に受け流したつもりが、これだ。やっぱり女ってよく分からん。
「――変じゃない。俺は態度でこそこう反抗的だけどな、今のお前を否定しようなんて思ってないから」
 一応繕ってはみたものの、また紫姫をネガらせてしまったらしい。

 紫姫はスプーンを置くと、俺の目を真っ直ぐに見つめてきた。
「……私は、法市の望む姿になりたい。だから、法市のことを少しでも理解したい」
 そんな、鬱陶しいほどの純粋な告白が、俺には堪える。
 言葉に出来ない、重いというか甘ったるい空気が煩わしい。
 俺はずっと、そんなことからも逃げてきた。
「だが、私は馬鹿だ。そんなつもりの言葉で、法市の機嫌を損ねてしまう」
「やめようぜ」

 しかし、目が本気だ。
「馬鹿な私では、空回りするばかり。さりとて、どうすれば良いなどと逐一法市に訊くのだって情けない」
「俺が、そんなあしらい方したのが悪かった。地の性格とはいえ、直さなきゃな」
 言葉にして初めて、俺がどれだけ混乱しているかが分かる。
 悪かった? 直したい? どうしたんだよ俺は。
 本気か、でなければ優しい言葉で宥めるつもりか? どっちも俺らしくもない。
「そればかりか! ……こんな言い方をすれば、さも法市のせいだと言ってるようなもの……私は、卑怯だ」
445名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:10:26 ID:PqzQZYYb
 今日は恋人の誕生日。
 何かプレゼントをあげたいのだが、彼女の喜びそうな物が分からない。
 欲しい物を訊くか? それとも、外す可能性も考慮した上で、あくまで自分で選ぶか?
 もうそろそろ限界だ。
「紫姫、人はそんなに頭が良い訳じゃない。失敗だってする」
 こうなったら、思いっきり自分をぶっ壊してやる。
「結局お前は何だ? 恩返しとか、まだそういうことに縛られてるのか? そんな後ろめたい関係、俺は嫌だね」
「法市……」
「ひとまず俺は俺、お前はお前で良いだろ。自分をそんなに粗末にするな」

「……」
「それとも、そうでないと俺と渡り合えないか? なら、今の関係は終わりだ」
「!」
 紫姫の、これまで見たことのない悲しい顔。
 見たくなくても、ここで顔を背けては説得力も糞もない。
「……っ」
 口元を歪ませ、俯き、目から涙が零れ落ちる。
 次の発言で全てが決まるが、紫姫にはその言葉が予測出来たのだろう。
 ただし、それは間違っている。
「紫姫、お前と対等に付き合いたい。それが俺の望みだ」

「俺はお前のそんな顔、見たくない。互いに変な枷を背負うこと、ないじゃない」
 涙を腕で拭う紫姫。
「あーそうなるとここにいる理由がない、か? じゃあ作ろう。そうだな、紫姫が俺の嫁ってことで良いよ」
「!?」
 あらあら、何と驚いた顔でしょうか。
「今だから言う訳で、もう少ししたら普通の俺に戻るからな」
「ぐす……法市……」
 その表情で、紫姫の答は分かった。
 それで良い。泣かした俺が言うのも何だが、泣き顔よりも、な。


 大変しょっぱいカレーになってしまった。
「……だが、理解したい気持ちは変わらんぞ。例え対等でも、の」
 落ち着いた紫姫の言葉に、俺もいつもの調子を取り戻す。
「おう、好きにしろ」
 だが、”嫁”だ。つまるに、そういう関係。
 世間は広いものだが、一般的に解釈すると、そこには一つの要因が不可欠になってくる。
 愛情――つまり、好きという意思。
 ……漠然とに留まるが、俺自身、そんなものがあるとは未だに思えなかった。
 信じられないだけかもしれないが。

 食後のコーヒータイム。
 ブラックがお嫌いな彼女には、スプーン一杯のお砂糖を。
「美味しいぞ」
「満足頂けて光栄で御座います」
 紫姫は苦笑しながら、もう一口。
「……」
 しかし意思、か。それを口にすれば、もう後には戻れない。
 紫姫はともかく、これはまず俺の問題だ。宙ぶらりんでいられるならそれが一番楽だが、いつまでもそうはいかない。
 柵を取っ払って、残る物は何か。この選択は本当に正しいのか。
 ――どうも俺は、相変わらず崩れっ放しのようだ。
446名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:11:25 ID:PqzQZYYb
「お前は、人間になりたいと思うか?」
 俺は紫姫の頭を見ながら、ぼんやりと口にした。
 突然何だ、と思われるだろう。だが、俺が抱いている感情の根底にはこれがあるのだと思う。
 ――人ではない、マンドレイクだということ。
「……そうだの。だが、もし私が人間だったら――法市とは出会っていなかったかもしれん」
 確かにそうだ。変梃りんな出来事が重なって、今現在がある。
「逆に法市は、私が人間であってほしいか?」
「頭に花が咲いていても、お前はほとんど人と同じ。気にせんよ」

 俺が口にした言葉は、本当に本音か?
「ならば、試しに抱き締めてくれんか」
「――んぐっ」
 危ない、コーヒー吹くところだ。
「どうしたそんなに動揺して。法市らしくもないな」
 笑う紫姫。一番言われたくない相手に言われてしまった。
「冗談だぞ? だが、こんなことはさっきまで、冗談でも言えなかった」
 ああ、冗談でなければ困る。

 結局、認めたくないが俺は、順調に道を突っ走ってるってことか。
 ああ恥ずかしい。今の高揚状態が抜けたら軽く鬱るかもしれん。
「法市がシャイでストイックなのは何となく分かる。一方で外見だけで判断する輩ではないこともの」
「やめろ、傷を抉るな」
「すまんすまん。だから、私は法市を信じておる。大事なことは、私からは切り出さない」
 対等な立場として、判断を俺に委ねる、と。

「――それとも、やはり私がマンドレイクだから手を出さんだけか?」
 今度はより悪戯っぽく笑う紫姫。
「単に節操なしとは違うだけです」
「一応の、私を人間のように見せるということも出来なくはないぞ」
「……え?」
 まさか、俺に香りで幻覚見せようってのか?
「顔真っ青にして引いておる……ははーん、靡きそうで怖いのか」
「軽く誘導尋問っぽくなってる」
 そもそも、あんなの俺が俺じゃなくなるから嫌。

 しかし、知ることへの求心――興味は尽きない。
 計らずも紫姫が人間だったらどんな風なのか、と俺は想像してしまう。
 人間だったら――俺の見方も変わるのだろうか、と。
 何だ、気にしてるじゃないか俺の嘘つき。
「――やめておくかの。正直自分でも底が知れん」
「お前って奴は……」
 だが少しだけ、魔が差した。
「……良いよ、試しにやってみろ」

 紫姫は俺の目の前に座った。
「一瞬で止める。私をよく見るのだぞ」
「ああ」
「――良いか? では行く」
 すぐに、視界がぐらついた。
 紫姫を、しっかりと見ていたはずが、俺の周囲が崩れるようにして色濃く歪む。
「な、何……だ?」
 そしてブラックアウト。俺は、意識を失った。
447名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:13:31 ID:PqzQZYYb
「うわっ――!?」
 自分の声に驚いて、感覚を取り戻す。
「紫姫?」
 そしてすぐに異変に気付く。目の前にいたはずの、紫姫がいない。
 俺は立ち上がって家中を探した。が、すぐに決定的な欠落を発見した。
 紫姫がここに居たという、形跡そのものが全て掻き消えていた。
 背筋が寒くなった。何か、途轍もなく気分が悪い。
 一体、何が起こったんだ?
 
 俺は目を覚ました。
 あれから随分と眠っていたのだろう。時計を見ると、朝の八時。
「……」
 家の状態は昨日と全く変わらず。
 カレーは作り置きがしてある。が、いつものように一人分。皿も一枚だけ。
 買って来た洋服も、やはりどこにも見当たらない。
 何から何までが、俺が紫姫に出会わなかったものとして、送ったであろう日常の光景だった。

 信じたくはないが、夢だったのではと疑ってみた。
 確かに、そう片付けるのが一番しっくりくる現状がここにある。
 しかし、それにしては昨日の半日近い記憶が全くない。酒を飲んで泥酔していた風でもないし。
 昨日、確実に何かあったのだと……俺は願望半分かもしれないが、そう思い込んだ。
 ただ、それを探る術はない。

「紫姫……」
 心に空白というか、隙間というか――そんなものが出来たのはいつ以来だ?
 俺は居ても立ってもいられなくなり、適当な服を着て外に飛び出した。
 もう一度あの場所へ行ってみる。そこまでしないと、納得が出来ない。
 紫姫をそんな簡単に、忘れられない。自分でも驚くほどに未練がましい。
 だが仮に夢だとしても、こんなのは嫌だ。

 ここは例のだだっ広い土地。
 抜け道を屈んで進み、誰も入ることのない中に俺一人、忍び込む。
 菜の花の世界は、紫姫と会ったあの時と、何ら変わりなかった。
 凄く、懐かしい。確かに昨日のことのはずなのに、何故か遠い昔のように感じられる。
 夢は時間の感覚が異なる。
 寝相が悪くベッドから落ちる時、体が空中にいるのは一瞬だが、夢の中ではその限りでない。
 ――違う。俺は、脳内で無理矢理”夢”として納得しようとしているのか?

 そして、暫く歩くとやはり、昨日と同じ光景を目に出来る。
 しかし……あの花の姿だけは、見つからない。
「……!」
 大事な物を無くすと、それらしき所を何度も探すものだが、今回もそうだった。
 俺は半分自棄になっていたのかもしれないが、それでも周囲を、目を凝らして探し回った。
 あの花が咲いているんじゃないかと。紫姫の変梃りんな頭が、視線に飛び込んでくるのではないかと。
 しかし、そういう時には見つからない。後々灯台下暗しで発見出来ることもあるが、それは長い長い旅の後だった――なんて話を昔読んだ。
 ただそんな悠長な心持ちでいられるはずもない俺は、途方に暮れるしかなかった。
「――畜生っ」
 何にぶつけて良いか分からない感情が、じわじわと込み上げてきた。

 潰れるほど酒が飲みたくなった。
 そして混濁のまま眠ろう。次に意識が戻ったら、このことは綺麗さっぱり忘れている――それなら良い。
 寧ろ、そうにでもならないとやりきれない。夢だったというなら、いっそ忘れた方がマシだ。
 現実に抗ってはみても、紫姫は俺が知る場所にはいない。
 俺は馬鹿だ。あそこで断っておけば、夢が覚めないままでいられたかもしれなかった。 
 自責の念に駆られる。そして頭の中がグチャグチャだ。
448名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:18:55 ID:PqzQZYYb
 時間がただ経ち、ショックから漸く立ち直れそうになったのは次の日の夕刻。
 本当言うと、まだ燻っている。だが顔やら何やら、こうして少しずつ忘れていくしかないんだと、二日酔いも冷める頃に悟り始めた。
 恋人にフラレてもここまで拗らしゃしなかった俺だが、甘かったな。
 小中高それぞれ一回、女子に告白した経験がある。内一回は付き合った。
 軽い気持ちだった。それこそ紫姫と会うまでと同じ、複雑でなくただ何となく一緒にいられる――そんな関係を望んでいた。
 結果、二人には断られ、付き合った一人とも長続きせずに別れた。
『私、勝亦くんと付き合うことに、意義が欲しかった。曖昧な関係をこれ以上、続けていられない』
 俺の意思を伝えた上で、こう言われた。誰に言っても同じような答だろう――仲間からもそういう意見だった。

「……」
 向き合わねばならない、虚しさ。
 俺が求めるものが、少しだけ見えたような気がした紫姫との一時。
 ――やめ。忘れるんだ。
 俺は適当に夕飯の買出しに出かけた。やつれきってややぼろぼろだが、仕方ない。
 せめて今日までは、力を抜かせてくれ。軟弱者と罵られようと、一向に構わない。
 何を買うか深く考えない。ドカ食いでも良いや。失恋した女の子かよ俺。
 そんな感じで買い物かごを片手に歩いていると、商品棚の角からいきなり、人が飛び出してきた。

 どん、と俺の横っ腹にぶつかったのは女の子だった。
「あっ、ごめんなさい!」
 そう言って頭を下げる。
 スピードは彼女の方が速かったが、ぼんやりしていた俺にも責任がある。
「悪い、大丈夫か?」
「はい」
 彼女は顔を上げると、俺を見た。
「――紫姫?」

「……え?」
 思わず口に出してしまった言葉。似ていた。
 髪の色は黒。何の変哲もない、ストレート。
 肌も特に手を入れている風ではない、一般的な色をしている。
 喋り方も当然違う。大人しそうで、醸し出す雰囲気も微妙に異なる。
 だが、顔と体格と声と、そして直感で似ていると感じた。
「あ、いや……知り合いと、よく似ていたもんで」
 他人の空似、とはよく言ったものだ。紫姫と同じように、可愛い。
 まるで、紫姫が人間だったら、こんな風なんじゃないかとさえ思う。

「本当に、ごめんなさい。私、行きます」
 気を使うようにもう一度俺の目を見て、彼女はまた礼をした。
「……あ、ああ」
 俺は固まったまま、思考していた。
 彼女にちゃんと声をかけようか、どうしようか――いや、馬鹿みたいな話だ。
 それに彼女は似ているんであって、紫姫じゃない。出会っていなかったら、本人であっても……今は他人だ。
 結局俺が見たのは予知夢か何かの類か? これは、運命の出会い? 馬鹿言え。
 俺はまだ、現実と夢をごっちゃにしている。

 彼女は小走りで去って行く。
 これで、全て終わる。接点も何もかも……そう考えると、急に胸が苦しくなった。
「あ、ちょっと――!」
 気が付いたら俺は彼女を呼び止めていた。馬鹿、何やってんだ俺。
「はい?」
 純情一直線か。忘れるつもりだったのに、全くもって笑えないことになってしまった。
「その……もし時間があるようならで良い、簡単に付き合ってほしい」
 顔が熱い。恐らく真っ赤だ。あーやんなっちゃう。
「……ごめんなさい。今は急いでるので」
449名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:25:01 ID:PqzQZYYb
 俺はメモ用紙に、名前と連絡先だけを書いて渡した。
 怪しい。凄く怪しい奴だ俺。馬鹿だ。凄い馬鹿。何考えてんの?
 俺は火照った頭を冷やすように、アイスを買い込んでとっとと帰る。
「……」
 真面目だった。だが、大の大人が中学生くらいの子に、あんなこと頼むなんて気がどうかしてる。
 彼女の名前は、萱原三都と教えてもらった。
「――くそっ」
 嬉しくなってんじゃねーよ、俺の大馬鹿。

 家に帰ってから一時間後、電話がかかってきた。携帯からだ。
「はい」
「もしもし、えと……勝又さん、ですか?」
 冷静になって考えて、再びのコンタクトなんて半ば諦めていたが、望みは繋がった。
「そうです。萱原、さん?」
「はい」
 その声が、やけに懐かしい。整った口調だが、それでも……。
「電話でごめんなさい」
「良いよ、本当に悪い。自分勝手な話を、少しだけ聞いてほしい」

 俺は気持ちを吐き出すように、夢の話をした。
 自分でも理性の内では馬鹿げている、と分かる。どんなロマンチストだと、普通の人でも一蹴することだろう。
 それに、俺は彼女に一体何を望む? 代わりとなれとでも言うのか。おこがましいにも程がある。
 ただ、気持ちのままに話すしか、今は出来ない。
「――ありがとう、これで終わりだ」
「……好きだったんですか? 紫姫、さんのこと」
 ああ、そういうことになりそうだな。どうやら……。

 彼女は優しかった。見知らぬ人の話を、ここまでしっかりと聞いてくれた。
「……私、電話するの、ちょっと迷いました。単に変な人なのかもしれない、って」
「自覚してる。その上こんな話題だ、何と思われても仕方ない」
 そう、”そこまで良くしてもらう理由が、一片たりともない”。
「でも……勝又さんは良い人なんだ、って気がします。何だか変かもしれませんが、嬉しいです」
 電話先の声の主が、笑っているように感じた。
「ありがとう」
「ただ私には、何も出来ません。それだけは――ごめんなさい」
 分かっていたことだ。それ以上は望まない。いくら駄目な男でも、それくらいは分別付けないと、今度こそ怪しいじゃすまなくなる。

 気は楽になった。少なくともそう、思うことにする。
 受話器を置いた俺は、溜息を吐いた。こんなに長いのか、と思うほど長い溜息だった。
 彼女には家族もいるし、恋人もいるようだった。何一つ、俺が関わる必要も余地もない。
 今改めて、俺が地面から引き抜いた”紫姫”はこの世界にはいない、と再認識出来たような気がした。
 夕飯を適当に食べた。変な味がした。俺の感覚は狂ったまま、いつまで続くのだろうか。
 いや、長くは続きはしない――それだけを願って、早めに寝る。


次は双子のバンシーでも登場させます
450名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 02:50:13 ID:wrhVB2sm
GJ!!
待ってました!
451名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 13:13:12 ID:XKgacFSB
ここで終わりかな?

つまり、彼女が人間になる=マンドラゴラという彼女の存在が無くなる、ということかな?
勝又君がその選択をしたのは、知らなかったことだから仕方が無いとして、紫姫がそれを実行したのは何でだろうか。
それなりの好意を寄せていた相手に対して、別れが唐突過ぎるような気がする。
そのあたりがちょっとモニョる感じかな。


だけど、必ずしもオチやハッピーエンドが用意されているとは限らない日本の昔の怪異譚を読んでるみたいで面白かった。
とにかくGJです。
452名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 18:11:00 ID:PqzQZYYb
あ、一応続きます。次の投下がいつになるか分かりませんが
紫姫とは必ず再会させる予定なので
453名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 21:29:43 ID:XKgacFSB
次は双子バンシー、ってな締めだったんで、ここでおわりなのかと思った。

早合点スマン。

続き楽しみにしてる。
454名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 22:56:39 ID:Q6lc9rjC
次回は紫姫(推定)と双子バンシーとの4Pですね、わかります。
455名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 12:11:32 ID:NTvXfKNQ
陰陽五行説では火を噴くとかの何かを生み出す術は、陽の気が必要なんだと。
九尾の狐は最大陽数の九を身体に持ってるから強い術が使えるんだけど、狐は陰の火の獣だから陽の気を持ってないんだって。
そこで陽の気である男の精気を手に入れる為に女に化けるんだって。
456名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 19:19:24 ID:Cformgbk
では、そのSSを書いてみてください
457名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 20:40:23 ID:gINWEhBO
『白面の者×うしお』というカップリングが脳裏に浮かんで離れない……
458名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 17:30:55 ID:SOkcn49n
涼しくなりに来た
459名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 18:18:47 ID:QSqj9uuR
その一族を末代まで呪うと言う掟に従い子供(男)を呪いに来た狐少女が
その子供を好きになって仲間を裏切り追われの身になり

好きになった子供とラブラブしたり
狐少女を粛清しに来た奴に陵辱されたり
そんな話が見たい
460名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 16:57:27 ID:f+LKxSMt
>>459
凌辱読みたい。
461名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 02:13:15 ID:PdzPi+UI
保守
462名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 21:16:44 ID:2ilfcoec
>>459
「あんたの代を末代にしてあげる。
 あたしの中であんたの子種を一滴残らず搾り取ってあげるわ!」

なんて理屈つけてHに雪崩れ込む展開とかも見てみたかったが
調べてみたら「末代」ってのは「後の世」「死んだ後の時代」のことで
「最後の世代」のことじゃないのね…
463名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 10:35:59 ID:rd3QrlpY
>462
ストレートに
「子々孫々まで呪ってやる! だから子作りしましょ!」
でいいじゃないか。
守護霊としてずっと呪うんだけど、ことごとく子孫繁栄に
つながる呪いを発動するという。
464名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 12:29:47 ID:1T3AkdlY
>>463
成る程。
465名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 22:14:44 ID:r/2YbZC1
お盆だねえ。
幼い頃若くして死んだ親戚の親しかったお姉さんが彼女が居ない男を心配して枕元に現われて、未だに童貞な生前弟の様に可愛がって居た男の為に筆卸しをしてあげる話とか見たいな。
466名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 10:23:07 ID:LwE+XJYh
>>465
途中でだれましたが、これを置いておきます
467名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 10:24:15 ID:LwE+XJYh
 部活が盆休みに入った。
 一息吐く間も無く、僕は親に連れられて里帰りをする。
 車の窓から、懐かしい光景が見えてくる。昔から何度も、来ていた場所。
 随分近くまで開発が進んではきたけど、まだらしさの残る田舎風景。
 僕はあと何度、この景色を見ることが出来るんだろう。

「こんにちは」
 広い座敷に、大きな台所。進む食事の支度。もうすぐ正午だ。
「いらっしゃい。あら葉積くん、しばらく見ない内にまた大きくなったわね」
 叔母さんがにこやかに迎えてくれる。
「お久しぶりです」

 挨拶もそこそこに屋敷を出て、迎え火の為に霊園へと向かう。
 ここに来ると、変に厳かな気持ちになる。物心付いてから、あんなことがあったんだし。
 火を吊り提灯に貰い、それを屋敷まで持って帰る。そして仏壇の蝋燭にその火を灯す。
 これにより魂が戻って来るのだとか。こういう慣習は、心が安らぐ感じで好きだ。
 そして最後の手伝いをして、一族揃っての昼食。

 昔より好き嫌いは減った。どうしても食べられないものが、出る訳でもない。
 豪勢な料理に舌鼓を打つ。何たって、僕が一番の食い手とアテにされる。
 ようやく食べ終わり、食後のお茶。大人は積もる話に花を咲かせ、僕も適当に付き合う。
 しかし、本当に長いんだこの話は。自分のことを一通り話して、愛想良く談笑の場を抜け出す。
 課題をする、と言ったら褒められた。

 僕は高校生。普段は家から少し離れた進学校に通っている。
 けど、中学で仲の良かった友達と離れ、新しい環境に馴染めずにいる。
 おまけについ最近共学になったばかりの元男子校。女の子との出会いも、あまりない。
 それに、何だか時めかない。多分、僕の中で燻っているものがある。
 過去の記憶は美化される。そしてずっと付き纏う。

 昔こうやって親戚が集まる行事の時、よく遊んでもらっていた従姉妹がいた。
 五つ年上だったけど、とても仲が良かった。
 そしてもう、彼女が死んでから五年。同い年になっちゃった。
 当時十六歳。活発で明るくて、僕と対照的だった。
 そんな僕を連れ回すように、あちこちに連れて行ってくれた彼女は、その年事故で――。

 ショックで僕は、益々塞ぎ込んだ。憧れだったし、優しかったから。
 今、親戚中で子どもは僕一人。ここに集まった時は、祖父母も叔父さん叔母さんも、自分の子どものように良くしてくれる。
 でも、何だか物足りない。その期待に応えようと、空回りしている自分がもどかしい。
 年頃の話し相手がいない――親も時折そんな話をするけど、そうかもしれない。
 もし、彼女が生きていたら…今でも同じように、仲良く出来たのかな。


 その日は泊まり。広い屋敷の一部屋を僕が貸しきり。
 畳の上に布団を敷くなんて久々だ。寝心地も意外と悪くない。
 ただ、枕が変わると寝付けない――というのはやっぱりあって、電気を消しても眠くならなかった。
 暇潰し用に持って来た携帯ゲームでもやろうかと、うつ伏せで蛍光灯を付ける。
「…?」

 変な風を感じた。それは網戸、つまり外の方からじゃなく、襖から吹いてきた。
「葉積……はつみ…」
 誰か僕の名前を呼んでる。頭の中でじゃない。幻聴? にしては鮮明。
 聞いたことのある声だ。親でも祖父母でも、親戚の誰でもない。じゃあ、誰が?
 何故か今ここでその声は、とてもしっくりくる。

「誰だろう」
「忘れちゃったの? 私、聖美」
 聖美……じゃあ、やっぱり――。
 僕が体を返すと、目の前に彼女が立っていた。
 故人が目の前に、透明でも死に装束でもなく、昔の面影のままに、そこに。
468名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 10:25:25 ID:LwE+XJYh
「夢…かな。聖美姉ちゃんの夢を見ると、今でも泣きたくなるよ」
 僕は呟いた。そうとしか考えられないから。でも、それが悲しい。
「起きて!」
「うわあぁっ!?」
 タオルケットを引っ剥がし、僕を覗き込む顔は、紛れもなくあの顔。

 明かりを付けても、彼女はしっかりとその場にいた。
「…あ、え…?」
 驚きで言葉が見つからない。
「帰って来たよ? 葉積の為に」
 そう言うと、確かな女の子の感触に、僕の体は包まれた。

「聖美姉ちゃん…夢じゃ、ないの?」
「当たり前じゃない。葉積ったらこんなに大きくなってさ。年も身長も抜かれちゃった」
 そう言って腕を解くと、僕の頭をぽんぽん、と叩いた。
「それなのに心は、何時までも止まったまま。そんなに私と一緒が良かった?」
 僕も時間と共に心の整理は付けたつもりだった。でも、涙が出てきた。

「全く…忘れろとは言わないけど、男の子なんだから引き摺らないの」
「…聖美姉ちゃんが悪いんだよ…何で今更、出てきたのさ…」
 すると、その視線が急に流れる。
 ちょっとどきっとした。昔はそう思わなかったのに、何だか…。
「言ったでしょ? 葉積の為。未練で前に進めないなら…私が手伝ってあげる」

