スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part2

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1名無しさん@ピンキー
もしかしたらあり得たかもしれない物語。
ひょっとしたら辿り着けたかもしれない結末。
そうした幾つもの可能性が重なり合ってるのがSchool Daysです。
そこで、スクイズで可能だったと思われる展開を自由な発想でSSにしてみませんか。
もちろん、Over flow関連作全てが「あり得た可能性」に含まれるので他作もアリです。

◆前スレ
スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193987088/
2名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 23:53:29 ID:w7uGV4Ng
<言葉からのお願い>
次スレは980レス、480KB超えたら立ててくださいね。
あと荒らしは反応しないように。
あとこのスレはsage推奨ですのでメール欄にしっかりsageと入れてくださいね。
以上のことが守られない場合は鉈でお仕置きですよ。
3名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 23:56:17 ID:w7uGV4Ng
独断で>>2に注意書き入れといた。立てた人がなんか考えてたらすまん。
4名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 23:57:39 ID:EqEzSA9e
>>1-3
乙!

5名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 00:04:39 ID:WS8ShCD5
過疎スレだったのに最近盛り上がってるな

職人様ありがたや〜
6名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 00:14:57 ID:sw18pTLI
言葉様誕生祝いSSまだ〜?
7名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 01:59:01 ID:CwNV87qF
>>1-3
乙です。

ただ、鉈だとレナになっちゃうぜw鋸な
8名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 03:01:26 ID:Is7j+hoT
               ⌒゙)
           ,;;´⌒゛)⌒゙)
          从从         ;;⌒゙)
        (;;;;;;;;::::::);;⌒゙);;⌒゙);;⌒゙)
       (;;;;;(从;;从::;;⌒')⌒゙)
      (;;;(;;;;从⌒゙))::);:;;⌒゙)
     (;;;;;(;;;;;;;;人;;;;;⌒゙)从:;;⌒゙)⌒`)
    (;;;;;;;;从人;;;:::);;:;;;::);;:;;:)
        ヾ|i从. i l;|ソ
         |i lノノ"))リ
         ||!il|"ワノノ アハハハハハハ
         |i リ<)允iぅ              (‘ω‘* ) よく燃えるんです
         人从从入               (つ ⊂ )
         从.从v                 しーJ
9名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 03:10:59 ID:dsZSDlfj
ゴキブリ女!
10名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 03:19:58 ID:XyJ3fiaV
乙です
      ,. - '¨ ̄  ̄ ̄ `  、
     /            `ヽ、
   /   ,. -‐r ― - 、 _    \
  / > ¨   |   |  `ヽ<_  }
  レ  |  |   |   |   }  }ヽ._}
 /|  }   !  __!____!   {  |  \
 | |  {  >f ¨ / |!| 「¨i <}  }  !|
 レ  ,ゝ¨| / / /  r|‐十 ト|、」 `<}   ヽ
 {/   |,{斗/   !| ノ レ' |∧! ||\  \
 | !  ィ | リ   /  圻示ト、|  !| | `ー‐く  
 | !   レ r示ミ     {!:::_:リ}|  リ .|/ ̄::\
 | ヽ.  | |ハ{::::ハ     辷ソ |   |:::::ー::::::r\ 
 ヽ  \ ヽ V少     ::::: | |   |:::::::::::::::::::::::\
   \ヽ\>:::::  '  ,    | !   |:::::::::/ ̄:::::::::\
    {\`ーへ、   `´   ,.ィi| !   |:::/:::::::::::::::/:::::>、
.   /|  `ー |::::`≧r -  ィV/:レ   |/::::::::::><フ^'く::\\
  / .|    |::::ヽ::::::::::::::`ーく:/    |:::::::/\ノ´ ヽ. \|ヽ \
 ./  |    |__:::::::ハ::::::::::::::::/     !/  /    ヽ  ヽ. \ \
. !  .|    {/>く_{::::___:/     /Y⌒´       ヽ  ∨ ヽ \
 |  ! !  !|>‐<>--/     ./¨          |  ∨  ヽ \
 !  .| !   |   |\,/| !    /     /      }   V   ',  ヽ
 ヽ _| !   |   |   | |    ノ    /      /    ∨  |   !
   | !   /   .|   ! |\  {         //       }   |   !
   |ハ.  /_/  ヽ. 人|_入V|         /        !   |   |
   乂Wリ ____ _V_}__ /        /          .|   |   |
    |  /::::::::::::/::::::::::::::::::/        /           ∨  |  /
   / /:::::::::::::::/:::::::::::::::::::/   ―--   /ー―         \. |
   / /::::::::::::::::{:::::::::::::::::::::|   ̄ー-、   / ̄ヽ -  ̄ _     人|
  /  |:::::::::::::::::!::::::::::::::::/         /\            / ,/!
 ./  .∧:::::::::::::::V::::::::::/          /∨\ヽ _    ___ /|/ |
 |    ∨:::::::::::::ヽ:::::/         ,イ::::::∨ `ー-<二二 _,>く  | |
./     ∨:::::::::::::::∨         /::::ヽ::::::∨   _,// |  |  | |
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|       | `{         /:::::::::::::::::::\∨ | |   |  .|  |  |. |
11名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 13:42:38 ID:scg18iPN
                 _    ザクッ
               /´  `フ  __ ザクッ
         , '' ` ` /      ,! ;'',,_,,)   ザクッ  ザクッ
.        , '      レ   _,  rミ,;' ノ )))   
        ;          `ミ __,xノ゙、,r''  ,,_,,)   ザクッ
        i     ミ   ; ,、、、、 ヽ、//,,_,,)/_,,))
      ,.-‐!       ミ  i    `ヽ.._,,))  
     //´``、     ミ ヽ      ├┐  ・
.    | l    ` ーー -‐''ゝ、,,))  :・  │/,,_ .: .:` .:,
     ヽ.ー─'´)        .:` ..:, i ノノ"))リヽ ;'
      '''''''''        ..: .:. .:, |!il|"ワノl! キャハハハハハハハハ
                      リ<)允iぅ
                     ノノ (_l_i リ

                       , -- 、
                       i ノノ"))リ
                       |!il|"ワノl!
                       (∪ ∪    キャハ
                        )ノ
                       , -- 、
                       i ノノ"))リ
                       |!il| дノl!
                       リ<)允iぅ
                     ノノ (_l_i リ
12名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 13:43:34 ID:scg18iPN
               ⌒゙)
           ,;;´⌒゛)⌒゙)
          从从         ;;⌒゙)
        (;;;;;;;;::::::);;⌒゙);;⌒゙);;⌒゙)
       (;;;;;(从;;从::;;⌒')⌒゙)
      (;;;(;;;;从⌒゙))::);:;;⌒゙)
     (;;;;;(;;;;;;;;人;;;;;⌒゙)从:;;⌒゙)⌒`)
    (;;;;;;;;从人;;;:::);;:;;;::);;:;;:)               <
        ヾ|i从. i l;|ソ               ,''´ '`´ ゙ヾ
         |i lノノ"))リ              "リノソヾ、 ル
         ||!il|"ワノノ アハハハハハハ     i、ー゚;i)v゙
         |i リ<)允iぅ              /f~Y~jヽ 言葉 お前いらねぇーや!!
         人从从入               U!_ハ__lソ
         从.从v                 i_l__j
13言葉の誕生日:2008/01/04(金) 14:07:10 ID:P0smWFyi
言葉と心といたるの初詣の続編です。
言葉の誕生日。

桂家のリビングにて。

「心・いたるちゃん準備はいい?」
「いいよお母さん。」
「はーい。」
「あなたは?」
「大丈夫だ。」

車中にて。

「赤坂のフランス料理店かあ、始めてだなあ。
 それにこんなに綺麗な服を着るのも。」
「私のお古なんだけど似合ってるよ、いたるちゃん。」
「本当?でも心お姉ちゃんスタイルいいから私が着こなせるか心配なんだ。」
「大丈夫だよ、この間聞いたいたるちゃんのサイズに直したんだから。」
「本当?ありがとう!心お姉ちゃん(心に抱きついた)。」
「あなたたち本当に仲がいいわね。」

フランス料理店にて。

先に着いていた誠と言葉が談笑しながら待っていた。
各自プレゼントをそれぞれ言葉に渡したのだが
桂夫妻からのものはちょっと変わったものだった。
「私達からの贈り物はこれよ、開けてみなさい。」
開けてみると権利書や建物の見取り図等の書類だった。
「これって?」
「軽井沢の別荘地に居抜きで買い取ったお店があってね。
 そろそろ誠君や言葉にも経営そのものを勉強してもらいたいから
 貴方達二人でやりなさい。」
「でも俺に出来るかなあ?」
「出来るじゃなくてやるの!わかった?」
「はい・・・・」
「その通りだ、ちゃんと経営するんだぞ。」
「全力を尽くします。」
「お父さんお母さんそんなに誠君を責めなくても・・・」
「いいや!最初が肝心なんだ。」
「その通りよ。」
14言葉の誕生日:2008/01/04(金) 14:07:50 ID:P0smWFyi
「誠お兄ちゃんにお姉ちゃんも大変だねえ。」
「でもそうなったら週末にお姉さんに会えなくなるなあ・・」
「いたるちゃん・・・・」
「おい、お兄ちゃんはいいのか?」
「お兄ちゃんは・・まあね。」
「小さい頃あんなに可愛がってやったのに。(涙目)」
「冗談だよ、お兄ちゃんいないと寂しいよ。」
「そこは心配ないわ、週末に私か夫か心が監視に行くからその時に連れて行ってあげる。」
「え、本当ですか?やったあ!じゃあ週末お店手伝うね。」
「おいおい、軽く言うけど遊びじゃないんだぞ。」
「それは君が一番自覚しなきゃならん事だ。」
「その通りよ。」
「はい・・・・。」
「誠君・・・。」
「冬場は雪で商売にならないし訪れる人もいないから開店は今年のGW前にします。
 でもそれまでに下調べや準備を済ませるわよ。
 まず一週間後にどういうお店にしていきたいのか草案を私に提出しなさい。
 これは二人でやるのよ!いいわね!」
「はい。(誠と言葉が同時に)」
「よろしい、まあ堅いお話はここまでにして料理を楽しみましょ。」
結局誠も言葉も店の事が気になって食があまり進まなかった。

15言葉の誕生日:2008/01/04(金) 14:08:24 ID:P0smWFyi
誠と言葉にマンションに帰宅。
「はあ、大変な事になったなあ。」
「でも私は嬉しいです、両親がくれた最高の誕生日プレゼントです。」
「そうかい?」
「だってお店をやってる間は平日もずっと誠君といられるわけですから。」
「そうだね、そう考えると俺も嬉しい。」
「さて、明日は早いですよ。
 早速現地入りして下調べです。」
「おいおい、現地は雪なんだろ?」
「草案の提出までには一週間しかありません。
 そんな事は言ってられませんよ。
 そうだ、心は用事があるみたいですけどいたるちゃんは
 空いてるみたいですから一緒に連れて行きましょう。」
『血は争えないなあ、言葉も真奈美さんみたいになるのかなあ。』
「誠君、これからもずっと一緒に頑張りましょうね。」
言葉が誠の肩に手をかけて目を閉じてそっと顔を近づけてきた。
誠はそれに答えるようにキスをした。
そのまま言葉を横たえようとしたのだが・・
「あーっゴメン!!お邪魔だったかな?」
「いたるちゃん出ていくの早いよお。」
「心ちゃん!?いたる!?どうやって入った?」
「だってこの間お姉さんに合い鍵もらったもん。
 それにさっきお兄ちゃん達をびっくりさせてやろうって話になって。」
「まあいいじゃない、寒い中歩いてきたから冷えちゃった。
 お風呂入ろういたるちゃん。」
「うん、じゃあお姉さんも一緒に3人で入ろう。」
「仕方ないですね。」
『今日も俺は一人寝かあ。トホホ』
End
16名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 14:12:22 ID:WOWreKiC
誠に散々弄ばれた挙句に・・・
                                ,___________
                               ||\
                               '|  .\
. ,、────────────────────'}|    \: . .
/  ,__________:_:_::_::_________,|:      \::: : . .
  /|:::::::::::::::::::::::::: : :. .      :::::::::             |        \::::: : : . .
. /. |:::::::::::::::::::::::::::: : :. ________          |:          \___
/ . :|::::::::::::::::::::::::::::::::::::|≡≡≡≡≡≡≡|.          |           | : . .
. .::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.`┳━━━━━┳ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  |\        .|:: : . .
.::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_                      |  |  .\      |:::: : . .
/:::::::::::::::::::::::::::::: : . .i'´/ ,、ヽ                 |  |   |     :|:::::: : . .
:::::::::::::::::::::::::::: : . . |(ノノ"))i                  |  |o  :|     :|:::::::: : . .
:::::::::::::::::::: : . .    li l|'Д`ノl||.・∵:,'・           |  |   |     :|:::::::::: : ..
::::::::::: : . .      ⊂ ) _允 Yつ                 \|   |     :|::::::::::: : .
:: : .          r'⌒ '(:i i:) ⌒つ'.;:.⊃            \,  |     :|:::::::::::: : .
         ⊂;(_ノー''--*⌒´´;;;;'::.:.;::              \|     |:::::::::::: :
          ⊂;::;.,.';;;;:.:.;::.:.;:'::.:.;::.⊃
17名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 15:07:24 ID:JQPFDDmh
>>13-15
GJ!!
いつもご苦労様です。
楽しみにしてみてます。
相変わらずオチが素晴らしいw

ほのぼのしてい〜ね。言葉が幸せそうでなにより。
18名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 15:45:48 ID:ksYy3MfP
>13-15
GJ!
言葉が真奈美ママンに似てきてるのがワロス。
19名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 16:32:19 ID:/DNjW8P/
     \
   \    _ (⌒
      ,´/´^`ヽ   \  \\           \ \\
  .. \ ノ〈 从ソ)ハ あんたの武器で地獄に落ちるがいい!!   
   \ (リ(!#"-ノリ  \    \ \       \    \   \
      リ{(lつ=O==!l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
    \((とソ/_lj〉 ))  |                  '´/ ,、ヽ *・’     |
         (_ノ      |___________i (ノノ"))i人;':,/  |  ドガ!!
                VVVVVVVVVVVVV\人_*つ`Дノiつ人,/,,/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
20名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 16:39:07 ID:yJIF47Sv
AA自重
そしてsageろ
21名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 16:41:03 ID:ksYy3MfP
>20
しっ!基地外に話しかけちゃいけません!
22名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 16:58:52 ID:/DNjW8P/
                   \うるせぇ!バーロの>>20-21!!/
                      _ (⌒        
                      ,´/´^`ヽ     
                     ノ〈 从ソ)ハ .    
                    (リ(!゚ Д゚ノリ     
                     ⊂)允iつ     
                 .     く/_lj〉     
                       じフ        
        .====!l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
                  |                '´/ ,、ヽ      |
                  |___________i (ノノ"))i.____ |
                VVVVVVVVVVVVVVVVVつ´дノiつVVV
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
23名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 19:09:36 ID:6hSxSayI
世界を殺すために必殺技を掛けた言葉だが・・・

                ミ   シュッ ___
         ___ミ      ∩=l|l,、,、,、,、l} 
         {l,、,、,、,、l|l=⊂〃⌒~ソ)
               .〈|_ハヽ>ノノ
           ミ   . じ⌒∪彡

                 プァーーーーーーーン!
               | l |    | |
                   ∩∩ l | 
             ____ ((.くヾl!〉))  ,、,、,、,、、,、,
             {l,、,、,、,、l|l=⊂とj孕!つ={l____l
                    l! |ムY|
                    i い),,))!
                   弋 ヽ~_丿


        ゜         *    ゜     *
           o 。     ゜゚  ゚ .    o      *o
                r⌒ヽ⌒⌒) r⌒ヽ/,
             、、;(⌒ヾ (⌒) /⌒) ),  /
          、 ヾ (⌒B A G O O O M !
         、\(⌒ゝ;(⌒ヾ       ⌒)/)) .,/ ,,
        ((⌒-丶(;;;(⌒ゝ;;(⌒   ⌒⌒);;;;;)))⌒)     
         (;;;;(⌒(⌒;;;(⌒      / ))⌒));;;;)-⌒))  
        ゞ (⌒⌒=─         ─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::)
        ((⌒≡=─  人从;;;;  ;;;从人─=≡⌒)丿;;丿ノ

自爆してやんのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
24名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 19:38:21 ID:xDyiFfaT
ことぴー、誕生日おめでとう  ありがとう、せっちゃん
      , --、 _,--、          _ 
      },'´zヘヘヽ{        '´  ,、 ヽ
      `i j"リハノ ! i゙ヽ☆∂   リ リノソノ ))i 
      从(!゚ ー゚ノリ.||◇◎    |l、ヮ゚ |l i
.       /゙)i允iつ |/     ⊂i允(つリ   
       セく/_lj〉         (( 〈|_ヽ> )) 
        じフ            しヽ.)










しかしその10分後、花束に仕掛けられた爆弾によって言葉は死亡

        ゜         *    ゜     *
           o 。     ゜゚  ゚ .    o      *o
                r⌒ヽ⌒⌒) r⌒ヽ/,
             、、;(⌒ヾ (⌒) /⌒) ),  /
          、 ヾ (⌒B A G O O O M !
         、\(⌒ゝ;(⌒ヾ       ⌒)/)) .,/ ,,
        ((⌒-丶(;;;(⌒ゝ;;(⌒   ⌒⌒);;;;;)))⌒)     
         (;;;;(⌒(⌒;;;(⌒      / ))⌒));;;;)-⌒))  
        ゞ (⌒⌒=─         ─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::)
        ((⌒≡=─  人从;;;;  ;;;从人─=≡⌒)丿;;丿ノ
25名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:41:29 ID:Oun0debE
                                                    ,-、
  ,-‐,r‐:":.:.:ヽ!:.:`‐ァ____                                        ,r'´::::::`.、
∠::::::::::::::::::::::::::::::::.:´::.:::.<      ☆   ,,..-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、            -‐ヾ´ ̄ ̄`ヽ、:::::i
.r'ー--: !!/!/リ\゛':.l:::.::/!  ペケッ   __ヽ/::::::::::::.,イ:.:.ヘ:.:::::::::\       /::::l::/l ヽ::::ヽ::::::\:::::l,
i:.:.:.:.:.:ィl/‐-ヽ{ヽ_ i:}レゝ     ミ ///:,ィ:.:.:.:/'/:/''''ヽ、::::::.::::!      //, ':::V .|:/ ヾハ::::、::::ヽ:::l
|N:.:.:::::| ‐‐   ‐- |         // /::::::/  レ    v::::::::::|     〃 {_{\ v   /| l::::│ |::l
ヾノ ヽ|    |   l       ミ  // レ!小lノ    `ヽ 从:::|:::::|     レ!小l●    ●从:::::|、ノ:::l うりうり〜!
  V :l   ‐‐   /        //  ヽ|l >   <  |:::::|:::│ツンツン  ノ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃:::|ノ:::::l
   Vヽ、 _ , イ         _//    |ヘ⊃ 、_,、_,⊂(=====/⌒ヽ__ .ヘ  ゝ._)   /⌒il,:/
   / ヽ{  ト、V:      /⌒il      |::::/⌒l,、 __, イァト |::::ト、  \ /  ヾ.,>,、 __, イァ./  //
 ∧\  マ三ソ| \    /  /      | /___/ \/ /;;;;/ヽ|::::| ノ   ヽ   i;;;;;| ,| / /{ヘ、__∧
./  \\ ヾ-〃 /∧ ./  /      .| l  l ヾ只`ソ;;;/ 彡:::|      ヽ. i;;;;;;レ''只`ソ;ヾ  ノ
26名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 00:13:37 ID:yXSt9vjp
>>17-18
ご感想ありがとうございます。
楽しんで頂けたならこちらも嬉しいです。

でもこの荒らしは酷いな・・・・・
27mark:2008/01/05(土) 10:36:52 ID:gWUf6Uou
怒りの誠 今までのあらすじ(括弧内の数字は前スレッドの番号、その横の文字は副題)

1部(282〜286)
  文化祭から帰宅した夜、自宅でくつろいでいる誠が、送信者不明のメールを
  受け取る。言葉のメールだと直感した彼は、彼女の安否が不安になり、独り
  彼女を捜しに自宅を飛び出す。思わず学校に足が向いた彼は、屋上から
  飛び降り自殺を図ろうとする言葉を発見、説得し、思いとどまらせる。
  この夜から、誠と言葉、2人の闘いが始まった。

2部 澤永の逮捕(297〜302)
  文化祭の翌日、いつもと変わらない平凡な日常を過ごす世界たち。しかし、
  誠と言葉の欠席は、彼らが信じていた日常の決定的な変化を予期させる序章
  であった。下校する澤永を、なぜか誠が待ち構え、彼を学校の裏門へ誘い……

3部 裏切られた乙女(322〜325、342〜344、346〜348、351、352)

  澤永の逮捕―― それは、世界たちだけでなく、ある事で身に覚えのある
  乙女にとっても、無視できない事柄であった。数日後、久しぶりに登校
  してきた誠を見て安堵する世界だが、彼の心の内を知る事はできず、
  また、内心平穏でなかった乙女にも厳しい現実が迫ろうとしていた。

4部 対峙(419、420、438、439、478〜481、500、503、511、512、519〜521、
    530、531、546、547、559〜562、564〜566、585、586、588、589、592)
  警察署に任意同行された乙女と七海。取調前に、彼女達に会いたい人物が
  いると聞かされ、待つ。その人物との会話で物語は佳境へ入り、真実が
  明らかにされる。そして、今後のあるべき姿とは何か…?
  現時点でシリーズ最長。
28mark:2008/01/05(土) 10:49:57 ID:gWUf6Uou
前スレッドでの発言通り、一応今までのあらすじを書いておきました。
これを書いている時点では、まだ前スレも閲覧できるようですが、
過去スレ化するのは定めですので。新規読者と過去スレを見れない人向けに、
蛇足ながら、書き足してみました次第です。

最終である第5部は題名に反して、誠は怒らないでしょう(笑)。あとは、
まだ決定事項ではありませんが、このワールド内ではあまり目立っていない刹那を
うまく使えたらと、色々考え中です。4部以上に相当くさい青春物になると思います。
でも芋エンドとは違う意味で切ないかもわからないですが。では今日はこれで失礼します。
29名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 11:00:46 ID:yXSt9vjp
>>28
期待してます。
頑張ってください。
30名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 15:07:00 ID:niXaKPLg
言葉×誠の誕生日エッチSS投下まだ〜?
31名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:04:22 ID:VsM/2UQi
スクールデイズファンディスク 〜Hot Hot Summer〜
  〜本ストーリーでは文字の関係上登場人物の言葉(コトノハ)
       は言ノ葉と記述しています〜

1/8
「キーンコーンカーンコーン」
夏休み直前。最終科目の現国のテストを終えて皆が
歓喜の声を上げた。その中で自分だけが重苦しい雰囲気に呑み込まれた。

誠 「さて、言ノ葉に伝えなきゃいけないか
    仕方ないよな、世界の方が一緒にいて楽しいし…」

HRも終えて下駄箱に向かうと言ノ葉はいつも通り待っていた。
少し首を傾けてはかなげな笑顔を向けるいつもの言ノ葉。

誠 「言ノ葉…帰ろうか…」
言葉 「そうですね…」

期末テストも終わって明日から夏休み。言ノ葉と帰る途中で
話もあまり続かず、沈黙のため妙に足音が耳につく。
その沈黙をやぶるように言ノ葉が口を開いた。
――明日から… …夏休みじゃないですか
       その…よかったら……明日一緒に海に行きませんか?――
うつむき加減でそう言ノ葉は言った。
それっきり言ノ葉は下を向いたまま何かに耐えている。
  ――多分返事を聞くのが怖いんだろうな――
32名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:06:35 ID:VsM/2UQi
2/8
正直驚いた。
初めての誘いだった。
デートに誘っているのはいつも自分の方だったから
まじまじと言ノ葉の方を見てしまう。
言ノ葉と付き合って2ヶ月くらいになるがまだ手も繋いでいない。
何度かそういう状況へ持っていこうとはしたが、言ノ葉の「周りを寄せ付けない
オーラ」に気づいて最近は一定の距離を置くまでになっている。
言ノ葉の方もそれを感じているのか、最近は2人で歩いていても
話が途絶えがちだった。その沈黙がつらかった。
そんな状態だったから期末テスト前の慌しい時間を境に言ノ葉
との関係も疎遠になっていった。

正直女の子との関係に困っていたわけじゃない。
隣の席の世界とも仲良くなって、世界と夏休みの予定を立てた
のも言ノ葉には内緒だった。内緒にする罪悪感を感じるよりも
言ノ葉との関係を終わらせて世界と付き合うのも悪くないかな、
とテストが終わったときに考えていた。

――それを伝えようとした瞬間に言ノ葉から誘いを受けた――

言ノ葉 「あの…ま、誠君…?あ… …き、聞こえてなかったみたいだから
     もう一度言いますね…。あのですね…明日から夏休みじゃ――」
33名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:08:28 ID:VsM/2UQi
3/8
 ――もしかしたら言ノ葉…これをずっと練習していたのかな――

言ノ葉 「― ―に海に行って…くれませんか…?」
誠 「あ、ごめん…。聞こえているよ」

正直戸惑っていた。別れ話を学校内でするのも気が引けたので、
駅に着いた瞬間に伝えてすぐにでも帰るつもりだった。
そういう自分の汚いところは十分知っている。
けど何だろうこのドキドキする感じは。
初めて言ノ葉の気持ちを聞いた気がする。
別れ話をするつもりだった自分がこう答えていた。

誠 「いいよ、行こう。」
言ノ葉「…私、新しい水着も買ってきて…それでですね、せっかく水着
      買ったんだから着なきゃもったい無いかなって…。それで
       明日から夏休みじゃないですか。誠君さえよければ…」
言ノ葉はまだ下を向きながら話している。今の自分の返事を聞いていない
のだろう。一生懸命に話す言ノ葉を見るとたまらなく可愛らしさを感じる。
今までの世界への気持ちを全て吹き飛ばすような力が――そこにはあった。
もう一回――さっきよりも優しさを込めて、少し大きめの声で言う。
34名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:09:28 ID:VsM/2UQi
4/8
誠 「いいよ。行こう」
言ノ葉 「… …えっ?」

言ノ葉が固まった。「えっ?」の顔のまま動かない。
誠 「明日、言ノ葉の方の駅に、10時待ち合わせ、でいいかな」

噛んで含めるように言う。
言ノ葉 「えっ…?あ、は、はい―!」

言ノ葉はまだ下を向いたままだった。
その時ちょうど言ノ葉が帰る方向のホームに電車到着のアナウンスが入る。
電車に乗り込んだ言ノ葉は何かを感じたのか力強く振り返るとこう言った。

言ノ葉 「明日楽しみにしていますね――!」
今までで見た言ノ葉の一番の笑顔だった。
35名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:11:55 ID:VsM/2UQi
5/8
――次の日――
誠 「言ノ葉のやつおっそいなー」

イライラしながらホーム備え付けの時計を見やる。10時30分だった。
周りを見てると改札口付近から何か賑やかな声がした。

*「もう!昨日は諦めるって言ったじゃない!いきなり泣き出すんだもん…」
*「えーっ、だって今日になってお姉ちゃんの行く姿見たら
  心も行きたくなったんだもん!!ずるいよ!!」
*「ず、ずるいって…そういうのはずるいって言わないんだよ!」
*「ずるいずるい!」

誠 「こ、心ちゃんも来てるのか――」

聞かなくても理由は分かった。
心ちゃんとは以前に一回だけ会った事がある。
言ノ葉の性格の対極に位置するようなコだなぁと思ってたけど
この会話を聞いてると、どっちがどっちだか分からないよな、まったく。
でも言ノ葉の違う一面を見れてうれしかった。
言ノ葉が自分にこういう面を見せてくれるのはいつ頃だろう。
一人そう考えてニヤついているとタッタッタッ――パタパタパタ――と
こちらまで疲れそうな急ぎ足で二人がやって来た。
36名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:13:09 ID:VsM/2UQi
言ノ葉 「ま、誠くん!ごめんなさい!遅れちゃって――」
心 「やっほー、誠くんこんにちは―!」

満面の笑顔の心ちゃんに比べて、言ノ葉は申し訳なさそうに上目遣いだった。

言ノ葉 「や、やっほーじゃないでしょ!ちゃんと謝りなさい!
      それに誠君じゃないでしょ!」
心 「じゃあ…おにいちゃんでいいよね!」
誠 「いいよいいよ、心ちゃんも今日は一緒に楽しもうね」
心 「うん、今日はイルカの浮き輪も持ってきたから思いっきし遊ぶんだ!」
言ノ葉 「もうっ…」

心ちゃんは言ノ葉の背負っているバッグをパンと叩いてそう言った。
言葉 「もう…こんな大きいイルカの浮き輪じゃなくて小さいのにしてって言ったのに」

言ノ葉…ほとんどお母さんだな。

言ノ葉 「ほんとごめんなさい。30分も遅れちゃって…」
誠 「いいよ。さっきの改札口での二人のやり取り――とは言っても
   言ノ葉の方だけど―、聞いてたら30分くらいの遅れなんかすっとんだ」

そう茶化す様に言うと言ノ葉の頬が一気に紅に染まる。
37名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:14:32 ID:VsM/2UQi
言ノ葉 「あ、も、もうすぐ電車来るみたいですよ。
       ほら心!そろそろ電車来るからこっちに来て!」

誤魔化すように心ちゃんの方へ顔を向ける言ノ葉。
その横顔からのぞく頬はまだ紅かった。

さほど混んでもいない電車内に乗り込む。
心ちゃんはパタパタと長いすの真ん中に陣取り、外の景色を見始める。

言ノ葉 「心!行儀悪いじゃない。椅子にはちゃんと座らないと」
誠 「まぁ、いいんじゃない?混んでないし終点まですぐだよ」

もともと海岸沿いの家だから大して時間はかからない。
ここ西原巳から終点の原出海(はらでうみ)まで3駅ほどだから10分も
あれば着くだろう。

言ノ葉 「そうですけど…いっつも私お母さんに言われてたから―」
誠 「家厳しいの?」
言ノ葉 「はい、最近はそうでもないんですけど…昔は結構いろいろ
      厳しかったと思います。いっつもいろいろ小言を言われて、何か
      自分が悪い事してるんじゃないのかなって…―いっつも
      そう思ってました…――心が生まれてからそんなに厳しくは
      なくなりましたけど…。なぜか心を見るとついお母さんにされた様に
      きつく言っちゃうんです――」
38名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:16:04 ID:VsM/2UQi
言ノ葉は先ほど自分が茶化した事に弁解するような感じで話した。
言ノ葉が見せる学校での堅めの態度と本当の言ノ葉は
随分違うんじゃないかと――そう、ふと感じた。

誠 「言ノ葉ももっとくだけてもいいと思うよ。心ちゃんにしてるくらいに…
    あ、ちょっと心ちゃんにしてる様にされると困るかな―あはは」

そう冗談を言ったが言ノ葉は笑わなかった。

言ノ葉 「それは…難しいです――。本当は私もそう思ってるんですけど…
     学校でも―くだけて…くだけて話さなきゃ ――…そう考えて
     周りに話かけようとするんですけどいっつも空回りしちゃうんです。
     そんな自分にイヤ気がさして…こんなんなら友達いなくても
     いいかな…なんてそんな事も考えちゃってて…――」
誠 「そっか…」
言ノ葉 「実際に昨日海に誘った時も不安でした。
    最近誠君といっしょに居れなくて…誠君がどう思ってるのかな…とか 
     でもやっぱり誠君の事…;;;; …だから、これじゃいけないかなって、そう思って…」

話の途中は聞こえなかった。
そんな会話をしていると心ちゃんがはしゃぎながら声をかけてきた。
39名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:17:52 ID:VsM/2UQi
心 「見て見てー!お姉ちゃん、おにいちゃん!海だよ、海が見えてきたよ!」

足をバタバタさせながらうれしそうにしている心ちゃん。

言ノ葉 「もう、心ったら!!…あっ… …―」
誠 「ほらほら。またきつく言ってる」

微笑みながらそう言うと言ノ葉は恥ずかしげに俯いてしまう。

誠 「まぁ心ちゃんも悪気は無いみたいだし、3人で遊ぼうよ。
   それに今の言ノ葉の話聞いてて楽しみが出来た」
言ノ葉 「え… …楽しみ…って?」
誠 「これから言ノ葉が距離をだんだん縮めていってくれるかもしれないって事、
    2人で来れる時間はこれからいくらでもあるんだし」

自然に――本当に自然にそう答えていた。

その瞬間言ノ葉はこちらを真剣に見つめてきた。
言った後で自分がどんなに恥ずかしい事を言ったかに気づいた。
今度はこっちが恥ずかしくなってしまう…。
必死に紅くなっていく頬をごまかす様に冗談を言った。
40名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:19:04 ID:VsM/2UQi
誠 「あ、さっきも言ったけど心ちゃんくらいにきつく言われちゃうと困っちゃうかな。
   なんてね。あははは」

そう冗談を言っても笑わず言ノ葉はこちらをずっと見つめていた。
その時ちょうど心ちゃんが到着を知らせてくれた。

心 「お姉ちゃん!おにいちゃん!着いたよ!
    そんなに混んでないし早く行こうよー!」

もう心ちゃんはイルカの浮き輪を出している。

誠 「言ノ葉、着いたってさ。行こう」

紅潮した顔を見られないように踵を返し
背後にいる言ノ葉に声をかける。ドアが開き、射るように陽光が差し込む。
助かった…これならバレそうにない、大丈夫だ。
頬の紅潮も引いてくるかと思ったその時――
背後から言ノ葉の力強い言葉が返ってきた。
41名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:21:27 ID:VsM/2UQi
言ノ葉 「はい!これからもずっと―…ずっといっしょにいて下さい!」

それを聞いた瞬間頬がまた熱くなってきた。
頬は最高潮に紅くなっているだろう。振り向きたくても振り向けない。
心ちゃんはもう改札口を出るところだった。

誠 「今日はほんと暑いな。早く海に入って涼しくなろう!」

そんな事しか言えなかった。
今年の夏はいっそう暑く――そして熱くなりそうだ――

〜END〜
42名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 01:13:01 ID:Zsiw9r1p
>>41
イイハナシダナー
後日談も投下してくれると嬉しいな。
乙。

43名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 01:34:59 ID:LgxkZ1fn
漏れ、思うんだけど、
言葉様が幸せだと、漏れを含めみんなが幸せになるんジャマイカ?

ちょっと言い過ぎか・・・・・・
44名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 02:14:28 ID:Ahx+13J6
まあ少なくともここに一人幸せになるやつもいる
45名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 05:49:36 ID:/ggNYdVB
>>43
「みんな」は少しばっかり言いすぎかもしれないけど…、漏れも幸せだな。
てなわけで、もう一人ノシ。
46名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 08:54:28 ID:2VTWEZ6o
漏れも幸せ
47mark:2008/01/06(日) 11:05:25 ID:9wutzEeT
怒りの誠X〜始まり〜(前592からの続き)

(現実及び原作・アニメ等ではありえない設定・状況が多いですがご容赦下さい)

1年後

誠と言葉の2人が屋上で昼食を食べている。

誠 「いやー、言葉の作るサンドイッチはホントうまいな」
言葉「誠君の芋の煮っころがしもおいしいですよ」
誠 「もう俺よりもすっかり料理上手になっちゃってさ、これならいいお嫁さんに
   なれるな」
言葉「おだてても何も出ませんよ。もう……」

私と誠君、こうして2人で昼食をとる事が、今ではすっかり習慣になっている。
今日は天気も良く、屋上でこうして2人きりで過ごせるのは久しぶりだ。
この所雨が続いていたのと、文化祭の関係で、部活以外で屋上に寄る機会がなかった。

去年と違い、今年は特に役職に就かず、天文部の出し物以外では、空いた時間を
誠君と2人で色々と見て回って楽しんだ。

誠 「こんな時間を過ごせるようになるなんて、1年前は想像つかなかったな」
言葉「ええ………」

そのことばに、私は思わず俯いてしまう。
もちろん誠君に悪気がないのはわかっている。
上機嫌ゆえに、思わず口が滑らかになったのだろう。私の様子を見て、誠君は
気まずい顔つきになった。

誠 「ごめん…… いらない事を思い出させて」
言葉「いいんです。誠君が故意に人を傷付ける人間ではないとわかっていますから」
誠 「でも、俺のこういう無神経さが、言葉を傷付けていると思うとさ……」
言葉「あれはもう過ぎた事です。……過去にいつまでも囚われているだけでは、
   今在る幸せが逃げちゃいますから」
誠 「それはそうだけどさ……」

こんなやりとりは別に今に始まった事ではない。お互いに謝りあったするのも
何度かあった事だ。その度に誠君は申し訳なさそうな顔になる。
私が去年の事を完全に吹っ切れたかと言えば、もちろん嘘になる。
加藤さんや甘露寺さん達から苛められ、孤立していた頃の事は、夢でたまに見るし、
澤永さんに暴行された辛さや哀しさは、一生忘れる事は出来ないだろう。
1度は自殺まで考えた。

言葉「確かに、あの事を完全に乗り越えたかと言われれば、嘘になります。
   でも、少なくとも今の私は淋しくなんかありません。私はとても
   恵まれているんだと実感できます。自分を変に貶めたりせず、
   普通に過ごしてもいいんだって、素直にそう思えます。」
誠 「………………」

言葉「……だから、誠君も変に私に気を遣い過ぎたりしてほしくないんです。
   私は、あの頃と変わらないままの私ではないんですから」
誠 「ごめん。俺もまだまだ理解が足りないな」
言葉「ほら、またごめんって言った。うじうじと悩んでばかりいるのも
   良くないですよ」
誠 「もう、勘弁してくれよー。今日の言葉は意地悪だな」
言葉「ふふふ、誠君が悪いんですからね」
48mark:2008/01/06(日) 12:12:51 ID:9wutzEeT
でも、折角だからというわけではないけど、去年からの事を振り返って見るのも
悪くはないかな。1年が経ち、日々の生活に恵まれていると感じる事で、
ある程度、冷静に過去を振り返れると思う。

言葉「誠君。少し、私の話に付き合ってくれませんか?」
誠 「ああ、いいよ。お詫びに何時間でも付き合うから。今日は
   補習明けで、時間はたっぷりあるし」
言葉「ありがとう。では……」

今日が文化祭で授業を潰した分の特別補習日である事と、天文部の活動も
土日・祝日休みである事から、2人きりで話す時間には困らない。
(ちなみに今回の土曜補習は名目上、任意の自由参加という事になっている)


私が去年、後夜祭の翌日から学校を欠席し、復帰してから今日に至るまで
色々な事があった。

言葉「私が学校を休んでいる間に、学校では一斉調査が行われて、私の苛めが
   明るみになって、大変だったみたいですね。誠君が何度も教えて
   くれましたけど」
誠 「……そうだな。加藤達と警察署で話したのも、確か補習明けの土曜日で、
   それから何日かして、全クラスに調査が入ったんだったな。4組は
   停学やら謹慎やらで大変で、担任の先生も今年休職したし」

4組では、加藤さん達グループを中心に私に対する組織的な苛めがあった事が
正式に発覚し、特に中心になっていた森さん・小渕さん・小泉さんの3人は
無期停学を言い渡され、苛めに関わっていた他の女子達も軽い停学や、厳重注意、
課題提出などをそれぞれ課された。

そして、もう1つの苛めの中心であった甘露寺さん達に扇動された女子バスケ部
や他の運動部員も、同じく停学などの処分が下り、バスケ部は今年の春まで
練習を含めた対外試合の出場停止、部活動2ヶ月の自粛を言い渡された。
想像以上の厳しい処分に部員達の動揺も大きかったらしく、
自粛期間に転部ないし退部する部員もおり、乙女や七海が起こした苛め問題で、
バスケ部は大きな打撃を受ける事となった。
49mark:2008/01/06(日) 13:03:02 ID:9wutzEeT
誠 「加藤や甘露寺はともかく、他のバスケ部の連中は言葉に
   直接関係のない奴らの方が多かったしな。部内でだいぶ
   揉めたみたいだし。……まあ、示しがつかないという事なのかな」
言葉「……そうでしょうね。第二の不祥事を出さない為にという事で、
   あえて厳しくしたのかもしれません」

そして、苛めを指示し、私を最も嫌っていた加藤さんと甘露寺さんは、学校から
予想通り自主退学を勧告され、加藤さん達もそれを受け入れ、退学した。
2人とも真摯に反省しており、無期停学でもいいのではという意見もあったらしい
が、澤永さんが起こした暴行事件に加藤さんの唆しがあった事が、警察から
学校側に伝えられたのか、結局2人の退学処分が正式に決まった。

もちろん澤永さんの暴行事件と加藤さん達が起こした苛め問題は、あくまで
別個の問題であり、関連性はないと学校側から生徒達に伝えられ、私が受けた
暴行について明るみに出る事はなく、こうして変哲のない学校生活を送る事が
出来るのだが。

苛めと暴行事件の関連を疑う人間も一部にはいたようだが、それを示す証拠が
あるわけでもなく、また、私が受けた苛めがかえって、それを覆い隠してくれた。
苛めだけでも私が不登校になるには十分な理由だと納得したからである。

言葉「私が学校に復帰してからは、さすがに苛めはなくなって、私を苛めていた
   人達も謝ってくれて………嬉しかったです」
誠 「本当はこんな事態になる前に、過ちに気付いてほしかったけどな。
   けど、俺だって言葉にここで真相を告白されるまで全く気がつかなかっ
   たし、人の事はいえないしな」

加藤さんが退学し、小泉さん達が停学中に、私は再び学校に通い始めた。
小泉さん以外の女子達とも和解し、男子達も今回の件で、純粋にクラスメート
として接しようという気運が高まったらしく、女子同様、色々と話しかけて
くれるようになった。

少なくとも、嫉妬からいがみ合いに発展するような事にはならず、知らず知らず
軽視していた誠君や西園寺さん以外の他人との関わりを、ようやく素直に受け入れ
られるようになった。
50mark:2008/01/06(日) 13:39:48 ID:9wutzEeT
言葉「今まで空席だった男子のクラス委員も急遽決まって、2度とこのような
   事を4組から起こさない、起こさせないようにしようという意見が
   出て、今までバラバラだったクラスが纏まり出して……」
誠 「以前なら考えられなかったな。俺のクラスも泰介と甘露寺が退学して、
   同じような意見が出たし」

遅まきながらも、一連の問題が自分とは決して無関係の事柄では
ないと1人1人が考えるようになり、自然と纏まりができ、他人を思いやる
気持ちになれたのは、私や誠君はもちろんだが、他の人達にとっても幸いな
事だった。

私自身も変わったと思う。相変わらず誠君以外の人と話すのは苦手だが、
自分の気持ちを以前よりは伝える事が出来るようになった。変に卑屈に
ならず、堂々とまではいかなくても、少し自信を持つ事が出来るようになった。
こんな私でも、自分を気にかけてくれる人間がいる。

1年前のあの時は、そんな当たり前の事すら忘れていた。
51mark:2008/01/06(日) 13:41:36 ID:9wutzEeT
一旦切ります。夕方か夜に再開予定
52名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 15:51:17 ID:ELp8gOun
>mark氏
お疲れ様です。加藤と甘露寺は人生終わりましたか。施設送りにはならなかったようですが。
或る意味この両人より醜い三馬鹿も報いを受けたのは何よりでした。
(不祥事による無期停学って、普通復学は不可能だよね?俺の母校はそうだった)
53名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 16:03:13 ID:99I8jom3
しかし事後とはいえ、イジメにこれだけ徹底的な処置をとる学校って
私立でも公立でも現実にはなかなか無いよねぇ。
俺のいた高校では、過去に自殺者がいたらしいが完全にもみ消されていたし
妹が通っていた所でも全部なあなあで済ませていたみたいだな。
54名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 16:16:10 ID:kHYb4MC0
>>53
TV版のラストがまさにそんな感じだったな。
あれは怒りよりも悲しみの方が深かったよ。
55mark:2008/01/06(日) 19:38:06 ID:9wutzEeT
(怒りの誠X〜始まり〜 続き)

言葉「私の家族も、相変わらず忙しいですけど、時間を割いて
   家族で一緒に過ごす機会を増やしてくれました。あの頃は、
   両親や妹の心とも、本当の意味でコミュニケーションがお互いに
   とれていなかったんだと痛感しましたね………」
誠 「でも、以前よりお父さん達と仲良く過ごせるようになったのは、
   良かったよ。それに比べて俺の家はお袋の仕事の関係で、たまに妹が遊びに来る
   以外は、普段は独りで過ごす事も多いし」

そう言って、誠君はわざと拗ねた顔をする。
誠君のお母さんは看護師の仕事で、夜勤で家を空ける事が多く、母子家庭でお父さんが
いない誠君は、それで自炊する必要に迫られたのだと言う。
今では私のほうが料理が上手になってしまい、立場が逆転してしまったのだが。

言葉「そうやって私の心をくすぐらせて、2人きりで食事して、良いムードに
   なって…… なんて事を考えているんじゃないんですか?ダメですよ」
誠 「俺はそんなつもりじゃ…… そういう事は高校を卒業する
   まではしないって言葉と決めたし」
言葉「くすくす…… わかってますよ。ちょっとからかってみたかった
   だけです」
誠 「ちぇ、純真な俺の心を弄んで…… 付き合い始めた頃はあんなに
   清楚だと思ってたのに」
言葉「あら、誠君は私の事に飽きてしまったのですか?誠君だけは私の事を
   裏切らないと思っていたのに、それは残念です」

私もお返しに精一杯悲痛そうな顔をする。
56名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 20:04:44 ID:LgxkZ1fn
>>55
おお、
ガンガッテくれ〜〜〜!
                          タノシミニシテルヨ
57mark:2008/01/06(日) 20:38:46 ID:9wutzEeT
もちろん2人きりの時だけだが、こんな冗談も言い合えるような関係に
なれたのは、嬉しい事だ。
誠君は本当に私に優しくしてくれ、気遣ってくれる。
私もそんな誠君の気持ちに精一杯応えたいと思っている。

でも、私はまだ子供だ。
身体は平均的な女性よりも目立ち、それで昔は色々と嫌な思いもしたが、
誠君とそういう事をしたいなら、身体的には可能な年齢である。
少なくとも、誠君を怖いとか汚らわしいという気持ちにはならない。

……でも、あの事で、自分自身についていかに無知で未熟であるかを
痛い思いをして学んだ。セックスが絶対悪だなんて言うつもりはない。
でも、例え自分のように暴行されなくとも、変な見栄や焦り、寂しさ、打算
などからそういう事をしても、場合によっては自分や相手を著しく
傷付けてしまう事を今ならわかる。

言葉「例え青臭い考えだって言われても、私はそう決めたんです。
   そういう事をするのは私にはまだ早いんだなって」
誠 「もしそういう事をして、妊娠でもしたら、今の俺達じゃ
   何の責任もとれないしな…… あの事件が起こる前は、
   恋人なんだからそういう事して当たり前だという気持ちが
   俺にも少なからずあったし」

誠君が神妙な顔つきをして、私に話す。

誠 「でも…… うまく言えないけど、今は高校生らしい時間を
   言葉と過ごしたい気持ちの方が強いかな。……もちろん、
   そういう欲望がないと言われれば、大嘘だけどさ」
言葉「では、誠君はどうやってそういう欲望を我慢しているんですか?」
誠 「……それは言葉にも見せたく、いやその……ノーコメントという事で」

誠君が慌ててごまかす。恐らくエッチな雑誌とか、あるいは誠君の部屋には
パソコンがあるから、インターネットでそういう画像を見て、発散して
いるのかもしれない。……私もちょっと赤くなったかも。
58mark:2008/01/06(日) 21:20:31 ID:9wutzEeT
誠 「まあ、とにかくだ。今はこうして言葉と過ごす事が
   出来るだけで、十分満足しているから。それより、
   さっきの話の続きをお願いしたい。俺も色々と思う所が
   あって、振りかえりたいと思っていたし。1年経って時間的にも
   丁度いいと思う」

