【SF・GG】格ゲー総合 2hit目 【KOF・MB】
1 :
名無しさん@ピンキー:
前スレが落ちる前に保管庫キボン
俺もそれ希望かも
前スレ
>>573 分かりました、ではなんとか一人で頑張ってみるようにします。
俺も保存庫希望です。
前スレのオリキャラの件ですが、こちらに書いてもよろしいでしょうか…。
7 :
前スレ67:2008/03/05(水) 18:42:45 ID:LKx5eyIc
8 :
前スレ67:2008/03/05(水) 22:16:44 ID:LKx5eyIc
それでは、美形会議氏の代理を賜りましたので、投下させて頂きます。
美形会議・外伝──『上海にて』プレストーリー──
上海は二つの顔を併せ持つ、と言われております。
一つは、未だ旧き善き中国の原風景を遺した、歴史ある都の顔と。
もう一つは、急速に開発発展の進む経済都市と。
したがって正確に言えば、上海は一方が他方を食い潰している二つの顔を併せ持つのです。
そんな上海の、闇から闇へと消え逝く、一つの物語。
寒夜に詠うも、敢えて一興。
刹那の幻、宵の幻影と思って頂ければ幸いで御座います。
[21世紀.上海.中国]
上海の夜のネオンの海。
一人の少女が夜から夜へと渡っておりました。
名を、笑龍(シャオロン)と申します。
中国の山奥深く、幾千里。霞の向こうの幻の中に、少女の生家がありました。
飛賊。
闇から闇へと其の名を大陸中に轟かせる、暗殺一族であります。
笑龍は其の飛賊のかつての長にして今や飛賊を壊滅させた裏切り者、龍(ロン)の妾腹の娘に御座います。
彼女は、飛賊の血の鉄則故に血を受け継いだ実の父親を討たねばならなくなった腹違いの兄、龍の三男坊の堕瓏(デュオロン)を止めるため、飛賊の里を飛び出したので御座います。
飛賊は悠久の時を世俗との交わりを絶って生きてきました。
それ故、19にして初めて里を出た笑龍の目に映る上海は、何もかもが目新しく、きらびやかな物でした。
頭上に瞬く色とりどりの灯り。
繁華街を行き交う、思い思いに着飾った人々。
悠々と流れ往く長江の絶景。
そして、二つの顔を併せ持つ上海その姿。
されど、彼女にはその様な都会の情緒に身を委ねる時は無いのです。
早く三太子(三男坊さま)を捜さねば、と。
その手がかりを持った人物が、この上海にいらっしゃる。
その人の名は────
[夕刻.上海.路地裏]
「───でさ、そいつがトンでもないクソ野郎でさ」
「そりゃあ災難だったねぇ」
「ニイさん良い男だね。ちょっと寄ってかないかい?」
狭い小道に2、3人の女性達が立ち話をしているのが聞こえます。
上海は夜になっても昼の様に明るく、これ程奥まった場所まで灯りが絶えません。
………申し遅れました。私は笑龍と申します。
三太子を探しに下山してどれ程か、遂に有力な情報を掴んだ私は、ここ上海に来ています。
麟師父の「人捜しの基本は聞き込みだ」とのお言葉の通り、私は彼女達に『あるお方』の所在を聞いてみようとしている所です。
香港でお会いしたとある方に「上海に行って『彼』に聞けば分かるかもしれない」と教えられました。
その方がおっしゃるには、『彼』は上海では知らぬ者の居ない有名人で「武の神」と渾名されるほど強い、との事です。
世間知らずの私の身を案じて下さったのか、麟師父が仰るには「知らない男の人には注意しなさい」との事ですが、女性同士なら心配も要らないでしょう。
「……失礼します。シェン・ウーさまという方をご存知ありませんか?」
私は3人の女性達の内、丁度真ん中の女性に話しかけました。
彼女達は胸元の開いた華やかな衣装の上からカーディガンを羽織って、時間を持て余すようにしておりました。
知らず、人見知りする性格故に里の伝統衣装の上から外套(コート)をかぶっている私と似たような衣装です。
「え?あぁ、彼の事ね……。彼に何か用でもあるの?」
「あ、はい。とある方にシェン・ウーさまを訪ねるよう言い遣ったのですが、シェン・ウーさまの御住まいをご存知ありませんか?」
「……ふぅん。悪いけど、今どこに居るかまでは知らないね。どこかで飲み明かしているかも知れないし、
彼のねぐらは一つだけじゃないしね。その『誰か』は場所を教えてくれなかったのかい?」
「……はい。『上海では知らぬ者はいない』としか聞き及んでおりません………」
「そいつは気の毒だね。なあ、あんたたちは知らないか?」
「シェンのことぉ?ん〜知らないなぁ……最近遊びに来てくれないし。ひょっとしてキミ、シェンに会うのは初めてだったりする?」
「もしそうだったら、アイツは体力バカだから気をつけなよ。あたいなんか、朝まで許しちゃくれなかったからね」
「は、はあ……」
世間知らずな物ですから彼女達の仰っていることはいまいちよく分かりませんが、市井の者ましてや女性にまでその武功を轟かせているならば、
やはり未だ見ぬシェン・ウーさまの実力は相当のものなのでしょう。
「えぇ〜ずるい〜。蓮蓮だけいい思いしてぇ……」
「あんたみたいなヘンタイと一緒にするな!次の日どんだけ苦労したと思ってんだよ」
「あぁ、たしかに一晩中すると次の日眠くて腰痛くなって大変だよね……」
「夕方まで起き上がれなかったんだよ!それと『痛い』んじゃなくて腰抜けて立てないんだよ普通は!そんな簡単に済ますなこの体力バカ2号!」
「……蓮蓮ちゃんのいじわるぅ」
「なに馬鹿やってんだい。……それで、彼に会うのは初めてなんだね?人相は知ってる?」
「いえ、分かりません。教えていただけますか?」
「私もあまり詳しくはないけどね。大したことは教えられないけど、大丈夫かね?」
「助かります……!」
[宵]
「───何から何までありがとう御座います。」
「大したことはしてないさ。気を付けて行くんだよ。最近ここいらで変質者がうろついている、って噂だからね」
「はい。それでは、失礼します」
有力な情報を頂いて、私はシェン・ウーさま捜しを再開する事にしました。
「………すごい綺麗な子だったね!」
「服も高級そうだったな。元・良いところのお嬢様、ってとこか?」
「お兄さんのため、って言ってたけど………やっぱり、売られてきちゃったのかな………?」
「………可哀想に。」
「ま、私達にどうにか出来る話でも無いからね。あれこれ言っても始まらないないよ。」
「蘭蘭!そりゃないだろ!」
「ひどすぎるよ!あの子、何も知らされて無かったじゃない!せめて………」
「『せめて』、何が出来るの?『あなたは売られたのよ』って教える?」
「それは…………」
「忘れなさい。」
「でも………」
「……大丈夫よ。『彼』がいるから。彼ならきっと助けてあげられるわ。私達には何も出来なくとも、ね。」
「シェンのこと?」
彼女は何も言いませんでした。ただ、虚空を見上げて遥か過去を思い出しながら………。
[夜.上海.中国]
俺は今、中国は上海に来ている。
国籍:アメリカ。
金髪碧眼の20代。男性。
俺を語るには其れだけでいい。
何故なら、ストリートファイトに必要なのは己の体一つだけで、それ以外の何も必要ないからだ。
上海の雑踏。
俺は見分けのつかない東洋人の群れを掻き分けて、ネオン煌めく路地裏へと踊り込んだ。
上海にとてつもなく強い男がいる───
その噂が俺を掻き立てる。
男の名前は'Shen Woo.'
すなわち'Fighting God.'
ここ上海でストリートファイトを続けて名前を挙げれば、必ずやその男の耳に入るに違いない。
───それならば、やることは一つだ。
俺は昂る心を押さえきれないでいた。
[路地裏]
路地裏にはフローラルの香水を一面にぶちまけた様な甘い香りが漂っている。
嗅ぐだけで脳天を揺さぶるような、耳鳴りを覚える香り。
普段の俺なら、1秒だって堪えられないで引き返すだろう。
そう、普段の俺なら。
俺の前には女が一人、俺を見て密かに顔を俯かせて東洋式に礼を示している。
そして、顔も品性も小汚ない男が一人、伸されて痙攣していた。
事件自体は、男が己の汚らわしい欲望の代償を支払っただけの事に過ぎない。
フェミニストを気取るつもりはないが、薄汚い心情を隠そうともしない阿呆のにやけ面を一瞬でも見たくはなかったのは事実だ。
しかしながら。
俺が最も気に入らないのは、この女が一瞬だけ俺を睨み付けた事だ。
格闘家同士が対峙した瞬間に放つ、闘気を宿した瞳で。
一瞬とは言え俺を「敵」と認識した感性。すなわち、女もまた格闘の世界に身を置いているのだ。
その女が、俺には判らない言葉で礼を言ってくる。
甘い甘い、人を狂わせる花の香りを撒き散らしながら。
女が何かを俺に尋ねた。
「Д∽ゑδΤψ¶。Ж¶ゐ神武ΞψЁ?」
俺は手を振り払って遮ろうとしたが、呪文の中に確かに聞こえた'Shen Woo'に我が耳を疑った。
───この女、何を知っている?
「答えろ。'Shen Woo'とは誰だ」
俺は反射的に尋問していた。
女は、俺の豹変に驚いたように半身をたじろがせる。
頭の中を掻き回すような芳香の中で。
何故か、その態度が無性に気に入らなかった。
「言わぬなら……此方から聞き出すまでだ!」
俺は雄叫び上げてタンクトップを引き裂く。
生活から興奮へと。これが俺の、闘いに赴く儀式。
さあ、ゴングを鳴らせ。
都会は恐ろしいとは良く言いますが、人の居場所を尋ねただけで刃物を出して怒鳴られるとは思いませんでした。
「てめぇ!シェン・ウーの知り合いかぁ!?」
麟師父の仰る通り、見ず知らずの男性に妄りに話しかけるべきでは無かったのかもしれません。
今となっては後の祭ですが。
何が彼の気に障ったのかは判じかねますがが、兎に角、此方の無礼を詫びて早早に立ち去る事にしましょう。
「奴の情婦(オンナ)か………ヒヒッ、丁度良かったぜ。奴の変わりにたっぷり可愛がってやるぜぇ。恨むんなら奴を恨めよぉ?」
─────っっ!
男の嘲り声が、私が幼い時に亡くした母を思い出させました。
『我が主』の妾だった母と私に向けられた、『我が主』の奥様の嘲りを………。
「っ!?」
私に飛び掛かろうとしてきた男を、すんでの所でかわしながら、私は自分でも分からない感情に溺れていました。
衝動の赴くまま、何万回も繰り返し練習した技を素人相手に繰り出していたのです。
──突き出された腕に手を掛け、腰から回りながら相手の動きを加速させるように腕を引っ張り、体勢を崩したところで足を払う──
ぐしゃり。
男の顔が外壁に叩きつけられる音に、我に返りました。
そしてその時、自分が初めて怒りを覚えていた事に気付いたのです。
人を欲望の捌け口としか見ない、目の前の鼻を潰された男。
母へ向けられた侮蔑の視線。
そして、「里長の妾腹の娘」としてしか生きられなかった、自分自身に。
「っぷぅ……ぅひい!ち、血だ!血が!」
ようやく立ち上がった男が、折れた鼻から溢れ出る血液が壁を汚しているのを見て、騒ぎだしました。
「てめぇ…………殺してやる!殺してやるぁアマがぁぁ!」
逆上した男が刃物を振り回しながら踊りかかって来るのを、私は冷めた感覚で見つめていました。
この世の総てのものが、何故かとても下らなく感じたのです。
それは、今思えば飛賊の者として致命的な隙を晒していました。
背後の気配──それも、目の前の男とは比べ物にならない程の激しい闘気を放つ気配──に、直前まで気付かなかったのです。
刹那。
ごしゃっ、と物が潰れる音がして、目の前の男が崩れ落ちました。
一撃。
背後の気配の持ち主は只一撃で、この男を叩き伏せました。
激しく。しなやかに。力強く。
それは、私の心の虚無をも振り祓う一撃でした。
流れる河のごとく美しく、猛る獅子がごとく激しい、巌のような体躯。
その髪は朝日の様な金髪。
これはまるで、話に聞いた………
(貴方が………シェン・ウーさまなのですか?)
その姿を見ているだけで急に鼓動が早鐘を打ち、頭の中が真っ白になっていきました。
しかし。
シェン・ウーさまの瞳の色は黒だと聞いておりますが、このお方の瞳は………水色。
(あなたでは、無いのですね………)
自分でも分からぬままに、言い様の無い寂しさが胸を締め付けました。
私は立ち上がり、助けて頂いた感謝の念を込めて一礼しました。
金髪のお方は、踵を返して立ち去ろうとしていました。
その後ろ姿に耐えられず、気付いた時には呼び止めていました。
「あの…………」
彼は何も言わず何も返さず、私はただ声を発するのが精一杯でした。
「あのっ!……もしや、シェン・ウーさまの居所を、ご存知ありませんか?」
次の瞬間、金髪のお方は表情を強張らせ、そして──────
…………どれ程気を失っていただろう?
時間にして僅か数分と言うところか。
まさか、あの細身の女があれほど強いとは。
口の中に血と砂を感じて、吐唾する。
「面白い………!」
あの女はあれほど強い。
ならば、'Shen Woo'はこれ以上に強いのだろう。
この地には、未だ数多くの強者が眠っている。
なれば、これから一人ずつ叩き起こしてやる。
いつか俺の名があの男の耳に届くまで。
だから……………!
今はまだ…………
「っ………畜生。畜生っ!くそぉぉぉっッ!」
いまはまだ……泣くときでは……………
「っっぅうっ、うっ、ううっ、うあああああ!」
「イイ声でなくのねアナタ。気に入っちゃったわ」
「っ!?誰だ!?」
突然背後から話しかけられて、俺は反射的に振り返った。
そこに、赤い楽士風の女が立っていた。
「私が誰かなんて、すぐにどうでもよくなっちゃうわ。」
そう言うと、女は腕をかかげ、ブラックホールを産み出した。
「これは!?────うわぁぁぁぁ……………………
[22世紀.フランス.パリ]
────あのぅ、大丈夫ですか?」
………。…………?
………ここは、どこだ?
ディズィ「庵さーん!気が付きました!」
…………イオリ?イオリ・ヤガミのことか?
庵「ふん。死に損ないが…………」
………何故、俺を助けた?
庵「べっ、別にアンタを助けたくて助けた訳じゃないンだからねッ!不可抗力なんだから!」
………何を言っているのか分からない。
イカれてるのか?この状況で……。
庵「まぁいい。貴様にはこれから色々と働いて貰おうか。フッフッフッ…ハッハッハッ……ハーッハッハッハッハァァァァ!!」
いや何故そこで急にハイテンションになる。
庵「ハァーーッハッハッ……ゲホゲホッ!?」
……折角のシリアスな流れが台無しだ。
庵「それだ。それでいい。その冷静さとツッコミスキルがあれば、俺の代役足りうる…………!」
だ、代役?
庵「美形会議の。」
……………………。
to be continued...
15 :
前スレ67:2008/03/05(水) 22:35:45 ID:LKx5eyIc
終了です。
え?え?誰?誰?誰ぇ?20代のアメリカ人?
でも乙!!
17 :
前スレ67:2008/03/05(水) 22:41:47 ID:LKx5eyIc
メールでお伝えしたので、スレの方には書き忘れてしまっていましたが
美形会議氏、GJです
この場を借りて、改めて乙させて頂きます
金髪碧眼でタンクトップ…。
もしかして…主人公(笑)?
何にせよGJ
GJ
もしかして、アーデル…?
ところで、保管庫なんだがエロパロの総合保管庫に頼むのはどうだろうか?
>>20 賛成。
俺は詳しくないから、頼むのは任せていい?
誰か、投下されたSSをリストアップする作業をお願い。
KOFとクロスさせる場合、
同じ作品のキャラ同士でチームにして参加させるのと、
両作品のキャラごちゃ混ぜでチーム作るの、
どっちがいいんだろうな?
たとえばギルティチームとしてソル・カイ・メイで組ませるか
ロリチームとしてメイ・リムルル・リリスで組ませるか
どっちのが良いかって事?
それはストーリーの都合なりなり作者の趣味なりで決めるのが良いんじゃないかな
ところで、誰か保管庫マジお願い
自分で作りたいのは山々なんだけど、仕事でこんな時間にようやく帰宅出来る身柄だから
とてもじゃないけど管理する自身が無いんだ
投下されたSSのリストアップしようにも、実は半分くらい元ネタが分からん
今出てるキャラの出典元が分からんて事?
それくらいなら一応全員分かるけど
ネタにするので女子高生と援交しそうなキャラ教えて
援交しそうなキャラって今の既出メンバーには
いなさそうだよなあ。彼女持ちと妻子持ち多いから。
あ、居た。女好きの紅丸
>>29 ベニーは女好きだけど、汚くないからしないと思うよ。
するとしたら…山崎さんとか?
まぁ、そのまま闇ルートでどっかに売り飛ばしそうだけどな。
チン・シンザンとか……
ところで保管庫、wikiじゃ駄目なのかね?
あれだったら気付いた人が保管出来るし
KOF京でナンパをしてるベニーは見た覚えは有る。
その延長でえんこーに行くかどうかは定かでは無いが
する。してそう>バイソン バーディー 山崎 幻十朗(時代違
でいえばこの面々だろうか。文字通り食うのは我等が腐れ外道タン
33 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 15:49:38 ID:WLomiFi+
>>24 前スレでメルブラ×KOFのSSを投下した者ですが、
それは人それぞれですね。自分の場合はごちゃ混ぜで参加させるつもりでいます。
まずは楽しまなくちゃ作れないだろうしねえ・・・?
どうでも良いが、ネオフリ見たらKOF98にてキャラインタビューなる物が
見つかったんだが、これを他作品の格ゲ連中にやったらどういう感じになるか
作品が出来上がるまでの間の肴として、やってみるかねこのスレのみなの衆?
なんて、書こうとしたらそのネオフリ消えたんで詳しいインタビュー内容
忘れた!スマンね!うろ覚えだとこんな感じだった筈
1・今大会の抱負
2・戦いたい相手
3・組みたい相手
4・組みたくない相手
5・貴方にとってのKOF(またはチーム戦)とは?
6・最後に一言
キャラの性格・内面がよく現れてただけにこれは結講気に入ってる
それをやるなら、こうだろ
・ヤりたい相手
・ヤりたくない相手
・あなたにとってのエロパロ(またはSS)とは?
・最後に一言
E.R.O.2181設定で。
ビリー・カーン
1・今大会の抱負
ギース様に逆らうクソ野郎どもをシメてやる。
あと、あの野良犬からギース様のご子息を取り戻してやる!
2・戦いたい相手
野良犬野郎………あ?名前だぁ?
テリー・ボガード。
それと、八神庵。
3・組みたい相手
もちろん、ギース様だ!
………あとは、如月影二(ゴニョゴニョ)。
4・組みたくない相手
テリー、八神、半裸ギター女、ジョー・東。
5・貴方にとってのKOF(またはチーム戦)とは?
雑魚は要らねぇ!ギース様の背中を支えるのは俺だけで十分だ!
6・最後に一言
覚悟しておけよ、ツートーン野郎。
ギース・ハワード
1・今大会の抱負
フン………。
2・戦いたい相手
果たして、私と闘うだけの実力のある相手がどれ程いるかな?
楽しみにしておこう………!
3・組みたい相手
藤堂香澄、高嶺響。
4・組みたくない相手
不破刃、御津闇慈、チップ・ザナフ。
5・貴方にとってのKOF(またはチーム戦)とは?
袴&当て身チーム。
6・最後に一言
ビリー、今回は別行動だ。
手抜かり無くやっておけよ。
37 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 18:57:57 ID:AkdpRfC+
白いレンで
1・今大会の抱負
友達欲し…ち、違うんだからね!
別の使い魔候補探してるだけなんだからね!
2・戦いたい相手
友達になり易い子g…………な訳無いじゃないの。
ふん……………そうね。KUSANAGIやリリス辺りかしら?
理由?言わせないで
3・組みたい相手
一諸にお茶菓子食べてくれるk………じゃないってんでしょうが!
誤って途中送信しちゃった。続き
3・組みたい相手
一諸にお茶菓子食べてくれるk………じゃないってんでしょうが!
そうね、都子や……さつき辺りかしら?
または…廿楽冴姫
4・組みたくない相手
友達になれそうにないk…………(無言でマイクを投げる)
志貴を除くMBキャラ全員
5・貴方にとってのKOF(またはチーム戦)とは?
友達作りの交流所………………何?わざと?わざとなのねぇ?
6・最後に一言
覚悟なさい、フフ………
(友達募集中)
40 :
33:2008/03/14(金) 02:08:06 ID:tX6Ehn49
続きまだかな
42 :
前スレ67:2008/03/17(月) 01:34:45 ID:UPRn/MeU
Eventual Rumble Orochi 2181 第十二話
投下します
アナルファックが嫌いな人はNG推奨
聖戦によって、世界地図は書き換わってしまった。
百年前にはあった山が無くなり、百年前にはなかった窪地が出来、
百年前とは違う地形の山地の影響で、百年前にはなかった季節風が吹き、
百年前にはその土地では作れなかった作物が、今では作れるようになった。
無論この町の出入り口として認識されている石畳の長い階段も、
段差と石畳そのものは人が組んだものにせよ、百年前には無かった傾斜だった。
百年前のこの場所は、もっと平坦だったのだ。
ギアの攻撃によって地形が変わり、坂の無かった町に坂が出来てしまっていた。
少女はその坂の麓に立ち、その先にある町を見上げる。
そこに、少女の目当てとする男がいる筈であった。
どんな町にもトレーニング・ジムはあるものだが、
どの程度の設備を整えているかは、ジムによって異なる。
ちょっと栄えた街に行けば、法力で蓄えた大量の水によってプールを成し、
そこで水泳やフィットネスを教えるジムもあるが、
戦後復興中のこの時代、大半の町ではジムと言えば、
ロープと木材で組み上げた、いかにもお手製といった風情のリングと
そこでスパーリングや組み手を繰り返す、血気盛んな練習生達がいるものだった。
京達が利用していたのも、ちょうどそんなジムだった。
賞金稼ぎを生業として、そこそこの収入は得ているものの、
小奇麗にまとまった、富裕階級の淑女専用とも言えるダイエット目的のジムなど、
彼らが好んで利用したくなるような魅力的な場所ではなかった。
「こおーけん! ……じゃなくてはおーしょーこーけーん!!」
「ぬぉっ!? そんなフェイント、くそっ、このっ!」
リングの上で汗を撒き散らしながら組み手を続ける二人を、京は退屈そうに眺めていた。
「あの二人が終わったら、俺と組み手をしてみないか?」
リュウがそう提案するが、元来サボり癖のある京には、興味のある申し出ではない。
さくらにでも稽古つけてやれよ、と言わんばかりに、
隣で座る彼女の方に目線を向ける。
だがさくらは、むしろ実力の近いであろう真吾と、対戦したがっていた。
互いに未熟千万な身だが、それ故に、切磋琢磨する事が出来る。
「真吾君、次一緒に組み手しようよ」
「お、俺っスかぁ? いやぁ、ハハハ……」
下手をすればさくらにも負けてしまいそうな程、真吾の実力にはムラがある。
さすがの彼とて、戦闘のプロというわけでもない女の子に負ければ、
明日から恥ずかしくて表を歩けないというものだ。
もっとも、さくらは自分が真吾相手に確実に勝てるとは思っていないし、
勝ち負けを理由に真吾を見下すつもりなど、ましてや毛頭無い。
それでも自分に自信の持てない男にとっては、万が一にも女性に負けるというのは
考えたくもない可能性に違いなかった。
「たのもーっ!」
突然ジムの入り口の方から、場違いな甲高い声が聞こえてきた。
見れば、胴着と袴を羽織った少女が、観音開きのようにドアを開け放して立っている。
その鋭い目は受付の中年女性を無視して、ジムの中を瞬時に見渡した。
……いた。
目的の人物。
リングの上で戦っている、胴着の男だ。
相手はユリ・サカザキ。極限流の紅一点であり、リョウ・サカザキの妹。
遠目なので判別し難かったが、上半身は胴着なのに下半身はスパッツなどという、
およそ並みの神経では着こなせない恥ずかし……いやいや、色っぽいファッションは、
紛れも無くユリ・サカザキに間違いない。
となれば、その彼女と組み手をしている男は、目的の人物に違いなかった。
母親譲りの明るい金髪と、肩の破れた紅い胴着。
やはり隣町で聞きつけた噂は、間違いではなかったのだ。
この町に『無敵の龍』とあだ名される、凄腕の賞金稼ぎが滞在していると。
「ついに見つけたぞ!
リョウ・サカザキ、覚悟!」
少女は相変わらず受付を無視して、一目散に走り出した。
飛び上がり、両足を揃えて蹴りを放つ。
だがこの程度の奇襲、通じる程リョウは間抜けではない。
これはほんの挨拶代わりだ。さぁ、避けろ。
だが予想外にも、少女のその高空ドロップキックは、男の後頭部にクリーンヒットした。
「うごっ!?」
馬鹿な!
あのリョウ・サカザキが、こんな攻撃をいとも簡単に食らうなど……。
いや、そう言えば彼は今、組み手の最中だったか?
ひょっとしたら立て続けに仕合し続けて、気力が低下していたのかもしれない。
であれば、私ごときの攻撃に反応出来なくても、仕方ないのかも……。
着地までの間の、ほんのわずかな時間。
少女が飛び蹴りを放ってから、時計の針は一秒も進んでいない。
そのわずかな瞬間の間に、少女は目の前の男が攻撃を食らった理由、
或いは原因について、あらゆる可能性に思考を巡らせた。
「だっ、大丈夫か!? その、不意打ちなんかして、悪かっ……」
「い……ってぇ! 何すんだテメェ!」
その荒々しい言葉遣いは、心なしか普段のリョウ・サカザキとは異なる。
少なくともリョウは、相手を「テメェ」なんて呼び方、するだろうか?
少女のそんな疑問は、後ろからかけられた声によって、いとも簡単に覆った。
「俺が何を覚悟するって?」
少女は振り返る。
その先にいたのは、誰あろう、リョウ・サカザキだった。
「えぇっ!? リョウ・サカザキが二人??」
少女は慌てて、もう一度前に振り返った。
後頭部を押さえてうずくまるのは、紛れも無く赤い胴着を着た、金髪の男。
だが、恨みと怒りのこもった表情で振り向いてきたその顔は、
リョウ・サカザキのものではなかった。
「おいリョウ! この子お前の何だ!? 殴って良いか!?」
「おいおい、落ち着けって。勘弁してやれよ、ケン」
しまった……!
とんでもない人違いをしてしまったと、その少女、藤堂香澄は気付いた。
冷や汗が額に滲み、見る見る内に青ざめていくのが、自分自身でわかる程だった。
「災難だったっチね、ケンさん。私に技を教えるために、
朝からぶっ通しで組み手に付き合ってくれてたのが、災いしちゃった」
ユリ・サカザキは濡れタオルを持ってきて、座り込むケンの後頭部に当ててやった。
「全くだ。普段なら、例え背後からの不意打ちでも、食らわねぇ自信はあるのによ」
ケンは、人違いで不意打ちを仕掛けてきた香澄に怒りたかったが、
食らってしまった事自体は自分の恥と考えていたから、怒るに怒れなかった。
一方の香澄はうなだれて、涙目になりながら正座で反省し続けるばかりだ。
「本っっっ当に、申し訳なく思います!」
「気にすんなよ藤堂流のお嬢ちゃん。
こんな紛らわしい格好してる、この二人が悪いんだからさ」
この中で一番女性に優しく、ある意味一番紳士な紅丸が、率先して香澄を擁護してやろうとする。
さすがモテる男は、こういう所で違いが出てくるのだろう。
空気を和やかにするつもりで「見事な蹴りだったぞ」と
爽やかに笑いながら褒めるリュウとは、根本的な部分が違う。
「で、リョウ。人違いだったのは良いとして、
そもそも何でお前、この子に狙われるんだ? 嫌われてるのか?」
「うーん、よくわからないけど、そうなのかな……。
俺とその子の親父さんは、一度仕合した事があるんだ。手強い人だったんだが、
その時の勝負以来、親父さんは家族の下に帰ってないらしい。
だから俺を倒して、父親の汚名をそそぐのが、その子の目標なんだそうだ」
ユリは、甲斐性の無い馬鹿兄貴に対して、この朴念仁、と心の中で呟いた。
惚れた相手がこれでは、香澄も可哀想なものだ。
親の仇討ちだの、流派の威厳だのは、会いたい人に会いに行くための、口実に過ぎないのに。
無論ここまで鈍感なのは、リョウを除けば後はリュウと真吾くらいのものである。
初めて事情を知るさくらですらも、香澄の表情と女心から察して、
香澄がリョウを追い求める理由が全く別のところにあると、気付いていた。
だから、気をきかせて彼女がリョウと一緒にいられるよう取り計らうのは、当然の事だった。
「折角だし、今日から香澄ちゃんも一緒に旅しようよ。
こんなワケわかんない時代に飛ばされたんだしさ、大勢の方が心細くないよ」
意図を察するから、ユリもそれに即賛成する。
「そうだね。今更八人が九人に増えたって、大して変わらないしね!」
「い、いや、その……こんなご迷惑をおかけしたのに、
仲間に加えてもらうなど、とても恐れ多くて……」
突然の申し出に、リョウと旅路を共に出来ると喜びかけた香澄だったが、
すぐに表情を取り繕って、深々と反省し続けた。
しかしさくらとユリは、もうとっくに彼女をパーティに加える気満々である。
「おいおい、軽々しく言ってくれんなよ。
所帯が増えても、収入は変わらないんだぜ」
これには流石に、京が口を挟んだ。
彼とて香澄を仲間に加えるのが嫌なわけではないが、台所事情は深刻だ。
賞金稼ぎは儲かる仕事だが、八人もの人間を養うには、少し苦しいものがあった。
何人かの分隊に分かれて行動し、同時に複数の異なる賞金首を捕まえて来れば、
全員でまとまって行動して一人の首を捕まえるより、遥かに効率が良い。
とは言え、八人全員がバラバラに単独行動をとるのは危険だったから、
彼らは常に二人から三人ずつに分かれて、ターゲットを探しにスラムや森に繰り出してきた。
したがって、八人の戦士がいるからと言って、収入も八倍というわけではないのだ。
反面、食費や消耗品にかかる金額は、しっかり八人分かかる。
賞金稼ぎは儲かる稼業だから、一人で生活する分には、何の問題も無かったろう。
一人の賞金首を捕まえて警察に連行すれば、それで数ヶ月は満足に暮らせる筈だった。
だが彼らは、八人いた。
単純計算で、一人ならば八ヶ月は暮らせる程の収入があったとしても、
八人いれば一ヶ月しかもたないのだから、この大所帯では財布の紐は硬くなる。
ましてや賞金稼ぎは、彼らだけではない。
この時代に飛ばされてきた戦士達の大半は賞金稼ぎになって生計を立てていたし、
元々この時代で賞金稼ぎを生業としていた、ソルのような者達もいる。
また、賞金首達だって、この近隣に凄腕のハンターが多数現れたとなれば、根城を変える。
早い話が、今の京達には、仲間を一人気軽に増やす程、安定した貯蓄が無かったのだ。
ソルが小説版で、公的機関誌に名前を載せずに稼ぎを続けた理由も、これだった。
得物に逃げられないためだ。
しかし京達はその鉄則を知らなかったから、まだ多く残っていた得物達を
あっさりと隣町のスラムや、もっと離れた森や山に、逃がしてしまっていた。
当面は今の貯蓄で生活出来るが、八人で旅を続けていれば、もうあと一ヶ月ももたない。
そこへ、更にもう一人加えようと言うのだ。簡単な話ではなかった。
「どの道、八人でまとまって旅するよりは、
何人かのグループに小分けして散った方が、情報収集には有利だろ?
香澄ちゃんを入れれば丁度三人ずつのグループに分かれられるじゃないか」
「でも紅丸さん、俺らこの時代の法力通信ってやつに、まだ慣れてませんよ。
離れて行動してて、咄嗟の時に連絡が取れますかね?」
「って言うかそもそもまだ端末買ってねぇよ。
契約書書くのに、住所とか記入出来ねんだからよ」
帰りの道々、これからの身の振りについて、一同は話し合った。
これからは逃げた賞金首達を追って、なるべく逃げられないよう、
目立って噂になったりしないように気を払いながら、旅を続けなければならない。
三人ずつのグループに分かれて、それぞれ近隣の村や町に宿泊すれば、
住人達には単に「三人連れの旅行客が滞在している」程度にしか認識されない。
「八人もの客が滞在している」と囁かれるよりは、遥かにマシというものだった。
連絡手段などにやや不安は残るものの、メリットは多い。
何と言っても、宿の手配に困る事が少なくなるのだ。
これまで一行は、わざわざ八人分の空き部屋がある宿を、探さねばならなかった。
三人部屋が三つずつ空いていれば随分運は良い方で、
以前ユリがリュウを逆レイプした日のように、二人部屋が三つしか空いていない時もあった。
それでもどうにか全員寝られるならまだマシで、時には部屋が全然空いていない宿もあった。
そういう時はジムでのトレーニングや、賞金稼ぎで疲れた体に鞭打って、
わざわざ離れた宿屋まで足を運んだり、隣町まで移動したりしたものだ。
だが三人ずつ別々の町に泊まるのであれば、その問題は大きく解消出来るだろう。
それに、いい加減九人もいても全員使い切れないという、作者の都合もあった。
ところで、ここで突然、ラブホテルについての薀蓄をば。
そもそもラブホテルというのは和製英語で、外国には存在しない。
あるのはラブモーテルという、モーテルのエロい版だけである。
また日本においても、古くは出会い茶屋と言って、現代のラブホのようなものがあった。
そんな昔からある業種だから、サービスの内容もホテルによって異なる。
中にはステーキがサービスでついてくるようなホテルもあるし、
室内が白亜の二階建てで装飾ゴテゴテという、無駄に豪華な部屋だってある。
同性同士での宿泊を認めているところもあるし、3Pや4Pを受け付けているところもある。
「……で、何でこうなるんですか!」
香澄は現代で言うところのラブホテルのような施設の受付カウンターの前で、
顔を真っ赤にして憤慨していた。と言うか、恥ずかしがっていた。
「うーん、まぁ、仕方ないと言うか……ここしか部屋が空いてないんだ」
リュウは、いかにも生娘の香澄に対して、どう了承を得たものかと悩んだ。
彼らは今日、既に二軒の宿を回ってきている。
その二軒ともが運悪く満室で、チェックイン出来なかったのだ。
他に宿は無いかと、無礼を承知で主人に尋ねてみると、別の宿を紹介された。
それがこの、町に一軒だけあるラブホテルだった。
他に泊まれるところが無い以上、ここで妥協するしか無かった。
問題はこのホテルが、3P用の部屋はあるけれど、
防犯上の理由から同性同士や、一人での宿泊は一切認めてくれないという、
エロパロにとって非常に都合の良い規定で運営されていた事だ。
男六人、女三人。
数字だけ見ればうまく割れるのだが、どう振り分けるかで、大分揉める。
女性陣からしてみれば、男二人の部屋に女が自分一人だけなのだから、警戒はしてしまう。
さくらとユリはリュウ達を信頼しきっているから、
多少恥ずかしいとは思うものの、別段文句は差し挟まなかった。
第一この二人、もうとっくにそれぞれ京やリュウとヤってるし。
問題は香澄だった。
誰と同室になるにしろ、怖くて一晩眠れないような気がする。
彼女とてこのメンバーを信用していないわけではないが、
女の正直な感情としては、そういう問題ではない。
寝言とか聞かれたらどうしよう、とか。
とりあえず真吾君はこの中では一番信用出来ないから避けたいな、とか。
いやでもこいつチキンっぽいから案外一番平気かな、とか。
そんな事ばかり考えていた。
「とりあえず兄妹なんだし、リョウとユリが同室なのは確定として……」
ケンがそう言いかけた時、香澄は思わず猛反発してしまった。
「わたっ、私がリョウ・サカザキと同じ部屋に泊まる!」
その瞬間、場の空気が停止した。
リョウは突然の事に思考が止まり、ユリは「とうとう告白!?」と狂喜乱舞しかけ、
真吾に至っては、まだ何も起こっていないのに鼻血を吹いて卒倒した。
「あっ、いや! 違う! そういう意味でなくて、えぇと……
私にとっては、一番信用出来るのはリョウ・サカザキだからであって……」
香澄は必死になって、言い訳をしようとする。
だが、なまじ純度100%の言い訳というわけでもなかった。
このメンバーの殆どと面識の浅い彼女にとってみれば、
一番面識があるのはリョウに違いなく、彼の誠実さも知っていた。
誰か一人を選べと言われれば、恋愛感情を抜きにしても、彼を選んでいただろう。
「……うむ。そこまで俺を信用してくれるとは、嬉しいな。
妹を自分の目で見張れないのは少し残念だが、君がそう言うなら
同室で一晩を共にする事に、俺は吝かではない」
朴念仁のリョウは、香澄の内心の焦りにすら気付かず、
快く彼女との相部屋を了承した。
「そう言う事だから、ユリ。お前は俺以外の人と泊まってくれ。
みんな良い奴らばかりだから、大丈夫だろう?」
「当然っチ!
お兄ちゃんこそ、香澄ちゃん泣かせちゃ駄目だよ?」
その言葉を、ユリは「女の子に恥かかせず、優しく抱いてあげて」という意味で言ったが
例によって朴念仁のリョウは「手を出して泣かせたら例え兄でも殺す」という意味で受け取った。
リョウと香澄が最低限同室になる事だけ決定すれば、
後は残りのメンバーの部屋割りを、さっさと取り決めるだけだ。
これは、いちいち描写するのが面倒なので、アミダで決める事になった。
香澄の部屋は、リョウの他にはケンになった。
「おいおい香澄、大丈夫かぁ?
昼間みたいに見分けがつかずに、失敗してケンの方を襲うなよ」
京が茶化すが、相変わらずリョウだけは、襲う、という言葉の意味を分かっていない。
京は夜這いを遠まわしに表現したつもりだったのに、
リョウは文字通り、奇襲の意味で受け取った。
「さすがに寝込みを襲われるとキツいな、ハハハ」
ここまでくると朴念仁と言うより、失礼とさえ言ってしまっても良いかもしれない。
何一つ気付いてくれないリョウに、香澄の溜息は聞こえる筈も無かった。
室内は華美な装飾の殆どない、シンプルな作りだった。
部屋とシャワールームの仕切りが擦りガラスになっており、
ぼんやりとだが中にいる人間の体が見えてしまう事だけが、香澄とっては懸念だった。
いくら直視されるわけではないと言っても、裸体を見られるのは良い気分ではない。
辛うじて、全面的に擦りガラスというわけではなく、
どうにか人一人が陰に隠れて体を洗う事が出来る程度の壁はあった。
「それじゃ、とりあえず風呂入るか。こういう時はレディファーストってやつかな?」
何とは無しにリョウが言うと、香澄はそれを固辞した。
リョウには理由がわからなかったが、女性としては、
自分が入浴した後で男性が同じ風呂に入るのは、それなりに危険だ。
恥ずかしい毛とか落としてたらどうしようと考えるのは、当然の事だった。
先に入った男性の落ち毛を発見してしまうのも相当嫌なものだが、
自分の落ち毛を後から入る男性に発見されるのは、その百倍は嫌だ。
その事をわかってもらいたくても、中々説明する事が出来ないのがもどかしい。
ケンはこう見えて気の回る男なので、香澄が何も言わなくともわかってくれていたが、
リョウは頭の上に『?』マークを浮かべるだけで、さっぱり理由がわからなかった。
こんな、朴念仁を通り越して甲斐性無しとでも呼べるような男と、
一体自分の何がそんなに似ていると言うのか。
蹴られた後頭部が今更ズキズキしてきて、ケンは苛立ちを感じ始めた。
一方その頃。
隣の部屋では、ユリがベッドの上で、退屈を持て余していた。
目の前のソファでは、向かい合って議論を続ける格闘バカとナルシスト。
「俺が思うに、お前さんの電刃波動拳は、二種類の波動の間に層を形成して……」
「ならお前は、どうやって電撃を発生させているんだ?
今後の技の参考に、教えてくれないか」
殺意の波動を逆用する事で電刃波動拳を生み出したリュウは、
素で電撃の使える紅丸に、何かコツのようなものがあるのか、教えを請うていた。
美学を重んじる紅丸にとって、雷を扱う事には並ならぬ自信と自負がある。
リュウ程の男に教えて欲しいと頼まれれば、悪い気はしなかった。
だがユリにとってみれば、自分は蚊帳の外だ。
雷煌拳を本当に『雷』煌拳にするために、
この二人に本格的な電撃でも習ってみようかとは思ったが、
さすがに前回のリュウとのオーラルセックスのように、エキスを吸ったくらいで
体から放電出来るようになるとも思えない。(殺意の波動だったら出来るのかよ……)
二人の白熱する議論を中断させてまで雷を使えるようになりたいとも思わないので、
暇潰し目的で、彼女は壁に聞き耳を立て、隣の部屋の様子を伺う事にした。
壁の向こう側には、甲斐性無しの愚兄と、香澄と、ケンがいる筈だった。
他方その頃。
香澄達の部屋を挟んで、ユリ達の部屋の反対側には、京とさくらと真吾が泊まっていた。
と言っても真吾は、部屋に用意されてあったSM用の縄で簀巻きにされて
クローゼットの中に押し込められているだけで、とても「寝泊り」と言える状態ではなかった。
では京とさくらはどこにいるかと言うと、答えはバスルームの中。
お邪魔虫の真吾を監禁しておいて、早くも二人でお楽しみに没頭している最中だった。
出しっぱなしのシャワーがタイルの床にぶつかって音を立てており、
クローゼットの中にいる真吾には、浴室にいる二人の声は、全く聞こえてこなかった。
「んもう、京君ったら。そこ違うってば、馬鹿」
「わざとだっつーの。こっち撫でられるのも、満更じゃねーんだろ?
コンドームの表裏をしょっちゅう間違える奴に、馬鹿なんて言われたかねぇな」
「わかったから、撫でるだけだよ? 指とか入れたら承知しないからね」
「わかってるよ。指はこっちにしか入れねぇから」
「あ……あっ」
二人が具体的に何をしているのかは読者諸兄の妄想力に委ねるとして、
そんな会話がなされている事すらわからない真吾には、妄想の余地すら少なかった。
息苦しさと暑さはもうこの際我慢するが、退屈さだけは我慢ならない。
溜息まじりにクローゼットの中で壁にもたれかかると、隣室の声が少し聞こえてきた。
話は、香澄の部屋に戻る。
ベッドの上では、リョウとケンが、それぞれ素っ裸で仁王立ちし、己のイチモツを晒していた。
目の前には、初めて見るエグい物体に今にも卒倒しそうな、パニック寸前の香澄。
事の発端は、ケンの負けん気の強さからだった。
いくら髪が同じ金髪だからと言って、ヘアスタイルが全然違う。
それなのに間違えられた事が許せず、沸々と怒りがこみあげてきた。
リョウ・サカザキの『無敵の龍』という呼称も、ケンの負けず嫌いな性格を、一層掻き立てた。
真に無敵な龍は、この俺だ。俺こそが唯一無二の昇龍。
それを間違えるなど、言語道断。今この場で、どちらが優れた龍が、証明してやる。
ムキになったケンと、己の人違いが原因で相手を怒らせてしまった負い目を感じる香澄、
それを宥めてやろうと間に割って入り、余計にケンを苛立たせてしまうリョウ。
話はいつの間にか、二匹の『龍』をそれぞれ徹底的に比較検討してみよう、という流れになっていた。
「ほら、嬢ちゃん。手にとって比べてみな」
「て、手にとる……たって……」
「なぁケン、もう止めないか?」
リョウはそう言って場を収めようとしてくれるが、香澄にはもうわかっていた。
今日が、自分のロスト・ヴァージンの日になると。
男性とホテルに泊まりに来て、何事も起こらない方が珍しい。
初体験から二人の男を相手する事になるとは、人生で一度も予想した事が無かったが。
香澄は覚悟を決めて、二人の男根をそれぞれ片手に握ってみた。
まだ怖いので、ほんのそっと握る程度しか出来ないが、それが男にとっては余計に気持ち良い。
伝わってくる恐怖と遠慮と好奇心が、男の本能を刺激する。
真吾のような童貞だったら、これだけで射精してしまえそうだ。いやそれは言い過ぎか。
「えと、んと……太さと長さ、は……同じくらい?
でもリョウ・サカザキの方が、少しカーブが強い、かも……
と言うか、男性のコレが曲がってるなんて、初めて知りました……」
「感想なんかどうでも良いんだよ。
触るだけじゃなくて、もっと色々やってみな」
容赦無く、ケンの命令が頭上から降り注ぐ。
もっと色々やれと言われても、何をどうしたら良いのかわからない。
クラスの女友達の部屋に遊びに行った時に見たエロ本で、ある程度の予備知識はあったが、
かと言っていきなりフェラチオが出来る程度胸も無いし、経験に至っては皆無だ。
モザイクのかかった写真を何度か見た事がある程度で、真似事が出来る筈は無かった。
「何もいきなり舐めろなんて言わねぇ。とりあえず手でシゴいてみな」
シゴく、という言葉の意味もよくわからなかったから、
香澄は思いつく限りのアクションを、その手と指で試してみる事にした。
握ったまま手首を絞って回転をくわえてみたり、
或いは皮をスライドさせるように手首を前後させてみたり(これが正解)、
その皮と本体の分かれ目の辺りを恐る恐る指でめくってみたり、
裏筋を指の腹で撫で回したりしてみた。
その大半が、男にとっては別に大した快感にはならない行動だったし、
やり方を知っている女性なら先ずしない、どころか思いつかない行動でもあった。
ケンとリョウにとっても、これでは全然気持ち良くならない。
自分がしている事が全く相手を喜ばせていないと空気で察しつつ、
香澄はたっぷり十分以上悩み続けながら、懸命に二人のモノを触り続けた。
こまめに上目遣いで二人の反応を見て、何をしてやっている時が
一番気持ち良くなってくれていそうか、一つ一つ探り当てていく。
結局、俗に手コキと呼ばれるやり方が一番、男性が気持ち良くなってくれるのだと気付く。
見れば二人の表情が、明らかに緩んできていた。
必死で抑えているようだが、息も乱れてきているのがわかる。
先端から滲み出る汁を最初は尿かと思いもしたが、
そう言えば先走り汁とかいう単語は聞いた事があると思いなおして、
これがそれなのだろうなと、妙に納得出来た。
最終的には、これが滲むどころかむしろ勢い良く飛び出し、女の腹の奥に注ぎ込まれるのだ。
そこまで考えて、香澄は再び、不安と恐怖に襲われた。
「あ、あのぅ……やっぱり、最後までしないと駄目か……?」
突然の事態に軽いパニックを起こし、事態を先々まで見通せていなかったが、
冷静になって考えてみると、どう贔屓目に見ても、今夜自分は無事に寝れないだろう。
既に全裸になっている男が二人も同じ部屋にいるのだ。
綺麗なままでいられる筈が無い。
覚悟は決めてからコトに臨んだつもりでいたが、自分の感覚が麻痺していただけで、
実はまだ自分はこの事態を全く冷静に捉える事が出来ていなかったと、今更思い直した。
「そうだな、どうしたもんか……俺も正直そこまで考えてなかったな」
ケンのその発言に、香澄は墓穴を掘ってしまった事に気付いた。
今ここで彼女も何も言わなければ、ひょっとしたら彼らの気分次第では、
何事も起こらず自然収束的に事態を収め、ゆっくりと眠れたかもしれなかった。
だが、後悔してももう遅い。困り果てるリョウをよそに、ケンは香澄に課題を出した。
「よし、今から俺ら二人を、手と口だけで満足させな。
そしたら本番は勘弁してやるからさ」
最後の一線を死守出来るかもしれない、好条件のように一瞬は思ったが、
よくよく考えてみたら結局この二人を射精させる事に変わりないのだと、香澄は思った。
「それ、どう考えても私に不利じゃないのか……」
「まぁ人違いした挙句に人の後頭部を蹴飛ばした、報いだな」
「おいケン、もう苛めるのはそのくらいに……」
リョウが擁護しようとしてくれたが、この場の空気を掻き消せる程ではなかった。
香澄は不承不承服を脱ぎ、下着姿でもう一度ベッドの上に膝立ちになった。
相手を射精させなければならないというルールである以上、
より相手の興奮度を高めなければならない。であれば、着衣のままでは不利だと思った。
世の中には胴着姿のまま着衣フェラしてくれた方が興奮出来る変態も多いだろうし、
ひょっとするとケンかリョウのどちらかはそういう趣味の持ち主だったかもしれないが、
香澄はそこまでは考えが及ばず、愚かにも自らあられもない姿を晒してしまっていた。
相手の興奮度を高めるのが目的であれば、本当は下着も含めて
全て脱ぎ捨てるべきなのかもしれないが、まだそこまで覚悟は決まっていなかった。
もっとも、これはこれで、そそるものがある。
動きの邪魔になるからか、彼女はブラジャーではなく、サラシで乳房を覆っていた。
さすがに下はパンティだったが、シンプルな白で、いかにも彼女らしい。
脱いだ胴着や袴は綺麗に畳んで、ベッド横のソファの上に積まれている。
まだ身を許すつもりは無いから、ポニーテールだけは解かない。
これを解き、長い黒髪を躍らせるのは、射精勝負に負けてからだ。
もっとも、負けたいとは露程も思わないが。
「い……いきます」
一度ゴクリと唾を飲み込み、恐る恐るケンのモノを右手で握る。
もう片方の手はリョウのモノを握り、左右で同時に相手する。
見れば、リョウは香澄を見下ろし、申し訳無さそうな顔をしている。
こんな状況に追い込んでしまって、顔向けも満足に出来ない、といった風だ。
だったらケンを押し切ってでも、この状況を押し止めてくれれば良いのに……
と思いつつも、しかし相手がリョウならばむしろこの度の情事は
嬉しい事だと思い直してしまい、拒絶と快諾の葛藤に苛まれる。
ああ、お父様。お母様。香澄は悪い子です。
ふしだらな女に育ってしまいました。
二人の男性と同時に行為に及ぶなんて、いかにお母様とて、経験した事は無いでしょう。
それをよりにもよって、初夜で経験する事になるとは、昨日までは予想だにしませんでした。
どうぞお叱り下さいませ。
「おいおい、何小難しい顔してるんだ?
何か俺らが悪い事してるみたいじゃないか」
場の空気の重さがさすがに感じ取られたのか、ケンが茶化そうとするが、
悪い事を強要しているのは間違い無いので、言って余計に気まずくなる。
しかも正確に言えば、香澄にそんな事を強要しているのはケンだけだ。
リョウは、本能とムードに負けて何も言い出せなくなっただけで、
決して香澄を欲望に任せて泣かせてしまいたいなどとは考えていない。
ケン一人が意地になって、香澄を懲らしめようとして、こんな事になってしまっただけだ。
「ちっ、シラけるな。今夜はもうこれでお開きに……」
ケンが言い終えるより早く、香澄は自分の手を動かして彼の男根を手コキし始め、
同時に口を大きく開いて思い切りリョウの男根を咥え、フェラを開始した。
「ぅおっ、お……おい!?」
「待っ、ちょっと、そこまでしなくても……」
もう見逃してやろうと思った矢先に不意打ちを食らったケンも、
まさかフェラまでしてもらえるとは予想していなかったリョウも、
二人同時に驚愕の声を上げた。
「じゅる……はふ、んぶ……はふっ、はっ……んお……むぉ……ちゅるっ……」
淫靡な音を立てて、生温い吐息と唾液と舌で、彼女はリョウのモノを入念に舐め回す。
香澄には手コキのテクニックはまだ備わっていないし、
その事は彼女自身が一番よくわかっていた。
彼らを本気でイカせるのであれば、口まで使わなければならないだろうと判断していた。
幸い、彼女にはフェラの技術だけはあった。
さくらんぼのヘタを口の中で結べるとキスがうまい、という話を真に受け、
クラスメートの女子達と、密かに練習した事があった。
普段は稽古事に勤しむ生真面目な印象があるが、これでも遊びたい盛りの女子高生だ。
母親の目の届かないところでは羽を伸ばしているというのは、公式に言及されている事実だ。
彼女がいつか叶えるキスのために、さくらんぼで修行していたとしても、何ら不思議ではない。
もっとも、そうして得たスキルを、キスではなくフェラでまず使う事になるとは、
さすがに予想した事は無かったのだが。
ヘタ結びで得た細やかな舌使いで、香澄はリョウの男根を、先端から側面まで弄ぶ。
無論、ケンへの手コキも忘れない。両者をイカせなければ勝ちにはならないのだから。
口の中に、ブリーチのような苦くて不味い味が広がり始め、
先走り汁が自身の唾液と混じってきているのだと、嫌でもわかる。
その苦さから逃れるためにリョウの男根から口を離すが、
その瞬間目に入るのは、すぐ隣で待ち構えるケンの男根だ。
「ぷはっ……んん、んむ、ずちゅ……」
香澄が、二人に交互に間断なく口を使って出し入れをするようになるのに、
そう時間はかからなかった。
ケンのものを一頻り味わうと口を離し、リョウの方を咥える。
そちらが一段落すると口を離し、またケンの方を舐める。その繰り返しだ。
「おいおい、無理すんなよ」
「んむ……むはぁっ……無理をしなければ、勝てないだろう。
と言うか、無理をさせている原因は誰だと……」
「あぁもうわかったから、とっととイカせろよ。
負けたらもっと無理しなきゃいけなくなるんだぜ?」
「なぁケン、もうそろそろいい加減に……」
相変わらずリョウが間を取り成そうとするが、今更聞き入れられるなら、
そもそもそれまでの間に、とっくに聞き入れられている筈だ。
彼の香澄に対する気遣いや後ろめたさは、ムキになっている二人には、全く届かなかった。
やがて、リョウの方が限界に到達した。
「くぅっ……スマン! 出るぞっ!」
ちょうど、香澄が彼のモノを咥えている時だった。
避けようもない零距離で放たれた白濁は、香澄の口の中、喉の奥にぶち当たった。
「んぐっ!? かっ、げほぉっ! ごほっ、かは……っ!」
口内射精に慣れている者は、予め口の中に唾液を溜め込んでおいて、飲み下しやすくする。
無論香澄はそんなセオリーを知らなかったから、一滴も飲み込めず、
だらしなくシーツの上に全てこぼしてしまった。
「うぇ……思った以上に不味い……」
いくら意中の相手であるリョウのものとは言え、いきなり飲み干せるものではない。
そうはわかっていても、目の前でこぼしてしまうのは、相手に悪い気がする。
リョウはリョウで、平謝りしながら「気にしないでくれ」「汚れてないか?」
と気遣ってくれるが、ケンは横で退屈そうにしているだけだ。
「リョウはイカせられたみたいだが、俺の方はどうなんだよ?
言っとくが、二人ともイカせないと、お前の負けだぜ」
「おい、ケン。もう良いじゃないか」
「はぁ……はぁ……二度もこんなもの、飲めない……」
「じゃあ負けで良いんだな?
約束通り、本番の覚悟は出来てんだろうな」
ここまで来てしまえば、そ知らぬ顔で退ける程、香澄は卑怯ではない。
涙を流して許しを請うような、女の特権を利用するつもりもない。
だが既に疲労と心労からやる気が失せており、フェラや手コキを続けられる余裕は無い。
出来るとすれば、自分からは一切動かず、
相手の好きなように踊らされて、それで満足してもらう事くらいだ。
香澄は余力を使って指を動かし、どうにかパンティを脱ぎ捨てて、股間の肉を左右に押し広げた。
「ふあぁ……はぁ……好きな、だけ……使って……下さい……」
その言葉を待っていた。
ケンは枕元の小さなケースから、コンドームを二つ、探り当てた。
それがこの時代でもコンドームと呼ぶのかわからないが、
少なくとも2000年時点での概念で言えば、間違いなくコンドームだった。
素材は違うかもしれないが、用途は一緒だろう。避妊と、感染症の予防。
「おら、片方はお前の分だ」
ケンはそう言って、封をしたままのコンドームを、リョウに放り投げた。
リョウももう、ここまで来て今更冷静に二人を止めようなどとは、考えなかった。
ケンは手早くコンドームをつけると、香澄の内股に両手を差し込んだ。
そのまま両手を左右に広げつつ、彼女をM字開脚の体勢にする。
肘関節の内側で彼女の膝を抱え、その尻を両手でがっちりとホールドしてやって、腰を持ち上げる。
反り返った先端を彼女の膣の入り口に接触させ、角度を合わせると、そのまま少しずつ入れていった。
「俺の昇竜を、とくと目に、心に焼き付けな」
「ぅあぁ、ぁはっ……かは……入っ……て、くるぅ……っん」
未使用の膣は狭く、陰茎が千切れてしまうのではないかと思えた。
それでも香澄の体そのものの質量を利用して、何とか奥まで到達させる。
最後の方は、半ば、処女宮の抵抗を重力で押し切ったような感じだった。
「おら、リョウ。後ろはお前の分だぜ」
ケンのその申し出は一見アブノーマルで、行き過ぎている感があったが、
既に香澄にも、後ろの穴を使う事に対する拒否感や抵抗感などは見受けられなかった。
むしろ、リョウがアナルに挿入する事で、早く準備を終わらせたいと切望しているように見えた。
リョウは香澄の髪を解き、黒い艶やかな髪を、いくらでも振り乱せるように下ろしてやった。
と同時に、胸を覆い隠すサラシも、するするとスムーズに解いて捨てる。
「かなり痛いと思うが、我慢してくれよ……」
ケンと一緒になって香澄の尻を支え、膣より更に抵抗力の高い内壁に向かって、進入を開始する。
香澄は、肛門周辺の筋肉が裂けるような激痛と、意思では止められない滝のような涙に、耐えた。
「いぎっ! ……ひぃぃ……きぃっ、ぃぐぁ! ……はーっ……!」
下手に力を入れれば、切れ痔になってしまうかもしれない。
女性の方が一般的に男性よりは括約筋が柔らかいと言われるが、
その柔軟さが無かったら、とっくに裂けて、血が出ているかもしれない。
香澄の涙が止まるまで、そのままケンとリョウは、たっぷり十分は待った。
香澄が落ち着いたのを確認すると、ゆっくりと彼女の腰を上下させる。
泡立つ愛液が音を立てて滴り落ち、膣も肛門も、いっそう締め付けを強くする。
「うあぁあ……お腹ん、中っ……苦し……っ」
今まで感じた事のない異物感が、隙間なく腹の中を埋める。
それはとても苦しく、快感とは程遠いように思う。
だがケンは、香澄の表情が徐々に蕩けてきているのを、見逃しはしなかった。
貧乳なのに乳首だけは硬く勃起して自己主張し、この快楽に対する正直な感想を雄弁に語る。
愛液と同じくらいの唾液が唇から飛び散り、目は虚ろで何も映さず、
阿呆のような表情で、どこかを所在無げに見つめるばかりだ。
「はぁあ……痛っ、ぅあ……んはっ、はぁ……っ……こん、な……おらか、らめぇへ……」
「もう半分何言ってるかわかんねぇな。
未開発の体でも、二穴同時責めはさすがに弱かったか?」
処女が初セックスで、ましてアナルで感じる事なんてほぼ無いだろうが、
その辺のご都合主義はさすがエロパロといったところである。
香澄の腰が上下する度に、ズン、ズン、という重い音が、
肉を伝道して聞こえてくるようだ。
重力があるから、嫌でも奥まで深く届く。子宮口が何度も突かれる。
それに合わせて直腸も貫かれ、内壁を何度も擦りあげられる。
内容物が腹の中で逆流するような、吐きそうな気持ち悪さがこみあげる。
だが同時に、それが特有の快感となって、目の奥を痺れさせもする。
「おっ、奥ぅう……当たっれるふぅうっ……
オマンコ良いのぉお……奥に、ゴリゴリってぇ……
お尻の穴もぉ……ひゃうんっ……からだ、バラバラん……なっひゃうぅ……」
ケンはラストスパートに入り、リョウも今夜二度目の射精が近づいている事を悟った。
「イクぜ! 昇龍裂波!(←嘘」
「覇王! 翔吼拳!(←大嘘」
「やぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁん! もうイっひゃうぅぅぅうっぅうぅぅん!!」
その声を壁越しに聞いていたユリは、顔を真っ赤にして声を失っていた。
(うっわー……そこまでするっチか?)
安宿なので、ちょっと壁に耳を近づけているだけでも、大きな声なら聞こえてきた。
最後の瞬間の三人の声などは、特別大きなボリュームだった。
幸い同室のリュウと紅丸は、まだ議論に白熱中で、隣の部屋の情事には気付いていない。
「香澄ちゃん、大人の階段を登……って、そんなレベルじゃないよ、もう……」
あの大人しい(?)十六かそこらの少女が、後ろの穴まで使うとは。
私明日から、香澄ちゃんと目ぇ合わせられるかな……?
ユリは一晩中その事が気にかかって、とても眠れる心境にはならなかった。
「お待たせ真吾君。お風呂上がったよ」
さくらは何食わぬ顔でクローゼットを開け、中で蒸されて汗だくになっている真吾を解放した。
彼女の髪や肩からは湯気が立ち上っており、いかにも色っぽい。
今までバスルームで、京とどんな事をしてきたのか、想像に難くない。
だが今の真吾にとっては、そんな事はどうでも良かった。
「お、おし、お尻の、あな、穴穴穴……」
壁伝いに聞こえてきた声から推察するに、どう考えても香澄は
アナルファックで喘ぎ、絶頂まで得たに違いなかった。
そのショックたるや、童貞には即死クラスのインパルスがある。
しかし、彼のその呟きを聞いた京とさくらには、違った意味で聞こえた。
「ちょっと京君! シャワー出しっぱなしでも、聞こえてるじゃん!?」
さくらは、バスルームで京が彼女のアナルを指で撫でた事が、
真吾にバレているのかと勘違いした。
京もそれは同様で、しかも彼の場合身勝手だから、自分の失策を嘆くではなく
聞き耳を立てていた(と京は思っている)真吾の方を、こっぴどく責めるのだった。
「この糞パシリがぁっ! テメェはもう風呂ん中で寝やがれぇっ!!」
こうし真吾は、謂れの無いとばっちりから、簀巻きのままバスルームに放り込まれた。
中はまだ湿気がかなり残っており、服を着たまま放り込まれた彼が
翌朝『蒸し真吾』として出来上がる頃には、もう意識が混濁してあの世に召されかけていた。
翌朝。
調子に乗りすぎたケンも、流れに逆らえなかったリョウも、
ヴァージンをリョウ以外の男に捧げた挙句リョウには後ろを貫かれた香澄も、
三者三様に顔を曇らせ、ひたすらテンションゲージを下げ続けていた。
何が起こったか知っているユリ以外は、昨晩三人の間で何があったのか、
考えに考え抜くが、推測の域を出ない。
「おい、大丈夫なのか?」
リュウが尋ねるが、三人とも「あー……うん」だの「はい……」だのと返すばかり。
気の無い返事をいつまでも相手にしても仕方ないので、
当初の予定通り、パーティを三つに分割するための話し合いが開始された。
昨晩の顛末を知るユリが気をきかせて、香澄とリョウを無理矢理同じチームに推す。
そこにユリ自身が加わって、うまい具合に暫定龍虎チームが出来上がった。
「じゃあ、後は……」
こうなれば自然、一番気心の知れている組み合わせで分けるようになる。
リュウとケンとさくらのストリートファイターチームに、
京と紅丸と真吾のKOFチームで、綺麗にチーム分けが出来た。
「よっしゃ。そんじゃ早速行くか!」
京が仕切り、一行は町を出て、東に向かっていった。
道中で別れ、それぞれ別々の町を目指す事になる。
ユリは香澄の肩をちょんちょんと指でつっつき、小声で耳打ちした。
「今夜は私、気をきかせるからさ。今度こそお兄ちゃんを、本当にゲットしなよ」
香澄は一瞬何を言われているのかわからなかったが、
昨夜リョウに後ろの穴しか捧げられなかった事が筒抜けなのだとわかり、
耳まで真っ赤になった。
龍虎キャラ同士で話をまとめてしまったら、クロスオーバーの意味が無いのではないかとの、
筆者の一抹の不安を他所にして……。
終了です
最近休みが無くて書く暇ねー
GJ!!!!!!!!!!
ちょwwwケン
聞きたいんだが、
いわゆるホラー的なのも良いだろうか。何かネタでピンと来て
悶々と試行錯誤してるんですが
64 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 23:15:01 ID:V0NvxLri
ホラー+エロが入ったSSって事?
所謂貞子×格ゲーキャラとか?
エロは余り考えてなかったりして(ぇ 女一杯出したい欲は大きいけど
少し前見た学校の怪談見てる内に何か
格ゲーキャラでホラーみたいな世界に置いたらどんな感じかなー?みたいな
興味から浮んだ程度の事だけど。思い始めたら止まらなくてもう手がガチャガチャと
一心不乱に撃ちまくr(ry
なるほど、じゃあこういうのとかは?(エロ無しで)
例:「格ゲーキャラが呪怨の世界にいたとして、そして最終的に某怨霊の女に呪殺される」
どうも格ゲで貞子というとELLAが出てくる・・・
GJですた!
