忍たま乱太郎のエロ小説 其の弐

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1名無しさん@ピンキー
前のが落ちてしまったようなので新しく立ててみたらん!

職忍のみなさんお待ちしております
2名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 10:14:50 ID:LqSRtcb6
>>1
3名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 10:49:29 ID:2xAZqm6s
>>1
お、立ったか!
乙です
4名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 16:41:54 ID:60i3zzFS
期待
5名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 20:44:13 ID:h8WdgbO+
5げと
トモミちゃんかわいいよトモミちゃん
6名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 22:49:41 ID:UMpNMvnn
忍たまってまだやってるの?
7名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 23:28:42 ID:PH0i/Hml
前スレで熟女ものにはまった
8名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 01:43:50 ID:grnQwwno
熟女というとシナ先生か?
9名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 04:09:57 ID:PSA3+H4z
いや、ここは山田先生(女装)だろう
10名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 10:38:54 ID:b55khWnG
前スレの事務のおばちゃん×小松田は秀逸だったな
11名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 20:18:30 ID:Qm4CNa3q
にっきシリーズを忘れるな!
12名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 23:31:01 ID:FWegc0R8
スレが温まって来たら職人さんもやってくるだろう
そういえば潮江とそうこちゃんの続き気になってたんだ
13名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 11:16:34 ID:erA6U8OK
>>12 同じく
14名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 16:57:56 ID:HH4E1jLl
前スレやっぱ落ちてたのか・・・orz
早く職人様が復帰してくれますように
15名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 23:09:06 ID:3FkONZr+
職人じゃないけど住人のオレなら復帰したよ
16名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 00:00:02 ID:duN7ayCT
17名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:10:21 ID:zY7p0Tz+
にっきのまとめサイト…おいとくぜ

ttp://mippi.jp/rannikki/index.html
18名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:36:52 ID:Bt77hWZY
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
19名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 00:40:03 ID:qVvjFMVP
マトモに1000行かないな。
各関連スレで嵐が出てるからマターリいこう
20名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 16:19:15 ID:L/4OSAks
にっきのまとめ読んでたら止まんなくなってバイトに15分遅刻した \(^o^)/
このスレの職人さん神杉

21名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 18:47:05 ID:L/4OSAks
にっきの人以外の職人さんのもまとめてくれるといいなあ
前スレ神なのいっぱいあったし
自分はそっち系よく分からないので出来る方いたらやってくれまいか
22名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 00:25:49 ID:kc+NWjHu
捕手
23名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 13:29:23 ID:RHJmM8Vr
ほっしゅ
24名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 23:55:52 ID:yjKi+9rp
すんませ・・・っ

前スレだれかとっておいてませんか?
潮江とそうこって何?? 気になりすぐる!!

日記シリーズ以降見てないんだ・・・

個人的には照星さんが男前だったた
25名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 00:06:15 ID:njkApT5I
巨乳の照代ちゃんのエロがよみたい
26名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 00:09:19 ID:A5LlBqHM
>>24
前スレのコピペすることならできるけど
そういうのっていいのかな・・・?

このスレ的におkだったらやってもいいですが
前スレのss誰かまとめてくれるといいなあ、自分はあんまりよくわからんもんで。
27名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 10:51:31 ID:wNnGNx5A
くの一の百合6Pとか読みたい
28名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 21:41:17 ID:l9B8CIBz
リリーばあちゃん、食堂のおばちゃん、老シナでお願いします
29名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 21:44:41 ID:NErPP4Ur
誰か庄ちゃんのじいちゃんで書いてください
30名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 21:51:11 ID:Z5TV14PG
婦人会のおばちゃん軍団でお願いします
31名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:51:28 ID:bjdB35az
おまいらそんなマニアックな組み合わせがよく見つかるなw
32名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 13:46:43 ID:n1ixQZwc
きり子にハァハァ
33名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 18:44:38 ID:iHJbonPB
百合はあっても♂×♂は嫌だなぁ
たとえ女化だとしても。
34名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 19:57:48 ID:C7C1W4du
きり丸の母ちゃんが山賊かなんかに輪姦されるのがいい
35名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 21:52:31 ID:E/h9Or2K
>>33
注意書きがあれば良いや
36名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 05:44:19 ID:tuEocsvt
嫌な組み合わせやシチュエーションに文句垂れずにスルー出来るのが大人ですね。わかります。
37名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 12:11:31 ID:puP6cdM2
名無しは味の濃淡を問わず、品の多少を選ばず、
ただひたすらいただきますだ!バカタレィ!
38名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 13:44:49 ID:ncHyxj/s
きり丸の母ちゃんて「女1」とかそんな感じなのかなあ…
39名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 17:11:42 ID:9npY4Jje
>>25
おまいは漏れかwwwww
40名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 19:13:26 ID:klMDRtvY
>>37
潮江先輩もエロスレとか覗くんスねw
41名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 22:13:31 ID:U9yOQVBw
>>37
潮江先輩のほふく前進プレイが見たいっスw
42名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 13:49:11 ID:oJgmPCib
>>37
潮江先輩、エロは忍者の三禁っスよw
43名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:48:55 ID:W2aJS6+k
>>37
潮江先輩、いただきますだなんてエロすぎっスw
44名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:42:40 ID:nhumrQRY
いつの間にやらしおエロスレにwww
45名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:05:23 ID:ubX/xKzT
>>44が『やらしエロスレ』に見えた
46名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:58:51 ID:S7M+/3cc
おまいら潮江好きだなw w w

鍛錬とか言ってるけど15歳の性欲をあなどってはいけないぞ
47名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 13:38:09 ID:JfY8IGfj
潮江先輩好きだからそうこちゃんとの続きを切実にお願いしまs
48名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:25:56 ID:VrkEKzfC
エロイ巨ぬー照代にせまられ潮江



見 た い ん だ !
49名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:03:57 ID:hlOaVOVM
>>48
日本語でお願いしたい
50名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:18:26 ID:ND2ENCBz
>>48
せまられ潮江いいな

かたくなに三禁を守ってきた潮江VS年上くのいち照代
ファイッ
51名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:01:32 ID:r8kBu/5f
潮江→照代なら前スレ(だっけか)にあったんだけどな
「こんな小僧に…くやしいっ!」みたいなの

このスレ女率高いのか?
52名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:22:47 ID:DfULZwBu
忍者には年齢も性別もないのじゃ
53名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:24:23 ID:w6lZ98sE
でも失格忍者だよな、三禁犯してるからwww
54名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:09:21 ID:Agv6r50t
三禁って全くやっちゃ駄目なんじゃなくて
溺れてはいけないってことで、たしなむ程度には酒も女もおkなんじゃないのか?

三禁気にしてたら魔法使いになっちまうよw文次郎が
55名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:15:10 ID:bvIgExXn
奴なら、一流忍者になるためならば
魔法使い上等!となりそうな気もする。

しかしおまいらほんとにもんじが好きだなw
56名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 16:27:13 ID:16dy9ZOm
嫉妬した!
このスレのもんじの人気に嫉妬した!
57名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 18:18:23 ID:VkD3wGeu
むっつりスケベとはっきりスケベではどちらが需要あるんだろう。
もちろん潮江的な意味で。
58名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 19:40:14 ID:ztNaRRbN
はっきりスケベ!
はっきりスケベ!
59名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 11:06:33 ID:46LVraYr
かまぼこ、ちくわ、あぶらage
60名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:16:00 ID:iG/GWJdF
>>59
油揚げは練りものじゃないと思うぞ
むしろ豆腐とか豆製品の仲間では……? あ、誰か来t
61名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:39:32 ID:M+d2ObxZ
>>60
たうふプレイとはマニアックな
62名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 10:29:21 ID:6ZZTb/X1
>>61
そこで久々知ですよ
63名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 19:41:56 ID:xVeI//V8
1.まず市販の豆腐を鍋で煮ます
2.このとき愛情を持って「豆子」や「絹子」といった名前を付けてあげましょう
3.湯からあげ、火傷防止のために適温(体温より少し高め)まで冷まします
4.豆腐に切り込みを入れます

( ゚д゚)...

(゚д゚)...

(*´д`*)
64名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:17:47 ID:Sfr8Kj44
絹子なんか入れた瞬間粉みじんでは。
なんという残虐プレイ。せめて厚揚げ子か
高野豆腐子で!
65名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:12:11 ID:Lo6UplW/
久々知助平
66名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:23:02 ID:PSST9Y3T
なぜ高野豆腐が出ない
67名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:39:18 ID:6ZZTb/X1
久々知は豆腐で抜いてるのか…
68名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:50:57 ID:4xvONSbp
「絹子、かわいいよー!絹子ー!!うっ……。」
どんなに愛情をぶつけても柔らかい絹子の体に、久々知の愛は大きすぎて耐えられないのです。
久々知は崩れた絹子を抱きしめて泣きました。
はたから見たら、その姿はこっけいで、○○○○な感じですが、本人は真剣に絹子を愛していたのです。
今日もいつものように豆腐を入れている桶に手を伸ばしましたが、そこに絹子はいませんでした。
「絹子……。」
きっと、自分ではない豆腐の元へ行ってしまったのだろう。
久々知はぼろぼろと空の桶を抱えて泣いていました。
「すみません。」
声をかけられ、後ろを振り向くとそこには女の人が立っていました。
「貴方はだれですか?」
「私は豆腐の精です。貴方の豆腐への愛を感じ、ここへ参ったのです。」
女の人は着物の襟を広げて豆腐と同じ白い肌を曝け出しました。その胸の柔らかそうなことといったら。
久々知は思わず唾を飲み込みました。
「豆腐の体では耐えられない貴方の愛、この体なら受け入れられましょう。さあ、どうぞ。」
久々知は女の言葉が切れるのを待ってからそのはじけそうな胸へ
69名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 00:36:42 ID:UI9rv+rb
せやけどそれはただの夢や
70名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 07:26:20 ID:UdaDvhIA
これ続くの?
71名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 09:30:26 ID:Q9iIGQSa
誰かが続き書けばいいよ
絹子ーー!
72名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 23:37:45 ID:ZXrphJMw
っていう夢を見て夢精してしまった久々知

朝食の冷や奴とはうまく目を合わせる事ができなかったのだったた…
73名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 02:28:09 ID:LDP4AOHE
しかしどうしても夢とは思えない久々知。
部屋に戻り、改めて枕元を見ると何かで濡れていることに気付いた。
久々知はふと懐かしさを感じ、それを口に含んでみた。

「これは……」

豆乳だった。
74名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 08:39:35 ID:IZm7Bipn
忍たまの繁栄を願ってage
75名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 08:41:48 ID:zGMxK2EH
【中国】少林サッカー主演女優などスター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://idol.idol-photo.org/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml
76名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 11:03:17 ID:2Lndvo0y
なんか豆乳って響きがえろい
77名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 12:24:30 ID:tuLNH1VV
豆腐の次は豆乳プレイですか?
78名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 16:01:27 ID:f4csPU/c
豆乳ローションぷれい

久々知の部屋って臭そうだな、残った何かが発酵してそう
79名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 23:31:46 ID:xKcbP2mg
そしてついには納豆に…
80名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 23:35:20 ID:ziS/aogD
古典読んでたら、蛇と女がヤる話が結構あるけど
それなら孫兵と人間になったジュンコとキミコの3Pもありかな。
なんか蛇淫の性みたいだけど。
81名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 23:55:49 ID:tuLNH1VV
>>80
すごく…エロスです…
82名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 01:00:31 ID:uzuZFkS3
「それでは私が、孫兵様のものを……。」
「あら、貴方だけずるいわよ。私にも。」
 体の上で二人の女が屹立した自身を取り合いする光景を、孫兵はぼんやりと眺めていた。
 時刻は丑の刻。毒生物の要塞であるこの部屋の住人は孫兵ただ一人のはずなのに、どうして人が。
 いや、それ以前にどうして女がいるんだ。疑問に思うが、抵抗しなかった。
「じゃあまず私から先にいただきますわね。」
「あらそう、じゃあ私は隣で一人寂しくしてますわ。」
「もう、すぐにすませますから。」
 一人の女が体を跨ぎ、着物を捲る。闇の中で体は見えないがなにをしたいかはわかった。
 抵抗しなかったのはこれから行われるであろう行為に期待したからだけではない。
 この二人の女に、どこか覚えがあったからだ。
「うぅ……。」
 ぬるりした部分に触れる。屹立した男根はそこから一気に肉壁に埋まってしまう。体験したことのない圧迫感に襲われ、孫兵は息を漏らした。
「ああ、んんっ、孫兵さま、孫兵さまぁ……。」
 体を上下させながら女は接合部分を揺らしてゆく。微細な襞が張り詰めたものを追い詰め、追い上げてゆく。
「んぐっ……!!!」
 まだ交わりをしたことのない孫兵は、その感触に耐え切れず、わずかな時間のうちに果ててしまった。どくんどくん、と女の肉壁に何かを吐き出したような感覚がした後、ぐったりと顔を横に向ける。
 女もまた、慣れていないのか男根の撥ねに刺激されて細かく体を震わせて果てた。ゆっくりと腰を上げると、足の間から白いものがとろりと零れて孫兵の腿に掛かってゆく。
「じゃあ、次は私ね。」
「もう、もっとやりたかったのに……。」
 傍らでくじっていた女は立ち上がると、余韻に浸る女をどかして跨った。が、孫兵のものは吐精を終えたせいですっかり萎えてしまっていた。
「あらあら、しょうがないわね。」
 芋虫のように草臥れた一物を摘むと、女はぺろりぺろりと、赤く長い舌を出して舐めあげる。青臭い精液と淫水に塗れたものは、その舌の動きのおかげか、それとも若さのおかげかで、すっかり元気になった。
「いきますわよ、……んっ。」
 再度馬乗りになり、立ち上がった男根目掛けて腰を下ろしてゆく。体液塗れになった陽物と女陰は、つながる瞬間じゅぷん、と水音を立てた。
「ううんっ、すごいぃっ……!」
 先ほどの女と違い、彼女は慣れているのか動かし方が違っていた。長く楽しもうとしているのか、動作は緩慢で、しかしツボを得ている。
 一度交わったせいか、孫兵のものは、今度は少しだけ長持ちした。
「ん、あ、あっ……!」
 女が達するのと同時に、孫兵は中に精を放った。じゅん、と白濁が零れ、下腹部を濡らしてゆく……。
「ああ、気持ちよかったぁ……。」
 厚ぼったい唇を妖艶に吊り上げると、女は濡れた舌で孫兵の赤くなった頬を舐めあげる。もう一人は首筋にすがりついた。
「いつも、いつまでもお慕いしておりますからね、孫兵様……。」
 二人の声が重なり、ぼやけてゆく。視界はだんだんと明度を失ってゆき、一瞬明るくなったかと思うとあっという間に緞帳が下りた。
83名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 01:08:31 ID:uzuZFkS3
 孫兵はいつもどおりに目を覚ました。体や部屋を確かめたが、特に変わったところはなく、鮮明な夢を見た、ということにして誰にも話さなかった。

「ああ、ジュンコ!キミコまで、なんてことだ!!」
 それから二週間ほどして。孫兵は飼育小屋で悲痛な叫び声を上げた。
「どうしたんです先輩。」
 一緒の当番の三治郎が中に入ると、床に蹲る孫兵と、彼の前にある籠が目に入った。
 そこにはマムシのジュンコとアオダイショウのキミコが入っているのだが、二匹とも胴の部分が膨らんでいるのだ。
「いったい誰に孕まされたんだ!この前松の木に絡まっていたタカチホヘビか?!それともヤマカガシのやろーか!!」
 そのあわてぶりはまさしく娘を嫁に出す父親のようで、三治郎は最初笑っていたが、すぐにそれは凍りついた。
 だって、籠に入った二匹のヘビが、孫兵を見てにんまりと笑ったんだもの。
 孫兵一人が、日本中の毒蛇の名前を挙げておろおろと慌てていた。


 終わり
84名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 02:42:39 ID:SMjXxVeP
>>83
ちょいとホラーだが、そこがいいね
85名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 09:24:28 ID:iq1J4ks8
>>82-83
エロで軽くホラーででも野良蛇の名前を次々あげる孫兵がらしくて良かった!GJ!
86名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 13:50:55 ID:6nnogrKQ
このパターンでいくと
乱太郎:?
きり丸:銭の精
しんべヱ:お菓子の精
庄左ヱ門:炭の精
伊助:染め粉の精
兵太夫:自作のからくり人形に魂がこもってしまったやつ
三治郎:成仏できない女の亡霊
団蔵:人間になった能高速号 あれメスかな…
虎若:火縄銃の精
金吾:刀の精「砥石ではなくあなたの体を擦り付けてほしいのです」
喜三太:人間になったナメクジ ふたなり?
てな感じでいくらでもできそう
87名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 16:41:50 ID:Ep64vkDj
>>86
乱太郎は不運の精でいいんじゃね?
ドジっ子みたいな感じので

ただ、そうすると保健委員全員がそうなるんだが
88名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 20:11:41 ID:Q1OLhmk9
道端で助けた老婆の精が若い娘の姿になって恩返し
89名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 20:22:27 ID:OcKBegov
兵太夫のはギリシャ神話に似た話があった気がする。
確かピグマリオンとガラテイアという登場人物だったはず。
90名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 01:33:56 ID:RqWXbAtA
土井てんていは練り物の精に弄ばれて練り物嫌いになった



という電波を受信しました。
91名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 01:36:39 ID:RqWXbAtA
>>86
兵太夫ので
からくりサーカス思い出した。
92名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 00:58:23 ID:K25PWbop
文照投下します。

仕上げてからと、思ったのですが眠気に負けそうなので前半部分だけ先に。
93名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 01:00:30 ID:K25PWbop

この男に抱かれるのは何度目だろう。
…男と言っても自分より幾つも年下で、まだ少年と言えなくもない年のはずだが、鍛えられた身体つきは大人のそれと変わりない。

皮膚が分厚くなってしまった指先で、彼は私の内股を撫でる。慣れた手つきだ。この若さで、いったい今まで何人の女と寝てきたのやら。
「…忍者の三禁を堂々と破る奴なんて、アンタ以外にいるのかしらね」
そういうと、彼はうっすらと笑ったような表情で
「溺れなきゃいいだけのことさ」
と言ってのけた。

最初に出会った時は、やたらでかい口をたたく生意気な小僧ぐらいにしか思ってなかったのに。
偶然という名の流れにのまれ、彼とこういう関係に至った。
最初のきっかけが何かと敢えてあげるなら、彼の強い目力に惹きこまれてしまったことだろうか。

逞しい腕で強く抱きしめられると、心から求められているような気がして嬉しかった。
彼の体温を布越しに感じる。つられて自分の内側から熱くなってくる。
抱き合っているうちに自然と着物がはだけ、むき出しになった乳房に彼はむしゃぶりつく。こういうところは少し子供っぽいなと思わなくもない。
「…文次郎…っ」
掠れそうな声で彼の間苗を呼ぶ。後の言葉は唇を塞がれてしまったので続けることはできなかった。
舌と舌がからみあい、口の中だけでなく体中がかき回されているような気になってくる。
94名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 01:17:55 ID:K25PWbop
うあー。間違い発見。
お詫びに少し追加して再投下。

近日中に必ず仕上げます。まじで。
95名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 01:20:40 ID:K25PWbop
この男に抱かれるのは何度目だろう。
…男と言っても自分より幾つも年下で、まだ少年と言えなくもない年のはずだが、鍛えられた身体つきは大人のそれと変わりない。

皮膚が分厚くなってしまった指先で、彼は私の内股を撫でる。慣れた手つきだ。この若さで、いったい今まで何人の女と寝てきたのやら。
「…忍者の三禁を堂々と破る奴なんて、アンタ以外にいるのかしらね」
そういうと、彼はうっすらと笑ったような表情で
「溺れなきゃいいだけのことさ」
と言ってのけた。

最初に出会った時は、やたらでかい口をたたく生意気な小僧ぐらいにしか思ってなかったのに。
偶然という名の流れにのまれ、彼とこういう関係に至った。
最初のきっかけが何かと敢えてあげるなら、彼の強い目力に惹きこまれてしまったことだろうか。

逞しい腕で強く抱きしめられると、心から求められているような気がして嬉しかった。
彼の体温を布越しに感じる。つられて自分の内側から身体が熱くなってくる。
抱き合っているうちに自然と着物がはだけ、むき出しになった乳房に彼はむしゃぶりつく。こういうところは少し子供っぽいなと思わなくもない。
「…文次郎…っ」
掠れそうな声で彼の名を呼ぶ。後の言葉は唇を塞がれてしまったので続けることはできなかった。
舌と舌がからみあい、口の中だけでなく体中がかき回されているような気になってくる。

身を捩じらせ、太ももを彼の股間に擦り付けると、すでに硬くなっているのがわかる。
挿れてほしいと思うけれども、言ってしまえば彼はますます焦らすだろう。
逃げれば追う、追えば逃げる。激しい気性と計算高さが同時に存在して本心がどこにあるのかさっぱり分からない。
求めてはいけない、こんな男を。本気で好きになってしまったら、ろくな目にあわない。
96名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 19:30:54 ID:xMfLYws3
文次郎キターーーー!!三禁破りめ
97名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 12:14:53 ID:QAJS14uW
あれは絶対の掟と言うより心得。
(某パイレーツ命台詞より)
98名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 12:18:09 ID:qzwoPoug
伊作×くのいち見たい
99名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 20:21:36 ID:5o8T9Qvs
むしろくの一×伊作が見たい
100文照つづき:2008/03/17(月) 23:43:38 ID:mZsNtQhG
少し息苦しくなってきたところで唇を離した彼は、私の頭に手を置いて、そそり立つ一物を剥き出しにする。
しゃぶれ、ということだ。
裏スジに沿ってと舌を滑らせ、そっと口付けをしてから軽く咥え、口に入れる。
「ん…」
全部入れようとすると喉につっかかって少し苦しいから、唾液を溢れさせ根元は手で扱き、頭の動きと合わせる。書物に書いてあった方法が役に立ったようだ。
「は…ぁ…」
文次郎の溜息のような声が漏れる。自ら腰を動かす時には出さない声。
「…なぁ…このまま…出していいか?」
…嫌だと言っても出すくせに。
拒否しないのは受け入れるのと同じことだ。
「いく、ぞ…っ」
どくん、と口の中が苦いものでいっぱいになった。

てぬぐいに吐き出しても、まだ後味が残っている。
「…満足した?」
「久しぶりなんでね。一回くらいじゃ…」
というと同時に腕を摑まれ、ゆっくりと押し倒された。
そういえば、こうして会うのも一月ぶりだったろうか。その間何をしていたのか気にならなくもないけど、わざわざ聞く程のことでもない。そもそもいつ終わるかもしれないような関係だ。

さっきまで乳房を揉みしだいていたその手は、下腹部の茂みへと移された。
これ以必要ない程濡れて溢れているのに、それでも一番敏感な部分を更に弄ぶ。
「や…だ…っ」
ちゅぷちゅぷ、と淫らな音が嫌でも耳に入ってしまう。
「っとに…もう…いい加減にして…」
「なんだ、もう限界なのかよ?」
からかう様にそんなことを言う。ほんとに生意気な奴だ。
「好きに…しなさいよ…」
「それじゃ、遠慮なく」
両脚を持ち上げ、割れ目に自身を宛がう。ゆっくり少しだけ侵入させたかと思えば一気に貫く。
「ああっ…んんっ…いや、いや…」
本当に遠慮なく、激しくひたすら突きまくる。滅茶苦茶になりそうだ。
「いや、だと?こんなにしっかり咥えこんでるじゃねえかよ」
そう言って動きを止めようとはしない。
101名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:03:30 ID:TVny5MGd
文次郎の溜め息w
笑うとこじゃないのになんだこれわwww
102名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:19:46 ID:LBr/CtUt
続き・・
103名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 12:50:19 ID:Le0rHDvx
書き溜めてから投下してはどうだい?
104文照つづき:2008/03/19(水) 01:15:02 ID:9KLLz61A
「ぁあっ…ちょっと、まっ…てぇ…」
「何を?」
「そんな、に……しないで…っ」
手を握り締めながら懇願する。
「…くの一が、これしきで音を上げるな」
文次郎は腰の動きを止めようとはしない。
くの一だから、年上だから、もっと手馴れていると思い込んでいるのだろうか。
必要とあれば仕事で身体を許すこともある。でもそれは本当にどうしても必要な時。尚且つ、その人になら抱かれてもいいと思えた時だけだ。
「…はっ…はっ…」
「あぁんんっう…」
荒い息と喘ぎ声が暗い部屋に響く。動きが少し緩んだかわりに、今度は深く深く挿入された。
身体を倒し胸を密着させる。互いの汗が交じり合う。
「んんっ…っ…」
ほとばしる熱い生命力を身体すべてで受け入れているうちに、じんじんと痺れるような感覚に陥る。
「ぉねがい…あたし…もう…」
「…俺、は、もうちっと愉しみたいんだけどな…そろそろ…」
彼も限界が近づいてるのか。再び腰の動きを早めた。
「ああっっ…やぁあっ…あああっっ」
叩きつけるかのような激しい出し入れに耐え切れず、喘ぎ声は叫び声へとかわる。
「はっ…いく、ぞ……くっ」

腹の上にどっぷりと精を放つ。勢いで乳房や首筋にまで飛び散り、ぬるりと床に落ちた。
「はぁ…はぁ……はぁ…」
肩を上下させ、息を落ち着かせたかと思えば、そのままばたりと倒れこむようにして眠りに落ちてしまった。
「ちょっ…と……重いん…だけど…?」
まぁいいか…背中を向けて寝られるよりは。
夜が明けるまで、こうしているのも悪くはない。
105文照つづき(ラスト):2008/03/19(水) 01:16:59 ID:9KLLz61A
春風で、桜の花びらがひらり、ひらりと舞っていた。
いい天気。仕事もひと段落ついたし、ついでだから忍術学園によってみようかな…。
正門で入門表に記入していると、子供たちが駆け寄ってきた。
「あ、北石さんだ!」
「お元気でしたか!?」
この前会った時と変わらぬ笑顔。ただひとつ、大きく違っていたのは、井桁模様ではなく、目の覚めるような真っ青な制服を着ていることだった。

…ああ、そうだ。

彼はもう、ここには居ないんだ。
卒業するとわかっていた。行き先は聞かなかった。
聞くことも、答えることも、お互いの立場を考えれば当然避けるべきだった。
…いや。
別れの言葉を聞きたくなかった。終わりを受け入れるのが怖かった。

「北石さん?どうしたの?」
「…砂埃が目に入ったのよ」
106名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 01:21:53 ID:9KLLz61A
欲しいなら、まず自らというつもりで何とか完了しました。

エロい文次郎を書いてくれる方が他にも現れますように(祈)

>>103
おっしゃるとおりですね…。
前半と、ラスト辺りが先に大体できてたので見切り発車してしまいました…
107名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 02:57:40 ID:fX7GAyQz
誰か伊作×ユキでお医者さんネタ投下してください
108名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 13:02:40 ID:h0izVKMQ
GJ!
109名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 23:15:08 ID:lYvy05l+
>>106
gj!欲しがってばっかだけど自分には書けんからありがたい…。
110名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 03:48:20 ID:BEjF8+G5
ユキちゃん受けなら相手誰がいいですか?
上級生で
111名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 15:42:46 ID:Mv1eMz7c
ダークホースで雷蔵あたり見てみたい
112名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 21:04:49 ID:4gOEnhkW
ユキちゃんが乱太郎にほのかな片思いをしてる設定で
乱太郎に変装した鉢屋がユキちゃんを騙して・・・

っていうのが見たいな
あ、でも体形の違いでバレるか
113名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 01:10:31 ID:GwEatFVJ
↑神設定
見たい…誰かお願いします
114名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 18:35:42 ID:r29qjaYA
42巻ミスマイと里芋が結婚に吹いた

前スレの里芋×ミスマイを思い出して・・・・・・
あれも名作だったんだけど、どこかに保管されてないのかな?
115名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:35:07 ID:9aS0ql+1
●持ちの神がwikiにss保管庫作ってくれる事を祈る
にっきのしか読めないからなー
116名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 01:01:01 ID:ZEyPYgi7
ユキちゃん受け見たい
117名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:16:12 ID:bGvm36yB
>>114
ぐぐったら出た
118名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 14:20:01 ID:EGQlsmF/
>>110
前スレで人気なかったけど同じ歳二年か滝夜叉丸で
119名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 17:31:28 ID:g3Pwl4+2
しおり×ユキの百合誰か書いて
120名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:51:11 ID:eQLCmwsq
>>117
ミスマイ 里芋で検索して
前スレでてきたけど、専用ブラウザないと見れない…

探し方が悪かったんでしょうか…
121名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:04:59 ID:EGQlsmF/
>>120
あれ?なんかログ全部出たけど…

携帯べっかんこで見るしかないのか
122名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:53:03 ID:zq+6aOA7
保守
123名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 20:31:26 ID:GuyniO9f
>>86
魂が宿る前のからくり人形が暴走して
ブツが切られそうになったりとか
アホな展開を想像してしまった。
というよりこれじゃ人形じゃなくてダッチワイフだが。
124名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 03:14:51 ID:4UiX1dD6
保守であります
125名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 11:04:06 ID:7uU5UFJl
>>124
金吾乙
126名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 18:37:25 ID:+8aNZUxg
ぽしゅ
127名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 22:50:18 ID:r3qt9/Al
学園長と彼女と元彼女で3Pとか・・・
128名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 01:09:19 ID:KnUwQK42
兵みかとか綾みかとか…とりあえずみかちゃんものが無性に欲しい
129にっきの人:2008/04/04(金) 17:13:37 ID:VKCPfZth
お久しぶりですノシ
今さらですが、潮江とそうこちゃん再投下はじめます。
39巻の四コマ参照。まだ前振りだが長い。
前スレ分、ちょっと修正しました。
ちなみに世界観、登場人物とも、にっきシリーズと同一です。
仙蔵が変態。食満は大変。
読みたい言ってくれた人ありがとう。
130名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 17:22:22 ID:8yt2bxZp
あああああああああぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ
にっきのひとーーーーーーーーーー!!!!!!!

おかえり!ずっと待ってたんだよ、寂しかったんだぞ!!!愛してる!!
131にっきの人:2008/04/04(金) 17:25:10 ID:VKCPfZth
先生!本文投下しようとしてもできないのは敵の罠ですか!?

ごめん、PCとりあえず再起動してみます。
132当世忍たま恋愛事情1:2008/04/04(金) 17:37:04 ID:VKCPfZth

晩秋の午後、日暮れ間近の夕空を、どんより重く埋め尽くす灰色の雲を見上げ、
雪でも降るかな、と仙蔵は首をかしげた。
霜月も半ばをすぎ、そろそろ風の寒さが骨身に染み入る季節になってきた。
忍びとして、暑さ、寒さに関わりなく行動できるよう、鍛えてはいるが、
どれほど心身を鍛えようと、寒いものは単純に寒い。
ことに、木枯らしが鋭く梢を鳴らし、曇天低いこんな日は、自主鍛錬などさぼって、
布団に潜り込みたくなるのが人情というものだ。
頭まですっぽり布団をかぶり、柑子はまだ早いから、熟れた柿などかじりながら。
たっぷりと熱い茶を満たした土瓶でも、懐炉代わりに傍らに置いて。
それはいいな、と仙蔵はしみじみ思った。寒い日の熱い茶はいいものだ。身も心も芯から温まる。
熱された土瓶の口から、ほかほか立ち上る淡い湯気を見れば、どんな寒さも忘れられるだろう。
たとえば今、目の前に広がる、薄ら寒いほど珍妙な光景なども。

忍たま長屋の六年生棟。い組の居室が並ぶ一角。
この時期、寒風を避けるため、どの部屋も昼間から障子を締めきっているのが普通だ。
しかしただ一つ、風が吹こうと雪が降ろうと、いつでも戸が開け放たれている部屋がある。
『心頭滅却すれば火もまた涼し、ならば同様に、寒さもぬくいと感じるようになるはず』
これも一つの鍛錬だ、というのがその部屋の主、六年い組潮江文次郎の言い分だ。
忍術学園一忍者している、学園一ややこしい男は、学園で五指に入るずれた男でもあった。
133当世忍たま恋愛事情2:2008/04/04(金) 17:41:07 ID:VKCPfZth

今日も開けっ放しの戸のそばで、文次郎はいつものように、外に背を向け座っていた。
まだ日はあるのに、奇妙に薄暗く感じる部屋の中、円座も敷かず、冷えた床板の上に直座りしている。
背中を丸めて床を睨み、なにやら一心に考え込む隈だらけの目元は、真剣そのものだ。
その隣では、六年ろ組の七松小平太が、なぜか仰向けで寝転んでいた。
もっともこちらも鍛錬と称しては、地中深い穴の中で寝たり、炎天下に校舎の屋根で寝たりと
奇行が目立つ人間だ。
組違いの部屋の床で寝るくらいは、むしろまともな部類に入る。
ただ一つ問題があるとすれば、その口からもうもうと、雲をもしのぐ黒い煙が出ている点だろう。
戸口に立ち尽くす仙蔵の鼻腔を、煙と火薬の匂い、そして一瞬だけ、なにやら甘い香りが掠めていった。

「……人間狼煙とは斬新な発想だが、屋内で上げるのはやめてくれ。近所迷惑だ」
口を押さえて咳き込みながら、ずかずか部屋に入り込み、仙蔵は白目をむいた小平太を
足先でつついた。
その口からぼふっと、またひときわ大きく煙が立ち上る。
それはいったん部屋に充満し、視界と空気を濁したあと、やがて開け放たれた障子から、
ゆっくり外へ流れ出ていった。
鴨居をすべり、忍たま長屋中に広がっていくそれを見送り、やれやれと肩をすくめる。
この展開は予想外だ。
134当世忍たま恋愛事情3:2008/04/04(金) 17:47:42 ID:VKCPfZth
そもそも仙蔵が寒い中、潜り込んでいた布団から這い出てここまで来たのは、この煙が原因だった。
午後も早いうちから暖かな布団に潜り込み、甘悪い楽しみを貪っていたのに、突然流れ込んできた
黒い煙のおかげで、とてもうたた寝どころではなくなってしまったのだ。
自堕落な幸福を取り戻すため、仕方なく元凶を探りに来たのだが。
まさかそれがこんなところで、小平太の口から出ていようとは。
いやまったく、予想外だ。
まあ実のところ煙など、誰の口から出てようと尻から出てようと、かまわないし興味もない。
仙蔵は単に、呑気なうたた寝が楽しみたいだけなのだから。
ともかく原因はわかった。あとは排除あるのみだ。
さてどうする。外に放り出すか、口に布でも詰めてみるか。
だがこの勢いだ、その程度では治まらないかもしれない。なんといっても土台が小平太だし。
口を塞いだら、今度は耳から出てくるかも。

おや、それはちょっと面白いぞ?

気絶して転がる友人を、思わずまじまじと凝視する。
にんまり口の端を吊り上げ、手を伸ばした仙蔵を、振り返った三白眼がぎろりと睨みつけた。
「なにが人間狼煙だ。そんな理不尽な術がどこにある、アホたれが」
「お前にアホといわれるとは、嫌な世の中になったものだなあ」
「だまれ悪魔。原因知りたきゃ教えてやる。これだ」
大げさに肩をすくめる級友に、文次郎は見下ろしていた床から掬い上げた塊をぽいと投げつけた。
反射的に受け止め、手の中を見下ろして、仙蔵はかすかに眉をしかめた。
「まんじゅう?」

それは、皮の白さも艶やかな、小さなふかし饅頭だった。
形は小さいが、ふかふかと柔らかく、そのわりにずっしり重い。皮は薄く、中の餡の甘い色が
透けている。実にうまそうだ。
よく見れば同じものが、文次郎の膝元に山盛り積み重ねられていた。
饅頭からバッタまで、口に入れば皆いっしょのこの男にしては、珍しくいい物を持っているじゃないか。
なんとなく感心しながら、鼻を寄せて匂いをかいでみる。
辺りに満ちた火薬と煙の匂いに混じり、ふわりと甘い香りが漂った。
「これがどうした?」
「中に火薬玉が入ってる」
ぼそりと低い声に、さっと顔を離して級友を見やり、仙蔵は続けて足元を見下ろした。
相変わらず白目をむいて、もくもくと煙を吐く小平太をしばらく見つめる。
「……いいんじゃないか?鉄粉お握りよりつかえそうだ」
「俺が作ったんじゃない。さっき廊下を歩いてたら、通りすがりのくのたまに食えと渡されたんだ」
いたずらにしちゃあタチが悪いから、一応先生にいっとくかと考えてるんだが、と、
不機嫌に呟かれたその言葉に、今度は目を見張って級友を見つめる。
やがて仙蔵は、ため息をついて首をふった。
135当世忍たま恋愛事情4:2008/04/04(金) 17:52:07 ID:VKCPfZth
「死に急いだな会計委員長。くのいちの恨みを買うとは愚かなことを」

半分だけ憐れみをこめた視線に、文次郎がぎょっと目を見開いた。
「はあ!?なにを言いだす!俺は何にもしとらんぞ!」
「嘘つけ。じゃあなんで火薬玉饅頭なんぞ渡されるんだ。お前にだったんだろう?」
「知らん!こないだ、足音で重量測定する法を復習してた時に会った奴が、殴っちゃってごめんなさい、
これお詫びです食べてくださいとか言って押し付けてきただけだ!」
「明らかにそれが原因じゃないか。可愛い台詞にだまされおって、奴らの常套手段だろうに。
だいたい、忍術学園で抱かれたくない男ぶっちぎり一位と言われるお前が、もてることなどあるはずが」
「変な異名をつけるんじゃねえ!それにくのいちの言うことなぞ、真に受けとらんわ!」
「どうだかな。やれやれまったくこのバカたれめが、女の体重など調べるのがそもそもの……
ん?待てよ、それでどうして小平太の口から煙が出るんだ?」
「ちょうど部屋の前で穴を掘っていたんでな。言ったろう、くのいちから渡されたものを、
いきなり食うほど俺は抜けとらん。まずは毒見が鉄則だ」
「ああなるほど、小平太なら不死身だし適任だなっていやいや」

ケンゴシくらいだろうと思ってたが、火薬玉とは予想以上だった。侮りがたしくのいち。
悔しそうに吐き捨てる文次郎に、仙蔵はあきれた視線を向けた。
「怪しいとわかってるものを友達に食わせたのか。実にひどい奴だなお前は」
「お前にひどいと言われるたあ、嫌な世の中になったもんだ」
「お互い様だ」
肩をすくめた仙蔵に、もう一度何か言いかけ、だが文次郎ははたと口を閉じた。
一瞬、考え込むように宙を睨んだその目元に、不敵な笑みが浮かんだ。
「よかろう。逆恨みだろうがなんだろうが、この潮江文次郎を敵に回すというならば容赦はせんぞ。
くのいちだろうが剣豪だろうが相手になってやろうじゃねえか。いやさ、返り討ちだ!」
「菓子折りもって謝りに行ったほうが、面倒がないと思うがな」
煙だらけの部屋の中で、気勢を上げる文次郎を横目で眺め、仙蔵はひとつ大きくあくびをした。
「で、いったい誰に恨まれたんだ?お前が体重量ってしまったのは、どの子だ」

何気ない言葉に、ギンギンと吊り上っていた文次郎の眉が、ふと寄った。
手元の饅頭を拾い上げ、ためつすがめつ眺めながら首をひねる。

「それが、よくわからん」
「わからんって」
「くのたまどもとはあまり関わらんからな。顔は覚えているんだが。ほれ、なんか眉と足の太い、
くのいちのくせに色気がなくてガキっぽい……ギョーコだったかソースだったかそんな名前の」
「……まだまだいろんなところで、女の恨みを買ってそうだなお前は」
天井を仰いでため息をつくと、仙蔵は文次郎に向け、面倒くさそうに饅頭を投げ返した。
はあ?と眉をしかめる級友から目を逸らし、返す手で、未だ煙を吐き続ける小平太の足をつかむ。
当初の目的を果たすべく、薄闇の迫り始めた部屋から人間狼煙を引きずり出しながら、仙蔵は口の端を
吊り上げ、部屋の主を見返した。
「やりたければ勝手にやってろ。ただし、当分の間は私に近寄るなよ。巻き添えを食うのはごめんだからな。
まあ、墓穴くらいは掘ってやってもいいが。綾部に頼んで」
「言われんでも貴様なんぞに近寄るかあ!」
「うわ!ばかやめろ!」

くわっと歯をむき、両の拳を握り締めた文次郎の手の中で、火薬玉入り饅頭が勢いよく破裂した。
136当世忍たま恋愛事情5:2008/04/04(金) 17:56:24 ID:VKCPfZth
「……なんかまた、煙が上がったわよ〜」
「今度こそ文次郎先輩が食べた?え、握りつぶしたの?」
「やだ、仙蔵先輩アフロ」

くのいち教室の屋根の上で、薄紅色の忍び衣装が、花のように揺れている。
いくつも上がる黄色い声に、寒風吹きすさぶ晩秋の夕暮れ空さえ、明るさを増すようだ。
「なかなか狙い通りには行かないわねー、そうこちゃん」
ぺたっと屋根に張り付き、忍たま長屋へ向けた遠眼鏡を覗き込むトモミの声に、少し後ろで
座り込んでいたそうこが、はっと顔を上げた。
少年めいた凛々しい顔の中で、つり気味の目が困ったように伏せられる。
「あー、うん、そうね」
「次はどうしようか。落とし穴でも掘る?」
「確実にしとめる手を考えましょうよ。文次郎先輩ってしぶとそうだから」
「そうそう。女の子の体重、勝手に量るような不埒者には、重ーい罰を与えないとね」
二度とやる気が起きなくなるくらい。
みかの低い呟きに、屋根に張り付くくのたまたちが一斉にうなずいた。

「そうこちゃんが怒るのは当然よ。これじゃおちおち廊下も歩けないもの」
「噂じゃ一匁単位で当てるって言うじゃない。しかもかなり正確に」
「それは抹殺しないとだわ……」
「みんなで協力するからね。頑張ろうねそうこちゃん!」
「でも火薬玉饅頭って使えるわね。あたしも今度作ってみよう」
「あたしはやっぱり毒饅頭かな」

再び、きゃぴきゃぴきゃっきゃと笑いさざめきだした少女達の群れからそっと離れると、
風の中、そうこは一人、小さくため息をついた。

どうしよう。みんな誤解してる。
でも、今さら言えないわ。
本当は火薬玉入りじゃない、ごく普通の饅頭を作ったつもりだったとか。
そもそも自分は、文次郎に恨みなんか抱いてないとか。
むしろ抱いているのは、もっと別の感情だなんてことも。
137当世忍たま恋愛事情6:2008/04/04(金) 18:00:46 ID:VKCPfZth
そうこが、忍たま六年の潮江文次郎と口をきいたのは、先日廊下で図らずも、
体重を量られてしまった時がはじめてだ。
だが実は、文次郎のことはその前から知っていた。
というか、ずっと心ひそかに慕っていたのだ。本当に、誰にも内緒で。
最初は周りと同じように、変人で有名な六年生を引き気味に見物していただけだった。
だが、面白がって見ているうちに、実は意外に頼りがいのあるところや、真面目一徹で
努力家なところなどが、なんだかだんだん、かっこよく思えてきてしまったのだ。

そうこ十一歳、思春期の盲目的な初恋、到来であった。

あんなのに、あたしどっかおかしいんじゃない、と悩んだこともある。
とはいえ、くのたま間では絶大な不人気を誇る文次郎だ。言ったら自分も引かれそうな気がして、
友達に相談することもできない。
千々に乱れる思いに、一人ため息をついた夜もあった。
それでも幼い恋心は、遠くからときどき眺めるだけで、それなりに満足できていた。
あの、体重事件が起きるまでは。
どきどきしながら後ろを通りすがった際、いきなり体重を言い当てられ、その場では
恥ずかしさや驚きで、思わず殴り飛ばしてしまい、あとで悔やんだそうこだったが、
逆にこれをいい機会にできないかと考えなおした。
お詫びを口実にすれば自然に話もできる。それどころか、うまくやれば今よりも、親しく
なれるかもしれない。
いけるんじゃない!?と、うきうきしながら饅頭を作り、待ち伏せて、何とか渡すことに成功した。
まではよかった。

普通のものを作ったはずなのに、なんで饅頭の中に火薬玉が入ってしまったのか。
それはそうこにもわからない。くのいちの本能かもしれない。
こっそりとだったはずなのに、饅頭を渡すところを友達に見つかってしまったのも、
それが、勝手に体重を量った文次郎への成敗と解釈されたのも、誤算だ。
さらには、誤解が誤解を呼んでいつのまにか、そうこを中心とした文次郎征伐隊が
結成されてしまったのは、計り知れない大誤算だった。
138当世忍たま恋愛事情7:2008/04/04(金) 18:02:53 ID:VKCPfZth
「七松先輩、まだ目、覚まさないわねー」
「あ、伊作先輩と不運委員たちが来た」
「もう戻ろうか、寒いわ」
「明日からの計画も練らないとね」

すっかり暗くなった屋根の上で、花色の忍び衣装がそろそろと動き出した。
一番後ろでのろのろと動きながら、そうこはまたため息をついた。
文次郎が食べなかったのはよかったが、絶対自分が意図的に火薬玉を入れた、と思われているはずだ。
誤解を解きたいが、この状況ではどうすればよいやら。考えるだけで気が重い。
ついでに自分があげたものを、火薬玉が入っているとは知らないはずなのに、文次郎が先に他人に
食べさせたことにも、実はちょっと落ち込んでいる。
そりゃ、食べ物は毒を疑えが忍者の鉄則だけど。
そういう、忍者忍者したところがいいと思ってるんだけど。
夕暮れの風は、肌身より心に冷たく吹きつける。またため息をついて縄梯子に手をかけたところで、
誰かにぽんと肩をたたかれた。
「そうこちゃん、風邪でも引いた?」
なんかさっきから元気ないけど、と心配そうに覗きこんできたのは、同じくのたまのユキだった。
色の薄いふわふわした髪が、強い風になびいている。くるりと目の丸い、人形のように愛らしい
その顔を思わず見つめ、そうこはあわてて首を振った。

「え、別にい!?」
「そう?」
「うん!ほら、ユキちゃんも行こう。本当に風邪引いちゃうよ?」

すばやく目を逸らし、ごまかすように笑いながら、すごい勢いで縄梯子を下りていく友達を見送る
ユキの眉が、いぶかしげに寄った。
風に乱れる髪をおさえ、忍たま長屋に目をやり、梯子を降りる友達を見下ろし、また長屋を見る。
一番星より明るい目が数回、不思議そうに瞬いた。
やがて梯子の下から、なにしてんのユキちゃん、と呼ぶ声が聞こえた。生返事を返し、一つ首を
かしげると、ユキもまたゆっくりと、屋根から降りていった。

人気のなくなったくのいち教室の屋根を、昇りはじめたばかりの月光が淡く照らす。
冴え冴えとした光の中、忍たま長屋の六年棟で、再び軽快な破裂音と甲高い悲鳴が、今日の名残のように
響き渡った。
139当世忍たま恋愛事情8:2008/04/04(金) 18:05:03 ID:VKCPfZth
忍術とは、突き詰めれば諜報活動に他ならない。
武術、戦術と修学内容は多岐にわたるが、学園でもっとも重きを置かれているのも、
情報収集に関する授業だ。
それ故、忍術学園の生徒は普段から、学園内外のあらゆる情報に意識を傾けるくせがついている。
だから、六年い組の地獄の会計委員長、潮江文次郎が、くのたまといさかいを
起こしているらしい、という話も、瞬く間に学園中の人間の知るところとなった。



その日、放課後の会計委員室は、一種異様な空気に包まれていた。
秋の後期決算の真っ只中、呑気におしゃべりできる状況でないのは確かだが、部屋に満ちた
沈黙の深さは異常なほどだ。
そろばんの玉をはじく軽快な音も、息がつまるような重苦しさを晴らす助けにはならない。
物理的な圧力さえ感じさせるそれに、ひそかにため息をつきながら、田村三木ヱ門はそっと
部屋の中を見回した。

一年い組の佐吉は先ほどから、筆を握ったきり、青くなってじっと下を向いたままだ。
は組の団蔵はうろうろと目線を泳がせてばかりで、手の方はすっかりお留守になっている。
三年ろ組の神埼左門は、出来上がった計算結果を一心不乱に用紙に写しているが、
何故かそろばんを見つめたままなので、書き込みが全部ひとマスずれている。
そして会計委員長、潮江文次郎は、普段以上に隈の浮かんだ目を吊り上げ、鬼気迫る速度で
そろばんの玉を弾き続けていた。

弾かれるひと玉ごとに、沈黙が深まる。
墨の一文字ごとに、重苦しさが部屋に広がる。
委員長の一挙手一投足に、胃がきりきりと軋む。
もはや耐え難いほどに高まった緊張感の中、便所に行くふりをして逃げ出そうか、だが優秀な
上級生として、下級生を見捨てて逃げ出すのはあまりに無責任か、と三木ヱ門が悩み始めたとき、
唐突にそろばんを弾く音が途絶えた。
「田村。手がとまっとるぞ」
なんで自分だけ怒られるんだと思いながら、ほとんど反射的にすみません、と頭を下げる。
「今日はお前ら、特にたるんどるな。しっかりせんか」
ふんと鼻を鳴らして室内を見回し、一斉に目を逸らした下級生達を睨んで、文次郎はまあいい、と
横を向いた。
「そろそろ休憩にするぞ。お前ら饅頭でも食え。差し入れだ」
140当世忍たま恋愛事情9:2008/04/04(金) 18:07:05 ID:VKCPfZth
ほれ、と突き出されたそれを見た瞬間、これまでに倍する緊張感が、室内を駆け巡った。
委員長が自分の傍らから取り上げたのは、花柄の大きな風呂敷包みだった。
武骨な手には不似合いな、異様に可愛らしい模様が目に痛い。
しかめつらの文次郎の手の下で、ゆさゆさと重く揺れる包みに、佐吉の目に涙が浮かんだ。
団蔵は身を乗り出し、左門がきりりと肩をすくめる。
三木ヱ門も、思わず生唾を飲み込む。
委員会の開始前、さりげなく文次郎が持ち込んだそれこそが、この日、会計委員室を
沈黙と緊張の重圧に落とし込んだ、元凶だったのだ。

「ま、まんじゅう!?」
「まんじゅうだああ!」
「まんじゅう怖い!」
「落ち着けお前ら!……ど、毒饅頭ですか!?」
「ばくれつ饅頭じゃないの!?」
「饅頭に見せかけた石つぶてでしょ!?」
「お前ら何をいっとるかあ!」
沈黙を押しのけ、わっと湧き上がった下級生の必死な問いかけに、いつものように文次郎が吼える。
「ただの饅頭にきまっとるだろうが!」
「本当ですか!?食べたら吹っ飛んだりするんじゃないですか!?」
「わけのわからんことを言わんと大人しく喰え!」
「だって先輩、くのいちとけんかしてるんでしょ!?この前だって火薬饅頭もらってたって乱太郎が」
団蔵が立ち上がり、果敢に叫ぶ。だが文次郎のひと睨みに、うぐ、と黙り込んでその場に硬直した。
このいらんこと言いが、とため息をつきながら、仕方なく三木ヱ門も立ち上がった。
すばやく駆け寄って襟をつかみ、固まった小さな体を自分の後ろに引っ張り込む。
佐吉と左門がばたばたと、そこに続いた。
三木ヱ門を盾に、ぎゅっと身を寄せ合う会計委員達の前で、文次郎の眉間の皺が深くなった。
「……知っとったか」
「学園中の噂ですから……」
懲りない団蔵の口を、佐吉がばちんと平手で塞ぐ。
再び訪れた重苦しい沈黙の後、静かな呟きが委員長の口から漏れた。

「……忍道の第一は、いかなる手段を用いようと任務を果たすことにある。知っとるな」
「はあ?」
突然のご高説に、三木ヱ門は思わず間の抜けた声を返した。
いったいなんだと、下級生達も背後から顔を出す。文次郎の眉間の皺が深まった。
「果たすための第一は、まず自身が生き延びることだ。そのためには草を噛み、泥水をすすることも
厭うてはならん。いや、いざとなったら毒の入った食い物でも、栄養に変えねばならん」
隈だらけの目が、くわっと見開かれた。
「だから忍者は普段から、体を毒に慣れさせておく必要があるのだ!」
声にならない悲鳴が、会計委員室を震わせた。
「やっぱりそれ、くのいちが作った毒入り饅頭なんですね!?」
「安心しろ、一つ二つなら致死量でないのは、すでに小平太で確認済みだ。毒消しも用意してある」
「ちっとも安心できません!」
「ただの饅頭って言ったくせに!ひどいや、なんで嘘ついてそんなの食べさせようとするんですか!」
「本当のこと言ったらお前ら喰わんだろうが!」
「当たり前です!」
「これを機会に後輩を鍛えてやろうという、先輩心をなんだと思っとる!いいか、こういう時は
発想を逆転させろ。これは毒ではない。我ら会計委員の鍛錬のため、敵から送られた塩なのだ!」
「くのいちが敵なのは先輩だけです!」
141当世忍たま恋愛事情10:2008/04/04(金) 18:09:17 ID:VKCPfZth
むしろ先輩が敵です、とはさすがに口に出さず、三木ヱ門は背中にへばりつく下級生ごと、
後ろにずり下がった。
逃げる会計委員たちを追いかけて、じりじりと文次郎が迫る。
大股に長机を乗り越え、手には饅頭の包みを揺らし、ぎらぎらと目を輝かせるその顔は、悪鬼羅刹も
裸足で逃げ出しそうな壮絶さだ。
もはや毒より委員長が怖い。
左門の口からひええ、と悲鳴が上がった。一年生二人はとっくに泣き出している。
両耳から交互に入り込んでくる甲高い泣き声が、三木ヱ門の胃袋を苛んだ。

ああ、ここに鹿子かユリコがいてくれたら。
迫りくる恐怖の中、切ない願いが三木ヱ門の心を駆け抜ける。

「一年ボーズでも、一人三つまでは大丈夫だ。俺や田村なら六つはいけるぞ」
「遠慮しますお一人でどうぞ!」
「一人じゃ食い切れんからいっとるんだ!余ったらもったいないだろうが!」
「毒入り饅頭もったいながらないでください!」
「忍びは味の濃淡を問わず品の多少を選ばず!お残しは許しまへんでえ!」
「先輩キャラが違う!」

ごつ、と鈍い衝撃が背中を走った。左門がぐえ、と声を上げる。ついに壁際まで追い詰められたのだ。
潰されたか、団蔵のうめき声も聞こえるが、振り返ることもできない。
鼻息すら届きそうな距離で、文次郎がにやりと口の端を歪めた。風呂敷包みの中から取り出した饅頭を、
ことさらゆっくりとこちらに差し出す。
見た目はほこほことうまそうなのが、却って恐ろしい。
「年功序列だ。お前からいけ」
前門の上学年、後門の下学年。中間管理職の中学年に、もはや逃げ場はない。
泣き叫ぶ一年生の声が渦巻く、会計委員室の外でカラスが数羽、なにかの予兆のようにしゃがれた鳴き声を上げた。



図書室の前を通りかかったところで、突然かけられた声に、六年は組の食満留三郎は振り返った。
開いた扉から、六年い組の立花仙蔵が顔をのぞかせていた。
にこにこと、妙に機嫌のいい笑みを浮かべ、両手にはなにやら大きな荷物を抱えている。
うろんに見返す食満に、仙蔵はいや助かったと笑いながら、持っていた荷物の片端をぐいと押し付けた。
「すまんがこれ、いっしょに持ってくれ。一人では少々重くてな」
「……俺は委員会に行くところなんだが」
「私もだ。これは作法委員の備品でな。どうせ方向は同じじゃないか、手伝え」
一瞬、蹴り飛ばして先に行こうか、という考えが心を掠めたが、気を取り直す。
なんだかよくわからないが、これが委員会用の備品なら、どうせ管理するのは用具委員である自分だ。
壊しでもしたら面倒くさい。
黙って差し出された一端をつかみ、歩き出した食満を、相変わらず機嫌のいい顔の仙蔵が追った。
142当世忍たま恋愛事情11:2008/04/04(金) 18:11:39 ID:VKCPfZth
晩秋にしては暖かな日差しが照らし出す、放課後の廊下は行きかう生徒でいっぱいだった。
一年生から六年生まで、色とりどりの制服の間をすり抜けながら、食満はふと仙蔵を振り返った。
どうしたと言いたげに見返す生白い顔に、抱えた荷物を揺すり上げて見せる。
「ところでこれは、いったいなんだ」
「見ての通り、作法用のフィギアだが」
「なんで作法のフィギアに手足がついてるんだ?」
「顔と下半身だけでは不便だろう」
不可解な仙蔵の言葉に首をかしげ、食満は改めて自分の手元を見た。

面に胴体、手足までついたそれは、人間の姿をしていた。ひどく精巧な出来だが、しかし作法用の
ものにしては、武将や雑兵には見えない。
顔つきや体つきが、どう見ても女だ。
目鼻は刺繍だが、口はぽかんと穴が開いており、奥深い。なにでできているのか、表面は弾力のある
手触りのいい素材で、なぜだか妙に暖かかった。
聞けば、湯が入っているのだ、という。
「何しろ寒くなってきたからな。しもやけになっても困るだろう。夏場は冷たいのもいいかもしれんが」
派手なこしらえの小袖の、胸元や腰周りを大胆に盛り上げ、長い髪をゆらゆら揺らすそれを、
通りすがりの一年生達が興味深げに見送っていった。

「図書室にあった南蛮渡りの持ち出し厳禁文書を元に、長次と私が私財を投じて作り上げ、
先ほど完成したところだ。美術監修に小平太、専門知識提供に伊作の協力も得ている。
手触り、弾力、内部の構造および繊細さ、すべて天下無敵の出来映えだぞ」
「お前らは何をやっとるんだ」
「ちなみに名前は、南極三号さんだ」
うまくできたから、とりあえず委員会の後輩に見せてやろうと思ってな、と笑う仙蔵の顔は、
子供のように無邪気で得意げだ。
意外にいい先輩なところもあるんだな、と、食満はこっそり感心した。
「授業内容にどうやって組み込ませるかが難しいところだが、駄目なら作法の備品に……だがせめて
予算会議は通したいところだ。文次郎に賄賂代わりに貸し出してみるか……」
でも壊されたらいやだしなあ、と、そっとフィギアの足を撫でる仙蔵を、食満はまた振り返った。
仙蔵の呟きに、ここしばらく、気になっていたことを思い出したのだ。

「文次郎といえば、奴がくのたまといさかいを起こしているというのは本当か?」

三号さんを優しく見つめていた仙蔵の吊り目が、おかしそうに瞬いた。
「ああ。奴らしい、実にアホらしい理由でな」
「ろくに飯も食ってないと聞いたが」
「食堂がお手伝いの名の下に、くのいちに占拠されて、毎食毒を盛られているんだ。
おかげでここしばらく、奴の食事は池の蛙ばかりだ」
「食事を押えられるのは厳しいな……。しかしさっき、饅頭抱えて歩いているのを見かけたが」
「部屋の前にあったやつだろう。他から隠れるみたいにして、ときどきこっそり差し入れがあるんだ。
詫びの文章が着いているそうだが、食堂のものより何より、それが一番毒性が強いらしい」
おかげで小平太はすっかり医務室の常連だ、と笑う仙蔵に生返事を返し、食満は少し足を速めた。

同級生の災難は自業自得のようだし、小平太はともかく、周囲に影響を及ぼすものでもないようだし、
放置していいだろう。
武闘派で通ってはいるが、基本、食満は保守的な男なのだ。
143当世忍たま恋愛事情12:2008/04/04(金) 18:16:02 ID:VKCPfZth
「捨てるのももったいないから、リサイクルしてみるといっていたが、何に使う気なのだろうな?」
首をかしげる仙蔵を促し歩きながら、抱えたフィギアの冷たい肩を揺すり上げる。
「それで仙蔵」
「なんだ」
「これはいったい、何に使うものなんだ?」
「……知りたいか?」
背後でふと、笑う気配がした。
「ではうちの後輩と一緒に教えてやろうか。ああ、それはいい。ぜひそうしろ。なに気にするな。
お前には秋口に講習会で、随分楽しませてもらったからな」

今度は私が、指導してやろう。

暖かな日差しの下だというのに、突然冷たいものが食満の背筋を駆け上がった。
本能的な危機感が胸を横切った。反射的に手裏剣を探りかけた手を、意思の力で必死に押しとどめる。
手のひらに、じわりと冷たい汗が吹き出した。
どうしたと軽い調子で声をかけられたが、何故か、振り返ることが出来ない。
しっかりしろ俺、何を怯える。振り返り、ただ一言、それはどういう意味だと問えばいいだけだ。
だがそれが、何故か、どうしても出来ない。
背後から薄ら寒い笑い声が聞こえてくる。それは低く、長く、食満の心臓をえぐっていった。



放課後の廊下を走りながら、そうこはああどうしよう、と、何度目かのため息をついた。
この数日の間に、乙女の自尊心を無残に踏みにじる、忍たま潮江文次郎成敗すべしの声は、
くのいち教室内でいよいよ高くなっていた。
それに伴い、くのいちご自慢の各種罠や毒物が、次々と彼の六年生に襲いかかっている。
相手はさすがに六年生、大概の罠は突破され、文次郎に被害が及んでいる様子はほとんどないのだが、
それでも面倒をこうむっているのは確かだ。
何より文次郎からすれば、そうここそが一連の災害の首謀者に見えているはずだ。
好きな人にそんな風に思われている、と考えるだけで、気が滅入った。
そんなつもりじゃないのに。誤解を解きたい。だが、自分のために懸命な(半分以上楽しんで
いるのだろうが)友達に、なんといえばいいのか。
二つの思いの間で、引き裂かれそうなこの頃のそうこだった。

障害は、乙女心をさらに燃え上がらせる重要な要素だ。
ちょっとだけ、なんだか浪漫ちっくな展開だわと思ってしまうのは、思春期ゆえと勘弁して欲しい。

それでもせめてもの詫びのしるしに、と、せっせと饅頭やお握りを差し入れしているのだが、
悲しきはくのいちの習性、どうしてもそこに、毒やかんしゃくだまを入れずにはいられない。
気づくのはいつも、渡してしまった後だ。
そうして日々、誤解は深まっていく。
今日も、今度こそと気合をこめて作った饅頭に、ちょっとヤバイ系の毒物を仕込んでしまったことに
気づいて、一人慌てているそうこなのだ。
144当世忍たま恋愛事情13:2008/04/04(金) 18:19:08 ID:VKCPfZth
今日こそ、謝ろう。
今までみたいにこそこそ物だけ置いていくんじゃなくて、ちゃんと正面から謝ろう。
恥ずかしいし、怒られるだろうけど、嫌われるかもしれないけれど、ちゃんと誠心誠意謝ろう。
好きだとはいえないまでも、それで何とか誤解をとくのだ。
とりあえず、相手が饅頭をうっかり口に入れる前に。
穏やかな秋の陽光を切り、廊下を駆け抜け、柵を飛び越し、校舎内に到達する。この時間なら
文次郎はおそらく委員会のはずだ。
会計委員室はどこだったろう、と焦りながら廊下の角を曲がったところで、目の前に大きな影が
立ちふさがった。
反射的に飛び退り、思わず構える。そこでそうこははたと息を呑んだ。
目の前に、目の周りだけでなく顔までどす黒く染めた、文次郎が立っていた。

「し」
おえ先輩、と言いかけた言葉が途中で止まる。想い人の予想外の登場に、心臓が激しく高鳴った。
顔が熱くなる。目の前がぐるぐる回りだし、頭の中まで真っ白になる。
ああ、こんなことじゃくのいち失格だ。あたしって本当に恋する乙女、と、妙な感動が
頭の中を駆け巡った。
文次郎のほうといえば、腹を押え、うつむき加減に立ち尽くしたまま、ぼんやりした目で
そうこを見ているだけだ。そこに特別の感情はない。
呆然と立ち尽くすそうこからすぐに目を逸らし、二、三歩進みかけたところで、足が止まった。
「……結果確認にきたのか、くのたま」
しゃがれた声に、今日も渋いわ、と、また心臓が高鳴った。
「え」
「饅頭の効果を確かめにきたんだろうが。最初のも、昨日のもお前だろう」
「あ、あたしのこと、覚えててくれたんですか?」
「忘れるか」
世界のどこかで、軽やかな音楽が鳴り響いた気がした。心ごと、体が宙に浮かび上がる。
いや待って、と、慌ててそうこは気を取り直した。この顔色からしてこの人は多分、毒饅頭を
口に入れたのだ。まず謝らないと。いやその前に解毒剤を。

あたしの作った饅頭食べてくれたんだ、と、再びずれた感動がそうこを襲った。

「……小平太は駄目だ、毒物の用量判定には規格外すぎる……あいつはせいぜい、毒見までだ」
「あの、先輩もしかしてお饅頭食べてくれたんですか?」
ぶつぶつと何かを呟きながら、またよろよろ進みはじめた文次郎が足を止め、振り返った。
うららかな秋の日差しの中、どす黒い顔が異様に浮いて見える。
そこに、壮絶な笑みが浮かんだ。
「食ったとも。ほぼ無味無臭な上、餡の甘さで舌の感覚もごまかせる。毒も仕込みもいい選択だ。
絶品だったぞこのやろう」
褒められた。
またもや浮かび上がりかけた心のまま、上ずった声でそうこは続けた。
「本当ですか!?」
「おう、おかげで会計委員は全滅だ。どけ。保健室に追加の毒消し取りにいかにゃならんのだ」
いそがんと田村がやばい、とまたぶつぶつ言いながら、足を引きずるように歩き出した文次郎を
そうこはしばし、ぽかんと見つめた。

会計委員全滅。
そうか、後輩にもあげたんだ。
別にいいんだけど。一人で食べるには多すぎだったし。
うん、意外と後輩思いなのね。新しい一面が知れて得したじゃない。

少しだけ沈んだ心を抱えて、またはたと気を取り直す。
145当世忍たま恋愛事情14:2008/04/04(金) 18:21:10 ID:VKCPfZth
忍びの心得も忘れてばたばたと、廊下を踏み鳴らして文次郎に駆け寄る。胡散臭そうな目にも負けず
前に回りこむと、そうこは必死に言い募った。
「あの、毒消しとりに行くならお手伝いします!ううん、あたしが取って」
「いらん」
返答は、無残なまでにはっきりしていた。
顔色が悪いにもかかわらず、見下ろしてくる文次郎の目はぎらぎらと、恐ろしいほどに輝いている。
そこにはやはり、なんの感情も伺えなかった。
「毒消しのふりして毒を仕込まれたらたまらん。くのいちなんぞ信用できるか」
どけ、と短く言い捨て、軽くそうこを押しのけて歩き出す。
よたよたと進んでいく後姿を、そうこはもはやかける言葉もなく呆然と見送った。

怒られるのも、怒鳴られるのも覚悟していた。
だがこんな風に、完全に拒絶されるのは、それよりもはるかにつらい。
されても仕方ないことをしたのだから、しょうがないのだけど。

もう一度声をかける勇気も湧かず、きびすを返す。
いたたまれなかった。ひどくこの場から、逃げ出したかった。
そういえば謝ってない、という思いが心を掠めたが、足を止めることは出来なかった。
だが数歩進んだところで、おい、と低い声に呼び止められた。
振り返ると、文次郎がじっとこちらを見ていた。
どす黒い顔の中で、焦点のぼやけた目がそうこを見つめている。一瞬、再び胸が高鳴ったが、
だが何故か視線が合わない。
文次郎はじっとそうこを見つめていた。正確にはその、廊下を踏みしめた足元を。
動けないそうこの目の前で、深々と寄せられた太い眉が、かすかに吊り上る。
「……お前、この前より太ったか?」

心の中で、何かがぴしりとひび割れた。

「……なによバカー!」
廊下の真ん中で、小さな手が投げたほうろく火矢が炸裂した。
普段なら避けられたはずだが、毒に冒され動きの鈍い文次郎は、それを真正面から受けてしまう。
廊下の隅まで吹っ飛んだ六年生にとどめの棒手裏剣を打ち込み、そうこは煤で汚れた忍び装束の
袖で、ぐいぐいと顔を拭った。
「なにしやがるかー!」
「こっちの台詞よ!いきなりそんなこと言うことないでしょ!バカ!無神経!せっかく謝りにきたのに!」
「ちっとも謝ってねえだろうが!」
「言わせてくれないんじゃない!」
廊下にへばったままだが、さすがに手裏剣は打ち返し、怒鳴り返す文次郎にそうこも怒鳴る。
方々の教室から、なんだなんだと顔を覗かせた数人の生徒が、流れる火薬の匂いに慌てて顔を引っ込めた。
きゃーっ!と甲高い一年生の声に覆いかぶさるように、文次郎の怒声が響いた。
「毒盛っといて何を抜かす!」
「わざとじゃないもん!だから謝りにきたっていってるでしょ!だいたいなんで今体重の話なわけ!?」
「体重舐めるな、忍びにとっては重要だぞ!そもそも忍び込みにしろ体術にしろだなあ……」
「そんな話してんじゃないわよ!あたしはただごめんなさいって言おうと思って」
「ああ?今度は何の作戦だ?俺はそう簡単には引っかからんぞくのたま!」
三禁対策はばっちりだ!と、腹を押えて勢い込む文次郎の目は、敵対心でぎらぎらと燃えている。
再び、そうこの心の中で何かがひび割れた。

謝りにきたはずなのに、なんであたし、怒鳴りあいなんかしてるんだろう。
先ほどから、拭っても拭っても流れてくるものは、決して火矢の煙が原因ではない。
でも相手にはそう見えてるんだろうな、と、そう思ったらまた、袖が濡れた。

「もういい、あんたなんか脱水起こすまで下痢してりゃいいのよ!なによバカ潮江!ばかモン!」
「先輩をつけんか下級生!」
文次郎のずれた怒声をかき消すように、ぼーんと間抜けな音を立てて、煙玉が破裂した。
たちまち廊下に充満した白煙に、廊下に並ぶ教室のあちこちから、咳き込む声と窓を開ける音が響く。
白く風を濁す煙に紛れ、くのいち教室へと走りながら、情けなさと絶望にそうこは何度も顔を拭った。
146当世忍たま恋愛事情15:2008/04/04(金) 18:23:13 ID:VKCPfZth
曲がり角から、白く煙った廊下の様子を伺い、どうやら終わったようだと食満はため息をついた。
隣で南極三号さんを背後にかばった仙蔵が、空気の匂いに鼻をうごめかす。
「うーん、ちょっと火薬の量が多いな。まあ個人の趣味の範囲だが」
「あれが、件のくのたまか?」
「そのようだな。昨日、文次郎の部屋に饅頭もってきた子だ」
火薬の扱いは悪くないが、忍び込み術はまだまだだな、とうなずく仙蔵から目を逸らし、
食満は煙の晴れてきた廊下に目を移した。
「子供相手に口が悪いな、あいつ」
「まあ、女子供とはいえくのたまだからな」
壁際にへたり込んでいた文次郎は、ちょうど立ち上がったところだった。
壁に手をつきよろけながら、去っていったくのたまを振り返りもせず、また歩き出す。
次々開いた教室の戸から、何人もの生徒がおっかなびっくり、その後姿を見送っている。
「だんだん直接攻撃になってきたな。あまり派手にやるのは忍びらしくないんだが」
「……なあ、俺の勘違いかもしれないんだが」
ずたぼろの後姿を同じく見送りながら、食満はポツリと呟いた。

「あの子もしかして、文次郎のことが好きなんじゃないのか?」
「それはないだろう」

思わず振り返る。
三号さんを背中におぶり、見返す仙蔵の顔はあくまで真面目だった。
「即効で否定するなよ」
「そんな物好きがこの世にいるか。もしそんなことがあるなら、褌一丁で滝に打たれてもいい」
「お前は本当にいい友達だよなあ」
「好きな奴に毒は盛らんだろう。それにあいつは、忍術学園抱かれたくない男第一位だぞ」
「なんだそれは」
「ちなみに二位は、三位と僅差で私だった。同時に抱かれたい男上位三人にも入っていたが」
「……文次郎はちゃんと医務室に辿り着けるかな」
「食満、お前は、正直あまり技術がなさそうな男第一位だ」
「黙らんと口にナメクジ押し込むぞ」

吹きぬける風は強さを増していくが、それでも空気はうっすら濁ったままだ。
視界は白くぼやけ、先が見通せない。
しずまりかえった廊下を、一人黙々と歩く文次郎は、やはり振り返る気配もなかった。



※作中のランキングはあくまで作者の創作であり、実際の人物とは何の関係もありません。
147当世忍たま恋愛事情16:2008/04/04(金) 18:25:20 ID:VKCPfZth
ここから新作。

「私は三位だったんだ」
向かいの席でポツリと呟かれた言葉に、不破雷蔵は味噌汁をすすりながら目線を上げた。
ひどく真面目な表情で焼き魚の身をほじる、自分とそっくりな顔をしばらく見つめ、
具のわかめを飲み込む。
「え、なに?」
「一位の壁が厚いのはわかっていたが、二位には食い込めると思っていたのに」
三位だったんだ。
問いかけに顔も上げず、箸を止めると、鉢屋三郎は沈痛な面持ちでため息をついた。
その手元に広げられた、ほとんど手付かずの夕食を、秋の夕日が照らし出している。
だが、夕暮れ時の鮮やかな明るさも食堂の喧騒も、食欲をそそる匂いも、この男の憂鬱を払うことは
出来ないようだ。
丁寧に膳を押しのけ、開いた場所にがばっと顔を伏せると、鉢屋はまた、大きなため息をついた。
「絶望した!くのいちの見る目のなさに絶望した!」
「……お残しするとおばちゃんにどやされるぞ」
「三位なんて、ネタにするにも微妙な数字じゃないか。まさに三流どころの順位だよ。
毒を食らわば机までかじるが芸の道、私は愛され芸人より色物を極めたいのに……」
ぐだぐだと、机の上で身もだえ愚痴る友人を眺めながら、不破はきゅうりの酢の物に手を伸ばした。

鉢屋三郎の奇行は、今に始まったことではない。
気にしてる間にご飯が冷めるほうが問題だ。

「受けを狙いすぎた?いや、見た目のインパクトが足りないのか?もっと行動すべき?
だが変態系で、天然に敵うわけもなし……」
「よくわからないけど、変態度なら君もなかなかのもんじゃないか」
「よしてくれ、慰めなんて空しいだけだ。ああ、慰めといえば久々知兵助の顔で、絹ごし豆腐と
木綿豆腐のどちらが実用的か、くのいち教室のそばで熱く語ったのはわざとらしすぎただろうか。
私じゃなくて兵助の順位が上がっちゃったしな……しかし個人的には生揚げが一番スナップが効いて……」
「三郎、食べないなら漬物もらうよ」
「大根はやめておけ。ワライダケが混じっている」
鬱々と低い声に、伸ばしかけた箸を止め、不破は厨房を振り返った。
厨房内では近頃よく見かける、花色のくのいちの制服が、慌しく楽しげに立ち働いている。
思わずその姿を凝視した不破の横で、三年生の一団が、どっと派手な笑い声を上げた。
妙に引きつった笑い声を聞きながら、自分の手元に目線を戻す。
「……例の潮江先輩関係かな。でも先輩、午後から医務室に入院してるのに。無差別攻撃になったのか?」
「それにしては緊張感がない。多分、用意してきたものがうっかりまぎれてしまったんだろう。
くのたまもまだまだだな。いや、まだまだなのは私も同じか……」
再び頭を抱え、ゴリゴリと机に額をこすりつける友人を無視して、不破はじっと自分の食事を見つめた。
斜め向かいでは二年生が、笑いすぎで涙を流しはじめている。
一年い組の生徒が、呼吸困難を起こして椅子から転げ落ちた。

お残しするなと怒られるのは怖いが、ここはやはり席を立って医務室に駆け込むべきか。
しかし所詮はワライダケ、命にかかわるわけではない。なら食べきるほうを優先するか?
でもそれって人としてどうだろう。
いや待て、食べきろうにももしかして、僕の漬物にも入ってるんじゃ!?