 でも、手伝うって何を? 親離れならぬ従姉妹離れを?
「思い出の中の私がちらついて、他の女の子を好きになれないんでしょ?」
「……そうだよ」
 そう言うと、彼女は満足気に喜んだ。でもすぐに、年上の顔に戻る。
「私と今から、思い出作ろう? そして、ちゃんと向き合うの――私はもういない、ってことを」

 でも、今ここにいるのは……。
「それに、成長した今の葉積なら受け止められる。小さい時に残ってそのままの記憶を、きっと変えられるから」
 僕の肩を掴んで、そう言った。真剣だった。
「だからやっと、僕の前に戻って来たの?」
 彼女はゆっくり頷いた。思わず、今度は僕からその体を抱き締めた。

 会えて良かった。ただそれだけで、こんなに気持ちが楽になるほどだった。
 そして僕も男。昔のようには、もう泣かない。
「――変わったね、葉積。昔よりもずっと男の子っぽくなって、体付きもがっしりして…」
 僕の体は少し変だった。彼女に触れていると、何だか熱くなる。
「顔がちょっと赤い。私も…赤いかな?」

 赤い。ほんのりと色付いた肌が、僕の気持ちを揺り動かすかのよう。
「…私が死んでいなかったら……きっと葉積のこと、好きになったと思う」
「聖美姉ちゃん…」
 すると、その指が僕の唇に触れてきた。
「もう数ヶ月、葉積の方が年上。私のことは、聖美で良い」

 聖美――そう頭の中で繰り返すと、何だか更にどきどきしてきた。
「葉積は、私のこと…好き?」
 不惑で一途な視線が、その言葉の意味を、重くする。
「…え、と…」
「紛らわしくしないの。態度で示して?」

 彼女は従姉妹だ。本当はこんなこと…でも、もう死んでいる。
 こんなに柔らかくて、こんなに優しいのに…不思議だけど、この世にはいないんだ。
 明日にはもう、会えないかもしれない。思い出を作る? でも…。
 昔の関係が、頭を過ぎる。でも、体と心のどこかでは、何かが違うことは分かっている。
 僕は、思い出と向き合う為にも、今の答を出さないといけない。
469名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 10:26:16 ID:LwE+XJYh
 恐る恐る震えながら、その唇にキスをした。
 勿論、初めてだった。知識の上ではやり方は知っているけど、意識的にやったのなんて…。
「――っ」
 彼女が腕を回してきた。僕を受け入れるように、優しく。
 あまりに柔らかくて、目を閉じてただ、その心地に浸っていたいくらいだった。

「……良かったよ。凄く、素敵だった」
 彼女の第一声はそれだった。
「葉積、やれば出来るじゃない。それに、温かかった。私への気持ち――かな?」
「よく、分からない」
 そう言うと、彼女は嬉しそうに笑った。

「何か変だった?」
「ううん、らしいな――って。でも、そんなところがやっぱり、変わらないね。…甘えたい?」
 彼女はもう憧れの従姉妹じゃない。ぼくにとっては、大事な人。
 でも、本当言うと――僕は頷く。
「じゃ、今だけは恋人で、同時に従姉弟。何でも言ってごらん?」

 大人じゃないけど、僕はあれから色々あったことを、聞かせた。
 窓際に二人並んで、肩と肩を寄せ合って、長い時間そんな話をしていた。
 今学校で悩んでいることや、昔の思い出話と、話題は尽きない。
 彼女から、何か話してくることはなかった。私は良いの――と、言葉を濁すだけ。
 そんな寂しげな表情に、心が痛む。

『……』
 話が途切れ、不意に見つめ合う。その顔が、優しく笑う。
 唇を近付け、僕はまたキスをした。最初の一回で、実は火が付いたのかもしれない。
「ん…ぅ」
 彼女も控えめに、目を閉じて応じる。

「…待って」
 キスを中断し、彼女は肩から僕の体を押し離す。
「これから先はね、私もちょっと迷っているの。本当に、葉積の最初で良いのか、って…」
 ましてや私、幽霊みたいなものだもの――と、表情を曇らす。
「聖美姉――いや、聖美となら、良い。僕も聖美に、少しでも…」

「――!?」
 彼女からキスを貰ったのは初めてだった。
 情熱的で、包み込むような力がある。僕よりもずっと、上手だ。
 舌が口の中に入ってくると、誘うように絡まれる。
 僕もそっと舌を動かしながら、真似をするように攻める。

 舌と舌との間に、架け橋が出来た。恍惚とした彼女の表情が、たまらなく愛らしい。
「…知らず知らずの内に、もう大人なんだね。体がちゃんと、付いて来ているみたい」
 滴が彼女の胸元に落ち、僕にその部分を強調させる。
「葉積の為に来たのに、何だか私の方が嬉しいこといっぱい。やっぱり好き…葉積」
 その言葉を最後に、彼女から冷静は消えた。

 彼女は僕の手を、自分の胸へと引き寄せた。弾力を感じ、手が吸い付くようだ。
「優しく、揉んで」
 言葉に従い、なるべく気持ち良いように手で解すと、彼女は悩ましげな声と苦しげな表情で、体を反らす。
「痛くない?」
 返事の代わりに、彼女は首を横に振ると、Tシャツを脱ぎ始めた。

 興奮と同時に、恐れ多さに思わず顔を背けてしまいそうになった。
 露になった綺麗な肌。後ろに手をやると、間も無く白いブラジャーがするりと外れる。
「聖美…」
 恥らうような顔が、僕を熱くする。本能的に、顔を近付ける。
 ばふ、っと快感が頭から体全体に伝わる。気持ち良い。
470名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 10:26:59 ID:LwE+XJYh
「舌と手で…っ、して?」
 恐る恐る、僕は生の乳房に触れ、同時に舐める。
「あんっ…!」
 先端を這わすと、彼女の声。心臓が収まらない。
 でも、段々と分かってきた。初めてなのに、本能って凄いんだなと思う。

 彼女は下に穿いているジーンズのボタンを外すと、チャックを下げる。
 白い下着が目に見えた時は、思わず見入ってしまった。
 ゆっくりと立ち上がり、脱いでいくその姿が官能的で、僕の体は何処もガチガチだった。
 やがて太腿から足先まで、綺麗な白い脚線が現れた。
「触…る?」

 またも僕の手を引くと、下着へと宛がわせる。これが、聖美の…。
「あっ…く…!」
 手で弄り始めると、彼女は思わず僕に抱きついてきた。
 やめようか、と言うけど息を上げながら、続けてと言う。
 手に、湿り気のようなものが徐々に広がり始める。

「脱が…せて」
 力が抜けてしまったのか、僕の肩にもたれかかったまま、彼女ははぁはぁと息を吐く。
「良いの?」
「直に触って…欲しいの」
 その声と潤んだ瞳があまりに色っぽくて、気が遠退きそうになった。

 彼女を横にして下着を下ろすと、その場所は淫らに濡れていた。
 それでも僕の手を導いてくれると、美しいラインをした体は艶かしく悶える。
「んんっ――!」
 体が仰け反り、そして果てるように落ちた。
 これが絶頂――と言うらしい。僕も何度か…。

 起き上がった彼女は、次に僕の服を脱がせ始めた。
「今度は…私の番だから」
 顔から火が出るほど恥ずかしいけど、彼女にだけそんな思いはさせられない。
 上半身、同じように下で乳首を弄ばれる。性感帯なのだろうか、かなりきた。
 そして、下半身。一枚一枚と剥ぎ取られていくごとに、確実にモノが固くなっていくのを感じた。

「大きくて…逞しい。剥いてあげる、ね」
 何を言われているのか、僕は頭で判断出来ない段階にいた。
 ただその手や、肩に触れる髪――彼女の全てが僕を狂わせる。
 そして舌先で、口内でと…多分、しばらく想像するだけで果てそうだ。
 これまでの我慢が、間も無く限界に達した。

「ぷ、は…んく…う、いきなり…こんなことするの、私だけだからね」
 特別を主張する彼女は、何だかいじらしくて可愛かった。
「……じゃ、挿れて? 一番の、エッチを教えてあげる」
 頭のネジが外れたような状態の僕は、迷うことなくそれに応じた。
 さっき手で触れた場所に、モノを挿れる。

「あ…きつ…」
 上手く入らず苦労したけど、彼女は優しく乗りかかってきてくれた。
「んぅっ…あぁ、んっ…!」
 彼女の手解きで腰を動かすと、彼女もまた体で応じてくる。
 上半身で抱き合いながら、布団に擦り付けるように、彼女と運動を繰り返す。

『――っ!!』
 気持ち良くなって、限界はすぐに来た。合図はしたけど、間に合わなかった。
 中に出しちゃった。止まらない…でも、彼女は僕の体をきつく抱き締めたままだった。
 そしてもう一度、キス。前よりももっと濃厚な、凄いキスだった。
 頭の中は滅茶苦茶。でも、彼女が何より近いところにいることが、嬉しい。
471名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 10:28:35 ID:LwE+XJYh
 それから僕らは、まだまだ狂ったように愛し合った。
 体位やら何やら色々と教えてくれる――って話だったけど、そんなの建前だった。
「私の中には…あっ…好きなだけ、出して良い…からっ…」
 僕もそうしたかったけど、彼女が何より、それを望んでいた気がする。
 僕は今日、初めて女の子を抱いた。


「もう、大丈夫だよね?」
 ベッドの中で二人、外はいつの間にか、ぼんやりと明るくなっていた。
 彼女の柔らかな体、温もり、声――そして優しさが、また忘れられなくなりそうだ。
 でも……そう考えると、襲ってくる虚無感。
「……」

「ねぇ」
「やっぱり聖美はここにいる。死んでなんか――」
 彼女からのキス。軽く、そしてとても穏やかなキス。
「――人は、前に進まなくちゃいけないの。忘れないで、葉積のことは大好き。例え好きな人が出来たとしても、それは変わらない。私たちは、従姉弟なんだもの」
 その笑顔に、強さを貰える。

「…もう一度、会える?」
 ううん、と力なく答える聖美。
「でも、今日会えて良かった。葉積の中にいる私が、やっと生まれ変われたんだから」
 中にいる……私?
「そう。会えなくたって、私は葉積の中にいるの。だからもう一度、私を受け止めて」

 彼女は僕の胸の中で、消えていった。
 本当は悲しかった。けど、それは彼女を否定すること……。
 嬉しいんだか何だか、よく分からないけど、涙が溢れてきた。
「ありがとう。葉積――」
 何処かで、そんな声が聞こえた。


おしまい
472名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 11:18:05 ID:aVdrBvHN
読みながら飲んでいた麦茶がなんかしょっぱくなったぞ、責任取れ。

つまるところGJ
473名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 17:44:28 ID:GKFaGerw
>>470
GJ
474名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 21:25:14 ID:maDVcDGU
うう…目から汗が…
リクエストつか要望に答えてくれてありがとう、凄く良かった…GJ!
475名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 06:03:17 ID:nCwg3zkO
前回のぶっ壊れたノリはもう出せませんが、雪女和沙の話を投下します
前半で一回区切って、後半は…なるべく頑張って仕上げる予定です
476名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 06:05:20 ID:nCwg3zkO
「ロリコンはいつまで経っても、私のことをロリロリ言うのです」
「突然何?」
「いい加減、そう呼ばれないように成長したいのですよ」
「和沙がロリじゃなくなったら、俺もロリコンじゃなくなるという相互解消ですね分かりません」
「いや分かってよ。…私はもっと、大人の女性になりたいのです」
「雪女と言うと、色っぽいのが相場だからね。でも、ロリも良いよ? 永遠の百二十歳」
「うるさいのです! 単に、外見が…幼女体型なだけなのです」
「いや、外に比例するように内も幼い。諦めて、ロリフェチの俺の嫁でいなさい」
「巨乳の子に見惚れる癖に、なのです」

「という訳で、彼女を一泊二日でとあるホテルに連れ込むことにしたのである(ラブホじゃないよ)」
「ラブホになんて連れ込んだら、氷漬けにしておばあに送り届けてやるのです」
「おばあとか、もしかして雪女なのに沖縄生まれ?」
「私は飛騨出身なのです。で、おばあというのは沖縄からジェットに乗って移り住んできた、絶倫河童さんなのです。血は繋がっていないのですよ」
「複雑な事情があるんだね(棒読み)」
「それはそうと、ホテルで何をするのですか」
「ナニを(ry――いや、和沙が外見が…って言うからね。それなりに考えてみたんだ」
「……とか言って悪戯したりしないのですか?」
「悪戯もします」
「即答かよ。でも、オマエからこうやって誘ってくれるのは、ちょっと嬉しいのです」
「素直だよ和沙。ではここで、本日のドライビングナンバーお届けしましょう、ビートクルセイダーズでHit In The USA」
「ロリコンの割にいろいろな曲を知っているのです」
「そういや俺を名前で呼んでくれたことないよね」
「設定にない――だそうなのです」
「うそーん」

「チェックインまで時間があるので、高原を散歩しに来てみた」
「普通にドライブデートコースなのです。もしかしてオマエ…根はまとも?」
「割とね。たまには爽やかな一面も見せないと、エロが活きない」
「何でもエロに直結さすな。それにしても、はぁ…涼しいのです。少しだけ、飛騨の夏を思い出したのです」
「雪女の里か…少し行ってみたいわぁ」
「……オマエが一目惚れするような美女ばっかりなのですよ」
「かわいこちゃんがいっぱいってことね」
「何なのですかその超古典的な表現は。別に良いのですけどね」
「和沙……そうだ、ちょっと待ってて」
「…はぁ、私はバカなのです。自分に自信がないから、いつもあんなことばかり言って……」
「――お待たせ。ほら、アイスを買って来たよ」
「ロリコン……ありがとう、なのです」

「ぺろ…あ、美味しいのです」
「良かった。でも最近和沙、妙にしおらしいよ? 何かこう、ムラムラくるよりキュンってくる感じで」
「心配なのですか?」
「そう。こっちがまともになっちゃう」
「良いことなのです」
「…和沙、こっちのアイスも食べる?」
「一瞬下ネタ来るかと思って身構えたのです。はい、食べるのです」
「じゃまず俺が食べて――ちゅ」
「――っ!?」
「ん…んー」
「ぷはぁっ、や…やっぱりオマエは変態なのですっ!」
「甘かった?」
「当たり前なのです。はぁ…いきなりは酷いのです」
「じゃあ、和沙のアイスも頂戴な」
「はい――って、うああっ!?」
「かきーん」
「胸を許しなく弄ったらアイスキューブにすると、常日頃言っているのです」
477名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 06:07:53 ID:nCwg3zkO
「流石に力は衰えておらぬようだな」
「普通に食べられないのですかオマエは」
「じゃ、口移しで良いや」
「じゃ、じゃなくてどっちもダメに決まってるのですこの変態ロリコン」
「あのね和沙。私のアイスも食べて――なんて言って自分の体に垂らした甘液をそっと舐めて弄んだりして、羞恥と快感に悶える女性を見て男は更に興奮したりするものなんだよ」
「長いしどんなプレイなのですかそれは」
「近所の少年が言ってた」
「危ない少年なのです…少しは頭冷やしたら、さっさとアイス食べてしまうのです」
「凍っている間に時間経ってるし。あー、もっと和沙とイチャイチャしたかったのにな…」
「場所を選ぶのですよ。人にでも見られたらこっちが恥ずかしいのです」
「仕方がないからホテルで存分に襲うか」
「そーいうことはせめて心の内で呟け、なのです」

「しっかし緑の草原、青い空、そして檸檬色のワンピース。さすがロリにも衣装だな」
「わざと言ってるだろ? なのです」
「でも、よく似合う。普段の着物な和沙も可愛いけど、こっちも女の子女の子していて良いと思うわよ?」
「わよ?」
「あーごめん。チャットでネカマやってるもんで、たまについキャラが出る」
「それじゃ素でオカマキャラなのです」
「さて、じゃあゴミを捨ててくるから、ここで適当に遊んでて。変質者には気を付けるんだよ?」
「オマエがこの辺では一番の変――いや、何でもないのです。……はぁ、つくづくおかしな奴なのです」

「――あーいたいた、探したんだよ?」
「? その声は…鼈甲?」
「そうさ。エロ河童に全部聞いたよ。男捕まえたってねぇ」
「――」
「あらあら、顔が真っ赤…ふふ、という訳で様子見に来たんだ」
「あ、その…わ、悪かったのです。折を見て会いには行くつもりだったのですよ」
「いいや、今はゆっくりしなよ。あたしも、顔だけでも――って思ってさ」
「…そうなのですか」
「それと近くに寄るついで。…それにしても、落ち零れ同士連れ添っていたってのに…時間が経つのは早いもんだねぇ」
「何か、悪いのです」
「心配しなくたって、あたしたちはずっと親友さ。ぎゅっ…とね」
「…オマエの巨乳がむかつくのです」
「本性現したね雪女。もっと押し付けてやる」
「う…私だって、いつか…」
「…随分と綺麗になってさ、この上胸まで大きくなられたら、あたしの立場がありゃしないよ」
「…」
「良い男と出会えたんだねぇ。今度紹介しておくれよ? それじゃあたしはもう行くから、和沙――じゃね?」
「ばいばい、なのです」

「――ごめん、待たせた。もう少し歩いたら、車に戻ろうか」
「? あ、ロリコン」
「もっと別の呼び名が欲しいよ…それにしても、どうした? ぼんやりして」
「…柄に合わず感傷に浸ってしまったのです」
「奥羽の雪山を思い出すのか」
「どこの東北だ。飛騨なのです。いつかちゃんと連れて行くから、覚えておくのです」
「和沙…じゃ、約束。その時は俺も絶対に、他の雪女ちゃんに手出し股出ししません」
「既にちゃん付けの上に、何晒すつもりだったのですか…とりあえずはい、約束するのです」
「ゆーびきーり」
「げーんまーん」
「の、キス」
「ん…!?」
「……ふう、和沙の中は、いつも冷たくて気持ち良いな」
「またいきなり…でも怒らないのです。その代わり、絶対なのですよ?」
「OK。その代わり、和沙には手抜き股抜きしません。逆にそっちから足コ(ry」
「ふぅううう――!!」
「…では、そろそろホテルに向かいましょうか。――あ、はい。自重します」
478名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 06:09:09 ID:nCwg3zkO
「ホテルに来た訳で」
「短いな。それにしても、良い所なのです。オマエが選んだとは思えないのです」
「そして鍵を受け取って入る部屋がこちらになります」
「わあっ……!!」
「広いでしょ? 景色も抜群、言うことなしだね」
「…見直したのです」
「実は近所の少年に宿泊券を貰ったんだ。これやるから、一晩で男上げて来いよ? って」
「どんだけ頼れる先輩キャラなのですか。てか、何者?」
「それはともかく、今日は二人っきりだ」
「今日に限ったことではないのですが……た、確かに新鮮なのです」
「ロリの日から一ヶ月も経つんだな」
「その名称はつくづくやめてほしいのです」
「…」
「……な、何なのですか?」
「荷物置いて、適当に寛ごう」
「はぁ…何かどきどきしたのです」
「もしかして、意識してる?」
「してない訳じゃ――って、ベタなのですよ。オマエが連れ込むだ襲うだ言うからなのです」
「襲ってほしい?」
「一々訊くなっ!」

「浴衣、一人で着れるんだな」
「着せようと思っていたなら残念だったのです。伊達に雪女張ってないのですよ」
「でも可愛いなあ…ちょっとくるっと一回転」
「は〜い――って、妙に恥ずかしいのです」
「なでなで」
「きゅううううう〜」
「あ、溶けた」
「どくん」
「あ、戻った」
「…いきなりなでなでは反則なのです。ほわ〜ってなっちゃうのです」
「時に和沙が子犬のようだ」
「とりあえずテレビでも付けてみるのです」
「AVとか放送していませんかね」
「いやそれラブホかよ。…それにしてもオマエ、今日は大人しいのですね」
「和沙を見ていると、嫁通り越して愛娘でも見るような錯覚に陥るのよ。ロリコンの慣れの果てだ」
「そこまで達観されると…なのです」
「という訳で、後で温泉には一緒に入りましょう」
「お断りなのです」

「夕食、美味しかったのです。海の会席料理というのも中々乙なのです」
「お刺身が好きな雪女ってのも中々風情があるね。ではここで一句。”雪女 嗚呼雪女 雪女”」
「お刺身はどこ行ったのですか」
「さて、ぼちぼち温泉にでも入りに行きますか。今回は特別に、家族貸し切り露天風呂って選択肢もあるよ?」
「普通で良いのです」
「一緒に入れるよ?」
「そりゃそうでしょうとも」
「…和沙と湯船に浸かって三十秒、ってのをやってみたかったのに」
「それじゃ本当に親なのです。家でだってそんな…じゃあ、変なことはしないのですか?」
「変なこともします」
「即答かよ。変態ロリコンめ」
「変態は望むところだが、ロリコンは余計だ」
「――てか、私もなのですが、いい加減ネタの使い回しはやめるのです。何このぐだぐだ」
「だが温泉はエロネタで盛り上がる絶好の場……あ、今気付いたが和沙は温泉平気なの?」
「何を今更、なのです。海にだってお風呂にだって入れるのです」
「一応和沙は毎日水風呂にしてたけど、ここの結構熱いよ大丈夫?」
「…言われてみれば、少し不安なのです」
「じゃ、一緒にいた方が安心だ」
「……」
479名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 06:13:44 ID:nCwg3zkO
「上手く丸め込まれて混浴な家族風呂に連れて来られた私。様々な意味で危ないこのイベントをどう乗り切るのか! …なのです」
「ま、本番は夜からなんだし気楽にヤろうよ」
「”ヤ”だけカタカナにしてんな」
「しっかし何だ、和沙可愛い。黒髪ロングに浴衣ってそそるよね。おまけにちょっぴり色っぽい」
「褒めても何も出ないのですよ? でも、嬉しいのです。本当に、色っぽい…?」
「ああ。脱がせて良い?」
「…特別、なのです」
「……」
「……うっ」
「?」
「…今更、怖いなんて思わないのです。オマエとは何度も……なのに、変なのです」
「ぎゅっ――やっぱり今日の和沙には、簡単に手を出せないな。最後まで、大事にしておきたい」
「あぁ……何だか、とても心にきたのです。ロリコン…私はやっぱりオマエが、一番なのです」
「俺も和沙が一番。二番手その他多数」
「ぷっ…何なのですかそれは」
「……これで良し。入ろうか」

「ふあぁっ…水が、冷たくて気持ち良いのです」
「こうして見ると、本当に親にでもなったかのような気分だ」
「♪」
「鼻歌なんて歌ってる。可愛いなあ」
「――お待たせなのです、ロリコン」
「先に浸からせてもらってる。和沙も、大丈夫か?」
「念の為に、手を繋いでいてほしいのです」
「ほい。じゃ、ゆっくり…ゆっくり入ってみて」
「うぅっ…! 熱い…溶けるかも、なのです」
「無理しないで良いから」
「ダメなのです。オマエと一緒に温泉に入る――って、決めたのです」
「いつ?」
「さっき。あつっ…だって、オマエがここまでしてくれているのに、私が…応えられないなんて悔しいのです」
「…少しずつ、慣らしていこう」
「…」
「その調子」
「……っ」
「大丈夫大丈夫」
「――ふう…う〜」
「はい、無事温泉に浸かることが出来ました。和沙っ」
「あわっ…ちょ、何を――?」
「…お風呂の中で、一度こうして膝の上に乗せてみたかった。和沙の背中、すべすべで気持ちが良い」
「これじゃつくづく、親なのですよ。でも、とても安心するのです。あ、けどやっぱり熱いかも」
「くらくらする前に上がろうか。じゃ、和沙の体を先に上げ――って、このつんつんむにむにした感触は……」
「――うひゃうっ!?」
「かきーん」

「つい触ってしまった。悪気はなかった。今は反省している」
「私も、やり過ぎたのです。分かってても体が勝手に…」
「でもこの氷のおかげでお湯が温くなって、和沙も元気です。ただし、良い子は絶対真似をしないようにしましょうね」
「誰に向かって言ってるのですか。確かにこのくらいなら、大丈夫なのです」
「そして外は一面の星空。和沙と二人で眺める夜の風景は、何だか幻想的でもあったのでした。続く」
「いや、どこに続くの」
「…幸せだな、俺は」
「?」
「隣においで」
「…はい、なのです」
「やっぱり和沙、お湯の中でも少しひんやりしているんだね。気持ち良いよ」
「嬉しいのです。…ロリコン、頬を貸すのです。これは――お礼。…ちゅ」
「ありがとう。……外、綺麗だな」
「……綺麗、なのです」
480名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 06:22:10 ID:nCwg3zkO
とりあえずここまでです。では自己充電に戻ります
481名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 01:20:53 ID:2fERV74Y
続編もテンポ良くて掛け合いが面白いから良いな。
GJです。続き楽しみにしてます。
482名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 12:52:25 ID:uNCoeIwj
>>479
何て健全な保護者だ……。
483名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 20:39:25 ID:FGVKZUvR
ほしゅー
484名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 16:27:19 ID:aowagpNH
陳宮@恋姫なボイスが脳内にw