ケン空気嫁www
真吾も誰か相手してやってくれw
>>66 呪怨かぁ…怖すぎて見てないw
基本、半ギャグ、半シリアス目的にしてるけど
何かバイオ的というか、スウィートホーム的というか
カプコンアクション特有の謎解きながらの恐怖みたいな感じの題材で
やってみようかなあー?みたいな感じすから 出来るかどうかも分かんないけど
こういう格ゲのクロスオーバー的なの有るし、これはチャンスか?と思いね
一応、頑張ってみる。不快だったらあれよ…あぼーんで!
なるほどバイオはいいかも
格ゲーキャラがクリスやレオンやクレアの代わりになってラクーンシティを脱出して
アンブレラを壊滅させにいくとか面白いかもw
格ゲでホラーなら、S子の出番じゃね?
S子というよりザッパだな
>>70 とある格ゲキャラのスレでそのキャラが
バイオ4の村を旅するSSならあったけどなw
74 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 03:08:38 ID:H+Q0/TKL
マジかw是非一度でいいから見ておきたかったな
え?何だコーディーか・・・
てっきりレオナとかウィップとかラルフとかかと思ってたのに・・・
バイオで格ゲと言えばジルが出てたな
…しかしプレイしてない上にシステム云々は面白いかもしれん為
まだ早くも絶望はしてないし、しない方が良いんだろうがそれでも
キャラ選出だけ言えば予定調和通りの人選だなストW…キャラは
四天王を含めたストUキャラと、あの濃い米向けな3キャラで終わりだろうか…
何だかなー
誰か前スレめぐんで下さいorz
専ブラでログならとってあるよ
でも確か落ちたスレ見るためのプロクシとかなかったっけ
今帰宅中だから待ってて
おおう、ありがとうありがとうありがとう
>>81 っていうか2001年のスレのログって凄いな。
7年も前か。
KOF12って、シフト制廃止するんだな
まるで2002でストライカー廃止した時みたい
まさか12はアッシュ編最終章と同時にお祭りKOFもやるのか?
KOFだけどまとめサイトでつ
89 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 18:22:17 ID:JF5UZq0x
そろそろレイレイが登場するエロSSが見たいぜ
セイヴァースレあるじゃん
レイレイってマンコ腐敗してそう
レイレイは文字通り腐女子です
うーん・・・まだ寂しいな。
こういうスレ待ってただけにもったいないぜ
この時期は仕事が忙しいからな
Eventual Rumble Orochi 2181 第十三話、投下します。
今回ちょっと長いかもです。
八神庵は、欲求不満を持て余していた。
性欲が満たされていないというわけではない。
性欲なら、ディズィーがいくらでも満たしてくれる。
庵が今満たされないのは、別の理由からだった。
「あのぅ、庵さん……最近、苛立ってません?」
ディズィーが甲斐甲斐しく聞くが、庵はまともに答えようとしない。
さも、答えるのが面倒と言わんばかりだ。
「俺がイライラしているのは、いつもの事だろうが」
確かにその通りなのだが、今日の苛立ちは、いつもとは何か違う。
せっかく二人で町に繰り出しているというのに、
これではデート気分が台無しである。
ディズィーは、庵とは別の理由から、機嫌を悪くし始めていた。
「おい、八神庵じゃないのか?」
街角でふと、声をかけられた。
この声は誰だったか。聞いた事があるような気もするし、知らない気もする。
振り向いてみれば、そこに立っていたのはリュウだった。
「……何だ、波動拳の男か。貴様もこの町に来ていたのか」
「奇遇だな。俺だけじゃない、ケンとさくらもいるぞ。
昨日までは京やリョウ達もいたんだが、今は別行動を……」
「リョウ……リョウ・サカザキの事か?」
庵は意外にも京ではなく、リョウの方に関心を示した。
てっきり「京の居場所を吐け!」などと怒鳴り散らし、
この場でストリートファイトに発展するかと思ったのだが。
「庵さんのお友達ですか? 私、ディズィーと申します。
不束者ですが、よろしくお願い致します」
まるで庵の嫁のような態度で、ディズィーはリュウに挨拶を述べた。
こんな礼儀正しい可愛らしい彼女が出来るとは、八神庵もすみにおけんな……
などと、リュウは呑気な感想を抱いた。
程なくして、買い物を済ませたケンとさくらが、その場に合流した。
「おいおい、八神じゃないか」
「あっ、京君のお友達の人ですよね? 私、春日野さくらって言います。
よろしくお願いします!」
京の友達、と言われても、庵は何ら反応を示さなかった。
本当なら「誰があのクソ薙のお友達だ!」などと、怒って炎を巻き上げてもおかしくないのに。
「なぁなぁ、八神の奴、どうしたんだ? 何か体調でも悪いのか?」
ケンはあまりに不思議になって、リュウに尋ねてみた。
しかしリュウもまた、庵の不調の理由は知らない。
ディズィーという綺麗なカノジョ(違)の顔をうかがって見るが、
どうやら彼女も庵の態度を不思議がっているようで、首を傾げられた。
元々庵とリュウ達は、仲が良いわけではない。
しかし、こんな世界で偶然出会えたのは、何か強い巡り合いを感じる。
情報交換も兼ねて、彼らは昼食を共にする事にした。
そう提案したのはさくらだったが、ディズィーは勿論、庵も別段嫌がらなかった。
と言うより、あまりにも興味が無さ過ぎて、拒否すらしなかった、という感じだ。
今日の庵は一体どうしたのか、誰にもわからなかった。
「なぁ八神、一体どうしたん……」
「そんな事はどうでも良い。リョウ・サカザキは今、どこにいる?」
ケンの声を無視して、庵は一方的に尋ねた。
「リョウなら、隣町にでもいるんじゃないか?
俺らとそう離れて行動してるわけじゃないし……って言うかお前、
京よりもリョウの方が気になるのか? お前が? 何で?」
ケンの疑問はもっともだが、相変わらず庵はそれに答えない。
続けざまに、自分の聞きたい事だけ聞く。
「ならロバート・ガルシアも、そこにいるのか?」
「い、いやロバートは……この時代に来てから、まだ一度も会ってないけど……」
「……ちっ、使えん奴らめ」
ますます、質問の意図がわからない。
何故庵が、ロバートを気にかけねばならないのだろうか。
あまりにも不審だったので、さくらは恐る恐る、事情を聞いてみた。
まさか答えてくれるとは期待していないから、
本当に、ただ単に聞いてみるだけのつもりだった。
ところが庵は、さくらにだけは答えを返した。
と言うより、これは答えた内には入らないかもしれない。
誰にでも良いから、愚痴を誰かにこぼしたかっただけなのかもしれない。
庵は、何故今朝から機嫌が悪いのか、何故自分がロバートを気にするのか、
その理由をぽつりぽつりと口にし始めた。
「……会議が」
「かいぎ? 何だそれ」
「美 形 会 議 だ、馬鹿者!
KOFを代表する超絶美形キャラのこの俺が、欲求不満になると言えば!
最近美形会議が開催されない事! 及び!
それに伴ってこの俺が会議に出席して華を飾る機会が得られない事!
これに決まっているだろうがぁーっ!!!!」
・・・・・・・・・。
隆「お、お前、ちょっと待て……まさか、そんな事で!?」
庵「そんな事とは何だ。貴様は生まれつき美形じゃないから(酷)、そんな事が言えるんだ。
良いか? 会議の無いこのスレなど、キャップの無いペットボトルのようなものだ」
拳「して、その心は?」
デ「えぇっと……締りが無い、って事ですかね」
桜「さっすが庵君のお嫁さん! 他の誰もそんなのわかんないよ」
庵「やかましい!
この際美形会議でなくても良いから、何か会議を開かんか!
この場で、即席でも構わん! 俺を枯渇させるな!」
隆「うーん、そうは言ってもなぁ……
俺やケンと、八神の間に、共通項なんか無いしな」
拳「火ぃ使えるぜ、火。炎使い会議ってのはどうだ?」
桜「つまり炎使えない私達は除け者って事?
女の子を除外するなんて、紳士の言う事じゃないよね」
デ「えっと、じゃあ、私と貴女で、セーラー服会議……とか?
私、変身前(つまり今)はセーラー服ですし」
庵「それじゃ俺が参加出来んだろうが。
第一、たった二人で会議もくそもあるか」
嗚呼、やっぱりこういうノリの方が、書いてて楽しい。
て言うかエロ書くの苦手なんだよね俺。
と、そこへ、随分奇遇な事だ。もう一人、別の少女が現れた。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
「いいえ、三人です。ソルさん、いぶきちゃん。早く!」
「ちっ、何だって俺が、女二人と飯食う羽目になるんだ、アァ?」
「ぶつくさ言わないの。男冥利に尽きるってもんでしょ」
現れたのは、あまりにも意外な組み合わせだった。
どれも見覚えがある顔だ。
「お、お前確か……大聖堂で、ギルとやりあってた……」
「何だ? あぁ、お前確か、俺と一緒に炎放ってた内の一人だったな。
もう一人の学ラン野郎はどうした?」
その無粋で無骨な喋り方は、一度聞いただけでも印象に残る。
確かこの男の事を、ギルはフレデリック……いや、ソルと呼んでいた。
その後ろについて現れたのは、リュウやケンにとっても面識のある少女だった。
「お前さん、確か忍者の小娘の……」
「そ。いぶきだよ。おひさー」
どういう経緯でソルといぶきが一緒に食事に来ているのかわからなかったが、
それよりもっと驚いたのは、この二人を連れて来た、先頭の少女の存在だ。
「あ、麻宮アテナ……ちゃん?」
「初めまして。春日野さくらちゃん、ですよね?
強そうだから、ちゃんと大会前にチェックしてましたよ」
麻宮アテナと、ソル・バッドガイと、いぶき。
一体どういう組み合わせなのかと問われれば、それはもう、ご都合主義のためと答えよう。
どのくらい都合が良いかと言うと、アテナはまだ変身前で、
即ちセーラー服でこの場に現れていた程だ。
桜「……セーラー服会議、出来ちゃうね」
デ「そうですね」
麻「なになに、何の話?」
息「私だって、セーラー服じゃないけど女子高生だよ。話に混ぜてよ」
こうして、セーラー服会議2181が開催される事となった。
桜「でもそう言えば、何でこんなにセーラー服来た格闘家が、
格ゲ界には多いんだろうね?」
麻「昔はセーラームーンが流行ってたからね。
きっとその影響があったんじゃないかな」
息「私もセーラー服着て戦ったら人気出るかなぁ。
あ、でもそれじゃ全然忍びじゃないな」
デ「(今だって全然忍べてないんじゃ……)
ところでさくらさんって、セーラー服格闘家の先駆けですよね?」
桜「まぁ、そうだろうね。エッヘン!」
庵「……おい、痛快GANGAN行進曲(1994年)のキサラという女を知らんのか」
息「男は黙っててよ。セーラー服会議なんだから」
庵「お前もセーラー服じゃないだろうが!
大体俺にはミスX……いや、何でもない」
麻「あのぅ、一応私、さくらちゃんより以前から
セーラー服着用の格闘家として登場してたつもりなんだケド……」
桜「あーダメダメ! だって、試合開始ん時に脱いじゃうでしょ?
着たまま戦う事に意義があるんだよ、セーラー服は。(『サイコソルジャー』は無視)
だからそう言う意味では、ディズィーちゃんもセーラー戦士とは呼べないね」
デ「ぐすん。……良いもん。ボンテージ着用格闘家の先駆けになるもん」
拳「なぁ、KOF99のクリザリッドって知ってるか?」
隆「やめとけ、ケン。どうせ八神みたいに、スルーされるだけだ」
庵「セーラー服もボンテージも駄目なら、スク水だな。
もしくはブルマに体操服というのも……」
桜&麻&デ&吹「「「「どっちもアルカナに既に登場してますっ」」」」
庵「……すいませんでした」
隆「じゃあナース服なんてどうだ?」
拳「あのなリュウ、世の中にはランブルフィッシュという格ゲーがあってな」
その間、女達の喧騒に耐えられなかったソルは、
一人で店外に出て、煙草をふかして時間を潰していた。
「ったく、ヘヴィだぜ。何だってこんなに女が大勢いやがる……」
苛立ちを吐き出すように、わざと声に出して呟いてみる。
だがその疑問に対する答えは、即ち、ギルを思い出す事に直結していた。
あの男が、呼び寄せたのだ。
人類の脅威とやらを排除するための、戦力として消費するために。
恐らくはイノの時間跳躍能力の賜物だろう。実に大量の戦士達が、一度に掻き集められた。
その中には男も女も、若者も老人もいる。
たまたま今、この町に、女が集まってしまっただけなのだ。
カランカラン、と音を立てて、ソルの背後の戸が開いた。
出てきたのは八神庵だ。
どうやら彼も女達のお喋りに気が萎えて、一服に来たらしかった。
喫煙スペースは店内には無く、あるのは今二人が立っている、この洒落たバルコニーだけだった。
「……久しぶりだな」
先に声をかけたのは、ソルの方だった。
彼らは一度既に対峙した事がある。庵がディズィーに手を出した時だ。
あの時の記憶は、庵にとって未だに屈辱だ。
八神の炎を……それも、闇払い程度のものではない。
裏百八式・八酒杯をその身に受けながら、目の前の男は平然と突進してきた。
その虚を突かれ、技の直後の無防備な状態を叩き伏せられた。
あの時ディズィーが止めに入らなければ、自分は血の一滴もこの世に残さなかったかもしれない。
女に助けられたというのが、尚のこと彼の屈辱を煽った。
だからだろうか。虚勢を張るために、わざわざソルに悪辣な口をきいてしまったのは。
「また会えるとは思わなかったぞ。
確かソル、とかいう名前だったな? あの女から聞いている。
どうだ? 自分の女を寝取られた気分は。毎晩具合が良いぞ、あの女は。
随分美味しい拾い物だ。お前にもあぁだったのか? クックク……」
だがソルは、そんなものは意にも介さない。
これでも100年以上を生きてきた、立派な老人だ。
二十歳そこそこの若造の挑発にのるような、浅薄な男ではない。
「何を勘違いしてるんだか知らねぇが、あの女と俺はそういう関係じゃねぇ。
あれがお前のナニに貫かれてヨガり狂おうが喘ぎまくろうが、知ったこっちゃねぇな」
「ほぅ?
その割には、俺があいつを犯した時、やけに怒っていたようだが」
「テメェの存在が理由も無くムカつくだけだ。
目の前にいるだけで反吐が出そうになる。今度こそマジで焼かれたくなかったら、失せろ」
「ならばそうさせてもらおう。あの女のお喋りが終わったらな。
その後は宿に帰って、またゆっくりと楽しませてもらうとするさ」
丁度その時、再びドアが開く音がした。
「ソル。それに、えぇと……庵だっけ。
注文の料理が届いたから、戻って来たら?」
いぶきのその声によって互いに熱は冷め、一時休戦となった。
ソルは挑発にのるつもりはなかったが、庵の方は勝手にキレてしまいかねない。
いつ戦闘になってもおかしくない、一触即発の状態だったのだ。
二人は煙草の火を消し、大人しく店内に戻った。
「そう言えば……聞きそびれてたんだけどさ」
庵とソルが着席したのを見計らって、ケンが問いかける。
先程からリュウやさくら達もずっと疑問に思っていた事を、代表して尋ねた。
「いぶきは何で、このソルってのと一緒にいるんだ? それにアテナも」
ソルは黙って目の前のピラフにスプーンを運ぶ。
ケンの質問にわざわざ答えてやる気は、更々無いようだった。
生来の面倒臭がりな性分は、こういうところで人付き合いを悪くする。
少しはその癖も直せば良いのにと、カイならぼやくだろう。
彼に代わって、アテナといぶきが、それぞれ答えた。
アテナの回答は、こうだった。
「私は、町でたまたま出会ったんです。
ケンスウが不慮の事故(?)で怪我をしてしまって、紙袋被ったお医者様の所に入院しまして。
私一人で情報収集とか賞金稼ぎとかしなきゃいけなくなっちゃったんですけど、
そんな時偶然、大聖堂でお見かけしたソルさんと、町で鉢合わせたんです」
「なるほどな。そりゃこんな時代に飛ばさりゃ、
見知ってる奴がいたら、頼りたくもなるわな」
と相槌を打つのもやはりケン。ここにいる男性陣の中では、一番女性と会話するのがうまい。
「それでここ数日は、入院してるケンスウに代わって、
ソルさんにお世話になってるんです」
そこまで説明すると、アテナはいぶきの方を向いた。
それを合図にして、今度はいぶきが答える。
「私は、ギルについての情報が知りたくってさ。
Gファイルってのを探ってるんだけど、それに関して、
ギルと知り合いっぽいソルに聞けば何かわかるんじゃないk……」
「だから、教える気は無ぇっつってんだろうが!」
いぶきが言い終えるのも待たず、ソルは尚一層苛立つように、ぶっきらぼうに言った。
彼はここ数日、Gファイルの事をしつこく尋ねてくる
この女忍者への対応に、すっかり疲れていたのだった。
最初は物陰から伺うようにこちらを観察していた。
鬱陶しかったのでとっ捕まえてみると、Gファイルの秘密を公開するよう要求された。
「テメェが知ったって、理解出来ねぇよ」
「ギルにも以前、同じ事言われたよ。私が見たって、何も出来ないって。
でも私、このGファイルにこそ、今回の戦いを乗り切るための
ヒントがあるんじゃないかって睨んでる。
教えて。Gって何なの?
ギルの頭文字? それとも虐殺を意味するジェノサイド?
まさかガンダムとか言わないよね」
それでも答えず放置すると、二度目からは露骨なコンタクトをとるようになってきた。
町を歩けばどこかの角に必ず待機されていたし、
ちょっとレストランに行けば、テーブル席なら対面に、
カウンター席ならすぐ隣に、勝手に座ってくるのだ。
そして昨日辺りからとうとう、無許可で行動を四六時中共にするようになった。
彼と同行しているアテナは、基本的にかなり良い子ちゃんなので、
面倒臭がらず好意的にいぶきと仲良くし、むしろいぶきを邪険にするソルを、
非難のこもった眼差しでさえ見つめたりした。
もっとも、こういう女が一番嫌われるのだが……。
アテナといぶきが、ソルと並んで食事になど来ているのは、そういった理由からだった。
「へぇ、何かまぁ、苦労してるんだな」
ケンが他人事のように言うのが、ソルには尚一層腹立たしい。
そもそもアテナの方だって、好き好んで世話してやっているわけではない。
相棒の中国人男子が動ける身なら、アテナを守るのはその男の仕事だ。
ソルは、ケンスウとかいう男が回復するまでの、代役を務めるつもりに過ぎなかった。
こんな押しかけ女房のような若い女達が、二人も勝手について回る。
鬱陶しくないなどとは、お世辞にも思えなかった。
かつてソルに倒された経験のある庵は、同時にかつてのKOFで
女性二人(マチュアとバイス)に四六時中つきまとわれる鬱陶しさを熟知していたので
ソルに対しては嘲笑ってやりたくなると同時に、少しばかり同情も感じた。
まとまった人数で行動すると目立ってしまい、小回りがきかなくなる。
少なくとも賞金稼ぎを生業とするには不利だという事は、
リュウ達は勿論、ソルだって今までの経験で知っていた。
庵に至っては、元々集団行動する気は無いので、食事と情報交換を済ませた後は
三組とも別れ別れになり、それぞれのホテルや寄宿先へと帰って行った。
もっとも、あまり広くはない町だ。
宿は一軒しか無く、三組とも最終的には、同じホテルで鉢合わせた。
「……ちっ、またかよこの赤毛」
「つくづく俺の視界を掠める奴め。京の前に焼き払ってやろうか?」
顔を付き合わせただけで臨戦態勢になるソルと庵を、
アテナとディズィーが何とか宥めて、事なきを得る。
この時になればリュウは、昼間庵に声をかけた事を、少々後悔し始めていた。
面倒臭いのとばったり出会ってしまったものだ。
だが、三神器の一人である庵と、ギルの事を知るソル。
この二人と同時に出会え、多少なりとも情報交換をする事が出来たのは、
リュウやケンにとっては有意義だった。
この時代の事に関する予備知識――魔法や聖戦の事等――が
何一つわからなかった彼らにとって、ソルから聞かされた話は、
今後旅を続ける上で非常に役に立つであろうものばかりだった。
また、オロチの事に関しても、庵から聞かされた事は、
今後の立ち回りを決める上でも、無視出来ない有用な情報だった。
昼食時の意見交換で吸収したこれらの情報を、
京やリョウ達にも共有してもらえれば、より行動しやすくなる。
いや、彼らばかりではない。テリー・ボガードを筆頭とする、他の戦士達にもだ。
「何とかして、この時代に飛ばされてきた戦士達全員と、話し合う機会は得られないものかな」
部屋に備え付けられたボロいベッドの上で、リュウは座り込んで考えた。
「警察にもろくすっぽ協力しない連中ばっかりだからな。
ちょっとやそっと呼びかけたくらいじゃ、まず集まらないだろ」
リュウ程深刻ではないにしろ、ケンも彼なりに真面目に考える。
だが、だからこそ余計に、この案件が現実的に実行不可能な気がするのだ。
こんなにバラバラで、統率など全くとれていない集団が、
果たしてオロチや、ギルに対抗出来るのだろうか?
その疑問はこの時代へ来た初日から漠然と抱いていたが、
ここに至って殊更強く、そう感じるのだった。
「ねぇソル。オロチの事とかは、何となくわかったんだけどさ」
いぶきが、出し抜けに問いかける。
ソルは聞いているのかいないのか、黙って文庫本を読み続けていた。
忘れられがちだが、彼はかつて科学者だった男だ。
活字を読む姿は似合わないが、元々読書が嫌いという事は無かった。
いや、あるいは、読んではいないかもしれない。
いぶきの質問攻めに無視を決め込むための、一種のパフォーマンスの可能性もある。
だがいぶきは、構わず言葉を続けた。
「……肝心のGファイルの事、なんにも教えてくれてないよね。まだ」
無論、ソルは答えない。
第一彼からしてみれば、何度も答えてきた質問なのだ。
教えても無駄、知ったところで何も出来ない、意味もわかるわけがない。
ずっといぶきに、そう答え続けてきた。
Gファイルに関して部外者である彼女に教えてやれる追加情報など無いし、
仮にあったとしても、やはり教えてやるつもりは毛頭無かった。
「あのファイルの真相をテメェが知ったところで、
今回の事件を解決する糸口にゃならねぇよ。あれはそういう代物じゃねぇ」
「でも、そんなのわからないじゃないですか」
アテナが口を挟む。
「ソルさんにとっては無関係に見えるものでも、
ひょっとしたらオロチには関係してるファイルなのかもしれない。
オロチの事を知らないソルさんに、そのGファイルが今回の件に
全く無関係だと、断じる事が出来るんですか?」
そうだそうだと、いぶきも同調する。
だがソルからしてみれば、そんな意見はまるで的外れなものだった。
そんな意見は、Gファイルの中身を知らないから言えるのだ。
あれは本当に、オロチの事とは一切の関わりがない。オロチを打倒する手がかりにもならない。
あれは、地球意思に対抗するためにギルが構築した理論の集大成ではあるものの、
だからと言って、そのファイルの中身を知ればオロチに対して有利に立てるというものではない。
「ざってぇ連中だな。何度言やぁワカる。
読めばオロチ対策になるってんなら、俺だってケチらず教えてやってらぁ。
第一、ジャパンのクノイチってのは、寝技が得意なんだろ?
そのテクで以って体に直接聞いてくりゃ良いじゃねぇか、小娘」
ソルは、ソルにしてはややわざとらしい程、暗喩的な下ネタで攻めてみた。
相手は高校生だと言うから、このぐらい言ってやれば
恥らって口ごもり、二の句が出せまいと踏んだのだ。
そして確かにその通り、アテナは顔を真っ赤にして、口を噤んでしまった。
だがここで、ソルにとって計算外の事が起こった。
不敵にも、いぶきが口の端を吊り上げて、得意顔で笑っているのだ。
その表情は「言ったね?」と、無言で確認してきているようだった。
横目で見ていたアテナも、その不敵さに思わず生唾を飲み込む。
「男に二言は無いね?」
「……何のつもりだ、小娘」
「アンタが今言ったじゃん。くノ一は寝技が得意だって。
言っとくけどね、この自慢の巨乳だって、任務のために
わざわざ揉んで鍛えて大きくした、自信作なんだよ」
そう言うといぶきは、自分の乳房を両手で抱え込み、わざとらしく寄せて上げた。
そもそも女性の乳房というものは、脂肪の塊でしかない。
一流アスリートなど体を鍛えている女性は、余分な脂肪を削ぎ落とす。
そのため大抵はバストも控え目になるものだ。
かつて世間を賑わせた、モデルもこなすトップテニスプレイヤーのシャラポワも、
胸自体はかなり小さめで、無駄な肉はついていなかった。
(故の、あのプロポーションの良さでもあるのだが)
そこへいくといぶきは、スピードが求められる忍者という役職の割には、
胸とフトモモのボリュームは平均以上だ。
実際女の忍びは、敵地や遊郭に潜入して、色仕掛けで標的を篭絡して
情報を引き出すのが主な仕事だったそうだから、その風習が
末裔にも受け継がれているのであれば、いぶきのプロポーションは納得だった。
もっともフトモモは、脚力を得るために鍛えられた結果のものかもしれないが。
「胸だけじゃないよ。この装束だって、目的は同じ。
ノーブラノーパンで、横から手を突っ込めるようにしてあるのも、
わざと弄ばせるためだよ。それとも、何も知らないウブな女の子だと思ってた?」
いぶきは両の乳房を上腕で挟み込むようにして、前傾姿勢になった。
くノ一の最大の武器を、これ見よがしに強調して挑発する。
その様子は、イノのような、不快感を伴う挑発ではなかった。
イノの挑発は淫乱で、相手を見下すような本心が透けて見える。
しかしいぶきの挑発は、淫乱というよりはむしろ、オープンで健康的な感じだった。
育った環境、叩き込まれた教えのためだろうか。
セックスに対する割り切り方が、イノのようなビッチ的なものとは、根本的に異なっていた。
ある意味では、ビジネスライクとも言うべきだろうか。
なるほど、クノイチという生き物は、本当に寝技が仕事なようだ。
「ちょ、ちょっといぶきちゃん!
本当にその……そんな事、するの……?」
戸惑うアテナは、目の前の二人の会話に、ついていく事すらやっとだった。
すぐさまこの部屋を出たかったが、それは二人に気を遣ってではなく、
この場に居辛くなってきたからだった。
「何言ってんの、アテナったら。
あなたも一緒に『する』んでしょ」
いぶきは、さも当然のようにそう言った。
「す、するって……えぇっ!? 何で私まで!」
「だって、アテナだってGファイルの事、知りたがってたじゃん。
私だって別にシュミで体差し出すわけじゃないんだからさ。
私だけ体張って、情報は共有ってんじゃ、フェアじゃないでしょ」
その辺りの割り切り方も、ビジネスライクなところが窺える。
くノ一が体を差し出すのは、それによって得た情報を、上役に提供するためだ。
対等な関係にある仲間や身内に情報を明かすのに、無償というわけにはいかない。
そんな事をしていれば、情報の価値が下がるのだから。
仲間同士で情報を共有するのであれば、他の情報を貰うなどの、見合う対価が必要なのだ。
だがこれには、ソルが反論した。
「自信が無ぇのか? 忍者の小娘。
自分一人じゃ俺を満足させられねぇのかよ」
「私は一人でも良いんだよ。
ただ、アテナが情報を共有したがるのなら、私一人が苦労するのはナンセンスでしょ。
アテナはコレに参加しなくても、私にとって別に問題は無いんだよ。
代わりに私も、得た情報を何一つアテナには教えてあげないだけだから」
これは心理戦だった。
平たく言うなら、嘘をついたと言って良い。
オロチを倒すためにより一人でも多くの戦士の力が必要だと言う事は、いぶきにもわかっている。
アテナと……いや、アテナばかりではない、他の多くの戦士達と、
情報の共有化を図らない事によるメリットなど、どこをどう見ても1ミリも無いのだ。
得た情報は、包み隠さず皆に教えてやるべきだ。彼女はそれを、十分承知していた。
だから本当は、アテナが何もしなくても、情報は分け与えるつもりだった。
ただ単に、彼女の覚悟を見ているだけだ。
自分がコストを支払うつもりが毛頭無いような甘ったれならば、
どの道この先使い物になどならないだろう。であれば、本当に情報など与えてやる意味は無い。
これは、アテナを値踏みするための心理戦だった。
その事を、ソルは察していたが、アテナは混乱しているのか、理解出来ていなかった。
普段の冷静な頭でなら、自分が試されているという事は、彼女にもわかったものを。
「っわ、私は、その……」
アテナは迷いに迷った挙句、瞼を一度きつく閉じてから、そっと目を開けて答えた。
「……わかりました。私も、私に出来る事なら、何でもします」
それは身売りに向かう悲壮さではなく、
献身に臨む勇壮さの溢れた眼差しだった。
いぶきは心の中で、アテナに合格点を出してやった。
そうと決まれば、後はやる事は決まっている。
二人で協力して、あの手この手を駆使して、ソルをイカせれば良いのだ。
いぶき一人でも出来る事は山ほどある。
自慢の巨乳を使って挟んでやっても良いし、舌技にだって自信はある。
体位も一通りは習得済みだから、四十八手のどれを求められても答えられる。
それに、勝負は行為の前から始まっている。
相手が湯浴みをしている間に、冷蔵庫から氷を一欠けら持ってきて、
それで自分の乳輪をなぞれば、簡単に乳首が勃起する。
自分が相手を求めていると、相手に思わせるための、騙しのテクニックだ。
睦まじい恋人同士の間でする事ではないが、夜の街では必要な技術だ。
いぶき一人でもこれだけの事が出来るのに、そこにアテナも加わるとなれば百人力だ。
「とりあえずさ、汗くさい男に抱かれたくないから。
先にシャワー浴びてきてよ、ソル」
いぶきが提案した。
その間に、氷で乳首を硬くしておく作戦だった。
だが、百年を生きたソルからしてみれば、その作戦は見え見えだった。
「必要無ぇよ。そんな小細工使わなくても、
テメェらの乳首くらい、この俺が実力で勃たせてやらぁ」
アテナ一人だけが、その会話の意味をわかっていなかった。
傍目に見れば、会話が成立していないようにすら聞こえただろう。
自分がこの二人についていけるのか、彼女は不安でしょうがなかった。
「ほらおいで、アテナ。いつまで床の上に突っ立ってんの」
「あぅ……」
いぶきに手を引かれて、アテナはいよいよ、逃げ場を無くした。
ソルは既にジャケットを脱ぎ、ズボンのチャックを下ろし始めている。
屈強な腕と厚い胸板は、本来なら頼り甲斐のある体躯の筈なのだが、
今のアテナにとっては、激しい行為を強要されそうな、野蛮なイメージばかりが先行する。
その恐怖心を取り去ってやるために、さしあたっていぶきは、
先ずは二人で一緒に、少しずつ行為に馴染んでいく事を採択した。
「何もいきなり挿れるワケじゃないんだしさ。
ゆっくりと慣れていけば良いよ。3Pは初めて?」
当たり前である。
大抵の女性には、聞くまでもない事だ。
アテナも勿論、首を縦に振った。
「そいじゃ、とりあえず二人で挟もっか。
そのくらいなら出来るでしょ?」
挟む、の意味が一瞬わからず、アテナはしどろもどろになった。
意味がわかった後でさえ、一人なら兎も角二人では、
一体どういう体勢になるのかと、悶々と悩み続けた。
だが、ソルがベッドの端に腰掛けたのを見て、大体理解出来てきた。
要は左右に一人ずつポジショニングしてやれば良いのだ。
通常のパイズリは二つの乳房で左右から挟むが、
二人でやる場合は、二人の乳房を向かい合わせにぴったりとくっつけ、
互いの谷間の隙間に差し込んでやるつもりでやれば良い。
そこまで理解はしたものの、やはりまだアテナには、服を脱ぐ事にすら抵抗があった。
片やいぶきは、もう手早く服を脱ぎ捨てている。
「ちっ、しゃあねぇな。お前には手加減してやるよ。
こっちからは見えないように、俺は寝転がっとくからよ」
そう言うとソルは腰掛けたままで上半身を後ろに倒し、天井を見上げた。
これで、彼女たちの方から覗き込んでこない限りは、ソルには二人が見えない。
粗野で乱暴な、彼なりの気遣いだった。
「ここまで譲歩してくれてるんだから、今更退けないよねぇ」
「う、うん……」
アテナは腹をくくって、セーラー服を脱ぎ始めた。
ミント色のシンプルなブラジャーは、下とお揃いだった。
もっとも、まだ全部一気に脱ぐだけの気丈さは無いから、
下半身は下着どころか、スカートすら脱いでいない。
それはそれで扇情的なのだが、見えないソルにとっては、どうでも良い事だ。
いぶきはアテナを促して、左右からダブルパイズリを開始した。
いぶきの巨乳と、それにはやや劣るものの、十分なボリュームをもつアテナの胸が、
下着すら差し挟まず直接押し付け合い、柔らかな肉を潰しあう。
「こうしてるとアテナの乳首が擦れて、何か変な感じがするよ」
「わ、私、こんな……女の子同士で、おっぱいくっつけて……どうしよう……」
隙間から顔を出すソルの亀頭は、先端に既に汁を先走らせている。
その臭いが、すぐそこにあるアテナの鼻腔をくすぐり、気分を昂ぶらせる。
目の前の、わずかな溜息すらも届く距離にあるいぶきの目が、楽しそうにアテナを見る。
おもむろに、アテナの唇が奪われた。
「ん……っ!?」
突然の事に驚き、彼女は抵抗する事も逃げる事も忘れ、愕然とする。
そっと唇を離したいぶきの顔は、相変わらず楽しそうに笑い続ける。
尚もパイズリは継続中で、そちらに意識を囚われるせいで、
アテナは今のいぶきの行為を咀嚼し、理解する事が出来なかった。
「やっぱ女の子の唇って柔らかいよねぇ。
スケベな事とか抜きにしてさ、単純に気持ち良い」
そう言っていぶきは、再びアテナに唇を近づけた。
だが今度は、舌を絡めるような濃厚なものだった。
舌の先が無理やりアテナの唇をこじ開け、歯に触れる。
歯どころか、アテナが気を許すなら、歯茎や頬の裏側までも舐めるつもりだろう。
生暖かい吐息がお互いの口の中で行き来し、交じり合う。
自分の吐いた息が相手の肺の中に入っていってると考えると、
何とも形容しがたいインモラルを感じる。
そして確かに、いぶきの言う通りだ。
女の唇は柔らかく、男とキスするのとはまた違った心地がある。
「んぢゅ……ちゅぅ……んはぁ……ぴちゅっ……んむ……じゅっ……」
舌を絡ませ、唾液を交換し合い、乳首と乳房を擦り合わせ、零距離で艶かしく見つめ合うと、
そこにソルのモノがある事も忘れ、さながらいぶきとセックスしているような気分になる。
こぼれた涎が、そのままボタボタと落下し、ソルの先端を濡らす。
上下する乳房がそれを掬い取り、肉棒と谷間の全体に、薄く満遍なく引き伸ばしていく。
いぶきは再び、唇を離した。
「ねぇ、アテナ。本当に、ソルに見られたくないの?」
「そ、それは……勿論……」
「でもここまで来たらさ、今更おっぱい見られるくらい、大した事なくない?」
「ぅ……で、でも……いぶきちゃんと、
キ、キスっ……してるところまで、見られるし……」
「本当に?
私に言わせれば、今のアテナ、ウズウズしてるように見えるんだけどなぁ」
「そっ! そんな……」
それは事実だった。
どこまでも転落していきたいという、生物的な本能の一種。
大抵の人間や動物は、転落する事によって得るカタルシスよりも、
それによって失うものの方が重いため、進んで落ちようとは思わない。
だが、タガが外れてしまえば、理性の天秤は崩壊する。
「おいおい、無理すんなよ」
気遣って投げかけられたソルの言葉は、本人の意思とは逆に、
アテナのガードを下げさせる、無骨な甘さと優しさがあった。
この人の前でなら淫らになっても構わないと、アテナに思わせるだけの包容力があった。
「見てっ……アテナの、恥ずかしいところ……っ!
女の子と、ディープキスしてるところとか……
女の子と乳輪を重ね合わせて、悦んでるところとか……
涎を垂れ流してるところとか、パイズリしてるところとか……」
頬が風邪をひいたように赤くなり、段々体温が上がってくる。
アテナは暴走気味になってきた。
ソルは少し心配したが、こういう時は百年を生きた男よりも、
たかが十数年しか生きていない女の方が、女同士で匙加減は理解っているものだ。
男から見ればアテナは壊れかけているように見えるだろうが、
女から見れば、単に素直になっているだけで、決して思考が吹き飛んで
二度とまともな世界に戻って来れないようなものではないと、いぶきにはわかっていた。
むしろ素直になれた女にとって、こちらの方がまともなのだ。
そうでなければ、好きな男に股など開けない。
度を越せばイノのような破綻者に成り下がるだけだが、
そこまで逝くには、何時間、何日とかけてひたすら壊され続けるか、
さもなくば元々素質が人並み外れて高いかの、どちらかである。
そういう点では、良い意味でアテナは凡人だった。
だからいぶきには、まだアテナはもう少し暴走出来る、もう少し無理がきくとわかっていた。
「まだ80点だね。もっと正直になりなよ。
見て欲しいのは、キスや唾液やパイズリだけ? 違うでしょ」
「う、あ……あの、そのっ……
私が女の子と、ソルさんのおちんちんを舐めっこしてるところとかぁ……
私のアソコが湿って、パンツが汚れてきてるところとか……っ
そういうの全部、見られたくないけど、見られたいよぉ……!」
アテナのファンや、ケンスウが聞いたら、卒倒するかもしれない。
「よくできました」
いぶきは修行のためと称して、何年も前から体を開発されている。
先達のような気分で、可愛い後輩を見るような目で、アテナに微笑んだ。
その頃には、ソルも彼女らの希望を汲んで、上半身を起き上がらせていた。
「しっかり見ててやるから、テメェらもしっかりやれよ」
本格的なフェラチオに突入するために、いぶきとアテナは
パイズリを中断して、ソルのモノから一旦体を離した。
ソルはその硬く筋張った大きな掌を、なるべく優しく、少女達の頭に乗せてやる。
撫でるような仕草で、しかししっかりと、彼女らの顔を男根に近づけた。
少女達は左右から舌を突き出し、唾液で線を引くように、
ゆっくりとソルのモノを舐めていった。
黒くグロテスクな肉を美少女達が控え目に舐める様は、知らずに見れば
ソルがその行為を強要、無理強いしているようにさえ見えるかもしれない。
既に先程のディープキスで垂れ流された唾液で、ソルの男根はベタベタに汚れている。
それを綺麗にするように……或いは逆に、もっと酷く汚すように……二本の舌が動き回る。
血で血を洗うという言葉があるが、これは涎で涎を洗うような行為だった。
後頭部を撫でてくれるソルの手が嬉しくて、ついサービスしてやりたくなってくる。
アテナは思い切って口を大きく開けると、ソルのモノを飲み込むように、上から咥え込んだ。
アンモニア臭が鼻をつき、その刺激は喉の奥を針で刺すかのようだ。
いぶきも負けじとソルの正面に回り、彼の睾丸を口に含んだ。
陰毛ごと味わい、袋を舌で転がす。肉棒との境目の敏感な部分を、指でそっと撫でる。
「ぅ……っ」
ソルは、ソルらしからぬリアクションだったが、小さく声を漏らしてしまった。
彼のこんな情けない姿を、カイ・キスクなどが見たら、何と言って幻滅するだろう。
このみっともない声は、ソルが感じている証拠だった。
あともう少しだ。もう少しで、ソルを絶頂に導く事が出来る。
いぶきは最後の詰めに入る事にした。
「アテナ、フェラはもう終わりだよ。次はもっと凄い事しよう」
アテナはソルから口を離すと、呆けた表情のままで尋ねた。
「もっと……すごいことぉ……?」
「さっきアテナ言ったでしょ?
二人でソルのを舐めてるところとか、パンティ汚れてるところとかを
見てもらいたいって」
飛びかけの脳みそで数秒考え込んだが、アテナは、
自分がとんでもない事を言った事を思い出した。
ソルはとっくにそれに気付いていたが、あえて気付かないフリをしていた。
「ぱ……ぱんつが濡れてきてるところも……」
「そ。見せたいんでしょ?」
自らスカート捲くり上げ、湿って陰毛が透けている様を、自らわざわざ観察させる。
それはとてつもない辱めだったが、それを渇望したのは、他ならぬアテナ自身だ。
さっきは衝動にまかせて言ってしまったが、もう後戻りはきかない。
アテナはゆっくりと立ち上がり、俯いて目をソル達から逸らしながら、スカートの端を摘んだ。
躊躇いがちに裾を捲り上げて、ミント色のパンティが
湿って綺麗な翠色になっている様子を、泣きそうになりながら見せ付ける。
アイドルの陰毛が透けて見えるシチュエーションは、全国のファンが羨むだろう。
だがこれだけでは、フェラより『もっと凄い』とは、まだ言い切れない。
「そうじゃないよアテナ。それじゃ足りない」
「……?」
「汚れてきてるパンティ見せるより、汚れていくパンティ見せる方が、面白いでしょ」
アテナはいぶきの言葉を心の中で反芻し、意味を解きほぐしていった。
最初は、一体何が違うのだろうと、戸惑った。
『汚れてきてる』と『汚れていく』の違いに気付いた時には、頭がどうかなりそうだった。
両者とも現在進行形ではあるのだが、前者はどちらかと言えば、現時点での状態に重きが置かれている。
それに対し後者は、現時点から更に継続して状態が変化していく様子に、重きが置かれている。
そしてアテナは今まで、ソルに一方的に奉仕するだけで、
自分の体にソルから何か刺激が与えられる事は無かった。
それなのに既に濡れてきているのだから、これより更に濡らすと言う事は、
次はアテナの体がこの乱交のターゲットになるという事を意味する。
「う、うん……わかったよ……
私の体、好きにして良いよ……」
覚悟を決めなおしてそう呟いたが、しかし、それさえも実は間違いだった。
いぶきはそれを指摘する。
「そうじゃないってば。最初の目的忘れたの?
これは単にソルとえっちするだけじゃなくて、ソルを満足させて、
Gファイルの事を教えてもらうのが目的なんだよ。
ソルの手を煩わせてどうすんのさ」
言われてみればその通り。アテナは、またしばし考え込んだ。
ソルが手を下さないのであれば、残る方法は二つ。
いぶきに弄ばれるか、自分で弄ぶかだ。
「私は私で、今から本格的にソルの相手をするのに忙しいからさ。
悪いけどアテナは自力でお願いね」
それはそうだろう。あくまでソルを満足させるのが目標なのだから、
女二人で勝手に楽しむのは、論外というものだ。
であれば、残る選択肢は一つしか無い。いぶきが最後にさり気なく言った言葉がそれだ。
自力で……自分で自分を慰めろ、というのだ。
それも、ソルの目の前で。下着が濡れていくのを、まざまざと見せ付けながら。
ソルは再びベッドの上に仰向けに寝転がり、剛直した物体を直立させた。
いぶきはソルの股間の上に重なるように位置取り、手を伸ばして男根に添える。
腰を落とし、ゆっくりと、自分の中に誘導していった。
「ん……あぁ……あー、あぁ……太い、よぉ……ぁんっん……」
愛液を隙間から溢れさせ、こぼれた分がシーツの上に染みを広げる。
奥まで到達した事を確認すると、今度はアテナが位置取りする番だ。
アテナはソルの首の方に移動し、彼の顔面に覆いかぶさるような位置で、膝立ちになった。
スカートはまだ身に着けられており、しかも彼女はそこまで丈を短く詰めていなかったから、
その布地はふんわりとソルの顔を隠した。
それでは暗くて中身が見えないので、アテナは股間の前方から両手を差し入れ、
裾を捲り上げると共に光を中に取り込み、同時に自分の一番恥ずかしい部分に、指を添わせた。
「それじゃ、始めるよ……」
「うん……」
いぶきの合図で、少女達はそれぞれ自分の役割を開始した。
いぶきは腰を上下させて、ソルの体を楽しませる。
アテナはオナニーに浸って、ソルの目を楽しませる。
ソルは何もしなくて良い。ただ、目の前から聞こえてくる液体の音と、
下半身の方から聞こえてくる液体の音の、両方が奏でるハーモニーを堪能すれば良い。
液体の弾けるような音に合わせて、いぶきの巨乳が
トプン、トプンと揺れる音が聞こえる。
ソルの自慢の一物は、いぶきの穴の中を、余すところなく蹂躙していた。
元々いぶきの膣自体は、経験豊富な割りには良い具合に締め付けがあったのだが、
そこにソルの巨根が進軍すれば、快感と痛覚は更に上乗せになる。
これだけでも既に、いぶきはアテナ同様当初の目的を忘れて、一心不乱に腰を動かしかけていた。
「あ゙っ……あっ、あん……っはあ、うっ……んん……やぁん……イイぃ……」
その上でソルは、本来身動き一つせず身を任せていても良かったのに、
いぶきを一層気持ち良くさせてやるため、彼女のクリトリスに指を触れさせた。
ピストンが上下するたびに、指が敏感な豆を擦り、より快感を増幅させる。
「ぃひゃぁん!? それ、らめへぇっ!」
「何が駄目なんだ? なら、この指どけてやろうか」
「あぅっ……あぁんっ! らめっ、やだぁっ! ゆび、どけないれぇっ!」
最初は、そこに指をセッティングされている事に対して『駄目』と言ったのに、
すぐにそこから指を外される事に対して『駄目』と拒絶してしまうようになった。
ソルを気持ち良くしてやらねばならないという最大の目的も思考から消し飛び、
いぶきはもはや、自分の快楽のためだけに腰を降り続けた。
自ら腰を回転させ、角度を変えて、Gスポットを刺激する。
感極まって舌はピンと伸び、口はもはや自分の意思では閉じられなくなった。
変態のように鼻息を荒くし、涎はお漏らしのように垂れ流され、
では股間はどうかと言うと、こちらはお漏らしを通り越して、洪水のようにダダ漏れだった。
ソルの巨根と、秘部を苛める指とに負けて、乳首はもうビンビンに硬く勃起していた。
氷に頼らず、本当にソルの実力で乳首を立たせられたのだった・
一方アテナは、ひたすらに自分の秘部を責め続けた。
スジに沿って指を前後させ、と同時に、自分の胸を揉みしだく事も忘れない。
秒単位でパンティの染みが濃く、広がっていくのが、真下にいるソルからは丸見えだった。
薄布が割れ目をくっきりと掘り込み、クリトリスの形をはっきりと浮き上がらせる。
食い込んだ分だけ、よく手入れされた陰毛が、横からうっすらとはみ出していた。
染み出した液体が、細い指を湿らせる。
パンティを指で引っ張り、陰唇の割れ目で激しく摩擦させると、足からわずかな力も抜けて、
そのままソルの顔面に崩れて着地してしまいそうになった。
骨からガクガクになり、筋肉はプッツリと切れて、今にも腰を崩しそうになる。
何とか踏ん張ろうとするが、膝に無理をさせる分、
上半身は真っ直ぐな姿勢を維持し続けられなくなってくる。
倒れそうなくらい前のめりになり、髪を振り乱しながら、湿った息を鼻と口からこぼす。
同じく前のめりになってきているいぶきと、至近距離まで顔が近づく。
姿勢としてはアテナの方が、腰を落としていない分いぶきより頭の位置は高い。
吐息は蒸気となって、いぶきの額に降り注いだ。
「い、いぶきちゃぁん……わたひ、どうしよぅ……
変な、気分だよぉ……男の人の、目の前れ……おなにーして……
もっ、もう……どうかなっちゃいそう……」
歓喜とも恥辱ともつかぬ涙が、ぽろぽろとアテナの頬を伝っていく。
いぶきは吹き飛びそうになる思考を何とか押しとどめて、わずかに残った冷静さを発揮した。
その冷静でもって何をしたかと言えば、それはアテナを落ち着かせたり、諭す事ではなかった。
彼女は、実に冷静に、的確に、アテナの乳首に吸い付いたのだ。
この背筋を真っ直ぐに保つのも困難な状態で、体がピクピクと前後左右に震えている状況で。
「ふぇっ!? い、いぶき……ちゃ……っ
今、そんな事されらら……こし、落とひひゃうふぅん……」
「良いぜ、落とせよ」
だしぬけに、ソルの声が尻の下から聞こえてくる。
その瞬間アテナの股間を野太い指が襲った。
たった一本の手で、しかし五本の指をフルに使って、器用にアテナのパンティの布地を
横にずらして陰部をむき出しにしながら、同時に曝け出されたその部分に指を突っ込む。
「あひぃ!?」
アテナは思わず叫んだ。
腰が否応無しに崩れ、勢い良く落ちる。落ちようとする。
だがソルは、たった一本の手で指マンしながら、アテナの落下を支え続ける。
屈強な彼の腕にとって、それは造作も無い事だったが、アテナは不満だった。
本能は既に恥を通り越して、このままソルの顔面に落下したいと願っている。
陰唇も、クリトリスも、膣の中すらも、余す所無く舐め回されたいと願っている。
「お願ひ……クンニ、ひてぇ……わたひのオマンコに、クンニして下はいぃ……」
「上等だ。よく言えたぜ、小娘」
一度吹っ切れて、腰を落としてからのアテナに、もう遠慮は無かった。
ソルがパンティを引きちぎるのにも文句を挟まず、
むしろそうして荒々しく秘部を露にされるのを、恍惚としながら受け入れた。
スカートはまだ身に着けたままだったので、ソルの顔は完全にスカートに覆われ、隠れていた。
あのソルが女子高生の股間を、スカートで顔を隠されながら
顔面騎上位で貪る様は、間抜けですらあった。
「ぴちゃ、じゅずっ、じゅるるっ、ずぅっ、んぐ、にちゃっ、くぢゅ」
スカートの中からみっともない音が聞こえてくるが、
中でソルがどんな風に口と舌を動かしているかは、誰にもわからない。
三人は今、三角形を形作っていた。
ソルを底辺として、いぶきとアテナが一辺ずつ。
少女達はディープキスにふけっていたかと思うと、時折アテナが姿勢を伸ばし、
両の乳房にいぶきを受け入れ、丹念に乳首を舐めさせた。
また或いは、いぶきが反り返って胸を明け渡し、アテナに吸わせたりもした。
お互いにキスしたり、乳首を吸ったり、乳房を揉み合いしたり、
抱き合ったりしながら、本能のままに無意識に腰を振り続けた。
「ふぇえ……あたひ、もう……っ!」
「イクふぅ……イっ、アァッ、んぁあぁぁあぁぁぁぁっぁああぁぁぁっぁぁっ!!」
二人とも、ほぼ同時に絶頂に達した。
お互いに抱き合い、お互いに相手の体を支えにして、必死で快楽に耐えた。
とうとう昇天しきった二人は、そのまま気絶するように、
もしくは眠りに落ちるように、ソルから体を離して横に倒れこんだ。
いぶきが倒れこむのとタイミングを合わせてソルも姿勢を変え、
そのままズルズルと男根を引き抜いた。
愛液でどっぷりと汚れたソレは、眠りに向かう少女達の顔面を捉えると、
無遠慮に白濁を吐き出し、撒き散らした。
「はぁ……ふぅ……中々良かったぜ、テメェら」
そんな褒め言葉も、意識の消えかかっている今の二人には、耳に届いてさえいなかった。
「約束通り。教えてよね、Gファイルの事」
まったくこの女には、余韻だとかムードだとか、そういうものは無いのか。
ちゃっかり仕事を忘れていない辺りは、思ったより聡い女だと、ソルは思った。
いぶきは、しばらくは呆けていたものの、
はっきりと意識を取り戻してからはテキパキと服を着なおして、
すぐさまGファイルの事をソルに問いただした。
一方のアテナが未だに自分のやった事を恥じ入りながら
一人で悶々と戸惑い続けているのと比べると、いかにも対照的だ。
ソルも衣服を着込んで、面倒臭そうに椅子に腰掛けてから、回答を口にし始めた。
「ちっ、しゃぁねぇな。教えてやるよ。だが、聞いてガッカリすんなよ?
あれは本当に、オロチ打倒のヒントになるようなもんじゃねぇんだからな」
「それを決めるのはアンタじゃないよ。勿論、私でもない。
私のやるべき事は、情報を持ち帰って、身内に明かす事なんだからね」
「見上げた根性だ」
ソルは一息呼吸を挟むと、端的にとうとうと説明を始めた。
「Gファイルの正体は、あの男の立案した生体強化計画理論の概要と、
その理論に基づいて行われてきた無数の人体実験や臨床試験の記録、
全てのテストケースの結果と、他の実験結果との相関性、共通項、相違点……
それら星の数程の情報をまとめた、膨大なデータの集合だ。
『G』は、G・E・A・R……。
かつてこの星を未曾有の百年戦争に導いた、悪の生物兵器『ギア』の、頭文字なのさ」
いぶきはその回答に、驚きを隠せなかった。
彼女とて忍者だから情報収集に余念は無かったし、
この時代に来てからも、可能な範囲で情報収集活動は続けていた。
その中で無論、ギアなる兵器の事も聞き及んでいた。
なのに何故、Gがギアの略だと、今まで気付かなかったのか。
まるで二次創作の後付け同人設定のようだったから、見落としていたと言うのだろうか。
「ギア……それじゃ、ギルでもジェノサイドでも無いって事……?」
「GEAR細胞を植え付けられた生物は、肉体が本来持つキャパを超えた身体能力を発揮する。
使役する法力の量は桁違いになり、膨大なエネルギーを行使する。
生命力は跳ね上がり、寿命は千年単位に延長され、老衰が中々進行しなくなる。
そんな化け物を、何故あの男はわざわざ作ったと思う?」
「うーん……いろいろ理由は考えられるけど……」
「一つには、人類を永らえさせるためだ。
これは半裸の眼鏡ジャパニーズも指摘してた事だが、ギアになれば長生き出来る。
聖戦によって人類の過半数は滅亡しているから、食料問題は当面困らない。
エネルギー問題も法力によって解決済みだし、住む場所が無くなればテラフォーミングすれば良い。
ギルはそうする事で、あいつなりに人類を『救済』に導こうとしたんだろうよ。
だが、もう一つの目的は……」
「も、もう一つの目的は……?」
ソルはタメを作るように、ここで更に一呼吸置いた。
それからゆっくりと、口を開く。
「……オロチだ」
「え?」
「地球意思、オロチ。その反則クラスの脅威に対抗するための手段として、
あの男は生体強化計画を……GEAR計画を、構築したのさ」
またも驚きの内容だ。
かつて暴走し人類を恐怖と絶望に陥れたギアが、よりにもよってオロチへの対抗策だったとは。
「でも……人類を救済するつもりなら、何で日本を……ジャパンを壊滅させたのよ!?」
いぶきは、この時代では既に自分の故郷が壊滅していると知った時、
怒りと悲しみと、諦観に心を潰されそうになった。
自分が本来生きる世界より、二百年近く後の世界なのだから、知った事ではない。
そう思い込もうとさえして、ひっそりと涙した夜もあった。
それがまさか、オロチを倒し人類を救うための、ギルの計画の一部だったとでも言うのか?
人類を救うために日本を壊滅させるのが?
「何でジャパニーズを滅ぼそうとしたのかは、俺も知らねぇ。
だが俺がまだ一介の研究者だった頃、あいつは再三言ってたぜ。
いつかはオロチの脅威を、根底から取り去らねぇといけねぇってな」
いぶきはもはや、声をなくしていた。
生体強化……道理で、かつてファイルを一冊だけ見た時、内容が判読出来なかった。
英語で書かれていたので、一つ一つ和訳しながら読み進めたが、それでも意味不明だった。
ES細胞がどうとか、ポリメラーゼが何とか、ヘモグロビン・ポリペプチド鎖が何たら。
専門用語の羅列に加え、どう読んだら良いのかわからない数式が何十ページと続き、
ところがこの数式の困ったところは、数式のくせに途中で
『雷』だの『魔法』だのといった、脈絡の無い単語が登場してくるのだ。
だがこの暗号のような中身も、今なら何となくわかる気がする。
確かこの時代の法力という代物は、定式化されたエネルギー生成法だった筈だ。
あのファイルに記されていた複雑怪奇で奇妙奇天烈な数式は、法力の演算式だったのだ。
オロチを倒し、人類を強く永らえさせるために、ギルが作り上げたもの……。
「だから言ったろ。
あの研究は、ギルが既に完成させている。『終わった』話なんだよ。
今からアレをどうにかして、オロチ対策に役立てるなんてのは、ハナっから筋違いなのさ」
あれを役立てるとしたら、研究成果である自分や、テスタメントが戦うという事だ。
そういう事なら、今更ファイルの中身を云々言う必要も無い。ソルはそう締めくくった。
だがいぶきにとっては、もうファイルの中身などどうでも良かった。
確かにあのファイルは、特に自分が元居た時代においては、
誰が読んだって意味がわからず、読んでも何も出来なかっただろう。
つまりギルは、既に二百年も前からオロチを脅威と認識し、
誰にも理解の出来ない研究を開始し、継続してきたのだ。
それは驚嘆に値する努力であり、いかに全能と自称する彼と言えど、楽な道のりでは無かったろう。
それ自体は確かに、尊敬しても足りないくらいのものだ。だが……。
「何で……その挙句に辿り着いた答えが、聖戦だってのよ!
何で日本を滅ぼして、日本人を根絶やしにして、人類の過半数を死滅させる必要があったのよ!」
諸々の環境問題の解決のためと言われれば、なるほどそうなのだろうが、
それでも日本人であるいぶきには、とても納得のいく事ではなかった。
過去に置いてきた友人や家族の顔を思い出して、思わず涙ぐむ。
嗚咽は、たっぷり一時間以上に及んだ。
ソルは彼女の心境を慮って、ただひたすら、彼女が泣き止むのを待ち続けた。
何故日本が壊滅させられなければならなかったのか。
その答えは、まだギル以外、誰にもわからない。
「ちっ……あの男も、不愉快な泣かせ方をしやがる」
ソルの中に、決意を新たにするかのような、魂の震えが起こっていた。
終了です。
当分アクセントコアプラスのストーリーモードに没頭するので
次に投下するのまで、ちょっと期間が空くと思います。
その間に会議や、前スレのメルブラKOFや、まりんSSが
再会される事を、心待ちにしています。
GJ!
ところでERO2181の外伝SS(時系列は最初に戦士が集められた頃)を書こうと思うんだけど、
山崎とバーディーを登場させても構いませんか?
何か支障があるなら別キャラに置き換えてみます。
特にそういう予定も聞いてないし良いんじゃないかい?
>>120そしてGJ!相変わらずその凄い分量には
尊敬すら抱くぜ。俺も頑張ろう・・・
GJGJ!
いつもながら読みごたえあるわ
格ゲー好きにはたまらん(´Д`*)
>>121 全然構いませんよ
と言うかどんどんやってやって下さい
このSSはそういう趣旨なんで
しかもその二人は登場予定無いしw
淡々と書き続けてると集中できない事が多々有る。そんな人間だと言えば
それまでだがそれでも完遂したい。
ゆえにここの作品書いてる人に参考として聞きたい。
普段、どういう感じというか雰囲気や気分でSS書いてる?
強制じゃないが一応言っておきたかった
>>125 成せばなる 成さねばならぬ 何事も
あとは、風呂場でリラックスしながら考えたり、俺SUGEEEEEしながら書くとか
誰もいないっぽいから言う
ユリアンと社とネロ・カオスって似てね?と
思ったのは俺だけか!?
>>129 ユリアンと社とシャムシェイドのボーカルなら
何故にそこで格ゲー以外のキャラになるw
ここは陵辱とか輪姦とかでもOKなんですか?
>129
ユリアン=褌一丁
ネロ・カオス=裸コート
つまり露出狂的な解釈で似てると思って良いのか?
社も微妙に胸開いてるからね
>>134>>135 どちらかといえば、顔。白いし、いかついし、濃いし
立ち位置的にも似てるじゃん?MrBIGみたいな
ボスじゃないけどボスみたいなキャラというか
白い>髪ね髪。ついでに髪型も
138 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 00:02:43 ID:Vz7/8RnR
保守
アテナって嫌われてんの?
ギッタギタに精神壊れるくらい陵辱されてただの人型肉になるような描写したとしたら
嫌がる人はこのスレに何人いる?
>>139 エロパロ板の人は基本的に大人だから、
始 め に 警 告 文 を き ち ん と 書 け ばOKだよ。
苦手な人でもちゃんとスルーしてくれる
分からんぞ?礼も言わずにブチブチ個人的な文句を垂れる
バカもいる。スレを過疎らせる要因を作る害悪共が
ここってクロスオーバー以外不可?
単一作品でしかも純愛モノって陵辱以上に嫌がられるかな?
いいんだよー
たまたまクロスオーバーが多いだけで
セイヴァー単品が投下された事だってあったし
>>1にも「クロスオーバー『も』取り扱って」って書いてる
というか純愛が陵辱より嫌がられるスレって、ソレ専門のスレか
スイーツ(笑)スレぐらいしかないんじゃないかな
いや、スレによっては嫌がられるかも。
甘甘和姦な純愛モノなんて投下した日にゃ
ソッコー「腐女子臭い」「厨臭い」なんてレスつく所知ってる
凌辱でも純愛でもいいからまずは投下してほしい。
個人的にアテナは95がベスト。
KOF最新作のアテナはちと怖い。
Eventual Rumble Orochi 2181 第十四話、投下します
先に言っておきます
今回全然エロくないんで、期待してる人はごめんなさい
『来たる決戦に備え戦士を公募するため
ここに第三次聖騎士団団員選考武道大会の開催を告知する
日程は○月×日正午より、優勝者が決定するまで無期限
会場は国連所有の公開闘技場
優勝者には賞金と賞状も授与される事になっている
貴君らの参加を、心待ちにしている
―R―』
夜中の間にだろうか。
朝、住人が通勤のために通りがかった時には既に、
あらゆる町の掲示板に、そのような張り紙が貼られていた。
「ひぃぃっ! た、助けてくれぇっ!」
「今までそうやって命乞いしてきた人間を、お前何人殺してきたよ?」
恐れをなして跪き、神に祈るように両手を組んで懇願する男と、
そんな男に情け容赦の無い言葉を投げかける、もう一人の男。
聖戦と呼ばれた全世界規模の百年戦争が終結して幾年月。
だが世界は、未だ戦後を抜けきれていなかった。
悪党や野党が我が物顔で闊歩し、罪無き一般人から
財産を、土地を、女を、尊厳を略奪する。
それらには賞金がかけられ、腕に覚えのある者が、それを討伐する。
勝てないと悟った賞金首は、賞金稼ぎに対して命乞いをする。
この時代では、主にスラムや廃村でよく見かける、珍しくもない光景だった。
強いて珍しいと言えば、賞金稼ぎの男が、学生服を着ていた事くらいか。
草薙京は野党の一味を一人で壊滅させると、手早く警察に引き渡した。
この時代に来てからの彼の日課である。
ケンカしていれば路銀が稼げるのだから、ある意味21世紀より働きやすい。
賞金がかかっているとは言え、所詮力の無い素人しか狙わないような連中だ。
京は異種格闘技大会に何度と無く出場し、優勝経験も一度や二度ではない。
素人しか狙えないような雑魚など、何人が束であろうが関係無かった。
彼らが厄介なのは、相手が手強いとか、人海戦術をとられるとか、そんなものではない。
恐れて狩場から逃げられるのが、一番面倒だったのだ。
リュウ達とパーティを分けてからの彼は、首を警察に連行した際も、
自分の名前は機関紙に一切記載しないように頼んでいた。
「お帰りっス、草薙さん!」
「よぅ。今晩飯が出来たところだ。寛げよ」
京が宿に帰ると、紅丸と真吾が迎えた。
「今日も一グループ、シメてきたぜ。三人でなら当分は生活ももつな」
京は封筒をテーブルの上に放り投げた。
中に入っているのはこの時代の通貨であり、現金だ。
賞金首を捉えた報償として、警察から支払われたものだ。
賞金首と言ってもピンからキリで、巨大な組織を構えた大物から、
単なる窃盗、強姦、殺人の犯人までいる。
後者の場合は所詮戦闘術の心得など無い者が多く、真吾にも倒せるような連中だ。
反面、そういう賞金首は、額面も高くない。
そして賞金首とは、大半がこういう手合いなのだ。
村一つを壊滅させて作物や金品を奪って旅を続けるような団体は、
少なくないとは言え、比較すれば多数派には分類されない。
従って賞金稼ぎという稼業は、毎回大金が稼げるわけではないのだ。
三人分の食費や宿代や必要経費を賄うのは、特別苦労するという程ではないが、
さりとて無駄遣い出来る程楽なものでもなかった。
これでも三人パーティになってからは随分楽な方で、
リュウ達を含めて六〜八人で行動していた時は、あまり楽観視出来ない問題だった。
「リュウやリョウ達は、今頃ちゃんと食ってんのかね」
「さぁねぇ。ま、稼げてないって事は無いだろうよ。
ただ、あっちは両方とも女連れだから。特にリョウん所は二人も女の子いるし。
女性は何かとお金かかるからねぇ……ホント、何かと」
昔の女性の事でも思い出したのか、紅丸が物思いにふける。
京は紅丸の女関係に興味は無かったので相槌も返さず聞き流し、
真吾は紅丸の言葉の意味がわからなかったので、頷くフリをして聞き流していた。
「早く食えよ。片付かねぇだろ」
「やれやれ、せっかちだねぇ。
俺のお手製のカルボナーラが気に入らないかい?」
紅丸の気取った態度が癇に障ったので、本当は美味かったにも関わらず、
京はやはり何も答えず、無視を決め込んでいた。
その頃。
京達に生活費の心配をされているとは気付かず、
リョウとユリと香澄は安物の賞金首を捕縛して報償を受け取り、
その帰りに立ち寄ったレストランで、遅めの夕食をとろうとしていた。
サカザキ兄妹にとって、流行らない道場をやっていた頃に比べれば、
今の方が余程暮らしやすいものだった。
それでも大物の首にはそうコンスタントにありつけるわけもなく、
今は比較的楽に生活しているものの、将来性の心配は残っていた。
「えーっと、私はアイスミルクティーにサラダにハンバーグステーキに
コーンポタージュにライス大盛りに苺のタルトに……」
「おいユリ。ちょっと量が多いんじゃないのか?