話を反らすついでではあるが、誠君も過去を振り返ろうという気持ちに
なったようだ。私は1年前の話を続ける事にする。

言葉「小泉さんの停学が解けて、彼女が再び登校してきた時は、クラスメート達が
   彼女に対する視線が厳しいのを感じました。……もちろん小泉さんに
   対する苛めはありませんでしたけど……」
誠 「確か、いつも一緒だった森や小渕が停学中に転校してしまって、
   加藤もとっくに退学していなかったし…… 自業自得といえば、
   それまでなんだけどさ」

小泉さんが再び登校してきた頃には、クラス内の雰囲気がすっかり
変わっており、私を苛めていた頃の力関係が通用しない状況になっていた。
そして、小泉さんといつも一緒にいた友人である森さんと小渕さんは、
自分の居場所がなくなった後の事を恐れたのだろうか、あるいは私に会わす
顔がないと思ったのだろうか、はっきりとはわからないが、家庭の都合という
理由で、2人とも無期停学が解ける前に、それぞれ別の学校に転校したのだ。

停学があけた最初こそ、小泉さんは強気な態度をとっていたが、それも虚勢にしかならず、
クラス内で完全に孤立した事を悟った彼女は、遅刻や早退、欠席が
目立つようになっていった。定期試験も欠席するなど、進級に関わる状態に
なり、小泉も退学かと囁かれるようになった。
59名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:26:57 ID:3JDPOW7n
小泉は好きなんだけどな、頭よさそうだしそれなりに空気読める子なのに・・・。
60mark:2008/01/06(日) 21:56:47 ID:9wutzEeT
言葉「あの時の小泉さんは、以前の私と同じだと感じました。
   私はもう、これ以上こういう形で人がいなくなるのを
   見たくなかった。……だから、男子のクラス委員や、比較的
   小泉さんと関わりがあった人達に、『小泉さんにもちゃんと
   クラスメートとして接しよう。苛めの件は停学を受けた事でケジメが
   ついたと思っています。私はこれ以上クラスから人がいなくなるのを
   見たくないです』って訴えました」

誠 「俺だったら、小泉が退学しようが知った事かと思うけどな。
   でも、言葉が自分を苛めていた人間も助けようと行動した精神は
   本当に立派だと思う」
言葉「誠君だって、小泉さんの為に、追試の実施や、足りない出席日数を
   補う為の補充授業を行ってくれるよう、先生達に一緒に頼んだ
   じゃないですか」
誠 「そんな事もあったかな…… いや、俺だったらここまで甘い事
   しないって」

照れ隠しなのか、誠君は冷たい発言をしてごまかす。当時は私や誠君も
別件で色々と大変だったのだが、小泉さんの件も決して無視できない
事だったので、私達は出来る限りの事をした。それが効を奏したのか、
小泉さんも何とか2年への進級が決まり、4組からこれ以上望まない形で、
クラスメートがいなくなる事態は回避できた。
61mark:2008/01/06(日) 23:55:34 ID:9wutzEeT
誠 「でも小泉も強情なヤツだったよな。結局言葉には最後まで謝らないまま
   進級して、俺や言葉とは別のクラスに移っちまったし」
言葉「そうでもありませんよ。これは誠君には黙っていましたけど、
   小泉さんにも、ちゃんと人の心はありました」
誠 「うーん…… それはどういう意味なんだ?」
言葉「ことば通りの意味です。小泉さんもちゃんと謝ってくれました」

2年次のクラス替えで、1年の時に同じクラス委員だった男子から、
ある事を聞かされた事を思い出す。彼曰く、『直接謝るのが筋って
もんだと思うけど』との事だったが、私は小泉さんも決して悪い人では
なかった事を知り、満足した。

(回想)

夏美「あ、ちょっといいかな……」
男子A「うん?どうしたんだよ。小泉は僕とは違うクラスだと思ったけど」
夏美「あんた確かさ、伊藤と桂の隣のクラスだったよね。……桂に伝えて
   くれないかな?」
男子A「だったら桂さんに直接言えばいいじゃないか」
夏美「まあ、そうなんだけどさ…… 1回しか言わないから、後で聞くのは
   無しにしてよ」
男子A「……で、何なんだよ?」
夏美「桂の事は今でも嫌いだしむかつくけど、私をハブにしないで、色々と
   してくれた事は礼を言う。おかげで何とか進級も出来たし。
   ……本当は私も中退したかったけど、親に高校だけは出てくれって
   言われちゃってさ。来実やみなみみたいに別の学校に転校する余裕は
   家にはなかったから」
男子A「………………」
夏美「もう桂にちょっかい出すつもりはないから。じゃ、頼んだよ」
男子A「ちょっと待ってよ。それこそなおの事桂さんに直接言わないと」
夏美「確かに頼んだから。バイバイ」

こうして小泉さんは去っていったと、私はクラス委員だった彼から聞かされた。
62mark:2008/01/07(月) 00:23:07 ID:BaMkXW1/
誠 「ふーん…… そんな事があったんだな」
言葉「ええ。直接謝るのが恥ずかしくて、人を介して、私に
   謝罪と感謝の気持ちを言いたかったんだと思います」
誠 「やっぱり強情で素直じゃないな。……まあ、何もなしよりは
   マシだけどさ」

小泉さんは旧4組の人間が集まらないクラスに配置され、2年次でも彼女が不利益を
変に被らないよう出来る限り配慮された事は、彼女にとっても幸いな事だろう。
1年次は小泉さんにとって、不本意な学校生活を送ってしまったが、
やり直すチャンスはあってもいい。もう彼女が再び過ちを犯す心配はないのだから。
元々あった明るさで、新しい仲間も作って仲良くやっていけるだろう―――

(続く)
63名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 00:44:08 ID:TUhJaJpm
リビングに小さな足音が響く。
足音の主である桂言葉は、業務用冷凍庫のドアを数回、軽くノックすると、そっとドア開けた。
明かりの点いていない暗い部屋を、冷凍庫から漏れるわずかな光が照らし出す。
冷凍庫の中には、言葉と同年代の男子の頭部があった。
言葉は慎重に頭部を取り出すと、ドアを体で閉め、頭部を運んでテーブルの上にそっと置いた。

頭部の正体は、変わり果てた伊藤誠だった。
誠の顔は青白く変色し、醜く歪んでいた。

「誠くん、私、今日も腕によりをかけてお料理を作ったんですよ」

言葉の笑みが、誠の頭部に向けられる。
誠の唇に、言葉はそっと口付けをした。
冷たく柔らかい感触が、言葉の唇に伝わる。
そしてそのまま、顔を舐め回し始めた。
ひとしきり舐め回して満足すると、言葉は誠の頭部を、自分の席に正面に置いた。
それはまるで、完成された一つのオブジェのようだった。

「さあ、今夜も二人だけのパーティーを始めましょう」

言葉は冷蔵庫のもう一つのドアから、赤い液体の入ったボトルを取り出した。
それはあの日、殺害された誠の体から抜き取り、詰め込んだ生き血だった。
言葉はそれをグラスの中に注ぐと、ゆっくりと飲み干した。
愛する男性の血の味に、言葉は口の周りを赤く染めながら、満足そうな笑みを浮かべる。

「誠くんの赤ワイン、とっても美味しい…?」

言葉は誠の瞳をじっと見つめた。
しかし、カッと見開いた瞳孔は、もはや言葉の視線と重なることはなかった。

「お礼に、今日は、私が誠くんに白ワインを飲ませてあげますね…」

言葉は胸元を肌蹴ると、豊満な乳房を晒し、誠の口の中に乳頭を押し込んだ。
歯が少し当たって痛みを感じたが、伸びきった柔らかい舌の感触が言葉の乳頭を刺激すると、小さく甘い声を漏らした。
徐に、母乳を搾るように自分の乳房を揉み、しばらくすると母乳が噴出し、誠の口の中に入っていく。
やがて満足すると、言葉はゆっくりと乳頭を離し、しばらくして口の中から母乳が溢れてきた。

「誠くんの赤ちゃん、お腹の中ですくすく育ってるんですよ?だから、おっぱいも出るようになって…ウフフ。
あ…いけない。もうこんな時間です。今夜も遅くなっちゃっいましたね…」

言葉は誠のおでこに軽く口付けをすると、誠の頭部を冷凍庫の中に戻した。

「おやすみなさい、誠くん」

言葉は小さな声でささやくと、そっと冷凍庫のドアを閉めた。


パタンッ
64mark:2008/01/07(月) 00:49:54 ID:BaMkXW1/
またスレッドの繋がりが悪いのな……
夏美の性格が原作やアニメと異なるかもしれませんが、停学があけて
孤立した事で、自暴自棄になったと言う事で許して下さい(苦笑)。

3人組のその後については、当初は全員転校させるか残すかのどっちかでしたが、
どちらに転んでも、ご都合主義になり過ぎる気がしたので、間をとって
1人だけ残し、進級させようというこれまた別のご都合主義による独断で、
夏美だけ残しました。言葉が味わった孤独さを少し知ってもらう意味も勿論ありマス。

誰残してもぶっちゃけ良かったんですけど(笑)、一番残しやすかったのが彼女。
来実は3人組の中では夏美同様我が強いですが、孤立に耐えられるタイプでは
ないなと。みなみは3人の中では大人しく、1人でいる時はそれほど問題児では
なさそうだけど、どうしても乙女とか(アニメ終盤では夏美や来実)強い性格の
人間に引っ張られやすい傾向があり、彼女もバツと。

で、夏美はミニ乙女かな。乙女のように女子全体を纏めるほどの力は元々
ないけど、3人の中ではある程度纏め役もでき、一番冷静であり、強い部分も
あるのが彼女かなと勝手に思った次第でして。

次回は乙女や七海、澤永のその後も書くつもりです。
65これっきり:2008/01/07(月) 16:12:18 ID:cNbtKkz6
markさんに習って私もこれまでのあらすじを書いときます。

見ているだけで…。前版

341 予告編

360-364 第1回目 
イモのその後。世界は誤解から誠と言葉に嫌われて、その原因を作った七海を責めるが
世界自身も、誠の事を慕っていた乙女から逆恨みで襲撃される。
そんな世界を支えてくれたのは、友人の刹那・光。そして母踊子だった。
そして世界は、ひとまず彼女達に世話になりながら眠りに付く。

373-375 第二回
そして世界は家で怪我と精神を整えながら、自分や誠と言葉そして七海や乙女のことを考えていた。
そして大元の原因が自分にあると悟り、自分の手で全てを清算しようと決意する。

426-429 第三回
世界は次の朝。早速七海に対し不用意に責めたことを恥じ、これからの事で彼女の家に向かう。
だが七海の書き置きを世界は見て事態は急変する、七海は少年院に入る覚悟で言葉を殺そうとしていた。
刹那と光にも協力してもらい、何とか七海の凶行を止めるが、世界と七海は感極まり共に泣き出すのだった。

436-444 第四回
世界は七海を家に招き、誠と言葉に対して謝りに行こうと世界は七海に持ちかける。
当初七海は言葉に対するコンプレックスから拒もうとするが、世界の必死の説得と覚悟を見せつけられ。
世界の言葉にうなずくのであった。(また世界は98cmの七海の胸を見てがっくり来るのだった。)

523-526 第五回
七海を説得した世界であったが、乙女の悲しみを知る世界は乙女に対しても
一緒に謝りに行かせようと動く、だが世界或いは七海では拒絶される恐れがある為
乙女の妹の可憐に事情を話し、乙女をラディッシュに来てもらう様頼むのだった。

今年になっちゃいましたが、書き上げますので宜しくお願いします。
今日はこれで落ちますね。
66名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 19:04:58 ID:JbmGmq2S
最近、甘露寺は元気がない。
話を聞くと、どうやらバスケ部での練習で、思うように調子が出ないとのこと。

「ここのとこ、スランプ気味なんだ。いくら練習しても空回りばっかり。何もかもうまくいかなくて…」
「傍から見てた分には、そうは見えなかったけどな」
「誠にはそう見えたかもしれないけど、このままだと、今度の大会の選抜に、落ちるかもしれない……」

甘露寺はそう言うと、しばらく俯いていた。

「よし、それじゃあ俺がなんとかしてやるよ。明日、俺の母さんが経営してる病院まで一緒に行こう」
「病院に?さすがに、病院に厄介になるほどじゃないって」
「いいから、いいから。悪いようにしないよ。なんなら世界と乙女も連れてきていいから」

翌日、甘露寺は一人でついて来てくれた。
二人に余計な心配をかけたくないと思ったかららしい。
道中、タクシーで移動し、二人で雑談に花を咲かせていると、あっという間に病院に着いた。
母さんには話をしてあったので、順番待ちをしている人たちに悪いとは思いつつも、母さんの待つ部屋へと向かった。

「ただいま、母さん」
「あの、は、はじめあまして…。お邪魔します…」

部屋に入った俺達を、母さんは暖かく出迎えてくれた。
母さんは、席に着いた甘露寺の腕をまくると、ゆっくりと注射針を打った。

「つっ…。な、なぁ、誠。この注射器の中に入ってる薬って何だ?」
「点滴みたいなもんだよ。過労で食欲が減退している時に、点滴打って栄養補給するだろ?」
「いや、今までそういう覚えは無いけど、話には聞いたことがあるよ」
「なら話は早い。即効性じゃないから、効果が現れるのはしばらく後になるけど、必ず元気になれるよ」

その後、俺達は病院を出て帰路に着いた。
帰りの道中、しばらくすると、甘露寺の様子がみるみる変わってきた。

「あれ、誠。なんか、すっごく頭がスッキリする。体も軽いし、今ならいくらでも走れそうだよ」
「よかった。これでスランプ脱出だな」
「あぁ。今日はこのまま、走って帰ってみる。今日は本当に感謝するよ。明日また学校でな!」

そういうと、甘露寺は元気よく自宅まで走り出した。
これが、俺の実験の始まりだとは知らずに……
67名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 19:07:03 ID:JbmGmq2S
それ以来、甘露寺の活躍はめざましかった。
大会でレギュラーに選抜されたのはもちろんのこと、なんと、優勝までしてしまったのだ。
バスケ部始まって以来の快挙に学校中が湧き、甘露寺は一躍、学校中の有名人になった。
期待以上の効果に、俺は嬉しさを隠せなかった。

その後日の昼休み、俺は、甘露寺に屋上に呼ばれた。

「誠、この前はありがとう。これもみんな、あんたのおかげだよ」
「俺は大したことはしてないよ。頑張ったのは甘露寺なんだから」
「そう言ってくれると嬉しいよ。あ、あのさ…話は変わるんだけどさ……」
「何?」
「私、最近変なんだ。あれから、妙に気分が落ち着かないときが続くって言うか…。
なんか毎日あの薬を打っていないと、妙にそわそわして落ち着かないんだ」
「そうなのか?」
「うん…。そ、それでさ、お願いがあるんだけど…あの注射、また打ってもらえないかな?
別に、無理に頼むつもりなんてないけど、お礼はするから。」
「なんだ、そんなことか。それじゃあ、母さんには話を通しておくから、明日また、一緒に病院に行こうか」

それから甘露寺は、ちょくちょく薬をせびりにくるようになった。
お礼はいらないと言ったが、食事を奢ってもらうとかして、彼女の礼を受け取ることにした。
頑なに拒否し続けたら怪しまれるからね。

ニヵ月が過ぎた辺りになると、甘露寺の様子がおかしくなってきた。
会話中に意味不明の言動を取るようになり、放浪癖が芽生え、学校を週に一度休むようになった。
甘露寺を心配した世界と乙女が話しかけても、会話を拒むようになり、日中は酷く脱力している様子が見受けられた。

「まずいな、副作用が予想以上に強すぎたみたいだ。周りもだんだん勘付き始めたみたいだ…」

そこで俺は、母さんと相談し、甘露寺を病院の地下室に監禁することにした。

「ま、誠…何するんだよ……どうしてこんなことするんだ…?」

俺は、甘露寺に鎖の付いた首輪をはめた。
服を全て脱がせ、牢に閉じ込めて鍵をかけ、改めて甘露寺の様子を見た俺は、思わず声を上げて驚いた。
見ると、大会を控えていた頃はあんなに健康的だった甘露寺の体は、骨の筋が見えるくらいガリガリにやつれていた。
68名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 19:08:17 ID:JbmGmq2S

「誠…注射…注射、打って……打ってよぉ……あの注射……」

甘露寺は、毎日、うわ言のようにそれだけを繰り返すようになった。
学校や甘露寺の家では、甘露寺が行方不明になったと大騒ぎ。
警察まで出動し始めたが、まさか、同級生の母が経営する病院に監禁されているなんて、誰が気付くだろう。
母さんは今回の実験に全面的に協力してくれてるし、容疑が掛からぬように手は打ってあるので、心配することは何も無い。

ところで、俺が学校に行っている間は、母さんが甘露寺の面倒を見てくれている。
先日、あまりにもうるさいので、俺がいない間に甘露寺に注射を与えてやったと聞いた。
すると、涎を垂らしながら視点の定まらない目で宙を見て、恍惚に満ちた表情を浮かべはじめたらしい。
その日、俺が学校から帰って様子を見に行った時は、いよいよ末期ともいえる症状が発症していた。

「うわっ!ひぃぃ!!蜘蛛が!く、蜘蛛が…!私の体に、蜘蛛がたかってる!!」

俺と母さんの前で、突然、甘露寺は、何もいない自分の体を払い始めた。
ついに幻覚まで見えてきたようだ……


そんなことを繰り返すうち、とうとう甘露寺の精神は完全に崩壊してしまった。
生活能力はすでになく、自力ではシャワーを浴びることはおろか、トイレに行くこともできない。
その場で糞尿を垂れ流す為、地下室は異臭にまみれた。
食事を与えても まるで犬のように、皿を口でガツガツと貪るだけ。
これじゃあ、まるで動物だ…


「まこ…と……。私……大会で…優勝……したんだよ……。まこと…の…おかげだよ……。
あは……あははっ…あははは…… 」
69名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 19:09:30 ID:JbmGmq2S
甘露寺の笑顔は、もはやあの頃の生き生きとしたものではなかった。
あぁ、甘露寺……甘露寺は、もう二度と帰ってこないんだね……
実験は失敗だ……甘露寺の体を洗ってやりながら、俺はある決断を下した。




数日後、俺は家から持ってきた鋸を取り出した。
そして、ゆっくりと甘露寺の首輪を外す。




「甘露寺、一緒にシャワーでも浴びようか…」
「…え?」

俺は甘露寺の手を引くと、バスルームへと向かった。




数日後、俺は無事にレポートを書き終え、母さんに提出することが出来た。
どうやら、薬にはまだまだ改良の余地があるようだ。


「さて、この実験体はどうやって処分しようかな…」


俺は、かつて甘露寺だった「モノ」を詰め込んだ冷蔵庫を見ながら呟いた。




70名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 19:16:49 ID:t/tguy06
ガクガク・・・GJ
71名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 20:19:36 ID:WaNAUfxw
GJ
72名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 23:30:16 ID:L8cd5XJE
GJ!!
さすがに甘露寺がかわいそうだなこれは。
73名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 23:35:13 ID:jvCRPipv
>>63
こえぇ…GJ
74名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 23:36:26 ID:Z5HxlcD1
スクイズ以外のスレだと荒らしになりかねないが GJ!
75名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 01:37:21 ID:Y9eu3zZS
新年が明けた数日後のある日、寒空の下を俺は歩いていた。
言葉と間に子供が出来たことを知ったのは、夏が始まろうとしていた頃のことだった。
あの頃は、言葉と将来を真剣に話し合っていた頃で、結婚式の会場選びの話に花を咲かせていた。
子供の名前は、言葉と一緒に、産婦人科に検査に行って性別が判明した時に決めていた。
当時の医者の話では、出産は年明けになるだろうとのことだったが、まさしくその通りになった。

そう。俺は今、出産を控えた言葉が入院する病院に向かっている。
俺と言葉の歴史的瞬間に立ち会えることで胸は一杯で、足は自然と早くなっていく。
タクシーを使えばすぐに病院に着くが、あいにく、この時間にタクシーは一本も走っていなかった。
珍しいこともあると思い、足を進めている途中、俺はふと、過ぎ去りし六年前の出来事を思い出した。


「俺には言葉がいる。世界のことはいい友達としては見ている。だけど……それ以上でも、それ以下でもないんだ。」
「そう…。そうなんだ……。」
「俺には言葉がいる。世界の気持ち、受け取ることは出来ない。」
「……」
「……」
「……」
「……そっか。それじゃ、仕方ないよね。」
「……え?」
「あはは…私も虫のいい話よね。うん、ホント。……桂さん、誠。二人ともお幸せにね。」
「世界…」
「西園寺さん…」

あの日のことは、今でも記憶にはっきりと残っている。


話をする切欠さえつかめなかった俺と言葉を、仲介してくれた世界。
世界のおかげで付き合い始めた俺達だったがん、後に、世界も俺に好意を寄せていることが、世界の告白で分かった。
言葉と付き合っていた俺だったが、世界とは席が近く、話をする機会も多いためか、俺は世界の性格が掴めるようになっていた。
また、世界には友人が多く、彼女達は世界のことをよく知っており、特に世界の親友の刹那に至っては尚更だ。
彼女達から世界の話を聞き、世界と一緒の時間を過ごすうちに、気持が揺らいだこともある。


だが、最終的に俺は言葉を選び、二人の気持をはっきり明かした。
あの日、世界は酷く悲しそうな顔をしたが、最後には笑って僕達を祝福してくれたのだ。
76名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 01:38:45 ID:Y9eu3zZS
「ハァ…あぁ…!」
「もう少しだよ言葉、頑張れ!!」
「わ、私、産みます…!誠くんの赤ちゃん、産むから…!くぅっ!」

病院に着いた俺は、すぐに言葉の待つ病室へ向かった。
言葉は既に分娩に入っており、急いで言葉の元へ駆け寄って手を握った。
俺が到着するまで寂しくて不安だと言っていたが、俺が激励を送ると、不安を吹き飛ばすように笑顔を浮かべてくれた。


それから何時間が経過したか、よく覚えていない。
ついにその時は訪れた。


「……オギャア!……オギャア!」


室内に響き渡る赤ん坊の泣き声。
それは紛れも無い、俺と言葉の愛の結晶。
待ち焦がれた瞬間だった。

「…やったぞ!産まれたぞ!」
「あ、あなた……!」

産まれたばかりの赤ん坊を抱き上げ、処置をする看護婦。
俺は言葉の偉業を称えるように賞賛し、改めて妻の手を両手で握る。
言葉の俺への呼称は、母親としての自覚が芽生えたのか、あなたに変わっていた。
そこへ、不意に看護婦から声がかけられた。

「元気なお子さんですねー。」
「ありがとうございます。早速、俺たちの赤ちゃんを…」
「本当に元気な子だよねー。殺してやりたくなるくらいにさ。」
「───」
「───」

二人の思考が同時に停止した。






赤ん坊を抱き上げた看護婦は、六年前、俺達を笑顔で送り出してくれたはずの世界だった。






77名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 01:54:35 ID:gYZXYWc/
ちょ!!怖すぎ。
GJ!!
78名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 04:34:50 ID:fLDfUFDk
甘露寺スト-リ-
誠&甘露寺は原作アニメその他含め付き合う
パタ-ンないから違和感あるねぇ
つうか誠の母は病院の一看護士で
経営者ではないんだが
話的に舞台が病院になって恐怖の病院みたく
違う話になってるし
79名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 04:40:37 ID:fLDfUFDk
言葉誠生首スト-リ-
家に業務用冷凍庫なんて
親にどう説明するんだ、
ましてそこに生首なんかおいたらバレるだろ
後、冷凍してたの舌で触れたり舐めたりしたら
吸着して皮膚剥がれるぞ
80名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:15:40 ID:zGWe+5VC
>>78
ありゃ、色々と勘違いしてました。
スクイズやったのは結構前で、記憶も大分薄れてたから…すみません。
81名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 12:55:13 ID:wIpmq3V6
>>76
なんというホラー
GJ
82名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:15:25 ID:ppPG9LtN
転載

私は今、誠くんと一緒に暮らしています。
朝になると、私はいつもベッドで眠る誠くんに囁きかけます。
「誠くん、おはようございます。朝ですよ」
しかし、今日も誠くんは目を覚ましてくれません。
一週間前、突然、誠くんは眠ったまま起きなくなってしまいました。
西園寺さんやみんなが、この事を知ったら心配すると思って……
それ以来、内緒で誠くんを私の別荘に泊めているのです。

誠くんの身の回りの世話は、全部私がしています。
まず朝起きると、誠くんのお顔をタオルで拭いてあげたり、服を着替えさせたりします。

最近あまりお外に出ていないせいでしょうか?
誠くんの肌は、少し色白になってきたような気がします。

食事の時間になると、私は腕に寄りをかけて料理を作ります。
誠くんは眠っているから、自分では食べられないので、私が一度噛んで柔らかくしてから、誠くんの口の中に入れてあげます。

「はい、誠くん、あ〜ん。おいしいですか?あれ、そんなにボロボロこぼしちゃって。クスッ、誠くんったら子供みたい」
83名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:20:08 ID:ppPG9LtN
それと…これはちょっと恥ずかしいんですけど、お風呂の時も、私と誠くんは一緒なんです。
私、最初はすっごく照れちゃったけど、慣れると一緒にお風呂に入るのが楽しみになっちゃっいました。


でも、最近、誠くんの体が少しおかしいんです。


髪の毛が抜けやすくなって、背中に変な色の斑点ができていたり。
最初の日なんか体が硬くなっていたりしてて、私、ビックリしました。




こうして一緒に暮らしていると、なんだが、私と誠くんって、まるで夫婦みたい。
私、誠くんのことを知ってから夢見ていたんです。
学校を卒業して、大人になったら誠くんと結婚して、一緒に暮らしたいって。
あ…誠くんがこんな時なのに、私ったらなんて悪い子ですね。


私は一日の終わりに、ピアノの前に座って誠くんのために、お気に入りの曲を弾きます。
ねえ誠くん、この前、私、お母さんと心にピアノが上手くなったねって褒められちゃったんですよ。
誠くんに聴かせようと一生懸命頑張っているからかな?

話は変わりますけど、最近少し変なことがあったんです。
一週間前台所に転がっていた血まみれの包丁。
あれは一体なんだったんでしょうか?
外の物置には、青いビニールシートに包まれた大きなものがあるし……

何だろう?…人の形?

そうだ、確か…

たしか…

タシカ…

tashika…






ううん……そんな事どうでもいいですよね。
いけない、もうこんな遅くなっちゃった。
今日は彼の家に泊るって行ってあるから、一晩中誠くんと一緒にいられるよ。
だから今夜は、一緒に寝ましょうね、誠くん。

誠くん、愛しています……

アイシテイマス…アイシテイマス…アイシテイマス……aisiteimasu…
84名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:25:39 ID:ppPG9LtN
引き続き転載

学校から帰った誠が家で目にしたのは、血に濡れた鋸と包丁を持った言葉の姿だった。
言葉の周りには、何人かの人影が倒れており、それは皆、誠の知っている者たちであった。
絶命している甘露寺七海、腹部を押さえて苦しむ加藤乙女、顔にいくつもの穴を作られた黒田光、
首と腹部を裂かれた西園寺世界……一様に凄惨な姿を晒していた。

「う…ぐっ……あぁ……」

乙女は、痛みと苦しみから呻き声を上げ、助けを求めながら、両手で這ってこちらに向かってきた。
そんな乙女の姿を、言葉は鼻で笑って眺めていた。
光は、いっそのこと一思いに殺してくれと叫んだ。
しかし、言葉は一切聞いていなかった。

「あら…」

ようやく誠の気配を察したのか、言葉は誠に振り返った。

「おかえりなさい、誠くん」

言葉はいつもと変わらぬ笑みを、誠に向けて挨拶をした。




誠は目の前の光景に現実感を感じられなかった。


何だ…?


一体何だこれは…?




───凄惨な光景。

───言葉の笑み。

───不釣合いな組み合わせ。

───頭が混乱し理解が追いつかない。


あまりに現実離れしたこの光景を夢だと思った。
だが、朝に転んで作った擦り傷が痛みを走らせ、知らせた。

これは明らかに現実であると。
85名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:29:56 ID:ppPG9LtN
途端、全身に緊張が走った。

「誠くん……どうかしたんですか?」

いつもと同じ声調で言葉は問いかけてくる。
現実感が無い方がよかったと思ったが、既に遅い。
だが、沈黙が続いていたら出来なかったであろうことは出来るようになった。
誠は言葉に対して質問をしたかった。


「これは…どういういことなんだ?」


誠がやっとの思いで投げた質問だったが、言葉はそれをあっさり弾いた。

「私、おばかさんだから、何のことだかよく分かりません。さぁ誠くん、セックスの時間ですよ。」
「な、何を言ってるんだ?」
「扉は開きませんよ、誠くん。」
「え…?」

次の瞬間、誠は踵を返し、玄関口に向かっていた。
ついさっき入って来たばかりの玄関口に。

「!?」

扉はびくともしなかった。
ノブは回るのに扉が開かない。
押しても、引いても開かなかった。
施錠を確認したが、鍵はかかっていない。
引き戸の要領で左右に滑らせようともした。
しかし、扉の構造上、できるわけが無かった。

「閉じ込められた…?まさか、そんなはずは…」

落ち着こうという気持より、言葉への恐怖心が勝り、誠はパニックに陥った。

「…っ!!」

その時、またも傷が痛んだ。
命に関わる脅威が迫っていると痛みなど感じないというが、この時はそれが幸いした。
傷の痛みによって、誠は少しだけ平常心を取り戻した。

(扉が開かないなら…そうだ、窓は!?)

誠は視線を自室の方向に向けた。
言葉が追って来る気配は無く、何故か自室へ難なく移動できると感じた。
86名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:31:40 ID:ppPG9LtN
足早に居間を通って自室に入ると、すぐに扉を閉めて鍵をかけた。
言葉は誠の邪魔をすることは無く、ただ、笑みを浮かべたまま誠の様子を見守っていた。
乙女は這うことをやめ、光は虚ろな目で天井を見つめるばかりになっていた。

「…窓も開かない!?鍵掛かってないのに何でだよ!?しかも割れないなんて……嘘だろ?どうしてだよ?」

その時、鍵をかけたはずの扉が音も無く開き、言葉が部屋に入ってきた。
誠がそれに気付いたのは、すぐ後に言葉が迫った時だった。

「……」

背後にゾクリとする気配を感じた。
誠は心の中で叫んだ。


───タスケテ、


───タスケテ、タスケテ、


タスケテ、タスケテ、
タスケテ、 タスケテ、タスケテ、
タスケテ、タスケテ、タスケテ、 タスケテ、タスケテ、
タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、
タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、
タスケテ、 タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、
タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、タスケテ、 タスケ────────
87名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:33:25 ID:ppPG9LtN




「誠くん」




声が聞こえた。
ゆっくり振り向いた。
後ろには、




鋸と


                                                包丁を持った




                  血に濡れた言葉の姿が─────













                 「誠くん……愛しています♥」













END
88名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:37:41 ID:ppPG9LtN
これも転載(ひょっとしたら、作者は同じかもしれん)

誠が私を捨てて、もう半年になる。
私と誠が初めて体を重ねたのは、寒い冬の季節だった。
ある日、私は誠を学校の屋上に呼び出して誘惑した。
初めは躊躇っていたけど、男って案外弱いのね。
誠はまるで人が変わったように、私の体を玩んでくれた。
それから毎日、私と誠の蜜月が始まったの。
誠はあの口で、私の唇、胸、アソコ、いろんなところを吸ってくれた。
あの大きくて優しい手が、私の体を執拗に愛撫してくれたの。

「世界、愛してるよ」

そう囁きながら。

ああ…今思い出しても濡れちゃうわ…




でも、誠は私よりも、桂さんを選んだ。

何で私じゃダメなの?
私に魅力が足りないから?
私の胸が桂さんより小さいから?


寂しかった。

悲しかった。

悔しかった。

恨めしかった。


それこそ何度も誠の名前を手首に刻んだ。

許せない。
私を置いていった誠を許さない。
そして何より、私から誠を奪った桂さんを許さない!

ねえ誠、知ってる?
実は私、お腹の中に赤ちゃんがいたの。


誠と私の子よ。


私はその子を堕胎した。
グチョグチョのまま、宅配便で桂さんの家に送り付けてやった。
きっと今頃、発狂しているはずだわ。
私から誠を奪うなんて絶対に許さない。

誠には私がいる。
これで邪魔者は消えたし、今度誠を迎えにくわ。
待っててね、誠……


89名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:46:05 ID:ppPG9LtN
これで最後

俺は理性を守るため最後の楼閣に立て篭もりました。
次々と彼の知人達がやってきて扉をこじ開けようとします。
あるものは愛を説き、あるものは奴隷の幸せを説きました。
中には死後の平安を説くものもいましたが、俺は扉を開けません。
知人達が声を上げて扉に体当たりしています。


”ミシ ミシ”


まもなく壊れそうです。愛らしい死神達が力を合わせています。
彼女達の声を聞くだけでいとおしくて気が狂いそうなのに。
会うのが怖いのです。


最初は自分が彼女達を壊すと思っていました。


でも、逆だったんです。彼女達の愛が僕を壊します。


こんなにもこんなにも怖いのに彼女達は部屋に押し入ってこようとします。


好きだって言ったのに何で押し入ってきますか?


俺を子宮の外に引きずり出した気まぐれが彼女達に取り憑きましたか?




俺は悲鳴を上げて部屋の隅に逃げ込んでガタガタ震えながらお祈りします。
でもダメです。知人達は嬌声を上げながら俺に向かってきます。
俺は怖くて怖くて奇声を上げました。

だから近くに寄ってこないかと言えば、そうもいきません。




世界は俺に銃を突きつけます。にっこりと笑って。そして言います。
ここにいる人達の中で、気に入った1人を除いて頭を撃ち抜けと。




だから嫌なんです。いつもこの繰り返しです。俺は決断したくないんです。
なのに身勝手な女の理屈で残酷な天使のテーゼを突きつけられるんです。
もう窓辺から飛び立って良いですか?パトスは迸ってますよ?
90名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:47:40 ID:ppPG9LtN
もう一度奇声を発しようとしましたが、出せません。
俺は彼女達が怖いから。一人でも怖いのに複数いる。
皆自身満々。自分以外の誰かの農相が更迭されても平気です。
翌日には指名できると踏んでいるのです。もう秒読みなのに。

脳漿違いだけれども僕は真剣です。
こっちの脳漿には代わりが無い事を彼女達は知らないんです。きっと。
人数分の一の確率に自分を賭けられるんだから、誰が残っても将来博打うちですね。
とっくに背中が煤けてるのに。
シャブに頼ってまで博打の世界に身を置くのでしょうか。アカギさん?

無念さだけが残ります。俺は銃を撃ちました。




……弾が入ってないんです。




世界が楽しそうに笑います。
真っ先に世界を撃とうとした事を気にいっています。
なんて政治色の強い人なのかと今更ながら思います。
他の女子達へのプロパガンダに使う気だったのです。

部屋の中にいる他の女子達は不愉快そうにしています。
武器を手にして僕に向かってきます。
多分自分にも同じ事をしろと言うのでしょうか?
窓を割って逃げ出します。

窓の下では、他の女子達がマットを敷いて準備しています。
心ちゃんは俺を指差して「誠くん!」と言います。
俺が俺を殺そうとする事も読んでいる。
その事を確認できてとても嬉しそうです。




そうか、誠くんってそういう意味だったんだ。




地面が近づくと、俺は気絶しました。
91名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 17:43:04 ID:6fU2ala8
な、何かそんじょそこらに転がっている陳腐なホラーの枠すら越えたような作品だな……

そろそろ誰かまったりとした作品を投下してくれ。
SAN値ががた落ちな今の俺には無理なんだ('・ω・`)
92名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 18:26:20 ID:geK1zzPp
「かまいたちの夜」とかと同じ怖さが
93mark:2008/01/08(火) 19:56:23 ID:BUlEGHht
まったりとはいきませんが、我が道を行く。

怒りの誠X〜始まりA〜(62からの続き)

(現実及び原作・アニメ等ではありえない設定・状況が多いですがご容赦下さい)

こうして私の1年次の生活が過ぎ、春休み中に私や誠君、清浦さん、
……そして、西園寺さんにとって忘れられない出来事があり、
私は2年生として、榊野学園で学生生活を送り続けている。

クラス替えで、私は誠君と同じクラスになり、1年次に誠君と同じクラスだった
清浦さんや黒田さんとも一緒になった。もちろん2人とも私と誠君の関係は理解して
おり、いらぬ心配をする事はない。……特に清浦さんには西園寺さんの親友であり
幼なじみという難しい立場でありながら、誠君と共に色々とお世話になった。

言葉「2年生になってまず始めた事は、天文部の活動をもう少しちゃんと
   したものにしようと、誠君と一緒に部員の勧誘をしましたね」
誠 「元々休部状態だったのを、去年世界がやりたいという事で再開した
   んだったな。完全にユーレイだったけど」

現在は誠君が部長、私が副部長で、1・2年の部員が6人程在籍しているのだが、
ご多分に漏れず、まじめに部員として活動する人は、私達以外では2人だけ
しかおらず、後はみんな籍だけの存在である。
私達もそういう方面は明るくなく、あまり強くは言えないのだが。

誠 「俺達よりも、(後輩の名前2人)の方がよほど熱心で詳しいしな。
   来年はあいつらに部長を任せて問題ないだろう」
言葉「そうですね。でも、勉強以外での活動も結構新鮮でした。私は運動が
   苦手で、人との付き合いもダメで、去年はクラス委員や学祭委員を
   経験しましたが、中々上手くいかなくて。……本を読むのももちろん
   好きですけど、それ以外で何か自分にも出来る事はないかと思って」

そうして行き着いたのが、西園寺さんが去年在籍していた天文部だった。
現在は屋上での気温や太陽の観測が主で、夏休みにはその後輩達の案で、海に行き
星空の観察もやった。それらをレポートとして纏めたり、星座の由来や
占星術の歴史的成り立ちを簡単に纏めたものを学祭の出し物という形で、
空き教室に展示した。

もちろんクラスとして出し物を完成させる活動もあって、時間を取るのが難しく、
必ずしも満足のいく出来ではなかったけど、勉強や恋愛とは違う充実感を
経験し、誠君や後輩達と一緒に喜びを分かち合った。
94mark:2008/01/08(火) 20:43:56 ID:BUlEGHht
誠 「学祭も一段落して、こうしていつもの時間が戻ってきたけど。
   ……まずはもっと部員を増やさないとな。一応掲示板に張り紙は
   して、俺か言葉に直接入部を希望するようお願いはしてるけど。
   ……顧問の先生も学祭以外では基本的に放任主義だし」
言葉「後輩の子達も、学祭の時にも勧誘をしてくれましたけど、なかなか
   上手くいかないってぼやいていましたしね。こればかりは地道に
   やるしかありませんね」

誠 「そうだな。………そういえば、俺と言葉が屋上でいつものように
   観測している時に、加藤の妹がやって来たんだったな」
言葉「そうでしたね。加藤さんの妹がこの学園に入学したのを
   知った時は驚きました」

もちろんあの事は妹の可憐さんには全く関係のない事であり、恨み言を
言うつもりは毛頭なかったが、加藤さんが退学してからの事は
殆ど知らなかったので、彼女がどうしているのか、思わず聞いてしまった。

(回想2)

誠 「どうしたんだよ。ひょっとして天文部に入部したいとか?」
可憐「いえ、違います。私はお姉と同じバスケ部ですから」
言葉「じゃあ…… なんのご用なんですか?」
可憐「………………」

少し、沈黙する。

誠 「ひょっとして、君のお姉さんの事なのか?」
可憐「はい。………去年の事はお姉から聞いて、知っています。
   お姉がバカな事して、伊藤先輩や桂さんにいっぱい迷惑かけて、
   ホントごめんなさい」
言葉「いいんですよ。あなたが気にする事じゃありませんから。
   あれはもう過ぎた事です。……それより、あの……」
可憐「……何ですか?」
言葉「……加藤さんは、今はどうしているんですか?」
95mark:2008/01/08(火) 21:50:28 ID:BUlEGHht
可憐「お姉ですか……」
誠 「俺もあいつがどうなったのか気になっていたんだ。差し障りが
   なければ、教えてくれないか?」
可憐「わかりました。去年退学してから、家裁に行ったりで
   色々ありましたけど、今は定時制の高校に入り直して何とか
   生きてます」
言葉「そうだったんですか……」

加藤さんは中退後、澤永さんの暴行事件の事で、彼に対する唆しを巡って
色々とあり、家庭裁判所にも行ったのだと言う。加藤さんはどんな処分も
受ける事を覚悟していたそうだが、真摯に反省し、私に対する本心からの謝罪の
意思もあり、裁判所による処分を下さなくても十分更生出来ると判断された
のか、不処分の決定となった。

保護観察を受ける事もない寛大な措置に、むしろ加藤さん本人が戸惑った
くらいで、『もう2度と馬鹿な事はしません』と裁判長に誓ったそうだ。
そして今年の春、某定時制の高校に入り直し、昼間はアルバイトをし、
夜は高校生という生活を送っているのだという。

可憐「そこの定時制にもバスケ部があって、色んな世代の人が
   集まっているんだとか。榊野よりは全然レベルが落ちるけど、
   即戦力かつバスケの経験者という事で、お姉は可愛がられてる
   みたいです」
誠 「へえ、そうなんだ。」
可憐「あと、以前よりも目が優しくなりましたね。……任意同行を
   受ける前のお姉は、妹の私でも何か近寄りがたくて、目つきも
   怖かったし」
言葉「それだけ追い詰められていたんですね…… やっぱり、加藤さんと
   話した事は無駄ではありませんでした」
誠 「そうだな。ちょっと遠回りしちまったけど、また学校生活が
   送れて良かったな。……あいつに宜しく伝えてくれないかな?」
可憐「はい。お姉も喜ぶと思います」
誠 「それと、君も女バスに入ったって言ってたよな。もしあいつや甘露寺
   の起こした事で、何か変な事されたら、遠慮なく俺達か清浦に
   言ってくれよな。特に清浦はそういうのに容赦しない奴だから。
   なりは小さいけど、とっても頼りになる奴だからさ」

可憐「ありがとうございます先輩。でも私はお姉より要領いいですから、敵を
   多く作るようなヘマはしません。……じゃ、私はこれで」

そう言って可憐さんは踵をかえし、私と誠君の関係を軽く冷やかして、
屋上から去っていった。
96mark:2008/01/08(火) 22:04:48 ID:BUlEGHht
一旦切ります。乙女のその後はベタだけど、こんなもんかな。
保護観察も無しなので、相当甘いですけど。もっと法律の厳しい国なら、
こんなものじゃ済まなかったでしょうね。もちろん言葉が自殺して、苛めや
レイプが明るみに出た場合は、法的にもっと厳しい処分が下ったのでしょうが。

部活ネタは世界が一応天文部所属という設定を、使わせて頂きました。
97名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 00:08:09 ID:MXJ4cRN5
>>75,76
Nice job.
素晴らしいです。
僅かな文にも関わらず「我が子へ」以上の衝撃でした。
自分がこういうのに読み慣れていないせいもありますが。
98名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 00:08:17 ID:Awfm1fkZ
>>96
マターリした。乙。
99名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 00:38:11 ID:mvT87nn+
>>75 76
感動した
言葉の幸せをみれて感激

最後のオチもおもしろい
わが子への続きはこんな感じだといいな
100名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 09:05:31 ID:GAfLKOti
>>99 おまwww
101名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 19:52:03 ID:ULRGPcSr
電車乗って十分が経った頃、私の乗った電車は地下鉄へと入っていった。
窓の外に広がっていた景色は徐々に隠れ、窓の外には地下鉄独特の光景が広がる。

あと二十分もすれば、私は誠に会える。
この地下鉄は各駅停車しかないから、仕方ないとは言え、目的地に着くなでの時間は長い。
他の路線なら快速列車があるけど、人が多いし、落ち着かないし、ちょっとした物思いに耽ることも出来ない。
だから、最終的にこの路線が選択肢に残った。

「はあ……早く誠に会いたいな。」

私は、胸がすごくドキドキしてる。
もうすぐで私と誠が二人きりになれると思うだけで、とても幸せな気持ちになる。
これって、やっぱり青春だよね。


一つ、また一つ電車が駅を通過していく。
早く下車駅に着いて欲しいなぁって思うけど、そこはじっと我慢。
早く着いて欲しいといった手前だけど、我慢すればするほど、誠に会えたときの喜びが何倍になる。
だから私は、電車が下車駅に着くのを、思い出を回想しながら待つ。

一つ、また一つ電車が駅を通過していく。
もうすぐで電車が下車駅に到着する。
その度に、誠への距離がまた一つ近付く。




電車はついに下車駅に着いた。
私は、つい早足で席を立って電車を降りた。
ホームを足早に歩いて階段を登って、改札を抜けて外に出る。

外を抜けると、冬場にしては強い日差しが私を照らした。
思わず手を額にやって辺りを見回して、信号を渡る。
外に出たはいいけど、まだ誠には会えない。
ここの信号は反対側までの距離が長い割りに、赤に変わるのが早い。


ちょっと駆け足になって信号を渡ると、私は、すぐ近くにあるシッピングモールのエスカレーターに乗った。
102名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 19:55:18 ID:ULRGPcSr
このエスカレーターを上がりきると、天井が背の高いアーチ上になった通路に出る。
左手にカフェの入り口が、右手にはコーヒー豆を多数揃えたショップ、正面に行き先案内の看板。
私は正面の看板に向かって歩いて、現在位置を確認すると、右手に見えた道を歩いていく。
しばらくすると、 右手に駅の改札口、左手に動く歩道が見えてきた。

この列車なら、もう少し早くここに着いていた。
けど、やっぱり人は多くて、とても落ち着いた気分じゃいられなかったわね。


私は動く歩道に乗り、その上を歩いていく。
動く歩道の上を歩いて、終点で足を離す。
離れる瞬間に、残った足が後ろから押される感覚が変な感じ。

降りてすぐ目の前に、また動く歩道がある。
また動く歩道に乗ってその上を歩いていく。
二回目の動く歩道を終点で降りて、また次の動く歩道に乗る。

三回、四回、五回目で最後の動く歩道。
視線の先には、歩いてきた通路の出口。
最後の動く歩道を下りて外に出ると、少し離れた先に誠の姿が見えた。
思わず誠を呼びそうになったけど、ここは我慢。
だって、もう少しだから。

「誠…」

距離を置いて歩いて誠の後を追うと、誠は信号を渡って、広場に向かっていく。
私も続いて信号を渡ると、私が渡りきった瞬間、信号が赤に変わった。
早足で私は誠との距離を詰める。




そう、あともう少し。




私は二人きりになるために用意した道具を手に、誠の前へと躍り出る。
103名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:06:43 ID:ULRGPcSr


「世界…?」


誠はとても驚いてる。


なんで私がここにいるんだろうって顔して。




「まーこと♪」




私は後ろに隠していた二人きりになるための道具を出した。

それは、この日のためだけに用意した、大きな大きな出刃包丁。




「ぐ、がぁっ…!!」




驚く誠にブスッっと刺して、ハイ準備おーけー。
足元がふらつく誠を押し倒して、馬乗りになって、何度も出刃包丁を誠に刺した。
苦しんで悶える誠に、何度も何度も包丁を突き刺した。
そして、最後の仕上げに、誠と自分の喉を掻き切って、私は誠に倒れこんだ。


これで私は誠と二人きりになれる、誠と二人きりの世界にいけるの。
104名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:08:23 ID:ULRGPcSr


全部誠が悪いんだよ?


私に構ってくれないから。

私を見てくれないから。

私を捨てるから。

私以外の女を見るから。




私は誠が好き!