GJ
485名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 16:29:47 ID:nP96lmWI
ホシュ
486名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 00:38:29 ID:omeizDyI
俺もほしゅ
487名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 20:03:06 ID:WchsyVAR
遅くなりましたが、雪女和沙の話後半です
488名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 20:04:20 ID:WchsyVAR
「くらくらするのです〜」
「逆上せたか? 無理もない。出る前に、ちょっと休もうか」
「うう〜」
「隣にぴったりくっついちゃって…可愛い過ぎるよ和沙」
「扇風機の風が気持ち良いのです〜」
「本当だわぁ…しかし、我ながらよく理性が崩壊しなかったものだ」
「…」
「二人っきりの混浴での定番を回避するとは、あんなこと言ったけど、やっぱり俺は奥手?」
「…オマエが優しいからなのです」
「優しい、ねぇ…。和沙が嬉しそうだから、それで良いのかな? …良いことにしよう」
「……もう、大丈夫なのです」
「あら、でも浴衣がしっかり着れてないね。これじゃ見えちゃうし感じちゃうよ」
「…いや、感じはしないのです。どんだけMなのですか私は」
「でも、そんな乱れたセクシー和沙も好きです」
「これ以上、頭を熱くさせないで下さい、なのです」

「風呂上りのビン牛乳が美味い」
「美味しいのです。冷たくて生き返る…」
「さて、ここからは和沙へ、取って置きのプレゼントだ」
「?」
「こちらにマッサージサービスがあります。ここで思う存分――」
「私は大して疲れていないのです。それよりオマエの方が…」
「何と、胸が大きくなるバストアップマッサージなのです! 略してBUM(適当)」
「――!」
「おお、目が輝いとる」
「え、これ…もしかして、オマエが私の為に…?」
「嬉しくない?」
「いや、嬉しいのです。凄く嬉しい…けど、気にしていたのかな――なんて思ってしまったのです。…ごめんなさい」
「…気にしなくて良いよ。でも、その名の通り胸を揉むマッサージだよな…和沙、感じ過ぎてイっちゃダメだよ?」
「酷いのです! 絶対に胸を大きくしてやるのです。今に見てろ!」
「じゃ、俺は股(ryのマッサージサービスでもないか探して来よう」
「風俗かよ!」

「ぶ」
「うあうっ!?」
「んー…出会い頭にいきなり胸に顔埋めるとかどんなエロゲ――あ、翼の生えた人間だ」
「…痛いよ全くさ――って、あれ? ロリコンそうな人間だ」
「ロリコンそうって、失礼にも程がある。…しかし汝、中々のボインであるな」
「何だいぼいんってのは? あたしゃ天狗の鼈甲さ」
「天狗? そいつぁまたこんな所に、一体何の御用で」
「アンタ、雪女の和沙を知ってるだろ?」
「知ってるも何も、俺の嫁」
「そうか、やっぱりアンタか…話は聞いてる。彼女はあたしの連れだった子さ」
「君か、和沙に男逆ナンして海で一夏の過ちを犯すよう吹き込んだり老け込ませたりした人は」
「尾びれの付き方が酷いにも程があるよ」
「”荒唐無稽”が俺のスタイルだからね」
「”行き当たりばったり”だった気がしたんだけどねぇ。ま、どちらにしても…アンタ、あの子を幸せにしてあげられるのかい?」
「俺の幸せが和沙の幸せ――ってベタなことを言ってみる」
「…こんなこと、あの子に内緒で話すのは良くないかもしれない。強がりだしね。…でも、せっかくここで会ったんだ。聞いとくれ」

「落ちこぼれで、里を飛び出して来た――か」
「そうだよ。で、同じような境遇のあたしと出会って意気投合。二人で一緒に、たまに別行動で、いろんな場所に行ったもんさ」
「そして、俺と出会ったと」
「ああ。で、あの子は、それが原因で容姿にコンプレックスを持っている。身長もだし、一番は胸かな」
「俺はロリも好きだけど、巨乳も好みっちゃ好みだ」
「相当アンタのことが好きなんだろ、真剣に悩んでいるのさ。きっと自分がその内、飽きて拒絶されるんじゃないか――って、そう思ってる」
「…和沙も変わるよ。今度飛騨に連れて行ってくれるってさ。それに、俺だってこんな奴だ。人によく拒絶される。そんな気持ちが、分からなくはないよ」
「……へぇ、印象と違ってアンタ、誠実なところもあるみたいだねぇ。遊びで付き合っている軟派男なんじゃ――って思っていたけどさ、少し安心したよ」
「しかし何だ、こう対照的にボインだと…目が釘付けになるな。触っても良いですか?」
489名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 20:05:11 ID:WchsyVAR
「天狗様の十八番、ウイングビンタが炸裂するとは思いませんでした」
「あの子を泣かすようなことしたら、これじゃ済まないよ?」
「肝に銘じておきます。しかし、雪女はともかく天狗が普通にホテルを出歩いているとか、不思議な世の中だ」
「妖怪の社会進出さ」
「で、鼈甲飴さんは何故ここに? 浴衣着ているし、俺に会いに来たって訳じゃなさそうだよね」
「キャンディ呼ばわりかい。ああ、仕事の都合さ。けど、彼女には一足先に、高原で会っていたんだよ。偶然とは重なるもんだねぇ」
「それと、本人様しか知らない情報をいろいろ…もしやSPY?」
「えすぴいわいって…いや。ただ、倶多比良池のエロ河童の話は聞いただろ?」
「ああ」
「彼女は情報屋でね、その辺のことには詳しいんだよ。それに、行くあてのないあたしたちを引き取ってくれたんだ。その恩返しの為に、手伝いとして各地を旅しているのさ――至らずながらね」
「じゃあ和沙は…」
「落ち着く場所を見つけたんなら、何も言わないよ。彼女だってそれはよく分かってる」

「長くなったね。じゃ、あたしはそろそろ行くよ」
「俺のことは良いのかね?」
「実際に会って、信用に値する人物だってことは分かったから――和沙をよろしく頼むよ、ロリコン」
「周知の事実という訳ですか。ま、気が向いたら家にでも遊びに来てな。和沙も喜ぶだろうし」
「あの子は結構、嫉妬深いところがあるからねぇ…まぁ、いつかね」
「巨乳にロリ――不思議なコンビだな」
「お互い様だよ」

「シリアスやってたら疲れて眠くなってきた…ちょっとその辺のベンチで……Z」
「……やっと終わったのです――って、ロリコン!?」
「…はっ、おっといかん。睡魔に襲われてついうとうとと屋形船を漕いでいた」
「何も待っていてくれなくたって良かったのですよ?」
「そんなこと言って、部屋番号を忘れて帰れずにおどおどしてる和沙が目に浮かんで、つい放置プレイしたくなるほど萌えたりしたらどうするんだ」
「寝起きの小鳥は騒がしいのです」
「じゃ、早速マッサージの成果を」
「ストップ! …ふふ、色々教えてもらったのです」
「気持ち良かった?」
「…とても、良かったのです。今、オマエにも教えてやるのです」
「――っ? …和沙……和沙から抱きついてくるなんて――あ…!」
「分かった? …私の胸は、まだまだなのです。でも、自信は付いたのですよ」
「和沙……良かった」

「そういえばオマエ、私をロリと呼ばなくなったのです」
「忘れてた」
「それで良いのか」
「和沙が可愛けりゃ、ぶっちゃけどーでも良い(遠い目)」
「いや、(遠い目)じゃなくて。何空を見上げて溜息吐いてるのですか」
「…」
「何か、様子が変なのです。また女の子でも――」
「Z」
「おい」
「…はっ、いかんいかん。歩きながら豪華客船を漕いでいた」
「豪華客船は漕げないから。…全く、人の話を聞くのです」
「何か疲れちゃってな。ごめん、和沙」
「謝るならいっそ、洗い浚い正直に話すのです。今は機嫌が良いので多少の懺悔も聞き入れてやるのです」
「……」
「――!」
「…ん、どうした和沙。また抱きつくなんて、そんなに当て胸が好き?」
「……」
「何もないって、本当に。ちょっと、コーヒーでも飲もうかと思っただけ――なのに…ごめんな」
「…私も冗談半分で訊いただけなのです。でも……オマエが一瞬、何処かに行ってしまう気がしたのです」
「和沙っ――」
「? ど、どうしたのですか急に…」
「……」
「…ロリ…コン……」
490名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 20:06:28 ID:WchsyVAR
「何か、先に年取って死んでしまうことを考えて、泣きたくなった」
「今は老後のことを考えるシーンと違うのです。確かに寿命はオマエが先…でも、私は…」
「和沙、俺がいなくても大丈夫なの?」
「しっかりするのです! そんなこと、考えたくもないのですよ!」
「……」
「どうしたのですか、本当に…いつものように、冗談言うのです。オマエは口だけでいつも…本当は――」
「Z」
「そこで寝るのかよ!?」

「何とか部屋に着いたのです。そして、ロリコンはベッドの上」
「Z」
「いつも相手してもらって、本当は疲れていたのですね」
「Z」
「ふふ…安心した寝顔なのです。私がいるから当然なのです」
「…か、ずさ…」
「? 寝言……こんなになるまで…ずるいのです。私には、何が…何も――出来ない」
「Z」
「隣に、お邪魔するのです」
「Z」
「……そして、私を…こんなに、したのも…オマエなのです…うっ」
「Z」
「オマエが起きないから……悪いのですよ? …んっ…!」
「…Z」
「…くっ、ん……あ…あぁっ、んっ…」
「……Z」

「……?! あ、ここは――和…沙…」
「はー、はー……私を置いて、勝手に寝るななのです」
「涙が――」
「……こんな恥ずかしい格好見られたら、泣きたくもな――っ!?」
「ごめん…和沙」
「…そんなこと言って抱き締めて、馬鹿にするななのです。それくらい…分かってるのですよ」
「…ごめんな」
「……胸が痛くて、涙が…止まらないのです。どうしてオマエはそんなに…優しいのですか」
「……」
「……私を抱くのです。こんな体でも、オマエが喜んでくれるなら、私も少しは救われるというものなのですよ」
「馬鹿っ」
「何が馬鹿ですかっ! 本当は…うっ、オマエだって…」
「――違う。俺は胸なんてどうでも良い。和沙だから、好きだ」
「…ぐすっ……うああー」
「和沙……」

「――さて、泣き止んだ和沙も可愛いよ」
「…自分で言うのも何なのですが、こういう雰囲気苦手なのです」
「偶然だな、俺もだ」
「でも、嬉しいのです。すっごく嬉しい。私もオマエのこと、大好きなのです」
「よし、じゃあ枕無げだ」
「字が違うのです。てか修学旅行?」
「妖怪枕隠しというのがいてだな――」
「ふふ…とりあえず、シャワーを浴びてくるのです。一人でシてるところなんて見られて、幻滅も甚だしいとは思うのですが」
「じゃ、俺も一緒に浴びよう」
「……良いのですか?」
「いえそれはもう是非」
「エッチなことは?」
「エッチなこともします」
「本当に?」
「……和沙の判断に任せます」
「じゃあ…優しく、するのです」
491名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 20:09:22 ID:WchsyVAR
「ちゅ…ふむ、ぅ…ん」
「――ぷは…はっ、今日の和沙…凄く、積極的だ…」
「胸を…揉んでほしい、のです…」
「…分かった」
「んっ…やっ…ぁ…!」
「痛くない?」
「切ない…のです。でも、これで少しは…うぅっ…大きく…」
「和沙の胸、ちゃんと触るの初めてだけど…気持ち良いよ。凄く、感じる」
「あ…はぁっ…! …もっと、強くしても…良いのです。絶対…凍らせないのです」
「こんなに熱いと、凍れないよ。下もほら、今にも溢れそう」
「や…あんっ……だ…めぇっ――!!」
「凄い…可愛い」
「はぁっ…はぁ……今日のオマエは、反則なのです…」
「ホテルの魔力って奴かな。和沙だって、いつもと違うよ? こんなにいっぱい」
「お願いなのです…早く、挿れて…ほしいのです」
「分かった。和沙、今日だけは…本当に…愛してるぜっ☆」
「ぷっ…何ですかそのガッツポーズは」

「やっぱり今日は、凄く締まる。なのに、引き込まれるように…入って行く」
「マッサージ…のせいっ…か、あっ…いつもより…ぅうんっ…感じる、のです」
「動かすからね……くっ…あ」
「あぁっ…気持ち…良くて、意識が…飛び、そう…」
「飛ばないように、しっかり抱き締めて…っ」
「…また、ぁっ…キス…んっ、して…ほしっ、いぃ…のです…うっ…!」
「――ちゅう」
「ぴちゃ…じゅる……くちゅ…」
「ん、んっ――ぷはっ…和沙、いく…よっ」
「離さ…な、いっ…! のです…いっぱい、中に出してっ!」
「うぅっ…あ、あっ…、出るっ――!」
「っ――!!」

「ぜぇ…はぁ……」
「はぁっ…はぁっ……大、好き……ずっと、一緒に…いて、ほしい…のです」
「和沙っ……」
「…ロリコン」
「……夜は、まだ…これから。もっと…するか?」
「オマエは、したかったのですよね?」
「…所謂焦らして性欲を高める高等プレイだな。まさか和沙の方が我慢してたなんて、思わなかったけど」
「――馬鹿っ」
「本当は、和沙のことがとても大事だし…何もしなくたって、思い出を作れるだけで幸せ――なんて純情まっしぐら」
「…そうやって、異常に優しくするななのです。嘘でも嬉しくて、舞い上がるのですよ」
「じゃ、今夜は褒め殺し」
「ダメ。黙って、体を預けるのです。今度は私が……しばらく、眠らせないのです」

「――朝なのです起きるのですロリコン」
「……むぅ…モーニングサービスは和沙の女体盛りで」
「切り替えろ! 四六時中エロかオマエは」
「…朝日に照らされた和沙の体は、綺麗だな。真っ白で、滑らかで…あまり凹凸がなくて」
「それはつまるところ――」
「ロリという奴ですな」
「……単語を思い出しやがった、なのです」
「でも、昨日抱いて分かったんだけど…最初の時よりは確実に、大きくなっていると実感したな」
「う、うるさいのです。褒めたってもう何も出ないのですよ」
「頻繁にエッチして胸を揉んであげてたのが、多分効いたんだろう」
「……否定、しないのです」
「またいっぱいしような?」
「――っ!」
「顔真っ赤な和沙がたまらなく可愛いので、朝っぱらから悪戯したくなってきた…えい」
「……どこ、触ってるのですかぁっ!」
「かきーん」
492名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 20:19:11 ID:WchsyVAR
「今朝のアイスも中々刺激的だな、和沙」
「懲りない奴なのです」
「…それにしても、和沙はやっぱり胸の大きさが気になるの?」
「当たり前です。そして少しはオマエを、喜ばせてあげたいのです」
「今のままの和沙も好きだよ」
「でも、胸くらい大きくないと、張り合いがないんじゃないかって…思うのですよ」
「小さいのも良い。和沙は和沙」
「でも、周りに自慢出来るような女性になれたら、少しは私のこと…見直すって…」
「…背伸びしないで良いよ。心配しなくたって、俺は和沙にロリロリのメロメロなんだから」
「何なのですかそれ…ぐす」
「泣かないの。ぎゅう、っと抱き締めてあげよう」
「……つくづくロリコンは、優しいのです」
「多分、まだ成長期なんだよ。数百年後にはボインでアダルトな女性になっていますよ、きっとね☆」
「ロリでも、良いのですか…?」
「だって和沙はロリで、俺はロリコンだから」
「……てかそもそも、オマエが気安くロリロリ言うから、こっちが気にするのですよ」
「素直じゃないそういうところも好きさマイロリー」
「ロリ連呼するな!」

「? …外で羽音が聞こえたのです」
「…」
「……ロリコン?」
「和沙…ずっと一緒にいような」
「なっ!? 突然、何を――!」
「俺はこう見えてもエロいが一途でね」
「エロいのは今に始まったことじゃないのです……けど、ありがとう。オマエの気持ちを変えないように、私も頑張るのです」
「これは、約束のキス……ちゅ」
「――朝から甘ったるいのですよ。本当に……ちゅう」

「――本当に、甘ったるいったらありゃしない……和沙、幸せになりなよ」

「そんな訳で家に帰るのである。しかし二人はあの晩の出来事を、生涯忘れることはないだろう。愛に満ちた関係に、今後も幸多からんことを」
「相変わらず運転中に長文を」
「また近い内に、どこかに出かけような。夏も終わってしまうし、最後にプールでも」
「ロリコンは露出好きなのです。…仕方ないのです」
「魅力的だからこそ、それが映えるんだよ? 和沙ならプールサイドの主役間違いなし!」
「……だからむやみやたらに褒めないでほしいのです。恥ずかしい…」
「良い子は褒めて伸ばす」
「子ども扱いするな。…とりあえず、じゃあ連れて行くのです。今度こそ泳げるようになるのですから」
「…相変わらずヒットチャート一位に君臨し続ける和沙可愛いよ」
「ヒットチャートって、何のヒットなのですか…」
「勿論ロリ」
「いいかげんにしろ」
「そんな訳で、皆さんも素敵な休日をお過ごし下さい。最後にお届けするのは、少しだけセンチメンタルな気分になる一曲。ホフディランで、恋はいつも幻のように」
「またどこのラジオ番組なのですか」
「和沙、改めてこれからもよろしく」
「――ふふ。ロリコン…こちらこそ、よろしくなのです」


おしまい
493名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:44:22 ID:PSWZSSJn
GJ!会話形式だけでよくぞここまで…
2人して果報者、2人とも果報者、いい雰囲気だなぁ。
494名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:30:58 ID:uA2EK8nf
>>491
GJ
遂に乳責め来た〜!
495名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 23:02:15 ID:qmPeQfej
>>487
いい仕事見せてもらいました
496名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 11:47:55 ID:xPSBg6VE
>>491の「頻繁に〜」の件が話の展開上矛盾するということに今更気づいた

と、手ぶらで来るのもあれなので、投下
497名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 11:49:09 ID:xPSBg6VE
 ここはとある駅のホーム。
 電光掲示板と案内放送で情報を的確に、乗客へと送る。
 俺としては特に、そんなものは必要ない。
 時刻表は予めチェックしていたし、元々どういう経路で行くのかが入念に頭に入っている。
 ただ、大きな理由を失って、心は浮かない。

 彼女と別れたのは三日前。
 五日前の喧嘩が引き金になり、見事に拗らせた。
 呆気なく片付いた部屋と俺の中は、物足りない空間と燻ったままの空気で居心地が悪い。
 俺はキャンセルしようかとも思った旅行に、一人出ることにした。
 気分転換と自分で銘打つも、阿呆臭い。

 海沿いのホテル――。
 そんな所に泊まったのは子どもの頃、一回きりだな。
 特にまた、とは思っていなかった。今回、彼女の為に計画したが、目的の人物が隣にいない。
 何か、絵に描いたような別れ方だった。不思議と、未練はあまり感じない。
 ただ、つい一週間ほど前までは――と考えると、空しい感情を覚える。

 ベンチに腰掛け、特急を待つ。
 人が往来し賑やかな駅に、一人場違いなように佇むのは俺か。
 時間さえも、よく把握せずにぼんやりと…ぼんやりと、過ごす。
 そして適当に駅弁でも買おうかと思いつく。キオスクに立つ。
 興味のある物を――のはずが少し迷う。

「これ下さい」
 口を開きかけた時、先に隣から声が聞こえた。
 若い子の声だった。ま、良いかと弁当を脳内で篩いにかける。
「お兄さんは何になさいますか?」
 呼ばれて、思わず顔を上げる。

 俺は少し考えて、状況を理解した。
 隣を見ると、まだ中学生のような少女が、ビスケット菓子とジュースを持っている。
「……じゃ、俺はこれとこれ」
 弁当とお茶をそれぞれ買い、お金を払う。
「ありがとうございました」

「え? あ…」
 少女が俺の顔を見て、困った表情をしている。
「ついでにやるよ」
 俺はやや少なめに返ってきた小銭を、財布に入れた。
 別に、親切しようなんて下心も真っ当な精神もない。

「で、でも…これ」
 やはり少女は納得がいかないと言わんばかりに、俺に付き返してくる。
「良いよ。俺もガキん時は、そうやって貰ったことあるし」
 そしてさっさと踵を返す。
 余計なことかどうかなんて、考えるのも面倒臭い。

 俺はベンチに座ると、暇潰しに携帯を開いた。
 投稿サイトに新着を見つけた。ネズミとお化け屋敷の話だ。
 チーズが美味そう――なんて思いながら読んでいると、不意に気配を感じた。
「……」
 さっきの少女は、何も言わず隣に腰掛けた。

 暫く黙っていた少女だが、俺が話を読み終えた頃だった――。
「一緒に…行きたい」
 独り言のように呟き、視線を落とした。
「冗談だろ」
 俺はそう言ってベンチを立とうとすると、少女が腕を掴んできた。
498名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 11:49:54 ID:xPSBg6VE
 柔らかな手に、真剣な眼差し。これは困った。
「事情、話すから…お願い」
 やっぱり俺は、余計なことをしてしまったのかもしれない。
 そもそも、一緒にって――俺が何処に行こうとしているのか、分かって言っているのか?
 そんな疑問を抱いている間に、少女は口を開いた。

 彼女の名前はマユと言うらしい。アイヌ民族の血を継ぐ少女だそうだ。
 そして”ノイポロイクシ”と言う、先見の妖怪か何かの力を持っている…らしい。
「……あ、そう」
 そういう返事しか出来ないよな普通。とても真面目で疑いも出来ない。
 で、どうやらその予知に従って、一人で旅をしているらしい。

「親は心配してないのか?」
「私のこと…分かってるから何も言わない」
 大した親だ。可愛い子には何とやらって奴だな。
「――親切な人が、目の前に現れて…私を、導いてくれる」
 それが彼女が見た未来だそうだ。で、俺が引っ掛かった訳だ。

「俺は別に、親切のつもりでやったんじゃなくて、面倒臭かったから――」
 しかし彼女は首を横に振り、ありがとうと頭を下げた。
 参ったなこりゃ。訊けば迷惑はかけないから、同行だけでもさせてほしいらしい。
 別に、拒否するような理由がある訳じゃないんだが…良いのだろうか?
 試しにもう少し尋ねてみよう。単なる電波なのか、それとも……。

「俺の行き先が、どこか知ってるのか?」
 彼女は少し考えて、口を開いた。
「…海の見えるホテル」
 俺の外見で分からなくもないかもしれないが、的確だった。
 夢の中で予見したのが、”親切な人”と一緒にそこにいる光景だったらしい。

 彼女は予知に従って行動している。それは、法則性がある訳でなく、まるで翻弄でもされているように。
「俺を無視して、予知に逆らうことは出来ないのか?」
 すると、彼女は首を振って拒否する。
「…そんなこと、何が起こるか…怖くて出来ない」
 そしてそんな相手を、見捨てることが出来そうもない俺。予知の通りって訳か。

 面倒臭いの延長線で、彼女に切符を買う。
 自分で買うと言ったが、断る。どうせ使うつもりだったお金だ。
 俺はどうかしている。多分、本音は空いてしまった隙間を埋めたかったのだろう。
 一人で旅行に行くのが、心細かった? 馬鹿みたいだ。
 代わりにこんな子を連れて、少し気が晴れてきてさえいる自分が、憎らしい。

 特急の到着。席は割と空いていた。
 非常識を非常識のまま、受け入れる。結局、彼女を連れて行くことになってしまった。
 向かいのイスに座る彼女は、膝に大きなリュックを乗せて、ぼうっと…俺の方を見ている。
 やがて動き出す列車。視線をどう受け止めたら良いのか分からず、俺は窓の外を見る。
 あーあ、何だこれ。

 まあ、旅は道連れとも言う。そんな状況とは百八十度違おうが、そういうことにしとく。
 変な意識はするまい。多分、何もありゃしない。
「あー…やっぱり、あれか。予知だから仕方なくって部分はあるのか?」
「方法を選ぶのは、私の意思。一緒に行けて、嬉しい」
 いや、あるのだろうか。どうやら好意を持たれているようだ。通りで、俺を見る訳ね。

 さて、先は長い。それまでどんなことを話していけば良いのだろうか。
 この子は結構口数が少ない方だ。口八丁手八丁だったあいつとは……って、何比べてんだ俺は。
 ただ純朴で、不思議な感じがする。パッと見は普通の中学生のようでもあるんだが。
「…世間話でも、するか」
 彼女はこくりと頷いた。
499名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 11:51:03 ID:xPSBg6VE
 どれくらい経っただろうか。割と飽きもせずに話は続いた。
 多分、一人でこの場にいてもつまらなかっただろう。その辺は素直に喜んでも良いかもしれない。
 個人的な話をしながら相手の反応を見るのは、久々の気がした。
 それと同時に、段々と親しくなっていくことへの、怖さ。
 別れの空しさをつい今し方、噛み締めていたばかりだったことを、忘れかけていた。

 口が止まる。俺はさっきから何で、あいつと彼女のことを、照らし合わせてばかり…。
 互いに合意したってダメに決まってる。子ども相手に、俺は……。
 嬉しそうな顔。認めたくない感情とか、いろいろ。
「…?」
 情けなくて笑ってしまう。

「本当はな、一緒に行く奴がいたんだよ」
 そう言うと、少しうろたえたような顔をする彼女。
 事情を話した。自分よりずっと年下の子に、打ち明け話か。
「まだ…忘れられない?」
 いや、そうじゃない。でも、誰かに隙間を埋めてほしいなんて、言えるか?

 しばらく外を見ていた。悶々とした気持ちを、紛らわしたく。
 彼女も俺に遠慮してか、黙って窓の向こう側をに視線を向けていた。
 やがて、窓に映った彼女の顔がこく、こく、と振れだす。
 転寝、か。そういえば、彼女は夢を見ると言う。未来の自分を知る、予知夢を――それが彼女の”ノイポロイクシ”だとか。
 今、見ているのだとすれば…俺はまだ、一緒にいるのだろうか?