金があるから良いが、貯蓄は大事に使わないと駄目だ。
そんな調子じゃすぐに食い潰しちまうぞ」
「お兄ちゃんはケチだねぇ。香澄ちゃんからも何か言ってやってよ」
「いや、私も食べ過ぎは良くないと……」
「……質素な夫婦だっチ」
「誰が夫婦だ、誰が」
「わたっ、私とリョウ・サカザキがふふふ、夫婦だなんてそんな、な、な……」
あまり金銭感覚が厳しくないユリと、何故かたまにテンパる香澄。
この二人を連れての旅は、リョウにとっては気軽なものではなかった。
香澄は兎も角、ユリは貯金の重要性というものを理解しているのだろうか?
妹と外食をする度に、リョウはそんな疑問を感じていた。
「ん……?
ねぇねぇ、あれ何?」
ウェイターに注文を終えたユリが、何の気無しに壁を見た。
そこに貼ってあった張り紙に目を奪われ、同じものを読むよう兄と香澄に促す。
「んー、なになに?」
「これは……っ」
ドタバタと元気な足音が聞こえてくる。
これは、さくらが廊下を走る音だ。
他の宿泊客に迷惑だろうと注意したいが、幸か不幸か、
今リュウ達の泊まっている安宿には、他の利用客はいなかった。
「一体どうしたんだ、さくら。そんなに慌てて」
ドアをあけるなりリュウの前まで駆け込んできたさくらに、彼は冷静に尋ねた。
さくらは手に握っていたチラシを急いで広げ、リュウに見せてやった。
「これ見て下さいよ、これ!」
隅のベッドの上で昼寝していたケンも目を覚まし、二人の元へノロノロと近づく。
「あん? こりゃあ……」
「……武道大会?」
テリー・ボガードは町の掲示板から引っぺがしてきた張り紙を、
二人のロックと、マリーの前で広げて見せた。
「へぇ、随分気前の良い賞金じゃないか。
この時代でも異種格闘技大会が開催されるなんて、好都合だな」
「お前もそう思うだろ?
強い奴らと腕試し出来て、勝てば賞金も貰える。一石二鳥じゃないか」
まるで初代餓狼伝説でジョーがボガード兄弟にKOFの話をした時の
アンディのようなセリフ(ネオジオ販促用小冊子参照)を、テリーは口にした。
「凄ぇや! テリーと兄貴が戦ってるとこ、俺見てみたいよ!」
幼い方のロックは、目をキラキラと輝かせた。
ただ一人、マリーだけが懸念を感じていた。
「妙ね、これは……」
「何が妙だってんだよ?」
K`はホテルのソファに腰掛けたまま、面倒くさそうに煙草をくわえていた。
特別煙草が好きというわけではないが、暇な時の時間潰しにはなる。
クーラなどは暇な時、ルービック・キューブで遊んだりしているが、
堪え性の無いK`には、金を積まれたって断りたいくらい鬱陶しいものだった。
彼は不機嫌な表情を少しも崩す事無く、その張り紙に煙草の火を押し付けた。
「別に珍しかねぇだろ、こんなモン。
ルガールみたいな変わり者が趣味で開催してんじゃねぇのか?
まぁ大会を隠れ蓑にしてた、ネスツみてぇなのもいたが……」
「そこよ、私が言いたいのは」
ウィップはK`の口から煙草を取り上げると、灰皿に押し付けて揉み消した。
「おかしいと思わない? これは単なる格闘大会じゃないわ。
あくまで聖騎士団を再結成するためのものなのよ、名目上は」
テスタメントは、珍しい来客に少々驚いていた。
彼の住処であるこの森に、人間が訪れるのは久方ぶりだ。
かつてディズィーがいた頃は、賞金稼ぎや警察が飽きる程来たものだった。
ディズィーが公式の記録上では死亡した事になり、快賊団に保護された今になって
再び警察がここを訪れる理由など、後は自分自身が狙われる事くらいしか思いつかなかった。
「公僕がこの地に何の用かと思えば。
てっきりこの私を捕まえに来たのかと思ったぞ」
「今日は公務で訪れたわけではありません。
前大会の裏の主催者である貴方に、参考意見を伺いに来たんです」
相対するのは、カイ・キスクだった。
二人の間には、切り株で拵えられた台があった。さながらテーブルのようだ。
その上には一枚の張り紙が置かれていた。カイが持ってきたものだ。
「第三次聖騎士団団員選考武道大会……か。嫌な記憶を思い出すな」
かつてテスタメントは、第二次聖騎士団を結成するための、
強者を選り分ける武道大会を開催した事があった。
しかしそれは、最強最悪のギア・ジャスティスを復活させるためのカモフラージュだった。
正義感と慈愛の心を取り戻した後の彼は、己の愚挙を悔い続けたものだ。
忘れたかった過去の汚点、取り返しのつかない罪。
それを今更思い出させるこの張り紙は、反吐が出る程目障りだった。
だが勿論、カイがこれを持って来たのは、テスタメントを苛立たせるためではなかった。
「妙だと思いませんか。これは前大会の時にも感じた事なんですが……」
カイの言わんとするところは、テスタメントにも理解出来ていた。
いや、テスタメントだからこそ、他の人間達よりもよりよく理解出来ていた。
この大会、はっきり言って意味が無いのだ。
「聖騎士団を結成するのなら、戦力は多い方が良い。
大会など開いて、貴重な戦力同士で潰しあうなど、愚の骨頂。
ましてやただ一人の優勝者を決める事に、何の意味がある?
大事なのは一人の最強を見つけ出す事ではなく、幾百の精鋭を募る事の方なのだ。
……そう言いたいのだろう? 元団長」
カイの意見を、テスタメントは代弁した。
わざわざ口に出して言う必要は無かったが、意思の疎通が図れている事の確認の意味があった。
そしてカイは、その通りとばかりに頷いた。
「前大会の場合は、終わってみれば理由は明らかでした。
あなたにとっては思い出したくない事でしょうが、あれはジャスティスを復活させるために
あなたが仕組んだ偽装であり、真の目的は流れる血によって結ばれる、復活の儀式でしたから」
「あぁ……そうでなければ、大会形式にする理由が無い。
時間と人件費はかかるが、単なる選抜試験を一人一人に課して、
適格者を一人ずつ選別すれば良いだけなのだからな。
それなのにわざわざ大会形式にすると言う事は……」
テスタメントはそこで言葉を区切ったが、続きは口にしなかった。
口にせずとも、お互いにわかっている事だ。
いやここまでなら、ちょっと考えれば誰にでもわかる事。
現にブルー・マリーやウィップだって気付いている。
ロックやK`のような、まだ気付いていない他の者達だって、説明されればわかるだろう。
つまり、そう……
今大会もまた、参加者同士の潰しあいを誘発するために、
何者かが仕組んだものだと言う事だ。
だがカイには、もう一つ疑問があった。
「私が報告を上げていますから、警察や国連の上層部は、既にオロチの事を認知してはいます。
いますが、それを倒すために早急に戦力をまとめなければならない……
という程、事態が逼迫しているとは思ってくれていません。
そもそもギルの存在すら、眉唾扱いされているのですから。
突如現れた『旅行者達』の実在と、それに伴って上昇した各自治体の収益のデータが無ければ
誰も真面目に取り合ってくれなかったでしょう」
「つまり……聖騎士団結成を急ぐような理由が、上層部には無いという事だな」
カイは無言で、しかしはっきりと頷いた。
そもそもの疑問点は、そこなのだ。
大会形式を採択した事などより、もっと根本的な疑問。
何故、聖騎士団を結成する必要があるのか。
今大会は国連主催という事だったが、今カイが説明した通り、
国連上層部はオロチやギルの脅威に対して、認識が甘い。
本格的に対処に乗り出そうとしてくれたのであれば有難いのだが、
残念な事に、今国連が本格的に対処に乗り出してくれる筈が無いのだ。
「探る必要があるな……」
「テスタメントさんなら、そう言ってくれると思っていました。
そこで相談なんですが……」
カイは、張り紙の下の方にある、募集要項の欄を指差した。
そこには『必ず三人一組のチームで参加する事』と記載されてあった。
「わかってるのかい?
これは何者かが仕組んだ罠の可能性が……」
食後の酒を楽しみながら、しかし酔う事無く冷静に、紅丸は警告した。
酒を買い足しに出かけた帰り。
ふと見た掲示板から、気になって拝借してきた張り紙。
いかにも怪しげだったが、参加に対する姿勢の慎重な紅丸とは対照的に、
京はこの大会の危険性をわかっていても、参加を固辞するつもりは無かった。
「どの道他の戦士達との情報交換や、今後の方針を決めるために、
一度は全員合流しなきゃいけねぇ。
通信手段が確保出来なくて困ってたが、大会に参加すれば通信もクソも無ぇ。
直接会うチャンスが得られるんだからな」
「草薙さんの言う通りスよ!」
「真吾……それに京も。俺が気になるのは、更にもう一つあるんだ」
文末に記載されていた一つのアルファベットに、紅丸は怪訝な顔になっていた。
「……R」
声に出して呟く。
「ルガールの可能性があるってか?」
「わからない。ギルがこの時代に、ルガールまでも呼び寄せているのか。
それともルガール以外の誰かが書いたものなのか。それが俺の懸念さ」
「んなモン考えたって、今答えが出るわきゃ無いさ。
罠だってんなら、それでも構わねぇ。罠ごと叩き潰すだけだ」
「やれやれ。聞かないんだからな、お前は」
こうして、続々と戦士達は参加表明していった。
大会当日。
参加登録の受付会場は満員となっていた。
参加資格は前大会同様、服役者やお尋ね者でも不問となっていた。
不問とは言うものの、それは大会に参加登録する事が出来るというだけだ。
期間中は警察は一切追わないとか、罪状が免除されるとか、そんな事は書いていない。
つまり、のこのこ出て行って会場で逮捕される可能性だってあるのだ。
多くの者はそう考えていたから、必然的に、参加者は真っ当な人間ばかりとなった。
武道家、騎士、法力使い、僧侶、武士。
だがその中にあって、他の参加者達や、観客の目を釘付けにする者達がいた。
見慣れぬ装束をまとう、過去から来たと自称する戦士達。
一般には『旅行者達』という、捻りの無い呼び方でならわされている者達だった。
「こいつはスゲェな。思っていた以上に規模がデケェ」
受付会場は多くの人でごった返し、チーム制とは言え、
とても全員が入れる程広くは無かった。
自然、チームの中から代表者が一人、登録書類の記入に向かう事になる。
京は自分の弟子兼パシリである、真吾に登録を頼んだ。
どうでも良いんだけど、このSSで散々「しんご」「しんご」って打ってるのに
何で毎回「真吾」じゃなくて「新語」に変換されるんだろうか。
「新語」の次は「信吾」だし。「真吾」を出すためには二回も変換しなきゃいけないんだよ。
俺のPCがおかしいのか、真吾がヘタレだからPCにまで嫌われてるのか、どっちなんだ?
兎も角真吾はこの人ごみを縫って、受付まで進んだ。
「チーム名称はどうなさいますか?」
受付の若い女に問われて、真吾は迷う事なく『草薙京チーム』と答えた。
草薙さんなら喜んでくれるだろうと思っていたが、戻って報告してみると
京には「恥ずかしいから取り消して来い」と言われるわ、
紅丸には「何か俺の存在無視してないかい?」と言われるわで、不評だった。
しかし一度登録したチーム名は、変更不能だった。
彼らはこの恥ずかしい名前で、これから先戦う事になるのだ。
闘技場の上空に、巨大な立方体が現れた。
それは物質的な感触の無い、言うなれば立体映像だった。
無論機械仕掛けではなく、法力で操作されたホログラフだ。
観客席にいる鮨詰め状態の客達全員に見えるよう、上下を除く四面全てに画像が表示される。
そこには参加登録の終了したチームの名称が、次々と並んでいった。
登録は随時受け付けているので、リストは秒単位で増えていく。
リュウとケンはそれを、参加者用の連絡通路の出口から見上げていた。
「草薙京チームって……恥ずかしくないのか、あいつら」
呆れた口調でケンが髪を掻き揚げるが、
リュウは「単純明快で良いじゃないか」と評価した。
さくらは正直『ストリートファイターチーム』という自分達の登録名称も
あまりセンスの良いものではないと思っていたが、下には下がいるものだと感心した。
「よっし、登録完了だ! 行くぜ二人とも!」
「OK、OK! 逸るなよ、ロック」
「もうっ、まだまだ青いんだから」
ロック・ハワード。
テリー・ボガード。
ブルー・マリー。
『餓狼チーム』という登録名称は、早く戦いたくてウズいているロックと、
この先当分現役で居続けるテリー、マリーの二人にとって、実に似合った名前だった。
「ロバートさんいないのに、この名前で良いのかなぁ」
「仕方ないだろう。香澄がいるんだから『極限流チーム』とも名乗れないし」
「そのロバート・ガルシアが、この大会で見つかると良いな」
リョウ・サカザキ。
ユリ・サカザキ。
藤堂香澄。
虎を欠いた『龍虎チーム』は、しかし、龍の妹であり『飛燕』でもあるユリと、
龍でならぬ『竜』の娘である香澄が、立派にその代役を務める見込みだった。
警察機構の人間という立場から、カイ・キスクは
レオナ・ハイデルンをチームに組み入れる事が出来なかった。
形式上まだレオナは重要参考人だったのだ。
しかし、レオナが別の者と大会に参加する事自体は、何ら問題無い。
警察に協力的であるガイル、ナッシュとともに、彼女は
『軍人チーム』という、飾り気の無い無味乾燥な名のチームを組んでいた。
……溜めキャラチーム、という名前にしようかと思った事もあるのは、ここだけの秘密だ。
「おい、本当に参加すんのかぁ?」
「強い奴と戦いたいって言ってたのは、お前さんだろうが」
「けどよぉ、人数揃えるにゃ後一人足りねぇぞ」
梅喧と覇王丸は、受付で立ち止まっていた。
きなくさい物を感じて不参加を決め込もうとしていた梅喧を、
覇王丸が「祭り事だから面白そうじゃないか」と言って、無理に引っ張って来たのだ。
当然あと一人のメンツの事など、なるようになる、としか考えていなかった。
参加はしたいけれど、人数が集まらない。
そんな戦士達は山ほど見かけたから、その中から一人選べば良いと思っていた。
「こういう時に闇慈の野郎は見つからねぇ。どこ居やがる、あのデクノボウ」
「何だい、彼氏の名前かい?」
「冗談抜かせ。あんな露出魔が俺の伴侶なワケねぇだろ」
問答を続けても埒が明かない。
やはり諦めて宿に帰ろうかと考えていたその時、一人の男が声をかけてきた。
「あの、すいません」
振り返った覇王丸の先に居たのは、細身の優男だった。
顔立ちと黒髪、それに服装から、同じ日本人であると知れる。
喧嘩も出来そうにない華奢な男だったが、服の下の肉付きは悪くないように見える。
それに何より、日本刀を携えていた。
「お前さんは?」
「僕の名前は、楓。この時代ではぐれた義兄さんと義姉さんを探すために
大会に参加したいのですが、仲間がいなくて……」
「こいつぁ渡りに船だ! さっそく組もうぜ!」
「あ、ありがとうございます!」
「おい覇王丸、何勝手に決め……って、聞いちゃいねぇ」
この楓という優男の実力も人となりも知らず、よく二つ返事で了承出来たものだ。
梅喧は覇王丸の解放的過ぎる快活さに、いささかの呆れを感じずにはおれなかった。
こうして『侍チーム』(どんだけ適当やねん)が結成された。
「アンディ見つかるかしら……」
「姐さんさえ見つかりゃ、チームが組めるんだがなぁ」
不知火舞と御津闇慈もまた、後一人の仲間が得られず、途方に暮れていた。
舞はアンディを探すためにここまで来たのだが、
予想以上に人が多く、顔を繋ぐのにも苦労する程だった。
闇慈が「アテならある」と豪語するから信じて来たものの、
彼の言う「アテがある」とは、かなりいい加減な意味だったらしい。
運良く彼の言う姐さんとやらが見つかり、運良くチームを組んでいなくて
運良く話に乗ってくれれば、一件落着。その程度の意味合いだった。
「かーっ! 一体姐さんはどこに居やがるんだぁ?」
「その梅喧とか言うのって、貴方のカノジョか何か?」
「冗談抜かせ。姐さんはそんなんじゃねぇよ。ま、俺の尊敬の対象ってトコかな」
そうは言うものの、闇慈の顔は満更でもなさそうだ。
しかし受付時間まで後一時間しか残されていない。
うまい具合に一時間以内に、この混雑の中から梅喧という女丈夫を探せるとは思えなかった。
「アンディどころか、三人目のメンバーさえ見つからないなんてね」
肩を落としかけた舞の背後から、聞きなれた声がかけられた。
「おい、舞じゃねぇか?」
振り向くより早く、その声の主が誰か、舞にはわかった。
アンディとテリーの親友であり、ムエタイのチャンプになった事もある男。
「ジョー! ジョー東じゃないの!
アンディ達とは一緒じゃなかったの?」
「この時代に飛ばされてから、一度も会ってねぇよ。残念ながら、
アンディの居場所なら知らねぇぜ。俺だってそれをお前に聞きたかったんだからな」
ふと、ジョーが闇慈の存在に気付く。
「舞のダチかい? 俺はジョー東ってんだ、よろしくな」
「姓は御津、名は闇慈。こちらこそよろしくな。アンタ、一人かい?」
梅喧もアンディも見つからなかったが、これでようやくメンツが揃った。
「チーム名はどうする?」
「そうだなぁ……半裸チー((バキッ!))……ぐほっ!」
「一緒にしないで! これは忍び装束なんだから」
冗談で言いかけた闇慈の顔面を、舞の鉄扇がどつく。
しかし受付の女性は勝手に納得して、勝手に『半裸チーム』で登録してしまっていた。
この三人を表すのに、これ程適した名称は無いと思えた。
「ねぇジョニー。ボクら、参加しても大丈夫なのかな」
「良ーんじゃないのぉ、別に。追われたって、逃げ切る自信あるしな」
ジェリーフィッシュ快賊団のジョニーとメイもまた、大会に参加するつもりだった。
この大会、いかにも妖し過ぎる。
警戒のために警察であるカイや、ツェップのポチョムキンも参加するだろう。
夢路に頼まれた、戦士達同士の橋渡しのためにも、ジョニーは参加せねばならなかった。
公の場で突然警察に追われる可能性も考えたが、
次元牢くらいならジョニーは自力で脱出出来る。
その後で悠々とメイを救出する事とて、彼にとってはケツの穴(意味不明)である。
問題は、あと一人のメンバーだった。
メイはエイプリルを参加させようと言ったし、エイプリルもその気だった。
しかし、ジョニーがそれを断ったのだ。
フェミニストの彼としては、そもそもメイすら参加させたくなかったのだ。
自分の家族に危ない事はさせたくなかった。
逃げる自身があるとは言え、それでも掴まるかもしれない事に変わりは無いのだ。
エイプリルは了承してくれたが、メイは言う事を聞かず、ここまでついて来てしまった。
どうにかしてメイにも帰ってもらえないかとジョニーが考えていると、
そんな彼の胸中を知らず、メイは早速一人身の少女に声をかけていた。
「ねぇねぇ、君一人? ボクらと組まない?」
少女は寡黙で、メイとは好対照だった。
「……そっちの黒いのは、お前の仲間?
悪いけどアタシ、侍と仲良くするつもりはないよ」
その少女は、単にチームを組む相手がいないというだけではなく、
心の底の方から孤独感や寂寥感に苛まれているように、ジョニーには見えた。
ひょっとするとメイと同じように、両親を亡くしているのかもしれない。
「ツレない事言いなさんな。レディを戦わせるのは本意じゃないが、
レディを一人にしとくのは、もっと本意じゃねぇ。
そんな腕組して壁に寄っかかってないで、俺の胸へダイヴしてきな。さぁ!」
「……調子狂うよ。何なんだ、お前」
少女は眉を寄せて、年に似合わぬ皺を刻んだ。
その冷たい目でもって、目の前の男と少女を凝視する。
「ジョニーは確かに刀持ってるけど、君も持ってるじゃない。何で侍が嫌なのさ」
少女はその腰に、小柄な体躯に似合わぬ大刀を携えていた。
メイは理由を気にしたが、ジョニーはそれを聞くのは野暮だと考えた。
「理由を問い詰めるつもりはない。無理強いはしないが、
もし良ければ、本当に俺達の仲間になる気は無いかい?」
……この男は、今まで見てきた侍とは、違うかもしれない。
少なくとも、弱い者相手にしか抜かないような、腰抜けではないような気がする。
少女は男の器量を認め、チームを組む事を承諾した。
「改めて自己紹介するね。ボクの名前はメイ。こっちはジョニー。君は?」
「……吉野凛花」
さすがに『ジェリーフィッシュ』だの『快海団』だのではまずいので、
登録名称は『ダンディなお兄さんと美少女達チーム』(適当)となった。
そして、闘技場の場外出入り口。
登録受付終了時間まであと十分という程の時間になって尚、
ここで人を待ち続ける者達がいた。
カイ・キスクとテスタメントである。
「三人一組と言うが、残り一人はどうするつもりなのだ?」
テスタメントはカイの誘いに乗って、この大会に参加する事を決めていた。
仮に国連の上層部が操られているのだとすれば、
それを探るのは自分の専門分野と言えなくもない。
何しろテスタメント自身が、かつて国連上層部を操って、同じ大会を開いた事があるのだ。
内部からの調査はカイの腹心であるベルナルドが、部下を率いて行っている。
カイとテスタメントは、参加者という立場から事態を観察する役回りだった。
そして彼らが大会に参加するためには、あと一人の仲間がいる。
その最後の一人が誰なのか、テスタメントはまだ知らされていなかった。
「……来たようですね」
カイが呟いたので、その視線の先を追う。
三人の男女が歩いて来るのが確認出来た。しかし、いかにも異色の組み合わせだ。
忍者のような格好をした少女に、
ジェリーフィッシュ快賊団のような服装の少女、
それに……
「……ソル!?」
テスタメントは、二人の少女の後を面倒くさそうに歩く男の姿に、
驚きと敵愾心を隠さなかった。
「何だぁ? 坊やの言う三人目ってのは、テメェか」
ソルの方もまた、この場にテスタメントがいる事を、今初めて知った口ぶりだった。
「ちょっとソル。本当に私達とはチーム組まないの?」
「あと10分も無いのに、今からメンバーを探すなんて……」
忍者の格好をした少女いぶきと、セーラー服を着たアテナが、それぞれにソルに不満を漏らす。
「しゃあねぇだろ。元団長様のご命令だ。逆らっても良かったんだが、
テメェらの子守をさせられるよりはマシだからな」
ソルは事前にカイからコンタクトを受け、この度の大会への参加を要請されていた。
彼自身この大会には裏があると踏んでいたから、頼まれなくても参加するつもりだった。
ただ、明らかに足手纏いになるこの少女達と組む事だけは、ネックに感じていたのだ。
「まさか、貴様に声がかけられていたとはな……」
テスタメントは苦々しく思っていた。
自分とソルの、決して良好でない関係を、カイも知っている。
知っていて敢えてこうしたのなら、中々の狸だ。
関係は兎も角、戦力としては申し分無い。なるほど、元騎士団長の判断は正しい。
大会中、及び大会終了直後は警察もテスタメントを追跡しないよう、
カイとテスタメントの間である種の司法取引が、すでに結ばれていた。
テスタメントは別に追われても難なく相手を排除出来るから関係無い。
どちらかと言えばこれは、カイが部下を守るための取引だった。
こうして『聖騎士団チーム』が結成された。
「まったく、酷い話だわ。女の子を放り出すなんて」
ぶつくさ文句を言いながら、いぶきは受付へ至る通路を歩いていた。
アテナも途中で他のチームに引き抜かれたので、
登録終了まであと五分しか無い状態で、あと二人の仲間を見つけなくてはならない。
だが逆に考えれば、そう難しい話でもない。
あと二人見つけようと思うからいけないのだ。
既に組まれている二人組のところに、後から入れてもらえばいい。
向こうは向こうで、あと一人見つけなくてはならないと考えているのだから、
気が合えばすんなりチームに入れてくれるだろう。
「さて、と。一番気の合いそうなメンツは……」
同郷の日本人同士なら、いくらか気心も知れようか。
或いはアテナやさくらのような女子高生となら、年が近いから楽だろうか。
いやいや、これが戦闘のために組まれるチームという事を考えると、
同業者同士で組むのが一番、痒いところに手が届くかもしれない。
そう考えていると、都合良く目の前に同業者がいた。
しかも、二人も。
「……アンタ達、忍者だよね? 明らかに」
「シット! カンペキに忍んでるのに、何でバレたんだ!?」
「ユーの銀髪が派手だからさっ!」
アンタの青とオレンジの装束のが派手だよ……という言葉を、いぶきは飲み込んだ。
こうしていぶき、チップ・ザナフ、ガルフォードの三人で
『忍者チーム』が登録された。
賞金に目がくらんだ蔵土縁紗夢もまた、春麗を伴って、会場に来ていた。
カイと組もうと考えていたのだが、先約があるからと断られてしまった。
闇慈も既に、露出度の高い日本人達(ジョーと舞)と組んでいる。
渋々ロボカイを誘おうかと思っていたが、こういう時に限って、
あのガラクタは最近店に姿を現さなくなっていた。
「どうするの、紗夢。私の方にも、もうアテは無いわよ。
ナッシュはガイルと組んでたし……と言うか『老けたな』とか言われたし」
スト0時代に生きていたナッシュからしてみれば、スト3の春麗は、確かに老けていただろう。
仮にも彼女ももう三十……ごほんごほんっ。
「むぅ……カイと組めれば良かったんだけど、ギア二人に既に取られてたネ。
他に知り合いはいないカ、春麗?」
「そんな事言われても、そんな都合良く……あら?」
春麗は人ごみの向こう側に、運良く知り合いを一人見つけた。
しかもその素振りから見て、相手は恐らく単独だ。
仲間を探しているのであれば、顔見知りという事もあるから、頼みやすいだろう。
「アテナ。あなた、麻宮アテナでしょう」
後ろから声をかけて肩を叩くと、相手は少し驚いて振り向き、
春麗の顔を認めてすぐにパッと笑顔になった。
「……あ、春麗さん! 奇遇ですね。
ミレニアムファイティングであなたと戦えるの、楽しみにしてたんですよ。
テレビで見たあなたの中国拳法は、とても素晴らしかったです!」
「あなたの方こそ、見事なものだわ。
あ、紹介するわね紗夢。こちらは麻宮アテナさんで、KOFの常連。
アテナ、こちらは蔵土縁紗夢と言って、この時代の料理人で拳法の達人よ」
「よろしくアル。今度うまいご飯ご馳走するネ!」
実は日本人であるアテナが一番まともな中国拳法(連環腿とか)を使うという
アンバランスさはあったが、受付終了間際にようやく『中国拳法チーム』が登録された。
登録を済ませた選手達が、続々と巨大な中央リングに集まってくる。
何割かはこの時代の戦士達だったが、大多数は過去からの旅人達だった。
誰しも見知った顔もあれば、初対面の者もあった。
「案外早く再会出来たものだな」
「あぁ。あれから何か進展はあったかい?」
「いいや。そっちは?」
「相変わらずさ」
向かい合ったリュウと京の間で、そんな会話が交わされた。
経費の分担もそうだが、広く情報を収集するためというのも、
彼らがパーティを分けた理由の一つだった。
しかし彼らが別れてからまだ一週間も経過していない。進展らしい進展は無かった。
「ヘイ、京! アンディを知らないか?」
「生憎だが、俺ぁ知らねぇな。そっちこそ、忘れられがちな大門を知らねぇか?」
テリーは首を横に振った。だがそれも、仕方の無い事だった。
作者自身、正直大門の存在は完璧に忘れていたのだ。
同様にして、知人と顔を繋ぐ者、別の知人の所在を確かめる者で、リングの上は賑やかになった。
その喧騒を堰き止めるように、どこからともなくスピーカーの音が聞こえてくる。
いや、それは正確には、現代のスピーカーとは別物だろう。
例のごとく法力によって制御された、何らかの拡声器の一種だろうか。
『お集まり頂きました戦士の皆様、ご静粛に願います』
声は、上空から聞こえてきた。
先程の立方体に今一度、登録済みの選手達のチーム名が表示されていく。
『ただ今をもちまして、参加登録の受付を終了させて頂きます。
これより、本大会の趣旨と、ルールの説明をさせて頂きます』
選手用の通用門が一時封鎖され、門の外で仲間を募っていた戦士達が、肩を落とす。
ここに残っていたのは、全て二人組だった。それも自然な道理だ。
何故なら、この場に一人で残り続けていた者は、受付終了前にとっくに某かの二人組と接触して、
ひとまずの参加登録を済ませてしまえば良いだけだったのだから。
そんな彼らの耳にも、場内で響くルール説明の声が、かすかに届いてくる。
『……以上の理由から、我々国連は聖騎士団の再結成を望むものである。
しかし求められるのは、ただ強いだけの者ではない。
試合にはルールがあるが、実戦の殺し合いに小奇麗なルールなどは無い。
また、必ずしも一対一で戦えるとも限らない。
そこで本大会では、各チーム三人の選手全員が一度にリングの上に上がっての、
三対三の集団戦という形式を採用する』
そこまで説明を受けて、どよめきが起こった。
ルールのある格闘大会に慣れている京にとっては、異色の対戦方式だ。
「ど、どういう事っすか、草薙さん?」
「その通りの意味だろうよ。例えばKOFは、一対一が基本だ。
今までに援護攻撃だのストライカーだのって変則ルールはあったが、基本はサシだ。
だがこの大会では、三人と三人……合計六人の戦士が、同時に戦うって事さ」
それは、真吾は勿論、京にも紅丸にも不慣れな戦い方だった。
ストリートファイトでは数人に一斉に襲い掛かられる事もあるから、
辛うじてリュウは何度か経験があったが、それでも慣れているわけではない。
集団戦における連携の巧みさが求められる大会という事だ。
四人大戦だったイスカを六人対戦にしたようなもの、と言えば
読者諸兄にもわかりやすいだろう。
もっとも、真面目に考えれば、彼らにとってそんなルールはどうでも良い事だ。
ここに集まった理由は、勝って一番になりたいとか、賞金が欲しいなどというものではない。
最大の理由は、散り散りになった戦士達が集合する機会を得る事で、
現時点での情報交換の場を設けるというだけの事なのだ。
早い話、全員でこの大会をボイコットしても構わない。
「どうするの、お兄ちゃん」
ユリは傍らのリョウを見上げて尋ねたが、回答はわかりきっていた。
「……血が騒がないと言えば、嘘になる」
そしてそれは、他の者達もほぼ同様だった。
もしもこの大会が、かつてテスタメントが開いた時のような……
あるいはオロチ四天王やネスツ幹部がKOFを利用した時のような、
黒い思惑が裏に潜んでいるのであれば、大会を続行する意味は無い。
戦士達の戦闘によって発生するエネルギーなり、流れる血なり、
そういったものを生贄にして何か大きな巨悪を成すのであれば、
むしろ戦わない方が正しいと言える。
だがそうとわかっていたとて、踊る血肉を冷やせる程、彼らは飼い慣らされていない。
「どうするんだ、京?」
「野暮な事聞くなよ」
問いかけたリュウに京は、彼らしからぬ程口の端を歪めて、
極めて好戦的で、ある種猟奇的な笑いと眼差しを返した。
一旦集まってしまえば、情報交換などいつでも出来る。
勿論大事な事ではあるが、そんな事のために、折角整えられた舞台を台無しにしたくはなかった。
ここに集まった者、誰もが同じ気持ちだった。……一部を除いて。
「始めようぜ! 加減はしねぇからなっ!」
「望むところだ!」
京とリュウが互いに拳をかち合わせるのを合図にするかのように、一斉に声が沸きあがった。
それは選手達ばかりでなく、物見に来た観客達からもだった。
捜査目的で潜り込んだソルやカイすらも、血が疼くのを否定出来なかった。
「公務の事を考えれば……ここは同調すべきではないのですがね」
「相変わらず生真面目な坊やだな。俺と違って早死にするぜ」
「百五十歳のお前にそう言われると、確かに説得力がある」
カイはにやりと笑い、珍しくソルと気分が合うのを認めた。
「ミリオネアファイティングの時代に戻るまで、
俺らの戦いはお預けだと思ってたんだがな」
開会式を終えて闘技場を後にする頃、
通用門でリュウとすれ違った京は、実に楽しそうに彼に話しかけた。
「俺もそう思って、残念に思っていたんだ。
一緒に旅をしていても、お前は面倒くさがって、俺と試合したがらなかったからな」
「きっと神様……オロチでもギルでもない、正真正銘の神様が、
二人の戦いをよっぽど拝みたいんだろうぜ」
ちょっとあだち充の『H2』みたいなセリフを、ケンは吐いた。
「避けられぬ戦い……Eventual Rumble……というワケだね」
英語の堪能な紅丸が、この戦いをそう言い表した。
大会は明日から始まる。
奇しくもランダムに組まれたトーナメント表を見る限り、
リュウと京が戦うのは、まさに明日だった。
なるほど、神様はせっかちなようだ。そんなにも二人の戦いが見たいのだ。
優勝候補の二人が初日からぶつかり合うなど、運命と言う他無かった。
はい終了
因みにアクセントコアのストーリーモードは途中で放棄しました
別にこのSSの展開には何ら影響無さそうだったので
>142
純愛SSスレでFHDのリー×ヨンミーを見たことあるから
そっちに投下する手もあるぞ
乙
>>164 色々落ち込む事が多々有っただけに素直に楽しんで読めました
167 :
142:2008/04/18(金) 17:10:40 ID:GTstHXVf
>>165 すみません、自分そのFHDのSS書いた者です。
実はその大幅加筆修正版を書いたので、
どこか投下出来るスレを探していた所でした。
>>164 乙です!これからの展開も期待しています。
>>164 乙っス!各対戦の組み合わせが気になって眠れなさそうっス。
決まっていたら発表して欲しいっス!
169 :
ERO:2008/04/18(金) 23:26:24 ID:naMSPLXh
>>168 あんま決まってないです
せいぜい京チームとリュウチーム、
京チームとジョニーチームを戦わせようかなって位で
他は何にも考えてないです
じゃ今後の試合展開はリク制にしましょうか
167のファイターズヒストリーダイナマイトSS投下します。
・李典徳×柳英美
・純愛和姦
・激甘
・エロまで長
以上苦手な方、NGワードは「FHD」でスルーお願いします。
川面を流れる風が、俄かに冷たく湿り出す。辺りが急速に薄暗さを増し始めたのは、そろそろ西の地平に傾きつつある陽の所為だけではない。
河を渡る小さな舟の上で、船頭の男は静かに顔を上げた。
年の頃はせいぜい三十路前、だがその精悍な面差しには年に似ぬ老成した落ち着きを湛えている。
じきに一荒れ来るであろう前兆に、男は軽く眉をひそめた。
その読みが正しい事を示すかの如く、遥か遠くから雷鳴が聞こえて来る。既に上流ではまとまった量の雨が降り注いでいるのか、濁った流れに抗う櫂が徐々に重くなっていくのが分かった。
元々、ほとんど地元の人間しか利用しない交通手段である。今日は恐らく、先程向こう岸に渡した客で最後であろう。
後は戻るだけである事を幸いに思いつつ、男―八極拳士・李典徳(リー・ディエンドー)は束ねた長髪を翻し、対岸へと舟を急がせた。
「待ったわよ。お仕事、もう終わり?」
舟を舫い終えて詰所へと戻ろうとした李の背中に、突然若い娘の声が投げ掛けられた。
「すまない、今日はもう…」
客か。応えつつ振り向きかけて、その流暢だが僅かに韓国訛りのある広東語に気付く。
よく通るその声には、確かに覚えがあった。
「お前は…」
「久しぶりね、李さん!」
ポニーテールに結い上げられた艶やかな黒髪。眦の吊った、いかにも気の強そうな美貌。引き締まった腕にすらりとした脚線を惜しげもなく見せ付ける、健康美に溢れた軽装。
野宿を伴う旅の途中と思しきバックパックを背負いこちらを見上げる韓国人の娘は、確かに記憶の中の道着姿の彼女と重なる。
先の試合―第二回世界格闘技選手権の準決勝戦で出会い、そして破った「テコンドー界の若き女王」こと柳英美(リュウ・ヨンミー)であった。
「どうした、こんな田舎に観光の下調べにでも来たのか?」
「そんなんじゃないわ。わたし、あなたに会いに来たの」
ツアーコンダクターという彼女の本業を思い出すが、今ここにいるのはどうやら仕事とは無関係のようである。
「私にか? 何故…」
「聞いたわ、またあのK≠ノ勝ったんですって? 凄いじゃない」
K=B二度に渡る世界格闘技選手権の主催者にして決勝戦の相手をも務めた格闘技界の帝王であり、その昔やはり八極拳士であった李の父を野試合の果てに殺した、言わば親の敵でもある。
怒りと憎しみに、一時は激しく身を焦がした。己の心身を高める為の力と技を、何の躊躇いもなく復讐の刃と変えようとした時期さえあった。
だが、今は違う。そして、あの時も。
「そんな事を言う為に、わざわざここまで来たのか? 全くご苦労な事だ」
昨年に引き続く世界格闘技選手権の制覇、それは即ち世界一の格闘家の称号をより強固な物とした事を意味する。
「何よ、せっかく世界一になったのに嬉しくないの?」
「私の積んだ修行の成果が、今回も奴のそれに勝っただけの事。その結果に過ぎん」
だがその名声に全く驕る事なく、更なる高みを目指して終りなき修行に打ち込む真の八極拳士。
出会ってたった一戦交えただけだったが、英美にとって生まれて初めての敗北となったその試合は、彼女にこの李典徳という男の武術家たるべき真摯な性格を印象付けるのに余りにも充分であった。
「ふふっ、相変わらずストイックなのね。でも、李さんならそう言うと思ったわ」
やはり彼は、あの時からずっと思っていた通りの人物であった。
改めて覚えたその好ましさに、笑みが浮かぶ。
173 :
FHD:2008/04/21(月) 20:06:34 ID:hnKc3dUy
「ところで、その修行の成果ってやつなんだけど…今もちゃんと生きているのかしらね?」
「…何が言いたい?」
つい口の端に現れた好戦的な響きは、さすがに読み取られてしまったらしい。
悪い癖である。だが今は、敢えて隠す気もない。
「じゃあ単刀直入に言うわ。また勝負して欲しいのよ」
言うなり、背中の荷物を河原に放り投げて構えた。
「勝負だと!?」
「だってあなたを倒せば、わたしのテコンドーこそ世界一だって証明出来るでしょ!」
試合開始の挨拶代わりに、テコンドーならではの鋭い飛び回し蹴りを放つ。
全身の瞬発力とバネを見事に効かせた足技は、しかし掲げられた腕にブロックされた。
弾かれるように、間合いを取る。
彼女のテコンドーに対する深い愛着と誇りが感じられる、相も変わらず胸のすくような美技であった。
防いだ腕は大事こそ無かったが、肩まで痺れるその衝撃はやはり侮れない。
――なるほど、私に負けたままでは気が済まぬという訳か。
男勝りで負けず嫌いな彼女らしいと思いつつ、低く腰を落とした八極拳の構えを取った。
「今の蹴り、ちょっと自信あったのに…やっぱり、あなた強いわね!」
「世辞や減らず口など無用。私を倒したければ、全力でかかって来るがいい!」
「言われなくたって、そのつもりよ!」
一足跳びに距離を詰め、前に戦ったあの時よりスピードも切れも格段に増した凄まじい蹴りを縦横無尽に飛ばして来る。
「ふっ、はっ!」
これまた相も変わらずの、ひたむきで狡さのない攻めであった。
確かに強くなった。だがこの程度では、まだまだ李を打ち負かすには至らない。
更に何が今の彼女をそうさせているのか、痛々しいほど全てをぶつけてくるような無謀なその戦いぶりは前にも増して顕著になっていた。
174 :
FHD:2008/04/21(月) 20:07:22 ID:hnKc3dUy
初手を交わして、どれくらい時間が流れただろう。
曇天模様だった空はすっかり暮れ、いつしか二人の身体に冷たい雨の飛礫を浴びせていた。
「はぁ、はぁ…」
男女の体力差故か格闘スタイルの相違故か、未だ涼しい顔の李に対して先に息を上げ始めたのはやはり英美の方だった。
「どうした、もう限界か」
「舐めないで…まだまだ、これからよ! えいっ!」
まともに食らえば昏倒させられていたであろう渾身の飛び蹴上げ、続く踵落としをごく軽い体捌きのみでかわす。
元々大技に頼るきらいがある上、疲労と焦りですっかり最初の勢いを失った今の彼女の技は、最早見切るのは造作もない。
「きゃあっ!」
着地したばかりの軸足を低く払い、素早く懐に踏み込む。
「はっ!!」
体勢を崩し全く無防備となった鳩尾に、勁を込めた掌打―八極拳の奥義、猛虎硬爬山を叩き込んだ。
「っ…」
必殺の一撃に気を失った英美の身体が、呆気なく均衡を失う。濡れた地面に倒れ伏す既の所でその肩に腕を伸ばし、しっかりと抱き止めた。
香水か或いは肌そのものの匂いか、咲き初めの花とも果実ともつかぬ甘い香りが仄かに鼻腔をくすぐる。
あんな男顔負けの技を操る癖に、しなだれかかるその肢体は思っていたよりずいぶん柔らかくて頼りない。
雨足は先程より弱まるどころか、雷を伴ってだんだんと勢いを増していく。この様子では、少なくとも今夜はこのまま一晩中荒れ続けるであろう事が容易に予想出来た。
今日この後は李しかいない船頭の詰所に戻れば、熱い湯を浴びて着替える事が出来る。そして簡素だが仮眠を取る為のベッドも、こうした場合に一晩を凌ぐくらいの備えもある。
とりあえず、今は速やかにそこへ避難するのが最善に思われた。
「うぅ、んっ…」
寒気を帯び始めたのか、腕の中で小さな声が上がる。
改めて目を遣れば、無防備極まりない寝顔、濡れて貼り付いたTシャツから透ける素肌がひどく艶かしい。
――いかん。
知らず身の内に燻り始めた雑念を振り払うと、李はその身を抱え上げた。
175 :
FHD:2008/04/21(月) 20:07:59 ID:hnKc3dUy
屋根を叩く、凄まじい雷雨の音が聞こえる。
ようやく目を覚ました英美が最初に見たのは、見覚えのない室内の明かりであった。
「え…えっ?」
緩やかに慣れてきた目で、辺りを見回す。男臭く簡素だがただ休む分には充分なベッドに寝かされ、その足元には荷物と履いていたスニーカーが置かれていた。
――ここは?
掛けられた毛布を跳ね除けて起き上がると、身体を包んでいたバスタオルがはらりと落ちる。
「きゃっ!」
反射的に身を改めたが、丹念に水気を拭い取られた着衣のどこにも乱れはない。
濡れた服を脱がせる事なく、だが体温を奪われぬように次善の対処として誰かがわざわざこうしてくれたのだ。
次第にクリアになる意識に伴い、直前の記憶が次々と甦ってくる。
李に会う為だけに考え無しにここに押しかけ、仕事を終えたばかりの彼に一方的に再戦を吹っかけた事。自分なりにあの時より腕を上げたつもりでいたが、更にその上を行った彼に再び負けた事。
だが自分は何故、この場所に寝かされているのだろう。一体誰が、ここまで自分を介抱してくれたのだろう。
――もしかして…?
状況からどう推測しても、李以外に考えられなかった。
夢か現か肌に残る彼の体温、抱き止められた頼もしい腕の記憶に思わず顔から火が出る。
「気が付いたようだな」
「!!」
突然のドアの開く音、降ってきたその声に心臓が勢い良く跳ね上がる。
既にシャワーを浴び傷の手当てを終えた様子で、洗い晒した拳法着に着替えた李その人が入ってきた。
「り、李さん…」
ここは一体どこか、どのような経緯を経て今に至るのか。
どぎまぎしつつ矢継ぎ早に尋ねる英美に対し、憎らしいほど落ち着き払った李は表情一つ変えず淡々と答えて聞かせる。
176 :
FHD:2008/04/21(月) 20:08:53 ID:hnKc3dUy
「ごめんなさい、すっかり迷惑かけちゃったわ」
厚意のまま身繕いを整えて手当てを受け、人心地がついた所で英美はさすがに申し訳なく頭を下げた。
「いや、構わん。私も久しぶりに、師父以外の使い手と手合わせが出来た」
その顔を上げさせるかのように、淹れたての茶で満たされた湯呑みが差し出される。
程良く熱い茶は、借りた風呂で心地良く温まった身体に今度は内側から優しく沁み入った。
「美味しい…男の人って、あまりこういう事はしないものだと思ってたけど」
「一人身の上、こんな男所帯の最年少だ。飯や茶の用意くらい、嫌でもすぐ慣れる」
「ふうん、必要に迫られてって訳?」
朴訥な彼らしく冗談の欠片もない言葉に安堵を覚えながら、英美は湯呑みに口を付けた。
「それにしても何故、突然私を訪ねて来た?」
戦う前からずっと気になっていた李の疑問に、二煎目の茶を受け取ろうとした手がふと止まる。
「えっ、それは…言ったじゃない、あなたとまた勝負したくって」
「それは分かっている。だが…ならば何故、次回の試合まで待たぬ?」
「……」
「急かずとも、その時までじっくりと修練を積んでいればまた結果は違っていただろうに」
決して責めるつもりではなかったが、英美は急に黙り込んで俯いた。
雨音が、いっそう重苦しく響く。
「それとも、そうまでして今すぐ戦いたい理由でもあったのか?」
「…どうしても会いたかったの、李さんに」
噛むように固く噤まれていた唇が、ようやく何かを白状するように開く。
「だって、わたし…!」
あの真っ直ぐな攻めを思い起こさせる語気と眼差しが、こちらを射抜いてくる。
だがその瞳はすぐに伏せられ、突然大粒の雫をぽろぽろと零し始めた。
後は、言葉にならなかった。
177 :
FHD:2008/04/21(月) 20:09:32 ID:hnKc3dUy
何事かと思わず立ち上がった李の胸に、湯上がりで芳しさを増したあの感触と香りが今度は自らの意思で飛び込んで来る。
突然の涙、普段の彼女からは想像もつかない無防備なしおらしさに内心困惑しつつも、李はまるで幼い子供のように泣きじゃくる彼女を受け止めた。
嗚咽で苦しげに震える背中を撫で擦ってやると、自然と恋人同士のように抱き合う格好になる。
襟元に縋る手に、ぎゅっと力が込もった。
「ごめんなさい、訳分からないわよね…ちゃんと説明するから…だからお願い、もう少し…」
「焦らずとも良い。落ち着くまでこうしていろ」
赤く腫れかけた目元を、指で拭ってやる。
それでも宥めきれぬ涙は、全て拳法着の胸に押し当てる事にした。
「わたしの父と母も、テコンドー使いだったわ」
ようやく乱れた呼吸を落ち着けた英美は、李の胸に頭を預けたまま少しずつ語り始めた。
両親譲りの技でテコンドー界を制した喜びも束の間、三年前彼らはK≠ニ呼ばれる格闘家との勝負に出向いたまま行方不明になってしまったのである。
手掛かりを求めてK≠フ主催する世界格闘技選手権に出場し、惜しくも李に敗れた後も独自に両親の消息を追い続けた。
しかし旅の果てに英美を待ち受けていたのは、余りにも受け入れがたい真実であった。
奮闘空しくK≠ノ敗北を喫した父はその場で自らの命を断ち、それを看取った母も何処かへ姿を消したという。
人知れず憎しみと深い絶望に打ちのめされたそんな折、風の噂で李――今まで男にさえ負けた事のなかった自分を初めて打ち負かした中国人の二連覇を知った。
同時に、知る事となる。彼もまた、かつてK≠ノよって父親を殺されていた事を。
自分と同じ、というのはおこがましい。
だが拳を交えれば分かる。あの穏やかに研ぎ澄まされた力と技は、負の感情を糧とした禍々しいそれとは明らかに異質なものであった。
現に彼は父親の敵に二度相対しながら、二度とも止めを刺す事無く勝利している。
あの揺るぎ無い強さは、憎しみに打ち克ち私心を乗り越えて得られたものだったのだ。
178 :
FHD:2008/04/21(月) 20:10:17 ID:hnKc3dUy
どうすれば、彼のように心まで強くなれるのか。もう一度戦って、その強さを確かめてみたい。
もう一度、会いたい。
初めて両親以外に覚えた尊敬と羨望の念は、いつしか知らぬ間に一人の男に対する想いへと変わっていた。
日毎に募るその気持ちに居ても立ってもいられなくなった英美は、ついにありったけの休暇を取って中国へと向かったのであった。
道理で、ただ再戦を挑みに来るにしては些か唐突だと思っていた。
よもや彼女もまた、K≠ノよって敬愛する父親を死に追いやられていたとは。この自分とてようやく乗り越えた苦しみを、女の身で今までたった一人で抱え込んでいたとは。
何より自分を慕って、会いたい一心で遥々ここまでやって来たというのか。
「李さん…あなたが好き」
気遣わしく落とした李の視線と、腕の中でゆるゆると顔を上げた英美のそれが、どちらからともなく噛み合う。
未だ泣き濡れたままの瞳には、今はただ李しか映っていない。
「だから、勝負にはまた負けちゃったけど…会えて、とても嬉しかったの」
化粧気もないのにやけに色艶の良い唇が、そっと囁いた。
美しくも勝気な、だが誰より真っ直ぐで一本気な娘。
そんな彼女の想いは、今は全て李の物である。
湧き上がる愛おしさに、この胸を満たす柔らかい温もりともう一つの鼓動に、身体の芯がかっと熱くなる。
だが、このまま衝動に身を任せてしまえばどうなるか――同年代の男と比べてこうした色恋沙汰には全く疎い李にも、その先は分かりきっていた。
抱きしめかけていた腕の中の身体を、緩く突き放す。
「…今夜はもう遅い。私は向こうの部屋で寝るから、お前もここの内鍵を閉めてもう休め」
ぶつけられた真剣な想いを、結果的にはぐらかしてしまうのは本意ではない。
だがいかに若い頃から修行一筋で生きてきた身とはいえ、自分は木石でもなければ聖人君子でもない。
「李さん!」
「分かるだろう、私とて男だ。これ以上お前とこうしていては…最早心穏やかでは居られん」
子供でもあるまいし、苦しく押し殺した言葉の意味は察する事くらい出来たはずである。
179 :
FHD:2008/04/21(月) 20:10:51 ID:hnKc3dUy
「それって、わたしを…襲いたくなっちゃうかも知れない…そういう、意味なの?」
身も蓋もない広東語で聞き返された己の欲望に、我ながら呆れ果てる。
「…否定はせぬ」
「いっ…いいわ!」
しかし返ってきたのは、意外な答えだった。
火照った顔が、耳まで赤い。
「お前…」
「だから、いいって言ってるのよ。あなたとなら…そう、なったって…」
半ば怒ったような口調に反してか細く消え入りそうな語尾の代わりに、李は己の理性の鎖が弾け飛ぶ音をはっきりと聞いた。
ごくり、と音を立てて目の前の喉仏が動く。
次の瞬間には息も止まるほど強い力で抱き寄せられ、唇を奪われていた。
「んっ…!」
思わず緩んだ唇の隙間を割り、舌先が入り込んでくる。やがて本能の赴くまま獣めいて口腔を貪り出した愛しい男に、英美は目を閉じて応えた。
熱く濡れた粘膜同士が擦れ合い、深く捕らえられた舌が音を立てて執拗に絡められる。
「…ふ、ぅん…っく…っ…」
これから先の行為を予感させる濃密な水音と交じり合った呼吸の間から、どちらからともなく鼻にかかった声が漏れた。
「ふ、ぅんっ…」
息苦しさに、今まで味わった事のない甘美な感覚に身体中の力が奪われていく。
顔にかかる髪をさらさらと撫で払う指先の些細な動きにまで、いちいち気が遠くなってしまいそうである。
崩れ落ちそうになる身体を保とうと強くしがみつけば、服越しに密着した下腹部を熱く固く勃ち上がった物が抉った。
――李さん…?
これが、欲情した男というものなのか。その激しさが、猛々しさが少しだけ怖い。
だがその怖気はすぐに得体の知れぬ疼きに取って代わり、熱を帯びて背筋から子宮へと走り始めた。
180 :
FHD:2008/04/21(月) 20:11:28 ID:hnKc3dUy
同じ茶の香りの残る互いの唾液を引きずりながら、ようやく唇が解放される。
「っは…ぁっ…はぁ…」
自他共に認める強靭さを誇った脚は今頼りなく震え、抱きすくめる李の腕に支えられていなければただ立っている事さえままならない。
軽く押されてふと振り返ると、つい先程まで寝かされていたベッドがすぐ後ろにある。
「きゃ…!」
すっかり砕けてしまった腰を抱え込まれ、英美の身体は李と縺れ合うようにベッドの中へと沈められていった。
大会参加者の男たちの中では小柄な方だが、常日頃の弛まぬ鍛錬が伺える強靭な肉体。その逞しい重さに酔う暇さえ与えられず、衣服に手が掛けられた。
Tシャツを捲り上げられ、色気のないスポーツブラに包まれた胸が零れ落ちる。
――やだっ…!
こんな事になるなら、もう少し可愛らしい下着を選んで着替えれば良かった。そんな後悔に構わず、李は急くように英美の服を脱がせていく。
程なく残りの着衣から髪を結ったリボンまで全てを傍らに散らされ、英美は生まれたままの姿に剥かれてしまった。
「ほう…」
嘆息しつつ、戦いの時にも似た熱の込もった双眸がこちらを見下ろしてくる。
その中に映り込む一糸纏わぬ自分の姿に、否応なく彼の視線を意識してしまう。
「いやっ、見ないで…」
「無理を言うものだ。見ぬ事には抱けぬぞ」
手で肌を覆い隠そうとするが、自らも拳法着の上衣を脱ぎ捨てて上半身裸になった李はしっかりと両腕を押さえつけてそれを許さない。
いくらもがいても敵わずせめて顔を背けて羞恥に耐えるも、身体中を隈なく眺め回すその眼差しからは到底逃れようがない。
181 :
FHD:2008/04/21(月) 20:12:06 ID:hnKc3dUy
きめの細かい、透き通るような肌。格闘家らしく良く鍛えられてはいるが、若い娘相応の柔らかさを絶妙に残した美しい細身の身体。
見惚れる李の視線に弱々しく身を捩らせる度、形の良い豊かな乳房が眼下でふるふると揺れる。
媚態にしか見えぬその様子が、中途半端な抵抗が却って男を誘い燃え上がらせるという事を、思ったよりもずっと初心で純情なこの娘は全く分かっていない。
縛めた腕を頭の上で一括りにして片手に持ち替え、李は空いた手を胸元に這わせた。
早鐘のような彼女の鼓動を感じ取りつつ、柔らかくも張りのある膨らみを鷲掴みにして荒々しく愛でる。
力を込める度に形を変えるその先端で、つんと尖った桜色の小果が掌をくすぐった。丘の白さと頂の清らかな淡さの対比に誘われ、可愛らしく実ったそれを軽く摘んで弄ぶ。
「あぁんっ!」
背が仰け反り、結果として英美は感じ易い胸を余計に李の目の前に差し出してしまう。
飽き足らず控えめな暈ごと口に含み、薄紅色に充血するほどきつく味わっては軽く歯を立てた。
「やっ、だめぇ…っ!」
反応とはまるで真逆な言葉になど、元より耳を貸すつもりはない。
汗と唾液でしとど濡れた胸元の果実にも似た瑞々しさが、下卑た官能を更にくすぐる。
「あ、ぁっ…いやっ、あっ…ぁん…!」
戦いで負わせたそれに加えて赤く痣の浮いた腕を放してやるが、やはり言うほどの拒絶は感じられない。
それを良い事に、愛撫する手を徐々に下へ下へと忍ばせていった。
「っ!」
薄くふんわりとした茂みを掻き分けたその刹那、上擦った声は不自然に途切れた。
見れば、自由になったばかりの指をきつく噛み締めている。
「止せ、何をしている」
「だって…恥ずかしいじゃない、あんな声出しちゃって…」
くっきりと歯形の浮いた指を引き剥がしてやると、英美はそれだけ言って唇を結んだ。
「何を恥じるというのだ? ここには、私とお前しかおらぬというのに」
だが彼女は、首を横に振ってまたしても無駄な抵抗を試みる。
「意地を張るか。それも良かろう」
不意を突き、筋肉の乗った太腿の間に指を滑らせた。
182 :
FHD:2008/04/21(月) 20:12:55 ID:hnKc3dUy
「んっ!」
抑えきれない声を煽り立てつつ、ぴったりと閉じた柔肉を手探りで割り開く。
既に蜜を乗せた花弁、探り当てた敏感な雌芯を指の腹でなぞり上げる毎に、口付けの時に勝るとも劣らぬ濃厚な音が立った。
「ん…んんっ…!」
くちゅくちゅというその音を嫌がるというより、寧ろもっとねだるように腰がくねる。
「だがここは…ずいぶんと素直に悦んでいるようだな」
「や…やだっ、言わないで…っ、やっ、あぁ…!」
意地の悪い言葉への抗議に思わず開いた唇から、堪えた所為で却って色香を増した喘ぎ声が迸った。
唇で手で、あられもない声を引き出す毎に言い様のない征服感を覚える。
それが普段は勝気な娘ともあれば、尚の事である。
「っは、あぁん…!」
軽く気を遣ってしまったのか、得意の蹴りさえ忘れた脚が爪先までびくびくと強張る。
恥ずかしさと快感の間で戸惑う初々しい身体を存分に堪能しながら、李はこれから侵入せんとするその奥を指先で探りにかかった。
押し流して追い出してしまうつもりかそれとも円滑に迎え入れるつもりか、堰を切ったように溢れ出す潤いが掌まで濡らして重たく糸を引く。
「恐れるな…もっと、肩から力を抜け」
滴り落ちる快感の証は滑らかさを増し、彼女の身体に男を迎え入れる準備が出来た事を告げている。にも関わらず、未だぎこちなさの残るそこはひどく狭い。
「っ、あぁっ!」
ぬるついた指の一本でさえきつく締め付け、英美は鋭い悲鳴を上げた。
指でこれほどなら、いざ交わればどんなに素晴らしい快楽を味わえるのだろう。身震いさえ覚える期待に、拳法着の下で半身はいっそう血潮を集めて反り返る。
これもまた、足腰を重点的に鍛え上げるテコンドー修行の賜物だろうか。否、この頑なな反応は恐らくそれだけではない。
「…もしや、初めてか」
手を止め口にした問いに、蕩けきって潤んだ瞳がゆっくりと焦点を結ぶ。
ややあって、答えにくそうに小さな頷きが一つだけ返ってきた。
183 :
FHD:2008/04/21(月) 20:13:31 ID:hnKc3dUy
多少言動がきついとはいえ、これほど美しい娘ならさぞ引く手も数多であっただろうに。
余程テコンドーに打ち込み過ぎたか、それとも生半可な男など相手にもせず片っ端から蹴り倒してきたのか。或いはその両方であろうか。
「な、何よ…おかしい?」
ふとそんな想像を巡らせた李を、見上げる眼差しが軽く睨んだ。
「言っとくけどわたし、そんな安い女じゃ…」
「ああ、分かっている」
そう、最初に出会った頃から戦いの中で十分に思い知らされている。
これほど誇り高く真摯な心根の娘が、軽々しく男に身体を許す訳がない。
その英美が今、自ら望んで李に初めての身を委ねている。
「本当に、私で良いのだな?」
男冥利に尽きるその意味を噛み締めつつ、念を押した。
「李さんで、じゃないわ…わたし、李さんが…いいの」
真っ直ぐ見返す瞳が、きっぱりと頷く。
「それは光栄だ」
嬉しい言葉を合図に、李は拳法着の腰紐をほどいた。
昂ぶって身をもたげた男の物を見るのも初めてなのか、下着さえ脱ぎ去り解き放たれたそれに英美は小さく息を呑んで目を見張った。
膝の裏に手を入れ、足技使いらしいその柔軟さのままにはしたなく広げさせる。
白い内腿の奥に見える、乳首と同じ淡い色の秘所。見るからに穢れを知らぬそこは今や物欲しげにひくつき、シーツまでしとど濡らして李を待ち焦がれていた。
触れた腿から、努めて閉じぬように頑張る力が伝わってくる。それでも恥じらいは完全には捨てきれぬ様子で、ほんのりと染まった頬が可愛らしい。
「…行くぞ」
「うん、来て…」
目の前に広がる、清純だが淫靡極まりない光景。その中心に、李は極限まで高められた己の剛直を沈めていった。
184 :
FHD:2008/04/21(月) 20:14:05 ID:hnKc3dUy
見た目よりもずっと大きな質感を持った塊が、ぎりぎりと押し込まれていく。
「……!!」
突きや蹴りを受けた時とは全く違う激痛と圧迫感に、英美は声にならない悲鳴を上げた。
初めてとはいえ話くらいには聞いた事があったし、それでも彼ならば絶対に耐えようと思っていた。なのにその決意さえも揺らいでしまいそうな苦痛に、この身はどうしようもなく慄いて言う事を聞いてくれない。
意に反して自然に引けてしまう腰を、李の武骨な手が捕まえて押さえつける。
「くっ…ぅあぁっ…!」
無意識のうちにまるで抗うかのように、しがみついた背中に力いっぱい爪を立てていた。
「英美」
初めてきちんと呼ばれた自分の名、僅かだが爪に付いた血にはっと我に返る。
「! ごめんなさい、痛かったでしょ?」
「私はいい、それよりも…」
苦し紛れとはいえ、彼を傷付けてしまった。だが李の声音に、それを咎める色はない。
「やはり、辛いか」
「ううん…わたしだって平気よ! これくらい、我慢出来るわ!」
あんな抵抗までしておいて、説得力がないのは自分が一番分かっている。実際、すぐにでも止めて欲しいほど痛くて苦しくて堪らない。
だがようやく会えたのに、ずっと想っていた胸の内を伝える事が出来たのに、こうして抱かれる事――行為そのものまで拒んでいるなどとは思われたくない。
「しかし…そうは見えぬが」
「いいの、お願い! どんなに痛くたっていいから、最後まで…して、欲しいの…」
何よりも、どうしても李と一つになりたかった。
また彼を引っ掻いてしまわぬよう、今度は枕を掴んで来たるべき痛みに備える。
力み過ぎる余り白く血の気が失せたその手は優しくこじ開けられ、覆い被さる掌にそっと握り締められた。
「では…もう少しだけ、耐えてくれ」
低く囁く声が、耳に心地良い。
重なり合い深く絡められた指に勇気付けられ、英美は全ての覚悟を決めた。
185 :
FHD:2008/04/21(月) 20:14:43 ID:hnKc3dUy
「くっ…」
上下する胸の動きに合わせ、なかなか辿り着けない彼女の最奥を目指す。
これほど濡れていても、痛みに戦慄く未通の身体は簡単には男の侵入を許そうとしない。
まだ半分も入っていないというのに、温かな内壁がまるで阻むように李を捕らえきつく締め上げてきた。然りとて少しでも退こうとすれば、深く細かい幾重もの襞を括れの裏側まで吸いつかせ身動きもままならぬ程に引き止めてくる。
「は…っ…」
このままただ浅く前後するだけで、気持ち良く果ててしまえるだろう。だが腕の中には、李をきちんと受け入れるべく必死で耐える英美の姿があった。
背中の爪痕が、焼け付くように痛んだ。だがこんなものは、今彼女を苦しめているそれの比ではない。
「もうすぐだ…息を詰めず、力を抜いていろ」
深く唇を重ね、穏やかな呼吸を導いてやる。
更に今まで触れてみて反応の良かった所を思い出し、上気した白い肌の上に片っ端から一つ一つ色濃く印を刻み付けていく。
思いつく限りのあらゆる方法で身体を寛げてやりながら、李は少しずつだが確実に英美の中に入っていった。
「んっ…!」
取り合った手が、強く結ばれる。
やがて鈍い感触の後に、下腹同士がぴったりと重なった。
深く貫かれ、軽くだがどこかが引き裂かれてしまったのを英美は感じた。
ずきずきと疼痛を放つそこは、今頃は出血の一つもしているのだろう。それでも今は、恐れていたはずのこの痛みが喜ばしく誇らしかった。
滲んでいた視界が払われると、そこには恋焦がれた強い男の穏やかな瞳がある。
「よく頑張ったな。全て納まったぞ」
「本当? 嬉しい…」
下から頭を掻き抱き、初めて結ばれた相手が李であるその至福を実感する。長い髪の束が沿う首筋はしっとりと汗ばみ、飾り気のない男の香りが仄かに立ち上った。
寄せられた荒い呼吸が、耳元を温める。圧しかかった厚い胸からは、同じリズムを刻む鼓動が伝わってくる。
今の彼もまた、そのポーカーフェイスほど冷静ではないのだ。
186 :
FHD:2008/04/21(月) 20:15:19 ID:hnKc3dUy
労わるように、ゆっくりと抜き差しが始まる。まだ痛みと違和感は残っていたが、一度彼を迎え入れた身体にはもう何の迷いもない。
ゆらゆらと揺れていたベッドが、次第に大きく軋み始めた。
抜ける寸前まで引かれたかと思うと、その反動で叩きつけるように穿たれる。その刺激の連続に、破瓜の鮮血の混じった新鮮な蜜は泡立つほど練り上げられて粘度を増し、質の良い潤滑液と化す。
「あっ…ぁ! は、あん…ぁっ…!」
抽送の度に、固かった身体が蕩かされていくのが分かる。
不思議であった。あれほど痛かったのに、慣れてしまえばそれは容易に苦痛を塗り潰し、ただ肌の表面を触れられるのとは桁違いの快楽に英美を溺れさせていく。
時折、視界が目映く煌いた。
朦朧と現実を離れた意識は、高く駆け上がっては一転して深く落とされる。
「李…さん…李さん…!」
他の誰であってもならない、この悦びを共に出来るただ一人の男。
その名を何度も呼び続け、遠ざかってしまいそうな正気をどうにか繋ぎ止めた。
――だめ、消えちゃう…!