思考の迷宮にさまよいこんだ不破の周りで、狂気を含んだ笑い声はどんどん高まっていく。
悩み飽きた鉢屋がおばちゃんに、これくのいちが毒を入れたので食べられないんですけど、と
申請したころには、食堂の床は笑い死んだ生徒の屍で埋め尽くされていた。
148当世忍たま恋愛事情17:2008/04/04(金) 18:27:24 ID:VKCPfZth
昼間干した布団は、日の暮れた今もうっすら熱を孕み、包まった体を温めてくれていた。
泣きすぎて腫れた瞼を押し付けると、そこからじんわりとぬくもりが伝わってくる。
吸い込むたびに感じるお日様の香りは、痛んだ喉を優しく慰めてくれた。
このまま眠ってしまえたら、どんなに幸せだろう。
だが胸の中に吹き荒れる嵐が、そうこに眠りという癒しが訪れるのを妨げていた。

怒り、悲しみ、自己嫌悪。ぐるぐる渦巻く感情は、よじれてちぎれて、もうもとの形もわからない。
いっそそのまま消えてしまえばいいと思うのに、そう思うたび耳の中に、想い人の罵声が響く。
声に引きずられるように、隈だらけの三白眼が脳裏に浮かぶ。
自分を見ても、敵対心しか浮かんでいなかったそれを思い出すたび、とっくに枯れたと思っていた
涙がまた、そうこの瞼をぬらした。

「そうこちゃん、入っていい?」
ふとかけられた小さな声に、慌ててそうこは身を起こした。
ぴたり閉じられた部屋の障子は、外の月明かりにうっすら白く輝いている。そこに浮かんだ小柄な影に、
目元をぬぐいながら返事を返す。
「ユキちゃん?」
「入るよ」
からりと音を立てて障子が開く。部屋に差し込む月明かりに照らされて、ふわふわした髪のシルエットが
浮かび上がった。
泣き顔を見られたくなくて、布団に顔を伏せたそうこの前に、ユキはそっと腰を下ろした。
そのまま、伺うように数瞬そうこを見つめ、ポツリと呟く。

「みかちゃんがね、ごめんねって。自分がうっかり漬物樽にワライダケを落としたせいで、くのいちは
食堂出入り禁止になっちゃったから。そうこちゃんに申し訳ないって」
思いがけない言葉に、隠すのも忘れて顔を上げる。
「そんな、あたし別にみかちゃんに怒ってなんかないわ」
「そうなの?もう食堂に罠が張れないから、落ち込んでたんじゃないの?」
「違うよ!」
「じゃあなんで?」

返事に詰まり、ぐっと息を呑んだそうこに、ユキの目がかすかに輝く。
答えを探して宙をさまようそうこの目をじっと見つめ、やがてユキは、あたりを気にしながら一歩、
そうこのそばににじり寄った。
可愛らしい顔に浮かんだ真剣な表情に、そうこがはっと息を呑む。
「……昼間、忍たま教室のほうで潮江先輩とやりあったんだって?」
「え、なんで知って」
「乱太……見てた子が教えてくれたのよ。すごい派手だったって?なんか、怒鳴りあったりしてたって」
ぎくっとして見返すそうこの代わりに、今度はユキの目が宙をさまよった。
「その子、わりと近くにいたから話の内容もよく聞こえたって。それでね、その話聞いて……
思ったんだけど……」
薄闇の中、障子を透かす光より白くて柔らかい手が、そうこの手をぎゅっと握った。

「間違ってたら本当に悪いんだけど、そうこちゃんってもしかして、潮江先輩のことが好きなの?」
149当世忍たま恋愛事情18:2008/04/04(金) 18:29:27 ID:VKCPfZth
恐る恐る囁かれた言葉に、一瞬、顔面が爆発しそうなほど熱くなった。
次の瞬間、氷のように冷たくなる。
今にも倒れそうな蒼白の顔で見返すそうこに、やっぱり、とユキが呟いた。
「最初からなんか変だと思ってたのよ。作戦練っててもちっとも乗り気じゃないしさ」
「み、みんなもう、気づいてるの?」
「ううん、あたしだけ」
思わずほっと息をつき、ついた自分に落ち込みながら、そうこはじっとユキを見つめた。
心配そうに、けれど真剣に見返してくる大きな目に、また涙が溢れてくる。
「ユキちゃんも変だと思う?あんな修行馬鹿のずれた老け顔、好きになるなんておかしいと思う?」
一瞬、ユキの目が泳いだ。
だがすぐ、きっと眦を吊り上げると、ユキはますます強くそうこの手を握り締めた。

「そんなことない!だって、好きになったんなら仕方ないじゃない?相手が六年の馬鹿大王だろうと
一年の落第生だろうと、なったもんは仕方ないわよ!恋は思案の外だもの!」
「そうかな?」
「そうよ!」

まるで自分に言い聞かせるように、うんうんと何度もうなずくユキを見て、ようやくそうこの顔に
血の気が戻った。
一瞬微笑みかけ、けれど笑顔は作られることなく、代わりのように涙が一粒、頬を流れる。
「でも、聞いたなら知ってるでしょ。あたし完全に嫌われちゃった。もう駄目だよ」
「しっかりしてそうこちゃん!諦めたらそこで恋は終了よ!」
壊れかけたところを立て直すのが、恋愛の醍醐味ってもんよ!と吼えるユキに、
そうこの目がはっと瞬いた。
肌寒さの漂う秋の夜だというのに、見下ろすユキの目は燃えるように熱い。
その熱さに押されてうなずきかけ、慌てて首をふる。
「でも、どうすれば」
「決まってるわ」
瞳と同じほど熱い手が、そうこの指をそっとつかんだ。
湿った肌の感触にどきりとする。それは普段のユキの手とは違う、ひどくなまめかしい感触だった。
ぎらぎら燃える目にも、先ほどとは異なる、見たことのない炎が翻っている。魅せられたように見返す
そうこの耳に、かすれた囁き声が触れた。
「押し倒して既成事実作っちゃうのよ」

吹き抜ける夜風に、障子がカタカタと音を立てる。
薄闇に満ちた室内に、声にならない悲鳴が響いた。

「ちょ、いきなり突き抜けすぎてない!?あたしまだその、普通にお話したり散歩したりくらいで」
「大丈夫よ、男なんかやっちゃえばこっちのもんよ」
「ユキちゃんそれ、十一歳の台詞じゃないわ!」
「じゃあ言い方変えるわ!言葉がうまく通じないなら、体でぶつかっていくのも一つの手よ。
しゃべるより何倍も想いを伝えられるもの。それでうまくいくってことも、結構あるんだから」
何かを思い出すように目を閉じ、ぽっと頬を赤らめたユキは、言葉の激しさとは逆に妙に可愛らしく、
初々しかった。
「そりゃあたしだって最初は、一緒に歩くとか手を握るとかから始めたかったけど、鈍いんだもん。
焦れちゃった。それに考えたらそんなの、あとからだって出来るしね」
そーゆーふーになった後にそーゆーこと始めるのも、それはそれで新鮮って言うか、と、一人もじもじ
身悶えるユキを、そうこはぽかんと見つめた。
150当世忍たま恋愛事情19:2008/04/04(金) 18:31:29 ID:VKCPfZth
くのいち教室で、いわゆる経験を積んで大人の階段を上ったのは、今のところユキ一人だ。
相手が誰なのかは決して教えてくれないが、そのユキの言葉だと、なにやら重みがあるように思える。
そんなものなのだろうか。でも実際、文次郎は話して理解してもらえる相手でないのも確かだ。
しかし、自分にそんなことが出来るのだろうか。
心の問題としても、物理的に六年忍たまを押し倒せるかという問題としても。

「あたしに、できるかなあ」
「大丈夫、あたしが手伝うわ。みんなには内緒でね」
笑いながらぱちんと片目をつぶったユキの顔は、自信に満ちていて、とても頼りがいがあった。
にっこり笑ってもう一度、手を握ると、ユキはひどく優しい目でそうこを見つめた。
「実際に出来るかどうかは、まだわかんないかもしれないけどさ。とりあえず今のそうこちゃんには、
何かのために行動するってのが大事と思うんだ」
布団の中で丸まってても、何も始まらないからね。
おどけたような声に、先ほどとは違う涙で、そうこの視界が歪む。
「ユキちゃん、ありがとう」
「いいのよ。だって人ごととは思えないんだもの」
馬鹿な男に惚れると、女の子は大変よね、と肩をすくめたユキの笑顔に、ようやくそうこの顔にも
笑みが浮かんだ。



月は沈んで星影もなし。時刻はすでに子の刻を過ぎ、忍術学園の敷地内も周囲の山も、
とっぷりと深い闇に染まっている。
下級生は寝静まっているが、上級生の一部はまだ、自主トレに精を出している時間帯だ。
もっとも忍びの技の鍛錬だから、寮にも校庭にも、物音らしい物音はない。
手裏剣や矢羽音が、時折風を切るばかりだ。
だがそんな静寂を破る荒々しい足音が、突如、忍たま長屋の方角から響き渡った。

廊下を踏み抜かんばかりの騒音に、あちらこちらの部屋から足音の主に向けて、枕や手裏剣が
投げつけられた。
それらをかわし、叩き落しながらも、濃緑の忍び衣装を纏った足音は一向に速度を緩めることはない。
むしろだんだん速くなる。
巡回の教師の、それが六年の歩き方か!という叱咤には、わざとです!と怒声が返った。

は組方面からろ組を通り、一気にい組長屋まで駆け抜け、その一室の前でようやく足音は止まった。
一瞬だけ息を整え、すばやく障子に手をかける。
釣りあがった目に浮かぶ怒りもあらわに、食満留三郎はそれを押し開けた。
「くぉらあ!出て来い立花仙蔵!」
部屋の中は、行灯の光で橙色に照らされていた。芯を絞ってあるのか薄暗いが、漆黒の闇に
慣れた目には、十分な明るさだ。
片付いた部屋の真ん中には布団が敷かれており、さらにその上には、長い髪をざんばらに乱した人影が
うつ伏せに倒れていた。
かっかと肩を怒らせ、部屋に踏み込むと、食満は布団の横に仁王立ちになった。
用意の小刀を抜き払い、油断なく構えて、寝転んだままの立花仙蔵を見下ろす。
その目が、更なる怒りに燃え上がった。
151当世忍たま恋愛事情20:2008/04/04(金) 18:33:39 ID:VKCPfZth
「お前は何を考えとるんだ!なにが作法の備品だ、あんなもん学校の備品にできるか!」
「……なんのことやら」
「南極三号さんだ!」

伊作が口を割ったわ!と怒鳴る食満の大声に、うるさいぞ!と隣室の生徒が壁をたたく。
負けじと壁を蹴り返し、食満は再び仙蔵に向き直った。
「ついでに長次の本も見た!なんだあれ、デフォルメ通り越してもはやグロじゃねえか!
あんなもん三次元で再現して、一年ボーズどもの目にでも入ったらどうするつもりだ!トラウマ必至だ!」
「……伊作め、口の軽い……」
「いいか、あくまで備品と言い張るなら、用具委員長権限で即刻没収、廃棄する!備品じゃないなら
自分の部屋にでも置いとけ!ただし言っとくが、私物を委員会に持ち込むのは厳禁だぞ!さらにその場合は、
管理費も制作費ももちろん一切許可させん!」
この件に関しては、俺は文次郎と手を組むことも厭わんぞ!と恫喝する食満に対し、仙蔵は顔を伏せて
倒れたままだ。
ぐったりと手足を投げ出し、弁明すらする気配もない。
さすがにおかしいと、食満の眉が寄った。だがすぐ思い直して眉を吊り上げ、小刀を持ち直し、
また一歩、布団へとにじり寄る。
足先でわき腹をつつこうとしたところで、振りあがった手に脛を払われた。
「心配しなくても、もう、ない」
ぼそぼそと力ない声に、は?と間抜けな声が漏れる。
ざんばら頭がゆらりと持ち上がった。普段から白い肌を青いまでに染め、目元に浮かんだ隈もくっきりと、
幽霊のような顔で食満を見ると、仙蔵はふかぶかとため息をついた。
「……文次郎に、破壊された」
「はああ?」
「管理費捻出のために、会計委員長を抱きこんでおこうと思ってな。三号さんを貸し出そうと
したんだが……」
「あいつ、使ったのか!?」

食満の脳裏に、男一本で砲弾を粉砕したと嘯く文次郎の笑顔が蘇った。
風呂場で見る限りはごく普通の一品にしか見えなかったが、あの武勇伝が事実なら、それは皮製の
人形の一体二体、一撃粉砕するだろう。
ていうか、あんなもんによく勃ったな。

その光景を想像しかけて、思わず気持ち悪くなった食満に、仙蔵が空ろな視線を向けた。
「使う前に破壊したんだ。こんなもんで俺を陥れようとは笑止千万とか抜かして、いきなり両手で
引き裂きおった」
文次郎用に、秘所に鉄環仕込んで対策していたのに、と呟き、また布団に倒れこむ。
頭を抱え、ぐだぐだと身悶える仙蔵の手の中で、長い髪が蛇のようにうねった。
「絶望した!文次郎のアホさ加減に絶望した!ああ、こんなに絶望したのは悟りを開いたと思った瞬間、
ほうろく火矢が誤爆してアフロになった、あの日以来だ!」
「俺はお前のおかげで、学園生活に絶望しそうなんだが」
「かわいそうな三号さん、生娘のままで……こんなことならいっそ、体内に炸裂弾でも
仕掛けておくんだった。彼女も一矢報いたかったろうに」
半ば本気の声で呟いて、仙蔵はぎりぎりと布団に爪を立てた。
「だいたいあいつはおかしいんだ。発想のみならず、情緒からしてずれている。年頃の男子なら
あの手のものに、一瞬でも興味を引かれるのが普通だろう!いきなり破くか?
スーパーリアリティフィギアだったのに!」
「お前におかしいといわれるのは、いくら文次郎でも気の毒だ」
俺だって、あんなもん押し付けられたら引き裂くわ、と呟いて、食満はきびすを返した。

目的のブツがないなら、仙蔵に用はない。
伊作や長次に聞いた限りでは、作成には相当の予算がかかるようだから、容易く新しいものを
作ることもできないだろう。
しばらくは安心というものだ。
また髪を振り乱し、布団の上に倒れ伏した仙蔵を横目で見ながら、食満は来たときよりもずっと
軽い気持ちで、橙色の光を後にした。
152当世忍たま恋愛事情21:2008/04/04(金) 18:35:50 ID:VKCPfZth
厚い雲が、僅かな星明りを隠しながら夜空を流れていく。
月はまだ沈んだままだ。伸ばした腕の先も見えない漆黒の闇の中、空気に混じる湿った匂いに、
食満は、雨が来るのか、と頭上を仰いだ。
忍たま長屋の縁側は、庇が深く張り出し視界が狭い。それでも僅かに伺える空は、行きに見たときより
ずっと雲が増えたように思えた。
このところ晴れ間が続いていたから、逆に大雨になるかもしれない。
授業の雨対策に思いを馳せながら、また足を踏み出しかけ、だが食満はふと立ち止まった。

音もなく飛び退ったその足元に、連続して三本の棒手裏剣が突き刺さった。
飛びながら、一度納めた小刀を再び抜いて、目線を上に向ける。
同時に飛来した手裏剣を払い落とし、自分も棒手裏剣を引き抜くと、食満は手裏剣の飛んできた方角へ
それを投げつけた。
鋭い音ともに、空中に火花が飛んだ。素早く壁に背を押し当て、腰を低くし空を透かし見る。
雲が切れ、星明りが降りそそいだ。
星光に照らされた庭木の上、ちょうど食満が手裏剣を投げつけた位置に、真っ黒な人影が浮かんでいた。
手元の鈍い輝きは、おそらく苦無だろう。ぎらぎらと不気味に輝くそれを睨み、そっと
壁から背を離す。
縁側の縁まで駆け寄って、小刀を振り上げた食満の目が、怒りに燃え上がった。

「いきなり何をするか、このばかモンがあ!」
「甘いわ!油断大敵火がボーボーという言葉を知らんのか!」

立ち木の上でふんぞりかえる潮江文次郎に、もう一本手裏剣を投げつける。
それが避けられた隙に庭に転がり出ると、食満は庭の中央へと一気に距離をつめた。
忍ぶつもりは無いらしく、木から飛び降り迎撃の体勢で苦無を構えた文次郎は、昼に見かけた時より
もっと頬がこけ、隈が濃くなっていた。
だがその目は、気迫と情熱でぎらぎらと燃え上がり、鬱陶しいまでに輝いている。
「下痢で死にかけた男が自主トレなんかするな!大人しく寝とれ!」
「こんな機会に寝ていられるか!体調不良時の任務遂行訓練だ!」
枯葉の積もる地面を蹴り、文次郎が鋭く迫る。無数に打ち込まれる苦無の嵐を跳ね返し、トンボを切って
背後に逃れると、食満はその場から三度手裏剣を投げつけた。

病み上がりなのに元気な奴だ、と呆れる。
普通こういう時は、寝て体力を回復させるものではないか。わざわざ己を痛めつけてなにが楽しいのか。
仙蔵ではないが、まったくこいつは、どっかおかしい。
なんにしろ、仕掛けてきたのは相手のほうだ。仙蔵戦を予想して、装備も万全に整えてきた。
普段から、顔を合わせばやりあわずにいられない相手だ。そっちがその気なら遠慮は無用!

両手に指弾を握りこんだ食満に対し、文次郎が鎖鎌を取り出した。
再び押し寄せた暗雲に星光が途切れる。光の欠片もない闇の中、双方の手の内で、武器の鉄だけが
不気味に輝く。
空の彼方から無数の球体が、闇を割いて飛び込んできたのはそのときだった。
153当世忍たま恋愛事情22:2008/04/04(金) 18:38:05 ID:VKCPfZth
予想外の攻撃に、食満も文次郎もさすがにぎょっとして逃げ退る。その背をさらに球体の雨が襲った。
かろうじて避けた背後で、ぼん、ぼぼん、と、見た目よりも軽い音を立ててそれが弾む。
続いて今度は数倍大きな影が、これもぐるぐると回転しながら突っ込んできた。
示し合わせたように雲が切れる。得物を構える食満と文次郎の間に、音も無くひたりと降り立った
その影は、降りそそぐ星明りの下、泥だらけの苦無でびしっと天を刺し貫いた。

「私!参上!」
「土井先生か!」
「うぜえぞ小平太ぁ!」
「なにやってんだ?乱闘なら私も混ぜろ!」

足元に転がるバレーボールを蹴り飛ばしながら、わくわくと両腕を振り回す七松小平太の姿に、
文次郎が思いきりしょっぱい顔になった。食満もがっくり肩を落とす。
本当に、騒ぎを見逃さない奴だ。
さあやろう、と袖を捲り上げる能天気な笑顔に、毒気を抜かれたのだろう、文次郎がため息をついて
鎖鎌を肩に担いだ。食満も弾をしまいこむ。
戦意を消してさっさと身支度を整える二人に、なんだやらないの?と小平太が口を尖らせた。
あきれ果てて視線を向ける。
「お前も毒まんじゅう食ったんだろ。寝てなくていいのかよ」
「もう治った!」
にかっと笑って屈伸運動にいそしむ小平太は、文次郎とは違い痩せた様子もなく、確かにつやつやと
色もいい。
しかしこいつは連日、文次郎が食べなかった分まで、毒饅頭だの火薬団子だのを食べてきたはずだ。
あまりに健康そうなその顔に、逆に薄ら寒いものを感じ、食満は思わず一歩後ずさった。
追い討ちをかけるように近づいてきた小平太が、にこにこしながら文次郎の肩をたたいた。

「いやー、いいもの食わせてもらった!おかげで私、かなり毒物に強い体質になったぞ!」
「火薬団子は?」
「そうだろうそうだろう。俺に感謝しろ」
「おう!今度作ってくれたくのいちにもお礼に行こうな!」
「そんなもんは行かんでいい」
「文次郎、お前は礼より謝りに行けよ」

昼間の光景を思い出し、ふと口をついた食満の言葉に、文次郎の三白眼がぎらりと輝いた。
一度消えた戦意を含んで胡乱に睨みつけ、なんで俺が謝らにゃならんのだ、と吐き捨てる。
「毒物食わされ飯にも困ってるのはこっちのほうだ」
「食ったのはお前の勝手だろう。いや、それじゃなくて昼間のことだ」
話の読めない小平太が、昼間?と目を瞬かせる。
文次郎の目にますます凄みが出た。
「毒まんじゅう食わされて後輩まで命の危険にさらされた上に、ほうろく火矢投げつけられたことを
謝れってのか?」
「後輩が死にかけたのはお前の……だから、お前、あの子に随分ひどい言い方してただろう。
まだ子供なのにあれはないぞ。絶対傷ついた」
「子供だろうがくのいちだ。言い負かされんのもいい修行だろう」
「あのな……」
154当世忍たま恋愛事情23:2008/04/04(金) 18:40:12 ID:VKCPfZth
やっぱりこいつ変だ、と食満は頭をかいた。
傍で見ていた自分が感じるくらいなのに、こいつはなんで自分に向けられるあの好意に、
気づかないのだろうか。
会話の内容とか、何よりあの子の表情。あまりにあからさまで、とても演技とは思えなかったではないか。
だいたい演技なら、もっとうまくやるだろう。
きっと何かが食い違ってしまっただけで、あの子は決して文次郎を陥れようとしているわけではないのだ。
いかん、このままだと、文次郎はどうでもいいがあのくのいちが気の毒だ。
趣味は悪いが、まだ子供なのだし。こんな阿呆に傷つけられたままなのはかわいそうすぎる。
くのいちだろうとなんだろうと、子供には子供への対応の仕方ってものがあるのだから。

食満留三郎十五歳。裏で保父委員長と呼ばれる子供好きであった。

いっそぶっちゃけてやろうか。しかしこいつは多分、自分の言うことなど信じまい。
確証があるわけでもないのだ。
どうしたものか、ていうかなんで俺が悩まんといかんのだ?と頭を抱える食満の隣で、
腹筋運動にいそしんでいた小平太が、ふと顔を上げた。
食満を見上げ、文次郎を見上げ、ぴょいと立ち上がってまた食満を見る。
「謝るって、あの文次郎のこと好きな子にか?」

はあ?と呟き、文次郎の眉がしかめられる。
食満の手から指弾がこぼれ落ちた。

「ああん?なにをいっとるんだお前は」
「こ、小平太、よもやお前が気づいているとは!」
「気づいてるって言うか、饅頭の中に手紙が入ってたからさー」
「手紙?」
「なんか謝罪文だっけ?あれとは別にさ。あんこの中に練りこむみたいに、
文次郎先輩負けないでとか大好きとか忍ばせてあったんだよ」
まるでなんでもないことのように笑って、今度は前屈運動を始める。
「だいたい一回につき一個かな。内緒話みたいにさ。本当に小さい紙に、一生懸命な字でさ。
見つかってほしいようなほしくないような隠し方でさ。あれって絶対、秘密の恋文だよな」
文次郎相手にしちゃ、奥ゆかしいことしてんなーと思ってたんだ!とうなずく小平太から、
食満は慌てて文次郎に視線を移した。
流れる雲の星光は移ろい、隈の濃い文次郎の表情は読めない。
ただうつむいて、むっつりと黙り込んだままだ。
「まあ、ほとんど私に当っちゃったみたいだけど」
べたっと地面に両手を張り付かせる小平太の呑気な頭を、食満は慌てて平手ではたいた。
「どこにあるんだそれは!」
「おお、うっかり食べちゃった」
「その場で言ってやれよ!」
「言おうと思ったんだけど、いつも言う前に毒にやられちゃったから」
ひょいと身を起こし、闇の中立ち尽くす文次郎を見ながら、小平太はぼりぼりと泥に汚れた頬をかいた。
「ずーっと入ってたんだぞ。お前、全然気づいてなかったろ。大事にしないといかんぞー、
あんな奇特っていうか貴重な人材」

だから今度、私といっしょにお礼に行こうな。
155当世忍たま恋愛事情24:2008/04/04(金) 18:42:23 ID:VKCPfZth
にかっと笑った小平太に、思わずうおお、と感嘆の声をあげ、食満は文次郎を振り返った。
何故だか興奮のおさまらない食満と、にこにこ見つめる小平太の視線を受けて、文次郎はぴくりともせず
立ち尽くしたままだ。
その手に握られた鎖鎌の鎖だけが、闇の中ぼんやり輝いている。
だがやがて、ちりちりと耳障りな音がその鎖から漏れ出した。
鎖鎌が震えているのだ。いや、正確には、それを握った文次郎の体が。
いかり肩が一瞬、ぐっと闇に沈んだ。はたと固唾を呑んだ同学年二人の前で、文次郎は素早く背筋を
伸ばすと、突然しゃがれた鴉のような声を上げて笑い出した。

「わはははは!なるほど回りくどい手を使いおって!だが相手が悪かったな!並の男ならほだされたかも
しれんが、笑止千万!この潮江文次郎、小便くさいガキの手管に騙されるほど堕ちてはおらんわー!」

夜空に響く呵呵大笑に、枯れた庭木がびりびりと震える。雲さえ押しのけられ、星光が降りそそいだ。
長屋の方角から、罵声とともに飛んできた枕や紙入れを、避ける気力もなく受けながら、食満は呆然と
目の前の男を見つめた。
こけた頬に壮絶な笑みを浮かべ、隈の奥の眼光もぎらぎらと、笑い続けるその顔に、ポツリと呟く。
「……お前は、アホか」
「そうだよ!」
「なんだと小平太!留三郎ー!」
飛来した鎖鎌に頭巾の端を切り飛ばされながら、食満は星の瞬く夜空を見上げた。

ど真面目だとか、忍者馬鹿とか、そんな言葉では表しきれない。
こいつはどっかが、本当におかしい。きっと一番最初の何かが思いきり、ずれているのだ。
あきれた。腹の底からあきれた。
いやもう呆れるよりなんだか、かわいそうになってきた。

「……うわあああ!なんで俺がこんな気分にならにゃいかんのだー!」
「おお、やるかー!」
「む?よし、なんだかわからんが私に任せろ!こういうときはバレーボールだ!」
「なんでだ!」
「いくわよヒロミ!」
「種目が違う!」

更け行く夜空に雲は厚く立ち込め、風は嵐の気配をはらんでごうごうと吹き抜ける。
一寸先も見えない闇の中、やけくそ気味の剣戟と、小平太の高らかな笑い声が、渦巻く風に乗って
遠い山の方角へと流れていった。




156にっきの人:2008/04/04(金) 18:45:26 ID:VKCPfZth
とりあえずここまで。
休日に一気にやらないと書けないタチなので、
次の投下は早くて一週間後です。

感動した!間違えた喜三太の苗字を山村に書き直してくれてる
まとめサイトの人に感動した!
お世話様です。
157名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 19:04:05 ID:GTrNgOE/
乙!
クソわろたwwwwww
158名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 21:23:50 ID:ImaTwx3z
GJ!!!!
阿呆すぎる文次郎が逆に格好良く思えるよ!

抱かれたい男・抱かれたくない男ランキングが気になる…
159名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:58:20 ID:B/QLHdXD
にっきのひとーーーー!!!
続きキボンって言っといて良かった!お帰り!

声出してワラタwww
小平太がひたすらかっこいいwwww

ユキちゃんもらんたろうにっきと続いてていいなあ、かわいい
160名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:44:05 ID:swK/8LgG
ここの保管庫ってあるの?
161名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:44:45 ID:1Dm0t1fG
くの一組でエロを書きたいのですが、ユキ、トモミ、シゲ以外は公式に載っていない。髪型変化OP画面見る限りあと5人はいるはずなのに。先輩方、くの一キャラの名前とカプ関係を教えて頂けませんか、お願いします。
162名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 03:59:23 ID:CWdlZVb4
にっきのひと!!
GJ!!!

待ってた。金麦冷やして待ってた!

何気に日記と続いているしくの一カワイイし、男子達変態すぎるしw
続き、またーりまってますんで。(・ω・)ノシ
163名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 06:59:39 ID:qAK5WYay
うおぉぉぉぉおおおぉお日記の人!!!!!!!!!!!
自分今日まで生きてて本当によかったと思ったよ!!!!!
続編本当感謝!!!!!
続き何時までだってまってる!愛してる!!w
164名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 12:13:02 ID:HsHP9NQm
日記の人激しく乙です!手に取るように見えるようだよ!!!
165名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 00:15:36 ID:O689GqnM
続きが来るまで前の前のスレを読んで待とう



http://harks.hp.infoseek.co.jp/log/1110860618.html
166名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 00:37:39 ID:FXMgVEQx
やっぱり日記の中の人はうまいなぁ。読んでてわくわくさせられるぜ!

自分も書いたけど、書き込みしたのに消えちゃったんだよ・・・ちきしょう
167名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 03:48:52 ID:eQgUHGi1
これ見てきりトモが無性に読みたくなった自分が来ましたよw

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm2304670
168名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 23:02:53 ID:Xc4wIZj4
>>165
このスレって其の二じゃなくて其の三だったのか

ところで今更だがスレタイ直球過ぎないかww
169名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 23:05:03 ID:6BgEWHId
>>168
間違って入ってくる人がいないと思うからいいと思うよ>スレタイ
170名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 23:24:44 ID:QYOl17+f
待ってましたにっきの人!!相変わらず皆いい性格してるなぁ。
それにしても最初は11歳相手にどう手を出すのか気になったけどもうそんな次元じゃなくなったなww
文次郎も本当に鈍いのかもしかして意地を張ってるだけなのか…今後が楽しみだ。

そして哀れ引き裂かれた南極三号さんに合掌。
171名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 08:13:43 ID:2nKgNKmM
に っ き の 人 !

正直もう会えないんじゃまいかと思ってたぜ…ありがとう!
続き待ってるよ!
172名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 10:26:13 ID:rS2G6lp4
>>161
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%8D%E8%A1%93%E5%AD%A6%E5%9C%92
くの一の原作とアニメの外見はwikipedia見ればわかる。
CPはサーチによると
「乱太郎×ユキ」「きり丸×トモミ」「兵太夫×みか」
「金吾×あやか」「団蔵×そうこ」「庄左ヱ門×しおり」らしいです。
173161:2008/04/07(月) 15:02:58 ID:DJZT4C6s
>>172
ありがとうございます。
髪変化後、シゲの左隣にいる
黒髪で前髪が長いくの一はシオリでいいんでしょうか?
174名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 20:22:01 ID:+Kgpa9Tz
>>166
組み合わせは誰と誰?
いろんな職人の話読みたい。もっかいがんばってくれ。
175名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 00:07:34 ID:1xXk0Uzs
シナコマ、エロの王道って感じで良かったな。
176名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 11:08:41 ID:E11tskdC
久しぶりに来てみたら、にっきのひとGJ!!
けど小平太の一人称間違ってるよー!!

奴は普段自分のことは『俺』って言ってて、先生とか目上の人の前だと『私』になるはず
177名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 13:15:33 ID:KyznhhU8
一人称なんて主役級意外はアニメも原作も結構バラバラな希ガス
間違いってわけでもないと思うぞ
178名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 22:55:23 ID:m8KndMKx
ん?七松って基本的に一人称は「私」で通してないか
179名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 15:12:10 ID:yatxOM40
>>178
いろんな意見解釈があるだろうから書き手さんの自由で良いよ。
アヌメでは『僕』以外みんな使ってたし、アマコ神は「みんな一人称は使い分けてる」って言ってるし「ぁたぃ」とか言いださなければ問題無い
180名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 19:33:54 ID:M3HzuVdU
「よーし、全員あたいについてこい!」
とか言い出す小平太

あれ、微妙に違和感ないぞ
181名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 08:18:41 ID:VQnc0JxY
あたい小平太か 
 
新しいな
182名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 14:38:17 ID:TCumzUrC
むすは
183名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 19:15:06 ID:jTQmLcHX
携帯からでスマソ。
しんべエの妹のカメ子と食満はいかがだろうか。
用具委員繋がりで。


カメ子はやはり長次ではないと駄目だろうか。
184名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 02:21:34 ID:KXndkLOD
いやここはあえて土井先生とカメ子で。
たしか土井先生が膝の上にカメ子を乗せていた事があったような。

ロリコン半助は膝の上に座るカメ子を舐め回すように見下ろした。
しんべエに瓜二つのその顔は少し気に入らないが、子供特有のしっとりした肌質は非の打ち所が無かった。
むちっとした小さな手のひら、成長の予感さえしないぺたんこの胸。
淫らな妄想が頭をかけめぐり、ごくりと生唾を飲み込む。
(いかんいかん…私は昼間っから何を考えているんだ)
「土井先生」
急に、それまで大人しく座っていたカメ子がこちらを向いた。
なんだか顔を赤らめて、恥ずかしそうにしている。
「あの……」
「なんだいカメ子ちゃん」
「お尻の下に…固いものが、当たるんです……」
その消え入るような声と、今にも泣き出しそうな顔に、半助の理性は崩壊した……


続かないw
185名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 04:20:18 ID:E4FXixj4
続けるんだ!!
186名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 19:47:06 ID:UP7LO8t4
けしからん!けしからん!もっとやれ!
 
あとなんか百合スレみつけたんで貼っとく
http://orz5.2ch.io/orz/orz.cgi/anime2.2ch.net/babiru.bbspink.com/lesbian/1207482231/
187名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:32:37 ID:ijq6LvE2
188名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 23:17:37 ID:LmKm25tI
カメ子におっきしてる土井ワロスw
189名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 10:08:46 ID:ZCLgz216
>>173
そうです。ユキと同じ目の形をしているのがしおりです。
190にっきの人:2008/04/14(月) 13:14:05 ID:D4QuYVfm
そうこちゃんと文次郎。続きです。

一人称は、アニメと原作から気に入ったのをチョイスしています。
小平太は一年生にも「私」な、原作初登場時のインパクトが強いんで、私なんだぜ。
鉢屋も「私」だったのが最近は「僕」になってるけど、これからも私でいくんだぜ。
文次郎は「われわれ会計委員」って言ってるほうが多いんだぜ。

ランキングはご自由にご想像ください。むしろ自分が知りたい。
191当世忍たま恋愛事情25:2008/04/14(月) 13:16:08 ID:D4QuYVfm
数日前から続く雨は、今日にはひどい土砂降りになっていた。
晩秋のこと、風は木枯らしよりも冷たく吹きすさび、凍るような雨粒は遠くの山々や校舎を濡らし、
その輪郭をぼんやりと煙らせている。
山間を流れる谷川も溢れて、裏裏山のふもとでは百姓衆が大慌てだそうだ。

教室の窓辺で、季節はずれの嵐をぼんやり眺めながら、綾部喜八郎はため息をついた。
窓から望める校庭では、蓑をまとった井桁模様の制服が教師の指示に従い、黙々とランニングを
続けている。
雨中行軍かあ、寒そうだなあとしみじみ眺める目の前で、小さな影が一つ、ずるっと滑ったついでに
足元に開いた穴に落っこちた。
泥土と化した校庭に、首まで埋まって泣くその影を、教師やほかの生徒が慌てて掘り出している。
お前ら、なんでこんな見え見えの落とし穴に落ちるんだ?とあきれた声が、風雨を押しのけ
四年生の教室まで聞こえてきた。

あーあ、また埋まってしまった。あれは先週掘ったやつだ。自信作だったのに。
雨なんか嫌いだ。

がっくりと窓枠に顔を伏せた綾部の背後で、高らかな笑い声が上がった。
「どうした喜八郎!悩みごとか?ならば私に相談するがよい!」
耳障りなほど自信満々のその声に、のろのろと振り返る。
同級生の平滝夜叉丸が、両手を腰にあて、ふんぞり返って笑っていた。
「雨なのに元気だねえ、滝夜叉丸」
「私が元気でなければ、忍術学園が立ち行かんからな!」
そういってさらに反り返る同級生に、ご苦労さんだねえと呟き、綾部は小さく肩をすくめた。

秋口に、衝撃的桃色トラウマ地獄を体験した滝夜叉丸は、数日間生死の境をさまよった後、
新野先生の渾身のカウンセリングによって辛くも復活した。
この程度で落ち込んでいては、学年最優秀生の名が廃るよ、といわれたことが、回復のきっかけだという。
凄い奴なのかとんでもないアホなのか判断に迷うところだが、とりあえず、元気になったのは
いいことだ。
まだ定期的に、カウンセリングは受けているそうだが。

さあ言えそら言え早くしろ、とせかす滝夜叉丸から目を逸らし、また校庭を見る。
教師を先頭に、ジグザグに校庭を走る一年生を眺め、別にいいよと綾部は首をふった。
「悩みってほどじゃない」
「何を言う、そんな憂い顔をして。ふふん、作法委員の立花先輩がこのところ、なぜか引きこもって
委員会にもお出にならないそうだな?察するに、代行として委員会を切り盛りするのが大変なのだろう」
「先輩がいてもいなくても僕は何もしないよ」
「そんなことを威張るな」
視界の隅で、飛び上がって避けたはずの一年生が泥に足をとられ、ずるずると後ろ向きに穴に落ちていくのが
見えた。
連日の大雨で、設置しておいた落とし穴を示す印は、すっかり流されてしまっている。
だが上にかぶせた草や土も流れて、落とし穴自体もむき出し状態になっていた。
ほとんど丸見えなのだから、一年生でも避けられそうだと思いきや、雨のせいで足を滑らせ、落ちるものが
後を絶たない。
しかしこれはもはや、落とし穴とは呼べないだろう。
少なくとも僕の趣味じゃない。
もう一度ため息をついて、窓枠に置いた手の上に顎を乗せると、綾部はポツリと呟いた。

「あんまり濡れるのも、よくないもんだねえ」
「ん?」
「そりゃあ滑りがあるほうが、何かと都合はいいけど。でもよすぎるのも興が冷めるっていうか。
こう、あんまりあからさまだったり簡単すぎると気分が萎えるんだよねえ。男心は繊細だから」
「何の話だ」
「なにって、穴の話だよ」
「……穴!?」
192当世忍たま恋愛事情26:2008/04/14(月) 13:18:39 ID:D4QuYVfm
ふいに背後の気配が変わったことに気づいて、綾部は振り向いた。
その場に立ち尽くした同級生は、先ほどとは違い呆然と黙り込み、うろうろと目を泳がせていた。
何故だかひどく顔が赤いように見えて、綾部は心の中で首をかしげた。

「あ、穴か」
「穴」
うなずいて、今度はしみじみと顔を見上げる。この寒いのに、汗がひどい。具合でも悪いのか。
しばし瞬きを繰り返し、やがて滝夜叉丸は意を決したように顔を上げた。
「だ、だが、聞くところによると、ぬ、濡れているほうが、いいものではないのか?」
「場合によるよ。だってこっちは頭ひねって作戦立てて、技術駆使してばっちり落とそうとしてるんだよ。
なのに勝手にびしょ濡れになって、なんの苦労もなくずぽずぽ入っちゃうなんてあんまりじゃない。
つまらないにも程がある。僕の努力はなんだったのーと思うよ」
「ず、ずぽずぽ……」
「丸見えってのも、僕の趣味じゃないし」
「丸見え!?」
「ああいうものは、隠してこそ趣があるでしょう」
「そ、それはわからんでもない……」

ぼそぼそ呟くと、滝夜叉丸は完全に真っ赤になってうつむいてしまった。
この自信家がこんな歯切れの悪いしゃべりかたして、いったいどうしたのだろう。具合でも悪いのか。
何だか変に腹部をかばってるし、姿勢も前かがみだ。腹でも痛いのだろうか。
「お前も意外にやるものだな……私はその、したことがないのでよくわからんが……」
消え入りそうな声に、また首をかしげる。
委員会ではいつも塹壕掘りに精を出しているようだが、あれはカウントに入らないのだろうか。
まあ滝夜叉丸個人でいえば、落とし穴掘りなんて地味な作業は
「確かに、やってるところは見たことないねえ」
「馬鹿!人に見せるようなものでは……待て?お前は他の者なら見たことがあるのか!?」
「うん、僕の趣味だから。こないだは、夜中に二年生とくのいちが総出でやってるのを見たよ」
「二年がああ!?」
「どっちもつたないなりに、頑張ってたねえ」
「が、がんばっ……!」
髪を振り乱し叫ぶ滝夜叉丸に、なんだなんだと教室の視線が集まった。
顔色を赤と青に明滅させながら、しばし呆然と立ち尽くしていた滝夜叉丸が、突然きびすを返した。
無言のまま、ぎくしゃくと戸口へと向かう後姿も、やはり前かがみだ。
これはやはり腹具合が悪いのだろうと、その背に声をかける。
「滝夜叉丸、便所に行くの?」
ぴくりと肩を震わせ、動きが止まった。
「間に合う?」
一瞬の間を置いて、泣きながら教室を駆け出していった滝夜叉丸に級友たちがざわめく中、
綾部はまた窓へと視線を向けた。

ざあざあ降りの校庭では、半数以上の一年生が穴に埋まり、必死にもがいている。
空を覆う雲は厚く重く、雨がやむ気配はない。
ああこれじゃあ、きっと今日中に全部埋まってしまうんだろうなと、綾部は小さくため息をついた。
193当世忍たま恋愛事情27:2008/04/14(月) 13:20:57 ID:D4QuYVfm
「それでね、トモミちゃんに聞いたんだけど、自分より重量のある相手にはやっぱり関節技が」
手元の帳面を開きながら目の前の友人を見上げ、ユキはふと、眉をしかめた。
放課後のくのいち教室。人気の絶えた室内には、ユキと、机を挟んだ向かいに座るそうこしかいない。
雨ということもあり、他の生徒は早々に寮に引き上げていた。きっと今頃は、夕食までのひと時を
楽しんでいるのだろう。
土砂降りの雨はやむ気配もなく、屋根や雨戸を打つ音で話し声もかき消されるほどだ。
だが、これなら万一誰かがきても聞かれる心配はない。秘密の相談にはむしろ好都合なのだが、あいにく
話の相手にも、自分の言葉は届いていないようだった。
そうこは先ほどから、返事もせずにぼんやりと、閉じた雨戸を見つめたままだ。
何かを考え込んでいるようなその顔に、ひらひらと手を振り、諦めてユキは身を乗り出した。

「そうこちゃーん、聞いてる?」

わ、と小さな声を上げて、そうこが振り返った。
「ごめん、なんだっけ」
「関節の外し方とはめ方……ううん、いいんだけどさ」
ため息をついて腕を組み、申し訳なさそうに頭を下げる友人を見つめる。
湿気に膨らむ髪を押えながら、ユキは苦笑した。
「やっぱ不安?怖くなっちゃった?」
「うーん……」
「まあそりゃ、砲丸粉砕魔とか馬殺しとか、異名をとるあの潮江先輩だしね」
噂で聞いた武勇伝を思い出し、天井を見上げる。
くのいちの情報網に伝わってくる文次郎の伝説は、どれもこれも人外なものばかりだった。
話半分としても尋常ではない。けしかけておいてなんだが、実はユキも今さら引いている。
とはいえそれこそ今さら顔にも出せず、ユキはことさら明るく笑った。
「大丈夫よ。人間同士なんだし壊されるなんてことは多分……小さいよりは大きいほうがいいっていうし」
いや、あたしは、小さくてもかまわないと思うんだけど。

だって今はこれで充分じゃないかと思うのよね。ぶっちゃけ楽だし、あれはそれでそれなりだし。
そりゃあたしも成長するから、ずっとあのままだとちょっと困ったことにはなるかもだけど。
でもあっちも成長期だし、文献に載ってる同年代の平均と比較してみたところによると、将来的には多分
それなりになるだろうと思うし。
第一、問題は相手であってモノじゃないし。

「まあ今もまるきり問題ないかといえば、それは無きにしも非ずだけどさ……ああ何度も真っ最中に
すっぽ抜けられると、ちょっと情けないっていうか雰囲気壊れるっていうか……」
「え、なに?」
「え、なんでもない!」
漏れ出した心の声を封じ込め、慌てて首を振って座りなおす。
ほのかに赤くなったユキの頬に、そうこが不思議そうに首をかしげた。
「ともかく大丈夫よ!想いがあれば何とかなるって。実行あるのみ!」
「うん」
素直にうなずいたはいいが、そうこはやっぱり、何かを考え込んだままだ。
どこからか湿った風が入り込み、二人の髪を揺らした。
どうしたのと再度、身を乗り出したユキに、ようやく心を決めたようにそうこの顔が上がった。
「ユキちゃんは、はじめてのときどうだった?」
「へ!?」
「やっぱり怖いって思った?これでいいのかとか、逃げたいとか思わなかった?」
思わず絶句して見返したそうこの顔は、あくまで真面目で、茶化したり興味本位な気配は微塵もない。
真剣な声音に、逆に言葉につまる。

やったるでえと自分から押し倒しておいて、主導権を握ったつもりが、途中で怖いやらうまくいかないやら
訳がわからないやらで、実は泣いてしまったとか。
それを見て、自分以上に動転していた相手が、慌てながらも必死に慰めてくれたとか。
そしたらなんだか安心して、自分らしくもなく甘えてしまったとか。
いちゃいちゃパラダイスに陥った結果、あらあらいやんうっふんするするとうまくいってしまったとか。
ぐるぐる浮かんできた思い出に、顔から火が出そうになる。
いくらお初だったとはいえ、そんな情けない事実など絶対人にいえるものか。
見栄張ってなんぼの思春期、しかも自分は今、初心者に手ほどきしてやる側なのだ。
194当世忍たま恋愛事情28:2008/04/14(月) 13:25:09 ID:D4QuYVfm
「えー……まあそれなりにっていうか、うん、最初はみんな緊張するもんだし……」
雨音に隠れ、歯切れ悪く呟く声に、今度はそうこが身を乗り出す。
「でもうまくいったし、今も続いてるんだよね?」
「そ、そうこちゃん、目が怖いわ」
「それって、ユキちゃんが相手の人を好きで、相手の人もユキちゃんを好きだったからだよね」
「た、多分、一応……」
「でも潮江先輩はあたしのこと、好きじゃないんだよ」
吹き荒れる風に、雨戸ががたんと音を立てた。
再び絶句したユキを、そうこがまっすぐ見返す。言葉の切なさとは裏腹に、気合をはらんでぎんぎん光る目は、
一瞬誰かを連想させた。
「それでね、先輩の知ってるあたしも、先輩のこと好きじゃないんだよ。騙そうとしてるただのくのいち」
「そうこちゃん」
「子供の考えかもしれないけど、好きじゃないもの同士が体だけ繋がったって、意味ないと思うんだ」
ユキちゃんが、布団の中で丸まってないで何かしてみろっていってくれたときから、
ずっとずっと考えてたの。
低く呟いて、そうこはびしりと背筋を伸ばした。
「それで思ったの。あたし、実はずっと逃げてたんじゃないかって」

「みんなにちゃんと話せなかったり、差し入れ持っていったときも、謝りにいった時だって、こそこそ隠れたり
猫かぶって、ええかっこしいしたりさ。ちょっと嫌われたくらいで泣いたり切れたり、そんなうじうじ情けないの、
変じゃない?ここのところあたし、全然あたしらしくなかった。でも先輩が知ってるあたしは、そんなあたし
ばっかりなんだよ」

ぐぐっと拳を握り締め、天井を仰ぎ見る。
「あたし、そんな自分は嫌だ」
驟雨が地面を打ち鳴らし、遠くでどおんと雷鳴が轟いた。
雨戸の隙間から漏れ入る青い雷光に照らされて、ぎらぎら輝くそうこの横顔は、やっぱり誰かを連想させた。
「だから決めたの!もう変な見栄なんか張らないって!嘘に逃げずに、本当の自分でぶつかろうって!
怒られようが怒鳴られようが、そんなことにはもう負けない!今度こそあたしらしく、真正面から
ぶつかって、戦って」
きりりと少年じみたそうこの顔に、一瞬だけ少女の恥じらいが浮かんだ。
「……本当のあたしのこと、好きになってもらえるようにがんばるんだ」
だからそーゆーことはそのあとにするわ、と、赤くなって呟いたそうこに、ユキの目がうるっとうるんだ。
「そうこちゃん……!」
感動のあまり、声を震わすユキの背後で、どどん、と激しく雨戸が鳴った。

風とは違うその音に、はっと振り返る。二人の目の前で、教室中の雨戸が突如、内側に吹っ飛んだ。
吹き込む雨風に、あっという間に床がびしょ濡れになる。風雨を引き連れ、雷鳴を伴い、雨戸と一緒に
転がり込んできた花色忍び衣装の大群に、そうことユキは思わず抱き合って悲鳴を上げた。
恐慌を来たした二人にかまわず取り囲むと、ずぶ濡れのくのたまたちは冷えて真っ青になった唇で、それでも
にっこり、花のように笑った。

「話は聞いたわそうこちゃん!」
「立派よ、あたし感動したわ!」
「みかちゃんなんか涙流して……雨で流れたけど」
「最初はそうこちゃんおかしくなったのかと思ったけど、今は違う!応援するわ!」
「ちょっとみんな何やってんの!?」
「もちろん忍びの十八番、立ち聞きよ!甘いわお二人さん、雨の日は忍び聞きの絶好日でもあるのよ?」
「そうこちゃんの様子がおかしいことに気づいていたのは、ユキちゃんだけじゃないんだから!」

衣装の水を絞りながら、自慢げな顔できゃらきゃら笑う少女達に、ユキはぽかんと口を開けた。
嵐にまぎれていたとはいえ、この大人数にさっぱり気づかなかったとは。
それにしてもこんな天気に。人のことは言えないが、女の子が恋愛ごとに費やす力は本当に凄い。
誰も雷に打たれなくてよかったと、ひそかに身震いする。
かっこよかったわよと肩をたたくトモミに、同じく呆然としていたそうこの顔が、真っ赤になった。
だがすぐきりりと顔を上げ、再度拳を握り直す。
全開の窓から吹き込む雨に身を打たせながら、そうこは高らかにそれを突き上げた。
195当世忍たま恋愛事情29:2008/04/14(月) 13:27:14 ID:D4QuYVfm
「そうよ!今まで黙っててごめん、あたし本当は潮江先輩が好きなの!あんなんだけど憧れの人なの!」
「わかってる、もう何もいわない!」
「そうよ、人の趣味はそれぞれだもの!」
「さっきのそうこちゃん見てたら、むしろお似合いなんじゃないかって思えてきたし!」
「それ、嫌味?」
「やだ、褒めてるのよ」
時刻はすでに夕暮れ。凍るような雨と、身を切るような風の中で、火の気もないくのいち教室の中だけが
なぜか明るい。
「いいなあ、あたしも好きな人作ろうかなあ」
「あたしも告白しようかな……」
「え、あやかちゃん好きな人いるの?だれだれ?」
「でも、恋路と手管やええかっこしいは、やっぱり切り離せないものじゃないのかなあ」
「だって相手はあの潮江文次郎よ」
「確かに、作戦練るだけ無駄な気はするわね」
「討伐作戦もいまいち効き目なかったしね」

ぺちゃくちゃとしゃべくる同級生達を片手で鎮め、トモミがずいと前へ出た。
切れ長の目に、そうこに負けずとも劣らぬぎらぎらした炎が宿っている。
優雅な動きで拳を握り、水浸しの床をどんと踏みしめると、トモミはその手をぐっと前へ突き出した。
「任せてそうこちゃん!あたしの全霊こめた関節技、この手で伝授してあげるから!
これで見事、文次郎先輩をしとめてらっしゃい!」
「ありがとうトモミちゃん!」
「くのいちはガッツよ!」

外れた雨戸の向こう、庇の彼方では、暗雲が不気味なとぐろを描き蠢いている。
時折その隙間を、吹き荒れる風雨を切り裂くように稲妻が翻った。
だがそんな嵐の中でも、花色衣装の群れはあくまで明るく、闇さえ押しのけるほどたくましく
笑いさざめいていた。



雨戸を固く閉めきった図書室内にも、外の湿気た空気は流れ込んできていた。
授業はとうに終わっているが、雨でやることがないからか、室内は普段に比べて生徒の数が多い。
巻物を開く者、本を探す者、あちらこちらで聞こえる小さな話し声。そういったものも余計に、
湿度を上げているようだ。
目の前の机にどさりと置かれた本の山に、中在家長次は読んでいた冊子から顔を上げた。
相変わらず隈だらけの目をぎらぎらさせながら、顎をしゃくる潮江文次郎をちらりと見上げ、
いつものように黙って貸し出し作業をはじめる。
「図書委員長、この兵法書の続きはどうした。貸し出し中?こっちもか?」
期限を守らん奴が多いな、と忌々しげな言葉に、もの言いたげな視線だけ向けて、また作業を進める。
絶え間なく続く雨音は、眠気さえ誘うようだ。
どこかで誰かが、小さくあくびをした。
数冊の本をまとめ、文次郎の手元に差し戻しかけ、だが長次はそこで手を止めた。
いぶかしげに眉を寄せ、せかすように手を振る文次郎を無視して、まとめた本の上にもう一冊、
少し厚めの本を乗せる。
和綴じだが、飾り気のない表紙の文字は見慣れない外来語だ。ところどころに付箋が挟んである。
持っていけ、というように差し出されたその本に、文次郎の眉がますます寄った。

「なんだこれは。表題……外来語か?読めんぞ」
「……全訳ハウツー……セック……」
「なんの本だ」
「……と……が……安心……できるよう……伊作推奨……」
「聞こえん。今日は通訳はおらんのか」
196当世忍たま恋愛事情30:2008/04/14(月) 13:29:37 ID:D4QuYVfm
でかい声とは言わんがもうちょっとはっきりしゃべれ、とすごむ文次郎の声に、後ろを通りかかった
一年生が、涙目になって廊下へ飛び出していった。
ちょうど部屋に入りかけていた三年生も、ぎくりとした顔で戸を閉める。
ばたばたと、忍たまらしくない足音が、廊下の奥へと遠ざかって消えた。
心なしか、先ほどよりさらに静まりかえった図書室の中に、雨粒が屋根を打つ音だけがしばらく響く。
「……南蛮では……羊の腸を使うという……」
「あ?」
「絹に蝋を塗って使用したり……滑りには蜂蜜とか……手引き……これにいろいろ、載っている……」
唐突な言葉に、三白眼が眇められる。
負けないくらいの三白眼が、じろりと見上げてきた。
「だが、一番重要なのは心だという……相手のことを考える……面倒だが、確かに重要そうだ……」
武骨な手で本を撫で、しみじみとうなずく。
「女は、繊細なものだ」

豪とうなりを上げて、窓の外を突風が駆け抜けた。
続いて轟いた雷鳴に、下級生の一群が慌ててへその辺りを押える。
雨戸の隙間を縫って瞬く青い雷光に、煌々と照らし出された文次郎の口元が、大きく歪んだ。
ゆっくりと立ち上がり、座ったままの長次を睨み下ろす。ぎりぎりと軋むような視線は、気の弱いものなら
見られただけで気を失ってしまうだろう。
渡された本を取り上げると、文次郎はそれを、無表情に見返す長次の頭にスパーンと振り下ろした。

「小平太か?それとも留三郎に吹き込まれたか?どいつもこいつも下らん手管に振り回されおって!
貴様らそれでも忍術学園最上級生か、バカタレどもが!」
「……乱暴に扱うな……本が傷む……」
「じゃかあしいわ!」

慌てて駆け寄ってきた能勢久作が、図書室内では静かにしてください!と果敢に声をかける。
無言で睨みつけられ、凍りついた後輩を一瞥すると、長次がうっそりと立ち上がった。
机を挟み、数寸高い位置から見下ろす視線を、文次郎も負けじと睨み上げる。
雷光とは違う青い火花が、火気厳禁の図書室内に燃え上がった。
「悪ふざけもいい加減にしろ。正気なら余計タチが悪い。忘れたか?忍び三禁に曰く、色欲食これ最大の敵なり!」
感情の読みとれない目をいらいらと睨み、低く吐き捨てた文次郎が、嘲るように顎をそらした。
「俺は違うぞ。くのいちになんぞ騙されん。お前もこんなもの渡す暇あったら鍛錬でもしろ!」
「……忍び三病に曰く……迷うなかれ、敵を侮るなかれ……恐るるなかれ……」
低すぎる声が風雨の隙間を縫い、文次郎の耳にだけポツリと触れた。
雷光が瞬いた。一瞬遅れて、腹の底に響くような雷鳴が校舎を揺るがす。

「お前は、どれだ」

ぐうと不気味な音を立て、文次郎の喉が鳴った。
限界まで見開かれた目の奥に、殺意に近い色が閃く。長次の腰が僅かに落ちた。
固唾を呑んで見守る生徒たちの内、数人が立ち上がり、逆に数人がその場にへたり込む。

次の瞬間、パーンと軽快な音を立てて図書室の戸が開いた。
197当世忍たま恋愛事情31:2008/04/14(月) 13:32:26 ID:D4QuYVfm
「そんなあなたに鉢屋三郎ー!」
威勢よく戸を押し開け、緊迫した空気も何もかもぶち壊しながら突如、踊り込んできた影に、
珍しくも長次の目が見開いた。
戸口で文字通り、くるくると舞い踊る紺の制服に、ほとんど反射的に縄標が飛んだ。
振り返った文次郎も手裏剣を投げつける。
抜き払った小刀で両者を同時に捌き、背後に飛んで距離をとると、鉢屋三郎はにやりと笑って片手を上げた。
「失礼します。手は洗ってきました」
「何用だ五年!邪魔するとドタマぶち抜くぞ!」
「いつもながら、五年五年と省略しないでください。個人として認識されないのは寂しいものですよ」
「うるさいわ!なんでこの学園は、人の話に乱入してくる奴ばっかりなんだ!」
「もつれ絡んだ話あらば、命をかけてでも混ぜ返す!それが鉢屋クオリティ!」
文次郎の剣幕も、長次の冷ややかな視線も、凍りついた図書室内の空気もお構いなしだ。
嬉々としてしゃべり続ける鉢屋の顔は、喜色に溢れ、仮面のはずなのに妙につやつやと色までいい。
「図書室で騒ぎが起きていると聞き及び、掃除を捨てて馳せ参じました!潮江先輩なら相手にとって不足なし!
実を言えば以前から、この人はうまく絡んだら面白いことになると目をつけておりました!」
気味悪いほどの笑顔を振りまき、刀を納めると、鉢屋は代わりのように両手を広げた。

「話はぶっちゃけよくわかりませんが、全て私にお任せください!人生変えて差し上げましょう!
失せもの悩み恋愛相談、性教育から遁法まで!怨霊物の怪あやかし妖怪、呪い呪われ超常現象!
困ったときは鉢屋三郎!今宵あなたをめくるめく秘密世界へご招たモルスァ!」
「だからお前は空気を読め!」

お前がそんなだから僕らまでまとめて、男子たち変態すぎるなんていわれるんだ!と叫びながら、
開け放たれた戸口から飛び込んできた紺色の影が、ほうきの柄で鉢屋の頭を打ち据えた。
同時に図書室の奥から駆け寄った別の一人が、口に何かを押し込む。
それが生揚げの塊だと気づいたのは、おそらく間近で見ていた長次と文次郎だけだろう。
「中在家先輩、騒いですみません!すぐ出ますから!」
「お前はどうして、あんな状態に飛び込んでいけるんだ」
必死に謝りながら、不破雷蔵が頭を抱える鉢屋の体を羽交い絞めにした。
持てる大豆加工品を、全て鉢屋の口に詰め終えた久々知兵助も、手馴れた様子で足を抱え上げる。
生揚げを喉に詰まらせ、ぐえぐえ呻きながら、鉢屋が背後のまったく同じ顔を見上げた。
「空気読んだら負けかなって思う」
「なんでしゃべれる!?」
「それは自称芸人として正しいのか!?」

押さえ込んだり込まれたり、もさもさともがきながら部屋を出かけた五年団子が、突然はたとして
壁際に身を寄せた。
入れ替わるように、今度は救急箱を抱えた善法寺伊作が飛び込んできた。

「喧嘩だって聞いたけどけが人は!?新野先生が生徒のカウンセリングに入っちゃったから、医務室の
留守番しないといけないんだ!悪いけど歩けるなら医務室まできてくれ、応急処置はするから!」
「……失礼ですが、応急処置が必要なのは先輩のほうでは」
「大丈夫、濡れた廊下で滑って転んで柱にぶつかっただけだから!」

おずおず訊ねた久々知に爽やかな笑顔を返して、伊作は図書室に顔を向けた。
ぱっくり割れたその額から、どくどく流れ落ちる血の滝に、部屋のあちこちで悲鳴が上がる。
けが人けが人、と呪文のように呟きながら室内を見回す伊作の目が、机を挟んで立ち尽くす二人の
同学年にとまった。
あれ、長次に文次郎?と驚いたような声を上げる。
「六年生が二人もいるのに、喧嘩なんかする子がいたのかい?」
不思議そうに瞬く伊作を、文次郎がぎろりと睨みつけた。
続けて長次を睨み上げ、静まりかえった室内を睥睨し、小さく舌を鳴らす。
無言のまま肩を怒らせ、大股に部屋を出て行く文次郎を、部屋中の視線が恐る恐る見送った。

そろそろ呼吸が怪しくなってきた鉢屋を抱えた五年生と、顔面血まみれの伊作が顔を見合わせる中、
長次は一人、窓を見た。
横殴りの風に煽られた水滴が、ばたばたと激しく雨戸を打っている。
殺意のように雷光が閃き、抑えきれない怒りのように雷鳴が轟いた。
198当世忍たま恋愛事情32:2008/04/14(月) 13:34:34 ID:D4QuYVfm
暗雲に閉ざされた夜空は、月どころか星の瞬き一つ見えなかった。
枝の折れた中庭の立ち木が、風にみしみしと音を立てている。嵐は夜に入っていよいよひどくなり、
今ではまともに目を開けているのもつらいほどだ。
あちらこちらで生まれた小さな濁流が、地をえぐり低みへと流れていく。
雷光が天を裂いた。夕刻から現れては消える雷雲が、星の代わりに夜を照らし出す。
稲光に照らされながら、人影が一つ、中庭を通り過ぎた。
蓑と傘をまとい、輪郭すらはっきりしないそれは、豪雨の中水溜りを跳ね返すこともなく、足早に
進んでいく。
ふと、その歩みが止まった。

深く庇の張り出した表門。雨にそぼぬれ、色の変わったその下に、もう一つ人影がたたずんでいる。
最初の影よりずっと小柄だ。ほとんど意味のない雨よけの下で、蓑を濡らしながら、じっとこちらに
向かってくる影を見つめている。
一度止まった影が動き出した。歩きながら僅かに傘を上げ、隙間から前方の影をねめつける。
向けられた視線に臆することなく、そうこはまっすぐその顔を見返した。

どうどうと音をたて、雨が激しく大地をたたく。
冷えきった空気を切り裂くような雷光が、暗雲の狭間と、文次郎の瞳に閃いた。




199名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 14:21:21 ID:E9gxablD
日記の人乙です!