 列車が揺れた拍子に、はっとして目覚める彼女。
 俺の視線に気づくと、表情は見る見る不安に曇っていく。
 下手に訊くのも野暮ではあるが、気になる素振だ。
「お茶でも、飲むか?」
 すると彼女は、席を立った。

 何をするかと思ったら、俺の隣に来て座った。
 そして俺の左腕を、迷わず胸に抱く。思わずあっと声を出してしまった。
「見えなくなった…いつもと、違う」
 一体、どんな態度を取れば良いのだろうか。安心させてやるには……。
「――!」

 自然と出た答が、理性とはまるで見当違いのことをしていた。
 彼女を、右腕で抱き締めていた。
「大丈夫だ」
 何が大丈夫なのか、自分でも分かってないのに何を言う。
 その上、体は細くて小さいけど柔らかくて温かいとか、どうでも良い情報が頭を駆け巡る。

「…ありがとう」
 そっと左腕を解放する。俺も体を離して、座り直す。
 何か、心臓が高鳴っている。別に変じゃない。小さな子を慰めてやるのだって、別に…。
 なのに、俺は……本気か?
 そんな葛藤の最中に、今度は手を握ってくる彼女。

「迷惑…かけないって、言ったのに…ごめんなさい」
 そうやってまた、惑わせる。俺なんて、そんな大層な人間でもないのにさ。
 手を握り返す。分かってる、何も言わない。
 俺が自分で決めたこと。今更引き返すつもりはないし、覚悟もしている。
 気の済むまで付き合う。

 目的の駅に到着し、列車を降りる。
 そしてすぐにバスに乗り、またしばらく二人。他愛ない話題で食い繋ぐ。
 彼女はとても嬉しそうだった。俺に置いていかれるとでも思っていたなら随分と見損なわれたものだが、まあ良いや。
 結局、すっかり虜になってしまったようだ。不思議な魅力に。
 ホテルに着く頃には、すっかり彼女の笑顔が当たり前になっていた。
500名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 11:52:02 ID:xPSBg6VE
 あいつと泊まる予定だった部屋に、彼女と二人。
 ベランダに出て、海を眺める。多分、これが彼女の見た予知の光景なのだろうか。
「……」
 無言のまま、情景に浸る。いつの間にか違和感無く、手を握っていた。
 誰かが隣にいる心強さが、こうして見ると何だかよく分かる。

「…これから私、どうしたら良いのか…分からない」
 とりあえず今日は、俺が一緒にいる――そう言って安心させる。
 一晩寝て、何か予知を授かるならそれで良いし、ダメなら……ダメなら?
 一人で考えて、行き詰った。どうしようかと、今訊くか?
 …いや、さっきあれほど混乱していた彼女に、可能性とは言えそんなことを口にするのはまずい。

 食事を終え、風呂に入り、そして布団に横になる。
 本来なら羽を伸ばすような一時だが、落ち着かない。何か損をしている気分に陥る。
 同じように隣で布団に包まる彼女。彼女の存在そのものが、大きな原因になっていると言えばなっている。
 俺も彼女も、まだ明確な感情を表せていない。互いに分かっているとは思うのだが、柵もまた理解していた。
 俺は大人。そして彼女はまだ子ども。本来こんな場所に連れて来るのすら間違っている。

 予知ですら分からない、それ以上のこと。
 でも気持ちが静まらない俺は、目を開けて天井を見つめている彼女に、声をかけた。
「なあ」
「?」
 ころんと転がって、俺を見つめてくる。

「さっきは失敗しちゃったみたいだけど…この先、どんな予知があっても、それに従って行くのか?」
「……」
「例えば、明日で俺とさよならってことになっても――いや、一つの例えだが、それでも…仕方…ないよな?」
 馬鹿、分かりきったことを訊くなよと。ほら見ろ、悲しそうな顔してる。
 困らせずにさっさと寝て、運命の明日を待てば良い。まだ一緒にいたいなんて、変な期待は捨てること。

「悪い」
 俺はそう言って体を返した。もう、何も口に出来そうな気分じゃない。
 会って一日足らず、単に仲良くなった程度で自分のものか? 何て大人気ないんだよ。
「……」
 あー、沈黙が重い。最悪だ俺。

 ぱさっと布団が動く音。月明かりで俺の顔に、長い影が差す。
 彼女がぺたぺたと畳を歩き、立ち止まる。俺の背中に当たる、足の両膝。
 肩に手が置かれ、そして当たったのは……額?
「ごめん…なさい」
 この先に行くことはダメだって、分かっているはず――。

 俺は起き上がると、迷わず彼女を抱き締めた。
 彼女も応じるように、細い腕を回してくる。触れる頬が湿っているのが分かって、より力がこもる。
「どうなろうと、何て思われようと、俺は――愛しい」
「……親切で…優しくて…大丈夫って言ってくれて、ここまで連れて来てくれて、でも怖くてっ…何にも言えずに、傷つけて、ごめん、なさいっ」
「……っ」

「本当は、もっと…すごく、好き…」
 どうしてこんなに、愛しいんだろう。もっと俺が、気を利かせてやれたら――。
「うぅっ」
「痛いか?」
「んん……今日は、このままが、良い」

 抱き合ったまま布団に倒れ込むと、至近距離に彼女の顔。
 徐々に目を閉じていく彼女に、ゆっくりと口づけをする。
 最初は唇を触れ合わせるだけから、徐々に咥えるように、そして舌を。
 健気に真似をするところが可愛くてたまらず、エスカレートする。
 乱れた浴衣の上から、体を擦る。初々しい反応が、更に熱くさせる。
501名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 11:53:13 ID:xPSBg6VE
「ちゅ…んう…は、うっ…」
 手を襟元から中へと入れ、素肌の胸を弄る。口づけに応じながらも、敏感に応える体。
 改めて肌蹴させ、揉みしだく。控えめながら形の良い胸、そして体つき。幼い感度も徐々に高まる。
「ぷはあっ…はぁ…あっ…」
 首から徐々に、舌を使って刺激していく。手も同様に胸から腰を巡って、まだ大人に満たない器の部分へ。

「ひうっ…や、あっ…!」
 下着の上から、そして手を差し込んで撫で、擦る。下ろして今度は直接――。
 そうして舌と指で体を愛撫すると、見る見る内に細く澄んだ体も女のそれに変わっていく。
 俺の下で、間も無く彼女は迎えた。
 息を荒く吐きながら、溢す涙。更に帯を解いて腕を抜いてもらう。

 裸はとても綺麗だった。俺も同じように浴衣と下着を脱ぎ捨てる。
 竿をゆっくりと挿し入れ、抱き合う。痛みに悶える彼女を優しく包む。
「っ…うぅ…っ、ああぁっ……」
 腰を動かすと、摩擦で体全体が快感で溢れる。喘ぎ声はまだ垢抜けてなくて、愛らしい。
「――出、るっ!」

「――っ!!」
 俺の精が、彼女の中に注がれていく。
 そしてもう一度抱き締めて、思い切り口づけた。
「……好き、だ」
 返事の代わりにやはり強く、抱き締め返された。

 その夜は何度も抱き合って、そのまま眠りについた。
 派手にやったと後で反省したが、それでも意思は曲げない。
 朝、俺の胸の中で目を覚ました彼女は、俺を口づけで起こしてくれた。
「んっ――」
 思わず腕で抱き寄せてしまった。

「今朝は、どうだった?」
 俺は恐る恐る尋ねてみた。
「……未来は、もう見えない」
「え?」
 じゃ、やっぱりこれから先、どうしたら良いか――。

「でも、言い伝えがある。大事な未来は、自分で作る――って」
 本当だろうか。えらく出来た話のような気もするが。
 しかし、穏やかな笑顔だった。なら、俺も迷うまい。
「これから、二人で暮らそう」
「…うん」


 ベンチに座って、読んでいた携帯小説を読み終えた。
 投稿サイトの新着がこんなエロとは呆れ返るばかりだ。
 しかしまあ、これ何てエロゲ? って奴だよな。てかこんな場所で俺キモっ――とか思っていると、不意に気配を感じた。
「……」
 さっきの少女は、何も言わず隣に――?

「さっきはありがとう。これ、あげる」
 そう言って、俺に何かを手渡しでくれると、座らず走り去って行った。
 …ま、普通そうだよな。あー、ちゃんとお母さんと一緒だよ。
 で…これは何、かな? 謝罪丸? 新手のユルキャラか?
 ……どーしろと!?

 この変なマスコットを愛でていると、ホームの向かい側に、見慣れた姿を発見する。
 ――あ、あいつだ。どこ行く気なんだろ? 俺には気づいてないっぽいな。
「……」
 やっぱりあれだな。三日も会ってないと、話をしたくなってくるというか、何というか。
 …この旅行、ダメ元で誘ってみよう。こいつ持って、謝りに行ってみるか。
502名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 11:56:55 ID:xPSBg6VE
おしまいです

ここ随分とスレ独占してしまい申し訳ないです
503名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 18:34:22 ID:rFQYO5tQ
一番槍GJ
504名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 21:47:19 ID:tv9+pgrm
謝罪丸GJ
505名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 23:11:13 ID:DzCSn52i
>>502
いい仕事みせてもらいました
506名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 06:43:49 ID:GHKcwrUB
>>501
GJ
507名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 06:01:54 ID:aQOF1HtX
GJ

細かいことだが「通りで(どおりで)」じゃなくて「道理で(どうりで)」だよ
508名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 03:26:42 ID:QKDg62fF
ほしゅ
509名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 03:34:31 ID:0dVTl8tO
保守の手伝いに投下します

>>507
ご指摘感謝です
510名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 03:35:40 ID:0dVTl8tO
 朝起きると、空きっ腹が冷たい。
 昨日の夜はそういえば、早めに軽く済ましちまったからな。
 とりあえず何か食べる物はないかと冷蔵庫を開けてみる。
「……」
 何も無い。強いて言えば、キュウリが二、三本。
 給料日前とはいえ、ここまで追い詰めなくても別に何とかなるんだよな。
 ただ買い物が面倒臭かったりなんたりで、これだけ。
 仕方ないので、こいつを齧るか。

 キュウリはまず、洗ってすぐにパリッと一口。
 マヨネーズや塩なんて付けない。味はあれだが意外と良いんだよな、そのままって。
 何つーか、瓜系の瑞々しさって後を引くんだよな。何本も食べるのは遠慮だけど、人が直に食べているのを見ると、凄く美味しそうに見えたりする。
 井戸水で冷やしたトマトとキュウリはそのままガブリといくのが良い、なんて変に田舎の方に憧れ持ってんのかな俺。
「お前とは話が合いそうだな」
「うおっ!?」
 何だ? 誰もいないはずの俺の家で、何か同意されたぞ?
 振り向けば、頭にお皿を乗せた子どもが立っていた。若干、肌が緑。
「どちら様で?」
「私は河童の精だ。このご時世、朝から美味そうにキュウリを食べる者がいると聞いてやってきた」
 時世はあまり関係無いと思うな、うん。

「誰に聞いたの?」
「風の噂で」
「風の噂か」
 しかしこの子、女の子だろうか。ビリジアンな色のワンピース着てる…本当に河童なのか?
「疑っているな? 見てみろ」
 背中を向けると、確かに細長い甲羅がある。しかし、顔は――。
「でも、口ばしじゃないのね」
「人間と話をする時はこの方がいろいろと都合が良い」
 代わりに口ばしのような装飾のある、首飾りを付けている。
「単刀直入に言おう。お前――河童としての素質がある」
「待ておい」
 ずっこけるところだった。確かにキュウリは好きだけど、なあ。

「…逆に訊きたいんだが、何で河童ってキュウリが好きなの?」
「その前に一本くれ」
 そう言って水かきのある手を差し出す。
「食いかけで良ければどうぞ」
 キュウリを渡すと、河童はすぐにぽりぽりと美味しそうに食べてしまった。
「…ふぅ。さて、お前の質問に答えよう。正直な話、そういうことになっているからだ。私もよく分からん」
 ……設定ありきっすか。

「ただ、キュウリには不思議な魅力がある――お前もそう思っているだろう?」
「まあね。けど瓜やスイカも好きだな」
「その辺は十人十色、ただ、逆に考えてみよう――キュウリを好きだから河童になるのではないかと」
 なーるほど…って、ちょっ…。
「という訳でお前を見込んで、私が直々に来てやった。さあ、河童になれ」
 待ちなさい待ちなさい。
「俺は人間なので、河童になれと言われましても…」
「大丈夫だ。何人だろうと、河童になりたいと思った時、道は出来るのだ。さあ、私と共に行こう!」
 ……誰か助けて。
511名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 03:36:54 ID:0dVTl8tO
 とりあえず残っているキュウリを差し出して、落ち着ける。
「まだ人としての役割が残っているから、それを終えてからで良いか?」
 適当に理由を付けて断ろうとしてみる。
「……分かった。その代わり、未練を残さないようお前を監視させてもらう」
 あちゃー…。
「いや、連れて歩けないから」
「心が清らかで素質がある人間にしか、私の姿は見えない。安心しろ」
 それは良いとしても、それ以前の問題がいろいろと…。
「…私が一緒だと、嫌か?」
 そう良心につけ込まないでくれ。

 そもそも、好きとは言っても「肉も良いけど野菜もね」な感じで、河童になってキュウリ漬けってのも困る。
 ほら、あるじゃない? 焼肉食いに行っても、肉ばかりは食べていられない。ご飯だけでもダメ。
 日々の食事の中、野菜が無性に食べたくなるのよ、個人差もあるけど。キュウリはあくまでその内の一つ。
「しかし、このキュウリは美味いな」
「田舎のお袋が作ってんだよ。頻繁に送ってくる」
 すると、河童の目の色が変わる。
「…ごくり」
 あ、何か嫌な予感がしてきた。

 河童は頭から皿を取る。と、体が光に包まれた。
 突然何? 何でお皿が取れる訳?
「――と、まあこんな感じで」
 目の前には、ごく普通の姿をした女の子が立っていた。
 格好はそのままだが、髪の毛は普通のショートカット、手足に水かきはなく、甲羅もない。肌も肌色。
「……」
「この姿なら、さして抵抗もないだろう。よく聞け――私はお前が気に入った。是非、この私を貰ってほしい」
 ぽかーん…だよなこれは。
「お前の気の済むまで、この姿で付き合う。これで未練は残させず、監視も出来て、美味しいキュウリまで頂ける」
 良いこと尽くめだなおい。

「ツッコミどころは無数にあるが、とりあえず俺の未練って何だ」
「人間の欲は数知れず、特にその中でも影響力が強いのは性に対するもの」
 ……口には出さないが、これでも外見は女の子です。ロリです。
「つまり、私が妻となればお前が女に後ろ髪を引かれることはない訳だ」
 いや、そうでもない……と思うぞ? と言うよりも、河童の精を妻に娶るってどんなトンデモ人間だよ。
 その上、特に好き嫌いがはっきりもしていないのに縁結びなんてするか?
「……代わりに、私はお前に一番好かれるよう、精一杯努力する」
 あ、頭がくら〜ってなった。どうするよこれ、本気?

「元々、責任と覚悟はあった。この身一つ奉げられないで、好き好んで河童になどなってはくれまいと」
 冗談で言っている風にはとてもじゃないが見えない。真剣そのもの。
 仮の姿とはいえ、なんかかーいいよぉ…。
「そして決めた。お前になら…そして、何が何でもお前を河童にしてみせる」
 どう受け取って良いものやら、朝っぱらからずいぶんな出来事が飛び込んでくるものだ。
「……ま、堅苦しい話も立て続けであれだ。キュウリもう一本いっとく?」
 すると少々顔を赤らめながら、河童は頷いた。
「?」
「…美味いとつい、食べ過ぎてしまうな」

 キュウリを半分こして、何故か乾杯。
「迷惑でなければ、今日からでも――ここにいて良いか?」
「断るには少々、重すぎる案件だ」
 可愛い子前にして、多少の電波伴いつつも一緒に暮らそ? なんて言われて断れる奴ってそういないだろうな。
 え? 微妙に違う?
「ま、気負わず住めば良い。キュウリくらいなら気にしなくたっていつでもご馳走するよ」
 河童は喜びの勢いで俺に……抱きついた。
「って、ぇえええっ?」
「――感謝する。…お前に河童の加護を」
 そう言って、何故か俺は口づけされた。女の感触だった。
512名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 03:40:37 ID:0dVTl8tO
「!! ……?」
 よくあること。夢オチって奴ね。
 しかし段々夢の妄想化が進んでいるんだな。彼女なんて太古の昔に付き合ったきりだし、性への欲求ね…。
 とりあえず腹減った。冷蔵庫には何がある?
「…うわぁ」
 やっぱりキュウリしかねーんだなこれが。
 ま、良いよ。好きだから食べますよ。この独特の食感、パリっとした歯応え、広がる瑞々しさ――。
「……」
 何だこれ、凄い美味いじゃん。何も付けなくても充分いける。肉やご飯より、断然良いかもしれない。
 …これ、キュウリだよな? お袋が作ったいつもの奴。
「……」
 河童の加護か。いや、俺はもしかしてひょっとすると、昨日よりも河童に近づいたのかもしれないな。
「なーんてな」
「なーんてな、じゃない」

「え?」
「私を記憶から消し去ろうとしていたな?」
 そう、嬉しいやら悲しいやら、夢じゃない。
 声の主を見やると、それは確かに人間に変身した河童の精様。
 体にバスタオルなんて巻いて、そうですか。早速お風呂になんて入っていた訳ね。
「――なら、忘れたくても忘れられないようにしてやる」
 ちょっと待って。今結構記憶やら心やらの整理に神経使ってるから、ダメ――。
「ん…む、ぅ」
 一方通行だ。それでも俺はその体を抱き締めるだけ、心が広いんだろうな、きっと。

 やや遅い朝のひと時。二度寝なんて惰眠はしないつもりだったが、こうも疲れてしまうと。
 眠くなりながらもその腕に、女の子の柔らかくふっくらとした体。
 やけに人間を誘惑するのが得意なようで、俺は呑まれた。精に精を与えてしまった訳だ。
 河童ねぇ……裸は人間そのものなんだが。
「どうした?」
「何か記憶が飛んでる気がする」
「安心しろ、これが現実だ。私がここにいて、お前もここにいる――それで良いじゃないか」
 単純に考え過ぎだろ。

「でもお前、河童なんだよな」
 そう言ったら彼女は、きょとんとした表情で俺を見た。
「は? 河童? 何だそれは」
 おいおい、いきなり何を言い出すんだこの子は。
「私は人間だ。さっきお前と会って、意気投合したんじゃないか。変な夢でも見たのか?」
 ……こっちが何だそれはだよ。もう、訳分からん。
 俺は夢? での出来事を話して聞かせた。眠気も忘れて。
 すると彼女は笑って、そしてまた俺に口づけた。
「多分、並行世界に来たんだろう。誰かがチャンネルを回してね」

 とりあえず納得して、口づけと共に眠りへ。
 朝起きたら――的なSFを俺は体験してしまっているのかね。
 ただ、気づいたらいろいろと出来上がっていた。そのことに対する不満はない。
 こんな可愛い子と体を交えるなんて、昨日までは信じられなかったことだし、何かが狂ったと言われればそれも充分頷ける。
 ま、難しいことは考えない。仮に本当の現実に戻ったとしても、それは夢だったで片づければ良いし、そうするしかない訳で。
 未練を終え、もし本当に河童になるんであっても、それで良いことにしよう。
「…私がもし河童なら、お前は愛してくれないのか?」
「いいや」
 どんな姿にしても、俺が必要とされるなら、応えてやる――魅了された以上、それも止む無し。
 俺はしっかりと河童が化けた? 彼女を抱いて、おやすみを言った。
 出来ればずっと、二人でここにいられると良いな。


おしまい
513名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 07:48:02 ID:Dt3yKvoi
>>512
河童はどうした。
514名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 09:58:59 ID:XlBEUB7S
>>510
乙でした。
オチは少々奇をてらいすぎかとw
面白かったです、もちょっとエッチシーンしっかりあると嬉しかったかな?

…河童ネタでありながら尻小魂ネタが無…アッー!!
515名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 10:01:41 ID:TxgRRbdF
キュウリ味のペプシは美味しかった。
516名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 12:40:53 ID:Dt3yKvoi
>>514
河童には肛門が3つアッー
517名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 04:06:03 ID:+g4dfCzJ
シャワー中に心臓麻痺で死んだ女の子が、裸なのを忘れて新たなる部屋の主に化けて出ちゃう。

「う、うらめし…」
「は、裸の…」
「え?あ、きゃああああ見ないでぇ〜!」
「いや、見ないから凄くナイスバディな裸何て」
「見てるじゃない、エッチ、最低!」
「化けて出でやる〜」

「つーか、今出てるじゃん!」
「あ、そうでした…て、貴方…おちん……きゃああああ!」
「うわあああみるんじゃねえぇぇ〜!」

………的な話を読みたい。
518名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 08:07:58 ID:oukILyk1
>>517
良いね。
519名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 03:01:59 ID:Zeyd+Yoo
ほしゆ
520名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 12:52:43 ID:rDXyigbP
ある日、ドアを開けると三人の美少女が立っていた。

「わたしたち、『かまいたち』三姉妹です!!」

美少女たちは次々に自己紹介した。

「コロです!」
「キリです……」
「クスでーす♪」

なんでも先日、俺が三人の攻撃を全て避けきったらしく、自信喪失したので俺に師事してかまいたちとして一人前になる修業を始めたいとの事だった。

その日からなぜか彼女たちとの同居が始まった。
長女のコロは俺を転ばせてベッドに押し倒し、次女のキリは俺の服を切り裂いて裸にし、三女のクスは怪しげな薬で俺のアレを元気にした。
そうして俺は今日も三人ぶんの相手をしている。
521名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 14:20:06 ID:LZ+8GHSv

さて、あらすじは理解できたので

小説化を待っています。
522名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 17:24:02 ID:O0tanova
>>520
待ってるぜ。
523名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 19:15:04 ID:FPBEtIyA
かわいい妖精さんとお友達になりたいのですが、どうすればいいですか?
ご存じの方、どうか教えてください。
524名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 20:57:10 ID:iIweM1Sp
まず練馬区役所に就職します
そして徹夜で仕事をします
525名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 21:08:04 ID:dt1Utm8e
するとどうでしょう
526名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 01:05:23 ID:P7TSSG3p
匠の手によって
527名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 09:36:32 ID:Vv91xrvB
これには番組スタッフもびっくり
528名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 20:56:00 ID:EJWuaktJ
と、ここでネタばらし
529名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 21:11:40 ID:CIMPTpCx
もう徹夜で仕事なんかしないよ
530名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 09:49:55 ID:fTBxT4Rn
>>529
ではご一緒に、「大成功〜」
531名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 01:06:10 ID:fh3+6eY9
>>524-530
おk、試してみる
532名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 11:50:13 ID:FR3KIEUF
>>531
報告期待
533名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 01:32:49 ID:UQCgUk2T
ほしゆ
534名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 15:17:07 ID:bnCA9hSz
ho
535名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 22:33:35 ID:DazkXJFJ
ほしゅ
536名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 18:14:47 ID:Yln3wHOj
ほしゆ
537名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 01:26:38 ID:JS8/030k
「うらめしいやあああああああぁぁ〜」
手淫中の男の前に裸の女幽霊が出たは良いが、自分が裸なのと、男の自慰に恥じらい叫ぶ。

「は、裸の女〜うおおおお〜!」と男は、いきなり現われた裸の女に興奮し、扱きを早めて遂に射精し、精液を浴びせられた幽霊は、更にパニクってしまう。
538名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 19:47:49 ID:rMPsS0kO
>>537
どうしたいんだよw
539名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 23:40:07 ID:M0QTQGDt
>>537
ちょっとドジな幽霊さんが
このあとどんな目にあっちゃうのか
続きをワッフルワッフル
540名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 02:01:56 ID:uTN/IG8g
レズなお姉さんに化けて出たら頂かれるドジッ子幽霊さん。

「うらめし…」
「あ〜ら、可愛娘ちゃん♪」
「お姉さんと良い事しましょうね♪」

ちゅ〜

「え、あの…うら…んうぅ〜?!」
〜的な話もいいね。
541名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 14:43:32 ID:44O+Kh6t
うらめしくて通行人を襲うドジッ子幽霊
しかしそれは女退魔師の罠だった
542名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 01:32:19 ID:XQ7yaehF
とてもくやしいですね
543名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 21:02:42 ID:R9EDyudp
普段根暗な女子生徒でオカルトな趣味を持つ子(一応大人しい系)を本気で好きになって、誰も居ない保健室で彼女を襲うっていうシチュエーションのSSを考えたんだがどうですか?