全ては幸せな夢で、今に何もかも見失ってしまいそうな気がして恐ろしかった。
与えられる全てを逃すまいと、女の本能に命じられるまま夢中で李の身体を求める。手を伸ばして自分から口付け、同時に彼をより奥深くまで誘い込むべく自慢の脚を胴に絡めて強く引き寄せる。
浅ましいのは承知であった。だが、もっと彼が欲しい。晴れて彼の手で女になったこの身の全てを、存分に味わって欲しい。
「やっ、あっ…ぁんっ…!」
なりふり構わぬ英美の乱れぶりに箍が外れたのか突き上げは力強く振れ幅を増し、肌と肌の打ちつけられる湿った音と男女の淫らな息遣いが雨の音に負けじと部屋の中に響いた。
187 :
FHD:2008/04/21(月) 20:15:51 ID:hnKc3dUy
「英美…」
苦しげに掠れた声で呼び返される名、眉根を寄せて快楽に耐える李の姿に結合部がまた新たな甘い熱を帯びた。
彼もまた、自分と同じように感じてくれているのだ。
結い紐が緩み、上から落ちかかる長い髪が首筋から胸元をもどかしく撫でる。
「っ、李さん…気持ち、いい…いいの…っ、すごく…」
「ああ、私もだ…」
ごく間近で交わされた睦言は口腔の中で一つに混じり合い、水音と共に溶けていく。その切羽詰った激しさが、互いにもう限界が近い事を知らせていた。
高みを目指し、李は渾身の力を振り絞って追い込みをかける。
そして、それは全く不意に訪れた。
「やっ…あぁんっ…!」
李をしっかりと咥え込んで蠢く胎内が、奥へと向かって何度も収縮した。しがみついていた英美の脚が竦められ、今まで以上にきつい締め付けをもたらす。
何もかも搾り尽くされてしまいそうな強烈な快感が、太く束になって腰から脳髄へと突き抜けていく。
「く…うっ…!」
弓なりに背を仰け反らせて震える英美の身体を押さえ込みつつ、李は促されるまま彼女の中に狂おしいまでの欲望の全てを迸らせた。
「はぁ…っ…」
互いに死力を尽くした手合わせの後のような、爽快な疲労感が全身に満ちる。生まれて初めての絶頂に意識を失った英美の上に、李もまた眠るように身を投げ出した。
未だ繋がったままである事に気付き、まだ射精後の気だるさの残る身体に鞭打って自身を引き抜く。
微かな水音を立て、朱の混じった夥しい量の白濁が膣内から溢れ出していった。
「あ…」
その熱さに、ようやく英美はうっすらと目を開けた。
同時に、冷静さを取り戻しつつある頭が重大な事を思い出す。
188 :
FHD:2008/04/21(月) 20:16:41 ID:hnKc3dUy
「すまない、大丈夫か?」
――えっ…?
李は何を言っているのか。こんなに良くしてくれたのに、何故謝っているのだろう。
快楽の余韻でまだ霞のかかったままの意識の下、英美はぼんやりと首を傾げた。
「いや、その…もう少し、配慮すべきであったな」
言葉を探しているのか、柄にもなく口ごもった李の視線が下に落ちていく。その先には、尻の下のシーツにまで流れ落ちた大量の子種が染みとなって広がっていた。
「いざとなれば女子供の一人や二人、養えぬでもないが…身籠っては、もう戦えまい」
「ええっ!」
余りにも唐突過ぎる、率直というよりストレート極まりない言葉に驚き、次の瞬間彼の懸念の全てを理解する。
期せずして父親になってしまう事より、妊娠した事で英美がテコンドーを続けられなくなる事を心配してくれているのだ。そのあくまで大真面目な気遣いが可笑しく、また嬉しくて思わずくすくすと笑い出してしまう。
「何だ、笑い事では…」
「大丈夫よ、危なそうな日だったら最初からちゃんと言うわ。それにね」
今は何処にいるかも分からない、最も身近な良き先達に思いを馳せる。
「母もわたしを産んで一度は休んだけど、父と必死で特訓して一年で復帰したんですって」
「一年か」
「だから、その時は…もしそうなったら、お願いしてもいい?」
勿論だ――そう確かに答えた李の胸に頬を寄せ、英美はこの上ない幸福感に目を閉じた。
夜半を過ぎ、夕方から続いていた激しい雷雨も多少は落ち着く気配を見せてきた。だがこの様子ではまだ明日も舟は出せそうになく、李の仕事が休みになるのは確実であった。
「英美…」
――明日は、私の家に来るか。
そう尋ねようとして、腕の中の彼女の寝息に気付く。
李に会う為のここまでの長旅、そして諸々の疲れが今頃になってどっと押し寄せてきたのだろう。
――全く、無茶をしたものだ。
幸い、夜明けまでにはまだ間がある。
少し冷えた細い肩を抱きしめると、李もまた深い眠りに落ちていった。
以上です。
そしてすみません、>>170-
>>172にNGワード入れ忘れました…
GJ!イイヨイイヨー(・∀・)
李ってどんなキャラだったか思い出せなかったがw
なんだか懐かしくて涙が出た。
シェン・コーディー・マキの喧嘩チーム
を
>>147を見て思いついた。
シェンと言えば、美形会議どうなったんだ?
>>194 作者が大学入学の準備でゴタゴタ&携帯トイレに落としてデータ消失した
ひょっとして受験勉強しながらSSなんか書いてたのかw
未成年はすっこんでろ
198 :
美形会議の人:2008/04/27(日) 10:40:20 ID:aHwcXlGT
・もしかしたら美形会議を楽しみにしていらっしゃる皆様へ・
携帯の修理が完了しました。
完成までしばしお待ちを………
>>196 EXACTCRY(そのとおりでございます)
>>197 「受験勉強するば現役で大学に入れる」
その発想が既にアウツ
気付いた時には二浪
首まで泥沼に沈んでいる───
まりんのヤツの続編とかねーの?
まだ2スレ目で言うのもあれだけど、書き手も作品もほぼ固定化されてんね
もちょっと賑わってきたら、ご新規さん増えるかね
思うんだが・・・そう望むのならば
自分自身が書くという手も有るぞ?まあそういう意欲があればであり
無理強いではないが
201 :
199:2008/04/30(水) 22:57:58 ID:Q1QznJXG
え、投下して良いの?
書き溜めてる分があるにはあるんだけど、
あんまり一人だけ飛ばし過ぎてると閉鎖的になりそうだから
ちょっと自粛してたんだけど
>>201 ちょwww
あんまり飛ばされると永遠に美形会議が追いつけなくなるからヤメテ><
別に自粛する必要・・・は有るのかなあ?
むしろガンガンやった方が(ry え?駄目ですか?駄目ですか?(笑)
趣向はともあれ格ゲ作品見れる側的には感謝の極みなので
204 :
EROい人:2008/05/01(木) 08:00:55 ID:IRlqXtao
じゃ美形会議投下しまーす
[早朝.パリ.とある長屋]
青年の朝はシャワーから始まる。
絞りこまれた細身の躰を、温水が幾筋か流れて行く。
流れるような銀髪が背中に貼り付いている。
シャワーを止めて、タオルを手にバスを後にする。
一見すれば優男の顔と肢体だが、その表情には鋭さが強い。
シンプルながら小綺麗な上下に身を包み、任されているレストランに向かうため部屋を後にする。
この時代に来てから、青年は小ぢんまりだが清潔な一室に下宿していた。
幼いときから料理は得意で、昔は姉と父に料理を褒めてもらうのが最大の楽しみであった。
「芸は身を助ける」とは良く言ったもので、趣味が高じて調理師免許を
習得しておいたお陰で22世紀でも直ぐに身を立てる事が出来た。
もっとも、味と美少女料理長で有名な中華料理店の台頭に頭を痛めたオーナーが、
腕も顔も確かな青年ならば身分は問わないという豪胆な理由で採用したこともあるのだが。
ともかく、彼が身元を保証してくれたお陰で、青年は他の「旅行者達」よりも
格段に文化的な毎日を過ごしているのは動かしがたい事実である。
部屋を出て庭に入ると、隣の部屋に男と二人で下宿している東洋人の少女に出くわした。
「あ!お早うございます」
「随分と早いな」
「ええ。たまには体も動かしてみようと思いまして。今から仕事ですか?」
「ああ。ところで、あの男はどうした?」
「お陰さまで、今では傷もすっかり良くなって、体を動かしたいらしくてウズウズしてるみたいです」
まだ本調子では無いから、私が止めているんですけどね───
そう言って微笑ましそうに苦笑する彼女を見て、青年の口元が僅かに綻ぶ。
表情から鋭さが抜けて微笑を浮かべれば、成る程端整な顔立ちをしている。
「……今日は店で仕込みをしなければならん。帰るのは遅くなる」
「……!!」
部屋の壁は簡単に生活音を洩らすようなやわい作りではないが、流石に隣人の気配は分かる。
少しずれた所はあるが勘の鋭い少女は、何を揶揄されたのかを正確に把握したらしく、顔を赤らめた。
「ぁ……ええと、そうですか………アハ、ハ……」
青年は年若い二人に心の中で苦笑しながら、レストランへと足を向けた。
[昼.とある公園.レストラン]
「メインな料理をくれてやる」
ここにシェフとして雇われたばかりからの常連に配膳しながら、今日の午後の予約客に頭を巡らす。
一般的には、アメリカ人の味覚は無能か粗雑かしかない。
毎日毎朝缶詰の脂肪で出来たローションのようなスープを飲んでいるようでは、まともな味覚など養われようもないが。
科学の失われた22世紀と聞いた時は、その様な無様な食生活はとうに廃れていると思っていたが、習慣とは恐ろしいもので
200年たっても出来合いのスープの素などと言う肉片と芋の切れ端と脂肪の塊を水に溶かしたものが家庭の食卓に供されているようだ。
閑話休題。
見たところ今日の予約客はしかしアメリカ人ながらまともな舌をもっているようだ。
俺は例え予約だろうが初見の客には店に事前に顔を出すように言いつけている。
客の身なりを見れば、羽振りは大体分かるし味覚の良し悪しは自信を持って判別できる。
安い食材でも手間を掛けてやりさえすれば金の掛かった料理に引けをとらない料理が作れるし、
どんな良い料理を作っても客の舌と財布に合わなければ客も楽しめないし、何より折角の食材が不憫だからだ。
もっとも、そのアメリカ人の取り巻きのイギリス人──昔イギリスで食った下手糞な料理人が作ったフィッシュ&チップスは正に砂漠のような味がした──が俺が呼びつけた事に散々ゴネていたが。
(あの男……ハワードとか言ったか、見たところかなりの日本通だな。ラム肉のソースには隠し味に醤油を使うか……)
見習いの一人に保冷庫に醤油を取りに行かせて、前菜に出すマリネの仕上げに取りかかる。
「あとは、ポワレにする魚を選べば……」
物を考えるときの癖で顎に手を当てていると、保冷庫に出した見習いが血相を変えて厨房に飛び込んで来た。
「───シェフ!シェフ!大変です!!」
「調理場で騒ぐな!」
「す、すいません──保冷庫に見知らぬ男が居座っています!」
「そうか……………こいつを下ろして小骨を取っておけ。不審者は俺が何とかする。出来るな?」
「は、はい!」
俺は見習いが紅潮しながらナイフを取り出すのを後目に、廊下をつききって保冷庫の扉を押し開けた。
[保冷庫]
「───無垢のまま逝けるとは贅沢な...。」
「そこで何をしている?」
保冷庫には、赤長髪の細身の男が磯魚をつまみ上げてブツブツと何かを呟いていた。
男は俺の方を向いて言った。
「死を理解したか...、シェフ?」
先程は不審者と言ったが、訂正しよう。
変質者だ。
「帰れ。」
「ここはレストランだろう...、客に帰れと言うのか。」
「その客が保冷庫に何の用だ。第一、どこから入ってきた」
男は通風口を指差した。
「頭が入る穴なら通り抜けられる。」
「ではその穴から出ていけ。」
「待て...、金は持っている。」
「無様な残飯をくれてやる!」
「接客態度の悪いシェフだ...。」
男は、言葉通り通風口に体をねじこみながら逃げていった。
「フゥ……」
手を消毒した後、ため息一つついて厨房に戻り、見習いの下処理の出来を調べる。
「シェフ!」
「………よし、上出来だ。これはバットに直接、あれはマリネ地に漬けて冷蔵庫に入れとけ。変質者は追い払った。」
一通り指示を出すと、店の戸をくぐる気配を感じたため確認しに行く。
シェフとして客の調子を見るのは当然として、普段はわざわざ
客の前まで赴いて確認しなくとも厨房から見ればよい。
そうしなかったのは、気配に違和感を覚えたからだ。
確かに昔感じた気配ではあるが、その人物はここには一度も足を入れたことがない筈だ。
21世紀の知人友人で、タイムスリップに巻き込まれた「旅行者」の噂に合致する人間は聞く限りいなかった。
21世紀の顔見知りでも22世紀の顔見知りでもない、
だが何処かで会っている───恐らくは喜ばしくない───気配。
「…………き、貴様は!!」
[レストラン.テラス.3番テーブル]
22世紀のパリの昼下がり。
弁髪の男が日夜「な゛ー!」と叫ぶ公園。
一組の男女が、遅い昼食を済ませてウィンドゥショッピングへ繰り出そうとしていた。
ヴェノム「おや、もうこんな時間か……キャミィ。」
キャミィ「うむ。………それでは失礼する」
アンディ「え?もう帰るのかい?」
ロバート「なんやよう知らへんけど、物凄う間が空いてしまっとる気がするで。
ヴェノムさんが行ってしもうたら、美形会議はどないすんねや?」
ヴェノム「そもそも俺は美形会議に何の関わりも無い。これでも忙しい身でな。悪いが失礼する」
キャミィ「ん。楽しかったぞ。せっちゃんも何かあったら組織に来てくれ。歓迎する」
刹那「………うむ」
アンディ「せ、せっちゃん!?」
ロバート「お、お前何いつの間にそない親しうなっとるんや!?」
刹那「何って……そう言う内容の会議になったではないか。」
アンディ「………ん?」
ロバート「………何か身に覚えがあらへん話やな」
刹那「? いや、暖房器具を使った格闘術とか、格闘ゲーム移植に定評が有りながら
コントローラからマイナー臭がプンプンするSEGAのDream Castの魅力とかについて熱く語り合っただろ?」
ロバート「いや、悪いけど全く覚えとらへん。」
アンディ「僕もロバートさんと同意見だね。そもそも、僕はPS2派だったからね。
僕の活躍する餓狼伝説シリーズが完全移植された
餓狼伝説BATTLE ARCHIVES 1&2 がPS2で只今絶賛発売中だからね!」
ロバート「わいの華麗な活躍が楽しめる龍虎の拳 天・地・人も忘れて貰ったら困るで!」
刹那「…………。」
アンディ「ん?確かPS2で幕末浪漫 月華の剣士1・2〜月に咲く花、散りゆく華〜も出ていたよね?」
ロバート「そういや月華言うたらドリキャスでもFinal Editionって名前で出てたなぁ」
KY「ああ。確か本体破壊する事で有名なソフトですね」
刹那「ガハァッ!?」
ロバート「せ、刹那さん!?」
アンディ「お前は誰だ!?何しに来た!?」
KY「ああ、申し遅れました。カイ=キスクと言います。
あなた達がここ数日このレストランの一角を長時間占領していることについて、
住民の方から苦情が来ているのですが………」
レオナ「………」
アンディ「僕たちはちゃんとお金を払ってここに来ているんだ。
他人にとやかく言われる筋合いは無い。
……ん?レオナさんじゃないか!」
ロバート「あ、ホンマや。レオナちゃんや。
………せやかて、なしてレオナちゃんがこんなスカしたニーチャンと一緒におるねん!」
刹那「!?………そう言えば金を払った記憶が無い……」
アンディ「………」
KY「レオナさんのお知り合い………それでは、あなた達も『旅行者』!?
……いえ、我々は常に公務に忠実であるべきです。
例え『旅行者』達と言えど従って頂きます!………レオナさん」
レオナ「了解。任務、遂行します………」
ロバート(なんやズイブン強引な奴やなアンディ。女にもてへんタイプやでこいつ………)
アンディ(ええ。どうしましょう、この状況……)
刹那(………KOFのキムとやらを思い出すな)
ロバート(せや、キムのダンナそっくりや!今日の刹那さんは冴えとるなぁ!)
刹那(………うむ。)
アンディ(そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!?
……………ほら!そんな悠長な事言ってる間に襲ってきてるじゃないですか!)
レオナ「ハアァァァ!!(ゲージ溜め)」
アンディ「こうなったら………応戦しましょうロバートさん!」
ロバート「せやなアンディ!丁度体もなまっとったところやからな………ほないきまっせ!」
刹那「うむ。では俺は背景で腕を上げ下げしておこう。」
アンディ「な、何言ってるんだい刹那君!?君も闘うんだよ!」
刹那「いや、その必要は無いだろ。
E.R.O.2181の主旨上、戦闘はタッグバトル形式で行われるのが妥当だ。実際あいつらは二人がかりだ」
ロバート「今はそんな事言うとる場合やないやろ!?
見てみい……レオナちゃんの戦法はゲージMAX画面端で垂直ジャンプ繰り返して
手ェ出してきたところをVスラッシャーで迎撃作戦やで!
これ繰り返されると結構しんどいんやで!今は猫の手も借りたいくらいなんやで!」
刹那「素直にガードしとれば良かろう。
だいたい、1〜2人に大勢で襲いかかるのはファイナルファイト時代から
ザコキャラの仕事だったろ。おれは好かん」
ロバート「そんなん言われたってなぁ………」
アンディ「………そ、そうか!
僕たちが勝手に出番取っちゃって拗ねちゃったんだね?!
じゃあ、僕は行かないから刹那君が闘ってくれ!」
刹那「え゛!?」
アンディ「ん?」
ロバート「?どないしたんや?」
刹那「いや、俺は俺が行けば三人がかりだからと……つまり、なんだ………そうだ!
俺だけ武器持ちだから、俺が闘うのは卑怯だから俺は闘いたくはな……つまりそう言う事だ!」
アンディ「………。」
ロバート「………。」
刹那「な、なんだその目はゴルァ!?」
KY「成る程。敵ながら正々堂々とした発言ですね………手を抜けばかえって失礼と言うもの。
本気でいかせて貰います!」
刹那「きっ、貴様ぁ!?」
KY「スタンエッヂ!スタンエッヂ!スタンエッヂ!」
アンディ「どっ、どうしてくれるんだい刹那君!?前より酷くなったじゃないか!」
KY「スタンエッヂ!スタンエッヂ!スタンエッヂ!」
ロバート「こりゃ本当に三人で切り抜けるしかなくなったで!やるしかないで刹那さん!」
KY「スタンエッヂ!スタンエッヂ!スタンエッヂ!」
刹那「はっ、働きたくないでごさる!絶対に働きたくないでごさる!!」
アンディ「刹那君!?」
ロバート「おまっ、お前それは人間として言うてはならん一言やで!?」
KY「スタンエッヂ!スタンエッヂ!スタンエッヂ!」
『ってかUZEEEEEEEEEEE!!!』
アンディ「一体なんなんだこの寒い戦法は………まるで空気が読めてない!」
ロバート「せやせや!これがKOFやったら餓狼2のアンディ並みの嫌われ者になっとるで!」
アンディ「………………。」
刹那「………テラKY!!」
───画面端から襲いかかる飛び道具とガン待ち戦法に誰もが諦めかけたその時、
勝利の女神は美形会議に微笑んだ────
アレックス「すまない。ストリートファイトがあって遅れてしまった。アレックスだ。
美形会議はまだやって………騒がしいな。」
KY「はっ!?もしや新手の敵かっ!?」
アンディ「………ふぅ、やっと脱け出せたよ………ん、美形会議だって!?」
ロバート「なんやて!?じゃあ、こいつが八神の──!?」
アレックス「そうだ。八神庵から彼の代理人として美形会議に出席するよう依頼された。
ストリートファイターVシリーズの主人公かつ美形キャラ、アレックスだ」
KY「な、何ですか貴方は?!そこを退いてください。退かなければ公務執行妨害になりますよ」
アレックス「公務執行妨害?非論理的だな。
いち個人のクレームだけで民間人に武力行使することの何処が公務だ。
レストランの壁をトーチカのように穴だらけにするな」
KY「うっ!?な、なぜその事を………」
アレックス「だいたい、警察機構は民事不介入が原則だろう。
中華料理屋の店長と知り合いだからと言って縁故贔屓していては職権濫用だと言われても仕方がない」
KY「し、しかし!私だって闇雲に暴力に頼るつもりはありません!彼らが抵抗するから………」
アレックス「そもそもが正当性のない命令だろ。抵抗されて当然だ。当然の主張を武力で押さえつけようと………」
レオナ「………少しいいかしら?」
アレックス「ん?あぁ。俺は構わんが」
レオナ「……すまない。…………カイ」
KY「えっ?どうしたのですかレオナさnあいたたたたた!!耳を引っ張らないで下さい!」
レオナ「『中華料理屋の店長』? 『縁故贔屓』? ずいぶんとお優しいのねあの尻出し女に(グググ………ッ)」
KY「ちょっ!?違いますよ!私だって彼女の扱いにはほとほと苦労しているんですから!
レオナさんの想像してる様な事は何一つしてません!」
レオナ「想像してる?何の事だか判らないわ。どうして言い訳するのかしら(ギリギリギリ………)」
KY「だ、だから誤解ですって!彼女がいつも無理難題を押し付けてくるんですから!
今日だって本当は……痛い痛い痛い痛い!!ホントに止めて下さいよ!」
レオナ「そうやって押し付けられるのが好きなんだ?
あの女に貧相なトコロ押し付けられてハイハイ言うこと聞くんだ?(ギシギシギシ………ッッ)」
KY「何言ってるんですか?!違いますよ!って言うか耳引っ張るの止めて下さい!
このままじゃホントに千切れますって!?」
バシッ────
男は女の手を振り払った。
男は赤く腫れ上がった耳を手で押さえ、女はショックを受けたように立ちすくむ。
男は女を睨み付け、女は唇を噛む。
レオナ「………どうして──」
KY「どうしてもこうも無いでしょう!?レオナさんこそどうして…………レオナさん?」
レオナ「(どうして……どうしてあんな貧相な体つきしたパンチラしか能がない露出狂女がいいのよ?!
私の方が胸も尻もあるのにあの小娘が良いって言うの!?それとも………)」
レオナ「…………筋肉ついた女は、嫌い?」
KY「っっっ!?」
レオナ「………自分でも分かっているわ。可愛いげの無い女だって。
人を笑わせる事も、可愛らしく笑う事も出来ない。素直に喜ぶことだってね。
……でも、仕方ないじゃない。分からないんだもの。
どうやって振る舞えば良いかなんて……………さよなら」
KY「あっ………待ってください!」
女はしかし、踵を返し振り返らずに走り去っていく………。
アンディ「あちゃー………」
ロバート「………こら大変やな」
刹那「………ヒソヒソ(?こいつらはなにをしている?)」
アレックス「………ヒソヒソ(所謂、痴話喧嘩だな………)」
KY「レオナさん………………。」
KY「………。お見苦しいところを見せてしまいましたね。……失礼しまs」
ロバート「覇王翔吼拳!!」
KY「ぐわぁああっ…………なっ、何を?!」
アンディ「わからないのかい?……超烈破弾!!」
KY「ぐはぁぁぁッッ!?あ、あなたまで!?何なんですか一体!?」
アレックス「成る程な………You can't escape!HYPER BOMB!!」
KY「うわっ!?(垂直ジャンプ)」
アレックス「……………。」
KY「何故私を攻撃するんですか!?」
アレックス「………あの女を追いかけないからだ。」
KY「なっ、何を………」
アンディ「逆に聞くけど、どうして追いかけようとしなかったんだい?」
KY「い……今さら何をしろって言うんですか!」
ロバート「……デリカシーの無い奴っちゃなホンマ。
何考えとんのやお前は!レオナちゃんを傷つけたんやから素直に謝らんかい!
今お前に見放されたらレオナちゃんは明日どんな顔してお前に会えっちゅーねん!
その事考えたことあんのか!?」
KY「…………」
アレックス「今更何を戸惑っている?」
KY「っ……私は、私は彼女を傷つけてしまったんです!
私は自分が情けない!私に彼女を愛する資格などあるはず無いでしょう!?
もう放っておいて下さい!!」
刹那「…………救いがたい阿呆だな、貴様は」
KY「!!?」
刹那「俺は………現世(ここ)に来たのは2度目だ。合わせても半年にも満たない。
常世も、現世も、この腐臭のする世界の全てを破壊し尽くしてやりたい衝動は今も消えない。
………俺は、心底絶望しているんだ!この醜い世界にも、おぞましい己が心にもな。
だかな、こんな俺にも人を、誰かを愛する事は出来るんだ………!」
KY「…………」
刹那「……貴様は、信じがたいほどの阿呆だ。」
KY「……………。」
刹那「(ここまで言っても分からないか…………ならば!)今ここでぇぇぇぇ…………」
KY「…………そうだ!そうですよ!私が行かないで誰が行くと言うのですか!
……皆さん、……………有り難うございましたッッ!!それではッ!」
ロバート「ちょ、ちょい待ちいゃ!……なんや、えらい気の早い奴っちゃな」
アンディ「どうなるか楽しmもとい心配ですね………追いかけますよロバートさん!」
ロバート「せやな!」
二人は走り出した。
◇◆◇◆◇
刹那「……………。」
アレックス「………振り上げた刀の下ろしどころがない、といった所だな。」
刹那「………あぁ。」
アレックス「………さりげなくカミングアウトしていたようだが、惚れた女がいるんだなお前。」
刹那「…………まあな。」
アレックス「……………………意外と空気扱いされているな、俺達。」
刹那「…………………ああ。」
アレックス「…………腕、下ろしても良いぞ。」
刹那「…………ああ。すまんな。今ここでぇぇぇぇ………………死ねぇ!!」
アレックス「フン!フン!フン!フン!フン!」
TECH BONUS!
◇◆◇◆◇
[パリ.公園.草木が深い場所]
アンディ「いーん!いーん!いーん!いーん!………確かここら辺に…………」
ロバート「ちょっ…………ちょい待ちぃなアンディ!ハッスルしすぎやで!?
もうちょっとゆっくり走ってほしいわ………追いかけんの苦労したでホンマ」
アンディ「えっ!?あ、あぁそうでしたね………さてと、二人は何処に…ぃッ!!?」
ロバート「?どないしたんやアンディ…ぃッ?!!」
ガサガサ
『やぁっ、だめっ!やっ!ぁっ!あっ!あぁっ!んんぅ!んぁああっ!』
『ふふっ、こんなにいやらしい蜜を溢れさせて…………お仕置きが必要ですね?』
ゴソゴソ
『そんな…ゃあああっ!?だめぇ!だめっ!やっ!
やっ…んぁぁああああ!何これ!?止めて!これ止めてぇぇえええ!』
『止めませんよ?止めたらお仕置きにならないじゃないですか………あ!
そうだ。これはお仕置きですから、ココにこんなことされたからって(キュッ)、
簡単に気を遣ったりしないで下さいね?(キュッキュッ)』
ザワザワ
『ヒィッ!?んっ!んぅうっ!んぅぅうあああっ!っっ……っっっ、ハァハァ
……………ぁああああああっ!?だめぇぇええええっ……』
『駄目?ちょっと虐めただけでこんなトコロを固くしてる(ピンッ!)レオナさんが悪いんですよ?
でもお仕置きされて(ツンツン)こんなにいやらしくクリトリスを勃起させるなんて(キュッ)、
レオナさんは(ピンッ!)ホントに変態なんですね。
これじゃあお仕置きの意味ありませんよ?仕方ないですね……
それじゃあ、今からレオナさんの愛液ローションで(ピチャッ)たっぷりクリ手コキしてあげますから(スッ……)、
しっかり反省して下さいね♪(にちゃにちゃ)』
ガサッ!
『やっ………ゆるし…ぁあああああああっ!?ああああああっっ!?
やっ………ッッ!やすませてぇぇぇぇっっ!?』
ガサガサアンアン………
〜以下省略〜
アンディ「………。」
ロバート「………。」
アンディ「…………帰りましょうか。」
ロバート「………せやな。」
……………。
◇◆◇◆◇
刹那「…………帰ってこないな。」
アレックス「…………ああ。」
刹那「…………飯代、どうする?」
アレックス「…………………俺は食ってないんだが。」
刹那「…………俺も金を持ってないぞ。」
アレックス「…………。」
刹那「……………。」
シェフ「…………。」
アレックス「…………レミー。」
シェフ(レミー)「ツケ払いは許さんぞ。」
アレックス「…………。」
刹那「…………。」
梅喧「ようっ!元気にしてたかお前ら?唐突だけどちょっと聞いてくれよ覇王丸のアホがよ〜!
………あれ?お前らだけか?」
刹那「…………ああ。」
梅喧「おいおいどうしたんだよ雁首揃えて不景気な面しやがって?」
アレックス「……………不景気なんだ。」
梅喧「……成る程、ね。まぁ、どうにかなるって!いちいち落ち込むんじゃねぇよ!」
レミー「……………お前がどうにかしてくれると有難いんだがな。こいつらの食事代……」
梅喧「お、俺?!ふざけんじゃねぇよ!」
レミー「食い逃げの延長でレストランを傷つけて楽しんでいるのか?」
梅喧「ちっ、違ぇよ!」
レミー「まぁ、たらふく食った奴がタダ働きして弁償してくれれば良いわけだが。」
刹那「はっ、働きたくないでござる!絶対に働きたくないでござる!!」
レミー「……となると、共通の知人に立て替えてもらうしかない」
アレックス「えっ?どなたですかあなた?」
レミー「…………その口元に着いたソースがおまえたちの正体だ!!」
断 罪 の 時 間 だ!
刹那「グハッ!?………またこの展開かっ?!」
アレックス「八つ当たりでソニックマシンガンは止めろ……!」
梅喧「おい!危ねぇじゃねぇか!」
レミー「(食い逃げ犯は)誰もかも憎いんだよ!」
刹那「いい加減に………消エロォ!」
アレックス「ンニャーオ!」
梅喧「畳返し!」
<〜〜〜♪
梅喧「……ん?あのテーブルの男………」
フリーマン「フィッシュ&チップス!フィッシュ&チップス!フィッシュ&チップスよはーやーくーこーいー♪」
梅喧「………懸賞金が掛かってたな、確か……」
ピタッ!!
『……………。』
レミー「まだうろついていたのかあの変質者………」
アレックス「何故だか分からんが、いま猛烈にストリートファイトがしたい気分だな………」
梅喧「こんなとこに変なカラーのアクセルがいるじゃねぇか。挨拶変わりに一戦交えるか………」
刹那「………キャラが被っているな(悪役的な意味で)」
『なにをするきさまらーーーーーー!!』
...to be continued!!
投下終了です
ではまた後日、ERO2181の方も投下させて頂きます
GJ!
美形会議もメンバー揃って賑やかになったな。
素晴らしいw俺もこういう和気藹々してるの作りTEEEEEE!!
>>223 もしやレミーのおいしいレストランとかけてる?
唐突にエルザ、シエル、ブリジットの「シスターチーム」とか浮かんだ。
なんでクラリーチェじゃなかったんだろ。
ところで、食パンが好きなキャラとかいないかな?
>>226 そうじゃない?ここ以外でもネタにされることもあるし。
恭助、レミー、ほたるの「弟妹チーム」が浮かんだ。
東洋人の少女って誰だろう。さくらか?
東洋だったら中国やタイも含まれるよな?
>>227 >>食パンが好きなキャラ
ドキンちゃん
美形会議書いてくれてる奴(
>>198)って、もしかして某SNK攻略サイトやってた管理人じゃあないよな……
いや、まさかな。
某サイトの管理人だったら、いくらなんでも
PC無いからケータイで書いて代理人に投下を依頼するとか無いだろう
どっちだろうが別にどうでもいいだろー。
煽りや盗作した、とかそういうのなら流石に仕方ないが
それ以外の深入りは余り考えないで楽しんだ方が楽よ
Eventual Rumble Orochi 2181 第十五話、投下します
Eventual Rumble……
正式名称、第三次聖騎士団選考武道大会。
その参加登録が終了し、開会式が執り行われ、
戦士達の顔見せが済んだところで、彼らはそのまま直帰しようとはしなかった。
正確に言えば、望んで留まる者もあれば、半ば強制的に留まらされた者もいた。
一度散り散りになった戦士達。
今再び、この闘技場で相見えた。
それをカイが、このまま帰す筈が無かったのである。
既に闘技場の周囲は、彼の配下達で囲まれている。
かつて大聖堂に集合した時は、カイ一人では全員を任意同行させる事が出来ず、
本当に善意で協力してくれた一部の者以外、全てを逃がしてしまっていた。
だが今回は違う。
集合場所が最初からわかっていたのだから、下準備は万全だ。
元騎士団の法支援部隊出身者の協力を仰ぎ、闘技場周辺に結界を構築。
戦士達は一様に、なす術無く巨大な次元牢に幽閉された。
「おいおい、随分手荒じゃねぇか。警察の坊や」
「あなたにまで『坊や』と呼ばれるような年齢ではありませんよ、草薙京さん」
カイ自身、次元牢を使うなどという手段は使いたくなかった。
しかし公的機関の中に、百を超える人間を
一度に集める事の出来る施設は、そう多くない。
先程の闘技場は数少ないそんな施設の一つだが、
あそこで長々と作戦会議や情報交換をする事は危険過ぎる。
今回の大会が不審である以上、あの闘技場は『敵』のお膝元の筈なのだから。
結局気はすすまないものの、こういう手荒な真似をするしか無かった。
一部の者は反発しようとしたが、
反発したところで、ここから自由には出られない。
聡明な者や懸命な者は、この状況に憤り反発するよりも、
有意義な意見交換に時間を費やすべきと考えた。
残りの血気盛んな者達も、渋々それに了承するのだった。
「ふぅ……どうやら、全員にご理解が頂けたようですね。
無礼は重ね重ねお詫びします。巨大な施設を丸々貸借するのには、
普通は何ヶ月も前から正式に書類を通過させないといけないので……」
「前置きは良い。本題に入ろうじゃないか」
リュウの投げかけたその言葉は、カイにこれ以上頭を下げさせないためというよりも
むしろ早々と情報の交換・共有に入りたいという、積極性の表れだった。
カイは頷くと、いかにも重要な意見を持っていそうと思しき者を
片端から指名して、他の者にわかりやすいように法力の淡い光でピックアップした。
草薙京。神楽千鶴。レオナ・ハイデルン。春麗。ガイル。ナッシュ。
その他カイが調べた限りでオロチに関わった事のある戦士達数名に、
元の時代で警察や軍や傭兵部隊など、公的機関に属していた者数名が、
この異次元の暗闇の中で、ぼんやりと体に灯りを灯していた。
その中には、ギルの事を詳しく知っているであろう、ソルの姿もあった。
「この会議の円滑な進行のために、なるべくご静粛に願います。
誰かが発言している最中に口を差し挟むのは避けて頂き、
意見のある場合は挙手の上でこちらからの指名を待ってから……」
良いから早く始めろという野次は、この会議がつつがなく進行すると安心させるよりも
やはりこのメンバーでは喧々諤々として会議の進行に支障をきたすかもしれないと、
カイを不安にさせるに十分だった。
カイは誰にもわかるように露骨に溜息をこぼすと、会議を開始した。
途中で何度も、挙手も無く口を挟む者達がいた事を除けば、
会議は何とか体裁を保ちつつ進行する事が出来た。
とは言え、目新しい情報はあまり得られなかった。
強いて言えば、ソルといぶきの話した内容。
ギルが二十世紀の頃からオロチの存在を懸念し、独自に研究を進め、
この時代の根幹をなす魔法理論と、GEARプロジェクトを完成させた張本人だと言う事。
だがギルが日本を壊滅させた理由は、誰にもわからないままだった。
むしろ草薙や八神の血を引く後継者が現存しているかもしれない国を、
無差別に破壊し尽すのは、オロチ対策としては逆効果としか思えなかった。
だが、ソルは言う。
「あの男は殺しても殺しても足りねぇくらいの糞野郎だが、
あの男が日本を壊滅させたからには、何かそれなりの理由がある筈だ。
単なるクレイジーで国一個滅ぼすような奴じゃねぇ」
決してギルの事を認めたつもりの発言ではなかったのだが、
受け取る者によっては、ギルを肯定する面があったように聞こえただろう。
ここでもやはり騒乱が起きかけたが、カイは何とか宥めた。
後は、これまでに得られていた既出の情報と、何ら変わりない。
オロチは地球意思。人類が自然の摂理を崩し始めたから、滅ぼそうとした。
それに抗ったのが三種の神器で、二度の決戦において二度とも勝利。
しかしそれは一時的な封印でしかなく、いつかは復活する運命にある。
大聖堂でのギルの発言によれば、それはもう間も無くである。
大筋はこんなもので、本当に何の進展も無い。
後はカイの方から、聖戦だの法力だのといったものが、具体的にどんなものなのかを、
この時代の歴史や環境に慣れない数多の戦士達に、説明してやる番だった。
戦士達は聖戦の概要を知り、第二次聖騎士団選考武道大会の顛末も聞き、
そこまで情報と意見を交換しあってしまえば、後は互いに話せる事はもう何も無かった。
「……大方、意見は出尽くしましたかね」
カイは一通り見渡して、まだ何か言いたそうにしてる者がいないか、確認した。
しかし、誰ももう本当に新しい情報を持っている事は、無さそうに見えた。
「もし何か思い出しましたら、どんな些細な事でも構いません。
私の連絡用端末のコードを教えておきますから、こちらに通信をお願いします。
書類上の問題で携帯型端末は買えないでしょうが、公衆端末なら、
ちょっと栄えた町に行けばどこにでも見当たります」
カイは空中に光で数列を表示した。
それが彼の端末のコード……つまりは電話番号のようなものだった。
「最後に、質問があるわ」
春麗が手を挙げた。
「今後の方針の事よ。明日からの大会はどうするの?
もしこの大会が第二次の時のように、戦闘によって発生する何らかの要素を
オロチなりギルなりが悪用しようとしてるのなら、大会は参加拒否した方が良いんじゃない?」
「それも、ごもっともです。
しかし我々は、罠とわかっていても、虎穴に迫る必要があります。
座して待っていては、二手も三手も遅れをとる。それだけは避けねばなりません。
ですが確かに、無駄な出血やエネルギー消費を抑えるべきというのは、その通りです。
ですので皆様には、極力明日以降の大会では、ヒートアップし過ぎて
やり過ぎてしまうという事の無いように……」
いい加減長い高説に飽きたせっかちな者達がブーイングを始め、
カイは仕方なしに、この次元牢を解放せざるを得なくなった。
「それでは皆さん。くれぐれも、慎重に行動して下さい」
空間に光が差し込み、戦士達は外の新鮮な空気の中に放り出された。
時計の針は、先程闘技場から一歩外に出た瞬間から数えて、
まだ一秒と経過していなかった。
次元牢の中では数時間に及ぶ熱弁が繰り広げられたつもりでいたのだが、
どうやら次元牢というのは、時間の感覚がかなり狂う場所のようだ。
かつてはザトーやボルドヘッドが幽閉されていた場所でもある。
こんな空間に長時間居続けて、気の狂わなかったジョニーが凄い。
「くぁーっ! やっと出られたぜっ」
「ふぅ、肩がこったな」
皆口々に、疲労を訴えながら帰路につく。
そんな中二人の少女だけが、暗い面持ちのまま静かに立ち尽くしていた。
明日に備えて体を休めようと宿に帰る者達の波の中で、
人ごみの流れを意に介さず、物言わぬまま虚空を見上げる。
「まさかカイさんも、大会参加者の中に『敵』が混じっていたなんて、思わなかったでしょうね」
「多分、それ以前に……私達の事を敵だと思ってる人なんて、いなかっただろうね」
その声はあまりに小さすぎて、少女達の間では聞き取れていたが、
この喧騒の中、他の者には雑音に掻き消されて、耳に届いていなかった。
「獅子身中の虫の前で、いろいろと大事な情報を公開してくれたものだわ」
少女の内の一人は、本来そんな嘲笑気味の言葉遣いなど似合わないのだが、
彼らを裏切る後ろめたさからか、むしろ自分を嘲笑うつもりで、かすかに口の端を持ち上げた。
生気のこもらない、死んだ魚のような目のままで。
「ねぇ、本当にあいつらの仲間になるの……?」
もう一人の少女が、不安げに尋ねる。
一度道を決めたものの、まだ心積もりが甘いのだ。
そんな甘さが、少女自身嫌になる。もう決めた事なのだと、自分に言い聞かせる。
炎のさだめのクリスは言った。
オロチは大自然そのもの、カムイに他ならないのだと。
それを守るのは、光の巫女の使命なのだと。
「二人で頑張りましょう……リムルル」
「うん……姉様」
ナコルルとリムルルは、クリスを筆頭とした四天王の説得によって、
大自然……即ち地球意思を守るために、心血を注ぐ事を決意していた。
ギルは己の勝手な理想のために、大多数の人間を下敷きにしようとしてきた。
ナコルルとリムルルも、その犠牲になりかけた。
神の子とやらを生むために、年端もいかない少女をレイプするのが、
ギルの言う『人類の救済』なのだ。
そんな者を守るために刀をとるなど、無益と言う以上に、罪ですらある。
それこそ真の神に対する背徳、大罪の限りである。
それを教えてくれたのは、オロチ四天王だった。
話は、ナコルルとリムルルが、モリガンによって
ギルの牢獄から救出された、その次の日から始まる。
「……あなたは?」
目覚めたナコルルは、目の前で微笑んでいた中年の男性に、警戒心を露にした。
男性はウド鈴木のような髪型をしており、いかにも胡散臭かった。
江戸時代から来たナコルルにはわからなかったが、男性の着ている服装は
キリスト教会で牧師なり神父なりが羽織る、外套のようなものだった。
「初めまして。私の名は、吹き荒ぶ風のゲーニッツ。
オロチ四天王の一角を担っております」
オロチという名を聞いて、ナコルルは身構えた。
けれども身構えようにも、武器が無かった。
ギルの牢獄で裸になっていた時、一緒に置いてきてしまったのだろう。
そこまで思い出して、ナコルルはこの状況を咄嗟に警戒した。
「……ギルは!?」
「ご安心召されよ。
あと一歩というところで、我々の手の者が貴女方姉妹を救出しました。
魔族のモリガンという者ですがね」
「魔族……では、妹は?」
「ご無事です。隣を御覧なさい」
ナコルルは左右を見渡した。
すると彼女の寝ていたベッドの隣に、もう一つベッドがある事に気付いた。
そこには柔らかいシルクのような布で体を覆い、すやすやと眠りこけるリムルルがいた。
気付いてみれば、布はナコルルの体にも巻かれていた。
裸体を晒さぬようにとの、彼らなりの気遣いのようだった。
「やぁ、目が覚めたんだね。巫女さん」
どうやらどこかのホテルの一室らしい。
ドアを開けて隣室から姿を現した少年は、炎のさだめのクリスと名乗った。
続いてその少年の後ろに、同じくらい幼く見える少女の姿。
「彼女はリリスと言います。
あなた方を助けたモリガン・アーンスランドの……まぁ、妹のようなものです」
「ハジメマシテ。仲良くしようね」
リリスの手には、チチウシとハハクルが握られていた。
「それは……」
「お姉ちゃんが拾ってきたんだよ」
リリスはそれを差し出し、ナコルルに返した。
ギルの元から救出され、恥らわぬよう布を巻かれ、武器すらも返してもらえた。
ここまでされれば、まだ警戒はするものの、少なくとも害意や敵意は無いのだと推測出来る。
殺す気であれば寝ている間に殺せたのだし、ましてや武器を返す意味は無い。
武器を返した事は、戦うつもりも殺すつもりも無いという事を
彼らなりに最大限主張したつもりなのだろう。
「私達を、どうするおつもりですか?」
まだおずおずと問いかけるナコルルに、クリスは柔らかく微笑んで答えた。
「危害は加えません。話し合いたいだけなんです」
「話し合い……?」
「はい。
神に仕え自然を愛する貴女達と、その大自然の使者である僕達は
きっと分かり合えると思うんです」
やがて、リムルルもウトウトと目を覚ました。
目覚めたリムルルはレイプされかけたトラウマからか、
ゲーニッツやクリスという男性の姿を見て悲鳴を上げかけたが、
すぐ傍にいたリリスが抱きとめた事で、何とか発狂せずに済んだ。
「落ち着いて、リムルルちゃん。私達、敵じゃないんだよ」
「ほ、本当……? あの赤くて青い人みたいに、気持ち悪い事しない……?」
赤くて青い人……ギルの事だ。
すんでのところでモリガンに助けられたものの、
無理矢理手をひかれて下半身を狙われそうになった経験は、
吐き気を催す以外の何物でもないのだろう。
リリスはリムルルの頭を撫でて、ゆっくりと気を落ち着かせていった。
「望むなら、あなたにも同様にして差し上げましょうか、ナコルル。
とは言っても私ではまだ怖いでしょうから、女性を呼びますがね」
ゲーニッツはそう言うと、シェルミーを呼び出そうとした。
しかしナコルルは気を張って「それには及びません」と、平気な振りをした。
本当は彼女だって、相当神経が参ってしまうような経験をしたのに。
「それよりも、何を話し合うつもりでいるのか、
その事を私は貴方達に問いただしたい」
まだ警戒心が強いのか、少し睨むような目で、ナコルルがクリスを見つめる。
大聖堂で、三種の神器とオロチ四天王が戦った時の映像は、既に見ている。
だが実際に対面してみれば、こんな子供がオロチの手下として
殺戮を行おうとしていたのだとは、中々信じきる事が出来なかった。
よしんば信じたとして、そんな危険人物に「話し合おう」と言われているのだ。
素直に話を聞き入れる気にはなれなかった。
「簡単な事ですよ。
貴女方光の巫女に、我々地球意思の代弁者であるオロチ八傑集の、
仲間となって頂きたいのです」
ゲーニッツの回答は、大方ナコルルの予想通りだった。
神に仕える身であるナコルルとリムルルの存在は、
神を名乗る者達からすれば、邪魔になるか味方に引き入れるか、
その二者に意見が分かれるところだろう。
既にギルからはコンタクトをとられた。
となれば、オロチ側からも接触をもたれるのは、当たり前である。
ギルの目的は彼女らを身篭らせる事……つまりギルにとっては、
ナコルル達を自分の身内、味方に引き入れる事だった。
しかしそれはたまたまであり、ひょっとしたら唯一神にとっては他の神に仕える
光の巫女という存在は教義の邪魔になるから、命を狙われた可能性だってある。
当然オロチが接触してくるとしても、その理由は
和睦か暗殺かの、どちらかでしかないと言う事だ。
そしてゲーニッツは、和睦が目的だと今言った。
「あなた達は自然を守るために、人類を根絶やしにしようとしているのでしょう?
人間としてそれに賛意を送る事は、躊躇われます」
人類の一員として至極真っ当な回答だったが、
すぐにゲーニッツはそれを否定した。
「貴女は慎重に過ぎるようですね。
主体性が無い、とも言える」
「何を……っ」
「貴女、仰っておられたでしょう。あの、ギルの牢獄で」
ナコルルは自分がギルに何を言っていたか、思い出そうとした。
だが彼女が自発的に思い出すより先に、ゲーニッツは淡々と説明を始めた。
「自分達は、大自然を守る光の巫女。
そしてオロチも、大自然を守ろうとするカムイ。
だからどちらに付くかは、オロチ側の意見を聞いてみるまで、判断出来ない。
歩み寄る事とて、可能な筈。貴女、そう仰ってたじゃありませんか。
それなのに、我々の話を聞こうという姿勢を、持たれないのですか?」
事細かに当時の言葉を言い聞かされて、ナコルルは寒気がした。
要するにこの男は、ずっと見ていたのだ。
牢獄で自分がリムルルと絡み合い、涙と愛液を流す様を。
見ていて、それでも、最後の最後になるまで助けなかった。
「それは誤解です。助けられるのなら、すぐに助けたかった。
しかし私達ではギルの結界を通過する事は出来なかった。
サキュバスであるモリガンに応援を頼むのに、時間がかかったのですよ」
ゲーニッツはそう釈明したが、そもそも最初から監視されていた事に変わりはない。
恐らくは身内に引き込むために、昼夜を問わず観察されていたのだろう。
決して気分の良い事ではない。
しかしゲーニッツは、彼女の面に現れた明らかな不信感をよそに、
とうとうと話し続けた。
「我々はね、知って頂きたいのですよ。
人間達が我が身可愛さに自分達の生存権を守ろうとする事が、
この地球をどれ程脅かすのかを。
人間が永らえるために地球が滅ぶのでは、どの道人間は生きていけない。
人間を犠牲にする事で地球が永らえ、他の動植物が生きられるのであれば、
人はその身を甘んじて捧げるべきなのです。
かく言う私も、貴女と同じ、神職に仕える者。
人類を絶滅させる事こそが神への奉仕と信じて、こうしているのです」
ナコルルもリムルルも黙り続けていたが、ゲーニッツは構わず説明を続けた。
ナコルル達の生きていた時代の、ほんの五百年くらい後には、
発達し過ぎた文明によって、既に星が死にかけの状態まで痛めつけられていた事。
人類のせいで絶滅に追いやられた動植物が存在する事。
法力によって科学が廃止されても尚、ツェップという国が科学を行使し続けている事。
聖戦によって文明が壊滅状態にされていなければ、科学は今でも星を汚染し続けていた事。
そして人類が生き続ける限り、星を苛む病は、進行が遅れる事はあっても
完治・回復する事など、未来永劫有り得ないという事。
「ですが……」
ナコルルはようやく、ここで口を挟んだ。
「ギルは法力を生み出す事で、科学文明の発達を抑制した筈です。
それによって、星の汚染は最大限食い止められたのではないのですか?
人類の側にだって、歩み寄ろうとする意思はあります。
一方的に根絶やしにするなど……」
「貴女、自分の体が病原体に侵されても、そんな事が言えますか?」
ゲーニッツはきっぱりと言い放った。
「病原体と共生したいと思いますか?
病原体と手を取り合い、笑いあいながら生きていけますか?
それはもはや、慈愛などというものではない。単なる、気違いです。
必要なのは、譲り合う事ではない。人類に求められているのは、譲歩ではないのです。
貴女、自分の体の中の病原体が『譲歩します』と言って、
その数を半数に減らしたからと言って、納得出来ますか?」
こう言われてしまっては、もはや何も言い返す事は出来ない。
言っている事は、どう見てもオロチ側の方が正しい。
それを否定する事は、人類のエゴでしかない。
「そもそも星を相手に『歩み寄る』などと、何様のつもりですか?
進化した猿は、星相手に取引や話し合いが出来る程、優れた存在なのですか?
その驕りが星を腐らせるのだと、何故気付きませんか」
全くもってその通りだ。
自分達が生きたいためだけに、母なる大地に対して傲岸不遜な態度をとる事を、
カムイは認めてはくれないだろう。許してはくれないだろう。
ナコルルは己の罪を認め、さめざめと泣き始めた。
「泣くのはお止しなさい、巫女よ。
勘違いしないで頂きたい。我々は貴女達を責めたかったのではない。
貴女達と手を取り合いたかったのです」
「手を……ひっく……とり、あう……?
きゃっ!」
リリスが手を伸ばし、ナコルルの股間をシルク越しに愛撫した。
「ね、気持ち良いでしょう?
大自然だっておんなじなんだよ、きっと。熊さんもお魚さんも、動物はみーんな。
セックスすると温かくて、気持ち良いんだよ」
「せっ……くす……?」
「子供を作るために、気持ち良い事をする事だよ。
この時代ではそう呼ぶの。でも気持ち良いのは、人間だけじゃない。
人間が生き続けてたら、他の動物がどんどん死んじゃう。
それじゃ人間が気持ち良いだけで、熊さんもお魚さんも、気持ち良くないよね」
リリスの言葉には、比喩的な響きがあった。
リリス自身は深い意味をもってその言葉を発したのではないだろうが、
それ故に、裏表の無い素直なニュアンスがこもっていた。
人類が死んでくれるだけで、他の動物達全てが
この快楽と幸せに、安心して身を任せる事が出来る。
クリスがそう締めくくる頃には、ナコルルは既に、この愛撫による気持ち良さを
大好きな森の動物達にも、世界中の虫や植物達にも、
心行くまで味わって欲しいと願うようになっていた。
敬虔なカトリック教徒にとって、性交は神への反逆だ。
それを遵守していれば人類はとうの昔に絶滅しているのだが、
その矛盾点を宗教は追求したりしない。
カトリック教会の権威は皆、童貞のままで生涯を終える事を義務付けられている。
童貞でなければ法王にはなれない程だ。
女と交わる事はカトリックにとって、破戒そのものなのだ。
ゲーニッツとナコルルは今、まさにその破戒を執り行っていた。
「あぁ、神父様ぁ……もっとぉ、そこぉ……」
「ナコルル様は乳房の下の方が弱いのですね。
良いでしょう、重点的に責めて差し上げます」
リムルルに比べればマシだが、ナコルルとて胸はあまり無い方だ。
ヒゲを生やした中年の男性が貧乳の少女とベッドで愛し合う様子は、
時代が時代なら援助交際にしか見えなかっただろう。
実に幸せそうに、ナコルルはゲーニッツとのディープキスに没頭した。
巫女と神父という、この世で最も性交を避けねばならない職業の二人が
背徳の行いに埋没していく。
やっている事も罪なら、年齢差も罪だ。
中年男性が未成年の少女に手を出す事はこの時代でも犯罪だったが、
ナコルルの中にはそんな後ろめたさなど微塵も無かった。
ただ体の芯から、開放感が染み渡るばかりだ。
ギルはリムルルに手を出そうとした時、これは法悦だと言った。
それに身を浸し、感じ入る事は、何ら恥ずべき事ではないとも言った。
そんな身勝手な言い分は頭の片隅にも記憶しておくつもりはなかった。
しかし今なら思える。
これこそが、まさしく法悦。地球意思の代弁者との、神聖な交わり。
既にナコルルの体を覆っていたシーツは解かれていたが、
むしろ彼女を中心として円を描くように解かれていたために、
かえって彼女の姿を神々しく演出するに一役買っていた。
舌の上で絡み合う唾液は、聖水を酌み交わすかのようだった。
知恵も知識も足りないリムルルには、まだオロチの理念を飲み込む事は出来なかったが
自分が信じる姉がオロチを信じようとしているのだから、それが正しいのだと思った。
彼女の体もまた、ベッドの上で弄ばれている。
右の乳首をクリスに、左の乳首をリリスに舐められ、
股間では二人の細い指が所狭しと這いずり回っている。
まだ三人とも中学生か、下手をすれば小学生くらいの年齢だ。
にも関わらずクリスとリリスの愛撫は、熟年のテクニシャンのように執拗だった。
リムルルは小刻みに小さな吐息を漏らしながら、
初めて味わうこの不思議な感触を、何と表現して良いか迷っていた。
生暖かくて気持ち悪いような気もするが、安らかに心が落ちつく感じもある。
かと思えば、逆に気が急いて、この先を求めるような感覚が上ってくる。
落ち着いているのか、焦っているのか。
自分でもどっちつかずでよくわからなかったが、段々と
これは『気持ち良い』という感覚なのだと、自覚しはじめた。
本当は気持ち悪い筈なのだが、この気持ち悪さが病みつきになる。
この一時の間だけ、何もかもがどうでも良くなる。そんな実感がある。
もっと。
乳首を舐めるだけじゃない。
もっと、もっと。
股間を撫で回す以上の。
もっと激しく深い世界へ、心を連れて行って欲しいと願う。
姉が今隣のベッドで感じているような、更なる深みへと祈る。
リリスはそれに応えるように、リムルルの足の方へ回った。
「知ってる?
指よりこっちのが、もっと気持ち良いんだよ」
そう言って舌をペロリと出し、先端を陰唇の境目に触れさせる。
「っひぅ……へ、変になっちゃうよぉ……」
リムルルはギルの牢獄でナコルルにクンニはしてみたものの、
リムルル自身が誰かにクンニされるのは、初めての経験だった。
辛うじてあの牢獄での姉とのシックスナインの折、間近に姉の吐息を浴び続けた程度だ。
ましてや陰唇の境目というものは、陰唇本体よりも繊細で感じやすい。
その溶けるような心地よさは、まさしく聖なる儀式を思わせた。
少女達は気付かない。
隣の部屋で、黒い会話が交わされている事に。
「ゲーニッツの奴、うまく引っ張り込んだみてぇだな」
「聖職者同士、共感しやすかったのかもね」
乾いた大地の社と、荒れ狂う稲光のシェルミーの二人。
隣室からは声は聞こえてこないが、ベッドのスプリングがギシギシと軋む音は聞こえる。
方や、神職を騙りながら少女を犯す中年の男。方や、子供三人での乱交。
こんな行為が地球の意思だなどと、本気で信じる馬鹿がいるとは。
純粋な者程騙されやすい。社は苦笑いを堪えるのに必死だった。
しかしこれで、手駒の数は増えた。
オロチ四天王に比べれば足元にも及ばない程度の戦闘力だが、無いよりマシだ。
それに、少女達が苦渋に満ちた表情で決断しながら、
自らの手で人類を一人か二人でも殺す様は、今からもう楽しみだ。
決戦の舞台で一人、また一人と、涙を飲んで、歯を食いしばって、血の涙を流しながら
「地球のためなの」「ごめんなさい」と、許されるための言い訳を並べて、手を下すのだ。
勝手に神の使いを名乗ってきた愚物には、最高の神罰となるだろう。
そうして人類の全てを抹殺し終えた暁には、その耳元で優しく囁いてやるのだ。
お前らは利用されていたんだよ、と。
自分が信じるもののために殺人を犯してきたと思い込もうとしている少女達にとって
それは他のどんな手段、方法でもっても及ばない程の拷問となる。
後悔しながら死んでいけ。
お前達が仕えていたのは、神などではない。
お前達が勝手に神だと思って、実在すると思い込んでいた、ただの偶像だ。
社は部屋を出て、外に向かった。
笑いを堪えるのに必死過ぎて、迂闊に笑ってしまえば声がナコルル達に聞こえそうだったからだ。
宿の外でなら、余程の大声で笑い飛ばさない限り、まぁ聞こえまい。
ドアを開けて廊下に出ると、そこは一面血の海だった。
フロントの係員は全員首が百八十度後ろに曲がっており、白目を向いている。
太い大理石の柱に大きなヒビが入っており、そのヒビの中心に
宿泊客らしき人間の上半身が埋め込まれている。
下半身は柱の足元に転げているが、胴体を失っているので内臓が四散している。
焼け焦げた死体、八つ裂きにされた死体、輪切りになった死体等、
実に様々な死体がロビーに落ちていた。
うつ伏せで転がっている首無し死体もあったが、首はどこにも見当たらない。
よくよく見ればわかるのだが、これは生首だけどこかに持ち去られているのではなく、
実は首は最初から切り離されてなどいないのだ。
繋がったままの頭部が、そこだけローラーか何かにひき潰されたかのように、
血や骨ごと絨毯の上に薄く潰れて広がっているのだ。
よく見ると髪のへばりついた頭皮らしきものが散らばっている。
砕けた白い物体は、頭蓋骨だろう。脳漿の海にまみれて、もはや何であるか判然としない。
全て、オロチ四天王の手によるものだった。
このホテルを根城にするためだけに、ホテル内にいた人間全てをとりあえず殺したのだ。
良い暇潰しになるように、出来るだけ手をかけて殺した。その結果が、この有様だった。
しかし社は死体の山には目もくれず、さも当たり前の光景のようにスルーして
表へ出た後、同じように血と死体だらけの町の往来で、一つアクビをした。
空は皮肉な程からっと晴れ上がっていて、実に清々しい空気だった。
そうとは知らず、リムルルは貪欲にリリスを求めた。
リリスのクンニに抵抗しないどころか、むしろリリスの首に足を絡めて、
自ら相手を離すまいとする。
相手が淫魔だからだろうか、処女のリムルルでも、
いとも簡単に快楽の世界に溺れる事が出来た。
細い指が肉を掻き分け、中身を剥き出しにし、小さい舌がそこを突っつき、
唇が吸い付いて、汁を撥ねさせる音が響く、その一つ一つがリムルルを感じさせる。
インキュバスの精液にはアルコール分が多く含まれており、
そのためインキュバスと交わった女性は、人生の中の何にも替えがたい程の快楽を得ると言う。
だとすれば、サキュバスの唾液にも、何かそのような成分があるのだろうか。
今や明らかに、リリスの唾液の量など霞む程に、リムルルの愛液は大量に分泌されていた。
リリスがクンニを始めてから、まだ一分かそこらしか経過していない。
にも関わらずもう股間からは、ジュースでも飲むかのような小気味良い水音が聞こえてくる。
「ずぅーっ、じゅる、ちゅぶぶっ……ちぅ、ずるるっ」
「ヤ、ヤダぁ……おと、たてないれぇ……」
声ではそう言うものの、表情は明らかにその音を喜んでいる。
正常な貞操観念は既に麻痺し、よりみっともなく、
より奈落に叩き落して欲しいと、瞳が懇願しているのがわかる。
その期待を裏切らないよう、クリスはリムルルにそっと顔を近づけて呟いた。
「ごめんねぇ、リムルルちゃん。
音を立てずに食べるの、苦手なんだよ彼女。子供だからさ」
さも食事の作法の話でもするかのように、あっさりと言い放つ。
そのままクリスが瞳を閉じると、リムルルもそっと瞳を閉じた。
柔らかく口付けし、自分が紳士であると、クリスはリムルルに思わせたかったのだ。
そうする事で、星の生き物達全てに対する慈しみをもって、
オロチ四天王は行動していると思わせる事が出来る。
相手の不信感を払拭するための、ある種の駄目押しだった。
しかしこのソフトなキスは、逆にリムルルの方から破られた。
クリスはせっかく舌も突き出さずに我慢していたのに、
リムルルの方が口を広げて、クリスをもっと味わおうとする。
クリスの小さな唇が、すっぽりとリムルルの唇に覆われた。
これに応えるのも、慈しみ持つ者の務めだ。
決してヒトを突き放すつもりはない、しかし地球を守るために、ヒトを切り捨てるしかないのだ。
そう心理誘導するための、必要な一手だ。
クリスも口を開き、突き出されたリムルルの舌を唇で挟んで、吸った。
本当はただ少女を弄び貪りたいだけなのに、さも少女の情愛に答えたかのように振舞う。
心の中で馬鹿にしながら、目で「愛してるよ」と嘘を呟く。
リムルルは、さながら初恋の人に初めてを捧ぐ時のような、
或いは新婚の亭主と一つの枕で眠る時のような幸福を感じていた。
「巫女が落ちたか」
オロチ四天王の手によって廃墟となった町の尖塔から、
二人の男がその部屋の窓を眺めていた。
正確には窓そのものではない。窓の向こうで絡み合う者達をだ。
男の内の一人、スレイヤーは、残念そうに額に軽く手を当てた。
「お前は人類の味方になるつもりなのか?」
もう一人の男、デミトリが問いかける。
「私は人間が嫌いではないのでね。さりとて、オロチの言い分もわかる。
だが、どちらが正しいとは言い切れんよ」
人間の中にも多く友を持つスレイヤーにとって、人類の絶滅は愉快な事ではない。
だがデミトリにとっては、別にどちらでも良い、というのが本音だった。
「オロチ達が魔界にまで首を突っ込んでこなければ、私には影響は無い。
せいぜい好きにやるが良いさ」
それはオロチでも、スレイヤーでもなく、背後に立つモリガンに対する言葉だった。
モリガンもまた、オロチ達に手を貸すつもりでいた。
でなければ、半身であるリリスを預けたりはしないし、
ギルの元から光の巫女達を救出してきたりもしない。
さりとて、人類が憎いわけでもない。
暇潰しのための余興という程度にしか捉えていなかった。
だからもしここで、デミトリかスレイヤーのどちらかが
人類に与する姿勢を表明すれば、それは即ち、魔族間の争いにまで発展する。
本来話し合いによる和平などよりも、力による支配と統治を好む魔族とは言え、
自分達と無関係な『人間』という生き物のために、同族で対立するのは好ましくない。
「貴方とは戦いたくないわね、スレイヤー」
「それは私とて同じだよ。
だがもし君が人類抹殺に賛成というのであれば、
今のような良い友人としての関係も、続けるわけにはいかなくなる」
「人類のために魔族を敵に回すつもり? 魔族の貴方が?」
「意味の無い事とはわかっているつもりだ。
下界の事など本来、我々にとってはどうでも良い別世界の事。
だが……私は、少々下界に関わりすぎたんでね」
「情が移った、という事かしら?