鉢屋wwwwwwおまえその悲鳴w
200名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 14:51:01 ID:riAoijnF
日記の人激しく乙です!!!!
滝かわいそうwwwwww
やっと事が動きそうですね!
201名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 15:01:06 ID:CY9nR1PC
にっきの人乙ですw
綾部とか鉢屋とか色々突っ込みどころがおおすぐるwwwww
 
続きも楽しみにしてます!
202名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 15:47:15 ID:E9gxablD
綾部お前もかw叙情的作法クォリティw
203名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 18:23:13 ID:aDypNnLK
しおり×庄左ヱ門
エロ無し
髪型
前編



「ふぁーあ……」
あんなにもお茶やジュースを飲んだのがいけなかったんだろうな
と私は思った。
冬も終わり、桜の咲く季節。夜桜をみながら、くの一組の皆で
お花見をしていたのだ。
ゆきちゃんやともみちゃんがノリノリでどこからか
お酒までもってジュースで割ったカクテルを飲み、
それに興じたそうこちゃんやあやかちゃん達がどんちゃん騒ぎ。
「あーあ…明日はきっと皆、二日酔いなんだろうな…」
と一人、私は思った。私はお酒は飲めない。
年齢的には、くの一組全員、飲んではいけないんだけど…
私は体質的に受け付けないのだ。
その分、お茶やジュースを余分に飲んでいたのだから
この夜中の厠も仕方ないと思っていた。
用を足してはやく寝ようと思い、廊下の角を曲がった。
「あ…ん……そ、そう…そこ…もっと」
「…ん…ぷは……あの妙に…酒くさいんスけど…」
「う…んふふ…皆で酒盛りしてたの…よん♪もっと
おっぱい吸って…あはっ……ん」
「―――――――!?」
私はその声を聞いて心臓が止まりそうになった。
あれは…そんな…まさか…
ともみちゃんと…は組の…あれは確か…きり丸と言った小生意気な忍たま。
それが……夜中に二人で……何で!?
「ともみちゃん…」
「うふふ…口がいい?それとも胸?手で扱いた方がいい?」
ともみちゃんはきり丸の股をさすりながら息を吹きかけた。
「……お、おっぱいと…口で」
「欲張りなのね。じゃあ、いつものお願いの仕方……ねぇ、きりちゃん」
ヤケに場慣れした口調、きり丸を立たせて、ともみちゃんは
その股に頭を埋めているように見える。
弱々しくか細い声できり丸の声が聞こえてくる。
「…お、俺の…その」
「俺?」
ともみちゃんの声色がガラリと変わった。
「…あ……ぼ、僕の…はしたない…チンポをともみちゃんの…」
「ともみちゃん?…聞き間違いかしら……ともみさんでしょ?」
下から射殺すかのような鋭い視線。きり丸はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「ともみ…ちゃ…ともみさんの…お、おっぱいと…お口で…僕を…僕のはしたないチンポを
し、射精させて…く、ください……お、お願いします。」
「んふふ…可愛い年下の男の子にそんなにお願いされたら…あはっ…私、
もう濡れちゃった。…じゃあ、いただきま〜す…んちゅ」
「あっ…ん…んんト、ともみさ…」
私は気付かれないようにそろそろと部屋に戻った。厠どころではない。
そ…そんな……まさか…
私の頭の中である一つの事実がエンドレスで流れている。
眠気も、11歳と10歳は早すぎだろとか、ともみちゃんはかなりS気有りとか等々
初めて知った余分な知識もろとも吹き飛んでしまいそうなその事実。
それは―――――――

自分以外にも後輩と付き合っているくの一がいたなんて!!
204名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 18:24:05 ID:aDypNnLK
忍たまSS『Who are you?』

「はぁーあ…」
なぜあんな事がわかった日はこうも憂鬱なのだろうか。
授業は上の空で何を学んだのかすら覚えていない。
ちらりと他の同級生をみてみる…半分以上が船をこいでいる。
ゆきちゃんとともみちゃんは豪快に机につっぷして寝ている…
(いつもこんな感じなのに何で成績はいいんだろう…?)
自分には他の級友に比べて特出している事はない。
ゆきちゃんみたいな快活さも、ともみちゃんのような強さも、おシゲちゃん
のような優しさもない。胸だって大きくないし、お尻もそんなにない。何もかも劣っている。
そんな中で皆と違う事、皆よりも勝っているというか…優越感に浸る事のできたモノは

恋人がいる。
それも年下の。自分を姉のように慕ってくれている恋人がいるという事であった。

それがこうも簡単に崩れてしまうなんて。
おいしいはずの食事も何だか味がしない。皆と話す気にもなれない。
ため息ばかり出る…どうして自分はこうもダメなんだろう…
「はぁーあ……」
本日、30回目のため息。
205名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 18:26:43 ID:aDypNnLK
「どーしたの、しおりちゃん」
「元気ないね…」
一緒に食事を取っていたそうこちゃんとあやかちゃんが心配そうに聞いてくる。
この悩みは処女にはわからないでしょうね、あっはっはっは……
何て、一瞬だけ悦に浸るが、友達に何をダークな事を思っているんだと
すぐ自己嫌悪。ああ…悪循環だ……
「悩み事?相談ならのるわよ」
「う…いや、悩みとかじゃなくて…」
絶対に恋人がいるなんて悟られてはいけない。
それも年下のなんて言えるワケがない。
「そうだ。ね、しおりちゃん、こんな時は新しい自分を発見するのよ!」
「……新しい自分?」
「そうよ!今、ちょうどすっごい腕の良い髪結いさんが学園に来てるから、
頼んでみるといいよ。イメチェンよイメチェン!」
「あ…わっわわ…ちょっと」
そして私は二人に半ば強引に引きづられるようにして連れて行かれた。
             
一時間後

「こ…これが…私?」
「きゃあ、すっごい綺麗ぇ〜」
「しおりちゃんてスレンダーだからすっごい似合ってる」
鏡を見た私は一瞬、誰?と思ってしまった。
地味な黒髪がうっすらと紫がかり、前髪が絶妙な長さと形で整っている。
元々、頭巾から伸びてツンとしていた前髪だが、こちらの前髪の方が気品がある。
私はそうこちゃんの声もあやかちゃんの声も耳に入らなかった。
髪型を変えるだけでこうも気の持ち方が変わるものなのだろうか。
何か自信が満ちあふれてくるような感じだ。
「この髪型すごい気に入っちゃった。ありがとう、あやかちゃん、そうこちゃん」
そして、この髪型を見て欲しい人はもう一人いる。
私はそんなことを思いながら、その人…いや、彼がこの髪型を見て何と言うだろうかと
午後の授業中、ずっと妄想にふけっていた。
206名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 18:27:27 ID:aDypNnLK

「えーと…あの…どなたですか?」
「はっ!?」
彼の開口一番はソレだった。
いつもの待ち合わせ場所。
学園からさほど離れていない廃小屋で彼、
“黒木 庄左ヱ門”
は真面目に言った。
しかも何で待ち合わせ場所にいっつも忍術書や巻物持ってきて
勉強してるのよ。
「僕はここで勉強しているんですが…その服はくの一組の
忍装束ですよね?何かご用ですか?」
それでいつも持ってきてたのだろうか?違和感ありすぎで全然、誤魔化しになってないから。
「………あのねぇ…『庄ちゃん』!それはないんじゃない!?」
「うわっ、しおりさんっ!え、ええっ!?」
私がいつも使っているアダ名で呼ぶと庄左ヱ門こと庄ちゃんは飛び上がって
眼を大きく見開いた。
「か、髪型…変えたんですか?」
「そうよ。『いめちぇん』よ。『いめちぇん』」
あやかちゃん達が使っていた言葉をそのまま口にして私は言った。
「『いめちぇん』……唐…いや天竺か南蛮の言葉ですか?
メモしておかないと、あの、もう一度言ってください」
「もう、こんな所にまで来て勉強はしない!黒木 庄左ヱ門、私のこの髪型を見て思うことを
簡潔に述べなさい!」
ビシッと教鞭を振るう先生口調で私は言った。
「すごい…綺麗です…」
私は腰に手をあてて、髪をかき上げてみせた。
「よろしい…それではキスしなさい」
「はい……しおりさん」



>>189
ありがとうございました。
次回、エロ入ります。
207名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 22:17:50 ID:0F/O9nGO
にっきの人ktkr
新野先生カウンセリングww
そうこちゃんユキちゃん可愛いww
三郎wwwwwwwモルスァwww

続きが楽しみすぎる
文次郎は情緒持て
そうこちゃん頼むから幸せになってくれ
208名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 01:07:51 ID:swZLq4/v
にっきの人!
クオリティ高いなぁ。
戦闘とか乱闘が上手いし。

これからことが動くってか、決闘前みたいな雰囲気に…
オラわくわくしてきたぞ!
209名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 01:34:27 ID:k3spg/MO
日記の人も>>203さんも乙!
続き楽しみにしてます。

携帯から失礼。
210名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 21:09:54 ID:LFXI95rX
土井シナ 山田シナ シナコマ 大木シナ
潮江照代 照代突庵
猪名寺夫婦 山田夫婦
里芋ミスマイ
きりトモ 乱ユキ
潮江そうこ 庄しおり

今まで色々なカプでたな。今後も期待だ!

個人的には利吉照代とか読んでみたい。まだなかったよな?
211名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 19:34:17 ID:MDZUV9vm
ご近所のおばちゃん土井 大木リリー
を忘れるな!

利吉がらみ少ないね
利吉照代…なんかドキドキする
212名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 19:38:02 ID:P0bFczTa
利吉シナなんてどうだろう
213名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 21:18:04 ID:j2OU6hzx
シナ利吉でもいいな
214名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:10:39 ID:PJDshfaW
順番の違いが分からないw
どっちがどっちなんだ
215名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:50:21 ID:g9ShBVak
どっちにせよシナ先生が積極的と言うことで
216名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 03:56:04 ID:HbT0FAz4
事務のおばちゃん×秀作も忘れるな!
217名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 20:05:27 ID:1IJ4g0fm
>>214
先に名前がくるほうが強気(誘う役)で、後に名前が来るほうが弱気(誘われる役)
という図式があるそうだ
「利吉シナ」なら利吉がシナ先生を誘ったり襲ったりするわけ
218名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 23:58:25 ID:tXQ9P/We
上級生差し置いて脱童貞した乱太郎...
滝とかが気の毒になってくる

つか、潮江って........
219名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 01:51:02 ID:uAMjG62M
10歳で脱童って冷静に考えたら恐ろしいんだけどなww
220名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 18:54:43 ID:ezjh+FHN
しかし何度もすっぽぬけてるようで脱童貞といえるのか?
221名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 00:25:45 ID:SwK+ONE+
山本先生のおっぱいに胸が釘付けになる・・・
222名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 02:15:26 ID:kQFCrqq7
>>216
その作者の人のサイト知ってるが
あまりにもガチホモでフイタ&引いたwww
223名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 11:55:49 ID:yCutTh/k
もともとNLだったんだぜ…?
まあ好きだからいいや
224名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 16:46:32 ID:RQ+6mj8b
投下してくれるだけでありがたいんだ
そんなこと言ってやるなよ、
225名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 01:55:48 ID:rBYHC3b5
潮江とそう子の話が好きなので、もっと読みたいです。潮江今のところは女に興味なさそう。
226名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 00:08:59 ID:7vvZHSmK
見れるだけでもありがたい
エロエロならばすばらしい
227当世忍たま恋愛事情33:2008/04/22(火) 23:56:01 ID:V3OzqLsW
潮江とそうこちゃん。続きです。



「潮江、文次郎ー!」

豪雨も雷鳴も押しのけるような甲高い怒声が、忍術学園門前に響き渡った。
傘の影でぎらつく文次郎の目が、かすかに見開かれる。
びしょ濡れの蓑を風に翻し、仁王立ちで自分を見据える少女を、三白眼がいらいらと睨みつけた。
「先輩つけろっていってんだろうが、下級生!」
「覚悟ー!」
鬼の形相にも怯えることなく、そうこの足が地面を蹴った。

水溜りを盛大に跳ね返し、小柄な影が鋭く迫る。数歩手前で腰を落とし、勢いよく濡れた地面を
滑り込みながら、文次郎の脛を狙って片足が伸びた。
必殺の一撃を軽く飛んでかわし、振り返った文次郎がこちらを見る前にそうこも振り返った。
泥の中に座り込んだ姿勢のまま、片足を踏ん張って勢いを殺すと、その足を軸に、半身ひねって
もう一方の足を繰り出す。
なおも足を狙うそうこに、文次郎は今度は避けず、逆に蹴り上げることで攻撃を弾いた。
体勢を崩したそうこの足をつかみ、宙に吊り上げる。だが完全に吊り上げる前に、そうこはもう一方の
足でその手を払った。
逆立ちの体勢から飛び起き、すぐに腰を落として、繰り出された文次郎の手首を逆手に決める。
だが、決めたはずの手ごと、今度は空中に持ち上げられた。
とんでもない膂力に驚く間もなく、文次郎のもう片手がつかもうと伸びてくる。慌てて捉えた手を離して
肩を蹴り、そうこは危うく後方へ逃れた。
数歩飛び退いたところで、また向き直る。

自分からは仕掛ける気がないのか、蹴られた手を振りながら、その場から動きもせず睨む文次郎を見て、
そうこの頬にむっと朱が走った。
忍び足袋の足が泥に踏み込む。駆けながら両手を地面にたたきつけ、高く空に跳ね上がると同時に、
その勢いのまま懐に手を入れる。
雷光が翻る。青い光に照らされ、立ち尽くす文次郎と、空中のそうこの目が一瞬、かち合った。

闇の中からまっすぐ自分を睨むその目に、文次郎の口元に一瞬、歪んだ笑みが浮かんで消えた。

「とうとう正面攻撃か。だがそんなことでは忍び失格だぞくのたまァ!」
来襲を待ち受けるように腰を落とし、拳を握り締めた文次郎の頭上に、雷雲よりも黒い影が
雨を弾いて広がった。
「忍法!かっすみあみー!」
「どわ!?」
そうこの手のひらから繰り出された、文字通り霞のようにきめ細かな網が文次郎を絡め取った。
ただでも軽い霞網は、濡れたことで余計に体に絡みつく。傘から蓑から足袋まで覆われ、動きを止めた
文次郎に、そうこがすばやく駆け寄ってきた。
「潮江文次郎!……先輩ー!」
一瞬身構えた文次郎だが、得物も持たずに手のひらを広げ、いっぱいに伸ばしたその姿は、まったくの
無防備だ。
目だけは相変わらず、ぎんぎんと輝いているものの、顔は緊張と興奮で完全に引きつっている。
隙だらけで突っ込んでくるくのたまに、さすがに戸惑って見返す文次郎の蓑の襟元を、飛びついてきた
小さな両手が勢いよく握り締めた。
228当世忍たま恋愛事情34:2008/04/22(火) 23:58:16 ID:V3OzqLsW
「毒まんじゅうと火薬団子と爆裂おにぎりなんか差し入れちゃってすみませんでしたあ!」

風雨を押しのけ響いた必死の言葉に、文次郎の口から、はあ?と間抜けな声が漏れた。
「でもわざとじゃありませんから!言い訳になっちゃうけどくのいちの習性っていうか、食べ物には
一服盛らずにいられないっていうか、ただそれだけで全然、悪気はなかったんです!
こないだも廊下で爆弾投げたりして、もっと言えば最初に廊下でボコっちゃったりして、迷惑かけて、
本当にごめんなさいでした!許してとは言えないけど謝ります!」
真剣そのものの声が、雨音とともに間断なくはじける。
襟元にしがみついたそうこは、文次郎とは身長差があるため、ほとんどぶら下がった状態だった。
両手はふさがり、足も爪先立ち。周りに伏兵がいる気配もない。まさしく隙だらけだ。
これなら網に捉われた文次郎でも、腕の一振りで倒せるだろう。
必死の形相で言い募る少女の顔を、横殴りの雨が叩いていく。

雨のせいだけとは思えないほど白い顔と、ぎらぎら光る目の奥に覗く緊張と怯えに、文次郎は
迷いながらも、握りこんだ隠し武器を元に戻した。

「他のくのいちもあたしのせいで誤解しただけで、みんなももうこれからは毒なんか盛りませんから!
でもさっきも言ったけど、あたしは本当に毒なんか食べさす気はなくて、ただ、あたしはただ、あの、その」
「くのたま」
「はい!?」
「いい加減に手を離せ」
お前さっきから俺の首締め上げてるぞ、と低い声で言われ、慌ててそうこは手を離した。
こんなときまでくのいちの習性が出てしまったかと、焦るそうこを尻目に文次郎が霞網を外す。
蓑を調え、傘をなおし、びしょ濡れのそうこを呆れた目で睨むと、文次郎はふんと鼻を鳴らした。

「よし、とりあえず謝ってんのはわかった」
「はい、ごめんなさい!」
「じゃあ言ってみろ、何で俺にまんじゅうなんぞ差し出した」
「な、なんでって」
思いもかけない言葉に、思わずまじまじと顔を見上げる。
傘の向こうの文次郎は、あくまで真面目そのものの顔だ。
「悪気はないとか抜かしとったが、毒入り食わされてそう簡単にはいそうですかと納得できるか」
「う。でもあたし、本当にそんなつもりはなくて……」
「じゃあどんなつもりだ。つうか、そもそもなんで饅頭なんか作ったんだ」

肩をすくめる文次郎に、そうこは思わずその場で硬直した。
この話の流れで、まだわかんないのかこいつは。
どんな性格かは百も承知だが、それにしたってちょっとくらい悟ってくれたってよさそうなものだ。
それともカマかけられてる?でも何もかもがずれたこの男が、そんな高度な技術使うだろうか。
だばだば降りそそぐ雨に肌着まで濡らされながら、ぐるぐる回り続ける思考に翻弄されるそうこの前で、
文次郎が首をひねる。
「授業の一環かなんかか?お前ら普通の調理実習なんぞやるのか?」

何気なく言ったであろうその言葉に、そうこの頭のどこかで、何かがぷちんと音を立てて、切れた。

「まあ毒の質は悪くはなかった。それはいいとしてもだ。相手を間違えとるぞ。そういうものは俺よりも、
立花仙蔵だの食満留三郎だのに食わせたほうが学園が平和に」
「……あんたちょっと空気読みなさいよ」
「あ?人をどっかの五年みたいに言うんじゃ」
「なんであんたに饅頭渡したって、そりゃあんたが好きだからに決まってんでしょ」
闇夜を雷光が切り裂いた。
腹の底を震わすような雷鳴に、大地すらかすかに振動する。
双の瞳に苛立ちを滾らせ、それ以上の情熱を朱に変えて顔に上らせ、喉も裂けよとそうこは叫んだ。

「好きな男に手作りの品食べてもらいたいって言うのは、乙女の当然の欲求に決まってんでしょうがー!」
229当世忍たま恋愛事情35:2008/04/23(水) 00:04:34 ID:wEEFimQh
ひときわ強い風が、門前を吹きぬけた。
立っていることもままならない豪雨と風の中、頭からかっかと湯気を上げながら、そうこは微動だにしない
文次郎を睨みつけた。
闇色に落ちた傘の奥で、三白眼がまん丸に見開かれている。それがなんだかおかしくて、少し笑う。
どんなもんだびっくりしたかこのヤロー、びっくりしたのはあたしのほうよああどうしよう、告白なんて
まだのつもりだったのに言っちゃった、嫌すぎるわこの沈黙どうしようどうしよう助けてユキちゃーん!
外の嵐と同じほど、荒れ狂う内面の嵐を抱えて、一人必死に立ち尽くすそうこを、瞬きもせず文次郎が
見つめる。
暗雲切り裂き、雷光が閃いた。
同時に、硬直していたその目にも、同じ光が閃く。
傘に隠れた口元に、ひどく歪んだ笑みが浮かんだ。

「……七十点だな」
「……は?」
嘲るような声に、思わず瞬きして、そうこはぎくりと息を止めた。
文次郎は笑っていた。口元だけを歪ませ、目には笑みのかけらも浮かべずに。
先ほどまでは確かにあった、呆れまじりのどこか和んだ雰囲気は完全に消えうせていた。
あるのはただ、 晩秋の雨より冷ややかに自分を隔てる、壁のような空気だけだ。
傘で濃く影の落ちた目元は、隈だらけの普段に比べてもさらに暗い。
歪んだ口元からため息のような息を吐き、顎を反らせる。
「この俺を捕らえたまではいいが、後が悪い。回りくどすぎるんだお前は。戦闘訓練なら付き合ってやらんでも
ないが、下らん手管は他の連中で練習しろ。何なら引っかかりそうな奴を教えてやる。……なんだ、やはり
授業の 一環か?六年堕としたら何点もらえるんだ?」

一瞬、世界が青白い光に包まれた。
暗雲を縦に裂き、裏山の頂上に稲妻が突き刺さる。落雷に続いて響き渡った轟音は鼓膜の限界を越え、
一瞬世界から音さえ消えた。

濡れそぼった髪から落ちる雫が背中を滑る、すうっと冷たい感触に、そうこは意識を取り戻した。
視界は未だ暗闇の底だが、痺れた鼓膜にも少しずつ、雨の音が戻ってきた。
役立たずの蓑の胸元をぐっと握り締め、顔を上げる。闇を透かして見える文次郎は、まだあの妙な笑い顔のままだ。
震える心を叱咤して、負けるな、と、小さく呟く。
簡単に泣くような弱い自分に負けるな。こんな空気の読めない馬鹿男に負けるな。
こんな馬鹿でも惚れちゃったんだからしょうがない。だからって負けたくない。
くのいちは強く明るくたくましく!わかんないならわからせてやろうじゃないの!

「回りくどいのはどっちだ、このばかモンがー!」
「ああ!?」
突然の怒声に、文次郎の目がぎらりと輝いた。好戦的に、さらにそらされた顎にもかまわず一歩踏み出す。
自分の声が、まったく震えていなかったことに勇気を得ながら、そうこは握った拳を雷雲に突き上げた。
「これだから食堂に匍匐前進で入るような男は!あんたいちいち考え方がひねくれすぎ!てかズレすぎ!
もっと物事素直に捉えたらどうよ!そのうち道踏み外すわよ!」
「黙れ!それが先輩に対する口の聞き方か!」
「黙れはこっちの台詞だ!女の子がわざわざねえ、あんたが好きって言ってんだから素直に受け取りなさいよ!
遠まわしに言っても正面からいっても駄目ならどうすりゃ信じるの!その通りにしてあげるから言ってみろー!」
「くのいちの言うことなんぞ信じられるか!」
「だったら信じるまで背中にへばりついて叫んでやる!」
「バカタレ来るな!俺は女でも容赦せんぞ!」
「上等じゃない!殴ったって好きって気持ちは変えられないんだからね!さあ、やれるもんならやって」
「……俺に惚れる女なんぞいるかあ!」
230当世忍たま恋愛事情36:2008/04/23(水) 00:08:39 ID:wEEFimQh
泥に足をとられてつんのめり、一瞬体が傾いだところで、そうこははたと顔を上げた。
どうどうと滝のように降りそそぐ雨の中、文次郎は両手をだらりと下げてその場に立ち尽くしていた。
その口元から、あの妙な笑みは消えていた。かわりにぽかんと口を開け、地獄の会計委員長にふさわしくない
間の抜けた顔で、呆然とそうこを凝視している。
自分で言っちゃおしまいでしょ、と言いかけた言葉は、形になる前に口の中で消えた。
「……も」
代わりに名前を呼びかけ、呼びきれず口をつぐむ。
黙って見つめ返すそうこの前で、いつもギンギンと無駄にまっすぐな文次郎の目が、僅かに泳いだ。
身を切るような寒さの中、漂う奇妙な空気に、気を使ったか雨さえ少し降りを弱めた。
ごろごろと、遠慮がちに雷雲が轟いた。

息苦しいほどの沈黙を破り、先に動いたのは文次郎だった。
泳いでいた目が、ふいと戻った。顔を流れる雨だれに瞬きするそうこを睨み、苛立たしく舌打ちすると、
そのまま背を向け歩き出す。
水溜りの上を、しぶき一つ上げずにずんずん進む後姿を、そうこもはっとして追いかけた。
こちらはばしゃばしゃと盛大に泥をはねながら、待ちなさいよとその背に声をかける。
「どこ行くの!話はまだ終わってないわよ!」
「うるさい邪魔だ。俺はこれから夜間雨中行軍の自主トレに行くのだ」
「なにそれずるい、逃げる気!」
「人聞きの悪いこと抜かすな!」
追いすがって蓑をつかんだそうこの手を、振り向くことなく払い、足を速めると、文次郎は門の横の壁を蹴った。
濡れた塀の上に身軽く飛び上がり、塀の下のそうこと、背後の闇をじろりと見回す。
「そら、先生方のお出ましだ。くのたまがいつまでも男子側にいるんじゃねえ。戻りやがれ」
「……言ったでしょ、信じるまで背中にへばりついてやるって」
低い呟きにぐっと息を呑み、文次郎の目がそうこを睨み据えた。
頭巾も外れ、ずぶ濡れの髪を泥にまみれた顔に張り付かせながら、そうこはじっと文次郎を見上げていた。
ぎらぎらと、まっすぐに自分にそそがれるその目の輝きから、やりにくそうに目をそらし、文次郎は闇へ飛んだ。

蓑の中から取り出した鍵縄を、軽くふるって屋根に引っ掛けると、そうこもすばやく塀へと上った。
すぐ真下から聞こえた、こら待ちなさい!と制止の声に、振り返りもせず頭を下げる。
濡れた瓦を蹴り、そうこもそのまま闇へと飛んだ。
231当世忍たま恋愛事情37:2008/04/23(水) 00:10:42 ID:wEEFimQh
雷鳴の隙間を縫ってかすかに聞こえた物音に、竹谷八左ヱ門は顔を上げた。
傘を少し上げ、降りそそぐ雨に顔を打たせながら、なんかあったなと表門の方角を見つめる。
複数の声と、足音。消えたのではなく遠ざかった。門が開いた気配はなかったから、塀を越えたのか。
無断外出か。この天気にどこ行こうってんだ?と眉をしかめる。
そんな暇あるならこっちを手伝ってほしい。

折からの雨で、生物委員の飼育小屋、別名毒虫小屋は、すっかり水浸しになっていた。
委員会内では上級生より発言力のある伊賀崎孫平の、このままじゃ幼虫や越冬の蛹が死んでしまう、
非難させましょう!という主張により、現在生物委員は総出で小屋の移動の真っ最中なのだ。
竹谷としても、小さな生き物がみすみす溺れ死ぬのを見過ごすつもりはない。
だが、夜半に冷たい雨に打たれながら、重くて危険な荷物を運ぶのは、なかなかにつらい作業だった。

「どうかしましたかあ?」
後ろから聞こえた間延びした声に、慌てて振り返る。
蓑をまとっているのに全身濡れねずみの事務員、小松田秀作が、籠を抱えてぼんやりと立っていた。
夜の巡視の途中、この作業を見かけた小松田は、気のいいことに手伝いを申し出てくれたのだ。
巡視はいいのかと首をひねらないでもないのだが、そこはあえて突っ込まず、好意に甘えている。
「いや、なんか今、表門のほうで……」
「表門?」
「あー!駄目です籠をそんなふうに持っちゃあ!」
一応、忍術学園の門番というべきこの人にも伝えておくか、と口を開きかけた竹谷の言葉をさえぎるように、
悲鳴が毒虫小屋を震わせた。
「ほえ?」
「蛹が水かぶるでしょうが!」
駆け寄ってきた伊賀崎が、小松田の手から籠をひったくる。こうするんですよ、と持ち方を指導する
伊賀崎を待っているうちに、今度はもう少し遠くから甲高い悲鳴が聞こえてきた。
「竹谷先輩!さそりが逃げましたああ!」
「なにー!」
「孫次郎、カメムシ踏むよ!」
「雷こわいよー!」
がらがらと鳴り響く雷鳴に泣き声が混じる。頭とへそを抱えて座り込んだ四つの小さな頭上で、
激しい稲光が瞬いた。
きゃーっと甲高い悲鳴が、いっせいに上がった。
恐慌をきたし、広い敷地内をてんでばらばらじょろじょろと逃げ惑う、生物委員の一年生達を回収すべく、
竹谷も慌てて走り出す。
どうしてうちはチビばっかりなんだ、と、思わず何かを呪う竹谷の頭から、先ほどの表門の騒ぎは
すっかり抜け落ちていた。
232当世忍たま恋愛事情38:2008/04/23(水) 00:13:04 ID:wEEFimQh
生い茂る木々にさえぎられ、豪雨は届かないが、流れ落ちる雨水に山肌は泥土と化し、必死に走る
足をすくった。
もうどこまで上ったのだろう。すでに中腹か、未だ山裾か。距離も時間も、すでに飛んだ。今自分が
どこにいるのかさえわからない。
星影も月影も、かけらも浮かばない文字通りの闇夜。闇に鍛えた目にも映るのは、前方を走る人影の
まとった蓑が、わずかに跳ね返す水滴のみだ。

後ろも振り返らず、黙々と走り続ける文次郎を追い、いい加減に戻らんかー、と追ってくる教師の気配に
怯えながら、そうこは忍術学園の裏山を駆け上っていた。
雨中行軍の名目は嘘ではなかったらしい。学園を出たその足で、わき目もふらず山へ突入した文次郎は、
ぬめる泥道に滑ることもなく、ほとんど足音すら立てていない。
衣装も足元も、しっかり装備を整えてきたのだろう。
自分が引き離されることなく追えるのは、おそらく相手が随分速度を落として走っているからだ。
この雨と闇の中、追って来る下級生を少しは気にしてくれているのかと思ったら、嬉しいよりも
申し訳ない気分になった。

多分、また迷惑をかけている。せっかく謝ったばかりだというのに。
自分でもバカなことをしているとは思う。
この場は邪魔せず、戻ったほうがいいのかもしれない。だがどうしても、戻る気になれない。
意地でも根性でもなく、ただ純粋にあの時の、文次郎の顔が気になった。

泥に足をとられ、体がよろめいた。立ち木に手をかけ必死に体勢を保つ。すぐ脇を、川がどうどうと
流れていく音が聞こえた。
いつの間にか崖に差し掛かっていたようだ。この雨で随分水かさも増しているらしい。落ちたら大変だと
気合を入れなおす。
泥まみれの足を踏ん張り、乱れた息を必死で整えるそうこのはるか前方で、濡れた蓑が足を止めるのが
かすかに伺えた。
「潮江。駆け落ちか」
濡れた闇の奥で、からかうような声が聞こえた。
確かに後方にあったはずの教師の気配が、いつの間にか前へ回っていたことに、少なからず驚く。
ばらばらと小枝を打つ雨音に混じり、俺は関係ないです、と、低い声が聞こえた。
「どう見たってお前を追っとるじゃないか。無断外出は懲罰もんだぞ。止めてやれ」
「俺は外出許可とってます」
「ほれくのいち教室のも。もういい加減もどれ。自分で戻れば山本シナ先生も、ちょっとは目こぼし
してくれるだろ。いそがんと小松田君が来るぞ。そしたらもう言い訳もできん」
「や、です!」
前方の二人に比べて、上がった息や切れた声が恥ずかしい。
滑る木の幹にしがみつき、懸命に叫んだそうこに、二つの呆れた吐息が返った。
「どうする」
「知りません」
「だがこのまんまだと、ありゃ風邪引くか山道転げるかした上に、シナ先生に大目玉食らうぞ」

ふっと前方の気配が消えた。
声も息遣いも足音も、水滴を滴らせる蓑も消え、闇と風と雨と雷鳴だけになる。
一瞬、夜の山道に一人取り残されたような錯覚に陥り、そうこの背中を雨とは違う冷たさが走った。
次の瞬間目の前に、傘をまとった文次郎の顔が、闇からにじみ出るように浮かび上がった。
233当世忍たま恋愛事情39:2008/04/23(水) 00:15:22 ID:wEEFimQh
反射的に上がりかけた悲鳴を無理やり飲み込む。
雨の中だというのに、からからに乾いた喉をひくつかせるそうこを据わった目で睨むと、
文次郎はまたいらいらと舌打ちした。
「このバカタレが。むちゃくちゃするんじゃねえ」
「あんたに言われたくない!」
「とっとと戻れ。ついてくんな、迷惑だ」
「わかってるけど!話が、まだ終わってないもん!」
「くのたまぁ!悪ふざけもいい加減にしやがれ、校則犯してまでするほどのことか!大概にせんと
そろばん背負わせて川に沈めるぞ!」
闇の中でさえはっきりわかる三白眼が、泥川と化した道を踏みしめじりじりと近づいてくる。
崖に張り出した木の幹にしがみついたまま、そうこもつかまらないようにじりじりと足を動かした。
背中を荒れた川音が打つ。蓑にあたるのは雨か、しぶきか。
落ちる気か、と吐き捨て、蓑の向こうから伸びた手が、容赦のない力でそうこの腕をつかんだ。

「あんたはいい男なんだから!」

ずるずる滑る木の幹に爪をたて、必死に叫んだそうこの声に、文次郎の動きが止まった。
胡乱に睨む目に負けず、睨み返してなおも叫ぶ。
「確かにずれてるしばかモンだし情緒はないし女心わかんないし、たまになに言ってんだかもわかんない
暑苦しくて鬱陶しいどうしようもない男だけど、でもそこがいいんじゃない!」
つかまれた腕が、ひどく痺れる。指の一本一本が肌に食い込むようだ。
濡れて冷えた体の中で、ただ一つ熱いその感触に、鼻の奥が痛くなる。雨とは違うもので視界がにじんだ。
「あたしは、そういうところが好きなんだから」
でも、ここで泣いたら絶対駄目だ。わからないけど負ける気がする。負けてはいけない何かに負ける。
丹田に力をこめて気合を入れ、腹の底から声を出す。
「……だから、惚れる女がいないなんて、言わないでよ!」

厚く重なる枝と葉の隙間を縫って、頭上を雷光が一閃した。
駆け落ちじゃなくて痴話げんかか?と、呆れたような声が闇の中から聞こえた。

傘の向こうで、見開いた三白眼が硬直している。
腕をつかんだ手も硬直している。骨まで軋むような力に泣きたくなるが、耐えて睨んで唇をかむ。
文次郎の口元が歪んだ。だが笑みを作ることはなく、ただかすかに震えて引きつっただけだ。
濡れた木の幹からそうこの指が滑り落ちたのと、水を含んでもろくなった崖の土が崩れ落ちたのは、
それとほぼ同時のことだった。

疲労で張った足が宙に投げ出される。浮遊感に髪が逆立ち、視界の隅を濡れた傘が舞った。
腕をつかんだ力が限界まで強まった。なにが起こったかわからないうちに、びしょ濡れの蓑に体が
押し付けられる。腕をつかんだ力が消え、すぐにかわって背中に回る。
頭の先から川の音が聞こえ、なぜか足元から雨粒が降りそそいだ。
遠ざかっていく視界に、黒々と浮かぶあれは崖の輪郭か。
風雨と闇の向こうで、縄が風を切る音が聞こえた。自分の体の、驚くほど間近から、濃緑の忍び装束を
まとった腕が伸びる。
だがそれが縄をつかむ前に、そうこの体は荒れ狂う川の中へと沈んでいった。
234当世忍たま恋愛事情40:2008/04/23(水) 00:17:54 ID:wEEFimQh
夕食も風呂も終わった宵の口。後はちょっとぐだぐだしたら、布団にもぐって寝るだけだ。
外は、晩秋のこの季節には珍しい、天の底が抜けたような大雨だ。さすがにこんな日には外へ出て、
自主トレをする者もいない。
誰もが部屋に閉じこもって、呑気な忍たま生活を楽しむばかり。
先ほどどこかの四年生が、くないやら板戸やら、穴掘り道具を山ほどかついで校庭のほうへ出て行った
くらいだ。
そんな、ちょっと自堕落な空気をひっくり返すような騒音が、忍たま長屋の廊下に響き渡ったのは、
三年ろ組の富松作兵衛が布団に寝転がりながら、ちょうど南蛮菓子を口に入れようとしたときだった。

「大変だ大変だー!……あ!南蛮菓子!」
「わー!駄目だぞこれ、一個しかないんだ!委員会の後輩にもらったもんで」
「ケチくせえな!いや、それはさておき大変だ!」
部屋の引き戸を押し開いて顔を突っ込むなり、叫んだり驚いたり忙しいのは、三年は組の浦風藤内だ。
風呂上りらしく、寝巻き一枚の格好だ。組違いの生徒が夜に長屋へ来るのも珍しいが、それ以上に
その慌しさに驚いて、富松は布団の上に体を起こした。
もちろん南蛮菓子は、枕の下に隠す。
「で、なに騒いでんだ?」
「なんかこの天気に学園の外に出て、行方不明になった生徒がいるらしいんだ!」
勢い込んで叫ぶ藤内の言葉に、富松の目がぎょっと見開かれた。
なおも何か言いかける藤内を置き去りに、蒼白になって立ち上がると、わたわたとあたりを見回す。

「三之助ー!」
「おう、なんだなんだ」

背後から軽く返った声に、富松だけでなく藤内もわっと悲鳴を上げた。
部屋の片隅、行灯の明かりもよく届かないような場所で、腹ばいになったろ組の次屋三之助が、
ぽかんとこちらを見上げていた。
床板に直接寝転んだその周りには、教科書や資料らしき本が何冊も散乱している。
「あれ!?」
「なんだ?俺ならずっとここにいるだろ。お前さっきビスコイトくれたじゃん」
「あ。すまん、焦りすぎて忘れてた」
「お前まで物忘れかよ。俺だけで充分だろ」
「なに、ビスコイト!お前一個しかないって言ったじゃん!」
「こいつにやったから一個になったんだよって、違うよ問題はそこじゃねえよ!」
じりじり部屋に入り込んできた藤内から、身を挺して南蛮菓子をかばいながら、富松は再度、
辺りを見回した。

「左門ー!」
「呼んだかああー!」

バリーンと派手な音を立て、天井板が踏み抜かれた。
天井の闇から、埃とともにぬっと突き出た裸足の足に、部屋の三人が同時に悲鳴を上げた。
ごそごそと足が引っ込む。代わりのように同じ穴から、今度は逆さまに人の頭が出てきた。
行灯の暗い明かりに照らされ浮かぶ、埃まみれの神崎左門の顔に、富松は思わず手元の枕を投げつけた。
235当世忍たま恋愛事情41:2008/04/23(水) 00:20:09 ID:wEEFimQh
「何やってんだお前は!」
「風呂から長屋への近道探してる!……あ、南蛮菓子!」
「やらんぞ俺んだ!」
「風呂入った意味なくね?」
「ケチ!」
「ケチだよな。分けろよ!割れよ!」
「やだよ!てかうるせえよ!前から思ってたけどこの話台詞が多いんだよ!」
「仕方ないじゃん、人数多いんだから」
「何人出せるか限界に挑戦中!」
「作兵衛、もう食っちゃえばよくね?」
「お、三之助は勉強か!偉いな!」

天井裏からぶらぶらと、不安定に半身を揺らして笑う左門に、次屋がうーんと首をかしげた。
「えらいっつーか、ほら俺、今なに忘れてるかもわかんねえから。ちゃんと復習しとかないと」
あちこち変なところで記憶が途切れてるからさあ、と自分の頭をさする次屋の姿に、見守る三年生達の間を
微妙な空気が流れた。
しばしの沈黙の後、藤内がぎくしゃくとうなずく。
「あ。えーと、やっぱまだ、思い出せないことあるんだ?」
「おう。秋口にさ、用具委員の食満先輩の、講習会に行った?らしいことは覚えてんだよ。でもあの前後
一週間くらいの記憶が、どうしてもはっきり思い出せない。授業で習ったこととかも飛んでるし、参るわ」
「……まあ、いいんじゃね?勉強はやりなおしゃいいだけだし」
「うん。世の中には、忘れたほうがいいこともあるし」
ちらちらと目配せしあい、うなずく同学年たちに気づかず、次屋はさらに首を傾げた。
「そうか?まあ勉強は火薬委員と生物委員の五年生が、えらく親身に教えてくれるけど……あの二人が
投げたほうろく火矢が当ったせいって本当か?覚えてないなあ」
「うん。思い出さなくていいって」
「でも五年の鉢屋先輩は変な目で見るし、七松先輩は早く思い出して勝負しようとか言うし、なんか
不気味でなあ。山の中さまよってたような気もするし、俺いったいなにが」
「考えるなって!」

必死で首を振ってから、富松ははたと目を瞬かせた。
次屋を見つめ、天井からぶら下がる左門を見上げ、後ろからそっと南蛮菓子に手を伸ばしていた藤内の
手をはたき、もう一度部屋の中を見回す。
「……あれ?じゃあ、行方不明になったのって誰なんだ?」
首をかしげたその背後で、またもやばたばたと慌しい足音が響き渡った。
振り返る間もなく開けっ放しの戸口から、また一人、転がるように飛び込んでくる。
「たたた、大変だああ……あ!南蛮が」
「俺の!」
「おお?どうした数馬」
は組の同級生の姿に、藤内が軽く手を上げる。物欲しげに南蛮菓子を見つめていた三反田数馬が、
はっと藤内を見返した。
「大変だ!は組の部屋が毒虫に占領された!」
「なにー!?」
「この雨で飼育小屋が流されたとかいって、い組の孫平が……わああきたあああ!」
「おーい、ここにも非難させてくれー……あ!なんば」
「どいつもこいつも俺んだつってう、うわああああ!」
頭の先から足元までずぶ濡れになり、両手に何かの幼虫がうぞうぞ蠢く籠を重ねて抱え、頭上に蛇を、
肩に無数の蛙を乗せた伊賀崎孫平の姿に、本日最大級の悲鳴が三年長屋にこだました。




236名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:28:16 ID:JmZ/eKQQ
続きキター!!!!
今回も面白かったよにっきのひと!
237名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:59:59 ID:zV0V2Ia1
GJだ
238名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 19:32:11 ID:yd2CYRtu
GJ!!!!!

っくー! 良い!
てゆかここにリアルタイムで居られることに幸せすら感じる!
239名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 00:06:07 ID:UvqZDaMM
おおお… 息を詰めて読み入ってしまった。
最早エロパロの域を超えとる…
次回も期待してます!!
240名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 01:24:16 ID:O1jzB0ZR
出始め作法かと思ったらw
富松良いよ富松
241名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 02:08:34 ID:1q8eWoMi
いいね。いいね。
242名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 02:44:58 ID:I0cBYz/W
本当に日記の人の作品が読めるこのスレに出会えた事を幸せだと思う!
映像化したいくらい描写が丁寧で毎回感動します!!
続きまってる!GJ!!!
243名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 22:14:39 ID:V+7XZkJn
映像化…?



南極三号さんをも…?
244名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 00:37:20 ID:XGnzHVWb
潮江がかっこよくみえてくるぞ。
245名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 01:26:27 ID:qEBjEtAW
映像化て聞いて思ったんだけど
ここの小説読んだり話考えたりする時ってアニメとか原作絵で想像する?
246名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 11:43:53 ID:8EU/IKUc
そのSSの雰囲気によるけど
アニメの頭身UP&若干美化の併せ技といったところか
247名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 14:22:57 ID:5AVSZdVF
いやそのままだよw
248名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 22:48:50 ID:bc4DoHWp
全員ハンサム作画で想像してるw
乱きりしんのみ通常モード
249名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 22:20:48 ID:58zDHSX4
杭瀬村の外れの、広大ならっきょう畑の真ん中に、大木雅之助の家はあります。
忍術学園の先生を辞めた後は一介の農家のおじさんとして生きている彼に家族はいません。
まあ、ペットのうさぎはいますけれど。
「あーあ、暇じゃのう。」
今日は雨。
水の管理さえしっかりしていれば、仕事はしなくてもいいのですが、身体を動かすことが大好きな彼にとって、こういう日は苦痛以外の何者でもありませんでした。
唯一できることといったら、うさぎのラビちゃんに餌をやるくらいなもんです。
仕方なく、いつもは適当にざくざく切って与えるにんじんを、今日は細工を加えてやることにしました。
「ほうれ、こっちは星型の奴。こっちはクナイ型だ。」
ごつごつした手から生み出されたとは思えない、精巧な形が作られています。
もし、これをあげる相手が子供や女だったら、なにかしろのリアクションをとってくれるものですが、ウサギ相手では何もおきません。
せめて犬やネコみたいに、鳴く動物だったら、それでも慰められたものですが……。
無感動のペットの頭を撫でた後、雅之助は板間に大の字に寝転びました。
外の雨の音は大きく、安眠妨害になりそうでしたが、その心配は、どうやらいらなかったみたいです。
ほどなく、彼はぐうぐうと鼻ちょうちんを膨らませて眠ってしまいました。
250名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 22:39:10 ID:58zDHSX4
「雅之助様、雅之助様。」
どれほど、眠ったでしょうか。次第に浮上してきた頭に優しい何かが語りかけてきます。
「雅之助様、起きて下さいまし。」
頬を軽く叩かれ、意識は更に鮮明になってゆきます。
ただ響くだけだった音も、それが女の声だとわかるほどになりました。
雅之助は用心深く目を開きます。一瞬白くなった世界はやがていつもの色を取り戻し始めました。
「ああ、おきてくださいましたね。」
目の前に座っている女は、にっこりと肉厚の頬を上げて目を細めました。
「お前はだれだ?わしの家に勝手に上がりこんで。名前を名乗れ。」
「いやでございますわね、わかりませんか?」
小さく赤い唇に手を当て、上品に声を立てて笑います。
肌は爪の先まで白く、背中の辺りまで伸びている濡羽根色の髪の毛がよく映えています。
少し太めですが、抱きしめたら気持ちがいいことでしょう。
訝しげに睨んでいる雅之助に、女は更に微笑み、答えました。
「私は、貴方にお世話になっている、ウサギのラビでございます。」
雅之助の口から、空気が抜けた音がしました。まあ、正常な大人でしたら、そういう反応をしますよね。
「おいおい、わしをからかうとはどういう了見だ。ウサギが、ラビちゃんが人間になるものか。」
「あら、ひどい。もう長い間、一つ屋根の下で暮らしてきたというのに。」
袖で顔を隠すと、女はよよと泣き崩れます。
ちらりと隙間から見えたその大きて吊り上った瞳の端に、光るものがありました。
「私はウサギ。ネコや犬や鳥と違って、感謝の意を貴方に示すことも出来ず、日々苦悩に満ちていたというのに。」
ぼさぼさの、手入れの行き届いていない髪が生えた頭を、雅之助は引っ掻きます。
「十三夜、月光に照らされれば人間になれると聞き、それを試して貴方にお礼をしに来たらこの有様。ああ。」
女の声は一際大きくなります。顔をうつむけ、身体を震わせて泣くその姿は哀れ以外の何者でもありません。
さすがの雅之助も、少しかわいそうになってきました。
「わかったわかった。お前がうちのラビちゃんだということは信じよう。で、どういった礼をしてくれるのだ。」
肩に手をやり、そこそこ優しい声で尋ねると、彼女はがばりと顔を上げて笑いました。
251名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 23:03:45 ID:58zDHSX4
「はい、昔からこういう礼は嫁になるというものがつきものでございますゆえ、ぜひ私を貴方様のお嫁にしてもらいとうございます。」
くるくる変わる表情に、雅之助は少しついてゆけなくなりました。なにせ、うさぎの時は無表情でしたからね。
「いや、いきなり礼と言われても困るな。まずお前を嫁にするには祝言を上げねばならないが、あいにくうちには銭がない。」
次第に近づいてくる彼女に尻込みしながら、雅之助は答えます。
若い二十代の頃だったならば、こういった手合いを簡単にあしらう事が出来たのですが、
世の中を知るうちにそういう冷たい行為ができなくなっていました。
「祝言などいりません。私は今すぐ貴方の嫁になりたいのです。」
「祝言はいらんとな。しかしな、わしは農家のおやじだ。
今まで遊んでいたお前が、畑仕事などできるわけがない。」
「畑仕事はきちんと覚えます。ですから、どうか。」
女は手を伸ばすと、畑仕事で荒れた雅之助の指をいとおしげに撫でました。
肌理の細かい皮膚の感触に、思わず身体がぞくりと震えます。
「わしは三十をとうに過ぎ取る。そんな男のところに嫁に来ても後々大変なだけだぞ。」
「苦労なんて、貴方に感謝の言葉すら言えなかったことに比べれば取るに足りません。」
指を絡ませ、深く握ると女は雅之助の太腿に頭を乗せます。
艶めく黒髪が素足に掠り、くすぐったいやら気持ちいいやら、思わず息を呑みました。
「貴方様が答えをくれぬというなら、私も考えがありますわ。」
女はそう呟くと、握っていた手を解いて、雅之助の帯に手をかけます。
「おいおい、はしたない。」
そう止めに入りますが、女は遠慮なしに袴を下ろし、褌を解いて陽物を引っ張り出します。
「まあ、ご立派。」
そそり立つものは、子供の腕ほどの太さと長さがあります。
女は感嘆の息をつくと、先端にその厚い唇をつけました。
「おいおい……。」
制止を振り切り、下をちらりと出すと先の割れ目をなぞります。
滲み出ていた滑りをいとおしげに拭き取ると、下へと移動しました。
「うむっ……。」
根元まで丹念になぞり、下の袋を揉み解しながら、今度は亀頭へと這い上がり、膨らんだその部分を口に含みました。
じゅうじゅうと舐り、軽く歯を立て、喉につくほど飲み込みます。
「ああ、まて。」
急激な変化を感じた雅之助は女の顔を上げさせます。
「わしは口でイくよりは、股の方がいい男でな、ぜひ、そこに入れさせてくれ。」
「はい、わかりましたわ。」
女は口を離すと、着物を捲りました。
むちむちとはち切れんほどの白い太腿と共に、柔らかな陰毛に覆われた部分が現れます。
ごくり、と音が周りに聞こえるほど生唾を飲み込むと、雅之助は唾液で光る陰茎をつかんで女の足の間に身体を押し込みました。
252名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 23:17:37 ID:58zDHSX4
お月様が金色の光を雨で濡れた木の葉に振り掛けます。杭瀬村は、今日も静かな夜を迎えています。
ぐわぐわと蛙の声が聞こえる中、一人の男が走っていました。
彼は広大なラッキョウ畑を駆け抜け、真ん中にある小屋へ入りました。
「大木先生、大丈夫ですかな。」
「おお、山田先生、このとおり無事ですわ。」
山田先生はゆっくり頷いた後、雅之助の足元に転がっている女に目をやりました。
「オシロイシメジの忍者ですな。」
縛り上げられた女は薬で眠っているのか、身動き一つしません。雅之助はがははと大声で笑います。
「わしが密書を持っているとわかったというのはえらいが、その後がいけなかったな。」
そう言い聞かせるように声を出した後、懐から油紙に包まれた手紙を取り出して山田先生に渡しました。
「いい女だが、もっとわしのどこんじょう棒に耐えられるようにしておくべきだったな。
四回目で失神しおってからに。」
雅之助は土間に置いている甕に目をやります。この甕は収穫したらっきょうを入れるものですが、最近は使っていないのです。
蓋を開けて中に閉じ込められていたラビちゃんを救出すると、うりうりと鼻先をくっつけあいました。
「大木先生、あんたもうちょっと警戒心もってくださいよ、全く。」
山田先生は苦笑いでペットと遊ぶ元教師を眺めていましたとさ。

終わり
253名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 23:52:20 ID:o5gVfmeo
おおお…
これはGJと言わざるをえない
254名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 00:30:35 ID:eCCd2eWB
どこんじょう棒wwwwww
クソワロタwww
255名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 00:58:08 ID:WpEGrGs6
GJ!GJ!!GJ!!!

どこんじょう棒...4回って、すごいな(
256名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 12:12:42 ID:LHmc74rs
うぉお…GJ!!
257名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 22:53:05 ID:P3vpzIM9
日曜の夜になると…来ちゃうんだ。(・ω・`)



今週も頑張ろう…
GJなもの、ありがとう
258猪名寺夫妻1:2008/04/29(火) 18:24:11 ID:+CQY5QZc
にっきの人がくるまでのおつまみに投下させてもらいます。


月の高く昇った夜半。
ふと目が覚めた平之介は、乱太郎が布団を蹴飛ばしていやしないかと心配になって、左隣の布団に手を伸ばした。
しかし、掌に触れた感触は予想していた子供の体ではなく、肉付きのよい女の手のそれだった。
驚いてはっとそちらを見る。
「あら嫌だ、父ちゃんもなの」
見慣れた妻が微苦笑を浮かべていた。
そしてようやく、彼は乱太郎の休暇は昨日で終わったのだと思い出した。

一人っ子のせいか、乱太郎は年のわりにまだまだ甘えたところがある。
家にいる間、夜は必ず平之介と妻と川の字になって眠っていた。
窓から差しこむ青白い月明かりに薄ぼんやりと浮かび上がる部屋の風景。
物足りなさそうな顔をして、二つきりの布団が敷かれていた。
「分かっちゃいるけど、やっぱり寂しいもんだねえ」
見えない息子の背中をさするように中空で手を滑らせて、妻はごろりと寝返りを打った。
この十年余りで見違えるほど貫禄のついた背中が、すすり泣いているように見えた。
十月も自分の胎内で育て腹を痛めて産んだ分、母親というのは父親以上に子供と離れがたいものがあるらしい。
平之介は、しんみりと溜め息をついた妻の肩を抱き寄せた。

自分とて、寂しいのは同じだ。
だが、彼女を慰めてやれるのは自分しかいない。
ぱさぱさした油気のない髪を撫で、彼は出来るだけ優しく言った。
「まあまあ。乱太郎だってもう十にもなる男の子なんだ。
わしらが思ってるよりずっとしっかりやっているさ。
こっちはこっちで新婚時代に戻ったと思えばいいじゃないか」
「父ちゃんは男親だからそんな薄情なことが言えるんだよ」
予想通りの答えが返ってきたが、体に回された腕を振り払う気配はない。
平之介は、片手をそっと彼女の胸元に忍び込ませた。
「よしとくれ。今日はとてもそんな気にはなれないよ」
首を振った妻に構わず、指先で探り当てた果実のような丸い粒をつまみとる。
親指と人差し指で挟んで、こよりをよるようにこりこりと弄っていると、そのうち固くなってきた。
体全体が、先ほどより温かみを増したのが分かる。
言葉でねだる代わりに耳たぶをしつこくしがんでいると、根負けしたように彼女はこちらを向いた。
「いけない人だねえ…」
259猪名寺夫妻2:2008/04/29(火) 18:27:40 ID:+CQY5QZc
はだけた着物から、豊かな乳房がまろび出ている。
鞠のようなまん丸。
見事な曲線が描き出す迫力は、何度見ても飽きるということがない。
磁力に吸い寄せられたように、平之介はその豊かな膨らみに触れた。
それは、丹精こめて耕した畑の、ふかふかした畝にも似ている。
豊かな実りをもたらす大地にもし性があるとすれば、間違いなく女だろう。
そんなことを考えながら、たわわな乳房をむにむにとこね回す。
掌に到底収まりきらない柔らかな肉が、五本の指のそれぞれの間からはみ出していた。
乳首を舌に絡めるようにころころとしゃぶり転がし、ごく軽く甘噛みすると、熱い粒から返ってくる弾力が心地よかった。

妻は、体型こそ新婚時代とは随分変わってしまったが、手触りのよいもち肌はそのままだ。
どこを、というわけでもなくあちこち撫で回して、とうとう内股に触れる。
行きつ戻りつさせた指が、温かいぬめりでつるつると滑った。
「母ちゃん、気持ちよくなってくれてるのかい」
返事の代わりに、か細く甘い溜め息が聞こえた。
平之介は妻のふくよかな腹に頬擦りし、臍の下の茂みに鼻先を埋めるようにして、
これまでに何度となく愛した場所をしげしげと眺めた。
視力の弱い彼は、暗い場所ではますますものが見づらくなる。
忍者としては致命的な弱点。息子にも遺伝してしまったことを申し訳なく思いながら、目を細めてさらに顔を近づけた。
肉厚の陰唇は、火にくべた二枚貝のようにぱっくりと開いて、美味そうなつゆをこぼしている。
ここから大切な一人息子を生んでくれたのだと思うと、ますます愛しく感じられた。
「もう…そんなところあんまり見ないでおくれよ」
「何、きれいじゃないか」
指で左右に広げ、尖らせた舌先で中をくすぐる。
「ふふっ、こそばゆいったら…ぁん!」
さねに髭の剃りあとが当たると湧きだす、くすぐったさと表裏一体の快感に、
彼女の腰の後ろ側からは力が抜けて、代わりに足の指先に力が入り膝の間が閉まった。
悦びに赤く膨れた女芯は、触れたらぱちんと弾けそうでさえあった。

彼女はしばらく平之介のなすがままに身悶えしていたが、ふいに少し頭を起こした。
暗がりの中にいるせいか、うっすらと笑みを形作った唇といいわずかに潤んだ目といい、
いつになく陰のある色っぽさが浮かんでいるような気がした。
「あたしにもさせて頂戴な」
そう言って、彼女は平之介の股間に手を伸ばす。
熱を放つそこは、痩せてくたびれた体の中で一点だけ不釣り合いなほど逞しく天を衝いていた。
少しばかりかさついた掌が、力強く押し返してくる弾力を確かめるようにやんわりと握り込む。
幾度か手を滑らせてその感触を楽しむと、彼女は両の乳房の間に平之介の陽物を挟み込んだ。
奇跡のような柔らかい圧迫感にみっちりと隙間なく包まれ、彼は思わず感嘆の声を漏らした。
刺激自体は弱くもどかしいのだが、視覚への衝撃ははかりしれないものがあった。
肌がほのかに色づいているせいで、熟れた巨大な桃が二つ乗っかっているようにも見える。
片方の手で肉袋をふにふにと悪戯しながら、谷間からのぞく亀頭を舌で
つんつんとやられると、目の前に火花が散って尿道が焼けつくような刺激に襲われた。
「おぁあ…いい、すごいよ、母ちゃんのおっぱい…」
先端に漏れ出た先走りが伝ってぬるぬると滑る至極の感触。
久しぶりであることも手伝って、危うく「本番」に行きつく前に
射精しそうになったが、なんとか持ち堪えて男の面目を保った。
260猪名寺夫妻3:2008/04/29(火) 18:31:06 ID:+CQY5QZc
「なあ母ちゃん…もうそろそろいいだろう?」
「うふふ、堪え性がないねえ」
平之介が耳元でねだると、そう言いながら彼女も頬を紅潮させ喜色を浮かべて体を起こした。
そのまま背中から押し倒し、むっちりとした太腿を掴んで広げさせた。
匂い立つような女の肉が再び露になる。
充血し、艶やかに濡れた花弁に覆われた秘裂に亀頭を押し当てると、
奥の方が期待で一瞬きゅん、と緊張したのが分かった。
平之介のために潤んだそこは、絶妙の摩擦を与えながらするすると彼を迎え入れた。
根本まですんなりと、誂えたようにぴったりと収まる。
「はぁ…っ、やっぱりここが一番だな」
若い頃くの一として体を鍛えていたおかげだろうか。
現役を退き子供を産んでもなお、その括約筋は衰える気配がない。
自身を優しく貫いているものを熱く蕩かすように締めて、締めて、緩めて、締めて、緩めて…と繰り返す。
平之介が一番「よい」と思うリズムを完全に把握しているようだった。

息を弾ませ、若い恋人同士のように五本の指を全部絡めて手を握りあう。
「母ちゃんよ、わしは母ちゃんみたいないい女、他に見たことがないよ。
いくつになっても可愛くて、気立てがよくて働き者で料理がうまくて…ここの相性も最高でなあ…っ」
「当たり前じゃないか。父ちゃんほどの男には、あたしくらい出来た女じゃなきゃ釣り合わないだろ」
もし乱太郎がこの場にいたら、聞いている方が恥ずかしいと、
耳を塞いで押し入れにでも逃げ込みたくなってしまうだろう睦事を交わしあう。
突くというより内壁に押し付けるようにしながら腰を軽く回すと、
彼女は体内にじわっと染み込む甘い痺れに恍惚として目を細めた。
尻が自然に持ち上がり、平之介をますます奥深くへと誘いこむ。

「あぁ…平之介さん…」
耳に届いた切なげな喘ぎに、平之介ははっとして顔を上げた。
随分と久しぶりに名前で呼ばれた気がする。
乱太郎が産まれてからずっと、二人は「父ちゃん」と「母ちゃん」だった。
しかし、親であると同時に一人の男であり女なのだということを、彼女の呼びかけが思い出させてくれた。
柔らかな腕が伸びてきて、平之介の体を抱擁する。
「母親」に包まれる感触というのはいくつになっても心地よいものだ。
「好き、好きよ、平之介さあんっ」
「わしも…いや、わしの方が百倍も、千倍も好きだからな!」
腰の動きに合わせて重たげな胸も揺れ、布団の上に広がった髪が波打つ。
平之介は妻の顔を両手で包みこむと口づけをし、名前を呼んだ。
その腰に彼女の足が絡みつき、と同時に追いかけあうような二つの息遣いに
合わせてどく、どく、と温かいものが子宮を目がけて流れ込む。
「あぁっ、ん、平之介さん!もっといっぱい濃いの注いでぇ!」
膣奥で弾け溢れかえった愛しい男の精液に体の中から溶かされていくような錯覚をおぼえ、彼女は嬌声をあげた。

そうして平之介の射精が終わった後も、二人はしばしの間繋がったまま
ぴったりと肌を寄せあい、共に迎えた絶頂の余韻を味わっていた。
261猪名寺夫妻(最後):2008/04/29(火) 18:32:09 ID:+CQY5QZc
無意識にか、妻が腹の上に置いた手に、平之介は自分の手を重ねた。
夫婦として結ばれて十一年、乱太郎が生まれて十年。
ここいらで二人目が出来ても悪くはあるまい。
生活は決して楽ではないが、家族は多い方が賑やかでいい。
乱太郎は優しい子だから、きっとよいお兄ちゃんになるだろう。
開け放した窓から、伸び盛りの青々とした稲が夜の風に吹かれて揺れる音がかすかに聞こえてくる。
「幸せ、だなあ…」
忍者としては大成出来なかったが、毎日額に汗して耕す畑があって、
愛する妻子がある、こんな地道な生き方も捨てたものではない。
平之介はしみじみと呟き、妻の柔らかい体を抱きしめながら安らかな眠りについた。

<終>
262名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 18:33:13 ID:+CQY5QZc
>>251->>252
どこんじょう棒wwwww
作者のセンスに嫉妬wwww
263名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 18:49:09 ID:D88+oeoN
>>258->>261
GJ!!
猪名寺夫婦は仲良しだな!
すごい幸せな雰囲気で、
なんか読み物としても良い感じですた

ゴチです
264名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:39:21 ID:xOeYSsW1
>>258の人乙です!!!
ほのぼのしていて幸せな気持ちになれました
ぜひまた投下して下さい
265名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 01:34:35 ID:+vkR/LKu
猪名寺夫妻すてきです。。。


結婚、したいなぁ。。。。。。
266名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 08:26:44 ID:OFthIjMu
>>258
GJ!
猪名寺夫妻ラブラブでかわええw
忍たま界一の理想の夫婦ですね
267名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 19:58:11 ID:odBWW5hZ
猪名寺夫婦の仲のよさはもちろん、弟が出来たときの乱太郎と猪名寺家族を想像したら禿げた。毛根全滅した。
>>258GJ、超GJ
268名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 22:13:50 ID:kkArngSI
遅れたが日記の人GJ!
そして他の職人さんもGJ!

もう色々とwktkが止まらないww

所で、二年×くのいちをやってみようと思うんだが。
今回はあの三人じゃなく、四郎兵衛と絡ませたいと思ってるんだが。

需要あるのかな?
269名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 23:42:57 ID:NAeO02pP
>>268
書いてください。めちゃ興味あります
270名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 23:49:11 ID:Lw4CKbt+
需要があるから書くのではない。
書いたものに需要を見出させるのだ。
それが職忍クオリティ。

にんたまは王道カプってもんがないから、
自分は予想外の組み合わせほどわくわくするんだぜ。
要するに、書いてくれたら大喜びです。
271名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 01:25:58 ID:Gqg02CUU
270>>
良い事を言って下さいました。
喜車の術か!?
ならば自ら掛かろう。

次回、四郎兵衛×くのいち。


272名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 01:27:20 ID:udOb67WB
>>271に期待!!
273名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 17:14:59 ID:IvZqTflj
潮江と照代読みたいお
274名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 18:36:16 ID:Ht5hIrc7
>>270
良いこと言った!

>>271
オラわくわくしてきたぞ!
275四郎兵衛×しおり:2008/05/01(木) 19:02:42 ID:Gqg02CUU
日が昇っていますが投下します。

捏造100%。相手はしおりちゃん。
理由は何となくw
四郎兵衛はアホの子。


春のうららかな陽気に誘われ、くのいち教室のしおりは木陰で休んでいた。
青々と茂った緑の山が広がり、ぼんやりと過ごすのも悪くないと思い
芝の上でごろんと横になろうとした―――その刹那だった。

目の前に丸い物が飛び込んで来たと思った。
だがそれは時既に遅く、避けると言う選択肢を忘れてしまった。

瞬間、何かが爆発した様な音と共に、顔に焼ける様な熱さと痛みが走った。
ころりとその物体は下に落ちたと同時に、彼女はその衝撃に負け、ばたりと倒れてしまった。

地面を軽く弾き、そのまま彼女にぶつかった物体は転がって行った。
ひりひりと熱を帯びた顔を押さえ、怒りにわなわなと肩を震わせ、勢いよく立ち上がると

「誰よ!?バレーボールぶつけたの!?」

喉が裂けんばかりの怒声が響き渡り、虚空に木霊して行った。
その時だった。


草叢から微かな音が聞こえ、振り向くと青の制服を着た少年と目があった。
青と言う事は二年生だ。
真ん丸い目をぽけーっと見開き、まるで状況が掴めずに居る。
見ると手にはバレーボールが握られている。


そうか
こいつが犯人か

276四郎兵衛×しおり:2008/05/01(木) 19:03:36 ID:Gqg02CUU
にぃ、と愛らしい桜色の口元を邪悪に歪め、その表情はまるで獲物を見つけた狼の様だ。
少年はその様子が解らず、ただ首を傾げるだけだった。

「あんたね?あたしにバレーボールぶつけてくれたの。」
「ぅえっ?!ぼぼぼ、ぼくじゃないよぅ!」
「どもる所が怪しいわねぇ・・・?素直に白状なさい?そしたら逆さ貼り付けで勘弁したげる。」
「だ、だからぼくは違うよぉ!体育委員会でバレーやってたけど・・」
「やっぱりあんたじゃないの!!」

今にも飛び掛らん勢いで身を乗り出すと、ひっと小さく悲鳴を上げ、その場にしゃがみ込み
ぎゅっと目を閉じている。

その様子はさながら追い詰められた兎のようで、何処か嗜虐心をそそられる。
ふぅん、と含み笑いをし、一先ずは逃がしてやろうと考えた。

こいつは良い玩具になりそうだ。

「ねぇ、あんた、名前は?」
「ふぇ?と、時友四郎兵衛・・・・。」

そう力なく言う様子は、ユキ達が日頃からかってる一年生と何処か被る。
頼りなさそうな目、ぼけーっと開いた口。
他の二年生3人とは異なる雰囲気。

「あたしはしおり。今回だけは特別に許してあげる。」
「ほ、ほんと?!有難うしおりちゃん!」

途端、今にも泣きそうな顔がほころび、満面の笑みを浮かべている。
なるほど、如何にもお人好しで騙され易いといった所か。

にこにこと微笑む四郎兵衛と、何処か含み笑いを浮かべるしおり。

この瞬間、二人の間に奇妙な縁が芽生えた。

取り合えず此処まで。
続きはちまちまUPしていくつもり。

どうなる事やら自分でも想像つきませんwwww
277名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 00:27:00 ID:bR+C2A8c
期待しててよかった
しろべえカワユス
278名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 00:53:18 ID:4JS/shDZ
>>258
亀だが乙
エロパロで和むとは思わなかったw
279四郎兵衛日記:2008/05/02(金) 06:46:45 ID:LMNoQ5AF
お早う御座います。
四郎兵衛×しおりの者です。早速感想ありがとうw
取り合えず自分が持ってる四郎兵衛像=アホの子・ドジばかり・真面目・お人好し
何となくこんなイメージです。

にっきの人ほど神ではありませんが、その日の四郎兵衛日記。

今日ぼくはとても良い事があった。
いつもドジを踏んでしまい、七松先輩に怒られてしまうけれど、今日はそうじゃなかった。
今日はちょっとお遊戯じみた内容だった。

メニューは裏裏山フルマラソン・サバイバル隠れおに・塹壕もぐらたたき。
その後にバレーだった。
いつもより少しだけメニューが易しい。
もぐらたたきで何度も頭をたたかれ、ちょっと今でもひりひりする。
ぼろぼろになったけど、い組の川西左近くんが手当てしてくれた。

一年生の金吾くんは良くがんばってた。こうはいだけどその頑張りは凄いと思う。
三年生の次屋三之助先輩は、よくあらぬ方向へ行ってしまう。
今日も滝夜叉丸先輩に演習の時引っ張られていた。
七松先輩はいつも明るくて、でも怒ると結構こわい。あの体力、ぼくも欲しいな。
大変だけど、ぼくはこの委員会が大好きだ。皆いい人だし、後輩も可愛い。


280四郎兵衛日記:2008/05/02(金) 06:59:36 ID:LMNoQ5AF
終わりにバレーをやっていて、ぼくが最初のレシーブ役。
次屋先輩は真っ直ぐにとんでった筈のボールを、何故か右斜め45度の方向に向かっていった。
そしてそのままどこかに消えてしまった。
皆で探す事30分。七松先輩は「相変わらず方向音痴だなあ!」とごうかいに笑った。

バレーを再開。今度は次屋先輩がレシーブ。
滝夜叉丸先輩がトスをあげ、締めは七松先輩特有の「いけいけどんどんアタック」発動
なんで先輩って、飛びながらぐるぐる回転するんだろう。
ボールはあらぬ方向にとんでいき、どこかで物凄い音がした。
一番近くにいたぼくが取ってくる事に。

ボールは壊れてなく、無事にくさむらに転がっていた。
これでこわれたら、また用具委員長の食満先輩が乱入してくる。

戻ろうとしたらくのいちと目が合った。
みると顔が赤くなってる。どうしたんだろう?
281四郎兵衛日記:2008/05/02(金) 07:16:32 ID:LMNoQ5AF
そのくのいちはしおりちゃんと言う子で、しおりちゃんはどうやら七松先輩のアタックを
がんめんちょくげきで受けてしまったらしい。

でもぼくがやったと思われてしまい、しおりちゃんは物凄く怒ってしまった。
謝っても逆さ貼り付けの刑が待ってる。このまま謝らなかったらどうなっちゃうんだろう。
先輩、皆ごめんなさい。先立つふこうをお許し下さい。

そう思って心の中ではんにゃしんぎょうを唱えていたら、しおりちゃんはにっこりと笑っていた。
その笑顔はとっても可愛か(ry・何故か虫食い)
きょうは特別に許してくれるとの事で、ぼくはとても嬉しかった。
たすかった。
まだ胴と下半身は真っ二つに割られずにすんだ。
くのいちを怒らせる事はこの位は覚悟しなきゃならないって誰かが言ってた。

でもぼくは助かった。
この事を先輩達に言ったら、何故か物凄い勢いで心配された。
何でだろう?しおりちゃんはやさしい子だと思うんだけどな。

七松先輩も「良い出会いだな!これで四郎兵衛にも春の到来かな?」って言ってくれてた。
でも先輩、なんでぼくとしおりちゃんが出会ったら春がくるんだろう?もう春はきてるのに。
金吾くんはがたがたと震え、「時友先輩!ぼくは時友先輩がいなくなっちゃ嫌です!」と泣き付いてきた。
ぼくはどこにも行かないし、転校の話もないんだけどなあ。

その後、お祝いに何故かおまんじゅうをもらった。
桃色のおまんじゅうで、とっても美味しかった。
ぼくも貰うなら、しおりちゃんにも一つあげたかったな。

そんな事を言ったら、七松先輩に「おまえはかわいいなあ!」と撫でられた。
よくわからないけどほめてくれてるみたいで、嬉しかった。

明日も頑張ろう。
282名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 02:07:38 ID:RbNZzw+H
エロパロ板ってことを忘れるくらいに可愛いな!

私も四郎兵衛撫でたいよ
283名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 10:16:35 ID:2enlrQ8l
四郎兵衛かわいいよ四郎兵衛。

牧之介で書こうと思ったんだけどさ、相手、オリジナルでもいいかな?
284名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:09:07 ID:oKDMmTpU
かっわいいー!!!