書きたいけど叩かれるのが怖い(´д⊂)
544名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 21:13:08 ID:cvKsYI6g
>>543
生前にて普段から目立たずに根暗だった女の子が、何かで死んで幽霊となり、生前恋心を抱いていたオカルト知識に長けてて、霊能ある女の子にアタックする話なら良いが、そうで無いなら百合のスレがあるよ?
545名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 21:36:08 ID:R9EDyudp
>>544
や、別に百合じゃないんだけどなぁ;
とにかく書かない方が良さそう…
ご迷惑お掛けしました…
546名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 13:42:23 ID:DmdKoIyl
オカルト娘をオカルト好きの娘と解釈して
男の幽霊が彼女を好きになるってこと?
微妙にスレ違いぽいけど
オカルト好き娘をただの人間ではなく
正体は狐巫女とか死神とか魔女にしちゃえばOKかも
あとはあなたの筆力次第
547名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 15:11:10 ID:05d1JM7m
化物語でいうと、まよいマイマイはこのスレ、ひたぎクラブはスレ違い。
548名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 17:46:37 ID:wfPnW/dT
規制解除だー
12レスほどの長文投下しても良いですか?
549名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 06:26:14 ID:oIWkGhAj
おk
550名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 07:59:02 ID:taXasQZ+
 とある朝のことだった。
 男は家の前で、傷つき血だらけで横たわる犬を見つけた。
 彼が触れようとすると顔だけ向けて、ウ〜、と低い声で威嚇してくる。
 構わない、と拾い上げ家の中に。そして手当てをすることにした。
「――よし」
 一通りが終了。傷は浅かった。
 痛がるところを我慢してもらうも、それほど抵抗しなかった為、彼にとっては楽だった。
 しかし、所詮は素人。どうしたら良いのか分からない部分もある。
 半日近く駆け回り、その手の本を探すなどしてベストは尽くした。
 が、犬はぐったりと弱ったままだった。
「…くそ、眠い」
 疲れてつい、うとうとと眠りこける。
「……」
 そして意識が少し、途切れた時だった。
「――!?」
 頬杖のバランスを崩し、目を覚ます男。
「う…ん…」
 聞き慣れない声が、耳に入ってくる。
 幻聴か? そう思いながら、彼は何気なく振り返った。
「……何だこりゃ」
 今の今までバスタオルに包まっていた犬が、いない。
 代わりに、そこにいたのは女の子だった。

 タオルから除く裸。際どい部分に、不意打ちを食らう。
 くん、と鼻が動く。ぴょこ、と頭から耳が飛び出す。
「!?」
 そして臀部からぱさ、と尻尾が顔を出す。
「!!?」
「……ネビ、様?」
 様子を窺う男に、その手が伸びる。
 彼は驚いて思わずその場から離れると、女の子の体は前のめりになったまま、倒れる。
「あ、う…」
 起き上がると目がゆっくりと開かれ、それは脇目も振らず彼を捉える。
『――誰?』
 ほぼ同時に、言葉が出た。
「ネビ様…あれ、体が…違う」
 自分の両手を見比べる女の子。しかし胸元を何も隠す物がない。
 その体は美しかった。男は見惚れかけて、思わず顔を背ける。
 すると彼女は再び彼を見る。
「……?」
 そして、近づこうと絡まったバスタオルから這い出そうとする。
「あ、動くな」
 これ以上は、目の毒――思考の整理前に、余計に混乱してしまいそうで、男は止めた。
 女の子は従った。目を丸くして、彼を見たまま――。


「さて、と。本日最後の出前だな」
 ラーメン屋『大魂』の大将は肩を回しながら、気合を入れ直す。
 ちょうど出前が戻って来て、軒先に顔を出したのだ。
 がらり。
「戻りました大将っ!」
 店内に響き渡る、朗らかで愛くるしい声。
 ラーメンを啜る客も、思わず心を萌えさせてしまう。
「おう燕、ご苦労様」
「はい!」
 女の子はそんな声に違わず、外見もとても可愛らしかった。
 それはもう、出前で店にいないことも多いのに、時間を見計らって通う男もいるほどに。
 繁盛するラーメン屋の”看板娘”として、地元メディアにも取り上げられた。
「燕ちゃ〜ん」
 客の呼びかけに、にこやかに手を振る。
551名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:05:50 ID:taXasQZ+
「わぁー」
「良いなー」
 閉店間際にも関わらず、賑わう店内。

「こほん。えー残念だが、燕には最後にもう一軒仕事があるので、これにてお開き」
『えー、またー!?』
 社会人の男らが口を揃えて抗議するも、大将は首を横に振る。
「見惚れ過ぎだ。麺が伸びちまう」
 勿論、ラーメンの方が不味くちゃ客は来ない。その強気は自信の表れである。
 それでも――。
「お水下さーい」
 と言われると…。
「はいは〜い」
 と、率先してやってしまう看板娘。
 一度頼まれると流れに乗るように、てきぱきと働き始めてしまった。
「すぐ出来るんだから、少しくらい休んで良いんだぞ?」
 大将の声。
「大丈夫です!」
 健気に働く姿に、和み癒される客。
 仕方なく接客は彼女に任せて、大将はメモに目を通す。
「しかし、尾殿町球庫三丁目二−十一、筑羽亭5、飯島郁――またか」
 その住所・名前は確かに、”また”だった。
 頻繁に、それも決まってオーダーストップの直前に、出前を頼んでくる客である。
 大将は溜息を吐きながらも、ラーメン・餃子・炒飯の三点セットを素早く作り上げる。
 出前のファンも最近増えている。別におかしいことではない。

「よし! じゃあ燕、宜しく頼む」
 その声が合図のようになり、店内の客は慌てるようにラーメンを食べ終える。
 そして、勘定を入場チケットの如く並んで置いて行く。
 お目当ては、看板娘の見送りだった。
 がらがら。
「いってらっしゃい。気をつけてな」
「行ってきます!」
 そう言って軒先に立つと、背中のチャックをゆっくりと下ろす。
 大きく開いた服から覗く背中が、妖しく蠢く。
 ごくり、と息を飲むギャラリー。
「…ぅ」
 目を瞑り、体を仰け反らすようにして悶える。
 ぼこ、ぼこ、と背中が隆起を始め、それは段々と勢いを増す。
「……っ!」
 対の肩甲骨に収納されていたものが、一気に後方に伸び広がっていく。
 そう、普通の人間にはない、翼だった。
 そしてそれは、まるで解き放たれたように大きく開き、ばさりと羽音を散らす。
 どこか硬質で曲々しく、鳥の羽とはまた違う。
 例えるなら、伝説の存在”グリフォン”の翼か。
「…ちょっと、恥ずかしい、です」
 ばたっ。
「うおっ!? おい、こいつ鼻血噴いて失神しやがった!」

 緊張から一転、妙な興奮状態に包まれるギャラリーを他所に、燕の翼は呼吸と共にはためく。
「あの、皆さん…気をつけて、下さいね?」
 そう言うと、彼女は特注の岡持ちを両手にしっかりと握った。
 そして刹那、大きく羽ばたく。
『!!』
 巻き起こるざわめき。
 空気の渦が、彼女を中心に広がると、周囲を一気に強風が包み込む。
「それではっ!」
 かっ、と足で地面を蹴ると、体は反重力に投げ出されたかのように、宙に舞い上がる。
『うわあっ!』
 辺りの物を薙ぎ払うかのような風。
552名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:09:57 ID:taXasQZ+
 それを反動にして、彼女は空へ真っ直ぐ、飛び立った。
 そのまま振り返ることなく羽ばたいて、一気に高度を上げていく。
「……!」
 見上げるその姿は、ギャラリーにとっては天使かもしれない。
 が、贔屓目無しに見れば、どちらかと言えば――悪魔。
 すぐに夜空の闇へと消えて行った彼女を、店の中から一人、見つめていた大将。
 何度も見てきた光景だった。
『何者かは訊かないでほしい』
 素性に謎を覚えつつも、その言葉に従った。
 経営なんて二の次で、親心として、彼女が不意にいなくなってしまわないか、不安だったからだ。

 空高くに大きな影。
 道行く人々は、それを気に留めることはないだろう。
 風に乗って空を滑空する燕には、いつの間にか頭の上に耳が生えていた。
 三角の、形の良い耳が二つ。
 ぴくぴくとレーダーのように動かして、音を拾う姿は動物そのものである。
 そしてズボンの後から顔を出しているのは、毛深い尻尾。
 左右にぱた、ぱた、とまるで喜ぶ犬のようだ。
 グリフォンの翼に犬の耳と尾。
 彼女の名は、佐々山燕。
 またの名を、グラシャ・ラボラス。

 悪魔の名を持つ彼女は、程無く最後の出前先、飯島郁の家に到着する。
 ぐるりと旋回するようにして、まずは玄関先に降り立つ。
 役割を全うした翼は、すぐに縮むように小さくなって元通りになった。
 ぴんぽーん。
「出前でーす」
 するとインターホンから声がした。
「入って良いぞ」
 そういうことなので、一旦岡持ちを置いてドアを開ける。
 玄関には、誰もいない。
 ただ、奥に灯りが付いているのが見えた彼女は、とりあえず安心する。
「お待ちどうさまでした。注文いただきました、ラーメン・餃子・炒飯セットです!」
 すると奥のドアが開いて、寝巻姿の男が現れた。
 年はまだ若いが、普段の生活が乱れているのが一目で分かる状態だ。
「頑張ってるじゃんか」
「今日は”ツケ”じゃなくて、ちゃんとお金払って下さいよ?」
 すると男――飯島郁は口を尖らせる。
「平日の一食分くらい、助けてくれよ」
 いわゆるダメ男である。

 ダメ男は出前のセットをすぐに平らげた。
「はー…生き返るわ」
「……」
 隣に正座して、無言で見つめている燕。
「どうした? 燕」
 彼女は何気なく、首を横に振る。
「今日は最初っから耳と尻尾が隠れてないな。そんなに俺と会うのが楽しみだったのか?」
「えっ…?」
 そう言って自分の頭と臀部に触れ、顔を赤くする。
「――別に、そんな訳じゃ」
 誤魔化し気味にぷいっと顔を背ける。
 それでも尻尾の方は、僅かにはたはたと動いていた。
 郁は座ったまま、すすっと彼女に寄る。
「あっ…ダメですよ」
 しかし聞かずに、肩に手を回す。
 短く切り揃えてある後ろ髪が、彼の腕にさらさらとかかる。
 そのまま抱き寄せて、首元に唇を寄せる。
「やっ…息、かかって…」
 こそばゆい煽りに、彼女の体が反応した。
553名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:13:58 ID:taXasQZ+
「良い匂いだ」

 軽めの香水と、女の匂い。
 そして、よほど近くで鼻を利かせないと分からないが、若干の血生臭さ。
 郁にはそれもそそるようで、滑らかな首筋に、舌を這わせる。
「はうっ! …ん……」
 一瞬、力が抜けかけるも、燕は彼の腕を振り解く。
「仕事中、です」
 すると郁は改めて、膝を組んで向き直った。
「生憎、コレの持ち合わせが無くてな。まぁ、タダ飯喰らいは確かにあれだ」
「またツケですか?」
 つんとした態度をとって見せるが、男からすれば可愛いものである。
「そうもいかんので、体で払うよ」
 沈黙。
「――立場が逆じゃないですか!」
「何なら燕から、襲って良いぞ?」
 すると燕の方が、すっくと立ち上がる。
「ふざけないで下さい。そうやって毎日のように出前を頼んで、私に立て替えさせて…」
「仕事になるから良いじゃないか」
「うう〜っ」
 見ていて可哀想になる光景である。

「とりあえず戻ります。後できっちり請求しますよ?」
 食器を集める燕に、郁も腰を上げる。
「また来てくれるんだ?」
 悪戯っぽく笑う彼のペースにはまる前に、燕はぷい、と顔を背ける。
 部屋を出る。そして、玄関際。
「ま、機嫌悪くすんな。外まで送るよ」
 そう言って、追いかける郁。
 少々照れつつも、背中を向けて待つ燕。
 そのまま――抱き着く。
「ひゃっ!?」
 尻尾が驚いたように立ち、郁の腹部にふわりと当たる。
 背中から回される腕。そして二つの膨らみをそっと鷲掴みにし――。
「あ…ぁんっ…」
 悪ふざけの延長が、また二人のムードを変えかけた。
 しかし、彼女は理性で踏み止まる。
「…もうっ!」
 体を捩って腕から抜け出すと、振り返って抗議の視線を向ける。
「結構着痩せするタイプなんだな、お前。特に胸」
「余計なお世話ですっ」

 むすっとした表情が、またどこか愛らしい――。
 そんなことを思いながら、郁は彼女を玄関先で見送る。
 一方、何をされても憎めないどころか、今だ胸が高鳴るのは燕。
 彼女は火照った顔を夜風で冷まし、そして再び翼を広げる。
「それでは」
「ごっそさん」
「少しは労わって下さい」
 独り言のように呟く。まるで本音を漏らすように。
「……?」
 今にも羽ばたかんとする翼が、動きを止めた。
「ん?」
「…!」
 燕は岡持ちを下ろすとゆっくりと後退り、背後の男を守るようにして、身構える。
 犬耳が緊張したように、ぴくり、ぴくり、と動いている。
「…来ますよ」
 人気のない道路に、不自然な影が一つ。
 しっかりと人の形はしているが、漂う空気は生命感が薄く冷たい。
「――任せた」
554名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:18:01 ID:taXasQZ+
 それは、燕の目の前で立ち止まり、振り向いた。
 僅かに聞こえる金属の擦れる音が、彼女には耳障りなくらいに、自己を主張する。
「血の臭いやでぇ?」
 口調はひょうきんだが、内容は物騒な第一声。
「……」
 口を真一文字に閉じた燕の瞳には、蔑むような冷気。
 朗らかな普段とはうって変わった表情に、空気が張りつめる。
「…うざったい番犬やなぁ。毎度毎度」
 街灯が差し、相手の全身が映し出された。
 影の主は、女性の姿をしたアンドロイド。

「ウチが用あるんはアンタやないねん。後の兄ちゃん――」
 ばちっ。
 アンドロイドが指を銃のように構えると、親指と人差し指の間に、電光が走った。
「早う渡さんと承知せえへんぞ。なぁ? 堕天使」
 口元がにやりと歪む。
「言いたいことは、それだけですか?」
 表面上は冷静な態度で受け流す燕。
 しかしその尻尾はぴんと逆立ち、敵意を剥き出しにしている。
「個人的にもなぁ、部下を何人も葬ってくれよって、腸煮えくり返っとんねん」
 なかなかに美しい外見の女性だが、その表情には邪悪さが垣間見える。
 一触即発の状況。睨み合う両者。
 対峙したまま、時間がゆっくりと流れる。
「……あ、一つ良いか?」
 重苦しい雰囲気に、郁は飄々と口を挟んだ。
「郁さんっ!」
「…何や、言うてみ」
 すると彼は燕の背後から出て来て、無防備に二人の間へ立った。
 ぼさぼさと頭を掻く。
「何つーかその…後日出向くから鞘収めてもらうんじゃ、ダメか?」
 沈黙。
「な、何言ってるんですか! 敵ですよ!?」
「悪いことしたと思ってる。問答無用で襲って来たそちらさんには正当防衛を主張したいが、燕に手を出させてしまったことに代わりはない」
 攻撃の構えを解く相手。
「……グラシャ・ラボラスなんて物騒なもん身内に置いて、ただじゃ済まへんで」
「何とか寛容な沙汰を賜りたい。俺も一応、この世に未練があるもんでね。それと、もう一つ」
 言いながら振り返り、燕を軽く抱き締める。
「――!?」
「…燕をどうこうはさせない。堕天使だか悪魔だかで迫害対象だって言っても、俺のもんだ。血で汚したくも傷つけたくもない」

 しばしの沈黙。
「……そないなこと言う人間は、仰山おるわ。俺のもん? 笑かすなど阿呆」
「やめて」
 燕は翼を引っ込め、同じく戦闘態勢を解く。
「人間に制御出来るもんやないからウチらが出て来とるっちゅうんに、偉そうに言うやんけ」
「…それでもこいつは、俺の為に戦ってくれたんだよ」
 舌打ちするアンドロイド。
 そして再び、無言の時が続く。
「……はあ…ま、勝手に夢見とき。…あーあ、やる気削がれたさかい、今日は引いたる。自分で来る言うんなら、精々覚悟しぃ」
「!」
 目を丸くする燕を一瞥すると、振り返り肩を竦める。
「天界への道はアンタが一番知っとるやろ。ほな、責任持って連れてき」
「……」
 顔を強張らせたまま、その後姿を凝視する燕。
「あんがとよ。思った通り、話が分かる奴で良かった」
「戯け。天使にも、血ぃくらい流れとるわ。それに、許した訳やないで? 勘違いせんといて」
「ああ」
 すると、機械天使はそのまま地面を蹴った。
 背がカイトのような翼に変形し、点火。
「――!?」
555名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:20:34 ID:taXasQZ+
 瞬時に、その姿は天空へと消えていた。赤い熱の残像だけを残して。

 ほんの少しの間の出来事が、二人には長く感じられた。
 地面にへたり込む燕。大きな溜息。
 郁は気遣うように、またその体を包む。
「……」
 顔を隠すように俯いて、無言の抗議。
 そこにぽつ、ぽつ、と体に当たる滴。
「? 雨か」
 それはすぐに、激しく降り出した。
「とりあえず、中に入れ」
「……」
 燕は石のように動かず、見る見る内に濡れていく。
 震える肩。それを、郁は手放す。
 そして立ち上がり、一人家へと戻る。
「……ぐす」
 置き去られた彼女は、感情のやり場を失って、小さく嗚咽を漏らす。
 耳を垂らして、悲しみに暮れる。頬を伝い、止め処なく流れる液体。
 それは超人とは思えないほどに無力な姿だった。
「――やれやれ」
 ばさ、と頭上で音がして、降りかかる雨が止まる。
 見上げると、郁がバツの悪そうな表情をしながら、傘を差して立っていた。
「…愚痴は中で聞く」
「知らないっ」
 本心と裏腹に、意地を張る燕。
「……悪かった。任せるつもりだったのに、嘘、吐いちまった」
 頭に軽く、柔らかいものが被せられる。タオルだ。
「……」

 郁は傘を持ったまましゃがむと、彼女の顔を覗き込む。
 ぷい、とそっぽを向かれる。
 体をずらして、また覗き込む。
 ぷい。
「…燕」
 そう言うと郁は、くいっと彼女の顎を掴んで、自分の方に向けた。
「――っ」
 怒ったような、困ったような、そんな表情。
「頼むから、まずは中だ。びしょ濡れだろ」
 しかし強張ったままの彼女の体。
 仕方なく、唇を近づける。
「……ん」
 傘が手から離れ、地面に転がる。
 両手でそっと体を包んで、優しいキスを繰り返す。
 そして、ゆっくりと離れる唇。
 お互いに閉じていた目を開き、見つめ合う。
「……」
 燕の腕が伸び、彼の体へと巻きつく。
「郁さんの…バカ」
 それでも彼はもう一度キスをして、その体を抱き上げる。
「泣いてるのか?」
「――!」
 言葉の代わりにぎゅっと、腕に力がこもった。

 二人は家に入り、雨水を滴らせながら洗面所へ。
 腕から離れた燕は、床にとん、と降り立つ。
 そして振り向き、ぼう、っと目の前の男を見つめる。
 男は濡れたタオルを小さな洗濯機へ放り込み、彼女の少し熱っぽい体を抱く。
「風邪…ひいちまうかも」
 どちらの服もべったりと張りついて、冷たい。のに、熱い。
「…郁、さん」
556名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:23:09 ID:taXasQZ+
 触れる体から、鼓動が伝わってくる。
 郁は、彼女が人間でないことを理解している。それでもしっかりと、聞こえる心音。
 安心と興奮。
 波打つそれは激しく、密着しているだけで二人の呼吸を荒らげていくほどだった。
「――シャワー、浴びるか」
 郁は体を離すと、その手を引いて風呂場に立ち入る。
「あ、服…」
 躊躇する彼女は離さずに、ガスの元栓を通し、火をつけ、蛇口を捻る。
 水が、上から降り注ぐ。冷たい感覚が徐々に、温かくなりながら。
「…」
 手でぐいと抱き寄せる。ばふ、と胸に倒れ込む彼女の体。
 キス。
「……っ」
 純情なラブシーンに浸る二人。
 何度も確かめ合うような口づけに、追いつかなくなる理性。
 体に触れ合い、そして感触を一つ一つ、自分の物にしていく。
 濡れた服を、やっと手にかける。
 脱がせ辛いのを少し無理矢理に、肌蹴させるように。
「あっ…」
 白いブラまで外し、今度は下を。
 燕のインナーとアンダー類は特注で、その尻尾を通す為の穴が開いている。
 そして脱ぎ易いよう、側面から外せるタイプになっている。
 郁はその外し方を、よく心得ていた。発注したのは彼自身であり、燕を抱くのもまた、彼だからだ。
 尻尾を通しスカート、そしてショーツを脱がす。
 紛れもない、女性の裸がそこにある。耳と尻尾はあっても、それは確かに。
「うぅ…」
 顔をこれ以上ないほどに赤く染め、股座を隠すように両手を重ねる燕。
「凄く、綺麗だ」
 美しい肢体だった。

 郁も服を脱ぎ捨て、再び燕を抱く。今度はより激しく。
 先刻の一件で得た絆を再確認するように、芯まで愛し合う。
 温かいシャワーに濡れながら、体を熱く火照らせて、求める。
「ん…はぁ…あっ…」
 タイルに背中をもたれ、揉み解される胸と、その先。
 舌で転がすように弄び、堪能する。
「はぁ…はっ…私、も…」
 ぺたん、と膝を突くと、尻尾が邪魔にならないように、少し中腰になる。
 そして目の前にある怒張した下を、そっと手で掴む。
「う…」
 その手で扱き、先端をちろ、と舐める。
「…ふふ、まだ…我慢してもらいますから」
 すると彼の下を、胸の谷間へと挟み込んだ。
 柔らかく、程好い締め付けに、再び加えられる舌と、そして口、上下運動。
「う、わっ…!」
 精液が噴出し、彼女の顔へ。
 溢れ出すそれは見る見る内に、胸上を白く汚していった。
「…こんなに、いっぱい」
 しかしそれも、シャワーで洗い流されていく。
 彼女は舌先に付着した郁の液を、目を瞑ってこくん、と飲み込む。
「…お、おい…燕…」
 あまりに積極的な彼女に、郁は快感を充満させつつも、気にかける。
 すると彼女は首を横に振り、顔を見上げた。
 切なく、潤んだ表情。
「――好き」

 何度か交わした言葉だった。
 それでも、こんな時でもなければ燕が口にすることはない単語であることを、郁は知っている。
「……」
「好きだから…こんなことだって…何だってします。だから、もう…無茶、しないで」
557名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:25:00 ID:taXasQZ+
 郁がそっと手を出す。
「…?」
 そして、頭を優しく撫でる。
「あ――ぁ」
 耳が据わり、彼女の力が抜けていく。
「……じゃあ、代わりにこれだけは言わせろ」
「…うん?」
「どこにも行かないから、お前も行くな」
 すると彼女の表情は少しだけ固まって、そして緩やかに微笑みに変わった。
「分かってる。私には、あなたしかいない…から」
 閉じた目尻から、涙が零れる。
 郁はその涙に触れ、キスをする。そして体を抱いて、また舌を絡め合う。
「ん…は…っ」
 再度入る、情欲のスイッチ。互いの秘部に触れ合い、そして愛撫する。
 ぴちゃ、くちゅ、と手に纏わりつく卑猥な感触は、その表れか。
「…くっ」
 郁が二度目の射精を迎えかけた時、燕の手が止まる。
「ダメ…。次は…中に、下さい…あぅっ…!」
 指で軽くイったのか、体が仰け反り、そしてぐったりと彼に持たれかかった。
「…あ、悪い」
「はぁ…はぁ…良い、の。早く、横に…」

 燕を抱く際の欠点――それは彼女を下にし辛いことだった。
 彼女は普段、耳も尻尾も自分の力で消せるのだが、気持ちが高ぶるとそれが出来なくなる。
 尻尾を潰さないように、二人は騎乗位で行為に及ぶことが多い。
「ん、んっ…!」
 そそり立った下に、燕は自分を挿し込んでいく。
 郁も締めつけに耐えながら、上半身でその体を支える。
「奥まで…うっ…」
 そして、腰をゆっくりと動かして摩擦を加える。
「…はっ…あぁ…っ!」
 徐々に激しく動き出す二人の体。郁の目の前で、艶かしく揺れる女性。
 それは、生まれ持った姿ではない。魅惑的な美は、作られた物。
 しかし心を通わす相手なら、エロスも通ずる。
 やがて熱さはピークに達し、神経が下半身に集中する。
「限界、だっ…!」
「…郁、さんっ――!!」
 そして、絶頂。
 重力に逆らうほどの勢いで、彼女へと通されて行く、精。
 どく、どく、と全て搾り出されるように、真上へ。
「…大、好きです」
 二人はタイルに横になると、体をしっかり交え、キスをした。
 温かいシャワーなど、意識の外だった。

 シャワーを終えても、二人の愛欲は治まらなかった。
 ベッドに場所を移し、散々に愛し合い、乱れた。
 溜まっていた物を全て放出するように中に、そして中に。
 郁は彼女を、堕天使でも悪魔でもない、人間として、そして女性として抱いた。
「好きだ――」
 何度目かの告白を呟くと、彼は出し尽くしたかのように、仰向けに倒れた。
「はぁ…はぁ……」
 二人は激しい性交に余韻を残しながらも、冷静を取り戻していく。
「はぁ……」
 彼に抱き着き、その二の腕に顔をくっつける燕。
「……ごめんなさい」
「?」
「あなたに、八つ当たりなんかして」
 少しだけ、彼女の腕の力が強まる。
「…あー、言わなくて良いよ。やらかしたのは俺の方だ」
 そう言うと体を転がして、彼女の顔を見る。
558名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:34:16 ID:taXasQZ+
「俺だってたまには…なんだ、好きな女の前で良い格好したいんだよ」
 一瞬表情が明るくなるも、彼女はすぐに俯いた。
「…でも何かあって、目の前で失ったら…そう思ったら、恐い」
「けど、無理はすんな。させてる俺が言えた義理じゃないが」
 ぽかーん。
「――あぁっ! 仕事、どうするんですかっ」
「あら、思い出したか」
 そう言うと、ムッと口を尖らせる。
「こういうのをヒモって言うんですってね」
「柄悪い客に変な言葉教わるなよ」
「あなたほどじゃないですっ」
 ムードは一転、燕はベッドから離れると、その場をはけた。