私は誠が大好き!

私は誠を愛してる!

桂さんに誠を渡すわけにはいかないの!




誠は私だけのモノなの。

誠がその目で見ていい女性は私だけなの。

誠がその口で会話していい女性は私だけなの。

誠がその耳で聞いてもいい女性の声は私だけなの。

誠がその手で抱きしめてもいい女性は私だけなの。

誠がその男のモノで子宮を突いてもいい女性は私だけなの。
105名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:09:36 ID:ULRGPcSr
すぐ近くで、誠と待ち合わせをしていた桂さんが悲鳴を上げてる。
周りの人も声を上げて私と誠を見ている。


二人を中心に広がっていく赤い海。
誠の胸の上でそれを見つめながら、私は誠と二人きりの世界に旅立った。












誠……愛して、る……死んでも…………愛し……てる……











106名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 22:10:19 ID:OL8ITRMa
GJ。世界って言葉みたいに壊れたことないからちょっと新鮮(コミック版ではあったけど)
世界が壊れるとこうなるのか。怖いな…




でもダイジョーブ!マジカルハートこころちゃんのマジカルステッキを使って
魔法少女ファイナル言葉に変身して誠を生き返らせる旅に出るから!ヨットで
107名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 23:37:47 ID:JQiIGOjh
世界の壊れっぷりにガクブルGJ
108名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 00:13:43 ID:K4b5zyMY
刹那が壊れないかな……
109名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 03:05:15 ID:z+0VYL/D
何か最初の電車の所の描写が世界というより
言葉っぽいんだが?
110mark:2008/01/10(木) 09:55:39 ID:H9Z+ruIC
(怒りの誠X〜始まりA〜 95からの続き)

誠 「もっと落ち込んでいたかと思ってたけど、加藤もようやく
   自分に素直になれたって事なのかな?」
言葉「そうでしょうね。……加藤さんなら新しい高校でもきっと
   大丈夫だと思います。」

そう言い、私達は笑顔を浮かべる。もちろん加藤さんが本来送るはずだった
学校生活からは反れてしまったが、幸いにも彼女は立ち直り、自分なりに
新たな学校生活を頑張っている。……かつて苛めの首謀者であり、澤永さんを
唆して私を苦しめた加藤さん。私と誠君との対話では、私への憎しみと共に、
彼女が1番触れられたくないであろう真実を明かしてくれた。

彼女にとって辛い経験だったのは間違いない。しかし、その経験をただ
苦いものとしてだけでなく、これからの人生を送る上での、大きな糧として
生かしてくれる可能性を、私は妹の可憐さんが教えてくれた、加藤さんの
その後に生活に見出せそうな気がした―――


誠 「加藤もそうだけど、甘露寺も黒田から話を聞いた限りでは、
   何とかやってるみたいだしな」
言葉「来年か再来年に高卒認定試験を受けるつもりだって聞きましたけど。
   学校に頼らない、独学での勉強は大変だと思います」
誠 「まあ、俺の知ってる限りでは、ただのスポーツ馬鹿じゃないし。
   学力的には言葉や清浦にはかなわないかもしれないけど、
   何というか……彼女らしいな」

夏休みは誠君と2人でプールにいったり、天文部の部員達と、星空の観察
をしに海へ行ったり、もちろん学生の本分である勉強もあり、迂闊にも
宿題の範囲を勘違いしてしまい、慌ててやり直したり………
そうしてあっという間に夏休みも終わり、2学期の始業式に入り、私と誠君は
黒田さんから、現在の甘露寺さんの様子について教えてくれた。
111mark:2008/01/10(木) 11:08:48 ID:H9Z+ruIC
(回想3)

光 「おはよ〜お2人さん。このクソ暑い中、相変わらずお熱いことで。」
言葉「おはようございます黒田さん。」
誠 「久しぶりだなあ。夏休み後半の補習は顔見せなかったけど、
   夏風邪にでもやられたか?」
光 「ブー、はずれ。ちょっと短期のバイトで小銭稼ぎをね。」
誠 「黒田らしいな。でもお前の家って洋菓子のお店やってるよな。
   いつもより店の手伝いをして、お金を貰う事は出来なかったのか?」

光 「だめだめ、その手は何度も使ってるから、断られちゃってさ。
   しゃーないから、泣く泣く外でバイトしたわけで。……あ、
   一応ウチの学校、許可のないバイトは禁止だからさ、この事は
   黙っててよ」
誠 「言わねーよ別に。そんなことしたら、後が厄介そうだし」
光 「むっ。なんか引っかかる言い方なんですけど。まあいいか。
   ……あ、授業終わったら、ちょっと話したい事あるんだけどいいかな?」
誠 「別に構わないけど、何の話だよ?」
光 「んー………」

いつも活発で陽気におしゃべりをする黒田さんにしては歯切れが悪い。

言葉「あの、差し出がましいかもしれませんが、話辛い事だったら、
   無理に話さなくてもいいのでは……」
光 「いや…… 一応伊藤と桂さんに関係ある事なんだけどさ」
誠 「何か気になるなあ。一体何の話なんだよ?」
光 「まあそれは授業後って事で。あ、そうそう。英語の宿題で
   どうしてもわかんない所があってさ、悪いけど写させてくれないかな?」
誠 「……何だか黒田のペースに嵌っているような気がする。でも、
   俺も英語はそんなに得意じゃないし、清浦か他の人に頼んだらどうだ?
   あ、言葉にねだるのは駄目だからな」
光 「それくらいはちゃんと弁えてるって。あんたが1番頼みやすいかなって」
誠 「俺って一体………」

授業終了後

誠 「それで、朝言ってた話って何だよ?」
光 「実はね…… 1回だけだけど、夏休み中に偶然七海と会った」
誠 「え…!?」
光 「ちょっと街をぶらついてた時に、買い物に来てた七海がいて、
   お互いに気付いて、ちょっと話したり……」
言葉「それで、甘露寺さんとは何を……?」
112mark:2008/01/10(木) 13:12:57 ID:H9Z+ruIC
警察署で話した時、『家に謝りに行く』と言い、
それから何日かして、甘露寺さんはご両親と共に謝罪しに私の家に
やって来て、改めて私や私の両親に謝ったのだが、それから後の事は、
加藤さん同様、殆ど知らなかった。


光・七海の再会

七海「………何と言うか、久しぶりだな」
光 「………そうだね。」
七海「………………」

七海は気まずい雰囲気のようである。

光 「あのさ…… 立ち話もなんだから、近くのファミレスにでも寄る?」
七海「…………ああ、今日はバイトも休みだし。」
光 「………………」

ファミリーレストラン内

適当な飲み物とデザートを注文し、世間話をする光と七海。1年前までは
世界や刹那と同様に、仲の良い友人として過ごしていたのだが、互いに
どうしても会話がぎこちなくなる。
やがて、話はあの事に触れてしまう。

光 「去年はうちのクラスでも結構騒がれて、世界も驚いていたけど、
   ………どうしてこう、ややこしい事になっちゃったのかなあって
   私も思っちゃってさ」
七海「………ごめん。世界だけじゃなくて、光や刹那にも悪い事しちゃってさ、
   もちろん伊藤や桂には本当に申し訳ない事したと思ってる」
光 「まあ私はあの件については、七海が4組の加藤さんと一緒になって、
   桂さんを苛めたって位しか知らないし、今更あんたにどうこう
   言うつもりはないけどさ。……でも、そーいう事する前にもうちょっと
   何とかならなかったのかって言うのが、半分本音かな」
七海「……面目ない」

七海が俯く。

光 「まあ去年の話はこれくらいにして、……今はどうしてんの?」
七海「今は、週5で夕方から夜に倉庫整理のバイトしてる。……最初は結構
   きつくて苦労したけど、部活やってた事でだいぶ助かったかな。
   それでも現役の時よりは体力が落ちたけどね」
光 「ふーん、七海らしいっつーか……」
七海「アルバイトでお金を貯めて、1〜2年後に、大学は難しいけど、短大か
   専門学校に進学しようと思ってさ。それに必要なお金を今貯めてるんだ」
光 「でも、高校中退したのにそういう事って可能なんだ?」
七海「高卒認定試験っていうのがあってさ。昔は大検とも呼ばれていたらしい
   けど、それに合格すれば、高卒と同じ学力があるって認められるわけ。
   もちろん、どの大学や短大・専門学校も受験できる」

光 「七海は勉強もわりかし得意だったもんね。なるほど」
七海「さすがに高校中退じゃ、なかなか良い仕事には就けないしね。
   それで今日は本屋で、参考書や問題集を買いに来たってわけ。
   家の方には大きな本屋が無くてさ」
113mark:2008/01/10(木) 13:55:15 ID:H9Z+ruIC
光 「まあ何の協力も出来ないけど、七海が無事目的を叶えられるよう、
   応援してるから。がんばれ」
七海「……ありがとう。……ところで、伊藤や桂はどうしてるんだ?」
光 「ああ、今年私と同じクラスになってね。2人ともラブラブっつーか、
   何というか……もう慣れたけど」
七海「やっぱり世界はあいつには敵わなかったか…… それで世界は
   どうしてるんだ?」
光 「えーと… 最初は凄く落ち込んでいたけど、何とか立ち直ったかな。
   相変わらず元気でやっているよ」
七海「そうなんだ。てっきり世界の事だから、2人を避け続けるのかと
   思ってたけど。あいつも大人になったって事かな」
光 「あははは、そうだね」

その後は再び取り留めの無い話に戻り、やがて区切りの良い時間となり、
店を出る光と七海。

七海「じゃ、今日はこれで」
光 「うん。久しぶりに会えて良かったよ。バイトと勉強頑張ってね」
七海「ああ、頑張る。きっとやり遂げて見せるから。……世界達に
   宜しく言っといて」
光 「うん、わかった。」
七海「じゃあ、いつか会う事が会ったら」
光 「うん、バイバイ」

そう言い、光と七海は別れる。七海の姿が人込みに消えたのを見届けた
光は、独りごちる。

光 「まあ……… 嘘は言ってないよね、多分」
114mark:2008/01/10(木) 14:00:39 ID:H9Z+ruIC
一旦切ります。七海もまあベタだけど予定通り。残りは澤永と世界か……
115名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 16:10:12 ID:gr0eDfF8
刹那に突き飛ばされる悲惨な結果w
                             .┌┬―゙ ̄ ゙̄―┬┐
                         _______|_,,|___,||___,|,,_|_______
                       ./====──── ============\
                       ||.0 1 T.|. 5108 .│|.・・.|| ○ ○ | ||
                       ||.─.─.| 二二二.|├.──‐.───.||
                       ||    .| |     | |│  ∧_∧,  . ||
                       ||__,,,| |__,,| |..|  ( ・∀・)   ,||
                       ||.--.--.|-------|-''''''''''''''''''''''''''''''''''''||
    ことぴー死ね           ||__,,,|____,|  ____ _,,,,,,,||
     , --、 _,--、            ||.┌┐..|                .┌┐||
     },'´zヘヘヽ{            ||__llllll__,|    '´  ,、`ヽ..____llllll._||
── =≡i j"リハノ !  =          .  ||.--.--.|-   i,ノノ )) リ.--.----.---||
── =≡从(!゚ ー゚ノリ  ≡    ガッ      _     |!il "ロ ノl|――――‐┘
─ =≡○_   ⊂)_=_  \ 从/   ――  ―   ⊂ )允iつ _| ||||||||||||||  <そんなぁ!?
── =≡ >   __ ノ ))<   >  ――   ― 三  く/_lj〉   |||||||||||||||
─ =≡  ( / ≡__ /VV\     ̄ ̄ ――  (ノし'   |||||||||||||||||
── .=≡( ノ =≡     ./.|         |||llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll|||
               // |    /  // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\  \
            .//  .|   /  // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\  \
116名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 16:46:04 ID:pnUKgI0S
刹那Fセイエイ
117mark:2008/01/10(木) 18:43:57 ID:H9Z+ruIC
(怒りの誠X〜始まりA〜続き)

誠 「甘露寺も根はまじめな奴だし、目的を達成しそうな
   気がするな。頑張りすぎて身体壊さなきゃいいけど」
言葉「まだ若いですから、いくらでもやり直しは効きますよ。
   甘露寺さんも前向きに頑張っているのを知る事が
   出来たので良かったです。……西園寺さんの事は正しく説明しなかった
   ようですけど」

誠 「世界の事を甘露寺に説明するのは、ちょっと手間取るしな…… 黒田が
   気を利かしてはぐらかしてくれたんだろう」
言葉「………………」

あれから甘露寺さんは、携帯のアドレスを変え、友人である西園寺さんや黒田さん、
清浦さん達とは一切連絡をとっていなかったと、私と誠君は黒田さんから聞かされた。

かつての私や、……今の澤永さんの置かれている状況を思えば、遥かにましなのだろうが、
『西園寺さんはもう、榊野学園には在籍していない』
この事実を知った甘露寺さんが、変に気に病まないようにという、黒田さんなりの
心遣いなのだろう。今の彼女に必要なのは必ずしも正確な事実ではなく、
甘露寺さん自身の今後の人生への意志である――

それでも隠し事には変わりはないが、かつての私は、完全に手遅れに
なる寸前まで、誰にも自分の置かれていた状況を打ち明けなかった
のだから。……いや、誠君にはメールでか細く打ち明けたんだ。

誠 「あとは泰介がきっちり更生して、いつか俺や言葉にちゃんと
   詫びをいれてくれる事を祈るしかないけどな……… あれから
   ほぼ1年経ったから、もうすぐ少年院から出ると思うんだけど」
言葉「…………そうですね」
誠 「俺は言葉じゃないから、その……… そういう苦しみや悲しみを
   全てわかってやれるなんて事は言えないけどさ。……こうして、
   一緒に過ごす事は出来る」
言葉「ありがとう誠君。いつも気遣ってくれて」
誠 「あの事件に関しては、俺は直接の被害者じゃないから、泰介が
   どうしているのかを知る事は出来ないし。……言葉も詳しい事は
   知らないんだっけ?」
言葉「…………ええ。澤永さんが少年院へ入って、そこで模範生
   として過ごしているというくらいしか。」
誠 「俺達の関係を知らず、唆されたとはいえ、あいつのやった事は
   紛れも無く犯罪だからな。ちゃんと更生してくれないと困る」
言葉「………そうですね」
誠 「言葉にあいつの事を許してほしいなんていう気は全くないし、
   俺だって男として、あいつのした事は許せないけど。でも、
   ……もし、あいつが本当に反省して、俺と言葉に謝罪してきたら、
   その時は………」
言葉「…………………」

私は誠君のことばに沈黙し俯く。誠君が澤永さんに甘いからではない。
彼の人に対する優しさはよく知っているから。
………私は誠君に嘘をついている。

(続く)

118スクイズイフ:2008/01/10(木) 21:14:58 ID:nn7Hi5lc
SchoolDays-if3話a
朝の電車にて
誠《あれから一週間…清浦と桂さんの3人で放課後の学祭実行委員会への参加と帰り道が一緒の事もあり大分親しくなった気がする……と思う
まあ、さん付けがなくなって伊藤くんに変わった…ぐらいだが〜朝だけは桂さんと挨拶を交わすぐらいになったのだから、ただ見てた頃と違って各段の進歩だと……》
言葉「あ……伊藤くん、おはようございます」
誠「おはよう…桂さん」
言葉「確か今日は実行委員会ってなかったですよね?」
誠「え〜と確か…なかったね今日は」
言葉「何か残念です」
誠「え?…何で?」
言葉「最近清浦さんや伊藤くんと放課後に一緒にいるのがすごく楽しくて…あ、何か変でしょうか?」
誠「いや…そんな事ないよ〜俺も最近学校楽しいし……」
言葉「あの………伊藤くんと清浦さんって………」
誠「ん…何?」
言葉「……ツキ…な、仲、良いですよね〜」
誠「あ…ああそうだね〜確かに最近なんだけど…席替えで隣通しになってからかな〜意外と清浦って面白いヤツだってわかってからは毎日楽しいよ」
言葉「私も3組に入りたかったなあ〜って思ってしまいます」
誠「来年一緒のクラスになれればいいね」
言葉「そうですね……本当にそう思います〜」
誠《こんな感じで少しずつだが桂さんと親しくなっている…最初はただ焦ってばかりだったが緊張する必要は無いんだなあと実感している》
119スクイズイフ:2008/01/10(木) 21:16:07 ID:nn7Hi5lc
SchoolDays-if3話b
4組の教室
言葉《…はあ…今日も放課後まで我慢しないと…あ、そうか今日は委員会はなかったから…どちらにしても放課後か…》
言葉「おはようございます」
一応隣りの人に挨拶をするが…一瞥をくれて席から離れていく
あのクラス委員の一件以来それまでは普通に接してくれた人ですらこの状態……そしてその原因を作ったグループのリーダーが……
乙女「桂!例の資材の件、どうなってるの?」
言葉「あ……加藤さん…一応聞いてみましたが倉庫に在るものを活用してほしいと言ってまして…」
乙女「私言ったよね〜新品で欲しいって!」
言葉「私もそう言ったんですが…」
乙女「………じゃあ倉庫には使えるのは残ってるんでしょうね?」
言葉「あ…まだ調べてません…」
乙女「桂!あんたやる気あるの?…ったく学祭実行委員のくせに!…あんたがそんなんだから…」
言葉《…はあ…何で加藤さんはこんなに私を目の敵にするのだろう……清浦さんや伊藤くんのクラスならこんな事はなかったのかな?》
乙女「桂!人の話聞いてるの?!」
言葉「あ……ごめんなさい………」
乙女「とにかく頼むわよ!桂〜」
言葉「はい………」

言葉《こんな事ばかりで私は学生生活に幻滅していた…でも今は朝と放課後が楽しい…ずっと学祭委員が続けば……あ〜そうか…学祭までなんだ…この楽しい時間は………
学祭が終わったらまた1人か……》
120スクイズイフ:2008/01/10(木) 21:16:59 ID:nn7Hi5lc
SchoolDays-if3話c
昼休み〜3組の教室
七海「そういえば刹那〜最近随分と仲良いじゃない?伊藤と」
刹那「ブッ……七海…何を言うの?」
七海「最近の刹那が明るくなったからかな〜他に考えられないし」
光「本当なの刹那?」
刹那「う……そんな事はない…伊藤は学祭委員で一緒だから〜それに別に二人きりでもないし…七海のそれは勘違い」
七海「へえ〜そうなんだ…清浦刹那研究家の西園寺世界博士〜どう思いますか?」
世界《あの入学式のか…そうか…やっぱり刹那好きだったんだ〜伊藤の事……》
七海「ん?……世界?」
刹那・光「世界?」
世界「あ、ごめん…ちょっとトイレ行ってくるね」
刹那「世界……」
七海「珍しいねえ〜世界…最近刹那と違って元気ない感じだね〜まさか刹那に嫉妬してたりして?」
刹那「………」
光「まさか世界まで伊藤の毒牙に?」
七海「《あ、ヤバい地雷踏んだか〜話題変えないと》そ、そう言えば光は旦那とはどうなのよ?少しは進展あったの?」
光「旦那言うな!〜まあ最近ちょっとね研究してて今実践中なの…最近そのせいか澤永ってば〜大分意識してきたみたいなの〜」
七海「ほう〜どんな事を実践中なのよ聞かせなよ!刹那も気になるよね?」
刹那「私は別に……」
光「ふふふ〜これだ!」
刹那・七海「え?それって……」


女子トイレ洗面所
世界《私…刹那に嫉妬してる…そうだよね刹那は入学式の時がきっかけで伊藤を好きになったんだよね…明らかに刹那変わったもん〜否定してたけどやっぱり好き何だろうなあ…私…どうすればいいんだろう?》
世界・??「はあ〜」
同じタイミングで溜め息をついたため隣通し目があった
世界《確か4組の桂さんだったかな?》
世界「あはは…こんにちわ〜4組の桂さんだよね?《こんな人でも溜め息つくんだ〜以外》」
言葉「あ、え〜と確か3組の…確か西園寺さん?」
世界「《え?…何で桂さん私の事知ってるの?》うん、西園寺世界って言うの〜でも何で知ってるの?」
言葉「あ…それは…………」
121スクイズイフ:2008/01/10(木) 21:17:54 ID:nn7Hi5lc
SchoolDays-if3話d
学内食堂
誠「で…泰介〜相談っていうのは何だよ?わざわざ奢るからと言われてまでの相談だからな〜気になるけど」
泰介「…なあ誠……例えば人から凄く睨まれる原因って何が理由だと思う?」
誠「へ?…う〜ん…凄く睨まれるか……恨まれてるとか嫌われてるとか?」
泰介「やっぱり?……だよなあ〜それしか考えられないよなあ〜」
誠「……つまり今誰かに睨まれてるのか?」
泰介「……なあ誠〜俺どうすればいいんだろう?…俺教室に戻るのが怖いよ〜」
誠「へ!?〜同じクラスのヤツかよ!!誰だよ?」
泰介「……く、黒田………」
誠「く、黒田?………お前………自首するなら俺も付き添ってやるから〜俺からも穏便に済むように頼んでやるからさあ〜警察いこうぜ…あ〜その前に相談料一万円な!」
泰介「あ〜わかったよ…って何で金を要求されなきゃいかん〜じゃあなくて俺が何で警察に自首せなゃならんのだ〜!」
誠「ちっ〜騙されなかったか…まあそれは冗談だが………お前黒田に何したんだ?…正直に言えよ〜」
泰介「それが検討つかないから相談してるんだって!」
誠「お前と黒田って中学からの知り合いだろ〜その辺で何か思い当たる事は?」
泰介「もうさんざん考えたけど…検討がつかないじゃー………で…最近さあ誠、委員長と仲良いじゃん〜それとなく聞いてみてくれないか?」
誠「はあ〜何で俺が清浦にそんな事聞かなきゃいけないんだよ!」
泰介「いや〜だって委員長と黒田は仲良しだし…俺が聞くより誠が聞いた方が教えてくれそうじゃん?」
誠「う〜ん…わかったよ〜聞いてみるよ…でもあんまし期待するなよ?」
泰介「ああ〜頼むよ」


誠《清浦なら多分知ってるだろうけど…教えてくれるか?
それが問題かな〜?》
122スクイズイフ:2008/01/10(木) 21:18:41 ID:nn7Hi5lc
SchoolDays-if3話e
学校屋上
世界「そうか〜刹那に携帯の写真で教えて貰ったんだあ〜」
トイレで桂さんと出会った私は場所を変えて普段生徒が出入りしない屋上に来ていた〜
言葉「はい…私の親友〜って……」
世界「刹那……そう親友なんだよ〜小さい頃からずっとね…」
言葉「良いですね…親友って〜羨ましいです…私には親しくしてくれる友人すら……」少しうつむき加減で消え入りそうな声
世界「桂さん…《そういえば桂さんって4組の中で孤立してるって刹那が言ってたなあ〜》」
世界「よし!じゃあこれからは私も友達!」と言って桂さんの手を握る
言葉「え?!あ…西園寺さん?」
世界「刹那や伊藤の友達なら私の友達だから!あ…駄目かな?」
言葉「いえ…凄く嬉しいです…」
世界「ふふ…あ、そう言えば何か悩んでたよねえ〜溜め息ついてて…もし良かったら聞かせて?」
言葉「…いえいいです〜と言うかですねもう悩みは解消しましたから…《清浦さんの親友が友達なら学祭終わった後も…》」
世界「ふふ…そうか〜ならいいか…あ、そろそろ戻らないとマズいかも〜じゃあ、桂さん戻ろうか」
言葉「あ…はい」
階段を下りて廊下にくると……

廊下
世界「あれ?伊藤…あ、そうか〜食堂の帰りだったね〜」
誠「あれ?西園寺と…桂さん?どうして2人が?ってあれ?」
世界「友達〜」
言葉「はい!友達です…」
誠「へ?!…ああそうなんだ…」
泰介「なあなあ誠〜あの子って4組の桂さんか?」
誠「ああ〜そうだよ、学祭実行委員会で知り合ったんだ」
泰介「え〜あ、桂さん〜あの僕、伊藤誠くんの親友で澤永泰す…」
世界「あ〜もう戻らないとマジヤバいから桂さん!またね〜」
誠「あ〜本当だ!じゃあ桂さんまた〜」
言葉「はい!また〜」


泰介「あのもしもしみなさーん…おーいもしもし……」
声が虚しく響く廊下に予鈴が鳴る〜
123スクイズイフ:2008/01/10(木) 21:19:29 ID:nn7Hi5lc
SchoolDays-if3話f
3組教室〜授業中
誠《さて黒田の様子は…確かに泰介を見てはいるが…言っているような睨みとは〜違うな〜溜め息ついてるか……しかし学食奢ってくれた分は動かないと……さて〜清浦にどう聞くかな…やっぱり誰にも邪魔されたくないし〜ここはやっぱりこれかな?》
俺はノートに『大事な話があるから放課後、2人で会えないかな?』と書いて恐る恐る清浦の方へノートを渡す…まあさすがにクラス委員だから注意覚悟なんだが…横目で反応を見ると〜
誠《お〜ノート見た…さてどんな感じか…ん?!…俯いた顔はよく見えないか?…あれこっち見たか〜何だ清浦…妙にそわそわし始めたなあ〜あ、ノート帰ってきた》
ノートには『いいよ』の一言が…
誠《とりあえずこれで聞き出すしかないか〜》

放課後
隣の清浦が帰り支度をしている
誠「清浦…とりあえず何処か落ち着いて話ができる方が良いとおも…」と言う間もなく〜
世界「刹那、伊藤〜今日は委員会、休みだったよね!!」と突然割り込んできた
刹那「あ…うん」
誠「?!!いや〜その…」横目で清浦を見ると〜断れそうもないかな?
誠「《しゃあない》ああ…暇だよ」
世界「あのね…もし暇なら桂さんと4人で遊びに行かない!…それとも2人とも駄目かな?」
誠《どうしようかな?清浦は……まあいいか…例の件は〜後でも》
刹那「世界…桂さんっていつの間に知り合いになったの?」
世界「えへへ〜実は昼休みにちょっとね…ふふ」誠《どうやら清浦は西園寺と桂さんの件は知らないのか〜》
誠『清浦…後で夜、電話するよ』と小声で言うと
刹那『うん…わかった』少し間を置いて返事〜
誠・刹那「わかった行くよ」そう返事すると〜
世界「桂さん下駄箱で待ってると思うから…」とさっさと行く
刹那「世界…光達は?」後に付いていく傍ら他の友達が気になるのか〜
世界「七海は相変わらずの部活、光は用事あるって〜澤永はよくわからない…と言う訳でこの4人に決定」
下駄箱に着くと桂さんが待っていた
言葉「あ…西園寺さん、清浦さん、伊藤くん…今日はせっかく委員会、休みなのにごめんなさい」
世界「大丈夫〜大丈夫!桂さん〜どうせ伊藤は家に早く帰ったってごろごろしてるだけだからね〜」
誠「うわ〜何だよ!西園寺!ひでえなあ〜さすがにそこまで酷くないぜ!」
みんなが笑う中、カラオケに行く事が決定した〜
124スクイズイフ:2008/01/10(木) 21:20:25 ID:nn7Hi5lc
SchoolDays-if3話g
カラオケルームにて
誠《結局…2時間、カラオケルームで4人で歌を歌っていたが…西園寺がほとんどメインで歌っていて周りを盛り上げていた
〜で驚いたのは清浦……あんまし歌を歌うイメージは無かったけど意外に巧かった〜まあジャンルがちと偏り気味なのと場があんまし盛り上がらない歌なのが勿体無いかなと思った
〜桂さんはやはり想像通りあまりカラオケに来たこともない為か〜あまり歌わなかったし聞くと歌うのは苦手らしい…それでも西園寺が強引に3人で歌った時は何か嬉しそうだったのが印象的だった
〜清浦も桂さんも楽しそうだったが…これも西園寺のおかげかな?》
そして今はみんなで駅で電車を待っていたが……刹那「世界さっきから何を悩んでいるの?」
世界「う〜ん…ちょっとねえ〜やっぱり友達、何だから……よし!伊藤〜これからは伊藤じゃなくてマコトって呼ばせてもらうから!」
誠「はあ?〜突然何言い出すんだよ、西園寺!?」
世界「セ・カ・イ!!って呼ぶ!〜後、清浦じゃなくてセツナって呼んでもらって…え〜と桂さんは…下の名前は?」
言葉「え!〜私はあの…言葉と書いてコトノハと言います…」
世界「よし!誠!〜みんなの名前言ってみよう!」
誠「だからいきなり何だよ!西園寺!」
世界「セカイ!だってば!」
誠「うう………セカイ」
世界「うん!それでよろしい!……いや〜何か名字で言われるのって何か他人行儀で嫌だな〜と思って…はい!次だよ!誠!」
誠「え〜………じゃあキじゃなかった刹那……でいいんだっけ?」
刹那「え、私?…え〜と、マ、マコ、マコ……誠……」
誠「………何か照れるな〜え〜と、言葉……」
言葉「あ、はい…誠………くん…」
世界「よし〜じゃあこれからはみんなで名前を呼び合おうね!」
結局強引に決められてお互いに名前で呼び合うことに……その後電車が来て互いに帰路に就く


電車内…誠と言葉
誠「ったく世界のヤツ〜強引なんだから……言葉…も嫌ならはっきりと言った方がいいよ」
言葉「そんな事ないですよ…名前で呼ばれるのってすごく恥ずかしいけど嬉しいです〜親族以外で下の名前って言われたことないんで……」
誠「そうなんだ…」
言葉「はい……それじゃあ…あの誠くん…また明日〜」
誠「うん〜また明日…」
誠を乗せた電車を見送る言葉はふと思う
言葉《誠…くん…か〜ふふふ…頑張ろうっと》
3話完
125スクイズイフ:2008/01/10(木) 21:38:34 ID:nn7Hi5lc
こっちに移ってるのを知らなくて随分久し振りになってしまいました
まあ待ってる人がいるかはわかりませんが頑張ります
しかし今回実は長すぎて途中で切ったので次はまだ誠と刹那の電話から始まります
ではまた
126名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 22:15:44 ID:apV5mEAn
素晴らしい
続きを期待してます
127名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 01:32:24 ID:bEIxf95k
職人さん乙です。
128名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 08:50:08 ID:q5HTugzu
GJ!
こういう仲良しな部分は見ててほっとするなぁ。
原作が原作だから裏では何を考えているのやらと勘ぐってしまうがw
129名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 11:02:59 ID:ZAZCtxGl
とりあえず書き手が刹那大好きなのはわかった
アニメの場合は状況設定多少変えないと話が
広がらないのかな…
130スクイズイフ:2008/01/11(金) 12:25:01 ID:/m4ONzL4
刹那好きですいません

でも書いていて思ったけど
図に乗せてはいけないのが世界なんだなあ〜とは思いました
ただ今回で誠、刹那、言葉に楔のごとく世界を入れないと話が動かないということがわかりました
世界は良くも悪くも絡ませないといけないキャラなんだなあ〜と実感

しかし自分の書くスクイズはドラマCDのようなラブコメ風が好きなんだなと改めて実感しました
131名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 14:59:32 ID:+4PYv3O3
世界は良くも悪くもおバカだから誠にとっても言葉にとっても刹那にとっても最高の友人になるか最悪の敵になるか極端なんだよ
132名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 15:56:09 ID:e1CO9i1+
若干趣旨が異なるかもしれませんが、「丸戸史明がスクイズを書いたら」と妄想。
*あらすじ*
 主人公の伊藤誠は大学進学直前の18歳の少年。とくにやりたいこともなく、のんべんだらりと暮らしていた誠だが、この春休みからアルバイトを始めてみようと思い立ち、ちょうど目についた喫茶店"curio"5号店に応募して採用される。
 そこでは、ウェイトレスとして中・高時代のケンカ友達的存在・加藤乙女と遭遇。しかも、1年生のころ同じクラスだった清浦刹那も、厨房担当として働いていた。
 5号店の店長はcurioチェーン初の女性店長であり、年齢不詳の美女・西園寺踊子だし、美人に囲まれて幸先がいいかも……と思っていた矢先、誠は大学の入学式で、とある少女――いや、女性と再会する。
 彼女の名は桂言葉。誠が高校1年生のころ、つきあっていたが、男性恐怖症気味の言葉に誠が性急に迫ったこともあって気まずくなり、彼女の転校を機に自然消滅してしまったのだ。やり直すには遅過ぎるが、友達ならば……と言うことで、言葉と再び友誼を結ぶ誠。
 curioのバイトで女の子たちと仲良くなりつつ、大学では言葉と行動することが多くなった誠。しかし、言葉が誠のバイト先に顔を出したことで、物語は一気に加速する!
133名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 15:57:20 ID:e1CO9i1+
・言葉シナリオ
 初々しいカップルだった誠と言葉。誠は、自分が2回目のデートで性急にキスを迫り、拒絶されたことが破局の原因だと思っていたが、そうではなかった。
 じつはそのあと、言葉に横恋慕した澤永にレイプされたことで「汚れた自分は誠くんにふさわしくない」と思い詰めた言葉が、両親に頼んで転校させてもらったのだ。
 言葉とつきあっていくうちに、ある日偶然そのことを知る誠。「知って……しまったんですね」と寂しそうに笑い、再び誠の前から姿を消す言葉。誠は言葉を救えるのかっ!?

・乙女シナリオ
 中学時代からずっと誠のことが好きだった乙女。しかし、いざ告白する勇気がなく、ズルズルと"友達"な関係のまま高校生になったところで、誠が言葉とつきうようになる。落胆する乙女だが、澤永もまた言葉が好きだと知り、彼をたきつける。
 しかし、そのレイプ事件により言葉は転校、澤永も刑事事件の被告として自主退学したことを知り、自分の軽率な嫉妬心からふたりの人間の人生を狂わせたことに苦悩する。その引け目から、結局誠とも"仲のいい友人"の域を越えることができなかった。
 いっしょにバイトするうち、徐々に接近するふたりだったが、ある夜、乙女はかつての自分の"罪"を告白する。誠はそれをどう受け止めるのかっ!?

・刹那シナリオ
 自らの母もファミレスチェーンの重役であり、かつてはその店でアルバイトしたこともある刹那。しかし、母との確執から親元を飛び出し、あえて他の店で働くことを選んだのだ。
 今は一流のパティシェになるのが夢だと言って頑張る刹那は、将来の展望のない誠にとって眩しく見えた。刹那を応援していうちに、無口無表情に見えて、意外に感情豊かで可愛い彼女の姿に引かれていく誠。
 そんな時、若手菓子職人のコンクールで3位に入選した刹那に、東京の有名調理学校から推薦入学の申し出が来る。我流ではなく本格的な修行をすることは絶対プラスになるが、いまはcurioを、誠のそばを離れたくないと悩む刹那に、誠は何と言うべきなのかっ!?

・踊子シナリオ
 お店では厳しくも頼りがいのある大人としての姿を見せる踊子。誠も、とび込みの自分を採用してくれたうえ、懇切丁寧に仕事を教えてくれる彼女に感謝し、尊敬していた。
 ところが、ある飲み会の帰りに、酔った彼女を介抱したことで、私生活では意外にだらしな……もとい子供っぽいところも可愛い女性あることを知る。誠の妹、いたるがお店に訪ねて来たときも、踊子に一番懐いていた。
 "店長と新米店員"から、"やさしいお姉さんと頼りない弟分"、さらに"女と男"へと変化していくふたりの関係。しかし、じつは踊子に自分と同じ歳の娘がいる知ったとき誠はっ!?
134名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 15:57:44 ID:e1CO9i1+
 ――こんなところでしょうか。言葉シナリオが本命扱いで、トゥルーエンドは一度バッドエンド(言葉が失踪し、傷心の誠が女の子たちと肉欲に溺れる)を見ないと辿り着けないのはお約束。……え、世界? ああ、登場しますよ。踊子ルートのサブキャラとして。
 稲村竜一(Piaキャロ)版を考えても、おもしろいかもしれません。健速版だと、誠が完璧超人になりそうですね。
135名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 04:20:15 ID:wSbNJAdL
改行してくれないとよみづらいぞ・・・
136名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 10:54:17 ID:J8tLxJDD
Piaキャロ版スクイズだと、全員とつきあっておきながら、バイト最終日の電話で
誰かひとりを選べば、その後はいっさい波風立たないというご都合主義だな。
ある意味、本家スクイズ以上に誠死ね。
田中ロミオ版だと、誠は毎シナリオ違う女の子とつきあい、最後はその子に殺されるが、
再びゲーム初日に戻る……って、それ何てクロスチャンネル?
137名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 10:58:57 ID:wSbNJAdL
こんなところでCCのネタバレされるとはおもわなかった
138mark:2008/01/12(土) 11:26:56 ID:5rYaIFqa
怒りの誠X〜始まりB〜(117からの続き)

私は誠君に話していない事実がある。もちろん彼が
知る事を望んだら、包み隠さずに話すつもりなのだが、今の誠君が
この事実を知ったら…………

誠君の想像通り、澤永さんは既に少年院を出た。
では、模範生として過ごした事が認められ、無事に更生したのか…?
どこかの街で仕事につき、贖罪の気持ちと共に社会の一員として
日々を過ごしているのか?

違う。澤永さんは出院する前に、首吊り自殺を図ったのだ。何分か後に、巡回して
いた教官たちに発見され、病院に担ぎ込まれて一命は取り留めたものの、
脳に重い障害が残り、手足にも麻痺が残り動けない程の重傷を負った。
現在は都内の病院に入院しており、回復の目処が立たない状態である――

その事を、私は事件当時お世話になった、年輩の刑事さんから聞かされたのだ。
模範生として過ごしていたはずの澤永さんが、何故自ら命を絶とうとするような真似を
と思ったが、刑事さんの話を聞くうちに、彼が自殺未遂を起こした心境を
理解したと共に、真に更生する事、自分自身に向き合う事の難しさを思い知らされ、
やり切れない気持ちになった。

暴行事件の後、甘露寺さん同様、私の家に澤永さんのご両親と彼のお姉さんが
謝罪をしにやって来たが、親はもちろんの事、特に澤永さんのお姉さんは
弟が起こした事件に強いショックを受け、ずっと泣いていた。
そんな姿に、むしろ私や私の両親が戸惑ったくらいだった。
それなのに、今はあの時以上に悲惨な状態になってしまった――

もう澤永さんは一生もとの身体に戻る事も出来ず、自殺という選択さえ
許されない、ただ生かされるだけの存在になってしまった………

私も1年前のあの時は、自殺するつもりで、屋上のフェンスに登ったはずだ。
最期にお別れを言うつもりで誠君にメールを送りはした。ひょっとしたら、
誠君なら私を助けてくれるかもしれない。飛び降りようとする私を必死に止めて、
涙ながらに説得してくれるかもしれない―――

そんな気持ちが、微かにあった事も今は否定しない。

でも、そんな虫のいい、白馬の王子様みたいな事が現実にあるわけない――
そう思い、送信者の名前だけ伏せて、誠君に『最期の』メールを送った。
もちろん居場所なんか誰にも知らせていない。
それなのに、こうして私は今、生きている。

一体、何が私と澤永さんをそこまで分けてしまったのだろうか………
139mark:2008/01/12(土) 13:07:00 ID:5rYaIFqa
誠 「………言葉?」
言葉「あ、誠君…………」

誠君のことばに私は我にかえる。

誠 「ごめん……… やっぱり泰介の話は言葉には辛い事
   だったよな…… 言葉の気持ちを考えないで、自分の気持ち
   ばっかり押し付けて申し訳ない」
言葉「いえ、私は気にしていませんから………」
誠 「もうこの話はやめにする。……話題を変えよう」

ごめんなさい、誠君……


誠 「話は1学期の頃に戻るけど、清浦が生徒会の選挙に立候補して、
   副会長に当選して、3年の会長たちとも協力して、
   もっとすごしやすい、望まない形で人が傷付く事のない
   学校生活を送れるようにと、今も頑張っているけどな」

言葉「清浦さんは、1年の時もクラス委員をやっていましたね。
   当時は学際委員の集まりくらいでしか交流がありませんでしたけど、
   あれだけ他人の事を考えられる人だとは思いませんでした」
誠 「確かに有能なんだけど、いつも無表情で笑顔を見せないし、
   誰にも頼らないで、何でもやり遂げてしまうイメージがあるしな」

誠君の言う通り、私も以前はそんなイメージを彼女に抱いていた。
でも、西園寺さんの事で私達が悩んでいる時、清浦さんは、西園寺さんの
為だけでなく、私達の為にも動いてくれた。
その事で、私達は西園寺さんとお互いに気まずい思いを抱えたまま
別れるという愚を犯さずに、それぞれ新たな人生を踏み出す事が出来たと思う。

そして2年生となった清浦さんは、今は生徒会の副会長として、多忙とまでは
いかないが、充実した生活を送っている。もちろん普段の清浦さんは、誠君や
黒田さん同様、お互いに良き友人であり、実はとても可愛い一面もある事を知り、
いつかあだ名で呼び合えるような仲になれそうだと、密かに思っているのだが。

誠 「今の調子だと、次の選挙では会長への当選は確実かな。
   学祭でも、一般の人達がもっと気軽に来れるように、
   自分だけでなく、会長と一緒に学年全体に意見を募っていたし。
   世界の事や、俺や言葉が遭った事実を知っているのもあるんだろうけど」
言葉「そうですね。例の休憩室は結局無くなりませんでしたけど、
   そういう目的で利用する人は、去年より少なかったらしいです。
   ………私のような思いをする人間を出さない為に、今まで聖域だった
   分野にもメスを入れようというつもりなんでしょうね」
140mark:2008/01/12(土) 13:56:38 ID:5rYaIFqa
良くも悪くも長年続いてきた、裏の伝統をなくすのは容易でなく、
いわゆる『休憩室』を撤廃させる事は出来なかった。
その代わりに、外部からの来客を増やす事で、自分が社会の一員であると自覚し、
自分達の行動に責任を持ってもらい、学校生活に活かすという、立派な建前だが、
要するに、地域による見えない監視という方法をとったのだ。

もちろんそれでもお構いなしにことに及ぶ人間もいただろう。
そもそも以前の私達のように、自覚がなかなか出来ない人間の方が
多い気もする。発案した清浦さんにしても、本当はこういう手段を使う事は
好まない。しかし、何もしないままでは、いつか第2の私のような
事が起きるかもしれない。

現時点の清浦さんがとれる精一杯の手段であり、彼女が望まない妥協でもあった。
責任感の強い彼女は、去年以上に学祭が問題無く終了した事に喜びつつも、
現状には満足せず、学生の自覚と管理のバランスに悩みながら、
生徒会の役員として、理想の学校作りに今後も邁進するつもりなのだろう――
141mark:2008/01/12(土) 14:21:29 ID:5rYaIFqa
一旦切ります。ちと刹那を万能にし過ぎたかな………
でも権力を望ましい形で上手く使えそうなキャラは彼女くらいしかいない
と思うけどね。刹那は回想及び、ラストでも出す予定です。

澤永はある意味1番可愛そうな結末になりましたね……… 私のせいで(苦笑)。
あ、別に私は泰介氏ね派ではありませんので。
彼のキャラにそぐわないという意見もあるかと思いますが、本気で追い詰められたら、
誠以上に死ぬ可能性があると思い、こうなりました。

澤永のその後をどうするかは、夏美や乙女、七海、世界のそれより悩みましたね……
5部を書き始めた時点では、普通に更生して、どこぞの街で住みこみで働いている
という設定で行くつもりでしたが、全員が誠と言葉が望むような改心を
するわけではない、誠達でもどうにもならない不条理がある事と、
同じく自殺未遂を起こした言葉との明暗をわける意味で、こういう結末にしました。

停学中に転校した来実やみなみは、まだ新しい環境でやり直し、改心している
可能性もありますが、澤永はもはやそれさえ不可能ですからね。
自分を犯した張本人とはいえ、言葉の心境は複雑でしょうね………
142名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 15:06:22 ID:Hph0s0yz
>141
お疲れ様です。現時点での再起不能は澤永1人ですか…。
奴の家族は地獄だな…息子が卑劣な性犯罪を犯した挙句に
重度障害者となって莫大な負担を終生強いられる事になるんだから。
(この物語における)誠も、いつか真実を知ったら、
その動揺と苦悩は相当なものになるだろうな。
143名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 23:40:59 ID:Afv0Be2X
ttp://sonotam.blog44.fc2.com/blog-entry-46.html
↑アニメ最終話に言葉が同席してたらどうなっていたかっていう展開だね
素晴らしい
144名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 17:57:59 ID:Py3cy6XM
>>143
ブログのカウンタが10000超えになってたからびっくりしたのですが
こちらで紹介していただいたみたいでどうもありがとうございました。

2CHにはいたる+桂家+誠のSSをたまに投入して
シリアスで長くなりそうなのはブログに投入していますが
なんとか12話のifもケリがつきそうです。

落ち着いたらいたる+桂家+誠のSSをまた投入しますね。
145名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 21:16:49 ID:GdXLB9a6
>>144
おぉ、いたるSSをいつも投入してくださるのは貴方でしたか。
いつも楽しみにしております。
言葉の幸せな姿を見るのが何よりの癒しです。

次は是非鏡開きネタを・・・w
146名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 21:42:04 ID:CWLWajgc
>144
あれもだったの?
ブログのシリアスも2chのほのぼのも大好きです。どっちも頑張って下さい!
つか、同人やってたら買わせてホスィ
147名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 03:23:06 ID:bnAyJEJD
>>143
まだ途中のようだが、12話がこの流れの内容なら
普通に放送できたな、救いあるしイイ感じだコレ
148名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 01:33:29 ID:sF+9wfz6
>>143
              ,,..-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             /::::::::::::.,イ:.:.ヘ:.:::::::::\  
         /:,ィ:.:.:.:/'/:/''''ヽ、::::::.::::!  
         /::::::/  レ    v::::::::::|   
        ´レ!小lノ    `ヽ 从:::|:::::|   12話ifのSSがようやく出来ました。
         ヽ|l >   <  |:::::|:::│  良かったら見てくださいね。
          |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j:::::::|::::|.   http://sonotam.blog44.fc2.com/blog-entry-40.html
          |::::/⌒l,、 __, イァト |::::ト、 
          | /___/ \/ /;;;;/ヽ|::::| ノ
         .| l  l ヾ只`ソ;;;/ 彡:::|  

今回は言葉様のこんなシーンもあります。


誠君とのお買い物はとても楽しかったです。
いたるちゃんのお話も聞けて嬉しかったです。
心がいつもの調子でからかってきたけど気にもなりませんでした。
むしろ嬉しかったのかも知れません。
昨日までとは全然違う日常がここにはあるんですから。
出会った頃と同じくらいの、いえそれ以上に優しい誠君が側にいてくれるのですから。
誠君は電車の中でも他の人が私に触れないように気を配ってくれましたし
荷物も私には何も持たせようとはしませんでした。
結局私が強引に一つ取っちゃいましたけどね。

誠君とのこんなに小さな出来事が今の私にはすごく嬉しい。
誠君が側にいてくれることが本当に嬉しい。
149名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 02:10:11 ID:sF+9wfz6
>>145-147
ようやく出来上がりました。
よろしければご覧になってください。

いたるSSは近日中に投入するつもりです。

>>146
私はど田舎の地方民なので残念ながら同人経験はありません。
一度くらいはやってみたいという気はしますがげんしけんとか見ると大変そうですね。
150名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 07:59:45 ID:LEuBBN3C
>>149
早速読ませて頂いたが、いいねぇ、この話
上手い具合に世界の事も解決出来てるし、m(ryも猛省したようだし
こっちが最終回だったら、どんなに救われたか…とにかくGJ!
151名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 08:58:31 ID:jeqrX7P6
>149
お疲れ様でした。世界も立ち直り、言葉&誠も前に進んでる終わり方だったし、面白かったです
でも、言葉の方が辛い思いをしてるのに自殺を仄めかす誠に
「おいおい…お前が言葉を支えんでどうするよ?」とツッコミ
こっちでもブログの方でも色々書いて下さいね
言葉・心・いたるの偽三姉妹ほのぼの話萌え
152名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 11:58:45 ID:a+Xd5z2q
>>149
乙です!次回は鮮血の結末の後日談をお願いします。
153名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 21:48:48 ID:h/ZKpr7z
私は今、大好きな誠くんと築いた、大切な思い出の詰まった地を巡っています。
本当は誠くんと一緒に巡りたかったけれど……
訳あって、今は私一人で、私を慕ってくれた心さえもいません。
夕焼け空の下、残る思い出の地は、あと一つ。