>>283
全然OKだと思う。読みたいです。
285名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 23:47:17 ID:2enlrQ8l
じゃあ書いてみるよ



町から西へ一里離れたその土地は多くの人が知る花の名所である。
春は桜、夏は蓮、秋は桔梗、冬は山茶花と、四季折々の植物が咲き乱れ、人々はそれを愛でに足を運んでいるのだ。
しかしこの季節、冬から春にかけての時期、ここを訪れる人間の数は全くといっていいほどなくなってしまう。
めぼしい花がないから、というものもあるが、なんといってもやはり、小袖を重ねてもきつい寒さのせいであろう。
雪積もる山から下りてくる風は同時に寒々とした空気も運んでくる。ともすれば、霜の花も一緒に連れてくるのだ。
だからこそ、この名所へと向う男の姿は、今の時期何よりも目立っていた。
笠を目深く被り数打ちを腰に帯びた、背の少し低い浪人。
名は花房牧之介という。
彼がこんな時期はずれにここを訪れたのは、ライバルと(勝手に)決めた男、戸部新左ヱ門を倒す修行のため。
……でないことは、おそらく手に持った団子屋の包みから推測できるだろう。
牧之介は夏になると蓮華が咲き乱れる池の脇までくると辺りを見回し、あるものを探した。
それは確か、ここだったはず、と右を向いたと同時に彼はにやりと笑う。
目印にしている松の木の横を通り過ぎ、更に奥へと進むと、やがて目の前が開けた。
「変わりはないだろうかなぁ。」
笠を上げ、山側に建っている庵を眺めてから、牧之介はぼつりと呟いた。
286名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 00:34:06 ID:kIdSN7mZ
「ただいまー。」
古いが、滑りの良い戸を開けて開口一番に彼はそう言った。ふんわりと暖かい空気が最初に訪問者に挨拶する。
囲炉裏にかけてある鍋に入っている味噌水の匂いがそれに続き、最後にここの家人が現れた。
「おかえんなさい。」
無地の茜色の小袖を着た、腰まである長い髪をゆるく結んだ若い女がここの主である。
彼女はにんまりと笑うと土間におり、訪れた男の肩にうっすら積もった雪を払い落とした。
「いや、いいよ。そんな濡れてないし。」
「そうだけど、風邪ひいたらいかんよう。身体は大切にしないと。」
女の手が止まるのを待って、牧之介は笠を壁にかけ、板間に座って草鞋を脱いだ。
「足洗いにどうぞ。」
両足の紐を解き終えたのを見計らい、彼女は水を張った盥を牧之介の隣に置く。
かたじけない、と礼を言い、盥に手ぬぐいを入れた瞬間、その水が温いことに彼は気づいた。
身体をこれ以上冷やさぬようにという気遣いであろう、女の優しさについ笑みがこぼれる。
……もっともこの男の場合、常に笑みがこぼれて洪水状態なわけであるが。
足を洗い、囲炉裏の近くに座ると、女は木彫りの椀と箸を置き、かけている鍋の蓋を取った。
塞ぎをどけると美味しそうな湯気がふかりと昇る。女は杓子で煮えた味噌水を椀に盛り、牧之介に差し出す。
「熱いから、気をつけてねぇ。」
と言いながら。
卵と、ほうれん草、それから大根という、ささやかな具が入ったそれは、芯まで冷えた身体にはありがたいものだった。
空腹も手伝ってか、彼は鍋の半分を平らげる。女はその様子を面白そうに眺めて、目を細めた。
「ん、うまかった。ご馳走さん。」
頬についた米粒も腹に収めると、彼は満足そうに一つげっぷをする。
久しぶりに満腹になった、と床に手を着いてから、後ろに置いたままだった土産に気づいた。
「ああ、そうだ。これ。今、町で評判の団子屋の団子だ。味見してみたけど、なかなかだったぞ。」
女は竹の皮で包まれた土産を胸に抱くと、頬を朱に染めて笑う。牧之介はそれを見てから、空になった茶碗と箸をもって土間へ下りた。
「あ、片付け。」
「いいよ。寒いだろ、お前こそ身体を大事にしなきゃなあ。」
洗い桶に突っ込んで井戸へ向う。鼠色濃い空は、雪の訪れを告げていた。
287名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 01:04:53 ID:kIdSN7mZ
牧之介がこの家を知ったのは、二年ほど前の夏の頃だった。
あの年はひどい猛暑で、どこもかしこも水不足に悩んでいた年でもあった。
修行のためにここの近くを訪れたはいいが、とにかく喉が渇いて死にそうだった。
水を飲みたくても共同の井戸は涸れ、水売りは値を吊り上げていて、なかなか手に入らない。
忍術学園へ行けば、あそこは辺鄙な場所にあるから湧き水を腹一杯飲むことができるのだが、まずそこまで良く体力がなかった。
ふらふらと道をさまよい、太陽の光が一瞬強くなったのが最後の記憶だった。
このまま往来で干からびて死ぬのを覚悟した牧之介を助けたのが、この家の女だった。
女は倒れた牧之介を介抱し、回復するまで細かく世話をしてくれたのである。

洗い物を終え、囲炉裏に座ると、団子を食べながら一緒に茶を飲む。女の入れた茶は、食堂のおばちゃんに勝るとも劣らない味がした。
「それでなぁ、俺が剣をふるっていると、そこに飯加玄南という奴がきてなぁ。」
聞く人が聞いたならば、活躍が誇大されたホラ話であり、つつけばホコリの出てくるものであるが、女はそれを楽しげに聞いていた。
「というわけで、この事件は解決したんだよ。」
聞けば身寄りのない身であるという。訪れる人間も自分ひとりしかおらず、ずいぶんと寂しい暮らしをしているそうだ。
だからだろう、こんな話を聞いて楽しく笑っているのは。
牧之介はふと、口を動かすのをやめると、茶碗の中の茶を眺めた。ゆらゆらと水面が揺れ、映る自分の姿もゆれた。
「……。」
沈黙の中女を見ると、彼女は小首を傾げて自分を見ている。腹を決めてぐ、と煽った後、牧之介は彼女の傍に近寄り、ぐ、と手を握った。
無言で見つめると、女は少し目をそらし小さく頷く。
ほんのり染まった頬に手を添えると、顔を近づけて唇を吸う。
暖かい家の中とは反対に、外はちらりほらりと雪が零れていた。


ごめんなさい、今日はここまで。
288名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 21:33:08 ID:kIdSN7mZ
続きです

額と、瞼に唇を落とし、頬を掠めて首筋へと下りてゆく。長い髪に隠された曲線は、透き通るほど白く、今降り積もっている雪のようだった。
胸元に手を入れ、小ぶりの乳房をゆるく掴み指を這わせる。女は首をいやいやと振ると、ぼさぼさの髪に顔を埋めた。
襟を掴んで広げて露にさせ、紅色の胸先を口に含んだ。
技巧はそれほどうまい方ではないが、女は慣れていないのか、少し強く吸っただけで身体を震わせた。
「おまえなぁ、初めてじゃあないんだし、人がいるわけでもないんだから、口、塞がなくてもいいんだぞ。」
指を銜えて声を抑える女の紅潮した頬を撫ぜながら、笑いを含んで言うと、彼女は首を左右にふった。
「……人いるぅ。」
「どこに。」
口から手を離すと、牧之介を指差す。俺のこと?と再度声をかけると、女は小さく頷いた。
「あほか。」
小さく噴出して唇を重ねると、額を付き合わせた。
「今更恥ずかしがる仲じゃあるまいし。声くらい聞かせろ。」
我慢は身体に毒だぞ、と付け加え、彼はまた胸に顔を沈めた。
舌先で先端を押すと、掠れた声が聞こえた。
289名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 22:08:21 ID:kIdSN7mZ
両方を唾液で濡らしつつ、空いた左手で着物の裾を割ると、女の内股に力が入った。
平らな腹を滑り、かわらけのその部分をなぞってから、割れ目に指を侵入させ、まずはさねをつまむ。
「ん。」
胸への刺激のおかげか、種は硬く熟し始めている。人差し指でころりと転がすと、彼女はひくん、と跳ね上がった。
「そこ、弱い……。」
手の動きを止めようと、女は腕を伸ばすが、牧之介は掴まれるより先に強く押しつぶす。
ひ、と小さな悲鳴が上がり、女はつま先を丸める。弱いのを知っているから、弄っているというのに。
人差し指と中指で挟み込み、くるくると動かすと、彼女の実は更に硬くとがり、周囲はぬかるむ。
薬指を下に下ろし、蜜壷の入り口を突く。ちゅく、と甘い水音がした。
「だいぶよくなったみたいだな。」
にまりと笑って見せると、彼女もつられて顔を綻ばせる。いたずらに、指を中に進ませるときゃ、と声を上げた。
壷の中は大分湿り、きゅうきゅうと締まりながら入ってきたものを迎える。何度か交わったが、ここの具合は相変わらずよい感じだ。
腹側を強くこすりあげると腰が浮いた。その動きが、まるで自分を求めているようでなぜか笑いがこみ上げてくる。
牧之介は身体を動かすと指で遊んでいた部分に顔を埋める。何事かと上体を上げた途端、生温い物が蜜壷の周りを這った。
「あっぁ。」
舌でさねを舐り、零れたものを吸い上げる。女はかの人の頭を引き剥がそうとするが、与えられる快楽のせいで力が入らなかった。
「ん……やめ、あぁっ。」
口でそういっているが、足はすっかり牧之介の頭を押さえて離そうとしない。身体と頭が時として違う行動を取るのは、どこでも同じらしい。
じゅるり、と一際大きな音がした。白いすらりとした腿がひくひくと動く。
「ね、やめて……後生だからぁ……。」
身を清めているとはいえ、やはり気になるか。彼女の声はすっかり啜り泣きに変わっていた。
「しょうがないなぁ。」
顔を上げて口周りを拭くと、牧之介は女の髪の乱れを梳いて直す。
本当はもっといじめてやりたいのだが、ここでいじめて拗ねられても困る。
なにしろ、自分自身もすっかり出来上がっているのだから。
290名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 22:31:35 ID:kIdSN7mZ
帯を解いて、褌をずらし、立ち上がったものを引きずり出す。
さほど大きくはないかもしれないが、こうなるとなかなかだ。
足を開かせて仰向けに寝かせると、牧之介はその間に身体を進める。
内腿を掴み、先端で入り口を十分こねくり回してから中へ入った。
「う、ん、……っ。」
目をきつく閉じて、入ってきたものを招き入れる。何度か体験しているが、久しぶりというのも手伝ってか、少し痛いらしい。
いっきにいくか、それともゆっくりと慣らしながら行くべきか迷ったが、単純な彼は一気に進めるほうを選んだ。
「あんっ。」
根元まで密着させると、身体に腕を回す。触れ合う肌が熱く、小さく息を吐いた。
「もうちょっとしたら、動くから。」
頬に口を寄せて、目を閉じる。じんわりと暖かい内側が心地よい。本当はいつまでも浸っていたいが、そうもいかない。
身体を少し上げると、彼はゆっくりと動き始める。
「あ、あ、アッ。」
這い上がってくる心地よさに、彼女は喘ぐ。背中に回した細い腕に力がこめられ、爪が肌を傷つけるが、牧之介は一向に気にしなかった。
角度や速さを変えながら、彼は体内を味わおうと貪欲に突いてくる。
「んん、あン、あ、あっ、いいっ。いいよぉっ。」
「っお前、ちょっときつ、くっ。」
彼女の内も、彼自身を求めるように締め上げ、纏わりつく。ぐじゅぐじゅと水は激しくなり、嬌声は甘く響く。
「だめ、あァっ、いくっぅ……!!」
離さない、と絡めていた足に力がこめられ、彼女の身体はきつくひくついた。
その刺激は彼を達せさせるには十分なもので、身を離す前にかの人は中に白いものを零した。
291名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 22:47:35 ID:kIdSN7mZ

囲炉裏の火はすでにとろ火に変わっている。外の嵐も落ち着いたか、雪が吹き付ける音はしなかった。
牧之介は腕に女を抱きながら、長い黒髪を指で梳いていた。
静かな場所で、隣に好いてくれる女がいる。
安住の地、というものがあるとするならばこういう場所のことを言うのであろう。
しかし。
しかしである。
彼は、まだ刀を捨てる気にはなれなかった。
「朝んなったら、また行くわ。」
ぼんやりと夢心地になっていた女に囁く。彼女は一瞬、悲しそうな顔をしたが、すぐに唇を噛み締めた。
「一ヶ月したら、また来るからさ。」
そう告げて口を吸うと、女は小さく頷いた。
戸部に勝ち、剣豪として名を馳せたその後は、心置きなく刀を捨て、彼女の元へ、ここへこよう。
いつになるかわからない決め事を心に刻み込むと、牧之介は静かに目を閉じ、女を抱きしめた。


終わり
292名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 22:48:54 ID:kIdSN7mZ

これで終わりだお。
なんか書いててこっぱずかしくなったお。

それでは素敵な職人さん、どぞー
293名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 23:08:34 ID:mgLPaPFq
まさかの牧之介エロ!!
女に無縁の童貞ボーイだ思ってたんだけど
彼には幸せになってほしいです。

読んでるこっちもちょっと恥ずかしかったおw
GJ!!!!
294名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 01:43:45 ID:JLlaeDOL
GJ!!
まきのすけをちょっと好きになった。
295名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 13:02:58 ID:4dP++HGg
まさかこのスレでまきのすけが来るとは思わんかったGoood Job!!
女かわいいなあ。。
まきのすけ幸せになれよ
296四郎兵衛×しおり:2008/05/05(月) 19:23:48 ID:MVT3hZR6
こんちわ。四郎兵衛の者です。
四郎兵衛がアニメに出て興奮治まりませんですた。
皆さん可愛いコールありがとうww嫉妬した!この四郎兵衛の人気に嫉妬した!

まきのすけの人もGJです。
何だか憎めないんだよなw

では本編

最近二年生の一人がくのいちにボールを当てたらしい。
その噂が忍術学園の男子生徒の間で広まっていた。
当てたと思われるのが、二年は組の時友四郎兵衛との事を聞き、二年生は「命知らずなヤツだ」と話していた。
最も、その本人はぶつけたのではなくただ拾いにいっただけなのだが。
何故か尾ひれがつき、「四郎兵衛がぶつけた」と実しやかに流れている。

ただ、当の本人はと言うと、相変わらずぽけーっとして全く危機感が無い。

「おい、四郎兵衛。」
「ぅえ?」

忍たま長屋の廊下を歩いていると、二年い組の川西左近に呼びとめられた。
心なしか、少し顔が蒼ざめている。
きょとんと首を傾げると、左近がほろりと涙を零す。

「ど、どうしたの川西くん!何処か具合でも悪いの?!それともぶつけたの?」

急に泣き出した同級生を見るなり
元々丸い目を更に丸くさせ、おろおろとうろたえる四郎兵衛。
接点があまり無いとは言え、同級生だ。
左近は少々意地悪な所もあるが、性根は優しく自分もたまに世話になっている。

ただ理由も解らず、目の前の同級生は自分を見るなり涙している。
自分が何か悪い事でもしたのだろうか?
そんな事を考えると、ぽんと肩を叩かれた。

「・・違うんだ。四郎兵衛、ぼくはどこも痛くも無いし具合も悪くない。」
「え?そうなの?・・・・・良かった。でもどうして泣いてるの?」

ぼくで良ければ話聞くよ?と優しく問うと、袖で涙を拭い、まだ涙の跡が残る眸を前に向ける。



297四郎兵衛×しおり:2008/05/05(月) 19:56:56 ID:MVT3hZR6
「・・あのさ、違ってたらごめんな。この前、くのいちの子にボールぶつけたって・・。」
「ぅえ?・・・・・・・・・・・・あぁ、しおりちゃんか!」
「やっぱりぶつけたのか?!」

がしっと肩を掴まれ、前後にぐらぐらと揺さぶられる。
何の事だかさっぱり理解出来ない。
やっぱりとはどう言う事なのだろうか。

「ど、どういうこと?」
「お前がくのいちにボールを当てたって、忍術学園中に広まってるぞ!?」
「えぇっ!?」

知らなかったと項垂れる四郎兵衛を、半ば呆れたような目で見詰める左近。

知らなかったって・・、ここ数日何してたんだろこいつ。

「ぼくがぶつけたんじゃないよぉ・・。」
「でも、お前がぶつけたって噂が。」

事情を左近に説明すると、成程と頷いてくれた。
事の発端は、体育委員長の七松小平太のアタックが強すぎ、そのアタックが彼女に直撃してしまった。
運の悪い事に、四郎兵衛がボールを取りに行ったら、誤解されたと言うわけだ。

「それにしても、お前も不運だなあ・・。よりによってくのいちだろ?」

左近に説明をしていた途中、池田三郎次・能勢久作もやって来て、ちょっとした井戸端会議が展開されてた。

「あのくの一達の恐ろしさと言ったら・・。うぅ、僕震えてきた・・。」
「三郎次・・、僕も同じだよ・・。四郎兵衛、生きて帰って来いよ。」

くの一は全て恐ろしく危険な存在だと言わんばかりな発言に、流石の四郎兵衛も眉を顰めた。
実際確かに恐ろしいが、結構優しい子だって居る。

298四郎兵衛×しおり:2008/05/05(月) 19:57:27 ID:MVT3hZR6
「みんな失礼だよ!確かにくの一は怖い所あるけど・・、しおりちゃんは優しい子だよ!」

珍しく怒りを露わにした四郎兵衛に、他の3人が目を丸くする。
普段、四郎兵衛はのんびりしていて、滅多な事では怒らない。

「そ、そりゃ中には優しい子も居るだろうけど・・。一年生とか散々な目にあってるだろ?」
「そうそう、だから関わらない方が良いって。な?」

怒りに肩を震わせる四郎兵衛を、横から三郎次と久作が押さえる。

「もう!良いよ別にっ。ぼくはぼくで勝手にするから!」
「四郎兵衛?!」
「馬鹿な真似はよせ!命を粗末にするな!」

3人を振り払い、どたどたと廊下を駆け抜ける。

何だよみんなして・・。まるでしおりちゃん達が悪魔の様に・・。

自分の悪口は別に慣れてるから良い。
動作が鈍いとか、バカだとか、散々言われてるから別にそんな事は構わない。
けれど、自分が関わった人間が悪く言われるのは許せない。

取り合えずくの一達の誤解を解こう。

そう思い、四郎兵衛は庭へと足を運んだ。

取り合えず此処まで。

299名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 12:22:34 ID:nbRSS23g
日記の人もまきのすけの人もシロベの人もみんなGJ!
かわいいよなあシロべーwあんま出てないのにキャラすげー掴んでる気がする。続きテラ期待
300名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:03:40 ID:vK8jXacB
しろべ可愛いw
これでキャラ違ってたら悶死するけどなw
でもアニメでも「うえぇ」とかゆってたし。

遅ればせながら牧之助の人GJ!
牧之助が格好良く見えてきたじゃないか
301名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 07:28:26 ID:J/VMNdVT
利吉さんって童貞?
302名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 11:23:28 ID:rRYV2yGR
>>301
それはたぶんない
時代的に考えて
303名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 11:36:26 ID:rGvsi5LP
利吉は女の子ナンパしちゃったりする若者若者した性格だぞw時代はともかく
304名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 13:22:53 ID:RtWKwPqj
>>301
そう考えるならすみやかに童貞利吉モノを投下するのだ
305名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 16:07:05 ID:FC65KMSS
雷蔵だと思って告白したら実は鉢屋だったという始まりの雷蔵×くのいちが書いてみたい
ただ相手を誰にしようか悩む
306名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 17:01:15 ID:Z/Jqiqvx
ユキちゃんでお願いします !
307名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 17:44:23 ID:lNPmFi4W
別IDだけど305です
このスレって文章内に絶対エロがないとダメなんだっけ
途中やめ(行為を)とかでもおk?
308名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 17:51:24 ID:rGvsi5LP
>>307
別に桶。
309名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 18:23:32 ID:hs6C2Teh
おkだと思う
雷蔵何があったw
310名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 18:30:28 ID:lNPmFi4W
>>308-309
ありがとう
では作成してくる
311名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 23:49:18 ID:UHvkcRx9
最近色々投下されてて嬉しい限りだ。

>>3051がんがれ



女の子ナンパする利吉とか
利吉の初体験とか
読んでみたいな
312名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 00:12:09 ID:cvyfvR3O
なんというロングパス
313当世忍たま恋愛事情42:2008/05/08(木) 01:23:44 ID:61X+uPpu
お久しぶりです、続きです。
最近の投下ラッシュに、読み手としてめっさ期待中。



低い雷鳴が闇を震わせていく。
時刻はすでに夜半を過ぎていたが、数日来の雨はやむ気配もなく、風を濡らし道を泥川へと変え続けていた。
雷雲は静寂を揺さぶり、天の底が抜けたような雨足も未だ止まらず、気温も下がる一方だ。
闇を煙らす自分の白い吐息を眺めながら、これでは水から上がれたとしても凍えてしまうぞ、と
食満留三郎は眉をしかめた。

同学年の潮江文次郎が、豪雨の山中で行方不明になった、という報が入ったのは、つい先刻のことだ。
ようやく温まり始めた布団から叩き起こされ、怒りながら事の詳細を聞いたのだが、その内容は
怒りを通り越して呆れ返るものだった。
馬鹿げたことに、この天気に山で自主鍛錬をしていたのだという。
その最中、足を滑らせ、水かさの増した川に落ちたらしい。
たまたま同行していた教師が救出しようとしたが、間に合わなかったそうだ。
自主鍛錬中の失態は珍しいことではない。文次郎ならなおのこと。いつもなら、自業自得と笑うだけだ。
いっそそのまま海までいっちまえ、と憎まれ口の一つも叩きたいところだが、さすがに今日ばかりは
そんな気にもなれなかった。
流されたのは、文次郎一人ではなかったのだ。

吐息を引きずって長屋の庭を抜け、校舎を迂回する。
むやみに歩き続けるうちに、泥の海と化した校庭に出た。
沈む草鞋を引っこ抜いて進みながら、雨の幕を透かして裏山の方角を眺める。
間近にそびえるはずのそこは闇に隠され、今は輪郭すらうかがえなかった。
山には行方不明者の救出のため、すでに教師陣が数人、出向いている。だがまだ行方もつかめて
いないらしい。
あのバカタレめ、と小さく舌打つ。
文次郎は一人ではなかった。もともとは一人で山に入ろうとしていたのだが、あとからくのいちが一人、
追いかけてきたのだそうだ。
一部始終を見ていた教師の話では、川に落ちたのもくのいちが先で、文次郎はそれを助けようとして
流されたのだという。
名前は聞いていないが、それがこのところずっと、文次郎に付きまとっていたあのくのたまであることは
明白だった。
ほんとにバカタレめ、とまたいらいら眉をしかめる。

何故、そんなことになる前に止めてやれなかったのか。

実力も伴わないのに、夜の山などに入り込んだくのたまも悪い。
だがそれ以前に、文次郎がもっとうまくあの娘をあしらっていれば、そもそもこんな事態には
ならなかったはずだ。
これはどう考えても文次郎の失態だ。仮にも六年生なら、しょせん二年生程度の知識しかないくのいちに、
夜の、しかも雨中の山がどれほど危険か、判断できないはずはない。
最上級生の責任として、まずついてくる前に口先で丸め込むか、実力行使してでも追い返すべきだったのに。
つきまとうのを止められもせず、中途半端に引き回して、挙句の果てに自分も一緒に遭難などと。
あまりに不様で、おおよそ最上級生のやることとは思えない。
どうも、ここのところの文次郎はおかしい。
元からおかしい男だが、さらにおかしい。
変に及び腰かと思えば、必要以上に冷徹になったり、そのくせ下級生を迷わすような失態をしでかす。
あのくのいちが絡んでから、まったくあいつらしくないやりくちばかりだ。
くのいちの手管には騙されんとかいいながら、手管ですらないところで翻弄されてんじゃねえかバカタレめと、
呆れるを通り越してなんだか情けない気分になってしまう。
とりあえず、子供を危険な目に合わせた文次郎に腹が立つ。
ついでに、こんなことをいちいち考え込んでいる、無駄に世話焼きな自分の性格にも腹が立つ。
314当世忍たま恋愛事情43:2008/05/08(木) 01:25:52 ID:61X+uPpu
見えない山をしばらく睨んでから、食満はきびすを返した。
傘から頬へ流れる水滴を拭いながら、校舎へと足を向ける。
すでに真夜中だが、救出部隊が動いているからだろう。校舎は一部に明かりが灯され、ほんのりと明るい。
それを目指してさらに一歩、足を進める。
泥にまみれた食満の足首を、氷のように冷えた手がつかんだのはそのときだった。

「……穴を掘っていたんです」
上がりかけた悲鳴をかろうじて押さえ、すばやく懐に手を入れながら目線を下げて、食満は再度
悲鳴をかみ殺した。
泥土と化した校庭のど真ん中。闇一色に塗りあげられた地面から盛り上がった、人の上半身ほどもある
泥の塊が、自分の足首をつかんでいる。
かろうじて指は五本と見て取れるが、あとは顔も輪郭もあったものではない。まさしく泥の塊だ。
呼吸も忘れて見入る食満の足元で、ぽそぽそと、くぐもった声が雨にまぎれて響いた。
「濡れていたので掘りやすかったです……やはり適度な湿り気は必要です……ターコ三十二世と名づけて
一心不乱に掘っていたんです……」
つかんだ食満の足首を支えに、ずるり、ずるりと湿った音を立てながら這い上がってくるそれの頭のあたりで、
目玉が二つ、ぱちくりと瞬いた。
一瞬、幼いころに聞いた田んぼの妖怪の話が、食満の脳裏を掠めた。
「掘っていた、はずなんですが……」
「ど、泥田ぼ……」
「気づいたら埋まってました……なんででしょう?」
「あー、綾部君みつけたー」
後ろから降って来た明るい声に、食満は喉を駆け上がりかけた悲鳴をすんでのところで飲み込んだ。
振り返ると、傘に蓑をまとった人影が、盛大に泥をはねながらこちらへ近づいてくるところだった。
蓑から覗く制服の色からして、四年生のようだ。だがその年にしては、随分と体格がいい。
学園校舎にうっすら灯る明かりに照らされ、やたらと派手な色の髪がきらきらと輝いた。
「あれ、タカ丸さん?」
泥の塊が、不思議そうな声を上げた。
にこにこしながら片手を上げ、足をとられたままの食満にもにこやかに、先輩こんばんは!とあいさつすると、
その四年生は泥の塊の前に膝をついた。
「探しちゃったよー。こんなところにいたの」
手や着物が汚れるのもかまわず、積もった土を上からすくい除けていく。
掘り進んでいくうちに、ようやく人の頭と顔らしきものが現れた。
先ほどよりは明瞭な声で、助かりました、とうなずく泥の塊を見下ろす四年生の口から、あーあ、
キューティクルが全滅だ、と悲しそうなため息が漏れた。
そのやりとりをぽかんと眺めるうちに、食満はやっと気づいた。
妖怪と勘違いした泥まみれのほうは、確か作法委員の四年生だ。もう一人は最近四年生に編入してきた
斉藤とかいう奴だろう。
四年には変わった生徒が多いと聞いていたが、どっちもこの雨の中、何をやっているんだと呆れる。

「タカ丸さん、わざわざ探しに来てくれたんですか」
「うん。学年総出で探せっていわれたんだよ。潮江先輩に続いて小松田さんまで行方がわからなくなって、
先生の手が回らないんだって。今日は学園中行方不明者だらけだね。さすが忍者の学校だなあ」
「なんか怖いこといってませんか?」
「俺は行くなっていわれたけど、面白そうだから勝手に出てきちゃった」
「相変わらずあちこちに顔つっこんでますね」
「食満先輩も、潮江先輩を探しにきたんですか?」
315当世忍たま恋愛事情44:2008/05/08(木) 01:28:05 ID:61X+uPpu
突然声をかけられて、食満は反射的に首を振った。
振ってから、よく俺の名前なんか覚えてるなと感心する。委員会も別なのに。
「……こんな天気に行ったら二次遭難するからな。捜索指示は出てるが、生徒は朝まで待機だ」
地面にべたっと座り込み、自分の傘を綾部にかぶせてやりながら、タカ丸が目を輝かせた。
「へえー!なんかすごそう。俺、そっちもいこうかな。連れてってもらえます?」
「はあ?……四年!袴引っ張んな、脱げるだろうが!」
「あのー、とりあえず僕を助けませんか」

何故か期待をこめて自分を見上げるタカ丸に首をかしげながら、食満はともかく足にしがみつく綾部の
腕をつかんだ。
タカ丸も、座り込んだまま逆の腕をつかむ。
二人がかりで引っ張ってはみたが、綾部の体は泥と水を吸って予想以上に重かった。おまけに降り続ける
雨で足元が滑り、力も入れにくい。
縄を使ったほうが早いかと悩む食満の横で、綾部が呑気にタカ丸に話しかけた。
「行方不明だらけって、六年の潮江先輩も行方不明なんですか?」
「そうみたいだよ。なんか裏山で、こないだから噂のくのいちと、逢引だか駆け落ちだかしたんだって。
浪漫ちっくだねえ!やっぱ身近に女の子がいると、生活が華やかになるねえ」
先ほどより沈んだ体に刀紐をくくりつけてやりながら、食満はちらりと綾部を見下ろした。
同じくちらりと見上げてきた綾部が、いつもより若干細くなった目をタカ丸にうつす。
「そんなこといえるの、今のうちだけですよ」
「あいつらを町娘と一緒に考えんほうがいいぞ。普通の女とくのいちの間には、深くて長い川がある」
「ええー、でも女の子ってみんな可愛いもんじゃないですか」
「ないない。あいつらなめるとこえーぞ」
「へー……でも俺どっちかっていうと、潮江先輩が女の子とってほうが、驚いたんですけど」
「お前遠慮ないなあ!」
新参者のあまりに歯に衣着せぬ言い分に、いっそ感心して声を上げる。
綾部を引き上げるのも忘れて眺める食満を見て、へたった髪の向こうで丸い目が瞬いた。

「え、だって潮江先輩って、女の子が怖いみたいじゃないですか」

暗闇の彼方で、雷光が瞬いた。
はるか裏山の方角で、どおん、と低く雷鳴が轟く。
稲光の去った闇の中、三対の目がぱちぱちと、それぞれの思惑を乗せて瞬いた。
「だから駆け落ちって聞いて、そんなの乗り越えられる相手なんだ、浪漫ちっくだなって思って」
「……は?女が潮江を怖がってる、か?」
「違う違う。潮江先輩が、女の子を、です」
ずるずる泥に埋もれていく綾部を、両手を使って支えながら、タカ丸が首を振った。
雷が新たな雲を連れてきたのだろうか。急に早くなった雨足に消されて、声がよく聞こえない。
聞き違えているのかと首をかしげながら、食満は刀紐の端を自分の腕に巻きつけた。
「いや、まあ、くのいちは怖いから、な」
「えー。うーん、そういうことなのかな?」
降りしきる雨の中、派手な色の髪が傾いだ。
「俺、廊下の騒ぎとか図書室んときも見てたんですよね。だから、あ、潮江先輩ってそうなんだって
ぴんときたんですけど。でも先輩がいうならそれが正しいのかな」
「へー。あのギンギン猪みたいな人に、怖いもんなんかあるんですかねえ」
「お前も遠慮ないな!」
「人の名前覚えるのと性格診断には自信あったんだけどな。髪結いやってるといろんな人見るからさ。
たまにいるんですよ、女が苦手っていうより怖い人。怖いから余計意識して、空回りしたり
やたら邪険にしちゃったりして。自分じゃ自覚してないことが多いから、本人もまわりも難儀そうだったな」
なにが怖いんだろうね。女の子って本当はみんな可愛いのに。
不思議そうに頭を振るタカ丸の足が、穴の中に滑り込んだ。あっという間に膝まで埋まり、袴が泥色に変わる。
あーあ、と呟き、見上げてきた顔は髪がぺたんと張り付いて、幼いのに妙に大人びて見えた。

どうどうと降りそそぐ氷のような雨の中、食満はもう一度、裏山を振り返った。
濡れた闇に溶け、やはり輪郭もわからない。
足元で、仲良く泥に浸かった綾部とタカ丸が、先輩いい加減助けてくださいと情けない声を上げた。
316当世忍たま恋愛事情45:2008/05/08(木) 01:30:22 ID:61X+uPpu
どうどうと重く、激しい雨の音がする。
雨音は耳から入り込み、頭の中で反響して、あまりのうるささに頭痛がするほどだ。
じっとり湿った冷たい空気が、鼻をかすめて息苦しい。
足先が冷たく硬いものに擦れて痛い。そのくせ上半身だけはひどく暖かかった。
あったかいなあ、とぼんやり思う。うるさくて、冷たくて、湿っぽいけれど、そのぬくもりのおかげで
なんだかとても安心する。
雨音さえ心なしか、遠ざかっていくようだ。
このまま寝ていたい。寝ちゃおうかな。
「いい加減起きろ。死ぬぞ」
ぼやけた頭に突然降って来た声に、意識が一気に浮上した。

最初に視界に映ったのは、うっすらとした橙色の光だった。
瞬きするうちにそれが、ほくちに灯された炎だと気づく。
石で作られた簡素な竈の中で、じりじりとくすぶっている。焚き火というほど大きくはないが、
ただの灯と呼ぶには明るい。
これが暖かかったのか、と一瞬思うが、小さい体とはいえ、こんな炎では暖めきれまい。
じゃあなんだろうと顔を上げたところで、上から覗き込む三白眼と目があった。
むっつりと、不機嫌そうな男の顔が自分を見下ろしていた。
「……もんじろせんぱ……?」
暗い明かりに照らされた顔の上で、ゆらゆらと影が踊っている。ますます人相悪くなっちゃって、と
思いながらまじまじ見つめ、視線をそらして辺りを見回し、ようやくそうこは自分の状況に気がついた。

文次郎の、胡坐をかいた膝の上に抱き上げられている。
しかもすっぽりと横抱きで。
おまけに相手はよく見れば、湿った袴をはいただけの上半身裸だ!

「ぎゃあああー!」
「あ?」
回されていた両腕を押しのけ、ほとんどひっくり返るようにして膝から転がり降りる。
巻き起こった風にほくちが揺れ、濃緑の忍び衣装が薄闇に翻った。
とたんに足だけでなく、全身が凍るような寒さにさらされる。なんでこんなに寒いのかと自分の体を
見下ろして、そうこは再度悲鳴を上げた。
「ぎゃー!いっやー!」
「ああ!?」
ていうか相手だけじゃない!自分も裸だ!
それもこっちは袴もはいていない。正真正銘のすっぱだかだ!
慌てて腕で体を隠して座り込む。体は冷たいのに顔だけやたら熱い。上りきった血で頭がガンガンして、
眩暈までする。
なにこれ、なんでこんなことに。
羞恥と混乱で動けなくなったそうこの頭上に、生乾きの忍び衣装が降って来た。
「暴れるなバカタレ。火が消えたらどうする」
濡れたにおいのするそれを、慌てて体に巻きつけたところで、腕をつかまれた。
ぎりりと肌に食い込む力に既視感を覚える。だが頭をひねる間もなく、そうこは再び文次郎の膝に引き倒された。
「ちょっとなにすんの!やだ、どこ触ってんだコラー!」
「うるせえ!凍え死にしたくなけりゃ大人しくしろ!」
抱くというよりは抑え込まれ、鼻先が厚い胸板にぶつかった。相手の腹のあたりに胸が押し付けられる。
巻きつけただけの着物がずれて、肌がじかに触れあい、先ほどと同じぬくもりが伝わってきた。
ああこの男の体だったのかと、思った瞬間ぞっとするような、疼くような感覚が胸の底に生まれた。
これまで感じたこともないそれに、混乱にさらに拍車がかかる。
訳がわからないまま、すったもんだと暴れるうちに、突然そうこの頭の中で、なにかがかちりと
音を立ててはまった。

真っ暗闇の中、浮遊感と足元から降って来た雨。
縄をつかもうとした腕。もろとも水に沈んで、息がつまって、無理やり顎をつかまれ上向かされて。
そうだあたしは川に。
川に落ちて。それから。
317当世忍たま恋愛事情46:2008/05/08(木) 01:37:02 ID:61X+uPpu
「え、あれ、ここどこ?」
思わず暴れるのをやめて文次郎を見上げる。細い腕をひねり上げながら、三白眼が呆れたように眇められた。
「反応の鈍いやっちゃな。今頃なに抜かしてやがる」
吐き捨てるような声に少々むっとしながら、そうこは恐る恐る周囲を見回した。

ほくちの暗い明かりに、濡れた岩壁が照らし出されている。
そこは四方を岩に囲まれた、ひどく狭い空間だった。洞穴だろうか。奥はすぐ行き止まりになっており、
人二人、やっと横になれる程度の広さしかない。
入り口は狭く、草が垂れ下がって半分以上ふさがれていた。真っ暗闇のその向こうからはひっきりなしに、
激しい雨音と雷鳴が聞こえてくる。
混じって聞こえたごうごうとすさまじい川の音に、反射的に目の前の体にしがみつく。
一瞬だけ、居心地悪そうに身じろいだが、あたたかい体も、腰を抱えた腕も離れることはなかった。
「……どうなっちゃったの?」
「とりあえずそうとう流された。ここは崖の下だ。道はあるが雨もやまんし、夜明けまで身動きとれん」
火種とほくちが濡れなかったのは奇跡みたいなもんだ、と呟く声に、小さな竈の炎を見つめる。
奥の岩壁には、見慣れた自分の忍び装束が広げられていた。絞ったらしい皺がついているが、
まだぽたぽたと水滴が垂れている。
背中を覆う濃緑の忍び衣装を引き寄せ、そうこは小さくため息をついた。

「……ベッタベタだわ」
「あ?着物がか?」
「展開がよ」
薄闇の中、文次郎の眉がかすかに寄った。
「なに言ってんだお前」
「うん、なんだろう……」

自分でも首をひねりながら、まだぐるぐる回る頭をぐしゃぐしゃとかき回す。
結い上げていた髪はほどけて、ばらばらに背中に流れていた。冷たさに身震いすると、
ようやく腕を放した手が肩に回り、少し強く体に押し付けられた。
素肌と素肌が重なって、じわりとぬくもりが広がる。
暖かいけど、胸があたってるんですけど。
どきどきしながら見上げてみたが、文次郎は無表情に外を眺めているだけだ。
妙な悔しさと落胆が、胸に湧き上がった。
凛々しくて少年っぽい顔だとよく言われるが、実のところそうこは体形まで男の子っぽい。
年頃に合わないふくらみを持つ級友達に、秘かな劣等感を抱いているほどだ。
そりゃあこんな体なら、触っても抱いても、せいぜい湯たんぽくらいにしか思えないでしょうよ。
さっき丸見えになった時だって、まったく無表情だったし。ていうか、こいつに脱がされたんだろうし。
だいたいこの男は、自分のことなどなんとも思ってないのだし。
ああなに考えてるんだろう、こんな非常事態に。ばかみたい。くのいち失格だ。
しゅんとしてうつむいたそうこをどう思ったか、隈だらけの目が膝の上の少女を見下ろした。
面倒くさそうにすぐ逸れ、外を眺めて、だがまたいらいらと戻る。数回繰り返し、やがて諦めたように
視線が定まった。

「心配せんでも必ず助かる」
「へ?」
「木下先生がいらしただろう。雷も遠ざかったし、朝には雨も止む。大人しく待ってりゃきっと救出がくる。
……くそ、内申下がるな」
318当世忍たま恋愛事情47:2008/05/08(木) 01:39:55 ID:61X+uPpu
独り言のように呟き、悔しげに天井を見上げてからまた、外へと目を向けた文次郎を、そうこは
ぽかんと見上げた。
もしかして、慰めてくれたんだろうか。こんなに迷惑かけて、馬鹿なことしてるのに。
じわじわと、今さらのような後悔が胸に湧き上がってきた。
「……ごめんなさい」
今度はすばやく視線が戻った。膝の上で、青くなって身を縮こまらせたそうこをしばらく眺め、
文次郎はふんと鼻を鳴らした。
「なにがだ。校門前で喧嘩売ったことか。帰れってのに勝手に追いかけてきたことか。それとも間抜けにも
足滑らせて、川に落ちたことか」
「う、全部……」
「今さら謝ってどうなる。後悔なんぞするくらいなら、同じ事態になったとき、次は切り抜けられるように
自分を鍛えろ。そのほうがよっぽど前向きだ。とりあえずお前は脚力が足らん。もっと走りこめ」
「ごめんなさい」
「しゃべんな。体力消耗する」
「ごめ……」
「うるさい」
黙らせるつもりか、背中に回った手に力がこもった。乱暴すぎて息がつまったが、それでもその手は暖かかった。

夜なのか、それとも朝が近いのか。
降り続く雨に濡れた闇は、時の経過もうかがわせない。
橙色の光は薄暗く、包み込むぬくもりは乱暴だったが、どちらもともすれば萎えそうな心を支えてくれた。

「……あのさあ」
「しゃべるなってのがわからんのか、くのたま」
「だってしゃべりでもしないと寝そうなんだもん」
二度目、文次郎がほくちの具合を調べたのを機会に、くっついたままだった体を少しだけ浮かせ、
そうこは口を開いた。
ほくちの熱が竈の石に移ったのか、洞穴の中は幾分、暖かくなった気がする。吹き込む風はまだ冷たいが、
こうして体を離しても凍えるほどではない。
生乾きの襟を胸元であわせ、膝に座りなおして上目遣いに見上げる少女に、文次郎の目が呆れたように
細くなった。
「意外と大物だなお前は」
「ねえ、ずっと気になってたんだけど」
迷いながら呟く。制止の声はもうかからなかった。
でもこれ言ったらまた怒るんだろうな、と思いながら、言葉を続ける。
「なんで惚れる女がいるわけないとか思うの」
予想通り、太い眉がぐっと寄った。
三白眼に不吉な光が灯る。一瞬ぎくりとしたが罵声は響かず、代わりに視線が外れた。
追いかけて身をずらし、また顔を覗き込む。嫌そうに口元が歪んだ。
「そりゃあんたは変な男だけどさ。本人に言われちゃ、惚れてるあたしの立場がないじゃん」
「下らん話題はやめんか。話がしたいなら孫子を注釈つきで講釈してやる」
「……ついてきたのは悪いと思ってるけど、あたし、あんたが好きってことまで謝る気はないよ」
視線が戻った。
また、やりにくそうに目が泳いでいる。
「言ったでしょ。あたし、あんたが好きなの」
非常事態が後押ししているのか、自分が随分大胆なことをしているような気はした。
でもいいや。どうせ裸でくっついてるようなとんでもない状況なのだ。もう腹の中、何もかもぶっちゃけてやろう。
どうせ、言おうと思っていた以上のことまで言ってしまった。ここまできたら言ったもん勝ちだ。
手を伸ばし、肩に触れかけ、さすがにそこまでは気恥ずかしくて指を握る。
傷だらけのふやけた手が、ぎくりと震えた。
「好きになってとは言わないからさ。本当はなってくれたら嬉しいけどさ。ただ、あたしの想いまで否定しないで」

久しく途絶えていた雷鳴が轟いた。
ごろごろと低い空のうめきの中、それより低いうめきが文次郎の喉から漏れる。
学生の本分は、とか、ガキが何を抜かす、とか、お前らの言うことなんぞ、とか、不明瞭な言葉は
どれ一つとして最後までつむがれることなく、闇に消えた。
319当世忍たま恋愛事情48:2008/05/08(木) 01:42:39 ID:61X+uPpu
「……バカタレが!」
心なしか隈の濃くなった目が伏せられる。握られた手を振りほどいてバリバリと頭をかきむしり、
文次郎はついに深々とため息をついた。
一瞬の沈黙が、湿った闇に流れる。
「……お前らくのいちはいつもそうだ。自分のやりたいことだけやって、相手なんぞお構いなしで……」
伏せられた瞼の下で、三白眼が雷光のように閃いた。

突然、硬い拳が濡れた岩壁を殴りつけた。腹の底が震えるほどの衝撃音が響き渡り、思わず飛び上がる。
二度、三度と途絶えることなく続くそれに、いいようのない不安を覚え、そうこは身を乗り出した。
「も」
「俺は絶対騙されんぞ」
追い詰められた獣のような唸り声に、一瞬、背中をひやりとしたものが滑る。
元結が解け、髪がざんばらにかかった文次郎の顔は、ひどく歪んでいた。
牙をむいて睨む目には、本気の憎悪が浮かんでいる。視線だけで射殺されそうだ。
先ほどまでとはまるで違うその表情に、絶句した膝の上の少女をぎらつく目で睨んだまま、文次郎は再度、
唸るような声を上げた。
「信用すりゃ裏切る、仕向けておいて陰で笑う。飽きりゃ捨てる。そうとも、ガキだろうがなんだろうが
騙されるほうが阿呆なんだろうよ。百も承知だ。だから俺は後悔なんぞせん。ああそうだ二度とせんぞ!」

上がったはずの洞穴の温度が、急に下がったような気がした。
全身に浴びせかけられる理由のわからない怒りに、無意識に体が震えだす。ぎらぎらとした眼光に、
寒さとは別の意味で鳥肌が立った。
でも、と思う。
何かが違う。どこかおかしい。言葉が、目線が、ずれている。
自分に向けているようで、文次郎の怒りは別のほうを向いている。別の誰かを見ている。
それに表情。顔も、体も、声も、そのままなのに。震えが来るほど恐ろしいのに。
表情だけはまるで、情けなくて頼りない、十かそこらの子供みたいだ。

ぎりぎりと歯軋りの音が響く中、意を決してそうこは視線を定めた。
見るのも怖い三白眼をまっすぐ睨みつける。返る視線にまた怒りが翻った。
「……誰に言ってんのよ」
こっちこそ情けないほど声が震えている。歯の根が合わなくてがちがち鳴るのが不快だ。
こんなに震えた声で、ちゃんと相手に聞こえるだろうか。聞こえてほしい。いや、聞かせてやる。
何を怒っているのかすらよくわからない。どうしたらいいかなんてこともわからない。こんなに切れた
人間相手に、人目もない山の中、下手をしたら殺されるかもしれない。
でも、自分が好きになったのはこの男。
信じるまで、背中にしがみついてでも叫んでやるって決めたのだから。
「誰かといっしょにすんの、やめてよ」
膝の上で半立ちになり、先ほどは届かなかった肩を両手でつかむ。邪険に振り払われたがすぐ手首をつかみ、
相手の力を利用してひねり上げる。
体術を伝授してくれた同級生に心の中で感謝しながら、そうこは、自分の力の勢いで倒れこむ文次郎の
裸の胸に乗り上げた。
「他の誰かじゃなくて、あたしを見てよ!」
がつっと鈍い音とともに、うめき声が上がった。頭を抱えて身悶える文次郎にかまわず、胸にまたがって
肩を押さえつける。
地面についた膝から岩の冷たさが上って来る。それとは違うものでひっきりなしに背中を震わせながら、
そうこは眼下の顔を睨みつけた。
竈の中でほくちの火が煽られ、一瞬大きく燃え上がった。意外なほどの明るさが洞穴の中を満たす。
しかめっ面の中で、痛そうに閉じられていた目がうっすら開いた。まだくすぶる怒りの中に、かすかな驚きが
瞬いている。
真っ青になって震えるそうこの胸元で、帯もなく合わせただけの着物の襟が、外れて広がった。



320名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:53:18 ID:7SMgWxgp
おおおおリアルタイム遭遇キターー!!!
遂にクライマックスですか!?

綾部wwwタカ丸ww小松田さんwwww
濃い夜になりそうだ

乙です!!!
321名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:55:25 ID:gkXr+fyu
待ってました!
なんというベッタベタな展開
322名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:57:58 ID:7SMgWxgp
ベッタベタ
だがそれがいい!!
323名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 06:31:09 ID:OWkKfjEC
待ってた!!!今回も神すぎる!!
クライマックwktk!

324名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 08:45:22 ID:2cWR1I9J
>>303
そんなシーンあったっけ
325四郎兵衛×しおり:2008/05/08(木) 21:22:43 ID:Ck9kucL0
に、にっきの人だー!
何時も貴方の文章に惚れ惚れしています!
綾部何してんだwwwタカ丸gj!
ベタだがそれがいい!

負けずに四郎兵衛投下


同級生の制止の言葉も耳を傾ける事無く、時友四郎兵衛は庭へと足を進めて行った。
誤解をとくには、まず正直な事を話す事だ。
結果はどうであれ、正直に言えば聞いてくれるかも知れない。
逸る気持ちが脚へと行ってしまったのか、あまりに急いでいた為、見事に脚を縺れさせ
その場に派手に転んでしまった。

「いたた・・・・。」

土を払いながら、四郎兵衛はぼんやりと考えてた。

そういえば、しおりちゃんに何か持って行った方がいいのかなぁ。
あの時迷惑掛けちゃったし、でも何持って行けば良いんだろう?

うーんと考え込んでいると、ふと一つの考えが過ぎった。

「あ!そうだ!あの時の・・・・・!」

何時ぞや、小平太が自分に奢ってくれた桜色の饅頭。
「春が来た」とのお祝いにくれた、あの饅頭だった。

そう思い付くと、四郎兵衛は元来た道を戻り、自分の財布を取りに行った。

326四郎兵衛×しおり:2008/05/08(木) 21:56:00 ID:Ck9kucL0
「えーっと・・。これで足りるかなぁ・・。やっぱり、くの一の子にも持ってった方が良いのかなぁ?」

自分の全財産と睨めっこしながら、頭を抱える四郎兵衛。
女の子は甘いもの好きだし、皆で食べて貰ったら嬉しいだろうなぁ、と考え
かれこれ30分以上悩んでる。

「・・迷うのは忍者の3病だって言ってたし、悩んでも仕方ないか。」

そう一人ごちると、私服に着替え、門の所へ向かって行った。

「あ、二年生の四郎兵衛君。何処か行くの?」

のんびりした声の方向に振り向くと、派手な髪色の上級生が目に飛び込んだ。
確か転入生の斎籐タカ丸と言った。
体格は4年生とのそれとは思えないが、15歳と言う年齢が嘘のように幼い雰囲気だ。

「あ、えーと。はい。お饅頭を買いに。」
「へぇ、そうなんだ。女の子への贈り物?」

にこにこと人の良さそうな笑みを浮かべ、確信を付いた発言にどきりと心臓が高鳴った。

「今噂になってるからね。・・でも、君がそんな風には見えないなぁ。」

どこからどう見ても人畜無害な子だよー、と言う発言と共に、じろじろと四郎兵衛を見る。
人畜無害とはどう言う意味なのだろうか。
そろそろ行かないと日が暮れてしまう。

小松田がサインを求めてきて、それにサインをしてから、駆け足であの時の茶屋へと脚を運ぶ。
うろ覚えだが、そんなに遠くはなかった。
殆ど強引に鍛えられた足と体力は伊達ではない。
あの怪物並みの委員長には何時もボロボロになるまで付き合わされているので、必然と脚力は軒並みに上がっているのだ。

30分も満たない内に、その茶屋が見つかった。
可愛らしい桜の刺繍が目印で、良く鮮明に憶えている。
小平太も「ここの桜饅頭が美味いんだ!」と紹介してくれた。

「すいませーん。桜饅頭くださーい。」

少しすると、にこやかな老婆が出てきた。
少し背が曲がり、如何にも優しそうなおばあさんだ。

「おや、この間の子かい?丁度桜饅頭を袋売りにしててねぇ。お友達と食べると良い。」

そう言うと差し出された袋には、みっしりと饅頭が詰まっていた。
これはくの一達の人数分配っても少し余る程だ。
自分も一つ食べるとして、残りは誰かにあげよう。
それにしても運が良い。

327四郎兵衛×しおり:2008/05/08(木) 22:54:06 ID:Ck9kucL0
た、体力が持たない・・。
すみませんが続きはまた後日。
328名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 22:20:40 ID:3aYdPPyg
潮江、お前何があったんだ過去に。

そして四郎兵衛が相変わらずカワイすぐる。
329名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 02:54:02 ID:CgfXKA9Q
>>324
303じゃないけどおせっかい。

土井さんと山田先生と利吉さんと同時にしゃべっているシーンで
山田先生が
「どーせまたナンパでもしていたんだろう」
みたいなこと言ってるのよ
330名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 16:12:02 ID:EkgoqUbh
>>329
トンクス!
しかし利吉さんは恐ろしいほどモテそうだなぁ
ナンパとかせんでも勝手に女が寄ってきそうなもんだ
331名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 20:25:57 ID:fjGnzRk9
利吉は年上好きのドMだと勝手に思ってた
332名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 02:17:38 ID:Jbs8UzxC
>>331は利吉さんに謝っとけよ
333名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 04:30:36 ID:/r8hBA0B
シロベーかわゆす

ところで、女体化スレって無くなった?
いや、無いなら無いで良いんだけど投下したい物があった
334名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 08:45:43 ID:i49oeBCq
>>333
自分は読みたい
335名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:13:33 ID:XPqx0z5n
>>333
悪いけどここに投下するのはやめて欲しい
性別反転スレ(正式名称忘れたごめん)はまだあったと思うよ

前も一回女体化の是非で揉めた気がするんだけど
女体化に限らず好き嫌いの別れるネタ(例えばスカトロとか)は
できれば専用スレに投下→ここで告知して読みたい人だけ誘導って形にしてもらいたい
336名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:34:31 ID:yf+xOoev
性別反転スレって、TS系小説総合スレのことかな。
>>333
参考までにドゾーつhtp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182867370/l50

自分はニョタ平気だけど、嫌いな人にとってはグロにも等しいからねえ…
性別変えたら忍たまじゃないって突っ込まれたらそれまでだしw
ここの住人同士で争うのも悲しいし、何か起こる前に住み分けはした方が良いんじゃないかな。
337名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:35:50 ID:yaCyHK+l
>>335
っていう論議になって結局注意書きと名前欄でおk嫌ならあぼんって事になった筈
338名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:28:07 ID:Zj72MYJn
年上好きドM利吉見てええーー!!
339333:2008/05/13(火) 00:40:53 ID:gR2mKaXU
レス遅れて木綿。
>>336のスレ知らなかった。早速ブクマしたトン
PINK難民に忍玉女体スレがあった気がしたんだけど、他作品と間違えてたかも
340名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 12:47:13 ID:mNVsr4Gc
>>338
照代さんとか年上だけど、仲は悪そうだよなぁ。
341名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 13:16:29 ID:Xr5ukEbU
女豹照代×年上好きドM利吉か
なんと魅力的
時間あったら書いてみてえ
342名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 14:50:38 ID:CSyiPzKv
>>341
時間をやるから書いてくれ
343名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 23:14:11 ID:NKnqCTZe
年上ならリリーさんがいるじゃない
344名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 01:44:08 ID:UXYQPTwD
ドMもいいが見かけによらずうぶなリッキーも読みたい・・・
去年のSPからずっとモンモンしてる

品先生(若)×リッキー

一見品×土居と被る設定だけど土居はヘタレ、リッキーは道程なんだ自分の中では。
345名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 23:46:23 ID:u39FycQe
シナてんてーの手管で大人にしてやってくださいよ


そういやだいぶ昔にシナ×小松田ってあったね
なんも知らないチェリーボーイ小松田にイロイロ教えてあ・げ・る☆
みたいな奴
途中で終わってて「おい!!」ってなった
346名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 00:50:11 ID:4QdCmQgL
意外にも床上手な小松田とか
347名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 01:58:57 ID:BfoPcQOX
自分小平太すきなんだか、何か考えずらいんだよな。
348名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 02:11:17 ID:GNSTxbc8
いけ逝けどんどーん!で高笑いしながら
ひたすらレッツゴウ!
最後は「ちょっと逝きすぎた!」

相手は誰かっていうと、確かに考えにくい。
忍たまは男女キャラの絡みが少ないから、
カップリングの妄想自体が難しいんだよな。
349こうですか?わかりません!:2008/05/15(木) 13:04:25 ID:OmjHkxpe
「いけいけどんどん!いけいけどんどん!」
「ちょ、はや、あ、んんっ、ひぃっ。」
 小平太の腰の動きは止まらない。暴走機関車7Ma2号はいけいけどんどんと狭いトンネルの中を走る走る!
「ん?壁発見!すぐに打ち破ります!」
「いやっ、そんな奥まで!!ああっんああっ!」
 ぱちんとはじめる赤い実。しかし感傷に浸る暇なんてありゃしないのだ!
 がっつんがっつと塹壕を掘り進め、地下水滴るトンネルをどんどこ蹂躙してゆくのだ!
「よし、七松波動砲、発射準備OK!すぐに発射します!!」
「いやあー!!!」
「波動砲、発射ー!!」
 掛け声と共に熱い波動がトンネルの中を満たしてゆく!
「ひゃふっ……ん!!!」
 発射の衝撃で振動する7Ma2号に絶えられず、トンネルもびっくんと撥ねた。


「七松小平太君、不合格。」
 審判をしていた山本シナがするりと天井から降りてくる。
「ええ?!どうしてです?」
 暴走掘削機をトンネルに入れたまま、小平太は不満そうな顔を上げた。
「ほら、ごらんなさい。あなたのわき腹。」
 指をさしてその部分に意識を集中させる。相手のくの一は、小平太のわき腹に指にはめた猫手を突き刺していた。
「交わるのに気をとられてはいけません。」
「なるほどー!さすがくの一だー!わっはっはっは!!」
 小平太は猫手を外すとその部分を摩る。
「……まあ、思春期だから仕方ないけれどねぇ。」
 豪快に笑う体育委員長を見ながらシナは小さく息を吐いた。

終わり

相手が誰だったっかはご想像にお任せします。
350名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 23:04:36 ID:mxb5CYLX
猫手刺さっても平気な小平太w
毒とか仕込んであっても効かなそうだな!

349に乾杯
こんな豪快なエロス初めて読んだ 7Ma2号てww
351名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 01:48:57 ID:AHpa6NhM
ドS仙蔵×意外にオクテだったシナ先生とか

密かに仙蔵が好きだったくのいちが仙蔵襲うとか

仙さまガラミで書いてみたいぜ
352名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 09:01:57 ID:2ktwaK80
朝からワロタwww7松豪快すぐるwwww
353名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 09:27:20 ID:1XoqP/hC
>>351
〉密かに仙蔵が好きだったくのいちが仙蔵を襲う

ヌゲー読んでみたい…
仙蔵がどんな反応をするのかが気になるぜ
354名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 12:51:06 ID:p29G/fsX
>>349
声出してワロタwww
355名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 15:35:00 ID:J7YidVx4
>>349
お付き合いを前提に結婚してください><
356名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 18:59:24 ID:QXso3Jj7
>「ん?壁発見!すぐに打ち破ります!」
破っちゃらめええええええ!!!

子宮破壊される……
357名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 19:56:39 ID:w3ZHT9AO
せつこそれ処女まk
358名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 21:01:09 ID:RcYCvf/8
実際そんなもんは無いんだがな
359名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:06:36 ID:hNKdWnU2
こへーたは早漏だけど回数は半端ない感じだ
360名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:39:40 ID:QXso3Jj7
「壁」「奥」だから子宮口かと思った(´・ω・`)
361名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 01:58:26 ID:aRF9PhtP
仙蔵って先生に対しては礼儀ただしいの?
362名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 10:05:09 ID:uwnJB1CU
仙蔵だけじゃなく基本忍たまは皆先生に対して礼儀正しいかと
363名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 12:27:24 ID:XCNFfB/C
七松波動砲クソワロタw
奴はセックルを何だと思ってるww
364名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 17:02:33 ID:+p15ib/p
>>363
スポーツ的なものだと
365名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 20:43:05 ID:aRF9PhtP
仙さまとくのいちキボン
366名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 21:07:11 ID:n/c+fAQf
長次はもくもくと腰振ってそうだな
367つまり、こうですか:2008/05/17(土) 21:58:38 ID:JAuF5A+S
「……………。」
 ボソボソ何かを耳元で言われるけれど、ちっとも聞こえない。これだったら、まだ腰振ってる音のほうが大きいわ。
「…………………。」
 試験だからって、こんな睦言のまねをされても困るのに。ええ、それだったら、こっちのほうに神経よこしちゃおうっと。
 猪々子は足の間に力をこめ、ぎゅう、と引き締める。
 どうかしら、必殺三段締めのお味は? 前の試験相手はこれでころりと果てたのよ。
「…………。」
 しかし、長次はちがった。与えられる柔らかい圧迫をものともせずに、「忍術学園の自然薯」と呼ばれる自身をかき回す。
「ああっっ、いやっ、うそぉっ!? 」
 力をこめたがために逆に神経を集めてしまった猪々子はごりごりとしたものに身悶える。
「やめてっ、いやっ、んっ、気持ちいいっっってぇ! 」
 試験のことなどすっかり忘れて自分も腰を動かし、長次の動きに合わせ快感を得ている。
 おかしい、と浴に溺れる頭で考える。自分は結構こっちのほうでは強いはずなのに。
 長次がにやりと笑い、耳元でまた何かを呟く。猪々子はその瞬間、すべて理解した。
(もしかして、こいつ、小声であたしの耳をっ?! )
 目を見開いた隙を突き、長次は一気に中に押し進め、探り当てた一番いいところを刺激した。
「いああっ!! いくっ、いくぅぅっ!! 」
 

「中在家長次君、合格ね。」
 天井裏に隠れていたシナは紙に丸をつける。隙間から覗けば、恍惚の表情を浮かべて布団にくねる猪々子が見えた。
「攻撃する箇所は一箇所じゃないのよねぇ。猪々子ちゃんは補習かな。」
 彼女はそう呟くと次の試験会場へ向った。

 終わり


あれ、これでシリーズいけそうじゃね?
368名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 22:09:27 ID:MHoFncMV
ものすごくらしくて笑うと同時に感動した。
シリーズ化超希望。
369調子に乗って仙ちゃん:2008/05/17(土) 22:34:46 ID:JAuF5A+S
 ぐちゅり、ぐちゅりと四本の指が蠢く。一本は実を、三本は内をかき回す。
 もう一刻はこんなことをやっているだろうか。大分濡れたその部分はすっかり開いてきたるべき物を、今か今かと待っている。
「っかんっぺきだ。」
 ねっとりとした愛液絡みつく指を舐めながら仙蔵は呟く。しかし卯子はそれを聞いて、意地悪く笑った。
「あらぁ、完璧かしら。」
 勢いよく身体を起こし、足を開く。
「身体は濡れてるけど、私はぜんぜん平気なのよね。」
 くの一教室の中ではたぶん一番強い。余裕綽々で懐紙をそこに当て、零れたものを拭き取ろうとするが。
「おや、まだ勝負はついたわけじゃないぞ。」
 仙蔵は手を止めて、負けじと笑った。
「何言ってんのよ、これ以上は無駄。」
「私はここだけに神経を集めていたわけじゃない。」
 まだ液に塗れている指を下に潜り込ませ、仙蔵は尻の窄まりを突いた。
「?! んっぐうっ?! 」
 びり、と前と比べ物にならない電気が流れる。突きながら仙蔵は言う。
「君、どっちかっていうと、こっちのほうが好きなんだろ?前よりも。」
 いーやらしいのぉ、と付け足せば、たちまち卯子の堤防は決壊する。
「ちがう、ちがうう! いやらしくない。」
「うそつけ、ほーら、お母さん指だよー。」
「んあああっっ! 」
 右手を尻に、左手を秘所に当てて動かしつづける。さきほどと比べ物にならない量が零れ、布団を濡らす。
「さて、そろそろ入れさせてもらおうか。」
 帯を解く仙蔵を眺めながら、卯子は精一杯笑った。
「はは……無理よ……だって、膣に入れてなきゃ……はぁ……合格にならないもの……。」
 どんなにあがいても、あんたの負け。
 そう言葉を続けたかったが、この男は許さなかった。
「安心しろ。」
 元結から取り出したのは、長さ七寸ほどの木彫りの男根。彼はそれを持って、にぃっこりと口を歪める。
「予備がある。」

 
 仙蔵の名前の隣に丸をつける。前じゃなくて、意外性を狙って後ろを開発しちゃった卯子を見て、シナは苦笑した。
「アイディアはよかったけど、やりすぎちゃあだめよねぇ・・・…。」
 眼下では前側も開発されそうな卯子がびくん、と大きく身体を跳ね上げていた。

 終わり


卯子ちゃんファン、ごめぬ。
370調子に乗って仙ちゃんかいた人だけど:2008/05/17(土) 22:37:32 ID:JAuF5A+S
元結にでっかいの忍ばせてたらバレバレだよね、
今気づいた。ごめん。
371名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 22:47:04 ID:l1n6bjEk
まあそもそも懐に入るはずが無いって言っちゃいけない人だからw
372名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 22:52:09 ID:n/c+fAQf
さあ、早く残り三人の試験を書く作業に戻るんだ
373名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 23:26:23 ID:wXj7C6J2
シリーズ化嬉杉!
続き待ち望んでます!!
374風雲小僧伊作:2008/05/17(土) 23:42:02 ID:JAuF5A+S
「ごめんねー、くじ外れて、こんなところになっちゃって。」
 伊作は笑いながら亜子の下に着物を敷く。部屋割りのくじで彼は見事野外を引き当ててしまったのだ。
「そんなぁ……こんなところで……。」
 亜子はしおらしく目を伏せて着物を脱いでゆく。辺りを伺いながら素肌を晒してゆく姿はくの一を忘れさせるほどだ。
「こう、着物を敷いておけば性器が汚れるのはある程度防げるから。じゃあ始めるよ。」
 伊作は全裸になった亜子を座らせると、やわやわと胸を揉み始めた。

「ん、気持ちい……。」
「いいねぇ……亜子ちゃんの膣。ちゃんと濡れているし、しっかり動いている。括約筋もいいし。」
「せんぱぁい、そんな専門用語ばっかり言わないでぇ……醒めちゃうよぉ。」
「はは、ごめん。ついつい。」
 後ろ向きに、腰を高く上げさせる後背位の姿勢をとらせてついてゆく。
「ああ、だめぇ……。」
 亜子はため息をつくと同時に身体を震わせる。内側の襞の微細な動きに、張り詰めていたものも破裂する。
「ん、あ……はぁ……。」
 身体の振動と共に、伊作の視界は暗転してゆく……。

「あはは、大成功!」
 すっかり寝入ってしまった伊作から離れると、亜子はけらけらと声を上げる。
「演技派亜子ちゃんに掛かれば、六年生なんていちころなのよ!……あはっ。」
 さっさと着替えてその場を離れようと立ち上がるが、すぐに蹲る。視界がだんだんぼやけ、ふわふわと暖かくなる。
「……ふにゃ……ぐぅ……。」

「善法寺君、……保留、にしておこうかしら。」
 しばらく考え込んだ後、シナは仲良く眠る二人に布をかけた。
「自分の性器に眠り薬を塗りつけておくってのはいいかもしれないけど、二人かち合っちゃうなんてねぇ。」
 それとも諸刃の剣かしら、なんて考えるまもなく、残りの試験会場へと駆けていった。
375保父留三郎と:2008/05/18(日) 00:03:20 ID:JAuF5A+S
「うふふ、先輩、どうするのかしらね。」
 全裸の恵々子は意地悪く笑いながら不機嫌そうに胡坐をかく留三郎を眺める。
「そんな風にしていると、どんどん時間がすぎちゃいますよー。さっさとあきらめたほうがましですよ。」
 入れるには、濡れていなければならない。しかしあいにく留三郎は前戯は得意ではなかった。
「先輩ばっかり準備万端でも困るんですけどねぇ。」
「ふん、用具委員長を舐めるなよ。」
 留三郎は押し倒すと強引に足を開かせる。
「用具委員、てなにが。」
「とろとろ蜜飴ちゃん〜。」
 着物から取り出したのは薬を入れておく貝。そこから液状のものを取り出すと、恵々子の乾いた秘所に塗りつける。
「これを塗ると空気の流れだけでも感じて蜜がこぼれるんだよー。」
「な、う、んっ。」
 薬を擦り付けただけで、恵々子の壷からは潮が吹き出る。留三郎は一気にそこに突き入れた。
「んあっ。」
「ほらほら、気をはっとかないと、気絶するぞ。」
「や、ば、あっ、いい、あんっ。」
 がつんがつんと腰を動かし、貪欲なまでに中を荒らしてゆく。恵々子は縋るように手を回そうとしたが、捕まえられて頭上で縛られる。
「猫手やなんかで攻撃しようとしてもダメだ。あ、ついでだから縛っておくか。」
「お、おにぃ……。」
「鬼じゃねえ、保父さんだ。」
 そう伝えてから、ぐつん、と子宮の入り口を突いてやった。


「食満君は一応、冷静ね。……でもちょっと女の子に優しくしないと。」
 手足を縛られ、留三郎のなすがままにされている恵々子は三回目の絶頂に達している。
「食満君……保留にしときましょ。」
 
376燃える会計委員長:2008/05/18(日) 00:18:34 ID:sZe7dRsc
 開いた足の間から、白と透明が混ざったものが散る。シナがやってきた時、二人は前戯を終えて合体していた。
「潮江、先輩、気持ちいいっ、気持ちいいよぉ。」
「ばかたれ!忍者がそんなによがってどうする!ちゃんと気を持て!俺は潮江じゃない!ドクタケ忍者と思え!」
「むりぃっ、先輩のぉ、わかっちゃうんっ、ひゃあっ。」
 腰をすりつけそうこは惚けながら文次郎を受け入れていた。
 そういえばこの二人、つきあってるのよねぇ、とシナは今更ながら思い出す。人選ミスだったかしら、と自分の采配にため息をついた。
「ああっん、先輩、イっちゃう!イっちゃうぅっ。」
「こら!イクな!お……ぐっ。」
「先輩も一緒、にぃっっんんん!!!」
 交わっている部分から一気に零れる。そうこはそれを自分の秘所に擦り付けながら文次郎に甘えた。
「先輩、もっと、ね、やりましょうよう。いくらやってもいいんでしょう。」
「ばかっ、忍者が欲に溺れてどうする。三禁をしっかり守ってだな。」
 起き上がるとぬるぬるになった手を、出したというにいまだギンギンな文次郎地震に擦り付ける。
「いいでしょ?先輩もこんなに元気だもん。」
「おい、こら、お……。」
 文次郎の制止も聞かずに、そうこは血管浮き出るものを口に含んですすり上げた。


「文次郎君、再試験、と。」
 こちら側のミスだけど、いい思いしてるんだから、いいわよね。
 シナは微笑みながら二回戦を始める二人を眺めた。
 これで本日の試験終了!あとは各人、楽しみなさいね。


 おわり
377あとがき:2008/05/18(日) 00:20:31 ID:sZe7dRsc
ごめんなさい、調子に乗りました。
会計委員長はにっきの中の人様の設定をお借りしました。すいません。
ノリに乗りました。反省はしてません。たぶん。
378名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 00:22:38 ID:5U2C1NlE
GJ!!!
一晩で一気にエロ三昧堪能させてもらったよハァハァ
379名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 00:37:48 ID:5wacAJ2m
ぐっじょぶ!
ありがとうご馳走さま(´Д`*)
380名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 00:52:37 ID:0CSi8jAp
けまひでえwなんたる最低保父さんw
どれもすごく面白かった!お疲れさまでした。

その気になれば全学年でいけるネタだな。
381名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 01:10:13 ID:aFhRjpAK
>全学年

先生!!男子が 若干女子より多いです!!
382名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 01:16:20 ID:m1VBO0hh
そうか!だったら!



3Pとか4Pという手があるじゃないと言ってみる
383名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 02:30:43 ID:TDONYPQB
5年×ユキちゃんが見たいです(^^)
384名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 02:43:00 ID:ou6FaR2H
>>383
俺も見たいから頼む
385名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 02:49:48 ID:8FSkDLxT
さあ5年の試験を書く作業に戻るんだ

久々知とかすげー気になるな
386名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 03:16:44 ID:PCIV7g15
GJGJ!!
各人それぞれ個性が出てて楽しめました。ありがとう!続きもマターリ待ってるよー
387四郎兵衛×しおり:2008/05/18(日) 17:58:02 ID:/aikam0t
少し来ない内に何と言う神作品が・・。
畜生、こうなったら今度上級生×くのいちの房術試験書いてやんよ。

まずは、四郎兵衛の続きドゾー

ぺこりと一礼をし、手を振る老婆に見送られ、四郎兵衛は元来た道を走りぬける。
空は茜色が差し込み、日が傾こうとしていた。
道も四郎兵衛の頬も茜に染まり、春の心地よい風がふわりと薫る。

その頃忍術学園、くの一教室では

「ねぇしおりちゃん。あれから四郎兵衛って子に会ったの?」

緑色の髪を揺らしながら、そうこは問い掛けた。
庭の掃除当番で、他愛無い会話をしていた時だった。

「うぅん、あれから会ってない。」
「そう、どの子が四郎兵衛って子なのか解らないのよ。」

仕掛けようにも、外見が解らないんじゃ話しにならないわね、と可愛らしく舌を出す。
うーんと首を傾け、しおり自身も特徴を思い出している。

「そうねぇ、まん丸い目で、口がぽけーっと開いてて・・・。あぁ、見るからにぼーっとしてそうな子。」
「あははっ、何その子?」
「ホントにそんな感じよ?そう・・・あんな・・・って、えぇっ!?」

突然驚きの声を上げたしおりに、そうこは指差した方向を見やる。
そして同じく目を見開き声を上げる。
青い制服に、真ん丸い目。見るからにぽけーっとした表情。
袋を抱えながら、時友四郎兵衛はきょとんと首を傾げていた。


388四郎兵衛×しおり:2008/05/18(日) 18:40:45 ID:/aikam0t
「と、時友四郎兵衛?!」
「えぇっ!?この子??」
「しおりちゃんお久し振りー。」

驚く二人を尻目に、当の本人は呑気に笑いながら挨拶を交わしている。
確かにしおりの言う通り、見るからにぼけーっとしてそうだ。
二年生と言うのに、何処か頼りなさげな雰囲気はい組の3人とは異なる。
だがそんな事は如何でも良い。
ぼんやりしてようがいまいが、くの一に怪我をさせた罪は重いのだ!
箒を捨て、戦闘態勢に入る二人。

「あんたが時友四郎兵衛ね?この間はよくもしおりちゃんに怪我させてくれたわね?」
「それになんでくの一教室に入り込んでんのよ!?」
「ご、ごめんなさい。」

二人の剣幕に圧倒されたのか、ひっと後ろに後ずさる四郎兵衛。
だがここで逃げては意味が無くなってしまうと思い、恐怖を押し殺す。
(に、逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ・・・!)