同族を敵に回しても構わないと思える程?」
「フフ、さてね……」
スレイヤーは明確に答えず、ただそのモノクルを、月光に晒すばかりだった。
仰向けになったリリスの上に、リムルルがシックスナインで覆いかぶさる。
そのリムルルの股間に、クリスの男根が差し込まれる。
「ひっ……いぐっ! 痛っ、ぁあ……かはっ」
中はかなりキツかったが、リリスが念入りに解していたお陰で、挿入自体は出来た。
動くのはまだ辛そうだが、これもリリスが手を回す。
このためにリリスはシックスナインを求めたのだ。
結合中のリムルルのクリトリスを、下からクンニするために。
挿入とクンニの同時攻撃を受け、リムルルはもう意識が飛びそうになった。
地球意思の代弁者と、淫魔を同時に相手するとは、中々経験出来る事ではない。
リムルルはこれを、名誉な事だと思った。
……近い将来に利用されて捨てられるだけの関係だと、気付かないまま。
その横のベッドでは、ナコルルが背面騎上位でゲーニッツと繋がっていた。
振り乱れた髪が一本、頬を伝って口に届いていた。
漏らしそうになる喘ぎ声を堪えながら、口には乱れ髪を噛み締める。
何とも艶やかで、いかにも大和撫子の痴態といった風だった。
たん、たん、と音を立てて、腰を上下に振る。
「ふぅっ……ぃんひっ、ひゃ……うふっ……ふぅんう……っ」
声を我慢するあまり、息とも声ともつかぬ音が、口から漏れ出る。
だがそんな忍耐も、限界がきた。
「あぁあもうダメっ! もうあぁだめ、だめぇっ! イク! イっちゃぁあうあぁぁあぁあんっ!!」
宿の者や町民が生きていたら、その声は四方に聞こえ渡っただろう。
ナコルルはまだ知らなかったが、町の人間が全滅していたのは、
その点だけで言えば幸いだった。
そして、さすが姉妹と言うべきか。リムルルもまた、同じタイミングで理性を壊した。
「そこっ! そこイイ! もっと、ぃひゃぁっ! もっと、んぁああぁっん!!」
口を大きく開き、上の歯と下の歯の間に、納豆のように涎の糸を引く。
頬も鎖骨も胸も、体全体が火照っている。
垂れた唾液がそのままこぼれ、眼前のリリスの秘部に滴っていく。
リリスの顔は既にリムルルの愛液にまみれ、
同時にクリスの睾丸を額の辺りにピタピタと当てられて、
艶かしくもみすぼらしくなっていた。
だがリリスは、恍惚とした表情を浮かべるばかりだ。
リムルルとクリスの結合部の辺りに舌先を這わせると、裏筋の摩擦が心地よかった。
「そろそろイっちゃいなよ、巫女さん」
リリスがそう呟くと、それを合図にするかのように、
ナコルルもリムルルも体をビクンと大きく震わせて、何事か絶叫しながら果てた。
クリスが男根を引き抜くと、そこからは愛液と精液の混合物が
ボトリと音を立てるように溢れ出てきて、リリスの顔面を汚していった。
連投規制解除
そして、Eventual Rumble参加登録当日に、話は戻る。
カイの次元牢から解放された多くの戦士達が、体を休めるために宿へと戻っていく。
覇王丸やカイなどの見知った者達が、気さくに声をかけて行く。
「またな、お嬢ちゃん達」
「大会でお会いしましょう」
ナコルルは何食わぬ顔で軽く手を振ったが、その取り繕った表情程には、心は晴れていなかった。
覇王丸の豪快な笑顔も、カイの爽やかな笑顔も、どちらも素晴らしい。
地球にとっては害悪でしかないとは言え、この素敵な笑顔を、オロチは滅ぼそうとしているのだ。
そして自分達も、それに加担しようとしている。
人に仇なすか、星に仇なすか。どちらが正義で、どちらが悪か。
「……もう迷わないって、決めたでしょう」
ナコルルは自分にそう言い聞かせる。
少女の瞳に、ナイフの切っ先のように鋭い光が差し込んだ。
はい終了
最後の最後で連投規制に引っかかった
何か凄い事になり始めてるなあ・・・GJ!
KOFのチャン・コーハンやチョイ・ボンゲ、あるいはSFのダンみたいな、
どちらかというとお笑い系の弱そうなキャラに、
作品における最強クラスの女性キャラがちょっとした油断とかから負けて犯される、
とかの展開に違和感ある人っている?
まったくない、むしろいい。
バッチコーイ!
どうでもいいが、何かナムカプに続いてまたカプコムキャラが
クロスRPGするらしいな。ヴァンプの面々はいるけど・・・
他のカプコンメンバーは出れるかな? ちょっとワクテカ
そしてSNKキャラはそういう手の話はやっぱこねえのかなあ・・・
春麗スレにバル春小説がうpされてる。
>>256 SNK出て欲しいんだけどな…
誰かまとめサイトのURL頼む
ってかまとめサイトなんかあったっけ?
エロパロ板の作品の保存庫なら分かるけどな
ていうか他のスレにあるか
チャンに犯される雛子。
チョイに犯されるまりん。
KOFキャラオンリーになっちゃうな。
バイスとマチュアが見たいです
あの二人も最初はただの淫乱痴女だと思ってたけど
今にして思うとイノやらシェルミーやらとは違った趣のある痴女だな
265 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 18:42:44 ID:zdFYKkj+ BE:335992627-2BP(30)
あれはチジョというよりSだぜ
保管庫きぼん
267 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 01:50:55 ID:bB6gLshk
ほ
268 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 03:55:12 ID:yei8Wx8R
バイスはドMだろ?
両方イケる:バイス、シェルミー、モリガン、リリス
ドS:イノ、アンヘル、アバ、バレッタ、まりん、色(羅刹)
ドM:ナコルル、ウィップ、春麗、キング、ローズ、マチュア、エリザベート、色(修羅)
両方イケない:レオナ、クーラ、さくら、キャミィ、ミリア、いぶき、レイレイ、いろは
270 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 00:09:56 ID:QHYY0M2K
いろはは普通にMじゃないの???
まぁそもそもレオナの超ドMを見抜けないとは嘆かわしい・・・
クローン京軍団とレオナの100P投下しても良い?
カモン!
273 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 08:59:36 ID:3Ef/Iv5H BE:579771263-2BP(0)
100Pwww
世の中には凄い事考えつく奴がいるんだな
274 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 19:07:37 ID:L7FvDVPE BE:1151971586-2BP(30)
京1と京2とレオナでいいだろ
K9999混ぜてもいいけど
KOFばっかやね
SF3のまことってどれに属する
278 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:21:26 ID:7pZJk2Pr
腐れ外道のビュッフェコース書いて良い?
279 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:30:12 ID:cfnZtLhv
ナコルルとレオナとポチョムキンを食してくれ。
>>269 舞とフェリシアとアテナとポイズンとミカとかりんとユーリとユーニと
イングリッドとエレナとまこととユリとブルーマリーとジェニーと香澄と
シャルロットとリムルルとミナとミヅキとレラとちづるとマキ(神楽)とマキ(源柳斉)と
ヴァネッサとリアンとエリザベートは?
エリザベートは書いてあるな、スマソ
282 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 00:10:22 ID:4CnmMP8+
憎むべき人間のしかも子供である包に隷従させられるオロチシェルミーとかあり?
シェルミーって人間嫌ってたっけ
284 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 01:18:17 ID:kXxjPOAo
そりゃオロチだしな。
昔包に奴隷にされるレオナウィップの同人有ったな〜
今更だがよ死ねよ糞
>>76 くれくれ抜かして何だその無礼な態度は?
Eventual Rumble Orochi 2181 第十六話、投下します
今回全然エロくありません
て言うかある程度真面目にシナリオ組んでたら、エロが入る余地が無いです
こんなんで最終決戦(予定)辺りのシナリオとか、どうしたら良いんだか
「クロスカッター!」
「うがぁあっ! ま、参った!」
上下から同時に襲い掛かる二対のカマイタチに、男は為す術無く敗北した。
男は、そこそこ名の通った格闘術の使い手で、
少なくとも同門や街の人間で、彼に敵う者はいないとされていた。
しかしそれは、この時代、その街のみの話だ。
過去からやって来たと自称する戦士達は、戦闘力の次元が違っていた。
法力の概念を持たない時代からやって来たくせに、
法力と比較しても何ら劣る事の無い、法力とは異なる能力の数々。
一方、いかにこの時代が法力によって成り立っているとは言え、
それを武術に転用出来ている人間は、それ程多くない。
闇慈やジョニーのような者が特別なのであって、
例えばブリジットやザッパのような、大多数の人間は、
法力を用いて戦う事など出来ない。
法力に比肩しうる戦闘術を持つ者と、持たない者。
前者が勝つのは、余程身体能力に性能差が無い限り、自明の理だった。
第三次聖騎士団団員選考武道大会は大荒れに荒れ、
初日となる今日から、既に下馬評は覆されていった。
「太陽学園チーム、二戦目進出決定です!」
試合終了を告げるアナウンスが、緒戦の勝利チームを讃えた。
冷えた廊下。
空調がきいているのではない。
むしろ空調がきいていないからこそ、底冷えするのだった。
しかしたった今汗をかいてきた者達からすれば、
この薄暗い通路を通る風は、逆に気持ちが良かった。
「ひなたっ! 初戦勝利おめでとう!」
席にかけていた春日野さくらは、お目当ての人物……
若葉ひなたがチームメイトを伴って歩いてきたのを認めて、
ハイタッチしに行った。
と同時に、今しがたまで自分が座っていた席を、ひなたに譲る。
元々ひなたに譲るためにキープしていたのだ。
「ありがと、さくらっ! 一対一じゃない試合って、結構ハードだね」
「さすがに俺も慣れてなかったからな。馴染むのに手間取っちまった」
「個々の持つ技の特性を見直して、計算を組み直す必要があるな」
額の汗を手で拭う一文字バツと、早速メモにペンを走らせる鑑恭介に、
さくらの隣にいたリュウとケンも席を譲った。
スト0チームの試合は午後からなので、リュウ達はまだ疲れていない。
バツ達は彼らの好意に、素直に甘えられた。
と、そこへ、京チームが通りかかる。
「よう、リュウ。お前らの知り合いか?」
「さくらの友達らしい。太陽学園の生徒だそうだ」
その高校の名前は、聞き覚えがある。
確か元の時代で、全国の高校生が一人ずつ行方不明になっていく事件があった。
首魁はジャスティス学園という高校だったが、それを解決するために
立ち上がった数名の高校生の中に、太陽学園という名があった。
「お前が草薙京か。ハタチなのに留年してんだってなぁ?」
「お前は、えぇと……バツっつったっけか?
ジョー東みたいな声で、のっけから人にケンカ売ってんじゃねぇよ」
「飛影って言え、飛影って!」
互いに好戦的な京とバツは、現時点で試合予定は無いにも関わらず、
もうこんな所で火花を散らしていた。
紅丸と恭介が顔を見合わせて苦笑いし、ヤンチャな相棒を持つ苦労を、互いに認めた。
ひなたもクスクス笑って真吾に微笑みかけたが、
シャイな真吾は彼女の笑顔に顔を赤らめ、鼻の下を伸ばす。
彼らがもし戦う事になるとするならば、トーナメント表を見る限り、数日後だ。
それも互いに勝ち進み続けなければ、ぶつかり合う事は無い。
それよりも京にとって当面の目標は、太陽学園ではない。
目の前の、ある意味庵と並ぶ程の宿敵。
「午後からだったな……俺達の試合は」
リュウは拳を握りこみ、今一度気合と覚悟を決めなおした。
「お前でも気が逸る事なんてあるんだな。
落ち着けよ、まだ試合開始まで一時間あるんだぜ」
そう言う京も、目には闘気が満ちており、今すぐにでも闘いたそうだ。
あと一時間も待たねばならないというのが、何とももどかしかった。
闘技場の周囲の飲食店は、軒並み込み合った。
場内の休憩所も混雑し、まともに席を探すのも一苦労だ。
それでも選手達は優先的に座らせてもらえるスペースが確保されており、
割と労せずして食事にありつける。
もっとも、控え室で食事を済ませる者の方が多かったのだが。
そうして食事を済ませ、体力をつけてコンディションを整える。
食べ過ぎてもいけないので、サンドイッチなどを軽くつまむ者が大半だった。
午後の部の開始を告げるアナウンスが、場内に響き渡る。
「あと十分で、午後の部が開始されます。
選手の皆様は控え通路に待機願います」
立ち上がり、グローブをはめなおす。
「よし、行くか!」
ケンの声を合図にして、リュウとさくらも立ち上がった。
軽く肩を回したり、肘を振ったりして、体を慣らす。
「三対三か。緊張するなぁ」
「リラックスしなよ。俺らがフォローするさ」
ケンのその言葉に、さくらも肩の力を抜こうと、深呼吸をする。
「それでは午後の部、第一試合!
草薙京チーム対ストリートファイターチームの試合を、執り行います!」
リングの中央で、京とリュウは向かい合った。
互いに一列に並び、静かに睨み合う。
距離は何メートルか離れているが、まるで密着状態のように熱気が漂う。
ジャッジが両者の間に立ち、ルールの確認を行う。
とは言っても、大して複雑なルールは無い。
通常の異種格闘技大会のように、禁じ手が定められているわけでもない。
つまりその気があるのなら、金的蹴りも目潰しも可能と言う事だ。
もっとも彼らとてスポーツマンシップがあるから、
山崎ぐらいの者でなければ、そんな事をしようとは思わないのだが。
強いてルールを挙げるとすれば、場外に着地した場合は
リングアウトとなってしまう、と言う事ぐらいだった。
「それでは、午後の部第一試合。
草薙京チーム、草薙京。二階堂紅丸。矢吹真吾。
ストリートファイターチーム、リュウ。ケン。さくら。
五秒後に、試合を開始します」
ジャッジの言葉と共に、カウントダウンの音が鳴る。
5……
誰もが行方を気にするこの勝負に、テリーは、柄にも無く固唾を飲み込んだ。
4……
両雄合間見える世紀の対決を、ザンギエフも心待ちにしていた。
3……
カイは、かつて自分を破った紅丸を、リュウ達がどう対処するか目を見張った。
2……
自分もリングの上に加わりたいかのように、幻十郎が愛刀の鍔を鳴らす。
1……
観客達は、その異様な空気に、呼吸さえも苦しく感じた。
カァン、という聞きなれたゴングの音と共に、
京と紅丸、リュウとケンは走り出した。
今まで一対一の試合ばかりを経験してきたから、混戦のセオリーはわからない。
だが、戦いそのもののセオリーなら、わかっているつもりだ。
戦闘とは詰まるところ、戦力の勝る方が勝つ。
策によって戦力差を埋める事も出来るが、基本的には
『強い方が勝つ』というのが、戦いの常識だ。
策によって勝つならば、それは策も含めてその者の『強さ』『戦力』なのだ。
では、互いに戦力が拮抗している場合は、どのような策を弄するか。
結論は簡単である。
相手の戦力を削げば良いのだ。そうすれば相対的に自分の方が相手より強くなる。
その為に優先して狙うべきは、相手の弱点、ウィークポイント。
京と紅丸は、さくらを瞬殺するつもりだった。
それによって戦力は京、紅丸、真吾の三人に対し、
相手方はわずかリュウとケンの二人だけとなる。
真吾がいる分、かなり有利に立ち回れるようになる筈だった。
しかしリュウとケンもまた、真吾を狙い撃ちにするつもりだった。
そうすればリュウとケンとさくらの三人で、京と紅丸の二人を相手にする事が出来る。
そしてそんな作戦は、互いに読み切っていた。
相手が同じ事を狙ってくるのは、最初からわかっていたのだ。
となれば、攻める事を意識するばかりでなく、自身のウィークポイントも守らねばならない。
さくらに向かって繰り出された京の拳をケンが受け止め、
真吾を狙って放たれたリュウの拳を、紅丸がガードした。
「ちぃっ!」
「やらせるか!」
「ウゼェッ!」
「そっちこそ!」
真吾とさくらの間を割るようにして、四人はせめぎ合った。
しかし、ここで即、膠着状態になるわけがない。
自分達が狙われる事は真吾もさくらもよくわかっていたのだ。
自分達がチームの弱点になっている事は、言われなくても承知している。
だがだからこそ、守られてばかりいるつもりもない。
さくらはリュウとケンと飛び越すようにして、さくら落としを仕掛けた。
狙うは、京と紅丸の向こう側にいる、真吾だ。
チームメイトを壁にしての、上空からの奇襲のつもりだったが、真吾も同じ作戦を考えていた。
さくらとほぼ同時に飛び上がり、彼女を撃ち落すかのように、蹴りを繰り出す。
「真吾キィーック!」
さくらは技を中断して片膝を上げ、真吾の蹴りを咄嗟にガードした。
「くっ……!」
勢いは相殺され、スピードは殺される。
このまま着地しては、真下にいるリュウと京達に追突してしまう。
さくらは空中で体を捻ると、残った方の脚で真吾に向かって蹴りを放った。
真吾もまた流石なもので、やはり咄嗟に腕で胴体をかばう。
ガードされはしたが、その衝突の勢いで、両者は互いに弾かれた。
そのまま元の位置に戻るかのように着地する。
その着地の音を合図にするように、ここでようやく仕切り直しとなった。
下で競り合っていた四人はすぐさま飛び退き、再び距離をとった。
ようやくとは言っても、これら一連の動作の全てが、三秒にも満たない間の出来事だった。
参加者である戦士達は兎も角、一般の観客の中には、
何が起こっているのか目で追えない者達も大勢いた。
どうやら先手で相手の弱点をつく作戦は、互いに失敗に終わった。
恐らくこの先同じように弱点を集中的に狙っても、まず成功しないだろう。
何より弱点と思われていた二人が、予想以上に良い動きをする。
いかに京と紅丸の二人がかりでも、さくらを瞬殺するのは難しそうに感じられた。
それはリュウとケンも同様で、真吾は一筋縄でいく相手ではないと思われた。
となれば、戦い方を切り替える他無い。
ここでリュウは、およそリュウらしからぬ大胆な作戦を考え付いた。
いや、ある意味、最もリュウらしいかもしれない。
挑戦者としての姿勢を生涯貫く、彼の意気込みが、彼にそう提案させたのか。
「ケン……それに、さくら」
ケンもさくらも、リュウの方を見ない。
余所見をすれば瞬時に狙われる事がわかっているからだ。
出来れば、極力口を開いて喋る隙さえ、見せたくない。
だから二人はリュウの声に無言で返したが、リュウは返事を待たずに話を続けた。
「京と紅丸は、俺一人で抑えてみせる。
二人は真吾を集中攻撃してくれないか」
ケンもさくらも、リュウを全面的に信頼している。
だからリュウがどんな提案をしたとしても、例え言葉は返せない状況であるにしろ、
異論一つ挟まずその提案に乗るつもりだった。
しかしこの提案には、流石に二人とも声を出してしまった。
「はっ!?」
「ちょっ、リュウさん……それは、いくら何でも……」
そして驚いていたのは、ケンとさくらだけではなかった。
「……おいおい、ナメられてんのかぁ?」
「ちょっと聞き捨てならないなぁ。俺と京を、一人で抑えるって?」
「そんなの、いくらリュウさんでも無理っスよ!?」
草薙チームの面々が、口々に反論を投げかける。
だがこれもやはり、リュウなりの作戦だった。
そして、確かによくよく考えてみれば、理に適った作戦であると言える。
リュウと京は互角。
であれば、いかにリュウが強力と言えど、紅丸も同時に相手すれば、まず分は無い。
しかしかと言って、瞬殺されると言う事は無いだろう。
リュウが敗北するまでの間に、多少のタイムラグはある筈だ。
そしていかに真吾がしぶとい男と言えど、ケンとさくらの二人にかかれば、一分ももつまい。
要はリュウが破れるより先に真吾が破れれば良いのだ。
そうすればリュウチームは残り三人、京チームは二人だけとなる。
だがこれはギャンブルだ。
真吾が倒れるより先にリュウが倒れれば、その後の形勢は綺麗に逆になる。
京は「ナメられてんのか」と言ったが、リュウからしてみれば真吾をナメているとか、
京と紅丸を一人で抑える自信があるとか、そういう事ではなかった。
ケンとさくらを信頼している、ただそれだけだ。
あと一つ、強いて言うならば、勝ち負けに関係無く、京と紅丸の二人を
同時に相手するという難関を、格闘家として体験してみたかった。
挑戦者であり、求道者でもあるリュウの魂が、その瞳にありありと見える。
燃え滾るのは血でも肉でもなく、その双眸だった。
これを受けないのは、男としてみっともない。
「へっ……面白ぇ男だとは思ってたがよ」
京は左拳に炎を吹き上がらせ、闘気を迸らせた。
真吾は、仲間である筈の京の後姿に、まるで鬼を見たかのように恐怖した。
そしてすぐにその恐怖は気合、覚悟へと変わる。
京はこの挑戦を受けるつもりだ。それは、自分を信用してくれているという事でもある。
この矢吹真吾ならば、リュウを倒すまでの間一人で持ちこたえると、信じてくれているのだ。
紅丸も右手を軽く持ち上げ、その手首に雷を纏った。
ケンとさくらは真吾に狙いを定め、腰を落としてスタートダッシュの構えに入る。
「……来い!」
リュウの掛け声を合図にして、両チームは再度、互いを目指して駆け出した。
京には勝算があった。
リュウは確かに強敵で、いかに紅丸との連携でも、そう簡単には切り崩せまい。
だが、最初から本当の本気の本気で向かえば、あるいは瞬殺も可能かもしれない。
出し惜しみせず、体への反動も負担も無視して、いきなり超必殺技を放つ。
二人で同時に超必殺技を放てば、リュウを一秒足らずで落とす事も出来るかもしれないのだ。
「こいつでキメるぜっ!」
京の渾身の左、百八拾弐式。
炎は吹き上がらず、むしろ拳の一点に集約される。それだけに突貫力が高い。
「雷光拳っ!」
京に合わせるタイミングで、紅丸も自身の最も信頼する技を繰り出す。
いかにリュウと言えど、左右から同じタイミングでこのレベルの技を繰り出されれば
両方ともうまく凌ぐ事など、まず出来まい。
それぞれ片手で防げるような技ではないのだ。
かと言って一方を集中的に防御すれば、もう一方の技に為す術無く倒れるだろう。
だがリュウにもまた、勝算があった。
彼の左拳に、青空のように澄み渡る波動が蓄積されていくのを、紅丸は見た。
と同時に、相反するもう一つの波動も湧き上がってくる。
東雲の空のように淡い紫の光を放つ、禍々しい波動。
澱んでいるようでもありながら、その実、混じりっけの無い純度100%のようでもある。
それは殺意の波動だった。
「電刃っ!!」
通常の波動と殺意の波動のミックス。位相のズレに生じる放電効果。
しかし、それだけではない。
リュウは右拳の方に、もう一つ別の波動を蓄積させた。
彼の闘気を表すかのように、猛り狂う炎の波動。
「灼熱っ!!」
リュウは、それぞれ異なる波動を纏った左右の掌を、それぞれ前方に突き出した。
放たれた灼熱波動拳は京の左拳を捉え、技の勢いを堰き止めた。
京は体勢を崩しながら何とか拳を振り切ったが、距離が届かず空振りに終わった。
一方電刃波動拳は紅丸の拳を直撃し、スパークして雷光拳を掻き消した。
突き出された紅丸の拳は、ただの右ストレートに成り下がる。
リュウはそれを、寸前で回避した。
「くっそ……! 片手で波動拳だぁ!?」
「しかもただの波動拳でなく、灼熱波動拳と電刃波動拳を……!」
京と紅丸が如何程驚愕したか、想像に難くないだろう。
そもそも電刃波動拳は、それだけで既に二種類の波動をミックスさせた技だ。
リュウは今この瞬間、三種類の波動を同時に使いこなした事になる。
どうやら体への反動を無視して無理やり大技を放ったのは、京達だけではなかったと言う事だ。
片手で放った分威力はそれぞれ本家に劣るが、相手をほんのわずか食い止める事には成功した。
……真吾が危ない!
控え室でリングの様子を立体映像で見ていたテリーは、京チームのピンチに気付いた。
今の真吾は、リュウと同じ。二対一なのだ。
リュウは波動拳によって凌いだが、真吾に同じような真似は出来ない。
その真吾を、下段からさくらが狙い打つ。
深く屈み込み、片足を軸にしての円運動。もう片方の足は地面と水平に前方に突き出す。
回転運動による遠心力を利用しての、連続足払い。
春一番と呼ばれる技である。
真吾は今にもパンクしてしまいそうな頭を振り絞って、自分のすべき事を考えた。
バックステップで回避しようにも、この技が相手では追いつかれて、着地を狙われる。
中途半端なサイドステップでは、先端を引っ掛けられるだろう。
そこで体勢を崩してしまえば終わりだ。
だがジャンプで回避しようとすれば、そこにはケンの空中竜巻旋風脚が待っていた。
これを空中ガードで凌ごうものなら、下からさくらが
ガードの隙間を掻い潜ってアッパーを繰り出して来るだろう。
かと言って立ち止まったままでは、上段と下段を同時にガードなど出来ない。
屈んで春一番のみガードすれば、その瞬間ケンが空中竜巻旋風脚を解除して
頭頂部狙いのカカト落としでもしてくるに違いない。
立ちガード、屈みガード、バックステップ、サイドステップ、ジャンプ。
全ての回避手段が封殺されている事に気付くのにかかった時間は、0.2秒。
もう攻撃は目の前に迫っている。迷っている暇は無い。
真吾は腹を括った。
そして、大きく前方へ、頭から飛び込む。
「何!?」
「えっ!?」
ケンもさくらも、この行動は予想外だった。自ら敵の攻撃に向かってくるとは。
だがそれは、正確には攻撃に向かっていったのではなかった。
スレスレを潜って避けようとしたのだ。
真吾の体がさくらの頭上わずか数cmのところを通過していく。
そのまま真吾は受身をとり、着地と同時に地面の上でゴロンと一回転して、すぐさま立ち上がった。
小学校の体育で言うところの、いわゆる飛び込み前転。
一瞬の機転によって、真吾はさくらの背後をとった。
そこで即座にさくらを背後から攻撃出来なかったのを、真吾の実力不足と言うのは間違っている。
京の闇払いのような技が真吾にもあれば良かったが、彼は普通の人間だったのだ。
春一番によって前進運動の最中にあったさくらに、
飛び道具を持たない真吾では攻撃が届かなかった。
ケンは着地と同時に振り向き、さくらも回転運動そのまま、背後の真吾に振り返った。
隙を生じぬようすぐさまファイティングポーズをとるが、
互いに身動きが取れない。
攻めあぐねてしまうのだった。
勝負はわからなくなってきた。
愚直で馬鹿正直なリュウと真吾の二人が、土壇場でこんな奇策を思いつくとは。
いや冷静に考えれば、これは奇策でも何でも無い。
複数の波動拳を使いこなすのは、リュウにとっては基礎の鍛錬だ。
真吾のやった回避行動だって、ただの体操競技の一種でしかない。
毎日の反復練習によって染み付いた技と動きだからこそ、出来た芸当なのだ。
本人達にとってみれば、何ら特殊な事をしたつもりは無かった。
リュウにしてにれば、普段やっている事を二つ同時にやってみた、というだけ。
真吾に至っては、そもそも格闘技ですらない。
だが、だからこそ恐ろしいのだ。
こういう、愚直で基礎をしっかり守る馬鹿が、一番敵にしづらいかもしれない。
「やるじゃねぇか、真吾。ちと見直したぜ」
京が珍しく、先輩らしい口調で褒めた。
真吾がケンとさくらを掻い潜った事で、今このリング上は、
リュウチームの三人が京チームを前後から挟む形になっていた。
自然と京の背後に真吾がいる形にもなっていたが、
今なら京は、真吾に背中を預けるのも悪くないと思っていた。
「お前の波動拳の使いこなし様は凄まじいな、リュウ」
同じ波動拳を使う者同士、リュウのやった事の凄さは、ケンが一番理解していた。
観客席は静まり返り、声一つ漏らす者もいない。
瞬き一回すら惜しく感じられる程の緊張が、リング上を支配した。
誰かがクシャミをすれば、その者は気まずそうに慌てて口を塞いだ。
もっとも、他の観客の誰の耳にも、そんなクシャミごときの音は届いていなかった。
リュウチームと京チームは、その後たっぷり三十分、互角の戦いを続けた。
京のR.E.D.Kickをケンの昇龍拳が撃ち落し、その着地を紅丸のスーパー稲妻キックが狙い撃つ。
リュウの波動拳の下を掻い潜るように京の闇払いが放たれ、互いに被弾する。
ジャブによる牽制合戦をバックステップで逃げようとしたさくらを、琴月・陽が捕まえる。
左右から同時に放たれた波動拳が紅丸を防戦一方にしたかと思うと
真吾の駆け鳳麟と京の毒咬みが、リュウとケンを背後から襲う。
磨きぬかれた技と技の応酬が続き、ほぼ同等の被ダメージを積み重ねていく。
見ている客の方が、息がつまりそうだった。
このいつまで続くとも知れない消耗戦の終わりを告げたのは、突然のゴングだった。
と同時に、アナウンスが試合終了を告げる。
「試合開始から三十分が経過しました。
試合開始から三十分が経過しました。
これ以上試合を続行しますと大会の運営に支障をきたすため、
本試合をここで中止するようお願いします」
時間を忘れる程張り詰めた空気の中で戦っていたから、
そんなに時間が経っていたという事すら、京達は気づいていなかった。
だが確かに、この流れる汗の量と、今にも途切れそうな呼吸の苦しさは、
彼らが長く戦っている事を示していた。
三十分と言えば、ボクシングで10Rに相当する。
しかもボクシングと違って、京達は一秒たりとも休憩を挟んでいない。
ましてや、KOFなどの大会でも、ここまで試合が長引く事は無かった。
特にスタミナで劣る真吾とさくらは、やっと動きを止める事が出来て、ほっとした。
「……っくはぁ! しんどかったー!」
「いきなりへたり込むなよ、みっともないぜさくら」
「気持ちはわかるがな。正直俺も、足がガクガクだ」
この対決を、大会の運営の都合などという理由で中断されるのは、興醒めだった。
もっとも仕方の無い事だったから、皆不承不承それを受け入れた。
「ふぅっ……やれやれ、続きはまたの機会に持ち越しか」
「機会があれば、だけどな」
反面、ここで試合中止という事は、どういう判定になるのか気になる。
タイムアップの場合、普通の格ゲーなら残り体力で判定をつける。
ボクシングなら攻め手や試合展開の運び方から、総合的に判断する。
だがこの大会では、どうやって勝敗をつけるのだろうか。
カイ・キスクが当初から危惧していた通り、
この大会は参加者同士の潰しあいを狙っているフシがある。
その為か、勝敗がつかない場合の決着に関して、何も明示されていなかった。
「順当に考えるなら……両者とも敗退って事になるのかね」
ケンがそう考えたのも当然だった。
両者とも進出というのでは、トーナメントが成り立たない。
決着がつかないままというのも歯痒いが、それも仕方あるまい。
元々このリュウと京の戦いは、ミリオネアファイティングのような
れっきとした大舞台にこそ相応しかったのだ。
わけのわからない時代の、得体の知れない者が開催した大会など、不足というものだ。
しかし続いて発せられたアナウンスは、ケンの予想を裏切るものだった。
「本試合は両者引き分けにより、両チームとも次の試合へ進出となります」
一瞬、何を言っているのかわからなかった。
理屈に合わない事を言われると、それを理解するのに時間がかかるものだ。
「……はぁ?」
「何言ってんだ、コイツ」
リングの上でも観客席でも、どよめきが起こった。
「両チームにはそれぞれ、午前の部で進出したチームと、
明日以降に改めて試合をして頂く事になります」
なるほど、そういう事か。ケンは得心した。
互角のチーム同士では決着がつかないから、別のチームと戦わせる事で、
そのまま大会の運営を続行しようという事だ。
次の試合も運悪く全くの互角の組み合わせにならない限りは、ちゃんと勝敗がつく。
たまたまこの両チームが今大会での最強チームだった……
というのでない限りは、どこかでどちらかが敗退する事になる。
問題は、もし本当に両チームが偶然この大会での最強チームだった場合、
最終的にはどこかでもう一度ぶつかり合い、再び決着のつかない試合になるという事だ。
読者諸兄からすればそれは有り得る話だが、この時代の人間達はそうは考えなかった。
参加登録しているチームの数は、かなり多い。
この両チームよりも強いチームぐらい、どこかにいると思ったのだ。
「いや別にこいつらが最強でも設定としてはオカシくないんじゃね?」
と思うのは、格ゲーに慣れ親しんできた者だけだ。
餓狼チームだの龍虎チームだの、同格っぽいチームはまだいくらでもいるから
この先決着のつかない試合なんていくらでもあるんじゃないの?
……などという、という野暮なツッコミは無しだ。
今それをどうやって調整しようか考えているところだ。むしろ誰か知恵を貸してくれ。
リングの上空に立方体のビジョンが現れた。
明日の午前の部で京チームが闘う相手のチーム名が表示された。
そこにはダンディなお兄さんがどうとかと、長ったらしい名前が書かれていた。
メンバー表を確認してみると、リーダーはジョニーなる紳士。
他、彼の部下らしきメイという少女と、もう一人は
大聖堂でも見かけた覚えのある、大刀を携えた少女だった。
当該チームは今日の午前中に初戦をクリアし、第二試合に進出したらしかった。
このチームとの試合は、運営委員会の協議の結果との事だった。
リュウチームの対戦相手は、まだ協議中らしい。
「えぇと……ダンディなお兄さんと……
っつか何だこのチーム名。フザケてんのか?」
「向こうもそう思ってるかもな」
草薙京チームなどという名前のチームが、言えた事ではない。
肩で息をしながら、京と紅丸は相変わらずこのチーム名を嘆いていた。
観客達は初日から決勝クラスの試合が見られた事に感激し、
万雷の拍手と喝采を送った。
地鳴りとも思える程の手拍子の中、京もリュウも、
互いに笑顔を交わしながらリングを後にした。
「俺らの戦いは、神様が見たかったんじゃなかったのかよ?」
控え室に戻る通路で、京は腫れた頬を押えながらボヤいた。
「大会の運営自体は、神様がやってるわけじゃないからねぇ。
神を気取る愚か者ではあるかもしれないけどさ」
神を気取る愚か者……
それはギルの事なのか、それともオロチの事なのか。
発言した紅丸にも、それは読めなかった。
「……どう思います?」
控え室でアナウンスを聞いていたカイ・キスクは、
同室にいたテスタメントに問いかけた。
どうもこうもない。質問の意図は明白だ。
「やはりこの大会の黒幕は、どうあっても参加者を潰し合わせたいようだな。
両チームとも消耗はしているが、重傷を負ったり死んだりしているわけではない。
このまま両者を敗退させたのでは、大会を開いた意味が無いと言う事だろう。
だから両者とも進出させたんだ」
カイは頷いた。彼も同じように考えていたのだ。
どうしてもどちらかが潰れてくれなければ、黒幕は納得しないらしい。
となると、黒幕の正体は絞れてくる。
「オロチ……だと思うか?」
カイはソルの意見も聞いてみようと思った。
だが、ソルは答えない。面倒臭いのだろう。
ソルが返事をしない事は十分予測出来ていたので、カイも構わず話し続けた。
「ギル側にとって、我々を潰し合わせるメリットは無い筈。
我々はオロチを倒すための戦力なのだから。
となれば、この大会はオロチ側の仕組んだものと考えるべきだろう」
だがそれでも、ソルは尚も答えなかった。
その表情は本当に回答に窮しているようでもあり、
逆に何かを知っているようでもあった。
終了です
お疲れー
見てて興奮したよ 原作より見応えある
304 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 11:03:44 ID:mZNNT284
SHD!
S…すげぇ
H…ホモ
D…デカマラ?
・・・思ったんだがMUGENのキャラはやはり駄目か
オバQとかナインボールとかロックマンまで含まれちゃうからな
>>306 ロック風都古とかギース・墓標・ハワードとかならギリギリOKじゃね?
まぁ墓標ギースがどうやってエロパロするかは知らんが
MUGENはなんでもありだからなぁ
オメガトムハンクスだの、のび太くんだの、変態仮面だの……
アレがOKなら、X-MENとかジョジョとかドラゴンボール超武闘伝とかタツノコファイトも
OKになっちまう気がする
まんまやると涼宮ハルヒやらKEYやら
ティルズ面々も含まれるか やってみたい気もするが
メルブラがアリなんだからQueen of heartだって……
カーネ○おじさんとかアドンとか現実とかがOKになってしまうのはやっぱカオス過ぎて
不味いよな・・・
アドンってストリートファイターでなく、超兄貴の方か
まあ、アレもSFCで格ゲー化はしてるけどなw
セーラームーンやガンダムだって格ゲー化してるからなぁ
とりあえずロボット物になると度がすぎるから
人間系までの限度なら良い気もするけどな 静かなのも嫌だし
ネタでやっても困るとも思えんべ
キカイオーの女性キャラとかダメか?>ロボットモノ
>>316それの内容が楽しいのなら良いんじゃないだろうか?としか。
改めて思うが格ゲーキャラのSSってむずいなあ
ライトノベルや漫画アニメ系と比べて。書いてる当事者がドへたくそと
言えばそれまでだけど
格ゲーの場合はキャラの口調や性格ってのは、技やシステム等への肉付けの一つでしかないから
キャラに先に性格や口調があって初めて作品が成り立つ漫画やラノベより
キャラを掴むのは難しいよ
>Eventual Rumble Orochi 2181の作者様
遅レスだけど乙。でももうちょっと早く投下してもらえるとありがたいw
ぶっちゃけ一回の投下量が多いと読みづらいんで、もっと小出しで・・・
どうも、EROの者です
>>319様の仰られる事は、実は自分でもずっとネックになってまして
本当はもっと短くわかりやすく纏めたいと常々思ってるんですが
何故かいつも書いてる内に長くなっちゃってるんですよね……
短く纏められる人って、凄い頭良いんだろうなぁと尊敬します
今後は一層気をつけます
マイペースが良いと思いますよ。
大会中に、女の子達が集まりそうな場所での話が読みたいな。
更衣室とか食堂?とか化粧室とかで、和気藹々でも女の苛めでも百合でも談合でも、なんでも良いから書いてほしい…
ぶっちゃけ舞ちゃん!
>>318 同意。
自分は主に勝利時のリアクション(勝ちポーズやら台詞)を
参考にしてるがけっこう難しい。
技ボイスやファイティングスタイルにも性格は出るかな?
ネットでキャラの勝ち台詞調べたりするんだけど
実際にプレイしてみると、勝ち台詞を字で読むだけじゃ
わからなかったような部分やニュアンスがわかる事が多い
不思議なもんだね
恋愛ほど格ゲーから縁遠い物もないというのも一つかねえ
アテナや京みたいな一部除いてほとんどの連中は頭おかしいんじゃないかってくらい
闘う事しか考えてないものな テリーみたいな生い立ちのキャラとか
絶体恋愛とかに焦がれてそうなものだって 事実本人も愛に餓えてるとか
作品とかで言われてるし
相手限定の勝ちゼリフがあったりするとけっこう妄想掻き立てられる。
自分的には格闘家カップルというとパッと思い浮かぶのが
修行バカで恋愛には鈍感な男×ツンデレ女ってな図式。
よくサイトなんかで見るストUのリュウ×春麗や
バーチャのアキラ×パイなんてこの典型かな?
愛に飢えてるから余計に愛に縁遠くなるんだろうな
縁があったら飢えないわけだし、それがデフレスパイラル的になると
愛などいらぬ!の人ですね、わかります。
リュウは鈍感というか、何か世俗の色事を断ち切り過ぎて
修行三昧の人生を送り続けたから恋愛そのものを感じる機会を
失ったって気がする。逆に拳で語り合う絆や旅先での知り合った
人との絆とかの触れ合いは確実に多いんだろうけど
庵も結構女ッ気無さそうなのに、あれで案外女作ってんだよな
現実なら不思議じゃないが、ゲームキャラだと不思議だ
京も女っ気無いというかそれ以前に友達とかもいなさそうだよな
学校に居た頃も周りと溝ばかり感じててユキや真吾除いて
大した友好関係も無い・・・というか周りから不良的に見られてたんだろうし
Eventual Rumble Orochi 2181 第十七話、投下します
今回も全然エロくないんで、適当に流し読みでもして下さい
第三次聖騎士団団員選抜武道大会。
その初日の午後の部は、波乱の幕開けとなった。
ストリートファイターチームと、草薙京チームの互角の試合。
それによって判定は引き分け、両者とも次戦進出となった異例の展開。
午前も午前で盛り上がったものだが、午後のこの試合は別格だった。
激闘を戦った選手達に、次々と激励や感嘆の声が送られる。
京達が疲れた体に鞭打って、フラつく足で控え室に戻る途中の通路。
そこのベンチに座って自分達の番を待っていた選手達や、
既に午前の部で敗退して手持ち無沙汰となった選手達が、
彼らの帰りを待っていた。
皆口々に、賞賛の言葉を述べる。
その中には太陽学園チームもいた。
「お疲れさん。凄ぇ試合だったぜ。ほらよ」
バツは用意していたスポーツドリンクを、先頭を歩く京に手渡した。
京は有難くそれを受け取ると、乾ききった喉を一気に潤した。
「っぷはぁっ! 気がきくじゃねぇか。生き返るぜ」
「草薙京って言ったか? 強ぇな、お前。
巡り合わせが良けりゃ、本当に試合してみてぇぜ!」
「俺が勝つけど、良いのか?」
京は冗談とも本気ともつかない言葉を放ったが、あながち過信でも無さそうだ。
バツはムキになって言い返そうとしたが、あんな試合を見せられた後だ。
自分ならリュウとあそこまで渡り合えたかと自問すれば、正直自信は無い。
素直に京の強さを認める以外無かった。
後ろに控えていた恭介もドリンクを両手に持ち、それぞれ紅丸と真吾に手渡す。
特に彼は、紅丸に興味を抱いていた。
「同じ電撃使いとしては、対抗心を持たずにはいられないな。
だが同時に、教えを乞いたいとも、正直思う」
「あんまり弟子とか取った事無いんでな。ま、考えとくよ」
ひなたが遅れてやって来た。
手には綺麗に畳まれた白いタオル。三人分あった。
「汗拭かないと。乾いたら体冷えちゃうよ」
京達はそれを受け取ると、額や首筋の汗を気分良く拭った。
汗が拭けるというのは、存外有難い事だ。
汗が体に纏わりついているのと、いないのとでは、大きく違う。
「助かります、若葉さん!」
「ひ、ひなたで良いよ。真吾君」
ひなたにタオルを手渡してもらえるだけで舞い上がっている様子を見ると、
どうもひなたは本当に真吾のストライクゾーンらしい。
たった今まで激闘を繰り広げていて疲労困憊と言うのに、
彼女が現れただけでこの元気さと言ったら、初々しくて見てる方が恥ずかしい。
ふと、京は疑問に思った。
この大会は、選手がリングに向かうための通路は、大きく分けて二つある。
その点もボクシングや他の格闘技と一緒だ。
つまりは青コーナーと赤コーナーで、控え室も通路も真逆という事だ。
早い話が、京達はこの通路から控え室に戻るものの、
リュウやさくらは反対側の通路、反対側の控え室に向かっているという事だ。
ひなたがさくらの友人と言うのなら、彼女はそちらに行っているべきだ。
なのに何故、友人であるさくらではなく、こちらを選んで来たのか。
バツに小声で聞いてみると、彼も首を横に振った。
恭介はそんなバツを見て、少し馬鹿にしたように笑う。
気付かないのか?
これだから朴念仁は。
そう言いたげな表情を、眼鏡の奥に覗かせる。
京はもう一度ひなたの方を見て、そしてすぐに理由に気付いた。
「それにしても、さっきの試合ホント凄かったよねっ!
特に真吾君のあの動き! リュウさんや京君達のが格上なのに、
その動きに翻弄されたりせず、全部捌いて捌いて……」
「い、いやぁそんな……俺なんかもう必死で、テンパってたし……」
「でもでも! 私だったらあの三人相手に、あんなにもたないよ! きっと!
……って、私なんかと比べたら、真吾君に失礼か。ごめんね」
「そっ、そんな事ないっスよ!
俺、ひなたちゃんの試合も見てたけど、スゲェ感動したもん!
正面の相手を自分に引き付けて壁役になっておいて、
背後から恭介クンのクロスカッターを上下に潜らせて攻撃する、あの戦法!
あの連携はマジ痺れるっス!」
「あれは恭介が凄いんだよ。私なんてただの囮で……」
青臭い声が、キャアキャアと通路に響く。
会話の運び方もそうだが、そのイキイキとした表情から見ても、
明らかにひなたは真吾にアプローチをかけている。
まだ愛情とまでは言わないかもしれないが、さっきの試合で強く興味を持ったのだろう。
真吾の気を引こうとしているのが、傍から見れば一目瞭然だった。
そのためにわざわざ、新品のタオルまで持って来てくれたのだ。
つまり真吾とひなたは、両方とも相手を意識していると言う事だ。
「中々スミに置けないなぁ、彼も」
完全に舞い上がっている真吾とひなたを見て、紅丸は微笑ましくなってきた。
相変わらずバツだけが、ひなたのテンションを不思議がっていた。
京は、味噌っかす程度に思っていた真吾がいきなり活躍した挙句、
女の子まで引っ掛けているのを、内心ムカムカしながら見ていた。
何と後輩思いでない奴。
それじゃ、さくらの方にも行ってくるね。
そう言ってひなたは、嬉しそうに手を振って去って行った。
その後をバツと恭介も追う。
本当はもう少し真吾と話していたかっただろうが、さくらの方も気遣わねば不自然だ。
真吾が目当てで来たのではなく、あくまで激戦の疲れを労いに来ただけ。
そういうカモフラージュをしたかったのだろう。
真吾は少し寂しそうな表情をしたが、やはり喜色満面で手を振っていた。
さぁ自分達も控え室に戻ろうと歩き出した矢先、聞きなれた声が話しかけてきた。
「相変わらず呑気な連中だな」
京の拳が、チリチリと焦げるように反応した。
宿敵と再会した時のような高揚感と焦燥感。
だが、相手は八神庵ではなかった。
「……若白髪の兄ちゃんか」
「留年野郎がほざいてんじゃねぇよ」
「学校にも行ってなさそうな奴が偉そうに」
「二十歳になっても学ラン着てるのがそんなに誇らしいかよ?」
その白い髪の男と京が、互いに口汚く罵りあう。
男は黒いライダースに身を包んでいた。
後ろから続いて現れた二人の少女が、男の手をひいて進もうとする。
「こんな所で油売ってないで、早くリングに向かうわよ、K´」
K´の手を引くその少女達に、京は見覚えがあった。
傭兵部隊でありハイデルンの部下、ウィップ。
アンチK´として作られたリーサルウェポン、クーラ。
『ネスツチーム』として登録がなされている三人である。
彼らが次の試合を闘う戦士達だった。
「せいぜい観客席で見物しててやるよ。
俺のパチモンなんだから、みっともねぇ真似さらしてんなよな」
京の挑発に、K´はさも聞いている程暇じゃないとばかりに無視を決め込み、
そのまま余裕を感じさせる足取りでリングへと向かって行った。
梅喧は次の試合を前に、暗器の点検を行っていた。
適切な量の油を差し、柔軟に稼動するかどうかを確認。
鎖が錆び付いていないか入念にチェックし、刃先を小さなヤスリで整える。
「おい。テメェ、少しは使えるんだろうな?」
梅喧は顔を上げると、いかにも優男風なチームメイトに、覚悟を伺った。
楓は無言で振り向き、愛想笑いをするでもなく、怒り出すでもなく、
ただ黙って梅喧の方を見つめていた。
この優男がただならぬ男である事は、梅喧にもわかる。
恐らく強いであろう事も、眼光から発する静かな闘気で察する。
だが、いまいちやる気があるようには見えない。
生来優しい気質なのか、敵を傷つけるのが好きではないのだろう。
だが同時に、それは自信にも直結している。
少なくとも自分が闘えば、相手に傷をつけられると、確信しているのだ。
そして恐らくその自信は、単に傷をつけるだけに留まらない。
相手を確実に倒す事が出来るという、矜持すらも感じさせる。
「こいつはかなりやるぜぇ、梅喧。この落ち着き方は、タダモンじゃねぇよ」
「あまり期待しないで下さい、覇王丸さん。
ただ、戦いの前は、気を落ち着けるように努めているだけです」
そう言う楓の目は、あくまで静かだった。
不安だとか、恐れだとか、そんな感情を一切覗かせない。
これがいざ戦いとなれば青龍として『覚醒』し、
凄絶な戦いぶりを見せ付ける荒々しい一面を見せるとは、
今この段階では覇王丸も梅喧も想像していないに違いない。
覇王丸は一度刀を振り抜き、感触を確かめると、また鞘に戻した。
「よっしゃ、いくか」
「ちっ、面倒くせぇなぁ」
「行きましょうか」
『侍チーム』は暗く冷えた通路を横切って、リングサイドへと向かった。
そこには、対戦相手であるK´達が待っていた。
「両チームとも、規定のラインに並んで下さい」
審判の声で、リング上に引かれたラインの前に、それぞれが並ぶ。
覇王丸はいかにも楽しみと言わんばかりに、
梅喧は興味なさ気に目線をウロウロさせ、
そして楓は、試合に礼を尽くすかのように凛とした表情で。
各々、相手チームと視線を交わした。
対するK´はいかにも不良といった風に楓にガンを飛ばし、
その隣でウィップが弟の素行の悪さに呆れ、クーラは笑っている。
実直な楓からしてみれば、異色のメンツでの対戦に思えた。
「こんなヒョロいモヤシ野郎が、本当に戦えんのかよ?」
K´は外したサングラスを胸ポケットに仕舞い込みながら、
明らかに優男としか思えない楓に、挑発めいた疑問を投げかけた。
完全に楓を舐め切っている。見下していると言って良い。
だが楓は冷静に努め、決して挑発に乗せられようとはしない。
K´は構わず楓に暴言を吐き続けた。
「テメェ、戦う覚悟あんだろうな?
こちとらヒョウロク玉が相手でも、手加減無しだぜ」
「心配しなくても大丈夫ですよ。少なくとも戦いに赴く覚悟に関してなら、
僕は貴方よりは強いと思ってますから」
このリングは、平らに削られた1メートル四方の、石のブロックを並べて組まれていた。
使い古されているらしく、また観客席上空以外に屋根が無いために
雨天ではリングが雨ざらしになる事も大きく影響しているだろうか、
泥は手入れされて洗い落とされているが、ブロックの所々が欠けていた。
その欠けた部分に詰まった泥までは落とせていないらしく、手入れに粗が目立つ。
一部には血痕が付着して、染み付いていた。
だがそんな安普請のリングと言えど、リングはリングだ。神聖な意味合いがある。
楓は、そのリングの上に唾を吐き捨てるK´の態度すらも、気に入らなかった。
慎重な楓、豪胆な覇王丸は言うに及ばず、
基本的に面倒臭がりのK´と梅喧も、自分から踏み込もうとはしなかった。
試合開始の合図はとうに鳴ったが、皆手持ちの武器を構えはするものの、
冷静に間合いを読むばかりで、自ら仕掛けようとはしなかった。
殊にクーラに関しては、慎重に動くようにとウィップが事前に教え込んでいた。
彼女の言う事は素直に聞くので、クーラは普段なら戦いを楽しむために
頼まれなくても奔放に動き回るところを、今だけ無理に我慢していた。
ウィップには、自分がチームを率いねばならないという、自負があった。
職業としては傭兵で、部隊長を任官した経験は無いが、
少なくとも指揮能力や統率力に関しては、このチームではトップだろう。
K´にチームを統制する能力は無いし、クーラにおいては論外。
しかし二人とも戦闘能力はトップクラスなのだから、これをうまく動かせれば、
相手が三人とも刃物を所持していたとて、渡り合えると考えていた。
そんな彼女が今最も嫌うのは、チームメイトの独断専行だ。
「……俺一人で十分だ」
K´がそう言って、間合いも読まず一歩踏み込んだのを見た時は、
嫌な予感が当たったものだと、嘆きそうになった。
「ちょっと、勝手な真似は……」
「るせぇよ」
K´は警戒もせず、どんどん勝手に間合いを詰めていく。
むしろ間合いを詰めると言うより、ただ歩いているだけにしか見えない。
元々型通りの戦い方や、小刻みなステップによる歩法など、習得していない。
彼としては女二人をなるべく戦わせたくないという、男としての意地もあった。
その意地に、本人が自覚を持っているか否かは、甚だ疑問ではあったが。
「一人で、僕達を?
三倍段という言葉、知らないのかい」
抜いた刀を無形に構えたまま、楓は問いかける。
「素手の人間が刀を持った相手に勝つには、相手の三倍の段位がいると言う事さ。
ましてやそれを、三人も同時に相手するんだ。勝てると思っているのか?」
だがそんな忠告にも、K´は耳を傾けない。
「……頭デッカチなボクちゃんだな。ゴチャゴチャとお勉強を並べてくれるぜ」
後ろでクーラが、深く考えもせずにK´にエールを送っている。
自ら三対一を望むという特異な展開に、観客達もざわついた。
観客席では、京チームとリュウチームが並んで座っていた。
京チームの明日の対戦相手はジョニーチームという事で確定しているが、
リュウチームの対戦相手はまだ決定していない。
この試合に勝った方のチームが、明日のリュウ達の相手となる予定だった。
となればリュウとしては、気になって見に来るのは当然だ。
それも控え室で何十分の一の縮尺で再現された立体映像を見るのではなく、
この眼で、直接その戦いぶりを見たいというもの。
まだ回復していない体に無理を通して、観客席まで来たのだった。
つい先程激闘を繰り広げたチームのメンバーが、仲良く観客席に並ぶ。
その光景は一般の観客達にとって、声を掛けたいが掛けにくい、
そんな憧れと畏怖の入り混じった空間を形成していた。
そこへ無遠慮に声をかけられるとすれば、同じ大会参加者の戦士くらいだ。
「よう、空いてるかよ?」
声をかけたのは、ジョー東だった。
続いて現れたのは、不知火舞と御津闇慈。
席はまばらに空いており、三人ともチームだというのに、渋々別々の席に腰をおろした。
「久しぶりだな。テリー達とは合流したのか?」
「あぁ。つっても、アンディとはまだ会えてないから、
舞なんかはずっと不貞腐れてるけどな」
見れば舞は、明らかにストレスを溜め込んでいるといった表情で、
膝に頬杖をついてリングを眺めている。
アンディがこの大会に参加しているのかどうかもわからないし、
仮に参加していたとしても、チーム名がわからない。
運営委員会に問い合わせてはみたものの、参加人数が多過ぎて、すぐにはわからないそうだ。
連投規制まじうぜぇ
「それにしても意外だったぜ、ジョー」
御津闇慈という男はよく知らないが、ジョーと舞なら、KOFで何度も戦っている。
いずれ劣らぬ手強い相手で、テリーに勝るとも劣らない実力を持つ二人だ。
その彼らが、まさか初戦から敗退する事になるとは、京は予想していなかったのだ。
「言うなよ草薙。俺らだってショックなんだからよ」
ジョー率いる半裸チームは、今日の午前中の試合で、ジョニー達のチームとぶつかった。
相手チームの三人の内、二人もが子供。武器持ちとは言え、負けるとは思えない。
そう油断していたジョーに、その考えは改めるべきだと警告したのが、闇慈だった。
「だぁから言ったろ?
俺ぁ吉野って娘の事は知らないが、残りの二人はヤバいんだって。
ジョニーってオッサンは居合いの達人だし、メイって子もポテンシャルは高い。
あの二人はこの時代の警察がマークしている国際的義賊集団の、主要人物だぜ?」
リュウは、午前中に見た彼らの試合の内容を、数時間が経過した今でも
まるで目の前の出来事のように、克明に記憶していた。
メイという少女は、その細腕に怪力を秘めていた。
船を係留するための錨を軽々と振り回し、また素手でのパンチの威力も、申し分無い。
舞が数発もらっただけで、危うく気絶しかけた程だ。
それに吉野凛花の、遠心力を利用した無駄の無い剣術。流れる川面のように、流麗な剣閃。
付け入る隙が見つけられず、闇慈は随分苦戦したものだ。
だが何と言っても、一番注意しなければならないのは、頭目のジョニーだった。
舞も闇慈も、相手が武器を持っているというハンデを背負いながら、
何とか互角以上の戦いを繰り広げていた。
だがジョニーだけは格が違う。
メイと凛花を下がらせて尚、一人でジョー達三人を相手にした。
刀を持っていたという有利もあるが、それでも三人がかりで倒せないなど、想定外だった。
もっとも闇慈だけは、内心そうなるだろうと、試合前から予想していたのだが。
「草薙京、だっけか?
アンタも相当強いみたいだが、あのオッサンは別格だぜ。
明日やるんだろ? 気をつけときな」
言われなくても、京は既にジョニーに対して、充分な警戒心を抱いていた。
一方リング上では、奇しくも同じ三対一の戦いが、既に始まっていた。
ウィップとクーラは蚊帳の外と言わんばかりに、リングの端の方で観戦に回っている。
場外アウトが採用された大会ではあったが、白熱している四人は、
こちらにまで意識を向けていない。
流れ弾に当たるような事さえなければ、場外に押し出される事は無いだろうと思えた。
「奥義! 旋風裂斬!」
迫る竜巻が、足元のリングを豪快に削りながら、K´に直進する。
だがK´は何とこれを、素手で掻き消した。
「何ぃっ!?」
「クリザリッドって随分ムカつく野郎がいるんだが、
そいつがちょうど、足で風を起こすのが得意だったもんでな。
風使いには慣れてる……ってより、飽きてんだよ」
それは午前中の試合で、ジョニーがジョーのハリケーンを破ったシーンを思い出させた。
竜巻、台風、嵐。
呼び名は様々だが、その中心には無風の空間が存在する。
いわゆる「台風の目」とか呼ばれるものだが、それを読みきれば、
荒れ狂う暴風をほつれさせ、霧散させる事は不可能ではない。
ジョニーはジョーのハリケーンアッパーを、そうして凌いでいたのだ。
敢えて竜巻の渦中にミストファイナーを差し込み、空気ごと切り裂く。
気流を乱された竜巻はその威力を失い、ただの風に化ける。
もっともそのためには『空気を斬る』という、尋常ではない達人技が必要になる。
誰にでも出来る事ではないし、現に小器用なカイや、粗暴なソルにだって勿論不可能だ。
しかしK´は、それに類する事を今、やってのけたのだ。
刀を持たないK´に、空気を切り裂く事は出来ない。(いや普通あっても出来ないけどな)
代わりに彼には、炎を生み出す右拳がある。
炎は熱を伴い、上昇気流を発生させる。その気流によって、覇王丸の旋風を掻き乱したのだ。
大火事の時などは、稀に炎が渦を巻いて、天に逆巻く時がある。
炎を飲み込んだ旋風は、まさにその状態だった。
そしてそうとなれば、炎を操るのはK´の専門分野だ。
K´のグローブは炎を起こすためのものではなく、
暴走しかねない炎を抑え込み、制御するためのものだ。
このグローブをもってすれば、巻き起こった炎の旋風すらも従える事が出来る。
彼は午前の部でジョニーがやってのけた芸当と、
異なるアプローチで同じ結果を引き出してみせたのだ。
「なるほど、そんなやり方もあったか……」
観客席で、京は珍しくK´に感心しながら、その展開を見守っていた。
だがいくら何でも、三対一では分が悪い。
覇王丸自身、旋風裂斬を単発で放り込んだ程度で、K´を抑えられるとは思っていなかった。
K´が旋風裂斬を捌いた隙をついて、梅喧が斬りかかる。
しかし本来日本刀とは、片手で振るうものではない。
隻腕の彼女が振るった一撃では、重みは足りなかった。
それを補うために順手ではなく逆手で構え、日本刀に必要な
「手前に引く」という動きを強化してはいたものの、
K´を相手するには満足な措置とは言えなかった。
「おっせぇよ」
「まだまだぁっ!」
梅喧は左手に構えた愛刀を順手に握りなおし、右から左へと薙ぎ払った。
それをバックステップで回避したK´に向かって、遠心力そのまま、今度は右腕を繰り出す。
無い筈のその腕からは、腕の代わりに、無い筈の武器が飛び出してきた。
鎖に繋がれた鉤爪である。
なるほど、足りない攻撃力を暗器でカバーしているというわけだ。
K´は納得したが、だからと言って、それに易々と負けてやるつもりもない。
鉤爪を左手でガード、と同時に受け流して半歩踏み込み、ミニッツスパイクを繰り出す。
「シャラァーッ!」
「畳返し!」
梅喧の足元が弾け飛び、リングを形作るブロック石の一つが、
車のボンネットのようにせり出して、K´を直撃する。
ミニッツスパイクによって石が砕け散り、前方に土煙と砕けた石が散乱すると、
K´の視界はそれによって遮られた。
その隙逃がさず、梅喧は再び右の袖から、先程とは異なる暗器を放った。
現れる、龍の頭を模した発射装置。
内部では大きめの癇癪玉のような物体が装填されており、
仕込まれた内部機構によって、瞬間的に着火される。
それは着火と同時に龍の口から正面へと発射され、着弾と同時に炸裂する仕組みだった。
だが玉は、爆発するより先に、大きく上空へと蹴り飛ばされた。
はるか頭上で炸裂し、小さな火の粉が降り注ぐ。
視界のきかない土煙の中、K´が直感だけで梅喧の攻撃を読みきり、
セカンドシェルの単発(昔のふっとばし攻撃とも言う)で、玉を上空に打ち上げたのだった。
「悪ぃな女。
アンタの暗器も中々だが、こちとら全身武器の男を相棒にしてるんだ。
しかも暗器なんて生易しいモンじゃねぇ、ロケットだのビームだのさ。
それに慣れちまってるから、隠し武器を使う奴がどんなタイミングで、
どんな武器を使いたがるのか、大体わかっちまうんだよ」
「生意気な……っ!」
この大会は、予想外の連発だ。
不利と思われていたK´が、本当に一人で三人を相手にしている。
まだ互いに一発も攻撃をヒットさせていないものの、それもじきだ。
この均衡はすぐに破れるだろう。
特に梅喧にとっては、彼は相性の悪い相手だった。
決して梅喧の戦闘力がK´に劣るという話ではない。
しかし、K´が隠し武器に慣れ過ぎている。
かと言って梅喧には、暗器を忘れて刀だけに頼る事も出来ない。
前述の通り、片手で刀を振るって、勝てる相手ではないのだ。
「ちぃっ……イキがんじゃないよ! 若造がぁっ!!」
「アンタも人の事言える程、年くってねぇだろ」
熱くなった梅喧は、K´の敵では無かった。
梅喧は彼を絡め取ろうと鎖分銅を放ったが、それがK´の顔面を直撃する刹那、
彼の姿は闇のように真っ黒になって、空気に溶けるように消えうせた。
その次の瞬間には、梅喧の全身を激痛が襲っていた。
「ぐぁあっ!」
『黒だよ……』
背後から聞こえてきたK´の声は、梅喧の耳には不気味な程反響して聞こえた。
たった今まで眼前にいた筈のK´の声。それが背後から聞こえるのだ。
梅喧にとってはモノノケの世界に飲み込まれた気分だった。
「真っ黒!!」
無数の小爆発が彼女の体を包み込む。
殆ど黒歴史化しているK´の得意技の一つ、クリムゾンスターロード。
熱は痛みとなって、彼女の意識を吹き飛ばそうとする。
皮膚は爆ぜ、着衣は焦げ落ち、髪から煙があがった。
辛うじてまだ意識は完全に消えなかったが、体は衝撃で大きく吹き飛ばされた。
梅喧自身、今の瞬間に何をされたのか、まるで理解出来なかった。
何かが自分の体を通り抜けたような気はしたが、
それが何であるかを理解する前に、体が爆炎に飲み込まれていた。
吹き飛ばされた体は、遠くリングの外に落着した。
ドサリという、まるでゴミを投げ捨てたかのような、あっけない音。
それでも全身が爛れて焼死体になっていない辺り、まだ手加減されていたという事だろう。
「梅喧選手、場外アウトです!」
薄れ行く意識の中で梅喧は、冷静さを欠いて突撃してしまった自分を、後悔していた。
こうなれば不利なのは、覇王丸と楓である。
K´は一人で戦うと言ったが、それでも形式上は今のところ、二対三となってしまった。
ウィップとクーラの実力は彼らにとって未知数だが、楽に勝てるとは思えない。
「弱ったな……こうも早く梅喧さんが」
楓はここで、青龍の力を解放すべきか否か、迷った。
今のK´の動きを見る限り、力を解放せねば自分は勝てないだろう。
だがここでムキになって覚醒するのが、本当に正しいのだろうか?