私は、思い出の地を巡りながら、ある日のことを思い出していました。




「誠くん……。私、誠くんのことが好きです。一人の男性として誠くんのことが…」
「……」
「それだけじゃありません。それ以上に、誠くんのことを…愛しています…」
「……言葉」
「誠くん……」
「……忘れるから、二度と言わないで」
「……えっ?」
「言っただろう?……俺には、世界がいるって。」
「……」
「今日は、世界に無理を言って言葉に付き合ってる。けど、もうおしまい。これで帰るから。」
「……どうしてなんですか?誠くん…」
「……」




誠くん、どうして私を見てくれなくなっちゃったんですか?
私は、誠くんしか愛せないのに……
こんなにも、私は誠くんのことが愛しいのに……
154名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 21:50:57 ID:h/ZKpr7z


誠くん


私には、誠くんしかいないんです。

私には、誠くんしか見えないんです。

私には、誠くん以外の男性なんて考えられないんです。

誠くんがいなくなったら、私…………

もう、生きていくことが出来ません……




だから




残された道は、もう一つしかありません。








最後の思い出の地に来ました。

私と誠くんが何度目か分からないキスをした場所。
私と誠くんだけしか知らない、秘密の場所。
ここは、建設が中止になったまま放置されているリゾートホテル。
関係者以外、立ち入り禁止区域になっているこの場所は、滅多に人が訪れることがありません。
ここで何回誠くんとエッチしたっけ……

私は今、このリゾートホテルの屋上へと向かっています。
155名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 21:52:10 ID:h/ZKpr7z
あぁ、懐かしいなぁ。
この秘密の場所に、私が誠くんを連れてきた時の、誠くんの驚いた顔。
ここを二人だけの秘密の場所にしようって約束して、誓い合うようにキスして…エッチをしたあの日のこと…

あ、あれ…?
涙……出てる……
泣かないって…決めてた……のにな……

涙を拭って階段を上がっていって、私は最上階に着きました。
見下ろす眼下の街には点々と明かりが灯りはじめて、見上げた夕焼け模様の空。
今日の夕焼けのお空はいつもと違って、まるで空に赤い血を撒いたよう……
最期に誠くんの声を聞くために、携帯電話を取り出して電話をかけます。
受話器を耳に当てて、呼び出し音を聞いて、誠くんが出て「もしもし?」という声が聞こえました。


『言葉、今どこにいるんだよ?』

「誠くん……」

『世界を説得するの、物凄く大変だったんだ。えらい剣幕で怒られてさ…』

「……」

『これで本当に最後って言うから、何とか来れたけど。』

「そう…ですか…」

『で、俺はついさっき着いたとこだけど、近くにいるの?』




その言葉を合図に、私は宙に身を投げました。




「はい…。私、今……誠くんの真上にいるんですよ?」

『えっ?』
156名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 21:54:03 ID:h/ZKpr7z
空を飛んでいるとき、私はまるで夢の中にいるような気分でした。
恐怖は全く無くて、とても愉快だったんです。

「……誠くん」

地面が近くなっていって、

誠くんが近くなっていって、

そして───




私は誠くんへと飛び込みました。
その瞬間、ボールがぽーんと跳ねたような音が鳴りました。
あんなに高いところから落ちたのに、痛みはありませんでした。
それどころか、これまでに無いほど、心が満たされていきました。




「…………う………………ぁ………………っ」




薄れ行く意識の中ゆっくりと顔を上げる。
粉砕した誠くんの顔面と、割れた私の頭からはみ出た脳漿が見えました。
流れ出た私と誠くんの脳漿が、地面に広がる誠くんと自分の血と共に、私の口の中に入ってきます。
157名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 21:55:22 ID:h/ZKpr7z


誠くん、ごめんなさい。
こうするしか方法がなかったんです。


誠くん、ありがとう。
私、誠くんが約束を守ってここに来てくれて嬉しかったです。


誠くん、誠くん、心の底から愛しい誠くん、私だけの誠くん。
そろそろ、この世とお別れの時間です。




もう意識も持ちません。
誠くんが、ふしゅー、ふしゅー、と空気を漏らす音を聞きながら、私の意識はゆっくりと暗闇へと落ちていきました。

誠くん、愛しています♥




158名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 21:58:29 ID:h/ZKpr7z
住人の皆様、やたら空白を多用して本当に申し訳ない。

ここで言っておかねばならないことがもう一つ。
今まで投下してたネタは、別の場所で別の作品をネタに作って投稿していたSSを、改変、加筆したものです。
いずれ、位置から書き起こしをしようと思っていますが、それまでは改変、加筆でいかせてもらいます。
159名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 23:45:53 ID:RH3+x/tX
ちょwwwww
和んだあとにこれかよwwww
でもGJ。言葉様可愛いよ。
160名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 23:47:39 ID:A5kYo7kZ
切ない・・・
言葉様の一途さにホロリ
161いたると鍋料理:2008/01/16(水) 00:27:30 ID:v+VC0uX3
言葉の誕生日の続編です。
鍋料理。

誠と言葉のマンションにて。

「はふ・はふ熱いへど美味ひい。」
「なあ言葉。」
「なんですか?」
「うーん、やっぱりこの出汁の味はお兄ちゃんじゃないと出せないなあ。」
「なんかここ最近いたるが来ると決まって鍋物の用意をしてると思うんだが。」
「そうですね。」
「この間の牡蠣鍋も良かったけど今日の牡丹鍋もなかなか。」
「何かあったのか?」
「いたるちゃんが普段独りだから鍋料理が食べられなくて寂しいんだそうです。
 だからうちに来た時くらいは食べさせてあげたくて。」
「そうだったのか・・・」
「誠君?」
「これが肉を一週間寝かせた旨みってやつなのかなぁ。もう一枚食べよっと。」
「いたるー気付いてやれなくてごめんよー。」
ガバっと誠はいたるに抱きついた。
「アチーーーーーーーーーッ」
肉を口の近くまで運んでいたいたるがいきなり抱きつかれたせいで
位置がずれて唇に熱い肉がついてしまった。
162いたると鍋料理:2008/01/16(水) 00:29:02 ID:v+VC0uX3
「なにすんのよ!お兄ちゃん!!」
当然誠はいたるに張り倒された。
「大丈夫ですか!?いたるちゃん!!
 誠君!!やっていい事と悪い事がありますよ!!」
「そうだよ!!」

「いたるちゃんとりあえずこれで冷やしてください。」
言葉はハンカチを濡らしていたるに手渡した。
「ありがとうお姉さん、でも大した事無いみたい。」
「ちょっと赤くなってますけど腫れたりしてませんね。」
「ごめんよいたる、お前がそんなに寂しい思いをしてたなんて。」
「問題はそっちじゃない!!」
「全く、いたるちゃんの可愛い顔に火傷の痕でもついたらどう責任を取るんですか?」
「その時はお兄ちゃんがちゃんと責任を取ってやるぞ、いたる。」
「どうやって取る気よ?」
「ははは、子供の頃お前はお兄ちゃんのお嫁さんになるって言ってたじゃないか。」
「そうなると私はお払い箱ですか?誠君。(にっこり笑っていても目の奥に炎が)。」
163いたると鍋料理:2008/01/16(水) 00:29:39 ID:v+VC0uX3
「こ・言葉・・・そんなに怒らなくても・・」
「罰として今日の誠君のお肉は全ていたるちゃんに食べてもらいます!」
「そんなあ言葉ぁ。」
「わーい、お姉さんありがとう!でも1人だと多すぎるからお姉さんも半分食べよ。」
「そうしましょうか。」
「ううっ言葉ぁ。」

「でもお鍋っていいですね、暖まるしみんなで食べると美味しいし。」
「そうだね、すっかり気に入っちゃったよ。」
「今度はいたるちゃんの家でやってみませんか?心も呼んで。」
「絶対ダメ!!!(いたると誠が同時に)」
「言葉!それはヨハネスブルグの夜の街を1人で丸腰で歩くのと同じだぞ!」
「そうだよお姉さん!○アナプラの裏通りを女1人で歩くのと一緒だよ!」
「いたるちゃんって日本に住んでるんですよね?」
「とにかくダメ!!!(またも同時に)」
なんとなく納得の行かない言葉だった。
End
164名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 00:39:23 ID:QV6lvoG/
>161-163
グッジョーブ!
個人的にはいたる家での鍋もみたいようなw
言葉様は自己防衛力が意外と強いから義父をボコってくれると信じてる
165名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 01:00:56 ID:NOlrwSwi
>「絶対ダメ!!!(いたると誠が同時に)」
さすがに兄妹異口同音で否定しますよねぇ、その提案。
(しかしいたるちゃん、自宅じゃ情操を守る為に日夜気が休まらないだろうな)
166名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 01:14:53 ID:v+VC0uX3
みなさんブログにたくさん来ていただいてありがとうございました。

>>150-152
ありがとうございます。
割と苦労したのでそういっていただけると嬉しいです。
投げ出さなくて良かったw

>>152
鮮血Endの後日談だと素晴らしい作品を書いてる方がいらっしゃるので
難しいかもしれませんが次の候補の一つにさせていただきます。

>>164-165
あの親父がいる所にはさすがに誠もいたるも
言葉達を行かせたくは無いでしょうしねw

次回作も何か思いついたら投入します。
167名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 03:09:48 ID:iu/NprRJ
>161-163
○アナプラwww
やっぱり、その他もろもろ氏は、ブラックラグーン好きなのねw
168名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 19:19:27 ID:bMd9aOrW
>>148
こういうの見ると殺されない誠は誠じゃないな
169名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 01:37:41 ID:ES0dZgKC
思ったんだが言葉って誠と付き合うのと刹那や光あたりが友達になってくれる
のとではどっちが幸せなんだろうな。クラスでは孤独だしな。
170名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 02:12:30 ID:0mkLEXOX
やっぱ同性の友人じゃね?
言葉には男性恐怖症ぎみという設定があるのでなおさら。
171名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 06:26:38 ID:vTcH3LM/
>>169,170
誠だと思う。
原作やテレビアニメ通して言葉は誠が一番なのは疑いようがないし、
(恐怖症は付き合っていくうちに解消。)
他の誰を敵に回しても誠に愛されることが最高の幸せだろう。
誠との関わりでも作中そうだったように今後の人生には色々苦労するだろうが、
それでも言葉を本当に幸せにしてやれるのは誠しかいない。
172名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 08:42:43 ID:Fh0TGrC6
>>171
同意
あと刹那や光だと裏切られる可能性が
173名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 10:35:33 ID:dlrZDkeW
言葉はまず恋愛より友人を作って人付き合いを学ぶ必要の方が大きいと思うが
ゲーム、アニメ見てるとそう感じる
もちろん誠、世界以外の友人を作るべき
まあそれができないから孤立してるわけで
174これっきり:2008/01/17(木) 13:56:39 ID:jdQQmvAm
>>65

難産でしたが何とかラストシーズンに繋げる事ができそうです。
見ているだけで…。投下します。
175見ているだけで…:2008/01/17(木) 14:00:12 ID:jdQQmvAm
5時50分。
私と七海はラディッシュの個室で加藤さんを待つ。
だが客として私達は来ている為。夜ご飯もかねて、私はえびドリア、七海はぺぺロンチーノを予め頼んでおき、食べながら加藤さんを待っていた。

ただ食べてるだけでも何なので、私は七海に「来るかな?」と声をかける。
七海の方も食べながら「多分来るだろうね」と返してくれる。

そう二人で談笑して料理も大方食べ終わった事…彼女は店に来た。
相変わらず怒った顔をしている加藤さんと…近くにいる加藤さんに似た少女。
彼女が加藤可憐ちゃんだとすぐに気が付いた、私とは初対面なのだが、軽く会釈をしてくれた、私達は加藤姉妹を見つけてテーブルに引きずり込み席につかせる。

世界「良かった…来てくれたんだね加藤さん。」
私はまず加藤さんに声をかけ…が加藤さんはむくれてこっちに視線を合わせてくれない。
まあ加藤さんは私達や誠達とのわだかまりがあるのだろう…取りあえず私は。

世界「加藤さんに…可憐ちゃんでいいのかな?なにか注文しない?」
と注文を取ろうとするが、痺れを切らした様に加藤さんが声をあげる。
乙女「一体何の用なのよ!西園寺さん!七海!可憐まで捲き込むような事をして何考えてるのよ!!」
余りの声に周囲の視線が私達に向かう…可憐ちゃんは「お姉っ」と加藤さんをなだめる。

いきなり声をあげた事に私も七海も少し驚いたが、私は慌てずに本題に切り掛かる。
世界「何って…決まってるでしょう。桂さんと誠に私達みんなで謝りに行く予定を立てるから加藤さんを呼んだんだけど」
と私は加藤さんに答える。

だが加藤さんは納得できない様に「だったら今までの事可憐にまで喋ったのよ!!」とまだおかんむりだったが私は「私や七海じゃあ、加藤さん会ってくれない可能性があったから」と返す。

押し問答となっているが仕方ない、桂さんの虐めの一件は七海に関して私にも責任があるのでお互い納得ずくになったが、私と加藤さんは別に顔馴染ではなく、誠を巡るライバルでもあった。
更に七海と加藤さんが桂さんにちょっかいを出した結果が、誠と桂さんが正式にカップルになった事。自分が桂さんに手を出して逆に自分が誠に見切りを付けられた事。
そしてその悲しみを私にぶつけてしまった事などを考えれば、私や私の友人でバスケ部仲間の七海とは、加藤さんは話しずらいだろうと言う事は私にもわかる。

でも加藤さんだけ、失恋の痛みを引きずったままだったりや誠や桂さんの事を素直に祝えない様では困る。
覆水は盆には返らない…今更私達は誠と桂さんの間に割り込む事はできない。でもかたずける事なら出来る!少なくても私達はまだ桂さんには謝っていない。
加藤さんも誠や桂さんに嫌われたままでは嫌だろう…だからこそ私は加藤さんも私達と一緒に誠と桂さんに謝りにいかせたい。同じ人間を好きになったものとして…。
そしてお互い不器用で意地っ張りな部分を直す為に…。
176見ているだけで…:2008/01/17(木) 14:03:16 ID:jdQQmvAm
私はそう言う事を考えながら、改めて加藤さんに向き合い「とにかく本題に入りましょう。」と加藤さんをなだめる。
加藤さんは納得してない様だが、これ以上騒げば周囲からの目線もより興味を帯びた物になると悟ったのか…黙って椅子についてくれた。

そして私は本題を切り出す。
世界「私達は…とりあえず七海の停学がとけてから、改めて誠と桂さんに謝りにいきたいんだけど私と七海とあなたの三人で…。」

私は加藤さんに切り出してみる。
世界「こんな事になった以上。今更誠に“好き”って言う資格は私達に無いけど…
せめて誠と桂さんにこれまでの事を…。」

私は切々と語るが加藤さんが口を挟む。
乙女「そんな事やって…伊藤が私に振り向いてくれる訳が無いじゃないの。
今更伊藤と桂に頭を下げたって!」

…私は加藤さんが改めて哀れに思えた…加藤さんはまだ誠との想いを振り切れないのだ。
確かに私達が誠達に謝っても。もうクラスメートとしての付合い位しかしてくれないだろう…でも…。

世界「そうでしょうね…加藤さん。誠と桂さんが許してくれてもせいぜいクラスメートかただの友達くらいにしか戻れないと思う…でもね…。」
私はそれでも私達は責任を取らないといけないと思う、例え許してくれなくても誠や桂さんから…いや自分のやった責任から逃げ回るのはもう沢山だ。
私は改めて加藤さんをなだめるがまた加藤さんが立ちあがり。
乙女「だったらもういいわよ!もう伊藤が私を見てくれないんだったら桂なんかに謝ってもしょうがないし!
桂に謝りたいんだったら西園寺さんたちの勝手にすればいいじゃないの!!帰るよ可憐!」

加藤さんが可憐ちゃんの手を掴み帰ろうとする…が可憐ちゃんは動かない。
加藤さんもいぶかしがって「どうしたのよ可憐?」と可憐ちゃんに聞くがいきなり可憐ちゃんは立ちあがり、加藤さんの頬っぺたをひっぱたく。
その拍子で加藤さんは倒れるが可憐ちゃんを睨みながら「どうしてよ!」と聞く。そして可憐ちゃんは…。

可憐「お姉の根性無し!!元々お姉が桂さんって人に手を出したのが原因でしょ!
誠先輩に嫌われたのは!自業自得じゃないの!」
改めて怒っている可憐ちゃんの顔を私は見た…可憐ちゃんも目に涙を浮かべつつ加藤さんを責めたてる、怒りのベクトルこそ違うが私と加藤さんの事を思い出させた…。

加藤さんは自分ばかりが責められるのは心外だとばかりに私たちのほうを向き。
乙女「大体こんな事になったのは。西園寺さんが七海を使って伊藤にちょっかい出したからじゃないのよ!」
と私たちを責める。七海も見かねて「ちょっと乙女!」と声を荒げる。

しかし可憐ちゃんは止まらなかった。
可憐「そうだとしても…話を聞く限り西園寺さんも甘露寺さんも桂さんと誠先輩に謝りにいくって言っているのよ?お姉だけ逃げようとするのは卑怯よ!!」
改めて可憐ちゃんは加藤さんに怒鳴りながら話を続ける。

可憐「それにお姉が逃げ回ってる間…私はどんな顔をして誠先輩に会えばいいって言うよの!私達にとって誠先輩は大事な人だったのに…。
お姉が逃げれば逃げるほど状況が悪くなるって気が付かないの?せめて誠先輩と桂さんの事を認めるべきよ…お姉は…。」

ここまで可憐ちゃんは立て続けに喋ると…疲れた様にお冷を飲む。
赤目になりつつも可憐ちゃんは気丈だった…私にも最初からこれほど強ければ…。
可憐ちゃんに感心しつつも、改めて私は始めから誠が好きだと彼に言えなかった弱さを恥じた。

私はそんな事を考えながらも、立ちっぱなしの加藤さんを見つめながら話す。
世界「私の言いたい事は殆ど可憐ちゃんが話してくれたから。一言だけ言わせて…加藤さん一緒に謝りに行こう?そうしないとずっとこれからも逃げるだけになっちゃうよ…。」
私は加藤さんを傷つけない様優しく諭す…鏡に映った自分とも言える加藤さんを…。
加藤さんは観念しながらも黙ってうなずく。

よし!私は心の中でガッツポーズを決めた…が七海が口を挟み。
七海「でもこれからどうする?私達が話をつけるといっても…伊藤や桂が受け入れてくれるかな?」と肝心な事を言う。

…しまった。確かに私達が“話したい”と言っても避けられる可能性が高い…。
どうするか?

私はどう誠と桂さんと話しをつけようか考えていた時。
私たちの前に刹那と光が飛び込んでくるのだった。  『続く』
177これっきり:2008/01/17(木) 14:09:13 ID:jdQQmvAm
次で世界・七海・乙女の三人が誠と言葉に謝って完結します。

>>169
これに関してはズルだと思いますが、言葉には乙女や七海のようなタイプの友人が私は良いと思います。
本編では険悪ですが、ブリーチのたつきみたいにがんがん友人を引っ張るタイプの方が
お互い強くなれるのではと思ったからです。
178名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 16:55:59 ID:4RRNBcMD
>>177
いよいよ完結ですね。
頑張ってください。
179名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 19:35:53 ID:acMfaBtQ
バレンタインでは言葉と甘露寺・乙女は仲良くなってましたね
180名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 00:54:58 ID:3D3I6yqL
言葉様動画
音楽と映像のマッチが素晴らしい
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1053253
181名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 07:41:21 ID:NIsIB5kS
ここからの派生ストーリーお願いします

424 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/18(金) 02:54:13 ID:GN8CatkL
http://www.youlost.mine.nu/upload/data/up000978.jpg

425 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/18(金) 02:54:42 ID:oAPpGirx
結局言葉ハッピーは
やっつけのやつしかないのか

426 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/18(金) 02:57:30 ID:jn5RKFx8
私だけじゃなかったというのは

自分(言葉)の子も泰介の子だが

光も世界の子も泰介の子ということで
泰介が誠を出し抜いたということかな・・・

427 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/18(金) 02:57:49 ID:5TmyCTUy
>>424
これ・・確かに髪型が泰助だ・・。

428 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/18(金) 02:58:23 ID:mLqC+LEi
>>424
最初のほうの二人のシーンと、頭三つのほうも頼む。
はっきり茶色っぽくなっていると思う。

429 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/18(金) 02:59:03 ID:jn5RKFx8
>>424
全員泰介の血を引いてそうですね。

479 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/18(金) 03:31:26 ID:y8XKIRqX
>>424
なあ・・・これ手前の子供は誠の子じゃないのか
奥の二人の茶色頭と比べて明らかに黒髪だし、
この角度じゃ澤永カットだって断定出来ないよな?

483 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/18(金) 03:35:39 ID:nqQToH6P
影の関係だろう・・・奥側から光が指してきたら
後頭部は暗め
奥の二人は後頭部から前髪近くまで光が当たるし
182名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 11:06:24 ID:PaMpxMbl
言葉「誠君の初体験良かったですね。澤永さん?」
泰介「桂さん好きだあーーー。」
言葉「きゃああああー。」

世界「誠との初体験良かったなあ。」
泰介「世界好きだあああー。」
世界「ちょっと何するのよ。やめて―――――。」

言葉・世界(どうしよう妊娠しちゃったけど誠の子供か泰介の子供か分から
      ないよ。誠にはいえないし誠の子供よね。きっとそうだ。)

光「噂で聞いたけど良くないことしてるんだって?」
泰介「うるさいなあ。口封じだ。」
光「何するのよ。嫌だやめてこんな形で結ばれたくない。嫌ああ――」
泰介「うるさい黙れ。」

光「・…うっう。あんた最低よ…。妊娠したら責任とってもらうからね。」
我が子ENDのあと――3年後
光「もう、子供って区別つかないよね。」

言葉「やっぱり、似ちゃうんですね……子供って……」
泰介「あ、あの、桂さん……俺……」
言葉「謝るのなら、私じゃなくて誠くんにじゃないですか」
泰介「あ、あの」
言葉「あなたは、最低です……」
言葉「安心してください、こんな事、誰にも言えませんから」
言葉「私だけじゃ……なかったみたいですし……」

あまりにも整合性とれてないから予想だがこんな感じじゃないかと。ちなみ
に世界は失踪したまんまで世界の子供は踊子さんが連れて来ている。世界は
子供だけ家に残して失踪したのかもしれない。3人とも泰介の子供っぽいの
で誠は完璧な無駄死にです。
183名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 12:02:22 ID:IPi7ttvq
>>181
424の画像ってL×H?
184名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 00:50:21 ID:aS0f99RO
>>183
みたいですね。

私はSSでレイパーを連続レイプの犯人として警察に逮捕させるストーリー書いたけど
まさかPS2プラットフォームのL×Hでここまでやるとは・・・・

当初の予定通りビルから落として殺しとけば良かったな。
185名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 01:57:30 ID:A6nl+Qe6
「我が子」→「愚行の果てに」で424が見れるらしい。3人の子供は全部
泰介の子供で言葉・世界はレイプ、光もその可能性は高い。

これほどまでに泰介に殺意が沸いたのは初めてだ。
186名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 02:04:35 ID:/vryQBFW
879 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 01:40:20 ID:vwAGHlIG
俺も今 「歪んだ髪」 を見た。

「そして振り出しに戻る」から、選ばない、選ばない、「まあね」、「嬉しい」、
「声をかける」、「言葉が来てた」、選ばない、「いいよ」 を選択したら見られた。

誠の携帯に電話をかけて誠の注意が逸れた瞬間を狙った世界なのに、
最後は言葉に突き落とされて世界だけ……
鮮血の逆にこれとは。

881 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 01:44:22 ID:aOiCAY/n
>>879
それってそのままテレビ版の逆…

883 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 01:46:50 ID:0U/xSKVw
うわ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そして振り出しに戻る」だと、世界BAD2種類or言葉芋エンドになるのかよ・・・・・・・・・・・
最悪にもほどがあるぞ。

885 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 01:55:01 ID:0U/xSKVw
>>882
あと一つに、これまでのBADの内容が霞んでしまうような、
とてつもない代物が隠されているかもしれないな・・・・・・・・・・・

886 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 01:59:52 ID:Lw4F3YHl
>879
うーわ、あの携帯ネタが出たのかぁ。

887 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 02:01:03 ID:FcOW5CJB
無理やり世界が死ぬのつけたのかな


187名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 02:09:14 ID:MKe0M03Z
…このスレの住人をシナリオライターに採用した方が良かったんじゃないか?
188名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 05:03:41 ID:/vryQBFW
920 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 04:39:39 ID:kCVJdpOc
「そして言葉へ」のエピローグでいわゆる電車エンド

922 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 04:46:06 ID:l/95AnvF
今の所メイン3人が死ぬ新ルートは電車ENDで、
誠死亡 灯火
世界死亡 歪んだ髪

電車ENDとは別に言葉死亡 暗礁

これ以外の死亡ENDが「無邪気な夕日」ってヤツなのか?
詳細kwsk

925 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 04:54:41 ID:kCVJdpOc
以下内容バレ



世界が言葉をホームから突き落とそうとするが、誠が受け止める(言葉の半身は線路方向へはみ出ている)
はずみで世界の携帯が線路に落ち、世界が身を乗り出して拾おうとする→世界、電車に気づく→ホームに尻餅をついた格好の誠、驚愕の表情

世界だけ死んだのか、言葉も一緒に死んだのかはよくわからないけど・・・

189名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 05:19:54 ID:/vryQBFW
927 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 04:58:22 ID:V9oQk1ko
>>925
うわ、また電車で世界死亡かよ
それを聞く限りでは誠に受け止められた言葉は死んでなさそうな感じだが……

928 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 05:05:22 ID:LX44wqgF
世界死にすぎww
はるか斜め上行くシナリオ自重汁ww

929 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 05:09:04 ID:kCVJdpOc
もっかい見たけどなんか誠が言葉を引っ張り上げきれていないっぽい・・・これは両方死んだかも

930 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 05:15:09 ID:GTYVlQGp
誠だけ残して二人死ぬってか。なんか、もうこの3人で死ぬサイクル作ってるみたいだなw

931 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 05:16:21 ID:V9oQk1ko
>>922>>925をまとめると

「歪んだ髪」「無邪気な夕日」で世界の死亡エンド2個追加
「暗躍」で言葉の死亡エンド1個追加
「灯火」で誠の死亡エンド1個追加

これで追加死亡エンドは出そろったでFA?
既存エンドと合わせると、死亡エンドは合計7個ってことか……
死にすぎww
190名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 07:41:44 ID:/vryQBFW
143 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 06:48:39 ID:ztxCUKTF
世界ENDの続き=言葉を殺す
言葉ENDの続き=世界を殺す
二人とも妊娠=実は妊娠してたのは泰介の子
後は・・・鮮血、永遠にの補完
誠死亡ENDの追加
世界、言葉両者死亡ENDの追加

「妻です」や乙女END以外は不幸を回避する方法は無い
191名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 12:28:40 ID:Zg9WRM96
ギャルゲー版でやってくれ。
192名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 13:26:58 ID:aS0f99RO
それにしても公式でこんな事されると脱力したというか
新しいSS考える気力が失せてきた。

暫く離れて出直します。
193名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 14:21:59 ID:ULYA2XLG
>>192
ごめん



逆に沸いてきた。

色々と思うところがあるので。
194名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 15:22:24 ID:O+6gk0t6
優しさだけじゃいけない。
そう、誰か傷つけても、誠くんの笑顔だけは…譲れない…

『 暗 転 入 滅 』

誠くんの為でもない、ましてや私の為でもない。
ただ、本能が、私にそう命じている。

鋸で、出刃包丁で、西園寺さんのお腹を切り裂きたい。
金槌で、金属バットで西園寺の頭を思いっきり殴りつけたい。
私から誠くんを奪った西園寺さんを、人として殺すのではなく、屠殺したい。

―――ものとして。

泣き顔なんてどうでもいいんです。

殺しただけでは飽き足らない。
死体を、肉を、パーツを蹂躙したい。
―――私のこの手で。
誰の力も、協力も、借りることなく。

そのためには、少しの間だけ、誠くんに嫌われても、構わない。
ううん、これは、私の最初で最後の我侭。
大好きな誠くんだもの。
きっと……分かって……ううっ…うっ……

なぜ?
どうして?
涙が止まらない。
何でだろう…なんでだろう…ナンデダロウ…

……ううん…これでいいんです…
私はこの涙を最後に人という心をこの部屋に置いていきます。
帰れなくなるかも知れません。
そのときは、誠くんが、私を…私を…

次回、SchoolDays 「言葉様」
誠くん、愛しています♥
195名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 16:34:20 ID:QQa55nD+
ダーク分を…もっとダーク分を(;´Д`)
196名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 16:07:56 ID:ZXY1QKau
うーん。 SSの流れ・・止まっちゃったねぇ・・。
やっぱショックがおっきいのか・・・。

その内、拙い文章でもよければ挑戦してみようかな?
197名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 16:21:08 ID:SsIowmVv
>>196
是非。
198名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 16:22:07 ID:inLKsywz
燃料投下
是非これをみて職人さんはがんばってくれ

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/20(日) 16:06:37 ID:qWzpLmXq
PS2のディスクから出てきた・・・
http://upl.silkload.info/all/img/up000227.jpg

199名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 16:29:18 ID:N8DBHk5t
>>198
なけるよな
200名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 17:15:29 ID:Pme1m/MM
>>198
多分芋ENDの後日談かな。PS版なんでこれ出さんの?

光ルートでも補完して見ようかなPS2版なくなってるし。
エロなしでいくのはけっこうきつそうだけど。
201名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 17:33:40 ID:KX/jtB92
芋エンドだけどその後の世界と七海が不憫でならない。
世界は七海とグルだと思われて誠と破局、七海もこの状況で言葉に手を出したら、また世界まで巻き込むから
手が出せない上、世界からも糾弾されそうだし。
202名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 17:41:21 ID:N8DBHk5t
でもそれだけのことをやってきたんだ。しかたない。
203名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 17:42:18 ID:bigM6rz4
空気が空気なだけに投下を躊躇したが…




心には大好きなお姉ちゃんがいます。

名前は桂言葉。

とても優しいお姉ちゃんです。


心が赤ちゃんの時から、お姉ちゃんは心の面倒を見てくれています。
お母さんがお仕事で忙しいとき、お母さんに代わってお世話をしてくれていたのです。
物心ついたときから、心はお姉ちゃんとよく一緒にお出かけしたりしていました。
外は一人じゃ危なくて出られなかった時、心の傍にいつも一緒に居てくれたのは言葉お姉ちゃん。
心の知らない世界をたくさん教えてくれて、あの頃は毎日が楽しかった。

けれど、今、お姉ちゃんは居ません。
お姉ちゃんはある日を境に、お姉ちゃんじゃなくなってしまいました。
そうなる原因を作った女の人が居ましたが、その人の名前は知りません。




だって、忘れるって決めたから。
204名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 17:46:09 ID:bigM6rz4
それは、遠い冬の日のこと。
今もはっきり覚えてるあの冬。
お姉ちゃんは昔、誠くんという彼氏と付き合っていて、恋敵が居ました。
その人の名前は言いません。

だって、忘れるって決めたから。


あの日、心の誕生日を祝ってあげるって、お姉ちゃんは家でお料理を作っていていた。
誠くんも呼んで祝ってくれるということで、心はものすごくドキドキしていた。
きっと、忘れられない日になる。心の一生の思い出になると思っていた。
確かにその通りになったけど、とても悲しい記憶になってしまった。


誕生日のパーティの時間になったとき、誠くんがお家に来てくれてた。
その時、横に女の人を連れていました。
その人の名前は言いません。

忘れるって決めたから。
205名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 17:48:27 ID:bigM6rz4
誠くんはその人と一緒に家に上がると、心に誕生日プレゼントをくれました。
お姉ちゃんにも一緒にプレゼントを渡してくれて、お姉ちゃんがとても喜んでいたのを覚えています。
ただ、誠くんと一緒に居た女の人を見たとき、お姉ちゃんは少し驚いていた。
心がその理由が分かったのは、ずっと後にあってから。




誕生日パーティはとても楽しくて、あっという間に時間が過ぎた。
気が付いた時には、時間が明日になりそうで、パーティはそこでお開きになった。
誠くんたちが帰るのを見送ろうと、心も玄関に立とうとしたけど、お姉ちゃんに早く寝るように言われた。
だから、心は一旦部屋に戻る振りをして、こっそり離れたところから誠くんを見送った。

そのとき、誠くんはお姉ちゃんに何かを話をしていました。
それを聞いたお姉ちゃんが、両手で顔を覆って泣いていたのを覚えています。
お姉ちゃんを泣かせるなんて、誠くんが何をしてそんなことになったのか、その時の心には分かりませんでした。
誠くんと一緒に居た女の人が、誠くんと頭を何度も下げて謝っていました。
だけど、その人の名前を心は知りません。




忘れるって決めたから。
206名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 17:51:45 ID:bigM6rz4




誠くんたちが帰った後、お姉ちゃんはどうしてたんだろう?




心は途中で眠くなって、部屋に戻ったので分かりません。
けれど、翌朝、お姉ちゃんは何事も無く心に挨拶してくれて、その時の話をしてくれた。
心は気になって、

「誠くんは今度、いつ遊びに来るの?」

って聞いたら、

「季節が変わったら来てくれるますよ」

って教えてくれた。


そう言うだけだった。




あれからも、お姉ちゃんは二人分のお弁当を作って、学校に出かけていた。
心は、お姉ちゃんは誠くんと上手くいってると思っていました。
だけど、帰ってきたお姉ちゃんに誠くんの話を聞くと、悲しそうな顔をするばかり。
その理由は、その時、心はまだ知りませんでした。
207名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 17:54:47 ID:bigM6rz4
誠くんがお家に遊びに来なくなって4年が経ちました。
心は中学生になりました。
新しいお友達をたくさん作って、部活にも参加して、心は楽しい毎日を過ごしていました。

お姉ちゃんは高校を卒業して大学通い。
家に帰ると、お姉ちゃんは大学で学んだことを話してくれたり、心が中学の勉強で分からないことを教えてくれました。

他の誰にも負けないようにと。
誠くんに会っても恥ずかしくないようにと。
だから、学校での成績は自慢できるほうだと思う。

でも、誠くんが褒めてくれないと心は余り嬉しくなかった。
勿論、お母さんとお姉ちゃんに褒められて嬉しい。
私が本当に褒められたいと思ったのは……誠くんだったから。




お姉ちゃんは、その頃はまだ、忙しいお母さんに代わって心の面倒を見てくれていた。

誠くんと会える可能性が残されたこの家で。
208名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 17:58:52 ID:bigM6rz4
誠くんがお家に遊びに来なくなって8年が経ちました。
心は高校生になりました。
高校に入学してやっていたことと言えば、特に目立ったことはやってませんでした。

心が進学した高校は、お姉ちゃんと誠くんが通っていた榊野学園。
もう一人いたような気がしましたが、心はその人のことを知りません。

忘れるって決めたから。




榊野学園は、お姉ちゃんが着ていたのを見て、心も着てみたいなって思ってた頃から決めてた。
そう、小学校の時から。
この学園には、お姉ちゃんが誠くんと過ごした路線、学園、教室……時間がある。
ここでお姉ちゃんはたくさんの思い出を作ったんだ……
辛く、悲しい思い出も。



この頃から、お姉ちゃんは少し疲れているようでした。
209名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 18:01:09 ID:bigM6rz4
誠君がお家に遊びに来なくなってから、12年が経ちました。
心は大学生になりました。
お姉ちゃんは大学を卒業して、小説家になりました。

大学在学時代に書いた小説が、心の同世代の人たちを中心にヒットしたのです。
今では売れっ子小説作家として頑張っていて、先日、心にこんな話をしてくれました。

「私の書いた本を、どこかで誠くんが見てくれてるって信じている。私の書く本が私と誠くんを繋いでいるの。」と。

心はその時、暗い顔をすることが多かったお姉ちゃんに、久しぶりの笑顔を見ました。
だから、心は知らなかった。

お姉ちゃんがあの時……あの時……




ところで、心の大学の入学式の時、一緒に来てくれたお母さんが言いました。
言葉お姉ちゃんと瓜二つだと。




今の私なら、お姉ちゃんに代わって誠くんを連れ戻せるのかな…


お姉ちゃんに本当の平穏が戻ってくるのかな…


心の大好きな言葉お姉ちゃんに……
210名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 18:03:45 ID:bigM6rz4
大学生三年生になったとき、心に大きな転機が訪れた。
いつも忙しいお母さんに代わって、お姉ちゃんのお手伝いをしようと思ったときのこと。
理由は分からなかったけど、お姉ちゃんは通院をすることが多くなっていた。

だから、お母さんが忙しいとき、いつも心の面倒を見てくれたお姉ちゃんに恩返しの意味も込めて、
偶には心が、お姉ちゃんの部屋を掃除してあげようと思っていた。

同じ家に住んでいながら、小学校卒業以来、心はお姉ちゃんのお部屋に入っていなかった。
大学卒業を一年後に控えた年、十年振りに入った言葉お姉ちゃんお部屋に入った私。
部屋に入った心は、手にしていた掃除道具を思わず落としてしまった。








……部屋一面に誠くんの写真。








211名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 18:06:25 ID:bigM6rz4
部屋中に誠くんが溢れていた。
いくつもの同じ写真が……


写真の上にまた写真を重ねたために、壁の所々で厚みが違っているところがあった。
多分、最初は写真立てに入れて、机の上に飾っていただけなんだと思う。
それが年月が経つうちに、写真立てに収まりきらなくなって……

心は、ふと、二冊の日記を見つけた。
それはお姉ちゃんのつけているらしい日記。
鍵付きのはずの二つの日記は、何故かどちらも鍵がかかっていなかった。
心は悪いこととは思いつつも、どうしても中が気になって日記を読んだ。

そして後悔した。




一冊は、誠くんがこの家にいると仮定されてかかれたものだった。
おはようの挨拶で始まって、おやすみなさいで終わる日記。
何故か外に一緒に出かけたことは書かれていなかった。
その代わりなのか、外に出た時は、携帯電話から家にかけて話をしていることになっていた。
悲しい日記。

もう一つはお姉ちゃんがお姉ちゃんと闘う日記。
自分に迫り来る精神破綻に恐れていることが書かれた日記。
それまで心が知らなかった、お姉ちゃんの通院先とその理由を察した。


…ここは、お姉ちゃん以外が踏み入っては、いけない部屋になってしまっていた。
心は日記を閉じてもとの場所に置くと、すぐに部屋を出た。
212名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 18:10:18 ID:bigM6rz4
だけど後日、心の様子がおかしいことに気付いたお母さんに、お姉ちゃんの日記を見たことが分かってしまった。
さすがはと思ったけど、また後悔。
お母さんにお姉ちゃんの日記を見たことを話し、新たに分かったことある。
正確に言えば、はっきりしたこと。

お姉ちゃんは今、精神の病に掛かっていて、病を治療するために専門の病院に通院していること。
けれど、どんなに手を尽くしても病状の進行を遅らせるのが精一杯で、根本的な解決方法は一つしかないこと。
お姉ちゃんが書いた小説が、自分の恋愛体験を元にして執筆されたものであること。
小説の内容は、自分が叶えたかった願望、つまり、自分と誠くんが結ばれる未来が書かれたものであること。


そして、お姉ちゃんの精神破綻はすぐそこまで迫っているということ……




病院の先生のお話では、今の言葉お姉ちゃんの精神状態は、破裂寸前の風船に似たものらしい。
何が切欠で破裂してしまうか分からない、危険な精神状態。
213名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 18:12:55 ID:bigM6rz4
それからというもの、お姉ちゃんは、心たちが定期的に話しかけないと、自分の殻に閉じこもるようになってしまった。
普通にお話してる時は病気が嘘のように明るいのに、あの女の人の話しになると、お姉ちゃんは途端に人が変わってしまいます。
お姉ちゃんは小説の執筆を続けていたけど、それはそれで定期的に途中で止めないといけない。
小説の中の自分が本当の自分だと思い込んで、精神が現実に戻って来れなくなるを防ぐために。

お姉ちゃんを一人で放置するのは危険な状態で、お母さんも無理をして仕事を早く上がって家に帰ってきている。
心もお姉ちゃんが心配なので、大学で部活に入らないで、講義が終わるとすぐに帰ってくるようにした。

病院に入院させて、病気の治療に専念できるようにするべきか。真剣に悩んだこともある。
だけど、そんなことをしたら、お姉ちゃんは一人になってしまいます。
心たち以外の人に話しかけられても、お姉ちゃんは返事をしません。
もしいるとしたら、それは誠くんしか有り得ません。
心も、お母さんも、誠くんもいない病院にお姉ちゃんを入院なんてさせたら、お姉ちゃんは生きていけるんでしょうか……?

だけど…だけど……言葉お姉ちゃんは……もうすぐ……




もう、言葉お姉ちゃんを病気から救えるのは誠くんしかいません。

お願い、誠くん……お姉ちゃんを助けてあげて……

心たちの言葉も、お姉ちゃんに届かなくなっちゃう前に…
214名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 18:15:44 ID:bigM6rz4


あれから月日はまた流れて、心はなんとか大学を卒業しました。
言葉お姉ちゃんは、大分疲れてしまったようです。
もう、誠くん以外の声は届きそうにありません。




だから










西園寺さん









誠くんを返してください。


あなたが一度は差し出しておきながら奪った誠くんを、早く…言葉お姉ちゃんに返してあげてください。






心が、お姉ちゃんのように、壊れてしまわないうちに……
215名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 18:16:15 ID:bigM6rz4
投下終わりです
216名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 19:03:30 ID:N8DBHk5t
GJ
心、どうなるんだ・・・・。
217名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 19:43:37 ID:SsIowmVv
GJです。
218名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 19:45:00 ID:6MyQbILi
GJ!! ドキドキしながら読んだw 続き期待してます
219名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 20:56:10 ID:tdiuiFSc
>>215
GJ!
12年後だと27ぐらいかな
言葉様には本当に幸せになって欲しい
220名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 22:48:48 ID:LcUw9eW3
>>215
GJ
もっと続くようにもこれで終わりのようにも感じるが
エンドマークがないから続くんだよな?
221名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 23:39:24 ID:bigM6rz4
続けるかどうかは気分次第
なので、気が向いたらまた落しに来ます
222名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 00:16:49 ID:Xn0JHm9D
>>215
GJ
何か恐怖を感じるな・・
心が壊れて世界を殺す可能性もありそうだな
223名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 00:38:39 ID:BrHzUVjR
>>221
一応読んだと言うことで… きついわ…
224名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 00:50:15 ID:BE+CVNSf
私もいつまでも気落ちしてても仕方ないから長編はともかく
いたるSSの作成再開しようかな。
225名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 01:41:02 ID:jaQoPhm7
GJ!!!
こえええええ!!
226名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:34:10 ID:yN7ngNiN
>>215
gj!
言葉はともかく心の20代前半の姿が想像できん。
227名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 08:34:59 ID:0HU1h/PV
>224
さあ早くいたるSSとレイパーをビルから突き落とす作業に戻るんだ
228名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 11:21:43 ID:JSN1FMxY
もうレイパーなんてみたくもないぜ。
229名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 17:02:49 ID:nciqlcyd
スクイズ正史ではレイパーは光とくっつきそうだがそれすら
もったいないな。なんとか誠の方へ行ってほしいがなあ。
レイパーは加藤あたりで充分。二人とも悪人だし。
230名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 17:36:01 ID:iCBWDDG5
>229
前スレ54-55にSSがあったね。
泰介が乙女押し倒し→カップル化の話。
231泡にならない夢:2008/01/21(月) 21:11:49 ID:eCM3mnOA
本スレでも投下したんだけど、若干修正してこっちにも。
鮮血の結末が起こる直前で、イフみたいなもの。



 『泡にならない夢』


 それは泡沫の夢だったんだ。
 恐らくはきっと。
 
 
 ――死んじゃえ
 
 飛び起きると冬なのにも関らず、額や制服に汗が滲んでいた。
 心臓が未だにとたばたと体内で暴れている。
 うるさい。だけれども、それを気にする事さえ出来ない。
 思い出されるのは、暗転に包まれる前の赤。赤。
 画面一色が、まるで生まれたばかりのような鮮やかな赤で埋めつくされていた。
 隣の恋人に、最早振り向くことは出来ない。
 そして眼にするのは、その向こうに存在する最後の表情。
 あれは――愛しかった人の狂気だ。
「くそっ……」
 夢を見ていた。酷く理不尽な夢だ。
 自分が馬鹿でどうしようもない人間だと言う事を突きつけるような夢。
「……いや」
 きっとそれは違う。
 それは真実。彼女の気持ちを考えず、己の欲望のままに日々を過ごしていた報い。
 転がるのは骸で、それが大切な人だったというだけ。
 彼女を裏切り、別の人に走った。その別の人が、彼女だった人に殺される。
 それだけの単純な構造。何処にでもありそうな、テレビで垂れ流されれば気にも止めないようなこと。
 ふと。口の中に苦味が広がる。
 どこにでもある。なのに何故、こんなにも後味が悪いのか。自分は汗を掻いているのか。
 悪夢だから?
 そうかもしれない。それもあるだろう。
 だがこんなにも息切れがして、目眩を覚えるのは、あの夢が現実に起こりえる可能性があるから。
「ことのは……言葉……」
 名前を音に出して見ると、急激に頭が冷えてくのを感じた。
 言葉。
 夢の中では世界の友人やその周り全ての人に虐めを受けていて。
 自分と世界との情事を除き見ていて。
 そして壊れた。
「……言葉?」
 俺は慌てて席を立つ。
 昼食時間をのんびりと寝て過ごしている場合ではなかった。
 廊下を一跨ぎし、隣のドアを開ける。教室の中を見回すが、そこに目当ての人はいない。
 踵を返そうとするが、四組の、見知った顔がこちらに近づいてくる。
 もしかしたら何か知っているかもしれない。
「お前! ……くっ。言葉は見なかったか!?」
「桂? なんで伊藤が桂なんかのこと探してんのよ」
「そんなことどうでもいい! どこ行ったかわかるかって聞いているんだ!」
「……わかんない」
「ふざけんなっ。知ってるんだろ、加藤!」
 加藤の肩を掴み、殴りかからんばかりの勢いで迫る。
 夢の中でこいつは、言葉を追い詰めていたんだ。旧友でも、許せない。
 ――そして番許せないのは、誰だ?
「ほ、本当にわかんないよ、あたし」
「っ、そうか。もういい」
 肩を掴んでいた手を離し、そのまま廊下を蹴った。
232名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 21:12:20 ID:eCM3mnOA
 探すしかない。
 探して、それからどうするかは分からない。
 だけれども、このままでいいはずがなかった。
 夢と現実を混同すなんて、可笑しい。きっと昔の自分ならば笑っている。
 だが確立した感覚として捉えられるのだ。やばいと。
 このままではほんとうに夢が夢でなくなるのではないかと。
 それは確かなことだった。
 言葉は学校の何処にもいない。校舎も、中庭にもいない。もしかしてと登った屋上にもいなかった。
 息が切れる。気持ちが急く。
 俺は必死に見つからない言葉を捜した。
 だけど見つけたところでどうしようというのだろう。
 世界と別れる事が出来るのだろうか。
 言葉を苛めているとはいえ、それは直接ではなく。そうだとしてもまだ俺は世界のことが好きなのではないのか。
 その問いかけは、探し始めてから何度もした。
 そしてその度に出た答えはノー。
「……」
 いい加減酸素を取り込むのが難しくなって、そこが廊下であることに気付いた俺はそのまま腰を落とす。
 迷惑だと分かっていたが、構う事ができなかった。
 もう立ちたくない。考えたくない。
 このまま。このまま意識を落とせれば楽なのに。
 考えがそこに及んだ時、目の前に見慣れた黒髪を見つけた。
 腰までのロングは、校内探してもそうそういるものではない。
 それに覚えている。あれは、自分が愛した言葉なのだと。
 その瞬間、先ほどまで否定してきた質問が甦ってきた。
 ――世界と分かれる事が出来るのだろうか?
 答えは、イエス。
 だってこんなにも、会えて嬉しいのは他にいないから。
 世界と会えても、嬉しくはあるだろうがこれほどまでに心が弾むことはない。
 告白した時。そして閉じかける電車の向こうの彼女に、好きだと叫んたあの時の気持ちのまま、今俺はいる。
 ようやく気づく事が出来た。まわり道をして、沢山傷つけて。
 でもそれももう終わりだった。あとは、抱き締めるだけ。
 俺は震える脚も構わず立ち上がって彼女の元へむかった。
 一歩づつ近づいていく彼女。急に後から抱き締めたら、驚くだろうか。
 彼女のことだから逃げてしまうかもしれない。
 ならば、名前を呼ぼう。
 最大限の気持ちを込めた名前を呼ぼう。
 俺はさらに近づいた。一歩。一歩。
 そうして、あと数歩の位置まで来て、彼女の向こう側に、見覚えのある顔があることに初めて気がついた。
 ――世界?
 それは唐突に起った。
 言葉の右手が持ち上げられたかとおもうと、そのてに握られたものが世界の首筋にあてがわれた。
 すうっと。
 空気でも切るように、言葉の右手は引いた。
 実際には、音がしていたんだろうと思う。
 だけど音などそのとき存在していなくて。
 呆然と立ち尽くす自らの目が眺めた景色には。
 先刻自らの夢の画面を生めた赤が、そこかしこに滴って水溜りになって嘲笑っていた。
「ことの、は……」
 名前を呼ぶと、愛しい人が笑顔で血を服に染みさせて振り返った。
「あは、あはははっ……あはは、まこ、誠くん……あははははは」
 それから一瞬遅れて届く悲鳴が耳をつんざくだけで、他にはなにも残らなかった。
 目の前の彼女の他には。
「大丈夫だよ、言葉。もう、大丈夫だ。……俺は言葉を、ちゃんと愛してるから」
 その光景を、彼女の笑顔を。
 綺麗だと思った俺は異常でよかった。
 彼女といられるならば、そうありたいと思った。

 自らも血塗れになりながら、彼女を腕に抱き締める。
 そうだ。ここに結末がある。
 もう、それでいい。
233名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 21:13:42 ID:eCM3mnOA
以上です。
ハッピーのようで、バッドエンドのような話。
234名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 00:11:38 ID:rajIJt5s
L×Hのあの心温まる誠と言葉の2ショット画像の正体は・・・・・・


School Days スクールデイズ 卒業写真330枚目

849 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/01/21(月) 22:34:47 ID:fTJhFfIS
うわぁぁぁぁ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!
あれ実はPS2に入ってたんじゃなくて俺が作ったんだ・・・。
今まで風邪で寝込んでたんだが・・・まさかこんなことになってるとは・・・。
ほんの気休め程度に作ったのににスレタイにまで・・・本当にすいません!
235名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 00:12:15 ID:vVJm3aK4
もうみんなしってるんじゃないか
236名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 01:03:18 ID:J0H533FP
PS2版は普通にセクロスシーンとかあるの?分岐もおおいんですか?