「あ、あの。ぼくくの一達の誤解を解こうと・・・・。」
「男子が侵入したってぇ!?」
「良い度胸ね!」

声の方向に振り向くと、そこは桃色の楽園。
四郎兵衛にとっては、桃色の地獄絵図と言った所だろうか。
四方八方からくの一に囲まれ、絶体絶命、四面楚歌の状態だ。

「ふぅん、無断で入り込むとは良い度胸じゃない?時友四郎兵衛君。」
「くの一達の恐ろしさ、体験しにきたのかなぁ?」
「あ・・・、あわわ・・・・。」

これは話を聞いて貰える状態じゃない。そう判断した四郎兵衛は、一目散に走り出す!
文字通り脱兎の勢いでくの一教室の庭を駆け抜ける青い装束の男子。
それを負けじと負う、桃色のくの一達。

「ふえぇぇ・・・、ど、どうしようどうしようぅ・・。話を聞いて貰う筈が、余計ややこしくなっちゃったよぉ・・。」

後ろを振り向く余裕さえ無く、ただ只管四郎兵衛は走り続ける。
くの一が優秀とはいえ、女と男の体力だ。
地獄のトレーニングで毎日鍛えている四郎兵衛は、知らずの内にくの一との距離を引き離して行く。
くるりと後ろを向くと、声はするもののくの一の面影は見当たらない。
ほっと胸を撫で下ろすと、持っていた袋を渡り廊下に降ろし、懐から紙を取り出す。

「これで気付いてくれるかな・・・。」
「あぁっ!四郎兵衛見っけ!」
「きゃーっ!!!!」

一呼吸置いたのも束の間、目撃の声が耳に入り、まるで女の子の様な悲鳴を上がった。
一目散に逃げようとしたが、縄を引っ掛けられて、その場に躓いてしまう。
389四郎兵衛×しおり:2008/05/18(日) 19:22:09 ID:/aikam0t
「さぁて、どう料理してやろうかしら?」

くすくすと微笑うくの一に囲まれ、四郎兵衛はこれからどんな酷いお仕置きが待っているのかときつく目を閉じる。
その時、みかがふと静止の声を上げた。

「みかちゃんどうしたの?」
「さっきこの袋拾って・・、ほら見て、桜饅頭。」
「あぁっ!これ噂の!」
「あたし食べたかったの!」

呆然とする四郎兵衛を尻目に、今度はくの一達がきゃぴきゃぴとみかが持ってきた饅頭に群がる。
やはり持ってきて良かったと、四郎兵衛はほっと溜息を付く。

「これ・・、四郎兵衛が?」
「うん・・・。皆で食べて貰おうって・・・・。」

力無く頷くと、くの一達は顔を見合わせ、互いに頷く。
すると、しおりが縛っていた四郎兵衛の縄を解き、複雑な表情を見せた。

「・・今回は許してあげる。」
「あ、有難うしおりちゃん!」
「きゃあっ!えっち!抱きつくなぁっ!!」

思わず感極まった四郎兵衛に抱きつかれ、しおりはその頭に拳を振り下ろす。
ごんっと言う音が庭に響き、木に止まっていた烏が一斉に飛び去った。



「・・・・四郎兵衛、どうしたんだ。大きなこぶこさえて。」
「え?あ、あははは・・・。ちょっと・・・・。」

その日の委員会、頭に大きなこぶをこさえながらやってきた四郎兵衛に、次屋三之助は怪訝な顔をした。
委員会で怪我をするのは日常茶飯事だが、委員会が始まる前に何処かにでもぶつけたのかと首を傾げる。
当の本人はにこにこと嬉しそうに微笑んでいるので、まぁ良いかと思った。

「四郎兵衛、何か心配事があったら何時でも相談に乗るぞ。」
「あ、有難う御座います。次屋先輩。」

夕日に染められた校庭を二人で歩き、小平太の集合の声が掛けられた。
深く溜息を吐く三之助とは反対に、元気に小平太の所まで走りだす四郎兵衛。

今日も今日とて日が暮れる。
くの一と四郎兵衛の騒動は、これで治まったかに思えた。
後日、更なる騒動が降りかかる事を、四郎兵衛は知る由も無い。

続く。
390名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 21:48:05 ID:qq+k+u8e
GJ!
続き楽しみにしております
391名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:50:54 ID:DKO8K7K4
知らない間にかなりUPされてる!!

6年生ズ、よくまぁ毛も生えてないようなガキ相手に臨戦態勢とれたなと。
それでこその6年か。
4年あたりじゃあ2年のくのたまごとき、その気にもならなそう。
392名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:58:56 ID:ytBbfqBr
>>391
アニメくのいちの年にそぐわぬ早熟ぶりを知らんのかw
393名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 08:56:24 ID:OTFEyCfZ
推定B〜Cカップはありそうに見えるよな
394名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 14:44:49 ID:mfP8OQOw
>>349-389
gj!!おもしろかった!

照利近々うpできるかも
395名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:52:39 ID:pGHHkURY
GJ!しおり可愛いよしおり

>>394
お金数えて待ってる
396照代×利吉:2008/05/20(火) 12:12:50 ID:Jqxucna0
雨上がらぬ梅雨時の夜。
冷たい雨を熱湯に変えてしまいそうなくらいの熱帯夜だ。
外も暑いが室内はもっと暑かった。
肌にまとわりつく汗が不快感を呼ぶ。
それなのに、何故こんな事をしているのだろう。


「ほら。どうされたいの?」
「んう…。」
利吉の口のまわりにはこれでもかという位に口紅が付いていた。
「その…、僕の…。」
しどろもどろの利吉が息荒く言葉を吐いていたのを、照代は利吉の頬を舐めあげて言葉を切った。
「まだ口付けしただけじゃない。こんなにしちゃって。よく忍びが勤まるわね。」
やっとの思いでドクタケに就職した照代に言われたくはないが、言い返せなかった。
いや、言い返す気がなかった。
利吉は恍惚とした表情でだらしなく涎を垂らして快感に満ちていた。
胸の突起あたりや股の付近をくすぐるように撫で回され、利吉は顔をこれでもか、と紅潮させて息を荒げていた。
それに引き換え、照代は顔色一つ変えずに利吉を攻め立てる。
照代に再び、激しく口付けされた利吉は後ろに大きく仰け反った。
苦しくて口を開けるが、照代は構わず利吉の口内を舐めまわす。
生暖かい、ぬるぬるした舌が体内にまで這いずりまわっているようにも感じ、
利吉は情けない声をあげて後ろに倒れてしまった。
「やだぁ。女みたいな声出しちゃって。気持ち悪い。」
股ぐらをそっと撫で回しながら耳元で囁く。
ぞくぞくと込み上げるものが我慢できずに、声となって外に出た。
「はぁ…っ。」
「ほらあ、さっきのおねだりの続きは?」
照代は首筋を舐めあげて笑う。
「…、僕の…、ココを、いじめて下さい…。」
小刻みに震えながら、屈辱と快楽に満ちた表情で照代の手を掴み、
天に向かってそそり立った自身を袴から取り出して握らせた。
「あっつーい…。火傷しちゃう。」
冷たい目で見下ろしながら、口元は笑顔で。
ペッ、と唾を吐きかけて手を上下に動かした。
「あぁっ、イイ!」
大きく仰け反ったモノが、照代の手の中で更に大きく、ビクビクと震えた。
「照代さ…、出る…!」
今にもはじけそうな利吉が声を荒げて叫ぶと、照代はニヤリと笑って利吉の下半身を持ち上げ、
敏感な先端に爪を立てた。
強烈な刺激を受け、情けない声と共に利吉は果てた。
勢いよく飛び出たモノは、利吉自身の顔に容赦なく振り注いだ。
「汚ぁい。」
そう一言だけ照代は利吉に笑いながら言い放った。
ぐったりと息をする利吉の顔は幸せに満ちた顔で笑っていた。


文章力なくてスマン
時間があいたら本番も書きたい
397名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 12:25:32 ID:2stODe02
りwwwきwwwwちwwww
398名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 18:35:41 ID:23TBbsBI
利吉wwww
利吉可愛いよ利吉
399名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:53:50 ID:w7MDBxNJ
利吉ーー!!
GJですGJ!!
400名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:18:35 ID:9bY9wneG
照代さあぁーん!!
僕もいじめてくださいハァハァ

てゆか利吉wマゾww
案外と似合うな
401名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 19:39:47 ID:vfVV09Uk
利吉のドMぶりがめちゃくちゃ意外だったがかなーり萌えた!


仙シナ近日中にうぷします
402名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:30:45 ID:OzDeDW6x
イイ!!GJ!!

利吉君は年上好きのドMだと再認識させてくれてありがとう
403当世忍たま恋愛事情49:2008/05/22(木) 12:15:08 ID:Qdi7wadl
続きです。
>>377
もっとやってくれ!



「べたべた……?」
「ん?」
すぐ隣で聞こえた呟き声に、久々知兵助は虫かごを手にしたまま振り返った。
行灯の薄明かりのみの部屋の真ん中で、同じく虫かごを抱えた鉢屋三郎が、じっと虚空を見つめている。
閉め切った雨戸の隙間から、時折閃く真夜中の雷光に照らされたその顔は、異様なほど真剣だ。
顔の前で手を振っても視線も揺るがない。首をひねりながら、久々知は虫かごを床に置いた。
「どうした三郎。湿気で仮面がはがれそうなのか」
「どこかで誰かが、超ベタでお約束な展開に陥っているような気がする……」
「なんだそりゃ」
「芸忍としての私の超感覚に、何かが語りかけてくるのさ。ああ、天呼ぶ地呼ぶ人が呼ぶ、ボケ倒せと私を呼ぶ……」
「雷蔵ー、三郎がまた電波受信してるぞー」
「雷蔵は図書室の点検に出かけて留守だ。……学園内?いや、もっと遠い。くっ、生物委員の手伝いに借り出され、
乱入もままならぬ我が身が口惜しい!これも学級委員の宿命なのか……!」
「お前、飽きたんだな」
一人悶え苦しむ三郎の手から虫かごを取り上げ、久々知はそれを自分が置いた虫かごの隣に並べた。

五年ろ組長屋の一室。折からの大雨に床も壁もじっとり湿気た室内は、無数の虫や小動物の気配で
いっそう薄暗く、湿っぽくなっていた。
ここだけではなく、隣の部屋からも何かがうぞうぞうごめく音や、生徒のうめき声が聞こえてくる。
すべて生物委員が、大雨で流された飼育小屋から運び込んだものだ。
生き物たちはとりあえず、今のところは一応、委員が在籍する組の室内だけに収められている。
だが、次から次へと運ばれてくる籠や箱の量からして、いずれ他の組にも被害が及ぶであろうことは明白だった。
人の好いことにこの夜中に、わざわざ組違いの長屋まで手伝いにきている久々知だが、そのうち自分の部屋にも
これを運ぶはめになるのかと考えると、さすがに少々気が沈んでくる。
心配事はまだあった。火薬委員の上級生として、そろそろ焔硝倉の様子を見に行かねばならないのだが、
避難作業に退屈した鉢屋三郎をこのまま、一人きりで置いていっていいものだろうか。
こいつのことだ。暇つぶしに毒虫を使って、一人絶叫ガマン大会でもやりかねない。
そんなことになったら生物委員と、周囲の部屋の生徒が気の毒すぎる。でも雨漏りしてたら困るしなあ。
不破雷蔵が乗り移ったがごとく、悶々と考え込む久々知を、同じく悶々と頭を抱えていた鉢屋が、急に憮然として睨んだ。
「失敬な。観客もいないのにそんなことするか」
「さらっと心を読むな!ていうか、いたらする気か?」
「なんなら一緒にするか?うんいいな、私は毒虫、君は豆腐で」
「やるか!」
「させるか!」
押し開けられた戸の向こうから駆け込んできた竹谷八左ヱ門が、鉢屋の尻を蹴り飛ばした。
いまや蓑も脱ぎ捨て全身ずぶ濡れ、両手に大きな壷を抱えたその後ろから、同じくびしょ濡れの三年生が
部屋に入り込んでくる。
上級生の部屋だろうとお構いなしに、もくもくと虫籠を並べる伊賀崎孫兵に壷を渡しながら、竹谷が
尻をさする鉢屋を怒鳴りつけた。

「三郎!手伝わんでいいから余計なことはするな!」
「いい案だと思ったんだが」
「どこかだ!」
「そうだそうだ!」
「よし、言ったれ兵助!」
「任せろ!お前という奴はまったくもう、豆腐一丁作るのにどれだけの手間隙がかかると思ってるんだ!
豆腐はつかるもんじゃない、畑と豆とお百姓さんと職人に感謝しながら、毎食毎食両手を合わせて
ありがたくいただきますとだな」
「待て兵助!論点ずれてる!」
「君は基本ツッコミなのに、豆腐が絡むと天然になるなあ」
「豆腐は人工に決まってるだろう」
「お前ら俺に仕事させてくれ……」
「おーい、生物委員、終わったかい?……あ、まだか」
404当世忍たま恋愛事情50:2008/05/22(木) 12:17:24 ID:Qdi7wadl
開いたままの雨戸から、不破雷蔵がひょいと顔を覗かせた。
自分と同じその顔を見て、鉢屋がやあお帰りと片手を上げる。ほっとしたように、竹谷が肩を落とした。
「八左ヱ門、どうかしたのか?」
「助かった……俺一人じゃ収拾つかないところだった」
「雷蔵雷蔵、兵助はなかなか見込みがあるぞ。やはり天然は侮れんな。私の好敵手になれる」
「あまりひどいことをいうもんじゃないよ、三郎」
一人、豆腐の製造過程についてとうとうと語っていた久々知が、ふと気づいたように瞬きした。
「なんだ雷蔵、蓑なんか着て。図書委員も本の移動をするのか?」
毒虫館と化した自室を、いっそ感心したように見回していた不破が、笑って首を振った。
「まさか。今、先生から指示が出たんだ。事務の小松田さんが校内で行方不明になったから、委員会で
手がふさがってない五年生以上は探索に加われってさ」
「ええ?このややこしいときに、さすがは小松田さんだな」
「便所にでも籠もってるんじゃないのか?」
「巡回にいったまま、帰ってこないらしいんだよ。図書のほうは終わったから僕は行くつもりだけど」
君らはどうする?と見回す不破の隣で、竹谷の手から毒虫入りの壷が転がり落ちた。

ごとん、と鈍い音が響くと同時に、五年生三人が雨戸の隙間からいっせいに外へ飛び出す。
だが、しっかり蓋のされた壷から、毒虫が這い出してくることはなかった。

雨の吹き込む縁側で、ほっと息をつく三人とは逆に、伊賀崎が泡を食って落ちた壷を抱え込む。
そんな後輩にも、おそるおそる部屋を覗き込む同級生達にも目もくれず、竹谷は呆然と立ち尽くしたままだ。
「小松田さん……?」
ポツリと呟き、次の瞬間、蒼白になって下級生の肩をつかむ。
「孫兵!あの後どうした!?さっき籠運んでもらってただろう!」
「え?」
「小松田さんだ!巡回の途中だけどって手伝いに来てくれてただろう!」
蓋を少し開け、壷の中を覗きこんでいた伊賀崎が顔を上げた。
「小松田さんなら一年生と手分けして、小動物の残りを数えてもらうようお願いしてます」
「どこで!?」
「きみ太郎の子供達を……あれ?そういえばあれから見かけないですね」
「なにい!?」
戸口で重なりあって部屋を覗き込みながら、不破が久々知の顔を見上げた。
「きみ太郎ってなんだっけ」
「確か毒蛙だろ。その子供ってことはおたまじゃくしか」
「おたまか。おたまがいるのは……池だな」

遠くでどおん、と雷鳴が響いた。
地面すら泥川に変えるほどの驟雨が、いっそう勢いを増して降りそそぐ。

悲鳴を上げて、外の五年生達が部屋に駆け戻った。
棚や物入れをひっくり返し、かぎ縄、手鉤、戸板に布団、懐炉代わりの火種筒と手際よくかき集めると、
竹谷も加えて手分けして抱え、すぐさま薬草園に向かって走り出す。
滝のように全身を打つ雨風に顔を歪めながら、雷蔵が声を張り上げた。
「はまってる!絶対はまってるよ!」
「いやむしろ溺れてる!小松田さんなら間違いない!」
「やばいやばいむちゃくちゃヤバイ!あそこ、底に泥のたまった底なし池だぞ!」
「いやはや、まさにさすがは小松田さん、真性天然は格が違う!」
戸板を傘代わりに掲げ、わっせわっせと泥道を駆けて行く四人の頭上を、激しい稲光が通り過ぎていった。
405当世忍たま恋愛事情51:2008/05/22(木) 12:21:31 ID:Qdi7wadl
遠くで稲光が瞬いている。
狭まった洞窟の入り口で、時折まばゆい青い光が閃く。ぞくぞくするような光だが、なぜか少しも怖いとは
思わなかった。
怖いというなら、自分の体の下から見上げてくる三白眼のほうが怖い。
その男の上で、自分が今からしようとしていることのほうがずっと怖い。
大きく開いた襟元から入り込む湿った空気が、肌を嬲っていく。鳥肌が立つほど寒いのに、射抜く視線に
なぜか体の奥で、熱が湧き上がった。

「……どけ」
地獄の釜の底から響くような声に、ぞっと背筋が総毛立った。ほくちの橙色の炎に照らされ、ぎらぎらと
燃える瞳には怒りしか浮かんでいない。
怒っている。ものすごく怒っている。先ほどの、子供が地団太踏んでいるような怒りではない。
大人に近い男が、押えながらも漏らす憤怒に、全身が震え上がる。
だが、おののく体を無理やり押さえつけ、強いて目に力をこめると、そうこは大きくかぶりを振った。
「どかない」
「このド阿呆が、たたき落とすぞ。ガキがなにしようってんだ!」
「わ、わかんない!」
はあ?と呟き、文次郎の目が丸くなった。その隙に、肩を押さえつけていた手を片方外し、いそいで
後ろにまわす。
袴の上を指探りで辿りながらも、実際、そうこの頭は大混乱に陥っていた。

みんな当たり前のようにすることなのだと習った。これを武器にするのがくのいちなのだとも言われた。
頭の中ではそうする自分を、何度も想像してみたりもした。
なのにいざその場になってみれば、なにがなにやらさっぱりわからない。
授業でならった手練手管も、友達同士の内緒話で得たり、ユキに伝授してもらった小技関係も、全部頭から
吹っ飛んでしまった。こうなったら次はどうするんだっけ、なにしたらいいんだっけと、気ばかり焦るが、
振っても揺すってもひとかけらの情報も浮かんでこない。
あたしって実はくのいち向いてないんじゃないの?と、落ち込みそうになる。
正直、どうしようもなく怖い。
体だけつながっても仕方ないと言いながら、そうしようとしている自分が馬鹿に思える。
怖くて恥ずかしくて、やめたくて仕方ない。
でも、他に手がない。
言葉で言っても、心をぶつけても伝わらないなら、あと自分が知っている方法は、体しかない。
だってもうどうしたらいいのか、さっぱりわからないのだから。

普通の娘は、こういうときどうするんだろうとふと思う。
自分の年頃で、くのいちでない普通の娘なら、きっとここまではしないだろう。
恥ずかしくてできやしない。そもそも体を武器にする手段など、知らないに違いない。
それとも、もっと別の方法を知っているのだろうか。
男をたぶらかすことを前提とした、くのいちの手管などに頼らない。
自分にはわからない、もっと違う想いの伝え方を。

なんだか妙に情けなくて、鼻の奥が痛くなってくる。
我慢しながらそろそろ手を伸ばしていくと、指先がどうやらそれらしいものに触れた。
袴の布地が濡れているおかげで、妙にくっきり形が感じとれる。確認のために全体を探ってみる。
眼下の太い眉が一瞬、ぴくりと寄った。
あ、これでいいんだと少しだけほっとする。
絵や模型では見たことがあるが、着物越しとはいえ生で触るのははじめてだ。やだちょっとなにこれでかくない、
と、頭の中でギャーギャー悲鳴がこだまするが、顔には出さず、そうこはとりあえず手を広げ、それを握ってみた。
ぐにゃっと妙な感触と同時に、今度は文次郎がギャーと悲鳴を上げた。

「てめえ、つぶす気か!」
「そ、そんな力入れてない!」
「違うタマごと……バカタレふざけんのはもうやめろ!何度も言ってんだろうが、俺はくのいちなんぞには」
「だってわかんないんだもん!」
406当世忍たま恋愛事情52:2008/05/22(木) 12:23:56 ID:Qdi7wadl
押しのけようと肩をつかんできた手を振り払う。悲鳴じみた声が狭い洞窟に反響して、なんだかひどく
間抜けに聞こえた。
ますます情けない気分になるが、それでも必死で、泣くのだけは我慢する。
泣いたらだめだ。ここで泣いてすがったりしたら、まるきりこいつの嫌いな、くのいちの手練手管じゃないか。
体の技は使っても、心は違うのだと示したかった。
「わからんのはお前のほうだ!」
「あんたのほうがもっとわかんないわよ!わかんないから、だから……わかることするしかないんじゃない!」
やけくそで袖を抜き、濃緑の忍び衣を脱ぎ捨てる。背筋を冷気がすり抜けた。
裸体をさらしているというのに、見上げる視線は揺らぎもしない。怒りと消えない情けなさと、寒さとは違う
冷たいもので体が震える。
「できるんだから。できるわよ。言ってわかんなきゃ、体でわからせてやるんだから」
今度は力を抜いて、手の下のものをゆっくり撫でさする。反応はないが、薄明かりの下、少し強く眉が寄るのが
見えた。
「あんたを好きなのはあたしなんだから……他の誰かと一緒にされて、黙ってられるか」

文次郎の目が見開かれた。一瞬だけ、戸惑うような光がそこに浮かぶ。

探る視線から目を逸らさず、そうこは震える手を手探りで腰紐に絡めた。だが指先が冷えてうまくつかめず、
なかなか解くことが出来ない。
こいつどっかにしころでも隠してないか、袴ぶった切ってやりたい、と冷静さを欠いた考えがぐるぐる回る。
必死の指がようやく結び目を緩めたのと、下から伸びた手がそうこの胸をわしづかみにしたのは、
ほぼ同時のことだった。

節くれだった太い指が、ぎりぎりと柔肌に食い込んでいく。
ほとんどないが、それでも小さく膨らんだ、他より薄い肌も、色の薄い先端も一掴みにされている。
一瞬なにが起きたかわからず、続いて驚きと、背骨が痺れるほどの痛みが襲いかかってきた。
「いっ……!」
あばらがへし折られるんじゃないかと怖くなり、反射的に逃げようと腰が浮く。逃がさないというように、
もう一方の手が腰をつかんだ。
これも手加減の一切ない、骨が砕けそうな力だ。
あまりの痛さに汗が吹き出した。何とか引き剥がそうと腕をつかむがびくともしない。
意図しないうめき声が喉からもれた。その間にも胸をつかみ上げた手の力は、少しずつ強くなっていく。
息が乱れた。痛いと叫びたいのに、思うように声も出ない。
ぐらりと視界が揺れた。跨っていた文次郎の上半身が動いたのだ。腹筋の力だけで半身起こし、その勢いで
顔が近づく。
橙色の明かりが、風に大きくぶれた。
すっかり見慣れたはずの、隈だらけの三白眼に、感じたこともないほどの恐怖がわきあがる。
怒鳴りつけてやりたいのに、口から出たのは引きつった細い悲鳴だけだった。
腰をつかんでいた手が離れ、むき出しのふくらはぎをつかんだ。細い足を一掴みに、軽々とそれを持ち上げる。
目の前から男の顔が消えた。一瞬の浮遊感に続いて、岩の天井が視界を流れていく。
胸を苛む痛みが途切れた。代わりのように腕をつかまれる。がくんと体に衝撃が走り、背中が軽く何かに当った。
布と、ごつごつした石の感触。洞穴の床に押し倒されたのだと気づく。
足と腕は、まだつかまれたままだ。血が止まるほどの力に、もともと感覚のなかった指先がすうっと重くなる。
橙色の光に照らされた岩壁に、黒い影が浮かび上がった。影に続いてゆっくりと、男の体が覆いかぶさってくる。
惚れているはずの男だった。
面のように表情の抜けた顔の中で、目が薄暗い光を放っている。

逃げたい、と痛切に思った。

腕をつかむ手が離れた。無言で、がたがた震える膝をつかむ。
痺れた手と足の、わずかな抵抗もものともせず、もう一方と一緒にゆっくり左右に開いていく。
膝が割れ、腿に隙間ができ、普段は決してあたるはずのない場所に光と風が触れる。
頭の中が真っ白になった。
悲鳴の代わりに漏れたのは、風のような吐息だけだった。
407当世忍たま恋愛事情53:2008/05/22(木) 12:30:05 ID:Qdi7wadl
「おら」
唐突に、手が離れた。
続いてばちんと音がして、目の前で星がはじける。ぐらっと頭の芯がぶれて、気が遠くなった。
平手で額をはたかれたのだと、気づいたのはしばらくしてからだ。
はっとそうこが気を取り直したときには、文次郎はさっさと洞穴の壁際に腰を下ろし、胡坐をかいていた。
なにが起こったのかわからず、ぼんやりと自分と文次郎を見比べる。いつの間にかむき出しだったはずの体にも、
濃緑の忍び衣装が巻きつけられていた。
着物のあわせをつかんだまま、しばらく呆然と相手の顔を見つめる。文次郎はまるで何事もなかった顔で、
腰紐を締め直しながらほくちの具合を見ているだけだ。
節くれだった指が、火を嬲っている。

骨の軋むような痛みと、冷えきった体をさらに凍らす恐怖が、じわりと蘇ってきた。

今度こそ、岩壁を震わすほどの悲鳴を上げながら、そうこは穴の奥へ転がり込んだ。
火と男から身を離し、壁に広げられていた自分の衣装を引っ張り下ろして、まだ乾いていないそれを
さらに上から巻きつける。動くたび、あばらや腰がずきずきと痛んだ。
壁際にぎゅっと身を寄せ、できるだけ小さく体を縮こまらせる。
なにがなんだかわからない。ただひたすら、とにかく、見栄も外聞もなくただ怖い。
目の前の男が怖い。
くのいちの自覚も学んだ自制も、何もかも放り出して、ただひたすらに震え続ける。
悲鳴は相当うるさかったはずなのに、文次郎は眉をしかめることもなく、ただちらりとそうこを見ただけだった。

ごうごうと荒れ狂う風の音が、狭い入り口から入り込んでくる。
雨はまだ、やむ気配もない。

「バカタレが」
文次郎が口を開いたのは、ようやくそうこの体から、震えの発作が消えかけた頃だった。
「お前、本当はやめたかったんだろう」
バリバリと元結のばらけた頭を掻きながら、三白眼がじろりと見つめてくる。また情けないほど体が跳ね上がった。
「偉そうなこといいながらガッタガタ震えとったぞ。やめたいのに止められなかったんだろうが。修行が足りんわ。
……どうだ、まだやるか」
布地に埋もれたまま飛び上がり、必死で首を振る。
その姿がよほどおかしかったのか、への字の口元が少しだけつりあがった。
「バカタレが」
雨音に混じってちりちりと、ほくちのくすぶる音が聞こえた。

しばらくむっつりと黙り込み、火を眺めていた文次郎の目が、ふと洞穴の奥に流れた。
消えない恐怖心から、反射的に目をそらす。同じく視線を逸らし、だがその目はすぐまたそうこにもどった。
様子を伺うように、二、三度同じことを繰り返し、やがて文次郎は面倒くさそうにため気をついた。
「悪かったな」
「へ」
「二年くらいだと、半端に自分の殺し方も学んどるからな。多少乱暴なくらいにせんと止まらないと思った」
意味のわからない言葉に、思わず顔を上げる。意外とちゃんと顔を見ることができた。
不機嫌なしかめっ面には、自嘲の影が色濃く浮かんでいた。
「な、なに……?」
「だから」
早口で吐き捨て、それ以上は言わずに目をそらす。ますます不機嫌に眉が寄った。
そこでようやくそうこは、文次郎が自分を助けてくれたのだと気づいた。
確かに少々乱暴ではあったけれど。あの時はきっと、半端に諭されたくらいでは止まれなかった。
衝動に突き動かされ、思いのままの勢いで、本当は自分でもしたくない浅はかなことをしようとした自分を、
この男は止めてくれたのだ。
衝動以上の恐怖という手段で。
まだ震え、うまく言葉がつむげない舌を励まして、慌てて口を開く。
「そん、だって、あ、あた、あたし、のほう、が、先に」
「開きたくもないのに足開かされんのは、怖かっただろうが」
ずばり言い切られ、言葉の続きが消える。羞恥と、また恐怖が蘇り、ぶるりと体が震えた。
「だから悪かったっていってんだ。男だろうと女だろうとくのいちだろうと忍者だろうと、無理やりやられて
嬉しい奴はおらんわ」
408当世忍たま恋愛事情54:2008/05/22(木) 12:32:16 ID:Qdi7wadl
断定口調で吐き捨て、文次郎はむっつりと火を睨んだ。
風に煽られ、わずかに芯が燃え上がり、壁の影を揺らす。
火を見つめる瞳の奥に、また、得体の知れない怒りが浮かんだ。
「相手に惚れてようといまいと同じだ。はじめてならなおさらだ。集団でこられた日にゃ死にたくなる。
……おまけに後で実は全部授業でしたとかいわれてみろ、二度とそっち方面に夢や希望なんぞ」

ぶつぶつと、独り言めいた言葉がぱたりとやんだ。
しゃべりすぎた、と言うように舌打ちして顔を背けると、文次郎は壁に寄りかかった。
だからくのいちはいやなんだと呟き、目を閉じて黙り込む。
意味がわからないままそうこは、疲労でいっそう隈の濃くなったその横顔を見つめた。
二の腕の内側に、まだ新しい細い傷があるのが見えた。少しふやけている。川の中で切ったものだろうか。

ぽろりと涙が零れ落ちた。

あれっと思っても、一度こぼれたものはもう止まらない。大粒の涙があとからあとから溢れ出し、
頬を伝ってぼたぼたと、濃緑の着物の袖に落ちていく。
いやだ、こいつの前では絶対泣かないと決めていたのにと、考えるほど感情は高ぶり、とうとう嗚咽まで漏れ始めた。
嗚咽でもおさまらなくて、どんどん声が大きくなる。
ついにわあわあと、幼子のような泣き声を上げ始めたそうこに、文次郎がぎょっとして振り返った。
「なんだ!?」
「ううう、なん、でも、ないいい!」
「バカタレ、どこがなんでもないんだ!」
「ないんだってばあああ!」
顔を見られたくなくて、頭から着物を被ると、そうこはその場にがばっと突っ伏した。

恥ずかしかった。
勢いで告白したときよりも、裸をさらしたときよりも、何倍も恥ずかしかった。
くのいちと呼ぶにはおそまつすぎる。かといって普通の娘ともいえない。
技も心も、やることなすこと何もかもが中途半端で、迷惑しかかけられない自分が情けなかった。
自分は子供だ。一人前に恋した気になっていただけで、体も頭も心も、まだ全然子供なのだと思い知った。
それが情けなくて悔しくて、恥ずかしかった。

突っ伏したまま、ぐじぐじと濡れた顔を着物にこすりつける。人の着物でハナ拭くんじゃねえ、とぶつぶつ
言いながら、素足が岩を踏む音が近づいてきた。
不思議なほど、恐怖はなかった。ただひたすら恥ずかしくて顔が上げられない。
傍らにしゃがみこみ、覗き込んでいる気配がする。やがて大きな手が、ぐしゃぐしゃと乱暴に髪をかき回し始めた。
どうやら撫でているらしい。
胸が痛いほどの心地よさに、余計涙が出た。
泣き止みそうにないと見て取ったか、小さく舌打ちの音が聞こえた。
腕をつかまれる。亀の子のように丸まったままずるずると引っ張り上げられ、膝の上に座らされた。
素肌に頬が押し付けられた。両腕が背に回り、すっかり慣れた暖かさに包み込まれる。
ほっとしたのもつかの間、バシバシと、内臓が口から出そうな勢いで背中をたたかれた。
「泣くな。泣くと体力消耗して腹減るぞ」
どういう慰めだ。
本当にどこまでもどこまでもずれた男だと、こんなときだというのにひどくおかしくなった。
着物の隙間から目だけ出して頭上を探る。困惑した仏頂面が見下ろしていた。
目に続き、そろそろと首を伸ばす。顔半分だけ覗いたそうこを見て、呆れたような安心したようなため息が、
文次郎の口から漏れた。
「顔洗ってこい。水なら売るほどある」
顎をしゃくる男の腕を、つかんで引く。うるさそうに見返す顔に、小声で囁く。
「……くのいちじゃ、なければよかった?」

三白眼がかすかに見開いた。頬が、ぴくりと跳ねる。
「もう少し大人で、普通の女の子だったら、もっとちゃんと相手してくれた?あたしの言うこと信じてくれた?」
「……だったら何だ。くのいちやめるとでもいうのか」
「やだ」
妙に低い声を押しのけ、精一杯に首を振る。
「くのいちやりたくて、ここにきたんだもん。今だってなりたいもん。やめたくない」
409当世忍たま恋愛事情55:2008/05/22(木) 12:34:24 ID:Qdi7wadl
もし自分が普通の娘だったら。くのいちじゃない、半端な手練手管も知らない、ただの娘だったら。
違う出会い方があったかもしれない。この男にこんなに怒鳴られることも、疑われることもなく、もっと素直に
気持ちを受け取ってもらえたかもしれない。
もしかしたら、好きになってもらえたのかもしれない。
けれどそれは自分じゃない。違う娘の話だ。
実力不足で中途半端なたまごだけれど、自分はくのいちだ。例えそれで嫌われても、いまさらなかったことには
できない。でも後悔もしたくない。
だってくのいちになろうと思ったから、くのたまをやっているからこそ、今の自分がある。
くのいちになろうと思ったから、この男にも出会えた。
他の娘じゃない。今の自分だからこそ、今のこの男に惚れたのだから。

「あたしはくのいちになる。もっと修行して、超一流のくのいちになるの。あんたに嫌われたってやめられない」
表情もなく、無言で見下ろす三白眼を見上げる。
ああ、人相悪いこの顔が好きだ。どがつくほど真面目で、修行馬鹿でずれた性格が、乱暴で怖くて不器用で
バカタレなところが、わかりにくい優しさが、あたしやっぱり大好きだ。
手練だ手管だと気にする暇もなく、息をするように素直に、笑みが浮かんだ。
「でもねあんたを好きなことも、あたし絶対やめらんないよ」

うぐ、と変な音を立てて、文次郎の呼吸が止まった。
妙にぎらぎらした視線が見下ろしてくる。疑いをこめて細くなり、一瞬逸れ、続いて珍しい動物でも見るように
ためつすがめつ眺め回す。
ぱらぱらと、雨が地を打つ音だけがしばらく響く。
やがて、はー、と深いため息が、文次郎の口から漏れた。
「お前は、ほんっとに変なくのたまだな」
「あんたに変とか言われたくない」
「変で悪けりゃどうかしとるわ」
しみじみと、感心したようにうなずく。
「だがまあ、そういう奴は嫌いじゃない」
へっ、と呟いて、そうこは瞬きした。
無表情だった三白眼が、いつの間にか面白そうな色を浮かべて見下ろしていた。
「信念持つのはいいことだ。前向きな奴は伸びるぞ」
いつも不機嫌に見えるへの字の口元に、にやりと笑みが浮かんだ。
歪みのない、素直な笑いだった。

胸を、きゅうっとわしづかみにされたような気がした。
先刻、痣ができるほどつかまれたところが変に熱い。ずっと、ただ痛いだけだったのに、なんだか頬まで
ぽっぽと火照ってきた。
ごまかすために、忙しなくうなずく。
「う、うん」
「とはいっても修行不足は否めん。頭もだが忍びはまず体力だ。走りこみと、腹筋も鍛えろ。あとは……」
熱い頬を押え、うつむいたそうこを抱えたまま、文次郎は壁に背を預けた。
実のところほとんど耳に入っていないそうこにかまわず、修行内容とその要綱を並べだす。
立て板に水と言葉を続けながら、太い眉がふと、いぶかしげに寄った。何かを考えるように天井を見上げ、
わずかに首が傾ぐ。
「おい」
「え!な、なに?」
慌てて見上げた真っ赤な顔を、胡乱な目が見下ろした。
「そういえばお前、名前なんていうんだ」
410当世忍たま恋愛事情56:2008/05/22(木) 12:36:33 ID:Qdi7wadl
一瞬、恋情を越える殺意の炎がそうこの胸に燃え上がった。
何とか消し止め、つんと顎をそらす。

「……そうこ」
「ギョーコ?」
「そうこだっつーの!」
「そんな名前だったか」
「信じらんないなにこいつ!自分に惚れてる女の名前くらい覚えときなさいよ!」
「うるせえ!そうだくのたま、あとお前、毒饅頭だがな」
「名前聞いておいて呼ばないとかどういう……そ、それは、だからごめんなさい……」
ことの発端を思い出し、しゅんとなったそうこの姿に一瞬、おかしそうに口元がゆるむ。
だがすぐ表情を戻すと、文次郎は真面目な顔で首を振った。
「違う。あれはマジで悪くない。お前、毒物扱う才能はあるぞ」
皮肉でも茶化すわけでもない口調に、そうこはぽかんと目の前の男を見上げた。
文次郎の顔はあくまで真面目だ。
かあっと熱が上がり、顔だけでなく首まで赤くなったのがわかった。好きな男に褒められた、という喜びと、
忍びとしての感動が、じわじわと湧き上がってくる。
勢い込んで身を乗り出し、そうこは状況も忘れて文次郎の裸の胸にしがみついた。
「ほんと!?じゃあまた作る!たくさん作る!重箱いっぱい作る!」
「殺す気か」
嫌そうに歪んだ眉根に、さらに血が上った。
「ええ!もしかして食べてくれんの!?」
「……修行なら見てやらんでもない」
「普通のも作ったら食べてくれる?今度こそ絶対ちゃんとしたの作るから!」
「できるもんならやってみろ」
無表情だった顔に、とうとう苦笑が浮かんだ。
そこにはやっぱりなんの歪みもなくて、こんな顔で笑うんだとまた胸がきゅうっとなる。
子供の自分に呆れたばかりだと言うのに、こんなコロコロ気分が変わって。あたしってほんと落ち着かない、と
ちょっと情けなくなったが、胸の熱さは止まらない。
もっとそばで顔が見たくて、無意識に身を乗り出す。
もともと近かった距離が縮まって、顎の上に口が当った。

一瞬世界から、雷鳴も風も雨の音も消えた。

ぎゃあっと叫んで後ろに飛びのく。勢いよすぎて転がりかけたところを、背中に回った腕に抱き止められた。
すっかり慣れたはずの腕の熱さとたくましさに、体が硬直する。
こちらも変に固まった顔の中から、三白眼が見下ろしてくる。なんだか異様に目が大きく見えるのは気のせいか。
くらくら回る頭を押え、そうこはぎくしゃくと首を振った。
「……ご、ごめ、事故!事故です!わざとじゃないから!」
「……気をつけろ」
不機嫌な声にうなずいて、目を伏せる。
今さらこの程度の接触がなんだっつーの、と頭では思うが、心が騒いで止まらない。全身が燃えるように熱く、
口から心臓が飛び出しそうだ。
相変わらず自分の居場所は膝の上。触れた肌や布を通して、相手に伝わるんじゃないかと思うだけで、
いっそう鼓動が早くなった。

うつむいたことでそうこは気づかなかった。文次郎が自分を、瞬きもせず見下ろしていることを。
つむじや、まだ華奢な肩に流れる髪や、そこから覗くうなじに視線が流れる。
羽織っただけの着物の襟は大きく抜けて、上から見下ろせば白い背が半分以上、薄暗がりに浮かんで見える。
ほくちの橙色の光を反射する目が、その光さえ押しのけるほど熱く、ぎらぎらと輝きだした。
411当世忍たま恋愛事情57:2008/05/22(木) 12:39:51 ID:Qdi7wadl
ぐいと肩を押され、そうこははたと顔を上げた。
目が合う前に、光速で視線がそらされた。不自然なほど顔を背けたまま、乱暴に少女の体を膝から下ろすと、
文次郎は無言で立ち上がった。
顔は相変わらず、あさっての方角を向いたままだ。
夜明けが近いのだろう。くっついていたときは気づかなかったが、洞穴の中はきしむような寒さが満ち始めていた。
ほくちの光もすっかり弱い。ぶるりと震えて着物をかきあわすが、文次郎は振り返る気配もなかった。
訳がわからず視線を追うが、どうしても合わない。不安になって自分も立ち上がりかけたところで、制するように
片腕が突き出された。
「……お前、ちょっとここで待ってろ」
「え、ど、どうしたの?」
「いいからここにいろ。すぐ戻るから動くな。ついてくんな」
一本調子で吐き捨て、くるりと背を向ける。ぽかんと見送るそうこの頭に、不安以上の疑問が浮かんだ。
なんでこいつ、この寒いのにあんなに汗かいてんの?
裸の背中が、薄暗がりでもわかるほどびっしょり濡れている。湯気まで立っているほどだ。
ついでになんでだかわからないが、ものすごく前かがみになっている。
洞穴は狭く、天井も低かったが、文次郎の背でも、体を半分に折るほどではない。
どこか具合でも悪いのか、そういえばさっき後頭部を打ちつけた。あのくらいでどうにかなりそうな
頭じゃないけど、でももしや、と、泣きそうな気分になってきたそうこの耳に、低い声が聞こえてきた。
「……オンアミテイウンハッタオンキリキリバザラ……」
しがみつこうと伸ばした手が、途中で止まった。
ほかほかと、頭や背中から湯気を立ち上らせる文次郎の口から、ぎりりと獣じみた歯噛みの音が聞こえた。
「オンキリ……修行が足りん!」

暗がりの中、汗だくで前のめりになり、ぶつぶつと怪しい呪文を唱えている男。
惚れてる相手とはいえ、正直怖い。

どうしていいかわからず、その場から動けないそうこを置いて、文次郎はひどくゆっくりした足取りで
洞穴の入り口へ進んでいく。
やがて、裸の上半身が穴の外に出た。
いつの間にか、雨は随分と勢いが弱くなっていた。ぱらぱらと地面を打つ音もまばらで、雷鳴ももう聞こえない。
だが空気と同じように、その冷たさはさらに増しているはずだ。
氷のような雨粒に打たれながら、文次郎が振り返った。隈だらけの目の奥の、異様な輝きにはじめて気づき、
思わずそうこの背筋が伸びる。
もう一度、絶対来るなよ、と念を押すと、文次郎はやっぱり前のめりの姿勢で、ふりそぼる雨の中へと
飛び出していった。



その日、忍術学園裏山をもう一つ越えた裏裏山で、ある事件が起こった。

折からの大雨で土砂崩れが起き、裏裏山では数日前から川がせき止められていた。
これにより溢れた水がふもとの村に流れ込み、被害をもたらしていたのだが、この土砂崩れが、
なぜか突然解消されたのだ。
川をふさいでいた大岩が、何者かによって粉々に粉砕されたのだという。
夜に近い朝方、のみで岩を打つような轟音に気づいた炭焼きの若者が、恐る恐る見に行ったときには、
すでに砕けていたらしい。
雷神の加護だ、いや山の神のおかげだ、と人々は口々に言い合い、村を救ったこの僥倖に感謝した。
砕けた岩のかけらには注連縄がつけられ、今も村神として祭られている。

岩のかけらには、何か硬いものでえぐったような不思議な穴が、いくつか開いている。
それがどうやって作られたのか、何のためにできたものなのか、知るものは誰もいない。



あと一回だけ続
超頑張れ自分
412名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 13:20:33 ID:p9r/Kk6q
日記の人、いつもお疲れ様です!文次郎すごすwwwこうして伝説が作られるんですね!
あと、許可ありがとうございます!
もいらもがんばって五年の試験乱交もの書くよ!
413名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 13:21:14 ID:VV+i2ArB
感動したのにwwwラストwwwwww
414名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 14:01:15 ID:yH/ABdZL
日記の人の文次郎になら掘られてもいいw
415名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 14:48:47 ID:ceU7H4r4
文www次wwwww郎wwwwwwww
にっきのひと、真面目部分は読んでる人間がはっとさせられるくらい
素晴らしいのに、笑う部分はとことん笑わせられるwww
いつも読んでて楽しい
超ありがとう
416名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 15:41:24 ID:dIv/cqJm
にっきのひと すごい!
読みながら泣き笑いしたよ。
417四郎兵衛×しおり 10:2008/05/22(木) 17:12:48 ID:RQgWiWob
にっきのひとだ!もう何と言うか・・・大好きだ!
しかし文次郎wwwwwwwwwwww色々と凄いんだがwwww
久々知wwwwwさすが豆腐小僧wwwww
自分も頑張るよ!

てな訳で投下

くの一教室のしおりと、二年は組の時友四郎兵衛が一悶着起こしたらしい。
数日前までは忍術学園のちょっとした噂だった。
今では四郎兵衛もしおりも、変わらなく学園生活を続けている。
一部の生徒はつまらないと吐き捨てる者もいれば、もう一部は何かと四郎兵衛の身を心配したりしている。
最も、本人は豆腐に鎹・暖簾に腕押し。
心配など何処吹く風の如く、意に介してなどいなかった。

つい昨日まで春の日差しが眩しいのが嘘の様に、今日の空色はどんよりとした雲に覆われていた。
四郎兵衛は遠くを見詰めながら、一瞬光った空を眺めていた。

(ああ・・・・・、何処かで雷が落ちたのかなあ・・・。)

ぼんやりとそんな事を考えて歩いていたら、突然足場が無くなった。
その事に気付かず、一歩を踏み出した四郎兵衛は、当然誰かが掘った穴の中へと真っ逆さまに落下してしまった。

「・・・・・・・いた〜・・・・。」
「・・おやまぁ、誰かと思えば体育委員会の二年生。」

被った土を払っていると、頭上からのんびりした声が聞こえてきた。
ふと上を見ると、落ちた四郎兵衛を気に留めない様な表情をした紫色の制服が目に止まった。
癖のある黒髪をゆらゆらと揺らしながら、その人物は「捕まって」と上から手を伸ばす。
その手に捕まり、よいしょと声がした後に、細い腕に似合わない力で引き上げられた。

「おやまぁ、泥だらけだ。ごめんね、目印は付けて置いた筈だったんだけど。」

謝罪の言葉はあまり感情が篭ってなく、淡々と述べられた。
ちらりと穴の周りを見ると、彼が言う目印は無かった。恐らく誰かが片付けてしまったのだろう。

紫の制服と言えば四年生だ。
そして自分の前にいるのは、
自分が所属する体育委員会四年い組の平滝夜叉丸と同じ組の作法委員の綾部喜八郎だ。
そう言えばたまに一人で黙々と穴を掘ってるのを見かけたっけ、と考えていた。




418四郎兵衛×しおり 12 :2008/05/22(木) 17:53:58 ID:RQgWiWob
10じゃ無く11でしたorz

「有難う御座います綾部先輩。」
「どういたしまして。それより同じ組の滝夜叉丸がお世話になってるみたいだね。」

深々と頭を下げると、何故か相手も深々と頭を下げてきた。
四郎兵衛は意味が解らずきょとんと首を傾げるだけだった。

「・・・・滝夜叉丸先輩は良い先輩ですよ。よくぼくらの面倒を見てくださってますし。」
「・・・・・・・・・・・おやまぁ・・・・・・・・・。君、何処か具合でも悪い?熱でもある?駄目だよ具合悪いのに外に出ちゃ。」

ぺたりと手を額に当てると、別に熱は無いみたいだねぇ、と呟いた。
何処か打ち所でも悪かったかと、半ば冗談、半ば本気に考えていると、ぼけーっとした表情でこちらを見ている。
合点がいったように手を打つと、取り合えず保健室にでも行こうかと手を引かれた。
ただ解らずに綾部の後をぽてぽてと着いて行く。

「そう言えば、くの一と一悶着あったんだって?」
「ぅえ?」

仮面の様な表情が後ろを向き、一歩後ろに後ずさり掛けたが、寸での所で踏ん張った。
どうやら滝夜叉丸に一方的に聞かされている様で、度胸のある子だねぇと感心した様に言われた。
一体何処が感心すると言うのだろうか。

どうやら綾部曰く、くの一は自分達男子生徒にとって鬼門であり聖域でもある。
そのどちらかとも取れる相手と一悶着を起こし、尚且つそれを鎮めると言うのは大したものだと言う。
それを説明したは良いが、四郎兵衛本人は首を傾げるだけだ。

「・・ただぼくはしおりちゃん達の誤解を解こうとしただけなんですけど・・。」
「だからそれが凄いんだよ。」

純粋とは時として凄い事だと思いつつ、綾部は保健室の所まで送ると元来た道を歩いて行く。
まだ新しいタコ壺を掘っていた途中だった。
因みに、タコ壺22号タツミちゃんと命名している。
スコップを手に持ち、また黙々と掘って行く最中、綾部はふとこんな事を考えていた。

・・・確か四郎兵衛君って言ってたっけ。
うん、何となくくの一の子達が許してしまう理由が解った気がするなぁ。

「純粋と言うかアホの子と言うか。」

ぽつりと呟くと、またざくざくと土をかき混ぜ、穴を深くして行く。
途中、誰かの悲鳴が聞こえたが、気に掛ける事はなかった。

419名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 20:00:24 ID:vPWNeTC7
にっきの人ww
最後さえなければ・・・
いや、あってこそか!?

文次郎、マジで粉砕するんだ・・・
そうこちゃん、途中で止めといて良かったね!
420名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:31:03 ID:j2Ln8HYo
うああぁああ!!!11!!

これはいい胸キュン
そうこカワイイよそうこ
潮江カコイイよ潮江
にっきの人のSSのおかげで文次郎好きになっちまった
421名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:11:40 ID:ANYkyYJj
このスレ読んで文次郎が好きになった。
ありがとう。GJ!
422名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 00:22:00 ID:DP6T8nhn
もwwwんwwwじwww
日記の人激しく乙です!!!
凄すぎて言葉も出ない
423名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 11:07:42 ID:fGG4Ql0o
文次郎先パイ…







そう子孕ませまでいって下さい(ボソ
424名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 11:53:01 ID:0srMiZWh
文次郎まさかの集団逆レイp…
可哀想すぎて笑えてくるwww
425名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 13:50:39 ID:Jcw+mEst
でも文次郎、団蔵に負けたんだよな…w

>>418
アホの子カワユスwwwなんかもうじれったいw
426四郎兵衛×しおり 13 :2008/05/23(金) 22:42:37 ID:lyhsvFP7
>>423
は、孕ませちゃらめぇぇぇぇぇ!15にして父親ジャマイカwww

昨日投下途中で電源切れたorz

保健室の扉を明けようと、手を掛けた所で扉が開いた。
うわっと小さく悲鳴を上げると、若草色の制服が飛び込んだ。

「・・あれ?確か次屋と同じ委員会の・・・・。」
「・・・・・時友四郎兵衛です・・・。」

四郎兵衛を見るなり、3年は組の三反田数馬は泥だらけの四郎兵衛を凝視した。
しかもあちこちすり傷がある。
毎度の体育委員会に付き合わされているのかと、数馬は溜息を吐いた。

「・・・君も大変だね、また七松先輩のトレーニングに?」
「いえ〜。これは綾部先輩の落とし穴に落ちただけです。」
「・・・そ、そうなの・・・。手当てしたいのはやまやまだけど、一旦風呂に入って汚れを落としてきたら?」

ちゃんと泥を落として消毒しないと、ばい菌が入るからと付け加えると
解りました〜と気の抜けた返事をしながら風呂場へと足を進ませた。
誰も居ない保健室に、ぽつんと佇む数馬。
今日来たのは四郎兵衛だけだ。怪我人が少ないのは良い事だと自分に言い聞かせながら
薬箱の整理をしようとした矢先に、青い制服の二年生が運ばれて来た。
あぁ、やっぱり自分達は不運な生徒の集まりなんだと、本日二度目の溜息を吐いた。


外は暗雲が深くなり、今にも雨が落ちそうな天気になっていた。
最近暑くなってきたから丁度良い気温になるだろう。
そう考えながら、風呂場の戸を開けた時だった。

「し・・・・・・しろ・・・べえ・・・?」
「うぇ・・・?え?」

両者の目が点となり、四郎兵衛はただ訳が解らず目の前の人物を見詰めるばかりだった。
何故くの一のしおりが此処にいるのだろう。
自分は風呂場に来た、そして今風呂に入ろうとした。
戸を開けたらそこには生まれたままのしおりがいて・・・・・・・・・・・・。

考えが纏まるのが遅すぎたのかも知れない。
気付いた時には絹を切り裂く様な悲鳴が轟き、風呂場に木霊した。
427四郎兵衛×しおり 14 :2008/05/23(金) 23:34:33 ID:lyhsvFP7
「なっ・・なんでアンタが此処にいるのよぉぉ!?」
「ぼ、ぼくはお風呂に・・。何でしおりちゃんが?!」
「兎に角出て行ってよ馬鹿ぁ!!」

布巾で身体を隠し、四郎兵衛を外に出そうとした。
床は良い具合に湿っており、しおりは足を滑らせてしまった。

「し、しおりちゃん!」

慌ててしおりを抱き止めると、少女特有の柔らかい感触が身体全体を包んだ。
濡れた黒髪に、風呂上り特有の良い香りが鼻を擽る。
桃色に上気した頬と、何時もと違うしおりの様子に、四郎兵衛は胸の奥がずきんと疼くのに気付かなかった。

しおりの体勢を立て直そうとしたら、今度は自分もあろう事か一緒に倒れてしまった。
重力に逆らう事無く二人はそのまま倒れ込み、しおりは床に頭をぶつけてしまった。

ふわりと柔らかい感触が手のひらに伝わる。
それはやや小振りだが、とてもすべすべしていて、例えるなら大福だろうか。
触れ合う肌と、二人の顔の距離がとても近くなっている事に気付いたしおりは、手を振り上げた。
刹那、小気味の良い音が風呂場に響き、叩かれた頬を押さえ、呆然と四郎兵衛はしおりを見詰めている。

「・・・・・っばかあぁぁ!!」

ふるふると怒りと羞恥に肩を震わせ、しおりはその場から逃げる様に走って行った。
無論、布巾を巻いた姿で。

「し、しおりちゃん!風邪引いちゃうよぉ!!」

何処か見当違いな事を言いながら、取り残されたしおりの制服を掴みながら後を追う。
腫れた頬などお構いなしに、あの姿では幾ら何でも風邪を引いてしまう。
実に何処かずれた心配をしながら、しおりの姿を追い掛ける。


空は暗雲が深くなり、ぽつぽつと小さな雨音が聞こえる。
朝より肌寒くなり、ますますしおりの事が不安になって来た。
辺りを見回すと、一瞬黒髪のくの一が目に止まった。
頭巾も被って無く、髪を下ろしているのでしおりだろう、そう草叢に隠れたしおりに声を掛けようとした。

「しおりちゃーん、制服忘れて・・・。」
「・・・・・・・何で・・・来るのよ。」

制服を届けようとしたら、押し殺したような、今にも泣きそうな声が聞こえた。

「だって・・、しおりちゃん風邪引いちゃう・・・。」

おろおろとうろたえると、持っていた制服が何時の間にか無くなっていた。
少ししてからしおりが草叢から出てきた。
心なしか、先程より顔が赤い。やはり熱でも出たのだろうか。
近付くと、先程より大きな衝撃が反対の頬に走った。
428四郎兵衛×しおり 15 :2008/05/23(金) 23:55:28 ID:lyhsvFP7
「・・・・・・・あんたをちょっとでも見直したあたしが馬鹿だった・・・。」
「・・・・・・・・しおり、ちゃん。」
「あんたなんて大嫌い!!もうあたしに近寄らないで!」

目に一杯の涙を溜めながら、しおりは喉も裂けんばかりに咆哮した。
ただ四郎兵衛は解らずにきょとん、とするばかりだ。
しおりの後姿を負い掛ける事もせず、呆然とその場に立ち尽くすだけだった。

大嫌い

そう言われ、叩かれて熱を帯びた頬を摩る。
ずきんと痛みが広がる。
痛いのは叩かれた場所ではない。もっと別の場所が痛む。
それは今の四郎兵衛には理解が出来ない。
ただこの痛みが何なのか解らず、切ない程の痛みが苦しくて、ぎゅうと胸の辺りを強く押さえた。

ぽつり、と頬に雨が落ちる。
それを機に、打ち付ける程の強い雨が降った。

「・・・・・あれ?・・・・・・・・え?」

頬を伝う水は、雨の所為ではない。いっその事雨だったらどれだけ良かっただろう。

「痛い・・・・よぉ・・・・。」

痛いのは一体何処なのか。最早四郎兵衛には如何でもいい。

この悲しみをどうやったら良いのか解らず、ただぼろぼろと泣き崩れる。
叱られた事よりも、実習で負った傷の痛みよりも、どんな痛みよりも辛い。
痛みも全て、雨が流してくれれば良いのに。


「はぁ・・・・・・・・っ・・・。」

静寂の自室に、五月蝿いほどの雨音が響く。
さっきから頭が痛いし、胸も痛い。
忘れてやりたいのに、あのぽけっとした顔がちらつく。

知らずと涙が頬を伝う。
何故か解らず、せきを切った様に溢れて止まらない。
込み上げる感情が押さえ切れず、人知れずしおりは泣くだけだった。

429名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 09:09:10 ID:eEw9vkgd
乙!!!続き待ってるぜ
最近良作続きでお父さん嬉しいぞ!
430名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 13:13:45 ID:H7EVOZOL
15にして父親なら母親は(ry
431名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:11:01 ID:7tZV6T2G
「うーん、右がいいかな?それとも左がいいかな?右は利き手だから、確実に気持ちいいだろうし。
 左はぎこちなくって、それもいいし。」
「雷蔵、あほみたいに悩んでるなよ。」
 下半身だけ全裸にした雷蔵はまだ右か左かを悩んでいた。やれやれ、と三郎はため息を吐いて胡坐の上に乗せたなおみの顔を覗き込む。
「さーて、どの人の顔でやってほしい?戸部先生?土井先生?野村先生?それとも六年生とか……。」
「鉢屋、お前後ろをやるんだから、変装しても無駄だぞ。どっちかってえと俺がお前の顔を拝むことになるんだけど。」
 兵助は苦笑いを浮かべてりっぱなものを柔らかい口に銜えさせる、
「んっ……せんぱぁい、すっごく硬い……。」
 なおみがぺろりと舌先で亀頭をくすぐると、彼はぶるりと身震いした。続けて竿を舐め上げ、陰嚢をやわやわと揉む。
「ふぅっ……いいねぇ、舌先が絹豆腐みたい……。」
「え?!兵助、お前まさか!」
 顔を真っ青にした三郎は思わず身体を仰け反らせる。
「ちがっ!そんなわけないだろ!比喩だよ!比喩!」
「……俺、絶対に兵助が食事当番の時に出す豆腐は食わないことにするわ。」
「ちがうっちゅーに!!……あっう。」
 怒鳴る為に力を入れたせいだろうか、大きくなっていた高野豆腐棒から豆乳が吹き出た。
「お、兵助一番のり。じゃあ俺も……。」
「ううんっっ。」
 出来立ての豆乳がまだ口の中で粘ついているなおみは、呼吸もままならないまま後孔に入れられる。
「竹谷、早く早く。」
 足を開かせてたらたらと水飴を零すそこを見せる。竹谷は硬直した雄を押し付け、一気に押し込んだ。
「あううっっ!」
 やっと右手に決めた雷蔵のものが、ぎゅう、とつぶれる。悲鳴にも似た声を上げて、雷蔵は手の中に熱を吐き出す。
「あ、あ、すごっ、二つもっ、あうっ。」
 前と後ろから同時に突き上げられ、なおみは抵抗することもできずに果てた。ひくひくと痙攣する硬い肉に押さえ込まれ、鉢屋は抜くことすらせずに中に解き放つ。
それから遅れること一分、竹谷も子種を子宮に零した。

「やっぱ同時に四人は無理があるよ。五人プレイなんて、所詮は艶本の世界だけさ。」
 気絶したなおみの身体を綺麗にしながら兵助はぶつぶつと呟く。
「だからこそだろ。……にしても、これ、拷問に使えるかもな。」
「あほ、孔に武器を仕掛けられてたら即死だろうが。」
 結果の話し合いをしている間、竹谷は何も言わなかった。じいっと、彼女の近くに座っている。
「ん、……。」
 意識が回復したなおみの手を握ると、竹谷は。
「なおみちゃん、ごめん!俺、責任とって君と結婚するわ!」
「「「はぁ???」」」
 発言を聞いて、全員ぽかんと口をあけて身動き一つ取らない。しかし竹谷だけは饒舌に口を動かす。
「だって中に出しちゃったからな!子供が出来たら認知するし、それだったら結婚したほうがいいもんな!」
「あ、あのな、竹谷、これは授業でな。」
「そうそう、別に子供が出来てもお前が責任を取る必要は。」
「何を言う!」
 勢い結婚しようとする竹谷を止めようと級友達は説得するが、彼は激昂して叫んだ。
「何を言う!生き物は、それが動物だろうが虫だろうが、人間だろうが、最後まで責任を持って世話をするのが人道だ!」
 なおみを横抱きにして今すぐご両親に許可を!と外出許可をもらいに行こうとする竹谷の腕をつかみながら三郎は呟いた。
「だから俺、こいつが前やるのはいやだったんだよ。」


終わり


ごめん、そんなエロくないわ(´・ω・`)
432名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:22:11 ID:ST7sNWo1
五年生全員wGJ!GJ!!
テンポ良いし全員特徴出ててるし、ちゃんとオチまでw
面白かったよー!

433名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:27:14 ID:KxDPKT6J
>>431
面白かった!!!
高野豆腐棒www久々知は絶対やってるなww
4人ともいい味出てたよ
434名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:21:56 ID:7tZV6T2G
ろうそくの炎がちらりちらりと揺れる。その中で写しだされた肢体は美しいの言葉意外思い当たらない。
「いい、初めてで難しいのはわかるけど、しっかりやるのよ。」
若い方の山本シナは艶然と笑うと取り囲む四人を見た。
「あら、タカ丸くん、随分と緊張しているのね。この中じゃ、貴方が一番年上なのよ?」
「え、あ。」
 最初に呼ばれたタカ丸は視線をあちらこちらに動かしてもじもじと手をもんだ。
「……僕、ずっと髪結いの訓練をしてたから、あの、初めてなんです。」
「そうなの、意外ね。」
 よいこよいこ、と頭を撫でると彼はくしゃんと笑う。
「それでは山本シナ先生!僭越ながらこの滝夜叉丸が先陣を切らせていただきま
「なんだと!それならこの私、田村三木ヱ門が先だ!お前はそっちで指でもしゃぶってろ!」
「うるさい!お前の粗末なものでシナ先生を満足させられると思うか!」
「お前の奴こそ、えのきのくせに!」
 この場においても争いを始めた二人に苦笑していると、喜八郎が膝をついて近寄ってくる。
「じゃあ、僕が先にやらせてもらいますね。」
「あ、こら!喜八郎!抜け駆けとは卑怯な!」
 言うが早いか、滝夜叉丸は半勃ちのものを強引に壷の中に押し込んだ。
「貴様!ご婦人に前戯もしないうちに!」
 闘争心に火がついた三木ヱ門は、とんでもない行動に出た。
「あんっ! 田村君、だめよ、二本もっ!!」
 狭い肉の中を、二本の未熟とはいえ勃起した肉棒が蠢き、シナは身体をくねらせる。
「あ、先生、じゃあ僕は後ろのタコツボを掘らせていただきますね。」
 喜八郎は後ろに回ると、滴る蜜で窄んだ入り口を濡らし、ゆっくりと埋没する。
「うっふ、私、三本、あうっぅ。」
 普段なら、普段だったら、彼女がリードしていたはずだった。主導権を奪われてしまったシナは床に爪を立てて前後の律動に翻弄されるしかなかった。
「タカ丸さんはやらないんですか?」
 喜八郎はただ一人、呆然と眺めていたタカ丸に声をかける。
「え、あ? いいのかな……。」
 シナの顔の前に跪き、勃起したものを見せると彼女はぱくりとそれを口に納めてしまった。
「うわっ!あーっ……やばい。」
 暖かいものに包まれてとろん、と目を閉じる。ふわふわふわふわしていて、まるであったかいお風呂に入っているみたいだ。
「お前が先っううーっ……!!」
「ふん!堪え性……んぐっ。」
 ぎゅうぎゅうに締まった膣に挟まれ、前に入っていた二人は同着で頂点に辿り着いた。
 ぷしゅ、と二人分の精液が零れ、白い太ももを伝って落ちてゆく。
「あ。」
 タコツボ堀を楽しんでいた喜八郎にも、終わりが来たようである。彼は短く声を出すと、どろり、と地下水を吐き出した。
「後は貴方だけよ、タカ丸君。」
 一端口を離してそう伝えると、彼女は音を立ててすすり上げた。
「あううううっん!!」
 強い吸引に耐え切れず、出来立てのリンスを口の中に流し込み、タカ丸は大の字に寝転んだ。
「……ふう。」
 息を整えてから、シナは液で汚れた部分を拭く。教師になってからだいぶ長いが、二本も膣に入れたことなどなかった。
「……がばがばになってないわよねぇ……。」
 彼女は思わず秘所に指を入れて襞の調子を確かめた。

 おわり
435あとがき:2008/05/24(土) 23:26:27 ID:7tZV6T2G
6,5,4年と乱交試験を描いてきたけど、疲れたお。
3,2年はまだ小さいのでここでは割愛させていただくけど、おまけ


3年

「えーと、どれが膣だっけ?」
「迷っていても仕方がない!ここだー!!」
「やめろー左門ー!!!」
「どりゃー!!!!!」
「ぎゃー!!!!」
 尿道に突っ込まれて、くの一は思わず悲鳴を上げた。
「えーと、じゃあ俺はこっち。」
 三之助は彼女のお尻をなで、それから双丘に実を埋めた。
「さあ、後はお前だぞ作兵衛!」
「……つっこめるかー!!!!!」
 部屋のなか、作兵衛の大声だけが響いていた。

終わり
436名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 04:54:57 ID:o/02VYsI
>5年
高野豆腐棒吹いたwww
>4年
三木ヱ門と滝夜叉丸自重www
>3年
尿道…イタイソウデス…
 
>>435
GJ!!乙です
面白かったw
437名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 06:18:54 ID:oKUUhqou
尿道らめぇえええええ!!!!

痛い!痛い!読んでて痛い!!。・゚・(ノД`)・゚・。
438名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 10:14:25 ID:ZtP7guar
お疲れ!!GJですた!!

