スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part5

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
もしかしたらあり得たかもしれない物語。
ひょっとしたら辿り着けたかもしれない結末。
そうした幾つもの可能性が重なり合ってるのがSchool Daysです。
そこで、スクイズで可能だったと思われる展開を自由な発想でSSにしてみませんか。
もちろん、Over flow関連作全てが「あり得た可能性」に含まれるので他作もアリです。

(前スレ)
スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203986961/l50
2名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 16:09:24 ID:SmEOeHJF
<踊子からの お・ね・が・い>
次スレは980レス、480KB超えたら立てるのよ。
あと荒らしには反応しないこと。
このスレはsage推奨だからメール欄にしっかりsageと入れなきゃダ〜メ。
以上のことが守られない場合は・・・そうね・・・野杏ちゃん・・・持ってきて!
3名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 01:43:46 ID:n4QcoTtV
>>1を…乙になんて、しませんから…。
4woodchuck:2008/04/11(金) 17:55:44 ID:fBecchcV
入学の思い出に
__________________

出演:誠 言葉 その娘 その祖父母
場所:桂家 とその周辺
__________________

「まことくん お仕事のほうは大丈夫なんですか?」
「問題ないよ めったに休みなんか取らないんだからさ 今日くらいはね」
「そうですか でもあの子喜びます」

明日は私たちの長女の小学校の入学式
高校時代、色々なことがあった私たちも
卒業と同時にすぐに入籍をはたした
でも最初は親から援助をもらいながらの大学生活
実家から通いながらだったけれども
お互いの絆を強くするというつもりでの入籍だった
当然だけれど毎日のようにお互いの家を行き来する毎日
お父さんはかなりしぶったけれど
「子供ができてからの入籍ってのはどうかと思いますわ」
そうお母さんが言ってくれたおかげでなんとか説得ができた

そして危惧していた?通り
私はすぐに身ごもってしまった
毎日毎日まことくんに愛してもらったから
お互いの家を行き来して
実家だからって遠慮なんてしなかった
当然の結果といえば当然の結果
避妊しなければいけないと思ってはいたけど
まことくんと直接ふれないのがイヤで私のほうが拒否してしまった

私は単位を前倒しで取得して留年することもなく卒業
まことくんも子供が出来たことでさらにやる気をだして無事に卒業
子供が出来たことは私たちには励みになった
もちろんお義母さんや両親の手助けは借りたけれど・・・

そして卒業と同時に実家の近くにアパートを借りて移り住んだ
まことくんはお母さんの仕事を手伝ってくれている
私も子育ての合間はお手伝いもする
この子はわたしたちのかけがえのない宝物だ
お父さんは子供が生まれてから手のひらを返してまことくんを褒めた
できたと報告したときは三日三晩嫌味を言い続けたくせに・・・・
今では娘の守護神気取りでいい気なものだ
娘もお祖父ちゃんにべったり・・・・

お義母さんに用意してもらったランドセルを背負い
今日は実家へ入学の報告に来た

「おじいちゃん!」
5woodchuck:2008/04/11(金) 17:56:25 ID:fBecchcV
来る早々お父ちゃんの膝の上に陣取る娘
ランドセルであごをうってもお父さんは何も言わない

「ほら ランドセルを下ろさないと」
「いやだもん!」
「おじいちゃんがイタイイタイだから・・・」
まことくんが説得しても知らん顔だ・・・・

「コラっ!」  私がおこってやっと下ろす
・・・・・・困ったものだと思う
娘は父母にまかせ、
久しぶりに実家周辺を
まことくんとふたりで散歩にでかける

「このあたりも久しぶりですね」
「そうだな 学生時代によく通った道
 最初は言葉に会うため その次があの子を身ごもった言葉にあうため・・・」
「全部 わたしに会うためなんですか?」
「あたりまえだよ 毎日会いたいひとだから結婚したんだ」
「・・・・・・(コクリ」

高校時代、ふたりでよく立ち寄った公園につく
「家まで送り届けるとお別れだからいつもここに立ち寄ったんだ」
「・・・・・・・まことくん」
「時間を延ばすため
 別に公園が好きなわけじゃなかったんだよ」
「・・・・・・・(コクリ」
そんなまことくんの気持ちは私の気持ちそのものだった
ほんの少しの時間でも一緒にいたい
今も同じ、あの頃もずっとそう思っていた
まことくんが私のほうに向きなおし
肩を抱えるようにして抱きしめる

「今日でちょうど10年だって知ってる?」
「ぇ・・・?」

わたしが考える瞬間
ぐっと顔を引き寄せると
とても情熱的なキスをしてくれた
わたしはうっとりとして時間を忘れる・・・・
そんなわたしを優しく見つめるまことくんは
私の手を取り結婚指輪に重ねるようにして
あたらしく指輪をはめてくれる

「これがプレゼント・・・・
 ちょうど10年前の今日が、榊野学園に入学した日
 桜の木下にいる言葉に僕が一目ぼれした日なんだ・・・・」

指輪はピンクガーネットが桜の印象に配置されたもの
指にはめてくれた後 瞼にそっと口付けをしてくれた

___________________(おわり)
6名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 21:51:26 ID:G/RQNiMd
>>woodchuck様(入学の思い出に)
京風おすましのような、じんわりとした味わい。
GJです。
7名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 06:00:13 ID:aflYg/oy
なんか最近、恋愛バトルな本編本格モノを
まったく見なくなったな
8名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:17:14 ID:HriAiANf
保守がてら、今までこのスレに作品を投下してくださった職人の方々を紹介します。
常連さんは懐かしむように、新規さんはナビ代わりに、お読みくださいませ。
(スレ登場順、お名前がわかる範囲で。)

◎ HeadlessCross 氏
代表作:いたるssシリーズ。
HeadlessCross名よりも、いたるssの名で親しまれる職人。
スレpart1時代から息長く投下されるほのぼのコメディは、疲れた心に大変心地良い。
ブログ「その他もろもろ」公開中。

◎ mark 氏
代表作:怒りの誠、ほか短編も多数。
スレ初の長編小説作家。
長編・短編、シリアス・コメディ・ダークと何でもこなす、オールラウンドプレーヤー。

◎ これっきり(part1スレ341) 氏
代表作:見ているだけで…。
part1スレでmark氏と並びスレを盛り上げた職人。
諭し役としての踊子、正面から負けに向き合う世界という、難しくも魅力的な使い方を開発した。

◎ 芽生えた思い 氏
代表作:芽生えた思い。
上記2氏と同時期に登場し、相乗効果を為した職人。
結論分岐、濡れ場描写という、新たな小説の形を切り開いた。
9名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:17:52 ID:HriAiANf
◎ スクイズイフ 氏
代表作:スクイズイフ。
サマイズの爽やかさと、スクイズの奥深さとを存分に引き出す職人。
刹那一押しなら、迷わずこの方を頼もう。


◎ BEAT SWEET 氏
代表作:BEAT SWEET。
スレpart3の先陣を切った職人。
特徴ある現代的な表現は、小説の新たな可能性を呈示した。


◎ ◆Z1avlYLVtI 氏
代表作:彼女だけの彼。
レイプ後の2次被害という、極めて難しい素材で大作を仕上げた、part3の職人。
引き込まれる描写と深い愛情は、言葉好きでなくとも是非読みたい一品。


◎ water 氏
代表作:「みんなの誠」その後。
サブキャラの光が、メインディッシュたり得ることを証明した御仁。
お持ち帰りしたくなる光の可愛さに、攻略対象から光を外したPS版開発陣は、激しく後悔したことだろう。
10名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:18:36 ID:HriAiANf
◎ woodchuck 氏
代表作:散る言葉if、聖域、ほか短編も多数。
幸せ描写・不幸描写ともに読者をぐいぐい引き込ませる、屈指のストーリーテラー。
mark氏と並んで、広い守備範囲を持つ万能職人。
ブログ「勝手にSchool Days」公開中。


◎ ショートホラー(仮称)氏
代表作:通し番号つきショートネタ集。
短編専門のホラー職人。
条理・不条理を織り交ぜた各種作品は、怖いとわかりつつもつい読んでしまう「中毒」性がある。


◎ みどりの日 氏
代表作:あるカップルの肖像、後夜祭if、など短編数本。
part3から参戦の、ラブとコメディを主軸とする短編職人。
「にやり or にやにや」の仕掛け人。


上記以外にも、たくさんの名作職人さんがいらっしゃるのですが、
お名前がなかったり、作品数が少なかったりしたため、個別列挙しませんでした。
また、不覚にも見落としてしまった職人さんもいるかもしれません。
あらかじめ、陳謝する次第です。
11名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 00:02:32 ID:IIID2G/6
みなさん、いい仕事しますね♪
12mark:2008/04/14(月) 20:33:45 ID:TFkI65ya
久しぶりにやってきましたmarkです。わざわざ紹介して頂き光栄ですが、
最近はネタが全然思いつかずスランプですよ…… ともかく、新作をば。今回は
かなり陰湿というか、人の存在があまりに軽く扱われ、消費されてるというか……
原作やアニメ版であった虐めよりも性質悪いです。(鮮血かマフラーを参考に)


榊野学園裏サイト

(中略)

(匿名)数学のM田マジうざいよねー

>今時あんな先コーいねーっての
>超KYだな 化石もん?マジで
>こっちは真剣にやってんのにさ、怒鳴って何も話聞かねーし
>マジ死んでいいな
>電車にでも轢かれて潰れちまえ ギャハハハ
>ところで全然話変わるけどさ、この前1年の女が人殺したよね?
>ああ、基地外の女が歩道橋で別の生徒の首をノコギリでスパーしたやつだろ

>ナイフとか包丁ならわかるけどさ、ノコギリだぜ?ありえねー
>なんかやばいクスリでもやってたんだよ
>それはねーって 詳しくは知らないけどさ、男関係で殺した女と揉めてたらしい
>三角のもつれって今時そんなのあるんだ?
>あたし知ってる そいつクラスで孤立してた 友達もいなかったって聞いた

>お前そいつと同じクラス?
>違う違う!噂で聞いただけ 運動部に知り合いいるから
>自作自演乙
>だから違うっていってんだろ!くそウゼぇよお前
>なにムキってんのさ?お前こそ頭おかしいんじゃね?
>まあまあ落ち着け
13mark:2008/04/14(月) 20:34:50 ID:TFkI65ya
>そんでその女ってどんな奴だったわけ?
>うーん、なんか根暗で大人しかったらしい 胸はかなりでかかったとも
>何考えてるかわかんね―奴の典型だな で、ちなみにサイズは?
>見た感じではAVみたいなプレイは余裕で出来る大きさとの事
>相当女子に嫌われてたんじゃない?女って些細な事根にもつし面倒臭ぇよな

>事件の後どうなったか詳しく知ってるやついる?
>さあ?私には関係無いし
>俺知ってる 何人か学校辞めたし、停学になったのもいる
>誰誰?おせーて
>実名はさすがにやばいだろ
>別にいいんじゃね?どうせ辞めた奴なんだし

(中略)
>しっかしそのM・Iってそんなにアレなんだ?
>もてる男はつらいねぇ
>チ●コ切って去勢したくなるなソイツ
>あははは 実際にやったら神確定だな
>ま、自業自得ってやつ?FA?

その後は便所の落書きみたいな書きこみだらけで、例の話題からは外れた内容が続く。
14名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:25:48 ID:OytQMkqu
GJ!
どこかアニメ版最終話のCパートにも似ている、ショートホラー様(仮)とはまた違った恐ろしさですね。
正に他人の不幸は蜜の味……
15名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:37:25 ID:YgWnqhd+
GJ
クラスでの言葉の扱いを見る限り、榊野って本当にこんな感じっぽいよね。

感想書いちゃっていいのか困るので、最後に「終わり」とか書いておいてくれると嬉しい。
16名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:43:23 ID:vExXG+ba
昨今の実際の学校イジメ問題聞くと、
この時代に中高生でなくてよかったと思う。
今の時代、PCと携帯で悪意が簡単に表出過ぎ。
(90年代ポケベル&PHS世代)
17名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 22:13:15 ID:aWBjsrBi
内容:
>>mark様(12−13)
原作以上の鬱演出。でも、実際にありそうなのが怖い。
GJ。

>>16
同意。
俺の時代は、ろくなツールも栄養も無かったから、凝ったいじめは出来なかった。
なんせ、脱脂粉乳ですから。
18名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 23:06:28 ID:vExXG+ba
>>17
当時としては貴重な栄養源だが、
冷めるとゲロ不味くてトラウマになると言われる
伝説の脱脂粉乳www
団塊世代かよwwww
19名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 23:26:24 ID:THcA1dtH
>>12
すらんぷですか?
良質の×燃料 ○題材じゃないですか・・・・
ワンカットだけでなくて
これをベースに色々な話がのびる気配を感じます
12話のCパートの裏で
こういう部分が動いていると思うと余計に背筋が寒くなります
20名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 10:14:45 ID:4wsSAfKi
2008年4月、某チャットルームにて

05:56(カサノヴァ) おい!おまいら!今週の週刊現代に榊野の殺人事件の記事ある!
05:56(ヌマケチ) 詳細キボンヌ〜
05:57(カサノヴァ) 犯人の写真と名前、経歴等の事欠かれてありましたが何か?
05:57(ヌマケチ) 写真ウUPしる!
05:57(オモチャマ) そういうことなら桂言葉でヤフー検索すればいいコロン。
05:58(カサノヴァ) オモチャマはなんでそなこと知っているのでありますか?
05:58(ヌマケチ) うおおおおおお!言葉たん画像サイトハケーン!神降臨!
05:58(オモチャマ) いや〜実は私も榊野学園の生徒なのだコロン。そのサイトを
          立てたのは同じ女バスの人だコロン。
05:59(カサノヴァ) 質問ありますが、隠し撮りのことや日頃から浮いていて皆
          彼女に対して恐怖感を持っていたことや学校内では殺された男と
          記事でインタビューされた男を手玉に取ってたことは本当すか?
05:59(オモチャマ) あーあれはうちの部が廃部か全員退学になるのを恐れて、桂に
          全て責任なすりつけるためコロン。澤永ーインタビューされた男
          だコロンーたちが自己保身のために好き勝手証言したのだコロン。
05:59(ヌマケチ) なーる、そうすれば、自分らに火の粉がかからないというわけかw
06:00(オモチャマ) これは後で聞いた話だコロンけど、伊藤ーつまり自宅で首なし死体
          で見つかった男コロンーの親父の華麗なる女性遍歴もマスコミに
          暴露される前に国外逃亡したという話を聞いたコロン。
06:00(ヌマケチ) 殺された後、首を切り落とすって、それなんて愛のコリーダw
06:00(カサノヴァ) クインシー・ジョーンズの曲です。本当にありがとうございましたw
06:01(ヌマケチ) アフォかw大島渚のエロ映画だよwwwwww
06:01(カサノヴァ) 話は戻すけど、その親父って自分の娘を妊娠させて死なせ、親子孫三代
          とやりまくって。借金を情婦に負わせて夜逃げした男の事だな?
06:01(オモチャマ) その通りだコロン。そのこと知ってびっくりコロンよ。まさか、伊藤の
          父親があんな人物だと知って、少し納得したコロン。
06:02(カサノヴァ) おい!おまいら!テレビのチャンネルをTBSにしる!オモチャマの学校
          のことが出ている!
06:02(オモチャマ) ええええだコロン!殺された3人の女って4組の小渕、小泉、森じゃないか
          コロン!しっかし、三人の首が串刺しってテラあれを思い出すコロンw
06:02(ヌマケチ) 三人の首が串刺しwwwww団子三兄弟かよバロスwwww
06:03(オモチャマ) ハッ!まさか・・・桂のやつが・・・

06:03オモチャマさんが退室されました。
21名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 10:23:58 ID:WTzuYfhk
どうでもいいけど、語尾にコロンとかつけられると読みにくい上にイラっとする
22woodchuck:2008/04/16(水) 00:39:40 ID:wKFWRCLt
愛と誠(4)==愛キャラスレ立て記念==

「2時間後に集合って…わたしも入ってるのかな?」
「そ、そうなんじゃないかな…」
「じゃぁまた後で…ね」
「ぁ・・ 愛?」
「ん? なーにまこと」
「もし暇ならうちにこないか?」
「ぇ?まことのうち?」
「ぁぁ… 別に変なことするつもりないから…いたるもいるし」
「そ…そうだね うん…」
「待ち合わせするよりもいいだろ? 2時間くらいなわけだし」
「ぅ・・・ぅん…」

「・・・それは私の苦行を激励する恩師の慈悲深い瞳のように・・・」
「もう寝たかな?」
「ぇぇ かわいい寝顔…」
「山・・・愛とふたりっきりってすごく懐かしいな」
「(…)」
「ごめん… しんみりさせちゃったか?」
「そ…そんなことないよ」

「つ…ついでに言っちゃおうかな…」
「ぇ?」
「もう時効ってことでさ… どこかで踏ん切りつけなきゃって思ってたから」
「なんのこと? まこと」

愛のあわてたそぶりがかわいいと思う
もうとっくに忘れてるつもりだったんだけど…
う〜ん 忘れてないんだな…おれ・・・

「俺さ、愛のこと好きだったんだ」
「・・・!」
「なに泣いてるんだよ そんなにびっくりさせたかな?」

ふるふると首をふる愛

「本当は中○の卒業式の日、告白するつもりだったんだ…
 でも加藤にね 愛には好きな人がいるって聞いて、しり込みしてにげちゃった(あはは」
「だから、学園にはいってからもちょっと気まずくってさ、なかなか話せなかったから
 もしかして嫌な気持ちにさせてたんじゃないかなってな… だとしたらすまん」

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・

「時効じゃない 時効にしないで まこと」
「ぇ?」

やっと歯車が動き始めた
高○一年生の夏
___________(おわり)
23名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 01:22:24 ID:NtxId+B5
>>12
お疲れ様。
こうやって学校犯罪もエスカレートしていくんだなと思った昨今。
24名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 05:51:32 ID:KCmbw7Hp
>>22 GJ!!所で、愛キャラスレってどこにあるの?探してみたけど、見つからなかった。
25名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 11:03:01 ID:xCc6wmCi
【School Days】山県愛が大好きだ!大好きだ!
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1208268729/
26名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 16:33:41 ID:KCmbw7Hp
>>25 サンクス
27名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:27:43 ID:Eu4DOghU
>>20
GJ。
ただ、二番煎じ&読みにくい感じになってしまったのは、若干残念です。
次回作に期待します。

>>woodchuck様
「時効にしないで まこと」
すべてが通り過ぎていくのを見送るしかなかった山県にマッチした一言ですね。
GJ。
28KISS:2008/04/17(木) 20:49:49 ID:iiCglokw
どーも>>20のチャットSSを書いたKISSです。
>>27さんの読みにくい感じというのには反省しています。
でもチャット内ではwや2CH語を使う時がありますよ。なお、甘露寺が
なぜチャット内でコロンと語呂をつけるのかは中の人の声優ネタです。
次回作は、アニメスレで書かれてあった

328 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2007/11/01(木) 22:47:40 ID:KMCR3r4y
知ってるー?
立ち入り禁止の屋上があるじゃない?
あそこ、クリスマスの夜になると
赤ちゃんを求めて彷徨う腹裂かれ女が出るんですってー

を題材にして書こうと思います。
29名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 22:18:44 ID:mP+9WPm8
>>28
そういう意味だったんですか >コロン
知らなかったので・・ これからも種明かしは事後でいいのでpleaseっす

あと次回作も期待してます よろしくです
30KISS:2008/04/18(金) 09:20:21 ID:GUAyN8Md
もしもあの惨劇が学校の怪談化していたら・・・・

学食にて
「黒田先輩、知ってる?立ち入り禁止にされている屋上があるでしょう?
 あそこ、真夜中になると赤ちゃんを求めて彷徨う女の幽霊が出るんだって〜」
今年入ってきたばかりの一年生が光にそんな学校の怪談を話してきた。
ああ、あの惨劇も後輩から後輩へと語り継がれていくのか・・・光はそう思いながら
「う〜ん、そう言う怪談ならさ、いろんな学校でもあるわよ。で、なーんで私に
 そんなこと聞くんだよ?」
「いや〜黒田先輩ならそんな事詳しいかなっと思ってさ、あそこで何があったとか」
「つまり、あそこで殺人事件か自殺があったと言いたいの?幽霊のことは深く首を突っ込む
 のはやめときなさいな。あたしら三年や教職員にはその話はタブーにされているんだから。」
光はそんな事言いながら、二年前の出来事を思い出す。誠が首を切り落とされて、殺害された
のは朝のニュースで知った。光は誠はなぜ殺されたのか、誰がやったか、頭の中で少し把握できて
いた。学校では事件のことで持ちきりだった。クラスメートの話ではあれは妊娠させられた挙句
捨てられた世界がやったとか、狂気の泥棒猫こと言葉が誠を自分のものとするため、殺害して
コレクションにしたという説が飛び交っていた。挙句の果ては女にもてまくり誠にジェラしった
父親が邪魔になった息子を殺害したというのも横行した。だがほとんどの予想は事実と離れていた。
無論、光の予想もだが・・・それから三ヶ月後、とんでもない事態に遭遇することになる。
「で、この前、クラスメートたちと一緒に肝試しに行ったわけよ」
光は二年前のことを思い出しながら、学食のサラダを口に入れながら後輩の話を聞く
「三年の澤永先輩も来ていたな。澤永先輩、ビデオカメラなんか持ってさ、今年の卒業記念に俺は
 グローバーフィールドやブレア・ウィッチ・プロジェクトみたいなドキュメンタリー映画とってやる!
 って言っていたのよ。」
「泰介いったい何を考えて・・・」
31KISS:2008/04/18(金) 09:21:28 ID:GUAyN8Md
「それで澤永先輩張り切っちゃって、もしこれが劇場公開されたら著作権とレンタルビデオの二次収入と
 映画館の興行収入で大もうけだ、その金でワンハンドレッドヒルズー通称チバリーヒルズーに豪邸立てて
 ガレージにはベンツのSLとマスタングを置いて、風呂はジャグジー、大型ステレオと液晶テレビを
 買って、毎日銀座に行って遊んで暮らすぜ、なんて言っているのよ」
光は苦笑しながら後輩の話を聞いていた。あいつの考えてそうな事だ、だが!ブレア・ウィッチ自体
偽ドキュメンタリー、やらせ映画なのだから。
「で、結局幽霊は出たの?」
光は質問した、後輩は顔を地面に向けてしまった。そして呟きながら
「うん・・・出たんだよ、あたしらの目の前からさ・・・」
光はもしやと思いながらも
「その幽霊ってどんな顔をしていた?」
「う〜ん顔は覚えてないけど、黒田先輩は「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD」って言う
 ドラマCD知っていますか?」
ああ、昔、泰介があたしの誕生日にプレゼントしてくれたやつだ・・・ほんとうはレッドツェッぺリンの
ベストアルバムが欲しかったのに・・・と言ってやりたかったが
「持ってるけど、それがどーした?」
「知っているなら、せかのは様こと柏木園子を知ってるよね?幽霊・・・柏木園子に似ていたんですよ・・・」
光は驚いたように椅子から落ちた。そんなはずはない、あそこで死んだのは世界のはず・・・世界の幽霊が
出るはず・・・光はそう思いながら一年前の二月の半ばのことを思い出した。
あの日、生徒からここ最近かなりの悪臭がするということで用務員が屋上上がったのだ。無論、光も甘露寺も
澤永も怖いもの見たさで屋上に行った。すると世界の死体があった、死体は死後数カ月がたっており、腐敗が
進み、ハエやウジ虫がたかっており、カラスが食い荒らした後もあった。特に腹のあたりが刃物でえぐられた
ような感じであった。こんな事態になった学校側はすぐさま証拠隠滅を図った。なぜなら
その一 このことが表ざたになれば父兄がクレームをつける
その二 受験生たちがこの事件を知ったら入学希望者が減るため
その三 これまで築き上げた学校のイメージが崩壊してしまうから
というわけで、世界の死体の内臓と肉辺りは焼却し、骨は学校の理科室に置いてある骸骨の模型に仕立てあげた。
32KISS:2008/04/18(金) 09:22:47 ID:GUAyN8Md
立ち上がり再び椅子に座りながら、あの出来事を思い出すと光は一年生の後輩の顔を見た。
「声だけが似ていたんです」
後輩はそう言った。あ、スタイルのほうでなくて声のほうか・・・ならその幽霊の正体は世界だ。
「それで幽霊はあたしらに近づいてきたんだよ、とくに澤永先輩のほうに。あの幽霊、こういっていたな
 「わたしの赤ちゃん返して・・・わたしの赤ちゃん返して・・・」って、それであたしら、澤永先輩
 置き去りにして逃げちゃったわけよ。ああ、階段降りてるとき物凄い断末魔が聞こえたな。次の日、
 あたしら屋上に上がったよ、そうしたら、骨と皮だけになった先輩の死体があった。あれを見て
 あの映画を思い出したね、悪魔のいけにえの監督の・・・」
「それってスペースバンパイアのこと?」
「うん、とにかく先輩の死体は学校側が表ざたになるのを恐れて、グラウンドに埋めたんだってさ」
「じゃあ、ビデオカメラのフィルムのどうするつもりなのよ?」
光は質問した。澤永がここ最近、学校に来ていなかった理由がようやく分かってきたようだった。
「あれね?あれはある映画配給会社に出したら、これは売れるというわけで、上映するって言っていてさ
 来月あたりに劇場公開されるのよ。黒田先輩は公開されたら見に行く?」
光は椅子から立ち上がり
「ごめんごめん、今から授業だから失礼するね、じゃあ!」
と茶を濁しながら学食から出て行った。
光の頭の中では澤永の死にざまを知るために、あの映画を見に行くべきか、それとも見に行かないほうが
いいべきなのか、そのことだけで頭がいっぱいだった。

終わり。
33名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 11:38:11 ID:t4wQwDkJ
数ヶ月も経過した死体が腐乱死体状態なワケない
白骨化かミイラ化してる。世界が天文部長で屋上の鍵
を所有してるのは学校側は知ってるはずだから
行方不明になって母の踊子から捜索願いが出れば
屋上も捜索される。普通に地面に倒れてる状態
なんだからすぐ発見されるはず。それに言葉が
屋上を出入りする際、鋸や衣服に付着した血や
生首入れたカバンから血が染み出して垂れて
各所に点々と落ちてる確率が高い。言葉は
もう壊れてて犯行隠すとかの意図もなさそうだし
血があちこち点々と続けてたら生徒も学校も
気付くし調査するだろう。

とあえて言う
34名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 11:50:55 ID:t4wQwDkJ
学校教師陣が世界を直接殺したというならともかく
殺された死体そのものを隠蔽すると云うのは
いくら学校が保身の塊な糞でも考えにくい、
リスクが高過ぎる。殺人犯が学校に出現したワケで
目的を果たした言葉が旅立った事など事情を
知らない学校からすれば新たな犠牲者が出るかも
と考えるのが当然で警察への通報は不可避。

とあえて言う
35名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 12:50:55 ID:izLUklPu
KISSさん うぷ乙でした
泰介と光の関係がどういうものなのか
文中からだとかなりいびつなものが想像されるんだけど・・・

ツェッぺリとはまた渋い趣味しているなぁ・・・・光
36名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 12:52:56 ID:izLUklPu
>>33,34
その辺はいいっこなしというか「テイスト」の問題だと思うので・・・
あまり拘らないほうがいいんじゃなかろうかと
(実際アニメのスクールデイズでもそういう部分は多々ありますから)
37名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 22:39:13 ID:BJ6gcDjb
>>KISS様(30−32)
2年経っても、想像妊娠でも、子供を求める世界の姿。
状況設定がライト風味なだけに、重く不憫でならない。
GJ。

あと、if話にリアリティを求めるのは、野暮というものだから、
さほど気にせずとも良いかと。
38KISS:2008/04/19(土) 10:22:39 ID:RIZsZ79G
どーも、KISSです。今回のやつは、アニメスレに書かれていたことを
題材(実際に生徒の間で怪談化してしまう可能性もあるが)にして書いた
までです。13金のようなスラッシャー系(ホステルのようなグロ系もあり
ますが)があっても学校の怪談系がなかったので書きました。
あと、柏木園子に関してはアニメスレで「かなり言葉似、けど声は世界」ということで
話題になっていました(無論、自分も興味持って、そのCDを買いましたが・・・)。
ちなみに話の中で映画関係と洋楽関係が多いのは、音楽鑑賞と映画鑑賞が
趣味だからですwなお、自分はツェッぺリンよりディープパープルのほうが好きです。

>>woodchuck氏
ブログに書かれたやつも結構良かったです。トライワイトゾーンの映画版は昔、
見ましたよ。自分としては老人ホームの話が好きです。氏もかなり懐かしの洋楽が
好きな様子ですね。

次回作は言葉が小学生のころに誠の親父と遭遇していたらというのを題材に書きます。
主なテーマは「怪しい露天商」「JVDが発売していた死霊のえじきのDVD」についてです。
39名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:35:01 ID:mQpdxtLy
コープスパーティー in SchoolDays
40名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 06:22:55 ID:sUIljkH4
マジカルハート心ちゃんOVA1位おめでとう!
41名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 12:14:18 ID:I3saJTHe
こんなスレがあったのかw
なんだか、おいらもSS書きたくなったZE!
42名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 13:06:26 ID:vmi4kYxU
>>41さんに期待
43名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 16:04:34 ID:OIiIuu8B
ショートネタI-2

誠が桂さんと別れて私と付き合い始めて十日になる。
私の携帯には一週間前から桂さんから誠を返せとか、信じてたのに嘘つきといった電話がくる。
電話に出ないでいれば呪詛めいた長文メールが送られてきて、それは一通や二通ではなく、二十通近くは送ってくる。
誠に相談して一度は止んだけど、たった一日間を空けただけですぐに再開された。
誠にはもう一度相談したけど、桂さんが取り合ってくれなかったらしく、私が直接話しをしようとしても同じだった。
着信拒否したら自宅に電話をかかってきて、メールアドレスを変えたら手紙を送ってくる。
お母さんに迷惑をかけたくなかったから、着信拒否を解除してメールアドレスも元に戻した。
根本的な解決に至る糸口は見つからない。
誠と別れるのは絶対嫌。

「ハァ……」

刹那はパリに渡って日本にいないし、光と七海は忙しくて相談出来ない。
誠にもこれ以上迷惑をかけられないし、学校で担任に相談しても自分たちで解決しろと言うばかりで、やっぱり相談出来ない…



¨プルルルル…¨
44名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 16:07:44 ID:OIiIuu8B
携帯の着信音がまた鳴る。
誠かと思って期待してみれば桂さんからの着信。
電話に出なければいつまでも鳴るし、切れてもすぐにかけ直してくる。
それでも出なければ自宅の電話を鳴らされるしメールもくる……
私、もうおかしくなりそうだよ……

「もしもし…」
「こんにちは、泥棒西園寺さん…」

諦めた声で電話に出る。
電話口の向こうの桂さんの口調は相変わらず怨みがましい。
反論してもするだけ無駄だから、桂さんの気が済むまで私は沈黙してるしかない。
桂さんの言うことはいつも同じ内容で、電話を耳から離してやり過ごしていまいたいのだが、それを阻止するかのように質問を織り交ぜてくる。
それに答えなければ自宅の電話を別回線で鳴らしてくるし、仕方なく話を聞いている。
無論、今日も同じ話をしてきたのだが、ようやく電話を切る頃になっていつもと様子が違っていた。
45名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 16:09:24 ID:OIiIuu8B
『西園寺さん、私からの電話はいい加減辛いでしょう?今日もいつもみたいに家に引きこもってれば尚更ですよね。』
「何よ…当たり前のことを…」
『ウフフ…。でも、誠くんを奪われた私の哀しみと苦しみに比べればまだまだですよ。』
「あなた、よくもそんなこと言えるわね!」
『盗人たけだけしいとは西園寺さんのためにある言葉ですよね。強く出られる立場だと思ってるんですか?』
「明日、病院にいって精神的に傷つけられたって診断書を書いてもらって警察に被害届を出すわ。」
『私を法的に裁くとでも?』
「そうよ!」
『分かりました。それなら電話もメールも止めにします。あなたには誠くんを紹介してもらった恩がありますし、借りを返します。』
「あなた馬鹿じゃないの!?迷惑電話止めて借りを返すですって?あなた普通じゃない…頭がおかしいわ!!一体、どんな面してそんなこと言ってるのよ!!」
「こういう顔ですよ。」



次の瞬間、部屋の扉がガチャリと開いて鋸を持った桂さんが入ってきた。
桂さんの顔は目元と口元が醜く歪み、狂った笑みを浮かべていた。




「死んじゃえ…」




46名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 16:44:23 ID:JUnbxjR2
さよなら泥棒西園寺さん
47名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 18:45:51 ID:BYhW464a
ショートネタはNまで進んでたはずでは?
48名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 21:26:48 ID:YOTHp1Qq
>>47
よーく見て 『-2』 ってついてますよ
覚えてませんが同じ系列なんじゃ・・・
49woodchuck:2008/04/20(日) 21:30:55 ID:YOTHp1Qq
鮮烈な結末
___________________

出演: 世界 誠 覚醒後言葉 通行人の皆様
場所: 学園前駅付近
特殊設定: 少しありますが・・・
___________________


誠の最近の趣味にはちょっと付き合いきれないところがある
恥ずかしながら、うちの母と誠ができてしまった
なんて母親だって思うけど
母さんのことは好きだし、誠のことも好きだし
誠が母さんに流れるくらい母さんが美人なのはわかってるから
・・・・・・・・仕方が無いってちょっと諦めてる
少なくとも、桂さんにいかれるよりはいいし・・・
それで・・・最近趣味がちょっとね・・・

今日はこれをつけてって・・・

(なによこれ!)

さすがにもう・・・って思うの
そのあとのこと考えると私も乗っちゃうんだけどね

カチャン 金属音をたてて首に冷たさと重みを感じる

これからデート・・・・ちがう、誠の・・なんていうのかな・・恥ずかしくていえない

「あの ね・・・ まこと・・・」
「なんだ? 世界」
「さすがにこのままだと恥ずかしすぎるの・・・」
「そうか じゃぁマフラーで隠していいよ」
「うん・・・」

誠に言われるまま、つけて良いといわれたマフラーでそれを隠す
マフラーにコート、ブーツ・・・それだけでお出かけ
もう・・・・恥ずかしくて死にそう
電車で揺られている間も
誠が執拗に刺激するから足ががくがくするの
誠の肩を借りて歩くけど
足元がすーすーして落ち着かないわ



50woodchuck:2008/04/20(日) 21:31:31 ID:YOTHp1Qq
学園前駅で降りる
いやよ・・・ 他の子いっぱいいるじゃない!
抵抗しても許してもらえなかった
しかたなく誠の横に並んであるく
陸橋に差し掛かったとき
目の前に桂さんがいた・・・・

ぁぁ・・・かつてのライバルの前でこんな恥ずかしい姿で・・・
もう泣きたくなってきたとき

「ぇ・・・・・・?」

桂さんが刃物を持ち出して私に向かってくる

「ウソ」

「死んじゃぇ・・・」

あっという間だった
逃げることも敵わず
その場で首の横に風を感じる
もうだめだァ〜 確かにそう思った

ギィィィ・・・・・

金属の摩擦音がし首に圧力を感じたが
私はなんともなかった

桂さんのあっけにとられた顔 なんだか間抜け

その後、桂さんは通行人と誠に取り押さえられて
通報を受けた警察官に引き渡された
でも本当に死ぬ思いをしたのはそのあとからだった

「で、この首輪に助けられたと・・・
 これってアクセサリーですか?」

わたしは死ぬほど真っ赤になる
誠はそばにいたのに返事をしてくれなかった
別れてやる!!!こんな奴

___________鮮烈な結末(終)

>43さんにつられて作りました
キャラが壊れているのと
シビアなストーリーのあとのお目汚し
お許しください
ナンセンスギャグねたですので
51名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 23:22:56 ID:466Ak8Jo
最初の踊子さんとも付き合って…は必要か?
後、金属首輪装着以外の世界の状態がよくわからない
52名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 23:28:17 ID:I3saJTHe
 「鮮血の結末」目当てで原作を買った>>41です、どうも。
 アニメの最終話はこうなるんじゃないかと思っていた。
 nice boat.には敵わないけど、その妄想を公開してみるテスト。
 ゾンビ映画観ながら、書いたのでgdgdかも知れませんがドゾー。


 伊藤家の一室、誠の部屋にて。
 誠と世界は情事を終え、ベッドの中でとりとめのない話を続けていた。
「ねぇ……誠」
 突然、世界が話題を転換するように呼びかけた。
 天井を見ていた誠は、世界の背中を撫でる手を止めた。
「なんだ、世界」
「桂さん、どうしてるかな……」
「なんで今頃、桂なんかのこと言うんだよ」
 風が強いのか、窓ガラスが音を立てて震えている。
 情事を始める前にカーテンで締め切ったため、外の様子はわからない。
 とりあえず暗くはなっているだろう。枕元に置いた時計は、既に七時を過ぎている。
「だってほら……最近、学校で見ないしさ」
「別にいいだろう」
「ちょ、ちょっと! またそうやってごまかす〜。この前も刹那や光のこと訊いたら、そうして……」
「もう、そんなこといいだろ……ほら」
 誠の、もう一方の手が世界の胸から腹へと移動し、秘所に滑り込む。
 間もなく湿った音が室内に響く。慣れた手つきは、大事な疑問さえも霧消させる。
 呼吸のように、世界の口から声が漏れ出る。
「誠ぉ……」
「世界……」
 甘い呼びかけは、互いの肉欲を刺激する。
 誠が世界の体に覆いかぶさった――そのときである。
 呼び鈴が鳴った。
「ちょ、ちょっと……お客さんだよ」
「別に放っておいたらいいだろ……」
「でも、誠のお母さんだったら」
「しばらく戻ってこないって言ったろ?」
「もしかしたら、急に戻ってきたのかも……」
「うるさいなぁ、行けばいいだろ行けば」
 誠はしぶしぶ起き出して、服を着る。
 その間にも鳴り続ける呼び鈴。
「はいはい、今行くよー」
 気怠さはそのままに、誠は玄関へと向かう。
 呼び鈴は一定のリズムで鳴っている。機械的で奇妙なそれは、恐怖を呼び起こす。
 もしかしたら桂かも……と誠は思いつつ、ドアの覗き窓から外をうかがう。
 しかし、外には誰もいなかった。
 呼び鈴は鳴り続けている。
「どうしたの?」
 誠の背後に、世界が立っている。スカートの他には、シャツを一枚だけ羽織っただけだ。
「いたずらかな……いや、呼び鈴が壊れたのかも知れないけど」
 呼び鈴はまだ止まらない。
「えー、やりすぎてボケただけじゃないの?」
 世界が誠を押しのけ、代わりに外を見る。
「刹那じゃないかな?」
「なんで清浦がここに……」
「とにかく開けてあげよう?」
「あ、ちょっと待てよ! 清浦に俺たちの仲がバレたら」
「いいじゃない別に。あたしと清浦は親友なんだから」
 誠の制止も聞かず、世界は即座にキーチェーンやドアロックを外した。
「刹那ー」
 ドアを開けた瞬間、刹那が飛び入ってきた。その速さは倒れ込んだものかと思えるほどであった。
 否、刹那はドアを開けたとき、倒れこんできた。
 玄関に黒い染みが広がっていく。見慣れないが、二人は本能で理解した。
 それは血であった。
53名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 23:30:35 ID:I3saJTHe
「え……な、なに?」
「どうしたんだ清浦!」
 誠が清浦を介抱しようとすると、
 ――ベリリ。
 紙に似ても似つかない音がした。
「うわぁぁぁ!」
「う、嘘……」
 刹那の胴体から、首が離れた。
 世界はその場で嘔吐した。
「せ、世界……俺、人を呼ぶから!」
 誠はドアを閉め、携帯電話を確保するため部屋へと引き返す。その途中、居間で転んだ。
 わき腹に痛みが走るが、何より手にぬめったものがあった。
 いつの間にか床に血の海が出来ていた。その中に、見知った顔が『浮いて』いた。
 混乱する頭で、誠は情報を検索する。そして思い出す。
 それは加藤乙女を取り巻く、三人の少女であった。言葉と同じクラスメイトでもある。
 小渕と呼ばれた女子は、全ての穴に赤い毛糸が詰め込まれていた。
 小泉と呼ばれた女子は、手と足が挿げ替えられていた。
 森と呼ばれた女子は、自らの首を股に押し込まれていた。
「あ、あ……あぁああ……」
 とうとう腰の抜けた誠は四つん這いで部屋へ。
 ドアノブが血で何度も滑り、開けるのに手こずった。
 青い携帯電話がベッドの枕元にある。
 手を伸ばし番号を押そうとするが、震える手ではままならない。
 まともに110番を押す前に、携帯電話がバイブする。
 着信相手は、言葉であった。
 息が乱れ、心臓が早鐘を打つ。
 見えない相手に唯一コミュニケーションを取る方法である。誠は電話に出る。
「も、もしもし……?」
「誠くん? 誠くん、お元気でしたか?」
「言葉、冷静になって聞いてくれ。今、俺の家で起こっているのは全部、言葉が……?」
 おそるおそる、相手を刺激せぬように、誠は質問する。
 しかし、言葉はあっさりと言う。
「そうですよ」
「なんで、なんでこんな……!」
「大丈夫ですよ、誠くんは絶対に傷つけません。私、誠くんのこと好きですから」
「それこそ、どうしてなんだよ!」
「…………」
 言葉は答えない。ただ、電話の向こうからは衣擦れの音がする。
「なんだ……? 何をしているんだ、言葉」
 聞き覚えのある声が響く。その声は、
「世界……? 世界は!?」
 胸がざわついた誠は玄関へ舞い戻り、そこにあった景色に息を呑んだ。
 世界は猿ぐつわをされ、言葉に羽交い絞めにされていた。
「誠くん、西園寺さんのことが好きなら、ちゃんと見ていてあげてくださいね」
「言葉、一体何を……?」
 言葉の脇に鈍く光るものがあった。鋸である。
 その鋭い山谷を、己と憎い相手の首筋に当て――引きはじめた。
 世界は涙を流しながら、痛みを訴えるが、猿ぐつわに悲鳴を殺される。
 言葉は血が出ようとも、瞳は決して誠から離そうとはしない。
 誠は常軌を逸した光景に目を離すことができない。
 赤い噴水は止まらない。
 掃除したばかりの玄関が、汚すと怒られたマットが、ゆっくりと確実に血に染まっていく。
 やがて、二人は海の中に力尽きた。
 倒れる寸前、言葉が唇を動かし、声にならぬコトバを紡いだ。
 しかし誠は、どういう意味かを読み取っていた。


 "――二人を幸せになんかさせませんから"

 終わり。
54名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 23:47:44 ID:YOTHp1Qq
>>51
いらないかも
でもそこの部分になんか無いと寂しいな
配分として・・・・
なんかいい案ない?

>よくわからない

ん・・・・そっちについてはなんともなぁ
55KISS:2008/04/21(月) 09:06:54 ID:WAtwVHFI
もしも、言葉が小学生のころに誠の親父と遭遇していたら・・・・

今日は誠君の家に行き、ビージーズのベストアルバムをCDコンポで聴きながら
誠君の家族のアルバムを見て過ごしました。誠君ってビージーズとかを聴くんですね
誠君が古い曲を聴くなんて、私、初めて知りました。誠君は家族のアルバムの写真を
指さしながら
「これが俺。隣にいるのは母さん。で真ん中がいたる」
突然、何をためらったのか、重苦しい口調で
「右側が親父だ・・・」
と言いました。誠君のお父さんの顔はどこかで見たことがあります。
「あの・・・誠君のお父さんとはどこかであったことがあるんです」
「えっ・・・」
「あれは私が小学校のころです・・・」

私が小学校に通っていた時、学校が終わるとよく、近所の公園の所にフーテンの寅さんみたい
な露天商のおじさんがいたんです。そのおじさん、誠君のお父さんに似ていたんです。
その露天商の商品は「幸運を呼ぶヘソピアス」とか「幸運を呼ぶ止人形」とかなんです。それで
よく小学生の女子ー下級生や私と同じクラスの女子とかですねーがその露天商が出している商品を
買っていたんです。私?私はあまり買いませんでしたね。あまり効果なさそうと思っていたから・・・
ある日、露天商のおじさんが「幸運を呼ぶ電動こけし」というのを出していたんです。私は置物かなと
思っていました・・・それで
「あの・・・これ、効果あるんですか?」
「うむ。これは持っているだけで幸せになれる品物だぞ。例えばジャクリーン・ケネディやエバ・ペロン
 マリー・アントワネットといった時の権力者の妻が愛用していた由緒正しき品といっていいだろう」
56KISS:2008/04/21(月) 09:08:22 ID:WAtwVHFI
「おいくら・・・」
と私が言いかけた時、隣のクラスの女子が割り込んできたんです。
「あー、それ買う!買う!」
露天商のおじさんはにこやかに笑みを浮かべて
「よしよし、買うのか。ではその前に使用方法を教えようか」
と隣のクラスの女子を公園のトイレに連れて行きました。私も二人のあとをつけて行ったんです。
気になるから・・・私がトイレの出口に来た時、女子の喘ぎ声と携帯のバイブ音に似た物と露天商の
おじさんの荒い息が聞こえてきました。私は危険だ、と感じてその場を急いで逃げ去りました。

「なぁ言葉。露天商が売っているものってほとんどパチモンが多いぞ」
黙り込んでいた誠君は重い口を開きました。
「は?」
「昔、俺も、ある露天商に騙されたことがあるんだ。あの当時、「若葉のころ」って言うドラマが
 クラスで流行っていてさ、俺も毎週欠かさず見ていたんだよ。なにせ奥菜恵可愛かったし・・・」
「堂本剛もカッコ良かったですね」
あのドラマはビージーズの主題歌と若手俳優三人のフレッシュさとは裏腹に妊娠、親殺し、親の暴力と
いったヘヴィな内容のほうが私にとって強烈でした。
「ああ。堂本光一はあのドラマでは一番嫌いだったけど・・・」
「あの・・・騙されたってどういうことなんですか?」
「俺をだました露天商というのは、CD専門の露天商だったんだ。俺はビージーズの「若葉のころ」の
 シングルCDを露天商から買ったんだ。500円でな。しかし、中身は「若葉のころ」じゃなかった
 「スティン・アライブ」だったんだ・・・俺は初めて「騙された」ということの意味を知ったよ」
「その露天商ってCD詐欺専門なんですね?」
「被害を受けたのは俺だけじゃない。ビートルズの「イエスタディ」と思って買ったのが実は「ヘルター
 スケルター」だった、って言うこともあった。ああ、脱線してしまったな。話を続けてくれ」
私はこくりと頷きました。
57KISS:2008/04/21(月) 09:09:41 ID:WAtwVHFI
その次の日。私は学校が終わると公園にいる露天商のおじさんに会いに行きました。公園につくと
おじさんは待ち構えていたかのようににやりと笑っていました。おじさんは口を開くと
「やぁ、待っていたよ、お嬢ちゃん。」
と台に置いてあった、ポカリスェットを飲み干しました。あの時、私の心臓が早くなっているように
感じ取れたんです。
「よーし、おじさんがお嬢ちゃんだけに売る止スペシャルを見せよう」
と懐からあるものを取り出すとそれを台に置きました。それはなんと、死霊のえじきのDVDだったんです。
「それって見せ場のグロシーンがカットしている最終版ですか?」
誠君、昔、JVDというホラー専門DVD会社が出していた死霊のえじきはグロシーンがほとんどカット
されていた粗悪品だったんです。現在、ハピネットが発売している死霊のえじきは見せ場のグロシーンが
カットされていなくて文句一つすらいわれない逸品です。
あと、JVDという会社、素人がやっているとしか思えない出来なんです。例えば、クローネンバーグの
ザ・ブルードは何度もビデオテープが劣化するほどひどく使ったみたいな物で画質が悪いんですよ。
サンゲリアなんて地獄の門といわれるJVDが出したエログロ物のVシネマの予告編が入っていたり
吹き替え版が出ているものは吹き替えの声優さんが素人そのもの、つまり棒読みです。とにかく、JVDは
私のようなホラー映画ファンからは悪名を轟かせる会社なんです。
「ハハハッ!グロシーンも完全収録の完全版だぞ、買うんなら今のうちだぜ」
とおじさんは笑って言いました。
「値段は?」
「1000円と言っておこうか」
私は、財布から1000円を取り出しました。露天商のおじさんは私のほうを見て
「ほほう、お嬢ちゃん、いいおっぱいしているね〜」
「え?」
露天商のおじさんはジローと私のおっぱいを直視していたんですから。
「少しだけ、もませてくれないかな〜」
と手を近付けました。もちろん、私は少し後ずさりしましたよ
「いっ嫌です」
私は急いで、死霊のえじきのDVDを取ると走ってその場を後にしました。それから1カ月がたちました。
PTAで緊急会議があったんです。会議の内容は妊娠した小学生ー私が通っていた小学校の女子ーが
15人いるということが明らかになったんです。もちろん、あの露天商のおじさんがやったと確信して
いますが・・・。私の話はこれで終わりです。ああ、もう12時なんだ。誠君、そろそろお昼にしましょうね。

終わり
58名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 17:20:10 ID:bjOmLMjL
面白かったがKYな突っ込みを一つ。
言葉が小学生の高学年くらいの頃ならDVDではなく単にビデオとしておくべきかと。
DVDの普及し始めたのっていつ頃だろうかと無粋な事を読んでいてふと考えちまった。
59KISS:2008/04/21(月) 19:08:38 ID:WAtwVHFI
>>58
言葉を1991年生まれ、話を小4〜小5あたりのと想定して、書いたら
ちょうどその当時(2001年か2002年)にはレンタルビデオ屋でもDVDが
置かれていました(無論レンタルで)。レンタル料はビデオより高かったですがねw
60名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:27:25 ID:rZbNXtDE
>>ショートネタI-2様(43-45)
もし、言葉の性格がより粘着質だったら、一発鮮血よりも、
追いつめ型のこっちのストーリーの方が可能性が高そうです。
リアルに怖い…。
GJ。

>>woodchuck様
ホラーの気構えで読み進めたのですが…
ええ、見事に騙されました(笑)。
タイトルやら衣装やら、隙あらば笑いの種を仕込むサービス心に拍手を。
GJ。

>>(52-53)様
道連れエンドですか。これもまたありそうな可能性ですね。
ただ、刹那のみは、若干「とばっちり」感があり気の毒。
GJ。

>>kiss様(55-57)様
小学生でその大きさとな。やはり、「せんだんは双葉よりかんばし」なのか??
妄想はつきないが、ともあれ、GJ。
61みどりの日:2008/04/21(月) 22:33:51 ID:rZbNXtDE
作品を投下します。

kiss氏の2番煎じ(30-32)どころか
3番煎じですが(詳細はwoodchuck氏のブログ参照)、
kiss氏作品の設定が魅力的ですので、勢いで書いてみました。
枯れ木も山の賑わいということで、ご勘弁を。

巻きぞえアクセス規制さえなければ、もそっと早くお披露目できたのですが(苦笑)。
62みどりの日:2008/04/21(月) 22:34:24 ID:rZbNXtDE
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
§ 12話その後

主 演 : 光
場 所 : 榊野学園
設 定 : 光、3年進級後
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆昼休み、榊野学園学食

「黒田先輩、ご存知ですか? 立ち入り禁止にされている屋上がありますよね?
 あそこ、真夜中になると赤ちゃんを求めて彷徨う女の幽霊が出るんですって。」

今年入ってきたばかりの1年生が、光にそんな話をしてきた。

「ふーん。その手の怪談なら、どこの学校にも1つ2つあると思うけど?」
「いやぁ、黒田先輩なら、年次的に詳しい事情とかをご存知じゃないかと思いまして。」

一応、先輩に対する最低限の敬語を使っている点は、よしとする。
だが、薄々事情を知りつつ探りを入れるような態度や、
動機が下世話な好奇心レベルを越えてない点は、はっきり言って、気に入らない。
だから、こう返した。

「あなた、今何か全力で打ち込んでいること、ある?」
「?? 特にはありませんが、そのことが何か関係するんでしょうか?」
「たしかに、私はあなたより若干多くを知っているわ。
 でも、それを話すのは、あなたが何かに全力投球するまで、おあずけにしとくわ。
 私そろそろ次の用事があるから、先に失礼するわ。」
「……よくわかりませんが、軽はずみには触れてはいけないことのようですね。
 わかりました。お手数おかけしました。」

今回の子は、第一印象より物わかりのいい子で良かった。
痴情関係と惨劇の状況しか興味のない、下世話なインタビューアー気取りだったら、
折角の安らぎランチタイムが台無しになる所だったから。
63みどりの日:2008/04/21(月) 22:34:52 ID:rZbNXtDE
あの惨劇から約1年半。
世間は事件のことをほとんど覚えていなかった。
ある意味、唯一の残照が、くだんの怪談話。
ただ、世界の遺体が死後数ヶ月放置されウジまみれになっていただの、
あまりと言えばあまりな話だが。

実際には、遺体は普通に発見され、司法解剖を経て、普通に荼毘に付された。
だが、全当事者が未成年であるという建前と、学校の世間体という本音から、
関係者には厳重な緘口令がしかれた。
また、関係者側も、いじめへの関与・見て見ぬふりなど、
公になると不利になる事情を抱えていたので、誰一人口を開こうとはしなかった。
そのため、あることないことが一人歩きしたのである。
64みどりの日:2008/04/21(月) 22:35:49 ID:rZbNXtDE
☆10分後、榊野学園中庭

光は中庭にいた。
ここは、一人になりたいときの穴場。かってここにいた世界も、そういう理由でここにいた。
光は一人、思いをめぐらせる。


みんないなくなった。誰もいなくなった。

刹那。
渡仏以来、まったくの音信不通。
後から知ったことだが、みんな、どこか刹那のことを便利屋扱いしていたから、
誰も刹那の渡仏後の連絡先を知らない。
だから、刹那がどこで何をしているか、誰も知らない。そう、誰も知らない。
私も含め、クラスの付き合いって、その程度でしかなかったのだろうか…。

七海。
世界がいなくなってから、1人でいることが多くなった。
部活でも人間関係がうまくいっていなかったらしく、陰でついた二つ名が「はぐれシューター」。
たしかに、あの一件以降、七海の顔からは、キツイ目と眉間のシワが消えなくなった。
腫れ物に触るようで、自分も含め誰も声をかけられなかった。
風の噂では、あれだけ少女チックに語っていた彼氏は、年下に寝取られたらしい。
「らしい」というのは、誰も直接には聞いていないから。
2年の途中で、人知れず、榊野から離れた公立高校に編入したから…。

澤永。
あれからずっと話をしていない。
同じ校内にいるけど、私の中ではいない人。
昔は好きだったけど、桂さんが壊れた一因を澤永が作ったと聞いてから、
好きだった気持ちはすっかり冷めた。
あんなのを好きになったことが情けなくなる。
もう恋なんてしなくていい。
幻想に振り回されるのも、刺すのも、刺されるのも、ご免こうむる。
65みどりの日:2008/04/21(月) 22:36:20 ID:rZbNXtDE
世界のお母さん。
高校生の娘がいるとは思えないほど綺麗な方。
でも、有体に言えば、老け込んだ感じがした。
お会いしたのは2回。
1回目は世界のお葬式のとき、2回目はたまたま海岸沿いのレストランで見かけたとき。
世界のお墓に花を添えるためだけに生きているような、生きていて生きていないような後姿。
何度思い出しても痛ましい。

桂。
あの頃は、「なにこの寝取り女」と思っていたけど、今だったらわかる気がする。
アンタも伊藤に振り回された一人なんだなって。
だからといって、世界と世界がいた普通の日々はもう帰ってこないけど。

世界。
ごめん。
私らが伊藤をちやほやして、付け上がらせた。世界を邪険にしても構わないと、思いあがらせた。
 「真剣に考えてよ!! 誠の子なんだよ!!」
普段明るい世界のあの悲痛な叫びは、今もなお、耳の奥に残っている。
ごめん。もう届かないけど。


もっとも、世間一般という広い目で見れば、
世界が、そしてみんながいなくなっても、やっぱり同じような日々が続いている。
痴情が原因の陰湿なドロドロは相変らず起こっているし、
年に1度は誰かが産婦人科のお世話になっている。

結局、世界が生きた意味って、何だったのだろう?

…何度考えても、やっぱり判らない。
いや、私なんかが判ろうとすることが、無理というものかもしれない。

だから、せめて覚えておく。
愚かに、でも真っ直ぐに駆け抜けた、世界がいたことを。
世の全ての人が世界のことを忘れても、私だけは覚えて生きる。

もうしばらくすれば、進路提出が待っている。
真っ直ぐに駆け抜けられるもの、見つけないといけないね。世界。

(フェイドアウト)

―――――――――――――――――――― 第X話 さよなら世界 ―――――――
66みどりの日:2008/04/21(月) 22:36:46 ID:rZbNXtDE
以上、お目汚し恐縮です。
設定が設定だけに、オチも何もないですが、
まあ、ひとつの可能性ということで。

みどりの日 拝
67名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:31:22 ID:m8kgXlRv
>>66
先陣をきっていただいてありがとうございました
遅ればせながら3番槍でうぷします

>>55-57
止の露天商・・・あの風貌でそれは似合いすぎ
たしかに道端でアクセサリーとか売ってると似合いそう
ストーリーは誠の父親と知ってから話したのと
知らずに話して最後にそれが父親だった知るのと違うと思いますので
前者だったのが言葉の語り口に違和感を覚えました
しかし冬大根での手口を彷彿とさせます
やっぱり親父の鬼畜さには息子達はかなわないなぁ
68woodchuck:2008/04/21(月) 23:31:59 ID:m8kgXlRv
8年後の春の光
あの事件からもう8年がたつ
わたしは思うところがあって大学に進学し教師になった
そして教師3年目の今年
この榊野学園にもどってきた

6年ぶりの学園の風景は私たちが通っていた頃と何もかわらない
ただ今も屋上は立ち入り禁止で
あの事件は未成年の起こした事件としてネット上では祭りとなったものの
実社会では詳細が報道されなかったこともあって
関係者の学年、つまり私たちの学年が卒業したあとは
日々記憶が薄れ
次の世代に受け継がれるにつれて
「噂話」から「怪談」として変貌し
今では根拠の無い学校の七不思議レベルの話に落ち着いていた
学校も意図的に職員をふくめた入れ替えをはかったようで
用務員はじめ当時の私たちの担任をした教師もほぼ全員がいなくなっていた
そのため採用の面接でも私の卒年次が話題にされることはまったくなかった

事件直後行方不明になっていた世界の消息は
世界が天文部部長をやっていて屋上の鍵を所持していたことがすぐに警察に知らされ
事件の翌日には発見された
その後普通に検死を受けたわけだが
学生たちの間ではずっと放置され白骨化したなどといわれている
実際、今でも屋上は立ち入り禁止なわけでそれも仕方が無いと言えば仕方が無い話なのだが
いつの時代でも高校生の考えることというのはその程度のことだというわけだ

私も当時の親友である世界のことを
自分自身がこんなに冷静に突き放して言えるようになっていることに驚く
私までこういった世間に毒されたのか、
それとも記憶が薄れて情動がにぶくなっただけなのか
でも、いまだにあの前後の記憶はわたしのなかでも霧に包まれたようになっている
覚えているのは夏休みに一緒に遊んだ世界の笑顔
あの笑顔が最後で、その後の記憶が実感の無い
まるで糸の切れた凧子のように宙にういて途切れたようになっている
もちろん事実としての記憶は間違いなく持ってはいるのだけれど
おそらくだが当時の同級生みなが同じ気持ち、同じ状況なのではないだろうか
あの事件のあと程なくして学校生活は表面上は日常を取り戻した
でも時折みなの顔にさすなんともいえない陰りや
そのあとの学園祭のしらけたムード、部活動の沈滞化した雰囲気
そういったところどころにあの事件の後遺症はずっと残っていた
わたしが教師を志したのもあの後遺症に対するなんともいえない『えずく』気持ちからだ
この2年間、わたしは目の前にいるかつてのわたしたちを一生懸命に導いた
若い教師に何ができるわけでもなかったが、兎に角悩みを聞き一緒に悩むことにした
あの事件の前、事件のときそして事件が終わってからも
私たちは大人に放置され続けていた
わたしにはそれこそがあの事件の元凶であったとしか思えなかったから

この春、公立の高校から皆の反対を押し切って母校である私立榊野学園に赴任してきた
公立の教職をやめて私学に移るなんてのは・・・と両親にも婚約者にも反対されたが
これが私にとっての親友世界への反省であり、
自分の高校時代の暗黒を取り除く大事なけっしんだとおもったからだ
69woodchuck:2008/04/21(月) 23:33:21 ID:m8kgXlRv
無邪気な学生は7不思議になった屋上の幽霊の話を私にする
わたしが卒業生であることは新任紹介で校長が話していたわけで
当時の話を聞きたいからにほかならないだろう
でも敢えて私は答える

「学園の7不思議ね・・・ トイレの花子さんはもう古いんだ・・・」
「先生、知らないの?屋上の赤ちゃんを抱いた幽霊の話」
「赤ちゃんを抱いた?」
「うん でもね赤ちゃんの声はするんだけど姿は女の人だけなんだって」
「そう・・・ 声はするんだ・・・・」
「ほかの7不思議は雑な話なんだけどさ その幽霊の話だけは
 妙にディテールが細かくってね 私たち、それは実話なんじゃないかなって
 そう思ってるんだよ・・・」

私にこの話をする生徒、なんとなく雰囲気が世界に似ている
いや・・・明るく物怖じしない女の子なんて何処にでもいる・・・
周囲をみれば世界だけじゃない、
わたしだって 伊藤だって みんなに似ている子がどこかにいるはずだ
ぁぁ・・・・・ 私の責任を再確認した

「あなたたち、わたしは3年目でね あまり勉強を教えるのは上手じゃないわ
 でも、かわりにお姉さん代わりで悩みだけは聞いてあげる
 家に来たときは美味しいケーキもご馳走するわよ」
「わーーーーーーい」
「だから、そんな7不思議探検なんてやめて、もっと自分たちのこと考えるの
 不思議は不思議のまま置いておいてあげて
 それが事実だと思うならなおさらよ 人には感情がある
 もしそれが死んでも失われないものならその感情はとても大事なものだから」
「うーーん 先生ってとてもお堅いひとなんだね・・・」
「そうかな・・ もしその幽霊さんがあなたのお姉さんやお友達だったらって考えてあげて」
「それもそうだけどさ・・・ まぁいいや またね先生」

そういって件の生徒はかけていく
わかってはくれないのだろうけど構わない
あの子が大きくなり私の歳になり
それまでに色々経験をすればきっとわかる
それまでの間、傷つかずきちんと生きて行ってくれさえすれば

「ねぇ 世界 そうだよね」

今は開かない屋上の鉄の扉のまえまできてそう話しかける
返事はもちろんないけれど
春風がひゅーーと扉をたたく音がきこえ
鉄線のはいった窓からは春の明るい日が差し込んで私を照らした

___________________(8年後の春の光 終わり)
70KISS:2008/04/23(水) 09:30:45 ID:BQfxSzfN
誠INデート前夜

17時30分
俺は今、近所のレンタルビデオ屋に来ている。なぜかって?明日、俺はいたるを
連れて言葉の家に行くためだ。そこで1日中、映画鑑賞をすることになっている。
言葉は「誠君が誠君好みの映画をチョイスして借りてきてください」と言っていた
が、どういうのを借りればいいのかが悩みだ。
「君、何を借りたらいいのか悩んでるね」
俺の後ろから声が聞こえた。後ろを振り向くとビデオ屋の店員だった。
「はぁ?なんでそんなことが分かるんだよ」
店員は俺の顔をジィーと見た。そしてニコリと笑い
「う〜む、君、オーランド・ブルームに似ているね」
「だからなんだって・・・」
「よーし!このオーランド・ブルーム似のイケメン君のために俺がチョイスしてやるぜ」
とドタバタとホラー映画系のコーナーに行っていた。俺はその場に呆然と立っているしか
なかった。あ、とりあえず、俺は缶コーヒーでも飲んで待っておこう。
10分後、店員が三本のDVDを持ってきた。タイトルを見ると「ハウス・オブ・ザ・デッド」
「アローン・イン・ザ・ダーク」「ブラッドレイン」という映画であった。店員はニコニコ笑って
「俺が尊敬してやまないウーヴェ・ボル監督の作品さ。君もこれを見ただけで脳味噌が吹っ飛ぶぜ!
 俺のお墨付きだぞ!人生が180度変わるかもしれない作品なんだ」
とウィンクした。この店員、めっちゃキメェ!俺と店員はレジのところに行き
「はぁ・・・で三本で値段は?」
「旧作、三本だから300円だね」
俺は財布から300円を取り出し渡した。会計を済ませると俺は我が家へと向かったのだ。

18時00分
家に帰って雑誌を読んでいるとき、携帯から電話がかかった。とりあえず
俺は携帯を着信ボタンを押した。ちなみに母さんは夜勤なので帰ってこない。
「もしもし」
「ふが、ふが、ふが、ふがふが、ふ〜が」
「あの〜どちらさまでしょうか?」
「ふが〜、ふがふが、ふがふが・・・ふがぁ!」
俺はため息をついて
「世界だろ?声でバレバレだぞ」
「あ?バレちゃったか〜ハハハハ」
「いったい、なんのようなんだ?」
「誠、明日、暇だよね?良かったらあたしんちで怪物王女見ない?光から
 借りてきたやつなんだよね〜」
「ゴメン、明日は用事があるから」
「そう・・・じゃあ月曜日、学校で」
「ああ」
俺はそう言うと切った。そうして、俺は雑誌に目を移す。う〜む、コンバースの
新型シューズ、2万円か・・・少し高いな、と思いながらページをめくった。
その時俺は、血の気が引くような感じがしてきた。それはウーヴェ・ボル監督のことで
あった。
71KISS:2008/04/23(水) 09:32:15 ID:BQfxSzfN
18時30分
あ・・・ありのまま、雑誌で読んだことを話すぜ!
『ウーヴェ・ボルは親の金を使って映画作っている最低の映画監督。
 オリジナリティーにたよらずただテレビゲームの映画化ばっかりしている
 わりには出来は史上最低のレベル。シネ・フィルからは「さっさと映画監督を
 やめろ!親の財産をすり減らすごくつぶしが!」と発言』
な・・・何を言ってんのか、わけわからんと思うが、俺も何言ってたのか
わからなかった・・・いや、わかるはずない!
学芸会ドラマとか映画科学生制作のZ級ホラー映画とかそんなチャチィなモン
じゃ断じてねぇ・・・むしろ見てからの話だけど・・・
もっとも一人の映画監督を罵倒しまくる記事の恐ろしさの片鱗を味わったぜ・・・

19時00分
俺がGTA・サンアンドレスをプレイしているときにいたるがやってきた。
「おにーちゃ、きたよー」
とドタドタと走りながら俺に抱きついたのだ。
「いたる〜やっと来たか〜」
俺はそういいながらいたるの頭を撫でてやった。
「そのゲームやりたーい」
ああ、そうか。いたる、GTAがやりたいのか・・・と思いながらコントローラーを
渡した。
「わーい」
いたるは無邪気にGTAをやり始めた。
72KISS:2008/04/23(水) 09:33:36 ID:BQfxSzfN
19時30分
凄い・・・凄いぞいたる・・・いたるのやつ、ドライビングテクニックが凄すぎる・・・
なにせパトカーと自分の車を激突させず逃走しているのだから、あとはカーブや交差点を
ドリフトをしながら走っている。いたるは・・・ある意味、GTAの天才かもしれない。
ガンプレイも最高だった。拳銃でガソリンタンクをあてて車を爆破したり、警官の頭を
弾一発で倒したりしている。
「いたる、どうだ?面白いか?」
いたるはニコリと笑いながら
「うん、おもしろーい」
と言った。正直俺は嬉しかった。俺と同じGTAが楽しいっていうやつがいることが、
中学生の時、GTA好きな奴が友達があまりいなかったからかもしれない。
俺はテレビのほうを向いた。警官の星マークが6になっている。軍隊がぞろぞろといた。
この時、俺は親父から聞いた昔話を思い出した。親父は昔、ソビエト連邦ー今のロシアーの
首都モスクワに行った時の話だった。まだゴルバチョフが書記長になる前だった。親父は
ロシアのヨーグルト、ケフィール―ケフィア―を日本で売るとかなり儲かると思い、モスクワに
きたのであった。しかし、本当の目的はロシアンビューティーとハメハメするためだ。
事実、親父はケフィールのことをすっかり忘れ、ロシアンビューティーとハメハメすることに
熱中した。まずどうやって、ロシアンビューティーを口説くか、方法はこれであった。

その1、マルボロのタバコをやる。ここソビエトでは西側の製品は滅多に手が入らなかったため。
その2、自分はKGB―ソ連国家保安委員会―の者だ。ちょっとそこまで来てくれ、という手口。
その3、ビデオデッキとCDプレーヤーのセールスマンです。ちょっとお話が、という手口。

まぁ、そんな方法で親父はロシアンビューティーとファックしまくった。正直、俺は恐ろしい男だと
思ったよ。しかし、そんな幸せな日々は長くは続かなかった。KGBからスパイとしてマークされたから
である。それはなぜか、親父はソ連共産党政治局幹部の若妻とやっている最中であった。その最中に若妻
の亭主が帰ってきたのだ。キレた亭主はKGBにスパイがいると報告。KGBはさっそく親父逮捕のため
親父の隠れ家に向かった。しかし、状況がやばくなると逃げる親父は逃走用のトヨタ・ソアラVRターボに
乗って、ソビエトの隣国フィンランドに向かった。無論、警察のジープやソ連の戦闘ヘリ、Miー24が
親父を追跡したのだ。親父はいくつのもの追跡をかわしたり、検問突破したりとまるでGTAさながら
の事をやって命からがらフィンランドに逃げたと小学4年生だった俺に話していた。