大会に熱をあげる参加者達の中にあって、彼は極めて冷静だった。
忘れてはならないのだ。
この大会が、一体どんな目的で開催されたのか、全くもって不明と言う事を。
もし戦闘によって発生するエネルギーの回収が目的なら、
ムキになって勝ちに行くのは得策とは言えない。
少なくとも次元牢の会議では、かつてはその方法でオロチが復活したと聞いた。
仮にエネルギーの回収が目的でないにしても、
少なくとも参加者同士の潰し合いは、黒幕を喜ばすだけにしかなるまい。
どちらかが勝つまで試合を続ける必要は無いのだ。
情報の交換と共有という最大の目的は、昨日果たした。
ならばここで棄権して敗退しても、何ら不都合は無いと判断出来る。
現に、K´によって蚊帳の外に置かれたウィップとクーラを除けば、
彼はこのリング上の戦士の中では唯一、本腰を入れて戦っていなかった。
それの意味するところは、覇王丸も察していた。
そしてその意を汲み取っているからこそ、真剣勝負を好む覇王丸らしからぬ事に
楓に対して「やる気あんのか?」などと、怒声を浴びせたりはしていなかった。
梅喧も或いは気付いていたのだろうが、細かい事を考えるのは苦手な女だ。
楓の思惑も覇王丸の思慮も、深く読むのは面倒くさい。
純粋に果し合いに興じている内に、勇んで敗北してしまっていた。
これ以上参加者同士の潰し合いを避けるためには、試合を続行しないのが一番である。
覇王丸は頷き、楓の無言の問いかけに、賛意を示した。
「審判さん。
僕達『侍チーム』は、この試合を棄権します」
会場がどよめく。
観客席にいたジョーは憤ったが、逆に紅丸は適切な判断だと評価した。
京とリュウは、楓の棄権の意味を察して尚、格闘家として煮え切らない思いを感じた。
恐らく楓自身、本当はこのまま試合を続けたかったろう。
それを抑え込んで英断を下した冷静さを、ここは褒めるべきだ。
「テメェらと似たタイプなんだろうな、アイツはよ」
控え室で立体映像を観戦していたソルは、傍らで
使い魔のカラスを愛でていたテスタメントに向かって呟いた。
ソルの言う「テメェら」とは、テスタメントとカイの二人の事であろう。
テスタメントは映像に映る楓の端整な顔立ちを見て、少しばかり苦笑いした。
「カイ・キスクはどうか知らんが、少なくとも私は違うな。
私はこんなに真っ直ぐな目はしていない」
かつて真っ直ぐだった筈の死神は、何かを懐かしむように、悲しげな目を流した。
その目線の先には、ポチョムキンと歓談しあうカイの姿があった。
楓の判断に一番納得がいかなかったのは、K´だった。
戦いを面倒くさがるK´ではあるが、逃げられるのは好かない。
「待てよ、テメェ……あー、えぇと……カエデっつったか?
こんな終わり方じゃ不完全燃焼だぜ。納得しねぇぞ、俺は」
楓の胸倉を掴み、殺気だけで殺しかねない程、鋭い目で睨みつける。
だが楓はそれに臆する事も、立ち向かう事もしなかった。
そんな受け流すような姿勢が、殊更にK´を苛立たせる。
「勝負に対しては、俺よりテメェのが真剣だったんじゃねぇのかよ?」
「その通りだよ。僕は真剣に勝負の事を考えているつもりだ。
ただし、それは君との勝負じゃない」
「……んだとぉ?」
ウィップがK´の肩に手を置き、頭を冷やすようにと目で語りかける。
楓の言う勝負とは、K´との勝負ではない。
もっと先を見据えて、ギルやオロチとの勝負の事を言っているのだ。
そのために身内同士で潰し合う事を避け、力を温存させたいのだ。
だがK´は、そうとわかった上でもまだ、振り上げた拳を下ろせなかった。
「その余分な力は、明日あたるリュウやケン相手に、とっておきなさい」
「……ちっ」
何とかウィップが宥めて、事なきを得る。
「それでは侍チームの棄権により、ネスツチームは二回戦進出となります!」
審判のアナウンスに、観客席からブーイングが起こる。
こうして勝負は、大多数の観客の納得出来ない形で、幕を下ろした。
リングを去る間際、K´が楓に呟く。
「覚えてろよ、テメェ。
このムシャクシャした感じ、いつかリベンジしてやるからな」
「そちらこそ。
次に会う事があったなら、その時は僕の本気を見せてあげるよ」
この男とは、いつか近い内に再会する事になるだろう。
二人ともそんな予感を抱きながら、今は互いに背を向けて歩き出した。
終了です
てかいつからこんなすぐに規制食らうようになったんだか
普通に書いてたら8レスじゃとても収まらんし
お疲れです。
とはいえ楽しみにしてた舞の出番がほとんどなくて悲しくなった。
>>347 ネタバレになるから黙ってたんだけど
舞は次々回辺りで活躍します
乙です 舞ちゃん活躍するんだ…楽しみだ
あ、ちゃんと活躍するんですね。なんか他の試合と比べて消化試合みたいな扱いだったので。
楽しみにしてます。
バイスマチュアは!
この二人はまだですか!?
最近職人少ないから、自分で書けば良いのに
書かない癖に文句言う奴とか何様?とか思うしな
書かない癖に文句言う奴もいるが、書かない癖に絶賛する奴もいる…さ
要は書いて絶賛して批評もするのが一番良い、と
356 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 20:08:56 ID:3t1NznyD
ほ
ここに投下されたSS、
エロパロ保管庫に保管をお願いしようと思いますがどうでしょう?
358 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 00:10:52 ID:8TJfqdBl
いいんじゃないかな
何か昨日からPCの電源がつかなくなっちゃいました
ついても数分で落ちるし
これどうにかするまで、投下も何も出来ません
せっかく四話くらい書き貯めてたのに……
>>359 いつも乙です。
それはへこむ状況ですね…
落ちる数分の間で、書き溜めてた分をコピーして外に出してみては?
て言うかもう完全に電源つきません
長い事使い込んでたし、最近は妙に処理が重かったし
USBの端子が片方きかなかったし
しょっちゅうフリーズしてたし
新しいノートPC買い替えようかな……
今の愛機、音楽データ大量に入ってるけど……
他に連絡の取りようが無いのでこの場を拝借致しますが
美形会議の作者様、当方しばらくこんな状態で、いつ復帰するかわからないので
ご面倒とは存じますが、当分はご自分で投下なされるか、他のPC持ちの方にご依頼下さい
必ず帰ってきてね ノシ
逆に考えるんだ、新しいPCを買う機転になったと
転機な
今こそ誰かランブルフィッシュを……
ニコ動で最近見つけたロック・ボガードの憂鬱
意外と面白いな 少々腐的だがまあ、ああいうのも良いと思った
ガイルの髪型を利用した体位とかプレイとか無いかなぁ
結局作るって努力はしないんだな
強制じゃないとはいえあのキャラのエロSSは?だの
てっきりこのキャラだと思ったのに…とか偉そうに言う割に作れば?とか
言えば押し黙る。このスレの優しさに甘えすぎだろ
そんなだから過疎るんじゃね?まあ言ってる俺にも問題はあるが
いい加減流石に我慢できぬこの流れ
>結局作るって努力はしないんだな
読み専門だから書くわけがない 作りたい奴が作れば良い
>偉そうに言う割に
偉そうに聞こえるのはお前が卑屈的だから
>押し黙る
興味がないからレスをしないだけ
>過疎るんじゃね?
格ゲーの全盛期はとうに過ぎていから需要と供給が少ないだけ
>言ってる俺にも問題はあるが
おおいにあるな 作らないなら他の奴とかわらない
>いい加減流石に我慢できぬこの流れ
我慢できぬなら見なければよい 所詮は、はやく何かを読みたいから言っているだけだろ
Eventual Rumble Orochi 2181 第十八話、投下します。
大会は、初日から激戦の連続となった。
初日でさえこれなら、強者が残っていったその先……
即ち二日目以降は、どれ程苛烈を極めるか、予想も出来ない。
圧倒的戦闘力を誇るジョニーに歯が立たず、ジョーと舞と闇慈は敗退。
互角の戦いを繰り広げたストリートファイターチームと草薙京チームは
共に二回戦進出という、古今例の無い処遇。
楓と覇王丸は敢えて棄権し、不満ながらもK´達が二回戦に進出。
その他にも、木っ端のような駄試合に紛れて、
数多くの名試合が、大会初日を彩った。
その中で新たな出会いもあり、また久しい出会いもあった。
梅喧は闇慈と再会し、互いに小突きあった。
「情けねぇ野郎だぜ。あの伊達男に、三人がかりで負けてらぁ」
「姐さんだったらジョニーに勝てるってのかい?
あの若白髪の色黒兄ちゃんにも負けてたのにさ」
相性の問題とは言え、舐めてかかったK´に簡単に討ち取られて、
梅喧は内心悔しさで一杯だった。
普通、暗器使いに慣れている者などいない。
草薙京やリュウだって、決して簡単には捌けないだろう。
場合によってはうまく絡め取られて、負ける事だって有り得る。
K´が梅喧に簡単に勝てたのは、本当に相性の問題としか言い様が無かった。
だがだからと言って、梅喧は納得しない。
心はギスギスし、つい当り散らしたくなる。
……大抵の場合、その矛先は闇慈に向かうのだが。
「大体、何が半裸チームだ!
恥も外聞もテメェには無ぇのかよ?
どうせならあのディズィーとか言うギアも連れて来いよ。
三人より四人の方が壮観だぜ」
「姐さんだって、人の事言えないだろ。
魅惑的な胸の谷間、チラリズムを極めたフトモモ。
半裸とは言い難いかもしれないが、逆にその
中途半端に肌蹴た感じが色っp……ぐぎゃ!」
調子に乗りすぎた闇慈は、かけていた眼鏡ごと、顔面に正拳を食らった。
「お前さん達。
痴話喧嘩はそのぐらいにして、俺の部屋で酒でもどうだ?」
廊下で延々と小突きあう二人を見かねて、覇王丸が寄ってきた。
手には日本酒のたっぷりと入った酒瓶。
後ろには既に酔っているらしい、顔を赤らめた不知火舞の姿があった。
「二人とも飲めるクチなんでしょ?
せっかく私達もう試合無いんだし、明日の事は気にしなくて良いんだからさ。
親睦を兼ねて飲み明かしましょうよ」
やれやれと溜息をつきつつ部屋に入ると、ジョーは既に潰れて寝ていた。
覇王丸は楓も誘ったのだが、断られてしまったらしい。
あまり飲める方ではないのだとか。
それに江戸時代なら兎も角、今は未成年はアルコールを飲んではいけない時代だ。
ジョーも覇王丸も構わず飲ませようとしたが、舞が止めたのだった。
楓は「少し涼んできます」と言って、とうに部屋を出て行っていた。
一方ジョニーもまた、彼らと同じホテルに部屋を借りて、一人で飲んでいた。
メイが一緒に飲みたがったが、子供には早いからと宥めておいた。
いくら元気な娘とは言え、昼間暴れたせいで疲れたのだろう。
今はベッドの上でスヤスヤと、服も着替えずに眠りこけていた。
「お前さんは寝ないのかい?」
ジョニーはチームメイトの凛花に問いかける。
凛花は三つ並んだベッドの一番端で、刀を抱いて横になっていた。
横になってはいたが、まだ当分眠りに落ちるつもりはないようだった。
「……別にアンタ達を信用したわけじゃない。
寝込みを夜這いされたくはないからね」
「おいおい心外だなぁ。俺は紳士だぜ?
相手から求めて来ない限り、自分から手を出す事はしねぇよ」
それは遠まわしに「俺はモテる」と言っているようで、凛花は少し呆れた。
だが呆れているのは、凛花の方ばかりではない。
刀を抱かなければ眠れない、凛花の警戒心が、ジョニーには気にかかっていた。
そんな眠り方、女の子がするものではない。
恐らく安らかならざる境遇で生きてきたのだろう。
何があってもすぐに行動出来るように、武器を離さず眠るのだ。
信頼出来る者と同じ屋根の下で眠るなら兎も角、
まだ信を置けない者と過ごす時は、得物を手放せないという事だ。
そんな彼女の心を温め、ほぐしてやりたいと、ジョニーは思う。
しかし心の扉とは、無理にこじ開けるものではない。
ゆっくり時間をかけていけば良いし、もし自分よりも他の者が適任なら、
安心してその者に任せれば良い。
ジョニーは、そんな男が凛花の前に現れてくれれば良いと、願っていた。
「……アンタといると、変な気分になるよ。
まるで父親みたいな目で私を見てくる。その目は好かない」
「そうかい? そいつぁ悪かったな」
「似てるんだよ、私の知り合いと。
榊銃士浪ってんだけどさ、飄々としてるところと言い、
年くってるところと言い……」
「と、年くって……い、いや良い。だが次からは、ダンディなお兄さんと……」
「ヤだね。それに、実の父とあの人以外の男に、父親面されたくない」
凛花はベッドから立ち上がり、刀を携えたままで、部屋の出入り口へと向かった。
「どこへ?」
「西洋の布団は床から離れてて落ち着かない。
もう少し眠気が強くなるまで、適当にブラついてくるよ」
ジョニーはそれを追わなかった。
榊という男の名を口にした時の凛花の表情は、その男に対する全幅の信頼を感じさせた。
そして凛花曰く、ジョニーはその榊という男と、似ていると言うのだ。
であれば、ジョニーが役に立てる事は何もない。
父親として彼女を見守る役は、既に足りているのだ。
ひょっとしたら母親役だって、元の時代にはいたかもしれない。
あと必要とすれば、兄弟姉妹。或いは、恋人。
そうして周りの人間関係を安定させていって、いずれは心穏やかになってくれれば良い。
だがそこに、ジョニーは必要無いのだ。
凛花が出ていった後の部屋で、ジョニーは一人ごちた。
「良い男を見つけられると良いな、お嬢ちゃん」
あのくらい気性の荒い娘には、落ち着いた好青年が似合うだろうと思いながら、
ジョニーはグラスを傾けて、最後の一口をあおった。
夜風は思いのほか心地よかった。
昼間は会場の熱気が強く、動いてなくても汗をかきそうだったものだ。
だが静まり返ったこの街は、酒場などを除けば、どの店も民家も灯りを落としている。
わずかに少し離れた場所から、宴の声が聞こえてくるだけだ。
涼しさの中に身を置いて、遠くで泳ぐ酒宴の喧騒を耳にするのは、何と気分の良い事か。
どこかの家が飼っているのであろう犬の遠吠えが、遠い夜空の月と、似合い過ぎていた。
楓は月を見上げて、兄と慕う剣士の後姿を思い出していた。
凛花は同じ月を見上げながら、満月を謳う流派の継承者を思い出していた。
チームメイトから離れて外へ出向いた二人は、
偶然にも同じ街角で出くわし、奇しくも二人とも夜空を見上げていた。
「綺麗だな……」
角の向こう側から聞こえてきた、小さな呟き。
続いて現れた、整った顔立ちの青年に、凛花は見覚えがあった。
「あ、えっと……吉野凛花ちゃん、だったかな?
昼間の試合、見てたよ。僕は侍チームの……」
「楓、だろ? 不利になるや否や、おめおめ引き下がった男」
凛花は誰に対しても基本的にそうなのだが、
楓に対してもまた、距離感と拒否感を露にしていた。
人見知りが激しいとも言うが、余程慣れ親しまない限り、この娘はこんな接し方しかしない。
だが楓にとっては凛花は初対面のようなもので、彼女の性格を知らなかったから、
いきなり嫌われてしまったと思って、少し寂しい気持ちになった。
「アンタら侍は、いつもそうなんだ。自分より弱い奴にしか、刀を抜かない。
自分が負けそうだったら逃げるんだ。この卑怯者」
「いや、その……昼間の棄権は、そういうのではなくって……」
楓はあまり女性に強くない。
言わせる者に言わせれば女性に強い男などいないそうだが、
殊に楓は、他の男性諸氏よりもまだ女性に弱い性質だった。
初対面の少女に罵られて、しどろもどろになってしまう。
「だ、大体!
君だって侍じゃないのかい? 腰に刀差してるじゃないか」
楓は、凛花の小柄な体格には似合わない、随分大振りな大刀を指摘した。
もっともこの楓の指摘は正確ではない。
江戸時代の侍と言えば武家の家柄の者を差す。
そうでない者は浪人などと呼ばれ、主君に仕える侍とは、区別されていた。
逆を言えば、刀を持っているからと言って、侍と言うとは限らないのだ。
刀を持っているから侍だろうという楓の指摘は、少し外れている。
そもそも楓だって侍ではないのだ。
楓も凛花も、元居た時代は近いから、そんな事は互いにわかっていた。
楓としては、凛花が「私は侍じゃない」と反論すれば「僕もだよ」と言って流し、
敵対する理由を失くしてやろうと思っただけの事だった。
凛花もそれを理解したから、恥をかく前に反論する事を止めにした。
「……こっち来てから、変わった奴とばかり会うよ。
アンタみたいなナヨナヨした男、今まで私の周りにはいなかったし」
「奇遇だね。僕の周りにも、こんなに気の強い子はいなかったよ。
お転婆な少女やお淑やかな異人はいたけどね」
それは、一条あかりや雪の事を指していた。
「異人? アンタ、異人と知り合いなのかい。
奇遇だね。私の母親代わりをしてくれてた人も、そうだったよ」
「へぇ、そうなんだ。僕の場合は母親ではなくて、姉代わりだったけどね」
こんな時代に飛ばされて身内から離れている寂しさや不安からか、
いつしか二人は、自分の身の上をぽつりぽつりと話し始めていた。
近くの店の軒先に腰を下ろし、夜風に吹かれながら、ゆったりとした時間が流れる。
互いに相手の話に傾注するでもなく、さりとて無視して聞き流すでもなく。
実に自然に、互いの声が耳に通っていた。
初対面の男性を人一倍警戒する凛花が、ここまで落ち着いて
相手の話を聞き続けるのは、珍しかった。
楓もまた、この無愛想な少女が素直に自分の事を話してくれるのが、
少しむずがゆいような、嬉しいような、快い気分だった。
二人の間の物理的距離は、まだそれでも2メートルはあった。
このくらい離れている方が、今は心地良かった。
明日の夜にはこの距離がもう少し短くなっていくのだが、それはまた別の話。
楓と凛花が月を見上げて話していたのと同じ頃、
草薙京もまた、月を見上げてある男を思い出していた。
八神庵。
月を冠する流派の末裔であり、後継者であり、自身の終生の宿敵。
こうしてみると、何でこんなにSNKは月が好きなんだろう。
きっとショー・ハヤテのブーメランだって、
三日月から着想を得たに違い無い。え、違う?
窓から夜空を見上げていると、部屋に遊びに来ていたさくらと、真吾の声が聞こえてきた。
「うーん、わかった。何とかしてみるよ」
「マジっすか! 頼んます、さくらちゃん! お礼は何でもするからっ」
気になって振り向き、紅丸に問いかける。
「ん、あぁアレ?
何でも、太陽学園チームのひなたちゃんと仲良くなりたいから、
うまく接点が欲しいんだってさ。真吾が」
「んだよ、そんな事かよ。度胸の無ぇ奴だな。
声かけるくらい自分でやれっつーの」
「ウブだったらそういうワケにもいかないんじゃない?
自分で声かける勇気が無いから、名前と電話番号とメアド書いたメモを
代理の人間に頼んで渡してもらった子、昔いたよ」
京はその話を深く聞く前に、とっとと寝ようと思った。
どうせ結論としては、その女の子がメモを渡した相手は紅丸だとか、
そういうありきたりな自慢オチだろうと、容易に予想がついたからだ。
さくらは部屋を出ると、自分の部屋に戻った。
太陽学園チームと同じ宿になったため、女性二人だけ部屋を別にしたのだ。
そのため彼女はひなたと同室になっていた。
部屋に戻ると、シャワーを浴びたばかりのひなたが、
風呂上りの牛乳を飲んでいるところだった。
ところでこの時代に牛乳なんてあるのかな? ま、あるよな、きっと。
冷蔵庫まであるかどうかは知らないけど。きっと近いのはあるだろう、多分。
「ねぇねぇ、ひなた」
さくらは真吾とひなたに接点を持たせるために、
まずはこの二人を誘って、どこかへ遊びに行こうと考えていた。
いきなり二人だけで会わせるのは順序がおかしい。
高校生だけで集まって、大会開催期間中に息抜きに行こうと持ちかけるつもりだった。
バツと恭介(あとひょっとしたら京)も来るかもしれないが、
多分恭介が気をつかって、何か理由をつけて途中でバツと一緒に帰ってくれるだろう。
そんな風にこの先の展開を考えていたのだが、
逆にひなたの方から先制攻撃が仕掛けられてきた。
「ねぇさくら。さくらってさ、真吾君と仲良いよね?」
「え、うん、まぁ」
「あのね、そのね? えぇっと……真吾君と仲良くなりたいから、
出来ればそういう風にセッティングして欲しいなぁ……なんて……」
さくらは正直驚いた。
昼間、自分達と京達が試合をした後で、太陽学園チームが京達を労うために、
タオルやジュースを持って行ったという話は、聞いていた。
だが、さくらを筆頭にリュウもケンも、その場に居合わせたわけではない。
控え室で汗を拭っているとひなたがやって来て、さり気なく
「さっき草薙さん達のところにも行って来たんだよ」と言っただけだった。
その時は、何で友人である自分より先に、京チームの所へ行ったのだろうと思った。
しかし今なら、その理由ははっきりとわかるというものだ。
そして、そうとわかれば、話は早い。
互いに相手に好意があるのなら、ひなたに真吾を印象づけるために
彼女の前で真吾を立てたりする必要も無いわけだ。
それどころか、わざわざバツや恭介まで動員して遊びに行く必要も無い。
いきなりひなたに「真吾君と遊んでおいで」などと言えば、真吾の気持ちを気取られるから、
カモフラージュのために何人か揃えようと思っていただけだ。
しかし、ひなたも真吾を意識していると言うのなら、カモフラージュの意味など無い。
むしろ最初からくっつく気満々の二人にとっては、
バツや恭介などの外野は、視界の邪魔(酷)になるだけだ。
「よし、私に任せておいてよ、ひなた!
きっと真吾君、小躍りして喜ぶよ!」
そう言ってさくらは、すぐさま来た道を戻って行った。
「え、ちょ、さくら? いきなりそんな、だって、心の準備が……」
それからものの五分後にはもう、真吾はひなたの目の前にいた。
場所は、ひなたとさくらが泊まっている部屋。
ただし邪魔になるので、さくらは京達の部屋に行っている。
さくらが部屋を飛び出して行った後、ひなたは慌てて部屋を片付けた。
女同士だからと思って油断して広げていた諸々の荷物を鞄に仕舞い込み、
パンティ一枚で寝るつもりだったのを変更して急いでTシャツと
ホットパンツを着用したものの、化粧をしている時間までは無かった。
元々化粧っ気は無い方だが、気になる男子とノーメイクで二人きりで会うのは、リスキーだ。
さくらがその辺を理解してくれなかった事が、今更悔やまれる。
「は、ははは……すんません、こんな時間にお邪魔して……」
「こちらこそ、さくらが急に連れて来たみたいで……」
カチコチに固まりながら無理して会話と繋ごうとするであろう
二人の様子を、京は見物したくてたまらなかった。
しかし野暮な真似はするなと、さくらと紅丸に止められていた。
「しっかし、いくら何でも急過ぎねぇか?
あいつら今日知り合ったばっかだろ」
「良いの良いの! 二人ともこういうのは奥手っぽいし、
多少強引に近づけさせた方が良いんだってば」
もう第三話の頃の事なんか誰も覚えてないかもしれないが、
そもそも京とさくらだって、知り合った次の日にはもうヤってたのに、
当の本人達はその事をすっかり忘れていた。つか俺も忘れてた。
そう言えば紅丸だけまだ誰ともヤってないな。相手誰にしよう。
あまり話し上手ではない真吾が、それでも焦って会話をリードしようとして、
滑りまくりのコミュニケーションを実行する。
ひなたも気前良く話に乗り、互いに充実した時間を過ごした。
ひなたにとって、相手が話が上手かろうが下手であろうが、関係無かった。
ただ真吾の話を聞いて、相槌を打っているだけの事が、不思議と楽しい。
恋の始まりとはそういうものだ。
どうせ付き合いが長くなったらそんなユメマボロシも消え失せるのだが、
まだ始まってすらいない今の二人の関係では、そんな事は先の問題だ。
「……ってなワケで、俺あんまり草薙さんにマトモに技教えてもらってないんですよ。
ちゃんとした指導を受けたいんですけどねぇ、ハハハ……」
「すっごぉい真吾君!
ちゃんとした指導受けてないのに、あんなに動けるの?
私なんて通信教育で習ってるのに、全然敵わないや」
「ひなたちゃんこそ、直接人に教えてもらってるわけじゃないのに、凄いっすよ。
俺も今度その通信教育受けてみようかなぁ」
「だったら、私の教材を貸したげるよ!
元の時代に戻ったら、の話だけどさっ」
さり気なく、元の時代に戻っても関係性を持ち続けていたいと、ひなたは意思表示した。
興味の無い相手にだったら、こんな言葉は言わない。
適当に「あの教材は優れモノだから、是非受講してみると良いよ」とか言って
ガードを固めていれば、話の腰も折らず、綺麗に終わらせる事が出来るのだから。
気付けば二人のお喋りは二時間近く続いており、
もうそろそろ深夜にさしかかろうという時間になっていた。
「あ、もうこんな時間……」
寂しそうに、残念そうに、ひなたが時計を見上げる。
「さくらちゃんに迷惑かけちゃいましたかね。
俺、今夜はもう帰りますから、さくらちゃん呼んできますね」
もう少し話していたかったのだが、一晩中こうしているわけにもいかない。
真吾は少し肩を落としながら、立ち上がって入り口に向かった。
連投規制解除
ここで真吾を引き止めるような度胸は、ひなたには無い。
さくらはそれを見越していたのだろう。
真吾がドアに手をかけると、ドアノブは回るものの、
ドア自体は押しても引いても開かなかった。
「あ、あれ? おかしいな……」
様子がおかしいと気付いたひなたも駆け寄り、一緒にドアノブを回す。
だがやはり、ドアはガチャガチャと音を立てるだけで、一向に開かない。
二人は気付かなかったが、ドアは表からモップを立てかけられ、
うまくドアの縁と引っかかって、絶対に開かないようにされていたのだ。
実際にこんな事やったらホテルの人に怒られるぞ、まったく。
「しょうがない。フロントに連絡するしかないか」
真吾は何気なく呟いたが、同時に、もう一つの選択肢にも気付いた。
言い出しにくそうに口ごもる彼に代わって、ひなたがそれを口にする。
「き、きっとさくら達が気付いて、その内来てくれるよ。
だから、その……別に、焦らなくても……」
そこまで言いかけて、ようやくひなたは気付いた。
このドアは、さくらが仕掛けた罠なのだ。
二人が一夜を過ごすための言い訳作りを、わざわざお膳立てしてくれたのだ。
どうせ朝になったら表の仕掛けが取り除かれており、
何食わぬ顔で外へ出られるようになっているだろう。
そうして、全てをわかっているさくら達に対して、何も無かったフリをしながら
「ごめんね、昨夜は何故かドアが開かなくて、出られなくなってさ。
でも何で朝になったら開いたんだろう。きっと立て付けが悪かったんだね、アハハ」
などと笑って言っていれば良いというわけだ。
それに気付いた時、真吾は先程自室で風呂を浴びた時に
もっと注意深く丹念に体のいろんな部分を洗っておけば良かったと後悔し、
ひなたは自分が今履いている下着を必死に思い出して、
見られても恥ずかしくないかどうかという一点に、思考回路の全てを回していた。
二人が、他にもっと大切な準備があるという事実に気付いたのは、
平静を装って互いにドアの前で苦笑いを五分くらい続けた、その後だった。
真吾は「俺まだ風呂入ってなかったんで、お借りして良いですか?」
などと嘘をついて、今一度シャワーを浴びに浴室へ向かった。
部屋に来た時の湿ったままの髪を見れば、既に入浴済みなのは一目瞭然なものだが、
彼の気持ちはひなたもわかるので、黙っておく事にした。
願わくば自分も体を洗いなおしたいと、彼女も思っていたからだ。
ひなたは真吾がシャワーを浴びている間に下着の柄をチェックし、
これで大丈夫かどうかと、一人で悩み続けた。
それから、どこかに避妊具は無いかと抽斗を捜して、
どこにも見当たらない事を確認し、がっくりした。
ラブホじゃあるまいし、普通のホテルにそんなもん無いのは当たり前なのだが。
18禁の世界では中出しは基本だからきっと大丈夫な筈、と自分を納得させる。
そう言えばうちのバイトの子が一度、出来ちゃった結婚を狙って一年間とにかく
彼氏に中出しさせ続けたそうだけど、案外妊娠しないものだと嘆いていたな。
ま、そんな事はどうでも良いが、後はベッドが二つ並んでいるこの部屋で、
どんな理由をこじつけて、一つのベッドに二人で寝ようかと考えるのみだった。
ドアが開かないのはアクシデントとしても、普通は別々のベッドで寝るものだ。
せめて今夜が豪雨か雷なら、怖いから一緒に寝たいと言えたものを。
何で今夜に限って月明かりの綺麗な星空なのかと、天を恨んだ。
「どうしようどうしようどうしよう……
いきなり『好きです、一緒に寝て下さい』なんておかしいし……
って言うか会ってその日に好きだなんて、軽い女だと思われるかしら……」
その悩み方は、もう段々『これ格ゲーのスレでやる必要あんの?』
と作者自身に思わせる程になってきた。
ひなたはクラスメートの女子が話していた、彼氏との体験談を思い出す。
ある者は両親の帰らない日に自室へ招き入れたら、
何も言わなくてもそういう空気になったと言っていた。
或いは二人でレンタルしたロマンス系のビデオを見ていたら、
割と自然に良い雰囲気になったと言うものもいた。
珍しいところでは、昼間から片思いの相手を誘って、一緒に遊び倒しておいて
夜まで無理矢理引っ張って「終電が無くなっちゃった」とか言って
どこかに泊まらざるを得ない状況を作った上で、ラブホテルに行ったという者もいた。
ラブホテルは最初からベッドが一つしか無いから、男は遠慮してソファで寝ようとしたらしい。
そこへ「お金払ってもらっておいて、私一人だけベッドで寝るのは申し訳ない」
などと言い張って、とうとうベッドインして、既成事実を作ったのだとか。
よくもまぁ、そこまでするものだと感心するが、
その方法論はこの状況では参考にしようがない。
何しろ、ベッドは二つあるのだ。
第一、別に真吾に宿代を負担してもらっているわけでもない。
どうしたものかと悩んでいる内に、真吾がシャワールームから出てきた。
「ふぅ、さっぱりしたなぁ」
わざとらしい。
どことなく目線は泳いでおり、少なくともひなたの方を直視してはいない。
自分が焦っている事を隠すために鼻歌を歌いだそうとするが、
その方が逆に不自然だと、すぐに思い直す。
ひなたがベッドに腰掛けているので、真吾はもう一つの方のベッドに座り込んだ。
本当は勿論彼女と同じベッドに腰掛けたかったが、そうはいかない。
それではいかにも狙っていますと公言しているようだ。
「え、えへへ……変だね、何か。
さっきまで、もっと近い距離で喋ってたのにさ」
ひなたは先程まで二人で寛いでいた小さな備え付けのテーブルを見た。
丁度、一つのベッドに二人で腰掛けたと仮定した場合、
ある程度離れていたとしても、大体あのぐらいの距離になるだろうか。
その距離がさっきは平気だったのに、これがベッドとなると途端に平気ではなくなる。
「そうっすねー。今だと少し、離れちゃってますもんねー。
その分声も少し張らないと聞こえにくいし」
遠回しなようでいて、案外直球。
もう直喩的に、もっと近い距離で話したいと、投げかけているようなものだ。
こんなに離れていたくないと、声に出して言っているようなものだ。
お前ら中学生じゃないんだから、もっと正直になれよ。
書いてるこっちがもどかしくなってくる。
「そっち、行っても良い?」
そう言って相手のベッドに向かえば良いだけの話なのに、
その一言がお互い中々言えない。
こんな退屈な描写ばかり続けていたら、それだけで一話丸々終わってしまいそうだ。
そんな作者の……じゃない、天の声が聞こえたのだろうか。
ひなたの方からとうとう「もっと近づいて良い?」と問いかけ、真吾も無言で頷いてくれた。
その後は、時間はかかったものの、最終的には二人で添い寝となった。
ベッドの上のひなたの手に、偶然を装って真吾が触れる。
すぐに真っ赤になってお互いに手を引くものの、何度かそれを繰り返していると
次第に二人とも度胸がついてきて、いつしか手を退けなくなった。
時にはひなたが欠伸をしながら寝転がって背を伸ばし、
いっそこの隙に覆いかぶさってきてくれたら良いのに……
などと思いながら、アイコンタクトを投げかける。
それでも真吾はチキンだから何も出来ず、やがてひなたも気まずそうに起き上がる。
きっとこの部屋に、現代のテレビなどがあったなら、
気を紛らわせるためにどちらかがチャンネルをつけていただろう。
そして余計に良い雰囲気を遠ざけて、表面上は普通に会話を続けながら、内心後悔するのだろう。
そんな気の遠くなるような時間を経て、二人を取り囲む雰囲気も、どうにかピンク色になった。
書けば数行で済むが、二人が無駄に経過させた時間は、二時間に及んでいた。
既に灯りは消され、ほの暗い照明が薄く部屋を照らすばかりだ。
二人で一つの布団を被り、けれどもまだ度胸が無いから、
腕枕をする事も、抱きしめて眠る事もしない。
そのまま更に、読者にとっても作者にとっても退屈な動きのない時間が、三十分は経過する。
先に動いたのは、真吾の方だった。
動いたとは言っても、そっとひなたの肩に、手を置いただけだ。
それでも今の真吾にとっては、大層な勇気がいる行動だった。
雰囲気はエロくなってきていると思うのだが、ひょっとしたら自分の勘違いかもしれない。
チキンの真吾には、そんな懸念が残っていたのだ。
ひょっとしたら「変な勘違いしないでよ」などと罵られ、侮蔑され、
セクハラ扱いされる可能性だってある。
客観的に見ればそんなワケ無いのだが、チキンなんだから許してやってくれ。
やがてひなたに拒絶の意思が無い事を悟ると、真吾はとうとう、次の行動に出た。
「きっ……」
「き?」
「キ、キス……しても、良いっすか?」
「……聞かないでよ、そんな事」
ひなたはそっと目を閉じた。
真吾は不器用に唇を重ね、それからすぐに離れた。
ひなたも恐いが、真吾も十分恐いのだ。
だがこのキスを皮切りに、二人は本格的に重なり始めた。
恐る恐る触れたひなたの胸は柔らかく、服の上からでも乳首の感触がわかった。
「ひなたちゃん、ノーブラ……?」
「しっ、仕方ないじゃない……ブラしてると、寝苦しいし……」
薄いシャツに乳首の形が浮き出ており、それは目視ではわかりにくかったものの、
やはり触ってしまえばすぐにわかるものだった。
さっきまでは、起きて普通に向き合っていても、気付かなかった。
今だって、触らなければわからなかっただろう。
緊張状態にあるひなたの乳首はまだ硬くなっておらず、
そのため表面上はなだらかな乳房のラインに馴染んでいたのだ。
それでも座って会話していた間中、ひなたはずっと乳首を意識していた。
ノーブラである事を気付かれていないか、
乳首が浮き彫りになって卑猥な見た目になっていないか。
何度と無く目線を胸元に下ろし、その度に乳首が目立たない事を確認して、安心を得ていた。
そうして必死に隠したかった乳首を、今、弄られている。
シャツの上から。指の腹で。左右に優しく撫でるように。
「く……くすぐったいよ……」
むず痒さと気持ちよさが同居し、どうしてか笑いそうになる。
セックスをすると言うより、新しい遊びを覚えている気分だ。
ひなたは自分の胸を撫でる真吾の手を取り、その温もりと震えを感じ取った。
「真吾君、ビビってる?」
「そ、そりゃあ……」
怖いのは女の子の方だけではないのだと知って、
何故だかひなたは心が落ち着くような気がした。
普通に考えれば、相手に慣れたリードを求めようもないのだから
むしろ余計に怖くなってもおかしくないのだが。
腫れ物に触るかのように怖がりながら胸を撫で回す真吾が可愛らしくて、
今度は彼女の方から顔を近づけ、真吾に唇を重ねた。
すると、そっちに意識を集中してしまったのか、真吾の手が止まる。
ひなたは少しだけ唇を離して、そっと笑いかけた。
「ね、真吾君。私、まだ聞いてない」
何を、と一瞬思ったが、すぐにその意味が真吾にもわかった。
だが今更言わねばならないのかと、疑問に感じてしまう。
もっとも知り合った事自体が昼間の事なのだから、
まだ『今更』と言う程の時間は経過していないのだが、
このまま行為を続けるのであれば、確かに順序は逆になってしまっている。
今ここでその順序を正さねば、なし崩しで終わってしまう。
真吾は格好つけたかったが、しどろもどろになって、満足に話せなかった。
「あぁ、えと、そっ、あの、その……
僕は、いや、俺は、ひなたちゃん……ひなたさん? の、事が……
じゃなくてえぇと……付き合っ……あの、その……」
一言できっちりキメる事が出来ないのなら、心が落ち着くまで待っててあげるのに。
こういう愚鈍さに少し呆れながらも、ひなたは彼の懸命な言葉を、馬鹿にしなかった。
会ったその日に好きになり、会ったその日にセックスをする。
まだ相手の事を何も知らないと言えば、まさしくその通りだ。
見様によっては尻軽、好色と思われるかもしれない。
頭も股もユルい女、と言われるかもしれない。人はヤリマンとさえ呼ぶかもしれない。
そしてそう指摘されれば、自分には否定のしようがない。
事実つい先程までは『かなり気になる』というレベルの好意でしかなかった。
明確に「真吾君とえっちしたい」「真吾君の子が欲しい」などと思っていたわけではない。
部屋がこういう状況になったから、その空気に流されているだけ、とも思える。
それなのにその流れに逆らわず、ベッドの中で睦まじく抱き合うのは、
年相応の浅慮と、青臭い勘違いの恋愛ゴッコの成せる業なのかもしれない。
それでも構わないと、ひなたは思った。
真吾の熱意は十分伝わった。
彼が最後まで言い切るより早く、今一度唇を重ね、言葉を遮った。
「んっ……」
それが、彼女の真吾に対する返事だった。
周りが浅薄だと見下すなら、それも構わない。
外聞を気にしたりして、この二人で過ごす時間を、蔑ろにはしたくなかった。
明日も試合が待ち構えているが、構う事はない。
夜はまだ長いのだから。
終了です。
言い忘れてましたが、今回のは次回に続きますので、
本番無し、エロ成分ほどほどです。
以前ご指摘のございました、文章の冗長さに関してですが
これ書いた時点ではまだご指摘を受けておらず(つかコレ書き上げたの大分前)
したがって今回の時点ではまだ文章は糞長いままです。
もうしばし糞長い文章が続きますが、ご容赦の程お願い申し上げます。
>>369 こういう煽りにだけは「律儀」にやって来てツラツラ我が物顔で抜かす
何があっても読み専だから 興味ないから とか言い訳して何もせん癖に
結局こういう連中って自尊心だけは一丁前なんだよな
そら卑屈にもなるし呆れもするわ
GJ!
GJ!
次回楽しみにしてます。
>>385 あのな。この流れで本番なしはないだろうよ。
書いたあとに指摘がきたならその時から直し始めろ。
直せない事情があっても、中途半端な予防線とか貼るな。見苦しい。
まったく。スレを占有してる書き手がこれだから荒れるんだ。
文句言うなら読むなよカスが
と云う訳でGJ!
楓&凛花も何かあるとwktkして待ってます
GJ!
読ませる文だな。
>>386 自分の発言で周りがどういう気持ちをするのか考えたことがないアホなんだろうさ。
家にずっと引きこもり続けて友人0なのかもな
393 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 17:51:22 ID:C3G9ZI/V
ひとりで援護するのって、楽しいですか?
↑そしてこういう煽りしか出来ない馬鹿も現れると
さすが格ゲーのスレだ
投下や話題の無い時は住人同士でバトるとは
だが終わった後で互いに血を流しながらも仲良く握手しあうのもまたバトルの醍醐味だぜ?
ミケ以外女性キャラしか登場しないアルカナだが
クロスオーバーでならば、男性キャラとの絡みが書けるのでは
と思ってアルカナスレ生まれて初めて見に行ったら
架空の男性とかと普通にヤってて驚いた
てっきり百合一色のスレになってると思ってたのに
>>385 GJ
それと第一話目から読んでいて違和感があったのですが、何故庵がソルに手も足も出せずに負けるのでしょうか?
別にKOFだってギルティのように化け物揃いのキャラはたくさんいるからもっと粘ってもいいと思うんですが・・・
それに闇慈たちのチームがジョニーに瞬殺されるというのも納得がいきません
そこまで弱いチームでもないと思うんですが・・・・
氏のSSを読んでいると、まるでギルティ勢を持ち上げているような気がしてなりません
あのオロチ四天王が紅丸よりも弱いというのもやはり違和感がありますし
設定上では、彼等は紅丸や大門はおろか、ギースやクラウザー、さらに三種の神器やオメガ・ルガールよりも
遥かに強い連中だと公式に述べられていました。
なのでもし今後、また四天王と対決するような話を作る予定でしたら上記の設定を参考にし導入していただけないでしょうか?
お疲れ様です。
平素は私のお目汚しの拙文に目を通して頂き、
皆様におかれましては、誠に有難う御座います。
で、えー、実は公式設定をあんまり詳しく知らないもので
まさかオロチ四天王が、ルガールは兎も角ギースよりも強いとか
そんな旧来の餓狼ファンを怒らせるような設定が公式に存在するとは思ってませんでした。
自分は別に餓狼ファンではないので、十分許容出来るんですけど。
ギルティ勢の持ち上げに関しては、自分でもそうとしか見れない文章を書いてる自覚があるので
否定は出来ませんが、どちらかと言うと自分はギルティキャラよりもKOFキャラのが好きな方です。
ただ、ソルを庵や京と同等の強さにすると、必然的にソルより遥かに格下のカイが
京や庵にはフルボッコされる事になってしまいます。(仮にも人類を束ねる聖騎士団の元団長なのに)
また、恐らくカイとそんなに実力は離れていないであろう、闇慈等も。
その辺のバランスを考えた上での結論として、どうしてもソルやジョニーの方が格上、
という風に描写しないと、多くのキャラがあまりに可哀想な事になってしまうので……。
ただし、まだ描写していない部分ですが、京やリュウ(後カイも)は
潜在的な力を発揮したら、ドライン時のソルと互角くらいの戦闘力にはなる予定です。
オロチ四天王の強さに関しても、この先のネタバレになるので詳しく言えませんが、
何故KOFでは彼らが敗北したのか、それなりの整合性を持たせた説明付はするつもりです。
どっちかと言うと、数話前に書いた事をすぐ忘れて
話の辻褄が合わない部分がチラホラ出てきてる点が、相当ヤバイんですが……。
「午前」の部で進出したチームと二回戦を戦うとアナウンスされたリュウチームの
二回戦の相手が、何故か「午後」の部になってから決定してたり……。
いおりんはアレだ。直前にアレしてたからスタミナ消費状態で戦ってたんだよ。
ソルもブチキレ状態で本気モード(?)だったし。
>>398 闇慈はジョーと舞と知りあったばかりで、連携がうまくできなかった
ジョーは相変わらず突っ走りすぎて、連携をみだしたとか
舞は口にはしなかったけど、きっとアノ日で立っているのも辛かったんだよ
ね?
格ゲーキャラってどのキャラとも戦えるようなゲーム性だから
実力が離れすぎてるのには違和感あるんだよね。
格ゲーキャラで格の違いを表現するのは難しいと思う。
でもプレイヤー性能で強くも弱くもなるからね。きっとジョニーとソルはプレイヤーが強かったって事で。
GGのソルって確か本気出すと超サイヤ人並の強さだと聞いたことあるな
ソルはヘッドギアで力を相当抑制してて
一撃必殺技を使う時でさえ「50%ぐらい」の力でしかないからな
全力出しても無式止まりの京と並列に語ったら・・・・
確か漫画版では4万dのギアを一撃で倒して何事もなかったようにしてたな・・・
更に言えば、そのソルが戦法を変えなければ勝てなかったのがスレイヤーであり
封炎剣を使わなければ仕留めきれなかったのがジャスティスだからな
ギルティ界のキャラは厨戦闘力だらけだよ
なにがしたいんだろうね、このストーリーは
京やリュウ(後カイも)だけ都合の良い潜在的力を発揮?他のキャラにだってなにかストーリーに
役立つ力や存在役を与えて面白くしてほしい 無いならはじめからこの世界に来てないほうがいい
それにテリーはどうした、テリーは、餓狼の主人公だぞ〜と嘆いてみる
でもEROさんはよくがんばってるから、そこはGJ!!
話がgdgdでもエロがなくても文量さえあればいいという訳ですね。分かります。
多人数参加型の予定だったのに美形会議氏以外書かなかったから(つかこのスレ、職人自体少ない)
使われないキャラが溢れちゃっただけでしょ。
410 :
398:2008/07/18(金) 20:52:30 ID:wK45mt5h
>>399 まあそうですね・・・
ですが、
>>402の方も言っておられるように格ゲーキャラはどのキャラとも戦えるようなものじゃないでしょうか?
それに実力の離れすぎは見ていて凄く違和感があるし不愉快な気分になります。
なんか手も足も出せずに負けるという流れって個人的にそのキャラを冒涜しているような気がして・・・・
くどいようですが、それに京や庵はソルと同様、主人公タイプなんですから、普通に考えてもっと粘れても良かったはずです
庵にだってMI2というパラレルワールドですが、ドラインに類似した「禁七拾七式・禍風」というパワーアップ技があるんだし
互角以上のバトルだってできたはずです。
なので次回からは、もっとどのキャラも幅広く互角にバトル出来たり活躍できる話になるようにお願いします。
そしてキャラの扱い方にも細心の注意を払っていただけたらこちらとしても幸いです。
>>404 いや無式は本気で出したら大都市一個が丸々消滅するような威力だぞ?
KOF2000でゼロ・キャノンという衛星兵器が出たが、あれは京の遺伝子と無式のデータが組み込まれた兵器だと
公式に言われていた。ゲーム中でもゼロがそのような旨を発言していたし。
そちらのレスを見てると、KOFを過小評価しているように見えるんだが・・・・?
>>410 「ALLABOUTSNK対戦格闘ゲーム」で確認したけどエディットチーム
含めた全チームに対して君達の力をゼロ・キャノンに転送させても
らった感じのこといっているわけだが・・・京だけが特別扱いって
わけではない。
あと無式の力をゼロ・キャノンに利用したというようなことは
京&庵チームのEDでいっているけど、京の遺伝子とは
2000のゲーム中に一言もでてこないよ。
設定オタならうろ覚えで語るなよ・・・
・格ゲーキャラはどのキャラとでも戦える筈
→オロチ四天王が京達なんかより圧倒的に強いというあなたの発言と矛盾します。
ゲーム中のイベントデモの印象だけで言えば、必ずしもそうは見えません。
・庵は主人公クラスなのだから、同じ主人公クラスのソルにボコられるのは変
→同じく主人公クラスであるカイが、ソルや京やリュウやケンにボコられるのは変ではないという事でしょうか。
たまたまSNKとカプコンとギルティしか登場してませんが、ここにアルカナとか加わってきたら
カイははぁとにすら負ける事になってしまいます。(まぁ彼女には聖霊ついてるから、有り得ますけど……)
重ねて申し上げますが、自分はギルティキャラよりもSNKキャラの方が好きです。
ですが、それを理由に贔屓するような描写になっては、他のメーカーが好きな方に対して
あまりに不平等になってしまうので、最も整合性のとれるパワーバランスを模索している次第です。
現に庵がソルに敗北した理由にしても、ソルが「ガンフレイム」と叫んでおきながら
サーベイジファング級の技を放って、紙一重で回避するつもりだった庵が食らってしまい、
そこでダメージを受けてしまった事が、多少なりとも関わっています。
言うなれば春麗が「気孔拳!」と叫びながら気孔掌を放ってるようなもんです。
庵からすれば「お前それ反則じゃねぇの!?」という負け方です。庵が言い訳しないだけです。
また、ソルを必ずしも超越的な存在に描写するつもりもありません。
ネタバレになるので黙ってましたが、あいつは大会でリュウと対戦して、追い詰められる予定です。
ソルの攻撃は、単純な破壊力はすこぶる高いものの「技」を用いるという点では
京やらリュウやら、勿論庵の方が上という設定で考えてます。
(GGX+のストーリーモードでも、ソルはカイに「殺し合いならともかく、剣の腕では完敗」と言ってます)
リュウが「技」を巧みに使いこなして、動きの荒いソルを追い詰める予定でした。
KOFでオロチ四天王が敗北した理由については、あいつらのあの時点での目的は
戦闘エネルギーの収集であったため、蟻踏み潰すくらい楽勝で京達を倒せたとしても
それじゃ意味が無いんで、引き伸ばして戦ってたら、油断して負けた、という事にするつもりでした。
実際、予定している最終決戦でも、あいつら圧倒的に強く描写するつもりでした。
ジョニーがジョー達を圧倒した理由についてですが、ミストファイナーの性能に注目して下さい。
あの技、カイのスタンエッジはおろか、ソルのガンフレイムの攻撃判定すら掻き消します。
ですので、ハリケーンアッパーだって当然、掻き消せる筈です。(飛び道具じゃないにも関わらず)
逆にハリケーンアッパーが消せなかったら、ジョーどんだけ強いねんって事になります。
K´にボロ負けした梅喧や、庵に一方的に負けたディズィーまでいるのに
まさかKOFキャラを冒涜しているように受け取られるとは予想していませんでした。
あと
>>407氏の仰られる「都合の良い潜在能力」についてですが、
これは設定通りなら、以前ご指摘のあった通り、実際京には潜在能力が眠っている筈です。
そうでなければ社達を倒せなかったというのが、その際のご指摘の内容だった筈です。
カイに関しては、家庭用イスカの隠しキャラとして登場するBOSSカイが
同じくBOSS仕様のソルと同格である辺りから、着想を得ています。
決して自分の贔屓のために都合良く設定を捏造しているわけではありません。
分かった分かった。
「ぼくはエロ以外も一生懸命やってますよー」ってのは十分分かったから
次からはメモ帳にでも書いてどっかのうpろだにでも上げてくれ。
分かりやすくいうと、「自己弁護のために読者置いてけぼりの論争仕掛けんな。迷惑極まりない」だ。
彼は論争仕掛けた側と言うより、仕掛けられた側だとオモ
あと、文章長いのが嫌って言ってる人は、自分がゆとり=未成年
って白状しちゃってるようなもんだと思うんだよね
長文だからこそ読み応えがあって良いと思ってる人もいるわけで
両立が物理的に不可能な以上、「嫌なら読まなきゃ良いのに」としか・・・・
俺の本音
なんでジョニーに圧倒されるキャラがジョーや舞なんだ…「あの連中がまさか負けた!」って演出したけりゃ、
もっと試合内容を描写してほしかったよ。簡単に処理されたことに俺はムカついている…よ。
ジョーや舞には潜在能力や特殊能力やストーリーの軸(オロチどうのとか)に関わる設定なんかはないけど、
描写するには良いものもってると思うんだけどなぁ
裏表無く熱い闘争心で戦い、ピンチでもそれを楽しむようなカッコイイ奴…嵐を呼ぶ男・ジョーと、
見る者に驚きと色気をふりまき、ツッ込みキャラからツッ込まれキャラまでこなせる…魅惑の女忍者・舞
などなど、
ジョニーたちや外野は、試合前や試合中や試合後になにも思ったりツッコんだりしなかったのかなぁ
虚しいけどひとりで妄想して処理するわ
確かに好きなキャラの描写がないのは辛いよな。
ERO2181氏はその辺りもちゃんと釈明すべきだと思う。
まてまて、いくらなんでもここまで糾弾というか釈明を求められる必要は無いと思うのだが。
職人さんが少ないのはこういった見る側の贅沢な要求による所は大きいわけだし。
もちろん個人的な見解としては
>>417さんの言うようにジョーや舞にはきちんと戦った描写ありきで負けて欲しかったってのはある。
リュウチーム対京チームでうまいことどっちもキャラキャラ立たせたから
今後もそういう展開になるのを期待していたってのもあるんだけどね。
とりあえずERO2181氏は大変かと思うけどエロもバトルも引き続き楽しみにしてますよ。
つーか思い入れあるキャラ違うし職人さん一人しかも一作品にそこまで求めるのは
酷じゃないかな
特定個人の為の作品でも商業作品でもないのに、個人的に好みの展開じゃな
かったという理由で文句つけられても職人さんは困るだろおまえ等・・・
文句があるなら自分で書こうぜ
E.R.O.2181は他の職人さんも自由に書けるってのが元々の趣旨なんだから
補完が欲しいなら自分で書いて投下しても良いんじゃね?
エロパロ板なのに「エロが少ない」という抗議ではなくて試合内容で揉める。
凄いなこのスレw
あってもなくても同じようなクオリティだしな。>エロ
自己満足で迷走気味の試合内容に注目が集まるのも仕方ないかと。
よく考えたら釈明とかどうでもいいな。誰かまともなエロ書いてくれればそれで。
だから自分で書けと
そうしよう。ERO2181を最後まで読んでから踏み台にさせてもらおう。
え、ゴメ、ツンデレ?
>>434 格ゲーのクロスオーバーとしては折り合いを上手く付けてる方だと思うけど
な戦闘描写・・・
クロスオーバー作品で原典の設定を変えたりするのはごく普通のことだか
ら皆もっと寛容になるべきだと思う。KOF(これもクロスオーバーの一種だな)
だって餓狼や龍虎の設定を変更しまくってるしな
2001で京が人類最強とか断定された時に
テリーやリョウはどうなるんだと怒ったのは
勿論俺だけじゃない筈だ
京は神器としてのエネルギーがあるから最強なんじゃね?
>>429 スパロボで版権作品がオリキャラの踏み台にされた時のようなもんか
432 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 12:44:51 ID:1NhXepaS
>>431 分かり易い例えだな・・・それはムカツクよな
プロや企業でもクロスオーバー作品のシナリオ作りは大変なんだよな
職人応援してるぜ。
まあ、いかに強い力を持っててもそれを使いこなせるかだからさ。
別に京が理論上人類最強でもいいんじゃね?
ザベルみたいに。
ザベルって最強だったのか……知らんかった
まぁチップが最強なくらいだからなぁ
>>435 一応言っておくが、設定上じゃなくてゲーム内での強さだからな?
セイヴァーザベルは高性能だけど、高性能過ぎるから人間では強さを完全に引き出せない感じ。
>>435 いっておくがチップは人類二番目で加えて理論値での話だよ。
現状ではカイやジョニーに一方的に負けてしまう程度の強さ。
まぁカイやジョニーも人類最強クラスな実力の持ち主という
設定だけどな
ちなみにGG人間一位はポチョムキンの師匠のガブリエル大統領
何かこの空気だと、エロいのがきても「設定と違う」とか、
「このキャラは犯されるほど弱くない」とかいう文句が出そうだよな。
エロければいいんだ。
問題は公式設定もよく知らんのがダラダラと非エロ垂れ流してる点であって。
普通の書き手さんなら大歓迎だぜ。
>>439 そこまで言うなら自分で書けばいいだろ……
一応「エロパロ」板なので、439の一行目は正論だと思う。
そろそろエロ始まりそうな雰囲気だったのに
スレの流れがこんなんだからなかなか次のがこないじゃないか。
楽しみにしてるのに。
二次創作でしかもクロスオーバーにまで設定を求める奴ってどうかしてる
どうかしてるとまでは言わないが、どっちかっつーと先日の人は、
むしろギルティの設定を知らないんじゃないかと思える
よしんば知ってたとしても、KOFしか見えてない奇特な目の持ち主だろう
カイですら勝てない設定のディズィーに庵が楽勝だった時は何も文句言わなかったんだから
そろそろ続きが読みたいぞ
>>444 先日の人はKOFの設定すら不確かな情報で語ってたのが一番痛い
設定について長文で語った直後に、資料集所持者の
>>411からツッコミ
入れられてる所とか情けな過ぎる気がな
自分もそろそろ続き希望
本当、
>>398のような奴マジうぜぇ。
2次創作だから多少穴あってもいいじゃねえか。
あああああああああああああああああああ!!!!
ついにE.R.O2181氏が切れたか・・・無理もないだろうけど
398みたいな設定厨に見せかけた俺の気に入りキャラは
贔屓しろ厨ってうざいよな。
本当の設定厨は二次自体みないか二次は設定変更さ
れまくってるものと最初から割り切ってるもんだろうしさ
451 :
EROい人:2008/07/26(土) 14:46:30 ID:0EL7+PWn
>>448 自分が固定HNを名乗らないのは、名乗ってしまうとERO2181が「特定の作者のSS」になってしまうため
いろんな人に参加して書いてもらいたいという自分の希望から離れてしまうからです
ですのであなたがその名前を名乗る事には何ら拒否反応はありません
が、その……出来れば投下とかして頂けると、尚一層嬉しいです
今連勤が忙しくてパソコン立ち上げてる暇も無いため、投下どころか
ケータイ使わないとこうしてスレ閲覧する事すら出来ません
投下に関しましては、しばしお待ち頂ければ幸いです
>>438 ナコリムがオロチ四天王に犯されるとこで真剣に萎えた
そりゃエロい話にするのが目的なんだけどさ、そこで屈してどうするよ
嫌なら読むなとあれほど(ry
嫌な内容かどうかを判断するためには読むしかない
今後書かれる話は気に入るかもしれんから今後も読むよ
きちんと読んだうえで気に入ったり嫌だと思ったらそれなりに対応させてもらう
>>453 その言い方じゃまるでレイプされて心が折れたみたいだな
あれそんな話じゃなかったろ
完全に心が折れてから肉便器だったな
それがどうかしたか?
>>w7wDUz.jK
まぁ、あれだ 使い古された表現だが
チラシの裏にでも書いとけ
460 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 22:25:14 ID:lPEi9Ish
おい
>>398、偉そうに文句言っておきながら何頓珍漢なことをほざいてんだ?
いっぺんこれでも読んで出直して来い、クズ
というよりここの作家様やKOFの設定にご存じない方々にも読んでほしいとも思っておりますw
ttp://tsukitemp.web.infoseek.co.jp/cgi-bin/snuploader/src/up0169.zip >>456 確かに読んでからじゃないとそれが嫌かどうかなんて判断できないからな
だから「嫌なら読むな」というのはなんかおかしい気がする
もしそのSSが次には面白くなったら、読まないでいたら損だし
まあそれもあるから、上の奴みたいに文句が飛び交うのも仕方ないと思うね
つーかクロスオーバーって万人全てが納得いくわけないし、
作家だって「全てが納得できるわけがない」と自覚しているからこそ書くからね
まあだから作家も読者の好評や批評を聞き入れていかなきゃいけないし
読者も作家の言い分を聞き入れてそれでも納得がいかないなら、もう諦めるしかないね
まあほんと、クロスオーバーって難易度が高いわ
>>451 参加してERO2181の一部を書きたいと思ってたけど、もう試合も消化され、しかも書きたいキャラが
負けちゃってる場合はどうしたらいいんですか?
パラレルワールドとか
>>459 分かったそうする
ここは俺のチラシの裏だから今後もここに書く
これでいいなら簡単なことだな
嫌なら読むな
>>464 ここがチラシに見えるんならお前眼科行った方が良い
「2ちゃんは便所の落書き」
「ここが便所に見えるんならお前眼科行った方が良い」
というやりとりですかな
なかなか含蓄に富んだご意見で結構なことです
>>464 嫌なら読むなとは言わんよ。
だから読んで嫌だと思うなら黙って回れ右。
そして自分好みのほかのSS探して読めや。
>>461 うーんもう消化されてるならその後の展開にひっかからないようにするべきなのか
それともうまくつじつまが合ってれば本編の方でも復帰したりするのか。
ともあれ書き手が増えるのは喜ばしいな。
>>460 いいねその資料
オロチ関連とかwiki以外に詳しく書かれていて面白そう
それ読んでると、旧SNKスタッフすらオロチに関してあんまり深く設定考えてなかったのがわかるな
まぁ毎年行き当たりばったりで話作ってたのは当時からバレバレだったが
格ゲーのストーリーなんてそんなもんだろ
ヴァンパイアの連中とかメルブラの吸血鬼連中とか、
明らかに人間的な気絶とかしそうにないキャラを、
普通の(という言い方も変だが)格闘家の攻撃とかで気絶とか、
させていいものなんだろうか。
473 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 12:28:05 ID:7qgBi1FB
>>472 型月板の格ゲースレはストーリー的に結構バランスよいSSが投稿されていたぞ
ギースとアルクがゲーニッツにフルボッコにされていたし
だから何でもバランスよくキャラの実力間を作れたらいいんじゃない?
>>470 俺
>>460だけど、まだ他にも知りたい設定があるなら作るけどどうする?
Eventual Rumble Orochi 2181 第十八話、投下します。
同じ国の出身だからか。
或いは『舞う』という共通項があったからか。
それとも彼の名が、思い人に似ていたからだろうか。
理由は定かではない。
不知火舞にとって、何故か御津闇慈は、気の許しやすい相手だった。
彼の解放的で遠慮の無い性格も、多少は起因しているだろう。
まさかアンジという名前がアンディと似ているなどという、
ギャグのような理由だけで、打ち解けられたわけでもあるまい。
それに、いささか酔っていたせいもあるだろう。
不貞と言われれば否定のしようもないが、一夜限りの火遊びは、
大人の男女ならあっても不思議ではない事だ。
もちろん、悪い事には変わりないのだが。
「ちゅぷ……ずぶふっ……にぢゃ……ず、ぐちっ……」
卑猥極まる水音と、ねっとりとしたテクニック。
相方の男性を相手に鍛えたのだろうと知れる、大人の舌技。
陰湿な程に丹念に舐め回してくる。
もはやその舌の動きは触手のようですらあり、
垂れ流される唾液は未知の分泌物のようにすら錯覚する。
さすがに本職が忍びだけあって、性の技術は十分に鍛えられている。
その辺りの事情はいぶきと同じという事だ。
舞の巧みなフェラチオに、闇慈はもう参りそうになっていた。
「んふっ……あんじぃ……気持ひ良イ……?」
「あぁ、最高だぜ。姐さんよりもずっと上手ぇよ」
しこたま飲んだ日本酒に酔ってか、それとも一晩限定の擬似恋愛に
心から溶け込んでいるのか、舞の口調と瞳は、情けない程蕩けていた。
或いは『アンディ』と呼びたくなるのを堪えて、
それでも彼の名を本能的に呼びたくなる衝動を、
闇慈の名の語尾を間延びさせる事で、誤魔化しているのかもしれない。
この場に居合わせていた梅喧は、美形会議でアンディ・ボガードと面識がある。
もし不知火舞がアンディと知人であると、梅喧が知っていたなら、
今頃は彼女が二人を引き合わせて、無事にアンディもロバートも
他の戦士達と合流出来ていた事だろう。
アンディにとっても舞にとっても不幸だったのは、
舞と梅喧は今日知り合ったばかりで、まだ舞はアンディという男の名を
梅喧の前では一度も出していなかった事だ。
もっともそれは、エロパロ的には好都合である。
アンディという邪魔者……じゃない、正規のカップリング相手が現れずに、
闇慈と舞という、公式には有り得ないカップリングでヤらせる事が出来るのだから。
間違えた第十九話だった
一方の梅喧はと言うと、こちらもかなり酔っていた。
普段なら簡単に男に体を許したりはしないのだが、
相手が今まで旅を共にして意気投合していた、覇王丸なら仕方が無い。
彼女もまたアルコールの勢いで、覇王丸を相手に肌を晒していた。
酔ってはいるが、同室で舞にフェラさせる闇慈の声は聞こえていた。
「こら闇慈、まるで俺が下手糞みてぇに言うんじゃねぇよ」
着物を片胸だけ着崩して乳房を露出させた格好では凄みにかけるが、
それでもあらん限りの鋭い目つきで、梅喧は闇慈を睨みつける。
胸にサラシでも巻いていれば、極道のようで箔もついていたかもしれないのだが。
「あんまり余所見しなさんな。風情が台無しだぜ」
後ろから逞しく毛深い腕が回りこみ、梅喧の肌蹴た胸を揉み上げる。
彼女は今、覇王丸の胡坐の上に座り込んでいた。
「ヤッコさんとはよく『する』のかい?」
「勘違いすんなよ。俺ぁそんな淫乱なつもりは無ぇ」
即答で否定しかけた後、少し口ごもるように梅喧は回答した。
「……ただまぁ、浅い仲じゃねぇからな。
今夜みたいに、ちょっと流されちまって……って事は、まぁ、一度か二度は」
意外な回答だった。
女を捨てて生きているとばかり思っていた梅喧が、男の味を知っているとは。
だがよくよく考えれば無理からぬ事だ。
幼い頃に故国を亡くし、施設に頼らず孤独に生きてきた彼女だ。
今でこそ武芸達者だが、もっと若い頃には、そうもいかなかったろう。
体で路銀を稼がねばならぬ事も、両手で数えて足りる程度ではなかった筈だ。
確かに女として恋や愛をする事は捨てているのだろうが、
女という肉体を武器にして生きる分には、その体を有効利用してきたという事だ。
それは覇王丸の推測でしかなかったが、しかし外れているとは思えなかった。
梅喧の胸を豪快に揉み、回転させながら、覇王丸は早くも別の部位に興味を持った。
「この分だったら、接吻もさぞかし巧みなんだろうな?」
彼が狙いをつけたのは、梅喧の唇。そして舌。
江戸時代の日本にディープキスなどという横文字の単語は勿論無かったが、
夫婦でも遊郭でも、舌を絡めあう濃厚な接吻は、戯れの基本だ。
だがそれ故に、上手下手の明確に分かれるところでもある。
覇王丸は、梅喧がどんなしつこい舌技を披露してくれるか、楽しみで仕方なかった。
「諦めな。姐さん、キッスだけはさせてくんねぇんだからよ」
舞の頭を撫でながら、闇慈が忠告する。
それには覇王丸は勿論、舞も訝しく思った。
セックスはするのにキスはしないなど、普通の肉体関係ならまず有り得ない。
遊郭や風俗でだって、そのくらいはするものだ。
(因みに俺風俗行った事無いからよく知らないんだけど、
キスくらいしても良いよね? 駄目なのは本番だけだよね?