ところでアニメそーこちゃんが主人公の話が近々あるらしいけど…
ホント?
439名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 11:17:10 ID:1grjiabF
そうこと潮江フラグですな
440名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 12:33:05 ID:sMPTLoyx
気付いたら3〜5年生まで!
おいしく頂きました(^人^)ゴチソーサマ

五年>
三郎この時まで変装www竹谷男前スグルwwww
竹谷はその場限りでも「責任」取りそうな感じだなwww
久々知豆腐を粗末にするんじゃありませんwwww
雷蔵wwwこんな時までwwww

四年>
同じく二人自重www早まるなwwww
綾部淡々としてんなwwww
タカ丸が童貞なのは驚いた

三年>
さwwwもwwwんwwww
方向音痴にも程があるwww尿道はらめええええええ!!
次屋は割りとまとも?つか何処に入れたwwww
作兵衛苦労人wwwww

長い感想スマソ

438>>
「そうこは大食い?」だった気が。
そうこちゃん単品でwktk
441名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 12:44:13 ID:XR+4G7NZ
大食い→体重増える→潮江に体重量られる→
立った立ったフラグが立った!の流れだと
妄想している。
442名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 20:09:22 ID:qfRDj3fe
このスレで完全に潮江そうこにハマった
本当にフラグ立ってほしい
443名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 20:28:24 ID:6VPHBXAB
>>431
ごwwwwねwwwんwwwせwwwwいwwww
声出して爆笑したwwww
全員自重汁wwwww
444名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 20:34:46 ID:DPwj/7f/
新作イパーイ!照利書いてたけど、放り投げて学年別乱交書きたくなってきたw
その場合オリジナルキャラとか出してもいいだろうか。
445名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 20:41:30 ID:VsddwuMe
>>444
うはww自分も照利書いたww
投下を見合わせて今は他の作品を存分に楽しませてもらってるw
446名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:00:03 ID:0tY5uUAO
>>444>>445
さあ今すぐ投下するんだ
447名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:51:13 ID:VsddwuMe
>>445だけど利吉が相当なヘタレですよ…それでもおkなら(´・ω・`)
448照代×利吉 1/5:2008/05/25(日) 22:56:06 ID:VsddwuMe
梅雨も明け、いよいよ夏を迎えようとしている季節
久しぶりに訪れた忍術学園で、照代は人気の少ない薬草園を歩いていた。

「これでしばらく薬の調達には困らないわ」

忍術学園と呼ばれるだけあって今いる場所には、その辺の野原の雑草とは違い
忍者が調合に使うのに最適な植物がいつでも生い茂っている。
照代がかつては敵対したこの地にたびたび足を運ぶのも、こういう目的があるためだ。


これまでドクタケのような、忍術学園とは敵対する城に雇われたこともあったが
長続きすることは少なく、雇い主を転々と変える日々が続いていた。
城の情勢なんていつどうなるかわからない。
雇われた途端に、肝心の戦が終わってしまうこともある。

このままフリーの忍者としてやっていくのもいいかもしれない──

そしたらいつでもここに来れるし、と薬草を採取しながら照代はそんなことを考えていた。
第一、もしドクタケに仕えたままだったら、
忍び込まない限りこの場所には入れてもらえなかっただろう。
もちろん今でも多少、学園の者達に警戒の目を向けられてはいるが。


この時間帯はどこの組も授業を行っているためか、人の気配をほとんど感じない。
ただ、ある一ヵ所を除いては──

薬草を採取している間も照代はずっと気になっていた。
ここからは少し離れた、園の奥にある小さな厠。
別にそこで用を足す人間がいても、厠の本来の目的を考えれば何ら不思議なことはない。
だが、そこから微かに漏れてくる男の色めいた声だけは、
どう考えても穏やかなこの場所とは不釣り合いなものだった。

「…うっ……あぁ……」
「(聞き覚えがあるわね…これは…)」

初めはほんの好奇心だった。
足音と気配を消して厠に近づき、聞こえてくる声に耳を寄せる。
その声の主が山田伝蔵の息子、利吉のものであると気づくのにそう時間はかからなかったが、同時に照代は絶句した。
聞こえてくるのは彼の声だけではない。
何かを擦るような生々しい音、そしてクチュッ…と僅かに響く小さな水音。
この厠の中で彼が何が行っているのか、照代はすぐに理解した。
449照代×利吉 2/5:2008/05/25(日) 22:56:52 ID:VsddwuMe
「っひ……ぅ…うぅ……」

……女々しい声

盗み聞きをしながら、そんなことを思った。
利吉と顔を合わせたことはあまり多くない。
ましてや言葉を交わした記憶など数える程度しかないのだが、自分と年が近いながらも
プロの忍びとして多忙な日々を送る、優れた忍者だということは話に聞いていた。
また、その辺にいる若者に比べ色男であったため、
異性としての興味が少しばかりあったのも否定できない。
恐らく彼も今日たまたま用があってここに立ち寄ったのだろうが、そんなことはどうでもよかった。

利吉は今にも泣きそうな雰囲気すら漂う、弱々しい喘ぎ声をあげている。
年頃の青年であるということを考えれば、そうおかしなことでもないのだろうが
話に聞く、真面目で誠実という彼のイメージとは程遠かった。
一体どのような手つきで自分のものを扱っているのか。
行為を終えた後、どんな表情で父親や子供達の元へ戻っていくのか。
──知りたい
そして、できれば自分のこの手で彼をよがらせてみたい。

「(私って淫乱かしら……まぁどっちにしろ、利吉君がそう思わせるからいけないのよ)」

もともとサディストの気があることは多少、自覚していたが。

無理やり厠の戸を開けて突入してもよかったが、それではつまらないと思った照代は
わざと足音を立てて歩み寄り、閉ざされた戸の前に立った。
すると驚いたように息を呑む音と同時に、先程まで小さく響いていた喘ぎ声は止んだ。

「…っ!!?」
「あの…そこにいるの、利吉君よね?」
「…………だ、誰…?」
「北石よ。北石照代」
「…あ…そうですか」

名前を言って少し納得したように返事をされる。
向こうも恐らく照代のことは顔と名前以外ほとんど知らない。
行為に集中していたためか、利吉は今まで気配を消していた彼女に気づいていなかったようだ。
優秀な忍者らしいとは思えない失態とも言える。
450照代×利吉 3/5:2008/05/25(日) 22:57:49 ID:VsddwuMe
「さっきから苦しそうな声が聞こえてくるから気になったのよ。どこか悪いの?」
「いや、大丈夫…」
「…そうは思えないわね。誰かを呼んできた方がいいかしら?」
「ほ、本当に大丈夫ですから…ちょっとお腹が痛くなっただけで」
「お腹が痛い〜?利吉君、お仕事いっぱい抱えてんでしょ?まずいじゃない。新野先生を…」
「っ!!いやっ、いい!頼むから……放っておいてくれませんか」
「そう…でも、一応伝えるだけ伝えておくわ」

その場を離れ、立ち去ろうとすると間もなく背後から戸が開く音が聞こえた。

「待っ…て……」

厠ですることなど一つ。
だが、利吉が本来の目的でここにいるとはどうしても思えなかった。
医術に卓越した新野先生に彼を診せれば、腹痛が嘘であることなどすぐわかる。
では健康な若い男が何故こんな所に籠って声をあげていたのか、
追究するであろう理由──もはや考えるまでもなくわかることだ。

いくら不自然な事でないにしても、そんな行為をしていたなど他人に知られたくはないだろう。
照代は「ふっ」と微笑みかけて出てきたばかりの利吉の腕を掴むと、
再び厠に連れ戻し壁に押し倒した。
突然の出来事への驚きと、さっきまでの行為の余韻のためか利吉の抵抗は想像以上に弱い。

雨上がりの昼、戸が閉められる音が薬草園で響いた──


半開きの唇を奪い、口内に舌を這わせて唾液を混じらせていくと、彼の荒い息使いが顔にかかった。
どちらのものだかわからない唾液は唇から零れおち、お互いの首元まで伝っていく。
長い接吻を終えて照代が顔を離すと、頬を火照らせた利吉はキッと細い眉を寄せた。

「いきなり何をするんだ!!」
「利吉君、お腹痛いなんて嘘でしょ?」
「っ!?」
「お腹痛かったらさぁ…ここ、こんなに大きくなってるわけないでしょ」
「あ……っ…や、め…」
「びっくりしたわよ、私。あの利吉君がこんな所でまさか、ね…」

袴の上からそっと手を当てると、利吉はビクンと震えた。
同時に、自慰をしていたのがバレているのを知ってますます顔を火照らせた。
頭はとっくに混乱している。
451照代×利吉 4/5:2008/05/25(日) 22:58:38 ID:VsddwuMe
「ねえ、言っとくけどあなたのこれ、私の前に現れた時からこんなだったのよ?
ひょっとして絶頂の直前だった?だとしたら悪いことしちゃったわねぇ」

お詫びにご奉仕してあげる、と言って再び唇を近づけたが、利吉はそれを避けるように首を振った。
照代は一瞬、やれやれという表情を見せたが、替わりに今度は彼の薄い耳朶に噛り付いた。

「!…んっ、やめ…ろ…!」

ギリギリと強く歯を当てると、手で触れている彼のそこはまた少し反応を見せる。
──この人、マゾね。
歯形を残すと今度は舌先を使って耳全体を愛撫しながら、照代はそんなことを思った。
その証拠に、先程から自分が何か言葉を発するたびに
彼の下半身のものはヒクヒクと震え出していたのだ。

優秀な忍者の面影など全くないと言えるほど、抵抗は弱々しい。
潤んだ目を見ると、受け入れたというよりは抵抗したくてもできない様子だ。
羞恥と混乱で支配された利吉の頭の中では今すぐにでも
この行為をやめたいはずなのに、体はほとんど言うことを聞かない。
おそらく精神よりも身体の方がよりマゾヒストなのだと思われる。
しかし自分ではその性癖をわかっていないために、わけもわからず感じてしまう。

「(そういう反応が余計にサディストを興奮させるのよ、利吉君。
いずれ私みたいなくの一が、また彼をこんな風にするかもね…)」

ぼんやりそう考えながら照代はわざと水音を立てて、耳の形に沿うように長い舌を這わせた。

「ぅあ……ぁ…」
「キツそうね。楽になりたい?なりたいわよねぇ…」
「…っ…っ!!?…」

それまで下半身に当てたままだった手を上下に動かし、優しく撫でていくと
利吉はいっそう苦しそうに顔を歪めた。
もはや彼女の細い指では包みきれないほどに肥大化している。
だが、あえて袴は脱がしてやらない。
撫でるだけでは飽き足らず、照代は指先に強く力を込めて根元から先端まで一気に擦りあげた。

「つっ…うっ…ぁあああっ!!!」

利吉はビクッと身を反らせ、溜まっていたもの全てを吐き出した。
すると、すぐに脱力感に襲われたのか顔はうな垂れ瞳も虚ろだ。
452照代×利吉 5/5:2008/05/25(日) 22:59:31 ID:VsddwuMe
「どれくらい出たのか見てあげるわ」

そう言って照代はやっと彼の腰紐を解いた。
足もとにバサッと布が落ちる。
もともと利吉は一人での行為を中断し、慌てて出てきたために
適当に履いていた袴を脱がすことは容易だった。
そして褌も解き下半身を露わにさせると、そこは白濁まみれで
ドロッとした滴が足を伝って下へと流れ続けている。

真面目で聡明な利吉からはとても考えられないような痴態であり、
もはや声すら出ない様子で、羞恥心と屈辱感にただただ顔を歪めている。
照代はそんな彼を気に留めるでもなく、流れ落ちる精液を指先ですくうとペロリと舐めた。
そうして「…苦い」と眉を寄せ、赤い唇を親指で拭う彼女の仕草は酷く官能的であった。

「変態よねぇ、こんなに出すなんて」
「…だ…誰のせいで……」
「あら、せっかく気持ちよくしてあげたのにそんな態度?」
「ふざけるな…!」
「ふん、まぁ遊んでる分にはおもしろかったわ。ここまでにしておいてあげる。
だって苦しい想いをしてまで、あなたみたいな情けない男の遺伝子は残したくないもの」

彼の人格を否定するような台詞を吐き捨てる。
散々、屈辱を味わわされ思わず零れそうになった涙を利吉は必死で堪えた。
何故こんな女性に弄ばれたのに、自分は大いに反応してしまったのか
未だにそれを理解できないでいる利吉に呆れた表情を見せ、照代はそっと厠を後にした。


白く汚れた袴のままで、利吉があの後どうやって皆の元に戻っていったのかは知らない。
もとい、どうでもいい。
ただ彼が困れば、それだけ楽しいが。
あれ以来、まだ互いに顔を合わせたことはないが、偶然にも一度だけ遠くから発見した時の彼は
何ら変わらない様子で父親や子供達に接していた。
その場で突然、自分が現れたら彼は一体どんな表情を見せるのだろう…

気が向いたら、また遊んであげてもいいわよ
あなた結構楽しかったから──ねぇ利吉君

心の中で照代はそう呟いた。

季節は真夏を目前に控えている
453名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 23:01:43 ID:VsddwuMe
以上です、誤字脱字があったらごめんなさい。…期待してるよが脱いでるところも書きたかったorz
454名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 23:48:17 ID:2mKvJdv+
gj!
いいドMでした、ぬげーおもしろかったw
455名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:02:20 ID:QEm5Tt+5
Mりっきー(・∀・)イイ!!
456名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 09:22:06 ID:MsmYOg5X
GJ!GJ!
457名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 13:44:09 ID:zL7JVEY7
りっきwww照るよさんたまんねえw
自分もがんがって続き書くよ
458名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:13:43 ID:/QX2Sq6Q
まとめwiki作ったんだけど、需要ある?
459名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:17:13 ID:jtwtdCDX
需要あるある!ありがとう!GJ!!
460名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:27:10 ID:/QX2Sq6Q
↓こんなものでよければ

忍たま乱太郎のエロ小説@まとめwiki
ttp://www7.atwiki.jp/nintama/
461名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:33:25 ID:/W7/28da
>>460
乙!
ずっと欲しいと思ってたから嬉しい
462名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:02:14 ID:S7nQRSzC
>>460乙!

しかし「作品一覧」が「管理者のみ閲覧」モードになってるんだぜ。
463名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:07:14 ID:pelxbJCN
>>462
スマソ
直したから多分見れると思う
464名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:12:03 ID:NUdTV0O3
>>463
乙!
465名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:13:07 ID:xxXR65+J
>>463
超乙!!
466名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:22:35 ID:UOBEoygX
乙です!
こんなにたくさん作品あったんだなあ。
467名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 00:31:09 ID:1foEntY4
>>460乙!

でもにょたは載せてないのか。
まあ、人選ぶからね。
468名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 09:18:44 ID:F397eQVs
>>460さん、愛しています抱いて下さい
そしていつも良作を届けてくれる職人さんたちにも超感謝!!
469名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 11:34:33 ID:cdZU+BwB
>>460
乙です!背景すごくイイ!!
470照代×利吉 1:2008/05/27(火) 22:56:33 ID:xxXR65+J
以前投下させて頂いた>>396の続きみたいなものです。
>>448-452の照代×利吉に興奮して書いた。特に後悔はしていない。


「お帰りですか?出門表にサインお願いします。」
「はいはい。」
「はい確かに。お気をつけてー。」
珍しく事務の小松田にイライラする事なく利吉は忍術学園を後にする事が出来た。
「あれ?小松田さん誰か来てたの?」
どたどたと忍びらしからぬ足音を立てて現れたのは、一年は組のしんべヱだった。
「やあ、しんべヱ君。今山田利吉さんが帰られたんだよ。」
門を閉めながら話をしたためか、出門表と筆を落としてしまった。
ああぁと慌てて拾いながら、ぼんやりとつぶやく。
「利吉さんって凄いなー。あんな忍者になりたいよ。」
「え?あんこ神社?おいしそぉ。行ってみたーい!」
そう言って垂らした涎は出門表の上に垂れ、文字が全て滲んでしまった。


日が高い。山道を歩く利吉を木漏れ日が照らす。
今日は平和だ、とつぶやいて青く澄んだ空を見上げ、右側の木の上に向かって手裏剣を投げた。
「きゃあ!」
葉っぱと木の枝が折れる音と共に、利吉の目の前に手裏剣を投げられた人物が転がり落ちてきた。
「いったぁ〜。」
顔をしかめて打ち付けた尻を撫でているくノ一の顔を見て、利吉の顔が変わった。
「…照代さん。」
「やってくれるじゃない。」
「何やってんですか。」
「何って仕事よ。てかアナタ顔くらい見て話しなさいよ。」
先程から利吉は照代の顔を見ない。
殺気を感じたので手裏剣を投げただけだったため、照代が落ちてくるなど夢にも思わなかった為、内心失敗した、と思っていた。
顔を見れば、先日の夜を思い出してしまう。
雨と気温だけではないあの熱気。
白濁に汚れた自身に興奮して、照代が去った後もう一度自慰をしたあの夜。
顔を見れば、脳裏に鮮明に浮かび上がってしまう。

「ほら。」
「!?」
ぐい、と、無理矢理利吉の目線が照代に移された。
目を合わせた瞬間、股から背中にぞくりとしたものが走った。
「もう。若いんだから。」
クスクスと笑う照代の目線の先を辿ると、盛り上がった利吉の股間があった。
顔に血が集中したのを感じた。
どうしてだろうか。「やめろ」の一言さえ出ない。
寧ろ体は照代を激しく求めだし、心臓の形が分かるくらい心音が高まった。
「照代さん。」
「何?」
ふ、と鼻で笑う。
「我慢…できません。」
「やらしい子。」
照代は利吉の手を引き、茂みへと入って行った。
471照代×利吉 2:2008/05/27(火) 22:58:23 ID:xxXR65+J
木漏れ日の明るい森の中。水場は近くにないのに水音が響く。
「男の子でしょ?声我慢しなさいよ。」
「ん…、んう…。」
股間を手の中で摩擦されながらの接吻で、利吉の足はガクガクと震えていた。
「ねえ。挿れたい?」
はぁはぁと息を荒げている利吉の手を、照代は濡れた自身の卑部に当てた。
布越しにぐちゅり、とぬめった感触が指先に広がる。
照代はそのまま手を動かして利吉の表情と手の中のモノの反応を見た。
泣きそうな顔で必死に耐えているが、手の中のモノは今にもはじけて涙が溢れそうだ。
「この前みたいにおねだりしてよ。」
悪い顔で笑う。

ああ。僕はこれを耐えられない。

快楽の絶頂。利吉の頭の中は甘い夏の気温で満たされた。
「照代さんの中に挿れさせて下さい…。」
震える身体で照代に言った瞬間に涙と涎が溢れた。
本当に我慢出来ません、と続ける。
「相変わらず汚ぁい。」
あはは、と笑って照代は利吉を座らせた。
「いいわ…。ご褒美あげる。」
利吉の上に跨いで座った照代は着物を脱いで乳房をあらわにした。
乳房を利吉の顔に押し付け、細い両腕で頭を抱えこんだ。
太腿に当たる硬いモノを、ゆっくりと濡れた蜜壺の方へと滑らせる。
筋に挿むようにして、照代は腰を前後に動かした。
ドロリとした蜜と柔らかい肉、弾力のある豆に裏筋を刺激され、利吉の声が照代の胸の間から漏れた。
苦しそうだが、どこか艶めいている。
激しく腰を動かしていると、ぐちゅり、と利吉の硬いモノが照代の中に入った。
前後に動いていた照代の腰が、上下に飛ぶような動きに変わった。
肉がぶつかる音と二人の快楽の声が青い空に響き渡る。
利吉は我慢出来なくなり、照代の腰を掴んだ。
「あ、ちょっと…!」
腰をがっちりと固定し、下から激しく突き上げはじめた。
「あっ、あっ!りき、ちくんっ…!凄い…!」
激しさを増す腰の動きに合わせて二人の声が短く鳴いた。
「てる、よさ…ん!」
「利吉くん…利吉くんっ!」お互いに名前を呼びあい身体を求めた。
二人の声と動きが一番激しくなった時、照代と利吉の繋がった部分から大量の白濁した液が溢れた。
ぐったりと身体を重ねあい、呼吸が落ち着くまでそうしていた。

呼吸が整った利吉は、気持ち良かったです、と照代の頬に唇をよせた。
とたんに利吉を攻め立てていた時は一切顔色を変えなかった照代の頬に赤みがさした。
「あ、あの、違うの!ね!うん!」
何故か焦りだす照代を、利吉はキョトンと見つめた。

空も照代の頬の様に赤く染まりはじめていた。
472名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 07:38:58 ID:YTQPhllM
>>470-471おおおお乙!
朝から全力で萌えた
Mっ子利吉カワユスwww
473名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 08:01:51 ID:v408YXYR
全力でありがとう萌え尽きた
照代エロかわいいよ照代。くのいちで一番すきだ
もう利吉がマザコンのM男にしか見えません本当にありg
474名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 16:03:30 ID:IAvgFiEy
文次郎や長治は見ようによっては男前だと思うが、小平太はどうなのかと思う。男臭い顔立ちではないしなぁ。
475名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 16:18:28 ID:Q3O6Mbke
>>474
6月14日(土)の合戦場の弁当の段を見るといいらん!
476名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 18:32:25 ID:it2naWFZ
ここの素敵SSのおかげで忍たまを真剣に見るようになったよ!
ありがとう!
上級生皆面白…ゲフン格好いいよ!
477名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 20:06:24 ID:30K0LWMb
同じく。今までボケーと見てたのに今は毎日録画してるよ。
上級生が出てくるのがほんと楽しみでしょうがない。
職人さんwiki管理人さんありがとう!
もっとくの一との絡みがあればいいのになぁ。
478名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 22:03:11 ID:zatdySwc
wiki管理人さんまじで愛してる。

おかげで過去の名作がみれたよ!

長次×カメ子の人、ほんとに大好き。
こんなにドキドする15歳と5歳は初めてだ。


ドSの仙蔵とか、小平太書きたいなぁ
女子と少しでもフラグたてばいいんだけどね、この二人
479名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 22:04:27 ID:zatdySwc
>478
×ドキドする
○ドキドキする

・・・・落ち着け自分orz
480名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:13:36 ID:1/827XC+
>>460
乙。
そしてGGGGJ!!!!
過去の名作が白日の下に・・・・
>>478
長次カメ子良いよね
りあるな15×5 (´ω`*)
481名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 03:35:42 ID:I7iCRk2G
三郎とユキちゃんは実は絡みあるんだよ
482名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 09:20:53 ID:KYn8iNve
>>481
kwsk
483名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 10:05:21 ID:llxC8QUm
481じゃないけど原作18巻での
三郎がユキちゃんに変装してユキちゃんびっくり→
ユキちゃんに変装したまま去る三郎に
「ちょっと、私の顔でがに股で歩かないでよっ!」と
文句言ってたあのシーン?
484名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 14:16:09 ID:WWmYZIv2
そんな素敵フラグが!

てか、鉢屋はヤりたい放題だよな。
伊作や仙蔵みたいなイケメンに変装して女子くどいてお持ち帰りしてそう
485名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 14:46:44 ID:I7iCRk2G
というわけで三郎×ユキちゃんお願いします^^
いや、むしろ5年×ユキちゃん
486名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 17:03:38 ID:KYn8iNve
>>483
d!あれか!

5年×ユキていいな。
鉢屋×ユキで鉢屋がやりながら顔変えまくって
「誰がいいんだい?あ、乱太郎で赤くなったw乱太郎がいいんだねw」
てのが読みたい
487名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 19:30:34 ID:pzG937YU
>>484
いや、もしかしたら鉢屋の素顔こそが一番色男だったりして
488484:2008/05/29(木) 20:20:17 ID:qmXnXw1J
>487
おっとおなじこと考えてる方イター

昔あった少女漫画で、ずっと素顔を髪やメガネで隠している男子がいて
きっと○サイクだろうとみんなに思われてたけど
ひょんなことから、ある少女がその男子の素顔を見てしまって、テライケメンで
惚れたってのがあったんだけど

鉢屋とユキで出来そう・・・


>486みたいなのもイイ!

妄想がとまらない。
489名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:57:32 ID:O6Vp+Lim
明日発売日だねー
わくわくするるるる・・・・

>>488
パタリロのタマネギ隊みたいだ
490ドS仙蔵×シナ:2008/05/30(金) 00:56:10 ID:IZWCSr/I
「しっ…シナ先生…、俺、先生のことが好きですっ!俺と…その…」
顔を真っ赤に染めて息を荒げながら、今にも襲いかからんとする生徒を見て、
くのいち教室の教師、山本シナは「あらまぁ」と間の抜けた声をあげた。
男子生徒の比率が圧倒的に多いこの学園では、思春期まっさかりの上級生にこう
して告白されることも少なくない。
(あらあら……)
シナは苦笑すると、生徒の頭をひとなでし、「あと10年たったらね」と声をかけ
、姿を消した。
「ああっ…シナ先生…」
男子生徒の切なそうな声が風に浮いて、消えた。

「まったく……、私ならまだしも、あんな目でウチのくのいち達を見られたら困
るわね…」
上級生ともなれば性に目覚めるのも当然だし、やりたいさかりというのも判って
あげたい。
「でも、忍者たるもの禁欲が出来てなくてはね…」
あとで教師達と再度打ち合わせをしなくちゃとシナは思った。

ゴーーン…と、ヘムヘムの鐘の打つ音が聞こえる。
「もう就寝時間になるわね……変な気を起こす上級生がでないように長屋周辺を
見回りといこうかしら」
事実、特に最近、夜に逢い引きなどをしている上級生も多いのだ。
「学園の風紀が乱れるのはよくないわ」

シナは気配を消しながら、長屋周辺を巡回する。
今のところ、就寝はしていないようで若干騒がしい部屋もあるが、抜け出すよう
な気配はない。

と、長屋の前の井戸に人影が見えた。

「………?あれは…」

満月の光に照らし出された人物にシナは見入る。

(立花…仙蔵くん…?)

井戸水を飲みに来たのか、そこには六年の作法委員長、立花仙蔵の姿があった。
いつもは結っている、学年一綺麗なサラストヘアをおろし、井戸水を杓で汲んで
、コクコクと飲み干している。
風呂上がりなのか、髪も半乾きの様子だった。

月の明かりに、彼の透き通りそうな白い肌が照らされる。


(……………綺麗…)

女のシナも思わず溜め息をつかざるをえなかった。

神秘的な美しさが仙蔵から漂っている。子供から大人の男へ成長する直前の、少
年特有の色気とでもいうのだろうか。

(男の子でこんなに綺麗だと…、同性にすら変な気を起こされたりして大変じゃな
いのかしら)



491ドS仙蔵×シナ:2008/05/30(金) 00:58:23 ID:IZWCSr/I
ふとそんな事を考えたが、すぐにまさかね、と呟いた。
見た目は美しいが、火器を持たせれば学園一の腕前であり、成績も優秀の上、
性格は意外とえげつなく、そこはかとなく「ドS作法委員長」との噂も聞こえる彼
のことだ。

(彼には無用な心配だったわね…)

ざわっ…と、心地好い風が吹く。風を利用して、なびく長い髪を仙蔵は櫛で丁寧
にとくと、くるりと踵をかえし井戸から去った。

(これで…上級生はみんな部屋に戻………)





「ん??」

部屋に戻ると思いきや、仙蔵は長屋から離れて歩き出す。

(立花君…どこに行くのかしら…?まさか…)


くのいちと逢い引き…?

シナは気配を消しながら、ソロソロと仙蔵の後をつける。

5分ほどそのまま歩き続けると、仙蔵が別の長屋の前で立ちどまった。

(あれは…作法委員の委員会部屋……)

仙蔵は鍵を開けると、周囲を見渡すそぶりをして、中に入った。

(作法委員長の立花くんだから鍵を持っててもおかしくはないけど…こんな夜中に
委員会の仕事でもする気なのかしら)

シナは不信感をつのらせながらも、小屋にそろりと近付く。

(まさか委員長の特権を濫用して、くのいちを部屋に連れこんだりして…)

いや、優等生の仙蔵に限ってそんなことは。

シナはそんなことを考えながらも、さらに気配を消すよう注意しながら、部屋の
戸のわずかに開いた隙間から中の様子をうかがった。

……暗い。


中は月明かりに照らされている場所を除いて真っ暗だ。確かに仙蔵が入って行っ
たはずだが。
……と、月明かりに照らされた部分に人影が見えた。

(……立花君。)

仙蔵は戸に背をむけるようにして座りこんだ。

(なんだ……一人のようね……)
492ドS仙蔵×シナ:2008/05/30(金) 00:59:20 ID:IZWCSr/I
シナはホッとしながらも、なんとなくまだ気になるので、しばらく様子を伺うこ
とにした。

仙蔵は何か本を読んでいるようだった。しかし、様子がおかしい。
肩はわなわなとふるえ、時折、ううっと声を漏らしている。

(……泣いて……る…?)


本を読んで泣いているのだろうか…シナは最初そう思っていたが………


「うっ……ぁは……ぁ…」

仙蔵の声が大きくなるにつれて、シナは思っていたことが間違いだったことに気
付く。
泣いているにしては、妙に艶のある声、荒い吐息。

(ま…まさか…)

月明かりにに照らされた彼の背は前屈みになったり、時折のけぞったりして不自
然に動いていて。

右腕がせわしなく揺れている。


(まさか…まさか…立花くん……自慰を……!?)

気付いた時、シナは顔に血が登るのを感じた。

月明かりの下には仙蔵の後ろ姿しか見えないが、間違いはないだろう。
長くおろした髪が邪魔なのか、仙蔵は左手で髪をすくいあげ、左側に流した。
仙蔵の白いうなじが半分あらわになり、シナは思わずコクリと唾を飲んだ。

(立花君でも……こういう事するのね……)
目の前の光景に釘付けになりながらも、シナは悶々と考えた。
いつもは学年一クールと言われていても、やはり15歳の男子。
長屋でも、一人部屋なわけでもないし、いろいろと溜るのだろう。

(自慰をするために…此処に来たのね…)

シナはだんだんと下半身がうずくのを感じた。
どうせなら後ろ姿だけでなく顔もみたい……

あの立花仙蔵がどんな顔をして自慰にふけっているのか。

「あっ……あぁっ……くっ…」

吐息まじりの少年の声が静かな闇に響く。
はらりと着物がはだけ、仙蔵の肩があらわになる。
華奢で白いが、やはり鍛えられた男子の肩であり、その様子がシナをまた興奮さ
せた。

(覗きなんて…こんなことしたら駄目よ…ねぇ)

シナはそろりと右手を自身の下腹部にそわせる。

(生徒をオカズにするなんて…駄目よ…)
そう思いながらも、シナは自身の装束の帯紐をほどこうとする。
493ドS仙蔵×シナ:2008/05/30(金) 01:02:19 ID:IZWCSr/I
……と、その時。

「きゃあああっ」

ガラリッと引き戸が開いた。
戸に寄りかかるようにして見ていたシナが前に倒れこむ。

「キャッ…痛っ!」
倒れ込みそうになったシナの腕を何かが強い力で掴んだ。


「……覗きとはいいご趣味ですね…山本シナ先生」
後ろに手を回され口をふさがれる。

「………ふぐっ…」
(なんて……強い力っ…)

「くのいち教室の先生ともあろう方が…気配も消さずに覗きとは」
(なっ……)

目の前の光景に夢中になり、知らず知らずのうちに、気配を消すことを忘れてい
たようで。

(た…立花…君……?気付いて…?)

後ろを振り返ると、仙蔵の顔が近くにあった。
先ほどまで自慰にふけっていただろうに、相変わらずの涼しい表情。

「ご…ごめんなさ……覗きなんて…」

「……私が足ツボマッサージをしている姿がそんなに興味深かったですか…?」
クスクスと乾いた笑い声をたてる。
「えっ……足…ツボ……!?」


間の抜けた声を思わずあげる。

「おや?他に何をしていると思って見ていたんです?」
「べ…べつに…。」
「ほほーう…」

仙蔵はシナの装束の帯紐にチラリと目をやると、何かを察したようにニッコリ笑
った。

「覗いてたのは謝るわ…立花君…だから…ね?離して…」
なんとか教師として気丈に振る舞おうとするが、さきほどの興奮が冷めやらずか
、声に力が入らない。
それに、仙蔵に羽交い締めにされているこの状況に、なぜだか体がうずいてしま
っているのだ。

(何、感じてるのよ…しっかりしなさい私!)

「ふふっ……」
仙蔵がシナの耳元で笑う。くすぐったくて、シナが体をくねらせた。
「忍術学園の教師ともあろうお方が……情けないですね」
シナの心を読んだように、仙蔵がさらにきつくシナの体を腕で絞める。
「生徒に羽交い締めにされて…感じていらっしゃるとは…」
とんだ変態ですね、と付け加えてシナの耳たぶを噛むと、「ああっ」と声をあげ
てシナがのけぞった。
494ドS仙蔵×シナ:2008/05/30(金) 01:03:58 ID:IZWCSr/I
フン、と不適な笑いを浮かべて、仙蔵はシナの腰紐を素早くほどき、右手を下腹
部に差しいれる。

「ちょっ……!立花君やめっ……あっ!?」

くちゅっという音が闇に響くと、仙蔵は更におかしそうに笑った。

「足つぼマッサージの覗き見で、こんなに濡らしていたんですか?先生…」
何か他の事をご想像されていたようですね、と囁く。

「違っ……やっ…やめなさいっ…立花君っ……離しなさっ……ああああんっ!」

シナが仙蔵の腕の中からのがれようとするも、甘い感覚がシナの体を襲い、一気
に体の力が抜けた。
仙蔵はシナの下半身に指で仕掛けを作っており、シナが抵抗するたびに、仙蔵の
指がシナの快楽のツボをついてしまうのだ。

「やめなさいだと……?誰に口を聞いてるんですか」
仙蔵がシナの腕を絞めあげる。
「いっ……痛あっ…」

「フン…」
仙蔵はシナの蜜壷から指を引き抜くと、月明かりに手をかざし、それをシナの目
の前にやり、見せつけた。

「あなたは…一回りほども年下の男にこんなに感じたりして…やはり変態ですね

「んぐうっ…」
ずぼっ…と、愛液に濡れた指をシナの口に突っ込む。
「私の指があなたの蜜で汚れてしまいましたからね、きちんと舐めて綺麗にして
ください」

「ふぐぅっ…」
苦しそうにしながらも、シナは舌を動かし、仙蔵の指をしゃぶる。
その様子を見て、仙蔵に火がついた。

「きゃあああっ…!」

今まで後ろから羽交い締めにしていたシナを仙蔵が突き飛ばす。
どさっと、シナが畳の上に倒れこんだ。

すかさず仙蔵がシナの上に馬乗りになり、シナの両手首をおさえ、膝をシナの股
に割り込ませる。

シナはひっくり返った蛙のような体勢にされた。
495ドS仙蔵×シナ:2008/05/30(金) 01:08:55 ID:IZWCSr/I
月明かりのあたる位置で、仙蔵の顔が照らされる。
不敵な笑みを浮かべて、シナを見下ろすその美しい顔に、ゾクリと身の毛がよだつ。

恐怖にゆがんだシナの顔を見て、仙蔵がさらに嬉しそうに唇を舐めた。

シナの胸ぐらをつかみ、身を起こさせると、膝をついてたたせる。

「た…立花君……」
クラクラと頭がまわって、逃げようにも逃げられない。

仙蔵は素早く自分の腰紐をほどき、シナの鼻をつまんで口を開けさせると、半勃
ちになっていた肉棒を突っ込んだ。

「ふぐうぁっ………!!」
いきなり口内に異物を入れられて、シナは苦しそうにもがいた。
「歯を立てるな……噛んだりしたら殺す…わかりましたね?」

シナは涙をためながら、仙蔵の言うことに頷かざるをえなかった。
仙蔵はシナの頭を掴み、容赦なしに腰を打ち付ける。
ずぽっずぽっとピストン運動が続くにつれ、仙蔵のモノはどんどん大きくなり硬
度を増して行く。

(すごっ……こんなに大きくっ…)

無理矢理、口淫を強いられているにも関わらずシナの蜜壷がうずいている。

しだいにシナは舌を巧みに使いだし、夢中で仙蔵の肉棒をしゃぶりあげた。

「ん…んん……っ」
さきほどまでの不適な表情がゆがみ、仙蔵の白い肌に赤みがさす。

快楽に顔を歪め、サラサラの髪が汗ばんできた首筋にはりついている。
15歳の少年とは思えないその色気に、シナはもう我慢ができなかった。

「くぅっ……」
限界が近付きそうになった所で、仙蔵がシナの頭を掴んで口内から抜く。

「んっ……」
てっきり口内発射するものだと思っていたシナは思わず仙蔵を見上げる。
だらしなく開けた唇からは、唾液がしたたっている。
「ふん、淫乱め……」

仙蔵は息を荒げながらもシナの顔を一瞥する。
一回りも年下の少年に暴言をはかれたというのに、シナの心がきゅんとうずいた。

そのシナの心を読んだのか、クックッと可笑しそうに仙蔵が笑ってみせると、
シナの耳たぶをひっぱり、引き寄せて耳元で囁いた。
「どうやらあなたには、もっとお仕置きが必要のようですね、シナ先生・・・・・」
496名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 01:19:03 ID:IZWCSr/I
・・・・・・・・・・とりあえずここまで。。初投下未完でごめんなさい。
予告してた仙シナでした。

Mなシナ先生かつ、年下にキュンキュンさせたかったのでS法委員長の出番だったんだぜ。
仙様のふつくしさばっか書いてしまったので続きはシナ先生のエロスをもっと・・・がんばります


鉢屋も五年もユキちゃんも長カメも期待してます!
エロなしでも読みたい。
497名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 01:24:23 ID:dcEeHyhl
よくやった、自分の脳内妹をふぁっくしてもいいぞ
続きを全裸で待っているぜ
498名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 02:15:14 ID:ibhUdNdM
足つぼワロタwww
シナ先生同様、仙蔵に釣られたわけだが…

続き楽しみにしてます
499名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 02:35:44 ID:QZGii5hn
最近このスレ盛り上がってるねイイヨイイヨー
ドS仙蔵に魂うばわれてしまったんだぜ
続きが楽しみだ
500名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 09:04:57 ID:/NVepvgS
S法委員長のタチ花S蔵め!
けしからんもっとやれ
501名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 09:49:11 ID:/GcVm5i8
さすがはS法委員長!そこにシビれる憧れるゥ!
続き楽しみにしてます!

ところでタカ丸×くの一ってどうだろう。
最初からくの一にモテモテという希有なキャラなので、
エロに持ち込むのも比較的容易そうな気がする。
髪を弄るという行為にも少し性的な匂いを感じるんだぜ。
502四郎兵衛×しおり 16:2008/05/30(金) 22:27:22 ID:3sV1owI4
>>501
あれ、俺が居る。
確かに髪を弄ると言うのはそこはかとなくエロスな雰囲気がするんだぜ。
特に乱れ髪なんてうわなにをするやm(ry)

シロベとしおりちゃん続き投下


空はどんよりとした雨雲が学園を包み、五月蝿いほどの雨音が屋根に木霊する。
何処か遠くで雷鳴が響いた。
用具室の整理をしていたら、静寂に包まれた用具室にけたたましい音が響いた。
何事かと筆記用具を放り投げ、食満留三郎は外へと飛び出した。
外に出てみるも、そこには人影は見えず、足元には何か破裂したのであろう残骸が飛び散っていた。

「・・・・これは・・・。」

ひょいとその残骸を摘むと、どうも元はボール状のものだったらしい。
それが用具室で管理している一部のものを壊されたのだという答えが出たのは、一瞬の事だった。
元々キツめの目つきが怒りの為に更に吊り上がり、わなわなと肩を振るわせる。
その元凶が飛び込んだのは、ほんの数秒後だった。

「あっはっはっは!食満すまん!また壊しちゃった!」
「小平太あぁぁぁぁぁ!!!!」

豪快な笑い声が耳に飛び込んだ刹那、食満の右腕が唸りをあげる。
幾度と無くボールを壊され、怒りが頂点に達した瞬間だった。

「いだだ・・・。な、何もそんなに怒らなくたって良いだろ。」
「これが怒らずにいられるかあぁぁぁぁ!!!」

殴られた頬を押さえ、食満を宥めようとするが逆効果だったようだ。
咆哮がその場に響いた後、食満は一気に捲くし立てる。

「大体何度目だと思ってるんだ?!79回目だぞ79回!!文次郎と合わせれば124回も壊してるんだぞお前は!
用具委員長として言わせて貰うが、お前らは物を大事に扱わなさ過ぎる!!
この一つ一つにどれだけの人が苦労して作ってると思ってるんだ!!これ以上物を粗末に扱うと、体育委員会限定でボールの使用は禁止するぞ!!!」
「わ、解った解った!ごめんなさい!!」
「そう言って何度約束を破ったああああぁぁぁ!!!!!」

じりじりと追い詰める様に迫ってきたかと思えば、何処に隠してあったのか、あらゆる忍具・武具を武装し
土砂降りの雨の中も構わず、6年生の何とも情けない追いかけっこが始まった。
見ようによれば、とても素晴らしい演武なのだろう。

その後、二人の生徒が殆どの用具を削減させ、用具顧問にこっ酷く叱られたとか。



503名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 22:27:33 ID:2/AsVPa8
>>488
水兵月の事かwwww
504名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 22:34:37 ID:rl5L6xRQ
>>504
待ってたぜ!
パンツ脱いで待ってたのに食満と小平太てwww


ふう。
505名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 23:30:08 ID:jBYSXapE
gj!

>>504
おいwだれに言ってるwww
506四郎兵衛×しおり 17:2008/05/31(土) 00:07:43 ID:Ipk4dgwK
委員長が追いかけっこ(と言う名の命懸けの鬼ごっこ)をしている最中、
四郎兵衛は雨の中をとぼとぼと歩いていた。
心が真っ二つに割られてしまったような、苦しい思いが胸を締め付ける。

普段ならまた怒られてしまったとのほほんとしているのだが、今回は違う。
こんなにも苦しい思いをしたのは初めての事で、自分でもどうしたら良いのか解らない。
雨に打たれているのに、何故か身体が熱い。熱でも出てしまったのだろうか。
もやもやした思いを振り切るように、四郎兵衛は風呂場へと向かった。
その途中、誰かからくの一教室の風呂場が壊れ、修理するまで男子浴場の所を使わせて貰うと言う伝達が耳に入った。
しおりがあの時風呂に入っていたのは、その為だったのだ。

誰も居ない事を確認すると、四郎兵衛は素早く着替え、湯に浸かる。
先程まで雨に打たれ、身体中が冷え切って居たのだ。
その冷えた身体には、この湯船は芯まで温まる気がする。

「はぁ・・・・。」

温かい湯船は、さっきまでの切なさを洗い流してくれる様に、じわりと浸透してゆく。
心地よさに目を細め、呑気に本日の夕飯の事を思い描いていた。
先程までの苦しい気持ちなど忘れてしまったかのように、ぼんやりと口元まで湯船に浸かり、空想の世界を楽しんでいた。

ふと四郎兵衛の頭に浮かぶのは、しおりの事だった。
小平太が奢ってくれた饅頭の事を思い出していたら、同時に彼女の事まで浮かんできてしまった。
自分に向けてくれた、屈託の無い笑顔や、困ったような笑顔。
それは自分に向けてくれたものであり、何故か心が弾む様な感覚に囚われる。

けれど、自分に向けられた視線は、笑顔では無く涙。
くの一とは言え、女の子を泣かせてしまった事に、四郎兵衛は重石の様な罪悪感に苛まれた。
それとはまた別に、別の感情があり、それが解らずもやもやしてしまう。
その時、四郎兵衛は下腹部に違和感を感じた。
正確には、下腹部のもう少し下の、自分自身に違和感があったのだ。

「あ、あれ?な、何で??」





507四郎兵衛×しおり 18:2008/05/31(土) 00:19:50 ID:Ipk4dgwK
手ぬぐいを見ると、その部分だけぴんと小さい山が盛り上がっており、誰も見ていないのに何故か恥ずかしくなる。
何とかその山を元に戻そうと両手で包むと、何とも言えない奇妙な快感が昇って来る。

「ぅ・・・あ・・・。」

どうも自分の身体はおかしい。
今までこんな事無かったのに、どうしてしまったのだろう。
このままでは誰か入ってくるかも知れないし、この状態を見られるのは恥ずかしい。
そう思い、部位をしっかりと押さえて素早く寝巻きに着替え、自室へと足を速める。

部屋へと入り、誰も擦れ違わなかった事に手を合わせると、床に腰を下ろす。
自分自身は未だ萎える事を知らず、着物の上からも元気に天井を仰いでいた。
「うぅ、早く元に戻ってよぉ〜。」

ぎゅっと自分自身を包み、何とか元に戻そうとするも戻らない。
意味の無い焦燥感が四郎兵衛を駆り立てる。
ふっと浮かんだのはしおりの柔らかい胸の感触と、裸体。
えっと思うのも束の間、溜まっていた物がどくんと噴出し、床を汚した。

自分から吐き出された欲をぼんやりと見詰めると、自分はとても悪い事をしてしまったのではないかと
罪悪感に縛られた。
それよりも、ふと思い浮かんだとは言え、しおりの姿で自分は達してしまった。
しおりを穢してしまった様に思え、恥ずかしさと情けなさで深くその場に突っ伏し、
ぼろぼろと涙を零す。

「・・・・しおりちゃん・・・、ごめんね・・・・。」

気付くと空は雨が上がり、群青に塗られた夜空には満天の星が瞬いていた。
一人の少年が、少しオトナに近付いた事の印なのか、きらりと光ったのは
四郎兵衛は知る由も無い。

508名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 08:05:02 ID:lECfOV23
GJです!ぐっときたぜ!!
続き待ってる
509504:2008/05/31(土) 12:14:16 ID:JUEHmZ85
うわ自分に何言ってんだorz
こんどこそ>>507GJ!
510名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 15:13:28 ID:K6Ips1Ys
>>507
四郎兵衛かわいいよ四郎兵衛
GJです。

>>509
おまいにも萌えた
511名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 02:33:18 ID:ZH6sn+N+
>>501
同じく髪結いにエロスを感じてタカ丸エロを書き出したはいいけど
収集つかなくなって諦めた私が通りますよw
512名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 11:27:40 ID:xBeLkxAT
髪結いの最中に勝手に感じてしまうくのいちということですね、わかります


是非書いてほしい!
タカ丸は天然キャラでも確信犯でもいけるなー

OPの女の子達全員、タカ丸に髪いじられたって考えるとエロすぎる。
513名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 18:52:09 ID:v6wt346V
髪の毛を触らせるというのは性行為を許すものと同等って何かで聞いた事がある
だから自分の中でタカ丸はエロキャラってイメージが強いのかw
514名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 19:11:39 ID:dOYNiE19
女の子に囲まれて赤面してて奥手っぽかったが、やってることはエロスwww
かわいいくノ一に積極的に誘われちゃうといいな
515伊賀の暴れん棒1:2008/06/01(日) 21:30:56 ID:Q+EOnIX3

昔昔、戸部先生の住む荒れ寺に二人の客がやってきました。
大木先生は自家製のらっきょを、野村先生はお酒を持ってきたので、三人でどんちゃか宴会をやることにしました。
一緒に暮らしている金吾はおつまみを作りながら、時々座ってその輪に加わっておりました。

「そういえば雅之助、この間オシロイシメジのくの一を捕まえたそうじゃないか。」
戸部先生は何の気なしにそう尋ねました。話の種になればいいと蒔いたそれがとんでもないことになろうとは、彼は知りません。
大木先生はがはは、と口を大きく開けて笑うと隣で飲んでいた野村先生の頭を脇に抱えました。
「おうよ。わしのど根性棒でひいこら言わせたわ。あちらもなかなか具合が良かったが、いかんせん体力が。」
「先生、ど根性棒って。」
好奇心旺盛な金吾は大木先生に尋ねましたが、すべて言い終わる前に、戸部先生は彼の口を塞ぎ、ついでに耳も塞ぎました。
まだ幼い金吾に、この話は毒だったからです。
「なにがど根性棒だ。エノキのくせに。」
酔っ払って少し目の据わった野村先生は、大木先生の腕から脱出するとぶつくさ文句を言いました。
「なにがエノキだと?!お前のなんてめだかの癖に。」
「ふん、わしは伊賀の暴れん棒と恐れられたものを持っているんだぞ。なんなら今勝負してもいい。」
「おう、勝負してやろうじゃないか!おおそうじゃ、戸部先生もついでにやらんか。」
「なんで私まで。」
ちびりちびりと貧乏くさく、いや、酒を味わって飲んでいた為に、戸部先生の頭は大人の中では唯一冷静でした。
「聞くところによると、戸部先生は駿河の一尺太刀と呼ばれていたそうじゃないですか。」
「野村先生あんたまで。」
「そうなんですか?」
いつの間にか逃げ出していた金吾が、目を輝かせて野村先生に聞きます。この男の子は、尊敬する人のことならなんでも知りたがる性質のようです。
「ああ。金吾も風呂に入ったときに見たことがあるだろう。」
「そうですか?先生は刀を持ってお風呂に入られることはありますけど、一尺なんて短い太刀は持っていませんよ。」
「金吾、お前は野村先生にからかわれているんだ。夜ももう遅い。そろそろ寝なさい。」
そのものを言われたわけではないですが、短いと言われてちょっとしんぼりしながら戸部先生は金吾を促します。
素直な金吾は元気良く返事をして、寝室へ行きました。
「つまらんのう。金吾は女子じゃないんだから、へのこの一つや二つ、見せてもいいじゃろうに。」
ぶうぶうと、唇を尖らせて大木先生が言います。
「あれは預かり物だ。下手に歪められては困る。」
「またまた。新ちゃんのいいこぶりっこ。」
そういって、杯のお酒を飲み干してしまいます。
今日は新月。星明りしか照らすものはありません。
516四郎兵衛×しおり 19:2008/06/01(日) 21:31:15 ID:Rf0F1ixr
髪結いタカ丸エロス。
OPのくの一達は全てタカ丸に開発されたんですね、わかります。
だがしおりちゃんは渡さん!

続き投下


昨日の雨が嘘の様に、今日の空は眩い太陽の光が輝いている。
くの一教室のしおりはぼんやりと教室から見える景色を眺めており、未だ蕾の紫陽花を見ていた。
皐月も終わり、これからじめじめとした梅雨の季節となる。
このからりと晴れた日も、いずれは昨日の雨になってしまうのだろう。
小さく溜息を吐くと、ずるりと机に突っ伏す。

昨夜からあのぽけっとした顔がちらついて仕方が無い。
何故こんなにも気になってしまうのだろう。
抜けてるのかと思いきや、変な所で気が付くし、全く変なヤツだ。
心なしか身体が火照って、頭も霞が掛かったようにぼんやりする。

「・・・しおりちゃん、どうしたの。さっきから百面相してるけど・・・。」
「ひゃっ?!・・あ、み、みかちゃん。」

頭上から声がし、はっと上を見ると、みかが覗き込んでいた。
突然の事に心臓が口から出そうな心境に駆られた。

「何か悩み事でもあるの?」
「な・・悩み事・・・。」

無い、とも言い切れない。
ただこの思いは自分で解決した方が良いような気がして、喉から出かかった言葉をぐっと堪える。
言うべきか、言わざるべきか、何でこんな事をうじうじと悩んでしまうのだろう。
ああ、もうあの四郎兵衛の所為だ。
ぐるぐる考えていたら、さっきより頭がぼーっとしてきた。
視界も歪んでいる気がする。

「し、しおりちゃん!顔赤いよ?!大丈夫?!」
「あ・・・、う、ん・・。ちょっと今日熱っぽいかも・・・。」
「ホント?昨日、いきなり寒くなったからその所為じゃない?」
「き、昨日・・・・・・・・・。」

思い出すまいと思っていても、皮肉な事に昨日の事が鮮明に脳内に映し出される。
触れ合う肌と、絡んだ自分の足と四郎兵衛の足。
そして、相手の吐息が掛かる位顔が近かった事。
かぁ、と顔が熱くなると同時に、視界が闇に閉ざされた。

薄れ行く意識の中で、みかの悲鳴が聞こえた。
517四郎兵衛×しおり 20:2008/06/01(日) 22:50:17 ID:Rf0F1ixr
「うーん。」

一方同時刻。
ここは男子生徒が暮らす忍たま長屋。
その一室、三年ろ組の部屋で、次屋三之助は渋い面持ちで先程から唸っている。
その様子を怪訝な表情でちらちらと見ているのは、同室の富松作兵衛だ。

「三之助、どうしたんださっきから。」
「あ、いや。俺の後輩の事でちょっと。」
「後輩?一年の金吾?」
「いや、二年の四郎兵衛。」
「四郎兵衛・・・、あぁ、何かぽけっとした様な顔の。」
「何時もその特徴言われるぞそれ。」

どうやら聞く所によると、朝廊下で擦れ違った時、何故か挙動不審だった。
何時もの呑気さは無く、何処と無く怖がっているような、泣きそうな顔で自分を見るなり
挨拶もそこそこにそそくさと逃げる様に洗面所に向かって行ったとの事だ。

「あいつ、一昨日まで全然そんな事なかったんだけどなぁ。」
「うーん、確かにちょっとおかしいな。それ。」

二人の頭に浮かぶのは疑問の印ばかりで、一体何の事か検討もつかない。
自分の不甲斐なさにはぁ、と三之助は深く溜息を吐いた。

とぼとぼと元気のない足取りで、四郎兵衛は廊下を歩いていた。
昨夜の出来事と、今朝見た夢の所為で更に気分が優れない。
見た夢は誰かは解らないが、女の子だった。
朧げにだが、その女の子と自分は何かとてもいけない事をしていた様な気がした。
止めてと叫んだ時、目が覚めた。覚めて驚いたのは、褌が濡れていた事だ。

「うぅ・・・・、ぼく何処かおかしくなっちゃったのかな・・。」

誰かに相談すれば良いのか。
けれどこんな事誰に相談すれば良いのだろう。頭がこんがらがってちっとも纏まらない。

「あれ、四郎兵衛。」
「うひゃあぁぁぁ!!」

後ろから声を掛けられ、驚きのあまり逃げようとしたら「僕だよ」と首根っこを掴まれてしまった。
後ろを振り向くと、救急箱を持った川西左近が目に飛び込んできた。
同級生と知り、ほっと四郎兵衛は胸を撫で下ろした。

「あ、川西、くん。」
「どうしたんだ、今朝から何かおかしいぞ。」
「そうだよ、朝ごはん食べなかったって聞いたぞ。」
「体育委員会ってキツいんだろ?ちゃんと食べないと死んじゃうぞ。」

左近の言葉と共に、後ろから久作と三郎次まで出てきた。
三人で四郎兵衛を囲み、今朝から様子がおかしい四郎兵衛の事を気に掛けていたのだ。
クラスは違えど、同じ二年生。級友が困っていたら放っておく訳には行かない。
加えて左近は何だかんだで優しい少年で、それに続く二人も言葉は意地が悪いが根は優しい。
518四郎兵衛×しおり 21:2008/06/01(日) 22:50:55 ID:Rf0F1ixr
「な、何でもないよ・・・。」
「嘘付け。顔色悪いし、見るからに元気がない!」
「悩みがあるなら言えよ。相談位には乗るからさ。」

左近の言葉はとても嬉しいが、これはどうすれば良いのか自分でも解らない。
おろおろと答えを言い出せない四郎兵衛に、久作は口を尖らす。
どうも言うまで此処を通さない気らしい。
散々迷った結果、とうとう四郎兵衛は口を開いた。

「ぼく、昨日から身体がおかしいんだ・・・。何か頭も痛くて、胸も痛くて・・・。
変な事は起こるし・・・・。」
「風邪、とかじゃなく?」

しゅんと項垂れる四郎兵衛に、優しく左近は問い掛ける。
言葉は交わさず、否定の意味を込め首を横に振る。

「風邪とかじゃない、と思う。」
「うーん、取り合えず保健室に行ってみる?伊作先輩なら解ると思うし。」
「僕も図書室で調べてみる。」
「僕は先輩にそれとなく聞いてみるよ。」
「あ、ありがとー、みんな。」
「べ、別にぼくはたまたま気になっただけだよ!」

じわりと涙を浮かべる四郎兵衛に、照れ臭くなり3人は顔を背ける。
左近は四郎兵衛と共に保健室へ。
久作は図書室へ。
三郎次はタカ丸か、または久々知兵助を探しに行った。

これがきっかけとなり、事態は急展開へと向かう事となる。
519伊賀の暴れん棒2:2008/06/01(日) 22:56:40 ID:Q+EOnIX3
しろべの人、ごめんなさい。

そうして下ネタに話を咲かせているうちに、あきれた戸部先生がまず脱落して寝室へ引っ込んでしまいました。
残った二人はいつのまにか飲み比べを始めてしまいました。
「ははは!どうして、もう無理か。」
大木先生は豪快に笑いますが、その顔はもう真っ赤で、目もどこか虚ろです。
「ふん、貴様と違って、私は風流なんだ。」
「ほーう、しみったれが……。」
しかし大木先生もここまでみたいだったようです。こてん、と倒れた後は大イビキだけを響かせています。
「……寝るか。」
一人で飲むにしても、月もありませんから、野村先生は寝ることにしました。
その前に、厠へ行きます。もう二時間以上も飲んでいて、腹がパンパンに張っているからです。
ひょい、ひょいと荒れた庭を歩き、厠へ行って用を済ませ、後は戻るだけというそんな時でした。
ドスン、という重い音が聞こえたのは。
眠りこけた大木先生が、寝返りを打ち過ぎて転げ落ちたのかなと思いましたが、どうも音は門からしたようです。
「そういえば。」
野村先生は思い出します。
「牧之介が侵入してこないように、門の近くの茂みに落とし穴を掘っている。」
戸部先生が宴会でこんなことを言っていましたが、まさか牧之介が引っかかったのでしょうか。
そろそろと、話に出ていた門の近くの茂みへ向います。確かに、その場所には黒い丸がぽっかりと空いていたのでした。
「…………!」
しかし、引っかかった相手は牧之介ではないようです。
520伊賀の暴れん棒3:2008/06/01(日) 23:08:29 ID:Q+EOnIX3
穴の中に居たのは、なんとくの一でした。
それも悪名高いスッポンタケのくの一です。
野村先生は気配を殺して彼女を見ていましたが、どうも、気絶しているようです。
そりゃそうかもしれません。普通、人が住んでいる屋敷に落とし穴なんてありませんから、心構えができていなくて当然です。
しかし忍者の一人なんですから、あらゆる事態に対してきちんと、などと講釈している場合ではありませんね。
野村先生は袴の帯を解きますと、穴に下りてくの一を縛り上げ、今だ微動だにしない彼女を肩に乗せると、軽々と上へ上がりました。
家に入り、大木先生を寝室まで蹴り転がし、くの一を床に寝かせました。
いつもでしたら、大木先生や戸部先生を起こして、警戒に当たるものですが、この時野村先生は大層酔っ払っていたのです。
彼の顔は赤くなってはいませんが、目つきだけはいつもの倍以上に悪くなっています。まるでどっかのゴロツキの親分みたいです。
ニヤリと唇を吊り上げると、酒をまた一杯飲み干しました。

「……うう……ん。」
目を覚ましたくの一の前に、下半身は褌だけの男が座っています。
「……?……しまった!!」
やっと鮮明になった頭を動かし、脱出を試みますが、手足は既に縛られ、芋虫のように動くしかありません。
男は立ち上がると、くの一の顎をつかみました。
「スッポンタケくの一が、何の用だ。」
521伊賀の暴れん棒4:2008/06/01(日) 23:40:23 ID:Q+EOnIX3
忍者は仕事に関することは、どんな些細なことでも、家族にすら洩らしてはいけないのです。
当然彼女もそのつもりでした。洩らしそうになったら、舌をかんで死ぬつもりでした。
「まあ、大方の予想はついているが、確証を得たい。さあ言え。」
なんとまあ、おっとろしい顔でしょう。普通の小娘や子供だったら、もう既に泣き出していることでしょう。
いえ、大の男だって腰を抜かして逃げ出そうとしているはずです。
くの一は耐えました。耐えようとしました。今だったら、自分の死をもって、沈黙を守れると思いました。
しかし男はとんでもない行動に出たのです。
「言わんというなら、こうしてやる。」
そういうと、男は彼女の唇を吸いました。ものすごい勢いで吸いました。内臓ごと引っこ抜くんじゃないかというほど。
男、野村先生は酔っ払っていたのです。
舌を絡めて上顎を撫ぜ、歯を順々に舐めたくって唇を離した時、くの一の身体はすっかり火がついていました。
「そらそら、言わないとどうするかわからんぞ。」
野村先生は前を肌蹴させると、クナイで胸を締め付けているサラシを切ります。ぷつん、と布が裂けた途端、たわわの胸がぷるんと零れました。
くの一は一般に使われる拷問の知識はありました。拷問の大半は苦痛を利用するものですが、野村先生が使うのは、そうではないようです。
彼は橙色の乳首に触ると、柔らかい乳房の中へ押し込みます。指の第一関節まで沈み込ませ、ぐりぐりと円を描く様に動かし始めました。
「ふぐ……。」
両の乳房を弄りながら、野村先生はまた、尋ねました。
「お前の目的は、今学園で預かっている密書だろう?」
ちがうか?と聞きますが、女は答えません。野村先生は舌先を首筋に押し当え、ナメクジの速さで舐め上げてゆきます。
頤まで行き、今度は下って今弄っている乳首を口に含みました。
「ううっ。」
ちぅちぅと、いやらしい吸い込み音がし始めます。
口は一つだけですから、もう一つの乳首は当然、指で触ります。ころころくりくりと、子供が小豆で遊ぶように転がされ、くの一の息はますます速くなりました。
522伊賀の暴れん棒5:2008/06/02(月) 00:03:26 ID:Q+EOnIX3
しかしスッポンタケくの一は口を割りません。野村先生は下半身に手を伸ばしました。
袴の隙間に手を差し入れ、内股を摩ります。ぬめぬめと湿っていることがわかり、彼はにんまりと頬を吊り上げました。
さっそく二枚貝の芽を弄ります。小さく立ち上がったそれは容易に見つかりました。くにくにと左右に揺らすと、女は腿を摺り寄せ手を圧迫します。
もちろん、そんなことで負ける野村先生ではありません。伊賀の暴れん棒だけでなく、伊賀の触手指の二つ名を持つ彼は、中指を蜜壷へ押し込みます。
「あぅぅっ。」
女の身体が跳ね上がりました。中指はうねうねと動きながらざわざわする内側を嬲り回ります。袴の奥からぐちゅぐちゅという音が聞こえ始め、彼女は耳を塞ぎたくなりますが、手の自由を奪われてどうにもなりません。
今度は薬指が参戦します。中に入ると、それはいきなりある一点を押さえました。
「あんッ!」
途端に潮が吹き出ました。濡れていた袴は一気に濡れそぼり、腿にぴったりと張り付いています。指はそれでも満足しないらしく、そこを一生懸命に押していました。
「いやっ、いやっ!離して!指を離してぇ!」
「お前が話をするほうが先だ。」
どんなに嘆願しても、野村先生はそう冷たく突き放します。床に水溜りが出来るまで、二人はそんな問答を繰り返していました。

「も、もう……お願い……します……。」
くの一はすっかり疲れていました。桶一杯分の水分を出したような気がします。
しかも意地の悪いことに、野村先生は女が達しそうになると動きを止めるのですから。
彼女と同じように、野村先生も疲れていました。指の腹はすっかりしわしわになっています。
星の位置もだいぶ変わり、そろそろ夜が明けるころです。
「強情な奴だ。仕方がない。」
身体が離れ。指が抜かれます。隙間が出来、女はふぅーっと息を吐きました。
「久しぶりに暴れさせるか。」
野村先生は下帯を取って、猛るものを解き放ちました。
523伊賀の暴れん棒おわり:2008/06/02(月) 00:10:23 ID:qaXWWwZR
すがすがしい朝の始まりです。すずめがちゅんちゅんと鳴いています。
草木も輝かしい緑を風に揺らしています。なんとさわやかな空気でしょう。
「おはようございま……あれ、野村先生、その女の人、誰ですか。」
目を覚ました金吾はそう野村先生に尋ねました。
「忍び込んできたくの一だ。なあに、そうそう目覚めないさ。」
「おい野村、お前どうして俺を起こさないんだ。俺を起こしてくれたら貴様よりも早くこいつを吐かせてやったというのに。」
朝だというのに大木先生は元気一杯です。対照的に戸部先生の意識は朦朧としてゆらゆら揺れています。
「お前だとうるさくなるだろうが。どこんじょうどこんじょうって、バカみたいに。」
「なんだと、貴様みたいな遅漏野郎に言われる筋合いはないわ。やーい親父ー。」
「抜かせ早漏!数こなしゃいいもんじゃない!」
二人はまた取っ組み合いの喧嘩を始めました。
「先生、ちろうとかそうろうってなんで。」
無邪気な質問をしようとする金吾の口と耳を、戸部先生はがんばって塞ぎましたとさ。
どっとはらい。

終わり
524伊賀の暴れん棒 あとがき:2008/06/02(月) 00:12:09 ID:qaXWWwZR
これで終わりです。
野村先生はじっくり時間をかけて攻める方です。
大木先生はどかんどかんと数の多い小平太方式です。

四郎兵衛の人、割り込んでしまってすいませんでした。
525名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 00:23:02 ID:FZnb+5MI
乙!
エロスだったー(・∀・)
戸部てんてー苦労人だなぁw
526四郎兵衛×しおり 22:2008/06/02(月) 01:11:33 ID:aI9c2e/H
おぉぉ・・・。先生の人GJ!
気にしないで下さいノシ

こちらも投下


雨が上がった空に、心地の良い太陽の光が降り注ぐ。
保健室の窓から差し込む光を、眩しそうに目を細めながら、善法寺伊作は仕事の手を休めた。
最近寝られない生徒や、季節の変わり目で風邪を引く生徒が増えているとの事で、良く効く薬草を新野先生が採取してきて
それをメモを読みながら調合している。
不意にがらりと戸が開けられ、後ろを振り向くとくの一教室の女の子が二名飛び込んできた。
驚いた拍子に磨り潰していた棒を放り投げ、窓に跳ね返り自分の後頭部に直撃した。

「ど、どうしたの?!」
「あ、善法寺先輩!しおりちゃんが倒れちゃって・・・。」

滅多な事ではくの一教室の生徒は保健室に来ない。
と言うより、滅多に会わないと言った方が正しいのかも知れない。
しおりを抱えながら、みかは不安な面持ちで説明を始めた。

「今朝からちょっとだるそうで・・・。」
「うーん、季節の変わり目だからね。風邪も引き易いと思うし、少し此処で休ませておくよ。
みかちゃんは戻ってて。」
「・・・・はい、宜しくお願いします。」

優しくみかを諭すように言うと、その笑顔に安心したのか、一礼をし保健室を後にする。
少々頼りないとは言え、彼は6年間保健委員を務めて来た人物だ。
不運な所を除けば、その腕と知識は相当なものだ。

「・・・しおりちゃん、大丈夫かしら。」

後でお見舞いの品をくの一達で持って行こうと、みかは足早にくの一長屋へと向かった。



ひんやりとした感触に、しおりは数度瞬きをした後辺りを見回した。
保健室の布団に寝かされ、冷たい手拭を額に掛けられている。

「あ、起きた?」
「善法寺・・・先輩。」
「みかちゃんが運んできてくれたよ。今風邪薬調合してるから、それまでゆっくり寝てて。」

にっこりと微笑むと、また一心不乱に薬を調合している。
どうやら自分は気を失ってしまったらしい。
伊作の言葉に甘え、この場は身体を休める事にしようと考え、布団を被りなおす。

「あ、あれ?ちょっと足りない・・。しおりちゃん、ちょっと出てくるから少しだけ待っててね。」

伊作は一言掛けると、慌しく新野先生の所へと向かって行った。
その直後、入れ違いにくの一のそうことあやかが差し入れを持って来てくれて
他愛無い談笑をしていた。

「あ、しおりちゃん。退屈かと思って本持って来たよ。」
「あやかちゃん有難う!これ見たかったの。」
「あやかちゃん、そろそろあたしたちも行こ。しおりちゃん、早く元気になってね。」
527四郎兵衛×しおり 22:2008/06/02(月) 02:02:14 ID:aI9c2e/H
あやかに本を手渡されると、そうことあやかは保健室から離れてしまった。
一人ぽつんと残されたしおりは、渡された本をぱらりと捲った。
その本には和歌が綴られており、人の恋や悲しみ。もどかしい位の切なさをこめた歌。
くの一教室では、皆がその本を見ては話に花を咲かせていた。
歌った人物はどんな思いを馳せて恋しい人達に贈ったのだろう。
自分もそんな事が来るのだろうか?
ふと次のページを見ると、百人一首で聞いた事のある歌が載っていた。

『みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れにそめし 我ならなくに』

陸奥のしのぶもじずりの模様のように、私の心は誰の所為で乱れ始めたのでしょう。
みな貴方の所為であって、私の所為ではないのに―――

ああ。
これはまるで自分ではないか。自分の心が乱れてしまうのは四郎兵衛の所為。
もどかしくて、腹立たしくて。
ぎゅう、と胸が苦しくなり、どうにかこの苦しさを鎮めようと呼吸を整えながら
胸を摩る。
一呼吸置くと同時に、今度は下腹部がきゅんと疼く。

それはまるで媚薬にでも犯されたように、甘やかな痛みはしおりを蝕む。
手は自然と服の隙間に滑り込み、胸の膨らみを柔らかな円を描きながら撫でる。
膨らみ始めたのは何時だったろうか、その時は嬉しさと恥ずかしさが一緒に来た事を憶えている。
未だ未発達とは言え、形の良いそれは自身の手により淫らに歪む。
イケナイ事をしているのに、その背徳感さえも心地よく、手は可愛らしい蕾を摘む。

おずおずと手を中心の花へと持ってゆくと、そこは蜜でぬるりと湿っており
しおりは顔を赤くさせた。
自分自身の身体が信じられなく一瞬手を離したが、刺激を求めたくてもう一度手を伸ばす。
誰かが戻ってきたらまずいと考え、そっと触れるだけにする。
手からは、温い蜜の感触が伝わる。ぎゅうと押さえただけの筈は、無意識の内に桜の芽を擦る。

「ん・・・・ふ・・。」

誰かが来てしまったらどうしよう。
声を押さえようにも、その思いは裏腹に甘い吐息と共に切なく漏れる。
誰かに見られてしまったら――。
もし四郎兵衛が見たら何て言うだろうか。
厭らしい子だと言って、軽蔑するのだろうか。

「・・・っな、何で・・あいつなんか・・・。」

廊下で足音が聞こえ、夢見心地だったしおりは現実へと引き戻された。
今までやっていた事の行為が急に恥ずかしくなり、布団を被る。

「・・・・・・・・何やってんだろ。」

ぽつりと呟くと、伊作が戻ってきた。

「しおりちゃん、薬貰って来たよ。食事はきちんと食べて、その後に飲んでね。」
「あ、有難う御座います・・・・。」
「ちゃんと休養をとって、無理しないようにねー。」

薬を手渡すと、しおりは足早にその場から離れていった。
伊作はその後姿を見送ると、また保健室の整理を始めた。

528しろべのひと:2008/06/02(月) 02:04:10 ID:aI9c2e/H
番号間違えたorz
23です
529名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 11:17:38 ID:Ff90qQEV
乙です
キュンとしました
いつもいつも我らのために名作を届けてくれて感謝でござる
530名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 12:06:31 ID:kmvUNdff
おおこんなに新作が!毎日が楽しくて仕方がないぜ
531名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 13:01:52 ID:THl9gxVZ
暴れん坊の人、なんか昔話口調なのがたまらないw
ほのぼのエロスw
532名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 14:31:38 ID:lhcIyLlE
2つもキターGJ!!
しおりちゃん、伊作に媚薬でも盛られたのかと一瞬
「イケナイ子だね、しおりちゃん…」「善法寺先輩、ッやめてください」
な展開がよぎった俺はダメな子orz
ごめんよしろべがんばれ
533四郎兵衛×しおり 24:2008/06/02(月) 18:01:55 ID:aI9c2e/H
>>532
ちょwww
何て素敵な萌展開!ん?うわなんだkくぁwせdrftgyふじこlp(ry)

―しばらくおまち下さい―

続き投下致します

しおりが保健室を去る時間を遡る事少し前――。
三年ろ組の長屋は、奇妙な空間に包まれていた。

「う〜ん、ちっとも検討つかん。」
「三之助、お前の良い所は左門と違って取り敢えずは考える事だ。」
「何だそりゃ。まるで左門が考え無しに突っ込んでいくアホみたいな言い方だな。」
「いやそこまで言ってないから。」

しかしどうしたものか。
頭を捻るにも良い知恵は浮かんで来ない。暫し考え込んでいた作兵衛が思い付いた様に手を叩いた。

「どうした?」
「いや、こういった場合は先輩に聞いた方が良いんじゃないかって。」
「先輩にぃい??」
「何だよ嫌そうな顔だな。」

作兵衛の提案に、三之助はしかめっ面でその提案には不満そうだ。
理由を尋ねると、あの2人が人の話を聞くとは思えないと言う。
言われてみれば、体育委員会の4年の平滝夜叉丸と6年の七松小平太は人の話をあまり聞かない。

「そうは言っても、聞かないよりマシなんじゃないか?」
「う〜ん。聞いて貰うなら作兵衛の所の食満先輩が良いって。」
「食満先輩?」
「うん。」

力強く頷くと、何処か期待に満ちた眸で自分を見てくる。
確かに後輩の自分から見ても、食満は面倒見が良いし親切な先輩だ。
おまけにあの湿り気コンビの相手も何のその。
忍者より保育士の道に進んだ方が良いのではないだろうかとすら思えて来る。

「じゃ、食満先輩の所行くか。」
「おう、用具室こっちだっけ?」
「何逆方向に行ってんだよ!!!そっちは厠だ!!」
「あれ?じゃ、こっちか?」
「違うっつーの!!」

何処までも逆の方向へ進んでしまう三之助の首根っこを引っ掴み、半ば強引に食満の元へと引っ張って行く。
富松作兵衛12歳、用具委員長の影響を少なからず受け継いでいると言う事は、自分自身まだ気付いていない。



534名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 18:42:48 ID:tnMjLZDY
>>533
GJ!
さくべの苦労が計り知れない…
535四郎兵衛×しおり 25:2008/06/02(月) 19:36:41 ID:aI9c2e/H
薄暗い用具室に、日課の様に食満留三郎はその場所に居る。
それもこれも、何処かのギンギン野郎とどんどん野郎が二人揃って何時も備品を壊しているからだ。
予算は赤字、修理するのにも金が掛かる。仕方が無いので何時もこうやって手直しをする羽目となる。
我ながら器用になったものだと、何処か自嘲気味の溜息を深く吐いた。

「次は・・・あ、特に問題はなし、と。」

手裏剣の整理をしようと箱を開けると、綺麗に並べられていた。
多分、作兵衛あたりだろうか?いや、意表を突いて一年生か。
取り敢えず今回は何処も壊れた道具は無い。
メモを片手に用具室の扉を開けると同時に、顔面に閃光が走った。

「ごげっ!!!」

意味の為さない悲鳴が響き、食満はその場に倒れた。
目の前にはアヒルと星が混じってちらちらと周りを飛んでいる。
それにしてもアヒルは飛べたのだろうか?いや違うそんな事は関係ない。

「誰だぐぉるぁああああ!!!」
「あ、ごめん食満。」

視界が定まらず、明後日の方向へ顔を向けるが、直ぐ横から声が聞こえてきた。
あははー、と気まずそうに笑う、体育委員長が立っていた。

「・・・またお前か小平太・・・。」
「だ、だからわざとじゃないんだ。あ、ほら保健室行こう!いけいけどんどーん!」

怒りの為か、それともぶつけた為か。何か沸点を振り切ってしまった様で、顔色は紫になっている。
流石に小平太もまずいと思ったのか、無理矢理保健室へと連れて行く。
これ以上食満を怒らせたら、本気で用具の貸し出しを禁止されかねない。

「食満せんぱーい!七松せんぱーい!」
「待ってくださぁい!」

自分達6年と同じ緑色―その色よりは薄い3年生の二人が駆け寄って来た。
最も一人は腰を縄で縛られ、もう一人に繋がれた状態だったのだが。

「作兵衛、どうした?」
「三之助、何かあったのか?」

そう言えば二人は同じクラスだ。
委員会は違えど、後一人左門と行動を共にしているのを見かける。
だが二人揃って自分達の所に来るのは珍しい。

「二人とも、同じ用事なのか?」

食満が問い掛けると、二人は黙って頷く。
真剣な表情の3年生に、食満と小平太は一度顔を見合わせ、小さく頷いた。

「少し人気のない所に行こう。此処じゃ人も多いからな。」

そう言うと小平太は少し走り、暫くすると適所を見付けた様で、手招きをする。

536名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 21:10:25 ID:OMrvRHz+
まさか塹壕ではあるまいな。
537名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 21:55:42 ID:THl9gxVZ
まだ続いてるの?
538四郎兵衛×しおり 26:2008/06/02(月) 22:42:44 ID:aI9c2e/H
何か投稿出来ませんでした。

「丁度良い場所が無かったんで、即席で作ったぞ!」
「・・・・・何か嫌な予感。」

豪快に笑い飛ばす小平太の後を、じょろじょろ3名がついて行く。
端から見たら、用具委員と体育委員の行進のように見えなくも無い。

「よし、此処だ。」
「・・・・ここって・・・塹壕じゃないですか!」
「そうだ!遠慮せずさぁ入れ!ここなら誰も見つからない!猥談だって出来ちゃうぞ!」

人が5人くらいは軽く隠れるであろう塹壕を掘っていて、その穴に作兵衛と三之助をひょいと掴み
穴へと放り投げる。
後から小平太と食満も塹壕の中へと入り、端からは人影は見えないように細工してある。
小平太なりの気使いといった所か。

「お前もうちょっと別の場所は無かったのか?」
「仕方ないだろ、無ければ作るしかないんだし。」

口を尖らせる小平太を軽く流し、軽く咳払いをした。
それがふざけた時間の終わりだと言う事を2人は感じ、小平太も真面目な表情になる。

「・・・で、何だ?」
「何か悩み事か?私達で良ければどんと相談に乗ってやるぞ!」

豪快に笑う小平太を頼もしく思い、作兵衛と三之助は顔を見合わせる。
暫しの沈黙の後、三之助がゆっくりと口を開く。

「悩み事というか、四郎兵衛の様子がおかしいんです。」
「四郎兵衛が?」
「はい。三之助の話によると、何処かしょぼくれてて元気が無くて。」
「何時もぽけーっとした様子じゃなくて、何か隠してるみたいで。」
「俺達一緒になって考えたんですけど、全然解らなくて・・・・。」

話を聞く度に、二人の顔が徐々に悲しそうに歪み、三之助はふるふると肩を震わせている。

「おれ・・・、先輩なのに話に乗ってやれないのが悔しくって・・・。でも・・全然解んなくて・・。」
「三之助・・・。」

普段は至って呑気な三之助だが、なかなか後輩思いな面もある。
同級生の中では体格も立派だし、大人びている。
だが幾ら大人びていようと、まだ12歳なのだ。
知らない事だって沢山ある。先輩としてはまだまだ頼りないと思う。
けれど、後輩が困っていたら何とかしてやりたい。
その思いを汲み取ったのか、小平太は何も言わず、ぽんぽんと背中を優しく叩いた。

「三之助、作兵衛、良く話してくれた。俺達も手伝おう。」
「本当ですか!食満先輩!」
「ここまで聞いて無視って訳無いだろう。四郎兵衛には俺と小平太がそれとなく話を持ち掛けるから。」

今まで涙目だった三之助の顔が、嬉しさで綻ぶ。
作兵衛も頼れる先輩達に相談して良かったと満足そうだ。
やはり何だかんだで6年生は頼れる。
嬉しそうに二人は顔を見合わせた。

>>536
何故わかったwww
539四郎兵衛×しおり 27:2008/06/02(月) 23:39:25 ID:aI9c2e/H
毎度の事ながら、図書室は異様な圧迫感と静寂に包まれている。
その中で中在家長次は黙々と本の整理をしていた。
戸を開ける音に振り返ると、能勢久作がそそくさとした足取りで入ってきた。
それを特に気にかける事もせず、長次はまた前を向く。

四郎兵衛は身体の変調を訴えていた。
それならば、人体の書物を調べれば良いと考え、その場に静かに向かった。

「って言っても、何調べりゃ良いんだろ?」
「あれ?久作くん、何か探しものかい?」
「あ、不和先輩。ちょっと身体の事を知りたくて・・・・。」
「それならあっちだよ。」

雷蔵にお礼を言うと、久作はある事に気付いた。
肝心な事を聞いてくるべきだったと、少し後悔した。
頭が痛くて胸も痛い、食事も喉を通らない・・・。おまけに変な事が起こる?
首を傾げても答えは出ない。久作はまだ、甘酸っぱい思いを抱いた事は無かった。
思春期特有の異性への感心と、精通。
一応子供の作り方は何となく理解は出来ては居るが、人体の構造はまだ解らないのだった。

そんな事を考えていると、桃色の冊子が目に入った。
女の子が好みそうな可愛らしい冊子で、花の模様が散りばめられている。
手に取ってページを開こうとした直後、誰かの手によって取りあげられた。

「えっ?!」
「駄目だよ久作くん!この本はまだ君には早い。」
「どうしてですか不和先輩!」

何時も温厚な雷蔵が、今日は珍しく声を荒げる。
取り上げられた理由が解らず、久作は抗議の声を上げた。

「だ、駄目なんだよ!これは5年生からじゃないと借りられないんだ!」
「だから内容を教えてください!」

どたばたと二人の攻防が図書室に響く。
とは言っても、圧倒的に雷蔵の背の方が高い為、久作は跳ねながら何とかしてその本を見ようとする。
二人は一人の人間の存在をすっかり忘れていた。
図書室の主であり、ルールに厳しい男の存在を。

ひゅん、と風を切り裂く音と共に壁に縄縹が刺さった。
声にならない悲鳴を上げ、上を見上げると、長次が仁王立ちしていた。
『図書室内静かに』の張り紙を指差し、二人を見下ろす。

「す、すみません・・、中在家先輩。」
「ご、ごめんなさい。」

その言葉を聞くなり、またふらりと持ち場へと戻って行く。
はぁ、と溜息を吐くとその本を本棚へと仕舞った。

「良いかい、これは絶対に見ちゃ駄目だよ。」

そう言い残すと、雷蔵は図書カードの貸出票の整理へと戻ってしまった。
この本は一体どんな内容なのだろうか。
そんなに下級生には見せられないのか。
見るなと言われると余計に見たくなるのが人の性。
久作は好奇心に負け、そろりとページを捲ろうとした。
540四郎兵衛×しおり 28:2008/06/02(月) 23:51:31 ID:aI9c2e/H
「こら。」
「いたっ。」

こつん、と頭を突かれ、振り返ると雷蔵では無く長次が立っていた。
その様子に気付いたのか、雷蔵もこっちに向かって来た。

「・・・・・・・もそもそ。」
「え?えっと『まだこの本は久作には早すぎる。興味があるのは仕方ないが、
変な知識が先走りする可能性がある』」
「不和先輩同時通訳有難う御座います。・・・でも、内容くらいは教えて下さっても。」

しょぼんと項垂れる久作に、顔を見合わせる雷蔵と長次。
ぽそぽそと小さな声で長次は教えてくれた。

「・・・・この本は・・・、男女の「すたんだーど」な恋愛や「まにあっく」な内容話まである・・。
久作には・・・・、変わりにこの本を贈ろう・・・・。」
「あ、有難う御座います・・。ん?『良くわかる男女の心とからだ〜思春期のやさしい手引き〜』?」

本を手渡されても、久作は首を傾げるばかりだ。

「先輩、どうしてこの本を?」
「・・・・・廊下で、お前達の話しを聞いた。・・・本の事なら・・・任せておけ。」
「どう言う事ですか、中在家先輩。」

雷蔵が思わず聞くと、久作が事情を説明し出した。
それならこっちも協力しようと胸を叩いた。

「そうか、四郎兵衛君が。」
「・・・・・・・蕾が花開くまで・・・その手伝いをするのも先輩の役目・・・。」

二人はうんうんと感心した様に頷いていたが、久作には理解が出来なかった。
四郎兵衛と花とどんな関係があるのだろう。
ぞくりと何故か寒気が走った。
とても嫌な予感がする。気の所為では無い筈だ。

「三郎次・・・、何してんのかな。」

確か上級生に相談してみると言っていた。

(((・・・・あれ??もしかして、何か変な方向に話が進んでる?!)))