22時00分
いたるがGTAやっている途中寝てしまい、俺はいたるをベッドに寝かせた。俺は風呂に入った後
明日は大変な1日になる。寝た体力回復させた方がいいかもしれない。そして俺は自分のベッドで
横になった。しかし、なかなか寝つけられないもんだ。
73KISS:2008/04/23(水) 09:34:55 ID:BQfxSzfN
1時00分
なかなか眠れないので、テレビでも見ることにした。テレビで「DOA/デッド・オア・アライブ」を
やっていたのだ!おおお!可愛い子ちゃんばかりが出ているじゃないか!そう思うと眠気がなくなって
しまった。ああ・・・懐かしのあの人が出ている。ケイン・コスギだ。カクレンジャー好きだったな。
あはは・・・明日は大変な日なのに、徹夜でエロティックアクション映画を見るはめになるなんて・・・

7時30分
う〜ん、朝か。俺は起き上がると、洗面台で顔を洗った。そして、トーストを焼いて、いたるを起こす。
「まだねむ〜い」
「今日、言葉おねーちゃの所に行くんだぞ、早く食べて行くぞ」
といい、俺といたるはトーストをかじりながら、コーヒー牛乳を飲んだ。
食べ終わった後、俺といたるは歩いて、言葉の家に向かった。行く道中、近所の主婦や通勤途中の
サラリーマンが「あらあら、お兄ちゃん。ケイン・コスギに似ているわね」「おはよう、ケイン・コスギ君」
「ちょっと〜あの人、ケイン・コスギに似てない?」「エーウソ?マジィー?ケインにそっくり!」と
言っている。俺はなぜか爽やかな気分でいたると共に言葉の家に向かった。

ピピピピピピ
うん?朝か。さっきの夢だったのか・・・・俺は携帯の時計を見た。
えええええ!昼の12時かよ!もろ遅刻じゃないか!もう・・・だめ・・・ぽ・・・
そう思いながら俺は再び深い眠りについた・・・

終わり
74名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 13:44:32 ID:I6GvQwKl
>>62-65
先日は感想を書き忘れてしまったので・・
「あの日のその後」とても気になります
当事者は当然未来が閉ざされてしまったのですが
その傍にいたもの、遠くに居たもの
皆に影響は必ず出ているはずで
アニメ本編のCパートにある「平常」の裏を見てみたい
書かれた多くの登場人物のその後がリアルでした

それと勝手な意見なのかもしれませんが
みどりの日さまのSSをみて自分のをみると
なんかその続きという気がして

「世界が生きた意味って、何だったのだろう」

これは重く感じます
75名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 23:21:14 ID:XAe+BUHz
>>kiss 様(誠INデート前夜)
映画等に詳しい方ならびしびしツボにはまる、通向けの作品かもしれない。
それにしても、デートなのにドキドキ感以外の理由で寝不足とは、
別な意味で、へたれ誠ですね。
GJ。

>>woodchuck 様(8年後の春の光)
ブログの方で拝読済みですが、あらためて読み返してみても、
淡々とした日々での前向きな姿に、そこはかとない魅力を感じます。
タイトリングにも、ウィットを感じます。

あと、拙作のラストシーンですが、ご推察の通り、「8年後〜」との若干の繋がりをつけてみました。
「何をやっても『世界ざまぁ』とは不憫な…」という思いと、
「『8年後〜』の良い雰囲気を生かさない手はない」という思いが合わさったら、ひとりでに筆が動いた次第です。
原案提供に感謝します。
76いたるの思い出(後編):2008/04/24(木) 02:46:07 ID:bTqRjKHx
ブログの方で山場を一つ書き終えたのでいたるSSを投下します。

今回は後編という事で。


誠の実家にて。


いたるが誠の実家で暮らし始めて3日。
誠は毎日いたるに起こされていた。

「お兄ちゃん起きて。起きてよ。」
ゆさゆさと揺り動かされて誠が目を覚ますと
「えへへへお兄ちゃん起きたー。」
とそのまま抱きついてきた。
「い・いたる。」

朝っぱらから妹とは言え年頃の女の子に抱きつかれるとさすがに焦る。
「おはよう。お兄ちゃん。」
何の邪心も無い純粋に兄を慕う笑顔でそう挨拶されると誠も邪険に出来ない。
「おはよう、いたる。」
と答えていたるの頭を撫でてやった。

「ねえねえお兄ちゃん。いたるお兄ちゃんを起こしてあげたよ。えらい?」
「ああ、いたるはえらいなあ。」
「わーい。」

そんな様子を言葉は優しく微笑んでみていた。

77いたるの思い出(後編):2008/04/24(木) 02:47:53 ID:bTqRjKHx
実家近くの海岸で。


いたるはスコップで砂山を作って遊んでいた。
誠と言葉はそんないたるの様子を心配そうに見ていた。

「いたるはずっとこのままなのかなあ。」
「そんな事・・」
「でもいたるも年相応の記憶を取り戻さないと不味いよなあ。」
「6歳いたるちゃんはとても純真無垢で可愛いんですけど
 心の事を思うと・・・」
「ああ・そうだな。」


いたるは言葉に対しては自然に懐いてきたけれど
何故か心が近づくと誠や言葉の背後に隠れてしまうのだ。
心は少なからずショックを受けたようで言葉にこんな事を言ってきた。

「お姉ちゃん。私本当はいたるちゃんに嫌われてたのかな?
 いたるちゃんは私と無理して付き合ってくれてたのかな?
 私ってそんなに嫌なやつだったのかな?」

心はそう言って泣いていた。
言葉はそんな事はないと慰めたけれど心は泣き止まなかった。
そして心はそれ以来いたるの見舞いに来なくなった。
78いたるの思い出(後編):2008/04/24(木) 02:49:12 ID:bTqRjKHx
いたるが砂をスコップで固めていると手元からスコップが落ちた。
そして誰かが近づいてきてスコップを拾っていたるに手渡した。
「これでいいよね。いたるちゃん。」
数日振りに姿を現した心だった。

「だあれ?」
「心だよ。」
「心?違うよ。心ちゃんもっと小さいもん。
 お姉ちゃん知らない人だよ。」
「いたるちゃん。私は本当に・・」
でもいたるは心の目を見て何かを感じ取ったようだ。

「こ・こ・ろ・・・・
 こころちゃん・・・
 こころ・・お姉ちゃん・・」
「え?いたるちゃん今なんて?」

「心お姉ちゃん。」
「いたるちゃん!!」
心はいたるを思い切り抱きしめた。
「わ・痛いよ!!心お姉ちゃん!!」
「いたるちゃん思い出したんだね!!」
その二人の様子を見て誠と言葉が駆けてきた。
79いたるの思い出(後編):2008/04/24(木) 02:50:49 ID:bTqRjKHx
再び誠の実家にて。


「心お姉ちゃん本当にゴメンね。」
「ショックだったよ。いたるちゃん私の事本当に嫌ってないよね?」
「嫌うわけないよ。あんな態度とっちゃったのは10年の間に
 心お姉ちゃんが一番変化したからだと思う。」
「という事は完全に私とお姉ちゃんの記憶が消えてたわけじゃないんだね。」
「うん。どこかで何かをぼんやりと覚えてたのかも?
 お姉さんは優しくて綺麗って感じで、
 心お姉ちゃんは私よりちょっと体が大きくて遊んでくれる仲良しって感じで。」

「なるほどなあ。10歳から20歳だもんなあ。
 全くの他人に見えても仕方ないよなあ。」
「うん。だからパニックになって。」
「そうですね。外観の変化だけは一番大きいでしょうね。」
「なんか引っかかる言い方だねえお姉ちゃん。」
心が言葉をジト目で睨む。
80いたるの思い出(後編):2008/04/24(木) 02:51:44 ID:bTqRjKHx
誠は電話で母にいたるの記憶が戻った事を伝えた。
そして後ろを振り返るといたるが頬を染めて誠を見ていた。

「お兄ちゃん見たよね。」
「見たって何をだよ。」
「私の裸。」
「あれか。見たというより見せられたけどな。」
誠も何となく居心地が悪い。
「べ・別に兄妹なんだし裸見られたってどうって事無いんだからねっ。
 た・ただちょっとあれかなあって・・・とにかく忘れて!」
「あ・ああ。」

「誠お兄ちゃん。16歳の時のお姉ちゃんと今のいたるちゃんだと
 どっちの裸がすごかったの?」
「そりゃ決まってるだろ。当然・・」
「誠君!!」
言葉が真っ赤になって止めに入った。
「わあ即答できるって事は16の頃にはお姉ちゃん達って!!
 すごいねえいたるちゃん。」
「うんすごいねえ。」
「心!!」
「いたる!!」

ようやく日常を取り戻したいたる達だった。

End
81名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 23:26:14 ID:UrHKTPZz
>>いたるss様(いたるの思い出・後編)
挿絵が欲しくなる一作。
特に、浜辺で「ずんたたた」の歌を歌うシーンでもあれば、
外見は16歳バージョンなだけに、いろいろな意味で破壊力が高そう。
GJ。
82名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 12:36:12 ID:rTBnianN
>>76-80

和みます
記憶が戻るのは『約束』としても
その前後のやり取りがとても・・ ごちそうさまでした!
83woodchuck:2008/04/25(金) 18:34:13 ID:rTBnianN
榊野学園に入る前の誠と愛を取り上げたものを作りましたので
今日からしばらく続けます よろしくです
84woodchuck:2008/04/25(金) 18:34:36 ID:rTBnianN
「ねぇお父さん」
「ん?なんだい 愛」
「わたしの進学の話なんだけど・・・・」
「県立大原に行くんじゃないのか?」
「うん・・・ 先生はね そこで問題ないって言うんだけど」
「なんだ・・・ 変更したいのか?」
「うん・・・ 」
「どうしてまた・・・」
「わたし、引っ越してきたばかりで友達も少ないし
 仲の良い友達といっしょの学校に行きたいなって・・・」
「愛・・・」
「やっぱりダメかな お母さんはね反対するの
 大原に行けばそのまま大学もそれなり以上になるしって」
「それはそうだろうな」
「お父さんも反対する?」

「愛、久しぶりにお父さんのひざの上においで」
「うん」

「おまえも大きくなったなぁ」
「また赤ちゃんのころと比べてるの?」
「ちがうぞ ちょっと前まではな、お前がひざの上に座っても
 お前の頭の上から向こうが見えたんだよ」
「・・・そっか」
「今じゃ大きな頭しか見えんなぁ
 よし・・ 重いからもうどいてくれ」
「ひっどい お父さんったら」
「それだけお前が育ったってことだよ」
「?」
「親の仕事は、子供の見えないことを代って見通してやることでもある」
「うん・・」
「でもお前はもう自分の目でお父さん達と同じことを
 見られるようになったってことだな」
「ん・・・ 」
「そんなお前が考えて決めることを
 お父さんやお母さんが簡単に否定していいわけがない」
「お父さん・・・」
「それになぁ お父さんは長い間お前達を引っ張りまわして
 南の離れ小島にいただろ?」
「うん」
「でも、普通に研究はできたし それはそれでよかったって思ってるんだ」
「お父さん・・・」
「おまえには迷惑かけたけどなぁ」
「そんな迷惑なんかかかってないよ 」
「だから勉強は、どこでもやる気があればできるから」
「うん」
「行きたいところがあって それに理由があるなら
 遠慮せずに行きなさい まさか下宿するとかじゃないんだろ?」
「そんなことはないよ 安心して」
「わかった お母さんの説得ぐらいは手伝ってやるから」
「ありがとう・・・ お父さん」
「うん 久しぶりにひざの上に乗ってくれたしな あははは」

そしてわたしは榊野学園に進むことに決めた
理由はもちろん、誠と同じ学校へ行くため
85woodchuck:2008/04/25(金) 18:35:02 ID:rTBnianN
今日は帰り道、愛と加藤と3人だった
愛とふたりっきりなんて贅沢だから
こうやって肩をならべて3人で帰られることがうれしい

「まこと お帰り・・ なんだかご機嫌だわね・・」
「うん・・ まぁね」
「そういえばね お前、パソコン欲しがってたでしょ」
「ぁぁ・・・ 高校の入学祝、よろしくね」
「ふふふん 部屋に行ってみてごらん・・・」
「ぇ?」
「新品じゃなくって悪いけどね」
「ちょっと待ってて・・・」
「はいはい・・・」

「あれ・・ どうしたの?」
「あれね、病院の先生に貰ったのよ」
「先生に?」
「ぇぇ・・・ 息子がパソコン欲しがってるっていったらね
 メールをしたりインターネットをするくらいならできるからって」
「もらっちゃっていいの?」
「うん お礼は言っておいたから 誠も会ったときにきちんと言ってね」
「それはもちろんだよ」
「で、使い方わかる?」
「うん 大体はね 学校でもやってるし・・・」
「母さん・・ 」
「ん? 」
「ネットの契約してくれる?」
「どうすればいいの?」
「明日、契約書もらってくるからさ」
「はい・・はい 勉強も頑張ってね」
「ぁぁ・・任せといて」
「ほんと返事だけはいいから(笑」

なんか今日はいいこと尽くめだなぁ!!
____________

約1週間後
回線の工事が完了し
プロバイダからの書類も届いたので・・・活動開始の日

「なぁ井伊、おまえパソコンって詳しかったか?」
「いやあまり・・・ でもそれなら山県が詳しいんじゃないの?」
「ぇ・・・ あ・山県ってパソコンに詳しいのか?」
「前そんなこと言ってただろ 離島でなにもないし、なんか父親の関係で
 よくインターネット使ってたとかってさ」
「そうなんだ・・・ いいこと聞いた、あとで聞いてみるよ」
「ぁぁ・・・ おーい 山県ァ 誠が用があるってさ」
「ぉぃぉぃ大声で呼ぶなよ」
「いいじゃねーか 代りに呼んでやったんだから照れるな(アハハ」
「・・・・・・・」
86woodchuck:2008/04/25(金) 18:35:25 ID:rTBnianN
「なーに? 伊藤くん」

「ぁぁ・・ あのさ、パソコン手に入れたからさ
 ネットとかメールとか始めてみようかなって」
「そうなんだ、わたしにお手伝いできるかな」
「うん、できたら是非・・・」
「うん 」
「今日の放課後あいてるかな?」
「放課後?・・・・ うん大丈夫だよ」

「ん・・・? 何はなしてるの山県・・・」
「ぁ・・・ 加藤さん・・・」
「おはよう 加藤・・・」
「ん・・ なんでもないよ またね!伊藤くん」
「なんか用か? 加藤」
「・・・別にないけど?」
「そっか・・・ん」

次の放課

「(あのさ・・ 愛 )
「(ん なーに誠 )
「(放課後さ、一度家に帰ってから迎えに行くよ)
「(うん 先に帰って着替えておくね)
「(ぁぁ。。。 よろしくな)
「(どういたしまして)

(何をはなしてるんだろう・・・)

「ねぇ 山県・・・ 今日なんか伊藤とたくさん話してない?」
「そ・・ そうかなぁ・・ 朝呼び止められて、今もちょっと雑談してただけだよ」
「なんの?」
「ぁ・・・ 進路の話?」
「そうなんだ あんた頭いいもんね」
「そんなことないよぉ」
「まぁいいわ あまり伊藤につきまとわないでよね」
「・・・・そ・・そんなことしてないから、ね、加藤さん」
「・・・・」

(あやしい 怪しすぎる)

その後の毎放課、昼の給食の時間・掃除時間
ずーーーっと見続けたけど
あれ以来、二人が話しているところを見ることは無かった
・・・・今日の放課後は部活の練習をみてやることになってるのよね
可憐に頼むわけにもいかないし・・・
でも・・・これならもう大丈夫・・かな

87woodchuck:2008/04/25(金) 18:35:51 ID:rTBnianN
放課後

「じゃぁな 加藤!」
「う・・ うん 伊藤・・・ 今日はもう予定ナシ?」
「予定? うん・・・ このまま帰るだけだけど?」
「そ・・ そっか ん、じゃぁね 伊藤」

さぁ急いで家に帰るか、愛を迎えにいかないとな

急いで自宅にもどる
よく考えればこれって・・・デート?
いや・・そんなの期待してもな
愛だって友達としてきてくれるんだろうし・・

愛の自宅の呼び鈴を押す

「はい 山県です・・ 」
「あ・・・ 愛? おれ 」
「ぁ・・ まこと? すぐ行くから待ってて」
「ぅ・・・ぅん」

海岸沿いを並んであるく
俺の家を知らないわけじゃないから
来てもらっても良かったのだけど・・・

「今日はなにをお付き合いすればいいの?」
「うーん インターネットとメールの設定かな」
「了解 ちょっとうれしいな」
「え?」
「誠とこれからはメールでお話できるんだよね?」
「そ・・そうだな そうだよな」

いきなりの愛の言葉にちょっとびっくりした
おれとメール交換してくれるんだって思ったから
自分ひとりでもなんとかできるとはおもってたけど
これがきっかけになればいいな・・・そんな淡い期待を抱いたんだ

愛はとても頭がよくって
県立大原に進むって聞いている
この中学3年が終わってしまったら別れ別れになる
なんとかつながっていたい
そう思っていたから・・・メール・・・その手をほかならぬ愛本人から聞いて舞い上がった

(4/25投稿分終了)
88名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 00:03:52 ID:QyXt8VcB
>>woodchuck 様(84-87)
冒頭の山県父とのやり取りが、暖かくていいですね。
誠とのチャンスのためなら、進学最上位も捨てる。
が、そこまでしたのに、愛にはもれなく乙女が付いてくる。不憫な…。
ともあれ、続きを楽しみにしています。
89いたるの思い出(後編):2008/04/26(土) 00:31:35 ID:29TyhOff
>>81-82
ご感想ありがとうございます。

サマイズの時には電話する約束を忘れたら家出してくる位の
ブラコン娘でしたからね。

あそこまでべったりにすると話が違う方向に行きそうだったので
ライトな感じにしてみました。

さて次はどんなネタにしましょうかねw

>>83
続きを楽しみにしていますので頑張ってください。
90スクイズイフ:2008/04/26(土) 02:13:07 ID:7lr6bAtp
SchoolDays-if9話a
学校内〜4組お化け屋敷
朝早くから誠と刹那は3組、4組の担任先生と教頭先生など他の関係者と昨日起きた出来事を話す…
しかし当初その起きた事件より何故その時にすぐ連絡しなかった事や無断で鍵の持ち出した事への追求の方が主に感じた…
それに対して刹那は…

刹那「公になって困り…この出来事を隠蔽されたくありませんので…」と暗に学校関係者が休憩所を黙認していた事を指摘する
実際、刹那はこの休憩所が運動部主体で行われ部の顧問は見て見ぬ振りをしていて…黙認している事〜
そして警察沙汰に発展するのを恐れて隠蔽に走る可能性を指摘…
鍵を無断で持ち出した事は勿論隠蔽工作をされない為の処置と発言…
その場で焦りを感じた一部の学校関係者は反論するものの既に被害者の状態は親に知られていて首謀者も既に判明している事から…教頭らはこの関係者達の処置を検討…
結局、誠達が解放されたのは10時を過ぎての話になる…

学校内廊下〜
誠「何であんなの作ったんだろうな?全く理解できないな〜」
刹那「どうしても全国に行ける実力がある部活動だと甘くなるのかもしれない…
練習はキツいし休みもそれに取られるからストレス発散が目的かな?」
誠「ふ〜ん…まあ〜別に彼氏彼女のする事を否定はしないけど…なあ」刹那も頷く…
誠「しかしなんだな…刹那はすごいよなあ〜殆ど1人で解決してるし…」
刹那「そんな…みんながいなければ…私1人じゃ何もできないよ」
誠「はは…そうか〜少しは役に立ってるなら嬉しいけどね……」
刹那「私は誠が傍にいてくれるだけでも…嬉しいけど…」
誠「えっ?…」その反応に刹那は最近見せる笑顔で返す…

学校内調理室〜3組喫茶店
誠と刹那は揃って入ると…
世界「いらっしゃいませ〜って、あ〜おかえりー刹那、誠!」と言って世界が出迎える
刹那「え?!世界…もういいの?」
世界「うん!昨日刹那達が遅くなるのは言ってたし…こっちの人手が足らないかな〜って」
誠「元気になってくれてホッとしたよ…」
世界「あ〜ははは…うん大丈夫」
光「刹那お疲れ様〜」
泰介「おう〜誠、委員長おかえり〜」
刹那「ありがとう〜すぐ交代するから…」
光「あ〜大丈夫だよ刹那…十分間に合ってるからね」
刹那「え…どういうこと?」
光「世界が今日入ってくれたおかげで全然大丈夫〜さすがバイトやっているおかげだよね」
91スクイズイフ:2008/04/26(土) 02:13:49 ID:7lr6bAtp
SchoolDays-if9話b
学校内調理室〜3組喫茶店
刹那「…そうなんだ…」
光「うん!最初大丈夫かな〜って思ったけど…逆にクレームなんかも対応してくれて大助かりだよ!」
誠「さすが〜バイトしてるだけあるな…」
世界「もう〜やだ光も誠ってば褒めすぎだよ…あ〜これ委員会から渡されたプリントだよ…よろしく」刹那に渡す世界…
誠「ははは〜何か俺達用無しだな、これじゃあ〜」
世界「はっきり言えばそうだよ〜だから刹那も誠もここはいいから〜2人で遊びに行けば?」
刹那「そんな訳には…」
光「刹那…十分間に合ってるし〜ずっと委員会の仕事で忙しかったんだから最後ぐらい遊んでも問題ないって!」周りの仲間たちもそうだと賛同する
世界「まあ…何かあったら連絡するから〜はいさっさっと行く行く!」と言って刹那と誠を押しながら廊下に出して…
世界「じゃあね〜!」と言い扉を閉める…

しばし呆然としていた2人だが…
誠「じゃあ行くか…折角、世界達が遊びに行ってこいって言うし…」
刹那「う、うん…」
誠「まあ何かあれば連絡あるだろうし〜あーそれとも…嫌か?俺とじゃ?」
刹那「そ、そんな事ない!」
誠「よし!回るか〜」

昨日は加藤と回って中学の楽しい頃を思い出していたが…
今日は…先週の刹那と一緒に歩いた楽しい休日を思い返していた…

学園内〜屋上
誠「刹那…そう怒るなって〜悪かった謝るから機嫌直せよ…」
刹那「ううう…」金網を掴んで呻いている…
誠「…《まいったな〜》」頭をかきながら途方に暮れる…
事の起こりは体験コーナーと銘打ってる綿菓子を作る機械での出来事〜
熱して回転している金属製のドラムに砂糖を入れ穴が空いてるところから
出る糸状のモノを割り箸で絡め取っていくというもの…
刹那は割り箸で器用に糸を巻いていたが…
手が滑ったのか割り箸を落としてしまい〜何を考えていたのか落とした割り箸を拾おうとして…
結果、手に糸が巻き付いてしまった訳である…
すぐに水に浸けて処置をして保健室で治療すると…
特に火傷とかなくて怪我がない事にホッとして〜つい笑ってしまった…
それを見た刹那は怒ってしまい…
今に至るのである…
誠は刹那の近くのベンチに座って語り出す…
誠「そのままで良いから聞いてくれ…その〜さっき笑ったのは別に刹那の事をバカにした訳じゃないんだよ…」刹那は相変わらずこっちを見てないようだ…
92スクイズイフ:2008/04/26(土) 02:14:25 ID:7lr6bAtp
SchoolDays-if9話c
学園内〜屋上
誠は聞いているか聞いてないかは構わず話し続ける…
誠「刹那を見てると何か同じ高校生か〜って思う事があるんだよ…
まあ前から只者じゃないって雰囲気はあったけど〜
昨日の言葉を暴漢から助けたり今日は先生と論戦をしたり…
凄いと思うよ…だから見た目のギャップと余りに違いすぎて…つい自分と比較して…
だけど…刹那でもああいう失敗するのを見たら何かホッとしたよ…
俺と何も変わらない…同じなんだなあ〜って…そう思ったら笑っていたよ…」
いつの間にか刹那はこっちの話を聞いていたようだ…
刹那「私は誠が言うようなの人じゃない〜もしそんな人だったら背が低い事を気にしたり…
入学式の時に泣いたりしないよ…」ベンチの隣に座って言う…
誠「はは…だよなあ〜って…入学式か〜懐かしいなあ…まだ1年も経ってないのに随分前のような気がするや〜」
刹那「そうだね…あ〜私も誠に謝らないといけない事あった…」
誠「ん?何?」
刹那「入学式の時、助けてくれたのにお礼も言わないでいた事を…」
誠「ああ〜そんなのいいのに…」
刹那「ううんあの時…もし誠が助けてくれなかったら…って思うと…
多分、私は学級委員にならなかったと思うし…
今みたいにこうやって誠と過ごす事もなかったと思う…」
誠「そうか…そうだな〜刹那にとってあの時からなんだな…
俺は…二学期の席替えで刹那が隣に座ってからかな…
あれがなかったら俺は今だに楽しい事もなく惰性で学校にきて…
つまらない毎日を送っていたかもなあ〜」
刹那「私は入学式の時から学校行くのが楽しかった…今は…もっと楽しいよ〜誠…」
誠「そうか…」
刹那「うん…」
何処までも晴れ渡る空をお互いに見上げながら2人は話し続けた…

誠「でも今回の一件でちょっと考えちゃうよ〜正直…」
刹那「何か悩み事?」
誠「俺…いつまでもこうやって刹那や言葉、世界達と楽しくできれば良いなって考えてたよ…
でも…そのはっきりしない態度が山県、加藤、言葉を傷付けていたんだな…
俺って最低だよな…」
刹那「誠…」
誠「だから俺決めたんだ…自分の気持ちに正直になって〜
こんなどっち付かずじゃなくてハッキリと決めようと…」
刹那「何を?」誠の横顔を見て質問する…
誠「…俺の好きなひ…」と言いかけて刹那の携帯が鳴る…
刹那「言葉さんのお母さんかも?〜もしもし…」
93スクイズイフ:2008/04/26(土) 02:15:08 ID:7lr6bAtp
SchoolDays-if9話d
学園内〜屋上
刹那「もしもし…」暫く話をして…
刹那「はい…ではまたお見舞いに伺います…はい…」携帯を閉めて会話が終わる…
誠「言葉のお母さんからだろう〜何だって?」
刹那「うん…検査の結果、言葉さんの身体の方は問題ないみたい…
でも大事をとって暫く休ませるって…」
誠「そうか…」
刹那「うん…」
誠「あ〜でさっきの話の続き何だけど…俺のす…」今度は誠の携帯が鳴る…
誠「誰だよ〜もしもし…世界か?どうした?…うん…分かった〜すぐ行くよ…じゃあ…」携帯を閉めて会話を終える
刹那「世界がどうかしたの?」
誠「何か面倒な事があったみたいだ…仕方がない戻ろう…」
刹那「あ…うん…」

学校内調理室〜3組喫茶店
2人で戻ると2人の他校の生徒同士なのか言い争っている〜世界から事情を聞くと…
世界をナンパしようとしてトラブルが発生〜互いにちょっとしたキッカケで言い争いになり今に至る…らしい…
俺は片方のヤツを宥めていたのだが…
??「キャ!」声のした方をみると刹那が床に尻餅をついていた…
誠「刹那!」俺は刹那の相手をしていた奴の胸倉を掴み!
誠「刹那に何をした!」と普段なら絶対しない事をして…
結局、回りの男子達が抑えて喧嘩してた2人より誠を抑える方が大変で刹那が宥めるまで相手の胸倉を掴むのを止めなかった…

誠「ごめん…そのつい怒れたもんだから…」落ち着きを取り戻し周りに謝る…
泰介「まあ〜でもアイツらかなりビビってたからなあ〜俺達の怒りを代弁してくれてスッキリしたぜ〜誠!」
問題になった他校の生徒達は学祭委員が連れて行った…
世界「ごめんね〜刹那、誠…ちょっと煽りすぎた…」
刹那「全く…世界は…調子に乗ると本当に…ハア〜」
どうやら売上を上げるために世界が調子に乗って対抗心を煽っていたようだ…
その後、誠と刹那は手伝いに戻り〜そして…

刹那「皆さんお疲れ様でした〜まだ後夜祭まで時間があるので自由時間とします…では一時解散!」
3時にはケーキを売り切ってしまったので早めだったが閉店して…
後夜祭までの時間までを自由時間とした…

世界「さて〜刹那、何処行こうか?」
刹那「露天のクレープが美味しいって聞いたよ…」
世界「よし行こうか〜って本当に良いの?誠誘わなくて?」
刹那「本人が騒ぎで迷惑かけたからって片付けしてるって言うし…」
世界「じゃあ行こうか〜」
94スクイズイフ:2008/04/26(土) 02:15:49 ID:7lr6bAtp
SchoolDays-if9話e
校庭内〜後夜祭会場
夕方…既にキャンプファイヤーを囲んでカップル達が踊り始めている…
光「刹那〜行ってくるよ!ほら泰介!」と強引に引っ張っていく…しかし照れながらも光に付いていく泰介…
刹那「光いってらしゃい…《世界ここで待つようにって…》」遠くから聞き慣れた声が聞こえてくる…
世界「ブツブツ文句言うヤツは男を下げるわよ!良いから黙って付いて来る!」
誠「違うってまだ片付けが残って…」
世界「明日でいい!そんなのは!」
誠「だから引っ張るな〜って…あれ?刹那?」
刹那「誠…」
世界「はい!!お客さん!新鮮な…とは程遠いけど男一丁連れてきたよ!」そう言うと世界は誠を刹那に連れてくる
誠「俺は魚じゃないぞ!!世界!」
刹那「世界…」
世界「さ〜てあとは2人に任せるからじゃあね〜」その場を去っていった…
誠「ちょっと待て世界!…全く相変わらずだよな〜アイツは…」
刹那「…」
誠「え〜と刹那…今…暇〜だよな…もし良かったら踊らない?
〜あ〜勿論刹那さえ良ければ…何だけど…ね〜」刹那「うん…私、誠と踊りたい!」刹那は手を差し出す…
誠「…じゃあ…え〜と…行こう!」誠は刹那の手を掴むと輪の中に消えていく…

少し離れた木の影から誠と刹那の様子を見る世界…
世界「《やっと…か…全く放っておくといつまでもあの調子だものね〜》」と溜め息をつくと…
?「西園寺さん…」
世界「え?…ああ〜山県さんどうしたの?」
愛「何であんな事するの…西園寺さん…」
世界「あんな事?」
愛「誠と清浦さん…」
世界「…もしかして…山県さん…ああ〜そうか…そうだったんだ…山県さんは誠の事…」
愛「非道いよ…西園寺さん…非道いよ…」
世界「ごめん…だけどもう止まらないよ〜あの2人…放っておいても良いんだけど…ね」
愛「…」
世界「だけどこの光景を見れば諦めつくかな〜って思ってね…」
愛「…そうか…西園寺さんも誠の事…」
世界「うん…」
愛「…」
世界「あ…あれ泣かないって決めたのに…ダメダメだ私…ううう」世界は踊る誠達の光景から目を離さずに泣き続ける…
愛「私も…」
世界「うん?」目を反らさずに…
愛「私も泣いていいですか…涙が枯れるほど泣いたはずなのに…まだ涙が…」泣く2人の目の前で誠達は踊り続けた…
世界は携帯を取り出しカメラモードにすると…
世界「言葉さんに報告しないと…」
カシャ……
95スクイズイフ:2008/04/26(土) 02:16:27 ID:7lr6bAtp
SchoolDays-if9話f
校庭内〜後夜祭会場
誠は刹那とフォークダンスを踊りながら悩んでいた…
誠「…《やっぱり今言わないともうチャンスがない…でも…いや待て…》」
刹那「誠…何か悩み事?」心配そうに覗く…
誠「え?ああ〜その《今、言うしかない!》刹那!」
刹那「うん…何?」
誠「…俺…さっき屋上で言いかけた事…言うよ…」
刹那「あ…うん…」
誠「……お、俺…刹那の事…好きだ…」やっと絞り出すように言った…
刹那「…うん…」
誠「…《え?それだけ?》」
刹那「あ…誠…もちろん嬉しいけど…フォークダンス誘ってくれたから…私、てっきり…」
誠「へ?!フォークダンス?」
刹那「後夜祭のフォークダンスに異性を誘って一緒に踊ると言う事は…
あなたが好きです〜付き合って下さい…って意味なんだよ…」
誠「…そ、そうなんだ…あれ?じゃあダンスに誘った時点で…」
刹那「誠は…私に好きって言ってるんだよ…」
誠「…じゃあ俺と一緒にダンスしていると言う事は…」
刹那「誠の事が…好きで付き合います…って意味だよ〜」
誠「…そうか…」
刹那「そうだよ…好きだよ…誠…」刹那はそう言って笑顔でかえす…


桂家〜言葉の部屋
桂母「ただいま〜言葉…気分はどう?」
言葉「あ…お母さん〜おかえりなさい…うん大丈夫だよ」と言って読んでいた小説を閉じる…
桂母「無理しないで…あ〜それと携帯貰ってきたわよ…」
言葉「ありがとう〜お母さん」母から携帯を貰う…
桂母「店員さんが不思議がってたわよ〜故障の原因は水没ですって…
普通はシールが変化するから解るらしいんだけど…言葉は覚えないの?」
言葉「うん〜水没か…全然覚えがないなあ…」携帯の電源を入れる
桂母「水没だと修理不能らしいから前のデータは消えてるらしいわよ…」
言葉「今までのデータ…消えてるんだ《番号やメアド…今までのメールも…》」
携帯を操作しながら何も登録されてない電話帳に悲しみが蘇る…
桂母「じゃあ下にいるから何かあったらすぐ言いなさい」
言葉「は〜い《みんなに会いたいな…番号、メアド教えて…くれるよね〜》
はあ…《今頃、後夜祭も終わった頃かな〜》」
ふと時計を見て番号さえ分かれば電話したかった…
色々心配かけたしお礼も言いたいし…
ふと考えに耽っていると…

ピロピロピロ〜♪…メアドは変わってないから…
携帯を開くと〜メールは世界さんからだった…
96スクイズイフ:2008/04/26(土) 02:17:18 ID:7lr6bAtp
SchoolDays-if9話g
桂家〜言葉の部屋
言葉「《世界さん!〜良かった…これで連絡ができる〜》」
早速メールを読んでみると…

世界〔まだ携帯が直ってるか手元にあるか判らないけど一応報告〜
誠にとうとう彼女が出来ました〜写真送るから見てね…
PS.もしまだ見てなかったら今度お見舞い次いでに見せるね〜
誠に振られた同士より〕
そして送付してあった写真を見る…
言葉「そうか〜誠くんと刹那さんは彼氏彼女に…良かった〜ふふ、おめでとうございます…」
写真を見ながら私は2人を祝福する…

ズキィ…
言葉「え?」
ズキィ……
言葉「何で…」
ズキィ………
言葉「大切な友達が幸せになれたのに…」
ズキィ…
言葉「こんなに胸が…苦しいの?」胸を手で押さえて必死に耐える…

ポタ…ポタ…ポタポタ…
気がつき携帯をみると…濡れている…
ポタ…また濡れる…
あ〜そうか私、泣いているんだ…
え?何で胸が苦しくて涙が溢れるの?
友達の幸せを喜んでいたのに…何で…

嘘つき…わかってるくせに…私は誠くんが好きだった…
誠くんに気がついたのは一学期の終わり頃…いつも朝の電車で会う人〜
時々目線が交差して気になっていた人〜
特に近付くわけでなくいつも離れたところにいて他の男子と違うと感じた人〜
どうすればこの痛みと悲しみは無くなるのかな?…
そして気付きたくなかったが気が付いてしまった事…
言葉「そうか…だから…《加藤さんはこの苦しみから逃れる為に私や他の子達を誠くんから遠ざけていたんだ…》」
一応の経緯はお母さんから聞いていたから…
だから楽な道が相手を排除していくやり方…

じゃあ私は…?

刹那さんを誠くんから遠ざければ…あるいは?
または別れるように策略を企てる?
誠くんを誘惑する?
言葉「できないよ…やっとできた友達を裏切れない…」
ふと携帯のメールを見ていて…
言葉「あ…世界さんはどうして平気なんだろう?」
〔誠に振られた同士〕と言う一分を見て…
世界さんも誠くんの事、好きなのに…間近で見て写真を撮って送ってくれた…

世界さんと話をしたくなり返信で…
言葉〔携帯番号を教えてください…お話ししたいです…〕
と送ると〜すぐに携帯のベルが鳴る〜
言葉『もしもし…世界さんですか?』
世界『うん〜言葉さん、身体の方は大丈夫?』
言葉『はい〜ご心配かけてすいません…で〜メール届きました…』
97スクイズイフ:2008/04/26(土) 02:18:03 ID:7lr6bAtp
SchoolDays-if9話h
桂家〜言葉の部屋
世界『…そうか写真見れた?…』
言葉『はい…』
世界『まあそういう訳だから〜よろしくね!
また刹那達辺りから報告があると思うけど…』
言葉『世界さん…』
世界『ん…何?〜』
言葉『世界さん…も誠くんの事、す、すきなんですよね?』
世界『うん〜好きだよ』
言葉『何で…』
世界『ん?』
言葉『何で平気なんですか?何で笑っていられるんですか?何で…』
世界『その様子だと…泣いてたのかな?』
言葉『う…』
世界『大丈夫〜私はこの前〜散々1人で泣いたから…平気だよ』
言葉『世界さん…』
世界『だから言葉さんも泣きたい時は泣けばいい…
だけどそれでも辛いなら…私もいるから〜言葉さんは1人じゃないよ〜』
言葉『1人じゃない…か…何か嬉しい響きですね〜』
世界『でしょ〜だから泣き足りないなら付き合うよ…』
その後、一度電話を切るが深夜にも言葉さんから電話があって夜が更けるまで私達は語り合った…

校庭内〜後夜祭会場
まだカップル達は踊っていたその場で組んだカップルや男同士や女同士様々な人達が踊っていた…
ベンチで座りながらそれを見ている誠と刹那
誠「楽しかったな…」
刹那「うん…夢を見ている感じ…」
誠「夢?」
刹那「だって…半年前には考えられない事が目の前で起こってる…」
誠「じゃあ夢から醒めたらどうなるんだろう?」
刹那「また半年前に戻るのかな?」
誠「じゃあまた刹那を助けなきゃ…入学式で…」
刹那「…助けてくれる?」
誠「もちろん!…」
刹那「ありがとう…好きだよ!誠!」
離さないで誠〜この手を…
例えいつか離してしまっても…
私はいつまでも待ってるから…
誠…好きだよ…


9話「後夜祭(夢の終わり)」完
98スクイズイフ:2008/04/26(土) 02:18:38 ID:7lr6bAtp
やっと9話終わった…
しかしあぶなく9話で終わってしまいそうになり焦って
ぶっちぎりました〜

まあ10話はエピローグだから大した話ではないです〜
だからサクッと終わらせて…が一番信用ならないか
でも実は9.5話〜この話を作っているときに絶対入れたいエピソードだったりして
ある意味この話を書きたいがために…まあここまで書けばピンとする人もいるでしょう

ではまた10話で〜
99名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 11:47:19 ID:qJSjprRc
>>98
大作もいよいよですね
今回のおはなしは感動+αじっくり沁みる部分が多かったです
世界・愛・言葉の3者3様とその連帯感もよかったです
100KISS:2008/04/26(土) 12:16:31 ID:VS19vbUj
>スクイズイフ氏
大作もいよいよ完結ですね?ハッピーエンドで終わることを期待しています。

>woodchuck氏
おお!誠と愛が中学生の頃の話ですね。進学最上位の所でなく誠と同じ
高校に進学する愛には萌えました。

>いたるSS氏
貴方の今回のSSはほのぼの感がいいです。無論、ブログのSSも自分好みの
SSがあって好きです。

では、自分の書いたSSを投下します
101KISS:2008/04/26(土) 12:17:47 ID:VS19vbUj
今日、学校の帰り電車の中で誠君が隣に座り、駅に着くまで本を読みました。
「言葉、それなんて小説?」
「えっ?これ、スティーブン・キングの「深夜勤務」っていう短編集です」
「ホラー短編集か。言葉らしいな」
「でも、深夜勤務はホラーだけでなくSFもあります」
「たとえば?」
誠君は私の顔をジィーと覗きながら見ていました。
「たとえば、無人のトラックが人を襲うという話があります」
「ハハッ!まるでSF版「激突!」って感じだな」
と笑いながら言っていました。突然、笑うのをやめると真面目顔になり
「言葉が一番好きな小説ってなんだい?」
「汚れた英雄っていう小説です」
私は少しうつむいてしまいました。
「それはなんでかというと・・・」
私は誠君に「汚れた英雄」が好きな理由を言いました。

私が小学6年生頃に、父が
「そろそろ、これを読む年だろ」
と言って、ダンボール箱からJ・D・サリンジャーの「ライ麦畑につかまえて」や
村上春樹の「風の歌を聴け」「ノルウェイの森」と一緒に、大藪春彦の「汚れた英雄」
「傭兵たちの挽歌」「戦士たちの挽歌」を出してきたんです。
学校や家でサリンジャーや村上春樹の小説の面白さを知ると、次に大藪春彦の「汚れた英雄」
を読みました。そして、真夜中なのに寝るのを忘れて「汚れた英雄」を読みふけっていました。
面白かったんです・・・「汚れた英雄」が。「汚れた英雄」という小説は戦災孤児の主人公が
一人前のバイクレーサーとして成長していく話なんです。それに主人公は生まれ持った美貌と
肉体で次々と女性を自分のものにしていくというジゴロ的側面を持ち合わせています。
102KISS:2008/04/26(土) 12:19:13 ID:VS19vbUj
誠君、「汚れた英雄」はバイクレースの黎明期を描いた名作とバイク乗りのバイブルとして
呼ばれているんです。一度読んでみてください。それから、中学一年生のころに読書感想文
―誠君も中学生のころに書いたことがありますよね―で「汚れた英雄」のことを書いたんです。
「汚れた英雄は主題歌だけ知っている。ブロンディのコール・ミーみたいって言われていたな」
誠君が口をはさみました。
「そうなんですか?映画のほうは見ていません」
「それで読書感想文のほうはどうだったんだい?」
ええ、読書感想文を二日かけて書いて、国語の先生に提出したら、次の日呼び出しくらっちゃ
いました。その国語の先生、古い考え方―しいて言えば保守的なのか―な人なのか
「君、こんなくだらない小説読んでいるのかね?バイクで走ったり、ホストまがいな事をする
 男のどこがいいんだね?」
と言われました。私は何も反論できませんでした。
「こういうのより、菊池寛とか三島由紀夫とか読みなさい、分かったかね?ん〜?」
それだけで話は、終わりません。次の日、その国語の先生に無理矢理、安全運転講習会に連れて行か
―拉致―されて、交通事故の死亡者の写真を大量に見させられる羽目になりました。
「言葉・・・俺もそんな事で学校に親呼び出しくらったことは一回あるんだ」
「えっ?」
「小学校のころ、学校の放送でな・・・」

たしか俺が小学5年生あたりだったな。担任の先生で「クラス全員、一曲はお昼の放送で流しなさい」と
言っていたんだよ。あの時、俺は何を流せばいいかなんだよ。最近のヒットソングじゃあ、ワンパターン
すぎるし、ヘヴィメタルとかだったら変に思われてしまうし・・・とりあえず俺は母さんがMDに
入れてあるやつからチョイス―選曲―することにしたよ。あのMDの中には母さんが好きな曲がいっぱい
あったな・・・中島みゆきの「横恋慕」、チャゲ&アスカの「SAY YES」、チューリップの
「虹とスニーカーの頃」、中森明菜の「十戒」、ノリピー―酒井法子―の「碧いウサギ」とががね。
103KISS:2008/04/26(土) 12:20:23 ID:VS19vbUj
そんな中でこれはイイ!俺や同級生でも乗り乗りになるってっていう曲があったんだ。それは
おニャン子クラブの「セーラー服を脱がさないで」っていう往年のアイドルソングだった。
次の日、お昼の放送の時に「セーラー服を脱がさないで」を流した。俺は加藤や同級生のほうを見たよ。
男子のやつは曲にノッていたけど、加藤のやつは頬を赤くしていたな。なんでだろ〜と思ったよ。
五時間目が終わる頃に呼び出しくらう羽目になった。担任や校長や母さんにすごく叱られたよ。
なんでかって?「セーラー服を脱がさないで」は歌詞に問題があったんだよ。「Hがしたい」とか
性的な意味でさ。つまり、歌詞に書かれていたことはセックスがしたいという事だったんだ。
次の日、加藤が
「伊藤、大丈夫?」
「ああ、凄い叱られたけど、まぁなんとか大丈夫さ」
「でも「セーラー服を脱がさないで」を学校放送で流すなんで凄いな」
「まぁな、歌詞の意味分からなかったけど・・・」
「伊藤って案外度胸あるんじゃないか?」
俺は照れ臭そうに笑ったよ。

「誠君って加藤さんに褒められたことがあるんですか?」
「ああ」
誠君、思いだし笑いしていますね。
「なぁ今度、なにか小説本貸してくれないか?俺も持ってる奴、貸すからさ」
「はい」
私と誠君は電車から出ると、駅を出ました。私は誠君のために何を貸せばいいでしょうか?
誠君はどんな小説を貸してくれるのかが楽しみです。

終わり
104名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 12:50:32 ID:qJSjprRc
>KISSさん
桂父はいい味出してるけど
それ以上に誠母がぃぃ!(でもその選曲だと40は越えてる設定なのかな)
あとなんだか電車内が楽しそうでとてもいい雰囲気です
105名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 12:58:25 ID:NSeNBHnB
すまんが。
言葉の一番好きな小説が「汚れた英雄」って
さすがに了承できんは。
106woodchuck:2008/04/26(土) 13:13:45 ID:qJSjprRc
>>87 の続き

家につく
お茶と適当な菓子を手に
自分の部屋にもどる
すでに愛がもうパソコンを立ち上げていた

「どうかな? わかりそう??」
「うん わたしが家で使ってるのと変わらないから」

compaq-PC

あまり見かけないけど
向こうでは普通に見かけるものだそうだ
そういえばあの先生、海外留学から戻ったばかりだって言ってたな

「これならまだまだ使えるよ」
「そっか・・ よかった」

愛に言われるままに、プロバイダから届いた書類を順番に出していく

「メールアドレスってこのままでいいの?」
「ぁぁ・・ とりあえずは・・」
「変えられるから 何か考えてたなら変えちゃうといいよ」
「愛はどうしてるの?」
「わたしは・・・ 」

そういって愛はI.E.を立ち上げる
これを使ってるんだ

「ん?」
「フリーメールってやつだよ うちはお父さんとPC共用だから・・」
「ん」
「メールの中身見られたらいやだもん」
「そっか」

「わたしのアドレスにメールテストしてみるね」
「うん」

「これでよしだね メールもきちんと届いたよ」
「ありがとう 愛・・・」
「うん どういたしまして」

一仕事終えた愛が少しはなれて床にぺたんと座る

「あのね・・・ 誠・・・」
「うん・・」
「わたし 報告があるんだ」
「報告?」
「うん」

ちょっと緊張した時間がながれる
107woodchuck:2008/04/26(土) 13:14:06 ID:qJSjprRc
「あの・・ 高校なんだけど・・」
「県立大原のことか?」
「ううん 違うの」
「ぇ・・・・ 県立大原、確実ってみんな言ってたじゃないか」
「・・・・ 誠、わたしがそこに行った方がいいと思う?」
「・・・・ うーーん だって名門だし・・・ このあたりじゃ断トツじゃないか」
「だから・・ そんなんじゃなくって・・」
「行きたくないのか?」

また沈黙が・・・

「いいの・・ うん またね」

愛がゆっくりと立ち上がる

「愛 ありがとな」
「ううん たいしたことじゃないから」
「・・・・・ でもアリガト たすかった」
「うん」

玄関でいいという愛を見送る
振り返ったときの愛がちょっと涙目だったのに
誠は気がつかなかった

愛が帰った後、パソコンを触る

「あ・・・ 」

そこには愛のアドレスが残っていた
少し考えたけれど、愛にメールを送ってみようと思い立つ
とりあえずは今日のお礼を
そして、さっき話をして気になっていたことを

(愛、進路でなやんでるのかな?)

メールを送るとやることが無いことに気がつく
うーーん 他の連中はメルアド知らないから伝えようも無いぞ
自分で苦笑する
ということでネットサーフィンを繰り返す
定額接続なので気にしないでいいのがうれしい
いい加減あきてきたところで
何気なくチェックすると
愛から返信メールが届いていた

「まこと・・ このアドレスにアクセスして・・
 それで・・ )

言われたとおりに操作する
フリーアドレスをひとつ取得
その指定されたソフトをダウンロードしてインストール
いわゆる『メッセンジャー(ソフト)』だった
二人きりで話すための道具
最後に愛のアドレスを指示通りに登録する・・
立ち上げるとすぐに愛がアクセスしてきた
結構時間がかかったのに・・・待っててくれたらしい
108woodchuck:2008/04/26(土) 13:14:28 ID:qJSjprRc
:まことーーー うまくいったみたいだねーー

第一声がこれ
なんだか普段の愛と違う気がする
元気というか明るい

:ん 待っててくれたのか?
:もちろんだよ って実はね誠がわたしを登録したら合図がでるの
:そ・・ そうなんだ
:ん・・ でね、誠が立ち上げたときにわたしがログインしててもわかるんだよ
:そうなの?
:うん だからね これからはいつでもお話できるの
:いつでも?
:うん 電話で待ち合わせしてから立ち上げてもいいし
:そうなんだ

しばらく普通のクラスメートの噂話やら
テレビの話題やらを続ける
そろそろいいかなと思ったので
気にしていたことを聞いてみる

:愛、さっきの進路の話なんだけど・・
:うん
:悩んでるのか? おれでよければ相談に乗るけど
:うん でも悩んではいないの
:どういうこと?
:わたし 榊野学園にしたって報告がしたかったんだ
:え????? 本当なのか
:嘘を報告してどうするのよ 誠ったら
:うん それもそうか
:ん
:でも どうして?
:わからない?
:・・・・・ゴメン
:いいの 誠はどう思うか教えて
:おれ?
:ん
:愛が一緒の高校に行くのはうれしい
:それならいい
:え?
:誠にいやだって言われたら困った
:そんなことはない うれしい
:ん それが聞きたかっただけだから

時間をわすれて話していたせいか
気がつくともう母さんが帰ってきていて
ご飯にするとうるさい

:また明日も話せるかな?
:もちろん ここならゆっくり誠と話せるもの
:うん

その日から
ほとんど毎日のように、愛とチャットする日々が始まった

4/26日投稿分終了
109mark:2008/04/26(土) 16:56:35 ID:OzgoIapq
どうもです。昨日急遽思いついたネタを1つ。とはいえ、上の方であった
光視点での12話その後と被りますが(爆) アニメ版でもちょこっと登場
していた山県愛から見たアニメ版その後という事で。(12話ラストで
光と喋りながら歩いている様子でしたね)原作とは性格が異なるでしょうが、
あんな事件が起きた日にゃ、やっぱり考えるんじゃないでしょうか。でもそれに呑まれて
自滅するわけでもなく、山県も普通に忘却していくのでしょう。


始業式後

「いやあ、2年でもあんたと同じクラスになるとは、私もツイてるかな」
「クラス替えで旧3組の人達とはバラバラになっちゃったしね。
 一から関係作るのって、結構気を使うもの」
「うん、同感」

2年でも私は黒田さんと同じクラスになった。だから何なんだと言われれば
それまでだけど、知っている人間が1人でもいるというのは、気持ち的に
楽な面があるものだ。

4月なのに、上着のブレザーを脱いでも汗ばむくらい気温の高い日が続いており、
どちらかと言えばインドア派な私にはちょっときついかな。

「なんか時間割みたらさ、去年より英語と数学のコマ増えてるしホント憂鬱だわ。
 数学なんて専門の仕事にでも就かない限り、実生活で使う事なんてあまり無いのに」
「確かにそうかもね。私はインターネットでプログラミングやったりするから、
 と言っても真似事程度だけど、数学の考え方が役立つと感じる事はあるかな」
「やっぱ愛は頭いいね。私は家が商売やってるから、お金の計算なら得意だけどさ。
 3年では理系に行っちゃうつもりなの?」

「うーん、まだそこまではっきりとは決めてないかな。理系はどうしても勉強が
 大変だし、目的がないと辛い面はあると思う。……あとはやっぱり、女子が
 少なくなりがちだし」
「あー、それはあるね。理系は圧倒的に男の子の方が多いし。同性が少ない
 というのは結構プレッシャーかも」
「まだ1年あるからゆっくり考えるつもりだけどね。そんなに肩肘張る事もないけど」

来年には具体的な進路も決めないといけないのだけど、まだまだ実感が湧かないのが
正直な所だ。こうして黒田さんや他の友達とおしゃべりする時間の方が
勉強よりもずっと楽しかったりして。

「じゃーね、また明日」
「うん、ばいばい」

黒田さんと別れ、私も自宅へ帰ることにする。

110mark:2008/04/26(土) 16:57:46 ID:OzgoIapq

山県家

早目の帰宅なので家には誰もいない。
そのまま自分の部屋に行き、パソコンのスイッチを押す。
1人で過ごす時は、こうして画面に向かっている事が多い。
そして私は自分専用のホームページを開く。それ自体は特に注目すべき所など
ないありふれた内容のものだけど、目的は別にある。

両親でさえ知らない、秘密の(と言うと大げさだけど)日記というか手記だ。
もちろんパスワード付きで、事実上私しか閲覧出来ないようにしてある。
とは言え、別に大層な事が書かれているわけではなく、とりとめもない内容ばかりだけど。


4月X日

2年生になり何かが変わったというわけでもなく、相変わらず単調な日常だ。
幸い黒田さんと同じクラスになり、誰も知ってる人がいない状態での
学校生活と相成らずに済んだ。人見知りが激しいわけじゃないけど、
同性との人間関係は、最初の内は結構疲れるしね。
ま、明日も頑張って行きますか。

「うーん…… これだけだとなんか味気ないかな…… もうちょっと
 書き足してみよっと」
111mark:2008/04/26(土) 16:58:33 ID:OzgoIapq

(手記の続き)

あの事件から3ヶ月以上が経ち、私を含めたクラスメート達も平穏な日常というやつを
送っている。まるで、最初から3人が居なかったかのように。
誠と西園寺さんが亡くなり、4組の桂さんが行方不明になって、今も消息はわからない。
事件の概要は、学校の全校集会や警察の調査で明らかになりわかってはいるけど、
どうしてあんな形で短い人生に幕を降ろさなければならなかったのだろう?

中学時代の誠を知っている身としては、どうしても無体な死という結末は想像しにくい。
西園寺さんと誠との仲は良かったはずなのに、ある時期から彼女が
学校を休むようになって…… 久々に登校してきた時には、悲痛そうな顔で、
「誠の子なんだよ、真面目に考えて!!」と叫んでいた事を思い出す。
それからそんなに時間も経過しないうちに、惨劇は、起きた。

もちろん同じ女性として、誠のやった事はすごく無責任だし許される事じゃないけど。
一体、何が優しかった誠や、明るく活発に過ごしていた西園寺さんを変えちゃったんだろう?
色々な噂がたったけれど、桂さんという人はそこまで罪深い存在だったのかな?

そんなおセンチな事が、ふと頭の中をよぎるようになった。
しかしそれは、私が底無し沼に呑みこまれなかったからいえるコトバであり、
所詮他人事なんだろうな……

あの3人の間に何があったのか――― 真相を詳しく知る勇気などないし、
知った所で誠や西園寺さん・桂さんが帰ってくるわけでもない。
臆病な私達に出来る事は、『なかった』事にするくらいなんだろう。
伊藤誠・西園寺世界・桂言葉という同級生など初めから榊野学園にも、
そしてこの世にも存在しなかった――――


そして私も、何事もなかったかのように日常を送り、やがて本当に忘れてしまうんだ。
この手記を書いた事さえ。


(おわり)
112名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 21:40:02 ID:WthpIIo/
>>スクイズイフ 様(第9話)
切れ者刹那と素の刹那とのギャップが、何とも魅力的でした。
坦々と距離を縮めていくプロセスも、清々しかったです。
エピローグや挿話も楽しみにしています。
特に、本編では「理智の人」という側面がメイン(のように感じられた)だけに、
そうでない側面(例、突き抜けたバカップルぶり)を見てみたい気がします。

>>kiss 様(101-103)
誠母若いなぁ。
アレな歌詞の歌だと、『ひと夏の経験』(山口百恵)が来ると思ったが…。
ともあれ、GJ。

>>woodchuck 様(106-108)
このままなら山県の無投票勝利でしょうが…、まあ、そうはいかないでしょうね。
続きを楽しみにしています。

>>mark 様(109-111)
意図的に忘却する。
気がつかなかったですが、たしかに、こういう視点もアリですね。
GJ。
113みどりの日:2008/04/26(土) 21:42:18 ID:WthpIIo/
作品を投下します。大作の箸休めにどうぞ。
114みどりの日:2008/04/26(土) 21:42:51 ID:WthpIIo/
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
§ 榊野な日々 3

主  演: 泰介
場  所: 後夜祭「休憩室」
設  定: 散るルート。
読者指定: おおむね15歳以上。 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆ case1:普通の泰介

泰介:「桂さん、俺、俺、桂さんのことが。」

泰介、言葉を押し倒す。

言葉:「え、ちょっと…い、いや。」
泰介:「好きだ、好きなんだ。」
言葉:「いや…助けて…まことくん…」
泰介:「桂さん、桂さん。」

…………

言葉:「…まこと…くん…。」

…ポタッ。

(BGM:「あなたがいない」栗林みなみ)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
115みどりの日:2008/04/26(土) 21:43:18 ID:WthpIIo/
☆ case2:良い泰介

泰介:「桂さん、俺、俺、桂さんのことが。」

泰介、言葉を押し倒す。

言葉:「え、ちょっと…い、いや。」
泰介:「好きだ、好きなんだ。」
言葉:「いや…助けて…まことくん…」
泰介:「!!!」

(10秒ほどの間)

泰介:「……桂さん、申し訳ない。俺が…悪かった。」 
言葉:「…?」
泰介:「俺がオコサマだった。どうか許してくれ。」
言葉:「…」
泰介:「そんな顔しないで……って言っても無理か…。
    ともかく、もうこれ以上何もしないから。」
言葉:「…は、はい。」


さて、あの空白の10秒間に、何があったのか。

泰介は悟った。自分の認識が完全に間違っていたことを。
怯えた目、凍りついた表情。そして「…助けて…まことくん」。
どう見ても、「嫌よ嫌よも好きのうち」ではない。
どう考えても、自分は受け入れられていないことを。
そして、そうとわかれば、それ以上しないだけの倫理観を、泰介は持ち合わせていた。

こうして、最悪の形は、どうにか回避された。

(BGM:「Let me Love you」桃井はるこ)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
116みどりの日:2008/04/26(土) 21:43:39 ID:WthpIIo/
☆ case3:ダメな泰介

泰介:「桂さん、俺、俺、桂さんのことが。」

泰介、言葉を押し倒す。

言葉:「え、ちょっと…い、いや。」
泰介:「好きだ、好きなんだ。」
言葉:「いや…助けて…まことくん…」
泰介:「!!!」

(10秒ほどの間)

泰介:「……桂さん、申し訳ない。俺が…悪かった。」 
言葉:「…???」
泰介:「俺がオコサマだった。どうか許してくれ。」
言葉:「…」
泰介:「そんな怯えた顔しないで……って言っても無理か…。
    ともかく、もうこれ以上何もしないから。」
言葉:「…は、はい。」


さて、あの空白の10秒間に、何があったのか。

実は泰介は、言葉に体をこすり付けただけで、イッてしまったのだった。
で、欲望メーターはゼロ、ついでに、オトコとしての自信もゼロ。
情けなさと恥ずかしさで、とてもじゃないが、コトを続けられなかった。

こうして、最悪の形は、どうにか回避された。「アレが」ダメなおかげで。

(BGM:「悲しみの向こうへ」いとうかなこ)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
117みどりの日:2008/04/26(土) 21:44:18 ID:WthpIIo/
☆ おまけ

泰介:「なんだこりゃ、誠。断固、訂正か抹消を要求するぞ。」
誠 :「わかったよ。じゃぁ、1つだけ歴史から抹消してやるよ。どれにする?」
泰介:「むぅ…(長い逡巡)。」

(ボカッ)

光 :「悩む場面じゃないでしょうが、このバカ!!」


(フェイドアウト)

――――――――――――――――――― 第x話 taisuke days ――――――
118みどりの日:2008/04/26(土) 21:45:11 ID:WthpIIo/
以上です。
が、悪ノリが過ぎました。多謝。
119名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 21:59:45 ID:NSeNBHnB
SSなんて何書いても勝手だけどさ、
散るルートを面白おかしくネタにするような
心の腐った奴は荒らし以下だと思うよ。
120名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 22:53:55 ID:mfMk4Ee/
どうしてこういうバカ>119が沸くんだろう 
気に入らなければあぼんで消せばいい
腹が立つなら出入りしなければいい

やっぱり頭のなかまでゆとりなんだろうかねぇ

思ったこと書くなら
チラ裏にでもしておけ
121名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 23:29:32 ID:5EDkaygO
woodchuckさんとその他もろもろさんの書く言葉様の可愛さに
転げまわっている・・・
毎日二人の更新がおれの生きがいになりつつある
122名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 01:52:21 ID:1pY6MIXg
ショートネタO

語り手:七海

バスケ部の上映会で彼氏との情事を隠し撮りされた私は、レギュラーの座から外された。
それを仕組んだ人間が足利先輩だということは風の噂で知った。
とある人物のリークによると、あの部屋は文化祭期間中、必ず空き部屋になる場所らしい。
その部屋での隠し撮りは、榊野学園創立間もなく始まった、いわば、伝統のようなものなのだという。
それを知らない人間はあの上映会の餌食にされ、知らないところで弱みを握られるわけだ。
現に私はあの日その餌食となり、バスケ部での地位を失った私は退部した。





それからどれ位の月日が経っただろうか。
ある日、私は足利先輩から突然呼び出された。

「…何の用でしょうか?」
「まぁ、座ってよ。」

放課後の部室での待ち合わせと聞いていたが、足利先輩は他に二人の先輩を連れていた。
一体何の用かは分からなかったけど、私はとりあえず用意された椅子に座った。
私は部活を退部して以来、先輩と殆ど顔を合わせることもなくなり、ようやく心の整理が出来たばかり。
あの件を蒸し返されると思うと胸が押し潰されそうになる。


「あんたさぁ、バスケ部に戻ってレギュラーに返り咲きたくない?」
「……え?」
「え?じゃないわよ。鳩が豆鉄砲食らったような顔してないで、さっさとイエスかノーかで答えて。」


全く予想もしていないことだった。
呆気に取られていた私が返事をしないでいると、話をもちかけた理由を足利先輩が語り始めた。


まず、あの隠し撮りを実行した主犯格が足利先輩であり、一緒に居る先輩二人はアシスタントであることを告げた。
そして、バスケ部の表も裏も知っている足利先輩が顧問に口をきけば、私が再びバスケ部に元の地位に戻ることが出来ること。
あの隠し撮りのテープのマスターとコピーを抹消することを約束すると言った。
ただしそれは、近々、先輩達がする仕事に私が協力することと、これらの話を一切口外しないことが条件だった。
私には既にバスケ部への未練はなかったし、過去のものとなっていた。
今更蒸し返されても迷惑なだけでしかなかった。
だからこそ断ろうとしたが、三人には私に拒否権を与えるつもりは端からないらしい。
結局、私は嫌々ながらも足利先輩達の言う仕事に付き合わねばならなくなった。
123名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 01:55:21 ID:1pY6MIXg




それから数日後の休日。
指定された場所へ正午、私は訪れていた。
先輩が言う私に任せた仕事というのは、一言で言えばボディガードだった。
現地についたとき、足利先輩と一緒にいた一人の先輩は、本当は一緒に仕事をするはずだった別の先輩がいたが、
その先輩が足の事故の関係で入院したため、急遽、欠員を埋める必要があったらしい。その埋め要員が私だという。
私を選んだ理由は、例の隠し撮りの件があるから、協力させやすいだろうという考えが会ってのことらしい。

それから、足利先輩の言う仕事というのが、先輩が適当にテレクラで知り合った男性をホテルへう。
それから、男性がシャワーを浴びている間等に金品を盗む、あるいは異性不純交際の証拠を残して男性を握り、金品を強請るというものだった。
これは相手が金持ち以外に限定されるようで、相手が金に余裕のある人間だと、適当に言いくるめてブランド品を貢がせるという。
私と二人の先輩の三人は、待ち合わせ段階でトラブルが生じた時に出て行って、相手の男性を大人しくさせる役目だ。
虫唾の走る内容だったが、それでも私はそこを離れることは出来なかった。

理由は先に述べたとおりだ。




待ち合わせ時間から十五分遅れて、足利先輩は現れた。
いつになく上機嫌な顔をしていると思ったら、引っ掛けた相手がどこかの金持ちの男らしく、
先輩の印象では、暇を持て余した子供が金を落す先を女に求めてる、だそうだ。
実際、過去に何度かそういう男から先輩は金を貢がせてるらしく、今回は楽にいけるだの、
もしかしたら私達の出番はないから、楽していいよなどとのたまった。

「そんな浮かない顔してもいいじゃない。ちゃんと報酬は出すし、バスケ部にも戻れるんだ。
今日のことも最後まで付き合ってくれれば口外しない。悪い話じゃないでしょ?」
「寧ろ甘露寺には勿体無い話って感じぃ。」
「それ言えてる。」
「アハハハハ!」

とりあえず黙っておいた。


先輩は待ち合わせのため、そのままその場に残り、私たちは指定された場所へ移動した。
先輩のいる場所からの距離と見晴らしのよさは申し分なく、先輩に何かがあれば、私たちはいつでも駆け出せた。
124名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 01:59:52 ID:1pY6MIXg

それから十五分近くが経ったときだった。
足利先輩が携帯電話を操作し、それから直ぐに、待ち合わせ相手が来る時間が近いことと、それに伴って準備を整えて欲しいとメールが送られてきた。
他の二人の先輩にも同じメールが入ったらしく、確認するかのように各々の先輩からメールが入った。
周りに溶け込みながら、私たちは足利先輩の立つ待ち合わせ場に定期的に顔を向ける。
それから数分後、足利先輩は再び携帯電話を操作したが、今度は私達への連絡ではなく、待ち合わせ相手からの電話に出たようだ。
何を話しているかは全く聞こえてこなかったが、異変が起きたのはそれから直ぐだった。先輩は突然身体のバランスを大きく崩し、地面に倒れこんだ。

その様子を見ていた私たちは、同時に飛び出して先輩の元へ駆け寄ったが、そこには無残な光景が広がっていた。

「あ、足利!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
「あ、あぁぁぁ……」

足利先輩の名前を絶叫する先輩。
目を閉じて耳を塞いで悲鳴を上げる先輩。
恐怖のあまりに身が竦んで声が震える私。

私たちが目にしたのは、顔面が左半分粉砕し、中身を地面に零していた足利先輩の姿だった。
周囲の通行人も事態に気付いたらしく、すぐに野次馬が出来て騒ぎになった。


「き、救急車!救急車呼んで!!」


ようやく私が声らしい声で叫んだのはその一言だった。
私の声に反応したらしい野次馬の一人は携帯電話を操作し、救急車を呼んでくれたが、そこへ足利先輩の電話が鳴った。


「…で…電話?」
「だ、誰かでなよ…」
「あし、足利出れないんだから…あんた、そうだ、アンタでなさいよ!」


足利先輩を抱える先輩が私に命令する。
言われるがままに電話をとった私は、電話の向こうから聞こえた声に息を呑む。








『ざまーみろや、この淫売女が!!テレクラに伝言残す女はどいつもこいつも男の敵だ!!これは制裁、天罰だ!!
てめーみたいな女はさっさと死んじまえばいいんだよ!!ヒャハハハハハハ!!!!』
125名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 02:00:23 ID:1pY6MIXg
一ヶ月後…

事件は警察沙汰になり、足利先輩は入院することになり、退学処分となった。
二人の先輩一ヶ月の停学で済んだが、部活は退部となり、以前のような学園生活は送れないだろうとの事だ。
私はあの電話が切れた後、脱兎の如く逃げ出して自宅の自室に篭った。
そのためなのか、奇跡的にも、私が関わっていたことは表沙汰になることはなかった。
卑怯なのかもしれないが、私はあの時、本当に怖くて仕方がなかった。


ところで、足利先輩の言っていた私のバスケ部復帰の話は本当だった。
先輩の人脈はよく分からないが、バスケ部の顧問から戻ってこないかと、直接声をかけられたことがその証拠だ。
無論、私は丁重に話しを断った。あんなことの後で戻る気はなかったし、そもそも、私は既にバスケ部に未練はなかった。
今回の事件をきっかけに、私は静かに学園生活を送ろうと心に決めたのだ。








数年後。

私は榊野学園を卒業し、志望大学に通っていたが、その帰りの電車の中で、顔中を包帯で覆っている女性の姿が遠くにあるのを見かけた。
車両が違っていたため不鮮明だったが、その女性から感じる印象は間違いなく彼女だった。
最初、彼女は吊革に捕まって窓の外に顔を向けていたが、中学生くらいの男子に席を譲られた。
彼女は素直に席に着くと、電車の揺れに合わせるように身体を揺らしていた。
それを見届けると、私は自分も窓の外に目を向け、二度と彼女に目を向けなかった。

その後、私は風の噂で、彼女が顔の治療費用と整形費用を稼ぐため、小さな出版社で働いているらしいことを耳にする。








126名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 02:09:06 ID:1pY6MIXg
失礼、訂正箇所がありました…


ところで、足利先輩の言っていた私のバスケ部復帰の話と、例のテープのマスターとコピーを破棄する話は本当だった。
先輩の人脈はよく分からないが、バスケ部の顧問から戻ってこないかと直接声をかけられたこと。
停学中の二人の先輩が、帰宅途中の私の前に現れて、目の前でテープのマスターとコピーを破壊したのだがその証拠だ。
コピーは一つだけらしく、足利先輩から事前に二人に手渡されていたらしい。
私はテープが破壊されて後片付けがされると、黙って家路を急ぎ、先輩たちには何も声を掛けなかった。


……私はバスケ部復帰の話は丁重に話しを断った。
あんなことの後で戻る気はなかったし、そもそも、私は既にバスケ部に未練はなかった。
今回の事件をきっかけに、私は静かに学園生活を送ろうと心に決めたのだ


>>125の最初の部分を上記のように訂正します。
127名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 03:22:25 ID:1dHLRhB1
澤永「あぼん!」
128名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 10:08:47 ID:s6b9mCnV
>116
>(BGM:「悲しみの向こうへ」いとうかなこ)
盛大にフイタ。

>122-127
キツいなぁ、女性の顔(物理的)潰しは…たとえ対象が「あの」足利先輩でも。
129名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 12:30:37 ID:5vbhi4Hh
>>117
どうして「普通」が入ってるか・・・おまけで氷解
落に磨きがかかってませんんか(w
結果、普通が光の手によって末梢されるわけですから
逆に考えるのよ「散らせないルート」であるのだと(世界!)