DVDとか買うより全然よくない?
237名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 07:07:06 ID:pOIus7zq
はいはいまったくそーですね。
238名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 07:14:51 ID:DYnOyebO
>>236
ずばり行為そのものはない。
ただし、ゲーム上には出ないもののその寸前のシーンが
データとして入っている…詳しくは書かないが。
というよりメーカーの削除し忘れが正しい見方だろう。
分岐も原作よりやや複雑になっている。
買わずにあれこれ言うより買ってプレイした方がきちんとした評価が出来る。
私が愛した誠くん。
私を愛してくれた誠くん。
私を優しく抱き締めてくれるはずだった誠くん。

―――それなのに、それなのに、なんで…どうして……。

誠くん、とても痛かったですよね?苦しかったですよね?
もう大丈夫です。私が誠くんを癒してあげます。

―――誠くん?
えっ?
はい、嬉しいです!
誠くんの言うことは何でも信じます。
これからもずっと一緒です。
誠くんだけを愛し続けます。

これから二人だけの新しい『世界』を作るために。

―――――西園寺さんを、殺しに。

言葉の精神には「世界を殺せ」という誠の『声』が
絶えることなく鳴り響き続けていた。
240名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 12:42:06 ID:0EmHD8cM
最後の単語は小説版からの引用だな
241名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 14:35:53 ID:OftC2h6L
「誠くん、今日は何時に帰りますか?」
「今日はまことくんが大好きな肉じゃがだよ♪」

「まことくん、きょうははなんじにかえりますか?」
「きょうはまことくんがだいすきなにくじゃがだよ♪」


「マコトクン キョウハ ナンジニ カエリマスカ?」
「キョウハ マコトクンガ ダイスキナ ニクジャガ ダヨ」












            今日は 誠くんの好きな肉じゃがです



      誠くんの大好きな肉じゃがです
242名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 23:51:38 ID:1+pMZhOK
>>241
いい知れぬ恐怖を感じるのは何故だ?
243いたると心:2008/01/23(水) 01:51:05 ID:NOn7w12B
いたると鍋料理の続編です。

桂家の心の部屋にて。

「もうこれで3軒目だよ、嫌になっちゃうなあ。」
「元気だしなよ、いたるちゃん。」
「私ってそんなにへんなやつを集めちゃう雰囲気があるのかなあ?」
「そんな事無いと思うけど。」
実はいたるがファーストフード店等で接客のアルバイトを始めたのはいいのだが
行く先々で妙な客にしつこく絡まれたり帰宅時にストーカー行為をされたりと
散々な目に遭っていたのだ。
その度にバイト先を変えていたのだがさすがに3軒目ともなると・・・・

「それにしてもいたるちゃんって健気だよね。」
「なんで?」
「GW前に開店するお姉ちゃん達のお店手伝うために接客の練習しようだなんて。」
ちょっとからかう風情で心がいたるを覗き込んだ。
244いたると心:2008/01/23(水) 01:51:54 ID:NOn7w12B
「そ・そんな事ないもん!ちょっと欲しいものがあっただけだもん!」
いたるは膨れっ面をしてプイッと目をそらした。
「じゃあ欲しいものって何かな?」
「な・内緒だよ。」
「このー正直に言え。」
心はいたるの後ろに廻ると腋の下や脇腹をくすぐりだした。
「キャハハハ、や・やめてよ心お姉ちゃん、し・死ぬぅ!」
「正直に言う気になった?」
「もうわかったよ。
 お兄ちゃん達のお店に連れて行ってもらうのに
 私だけ何もしないなんてどうかと思うし・・
 でもiPodが欲しかったのはホントだよ。」
「でも程ほどにね、あんまりいたるちゃんが頑張りすぎたら
 私だってテニスとか色んな遊びに誘いにくくなるし。」
「え?」
「お父さんやお母さんが滅多に行けないみたいだから
 私がいたるちゃんの送り迎えをする事になりそうなの。
 折角避暑地へ行くんだから遊ばなきゃ損でしょ。」

245いたると心:2008/01/23(水) 01:52:40 ID:NOn7w12B
「そうはいかないわ、心。」
言葉が部屋に入って来て腕組みをしながら二人を見下ろしていた。
言葉の後ろには誠が遠慮がちに控えていた。
「お姉ちゃん!?」
「オンシーズンの避暑地で遊ぼうだなんてそんな事はさせません!
 心も将来経営に携わるんだからお母さんにも手伝わせるように言われてるし。」
「そんなあ私まで?」
「言葉そこまで厳しくしなくても・・・」
「誠君!心を甘やかさないで下さい!」
「そんな事いわれてもなあ。」
「誠お兄ちゃんはいつも優しいよね、だから大好きだよ。」
心はちゃっかり誠にくっついて甘えていた。
「心!!離れなさい!!」
「いいじゃない別に。」
246いたると心:2008/01/23(水) 01:53:26 ID:NOn7w12B
言葉が引き離そうとするけれど心は誠にしがみついて離れない。
「こ・心ちゃん苦しいから離れて。」
「やーだ。」
「もう!いたるちゃんからも何か言ってやってください。」
「うーん私も日頃からお姉さんや心お姉ちゃんに甘えてるからお相子かなあ?」
「女同士と男女間では違います!」
「え?女同士って言葉といたるってまさか?」
「誠君も変な想像しないで下さい!!」
「そうだよ、お兄ちゃんって最低!」
「誠君は日頃から私達をどういう目で見てるんですか!?」
騒動はなかなか治まりそうに無かった。
しかしその中で確実に喜んでる者が1人いた。
『あははは、これで手伝いの話はうやむやになったわ。
 誠お兄ちゃんって結構使える。』
End
247名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 02:44:50 ID:OHa5Zj9h
ほのぼのしてるなあ…GJ。
248スクイズイフ:2008/01/23(水) 15:28:03 ID:iksv2osQ
SchoolDays-if4話a
誠部屋〜刹那と電話1
誠「まったく世界も強引だよなあ〜まあおかげで楽しかったけど…名前で呼び合うって馴れないから照れくさいよなあ〜」
刹那「うん…刹那って名前より周りからは、せっちゃんって言われる方が多いから…」
誠「へえ〜刹那よりは何かそっちの方が言いやすいな〜」
刹那「それじゃあ…せっちゃんって呼んでくれてもいいよ……私も誠だったら…まこちゃんとか?…」
誠「うは〜それ勘弁な!いくら言いやすくても恥ずかしすぎるぞ〜」
刹那「ま〜こ〜ちゃ〜ん!」
誠「ちぇ〜意外と刹那っていじめっ子だよな〜」
刹那「フッ( ̄ー+ ̄)」
誠「ぐっ………あ,それで話は変わるけど〜本題な………刹那は口が固いと思うから相談なんだけど…黒田の事で…」
刹那「黒田って光の事?」
誠「そう…黒田光の事で…な」
刹那「………あのね、誠…その〜光は好きな人がいるから…だから…」
誠「へえ〜それは初耳だなあ…まあそれはどうでもいいけど〜話というのは……アイツって誰かを凄く嫌ってるとか憎んでるとか聞いたことないか?」
刹那「え!……あ,え!嫌ってる?憎んでる?…誠が聞きたい事って〜光の好きな人じゃなくて…嫌ってる人?」
誠「まあね〜ってか何で黒田の好きな奴を俺が訊くと思ったの?」
刹那「ははは…《びっくりした〜誠の好きな子が光だと思ってしまった…光は誠を嫌っていたかな…》え〜と憎んではいないけど嫌ってる人はいる…よ」
誠「そうか〜で…どういう理由で嫌ってると言うのは教えてくれないかな?」
刹那「う…〜え〜とね…光の好きな人との間を邪魔するって理由らしいけど…」
誠「そうか……明日さあ黒田に本人から謝ませるからさあ〜協力してほしいんだけど…」
刹那「……誠が光に謝る?本人って誰の事を誠は言ってるの?」
誠「ああ〜泰介…澤永泰介だよ」
刹那「何で澤永が光に謝るの?」
誠「え〜だって刹那が今、あれ黒田が嫌ってるのって澤永じゃないのか?」
刹那「そんなはずない…光は……澤永が好きだから〜」
誠「エエエー〜!黒田が澤永を好き!……なのか?」
刹那「うん」
誠「………じゃあ黒田が澤永を睨んでる話は嘘なのか?」
刹那「……それはね〜勘違い…光のね」
誠「意味がわからないんだけど?」
刹那「それはね今日のお昼の事なんだけど…」
249スクイズイフ:2008/01/23(水) 15:28:59 ID:iksv2osQ
SchoolDays-if4話b
誠部屋〜刹那と電話2
刹那「それはね今日のお昼の事なんだけど…」


昼休み〜3組の教室
七海「光〜それって…恋愛マニュアル?〜しかも男の?」
光「そうよ!女性側の恋愛マニュアルは大体読んだけど男側のこういったのって読んだ事ないから…試しにどんなのか興味があって〜」
刹那「男性側のこの手の本はHな内容に終始しているから…役には立たないと思う」
七海「私も刹那と同意見だね〜」
光「そうなのよね〜Hな内容はかりで……でもね…中にこんな記事があってね〜ちょっと試しにやってみたら…澤永ったら今までにない反応してくれて〜!」
刹那・七海「………」
光「ん?……どうしたの?」
刹那「光…ちょっとそれ七海を澤永だと思ってやってみて…」
七海「え〜刹那…」
刹那「七海……」
七海「………はあ、分かったよ〜光…ちょっとやってみな〜」
光「じゃあ………こんな感じ!」パシャ!
光「ギャア!刹那何すんのよ?」
刹那「光……見て〜この自分の顔……」と携帯電話のカメラで撮った光の顔を見せた
光「……………え!〜私こんな目で澤永見てたの?………まさか澤永が変化したって〜意識してる訳ではなくて……怖がっていたって事かな?」
刹那「…そういうこと〜」
光「………」
刹那《記事の内容はたぶん適当に作った記事であると〜内容は…
(あなたの想いを目に乗せて〜相手のハートをロックオン!)と言うベタベタな記事で胡散臭い先生が偉そうにもっともらしく語っている
好きな相手に気だの念だのオカルトな力で想いを伝えて恋愛成就すると……》
光「だってだって隣の席になって色々やってみたけど何にも変わらないし〜試しにやったら今までにない感じだったから…澤永がやっと意識してくれたと思ったのに……」と少し涙目になっていた
七海「澤永に誤解を解いて謝るしかないかな?」
刹那「そうだね」
光「……わかった〜澤永に謝るよ…」と言ってとぼとぼと自分の席に帰っていった
250スクイズイフ:2008/01/23(水) 15:29:44 ID:iksv2osQ
SchoolDays-if4話c
誠部屋〜刹那と電話3
刹那「…と言う事が今日のお昼休みにあったの……」
誠「………何かその本、読んだ事あるかも〜あまりに下らなくて立ち読みだけした記憶が…あるような〜ないような…」
刹那「………」
誠「どうした?」
刹那「誠もそういうの読むんだ…」
誠「そりゃ〜俺だって恋愛には興味があるよ…まあまだ彼女いない歴=年齢だけどな……まあいつかは〜と思ってるけど……刹那だって同じ様なものだろう?」
刹那「う…うん」
誠「にしてもどうしようか?泰介と黒田の件?……このままありのままの事実を言うのはマズいよな〜」
刹那「そうだね…」
結局、具体的な解決策が出ないまま明日朝早く会う事にした
刹那との電話を終えた後、メールが届いていたので開くと世界と言葉からだった〜

世界のメール
【今日は強引に遊びに誘ってゴメンね!!
しかも名前で呼べなんて事も言ってダブルでゴメン!!
何か友達になったのに名字で呼び合うのがちょっと嫌だったんだ…とりあえず明日からまた学祭の準備で忙しいだろうけど〜またみんなで遊びに行こうね〜じゃあおやすみ!】
でも世界って意外といいヤツだなあ〜なんだかんだでみんな楽しそうだったし…じゃあ返信で…【また明日!おやすみ〜】と〜

言葉のメール
【今日はみんなと遊びに行けて嬉しかったです
でもまた遊びに行きたいです…誠くん達と
明日からまた放課後に学祭準備でご一緒しますね〜ではまた朝にでも…おやすみなさい】
言葉も喜んでるなあ〜あ…でも明日は朝早いから〜一応言っておくか
【明日は用事で朝早いから何時もの時間にいないからゴメン!】っと!
さて寝るか〜

次の日〜駅のホーム
誠「ふぁあ…」と欠伸をしながら電車を待ってると…
??「あれ?伊藤〜おはよー」と突然声をかけられる
誠「ふぁあ??……加藤か?…おはよー〜」
乙女「伊藤っていつもこの時間だっけ?」
誠「いやいつもはもう少し遅いよ〜加藤こそ朝練か?」
乙女「今日はないけどこの時間に行くのに慣れちゃってね〜伊藤は何か用事?」
誠「《説明が長くなるから適当に…》ああ〜今日は学祭実行委員会の用事でな〜朝早いんだ」と適当に答えると〜
乙女「え?…伊藤が学祭実行委員会?」
誠「ああ〜男子のクラス委員がさ、しばらく入院してるんで代理だけどな〜」
乙女「へぇ〜伊藤が…ね」と電車に乗ってもつい話込んでしまった
251スクイズイフ:2008/01/23(水) 15:30:53 ID:iksv2osQ
SchoolDays-if4話d
電車内〜誠と加藤
誠「…と言う事があってまあ暇だったしで学祭実行委員代理になったんだよ……」
乙女「………何かアヤシいなあ〜伊藤が何の見返りもなくそういう事するのって中学時代は…女の子が絡んでるんだよねえ〜《山県みたいに…》女子のクラス委員目的だったりして?…」
誠「ひでえ言われようだなあ〜まあ確かに隣の席がきっかけって言えば……《言葉と知り合うつもりだった〜とは言えないな》」

[原巳浜〜原巳浜〜]と駅のアナウンス
いつもならここで言葉が乗るんだが…あれ?言葉?
言葉「おはようごさいます〜誠…く…ん…あ、加藤さん?…おはようごさいます…」
乙女「……マコト?…ふ〜ん…随分と親しげじゃん〜桂!」
誠「《やば…面倒な事に…》あ、おはよう…コト、じゃなくて桂〜随分早いね……《話を逸らさないと……》」
言葉「あ〜はい…誠くんが昨日のメールで朝早いって書いてあったから…先に来て待ってたんです」
誠「《そうか確かに大体同じ車両だからなあ〜見つけやすいか》ああ…そうなんだ〜あ、そうそう加藤〜桂とは学祭実行委員会で知り合ったんだよ…で、加藤とは中学から友達なんだよ…桂」
言葉「…中学からの友達…なんですか……」
乙女「………ふ〜ん…そうなんだ…」
それっきり何か口数が減って学園前駅に着くことに…

[学園前〜学園前]
電車を降りると…
刹那「誠、あ…言葉さん…おはよう《あれもう1人は4組の…》」
誠「ああ刹那おはよう〜桂も早く来たみたいで…それとコイツは4組の加藤〜中学からの友達で…でこっちは3組のクラス委員の清浦刹那でさっき話した学祭実行委員で…」
乙女「……うんさっき聞いた…どうも」と刹那に軽く会釈
刹那「あ…どうも」とこっちもペコリと会釈
乙女「あ、伊藤…私急いでるから…じゃあ〜」
加藤は足早に去っていく〜姿が見えなくなると…
誠「言葉ゴメン!ちょっと加藤がいて〜つい桂って名字で言って…何かちょっと照れくさいし…ね」
言葉「あ〜いえ別に気にしてませんから…」
そしてそのまま3人で学校へ向かう…
252スクイズイフ:2008/01/23(水) 15:31:48 ID:iksv2osQ
SchoolDays-if4話e
通学路〜加藤1
3人から足早に離れた後、学校に向かう…
乙女《なんかアヤシかったなあ〜伊藤……桂もいつの間にあんなに親しくなったんだろう…》

中学の頃………
アイツは結構バカばかりしてたけど今と違って色々な事に積極的だった…
最初はそんなアイツをうざく感じてよく喧嘩ばかりしていた〜〔乙女〕……と名前で呼んだ時もアイツと口論になって喧嘩もした
小学生高学年〜中学の初めの頃は男子並みに背が高かった為、男子から名前負けしてると言う意味でよくからかわれた
女子が名前で呼ぶ分には問題はなかったけど〜男子に言われるのが我慢できなかった〜結局お互いに伊藤、加藤と名字で呼び合う事になったけど…
そんなアイツを意識し始めたのは、助っ人でよく運動部に参加していて自信があったバスケの試合で負けた時…
他の人達はもう少しだったのに〜とか惜しかったとか〜慰めてくれたけどアイツだけは試合に負けた事を言わずこう言った
「加藤ってバスケ上手いよなあ〜あれで3ポイントシュート打てれば中と外で完璧じゃん」とアイツだけが言ってくれた
そんな一言があってバスケ部に入るきっかけにもなった…あの頃から好意が芽生えていたのかもしれない
でも私は臆病になっていた…もし好きだと告白してフラれて〜友達としても気まずくなったら…と…
だからあの中学3年の一学期、山県が転校した時はアイツがあんなに積極的に転校生と親しくなるとは思わなかった
私は自分の告白の事よりこの2人を必要以上に仲良くさせない為にどうすればいいかを考えてばかりいた
そして取った行動は……山県と仲良くなって監視する〜そんな事しか思いつかなかった
最初のうちはうまくいっていた〜しかし私達は受験生…夏休み前には伊藤の受験する高校が榊野学園と聞いて必死に勉強もした
だから油断があったのかもしれない…まさか私が受験勉強で必死になっている間に2人の仲が急速に近づいていたとは知らず〜何とか受かって喜んでいたのも束の間、もし妹の可憐が気がつかなかったらあの2人は恋人になっていただろう
そしてそんな自分がとれる行動は伊藤と山県の間に入って嘘を付くことだった…伊藤に山県には別に好きな人がいると……そしてこれが原因で2人は恋人にはならなかった……
そんな事があってから私自身、引け目感じてしまい、ますます告白しないまま時間ばかりが過ぎていった
253スクイズイフ:2008/01/23(水) 15:32:33 ID:iksv2osQ
SchoolDays-if4話f
通学路〜加藤2
乙女《一学期の時、夏休みに近付くまでには、ある程度それぞれ仲が良いグループができるが…
桂だけは浮いて孤立していた…理由は1人だけ場違いな容姿と性格かもしれない〜それと男子に受けが良かったのも要因だと思う
だから大半の女子は嫉妬と僻みで桂を見ていた…私自身は特に興味がないのだけど、いつの間にか私が4組の女子代表みたいな立場になっていた
女バスが運動部ではかなりの力があって補欠とは言えその女バスに所属しているのと友達の夏美達の桂嫌いが合わさって…女子代表として桂に接する事が多くなった
そして夏休みの登校日に男子クラス委員の転校とその原因が桂のせいと噂になったのが原因であの二学期初日の騒動となった
男子クラス委員候補とその彼女、それに彼女の友達が加わり委員候補に男子達が味方、さらに女子全員が〜そして男子全員と発展していき……
最後は桂が1人でやりますと言うまで収まらなかった…だけど女子達は桂に対して憎悪を強めただけだった
男子達は関わり合いになりたくないのか桂からは引いた状態…
そしてあの噂通りなら桂は4組の男子に相手にされないから他のクラスの男子…しかも伊藤に乗り換えようとしているのだろうか?
もしそうなら……私は…………》

通学中〜誠、言葉、刹那
誠「……と言う訳で刹那と今後の事をどうするかを相談しようと思って〜朝早くに来る事になったんだよ」
言葉「ごめんなさい…そういう理由なら私、お邪魔だったんですよね」
刹那「そんな事ないよ…学校に着いてから話し合うし往来では相談する事ではないから…」
誠「そうだよ〜気にするなよ言葉」
言葉「あ…はい…」
その後、昨日のカラオケが楽しかったのか〜言葉が妹に話したら私も行きたいと言っていたらしく
学祭終わったらみんなでまた行こうと話しながら学校に向かった
254スクイズイフ:2008/01/23(水) 15:33:21 ID:iksv2osQ
SchoolDays-if4話g
3組教室〜誠、刹那
しかし結局、朝早く来ても大した解決策が思い浮かばないまま時間が過ぎていく
誠「仕方がないからしばらく様子を見るか?」
刹那「うん…あ、光…え?………澤永?」出入口に2人が入ってきた
誠「な…!?何で2人一緒なんだ?」
泰介「よ〜うご両人!おはようさん!」
光「お、おはよう…」
誠・刹那『一体どういう事?』とおはようと言いつつ小声で話す
泰介「誠…昨日はその悪かった〜例の話はなかったと言う事で…」
誠「説明してくれよ〜訳わからんぜ?」
刹那「多分…だけど理解できた…光〜うまくいったんだ…」
光「…うん〜何とか…」
刹那「つまり澤永と光は誤解が解けて上手く仲直りしたんだよね」
光「うん…実は…それ以上に上手くいって〜その、あの…泰介から言ってよ!」
泰介「え〜俺が言うのかよ…分かったって睨むなって……いやあのさあその…光と俺、付き合うことになったんだよ」俺達は多分2人でかなり間抜けな顔をしていたに違いない…
誠「ははは…そうなんだ…それは良かったな!」半分やけくそ気味に祝福
泰介「ははは〜誠!ありがとうなあ…まあそのお前も頑張れよ!」
誠「余計なお世話だって〜の!」
泰介「うはは〜まあ羨ましがるなって…」
と言うわけでその後来た世界達が話に加わって光達をそれぞれ祝福した。

屋上〜お昼
泰介と黒田はそのまま2人で仲良く消えて甘露寺は用事があるらしく学食へ
俺と刹那、世界は屋上へ〜まさか世界が廃部になった天文学部を復活させて部長になってるとは…さらに屋上の出入りの許可を貰ってるとは知らなかった〜まあ実質、活動はしてないらしいが…
世界「にしても驚いたよね〜まさかあんなにあっさりカップルになるなんて思わなかった…ってどうしたの2人とも?」
誠「いや…その…疲れた…なんか…」
刹那「同じく…」
世界「ははは〜事情は聞いたけどね…ご苦労様!…でも羨ましいなあ〜光頑張ったんだね」
誠「頑張ったのは…俺達だって〜の…でも確かに羨ましいには違いない……俺にも黒田みたいに好きになってくれる人いないかな〜」
世界・刹那「………」
誠「ん?何だ急に黙って?」
世界「《このニブチン》何でもないよ〜」
刹那「《鈍感》右に同じく」
誠「へいへい〜どうせそんな酔狂な子なんていないの解ってるって!」
世界・刹那《解ってないって!》と心の中で思う2人なのであった
255スクイズイフ:2008/01/23(水) 15:34:15 ID:iksv2osQ
SchoolDays-if4話h
屋上〜お昼2
昼食をとりながら喋っていると言葉が遅れて合流…
刹那「言葉さん…4組、授業遅かったの?」
言葉「あ、…ちょっと学祭の事で…」
誠「何かあったの?」
言葉「え〜とその何か設計図に変更があって…資材の件で都合がつかないか…と」
刹那「え…だって来週からなのに…資材の費用や手配を変更できないと思うけど…」
言葉「ええ…一応そう言ったんですが…仕方がないので倉庫で使ってないのを使用する事で許可貰いに…それで遅れて…」
誠「確か〜お化け屋敷だったよね…何か追加でもあったの?」
言葉「………ええ…そんなところです…」
誠「ふ〜ん…まあ他クラスの事に意見できないけどなあ…随分と横暴だよなあ〜!」
言葉「…………」
誠「まあ困った事があれば刹那か俺に言ってくれれば〜どこまで力になれるかは分からないけどさ〜」
言葉「はい…ありがとうございます」

世界『刹那〜今のって例の七海が張り切ってるヤツかな?』
刹那『張り切ってると言うよりは…サカってるヤツ』
世界『サカってるって……誠には言わない方が良いかもね〜』
刹那『うん』と小声で話す
刹那《来週から週末まで学祭の為、授業も通常より短縮される
部活動も一部を除いて活動は学祭オンリーにシフトする
そんな中、女バスは女子伝統の休憩所の設営に力を注いでるらしい
多分言葉さんの組のその設計図の変更は休憩所が絡んでるはず
誠がそれを知ったらどうするのだろう?
4組でそれを行い言葉さんに対して無理難題をふっかけてるのが中学の頃の友達と知ったら…
しかしこれは4組の問題で言葉さんから相談なりを持ちかけられない限りはこちらからは口が出せない…
もちろん言葉さんもそれが分かっているだけに誠にも私にも話せないのだろう……》
いつの間にか世界も話に加わって3人で仲良く喋っている〜そして私もその輪の中に入っていく
いよいよ来週から学祭準備週間が始まる…

4話完
256スクイズイフ:2008/01/23(水) 16:02:22 ID:iksv2osQ
4話をお送りしました
てかどんどん書く量が増えていてとうとうhまで増えてしまった
さて今回は泰介&光カップルにしましたが〜できれば3.5話で馴れ初めを補完したいがいつになるかは不明
あとは加藤はどうも説明が大杉なのとイマイチ書き切れてないのが不満
まあ中学時代の加藤はこんな感じでは?と思いつつさて5話でどう動かすか〜と考えてます
ではまた〜
257名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 16:14:31 ID:w1qvXn/d
>>248-255
乙です。
先の話がかなり気になるな
258名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 20:59:33 ID:epPGAlA9
〜新婚さん〜
「きゃっ!何ですか、これ?」
「?」
「キスマークです!」
「え?」
「キスマークです、キスマーク!」
「キスマーク」
「本物、初めて見ちゃいました」
「あ・・・本当だ」
「わぁ〜すごいくっきり。」
「…お風呂入ってくる」
「はい。……って、ちょっと待ってください!!」
「?」
「これは何ですか?」
「?キスマークだろ?自分で言ってたじゃないか」
「違います!そうじゃなくて、なんで誠君のワイシャツにキスマークがついてるんですか?」
「さあ?満員電車でついたんだろ」
「・・・本当ですか?」
「俺が好きなのは言葉だけだよ。それ以外に有り得ない」
「…なんだか悔しいです」
「え?」
「チュッ」
259名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 22:38:25 ID:4qhPG4SW
「ただいま…うっ!」

帰宅した誠を迎えたのは、むせ返るような匂いだった。

「な、なんだ……」

嘔吐を催しそうになるその臭いは血の臭い。
家の中は電気が点いておらず、ただ、キッチンの方から粘着質を伴う音が聞こえるだけだった。
誰かがいるのは間違いない。まさか、泥棒だろうか?
それにしては、家に入ってきた自分を警戒する様子は感じられない。
外に出ようと思ったが、その途端、相手が向かってくるかもしれない思い、携帯電話で警察に電話をした。
携帯電話では110番出来ないため、万が一に備え、最寄の警察署の電話番号を登録していたのだ。
小声で事情を伝えて電話を切ると、手近にあった傘を構え、ゆっくりと家の中へ入っていく。
血の臭いは中に入っていくほど強さを増し、途中で片手で口元を押さえていないと耐えられなくなった。

(ハァ……ハァ……)

声を殺し、嘔吐感を抑えつつ居間に入ると、キッチンの方から明かりが漏れていることに気付いた。
やはり誰かがいるらしく、何かを刻んでいる音が聞こえる。
ふと、漏れる光で照らされたテーブルに視線を移すと、そこには目を疑いたくなるようなものがあった。
バラバラに解体され、無造作に置かれた人間の体。いくつもの手と足が重ねて置かれ、切断面からは鮮血が滴り落ちていた。
まあ、手と足の中には、自分の知っている人間の顔もあり、足元を見れば、床一面には血が広がっていた。

(ひいっ!)

そして、テーブルの中央には大きな鍋が置かれており、中には無造作に詰め込まれた眼球、脳味噌、臓器。
いよいよ耐え切れず、ついにその場にしゃがみこんで嘔吐した。
胃の中に何も無くなったあとも嘔吐は止まず、喉が焼けるような感覚に息苦しくなる。

「げ、げえぇぇ……」

一体どれほど呼吸が苦しかったか。
しばらくして嘔吐は収まり、床に何かが転がっていることに気付いた。

「せ……世界……」

それは苦悶の表情を浮かべた、変わり果てた恋人の頭部だった。

「おかえりなさい、誠くん。」

ふと、後ろの方から声が聞こえた。
振り返ると、そこには血まみれのエプロンに身をまとった言葉が立っていた。
言葉は笑みを浮かべていたが、それはいつものような優しい笑顔ではなく、どことなく狂気に満ちた笑顔だった。

「遅いから心配してたんですよ?きっと、誠くん、お腹を空かせていると思って、いつもよりい張り切ってお料理しました。」
「こ、言葉…?」
「今日は私特製の、血液仕立てのマリネサワー、肝臓入りのオレンジジュース、腎臓混じりの甘口カレー、膵臓仕込みのぺスカトーレです。」

言葉は徐にエプロンを脱ぎ捨てた。
そこには、何も身に着けられていなかった。

「私の性欲スープも一緒に、召し上がって下さい…♥」


260名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 22:45:08 ID:epPGAlA9
「誠くん、何をして欲しいですか?」そう聞かれて、「朝昼晩、言葉の手料理が食べたい」と答えた。
「そんなことでいいんですか?」言葉は笑って言った。俺にとっては、こんなに幸せなことってない。
約束の日。ふと目が覚めて気付けば、なんだかいいにおい…足音が近付いてきて、扉が開いた。
「誠くん?おはようございます」
俺は、まだ眠ったフリ。
「誠くん?朝ですよ」
言葉の指が、頬をつつく。
「ん、おはよう…」
そのまま言葉の手を握り、身体を引き寄せる。
チュ!
「////おはようございます、朝ごはん、出来てますよ」
「うん、ありがとう」
テーブルには、言葉お得意の和食が並ぶ。
喜んで、キレイに食べ終えた俺に、「誠くん、洋食のほうが好きそうなのに、和食が好きなんですね」と笑う言葉。
洋食でも、和食でも、中華でも、何でも、言葉の料理なら俺は喜んで食べるよ。
「はい、お弁当です。いっぱい食べてくださいね♪」
手渡されたのは、少し大きめの赤い袋。言葉とおそろいのお弁当。
同じものを食べられるのが、なんだか嬉しくって、お弁当を開いたときも、笑顔がこぼれた。
会社が終わって、いつものように家に帰る。ただ、違うのは…扉の前で、ひとつ、咳払い。
いつもとは違い、インターフォンを鳴らす。扉の向こうから可愛い足音が近付いてくる。
「おかえりなさい!」
「ただいま」
なんか、新婚みたいだ。そういったら、言葉は照れ笑い。
夜ご飯も、言葉お得意の和食が並ぶ。「おいしいよ」と言うと、
「ホントにプレゼントこんなのでよかったんですか?」
「言葉が俺の為に三食作ってくれる。こんなに幸せなことってないよ」
「…好きな人の為に、ご飯を作れる。私にとっても、こんなに幸せなことってありません」
あぁ、そうだね、今日は朝も夜も言葉と過ごしたから、離れ難いよ。
だけど、帰してあげないとな。でなきゃ、ずっとこのまま一緒に暮らしたくなるから。
「言葉、大好きだよ。毎日こんな日が続いたら、俺は毎日幸せだよ」
「…それって、プロポーズですか?」
「うん・・・ダメかな」
笑って答える俺に、言葉は顔を真っ赤にしていた。でも、もし、プロポーズなら、なんて答えてた?
そうだな、いつかの誕生日に、君が欲しいと迷わず言えるように、もっともっと愛していくよ。
素敵な思いやり、ありがとう。
ずっと、これからも、愛してる。
261名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 23:29:21 ID:Q017WSCH
>>259>>260
見事に真逆なお料理話が並んだなw
259は世界以外にも沢山殺されてるっていったい何が起きたんだ。
259の話がかなり怖かったから260のほのぼの新婚さんに癒されたよ、GJ
262名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 23:31:23 ID:MPIXMCjS
泰介「レイプするな、か。清浦達にそんなこと言われるとは思っても見なかったな。
   いきなり裁判するって言うから尋問されることは何となく覚悟はしていたけど。
   こうなるとは思わなかった。
   ったくこれまでの女性経験は何だったんだ。俺はなんのために一日一回レイプ
   してきたんだよ。何なんだよ本当に…。」

刹那「レイプは犯罪なんだからレイプしちゃ駄目だ。」

言葉「レイプされて悲しむのは本人だけじゃないんです。家族を悲しませたくない。
   だから私は警察に言わない。でも警察に言います。」

光 「レイプって何?さっぱりわからない。」

七海「これは――――おちょくられてるのか?
   光―――来いよ。」

乙女「ハッ!くだらない。」

誠 「この裁判…すごく疲れる。」

世界「ははっ!何この裁判」
帰るしかない。
263mark:2008/01/24(木) 00:21:22 ID:8sQ69v3y
259はDir en greyが好きなのかな?(私も結構好きですが)

いやあ…… 自宅のパソコン全部が規制を受けてしまい、2chに書きこみが
出来ない状態が続いて、八方塞がりな状態でした…… 荒らし大迷惑DEATH。
なんとか解除されたようで、まずは一安心です。
見てくれている皆さんにはご迷惑をおかけしました……

今日か明日からまたシリーズを再開したいと思います。それでは。
264名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 01:21:14 ID:d0YJDC4V
>>262
ちょwww某スレ住人何してんのwww
>>236
あら、それはご愁傷さまでした。
新作お待ちしております。
265名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 18:50:53 ID:3nyUqdEp
愚行に至る途中経過のSSを思いついたけどレイパー嫌いだし
語るのも気分悪いから書くのよすわ。
266名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 20:44:39 ID:GO3kryBp
>>265
それがいい
267名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 23:39:55 ID:F8vqAQcj
言葉日記


今日は澤永さんの剥製が作りたくなったので、エッチに誘う振りをして誘拐してきました。
え?作りたくなった理由ですか?

…復讐ですよ、澤永さんへの。




家に誘い込んだ澤永さんを麻酔で眠らせ、服を脱がせていく。
澤永さんの髪の毛以外の体毛をガスバーナーで焼いて、準備は整った。
まずは後頭部から背中の上部にかけて、目立たぬよう最小限の切り込みを入れる。
次に、切り込みからめりめりと皮を引き剥がしていく。
ここで肌に傷をつけてはいけないため、作業は慎重に行う。
頭が抜ければ後は簡単、皮をめくりながら、服を脱がす要領で右腕左腕を引き抜いていく。
続いて腰、そして一気に両足をめくりあげていく。

思ったより弾力性があったので意外と楽な作業でした。




完全に引き剥がし終わった皮を、あらかじめ用意していた澤永さんの型に被せていく。
……ピッタリです。

瞳にはヴェネチア製のガラス玉をあしらって剥製は完成。
オリジナルに負けず劣らず憎たらしい。








こうして私の作業は、約3時間半ほどで終わりました。
今、ソファーの前に立たせて、コーヒーを飲みながらゆっくりと鑑賞して、生卵をぶつけているところです。
クスクス……至福の時間♥


ただ問題は残った澤永さんの中身の方。
人の輪郭を持った赤い塊は、 まもなく麻酔が切れ、目を覚ます時間です。




268名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 00:59:31 ID:uqHoIuhr
エロパロ板 過去ログ倉庫
http://ninjax.dreamhosters.com/ascii2d/
269笑顔のために:2008/01/25(金) 01:09:43 ID:jYoN+hvO
青い微笑で思いついた小ネタ。実際に結婚していた設定で。

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「誠…今度のお墓参り、私もついていっていいかな?」
「え?…ああ、俺はかまわないけど…いいのかい?」
「うん。」

(…桂さん。貴方がこの世からいなくなって、もう7年にもなるわね。
 このお墓の前に供えられた写真…妹さん?もう高校生になったのね。
 あれ以降、誠もすっかり変わったわ。
 学校を出てからも就職してからも、他の女には全然見向きもしなくなった。
 私との結婚だって、ほとんどむりやり押し切って承諾させたんだし。
 
 桂さん。貴方、そちらから見ていて知ってるでしょ?
 この7年間、誠は一度も心の底から笑った事が無いって事を。
 貴方の死に囚われ続けて、喜びという感情が丸っきり無くなってしまった。
 あんなに元気で明るかった誠が…!

 …桂さん。これ以上祟りたいなら、何かと因縁のあったこの私に祟りなさい。
 表に出そうとしないけれど、誠は今までずっと貴方に責任を感じ、苦しみ続けた。
 もう十分でしょ?
 私はね、誠が貴方の事だけを想い続けるのはかまわないの。
 でもね、生きる力を奪われ続けているのを見るのだけは耐えられない。
 誰に向けてのものでもいい。いつか必ず、私は誠の笑顔を取り戻してみせる。)

「………じゃあ、行こうか、乙女?」「…ええ。」
270名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 01:48:03 ID:297qTSg2
ここのスレ的には旧卯月ちゃんと新卯月ちゃんどっちが人気あるんでしょうか?

そのうちいたるSSにどちらか登場させようと思うのですがインパクトは旧タイプの方が
あるのでこっちの方が使いやすそうなのですが顰蹙を買うとまずいのでw

もしリクエストがあればどちらがいいかお聞かせいただきたいです。
271名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 03:38:37 ID:CXMRmb/h
アニメしか知らないんだけどどんなとこが違うの?>卯月ちゃん
結構賢しらなお子さまだったってのはどこかで見たけど。
272名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 03:45:15 ID:5Wv/BgVv
>>271
見た目が全然違いますw
273名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 03:49:35 ID:TUChosla

「つ…つかれた…」
重い足を引きずりながら、誠はようやく自宅へとたどり着いた。
三日ぶりに見る我が家。
ここ数日、ほぼ徹夜の日が続いていたため、身体は疲れてよれよれだった。
けれどドアの前に着いた途端、誠は急に元気を取り戻し、背筋をのばす。
自宅なのに鍵を出そうともせず、誠はインターフォンを鳴らした。
すると、パタパタという音がして、ドアが開く。
「お帰りなさい、誠くん」
「ただいま、言葉」
笑顔で迎えてくれた彼女を、誠はぎゅっと抱き締める。
「ま、誠君―」
「はぁ〜…寂しかった」
「誠君…」
軽く抵抗する言葉をぎゅうぎゅうと抱き締めると、言葉は腕の中で大人しくなった。
そして、言葉もおずおずと誠の背中に手を回してくる。
そんな彼女の仕草に、誠はますます愛おしさを感じた。
(可愛いなぁ…本当に)
三日分の疲れが掻き消えて行く。
しばらくそうした後、誠は名残惜しげに手を離した。
「…っと、ごめん。ここ、玄関だっけ」
274名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 03:50:09 ID:TUChosla
今さらながらの誠の台詞に苦笑すると、言葉は中へと促した。

ドアを閉めると、誠はリビングの方へと足を向けた言葉を、背中から抱き締め、もう一度
『ただいま』と呟く。
「…お帰りなさい、誠君」
振り返ると、言葉はそっと口付けをしてくれた。
普段は恥ずかしって、そんなことをしてくれないのに。
誠は少しだけ驚いて、言葉の顔を見つめた。
「…何ですか?」
「いや、ちょっと驚いて…」
「いやでしたか?」
「まさか。すごく嬉しい」
赤くなって視線をそらす言葉を、誠は強く抱き締める。
「ま、誠君、苦しい―…」
「あ、ごめん。つい…」
手を離すと、言葉はほっと息をついて誠を見上げた。
歩き出した言葉の肩を抱いて、誠はリビングへと入る。
すると、部屋中に夕食の良い香りがしていた。


「いい香りだね」
その香りに、普段はそう食事にとらわれることのない誠が鼻をひくひくさせる。
「お腹空いてますか?」
「ああ」
言った途端、ぐぅぅ〜と誠のお腹が鳴った。
その豪快な音に、誠と言葉は顔を見合わせると、同時に吹き出す。
「ごめんなさい、今火をいれたところなんです。もう少しかかるから、先にお風呂に入ります?」
「う〜ん。…待ってる」
食事もせずに今動いたら、風呂場で倒れてしまうかもしれない。
それほど空腹だった。
それも当然だ。なんせ今日は昼食をとっていない。
今日中に終わらせなければいけなかった仕事のせいで、昼食など悠長にとっている時間はなかった。
その上、朝はぎりぎりまで寝ていたからオレンジジュースとパンのみ。
これでは誠でなくてもふらふらになるだろう。
とりあえず部屋着に替えることにして、誠は寝室へと向かった。
275名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 03:50:42 ID:TUChosla
「美味しい」
「そうですか?良かった」
久々に食べる和食に、誠の顔が綻ぶ。
にこにこと笑う誠に微笑みながら、言葉も箸をすすめた。
「言葉、料理上手になったね」
「はい。誠くんに色々と教わりましたから」
「今では俺よりすっかり上達したからな。もう全然かなわないよ」
「えへへ。好きな人にお料理を作れることはとっても幸せなんですよ」
『誠君に喜んでもらいたくて』と料理に励む言葉の姿を思い出す。
いつも健気で一生懸命。そんな彼女が愛しくて仕方ない。
言葉をじっと見つめていると、言葉がその視線に気付き、
「どうしましたか?」と尋ねた。
「いや、いい奥さんをもらったな、って思って」
「え・・・」
瞬時に赤くそまった言葉の顔をニコニコ顔で眺めて、誠は続けた。
「本当にそう思うから。俺は幸せな旦那様だよ」
「…嬉しいです」
誠の台詞に頬を赤らめ、、言葉は食べ終わったお皿を片付け始めた。
誠もテーブルの上を片付けようと立ち上がるが、言葉がそれを制して言う。
「誠君は疲れてます。片付けはいいですから、お風呂に入ってください」
子どもを労わる母親のようにそんなことを言う言葉に、ふと悪戯心がわいて、誠はそっと
背後から囁いた。

「…一緒にお風呂に入る?」
「!」
途端、真っ赤になって固まってしまった言葉を見て、誠は思わず吹き出した。
(もう〜!なんでこんなに可愛いんだろう〜!)
結婚して3ヶ月。
恋人として付き合い始めてから数えれば、もう7年以上になるというのに。
言葉はいつまでたっても、羞恥心を忘れない。
普通、どんなにラブラブなカップルだって、5年も経てばうんざりと鼻につくところが見えても
おかしくないのに。
いつだって言葉は、初めて会った時のように新鮮な表情を誠に見せてくれる。
一緒にお風呂に入ったことだって一度や二度じゃないのに…。
無論、恥ずかしがりやの彼女が誘ってくれたことは一度としてないが。
どんな時でも、言葉は恥じらっていた。
そんなところに、また誠は惹かれてしまうのだ。
「言葉?顔、真っ赤だよ?」
「!誠君のバカっ!」
茶化すように言った誠に、椅子の上のクッションを投げつけると、言葉はぷいっと視線をそらした。
それを余裕で受け取めると、誠はにやにや笑いながら言葉に再度問いかけた。
「どうする?」
「…知りません」
拗ねたように睨む言葉。
しかし、そんなに可愛くちゃ、全然脅しになりゃしない。
それでも、これ以上からかったら本当に拗ねてしまいそうだったので、誠は手に持ったクッションを
椅子の上に置いて、言葉に笑いかけた。
「ちぇ〜。いいよ、一人で寂しく入るから」
「……ばか」
上目遣いで睨まれ、それさえ嬉しいとばかりに微笑む誠に、言葉は手にしたクッションを
弄りながら所在なさげに視線を彷徨わせる。
そんな言葉に苦笑すると、誠は一人、バスルームへと足を向けた。
276名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 03:51:04 ID:TUChosla
お風呂に入った後。
誠は、三日ぶりにくつろぐリビングで、言葉とテレビを見ていた。
言葉の好きなホラー番組を見るともなく眺めながら。
誠は隣に寄り添う言葉の体温に、どうしようもなく幸せになる自分を止められないでいた。
反面、ほんの少しの距離も離れていたくないくらい、心が言葉を求めていて。
あらためて、よく3日も彼女と離れていられたもんだと感心する。
(…いや、だから、か)
きっと、『3日も』離れていたから。
だからこんなに、言葉が恋しくてたまらないんだ。
こんなに近くにいるのに、それ以上に。
もっともっと彼女に近づきたくてしかたない。
(…やばいなぁ、もっとくっついていたいし)