この時、下級生数名の思いが一致した。
何となくとんでもない事が起こりそうだ。
理由は無いがそんな感じがしてならない。
予感は―――見事に的中してしまうのだった。






541名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 03:14:08 ID:IELlUdBz
>Dまでとかあった
妊娠したんですか><
542名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 03:14:43 ID:IELlUdBz
誤爆スマソ(´・ω・`)
543名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 16:51:36 ID:v5vwDMdG
どうも昔話語りの人です。TSスレに戸部先生の話を投下してきたので、抵抗ない人は見に行ってください。
これで戸部野村大木の年近三十路トリオは終了。
次回は木下先生にチャレンジです。
544当世忍たま恋愛事情58:2008/06/03(火) 18:19:14 ID:fjUl8xSu
潮江とそうこちゃん。続きです。これで終わり。
規制に巻き込まれたんで推敲しまくってたら、とんでもなく長くなった。覚悟してくれい。



明け方の空は、夜半の大雨が嘘のように晴れ渡っていた。
灰色の雲の切れ端は二、三浮かんでいるが、空は雨に洗われ、透き通った黎明の藍色に染まっている。
身を切るようにつめたい風も、どこか爽やかだ。
まだ薄暗い忍たま長屋二年棟の廊下で、少しずつ明るくなっていく東の山の稜線を眺めながら、池田三郎次は
一つ大きなあくびをした。並んで便所の順番待ちをしていた川西左近も、つられたように口を開ける。
しょぼしょぼした目を合わせ、二人はまた同時にあくびをした。
「お前、夕べ眠れた?」
「全然。行方不明者の探索だかなんだかで一晩中うるさかったし、隣の長屋まで一晩中うるさいし……」
「あ、三年生だろ?毒虫だかビスコイトだかがどうのって騒いでたな」
「まいったよ。神崎先輩と富松先輩が俺の部屋、何回も駆け抜けてくれちゃってさー」
薄闇の向こうに見える、今は静かな長屋を睨みつけると、三郎次は眠そうに目を擦った。
「俺らのいっこ上って、なんか子供っぽいっていうか、アレだよな」
「うん、アレだ」
「あれっていや、裏山の行方不明者のほうは見つかったのかな」
「まだらしいぞ。くのいちと……六年の潮江先輩だっけ」
あれもなんなんだかな、とだるそうに首をひねりながら、左近が裏山を仰ぎ見る。
眠さで半分ふさがった目が、好奇心を宿して少しだけ輝いた。
「なあ、駆け落ちってマジかな」
「ないない。だってあの潮江先輩だぞ?てか、相手くのいちじゃん。ありえねーよ」
「でもさあ、前から結構噂になってたし」
「まあ、潮江先輩もアレな人だけど……げー、マジかよ。六年までそんなんでどうするんだよ」
「まったくだ。上級生なら南蛮菓子だの女だの、くだらないことで騒ぐなってんだよな」
「おお。もっと忍びの自覚を持つべきだろ」
冷えきった廊下で足踏みしながら、訳知り顔でうなずく左近に、三郎次も大きくうなずき返した。
「上はアレだし下もアホだし、俺らの学年って苦労するよな」
「ああ。だからせめて俺達は頑張らないとな。忍術学園の生徒らしく、常に冷静さと落ち着きを……」
半ばそっくり返り、とうとうと忍びの自覚と心得について語っていた左近の目が、ふと、便所の脇の中庭に流れた。

言葉途中で唐突に途切れた声に、横で聞き入っていた三郎次はどうした?と顔を上げた。
左近は、ぽかんと口を変えたまま立ち尽くしていた。目は大きく見開かれ、薄闇の中でもわかるほど顔が青い。
冷たい廊下に踏みしめた足が、かすかに震えている。
まさか尿意の限界突破したのか、と一瞬ぎくりとし、だがすぐ、そうでないことに気づく。
左近は何かを凝視していた。自分でも、なかなか空かない便所でもない。夜明け前のいまだ薄暗い中庭を。
何を見てるのかと視線を移した次の瞬間、三郎次は硬直した級友の隣で小さく悲鳴を上げた。

背の低い木がまばらに生えただけの、殺風景な中庭。
日はまだ遠く、明かりもない中、囲いの塀の色すらぼんやりと定かではない。
夕べの雨の名残で、泥と水溜りに埋まったその前を、いくつかの人影がうぞうぞと蠢きながら通り過ぎていく。
いや、人影と呼べるのか。
背丈は人間の大人ほどだが、それは、人にはありえない様相を呈していた。
輪郭はどろどろに崩れ、目鼻どころか四肢の形も判別できない。べしゃべしゃと、何やらくぐもった音を
立てながら進むその足元には、こぼれおちた泥が足跡のように続いている。
それは色も形もなにもかも、どこからどう見ても巨大な、動く泥の塊だった。
545当世忍たま恋愛事情59:2008/06/03(火) 18:23:31 ID:fjUl8xSu
「本当に助かりました。一時はどうなることかと」
「あはははは!運がよかったなー!」
泥と水を盛大に吸って、ずり落ちそうな袴をたくし上げながら、綾部喜八郎がぺこりと頭を下げた。
機嫌よくその背をたたく七松小平太の力に、綾部の髪から泥まじりの水がどばっとこぼれる。
かなりの量が落ちたが、全身を埋め尽くす泥はまだまだ、少しも減ったようには見えない。
朝まだ遠き黎明の闇と合わさって、視界をふさぐそれをぬぐい、綾部はいやいやと首を振った。
「あそこで七松先輩が来てくださらなければ、今頃三人そろってミミズになってました」
「ていうか、私が本当に探してたのは小松田さんなんだけどな!」
あんな天気に穴掘りしてる奴、いるとは思わなかった!と笑う小平太も、頭のてっぺんから足袋まで
泥まみれだ。
半分乾いた頬の泥をかきおとし、後輩を見下ろすと、小平太は眉の位置もわからない顔でにかっと笑った。
「雨の日の塹壕堀はコツがいるんだ。今度私が、洪水でも埋まらない穴の掘り方教えてやるよ」
「どんなに濡れても大丈夫ですか」
「むしろ奥までずんどこだ」
「ぜひお願いします」
「あ、俺も俺も!教えてください!」
綾部の横を歩いていた斉藤タカ丸が、勢いよく手を上げた。
こちらも髪の色もわからないほど泥だらけだが、好奇心に満ちた目の輝きは少しも褪せていない。
「よーし任せておけ!留三郎、お前にも教えてやろうか?」
自分とそう変わらない身長のタカ丸の背をバシバシ叩きながら、小平太が前方を見やった。
三人より少し前を、よろよろ歩いていた泥の塊が足を止めた。振り返ることなくまた歩き出したそれに、
綾部が後ろから声をかける。
「あのー食満先輩、先輩にももちろん感謝してますから」
「俺も俺も!あんな泥の中で二人も支えて踏ん張ってられるなんて、六年生はやっぱり凄いですねー」
「自分は頭まで沈んでたけどな!大丈夫だ、今度私が底なし沼でも沈まない泳ぎ方教えてやるから」
「あるんですかそんなの」
「私はできる!」
そっくり返って笑う小平太に、食満が振り返った。泥も疲労も満載のその顔に、ぎらりと不穏な色が浮かぶ。
だが、ふいに遠くから聞こえた甲高い悲鳴に、食満ははっと向きを変えた。

ようやく東の果てが明るくなり始めたばかりのこの時刻、忍たま長屋も夜明けの静けさに包まれている。
その一角、廊下の端の便所の前で、生徒が二人、抱き合って悲鳴を上げていた。
まだ寝巻きのままなので学年はわからないが、体格からして二年生か三年生だろう。真っ青な顔でこちらを見ながら、
なにやら泣き喚いている。
「なにあれ!なんだあれ!妖怪?泥田坊!?」
「あ、ありえないって、幻覚だよ!こんなときこそ落ち着いて、りんびょうとうじゃかい……消えないー!」

声を聞きつけたか、便所の中から別の生徒があたふたと出てきた。二人の様子にぎょっと目を見張り、
視線を追って庭を見るなり、これも悲鳴を上げる。
「なななんだあれー!」
「久作見るな!たたられる!」
「悪霊退散!悪霊退散!」
「あ、三郎次くんだ」
阿鼻叫喚の三人を、きょとんと眺めていたタカ丸が片手を上げた。
親しげに、おはようと手を振るその姿に、またひときわ泣き声が大きくなった。
別の便所の戸が開き、今度はぽやんとした顔の生徒が出てきた。泣き叫ぶ三人をきょとんと見つめ、
続けて庭へと視線を移す。
「お、しーろーべー」
ぱっと顔を輝かせ、ばたばた手を振る小平太と他の泥の塊を、これも不思議そうに見つめる。
他の生徒とは違って怯えた様子はない。あくまで不思議そうに見ているだけだ。
やがて誰だか気づいたらしく、丸い目が数回瞬いた。あいさつのつもりなのか、ちょこんと頭が下がる。
だがすぐきびすを返すと、生徒はそのまま振り返ることもなく、すたすたと長屋の奥へ戻っていった。
「お知り合いですか」
「委員会の二年だ。あんな顔してるけど、あれでうちじゃ一番根性あってなー」
誰の助けも借りずに委員会に復活したの、あいつだけだ、と自慢げにうなずく小平太の頭から、ぼしゃぼしゃと
泥の塊が落ちた。
面倒になったのか、綾部がたくし上げていた袴から手を離した。途端にずるずるずり落ちる泥まみれの布地も
お構いなしに、残った二年生を眺めてやれやれと肩をすくめる。
「あっちは駄目ですねえ。忍者があんなに大騒ぎして」
546当世忍たま恋愛事情60:2008/06/03(火) 18:27:38 ID:fjUl8xSu
何度手を振っても、芳しい反応を返してくれない委員会の下級生に、タカ丸があれえ?と眉をしかめた。
どうしちゃったの俺だよ?と、手を振り振り、便所のほうへ一歩踏み出す。
その襟首を、食満と小平太が同時につかんで引き戻した。

半瞬間を置いて、目の前を駆け抜けた一筋の風に、泥まみれの四人の体から盛大な泥しぶきが上がった。
夜明けの風に泥が舞う。だが泥は四人の体だけでなく、庭を横切り表門の方角へと駆けて行く風からも
こぼれ落ちている。
だばだばと、泥を振りまき進む風に一拍遅れて、四人の前をまた泥まみれの風が、今度は三筋駆け抜けた。
「小松田さーん!止まってください小松田さん!止まっ……止まれっつーの!」
「そんな格好じゃ風邪引きますってば!外出届なんか後でもいいじゃないですかー!」
「あの人見てると、いろいろ自信がなくなるなあ」
追いかける泥の風の一筋が、走りながらふっと屈みこんだ。ぬかるみの中から小石を拾い上げ、屈んだまま
前方に放る。
今しも塀に辿り着くところだった最初の風が、あたっと叫んでつんのめった。
「今だ兵助、ひっくり返せ!」
「ガッテン!」
威勢のいい声とともに、壁際の風が大きくぐらついた。
倒れそうになったり立て直したり、しばらく不安定にもがいていたが、ついに力尽きたか、べちゃっと
音を立てて水溜りに倒れこむ。
大の字になって転がったその上から、あたふたと泥の塊が立ち上がった。
泥ばかりでわからなかったが、どうやら人が二人重なっていたらしい。
「信じられない。なんで俺を乗っけたまま、薬草園からここまで走れるんですか」
呆然と見下ろすその隣に、すばやく駆け寄った残り三人が、転がる体を押さえ込んだ。
遠く便所の方角から、増えたー!と悲鳴が上がったが、振り返るものもいない。
押さえ込む手を振り払い、水溜りの中から顔が上がった。これまた泥だらけの上、苔まで張りつきほとんど
泥だんご状態だが、よく見れば事務員の小松田秀作だ。
なおも、はなして〜、ともがくその前に、押さえ込んでいたうちの一人ががばっと土下座した。

「小松田さん、危険地帯に置き去りにしてすみませんでした!俺の監督不行き届きです、謝ります、この通りです!
だから頼むからとにかく医務室いってください!あんた池で溺れて、さっきまで呼吸止まってたんですよ!?」
「でも無断外出者がいるんでしょ?そういうのの取り締まりは僕の仕事だもの。捕まえなきゃ」
「兵助ー!」
「ああっ、すまん!小松田さんならこういう話が気つけになるかと思って!」
「まあまあ八左ヱ門、確かに息吹きかえしたじゃないか」
「あのですね、だからその人たちは、先生方が探してるのに見つからないような状況でですね」
「ところで私は今、仮面も流されすっぴん状態なわけだが、誰も気にも留めてくれないのは寂しいことであるなあ」
「五年ボーズ、何やってんだー」

塀の間際でごたごたともめている泥の塊に、小平太が気安く近寄った。
小松田を押さえ込んだ四人が、一瞬不審そうに動きを止める。だがすぐそろって、泥で固まった頭を下げた。
「おはようございます、七松先輩」
「あれ、それ小松田さん?行方不明になったんじゃなかったのか?」
「話せば長いことながら……」
「七松くーん助けてー。僕、仕事にいかなきゃならないんだよー」
「わー、兵助くんどうしたの泥まみれ。あー、ただでも少ないキューティクルが……」
「いや、お前こそどうしたんだ斉藤!?」

ざわつく一団の中から、鉢屋三郎が顔を上げた。仮面のようにべったり泥を張り付かせた顔の奥で、
二つの目がつまらなそうに辺りを見回す。
茜色に変わり始めた空の下、ぽかんとこちらを眺める綾部と食満を通り過ぎた目が、その向こうで
廊下にへたり込む二年生に留まった。
もはや声も出ないのか、三人とも固まってがたがた震えるばかりだ。
目鼻輪郭もわからない泥の仮面の下に、にんまりとした笑みが浮かんだ。
押えていた小松田の腕から手を離すと、鉢屋はすばやく走り出した。突如自分達のほうへ駆け寄ってきた
泥妖怪の一体に、二年生の間からひいっと悲鳴が上がる。
庭の真ん中、夜明けの暗さでは正体が判別できないぎりぎりの距離で、鉢屋の足が止まった。
妙にうきうきと体を揺らしながら、顔面の泥を拭い取る。
泥の下から現れたその顔に、文字通り魂消るような悲鳴がこだました。
547当世忍たま恋愛事情61:2008/06/03(火) 18:29:41 ID:fjUl8xSu
じゃーん!ノッペラボー!」
「ギャー!」
「ノッペラー!」
「許してー!」
「助けて先生ー!」
「ははうえええ!」
「ははは、これですよこれ!」
「だからふざけるときは状況考えろって、何回いったらわかるんだお前は!」

一足飛びに駆け寄った不破雷蔵の鉄拳が、のけぞって笑う鉢屋の頭を直撃した。
大量の泥と共に、目鼻も口もない仮面がぼそっと地面に落下する。
わっと叫んで、鉢屋が両手で顔を覆った。
「待て雷蔵、やばい、マジで全部取れた!」
「うるさいこのやりたい放題!どうしてお前は凝りるってことを知らないんだ!そうやって状況読まずに
ふざけまくるから、こないだだって侵入者に手裏剣投げられて」
「それ今は別に関係が……いや本当にごめんなさい!ああ、ふんどし忘れて歩いてるみたいなこの心もとなさ……」
「はーなーすーなーボケコンビー!」
「状況わかってないのはお前もだああ!」
二つ目の拘束が解かれた瞬間、小松田が飛び起きた。今度は竹谷と久々知をしがみつかせたまま、わき目もふらず
門の方角へ走り出す。
速度は緩むこともなく、むしろどんどん上がっていく。仕事への燃える情熱の前には、ぶら下がる二人分の体重など
重石にもならないようだ。
恐るべし事務員魂、恐るべし小松田秀作!
振り落とされかけた久々知が、慌てて腰にしがみつく。泥の上を引きずられながら、竹谷が必死に顔を上げた。
「先輩!見てないで手伝ってください!」
「んー?」
「……うおおお!やったらあー!」
獣のような咆哮が、夜明けの空を震わせた。むおっ!?と目を見開いた小平太の横を、食満が泥を跳ね飛ばしながら
風のように駆け抜けた。
先ほどまでの疲れきった様子はどこへやら、疲労と寝不足で血走った目には、小松田をもしのぐ異様な輝きが満ちている。
全身からやけくそ気味の闘志をほとばしらせ、食満は再度雄叫びを上げた。
「捕獲でも穴掘りでも荷車引きでも、やれってんなら何でもやったるわ!雑用歓迎無駄骨上等、出前迅速落書無用!
それが俺の忍び魂!ボケキャラ見逃してツッコミがやってられっか!用具委員長なめんなコラー!」
「ははは留三郎、性格変わってるぞ!」
「け、食満先輩!お疲れ様です!」
「心中お察しいたしますうぅわわわわあぁあああ!」
暁の風に、ぎらつく瞳を流星のように引き、走る食満を小平太が高笑いしながら追う。
俺も俺もと駆け出すタカ丸を追い越して、懸命に顔へ泥を塗りこめる鉢屋と、その頭をはたきながら泥を渡してやる
不破が続いた。
去っていく妖怪の一団に安心したのか、便所前の泣き声がいよいよ大きくなる。
一人その場に座りこみ、眠そうに手を振る綾部の背中を、昇り始めた朝日がゆっくりと照らしていった。



結局、小松田秀作が学園へ戻ってきたのは、その日の昼近くになってからだった。
校門前で久々知兵助を、学園裏山の山門で竹谷八左ヱ門を振り落とし、五年生と六年生四人がかりの追跡も
振り切って山奥へ消えた小松田だったが、疲労の影もなく、その表情はむしろ清清しかったという。
清清しさの要因は、彼が自分の仕事を全うしたからに他ならない。
最初に発見したのは、生徒の行方不明者を捜索していた教師の一人だった。
山道を奥から逆に辿っている途中で、夕べから行方不明だった潮江文次郎を背負い、くのいちそうこの
手を引いて歩く小松田に出くわしたのだ。
二人とも裏山を越え、裏裏山を流れる川の上流にいたらしい。
文次郎はなぜか下半身血まみれで気絶しており、そうこのほうはわんわん泣きじゃくって言葉も出ない
状態だったが、小松田は一人上機嫌で、もう絶対、外出届は忘れないって約束しましたから!と
笑っていたそうだ。
教師総がかりでも発見できなかった行方不明者を、短時間のうちに一人で見つけて連れ帰ったその嗅覚に、
忍術学園ではしばらくの間、小松田さん実は天才じゃね?説が囁かれたという。
548当世忍たま恋愛事情62:2008/06/03(火) 18:31:48 ID:fjUl8xSu
掃除用具を満載した桶を抱え、よしと気合を入れたそうこが戸を開けたときには、その便所はもう
ぴかぴかに磨き上げられていた。
床板には塵一つなく、落とし紙も完全に補充されている。あれ?と首をかしげるそうこの前に、奥の便所から
ユキが笑いながら顔を出した。
「あ、ここはもうやっといたよ」
「えー!ユキちゃんもしかして、手伝ってくれたの?」
「くのいち教室分だけとはいえ、一人で掃除するなんて大変でしょ。あたしにも責任あることだし」
「ありがとう。でも大丈夫だよ」
感謝をこめて頭を下げ、だがユキの手から掃除道具を取り上げると、そうこは首をふった。
「あたしが馬鹿やった罰だもん。ちゃんと自分で責任取るよ」
「でも」
「平気よ。自分のことは自分で始末しなきゃ。また恥ずかしくて顔合わせられなくなるしね」
それにこれ、結構いい鍛錬になるのよ、と笑って、そうこは次の便所へと歩き出した。
晩秋にはめずらしく、暖かな日差しの降りそそぐ午後の廊下を、花色の忍び衣装がいくつも通り過ぎていく。
掃除用具を揺らし、その隙間を縫って意気揚々と進むそうこを、隣を歩くユキが不思議そうに見下ろした。

夜中、外出届も出さずに外へ出た上、他の生徒を巻き込んで遭難するという失態を犯したそうこに下された罰は、
半日に渡る山本シナ先生のお説教と山ほどの課題、一週間くのいち教室中の便所掃除をすること、そして、
一ヶ月の外出禁止だった。
授業以外ではくのいち寮と教室の領域から出ることも許されず、日中は便所掃除、夜は遅くまで課題と戦う
そうこに、同級生達は多大な同情を寄せた。
しかし本人に落ち込んだ様子は微塵もなく、なぜかこの通り、いたって元気なのだ。

「えーと、西側の不足分は落とし紙と芳香剤と……」
「そうこちゃーん、やっぱ手伝うよ?ていうか手伝わせてよ」
「いいってば。心配しないで、あたし本当に大丈夫なの」
廊下を曲がったところで振り返り、そうこは追いすがるユキを苦笑して見上げた。
放課後のくのいち教室は人気もなく、淡い陽光がささくれた床板を照らしているばかりだ。
同じくらいきらきらと、まっすぐな視線が眩しくて、ユキはあわてて目をしばたいた。
「でもちょっとくらい楽してもさあ。文次郎先輩だって、お見舞い送るだけじゃなくて、こっそり顔くらい
見に行けば……」
くのいち教室から出られないそうこは、もちろん男子忍たまである思い人に会いに行くこともできない。
おまけに当の文次郎は、なにやら大怪我を負って現在、医務室に入院中ときている。
詳細はわからないが、それがそうこと行方不明になっていた間のものであることは、明白だ。
もしかしたら、いやおそらく、その怪我にもそうこが関わっているのだろう。
見舞いの品は言付かって渡しているが、直接顔も見れないのはどんなに心配で不安なことか。
自分も恋する乙女のユキは、友人の心中を思うだけで胸が苦しくなるのだ。
組のみんなも、人馬の馬くらいやるって言ってるよ?と迫るユキに、けれどそうこは笑って首をふった。
「今いったら怒られるよ。お前反省しとらんのかー!って」
みんなにも先輩にも、これ以上迷惑かけられないもんね、と肩をすくめると、そうこは空を振り仰いだ。
降りそそぐ日差しに目を細め、小さく笑う。
「あたしさ、もう焦るのやめたの。今は、自分ができることを確実にやっていこうと思うんだ。
だからちゃんと罰受けて、反省して、まっさらになってから会いに行くの」

川で流されたときに作ったものか、白い頬の上にはところどころ、小さな傷があった。
それすらも輝かせ微笑むそうこの顔は、強がりのかけらもなく穏やかで、なんだかとても可愛らしかった。
549当世忍たま恋愛事情63:2008/06/03(火) 18:33:52 ID:fjUl8xSu
こっそりと、いつもきりっとしててかっこいいなあ、と思っていた友人の変化に、ユキの胸がどきりと高鳴った。
胸の奥から溢れ出す奇妙なときめきを、あらやだなにこれ、と、慌てて打ち消す。懸命に頭の中に丸眼鏡を
思い浮かべながら、ユキはそうこの両手を握った。
「え、偉いわそうこちゃん!あたしこれからも応援してるから!」
「ユキちゃん、手、洗ってからにしない?」
慌てて手を離すユキの手元で、便所の掃除用具がガチャガチャと音を立てた。
どぎまぎ手をさするユキに、首をかしげて桶を抱えなおすと、そうこはまた歩き出した。追いかけるユキを
見上げて、にこりと微笑む。
「本当に馬鹿なことやっちゃったもんだけど、落ち込んだり後悔するくらいなら、何でもこやしにして
自分を鍛えようと思って。そのほうがずっと前向きってもんでしょ?」
「……半日見ない間にそうこちゃん、ほんと大人っぽくなったよね」
「人の受け売りだけどねー」
ぺろっと舌を出して肩をすくめ、そうこは廊下の突き当たりの戸を開けた。
桶を床に置き、さあやるぞ、と腕まくりする友人を見つめていたユキの目が、ふいにきらりと輝いた。

雑巾を絞る腕をつかみ、個室の一つに引っ張り込む。なにここそんなに汚れてた?と見回すそうこの肩を
つかみ、ユキは狭い個室の中でずずいと身を乗り出した。
「ね、やっぱそういうことになったんじゃないの?」
「そういうこと?」
「だからー、文次郎先輩と!夜の山に二人っきりで、何にもなかったってほうがおかしいじゃない。
しかもそうこちゃんのこの変化!ね、みんなには内緒にするから、あたしにだけ教えて?」
きょとんと見上げていたそうこの顔が、ぱっと赤くなった。
「だからー、そんな余裕なかったってば。凍死するとこだったんだよ?」
「嘘だあ。先生には言ったんでしょ?シナ先生が、みんな大きくなっていくわねって笑ってたの聞いたもん」
「ないない!……先生にだって、その辺の町娘のほうがもっと手際いいとか怒られたくらいで」
「避妊した?後始末大丈夫だった?聞きたいことない?何でも教えるよ!」
「ないってばー!……あれは事故みたいなもんだし、それに文次郎先輩は後半本気で死にかけて……」
手の中の雑巾をもみくちゃにしながら、真っ赤になって首をふっていたそうこの動きが、はたと止まった。
事故ってなにが!?と勢い込むユキの目の前で、紅潮していた頬がさっと蒼白に変わる。
突然の変化に戸惑うユキを無視して、そうこは目を据わらせると、じっとぼろぼろの雑巾を見下ろした。

「……そうよ、あたしもっと自分を鍛えないといけないんだった。頭突きで塀壊すだけじゃ満足できないのかとか
悩んでる場合じゃないのよ、頑張らなきゃ。砲丸や岩石を超える実力を持たなけりゃ、あの男には
ついていけないんだから。そう、あっちが粉砕バットなら、こっちはせめて鉄のトラバサミくらいに……」

真っ青になってぶつぶつ呟くそうこから、ユキは思わず手を離した。
なんだか背筋がぞくぞくするのは、日の差し込まない便所の中にいるからか。それとも目の前の友人から
立ち上る、異様な決意のこもった闘気のせいか。
「……そうこちゃん?岩石がどうかしたの?」
「ユキちゃん!あたし経験者にぜひ、聞きたいことがあるんだけど!」
気合のこもった顔を上げ、そうこががしっとユキの手を握った。雑巾ごと握りこまれ、べちゃっと湿った感覚に、
頭の中で悲鳴が上がる。だが真剣すぎる表情に、文句の言葉も浮かんでこない。
離そうにも手は離れず、自分で鍵をかけてしまった戸は手を使わなければ開けられない。ぐいぐい迫る友人から
逃げることもできず、ユキは仕方なく首を振った。
「わかった、あ、あたしにわかることなら」
「あのあの……ああああそこを鍛えるにはどうしたらいいのかしら!」

ごーんと鈍い音が、ユキの頭の中で響き渡った。
迫られすぎて後頭部が便所の壁に打ち当ったのだが、痛みすら感じない。はあ?と呟き、まじまじと見下ろした
友人の顔は、またゆでだこのように真っ赤になっていた。
550当世忍たま恋愛事情64:2008/06/03(火) 18:36:10 ID:fjUl8xSu
「あそこってあ、あそこ?えっと……しまりをよくする、ってこと?」
「しめちゃだめなのよー!どっちかというと、ガッと広げつつ伸縮自在にしたいの!あと内壁もできるだけ硬く
丈夫に……こういうのってどうしたらいいの?筋肉つけたらいいのかな?その場合なにすりゃいいの、腹筋?」
「お、落ち着いて?うまくいえないけどその、男は普通しまってるほうが好きなんじゃない?」
「だって今のままじゃ絶対壊されるもん!一流くのいちになる前に死ぬわけにはいかないの!だから今のうちから、
せめて衝撃を吸収できるくらいの弾力と強度を持たせないと!」
教科書見たけどみんなしめかたばかりなんだもん、そのへんの鍛え方とか書かれたくのいちの秘伝書、
どっかにないかな!?
からかわれてるのかと思ったが、いよいよ強くユキの手を握り締め、迫るそうこの目はあくまで真剣だ。
文次郎先輩ってそんなにでかいの?と想像しかけ、なんとなくむっとする。
いや、重要なのはモノじゃなくて相手だ。ごめんね気にしないで、別にいいのよ小さくたって。今は!
脳裏に浮かぶ丸眼鏡に謝罪しながら、でも、と首をひねる。
大きいだけでこんなに必死になるだろうか。生娘の怯えにしても何かが違う。ていうか岩石ってなんの話?
ぐるぐる回るユキの頭に、半泣きのそうこの声が響いた。
「お願い!どんなに惚れてても、さすがに粉砕されるのは怖いのよー!」
「そうこちゃんあんたなに入れる気!?」
「いわないで!目の前で見たのにそれでも好きな自分も、あたしちょっと怖いんだから!」

昼下がりの日差しに照らされ、中庭の木の影がゆっくりと伸びていく。
静かな放課後のくのいち教室に、便所から響く少女の悲鳴だけが、高らかに流れていった。



夕日の迫り始めた校舎の角を曲がり、食満留三郎は医務室の戸を開けた。
夕食前の自主鍛錬で軽く怪我をしたので、手当てに来たのだ。
普段なら小さな傷くらい、自分で始末するのだが、今日はうっかり薬をきらしてしまっている。
その補充も兼ねての訪室だった。
先日の文次郎の騒ぎ以来、どうも調子が戻らない。戸に寄りかかり、食満はため息をついた。
事務員小松田の、横から掻っ攫うような大活躍により幕を閉じた行方不明騒動は、文次郎の入院とくのいちの謹慎、
そして、一部五、六年生の自信喪失という副作用をもたらしていた。
おかげで今の食満は、自信回復のための鍛錬に余念がない。
まったく無関係の自分が、なんでこんな目にあうのかと情けない気分になりながら、戸の中に首を突っ込む。
この時間は校医の新野先生ではなく、級友が医務室に詰めているはずだ。
「伊作、いるか?」
「留三郎?ちょっと手が離せないんだ、こっちにきてくれるかい」
案の定、明るい声が部屋の奥から返ってきた。
奥は入院患者用の一室だ。手当てでもしているのか。そういえば入院以来の文次郎の面会謝絶が、
今日から解かれたと言っていた。
今回の件でいろいろいってやりたいことはあるが、怪我人相手に喧嘩は無粋だろう。
とりあえず見物でもしてやるかと、医務室の中へ足を踏み入れる。
茜色の日に照らされた室内をゆっくり横切り、食満は奥の間の戸を開けた。

しばらくぼんやりと天井を見上げてから、食満は床へと視線を移した。
開け放たれた障子の向こうから、夕暮れの光が入り込んできている。全身を濃い赤に染め上げ、衝立の横で
ごりごりと薬研を動かしていた善法寺伊作が、顔を上げてにこりと笑った。
「どうした?」
「……手を切ったんで、手当てを……いや、自分でやるから道具を借りたい」
「うん、その辺にあるの勝手にどうぞ」
うなずいて作業に戻った伊作を横目で探り、また天井を眺めてから、食満はその場に座り込んだ。
みしみしと、軋む板の音に耳をそばだてながら、薬箱から薬を取り出す。
それを腕の傷に塗りつつ、今度は正面に目をやる。
「……で、お前らも治療にきたのか?」
551当世忍たま恋愛事情65:2008/06/03(火) 18:40:28 ID:fjUl8xSu
「いいや?」
にやりと笑って床に置いた茶碗を取り上げると、立花仙蔵はうまそうにそれをすすった。
円座の上に胡坐をかき、こちらを見る切れ長の目に、赤々とした光が反射している。
その隣では中在家長次が、なにやら不思議な文字の書かれた分厚い本をめくっており、またその隣では
七松小平太が、抱えた重箱に顔を突っ込むようにして、饅頭を口に詰め込んでいた。
広く空いた部屋の中央で、車座になった同学年三人をしばし眺め、じゃあなにやってんだと問いかける。
「文次郎の面会謝絶が、解かれたと聞いたのでな」
茶碗を置いた仙蔵が、またにやりと笑った。
「見物に来た」
「見物に来た!」
「……見物……」
「暇だなお前ら」
「そうか?一見の価値はあるぞ。お前もどうだ留三郎、文次郎を肴に茶でも一服」
「そんなまずそうな茶はいらん」
腕に包帯を巻きながら吐き捨て、また天井を見上げる。血のような夕日は天井にも映え、凹凸の生み出す
影の黒さがいやに目に痛い。
そこから降ってくる、日没の眩さすらかき消すほどの眼光を睨み返し、食満は小さくため息をついた。
「で、文次郎はなにやってるんだ」

夕日に照らされ、赤々と燃える医務室の天井には、布団が一組くくりつけられていた。
苦無で留められた厚めの綿布団には、何重にも縄がかけられ、さらにその中には、別の布団で簀巻きにされた
潮江文次郎が押し込められていた。

布団ごと天井に縛りつけられ、ご丁寧に猿轡までかまされた文次郎が身をよじるたび、天井板がみしみしと
不気味な音を立てる。
舞い散る埃に、仙蔵が不快そうに手で茶碗に蓋をした。
目を血走らせ、巨大な芋虫のように暴れる文次郎を眺める食満を、汗をぬぐいながら伊作が振り返った。
「まだ熱も高いのに、すぐ抜け出して鍛錬にいこうとするんだ。こうしておいたら動けないだろう?」
「……これは医療行為として正しいのか?」
「一服盛ったけど効かなかったんだよ。文次郎もずいぶん薬物に強い体質になったね」
「あの子の毒はすごく効くからな!」
がつがつと饅頭をむさぼっていた小平太が、笑いながら顔を上げた。
感心したようにうなずくその顔をちらりと見て、食満はぎょっと目を見張った。
「小平太!お前なんか変なブツブツ出てるぞ!?」
ん?と振り返った呑気な顔には、紫色の発疹が一面に浮かんでいた。
夕焼けの色と混ざって、不気味なことこの上ない。
焦る食満を尻目にでこぼこの頬を撫で、小平太はわははと笑った。
「うん、新しい毒みたい。私、大抵のものはもう効かないのにな!すごいな!」
「えっ、てことはそれ文次郎の饅頭なのか?つうか食うのやめろいろんな意味で!」
「大丈夫、今、解毒剤作ってるから」
再び薬研を動かす作業に戻った伊作が、爽やかにうなずいた。
茶を入れなおしながら、仙蔵がちらりと頭上を見上げた。睨み下ろして唸り声を上げる級友に口元を歪め、
食満の元にも茶碗を置く。

「先ほど、あの子とは違うくのいちが持ってきたんだ。友達がお見舞いに作ったから渡してくださいとな」
「それを何で小平太にやるんだ」
「私は置いておいただけさ。小平太が勝手に食べたんだ」
「いつも好きなだけ食えってくれるから、そうしたんだよ」
もう一つ饅頭を口に入れ、咀嚼しながら、小平太は眉をしかめて天井を見上げた。
「でも今日は怒るんだ。急にケチになったぞあいつ」
552当世忍たま恋愛事情66:2008/06/03(火) 18:44:36 ID:fjUl8xSu
ばきっとどこかで、板の割れる音がした。不気味に軋む天井から、全員がさりげなく視線を外す。
「文次郎は駄目だよ。今の状態で食べたら命に関わる」
「残念だなあ文次郎、せっかくもらったのに」
笑い混じりの仙蔵の声に、また天井がばきりと音を立てた。
無視して別の茶を入れながら、仙蔵は今度は食満のほうを振り返った。
「そうそう留三郎、先日、奴がもてるはずがないとか、さんざん言ってしまったがあれな、撤回するぞ」
「あん?」
「今回の経緯を聞く限り、どうやらあの娘は本気で文次郎が好きなようじゃないか。正直やめろといいたいが、
こやつがまともな青春を手に入れたことは、級友として私も嬉しい。うん、いいじゃないか鍛錬バカに毒饅頭娘。
見事なワレナベにトジブタだ」
上機嫌にうなずいて、入れ終わった茶を小平太の前に置く。
そして仙蔵は、白い顔にとびきりの笑顔を浮かべた。
「というわけだからさあ飲め小平太。そしてさらにどんどん食え」
「おうすまん!」
「お前は本当に性格悪いな」
「はははは、南極三号さんの恨みはこのくらいでは晴れんぞ」
「まだ言ってんのか……」
すすり上げた茶は、異様に渋かった。

茶を飲みながら、ちらりと天井を盗み見る。相変わらず布団の中で暴れる文次郎は、ぎらぎら光る目で
眼下を睨みつけていた。
変な風に血が上っているのか、それとも熱のせいなのか、微妙に焦点が合ってない。
大丈夫なのか、なにがといえばまず天井がだが、と考えながら、食満は級友を振り返った。
「伊作よ、こいつこのまんまで本当に平気なのか?」
「大丈夫だよ。傷には触らないよう縛ってあるから」
「いやそういうことでなく……そういえばこいつ、どこを怪我したんだ?」
行方不明中に文次郎が大怪我を負ったとは聞いていた。だが、戻るなり医務室に担ぎ込まれたし、小松田は
あの通りでずれた返答しかくれないため、正確な部位は知らないのだ。
治療も看護も新野先生と伊作だけでしているそうで、保健委員の下級生達もわからないという。
どうやら下半身らしいから、おそらくは足でも折ったか、それとも川底の石で肉を裂いたか。
元気そうだし大したことはなかろうがと、軽い気持ちで口に出したのだが、その瞬間伊作の表情が凍りついた。

薬研を握ったまま、瞬きもせずこちらを見つめる級友の眼光に、妙な居心地悪さを感じて食満は尻を浮かした。
茶をすすっていた仙蔵が振り返る。小平太も手を止め、長次までめずらしく本から目を上げた。
それぞれ探るように伊作を見つめ、続いて食満へ視線を向ける。
「実は私たちも知らんのだ。というか、伊作が教えてくれん」
「なあ。別に隠さなくてもいいのに」
「何度も言ってるけど絶対駄目。患者の秘密は教えられないよ」
「なんだよ、気になるだろう」
さほど知りたいわけでもないが、隠されると気にかかる。
だが、四人がかりの追及にも、伊作は憂いすら含んだ顔で首をふるばかりだ。
「いや、これは墓まで持っていくと決めたんだ、勘弁してくれ。正直、考えただけでこっちまで痛くなるし。
とりあえずこれだけは言っておこう。私は今回、改めて新野先生を尊敬したと」
「なんで?」
首をかしげる小平太を無視し、伊作は感涙に瞳をうるませながら、ぐっと拳を握り締めた。
「人間の体があんなふうに曲がってあれあれああなるのも驚いたけど、それを治した新野先生は凄すぎるよ!
だってほとんど折れてたんだよ?もう駄目かと思ったのに!私はまだまだ修行が足りないなあ」
「だからどこ?」
「だが真に恐るべきは人間の回復力!日々の鍛錬はやっぱり重要だね。文次郎でなければきっと駄目だったよ。
これぞ人間の神秘!まさに一人人体不思議展!すごいよ文次郎、君にはこの言葉こそふさわしい!」
感極まった顔で天井を見上げ、伊作はばっと両手を振り上げた。
553当世忍たま恋愛事情67:2008/06/03(火) 18:46:39 ID:fjUl8xSu
「強靭!」
「無敵ィ!」
「さ、最強!?」
伊作を受け、間髪いれず拳を振り上げた小平太につられて、食満も思わず両手を挙げる。
そうきたならばという顔で、仙蔵が片手を上げた。
「粉砕、玉砕」
「……大喝采……」

ポツリと低い長次の音頭に、ぱらぱらとまばらな拍手が医務室内を流れた。
なんじゃこりゃと首をひねる食満の横で、手を打っていた伊作がはっと息を呑んだ。
慌てたように頭上を仰ぎ、天井に張り付いた布団に向かって手を振る。
「すまない文次郎、粉砕しても玉砕はしてなかったね!」
爽やかな声を遮って、どかん、と鈍い振動と、怒りを込めた唸り声が医務室を震わせた。



すっかり傾いた夕日に、長く伸びた影が医務室の床を黒く染めている。
秤に薬草を載せながら、伊作が何度目か頭上を仰ぎ見た。一部、抜けかけた苦無の横に新しいものを
打ち込んで、それにしてもと首をふる。
「文次郎は本当にもててたんだね。留三郎に聞いたけど、冗談だと思ってたよ」
「気にするな、無理もない」
「鈍いな伊作はー」
ほうろく火矢を磨く仙蔵の横で、そろそろ底が見えてきた重箱を探りながら、小平太がわははと笑い声を上げた。
「長次だって助言したくらいなのに」
「ああ、なんか参考文献を見繕ってやったって?それかい?」
薄暗さが勝ってきた室内で、相変わらずもくもくと本をめくる長次の手元を、伊作が覗き込んだ。
それは本当にためになるよね、とうなずきながらまた、それにしてもと呟く。
「珍しいこともあるもんだね。長次が誰かの手助けをしてやるなんて」
よほど気が向かなきゃ、曲者退治だってしないのにと首をひねる伊作には興味がないのか、長次の目線は
文字を追ったままだ。
手についたあんこを舐め舐め、小平太が振り返った。もくもくと本を読み続ける級友を見つめ、にかっと
笑ってその背中を叩く。
「私はわかっているぞ、長次!」
げふっとくぐもった声を上げ、長次が前のめりになった。かまわずばんばん叩きながら、自信たっぷりうなずく。
「文献内容が実用的か、実験したかったんだろ!だよな、使えなきゃ意味ないもんな!」
「ああ、なるほど。よくわかったね」
「任せとけ!六年間の仲だもの!」

仰向いて高笑う小平太をちらりと伺い、長次の視線が床に落ちた。
数瞬の間を置いて、かすかにうなずいた級友の背を、やっぱり!と笑いながら小平太がまた叩く。
年のわりに大柄な体が、前後に大きくぐらぐらと揺れた。
554当世忍たま恋愛事情68:2008/06/03(火) 18:48:48 ID:fjUl8xSu
「やめてやれ小平太。背骨が折れる」
「しかしどうせ、実用には至らなかったんだろう」
見かねて小平太を羽交い絞める食満の横で、ほうろく火矢を懐に仕舞いこんだ仙蔵が、小馬鹿にした笑みを浮かべた。
さすがに力尽きたか、布団の中で唸るばかりの文次郎を見上げ、やれやれと肩をすくめる。
「こいつのことだ。自分に惚れた女と嵐の山に二人きりというおいしい状況で、孫子の講釈とかしてたんじゃないのか。
男子たるもの、そこは手を出すのが礼儀だろう。本当にお前はどうかしてるぞ、バカタレめ」
「バカタレは貴様だ。十一かそこらの子供相手に何を抜かす」
「もう一、二年もすれば嫁にいく年だ」
食ってかかる食満に急須を突きつけ、また頭上を見る。
「いや、惚れられているのも気づいてなかったな。もしや今でも疑っとるのか?さすがの私が認めてやったと
いうのに、どこまでニブチンなんだ」
闇に覆われ始めた天井を眺める切れ長の目が、さらに細くなった。
「だいたいお前は女に対し、必要以上に邪険すぎるんだ」

『たまにいるんですよ、余計意識して、空回りしたりやたら邪険にしちゃったりして』
仙蔵の言葉に一瞬、奇妙な既視感が食満を襲った。

なぜか激しく鳴り出した心臓を抱え、天井を見上げる食満に気づかず、仙蔵が急須を床に置いた。
不恰好な円形が、落日に細い影を引く。
「まあ、相手がくのいちというのは警戒すべき事項ではある。しかし、三禁に捉われすぎて本質を見落として
どうする。忍術学園一忍者してる男の名が泣くぞ」
びしびしと無遠慮な言葉を投げかけながら、鼻で笑う仙蔵の目が、ふっと針のように鋭くなった。
「……というかお前、気づいてるのにわからないふりをしてないか?」
唸り声が止まった。
力の抜けた食満の手から、逃れた小平太が再び重箱を抱え込んだ。
饅頭を咀嚼しながら、これも天井を盗み見る小平太の手前で、伊作も薬研の動きを止める。
長次だけが床から目を離さない。
「前から思っていたんだがな。肉体的には間違いなほど鍛えているくせに、お前はなんで色事に対して
そんなに関心がないというか、後ろ向きになるんだ」
布団と闇に埋もれ、ぴくりとも動かない級友を、見つめる細い目が不思議そうな光を浮かべた。
「何ぞ理由でもあるのか?」

ごっつんと鈍い音に、食満がはっと視線を戻したのと、床に縄標の先端が転がったのはほぼ同時だった。
縄をたぐって引き戻し、武器を手の中に納めた長次が、背筋を伸ばして横を見た。
視線の先では仙蔵が、頭のてっぺんを片手で押さえ、ぽかんと口を開いて長次を見つめていた。
落日の光に、全身が真っ赤に染まっている。一瞬ぎくりとするが、怪我をしているようには見えない。
当ったのはおそらく、手裏剣の柄の部分だったのだろう。
あまりにも予想外すぎたのか、この優等生が武器も取らず、ただただ切れ長の目を丸くしている。
見返す長次はいつもどおり、表情の読めない仏頂面だ。文次郎に負けず劣らずの三白眼が、瞬き一つせず
仙蔵の顔を凝視している。
緊張感というには微妙な空気が、夕暮れの医務室に流れた。

息を呑んで見守るばかりのは組二人の前で、小平太がそっと饅頭を口に入れた。
向かい合う長次と仙蔵を忙しなく見比べながら、先ほどまでよりゆっくりと動いていたその口が、突然
ぴたりと止まった。
ん?と眉をしかめてしばし考え、今度は大急ぎでもぐもぐと動かしだす。口の中のものを一息に飲み込み、
にかっと笑うと、小平太はその場に立ち上がった。
555当世忍たま恋愛事情69:2008/06/03(火) 18:53:25 ID:fjUl8xSu
「ほーひ、ほんひほー、ほんひほー!」
不明瞭ながら嬉しそうな間抜けな声に、すとんと場の呪縛が解けた。
はふっと同時に息をつき、食満は伊作と顔を見合わせた。長次が仙蔵から目をそらし、床の本を拾い上げる。
今さらのように懐へ手を入れた仙蔵の前に、立ちふさがるように駆け寄ると、小平太は天井の闇にむかって
大きく手を振った。
「まひゃはひっへは!」
みしっと天井が軋んだ。
「え?」
「なにが入ってたって?」
立ったものかどうしたものか、と迷いながら問いかけた食満に、小平太がにっと笑い返した。
周囲の同学年たちをぐるりと見回し、勢いよく天井を見上げると、ベエ、と舌を突き出す。
舌の先には、何か白くて小さなものが乗っていた。
「……なに?隠し文書かい?」
不思議そうな伊作の言葉で、あんこまみれのそれが紙片だと気づいた食満があっと呟く前に、小平太が
自慢げに胸をそらした。

「ほひふひー!」
「え?ほ?」
「……恋文……」

首をひねる伊作に、長次が聞き取れないほどの声で囁いた。
囁いてから、ん?と級友を見上げる。怒るというよりいぶかしげな目で長次を睨んでいた仙蔵が、ぱっと瞬きした。
「恋文?」
ばきごん、と鈍い音が医務室に響き渡った。
再び聞こえ始めた唸り声と連動して、どかん、ばこん、とひっきりなしに天井から響く怪音に、柱が軋む
嫌な音が混じる。
埃が降り積もる床を心配そうに見つめ、小平太に目を戻した伊作が、ああ、と手を打った。
「もしかして、文次郎を好きだっていう奇特な女の子が書いたものか?」
「へっはいはひっへるほほほっへ、ひゃがひへはんは!ひゃ?ほめはふほー、ほんほはっははほ?」
「いや別に俺は、疑ってなかったぞ」
「ほう、なるほどこれはまた、ずいぶん奥ゆかしいことを」
舌を突き出し小踊る小平太に、仙蔵の目が輝いた。長次のことなど忘れたように笑うと、懐に入れていた手を
ずいと突き出す。
「よし見せろ」
「ちょ、お前な」
「いいなあ、私もみたいなあ。恋文ってまだ一度も読んだことないんだ」
「それはお前がもらうはしから、行灯にくべたり水で濡らしたり便所に落としたりしちまうからだろうが」
にやにや笑う仙蔵に並んで、目を輝かす伊作に、食満も慌てて立ち上がった。
何を考えているのだこいつらは。人の恋文なんか読んでなにが面白いというのか。
いや、ぶっちゃけ興味がないわけではないが、この状況でそれはなんか、なんというかどうだろう。
ていうか、なんで自分が文次郎などかばってやらんといかんのだ?
また頭を抱えたくなった食満の焦りに呼応するように、天井からの騒音も最高潮に高まった。怪獣めいた唸り声が
轟く中、長次がゆらりと立ち上がる。
小平太が頭上を見上げた。わくわく迫る仙蔵、伊作を見回し、焦る食満、背後の長次をうかがって、
一瞬考えるように首をひねる。
突き出ていた舌が、ひょっと引っ込んだ。

「あ」

ごっくんと喉が鳴った。
ぷはっと息をついて、また開かれた口の奥。舌の上にはもう、何も乗っていなかった。
「すまん、うっかり呑んじゃった!」
「よし、腹かっさばけ」
頭をかく小平太に、仙蔵が笑顔で小刀を突き出す。その声に、ばきんと背筋が寒くなるような音が重なった。
556当世忍たま恋愛事情70:2008/06/03(火) 18:55:44 ID:fjUl8xSu
「……小平太アァア!」
ばらばら降ってきた木片と布の切れ端に、いっせいに背後に飛び退る。
闇に染まった天井板の布団の中、地獄の業火のごとくぎらぎら燃える瞳が、真下を睨み下ろしていた。
視線で人が殺せるなら、この場の全員が即死だろう。
ぼろぼろになった布切れを、べっと吐き出した口が、獣のように牙をむいた。
「貴ィ様という奴はああ!」
「猿轡、竹だったんだけど」
「どこまで人外だお前は」
「文次郎、今回のは凄いぞ!常人なら多分一個食いきれない!」
「じゃかあしいわこのどたわけ!」
上機嫌に手を振る小平太を、口角泡を飛ばしながら文次郎が怒鳴りつける。縛られながらも激しく暴れまわる
その背後で、天井板にひびが入った。
高熱のせいか拘束が過ぎたのか、もはや目つきが尋常ではない。その目は仙蔵でも伊作でも食満でもなく、
まっすぐ小平太だけを睨みつけていた。
三倍の鎮静剤ならきくかな?と呟いた伊作の上に、はがれた天井板が落下した。
「こっちが動けんのをいいことにこのバカタレ!なんで食うんじゃいい加減にしやがれ!」
「いつもくれるじゃん」
「誰が貴様にやるといった!ええい寄るな触るな吐け出せ戻せ返せ腹かっさばけ!」
あまりの振動に天井だけでなく、四方の柱までみしみしと不気味な音を響かせだす。
外では屋根瓦が降りそそぎ、布団を取り巻く縄が数本、ぶちんと音を立ててちぎれ飛んだ。
「そいつは俺んじゃあ!」

ぶほっとむせた食満の隣で、こぶだらけの伊作が眉を寄せた。
仙蔵はあきれ果てた顔でため息をつき、小平太の満面に、なんともいえない笑みが浮かぶ。
長次が感慨深げに目をしばたいた。

「でも、君が治るまでとっといたら腐ってしまうぞ。下痢しながらの鍛錬はもう懲りたってこないだ」
「違う伊作、そういう話じゃない」
「ようしわかった私に任せろ、次はちゃんと渡してやるからな!」
「……どこまでずれた男だお前は。極端から極端にしかいけんのか」
首を振りながら、仙蔵がしゃがみこんだ。転がった茶碗を拾い、貴様こそいい加減にしろ、と天井に投げつける。
がしゃんと高い音に続き、怒りの咆哮が轟いた。
「ガキくさいことを抜かすな、こっちが恥ずかしい」
地響きを立てて床板が揺れる。埃に続いて、布団を縫い止めた苦無まで降ってきた。
どこへ逃げても苦無や板片に襲われる伊作が、四苦八苦しながら食満を振り返る。
「すまない用具委員長、天井板と床材の予備は、保健室の裏手に積んであるから!」
「……うるせえ、もういやだ」
ぼそりと呟き、食満は壊れて穴だらけの天井を眺めた。
幾重にも巻かれた縄も苦無も、すでに半分以上外れている。そろそろ布団本体が落ちてくるかもしれない。
だからどうした、俺はもう知らん。どいつもこいつも勝手にしやがれあほらしい。
全身を貫く脱力感に、がっくり肩を落とした食満の隣に、饅頭の最後の一個を口に放り込んだ小平太が並んだ。
「ははは文次郎、青春しすぎだ!」
「まったくだ、十やそこらの清童でもあるまいに」
「……生きなおし……」
しみじみと呟かれた長次の言葉は、崩れ行く建物の轟音にまぎれ、誰の耳にも届かなかった。
557当世忍たま恋愛事情71:2008/06/03(火) 18:57:46 ID:fjUl8xSu
重傷患者の大暴れという、前代未聞の珍事により半壊した医務室奥の間は、用具委員の徹夜の
突貫工事のおかげで、一晩で修復された。
今後の患者の対応に頭を悩ました保健委員長だったが、作法委員の考案、作成した「動くとシメる布団」の
登用により、潮江文次郎の安静はその後半月間保たれたという。
高熱と、大量に使われた鎮静剤の影響か、文次郎には入院から安静を解かれるまでの記憶が、一切ないらしい。

文次郎とそうこの恋を、一丸となって応援していたくのいち教室だったが、行方不明事件以来奇怪な鍛錬を
始めたそうこに、潮江先輩がうつったんじゃないか、と一部で心配の声が上がり始めている。
教師山本シナは、馬に蹴られるだけだからほっときなさいと笑っている。

二年生の間では、怪談話が流行している。

鉢屋三郎は、通常の材料以外で作る仮面に目覚めた。
先日はついに豆腐で全身着ぐるみを作ろうとして、毒虫小屋に一晩閉じ込められたらしい。

会計委員は、全員毒物に耐性ができてきた。

七松小平太は下級生を引き連れて、塹壕倶楽部を立ち上げた。
二ヶ月間に三回の遭難事件を引き起こした結果、各委員会上級生からの嘆願により永久活動停止となったのは
非常に残念な事態である。
立花仙蔵は貯金を始めた。
食満留三郎は仙蔵の監視を始めた。
中在家長次と善法寺伊作は、相変わらずだ。
生徒も教師も事務員も、だいたいみんな相変わらずだ。

そうこはまだ、普通の饅頭を作ることができない。
それでも差し入れは続けているが、「饅頭に手紙」は、六年生の間ですっかり有名になってしまったため、
今ではこの方法を使うことはない。
代わりに「隠し文書作成訓練」と称したなんらかの方法で、文次郎とやり取りしているらしい。
それを見破ることが一部忍たま間で流行となっているが、現在までのところ、看破したものは誰もいない。

文次郎はまだ、そうこを名前で呼んだことがない。
相変わらず地味だったり奇抜だったりする鍛錬はしているが、もう砲丸を破壊するようなことはない。
最近は夜中に校舎の屋根の上で、表紙に外来語の書かれた本をものすごい顔で読んだり、校医の新野先生に
真剣に何かを相談したりしているそうだが、詳細は不明だ。

よく晴れた休日など、たまに二人で、行軍訓練と称して出かけることもあるらしい。


558にっきの人:2008/06/03(火) 18:59:49 ID:fjUl8xSu
先生終わりました!

潮江とそうこちゃん。以上です。
二ヶ月の長丁場とやりたい放題の長文に、お付き合いくださりありがとうございました。
前スレで止まったあとも読みたいといってくれた方、ありがとうございました。
レスくれた方々、嬉しかったです。ありがとうございます。
にっきまとめサイトと、保管庫の中の人もありがとうございます。お疲れ様です。
読んでくれた人がいたから書き上げられました。
このスレと住人の皆様に、心から感謝します。本当にありがとうございました!
559しろべの人:2008/06/03(火) 19:11:06 ID:dJevU5pf
にっきの人盛大に乙!!!!
あなたの笑いあり涙あり、はらはらドキドキありの長編、とても感動致しました!!
560名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 21:45:24 ID:34VFpQZw
超大作、完結おめでとう!
そして潮江とそうこちゃん、ハッピーエンドおめでとう!
本気で楽しませて貰いました。最大級の乙!!
561名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:37:12 ID:YgNZdGg0
にっきの人本当に乙です!!!!

文次郎、そうこちゃんを幸せにしてやってな・・・!!

またにっきの人の作品が見れる日を楽しみに待ってます。
562名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 23:30:36 ID:jEfJlorS
にっきの人、乙でした!!
二人の行軍訓練を想像するとニヤケがとまりません。いやーよかったよかった。
あなたのおかげで潮江そうこにハマりました。本当にありがとう。
563名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 00:01:33 ID:0wc5NTTd
にっきの人、乙でした!
素晴らしい大作をありがとうございました。
564昔話語りの人:2008/06/04(水) 00:02:17 ID:v5vwDMdG
さすがにっきの人だ!もう登場人物全員輝きすぎてるぜ!
次はどなたになるか、今からwktkしてるよ!
565名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 00:08:15 ID:JichCXKL
いい、すごくいい!
ハッピーエンドでよかった!
GOD JOB!
566名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 00:49:24 ID:OGDm2dK6
感動した! にっきの人に感動した!!