認識間違ってたらスンマセン)
舞は闇慈の陰茎から口を離すと、覇王丸の隣に移動した。
そのまま彼の屈強な顎を人差し指で掬い、キスしてみせた。
「んむ……はむ……んっ、ん……」
梅喧の頭の後ろで、舞と覇王丸が深く口付けを交わす息が聞こえる。
それは梅喧にとって、気色の良いものとは思えなかった。
他人のディープキスの音が快いと思う性癖の者など、そうはいない。
舞と覇王丸の、二人分の吐息が交じり合った生暖かい空気が、
梅喧の髪に、うなじに、脳裏にかかってくる。
「テメェら人の後ろでイチャイチャしてんじゃねぇぞコラァ!
不愉快だろうが!」
舞はその罵声を気にも留めず、覇王丸から唇を離すと、梅喧に問いかけた。
「男性に抱かれるのなら、キスは必要な意思確認でしょ?
雰囲気を盛り上げるのにも欠かせないし。何でそんなに嫌なの?」
梅喧は心の中で悪態をついた。
女としての人生、女としての幸福を捨てて生きねばならなかった女の苦労など、
女としての幸せを勝ち取った女には、理解出来まいと。
「別に難しい話じゃねぇよ。
武道を修めて女一人で生き抜くためには、女としての心を捨てる必要があった。
ヤるのは生きるために必要な芸の一つだから割り切れたが、接吻はそうはいかねぇ」
梅喧は、自分の胸を揉む覇王丸の手に、己の手を添えた。
湧き上がる切なさを抑えて欲しいと言わんばかりに、より強く乳房にそれを押し付ける。
「あれをすると、こう、胸が痛んで……息が苦しくなって……
何つうのか、その……忘れた筈の女心が、甦ってくるような気がしてな。
そうすると、たまらなく悔しいんだ。
何で俺、こんな卑しい男から金を貰うために、股ぁ開いてんだって思えてな。
復讐なんて忘れて、いつか心底惚れ込んだ男に抱いてもらう時のために、
大事にとっとけば良かったのに……ってよ。
俺の体の隅々まで、胸もアソコも武器の一つだと割り切り続けるためには、
接吻なんて情緒のある行為は、足枷にしかならなかったんだよ」
それは仕事と恋愛を両立させる舞にとっては、多少理解は示せるものの、
やはり直感的には飲み込みにくい、小難しい感情のように思えた。
だが梅喧にとってはむしろ、心に決めた相手以外の男をキス出来る舞の心理が、理解不能だった。
くノ一の技能の一つとは言え、惚れた男以外の男とキスをして、心に影響が出ないのかと。
彼氏以外の男と演技でキスしなければならない女優とか、その辺どうなんだろうね、しかし。
一同はしばらく黙していたが、最初に口を開いたのは覇王丸だった。
「俺はな、梅喧。人形を抱きたいんじゃない。
お前を抱きたいんだ。小銭でお前を買ったタヌキどもとは、違うつもりだ」
それは舞も、闇慈も同意見だった。
口々に、梅喧に『女』になってもらいたい旨を伝える。
「今夜は女心を取り戻しても良いのよ。
欲望だけで貴女を買いたがるようなのとは違う、正真正銘の良い男が
二人も揃ってるんだから。今夜くらい羽目を外して、愛し合わなきゃ損よ」
「俺は今までだって、人型オナホールを慕ってきたワケじゃないつもりだぜ?
姐さんの事を性欲の処理道具だと思って抱いた事は、一度だって無ぇよ」
闇慈も彼らの傍に移動し、そして梅喧の正面に回った。
それの意味するところは明白である。
むしろこの流れで、彼らのこの心意気で、口付けを要求されていると読めないばかりか
それを拒絶する事などは、もっと出来ない。
梅喧はたっぷり一分程唸って迷い込んだ。
やがて心を決めると、それまで頑なにきつく結んでいた唇を少しだけ解き、
何も言わずにそっと瞳を瞑って、目の前の男を受け入れる姿勢を示した。
「それで良い。素直な姐さんも素敵だぜ」
闇慈は眼鏡を外して、優しく柔らかく、梅喧の唇に自らの唇を触れ合あわせた。
最初は緊張していたであろう梅喧の肩が、徐々にくだけていくのがわかる。
肩肘を張る力が抜け、まるで初恋の年上のお兄さんと
初めてキスをする女子中学生のような、ゆったりとした空気と雰囲気を、
その閉じた瞳から溢れさせた。
「……ぷはっ」
唇を離した時に漏れたその小さな声は、梅喧とは思えない程……可愛かった。
目は幸せそうにとろけ、もしこれが梅喧でなかったら、
きゃーきゃーと小さな悲鳴をあげながらヌイグルミを抱いて
悶絶して喜びそうなくらい、顔を赤くしている。
さすがにわずかに残った冷静さと、自分のキャラを守らねばならないという自尊心から、
辛うじて声をあげていないのだが、それも直に崩れるだろう。
続いて舞が口付け、と同時に、片胸だけ脱げかけていた梅喧の着物を、完全に肌蹴させた。
その手並みはいかにも慣れており、恐らく任務の際には
こうして男のターゲットを気分良くさせてきたのだろうと知れる。
梅喧の乳房は両方とも剥き出しになり、それは舞に勝るとも劣らない豊かな膨らみだった。
そして最後に梅喧は自分から首を後ろに向けて、覇王丸とキスをした。
彼の唇は、彼と同様に熱く感じられた。
因みにジョー東はまだ酔いつぶれて部屋の隅で寝たままである。
こいつまで参加させてたらスペースが足りなくなるから、また今度。
同じ頃、少し離れた別室。
矢吹真吾と若葉ひなたもまた、熱く唇を重ねあっていた。
まだ慣れない、子供じみた拙さ。しかし懸命に、大人のキスを真似ようとする。
経験の無い体と意識に無理をきかせて、出来るだけイヤらしくなるように。
それは本当に経験を重ねてきた大人のキスとは、似て非なるものだった。
彼ら自身も自分達のテクニックの無さを実感していたから、
せめて他の部分でアダルトな大人に負けないようにと、考えを巡らせる。
真吾はひなたの股間を、腫れ物に触れるように気をつけながら、ゆっくりと撫でてみた。
ほんの数日前は、レンタルビデオショップでAVコーナーに立ち寄るだけでも、
随分勇気が必要だった事を思い出す。
学生である事は会員証を端末に通した時にバレるので、
あくまでコーナーに立ち寄って、物色していくまでの事しか出来ないのだが、
それが彼にとっては相当な度胸を要する事だったのだ。
それなのに、今、ビデオをレンタルする事など比較にならない程、
遥かに助兵衛な事をしている。
初めて触れる女性の股間は産毛に覆われ、
滑らかな肌触りの中心辺りに、乾いたビラビラした感触があった。
エロ本で読んだ知識によれば、ここを触っているだけで、濡れてくる筈だった。
だが実際にはひなたにそんな気配は今のところ無く、
秘部もただビラビラしているだけでしかない。
「あ、あれ……?」
相手が慣れていて、ある程度仕込まれている女だったら、結果は違っていたかもしれない。
真吾に細やかなテクニックが無かったのも、勿論大きな理由だ。
だがひなたが緊張しており、心は真吾を求めていても、
体が未知の体験に恐怖していた事が、濡れてこない原因の一つになっていた。
ひなたは、これまで何度か興味本位で自分で触ってみた時は
割りと簡単に濡れてくれた自分の膣が、他人の指では中々感じない事に、
少しの不満を感じるとともに、内心安堵してもいた。
自分はすぐに股を濡らすような淫乱ではなかったのだ。
部屋で触った時に濡れたのは、自分自身だったから、攻め方がわかっていただけだ。
そう思う事で、自分が真吾の純粋さを受け入れるに足る、綺麗な女だと感じられた。
だが真吾にとっては、面白い事ではない。
友人に借りたAVや、ベッドの下に隠している年齢指定本で得た知識では、
ここを触っているだけで女は濡れ、指にしょっぱい液体が絡み付いてくる筈だったのだ。
読みが甘かった。
自分のような童貞でも、ここを責めれば濡れさせる事が出来、
そうすれば相手にナメられたり、笑われたり、恥をかく事も無いと思っていた。
だが話はそう簡単ではなかったのだ。
よく聞く「童貞と処女でうまくいくワケがない」という言葉の意味、
その片鱗を、真吾はここでようやく体感する事が出来た。
今宵、確かにこの戯れを、うまく成功させて終わらせる自信が無い。
そんな男の不安を、女は殆どタイムラグ無しで感じ取る事が出来る。
ひなたも不安になってきたが、ここで一緒になって
オドオドしていては、せっかくの夜が台無しだ。
「……ねぇ、真吾君。
わからない事とか、慣れない事は、お互い一杯あるけどさ。
これから一緒に勉強していけば良いじゃん」
精一杯の勇気を振り絞って彼の手をとり、そのまま自分の股間に押し付ける。
と同時に、これもまた勇気を振り絞って、彼の陰茎を軽く握ってみる。
既に期待でカチコチに膨れ上がって固まっているソレと、
まだ湿る気配すら感じられない自分のアソコとの、温度差が少し悲しい。
「ひ、ひなたちゃん……俺、ここ、どう触ったら良いのかわかんないっス……」
「私だって真吾君の、どうやってあげたら気持ち良くなるのかわかんないもん……」
お互いの不安を打ち消すように、もう一度キスを交わす。
キスというのは便利なものだと、真吾は実感した。
これ程心を落ち着かせるものは他に無いと思った。
もう少し不安定な関係になると、これはこれで人を疑心にからせる行為なのだが
真吾がその辺の事を知るようになるのは、ひょっとしたら一生無いかもしれない。
少なくとも今夜は、キスによって不安を払拭させる事が出来ていた。
「ここ、どうやったら気持ち良いのかな?」
「えっと、軽く握りこんで……そう……んで、上下に動かして……」
懸命に相手に気持ち良くなってもらおうとするひなたに、
男根のシゴき方をレクチャーする真吾。
だが同時に、真吾もひなたに、陰唇の弄り方の手解きを受ける。
「下から上に……そう、優しく……うん、良いカンジだよ」
「ほ、本当っすか?
あんまり相手が気持ち良くなってるって、こっちは実感湧かないモンですね」
「私だってわかんないよ。
真吾君の、大きくなってるだけで、他に何も反応無いんだもん。
えっと、何だっけ……先走り汁とかっての、出て来ないの?」
暗い部屋の中ではカウパーが漏れているかどうかなど視認出来なかったが、
勇気を出して尿道に指で直接触れてみる事で、そこにまだ
何の液体も分泌されていない事を、ひなたは確認した。
真吾もまた、触れる彼女の指先の感触から、自分が先走り汁を出していない事を知る。
本当ならこの緊張感と期待感から、とっくに先走っていてもおかしくないのだが。
体が強張り過ぎているのだろうか。
お互いに何の液体も出さないでは、全く楽しみが無いというものだ。
かと言って意識的に汁など出せるものでもない。
今出来るのは、言葉で直接「気持ち良いよ」と伝えてやる事だけだった。
それが嘘でも。
「気持ち良いっすよ、ひなたちゃん。
手ぇ細くて、柔らかくて、ちょっとひんやりしてて。
こんなの初めてっス」
「本当? 喜んでくれてるんなら、私も嬉しいな」
不慣れな女に、ただ軽く握られて単調に上下されたくらいでは、
いかに童貞とて快感を得られるものではない。
真吾は正直、思った以上につまらないという感想を持っていたが、
それは恐らくひなたも同じだろうから、気をきかせて嘘をついておく事にした。
彼なりのリップサービスといったところだ。
しかしそれを言うなら、ひなたの「良いカンジだよ」というのも、
彼女なりのリップサービスには違いなかった。
そして恐らく、相手が自分のために嘘をついてくれている事は、
互いにおおよそ察しがついている。
だが勿論彼らには、相手を責める気など毛頭無い。
この優しい嘘が、愛撫よりも心地良く感じられるばかりだった。
このゆったりした気持ち良さの中に埋没していられるなら、
あと一時間はこのままテクニックの無い愛撫を続けていても、構わないと思えた。
激しく振り乱れるセックスにも憧れはあるが、それは未来の話で良い。
今はまだ、相手の感じるところも、どうすれば感じるかもわからない、
児戯のような絡みだけで良いのだ。
妥協ではない。これが、ベストなのだ。
二人の『これから』に向けたスタートしては、
最初から感じまくるセックスよりも、遥かに優れたものに違いない。
「うふ……うふふふ……」
少し不気味とも思えるような、にんまりした笑いを、ひなたは浮かべた。
「何だろう、えへへへへ……私、馬鹿になっちゃったかも」
女性にこんな笑顔を向けられては、男としても嬉しくなってしまう。
艶かしく悦ばれるより、ずっと男冥利につきるというものだ。
真吾もつられて破顔した。
無論、この遅々として進行しない交わりでも
十分な満足が得られるのは、彼らが初めてだからだ。
一度セックスを覚えれば猿のようにどこでもヤりたがるようになるし、
それに慣れてくると、今度は場所やタイミングをわきまえるようになる反面、
小手先の技術や、体全体を使った激しさを求めるようになる。
経験のある者ならば、こんな一時間も二時間も愛撫だけの行為など
「かったるい」としか思わないだろう。
梅喧達のような大人の男女が乱交に興じるのも、当然の道理だった。
「これは、さすがに……」
「こんな体位でするのは、私も初めてね」
舞の言う「こんな体位」というのは、人間が四人いなければ出来ない事だった。
男女二人が普通に愛し合うだけでは、物理的に不可能な体位。
それは、一言で言うなら「四角」或いは「円」だった。
闇慈のモノを舞が咥え、舞のアソコを覇王丸が貪り、
覇王丸のモノを梅喧がしゃぶり、梅喧のアソコを闇慈が舐める。
一巡して元に戻ってくるように、フェラとクンニで連結させて、四人で輪になった。
俯瞰して見ると、何か頭のおかしい宗教の儀式のようにも見える。
だがこの円の中心には、崇め奉られるようなものは何も無い。
ただ爆睡するジョー東が、相変わらず部屋の隅で寝転がっているだけだ。
「でもコレ、病み付きになるかも。
ただのシックスナインより、もっともっとゾクゾクしちゃう」
舞は、いつかアンディと合流出来た暁には、
テリーとマリーも誘って、もう一度このプレイを楽しんでみたいと思った。
或いはアンディが見つからなくても、成長したロックがいる。
ごめんね、アンディ。
私、あなた抜きで、こんな新しい遊び覚えちゃった。
今宵もどこかで愉快な仲間達と会議を繰り広げている愛する男に、
舞は一抹の後ろめたさを感じたものの、
それに百倍する程の好奇心と性欲が、歯止めをきかなくさせていた。
「良いぜ、舞。
お前さんの舌技にゃ、女を何人も侍らせてる慶寅の野郎ですら、
感激せずにはおれんだろうよ」
「あら……ん、じゅるっ……私は、こっちよ?」
舞は闇慈の男根から口を離し、覇王丸の人間違いを指摘した。
覇王丸は「しまった」という表情をしたが、時既に時間切れ。
彼の股間に顔を埋める梅喧が、眉間に皺を寄せて睨みあげてきているのがわかった。
「お前、ハイスラでボコるわ」
「わっ、悪ぃっ! つい間違え……」
「他の女と間違えるなんざ、捨ておけるか!」
「なはははっ! 良いじゃねぇか、姐さん。許してやんなよ」
「そうよ。怒鳴る口があるんなら、その分舐めなきゃ」
舞が仕切って、何とか梅喧の怒りを収めさせた。
だがこの後梅喧は、覇王丸を責め立てた事を、すぐに後悔する事になった。
「ん、んむっ……ぷぁっ……すげぇ……じゅぷっ……いつもより、硬ぇ……」
彼女がうっかり呟いたその言葉。
覇王丸がこれを突かないわけがなかった。
「……いつもより?」
言われて、梅喧はハッとした。
しまった。やってしまった。さっき覇王丸を怒ったばかりだと言うのに。
少し口を離して見ると、覇王丸がニヤニヤ笑っているのが見えた。
「お前だって闇慈と勘違いしてんじゃねぇか、あぁん?」
「うっ、うるせぇっ!
こんな状況だったら、普通ゴッチャになるってんだ!」
それは完全に言い訳だったが、納得のいく言い訳だった。
この円を描いた体位での乱交は、気分がおかしくなり過ぎる。
いつもより何倍も高揚し、理性は金魚すくいの紙よりも薄くなる。
正直なところ、馬鹿になってしまうのだ。
それにもうここまで来たら、今自分が舐めているのが誰の股間で、
今自分の股間を舐めているのが誰かなど、あまり意味をなさない。
大切なのは、この四人が全員、互いに全員を愛し合っている、という事だけなのだ。
勿論擬似恋愛でしかなかったが、それもこの際どうでも良い問題だ。
今闇慈の目の前で垂れ流されている愛液が、舞のものでも梅喧のものでも、
或いは梅喧の膣内に舌を挿入してきているのが覇王丸でも闇慈でも、どちらでも良い。
目の前の愛液は舞のものでもあり、梅喧のものでもあるのだ。
そして差し込まれた舌は覇王丸のものでもあり、闇慈のものでもある。
全員が溶け合っているような、波の中をたゆたうような感覚だった。
だが、この激しくもゆったりとした交わりも、
何十分と続けていれば、皆飽きてくる。
女の唾液によって汚れまくった男根を早く挿入したいと男は思うし、
男の唾液によってじっくり熟成された膣に早く挿入して欲しいと女は願う。
飽きると言うよりは、もっと先に踏み込みたいという
願望が強くなってくる、と言った方が正しいか。
「どら、ここらで一発いくとすっか?」
「そうだな。ほら起きな、舞。それに姐さんも」
もう既に少しぐったりとしかけていた女達を、闇慈と覇王丸は起こした。
ジャラリと小さな音を立てて、梅喧は姿勢を整えた。
音がしたのは、彼女の右腕。暗器の連結部分からだ。
そこには彼女の柔肌には似つかわしくない、痛々しい金属の器具がネジ止めされていた。
普段は袖の中に隠している数々の暗器を繋ぎ止めるための、
金具や鎖、蝶番といったものが、細い二の腕の先に密集している。
「悪ぃな、無粋な音立てちまってよ」
梅喧は隻腕をもう片方の手で押さえ、音を殺そうとした。
だが覇王丸は勿論、この場の誰もそんな音は気にしなかった。
彼女の音の一つなのだ。息遣いや足音と、何ら変わるものではない。
「気になんないわよ、そんなの」
舞はそう言うと、梅喧の腕の禍々しい金属部分に、優しくキスをした。
別室でそんな濃厚な絡み合いが行われているとは露知らず、
真吾とひなたの子供じみた戯れもまた、佳境にさしかかっていた。
拙いなりに、何とか単調にならないよう、様々なテクニックを考える。
とは言ってもそれらは全て、経験豊富な大人からしてみれば、
初歩の初歩でしかないものばかりだった。
しかも、とても成功しているとは言えない。
どちらかと言えば失敗続きだった。
パイズリをしようとすれば、ひなたのボリュームの少なさにうまく挟めず、
フェラチオを試みれば、思いのほか呼吸が苦しい事に気付く。
息継ぎがうまく出来ず、何度も口を離しては、男根よりも酸素を多く貪ってしまう。
真吾のクンニも馬鹿の一つ覚えのように単純に縦か横に動くばかりだ。
会陰の部分を攻めるだとか、なるべく肉を左右に広げるように弄るだとか、
その程度の事すら出来ない。
と言うより、そういう方法がある、そういう方法が女には悦ばれる、と言う事をすら知らない。
二人して勇気を出して始めたシックスナインも、形を真似しただけのものに留まった。
「なんか、あんまりうまく出来ないね」
「そうっすね……イメージと実際とは、やっぱり違うっす……」
自分が相手を満足させる事が出来なければがっかりするのは、女よりも男である。
ひなたは自信を喪失していたが、真吾はもっと喪失していた。
世の中にはセックスが下手というだけでフラれる男もいるくらいだ。
ひなたはそんな女ではないが、だからと言って、男の真吾が感じる不甲斐無さは、
ひなたが今感じているものよりも、はるかに重い。
それを慮って、彼女も懸命にフォローを入れようとする。
「え、えっとね!
まだあんまり濡れてないけど、その……確か、友達に聞いた話でさ。
指が三本くらい入るようになってたら、十分挿入れて良いらしいよ」
そう言って足を少し開き、そこに指を挿入するよう、無言で真吾に促す。
真吾は試しに、人差し指を一本、差し込んでみた。
まだ遥かに最高潮には届かないとは言え、時間をかけて解してきただけはある。
指の一本くらいなら、まぁ問題無く入るようだった。
さすがに奥まで突っ込んではいないが、この分なら問題無いだろう。
「じゃ、二本目いくっすよ」
続いて中指を差し込む。だが、もうこの時点で少しきつさを感じる。
少なくとも二本同時に最奥まで入りきる事は無さそうだ。
間違っても、指三本が楽に入るとは到底思えない。
だが、もっと慣らしが必要かと真吾が落胆しかけた途端、ひなたが先を促した。
「三本目……入るかな?」
さすがに無茶過ぎると、真吾は思った。
そんなに柔らかくなってきているとは思えない。まだそんなに開いていない。
それでも一応チャレンジしてみるが、やはり無理なようだ。
三本同時ともなると、指も第一関節ぐらいまでしか入らなかった。
それだけでもう、ひなたは少し痛みに顔を歪めかけていた。
「やっぱ無理っすよ。今夜は慣らしだけにしときましょう。
何度かこういうのを繰り返していって、何日後かに本番にトライしたら良いですよ。
クラスの男友達も、最初はそうしたって言ってたっすもん。
最初は前戯だけとか、一緒にお風呂入るだけとか、そういうのを何度も経験して
付き合って半年くらいでようやく本番に……」
真吾はひなたを気遣って、少なくとも今夜いきなり最後までするのは止めておこうと提案した。
女に無理をさせるのは、紳士のする事ではない。
甲斐性無しとも言えるが、こういうところは素直に真吾の優しさと認めるべき部分だ。
だがひなたにとっては、むしろ逆効果だった。
こんなに自分を気遣ってくれる男に、応えてやれないのは、申し訳が立たなさ過ぎる。
どうせ何度夜を重ねても、最初が痛いのは変わりあるまい。
早くセックスに慣れて真吾を気持ち良くしてやるためには、
一日でも早く経験して、一日でも早く慣れる方が良いに決まっている。
「だ……大丈夫だよ、真吾君。
ちゃんと、指三本、入ったじゃん」
入ったとは言っても第一関節までで、殆ど指を入れたとは言えない。
ちょっと入り口を押し広げた程度のものでしかない。
それなのに無理をして笑ってくれるひなたの愛情を、真吾は無下に出来ないと思った。
「じゃ、じゃあ……痛かったら、すぐ言って下さいね。
ちゃんと止めますし、抜いて欲しかったらすぐ抜きますから」
真吾は額の汗を拭うと、寝そべるひなたの腰を両腕で抱えた。
「ん、と……ちょ、ごめん、もう少し腰浮かせて……リキまないで」
「あ、ごめんね真吾君……えっと、このぐらい、かな? ……あぐっ」
「あっ、だっ、大丈夫っすか!? もう抜きましょうか?」
「大丈夫……ねぇ、もう奥まで届いた?」
「いや、まだ……先っちょだけっすね」
「嘘……? あっ、擦れっ……あ、く……摩擦が、こんなに痛いなんて……」
「やっぱり止めましょうか? 無理しない方が……」
「ううん……ヘーキだから……真吾君を、奥まで頂戴……」
入れるまでで十五分はゆうにかかったが、何とか奥まで到達する事は出来た。
既にひなたは、フルに運動した時と同じように荒い息を繰り返しており、
体中が汗ばんで、これ以上動けないといった風だった。
疲労はピークに達しているのに、ここから更に体を動かさないといけないのだ。
動かすのは真吾に任せれば良いにしても、動く分は確実に熱く、汗も飛び散る。
だが真吾が心配そうに見下ろしてくるのが悲しかったから、
ひなたは懸命に笑顔を返した。
「はぁっ……はぁっ……も、だいじょうぶ……はぁっ……痛みも、ひいたから……」
「……じゃ、じゃあ……動いて、良いっすか?」
ひなたは元気良く返事をしたかったが、さすがに喋る気力ももう無い。
相変わらず呼吸を荒くしながら、どうにか首を縦に動かしただけに留まった。
真吾は、彼女が目を閉じて覚悟を新たにした事を確認すると、ゆっくり動き出した。
初めてのセックスは、真吾にとっても痛みを伴うものだった。
膣の締め付けは想像以上で、引き千切られそうな気さえする。
そもそも指が縦に二本で限界だった穴だ。男根は指を三本束ねたくらいはある。
まだ慣れていない膣は、そこまで拡張されていない。今は無理やり捻じ込んでいるだけだ。
突く度に、睾丸がひたひたと、ひなたの尻に当たる。
イメージトレーニングの中では、そもそも睾丸が当たるという事すら想定していなかった。
そして慣れていなければ、これが意外と痛く感じる。
しかし痛みにかけては、ひなたの方が明らかに上だ。この程度、我慢出来なくては話にならない。
今はただ、初めて感じる女体の中が、こんなにも温かかったという幸せを
強く意識する事で、他の雑多な痛みに思考を振らないようにするだけだ。
「はぁ……はぁ……はぁ、はぁ、はぁ、はぁはぁはぁ……」
最初は小刻みだったひなたの荒い息は、途中からもはや、刻む隙間さえ無くなった。
突かれ続ける肉体からは汗が無限に噴出し、酸素はいくら取り込んでも足りない。
喘ぎ声こそ出ないものの、それは快感を得ていないからであって、
挿入による痛みとピストン運動による疲労が継続される以上、呼吸は荒くなり続ける。
「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……」
色気も何もない、ただの断続的な呼吸。
息を吐いて、息を吸って、息を吐いて、息を吸って息を吐いて息を吸って息を……。
ただその繰り返し。
もはやセックスをしているのではない。
運動をしているだけだ。少なくともひなたにとっては。
気持ち良くもなんともない。スクワットを延々と繰り返しているのと変わらない。
しかし真吾が気持ち良くなってくれるのなら、今夜は一先ずそれで良い。
二人で気持ち良くなれるのは、もう少し先の話で良いのだ。
「うっ……ご、ごめん、ひなたちゃん! 俺、もう……っ」
真吾はピストン運動を開始してから三十秒と保たずに、彼女の中で暴発した。
痛みと疲れで思考はまともに働かなかったが、びゅるっ、びゅるっと
中で熱い液体が子宮に流し込まれている事だけは、漠然と認識出来た。
「はぁ……はぁ……良かったぁ……真吾君、イケたんだ……」
「ごめん、ひなたちゃん。俺ばっか気持ち良くなっちゃって……」
「ううん……大丈夫だよ……真吾君が私の体でイってくれたんなら、
今夜はそれで満足だもん……」
眠りに落ちそうな程の虚ろな声色でそう言うと、ひなたはそのまましばらく、
ベッドの上で荒い呼吸を繰り返し続けた。
「あぁんっ! ソコォお! ソコ良いんっ! もっと突いてぇっ!」
「おふっ、んんっ! んあぁあんっ! もっ、声、我慢れきな……ぁあっん!」
感じ方もわからない生娘とは違って、舞と梅喧は、
隣の部屋に聞こえてしまうような声量で、喘ぎ声を喚き散らした。
もっともこの部屋は覇王丸と梅喧と楓の部屋で、廊下の一番端だ。
反対側は闇慈達の部屋だが、当の闇慈と舞はこちらにいるし、
ジョーは相変わらずまだ眠ったままだ。作者に無視されたまま。
公営の闘技場が傍にあるような宿だから、そこまで安宿ではない。
防音は割りとしっかりしているので、隣に声が聞こえる事があっても、
そこを突き抜けて更に隣まで声が漏れる事は無さそうだった。
ラストスパート。
舞は後背位で、梅喧は正常位で、それぞれ闇慈と覇王丸に貫かれていた。
ただそれだけでは、四人も集まっている意味は無い。
そこで少々変わった趣きの体位で繋がっていた。
闇慈と覇王丸が距離を置いて向き合い、その間に女達が挟まれるような形だ。
舞と梅喧は、ちょうど唇が触れ合うくらいの位置で、顔を逆さまに重ねる。
そして互いに舌を伸ばし、後は体が揺れるたびに、互いの舌が行きつ戻りつするという寸法だ。
舌と唇が縦に激しく動き、口ばかりか、鼻や顎まで舐め合う事になる。
上にいる舞の唾液は汚らしく飛び散り、梅喧の顔面をこれでもかと涎まみれにする。
だが梅喧はそれを汚らわしいと思う事もなく、むしろ舞の唾液を
勿体無いと言わんばかりに、顔中口中で受け止める。
重力に引っ張られた舞の巨乳はブルンブルンと揺れ、
重力で潰れた梅喧の豊満な乳房も、たぷんたぷんと泳いだ。
擬音にすれば子供っぽい程単純だが、この豊かな揺れは、成熟した女でなければ出来ない。
その光景を、覇王丸も闇慈も、満足そうに眺めていた。
「くっ、よく締まるぜ……っ」
「こっちもイイ具合だ。何回でもハメれそうだな?」
「お、ぉお……奥まれ……とろいてるぅっ……」
「きっ……あ、かっ……感じまくっちゃうぅ……」
理性も自制心も失い、遠慮なく卑猥な言葉を口に乗せてしまう女達。
子宮口に亀頭が激突するたび、叫び声をあげる。
「あぁっ! ひぃんっ! おっ、ぁあっ!」
隣室には誰もいないとは言え、部屋の前の廊下を誰かが通る可能性はある。
一番端の部屋ではあるが、誰かが用事で訪れる可能性もあるし、
楓が今このタイミングで帰ってくる可能性もある。
だがそんなリスク計算は、彼女達にはもはや出来なかった。
「イクッ! もうイっ、イッ、イクぅふゥゥっゥゥゥウウゥゥッゥんンっ!!」
「出ひてっ! ナカに全部出ひてぇぇえぇェエんっ!!」
連投規制解除
翌朝。
メイが目を覚ますと、何やら聞きなれない男の話し声が聞こえた。
眠い目をこすって凝視してみると、端整な顔立ちの日本人の若者が部屋にいる。
ジョニーや吉野凛花と話しているようで、内容は何と言う事の無い世間話だった。
「ねぇ、そのお兄さんは? 何でうちのチームの部屋にいるの?」
「この兄ちゃんは楓っつってな。覚えてないか? 昨日の試合」
メイは基本的にジョニー以外の男に興味は無い。
それでも乏しい記憶を振り絞って何とか思い出してみる。
確か、梅喧とチームを組んでいた青年だ。
試合を途中で棄権して、多大なブーイングを浴びていた。
「その楓君が、何でこの部屋にいるの?
ボク寝てたから知らないけど、ひょっとして一晩中いた?」
楓は申し訳なさそうに頭を掻き、精一杯の愛想笑いで何とか誤魔化そうとした。
「事情があるんだよ。昨日の夜に自室に戻ったら、鍵が開かなかったらしいよ」
苦笑いしつつ満足な言い訳の考え付かない楓に代わって、凛花がメイの疑問に答える。
楓は、昨夜散歩に出かけて凛花と出会った後、
部屋に戻ると鍵が内側から閉められており、呼び鈴を鳴らしても
誰も出てくれなかった事を釈明した。
そこで、知り合ったばかりの凛花に失礼とは思いつつも、
他にツテが無いので、一晩だけ甘える事にしたのだ。
部屋を出ると、ちょうどロビーで、梅喧達と合流出来た。
「お早う御座います、覇王丸さん。梅喧さん。
昨晩はどうなさっておられたんです?
鍵は開かないし、呼び鈴鳴らしても誰も起きてこなかったし……」
「ん……いや、まぁ……その、何だ。うん、悪かったな。忘れろ」
「はぁ……?」
まさか楓のいない隙に乱交にハマって疲労し、呼び鈴も聞こえない程
四人でぐっすり眠りこけていたなどと、梅喧には言えなかった。
終了です。
舞は心に決めた相手以外の男とのキスは拒むし、その心に影響は大有りだぞー
映画版で唇をかみ締めてキスだけは拒もうとしたし…
まぁ乙っス。
そんな事言ってたらエロパロって成立しない
ついでに言うと映画版って二次創作の一種でそ
俺は舞は淫乱でいいと思ってる。
GJ!
>>473 その作品は知ってるが、君は大事なことを忘れている。
ここはエロパロ版だということだ。
ぶっちゃけると、気絶した女キャラにエロいことするのが目的なので、
血まみれとかはマズイんだw
油断して気絶とか、そういうのじゃないと。
>>491 グッジョブ。
しかしオレは、なんか真吾のほうが目に付いた。
スクワットと変わらない、とか思われてる辺りに、なんか涙が出たw
エロパロに登場する女性キャラは全員淫乱な方が都合が良い
初対面でも会った瞬間「ヤろうか」「うん」で前置きが済むからwww
保守ついでにスト3まこと×ヤン小ネタ
土佐弁が変でごめんなさい
ここ最近のひどい雨で、俺は故郷の中国へ帰る便を失った。
日本ではこの雨を「ゲリラ雷雨」とか「ゲリラ豪雨」とかいうらしい。
そこで仕方がなく、竜胆館の空手少女、まことの世話になっているわけだ。
少女、といっても俺は最初、彼女を男とばかり思っていた。
まことは随分ボーイッシュで、格闘技について語らせれば俺よりも男らしい。
ところが、当の本人もその男らしさに悩まされているというのだ。
それで、その男らしさに打ち勝つ為に女らしさを磨くんだ…とか言って、
俺は押し倒されてしまっている。
「う、あ、あっ!や、やめてくれ……」
あっという間に着ていたシャツをひんむかれた俺は、執拗な胸元への愛撫に
悲鳴をあげるしか出来なかった。実に野性的な感覚で俺を貪り、
本能的な感覚で俺の性感帯を嬲っている――男のやり方そのものだ。
「ヤン、どうかえ?気持ちええかよ?」
「きっ、気持ちいいっ気持ちいい!気持ちいいからやめてくれぇっ!」
「そいつぁいかんぜよ。うちが女らしゅうなるまで付き合ってもらわんと」
そう言いながら、まことは俺のズボンの上から「アレ」を摩った。
待ってくれ、本当に……お前が女になるまえに俺が女になってしまいそうだ!
勃ち上がって弾けんばかりの俺を、まことはズボンから解放してジュボジュボと
激しく口で吸い上げた。
ああ、俺はもうダメだ――。
すっかり参って、俺は抵抗するのもやめた。
まことが女らしさを磨くのは、もっと先のことだろう……。
おしまい
wktkしてたら、たった1レスで終わってしまったwww
しかしこれはGJと言わざるを得ない
>>495 いやだから、血まみれ→気絶させてエロ実行、という流れでもいいと思うんだがね俺は
だってそのほうが読んでいて刺激的でそそるだろ
>>499 そういうのは嫌いじゃない
是非書いてくれ
501 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 15:53:08 ID:or9sRzZG
保守がわりにネタ。。。
ファウストの浣腸がエロいってニコ動画とかにもUPされてるけど、SFとかKOFのキャラならどんな反応するかね?
つーか上で強さ議論をしていた連中について思うんだが、
格闘ゲームって実際の戦闘力はおろか、設定も曖昧な部分が多いし考察したり摺り合わせる中で難しい
あと戦闘力もゲーム中しか表現されていないから実際はどこまであるのか不明だし故にメディアによって実力関係にバラつきがある
ジョジョやメルブラは原作が存在しているから既にキャラの実力関係はきっちりと決められているけど、
SFや餓狼などの他の格ゲーは原作というものが一切存在しないから、実力なんて全く不明
ただ「ボスキャラ>主人公格>その他」の基本的な設定だけ守っておけばそれで充分
それにジョジョだって格ゲーでは花京院やイギーでDIOを倒せるんだから、それと同じ理屈だ
第一クロスオーバーなら尚更、実力の決めつけなんてできるはずもない
くどい様だが、「ボスキャラ>主人公格>その他」の基本的な設定だけ守っておけばそれで充分なんだ
上でERO2181の作者がネタバレしてしまってはいるが、四天王のことだってしっかりと説明しているんだから普通に納得いくだろ
四天王は原作でもボスキャラ、つまり主人公格より強いという決まりがある
だから最終決戦で、彼等はソルたちギアや京たち三種の神器を一捻りで片付けられる描写にするつもりってことでしょ
まあつまり何が言いたいのかというと、考察する場合
「全てが曖昧なんだから実力なんて個人で自由に決定し、あとはクロス先の作品設定の修正を格ゲー側に付け加え、
その他の設定は個人で考えたオリジナルのものを導入する。」ということだ
どちらにせよ他所の文をコピペってまで書かずとも良い
過疎ってる状態だけに居るかどうかは分からぬが…
ええと、EFZみたいな同人ゲも了承の領域に入るのだろうか?
メルブラも入ってるからには、QOHだって対象にはなるかもな
今まで葉鍵スレが無かったが、まさかここがそうなるとは……
506 :
502:2008/08/29(金) 12:31:22 ID:GScKkrCe
>>504 いや俺は「商業、もしくは商業に進出した元同人」の格ゲーを対象に言っているから、
未だに同人にしか出ていないものは含まれないよ
それに同人のほうまで含めると何かとごっちゃになってくるし
そもそも基本的に商業側のほうが同人側より知名度高いからな
分からんがそうじゃねーの?
ガンダム・ザ・バトルマスターのキャラは格ゲーに含まれる?
>>506 そんじゃ、どうもこの静かな状態を打破できる楽しい方法は有るのですかな?と
やはり静かなのは寂しいし、二次のお遊びって感じで少しはアホになるというか
気楽になってもいいんじゃねーかい?いや単に葉鍵キャラで何かできねーかな?とか
そういうヤマシイ考えを抱いたわけじゃくぁwせdrftgyふじこlp
ブシドーブレードは含まれるのだろうか
512 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 12:37:09 ID:BJ0zQBnc
>>510 うわぁ・・・・・痛いなぁ・・・・
とりあえずここで商業と商業に昇格した元同人のほうがいい気がする
>>512 そりゃすいませんね。
何か良い方法無いかと思ったんだが「痛い」ですか
ハァ…
…もう駄目だなここ
もう、どんどん格ゲー嫌いになっちまうわ
盲目的なキャラ信者から何でもかんでも痛い痛い抜かして
まとも人間気取ってるクズ
何年も何ヶ月も耐えに耐えても何の見返りも有りゃしない
515 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 13:04:53 ID:SUJIKk9M
少しはアホになるとか葉鍵キャラという言葉を用いたのが良くなかったんだと思われ
けどまあ俺自身、あまり格ゲー作品を後々話してる最中に何から何かとごちゃごちゃしてきそうだから、
一応多くて商業と元同人に絞ったほうがいいと思う
葉鍵キャラはそれ専用のスレあるんじゃね?
スレ占有にもなりたくないので、他の誰かが投下するまで
自粛しようと思ってましたが、あまりにも閑古鳥が鳴いてるので
Eventual Rumble Orochi 2181 第二十一話
ただし今回もまた全然エロくないのと、話の大筋には関係無い話なんで
どうか皆様、斜め読みするなり読み飛ばすなりして下さい。
大会二日目の朝は、昨日にも勝る熱気に包まれていた。
気温の問題ではない。
昨日の試合で白熱した戦いぶりを見せ付けた二つのチームが、
今度はまた別のチームとぶつかり合うのだ。
観客席は満員の客でごった返し、隣の席の者の声も聞き取れなかった。
人間の体温は平均して36度から37度。
概算で40度近いと考えれば、この熱気も当たり前と言える。
40度と言えば、風呂の温度とほぼ変わらない。
そんな物体が所狭しと敷き詰められているのだ。
熱いのは避けようが無い事だった。
だが今日の試合は、そのうだるような熱さを耐えてでも、見る価値があった。
ジョー東筆頭の半裸チームを軽くあしらったジョニーチームと、
リュウチーム相手に決勝クラスと言って差し支えない戦いを繰り広げ、
互角の末にとうとう決着のつかなかった京チーム。
この二つのチームが、今日ここで激突するのだ。
国連所有の闘技場であろうと、試合内容が賭博に利用されるのは防ぎようが無い。
場内の目立たない所や影になったところ、あちこちで賭けが催されていた。
現在のところ、京チームの方が高い人気を誇っていた。
昨日の試合を見せ付けられれば、もはや彼らの強さを疑う者はいなかった。
反面ジョニーチームは、内二人が女子供なのだ。
ジョニーがジョーを倒した事にしても、圧倒的過ぎた面もあって、
大半の観客はジョニーが強過ぎるのではなく、ジョーが弱いのだと判断していた。
もっともそんな風に判断するのは、戦闘や格闘の事を何も知らない、素人だ。
多少本気で格闘技に入れ込んだ事のある者なら誰でも、
ジョーが並みならぬ戦士でありながら、ジョニーがそれを更に上回っていただけだと、
立ち居振る舞いや雰囲気、眼光から読み取っていた。
そういう者達はジョニーチームの勝利に賭けていたが、極少数でしかなかったので
大抵の賭博参加者には、ただの穴馬狙いだとしか思われていなかった。
その大多数の賭博参加者達が度肝を抜かれるのに、そう長い時間はかからなかった。
試合開始から五分後には、当初の予想は一転。
誰もがジョニーの勝利を疑わなくなっていた。
「はぁ……はぁ……」
全身から汗を噴き出し、もはや膝が笑っている状態の、草薙京。
対するは件の達人、ジョニー。その表情はまだ涼しげだ。
一方の京は、着衣のいたるところが切り裂かれ、皮膚の所々がナマス斬りにされていた。
傷はどれも浅いが、全ての傷口から出血していれば、見た目は凄惨な事になる。
辛うじて傷が浅いのは、京が皮一枚で避けているからだった。
「今のが雲張師範直伝の抜刀術、ミストファイナー……そのレベル3だ」
人間の視機能で捕捉出来ない程のスピードで繰り出された、無数の剣閃。
ジョニーがこの繰り出される無数の切っ先の内、わずか一発でも
殺す気で当てていれば、京は今頃生きてはいなかったろう。
方や紅丸と真吾も、それぞれ凛花とメイに苦戦を強いられていた。
少女の細い腕からは想像もつかない怪力。
軽々と振り回される錨は刀のように素早く、それでいて重い。
一発でもまともに当たれば骨は砕け、内臓は潰れる。
掠るだけでも姿勢を崩されるのだから、一瞬たりとも気が抜けない。
だが一撃が重い分、どうしても隙は大きい。
その隙を狙って攻撃を差し挟もうとすると、今度は凛花の大刀が狙い打ちにしてくる。
飛び道具があればいくらか対処しやすいのだが、真吾にはそれが無かった。
紅丸には飛び道具があるにはあるが、それだけでは足りない。
所詮、飛び道具があればいくらか対処しやすくなるというだけであって、
飛び道具があればこの二人に確実に勝てるというわけではないのだ。
だから飛び道具も得意で、インファイトにおいても精鋭である京こそが
この少女二人のコンビネーションに対する、数少ない有効打となる筈だった。
しかしその京は、ジョニーに捕捉されている。。
背を向けて紅丸と真吾のフォローに走り出そうものなら、そこで終わりだ。
気がつけば病院のベッドの上にいるに違いない。
京チームは三人とも攻めあぐねていた。
ジョニーはコートの内ポケットに、何枚か金貨を隠し持っていた。
これは彼流の遊びの一種だった。
彼程の男が本気を出せば、抜刀の一撃で大抵の人間は殺せてしまう。(金色の時とか)
それでは勝負がつまらないし、そもそも殺すのは彼の趣味ではない。
そこで自分に枷を与えるのだ。
通常のミストファイナーはレベル1。
試合の最中金貨を指で弾き飛ばし、相手にそれが命中すれば、
ミストファイナーのレベルを上げる。
レベル2はレベル1より更に早い。
レベル1は見てから何とか反応出来ない事も無いものだが、レベル2はそうはいかない。
そして先程京に披露したのが、レベル3。
レベル2を無数に繰り出す、本来のミストファイナーの姿だ。
京は試合中、既に金貨を二枚、それぞれ胸板とふくらはぎに命中させられていた。
「はぁ……はぁ……野……郎ぉっ……!」
殺気のこもる眼差し。
だが百戦錬磨のジョニーにとっては、眼光だけで萎縮する事などあろう筈も無い。
「安心しな。今レベル3を使ったから、これでリセットだ。
次はまたコインを当てないと、レベル2以上は使わない。
そういうルールだからな」
「テメェの自己満足ルールなんざ知るか!
次は正面から叩き潰してやる! もう一度同じのを使ってこい!」
京は既に冷静さを欠き始めており、ムキになっている。
外聞を気にせず、あくまで試合の上での勝利にこだわるなら、
相手が手加減してくれるのは、付け入る隙という他無い。
それを敢えて蹴り、何が何でも真正面から潰すと言うのだ。
「やめろ京! いくらお前でも、それは……っ」
紅丸が止めようとするが、京に聞く耳は無い。
だが聞き入れる気が無いのは、ジョニーも同様だった。
「熱くなりなさんな。お前さんは十分強い。
素手ゴロでなら、俺はお前さんには勝てんだろうよ」
「うるせぇっ!
武器持ってねぇから負けて当然だとか、
テメェが俺の立場なら思うかよ!?」
それもそうだ。
ジョニーは納得したが、それでも本気を出すつもりはなかった。
楓同様、ジョニーもまた、冷静にこの大会を見つめる男の一人だった。
戦士同士の潰しあいは避けるべきだ。ここで本気を出して京を潰すわけにはいかない。
何と言っても京は、オロチ対策としては最大の存在なのだ。
湧き上がる炎。
周辺の酸素を食いつぶして、京の全身から灼熱が噴き上がる。
体は黄金色に発光し、掲げられた右腕に、全ての力が集約されていく。
「食らいぃ……やがれぇえっ!!」
MAX版大蛇薙がジョニーに襲い掛かる。
ジョニーは軽く飛び上がって大蛇薙を避けると、京の真上から火柱を放った。
それは京の大蛇薙に比べれば随分細くて力の弱そうな炎だったが、
ピンポイントで狙撃出来るならば、炎の大きさなど本来どうでも良い。
効率の良いダメージを与えられれば、それで事足りるのだ。
「ディバインブレイド!」
「ぐはぁっ!」
カウンター気味に火柱の直撃を受けた京は、そのまま地面に叩きつけられてしまった。
余裕の足取りで着地したジョニーは、倒れ伏す京にゆっくりと振り向いた。
「や〜れやれ、ガッカリだな。
こんなのに封印されるなんて、オロチってのは案外弱いんじゃないのかい?」
設定上はともかく、確かに実物のオロチは、ボスとしてはえらく弱かった。
まぁそんな事はどうでも良いが、京とて、一人でオロチを倒したわけではない。
三種の神器の力が揃って初めてまともに対抗出来た相手なのだ。
それも、クシナダという生贄を与えられていなかった、不完全状態のオロチの話だ。
完全体となったオロチが如何程の戦闘力を発揮するか、想像さえ出来ない。
「だったら……テメェがオロチの相手してみろやぁっ! キザ野郎ぉおっ!」
怒りの炎を吹き荒れさせながら、京は立ち上がった。
周囲の気温は常温を遥かに超え、汗すらも蒸発させてしまいそうだった。
距離が少し離れてはいたものの、メイと凛花はあまりの熱気に、吐き気さえ感じた。
真吾は元より、紅丸でさえも目の奥がチリチリと熱くなり、眩暈に襲われる。
ともすれば血液が沸騰しそうだ。
だがジョニーだけは、相変わらず涼しげな顔で立っていた。
「ほぉ……足元の地面が熱で溶けかかってるな。
俺じゃそこまでの炎は出せない。法力に関してなら、お前さんの方が明らかに上だ」
ジョニーは京を褒め称えるつもりでそう言ったが、
今の京にとっては、神経を逆撫でされただけに過ぎない。
純粋な破壊力では劣ると公言した相手に、では何故自分は、こうも簡単にあしらわれている?
経験の差、武器の有無、戦闘中の抽斗の多さ。理由はゴマンと思いつく。
だがそれで納得して、はいそうですかと、大人しく引き下がるわけにはいかない。
京は滾る熱気を孕んだまま、メイと凛花に声を投げかけた。
「おい、そこのジャリん子二人」
悪鬼羅刹のごとき闘気を燻らせる京の口からこぼれてくる声。
それはメイと凛花を、恐怖させるに十分だった。
だがその口からこぼれた次の言葉は、二人にとってあまりに意外だった。
「お前ら、リングの外に出ろ」
その言葉の意味がわかったのは、ジョニーと紅丸だけだった。
「……はっ!? 何言ってんの?」
「この大会は場外に出たら負けなんだよ。誰がそんなの聞かなきゃいけないんだ」
メイと凛花は訝しげに思いながらも反論の言葉を口にした。
「どの道このグラサン野郎が俺らに勝ったら、
次の試合からはテメェらも続投出来るんだぜ。
それとも何か? お前らがいなけりゃ、グラサンは俺らに勝てねぇか?」
「そんなワケないじゃん!
ジョニーの手にかかったら、君みたいな奴、イチコロだよ」
「だったら良いだろうが。テメェらは外出てろ」
押し問答がしばらく続く。
メイも、勿論凛花も納得出来なかったが、何とジョニーが、京の提案を飲んだ。
「下がっててくれないか、二人とも。
ヤッコさんにも考えがあるのさ」
敵チームの考えなど汲んでやる必要がどこにあるのかとメイは反論したが、
しかし京の闘気は相変わらず凄まじく、本当は呼吸するだけで喉が焼けそうな程だ。
大人しく下がっておいて息が楽になるのは、正直有難い。
「俺らも下がっといた方が良いのかな、京?」
紅丸が背後から問いかける。
「いや、お前らは……あぁ、まぁそうだな。
お前らだったら自力で回避なり防御なり出来ると思ってるけど、
相手だけ退却させといて、身内は下がらせねぇってんじゃ、不公平だわな」
自力で回避。自力で防御。
そのヒントだけで十分わかる。
京は、大技を仕掛けようと言うのだ。
そしてその技は、回避や防御が困難と言う事だ。
少なくとも、メイや凛花にちゃんと対処が出来るかどうか、京自身保証出来ないくらいには。
それに内心、紅丸ならまだしも、真吾には回避も防御も
出来ないかもしれないという一抹の不安さえ、京の中には残っていた。
それ程までに大規模で高威力、極めて危険な技を繰り出す腹積もりなのだ。
大人しくメイと凛花、紅丸と真吾は、それぞれリングの外へと降りた。
会話の一部始終を聞きとっていた審判は、それでも規定上の都合から
「4名は失格となります」とだけアナウンスした。
これで邪魔者はいなくなった。
京は思う存分、秘めた力を発揮出来る。
ジョニーも胸が躍る気分だった。一体どんな技を見せてくれるのか。
「テメェも気ぃつけろよ、グラサン。
威力をセーブするつもりは毛頭無ぇからよ」
リング外から、メイの黄色い声援が聞こえてくる。
「頑張れジョニー!
そんな奴、昨日のパンツ男みたいにチャチャッとのしちゃえー!」
ジョニーの背中を後押しするつもりの声だったが、
フェミニストのジョニーとしては申し訳ない事に、
生憎その声は野次程度にしか思えなかった。
昨日の闘いの意味を、ジョー東の敗北の原因を、メイは全く理解していない。
メイは子供とは言え、その事が、ジョニーを幾ばくか寂しい思いにさせた。
昨日の試合の際のジョーの心境は、先程までの京と、恐らく変わらないだろう。
即ち、メイや凛花がいるせいで、全力が出せなかったのだ。
クロス・ギガンテス。
その技の存在をジョニーは勿論預かり知らなかったが、
ジョーが何か奥の手を残している事だけは、試合中の気配から読み取っていた。
そしてもしその技をジョーが繰り出していたならば、
子供であり体力の劣る、メイや凛花が今頃こうして元気に立っていられたか、疑わしい。
昨日の試合でジョニーは、チームの二人を下がらせはしたが、
リング外にまで追い出したわけではない。
だがもしリング外にまで下がらせていたか、或いは既にその時点で
メイと凛花がそれぞれ敗北してリング上から去っていたならば、
ジョーは安心して自身の最強の技を使う事が出来ただろう。
平たく言えば、メイ達を気遣ったからこそ、ジョーは本気が出せなかったのだ。
それは舞と闇慈も同様だった。
イスカをプレイした事のある方なら良くわかるだろう。
攻撃判定の広い技に味方を巻き込んで迷惑をかけてしまった経験はある筈だ。
味方ではないものの、メイと凛花を巻き込む事が、彼らには出来なかった。
大技というものは、一対一の試合ならまだしも、
多人数での戦闘では攻撃判定のセーブがきかず、使い辛いものだ。
その意味で、法力を殆ど使わない戦法を完成させているジョニーは、
この形式の試合を比較的楽に戦える身分だった。
味方や、思いもよらぬ別の敵への巻き添えを、考慮しないで済むのだから。
実際イスカの時こいつ使ってて味方巻き添えにした事殆ど無いし。
だが今日この場は違う。
ジョニーが承諾した事によって、ジョニーと京以外を、
安全圏に下がらせる事が出来た。
「しまったな。俺もあーすりゃ良かったか」
観戦していたジョーは、自分も同じ提案を昨日、
ジョニーに持ちかければ良かったと、今更後悔していた。
「この業火で……灰となれぇえっ!!」
京は高まる炎を一点に収束させ、足元の地面に打ち付けた。
伍百伍拾伍式・神威。
辺り一帯を爆炎で覆う程の規模を誇る、京が最も信頼する技の内の一つ。
轟音とともにリングを形成するブロックが軒並み弾け飛び、砕け、
一部のブロックや破片は、観客席めがけて飛んでいった。
「うわぁあっ!」
「こ、こっち来るぞぉーっ!」
観客達は喚き散らしながら逃げようとしたが、その必要は無かった。
客席とリングサイドの境目には、法力で作られた見えない結界が張られていたからだ。
ジュッ、という音を立てて、ブロックの破片は粉となって空気中に消えていった。
メイと凛花(と真吾)は、リング外にいて尚、
この大気すら発火させんばかりの勢いで燃え盛る炎に委縮し、
腰を抜かしてしまいそうになっていた。
辛うじて紅丸は堪えていたが、眩さのあまりに目をまともに開けられない。
「この大会でこの技を見る機会があるとはな……
しかしこれなら、あのジョニーって男も流石に……!」
リングはもう殆ど全面的に瓦礫と化し、わずかに端の方にのみ
割と無事なブロックを残すだけとなってしまった。
もしも昨日ジョーがクロス・ギガンテスを放っていたならば。
このリングは、京が破壊するよりもっと早く、崩壊していたかもしれなかった。
だがそんな大規模な爆炎すらも、ジョニーには軽く流されてしまった。
この技は極大の攻撃範囲を誇るが、ただ一つだけ、攻撃の当たらない場所が存在する。
これはこの技に限った弱点ではないのだが、使用者の真後ろが死角となるのだ。
延焼によりリングのほぼ全面が焼け飛んでいたが、京の背後のわずかな空間だけが、
炎が届く事なく、多少焼け焦げながらも、原型を残して留まっていた。
ジョニーは、金ジョニー時のワープに近い速度で、そのわずかな空間に着地していた。
「遅いぜ、僕ちゃん。ミストファイナー!」
切っ先が振り向こうとする京の胸板を狙い撃ちにする。
だが京の表情に驚愕は感じられなかった。
むしろ不敵に笑い、その鋭い眼差しからは、脳内麻薬を大量に分泌しているのがわかる。
京は寸分の差でジョニーの抜刀を潜り、姿勢を大きく落とした。
「なっ!?」
やっと見つけたぜ。テメェの隙を!
地面を擦る程の低空から繰り出される、超々下段のアッパーカット。
これを命中させるためにこそ、京はわざと神威を空振りさせたのだ。
ジョニー程の達人に気を抜かせるため、意図的にミスを演出した。
「受けろ! このブロウッ!!」
決まった。
誰もがそう思った。
だが次の瞬間、京の体は後方に大きく吹き飛んでいた。
シャツの胸元には一際大きな裂け目があり、遠目にも出血が見てとれる。
砂の乾いた音を立てて、京は背中からリング上を滑っていった。
観客達はおろか、殆どの大会参加者達にも、今何が起こったのかわからなかった。
リュウやテリーなどの一部の強者や、技を受けた京本人にのみ、技の正体がわかっていた。
「はぁっ……! はぁっ……! っくそ……ったれぇ!」
背を崩壊したリングに預けながら、京は天空に向かって罵声を上げた。
最後の瞬間にジョニーが放った攻撃。見事と言う他無かった。
単純な体術なら、自分はまだ当分、この男には勝てないだろうと思い知らされた。
この試合は、自分達の負けだ。京はそう判断していた。
大蛇薙と神威を立て続けに放った自分には、既に起き上がる気力も体力も無い。
他のメンバーは全員場外で、ピンピンしているのはジョニーのみ。
悔しいが、潔く敗北を認めるしか無いと思った。
だがそんな京の考えに反して、先に敗北を認めたのは、あろう事かジョニー本人だった。
「この試合、お前さんの勝ちだ」
「……はぁ!?
今疲れて声も出せねぇんだよ……
ツッコミの必要なボケかましてんじゃねぇ……」
「いやぁ、俺はジョークのつもりは無いぜぇ」
ジョニーはそう言うと、胸元から金貨を二枚取り出した。
最後に彼が放った技。
あれは間違いなく、ミストファイナーのレベル3だった。
本当はレベル1の単発で京を仕留めるつもりだったのが、回避されてしまった。
そのままなら間違いなくボディブロウを食らい、結果は今とは逆になっていただろう。
京の拳は正確に鳩尾を狙っており、食らえばジョニーとて人間だ、
まず倒れていたに違いないし、起き上がる事もかなわなかったろう。
そのため咄嗟に彼はレベル1から続けざま、レベル2を放ったのだ。
ただ単発で撃ったのなら普通のレベル2だが、今回は違う。
最初に放った一発目と含めて考えればむしろ、
一発目と二発目の間の『隙間』の短さを考慮しても、
これはレベル3を二発目で止めた、という表現の方がむしろ近いのだ。
彼はレベル1以外のミストファイナーは、コインを当ててからでないと
使わないというルールを、自らに課していた。
それを破って使ってしまったのだ。
それも、ミストファイナーの最高位である、レベル3を。
更に言えば、それを受けて京が大きく吹き飛ばされたのは、
ミストファイナーの威力によるものではない。
ジョニーが咄嗟に放った手加減無しのミストファイナーなら、
本来京は既に胴体が上下に切り離され、死体となって内臓をぶちまけていた筈だ。
京はあの切迫した瞬間において尚レベル3を見切り、わざと派手に後方に吹き飛んだのだ。
回避出来ないと判断した上で、ダメージを最小限に抑えるために。
大多数の観客からしてみれば、ジョニーの放った見えない攻撃で
京が吹き飛ばされたように見えるが、実際にはジョニーの放った見えない筈の攻撃すらも
京は見事に見切って回避した、といった方が正しいのだった。
試合前半では見切る事の出来なかったレベル3をこの土壇場で見切り、
バックステップによるダメージの最小限化までしてみせた京。
次戦う事があるならば、最初からレベル2やレベル3を使わねば
負けるのは自分の方だろうと、ジョニーは悟っていた。
「ボク、まだ戦い足りないよ!」
駄々をこねるメイを宥めながら、ジョニーチームはリングを後にしていった。
観客達も盛大にブーイングした。
昨日の楓の棄権といい、二日も続けてこんな興醒めな事をされては、
金を返せとも言いたくなるものだ。
もっとも今回の大会では、飲食代は別にして、入場料は無料だったのだが。
「皆様、お静かに!
ただ今の試合の内容を、上空のビジョンで再生してみます!」
審判の合図でリングの上に立体映像が映し出される。
それは何十倍ものスローがかけられており、冗長な程長く感じる。
だが、ジョニーが実はミストファイナーを二発撃っていたという事と、
京が吹き飛ばされたのではなく、わざと急制動をかけてバックステップしていた事は
何とか映像で確認出来る範囲だった。
ジョニーがこれを理由に敗北を認めたという点に関しては、賛否両論だった。
潔いと称える者のいる一方で、そもそもレベル3までが本来の実力なのだから、
事前に自分の中で枷を定めていたとて、真の実力には関係無いと主張する者もいる。
だがその最強のレベル3を見切ったのだから、京の方が強いのではと感じる者もいた。
そしてこの結果を一番受け入れられなかったのは、当の草薙京本人だった。
「納得出来るかっ! こんなモン!」
「落ち着けよ、京……」
「草薙さんの気持ちもわかるけど、もうこれで決定しちゃいましたもん」
紅丸と真吾が何とか京の憤りを収めようとするが、なかなかそうはいかない。
控え室に戻るまでの間、京はずっと苛立ちを隠す事が無かった。
試合終了直後の、ジョニー達の控え室。
ただチームごとに個室を用意する程部屋は用意されていないので、
赤コーナーと青コーナーでそれぞれ用意されただだっ広い控え室の中に、
各チームが雑多に入り混じっている、といった風に使われていた。
そこでは、京の怒号が鳴り響いていた。
一旦自分達の控え室に戻った後、少し体を休めてから、
ジョニーに物申すために反対側の控え室まで赴いたのだ。
「ざっけんな! 俺にどのツラ下げて明日から試合に出ろってんだ!」
ジョニーの胸倉をつかみ、ここで再戦を始めてしまいかねない程、怒りをぶつける。
だが本当に殴りかかってしまったら、これはもう大会とは無関係の、暴力事件だ。
傍には警察であるカイもいたから、紅丸と真吾は、必死で京を止めようとしていた。
「止めましょうよ、草薙さん!」
「真吾君の言う通りです。
お気持ちは察しますが、ここで暴れるのであれば、
私も公僕として黙って見ているわけには……」
カイはそう言うが、表情には京に対する同情が見てとれる。
正直なところ、カイは京の味方をしたい気分だったのだ。
しかし戦士同士の潰しあいを避けねばならないというのは、最優先事項だった。
ジョニーが敗北を認めたのは、ミストファイナーの事も勿論だが、
無理に試合を続行したり、無理に勝ち負けや優劣を決める必要性を、感じなかったからだ。
「俺としちゃあ、本当に謙遜無しで、お前さんに『負けた』と思ってるんだが……
しかしお前さんの怒りも、もっともだ。
殴りたいんなら、好きなだけ殴ってくれ。
ただし、オロチやギルとの戦い全てに、決着がついてからな」
「何が『殴ってくれ』だ!
ノーガード棒立ちの野郎を殴るくらいで、俺の気が収まるか!
……テメェとはいつか必ず、本気で戦ってやる。
手加減抜きの、最初からレベルMAXのテメェをぶちのめさなきゃ、この気は静まらねぇ」
握り締めた京の拳には爪が食い込み、血が滲んでいた。
529 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:06:13 ID:366mVgFg BE:1727957489-2BP(31)
乙です。
>伍百伍拾伍式・神威
MIAの技だったかな。
だがそんな男同士の『本気』のぶつかりあいなど、どこ吹く風というのが女だ。
「馬っ鹿じゃないの?