・・・・つうか他の女に襲い掛かるような男でいいのか光は・・・・

>>121
本日分更新してからきました(シュタ!
でも、今日は全部世界ですノシ

>>122
覗きみてビデオを仕掛ける性悪な先輩
足利さんの与えられている情報ってこの程度なので
やっぱり深めるとこういう存在になるんだなと再確認
因果応報とはいえ哀れですよね
130woodchuck:2008/04/27(日) 13:49:10 ID:5vbhi4Hh
>>108 の続き

「せんぱーーい おはようございまーーす」

遠くから呼ぶ声がする
振り向かなくても可憐だってわかる
なんでこう大きな声で呼ぶのか・・
でもこれで振り返らないと苗字でよび
それでも振り返らないとフルネームでコールされるわけだ
なら最初から振り返ったほうが被害は少ない

「おはよう 可憐」

そこには幼馴染が全員そろっていた

乙女
可憐
一葉に二葉

その影に隠れるようにして愛もいる
「ぁぁ・・・可憐ちゃんだけに挨拶ですか?」
二葉が怒った顔をする・・・といってもふりだけど

「ごめん おはよう みんな」

「・・・十把ひとからげ」
ぼそっと一葉が言う

「やーい 可憐だけは特別なんだもんね」
そういって俺の腕に絡みつく可憐
いつものことなんだけれど
愛がいるまえでそれはちょっと・・・愛の視線が気になる

「コラ 可憐!」
乙女が小言をいうけれど
可憐はまったく聞いていない
これがこの姉妹の特徴
乙女は気が強いんだか弱いんだか・・・

愛は気にもせず
一葉や二葉と話をしている

「あ・・・ 山県!」
「ん?」

こちらを向いてにっこり笑うだけ
一歩さがって二葉や一葉を先に行かせると
唇に指をあてて合図をする
そういうことか
俺も気にせず そのまま可憐や乙女と一緒にあるく
一瞬怪訝そうな顔をした乙女が振り向いたときには
愛は一葉とのおしゃべりに戻った後だった
131woodchuck:2008/04/27(日) 13:49:31 ID:5vbhi4Hh
学校での愛とはときどき目はあわせるものの
いつもと変わりが無い
あまり仲がいいとよべるほどではない
最近、乙女が俺の回りによくいるせいか
愛は前にも増してあまり傍にこないから・・・
でも夜、二人で話をしているせいか
今までのように焦って話しかけたりとかしなくなった
なんというか余裕なんだろうか

「伊藤・・ さいきん機嫌がいいね 何かいいことあったの?」
「ん? いや特になにもないけどさ
 それこそ乙女のほうも機嫌いいじゃないか?」
「そう?そうみえる?」
「うん どうしたんだ、勉強もすごくしているって有馬もびっくりしてたし」
「うん・・・ 最近ね、成績も良くなってきたんだぁ」
「そっか そういやお前、夏までは部活ばっかりしてたもんな」
「それは言わないの 部活終わってからはマジメなんだから
 ねぇ伊藤・・ 勉強教えてくれない?」
「ん 俺がか? そんなものあてにするなよ 俺だってギリギリなんだから(大笑」
「もう・・ だからいいんじゃない 夕方とかでいいんだけど・・」
「夕方かぁ・・・ それはちょっとダメだな」
「ダメ? どうして? いつも普通に家に帰ってるんでしょ?」
「・・・・ 良く知ってるな」
「だって・・・」
「今さ パソコンにはまっててさ」
「伊藤、勉強大丈夫なの?」
「それはまぁ その大丈夫だ」
「・・・・ならいいけど 夜更かしあんまりしちゃダメだよ」
「わかってるさ」

実は愛にメッセで勉強を教えてもらってるなんて言えない
もちろんそんなに長時間だと愛にも迷惑だから
時間を決めてるんだとも・・・
_________________

乙女は愛と誠が仲がいいんじゃないかって夏ごろから気にしていた
でも、最近二人が一緒のところを見なくなってちょっと安心していた

「ねぇ可憐 最近、山県って伊藤と一緒に居ることって見かけないよね?」
「なーに おねぇ、まだ山県さんの邪魔をしてたの?」
「なによ 邪魔って・・・」
「邪魔は邪魔じゃん いいかげん自分が告ってもいいのに
 ほんと勇気が無いのに無駄に黒いよね おねぇって・・・」
「コノォ 生意気いってるんじゃないわよ」
「だって・・・」
「もう・・」

可憐も二葉や一葉に確認していた
山県さんも最近は授業が終わると寄り道もせずに家に一直線なんだそうな

「やっぱり県立大原に行くんだから受験勉強大変なんじゃないかな?」
「それもそうだよね?」
「うん だからおねぇも頑張らないとね」
「へっ?」
「もうバレバレだって 伊藤先輩と同じ高校行くつもりなんでしょ?
 伊藤先輩って意外に頭がいいのよね あまり勉強してない感じだけどさ」
「昔からそうなのよ しれっとテストはいい点とるの あいつは」

(4/27投稿分終了)
132名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 02:13:17 ID:iYYM/epA
ショートネタA-2

語り手:世界

刹那から電話が入った。
出てみると、刹那は誠は私がもらうとのこと。
反論をすると、キッチンに来るように言われた。

「せつ…!?」
「ごめん……世界……」




刹那は、灯油の入ったペットボトルとチャッカマンを手に持って待っていた。




133名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 13:23:33 ID:6GhgHjY+
>>131
愛の話はなかなか見掛けないので最近楽しみにしています
顧問様もしばらく山県人気向上計画を進めていますし(もう終わった?)
愛は地味ながら言葉、刹那と並んで好きなキャラなので、なんか嬉しいです

>>132
想像不能な出来事。ありえない事態。現実崩壊の瞬間
「ありえない」と一蹴することはできる。だがそれは世界の中の認識に過ぎない
刹那が何を思い、考えているか、世界は果たして理解しようとしていたのか
知ったところで、もう遅いかもしれないけど

……原作じゃまずこんなことしないだろうなあ
134スクイズイフ:2008/04/28(月) 15:49:47 ID:X9+9Q2db
SchoolDays-if5.5話
ニ喜「世界〜お久!!…元気そうね〜」
世界「え!?何でいるの?確か彼氏とお泊まりじゃなかった?」
そういった瞬間、ニ喜は世界〜と言いながら抱きついて泣き出した…
本来彼氏の部屋で初泊まりをする予定で親には世界の家に泊まりに
行くと嘘をついていて…世界に協力して貰っていたのだが…

何でもバイトの大学生らしいが別のしかも年齢が一緒のバイトの子とも
付き合っているらしく…俗に言う…二股と言うものらしい…

ニ喜「世〜界〜!本当に〜本当に聞いてるの〜」
世界「聞いて〜るって!」
ニ喜「だから〜森って子も凄いんだよ〜だって私はダーリン信じてる〜
ってお前はバカだ!って言ってやったよ〜」
世界「おう〜どんどん言え言え!」

翌朝…
世界「ぐわ…頭イター…今何時〜ってもうお昼!…あれ?二喜?」
テーブルに書き置き〜ニ喜は帰ったようだ
世界「もう〜起こしてくれてもいいのに…って……あ!?」
いつこぼしたのか〜酒が広がっていた…
世界「うわ〜ヤバい…」と言いながら片付ける内に気がついた…
世界「ギャア〜この酒…〜母さんが大事にしている…」
…………まず窓を開けて換気して〜床を掃除〜酒は水入れて誤魔化す〜
一通り終わると携帯に着信ランプが…見ると刹那からだ!
すぐに電話すると…なんです!
誠と一緒にいる?
刹那は気を使って誘ってくれるが…断った〜まだ片付けは終わってないし…

しかし片付けも無駄になってしまった…
母さんが帰ってくるなりクンクンと匂いを嗅ぐと…
踊子「世界……」
世界「…な、何?」
踊子「ちょっと居間に来なさい…」
居間に行くと真面目な顔で…それから2時間は説教をくらい…
次の日、お母さんに連れられて一番忙しくて有名な榊野町のラデッシュに行き…
朝から夕方までほぼノンストップで働かさせられた…

踊子「少しは反省した?」車に娘を乗せ言う〜
世界「もう反省したから許して〜酒は一生飲まないから〜」助手席で疲れてぐったりしている
踊子「あら〜誰もお酒を飲んだ事は言ってないわよ〜」
世界「えー?!」
踊子「人が大事にしているものを勝手に飲んだ挙げ句〜
騙そうとした事が許せないのよ…お酒なんて世界の歳ぐらいなら興味があって当たり前だからね〜」
世界「うう〜もう酒なんかもう絶対飲まないから〜」
固く誓う世界であった…

5.5話「呑まれた世界」完
135スクイズイフ:2008/04/28(月) 15:55:43 ID:X9+9Q2db
え〜と5.5話を書きました

全くオチなしですいません〜

まあこの話は刹那らが楽しく誠と遊んでる裏で世界は貧乏くじ引いている図です

ではまた
136woodchuck:2008/04/28(月) 16:03:41 ID:J2mlmTuy
>>131 の続き

誠は愛とのチャット時間がすぎると手持ち無沙汰になる
本当はもっとお話をしたいなって思うのだけど
それをいうと嫌われるんじゃないかって思うわけで・・
それに手に入れたパソコンはもっと活用したいわけでもあり・・

そしてやってきたのがこのチャットサイト
いわゆるご当地チャットというので
この地域、とくに原巳市周辺の人が利用しているサイトだ
受験生のためのコミュも出来上がっていた

ハリ・ドレゴ:はじめまして〜

誠はHNなんてのを使ったことがなかったから
見よう見まねで初めて使ったのがこの名前
自分の好きな小説にでてくる人物の名前だ
もしかして知ってる人がいたらいいな・・・とも思って

A:へんなHNだなぁ でもよろしく お前も高校受験?
ハリ・ドレゴ:そう 勉強・勉強で煮詰まったものだから
B:そっか みなそんなもんだ よろしくな
C:まぁ気楽にね

その場では来年の公立高校の試験問題の予想とか
試験勉強のコツなんかが時々でるだけ・・・
でも勉強以外の話題もたくさん・・
とくに別の高校に好きな娘が行ってしまうなんて話題で皆がもりあがる

B:おまえならどうするよ?
A:おれなら玉砕だな・・・
C:まぁたしかに言わなきゃ始まるもんも始まらんわな

皆が俺の返答を待ってる気がする

ハリ・ドレゴ:俺の好きな子、すごい頭がよくってさ・・・
A:もしかして大原いくのか?
B:それはご愁傷様
C:まぁ始まらずに終わるのも恋ってな

ハリ・ドレゴ:いや・・・それが行くところ
       俺と同じところに変えるってこの前・・・
A:ウッソ それお前に気があるぞ絶対
B:お前氏ね 二度と来るな
C:ほぉぉぉそれは語ってもらわないとな もちつけ>B
ハリ・ドレゴ:最近よくメッセしてるくらいだよ 勉強教えてもらったり

A:まじかよ
C:いいなぁいいなぁいいなぁ 明日告れ
ハリ・ドレゴ:そんなに簡単にいくかよ

マチルド:こんにちわ
A:こんにちわ マチルド
B:まってたよぉーーーーー
C:やぁ・・・・・
ハリ・ドレゴ:はじめまして・・・
137woodchuck:2008/04/28(月) 16:04:27 ID:J2mlmTuy
マチルドと名乗る来訪者が来ると同時に
全ての参加者が挨拶をする
誠も皆に合わせて話しに加わるが
どうもこの人目当てで皆が集まっているようなのだ
なぜって?来訪と同時に自分の話題がもう無視されたとわかったから
それで、挨拶の後はみなのおしゃべりを眺めるだけになっていた

マチルド:ハリ・ドレゴさん? はじめまして・・・ いい趣味なさってますね
     わたしも大好きなんですよ その作家さん

自分に話しかけられたことはわかったけれど
どう返事していいやら・・・
ただ、HNを見ただけで全部見透かされたような彼女の発言に
正直おどろいた・・・彼女? おかしいなぁ彼女かどうかなんてわからない
ネットの世界には男が女の真似をするなんてごくふつうのことだしな

ハリ・ドレゴ:ありがとう どう返事していいやら・・
A:だったら黙っててOKだよ
B:そうだな
C:同意を禁じえない
マチルド:みなさんったらもう・・・

その後もマチルドをはさんでみなの会話が続く
おれはマチルドと名乗る参加者が気になって
そのログをずっと追いかけた

彼女がログアウトしたあと
残った参加者に聞いてみた

ハリ・ドレゴ:あのマチルドってひと 人気なのな
A:お前は彼女がいるんだろ?諦めろ
B:そうだ 邪魔するなよ
C:〜というくらいの人気だ 気になったのか?
ハリ・ドレゴ:ぁぁ・・ なんかレスに人柄がでるのな
B:まぁ明らかに女だってわかるし
  それに誰にもこびないからな
C:さっきまでの会話ずっと聞いてたんだろ?
A:それにすごくミステリアス
C:いつもこの時間に1時間だけ現れるんだ
A:つまりそれ以外の時間は都合が悪いわけ
B:箱入り娘確定
ハリ・ドレゴ:はぁ
B:彼女がどこに進学するのかってのが皆の注目なわけ
C:ところでお前はどこに行くんだ?
ハリ・ドレゴ:おれか?
A:おれたちは互いにもう知ってるしな
ハリ・ドレゴ:受かるかわからないけど目標は榊野だよ
C:わっ、やな奴 そこで彼女とらぶらぶするのか
B:やっぱり死ね 100回くらい
ハリ・ドレゴ:もういいからほっとけって(笑
A:ん おれらも用が済んだし落ちるか
ハリ・ドレゴ:じゃぁ また
B:毎日じゃないけどさ またきたらよろしくな

そういって彼らと別れる
同じ歳だってわかってるだけで気安く話せるのはとても嬉しい
匿名だから愛のこともこんなに簡単に話せるわけで・・・
でもマチルド・・ 彼女のことがなんだか気になってしまった

(4/28投稿分終了)
138名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 16:09:31 ID:J2mlmTuy
>>134
ニ喜・・・リトルプロミスのあの子ですよね?
こういうドタバタって世界に一番似合うし世界らしくって好きです

>>132
チャッカマン(自分がやけどしない)ってところが刹那らしいのか(笑
できればそれが脅しであってくれますように

>>133
愛スレ維持祈願で始めてたりしますです
不遇なキャラですがわたしも大好きなので
139名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 21:40:56 ID:qm7u4WWD
>>122-
マスターテープ返却拒否バージョンだと、うって変わって不条理ストーリーに…。
など妄想は尽きないですが、ともあれ、GJ。

>>woodchuck 様(130-)
>「邪魔は邪魔じゃん。いいかげん自分が告ってもいいのに
> ほんと勇気が無いのに無駄に黒いよね、おねぇって・・・。」
「無駄に」の一語が、キャラの特性を示していて、妙にツボにはまりました。
GJ。

>>132
理知キャラ刹那の「ご乱心」は、余計に怖いです。
GJ。

>>スクイズイフ 様(134-)
未成年飲酒でなく、秘蔵酒飲酒等を怒る踊子さんが、なんとも魅力的です。
GJ。

>>128・129
ご理解&お楽しみいただけたようで、幸いです。
あと、光のお怒りは「友人としての」義憤ということで…(油汗)。
140SINGO:2008/04/28(月) 22:49:59 ID:BpJb53Oo
初めまして。俺、SINGOっていいます。よろしく頼んます。ぺこり。
先輩方みんな表現力すごいっすね。俺、アニメのラストを第三者視点で書きたいんすけど、コレって灰色な雰囲気で。コレを今のライトな雰囲気に投下していいのかどうか。
「空気読め」とか言われそうで迷ってます。
141名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 22:59:50 ID:PdBO+3uI
まず下げろ。あと自己紹介はいらん。
142SINGO:2008/04/28(月) 23:03:57 ID:BpJb53Oo
>>140
Sage忘れた。すんません
143名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 23:07:10 ID:tHhEaUL6
>>140
空気読んでたらマイペースで定期的に投稿することは出来ないと思う(経験談
大丈夫、気にせず落としてくれ
144名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 23:30:38 ID:qm7u4WWD
>>singo様(140)
どうぞ自由にお書きください。

ただ、あなたは初心者っぽいから、老婆心ながらアドバイスを。

≪ビキナーのうちはとくに、敬語を使おう。≫
 敬語なし表現は、「気さく」ではなく「尊大orお子様」と受け止められかねないから。
 実際、職人さんはほぼ例外なく、敬語をお使いになっている。
 逆に、敬語で入っておくと、多少ヘマをしても、大目に見てもらえるというメリットもある。
 
自由な場なのでうるさく言う気はないのですが、
無用なトラブルは事前に避けるが上策なので、助言まで。

それでは、作品を楽しみにしています。
145SINGO:2008/04/29(火) 00:11:16 ID:hb53QrpQ
>>144
どうも先輩。御察しの通り俺、初心者っす。助言、有り難うございます。時間かかりそうですが、頑張ってみるっす。
146スクイズイフ:2008/04/29(火) 09:35:07 ID:pJXs4ElP
SchoolDays-if6.5話
清浦家マンション〜刹那の部屋
刹那「こうかな?」鏡を見てダメだと言って髪を解き…
刹那「これはどうかな?」やはり気に入らないのか髪を解く…
刹那「しかしこれだとイメージが…」またまた繰り返し…

止ちゃんにリボンをあげた為、リボン無しで明日は登校しないといけない為〜
その為、新しい髪型を雑誌を見たりして検討するが…
刹那「難しい…むう〜」
ポニテやるには短いし…ツインテールは止ちゃんと同じは子供ぽく見られちゃうかな〜〜
今から髪を切りにいけないし〜どうしよう?

舞「せっちゃん〜ただいま〜」
刹那「あ…おかえり〜」
舞「あら〜鏡の前で何してるの?」
刹那「ちょっと髪型を変えてみようかと…」
舞「え〜リボン止めちゃうの?」
刹那「リボンを知り合いの子にあげちゃったから〜
一応予備でも付けるかなって思ったけど…折角だし髪型を変えてみようかと…」
舞「うんうん〜ああせっちゃんにも好きな男の子ができたのね…お母さん嬉しい!」
刹那「…そ、そんなんじゃないから…」
舞「ふ〜ん…まあいいわ…せっちゃん〜ちょっと待ってて…」
刹那「?」
暫くして何かを持ってくる…
舞「はい〜せっちゃん〜」
刹那「何?この髪留め?」
舞「せっちゃんがいつかリボン止めたらプレゼントしよう〜って思ってたの」
刹那「そうなんだ…」
舞「私が使ってるのと同じでお揃いなの〜付けてあげるわね〜」
刹那「あ〜うん…」

2人で鏡を見て…
舞「ん〜さすが血が繋がってるだけあるわね〜そっくり〜しかしこうしてみると私もまだまだいけるかも?…」
刹那「…」
舞「何よ〜せっちゃんダンマリ!」
刹那「( ̄ー+ ̄)フッ〜ノーコメント」
舞「もうせっちゃんの意地悪」

暫くはこの髪型でいこうと決意…
しかしふと寝る前にある事を思いついて細工をしてから就寝…


翌朝…
刹那「やっぱり…着たか〜予測通りとは…」
寝る前の細工は自分の制服を持ち出そうとすると仕掛けた印が落ちて分かると…
よく見ると無理矢理着たから少し服が広がっている…
刹那「全くお母さんってば…まだまだ子供だ…」
まあそんなお母さんだからこそ何時までも若いのかもしれない…

さてお母さんから貰った髪留めで髪をセットしよう…
少しは大人ぽく見えるかな?
誠は…気に入ってくれるかな?
ドキドキしながら朝の支度をする刹那であった…

6.5話「母と娘」完
147スクイズイフ:2008/04/29(火) 09:59:50 ID:pJXs4ElP
6.5話です〜
止にリボンをあげて髪型で悩む刹那の話でした

9話を書いてるときに5.5話、6.5話書いてたから早かっただけですが
さて7.5話悩む〜誰をネタにするか

ではまた
148KISS:2008/04/29(火) 13:22:05 ID:JFYKRHzF
>スクイズイフ氏
刹那がリボンをつけるのをやめたって言うことは大人になったということですか?
ともあれGJ!

>ショートネタ氏
世界を焼くつもりなのか、それとも脅しなののか気になるところです。GJです。

>woodchuck氏
マチルドってまさか・・・・と思いました。GJですよ。

では今から新作を投下します。
149KISS:2008/04/29(火) 13:23:17 ID:JFYKRHzF
本交換当日。

俺は通学カバンと紙袋を抱えると言葉が待っているホームのほうへ向かった。
「あっ伊藤」
「伊藤?急いでるけど、どうしたのよ?」
俺は黒田と甘露寺を無視して、ホームに向かう。
「おっおい!伊藤!」
甘露寺は大声で叫んだ。
「なんだよ?」
「その紙袋なんだよ?」
「ああ、これか、小説本がぎっしり詰まっているだけだ」
と言うと、急いで、その場を後にした。そして、黒田が
「伊藤!小説ってどんな小説か教えなさいよ!」
「じゃあ教えてやるよ!同人小説界の竜騎士07と称されている、腐死子腐塩の小説だぞ!」
俺は大声で叫ぶ。とにかく俺はホームに向かって走って行った。
「腐死子腐塩って映画のパロディ小説ばっかり書いている作家のことか・・・」
「間違いなく、あの腐死子腐塩でしょ。同姓同名の作家は絶対にいない・・・」
二人は呆然と立ちすくんでいた。
話を前日の夜に戻そう。俺は言葉と「小説本の交換」をするために、小説本を
探していた。本棚を探しても雑誌か漫画本しかなかった。今から本屋に行っても
店が閉まっている可能性が高い。コンビニには中々、文庫本が置かれていないし・・・
まてよ・・・確かベッドの下に段ボールがあった・・・そうだ!あの小説を持って行こう。
と俺はベッドの下から段ボールを取り出した。その中には腐死子腐塩の小説が20冊ぐらい
入っていた。俺、この人の小説、中学生のころに熱中したんだよな・・・。何度読んでも
面白いって感じでさ。俺はその中で腐死子腐塩初期三部作の一つでテレビドラマ「人間・失格」の
非公式サイドストーリー「人間・兇器」を取り出した。この作品は全3巻なので、全国チェーンの
本屋の紙袋に入れた。過激なヴァイオレンス描写と荒唐無稽な展開が多い「人間・兇器」は、言葉には
かなりの衝撃をあたえてしまうのであろう・・・と思いながら俺はベッドに横になった。
150KISS:2008/04/29(火) 13:24:31 ID:JFYKRHzF
「あっ誠君・・・」
私がホームの椅子に座って待っていると誠君が走って私に方に来ました。
「やっ・・・やぁ、言葉。おはよう・・・」
ゼイゼイと息を切らしながら、隣の椅子に座りました。
「どうしたんですか?誠君」
「いや、なぜか突然、ダッシュしたくなってね。ハハッ!本持ってきたよ」
と笑いながら、紙袋から新書サイズの本3冊を取り出しました。タイトルは「人間・兇器」と書かれて
表紙には長髪だったころの江口洋介似の男が突撃銃―たしかM16ライフルだったと思います―を持って
います。ああ、これ、アクション小説なんですね。誠君って小説を読んでいないように見えて、実は
アクション小説が好きなんですね?
「誠君ってアクション小説が好きだったなんて初耳です」
「いや、この本の作者の小説が好きなだけだよ」
と苦笑いしています。
「言葉は「人間・失格」っていうドラマを知っているか?」
「はい、堂本剛がいじめを受けて自殺して、赤井秀和演じる父親が復讐する話ですね」
「そのドラマのサイドストーリーだよ。ストーリーはベトナム帰還兵ゆえ社会から差別を受けている
 3人―江口洋介似の狙撃兵、陣内孝則似と武田鉄矢似の海兵隊員―といしだ壱成似の前科者が
 自殺のニュースを聞きつけて、いじめっ子と事なかれの教師に対して怒りを爆発させるという話さ」
「あの・・・いしだ壱成って誰ですか?」
「石田純一の息子」
誠君は静かな口調で言いました。あれ?後ろからボソボソと声が聞こえる。私は後ろを振り向きました。
後ろに甘露寺さんと黒田さんが喋っていました。
「あちゃ〜やっぱり、「人間・兇器」だったか・・・もっとも、予想通りだったけど・・・」
「あれは凄い小説だよ・・・あたしなんて100ページ過ぎたころに読むのやめたし・・・」
と言っています。私はそんなこと気にせず、誠君のほうの顔を見ました。
151KISS:2008/04/29(火) 13:26:08 ID:JFYKRHzF
「いじめっ子だけでなく教師も酷いことを平気でする―加勢や斉藤洋介以上の―奴等ばかりだった・・・
 自分が気に入らない生徒がいると靴の中にガラスの破片を入れたり、机を隠したりする英語教師・・・
 学校の金を横領、給食費をピンハネしては援助交際やキャバクラやソープランドで遊ぶ理科教師・・・
 女性からはモテモテの男なのに、生徒と肩が当たっただけで罵倒、暴力を振るう数学教師・・・
 生徒や同僚に保険金かけては、計画的に怪我を負わせたりして保険金詐欺を行う図工教師・・・
 そんなやつらをさっき話した4人が成敗するんだ」
誠君は「人間・兇器」のことについて、私の顔を直視しながら熱く語っていました。
「そうなんですか?誠君の口ぶりからして見ると面白そうだと思います」
「言葉は何持ってきた?」
その時、電車が来た時のベルが鳴りました。ガタンガタンと電車がホームに止まりました。私と誠君は
電車の中に入ります。私は思わず口を漏らして
「スティーブン・キングの「キャリー」という小説ですよ、誠君」
と言って、空いている席に座ります。今度は私がキャリーのことについて話すばんです。
「ストーリーはどんなのだい?」
「いじめられっ子―キャリー・ホワイト―がいじめっ子たちを超能力で復讐するんです・・・」
電車は動き出し、駅を離れていきました。誠君、じっくり私の解説を聞いて、家で「キャリー」を読んで
下さいね。読み終わったら、誠君が貸してくれた「人間・兇器」の感想を言います。誠君も「キャリー」の
感想言って下さいね。
そう思いながら、私は誠君に「キャリー」の文庫本を手渡しました。

終わり
152woodchuck:2008/04/29(火) 16:59:25 ID:sYNisIXG
>>137 の続き

以来、帰宅するとしばらくは愛とのメッセをはさんだ会話
しばらくしてから夕食後にはチャットへと移動する毎日が続いた
マチルドがくるまでは皆との会話
でも彼女?がくるとなんだか気後れして参加できない日が続いた
気になるのに話はできない・・・でもそれは苦にはならなかった
愛とのメッセは恋への進展はないもののとても楽しくって
勉強もはかどるし・・・ 正直幸せ一杯だった
でも、チャットに現れる「マチルド」
彼女と皆の会話を眺めるにつれ
彼女の存在がさらに気になってくる

「なぁ チャットで会うだけの人が気になったらおまえならどうする?」

目の前で鼻くそをほじっている井伊にきいてみる
こいつは見た目はがさつだが実は気配りの男だ
それなりに今の話題にも強い

「なんだおまえ もうパソコンにはまったのか(笑」
「まぁ・・・ そんなところだよ」
「で、相手はどこの女?」
「ぉぃ・・・ 女だなんて言ってないだろ?」
「あほか 女じゃなかったら友達の縁切るぞ」
「・・・・・ぅ」
「で、どこの『お・ん・な』?」
「あの原巳コミュの高校受験ルーム」
「・・・・・ほう お前がはまるような女がくるなら俺も行こうかな」
「はまるっていうか気になるだけだぞ」
「まぁいいや チャットなんてのはな匿名だから楽しいわけだ」
「ん」
「匿名でくる場合、実際に会う気はほとんどないわな?」
「まぁな」
「そういうこと 気楽だから本心や本性がでる」
「気にしようがしまいが会えないんだから関係ない・・・それが答えだ」
「あっさりしてるな」
「そりゃそうだろ もし個人的に仲良くなって」
「仲良くなれるのか?」
「ぉぉーーお がっついちゃって」
「ほっとけ」
「ツーショットってのがあるのは知ってるか?」
「ツーショット?」
「ぁぁ・・ 特定の人間が入ったら後の人間は入れないんだよ
 無論、管理者は覗き見できるからそれなりには用心しないといけないけどな」
「用心?」
「まぁせいぜいメルアドの交換くらいできれば・・・」
「うん」
「あとはメッセンジャーだの個人的な情報交換だの・・・」
「うん」
「最後はリアルで会えるかもな」
「そ・・・そうか」
「ま・・ だからとりあえず好かれたらツーショットに誘っとけ」
「・・・・・わかった」
「ほほーーーーーやる気になったか」
「ぁぁ もう・・・ わかったそれでいいから」
「ふっふっふ」
「他のやつらには黙っとけよ」
「あいよ」
153woodchuck:2008/04/29(火) 16:59:47 ID:sYNisIXG
井伊にはああいったものの
ほとんど会話する機会のないおれが
マチルドをツーショットに誘えるわけも無く
そのまま何日も過ぎていった
愛とのメッセは順調に進み
勉強もはかどっていた
顔が見られないのはちょっと寂しかったが
これまでなんだかんだ人・・・といっても主に乙女たちだったが・・・に
邪魔されないで二人きりの時間というのはとても楽しかった

それが、今日の愛はちょっと違っていた
:ねぇ誠・・・
:ん?
:いつも私と勉強した後はどうしてるの?
:ぇ? なんで?
:あのね 井伊くんがね言ってたの
:井伊が?

瞬間、何を言ったかなんてのは想像がついた
あの馬鹿、黙ってろって言ってあったのに
よりによって愛に話すなんてどうかしてるだろ・・・
:なんて?
:誠がチャットにはまってるって
:そうなんだ 確かにはまってるのかな

どこまで話しているのかわからなかったから
それなりに空とぼけておく
愛と付き合う前から他の女の子と長話してるなんて知られたら
始まるものも始まらないわけで・・・
それに好きとか嫌いとかではなく「気になる」ってだけの話しだし
:いつもどこに行ってるの?
:あれ?井伊に聞かなかったの?
:ぇ?
:井伊に話したときにサイトも教えてやったのにな
:そ・・そうなんだ・・・
:ぁぁ・・・

あれ?直接聞いたわけじゃないのか・・・
なら・・ いいのかな
:原巳タウンコミュの中学生のコミュニティだよ
:このあたりの街コミュ?
:そうそう 結構受験生が集まってたりしてね 情報交換
:そうなんだ・・・ 役に立つ?
:あんまり 愛に教えてもらうほうが数倍役に立つよ
:そっか(笑
:もしよかったら愛も遊びにいく?
:うーーん あまり長くパソコンやってると怒られるし お父さんに
:そっか うちは放任されてるからな(笑
:おかあさん何も言わないの?
:言うもなにも家にいないしね
:そうだったね・・ お母さん忙しかったっけ
:ぁぁ その代わり気楽なものだけどさ
:うん
:だからさ 愛、たまにはうちに来ても大丈夫だよ
:お母さんがいないときにってこと?
:ぁ・・・ さすがにいやだったかな
:ううん そんなことは無いよ
:よかった たまには顔を見たいかなって
:うん 考えとく
(4/29投稿分終了)
154名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 17:13:25 ID:sYNisIXG
>>146
舞さんのサイズの合ってない制服姿
「無理矢理着たから少し服が広がっている」
この一文だけなのに核並みの破壊力・・

>>149
腐死子〜は知らないけれど
キャリーは面白いですね、映画もよいです

GWにはいって急に人が増えた気が・・(笑
155名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 19:08:45 ID:pJXs4ElP
>>148
if6話で止ちゃんにリボンをあげてまあ多分予備があるけどそのまま髪型を変えてみよう
ということで7話で舞と同じ髪型になったんですよ
6.5話はその舞の髪型になった理由と舞のお茶目な行動を描いた話です
大人になった刹那のイラストを顧問様が書いたのがきっかけですから
大人になったからというのも間違いではないでしょう
まあ自分の恋に向き合う決意をリボンを外したで表現もしてますが〜


しかしキャリーですか〜あれは映画で見たんですけど…激しく鬱になった記憶が…
言葉すごいの読んでるなと思いました〜
156名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:07:53 ID:Pea6l5Y3
>>146(スクイズイフ様)
片や大人っぽく見せるために、片や若々しく見せるために、同じ格好をするのが、
ほのぼの可笑くていいですね。
GJ。

>>149(kiss様)
変り種文学歴史講座、ためになってます。
GJ。

>>152(woodchuck様)
外堀は埋まっていくのに、肝心の本丸にはいつまでも触れないような、
なんとももどかしい感じです。
でも、愛×誠なら、このぐらいが自然かもしれませんね。
GJ。
157みどりの日:2008/04/29(火) 22:09:09 ID:Pea6l5Y3
作品を投下します。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
§ あるカップルの肖像 

出 演: 言葉、誠
場 所: 誠宅、リビング
設 定: 言葉end after。
     但、乙女らによる言葉いじめは、なかったことで。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

桂言葉。

紆余曲折あったが、結局、誠は彼女を選んだ。
そして、誠に愛されているという安心と自信から、言葉は、以前より明るく前向きになった。
それは彼女の魅力を一段と増すこととなった。

それはそれで良いことではある。
だが、同時に厄介なことも増えてしまった。
誠の存在が公知の事実であるにもかかわらず、
机に、度々ラブレターが入るようになったのである。
158みどりの日:2008/04/29(火) 22:09:44 ID:Pea6l5Y3
☆PM11時、誠宅寝室

「そういえば、今日も、下駄箱にラブレターが入っていたね。」
「はい。
 誠くんとお付き合いしていることは、皆さんご存知のはずですが…。
 一人一人お断りしていくことを考えると、正直、気が重いです。」
「それなら、いっそ見なかったことにして、捨てるというのは?」
「それはいけません。
 皆さん、それなりに気持ちを込めてお手紙をお書きになったのでしょうから、
 返事くらいはしませんと…。」
「そっか。言葉は律儀だね。」

「ところで、私がこうしてラブレターを貰っても、誠くんは、何とも思いませんか?」
「んん、とくに何とも思わないかな。
 どうするか決めるのは言葉だから、俺がどうこう思うことじゃないし、
 仮に、俺を振る場合でも、大好きな言葉が望むことなら、俺は静かに受け入れるよ。」
「そうですか…。
 私の意志を大事にしてくれるのは嬉しいのですが…。」
「どうしたの? 俺の答えが、何か気に障ったかな?」
「(拗ねるように)少しは妬いて欲しいという、乙女心です。」

誠、拗ねたような甘えたような言葉の表情に、胸がドキドキしてしまう。
それを誤魔化すかのように、誠は口を開いた。

「乙女心と言えば…。」
「?? どうかしましたか?」
「いや、『乙女』っていわれて、ふと加藤を思い出してさ。」
「加藤さんですか?
 お布団の時間に、私以外の人のことを考えるのは、感心しません。」
「あ、ごめんごめん。
 いや、別に言葉を蔑ろにする気は、全くないんだよ。
 ただ、中高と一緒につるんで馬鹿やってたから、ふと思い出しただけでさ。」
「そうですか。」
159みどりの日:2008/04/29(火) 22:10:17 ID:Pea6l5Y3
言葉、ふと誠を試すように、胸を摺りつけて、乙女の口真似をする。

「(乙女の口真似で) 伊藤、わ、わたし、うまくできてるかな?」
「(満更でもない表情で)あ、それ、結構いいかも。」
「(むかっ。)」

がぶっ。

「あいたた。痛いよ、言葉。」
「胸に手を当てて、よく考えてみてください。」
「ええと、こうかな?」
「私の胸に手を当てて、どうするんですか!!」

言葉、怒ってそっぽを向く。誠、そんな言葉を後ろから抱く。

「言葉。今のは俺が悪かったよ。だから、機嫌直してよ。」
「……(不機嫌な表情のまま)……」
「もしかして、加藤に嫉妬したとか?」
「わっ、私そんなこと!!」
「そうだよね。言葉は、嫉妬なんて汚い感情は懐かないよね。」
「……(言葉、複雑な表情)……」
「でもさ。」
「??」
「もし妬いてくれたのなら……オトコとして嬉しいかな。」
「(頬を赤らめつつ、そっぽを向いて)
 もう、やっぱり誠くんは、意地悪です。」
 
(フェイドアウト)

―――――――――――――――――――― 第x話 意地悪です ――――――


以上、お目汚し恐縮です。
お楽しみいただければ幸いです。
160SINGO:2008/04/30(水) 02:58:56 ID:DKaTpimB
どうも先輩。文章書くのって難しいっすね。俺こういう頭使うのは初めてで。一応まとめてみたんですが、ひと通りチェックしてもらえませんかね。ほら例の猟奇殺人。俺、アレを担当する事になったんすよ。
コイツがその下書きです。
「東原巳殺人事件」
161SINGO:2008/04/30(水) 03:03:06 ID:DKaTpimB
東原巳殺人事件 調査報告書(案)
平成××年12月××日 東原巳のマンションにて殺人事件発生。
被害者 伊藤誠(16歳)男性。
東原巳在住。榊野学園1年3組
マンション自室にて首無し死体で発見された。
第一発見者は被害者の母親。
被害者と二人暮らしをしており、しかし仕事の都合上(主に残業)帰宅しないケースが度々あり、事件当日も帰宅しなかったため、発見が遅れた。
直接の死因は、腹部殺傷による出血多量死。犯人は刃物で被害者の背中を一回、腹部を複数回刺し、殺害。
その後、ノコギリ状の凶器で被害者の首を切断。頭部を持ち去った。
現場状況
凶器の類は遺されていない。
被害者の頭部、被害者の携帯電話が現場から持ち去られていた。
金品を盗られた形跡なし。
ただし、母親の証言によれば、調理場から包丁が一本、開けっ放しの工具箱からノコギリ一本が何者かに持ち去られた模様。
現場には争った形跡なし。ただし、不燃物ゴミ袋から割れた食器類が複数発見され、24日もしくは25日に作られたと思われる手料理が、一口も手を付けないまま生ゴミ袋に棄てられていた(母親と二人暮しにしては料理の量が多く豪華。クリスマスパーティー用だと思われる)。
また、床に雑巾掛けをした形跡あり。料理をぶちまけたものと思われる。
この件に対し母親は関与を否定。何者かが被害者と争った際の証拠隠滅を謀った可能性あり。
また、食器の残骸や調理器具から採取した指紋については、母親とも被害者とも一致しない何者かの指紋が検出された。
聞き込み調査
近隣住民の証言によれば、24日の午後9時頃、被害者宅から若い女性の怒鳴り声とガラスが割れる様な音が聞こえてきたとのこと。
また、事件の数日前から榊野学園の制服を着た女性が当マンションにたびたび出入りしていた、という目撃情報が多い。
被害者の交際相手とみて、この女生徒を特定し、任意で事情聴取する予定。
162SINGO:2008/04/30(水) 03:05:04 ID:DKaTpimB
平成××年12月××日 榊野町で殺人事件発生。
被害者 西園寺世界(16歳)女性。
模手原坂下在住。榊野学園1年3組。
榊野学園の校舎屋上にて他殺体で発見された。
本来、屋上は立入禁止で扉も施錠され、滅多に人が出入りしないため、発見が遅れた。
第一発見者の〇〇〇〇は発見時、屋上の扉は開いていたと証言。

死因は頸動脈切断による出血多量死。
犯人は被害者の左首筋を切り、殺害。その後、被害者の下腹部を切開。犯人は凶器を持ったまま逃走。
遺体の切断面から、凶器はノコギリ状のものと推定。なお、遺体の左手に切り傷があるが、発見時には包帯が巻かれていた。事件後の手当てとは考えられず、当事件との関連性は薄い。

現場状況および遺留品
被害者は屋上扉の鍵を所持。鍵の管理人である××××(当学園教師)は鍵を被害者に預けていたと主張。事件の関与を否定。
被害者の携帯電話のメール記録に、被害者を現場に呼び出すメッセージが残されていた。しかし、そのメッセージ差出人(伊藤誠)は既に自宅にて殺害されている(別件:東原巳殺人事件を参照)。何者かが伊藤誠の携帯電話で被害者を現場に呼び出して殺害した可能性あり。
現場に包丁が血まみれで遺されていた。血液鑑定の結果、別件で殺害された伊藤誠の血液と一致。
この包丁から採取された指紋が西園寺世界ものと一致。
伊藤誠の母親の証言により、この包丁が伊藤宅から持ち去られたものと断定。
伊藤宅の調理器具や食器から採取された指紋が西園寺世界の指紋と一致。
西園寺世界の制服から伊藤誠の血液が検出された。
これらの証拠から、伊藤誠殺害犯人は西園寺世界と断定。
しかし、ノコギリ状の凶器や、西園寺世界が持ち去り隠蔽したと思われる伊藤誠の頭部、携帯電話はいまだ見つかっておらず、現在も捜索中である。
伊藤誠を殺害した西園寺世界に対し、何者かが制裁あるいは復讐行為に走ったものと思われる。
引き続き捜査を続行する。

以上
163SINGO:2008/04/30(水) 03:06:24 ID:DKaTpimB
ふう、終わった。こんなところっすかね先輩。どうもすみませんね、乱雑な出来で。今日はありがとうございました。
あ、先輩もこれから書かくんすか、報告書。もしかして例の行方不明の少女?頑張って下さい。
俺、これから行く所あるんで。これで失礼します。また何かあったら、よろしく頼んます。
(全く…辛い仕事だぜ、刑事ってのはヨ)
          終

…なんてね。刑事になりきって書いてみました。ので、冒頭の挨拶から後書きも含めて物語なのです。捜査ミスは仕様です。
164SINGO:2008/04/30(水) 08:28:29 ID:DKaTpimB
改行、下手ですんません。
165名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 10:05:19 ID:8uQb6Ogb
>>164
乙です
新人?刑事の事件メモ(正確には捜査報告書か・・)って雰囲気でてます
こういうのとは予想してませんでした

他の文学的創作的文章と違い
警察の調書や報告書、医者のカルテや診断書、法医学者の鑑定書などを
小道具に使う場合は(あと保険会社からみや探偵とかあるかな)
用語でその臨場感が大きく変わるので
一部手直しした方がいいんじゃないかというところはありましたよ
166woodchuck:2008/04/30(水) 13:52:46 ID:EEcfs1bt
>>153 の続き

その日はそれで終了
愛のことがあったのでなんだか気後れしたけれども
やっぱりチャットルームには訪れる
ふと見るとHNの横にメールアドレスを出している人がいて
気になって聞いてみる

ハリ・ドレゴ:なぁメルアドなんて出しちゃって大丈夫なわけ?
C:おまえ何も知らないのか? こんなの捨てアドに決まってるじゃん
ハリ・ドレゴ:捨てアド?
B:ほんとに知らなかったのか(藁
A:取り合えずの連絡用にさらすだけ
  何かあったらすぐにアカウントを削除しちゃうアドレスのことさ
ハリ・ドレゴ:そうなんだ
C:お前もそうしておいたら誰かお前に興味持ったやつが連絡するかもな
B:ま、その前に俺様がスパム1000通送ってやるけどな(w
A:それ洒落になってないからやめれ
B:あと私書箱なんてのがあるぞ
ハリ・ドレゴ:私書箱?
B:このチャットルーム専用のメッセージボックスみたいなもんだ
  その番号を入れとけばお前にメッセージが届く
  おれって今日はホントいいやつだ 感謝しろよ
ハリ・ドレゴ:ああ ありがと よくわかった

その日、マチルドは来訪せず みなため息をついて落ちていった
おれはその待っている間に私書箱の登録をして他の参加者が現れるのをまった
今日は母さんは夜勤で夕方から家にいないので
このままチャット三昧でいいかな?って気分だったから

ハリ・ドレゴ:ひとりか・・ 当たり前だな、みな受験生だし(笑

参加者を示す☆の数はゼロ
自分だけが名前をだしている
そこにしばらくして☆がひとつ増える

ハリ・ドレゴ:お暇なら降りてきませんか?お星さま

そうつぶやいてみる
みしった面子なら下りてきてくれるかもしれない
でもそこに降りてきたのはマチルドだった ・・・・?!
でもマチルドはいつも一定時間だけの参加だってみなが言ってたよな?

マチルド  :こんばんは
ハリ・ドレゴ:やぁこんばんは 誘ったからきてくれたの?
マチルド  :はい お暇そうでしたし
ハリ・ドレゴ:うん すごく暇してた でもAでもBでもCでもなくって
       マチルドがくるとは思って無かったよ
マチルド  :お嫌でしたか?
ハリ・ドレゴ:そんなこと そんな贅沢言ったらあいつらに袋叩きに会います(笑
マチルド  :またそんなひどいことを言って・・
ハリ・ドレゴ:そう?そんなに口悪かったかな おれ
マチルド  :そんなにではないですけどね
ハリ・ドレゴ:何気に評価低いんだね 
マチルド  :すねないでくださいね
ハリ・ドレゴ:大丈夫 慣れてるから(笑
167woodchuck:2008/04/30(水) 13:53:11 ID:EEcfs1bt
ハリ・ドレゴ:そういえば今日は遅い時間なんだけど大丈夫なの?
マチルド  :え? 何がですか?
ハリ・ドレゴ:いつもはもっと早い時間に来るでしょ?
マチルド  :はい・・・ そういうことですか
ハリ・ドレゴ:うん 家が厳しいんじゃないかってみんなが言ってたからさ
マチルド  :たしかにそうですけど 今日は大丈夫なんです
ハリ・ドレゴ:そうなんだ
マチルド  :でもハリ・ドレゴさんも大丈夫なんですか?
ハリ・ドレゴ:いや・・うちは放任されてるからさ
マチルド  :そうなんですか?
ハリ・ドレゴ:そう その代わり自分でなんでもするんだぜ それも大変
マチルド  :何でも?
ハリ・ドレゴ:掃除・洗濯・お料理全部 いつでもお婿さんにいけますよ
マチルド  :すごーい
ハリ・ドレゴ:そう?
マチルド  :はい とてもすごいです
ハリ・ドレゴ:なんか照れるなぁ
マチルド  :でも自慢していいと思います
ハリ・ドレゴ:マチルドはそういうのしないの?

気がつけばチャットルームの星の数がかなり増えていた
どうも二人で会話を続けたせいで入りづらくなっているように見える

ハリ・ドレゴ:あのさ もしよかったらツーショットの部屋に行かない?
マチルド  :ぇ?
ハリ・ドレゴ:満天の星空・・・
マチルド  :あ・・・
ハリ・ドレゴ:部屋を準備したらマチルドの私書箱に情報入れるから
マチルド  :はい・・・ じゃぁいったん落ちますね
ハリ・ドレゴ:うん

流れに任せて勢いでツーショットに誘ってしまった
いまでもどきどきなんだけれども
すんなりと応じてくれたのはやっぱり匿名だからなんだろうな・・
井伊の言葉を思い出す
いったん落ちたあと
準備をして再びツーショットで話し始める

マチルド  :おじゃまします
ハリ・ドレゴ:良かった無事伝わって
マチルド  :無事ですか?
ハリ・ドレゴ:うん 初めてなんだ こういうの
マチルド  :ツーショットですか?
ハリ・ドレゴ:そう マチルドはよく?来るの?
マチルド  :そうみえますか?
ハリ・ドレゴ:うん だって人気者だもの
マチルド  :・・・・・・・・そんなことないですよ
ハリ・ドレゴ:ゴメン 気に障ったかな
マチルド  :いいえ でも初めてってきいてちょっと嬉しいかな
ハリ・ドレゴ:ん?
マチルド  :だって初めて誘いたくなったのがわたしなんですよね
ハリ・ドレゴ:そういうことになるね なんだか恥ずかしい
マチルド  :お顔見えてないから大丈夫ですよ
ハリ・ドレゴ:うん
168woodchuck:2008/04/30(水) 13:53:33 ID:EEcfs1bt
マチルド  :前から気になってたんです
ハリ・ドレゴ:俺のこと?
マチルド  :はい
ハリ・ドレゴ:どうして?
マチルド  :HNが変わってたから
ハリ・ドレゴ:なーんだ でもマチルドのHNも変わってるよね
マチルド  :ハリ・ドレゴさんとおなじですよ
ハリ・ドレゴ:うん気がついてた「赤と黒」だよね
マチルド  :はい すごいです
ハリ・ドレゴ:そっか
マチルド  :今まで誰も気がついてくれなかったんですよ
ハリ・ドレゴ:そうなんだ
マチルド  :アニメキャラですか?って聞かれたときは凹みました
ハリ・ドレゴ:あははは
マチルド  :わらうなんんてひどいです
ハリ・ドレゴ:ゴメン でもマチルドはすぐに気がついたよね
マチルド  :ハリ・ドレゴさんのHNのことですか?
ハリ・ドレゴ:うん こんなマイナーなのに気がつくなんてすごいよ
マチルド  :ほめられちゃいました
ハリ・ドレゴ:うん ほんとにすごいって思う

結局一時間以上をこのチャットで過ごした
別れ際、誠はマチルドにフリーメールのアドレスを伝える
それは愛とメッセンジャーを使っているのと同じフリーメールの別アドレス
どうしてそのとき同じアドレスではなく別にしたのか・・・
誠自身意識していたのか意識していなかったのかわからない
その日以後、このツーショットチャットで待ち合わせをしたり
メッセンジャーでマチルドと話をすることになる


(4/30日投稿分 終了)
169名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 21:36:20 ID:U1yKiCzR
>>160(singo様)
新鮮な視点でした。こういうのもアリですね。GJ。
ただ、冒頭に「タイトルor作品投下の宣言」がないと、書かれているのが、
物語なのか、前書きなのか、はたまた雑談なのか、判別がつきません。
そこが若干残念。

>>166(woodchuck様)
やはり「マチルド」は、あの人か? そして、誠はちゃんと気づけるか?
など、想像か膨らむ展開。
GJ。
170mark:2008/05/01(木) 23:40:04 ID:MwvLK6Hs
みんな色んなネタをよく思いつきますね…… markです。
今回は言葉の性格的にありえないようなありえるような……
最終的に誠との関係が終わってしまったワールドという事で。(言葉や世界が壊れるといった
手遅れな事態には至っていない)七海の彼氏は普通にやばいなぁ……(苦笑)


「個人的にはもったいないなとは思うんだけど、本当にいいのね?」
「……はい。構いません」
「わかったわ。短くても恥ずかしくない風にするから」



桂家

「今日は家に誘ってくれてありがとうね」
「いいって卯月ちゃん。また遊びに来てよ」
「うん」

言葉の妹の心とその友達である卯月。学校でも大の仲良しであるのだが、習い事を多く
抱えている心はお互いの家で遊ぶ機会はあまりなく、こうして卯月を自宅に招待出来たのは
久しぶりの事だった。

「卯月ちゃんとこはいいなー。家みたいに厳しくなくて遊べる時間が一杯あって」
「そんな事ないよ。私も家庭教師さんに勉強見てもらってる時は結構しごかれるし」
「え?そうなんだ」
「普段は優しいんだけど、以前習った所とかで間違えるととても怒るの」
「うわー。スパルタってやつ?」
「うーん、そこまではいかないけど、『同じ間違いはするな』って。
 ちゃんと復習して理解してないと、マジメに怒られる。教え方は上手なんだけどね」

「ふーん……」
「でも、テストで100点とった時とか、難しい問題が解けた時は、親に内緒で
『楽しいコト』するんだ」
「どんな事するの?ねえねえ教えて」
「心ちゃんにはちょっと刺激が強いかもね。ふふっ」
「あー。なんか余裕な表情してる。心はそんなお子様じゃないもん」

背伸びしてみせる心だが、卯月の妙に大人びた表情の意味など知る由もない。
171mark:2008/05/01(木) 23:40:49 ID:MwvLK6Hs
「じゃあ、また月曜日にね」
「うん、バイバイ」

そう言い、玄関の扉を開けて卯月を見送ろうとする心。その時
丁度姉の言葉が家に帰ってきて、心と卯月と鉢合せする。

「お帰りお姉ちゃ……ん?」
「ただいま。あら、お友達が遊びに来ていたの?確か卯月ちゃんだったかしら」
「はい。今帰る所です」
「お姉ちゃんその髪どーしたの!?イメチェン?なんか雰囲気変わっ……てないか」

思わず素っ頓狂な声をあげる心。

「こら。人様の前で騒がしくしないの。ごめんね心がうるさくて。
 またいつでも遊びに来てちょうだい」
「はい。……以前お会いした時は、長くて綺麗な黒髪でしたね」
「うん、そーだよ。ずっと伸ばしていたのに」

言葉のストレートロングな黒髪は、妹の心から見ても綺麗だと思っていたが、
それがバッサリと短くなり、首筋くらいまでの長さになっていた。

「たまには髪型を変えたくなる時もあるわよ。長いとお手入れも大変なんだから」
「でもさー……」
「今日もお母さん達は遅くなるんでしょ?お夕飯は私が作るから。
 あ、ごめんなさいねバタバタしちゃって」
「いえ、お構いなく。私はこれで失礼します」

言葉に軽く会釈して応え、桂家を去る卯月。
家の門から出て少し歩いた所で、先ほどの言葉を思い浮かべる。

「……色々あったのね、きっと」

誰に言うでもなく、卯月は呟いた―――


(おしまい)
172名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 23:50:14 ID:W9tuJJP8
>>171
ふと「櫛に流るる黒髪の〜」ってのを思い出して
なんとも切ないです
言葉の誇りが失われたような気がして・・・
淡々としたやり取りのせいでさらにそう思います
173woodchuck:2008/05/01(木) 23:53:04 ID:W9tuJJP8
>>168 の続きです

A:最近マチルドこないけど誰かしってるか?
C:あれだよ 前に来てただろ ハリドレゴって覚えてるか?
A:ぁぁ 榊野受けるって言ってた・・・
C:そう あいつがさ、一瞬でかっさらってった
B:まじかよ あいつ初心者だって言ってたじゃないか
C:つ ttp://www.uplodar.*****************_id=072.txt
B:なんだよこれ
C:そのときのログ
A:もらい
B:なんだよ あれだけ誰がさそってもなびかなかったマチルドが瞬殺かよ
A:あいつあれ以来ほとんどこないよな
C:マチルドもほんとたまにしかこないな
B:なんだよ くっついちまったのか
C:でもあいつ最初に来たのは恋愛相談じゃなかったか?
A:もういいよ 俺のオアシスは無くなった ちょっと消える

メイフェア:あのはじめまして
A:おっ 新人さんか?
B:なんだよおまえ 消えるんじゃなかったのか?
A:いいんだよどうせ暇なんだから
C:はじめまして メイフェア
メイフェア:ここって高校受験のためのコミュでいいんですよね?
A:そうだよ といってもほとんど受験のことなんて話してないけどなーoTL
B:まぁそのための息抜きの場って感じかな
C:息抜きばっかだろ おまえら
A:それで、今日はどんなご用件で?
メイフェア:特になにもないんですけど・・ 知り合いが来てるって思ったから
C:知り合い? HNはわかるかな
メイフェア:いえ・・ いつもはメールやメッセンジャーで話しているから
B:メッセンジャー? なんか嫌な予感がするなぁ
C:その知り合いっていつごろここに来たかわかる?ログ引っ張ってくるけど?
メイフェア:パソコンをネットにつなげたのが2ヶ月くらい前 えっと日付は(ry
C:二ヶ月くらい前にきたやつね
メイフェア:あと時間は今くらいのはずです
C:お前ってすごく勘がいいのな >B
A:どういうことだよ >C
C:多分探してるのはハリドレゴって奴だと思う
メイフェア:ハリドレゴですか?
C:そのHNに思い当たることは?
メイフェア:あります 彼の好きな本の主人公・・
C:ビンゴだな もしかしてメイフェアってすんごく賢い?
メイフェア:え?なんでですか?
C:県立大波良いけるくらい
メイフェア:あの・・・なんと言えば
C:それでさ、榊野に変更した?
メイフェア:そんなこと彼が言ったんですか?
A:正確に言えば『好きな女の子がそうした』んだけどって言ってたな
C:おまっ それヤバイんじゃね?
A:いいんだよ別人ならそれでいいし本人ならこれくらい仕返しさせろって
B:しーらね
C:おれもしーらね
174woodchuck:2008/05/01(木) 23:53:29 ID:W9tuJJP8
メイフェア:あのそれ本当ですか?
C:ついでだこれやる ttp://www.uplodar.*****************_id=088.txt
A:またログか
B:おまえ無駄に細かいのな
C:ほっとけ これがそのときのログな
メイフェア:すみません 彼はそれでどこにいるかわかりませんか?
C:あれからほとんど見ないよ 見てもすぐにいなくなる
B:彼女意外に驚かないのな
A:そうでもないんじゃね
メイフェア:あのこのマチルドって方は?
C:マチルドのほうはたまにいるなぁ この前見たのはいつだったっけ
A:それこそチャットログ探れよ バカ
C:バカいうな そうだ この前の土曜日 その前の前の土・日曜日・・・
A:ああ俺は週末来ないからあえなかったわけか
C:来ても一時間だけだしな
メイフェア:あの一時間だけなんですか?
C:そう、夕方の6時から7時までの間だけ
メイフェア:そうですか・・・ ありがとうございました

愛には覚えがあった
その日は離婚したお父さんのところへ行った妹さんがやってきた日
妹さん・・・たしかいたるちゃんが来る日は当然ネットにはつながない
わたしとのお勉強会もパスされてた
だからそのマチルドさんって人は皆のところへ来たんだろう
誠が知らないうちにネットで仲の好い人を作っていたのはものすごくショックだったけれど
それよりも嬉しくて仕方が無いことがあった
今日貰ったログ・・そこには
大好きな誠が自分のことが好きだって・・・しっかり書かれていたのだから

(俺の好きな子、すごい頭がよくってさ・・・
 いや・・・それが行くところ
 俺と同じところに変えるってこの前
 最近よくメッセしてるくらいだよ 勉強教えてもらったり)

間違いない、これはわたしのことだ
正直その場で舞い上がってしまうのではないかというくらいの気持ちだった
___________________

愛は考えていた
誠とのこと
誠の気持ちが自分にあるとわかったからには・・
今まで、加藤さんたちに邪魔をされてあまり誠と一緒に居られなかったけれど
今は毎日といっていいくらいおしゃべりをし、勉強も一緒にしているわけで
いつ告白するか・・だと思った
誠は前からそういうことに鈍いのはわかっていたから
自分から言わなければとも思っていた

(たまには顔を見たいかなって)

誠も誘ってくれていたことを思い出す
そうだ・・そのときに告白しよう
愛は思い切って誠に直接告白することを選んだ
チャットで仲の良いひと
でも所詮はバーチャルの世界なんだから
気にすることもない そうだよ、きっと

(5/1 投稿分終了)
175名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 00:45:03 ID:s1wHc1if
何〜!?
メイフェアが山県ならマチルドは誰よ?