「ま、とりあえずお前は、人間の姿をしているから人間――それで良い」
 ぶかぶかのシャツ一枚を肌に纏い、郁を見つめる女の子。
「私の言うこと、理解してませんね?」
「頭が拒否してる」
 少しだけ困った顔をするも、彼女は優しく笑みを溢す。
「とりあえず……助けてくれて、ありがとうございました。あなたに恩返しがしたいです」
「? …じゃあ、ちょうど寂しかったところだ。俺の女になれ」
 郁にとっては、冗談半分に言ってみた台詞に過ぎない。
 しかし、彼女は抵抗なく受け入れた。間近に座り、甘えてくる。
 頭を撫でてやると、気持ち良さそうに息を吐く。
「それより、最初は犬だったんだよな?」
「変ですよね…でも、郁さん――ですか? あなたは不思議と、私の大事な御方と、似ている」
 本当は郁に潜在する力が、そう錯覚を起こさせていた。
 ネビ様――彼女はそれ以上のことは語らない。
「体は平気か?」
「はい。少しまだ、だるいですけど…あなたの傍が、居心地が良い」
 それは天使も悪魔も自然と寄せ付け、治癒までしてしまう力でもあった。
 傷ついた体で地上に落ち、その力に無意識の内に引かれた彼女は、郁の元に辿り着いた――。
 そんな話を聞いても、イマイチ彼は実感が湧かない。
「…嬉しそうだな」
「嬉しいです。私にはもう、帰る所がないから。…ネビ様とも、もう会えない」


「じゃあ、服借りますよ?」
「――ん? あ、ああ」
 ベッドの上で回想に浸っていた郁を、呼び起こしたのは燕の声。
 バスタオルをしっかりと胸から巻いている。
「…行くのか?」
「もう雨は止みそうですから。その前に電話、と」
 預けてある携帯電話を取り、ぱちん、と開ける。
 彼女にとってはこの天気が、都合の良い言い訳になった。
 雨に降られたので着替えてから、止んだ頃合に戻ります――。
 ぱたん。
「…はぁ」
 溜息。
 そして背後から抱き着こうとする不届き者を、尻尾で叩く。
「調子に乗らないで下さい。あなたのせいで、散々です」
「さっきまであんなに従順だったのに」
 パンツ一丁で座り込む郁。
「郁さんは、天使がどんなに冷酷で無慈悲な奴らか、知らないんです」
 真剣な眼差し。
「なぁ……無理すんな」
 そう言って、テーブルの上から煙草――ならぬ棒つきキャンディを取る。
「あんな約束、守る必要ないですよ。絶対酷い目に遭います。また、会えなくされるかもしれない…」
「お前は強いし、それを信用してる。何かあったら、頼むよ」
「じゃあ! どうして、あんなこと言ったんですかっ」
559名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:36:21 ID:taXasQZ+
 感情を露にする燕。
 それを郁は、キャンディを口に含んだまま、見上げる。
 ふざけているようにも、見える。
「…ごめんなさい。心配、してくれたんですよね? 血の臭いが…ずっと、気になって」
 がりっ。
 郁はキャンディを噛み砕き、棒をゴミ箱に放った。
「ああでも言わないとな。それに戦わなくて済むなら、それが一番良いんだよ」
 手招きをされ、燕は彼の隣に腰を下ろす。
「覚えているか? 初めて会った時のこと」
 こくり、と彼女は頷いた。


「本当に、良いのか?」
 郁は、その頭を撫でながら、そう尋ねた。
 目を細めて気持ち良さそうにしている彼女は、はい――と小さく呟いた。
「今日から、私の大事な御方は、あなたです」
「俺はそんな変な力を持ってるだけで、何も出来やしないが」
 と、郁。
 しかし彼女は、それでも充分だとでも言いたげに、笑みを溢す。
「……ま、良いか」
 言うなり、そっと抱き寄せて――。
「…ん…ぅ…」
 キスを交わす二人。それが言わば、人間とグラシャ・ラボラスの”契約”だった。
 偶然に引き寄せられ、そのまま自然と結びついた心。
 それは互いに持っていた寂しさを、紛らせたくもあったのかもしれない。
「……郁、さん」
「ん?」
「この姿になった理由が少し、分かりました」
 彼女はそう言って、自分の胸元に手を当てる。
「あなたの力だけじゃなくて、いろいろなものに、気持ちが…動くの。きっと、こうして触れ合えるように、なれたんだと思う」
 悪魔の類とは思えない、無垢な言葉。その愛らしさに郁は惑う。
「ああ、何か…俺も変だ」
 そして、相思相愛は急速に深まっていった。

「…そうだ、お前の名前を決めないとな」
 郁がまず始めたことは、それだった。確かに”グラシャ・ラボラス”では長すぎる。
 彼女を”燕”と名付けたのは、その背に大きな翼があることを知った時。
「燕…つばめ――ありがとう、郁さん。私、これから燕って呼んでもらえるんですね? 嬉しい」
 郁は知り合いや有名人など、他の女性を連想させるような名前を、わざと除外した。
 やはりそれは、特別な出会いを経た相手に対して、特別な感情があるからなのだろう。
 それから数日、郁は服を買ったり常識を教えたり、身辺を整えた。
 別個に暮らすようになったのは、彼女を人間としての生活に慣らす為に始めたことでもある。
 ただ、人付き合いが苦手な郁は段々と世話してもらう立場になり始め、現在に至る。


「……」
 二人は自然ともたれ合い、その日のことを思い出していた。
「…俺は燕を守る力がない。今の立場を利用して、言葉くらいでしか助けてやれない」
「郁、さん…」
「働く気力もないけど」
 ――がくっ。
「あなたを一人にしておくの、すごく心配なんですよ?」
 そう言う燕の肩を、彼は優しく抱き寄せる。
「俺だけ捕まえるのが目的なら、とっくの昔に雲の上だ。隙ならいくらでもあった」
「…?」
 つまり、二人揃った時を見計らって、攻撃を仕掛けて来ている――ということ。
 本人の前で燕に対して”渡せ”と言い、喧嘩を売る。
「自ら出向くよう仕向けられ、俺は乗せられた。…馬鹿だよな、お前もそんなこと理解してるだろうに」
 二人の表情が、沈む。
「でもよ…もし…だ。お前の方こそ目の前で、何かあったら……俺は――」
560名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:41:54 ID:taXasQZ+
 その先に詰まる。
「……」
 燕は腕の代わりに尻尾を、彼の腰に回した。
 しっかりと絆を主張して、離さない。
 そして、キス。
「……」
 温かくも淡く、そして儚い唇。
 噛み締めるように、二人はそのまま口づけを続けた。
 出会った日にも、同じことをした。
 欲求を抑えて、静かに確かめ合う心と心。
「…」
 名残惜しむかのように、唇を離す。
「――愛して…そして信じています。私には郁さんがいれば、他に何も、いらないから」
「……燕」

 雨上がりの夜。
 グリフォンの翼をはためかせ、一人の女の子が空を飛んで行く。
 出前を終え、『大魂』に戻った彼女は、大将にまるで親のように迎え入れられた。
「頑張り屋だな、燕は」
 そんな言葉をかけてもらい、自然と笑みが零れる。
 恐らく本人がそう打ち明けても、誰も彼女を殺戮の悪魔だとは思わないだろう。
「今日の仕事はこれで終わりだ。体は大丈夫か?」
「はいっ!」
 すると大将は最後に、これはまかないだ――と、出来たてのラーメンを彼女に出した。
「え? これ…」
「伸びちまうから、さっさと食え」
 照れを隠すように、後を向いてしまう大将。
 燕は誰もいないカウンター席に一人座ると、目の前に置かれた丼に顔を近づける。
 食欲をそそる、良い匂い。
「…いただきます」

 空腹も気持ちも満たされ、心地良い気分。
 燕は一人、帰路についた。自分の家ではなく、郁の家に。
 これまでの立て替え分、請求しに行く――名目としてはそんな形。
 だが本音は、自宅を留守にしても今夜、まだまだ彼と一緒に居たいから。
 明日は定休日。燕は逸る気持ちを抑えながら、暗い道を歩く。
「……」
 人気のない通りに差し掛かった時、ふと、不穏な空気に気づく。
 物陰で真っ暗な目の前に、視線が釘づけになる。
「…見てたぜ、グラシャ・ラボラス」
 その言葉に、燕の瞳に本性が滲む。
「……」
 影から姿を現したのは、機械の天使ではなかった。
 人の姿形はしているが、彼女にははっきりと真の姿が見えた。
 相手は獄率上位クラスの悪魔。
「人世に堕ちて毒気まで抜かれたか…へへ」
「用件は」
 無感情に尋ねると、相手は口元をにやりと歪ませる。
「俺と組もうや。元の力はあんたの方が上だが、そのほとんどを失った今、必要なのは数だ」
 そう言って、彼は燕の前に手を差し伸べてきた。
「本当は退屈してるんだろ? 俺もだ…なぁ、暴れようぜ」
「…嫌だと言ったら?」
 刹那、差し伸べられた手が空を薙ぎ払った。

「釣れねぇな…」
 不満気な表情を浮かべる悪魔。
 燕は直前で避け、数歩分の距離を取って身構えていた。
「一端に人間の真似事なんざ、反吐が出る。早くこんな場所からは、おさらばしてぇもんだ」
「……」
「…腑抜けちまったな。なら――良い機会だ。ここで下克上といこうかぁっ!!」
561名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:44:39 ID:taXasQZ+
 言葉と共に、悪魔の体は醜く変貌を遂げた。
「……」
 しかし、その瞬間に雌雄は決していた。
 燕はその場所を平然と通り過ぎ、後に残ったのは――。
「ぐ、うおああぁっっっ!!」
 ぶしゅ、と鈍い音。
 八つ裂きにされ、血と共に四散した悪魔の体だった。
 それに背を向けるのは、氷のように冷たい表情に、真っ赤に濡れた両手の女の子。
「……」
 やがてその場所から、敗者の骸は溶けるようになくなっていく。
 燕は両手を見る。付着した血が、まるで最初からなかったかのように、引いていく。
 しかし、少しだけ気分の悪い臭いだけは、その手に残っていた。
 彼女は振り返り、殺戮の痕跡を一瞥する。
「…ごめんなさい、郁さん。また手、汚しちゃいました…」
 独り言のように呟いて、彼女はその場を後にした。
 綺麗さっぱり、悪魔の存在は消えていた。

 そして彼女は、普通の女の子に戻る。
 大事な、そしてかけがえのない人と、共に居る為に。
「…ただいま、郁さん」
「お帰り、燕」
 そして、軽く抱擁を交わす。
「ん? 何だそれ」
「…これ、請求書です」
 男はそれを見るなり、愛想笑いを浮かべる。
「……体で払おう、そうしよう」
「もうっ!」
 怒って見せるが、本気ではない。
 やはり二人は仲良く笑い合い、もう一度抱き締め合う。
「……? 何か、あったのか?」
「…えと…」
「…良いよ。まずは無事で良かった。話は中で、な?」
 郁がそう言うと、彼女は安心したように目を閉じて、彼の胸元で息を吐いた。
 耳と尾が再びぴょこ、と顔を出し、彼女を愛らしく彩る。
「――俺も…面と向かって言うのもなんだけどな、燕を愛してる。…お前だけは絶対に離さない」
「…はいっ!」

 郁と出会い、愛と絆を得た不思議な女の子。
 彼女はまるで人間のような一面を持ち、その生活に順応して生き始めた。
 新しい居場所、そして――守るものが出来たから。
 グリフォンの翼に犬の耳と尾。
 彼女の名は、佐々山燕。
 またの名を、グラシャ・ラボラス。



おしまい
562名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 17:39:10 ID:OVq2/UBY
>>553
GJ
563名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 22:44:48 ID:4hz7MZIX
ふむ、最近の萌えエロアニメ的な雰囲気の話ですなあ。
ただの犬の擬人化かと思いきや次々巻き起こる超展開か…つか、郁が駄目過ぎで燕を独立させたら駄目じゃないかw
564名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 21:40:39 ID:RhXKFh5z
565名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 09:15:21 ID:dTXvWNUk
こういうのいいねえ
566名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 22:03:15 ID:jcSNAank
あげ
567名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 11:59:06 ID:MhJwrPJi
                           -――――- 、
                           ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                        / :::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                          i::::::/::::/::/:::/|::::::/\:::丶:::',
                          |:::: |:::/::/:::/ニ/__\ニ:|::| 幽霊なんていない
                          |:::: レ'^7゙)/\l/  ノ∨}_::j::::|  幽霊なんていない
                          /::_〈   〈::{c>   <っレイ:_」   キコエナイキコエナイ
                            /::/ ∧  V       { 〉
                         /::::{   〉   }  r‐っ  イ /
                     /::::::ハ  /   { >rー<|  {
                       /::::::::{〈._/    八ノ{ヽノl:|.  '、
                         /:::::::::∧/{.   /:::::Yノじ'::{    〉
                    /::八::{  \__/  ̄`ヽ_>ゝーく
                    {:: | ∨   _/      }
                      ヽ:{ (=彡/ y'     /      ノ
                      トー'7 ∧____/、___/
                      └'个ー(::::::::::::/:: :::  ::)
                           )::::::::::::::::::::::)
                            (:::::::::::::::::::ノ
                            ):::::::::ノ
                           (:::::(
                            ν


                 −=============−
568名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 21:16:31 ID:SZjSpZut
ほす
569名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 18:44:50 ID:dnOESaRJ
牡丹燈籠、幽霊分少なかった。
570名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 22:38:25 ID:c2hGWpgO
ほしゆ
571名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 22:40:34 ID:l12/FRn5
hosu
572名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 22:25:45 ID:N0dK3n+S
573名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 21:11:41 ID:cNYA6o+7
突発的な女の子とピエロ人形の話

「ねぇピエロ」
「はいぃ?」
「お前は何で涙を流しているの」
「道化だからさよぉ」
「…むかつく」

「ねぇピエロ」
「はいぃ?」
「クリスマスだから、プレゼントくれ」
「わちはサンタと違うぅ」
「…役立たず」

「ねぇピエロ」
「はいぃ?」
「じゃあ、サンタクロースごっこしよう」
「良いよぉ」
「私がサンタでお前はトナカイだ」

「ねぇピエロ」
「はいぃ?」
「どうしてお前はピエロなの」
「……」
「どうして子馬じゃない? 子猫じゃない? 子犬じゃない!?」

「ねぇピエロ」
「はいぃ?」
「お前は可愛くない。白塗りの顔して、愛想悪いし」
「わちは…男前ぇ?」
「蹴飛ばすぞ」

「ねぇピエロ」
「はいぃ?」
「私はお前が大嫌いだ。ただの人形に戻ったらすぐに捨ててやる」
「戻れ…るぅ?」
「それまで私に扱き使われろ、馬車馬のように」

「ねぇピエロ」
「はいぃ?」
「うるさい黙れ」
「……」
「そういうところが嫌いだ!」

「ねぇピエロ」
「はいぃ?」
「メリークリスマス」
「め…りぃ?」
「理解したら視界から消えろ」

「……」
「……」
「…ピエロ、こっち来い。急げ!」
「はいぃ」
「少しは気を利かせろ。…寂しいだろ」


そして終わる
574名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 15:57:11 ID:GZsy2KWO
サンタ少女を犯したい。
575名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 20:08:43 ID:dR6YRP59
>>574

12月24日23時40分
雪の降る町で青年が一人寂しくクリスマスを迎えようとしていた
サンタクロースはそれを見て
今年最後のお贈り物は彼にしようと青年の前に現れた

「こんばんわ。サンタクロースです」
「……なにかようですか?サンタさん」
「もちろんクリスマスプレゼントです。最後のプレゼントは決まりではなんでもいいのですよ」
「…………なんでも?」
「はい。なんでも」
「ではサンタさんをください」
「……えぇと他の意見は?」
「ありがとう!サンタさん!」
「ひゃ 決まりだからって きゃ そんなっ 」

12月25日0時0分
「メリークリスマス。サンタさん」
「はぁ……めりぃ……あぁっ!」



だめだ文才ねぇ
576名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 08:03:52 ID:UvhpgCpn
>>575
577名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 22:49:27 ID:GTzUc/6J
age
578名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 23:04:43 ID:GUAHVVJR
この14年、何にも面白くないし、幸せなこともなかった。いつも親にあ〜だこ〜だ言われた記憶しかない。妹は親や祖父母に可愛がられ俺は孤独だった。
そんな時だった。15歳の誕生日。
特に普通に例年通り何にもお祝いもなく普通の日として過ごすんだろうななんて思ってた矢先の出来事だった。
今年の誕生日は日曜日で俺以外は出掛け、家でのんびり過ごしてた。
ピンポーンと家のチャイムが鳴った。
「はい。どちら様ですか?」
とドアを開けたら帽子を被った洒落た老人が立っていた。
「君は今日誕生日ですか?」
俺自身は、はあ?と思ったが、老人は優しげな感じで聞いてきたので答えた。
「はい。そうですが・・・何か? セールスはお断りしますよ」
と俺は少し優しげに答えた
「いえいえ、私はセールスじゃありません。ただの君のような寂しく生きている人々にささやかなプレゼントをしている者でして」
「はあ。申し訳ないですが、俺はプレゼント要りませんよ」
普通に断った。俺にそんなプレゼントとやらは要らない。
「そうですか。それは残念ですな。ならこれを」
と老人は懐から小さな箱を取り出し俺に渡した
579名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 23:18:23 ID:GUAHVVJR
まあ。これを受け取れば帰ってくれるかな何て思ってたので受け取った
「それでは私はこれで」
老人は帰っていった
何だったんだろうと思ったがまあ良いかと思い、普通に自分の部屋に戻った。
しばらくしてベッドに横たわり、さっき受け取った箱を眺めていた。
「一体何なんだこの箱」
何も変哲もない箱。大体、指輪が入っている箱を想像して頂けるとわかる。
何にも書いてない箱
よくわからないが開けて見ればわかるかなと思い、開けてみた。


開けた瞬間。ボンッ!と音を立て部屋中に煙を撒き散らし前が見えなくなった。
「一体何なんだよ!」
次第に煙が消えていき、視界が戻ってきた。
部屋を見渡したが何も変化はなく、貰った箱が消えていた。
「何もないのかよ」
俺自身、何で期待したのかわからなかったが何にもなかった事に少し悲しかった。
「ですよね〜」
「あぁ、何で期待しちまったんだろ」
「多分、さっき老人さんのせいじゃないですか〜」
「だよな〜」
・・・・ん?ここにいるのは俺一人。家族と会話しないから家での会話は成立しない。だが今は成立している。試しに声がする後ろを振り返ってみた
すると着物を着た女が居た。
580名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 23:42:35 ID:GUAHVVJR
「お、お前誰だよ!」
声を荒げて言っていた。
「え、私が見えるのですか。」
「見えるに決まってるだろ!お前、何時どうやって入ったんだよ!」
見えるとか何やら言ってる彼女は驚いた様子で目を丸くしあたふたしている。
鬱陶しいので肩に触れた
「おい、大丈夫か?
「え・・・・触れるのですか!」
「はあ?普通に触れるだろ。まるで幽霊が人間に触られたみたいな反応して」
「ある程度正解なのですが・・・・」
何を言ってるだこいつ。頭が狂ってるのか?
「何を言ってるだ?証拠でも見せてみろ」
冗談で言ってみた。
彼女は机を指差し、上に向けた瞬間、机が中に浮いた。これが俗に言うポルターガイストか。
「・・・・わかった。お前の言うことを聞こう」
絶句しなかったのは何でか知らんが彼女をみると落ち着けたからだ。
「私はあなたの守護霊です」
「守護霊?あのいつも近くで守っているという?」
「はい。いつもあなたを護っています」
「何でまた姿を現したんだ?」
「多分あの箱のせいだと思います。あの箱のお陰で姿か見えたり、触ったり出来るのかと」
「信じたくはないが、さっきのを見せられたし信じよう」
「ありがとうございます」
「とりあえず名前は?一応わかってると思うが、俺は二条堅人(にじょう けんと)だ」
「はい。生まれた時から知ってます。私名前は神崎五月(かんざき さつき)と言います」
五月と言う女は、改めて見ると美人だった。何というか、よく着物が似合う。黒く長い髪で和風美人だった。
「宜しくな」
「宜しくお願い致します。堅人さん」
何故か五月と話してると心が落ち着けた。多分守護霊だから何だろうか。まあ良いか。とりあえず
「さて、これからどうしようか」
「どうしましょうか〜」
581名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 23:44:30 ID:GUAHVVJR
突然書いた。迷惑だったらすまん。罰として一年ROMる
582名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 23:58:07 ID:V9P8adwn
>>581
いいや、GJかと
このままエロに突入していただきたい
583名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 17:30:26 ID:IL5b4j1y
>>580
ROMるのは、エロを書いてからだ。
584名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 19:18:30 ID:KDqYy60w
エロが書けない場合はどうすれば良いでしょうか。エロなしでも完結させるべき?
585名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 20:36:29 ID:Q0s9pIdJ
一読者としてはエロを…
でもすでに構想があるならそれを優先して書けばいいのでは?
楽しみに待たせてもらいます
586名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 16:35:16 ID:a8Niainl
>>584
非エロは要らない。
587名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 16:54:09 ID:rz+iRnJi
反応が怖かったら、

スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され3】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242308022/l50

とりあえずこっちに投下してこのスレに誘導だけ書いておく手もある
588名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 18:19:19 ID:lA+VGCGH
>>587
ありがとうございます。そちらに投下します
589名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 23:12:53 ID:JeLdIQPh
新しいまとめサイト作らないの?
>>1のはもう機能してないみたいだし
590名無しさん@ピンキー:2009/12/31(木) 02:02:41 ID:U0rlwkAk
そうなの?
591名無しさん@ピンキー:2010/01/05(火) 02:26:24 ID:k9rEejKF
「しゅごれー」とかタイトルつきそう、と発言して

もう既出なんじゃないかと戦々恐々
592名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 09:20:08 ID:w8aHicHI
 大寒の夕方のこと。
 宅急便が届いたので、サインをして受け取る。
 あまり深く考えずに、伝票を破いてデカいダンボールを開ける。
 実家の両親がじゃがいもでも送ってきたんだろうと、勝手に決め付けていた。
 で、開けてびっくり玉手箱。
「うらめしや〜」
「がるるるる〜」
「さらさらさ〜」
 中には三体の可愛らしい悪魔が。
 ……これは、どこから送ってきたのかな?
「えーと――黒須三太、現住所フィンランド」
 これは性質の悪い悪戯か何かでしょうか。
 そもそも今頃?
 って、家の玄関が異界化し始めてるし。これは本格的にまずい。
 かと言って使役なんて出来ないし、召喚師みたくどこかに囲っておくことも出来ないよな俺は。
 …どうしようもねーな。諦めよう。
「おまえがさまなー?」
 は?
 そんなことを言いながら、真っ先にダンボールから出てきたのは、喋る女の子人形。
 宙に浮き上がり、俺を見下ろす。
 名札”悪霊ナナ”。
「違うね。どうしたもんだろ」
「ジャア、えさ、ダ」
 ダンボールから首だけ出して片言で喋る、二体目は赤い目の子犬。
 そのサイズにして、俺を食い殺そうってか。
 名札”妖獣ハチ”。
「でもこの餌、美味しそうにないですわ〜」
 喜ぶべきか、それとも失礼を窘めるべきか、結構迷う。
 最後の一体は、気づいたらダンボールの端に、優雅に腰掛けていた。
 女性のような体のラインは緑の肌で、小さな頭と両腕の先が合わせて三つ葉になっている。
 名札”妖樹キュー”。
「OK。他に何かないの?」
 と言って中を覗くと、電子辞書っぽい物が置かれていた。
 うーん何々? カシオ製のCOMP? 取り扱い説明書があるね。
「……よし。最初に、三人は面倒見切れないから、お前ら合体して一人にするわ」
『いーよ いいダロウ 良いですわ〜』
 ちっとは躊躇してくれな…口を一斉に揃えて、何かあると思うだろ。
 ま、人生見切り発車が肝心や。ほな、ちょいと電池入れて。
「いくで、ポチっとな」
 電源を押すと、その場にいた三体の悪魔は吸い込まれていった。
『召喚プログラムver7.3。シリアルナンバー確認。システム起動中…』
 なるほど、普段はここに入れておけば良い訳だな。
 それじゃ、まぁパパッと合体させちまいやしょう。

 目の前には、ほぼ人間っぽいシルエットの女の子が立っていた。
「――私の名前は外道トー。今後ともよろしくです」
「あーどうも。とりあえず上がって」
 って、振り返って家の中見たら、異界化完了してるじゃん! 不穏なオーラが立ち込めてるよ!
 説明書見ると、えー……”普通の空間ではマグネタイトがないと、悪魔は弱ってしまいます。彼らにとって住み良い環境を作る為に、まずは自宅を異界化しましょう”。
 で、自宅の全自動リフォームサービス付きってか。
「あの…石堂様」
「何で俺の名前知ってるの」
「登録されてるから、知ってるです。…二人で頑張って、地上を征服するです」
「……OK、まずは状況と心の整理をするから、しばらく中で寛いで下さい」
 という訳で、彼女を居間に通し、座らせてお茶を出した。
 あん○るやすこのなんでも魔○商会シリーズが気に入ったようで、今は読書に夢中だ。
 とりあえず親睦深める意味で、襲っちゃおうかどうしようか考えている。


以上。保守なので続きはない
593名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 03:09:44 ID:fprRVdM2
ナナとハチとキューを合成したら、ニジューシなんじゃないだろうか。
ともあれナイス保守。
続きなくとも新作乞う。
594名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 22:01:19 ID:NR/FYykY
>>592
オレサマ オマエ マルカジリですね、わかります(性的な意味で)

面白かったので続きじゃなくても投下待っているだぜ
595名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 03:25:51 ID:5JqLH7PD
ほしゆ
596名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 20:16:10 ID:FOfFINha
保守しておきましょう。
597名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 23:24:51 ID:9mSD94pB
涙で濡れた部屋に
ノックの音が転がった
誰にも会えない顔なのに
もう、何だよ
どちら様?