あまりに子どもじみた自分の考えに苦笑していると、言葉が不思議そうに誠を見た。
「誠君?どうしました?」
「ん〜?う〜ん…」
この感情を、どうしたら伝えられるのかがわからなくて。
誠は腕をくんで首を傾げた。
もっと触れたい。
でも、今はまだ、彼女を抱きたいわけじゃない。
ただ、今は。
お互いの顔が見られる位置で、ただもっと触れ合いたかった。
(―あ!)
不思議そうに自分を見つめている言葉を振り返ると、誠はにっこりと笑った。
「誠君?」
「…ちょっとだけ、こうさせて?」
言葉の膝の上、ちょこんと頭を乗せた誠を、少しだけ驚いたように見つめて。
言葉は苦笑して、『甘えん坊です』と呟いた。
そうして、そっと誠の頭をなでてくれる。
その手にきらりと光るものが視界に入り、誠は思わず嬉しくて微笑んだ。
「…言葉?」
「…えへへ…」
言葉の左手薬指に光る銀のリング。
俗にいうマリッジリングと呼ばれるそれは、シンプルながらに強い自己主張をしていた。
「…幸せです、私…」
じっとリングを見つめながら、思わず漏れた言葉の本音に、誠が軽く目を見開いた。
言葉の視線が自分の左手薬指にあることがわかり、右手の指先でそっとリングに触れる。
「…俺もだよ、言葉―」
囁くように言うと、言葉を見上げた誠に、ほんの少しだけ触れるキスを落としてくれる。
誠は、そんな言葉を驚いたように見つめると。
起き上がって、心底嬉しそうな笑顔で言葉を抱き締めた。
277名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 03:51:37 ID:TUChosla
「…言葉。そろそろ、寝ようか」
「…そうですね―…」
時刻が12時を廻る頃、テレビのリモコンを手にしながら、誠は隣に座る言葉を見る。
頷いた言葉を抱きかかえると、誠は、3日ぶりとなる二人のベッドへと向かった。
腕に抱えた言葉をベッドの上へとおろすと、そっと上から覆いかぶさる。
「言葉…」
「ん…」
軽く触れるだけのキスを落とすと、言葉は誠の首に腕を絡ませ、引き寄せた。
そして、彼女の方から深く口付けてくる。
言葉の行為に驚きながらも、誠は彼女が求めるだけ応じた。
しばらくして、息があがった彼女が唇を離すと、誠は言葉の髪をそっと梳きながら尋ねた。
「言葉、今日はやけに積極的だね?」
「そ!そんなこと―」
顔を赤くして否定する言葉に、誠は、少しだけ不安気に尋ねる。
「…なにかあった?また俺、なにか心配かけちゃったとか?」
言葉がこんな風に積極的になることは、稀にではあるが以前もあった。
でもそれは、決まって何か『心配ごと』があった時。
言葉なりの、不安の表れでもあったから。
心配そうに覗き込んだ誠から視線をそらして、言葉は首を振った。
278名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 03:52:49 ID:TUChosla
「そういう…わけじゃ…」
「言葉?」
じゃあなんで?
問いかけるよりも早く、小さな声で言葉は口にした。
「…だって…3日も…」
「え?」
「…っ…」
『だって3日も』?
(ひょっとして…)
――3日も会えなかったから…?
まさか、と思いながらも彼女を見ると、どこか落ち着かない様子で誠を窺っている言葉の
眼差しとぶつかった。
「言葉…」
そっと額をくっつけて、瞳を覗き込む。
「さみしかった?」
「……」
「言葉?」
「……」
「…言って?」
「……た」
「聞こえない」
「……」
からかうように声を上げた誠を。
ぎゅっ。
言葉は無言で抱き締めてきた。
「ことのは―」
「……」
驚いて目を瞠った誠に、言葉は自ら口付けてくる。
ほんの少し、深いキス。
唇を離すと、瞳を潤ませた言葉が見上げていた。
「言葉…」
再びぎゅっと抱きついてくる言葉が、全身で『寂しかった』と訴えているようで。
そんな彼女を愛おしいと思うと同時に、誠は思わず心の中で毒づいた。
誠は
しがみついてくる言葉をぎゅっと抱き締めた。
(…でも、まあ…)
普段は素直に甘えてくれない言葉が、こんな風に甘えてくれることは滅多にはないから。
こんな想いができるのなら、たまにはいいかもしれない。
誠は言葉を強く抱き締めた。
「言葉…愛してるよ―…」
「はい…私も―…」
誠の囁きに、ポッと頬を染めて、言葉はまるで女神のように、微笑んだ。
穏やかに、夜の闇が二人を包みこむ
抱き締めあう二人を、まるで闇が守るかのように―…
279名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 03:53:32 ID:TUChosla
おしまい。
では寝ます。
280名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 04:23:02 ID:0ROGTPMU
>>279
GJ!!!!
深夜にいいもの見させてもらいました。激しく乙です。
281名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 07:15:59 ID:297qTSg2
282名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 11:03:36 ID:PsZ2YPk0
>>269
お疲れ様。
そしてごめん。



最後読むまで世界かと思ってた。
墓地で再会するからそういうことだったか。
青い微笑みの流れから榊野で言葉世界以外に
最も身近な人物だと彼女だろうな。
283名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 11:19:51 ID:qnGFZ0Dq
>>282
俺も世界と思った
乙女なら、桂と呼び捨てだろうし
貴方でなく、あんた呼ばわりだろ
284名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 12:43:34 ID:nzKLbbD3
時々落とされるホラーネタが、そこらの怪談話より怖い
285名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 13:13:37 ID:vsg8pq2S
今更だが言葉がホラー好きって結構意外だよな だからノコギリなんて発想に・・
286mark:2008/01/25(金) 16:45:55 ID:yiOY+W0s
怒りの誠X〜始まりC〜(140からの続き)

誠 「しかし、こうして振り返ってみると、この1年、本当に
   色々な事があったんだな」
言葉「ええ……」

……本当に、色々な事があった。

誠 「以前警察署でも話したけど、最初は俺と言葉が、こうして彼氏彼女
   として付き合えるなんて、想像できなかった」
言葉「私もです。同じ時間帯の電車に乗る誠君の視線を感じて、最初は
   気のせいだと思っていましたけど、段々気になりだして…… でも、
   自分から誠君に声をかける勇気もなくて、本を読んでごまかして
   いましたね」

誠 「俺なんか、携帯のおまじないに縋って、もしかしたら願いが叶ったら
   いいな〜という程度で、本当に君と付き合えるなんて思ってなかったよ。
   おまけに、待ちうけ画面がすぐ世界にばれて……」

そう言いながら、誠君はおおげさに肩をすくめてみせる。
当時、学校では好きな人を携帯の待ちうけ画面に写し、3週間誰にも知られ
なければ、その恋が成就するというおまじないが流行っており、私も
内心は少し気にしていた。

誠 「でも、そのお詫びに世界が、言葉と俺とを引き合わせてくれて……
   そこから、始まったんだな」
言葉「そうですね。西園寺さんが私と友達になりたいと言ってくれて、
   当時人付き合いの殆どなかった私は嬉しくて……」

それから日にちをそれ程置かず、3人で一緒にお昼ご飯を食べようと、
西園寺さんからの誘いがあり、私は早起きしてサンドイッチを作り、
昼食の時間に、屋上で2人が来るのを待っていた事を思い出す。
287名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 17:05:23 ID:4mb8c/ny
誠の横のレイプ犯は逮捕されました。
288mark:2008/01/25(金) 17:17:50 ID:yiOY+W0s
誠 「あの時は、強引に世界に屋上まで引っ張られて、途中何度帰ろうと
   思ったことか。君を見て、まともに顔を合わすのも恥ずかしかった」
言葉「私も実感がなかったです。西園寺さんから誠君の事は
   色々と聞かされていましたが、最初は誠君がこういう人だとは
   思っていなかったですから」

誠 「……なんか、その後に否定的な表現が続きそうだな」
言葉「くすくす、違います。想像以上に素敵な人だったという事です。
   確かに、最初はお互いに大変でしたけど」

今でこそ、こうして誠君と一緒に過ごす事に違和感などないが、
当時はお互いにすれ違いや空回りが多くて、苦労した。
もちろん、それらの経験があって、今のような関係を築けたと思っている。

誠 「今でもそうだけど、付き合い始めた当時の俺は本当にガキで、
   自分の気持ちばっかりで、言葉の気持ちをおざなりにした
   態度や行動が多かったな。映画館のデートでは、ビンタされたし……
   よくサヨナラにならなかったと自分でも思うよ」

初めて映画館に行った時は、お互いに映画の好みが全く違い、その時は
誠君の趣味に合わせたのだが、鑑賞中に映画のラブシーンに感化
された誠君が、私の手を握りだし、思わず彼の頬を叩いてしまった事があった。
その後、お互いに気まずい時間を過ごした事は言うまでもない。

私も、男の人とのお付き合いは初めてであり、且つ過去の経験から、男性に対して
苦手意識を持っていた。なかなか積極的になれない自分に嫌気がさしたりして、
誠君と付き合い続ける事に自信をなくした事もあった。
そんな時に電話で話したり、直接相談に乗ってくれたのが、西園寺さんだった。

……今思えば、それも西園寺さんの心を傷付ける行動だったのだろう。
289mark:2008/01/25(金) 18:53:48 ID:yiOY+W0s
言葉「その後、お互いに何とか軌道に乗り出したとでも言うのでしょうか……
   誠君とお付き合いしてるという実感がようやく出てきましたね。
   ………その後が、本当に大変でしたけど」
誠 「ああ、本当に大変だった。まともに学校生活を送れるかどうかの
   瀬戸際だったし。……一応の解決はして、もちろん言葉との絆を
   以前よりずっと強くする事も出来た。それは本当に嬉しいよ」
言葉「……………」
誠 「だけど、得た物も多かったけど、失ったものも多かった。……本来なら、
   世界までいなくなる必要はなかったんだけどな」

そう、事件や苛めの解決以上にある意味大変だったのが、西園寺さんの事だった。
例の一斉調査を経て、加藤さんと甘露寺さんが謹慎の後、退学となり、
西園寺さんはそこで初めて、友人でもあった甘露寺さんが苛めを起こしていた事を
知り、驚いたそうだ。

誠君は事の真相を西園寺さんに話す事に躊躇していたのだが、私が後夜祭の翌日から
欠席した後に起こった一連の騒動が、私達3人に関係がある事に彼女が気付き、
これ以上の隠し事は無理だと判断した誠君は、私が学校に復帰したら全ての真相を
教えるという条件で西園寺さんに何とか了承してもらい、待ってもらっていた。

そして、復帰してから数日後のある日、屋上で私と誠君は、西園寺さんに
事の真相を全て話した。
西園寺さんも、私達の話が深刻な内容である事は覚悟していたものの、彼女の
想像を遥かに超える真相に、西園寺さんは愕然とした様子を隠せなかった。

……そして何よりも、私が受けた仕打ちや友人だと信じていた人間の
暴走と同じか、それ以上に、自分の秘めていた誠君への想いが、既に私と誠君に
知られてしまっていた事にショックを受けていた………
290mark:2008/01/25(金) 19:52:00 ID:yiOY+W0s
(回想4)

全ての真相を知り、ショックを受けた様子の世界と、それを複雑な表情で
見つめる事しか出来ない誠と言葉。数分の沈黙の後、世界が話し出す。
その様子にいつもの快活さは感じられない。

世界「そういう……事だったんだ」
誠・言葉「………………」
世界「じゃあ……… 私が誠をカラオケに誘った時に、誠が断ったのも、
   その時はもう……… 桂さんが七海たちから苛めを受けていた事を
   全部知っていたからなんだ………」
誠 「ああ………」

土曜日の補習に久しぶりに誠が顔を見せて、喜んでいた世界だが、思いかえして
みれば、自分だけでなく、七海に対しても硬い表情を見せていた事を、今更ながら
思い出す世界。

誠 「……俺は、世界に謝らないといけない。世界を苛めの黒幕だと
   疑ってしまって、本当にごめん」
世界「そんな…… 私は……」
言葉「私も、根拠もないのに、勝手な憶測で西園寺さんを疑ってしまって
   ごめんなさい……」

そう言い、世界に頭を下げる誠と言葉。
それに対して、どう応えればいいのかわからない世界。

誠 「ちょっと冷静に考えれば、世界がそんな卑劣な事をするわけないって
   わかるのに、あの時おれは鵜呑みにしちまって……」
世界「誠が謝る事ないよ………」

世界はそう言うのが精一杯だった。
確かに、暴行事件や苛めそのものには世界は関わっていなかったが、自分が七海にした
相談が、言葉に対する酷い苛めへの一因となり、あまつさえ、
一連の騒動による七海・乙女らの退学を含めた処分にまで繋がったのだ。

世界「………私が、誠の事を好きなのも、もう……… 知ってるんだ」
言葉「………はい。甘露寺さんが話してくれました。」
世界「…………………。」

2人の明かした真相から、容易に導き出せた事であるが、2人に自分の
秘めていた気持ちを知られてしまった事に、改めてショックを受ける世界。
再び、沈黙が屋上を支配するが、それも長く続かず、
世界は無言で誠たちに背を向けて、屋上から出ようとする。

誠 「世界………」
世界「ごめん。独りにしてくれないかな………」
誠・言葉「……………」

そんな世界の打ちひしがれた様子に、誠も言葉もこれ以上声をかける事は
出来ず、彼女が屋上から去った後も、重苦しい気分が抜けなかった――
そして世界は、翌日から学校を欠席するようになった。
291mark:2008/01/25(金) 19:53:37 ID:yiOY+W0s
一旦切ります。やっと再開できたぜ……… 長かった(苦笑)
292名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 20:10:32 ID:ef0AWckC
>>291
293名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 20:11:03 ID:ef0AWckC
すみません
sageるの忘れてました。
294mark:2008/01/25(金) 20:34:03 ID:yiOY+W0s
訂正。ラストの世界のセリフは「1人にさせてくれないかな………」
の方が、文脈的には適切ですね。 orz
295名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 20:42:44 ID:297qTSg2
>>291
乙です。
296名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 22:43:09 ID:4lClfXC4
>mark氏
乙です。
幸せな誠と言葉が読めて嬉しいぜ。
これからの展開にさらに期待してる。
297名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 22:43:53 ID:4lClfXC4
誠→いたるを書いてみた。



「いたる……」
「おにー……、ちゃ……? ちょっと、いたいよ」

いつもどおり頭を撫でていたはずだった。
遺伝子は同じはずなのに、自分よりも柔らかな髪が心地よくて。
いつの間にか腕の中に収めてしまっていた。
小さな体は、すっぽりとおさまって心地よい。
今まで抱いたどんな女性よりも安心した。

「むね、どくんどくんって、いってるよ?」

だが同時に胸が酷く暴れている。このまま押し倒してしまいたい、と。

「いたる」

名前は、熱のこもった息とともに吐き出され。
その度に脳がしびれていく。
――なのに。

「おにいちゃ、どうしたの?」

胸の中から声が聞こえて。
脇から腕をだして、小さなその手で背中をなでられた時。
不純な気持は瞬く間に霧散した。
腕に力を込めすぎていたことに、今更気付く。
ゆっくりと力を抜いていく。そして、改めていたるの頭を撫でてやった。
今度は純粋な気持ちで。

「ごめんな」
「んーん。いやじゃないから」
「ありがとう、いたる。大好きだよ」

愛していると今は言えなくても。
いつかきっと、あの親父から奪ってみせる。
大切な妹を護るために。
298名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 00:43:13 ID:RA4wQaDx
つーか誠と言葉てセックスしてないよな、アニメ見てマジムカついたのは言葉をレイプする連続レイプ犯澤永泰輔16歳と言葉を虐めていた奴らともセックスし最初は純情な少年だったのにいつしかセックス廃人になった誠。
個人的に言えば言葉に「澤永さんあなたが死のうがどうでもいいので死んでください、あの時の復讐です。」と澤永の顔面を鋸で真っ二つにして「呆気ないですね(笑)」と言って復讐完了してほしかった。
299名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 07:41:49 ID:RA4wQaDx
澤永死ね
300名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 11:22:36 ID:QEdhWO0C
marK氏作での誠や言葉の適切な対応や乙女や七海
の潔さが原作アニメでもあればねぇ
各事情や思い・思惑・実態を各キャラ
に伝えるだけで悲劇の大半防げるのにねぇ
301名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 12:09:24 ID:frdDxBBx
>>300
TVアニメ版は最悪の結末に至る経緯を
どのようにして多くの人に見てもらえるものにするかが
テーマだったのでそれは仕方ない。

VDやマジカルこころよりそういうものを見てみたいというのには同意する。
しかし劇場版やったとしてもやはりBADなんだろうな…。
302名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 16:11:58 ID:FxmG5jct
>>298
純情というよりは盛りの付いた糞餓鬼だったな。

9話以降ハイパー化が著しかったが・・・
303名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 16:27:35 ID:RA4wQaDx
世界が刹那と席の入れ替わりしなければ惨劇は起こらなかった、世界が誠にセックスを教えなければ誠が廃人にならなかった。原因は世界かもしれない。世界の自分勝手が言葉と誠を狂わせた。名前の由来は世界を滅ぼす悪魔のような子とかじゃないの?
304名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 20:16:58 ID:RA4wQaDx
ここ人気ないな、スクイズは嫌われキャラしかいない、個人的に言葉刹那心以外全員死ねばいいと思う。澤永は言葉レイプしても罪悪感感じない、誠は全員廃人にする、世界七海乙女は糞、光影薄い言葉は誠中毒、いちご100、ハヤテのごとくと比較すれば。言葉刹那心以外だけど
305名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 20:18:53 ID:C/ouQMWm
せめて改行くらいしてくれや・・・見づらい。
306名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 20:19:55 ID:56ZuDHJQ
日本語でおk
307言葉の家庭訪問:2008/01/26(土) 20:41:01 ID:lide81x/
いたると心の続編です。
言葉の家庭訪問。

沢越家玄関前にて。

「ここね、いたるちゃんのお家は。」
風呂敷包みを持った言葉がインターフォンのボタンを押した。
「(はーい)。」
「いたるちゃんですか?言葉です。」
「(ガラガラ・・ガッシャーーン)」
インターフォン越に大きな物音が聞こえたかと思うとバンッ!!と派手な音を立てて
玄関ドアが開いていたるが飛び出してきた。
「い・いたるちゃん大丈夫ですか?」
「ハァハァハァ・・お・お姉さん。」
「は・はいなんでしょう?」
「ここは危険だから来ちゃダメっていったじゃない!」
「え・ええ、でもお菓子をたくさん貰ったのでお裾分けに来ただけですから。」
「とにかく行くよ!お姉さん!」
「行くってどこにですか?」
「いいから!!」
いたるは言葉の手を掴むと全速力で駆け出した。
「ま・待ってください!説明を!」
「いいからそのままついてきて!」
二人はその体勢のまま5分ほど全力で走ってショッピングセンターに着いた。
二人はセンターの壁に手を着いて息を整えてから一度わざと人ごみに紛れて
センターを素通りしてから近くの喫茶店に入った。
いたるはその際にも周りを警戒する事を忘れなかった。
308言葉の家庭訪問:2008/01/26(土) 20:41:45 ID:lide81x/
「いたるちゃん、随分慎重ですねえ。」
「お姉さんが迂闊過ぎるの!
 さっき出たのが私だったから良かったけど
 お姉さんみたいなすごい美人にもしあいつが出会ったら・・・
 想像するだけでおぞましいよ。
 もしそんな事態になったら私お兄ちゃんに一生顔向けできないよ。」
そう言っていたるは頭を抱え込んでしまった。
「そんな凄い美人だなんて・・・
 でもそんなに危険な場所だったらいたるちゃんは何故平気な顔をして住めるんですか?」
言葉は頬を染めながらも不思議に思ってそう訊ねた。
「小さいころからの鍛えられてるからね。」
「?」
「今じゃ寝ていても身の危険を察する事が出来るようになってるし
 本当にやばいと思ったらお兄ちゃんの所に逃げ込んでたし。」
「本当に日本なんですよね?」
「じゃあ日本で例えてあげるよ。
 ○○の○○○○地区とか○○の裏通りとか想像してもらったらわかるよ。」
「そうなんですか・・・」
「とにかくお姉さんや心お姉ちゃんみたいな人が来たらどんな目に遭わされるか
 わかったもんじゃないの。
 それだけの怪物が住んでるんだからね。
 来るんだったらプロのボディーガードを2〜3人連れてきて。」

「わかりました。
 でもそうなるといたるちゃんをいつまでもあそこには置いておけませんね。
 出来るだけうちか実家の方に住めるように誠君とも相談してみます。
 これからは週末だけじゃなくていつでも泊まりに来て下さいね。」
「ありがとう、お姉さん。」
喫茶店で言葉はいたるに持ってきたお菓子を渡してとりあえず別れた。
帰宅したいたるが包みを解くと走ったせいで中身がボロボロになっていた。
「まあでも味は変わらないからいいか、美味しいよお姉さん。」
無自覚に家を訪ねてこられた時にはすごく焦ったけれど
言葉の純粋な気遣いが嬉しいいたるだった。
309言葉の家庭訪問:2008/01/26(土) 20:42:41 ID:lide81x/
一方言葉が自分のマンションに帰って夕飯を作っていたら誠が大慌てで
台所に飛び込んできて言葉を後ろからいきなり抱きしめた。
「ま・誠君!?お料理が・・」
「いたるから電話があっていてもたってもいられなくて。
 無事だったか?何もされてないか?後をつけられなかったか?」
「大げさですよ誠君。」
「そんな事は無い!もし言葉の身に何かあったら俺は言葉のご両親や心ちゃんに
 一生顔向けできなくなる。」
「そんな・・」
「なあ言葉約束してくれ!
 もう絶対にあそこには行かないって。」
「わかりましたもう行きません。
 行くとしたら誠君と一緒か護衛をつけてからにしますね。フフフ。」
「どうしたんだ?」
「誠君がこんなに心配してくれてなんだか嬉しい気がします。」
「おいおい笑い事じゃ・」
言葉は指先で誠の口を塞いだ。
310言葉の家庭訪問:2008/01/26(土) 20:43:08 ID:lide81x/
「わかってますよ、でも本当に嬉しいんですから。」
言葉は目を閉じて誠にキスをした。
お互いの背中に手を廻して激しいキスになろうとしたのだが・・
「お姉ちゃん。」
二人は弾かれるように離れた。
「こ・心!どうやって入ったの!?」
「この間いたるちゃんに鍵を借りた時についでに合鍵作ったの。」
「勝手にそんな事・・・」
「それより焦げ臭いよ。」
「きゃあああ。」
言葉は慌てて火を止めた。
「それさえ無かったらちゃんと最後まで見守ってたんだけどねえ。」
「最後までって・・」
「まあそんなに怒んないでよ、お土産にイベリコ豚の生ハム持ってきたんだから。」
「全くもう。」
「今夜はついでに泊まってくね。
 でも大丈夫だよ夫婦生活の邪魔はしないから気にしないでね。」
「じゃあ誠君、心は1人で寝るそうですからいつも通りにしましょ。」
『とはいってもなあ、心ちゃんのあの様子だと覗く気満々だぞ。
 言葉はその気になってくれてるけど、これじゃ蛇の生殺しだよトホホ。』
End
311名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 20:48:13 ID:jUM0gJVx
すばらしい!!!!!!
甘甘マンセーーーーーー
312名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 20:51:46 ID:62bY74bu
GJ!!
やはり誠と言葉のラブラブな話は読んでると幸せな気分になれるな……
続き楽しみにしてます。
313名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 20:55:00 ID:jUM0gJVx
純な二人はほんとうにいいね
314名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 21:18:31 ID:AE+U/IeZ
GJ とまるが出てこなくてほんとに良かったw
315名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 21:23:40 ID:vEGBjrkU
おぞましい化け物扱いのとまるワロスw
言葉と誠のラブラブといたると言葉のほのぼの和んだ。
316名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 21:25:26 ID:pXzlEfvW

┌────────────────────────────┐
│誠くんへ                                         │
│                                           │
│酷いです…誠くん 。                               │
│私はただ、誠くんを取り戻したかったから                 │
│西園寺さんを殺めただけのに…                            │
│誠くんに嫌われたら、私、もう生きていられません…             │
│けれど、誠くんのことは、死んでも見守り続けます。             │
│                                            │
└────────────────────────────┘


      ⊂⊃
        _
      '´/ ,、ヽ
     i (ノノ"))i
     li l|゚ ヮ゚ノl|
     リ./)允iつ
     l   ノ
     |  ノ
        ノ ノ
     '

      (((誠)))
     (( ( ゚Д゚ ) ))
     (( つ□⊂ ))
317名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:29:31 ID:6wRr3NXc

鮮血の後?
正気を取り戻した後、監視の目を盗んで遺書を遺し自害したとか?
318名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:46:31 ID:n/hQNvcb
一つ聞きたいけど、言葉と誠のエッチなSS書いたら嫌がる?
319名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:59:39 ID:lide81x/
>>311-315
楽しんで頂けたなら嬉しいです。
続編が出来たらまた投入します。

>>318
問題ないというかこの板だとそっちが本道です。
320名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 23:14:14 ID:IbMmpGTp
>>319
私は貴方の癒されるSS見たいために常駐してます。
本当にGJです。
言葉様書くの上手です
321名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 23:14:28 ID:oNk/LwaD
確かに言われてみればエロパロ板なんだよな、このスレがあるのって。今まで忘れてたよ。

というわけで問題なし。
つーかたまにはそういうのも読んでみたい気も。
322名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 01:14:53 ID:YLDo7Hzn
「言葉の部屋」というプレートが欠けられたドアを開けると、ベッドに座っている言葉がいる。
言葉はなぜか顔を真っ赤にして俯いている。
「ま、ま、誠くんっ」
「ぁ、あぁ」
言葉に気圧されてしまう…。
「わ、私…わ、私の……」
「………」
「私のお尻にして下さい……」
「なっ」
言葉の突然の申し出に、一瞬引いてしまう。
顔を真っ赤にして俯いてしまった言葉。
「いや、でもな、言葉……」
「わ、私……」
俯きながら言葉は俺に言葉を投げかけてくる。
「私…、西園寺さんに負けたくないんです。だから…だから…」
「言葉……」
「私、誠くんになら何をされてもいいんです」
言葉…本気だ。
だがそうは言っても言葉の健気な姿を見ていると、とても……、そんなことをするのは……。
「いつも優しくしてくれて…私のこと大事にしてくれて…そ、その…お尻も…誠くんに捧げたいです…」
俺は喉から搾り出すように言葉に確認を取る。
「ほ、本当に…、いいのか……」
「はい……」
323名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 01:15:23 ID:YLDo7Hzn
言葉はベッドで服を丁寧に脱いでいく。
俺もその様子を横目に服を脱いでいく。男だからあっという間だが…。
「言葉…」
俺は言葉を抱きしめ、唇を奪う。
「んっ」
長いキスの後、唇を離すと、言葉は少しぼうとしている。
さて、言葉の望み通り…アナルにしないとな……、どうするかな……。
「な、言葉…四つん這い…になってもらえるか……」
「あ、はい……」
そう言って恥ずかしそうにしながらも従順に言葉はベッドに四つん這いになる。
いりなり入れるわけにいかないし、まずは…。
そこで言葉が口を開く。
「ちゃんと…腸洗浄すませましたから…」
「そうか、やる気だな」
「ま、誠くん…」
言葉は恥ずかしそうに身を縮みこませる。
そしてそのせいか俺のちょうど、目の前に四つん這いの言葉のアナルが向けられる。
「ひゃぁ、ま、誠くんっ、そ、そんなところ、き、汚いです、止めてくださいっ」
そうは言っても…まるで舐めてください、と言わんばかりの言葉の可愛い窄まりは…。
「ひゃぁ、や、本当に、や、止めてください…、あ、ぁ、あぁぁ」
俺は舌を窄ませて言葉のアナルを突っついたり、周りを舌で舐めまわしたり、キスをしたりする。
「ひゃぁ、そんなところ……」
さっきから言葉のセリフを聞いてみても、本気で嫌がっている素振りは見られない。
俺は言葉のアナルに舌を差し込む。
「ひゃうっ、んんん…」
324名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 01:16:02 ID:YLDo7Hzn
「言葉、どう…?」
言葉に尋ねてみる。
「ぇ……、はい……、なにか……、くすぐったいような……」
「気持ちよかった?」
「…は…、…はい」
言葉は顔を真っ赤にしてベッドに顔をうずめる……。
俺はローションの蓋を開け、ゆっくりと言葉のアナルに垂らしていく。
「きゃぁ、つめたっ……、なんですか、誠くんっ、つめた…」
アナルの熱を突然ローションに奪われたせいか、言葉は声を上げる。
「大丈夫だよ、ただの潤滑剤だから」
「そうなん……ですか……」
言葉はまだ少し不安げで、それを俺が言葉の顔を撫でて和らげる。
「大丈夫、言葉を痛くしないようにするだけだから…」
「はい……」
俺は自分の指にもローションをなじませ、指で言葉のアナルに触れる。
「んっ」
言葉がわずかに身じろぎする。俺は指で言葉のアナルの表皮を愛撫する。
「あ、ぁぁぁぁ、ま、誠くん……」
言葉はシーツを掴んでその感覚に耐えている。
俺は言葉のアナルの皺をのばすように愛撫を少し強めして、言葉のアナルをなじませる。
「ひぃんっ、ん、ん、ん、ん…」
言葉はその感触に耐えるように息を殺す。
そして、指の中心を徐々に言葉のアナルの中心にもっていく。
325名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 01:17:00 ID:YLDo7Hzn
言葉の体がこわばる。俺の指の位置の意味に気付いたんだろう。
俺は「力を抜いて…」と言いながら、肉付きのある言葉のお尻に舌を滑らせる。
言葉はまだ通常の愛撫に近い感覚に、俺がお尻を舐めるたびに、わずかながら力を抜いていく。
ゆっくりと指先に力を込める。
「んんんんんんんんんんんんんん」
ぬぷっ、という音が聞こえたような気がする。言葉のアナルに俺の指が隠れていく。
「大丈夫か…、言葉」自分でしているのに聞くのもなんだが、俺は言葉に確認する。
「だ、大丈夫です……」さすがに平静ではいられないようで、言葉の言葉には歪みがある。
「ダメなときはすぐに言って」
俺はそう言いながらも言葉のナカに指を入れていく。
「んんん、ぁぁぁぁぁぁぁ」
言葉のナカに俺の指が飲み込まれる。多分、たいして長い時間は経っていないが、言葉にとってはそうでもなかっただろう。
「言葉…、分るか?言葉のナカに俺の指が入ってるのが…」
「は、はい…。私…誠くんの指が……、あ、ぁぁぁぁぁぁ」
俺はゆっくりと言葉のアナルから指を引き抜いていく。言葉はその排泄感のような感覚に、身を震わせている。
大気に晒された指を再度言葉のアナルに沈めて行く。そして引き抜く。
その度に言葉のアナルは徐々に俺の指を受け入れやすくなってくる。
そしてなによりも…。何度目の挿入だったろう。言葉の口から
「あ、あぁっ」
という快楽の証を含んだ声が上がったのは。
言葉はそのアナルで感じてしまったという事実に気付いて口をつぐんでしまったが。
326名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 01:17:43 ID:YLDo7Hzn
俺は言葉にたまに声をかけながらお尻から背中を舌や空いている手で愛撫しつつ、指で言葉のアナルを拓いていく。
そして言葉の腸壁を言葉の胎内から指で叩く。
「ひぁ、あぁぁぁぁぁぁ」
そしてそのまま言葉のナカで指を動かし続ける。
「ぁ、…、…、ぁ…」
言葉の口から…僅かに僅かに快楽の声が漏れてくるようになる。
俺はあくまでも優しく優しく、しかし言葉の感じるところを捜しながら言葉のをかき回していく。
言葉の表情を見ると言葉の表情は負のものに耐えているのではなく、明らかに快楽に耐えるように変わってきているのがわかる。
俺は言葉のフトモモを甘噛みしながら、言葉のアナルから突然に指を引き抜く。
「あっ」という言葉の声は明らかに、抜かれたことに対する不満を表していた。
「なあ、言葉…、まだ…して欲しい?」
本人が望んだことを再確認。
「……」
言葉は恥ずかしそうに沈黙を守る。
「どうなの、言葉? …もう終りでいいの…?」
「…… ダメです。もう少しして下さい」
これは本人が望んだこと…そう思うことによって…より高みに上れると思う。

俺は言葉のアナルに再び指を侵入させる。今度は少し荒々しく差し込む。
「んぁっ、ぁ、ぁ、ぁ、……」
言葉の口が緩み始めている。俺は更に言葉のアナルを刺激しつづける。
「あ、…ぁぁ、ぁぁ…、んんんん」
言葉が下半身をよじらせる。その瞬間俺は言葉のフトモモに光る一筋の液体を認める。その源泉は言葉の陰部。
俺は言葉のアナルに挿入している指でピストン運動を始める。
「あ、ぁぁ、あぁ、ぁ、ぁぁぁ、ぁぁぁ」
もはや声を押し殺すことができなくってきたのか、言葉は俺の指の動きに合わせて声を上げる。
「ぁぁ、ぁぁ、ぁぁ、ま、誠く、んんんん」
「どうだ……、言葉……」
「あぁぁ、も、もっと、ゆ、ゆっくり…、し、してください」
「どうしてだ……」
「だって…だって…、ふぁぁぁ、あぁ、ぁぁ、ぁ……」
言葉は逃げるように腰を動かすが、俺はそれに合わせて指を言葉のアナルに挿入する。
言葉のアナルを指で犯しつづける。
327名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 01:18:11 ID:YLDo7Hzn
俺は言葉のアナルから一旦指を引き抜く。
「はぁぁぁ」
言葉の口から開放感とも、要求ともつかない息がもれるが、俺は間をおかず、再び指を挿入する。
ただし、指二本を言葉の中に。
「い、あ、ひぃんっ、ふぁ、ま、誠くん…」
言葉の切羽詰った声とは裏腹に、言葉のアナルは結構ほぐれているのか、俺の指二本をスムーズに飲み込んでいった。
「ぁぁぁぁぁ、ぁぁ、ま、誠くんっ、あ、ひぃんっ、あ、ぁぁ」
「言葉…、言葉…」
「ふぁぁぁ、ぃんっ、あぁぁ、ま、誠くん…、私…私…」
「言葉…どうだ……」
「わ、私…誠くんの指で……」
「うん」
「お、お尻、あぁぁぁ、誠くんにお尻…いじられて…」
「イくんだな…言葉はお尻をいじられてイクんだな」
「はい、私…ふぁぁぁ、お尻で、お尻でいっちゃいます……」
俺はトドメとばかりに言葉のアナルを思いっきり刺激する。
「ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
言葉は全身を痙攣させて、高みへと到達していった。
328名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 04:19:24 ID:JsHfhxlg
続きを早く。
329mark:2008/01/27(日) 11:06:48 ID:Cs08Jzxq
(怒りの誠X〜始まりC〜290からの続き)

言葉「遅かれ早かれ、いつかは言わなければいけない事だとは
   わかっていましたけど、事実を教えるという事は必ずしも
   良い事ばかりではありませんね……」
誠 「……そうだな。あいつが落ち込む事は予想していたし、
   学校を休むというのも、あの時の世界ならありえなくは
   なかったしな。……清浦が何とか説得して、10日程で復帰は
   してくれたけど、その後は俺たちを完全に避けるようになったし」

清浦さんがいなかったら、そのまま長期の不登校になっていたかもしれない。
やはり、西園寺さんのショックは私達の予想以上に大きかった。
当然ながら、以前のように私と誠君、西園寺さんの3人で集まる事などなく、
西園寺さんも、公的な用事以外では、誠君と話す事さえしなくなった。

何とか話す機会を得たとしても、今の西園寺さんには何を言っても
彼女をより深く傷付けるだけであり、結局私達は何も出来なかった。
そんな状況がずっと続いたまま2学期も終わり、冬休みになった。

一連の騒動が落ち着いたら、誠君と心行くまでデートを楽しみたいと
思っていたのだが、こういう状況では素直にそうする事も出来ず、
恋人同士の関係なのに、電話かメールで誠君と会話のやり取りをするか、
冬期の補習授業で、休み時間や授業後に顔を合わせるのが精一杯だった。
……西園寺さんは補習には顔を見せなかったようだが。

年が明けて3学期に入っても、この状態は変わらず、どう打開すれば
よいのか、私も誠君もわからなかった。

私は誠君がこれからも私と付き合い続けてくれると信じており、それについての
心配はしていなかったが、西園寺さんの件をこのまま曖昧にしてやり過ごせる
ほど、私達は器用にも無邪気にもなれず、しかし何か良い特効薬があるわけでもなく、
苛めを受けていた時とは別の意味で、気分の晴れない日々が続いていた。
330mark:2008/01/27(日) 11:56:02 ID:Cs08Jzxq
言葉「この頃は4組で孤立していた小泉さんの問題もあって、
   苛めを受けていた以前とは違う意味で大変でしたね」

誠 「現実はなかなか思い通りにはいかないものだなあと思ったよ。
   言葉の頑張りで、小泉の件はどうにかなったけど、
   世界のフランス行きは、俺や清浦でもどうにもならない事だった
   しな………」

西園寺さんの事に関しては、3学期も膠着した状況が続き、そのまま2年生でも
持ち越しになるのかと思っていた。しかし、3月の半ばに入って彼女が再び
笑顔を見せ、誠君や清浦さん・黒田さん達クラスメートにも、以前のように明るく
接するようになり、世界もようやく吹っ切れたのかと、誠君はその時は楽観して
いた。

誠 「あの時は俺達の事をやっと納得してくれたんだと、単純に考えちまった。
   せめて表面だけでも、後腐れを残したくなかったと思ったんだろうか……」
言葉「お母さんのお仕事の都合だったとはいえ、これ以上私達と同じ空間に
   留まる事に耐えられなかったのかもしれませんね……」

西園寺さんとゆっくりと話し合う機会が訪れないまま終業式を迎え、
でも彼女が元の快活な姿に戻ったというのなら、これ以上私達が余計な事をしない
方が、西園寺さんにとっても私達にとっても良いのかもと思いかけていた。

終業式が終わり、西園寺さんは黒田さんや清浦さん達と街へ遊びに行こうと
呼びかけていたそうだが、清浦さんだけはなぜか断り、西園寺さんが
不服そうにしていたが、今度自分の家に泊りに来る時に色々と準備しなければ
いけない事があるので行けないと彼女が言い、西園寺さんも渋々折れたという。

そして、誠君と私が途中まで一緒に帰ろうとした時に、清浦さんに
呼びとめられた。
331名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 12:22:18 ID:eH+l4WiD
>>320
ありがとうございます。

今幾つか考えてますのでそのうちどれかを書きます。
332mark:2008/01/27(日) 13:30:25 ID:Cs08Jzxq
(回想5)

刹那「伊藤。ちょっと話がしたいんだけどいい?」
誠 「なんだよ。清浦も世界に付いてやった方が良かったんじゃないのか?
   あいつもせっかく機嫌が良かったんだし」
刹那「……それは明後日ゆっくりするから大丈夫。久しぶりに
   世界が泊まりに来る事になっているから」
誠 「そっか。清浦は世界の幼なじみで、仲良いもんな」
刹那「………………」

私とは学祭の実行委員会の時くらいしか接点がなく、いつも無表情な印象しか
なかった為、清浦さんがどういった用件で誠君を呼び止めたのか、
想像が出来なかった。

言葉「あの、申し訳ないのですが、誠君と一緒に帰る約束をしているので、
   出来れば手短にお願いしたいのですけど……」
刹那「……手短にはちょっと難しいかもしれない。できれば、桂さんにも
   一緒に付き合ってほしい」
言葉「私も……ですか?」

清浦さんは無言で頷きつつ、公園で話がしたいと言い、私と誠君は、
彼女と共に近くの公園まで足を運ぶ事となった。

公園内

誠 「清浦の要望通り公園まで来たけど、学校内でも人の寄らない
   所は結構あるし、本当にここでいいのか?」
刹那「ここの方が落ち着くから」

公園内には、意外にも人が居なかったものの、ただ話がしたいだけなら、
学校内でも問題はない気もする。わざわざ公園に出向いて清浦さんが私達に
話したい事とは何なのだろう?

刹那「伊藤は…… 世界の事をどう思っているの?」
誠 「どうって…… そりゃあちょっとお節介だけど、
   明るくて良いヤツかなって……」
刹那「違う。そういう意味じゃなくて、1人の女性として、世界の事を
   どう思っているか、教えて」
誠 「えっ………」
333mark:2008/01/27(日) 14:26:00 ID:Cs08Jzxq
誠君が困惑した表情になる。私は思わず割って入ってしまった。

言葉「あの、清浦さん。誠君にそれを聞いてどうしようと言うんですか。
   誠君は私とお付き合いしているんですよ」
刹那「それはわかってる。でも、伊藤が世界の事をどう思っているのか
   はっきりしないと、私も適切に動けない」
言葉「動けないって……どういう事なんですか」
刹那「伊藤が答えてくれたら教える。答えが出ない、決まっていないのなら、
   教えない」
言葉「では、知りたくないと誠君が言ったらどうするつもりですか?」
刹那「私は伊藤の事を信じてるから、そんな返答はありえない」

清浦さんは彼の人に対する優しさへの信頼を盾に、誠君に有無を言わさず回答を迫る。
彼女は私以上に頭も回るようで、逃げ道を作らせなかった。

誠 「……言葉。言い辛いけど、正直に応えるしかなさそうだ。……ひょっと
   したら、清浦にも今までの事を全部話す必要があるかもな」
言葉「誠君……… いいんですか?」
誠 「どうやら興味本位で俺達に質問してきたわけじゃなさそうだし。
   清浦なら、軽々しく人に喋ったりはしないと思う」
刹那「……………」
誠 「その条件が守れるなら、ちゃんと話す。それでいいかな?」
刹那「……わかった」
334mark:2008/01/27(日) 14:33:45 ID:Cs08Jzxq
休憩。刹那の出番がようやく出たか…… 言葉と舌戦気味だが、イメージ的に
刹那の方が言葉より3手先を行くかな
335名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 15:10:51 ID:mDFnOLNX
mark氏に一つ聞きたいのだが、このストーリーは世界のいきなりのキスや練習は無かったのを前提にしてるの?
336mark:2008/01/27(日) 15:57:30 ID:Cs08Jzxq
>>335
その辺は突っ込まれるとかなり弱いですね…… 最初期のキスは、まあありかな?
言葉の自殺未遂以前に世界との性的関係には至らなかったのと、後夜祭で
誠は誰とも踊らなかったというのが最大の前提ですね。その裏で、いわゆる
乙女に唆された澤永が、言葉を暴行したというわけで。

後は原作より言葉苛めへの展開が早い(言葉が壊れず、何とか留まっている状態)
アニメと逆に、上映会の予定が遅い(学祭明けから1〜2日で調査は早過ぎるので)

まあ設定ありきで整合性は大してとれてないです………
言葉自殺未遂にしても、前スレのネタを無断借用したものですし(大汗)
こんな駄文ですが、生暖かく見守って頂ければ幸いです。
337名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 16:33:58 ID:fw/Z7R31
>>322-327 GJ! 続きを期待するよ、ところでタイトルは何だい?
338名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 17:21:04 ID:XHfhoTYW
世界の誠への想いも、淡い恋心程度で終っているようだなあ
339mark:2008/01/27(日) 19:57:55 ID:Cs08Jzxq
(怒りの誠X〜始まりC〜333からの続き)


刹那「なるほど……そういう事だったの」
誠 「言葉が学校に復帰してから、世界にも同じ事を話したんだ。
   まあ、穏便にはいかないもんだよな……」

私と誠君は、清浦さんにも学祭以降の事や、それ以前に私が受けていた
苛めの事も全て話した。西園寺さんのようにショックを受けた様子は
あまり見せず、彼女は思案するような仕草を見せる。数分ほどそうした後、
今度は先程よりは緩めた口調で私達に話し出した。

刹那「さっきはきつい事を言って、伊藤や桂さんが話したくない事まで
   話させて、ごめんなさい」
言葉「いえ…… 私も大人気ない態度をとって、すみませんでした」
刹那「桂さんと喧嘩したくて、ああいう質問をしたわけではないの。
   勝手な言い分だけど、それだけはわかってほしい」
誠 「ああ。真面目に俺達に聞いてきたのはよくわかる。でも、
   なんでわざわざ俺の本心を聞きたがったんだ?」

刹那「……あまり、時間が残されていないから。もちろん本当に
   世界が立ち直ったのなら、私もこんな事はしなかった」
誠 「でも、世界はここ最近、以前のように明るく振舞っていた
   じゃないか。確かに俺と言葉との3人で一緒に過ごす事はなかったけど」
刹那「それは表面だけ。私は世界と小さい頃からずっと一緒に過ごしてきた
   から、世界の本心がわかる」

言葉「では、西園寺さんはまだ立ち直っていないという事ですか?」
刹那「そう。そして、困難を乗り越えられないまま、日本を去ろうとしている」
誠 「日本を去るって…… 話が見えないぞ。世界にいったい何があったんだよ?」

清浦さんは一呼吸置き、淡々と一気に告げた。

刹那「世界は3月の終わりにフランスへ引越す。そして、向こうで
   しばらく暮らす事になる」
誠 「えっっ…… 嘘だろそんなの…… いくら落ち込んだからって
   そこまでするなんて……」
340mark:2008/01/27(日) 21:11:21 ID:Cs08Jzxq
刹那「違うの。フランスへの引越し自体は、世界が決めた事じゃない。
   親の仕事の都合で、それはもう仕方のない事。でも、
   世界は伊藤への想いをまだ絶ち切れていない」
誠・言葉「………………」

刹那「このまま世界をフランスに行かせたら、臆病な心のまま
   大人になって、困難にぶつかった時に何もせず、自分の力では何もできない
   人間になってしまう」
言葉「確かに、自分の力で何かを成し遂げた事というのは、自信や良き人生経験
   に繋がります。でも、人に頼る事だって、決して悪い事では
   ないと思いますよ」

以前の私は、適切な形で人に助けを求める事が出来ず、無理な我慢を
重ね続けていた。誰も自分の辛さ苦しさをわかってくれないと、勝手に思いこみ、
自殺という、残された人間にとって救われない道へ逃げこもうとしていた。

あの夜の後、自宅で私はお母さんに今までの事を打ち明け、お母さんに
抱きしめられた事、その時嗚咽しながら何度もごめんねと私に言った
お母さんの顔を忘れる事はできない。

刹那「桂さんは、自分で物事を為し遂げる事も、人に頼る事も
   出来たのだから大丈夫だと思う。……今は、自殺したいとは
   思わないんでしょう?」
言葉「ええ、もちろんです。私は生きたいですから。」
刹那「でも、世界は自分の力で困難を乗り越えた経験が少なすぎる。
   いや…… 向き合ったというべきか。失敗してもいい。でも、
   それで自分の存在まで全て否定されるわけではない事を、世界には
   わかってほしい」

誠 「……それで、俺に世界との事をはっきりしてほしいと言ってきたのか」
刹那「今までは、私が盾代わりになって、世界の心を傷付けないように、
   ずっと守ってきた。でも、それが世界への必要以上の甘やかしに繋がって
   しまった………」
341名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 23:56:18 ID:DS4Ks/Xd
               遺書

もう駄目です。こんなことならもっと人生を楽しめば良かった。
もう、ドアのすぐ側までアホ毛の死神が近づいて来ています。
俺を助けようとした友人の澤永泰介は殺されてしまいました。
このまま捕まれば、文字通り俺は”私だけの誠”になっていまいます。
そんなのはご免です。このまま、世界に捕まって、自分の人生を自分で
決定できないのなら死んだ方がましです。先立つ息子を許して下さい。