と突っ込みたくなる怒涛の展開!これは期待だ
176KISS:2008/05/02(金) 09:55:59 ID:iiPNAlq2
woodchuck氏
結構いい展開になっています。もしも、オフ会開始というイベントがあったらどうなるのか・・・
とにかくGJです。

mark氏
言葉が失恋後、イメージチェンジを図るとは・・・GJです。でも実際にありそうだな。

SINGO氏
警察側の報告書を題材にしたのは初めて見ました。次回も頑張ってください。

しかし、「キャリー」や「人間・失格」といった作品が一昔前にいじめ問題を取り上げていたのが
凄いです。なお、本作に出てくる「人間・兇器」という作品は実際に存在しません。フェイク作品です。
ご了承ください。

では作品を投下します。
177KISS:2008/05/02(金) 09:56:54 ID:iiPNAlq2
本交換の夜

桂家のリビングにて、心はソファーに座って時計を見ていた。もう八時か・・・
お姉ちゃん、夕食食べ終わったら自室に閉じこもっている・・・どうしたんだろ
「ねぇお母さん。お姉ちゃん、部屋に閉じこもっているけど・・・」
「あれね。誠君が貸してくれた本を徹夜で読むんですって」
「てっ徹夜で・・・。大丈夫かな?」
「まぁなんとか、なるでしょ」
「でも誠君から何の本を借りたのかな?」

私は夕御飯を食べると部屋にこもり、誠君から借りた「人間・兇器」を読んでいます。
読んでいくうちにいじめ問題やベトナム帰還兵の扱い、学校の腐敗―いくらなんでも
膨張しすぎです―などが生々しく描かれていたのです。しかし、難問が一つあります。
それは主人公4人が使うM16やM60といった銃器の名前、トヨタ・スープラや
マツダ・コスモといった車種―名前は知っていてもどんな形なのか分かりません―が
あまり分かりませんよ。あと、誠君は「堕落した教師を成敗」と言っているけど4人が
やっていることは殺人―むしろ強盗殺人というべきですか―に近いです。
ブーンブーン
その時、携帯が鳴りました。誠君からです。
「誠君、どうしたんですか?」
178KISS:2008/05/02(金) 09:58:12 ID:iiPNAlq2
「どうしたって?「キャリー」を読み終わったところだよ」
「えっ?」
「意外と面白かったよ。とくにキャリーが超能力でいじめっ子に復讐するところがさ」
誠君、もしかすると夕御飯やお風呂に入らず読みふけっていたんですか?と言いたかった
ですが、
「ありがとうございます。私は最初のキャリーが初潮を迎える所が印象に残ります」
「ええ〜、でもあれはありえないよな。高校生になって初潮だなんて・・・」
「でも初潮が遅れてくる人も多いですよ」
私はあいうちを打つように返しました。もっとも中学生のころになって初潮が来たクラス
メートもいましたよ。
「キャリーのあの母親も異常―いやキチガイといってもいい―だよな」
「ええ・・・でも、あの母親みたいに宗教に傾倒しすぎた人は結構いますよ。実際に
 スティーブン・キングが高校生だったころにそういう宗教に傾倒しすぎた同級生が
 いたんです。つまりその人がキャリーのモデルになった人です」
「へ〜、それは知らなかったな」
誠君は吃驚しそうなのを抑えながら言っています。
「数々のいじめで怒りが頂点に達したときに町を破壊するシーンはカタルシスがあってよかったよ」
「でも、映画版は学校の体育館破壊だけで終わっています。あといじめっ子のリーダー格が
 親を使って教師を脅すシーンもカットされていました。」
「映画もあったのか?でもいじめっ子が親を利用するって「ライフ」で福田沙紀がやっていたな」
「映画版は若手俳優勢ぞろいです。キャリー役には10代に見えて実はハタチ過ぎのロリフェイスの
 シシー・スペイセク。キャリーを味方する子はスピルバーグの元奥さんで「フューリー」では超能力を
 持つ高校生役をやるエイミー・アーヴィング。いじめっ子はキャリーの監督のデ・パルマの元奥さん
 ナンシー・アレン―彼女が出ている「殺しのドレス」もいい映画ですよ―。キャリーとプロムに行く
 ことになるクラスメートは、スーパーマンになる羽目になる高校教師ラルフ・ヒンクリーで有名な
 ウィリアム・カット。いじめっ子の彼氏―キャリーに豚の血をぶちまけた実行犯ですね―は
 「サタデーナイトフィーバー」で一世風靡したジョン・トラボルタです」
「ええええ!あのトラボルタも出ていたのか!」
179KISS:2008/05/02(金) 09:59:24 ID:iiPNAlq2
あらあら、誠君、そんなに吃驚してどうしたんですか?もしかすると誠君ってジョン・トラボルタの事
好きなんですね?でも誠君、ケビン・ベーコンやジョニー・デップは無名だった頃にホラー映画に
出ているんですよ。
「やっぱ、トラボルタは「フェイス/オフ」に限るよな。あれは結構好き」
「私は痩せてた頃のトラボルタがカッコいいと思います。今のトラボルタはちょっと・・・」
「でも、いつか人は変わる」
誠君は真面目な口調でそんな事を言いました。
「俺だって、もしかすると10年後はメタボってる可能性があるし、頭が禿げている可能性がある」
「誠君・・・」
「でも10年後も20年後になっても、体格も顔も体重が変わらない人がいるかもしれないよな」
誠君は苦笑しながら言いました。
「話はずれたけど。言葉、俺の貸した本で出てくる銃器や車で分からない所があるからなんだ」
えっ?本当はその事で電話してきたんですか?
「まずウィキぺディアというサイトで調べればわかるはずだ」
「ありがとうございます。私、徹夜で「人間・兇器」を読みます」
「ああ、無理しないでくれよ」
と電話を切りました。多分、私はパソコンと小説に向き合いながら、一晩中を過ごすことになります。

ぽーぽぽぽ

あっもう9時なんだ・・・今日の洋画劇場はハネケ監督のサスペンス映画「ファニーゲーム」でしたね。
まず「ファニーゲーム」を見てから、小説を読むことにします。
誠君、徹夜で「人間・兇器」を読んだことを知ったらどんな顔するでしょう・・・楽しみです。

終わり
180名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 11:40:43 ID:s1wHc1if
前から思ってたけどアナタ自分の趣向を丸出しにし過ぎ
181woodchuck:2008/05/02(金) 13:04:11 ID:wF1GlLo4
>>174 の続きです

翌朝

「おはよう 伊藤・・・くん」
「おはよう 山県・・・ 」

挨拶もそこそこ
今日は加藤さんたちが部活の関係で早くに出かけていたので
二人きりでの登校になった

「あのね まこと」

周囲をかくにんして呼び方をかえる

「うん なに愛?」
「今日の夕方、誠の家に行ってもいいかな?」

昨日の話で今日の夕方から夜
誠の家にはお母さんが居ないことを愛は知っていたから

「うん・・ どうしたの?」
「誠とたまには顔をみて勉強したいかな?って」
「・・・・うん 待ってるよ」
「着替えてからいくから、ちょっとだけ待っててね」
「うん 来る前に電話入れて・・・」
「え?」
「きちんと片付けしておくからさ」
「う・・うん ゴメンね」
「気にするなよな」

誠の家に行くのは別に初めてじゃないけれど
今日の約束はまったく別のもの
約束を取り付けてからすごく落ち着かない気分だった

「なーにどうしたんだ?山県」
「え・・・なんでもないよ」
「そうか?妙に落ち着かないし なにかあったんじゃないのか?」
「なんにもないってば」
「そうか・・・ 伊藤と何かあったとかじゃないよな?」
「伊藤君と? 別に何もないけど」
「そっか・・ ならいい」
「・・・・・・・・」

相変わらず加藤さんは勘がいいのか悪いのか
でも、気づかれたらまた邪魔をされるから
絶対に見つかっちゃだめ
誠と話したい気持ちがいっぱいだけれど
今なにか言うと余計にかんぐられるから・・・
そう思ってぐっと我慢する

放課ごとに加藤さんは誠のところへ行ったりきたりしている
加藤さんが誠のこと好きなのは言われなくてもわかっている
でも・・・誠は幼馴染以上には思っていない
もう、それがわかっているから安心してみていられた
182woodchuck:2008/05/02(金) 13:04:34 ID:wF1GlLo4
帰り道

今日はいつものメンバーになってしまう
ちょっと不満がある
いつも可憐ちゃんが誠の横に並ぶこと
今度からはわたしがあそこに行くんだって強く思う
でも、今は我慢
いつものように一葉ちゃんとならんで歩く

「ねぇ山県先輩・・・」
「なーに?」
「今日はなんだか雰囲気がちがいませんか?」
「え・・・ 誰の? 伊藤君?」
「いいえ 先輩ですよ」
「わたし?」
「はい なんだか力強いというか・・・
 なにかありましたか?」
「え?・・」

一葉ちゃんは二葉ちゃんに比べておとなしい
普段あまり口を開くことも無いのだけれど
口から出てくる言葉は結構鋭いといつも思う

「気のせいじゃない・・・かな・・・」
「なんか怪しいですね」
「そ・・・ そんなことないよ」
「うーーん」

そういって二葉ちゃんと目配せをしている

「ま・・いいんですけどね」

そういって二人にっこりして私のほうを見てくる
正直いたたまれなくなってきた
ちょっと早いけれど皆と別れることにする
誠にはあとから会えばいいんだし・・・

「じゃぁそろそろだから
 じゃぁね みんな また明日」
「うん じゃぁね・・・」

「じゃな 山県!」

誠のことばを聞いて二葉ちゃんが
一葉ちゃんに目配せをしていた

家に帰りシャワーを浴びて・・
下着を選ぶ
今日は何があっても大丈夫にしておかないと
よしっこれで準備完了だ
183woodchuck:2008/05/02(金) 13:04:55 ID:wF1GlLo4
今から行くね・・・と誠に電話をする
誠からも待ってるって返事がある 順調だ
誠のマンションの前につく
インターホンを押そうとしたとき
植え込みの影から人影が現れた 二葉ちゃん
その二葉ちゃんに続いてもう一人 一葉ちゃんだった

「ね・・ やっぱりでしょ一葉ちゃん」
「ど・・ どうして二葉ちゃんたちがここに?」
「そのまえに先輩はどうしてここに居るんですかぁ?」
「その・・ あのね・・ 今日は誠の家で勉強をすることになってて・・」
「勉強ですか?」
「そうよ 勉強 ときどき見てあげてるの」
「ふーーーん」
「なら私達も教えてもらいたいな」
「そ・・ それは無理よ 受験勉強なんだし」
「とりあえず横で勉強しているだけでもいいよね 一葉ちゃん」
「・・・・(コクリ」
「ダメだって」
「いいですよ 伊藤先輩に聞きますから」
「ちょっ ちょっと・・・」

結局強引に割って入った二葉ちゃんと一葉ちゃんが一緒に誠の家に行くことになった
今日ばかりは断ってくれたっていいのに
誠・・・・誠のバカ

・・・・・
・・・
・・



うっすらと笑う二葉ちゃん、一葉ちゃんに追い立てられるようにして
誠の家をでる
明日には加藤さんに伝わっているんだと思うとちょっと気が重い
このまま一旦引き返して・・・
そう思ったけれどももしまた彼女達がいたら?
そう思うとなかなかふんぎることが出来なかった
誠の気持ちはわかってるのに・・・わたしが好きって言うだけなのに・・・

(5/2 投稿分終了)
184名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 22:26:20 ID:QtQCUF4r

うっちゃんガンガレ!
185スクイズイフ:2008/05/03(土) 00:57:22 ID:B0dY2Bqt
7話のあらすじ
学祭の前日、4組の休憩所で誤って刹那を押し倒した誠…
それを目撃してショックで逃げ出した言葉…

7.5話は家に帰った誠達のそれぞれの夜の話…
186スクイズイフ:2008/05/03(土) 01:00:46 ID:B0dY2Bqt
SchoolDays-if7.5話
伊藤の家〜誠の部屋
悩んでいた…4組の謎の部屋で刹那を押し倒した事を…
誠《言葉が来なかったら〜あの後どうなったんだろう?》
想像するとあの時の感覚が蘇ってくる…
胸は小さいと思っていた〜でも実際は手には弾力があった…
そして匂い〜と言うか匂いらしい匂いはしなかったのに何故か気持ちの良い匂いだった…
そのせいなのか下半身が熱を帯びて…
誠《うわ〜明日からどんな顔で会えばいいんだ!》
刹那は気にしてないとか言ってたが…軽蔑してるだろうか?
誠《う〜駄目だ…想像したらもう我慢できない…刹那…》

数十分後…
誠《う…最低だ…》
別に今までした事が無いわけではない…中学の時の女の先生だったり…
好きになった子の事を想像したりして…何度もあるが…
想像ではない手の感触と気持ちの良い匂いと下半身に残る感覚は全く初めてだった…
だから余計罪悪感が募ってくる…好きな子なら尚更…
好きな子?
誠《俺…刹那が好きなのか?》
眠れぬ夜が続く…

清浦の家〜刹那の部屋
悩んでいた…4組の休憩所で誠に押し倒された事を…
刹那《言葉さんが来なかったら…あの後…》
あの時、全然平気とは誠に言ったが…想像するとあの時の感覚が蘇ってくる…
不可抗力とは言え胸を掴まれた時…スイッチがオフになった機械のように動けなくなった…
しかし動けない身体はより敏感なのか〜下半身から感じた熱は忘れられない…
刹那《でも…誠の〜あれって興奮していた…んだよね?》
胸は小さいし身体は幼児体型だから…誠が興奮するはずは…
まさか…誠は…特殊な趣味が…あるのかな?〜確かロリコンだったか?
むう〜まあそれならそれでも良いかな〜で、でももしかしたら女性として見てくれたのかな?
だとしたら嬉しいかな〜って…私なに考えてるの!
うう…そんな事で喜ぶなんて〜変態か!私は…
眠れぬ夜が続く…

桂の家〜言葉の部屋
悩んでいた…休憩所のベッドで誠くんと刹那さんが…
言葉《あれって…やっぱり〜アレなのかな〜?》
誠くんが押し倒していたし…やっぱり…してたんだよね?
いつの間にあんな関係になって…ここ数日会わない内に…かな?
言葉《でも考えてみるとあの後、誠くんが追いかけてきて…》
はあ…あの時、もっと冷静になってお話しを聞いていたら…
もし勘違いだったらどうしよう…
ああ〜恥ずかしい…穴があったら入りたい…
それぞれの眠れぬ夜が続く…

7.5話「眠れぬ夜」完
187スクイズイフ:2008/05/03(土) 01:07:52 ID:B0dY2Bqt
7.5話です〜
まだブログに7話を載せてないので簡単なあらすじを書いておきました

誠は〜まあ何をしていたかは言わずもがなですが〜
刹那は平気な顔の影には悩みを持つ〜しかも誠が何に興奮したか判らず苦悩する図…
言葉は頭に血が上って完全に見失ったのですが家に帰って冷静になると…という図…

といったところで〜

さて8.5話はどうしよう〜
10話はぼちぼち決まったのでゆっくり書きます〜では
188SINGO:2008/05/03(土) 03:36:12 ID:9L/3a5Y2
どうも先輩方。
今回はショートコントを書いてみました。ので投下します。

舞台
みんなでプール(五話)が、If みんなで映画館だったらの話。でも喜劇。

出演
伊藤誠 西園寺世界
桂言葉 清浦刹那
黒田光 澤永泰介
189SINGO:2008/05/03(土) 03:37:24 ID:9L/3a5Y2
誠「ふと思ったんだけど、戦争アニメって、何でロボットなんだろ?」
世界「どうしたの?いきなり」
誠「だって、戦闘機や戦車を、わざわざ人間の形にする必要ないだろ?」
泰介「何言ってんだ、誠。ガソダムは男のロマンだろ」
刹那「何か不都合でもあるの?」
誠「立ってたら撃たれ易いし、二本足だと重心が不安定だし、関節が多いとコスト高いし」
刹那「伊藤、珍しく頭使ってる」
誠「るっせ」
光「言われてみれば、そうよね。背を低くしてタイヤか四本足にした方がいいかも」
誠「獣みたいに?」
言葉「そうですね。人よりも獣の方が強そうで恐いですし……苦手です」
泰介「あの、桂さん?何で俺見ながら言うの?」
誠「しかも、獣と書いてケダモノって読んでるし」
刹那「獣よりも人間の方が強い。実際、食物連鎖の頂点にいる」
世界「武器使うから?それって反則っぽい」
言葉「どうして私の方を見て言うんですか?」
刹那「武器無しでも強い」
誠「原始人は素手でマンモス捕まえたっていうしな」
光「何で私の顔見て言うのよ?ぶっ殺すわよ!」
刹那「餌でおびき寄せて罠に落とすのが常套手段」
言葉「つまり、強いのは卑怯だからですね」
世界「ちょ、桂さん。何で私の方見て言うわけ?」
刹那「それに、大勢で協力して叩けば、たいてい解決できる」
誠(アンチスレ行ったら袋叩きにあう気がするのは、俺だけか?)
泰介(俺なんかレイパー呼ばわりだぜ)
世界「まあ、そう考えれば、戦車を人間の形にするのは理にかなってるよね」
刹那「人間は間違いなく最強の兵器。どんな状況でも手段を選ばず相手を殺れる」
誠(犯れる、って聞こえたが?てか、何でみんな俺を見るの?俺、鬼畜扱いされてる?)
泰介(俺なんかレイパー呼ばわりだぜ)
光「野蛮〜。ホント最悪よね、いと人間って生き物は」
誠「おい黒田。今、おもいっきり『伊藤』って言いかけただろ?」
光「詩ねばいいのに」
誠「無視するな!こっち見ろ!目を見て話せ!」

終劇

出演
伊藤誠 西園寺世界
桂言葉 清浦刹那
黒田光 レイパー
190SINGO:2008/05/03(土) 03:38:49 ID:9L/3a5Y2
終わりです。
駄作でした。自分で書いてて笑えないっす。
自己評価 Cプラス
191名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 09:47:50 ID:eMkMKy+N
>>190
C+ですか・・・
ちょっと自分に厳しすぎですよね
リズムのよい掛け合いで個人的にはA+でした

192名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 09:51:54 ID:eMkMKy+N
>>186
さりげなくもしかしたら重要なターニングポイントなのかな

>俺…刹那が好きなのか?

そのあとを知って(読んで)るせいで見逃すところでした
3分割画面で同時進行のお話を見ている不思議な描写でした
193woodchuck:2008/05/03(土) 10:00:02 ID:eMkMKy+N
>>183 の続き

家に帰った後
なんだか気になって
先日のチャットルームに入室する

メイフェアさんが入室されました

A:でな・・あのあとどうなったとおもう?
メイフェア:こんにちは
B:その話あとな こんにちは!
C:いらっしゃい 久しぶりだね
メイフェア:この前はあの ありがとうございました
C:あれからハリドレゴには会えたのか?
メイフェア:そのHNの人には会ってないですけど
C:本人には会ってるわけな リアルで
メイフェア:はい さっきまで一緒でした
B:ちっ なんて奴だ
A:ん どうした?>B
B:10番のチャットルーム見てみろよ
A:どうした?
メイフェア:10番ってなんですか?
C:このページの右上に「パーティチャットルーム」ってアイコンあるでしょ?
メイフェア:はい
C:それをクリックして・・・あ、別タブで開けよ
メイフェア:はい 開きました
C:それの10番ルームを見てみろってこと・・・パス持ってる奴だけ参加できるんだ

あ・・・・マチルドとハリ・ドレゴって・・・・!

A:落ちちゃったんじゃね?
B:やりすぎたかな
C:何、おまえもしかして出しに使って落とす気だったのか?
B:なんだ一番いい口説きのタイミングってしらないのか?
C:お前らしいよ
A:なんだよ 教えろよ
B:相手が浮気したとき、振られたときだよ
C:にしても可愛そうに・・・・

私とわかれたあとすぐにここに来てたんだ・・・
わたしってなんだったんだろう・・・
なんだか涙が出てきてしまった
______________

「なぁ山県・・・ どうしたんだよ・・・ どうして怒ってるんだ?」
「・・・・・・・(無視」
「なぁってば・・・」

あの日以来
わたしはずっと誠が送るメッセンジャーの知らせを無視し続けている
当然だけど一緒に勉強をすることもない
最初はちらちらとわたしのほうを見るだけだった誠だけど
3日目の朝、誠のほうから痺れを切らしたのか声をかけてきた
でもわたしはずっと無視をしている

「なぁってば・・・」

「知らない! 誠なんてしらないから!」
194woodchuck:2008/05/03(土) 10:01:21 ID:eMkMKy+N
思わず大きな声で叫んでしまった。
周囲の視線が痛い
加藤さんが私と誠を凝視している
この前の二葉ちゃんたちは
当然加藤さんに報告していると思ったのに
なぜか彼女からは何も言って来なかった
もしかしたら彼女達は報告していないのかも?とも思ったが
・・・決してそんなことは無かった

「なぁ山県 この前勉強しに伊藤の家にいったんだろ?」
「なに?」
「だから・・・」
「ええ 行ったわよ でも何もないから心配要りません!」

いつに無く大きな声で返事をしたせいで
加藤さんもそれ以上は言って来なかった
それはそうだろう
今の状況をみれば
けっして上手く行ってないことは目に見えて明らかなのだから
わたしはなんだったのか、腹が立って仕方が無い

加藤さんみたいにずっと回りにまとわりついている女の子ならともかく
いくら長くたって・・ 
匿名で話をしただけの相手
それこそ女の子かどうかわからない相手に夢中になっちゃって
でも・・もしかしたらもうリアルであってたりするのかも
私が知らないうちにどんどんお付き合いが進んでいたりするかも
そう思うと気になって気になって仕方がなかった
あの日以外にも何度かプライベートチャットのページを見てみた
名前の無い日もあったけど、
ほとんど毎日入りびたりじゃない・・・
わたしに無視されている日だって時間がきたら・・・

普段おとなしいわたしの剣幕に気おされたのは、
加藤さんだけじゃなかった
他のクラスメートもわたしに触れないように注意しているのがわかる
その日一日はほんとハリのむしろの上にいる気分だった

放課後を知らせる鐘の音をきくなりわたしは玄関に向かう
誰にも会いたくなかったし、誰とも話したくなかった
明日は土曜日だし
少なくとも月曜日までは平和な時間がすごせるのだから
いっそのことわたしも
あのチャットルームでだれか彼氏を見つけようか
そんな気持ちにすらなっていた

195woodchuck:2008/05/03(土) 10:01:48 ID:eMkMKy+N
小走りで、たぶんすごい顔をしてたんじゃないかって思う
でも突然背中に引っ張られるような力を感じて無理やりに止まらされた
一瞬何が起こったかわからなくって、周囲をキョロキョロ見渡してしまった
おちついて後ろを振り返ったとき・・・そこには誠がいた
なんだかおろおろしてとても小さく感じる

「なによ! はなして・・・!」

誠がビックリしたように手を離す、たぶん全力で走ってきたんだとわかる
誠の息はとても荒かった

「なぁ 愛・・・ どうして怒ってるんだ?」
「愛って誰のことですか? ハリ・ドレゴさん!」
「ハリ・・って」
「マチルドさんとお間違えでしたらよく顔を見てくださいね
 わたしは山県です 山県愛、地味でなんにもとりえの無い女ですから!」

彼がビックリした目でこちらを見ているのがわかった
そんなに私があなたのHNをしっててビックリするわけ?
それともマチルドさんって名前にびっくりしたの?
わたしはもう何を言ってるんだか自分でもよくわかってなかった
でも目に涙がうかんで今にも溢れそうになってることだけはわかってた
誠の手をふりほどくと、わたしにはありえない速さで走って家に戻ってきた
遠くに誠の視線を感じたけれど、そのままピシャリと玄関の扉を閉じた

これでいいの、たぶん、何もはじまってなかったんだから

(5/3 投稿分終了)
196スクイズイフ:2008/05/03(土) 12:51:12 ID:B0dY2Bqt
>>192
そうですね〜あれがきっかけとなって初めて気付く描写を描きたかったんですが〜
上手く書けたかは…ちと微妙です〜

まあこの後の8話で怒涛の告白ラッシュに誠を耐えさせるには7話の刹那との異性を感じさせる必要があって…
7.5話は蛇足かもしれませんね〜

あと世界も入れようかと考えたけど都合で止めました〜


山県との恋はいよいよ佳境ですね〜楽しみにしてます…
197名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 18:39:09 ID:4lX9IqtP
>>196
いえ 納得です >感じさせる必要
分割の手法も各々の対比になって
すごくいいって思いますし

全話いっきに通読したい!!って欲求が強くなります
次は10話ですよね 心待ちにしています
198woodchuck:2008/05/04(日) 00:46:57 ID:hz4p8MnZ
>>195 の続き

家についてからどれくらい時間がたったんだろう
1時間?2時間?
考え事をしてぼーっと過ごすうちに
時刻はもう6時になろうとしていた
いつもなら誠とのお話をおえて夕食のお手伝いを始める時間
でも今日はそんな気にならなかった

何も考えずにパソコンを立ち上げる
めんどくさい ちょっとだけ腹が立つ・・・ 
だってメッセンジャーソフトも一緒に立ち上がるようになっている
今までは一秒でもはやく誠と話始めたかったんだもの・・・
ぅぅぅぅ・・・・・・ グスン
思い出すと泣けてきてしまう

半分怒ってタブを閉じようと思ったら
メッセージがひとつ届いていた
なかは見慣れないアドレスとパスワードがひとつ
ほかになんのコメントもない
あのプライベートチャットルームのアドレスとパスワードだ
送り主は誠だった
いつも眺めていただけの場所に入って来いっていうのだろうか

半信半疑でログインする
でもロムするだけ 会話には参加しない
もう、あの二人が入っていて普通に会話をしている
その会話を眺めてなさいっていうの?誠

ハリ・ドレゴ:今日はごめんな 無理言って
マチルド :いいんですよ
ハリ・ドレゴ:実は色々あってさ
マチルド :はい
ハリ・ドレゴ:今日この場で告白しないといけないことになっちゃったんだ
マチルド :え? 本気ですか

二人の入室者は
☆がひとつ増えていることに気がつく

誠のバカ・・・ そんなことのために私にアドレスを教えたわけ?
ひどいよ 酷すぎる・・・
わたし・・・
×をクリックしようかと思い迷う
どうせ、ダメなら最後まで見届けたっていいかって思う

ハリ・ドレゴ:ああ もう準備はしたし気持ちも固めた
マチルド :そうですか わたしは聞いていればいいんですか
ハリ・ドレゴ:ごめんな なんだか巻き込んでしまって
マチルド :そうですね 貸しは大きいですよ
ハリ・ドレゴ:高校にはいったら返せるかも

なによ マチルドさんも榊野学園にくるの?
わたしはこの時、榊野学園に変更したことを後悔した
こんな気分を高校に行ってからもずっと味わうだなんてありえない・・
199woodchuck:2008/05/04(日) 00:47:23 ID:hz4p8MnZ
マチルド :そうですね お二人にはしっかりと返していただかないと
ハリ・ドレゴ:そういえば俺まだ名前言ってなかったよね
マチルド :はい 
ハリ・ドレゴ:俺の名前は伊藤誠
マチルド :え・・・誠くんですか?
ハリ・ドレゴ:うん いつも相談してたのは 愛、山県愛
マチルド :愛さんですか・・・ かわいらしい名前ですね
ハリ・ドレゴ:ああ とってもおっちょこちょいでかわいいよ
マチルド :それはごちそうさまです

・・・突然自分の名前が書き込まれてビックリする
そしてこのあとはさらに・・・

ハリ・ドレゴ:『愛』聞いてるか 見てるか
ハリ・ドレゴ:おれ 愛のことが大好きだ ずっと愛のことだけ考えてた
ハリ・ドレゴ:マチルドにはいつも相談に乗ってもらってたんだ 誤解されるようなことはない
ハリ・ドレゴ:だから 答えて欲しい
ハリ・ドレゴ:俺とつきあってくれないか?

なにが起こってるのかわからない
誰に告白してるの
わ・・・わたし?

マチルド :あら お返事がないみたいですよ かわいそうに・・・
マチルド :じゃぁ約束どおり 高校にはいったら私が彼女さんですね 誠くん

へっ 何を言ってるの 彼女?誠の彼女になるの??

メイフェア :ダメーー!そんなのダメ
マチルド :あら、やっと降りてきたみたいです(笑
ハリ・ドレゴ:愛
マチルド :うーん こうなると・・わたしはお邪魔みたいなので・・・落ちますね
ハリ・ドレゴ:ありがとう マチルド
マチルド :いいえ、どういたしまして そうそう、これからは「ことのは」って呼んでください
ハリ・ドレゴ:ことのは・・か、とってもいい名前だね ありがとう ことのは
マチルド :はいこちらこそ楽しかったです 今度は・・・榊野学園であいましょう 誠くん 愛さん

マチルドさんが退室されました

ハリ・ドレゴ:愛 聞いてただろ
メイフェア:うん びっくりした
ハリ・ドレゴ:ということで 今から迎えに行く
メイフェア:それはだめ だめだよ 門限があるもの
ハリ・ドレゴ:おれが愛の分も怒られるから もう我慢しない
メイフェア:・・・ん 

誠が落ちたあと
わたしはいそいそと準備をはじめる
二度目の決心、二度目の身支度
でも今度こそ・・・
200woodchuck:2008/05/04(日) 00:47:45 ID:hz4p8MnZ
「愛 これから夕飯だけど なんでシャワーなんて」
「ごめんなさい お母さん今から出かけるわ」
「な・・ お父さんが帰ってくるのに」
「お父さんには後から謝ります」
「でも・・ 愛!」

お母さんが止めるのも聞かず
家を飛び出す
自宅前で誠を待つために
自宅の前の通りは一本道
道路の向うには夕日がかげっていくのがわかる
そして・・・
彼の影がだんだん近づいてくるのがわかる
近づくにつれてわかる
じっと見つめる優しい瞳
私はためらわずその胸に飛び込んだ

  ずっと、ずっとこうしたかったの まこと!

誠のお母さんは今日は深夜まで戻らない日
だから彼に誘われるまま彼の家に向かう
今日は誰にも邪魔されない日
そのまま夜半まで一緒に過ごす
ずっと待ち焦がれていた時間
彼はとても優しく
そしてとても情熱的だった
夕飯は彼の手作り
お風呂まで一緒にはいったあと家に戻る
とたんに不安にかられる
強引に家を抜けて出てきたけれど
門限を破るなんて今日が生まれて初めてだったから

でも・・・約束どおり
彼は私をおくり、一緒に家まできてくれる
その誠の律儀で男らしい態度のせいか
父も母も意外にやさしく
そしてわたしの恋人として誠を受け入れてくれた
201woodchuck:2008/05/04(日) 00:48:10 ID:hz4p8MnZ
__________

翌週

「せんぱーーい おはようございまーーす」

今日も元気な声がする
いつもの通り、可憐に一葉、二葉そして乙女と愛
いつものとおり可憐が俺の腕にしがみつこうとしたとき

「ここは私の場所です」

そういって愛が奪い取った

「ね、誠!」
「ぁぁ・・・ おはよう愛」
「愛?誠? なによ それぇ・・・!」

乙女がすごい勢いで追いかけてきた
おれは愛の手を引っ張って幼馴染達を置き去りにする

榊野高校受験まであと1週間
もう春の気配がしている
__________________(Wouldn't It be Loverly?  おわり)


以上で愛と誠、中学時代に結ばれるのSS終了です
榊野学園入学後
誠・愛・言葉が仲の良い友人関係を築き
それを軸にたのしい学園生活を送ってくれることを期待して
そうなると素敵だろうナァ・・と

ながらくありがとうございました

                        woodchuck
202名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 00:59:32 ID:hz4p8MnZ
P.S.
この愛SS いちゃ分不足していますが
そのあたりは↓↓

【School Days】山県愛が大好きだ!大好きだ!
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1208268729/l50

こちらに投下しました分でちょっとだけ補充可能かも
203スクイズイフ:2008/05/04(日) 01:27:42 ID:AxVDCLE0
>>201
お疲れ様です〜
でも実際これが本来の歴史なのかも〜
乙女の妨害がなければ…

入学式には刹那を助けて誠、愛、言葉、刹那、世界らと仲良くなって…

そう考えると乙女は歪めた元凶なんだなあ…
でもこれがなければ物語にならないけど…
せめてサマイズに愛ルートがあれば…

次の作品を楽しみにしてます〜
204名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 12:16:19 ID:rTeUZxGY
>>201
GJ!これが正しい歴史だ。
マチルド言葉は意外だったが。
205名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 00:31:54 ID:bKGkhL4X
ショートネタ 番外編@

放課後、下校中の伊藤誠と加藤乙女の会話。

「ねぇ、誠」
「なんだ乙女」
「誠にとって私ってどういう存在なのかな?」
「え?ど、どうって…?」
「それは…ほら、一緒にいて安心できるとか、色々あるじゃない」
「そういうことか。俺にとって乙女は…」
「……」
「幼馴染っていうか、親友っていうか…肩の力を抜ける存在だな。世界や言葉とだと、無意識のうちに方に力入っちゃうし。」
「なるほど。長い付き合いなだけあるわねぇ、私とあんた。幼馴染の特権って感じ。」
「それって、どういう意味だ?」
「べ、別に気にしないでいいじゃない。エッチ!」
「わけわかんないな。それじゃ、逆に質問するけど、加藤は俺のこと、どういう存在だと思ってるんだ?」
「知りたい?」
「う、うん。」
「誠はねぇ、空気のような存在。」
「は?何だよそれ。居ても居なくても同じってことかよ。きっついなぁ……」
「えぇ?何でそんなに落ち込むかな。」
「だってよぉ…」
「……居なきゃ生きていけないって意味なのに」
「え?い、今なんて…?」
「お、同じこと二度も言わせないでよ!ばかぁ!」
(実は聞こえてたんだけどな。)


206名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 09:03:35 ID:9xjQ6gYX
>>205
幼馴染としてはやっぱり最高の存在なんですよね、乙女
・・・・これくらい素直だったら・・・・なんですが
これが中学のときにあればそのままくっついていたきがしてなりません

続きが見たい・・・
207woodchuck:2008/05/05(月) 13:29:59 ID:p0ty/yVs
愛のSSへのコメントありがとございました
ちょっと毛色の違う奴ということで
(1)〜(3)ある短編シリーズを投稿します 今日は(1)

__________________________

出演: まこと お母さん 見知らぬ女の子 ゆかりお姉ちゃん
場所: 原巳中央病院
特殊設定:ありません
__________________________


「まこと 急に悪いんだけど呼び出されちゃったのよ
 お母さん仕事してるから
 このあたりで先生や他の看護婦さんとおとなしくしてて頂戴ね」


今日は本当は非番の日
母さんは急な同僚の休みのために呼び出されてきた
本当ならここに僕のような子供がいてはいけないんだけど
お父さんはあんなやつだから・・・僕の世話なんてしてくれないし
それにここには仲良しの友達もいるし・・・ぜんぶ大人だけどね

あと、小児科にはきれいなお姉ちゃんもいるんだ
たしか遠い親戚だって言ってた
ゆかりお姉ちゃん・・・かわいくって胸が大きくって
うん大人の女の人って感じ
母さんも胸では負けてないけど
やっぱり母さんじゃなぁ

だからついてきたんだ
ここだと他の先生は
なんでも父さんの知り合いでもあるらしくて
みんな微妙な顔をするときもあるけど
でも母さんの子供だって知ってるから皆優しくしてくれるんだ
ゆかりお姉ちゃんもそうさ

でも、今日の小児科は忙しそうだ
みんなコホコホ咳をしてるしなんだかお熱もありそう

「まことくん・・・病気うつるといけないから
 今日は診察室に寄り付かないほうがいいかもね」

ゆかりお姉ちゃんにそういわれて仕方なしに「たんけん」にでたんだ
そのかわり、お姉ちゃんにはたくさんぎゅーーーとしてもらった
お胸が顔にあたってとっても気持ちいいんだぁ でも内緒だよ
『やくとく・やくとく』・・こういうといいらしい
奥の部屋にいたお医者さんが言ってたんだ
208woodchuck:2008/05/05(月) 13:30:20 ID:p0ty/yVs
さぁどこに行こうかナァ・・・
前にもなんどか「たんけん」はしたことがある

「うん 赤ちゃんでも見に行くか!」

なんたって赤ちゃんはかわいいもの
僕もおにいちゃんになりたいナァ
いつも思ってるんだ
ということで「さんかびょうとう」ってところに行くんだ
・・・・うーーーん・・・道に迷ったかな
大丈夫、漢字は読めないけど英語は読めるんだ僕
「ob・・・ ob・・・ これだぁ!」
って前に来たとき覚えただけなんだけどさ(笑

赤ちゃんがいるのは・・・・ こっちだ!
踏み台はこっちにあったんだよねっと
赤ちゃんが一杯並んでるお部屋の前に箱を持ってきて置いてっと
よーし今日の赤ちゃんは何人いるかなぁ

「ばぁあぁぁあぁぁ・・・・」

でも音は聞こえないんだよ
窓が分厚いんだって
そうやってお母さん言ってたもんな
でも、気分が大事だからやってみただけさ

あれ?赤ちゃんひとりしかいないや
でも女の子だ ピンクの服着てる
かわいいなぁ 本当にかわいいなぁ

「かわいい・・・ とってもかわいい・・・ 僕も、妹ほしいなぁ」

声に出して言ってた
ちょっと恥ずかしかったけど
もっと恥ずかしかったのは聞いてた人がいたこと
看護婦さんじゃないよ 
僕と同じくらいの年の女の子

なんだかとってもかわいくって
見たこともないくらいなんだ
お嫁さんにしたいなぁって思ったくらい
ゆかりお姉ちゃんでもいいけどさ
ちょっと歳がつりあわないでしょ(ふっ
こんなかわいい子、家の周りにはいないもの
乙女ちゃんもかわいいけど
このこの方が絶対かわいい
ゆかり姉ちゃんには遊んでもらえなかったけど
この子に会えたから今日はとってもいい日だ

「わたしの妹なんですよ」

その女の子が突然口をひらいてびっくりした
お人形さんかもって思ってたから
209woodchuck:2008/05/05(月) 13:30:45 ID:p0ty/yVs
「君の妹なの?」

「そうですよ」

「じゃぁこの子もかわいくなるんだよね きっと 」

「ぇ・・・?」

「ぁ・・・ 」

「・・・・・ (ポ」

「あのさ・・」

「うん」

「僕、君のこととってもかわいいなって思ったんだ」

「・・・ありがと(赤」

そんなにじっと見られると照れくさいじゃん
でもおっきな目がとてもかわいいや

「うん でも赤ちゃんかわいいね」

「はい・・ とっても」

「僕、そろそろいかないとお母さんに怒られちゃうから行くね」

「は・・ はい」

「あ・・ あの・・・ あなたのお名前は?」

「僕? 僕は まこと だよ・・・君は?」

「わたしは・・・ ことのは です」

「ことのは ちゃんか・・・ また会えるかな?(会えるといいなぁ)」

(ことのはーーー ことのはーーー そろそろ帰るゾーーー)

「ぁ・・・ お父さんが呼んでる あの・・あの まことくん?」

「ん?」

「また会いたいです」

「ん 僕も じゃぁね ばいばーい」

だけど次の週、またお母さんに連れられて病院にきたんだけど
もうその赤ちゃんとお母さん退院してたんだ
また、ことのはちゃんに会えると思ってたんだけどな
ちょっとブルーになっちゃった
もう一度、会えるといいなぁ ことのはちゃん・・・。

________________(a-Cross Day 終わり)
210スクイズイフ:2008/05/06(火) 09:10:45 ID:EtoCyvFs
8話のあらすじ
学祭1日目〜学校では言葉が襲われたのを誠達が助けた頃…
ずっと家に引き籠もっていた世界にも…

8.5話はそんな世界のお話し〜
211スクイズイフ:2008/05/06(火) 09:11:31 ID:EtoCyvFs
SchoolDays-if8.5話
西園寺の家〜世界の部屋
考えては悩み…悩んでは考えて…ただ時間だけ過ぎていく…
その為、寝る時間が不定期になり気がつくとお昼前…
世界「全く何やってるんだろう…私…」気怠い身体を起こし部屋から出ようとして…
誰か来てるのか話し声が聞こえてくる…お母さんとおばさん?

舞「とにかく早急に対応が必要だし私が先に現地に行って…
受け入れの準備をするわ…」
踊子「じゃあその間にこっちも準備して…でも世界には…」
舞「説得するしかないわね〜行くのは…日本には暫く帰れなくなりそうだし…」
踊子「そっちで預かって貰う訳には…」
舞「私は構わないけど…」
我慢できずに扉を開けて…
世界「ねえ〜お母さん…どういうこと?日本を離れるって?」
踊子「世界…」
舞「世界ちゃん…」

ベッドの上でさっき説明された話を思い出す…
パリに支店を出店する為、働いていた親戚のおばさんが過労で倒れた…
急遽替わりの責任者にうちのお母さんが選ばれたらしく…
フランスのパリに行かなければ行けなくなった…
しかしその仕事はかなり時間がかかる為、数年は滞在しなくてはならなくて…
お母さんは刹那の家に下宿するか一緒に来るか…選択権を与えてくれた…
私はそれが決まるまでは刹那には黙っていて欲しいと頼み…
それから2日が過ぎた

でもただでさえ誠達の事で悩んでいて…
今度はパリに行く行かないと言う問題まで出て…私の混乱に拍車をかけていた…
世界「駄目だ…訳わからなくなる…」私はもう思考が停止していた…

ふと携帯に目を向けると着信ランプが…
世界「そうか…マナーモードに…着信が何?この件数?刹那から?」
着信履歴6回、メールは1件〜私はメールを読むと…
刹那〔助けて…言葉さんが大変なことになったの…
おばさんのコートを持って学園駅前まで来て…お願い〕
世界「何か…あったんだ!」着信時刻を見ると10分前〜私はベッドから飛び起きて〜
タンスからコートを出すと脇目も振らず支度して家を飛び出した…
私はこの時点ですっかり悩んでいた事を忘れていた…
しかしそれがきっかけで私は迷いが吹っ切れていた…
世界「私らしくない!」
そもそも今まで考える前に行動していた人間が…
頭で考えたって答えが出る訳はない!

学園駅前で待ってると刹那達が来た!
私は走り出す〜ある決意と共に…

8.5話「世界の決意」完
212スクイズイフ:2008/05/06(火) 09:12:14 ID:EtoCyvFs
8.5話です〜
最初悩みました〜何せこれを書くことで10話のネタバレになるから…

でも世界が急に立ち上がってしまった8話の状況を説明したかったから…
あえて書くことにしました

世界は多分他のキャラからすると頭で思考して動くタイプではなく〜(刹那や言葉)
考えるより先に身体が動いて行動するタイプだと思いまして〜(光も含む)

まあだからトラブルメーカーなんでしょうが〜憎めない存在で…

まあこんな世界ありえねーと思う方も多いとは思うけどね…
では次は9.5話で…
213名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 03:06:00 ID:ycVss0pF
ショートネタP

語り手:泰介

学園の文化祭から数日後のある日、小包が届いた。
伝票を見れば依頼主は桂さんで、何故か消し印がなかった。
郵便局員が処理を忘れたのだろうか?
そう思いながら同梱されていた手紙を読むと、文面には「私からの気持ちです。」と書かれていた。
ディナーへ招待しようとして断られた手前色々悩んだが、俺は小包を開けることにした。

小包は包装紙にリボンまでついており、何か値のはったプレゼントを連想させる。
あぐらをかいて箱を固定すると、まずはリボンを解き、次に包装紙を外してふたを開けようとしたが開け辛い。
どうやら、中で何か引っかかっているらしい。
何度かふたを持ち上げるようにしていると、勢い余って俺は大きく万歳するようにふたを開けた。




「……え?」




小包の中にあったのは、安全ピンが外れた手璢弾だった。





214woodchuck:2008/05/07(水) 09:07:25 ID:+sWcrw62
(その2)
_____________________

出演:まこと 見知らぬ女の子 お母さん
場所:原巳浜
特殊設定:やっぱりないけど、ちょっとはある?
_____________________


「コラっ まこと! 待ちなさい!!」

「いいもん もうお母さんなんてキライだから!!」


またお母さんに怒られた
だってあいつ大嫌いなんだもん
お父さんなんて呼びたくない

家の前の大きな道路を走って越えて
砂浜にやってきた
ここが好きだ
太陽があたるし
海から吹く風は気持ちいい
僕の体は小さいけれど
でも誰だって海の前では小さいもんな

よっこいしょ
砂浜にすわる
それから大の字になって目をつぶる

「う〜ーーーーーん 気持ちいい」

あんな奴のことなんて忘れるに限る
どうせ夕方に帰れば居なくなってるに決まってるし
耳をすますと
波が打ち寄せてはかえる音が聞こえる
なんていったっけ

(びーと?)

そうだこの「びーと」が気持ちよくしてくれるんだ
僕って大人だろ?
子守唄なんていうやつは僕が蹴ってやる
でも眠たくなった ちょっと寝ようかな
・・・・・・
・・・


「ねぇ あんた何やってんの?」
215woodchuck:2008/05/07(水) 09:07:45 ID:+sWcrw62
(ん・・だれだろ?めんどくさいな・・)

「ねぇってば・・・ あんた何やってるのって聞いてるでしょ?」

(もう・・ うるさいなぁ 女ってなんでこんなにうるさいんだろ
 静かに波の音を聞いてるとか、寝てるとか勝手に思ってればいいじゃん)

「ぅぅぅぅぅ・・・・ わたしを無視するなんていい度胸してるじゃない」

ズンっ・・・・・(うっ・・・なんだ重いぞ)

「ほーら 起きろぉぉ!!!」

「もう・・ 何するんだよ!」

目を開けるとかわいらしい女の子が居た
よーっく眺めて下に目線をうごかすと・・

(縞だ 縞・・・)

「もう! すけべ へんたい えっち!!!」

げんこつがぶんぶん振り回されて
それが僕にあたる
ちっちゃな手だけど結構いたい

「イタ・・いたいってば・・ もうやめろ!」

思わず思いっきり起き上がると
女の子は後ろに倒れてしまう
支えようとしたら・・僕までたおれて
なんだかお顔が目の前に来てしまった

「ぁ・・・ ・・・」

「ゴ・・ ゴメン」

「ううん わたしこそ・・ ゴメンネ いたかった?」

「うん ちょっとだけ・・」

女の子がやさしくほっぺをなでてくれる
お顔がさっきと同じくらいに近い

「ぇ・・・ いいよ 恥ずかしいから」

「ううん うちのお母さんがよくするの
 痛いときはやさしくなでてあげるのって」

「そっか確かにいたいのなくなっちゃった」

「うん うちのお母さんってすごいんだよ」

「そっか お母さん大好きなんだね」

「うん」
216woodchuck:2008/05/07(水) 09:08:07 ID:+sWcrw62
「・・・で、何してたの?」

「ん? 砂浜で大の字になって寝てた」

「それってそのまんまじゃん」

「だから?」

「なんで寝てたのかってことよ
 海がすきなの?」

「海はすきだよ だってとても大きいもん」

「だから寝てたの?」

「ちがうよ・・・寝てたのはつまんないから」

「・・・ それじゃぁ ねぇ・・・ わたしと一緒に遊ぼ!」

「ぇ・・ いいよ・・ 寝てるほうが・・ って・・こら・・」

「だめだめ いい若い者が昼間っから寝転んでるなんてダメ ほら立って」

「ぅン・・・」

それから日が暮れるまでその女の子と2人で遊んだ
砂のお城をつくったり お水のかけっこをしたり いっぱい
最初びっくりするくらい元気でうるさいと思ったけど
なんだかんだいって気を遣ってくれてとっても楽しかった
あいつのことなんて途中から全部忘れてたし・・・

「ぁぁ・・・ でもそろそろ帰らなきゃ」

道路のほうをみて女の子が言う

「ぇ・・・?」
「そんな顔しないの また会えるって」
「・・・・ぅン」
「ほら 男の子でしょ・・・」


チュッ・・・・


「ぅわっ・・・」
「大好きな男の子が元気ないときはこうするといいんだって
 お母さんがいってたもん」
「大好き?」
「うん わたし、あんたのこと気に入ったもん」
「そう・・・ 僕も、気に入ったよ」
「そっか」
217woodchuck:2008/05/07(水) 09:08:28 ID:+sWcrw62
「また会えるといいね」

「うん」

「ぼ・・・ぼく まことって言うんだ」
「わたしは・・ 海よりももっと大きな名前だよ」
「ぇ・・・?」
「・・・世界 ワールドの世界だよ」
「わーるど?」
「うん そう、またね まこと」

女の子を迎えに来た車が見えた
あ・・あれが・・せかい のおかあさんか
とても綺麗な人ダナァ
こっちにぶんぶん手を振ってる・・世界って面白い

僕もそろそろ帰るか・・・
海がもう真っ赤になってるから

_____________(a-Cross Day2 おわり)
218スクイズイフ:2008/05/07(水) 17:59:01 ID:E9PonaJa
SchoolDays-if9.5話
学園内〜3組教室
後夜祭が続く中、打ち上げの為に教室に戻るが…
刹那「やら〜はなしゃない〜お−」誠の腕にしがみついてくる…
誠「せ、刹那!?」
泰介「あは〜いいぞ〜委員長〜やれ〜やれ〜」
光「ヒューヒュー刹那〜熱い熱い!」
教室に戻るとクラスの連中は帰ったようで…
世界と甘露寺は用事があるとの事で…仕方無く先に始めていたが…
誠「刹那マズいって!〜酒なんか飲んだのがバレたら停学だぞ」
刹那「せっ〜ちゃん!」
誠「はい?」
刹那「だけゃら〜せっ〜ちゃんって〜いって〜」
泰介「いい〜ぞ〜せっーちゃー」
光「キャハ〜たいすけ〜ったら〜ん」
誠「駄目だ…こいつら完全に酔ってやがる」
刹那「ね〜え…かんじりゅ?〜」
誠「え?!何が?」
刹那「むね…かんじりゅ?…むねちいさいけど〜きょう〜ノーブラャなの〜」
誠「ぶっー」
誰だ〜ジュースにアルコール入れた馬鹿は?
誠「あ…ああ感じる〜感じるよ《誰か〜助けてくれ》」
しかしまだまだ続く…
刹那「ねえ…まこちゃん〜ものまねしてくれりゅ〜たこちゅう〜の−」
誠「え〜何…それ?」
刹那「んと〜目を瞑って〜唇をとがりゃせるの〜」
誠「わ…わかった、わかったから胸を押し付けるのは止めろよ《胸の感触が…》」
仕方無く俺はバカ正直に目を瞑り唇を突き出すと…

ブチュ−チュ〜チュル−チュパ!
誠「うわ〜刹那?!おま−何考えてんだ《俺達の初キッスを!》」
刹那「せいこう〜」
泰介「よ〜し〜キスが〜成功したから〜次に〜いっーてみよう〜」
刹那「うん〜がんばりゅ〜」
誠「次なんかあるか!《萌死にそう…》」
光「往生際が悪いー!〜おさえつけちゃえ〜」
誠「うわ〜やめろ〜」

世界「いや〜予想以上の酔い方だよね〜ってか寝ちゃってるし…」
誠の身体は右腕には刹那…左腕には光…
下半身には泰介が股間に顔を埋めていた…為、身動きがとれない…
誠「な!?世界見てないで助けろ!」
しかしカメラでパシャパシャとシャッターをきる!
世界「レア写真ゲット!ふふ〜最後に良い思い出ができた〜」
誠「ちょ、おま、バ、バカこんな写真撮るな〜って…まさか…世界…お前が…」
世界「ふふ〜作戦成功…誠、御愁傷様〜」
誠「せかいー!」と怒ると…突然
チュ!
誠「な!お、お前まで酔っ払ってるのかよ!」
世界「へへ〜御馳走様《御免ね〜刹那…》」

9.5話「たこちゅう(最後の悪戯)」完
219スクイズイフ:2008/05/07(水) 17:59:36 ID:E9PonaJa
9.5話載せました〜

たこちゅう
ボツシナリオで解析すると出てくる話

まあこれがやりたいが為にここまで頑張りました〜
だって勿体無いお化けがでるほどに素晴らしい話ですからね
刹那の酔っ払う描写があってサマイズの前にせっちゃん、まこちゃんを聞ける唯一の話…

まあ最後にあれが世界の悪戯で暫く誠、刹那、泰介、光があの写真をネタにからかわれる話を考えたんですが
それはボツになりそうです〜

まあとにかくこれで10話が書けなくなって未完でも悔いはありませんw

では10話は今月中には上げたいと思います〜では
220名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 22:17:42 ID:+sWcrw62
>>212
たしかにネタばれっぽい(世界の内側が見える)ですが
逆に安心して待てます
>>219
>これがやりたいが為にここまで頑張りました〜
>未完でも悔いはありません

そういうのって多々あるなと思います(自分も良くあるので)
自分の放置中のは棚に上げて言うと
でも読む側としてはそうは問屋が〜なんですよね

今月・・・今月ですか
待ってますです

>>213
語り手が(光とかでなく)泰介であることに安堵

言葉(でいいんですよね?)
ってどこでこういうことを覚えたんだろうか・・・
某MADで戦闘ヘリを転がしてる言葉を思い出しました
221SINGO:2008/05/08(木) 03:01:19 ID:aHGhCKB4
どうも先輩方。
今回は伊藤の視点で書いてみました。ので、投下します。
鮮血の結末を、どうすれば回避できるか?
では、
【永遠の愛】+オマケをご覧下さい。
先輩方は、永遠の愛ってあると思いますか?
俺はあると思います。

キャスト
桂 言葉
伊藤 誠
山県 愛
西園寺 世界
222SINGO:2008/05/08(木) 03:02:12 ID:aHGhCKB4
【永遠の愛】

「愛は世界を救う…」
唐突に、言葉は言った。
「…というフレーズ、知ってますか?」
「…?えと…」
突然の展開に、俺はどう返せばいいんだ?
言葉の瞳はキラキラ輝いていた。
言葉の脳内世界は、どんなのだろう?と想像して、やめた。
あたり一面、お花畑が広がっていて、その中に錆びて朽ち果てた戦車。
そんな場面しか思い浮かばない。
『愛は世界を救う』それは昔に聞いたフレーズ。
確か、地球環境問題に取り組む団体の、キャッチコピーだったか?
かつてそのフレーズを聞いた時、小学生の俺は、なんて綺麗なコトバだろうと思った。
そして中学生の俺は、なんて綺麗ゴトだろうと笑った。
犯罪、戦争、人種差別。愛は人を動かす事すらできない。
昔の俺は、確かにそう思っていた。
少なくとも、愛と同じ名を持つ娘を好きになるまでは。

その娘とは友達としての付き合いだったが、俺は彼女を誰よりも大切にしていた。
彼女は、よき親友であり妹であり姉であり母であり、つまり俺のすべてだった。
そして彼女も俺と同じ想いだろうと信じていた。
想いを打ち明けるつもりだった。
けど、万が一、断られたら…と思うと、怖くて告白できなかった。
チキンな話だ。フラれても別に死ぬわけじゃないのに。
でも、告白しなくて良かったという思いもある。
彼女の本命は俺じゃなかったから。加藤がそう教えてくれた。
結果、皮肉にも俺は、彼女の親友というポジションだけは失わずに済んだ。
それ以来、愛情というものが面倒臭く思えていた。友情と区別する事さえも。
他人の恋路が不思議だった。
サヨナラするために出会うのなら、どうして誰もみな、あんなに愛し合うのか。
世の中には、余計なものが多過ぎる。
大切なものは、たった一つあれば、それでいい。自分の命と同じ数だけあれば。
あの時の俺は、確かにそう思っていた。
少なくとも、高校に進学し、桂言葉に惚れるまでは。
223SINGO:2008/05/08(木) 03:03:46 ID:aHGhCKB4
「…くん?…誠君?」
その声でハッと我に帰る。気が付けば、言葉が俺を見つめていた。
どうやら俺は過去の想い出にひたってたらしい。
「どうしたんですか?」
「あ、ゴメン。山県も世界も、俺の友達だからさ。一瞬、混んがらがって」
ごまかした。
「うふふ。違いますよ。LoveとWorldです」
「うん。愛は世界を救う…だったね。それで?」
「笑われちゃうかも知れませんけど、実は私、信じてるんですよ」
「そのフレーズを?」
「はい」
「言葉らしーな」
確かに、と思う。言葉以外の誰かが言ったのなら、俺は笑っていただろう。
「笑わないよ」
実のところ、笑い事じゃなかった。
言葉がロマンチストなのは恋愛レベルまでだ。
世界規模までにいくほど言葉は子供じゃない。
もし言葉が口にしたのがLoveやWorldじゃなく、同じ名を持つ娘なら…と思うと俺は背中が薄ら寒くなった。
愛はかつて自分が惚れていた娘だし、世界に至っては、現在浮気中だ。
愛の事は過去の話で済まされるが、世界とは合意の上での浮気で、言葉には内緒にしている。
言葉が知るよしもない。
いつか選ばなければいけない、二者択一。
けど、新しく大切なものを見つけたら、今までの大切なものを捨てなければいけないのか?
決断の日は、必ず来る。
それまでは、この日だまりの様な心地よさに身をまかせていたかった。


…そして冬…
永い月日が、あれからずいぶん過ぎた気がする。
言葉は俺の胸にもたれ掛かってきた。俺は無意識にその体を抱きとめる。
言葉は瞳を閉じ、浅い眠りについた。
言葉の唇が微かに動いた気がした。
『実は私、信じてるんですよ』
ああ。そうだね、言葉。君の言った通りだった。
今なら俺も信じられる。かつてのフレーズ。
『愛は世界を救う』
そのフレーズに、嘘も偽りも無かったよ。
言葉は、ただ静かに寝息をたてていた。すごく優しげな笑顔で。
224SINGO:2008/05/08(木) 03:04:49 ID:aHGhCKB4
【永遠の愛 The Back up Story】

永い月日が、あれからずいぶん過ぎた気がする。
言葉は俺の胸にもたれ掛かってきた。俺は無意識にその体を抱きとめる。
言葉は瞳を閉じ、浅い眠りについた。
言葉の唇が微かに動いた気がした。
『実は私、信じてるんですよ』
ああ。そうだね、言葉。君の言った通りだった。
今なら俺も信じられる。かつてのフレーズ。
『愛は世界を救う』
そのフレーズに、嘘も偽りも無かったよ。

だ か ら 
世 界 は 
救 わ れ な い
だって、そのフレーズは、本物の愛が存在すればの話だから。
前提からして破綻してる。
俺は二人を救えない。誰も俺達を救えない。
「せかい…」
世界と同じ名を持つ彼女は、彼女自身の血だまりの上で息絶えている。
彼女をこの世界から排除した言葉は、自らの凶行に笑った後、俺の腕の中で気絶。
今まで先延ばしにしてきた二者択一。それが強制的に選択された。しかも最悪の形で。
俺に本物の愛があれば。ただ一人だけを愛し、もう片方を拒絶していれば。
こんな事にならなかったのかも知れない。
たぶん俺の愛は、とっくの昔に死んでたんだと思う。
二人の気持ちを利用して。
二人が俺から離れられない事をいい事に、ぬるま湯の様な心地いい日常を怠惰に過ごして。
二人のどちらも捨てられなくて。
これは愛じゃなくて。ただの独占欲で。ただの性欲で。
それを愛だと称して二人を欺いていただけなのかも知れない。自分をも欺いて。
だったら、罰を受けるのは俺の方だろ?どうしてこんな事に?
涙がこぼれ落ちた。
戻りたいよ。見つめるだけで心が満たされた、あの頃に。
泣いても叫んでも届かない。俺達の願いはどこにも。
それでも、言葉の願いは届いたんだろうか。
『死んじゃえ』
なんてありふれた願い事。世界で一番多い願い事。
「どうして…どうして、こんな事に!?答えてくれ、言葉あぁ!!」
言葉は…
言葉は、ただ静かに寝息をたてていた。ひどく優しげな笑顔で。

225SINGO:2008/05/08(木) 03:05:50 ID:aHGhCKB4
終わりです。
萌え尽きた…。
脳味噌の限界に挑戦したんですが、ただのコトバ遊びになってしまいました。

自己評価 B

先輩方は、永遠の愛ってあると思いますか?
俺はあると思います。ただし、永遠の命があればの話ですが。
226名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 10:14:08 ID:xSQTDulR
>>225
先輩という呼びかけに応えるのはちょっと・・と思わなくは無いですが

「永久の愛」

僕は『無い』と思います
実体験を優先する性格というのもありますが・・
それ以上に『永久は無い』からこそ『今が大切』だと思うからかな
もし永久があると思えばこれが永久だと思った刹那
永久で在らんとするする努力の放棄が肯定されることになるとも思うから
227woodchuck:2008/05/08(木) 15:58:45 ID:iQTQmic8
(その3)
__________________________

出演: まこと 見知らぬ浴衣姿の女の子 知り合いのおじさん
場所: 原巳浜神社 
特殊場面: ないったらないの
__________________________


「ほんっとにもう・・・ どこにいったんだろ
 ここにもいない・・・ うーん お母さんにおこられちゃうよ〜」

わたしは今、原巳浜神社の境内にいる
さっきまで一緒にいた世界が居なくなってしまったのだ
途方にくれて社務所の前の石段に座る

「ん・・・? どうかしたの?」

見上げると、私と同じ歳くらいの男の子がいた
片手には・・・ なんだろ、今はやってるテレビのヒーローのかな

「なんでもないわ ほっといて」
「でも、迷子なんじゃないの?」
「ちがうわよ 迷子になったのはあの子のほう」
「あの子って?」
「・・・・・・・・・
(わたしの知り合いなんだから言ったってわからないでしょ
 もう、バカなんじゃないの?)」

思ったことを全部言っちゃダメ
お母さんにいつも言われてるから我慢するわ
さっさとアッチに行ってくれればいいのに
世界を探さなきゃならないのに〜

「そっか なら隣あいてるかな?」
「あいてる」
「じゃあ ここに座ろう」
「(ぇ?)・・・・・・・・・」
「どっからきたのさ?」
「あっち(家のほうを指差す)」
「あっち・・・ か・・・・」

彼はあきれたような顔をしていた

「名前は?」
「きようら」
「きおうら か、僕はいとう、いとうまこと」
「ふーん いとうね」
「そう」
「せつな」
「せつな?」
「きようらせつな」
「それが名前なんだ かっこいいね」
「うん 気に入ってるんだ」
228woodchuck:2008/05/08(木) 15:59:09 ID:iQTQmic8
名前を褒められるのは嬉しい
ちょっと変わった名前だから「かわいい」って言われることもないし
それに「?」って顔をされるのにも慣れていたから

「いとうくんはどうしてここにいるの?」
「あ?僕はね お母さんと一緒にきたんだけど 迷子になっちゃった」
「ぇ・・・ だったら人の心配してる・・・」
「でも、せつなちゃんのほうが小さいじゃん
 心配するのは大きいほうの仕事だよ」
「(小さい?)・・・・・・(ピクリ」
「あれ・・ なんかまずいこと言ったかな? 僕8歳だよ
 せつなちゃんはいくつ?」
「わたしだって8歳」
「ぇ・・・・・・・・? ほんと?」
「・・・・・・・・・こんなことで嘘いってどうする!」
「そ・・・ そうか それはゴメン」
「だからわたしの心配しなくていいんだよ」
「そうだね」

「うーーんじゃぁどうしよっかな」
「ぇ?」
「君も僕と同じ迷子だと思ってこっちにきたけど
 することなくなっちゃったもん」
「・・・・・・・・」
「どう?一緒にまわらない?」
「回るっていっても お金・・・」
「ちょこっとは持ってるし
 それに知り合いのおじさん多いんだ」
「知り合い?」
「うん」

半信半疑で一緒に歩き始める

「おじさーん こんにちわ!」
「おーー 誠ぼんじゃないか! これ食ってけ、っとなんだ生意気に彼女連れか」
「へっへーーーー だから2個頂戴!」
「よっしゃ・・ っておまえ、そういう時は1つを2人で食べるもんだぞ」
「そ・・ そうなの?」
「そうに決まってる」
「そうなんだ」

じゃぁといって彼が一口たべたのをわたしに差し出す
一瞬と惑ったけれど、反対側をぱくっと食べてみた
うん・・・ なんだかおいしいぞ
いつも世界と同じことしてるけど・・ なんだか新鮮だ
そうこうしながらいくつもおごられた
まだ財布は開いていない
229woodchuck:2008/05/08(木) 15:59:33 ID:iQTQmic8
「知り合いのおじさんばかりなの?」
「うーーん というか知り合いの知り合い?」
「?」
「まぁいいじゃん」
「うん」

何か食べたいものある?と聞かれて

「りんご飴」

と答えると手を引いて連れて行ってもらう
いつも世界に聞いてばかりだったから
聞かれるのも新鮮で嬉しかった
そこでは彼がお財布をだして買っていた

「わたしが出す・・」

そういう私をわらって

「こういうときは男が出すんだって親父さんに言われたんだ」

そう返事がかえってきた
親父さん・・・お父さんのことかな?
世界のことは気になるけど
彼と歩きながら探してるってことでいいかな?
真っ赤なりんご飴を二人でほおばる
口元が汚れるけど楽しいから気にしない

そう思った矢先、世界の後姿を見つけてしまった
母さんもおばさんも一緒のようだ
一瞬、考えたけど
世界に色々言われるのもなぁと思う

「あ・・・ 見つけた!」
「どこどこ?」
「あそこ!」
「いとうくん ありがと! わたし戻るね」
「ぅ・・・ ぅん」

とっても後ろ髪引かれる思いだったけど
その場を離れることにした
世界の背中に触れる前
そっと振り返って大きく手を振る
彼はそのわたしの姿を見て手を振って返してくれた後
社務所のほうに戻っていった
しばらくの間、母さんとおばさん、世界に
どこで何をしていたのかしつこく聞かれた
やっぱりこのまえのあのことがあるからだと思うけど
いとうくんのこと黙ってて正解だったかなって思う

でも、そのときに気がついたんだ
あれだけ知り合いの多いいとうくんが
迷子になるなんてことありえないって・・・

そのとき胸が少しだけきゅんとした。
_________________(a-Cross Day3_おわり)
230woodchuck:2008/05/08(木) 16:08:38 ID:iQTQmic8
以上で『小さい頃に出会っていたら』という短編3部作終了です
言葉とはお互い好感もつけどモジモジしているうちに・・・
世界とは世界主導で引っ張りまわされ翻弄される
刹那の場合は誠が男の子らしく主導権を持って
というコンセプトで作ってみました。  
231スクイズイフ:2008/05/08(木) 17:15:15 ID:7mmocrYb
>>220
8.5話〜まあ予想通り転校しますね…仮に刹那の家に下宿でも話的には構わないけどね…


9.5話〜一応ブログに掲載する時は加加筆修正しますね
しかしよく考えたら今月仕事の試験があったなあ〜勉強しないといけないや
と言うわけで今月は難しいかもしれない〜

≫230
しかし誠改め「まこと」くんはやるなあ〜
せっちゃんの扱い方は空気読んでるよw
もしかして退化したのだろうか?
でもこのまことなら乙女を上手くあしらうかもなあ(笑)
232名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 07:16:37 ID:zG389KTX
hosyu
233名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 21:40:34 ID:TQV1Keg+
ショートネタQ

語り手:小渕みなみ


榊野の学園を卒業後、私は大学に進学した。
夏美、来実、乙女の三人とは別の学校に進学したため、知ってる人間は誰も居なかった。
けど、二年生になった今、新しい友人知人も出来、私は平穏なキャンパスライフを送っていた。
三人とも最近は忙しくなったらしく、乙女はバスケの女子全国大会決勝戦うを控えている。
そのため、毎日、早朝から深夜まで講義が終われば練習に明け暮れているとのこと。
夏美と来実も各々アルバイトに励んでいるらしく、連絡は取りにくくなってきた。
寂しいとは思ったが、私も私で忙しく、当分は満足に時間が取れないからお相子だった。


そんなある日の夜。
アルバイトを終えた帰り道、久しぶりに夏美たちと再会することになった。
後から来た黒塗りのバンが私の進行方向の少し前で停車すると、バンの横開きの扉が開いた。
少々警戒しながら通り過ぎようと思ったその時、バンの中から二人の男女が出てきた。
男はバンを降りてその場で立っていたままだったが、女の方はこちらへと駆け寄ってきた。
警戒心は高まり、すぐに逃げ出そうと思ったが、女が近くに来るにつれて、顔に見覚えがあることに気付いた。

「みなみ、久しぶり!」
「夏美じゃない!」

友人の小泉夏美だった。

「ごめんね。連絡もよこさないで。元気してた?」
「うん、してたよ。夏美人こそ元気してた?」
「私は…ぼちぼちってとこかな。」
「そうなんだ。ところで、バンに乗ってたけど…どうしたの?」
「これから私の通ってる大学のサークルで、ちょっと海のほうまで出ようってことになってさ。」
「こんな時間に?」
「向こうで泊まることになってるのよ。来実も一緒に来てる。」
「来実も?」
「そう。途中で声かけて誘ってね。乙女も誘おうと思って連絡したんだけど……バスケで忙しいみたいで駄目だった。」
「全国大会控えてて遊んでられないでしょ。」
「そうよね。ところで、あんた今日、明日暇?」
「休日だし、時間は大丈夫よ。」
「じゃあ、あんたも一緒に行こうよ。」
「え?でも…」
「大丈夫だって。サークルメンバーにあんたのこと軽く話してあるし、来実もいるよ。」
「来実も?」
「うん。あの人、あそこにで立って待てる人、私の大学の先輩なんだ。」
「へぇ…」
「で、一緒に来てくれる?」
「うーん……そうね……」

何かと忙殺される毎日で息抜きも忘れていた私。
久しぶりに友人と談笑して、肩の力を抜けるのを感じた。
もっと夏美と、来実と話をしたい。
そう思った私は、夏美の誘いに乗ることにした。
234名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 21:42:22 ID:TQV1Keg+
夏美に案内されてバンに乗ると、中には来実と複数の男女がいたた。
人数は自分と夏実と来実を合わせて8人。自分たち以外は男性ばかり。
そういえば、何のサークルかを聞いてなかったことを思い出す。
男ばかりとは、よほど女には縁が無いサークルなんだろうか?
バンに乗り込んだ私に最初に声をかけてきたのは来実だった。

「みなみ、久しぶりだね。みなみも一緒に来てくれたんだ。」
「うん。二人にと久しぶりに話したかったしさ。」

夏美と夏美と一緒に下りた男が乗り込み、それから車は出発した。
道中、私は来実と夏美と話していたが、会話が途切れてから違和感を感じた。
周りの人間は誰も話しかけてこないし、ただ静かに席に座ったまま沈黙している。
顔は無表情で何をするでもなく、ただじっと車の前方の景色を見つめている。
それに気付いた時、私はこのバンに乗ったことが間違いだったと悟った。
そんな私の心中を悟ったのか、近くに居た男が不意に口を開いた。

「そいつで最後か?」
「はい…」

男は夏美にそう声をかけた。
男のいう言葉の意味が分からず、私は夏美を問いただした。

「ねぇ、どういうことなの?このバンは海に行くんでしょ?」
「行くよ。海に…。正確には海沿いにある温泉街に行くの。」
「温泉街?」
「三人で稼げばすぐに帰れるよ…」
「何言ってるの、夏美…」
「三人ならすぐ帰れるの…」
「来実まで何を…」

その問いに二人とも何も答えなかった。
が、代わりに自分の後に居た男が口を開いた。

「夏美ちゃんはな、彼氏に騙されて借金作っちまってな。その金を返すために働いて貰うことになったんだ。」
「借金って…夏美?」
「……」

俯いたまま暗い表情を灯す夏美の顔は、私を誘った時のものとはまるで別だった。
両膝の上に置いた両手を震わせ、目が忙しなく泳いでいる。来実も同じだった。
私は質問に答えた男に新たな質問をする。

「…なんで来実までここに?」
「その子はな、夏美ちゃんが一人じゃ寂しいからって連れてくことになったんだ。そうだよな?」
「…はい。」
「ねぇ夏美……あんた本気でいってるの?」
「その人が言ってることは本当だよ。夏美に私誘われたの。」

夏美は質問に答えない。代わりに来実が答えた。
235名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 21:43:41 ID:TQV1Keg+
「来実はなんで誘いに乗ったの?」
「だって……私たち、友達じゃない。友達見捨てられないし、だから……」
「嘘……」
「友達思いのいい子だよ、来実ちゃんは。自分に関係ない借金を一緒に返してくれるって協力するんだから。」
「今時珍しい女の子だ。」

別の男が質問に答えた男に同調するうように言葉を続けた。
私の中の焦燥心は限界を迎えようとしていた。
このまま晩に乗ってたら、私は知らないところに連れて行かれる。
この街へ一生戻って来れないかも知れない。
下りようとしたが、窓には鍵が掛かっていた。
入ってきた扉は、さっき夏美と一緒に降りた男がガードを固めている。

「…降ろしてください!」

無抵抗でいるよりはましだと思い、周りに呼びかけた。

「あれぇ?君は友達を裏切るの?」
「夏美ちゃん、お友達は降りたいらしいよ。」
「行かないでみなみ!」
「嫌よ!、なんで私があんたの借金を背負わなきゃいけないのよ!」
「違うわよ!三人で一緒に返すのよ!」
「いやぁ!!」

そこへ、突然急ブレーキがかけられた。
シートベルトをしていなかった私たちは、慣性の法則に従って前へと体を倒した。

「いったーい…つつ…」
「何を言おうと無駄だ。そいつの借金は三百万だ。一人頭ちょうど百万。5年もあれば返せる額だ。」
「…みなみ……ごめんね、本当にゴメンね……うぅっ……」








その後、三人は広域暴力団の息がかかった温泉街で、昼間は旅館の従業員として働き、夜は売春婦として客を取る日々を送ることになる。








236名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 22:29:48 ID:scEKwzt0
>233-235
>一人頭ちょうど百万。5年もあれば返せる額だ。
ちょ、100万の元本返すのに5年かかるってwww
どんだけ暴利かけられてるんだよwwww
237名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 23:10:38 ID:TQV1Keg+
>>236
本当はこの話、世界と光と七海でやるつもりでした。
借金を返すために働くのだけど、もろもろの生活費は自分持ち。
そのための借金をしなければならず、中々借金を完済できない。
二、三年もあれば完済できる借金が五年も掛かるのは、そういう理由です。

ショートネタではなく、一つの物語として仕上げるつもりだったのですが、
とある実話と重なってしまうことを思い出し、やめにしました。
(実際にそういう街があって、そこから脱走した女性の実話が某誌に寄せられていた)
238名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 00:26:33 ID:a6ZUVLNd
>>237
もうすでに学校ではないけどその後の…って見れば…
でも笑えないなあ〜まあ乙女がいたら…どうなったやら〜
アニメの12話の乙女らの関係で(絶交)3馬鹿娘達への戒めなら〜
良い罰かな〜っと

しかし世界達か〜光が地元のヤクザに目を付けられて(売春)巻き込まれるパターンかな〜
239名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 10:12:22 ID:gjy1RJfM
>借金を返すために働くのだけど、もろもろの生活費は自分持ち。
>そのための借金をしなければならず、中々借金を完済できない。
漫画「カイジ」に出てきた地下王国建設現場を思い出した。
家賃やら食費やらも、きっと暴力団がボッタクっているんだろうな。
しかし…完済できたとしても(できるのか!?)ヤクザがそれで彼女らを手放すとは思えないし
きっと出し殻同然になるまで搾取されつづけるんだろうな〜 南無。
240名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 22:46:46 ID:Cw5QkXVf
【School Days】桂言葉を見守るスレ Part9
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1210461998/19-20

転載するのは失礼と思ったのでアンカを入れます
241スクイズイフ:2008/05/13(火) 12:31:31 ID:88HUSewM
保守ついでに報告〜

10話は8割がた終わり〜後はラストの締め方に色々悩んでます

では〜
242名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 20:45:15 ID:g3HeTJFR
>233-235
男が一緒に降りてたの見た時点で怪しいと思わないのかなぁと思った
もしかして、みなみって鈍い性格なんだろうか?
243名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 21:34:32 ID:+iYfBUUw
エロが最近足りないです、先生。
244woodchuck:2008/05/13(火) 22:19:12 ID:DpgH870s
たしままだ投稿してなかったと思うので・・
________________

出演: 誠 言葉
場所: 榊野町シネマコンプレックス
時間: G.W.ある昼下がり
特殊: ちょっとだけ
________________


今日は言葉と映画を見に行くことになっている

たまの休日
二人っきりで静かに過ごすにはちょうど良いだろう
二人でよく見に行く映画は
恋愛映画、ファンタジー
おれは苦手だけど言葉たっての願いでホラー映画
大体がこんなもの たまにコメディもみるけれど言葉はあまり好きじゃないらしい
俺は好きだけど、こういうのはDVDとカウチポテトでもかまわないものだと思う

正直、スプラッターも日本や韓国のホラーもののようなサイコホラーも
俺にとっては苦手で同じようなものだ
言葉にとっては全く違うものらしい
そして、今日もまた新作のサイコホラー映画が・・・上映中だというのだ
他に恋愛モノが上映されていればまだ逃げようがあるものの
今回はその選択肢すら残されていなかった

言葉はわくわくしてシネマコンプレックスのHPを見ている
ふとその端のほうに・・・恋愛映画の『ような』名前をした
いわゆる成人映画も出ていることに気がついた
おそらく言葉は気がついてはいない
完全なポルノではないけれど
かなり濃厚な描写で話題を集めている映画だ・・・
泰介が騒いでいるんだから中身は自ずとわかる
おれはそれに賭けてみようかと思った
ホラー映画を見せられて
汗ばんだ手で言葉の手を強く握り締め
無様な声をあげる醜態を晒すのは勘弁して欲しいから
_________

映画館の前につく
おれはおもむろにメモ用紙をとりだして
線を引き始める 作戦始動

「なにをしているんですか?まことくん」
「うん あみだくじを作ってるんだ」
「あみだ・・・ですか?」
「あぁ 言葉は好きなところに第一希望と第二希望の映画を書く
 おれは一個だけ書くことにする
 言葉が上の段の好きな場所を選んで 俺が最後に一本だけ線を書き加える」
「はぁ・・・」
「それで決まったものを今日は見よう」
「・・・・?」
「たまにはね 変わったことをしようって話さ」
245woodchuck:2008/05/13(火) 22:19:33 ID:DpgH870s
あまり突っ込んで聞かれるのはまずい
はっきりいってよほど人を信じてないと騙されない
言葉と俺だからできるといっていい
チャンスはそれでも一回だけだろう
言葉が油断しているときじゃないと絶対にばれる
今みたいに映画のポスターを見てわくわくしているときじゃないと・・・
今のうちにさっさと話を押し切らなければ

「たまには変わったことですか? わかりました」

(よっしゃぁぁぁぁぁあぁ!)