どっからどう見たってキミの負けなのに、みっともないったらありゃしない。
昨日のパンツと言い、キミ達と言い、過去から来た戦士って案外弱っちいよね」
茶化す声は幼く、振り向かずとも、それがメイの声だと知れる。
ジョニーを応援するその声は、たまに紗夢と同じに聞こえた程だ。
しかしいかに子供と言えど、これではあまりに空気が読めていない。
大人の女だったら、男の意地を見下しこそすれ、この場面で口には出さない。
ジョニーはメイの頭に拳骨を落とし、諌めた。
「いったぁい!」
「今のはお前が悪い。京にだけじゃない。
本気で戦ってる全ての男達に謝りな」
サングラスの奥で、ジョニーは保護者としての厳しい目つきを向けていた。
だが年端のいかない少女を保護者が既に一発殴ったのだから、
これ以上怒るのは、大人の男としてはみっともない。
京はジョニーに免じて、メイを許してやる事にした。
「今の拳骨でチャラだ。だが次から同じような台詞は吐くなよな」
「……ふんだ! お前なんか明日の試合でいきなりバタンキューってなっちゃえ!」
半泣きになりながら、メイは精一杯強がった。
そのまま走って逃げ出し、控え室のドアを潜っていく。
そこですれ違ったいろはが、メイの勢いに押されて、クルクルと独楽のように回ってしまった。
「あら、あらららら?」
目を回しながらも何とか壁に手をついて姿勢を直そうとした瞬間、
今度は京が物凄いスピードですれ違っていった。
いろはは、またしてもギャグのように、その場で横回転してしまった。
「ひゃぁあ〜、助けて旦那様ぁ〜」
「待てこのクソガキぃっ! やっぱ一発ブン殴らせろ!」
「ベロベロバー! 追いつけるもんなら追いついてみなー!」
ジョニーは俯き、溜息をこぼした。
昨日の今日で疲れきっている筈なのに、どこにあんな体力が残っていたのか、
紅丸と真吾は、メイを追って走り出した京の体力に、感心するより呆れていた。
「しかし、まぁ……追いかけっこねぇ。
あの二人、案外仲良くなれるんじゃない?」
「だと良いんだがな……」
紅丸とジョニーは、きっと今夜あたり、
相棒に対する愚痴を肴に、酒でも酌み交わすだろう。
京がやっとメイに追いついたのは、観客席に入る出入り口の所でだった。
やはり体力を消耗していたからか、普段ならメイごときのスピードには負けないのだが、
死ぬ程痛む腹筋を酷使しながら走ってきたため、もう息が上がっていた。
追いつきはしたものの、もはや頭を引っつかむ事も、拳骨を振り下ろす事も出来ない。
「ぜぇっ……はぁっ……ぜぇっ……はぁっ……
よ……ようやく、追いついたぜ……覚悟しやがれ、クソガキ……」
だがメイは、背後から聞こえる筈の京の声が、もはや耳に届いていなかった。
メイの視線は、リング中央の戦士達に釘付けだった。
先程京に破壊された筈のリングは、空間転移によって運ばれてきたブロックで
もう既に新たなものと取り換えられており、問題無く大会が続行されていた。
そこに立っていたのは、リュウとケン、そして春日野さくら。
倒れているのはK´。
傍らには、クーラ・ダイアモンドとウィップが立っていた。
京もようやく顔を上げ、その光景を目にした。
「……あん? あの色黒、負けたのか?」
京が独り言を呟くと、傍にいた観客の一人が、ご丁寧に解説してくれた。
「あの兄ちゃん、昨日と一緒さ。
今日も一人で十分って言って、女の子二人を下がらせたのさ。
昨日は相手チームが途中で棄権してくれたから良かったがねぇ」
見ればクーラが心配そうにK´を抱き起こそうとしている。
もっとも体重差があるから、彼女一人では無理だった。
ウィップも手を貸し、何とか立ち上がらせようとするが、その手をK´自身が振り払っている。
一人で十分とタンカを切っておいて、敗北し、
女に抱き起こされるなど、プライドが許すまい。
「あの肌の黒い人、キミの友達?」
メイが問いかけるが、京は勿論、それを否定する。
「あんなもんがダチなわけあるか。ただの顔見知りだよ。にしても……」
京は、いくらK´が三対一を希望したとは言え、
リュウがそれを受け入れた事に、違和感を覚えていた。
リュウは純真な格闘家だ。恐らくは、一対一を好むだろう。
むしろ三人でしかけるなど、卑怯とさえ考えているかもしれない。
昨日の試合では、一時的にはリュウも、京と紅丸の二人を同時に相手した事だってあったし、
その直前にはケンと二人がかりで真吾を潰そうとしていた。
だがそれは、あくまで三対三の状況で、戦術的に考えて有効性があったからだ。
最初から相手が一人とわかっていて、敢えて一方的に攻めるのは、リュウらしくない気がした。
その疑問を補足するように、観客はまだ解説を続けてくれた。
「何でもスト0では、ドラマティックバトルやら言うゲームモードがあって、
そこでは二人で一人相手に戦うのが当たり前だったそうだ。
そういうのも含めて真剣勝負なんだから、三対一でも遠慮したら逆に無礼なんだとよ」
「……なんだそれ?」
スト0だとか、ドラマティック何たらとか、そんな用語を
当たり前のように持ち出されても、京にはチンプンカンプンだった。
533 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:09:38 ID:366mVgFg BE:1511962597-2BP(31)
>地面を擦る程の低空から繰り出される、超々下段のアッパーカット
半回転+Kの技かな。ハガネテツ。強で出したな。それとも99からの超必かな。
「だから言ったじゃない、お兄ちゃん。
いつまでも一人で戦ってたら、絶対負けちゃうよって」
「こいつなりに、私達に気を遣ってるんでしょ。戦わせないために。
全く可愛げのない気遣いの仕方しか知らないのね、我が弟は」
クーラとウィップは、フラフラになりながら控え室に戻っていくK´の後を、
ぶつくさ文句を言いながらついて歩いていった。
肩を貸してやりたかったが、K´本人がそれを頑なに拒んでいた。
他方、リングを後にしたリュウ、ケン、さくらは、K´の奮闘を素直に賞賛していた。
「あれは強ぇな、リュウ! 京にも匹敵するんじゃないのか?」
「そうだな。俺も正直、一対一だったら100%勝てていたとは、到底思えない」
「なんでも、京君の格闘能力を移植されてるらしいからね」
ここで観客の誰もが気にしたのは、勝ち残った二つのチームの、勝負の行方だ。
即ち京チームとリュウチームの再戦が、この先あるのか否か。
京チームはジョニーの敗北宣言によって、リュウチームはK´を三人がかりで倒す事によって。
それぞれ観客にとってはあまり納得のいかない結果だったが、
兎に角この二チームが勝ち進んでいるのだ。
昨日引き分けに終わり、両チームとも進出という、異例の判定を出した彼らが。
ひょっとしたら決勝辺りで、もう一度ぶつかり合うのではないか。
観客達の間に、そんな期待が、かすかに芽生え始めていた。
終了です。
>>529 MIAはやった事無いんでわかりませんが、MI2から存在してる技です。
(初代MIもやった事無いんで、ひょっとしたらその頃からあるんでしょうか?)
因みに、作中の技の威力に関しては、相当な誇張と贔屓が入ってます(汗
>>533 連レスになってしまいますが、えぇっと、アレです。
ヒキガネ? だったか何か、そんな名前のアレです。
変わり者なので99版が大好きで、しかも例によって誇張してます。
少なくとも原典では地面なんかなんか擦ってませんでしたし。
他、当SSの中には原典を知ってたらフいてしまうような
厨誇張が含まれてますので、原典に忠実な設定をお好みの正統派ファンの方は
ご面倒とは存じますが、その都度無視してやって下さい。
……少なくとも自分は、クーラがK´を「お兄ちゃん」なんて呼んでるとこを見た事が無いです。
536 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:36:30 ID:366mVgFg BE:1007975467-2BP(31)
99からの超必の姿勢は頭部は相手の腰らへんにある。
ミストファイナーは相手の胸部分にあたるけどそれは相手が立ってる場合であってしゃがんでる部分は当たらないんじゃ?
>厨誇張が含まれてますので、原典に忠実な設定をお好みの正統派ファンの方は
>ご面倒とは存じますが、その都度無視してやって下さい。
楽でいいな。要するに原典無視を見逃せと。
つーかエロ描けよエロ。都合よく原典改変したオナニーSSで流れが変わるとでも?
これだからゆとりは。
538 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 22:40:50 ID:ImQfJmLO
このスレ面白いな
嬉野という私人の書いた非公式の小説を公式扱いしておきながら
別の私人が書いた話は「公式と食い違うからやめろ」かぁ
しかも自分は流れ変えるために何かしたわけじゃないのにえらそうな
せっかくの全格ゲー総合のスレなのに、統合される前と比べて流行らないのは、そーゆう意見が闊歩してるからだろうね
設定厨がKYなのは同意
>>536 格ゲーの場合は一定のモーションしかとらないが、
相手も動くし当たり判定なんてものは小説には無いんだから、
打撃位置を修正ぐらいするだろうよ
>>517 >スレ占有にもなりたくないので
またそれか。前々からスレ占有がどうこういってるが、書き手があんた一人しか
居ない状態を「スレ占有」といって叩く奴なんている訳ないだろ。
叩く奴がいるとしても、そいつは余程の馬鹿か心の狭いアホだ。気にするな。
設定があーだこーだ云われると何も書けないわな…
そら過疎るわ
とりあえず
>>517GJ!
エロも楽しみに待ってる
>>541 以前別の過疎スレでは独走状態を批難されましたもので
多少警戒していました。
住人の皆様の許可が頂けるのなら、遠慮無く書き溜めてる分を投下させて頂きます。
ただし今回は次回のエロ分の前置きなので、今回もエロ成分無しです。
Eventual Rumble Orochi 2181 第二十一話
(前回は第二十話でした。またナンバリング間違えてすいません)
「まだ痛む?」
「お兄ちゃん、大丈夫?」
ホテルのベッドの上で寝転がるK´の顔を、ウィップとクーラが覗き込む。
三方向から同時に食らった波動拳は、彼の体を打ちのめしていた。
やはり三対一など無謀だったのだと、ウィップが諌める。
「っるっせぇよ。あのカエデとかいうのも言ってたろうが。
試合の勝ち負けなんざどうだって良いんだよ」
「私が言ってるのはそういう事じゃないのっ。
なるべく肉体にダメージを残さずにいるのが重要なのに、
無理に三対一なんかしたら、大ダメージ必至でしょ?
私達を守るつもりだったのかもしれないけど、もうちょっと……」
姉の小言が煩くて、K´はそれ以上、完全な無視を決め込んだ。
本人は死んでも肯定しないだろうが、K´が一人で戦ったのは、
まさしくウィップとクーラを守るためだった。
二人とも守られねばならないような弱い女ではなかったが、
この大会はそういう問題ではない。
裏に何が隠れているかわからない以上、ヒートアップして重傷を負うのは
なるべく避けるべきというのは、殆どの『旅行者達』の共通認識だ。
その意味でもっとも理想的な策は、無傷で大会を棄権する事だ。
散り散りになっていた戦士達を一堂に会しての情報の共有化は、既に済んでいる。
極端な話、もう『大会』というお膳立ては不要なのだ。
だが、それだけではまだ足りない。
裏に何が隠されているのか探るためには、もっと内偵を進めなければならない。
そしてそのためには、今すぐ大会が中止になってはまずいのだ。
後の事を考えて早々と棄権するにしても、
全員が一度に棄権しては、大会が成り立たなくなる。
大会そのものは、ある程度スムーズに運営されてくれなくては、困るのだ。
迂闊な事をすれば黒幕は大会を中断するかもしれない。
そんな事になればこの大会の裏の目的もわからないままだし、
今後ギルなりオロチなりと戦う上での有利情報を大きく欠く事になるかもしれなかった。
楓と覇王丸にとって好機だったのは、K´が梅喧を倒した事だ。
それにより侍チームは不利な戦況に追い込まれる事が出来、
その場で棄権を申し出ても、そう不自然ではなくなった。
だがK´はそうはいかない。
楓達と同じように自然な形で棄権するためには、
チームの誰かがドロップアウトする必要があった。
その役を女性に押しつけるような真似を、K´はしない。
大ダメージを追って敗退する役は、自分自身で背負うつもりだった。
だから彼は敢えて一人で試合に赴いたのだ。わざと負けるために。
そしてそんな彼の不器用な計算を、ウィップはちゃんと悟ってやっていた。
悟ってはいたのだが、一つだけ、わからない点が残っていた。
「あの梅喧って人には、何であんな本気でいったのよ?
クリムゾンスターロードまで使って」
梅喧をハイクラスの技で倒す事は、自分も相手もなるべくダメージを
残さない方が良いという、この大会での彼らのセオリーに、明らかに反している。
「……別に特別な理由なんざ無ぇよ。相手は刃物だぜ?
こっちから本気で潰しにかかってなきゃ、俺は大ダメージで敗退するどころか
死んでてもおかしくなかった。そう感じたから、殺される前に潰しただけだ。
つーか、あれでもまだ威力はセーブしてたぜ、一応」
ウィップは軽く溜息をついた。
あの梅喧という女性は、確かにすぐ熱くなる傾向が強そうではあるが、
反面、それなりの理知や計算も持ち合わせているような気がする。
少なくとも試合でK´を殺してしまう程、我を忘れるようには思えない。
だがそれをK´の判断ミスというのは、お門違いかもしれないと思い直す。
直接相対した彼にとっては、一瞬気を抜いただけでも殺されそうな程の
殺気なり闘気なりを、梅喧から感じ取っていたのだろうから。
獰猛な殺気を前にして「相手が冷静なら殺される事は無い筈だから大丈夫」
などとタカをくくって、加減して立ち回る事は、出来なかったに違いない。
そこに気付くと同時に、あの梅喧という戦士の強さをも、ウィップは窺い知った。
一見相性の問題から楽勝に見えたK´が、気を抜けば殺されていたかもしれないと言うのだ。
傍目で見ている程には楽な戦いではなかったという事だ。
一方その梅喧はと言うと、相変わらず宿で飲んだくれていた。
敗退後は何もする事が無いので、昼に適当に試合を観戦しては、夜毎酒を煽っていた。
「あんまり飲んでると、彼にやられた傷に響きますよ」
そんな楓の忠告に大人しく耳を貸すようであれば、最初から酒など飲まない。
「小言の多いガキだねぇ。傷なんか大したこっちゃないよ。
あの色黒、生意気にも手加減してやがったからな。
それにこの時代にゃ、お前の時代と違って法力治癒がある。
まぁ金のある奴しか受けられないが、お陰で皮膚の炎症は殆ど完治さ」
確かに彼女の言う通り、K´に敗れたその日の夜には、もう殆ど外傷は残っていなかった。
目の古傷を彼女が治さないのは、当時は子供で金が無かった事と
もう一つ、ジャスティス率いるギアによって故国を壊滅させられた恨みと怒りを
永劫その身に刻み、忘れないためであった。種のイザークみたいなもん。
「ガキはとっとと失せな。酒は大人だけで楽しむからよ」
梅喧はそう言うと楓を部屋から追い払い、その夜も覇王丸達と飲み明かすつもりだった。
やれやれ、今夜もひょっとしたら、部屋には入れないかもな……。
昨日の今日で同じ失敗をされるとは思いたくないが、
メンツが覇王丸と梅喧とジョーと舞と闇慈では、またしても
寝たまま鍵をかけられて締め出されそうだと、楓は不安になっていた。
さすがに二晩も人の部屋に世話になるのは申し訳ない。
今夜も泊めて欲しいなどと言ったら、凛花はどんな顔をするだろうか。
案の定、凛花は昨夜と同じ場所にいた。
人気の無い、静まり返った町の雑貨屋の前に座り込み、
昨日より更に少しだけ欠けた三日月を見上げて、静かに息を吐く。
「今晩は。今日も一人?」
昨日と同じく、2メートルばかり距離を離して、楓は彼女の隣に座った。
「アンタだって一人だろうに。
私は、アンタがどうせ今夜も一人で寂しく過ごすんだろうと思って、
わざわざここで待っててあげたんだよ」
減らず口は彼女の癖のようなものだ。
意地の強い方だという事は、昨夜のコミュニケーションで、楓も承知済み。
だがそれを指摘して気分を害するつもりもなかったし、
事実楓が部屋を追い出された事自体は、否定出来ないのだ。
自発的に部屋を出てきている凛花とは違っていた。
もっとも、大人達の騒がしい酒宴に参加したいとは、楓も全く思っていなかったが。
町の西洋建築は月光に彩られ、街灯が無い分、その様式美は殊の外際立つ。
石畳の地面、レンガの壁、漆喰で覆われた民家。
いずれも幕末の日本から来た楓にとっては、物珍しいものばかりだった。
最近では見慣れてきたものの、日本とはまた違った趣の建築は、
見慣れこそすれ飽きるという事は無かった。
「ところで、今日はカイさんの所に行ってきたんだ。
歴史書を借りて読ませてもらった。
どうも僕と君は、かなり近い時代の出身のようだね」
「……あぁ、あの金髪碧眼の異人の事か?」
凛花はカイ・キスクの事を、顔も名前も含めて、殆ど覚えていなかった。
カイという男は、凛花にとって興味の外の生き物だったのだ。
そもそもが国家権力をあまり好まない生い立ちの彼女だ。
勝手に警察が首を突っ込んできて、頼んでもいないのに世話を焼こうとする。
挙句、一致団結して敵を倒そうなどと、押し付けがましく声を上げる。
彼女にとってカイの善意は、その程度の解釈だった。
カイ自身、自分は自分の正義を周りに
押し付けすぎるのではないかと、常から気にかかっていた。
それでも今回の件は別問題だろう。
ギルやオロチの問題は、主義や主張といった次元で割り切るものではない。
全人類にとって例外無く降りかかる問題であり、
全人類が協力して打ち滅ぼさねばならない相手だと思っていた。
何故ならギルは独善で人類を支配しようとする野望の男で、
オロチは人類そのものを絶滅させようとする人類の天敵なのだから。
人としてこれらの打倒に協力しないのは許せない事であり、
協力するのが当たり前だ。
……そう考える事そのものが、既に自分の正義を
押し付ける事になっていはしないか?
そう自問自答しない日など、一日とて無かった。
ひょっとすると自分の見識が狭いだけで、本当にギルを頂点と認める事が
長い目で見れば人類の安定と平和に繋がるのかもしれない。
それにオロチにしてみれば、いや地球にとってしてみれば、
人類が永らえようとする事そのものが、許せぬ悪行でしかないのだろう。
第一、過去から連れて来られた無数の戦士達の中にだって、
ひょっとしたらギルなりオロチなりを肯定し、敵に回る者もいるかもしれない。
敵が正しいかもしれない以上、それは十分有り得るのだ。
そんな者達にとってしてみれば、わざわざ次元牢を張ってまで大会参加者達を集め、
あろう事か打倒ギル、打倒オロチのための会議に無理矢理参加させた自分の行為は、
正義の押し付けなどというレベルではなく、むしろ悪と呼べるものに違いないのだ。
「まだ、悩んでいるの?」
無表情だが心配そうに、レオナが顔を覗き込んでくる。
無数の書類仕事を片付けねばならないというのに、カイの意識は常に他の事に向いていた。
だから彼女がすぐ隣まで来ているのに、気配にすら気付かなかった。
「心配いりませんよ……あなたを不安にさせるのはもう止めます」
そう言うとカイは、無理に笑顔を取り繕った。
レオナはそんな彼の気遣いに、どう応えれば良いかわからなかった。
ハイデルンにしろラルフにしろクラークにしろ、彼女の周りには、
彼女に心配をかけさせないために無理して笑う男など、今までいなかった。
ハイデルンは勿論笑わないし、ラルフはこんなに思い悩まない。
クラークは思慮をするが、自分の信念が揺らぐ事は殆ど無いから、
やはりカイ程悩み続ける姿も想像しにくい。
そして当のレオナには「私が支えてあげる」などと言う、
良妻のような気のきいた女らしい言葉をかけるだけの柔和さもない。
こんな時、自分にもう少し女らしさが備わっていたらと、レオナは思わざるを得なかった。
ソルは、もう今夜何本目かになる煙草を灰皿に押し付けると、
壁にたてかけておいた封炎剣をぼんやりと眺めた。
既に灰皿は吸殻でびっしりと、隙間無く埋め尽くされていた。
そして視線の先にある封炎剣と対をなす、封雷剣の持ち主に思いを巡らせる。
今頃カイの坊やは、悩まなくても良いような事を、悶々と悩み抜いている事だろう。
そんな風に、自分にとっては鬱陶しい筈のあの元団長の事を思う自分に、違和感を覚える。
心配しているのか?
この俺が? あの坊やを?
あぁ、認めてやる。心配しているんだろうよ、俺は。
大会期間中だと言うのに、一人だけ宿に泊まらず、
今夜も警察機構本部に帰っては仕事に追われているであろう、チームリーダー。
その内、心労や過労で倒れてしまいそうだ。
考え過ぎは体に悪いと言うのは、昔から言われている事なのだから。
「……過ぎは体に悪いですよ、ソルさん」
頭の中で浮かべていた言葉と同じものを投げかけられて、ソルは少しだけ驚いた。
目の前にいるのは、麻宮アテナ。
大会中は敵同士だと言うのに、昨日も今日も、この娘は遠慮無く部屋に入って来る。
そもそも彼女にとっては敵という感覚すら無いだろう。
楓やジョニー同様、彼女もまた、冷静にこの大会を見つめる者の一人だ。
勝ちたいとか負けたくないとか、そんな概念は持っていなかった。
「何が体に悪いって?」
「煙草ですよ。タ、バ、コ。吸い過ぎは体に悪いですってば」
なんだ、その事か。
我知らずカイの心配をし、考え込み過ぎている自分を諌められたのかと、ソルは思っていた。
それにしても、お節介には違いないが、このアテナという女はよく気がきく。
頼んでもいないのに、今もソルの着ていたシャツの解れを縫い直してくれている。
大会の裏を調査するために密かに動いているテスタメントは
試合の執り行われない夜間から朝方にかけてはソル達とは一切別行動だったが
もし彼がこの場に居合わせたなら、何と言われたかわからない。
貴様もとうとう所帯を持つ気になったのか、などと言われかねない。
最初にソルとの肉体関係を提案したいぶきでさえ、情報を提供された後は
ソルとの関係はビジネスと割り切って、無用に接触してこなくなったと言うのに。
アテナだけは何を勘違いしているのか、甲斐甲斐しくソルの面倒を見ようとする。
きっと彼女の相棒である、入院中の中国人拳法家とやらにも、同様に優しく接していたのだろう。
坊やの周りにも、こんな風に温かみのある気遣いをしてやれる女がいれば
少しはあのカチカチに固まった脳味噌も、柔らかくなるだろうに……。
ソルはアテナに聞こえないように小声で独り言を呟いた。
そして大会中、カイと親しく話していた、一人の女兵士を思い出す。
レオナとかいう少女で、重要参考人という位置づけだが、実質カイの連れのようだ。
だがあの女は、言っては何だが、あまり温かみを感じない。
気を遣いはするだろうが、不器用で冷ややかな態度しか出来ないだろう。
例えば思い切り胸に抱きしめて頭を撫でてやる、そんな母親のような真似は、
あのレオナという少女には出来そうもない。
そういう事が得意そうなのはディズィーだが、
彼女は今頃、あの赤毛の男、八神庵と一緒にいるだろう。
「そう言えば……」
ソルはふと思い出して、アテナに問いかけた。
「昨日お前にくっついて来ていた、残りの二人はどうした?
中華料理屋の五月蝿い娘と、足の太い中国人」
「紗夢さんと春麗さんですか? あの二人は今日は警察に行ってます。
昨日この部屋に来たのにカイさんがいなかったのを、紗夢さん残念がってましたから」
なるほど、相変わらずあの中華料理屋の娘は自己中心的だ。
昨日は勝手に彼らチームの部屋に上がりこんで「カイはどこアル?」
などと喧しく騒ぎ立てていたものだが、今日はカイに会うためだけに
警察本部にまで乗り込むつもりなのだ。
春麗がそれについて行ったのは、紗夢が暴走し過ぎないように抑えるためだろう。
「全くあの坊やの周りには、あの坊やを気疲れさせる女しか集まらねぇんだな」
男として少し同情しながら、ソルはもう一本吸おうと思って用意していた
煙草のボックスを、アテナに免じて大人しく上着のポケットに仕舞い込んだ。
ソルが認める程だから、ディズィーという女は、誰もが認める器量良しだった。
その彼女が八神庵の元にいるのだから、勿体無いと言えば勿体無い。
庵のような、女性を(多分)大切にしない非紳士的な男では、宝の持ち腐れだ。
だが当のディズィーはそんな事は露ほども思っておらず、
むしろ毎日幸せそうに庵のための食事を作っていた。
そんな彼女に、庵なりに気をきかせてか、彼はディズィーを外食に誘った。
或いは庵の事だから、単に自分が外食したかっただけかもしれない。
兎に角ディズィーは今夜だけ料理の手間から解放され、
労せずして食事が出てくるという感覚を、久しぶりに味わう事となった。
快賊団にいた頃は食事は当番制だったから、たまにしか料理しなかった。
「お金が入ると太っ腹ですね、庵さん」
庵は今日も賞金首を捕まえ、路銀を稼いでいた。
「黙って歩け。小奇麗なリップサービスなど俺に期待しているわけではあるまい」
その口調は悪辣と言うより、照れ隠しのようにも思えた。
こんな口の悪い男に、それでもディズィーは、にっこり笑ってついて来る。
ガラではないが、正直自分が釣り合うような女ではないかもしれないと、庵は考えていた。
今は毎晩抱かせてもらっているが、その内解放してやる事も、頭の片隅には考えていた。
どの道、元の時代に帰るのであれば、この女は連れて行けない。
別に元の時代に未練があるわけでもなければ、この時代が住みにくいわけでもない。
それでも勝手が違うから、戸惑う時はまだまだある。
そして勝手知ったる元の時代に戻るのならば、この女は置いて行かなくてはならない。
その時には、もっと良い男を捕まえてくれれば、
彼としても心残りは無いというものだ。
だが、庵の考える『良い男』に、目の前に現れた男は含まれていなかった。
「……何故貴様がここにいる」
「そりゃこっちの台詞だろ。俺らはメシ食いに来ただけだ」
町の中の、とある小料理屋の前で、庵は宿敵の男と鉢合わせた。
草薙京。
八神庵終生のライバルにして、殺したくて堪らない程憎い男。
何故今から連れ合いと食事をとろうという矢先に、
この飯の不味くなる顔と再会せねばならないと言うのか。
京の斜め後ろをついて来ていた春日野さくらは、
さてどうしたものかと困ったような表情を浮かべて、事態を見守った。
「お久しぶりです、さくらさん」
「こちらこそ、ディズィーさん。こんばんわ」
彼女達二人は以前セーラー服会議の折りに面識があった。
ガンを飛ばしまくる京と庵を余所に、女達二人だけが仲良さそうに歓談しあう。
「俺らが先に来てたんだ。テメェは失せろ」
「言いがかりをつけるな。貴様らの方が後から来たんだ。消えろ」
「どっちでも良いじゃない、そんなの」
「そうですよ。皆で一緒に食べた方が楽しいですよ」
街中でバトルを勃発させるわけにもいかず、男二人は一頻り睨みあい続けたものの、
最後には折り合いをつけて、渋々四人でテーブルを囲む事になった。
たまたまテーブルが一つしか空いていなかったのは、
この四人にとって幸運だったのか不運だったのか知れない。
嫌いな相手と食事を共にして、味が良いわけがない。
眉間に皺を寄せつつ黙々と食べ続ける京と庵の表情は厳しく、
主人はまるで食事が不味くて文句を言われるのではないかと怯えていた。
さくらとディズィーが「美味しい料理をありがとう」と
笑いかけてくれなければ、明日にも主人は店を畳んでいたかもしれない。
「……そう言えばよ」
運ばれてきた料理をひたすら黙って口に運んでいた京が、
珍しく庵に自分から話しかけてみた。
「お前はあの大会、出場してねぇのか?
次元牢での会議ん時もいなかったみてぇだし」
あの大会、というのが、庵にはややわからなかった。
しばらく考えて、あぁそう言えば今聖騎士団選考ナントカという大会が
この近くで開催されていたなと、思いだした。
「下らん。賞金が無くとも金には困っていない。
それに貴様らと仲良く手を取り合おうという気もない。
わざわざ貴様らと集合してやって、作戦会議や情報交換など
協力してやるつもりはないという事だ」
「嘘つけ。本当はチームのメンバーが集まらなかったんだろ」
「チーム……?」
どうやら庵は、本当に大会には興味が無かったようだ。
件の大会が三人一組での登録制だったという事をディズィーが耳打ちして、
ようやく京の言った言葉の意味がわかった程だ。
「何だよお前。
オロチぶっ倒してギルに元の時代に戻してもらうためには、
気はすすまねぇが協力しあう方が、手っ取り早いだろ。
それとも元の時代に帰る気が無ぇのか?」
「そう強く帰りたいとは思わんな。
この時代だろうが元の時代だろうが、俺にはどっちでも良い事だ。
貴様と違って元の時代の女に名残があるわけでもないしな」
恐らく京のこの時代での現地妻であろう、さくらの嫉妬心をわざと煽るために、
庵はあえて京が元の時代に恋人を残してきている事を口にした。
だがさくらは、至って平気な顔をしている。
元の時代には元の対人関係、今の時代には今の対人関係と、割り切っているようだ。
「テメェこそ、元の時代にオンナいたろうが。
それ放っぽりだしてこっちで良い女引っかけてるせに。
テメェにだきゃ女関係の事をとやかく言われたかねぇな」
クロスオーバーかつ公式カプ無視のエロパロ故、
このSSでは元の対人関係を完全に無視したカップリングばかり登場してきた。
ユリ・サカザキはロバートを忘れてリュウとヤっているし、
ケンも妻子の存在を無視して藤堂香澄に手を出している。
基本的にどいつもこいつも人の恋愛に口出せる立場ではないのだが、
口喧嘩となれば互いにそこを突くのは、二人が犬猿の仲だからこそだ。
突っ込める所は片っ端から利用する。
「貴様こそプロフィールに『大事なもの:恋人』と書いた挙句
その横にカッコ書きで『ユキ』などと名前まで載せる程の熱愛ぶりだろうが。
それが距離が離れた途端に他の女に手を出すなど、よく主人公ヅラしていられるな」
「あの、庵さん……そろそろ収めておかないと、他のお客様にご迷惑が……」
「もう良いじゃん京君、ケンカなら外で好きなだけすればさ」
女二人が宥めに入ろうとするが、ヒートアップしてきた男達には暖簾に腕押し。
「大体、えぇと……ディズィーっつったっけ?
その子も可哀想だよなぁ、お前みたいな乱暴な男に付き合わされて。
どうせベッドの上でも一方的にヤって自分だけ満足して寝てんだろ。
簡単に想像つくぜ、お前」
「下らんな。相手の事など気にかけて、チマチマ段取りを組んでいられるか。
ヤりたい様にヤって、出したい時に出す。これが一番楽だ。
第一この女は、それで満足しているんだ。貴様が口を出すな」
二十歳と言えばこのテの話題が平然と口に出来るぐらいの年齢だ。
中高生程抵抗もなく、さりとて社会人程弁えない。
他の客や店の主人の前で声を抑えずにこんな話をするのは、
まさしく二十歳前後の男のする事だ。そりゃ一部の馬鹿も成人式で暴れたりするわ。
さくらとディズィーは困惑し、店内でひたすら恥ずかしさから居心地を悪くしていた。
他方、ガイルとナッシュもまた困惑していた。
軍人である彼らとて、あまり好き好んで警察署にお邪魔したいと思わない。
それをわざわざ、出頭命令も出ていないのに、やって来る女達がいるのだ。
「……春麗。何しに来たんだ一体?」
「私は何も用は無いわよ、ナッシュ。用件なら紗夢に聞いて」
「お前達、ケーサツに協力してる兵隊アルね。
それならカイは今どこにいるか知ってるカ?
ひょっとしてお前達と同じ部屋に寝泊まりしてるアルか?」
「俺達が間借りしてる部屋は、カイの部屋とは別だ。
あいつは今頃、まだ執務室で仕事中じゃないか」
何であの優男ばっかりこんなにモテるんだろうと呆れ半分、
よくもまぁこんなに女難の相に見舞われるものだと憐み半分で、
ガイルは春麗と紗夢をカイの執務室まで案内した。
終了です。
続きは、時間があれば明日の夜か明後日にでも。
556 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:08:46 ID:JJISgkhd BE:767981748-2BP(31)
春麗達が敵の回し者とか…まあないよな。
全何話くらいになる予定?
>>556 しまった、その手があった……
もっと早くにそれ思いついてたら良かったんですが
>>557 何か今の調子だったら40話くらいいきそうです
Eventual Rumble Orochi 2181 第二十二話
Aパート:カイv.s.中華娘編
怒りをあらわに喚き叫ぶ人間よりも、
無表情のままで静かにキレている人間の方が遥かに恐ろしいのは、
カイはよくわかっているつもりだった。
誰あろう彼自身が、静かにキレるタイプの男だった。
だがそんな彼にとっても、そのように怒りのオーラを放出している人間を
事も無げにあしらうような、余裕のある対処は出来ない。
まして相手が女性なら尚更である。
今のレオナ・ハイデルンは、まさにその状態だった。
相変わらず無表情鉄面皮のままで、しかし完璧に殺意剥き出し。
双眸から溢れんばかりに滾る憤怒の気配を、隠そうとすらしない。
それもその筈だ。
カイが縁故贔屓しているという中華料理屋の尻出し店長
(あとついでに春麗)が、目の前にいるのだから。
「ここに何の用かしら。遊びに来たのなら帰りなさい」
「お前カイの何アルか? お前こそ帰るヨロシ」
二人の間に迸る電撃は、まるでレオナが
ボルテックランチャーを出しているようにさえ見える。
紗夢に随行していた春麗は、挑発ポーズでカイに「ゴメンね」と謝意を示した。
「あ、あの、紗夢さん。それにレオナさん。
せっかくですから、とりあえずお紅茶でも……」
言ってはみるものの、二人とも完全に聞いていない。
春麗はとっとと自分だけ退散したかったが、
それではカイに対して申し訳無いので、この居心地の悪い空気に
もうしばらくだけ付き合う事に決めた。
紗「大体、別ゲーのキャラが何を正ヒロイン面してるアルか?
そういう態度をとって良いのは、公式に関係のある私だけアル」
レ「公式なんて言い出したら、あなた公式ですら彼の正ヒロインじゃないでしょう。
彼の正ヒロインは『木陰の君』よ?」
KY「あのスイマセン、ここ一応格ゲーのスレですので、
格ゲーじゃない続編の設定とか持ち出すのは……」
春「空気嫁。
まぁそれはさておき、それなら二人とも正ヒロインにはなれないんだから
両成敗って事で良いじゃない。仲良くしなさいな、負け組同士(ボソッ)」
紗「売れ残りの賞味期限切れは黙るアル。
私にはまだ勝ち目があるアルね。同じゲームの登場人物である以上、
例えカイが子持ちになっていようと、離婚させてしまえばコッチのものヨ」
レ「あら貴女、重要な事を見落としてるみたいね。勝ち目なら私の方が上よ?」
紗「なっ……! お前に一体、何の勝ち目がアルね!?」
レ「何を隠そう私には、あの『木陰の君』との、ある共通項があるのよ」
春「そ、それは一体……(ゴクッ)」
KY「って言うかすいません、続編の話は荒れる元なんですが……」
一同、無視
レ「私と『木陰の君』の共通項……それは……」
紗「そ、それは……?」
レ「 髪 の 毛 が 青 い ! 」
・・・・・・・。
春「えと……たったそれだけ?」
レ「まだあるわ。力が暴走しかねない設定とか」
紗「そもそも『木陰の君』の正体はまだ判明してないアルよ。
勝手にあれをどこぞのギアっ娘だと認定してたら、
旧来のカイ×紗夢好きなカプ論者に袋叩きにされるアル」
レ「これだからカプ厨はよぅ」
春「キャラ違……って言うかその言い方気に入らないのよね。
カプ厨ってまるで、カプコン厨って言われてるみたいで」
女達が言い争う間、カイはずっと『髪の毛の青いギアっ娘』を気にしていた。
そんな条件に該当するギアは、彼の知るところ一人しかいない。
しかし自分で言うのも何だが、自分と彼女の間に、そんなフラグ全く立っていない。
これをいきなり公式カプにするなどという無理矢理な展開、
いくら何だって有り得ないだろう。
となれば、きっと自分の知らない、別のギアの話でもしているに違いない。
続編だか何だか、よくわからない未来の話をされているが、気にする程の事ではあるまい。
だって本当に、自分と彼女の間には、何のフラグも立っていないのだから。
まさか家庭用アクセントコアのストーリーモードで
無理矢理後付けされるワケじゃあるまいし。ははは。
「ちょっと! 話ちゃんと聞いてるカ?」
紗夢に耳元で怒鳴られて、カイはハッと我に返った。
「えっと、あの……」
「やっぱり聞いてないアル。駄目な男ネ」
紗夢は呆れ顔で、わざとらしく頬を膨らませていた。
ちゃんと話を聞いていたと言うのなら、今紗夢とレオナが
どんな話をしていたのか、説明してみせろと迫られる。
紗夢とレオナに言い寄られて、しどろもどろになるカイ。
ふと見ると春麗が、他二人の女性の背後で、カンペを掲げてくれていた。
助かったとばかりに、その文章を読み上げる。
「もっ、勿論聞いてましたとも!
要は紗夢さんとレオナさんの、どちらがより魅力的か……
魅力的か、判断……するために……ハァ!?」
カンペを読んでいた事はその時点でバレてしまった。
春麗が悪ふざけしていたのでなければ、カンペに書かれていた内容は、
あまりにもカイにとって厳しいものだったのだ。
全ての女性に対して満遍なく優しい彼にとって、
その内容は頭を悩ませる以外に、何の結果ももたらさないように思えた。
KY「じ、紗夢さんとレオナさんの、それぞれの魅力ポイントを
一つ一つ比べていって採点して、総合点で勝った方が
このSSでの正ヒロインとしての扱いを受けるなどと……」
春「男子にとっては難しいテーマよね。
なまじ優しい人程、答えようがない設問だわ」
紗「私の方が勝つに決まってるアル。
色気の無い無口無表情女なんて、ピッチピチのパイロットスーツを着るか、
裸になるか、映画版で騎上位で跨るか、にんにくラーメンを
チャーシュー抜きで注文するくらいしか、人気の取りようが無いアル」
レ「あら、下品なパンチラしか能の無い、
試合中ずっと喘ぎ声あげてる小娘が、何を言うのかしら。
私には軍服なのにヘソ出しルックという、大きな色気ポイントがあるわ。
大体何なの、その頭のソレ。空き缶くっつけて楽しい?」
紗「ヘ、ヘソ出し……! そんなもの、パンツに比べれば……
私にはフトモモがあるネ! 大股開いて蹴りを放つ姿に男はメロメロね!」
春「……あれ? それじゃ、私の方が勝っちゃわない?」
紗「ギクッ!」
KY「そうですね。脚線美にかけては春麗さんが圧倒的に勝ってますね。
春麗さんのような大人の女性こそ、最も魅力が……」
春「あぁホラ、この場面でそんな事言ったら……」
紗&レ「許さん……」
KY「え? え? 何ですか、何で怒ってるんですか?」
春「ほんと、空気読めない男ね……」
KY「いや今のはあなたの方が……」
春「あら、私に逆らう気? お子様のくせに生意気ね。三十路をナメないでよ」
三十代前半の女性が二十代前後の男性と
体の相性が良いと言われるのには、ちゃんとした理由がある。
それは、ホルモンの分泌量に影響される。
誰しも二十代までが最もホルモンが多く分泌されるのだが、
女性ホルモンの場合は男性ホルモンと違って、性欲を抑える働きがあるのだ。
その分泌量が減少していく二十代後半から三十代前半にかけてが、
最も女性がエロくなる年頃というわけだ。
一方、男性が性欲真っ盛りになるのは、まさに十代前半から二十代前半だ。
この組み合わせが、相性が悪いわけが無い、という事だ。
しかも三十路の女からしてみれば、若い男を食う(若いを男に食われる)のが
気分が高揚しない筈が無い。
そう考えれば春麗がカイを襲うのも、またカイがそれに抵抗らしい抵抗も出来ず
受け入れてしまうのも、無理からぬ事だった。
「ちょ、ちょっと春麗さん……こんな事……ぅあ」
「ん、はふ……はむ……ウフフ、ビクビクしてる。
期待してるんでしょう? 若いって良いわね」
執務室とは言え、ここにはお誂えむきな事に、簡単なベッドが用意されていた。
仮眠をとるためには必要な設備で、カイは激務の最中、
隙間を見つけて十五分だけ寝るために、このベッドをよく使っていた。
それが今や彼の体を休めるためではなく、彼の体を酷使するために使われている。
関節や力学を知る者にとっては、力など使わなくとも、相手を倒す事が出来る。
一瞬の隙をついて、春麗はカイをベッドの上に押し倒していた。
脱がされた下半身からこぼれた陰茎は、春麗の年季の入った舌技に翻弄される。
その気も無いのに勝手に血液が流入し、海綿体が膨張を開始する。
これはもう生物的な本能であり、殆ど脊髄反射の領域だ。
このSSではレオナと関係を持っているカイとは言え、
春麗や紗夢と肉体関係になった事は無い。
肌を重ねた事も無い女性二人に下半身を凝視されるなど、恥辱でしかなかった。
「うわ……カイの、すっごく脈打ってるアル……
いつもあんなに凄いのカ?」
「……あなた、強がっていても、所詮彼に抱かれた事無いのね?」
紗夢のうっかり発言に、勝った気分になっているレオナ。
だが紗夢の関心は、もはやそんなところには無い。
夢にまで見たカイのムスコを前にして、生唾の飲み込むのを抑えきれない。
「ちょ、ちょっと二人とも、見てないで止めて下さい!」
「嫌よ」「嫌ネ」
冷たく言い放つ二人の目は、こんな状態でお預けなど食らえないと主張していた。
春麗に顔面騎上位で跨られると、カイはもはや逃げる余地と抵抗の力を失った。
こういう時に限って、レオナも紗夢もうまく連携する。
紗夢と春麗に巧みに関節を抑えられると、カイにはどんなに力を込めても、
もう起き上がる事も身をよじる事も出来なくなった。
何でも軍隊の格闘術には、至近距離で素手で相手を制圧する技があるそうだ。
ジャパンのジュードーだかジュージュツだかを源流とするらしいが、
職業柄関節を極める事に、レオナは慣れている。
何一つ抗えぬまま、カイは手早く服を全て脱がされてしまった。
女性に服を脱がされるなど、子供扱いされているようで悔しい。
「はあぁカイの生ち○ぽアルぅ……ロボットのじゃない、正真正銘本物アルぅ」
骨にしゃぶりつく犬のように、体面も気にせず齧り付く紗夢。
春麗もまた、ただ股間を顔に押し付けているだけではサービスが悪いと感じたのか、
カイに跨ったまま自分の股間に手を伸ばし、その部分の布地を横にずらした。
一番外側に位置する布地(あの青い部分)は取り払われたものの
まだパンストとパンティが残っている。
そこはやはり大人の女性、パンティには凝った刺繍が入っており、
陰毛が透ける程生地の薄い、淫靡な代物だった。
色が白だけに、余計に毛の存在が引き立つ。
「生足はレオナで飽きてるでしょうけど、パンストはそうでもないんじゃない?
良い機会だから、好きなだけ舐めて良いのよ」
春麗に言われるまでもなく、確かにカイは、
パンスト装用でのプレイには慣れていなかった。
レオナのコスチュームは紗夢のようにわざとらしくない分、
たまにハーフパンツの隙間からわずかに覗くパンティが、逆にそそる。
しかしたまには、紗夢のような露骨なパンチラも、
春麗のようなこれ見よがしのパンストも良いものだ。
「それとも……私みたいなオバサンじゃ、嫌?」
二十代半ばと言われても十分通用する美貌の春麗に、
寂しそうにそう問われれば、嫌と言える男はいまい。
カイは腹を括って舌を伸ばし、春麗の股間を貪り始めた。
カイがノってきたのを確認すると、紗夢とレオナも本気を出し始めた。
紗夢は一層遠慮無くしゃぶりつき、アイスキャンデーを食べる時のように
根本から先端まで優しく柔らかくバキュームしていく。
尿道を舌で弄び、皮の裏側にまで侵入する。
時折春麗の股間の下から、カイのくぐもった悲鳴が聞こえてくるのがわかる。
感じてくれている事は、滲みだすカウパーの味が証明している。
ロボット相手では味わえない、人間の雄の味だ。
カイの男根は紗夢に譲って、レオナはカイの上半身に狙いを定めた。
騎士の肌は色白く、華奢で内向的に見えた。
しかし剣を振い戦地を駆け巡るための膂力は備わっており、
細い割に引き締まった、無駄な肉の無い体が、それを物語っている。
レオナは、そんな彼の胸板に顔を近付けた。
そのままカイの乳首に舌を這わせ、まるで男が女にそうするように、弄繰り回す。
一瞬、カイの体がビクンと強張った。
春麗へのクンニと紗夢からのフェラ、それにレオナの乳首弄りの快感が加わって
カイは男だというのに乳首を硬くしてしまい、それは更にレオナのつけ入る要素となった。
「普段は貴方の方が、私をこんな風に苛めてくると言うのにね。
立場が変わると言うのも、たまには面白いわ」
いつになく多弁で嬉しそうなレオナの声に、カイは何とか強がってみせたかったが、
口元を春麗に塞がれているので、声一つ発する事も出来なかった。
既に透ける程薄い春麗のパンティは水浸しで、
パンティどころかパンストさえ貫通して愛液が染みてきている。
春麗がねちっこく腰を動かすものだから、カイの顔は口元ばかりか
頬や鼻の辺りまで、彼女の汁で濡れていた。
「もう少しサービスしましょうか」
春麗は自分の股間に両手を伸ばし、人差し指と親指で、うまくパンストを摘んだ。
力を入れて引っ張り、張り詰めた生地の真ん中を余った指の爪で穿り、
引きちぎるようにして股間部分に穴を開けていく。
すると器用な事に、先程横にずらしておいた服の布地を戻せば隠れる程度の、
しかし十分に中に異物を突っ込んで挿入出来るくらいの、
丁度良い大きさの穴が広がった。
ロボカイのものではない、本物の男根を楽しめると紗夢は喜んでいたが、
それを言うなら春麗もまた、本物の男のモノをハメるのは久しぶりだった。
仕事に打ち込むあまりに、特定の男性と付き合う事があまり無い。
一時エンディングで男とデートした事もあったが、男の方がビビって逃げてしまった。
三十路ともなれば経験人数はそれなりだったが、長く続いた関係は無かったのだ。
ましてやこの年齢となると、若い頃に比べて余計に男付き合いが少なくなる。
警察というカタい職業も、本気でない男性からは敬遠されがちな理由の一つとなっていた。
「良いアルか? ケーサツがこんな事して」
「粗探しすれば、色々と問題がありそうだけれど。
警察の敷地内での行為だし、鍵かけてないから、公然猥褻の可能性もあるし。
彼が未成年という設定だったら、不純異性交遊も指摘されるでしょうし」
仰向けで抵抗力を制限されたままのカイの男根目がけて、
春麗は十分に開いて男を受け入れる準備の整った、己の膣穴を押し付けていった。
股間部分に穴が開いているだけで、それ以外は上半身も下半身も、まだ着衣のままだ。
レオナの服装だと、何しろズボンなので、着衣プレイは出来ない。
紗夢ならば下着を脱ぐだけで出来るが、そもそもこのSSでは
紗夢とカイが関係を持った事は無いので、カイにとっては
服を着たままの相手と繋がるという経験自体が初めてで、新鮮な興奮があった。
だが、一方的に犯されるのが怖い事には、変わりない。
「ふ、不純異性交遊扱いされては困ります……こんな事は今すぐやめっ……!」
紗夢とレオナに助けを求めるが、彼女らは傍から見物して楽しむばかり。
さっきまで二人でカイを取り合うような舌戦を繰り広げていたのに、
シチュエーションがこうなると、今度は仲良く二人でカイの心を追い詰めようとする。
「春麗のアソコを舐めたりして、乗り気だったくせに。
今更無理矢理ヤラされてるんですってのは通用しないアル」
先程レオナは、この執務室に鍵をかけていないと言った。
今ベルナルドか誰かが入ってきたら、カイは言い逃れが出来ない。
刑事同士での肉体関係だけならいざ知らず、ここには
一般市民である紗夢(多分未成年)に、重要参考人のレオナ(素で未成年)までいるのだ。
カイは自分の警察人生がかかっている事に、今更怖気づいていた。
女という生き物は、なりふり構わないところがある。
まして春麗は三十代。いい加減、嫌でも結婚を意識せざるを得ない年齢だ。
気に入った男がいて、それをモノにしたいと思った場合、
女というのは本当に手段を選ばない。
酒で酔わせて動けなくしてから逆レイプして妊娠とかいう事例も個人的には聞いた事があるし、
カラオケボックスでいきなり襲ってきた挙句に「これで共犯やね」と微笑む地雷もいる。
しかも聖騎士団は女っ気のない職場だったし、それは警察機構になってからも同様だ。
遊びを知らないカイは、女の怖さというものに、まだ慣れていなかった。
「ちょっ、ちょっと春麗さん! 避妊具つけてないでしょう!」
「大丈夫よ、多分。案外、妊娠ってしないものよ?」
「それ何か真吾×ひなたのSSでも書いてたような……」
「いやゴメン、何の話かわからないわ。兎に角、動くわよ」
春麗はそう言いながらも、半分くらいは、妊娠しても良いと思っていた。
将来有望で、端正な顔立ちの若い男。
恐らく戦えば互角か、ひょっとしたら自分の方が負ける可能性もある。
そんな男と結ばれるのなら、抜けがけして紗夢やレオナを差し置いて、
出来ちゃった結婚というのも悪くない。
惜しむらくは、春麗とカイでは時代が違うので、事が片付いてから
春麗が元の時代に戻れた場合、カイとの関係が強制終了になる点だ。
その場合、身籠っている事は逆にネックとなる。
次の男をひっかけるにも、前の男の子供を妊娠、
或いは出産していたら、九割方断られるだろう。まして三十代だし(←しつこい)
だから彼女は、このままこの時代に残り続ける事も、選択肢としてアリだと思っていた。
元の時代に残してきた弟子達も気にはなるが、
女としての幸せと秤にかければ、どちらが重いかは自分でもわからない。
それに今は、この魅力的な男と繋がっていて、子宮の疼きが止まらない状態だ。
欲望を抑えて明晰な思考を保つ事など、土台無理だった。
まだまだそこら辺の二十代よりも健康的で弛みの無い体が、
たん、たん、と音を立てながら、カイの上で上下運動を開始した。
「んあぁあィクゥぅぅうあぁイっちゃうイっちゃうあぁイっイッいぁっイクゥーッ!」
久しぶりの生肉棒に耐性の弱くなっていた春麗は、
声を我慢する事すら出来ず、ここが警察の敷地内という事も忘れて、
淫らの極みのような甲高い声をあげて絶頂に達した。
膣が締まり、カイもとうとう我慢出来なくなって、彼女の子宮にぶち撒けてしまった。
「はぁ……はぁ……はぁ……良かったわ、あなた……」
別にカイは寝ていただけで何もやっていないのだが、
若い男のモノにハメられたというだけで、春麗は感謝しきりだった。
これでようやく解放されたと思ったカイは、ぐったりと倒れこむ春麗を
後ろから抱きとめると同時に、自身も身を起こした。
そのまま結合部をズルズルと外していき、ようやく自由の身となる。
「はぁ……長かった……」
別段長時間の行為に及んでいたわけではないが、
自由を奪われてのセックスとなると、かくも長く感じるものだ。
普段レオナとしている時はそうも感じないのだが。
「何言ってるカ? まだ次が控えてるアル」
次……?
恐る恐る振り向くと、紗夢が喜色満面の顔でパンティに指をかけていた。
スルスルと滑らかに下ろしていくと、中心に一本、液体が糸を引いていた。
「まっ、まだするんですか!?」
「まだも何も、カイに抱かれたのはまだ春麗だけヨ?」
寒気がした。
あと二人相手にするまで、解放してくれないという事か。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!
私と紗夢さんがするのであれば、何もこのスレである必要無いでしょう!?
ギルティの専用スレがあるんですから、そっちで……」
「この流れでいきなりギルティスレ行ったら、向こうの人は何事かと驚くネ」
「いやそうでしょうけど……っ」
「ヴァンパイアネタがこのスレに投下された事もアルんだから、
ギルティ単独ネタが一回くらい投下されたって良いネ。
って言うかクロスオーバーに限定したら、逆に投下が減りそうアル。
ただでさえ少ないのに」
一頻り押し問答が続いたが、普通、口論で女に勝てる男はいない。
理屈が通用しない生き物相手に、口でどうこうしようと言うのがそもそも間違いだ。
だから一般人相手の接客業よりも、法人相手の取引の方が
常識が通用する分、まだいくらかマシだと言う者もいるくらいだ。
話が逸れた。
ふと紗夢は、先程までカイと繋がっていた、春麗に目を向けた。
疲れ切っているのかまだ起き上がろうとしないが、
その下半身からは、白い液体がゴプリと溢れそうになっている。
粘性があるからまだギリギリ表面張力で保っているが、
もうすぐにでも溢れ出て、パンストの上を垂れていきそうだ。
「勿体無いアル。カイのセーシは私のものヨ」
紗夢は春麗の股間に顔を突っ込み、こぼれてくる液体を啜り始めた。
他の女の中に出された精液まで貪る様は、捕食する生物のようにすら見えて不気味だ。
春麗はしばらく意識が朦朧としていたが、紗夢のクンニによって目が覚めた。
「……あら、そんなにカレのを飲みたいなら、いくらでも飲ませてあげるわ」
そう言うと起き上がり、姿勢を組み替えて、紗夢を仰向けにした。
そして先程カイにしたように、今度は紗夢に顔面騎上位をする。
すると春麗の子宮から滴り落ちてきた白濁が、そのまま紗夢の口中へと流れ込んだ。
「美味ひぃアルぅ……これがカイの味アルか……」
普通に怖い。ヒく。
カイは怖じ気づき、逃げ出したくなった。
だが既に紗夢のパンティは足首のところまで下ろされており、
尻穴までひくついて、カイを求めているのがわかる。
助け舟が欲しくてレオナの方を見るが、彼女はまるで紗夢の味方をするかのように、
目でカイに「GO!」と命令していた。
レオナ曰く「私はいつでも出来るから」との事で、
これでも紗夢に遠慮しているようだった。
こういう変なところで女同士の連帯意識を持たれても困る。
カイは諦めて、紗夢の腰を持ち上げた。
出したばかりだというのに、男の性とでも言うべきか、もう再勃起している。
夢見心地とも言える有頂天。
紗夢は本物のカイの男根に貫かれ、言葉に出来ない程の幸福感を得ていた。
正直言うとロボカイのアレも良かったが、生身の温もりとは質が違う。
しかもそこから射出される液体は、合成された人工物ではない。
紛れもないカイの精液、カイの遺伝子なのである。
春麗もそうだったが、紗夢もまた、カイの精子で受精したいという欲求があった。
「あぁっ、はっ、はぁっ、けほっ、げほごほっ……あっ、あっ、あっ、
おねっ、がっ、いぃっ、ナカ、んにぃっ……出ひ、てぇんっ……」
春麗の股間の下から、紗夢の哀願する声が漏れてくる。
ゆっくりと優しく腰を突き動かされ、その声は不定のリズムで震えている。
時折苦しそうに咽ているところを見ると、春麗の膣から垂れてきた精液が
喉の奥にへばりついているのだろうか。
「カイがっ、ナ、カに……出ひて、くれっ、たら……アタシ、幸せアル、ね……
上の、口も……下の口もぉお……両方、同時にぃ……
カイのっ……セーシィッ……味わえるっ……ヨぉ……」
口中に流れ込む白濁の液を啜りながら、
下半身は同じく白濁を飲み込もうと、締め付けを強くする。
感極まって爪先までピンと筋肉が伸び、背中は弓のように仰け反ろうとする。
「あっ! あっぁ! ふはっ! あぁっ! カイっ! カイィッ!
きもちイイ……ッ! んンッ! カイもぉ……きもひ良ぃカ……?」
「えぇ、紗夢さん……紗夢さんのナカ、トロトロしてて……
けれど、締め付けも凄いっ……千切れそうだ……っ」
その様子を眺めていたレオナは、少しだけ紗夢の応援をしてやろうと思った。
横から手を伸ばし、紗夢の下腹部辺りに手を置き、そっと押しこむ。
「あはっ!? あっ、当たルぅぅ……ソコ押しちゃっ……んめぇえっ!」
「こうすると凄く感じるでしょう?」
「ゴほっ……ゴリごリ……当たるゥ……深い……ヨぉっ……」
腹にかかる圧力を強める事で、内壁がより男根に密着し、否が応でも快感を加速した。
「あぁぁっ! あっ……ゥ……っ! イっ……!!」
紗夢の体がビクン、ビクン、と断続的に大きく震えた。
口から膣からカイの精液を注ぎ込まれ、紗夢は昇天した。
疲れてすやすやと眠るカイの寝顔を覗きこんで、
レオナは、彼女にしては珍しい事に、少しだけ満足そうに微笑んだ。
もう殆ど微笑んだかどうかすらわからない程微かな表情だったが、
間違いなくそれは微笑みだった。
多分本人でなければ、頬の筋肉がかすかに持ち上がった事すらわかるまい。
春麗と紗夢もクタクタになって、カイの両サイドで添い寝している。
カイには仕事が山ほど残っているのだろうが、今は寝かせてやりたいとレオナは思った。
少なくとも自分と一緒にいても、彼の気が安まっているとは思い難い。
じゃあ春麗や紗夢なら心休まるのかと思えば、必ずしもそうは思えないが。
「……いつか、ね」
元々無口で口数の少ない彼女は、彼女にしかわからないくらい
短く省略された言葉で、彼の幸せを祈った。
いつか、彼の心を休めてくれる、心穏やかなる女性が現れてくれれば。
その時は自分も、安心してこの時代から去れるというものだ。
終了です。
GJ。
一応言っておくがGGXX時代もドラマCD等とか特典DVDとかで地味にカイ×木陰
のフラグたってはいたよ
某スレで話題になったのでちょっと聞いてみる。
MUGENのエロパロって需要ある?
MUGENwwww
いいんじゃね?
あるんなら近日中にスレ立てるが・・・
このスレとどう違うんだ?
MUGENだとオバQとかアーマードコアとかがアリになるな
アリにする必要があるのかは不明だが
どうせ容量もう少しだし、次スレで統合したらどうだ?
【業務用】格ゲー総合3HIT目【MUGEN】みたいな
MUGENと統合・・・了解しますた。
MUGENがOKになると
・クロスオーバーが盛んになる?
・某エロキャラもエロに絡められる?
・登場作品の大幅増加
という利点はあるけど、
・MUGEN自体がデリケート(職人的な意味も込めて)
・クレクレ厨発生の可能性
・ストーリー動画のエロパロの扱い
この辺がMUGEN扱う時の注意点か?
580 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:58:30 ID:4/v4CeX1
上で設定がうんたらかんたらっつーのがあったけど、まあ強ち判らなくもないな
エロ好きだからって読んでる奴の中には設定を大切にしている奴だっているわけだし
かと言ってそいつらに「気に入らないなら出てけ」というのもおかしな話だしな
つーかそんな事言うと、スレの荒れ具合を加速化させるだけだから何の意味もない
だから「エロものだし多少はキャラの設定、性格を改変しちゃっていますのでご了承ください」程度の旨を述べておけば
読む奴らも納得するだろうしそれでも納得いかないならNGなり運営に報告なりして沈静化させればいいだろうよ
だがまあ二次創作なんて言ってみれば所詮作者の妄想フィールドだしそこら辺の決定は作者次第だからな
兎に角読者に面白く魅せればそれで充分でしょ
あとエロはキャラの性格が変わっているのは付き物なんだから仕方がないわけだしな
まあとりあえず基本的に
>>502を守っておけばいいんじゃないかと
あと
>>510よ、そんな言い方したら周りから痛い奴に見られて当然だ
「個人的には同人からも持っていいと思うけどなぁ」程度で充分だったと思う
真剣に発言しながらアホになるとか「くぁwせdrft」とか言ってしまったらそこで説得力を全て失う羽目になるぞ?
それとまた資料ができたのでうpしておく
ttp://tsukitemp.web.infoseek.co.jp/cgi-bin/snuploader/src/up0171.zip
それとちょっと気になっていたんだが、ここって批判は書いちゃいけないのか?
愚痴や非難、中傷ならともかく、批判は作者が読者から最も求めているものだから書いていいんじゃないかと思って
批判自体は誰も「するな」とは言ってない(よね?)
だから同様に、批判に対しての批判も良いわけだ
問題は「とにかく俺の批判を聞いて俺の言う通りに書け」という態度でいる人
これは批判じゃなく自己中と言う
では俺から批判させてもらう
彼のSS読んでいて思うんだが、なぜ物語の語り部で「クロスオーバーのSS」や「設定上」だの普通あとがきに書くはずのものを書いてるんだ?
俺もSS書いてる身だし今までいろんな(格ゲー限定)小説を読んできたが、あんな所に書くなんて今までに聞いたことがないし見たこともない
俺もああいうのを書くときは必ずあとがきで書くようにしているからね
個人的にあそこに書いてしまうと、見ているこちらとしては非常に違和感を感じるし書き手としての技量も疑わしく思う
それともあれは小説を書く上での一種の手法なのか?
詳細を求む
あとこれも言っておきたかった。あのSSの主人公は誰だ?
メタネタの様なもんだと思ってたけど、違うのか
メタネタが分からん奴がいるとはな・・・
春麗は男日照りの30代じゃねーよ
ちゃんとボーイフレンドもいてスト3の時期には結婚してるかもしれんのに
そもそもあれが男に飢えてるような女か
というのは批判に入りますか?
>>588 ああそういうのなんだ
いや全然知らなかったわ、ごめんごめんw
どうも俺は自分の知らないもの=他人が勝手に捏造したものと見なしてしまう癖があるようだな
あとそれを見たおかげでここで投下されたもの以外にも以前某スレでメタネタを含んだSSを一回ちらっと見かけたのを思い出したわ。
だがそのときそのネタを使ったSSを投稿した作者、大半の読者からボロカスに言われまくっていたな
「メタネタとかふざけてんのかよw」とか「伏線の張り方が悪い、メタネタを使うタイミングが悪すぎる、キャラの設定、性格を理解してない」
など色々と酷評されてた
そして作者のほうはフルボッコされまくったことにキレて暴言吐きまくっていたね
まあそのせいでそのスレは一日中荒れまくり、ついにはその作者はアク禁食らったよ
まあ俺から言わせて貰えば、あれはキレて暴れた作者が悪いと思うね
寧ろフルボッコされてもそれは書き手としては重要な経験だと思うしそれを味わいながら作家は成長していくものなんだ
もしそこでキレたりしたら何もかもパーになってしまうから良くないわ
そもそも読者ってのは面白いと感じるものを求めているわけだから、
書いたSSの文章の構成がゴミなら叩かれるしそこがきちんとできていればアンチは出てくるがファンも出てくる
そういうものなんだってことを認識しなきゃSSなんて書いていけないと思う
ふーん、で、それがEROの作者さんと何か関係あるの?
自分語りがしたいんだよきっと
つうことで、ギルティとヴァンパイアの絡みがみてぇ
22話Aパートで氏がGGの公式ストーリー展開を批判を繰り広げだしたのにはドン引きした。
二次創作における設定アレンジや変更は楽しいから好きなんだが、二次パロ公式批判し
出すのは痛々しすぎると思う。ギャグではすまされない領域だし。
カイ×木陰派もカイ×ジャム派の双方が不快に思われたのではないだろうか。
氏には今後気をつけて欲しい。
×二次パロ公式批判
○二次パロで公式批判
どうも氏への期待値が良い意味でも悪い意味でも高すぎる気がするな
どっかの誰かが、例えば同人誌で同じような事やったって、ここまで批判されないだろうと思うんだが
一応商業誌だったギルティギアエクストラで、ようやくこのくらい非難されてたとオモ
>>581 おお、なかなか面白かった
その作者はこのスレの存在を知っていないのかな
てか次スレは?
俺は立てらんなかった
>>592-593 要するに、もうちっとSSを面白くしろってことを言ってるんでしょ
俺も最近になって氏のSSは展開がいい加減になってきたように見える
物語に核心的な部分に全然進まず特に気にする必要のないバトルやエロばかりでグダグダになりすぎ
何でこんな事で話を引き延ばすのか不思議でしょうがない
そろそろここらで急展開とかしてほしいよ
>>594 俺もあれにはさすがに嫌悪感を感じたねぇ…
いくら二次創作エロの中とはいえ何で公式批判なんてするのかな?
先の22話で春麗が空気嫁と言っていたが、俺はまさに氏に本気で空気を読んでほしいと思う
酷なことを言うけど、周りから支持されて来ているとはいえ、少し調子に乗りすぎだと思う
今後、ファンや公式設定のことをしっかりと尊重してほしいね
>>514 >二次創作エロの中とはいえ
むしろSSの中でカイに公式展開否定させたところに氏の悪意を一番感じたな。
氏が氏個人の意見をGGファン公のものだと勘違いしてる節があるのもまた・・・
公式に不満があるなら黙ってスルーして欲しかった。
氏のSSを毎回楽しみにしていただけ残念。
できれば22Aパートは存在自体をなかったことにして欲しい。
存在自体をなかったことは少し言い過ぎだったか・・・
公式批判の部分を削除して書き直しをして欲しい。
602 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 03:23:33 ID:vy9AvRvb
レス番間違えていないかお前・・・・?
まあそれはともかく、氏にはGGファンへの謝罪をしてもらいたい
今回の件は本気で許せないと思うから
あとどうでもいいけど、ジョニー強すぎないか・・・?
ボスキャラでもなんでもないキャラがそこまで強力なのも違和感があるんだが・・・
まあでもここはそういうスレなんだし仕方ないと思ってこれ以上は何も言わないけど
現在497KB。書き込みできなくなるまで残り3KB。
ジョニーは公式で強いからいいと思う
暴走しかけたデズを止められるくらいだし
エロくないと言われたり
無駄なエロが多くて引き伸ばしだと言われたり
言ってる方は複数なんだろうけど
言われてる方はたいへんだろうな
乙