母へ息子誠より



言葉へ。俺はお前のことが好きだった。愛していた。
お前との将来を真剣に考えていたが、それも叶わなくなってしまった。
俺がもっと早く世界の性格に気付いていれば…
俺が流されやすい性格じゃなければ…いくら後悔しても悔やみきれない
ごめんよ、本当にごめんよ言葉…
けれど、言葉はとてもいい女の子だから、俺なんかよりいい男がきっと見つかる。
こんな俺のことを好きになってくれて本当にありがとう、言葉。
そして、永遠にさよならだ。

言葉へ愛する誠より。
342mark:2008/01/28(月) 00:00:28 ID:Cs08Jzxq
清浦さんとの付き合いがあまり無い私にも、彼女がどれだけ西園寺さん
の事を想っているのか伝わってくる。単に親友という関係だけでなく、
年の離れた姉妹か、母娘にも似たような不思議な間柄を感じた。

刹那「私では、最後はどうしても世界に甘くなってしまう。
   時には厳しく突き放す事も必要だと頭ではわかっていても、
   私にはそれができない。……だから、伊藤にお願いしたい」
誠 「でも、自分で言うのも何だけど、俺は優柔不断な男だぜ?
   おまけに言葉があんな目に遭うまで何も気付かなかった鈍感だし。
   今更世界に対して俺ができる事なんて、ないと思う」

刹那「それでも、伊藤は桂さんと一緒に困難を乗り越えてきた。
   私は共に行動したわけではないから、想像でしか言えないけど、本気で
   桂さんの力になりたい、一緒により良い日常を手にいれたいと思ったから、
   これまでの日常を壊す覚悟で警察にも行ったんでしょう?」

誠 「ああ、それは間違いない。言葉を失うような真似だけはしたくなかった」
言葉「本当なら、屋上から飛び降りて死ぬはずだった私を、最初に救って
   くれたのは誠君です。……1度は大好きな誠君の事すらないがしろに
   してしまった。だから…… 私は誠君を決して裏切らない。
   私を救ってくれたように、誠君が本当に辛い時は、彼の力になりたい。
   それが私にできる唯一の誠意であり、意志です」

私はそうきっぱりと答える。人によってはそのような関係を
息苦しく感じてしまうのかもしれない。いや、普通の恋人なら、
そこまでの決意でお付き合いをする事は多分少ないと思う。

もっと別の形で誠君と知り合ったか、恋人同士の関係にならなければ、
私も全く別の人生を歩んでいたのかもしれない。
しかし、誠君と共に困難を乗り越えた経験が、誠君に対する
単純な恋心だけではない、別の気持ちも芽生えさせていた。
343名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 07:59:56 ID:bycUWFZF
いつも思うけど一番正しいルートはどれなんだろうか?俺的には言葉が誠の子供妊娠して誠が世界に殺されるか世界と言葉両方が誠の子供妊娠EDだと思う。
344名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 12:36:55 ID:as8JfKIN
個人的にクリスマス・イブルート
345名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 13:01:46 ID:/WZ2zr/W
ここは恐怖と感動が交互に来るスレだな
346名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 13:16:16 ID:0lcwgIll
誰も損や嫌な思いをしないのは言葉、世界妊娠エンドだろ。
だから俺はこのエンドだと思う。サマーデイズアニメになるかな?
347スクイズイフ:2008/01/28(月) 13:43:01 ID:KGmwYN3m
誠が世界に行くと言葉はレイパーに慰み者にされるし言葉とだと世界が悲しそうだし
一度白紙になる三つ巴のルートがワシは一番かな〜
あのルートだといろいろ問題はなくならないけどまだ続きを連想できるし〜
うまくやれば誰ともカップルにならずにスクイズ2が作りやすいw
348名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 16:16:29 ID:6QTT73om
>>343
そして言葉と
349名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 16:42:55 ID:/suJvyqn
>>343
「そして言葉と」だな
350名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 17:02:46 ID:4Ln2SJWb
一番いいのはクリスマスルート逆に後味悪いのが「さよなら世界」。

「みんなの誠」と「さよなら世界」は基本誰ともくっついてないからな。
でも「みんなの誠」からIf物語作るとすると光がメインになりそうだ。
まあそれはそれでいい。言葉はレイパーとくっついてるだろうけど。
351名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 17:26:04 ID:zvyuXjZe
やっぱクリスマス・イブルートが一番すっきりしてるかな。芋も捨てがたいけど。
352名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 17:54:01 ID:T1jdwtMF
二人の恋人は?
353名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 19:48:41 ID:gWTGJHEe
>>343
ガイドブックのぬまきちによるとトゥルーエンドは敢えて決めなかったことになっている。
TV版も含めてすべて起こりえる結末だからだそうだ。
「我が子へ」、「二人の恋人」は両方とも良かったのだが、「我が子へ」の続きがなぁ…。
354School Days if 外伝「見せかけの友情」:2008/01/28(月) 21:16:55 ID:jBqcKQnc
【実は険悪な関係だった?!
西園寺世界と桂言葉があの名門プロデューサーを巡っての大波乱】より引用


2人の事情をよく知る芸能関係者に聞いてみた。
「CDやDVDのパッケージではいかにも仲良さそうにしていますがあれは単なる営業用です。
視聴者の気を引くためにああいう写りになってはいますが、
実際2人の仲が良いなんてとんでもない話です。
西園寺は『誠は私と付き合っているのよ。私のこと好きって言ってくれてるのよ。
どうして桂さんの方が人気あるのよ!少しくらいバストが大きいからって
それで誠を誘惑するなんて変に決まってるよ!!』と周囲に漏らしてました。
そして伊藤と会わない時はいつも自宅に閉じこもってます。
一方で桂の方も『最初は本当に西園寺さんのこと感謝してました。けど誠君と
少しうまくいって無かったことを良い事に色目を使って誠君を寝取るなんて・・・
私は誠君の彼女なんですよ。あんな人、最低です!!』とこちらも一歩も引きません。
どんなことをしてでも伊藤に気に入ってもらおうと互いに牽制しあっているんです。
まさに典型的な三角関係じゃないでしょうか。他の関係スタッフに聞いても枕営業なんか
日常茶飯事ですと話していたほどです。下手すると2人が乱闘騒ぎを起こして
傷害沙汰にまでなってしまうのも時間の問題ではないかと周辺は肝を冷やしてますよ。」
いつ2人が暴走するのか予断を許さない状況なのは間違いなさそうだ。
また別の関係筋によれば清浦刹那、加藤乙女などの名前も噂に挙がってきており、
まだまだ伊藤プロの悩みは尽きそうにない。



このお話は多分事実に基づくフィクションです。
355名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 00:57:14 ID:/HPZtj6t
これから落すSSは、以前、別の場所で別の作品で投下したのを大幅に改編したものです。
少々キツめのグロが混入されているため、閲覧の際にご了承願います。
流れとしては、「我が子へ」ENDのイフに当たります。






海岸近くの階段で一人の少年が、何者かに刺されて重傷を負い、倒れているのを発見されたのは夕方のことだった。
少年は心臓付近を刺さされており、外傷を負ってから時間が経っていたため、発見時は危篤状態。
近所を散歩していた住人の通報により、少年は病院に移送され、すぐに集中治療室に運ばれた。
少年の外傷は、家庭で使われる大き目な出刃包丁によって出来たものであり、包丁は心臓付近を掠めていた。




完全無菌室の集中治療室で、医師による懸命な治療が開始されてから三十分後。
警察からの知らせにより、少年を訪ねて一人の少女が病院に訪れた。
少女の名は桂言葉。集中治療を受けている少年、伊藤誠の婚約者だ。
356名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 00:58:18 ID:/HPZtj6t
言葉と名乗る少女は、受付で誠への面会を申し込んだが、現状を伝えられると、その場で両膝を追って顔を俯かせてしまった。
頭を両手で抱え込み、嗚咽を漏らし始めたが、そこへ、少女に一報を入れた刑事が訪れると、少女は涙を拭って顔を上げた。
泣き止んだわけではなかったが、刑事に事情聴取を受け、犯人と予想される人物を告げられると、彼女の態度は豹変した。


「西園寺さんを…西園寺さんを捕まえて死刑にしてください!!あの女捕まえて早く死刑にして下さい!!
あの女が、西園寺世界が…私の、私の誠くんを……!うっ…うわぁぁぁぁぁ!!」


彼女は錯乱の余り、その場でしゃがみこみ、床を叩き始めた。
周囲にいた人物はその様子に畏怖に似た何かを感じ、足早に逃げ出す者さえいた。
近くにいた看護婦の判断により、彼女を別室へ案内しようとしたが、少女は暴れて抵抗したため、
止む無く、彼女を取り押さえ、鎮痛剤を打って気分を鎮めることとなった。




その後、少女は別室で目覚めた。
時間は、彼女が病院を訪れてから二時間が過ぎていた。
鎮痛剤が効いているためか、すぐには動くことができず、目覚めてから更に十五分後、
彼女の様子を見に来た看護婦が来る頃になって、ようやく身体に自由が戻ってきた。
少女は看護婦に、婚約者である少年の様態を尋ねたが、看護婦から帰ってきた返事は辛いものだった。


「───……誠くんが、死んだ…?」
「はい…。手を尽くしたのですが、一時間ほど前に……」


婚約者の死を告げられた時、精神的なショックにより少女は気絶し、そのまま入院することになった。
357名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 00:59:09 ID:/HPZtj6t
翌日、少女は事件を担当する刑事と医師、看護婦に伴われて、病院の霊安室に足を運んでいた。
シンと静まり返った部屋を歩き、一番奥のベッドへ案内されると、そこには人型に浮ぶ白いシーツがあった。
そのシーツが捲りあげられると、少女はそこで、冷たくなった婚約者である少年、伊藤誠と対面を果たした。


「…………」
「…あ、あぁ……まこ…と……誠くん……っ……!」


少年の外傷は丁寧に縫合され、死に顔は心なしか安らかあった。
少女はその様子を見たとき、本当に彼が死んでいるとは思えないためか、何度も彼に声をかけていた。


「誠くん、本当は寝てるだけですよね?わ、私を驚かそうとしているだけなんですよね?ねぇ!?」
「…………」
「…そうだと言って……言って下さい……。じゃないと…私……私…………」


少女は何度も彼に呼びかけた。
婚約者はただ眠っているだけだと、声をかけ続ければ目覚めると、あるはずのない希望に縋って。
だが、いくら待っても彼の返事が返ってこないこと。
彼の胸に当てた耳に、彼の心臓の鼓動が聞こえないこと。
口元から彼の息遣いが聞こえてこないこと。
それら確認すると、ようやく諦めたのか、察したのか。
少女は彼の腹部に顔を埋め、嗚咽を漏らし、身体を震わせ始めた。


「……誠くん……どうして…どうして、私を置いて、死んじゃったんですか……?……あぁ……うぅっ……!」
358名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 00:59:59 ID:/HPZtj6t
嗚咽を漏らす彼女の様子を見て、彼女の付き添った刑事たちは、しばらく一人にしたほうがいいと判断し、
霊安室を離れようとしたが、そこへ、別の刑事から連絡が彼らに入った。
殺人容疑者として指名手配していた西園寺世界が、街の大通りで車に轢かれて死亡したというものだった。

その連絡を聞いた刑事は驚きを隠せなかったが、それを聞いていた少女は、一言こう呟いた。




「…裁きですよ。私の…私の大事な誠くんを殺した裁きが下ったんです……」




一度顔を上げ、不気味な笑みを浮かべた彼女は、それだけ呟くと、再び婚約者の遺体に顔を埋めてしまった。
今度こそ刑事達は霊安室を離れ、医師と看護婦とも相談し、遅くてもニ時間後にここへ戻ってくることを決めた。






担当医と看護婦、警察官が再び霊安室に戻ってきたのは、一時間後のことだった。
全員、様子は慌しく、傍目にもただ事でないことを察せられた。
彼らが霊安室に急いでいたのは、少女の様子を見に行った別の看護婦がかけてきた、院内電話を受けた為だった。
電話口に出た看護婦は、ひどく取り乱た声で「言葉さんが!言葉さんが!」と繰り返していた。
呼吸を整える間もなく、彼らは部屋に踏み込んだが、彼らはそこで悲鳴を上げそうになった。
359名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 01:00:50 ID:/HPZtj6t
遺体に突っ伏していた少女が、祭壇の側で突っ立って、口から血を流して「あはははは」と声を上げて笑っていた。
彼女の右手はボールのようなものが掴んでいたが、それが遺体の頭部であると分かるのに時間は掛からなかった。
電話をかけてきた看護婦は、腰を抜かして壁に寄りかかりながら少女を指差していた。
少女からは、笑い声の間に肉を咀嚼する音が聞こえた。

担当医が、恐る恐る少年の遺体に目を移すと、遺体にかけられていた布が完全に取り払われ、太腿、わき腹、左腕の一部が大きくかじられた痕があった。
後に分かったことだが、頭部は遺体をかじった後、歯と手を駆使して引き千切ったとのこと。

あまりのことに立ちすくんでいる彼らの前で、少女はゆっくりと少年の遺体に突っ伏しはじめた。
混乱しそうになるのをこらえて、彼らは少女を遺体から離し、何故このようなことをしたのかと聞いた。








「だって、私……誠くんとずっと一緒にいるって、約束しましたから……。こうしないと……誠くんが遠くにいってしまうから……」








少女の悲痛な答えだった。
360名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 01:02:13 ID:/HPZtj6t
その後、伊藤誠の葬儀は、病院が懇意にしている葬儀屋に頼み、密葬してもらうことになった。
伊藤誠の遺体は、損壊を隠すように棺に大量の花とともに棺に収められ、頭部は違和感の無いように胴の上に置かれた。
葬儀の最後まで、桂言葉は、婚約者の名前を呼び続けながら遺体を撫でていた。
葬儀の出席者は、桂言葉と彼女の母と妹、伊藤誠の母親と妹、伊藤誠の手術に立ち会った担当医と看護婦、桂言葉に事故を伝えた警察官だけだった。








伊藤誠の葬儀から数日後、桂言葉は、大事を取って精神病院に転院した。








361名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 02:05:28 ID:PiMYXAt6
そういえばここはまとめサイトとかつくらないんだろうか?
362名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 03:32:43 ID:upXajvlM
つか誠はレイプしないしルートによってはいいやつだけでかどレイパー澤永はどのルートでも廃人だから誠のほうがいいやつにみえるよな。俺は今から澤永死ねに変える。
363名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 03:34:18 ID:PiMYXAt6
なにをいまさら。
364名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 05:19:09 ID:VZUim1MR
365名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 05:24:13 ID:upXajvlM
俺は誠死ねをやめてレイパー死ねに変えるぞォッジョジョォ!あ、サマーデイズはアニメになんのかな?アニメになってほしい。なんせレイパー澤永いないんだから。
366名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 07:49:22 ID:OHoGt8b4
>>355-360
言葉が可哀想だ
次は澤永を殺すSSを書いてくれ
367病床の言葉:2008/01/29(火) 18:40:48 ID:zLskGNLz
言葉の家庭訪問の続編です。
病床の言葉。

誠と言葉のマンションにて。

「ごめんなさいねいたるちゃん、ご迷惑をおかけしちゃって。」
「いいのよ、お姉さんにはいつも面倒かけてるし。」
「でも・・ハァハァ・・。」
「ほら、ちゃんと寝ててよ!無理しなくてもいいから。」
言葉は熱のせいで少しやつれた表情で黙って頷いた。
いたるはそんな言葉の額に濡らしたタオルを置いて
言葉が寝付くまで側についていた。

何故こんな事になったかというと
いつも通り遊びに来たいたるが部屋に入ると言葉がリビングで倒れていた。
額に手を当てると熱かったのですぐに寝巻きに着替えさせて往診を頼んだ。
医者からインフルエンザとの診断を受けたので相応の処置をしてもらい
ようやく落ち着かせたのだ。
いたるが電話で誠を呼ぼうとしたら言葉に必死に止められたので心にだけ知らせた。
誠は真奈美に連れられて泊まりで取引先に行っているそうなのだ。

『可哀想に、お兄ちゃんに心配かけたくないから辛くても言い出せなかったんだね。』
寝入った言葉の額に浮いた汗を拭きとりながらいたるはそう思った。
368病床の言葉:2008/01/29(火) 18:41:24 ID:zLskGNLz
それから何時間か経って言葉は目が覚めた。
「うーん、大分熱が治まったみたいだね。」
いたるが言葉の額に手を置いてほっとした感じでそう言った。
「本当にすみません。」
「そんなのいいって、所でお姉さんお腹すいた?」
「ええ何か作らなきゃ。」
「お姉さんは寝てて、さっき牡蠣雑炊作ったから持って来るね。」
いたるがお盆に載せてきた雑炊は確かにおいしそうだった。
「フーフー、はいあーん。」
いたるが蓮華にすくった雑炊を言葉に差し出した。
「い・いたるちゃん・・・自分で食べられますから・・・」
「いいから、こんな時くらいお世話させてよ。」
言葉は照れながらも雑炊を口に含んだ。
「美味しいです。」
「良かった、日頃から自炊してるからちょっとは自信あったんだ。」
そんな調子でいたるに食べさせてもらって言葉は雑炊を食べきった。

「お姉さん全身に汗かいてるから後は体を拭くのと着替えだね。」
いたるは言葉が寝ている間に大き目の洗面器やら着替えやら用意しておいたようだ。
「じ・自分で出来ます。」
言葉はこれは更に恥かしいようで体に毛布を巻きつけて嫌がった。
「ほらほら観念して、いつもお風呂一緒に入ってるし
 さっきだって寝巻きを着せたのは私なんだから。」
「お風呂とここでは違います!」
結局言葉はいたるに全て脱がされて体を拭かれて着替えさせられた。
「今日は恥かしい事ばかりです。」
言葉は布団を頭まで被ってさすがに恥かしそうにしている。
「じゃあお兄ちゃんにやってもらった方が良かった?」
「それはそれで嫌です。」
369病床の言葉:2008/01/29(火) 18:42:07 ID:zLskGNLz
「そりゃそうだよ、誠お兄ちゃんがやったら服を脱がした時点で看病にならないだろうし。」
いつの間にか心が部屋に入ってきていた。
「心お姉ちゃん。」
「心、またそのまま入ってきたの?!」
心の突然の登場に驚いた言葉がそう言って上半身を起こした。
「そんな事言っていいの?
 私たちが合鍵持ってたからお姉ちゃんは大事に至らなかったんだよ。」
「それはそうだけど・・」
「とにかく今日は寝ててよお姉さん。」
「そうそう私たちが交代で面倒見てあげるから。」
「でも二人とも用事があるんじゃ・・」
「はいはい病人は大人しくして。
 私は卯月ちゃんにちゃんと理由を話したから大丈夫。」
「私は最初からお姉さんに会いに来たようなもんだし大丈夫。」
そう言って二人がかりで言葉を布団に押し込んでしまった。
370病床の言葉:2008/01/29(火) 18:42:40 ID:zLskGNLz
翌日の夕方。

心といたるの二人に家事一切を任せて寝ていた言葉だったが
今日の夕方には誠が帰ってくる。
起きて出迎えようとしたら案の定心といたるに止められた。
「ぶり返したらどうすんの!お姉ちゃん!」
「でも誠君が帰ってくるのに私が寝たままなんて。」
「お姉さんそんなのいいからそのままでいてよ。」
「ただいまー。」
どうやら誠が帰宅したようだ。
言葉の代わりに玄関まで心が迎えに行って数秒後誠が部屋に飛び込んできた。
「言葉大丈夫か?ごめんよ気付いてやれなくて・・」
誠はベッドの上で上半身を起こしていた言葉を抱きしめて謝った。
「ま・誠君二人が見てます。」
「気にしなくていいよ、お邪魔虫は帰るから。」
「そうだね心お姉ちゃん。
 お兄ちゃん、お姉さんの看病をちゃんとするんだよ。
 お水とご飯だけじゃなくて
 お姉さんが汗かいてたらちゃんと着替えさせて体も拭いてあげるんだよ。」
「い・いたるちゃん・・」
「その時に変な事をするのは無しだよ。
 お姉ちゃんまだ体調不十分なんだから。
 でもそういうシチュエーションって燃えるって卯月ちゃんが言ってたなあ。」
「心!!」
「二人ともありがとう、俺が責任を持って言葉の看病をするから。」
誠に抱きしめられたままそう言われて言葉は照れながらも幸せそうだった。
『本当に昨日今日と恥かしい事ばかりです。
 でも何故か嬉しいです。』
371病床の言葉:2008/01/29(火) 18:43:08 ID:zLskGNLz
帰り道で

「いたるちゃんありがとね。」
「ん?」
「お姉ちゃんの事。」
「いいよそんなの、いつもは私がお世話になってるんだし。」
「よーし御礼も兼ねて晩御飯奢っちゃう!何がいい?」
「ありがとう心お姉ちゃん!うーんとね、ハンバーグがいいな。」
「もっと高いものでも良いんだよ?」
「小さいころに心お姉ちゃんと食べたやつもう一回食べたいんだけどダメ?」
「あの店かあ、いいよ行こうか。」
「うん。」
End
372名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 19:42:43 ID:upXajvlM
幸せなSSだよ、いいセンスだ。君はやはり神はいたのか。
GJすぐる。
373名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 20:16:57 ID:cF8XEGWw
>367-371
神乙。誠がひどい目に遭わない話初めて見たキガスw
だが、これはこれでイイ!
374名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 21:03:55 ID:CmXSs0dW
まじ最高っす!!

あの・・・このスレ今日知ったのですが・・・
まとめというか、それぞれの作者さんのサイトとか・・・
ってあるんでしょうか?
「〜の続き」ってなってるのが気になってしょうがないです。・゚・(ノД`)・゚・。
375名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 21:04:12 ID:zLskGNLz
>>372-373
ご感想ありがとうございます。
今回はいつもとちょっと変えてみました。

誠を落ち係にしなくても話が成立するか試したかったのですw
376名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 21:13:03 ID:CmXSs0dW
>>375さんはブログとかないのでしょうか?
377名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 21:16:56 ID:zLskGNLz
>>374
>>376
ご感想ありがとうございます。

長編2つと前スレに入れてたやつなら
http://sonotam.blog44.fc2.com/
にまとめています。

markさんとか皆さんが纏めてるサイトがあれば私も知りたいです。
378名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 21:42:36 ID:TX33SQMd
>>377
ありがとう。
言葉が不幸になる話ばかりだったので癒されたよ
本当にGJすぎる・・・
379名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 22:14:45 ID:CmXSs0dW
>>377さん
おぉ〜!! 見てますよ!!
「心」を読んで生まれて初めて文章で泣きました!!
このスレのもうpしてくださいw
まえがき&あとがきも楽しいですし!!
380名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 22:28:01 ID:TX33SQMd
言葉Daysだと、わが子へENDの後、言葉の必死の呼びかけに
誠が病院で目覚めるんだよな。
是非SSにしてほしい。
381名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 22:34:04 ID:aJfCWGRB
>>377
全米が震えた、かどうかは知らないが、確実に自分は震えた。
いい仕事に感謝します。
382名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 22:39:53 ID:C0BC4YDh
>>367-371
良い文才をお持ちですね。いい話です・・・。是非挿絵を付けたいですね。
383名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 23:03:17 ID:cF8XEGWw
>382
早くうpをする作業に帰るんだ。
384名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 00:16:37 ID:9E4py0hj
>>378-379
>>381-382
ご感想ありがとうございます。

スクイズのSS書き始めたきっかけが『言葉が悲惨すぎるから救いたい』
と言う事なのでかなり内容に偏りが出ますが
よろしければこれからもご覧になってくださいね。

>>379
自分が書いたとは言え現行スレに上げてるやつを自分のブログに上げるのは
なんとなくルール違反の様な気がして前スレ分もDat落ちか次スレ移行を待っていたのです。

この辺りが問題ないなら誤字や表現の修正とかもすぐ出来るのである程度
溜まった時点でブログに移したいですね。

>>382
画才のある人は素直に羨ましいです。
私の場合は・・・・・考えたくもありませんw

>>380
それ私も見たいですね。
385名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 00:36:07 ID:EmsHEOWN
>>384
ホントに、いい仕事してるよね♪

386名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 00:44:43 ID:OruEvKDn
ttp://blog88.fc2.com/r/rimatan/file/20080117.jpg
裸リボンの言葉様ハァハァ
SS化まだ〜?
387名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 01:42:42 ID:uWcYrHht
>>215からの続きを書くことにしたので、書きあがった部分まで投下します。



今日は、お姉ちゃんが所属する出版社の担当者が、お姉ちゃんの原稿を取りに来る日。
自分が抱えている病と闘いながら、お姉ちゃんが執筆した小説の原稿を。
私はお姉ちゃんの代わりに玄関口で、担当者さんに原稿を渡して、それをお姉ちゃんに報告します。

「……ありが…とう……心……」

お姉ちゃんは途切れ途切れにお礼を言うと、また机に向かい始めました。
返事をしてくれてる分にはまだ大丈夫だけど、今度は十分後に部屋を訪ねて、お姉ちゃんの執筆を止めなきゃいけない。
そうしないと、お姉ちゃんの精神がこっちに帰って来れなくなってしまうから。


お姉ちゃんの書いた小説は、お姉ちゃんの所属する出版社で、毎月出版社の売り上げNo1を記録している。
連載当初は、十代の学生を中心に読まれていた作品だったけど、最近は、二十代から五十代までに読者の年齢層が広がったらしい。
担当者さんの話では、作品中の、”一人の男性を巡って複数の女性が対立するシーン”が非常に生々しく、読者の間では定評があるそうです。
また、お姉ちゃんが連載とは別に書き下ろした本があるのですが、その本は、昨年度のはベストセラーとなりました。
それは嬉しいことだけど、素直に喜ぶことは出来ません……


私は、いつか、お姉ちゃんが心に言ってくれた言葉を思い出した。


『私の書いた本を、どこかで誠くんが見てくれてるって信じている。私の書く本が私と誠くんを繋いでいるの。』




誠くんは……


誠くんはどこかで、お姉ちゃんが書いた本を読んでくれてるのかな?
388名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 01:43:59 ID:uWcYrHht
お姉ちゃんは今、極度の精神衰弱で身体が弱り、車椅子無しでは生活出来なくなってしまった。
それでも小説を書き続けているのは、僅かな希望がお姉ちゃんを支えているから。
震える手でゆっくりと一文字、また一文字……
既に向こう一年分の原稿を書き終えている今も、お姉ちゃんは執筆を続けている。

けれど、いつまでもその希望がお姉ちゃんを支えてはいられない。
残された時間が残り少ないことが、嫌でも心には分かる。
誠くんを取り返さない限り、根本的な解決にはならない。
お姉ちゃんの病気は一生治らない。

だから……


だから、心がお姉ちゃんに代わって誠くんを取り戻すしかない。




例え、どんな手段を使ったとしても。
389名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 01:46:40 ID:EmsHEOWN
>>388
こころんガンガレッ!!!!1
390名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 01:49:50 ID:uWcYrHht
私は、誠くんを取り戻すための計画を立て、それをスケジュールと呼称することにした。
これから先、長い闘いになるだろう。
どれだけ掛かるか分からないけれど、私はどうなっても構わなかった。
お姉ちゃんが元気になってくれるなら、私は何だってする。




実は私は、いつか役に立つ日が来ることを予想し、誠くんの情報を集めていた。
榊野学園時代に築いた友達や知り合いを頼り、自分の足でも可能な限り。
こうなることが分かっていたのなら、もっと早くから行動に移していたのに。
そう、誠くんが最後にお家に遊びに来てくれたあの日から。
…いや、それは考えないようにしよう。
既に過ぎてしまったことを悔やんでも、ただの足枷にしかならないのだから。




少しずつ集めていた情報を総合すると、最初はおぼろげだった誠くんの所在が掴めた。
誠くんは海外に西園寺さんと移住するはずだったが、それが中止となり、今も国内にいる。
誠くんが住んでいるところは、私たちが住んでいるところからそれほど離れていない。
誠くんは結婚して西園寺さんと一緒に暮らしていて、子供が二人いる。
誠くんと西園寺さんは共働きらしい。
391名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 01:52:01 ID:uWcYrHht
もしかしたらとは思ったけど、誠くんは既に家庭を築いていた。

───本当だったら、お姉ちゃんが誠くんと築くはずだった家庭を




とてもじゃないけど、お姉ちゃんに言えるわけが無かった。
もし、このことを知ったら、言葉お姉ちゃんは……

いや、考えるのはよそう。
二人が今どうしてるかなんて関係ない。
誠くんを取り戻すのに、私が少し苦労するだけだ。
いざとなれば、私は身を挺してでも誠くんを……




所在は掴めた。
けど、それではまだ不完全。
次は、誠くんと西園寺さんのことを調べる必要がある。

私が最初に着目したのは、二人の勤め先と勤務時間帯。
何故なら、誠くんと二人で話せる時間を確保するのに必要な情報だから。
そのために、二人の職種や勤務形態、残業の有無等を知らなければならない。
今の誠くんの家の住所を、私が掴んでることを、誠くんが知ってるわけが無い。
いきなり尋ねるわけにはいかないし、それでは駄目。

偶然、家の近くを通りかかって、ばったり再会。
近所の喫茶店に入ってお喋りできるシチュエーションが無難。
幸い、誠くんの家の近くにはそれに適した喫茶店があった。

「スケジュールは必ず実行に移す…。必ず誠くんを取り戻して、お姉ちゃんの元に連れて行ってみせる。」




だから…待っててね?




言葉お姉ちゃん……
392名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 01:53:51 ID:uWcYrHht
とりあえず、今日はここまでです。
あと、言葉が不幸になるSS投下しまくってすみませんでした。
念のために言うと、自分は言葉が好きなのですが、どうしてもああいったネタばかりが…ゲフン

また続きが出来たら投下します。
それでは。
393名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 02:01:32 ID:9E4py0hj
>>385
ここには上手な方が結構いらっしゃるのに恐縮です。

>>392
色々な話を読める事がこのスレの楽しみ方の一つなのでいいと思いますよ。
続き楽しみにしています。
394名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 04:18:28 ID:vCZoUNHR
>>393
もしかして、Nice Boat後のSSをHPにアップした人ですか?
395名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 10:12:15 ID:rXllqx/w
乙女が酷い目に合う話って少ないよなぁ
原作やアニメでも泰介以外ではコイツが一番酷い目に合わないし
396名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 12:15:49 ID:DzkNOJc0
没ルートの公衆便所話きぼんぬ。
この腐れアマがひどい目に遭わないって割に合わねーyo!
397名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 15:27:45 ID:0WniGa7J
サマーデイズの山県ルート書いて欲しいな
398mark:2008/01/30(水) 16:32:40 ID:xdOsz9R2
怒りの誠X〜始まりD〜(342からの続き)

淡い恋心でもなく、共に困難を乗り越えてきた戦友のような間柄とも
違う、使い古されたことばで言う所の、…………愛、なのだろうか。

もちろん誠君の事は大好きである。でも……… それだけではない
気持ちが、生まれてきたのは確かだ。

刹那「2人のその気持ちが本物であるなら、それを世界に
   きちんと示してほしい。」
誠 「でも、それをすれば、世界は確実に傷付く事になる。
   いくら清浦の頼みでもそれは………」

刹那「中途半端な優しさをかけて、未練を残させたまま
   フランスに行かせても、世界を傷付けるだけ。
   傷が癒えたと本人が思ってても、同じような失敗を
   繰り返すようになると思う。」
誠 「しかし………」

刹那「世界の事を本当に大事に思うのなら、どうか………
   お願い」
誠・言葉「……………」

ただ誠君に憧れていさえすれば良かった、淡い恋の時代が
終わりを告げようとしていた―――
399mark:2008/01/30(水) 17:17:48 ID:xdOsz9R2
世界・刹那ターン

久しぶりに刹那の家にやって来た世界。昔はお互いの家に
しょっちゅう出入りし、泊まる事もしばしばあった。昔から
人に囲まれ、明るく元気に過ごしてきた世界であるが、その傍には
いつも刹那がいた。

久しぶりに泊まりに来た世界に、刹那よりも彼女の母親の方が
狂喜し、愛想笑いをする世界と『世界がくるといつもそう』と、冷静に
ツッコミをいれる刹那。

騒がしくも楽しい時間は終わりを告げ、刹那の部屋で就寝する世界。
1人用のベッドに枕を2つ並べた刹那と世界が寝ている。

………あと数日で日本を去るんだ。世界は目を瞑りながら、考え事を
していた。

去年の12月中にフランス行きの話が出て、早ければ冬休み明けに渡仏する
事になると聞かされ、誠と言葉の件で傷心していた世界も、さすがに
驚いた。どうにか取りやめにならないのかと母親に食い下がったのだが、
仕事の都合である以上、世界もわがままは言えず、3学期が終了するまで
延期してもらうのが精一杯だった。

一生ではないにせよ、生まれ育った日本を去り、外国で暮らすという
のは重大な出来事だ。付け焼刃とは知りつつも、初級の会話本やらを
買いこんで、仏語習得を目指したものの、高校であまり勉強をしていなか
った世界には、かなりの難題であった。

もともと頭が悪いわけではないのだが、要領を掴むのが早く、中学までは
それで上手くやってこれたせいか、地道な努力や作業が苦手であった。
400mark:2008/01/30(水) 19:05:58 ID:xdOsz9R2
世界(いまさら誠に好きだって言っても遅いしな………)

深く、溜息をつく。
土曜の補習日明けの月曜から、七海が学校に来なくなり、
誠が数日欠席した時と同じ様に珍しい事もあるもんだと、その時は
安易に考えていた。

しかし、それが何日も続いてさすがに心配になり、七海にメールを送ろうと
考えていた頃、学校による一斉調査が行われ、あるクラスで悪質な苛めがあった事が
発覚したと聞かされたのだ。そしてその苛めには某運動部員も複数関与していた
と後に生徒達に知らされた。

そしてある日、下駄箱から上履きが、ロッカーから七海の私物が一切無くなっている
事に気付き、朝のHRで担任の先生が、深刻そうな顔で、ある生徒に対して
苛めを主導した責任を取って七海が退学した事を告げ、澤永が逮捕された
時と同じ様な騒ぎになった。

そんな中、誠が硬い表情のまま無言でいる事に不審さを感じた世界は、
何か知っているのかと聞いたのだが、誠は無言のまま何も応えず、
それがかえって、世界を不安にさせた。

そして3組以外にも、退学者や無期を含めた停学処分を受けた生徒が複数いる事が、
4組に知り合いがいる生徒の噂から明らかになり、世界はさらに不安になった。
4組といえば、誠の彼女である言葉がいるクラスである。
まさかとは思うが、退学した七海が苛めを主導した生徒というのは………

最近桂さんの姿を見かけないけど、上手くいってないのと、内心は不安で
一杯なのに、わざとからかうように誠に聞いた。
しかし、誠はまたも無言で硬い表情のまま。

いつもの誠らしくなく、以前カラオケ行きを断られた際に見せた表情と
同じだった。

そんな様子に、一連の騒動について、誠は何かを知っているんだという、
女の勘のようなものが働き、世界は誠を問い詰めた。

言葉は調子を悪くして学校を休んでいるから、登校してきたら教えるとだけ
やっと言い、なぜ言葉が登校してからでないと駄目なんだと世界は言い返したが、
誠はそれ以上答えてくれず、彼女が登校してくるまで、不安でやきもきした
日々を過ごす羽目になった。
401mark:2008/01/30(水) 20:06:11 ID:xdOsz9R2
そして、約束通り言葉が再び登校してから数日後、一連の騒動について
大事な話があると誠に言われ、放課後に屋上に来てほしいと言われ、
言われたとおり、世界は屋上に行った。

そこで久しぶりに言葉と顔を合わせ、いつも以上に深刻な表情を
見せる誠と言葉を見て、これから話される真相の重さを感じた世界だったが……
そこから先の事は………… 思い出したくない………

刹那「世界。………起きてる?」

不意に、刹那が顔を向けて世界に呼びかけた。

世界「……うん。何か眠れなくて。久しぶりに刹那の家で騒いだせいかな、
   あははは……」
刹那「………………」

暗がりの中、無言で刹那が見つめてくる。

世界「どうしたの、そんなに見つめて。おととい遊びについて来なかった
   事なら、別に怒ってないからいいよ」
刹那「………違う。そうじゃない」
世界「ひょっとして…… 私と離れるのが寂しいとか?」
刹那「………それもある」
世界「嬉しい事言ってくれるなあ。持つべきものはやっぱり友達だね。
   何ならフランスに引越してこない?刹那だったら大歓迎するよ」
刹那「それは無理」

すかさず否定され、素で落ち込む世界。

世界「いや…… そこは嘘でも『私も一緒に行く』って答えてくれなきゃ。
   ちょっと傷付いたぞ」
刹那「………ごめん」
世界「もうー、可愛いんだから。特別に許してあげる。……そりゃあ私だって
   刹那と離れるのは寂しいけど、お母さんの仕事の都合だしね。
   本当なら冬休み明けに、向こうに引越す予定だったのを、何とか
   引き伸ばしてもらっていたし。これ以上はさすがにワガママ言えないもの」
刹那「………………」
402mark:2008/01/30(水) 21:07:42 ID:xdOsz9R2
世界「落ち着いたらちゃんと手紙書くから。心配しないで、ね?」
刹那「……向こうへはどのくらい居るつもりなの?」
世界「んー……… 少なくとも2〜3年は向こうで過ごす事になるかな?
   まあ一生って事はないから、いつかはまた日本に戻ってくると
   思う」
刹那「………そう」

とは言え、しばらくはお互いに会えないのは事実だ。世界は物心ついた時から
刹那と今日まで過ごしてきた事を、懐かしそうに話し出した。
客観的に見れば、全く違うタイプの人間同士であるはずなのだが、
他のどの友達よりも仲が良く、本当の姉妹のようだといわれるほど、昔は
何をするにも一緒だった。

高校に入ってからは、そこまで互いに依存する事はしなくなったが、
世界にとって最大の親友である事に変わりはなかった。

世界「ここしばらくは手続きやら何やらで大変でね。バイト先にも
   挨拶してきたりでさー………」
刹那「………………」
世界「どしたの刹那?おしゃべりし過ぎて疲れちゃった?」
刹那「………………」
世界「ごめん。さすがに夜も遅いしね。そろそろ寝る事にするわ。
   おやすみ刹那」

暗がりで時計の時刻は分からないが、体感的には随分長い事話しこんだ。
世界もさすがに眠気を催してきた。

刹那「…………りなの」
世界「え?ごめん、よく聞こえなかった」
刹那「このまま逃げるつもりなの?」
403mark:2008/01/30(水) 21:25:38 ID:xdOsz9R2
一旦切ります。こらそこっ!!変な想像しないでね!(ツンドラ風味に)
あくまで世界と刹那は真面目に話し中ですので。
私はブログや自作HPはやってないです。(パソコンの操作が苦手ですので)

このワールドの世界も、内心誠の彼女になりたいと思っていたけど、
消極策があらぬ方向に行ってしまい、かつ自分の気持ちが2人に知られてしまった
ので、どうにもならんかったんでしょうね……… これでは寝取りも使えなさそうだし
404名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 21:51:41 ID:9E4py0hj
>>394
はいそうです。

>>403
GJです。
続きを楽しみにしてます。

>私はブログや自作HPはやってないです。(パソコンの操作が苦手ですので)

それは残念です。
折角の良作がDat落ちで見れなくなるのが勿体無い気がします。

ただブログ自体は非常に簡単に作れますのでもし気が向いたら
是非挑戦してみてください。
405名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 00:06:09 ID:Z1OBDJfO
>>403
ちょwwwwwww
いいところで切りやがって…GJ。

早めに投下たのむ。
406名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 02:52:47 ID:q37I4M5X
サマーデイズやったことないんだけどなんかの画像に心がレイプされそうな画像と言葉と刹那がレズってる画像あったけどそういうシーンあった?なんかサマーデイズのほうがエッチ描写あるっぽいな。
407名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 03:17:31 ID:X7vXTw5e
>>406
ネタバレしても面白くないだろ? やってみればいいじゃん
俺個人としては、サマイズはヤル価値あると思うぜ
408名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 03:50:32 ID:OvlVrUag
>>406
刹那が好きならやるべきだな。あと言葉も
409名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 23:25:13 ID:FDEgQuwt
保守がてらショートネタを。

@語り手:誠
 言葉と別れて二ヶ月が経つ。
学校で聞いた噂では、言葉は最近、家に帰っていないらしい。
自室のベッドの上で横になりながら、そんなことを聞いたのを思い出した。
どうしても気になり、机の中にしまっていたメモ帳を引っ張り出し、言葉の携帯へかけてみた。
世界の手前、携帯のメモリから言葉の電話番号を消していたのだ。

ピロロロロ……

言葉の携帯の着信音は、家のリビングから聞こえてきた。


A語り手:誠
 メールの着信音が鳴った。
確認してみると、ついさっき別れ話をした世界からのメールだった。

『誠ー、上を見て♪』

顔を上げると、こちらに向かって飛び降りてくる途中の世界の姿があった。


B語り手:???
 ある夜、歩道橋を歩いていると背後に人の気配を感じた。
振り向くと、そこには、鋸を構えた見知らぬ少女の姿が。
首筋には、いつまにか鋸の刃が宛がわれていた。

「……す、すみません、人違いでした。」

そういうと少女は、鋸を離し、どこかへ去っていった。
410名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 23:27:51 ID:FdvmRNCq
「何?相談って」
「西園寺さん、突然呼び出してごめんなさい。誠君のことなんですけど・・・」
「そうだと思った。ひょっとして誠に何かされた?後で叱っておくね」
「違うんです!誠君いつも優しくしてくれて・・・私の事大事にしてくれて・・・本当に西園寺さんには感謝してるんですよ」
「そ、そう。それならよかった」
「はい。」
「なら、他に違った悩みがあるの?」
「そうなんです。実は・・・」
「実は?」
「ええと、その・・・え・・・えっちなことなんですけどっ」
「え”」
「誠君、早いんです」
「はぁ?」
「毎週水曜日はエッチので、お互いの家で愛し合うんです。」 
 最初はえっちなことって怖くて嫌だったんですけど、誠君と本当の恋人になりたくて、
 はじめてをあげたんです。誠君、いつも以上に優しくしてくれてとても・・・素敵な一時でした」
「ラブラブだねぇ・・・」
「決して自分だけ満足するんじゃなくて、私も満足するように最後まで愛してくれるんです。
 ただ、私が満足するまでに誠君いつも3〜4回は果ててるからとても辛そうで」
「そ、そんなに・・・」
「『言葉の事大好きな証だから気にしないで』って笑って言ってくれるんですけど、
 この間は繋がる前、私の声だけで誠君耐えきれなくて出しちゃったんです」
「・・・」
「そうしたら、誠君凄く沈んでて・・・元気がないんです。西園寺さん、私どうしたらいいでしょうか?」
「(このバカップル)」 

411名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:11:03 ID:OhdKBz1v
>409の1
「鮮血」へ入りかかりのタイミング?
楳図かずおの「怖い本」のような、ひんやりとした読後感が…。
>409の2
…いや、世界は間違っても自殺するタマじゃなさそう。(たとえ無理心中でも)
412名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 01:01:14 ID:NT471/Af
言葉はかっとなった。  オフェンスが250上がった。
言葉は無気味に微笑んだ。デイフェンスが250上がった。
413名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 01:30:00 ID:eu+96vqJ
刹那ネタのつもり


好き好き好き好き、すきっ、すきっ、愛してる、一休さん〜♪


伊藤、大好き。
だから私を見捨てないで。
そう、伊藤は…ううん、まこちゃんは、私を見捨てられないはず。
だって───




まこちゃんは首輪につながれてる以上、どうやって行動を取るの?

食事はどうやっ て摂るの?

私がまこちゃんの世話をしてるんじゃないの?

それともまこちゃんは餓死したい?


私…ううん、せっちゃん無しでまこちゃんはどうやって生きていくの?

せっちゃん無しでまこちゃんはどうやって性欲を発散させるの?

せっちゃんがいつもまこちゃんを満足させてあげてるのに、せっちゃんを見捨てるなんてひどい!

黙れキチガイなんて言わないで!まこちゃん、大好き!愛してる!




だから、まこちゃん?

一生、せっちゃんの側にいてね♥
414名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 01:52:11 ID:RBJcTWV1
>>404
是非、見させて頂くよ。
俺も稚拙ながら、SSに挑戦してみようと思うんで、参考にさせて頂きます。
415mark:2008/02/01(金) 20:21:33 ID:o/5PJX99
(怒りの誠X〜始まりD〜402からの続き)

え…… 刹那……?