心の中でガッツポーズをした
さっさとあみだを完成させる
あらかじめ自分の希望の映画を書き込んでおく
単純にかくとばれるので横線は本数を多めに書いておく
幅を適当に変えておくのがコツ
左右均等に、順番を間違えないように・・・
言葉が希望の映画を書き(ちらっと見たら、第一希望も第二希望も同じホラーかよ!!!)
言葉が選び、それにあわせてあらかじめ決めていた場所に線を一本足す
答えなんて見るまでもないが一応わざとらしく確認をする

「うーん 俺の勝ち?」
「ぇ・・・・ぇぇ? なんでですか? だって・・・」
「でもまぁ とりあえず行こうか」

言葉はあまりの結果に慌てている様子
おれはさっさと中に入る準備をする
言葉は納得いかない顔をしていたが仕方なしについてくる
チケットを買い、映写室に入ろうとする段になって

「ぁ・・・ まことくん、ずるしましたね!」

ようやく気がついたようだ
さすがといえばさすがだが
時既に遅しここまでくれば見るしかない
人の少ない場所を探して二人並んで席に着く
言葉は本編前の予告編ですでに真っ赤になっている
あみだの謎解きに気をとられて
言葉が入場前にきちんと内容を確認しなかったのは
予想外の行幸

「あの・・ まことくん?」
「なに?」
「これ・・・」
「ん?」
「恋愛映画じゃないですよね?」
「『大人の』恋愛映画みたいだよ R15だし」
「そ・・・そうですか なんだかとっても恥ずかしいんですけど」
「・・・・だってそういう顔をさせたくて仕組んだんだもの」
「へっ・・・ぇぇえ?」
「ほら、声が大きいってば」
「ぁ・・・すみません」
「ん 静かにね 俺が何しても大きい声出しちゃだめだよ」
「何しても・・ だめです 何にもしちゃダメですよ」
「だから静かにね」
「ぅ・・・すみません」
「よろしい」
246woodchuck:2008/05/13(火) 22:19:55 ID:DpgH870s
本編が始まる
案の定、のっけから激しい絡みが続いている
言葉はマジメな性格だからだろう
顔を赤らめながらも必死に見ている
俺は?映画なんて見るわけが無い
言葉を見ていたほうが数段面白いんだから当たり前だ
でも、言葉をただ見ているだけなんてのももったいないでしょ・・・

ふっーーー 耳に息を吹きかけてみる

「ひゃぅっ・・・」
声がホールに響く
無論濡れ場の最中だから
映画自体の音声も大きめだ

「シーっ」
わざとらしく口に指をあてて言葉にアピールする
言葉が俺をにらみつける
おれはにっこり笑って言葉の手を握る
言葉があらためて見入っているのを確認・・・
まだまだなんだよ・・・とほくそ笑みながら
次の濡れ場まで手を握るだけで我慢する
大丈夫、あの予告編ならまだまだいっぱいそういうシーンはあるから

待望のシーン到来
すでに耳まで赤くしているのがわかる
俺は言葉の太もも部分を狙って手を進める

「(ウっ・・・・)」

一瞬びくっとする言葉だけれど
今度は声はこらえたようだ
でも、おれを見つめる言葉はおろおろしている
俺は両手を言葉の頬にそえると
強引に唇をうばった

「(ァッ・・・・ )」

何か言っているようだけど口は塞いでいるからわからない
キスを終えて顔を離したとき
言葉が両手で俺のほっぺたを思いっきりつねってきた

「(イテっ・・・・)」
「しりません!」

うぅ・・・珍しく反撃するのか
暗闇はおれの味方だ、さらなる闘志を燃やす
次のシーンまで力をためる

さぁきた・きた・キターーーーー
目が釘付けになっている言葉に覆いかぶさるようにして
胸の辺りを攻める
弱いちからでポカポカしてくるけれどもそれくらいは織り込み済みだ
さらに執拗に胸を攻める 言葉の弱点なんて知り尽くしているから大丈夫
ブラの布地の上からひっかくようにして刺激をする
だんだん手の力が抜けてくるのがわかる
ブラウスの裾から中に忍び込み直接触れるようになった頃には
言葉は完全に降伏状態だった
247woodchuck:2008/05/13(火) 22:20:16 ID:DpgH870s
が・・・・・
それ以上をするにはさすがに映画の時間が残り少なくなっていた
まぁそれ以上はする気はもともと無かったわけなんだが
それでも言葉は半ば放心状態だったので
俺がかわりに言葉の服を直すはめになる
ちょっと慌てたけれど
館内の明かりがともる直前までになんとかやり遂げた
なんともいえぬ達成感、それでいいのか俺

灯りがついたとき
涙目で言葉がおれをにらんでいた

「ゴメン 言葉があんまりかわいくってさ」

誠意の無い言葉だとはわかっているけど
これが一番言葉には有効
これまでの経験が伝える真理という奴だ
案の定、もう機嫌は直りかけている

「それでなんだけど・・・」
「(なんですか?)」
「続きの希望はありませんか?」

「もう知りません!そんな希望あるわけないです!」

言葉は先ほどまでのふらつきはどこへやら
ぷんすかしながら歩き出す

「だってさっきも夢中だったじゃない」
「わたしは映画を見てただけです」
「へーっそうなんだ」
「そうなんです」
「じゃ、最後のシーン覚えてる?」

覚えているわけが無い
だってあえぎ声を隠すのに
必死になって目をつぶって指をかんでいたんだから

「・・・・・・・・・・・」

言葉の訴えるような涙目がかわいらしい
今日は俺の作戦がちだな
たまにはこういうこともないと

「カップルには適度な刺激が必要だよ? ね、言葉」

ジト目の言葉がいる
ぅ・・・その目に弱いんだよな、俺
さてと・・・
ちょっと休憩したら
今度は言葉のさらなるご機嫌なおしに
新作ホラー映画に耐える番か
これもまた彼氏のおつとめのひとつなんだと思うことにしよう

_______________(ダブル・ヘッダー 終わり)

たいして補充にはならないかもしれないですが・・
248名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 22:49:43 ID:fgQoC4Tx
エロが最近足りてないというか、もともとこのスレってエロ書いてる人いなくないか?
249名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 23:05:39 ID:DpgH870s
おれ立場ねぇぇぇぇぇぇwww
250名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 23:23:13 ID:Ih29fl2p
漏れはエロいらない派ですが 何か?

うっちゃんガンガレ!!!

251SINGO:2008/05/14(水) 02:38:49 ID:c5hLgaz3
どうも先輩方。
ショートネタが出来たんで、投下します。
題して、
伊藤誠プロデュース
澤永泰介 主人公化計画!
252SINGO:2008/05/14(水) 02:39:44 ID:c5hLgaz3
泰介「なあ誠。俺、名案があるんだけど」
誠「そりゃ凄いな。ま、頑張ってくれ」
泰介「待て、聞いてくれよ!」
誠「面倒臭いな。で、何?」
泰介「そろそろ主役交代っていうか、俺が主人公のスクイズが出てもいいと思うんだ」
誠「上級者向けになりそうだな」
泰介「だろ。大人の危険な恋ってやつ」
誠「いや、難易度が。お前キモいからモテないだろうし」
泰介「そっちかよ!てか何気に酷いな」
誠「どうせ、永遠ENDになるだろうし」
泰介「桂が飛び降り自殺するアレか?でも俺、彼女を棄てたくないな」
誠「いや、桂に棄てられた泰介が自殺するんだ。ひっそりと」
泰介「死ぬの俺かよ!しかも、ひっそりって何だよ!誰も気付いてくれないのか!」
誠「あと、鮮血の結末ENDとか」
泰介「ノコギリENDな。桂が俺を奪うため、西園寺を殺すのか?俺って罪な男」
誠「いや、桂が俺を奪うため、泰介を殺すんだ」
泰介「また俺が死ぬのかよ!てか俺ホモにされてるし!」
誠「PS2じゃホモだったろ」
泰介「製作スタッフに騙されたんだよ!出番が増えるって聞いてたのに…
正直ショックだった」
誠「俺としては、泰介がノリノリで演じた事がショックだった」
泰介「とにかく俺、死亡ENDだけは勘弁な」
誠「大丈夫。我が子へENDがある」
泰介「言ってるそばから殺すな!誠、そんなに俺が邪魔か?」
誠「落ち着け。我が子だぞ、我が子」
泰介「ああ、そうか。刺されるけど、桂と西園寺を孕ます役得があるし」
誠「無い。通りすがりのイカれジャンキーに刺殺される」
泰介「何で通行人Aに!てか我が子はどうした!」
誠「刺された箇所が泰介の股間。だから、我がムスコEND」
泰介「誰がそんな上手いコト言えっつった!?」
誠「文句多いな。折角、俺がお前の企画を邪魔してるのに」
泰介「堂々と本音を漏らすな!」
誠「だって泰介が主人公になったら俺の出番なくなるだろ」
泰介「大丈夫。東鳩シリーズにもあるだろ、俺達友達だよなENDが」
誠「嫌だよ俺、泰介と友達なんて」
泰介「拒む所、そっちかよ!俺、誠のこと親友と思ってたのに」
誠「泰介、そんな風に思ってくれてたなんて…ありがた迷惑だな」
泰介「あからさまに酷いなオイ!」
誠「落ち着け。巨乳の新キャラ紹介してやるから」
泰介「何、巨乳?マジでか?誰だよ、それ」
誠「ウチのクラスの田中。アイツすげえ巨乳だろ」
泰介「アーノノレド・シュワルツェネッガー並にな……って、いい加減にしろ!」

終劇
253SINGO:2008/05/14(水) 02:40:48 ID:c5hLgaz3
激終。
やっぱ無理でちた。春原化してるし。
泰介はギャグキャラがよく似合う。
けど、世界にフラれた後で光とくっついた泰介は最高に格好良かった。
(加藤ルートの言葉END)誠と言葉を応援するシーンは、レイパーとは思えない。
何か悪い物でも食ったのだろうか?
254名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 12:44:15 ID:pu58syr4
>>253
ちょっと前ですが
ドラマ)古畑任三郎で鑑識の人(なくなったっけ)と
今泉君がやってたショートを思い出しました

・・・なぜだろう
でもそれだと主役の誠じゃ・・と思ったのでリクエストします
次は「田中」と「泰介」でお願いします
田中無口キャラなのですごい難しいと思うけど
SINGOさんの軽妙なタッチ好きなんで
(暇なときでいいですから)

255woodchuck:2008/05/14(水) 15:07:10 ID:pu58syr4
(ダブルヘッダーの続編です)
________________

出演:誠 言葉
場所:桂家リビング
時刻:G.W.のある日の夕〜深夜〜翌朝
特殊:あります
________________

さっき見た映画は「海に沈む森」
まさに悪夢というわけで背筋が凍る思いだったが
言葉の手を握り締めていても
恐怖のあまりひきつるということは無く・・・

「あれっ 怖いけど・・・ それだけじゃない、なんか不思議だ」

言葉がにっこりしてこちらを見ている

「この作品の原作者さんってとても有名なひとなんですよ
 ジャパニーズホラーをハリウッドまで広めたんですから」
「そうなんだ・・・」

言葉の説明で出てくる映画名は
ホラーを知らないおれでもよく見聞きする作品群だった
ぁぁそうかこういうのをジャパニーズホラーというのだな
食わず嫌いだったけれど
ホラーの形を借りた人間ドラマじゃないか・・
たしかにスプラッターとは違うという言葉の言い分が理解できた

「喰わず嫌いだったみたいだ」
「そうですね そう思います」

言葉は上機嫌だった
そして帰り道、DVDを借りていきませんか?と提案してくる
映画を2本(1本目はろくに見てないけどさ・・・)見て
家に帰って・・・続きがDVDか・・・ ちょっとためらわないことも無かったが
ご両親と心ちゃんもいないG.W.
用心棒も兼ねて泊り込んで・・という許可を貰った手前
姫の言うことをむげに断るわけにもいくまい

「よーし 今夜はフィルムマラソンといきますか」
「賛成です」

ここぞとばかりに自分の趣味に走る言葉を尻目に
俺は内緒で1本だけ別のDVDを借りることにする
内緒にするためいろいろ細工を・・・またか・・・
って言葉・・なんだこれは 悪魔の? 毒々? 
こっちは 死霊のはらわた・・・ みるからにだろ
どうしてさっきの話題からこれらのチョイスになるのか
きっちりあとで説明をさせないと気がすまない気分になる
でも我慢、我慢だ これの間に隠してるんだからさ
256woodchuck:2008/05/14(水) 15:07:32 ID:pu58syr4
結局、言葉が選んだのは4本 朝までみるつもり満々の様子
先の2本のほかに「仄暗い水の底から」という
さっきみた映画の姉妹編・・・ まぁこれならいいかも 女優さんきれいだし・・・
もうひとつは「ファイナル・デッドコースター」・・・聞いたこと無いな
ということで会計の段に声をかける

「言葉・・ さきに(向かいの)コンビニにいって
 適当に飲み物とお菓子選んでおいてくれないかな
 借りるのやっとくから」

そういって追い出す
一緒に居たそうだったけど
ここで後ろに居られては困るからな
さっさと借りて言葉を追いかける
_______

言葉と簡単に夕食をすませる
下ごしらえはしてから家を出ていたから早かった
お風呂を一緒に・・・そう思っていたのだけれど
言葉が警戒して一人で入ってくださいねと釘を刺された
・・・確かに・・・お風呂で疲弊したらDVD鑑賞もなにもなくなるからな
いつものパターンを読まれている気がした

でも、言葉はまだ気がついていないはず
おれは手順を考える
最初からいきなりではいくら言葉でも・・・
かといって全部見せられてからでは俺のダメージが許容範囲を超えるに決まっている
なら、一本目で言葉の一番見たいものにしておいて二本目にするか・・・
それなら押し倒してもふくれっつらで済むはず
よしそうと決まれば・・・言葉がお風呂に入っている間に
必要な品々を用意しておく、なんども来ている言葉の家だからこそ可能だ(ふっ

「まことくんもお風呂はいってください その間に準備をしておきますから」

そういう言葉にDVDを渡す、もちろん1本を除く4本まとめて

・・・・
・・


「じゃぁはじめようか」

言葉が用意したお菓子と飲み物を前に
二人並んでソファーに座る
ソファーの裏には内緒の物品が置かれている
お風呂上りの言葉はかわいいピンク基調のパジャマ
髪は髪留めで軽く止めてアップにしている
うーーーん こういう言葉もかわいいなぁ
それに「眼鏡」いつになく真剣にみるつもりになっているということなのか
さらにお風呂上りのいい匂いもして・・
何にも考えずにこのまま押し倒そうかと本気で悩んだ

「一本目はどれにする?言葉の一番見たいのでいいよ」

ちょっと余裕をもってはなす
気取られてはいけないから
257woodchuck:2008/05/14(水) 15:07:53 ID:pu58syr4
「そうですか? じゃぁこれ、
 何度も見てるんですけど『えぐい』んですよぉ〜」

もういつもの言葉じゃないと感じられた
コトバの使い方がいつもと違うのだ
それだけでも十分に背中がぞくりとするのだが
・・・・よりによってこれかよ!

「死霊のはらわた」

耐えました、必死に耐えました
次の予定が奮い立たせてくれたんだと思う
ちょっとだけ言葉にタッチしたけど
言葉は全然きにしていない
部屋を暗くしてご満悦のようだ・・・

はぁはぁはぁはぁ・・・予想外に大きなダメージだったが
部屋の明かりをつけた言葉が
次のDVDを入れようとしているのをみて慌てて止める

「次は僕がえらぶよ」

「はい・・・ いいですよ・・・ どっちも軽めですし
 でもあれは・・・」

そういって1本だけ手に持ってソファーに戻る言葉
ふふん・・ 軽いって言ったよな今・・

「了解」

DVDをいれて部屋の明かりを消し
言葉の横に座る、ソファーの後ろに手を伸ばし
品物・・・ スカーフを2枚取り出しておく
映像が流れた瞬間の言葉の横顔は・・・いや語るのはまだ早い

「これ・・ これはなんですか?まことくん・・・」
「見たとおりだよ 軽めのもの」

映像は目隠しをされた女の子が
彼氏(男優)にエッチをされるソフト○○のAV
いや・・・まえから機会を狙ってたんだ

「軽めって違う軽めじゃないですか!」
「ぇ? これが軽めって知ってるの?」
「しっ・・・知りません!」

顔を真っ赤にしながら
そういってDVDを取りだそうとする言葉
慌てて後ろから抱きすくめる

「キャっ・・・」
「あのさ、言葉・・・さっきのすごく怖くて続けてみるのは僕には無理だから・・・」
「で・・ でも・・・」
「恋人同士なんだし 映画館では途中までだったでしょ?
 これ見ながら研究するのってどう?」
「で・・ でもですね・・」
「言葉ってこういうの嫌い?」
258woodchuck:2008/05/14(水) 15:08:15 ID:pu58syr4
そういって言葉の眼鏡を優しく外し

「ぇ・・・ なにするんですか?」

わけがわからず動転している言葉の目を1枚目のスカーフで隠す

「ァっ・・・」

今の言葉には俺の声と
テレビから流れる女の子のあえぎ声しか聞こえていない
言葉は体をゆすってイヤイヤをしている

「ちょっと暗いと怖いよね?」
「はい・・ ですから・・」
「うん わかった」
そういってペタンと座り込んでいる言葉の手を
後ろに回して2枚目のスカーフで縛り付ける

「ま・・ まことくん!」
言葉の声はもうかなり真剣になっているようだ

「だってこのままだと言葉目隠しとっちゃうでしょ?」
「はい・・ で・・ですから」
「ちょっと待っててね」

そういって言葉から離れて
部屋の電気をつける

「これで明るくなったでしょ?」
「なってません!」
「そうか・・・ 僕にはよく見えるけど」

そういって言葉のパジャマのボタンに手をかける

「ダ・・ だめぇ・・・」

・・・・
・・


「ことのは・・・ どうだった?」
「もう・・・ 知りません!まことくんったら」
「スカーフや筆とか勝手に使ってゴメンな」
「そ・・ それはいいんです」
「また勝手に使っても?」

目の前の言葉がもじもじしている

「今度は・・ その・・ 前もって言ってください」

言ったはなから顔が耳まで赤くなっている
まんざらでもなかったらしい

「うん わかった
 次はきちんと一緒に見ながら楽しもうね」
259woodchuck:2008/05/14(水) 15:08:38 ID:pu58syr4
そういって言葉を抱き寄せた
言葉の手首がちょっと赤くなっていてとてもえっちだった
余韻に浸っていると
下着姿の言葉がするりと腕から抜け出し
部屋の明かりが落とされた・・・ん?

「それでは、まことくん」

言葉の声がごく普通の響きに戻っていた








「マラソン続けますよ・・・」




_______________(フィルム・マラソン おわり)

このあと誠は「ファイナル・デッドコースター」を見せられ天罰を受けます
あと、「海に沈む森」は映画化されていません 仮想です
昨日の続編なのであわせて投稿しました。




>>250
以前でもしやと思ってたんですが
もしかして・・自分?  >うっちゃん
(でしたら)ありがとうございます >ガンガレ
260mark:2008/05/14(水) 20:25:01 ID:K4Esxnmp
約2週間ぶりのネタを。かなりどぎついけど、さすがにネタ切れかも(苦笑)。
誠の反応は正直ですが、氏ねではなく死ねといいたくなるかな?(鮮血orマフラー直後)
どちらにしても、言葉が望むものは決して手に入りません。第3者にとっては、
理由はどうあれ殺人を犯した犯罪者でしかありませんしね……


私の足元には、血塗れで事切れた西園寺さんが転がっている。
私と誠君、二人だけの世界を邪魔する事はもうないんだ。
……もっとはやく、こうすればよかったんだ。

今は通行人の悲鳴や、黒田さんや甘露寺さんが大声で救急車を呼ぶ声も
大して気にならない。
間近なのに、なんだかそれらの光景がスクリーンの向こう側のように感じる。

そういえば、無断で誠君の家から鋸を借りちゃったんだ。見ると
血のりがべっとりと付いている。本当ならちゃんと綺麗にしてから返したいのだけど、
さすがにそんな時間はないかな。
お気に入りの白いコートも汚れちゃって、誠君の前なのにみっともないな。

「ひっッ!?」
「誠君、これ誠君にお返しします。本当なら綺麗にしてから返すのが礼儀なのですが、
 そうする時間がありませんので。黙って誠君の家の物を持ち出したりしてごめんなさい」

もちろんちゃんと柄の方を誠君の方に向けて鋸を返す。
間違って刃の方を向けて、誠君が怪我をしたらいけないから。

「……く、来るな!?来るなよ!!」
「誠君?」

後ずさりしながら誠君の顔が青ざめている。
……私に怯えている?
261mark:2008/05/14(水) 20:26:10 ID:K4Esxnmp
「どうして、こんなことに……」
「誠君、だからそれは」
「……近寄らないでくれッッ!!この、人殺し!!」
「ま、誠君……」
「俺死にたくないよ、頼むから近寄らないでくれ!!」

誠君、私が誠君を殺すなんて、絶対に、神に誓ってそんな事しませんよ……
私はただ、西園寺さんから誠君を取り戻したくて、
ただ、それだけだったのに……

誠君に腕を伸ばそうとするが、その誠君に振り払われてしまう。
いたい。
どう……して……?
私、誠君さえいれば他に何も望まないのに、何もいらないのにどうして……?

そんな私の疑問は怒声に掻き消された。

「警察だ!殺人の現行犯で逮捕する!!」
「取り押さえろ!!」
「え……?」


後ろを振り返ったと思ったら、数人の警察官があっという間に
誠の傍から言葉を引き離し、地面に組み伏せた。両腕を捻り、鋸が金属音を
立てて地面にこぼれ落ち、それをすぐさま別の警察官が拾い上げた。

言葉は泣き叫びながら何度も誠の名前を呼び、後ろ手にされた状態で
手錠を掛けられ、パトカーに乗せられた。
誠は目の前で繰り広げられた一部始終を、ただ呆然とした眼差しで
見ている事しかできなかった……

言葉が世界を白昼堂々と惨殺した事で、皮肉にも悪質な虐めや暴行事件が
明るみになるのだが、それも無関係な人間には面白半分に消費され、
あっという間に忘れ去られてしまうのだ……

もちろん誠・言葉・世界に関係のある人間は誰一人救われる事など、ない。


(SAD END)
262名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 20:38:38 ID:JSOHKe/s
原作に泥を塗るLxH後日談。
それを弄ってさらに後味悪いものをうpする奴。
相当性格歪んでるだろ。
263名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 21:11:55 ID:lBoHM+Q7
>>262
別にL×Hの後日談だけど普通にあの後予想できる話に思えたけど…
警察に取り押さえられるのが気に入らないのか?

あれ
だけど冷たいマフラーって誠に言葉がマフラーをかけるヤツだったかな?
ゲームやってないから知らないが動画でみただけだし
まああの後七海や光や動くモノすべて斬りまくって言葉と誠以外が倒れまくって2人の世界だとコトノハデイズになるのかな?
264名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 21:16:43 ID:/g3xuTaj
何か賛否あるみたいだけどGJ
やっぱダーク路線と甘いのが同居してるのがこのスレの面白さ。
265名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 22:22:14 ID:AoljpJ3w
263・264に同意。
L×Hエンドからの自然な展開だから、原作以上に貶めているとは思えないが…。
まあ、感じ方は人それぞれだが、少なくともスクイズらしさに欠けるところはない。
266名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 00:21:23 ID:vYFOPe6h
まあ、たかが便所の落書きに熱くなるなよ。気に入らなかったら流せ。
267250:2008/05/15(木) 02:00:48 ID:CZeEZrRC
>>259
そうなんです。(´ー`)つc□~

268名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 02:02:13 ID:ui1LdESC
気に入らないのは抹殺禁止排除が基本
修正訂正変更ではなく存在自体不可
269名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 02:35:14 ID:ACdBqV+s
LHの追加エンディングのなかで
マフラーをかけるシーンはわりと好きだったけどナァ
言葉は誠に拒絶されてあわれだけど
でもシーンそのものは言葉の気持ちがすごくよく出てたからな
あそこから先の不幸描写はそれ以前の不幸で決まってるようなものだから
正直どうしようもないわけで・・・

happy も sad も ありえた未来と ありえた描写 だからと読んで考える

>>261
bad でなく sad よくわかります
270SINGO:2008/05/15(木) 03:24:33 ID:IEW+Z3qD
>>254
リクエストどうも。
今泉君のコントとやらは知りませんが、

田中&泰介ですか…。めちゃハードル高いっすね。田中、設定資料ないし。
けど挑戦してみます。
ただ、泰介が出る以上、主人公化計画の二番煎じになると思いますが。

てか、俺シリアス物でデビューしたのに、いつの間にかギャグ担当になってるし。
271名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 04:32:30 ID:ACdBqV+s
>>270
いやそういうわけでも >ギャグ担当
シリアス部門は皆さんがこぞって賞賛されてるから・・・


T&Tはその、お暇なときでいいですので
(でも楽しみに待ってます)
272スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:31:33 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話a
俺は原巳浜駅前のベンチに座っている…
ここで桂さんが来るのを1人待っている〜
携帯は相変わらず拒否されている為、家に電話して心ちゃんに言伝を頼んでおいた…
だから来るかは判らない…が夏の日差しと暑さに辟易しながらも…ただ待っていた…

どれだけ待っていただろう…声をかけられて気がつく
言葉「ま…伊藤…くん〜お久しぶりです…」やはりまだ怒っているようだ…
誠「あ…ああ久しぶり…」お互いに暫く無言になる…
誠「忙しいだろうに急に呼び出して…生徒会の仕事も大変そうだね…」
言葉「…はい…」
誠「で…今日呼んだのは…用があってね〜
…去年の事…まだ謝っていないから…その…
ごめん…君の事、傷付けてしまって…」
言葉「…」
誠「ごめん」深々と頭を下げる…
言葉「謝るなら刹那さんに謝るべきでしょ…用件はそれだけですか?」
誠「いや…もう一つ…」
言葉「…」
誠「刹那に…会いに行く…」
言葉「え?!刹那さんに?」
誠「うん…決着をつけに行く…じゃないと俺…前に進めないから…」


話は学祭が終わった休み明けに戻る…
メールで世界から家庭の事情でパリに行くと…驚いた俺は世界に電話するが…
電源が入っていないのか繋がらなかった…
刹那にもかけたが話し中〜朝食もそこそこに学校に向かう俺…
教室に入ると刹那の席に甘露寺、黒田、愛、泰介がいた…
そして刹那からの話によるとメールに書かれていた通りパリに転校した事〜
湿っぽいのは嫌いだからと理由で見送りは刹那だけだったと言う…
刹那も転校の話を聞いたのは出発の前日だったらしく…
七海「まあ世界らしいって言えば世界らしいよ」
光「まあ〜ね…」
泰介「西園寺らしいよ〜」
誠「刹那は…大丈夫か?」
刹那「うん〜寂しいと言えば寂しいけど…頼まれ事もあるし…」
誠「頼まれ事?」
刹那「うん…バイトを引き継いだから…」
急な転校でバイトに支障が出るので替わりにやってほしいと…
誠「バイトって…大丈夫なのか?
確か前も頼まれて断ったって…」
刹那「うん…でも学祭で少し自信ついたし…新しい店長さんも知っている人だから…」
誠「そうか…」
刹那「それに…学校帰りとバイト帰りに誠に会えるし…」
誠「あ…ああ〜そうか…」
七海「あ〜熱い熱い〜」
泰介、光「ご馳走様!」
俺達は2人で真っ赤になって照れていた…
273スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:32:12 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話b
学祭が終わって1週間近く過ぎていた…
学園側は学祭休み明けに発表を行った〜女バスの顧問で体育教師が辞職した事…
後任は男バスの顧問が掛け持ちとなるなど…
しかし学園側から発表された処分はそれだけだった…
1年4組の4人の生徒達は処分を免れた…本来なら停学または退学も視野に入るのだが…
被害を受けた生徒からの嘆願により学園側からの処分を取り止め被害者側の親と加害者側の親での話し合う事で解決する事に…
学園としても休憩室の存在やそこで行われた出来事と事件を表沙汰にされるのは避けたかった為、受け入れられた…

学園内〜屋上…昼休み
誠「言葉とこうやってお昼するの久しぶりだな〜」
言葉「最近は加藤さんやクラスの子達と学食が多かったから…」
誠「加藤達とはあれで良かったのか?」
言葉「はい…誤解も解けましたし〜良くしてくれます…」
誠「そうか〜言葉がそれでいいならいいけど…」
刹那「でも良かったよね…女子達の誤解も無くなって男子の学級委員も決まったし…」
親同士の話し合いでも最初は言葉の父親がかなり怒っていたが言葉や母親の説得と
向こうの親達や乙女達の謝罪が実を結び何とか穏便に済んだ

言葉「刹那さん…あれから世界さんから…連絡ありましたか?」
刹那「ううん…」
誠「まあ世界の事だから…大丈夫だろう〜よく便りがないのは元気な証拠とか言うしな〜」
刹那「うん…」
言葉「ですね…」
しみじみ思う〜世界の存在が俺達の中で大きかった事が…

言葉「今日もバイトなんですか?」
刹那「うん…」
言葉「大変そうですね…」
刹那「最初は難しかったけど…慣れた〜言葉さんこそ今日も放課後、生徒会なの?」
言葉「いえ…今日は何もないんですが〜森さんがこの前の事…
まだ引き摺っていて…だから加藤さん達と遊ぶ予定です」
誠「森?」
刹那「あの例の彼氏…学歴詐称だったり…
色々問題のある人らしい…騙されたとかも聞いたけど…」
言葉「ええ…かなり色々探ると出て来て…森さんも気の毒で…」
刹那「そう…」
誠「…《言葉の方が一番深刻だったような気がするが…強いよなあ言葉は…》」

俺はこんな日々が毎日続くと思っていた…
しかしあんな事になるなんて想像もつかなかった…
今思うとつくづく感じる〜人同士って話さなければ何も始まらず…
逆に誤解ばかりを生むと……
274スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:32:48 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話c
榊野町〜ピュアバーガー
誠「映画面白かったなあ〜」
刹那「うん…」
誠「これって前作があるみたいだなあ〜今度レンタルで借りて一緒に見てみようぜ…」
刹那「うん…」
誠「ん?さっきからうんうんって…何か気になる事でもあるのか?」
刹那「え?!ち、違う…その…」
誠「その?」
刹那「男の人と2人きりでデートとか…した事なくて…」
誠「お、俺だってデートした事ないぞ」
刹那「意外…」
誠「まあ中学の頃に女の友達とは映画とか来た事あるけど…
デートとかじゃなかったし…」
刹那「それは誠が鈍感だから…」
誠「え?!何か言った?」
刹那「いえいえ…」
誠「いや〜もうマジだって!」
刹那「どうだか〜」
誠「本当だって女の子って意識して一緒に来るのは…」
刹那「女の子として見てくれてるんだ…」
誠「当たり前だろ…俺の彼女だし…」
刹那「うん!」
こんな風に俺と刹那はバイトがない日は映画やショッピングとか〜
彼氏彼女が普通にデートするのと変わらない日々を過ごしていた…
まあ〜お金が続かない為、殆どお互いの家で過ごす事が多かったが…
特に何をする訳でもなく一緒にいてお喋りしたり…
だけどたったそれだけで俺達は満足だった…

バイトがある時は学校帰りに電車で一緒に行って〜
自宅で刹那がバイトが終わるのを待っていたり…
刹那のバイトが終わるまで待ったり〜
帰りは俺の家に寄ったり駅まで送って行ったりと〜少しでも一緒にいたかったから…

今日もバイトが終わる時間を見計らって…バイト先にやってくると…
店の裏で刹那がいるのを見て近づいていくと…
刹那と店の人なのか…仲良く話をしているようだ…
?「本当だって〜信じろって…」
刹那「どうだか…」
そう言ったのが聞こえたが…刹那が俺以外の男に笑顔で喋っているのを見て驚いてしまった…
刹那「誠!」と言って駆け寄って腕を掴んでくる…
誠「あ…ああ〜迎えに来たよ…」
?「ほう〜君が噂の刹那の彼氏か…」まるで品定めをするかのように見つめていた…
誠「…《ん?何だこの人?》え〜とはじめまして伊藤誠…って言います」
瞬「これはご丁寧な挨拶ありがとう〜店長の間瞬です…
君の事はむす…」
刹那「瞬さん!」
瞬「うわ!…ああそうだったな…あ、じゃあその〜気をつけて帰れよ…」
刹那「行こう…」
釈然としないまま…刹那と瞬さんの関係が気になってしまった
275スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:33:22 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話d
一度気になると際限なく不安が募っていく…
刹那「え?!瞬さんが何?」
誠「いや〜どんな知り合いなのかな〜って」
刹那「あ…あの…お母さんの仕事仲間で…」
と言った具合に歯切れが悪い…あの刹那が動揺するし…
ただの古い知り合いと言うには説得力がない…
そしてそれは確実に俺の心を黒いモノが蝕んでいく…

その日は刹那が友達と遊びに行って1人近くのスーパーで買い物帰り…
偶然、例の瞬さんが出勤なのか私服姿で歩いていた…
しかし一緒に歩いている相手を見て驚く…
誠「二葉?…アイツなんで?」
この2人の接点が不思議だった…一葉はいないのか?
気になって後を付けてみると…ラディッシュの裏口から2人は入っていく…
誠「バイト〜な訳ないか…まだ中学生だし…」
不法侵入だったが気になって後をつける…そして…

次の日…
刹那「え?!瞬さんが?」
誠「ああ…せっちゃんも会ったから覚えてるだろう〜俺の後輩がその瞬さんってヤツと…」
刹那「嘘!」
誠「いや〜嘘じゃないって!」
刹那は信じてくれず益々、俺のドス黒いモノが覆っていく…

そんな事はあったが刹那は普段通り接してくれる…
だから余計あんなヤツに笑顔を向ける事が許せなかった…
誠「《そうさ〜せっちゃんがアイツの正体を知れば…》」
それからは毎日のようにラディッシュに通うようになる…そして…

ラディッシュ店内〜
刹那「ま、まこちゃん〜どうしたの…ここは関係者以外は…」
誠「頼む〜付いてきてくれ…」
事務室前に着いて…
誠「これが瞬さんの本当の姿だ!」
扉を開けて中で行われてる瞬と二葉の情事を見せ付ける!
瞬「ああ〜せ、刹那?」
二葉「せ、先輩?なんで?」
誠「これが真実だ!」
刹那「うぅ…」
誠「解ったろう〜アイツは刹那が…」
パシィン
刹那は誠の頬を叩く…
誠「せ、せっちゃん?」
刹那「みんな嫌い…まこちゃんも…お父さんも…みんな…大嫌い!」
誠「え?!お、お父さん?」
走り去っていく刹那を…俺は茫然としてそれを見ていた…

ラディッシュ店内〜事務室
瞬「刹那の携帯は繋がらないか?」
誠「あ…はい〜あ…どうも…」瞬さんがコーヒーを置いてくれた…
あの後、刹那を探したがすでに何処かへ行った後だった…
携帯もかけたが繋がらず一応メールも出したが…返事は期待できないだろう…俺は刹那を傷つけてしまった…
276スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:34:53 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話e
ラディッシュ店内〜事務室
誠「すいませんでした…俺知らなくて…瞬さんが…刹那のお父さんだったなんて…」
瞬「いや…君は悪くない…悪いのは俺だ…」
二葉を帰した後、俺は瞬さんと話しをする事に…
話によると籍も入っていないが母親の舞さんからは自分の娘として接して欲しいと…
だけど自分の浮気癖が許せないらしくここ数年、口も聞かなくなったと…
瞬「でもここでバイトをするようになってからは話をしてくれるようになったよ〜」
誠「…」
瞬「つい嬉しくてな〜油断していたよ…つい魔が指したとしか…いや言い訳だな…」
誠「…」
瞬「でも君には感謝しているんだ…刹那が俺と話をしてくれるようになってくれた…」
誠「え?!そんな…俺、何にも…」
瞬「刹那から聞いたよ…嫌いでないなら話し合えって…自慢の彼氏だそうだ…」
誠「せっちゃん…俺やっぱり謝ってきます!」
瞬「ああ…頼む…俺が言う義理ではないが娘の事…よろしくな…」
誠「あ…はい!」

電車に乗り刹那の家に向かう…しかし家に着くが留守だった…
仕方がないので戻ってくるまで待っていた…が…
瞬「誠くん〜起きろ…大丈夫か?」
誠「え〜瞬さん…あれ俺寝てたのか?」玄関前で座ってるうちに寝てしまった…
辺りはすっかり暗くなっていて時計を見ると10時…あれから3時間は寝ていたらしい…
瞬「こんな所で寝てると風邪引くぞ〜」
誠「スイマセン〜あれまだ帰ってないのかな〜刹那は…」
瞬「いや〜それがさっき舞から連絡があってな…」
誠「舞…刹那のお母さんですか?」
瞬「思っていたより深刻のようだ…」
誠「え?…」

前からパリに行く準備だけはしていたようだ…ただ冬休みになったらの話…
しかし今回の一件で刹那は前々から話のあったパリに転校する話を承諾したようだ…
瞬「舞は殆ど長期出張みたいなもので滅多に帰れなかったみたいだな…
踊子…世界の母親だが〜アイツの家に滞在していて…
そのままパリに移住する話があったみたいだ」
誠「…」

休み明け…
学校の3組で俺は質問攻めを喰らうことに…
光「何で刹那までパリに行く事になるのよ!伊藤!あんた何したのよ?」
七海「全くだ!あの刹那がこんなに突然…まあ世界の事があるけど〜
余程の事がなければこんなに突然には…」
誠「…」
俺は答えられなかった…だんまりを続ける俺に容赦ない罵倒が女子から浴びせられた…
277スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:37:29 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話f
電車内〜原巳浜方面
言葉「誠くん…」
誠「ありがとう…大丈夫だから…」
言葉「…」
どうやらパリに行ったのは刹那からメールで教えて貰ったようだ…
そして唯一俺の事を心配してくれて付き添ってくれている…
言葉「私、誠くんの事が心配で…」
誠「…」
言葉「…私にできる事があればどんな事でも…」
誠「…どんな事…でも…」
言葉「どんな事でも相談に乗ります…私にできる限り…」
誠「ありがとう…充分だよ〜それだけで…」
言葉「誠くん…」

俺は…甘えていたのかもしれない…言葉に…
だからあんな事をしてしまったのかもしれない…
言葉「ま、誠くん!?」俺は言葉に迫った…
誠「俺…俺…言葉の事…ずっと見てきた…同じ電車にいて…ずっと好きだったんだ!」
言葉を抱き締める…
言葉「まこ…うぅみゅ…」
そしてキス…抵抗もなく逆に更に言葉も俺を強く抱き締めてくれる…
身体を離して再度言葉に告白しようとすると…
パシィン!
誠「こと…のは?」
泣いていた…
言葉「非道い…あんまりです!何でこんな…今になって言うんですか!」
誠「言葉!聞いてくれ!俺は!」
言葉「嫌いです!そんな事、言う誠くんなんか!」
走り去ってしまった…言葉…

その後、携帯もメールもかからず〜着信拒否をしているようで…
家にもかけたが言葉本人は出ないし取り次ぎも拒否されて…
心ちゃんやおばさんは暫くそっとしておいた方がいいと忠告してくれた…
誠「《俺は…また傷付けてしまった…》」
愛、加藤、刹那、言葉…俺は大切な人も友達も自分の我が儘で傷付けてしまった…
俺は…俺は…

それから俺は以前…いや〜以前よりも最悪な状態で学校へ通う…
俺の周りには誰もいない…あの楽しかった日常が嘘のように静まり返っていた…
誰も話してこない日常というのは例え、人がいてもいないのと同じなのだと…
つくづく痛感させられる…もう俺の隣の席には…
誰も…だれも…ダレモ…da-re-mo…

携帯が…
鳴る…
いつ以来か…
誰からだろう?

俺は携帯に手を伸ばすと…確認しないで出る…
誠『……もしもし…』
止『いたるだよ〜おにーちゃ…げんき?』
誠『いた…る…?…ああ〜久しぶり…だな〜お前こそ元気か?』
止『うん〜』
誠『どうした?止?』
止『せっちゃんにね〜おでんわね〜つながらないの〜』
誠『……』
止『おにーちゃ?』
278スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:38:04 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話g
誠『…せっちゃんはね…遠いところにいったんだ…』
止『とおいところ?』
誠『そう…遠いところ…』
止『もう〜あえないの〜?』
誠『せっちゃんに…会いたいんだよな〜止は?』
止『うん〜あいたいなあ〜』
誠『…』
止『おにーちゃは…あいたくないのう〜?せっちゃんに?』
誠『俺は…せっちゃんを…怒らせちゃって……』
止『ごめんね〜ってしたの?おにーちゃは?』
誠『ごめんね…か…してない…』
止『せんせいがね…ともだちにわるいことをしたら〜
あいてのめをみて〜ゴメンナサイ〜ってあやまらないといけないって〜いってた…』
誠『《メールや留守電…では…謝ったけど…》…そうか〜
会って謝ってすらいないんだな…俺は…
会ってくれるかな…』
止『せっちゃんは〜おにーちゃスキスキ〜だよ〜だからだいじょうぶ…』
誠『はは…ありがとう〜止…何かわかったような…気がする…』
止『うん〜』
誠『止…もう少し待ってくれないか〜時間はかかるかもしれないけど…
せっちゃんに会いに行ってくる…いいかな?』
止『いたる〜まってるね〜』
誠『ああ〜頼む…』
止『おにーちゃ〜がんばれえ〜』
そうだ〜会いに行くんだ…例えもう二度と元の関係に戻れなくても…
会わなければ何も始まらない…だから…その為には…


そして…冬が過ぎて春が来て俺は2年生になって1学期が終わり…
夏休みが来た……

話は最初に戻る…
誠「刹那に…会いに行く…」
言葉「え?!刹那さんに?」
誠「うん…決着をつけに行く…じゃないと俺…前に進めないから…
だからパリに行ってくるよ〜それだけは伝えたかったから…」
言葉「パリに行くって…本気なんですか?」
誠「ああ〜行く…パリに!」
言葉「どれだけお金がかかると思うんですか?誠くん!」
あれ?俺の名前が誠くんに戻ってる…
誠「ああ〜調べたよ…」
言葉「あるんですか?お金…」
誠「ああ…実はまだ足りないんだけど…
足りない分は貸してくれたから…何とか行ける…」
言葉「本気なんですね〜判りました…誠くん…
フランスに何回か行ってて…
今なら無償で雇えるガイドを知ってますが…如何ですか?」
誠「え…それってまさか…言葉が?」
言葉「はい…一緒に行きましょう…刹那さんに会いに…」
誠「ありがとう…言葉…」
手を差し出す…
言葉「誠くん…行きましょう」
その手を握り返す…
279スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:38:37 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話h
フランス〜パリ…部屋
刹那「……………」
ベッドの上で寝間着姿のまま…窓の外を見ていた…
ここへ来た当初は…日本にいたくなかったからスッキリした気分でこっちに来た…

でも時間が経って冷静になって考えてみると果たしてこれで良かったのだろうか?
…と考えてしまう…
もし私が恥ずかしがらずに瞬さんが私のお父さんだと…
告げていれば誠は…あんな事しなかったのかもしれない…
そしたら瞬さんは約束を破ってるけど誠との間には何の障害もなかった…
誠も最初の1ヶ月はメールや留守電に入っていたのは日本で夜中を見計らって見て判っていたけど…
もうこの半年程、音沙汰がない…もう諦めたのか〜呆れたのか…
当然だ…自分から彼女である事を放棄して逃げてきたんだから…
今頃、私の事を忘れて新しい彼女が…何気にもてる人だから…
相手は山県さん?加藤さん?…まさか…コト…そんな事ばかり考えては自己嫌悪に陥る…
そしてトドメは4月…元気のない私を励ますつもりで世界が桜が咲く公園へ連れて行ってくれて…
フラッシュバックと言うものなのか…去年の桜咲くあの頃を思い出して…
泣いてしまった…

私はこんなにも自分が脆い人間だと初めて知った…
元々諦めのいい方でこれまで後悔などしなかったのに…
それからだ…学校を行ったり休んだり繰り返すようになって…
7月に入る前には完全に身体を壊してしまい入院する事に…
大方の診察通り、精神から来るストレスに身体が持たないのだと…
お母さんは日本に帰国したらと進めてくれるが…果たして帰ったところでどんな顔して会えばいいのだろう…
かと言って会わずにはいられない自分がいるが会ったところで迷惑かもしれないと思うと…
今は退院して療養中…する事もなくただぼんやりとするだけ…
世界「ただいま〜刹那!気分はどう?」
刹那「あ…おかえり〜ってあれ?まだバイトの時間じゃなかった?」
世界「うん〜早退したの…用事ができてから〜」
刹那「そうなんだ…」
世界はこっちに来て何も変わらない…と言うより日本と同じかそれ以上の元気さで毎日頑張っている…
海外ぐらいの環境変化だと人って本来眠っている力が発揮するのかもしれない…
踊子おばさんは頭が良いから同じ血を引いてる世界もやればできるのに…
楽な事ばかりするから成績が悪かったけど…今は眠っていた才能が開花したのかも知れない…
280スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:39:12 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話i
フランス〜パリ…部屋
世界「刹那〜外の空気もたまには吸わないと身体に悪いからさあ〜
一緒に行こうよ…」
刹那「え…どこに?」
世界「空港〜」
刹那「空港?何しに?」
世界「おばさんに頼まれて知人のお迎え〜まあ実を言えばまだ空港の行き方が…
いまいち判らないからなんだけどね…お願い〜」
刹那「はあ…そうだね〜じゃあ行く…」
世界「うん〜ありがとう」
世界はわざわざ車椅子まで用意してくれて…
私達はバスと電車を乗り継いで空港へ向かう…

フランス〜空港
世界「もう着てるかも〜少し遅れたから…一応待ち合わせ場所にいると思うけど…」
刹那「世界が知ってる人なの?」
世界「ふふん〜刹那だって知ってる人だよ」
刹那「え?!誰なの?《まさか?》」
世界「それは着てのお楽しみ〜ちなみに日本からだよ」と悪戯ぽく笑う…
刹那「ふ、ふ〜ん…だ、誰だろう?《まこちゃん…な訳ないか…そんな簡単に来れないし…》」
世界「あ〜いたいた!」
世界は急ぎながら車椅子を押していく…そしてその先には〜
刹那「あ…こ、言葉…さん…」
言葉「刹那さん〜世界さん…お久しぶりですね」
言葉さんは微笑みながら立っていた…
世界「お久しぶり〜言葉さん!」
刹那「どうして?言葉さんがフランスに?」
言葉「毎年、夏休みは家族で海外へ旅行するんですよ〜
で〜私だけ先に来れたので…お二人にも久し振りにお会いしたかったですし…」
刹那「そ、そうなんだ…《言葉さんのお母さん経由で知人か…だよね…》」
世界「あれあれ〜刹那…何か誰かと間違えてたのかな?」
刹那「ち…違うもん…べ、別にそんな事考えてないもん」
世界「ふ〜ん…だって〜さあ言葉さん…どうしようか?」
言葉「そうですね〜ちょっと困りましたね…まさか刹那さんが待ってなかったなんて」
世界「本当にどうしようか?…帰ってもらう?」
言葉「そうですね〜残念ですけど帰ってもらいましょうか〜本当に残念ですけど…」
刹那「ねえ〜さっきから何話してるの?2人とも…」
世界「う〜ん…何って…ねえ〜」
言葉「困りましたね〜どうしますか?待ち望まれていないんじゃ…
帰りますか〜」
世界・言葉「まこちゃん!」
刹那「…え?!…ま…こ…ちゃ…ん…」
すると柱の陰からスッーと現れた人物は…
誠「非道いなあ〜世界に言葉…あんまりイジメないでくれよ〜
ただでさえ出にくいのにさあ〜」
281スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:39:42 ID:xqWgcE16
SchoolDays-if10話k
フランス〜空港
誠は顔を赤らめて照れながら文句を言う…
刹那「まこ…ちゃん?」
よろよろと立ちながら足は誠の元へ歩き出す…
後少しで倒れそうになり…
抱き止める…誠
誠「大丈夫か!」
刹那「…ううう…まこちゃん…会いたかった…」
誠「せっちゃん…ゴメン…来るの遅くなって…
ずっと旅費を稼ぐので手一杯で…」
刹那「私こそ…ごめんね…お父さんの事…言えなかった…ごめんなさい…」
誠「ううん〜俺、せっちゃんを傷付けた…怒って当然だよ…
だから…ごめん…許して…くれる?」
刹那「…許さない…」
誠「え?!…」
刹那「もう許さないんだから〜絶対もう離さないで〜お願いだよ…
まこちゃん」
誠「ああ…離さない…何処へ行ったって必ず、せっちゃんを迎えに行く〜
そしてまた抱き締めるよ」
刹那「まこちゃん!」
誠「せっちゃん…」
重なる唇と唇…いつまでも…いつまでも…


2人に気を使って影に隠れる世界と言葉…
世界「ご苦労様〜言葉さん…」
言葉「こちらこそ…突然の連絡で…でもうまくいって良かった…」
世界「ちょっと苛めすぎたかな〜」
言葉「あれぐらいなら問題ないかな〜とは思いますけど…」
世界「そう言えば…誠とは何かあったの?」
言葉「え?」
世界「だって言葉さんのメールが突然途切れたのって〜
刹那がこっちきてから逐一連絡してきたのが…
こなくなったし〜誠くん落ち込んでます〜
世界さん〜どうしよう…とか」
言葉「な、何も〜あ、ありませんよ〜」
世界「怪しいなあ〜」
言葉「せ、世界さんこそ〜後夜祭の時、誠くんに何をしたんですか?」
世界「!…な、何で言葉さん…知ってんの?」
言葉「誠くんからです〜内容は聞いてませんけど〜」
2人は気不味い雰囲気に…
世界「お互いに秘密って事で…」
言葉「そうですね〜」

エピローグ〜
誠「そう言えば今回の旅費の足りない分は…
瞬さんが出してくれたんだ…」
刹那「瞬さんが!?」
誠「うん…実はずっとラディッシュでバイトしてたんだ…
で…刹那にせめてもの償いだって…」
刹那「お父さん…」
誠「後…瞬さんからの言伝…」
刹那「何?」
誠「さっさと子供作って結婚しろ…だってさ〜どうしようか?」
刹那「…え…」
誠「結婚してから子供は作るもんだよな〜普通さあ」
刹那「まこちゃんのバカ…」顔は真っ赤に…

最終話「ある夏の日々…(4人のパリ)」完
282スクイズイフ:2008/05/15(木) 07:40:15 ID:xqWgcE16
やっと終わりました〜いや初めてSS作品で完結できました〜
嬉しいです〜

でもこの最終話は当初考えてたのとは全然違っていて〜
世界は転校しないし淡々と4人の日常を描いて終わる予定だったのに

どこで狂ったかと言うとやはりこの.5話のショート話が原因

特に8.5話がね〜転校したらもう狂う狂う〜
と思ったんですが…意外とあっさりと話は進み
こんな短時間で終わりました

まあ最終話はサマイズですからね〜短時間で終わるはずです
でもこの10話には「さよなら世界」も入れてみたんですけどね〜
世界、刹那がいなくなって言葉とも絶交してクラスのみんなからも孤立して…
まああのままいけば後輩達と…かな〜と

でもやっぱり刹那がスクイズの天秤なら
止(イタル)はスクイズの…誠を正しい道へ導く天使かな?女神は言い過ぎかな(^^;)

最初誰を当てるか悩んだけどイタルしかいないんですよね〜結局w

まあ後、瞬さんをお父さんと最後に呼ばせて刹那との仲を修復
でも最初、止(トマル)に金借りに行こうか悩んでましたが
瞬さんの刹那への溺愛からこっちに〜

さて〜ではしばらく仕事関連で忙しくなるのですがちまちま書いていきます
ではまた〜今度SchoolDays-afterかな?
283名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 19:36:45 ID:/CqYyzeE
>>282
ほんとうにお疲れ様でした

あのまますーっと普通にハッピーエンドでと思い込んでいたのですが
あれからパリで4人全員揃うとは思ってなかった
もう一つ一回で瞬まで出てくるとも・・・
(素晴らしい方向に)裏切られました
いちおう刹那世界までは読んでたんですけど
見事にサプライズに引っかかりました なんか読後感がイイ
繰り返しですが
おつかれさまでした。
284名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 20:22:18 ID:kSyhIwNU
エロもグロもないSDなんて。。
285名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 22:28:27 ID:NQT5VRhS
>>284
正統派

わかるか
調味料の入れすぎは味覚障害の元だぞ
とくに辛味
286名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 22:56:38 ID:F2avHjj6
>>282
お疲れ様でした。
心の中にある澱みを洗い流すような読後感の良さに、拍手を。

>>285
うまい。
もっとも、だだ甘も激辛も、それはそれで美味しいがw
287mark:2008/05/16(金) 19:34:43 ID:k/+rsZe8
懲りずにきついネタですが、鮮血orマフラー直後の様子を。アニメ版と違い、朝から
派手にやってくれましたからねえ…… 事件を知った4組はかなり動揺したんじゃないかな?
こういう時には人間の本性というか、そういう暗黒面がよく出て描きやすいです(黒笑)
それにしても情報行き渡るの、早っ!


「大変だよ乙女!桂のヤツが……」

夏美達が息を切らしながら教室に入り、私の顔を見るなり話しかけてきた。

「落ち着きなよ。どうしたのよそんなに慌てて?」
「桂のヤツ、やりやがった……!」
「やりやがったって、何がよ?」

夏美達にはいつもと違い、完全に余裕の無さが感じられ、
私は内心良くない話だなと思いつつも努めて冷静に話しかける。

「あいつ、3組の西園寺を殺した……!」
「なっ……!? はは、朝から冗談きついな」
「冗談なんかじゃないって!マジで西園寺を殺ったよ」
「なんかさ、鋸で西園寺の首をスパっとやっちゃったって……げらげら笑ってたらしい」
「ちょっと来実!そんな所までしゃべんないでよ!!」

みなみが来実に声を荒らげる。
そして後から教室に入って来たクラスメート達も、口々に同じような話題を口にし、
夏美達の情報が事実である事が思い知らされた。

「この前、なんかヤバイ雰囲気だったけど、まさか人まで殺すなんて……」
「イカレてるよあいつ!!伊藤に捨てられたのは誰が見ても明らかなのにさ」
「……それで、桂はどうなったわけ?」
「すぐに警察が駆けつけて、現行犯で捕まったって。それで……」

正直な所、あまりの事に現実感がわかず、上の空な気分だった。
事実上、伊藤が桂と別れ、同じクラスの西園寺さんに乗り換えた事は知っており、
桂だけがそれを頑なに認めようとしなかった。伊藤に裏切られた桂のそんな痛々しい様子に
変な話、私は同情する気持ちがないわけでもなかったのだ。

澤永を唆して襲わせるほど嫌っていたはずなのに、我ながら勝手なものだ。
しかし、その頃には4組の女子だけでなく、七海に扇動されたバスケ部の部員まで虐めに加わっており、
すでに私1人でどうにか出来る状況ではなくなっていた。桂は完全に女子全員の敵扱いされ、
それに異を唱えれば、例え私と言えども徹底的に潰されそうな雰囲気まで漂わせていた。
そして、ついに破局を迎えたわけだ…… それもこの上なく最悪な形で。
288mark:2008/05/16(金) 19:35:47 ID:k/+rsZe8
「どうするよ!?うちらの虐めもきっとばれるよ!?」
「学校クビになんかなったら、他に行くトコないよ」
「乙女、黙ってないで何か応えてよ!!あんた女子のリーダーだろ!?」

不安のあまり、自分の保身ばかり気にする夏美達を見て、嫌気がさしてきた。

「……もう、とっくに私らが手に負える状況じゃないんだよ。最後の最後で
 桂に思いきりテーブルをひっくり返されたんだ。はは……」
「そんな他人事みたいな事いわないでよ!もともと乙女があいつを1番嫌っていたくせにさ!」
「あんた達だって、散々虐めてたじゃないの…… 都合が悪くなった時だけ
 私に頼ってきてさ…… もう、沢山だよ」

その後も夏美達や他の女子に責められたりで、更には男子達と女子達の言い争いまで
発生し、完全に収拾がつかない状態になってしまった。
担任が教室に入ってきてもしばらく喧騒は収まらなかったが、それに構わず
いつも以上に淡々とHRを行い、お昼に臨時の全校集会があるとだけ言い残し、
慌しく去っていった。

集会では1年のクラスを中心にざわめく中、校長がプライバシー云々という理由で、
1年の女子生徒が別の女子生徒を、早朝に殺害したとだけ告げた。
そしてお決まりの如く、1人だけで悩まず、命を大切にとかうんぬんかんぬん。

午後の授業も短縮され、部活も中止になった。
とぼとぼと、独りで帰宅する。
そのうちに然るべき責任というやつを取らされるんだろう。
……初めはただ、伊藤に憧れていただけのはずなのに。
どこで、歪んでしまったのだろう?
心当たりが多過ぎて、苦笑する。

そして桂の狂気は、私らなど眼中になく、あくまで彼女の「敵」であろう
西園寺さんに向けられた。
私は殺されるにも値しなかったってわけだ。

今はただ、何もかもが、どうでもいい―――


(SAD END2)
289名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 20:48:52 ID:1a4ep+37
>>287
>懲りずに〜鮮血orマフラー直後の様子

言い換えればそれだけ未消化、納得できてない部分の多いところということですよね
とくにショッキングなエンドで『やりっぱなし』感がぬぐえないから・・ という意味で同意というか同感です

>私は殺されるにも値しなかった

アニメでの乙女の印象があるので
最後は潔い姿を想像するので
このお話での乙女に違和感がありません
そしてこの乙女の感想はとてもむなしさを感じさせられました

ただこういった話のすべてを
アニメ12話のCパートが破壊するという・・
あのパートの重みというか破壊力はどのSSにとっても
とてもきつい一発なんだと思います
乙でした
290名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 21:34:23 ID:lj251Xl1
>>287
辛味が素材の持ち味を引き出す、(いい意味で)逆説的な例。
GJです。
291スクイズイフ:2008/05/16(金) 22:18:39 ID:kK8t2au2
>>283
最初はサマイズの原作どおり舞が刹那を連れて2人のパリでし
たが…
世界がパリにいて出てこないのはおかしいと〜
で〜どうせ世界も出すなら言葉も出さないと〜
それに原作でも何で海外旅行に行くなら一緒に行けば良いのに

と感じたから…
結果、4人のパリになりましたw
瞬さんもできれば早めに出したかった〜という程に気に入って
しまって
10.5話で誠と瞬さんの話でも作りたい気分ですw

>>284
エロはまだまだ勉強中w〜その時にはスクイズエロとかにでも
しますね
グロは…ちょっと苦手です〜のですんません;

>>285
正統派…まあ純愛ルート位しか書けませんが…精進します^^

>>286
ちょっと詰め込みすぎかな〜とは思いましたが一気に書かない

ネタバレするからこんな風になりました〜
まあスクイズに純愛は似合わないのかもしれないけど…
似合わないからこういうSSもありかな〜とw
ありがとうございます^^

>>markさん
鮮血の結末>冷たいマフラー>事件後の学校の様子
何かが起こらないと人は自分がしたことに気がつかず…
まあ学生なんだから仕方がない…では済まないレベルだけど
現実にイジメがある以上〜これからもこういう…

悲劇という名の喜劇が繰り返される…

次は親たちの反応なんかの喜劇が見たい感じです〜
では次も楽しみにしてます^^
292名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 02:25:25 ID:fC7SvhPb
>>287
GJ!

憎みきれず、かといって同情できるわけでもなく……そんな乙女の立ち位置と感情にがっ、と心を掴まれました。
殺す価値すらないとみなされたらしき乙女がどんな道を辿るのか……
293SINGO:2008/05/17(土) 03:09:00 ID:iX12HvYl
>>254
リクエストどうも。
コント出来たんで、投下します。
ただ、即興で書いたんでクオリティは低いです。しかも二番煎じだし。

舞台はアニメLast、泰介と田中の会話シーンです。
題して
澤永泰介 紳士化計画
カリスマ委員長田中の華麗なるレッスン!
294SINGO:2008/05/17(土) 03:10:26 ID:iX12HvYl
泰介「なあ田中。俺達、親友だよな」
田中「勿論ですよ澤永さん」
泰介「思いっきり他人行儀じゃねーか!」
田中「すまん。格闘技をやってると、つい無意識に危機回避を…」
泰介「それはそれで失礼な奴だな。せめて下の名で呼び捨ててくれよ。誠みたいに」
田中「零派」
泰介「誰がレイパーだ!泰介より格好良い漢字使うな!てか俺の名前忘れてんだろ!」
田中「すまん。てっきり本名かと。伊藤がお前の事そう呼んでたから」
泰介「聞いてねーよ!あの野郎、影で俺の事そう呼んでやがったのか」
田中(いや、スクイズFanの大半がそう呼んでる)
泰介「誠の奴、ぶっ殺す」
田中「もう死んでる(アニメで)」
泰介「そうだった。いや、好都合だ。邪魔者がいない今こそ、俺の独壇場」
田中(コイツ、親友の死を好都合って言い切ったよ!平気で)
泰介「今まで誠の影でモテなかったが、下克上のチャ〜ンス」
田中(お前は無条件でモテないのだ。さも伊藤が邪魔してたみたいに言うな)
泰介「俺の方がモテるって事を証明し、俺をコケにした誠を地獄で土下座させてやる」
田中(まず、お前が桂さんに土下座しろレイパー。てか根暗な話を陽気に語るな)
泰介「おっと、脱線した。実は、お前を友と見込んで話があるんだ」
田中(俺が話を逸らそうと努力してるのが判らんのか?)
泰介「来週から学園祭準備だろ。つまり今年こそは…」
田中「お前、おサルさんだな。そんなに飢えてるのか」
泰介「へへ、まあな」
田中「ほら、バナナやるから山に帰れ、猿」
泰介「違う!愛に飢えてんだよ!物理的に飢えてんじゃねー!」
田中「顔は物理的に猿だが」
泰介「うるせー!」
田中「お前なら大丈夫。愛がなくとも子孫を残せる。それが生存本能だ」
泰介「猿から離れろ!」
田中「判った判った。つまり学園祭で恋人をつくりたいのだな?」
泰介「まあな。それでイメージUpしたいんだ」
田中「アドバイスが必要なのか?だが、なぜ俺なのだ?」
泰介「お前しかいないんだ。頼むよ、カリスマ委員長」
田中(俺は今モーレツに後悔している!委員長になった事を)

てな訳で、田中は泰介に協力する事となった。

泰介「それにしても、よく俺の我が儘に付き合う気になったな」
田中「今、お前には友達が一人もいない。なら、他人が助けるしかないだろ」
泰介「さりげなく他人宣言するな!そんなに俺が嫌か!」
田中「冗談だ。かったるいから、さっさと終わらせて寝たいだけだ」
泰介「それはそれで酷いな」

そして放課後

泰介「そういえば田中、普段は無口なのに、俺と一緒の時はよく喋るよな」
田中「体が拒絶反応を起こしてな」
泰介「拒絶反応?」
田中「醜悪な物や汚物を見ると、吐き気の代わりにセリフが出るんだ」
泰介「誰が汚物だ!」
295SINGO:2008/05/17(土) 03:11:43 ID:iX12HvYl
田中の家

田中「レクチャーを始めるぞ。モテるためには結果を考えるな。実行あるのみ」
泰介「おう」
田中「結果を焦るな。努力の後に結果はついてくる。そして身の程を知れ」
泰介「オイ!結果出してんじゃねーかよ!しかも悪い方に」
田中「さて、ルックスについてだが、お前のイケメン順位は伊藤の次だ」
泰介「マジ?俺が2位?」
田中「顔表示がある男キャラは、伊藤とお前の2人だけだからな」
泰介「結局、俺ビリかよ!」
田中「あと、髪は茶髪に染めた方がいい。お前にピッタリの色だ、ウンコ色というのは」
泰介「全国の茶髪民族に謝れ!」
田中「次にファッションだ。これを着ろ。俺のお古だ」
泰介「黒のタキシードに黒のシルクハット?」
田中「学園祭ならアリだろ」
泰介「田中のサイズだと…あれ?ピッタリだ。ズボンの裾、余ると思ったのに」
田中「俺が小学生の時の服だからな」
泰介「喧嘩売ってんのか!」
田中「それにソレ、半ズボンだし」
泰介「うるせー!」

着替え終了

泰介「いいねコレ。ちょいワル紳士。怪盗KIDか二十面相って感じ」
田中「むしろアルセーヌ・ノレパンだ。三代目の」
泰介「猿顔の方かよ!服関係ねーし」
田中「同じ万年発情猿でも、V世の方は天才だ。T世は本物の紳士だし」
泰介「俺の方をフォローしろ!」
田中「次に社交ダンスだ。フォークもいいが、紳士はDo Meダンスもこなす」
泰介「何だソレ?」
田中「本来はダンス音楽ではなく洋楽だ。音楽に合わせてDo Meと唄う」
泰介「こうか?♪Do Me〜Do Me♪」
田中【視聴者の皆様 ボイスはお好みにより消去して下さい】
泰介「不愉快なテロップ入れるな!」
田中(では、音楽スタート)

♪ズンチャ♪ズンチャ♪ズンチャチャ♪

泰介「オイ、この音楽…」
田中「両手を腰の位置に、掌を下に向けて、前進」
泰介「ちょい待て。俺のこの格好って…」
田中(む、つけヒゲを忘れてた)
泰介「ドリフのヒゲダンスじゃねーか!」
田中「ドリフタァズは洋楽をパクってたんだ。驚いたか?」
泰介「驚いたわいッ!てかテメー俺をコケにしやがったな!」
田中「誤解だ。コレは我が家の儀礼ダンスで…」
泰介「嘘だッ!」
田中「嘘ではない。今、俺が認定した」
泰介「やっぱ嘘じゃねーか!大体、こんなんでモテるはずねーだろ!」
田中「大丈夫だ。俺を信じろ。そして裏切りを味わえ」
泰介「テメーやっぱブッ殺す!」
田中「訂正。お前はお前自身を信じろ。お前は可能を不可能にする男だ」
泰介「励ましになってねーぞ!」
田中「紳士は女性にとって恐怖の象徴にもなりうる。ドラキュラ伯爵は紳士だった」
泰介「テメーはもう喋るな!!」

終劇
296SINGO:2008/05/17(土) 03:13:15 ID:iX12HvYl
激終。
やっぱ無謀でちた。銀魂化してるし。
田中、難しいっす。ゲームとは完全に別人になってて、性格もキツいし。
田中Fanの方々すんません。
しかし今の世代で、某ダンスを知ってる人、果たして何人いるのか…。

【オマケ Story】
泰介「そういえば田中、好きな娘いるのか?」
田中「今は、いない」
泰介「ふーん。ま、桂姉妹だけはやめとけよ」
田中「なぜだ?」
泰介「姉はアレだし、妹さんは5歳も年下だし」
田中「ガーン!5歳も?どう見ても清浦さんと同い年だぞ」
泰介「…お前の好みの基準ヤバイな。てか、お前、清浦が好きだったの?」
田中(昔の話だ。転校して行ったし)
泰介「とにかく、妹さんに手ェ出したら、姉にゴルフクラブで撲殺されるぞ」
田中「それは豪快だな」(笑)
泰介「いやマジな話。誠の奴、妹さん犯して、姉に後頭部を割られたらしい」
(SummerDayズ参照)
田中(後頭部はヤバイ…てか小学生を犯したのか伊藤!そっちの方がヤバイぞ!)