名乗るほど大した名じゃないが
誰かがこう呼ぶ
ラフメイカー
あんたに笑顔を持ってきた
寒いから
入れてくれ

ラフメイカー!?
冗談じゃない
そんなもん呼んだ覚えはない
構わず消えてくれ
そこにいられたら
泣けないだろ



思い出してください
楽しかったあの日々

思い出してください
未来のことなんか考えずに過ごした日々

あなたは今、笑えてますか?
598名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 00:03:26 ID:ENuS7NYQ
「笑えるわけなんか……ないじゃない」
「おやおや、それはいけない。あなたは、どうすれば笑えるのですか?」
 男の言葉に、だが、少女は応えない。
「私はラフ・メイカー。ですが、貴方がどうすれば笑えるかがわかるわけではない。
 全く、われながら不器用な物です。笑わせる為に生きているのに、その方法を
 自分で見つける事ができないのですから」
「生きてるだけ……いいじゃない……」
 少女は、搾り出すような声で言った。
「生きてるって事が、どれだけ素晴らしい、奇跡みたいな事なのか……あたしは
 全然知らなかった……知らないまま……死んだ」
 少女は飛び上がった。跳んだのではなく、飛んだのだ。
「そして、今はこの有様よ。ここから離れる事もできない。誰も、何も訪れる事の
 無いここで、何もしないまま、無為に日々を過ごして……一体、あたしはどうして、
 こんな風に苦しまなきゃいけないの? いつまでここにいればいいの?
 一体……何があたしを、この場所に……この世界に留めているの!?」
 少女の搾り出すような声は、次第にその大きさを増し、やがては叫びとなった。
 その叫び声に合わせるかのように、周囲に散乱していた瓦礫が宙を舞い飛ぶ。
「ラップ現象、ですか」
 男はその現象にさして驚く事も無く、ゆっくりと宙に浮く彼女の元に歩み寄っていく。
「それが、貴方の悲しみの理由。貴方の笑えない原因、ですか」
「……そうよ。あんた、何て言ったかしら? ラフ・メイカー? 人を笑わせる為に
 生きてるって、そう言ったわよね?」
「ええ。その為に、私は生きています」
「だったら……人じゃない者を笑わせるのは、管轄外なんじゃないの?」
 少女は、全てを諦めきったような瞳で、何かを探るように、男を見た。
「……貴方は、人ですよ。私は、二本の足を持ち、意志を持って会話をする存在を、
 人間意外に知りません」
「人間は、空を飛ばないでしょう?」
「いいえ、私が知らないだけで飛ぶかもしれません」
「人間は、周囲の瓦礫を空に舞い飛ばせたりしないでしょう?」
「いいえ、私が知らないだけでするかもしれません」
「……あんた、滅茶苦茶じゃない」
「よく言われます」
 そう言って、男は少女の視線を真正面から受け止めた。
「大事なのはですね、貴方が人間であるかどうかという事実ではなく」
 そこで、男は、ラフ・メイカーと言う名を名乗りながら、それまで全く
動かそうともしなかった両の唇の端を、持ち上げた。
「私が、貴方を人間だと思っている。その事実なのですよ」
「……やっぱり、あんた、滅茶苦茶だわ」
 呆れたように、少女は言った。
 すると、ラップ現象はやみ、少女の身体もそれに合わせるかのように、
地面へと降り立った。
599名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 00:04:38 ID:ENuS7NYQ
「……で?」
「はい?」
「あんたは、どうやってあたしの事を笑わせてくれるわけ?」
「そうですねぇ……」
 男はしばし逡巡すると、少女が驚くような事を言った。
「愛を、語り合ってみませんか?」
「……は?」
 唖然とする少女に向かって、男は言葉を継ぐ。
「愛を語り合う、愛しあうという事は、それはそれはとても素晴らしい事です。
 おそらく、貴方はそういった事を知らずに死に、それが心残りになって、
 今も笑えないまま、悲しそうにしたまま、ここにとどまっているのではないかと、
 そう私は推測したのですよ」
「……愛を……って……要するに、あたしが、あんたに、抱かれるって、事?」
「それもありますね。そこまで行かなくても、愛を語り合う事はできるようですが、
 最終的には皆そこに行き着くのは、確かにその通り」
「ば、馬鹿じゃないの!? なんで、そんな……あんた、ただの通りすがりじゃない!」
「そうですね、確かにそうです。でも……一目惚れというものが、世の中にはありまして」
「……あのさ」
「なんでしょう?」
「頭湧いてんじゃないの?」
「……一目惚れした相手に頭沸いてるとか言われた……どうしよう、泣きそうだ……」
「あんたが泣いてちゃしょうがないでしょ!?」
「ええ、そうですね。泣くのはやめましょう」
「……まあ、その……そういう事、興味無いわけじゃないし……それに、あんた、
 別にその……格好悪いってわけでもないから……別に、その、ね? 絶対に
 嫌だってわけじゃないけど……でも、心の準備というか……まだ、したこと、無いし……」
「では、私の方からお願いしましょう。お願いします、貴方を抱かせてください!」
「ッ……! ……ま、まあ、ね? あ、あんたがそこまで頼むから、仕方なく、よ?
 そこの所は、しっかり理解しときなさいよね!」
「はい、無論。私が泣くよりも、貴方を鳴かせた方が楽しそうですし」
「……あんた、あたしを笑わせるんじゃないの?」
「それは採取的に、であって、その道程においては、しっかり気持ちよくして差し上げます
 から、自然と鳴く事になるかと思われます」
「……なんかさ」
「なんでしょう?」
「ホントに頭沸いてるわよね、あんた」
「……どうしよう、泣きそうだ」
「でも、あたしも同じくらい沸いてるかもね……だって、別にいいかな、って……初対面の
 あんた相手に、思っちゃったんだもん……」
 そう言って、少女は目を閉じ、男の胸に、身体を預けた。
「……優しく、しますよ」
 男の言葉にこくりと頷き、彼女は男の顔が自分のそれに近づいてくるのを感じた。
600名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 00:05:42 ID:ENuS7NYQ
ここまで投下です。

なんか思いついたので。
601名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 00:23:51 ID:KmlHgze/
>>600
ラフ・メイカー…なんか素敵なキャラだね。
「どうしよう、泣きそうだ」(1回目)の辺りで、思わずニヤけてしまったよ。
軽めにGJしときます。
602名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 23:57:32 ID:gBVgE7X9
ラフメイカー、懐かしい
7〜8年位前にフラッシュで流行ってたな
603名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 22:14:24 ID:8S3Hxp3x
保守
604名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 12:34:25 ID:0rKV9TUx
蜘蛛の女の子妖怪
罠にハメる筈がうっかり自分の張った巣に自ら引っかかり1週間も食べれず
虫系妖怪に取っては生命の危機に瀕する程に衰弱し
自分は・・もう死ぬんだって諦めかけた時に
後々に契約し紆余曲折の末に相思相愛になり種族の壁を乗り越え結ばれる事になる男の子と運命的な出会いを果たす事になる
605名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 02:59:56 ID:ZMZqD0vF
代替わりしましたので、よろしく

【妖怪】人間以外の女の子とのお話27【幽霊】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267983526/
606名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:07:13 ID:4JrdhpoB
とりあえず480前までロング保守ネタ
607名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:08:10 ID:4JrdhpoB
 こんにちは。どうも、石堂です。
 何を隠そう俺、派遣傭兵を夢見てます。
 そしてそんな若者にぴったりの学校があると聞き、親の反対を押し切って入って来たのがここ、”とあるガーデン”。
 正式名称は何となく伏せていますが、その道の最大手です。
 で、こちらに来てから紆余曲折、楽しい学校生活もいよいよ佳境となりました。
 ここで傭兵(通称SeeD)として認められる為には、厳しい筆記・実地試験をクリアしなくてはいけません。
 その為に授業を受け単位を取りつつ、日夜トレーニングやシミュレーションを重ねてきました。
 しかし、その実地試験を受ける為の必須課題が、ガーディアンフォース(略称GF)を一定数従えること。
 GFとは人間に宿す(ジャンクションする)ことで、その力を自ら行使することの出来る、精霊のようなものです。
 そのGFを取る為に、生徒は指定された近場の洞窟から遠い遺跡にまで、世界各地へと赴くのです。

 さて、長ったらしい前置きはこれくらいにして、とりあえず俺もそんな立場。
 囲碁の院生である親友も同じような状況であるらしく、どちらが先にプロになるのか競争中。
 と言いつつ、割と修学旅行気分だったりもするんだけどね。
 しっかしフェアじゃないと思うこの世の中。
 とある伝説のSeeDはシヴァだケツァだイフリートだ、って試験前からチートみたいな大物揃えていたらしい。
 俺が捕まえに行くのはグレムリンだよ。どう考えても名前で負けてる。
 で、大陸横断鉄道に乗って向かうのは東洋の島国。
 俺の故郷も実はこの一地方だが、やはり名前は伏せておく。
 何でもここに佇む西洋館の奥で、「グレムリン、ゲットだぜ!」出来るとのこと。
 東洋でありながら西洋って…いや、突っ込まないでおこう。

 で、予習用に図書館から借りて来たGFカタログによると、こいつは機械に悪戯する精霊らしい。
 個体により外見は異なるが、割と生まれたのは最近で、幼い容姿であることが多いとのこと。
「準備に抜かりなし、か。いや結構結構」
 隣で独り言のように呟くのは、今回引率してくれる教員・臼井。
 普段ゴーグルを付けっ放しの変人で、非常勤のSeeDらしいが、詳しくは知らない。
 何でも、普通はクラスの担当教官がそのままやってくれるっぽいが、人手が足りないんだと。
 その為、外で仕事の少ないSeeDに依頼するという、現実的な構図がある。
 ただ、課題を受けるのに以前は外部監視が着いたらしいんだけど、今は全部教員の担当制って話だからなぁ。
 細かい部分は個人判断らしいから、悪い先生に当たると難易度は跳ね上がる。
 例えばコロポックル取りに行った他所は、案山子って非常勤のやる気のない仕切りで酷い目に遭ったとか。

 とりあえず、これから実戦が待っている。
 油断すれば死にさえする。同意書にサインもしたから、誰を恨みも出来ない。
 だがそんなことで今更怯む俺じゃない。既に課題は二つパスしてる。
 サハギンは共用、ファントムは仮契約も、一応俺が使えるローレベルのGFだ。
 今回ファントムは里帰り(?)の為、連れて来れなかったが、充分。
 俺一人でも戦える自信はある。
「自尊心に囚われぬよう、注意しておけ」
「分かっていますよ」
 あーあ、出来れば女性教官と一緒が良かったな。
「…ふん、まぁ良い」

 鉄道を乗り継ぎ、無人駅に降りる。
 辺り一面森だ。ここを抜けて目的地の西洋館に向かう。
 モンスターと遭遇率高そうだな。嫌んなっちゃう。
「どうした、諦めて帰るか」
「冗談でしょう? 本気で尻込みしてる訳じゃないですよ」
「ふふ…結構結構」
 臼井はそう言うと、GFを纏った気を発し始めた。
「来い、サトリ」
 言葉に呼応するように、右手に装着していたボウガンに力が収束していく。
 このGFもカタログに載っていたが、なるほどこれは癖のある…。
608名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:09:02 ID:4JrdhpoB
「私のサトリは攻撃にジャンクションすることで力は勿論、飛び道具を誘導仕様と出来るのだ」
 命中率ほぼ100%、か。
 サトリの心を読む能力がこの場合矢に乗り移り、避ける敵をも確実に射止める。
 また通常ジャンクション中でも、本人にはその能力が影響する――恐ろしや。
「研究熱心だな。では行くぞ」
 俺も素早く、サハギンをジャンクションする。
 さすがに現役のSeeDと比べると実力差を感じるが、こちらも鍛えている。
 それこそ恐竜でも出て来ない限り、簡単に後れは取らない。
 既に雑魚から魔法の補給(ドロー)もばっちりだ。準備万端!
 正直、体動かしたくてうずうずしていたんだよな。

 俺の得物は仕込み槍。軽さと切れが持ち味だ。
 その軽さを利用し敵を翻弄する一般的な戦術から、蜃気楼の妖精(ファタモルガナ)と呼ばれている。
 名前に反し、どちらかと言えば暗部系の仕事をするSeeDがよく使う。
 ちなみに中二ファンタジー&二次設定目白押しだが、勢いで突っ切る。
「…敵っ」
 視界に現れたのは、巨大バエの集団。
「石堂、貴様のお守はせん。自分の身は自分で守れ」
 手厳しいこって。でも、そのくらいじゃないとね。
「はぁっ!」
 向かって一匹、まずは先制攻撃で切り落とした。

 戦闘はすぐに終わった。普段外でよく相手しているから、訳なし。
 簡単な傷は回復魔法で治療。
「筋は悪くない。ただ、動きにムラがあるな」
 臼井は顎を擦ってにやにやと笑う。
 左手には接近戦用のバグナクだろうか。鋭利な鉤爪が覗く。
「そうですか」
 俺は心を読まれることを、あまり気にしないようにしている。
 元来能天気馬鹿だから、それもまた良し。正直に何思ったって、敵じゃないんだから良いや。
 勿論、色んな教官と比べたら、苦手と言わざるを得ない人だが。
「…さて、急ぐぞ」

 最初のモンスター群を退けてからは、割とエンカウント! ってのもなく森を進めた。
 二、三度戦いを経た辺りで、目的地となる建物が見えた。
「ここか」
 臼井は門の隣壁に背をもたれ、腰を下ろした。
「補助の必要は無いな。一人で行け」
 全幅の信頼か、それとも単に怠けているのか。
「あ、これ、ストップウォッチです。制限時間決めることになっているそうですが、最長の四十分で」
「十分で帰って来い」
 早く終わったら暇潰しして、ギリギリに帰るつもりなんだけど、それじゃ制約にならないってか。
「甘い甘い…だが、ふふ…まぁ良い」

 俺は単身、西洋館へと乗り込んだ。
 薄暗いエントランスに人が住んでいる気配はなく、殺風景に散らかっている。
 魔力溜り(ドローポイント)探しも良いが、まずは奴さんのいるであろう部屋へ、直進するか。
 途中道を塞ぐモンスター共も割と骨はあるが、体の温まった俺の敵じゃない。
 吸血コウモリをファイアで焼き尽くし、零れた遺灰を踏みつけて先を急ぐ。
 って、こんな所で無闇に魔法使ったら火事になるわ。危ない危ない。
 結構高揚してるな、俺。落ち着かないと。
 こういう時うっかりやらかすからね――ってクラス担当のビアンキに言われたっけ。
 一旦止まって、深呼吸。すー、はー。
 さあ、この扉の先が俗に言うボス部屋だ。気を引き締めて行こう。
609名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:09:48 ID:4JrdhpoB
 入るとノイズのような音が、キーンと響いてきた。
 中は、洋館において異彩を放つ、近代的なコンピュータールーム。
 一歩足を踏み入れると、装置のランプのみだった部屋に照明が灯った。
「…」
 目の前に、霊的な力が集中していくのが分かる。
「……お兄さん、誰?」
「俺はガーデン所属の石堂悟。お前の力を借りたい」
 力が、形を成した。
「イシドー?」
 それは普通の女の子の声と、姿をしていた。

「くちゃくちゃ…ぷうっ」
 ガム噛んでら。うわ、おっきな風船。
 それにしても、ミニの吊りスカートに、ツインテールか。
 何この某八九寺(以下略)っぽい外見は。ロリっ子?
「妖魔街(シフターマーケット)から格上げを貰うには、悪くないですね」
 そう、召喚獣と言っても種類は様々。ただし彼らは人間以上の階級社会に縛られている。
 そして一般的にはSeeDを利用して、その名を挙げる。
「勿論、俺が弱い人間なら名折れにしかならない訳だがな」
「分かってますよ」
 だから確認の意味も含めて、一戦を交えるか見届けるのが彼らにおける共通認識だ。

「では行きます、イシドーさん」
 空気がぴり、と緊張する。静電気が全身を襲うような感覚。
「磁界発動っ!」
 そう言うと、部屋の隅々に置かれた機器が、がたがたと揺れだした。
「――っ!?」
 慌てて飛び退いた目の前を、四角いそれが通過し、ブロックのように別の物と連結した。
 磁気により、動く鉄塊か。スピードもあり、当たれば当然凶器。
 こいつで轢き潰そうってか。だが、こっちだって生身の人間とは違う。
「サンダー!」
 魔法には魔法で応戦するってもんさ。

 機械系は、電気属性が弱点と相場が決まっている。
 トラップルームと化した周囲も、魔法で押し返せば恐くはない。
「なかなかの使い手――」
「そこかっ」
 声の源に隠れていた影。素早く槍を構成し、標的を薙ぐ。
「!」
 手応えあり。
「――うわっ!?」
 と、油断は禁物だった。今度は金属片が俺を背後から、掠めて行った。
 目の前のモニターにくっついたと思うと、今度はまた反発し向かってくる。

 小賢しい戦法なのは、裏を返せば正面からぶつかり合う力に欠けているということ。
 トレーニングの成果も100%じゃないが、出せている。勝てる範囲内。
 金属片を弾き返し、的確に敵を叩く。
「あうっ!」
 攻撃の応酬の末、遂に力を失ったか、目の前に尻餅を突くグレムリン。
 回復魔法は一度だけ、後は力で攻撃を抑えきれた。俺にしては上出来。
「イシドーさん…負けました」
 物分りの良い子で何より。
 健闘を労って手を差し伸べると、悔しそうにしながらも、応じてくれた。
「…仕方ない。お兄さんに、力を貸しますか」
610名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:10:40 ID:4JrdhpoB
 彼女は立ち上がり、埃を叩いている。右膝に絆創膏など、貼ってある。
「何だ? 気乗りしない風な顔だな」
「人間相手に、ここまで無様にしか戦えないなんて」
 確かに、思ったよりは手応えには欠けた。
 そして大は小を兼ねる。強いGFって割とデカくて迫力があるもの。
「ま、これから一緒に強くなろう」
 名前で負けているというのが本音なのは確か。でもとりあえず、良い。
 俺にとって初めての、専属のGF……ってことになりそうだから。
 借り物でも仮契約でもない。これは本物のSeeDに近づいたような、感触を得る瞬間だ。
「てな訳で、今後ともよろしく」

 さて、GFにも、生物的な感情は存在するもの。
 当然好き嫌いもある。それを体に宿すのだから、意思疎通は重要だ。
 ロボアニメでよくある”シンクロ”って奴で、これが不十分だと100%の力は出せない。
 幸い、今装備中のサハギンは初心者用。温厚で、複雑な思考のない動物タイプ。
「しばらくお兄さんを観察させてもらいます」
 そんな注文をつけられるのも、珍しくはない話。
「……」
 まだ実体化したままのグレムリンは、俺の後をこつこつと付いて来る。
 見た目が普通の女の子なので、どうも雰囲気が出ない。
 と、愚痴っても仕方ないので、時間潰しがてら館内を探索してみることにした。
 
 雑魚を退け、魔法溜まりから魔力を補給しながら、その辺を歩き回る。
 まだ十分経ってるかすら、怪しい。油断は禁物、しかしこれほど呆気ないというのも…。
「お兄さんは、やっぱり力を求めてるんですか?」
 振り返ると、彼女と目が合う。
「ガーデン生である以上、少なからずそういう部分はある」
「ふーん」
 世に言うグレムリンは普通やんちゃらしいが、こいつは割とませている。
「じゃ、もし私より強い子が、お兄さんの仲間になると言ってきたら、乗り換える?」
 会って間もないと言うのに、随分難しい質問だこと。
「簡単に決められることじゃないな」

 ぱん、と風船が割れる音。
 グレムリンが、俺の隣でガムを噛んでいる。
 椅子を見つけたので、埃を払って一休み中という訳です。
「一応、私はお兄さんを宿主にする訳ですから、無責任は困ります」
 なんて言って、それから暫く、彼女は黙っている。
 もう少しお高く留まってるもんだと思っていたが、内面は結構ナイーブなのかもしれない。
 そんな人間じみた性格、使う側にしてみれば困る。
 しかしここで、やっぱりこの話は無かったことに――なんて言われてもまた困る。
「…心配しなくても、お前を無下に扱うような真似なんてしないよ」
 そんなんで強くなっても、格好悪いし。

「さて、この部屋には何があるのかなっと」
「……」
 さっきからどうも、彼女の様子がおかしい。
 俺を観察すると言いながら、まるでじっとしてほしいように見える。
「ここのボスは、お前だろ? 見つかっちゃやばい物でも置いてあるのか」
 立ち止まって訊いてみたが、表情は曇ったまま。
 質問の仕方が少々アレだったかな? それにしても、変な奴。
「あ…」
 ドアノブに手をかけた時、彼女が止めた。
「?」
611名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:11:22 ID:4JrdhpoB
 本能が危険を察知したのと、ドアが開いたのはほぼ同時。
「…!」
 これは、もしかして、入っちゃいけない部屋だったとか?
「何だ?」
 ぞく、と体が震える。
 …デカい。そして、それ以上の威圧感が部屋を重く覆っている。
 目の前で待ち受けていたのは、伝説の人食い獣。
 ――獰猛な魔界の獅子、マンティコア。
 生半可な実力じゃ、殺されるレベルの相手だ。しかし、何故こんな所に?
「…成る程。久々に、外の空気を吸えそうだ」

「……!」
 分が悪い。一か八か、逃げるか?
「そう警戒するな。小僧、ワシと契約して貰おうか」
 獣の瞳孔が、俺の動きを牽制している。
 針の筵のような緊張感。下手に動けば、即座に飛び掛ってくると確信出来る。
「悪いが、お前との契約は認可が降りていないんだよな」
「グレムリン程度を従えて、悦に入るのは早かろう」
 流暢な言葉を話すマンティコアは、普通のモンスターではない。
 こいつもまた、GF。しかし…。
「無論、断るならば、食ろうてやるまで」

「さて、どうする? かかって来るなら、相応に手加減はしてやるぞ」
 危険な相手だ。少なくとも、今の俺では。
 ガーデン指定の課題だからと、甘く見ていた。まさかこんな落とし穴があろうとは。
「や…やめて下さい。この人は、私が先に…」
「失せろ」
「ひっ…!」
 圧倒されるグレムリン。状況は最悪だ。
 しかし、泣き言を言ってもいられない。覚悟を決めるしか、ない。
「悪いが、俺は手加減する余裕はないぜ」
 戦闘体勢をとる。

 冷や汗が流れ落ちる。次の瞬間には、腕か足を失っているかもしれない恐怖。
 自信を、取り戻せ。こっちだって、サハギンがいる――!
「うおああぁっっっ!!」
 焦りは無謀を生む。自らを奮い立たせようとして、先に切りかかる。
 スローモーションの中で、”まずい”という思考に囚われる。
 判断ミス。暴走。すぐに、後に退け!
 マンティコアの右の前足が、動く。
 ――速い! 薙ぎが、来る!?
「う、あっっ!!」
 衝撃。

 ガーデンの訓練施設に、恐竜がいた。
 昔から、とても太刀打ち出来る相手じゃないと、出現エリアにすら近づかなかった。
 強くなって、GFを使いこなせるようになって、もうそろそろ良いだろうと一度だけ戦ってみたが、桁違いだった。
 とてつもなくデカく、タフで、凄まじい攻撃力。何度攻撃しても、倒れる気配がなかった。
 こんな奴を相手にするのが、SeeD? 傷だらけの体で愕然とした。
 どれだけ場数をこなせば、強くなれば良いんだ?
「こんなものか?」
 咄嗟に槍で攻撃を受け止めたが、痺れるような痛み。
「くそっ!」
 足りない。まだ、俺には足りていない。
612名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:12:14 ID:4JrdhpoB
 本当に力が必要な時――それは、予期せぬ形でやってくる。
 その時、俺は迷うかもしれない。
 虚勢を張る余裕なんて無くて、例え悪魔に縋ってでも…。
 それはまさに今だった。マンティコアに対し、勝機を見出せない。
 強い。故に、頭に血が上っている。冷静な戦いなんて、しようもない。
 致命傷は抑えられているが、傷は増え、鼓動は更に荒れる。
「はぁ…はぁ…」
「活きの良い奴が来たと思うたが、軟弱、だな」
 回復魔法も追いつかない。ダメージも入っているのかどうか…。
 死を覚悟する。寄り道なんて、するもんじゃなかった。

「!?」
 膝を突いた俺の目の前に、グレムリンが立つ。
「お兄さん…ここは逃げて?」
 震えている。それでも俺を庇うように、両手を横に。
「雑魚が何のつもりだ?」
 やばい。俺より先に、こいつが殺されちまう。
「お前が手を出すことじゃない」
「…言わなかった、私が悪いの。だから、すぐに――っ!?」
 鈍い音。視界から、彼女が消えた。
 変わって立っているのは、邪悪な形相の魔獣。

「自由は惜しいが…小僧、自然の摂理と思うて諦めよ。今、貴様の四肢を裂いて、骨までしゃぶり尽くさん」
『!?』
 何だ? 頭の中が、ざわついて――。
『…く、あぁ…あっ』
「苦しむな、今楽にしてくれるぞ」
 そんなこと、言ってる場合じゃ――ないんだよ!
「うぬ?!」
 相手が齧りつこうとする刹那、右腕に、力が篭った。
『退け!!』
 槍を掴み払い除けると、何故か相手は、その言葉に従った。

 いや、違った。
 マンティコアの巨体は、衝撃に弾かれたように対向に飛び、壁に激突したのだ。
 部屋は激しく揺れ、目の前が瓦礫になる。
 火事場の馬鹿力? それとも……右腕と、槍。
 普段とは違う、力が漲っている。そして、体に纏うオーラは見覚えがある。
 ウォーターブルーの気、アクアオーラだ。
 ということは、まさか? そうだ。忘れていた奥の手があった。
 ファントムとサハギン、二体を組み合わせることによって、発動する特殊ジャンクション。
 武器強化”オーバーソウル”。
 しかし、ファントムは連れて来ていないはずなのに?