スレにへばりついてて良かった・・・
まさかのハッピーエンドってか、
まさかの清らかなお付き合い。
あれだろ、"普通の恋人を装って"の行軍訓練なんだろ

こんな人数出ているのにまとめるってちょっと凄いっす

>>565 まさしくGOD
567名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 01:23:25 ID:IhH9wqbI
にっきの人超乙!
すごく楽しかった!ありがとう!
568名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 07:08:33 ID:Q4qjTObA
素晴らしい!!
楽しませて頂きました!!
569名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 12:12:43 ID:UzCCeaER
にっきの人ありがとう!!
涙で前が見えないよ!!
570名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:13:37 ID:PkJEv2NO
ありがとう、本当にありがとうにっきの人!
今日まで生きてきて良かったと心の底から思いました。

感動をありがとう!
571日本昔下話 桜の木下大満開1:2008/06/04(水) 23:20:07 ID:sLKotX95
昔昔、忍術学園へ行く途中にある泉に、一人の女がいました。
彼女は泉の水を一口飲み、それから息を吐きました。
なにしろ超が十個つくほどの大忍務を承ってきたのですから。緊張しないはずがありません。
その忍務とはどんなものでしょうか、とりあえず、この話はまた後でする事にしましょう。
「さあ、行かなければ。」
彼女は仕込み杖を使って立ち上がると、忍術学園のある方向へ足を向けました。

その頃、忍術学園事務員の小松田さんはせっせと新しい教師用の制服を用意していました。これから新しい教生が来るのです。
「あ、木下先生こんにちはー。」
制服をよっこらしょと抱えて、小松田さんは木下先生に挨拶します。
木下先生は五年い組の実技の先生です。とても怖い顔をしていますが、優しい人なのです。
「ああ小松田君、これが今度来る教生の着物か。」
「はいー。確か今回の当番は木下先生でしたね。」
どうぞ、と小松田さんは木下先生に着物を渡します。
「そうなんだ。教生は山田先生や安藤先生が担当する一年生のクラスに配属されるのが常だが、
一年生は補習が忙しいそうでな。わしが担当することになった。」
教生の奴、今回は一段と大変だぞ、と木下先生は言います。
普通教育実習生は、授業が優しくかつ危険の少ない一年生、二年生のクラスの先生が受け持つのです。
なぜなら上級生の授業は死傷者が出てもおかしくないほど厳しく、難しいものばかりですから。
教える立場になるほどの腕を持っている、と言っても自分でやるのと、人に教えるのとでは全く違いますからね。
「ふーん、大変ですねぇ。あ、誰か門のところに来たみたいだ。」
小松田さんの来訪者センサーが働きます。他のところはさっぱりですが、このセンサーの感度だけはゴノレゴ十三の危険を避ける感覚並に敏感です。
「噂をすれば影だ。たぶん教生だろう。」
「とにかく、入門表にサインしてもらわなきゃ!」
小松田さんは元気良く走り出しました。
572日本昔下話 桜の木下大満開2:2008/06/04(水) 23:45:31 ID:sLKotX95
「すいません、教育実習に応募したものですけど。」
仕込み杖を持った女は正門の前で声を張り上げます。門の内側で、ドテドテドタンという音が三回ほどした後、
隅にある小さな入り口が開きました。
「はーい、入門する人はここにサインをしてください……ごほごほ。」
ぼろぼろになっても小松田さんは入門表を手放しませんでした。ピカピカの紙を女の人に渡します。
「はいはい……。これでいいかしら。」
名前を書き終わると同時に、木下先生が顔を出します。彼女はその怖い顔に驚いて入門表を落っことしてしまいました。
「おいおい、先生を目指すものがそれでは困るだろう。」
「す、すい、すいません……。ついびっくり……。」
筆と紙を拾って渡そうとする手が止まります。トンビが三回、くるりと輪を描く位の時間をかけてから彼女はまた拾ったものを落っことしました。
「ああああ!!!」
「いちいちうるさいな!今度は何だ!」
「あなたはあの時の!」
「あれ、教生さん、木下先生を知っているんですか?」
小松田さん落っこちた入門表を拾いながら不思議そうな顔をします。
「知ってるも何も、ドクタケ城の就職試験のときに私を脅してきた人です!あの怖かった人です。」
それは夏休みが終わり、新学期が始まった時の事。登校中の一年生が行方不明になるという事件が起きました。
犯人は悪名高いドクタケ城。忍術学園を就職試験の会場にするために、邪魔な一年生をさらったのです。
「そういえばあの時木の裏に隠れていた奴を捕まえようとしたな。    一年は組の良い子達のせいで出来なかったけれど。」
「はい、あの時私、おしっこちびるかと思いました。」
教生さんはそう笑います。
「やけに気の弱い奴だと思ったが、そうかくの一だったか。確かにくの一もいたという報告もあったな。」
木下先生は一人呟いて頷きます。
「しかしそんなに気が弱くてどうする。そんなんじゃ就職もままならなかっただろう。」
「いえ、実は先日までイッポンシメジ城にいたんです。そこでちびっ子忍者たちに教えているうちに、こっちの方が性に合っているかなと思いまして。」
「ほう……。」
木下先生はじっと、ニコニコ笑う教生さんの顔を見ていました。
573日本昔下話 桜の木下大満開3:2008/06/05(木) 00:09:46 ID:HM5qbYMR
教生さんは小松田さんと木下先生に連れられて、学園長室ではなく、事務員室へやってきました。
部屋には吉野先生と事務のおばちゃん、それから学園長先生が居ます。
「それでは教生の指導は木下先生に任せる。なにか困ったことがあったら、すぐに木下先生に聞きなさい。」
学園長先生はそう言った後、奥の庵へ引っ込んでしまいました。
「では君の部屋へ案内しよう。君は教師寮の右から八番目の部屋を使いなさい。」
「はい、ありがとうございます。」
「授業の計画なんかは夕食の後にしよう。ひとまずゆっくりしていなさい。」
木下先生が出て行ってしばらくしてから、教生さんは辺りを見回しました。
「右から八番目の部屋、って、この寮だと、左から数えても八番目なのよね。」
つまり、寮のど真ん中ということです。彼女は聞き耳を立ててから忌々しく舌打ちをしました。
「さすが忍術学園ね。マイタケ城城主の推薦状がなきゃおんだされていたところだわ。」
拳をぎゅうと握ります。イッポンシメジ城にいた、というのは本当です。しかしそれは忍者としてではなく、食堂のお茶組みとしてでした。
「絶対に有名忍者になってやるんだから!もうお茶を入れたり皿洗いさせられるのはまっぴらだわ!」
手始めに、忍術学園の見取り図を作って、ドクタケやドクササコなんかに持って行ってやる。
彼女の目は野望に燃えていました。それはものすごいもので、実際に目の前に置いていた荷物が視線で焦げてしまうほどでした。
「でもまさかあの時の怖い人が私の担当だなんてびっくりしたわ……。」
途端に炎が小さくなります。なにしろ、あの時の顔がトラウマでしばらく忍びの就職試験に出れなかったほどですから。
けれども勇気を振り絞らなくてはなりません。負けるな私!ファイトよ、私!
教生さんは一人でエイエイオー!と景気づけをします。
その後ろで、食堂の場所を教えに来た小松田さんが、その声と行動にびっくりして固まっているのに彼女は気づきませんでした。
574日本昔下話 桜の木下大満開4:2008/06/05(木) 00:36:52 ID:HM5qbYMR
月日は少し流れます。
教生さんが来て、七日が経ちました。
彼女の教え方はとても優しく親切で、い組だけでなく、ろ組やは組、更には学年を超えて四年生や三年生などの下級生なんかも人気があります。
「教生さーん、この問題教えてー。」
「すいません、この術のここの部分が……。」
「あの、この道具についてですが。」
それだけじゃありません。みんな彼女とお話がしたくて、休み時間になるとたくさんの生徒がやってくるのです。
「なめくじさんは好きですかー?」
「リンスは何使ってます?どこの髪結いさんで結ってもらっています?」
「ぜひ僕の掘ったタコツボ777号フィーバー2ちゃんに落っこちてください。」
「僕のかの子と一緒に散歩をしませんか?」
「なんだと、教生さんは私の輪子と散歩をするのだ、お前はすっこんでろ。」
「すいません、一緒に三之助と左門を探してください。」
「左近先輩が体育委員会の塹壕堀に巻き込まれちゃったんです。助けるのを手伝ってください。」
えとせとらえとせとら
もうすっかり、学園の人気者です。
ところが……。
入浴時間の後、教生さんは手ぬぐいを床に叩きつけました。
「……ああもう!また忍術学園を回ることが出来なかったわ!」
ぎりぎりと歯軋りをします。そうなのです。休み時間に学園を回ろうとすると、生徒たちに取り囲まれてしまうのでちっとも自由に行動できないのです。
最初は生徒に振り回されるのを逆手にとって、学園を見て回ろうとしたのですが、ここのクソガキたち、
じゃなかった、良い子達ときたら、お祭り騒ぎが大好きな上に何事にも全力を出すものですから、気の弱い自分はついそれに引っ張られてしまうのです。
「授業も教室での教科ばっかり……。外に出してもらえたことがないわっ。」
もしかしたら。彼女は考えます。
「もしかしたら、私の目的がばれてる?」
天井や、回りの壁を見回します。特に別段、変わったところのない木の壁、木の天井です。
しかしここは教師になったとはいえども、減益の頃から変わらぬ一流の腕を持った者達の巣窟です。
小娘一人の計画を知るなんて造作もないことでしょう。
背筋に寒気が走ります。もしかしたら、とんでもないことを考えてしまったのではないでしょうか。
子猫が、うんと高い木に登って、下りられなくてにゃあにゃあ鳴いているのを見たことありませんか?
彼女の心境は、ちょうどそんな感じでした。
「……ううん。」
恐怖を振り払うように、小さく首を振ります。決心した以上、それを覆すことは出来ません。
やると決めたら、とことんです。寝間着を脱いで、教生の服に着替えます。
「なら、やってやろうじゃないの、今から。」
座布団を巻いて寝間着を着せると、敷いた布団に寝かせます。明かりを消せば、ほら、まるで眠っているようです。
それから天井裏の気配を探った後、彼女はそこの板を外して部屋から抜け出しました。

「ええと、教生さんは……。」
見回りをしに来た小松田さんはこっそりと部屋を覗きます。
燭台を少し中に入れて辺りを見回しますが、昨日と同じく、教生さんは布団に入って眠っていました。
「明日もがんばってね、おやすみなさーい。」
彼はいつもどおりに挨拶すると、彼女を起こさないよう戸板を静かに閉めました。


今日はここまで。
あ、ちなみに木下先生×19巻の就職試験で忍び込んで木下先生にどやされていた人。
かってに女の子って決めてごめんよう。
575日本昔下話 :2008/06/05(木) 00:38:48 ID:HM5qbYMR
あ、ごめん、誤字発見
減益×→現役
576名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 00:50:23 ID:xfxmVkLX
昔話語りの人GJ!!!
俺もうすでにwktkが止まらないよ・・・!!
続き楽しみにしてます。
577名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 21:46:44 ID:YAS8J3vF
はい、今19巻引っ張りだしたひと挙手 (´・ω・)ノ
578日本昔下話 桜の木下大満開5:2008/06/06(金) 00:14:06 ID:Kip/zIOu
>>577 ノついつい確かめちゃうんだぜ

茂みがゆれ、木がざわめきます。砂埃の音がして、時々、金属がぶつかりあう甲高い声が木霊します。
忍術学園の生徒たちは勉強熱心で、上級生になればなるほど夜中でも特訓しているのです。
どこもかしこも、生徒たちがひしめいていますが、一角だけ静まり返っている場所があります。
そこは昼間もですが、特に夜間は入ってはいけないと通達されているところなのです。
教生さんはその場所のことを聞いていましたから、すぐにそこに足を向けました。
「生徒も立ち入りを許されていないってことは、それだけ重要な場所ってことよね。」
ばれないように気配を消してその場所に近寄ります。時々、見回りの先生に会いましたが、その時は堂々と姿を現します。
夜間訓練をしているように思わせるためです。どこまで騙せているかは、わかりませんが。
細々としたところに注意を向けていた為に、彼女は誰にも止められることなく、件の地に辿り着くことができました。
人気がないからか、吹き付けてくる風はどこか寒く、湿っています。耳を塞ぎたくなるほどの騒音も、ここでは小鳥の鳴き声のようにしか聞こえません。
なんだか、お化けが出てきそうですが、そんなものどうということはありません。
ええ、木下先生のあの顔に比べれば、ちっとも怖くありません。
教生さんは早速足を踏み入れました。人が通らない証拠に、ここの土はふかふかと浮かんでいます。
一歩、二歩、三歩、と慎重に足を運び、わなが仕掛けられていないか、持ってきた仕込み杖でいちいち確認します。
遅々として進みませんが、調子に乗って踏んだところに埋め火があったら大変ですからね。
「何をしている。」
「ひえっ!」
こういう時に背後から話しかけられるのは心臓に良くありません。自分が悪い事をしていると、わかっている時なんか特に。
しかも声をかけた相手が、あの木下先生だったのですから。
「ここは立ち入り禁止のはずだ。なぜ入った。」
尻餅をついた彼女は、手放してしまった仕込み杖を探すのに精一杯で答えることが出来ません。
「おい、答えろ。」
木下先生はさすがです。教生さんよりも先に仕込み杖を見つけてそれを踏んづけました。これで彼女は丸腰になります。
「え、あ、あ、その。」
ふと、既視感に襲われます。そう、これはまるで。
「三つ数えるうちに答えないと、どうするかわからないぞ。ひとーつ。」
ああそうです。初めて会った時と同じなのです。
「ふたーつ。ほーら、あともう少しで三つだぞ。」
「あう、あううう、ここが秘密の場所だって聞いたから、好奇心で、その。」
しどろもどろになりながら、それでも言い訳をひねり出します。まあ好奇心もそこそこに手伝っていましたから、うそは吐いていないはずです。
「本当か?!学園の見取り図を作ってドクタケやドクササコやスッポンタケやサンコタケなんかに渡すつもりじゃなかったんだろうな!!!」
「わー!!なんか増えてる!ドクタケとドクササコだけですってばぁ!」
ばぁ、ばぁ、ばぁ、ぁぁ、ぁぁ……
木霊に気づいて、口を塞いでももうだめです。木下先生はにやりと笑うと教生さんの右手を捻り上げました。
「誘導尋問にひっかかってどうする!そんなんじゃ忍者どころか教師にもなれんぞ!」
「ひぃぃぃ!!痛い!痛いっ!!」
みしみしと皮膚が鳴ります。このまま行ったら捩れ過ぎて引き千切れてしまうかもしれません。
頬に冷たい物が流れて、落ちてゆきます。しかし相手に緩める容赦は全くありませんでした。
579日本昔下話 桜の木下大満開6:2008/06/06(金) 00:32:11 ID:Kip/zIOu
「いいか、お前がどんなことをしたかわかっているのか?」
腕一本で教生さんの身体を持ち上げながら、木下先生は尋ねます。痛みで意識がどうにかなりそうですか、それでも彼女は首を縦に振って答えました。
「が、学園の見取り図を作って、う、どこかの城に渡そうとした……。」
「それだけか?」
そう聞きながら身体をゆすります。ゆらゆらと右や左に揺れるたびに、掴まれている部分がぎしぎしと傷むのです。
木下先生の質問に答えられなかったのは、この痛みのせいだけではありません。
本当に、答えがわからなかったのです。
先生はため息をつくと、今度は小さい声で話しかけました。
「いいか、お前はな、お前を慕っている生徒たちを騙したんだ。
あいつらは純粋に、心底お前を信用している。ところがお前はどうだ。
学園の見取り図を作って、悪い城に渡そうとしている。
あいつらの心を踏みにじっているんだ。」
心臓がぎゅうと音を立てて萎みました。ちらりちらりと、昼間にやってくる生徒たちの顔が浮かびます。
口の中がからからと乾いて、目の奥がつんと痛み出しました。
騙しているなんてわかりませんでした。いいえ、気づかなかっただけかもしれません。
彼女は今始めて、野心は人を盲目にさせるということを知りました。
「……性根は腐っていないようだな。」
木下先生は手を離します。どすんと地面に着地しましたが、お尻に痛みは感じませんでした。
むしろ胸や頭が痛くて切なくて仕方がないのです。
「どっちにしろ、お前は罰を受けなきゃならん。罰役は監督官のわしが行う。」
教生さんは頭を垂れて、小さく頷きました。
だから、木下先生がどんな顔をしていたかは知らないのです。
580日本昔下話 桜の木下大満開7:2008/06/06(金) 00:59:53 ID:Kip/zIOu
胡坐をかいた木下先生の上に、袴を履かずに向き合って跨ります。下になっている先生も、何もつけていません。
冷たい空気に晒されているそこが寒くて、教生さんは真っ赤な顔をして腿を摺り寄せました。
太い、節くれだってごつごつとした指が割れ目に入ってきました。一粒大豆を見つけると、ぐりぐりと押し込んできます。
「んっ。」
ぞわぞわとする熱っぽい何かがヤモリのように這い上がってきます。足が怖いからか、それともその熱の為か、がくがくと震えました。
「どうした、くの一を目指しているんだろう、一回くらいはやったことがあるはずだろう?」
木下先生が尋ねてきます。早くしないと、また三つの制限をされてしまいそうなので、彼女はすばやく答えます。
「い、一回だけ。……本を読んで、自分で触った、だけ……。」
指の動きが止まります。つぶっていた目を開けると、木下先生が驚いた顔をして自分を見上げていました。
「おぼこか!この年で?!」
「だって……男の子の友達とか、作ったことなかったし……ふんっ……。」
ぐるりと円を描くようにくじられますが、その動きは先ほどよりもずっと優しいものでした。
「えらい度胸だな。なんだか気に入ったぞ。」
中指が蜜泉へと伸びて、零れたものを引っ張ってきます。次第に膨れ始めた豆にそれを塗すと、夜の闇に小さく光りました。
「ふあ……。」
ゆったりと訪れる刺激が心地よく、教生さんはこれが罰であることも忘れていました。
自分で触った時は、本当に指の腹が触れただけだったのですが、こんなことなら、自分でもっと触っておけばよかったと、木下先生の肩に手をつきながら後悔します。
「おおっと、手加減しとる場合ではなかったな。」
突然人差し指が離れ、蜜泉に強烈な異物感がし始めます。太い何かがぐりぐりと中を抉るのです。
今までの気持ちよさとは裏腹の、沁みるような痛みが広がり始めました。
「いた……っ……痛い……。」
どうなっているのか見てみますが、自分の身体が邪魔でなかなか見えません。
身体をだいぶ曲げて、やっと木下先生の太い中指が中に入っていることがわかりました。
「指くらいで痛いと言ってどうする。今度はこっちを入れるんだぞ。」
腰を突き上げて、立ち上がっているものを揺らします。途端に彼女の顔から血の気が引いていきました。
子供の腕、というのは言い過ぎかもしれませんがかなり太くて長いものがあったからです。
こんなので、今弄られている部分を突かれたら、串刺し状態になってしまうかもしれません。
「おいおい、わしのもので青くなってどうする。世の中にはこれ以上に太くて長い奴や、イボマラなんて奴もいるんだぞ。」
「そ、そんなこといったって……。」
遊び女だったら、「わぁ、太くておっきくてご立派〜。」と喜ぶでしょうが、ほとんど、いえ完全に生娘な彼女にとってそれは恐怖を具現化したものでしかありませんでした。
けれども、悲しいかな。彼女の身体は、そんなものを見ても、与えられる刺激に悦んでいました。
滴る蜜は木下先生の指を濡らし、腕まで垂れ流れていました。
581日本昔下話 桜の木下大満開8:2008/06/06(金) 01:19:04 ID:Kip/zIOu
「もういいだろう。だいぶ慣れたようだしな。」
指が抜けます。中の肉がなんだか名残惜しそうに動いたような気がしますが、きっと気のせいでしょう。
腰をつかまれ、いよいよその時が来ます。心の中で般若心経を唱えながら、目をつぶりました。
逃げられないように手に力を込めると、ゆっくりと繋がるように柔らかい腰を下ろしてゆきます。
「あ。」
ぬるぬるとした入り口に、亀頭の先が当たった、と思った途端に一気に何かが入ってきました。
「あああうううううっっ!!!!」
指とは比べ物にならないそれは、炎のような痛みを彼女にもたらすのに十分な代物でした。
背筋から頭にかけて大きいかさぶたを剥いだよりも強い衝撃が教生さんを襲います。
押しつぶされる、ということはあっても、内側から押し広げられるという事はありませんから、もう、とにかく痛いのです。
「痛いっ!やめて!痛いよぉ!!」
「おい、まだ根元までいっとらんぞ。」
木下先生の冷たい声が聞こえます。実際に、まだ竿の真ん中までしか銜えていないのです。
腰から手を離した先生は、ただ黙って彼女を見ています。教生さんが自発的に動かなければ、自重で落ちてくるのを待つしかないのです。
それはとても長い拷問でした。教生さんはよだれを啜りながら、木下先生に爪を食い込ませて落ちないようにしようとしますが、そんなことをしても痛いだけです。
「お、お願いです……手伝って……ください……。」
「おいおい、これは罰だぞ。お前が動かなければいけないんだ。」
腕を組んでじいっと、見物を始めます。教生さんは恨めしげに木下先生を見ますが、そんなことしても助けてくれませんでした。
「ほれほれ、さっさとしないと夜が明けちまうぞ。」
「……うぅっ……。」
観念したのか、次第に身体が沈み始めます。もちろん、自分でやっても痛いものは痛いのですが、それでも早く終わるならこちらの方が良いに決まっています。
息を詰め、途中で休みを入れること五分。やっと根元までくわえ込むことが出来ました。
「おお、よくやったな。」
まだ蜜のついた手で彼女の頭を撫でます。それは生徒にだってやったことのないものでした。
「それでは自分から動いてみろ。入れることが出来たんだ。出すことも、それを反復させることも出来るはずだろ。」
まだまだ、罰に終わりは見えません。
582日本昔下話 桜の木下大満開9:2008/06/06(金) 01:38:20 ID:Kip/zIOu
入れるのも一苦労でしたが、出すのもまた一苦労でした。入ってくるのは自分の体重で何とかなりますが、
出すのは自力以外に方法がないのです。しかし代わりに痛みは入ってくるよりも少なかったですが。
涙も枯れはて声も枯れ、ただただ罰が終わるのを待っていましたが、次第にこの入れて出すの単調な動作に痛み以外の感覚が加わってきました。
それは先ほど、肉豆を触られた時とおんなじ、いえそれ以上の心地よさでした。
教生さんの動作は次第に速さを増してゆきます。枯れていたはずの声も、小さな喘ぎとなって復活してきました。
「ん、っあ、はぁっ、あっ。」
ず、ずりゅ、と繋がっている部分から水音が聞こえます。滑りも良くなり、だいぶ動くのが楽になってきました。
そのうちに我慢が出来なくなったのか木下先生も腰を突き上げ始めます。入るときに深く入り込み、出る時は一緒に。一致した動作は更に大きな心地よさを生み出します。
「あん、ん、んっ、あっ、はあっ。」
教生さんの細い足が、木下先生の腰に絡みつきます。更に深く、もっとずっと奥まで繋がるように。それは無意識の行動でした。
ぐつんぐつんと、先っぽが一番奥に当たります。もう罰とか、そんなことを忘れてしまいました。
「あ、なんか、だめ。あっ……!!!」
意識に白い光が生まれたかと思うと、それはすっぽりと目の前を包み込んでしまいました。
後はあまり覚えていません。ただ、身体が震えたことと、ずうっと奥に何か熱いものが広がったことだけはわかりました。


空の向こうがぼんやりと明るくなっています。教生さんが気づいた時、身体はすっかり綺麗になって、木下先生の腕の中にすっぽりと納まっていました。
「おお、気づいたか。」
いつもの怖い顔をして木下先生が尋ねてきます。なんだか気恥ずかしくて、つい視線を逸らしてしまいました。
「やっぱりお前は、忍者にむいとらんな。」
教師にもな、と付け加えられ、彼女は俯いてしまいました。
もうわかりきったことです。こんな感傷的になってしまうのですから。
それでも目指してきた道を否定されて、涙が零れてくるのをとめることはできませんでした。
木下先生はまた頭を撫でると、小さい声で耳元で囁きました。
「もし、よかったら新しい職を紹介してやろうか。」
続きは、更に耳に近づいて、もっと小さい声で伝えます。途端に教生さんの顔が赤くなります。
しばらく時間を置いてから、彼女はこくん、と小さく頷きます。木下先生はそれを見てから、恥ずかしそうに自分の頭を掻き回しました。
583日本昔下話 桜の木下大満開おわり:2008/06/06(金) 01:50:09 ID:Kip/zIOu
二ヵ月後のある日、鉢屋三郎と久々知兵助、不和雷蔵と竹谷八右ヱ門の四人は木下先生の部屋の前に集まっていました。
障子にこっそり穴を開けて、木下先生が中に居ることを確かめてから、三郎は変装を始めます。
出来た顔は、教生さんにそっくりです。そして小さく発声練習をしてから、勢い良く戸を開けました。
「あなた!浮気したら承知しないんだからね!」
「うわ!しとらんぞ!!……って、鉢屋ー!!!!」
雷そっくりの怒声に、四人は蜘蛛の子みたいに逃げ回ります。
「やっぱりうわさは本当だったんだ。」
「嘘みたいだろ、教生さんを嫁さんにしていたんだぜ?」
なんていいながら外へ出ます。しつこく木下先生は、真っ赤な顔して追いかけてきますが、それを止めたのは馬借の清八さんでした。
「木下先生!急ぎの手紙ですんでサインをお願いします!」
その場駆け足でサインをし、手紙を受け取って開きます。
「なっ!!」
「なんですか?」
「見せてください!!」
驚いた隙をついて、兵助は手紙を奪います。四人で堂々と内容に目を通した後、横一列に並びました。
「先生……。」
「赤ちゃん、おめでとうございます!」
「でっかい声でいうんじゃなーい!!」
深々とお辞儀をした四人に怒鳴りつけると、先生はまた逃げ出した彼らを追いかけます。
でも、その顔はどこは柔らかでした。
きっと子供の宿ったお腹を優しく撫でている奥さんの姿を、頭に思い描いているからでしょう。

どっとはらい


終わり
584日本昔下話 桜の木下大満開あとがき:2008/06/06(金) 01:51:42 ID:Kip/zIOu
随分と時間をかけてすいません。
途中で、木下先生既婚者だったらどうしようとか、あの気の弱い奴が男だったらどうしようとか、
そんなことで迷いましたがふっきりました。
次回は厚着先生にチャレンジ一年生したいです。
585名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 02:25:26 ID:3HcL9UCP
gj!教生さんかわいいよ!なんたるにやにやおさな妻w
あなたの書く先生方はみんな、男臭くていいなあ。

既婚者なら、今回嫁もらったと脳内変換すればモーマンタイ。
586名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 11:02:31 ID:aM7NVDqg
GJ!!何だこの心和むエロはw
M男や女豹ばっか書いてる自分が恥ずかしいぜw
587名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:54:47 ID:QGfeGuQ5
かっこいいなぁ
やっぱり先生方はこうでなければ。

43巻読んでからかっこよくてちょっと不良っぽい潮江に妄想がとまらん
割りと遊んでるとみた。
588名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 00:02:40 ID:Lmw02mPc
>>587
かっこよくてちょっと不良っぽい潮江(´ω`*)モエー
589名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 01:46:00 ID:q4seP5ep
この板の容量ってどれくらいまでだっけ?500KB?
590名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 02:00:36 ID:KB1jlpxk
>>589
うん、たしかそう
591名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 16:29:48 ID:u05EzbzD
あと50弱か。1000は無理かな。
容量不足で書き込めなくなるってなんかすごいな。
592名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 19:53:34 ID:D3QFXJnW
マジか。投下させて頂こうかと思ってたんだが…
593名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 20:37:23 ID:+aH92j8p
>>592
気にせずに投下するといいよ
容量いっぱいになったら次スレ立てればいいんだから
594名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 02:52:40 ID:7fDaR/LF
SSのスレじゃよくある事だよ
なんでスレ数よりKB目安に
450KBを超えたら次スレヨロってスレもあるよ
595名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 05:39:58 ID:CK/WWk2w
アニメ公式の予告サムネ、そうこちゃん可愛すぎだろ
潮江このやろうwww
と思ったのは自分だけではないはず
596名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 10:22:41 ID:QLESNWHa
容量いっぱいになる前に僭越ながら次スレ用テンプレ作ってみた。
過不足ありましたら修正ヨロです。



【忍たま】忍たま乱太郎のエロ小説【落乱】 其の参

引き続き職忍の皆様の熱い作品投下を待ってるらん!

・投下だけでもありがたや、腹に入ればみな同じ。
・女体化ネタは禁止ではありませんが、タイトルでの注意書き&改行必須。
また、板内にはTSスレもありますので、そちらに投下した後誘導してもいいかもしれません。
(【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182867370/l50


前スレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1201880500/l50

まとめwiki
http://www7.atwiki.jp/nintama/
597名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 23:00:29 ID:td2zvVdR
テンプレに
>>37
が追加されたら素敵。
598名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 22:32:59 ID:0wrnmNve
>>597
追加しよう! そうしよう!!

>>584
凄い和んだーw 木下先生お幸せにww
五年に慕われてるんだねー
厚着てんてい期待wktk

599名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 22:41:48 ID:SsRtgLGM
>>37を付け足してみたよ
「バカタレィ」まであった方がいいかな?
(原作知らない人が見たらあんまりいい気しないかもと思って念のため消しました)


【忍たま】忍たま乱太郎のエロ小説【落乱】 其の参

引き続き職忍の皆様の熱い作品投下を待ってるらん!

・投下だけでもありがたや、腹に入ればみな同じ。
・名無しは味の濃淡を問わず、品の多少を選ばず、 ただひたすらいただきますだ!
・女体化ネタは禁止ではありませんが、タイトルでの注意書き&改行必須。
また、板内にはTSスレもありますので、そちらに投下した後誘導してもいいかもしれません。
(【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182867370/l50


前スレ  忍たま乱太郎のエロ小説 其の弐
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1201880500/l50

まとめwiki
http://www7.atwiki.jp/nintama/
600名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 23:22:00 ID:WsaI8flY
バカタレなくてもいいんじゃないかな。
乙です。
601名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 20:52:21 ID:Kc/B2D+w
>>592
まだ40KB以上あります!
ご遠慮なさらずに投下お願いします!
602ひみつの転校生の段 タカ丸編:2008/06/10(火) 22:05:52 ID:cXSM0coP
書いてたら長くなってしまいましたが投下させて頂きます。

一応注意書き
最初トモミちゃんが男装して四年に転校生として入学する話を書いていたら
過去にそんな話がアニメであったじゃねえかと思い出し、
結果オリキャラに変換して書き直させて頂きました。
まずはタカ丸編どうぞ。


日差しが穏やかな春の朝。
まだ少し肌寒いが、太陽の光はポカポカと照らすものを暖めた。
そんな朝、四年生の教室に新しい風が吹き込んだ。


「今日からよろしくお願いいたします。」
四年い組に1人の生徒が転校してきたのだ。
しかしこの転校生は、ただの転校生ではなかった。
実は風魔流忍術学校の生徒で、授業の一環でやって来たのだ。
その授業内容とは、「誰にも『正体』がバレることなく一月過ごし忍術学園の見取り図面を持ち帰れ」
頑張ってきます、と意気込んで来たものの…
「どうしてこんな結果に…。」
転校生は落ち込んでいた。武器が壊れた三木ヱ門や毒虫が潰された孫兵よりも落ち込んでいた。


潜入1日目。
挨拶も早々に同じくラスの滝夜叉丸にグダグダ言われかけた瞬間、
教室の扉が派手に空き、もっと派手な頭をした四年生とは思えない老けた生徒が入ってきた。
「うわー!噂通りだ!君転校生だよね?髪結わせてよ!」
滝夜叉丸からひったくるように転校生の手を引っ張って派手な頭のタカ丸は外へと走り出してしまった。

「僕はもと髪結いの四年は組の斉藤タカ丸。六年生の年だけど、四年生に転入したんだ。」
と、人気のない学園裏の林の中で勝手に転校生の髪をとかし始めた。
僕も途中入学したけど、みんな親切だからすぐなれるよ、とか他愛ない話をしながら髪をいじくる。
そんな他愛ない話は脳内で校門、校舎、学園裏までの地図を作っていた転校生の耳には右から左へ受け流される。
「本当綺麗な髪だねー。立花先輩以上のサラストが来たって聞いて、いてもたってもいられなくなっちゃって。」
そう照れながら長い髪に櫛を通していたタカ丸だったが、ふとその手が止まった。
「君、女の子でしょ。」
心臓が飛び跳ねそうになった。
ここで心臓が飛び跳ねようものなら、冷や汗をかこうものならどんな嘘もバレてしまうだろう。
くノ一だとバレる事無く一月過ごして忍術学園の図面を持ち帰るという3つの課題を果たさねば進級が危ういのだ。
603ひみつの転校生の段 タカ丸編2:2008/06/10(火) 22:06:31 ID:cXSM0coP
平常心を保ったまま、言葉を選びながら口を開いた。
「へ?何でですか?」
「んー、やっぱ分かっちゃうんだよね。ずっと髪結いしてたからさ、男女の髪質っての。」
「そんなに女っぽいですか?」
はは、と笑って見せたが、タカ丸手が髪を結う様に胸へと触れた。
さすさすと手を上下させるタカ丸に鉄拳の一つもお見舞いしたくなったが、今は任務中なのでグッと我慢する。
「何やってんですか…。気持ち悪い。」
13歳の僅かな胸のふくらみは、僅かとは言え男にしては不自然なのでサラシで潰していたのだ。
あまり表情も変えず、飄々と胸をまさぐっていたタカ丸の手が、今度は下にのびた。
「!」
流石に転校生の体が跳ねる。股ぐらに手を滑らされれば誰でも驚くだろう。
「タカ丸さん!いい加減に…」
言いかけた瞬間に、袴をすっぽり剥ぎ取られてしまった。
「んな…!?」
後ろにひっくり返ってしまった転校生の目には、青い空と、笑っているタカ丸が逆さまに見えた。
両足を掴まれ、左右に開かれた転校生はヒヤリとした不快な風を感じた。
「ほらやっぱりィ!」
あははと笑うタカ丸を転校生は真っ赤な顔をして睨んだ。
「屈辱だわ!バレただけではなく卑部を露わにされて…、任務も失敗よ!」
涙を浮かべて悔しがっていた転校生に、タカ丸は先ほどとはうって変わった、落ち着いた声を出した。
「…バレてないって事にしちゃえばいいんじゃない?」
「…どういう事よそれ…。」
涙を拭きながらタカ丸に問う。
「忍術学園に入ってからしてないんだよね。今まで定期的にやってたから辛くてさァ。」
「…それって。」
「やらせてくれたら忘れてあげる☆」
「ちょ!」
「ではいただきまーす!」
普通の食事のようなノリでタカ丸は転校生の股ぐらにむしゃぶりついた。
「こ…、こんなのって…。こんなのってアリィィィィィ!?」
転校生の声が林に谺したが、半端ない学園の広さに飲み込まれて誰にも届く事はなかった。


まだこれが序の口だったなど誰も知らない。
604名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 22:53:25 ID:Kc/B2D+w
GJ!
ありがとうございます。
初タカ丸ですね
続き楽しみにしています。
605名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 23:52:45 ID:s7GPXgLq
老けたとかいうな、いうな!w
乙です。この先いろんな人にいろんなことになるのか?
606名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:20:39 ID:vzsSF1I+
今日の話で、文次郎が出ると思っていた人は速やかに手を挙げなさい


ノ<あの後、文次郎に「しんべヱの手を握った。」とギンギンに攻められるといいよ(言葉と身体的な意味で)
607名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:23:44 ID:RDziWNRh
>>606
ノ<まんじゅうを食べてるそうこちゃんを見て顔がにやけたのは俺だけじゃないはず
608名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:25:04 ID:NkoFRkYp
ノしんべえに嫉妬
609名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:27:13 ID:jq91Ejcl
ノシ
走って逃げている最中に文次郎に遭遇かと
正座してギンギン待ってた自分涙目。
でもかわいかったからいいよ。
嫉妬するおしげちゃんも可愛かったよ。
610名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:33:30 ID:yevKiQRd
ノ俺がたくさんいる
あのあと文次郎に「体重が重くなっただろう」とからかわれるといいよ
抱っこされながら
611名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:42:44 ID:NkoFRkYp

普通に39巻ネタになると思って俺涙目
でも>>606とか>>610で満たされた。
612名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:50:01 ID:gnSGP7/9
おもいっきり期待してました!
613名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:56:51 ID:qF6LChJW
まさかのしんべ×ソウコに目覚めかけた
ごめんねおシゲちゃんごめんね
614名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 19:34:52 ID:GGnW2Tjg
ノ みんな期待しすぎだw
615名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 19:55:35 ID:PFuJ7GMf
ノ<レスの伸びっぷりに毒まんじゅう吹いたwww
なんという住人ホイホイ
616潮江とそうこちゃん2-1:2008/06/11(水) 21:06:45 ID:jq91Ejcl
あとでこういうことがあったんじゃないかと想像せずにいられないんだ。
今日のアニメネタで潮江とそうこちゃん。
>>606>>610
すまねえ、ネタを借りるぜ!


くのいち寮へむかう廊下を歩きながら、そうこはさすがに食べ過ぎたかなと
自分のお腹を撫でた。
かつてないほどぽんぽんに膨らんだそこには、食堂のおばちゃんの新作料理が
みっちり詰め込まれている。
気を抜くと胃袋を越えて、喉まで上がってきそうだ。
胃薬でも飲んでおかないと、消化しきれないかもしれない。
でもおいしかったなあ。あのまろやかな風味がなんとも。
さすがは食堂のおばちゃん。あたしもあんな料理が作れるようになりたいな。
満足感に包まれながら渡り廊下を通りかかったそうこの背後で、がさりと茂みが揺れる
音がした。

「……また体重増えとるぞ」

はっと振り返ったそうこの目が、点になる。
視線の先では潮江文次郎が、廊下脇の茂みから半身を覗かせていた。
腹ばいで地に伏せたその背中には、カモフラージュのつもりなのか八手の大葉が
背負われている。頭にも、鉢巻ではっぱがくくりつけられていた。
相変わらず隈だらけの目が、今日は特に据わっているようだ。
またなんか変なことやってるなあ、と首をひねったところで言われた言葉を思い出し、
そうこの顔にぱっと朱が上った。

「ちょっと文次郎先輩、勝手に人の体重量らないでって言ってんでしょ!」
庭に飛び降り、両手を振り回して怒るそうこに動ぜず、文次郎も茂みをかきわけ立ち上がった。
駆け寄ってきた小柄な体を、妙に底光る目でねめつけながら、顎をそらしてふんと鼻を鳴らす。
「うるさいわ。前からいっとるが、お前は食いすぎなんだ。なんださっきのあの食べ方。
ちったあ自重しろ」
「ちょ、見てたの!?別に食べ過ぎてなんかないわよ、普通だもん」
「飯屋でどんぶり十杯おかわりするやつのどこが普通だ!太った忍者なんぞ忍者失格だ、
忍び込みできんようになったらどうする」
自覚が足りんわ、と吐き捨てる文次郎に、覚えがあるだけに言葉につまる。
なんか今日はやけに絡むな、と思いながら、それでも負けじと顎をそらすと、そうこは
太ってないわよ!と言い返した。
「だからあたしは食べても肉はつかないの!一時的に重くなってもすぐ戻るんだから!」
「うそつけ、太ってんじゃねえか」
「太ってない!」
「太った!」
「しつこいバカもん!だから太ってなんか」

ぐっと文次郎の体が沈みこんだ。隙を突かれて立ち尽くすそうこの、腰の下に腕を回し、
そのまま片腕でぐいと抱え上げる。
突然のことに反応できないそうこの胸を、遠慮のない手がぐわしとつかんだ。
「それみろ!腰とかこことかばんばん肉ついてきてんじゃねえか!」
「それはあんたのせいでしょがー!」
617潮江とそうこちゃん2-2:2008/06/11(水) 21:11:03 ID:jq91Ejcl
ねじりこむような打撃が、文次郎の頬に食いこんだ。
親指を握りこみ、体重を乗せて繰り出された一撃に、さすがの会計委員長が吹っ飛ぶ。
腕から逃れて身軽く地に降り立ち、構えを解かず振り返ったそうこに、文次郎も跳ね起きざま
拳を固めた。
爽やかな午後の空気に、一触即発の闘気が混じって燃え上がる。
真っ赤になって睨むそうこに対し、文次郎はどちらかといえば無表情だ。だがその目の奥には、
なぜかちらちらと怒りの炎がひらめいている。
意味わかんない、怒ってんのはこっちのほうよ、と気合を入れなおすそうこに、文次郎の目が
さらに据わった。
「それだけじゃねえ、だいたい逃げるのになんでわざわざ手なんぞつなぐんだ。たかが四、五人の
追っ手くらい、一人で振り切れんで忍者が務まるか。修行しなおせ!」
「は?誰が誰と手、つないだって?」
いきなりの発言に、怒りも忘れてそうこは瞬きした。
きょとんと見返すその顔に、文次郎の額に青筋が走る。
「お前がじゃ!」
「なにいって……あ、もしかしてしんべヱ君のこと?」
そういえば、友人達の得体の知れない料理から逃げるとき、手を引っ張られたような気がする。
でもあくまで引っ張られただけだ。ついでに言うと、後半は足の遅いしんべヱを自分のほうが
引っ張っていた。
ただそれだけで、別に怒られるようなことはなにも。

はたとして、思わず目の前の顔をまじまじ見返す。
ギンギンと瞳を怒らせ、背後の空気さえ揺らめかせる鬼の形相に、きゅうっと胸が熱くなった。

「……あのー、もしかして、しんべヱ君と手、つないだから怒ってんの?」
「お前に忍者の自覚がないことに怒っとるんだ!」
構えを解いてうつむき、もじもじ上目遣いに見上げたそうこに、間髪入れず雷が落ちた。
あわてて再度うつむき、うぬう、と眉を寄せる。
わかっちゃいるけどなんというツン。
しかもデレがないからタチが悪い。
おしげちゃんやしんべヱ君の可愛い嫉妬に比べて、なんという違いだろう。
いや、あんな可愛くされたら正直怖いが。
でも何よりタチが悪いのは、こんなんでも嬉しいと思ってしまう自分なのかもしれない。
どうせ文次郎より誰より、一番変なのは自分なのだ。

あえてむっとさせた顔を上げ、そうこはすたすたと文次郎へ歩み寄った。
腰を落として油断なく構える文次郎の、握られた拳をえいとばかり両手でつかむ。
ぎょっと目を見張ったその顔を、そうこは真っ赤になって睨んだ。
「自分だって握りたければ握りゃいいじゃん」
「な」
「あたしだって、嬉しいんだから」
あんたわかりにくいのよ、と呟いて、さすがに耐え切れずうつむく。
揺れる結い髪をすかして見える、真っ赤な首筋や耳を、呆然と見開かれた三白眼が凝視する。
手を取られたまま立ち尽くす文次郎の体が一瞬、頭から足の先まで真っ赤になった。
618ごめん三つになった:2008/06/11(水) 21:13:06 ID:jq91Ejcl
痛いほどの力で手を握られて、そうこははっと顔を上げた。同時に強く腕が引かれる。
足先が浮き上がり、ふわりと体が一回転した。
続いてどすっと腹に加わった衝撃に、魚が出そうになって慌てて口を押える。
何事かと辺りを見回すより早く、すごい勢いで周囲の景色が流れ出した。
「えええ、なにー!?」
「太らんうちに食った分だけ消費しろ!つきあってやるから今から裏山で運動だ!」
「ええ!」
小柄な体を肩に担ぎ上げ、庭を突っ走る文次郎に、そうこの顔がさらに赤くなった。
じたばたもがきながら拳を握り、張り詰めた背中をぽかすか叩く。
「やだ!あの、今すっごいお腹出てるからその、ちょっと脱ぐのは恥ずかしいっていうか!」
「バカタレ何を勘違いしとるか!鍛錬だー!」
午後の青空に罵声が響き渡る。
それは長く尾を引き、裏山まで続いていった。

二人が戻ったのは、夜もとっぷり更けてからだった。
そろってすきっ腹をぐうぐう鳴らし、文次郎に至っては若干頬がこけるほど消耗していたが、
外出届の未提出を小松田に絞られたため、食事にありつけたのはその一刻後だったという。




自重できなくてごめんなさい。にっきの人でした。
619名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:28:28 ID:EmltLqnK
完全に出遅れたが潮江出ると思ったんだぜノシ
にっきの人素晴らしすぎる!結婚してくれ!
620名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:31:48 ID:b6q44nDz
うぁー!! にっきの人だったー!!!
実ぁ自分もそんなことがあったろうと想像したクチですw

なにげに鍛錬という名のデートにもちこむ文次郎ww
で、やっぱりそうこちゃんはそのあと大量に食って文次郎を驚かせると。
621名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:33:52 ID:RDziWNRh
にっきのひとすげえええええええ
自重しなくていい、もっとやってください!!!

GJ!!!!!
622610:2008/06/11(水) 21:42:47 ID:yevKiQRd
うはあ!何気に書き込んだ一言がこんなスバラシイ文章になってるなんて!!
にっきの人ありがとうありがとう愛してる!
文次郎そうこも愛してる!自重する必要なんてないんだぜ!!
623名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:57:02 ID:TuApA9I8
にっきの人GJ―!!!
アニメでは見ることのできなかった絡みが見れて幸せだw
潮江とそうこちゃんシリーズ化してください

今更だが ノ
624名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 22:47:00 ID:noLXnjQR
日記の人すごい速筆だな
ごちそうさまです!!
625名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 23:50:55 ID:0l4HZBZC
なんといういい仕事!
ありがとう日記の人!
もっと二人の話が読みたいなぁ
626日本昔下話 赤ちゃんのタマゴ1:2008/06/12(木) 00:08:09 ID:r0Li3ixj
さすがにっきの人!俺たちに(ry

容量ありそうなんで自分も投下。にっきの人の設定をお借りしてお送りします。


夏休みだというのに、生物委員は全員学園にいました。
生物委員の孫兵が飼っている毒生物が、このたび万単位を突破したことにより、虫小屋の増設をしなければならなくなったからです。
委員全員が、炎天下の中、ひいひい言いながら木を切ったり、屋根をつけたりしていました。
ちょっとでもさぼろうとすると、木下先生の怒号が飛んでくるから、皆必死です。
でも、今日はなんだか先生の様子がおかしいのです。朝からそわそわと落ち着きがなく、時々ちろちらと門のある方角を見ます。
三冶郎がおかしいな、と先生を見ていた時でした。空が急に曇ったのです。
今日は雲ひとつない晴れなのに、おかしいな、と首を傾げた途端に土煙と大きな音がしました。
「こんにちは!木下先生いらっしゃいますか!」
馬借の清八さんです!清八さんは異界妖号から降りると、背中にくくりつけていた筒を先生に渡します。
「清八さん、異界妖号で壁を越えたってことは、急ぎの荷物なんですか?」
虎若が尋ねると、清八さんは首を縦に振ってくれました。手早く荷物を渡すと、清八さんはまた異界妖号に乗って壁を越えていきました。
「清八さーん!入門表にサイン。」
「小松田さん、もう清八さん、行っちゃいましたよ。」
一平が壁を指差すと、息を切らして走ってきた小松田さんは目を鋭くして、清八さんの後を追って走ってゆきました。
果たして、馬に乗った清八さんに追いつくでしょうか。
「木下先生、急ぎの荷物ってなんですか?」
「こら、孫次郎ダメだぞ。出張中の先生からの手紙かもしれないじゃないか。」
八左ヱ門先輩がそう注意しますが、足がじりじりと先生に近づいています。どうやら先輩も、手紙の中身が気になっているようです。
「そうか。」
先生が静かに頷きました。ちょっとだけ、頬が釣り上がっています。
「先生、見せてください!」
三冶郎が言うと、先生は手紙を見せてくれました。皆がそれを見ようと、三冶郎の傍によりました。
「ええと、いまひうままえはちときにおんなじたんうまれるする。」
三冶郎が音読した途端、皆がこけました。三冶郎は漢字が苦手なのです。
「三冶郎、違うよ。今日午前八時に女児誕生する、だよ。」
「へー、今日の朝。」
「女の赤ちゃんが生まれた。」
みんなの動きが止まります。トンビが遠い空でぴいひょろ鳴いて、輪を描きます。頭上近くの日差しはとても強く、辺りを焼き尽くすようです。
「えええええええええええええええー???!!!!!!!」
我に返り、大声を上げます。梢が振動でぎしぎしと揺れ、小鳥がばさばさと飛び立ちます。
日陰で寝ていたヘムヘムまで、飛び起きてやってきたくらいの大声です。
「赤ちゃんって、嬰児で、ややで、産子で、乳児で、新生児の?!」
「そんな手紙が木下先生に来たってことは、木下先生の赤ちゃんってこと?!」
驚天動地、吃驚仰天。下級生たちはわあわあと声を上げます。
「みんな落ち着け!木下先生だって人間だ!結婚もするし、赤ちゃんを産むような女の人と一緒になる!」
「竹谷、お前殴られたいのか。」
「いや、そういうわけではって、孫兵!ムカデ小屋からムカデ共が脱走してるぞ!!」
八左ヱ門の叫びを聞き、皆が後ろを振り向くと放置していた小屋から、もごもごとと黒いじゅうたんが飛び出ているではありませんか!
「違います、先輩、これは散歩です!」
「三歩も四歩もどうでもいいー!!!急いでムカデの回収を大至急ー!!!」
627日本昔下話 赤ちゃんのタマゴ2:2008/06/12(木) 00:27:55 ID:r0Li3ixj
「しほーろっぽーはっぽーしゅーりけん、しほーろっぽーはっぽーやーぶれー。」
風が歌を載せてゆく代わりに笹の匂いを下ろして行きます。川のせせらぎが、歌に伴奏をつけます。
ムカデを全部捕まえた後も、赤ちゃんひーばーは収まりませんでした。三冶郎や虎若はもちろん、孫次郎も一平も、孫兵まで赤ちゃんが見たいというものですから、
小屋の増設をいったん取りやめて、木下先生の家に行くことになりました。
門を出る時、鍛錬のために残っていた鉢屋三郎と不和雷蔵、久々知兵助と出会い、三人も赤ちゃん見学ツアーに同行することになりました。
「あそこがわしの家だ。」
木下先生が、林の開けた場所にある家を指差します。皆はそれを合図にきゃあきゃあと歓声を上げながら走りました。
「こんにちは!おじゃまします!」
縁の方から挨拶すると、女の人の声が聞こえました。
「ああ!教生さんだ!」
「先生の奥さんて、教育実習生さんだったんですか?!」
と、質問しようとする三冶郎たちを、八左ヱ門と雷蔵、兵助が止めました。
「質問は後だよ。先に先生に、赤ちゃんを見てもらおうね。」
良い子たちは元気良く返事をしました。
「赤ちゃんて、どんなかなぁ。」
「かわいいかなぁ。」
孫次郎と一平はニコニコ笑って予想をしていると。
「こんな感じじゃない?」
と、三郎が木下先生と教生さんの顔を足して二で割ったような変装をします。
それがなんとも言えずに不気味、おっと失礼、こわおもしろくて、二人は抱き合って震えました。
「三郎、おまえなぁ。」
「俺は遺伝子学に忠実にメンデルをだな。」
なんて言っていると、木下先生の声が聞こえました。
「おおい、もういいぞ。」
「わあい、赤ちゃん!」
なんて、皆駆け出します。心の中には期待とちょっぴりの恐怖が入り混じったものを抱えて。
628日本昔下話 赤ちゃんのタマゴ3:2008/06/12(木) 00:42:00 ID:r0Li3ixj
教生さんは布団の上に座っていました。その腕の中には、赤ちゃんがいます。皆は行儀良く木下先生の隣に座りました。
「はい、赤ちゃん。」
皆は赤ちゃんの顔を覗き込みます。しばらくの沈黙の後、兵助がぽつりと呟きました。
「先生、赤ちゃん、奥さんに似て、よかったですね。」
「なんだそのいい方は。」
なんていいますけど、先生の顔は珍しくニコニコ笑っています。それがなんだか不気味でむず痒くて、三郎はぽりぽりと背中を掻きました。
皆が赤ちゃんに夢中の中で、三冶郎は一人だけ、辺りを見回していました。
「どうしたんだ三冶郎。」
木下先生が尋ねると、三冶郎はまっすぐ先生を見つめました。
「先生、赤ちゃんの卵の殻はどこにありますか?」
空気が凍りました。あの乱太郎の一言から始まった騒動からずっと、三冶郎は赤ちゃんの卵について疑問に思っていたのです。
「赤ちゃんは卵に包まれていたんでしょう?卵の殻はどこにあるんですか?」
僕の分はないって言われたので、見てみたいです、と三冶郎は続けます。
なんともいえない、気まずい空気が辺りを漂います。
そんな中、三郎だけは顔をにこにこと輝かせて三冶郎の肩を叩きました。
「ははは!こんな時こそ鉢屋三郎におまかせあれ!いいかい、三冶郎君、赤ちゃんは。」
「眠れぬ絶望の夜を過ごせー!!!」
説明を始めようとした三郎の後頭部を、兵助と雷蔵の高速パンチが襲い掛かります。
そのパンチは星の白金並みの早さでしたが、三郎はするりとよけました。
「残念だったな!鉢屋三郎は仏の上にあるのさ!」
「うるさい!チョモランマをお前の白い墓標にしてやる!」
どこかの山岳部隊の隊長みたいなことを言いながら、五年生は部屋から出てゆきました。
部屋の中だと、赤ちゃんの危険が危ないですからね。
「先生、どうなんですか?赤ちゃんの卵はどこにあるんですか?」
三冶郎は目をきらきらさせて木下先生に迫ります。他の皆は止めようとしましたが、純粋きらきらオーラに阻まれて出来ません。
「三冶郎君。」
そんな硬直状態の中、教生さんは声を上げました。
629日本昔下話 赤ちゃんのタマゴおわり:2008/06/12(木) 00:55:21 ID:r0Li3ixj
「三冶郎君、赤ちゃんの卵はねぇ、ここにはないの。庭の木の根元にね、埋めてしまったの。」
「ええ?!どうしてですか?」
三冶郎は教生さんに詰め寄ります。せっかくの赤ちゃんの卵を、どうして埋めてしまったのでしょうか。
「それはね、人間の赤ちゃんの卵は、鳥と違って、とっても柔らかいの。すぐに腐ってしまうの。
だからね、腐る前に、仏様に返す為に、庭の木の根元に埋めるのよ。」
教生さんは三冶郎の頭を撫でながら言いました。その手は、学園にいたときと同じように、優しくて、暖かでした。
「そうなんですか。わかりました!僕の赤ちゃんが生まれた時に見ようと思います!」
三冶郎はにっこり笑って返事をしました。その途端に、部屋の空気が溶けていったのに、彼は気づきませんでした。
夕方になっても、五年生は帰ってきませんでした。本当はよくないことですが、今日は木下先生の家に泊まることになりました。
皆が寝た後、先生はこっそり教生さんのところへきました。
「上手くごまかしたな。」
「あら、嘘は言ってないわよ。えな(胎盤)は卵みたいなものだもの。」
教生さんはにっこりと笑って、木下先生の手をとりました。
遠くから、虫の音に混じって、乱闘の声が聞こえます。
「これもっ!これもっ!これもっ!グロリアのぶんだー!!」
「グロリアって誰だー!!!」
雷蔵のつっこむ声が、いつまでも、いつまでも夜の闇に木霊していましたとさ。

とっぴんぱらりのぷう

終わり
630日本昔下話 赤ちゃんのタマゴあとがき:2008/06/12(木) 00:57:52 ID:r0Li3ixj
にっきの人の設定をお借りしてお送りしました!
拙い文章が更に拙くなってしまい、申し訳ありません、
日記の人の三郎の動かし方、本当にうまいなぁ、そこにしびれる憧れるぅ!!
631名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 01:12:39 ID:U9UC4jtN
にっきの人会いたかったよ・・・!
文次郎とそうこちゃんの鍛錬の様子が気になるw
自重しないでもっとやってくれ!!

あと昔話語りの人もGJ!
三郎のKYっぷりに吹いたwwww
木下先生と教生さんのほのぼのに癒されたよ。
厚着先生いつまでも待ってます。
632名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 04:53:53 ID:eBIRXWKh
布団に携帯持ち込んで待ちかねてたら、いつのまにか寝てしまった。
さんちゃんかわいいなあ!五年のアホさに吹いた。
ありがとう、GJでした!
633名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 07:11:43 ID:qa+dmATb
ふるえるぞGJ!
燃え尽きるほどGJ!

>>626 ちょwww星の白金www
さらりと紛れ込むパロディネタが素敵過ぎます。
教生さんはすっかりお母さんですね。
三治郎との会話にほっこりさせて頂きました。
厚着先生楽しみにしてます!

にっきの人の潮江×そうこもにやにやさせて頂きました!
直接書いてない分、妄想が止まらなくなります。
潮江、なんというツンヒート。
634四郎兵衛外伝 その1:2008/06/12(木) 13:08:51 ID:1O5/nbax
にっきの人HAEEEEEEEEEE!!!!
昨日のそうこちゃんの可愛さは異常だと思うんだ。
しろしお本編途中ですが、お口直しに。


くの一教室の長屋は今日も今日とて姦しい。
女三人寄れば何とやら。
本日、そうこと一年は組のしんべヱが大食い大会を始めたらしい。
例によって、くの一三人組とは組み三人組は食堂に集まり、前代未聞の対決を繰り広げていた。
以前、何処かの6年生が大食い対決を始め、互いに倒れたのはまた別の話である。

これは誰しも、まさかしんべヱより食べる人間など居る訳がないと思っただろう。
ところが、である。山盛りに積もった皿の数、しんべヱは兎も角そうこの華奢な身体にどれだけ入るのだろうか。

「・・・・・・・・・・・・・って事があったのよ。」
「へぇ〜・・・・。凄いね、そうこちゃん。」


場所は変わり、木陰に居るのはくの一教室のしおりと、二年は組の時友四郎兵衛。
そうこの武勇伝を、あれやこれやと投げ掛けては、感心したり呆れたりと忙しい。
四郎兵衛はそんなくるくる変わるしおりの表情を、ぽけっとしながらも楽しそうに見ている。

「あんなに食べて、全然太らないのよ。羨ましい・・・・。」
「ふえ〜・・・。凄いねぇ、その分だけ動いてるんじゃない?」
「でも運動量はあたし達と変わらないのよ?・・・そういえば四郎兵衛も太らないわよね。」
「うえ?」
「こんなにほっぺたぷにぷにの癖に。」
「ひおりひゃんいひゃいー。」

話している最中、何故か四郎兵衛の体格の事へと発展して行った。
四郎兵衛は全体的に柔らかそうだが、決して太ってる訳ではない。
適度に肉は付いてはいるが、程よく引き締まってはいる。
女の子としては羨ましい限りだ。
何故か腹が立ったので、頬を引っ張ってやった。抵抗は無くされるがままだ。




635四郎兵衛外伝 その2:2008/06/12(木) 13:42:09 ID:1O5/nbax
「ひおりひゃんはなひへー。」
「・・・・四郎兵衛は、あたしが大食いで、それで太ったらどう思う?」
「うえ?」

漸く手を離され、引っ張られた頬を摩ると、しおりがぽつりと聞いてきた。
目を伏せ、心なしか切なそうな顔をしている。
きょとん、と丸い目が数回瞬き、暫く沈黙が続く。

初夏の涼しい風が吹きぬけ、しおりの黒髪が揺れる。
暫く考え、やがて四郎兵衛はゆっくりと口を開いた。

「しおりちゃんはしおりちゃんだよ。ぼくはどんなしおりちゃんだって好きだよ。」

普段ぽけっとした顔が、にっこりと笑みを作る。
その言葉は曇りなど一つも無く、はっきりと述べられた。
真っ直ぐに向けられた言葉に、思わずしおりは頬が熱くなるのを感じた。
それを悟られないように、思い切り顔を合わせぬ様に、反対方向へと向いた。

「・・・・っ馬鹿!」
「好きだよ、しおりちゃん。」
「な、何回もいわないでよ!」
「しおりちゃんは、ぼくの事、好き?」

思わず振り返ると、四郎兵衛との顔の距離が物凄く近い。
無意識に身体を乗り出し、二人のどちらかが少しでも動いたら、そのまま口付けでも出来そうだ。
四郎兵衛はしおりを困らせて言った訳ではない。
ただ酷く純粋で天然なだけなのだ。


636四郎兵衛外伝 その3:2008/06/12(木) 13:44:38 ID:1O5/nbax
「き、嫌いならあんたと一緒に居たりしないわよ!」
「しおりちゃん、顔真っ赤。」
「う、うるさい!馬鹿四郎兵衛!!」
「いひゃいいひゃい。」

本日、快晴。
日の光はじりじりと暑く、忍術学園を照らしている。
何処かで誰かが走る音が聞こえる。
風は何処までも心地よく、不思議としおりにも笑みが零れた。

「ねえ、四郎兵衛。」
「うえ?」

隣で自分を呼ぶ声に振り向くと、口にそっと柔らかい感触が触れた。
ぼんやりと瞬きを繰り返すと、やがて理解が出来たのか、今度は四郎兵衛が顔から湯気を出さんばかりに
ぼっと赤くなる。

「今度、またお茶屋さんに行こうね。」
「う、うん!」

自分でした事とはいえ、何だか気恥ずかしくなってしまい、互いに顔を背ける。
両者11歳、事を済ませたとは思えない程、初心な恋模様であった。




おまけ

「・・・・見ているこっちが恥ずかしいんだが。」
「はっはっは!二人とも可愛いじゃないか!!」
「いやいや全く初々しい。心が清められる。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「何か背中がむず痒い・・・・・。」
「二人とも可愛いねー。」

二人の様子を、お節介(という名の出場亀)6年生が見守っていましたとさ。


書いてて自分が恥ずかしいwwwwww
ちなみに上から、食満・小平太・仙蔵・長次・文治郎・伊作です。

次回からまた本編へ戻りますノシ
637ひみつの転校生の段 滝夜叉丸編:2008/06/12(木) 22:16:51 ID:RPqiWTTn
なんという投下ラッシュ!幸せすぎて恐いわwww

日記の人早すぎワロタw同時に感動した!ツン次郎に惚れたw
昔話の人相変わらずほのぼのしてて和むw厚着先生楽しみにしてる!
しろべの人アホカワという新ジャンルをありがとう!ちょっとしろべ見かえしてくる。

タカ丸は老けてる≒大人びてるだと思うんだ…。
というわけで滝夜叉丸編投下させて頂きます。


「そりゃくノ一の技っちゃあ技だけど…、違反した気分だわ…。」
ブツブツと腰をさすりながら転校生は中庭を歩いていた。
結局タカ丸にいいようにされてしまい、ガックリと肩を落としていた。
髪結いという職業はそんなにも遊ぶものなのか、というくらい色々されてしまったのだ。
別に初めて交わったわけではない。風魔の授業で錫高野与四郎先輩と何度かした。
ただ、錫高野先輩は何というか…、本人には決して言えはしないがいつもワンパターンなのだ。
いつもいつも同じ流れで飽き飽きしていたが先輩の手前、感じる演技ばかりが上達していた。
タカ丸との交わいは、前へ後ろへかと思いきや回転してみたりとほとんど組体操。
おまけに最後は顔にたっぷり頂いてしまった為、さっきから生臭くてかなわない。
「早く顔洗わなきゃ…。でも井戸どこだっけ…。」

ウロウロしていると、目線の先に井戸があるのが見えた。
やった!と走って井戸に向かうと、井戸の反対側から上半身裸の生徒が立ち上がった。
「おや。君は転校生の。私は学園ナンバーワンの優秀生徒、平滝夜叉丸だ☆」
何かウダウダ言い始めた。転校生はうんうん、と適当に相づちを打って水をくみ上げた。
「…で今私が何をしていたか知りたいか?知りたいだろう!今私のこの肉体美が…」
もう相づちを打たなくてもいい領域に達したらしい滝夜叉丸を無視し、顔を洗おうと桶に手を伸ばした。
「それ故戦輪がこんなにも飛ぶのだー!」
と滝夜叉丸が手を広げた瞬間、その手が桶に当たり、水の入った桶が転校生にふりかかった。
頭から桶と水を被る機会などそうそうない。驚きすぎてギャーとかの悲鳴さえ上がらない。
「んお?どうしたんだ、そんなにずぶ濡れになって。保健委員くらい不運だな。」
お前のせいだろ、と言いたかったが、さっきの話具合からして、文句から自慢へと変わるだろうからやめておいた。
「…着替えてくる。」
力なくずぶ濡れたままで長屋へと帰っていこうとする転校生の襟元を滝夜叉丸が掴んだ。
「待て待て!風邪をひくぞ!先に脱いで手拭いで拭いていけ!」
何だかんだでウザイけど優しい一面を見せた滝夜叉丸だが、確実に優しさは空回りする事となる。

襟元を掴んだはいいが、力強く引っ張ってしまったらしく、腰紐と共に転校生の体から剥がれてしまった。
当然、袴もその場に落ちた。
信じられないベタベタな展開に転校生の頭は既についていけない。
「あー失敬。全部取れてしまったな。」
と笑う滝夜叉丸。後ろ姿なので気づかなかったのだろう。不幸中の幸いとはこの事か。
「まあついでだ。この私が直々に体を拭いてやろう。これは名誉だぞ。」
そう言ってサラシに手をかけた所で転校生の遠くに行っていた意識が光の速さで帰ってきた。
「いや!大丈夫!だから!」
何とか振り切ろうとしたものの、足下が濡れていた為、滑り転けてしまった。
ズデンとかビチャンとか言いようのない音が鳴り響く。
638ひみつの転校生の段 滝夜叉丸編2:2008/06/12(木) 22:17:19 ID:RPqiWTTn
「痛ー…。」
「私まで転けてしまったではないか!」
と転校生の上に被さるように転けた滝夜叉丸の手には、サラシが絡みついていた。
そしてもう片手は、転校生の乳房を包む込むように乗せられていた。
「ん?」
と滝夜叉丸は柔らかい肉に気づいてふにふにと揉みながら、段々と顔を赤くしていった。
逆に転校生の顔は青くなっていった。なんというベタな展開なのかしら、と。
このシーンが有名になるのは600年後だというのに、とブツブツ言っていた傍ら、滝夜叉丸が叫んだ。
「うああああああ!あ…、やっぱりああああああ!!」
胸で驚き、まさかと股間を確かめたら何もなかった事に気づき、改めて叫んだようだった。
「ちょ、うるさい!叫ぶ暇あったら着物!着物!!」
と滝夜叉丸を静止し、着物を持ってくるよう指示した。しかし。
「…痛ッ。」
滝夜叉丸がその場で股間を押さえてうずくまってしまった。おまけに鼻血まで垂れている。
本人も何が起きたのかわからないといった表情だ。
「…もしかして自慰とかした事ないの?」
「じ、爺?私は平家の…」
童貞どころか自慰さえした事のない純血君だったとは。転校生は涙目で再び肩を落とした。
「あーもう!知らない!男なんて…男なんてみんな単純なのよおお!」
そう叫ぶと転校生はうずくまる滝夜叉丸の股間を無理矢理露わにしてそそり立ったモノを口に含んだ。
「なななッ!何をする!!!」
爆発しそうなくらい真っ赤になった滝夜叉丸を睨んで転校生は叫んだ。
「楽にしてあげるから楽になったらさっさと着物取ってこおおおおい!!」
「はいいいいいッ!!」
転校生の勢いと快楽に脳が犯された滝夜叉丸は奇声のような返事をした。
もうどうにでもなれ、とキレた訳ではない。ちゃんと考えあっての行動だった。いやほんとに。
勃起を静めるのと、この格好で長屋に1人で戻るのとどっちが安全か。
くノ一で習った「性的な行為をすれば大抵は厳守できる」という授業内容を思い出しての事だった。
いざ実践してみるとかなりグダグダのハチャメチャ。本当に実践で使えるのだろうか。

そんな事を考えている間に口の中に苦みが広がる。ペッと精液を吐き出すと、
「女だって事バラしたらもっとひどい事するから!ほら着物取ってこい!」
「は、はいいいぃぃぃぃぃ!!!」
と恐喝紛いに叫んだ。余韻に浸る間もなく滝夜叉丸は長屋へと猛ダッシュしていった。
「合格…できるかなぁ…。」
そうつぶやき、大きく溜息をついて頭を抱え込んだ。

この日、滝夜叉丸は物理的に一皮剥けた。
639名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:42:54 ID:wFtzHNSL
すげー連日の投下にwktkが止まらないぜ
職忍さんたちありがとう!

ところで485KB越えたけど
そろそろ次スレ準備しておいたほうがいい?
テンプレはあのまま使っておkなの?
640名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 01:02:44 ID:YlM69ZTz
おk。
という一言によってさらに寿命の縮むスレ
早く用意してたもれー
641名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 01:20:59 ID:rf4oCpEv
まとめの中の方ー、なんだかにっきの人のもんじろそうこが読めないんだー
642名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 11:49:29 ID:Q+hvbIIy
【忍たま】忍たま乱太郎のエロ小説【落乱】 其の参
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213325269/

立てたらん!新スレもいけいけどんどーん!
643名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 23:57:00 ID:K92O2qaL
滝夜叉丸良かったねw
そして転校生、漢だねw
四郎ちゃん、天然とは恐ろしや
次スレ乙。
携帯から埋
644名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 02:32:02 ID:C6dRftSH
連埋ごめんなさい。
四郎ちゃん、
ソフトな言葉責め、天然でしていますw
645名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 23:58:02 ID:u73BeKEU
こっちに投下しても良いのかなぁ
むこうはしろべの人が連載中だし、豚切もどーよってことで・・・

ネタみたいなもんですが。
646名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:01:21 ID:u73BeKEU
容量的にむりぽ

なので新世界に移行しよう
647名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 01:38:24 ID:xLV5Vo7y
新スレでwktk待ってるよー。
しかしこのわずかな残量がもったいなく思える自分貧乏性。
こっそり叫んでみるか。
腰巻きもいいが、くのいちが袴の下に下帯つけてたりすると
萌えるんだぜー!
実際の用途云々はおいといて下着萌えー!
648名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 05:20:58 ID:bGgQ0GB+
 
649名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 05:22:21 ID:bGgQ0GB+
女性でも忍たまが穿いてるようなタイプの袴の下には下帯つけてるんじゃない?
直穿きしたらマムコがこすれてイタタタってなりそう
女性用の下帯って和装用品として実際売ってるよね
650645:2008/06/17(火) 21:37:59 ID:SFPdvLsl
>>647
ありがとうーノシ
でも自分もこの残量がもったいないクチ。
こっちでまたーりしながらタイミングを計りますですよ

女性用下帯・・・マジすか!? 萌える。むしろ燃える。
651名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 21:56:20 ID:SFPdvLsl
またーりとかいいつつ今投下してきた。
ハンパだったかなぁ・・・
652名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 23:06:51 ID:ARgUgfHq
下帯っていうか「ふんどし」がいいな。室町Tバック。
トイレが面倒だろうけど。
ところで青姦の時は、女性用の着物だと楽そうだが、
袴にふんどしだと脱がすの大変じゃなかろうかと思った。

小平太とかふんどし外すの面倒くさくて引きちぎりそうだ。
終わったら自分のを貸してくれる。
仙蔵はもちろん「予備がある」
誰か書いてくれ。
653名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 09:09:48 ID:l4VqIuec
12KBだと
改行無しで、行数MAXのSSは2スレ程度ならまだ書けるよ
654名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 09:44:11 ID:yiVSUGr7
昔の時代は生理の時以外はいてない妖精だったキガス
つけていても褌よりはオムツに近い形だったらしい
それはそれでいいなw
655名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 13:16:18 ID:FxQ4YZ8G
予備のふんどし常備してる仙蔵ヤバスww
そのうち捕まるぞ
656名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 14:50:33 ID:/HVa9y2i
>>653
SSは新スレに落としてほしいな
保管庫の中の人もチェックしてないだろうし

青姦における予備褌の考察
伊作→トイペで代用
懐紙はハンカチみたいなもんで、みんな携帯している
もんだったそうだが、伊作はいつでもいくらでも使って
オッケーなんだろうな
657名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 18:24:19 ID:AX8FA961
90切ったから5行SSならまだしも
10KBじゃSS投下はもう無理だよ
658名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 18:30:23 ID:YgLRkWKK
先生方で既婚確定は、山田、安藤だけだっけ?吉野先生も既婚で聞いた気がするんだ。
659名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 19:00:15 ID:lHErnXLs
吉野先生、確かそっくりの娘さんがいた。
660名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 19:07:15 ID:EwLGkuBi
ふんどしと下帯の違いをだれかおしえてくれ・・・

生理中は脱脂綿とか詰めるんじゃなかったっけ?
661名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 19:25:36 ID:keulkVat
整理中は忌み日とされて
女の人(高貴な)は部屋から出られなかったとか
聞いた事あるな
662名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 21:59:16 ID:0+ukeqxY
>>659
それは安藤先生だw

>>660
今でいうT字帯?みたいなのを着けてたって聞いたことがあるような気がするけど
ひょっとすると江戸とか明治以降の話かもしれない
663名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 21:26:29 ID:B50zG1lF
>>660
ウチの婆ちゃんがぼけたときに母に脱脂綿差し出して
気まずくなったのを思い出した。
664名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 02:57:51 ID:8cawGR9Y
>>660
昔は綿自体も貴重だったから
蒲の穂とか繊維質の多い植物で織った物を
生理用品に代用した話を聞くよ。身分の高い人やお金持ちなんかは
隔離小屋があって、そこで終るまで篭るとかしたそうだけど
665664:2008/06/24(火) 03:05:44 ID:8cawGR9Y
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E5%AE%A4%E7%94%BA%E3%80%80%E7%94%9F%E7%90%86%E7%94%A8%E5%93%81&lr=
一応、参考HPは花王と少し上のナプキン屋さんのを参考です。(どちらも同じ事が書いてあるので)
666名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 20:52:23 ID:DdI8sDRh
なんだか『真面目に考察・室町生理スレ』になっててワロタ
仕事中になったりしたら、くのいちは大変だったろうな。
遊女は絹とかの薄い布を押し込んで、短時間でも
出てこないようにして仕事に励んだと聞いたことがある。
ちなみに腰巻の色が赤なのは、まさしく生理で汚れても
目立たないように、との理由だったらしい。

これを生かしてエロパロをかけないかと思ったが
難しいな。
667名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 00:00:10 ID:yGvPU1M7
昔聞いた話だから確実ではないかもしれんが・・・パンツように履く物が無いからタンポンのようなもので防いでいたらしい
布や薄い紙を入れていたとか。
ガマの穂も使ったって聞いた様な気もするが、そんなもの入れたらかぶれそうだな
668名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 00:09:33 ID:3kh1hDl3
連投すまん、気になったので調べてみた

貴族は絹を、庶民は麻を用いてあて布としていました。
また植物の軟毛や穂の綿毛をタンポンやナプキンのように使用していました。
「典具帖」俗に「さくら紙」と呼ばれる和紙も登場します。「さくら紙」は1回の生理期間で50枚ほど使っていたようです。
ちなみに仏教の影響などで生理が「不浄なもの」とされてきたのはこの頃のようです。
「月経小屋」という生理中の女性が集められ隔離される風習もみられ、このような隔離の風習は、地域によっては明治時代まで続きます。月経血などの衛生上の問題が大きいのかもしれません。
・・・だそうです。あースッキリした
669名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 01:31:26 ID:OVGp8aaV
調べるも何も>>665の花王でも同じ事書いてあるじゃない
670名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:43:09 ID:sZF/lD1B
あー、こういうぐたぐたな流れ好きだな。

>>666
『真面目に考察・室町生理スレ』 ←ワロタ。

これでエロスとはなかなかコアなジャンル。
袴かなんかの血の染みにハァハァみたいな?
生理中なら妊娠もしないし安心てか。
問題は血まみれになることだな。あと感染症。

「先輩、汚れちゃう・・・っ」
「これはこれで処女みたいで無問題」
                       とか。
671名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:37:09 ID:eYcJCRhZ
「できなくてごめんなさい、かわりにお口でご奉仕」とか。
いつもより動きが鈍いのに気づいて、さりげなく気遣う男子に
くのたま胸きゅんとか。
低学年なら、気づいた(気づかれた)ことにお互い動揺して
ちょっとギクシャクとか。
ラブラブにはなるかも試練が、エロエロにするのは難しそうだ。

いや別に生理縛りにしなくてもいいんだよねわかってんだけどね。
672名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 03:14:26 ID:r8l/cSWz
>>670
現実もその思考でいると、どちらも後悔するぜ。とりあえず貯金しておけ
673670:2008/06/26(木) 23:01:09 ID:WJ3aA9Fk
てゆか、其の参の流れが速くてついてけねーだけ。
ちょっと冗長かな、と。
これも荒レルゲンか
674名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 00:00:27 ID:SVgLFEZQ
まあマターリいこうや。

おまいら好きなカップリングなに?
キリマルとトモミがすきなんだが、今の年だと
頭の中でエロまでいかないんだよね。
あっちじゃTSが話題になってるけど、年齢操作は
どうなんだろ。
675名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 08:03:05 ID:8eQt2UKT
大いに有り。
自分はエロスならおkな奴だから

個人的に庄左ヱ門とトモミ。学級委員カプで
あと前々から文次郎そうこ好きだったから其の弐は天国だったたた・・・
676名無しさん@ピンキー
自分もきり○とトモミ好きだ。
個人的には今の年齢のままでも充分エチー妄想できる。
でも年齢操作も萌える。むしろどんどん見たい。
そしてこのスレのおかげでもんじソウコにはまった。
原作やアニメ見るたびニヤニヤしてる。