激しく終劇
297名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 12:35:38 ID:jEIujEO5
>>293
仕事はやいっす

>二番煎じ
でも面白ければ無問題って僕は思うんです
自分もひとの良くまねてますし 自分の真似ならもちろんまねじゃない!し
刹那が好きだった田中が
部分的に刹那化してるところとかとても面白かった

>しかし今の世代で
当然わたしは今の世代じゃないし知ってますから問題なしです

リクエストにこたえてくださって感謝!
298SINGO:2008/05/18(日) 15:39:25 ID:gnnN1drT
>>297
過大なる評価ありがとうございます。
リクエストに応えた甲斐があるってもんです。

田中は刹那が好き、ってのは俺の勝手な脳内設定です。
委員会つながりって理由もありますが、
モチーフは、強Kissの蟹澤絹(ちびっこ)&伊達昴(脇役陸上部)です。
299名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:35:30 ID:gQachXrA
田中は姿も回想な一瞬ボカシでだし
柔道部エ-スって以外キャラ設定もない、
ほとんどエキストラレベルな奴だからなぁ
300名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 07:34:59 ID:PYbybtjD
hosyu
301名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 11:36:44 ID:SRY3ALta
>>298
>田中は刹那が好き、ってのは俺の勝手な脳内設定

でも説得力がある設定・・
だってあれだけ盲目的に『しもべ』になってますし
大男がちっちゃい女の子に惚れるのはこれはもう『定説』であります
それがあるだけでやっぱり『人物』でてくるし
読み手としてはスマッシュ部分でした

>蟹&昴
いやさすがにカニ扱いは刹那がかわいそう(笑

>>299
そうですね >ほとんどエキストラ
でもそのあたりを使わないとSSとしては広がりに欠けてきますよね
常時3人+刹那 それ以外に乙女せいぜい愛あたりで止めると
ワールドが狭くなる 男キャラが少ないのは他作で補うとしても
同級生男はもう少し欲しいから
学園生活を描くとすると先輩キャラももう少し欲しいところ・・・足利さんだけじゃ・・んん

設定のナシは割り切って自由に設定すればいいんじゃないかな(矛盾を感じないレベルで)
いざとなれば(そのキャラ設定が公式に公開されたら)
名前置き換えでSS上は別のキャラに書き換えちゃえ(笑
302名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 15:31:58 ID:Jw9HTxSw
エロゲだから完全ハ-レムが基本で男キャラが極端に
少ないからなぁ、バカ悪友系、経験豊富系、
達観系、ナルシ-変態系など、
ライバル系以外は配置してもいいと思うんだが…
303スクイズイフ:2008/05/20(火) 15:58:02 ID:2jzBoQnq
SchoolDays-if10.5話
ラディッシュ店内〜厨房
瞬「お〜い!誠〜そろそろあがれ…時間だぞ!」
誠「あ!!はい…じゃあすいません〜お先にあがります!お疲れ様でした」
お疲れ〜同じ厨房で働く仲間に声をかけながら誠は更衣室に向かう…
瞬「お疲れ〜誠、今日もご苦労さん…ちょっといいか?」
誠「はい…」
2人は店の裏に移動して瞬は煙草に火をつけながら一息つくと…
瞬「ほれ〜缶コーヒーで悪いが…」誠に向かって投げる…
誠「ありがとうです〜」受け取ると一気に飲み干す…
お互いに一息つくと…
瞬「誠がバイトし始めてもう半年は過ぎたな…
まさかあのキツい厨房でこんなに保つとは思わなかったがな…」
誠「はは〜この季節はキツいですね…さすがに」
瞬「明日から夏休みか?」
誠「ですね〜休みに入れば朝から入れるからシフトも考えて貰わないと〜」
瞬「ああ〜だから呼んだんだが…明日からは暫く来なくていい…」
誠「え!?ち、ちょっと待ってください〜俺なんか失敗しましたか?」
瞬「誰もクビなんて言ってない…お前忘れてないか?
刹那はいつ迎えに行くつもりだ?」
誠「あ…」
瞬「全く…当初の目的…忘れてないだろうな?」
誠「忘れては…いないですけど…」
瞬「やっぱりまだ足りないか?」
誠「あ…はい〜まだ…」
瞬「ほれ〜これだけあれば足りるか?」紙袋には札束が…
誠「な…こんなに…十分何とかできます…でも何で?」
瞬「実はお前には黙っていたが…刹那のヤツ、入院したらしい…」
誠「え!?」
瞬「体調が芳しくないようだ…まあ一応退院したらしが…」
誠「…」
瞬「だからさっさと行ってこい〜早い方がいい…多分身体保たないからな…」
誠「瞬さん…」
瞬「まあ父親らしい事してやれなかったからなあ…」
誠「必ず刹那に伝えます〜瞬さんの気持ち」
瞬「アホ!お前と刹那の事だけ考えろ!〜
まあできれば仲直りして早いところお前と刹那が一緒になってくれれば嬉しいがな〜」
誠「え!?それって…」
瞬「だからさっさと子供でも作って結婚しろって言ってるんだよ!」
誠「結婚…」
瞬「相変わらず純情だな?〜行く前に童貞捨てるか?」
誠「ば、何言ってるんすかー!…全く…どうせ共犯者にでもしようとしてるんでしょ?」
瞬「はは〜どうかな〜」
全く…そうだ…パリに行く前に言葉に会おう…去年の事、謝らないと…

10.5話「瞬と誠」完
304スクイズイフ:2008/05/20(火) 15:58:36 ID:2jzBoQnq
やっぱり書いてしまった〜10.5話でした

本当は書かない方がいいかな〜とは思ったけどせっかく誠と瞬が仲良くなった話をかきたかったので

でつくづく誠には父親、または年上のお兄さんとか〜いないのも不幸なのかな〜と
サマイズでも実は誠と瞬の掛け合いが好きで〜瞬にしてみれば本当に弟がいるけど
可愛い弟分みたいな感じで可愛がってるような気がします
誠もお兄さんがいないから男同士の相談事なんかは瞬さんにしてそうな気がします

サマイズで最後舞に連絡して刹那を空港に送らせる役目を担うし〜
しかし世界や言葉とくっついた場合は瞬さんが影も形も出にくい〜世界なら出れる?

だからある意味レアキャラな気がします〜瞬さんってw
ではまた〜
305名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:34:34 ID:Ree9MBHE
>>303
GJ
301、302の人も言ってるけど、ただでさえ男キャラが少ないからなあ・・・。
瞬さんみたいにキャラが立ってる関係者はもっともっと活躍させたいですよねw
306名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 14:09:44 ID:o7e84OwW
>>304
トータルの作品としてつなげてながめてみると
最後には削られてしまうところなのかもしれないですけど
話をすこしずつ楽しむ上では見たい場面ですよね

瞬が実の兄だって聞いても
この関係ならうまくいきますよね きっと
なんて想像しながら楽しみました
307SINGO:2008/05/22(木) 12:49:58 ID:s1H6RyzC
お久しぶりです、先輩がた。
…って、あれ?
皆さん、もしかして脇役キャラにGOサイン出してる?
いいんですか?
俺、調子に乗って田中Story書いちゃいますよ?
もちろん刹那スキー粒子標準装備で。
308名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 17:55:31 ID:T9rULTnp
>>307
田中の片思い〜てな感じでよろしく!

ちなみに自分のイメージは…
気は優しくて力持ち〜ドカベンの山田太郎が2メートルぐらいに大きくなった感じ?


澤永など一部の連中が騒いでいる…
刹那「田中くん…黙らせて…」ビシッと指を澤永らに指す!
田中「うっす!」澤永達にウガアーと言いながら突っ込んでいく
1分後…
田中「清浦さん…終わった…」
刹那「うん…ご苦労様…」
田中「ポッ…うっす…」

あれ?何かテニプリの氷帝学園のカバジになってるや〜
309SINGO:2008/05/22(木) 19:13:40 ID:s1H6RyzC
>>308
片思いも標準装備っす。
俺の脳内田中は、ストイックなサムライですが。

》テニ王
樺地は三番目に好きなキャラです。一番は桃城先輩。二番は河村タカ先輩です。
なんか判りやすいな、俺の趣味って。
ちなみにタカ先輩が、田中と合いそうかも。バランスいいし。
310名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 19:20:52 ID:4vOwAunf
>>307
Go!
311スクイズイフ:2008/05/22(木) 23:26:24 ID:T9rULTnp
>>305
>>306
確かに勿体無いですよね〜瞬さんは…でも刹那ぐらいにしか絡まないから困りもの
下手に単独で出すとロクな事になりそうにないからなあ〜

田中くんが今は旬〜足利ユウキも今ならある程度の設定で出せそうか〜


後10.5話を現在掲載中のブログの10話の中に加筆して入れてみました〜
最終話なのに完結してないのはおかしいかな〜と思って…

でも田中の話〜ちょっと面白そうだな…
312名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 03:32:53 ID:9FpjdjPg
ショートネタR

今日は誠くんの家まで来た私。
と言っても、まだマンションの入り口の前まで来たばかり。
連絡もしないで家を訪ねるのは不躾だと思う。
でも、私には誠くんの彼女だって強みがあるし、彼をちょっと驚かせて見たかった。
学校帰りだから学生服のままだけど、家は一駅しか離れてないし、大して問題はない。
けど、それよりも何か大事なことを忘れてる気がする。何だろう?
ううん、それよりも、そろそろ誠くんのおうちに……

あ、あれ?

誠くん、私が来た方向から歩いてきてる。
何で気付かなかったんだろう?
ううん、それは私が悪いから別にいい。
誠くんも私に気付かなかったのどうして?
私がついてからそんな時間が経ってないから、そんなに離れた距離を歩いていたわけじゃないのに…

やがて誠くんの姿が近くなると、私は手を振って声をかけた。

「誠くーん♪」

けれど、誠くんは私に気付かない。
それどころか隣に女性を連れて歩いていた。
知らないはずのその女性の顔は、どこか誰かに似てるような気もした。

「ここだよ。」
「ここ、おにーちゃが前に住んでた家の前だよ…?」
「そうだよ。…ここで言葉は死んだんだ。…前の家の……俺の部屋のベランダから飛び降りて。」

え?な、なにを言ってるんですか?誠くん!!
な、今度は何だろう…?
忘れていた何かが思い出されていくこの感覚…

こ、この記憶は…!!
あ、あぁぁぁ!!
そうだ、私、私は…私、は…




いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!





その瞬間、一陣の風が誠といたるを横切った。
二人に言葉の声が聞こえた瞬間、言葉の幽体は空の彼方へと消えていった。


313名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 03:38:03 ID:9FpjdjPg
訂正:
>けど、それよりも何か大事なことを忘れてる気がする。何だろう?
>ううん、それよりも、そろそろ誠くんのおうちに……

けど、何か大事なことを忘れてる気がする。何だろう?
ううん、それよりも、そろそろ誠くんのおうちに……

>誠くんも私に気付かなかったのどうして?
>私がついてからそんな時間が経ってないから、そんなに離れた距離を歩いていたわけじゃないのに…

誠くんも私に気付かなかったのはどうして?
私がマンションに着いてからそんな時間が経ってないから、そう離れた距離を歩いていたわけじゃないはずなのに…
314名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 20:13:50 ID:eXnuTGeV
>>312
まさに風になったんだよね
哀しいなぁ
315SINGO:2008/05/24(土) 11:53:04 ID:wPkDbgq5
>>312
意外な真実。
起承転結の『転』が際立ってますね。
読者の想像の斜め上を行く作文テクニック。
実に俺好みの手法です。


ヂョセフ・ヂョースター
「お、俺の十八番が…」
316名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:42:16 ID:kdY1sDwW
あえて言うと
最後の一行不要とオモ
317名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:40:12 ID:g49gRlgE
>>312
GJ!
ただ一言苦言を呈すると、最後の一行が興醒めかも。


ふと思いついたので勝手に改正案を書き殴ってみる。余計な茶々入れるな、という人はスルーしてくれ。




「ま……こ…と…………く…………」
一夜の夢のように自分の存在が消えていくのを感じながら、愛する人の名前を言葉は最愛の人の名前を紡ぎ出す。
誠がいつか聞いたことのある、そしてもう聞こえないはずの声を聞いたとき、二人の前を寂しげに風が通り過ぎていった。


はい、どう見ても自己満足のオナニーです。
318名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 02:36:27 ID:Lb2hT133
>>312
GJ
切なさが秀逸
319SINGO:2008/05/26(月) 03:39:44 ID:+h+zvAen
どうも。先輩がた。
田中Story出来たんで投稿します。

その前に、
>>308様に激しく謝罪。
イメージ、ぶち壊してしまいました。
それと、徹底的にギャグを排除した漢仕様です。田中も樺地もギャグは似合わないんで。
てか、もともと俺の専門はシリアス物ですし。

では、刹那スキー田中の暴走をご覧下さい。

【破局に向かって】On the SkyScraper of Destruction

出演
清浦 刹那
田中
澤永 泰介
黒田 光
320SINGO:2008/05/26(月) 03:41:16 ID:+h+zvAen
【破局に向かって】On the SkyScraper of Destruction

「何コレ…何なの…何の冗談?光、七海!」
ソレを見た彼女の第一声がそれだった。
数ヶ月ぶりに教室で再開した彼女は、ソレを見て持ち前の冷静さを失っていた。
つがいであるかのようなソレを飾ったのは俺だ。委員長の役目だから。
「澤永。伊藤はどこ?何とか言って!!」
伊藤と西園寺の席に飾った、二本の菊の花。
(こんな形で再会するとはな)
俺は唇を噛みしめた。

伊藤誠と西園寺世界の交際(と西園寺の妊娠疑惑)は意外な形で破局を迎えた。
西園寺が伊藤宅にて伊藤を刺殺。その首を切断し、頭部をどこかに遺棄。
西園寺自身も、この榊野学園校舎屋上にて死亡。
全ては彼女…清浦刹那がパリに転校していった後の出来事だった。
帰国したての清浦にとっては寝耳に水だったろう。

放課後

部活動を終えた俺は、柔道着から制服に着替えた。
さあ帰ろうとした時、玄関に小柄な人影ひとつ…が俺の名を呼んだ。
「田中」
「…清浦さんか。柔道部に何か用?」
「聞きたい事があるの。世界と伊藤の事で」
俺は委員長という役割ゆえ、クラスを(精神衛生的に)まとめるため、
事件のある程度の情報を教師から聞かされていた。
それは無責任な噂話よりも信憑性がある。清浦はそれを求めている。
だが、
「話したくない」
「!?」
清浦は面食らったようだ。無理もない。委員会では清浦の家来で通してた俺が、
ここにきて初めて逆らったのだから。
「死人にもプライバシーはある。他を当たってくれ」
「みんな、事件をスキャンダラスにして面白がってた。ふざけてる」
「俺だって同じだ。平気で作り話をするぞ」
「そうは思えない。私の問いに、話したくないと答えたのは、田中だけ」
それは、相手が清浦だからこそだ。
「田中。何を知ってるの?教えて」
俺は答えず、道場に一礼して、清浦の横をすりぬけた。
「逃げる気?柔道部エース」
俺は早足で歩き出す。
「清浦さんは柔道というものを判ってない。逃げて判定勝ちという手もある」
「逃がさない」
清浦は走って追いかけて来た。
俺は、運動部備え付けの男子シャワー室に逃げ込んだ。
だが、他の男子も使っていたので、鍵を掛けなかったのが災いした。
清浦が入って来たのだ。
ならば奥の手。
俺はパンツ一丁になり、奥のサウナ室に逃げ込んだ。
さすがの清浦も、裸の男達に囲まれては、俺を長時間も待つはずがないだろう。
というかココは暑い!
凄く暑い!
死ぬほど暑い!
暑いというか熱い!
清浦、早く諦めて帰ってくれ!
だが、甘かった。清浦がサウナ室にまで入って来たのだ。
しかも男達が見ているなか、清浦は服を脱ぎ始めた。涙目で。
なんて執念だ。
「待て、俺が悪かった!降参だ降参!何でも話すから服を来てくれ」
321SINGO:2008/05/26(月) 03:45:41 ID:+h+zvAen
学園中庭のベンチにて

「光は、世界は悪くないの一点張りだし。山県さんは、伊藤は悪くないの一点張り。
七海は、無理心中だろうって。澤永は、訳が判らないって。グス」
泣くか喋るか、どちらかにしてくれ。いや、泣かないでくれ。まるで俺が虐めているみたいだろ。
俺はハンカチを渡した。
「他の連中は、もう嫌。やれ猟奇プレイだ、やれSMプレイだ、妊娠だ中田氏だの訳が判らない」
「だが、妊娠の事実は報道されなかった」
「うん。だから余計わからない。グス」
「西園寺さんが嘘をついたとは思えない。多分、想像妊娠だ。それに気付かず
伊藤が堕胎を望んだと」
「伊藤、無責任」
「ある意味、責任ある決断だと思うが」
「どうして?」
「仮に出産となれば、双方、退学は確実だ。世間体も悪くなる。
高校中退者が育児しながらマトモな職に就けると思うか?」
「ん…思わない。せいぜいバイトくらい」
「それに、双方の親が不幸になる。なぜだか判るか?」
「親が援助…でも、それは不幸とは違うと思う。子や孫の為なら…」
「そっちではない。親の夢をブチ壊すからだ」
「あ…」
「親の夢はな、我が子が立派に高卒して、立派に大卒して、立派な職について、
立派な相手と結婚してくれる事だ」
「うん…」
「伊藤は、それを考えた上で堕胎を選んだろう。俺はそう思う」
「そうなんだ…」
「多分、タイミングが悪かったと思う。西園寺さん、情緒不安定になってたし。
伊藤に拒絶されたと勘違いして、喧嘩。勢い余って刺殺という感じか。
だから誰も悪くない。好きという気持ちがズレ違っただけだ」
「じゃあ何で世界は死んだの?」
「報道は他殺と言ってるが、本当はどうだか判らん。犯人特定されてないし、
手掛かりも無い。無理心中…後追い自殺と思った方が幸せだろう」
これ以上、話を長引かせるのはヤバイ。なぜ伊藤の首を切断する必要があったのか?の話になりかねない。
「伊藤の事は忘れろ」
俺は唐突に切り出した。
多分、俺は間違った事をしている。
「な、何?いきなり…」
俺は知っている。いつも見ていたから。
「清浦さん、伊藤が好きだったんだろ?だが、もう終わったんだ」
西園寺は力づくで伊藤を手に入れ、共に旅立った。清浦の手が届かない所へ。
「いつまでも感傷に浸ってないで、さっさと忘れて楽になれ」
ガッ!!
足に激痛。清浦にスネを蹴られた。
「何で、あんたにそんな事…!何も知らないくせに!」
そう言うと清浦は、泣きながら校舎の中へと走り去った。
(痛たた。損な役回りだな)
俺は清浦に続く形で校舎に入った。

そこで俺が最初に見たのは、折り重なって倒れている一組の男女。
クラスメイトの澤永泰介と黒田光だ。
「よ、よぉ。誰かと思えば田中じゃねえか」
しらじらしいぞ澤永。
「二人共、盗み聞きとは趣味が悪いな」
「いや違うって。清浦がこっちに走って来たんで、隠れようとしたら、
もつれ合って転んで…」
思いっきり自白してるぞ。
「さっさと、どかんかー!」
「ひでぶッ!」
黒田の拳が澤永に炸裂した。
322SINGO:2008/05/26(月) 03:47:06 ID:+h+zvAen
昇降口にて

「しっかし、あの清浦がなぁ。すんげー意外」
「ホント、伊藤のどこがいいのかしら」
結局、あの一部始終を二人に聞かれていた訳だ。
「にしても折角、清浦を口説くチャンスだったのによー」
「ちょ、泰介!あんた…」
「いや俺じゃなくて田中が。いい雰囲気だったのに。誠の事は忘れろ!だもんなー。
アレは逆効果だぜ」
澤永、何を言っている?
「傷心の清浦を落とすなら、まず甘い言葉を囁いて、肩を抱き寄せて、ムチュ〜」
顔を近付けるな馬鹿。
「アホかー!」
黒田の手刀が澤永の後頭部に炸裂した。
馬鹿か澤永。黒田と付き合って少しはマシになったと思ったが、全然成長していない。
「でも田中は優しいわね。刹那の為にあんな嘘までついて」
「え?そーなのか?」
「刹那を悲しませたくなかったんでしょ?だから二人に非は無いって嘘ついた」
バレていたか。清浦が求める真実を、俺が捏造した事に。
「黒田さんには、かなわないな」
そう。黒田の言う通り、俺は清浦を欺いた。
「だって、どー考えてもアノ伊藤が責任感じるわけ無いじゃない?」
「そうかぁ?わけ判らん奴だが、いい所もあるんだぜ」
「それについては同感だ。だが、お人よしな反面、面倒事から逃げる癖がある」
おそらく、恋人の妊娠においてもだ。
「女生徒、特に四組女子からの評判が劣悪だ。おそらく西園寺さんからもな」
「伊藤の浮気、それこそ手当たり次第だったらしーわよ」
「そーなのか?けどよ、誠って殺される程のワルなのか?」
「ただ刺すのではなくメッタ刺しにされていたのが何よりの証拠だ。相当
西園寺さんに憎まれていたと思う」
「まあ、首斬られるくらいだもんなー」
「いや、それは違う」
俺は否定した。
「確かに西園寺さんは怒り狂っていたと思う。なら首を切断するはずがない」
「そうかぁ?首斬るなんて狂気の沙汰だぜ」
「殺す為に切断するなら、そうだろうな。だが…」
たとえば、バラバラ殺人の犯人は、たいてい冷静かつ計画的だ。
「殺す為ではなく、運ぶ為に分断した。その方が軽くて運びやすいと冷静に
計算できるからこそ、死体を分断した」
つまり、
「首の件、西園寺さんではない。狂っていたならな」
「犯人は他にもいるってのか?マジかよ?ソレ清浦には…」
「言ってない。ただの想像だからだ。証拠も無い。清浦さんには、あの事件、
無理心中にしておいた方が良い。誰かを憎んで生きる清浦さんなど、見たくない」
すると澤永は軽薄に笑った。
「だったら、忘れろ発言は逆効果じゃね?アレで田中、完全に清浦に憎まれたぜ」
「本望だ」
「あえて憎まれ役かぁ?憎しみは生きるエネルギーになるもんなー。田中
よっぽど清浦に惚れてんだな」
「そんな格好良いものではない」
憎しみは片思いに似ている。相手の事ばかり考えてしまうから。
「んで今の話、俺達は聞かなかった、って事でOK?」
黙っててくれるのか?物分かりが良くて助かる。
「な。光も今の話…あれ?光、どこ行った?」
「先に出て行ったぞ。逃げる様に」
おそらく首切断の話で気分が悪くなったのだろう。
俺達も黒田を追って校舎を出た。
323SINGO:2008/05/26(月) 04:02:24 ID:+h+zvAen
「刹那!アンタ何やってんのよ!」
怒声。異常に気付いたのは黒田だった。外で澤永を待っていたため、必然的に校舎の方を向いていたから。
(何事だ?)
俺と澤永は黒田に駆け寄り、黒田の視線を追った。
屋上。そのフェンスをよじ登る小柄な人影。その姿を、俺が見間違うはずがない。
「清浦!」
一目で判る。あれは…飛び降り自殺する気だ!
すでに澤永は走り出していた。校舎に入り、屋上へ続く階段を駆け上がって行く。
だが、おそらく澤永は間に合わない。
俺は清浦の落下予測地点へと走り出した。
(清浦、どうしてだ?)
後追い自殺か?いや、それなら俺の話を聞く前に飛び降りている。
なぜ俺の話を聞いた後に?俺は、清浦を追い詰める様な事は言っていない。
いや、待て。清浦は帰らなかった。校舎内にいた。という事は、
まさか清浦!俺達の会話を聞いていた!?
俺の嘘がバレた。清浦が信じていたもの全てが、清浦を裏切った事になる。伊藤、西園寺、そして俺。
(くそッ!)
清浦だけは悲しませたくなかったのに!
俺は清浦の真下に滑り込んだ。間に合った。
清浦を受け止める事は…無理だろう。構わない。清浦のクッションになりさえすればいい。
これで清浦は助かる。
だが、俺は絶望感でいっぱいだった。この事態を招いた元凶は俺だ。そして何より、俺は大きな勘違いをしていた。
俺が憎まれ役だと?馬鹿か俺は。
清浦は終始、俺の事など眼中になかった!清浦は伊藤と西園寺しか見ていない。
ドンッ!!上から襲ってきた衝撃で、俺は意識を失った。

(歌が聞こえる…)
♪もう独りで歩けない 時の風が強すぎて
 傷付く事なんて 慣れたはず
 だけど今は このまま抱き締めて 濡れたままの心を
 変わり続けるこの時代に 変わらない愛があるなら

(綺麗な声だ…)
♪全てが終わればいい 終わりのないこの夜に
 失うものなんて 何もない 貴方だけ

(誰だ?天使か?)
♪これ以上 歩けない 教えて 生きる意味を

「清浦…?」
気が付けば、俺はベッドに横たわっていた。
隣を見れば、清浦がイスに座っていて、涙目で俺を見つめていた。
綺麗だな。不謹慎だが、清浦の顔を見て、そう思った。
「どうして邪魔したの?」
「すまん」
「みんな私を裏切る。嫌い。伊藤も世界も、みんな嫌い」
「すまん」
「田中は、もっと嫌い」
「判ってる」
綺麗な涙だった。
世の中には綺麗なものが沢山ある。数え切れない程ある。
けど、その中に人の心が詠われないのは、なぜなんだろう?
清浦の、泣き腫らして赤くなった目。それでも清浦は綺麗だった。ずっと見ていたかった。
「見るな」
清浦はそう言って、俺の顔に布を被せた。
まるで、ご臨終だ。縁起でもない。しかもコレ濡れているし。
「後で洗って返すから」
ソレは俺が清浦に貸したハンカチだった。

第一部 完
324SINGO:2008/05/26(月) 04:04:09 ID:+h+zvAen
終わりです。

舞台はアニメLastの後日談Ifであり、
俺の駄作
>>161
>>162
の続きでした。
重ねて申し上げます。推理ミスは仕様です。

サブタイトルのSkyScraperはスラングで、摩天楼や高層建築物を意味するらしいです。
アニメの裏話では、事件を知った清浦が飛び降り自殺する、という設定らしいので
(真偽のほどは判りません。デマの可能性あり)
それを救済したくて書きました。
325名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 09:38:39 ID:qp+3Fenl
>>324
GJ 田中イイ!
本編の後、刹那のその後というのは皆が気になるところ
それにぬまきちの発言もあるので・・・

ところでSkyScraper(空を削り取るもの)ってslungなの?
受験期覚えた記憶が もしかして洋楽で覚えたのと混じったかな・・・
あれ?プリンセス2だったかな
326SINGO:2008/05/26(月) 12:31:02 ID:+h+zvAen
>>325
貴方の英語理解能力は正確です。
他人の言葉に惑わされず、貴方自身の能力を信じて下さい。
はい、スラングではありません。正しい英語です。
ただし、それは20年以上も昔の英語。
現代社会(地球環境)においては『人間そのもの』と解釈されかねませんので
スラングと言ったのは、俺の皮肉です。
327スクイズT:2008/05/26(月) 18:55:38 ID:5XrlgSxr
SchoolDays-T 1話a
榊野学園〜入学式…
クラス分けの掲示板を見る…
知り合いの…
多分同じ中学校の出身の人はこの学校にはいない…
それが判っててここに入学した…
回りの人達は自分の姿を見ると大概避けてくれる…しかしそれは苦痛ではない
ただ身体の大きさが2mを超えている為、驚いて避けるだけ…
以前のような…
そう以前の様な…あんな辛くて寂しい学校生活からはさよならできる…

それでも怖がられるのは嫌だから〜入学式まで人気のない所で佇んでいればいい…
そう考えて移動している時だ…

田中《?…なんだろう?》
ふと周囲の人達が何かに注目している…
自分もその方向に目を向けると…
田中《男子2人に小さな女子1人…イジメ?》
そう思わせるほどにその女子と男子の体格差は違い〜
しかも2人…傍から見てもそう思わせるものだった…
田中《何かあの女の子…泣きそうだ…助けないと!》
身体が自然に前に…

出なかった…

頭の中では1歩踏み出したつもりだった…
しかし現実には足すら出てなかった…
田中《駄目だ…もしあそこに踏み込めば…また…》
以前〜中学生の頃にクラスの友達が些細な事で喧嘩になり…
それを止めようとして…友達を怪我させてしまった事がある…
もちろん怪我なんてさせるつもりは全く無かったのに…

当時すでに199cmを越えていて優しく割り込んだ積りが…
友達は数m吹っ飛んでいた…
友達はみんな…回りで見ていた人達も口裏を合わせたかのように…
自分のした事の真逆を口々に言う…
これが原因で小さい頃から習っていた柔道を辞めさせられる事になってしまった…

ただ止めたかっただけなのに…
それからだ…暴力者と言われ無視され避けられ…
それまで友達と思っていた子達も離れていった…
自分は必死に耐えた…
いつか分かってくれる日が来る事を夢見て…
だから運動は極力避けて勉強に邁進する…

だけど身長は…何もしなくても2mを越えてしまった…
結局、辛い2年が過ぎ…電車で少し時間はかかるが
うちの学区外の高校に入る事になり逃げる様に…
ここへ入学…

田中《…うう…どうすれば…》
とふと自分の思考に浸っていた時に…事は動き出す…

多分同じ新入生で彼らよりどう見ても体格差では適わない
1人の男子が助けに入った…

田中《どうするつもりだ?》
328スクイズT:2008/05/26(月) 18:56:19 ID:5XrlgSxr
SchoolDays-T 1話b
ここからは何を話しているのか…
遠くから見ていた為、はっきりとは分からないが…
急に2人の男子達は一斉に逃げるように去っていった…

後に残ったのは助けに入った男子と助けられた女子だった…

田中《何があったんだ?》

ショックを受けていた…
と同時に彼の勇気と冷静さに自分は関心していた
すでに興味を無くした回りの人達は彼らを見てはいないが…
その後、その男子は泣き出した女子をまるで小さい妹をあやす様に優しく接していた…

いつの間にか泣き止んでいた女子をその場に残して男子は去っていく…
そのすぐ後にその女子の友達だと思われる子が走ってきた…

自分は何も出来なかった
…彼と自分の差は何だろうと?
あの時、自分も手を出さないで彼のようにすれば…
あんな事はなかったのかもしれない…

そんな事を考えながら入学式までの時間を過ごしていた…

1話「入学式」完



という訳で自分も書いてみました〜
スクイズ田中編〜

勿論設定も性格喋り方も俺設定〜
まだ完全に掴めてませんがお許しを

SINGOさんの田中が硬派な侍とのことですが…臆病で過去に捕らわれた田中をイメージしてます
花の慶次に出たキャラや一部他のエロゲー主人公も混ざっていますが…
まあ声もなく顔すらないモブキャラですが…

一応ゲーム設定と一部アニメを入れて話は進みます
ではまた〜
329スクイズT:2008/05/27(火) 08:03:27 ID:UiySc3n7
SchoolDays-T 2話
入学式が終わり…掲示板にあった1年3組へと向かう…
そして教室に入って驚いたのは…
あの小さな女の子を助けた男子と…
助けられた女子とその友達…
そして女子に絡んだ2人の男子も同じクラス…
しかし…特にあんな事があったにも関わらず…
クラスの雰囲気は明るく…居心地が良かった…

番号と名前が貼ってある自分の席を見つけると…
隣の席の女子に「失礼します」と言って座る…
女子は特に何の関心も無いのか「はい」と言って
友達らしい人との話しに戻る
田中《よし…怖がっていない…》
安心するとこの雰囲気に馴染んで気が楽になる…
暫くして担任の先生が来て…それぞれの自己紹介をする事となる…
誠「え〜と…伊藤誠です…よろしく…」
助けた男子は伊藤誠くん
刹那「き、清浦刹那です…よろしく…です」
助けられた女子は清浦刹那さん…
絡んだ男子2人は…まあ除外…
田中「田中……」
緊張して、どもってしまう…
自己紹介が終わると次はクラス委員の選出…

ところが…
あの清浦さんがクラス委員に立候補する…女子は3人…
男子は…澤永とか言う男子が立候補した以外いない…
その時、何かが自分の中で弾けた!
田中「り、りっ…立候補します!」
突然立ち上がって宣言する!
回りの人達は多分驚いているだろうが…自分も驚いていた…
何で委員に立候補するのか?
しかし答えはすぐに思いついた…
田中《清浦さんとクラス委員をしたい!》
さっき助けられなかった償いか?罪悪感か?
それとも?…
結局、男子は澤永くんに2票…
自分には…39票…
結果、自分が男子クラス委員になる…
女子は接戦の末、清浦さんが女子クラス委員となる…
2人で黒板前の壇上に上がるとクスクスと笑う声…
あまりにも身長差があってそれを笑っているのだと…
しかし清浦さんはそんな事は全く気にせずに淡々と議題を進ませ〜HRは終わる事に…
刹那「田中くん…これからはよろしく…」
と言って手を出してくる…
一瞬躊躇するも…
田中「うっす…清浦さんよろしく…」
恐る恐るその小さな手を握り握手する…
後にも先にもこれが最初で最後の触れ合いだったのかもしれない…
しかし自分は忘れないあの小さな手に籠もる彼女の存在を…
生涯忘れない…
そう誓う4月の初めだった…

2話「1年3組」完
330スクイズT:2008/05/27(火) 08:04:06 ID:UiySc3n7
2話お送りします〜
田中くんが自分で立候補する話

澤永は多分ふざけて立候補したかな〜とは思うから田中は刹那が立候補したのを見て自ら立候補

ゲーム動画を見ると39票…何でこんな圧勝なのかは分かりませんが…
余程澤永は頼りなく見えたかもしれません…
ではまた〜
331SINGO:2008/05/27(火) 12:29:14 ID:T3fC4BLE
》スクT様
をぅ、グレイトっ!!王道?ですな。
マイルドな田中も大津。 ヤバイ俺、本気で応援したくなってきたよ、このカプコンビ。
澤永に投票したのが光だけというのも泣けてきます。

貴方の作品で、先輩達の想像力と創造力の可能性がさらに広がったと思います。
しかし、澤永を差し置いて田中が先に主人公張るとは、果たして誰が
予想できたでしょうか…。
332名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 16:05:05 ID:lwJbeoTQ
>>330
たしかに逆算すると2m以上はある計算・・・
握手のシーンがイイです
顔が見えないのはSSではマイナスにはならないし
泰介よりは感情移入が出来るアドバンテージがあるわけで
この後心待ちにしております

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1211130197/84
#いたぅもタナカを応援しています
333名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 21:00:38 ID:qMkMBwgT
>>330
GJ
4月か、せいぜい5月時点であの得票差は確かに謎ですねえ。一体何をしたんだ泰介w

>>332
サマイズで刹那と身長差40cmくらいとか言ってたよ。
ってことはせいぜい180cm台、あっても190cmくらいだと思うんだ。
334名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 21:43:36 ID:NuB995os
>>333
そうなんだ 知らなかった >サマイズの会話
マジコロの巨大化する前のサイズで逆算(そうぞう)してた
335スクイズT:2008/05/27(火) 22:27:12 ID:UiySc3n7
>>331
澤永を主人公は…何か生理的に受け付けないw
逆に田中は…
重戦車と呼ばれる
柔道部所属
クラス委員
…頭が良くて見た目の印象で力持ち〜
しかし顔は…分からないw
まさかイケメンではないとは思わないけどね〜

>>332
2mはあると思ったけど…
そうかイタルは田中を応援してるのか〜

>>333
多分自己紹介のときに「澤永泰介です!よろしく!彼女募集中!」
とか言って軽薄な所を見せてドン引きとかw
190cmか…どこかで2m近いような事を聞いた様な気がする;
少し調べるか〜情報ありがとうです

しかし主人公とはいえやはり脇役ですからあんまし期待しないで
ください〜田中視点の誠や刹那を描ければと思いまして書いてますから
刹那と付き合う田中…想像できないw
336mark:2008/05/27(火) 22:57:05 ID:Ptf2oDNF
なんか田中君がブームになっていますね。物理的設定上、学園最強の男かな?
スクイズT氏の田中君は、身体的コンプに関しては言葉に通じるものがありますね。
身体が自分の望む以上に成長してしまい、他人からいらぬ誤解やトラブルを負ってしまった所が。

SINGO氏の田中君は、まさに漢と書いておとこと読むみたいな感じですが。果たして傷心しきった
刹那の心に再び灯りをともす事が出来るのでしょうか?アニメ版の場合、世界の死はもちろんですが、
誠・言葉のそれも本気で悲しめる存在は、彼らの同年代では刹那だけだと思いますね。
337mark:2008/05/27(火) 22:58:53 ID:Ptf2oDNF
では、私も久しぶりに新作を。このスレでは暗めのネタ続きでしたが、久々に
明るい青春を。初代スレから見る限り、乙女のこういうネタはなかったかな?(一途アナザー)
誰と付き合うにしても、やっぱし誠は尻に敷かれる方が似合ってる気が(笑)


ピィィィィ……

試合終了の笛が鳴り、抱き合って歓喜するレギュラーの選手や、
控えや補欠の選手達、応援部員。マネージャー。黙っているが感無量な様子の監督。

「ただいまの試合は76−74で榊野学園の勝ちであります。」

決勝の相手は県大会で何度も優勝している強豪であり、のっけから激しい攻防戦が続いた。
何度も逆転につぐ逆転で、どちらが勝つか分からない状況だったのだが、2年生となり、
完全にエース級へと成長した七海らの活躍で、一時は20点以上差をつけ、10数年ぶりの
県大会優勝も間近かと思われた。しかし、相手チームも優勝常連校の意地を見せ、
あっという間に点差を詰めて迫り、1〜2点差の攻防が再び続いたのだ。


「はあ〜。さすがに(決勝の相手校)は、優勝経験も何度かあって、手強かったわ」
「七海があれだけ梃子摺ったのは久々に見たよ。こっちがリードしてる気全然しなかったし」
「でも乙女達が頑張ってくれたおかげで、念願のインターハイへ行けるんだよ」
「私はそれ程活躍してないよ。代役での途中出場だし、何回も相手に抜かれて、点差を詰め
 られちゃったし」

もちろん優勝して喜びの気持ちはあるものの、自分のせいで足を引っ張ってしまった思いが、
乙女には少しあった。もっと自分が上手ければ、七海や他のレギュラーに負担を掛けさせなくて
済んだのにと。

「反省するのも大事だけど、もっと自分に自信もちなって。入部したての頃よりは
 比べものにならない位成長してるよ。運動経験のあるヤツでも脱落して辞める
 のもいるんだし、乙女の頑張りはちゃんとわかってるから」
「ありがと。七海にそう言ってもらえると嬉しいかな。インターハイもこの調子で
 シメちゃおっか」
「あははは、その意気その意気。明日は部活無いから久々にのんびりするかな。
 多分昼寝しちゃうと思うけど」

談笑しながら、総合体育館の廊下を歩く乙女と七海たち。
338mark:2008/05/27(火) 23:00:06 ID:Ptf2oDNF
お、誰かさんの心強〜い応援部員が1人。私はお邪魔かな?」
「ちょっと七海!」

七海に冷やかされ、むくれる乙女。

「お前らあれだけ激しく動いてたのに、まだそんな元気があるのかよ?」
「あんたと違って、私は鍛えてますから。ほらそこどいて。邪魔」
「おいおい、せっかく試合観に来てやったのに、つれないなあ」
「別に私は観に来いとはいってないわよ。今日ここで試合があるって言っただけだし」

相変わらずの減らず口を叩き合う、乙女と誠。

(知らないヤツが見たら喧嘩している風にしか見えないけどなあ)

七海は内心苦笑する。しかしこれは、彼らなりのコミュニケーションというやつだ。
中学時代からお互いに気心が知れている事と、去年から恋人同士になった故の
親密さの裏返しでもあるのだ。
世界の友人でもある七海は、誠が最終的に乙女を選んだ事に、一時期は複雑な想いも
あったのだが、幸せそうな彼らを見て、これはこれでありなのかもと考えるようになっていた。

「伊藤、私らは疲れてるんだからさ、ドツキ漫才ならよそでやりなよ」
「だって乙女がさー」
「だってもヘチマもない!だいたい誠はいつも……」

七海や他の部員たちも、乙女と誠の掛け合いに流石に呆れ気味だ。

「ほら、いい加減にしなって。まだこれから解散のミーティングもあるんだし」
「はーい、わかりました。嫌味な誠は無視します」
「誰が嫌味だよ。ったく」
339mark:2008/05/27(火) 23:01:11 ID:Ptf2oDNF
ミーティング終了後、帰宅途中

「今日はお疲れさん」
「どういたしまして。試合観に来てくれてありがとね」
「今日のは、どっちが勝ってもおかしくなかったな」
「試合の時は、うちが絶対勝つんだという気持ちでやってるけど、正直言うと、
 今日の相手には勝てる気しなかったよ」

「でも勝ったんだからよかったじゃないか。全国行くのも久しぶりみたいだし」
「まあね。七海達が頑張ってくれたおかげかな」
「お前も頑張ってたと思うぞ。途中からの出場だけど」
「悪うございましたね。フル出場じゃなく大した活躍も出来なくて」

乙女が口を尖らせる。

「俺から見れば、お前がレギュラーになって、県大会で優勝しちまう事自体
 凄いと思うけどな」
「まあ努力の賜物ってやつ?っていいたい所だけど、私なんかまだまだだよ。
 上手くなる為、試合に勝つ為の努力はして当たり前なんだから」

バスケットに関しては、七海同様とても真面目だ。

「こういう負けん気の強い所は、中学の時から変わんないな」
「何よ、悪い?」
「いいや。そのくらいでないと試合には勝てないと思うぜ。
 それに普段の強気な姿と、アノ時の表……ぐぇえぇえええ」
「伊藤誠クン。これ以上言ったら、殺すわよ?」

ヘッドロックとコブラツイストを極められ、悶絶する誠。

「ギブギブ!ロープ!ブレイク、もぉゆるひてうぉとめしゃん」
「どうだ参ったか」
「参りましたから、許して下さいです」
「許してもいいけど、条件がある」
「条件?」
340mark:2008/05/27(火) 23:02:06 ID:Ptf2oDNF
乙女が悪戯げな表情でにやりと笑う。

「心をこめて、私にあることばを言いなさい」
「う…… ここで言うのか?」
「大丈夫よ。周りには誰もいないんだから」
(小さな声で)「ほとんど脅迫だな」
(ギロッと睨みながら)「何か言った?」
「い、いえ何も」

一呼吸置き、小さな声でことばを紡ぐ誠。

「……てる、乙女」
「聞こえない」
「愛してる……これでいいか?」
「『これでいいか』は余計だっての。ばか」

口調は怒っているが、目はこういうやり取りを楽しんでいるかのようであった。

「そうだ。明日は空いてるからさ、2人でどっか行かない?」
「そりゃまた急だな。でも試合の疲れもあると思うし、明日は
 ゆっくり休んだ方がいいんじゃないか?」
「言ったでしょ?誠と違って鍛えかたが違うって。それに私は休日も
 部活漬けで、こうして2人きりで過ごす時間少ないんだから」
「わかった。じゃあ場所はどこにする?」
「じゃあ今回は……」

どうやら明日も、騒がしくも幸せな一時を過ごしそうだ。


(おしまい)
341名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:03:29 ID:ciqaz9Jf
>>340
ほのぼの。gj
342スクイズT:2008/05/28(水) 07:38:32 ID:m1Zufw13
SchoolDays-T 3話
刹那「田中くん…これお願い…」
田中「うっす…」

刹那「田中くん…この機材持って…」
田中「うっす…」

刹那「田中くん…澤永…黙らせて…」
田中「……うっす!(ポキポキ)」

こんな感じで清浦さんが考えて自分が行動する…
考える事は苦手ではないが清浦さんの方が適切で
確実な為、その方が自分らしい気がした…
でも時々…
刹那「田中くん…この案件どうしようか?…」
田中「そ、そうですね…HRで多数決で決めた方が不平不満を
言う人も少ないと思いますが…」
刹那「そうね…そうしましょ…」
意見を述べて欲しい時はこのように些細な事でも聞いてくる…
清浦さんが決めたって誰も文句を言う人もいないのだから…
…とは思うがもしかすると気を使ってくれているのだろうか?

そして…
刹那「柔道部…入らないの?」
今は2人で明日の授業で使うプリントの整理中…
つい昔話のつもりで柔道の事を話してしまい…
田中「その…悩んでます…」
刹那「そうなんだ…」
田中「はい…」
暫く無言な状態が続き…
刹那「田中くんの悩みだから私からは何も言えないけど…
やらないで後悔するぐらいならやって後悔した方が…いい…」
田中「き、清浦さん…」
刹那「ちょっと…偉そうだった…」
田中「…そうですね…あ、後で見学に行ってみます…柔道部へ」
刹那「…それはナイスアイデア…」
その後、柔道部に行くと先輩や顧問の先生との交流を経て…
数日後…
刹那「そう…柔道部入るんだ…」
田中「はい…」
見学で昔の情熱が蘇って入部する事に…勿論暫くは柔道はできない…
まずは失った体力を戻す為…基礎体力をつける運動に専念する…
そんな地味な事ではあるが再び柔道ができる喜びの方が強く…
毎日遅くまでトレーニングを行う…
ただ自分にとって気がかりなことがある…
部活動に専念し始めてクラス委員の仕事が疎かにならないかと…
しかし…
刹那「大丈夫…私は部活やってないし…田中くんには必要最低限の頼み事はするから…」
田中「清浦さん…ありがとう…」
そんな清浦さんの気遣いが嬉しかった…
それに答えて全力で部活もクラス委員の仕事もこなしていく自分であった…
しかしそれでも清浦さんの負担にならないように…
何とか後任または代行を立てる事も考えて置くべきなのかもしれない…
あの男…頼めないのだろうか?

3話「復帰」完
343スクイズT:2008/05/28(水) 07:46:56 ID:m1Zufw13
3話をお送りします〜

殆ど刹那&田中のターンが続きます
彼らの間にあるのは主従の関係とは違い互いに持ちつ持たれずの関係…

こんな関係ならいいなあ〜という願望になってしまいました

ではまた〜


markさん
一途な想いが…の後日談ですかね〜
乙女も付き合い始めるとツンデレになるから面白い〜
344SINGO:2008/05/28(水) 12:56:11 ID:ghHDXaVK
》スクT様
貴方の先駆けフロンTア精神には、おそれいります。そして、その勇気にも。
おそらく刹那ファンの大半は、田中とのカプコンビを認めないでしょうから。
俺が【破局に向かって】を投稿した時は、多くの刹那ファンを敵に回した
とビクビクした位です。(結果はガン無視された)
ので、貴方は萌え尽きるまで走り抜けて下さい。
俺の名はSINGO。「新」にGOサインを出す者。
俺は無条件で、貴方の田中を応援します。
345名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 13:43:38 ID:+t6PSlal
>>343
〜という願望

でもそのスタイルがとても自然でいいですね
本編にあまり顔を出さないキャラで「日陰」は否めないですけど
裏側にこういう深みのあるストーリーが隠れているというのは楽しめます

>>344
ガン無視?
んなことないと思うけどなぁ
SSスレってあまり活発には動かないから
でもROMって見てる人はたくさんいますよ

あと「田中とのカプコンビ認めない」
これはどうかな さすがに泰介だと色々あるやもしれませんが
田中にはそんなに色がついていないし
そもそもSINGOさんの話の設定では誠死んでますから・・
『刹那が幸せになる』のを望まない刹那ファンは少ないだろうなって思うわけです
それにいつも世界がいて我慢してる刹那ですから
たまには主役で恋愛してもいいと思うんですよね
某キャラふぁんほど原理主義じゃないと思います 刹那ふぁんって


>>337
乙女エンドの後日談ってとてもいい感じなんですよね
気心知れているというか
感情を表に上手く『出せない』(『出さない』わけじゃないのがミソ)乙女
優しく汲み取り重苦しさを感じさせない誠
とってもいいカップル
とても気持ちくすぐるSSありがとうございました
346スクイズT:2008/05/28(水) 15:45:31 ID:m1Zufw13
>>344
刹那ファンが敵に回るかな〜
あれで泰介みたいな自己中で無理矢理みたいなことをしなければそこまで嫌うことはないと思うけど…
まして世界や誠が亡くなってる世界は刹那にとってどれだけつらいか…
田中が気を使ったり屋上から落ちてくる刹那を助けたりは王道だし…
アニメの後日談で幸せになってほしくない〜泰介や3馬鹿娘かな
それ以外のキャラは幸せになってほしいとも思うし
だからSSなのだから余程設定を無視してなければいいと思うけど
次の新作期待してます≫SINGOさん

≫345
重戦車と呼ばれる柔道をやってる男が刹那の言うことを素直に聞いてる〜
尊敬してるか特別な想いか〜または本当にいい人か…
でも考えてみると刹那が好意を抱く異性キャラとしては誠の次に信頼している可能性があるような…
そう考えると田中×刹那も泰介×刹那より余程あり得そうかもね
さすがに田中×言葉は…やるとヤバそうね(^^;)
347名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 16:03:07 ID:+t6PSlal
>>346
「屋上から落ちてくる刹那を助けたり」
2階ならまだしもこれはさすがに王道にしては・・と突っ込んでおきますw

田中×言葉のイメージ
自分だと沸かないんですよね
田中×世界も同じ
浮かぶのは
田中×刹那
あとは×愛くらい
委員会で一緒だからという理由でなく
なんか世界や言葉ってまとも・まじめな男とくっつく気配が無いというか
不幸属性がついてるとまでは思わないんだけど
なんとなく幸せに憧れるうちにダメな優男に引っかかるイメージが…
それでも言葉は若いうちにそういう事故に遭わなければ
ある程度の年齢で親がセッティングして見合いでという目があるけれど
世界は・・(ry
逆に刹那は堅実なイメージがあるのかなぁ
348スクイズT:2008/05/29(木) 10:16:27 ID:VmiPU5em
SchoolDays-T 4話a
部活を終え帰宅…夕飯を食べて風呂に入り…
今は自室で寝る前にパソコンを見ている…

フォルダ名;SchoolDays;
パスワードを入れて開くとm_sとhi_sとに分かれていて
hi_s→1/3→imと開いていく…そこには観察日記と言うべきか…
im…について自分なりの考察を書き綴っている…
人物観察をする事で相手の思考や心理を知り…って要は相手に嫌われない為にやっていた…
まあ中学生の頃から今や習慣みたいなものにはなっている…のかもしれない…

さてim…
第一印象でもある入学式のimと今のimを比較してみるが全くの別人かと思う程に違う…
何が違うのか…まずは交友関係から考察してみよう…
彼の場合クラスメイト以上の友達と言うのはいないようだ〜
挨拶はするし話に加わって喋る事はするが…積極的に関わろうとはしない…
まあ自分も言えた義理ではないが…
唯一stとはお昼を食べに行ったり休み時間、放課後を一緒に行動するらしいが…
それでも学校を中心に反対の地区に住んでいる為…
休みの日に遊ぶことはないそうだ(st本人からの情報)

あと女子とは最初女嫌いまたは苦手としているのか?と思われた…
実際、女子が固まっている場所を避けたり〜わざわざ遠回りしたりする…
しかし普通に女子から話し掛けられれば受け答えをする…
そしてその彼の行動にある法則がある事が分かる…
yaと言う女子を避けている事が分かった…
彼女はimと同じ中学出身〜中学時代に何かあったと考えるべきだろう…
それが原因なのだろうか?情報不足の為、これ以上は推察にしかならない…

ふと数日前の事を思い出す…
あれは委員会が会った日の事〜清浦さんと共に出席…
いつもの定例事項だが基本的に男女クラス委員は出なければいけない
しかし隣のクラスの1年4組は女子の桂さんのみ…男子委員は用事があると…
勿論嘘…前回も前々回も休んでいる…委員会が終わると…
刹那「今回も来なかったね…」
田中「4組ですか?」
刹那「うん…」
田中「4組は色々問題があるみたいですね…」
刹那「そうだね…」

田中「あ…部活あるのですいませんが…」
刹那「うん…後は私がやっておく…」
田中「すいません…」
刹那「頑張って…」
田中「うっす!」
いつからか…「頑張って…」の言葉を聞く度に気合いが入るのを感じていた…
やはり自分は…

1人教室に戻り鞄と荷物を取りに行くと…imがいた
349スクイズT:2008/05/29(木) 10:17:04 ID:VmiPU5em
SchoolDays-T 4話b
誠「あれ?まだ委員会だったのか?」
田中「伊藤…こんな時間までどうしたんだ?」
誠「図書室で本読んでたら寝ちまってな〜田中は今から部活か?」
田中「ああ…」
誠「柔道部だっけ〜すげーな…俺も何かやろうかな?ってこんな非力な腕じゃ無理か〜」
田中「柔道部入るか?」
誠「あははは〜冗談だって…無理無理!」

田中「伊藤…その〜頼みがあるんだが…」
誠「金なら無いぞ!」
田中「ああ〜金の話ではないから安心しろ…実は部活が忙しくて…
なかなか委員の仕事と両立が大変でな…」
誠「だろうな〜今から部活じゃあな…普通委員は部活しないしなあ〜」
田中「ああ…で〜委員になってくれとは言わないが清浦さんが大変な時は助けてやってくれないか?」
誠「清浦…大変なのか?」
田中「いや…今はまだいいが二学期になると学祭もあるから更に忙しくなるんでな…」
誠「あ〜あ…いいぜ〜手伝うよ」
田中「へ?いや…そのいいのか?」
誠「まあ俺は部活やってないしなあ、もし大変ならな〜手伝うぜ!」
田中「そうか…恩にきる…」
誠「おう〜まかせろよ」

田中《あの時のimは入学式のimなのか?》
まだまだimの考察には時間がかかりそうだ…

だが…あれが本来のimだとしたら…もし同じ中学校なら少しは違う…
いやもしもは意味がないか…

田中《明日も早いし寝るか…》
パソコンの電源を落として床に入る…
もうすぐ期末…そして夏休みか…
そんな事を考えながら深い眠りにつく…

4話「hi_s→1/3→im」完


4話をお送りします〜
今回の話は田中の知的なところを出したかったんですが
なかなかうまくはいかないものだと思いました

1日1話…目標に書いてますがまだ力量不足です
というわけでもう少し煮詰めてから出すようにします
5話以降時間をかけてかいていきます

しかし何かこの回だけみると伊藤誠に惚れ始めたみたいで何か自分の予想を悉く裏切るなあ〜

ではまた〜
350SINGO:2008/05/30(金) 10:37:13 ID:4AnkbVBa
>>348
田中がクラスメートのパーソナルData取っていたとは、予想外。
プロファクティングってやつ?
斬新で実に俺好みです。
351名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 14:41:25 ID:F5jBOsu2
それって プロファイリング かな

柔道部大柄
このイメージとは確かにつながらない
でも内向的知的というものの補強として効果的
だんだん田中というキャラが頭の中に構築されていく感じがします
外から見たイメージってあてにならないこと多いですからね

GJ
352SINGO:2008/05/30(金) 18:02:50 ID:4AnkbVBa
プロファイリング。
対象人物のアクションから、その人物のパーソナルDataを推測する。

プロファクティングは、その逆です。
田中は、伊藤のパーソナルDataから、(頼み事に対する)伊藤のリアクション
を予測している…のかな?田中、堅実。


パーソナルネームSINGOのアクションからプロファイリングすると、
SINGOは(書き手、読み手の両立場から)斬新なもの&予想外のものを好み、
尚且つ、マイナーカプを好むものと推測される。
これらのDataから、SINGOの次のアクションをプロファクティングすると、
SINGOは斬新を名目にタブーなSSを書くものと予測される。
なお、
誰もが想像できない田中刹那ラブラブSSも、SINGOなら挑戦すると予測される。
ただし、読者がそれを望むか否かは、予測不能。Data不足。
353名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:19:50 ID:F5jBOsu2
>>352
ぉぉそういうものなのか
プロスペクティブとレトロ〜の差なのね
勉強になった
354スクイズT:2008/05/31(土) 21:11:13 ID:WUOSZB5Y
>>350,351,352
いや〜そんな事まで考えて書いてません〜スイマセン;
しかしプロファイリングだとばかり思ったけど〜色々あるんですね
勉強になりました
当初、このPCにデータを入れてクラスメイト考察とかは
他の男子から伊藤誠がどう見られてるかを表現したかったのと
田中が重戦車と呼ばれてるが実はデータを重視するキャラを表現したかったからです〜
以前、山県愛がアニメの後日談を日記風にPCで書いていたSSを見て
頭の良さを表現するならこれが効果的かと思ったものですから


でもだんだん田中の顔がおぼろげに…さすがに見えないかw
どうも色々なキャラが混ざってます;
反省…
ではまた〜
355名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 22:40:25 ID:1nLKs+x+
ショートネタRの最後の一文は、今更ながら蛇足だったなと。
どうも自分は締めが悪いことが多くていけない…
356名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 08:25:16 ID:OyrvMvlH
格別に引き込まれるストーリーだったので
おもわずなまいきなことを言ってしまいました

改めてGJだったです
357名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 06:25:09 ID:Yzq6hd/H
hosyu
358名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 00:04:30 ID:4elMW62P
元気ですかーっ!
359SINGO:2008/06/05(木) 19:31:43 ID:PTrmZKQg
俺、病気。田中を攻略したい。

俺のPC、病気。オートプレイだと誠と泰介がマジメな行動ばっか取る。
360名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 00:09:43 ID:JRLszvls
>>359
オートプレイ?
たしか全部選択スルーするとババロアになるんだっけ(+妻です?)

つか田中攻略ってなんだよ
柔道でも始めたかw
361スクイズT:2008/06/06(金) 15:04:32 ID:LXm6wpY4
SchoolDays-T 5話a
止「いけ〜!タナカ!」
田中「うっす!」止を肩車した俺は砂浜をダッシュする〜
止「ひゃあ〜しゅごい!しゅごい!」止は楽しくて仕方がないようだ…

誠「お〜い!転ぶなよ!…全く何が体力ないだよ〜」ついて往けず息を整える誠…

話は数十分程前に戻る…柔道部合宿最終日〜唯一の休養日…
先輩達は海へ遊びに行ったが田中は1人黙々と自主トレに励む…
何とか大会前には身体の方は出来上がって合宿でも成果が出せたが〜
まだ不安があるのと元々海で泳ぐのが苦手な為、1人で走る事に…
いつもは折り返す地点を通り過ぎ…東へひたすら走る…

田中「ハアハア…《一休みするか…》」タオルで汗を拭っていると…
?「うわー!おおきいねえ〜」と声が聞こえる…
田中「?《何だ?》」周囲を見るが判らない…
?「デッカいねえ〜おおきいねえ〜」更に声が…
田中「何だ?」ふと足元をみると小さな女の子が自分を見上げている…
?「しゅごい〜おおきいね…マヨちゃんみたいだ」ニコニコしながら言う…
田中「マヨちゃん?《珍しい子だな…俺見て怖がらないのは…》
お嬢ちゃん…どうしたのかな?迷子かな?」
?「ううん〜おにーちゃとさんぽだよ〜」
田中「おにーちゃ?ああ〜お兄ちゃんね…え〜と…
お兄ちゃんは何処にいるのかな?」しゃがみながら女の子に聞く…
?「あっちにいるよー」と言う…
田中「…《迷子だな…仕方がないか…》じゃあ一緒にお兄ちゃんのところ行こうか?」
?「うん〜」
しかし呆気なく見つかる〜しかも…
田中「伊藤…」
誠「田中?…何でお前がここに?」
田中「俺は柔道部の合宿でな…」
誠「へえ〜夏休みなのに大変だな…あ〜コイツ俺の妹で止って言うんだ」
止「いたるです…にへへ〜」
田中「そうか…妹の止ちゃんか…《伊藤に妹いたのか〜》」

そしてお互いに話をしていると…
止「タナカ〜かたぐるま〜」
誠「こ〜ら!止!田中なんて言っちゃあダメだぞ!」
止「うう〜ん…タナカ〜」
田中「いいって伊藤〜で〜さっきやってたやつな…はい!」
と言って肩車する
止「ひゃあ〜たかいたかい!」喜ぶ止…
誠「悪いな…田中…」
止「おにーちゃ〜ちいさいね〜」上から誠を見る止…
田中「よし!止ちゃん!掴まってて!」と言うとだーっと走り出す!

そしてどれだけ遊んだのだろうか…誠はお礼に昼飯をご馳走してくれると言い〜家に呼ばれる事に…
362スクイズT:2008/06/06(金) 15:05:23 ID:LXm6wpY4
SchoolDays-T 5話b
田中「ご馳走さん…美味しかったよ〜カレー…」
誠「こっちも助かったよ〜止は楽しかったみたいだし…
うちの母さん大量にカレー作るから〜まあ大分減ったから良かったよ…」
田中「止ちゃん…寝ちゃったな…」
誠「まあ〜あんだけ遊んでハシャげば疲れるだろうさ〜」
田中「はは〜じゃあそろそろ俺行くわ…昼飯助かった…止ちゃんによろしくしな…」
誠「来週は田中、夕方暇か?」
田中「来週?多分部活は午前中だけになるから暇だと思うが…」
誠「来週な〜こっちの地元の神社で祭りあるんだが…暇だったら遊びに来いよ〜」
田中「祭りか…《普通そういうのは女の子を誘うもんだろうに…》
俺は別に構わないが…」
誠「あと他に誘いたいヤツいれば一緒に行こうぜ!」
田中「む〜考えとく…じゃあな…」
誠「練習頑張れよー」


田中《伊藤の話だと…本当にいるのか?》
覗き込むように中を見るが…それらしい人物はいない〜今日は休みかな?
刹那「田中…何やってんの?」
田中「うわ!?…き、清浦さん…」
刹那「?」
田中「さっき伊藤に会って清浦さんがラディッシュでバイトしてると聞いて…」
刹那「なるほど…」
田中「にしても…凄いですね〜その格好…」
刹那「うう…」
田中「ああ…スイマセン〜」
刹那「もう慣れ…てはないけど…」
田中「スイマセン…《まともに見られない…》」
刹那「用はそれだけ?」
田中「あ…実は…」
説明する田中…
刹那「夏祭りか…」
田中「ええ…清浦さんもどうかな…と…」
刹那「私が行っても良いのかな?」
田中「伊藤はみんなで一緒に遊びたいとか言ってましたし…
気になるなら後で本人に聞いてみて下さい…」
刹那「うん〜わかった…聞いてみるよ…」
田中「じゃあ〜自分はもう行きます…バイト頑張って下さい…」
刹那「うん〜田中も練習頑張って!」
田中「はい…では…」

暫くまた黙々と走りだす…
田中《清浦さん〜嬉しそうだ…誘って良かったかも…
やはり清浦さんは伊藤と…ってあれ?今日はやたらと…》
田中「山県さん…こんにちわ」
愛「あ?…田中くん?…どうして?」
合宿だと言うと納得してくれて…
田中「ところでこんなところで何してるんですか?」
愛「…海を見ていたの…」そう言うと再び海を見だした…
田中「そうですか…」
暫しお互いに無言になり…
田中「山県さん…来週一緒に祭りに行きませんか?」
363スクイズT:2008/06/06(金) 15:06:20 ID:LXm6wpY4
SchoolDays-T 5話c
田中の言葉に驚く山県…
愛「祭りって…原巳浜神社の?」
田中「はい…」
怪訝な顔をしながら田中の真意を知ろうと顔を窺う山県であった…
田中「今さっき伊藤に会って…」祭りへ誘われた事を語る…
愛「そ、そうなんだ…」
田中「清浦さんもさっき会って誘ったんだけど…来るかは判らない…
伊藤が知り合いは多い方がいいと言ってたから〜」
愛「…」
田中「不味いなら気にしないで…たまたま山県さんと会ったから聞いただけだし…」
愛「い、行きたいけど祭りの手伝いがあってわからないの…」
田中「そうですか…」
愛「でも当日神社にいるから直接誘いにきてくれれば…あるいは大丈夫かも〜」
田中「なら〜誘いに行きますよ」
愛「頼めるかな?」
田中「はい…じゃあ…」
山県さんと当日の打ち合わせをしてその場を後にする…
果たして伊藤と山県さん、清浦さんが絡む事で何が起こるか?
不謹慎ながら興味が湧いてきた…

5話「SummerDays(前編)」完


5話お送りします〜
当初一気に二学期に行く予定で凄い短い話になる予定だったのですが…
イタルが田中を応援してると聞かされれば共演させなきゃと…
あとせっかくなので山県ともフラグをと…

まあ夏休みの話を入れる必要はありませんがね〜
サービスと言うことで〜

ではまた〜
364SINGO:2008/06/06(金) 18:55:50 ID:IiBNOKMN
田中キター♪
まったく先が読めない展開。グレイトっ。
イタルは人の本質を見抜く才能がありますからね。(加藤ルート参照)
田中、美味そう。ますます攻略したくなってきました。
てな訳で、私めも田中Story第二部の製作に取り掛かるとします。

>>360
Auto機能。
これをONにすると、PCが勝手に選択肢を選択してくれます。
加藤ルートに突入した時はビビったっす。
365名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 09:23:05 ID:XkpevnYV
>>363
これはリクエストに応えてくれた形 すごく嬉しい
それにいたぅが加わって田中の雰囲気がさらに強まってる GJ
山県フラグも期待して良いんですよね 全力で期待しちゃいます
366名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 01:51:57 ID:WKeReWTH
みなさん乙!!
367名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 20:12:58 ID:fPg5hQkb
住人に質問
グロってどの程度、許容されますか

1)スレに載るのも許せない
2)注意書きがあればスルーするからいいよ
3)結構好き どんとこい

保守がわりの質問なんで
暇なときにでもお答えもらえれば嬉しい
368名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 20:40:22 ID:ngaIuDkE
公式にグロがあるから、1はダメだと思う
まあ、嫌いな人もいるから2が妥当なところじゃない?
369mark:2008/06/09(月) 20:59:29 ID:Ll4AIk0u
>>367
私の場合は、原作あるいはアニメ版の雰囲気を損わなければOKですが、
判断が難しい所ですね…… 強いて言えば2と3の間くらいかと
かく言う私も過去スレで、チ●コ噛み千切りとか、薬物ネタとか色々やりましたし。
あれは今思うとやりすぎた(汗)

書き手の力量次第な面が大きいのは確かですが、読み手もなるべく意見を出してくれると
ありがたいかもです。偉そうな事ばかりいって申し訳ないですが……

最後も私事ですが、なかなか新ネタが思いつかなくて申し訳なかとです。もうしばらくお待ち下さい(ぺこり)
それでは今日はこれで。
370名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 00:18:59 ID:mXYQc1e1
現実型な猟奇ならOK
怪物化け物幽霊が出る、キャラがなる事による
グロは不可、別の話になってしまう。スクイズの
売りは鬱グロだが現実世界でのリアルが大前提
371SINGO:2008/06/10(火) 07:09:09 ID:tDuIrY4q
>>367
あくまで私個人の意見。
エロは良くても、グロは度合いによります。
ゲームや小説にあるアノ描写レベルまでなら、OK。
露骨なスプラッタは勘弁願いたいです。
(アニメLastにあるアレはギリギリセーフ)
食人行為は論外。
372SINGO:2008/06/10(火) 07:10:29 ID:tDuIrY4q
どうも、先輩がた。
田中攻略ルート作ってみたんで投稿します。

舞台はアニメLastの後日談Ifで、
私の駄作【破局に向かって】
>>320-323の続きです。
誠と世界が逝亡くなった日常で、なぜか刹那と田中が交際しています。

!注意!
このSSにはショッキングなシーンが含まれております。
あらかじめ、ご了承下さい。

では、田中を虜にしたLoveハンター刹那の暴走、ご覧下さい。

【破局に向かって】第二部 School BABYL

元ネタは TOKYO BABYL です。
373SINGO:2008/06/10(火) 07:14:09 ID:tDuIrY4q
【破局に向かって】第二部 School BABYL
♪もう独りで歩けない 時の風が強すぎて
 傷付く事なんて 慣れたはず
 だけど今は このまま抱き締めて 濡れたままの心を
 変わり続けるこの時代に 変わらない愛があるなら

♪全てが終わればいい 終わりのないこの夜に
 失うものなんて 何もない 貴方だけ

(また私、この歌に逃避してる)
♪これ以上 歩けない 教えて 生きる意味を

(…私、何してんだろ)
かつて私は、惚れた伊藤を世界に譲った。大切な世界を伊藤に託した。
その二人は、私の願いを裏切って、そして共に逝亡くなった。
私は二人の後を追う事もできず、かといって、人生に何の希望も見出せず…。
コトッ…。
前を歩く巨人の落とし物で、私は現実に引き戻された。
「あ。田中、ケータイ落とした」
「む。ありがとう…って、うわ清浦さん!?駄目だ、見るなぁ!」
なぜか慌てる田中。構わず、私は田中の携帯電話を拾った。
「え?コレって…」
その待受画面には…。
「その、すまん!すぐ消すから!清浦さん、今のは見なかった事に…」
「不公平」
「え?」
「不公平だから、田中も写真よこしなさい」
思えば、これがキッカケだったかも。もう一度、人を好きになってみよう
と思ったのは。

 夏《2nd Summer》
「田中、お疲れ様。はいコレ」
部活あがりの田中に、買ってきた烏龍茶を手渡した。
「ありがとう清浦さん。俺も何かおごるよ」
「や、いい。私、もう買ったから」
「言ってくれれば俺、おごったのに」
「田中、気使い過ぎ」
「俺、男だし」
「人が人を好きになるのに性別なんて関係ない。てか、あっても邪魔」
「えと、それは対等な立場で居たいという意味?」
「ん。だから私の事、刹那って呼んで」
「え?下の名で?」
「ん。だって私達、付き合ってるんだから」
「なら清浦さんこそ、俺の事、下の名で呼…」
私は携帯電話を開いて田中に見せつけた。待受画面には田中の写真。
コレは、ここ榊野学園で流行っている、おまじない。
待受画面を好きな人の写真に設定すると、その人と両想いになれる。
入学当初は、誰にもバレずに3週間隠し通せというルール付きだったけど
次第にルールも変わり、今ではバレてもいいかわりに設定期間が一年間。
ハードルが低いんだか高いんだか。
「おまじないなんてしなくても俺、清浦さんの事、その、アレだ。す、す…」
「ん。私も田中の事、好き」
先に言ってやった。真顔で。
田中は赤面した。純情な田中らしい反応。実に面白い。
(でも、それだけじゃ駄目)
足りない。
「物足りない」
田中は奥手すぎる。もっと私の心に踏み込んでこないと駄目。
私は田中の手を握ってやた。(身長差があり過ぎて腕を組めないから)
田中は石の様に硬直した。
374SINGO:2008/06/10(火) 07:15:08 ID:tDuIrY4q
秋《KARA-OKE Days》

いつの時代も、カラオケでの替え歌は、ご愛嬌。
「こら澤永。なぜポセイドンの所を俺の名で唄う?」
澤永はアニソン【BABYL 2世】を歌唱中。
「あはは。田中にピッタリ。刹那の下僕だし巨人だし」
「そんな…黒田さんまで」
「ふうん。バビルの塔ね」
「刹那、知ってるの?」
「紀元前18世紀、バビロニア王国。人々は自らが神に成る為、天まで届く
バビルの塔を築くの。その傲慢を神が許す筈もなく、罰として、人類から
『共通の言葉』を奪った。意志疎通が不能になった人類は、ただ破局に
向かうだけ」
「刹那、それ違うと思う」
そうこうしてるうちに、田中の番になった。
(てか田中、唄えるの?凄くレアな光景かも)
【たった1つの思い】
「お、銃スリンガー少女のテーマソングじゃん」澤永の説明によれば、機械のハートを持つ暗殺者の物語。
機械のハートの少女?まるで私みたい。
田中に他意があるとは思えないけど…何を思って、そんな歌を…?