 その疑問の答は、すぐに見つかった。
 グレムリンだ。彼女が視界から消えて、どこに行ったか。
 ――俺の中に、転がり込んだんだ。そして、押し出されたサハギンが、武器に憑いた。
「…完全に、仕留めたと思うたわ。隙を突かれたぞ…」
 瓦礫を除け、起き上がるマンティコア。今のはかなり効いたらしい。
 しかしこちらも不安定だ。初めて乗りこなす、と言って良いグレムリン。
(イシドー…さん)
「? お前――」
(さっきので、かなり、深手を……でも、ついて、ますね…)
「……くたばるなよ。俺は負けない」
613名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:12:56 ID:4JrdhpoB
 GFの一般的な奥の手、それは召喚だ。実体を呼び出すことで、持ち得る能力を如何なく発揮出来る。
 人間が制動出来る限界は、時間のかかる一回の召喚につき、一度の攻撃・補助。
 それでもその効果は通常のそれとは比べ物にならない。が、力の強大さ故に術者に負担をかけ、周辺の環境にも影響を及ぼす。
 よって現役のSeeDが召喚を濫用することは禁じられており、無用に使えば即ランクを落とされる。
 何より攻撃型は基本的に、やることは無差別攻撃なのだ。民間人の安全が、保障される訳ではない。
 かと言って、ただジャンクションし、身体能力を強化するだけで良いのか。
 広い攻撃範囲を、凝縮する方法はないのか――そうして編み出されたのが、このオーバーソウルだ。
 二体のGFを体と武器それぞれ同時にジャンクションさせることで、従来以上の攻撃力を生む。
 術者の器量で効果は大きく変わるが、その一撃は狭い分、重い。
 なお、本編にそんな設定は無いからとスク○ニとか集○社とかにチクらないように。

「武器が、強化されたな…そして、貴様自身の特徴も、変化した」
 爪と何度か切り結んだが、確かに手応えが違った。
 体が軽いというか、速い。その分力が落ちたか? だが、サハギンの槍で補える。
 GFが上げてくれる身体能力は、個体によって異なる。今は、スピード重視。
 良い組み合わせだ。これならいける。
「しかし、まだだ小僧ッ!」
 咆哮すると、裂けた口を開くマンティコア。赤い光が煌いた。
 ファイアブレス! 瞬く間に、激しい火炎が噴出される。
 渦を巻きながら、炎が俺を捉える。だが、水属性のアクアオーラには、相性が悪いんだよ。
「お前こそいい加減、諦めろ!」

 火炎の道は敵の、そして自分の視界をも遮る。
 相手は気付かない。水を纏った槍がその中心を逆行しながら、自分の喉元へと迫ってくるのを。
 俺は渾身の力を込めて、槍をそこに通してやった。
 炎は目の前でサハギンの力と衝突し、周囲に押し流される。当然、俺には当たらない。
 だが、相手まで届かなければ、負ける。
「……」
 炎が、徐々に弱まっていく。
「……!」
 槍は、アクアオーラを推進力にし、そして――目標を貫いた。
 巨体が、崩れ落ちる音がする。

「ごふ…見事…」
 串刺しにされたマンティコア。戦える力はもうないだろう。
「はぁ…あぁっ」
 全身の力が抜ける。こんな気の詰まる戦闘をすることになるなんて。
 ま、勝ったんだから反省は二の次。とりあえず、槍は返せよ。
「ぐッ…! …小僧の力、見届けた…ワシを従えるが良い」
 傷口から抜いても、相変わらずよく喋る。GFだから、簡単には死なないか。
「だから、認可が下りてないんだって。違反生徒になってしまう」
「……」
「それに、今回はちょっとした偶然も重なって勝てただけ。出直して来るよ」

 その場で回復されても困るので、俺は逃げ出すように部屋を後にした。
 一歩、二歩と、危険対象から遠ざかるにつれ、自然と忘れていたダメージが、痛みとなって体に現れてくる。
「…って…!」
 思わず立ち止まって、回復魔法。本当に、ボロボロだ。
 と、背後にどさ、という物音。
「!?」
 一瞬、絶望的な想像が頭を過ぎった。
 しかしそこにいたのは、いつの間にか俺から抜け出したグレムリン。
「…無事だったか?」
「……」
614名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:14:15 ID:4JrdhpoB
 彼女は目を閉じて、横たわっている。血は出ていないが腹部の抉られたような傷が、生々しい。
 嫌な予感がして、寄って体を揺する。声をかけてみるが、返事が無い。
「サハギン、戻ってこい」
 武器から俺の中へ、力の移動。
 GFに回復魔法は効かない。分かっているが、一度だけ試してみた。
 ダメだった。やはりあの一撃は致命傷だったのかもしれない。
「……」
 人間とは違う。完全に死んで消滅してしまうことは無いはずだが、こんな状態のままでは。
「……はぁ」
 あれから何分、経ったか。もう四十分、過ぎてるかもな。

 俺はしばらく、彼女を抱きかかえたまま、その場に座り込んでいた。
「…ん」
 ぴく、と体が動く。辛うじて、体力は残っていたのか。
「大丈夫か」
「……イシドー、さん? わた、し…」
「待ってろ」
 何かあった時用にと、一個だけ常備しているGポ。専用の回復薬だ。
 無駄に高かった奴だが、こういう時でもないと必要ないだろうし、良いや使っちゃえ。
 さて、後は臼井にどうやって言い訳するか――って、サトリ相手じゃ正直に話すしかない、か。
 あーあ、落第かな俺。自業自得だが。

「…イシドーさん、大分楽になりました」
 起き上がるグレムリン。傷も一応、自然治癒のように塞がっていた。
「それは結構。じゃ、行こうか」
「あの!」
 大きな声。おっと、手を貸してやらないと。
「ほい、立てるか?」
「あの……ごめんなさい。私、本当は…」
「とりあえず外に出る。話は後にしてくれ」
 じっとしていればまだ良いが、こんな場所でフラフラしていたんでは、直にモンスターに襲われる。
「……はい」

「苦戦したようだな。ふふ…だが、良い面だ。一つ死線を越えたか」
 にやりと笑う臼井。いや全く、大変でしたともさ。
「成る程、マンティコアか。SeeDの玉子には辛かろう」
「一応、グレムリンはここまで連れて来ました」
「莫迦者。所詮ガーデンの課題だろうと高を括ったな。如何なる時も、任務を想定して行え――違うか?」
 仰る通り。時間長めに取って暇潰しなんて、浅はかだった。
「すみませんでした」
「しかし、ふーむ…自惚れと油断が巻いた種に変わりはないが、それもまた結構結構」
「は?」
 彼からストップウォッチが投げ渡された。

 時間は五十二分二十九秒八七。タイムオーバーで失格だ。
「私は目が見えん。それは”そのまま”持って帰って報告する」
 そう言うと、俺に背を向けて森の方へと歩いて行く。
「あの〜?」
「先に駅に戻る。後は、好きに始末しておけ」
「……」
 何と言うかこの人、読めないと言うか、食えないと言うか――。
「ふん…まぁ良い」
 って、聞いていたのかよ。本当に、敵には回したくない存在だなぁ。
 とりあえず、課題は一応、これで終わりだ。
615名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:15:17 ID:4JrdhpoB
 臼井の姿が完全に見えなくなった辺りで、
「お兄さん、それは?」
 と、背後で様子を見ていたグレムリンが、俺を呼んだ。
 俺はこの課題の概要を、彼女に説明した。
「――で、決めていた四十分を超えてしまったという訳です」
「……」
「ん? 何でお前が、そんな申し訳無さそうな顔するんだ?」
「…私を見ててくれたせいで、遅れちゃったんですよね」
 あーそう言えば、十分程度だったか。確かにあれがなければ、ギリギリ間に合ったかも?
「かと言って、課題のお前を瀕死で連れて戻ってもな」

 彼女は俺の手から、ストップウォッチを取り上げる。
「触っても良いが、壊すなよ」
 言い終わらない内に、それを自分の額に、こつん、と当てる。
 そういえばこいつ、機械を弄るのが得意なんだっけ。
「何してんだお前」
「…はい」
 彼女はストップウォッチを返してきた。
「――!?」
 まさかとは思ったが、そのまさか。表示が変わっていた。
”三十八分二十四秒九六”

 額に手を当てて考える。結果捏造――表面だけ見れば、そうだ。
 だが臼井の態度と言い、課題がグレムリンであることと言い、やっぱりそういうことなのか?
「お前なぁ…」
「イシドーさん、話があります」
 真剣な目で、俺を見上げてくる。
「あ〜、契約辞退か。分かるよ、あんな目に遭わせてしまったし、仕方ないよな」
「違いますよ!」
「気を使ってくれなくたって、不合格なら契約自体、無効になる――」
 と、話の最中にいきなり体に寄り添われ、両手で胸の辺りを押される。
「って、一体何だ?」

「私のせいですごめんなさい」
 俺の胴に顔を埋めたまま、聞こえるくぐもった声。
「私、本当は…あの部屋が危険だって、知ってたのに」
「だがそれを別に、お前が教える義理は無かった。俺が勝手に入っただけのこと」
 しかし彼女は額で小突きながら、首を横に振る。
「助けてもらってこちらの方こそ、ごめんなさいありがとうだよ。お前がいなきゃ、死んでいた。…情けない」
 もう一度、ぐりぐりと否定する。
「でも、私は弱いから……いつかきっと、要らなくなると思う」
 か弱い印象を抱いていたのは否定しないが、これでは性格の方が難儀だ。
「…よしよし」

 頭を撫でてやると少し落ち着いたのか、彼女は顔を上げた。
「だからいっそ、すぐに強い子を見つけてあげた方が、私なんかに構わないで上手くいくかもって…」
「思ったんですか」
「思ったんです」
 そうですか。途中で捨てられるよりは、最初から仲間にならない方が良いと。
「…買い被り過ぎだろ。現に俺はボロボロだし」
「ごめんなさい」
 何も責める気はなかったんだが、気まずくなった。
「良いよ、これは自己責任。…で、そこまで考えておいて、今更何が違うって言うんだ?」
「……」
616名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:16:52 ID:4JrdhpoB
 俯いて、無言を決め込むグレムリン。
「嫌なら遠慮せずに、止めとくで良いんだよ。縁が無かった、ってことで俺は納得するから」
 もう、無理矢理連れて帰らなきゃいけない理由も無くなったし、
「それに、もっと強い力が必要になった時、俺はお前に見切りをつけない、という自信は無い」
 本音を言えば残念だが、致し方あるまい。
「だから他に馬が合う奴を見つけて、そいつと組めば良い。その方が、お前にとって一番じゃないのか?」
 と、何か一方的に突き放そうとしている自分。
 長い話を続けている内に、面倒臭くなってきたのかもしれない。
「ほら、元気出せよ」
「――#$%*@¥!!」

 耳がきんとなるほどの怒鳴り声。
 何と言ったか聞きとることも出来ずに、俺は耳を塞いだ。
「…?」
 彼女は消えてしまった。力の気配ごと、その場から何処かへ。
「……」
 冷静になって考えた。俺は、かなり酷いことを言ってしまったか。
 嘘を吐いた。”これから一緒に強くなろう”、”無下に扱うような真似はしない”と言いながら、約束を破った。
 だが、それなら彼女の本音は何だったんだ? 考え方の折り合いがつかなかった――そうじゃないと?
 いや、もう止そう。何だか、頭も体も参るくらいに疲れてる。
 臼井と合流して、そして少しだけ、休みたい。

 最後に洋館を振り返ってみた。
「はぁ…」
 何してるんだろうな俺は。後味悪いばかりだ。
「じゃあ、な。恩を仇で返すようなことしてしまって、悪かった」
 結局、心の内ではGFなんて、便利な道具か何かとしか思っていなかったという訳だ。
 簡単な話だな。
「……」
 嬉しかったんだがな。力を貸してくれる、と言われて。
 それを自棄になって、全てぶち壊してしまった。これこそありとあらゆる中で最も格好悪い。
「…行くか」
617名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:26:39 ID:4JrdhpoB
480とエロには至らず。余力はほとんどない

しかし次スレどうするんだろ? 伝統あるスレだが、今結構過疎ってるよなぁ
失礼かもしれんが、>>605と合流案みたいのもひょっとしてあるんかな
618名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 18:04:57 ID:njJcA+v1
これで終わりなのは、なんとも切ないな。誰も報われないというか。




むこうはそれなりに賑わってるし、こちらを吸収するメリットもたいしてないだろう。
619名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 23:59:57 ID:4JrdhpoB
気を悪くしたならスマン
最近結構合流したり落ちちゃってそのままスレが多い気がするからね
620名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 19:14:51 ID:2KhqB86y
保管庫はどうする?
良作ばかり、消えてしまうのは惜しい。
621名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 03:52:34 ID:z56BsTMd
保管庫は消しちゃいかんだろ・・・
だって俺がまだ読んでないのもあるしw

あっちの方の意見聞いてからじゃないとな
622名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 06:32:33 ID:RDzdbiSC
たぶん、保管庫に収録されていないこのスレのSSはどうするべきか、という意味なのでは?
いまスレの保管庫は更新停止していて、「その13」のログが登録されるかわからないから。
623名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 00:57:00 ID:Z4X7Fn0F
14作っちゃえばいいじゃん。
また盛り上がることがあるかもわからんし。

まあ、今だと旬はロリババアスレだがな。
624名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 20:06:10 ID:9utRd90L
スレの埋め立て用に梅ネタ書いてたら、50Kbくらい行きそう。
625名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 21:03:49 ID:viS1kSvD
初めてここ来たんでとっくに既出かもしれないが
見た瞬間にコロポックルを連想した動画

ttp://www.youtube.com/watch?gl=US&feature=related&v=g3aAoozmowI
626607:2010/03/17(水) 17:57:56 ID:HamXW4PC
街路地は、異世界の入口へと繋がっていることが、よくある
広い光の世界から覗き込む、狭い闇の世界
その奥に何があるか、人はふと考える

何の変哲もない、しかし絶妙な隙間がおぼろげに続く、路地があった
道が、幼少時の好奇心をくすぐる
そんな古い情景に囚われた、一人の男性が立ち止まった

男性は、その先から漏れる無機質な空気を感じ取りながらも、惹かれるように道を辿る
建物と建物の間から、見える青空が少し遠い
入り組んだ道を、光の出口に向かって進んで行く

時間の概念が曖昧になりながら、辿り着く闇の終点
出口から広がる世界は薄暗く、現実とは少し違った空気と、色をしていた
目の前には、「オルゴール館」と書かれた洋風の建物が、軒を向けていた

絵本の登場人物のような、少女が現れる
「いらっしゃいませ」
華やかな水色のドレスに金髪と白い肌は、不思議の国のアリスのようだ

少女は思わず見惚れる男性の手を引くと、自ら館へと案内した
広い部屋。そこは様々なオルゴールと、中世を想起させる装いの人形たちで、溢れていた
窓もカーテンもシャンデリアも、まるでメルヘンの世界だ

「こっちこっち」
少女はそう言って階段を上り、婦人の描かれた肖像画の前から、手招きをする
笑顔に導かれるように、男性は少女を追いかける

二人は、大きなオルゴールの置かれた部屋に辿り着いた
雰囲気に圧倒されている男性を背後に、少女は扉を閉め、灯りを落とした
「踊りましょ」

少女は嬉しそうに、男性と両手を繋いだ
それと同時にオルゴールが作動し、二人にメロディを奏で始める
魔法に悪戯されるような不思議な響きに、男性は心を打たれた

チャイコフスキー作曲、組曲「くるみ割り人形」より、金平糖の精の踊り

体を組むと、二人は自然と踊り出していた
簡単で、誰でも踊れそうな、けれど誰も知らないダンス
一回り小さな体で、少女は男性をリードする

やがて曲が終わると、部屋はフェードインするように、明るくなっていく
「ありがとう」
少女はそう言うと、男性の首元に、そっと手を回した

二人は、キスをしていた
少女の唇は冷たく、感覚は音叉のように、男性の心に一定の音色を響かせた
男性もまた目を閉じて、少女の体を支えるように、抱いた

不意に目を開けると、男性は路地の入口に立って、闇を見つめていた
周囲は普通に人が行き交う、元の世界
そう、男性がほんの僅かな間に見たものは、長く、そして短い白昼夢

けれど、不意に視線を落としてみると、路地に不思議なものが置かれていた
小さな手作りの人形が、黒いオルゴールに腰をかけて、笑っている
手に取ると、もう一度あの、不思議に響く心音が聞こえてくるような、男性にはそんな気がした


以上、保守
627名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 04:59:55 ID:Hm30xdz1
「FMクラシックラジオドラマ、お楽しみ頂けましたか? 今回使われた曲は、皆さんも割とご存知なのではないでしょうか」
「何故かハリーポッターを思い出した」
「作中ではオルゴール演奏でしたが、元々はチェレスタという楽器が使われています。勿論映画”ハリー・ポッター”でも」
「なるほど。それにしてもオルゴール館って良いよね」
「高橋さんは、行かれたことが?」
「昔、長崎のハウステンボスに」
「ハンパねぇ」
「それはトータルテンボス」

「さて、次回のこの時間は、エリック・サティ作曲 グノシエンヌ第1番を、素敵なラジオドラマと共にお送りします」
「グノシエンヌと言えばハルヒだね」
「いきなり角川に飛びますか」
「そして早朝のラジオドラマと言えば成恵の世界だね」
「いやそんなこと誰も訊いてません」
「阪口大助花子」
「…まもなく五時の時報です」
628名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 10:14:48 ID:KOo47ZBW
      _,△_
     ( ゚д゚) ウラメシ。。。
      l U U
      )ノ


        _△_
     ( ゚д゚ ) ヤ!!
       U  U
      )ノ
629名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 23:21:19 ID:nNSdUphY
「gil games night」
「ギルガメッシュナイト」
「hがない」
「つまりエロなし」
630名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 00:04:22 ID:bUIYt0Kn
ね?言ったでしょ
こうなるって
631名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 11:38:13 ID:Zo009lU4
>>630
 彼女はそう言って、驚きのあまり声の出ない青年を蔑んだ。
 10aほど上乗せされた身長は、普段は合わない高さで視線を交えさせる。
「まさか、本当に幽体離脱するなんてな」
 足元には、彼女の実体が、静止し横たわっている。
 そして代わりに、宙に幾ばかりか浮いているもう一つの体が、言葉を発しているのだ。
「どうしてくれるのよ。戻れるの? 私」
「多分」
「多分じゃないわよ。だから嫌だって言ったのに」
 青年の手元には、オカルト本。幽体離脱の仕方、というページが開かれている。
「元に戻す方法は?」
「…人体実験は関係者同意の元で行って下さい。取り返しのつかない状況に陥った場合、当社は責任を負いかねます」
 彼女は青年にハイキックを放ったが、空しくすり抜ける。
「お、白だ」
「白だ、じゃない! ああ〜もうっ、真面目に考えてよ!」
 頼りなさに、彼女は頭を抱える。
「…殺人未遂の現行犯で逮捕かな俺」
「未遂どころか、このままじゃ私、死んじゃうじゃない!」
「まあ、前向きに考えようぜ? 幽体生活をブログに上げてみるとか」
「これが本当の」
「ゴーストライター」
 彼女は青年の顔面にグーパンチを放ったが、やはり空しくすり抜ける。
「自分で戻れないの?」
「浮いてるのに、どうやってよ?」
「よし、じゃあこうしよう。俺が体を持ち上げるから、そこに飛び込め」
 抵抗の出来ない本体に触られるのは、気分の良いものではない。
 彼女も当然嫌そうな顔をするが、しかし背に腹は変えられそうもない。
「変なとこ、触らないでよ」
 
 青年は、彼女を羽交い締めにした。
「…っ?」
「どうした?」
「何か、触ってるのが分かる」
 空気のような体に不自然に感じる接触。彼女は不安そうに胸を抱いた。
「…!」
 びくり、と反応する。
「肩を誰か叩いてるだろ」
「!? え、何で…もしかして、あんたが?」
 青年が頷くと、彼女は安心したように溜息を吐く。
「本体と幽霊になったお前の感覚はリンクしているんだな」
「もう…驚いた。…って、え? …っ!?」
 違和感は、自分の胸に。
「ちょっと、コラ!! 胸は…やめ――あっ!」
「おー、面白い」
 彼女は乳房を見えない手に揉まれ、一人悶える。
「い、いい加減にしないと、許さないわよ!」
「新鮮で悪くないでしょ」
「そういう問題じゃなーい!!」
 すると青年はにやにやしながら、半透明の顔を赤くした、彼女を見た。
「よし。このシチュエーションは惜しいけど、とりあえず元に戻せるか試そう。それから続き、な」
「何その一方的な交渉。ふざけないでよ」
「じゃ、今好き勝手やっちゃおうかな」
 彼女は空いた口が塞がらない。
「あんたって鬼畜ね。死姦とか本当洒落にならないわよ。人の道踏み外すの? 死ぬの?」
「ブラックになるな、冗談だって。…ほら、自分の体に帰って来い」
「後で覚えておきなさいよ」
 彼女はそう言って、自分の体の前に立った。
 青年に支えられて、意識の無いままぐったりとした本体。
「…元に戻れますように」
 深呼吸、そして再突入。
632名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 11:40:35 ID:Zo009lU4
 目蓋の重さ。
 そして全身に重力という名のだるさを感じる。
「……」
「郁子…かおるこ?」
 上から声が聞こえる。
「……脩?」
 下半身が、しっかりと床に着いている。
「はぁ…」
 息を吹き返すようにして、彼女は青年の支えから離れる。
 両手を見る。確かに、元の体だと認識する。
「ひとまず、良かった」
 そんな青年に対し、彼女は振り返るとにこりと笑う。
 ぱん、と平手が一閃。
「さて、今度は私の番よ。その本よこしなさい」
「いって…引っ叩いた上に、まだお前のターンが続くのかよ」
「ヤンチャな男の子には少々厳しい躾が必要だもの」
 顔は笑っているが、心は随分とご立腹である。
「勘弁してくれよ」
 しかし彼女は本を取り上げようと、強引に手を伸ばしてくる。
 ならばと青年も本を高く掲げて、渡さない。意地悪さはまるで子どもの喧嘩である。
「ほらほら」
「絶対、あんたも、同じ目に遭わせて――って、あっ…?」
 戯れの最中、体が縺れて不意にバランスを崩す。
 ばたん、と彼女は派手に倒れた。その際に服を引っ掴んでしまい、青年も道連れに。
「…あれれ」
 元には戻れたが、まだ少し、体がついてきていないのだろうか。
 そして、自分を受け止める形になったのは、青年の体。
「? どうした?」
「……バカ」
 頼もしさを、安心感を覚えてしまうのは、負かされたようで悔しい。
 なのでそれだけ言って、彼女はぷいと顔を背けた。
「……」
 青年はしょうがないなと苦笑いを一つ浮かべ、そのまま彼女を抱き締めた。


ちゃんちゃん
633名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 23:21:37 ID:LJs8lULC
即興SS

  |l| i|li ,      __ _  ニ_,,..,,,,_
 l|! ゚д゚ :l. __ ̄ ̄ ̄    / ゚д゚ ≡
  !i   ;li    ̄ ̄ ̄    キ     三
  i!| |i      ̄ ̄  ̄  =`'ー-三‐ ―

              /  ;  / ;  ;
          ;  _,/.,,,//  / ヒュンッ
            / ゚д゚ /
            |  /  i/             
           //ー--/´
         : /
         /  /;
    ニ_,,..,,,,,_
    / ゚д゚ `ヽ  ニ≡            ; .: ダッ
    キ    三    三          人/!  ,  ;
   =`'ー-三‐     ―_____从ノ  レ,  、
634名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 03:52:37 ID:1EQq+uTh
あ。こっちに投下しても良かったのか

姉妹スレ
【妖怪】人間以外の女の子とのお話27【幽霊】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267983526/n26-30
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267983526/n34-37

で幽霊ネタを書いてるので良かったら読んでみてね




>>632
こういうの大好物だー
d
635名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 13:02:55 ID:CPFXYMhd
                  __  オバケダゾー
    ヽ('A`ヽ)       ヽ|'A`|ノ_
      (  )         、_し ⌒ー'
       < ヽ, , , ,
636名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 14:38:52 ID:lzThUTTZ
637名無しさん@ピンキー
このほのぼのした空気好き?
俺は好きだなぁ
不思議な気分になれるよね
あのノスタルジーな気分がたまらないんだ
どう?今度一緒にニュージーランドの牧草地でも
ただ、俺そもそもニュージーランドなんか行ったことも無いけどねぇ・・・
じゃあね

カランカラン