♪たった1つの思い貫く 難しさの中で僕は
 守り抜いてみせたいのさ かけがえのないものの為に
 波打っている鼓動に誓うよ 燃え尽きるまで走り続けよう
 生き抜いてこそ感じられる 永遠の愛しさの中 果たしたい約束

(でも田中、上手)
♪全て賭けよう 与えられた時の中で 輝いていたい
 ただ息をしてここに居るだけ それだけなのに溢れ出す気持ち

(あれ?この歌…)
生に執着する歌だった。しかも、自分以外の誰かの為に。
私の持ち歌…人生を悲観的に見てた私とは、真逆の歌だった。
それと、気付いた事が、もう一つ。

18:00 PM
Wデートを切り上げ、光と澤永を見送った私は、田中の手を握って、そして尋ねた。
「田中のアノ歌、誰へのメッセージ?」
「ぎく」
田中、今、ぎくって言った。
「…さあな。作詞家にでも聞いてくれ」
「じゃ質問を変える。田中にとって、守りたいもの、かけがえのないものって何?」
「…!えと…その」
「何?」(ダメ押し)
「…セツナサン」
「声が小さい」
「刹那さん。俺が、その、守るから…」
判ってた。田中はいつも、そう。優しくて、不器用で。綺麗な心。
いつも自分の事は二の次で、人の為に動いて。その上、何の見返りも求めてこない。
『好き』『大切にしたい』と言う田中の心が、私の心に流れ込んでくる。
(でも、それだけじゃ駄目)
足りない。
「物足りない」
田中は、もっと私の心に踏み込んでこないと駄目。
ぐいと田中のタイを引っ張った。前かがみになる田中。
私のすぐ目の前に田中の顔。
「えと、刹那さ…むぐ!?」
私は田中の唇を塞いでやった。
375SINGO:2008/06/10(火) 07:16:10 ID:tDuIrY4q
 冬《X'mas Days》

19:30 PM
恋人と二人きりでイルミネーション見るのは、初めての経験で、結構ロマンチック。
で、私は今それよりも珍しいものを見てる。
温厚で滅多に暴力を振るわない田中が暴れてる。
ええと。どこから説明していいのやら。
まず、相手は見るからに不良ヅラした(てか不良そのもの)男三人組。
が田中に言い掛かりをつけてきた。
田中に身に覚えは無い。
田中は品行方正で、未成年者の喫煙を注意したり、イジメを注意したり、カツアゲを注意したり、喧嘩を仲裁したり…。
ああ駄目。『逆恨み』で検索すると、身に覚えあり過ぎ。
とにかく田中が穏便に済まそうとすると、男達はさらに調子に乗って。
そこへ私が止めに入ったら、男が私の胸をわし掴みにして、小せぇと言って笑って。
それで田中はキレた。田中の、ただのビンタで男は5mはふっ飛んだ。
そんな訳で現在、乱闘中。
馬鹿な奴ら。三人がかりでも、田中が負ける訳ないのに。
でも私が危惧してるパターンがひとつ。
「野郎」
やがて案の定、男の一人が懐からナイフを取り出した。なんて月並みな。
「私の田中を殺す気?」
私は猛然と突進した。男のナイフを掴み、その手に噛み付いた。
「いで!このチビ、放しやがれ!」
男の手からナイフが離れた。だけど私は許す気は無い。アゴに力を込める。
ごきりと嫌な音がして、男の親指がデタラメな方向に曲がった。
「あぎゃあぁッ!」
男は絶叫し、のたうち回った。
それで喧嘩は終了。田中の圧倒的な強さに加えて、一番身体の小さい私が
ナイフ男を素手で圧倒した事で、男達は恐慌状態に陥ってた。
私の食人行為が余程きいたのか、男達は逃げて行った。
「刹那さん、大丈夫…って、ああ血が!!」
やけに左手が脈打つと思ったら、裂けて血で真っ赤。ナイフを素手で掴んだんだから
当然というべきかも。
「どうして、こんな無茶を!?」
「ん、愛する人を守る為、やむを得ず」
田中はハンカチで応急手当てをしてくれた。
「すまない」
「どうして謝るの?悪いのは、あいつら」
「俺なんかを庇って大怪我を。俺、刹那さんを守るって決めてたのに」
「コレ?田中が助かったなら、片手なんて安いものだし」
田中は優しい。何でも自分の責任にする。
「俺を許してくれるのか?」
「許すも何も。私が勝手にやった事だから」
「刹那さん。約束してくれ。もう二度とこんな無茶はしないと。かわりに
俺が刹那さんを守るから」
田中、泣いてるの?
田中は、自分以外の誰かの為に、本気で泣いたり怒ったりできる。
綺麗な心。優しくて、純粋で、誠実で。
『好き』『大切にしたい』という田中の心が、私の心に流れ込んでくる。
(でも、それだけじゃ駄目)
足りない。
「物足りない」
田中は、もっと私の心に踏み込んでこないと駄目。
私は田中のタイを引っ張った。
376SINGO:2008/06/10(火) 07:17:20 ID:tDuIrY4q
 春《Tanaka view》

18:00 PM
「ん〜楽しかった。泰介、この後どーすんの?」
「いい時間だし。んじゃ二人でホテルと洒落こむか」
「なッ…!!」(赤面)
「じゃ〜ん☆榊野ヒルズのディナーチケット。姉ちゃん拝み倒して譲ってもらった」
「…あ、そっちなの…」
澤永と黒田は、高級ホテルの最上階で食事するらしい。
「じゃあな、田中」「じゃあね、刹那」
「ああ、またな」「ん、また明日」
俺達は澤永と黒田を見送った。
二人きりになると、刹那は俺の手を握ってきた。

春が来て、刹那との交際も年季?が入って来たものだ。バカップルとまでは
いかないだろうが、それなりに節度を持って、その、アレだ、『恋人』している。

「Wデートも、たまには良いものだな。さて俺達はどうするか」
「じゃ私達もホテル行く?」
そう言われても、俺の甲斐性で榊野ヒルズは無理だ。残るは普通のホテルだが
このシーズンは、どこも予約でいっぱいだろう。
「すまん、予約取ってない。レストランで勘弁してくれないか?」
「や、そっちじゃなくてラブホテルの方」
「ぶっフォ!」
俺は吹いた。
刹那は、持ち前の冷静さに無表情。冗談を言ってる様には見えない。
「なな何言ってんだ!もっと自分を大事にだな…」
つい時代錯誤な台詞を口走ってしまった。
そもそも去年、俺は刹那と付き合うと決めた時、一線を越えるアプローチはしない
と誓った。伊藤と西園寺を失った刹那に、付け込む様なマネはしたくなかったからだ。
それに今の、つかず離れずの関係はとても気に入っていたし、壊したくなかった。
だが、まさか刹那の方から求めてくるとは思わなかった。
「しないの?残念。やっぱり、おまじない効かなかったみたい」
刹那は自分の携帯電話を見て、残念そうに溜め息をついた。
「どどどうして、そんな、いきなり」
「ん…そろそろ一年経つし、最後の思い出にと思って」
…何だ?今、何か聞き流せない台詞を聞いたが。
「最後って、どういう意味だ?」
「私、パリに行くの」

時間が凍り付いた。
いや、凍り付いたのは俺の思考だ。あまりのショックに声が出ない。
冗談かと思いたかったが、刹那はこんなタチの悪い冗談は言わない。
「い…いつ?」
なんとか声を絞り出した。
「来月中に。多分、もう日本には帰ってこない」
「何とかならないのか?」
「ん、無理。前から決まっていた事なの。ちょうど去年の今頃から」
一年前?俺と刹那が付き合い始めた頃だ。
「なぜ、黙ってたんだ?」
一年もの猶予があったのに。
「田中が聞かなかったから」
377SINGO:2008/06/10(火) 07:18:56 ID:tDuIrY4q
タナカガ、キカナカッタカラ。
何だよソレ?言えなかったという理由なら、まだ納得がいく。だが、
俺が聞かなかったから、答えなかった?
刹那、なに他人事みたいに平然と…。これは拒絶なのか?
「まさか俺の事、嫌いになったのか?」
刹那は首を横に振った。
「大好きだった世界と伊藤が、私を裏切って、そして死んで…。それからなの。
人を愛せなくなったのは」
刹那、何を言っている?嘘だろ?だって今まで何度も俺の事…。
(刹那、病んでいる?)
俺は刹那を凝視した。
持ち前の冷静さと無表情。どこも異常な所は無い。刹那は、いつもの刹那だった。
一年前から、何も変わっていない。違和感が無い。だが、それこそが違和感だった。
付き合って一年も経つのに、何ひとつ変わらない。そんな事が、ありえるのか?
「しばらくしてパリに戻る話がでたの」
刹那は携帯電話を開いて俺に見せつけた。待受画面には俺の写真。
「だから、おまじないをした」
一年間、待受画面を好きな人の写真に設定すると、その人と両想いになれる。
俺もした、おまじない。
「一年間、田中と恋人同士になってみよう。一年間、好きよ愛してると言い続けて
恋人同然の態度を取り続けてみよう。田中だけを見続けて。田中だけを守り続けて」
違う。何かが致命的に間違っている。
「もし田中と両想いになれたら、パリには行かないでおこうと思った」
ぐいとタイを引っ張られた。前かがみになる。
「努力もした。でも駄目だった」
すぐ目の前に刹那の顔。
「今、思い返してみると、私にとって特別だったのは伊藤と世界だけ」
刹那は、いつもの様に俺の唇を塞いだ。
得体の知れない恐怖を感じた俺は、刹那を引き剥が…せなかった。
「ホラ、こんな事しても私、何も感じない」
まさか刹那、今まで物足りないと言っていたのは…そういう事か?そんな嘘だろ?
「田中、悲しそう。私に裏切られたと思った?人が人を裏切るなんて、世の中
どこにでも転がってるのに」
違う。刹那は俺を裏切ってない。裏切ってすらいない。
裏切られた方がマシだった。これは…実験だ。
「私、田中の事、嫌いじゃない。憎んでない。でも愛してもいない。ただ
息をしてソコに居るだけのヒト」
俺は…不適合の烙印を押された?
だとしたら、俺はヒトですらなくなる。俺は…モルモットだ…。
「田中の綺麗な心を受け取り続けても、私は何も変わらなかった。付き合って
一年も経つのに、何も感じない」
俺の目から、何か熱いものがこぼれ落ちた。
やっと…やっと俺の事を見てくれたと…そう思っていたのに…。
「おまじないは効かなかった。だから私、パリに行く」
…結局、俺は刹那を守れなかった!
絶望感。
だが、俺はまだ本当の絶望を知らなかった。

「何、泣いてるの?早くホテルに行きましょ。これがキッカケで愛せるかも
知れないし」
俺は心底、絶望した。

    破局に向かって
     第二部 完
378SINGO:2008/06/10(火) 07:21:27 ID:tDuIrY4q
終わりです。てか、これ以上は自主規制。
私自身ですら、不本意な結末になってしまいました。

さて、二人はタイトル通り、破局に向かっています。
刹那の言葉が本心なのか、それとも愛ゆえの嘘なのか。
このまま日本を去るのか、それとも留まるのか。
作中では、あえて語られていません。
先輩がたのご想像にお任せします。

》スクT様。
貴方は、私の駄作を消し飛ばす程の、幸せな田中を描いて下さい。
それだけが私の望みです。
379スクイズT:2008/06/10(火) 20:32:14 ID:Fa+B8HHU
>>>378
3部はないのね〜
田中は純情ですな...だから奥手〜
さてこの後どうなったやら?
大事にしすぎて機を逃すのは恋愛には至極当然のように
ありますから〜刹那の物足りないに気づけなかった時点で
駄目なんでしょうな〜
田中にはハードルが高すぎなのかもしれない...
この刹那の相手は...
悲劇ですな〜

こっちの田中は...どうなんでしょうね?w
幸せになれるのでしょうか?
そろそろ次の話を載せますので...

ではお疲れ様〜多分気力を振り絞って書いたであろう
SINGO氏に...
380名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 02:01:29 ID:Vaty79At
>>368-371
ご返事ありがとう 大体想像のとおりというか
こちらのかたがたは(原作が原作なだけに)寛容だなぁと
投稿する際の参考にさせていただきます

>>377
趣味部分はおいておいてw
刹那の病理がとても痛々しくかつ厳しい
世界を失ったことがどれだけのと考えれば
こういう反応も・・やはりあるのかと
先回の記述で「春」を期待して一瞬で凍らせた展開、GJでした
381スクイズT:2008/06/11(水) 12:01:05 ID:HBW/sWIu
SchoolDays-T 6話a
原巳浜駅前で待ち合わせ…少し早く来た為、待っていると…
誠「よう…早いなあ〜田中」
田中「おう〜ちょっと早く着たからな…止ちゃんこんばんわ〜」
止「タナカ〜かたぐるま〜」と催促する〜
田中は「あ〜はいはい」と言って止を肩車する
止「おう〜たかい!たかい!」喜ぶ止…
田中「後は清浦さんか…」
誠「ああ〜バイトで少し遅れるとか言ってたが…そう言えば後1人は誰なんだよ?」
田中「ああ…山県さんだ…」
誠「え?」
田中「祭りの手伝いしてるみたいで…後で呼びに行く予定だが…不味かったか?」
誠「…いや…別に構わないけど…どうして山県なんだ?」
田中「この前、偶然会ってな…伊藤が沢山の方が楽しいからって言ってたし…」
誠「そうか…」
田中「今のうちに山県さん呼んだ方が良いかもな
…先にちょっと行って山県さん連れてくる…止ちゃんゴメンね〜」と言って降ろす…
止「ううん〜タナカ〜」
田中「止ちゃん…また後でね〜伊藤、後で連絡する」
誠「ああ〜」

時間が少しかかったが今頃、清浦さんと合流しただろうか?
と思いつつ社務所に到着…出入り口にいる中学生ぐらいの女の子に声をかける
田中「あの〜スイマセン」
??「ひゃあ!…ってごめんなさい…あ、何か?」驚いている…
田中「あの〜山県さんいらっしゃいますか?」
??「え?山県?…ああ〜山県さんは…ちょっと待ってて下さい」
「お姉〜」と言いながら奥に入っていき…

暫し待つ間…声が奥から微かに聞こえてくる…
??「わかった〜こっちはいいよ…行ってきな…」
愛「じゃあちょっと行ってくるね…」

愛「田中くん…お待たせです…」
田中「いえ…では行きますか〜」
ふと社務所の扉からこっちを見る視線が気にはなったが…
放っておく事にする…

田中「何か勘違いしてるみたいだね…あの子達〜伊藤が呼びきた方がよかったかな?
すまない…山県さん…」
愛「ううん〜逆だよ…伊藤だったら絶対遊びになんて出れなかったかも…ありがとうね…」
田中「それなら良いですけど…《何か複雑な事情でもあるのかもな…》」
愛「でも…何で田中くんは私を誘ってくれたの?」
田中「前から伊藤を見てて疑問に思ったんだ…
伊藤は山県さんを避けているんじゃないか…と」
愛「えっ〜?!何で?」
田中「でも山県さんは伊藤と仲直りしたいんじゃないのかと思ってたんだけど…違うかな?…」
382スクイズT:2008/06/11(水) 12:04:20 ID:HBW/sWIu
SchoolDays-T 6話b
愛「…」
田中「余計な事だとは思うけど…それが山県さんを誘った理由…」
愛「バレバレか…」
田中「…すまない…」
愛「田中くんが謝る事じゃない…から…」
田中「あと…例えどんな理由があっても人から避けられるというのは…
辛いから…見ていられなかったからかも…しれない」
愛「田中…くん…ありがとう…」
愛「でも〜これで伊藤が会ってくれなかったら…まだ避けられてるんだろうなあ…」
田中「…その時はゴメン…《妹のいる今なら多分…》」

合流場所に着くと伊藤と清浦さんと止ちゃんが待っていた…
田中「お待たせ…」
愛「ごめんなさい…遅れちゃって…伊藤…久しぶり…」
誠「ああ〜山県…久しぶり…」
止「タナカ〜」
田中「はい〜止ちゃん」止ちゃんを抱えて肩車をする…
刹那「止ちゃん〜大きいねえ…」喜ぶ止
誠「まあとりあえず行こうぜ!」

屋台や盆踊りなど色々巡っていく…
止「おにーちゃ!オシッコ!」
誠「うわー!止!こっちこっち!みんなちょっと待ってて!」
刹那「あ…私も行く…」
愛「ありがとう〜田中くん…」
田中「あ…ああ…」
愛「伊藤…前みたいに避けなくなったみたい…」
田中「みたいだね…」
愛「でももう昔の関係には戻れないんだなあ〜って思うと…
悲しいけれど…避けられるよりは…いい…」
田中「そうか…」

楽しい時間はあっと言う間に過ぎてしまう…
愛「じゃあ私、社務所寄って行くから…みんなお疲れ様〜」
誠「ああ〜またな…愛…」
愛「あ…うん…またね誠…」
止「おねーちゃ〜バイバイ!」
愛「うん〜バイバイ!…清浦さんも…田中くんもおやすみなさい〜」
刹那・田中「おやすみ…」

原巳浜駅〜
誠「じゃあな〜気をつけて帰れよー」
止「キオウラ〜タナカ〜バイバイ!」
刹那「うん〜バイバイ…止ちゃん…伊藤も…」
田中「止ちゃん、バイバイ…じゃあな伊藤〜また二学期で!」

電車内〜
刹那「今日は誘ってくれてありがとう…」
田中「いえ…楽しかったですか?」
刹那「うん…」
田中「バイトはまだ暫くは続けるんですか?」
刹那「ううん…今日でお終い〜世界が仮…風邪治ったから〜
あとお母さんの仕事の関係でパリに行くんだけど…私も行くの…」
田中「え?」
刹那「あ〜その私は遊びに行くの…」
田中「びっくりしましたよ〜転校するかと思いました」
刹那「転校か…」それきり黙ってしまう刹那
383スクイズT:2008/06/11(水) 12:05:28 ID:HBW/sWIu
SchoolDays-T 6話c
電車内〜
駅のアナウンスが流れ自分が降りる駅に近づいてきた…
田中「次の駅で乗り換えですんで…」
刹那「あ…うん…お疲れ様」
田中「じゃあまた学校で…」
刹那「試合はもうすぐだったかな?…」
田中「はい来週には大会です…」
刹那「頑張って…」
田中「うっす!」

乗り換えて1人電車に揺られながら考える…
田中《伊藤は一学期、素直になれないのと仲直りできるきっかけが無かったんだなあ〜
まあ後、妹の止ちゃんの影響があったのかもしれない…
あの性格だとあんまし根に持つタイプではないからなあ〜時間が必要だったのかもしれない
これで伊藤も山県さんも仲直りできたみたいだし結果オーライか…
清浦さんも喜んでいたし…》

田中《さていよいよ大会か…》
色々気になっていた事も解消して晴れやかな気分で大会に望む田中であった…
まだ夏は終わらない…

6話「SummerDays(後編)」完


6話です〜
ほぼ番外編みたいなノリで書いてしまいました〜
やっぱりイタルを絡ませると話がいい方向に行くから重宝します
あとあのタナカを応援するイタルのAAがなかったらこの話はできなかったでしょうね
ちなみに実は田中の背の高さの悩みって自分の実体験だったりします
結構女の子って背が高すぎる人を怖がるらしく〜逆に子供は喜ぶ子と半々だったりします
イタルはそういう意味では喜ぶ子だったと…
本当にAAには感謝します
さていよいよ原作の二学期が始まりますが〜
あと二話かな〜
ではまた…
384名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 09:00:07 ID:vLpG0Gbz
>>383
愛は完全に出落ち…? 愛らしさ全開といえば全開
愛ふぁんとしてはかなり複雑な気分ですw
(これで主役かちとったらストーリー変わっちゃいますからね)

いたぅのワンポイントはとても効果的ですね
可憐バリアのクリアもお見事でした
転校フラグを田中だけ気がついているところ
頑張れ田中と応援したくなります GJ

でもあと2話と区切られたところがなんとも
このあとの不幸が刹那が気になった結果とかだと
ちょっとかわいそうかななんて・・・(意味不

385名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 18:03:30 ID:9Pd49dL7
12話で誠が女性化して言葉のような美少女になって
泰介にレイプされてしまう「散る言葉」ならぬ「散る誠」イベントが起こるSSを。
386名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 18:21:40 ID:9KNA1QgK
 鬱だ死のう 言葉と…

鬱だ死のう を選択
三角関係に疲れた誠はマンションのベランダから飛び降りる。
その瞬間を見てしまった世界の悲鳴でEND

言葉と… を選択
精神病に掛かってしまった言葉と練炭心中END
時間切れを選択。
言葉の飛び降りEND→墓地での再会へ。
387名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 20:48:55 ID:BKXERrzp
>>385
書いてくれるのか 期待

>>386
こちらも期待だな
388スクイズT:2008/06/12(木) 22:38:24 ID:E+sKjRLm
>>384
山県はまだまだ出ますよ〜
ただでさえ登場人物を抑えてますからねえ〜

あと2話+エピローグなので全3話予定です
389END 空も飛べるはず:2008/06/12(木) 23:30:54 ID:9KNA1QgK
鬱だ死のう 
「鬱だ死のう。」誠はそう呟くと、自宅にフラフラと帰った。
ベッドに転がり、携帯を眺める誠。
そこには言葉の映像が映っていた。
世界と関係を結び、言葉ともまた関係を結んでしまった彼はもう鬱になっていた。
そして、言葉に最期のメールを送った。
“俺はもう疲れた。今の俺なら空を飛ぶ事が出来そうだ。さよなら”
誠は虚ろな瞳でベランダに出る。彼の眼前には、遙か遠くの町並みが広がっていた。
「疲れたな…もうイヤだ…」
そう呟くと、彼は大空へと踏み出した。
落ちていく身体、最期の視界世界が映った。
ドン!ペシャ
誠の部屋に行こうとしていた世界の前で誠は肉塊と化した。
「イヤ・・・イヤァァァァァァァァァァァァァ」
世界が悲鳴を上げた。

END 空も飛べるはず
390名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:36:52 ID:9KNA1QgK
訂正。
最期世界が視界に映った→最期の瞬間、世界が視界に入った
済みません。 
391名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 11:28:50 ID:7yXlyRXF
>>389
あまりにも最後の部分だけすぎて
それまでの経緯がわからず
その分の余韻が感じられないです

原作の永遠にエンドなどのように
そうなる手順がやっぱり欲しいところです
でないと単に「死んだね」でおわり
愛着の有るキャラを使う二次SSとしては寂しい限りです
392スクイズT:2008/06/13(金) 16:07:30 ID:0GK185rd
SchoolDays-T 7話a
夏休みが終わり学校は二学期に入って1ヵ月が過ぎた頃…

いろいろな変化があった…まずは自分…
夏の大会は団体戦は惜しくも入賞を逃すも個人では4位入賞して結果を残せた…
まあその入賞のおかげで「重戦車の田中」と言われるようになった…
次の大会ではその風聞が先行するのは良い意味でカモフラージュになるから…
次の大会では新たに手に入れた情報を元に戦略を練って戦うか?
それとも暫くは重戦車のイメージ通りに力でいくか?
…等と悩んでいる…今日この頃である

さて次は山県さん…
夏休みでの一件以来、メールや電話でのやり取りをするようになって
最近は休みの日には図書館へ行って2人で勉強する事が多くなった…
おかげで澤永あたりが五月蝿くからかってくるようになった…

泰介「なあなあ…やっぱり山県とは…」
田中「しつこいぞ…そんな歪んだ見方は山県さんに失礼だぞ!」とちょっと軽く去なすと…
泰介「冗談だって〜本気にするなよ…」と言って宥めにかかる…
まあいい意味で重戦車の名は効果があるらしい…
あと山県さんが休み時間にも普通に話しかけてくれるようになって
今まで敬遠してた男子や女子達が普通に接してくれるようになって
多分山県さんみたいな大人しい性格の人が気軽に話し掛けてくれるようになって
周りの評価が変わったのかもしれない…
おかげで朝はちょっとした勉強談義になる事が多くなった…

順調だった…ある事を除けば…

清浦さんの様子がおかしい…

元々お喋りな人ではないしこれに気づいていたのは果たしてどれだけいるか?

もしかして…
伊藤の事が絡んでいるのだろうか?

最近の伊藤は西園寺さんと付き合っている…と噂になっている
二学期の初め…席替えで伊藤と西園寺さんが隣同士になってからやたらと
2人で行動しているのを見て周囲の連中は付き合っている?…と話している
実際自分も2人が何をしているかは判らないが…
昼休みになると教室にはいなくて…放課後に2人で歩いてる姿も目撃している…
西園寺さんは清浦さんの幼なじみで親友…それだけに気になるのか〜
よく2人を見ている姿を見ている為…複雑な思いなのかもしれない…

それに自分は知っている…
あの席替えの時、清浦さんは伊藤の隣の席だった事を…
正直、良かったと思っていた〜
これがきっかけで伊藤と更に仲良くなる事を…
しかし現実は…
393スクイズT:2008/06/13(金) 16:08:16 ID:0GK185rd
SchoolDays-T 7話b
自分の隣の席に清浦さんが座った時は驚いてしまった…
刹那「よろしく…田中…」
田中「え?!…何で自分の隣の席に?《確か西園寺さんだったはずじゃ?》」
刹那「うん?何?」
田中「いや…何でもないです…」
さすがに聞けなかったが…しかしクラス委員な為、便利と言えば便利だったが…

しかしこの事が原因のようで違う気がする…
そんな事を思いながら考え事していては柔道の練習にも身が入らず…


某総合病院〜病室
練習中に足の骨を折ってしまった…すべて自分が悪い…
顧問の先生や先輩達はまだ次があるからと慰めてくれるが…
田中《俺は何様だ!人の心配なんて100年早い!
自分の事ですら手に余ると言うのに…》

確かにまだ来年も再来年だってチャンスはいくらだってある…
でも学祭に向けてこれからはクラスの仕事だって増えてくるのに…
清浦さんの負担にしかならない俺はベッドで後悔する…

次の日…
刹那「田中…元気?」
田中「ぐわ!って清浦さん?…何で?」
誠「よう〜田中大丈夫か?」
田中「伊藤まで…」
愛「田中くん…足の様子はどうかな?」
田中「山県さん…」
誠「お見舞いと報告がてらな〜」
田中「報告?」
刹那「伊藤が田中の代わりに学祭実行委員を引き継ぐから…」
誠「まあだから安心して休めって〜」
田中「そうか…《あの事を覚えて…な訳ないか》ありがとう伊藤…」
誠「おう〜任せてくれ…」
刹那「ふ〜ん…初日にロクに説明も聞かずに私に泣きついたのは誰だったかな?」
誠「ぐっ…あれはその〜まだ馴れてなくて…」
刹那「( ̄ー ̄)フッ」
誠「うう…」
田中「はは…《って清浦さん…いつもの調子に戻ってる?》」
愛「あ…あのね授業のノートは私が纏めておくから心配しないでね田中くん」
田中「ありがとう山県さん」

3人が帰った後、1人考える…
田中《伊藤が後を引き受けてくれた…一安心だ…やはりアイツは根本的に良いヤツだな…
清浦さんは…何だろう…吹っ切れたのだろうか?
久々に笑顔を見れた気がする…それとも俺の考えすぎか?》
とりあえず自分はこの足を治す事に集中しよう…それがみんなの気持ちに答えることだし…

7話「学校での日常」完

いよいよ本編です〜田中から見た二学期の様子です
あの席替えの事を知っていたと仮定して話を進めます
さてどんなエンドか…期待しないで待っててください〜では
394名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:55:25 ID:fy/Ro6wI
>>391 ホントすみません。誠の態度がとても鬱になったんでやっちまった。
言葉飛び降りルートプレイ中に、見ていた俺が鬱になって考えてしまった架空選択肢をネタにしました。
誠好きの方?もすみません! 
395SINGO:2008/06/13(金) 18:41:06 ID:5sRuEG3u
非難ではなく、改善点の指摘でしょう。
あらゆる意味で注目されてるってコトです。


所で、私のSSはしばらく指摘されてないのですが、これは平均点は取れてると
解釈してよろしいのでしょうか?
私、禁じ手ばっか使ってるし
396袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:08:48 ID:hodz8heS
<愛ちん誕生日記念投下します いつもよりもエロ表現が多いのでこちらにします>

「なぁ誠、おまえ 巫女さんのバイトしてくれる女の子の知り合いいないか?」

冬休みの声が聞こえる時期に
いつも目をかけてくれる加藤の親父さんから声をかけられた

「女の子って 親父さん、乙女も可憐もいるじゃないですか?」
「いや・・ あいつらはな・・ 前にちょっとあってなぁ」
「ちょっと・・ですか?」

親父さんは詳しくは言いたくなさそうに目を伏せる
そういえばまえに御輿をぶっ壊したりとかあったな・・去年の事件を思い出す

「じゃぁ一葉二葉でいいじゃないですか」
「あの二人はもう数に入っているよ」
「・・・・・ あと何人いるんですか?」
「ふたり」
「ふたりですか・・・」

誠の頭には巫女姿の似合いそうな二人が思い浮かんだ

「おっ 誰かいそうな顔だな、まこと」
「は・・ 居るにはいるんですが予定を聞いてみないと」
「そか・・ 1月3日4日の2日間なんだが
 12月30日〜1月2日は本職の手配が出来たんだがそれ以外がな・・
 境内を掃いて、おみくじ売り場にすわってるだけの簡単な仕事だ
 あの神社って結構ひとが参拝するもんだからなぁ」
「朝から夕方でいいんですね?」
「おう、おまえも数にはいってるぞ」
「ぇ?俺が巫女服着るんですか?」
「阿呆、お前は下男だ、女の子だけだと危険だからな」
「あ・・ はい、わかりました」

・・・


「そういうことでさ」

ラディッシュでバイトしている愛のところに出向き
加藤の親父さんに頼まれたことを報告する
ラディッシュの制服は一時期のあの『破廉恥』なものから
ちょっとだけおとなしいものに変更されていた
それで愛もなんとかバイトしてみる気になったらしい
俺も男としては西園寺が着ていたあの制服はそそるものがあったが
自分の彼女が着るとしたら話は別だ
・・・そう思っていたので
制服が変わるという情報込みで愛がバイトするのに賛成をした
たしかに西園寺にいいように使われているきらいがないではなかったが・・・
まぁそんな環境も愛に好影響を与えたんじゃないかと思う
397袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:09:44 ID:hodz8heS
なんといっても愛はかわいい、ちょっと引っ込み思案なところも
バイトをするようになってから少しずつではあるが変わってきた
メガネがトレードマークだったのだが
最近はコンタクトレンズを使っていることも多い
髪型も中学の頃のロングヘアに戻している
ようはセクシーさがかなり…
そのせいで
以前はあまり注目されなかったのに
最近だとよく声をかけられている
その点はちょっと心配だった

「なーに なーに? いっつも仲いいよね おふたりさん」
「で・・ でたな 西園寺」
「わっ 失礼しちゃう 『出た』ってなに?こんなかわいい子つかまえて まったく…
 伊藤くらいのもんだよ わたしくらいかわいい娘みてても
 古い彼女をずっと大事にしてるのは〜」

そういって西園寺がむくれた顔をする
確かにかわいいんだがこの口うるささは何とかならないものだろうかといつも思うんだ
でも、これが人好きするいい面だといえばその通りなのかもしれない
実際、お客受けはかなりいいみたいだし

「愛のほうが数百倍かわいい 俺が断言する」

そういってちらっと愛を見る
愛ははにかんでうつむいてしまう
こういうところはいつまでも変わらない
そして変わって欲しくないなって思うところだ

「うわぁ・・・ 言ったね 言い切ったね ちょーむかつくんですけど」
「もういいからさ あっちいってろって」
「ふんだ なにさ
 だいたい今だって山県さんはバイト時間中なんだからね・・・・・・・・・・)

まだまだ西園寺のお怒りは収まりそうに無いが
まぁ無視すればいい話だ
俺は愛の手を引いてバックヤードの方に向かう

「ちょっとお客さん そっちは関係者以外立ち入り禁止なんですけど?」
んっとにしつこい奴だ

「西園寺 レジでお客がマッテルゾ」
くいっとあごでさしてやると

「あぁ いけない・・・」
慌てて走っていった
やれやれだ
いつものことだが
こうやって1回は粉をかけてくる
最後は追い返すのが日課になっていた
なんだか加藤のコピーみたいだな・・ 
最近よく思う
398袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:10:36 ID:hodz8heS
「あいつ 加藤に似てるよな? 愛」
「・・・へっ? そ・・そうかな」

愛はなんか不思議そうな顔をしていた

「それでさ、愛・・ 俺も一緒にするんだけど そのバイト頼めるか?」
「うーーん ラディッシュはお正月休みだから大丈夫だけど・・」
「なにか心配でもあるのか?」
「あのね 誠・・・ もう一人は誰にするつもりなの?」
「それなんだけどさ 一応な 候補は・・」
「うん」
「清浦か桂はどうかなって」
「西園寺さんは?」
「愛は、あいつと一日一緒にいて耐えられると思うか?」
「わたしは大丈夫だよ」
「そうじゃなくって 俺が」
「・・・・ 結構仲はいいと思うけどな」
「そ・・そうか?」
「ん でもことぴがいいって言うなら私もことぴがいいな」
「お前ら高校入ってからすごく仲いいよな」
「ん だって一番最初に友達になったもん 正確に言えば入る前なのかな」
「そうだな・・ 部活も一緒だし」
「ん じゃぁことぴにはわたしから聞いてみるから」

その場で電話をかける愛
桂と話をする愛はとても楽しそうだ
中学のときも友達は大勢居たけれど
引っ込み思案で加藤たちの後ろにいた愛は
あまり打ち解けて話せる相手はいなかったんだといってた
でも、あの一件以来、桂とは打ち解けているようだし
桂の方もまんざらではない
俺をおいて桂と二人で出かけることも多々あるようだ
もちろん俺も含めて3人で出かけることもあるし
桂の妹や俺の妹も一緒になることもあるし
家族ぐるみに近いお付き合いになっている
いつのときも愛はとっても楽しそうだった

「まこと ことぴOKだって!」

うれしそうだ (桂ありがとうな!)心の中でそう思う
399袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:11:37 ID:hodz8heS
中学の頃、愛との仲がまだ進展していない頃
チャットで偶然知り合った隣の中学の女の子
いろいろ相談した結果、俺たちは上手く行った
そして進学
偶然同じ学園に進んだ俺たちは、自然になかよくなっていた
愛と桂は本を読むことが共通の趣味で
クラスは別々だったけれど同じ図書委員になり
部活も示し合わせて文芸部に所属していた
俺は文芸部という柄でもなかったので
いわゆる『帰宅部』を決め込んでいたのだが
入学式のとき偶然知り合いになった清浦と
その親友西園寺に半ば「無理やり」引き込まれる形で
天文部に所属させられていた
天文部といっても別になにか活動しているわけでもなく
単純に校舎の屋上を使うための方便で
休眠していた部活を西園寺が復活させただけのようなのだが
そのために必要な頭数ということで
俺と清浦、ほかに澤永と黒田が引っ張り出されていた
そして形だけだったはずのものも
この面子に愛と桂、加藤とあと甘露寺を加えた大人数で
なぜだか夏に合宿としょうして泊まりがけだったり
そのほか色々出かけたりもしていた

加藤の親父さんに頼まれたとき
黒田や甘露寺、西園寺を思い浮かべないわけではなかったけれど
個人的に『巫女服』を誰に着せたいかと思えば
まよわず清浦か桂だったわけだ
そこには多分に自分の趣味が入っている
もちろん愛と仲良くできる人選もあるのだが

まだ日があったけれど
詳細を伝えようということで翌日会うことにした
週末のお出かけも兼ねて
昼過ぎまで愛と過ごして午後に桂と待ち合わせをと考えたのだが
桂の提案で桂家に行くことになった
待ち合わせは午後2時
400袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:12:38 ID:hodz8heS
朝から愛と出かける

「誠? 山県さん来てるわよ おまえまだ着替えてないの?? っとにもう
 山県さん 上がって待っててあげて お茶でもだすから」
「いいえ そんなのご迷惑…」
「何言ってるのよ 未来の娘でしょ?」

そういって母さんが愛の背中をバシバシ叩いている

「そ・・ そんな…」

愛、そこは否定するところじゃないってば
そう思いながら部屋から出てくると

「きゃぁっ〜」

悲鳴を上げる愛

「ぅあ ごめん・・・」

「やぁねぇ 見慣れてるんじゃないの?もう」
「そんなこと……   (ないです)」
「あら 誠もさっさと服を着なさい」
「ん わかってる」

二人きりのときは結構いろいろな姿を見せてくれてはいるのだけれど
それはかなり俺からの誘導が入っている
基本恥ずかしがりやなのだ
それが良いといえば良いところではあるけれど
おれの半裸ぐらいでああやって叫ばれてしまうのはなぁ

(うーーーん ちょっと考えないといけないのかな)

少し考えこんでしまう
でも何か刺激があればいいけれどと思うだけで
これといった妙案は浮かばないでいた

着替えが終わり、愛を引き止める母さんから引き離すようにして二人で出かける
クリスマス前ということもあり駅前はかなりにぎやかだった
クリスマスは皆でパーティでもという提案があって
例のメンバーが集まるらしいから今日はそのプレゼント交換用の品物探し
榊野町についたときにはもう10時を回っていたので
そのままアーケード街をまわる
401袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:13:39 ID:hodz8heS
愛の好むお店を見て回ると
愛の趣味がわかって面白い
カントリー・オールドムービースタイル・・・ から
いわゆるゴシック系も… いろいろ好みがとぶのだ
よく聞くと
「向こうでは暑くて着られなかったんだもん」・・なるほど
ずっと着たかったものばかりなわけか

愛はいろいろ悩んだ挙句、小さなオルゴールに決めたようだったが
おれは愛が欲しそうに見ていたものの『隣』にあったものを内緒で買っておいた
メンバーは女性ばかりだからよほどのことが無い限りこれでいいはずと思ったから
サイズが少々心配ではあったけれど

「誠はなににしたの?」
「え?知りたい??」
「うん」
「でもなぁ 楽しみが減るから 内緒」
「……」

口を尖らせてはいるが
怒ってはいないようだ

「愛に回ったらビックリするかもしれないね」

ふたり足をそろえて店をでる
ちょっと時間がかかりすぎたようだ
お昼はテイクアウトのオープンサンドを買い求めて歩きながら食べる

「まこと こぼれちゃうよ」

愛はほんと不器用だ
それにこういった食べ歩きには慣れていない
結構しつけが厳しい家のようで
門限も厳しい

「全部出しちゃだめなんだよ 食べるところだけさ 外にだしてかじる
 一気にかじらないと、中の具だけ落ちちゃうし」

そうやって食べてみせる

「ほっっは ほうたへふんはへ・・」

何を言ってるかわかないってば
でも、楽しそうにほおばる愛がかわいくて仕方が無い
作りたてのミックスジュースを買い求めて二人でわけながら飲む
402袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:14:30 ID:hodz8heS
「こんな休日 すごくいいなぁ ね、愛」
「うん 楽しい」

愛の手をそっと握り 二人で電車に乗り込む
桂の家までけっこうあるから
その間は二人っきりを楽しむことにしよう
何も話さずとも じっと見つめるだけで十分に幸せだ
電車の中で抱きしめるのは
たぶん愛が恥ずかしがる…でもちょっとだけ冒険してみる
あまり嫌がっていない…
だから腰にそっと手を回して引き寄せるようにしてみた
一瞬からだがこわばるのがわかったが
強くは拒絶されなかった

ん… これならいい感じ

でもそれ以上はあえてしないでおいた
機嫌が悪くなって桂の家で気まずいのも困るから
外での密着は恋人同士の特権だと思うのだが
愛は照れと元々の「しつけ」もあってなかなか許してくれない
今日のこの状況は半分奇跡だともいえるから
無理して元も子もなくすのは勿体なさ過ぎる
少しだけ指先に力を入れて愛の体の柔らかさを堪能する
もちろん話しかけて気を散らすのも忘れない
電車の揺れに合わせて…
これじゃぁまるで痴漢だよな
内心で苦笑する
でも、いつかはそんなことも平気でできるようになるのかな?と想像する


想像できない… ちょっと欝になりそうだった


予定の時間少し前に桂家に到着する
携帯電話で一報すると玄関の扉がすぐに開く

「こんにちは 愛 伊藤くん」

俺の呼び方は伊藤くんで 愛は愛
これが桂のけじめだと気がつくまでちょっと気にした呼び方の差
おれは構わず桂と呼び捨てにするけれど彼女は気にしない
一度愛がいないときを見計らって「言葉」と呼び捨てに呼んでみたことがあるのだが
怒るわけじゃないけれど「どうしてそんな呼び方をするのですか?」と目が丁寧に語ってくれた
以来必ず「桂」と苗字で呼ぶことにしている
意外というか予想通りというかガードが固い、まぁだから安心といえば安心なのだが
愛いわく、あれでは彼なんてできないという
俺に言わせれば二人とも似たり寄ったりで
俺が愛の彼氏になったことのほうが奇跡みたいなものだ
これも桂のおかげなんだから愛は偉そうなこといえないはずなんだ
403袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:15:19 ID:hodz8heS
相変わらず広い家だなぁと思いながら玄関で靴を脱ぐ
庭も広いし、親の違いを感じずにはいられない
たまに桂が持ち出す話題が金持ち金持ちしていることもあるけれど
基本的に彼女はなにも気にしていないと言うか考えていない
おそらく自分の普通は皆の普通だと勘違いしていると思う…が、それは敢えて指摘しない
俺も愛も別にいやな思いをしたわけじゃないから
でも、ソレと同じくらい天然の勘違いをしていることも多くてそれを笑う
そちらは桂のお気に召さないようで、そういう時はいつも手を振りながら必死に怒る姿を見せる
「怒る」のではなく「怒る姿をみせる」
似たようなものだが桂は要は怒ることになれていないらしい
そんなところは愛とそっくりだ
愛は自分も一緒に笑われているとは思っていない
そういう鈍さも・・・・あははは

「あれ? 今日は心ちゃんいないの?」
「ぇっ 心に会いたかったのですか?」

こういう勘違いも最近は馴れた
小学生に会いたくって家にやってくる同級生がいたとして
桂は一体そいつのことをどう思うのか
時間があればいじめもかねて小一時間聞いてみたいきもするんだが
まぁそんなのはいいとして適当に流す

「それじゃぁ本題に…」
「だから伊藤君は心に会いたかったのですかって聞いています」
なんだか真剣な表情をしている桂
どうも今回は流せなかったらしい
なんでこんなことに拘るのかわからないが答えるくらいならいいか

(ぁぁ 俺は心ちゃんが大好きだ いないととても寂しい だから今はちょっとブルーだ)

そう答えようと思ったんだけれど
愛をみたら真面目にしろという表情だったのでやめた

「別にそうじゃない いつもなら駆け寄ってきて抱きつかれるのにそれがないから拍子抜けしたんだよ」
「そ・・ そうですか ならいいんです」

そういって桂は納得してくれたようだ
あからさまにホッとしているのがわかる
なんでそんなことを聞くのか気にならないでもなかったが
薮蛇という言葉もあるのでやめておく
404袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:16:13 ID:hodz8heS
「それでは改めて本題なんですけれどね お嬢様方」
「は・・ はい すみません 伊藤君」
「日程は1/3と1/4で 打合で前日をと思ったんだけど
 桂って毎年新年は日本にいないんだったよな?」
「はい・・ 今年は2日には帰ってくるつもりですけれど・・」
「ということで打合は俺と愛だけってことで交渉を済ませておいた
 基本的に袴が着られれば問題ないらしいから・・・ 桂は大丈夫だもんな?」
「はい 弓道・居合いで袴はいつも身につけてましたから」
「愛は?」
「わたしは・・・ 着物と違うんだよね?」
「そうですね ちょっと違いがあります 簡単ですから着物が着られればすぐですよ」
「そっか ことぴが教えてくれればいいのになぁ」
愛が桂に甘えたことを言っている

「それじゃぁ今日着てみますか?私の持ってるのでよろしければ・・・」
「ぇ いいのか?」
「はい すぐに出ますから少し待っててくださいね」
「ぁぁ すまない 良かったな 愛」
「うん」

桂が準備をしている間
愛と二人リビングでくつろぐ
勝手知ったるなんとやら もうこの広いリビングにも馴れた

「なぁ愛 愛の袴姿って楽しみなんだ」
「そ そうなの?」
「和服と一緒なんだよな?」
「一緒って?」
「その 下着はさぁ」
「・・・・・・・・誠 何を考えてるかわかったから 口に出したら怒るからね」
(ふっ 愛は怒っても怖くないから構わない・・・・けど機嫌を損ねるのは得策じゃないな)
「わかった 今ここには俺と桂しかいない 悪戯をする心ちゃんも今日はいない ということだ
 俺は色々期待している 後は任せた 愛隊員」
「何が 愛隊員よぉ もう」

一応まんざらでもない表情だったので後は自由意志に任せることにする

「準備できましたよ」

そういわれて愛が二階にあがっていく
ここで緊張したらいけない さりげなくタイミングをずらせて腰を上げて扉に向かう
が、目の前で扉を閉められて強く鼻を叩かれる
405袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:17:07 ID:hodz8heS
「いてぇぇぇえ」
「もう何をしてるのよ 誠が一緒に来ていいわけないでしょ?着替えるのよ着替え」
「でもいいじゃん 俺彼氏ダゾ? 桂だけが見るってずるいだろ」
「もう 何がずるいんですか?」
「ぇ?」
「ですから 何がずるいのかなって」
横には桂が来ていた
「ぃぃぇ なんでもありませんです」
「そうですか じゃぁ愛、二階にあがりましょう」
「うん 誠はおとなしく待ってるんだよ わかった?」
「うん わかったよ」

頭上で嬌声が聞こえる
気になって仕方が無いが
ここで慌ててはもらいが少ないに決まっているのでじっと我慢だ
どうだろう10分?15分 思ったよりも早くお呼びがかかる
期待に胸膨らませて でも鼻の穴を広げないように落ち着いて階段を上る

「ぉぉおおおおおお これはいい」

愛だけかと思っていたのだけれども
桂も一緒に袴姿に変っていた とてもとても素晴らしい
思わず親指を立ててしまったが桂はまったく気にしていない

「どうですか伊藤くん」
「どうかな?誠」

「いや素晴らしい うん 二人にお願いしてよかった すごく似合ってる」

「うふふ  ・・・それでどちらがお好みですか?」
(ぇ・・・ なんでそこでそう突っ込む 二人とも似合ってるって言ったじゃないか)
その躊躇が悪かったらしい
愛が瞬時にむくれてしまった

「どうせわたしはことぴ見たいに胸はないですから」

(ぁぁしまった 愛って結構桂にコンプレックス持ってるんだ 特に胸)

「そんなことないって 愛はとっても可愛い すごく似合ってる」

こうなったらもう恥も外聞も無い
桂の目の前で必死に愛を持ち上げることになる
が、それは良く考えれば桂にとっては面白くないわけで

「そうなんですか、せっかく腰周りのタオルは少なくして胸を強調してみたんですけど
 お気に召さなかったのですね」
406袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:17:56 ID:hodz8heS
(うぁわぁぁぁ なんてことを言うんだ)

そういわれると目が桂の胸に釘付けにされる 
いかんこのタイミングでそれは最悪だ・・・・
なんだかすごく勿体ない気がする中
ぐっと目をつぶって愛の後ろに回って愛を抱きしめる
ついでに胸のところに手をもって行って

「(俺はこの胸と心中するって決めたんだから大丈夫)」

愛にそういって
しっかり揉んだ ぇぇ揉みましたとも
拗ねて泣かれるくらいなら恥ずかしさでひっぱたかれたほうがいいから

「ぷっ ププププ アハハハ はぁ 面白いですぅ」

桂が思いっきり笑っている
最近はときどきこうやってからかわれることがあるけれど
今日のは完全にやられてしまった
袴姿をみるスケベ心のせいでいつもの勘が狂わされてたらしい

「桂 覚えてろよ いつか仕返しをしてやる」
「うふふ いいですけど それまではずっと私のターンですよ
 だって私には彼いませんから…」
「ぐっ)

愛がきょとんとしている
でも俺の手が胸を揉み続けているのに気がつくと
思いっきり甲をつねり上げられてしまった

「アハハハハ 伊藤くん 本当にダメダメですね」

綺麗な顔でそういわれると本当に口惜しい
でもいいところも有る

「その袴お譲りしますから 家で練習なさってみてください
 古い物なので『汚しても』大丈夫ですよ ・・・・フフフン」

最後のフフフンというのを聞いて考えを改める
やっぱり桂は結構意地が悪い。

でもそれを上回るのが愛の素直さだ
俺と桂のつばぜり合いにまったく気がついていないのは有る意味最強といえる

「ありがとう桂 しっかり練習させるから」

そういってわざと歯をみせてニカっと笑うと
桂はさらに笑う

「ぇぇ わかりました ほんとに おもしろいひと」

桂は何も気がついてない愛をみてさらに笑っている
407袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:18:38 ID:hodz8heS
桂と別れ 電車に二人で乗り込む

「ということで愛、さっそく練習しよ」
「ぇ いいよ 今日はもう一度着たからね」
「愛は着たかもしれないけれど (俺は脱がせてないだろ)」
「何バカなこといってるのよ もう」
「だって・・・」

愛の顔を真剣な目をして覗き込む
愛はかなり押しに弱い

「・・・・・・誠 本気で言ってるの?」
「こんなチャンス早々ないだろ しかもこれは桂が俺たちにプレゼントしてくれたんだ
 神社の袴は汚したら怒られるだろうし」
「当たり前でしょ」
「なら 我慢するのはイヤだ!」
「何 大声出してるのよもう バカ 電車の中でしょ」

そういってまた手の甲をつねる

「今日はいくらつねってもいいぞ その代わり俺の家までくる」
「もうダメだってば 門限もあるじゃない」
「大丈夫 きちんと電話するし 最近では一時間延長してもらってる」
「ぇ・・・ そうなの?」
「ぁぁ 毎日じゃダメだけど 時々なら許すってお父さんに言ってもらった」
「そうなんだ 誠すごいね」
「そう?」
「うん あのお父さんに譲歩させるなんて…」
「だろ だから今日は…」
「・・・・どうしても?」
「うん 母さんが家にいない日なんだ今日は 少なくとも深夜までは戻らない」
「・・・・(いいよ)」
「・・ぇ?」
「いいよ 今日は誠の好きにしていいよ」
「やったぁ」

愛が足を踏む

「い いてぇ」
「でも電車の中では静にしてくださいね」
「うん・・・」
________________

二人で家に戻る
途中、愛の家に電話をして夕飯を食べてから帰る旨連絡して
帰宅が遅くなることを許してもらった

「愛、今から夕食簡単に作るからさ シャワー浴びておいでよ」
「ぇ・・・?」

愛が顔を赤くしている
シャワーを浴びるときは『する』ってのが暗黙の了解だから
でもそれは口にしない、口にすると余計に愛が恥ずかしがるのがわかっているから
408袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:19:28 ID:hodz8heS
「・・・ぅン」

小さく頷くと浴室に向かう
俺のTシャツを用意しておく 
たまねぎを用意
冷凍のあさりを解凍、さっといためてボンゴレビアンコを作る
コンソメスープもさっと用意できて便利だ
サラダを添えればそれなりの夕飯になる
うん 上出来
そう思ったときに愛が戻ってくる


「誠・・ これ透けちゃう・・」

わざと白のうすでのTシャツを用意したのだから当たり前なんだけどなぁ
いつも同じ手なのに毎回同じ反応

「ゴメン それしかなかったんだ」

俺の返事も同じ
明るいところで脱がせられないなら
極力楽しむにはこういう方法しかないもんな

なおもモジモジしている愛をうながして夕食をはじめる
ほかに注意をそらすのが一番だから

「どう?」
「うん いつも上手だよね 誠」
「そういわれると作り甲斐がある」
「ン おいしいよ」

よこでいそいそとフォークを動かす愛
小さな口が一種懸命パスタをほおばっている
なんとなくげっ歯類のイメージ?
とても可愛いんだけどコミカルなイメージも加わる
でもそれ以上にセクシーだ
小ぶりな胸がTシャツの中で揺れているのがわかる
思わず見とれてしまう

「誠ぉ?」
「ん?」
「全然食べてないよ?」
「ぁぁ 見とれちゃってた」
「へ?」
「愛の… かわいいところ…」
「き きゃぅ」
「そんな 隠さないでよ」
「だって コレ少し見えてるもん」
「だからいいのに」
「・・・・」
409袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:20:18 ID:hodz8heS
「それに触るの我慢するの大変なんだぞ 触ったら食べられないだろうし」
「うん」
「だから見ることくらいは解禁してくれないと」

変な理屈だけど
愛には伝わる
おれが見つめる中そっと手を元に戻す
控えめなふくらみがまた自由を取り戻すのがわかる

「そんなに好きなの?」
「うん 大好き」
「胸がすきなの?」
「ばーか 胸じゃなくって 『愛の』胸がすきなんだって」
「でもさっきは、ことぴの胸に目を奪われそうだったでしょ?」
(見てるところは見てるんだな・・・感心する)
「確かに大きな胸は魅力的だけど… でも愛の胸じゃないからな」
「・・・ほんとにほんと?ホントに私の胸のほうがイイの?」
「ぁぁ 自信を持てって 俺は愛を選んで愛の横にいるの
 西園寺の顔よりも愛の顔が好みで
 桂の胸よりも愛の胸のほうが俺の好みなの」

愛は顔を耳まで赤く染めて俯く

「しっかり食べてくれよ ちょっと頑張るんだから」
「ぇ?何を?」
「もう シャワー浴びてきたダロ?」
「・・・・」

そういうやり取りの間に食べ終えたおれは
愛をその場において浴室に向かう

「タオルとか必要なものは部屋においておいたからさ
 着替えはじめていいよ 愛」
「ぇ?いいの?着替えちゃって…」
「うん 楽しみにしてるから」
「ばか・・・」
____________________
410袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:20:59 ID:hodz8heS
シャワーをさっさと浴びて部屋に戻ると
愛は襦袢を羽織っている最中だった

傍には白いレースの下着の上下
俺はそれを見逃さなかった
愛はきちんと期待に応えてくれている
それも嬉しかったけど それ以上に若い男としての喜びの方が大きかった

ベッドの端に腰掛けて
着替える愛を眺める
愛はとても線が細くって華奢な腰つきをしている
かといって虚弱ではない
いわゆる柳腰というやつだ
和服がとても映える
肩もなで肩
括れが強調される服でも
スレンダーな肢体はとてもセクシーだ
とくに鎖骨の辺りの艶かしさは
泰介自慢のグラビア嬢にも見られない絶品だ
決して他人に自慢は出来ないけれど…

「ねぇ二人きりだしさ 腰周りの調整ってやめようよ」
「ぇ?」
「だって愛の腰周りって柔らかくって艶かしくって俺大好きなんだ
 タオルとか入れると…ね…お願い」
「う・・ うん わかったよ」

愛は巻いていたものを外して
はかまに取り掛かる
紐の結び方が独特なので
言われるがままお手伝いをする
近くにたつと
風呂上りの愛の香りが匂いたち
とても幸せな気分に包まれる

大きく息を吸い込んだら
愛が不思議そうな顔をしていた

「何してるの?」
「ん?愛の匂いを吸い込んでた」
「もうぉ 恥ずかしいからやめてよぉ」
「そっか 俺、愛に抱きついて匂いを確認するだけですごく幸せな気分になるよ
 愛は俺のにおいとか嫌いか?」
「・・・・・・・ゥゥン 好き 私も落ち着くというかなんかふわふわしてくるの」
「ん だったら後でいっぱいしような」
「うん」
411袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:21:43 ID:hodz8heS
そんな会話を交わすうちに
はかま姿の愛が完成する
白足袋は母さんのタンスから持ち出してきて履かせた

「うーーーん さっきも見たけど すごく似合ってる
 かわいいと言うか 色っぽいというか
 なんていえばいいんだろう 清楚で… 大和撫子?」

携帯電話を取り出して
記念に写真を撮ってみる

「ほら 見てごらんよ」
「わぁ 結構いい感じなのかな」
「うん とってもいい感じ 巫女服だとさらに女性っぽくなるんだよねきっと
 髪留めとかもつけるわけだしさ」
「そうだね」
「ポーズとってよ」
「ぇ?」
「斜めに立ったりとか」
「こう?」
「うん いい感じ 今度はそうだなぁ すこししゃがんで上目遣いで見てみて」
「こう?」
「そうそう もうダメ 俺の負け」
「ぇ?」
「たまらないから襲うことにします」
「ぇっ えっ ダメだめだよぉ 汚れちゃうもん」
「桂が言ってた言葉聞いてなかったのか?」
「何 何か言ってたの?」
「『汚しても』大丈夫」
「へっ・・・ そんなの聞いてない」
「ん 確かに言ってたよ」
「でも そんな意味じゃないでしょ?」
「もう愛はうぶなんだから… 桂って意外とそういうこと知ってるみたいだよ
 多分耳学問というか文学的知識なんだろうけどさ」
「そ・・ そうなの? っていうかことぴにそういう目で見られてたの?」
「正確に言えばずっと前からね」
「・・・・・ヤダァ そんなの恥ずかしいよぉ」
「何を今更って思うけど・・ 恥ずかしそうな愛はさらにいいなぁ」
「もう なんでそんなにのん気なのよ」
慌てる愛の後ろに回りしっかり閉じている襟元をこじ開けて懐に手をねじ込む
「ひゃうっ ダメだってそんな 崩れちゃう」
耳たぶをくわえて 舌を這わせる
愛はたまらず膝を崩し…その場にぺたりとお姉さん座りになった

「あのね 誠 いやじゃないけど きちんとはかまと着物を脱いでからね」
「だーめ それじゃぁわざわざ着て貰った意味が無いもん」
「ぇ・・・ そんな 見るだけでいいんでしょ?」
「んにゃ それに見るだけだったら下着なしだなんて指定はしないよ
 愛だってわかってたでしょ?」
「そ・・ それは その」
「そのままじっとして」
「・・・」
412袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:22:35 ID:hodz8heS
大人しくなった愛を膝ではさむようにしてしゃがむ
首筋の香りを味わいながら両手をゆっくりと襟元から忍び込ませて
十分に緩めた後一気に引き下ろす

「あっ」

愛は慌てるけれど
しっかりと帯で留められている袴姿の着付けの場合
腕はあまり自由に動かない

「まことぉ? これすごく恥ずかしいよ」
「でも愛はとっても綺麗で色っぽいんだけど…」
「そうなの?誠うれしい??」
「ぁぁ… 愛が怒りそうな事考えてる」
「ぇ?なに?」
「この姿を残したいなって」
「・・・ それはダメ 絶対ダメだよ 恥ずかしすぎて困る」
「でも…めったにこんな姿見られないだろ? ホントにだめ?」
「・・・ 誠 それどうするの?」
「ひとりのときに眺めて喜ぶ」
「ばかぁ」
「だって愛は最高にかわいいんだもの」
「・・・ (なら)」
「なんて?」
「(なら一枚だけだよ)」
「いいのか?」
「うん」

頬だけじゃない
くびから胸元まで色っぽく染め上がった愛
着物が着崩れたしどけな姿
俺の手が胸をまさぐってその先端まで外に露にされている
よく見ると目には涙が溢れそうなくらいで
そのまま無茶苦茶にしたい衝動に駆られる

一枚また一枚
愛との約束を大きく破って
どんどんシャッターを切る
愛はそれを見ても何も言わず
悩ましげな吐息だけが漏れ聞こえてくる

「(まこと もう満足した?)」
「ぇ?」
「満足したら 今度はもっとかわいがってほしいの」
「愛・・・」
「その音を聞いていたらとても切なくなってきて」
よく見るとぺたりと座り込んだ愛は
太ももをすり合わせるかのようにモゾモゾとずっと動いていた
袴をゆるめ襦袢の裾からなかに手を差し込むと
これまでに見たことも無いくらいの湿り気に溢れていた
差し込んだ指先が熱くてそれにいつもとは違う締め付けを感じる
たまらず・・・俺は携帯を放り投げると
両脇から抱えるようにして愛をベッドの上におしあげ
襦袢をたくし上げ膝を押し広げると
むさぼるように愛の部分に顔を押し付けた
413袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:24:58 ID:hodz8heS
愛は小さくうめくだけで何も抵抗しない
でもすぐに押し付けてくるようになる
舌の動きに合わせて小さくお尻が動くのがわかる
俺の口からその周辺、顔中が愛のそれですべて塗り終えられてしまうころ

「まことぉ すぐに すぐに欲しいの」

愛がめずらしくおねだりをする
ちょっと考えたふりをする
そんな時間も愛には切なさがつのるようで
膝がわらっているのに体をもちあげてキスをねだる
俺は服を脱ぎ捨てて愛の手を自分のそれに導く
意図を理解した愛がそっと顔を近づける
今までそんなことをしてもらうこともなかったのだけれど
今日の愛は積極的だった
さんざん刺激されて、いつもよりも興奮していたからかもしれない
自然に小さな口がひらく

かわいい愛の唇に刺激されて
思わないほどの早さでもらしてしまう
愛がたまらなくなっていた刺激は
俺にとっても未知の興奮で
さらに愛の突然の行為で……耐え切れなかった

「苦いよぉ」

そういいながらも愛はこくんとのどを動かす
そんな愛がさらにいとおしくなって
口を無理やりこじ開けるようにしてキスをする
すぐに元気を取り戻した俺に愛がやさしくかぶせる
その手つきはとても優しく、そしてこれ以上なくえっちだ

「愛・・・」

こんなことまで愛が・・
ずっと意地悪をしていたのは俺なのに
とっくに主導権を握られてしまっていた
愛を抱きしめると組み敷くように押し倒し
そのまま愛を蹂躙する

「まこと きてぇ 好きにしていいからね」
414袴姿の愛SS:2008/06/14(土) 00:25:20 ID:hodz8heS
愛の言葉を覚えているのはそれだけ
その後は夢中になって体を動かし続けた
下帯と襦袢だけの愛
正面からの愛の姿を堪能すると
自分であたらしく付け直し 愛に背中を向かせる
最初の回で脱力してしまったのか
愛はなかなかお尻をあげられない
太ももを軽く開かせると そのままかまわず後ろから入れてしまう
むさぼるのに夢中で優しくするなんてことは出来ない
ひたすら力の限りというように
愛は何も逆らわずすべてなすがままになっている
最初、艶っぽくため息をつくような声で応じていた愛だったけれど
だんだん声にならない声にかわり
俺が果てるのと同時
最後は大きく叫ぶようにして脱力してしまった
ふたり折り重なるようにしてベッドに横たわる
おれは後ろから愛を抱きしめるようにして目を閉じた

__________________(とりあえず おわり)

めったにしないエロ増量版です
一気に投下してご迷惑お掛けしました
415スクイズT:2008/06/14(土) 00:53:11 ID:jBZpYZn6
>>414
お疲れ様〜暫く来なかったのはこれを書くためだったのね
しかも中学の頃のチャットで結ばれた誠と愛の続編なのが更に良かった
しかもかなり変わってるのもいいな>歴史
また何らかの続編を期待…にしてもやっぱり男キャラ少なすぎだな
416名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 21:01:02 ID:F51lhsOh
1スレ以来久しぶりに来たんだけど、職人増えたな
まだ、保管庫はないの?
417名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 14:48:51 ID:R7bMc+Zt
>>385
「散る誠」見てみたい。

誠が女性化し言葉のような美少女になる

泰介に呼び出される

誠を全裸にしてそのままレイプ

マンコの処女だけでなくアナルの処女も奪う

誠が泰介の目の前で放尿と脱糞

泰介が汚物を処理し、誠をシャワー室に連れて行って誠の体を洗ってあげる

股間が痛くて苦しんでいる誠を家まで送ってあげる

こんな電波を受信した。何とかSS化しようと考え中。
418名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 15:53:50 ID:fmrMEyTa
>>417
期待w

>>416
特別なものはないですね


誰かSSスレの1のログを恵んでください
昨日の祭りの最中に消してしまったバカからのお願いです
419mark:2008/06/15(日) 21:47:12 ID:fVKqKard
どうも。しばらくめんどくさいという名の無気力になり、滞っていました……
久しぶりに誠・世界ネタを。こういう屋上の使われ方も
あったらなあと。リアリティは無視の方向で(笑)ゴミはちゃんと持ちかえりませう。


廊下を歩く、2人の影。

「やっぱ夜の学校は、なんか雰囲気違うね。誠もそう思わない?」
「それ以前に、暗くて歩き辛い」

誠の冷めた意見に、世界はちょっとムッとする。

「もう〜。オバケが出そうだとか、理科室から呪詛の声が聞こえるとか、
 少しはホラーな返答期待してたんですけど」
「んな、今時小学生でもそんな話信じないって。……普段なら家で
 まったりしてたのに」
「しょうがないでしょ?名目は天文部の星空観察っていう事に
 なってるんだから。顧問の先生に許可取るの大変だったんだからね」

そう言い、いかに自分が苦労して星空観察という名の夜間デートに
こぎつけたかを、世界は身振り手振りを交えて熱弁する。
天文部部長という、実質死んだ肩書きまで利用するとは、
恐るべし世界――― 誠はそう思った。

そもそものきっかけは、たまには違うデートがしたいという
好奇心からであった。実際、正式に誠と世界が付き合い出してから、
随分時間が経過しており、いわゆるマンネリ状態というやつだ。
誠も世界も、穏やかな時間を過ごす事自体に不満はなかったが、
やはり刺激を求めたくなるのも事実だ。

しかし、榊野の商店街やヒルズ近辺でそれを満たすには、いささか食傷気味であり、
都内に出て若向けの街に行くにも、遠出するには時間と交通費がかかり、
高校生の身分ではなかなか厳しいものがある。

世界に誘われ、家で酒盛りなんてこともやったりしたが、翌日二日酔いで
ひどくダルい1日を過ごしたあげく、飲酒が世界の母親にばれてしまい、
世界がバイト先で無償労働のペナルティーを10日分受ける羽目になったのも、
ついこの間のことだ。
420mark:2008/06/15(日) 21:48:41 ID:fVKqKard
「今日はさすがに酒なんか持ってきてないよな?あの時は俺まで
 世界のお母さんに怒られたし、もう勘弁だぜ」
「ぎゃああ思い出させないでぇ〜。あの恥辱と暴虐の日々から
 ようやく立ち直ったばかりなんだから」

ただ働きの罰を思い出したのか、世界は頭を抱える。それを招いたのは
他ならぬ彼女なのだが、それ以上追及するのはさすがに忍びないと
思い、あえて誠は沈黙した。


屋上

「ふう〜、やっと着いた」
「ご苦労さん。さてと、さっそく『観察』を始めましょう」
「へいへい」

2人のかばんやビニール袋の中身は、もちろん望遠鏡や記録用のノートなどなく、
それぞれの自宅から持ちよった小型のラジカセやお気に入りの曲が入ったCD・MDや、
あらかじめ買っておいた菓子パン・お菓子・ジュースの類でいっぱいだった。

「ほーら、誠見て見て。じゃ〜ん」
「ケーキまで持ってきたのかよ。随分と用意がいいな」
「世界さんが直々に選んだものなんだからね。誠もうすぐ誕生日でしょ?
 だから前祝いって事で」
「それはありがたいんだが、なんかババロアが多くないか?」
「ああ、これは私の分だから誠はダメ」
「そんな甘い物ばっか食ってると、今に横に広がるぞ〜」
「いいじゃない、特別な日って事で。はいコレ」

そう言いながら、紙コップを誠に渡す。

「え〜、伊藤誠君の17歳の誕生日までもうすぐなのと、これからの私達のさらなる
 幸せを願って……ほら誠」
「え〜、何言えばいいんだよ」
「ほら、肝心な所でビシッと決めないと」
「……俺の17歳の前祝いと、これからも俺達の幸せが続く事を願って」
「それ私のパクリじゃん。もうちょっと気の利いた事言いなさいよ」
「んな事いったってなぁ、急に振られてもセリフなんか思いつかねえよ」
「ふう、まあいいわ。それじゃあ……」

「「乾杯!」」

ジュースの入った紙コップで誠と世界は乾杯する。
ラジオの有線を聞きながらおしゃべりに華を咲かし、
CDのダンスミュージックに合わせて踊る2人の影。
普段誰も訪れる事の無い静かな、ましてや夜では尚更なこの空間は、
誠と世界の声だけが微かに響く。

421mark:2008/06/15(日) 21:50:09 ID:fVKqKard
「今日は月のきれいな夜ね」
「ああ。中秋の名月だったかな」

一通り楽しんだ後、ベンチに座りながら誠と世界は満月を見つめる。

「考えたら、わざわざ夜の学校でこんな事してるのって、なんかおかしーね」
「まったくだ。でもあえて馬鹿をやる事に意義がある…… とでも言いたいんだろ?」

すると、意外な応えを返してきた。

「それもまああるけどさ。……あと1年ちょっとで私達この学校ともサヨナラじゃない?
 卒業してみんなそれぞれの道へ行って、あ、もちろん私は誠とずっと一緒に居たいし、
 これからも一緒に思い出を作っていきたいよ。……でも、榊野学園という空間で思い出を積み重ねる
 事のできる期間は限られているんだなって、ふと思っちゃってさ」
「……………」

「なんか1つ、10年経っても記憶に残るような事したいな〜なんて、あははは、
 何言ってんだろ私」
「……何となく、俺もわかるような気がするな。その気持ち」

いつもなら、柄にも無い事をとからかう誠だが、少しまじめに話し続ける
世界の様子を見て、茶化すのは避けた。

今はまだそこまで感慨にふける程、誠も世界も大人ではない。
過ぎ去ってみて、初めてわかるのかもしれない心境は
数年後か、数十年先の事なのか。

「ま、あらたまって言う事じゃないけど、これからもよろしくね。誠」
「はいはい。こちらこそ世界」

2人の行く末は月明かりだけが知っている――――
それが、どんな終わりに行き着こうとも、
静かに、照らし続ける。


(おしまい)
422名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 00:27:03 ID:MaFI9IPN
>>394
ごめんなさい
もっと読みたいという催促でした
誠が状況に疲れたり、自暴自棄になったり、自責の念に駆られたり
とうぜんありうると思うんです
で、その面白いネタを思いつかれたわけなので
その一番おいしいところを読ませて欲しいという心の叫びでした
自分セックルは前戯が一番重要って考える奴でして・・・(イミフ

>>395
いつも楽しませていただいてます
点なんてつけるのはおこがましいので無理ですが
とっても面白いのだけは保証、少なくとも私は楽しみにしてますし楽しんでます
禁じ手・・わかりませんが・・勝てば官軍です

>>419
充電・充電 >無気力

世界のほのぼの満喫
一年の付き合いってしっくりくるいい時期ですよね
感情が無理なく出せているふたりの関係がとてもいいGJ
踊子さんは飲酒をおこって罰をあたえたというより
ラッキーこれでただ働きバイトゲットとか言ってそう(笑
もしかして踊子さん秘蔵のボトルを開けたのかな
423SINGO:2008/06/16(月) 02:11:52 ID:21uSBElu
どうも先輩がた。
田中Story、途中で未完のまま丸投げっぱなしにしてたけど、
なんとか完成させました。
ので、投稿します。

舞台はアニメLastの後日談Ifであり、
私の駄作【破局に向かって】第二部
>>372-377
の続きです。
誠と世界が逝亡くなった日常で、田中が刹那にフラれています。

では、田中Storyの終章、ご覧下さい。

【破局に向かって】第三部 〜The Start〜

    出演

田中     清浦刹那
山県愛    清浦舞
黒田光    澤永泰介
甘露寺七海
424SINGO:2008/06/16(月) 02:14:10 ID:21uSBElu
【破局に向かって】第三部 〜The Start〜

『私は貴方を好きになるよう努力してみます。そして一年経って、もし
貴方を特別だと思えたら、賭けは貴方の勝ち。私は貴方を殺しません。
でも、やっぱり貴方を特別だと思えなかったら、その時は貴方を殺します』
ボクハ アナタガ… スキダッタンデス…
(TOKYO BABYL より)

《山県 Turn》
委員会にて

「田中君?田中君てば!」
「…!ああ、すまない山県さん。聞いてなかった。で、何?」
「もう。これで何回目?」
田中君の様子が、ここ数日おかしい。
普段の穏やかさが消え、無機質な表情になってる。
別段、学園生活や委員会の仕事に支障がある訳じゃない。むしろ、それら
全てを機械的にこなしてる。
でも悪く言えば、心ここにあらず。だから、私が話し掛けても無反応。
正直、やりにくい。
田中君の彼女…清浦さんの不登校と関係してるかも知れない。時期的にも
タイミングが一致してるし。
うう。私じゃ清浦さんの代わりは務まらないよぅ。
あ。ちなみに、代わりといっても、クラス委員長の事だから。委員長の
清浦さんがいないから、代理で私が田中君をサポートしてるの。
とにかく、田中君と清浦さんとの間に何かあったのは明白なんだから、
まず、ソレを聞き出さないと。
「田中君、お話があります。放課後、ピュアバーガーで。もちろん拒否権
はありませんから」

《舞 Turn》
清浦宅にて

娘の刹那の様子が、ここ数日おかしい。
不登校を決め込んでいる。
まあ、パリ行きが間近に迫ると、無理に登校する理由も無い。
だからといって、登校拒否やヒキコモリになる理由も無いはず。
「刹ちゃん。お友達に、お別れを言わなくてもいいの?」
「ん。いい」
「刹ちゃんの彼氏…田中君だったかしら?本当にいいの?」
「ん。別れなら済ませたから。ついでにケジメも」
私とて、一人娘の恋を引き裂く気は無い。
パリ行きに同意したのは、他ならぬ刹那。
あえて恋人と別れ、私についてくると決めた刹那は、断腸の思いに違いない。
「……」
あら?
刹那は自分の左手を見つめていた。その手には何も握られていない。
そういえば…。
去年のX'mas。刹那は田中君を庇って、チンピラにナイフで切られたんだっけ。
「手の傷、すっかり消えたわね。それにしても刹ちゃん、よっぽど田中君
が大事だったのね。命よりも」
「…?」
刹那は怪訝な顔。
「そんな訳ない」
そっけなく否定された。
「あら違った?だってナイフよ?下手をしたら刹ちゃん、死んでたかも
知れないのに」
「……!!」
刹那は硬直して、黙り込んだ。
425SINGO:2008/06/16(月) 02:15:41 ID:21uSBElu
《田中 Turn》
ピュアバーガーにて

「…で清浦さんは大怪我をしたのに、俺を許してくれた」
「あのなぁ田中。お前のノロケ話なんか聞きたくないんだけどよー」
澤永はウンザリ顔でぼやいた。

俺は今、テーブルを挟んで、黒田、甘露寺、澤永(と山県)に尋問されている。
清浦の不登校を疑問に思った黒田達が、山県を使って俺をココに呼び出したからだ。
清浦の不登校の理由は、榊野学園(というか日本)に執着する理由がなくなったから。
清浦は来月中にパリに転校する。原因は俺。清浦の心を捕まえておけなかったから。
「ノロケてなどいない。清浦さんが俺なんかと付き合ったのは、全て、彼女の実験だ。
彼女がもう一度、人を愛せるかどうかの、な」
「で、田中が実験体に選ばれたって?でも刹那はアンタを庇って、ナイフ
で切られたのよね?」
「それも実験の内だったのだろう」
結局、俺は役立たず。清浦の心に愛情が戻る事はなかった。
「ま、世界と伊藤を失って心を閉ざしたってのは、私にも判るよ。それで
人を愛せなくなったのも。でもね、実験てのが…」
「あー俺も。訳わかんねーぜ。だからその実験、全部話せ」
「澤永。俺のノロケ話は聞きたくないのだろう?」
「もう充分ノロケてるわよ。いーから隠してる事、全部話しなさい」
俺は大いに迷ったが、結局、全部話す事にした。
「清浦さんに犯された」
「へ?」「はぁ?」「今、なんて?」
「俺、清浦さんにホテルに連れ込まれて、ムリヤリ犯された」
一瞬後、
「ぷはははははは!!」
俺以外、大爆笑。いや、山県だけ卓に突っ伏して痙攣している。
くそ。判っていたさ、笑われる事くらい。
いくら俺が絶望状態で無抵抗だったとはいえ、柔道部エースが小さな娘に
上から押さえ込まれたのだからな。しかも、俺の初めてが逆レイプ。
一生の不覚だ。
「重戦車を逆れいぷッ…あっひゃっひゃ!あらゆる意味でッ予想外ィィ」
澤永、いつまでも笑うな。
俺は澤永の大口にBIGバーガーをねじ込み、黙らせた。
「笑い事ではない。彼女にとっては、ソレすらも実験だった」
ピタリと笑いが止まった。みんなキョトンとした顔で、俺を見ている。
「あの…もしかして田中君て、お馬鹿さん?」
ガーン!菩薩の山県にまで毒を吐かれた。正直、ショックだ。
「どうせ俺はモルモットだ。『適当』に選ばれただけの男だ」
俺、いじけモード。
「いえ、あの、ごめんなさい。でも『適当』って言葉は、適したものを
当てはめるって意味で」
…?何だ、それは。
「田中、判ってるよーで判ってないわね」
「アンタ一人だけ気付いてない様だから、教えてあげる。アンタね…」
甘露寺が真顔になって話し始めた。
426SINGO:2008/06/16(月) 02:17:10 ID:21uSBElu
空港ロビーにて

俺の前に、二人の女性。清浦と、その隣に清浦似の綺麗な女性がひとり。
「貴方が田中君ね。一目で判ったわ。初めまして。ウチの刹ちゃんが、
お世話になってます」
清浦の姉?は礼儀正しくお辞儀した。
「いえ、こちらこそ」
俺も返礼する。
「じゃあ、お邪魔虫は先に行ってるから」
エスカレーターを降りて行く清浦姉を見送ると、俺は清浦の前に歩み寄った。
「何しに来たの?」
清浦は幾分ムスっとした横顔で聞いてきた。
「サヨナラを言いに」
「そうね。まさか引き止めに来たなんて、思ってないし」
清浦は俺と向かい合った。
「私が憎いでしょ?最後だから、好きなだけ殴らせてあげる」
「あえて憎まれ役か。憎しみは生きるエネルギーになるからな」
「…?」
それに、憎しみは片想いに似ている。相手の事ばかり考えてしまうから。
俺は清浦の左手を取った。
ナイフ傷はすっかり癒えていた。
「命懸けで俺を庇ってくれた清浦さんを、憎むはずが無いだろう」
俺は前かがみになり、清浦に顔を近付けた。唇と唇が触れ合いそうな距離
…で止める。
「…?どうして止めるの?」
「清浦さんこそ、なぜ俺を拒まない?」
「…!」
黒田も甘露寺も山県も、あの澤永でさえ、きちんと清浦を理解していた。
解っていないのは俺だけだった。
「清浦さんは…好きでもない男に、こんな事やあんな事をしないし。させない」
「……!!」
「俺、やっぱり清浦さんが大好きだ」
すると清浦に異変。肩を震わせている。
「どうした?」
清浦の目から、大粒の涙がこぼれ落ちていた。
「私だって!私だって田中を受け入れたかった!でも私は世界と伊藤の事が!
でも、二人はもうこの世に逝亡いし!私には田中だけだった!田中しか
いなかった!なのに私、田中に酷い事した!私、私…うう!」
その後の台詞は、もう支離滅裂だった。
こんな清浦は初めて見た。あの冷静で無表情な清浦が取り乱している。
ああ、そうか。俺の存在が清浦を苦しめていたのか。
だとしたら、出会いすら間違っていたのか。
それでも俺は清浦の事が…。
「もう、いいんだ。その言葉で救われたよ。こんな風に、清浦さんが俺の事を
見てくれるだけで、それだけで俺は満足だったんだ。これで笑ってサヨナラできる」
すると、清浦は俺に抱きついてきた。
「田中。私を連れて逃げて。そうすれば、ずっと一緒に居られるから」
「ああ。それも良いかも知れないな」
俺は清浦を抱きしめた。
427SINGO:2008/06/16(月) 02:19:09 ID:21uSBElu
《山県 2nd Turn》
榊野学園 中庭にて

あれは…田中君?
ベンチに座って、独りで物思いにふけってる。
「あの、田中君…」
私は遠慮がちに話し掛けた。
「ああ、山県さん。何か用?」
…え?
私は驚いた。田中君が、なぜか優しい笑みを浮かべてたから。
落ち込んでる田中君をどうやって慰めようか?と迷ってただけに、少し気
が楽になった。
(でも、釈然としない)
「えと、清浦さん行ってしまわれたんですね。…あ、ごめんなさい」
私ってば無神経。今更、判りきった質問を。

清浦さんがパリに転校したという話は、すぐその翌日に私の耳(とクラス中)
に届いてた。

「ああ。行ってしまわれた」
「これで良かったのかな…?」
「もし清浦さんが俺を逃げ場所に選んだなら、俺はその程度の男だった
という事だ」
「…?」
わからない。
「清浦さんは逃げなかった」
田中君の笑顔は、なぜか澄みきってた。短い時間で人の心の何が変わるのかしら?
依然として田中君の心には、ぽっかり穴が開いてる筈なのに。
「清浦さんは強い。誰かの支えなんて必要としない。だから俺は惚れたんだ」
よく判らないけど、田中君、立ち直ったみたい。良かった。
「田中君、本当に清浦さんの事が好きだったんですね」
「ああ。不器用な所も無愛想な所も、全部好きだ。これからも、ずっとな」
いいなぁ。私も一度でいいから、そんな風に誰かに愛されてみたいな。
「清浦さんが羨ましい」
私の呟きは、一陣の風にかき消された。
「実験は終わり。めでたく破局だ。ジ・エーンド」
「田中君。それ違うと思う。EndじゃなくてStartです」
「…?」
「このまま終わりだなんて、なんかシャクじゃないですか?だから、
サヨナラの後は、笑ってコンニチワです」


【破局に向かって】第三部
 〜The Start〜 
    完

 三部作 完結

428SINGO:2008/06/16(月) 02:21:07 ID:21uSBElu
終わりです。
なんとか完結(Bad End回避)まで、こぎつけました。
清浦母(と山県 甘露寺)がいなかったら、確実にBad Endでした。

私の田中Story【破局に向かって】シリーズは、これにて終了です。


【おふざけオマケStory】
清浦からのAirメールと同封写真を見て、俺は飲んでいた牛乳を鼻から吹いた。
♪ピンポーン♪
インターホンの音。
母「はーい。どなた?」
ガチャ。
?「ども」
母「あら、可愛いらしいお嬢さん。ウチの子の彼女?」

清浦「妻です」

         激終
429スクイズT:2008/06/16(月) 09:29:07 ID:KHV2Ilxu
>>428
完結お疲れ様〜

にしても田中逆レイプ…何となく想像できるから分かり易い〜

刹那ならやりそうって…処女ですよね〜すげー
何かそそるw
意外と田中のアソコは普通サイズ?
自信がない男にある傾向としては良いかもしれない

まあ最後はお約束ですよね〜



ただこれは別にSINGOさんに含むところはないが…アニメ準拠だとすると
この泰介は言葉をあれこれしたヤツかと思うと…
ちと個人的には許せないからなあ〜
泰介逝ってよし〜


まあ何にしても完結おめ〜でした
430スクイズT:2008/06/16(月) 10:09:30 ID:KHV2Ilxu
SchoolDays-T 8話a
某総合病院〜病室
山県さんはあれから3日位のペースでノートを持って訪ねてくれる
正直、パソコンも使えず携帯電話も使えない病院内では暇で仕方がない…
だから山県さんが訪ねてくれるのは凄くありがたいし嬉しかった…
勿論、勉強ばかりではなく近況を聞くのも楽しい時間なのだが…
ましてや学祭も近い為、その手の話には事欠かないが…

田中「え…伊藤が?」
愛「この前たまたま伊藤と同じ電車だたから挨拶しようとしたら…」
田中「ふ〜ん…西園寺と付き合ってるとばかり思ってたよ…」
愛「私も…だけどその西園寺さんが休みがちで…もしかしたら…」
田中「もしかしたら?」
愛「伊藤が浮気相手の桂さんに夢中になって〜それを知った西園寺さんがショックを受けて…
体調を崩したんじゃないかって女子達は言ってるんだけど…」
田中「4組の桂さんか…色々な噂がある人だけど伊藤と浮気か…」
愛「田中くんはクラス委員だから話した事あるの…桂さんとは?」
田中「う〜ん自分はないよ…桂さん…もしかすると男性が苦手かな〜とは思うけど…」
愛「え?!桂さんが?」
田中「まあ単に自分を見ると何か怯えているというか〜挙動不審になるから…
単に身体が大きい人は苦手と言う人かもしれないけどね…」
愛「田中くんが近くにいると凄いプレッシャーにはなってるかもね…」
田中「うわ〜非道いなあ…山県さん」
愛「ふふふ〜」

山県さんが帰った後、ベッドで寝ながらさっき話していた事を考えていた

4組の桂さん…ある意味データが足りない〜
噂は噂…どこまでが真実でどこまでが作り話か…
普段の喋り方のあれが普通なのか〜丁寧である意味、優等生…
だけど彼女の場合は嫌みになるかもしれない…あの容姿や体系…普通の女子からすれば…
だからやっかみも含むかもしれない…まあ単に対人関係に壁を作る典型的な
コミュニケーション不足に陥っている可能性もあるが…
何にしても情報不足…しかし伊藤と桂さんか…通学路が一緒とか?
もしかして学祭実行委員会で知り合って…の可能性もあるかな?
うむ〜伊藤…二股かけてるのか?
何にしても俺が口出ししていいことではないから…
こういう事は当人同士の問題だからな〜にしても清浦さんはこの事を知っているのか?
などと考えながら時間が流れていく…

それから二週間後…
すでに足も完治して自宅療養中…
431スクイズT:2008/06/16(月) 10:11:47 ID:KHV2Ilxu
SchoolDays-T 8話b
本来学祭にも参加できたが担任や部活の顧問の先生、先輩達からは
学祭が終わるまで大事をとって休めと言われている…
秋の大会に参加できない為、冬の大会までには調整を終わらせて
更なる活躍を期待されているようだ…

ちなみに今日は学祭最終日…今頃、後夜祭も終わった頃だろうか?
パソコンの画面では山県さんからのメールを読みながら送付された学祭写真を見てると
楽しそうな雰囲気が伝わってくる…

…と不意に携帯が鳴る…時計を見るとすでに23時を過ぎていた…
慌てて履歴を見ると…
田中「え?!清浦さん?」驚く俺はすぐに携帯に出る!
田中『清浦さん!こんな時間にどうしたんですか?』
刹那『ごめん…こんな時間に…今、大丈夫?』
田中『はい!大丈夫です!』
刹那『頼みたい事があるの…』
田中『え?!何ですか?』
刹那『…私…パリに転校するの…』
田中『!…え…転校?…だって夏の時は…』
刹那『うん…あの時は単に遊びに行ったの…
パリ行きが決まったのは二学期が始まって暫くしてから…』
田中『そ、そんな…なんで…』
刹那『みんなに気を使わせたくなくて…せめて学祭まではと思って…
黙ってたの…ごめん…』
田中『…そうなんで…すか…』
刹那『それで頼みたい事なんだけど…私の代わりのクラス委員を…
山県さんに頼んだから…それのサポートを頼みたいの…』
田中『…山県さんは了承してるんですか?』
刹那『さっき話していた…山県さんと…彼女は引き受けてくれたから…』
田中『わ、わかりました…で何時出立するんですか?』
刹那『明日…』
田中『え?!それはまた急ですね!』
刹那『お母さんはもう先に行ってるし〜ぎりぎりまで粘ったの…』
田中『そ、その…寂しくなりますね…』
刹那『ありがとう…』
田中『パリに行ってもお元気で…』
刹那『うん…パリの空から田中がオリンピックで金メダルを穫るのを楽しみにしてるよ…』
田中『…それは…また凄いプレッシャーが…』
刹那『ふふ…頑張れ田中…』
田中『うっす!』
それから明日見送りに行くと約束して電話を終えた…
ふと虚脱感が身体を覆う…清浦さんが転校する…余りにも突然すぎて実感が湧かない…
でも携帯の履歴を見ても清浦刹那の文字がハッキリと…
そして暫しの虚無感の中…何故こんなにも哀しいのか…気付いてしまった…
俺は…清浦さんの事が…

8話「祭りの後…」完
432スクイズT:2008/06/16(月) 10:17:30 ID:KHV2Ilxu
8話です〜
さてクラスの人達から見た誠、世界、言葉の話を考えてみました

まあ普通は世界と付き合っているようにしか見えない…
刹那ですら実態がわからなかった訳ですからね〜
勿論これはゲームのあるルートの話ですので…ピンとくる方もいるでしょうが…
もう少しお付き合いお願いします〜
ではまた〜
433名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 11:22:27 ID:21REh/CW
>>428
ぅぉまたひっくり返すか 素晴らしいGGJ
個人的には空港で攫って逃げて欲しかったけど
(だって刹那も弱いって思うしさ)んでトイレでも連れ込んで(自粛

>>432
田中の情報収集の過程と遅ればせながらの自覚GJ
次の展開が楽しみです

なんか愛にへんなフラグを感じるのですが
感じなかったことにします
434名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 14:28:27 ID:H2URXCGk
>>417
ずいぶん具体的かつ強力な電波を受信したな。

泰介が誠をレイプしてもレイパー市ねとか言われはしないな。
どうせならそれが原因で妊娠→堕胎とか。
堕胎はスレが荒れる危険あるが、誠ならOKだと思う。
435名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 17:42:28 ID:mGZ0KvK6
泰介が女誠をヤったら
泰介はレイパ-からレイピストに進化する
436名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 13:58:18 ID:20soiICZ
>>434
誠堕胎か。ある意味すごいものになりそうな・・・。
437SINGO:2008/06/17(火) 22:07:05 ID:qQ2//Bef
》スクT様
田中キター♪
CryMAXに突入!
(↑字が違う)
田中、正念場。刹那のパリ行き、断固阻止せよ。
…にしても、山県が委員長(でも代理)とは。
悪いとは思いつつ、そのネタ、パクらせていただきました。お陰でウチの
田中、Bad End回避♪


書き終えた後で気付いた事。
田中の初めてが逆レイプ。清浦の、人を愛せない病。コレって私自身に
準じてる所がありました。
しかも、相手を愛せるか実験は、私の妹がリアルに実行済みだし。(出した答はNO)
道理で、書いててデジャブを感じたわけだ…。
GameなりSSなり、スクイズってのはフィクションの一言で片付けられない
モノだと思いました。
438SINGO:2008/06/17(火) 22:08:27 ID:qQ2//Bef
誠のセクス・チェンジって、こんな感じ?

その1
泰介「真琴、好きだ!俺と付き合ってくれ!」
真琴「泰介、お前の気持ちは嬉しいけど、俺は美しい者しか愛せない」 
泰介「拒む所、そっちかよ!」

その2
泰介「頼むよ。俺、桂さんにフラれて、女性不信なんだ。普通の女じゃ勃たないんだよ」
真琴「ふーん。それで黒田と付き合ってるのか」
光「ねえ、二人とも。蹴っていい?」

番外
内緒で、隠れて世界の服を試着した誠。
でもバレる。
世界「真琴のバカー!ウエスト、入ってんじゃないわよ!」
真琴「怒る所、そっちかよ!」

まあ、泰介のポジションって、どうあってもレイパーなのね。
泰介、逝ってよし。帰ってくるな。
439woodchuck:2008/06/17(火) 23:20:31 ID:5oTtf54H
「おにいちゃ?」

夏休みに入ったばかりのある日の朝
いたるが僕の顔をまじまじと見て不思議そうにしている

「ん?どうした?」
「おにいちゃ・・なんかちがうね おかあさんみたいだね」
「おかあさん?」

どういうことかわからず
いつものように洗面所に向かい愕然とする

(うわぁぁぁぁァァァァ)

横でいたるがつぶやく

「やっぱりおかあさんみたいだね」

・・・・・・ふにふに・・・・・・ぁっ

思わず触って確認してしまう
確かに母さんみたいだな体型だった
髪も一晩でかなり長くなってしまっている
これではいつものように服に着替えようにも
さすがにあらぬところが透けて見えてしまう
いつもなら小躍りして喜ぶような事態だが
さすがに喜べない

(どうしよう・・・)

いたるは横で喜んでいるとしか思えない

「おにいちゃ きれいだねぇ かわいいねぇ
 髪の毛結ぶともっとかわいいかな?」

のん気に喜んでいる
普通にTシャツ姿ではどう見ても下が透けてしまいなんともならない
もう初夏だったけれど重ねて厚手のシャツをみにつけジーンズをはく
そんな姿なのに腰つきは丸く、女を感じさせる

「とりあえずはこれしかないか・・」
髪をすき、いたるの髪留めを借りて軽く止めると

「おねぇちゃ?まことおねえちゃだねぇ」
いたるはさらに喜んでいる

母さんは学会に参加するために留守だ、数日は居ない
しかも海外・・・・最近は看護師でもそういったところに行くらしい
なんと間が悪いんだろう
誰に相談するか迷った挙句、泰介に連絡をすることにした
泰介なら乙女や愛に相談するよりはましだろうし
最悪あそこなら・・・美紀姉がいる

そう考えたわたし(私???)は携帯電話を手に取るのだった

_____________________(メタモルフォーゼ?/いつかに続く)

出来心です なんかカフカの変身みたく朝起きたらってのを想像 >誠の女体化
440名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 23:22:18 ID:5oTtf54H
>>438
番外 最高
441スクイズT:2008/06/18(水) 12:51:12 ID:mYG9L7Rm
>>437
山県が委員は誰でも考えそうだし…3組の女子で名前付きで頭が良いのは彼女だけだし…

パリ行き阻止でっか?

田中に?

誠ならいざ知らず田中に果たして?
それこそ泰介じゃないがレイパーにでもなって刹那を力ずくでモノにでも…
してもダメだよな〜
逆にどうやれば刹那をパリ行き阻止できるか?
誰か教えてください(^^;)


スクイズって実際にある恋愛経験の強烈な部分が印象強くなるからね〜
そんな事言えば私は誠死ねは言えません〜世界死ねも…
だって自分は恋人がいたのにずっと友達だと認識していた人に告白されて彼女を捨ててその子と付き合いましたからね

さて次は9話〜空港編ですが…SINGOさん…あんまし期待しないでください


では〜
442mark:2008/06/18(水) 13:35:58 ID:hNkAZWfL
>>437
>>441
やっぱし意識せずとも、書き手の人生・恋愛観とかって出るものなんですかね?
私は人を好きになった時期はありますが、今となっては記憶の彼方…… 以前
淡々とした描写だという感想をいただいた事もありますが、ワールドやキャラを
無意識のうちにかなり突き放して見ているからでしょうか?

私自身が恋愛というものをあまり信用していない部分もあるのかもしれませんね。
その癖さびしがり屋だったりで、なんか最初期の誠や言葉に近いかも。
まあこの手の事は考えるほど、矛盾を起こし精神的にはよくないんですが……

ともかく、スクイズT氏やSINGO氏には頑張ってほしいのと、
新たな書き手が新風を吹かせてくれる事もこうご期待中です。
443名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 14:23:29 ID:+kYX3bqU
>>441
遠くの憧れより近くの友達(イミフ 

>パリ行き阻止

SINGO氏田中とは関係が違うので整合性が取りにくいですよね
ただ田中と関係のないところでのブレというのはありうるかも
たとえば世界の心が相当に不安定な状況があれば
刹那がパリ行きを取りやめずとも延期とか・・
いやそれだと早期には収拾がつきませんね 失礼いたしました
444名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 14:48:19 ID:tgObzw6Q
いっそ主要キャラ全員性転換だな。
445名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 16:49:58 ID:BVAD9KNK
それで「みんなの誠」
公衆便所か
446SINGO:2008/06/18(水) 18:56:51 ID:/6FJUdQm
>>444
誠の3サイズ、上から88・58・92
泰介も同様。
リアルにナイスバディ。
しかも泰介は長身なのでモデル並。
てか女性陣たちよりも腰細い。
447名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 08:58:27 ID:gSx8e1My
俺には女誠女泰介とヤるのは無理だ…
448スクイズT:2008/06/19(木) 12:52:48 ID:2ktWNdqd
SchoolDays-T 9話a
成田空港〜ロビー
俺と山県さん伊藤に黒田さんが見送りに来ていた…
甘露寺さんは部活、澤永は用事があるらしく…
西園寺さんも…来ていないようだ…
清浦さんは別れは済ませたから…と…寂しそうに話した…
でも清浦さんの顔には何かスッキリとした…何か吹っ切れた表情が覗かれる…

刹那「世界の事、お願い…」
光「うん〜任せて…元気でね〜刹那!」
そう言うと泣きながらお互いに抱き合う
誠「ア…き、清浦…その元気でな…世界の事は…」
刹那「うん…お願い…」
誠「…ああ…」
伊藤の顔には何かスッキリとしない…釈然としない表情が見られる…
さすがに二股かけててはハッキリとは返事できないかもな…
愛「清浦さん…頑張って代わりを務めますから…お元気で…」
刹那「急なお願いでゴメン…あとは田中がサポートしてくれるから…」
愛「はい…」握手する2人…
刹那「田中…お願いね…」
田中「はい…任せて下さい…あ、その〜」
刹那「うん?」
田中「…お元気で…」振り絞るように声を出す…
刹那「うん…約束だよ〜頑張ってね〜」小指を差し出す…
田中「はい…頑張って金メダル穫ります!!」自分も小指を出して指切りする…
さすがにその発言に回りの反応を見ると驚いていたが…
誠「田中なら不可能じゃないかもな〜」
光「だね〜」
愛「ですね…」

刹那「みんな…短い間だったけど…楽しかったよ…さようなら…」
Vサインを出して目には涙を溜めながら笑顔で微笑む清浦さん…
みんなはそれぞれ手を振りながら清浦さんは背を向けて飛行機に向かう…
そして飛行機は離陸して遥かパリの空へ旅立っていった…
伊藤と黒田さんは用事があるらしく2人で一緒に帰っていく…
あの2人…いつからあんなに仲良くなったのか?いつもは犬猿の仲で有名なのに…不思議だ…

山県さんも伊藤達と帰っていた…
俺はお腹が空いたから何か食べて帰ると言いみんなと別れたが…
当然嘘である…パリに旅立った飛行機が消えた空を1人眺めていた
結局言えなかった…いや…言わなかった…やっと気付いた俺の心は…
俺は清浦さんが好きだった…でもそれは好きは好きでも…
親愛と言うべきか〜彼女には母を求めていたのかもしれない…
勿論、俺の母親は健在だ…でも
小学生の時から母の身長を越えてた俺を母は怖がっていた
だから俺を怖がらない清浦さんを好きになっていったのかもしれない…
449スクイズT:2008/06/19(木) 12:53:26 ID:2ktWNdqd
SchoolDays-T 9話b
だから清浦さんには感謝している…
あの入学式からの一連の出来事がきっかけでクラス委員をする事になり
柔道への復帰もできた…清浦さんがいなかったら俺は
まだ暗い道を迷走していたかもしれない

…どれだけここで空を見ていただろうか〜
本当にお腹が空いてきたから遅い昼食を食べに行こうと
出入り口へ向かうと…

田中「山県さん…どうして…」
そこにはさっき帰ったばかりの山県さんが立っていた…
愛「清浦さんの事…吹っ切れた?」
田中「?!〜適わないなあ〜山県さん…バレバレですか…」
愛「うん〜バレバレだね…」
田中「そうか…ははは………あ〜山県さん、お腹は空きませんか?」
愛「空いたかも〜」
田中「一緒に食べに行きませんか?」
愛「うん行きましょう…」
今は山県さんの気遣いが嬉しかった…
明日はいよいよ学校へ復帰、約束を守る為…今は前進あるのみ…

9話「清浦さんの旅立ち」


さて後1話で終われるか〜まとまるのか?
最後は少し長めな話に〜まあ大した話ではないので…
では〜また…
450名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 15:54:23 ID:mYn0F9vT
>>449
愛ふぁんの私にはとても嬉しい展開 
さらっとすっきりした読後感がよかった回でした
いつも最後のコメントとその回の展開から次を『読んで』
楽しみにしている部分があるのですが
今回はかなり難しいです 
伏線?隠し玉が3つほど見えたのですが
どれを選ばれるのか選ばないのかまったく読めません
それゆえに次回への期待度はいつもの数倍に跳ね上がっています
楽しみにしてます

GJ 
いつも思うのですが
評価の際GJ以外(以上)の言葉ってないものでしょうか
慣例なんだとは思っていますが ときどき考えます 
451名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 03:44:52 ID:mZ4bUvPS
リスペクトする
452名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 03:52:17 ID:jD3VOHB1
>>450
では褒めの描写を尽くせ。

ま、あんまり褒めすぎるのもよくはないんだが。
453名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 13:51:21 ID:BiIyCRyp
>>451
頻回に使えることばでもないよねぇ
>>452
結局それか
言葉を尽くすのがよいよね
でもわかった
ありがとう



そういや他スレみてきて思ったんだけど
このすれって『エロ』殆どないよね
需要ってあるものなのかな

0)分岐スレなんだから関係ないえろなんていらん
1)萌えこみ微エロ (自分はこの程度ならと思って書いてる)
2)萌えよりエロ えろ描写がんばらんかい!
3)最初っから最後までエロが王道 どこまでも突き進め

なんかエロ方面に手を伸ばしてみたいと思いつつ
需要がないならまぁいっかと投げやりな今日この頃
キャラを汚す側面もあるからなぁ
言葉のレイプ描写なんてのは皆が即死するかもしれないけど
エロ素材としては大トロなのは間違いがないわけで
やっぱり禁断の果実なのかな・・
3バカ4PSSの話題が本スレででてて
落とすならここになるんじゃないかと思ったのが質問の発端
454スクイズT:2008/06/20(金) 14:47:57 ID:0J51HsQ3
>>450
ありがとうございます〜
そしてそうですね〜隠し玉ですか…
まあ田中の物語ですからね〜元来自分がこの話を書こうとしたのは
あのスクイズの世界の連中が誠や世界、言葉の関係をどうみていたのか?
だから話の節々を見ればこの田中の視点でどのルートに進んでるかは
わかると思うし〜まあでも隠し玉か…
勿論用意してありますからお楽しみに…

>>453
実際エロ書く人が少ないけどどんどん書いてもいいんでは
自分もいつかチャレンジしてみたいし
昔アニメの光が何で誠と関係を持ったか考察SSぽいのを書いた事があって
それにエロを加味してみたいとは思うけどね
455名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 15:40:27 ID:mZ4bUvPS
かつてはエロ結構あった気がするんだが、
最近シリアスなサイドストーリーが増えてなくなった気が…
個人的にはエロ大歓迎、ただ陵辱はイヤ
456名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 16:20:35 ID:BiIyCRyp
>>455
うん 1の開始時や他からの移植分には結構ありましたよ
でも2以後はほどなく消えてたから
現行えろナシ萌えはかなりあるので
イチャ路線ならいいかなとは思ってたんだけど

やっぱり陵辱系はイヤですか
そっか
うん
457名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 16:21:50 ID:BiIyCRyp
>>454
そちらについても期待
あげにくければ本拠地でも〜 お待ちしています
458名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 17:18:59 ID:xt6cMPK6
みなさん、GJ
もう471キロ行ってるね。

暫くしたら次スレも視野に入れていかないと
459名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 22:47:48 ID:zSb2aXzq
>453
>落とすならここになるんじゃないかと
ここに落とせるものなら、落としたいんだけどね…
メインがPink規制の巻き添えであと1ヶ月以上は使えず、
アニメスレへ自粛気味に落としてる有り様さorz
460SINGO:2008/06/21(土) 10:23:05 ID:Ff/u4vSe
》スクT様
田中、グレイトっ。
原作のルートを変えることなく、ここまで田中を脚色脚本するとわ、流石の一言ですな。
ふむ。嫉妬すら感じました。


》エロ
よく判りませんが、誰かが先陣きって投稿すれば、感染的に拡がるのでわ♪
リクエストしてみるのも、手です。
田中ファンの私は…ヤバイ。田中を逆レイプする刹那しか思い浮かばん。
461名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 16:50:32 ID:gMwuJpWW
もうそろそろ次スレか?早いな。
462スクイズT:2008/06/22(日) 00:54:24 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話a
愛「清浦さん、元気にやってるのかな〜」
田中「あの人は…大丈夫だと思う…」
2人で明日クラスのみんなに配るプリントを纏めながら話していた…

清浦さんが転校してから1ヶ月が経った…
田中「もうすぐ期末だよね…また週末、図書館にでも行く?」
愛「うん〜そうね…田中くんは部活は?」
田中「土曜日は練習試合があるけど、その関係で日曜は休みだよ」
愛「それじゃあ日曜日に榊野図書館で…」
田中「了解…」
わざわざ山県さんは榊野町まで来てくれる…
気を使わせてしまうのが心苦しい…

もうすぐ期末…そして冬休みに入ってクリスマス、大晦日、正月が来る
しかし部活はそんな時にもある…流石に大晦日と正月三が日は休みだが…

とにかく清浦さんが旅立ってからはクラス委員と部活に忙しく
以前は何かと気にかけていた伊藤とは疎遠になっていた…
勿論同じクラスなのだから挨拶程度はするのだが…
ちなみに噂では二股に決着が付いただの…
実は別に女がいて修羅場が起きただの〜
同じクラスだがいつも一緒にいるグループが違う為か全く話しもしなくなる…
だから春が来て二年生になって別クラスになると更に会わなくなった…
逆に山県さんとはずっと同じクラスな為かクラス委員も一緒…
結局、時たま偶然すれ違って挨拶したぐらいで気がつけば3年生になり
あっと言う間に時が経って高校も卒業する事に…

お互いに違う大学に進学が決まり卒業式は山県さんとの別れを惜しむように話をした
田中「山県さんはやっぱりお父さんと同じ仕事を目指すの?」
愛「うん…そのつもり…田中くんも大学は柔道で有名なところだよね〜」
田中「ですね…また忙しくなりそうですが…頑張ります…
山県さんも頑張って下さい〜」
愛「元気でね〜またメールするね〜」
田中「はい…お元気で…」
そう言ってお互いに夢を追いかける為にそれぞれの道を歩き出す…

大学に入ると山県さんと会う機会は減ったけれど…
メールや電話で近況を語ったり悩みを話したりと変わらない関係だった…
そして…

成田空港〜ロビー
愛「お見送りありがとう…」
田中「いえ…あの…その…」
愛「私ね…田中くんの事、絶対忘れない…だから…だから…」
田中「…山県さんも頑張って…」
山県さんは留学する…本人の話だと日本には数年は帰らない…と…
飛んでいく飛行機を見ながら止められない自分を悲しんだ
463スクイズT:2008/06/22(日) 00:55:12 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話b
勿論、彼女が留学するのを相談したのは一度や二度ではない…
山県さんも迷っていた…夢の為に…日本を離れるか…それとも別の道に進むか…

でも…俺には彼女を止められなかった…お互いに夢がある限り…
俺にはオリンピックで金メダル…柔道世界一になる事…
彼女にはお父さんと同じ仕事をしたい…という夢…

「夢」と「恋愛」…
この2つを手に入れる男女は果たして世の中にどれだけいるのだろうか?
どちらかが夢を捨てて初めて両方叶う…もしくは…
彼女がもし好きな人と結婚する事が夢ならば事は簡単なのだが…
山県さんは俺との道を交差する道には来なかった…
勿論、俺に彼女との関係を進展させてより密接なものであったなら…
あるいは…
でも俺には彼女の夢を壊してそれを補う程の包容力も決断力もなかった
だから引き留められない…もし引き留めたら彼女は夢を諦めて…
いつか…後悔する時がくるかもしれない…
だから俺達は夢をお互いに掴む事を選んだ…後悔はない…後悔は…
そんな事を思いつつ…いつまでも飛行機が飛び去っていった方向を見て
今は彼女の夢の実現と幸せを祈っていた

さらに時は流れ…
大学を卒業して社会人になって柔道のクラブがある企業に就職…
ただ怪我やつまらないトラブルに巻き込まれてオリンピックへの出場は二度失敗…
しかしチャンスを待った…地道に練習を繰り返して少しずつ問題をクリアしていく…そして…


記者会見…
記者A「力業で相手を押しまくる重戦車と名高い田中選手ですが…
今回の余りに違う戦い方に相手が戸惑っていたように思えましたが…
あれは作戦なのでしょうか?」
田中「あ〜はい!そうですね…作戦です〜
自分はずっとパワー柔道しか試合では使わなかったですから…
オリンピックまで温存してました…」
記者A「では田中選手の作戦勝ちなのですね〜」
田中「はい…」次々と質問の嵐だったが…
記者B「田中選手…この喜びをまず誰に伝えたいですか?」
田中「そうですね…実は自分は一時期柔道から離れていた事が
ありまして〜そんな自分を励ましてくれて柔道へ復帰を助言してくれた…
清浦さんに…言いたいです…あと山県さんにも…
私にとってかけがえのない友人達です…」
そう言いガッツポーズをとるとフラッシュの嵐が降りかかる…

そうあの清浦さんとの約束から10年の歳月をかけて実現した…夢であった…
464スクイズT:2008/06/22(日) 00:55:55 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話c
記者会見場〜控え室
記者会見が終わり控え室に帰ってくるとやっと1人になった…

夢は叶えた…
しかし次の…俺の夢は何だろう?
また次のオリンピックでの二連覇?
それとも…引退して普通の人としての幸せを求めるか?

あるいは…山県さんを追うか?…今更かな…

まあ考える時間はいくらもある…慎重に決めようと考えていた…

ノートパソコンを立ち上げるとメールサーバーに接続する…
高校時代から使っている知人しか知らないメールを確認する…
高校時代の顧問の先生、先輩、後輩、元クラスメート…
大学時代の顧問、先輩、後輩、同級生…会社の同僚など…
両親、親戚の従兄弟などからも励ましのメールがきていた…そして…
田中「山県…さん…」
早速開くと〜
『オリンピックでの中継見てたよ〜今じゃネットでリアルタイムで
観られるから…そして金メダルおめでとう…
長い道のりだったよね…もうあれから10年経つのね…
私の方は元気でやっています…!
近いうちに一度日本に帰るので逢いたいです…ではまたね〜山県愛』
田中「そうか…近いうちに…か…」
更に見ていくと…
田中「あ…この名前は…」
登録してあったメルアド…すでに10年前のものだが…まだ使っていたらしい…
田中「清浦さん…」すぐに開くと…
『オリンピック優勝おめでとう…
田中君の事はニュースやスポーツ誌に載っている記事等で知っていました
家族共々、応援しています〜特に息子の一誠10歳は田中君のファンですので…』
息子?…清浦さん…結婚したのか〜そうか息子さんがいるんだ…
『うちの旦那も田中君の活躍を見て懐かしんでいます…
もし近くに来る事があったら遊びにきて下さい…伊藤刹那より…』

伊藤?…送付されている写真を開くと…
田中「伊藤?…誠?…旦那が?…そうか〜清浦さん…伊藤と結婚したんだ…
伊藤の奥さんになったのか…はは〜伊藤はあんまし変わんないなあ〜
清じゃない刹那さん…顔や髪型が大人だな…10年経つ訳だ〜
って息子デカ!…うむ?何だこの子…何歳だ?何か随分大きいような…」
ふとメールある一言に…『息子の一誠10歳は…』
田中「10歳!?…え〜と…刹那さんが…高校生で一誠くんを?」
ふとあの成田空港での事を思い返す…
田中「まさか!もうあの時には子供が?…だから伊藤はあんなに落ち込んでいたのか!
西園寺さんが来なかったのは…まさか!!」
465スクイズT:2008/06/22(日) 00:56:37 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話d
エピローグ〜
オリンピックが終わり日本に帰ってきたが…
なかなか金メダルを取ったとなると色々なしがらみがついて回るらしく…
伊藤家へ遊びに行く時間がなかったが…
それでも刹那さんには連絡して色々な話はしていた…
田中『じゃあ…パリに行く前にはお腹に一誠くんが?』
刹那『うん〜そういう事…』
田中『西園寺さんが見送りに来なかったのは…まさか伊藤との間がバレて?』
刹那『違う…けど…結果的には世界とは暫く…口聞いて貰えなかったけどね…』
田中『そうだったんですか…《今は仲直りした訳か〜》』

ふと砂浜で刹那さんとの電話のやりとりを思い出す…
ほぼ10年振りの原巳浜の砂浜…伊藤家へ遊びにお邪魔する前に立ち寄った…
田中「変わらないなあ〜ここは…」
ここで伊藤に会って刹那さんに会って山県さんと会った…
あれがなければ…と感慨に耽っていると…
?「やっぱりデッカくて大きいね〜田中さんって!」
田中「うん!?…」
突然名字を言われ振り返ると一瞬そこに立っていたのは…
田中「清…刹那…さん?」
赤いリボンを付けた刹那さんが立っていた〜しかしふと気がついた
田中「《確か…今は髪型は違うはず…》え〜と何か用かな…お嬢ちゃん?」
よく見ると刹那さんにどことなく似ていて…
しかし容姿は全く刹那さんに似ず身長も高い…胸も大きい…
とにかく街角で見かけたらつい目を引くタイプの女の子〜
でも何か引っかかっていた…昔…会った事があるような?
?「さすがにやっぱり覚えてはいないか〜10年前だし…」
ふと不機嫌な雰囲気を醸し出していたが…何かを思い至ったのか〜
?「これなら判るかな?」
と言って両手で髪の毛の根元で束を持って俗に言うツインテール…って
田中「あ〜止ちゃんか!」
止「へへ〜よかった名前は覚えてくれてたんだ…」
さっきの不機嫌さはなくなって途端にニコニコしだして…
田中「《間違いない…止ちゃんだ…》大きくなったね…ん!今、高校生かな?」
止「はい〜榊野学園ですよ…田中先輩!」
田中「そうか〜あれから10年経ったんだな…」
止「ですね〜田中先輩!」
田中「ははは〜何か照れるよ…そうか…後輩ね…」
止「ふふ〜あれそういえば先輩はお兄ちゃんに会いに来たんでしょ?」
田中「ああ、ちょっと伊藤家にね〜来るのが早かったから…
時間潰しでここにいるけど〜止ちゃんは?」
止「先輩を迎えに…」
466スクイズT:2008/06/22(日) 00:57:36 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話e
田中「え?!」
止「…と言うのは違ってただの散歩です〜だから先輩と会ったのは偶然ですよ〜」
田中「止ちゃん〜先輩は何か馴れないから田中でいいよ…」
止「あ…はい…田中さん〜その…まだ時間ありますよね」
田中「あ〜ああ…」
止「あの〜お願いがあるんだけど…聞いてくれますか?」
田中「うん…何だい?」

止「重くないですか…」
田中「だ、大丈夫…だよ…《重くはないんだけど…スカートじゃないからって油断した〜
まさか太ももがここまでダイレクトに…ホットパンツで肩車…恐るべし!!》」
止「どうかしましたか?田中さん?」
田中「いや!!何でもない!何でもないよ〜《うわ〜あんまし動かないでくれ〜
ってか止ちゃん…警戒心無さ過ぎ!太ももが締め付ける〜別の意味で地獄だ!》」
と1人悶々と天国と地獄の狭間を味わう…
しかし止は無邪気に話し出す…
止「やっぱり田中さんの上から見える景色はあの頃のままなんですね〜」
田中「へ?!」
止「何故か覚えているんですよ〜私が散歩しててもいつもこの景色は見られないのに…
田中さんが肩車してくれたこの景色は…あの時のままなんだ…」
田中「止…ちゃん…?」
暫く止ちゃんは懐かしそうに遠くの景色を見ていた…俺はまだ悶えていたが…
止「でもこれで夢が一つ叶いました〜ありがとう田中さん…」
田中「はは〜そ、そりゃ〜よかった…って夢?」
止「はい!…私…ずっと憧れていたんですよ…お兄ちゃんと…せっちゃんを…」
田中「《せっちゃん…ああ刹那さんの事か…》」
止「一誠くん産んだ後、簡単に身内だけで結婚式やったの…
その時、お兄ちゃん…せっちゃんをお姫様ダッコして…
今でも覚えてるんですよ…あの時の事も…」
田中「…」
止「だからいつか…絶対私を軽々と持ち上げてくれる人に巡り合いたい
…って夢なんです…」
田中「へぇ〜そうなんだ…」
既に冷静な判断ができなくなっていたが…
田中「え!今なんて?」
止「ああ〜聞いてない!田中さんってば!!もう非道いんだから〜」
そういうと肩車したまま上で暴れる止ちゃん…
田中「ごめん!」
止「もう知らない!田中さんなんて!」
というが一向に降りようとしない…
田中「いや〜その…あの…」
精神的にグロッキー状態の俺は股間の分身を宥める事に神経を集中する…
止「田中さん〜罰として走ってください!」
田中「はひぃ〜」
467スクイズT:2008/06/22(日) 00:58:18 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話f
もう何が何やら〜判らないまま夢中で走る…
そして…

止「あ!?田中さん大丈夫?」
田中「ほげっ!へ?!何だ?」
止ちゃんの顔が目の前に!
止「ごめんなさい!田中さんがフラフラになるなんて思わなくて…」
話を聞くと途中で走るのを止めて止ちゃんを抱き上げて地面に降ろすと…
そのまま倒れたらしい〜止ちゃんは俺が気がつくまで膝枕してくれたようだ…
止「ごめんなさい…」
田中「ちょっと立ち眩みしただけだから…気にしないで…」
止「ごめんなさい…」
田中「ああ〜泣かないで…もう元気だから!ほら!!」
立ち上がると体操しだす俺!
止「うん!」
満面な笑みで答える止ちゃん…
田中「あ…しまった時間が過ぎてる…止ちゃん行こう!」
俺は無我夢中だったのか?止ちゃんを抱き上げて…
田中「行くよ!止ちゃん!」
そのままお姫様ダッコで伊藤の家に走り出す!
止「はい!」
砂浜を全力疾走で走る田中の首に手を回して止は叫ぶ!
止「いけー田中さん!」

最終話「10年目の肩車」完



まず山県ファンの人ごめんなさい!
最初は田中と伊藤の家に山県が彼女として行くラストだったんですよ
ところが…何故か山県は夢に向かってしまい…
あの夏休みがいけなかったかな〜と
田中と山県の2人はあれで友情の方が強まってしまい
男女の仲になれませんでした〜

次はいたるファンの人ごめんなさい!
あの夏休みの出会いでいたるは田中へのフラグが立ってしまい
最後はあんな感じに…まあ田中みたいなタイプって求められる異性でないと幸せになれないのではないかと…
ちなみに10歳差…のつもり〜奥手な田中に積極的な止…
ああ何か期待を裏切った気がする〜本当ごめんなさい!

はあ〜やはりノリだけで話を追加すると…反省です
ちなみに皆さん気がついてるとは思うけど…この田中主人公の話では
世界と言葉が出てないですが〜勿論意識して出しませんでした
理由は田中にとってあの2人はいなくても構わない存在なんです
彼にとって自分を受け入れてくれる人の事が大事なので
だからあえて出しませんでした
ルートも最後はババロアか肉欲のどちらかを経由の通称「妻ですエンド」事〜西瓜の後日談となります
あと子供の名前をwoodさんのSSから拝借しました〜事後承諾になりますが後でブログにて…

さて次は何書こうかかな?
ではまた〜
468名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 09:40:21 ID:/kgkcu0U
>>467
読後爽快感max

>田中と伊藤の家に山県が彼女として行くラスト
でも、いたるの方がいいですよね 意外性と未来を感じさせる
いやぁさすがの隠し玉宣言ですGJ

山県ファンですけど
比べるならコッチの方がいいと思いますです うん
もちろん山県エンドでも別の味付けはあるのでしょうけれど
469名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 09:47:40 ID:/kgkcu0U
今スレでも職人の皆様&読者の皆様
お疲れ様&ご愛顧ありがとうございました

・・・・・ということで480kB越えましたので次すれ立てときました
こころたんバージョンです

では(Dat化)時間一杯まで力作をご堪能なさってください
早梅はしないでね

↓↓↓次すれ

スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214095427/l50
470名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:14:41 ID:Rpn+SDYK
書き手さん紹介を作られた方へ

形式を似せて
part5からの新規参加の書き手さん紹介を加えました(part6の方)
勝手おゆるしください。
471名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 09:50:47 ID:BOfl7RD8
わからない
相変わらず設定・展開ともにわからないのだけれど
そのわからなさ加減が妙に面白い、惹かれるものがある
「わからないけど面白い」ジャンルなんてあるのかどうか知らないし
個人の好みという点では絶対的に別れるとは思うのだけれど
自分にはやはり「おもしろい」
再確認した
472woodchuck:2008/06/27(金) 15:36:38 ID:N2rF+uhH
以前ちょっとお聞きしたグロ系作品
スレも最後なので丁度いいかなと思い投下することにします
(ぶろぐにあげたときは不評だったので穴埋め代わりのつもりです)
拒否感のある方は回避推奨します

 『堕天使たちの午後』
______________________

出演:ある法医学者(警察協力医)と、その助手
場所:大波良市立医大法医学教室剖検室
時間:12月26日午後
特殊:グロあり 耐性のない方は読まないこと
______________________



ご遺体の彼
名前は伊藤 誠・・・
担当の警察官より渡された現場の状況などの報告書
そこにはかつての同僚の名前も記されていた

元同僚の子供
彼女が妊娠したと聞いたとき
頭を叩きつけられたようなショックを受けたのは覚えているが
まさかこんなことになるとは思っていなかった

彼女に振られ
臨床から逃げるように立ち去り
母校の法医学教室に戻ったのはもう・・・
そうか・・・17年になるってことか

「故人に向かい黙祷・・・」

助手と二人頭を垂れて黙祷をささげる
普通はお顔に向かって一礼し拝むところだが
その顔が無い 頭部が離断された異状死体で見つかったのだから
仕方なしに首の部分にそれを行う
報告にきた警察官によると
まだ頭部は発見されていないとのこと
助手に向かい
いつものように所見を述べ始める
473woodchuck:2008/06/27(金) 15:37:01 ID:N2rF+uhH
「頭部は切断されて存在しない
 切断面は疎、不整、生活反応は見られない
 創面は削られたあとがあり頸部脊椎には波紋状の切断面あり
 おそらく鋸歯(キョシ)による切断と思われる
 詳細は後に計測の予定
 血液のしゅう下は背面のみ
 右前腕外側に防御創とおもわれる切創複数あり
 1・2・・・
 背面の刺創一箇所以外は胸部、腹部の前面に刺創が多数認められる
 1・2・3・・・・・・・
 創縁はすべて整、
 3番の創縁のみ一部不整あり
 創端はすべての創で抹消側が鋭、頭側が鈍
 大半に生活反応を認めるが5・9・11・13・・
 これらには認めず 」

助手のメモをとる鉛筆のすべる音だけが
狭い部屋の中に響く
時折確認をする彼の行動がもどかしい

「ゾンデ、メジャー」

すっと渡される

「創口の計測を始める
 最大創長 80mm 最大創洞長 150mm以上 腹腔後壁に到達」

そのほかの創測定値を助手が丁寧に記載していく
たとえ因縁がある相手としても
仕事として何も変わらぬようにいつもの手順で進める

「以上外表面の観察を終了する
 悪いけど、爪内の遺物 口腔内の採取などお願いする
 ちょっと休ませてくれ・・・」

怪訝そうな助手をその場に置き
剖検室から離れる

研究室にもどり一服する
煙が立ち上り天井まで届かず霧散する
気持ちを落ち着かせるための儀式のようなもの
まだ若い少年のご遺体・・・、自分の子供ではないのは間違いが無いが
もしかしたらあれが自分の息子だったのかもしれない・・・
そういう妄想が頭らはなれないのだ
いったいどういう少年だったのだろう
聞けば彼女は離婚してあの男の子を女手ひとつで育てていたという
開かれた捜査報告書を改めて読む
これだけでは何もわからない
でも、彼女が一生懸命子供を育ててきたであろうことはわかる
書かれておらずとも知っていることだから
彼女の人となりを・・・
474woodchuck:2008/06/27(金) 15:37:29 ID:N2rF+uhH
再開

頸部から丁寧に表皮を剥離する
みずみずしい肢体
若さが溢れていると思う
胸壁を骨切りバサミで開ける
心嚢内液貯留なし、心臓を摘出
同割断、心腔内血液疎・・・残存血液を採取

「はい、これ・・・」

典型的な失血死と思われる
肺損傷は・・・ 右肺底部後外(コウガイ)側(ソク)に背面からの侵入創あり
一部は肝臓を離断している 

「ここ写真とって」

ほかは特に目立った損傷は無いな・・・

「次、腹部に移ります」

・・・・・
・・・
・・


必要な臓器の摘出を終え、虚となった部位には麦藁を詰め込む
故人の尊厳はこれで守れるのか・・・
長年し続けている仕事だが
この作業の時には改めてそう思わざるをえない
死してなお傷つけられる理不尽

最後に麻縄で創をすべて閉じる
最近は目に見える部分だけは白ナイロンを使うけれど・・・
伝統的にそのままだ
いつもはなんとも思わない手順が
とても奇異な感覚を生む

疲れているのだろうか・・・

いや、この感覚は
古い写真や作文を紐で閉じる感覚なんだと気がつく
彼こそが自分の若かりし時の象徴なんじゃないか・・・・と
475woodchuck:2008/06/27(金) 15:38:04 ID:N2rF+uhH
「先生、なんだかおかげんがすぐれないように見えますが・・」

助手が心配をしてくれている
いや個人的な感傷だから・・とも言えずに窮する
そこへ電話が鳴り響く

「先生、神○川県警の方から・・・」
「すまない、やっと終わったから報告書を・・・」
「お疲れ様です それはすぐに取りに伺いますが
 用件は別でして・・・」

また16歳のご遺体だそうだ
今度は女性・・・ 
ほんとうにどうなってるんだこの国は・・・
少年の遺体を冷蔵庫に押し込み、その隣に空きがあるのを確認する

「おい君! もう一件搬送されてくるから受け取りを頼む!」
「先生は?」
「部屋で報告書を書いておく、臓器片のクロマトなんかは頼んだぞ!」
「はい 了解しました!」

これが今年のクリスマス・・・ 
この世に神なんていない
それが法医学を学んで理解したもっとも間違いのない知識だった

_________________(おわり)
476woodchuck:2008/06/27(金) 15:43:04 ID:N2rF+uhH
 『堕天使たちの午後(後編)』
______________________

出演:ある法医学者(監察医)と、その助手
場所:大波良市立医大法医学教室剖検室
時間:12月26日夕〜夜半
特殊:おなじくグロあり 耐性のない方は読まないこと
______________________

「先生・・ 2人目のご遺体、到着しています
 先生のサインが必要なんですけど」

「ぁぁ わかった今すぐいくから」

あれから何本吸ったか
灰皿は既に一杯になっていた

2人目は16歳の女性・・・
搬送に付き添ってきた鑑識の警察官から概要の説明と
途中の経過報告書を貰う
さきほどの男の子と同じ学校の女生徒
おなじく異状死体 発見日時も近い
瞬間的に事件が関係しているだろうということは察しがつく

そして・・・

こちらにも見覚えがある名前が・・
厳密に言えば「苗字」は違うけれど・・
かつて家庭教師をした生徒の名前
さらに言えば自分の同級生の妹の名前だった
「踊子」という名前はそうあるものではない
「西園寺」という姓はわたしが教えている間に
家庭の事情でかわることになると聞いていたもの、旧姓は「伊能」

すーーーーっと力が抜けるのがわかった
こちらもわたしの因縁の相手だ
長い間仕事を続けてはいるが、立て続けに知り合いの関係者を扱ったことは無い
今日はなんて日だと・・・いやもう言うまい
これも仕事だ

「先生、準備できました」
「ぁぁ・・ すまない、今日はかなり残業が延びるけれど大丈夫か?」
「はい、でも山本君がネーベンから帰ってきていますから交代しますよ・・
 先生こそ 大丈夫なんですか?」
「ぁぁ・・ たぶんな」
477woodchuck:2008/06/27(金) 15:43:26 ID:N2rF+uhH
ご遺体に向かい一礼、黙祷する

「それでは始めます」

手順に従い、外表面の観察、検体の採取からはじめる
肌の擦過部分などはもちろん
異状があろうとなかろうといわゆる『穴』にはすべて綿棒をいれての検体採取
着衣の乱れなどはないと書いてあるがそれも規定の通りだ
それにしても若い、若すぎる・・・ 
あの男の子もそうだが、人には死ぬべき時期があると思う
それを彼らは明らかに誤っている、そう思う
頭部を切断され、今度は腹部を猟奇的にあけられている・・
自殺死体などは見慣れている、事故死体もそう
でもあれらは『運』が悪かったものだと思うことにしている
自殺は病気と同じ、事故は一定仕方が無いものだから
こちらの女性の死因は一目で明らかだった 左総頚動脈切断
断面は粗であり表皮剥脱を伴うことから・・・

・・・ ぁ・・・鋸歯・・・だ
さきほどの少年の頚椎の切断面を思い出す

「これ、模りしてくれ・・」
「は・・ はい」
「それとさっきの少年の頸部も・・・頼む」
「さっきの少年のですか?」
「ぁぁ・・ 頚椎部分と表皮部分の模りだ」
「わかりました 追加しておきます」

二つの事件はつながっている、あとであの警察官に報告しておくべきだろう
もちろん確実なことは詳しく創面を分析しないといえないことだが

胸部、きれいな胸をしている、少女の若さがみなぎっている
キズをつけるかどうか・・・迷う、規定ではすべてを開放する 規則だ
だが、あまりに若く 腹部の痛ましい創をみるとためらう
これ以上はあまりに哀れだ
わたしも人だ・・・ そう思い考え直す

「腹部からはじめる」
「ぇ?」
「胸部は完全に無傷、頸部の創が致命的であるのは見るまでも無い
 採血は他でも出来る 最後に大学に依頼してAiだけ押さえておくことにする」
「そんな費用でませんよ」
「仕方が無い 自腹でいい・・・ あまりにな・・・」
「わかりました 予約だけしておきます」
478woodchuck:2008/06/27(金) 15:43:53 ID:N2rF+uhH
本院に電話をかける助手
後ろからさらに話しかける

「ん、だから今は取り合えずの検体採取と外表からの確認だけ、あとは山本君に引き継いでおいてくれ」
「わかりました」

大学の臨床で用いる機器は夜間しか使えない
昼間、人目のつく時間にご遺体を移動させるのは好ましいことではないし
コメディカルもこういうことは正直嫌がるのが現実だから
器械の操作は自分でできるからかまわないが・・・

「メモを頼めるか?」
「はい」

助手が準備をするのをまち
独り言をいうように所見を述べ始める

「下腹部の観察にうつる
 頸部の創とはことなる創縁、こちらは鋭利な刃物だろう
 正中からやや外れている、やや左上から右下に創長は280mm
 腹壁を縦断している、腹腔内、骨盤腔内に手を入れた形跡があるな
 腸管膜からの出血、腸壁の点状出血・・・・これ写真とっておいてくれ
 時間がたつと目立たなくなるから・・・」

カメラの音が響く

「骨盤腔内に血液の貯留を少し認め・・・
 ・・・・・・・子宮がなくなってるわ ここも写真を・・・」
「は・・はい・・」
「あとはAiの後でいいよ 休憩しよう
 それと、血液検査にゴナドトロピン類を加えておいてくれ」
「ゴナド・・・?」
「ほかにエストラジオール、プロゲステロン・・・山本君に聞け、妊娠の判定だ」
「妊娠ですか?16歳ですよ?」
「普通の16歳の女の子が子宮を切り取られるか?????
 ・・・いやスマン ちょっと疲れているみたいだ」
「す・・すみません、伝えておきます」

わからんが・・もしそうだとすると
相手は・・(冷蔵保管庫の方をみる)・・彼、ということか・・

「Aiの準備ができるまで、一端保管する」
「しまっておきます」
「いや いい、君が検体を運んでおいてくれ こっちはやっておくから」
「はい、わかりました 失礼します」
479woodchuck:2008/06/27(金) 15:44:22 ID:N2rF+uhH
助手が慌てて採血チューブを握り締めて走り出す
他の検体は置き去りじゃないか・・・
普段、声を荒らげることのないわたしが大きな声を出した
たぶんそれで慌てたんだろうなぁ 苦笑する

少女に布をかぶせる わざと顔にはかけない これは規定違反だ・・・
少年を引き出す 顔は存在しないが・・ 首の覆いをとる・・・ これも
そして改めて扉を閉める

感傷だ、なんたる感傷だ・・
この行動に自分でも合理的な説明はできない
ただ、生きているうちに出来なかったことをさせてやりたかった
自分でもバカバカしいと思うが
なぜかそうしたかったんだ
今日はまったく調子が出ない
自分でも何か歯車が狂っているのがよくわかる

ポケットをまさぐり
タバコに火をつける
これも規定違反だ・・・

わけのわからない苛立ち
なんだか家に電話をかけたくなった
今すぐにあいつの声がききたい
まだ帰られないから・・怒るだろうなぁ
でも声だけでも聞きたいんだ
そういったら笑われるかもな・・・いい歳をしてって・・・

ふぅぅぅ・・・ 大きく煙を吸い込み、ゆっくりと吐き出した

__________(おわり)

Ai(autopsy imaging) /CTやMRIが使われます
480名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 20:34:13 ID:ZVjRofVC

  では 次スレへ移行!!!!

            ──イ ̄ ̄ア─z _
         /:.:.:.:.:./__>:. ̄>:.:.:.:\
         ./:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.〃─┬ ヾ:.:.:.:.:.:.:.|
         /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.\:.:. ̄ヽ
      /:.:.:.:.:.:.:.:イ l:.:.:.:.:.:.:.:.:.7/}Vイ:.:.:.:.:.:.:.:.ト、|
      |:.:.:.:.:.:.:〈 V V|:.:.:.:|Vハ    〉:.:.:.:.:.:.:.し-、
      |:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ   〉/:.:.:/  /:.:.:.:.〉:.:.:.:.:.:.:.:〉
      |:.:.:.:.:.|  /  /:.:.:.:.:.:ト、  >:.:.イ:.:.:.:.:.:.:.ハ|
      | / /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.N ト) 彡テ ヘ∧∧
     イ / <:.:.:.:.:.:.:.:{ハ/,.;彡ノ 、 |リ| ||.| .l   _
   /:.:.:/ / .|:.:.:.:.:..\≦リ|{,   l⌒≦_,ノ| || |.//
  /_/ //:.:..(ヽ. トト∧/  ノ ゝ7V ` `  f
  \:.:.:.:〈 ̄:.:.:.:.:.:_ | | | } __ ,イ __ ,  ヘ ヽ─ 、. {
   ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ||ト,\ヽ  ヽ/ i __/| |トヽ, )   l
  <:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘミミ三 ',     l  ||| || `ト _/》
   ゝ:.:.:/  ヽミミ三\     } ///| }三三//|
  く:.:.:.:/      トニ>ヽ__>オ/ >──  ヽ
    \イ         ト三三三三l   \     |
    人  yニ──ゝ |三三三三イ\   ト\    \
    | \    ̄ ̄ ̄ ト───‐イヘ \_.|      ノ
    |  ヽゝー     l     イ  ヽ/ <__    /
    /   `ス      〉    / l     \/// _/
    〉  彡'´ \    /    //       ̄ ̄
481名無しさん@ピンキー
                    , -−‐ -  、
                 , '´:.:.:.:.:.:. .:.:.:. :.ヾ:.:. ヽ
                 /:.:.:.:.:.:.: :l^^'wヘ: '; :.:.:.:.:.ヽ
                   / :.:. /.:./ i:.: |    |:.ト:.:.', :.:.:.ヘ
                 / :. / :.l:. /|:./`ー-'__j:ノ '!:.l:.:.:.:.:.:.:,
                  |:.:.リ:!:.:.l:.A/ j/   (´ `) jノ|:. ; :ト、::,
             |:./!:.!:.:.!rゞう     `¨´ ′!/ :.「j}:.ト、
             |/ |八:.lミz¨´          リ:.:.:.レ' ハ\
               ′ 〉    r-ー'' ̄`,  ハ:.:.:.:.:.. . . ::, \
                   ∧   !       |  リ:. :. :.:.:.:.:.:.:.:.:,  ヽ 
                    ,':.:.:.:> .._ゝ、_ ノ /{ :.∧:.:.:.:.:.:.:.:.::,    ヽ
                 / !:.ハ:.:,′:.:..,≧┬ァヲ、_r'Y V:.:.:.:.:.:.:.:.::,    ', 
             /   {:ハノ:.:.:/Zr ‐┴xヌ  .:  < V.:.:.:.:.:.:.:.:.::,   }
          〃     /:.:.≠^←-ミx   `ゝ   ':.ji.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.':,   }
         〃     /:.:.:..《    x<>\   ..::.   }}.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.ヽ }
        〃     /:.:.:.:.:.:.》-<¨´ \ ゝミ.__  〃.:.:.:.:.:.:.:.:.: }}:.:V
          {{     /:. :.:.:.:.:〃○   ○ !    j¨´.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.:.}:{.:.:.l
        {   i , ':.:イ :.:.:.:/       l    i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:.リ∧:.!  〈
           \ i {:./ l .:.:.ノ     γー- .L    :V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:./′i:.!   i
         ヽ   ノ {:! l.:.丿77ァ┬┤:::::::::::::`ゝ、_rヘ..:.:.:.:.:i.:./ |/   リ  ,′
         〈  〈   リ j.:んヘんヘん<| :::::::::i!::::::} 圦ハハ:.:.:..i:/ ′    /
.          `; >    八:ハ:j:八 f⌒'ュ、::::λ:::ノ  乂」ノ::,:'/    `, y'´
        l L_  _ / ゙゙゙̄ ¨¬-\リ ` ー<:.:/j:/ ′   r' 〈
    __,,ィi ´  /  ^        ` ̄彡 ー=≠¬¨ ̄ ム ヽ, 〉
      /   <      (ry  ミ    ̄ >      / ⌒i┴¬ー-
          彡       ヽヽ     ` ̄ゝ、   ´ ̄ゝ、   ´