刹那「このまま…… 世界は逃げるつもりなの?」

刹那は再び、静かに、しかしはっきりと世界に告げる。

世界「刹那…… どうしたのよ急に。何で私が逃げなきゃいけないのよ」
刹那「さっきから、高校生活での思い出話があまり出てこない」
世界「そりゃあ、1年じゃ大した行事もないし…… あっ、もちろん
   刹那や光達と同じクラスで過ごせたのは、本当に楽しかったよ?」
刹那「七海とも仲良くしていたじゃない。七海の事は友達じゃなかったの?」
世界「う…… それは………」

刹那が鋭く指摘する。

世界「……だって、七海が部員を使って集団で苛めをしていたなんて、信じられ
   なかったし…… 確かに気の強い所はあったけど、でも、そんな事
   するような友達だなんて、全然思わなかった……」
刹那「……そう。じゃあ、もし七海の苛めをもっと早くに知っていたら、
   世界は七海の事をちゃんと止めた?」

世界「当たり前だよ!友達がそんなひどい事しているのを、ほっとける
   わけないじゃない!」
刹那「仮にその苛めている相手が、世界の好きな人の彼女であっても止めたの?」
世界「刹那……………!」

刹那はさらに鋭い問いかけをしてくる。

刹那「七海が退学して、少し時間が経った頃、今度は世界が
   学校を10日近くも休んだ。特に病気でもないのに。どうして
   そうしたのか聞こうと思ったけど、その時はそっとしておいた
   方が良いと思ったから、詳しくは聞かなかった」
世界「そ、それは………」

刹那「学校に復帰してからは、つい最近まで伊藤と口を聞こうとも
   しなかった。以前は普通におしゃべりしていたのに」
世界「………………」
刹那「せめてお別れの挨拶くらいしてもよさそうなのに、私以外には
   フランス行きも告げなかった。それはどうして?」
世界「それは…… 変にしんみりするのが嫌だったというか……」

思わず口篭もる世界。
416mark:2008/02/01(金) 21:25:23 ID:o/5PJX99
刹那「嘘つき」

世界のことばを、短く切り捨てる。

世界「私は嘘なんか…… だいいち、どうして刹那がそんな事私に聞くのよ?」
刹那「世界が本当の事を教えないから」

世界の目を見ながら答える刹那。思わず刹那から目をそらす世界。

刹那「私は今までも、そしてこれからもずっと、世界とは友達だと思ってる。
   そして、どんな時でも世界の味方のつもりでいる。………でも、
   今度だけは、世界が自分の力で乗り越えないといけない」
世界「乗り越えるって……何をよ」
刹那「伊藤と桂さんの事」
世界「………でも、それはもう、」

そう言い終わらないうちに、刹那が強い口調で話す。

刹那「どうして最初から伊藤に好きだって言わなかったの?なんで
   何も言わないまま、日本を去ろうとするの?」
世界「だ、だからそれは……」
刹那「それは何?伊藤に拒否されるのが怖かったから?桂さんを
   悲しませるのが嫌だったから?」

刹那が怒っている。こんな厳しいことばで世界に話す刹那は初めてだ。
実際に大きな怒鳴り声を発しているわけではないのだが、夜中の、しかも
世界のすぐそばで、刹那が剣幕を見せているのだ。世界は
彼女のそんな様子に戸惑っていた。

世界「そんなに怒らないでよ…… どうしたのよさっきから。
   刹那が怒る顔なんて見たくないよ……」
刹那「怒りたくもなるわよ。私は世界がいつか勇気を出してくれると
   何度も信じては裏切られてきた。………でも、私は世界の事が
   大好きだから、いつか自分の気持ちに気付いてくれると思って、
   ずっと世界の事を見守ってきた」

先程よりは口調を緩めたものの、以前厳しい顔つきの刹那。

刹那「結局、自分が傷付きたくないから、何もせず、伊藤とも
   桂さんともきちんと向き合わないまま、今日を
   招いてしまった……… そうでしょう?」
世界「違う!私は………」
417mark:2008/02/01(金) 22:46:28 ID:o/5PJX99
夜中である事を忘れ、世界は思わず声を荒らげる。

世界「だって……… もう、どうしようもないよ……
   確かに誠の事は好き。大好き! でも……」
刹那「今更好きだと言っても、伊藤に振られるから出来ない?」
世界「………………」

沈黙は肯定と受け取る。そう呟く刹那。

世界「……だって、私の気持ちはもう、誠も桂さんも知っているもの。
   今更私がでしゃばったって、もうどうにもならない……」
刹那「そうやって、ずっと逃げ続けるの?大事な事からも。自分からも」
世界「………だって!」

客観的に見れば、今更世界が誠に告白しても、成就する可能性は非常に少ない。
しかしそれ以上に、世界は、自分の弱さを認めたくないから。否定されるのが
怖いから。だから、不毛な弁解を続けていた。

刹那「………世界。なら、逃げる事すら出来ない私はどうすればいいの?
   自分の気持ちを殺す事しか許されない私はどうすればいいの……」
世界「えっ………」

刹那が涙を見せる。

刹那「入学式の時の事を憶えてる?私は背が低い事をからかわれ、苛められて
   いた所を伊藤に助けられた。その事を世界に話したら、伊藤の事を
   色々と調べてきてくれた。……私が伊藤を好きになった事を喜んで」
世界「……………!」
刹那「伊藤との恋が成就するよう応援するから頑張れと、嬉しそうに私にそう言った。
   ……でも、私が告白しようとする前に、世界は伊藤に接近した」

世界「…………それは……」
刹那「入学式から随分時間が経っていたから、臆病だという意味では
   私も世界と大して変わりはない。世界が伊藤を好きになる前に、
   告白すれば良かったのだから。……だから、2学期の席替えでも、
   私は何も言わなかった。今更自分が出ても、世界を傷付けるだけだと
   思ったから」
418mark:2008/02/02(土) 00:05:12 ID:vPXwN5AR
刹那は公園で誠と言葉にも明かさなかった、自分の想いを
世界に話した。世界が誠と言葉に対する想いを、乗り越えられたのなら、
決して明かす気はなかったその気持ちを。

刹那「でも世界は、結局自分から何もせず、本意ではなかったにせよ、
   七海達や、伊藤や桂さんまで苦しめてしまった。そして、何のけじめも
   つけないまま、日本を去ろうとしている。………どうして、人の想いに
   気付けないの?あとどれだけ自分を殺せば、世界は素直な気持ちを出して
   くれるの?教えて………」
世界「刹那…………」

それっきり、刹那は話すのを止め、
『しゃべり疲れたから寝る。怒ってごめん。おやすみ』
と、普段の淡々とした口調で最後に世界に話し、目を閉じる。
世界は何かを言いかけたが、口をつぐみ、
諦めて目を瞑る。しかし、刹那のことばが頭から離れず、結局殆ど
眠る事ができなかった。

朝になり、いつの間にか自分1人で布団の中で身体を丸くしている事に
気付き、慌てて起床する世界。
1階に下りると、刹那の母親が朝食を作っている最中であり、目を擦る世界を
見て、『お寝坊さんねぇ〜』とからかい、夜中の重い気分が少しだけ
とれたと世界は感じた。

刹那は夜中に見せた様子は微塵も出さず、いつも聞き慣れた
口調で『おはよう』とだけ言い、世界も同じく『おはよう刹那』と
返したものの、刹那の目は赤く、目の下には世界と同じく、隈ができていた。

朝食後は、居間で刹那とテレビを見ていたが、
夜中にした話題はお互いに一切出さず、辺り障りのない話に終始した。
そして、自宅のアパートに戻る時間になり、刹那に挨拶をして帰ろうとする世界。

渡仏当日の細かい予定がわかり次第、電話で教えると刹那に伝え、
『わかった』と短く頷き、刹那は玄関先で見送った。

終わりであり、始まりの時は着実に近づいていた―――
419mark:2008/02/02(土) 00:24:26 ID:vPXwN5AR
一旦切ります。せっちゃん大爆発?世界は某Mのごとく、
宇治蛆しまくりですね。まあ無理も無いんですけど(苦笑)
誠×言葉のカップリング2次創作というよりは、各キャラの群像劇みたくなってきました。
ここでも刹那はアニメ版みたく損な役回りだなあ…… アニメ版では3人の死を知って、
本気で悲しむのは、彼らの身内を除けば、刹那だけでしょう………
420名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 02:13:13 ID:/0XYemJy
>>419
GJです。
続きを楽しみにしてます。
421心の彼氏(前編):2008/02/02(土) 02:15:07 ID:/0XYemJy
病床の言葉の続編です。
心の彼氏(前編)。

誠と言葉のマンションにて。

今日は言葉が回復してから最初の週末、
まだ無理は出来ないのでリビングで誠はテレビをぼんやりと眺めて
言葉はのんびりと読書をしていた。

「なあ言葉。」
「なんですか?」
「この間は俺が不甲斐ないせいで言葉を危ない状況にしちゃったし
 心ちゃんといたるにも世話になっちゃったなあ。」
「そんな!熱を出したのは私ですし
 誠君は大事なお仕事があったんですから仕方ありませんよ。」
「でも俺が気付いてやれなかったのは事実だし・・」
「私のせいで誠君のお邪魔をするわけにもいきませんし・・」
「でも俺達は夫婦なんだぞ、本当に辛かったら言ってくれ。
 俺は言葉の事が一番大事なんだ。」
誠は言葉の両手を取ってそう言った。
「誠君・・ わかりました。
 本当に辛かったらちゃんと言いますね。」
「うん、そうしてくれ。」
二人は手を離すとそれぞれテレビ観賞と読書に戻った。
422心の彼氏(前編):2008/02/02(土) 02:15:45 ID:/0XYemJy
「それだけ?」
「そうだよねえ発展性が無いとつまらないよねえ。」
驚いた誠と言葉が部屋の入り口を見ると心といたるが残念そうな表情で誠達を見ていた。
「心!せめて玄関のチャイムくらい鳴らしなさい!」
「だって面倒なんだもん。
 それより今日は誠お兄ちゃんに用事があるんだ。」
「俺に?」
「うん、お姉ちゃん今日一日誠お兄ちゃん借りるよ。」
「一体どうしたの?」
「大した用事じゃないよ、じゃあね。」
「お・おい俺の意思は?」
そんな誠を無視して心は誠の腕を取ってをずるずると外へ引きずり出して
いたるは誠の背中を押していた。
『どうも様子が変ね。』
そう思った言葉がすぐさま3人の後を追ったのは言うまでも無い。
423心の彼氏(前編):2008/02/02(土) 02:16:42 ID:/0XYemJy
「おい一体どうしたんだよ二人とも。」
「実はね、心おねえちゃんにしつこく言い寄ってる男がいてね。
 そいつに諦めさせるためにお兄ちゃんに即席の恋人になって欲しいの。」
「えらく古典的な話だな。」
「でもそれが一番確実な方法だって・・おーい卯月ちゃーん。」
駅前に着いて卯月の姿を見つけた心が手を振って呼びかけた。
「あれ?卯月ちゃんまで呼んだのか?」
「卯月さんは今回の作戦の発案者なの。
 やっぱりこういう問題では一番頼りになるみたい。」
「どうもお久しぶりです。」
卯月は誠に挨拶した。
「お久しぶり、面倒をかけるね。」
4人はそのまま電車に乗り込んだ。
そしてそんな4人を少し離れた場所から見つめる言葉がいた。
『卯月ちゃんまで一緒になって何なのかしら?
 心も家からずっと誠君と腕を組んで一体どういうつもり?』
424心の彼氏(前編):2008/02/02(土) 02:17:50 ID:/0XYemJy
電車の中で。

「所で心ちゃん、何も家からずっと腕を組まなくても・・」
「そのまま組んでて下さい。」
返事は何と卯月から来た。
「え?」
「その場で組んでもぎこちなさが出て相手にすぐばれてしまいます。」
「という事だからよろしくね、誠お兄ちゃん。」
「とは言ってもこんな所をもし言葉に見られたら。」
『もう見てますよ誠君。』
誠達の斜め後ろの位置にたった今辿り着いた言葉がいた。
「いくらお姉ちゃんでもそこまでしないよ。
 それより今日は折角のデートなんだから楽しもうよ。」
そう言って心は更に体を密着させてきた。
「こ・心ちゃん。」
言葉程ではないにしても押し付けられる柔らかな胸の感触に
誠の鼻の下も自然と伸びる。
『心も心だけど誠君もあんなにデレデレして。』

待ち合わせ場所にて。

待ち合わせ場所は人通りが少ない落ち着いた公園だった。
「いいですか誠さん、心ちゃんとはいつも通り接してください。
 ただいつもと違って心ちゃんが腕を組んでいるだけだと思ってください。」
「それは大丈夫だよ、誠お兄ちゃんとは子供の頃からこんな感じだし。」
「おいおい誤解を受けるような事を・・」
「そろそろ15分前だ、卯月ちゃんいたるちゃん隠れてて。」
425心の彼氏(前編):2008/02/02(土) 02:19:03 ID:/0XYemJy
ファーストフード店の2Fにて。

一方言葉は誠たちのいる場所を一望するためにファーストフード店の2Fの
窓際に陣取って様子を見ていた。
「こんにちは。」
誠達の監視に集中していた言葉は不意に声をかけられて
飛び上がらんばかりに驚いた。
「う・卯月ちゃん!?」
卯月の後ろにはこの場に言葉がいる事に驚いているいたるがいた。

「お姉さんなんで?」
「あなた達の様子が変だったから見に来たんです。」
「実はね・・・」
いたるは誠達の様子を見ながら心から聞かされた話を一通り伝えた。
「まあ心にそんな相手が?」
「でもその手の男はしつこいからね。」
「それで今日の作戦というわけです。」
「そうだったんですか、でもここからだと会話が聞けないのが難点ですね。」
「聞きますか?」
「え?」
言葉といたるが同時に聞き返すと卯月はポケットから小型のラジオを取り出した。
そこからイヤフォンジャックを抜くと音声が流れてきた。
「卯月さんこれは?」
「さっき心ちゃんの襟を直すふりをして小型マイクを仕掛けたの。」
さすがに言葉もいたるも驚いたけれど今はそのまま聞くことにした。

「(誠お兄ちゃんもっと楽しそうな顔しなよ。)」
「(そうは言ってもなあ、第一俺達カップルに見えるのか?
  単にじゃれついてる兄妹にしか見えないんじゃ?)」
「(あーそんな事言うかな?じゃあキスでもしてみる?)」
「心!!」
いきなり言葉が声を上げて立ち上がったので周りの視線が集中した。
「お・お姉さん落ち着いて。」
必死にいたるが言葉を落ち着かせて座らせた。

前編End
426名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 13:16:25 ID:q/bhtttN
あいかわらずGJです
後編を期待してます

焦る言葉様(・∀・)イイ!
427これっきり:2008/02/02(土) 14:28:27 ID:TNWx/Bjy
これっきりです。
やっと終わりました。終わりの方は結構煮詰まりましたが。
こんだけやれば世界達も皆さん許してくれると思います。

>>178
今回投下分でラストです。応援ありがとう御座いました。

>>179
あえてラストも直接言葉と七海・乙女は喋るシーンはありませんが。
補足で普通に会話するくらいの仲になりました。

では投下開始します。
428見ているだけで…:2008/02/02(土) 14:33:06 ID:TNWx/Bjy
>>177
最終話

世界「刹那…光…。」
私は親友二人の乱入にキョトンとしながら声をかけるのがやっとだった。
周囲の状況も同じで七海も二人の登場に驚き、
加藤さんや可憐ちゃんは二人とは初対面という事もあり、私達以上に困惑した表情を浮かべている。

何しに来たんだろう?私は二人の意図が読めないが取りあえず、加藤さんと可憐ちゃんの紹介を二人し…
計六人でテーブルに座る事にする。
そういえば…まだ加藤さんと可憐ちゃんは注文まだだったな…。
取りあえず可憐ちゃんも加藤さんも落ち着いてるみたいだし…私は発言した。

世界「折角だから改めて注文どうする加藤さん?可憐ちゃん?それに…刹那と光も?」
とオーダーを聞く。
そしておのおのオーダーを私に伝え、注文を頼み、来るまでの間みんなで軽く自己紹介をする。

一通り皆の紹介が終わってから私は刹那達に「何しに来たの?」と尋ねる。
いくらなんでも理由も無く私達に会いに来たりはしないだろう…。
私は二人が来た理由を知りたかった、まず最初に切り出したのは刹那だった。

刹那「伊藤と桂さんに話…付けて来た。改めて世界達と話し合いをしてくれって…。」
そうなんだ…私達では誠なり桂さんから警戒されている事を察して話し合いの場を設けてくれたんだ…
でも何時の間に?そう考えていると次は光が事情を説明してくれる。

光「世界には悪いけどあんた等だけだと、お互い庇ってるって思われちゃうからね。
だから私と刹那だけで動いた時あったじゃない?その時二人の家とかいって話しをつけたのよ。」

あの時か…私は影で私たちのために動いてくれた二人に感謝していた。
それは同じ友人の七海も同じだった様で、少し涙ぐんでいる。
加藤さんは少し疎外感を感じているが、可憐ちゃんが彼女の肩をたたいて喜びを示している。

それを見届けながら刹那と光は。
刹那「私達が出来るのはここまでだよ。世界…七海…そして加藤さんも…。」
光「後は世界達の問題だからね。頑張ってね世界、七海。そんで加藤さんもね!」
更に二人は私達の方を押してくれる、ただ光は加藤さんの事まだ怒っているのか…少しだけ棘が入っていたが。
429見ているだけで…:2008/02/02(土) 14:37:32 ID:TNWx/Bjy
そうこうしている間。みんなの注文が届きそれぞれ料理を食べ始める。
私と七海は満腹の為。折角だから色々話を聞いていた。

世界「そう言えば・さっき可憐ちゃんは誠の事…先輩って呼んでたけどどうして?」
可憐「ああ…。あの時興奮してたから…私達姉妹と誠先輩…いや誠さんは同じ中学だったんです。だからそれで…。」
と加藤姉妹の身の上話や中学の誠の事を聞き、昔から誠は人望の厚い奴だったなと思う。道理で私だけじゃなく…桂さんや加藤さん達姉妹から愛される訳だわ。
改めて誠の事に対して好感を持ったが、正義感が強いと言う事は私たちのやった事に対しても厳しいという事…改めて私は気を引き締める。

そう思ったが光が「だったらなんで中学の時告白しなかったの?」と加藤さんに質問する。
可憐ちゃんは少し困った顔をしたが、それは加藤さんが「私もアイツにアプローチしたんだけど」とがっくりしながら言う。更に可憐ちゃんは「お姉は不器用ですから」とフォローする。
がフォローにはまるでなってない…加藤さんは更にゲンナリする。

光「私もあんたの妹さんに恥をかかせる気は無いけど…こんな事これっきりにしてよね。
桂さんや世界だけじゃなくて、私の友人にもちょっかい出したって聞いてるわ。」
と光は加藤さんに対して駄目押しをするが、更に光は思いもがけない事を言う。

光「実はね。私も伊藤の事狙ってたの。」光はおどけながらそう言った。
何ィ!!光のびっくり発言で私は驚愕する、良く見れば七海や加藤姉妹も同じようにひょっとこ顔になっていたが、とどめに刹那が。

刹那「私も…伊藤の事好きだった。」刹那は頬を染めながらそう言ったのである。
どひゃー!!刹那が更に更に私達を驚愕させる…それは私のアホ毛が天を突くドリルのようになるほどの衝撃だった。

二人「まあ今更言ってもしょうがないから言って見ただけだけどね!」
と光は笑ってそう言い、刹那はVサインをしている。
私達はあまりの事にただ笑うしかなかったが、よくよく考えたら私達グループは、七海以外みんな誠の事を好きだったって事になる…良く関係が壊れなかったもんだと私は思った。

光「まあそんな事情もあったわけだけど、伊藤は桂さんを選んだ…それはそれでいいじゃない。この事で私は澤永一本に絞れるし。」
刹那「私も…桂さんなら伊藤と一緒に幸せになれると思う。全部終わらせればそれでおしまいだから…悔いの無い様にね。」
と私の心を察したかのように声をかけてくれる、刹那にしても光にしても、もう誠をふっきり次に向かってる…今度は私たちの番だ!けじめの為のファイトが私に沸いて来るのを感じる。

そして皆も食べ終わり各自解散する。
踊子お母さんは、今日は夜勤だっけ…お母さんがいない家で身支度を終わらせ…ベットに入り私は改めてこれまでの事を振りかえる。
刹那達が言うには、来週の日曜日に桂さんの家でこれまでの事をきっちり伝えるという事だ、これが終われば全てに対して決着が付けられる。

元々私が最初に誠にきっちり自分の気持ちを言えれば…桂さんから誠の事を横取りしようとしなければ…後悔はたくさんある。
だが私たちの汚名を注ぐ機会をくれた刹那達や私を支えてくれた踊子お母さん、そして七海や加藤さんに可憐ちゃんの気持ちを改めて伝える為。
今度こそ偽り無く誠と桂さんに気持ちを伝えようと、私は心に誓い眠りにつくのだった。

そして七海の停学がとけるまでの間、相変わらず私と誠の距離は離れてるとひしひしと感じるが、前ほどあからさまな嫌悪を向けてこない、今度私達と話をすると刹那達が取り成してくれたからだ…。

そして誠や刹那達が席をはずしている間。澤永が私と所にやって来て、刹那や光は私に対しての変な噂の打ち消しにも一枚噛んでいたと教えてくれた。
澤永は「誠と桂が完全にくっ付いたのは俺としては口惜しいけど…西園寺おまえ…あいつ等に謝りに行くんだってな?甘露寺と加藤って奴で…まあがんばんな…光の為にも。」と私を励ましてくれる…。
どうやら光を名前で呼んだ所から、澤永と光は上手く行っていると思ったので私は「澤永こそ光の事お願いね」と御礼を澤永に言ってやった。

そんなこんなで私は特に周囲からこれまでの事を詮索されたり、七海や加藤さんの事でのトラブルなども無く時は流れ…とうとう約束の日曜日。
私は七海と加藤さんの三人で桂さんの家前に集合する。
430見ているだけで…:2008/02/02(土) 14:43:54 ID:TNWx/Bjy
世界「とうとう来たね…七海。加藤さん。今日で全部決着をつけよう!」
私の声かけに七海も加藤さんも頷いて答えてくれる。

早速私はチャイムを鳴らし…インターフォンに声をかける…。
桂さん?それとも誠?考えている内に女の子の声が少し聞こえてくる。
桂さんなのかしら?桂さんのお母さんだとしても若い…相手の返信を待ってると、呪詛のような声が聞こえてくる。

心「アンタ達だね…お姉ちゃんから聞いてるよ!…お姉ちゃんを虐めたり誠君を横取りしようとしたのは…。」
…どうやら桂さんの妹さんみたいだな…。
取りあえず私は「桂さんの妹さん?とにかく私達は桂さんと誠に謝りに来たから会わせてくれない?」と怒っている様子でいる桂さんの妹ちゃんに対して、誠か桂さんに取次いでもらう様に尋ねる。

だが妹さんはまるで取り成す気が無く「べーだ。どうせまたお姉ちゃんや誠君を騙す気なんでしょ?誠君や言葉お姉ちゃんはアンタ達の話は聞くつもりだけど…心は信用できないよ!」と
桂さんの妹さんの名前が‘ココロ’と言うのがわかっただけでこのままでは互いに手詰まりだ・・・困ったな。

七海や加藤さんも私の様子に困惑している…そんな中インターフォンから誰かの声が聞こえてくる。「心!勝手な事しないで。あっちいっててよ!!これから西園寺さん達と話しをするんだから!」

桂さん?いつもと様子が違う桂さんに、私は少し唖然としながらも…ココロちゃんからインターフォンをもぎ取ったらしい桂さんが私に声をかけてくれる…。
言葉「すいません西園寺さん。妹が変な事言い出して…とにかく上がってください。
誠君も来てますよ。」と落ち着いて私に声をかける。

私は「それじゃあ今日は宜しくね桂さん。こっちも七海と加藤さん…来てるから。」
と言い、桂さんに鍵を外してもらう。
そしてとうとう私達3人は桂亭へと足を踏み入れるのだった。

そして桂さんは玄関で律儀にスリッパ三人分を持って私達を出迎え。
言葉「ようこそ西園寺さん、加藤さん、甘露寺さん。バルコニーで話をしましょう。」
と桂さんが私達を部屋に紹介してくれる、そこにはやっぱり誠もいた。
そして私達を誠は、真意を探るべく早速問い詰めてくる。

誠「西園寺…それに甘露寺と加藤…。事情は言葉や清浦達から聞いてる。
だから改めてお前達に聞きたい…なんでこんな事になったのか…。」
431見ているだけで…:2008/02/02(土) 14:52:38 ID:TNWx/Bjy
西園寺か…呼んでくれるのは無視されるよりマシとはいえ…もう世界って呼んでくれないのか…。私は寂しさを憶えたが…こうして私達の話を誠も桂さんも聞いてくれるって言うんだ…。
本当だったらずっと私達の事…無視したって良いのに。彼等もこのままでは後味が悪いのは同じか…。そう思いながら私は口を開く。

世界「そうだね誠。まず発端は私が誠と桂さんの事を紹介しながらも、私は誠にモーションをかけ、桂さんから横取りしようとした。
そんな様子を見た七海は…加藤さんにも頼んで力尽くで誠と桂さんを引き離そうとした。経緯はそんな感じよね。」

私は落ち着いて誠と桂さんに話しかける、とにかく簡単に纏めるとそんな感じなのだ。
でも…私は深呼吸をして口を開く。
世界「こっからは私のやった悪い事なんだけど…本当はね誠…私は打算で誠と桂さんを紹介したの…誠に恩を売れば私と付き合ってくれるかなって。
だからあの頃。誠と桂さんが上手くいっているのを見て…悔しかった…こんな筈じゃないのにって…だから誠に桂さんとの連絡止めろって言ったりとか…。
今思えば子供じみた…余計心が離れる事ばっかりしてた…。」
(あの時キスしたのも…誠を困惑させるだけで何もならなかった…私をはっきり拒絶したら傷つけるって変に気を使わせちゃったね…。)
私は切々を語りながらも改めて自分の行動を振り返っていた。

そこで疑問に思ったのか…桂さんが声をかける。
言葉「その気持ちは分からなくは無いです西園寺さん。私も逆の立場なら…もしも誠君が西園寺さんになびいたらと思ったら…そんな事を考えるだけとても怖かったです。
でも西園寺さんの弁だと、甘露寺さんと加藤さんが私に絡んできた理由に結びつくとは思えません…甘露寺さんたちの妨害は本当に西園寺さんの意思ではないのですね?」
と質問する。そこで七海が私に替わって声をかける。

七海「そうだ。あくまでアンタに手を出したのは私と乙女の意志だ…世界は本当に関係無い。」七海は自分に非がある事をぶっきらぼうながら桂さんに認める。

そして今度は…。
言葉「…ではもう一つ聞きます。甘露寺さんが西園寺さんの為に私と誠君の仲を裂こうとしました。
ですが…加藤さんは私と誠君が正式に付き合う前から絡んできましたよね…それは何故ですか加藤さん?
貴方は甘露寺さんと違い西園寺さんとは友達でもない筈です…。私の立ち振る舞いがお気に触ったのですか?それとも…」

今度は加藤さんに桂さんの牙が向く…桂さん…薄々気がついてるのかな?
加藤さんも誠が好きで…そのやっかみもあり七海に協力したって…。
そして加藤さんも口を開く…。

乙女「そうだよ…本当は私も伊藤の事好きだった…中学の時からずっと!
だから…あんたはとろくさい割りに…男から注目されてチヤホヤされる以上に…。
あんたが伊藤の心を独り占めするのが気に入らなかった!!」
加藤さんは迷った素振りも見せず…溜め込んでた物を桂さんと誠に言う。

乙女「だから!私は七海の提案に乗った…あんたと伊藤が別れてくれれば…。
私にも伊藤と付き合う芽が出てくる!そう思った…。」
更に加藤さんは続ける…少しトーンが落ち悲しそうだ・・・でも加藤さんは続ける。

乙女「だけど…全部裏目になった…私達のした事全部伊藤にばれて…私は伊藤から嫌われた…だからその事を西園寺さんや七海にもあたったよ。
そんな事しても意味無いって分かってたのに…ははっ。」
加藤さんは自嘲しながら…喋る元気も無くなったかのように…黙ってしまう。

私達の事を黙って聞いていた誠だったがいよいよ誠も話し出す。

誠「そうだったのか…それだったら俺も悪いな…最初に俺が西園寺に変に気を使ったり…加藤の事も中学からの付き合いだって甘んじてた俺も…。
俺も甘かったし緩い所があった…悪いな西園寺・加藤・そんで甘露寺も。」
誠は私達を庇う事を言い始める…そんな立派じゃないのに。
居心地が悪く思う…誠の優しさに…そして誠は更に語る。

誠「速い内に俺の気持ちをお前等へはっきり伝えるべきだったし…西園寺と甘露寺の事だって…。
あの時お前らがグルだって、俺は短絡的に思ったけど…その事でお前達を必要以上に傷つけたりしてた…改めてごめんなお前ら。
だがな…改めて言葉に頭を下げてもらえないか。
お前達もその為に来たんだろ?俺はもうお前達の事を許すけど…まだ言葉にしっかり謝ってないから…言葉に対して謝ってくれ…それで全て終わりにしようぜ…お互い居心地の悪いのは。」
432見ているだけで…:2008/02/02(土) 15:04:01 ID:TNWx/Bjy
世界「桂さん。変なちょっかいと貴方を裏切った事。
簡単に割り切れないと思うけど許して。」

私に続いて七海や加藤さんも口々に桂さんに対して真摯に詫びをいれる。

七海「桂。私の事…ずっと嫌いでも憎んでもいい…。
それでも…世界だけは許してくれ・・・桂。世界は私の大事な友人だから…。」
乙女「桂…。認めたくなかった…アンタと伊藤の交際…でもせめて…。
私や可憐…西園寺さん達の分まで…伊藤のことお願い…だから今まで迷惑かけてゴメン。」

みんなで一通り詫びを桂さんにいれる、そして桂さんも…。
言葉「分かりました。西園寺さん達の気持ちは誠君にも私にも伝わりました。
だから全部許します。そしてこれからは私も誠君だけでなく、もっと自分をわかってもらうよう努力します。
私も…自分の事をはっきり言える人間に…なりたいです。」

桂さんも私達を許してくれた…でも桂さんがそんな事を言い出すとは思わなかった。
私の知っている桂さんは奥手で引っ込み思案な所があると思ったから…。
桂さんもただ誠に守られるだけのお姫様じゃなくて、誠のいや…自分の為に桂さんも強くなろうとしてるんだ…そう思うと嬉しく思う。

そしてこれからも二人仲良くやっていく事を誠と桂さんは告げ、友達としてだったら改めて付き合いたいと私達に声をかけてくれる。
私達も笑顔で応じ、桂さん特製の芋のニッコロガシをみんなで食べ、私達は誠と桂さんと別れ、お互い家路に戻る。

加藤さんと七海とも別れ、一人帰りながら私は思う。
私の隣には誠はもういない、でも私には刹那や光、七海がいてくれる。
それに踊子お母さんも励ましてくれた…私は今の私は皆に何ができるかな?

それはわからない…でもこの教訓を生かして私は大人になれたと思う…。
今はそれでいい…見ているだけで…明日を見つめるだけで世界は変わる。
だから私は生きる…明日…いや未来に向かって!
そう私は硬く心に刻むのだった。

その後

私はあいも変わらず、刹那達とだべり普通の高校生として暮らしている。
七海も一緒だ。だが一つ変わった事がある。
私は今まで以上に勉強に打ち込んでいる。
私は今回のような事を未然に防ぐ為…教師になろうと決めた。その夢は等身大の物だが、決して平淡な道ではない事位承知している。
だけど私はその夢を追いかける…刹那達も応援してくれるからだ。

そして桂さんの虐めの一件だが、加藤さんがクラスメート全員に頭を下げ、桂さんの虐めを完全にやめさす事に成功した。
加藤さんも自分のやるべき事、取るべき態度を悟ったかの様に鮮やかな手並みであった。

余談だが加藤さんと七海は今回の一件でバスケ部先輩から睨まれる事になったが…。
二人とも練習に加え、雑用なども一生懸命こなす姿をみて同期や顧問の先生が評価し。
それを見た先輩達も、あからさまな嫌がらせなどを彼女達にしなくなり。今や二人ともレギュラーを取れそうな勢いである。

最後に誠と桂さんだが、私達の間どころか、榊野学園でもベストカップルと呼ばれるほど仲睦まじく。
高校生らしい健全な交際…だけどラブラブなカップル振りは、後に榊野の伝説と呼ばれるまでになる。
そして誠も桂さんもとても幸せそうだ。おめでとう二人とも。

私はようやく心から誠と桂さんの祝福ができる事に、喜びを感じる。
これからはわき目を振らずに…私は歩ける…。

未来に向かって…。 

見ているだけで…。 完
433これっきり:2008/02/02(土) 15:14:06 ID:TNWx/Bjy
ここまで世界達が誠と言葉にしっかり頭を下げれれば、文句は無いかなと思います。
芋エンドでのアフターとしては逃げるより、振り返って自分の非を認める方が正しいと思い。
この結末になりました。もうスクールデイズでは書く事は無いと思いますが、別のSSでお会いできたら良いと思います。
普通のファンジンからHな奴とか考えて見ます。

ご感想などお待ちします。
434名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 22:08:53 ID:DJbyvAa3
>433
お疲れ様&良いものを見せてくれてありがとう。


この西園寺世界たちならば応援してあげたいという気分になった。
435名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 22:17:59 ID:/0XYemJy
>>433
乙です。

こういう世界ならあんな悲劇も起こらなかっただろうな。
436名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 22:47:51 ID:vPWY9pLX
>433
堪能しました。深く感謝します。
もしtrueエンドがあるとすれば、こんな感じでしょうね。

>434 435
異議なし。
437心の彼氏(後編):2008/02/03(日) 00:08:38 ID:9miA2wGH
「(あっ来たみたい。)」
「(彼がそうかい?)」
「(彼じゃなくてあいつでいいよ。)」
「(そんな言い方しなくても・・)」
「(しっ来るよ。)」
そう言っている間に男が二人に近づいてきた。
男は二人の目の前に立ち、誠を値踏みするように見ている。
その男の容姿は普通で服のセンスも普通。
敢えて特徴を挙げると眼鏡をかけていて少し神経質そうな感じだった。
「(心さん、その人が彼氏ですか?)」
「(そうだよ、だからあんたはお呼びじゃないの!)」
「(嘘ですね、その人はあなたの彼氏じゃありません。)」
「(なんであんたにそんな事がわかるのよ!)」
「(心ちゃん、そんなにケンカ腰にならなくても。)」
「(その人はあなたのお姉さんの夫の誠さんでしょう?)」
これには誠も心も凍りついた様子だ。

「(そんな芝居で僕を驚かせようなんて心さんは楽しい人だなあ。)」
「(あんたね、自分が嫌がられてるって自覚は無いの!?)」
「(別に最初から好きになってもらおうなんて思ってません。)」
「(最後まで好きになることは無いわ!)」
「(何故です?僕はあなたの全てを調べ上げてそれに対応していく自信があります。)」
「(一体何を言って・・)」
「(現に今の僕はあなたの住所や家族構成だけでなく
  大学への通学経路や時間帯まで把握しています。
  それに毎日あなたの近くであなたの事をずっと見ていますし。
  あくまでこれはほんの一例ですけど。)」
「(あんたそれストーカーって言うのよ!)」
「(さあデートしましょう、楽しい一日をお約束しますよ。)」
男は心の話を全く無視して心の手を掴んで無理矢理引き寄せようとしていた。
誠も間に入ってやめさせようとしているけれど埒が明きそうに無い。
「行きましょう、こうなったら全員で抑えるしかありません。」
「そうですね。あれ?いたるちゃん?」
言葉が周りを見回したけれどいたるがいない。
ふと視線を外に向けると猛然と走って騒ぎの場に向かういたるがいた。
そしてその勢いのまま男の顔面に飛び蹴りを食らわせて吹っ飛ばしてしまった。
それを見ていた言葉も卯月も唖然となったのは言うまでも無い。
438心の彼氏(後編):2008/02/03(日) 00:09:49 ID:9miA2wGH
再び待ち合わせ場所。

「あんたねえ!!」
いたるは全身に怒りのオーラを纏って蹴り倒した男を見下ろしていた。
男は地面に落ちた眼鏡をかけなおしていたるを見上げた。
「これはいたるさんじゃないですか。」
「あんた私に付き纏った後は心お姉ちゃん!?ふざけるんじゃないわよ!!」
「え?いたるちゃんがバイト先でストーカーに遭った相手ってこいつだったの?」
「そうだよ、心お姉ちゃん。」
「ストーカーだなんて人聞きが悪いなあ。」
「うるさい!!」
「でも僕が心さんを好きになる気持ちは誰にも止められませんよ。」
「それは意地でも止めてもらうわ。
 私があんたを好きになることは永久に無いから。」
「僕のどこが気に入らないんです?」
「一言で言うと全て。」
「手厳しいですね。」
439心の彼氏(後編):2008/02/03(日) 00:10:31 ID:9miA2wGH
「そもそもあんたが男である限り絶対に無理よ。」
そう言って心はいたるを優しく抱きしめた。
「そういう事だよ。ね、心お姉ちゃん、いえ心お姉さま。」
心もいたるも足まで絡めあって恍惚とした表情でお互いを見つめ合っている。
「いたるちゃん最近また成長してきてるわね、
 なんだか抱き心地が良くなってきたよ。」
心はそう言ってツツーッといたるの背中に指を這わせた。
「あん、くすぐったいですぅお姉さまぁ。
 もぅそんな事は夕べしっかり確かめてたじゃないですかぁ。」
心といたるの周りだけ完全に雰囲気が変わってしまっていた。
そこには誰も割って入れない二人だけの世界が構築されていた。
「た・確かに僕が調べた限り二人とも彼氏はいなかった。
 それにこの二人はよく一緒に行動してるし泊まってる。
 まさかその理由がこの二人が恋人同士だったからだなんて・・・
 でもこんな事って・・・こんな事って・・うわああああああ。」
男は背を向けて駆け出してその場から逃げ出してしまった。
440心の彼氏(後編):2008/02/03(日) 00:11:26 ID:9miA2wGH
「あ・あなた達まさか・・・」
あまりの光景に駆けつけた言葉も呆然としていた。
「二人とももういいわよ。」
卯月がそう言うと二人はパッと離れてしてやったりという表情になった。
「作戦成功だね、卯月ちゃん。」
「うん、うまくいった。」
「これで心お姉ちゃんだけでなくて私も付き纏われる心配が消えたもんね。」
「すごいなあ卯月ちゃんは。
 俺と心ちゃんの偽カップルだけじゃなくてこういう奥の手を用意してたんだね。」
「話を聞くと実にしつこそうな相手だったので。
 それにしてもいたるちゃんに付き纏ってた相手と同じだとは思いませんでした。」
「私も驚いたよ、あいつがまさか心お姉ちゃんまで標的にしてたなんて。」
「それにしてもびっくりです。
 心もいたるちゃんも最初から言ってくれればいいのに。」
「お姉ちゃんは病み上がりだったから心配かけたくなかったんだよ。」
「うん、お姉さんにはお部屋でちゃんと休んでて欲しかったからね。」
「それにしてもいたるも心ちゃんも演技上手かったなあ。」
「私と心お姉ちゃんの仲だったらこんなの簡単だよ。」
「そうだね、付き合い長いし。」
「じゃあみんなでお茶してから帰るか。」
「心ちゃん、また襟歪んでるよ。」
卯月が心の襟に手をやってしっかりとマイクを回収していた。
「卯月ちゃん、今度何かお礼をさせてください。
 妹達がお世話になったんですから。」
「いえ、そんな。」
441心の彼氏(後編):2008/02/03(日) 00:12:20 ID:9miA2wGH
帰り道で。

喫茶店でみんなで一休みした後、いたると心と卯月の3人は
そのまま遊んで帰るとの事なので誠と言葉だけで帰途についていた。
「それにしても言葉、出歩いて大丈夫なのか?」
「少し疲れました、だからこうして誠君に支えてもらいますね。」
言葉は誠に腕を絡めて少しはにかんだ様子で誠を見上げていた。
「ああそうだな、そうしてくれ。」
二人はマンションまでそのままのんびりと帰った。
『久々に二人だけで過ごす週末の夜も悪くないな。
 今日の晩飯は言葉の好きな物でも作ってやるかな。』

End
442名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 00:47:58 ID:UMPkw+nY

その他さん、心安らぐSS、いつもありがとう
まだ読んでないが、あとでじっくり楽しませていただきます

あと、ちょい要望なんだけど、その他さんのサイトですが、携帯から見るとき、
見たいタイトルや話数のところまで飛ぶのが結構大変なんですが…
なにか、いい対策ありますかねぇ…
443名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 01:00:04 ID:9miA2wGH
>>442
それは私も前々から思っていたので目次ページを作ろうとしています。

作品リストの所に”目次”って項目を作って
作品一覧→各章一覧という感じに飛べるようにしようかと。

折角ご要望頂いたので近いうちに対処しますね。
444名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 01:51:53 ID:19T8wPR3
>>433
感動した
特に最後世界が教師になろうと頑張ってるところ
445名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 02:35:13 ID:UMPkw+nY
>>443
了解、ありがとです
446名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 02:49:32 ID:UMPkw+nY
うわ、感想書き忘れたw
卯月キャラって、結構怖いので、なにをするんだろと思わせますね
でも、卯月絡みの流れもコメディタッチな修羅場を作るのには、けっこういいかも
まあ、それでも最後に普通にハッピーENDになったので良かったなっとw
言葉がもうちょっと修羅場に絡むと、より盛り上がったかも
酔っ払いながらツラツラと でわ
447名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 15:09:49 ID:n8jQkqJi
>>327の続き

「お尻だけでイクなんて…、言葉…」
「……ぁ……」
言葉は達した余韻に漂いながら、俺によってつきつけられた事実を反芻する。
「あ、あ、あぁ、私…、私…」
「いいんだよ、言葉が良ければ俺も満足だから」
「はい…」
言葉はそう言いながら俺の胸に顔をうずめる。

だが、数分後に耐えられなくなったのか口を開く。
その顔は恥に耐えながらも、明らかに快楽を期待する顔だった。
「あの…ま、誠くん……。お、お願いします」
「ああ、言葉…。俺にどうして欲しいんだ……」
「ま、誠くん……」
言葉は躊躇するが、結局は自分の欲望をさらけ出す。
「ま、誠くん……。わ、私のお尻のナカに…、誠くんのを…入れて…シテ下さい…。
 私…もう……。我慢でき…ない…です……」
言葉の嘆願は俺を昂ぶらせる。
「ああ、じゃぁ、言葉……、シてやるよ」
「はい……」
「言葉……、ほら……」そう言いながら言葉のお尻に手を掛ける。
「誠くん、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
言葉のお尻に手を掛けて、言葉のアナルを広げるように両方のお尻の肉を拡げる。
「や、誠くん…、恥ずかしい…や、やめて……」
俺の手によって広げられている言葉のアナルに腰を近づける。
十分濡れているから多分このままで入るだろう……。
そして粘膜同士が触れ合う。
「ひゃぁ、ぁ、ぁぁぁぁ、ひんんんんんんんんんんん…」
愛撫しつづけた言葉のアナルは俺のペニスを徐々にだが受け入れていく。
「あ、んっ、言葉の…狭くて…気持ちいいぞ……」
「ぃぃぃんっ、ぁぁぁぁぁ」
言葉はそのアナルから伝えられる感覚に耐えるのに精一杯のようだ。
448名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 15:10:35 ID:n8jQkqJi
俺も言葉のアナルに挿入れたペニスをゆっくりと動かす。
「ひぃんっ、あ、あぅぅぅぅぅ、あ、あ…」
さすがに指とは勝手が違うのか、言葉の口から漏れる声にはは、苦痛の色が見える。
それでも俺は言葉のアナルを慣らすように、ゆっくりとゆっくりとペニスを抜き差しする。
俺は言葉の下半身を愛撫しながら、言葉のアナルを貫きつづける。
そんな動きを何往復した頃だろうか、アナルで俺を受け入れられるようになったのか、言葉の声は苦痛が愉悦に取って代わられつつあった。

言葉のナカにペニスを挿入れたまま、俺は後ろから言葉の豊かな胸を揉む。
「ふぁぁぁ、あぁぁ、ぁぁぁ、ま、誠くぅぅん…そんな、ふぁぁぁ」
言葉はアナルに俺のものが入っているのを忘れたかのように、腰を動かす。
「ひゃぁぁぁぁぁ」
そのことが言葉の腸壁に俺のものが突き立てられるという結果を引き起こし、言葉は甲高い声を上げながら体をのけぞらせる。
俺はそのまま言葉の腰を抑えて、ピストン運動を徐々に早くしていく。
言葉はアナルに感じる圧迫感から腰を引こうとするが、俺が言葉の下半身をがっしりと固定し、言葉はもがこうにもただ体をよじらせることしかできない。
「ぁぁぁ、あぁぁ、ま、誠くん……、ふぁ、は、離し…ふぁぁ、い、やぁぁぁ」
そんなことを言う言葉の口に嫌悪感や苦痛などの色はなく、自分の体に刻み込まれる快楽に耐えられなくなってきたらしい。
「言葉……、もっと強くいくよ」
「ゃぁぁぁぁ、や、やぁ……、熱い…、お尻が熱いです…誠くんのがっ、ゃぁぁぁぁ……」
俺が言葉通りに言葉のアナルを激しく突き立てると、言葉は啼き叫ぶ。
449名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 15:11:32 ID:n8jQkqJi
言葉が快楽を振り払おうとするようにかぶりを振る、その度に言葉の瞳から流れ出る涙が、口元から滴る涎が、宙に舞い、ベッドに染みを作っていく。
俺も言葉のアナルから与えられる快感に耐えるために、思わず言葉の柔肌に噛み付きそうになるのに、耐えなければいけなかった。
ペニスを言葉の直腸奥深くに挿入するたびに、言葉の直腸はペニスを排出しようと腸内を蠕動させ俺のアタマを真っ白にする。
そして、抜けそうになると今度は貪るように俺のペニスを締め付け、俺の下半身は熱っぽく痺れる。

「あ、ぁぁ、ぁ、ぁ、わ、私…誠くんに…されてる…気持ちいいです……、あぁ、んっぁぁぁぁ」
何が「されてる」だろうか。俺のペニスに与えられる快楽は「言葉にしてもらっている」に等しい。
「ぅぅ、言葉のお尻…すごくイイ……」
「ぃ、いいですか、ぁぁぁ、わ、私のお尻…気持ちイイですか……」
「あぁ、……イイ…よ……」
余りの目の前がチカチカとしてくるような気がする。
「私…西園寺さんより……いいですか……」
「あぁぁ、いいぞ……、言葉…の最高だよ」
「ふぁぁぁ、ま、誠くん…や、やぁぁぁぁぁ」
そんなお互いに昂まり合うのにも限界が近づく。
「ふぁぁぁぁぁぁ、ま、誠くん…。ひんっ、やぁぁ…私、ぃぃぃぃんっ、熱くて…、
 私のナカ…めちゃくちゃになりそうで……」
「ああ、もっとしてあげる……」
俺は言葉のナカを突き立てる、激しく、言葉を悦ばせるためなのか、自分の快楽のためなのか、ただペニスを言葉のアナルを通過させる。
「ふぁぁぁぁ、熱い…熱すぎます…、ひんっ、あ、お尻が……私…ヘンになりそう…で、あっ……やぁ、もぉ…誠くん…激しすぎ……熱すぎ……」
言葉の言葉から徐々に日本語としての形態が失われてくる。
「ひゃぁぁ、あ、も、いい、あぁぁ、もう、誠くん……、わ、わたし…、やぁぁぁぁぁ…」
俺も言葉と同時に達しそうになる。
450名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 15:12:58 ID:n8jQkqJi
「言葉…出すよ…言葉のアナルに出すよ…」
「あぁぁ、やぁぁぁ、私の……一杯に……やぁぁぁ、で、でも……わ、私……」
「イクよ……」
精液が言葉のアナルに注ぎ込まれる。その粘液は言葉の限界も突破させる。
「あ、熱いです…、ゃぁ、や、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
「ぅぅぅぅぅぅぅぁぁぁぁ」
俺のものは一層刺激され、射精は言葉の直腸を埋め尽くすかと思うくらい持続し、言葉の胎内を汚しつづけた。
言葉が四肢の力を失い、ベッドに崩れ落ちる。
と、言葉のアナルから俺のペニスが抜ける…が、その先には俺の精液で言葉のアナルから一筋の白線がひかれる。


俺はそのまま言葉を抱きしめて眠りに落ちる。
言葉は、笑みを浮かべて楽しい夢を見ているようだった。
それがどんな夢なのか、朝になったら聞いてみようと思う。
きっとそれはとても……
451名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 15:17:40 ID:n8jQkqJi
おしまい
452名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 15:43:19 ID:AyxvDrQm
学生がセックル三昧で避妊せずにすごすなら
避けては通れない道だよな
453名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 20:43:04 ID:G4lCBfWU
GJ!最高だった!!
やっぱりエロパロ板はこうでなくっちゃな!
お尻でアヘアへになる言葉が可愛くてたまらんよ。
是非また書いてください。次回作を楽しみにしてます!
454名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 22:36:52 ID:EbHqj/dn
君が望む永遠


ただなんとなく通り過ぎていく退屈な日々・・・
遠くから眺めていられるだけで、その日がちょっとはマシになる気がしたんだ・・・

好きな人の写真を携帯の待ちうけ画面にして
誰にもバレずに3週間隠し通せたら想いが叶う・・・かぁ・・・
今にして思えば3週間も隠し通すのってやっぱ無理あるよな
オレなんて初日にバレちゃったし・・・
けど、そのお陰でオレは・・・
3週間って微妙に長いのも、世界みたいなお節介な奴に見つかって
セッティングしてもらうための口実なのかもなw

455名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 22:37:20 ID:EbHqj/dn
「世界! お昼食べに行こうぜ? 屋上に3人でさ」
「ん・・・あたし・・・今日はパス。」
「なんでだよ? まだ世界がいないとオレ・・・不安なんだ」
「今日でお昼一緒するの3回目だよ? そろそろお邪魔な気がするしさ。それに、ちょっぴりジェラシーって言うのかな・・・」
「何言ってんだよw しょーがないな・・・2人で食べてくるよ。だけど、これからも相談や応援は頼むよ世界」
「うん、そこらへんはこの世界さんに任せてよw」

「桂さんお待たせ!」
「伊藤くん・・・今日も駅前のパン屋さんですか? フフフ・・・わたしもですw」
「今日は寝坊して一緒に電車乗れなかったけど、パン屋さんは行って来たよwあのパン屋さんのピロシキ食べたことある?」
「いえ・・・わたし、サンドイッチしか食べたことないです」
「じゃー、半分あげるから食べてみてよ! すげーおいしいんだぜw」
「そうなんですか、それでは交換ごっこしましょう」

「あの・・・ですね・・・」
「うん?」
「昨日、お母さんが出張から帰って来てて、」
「うんうん」
「これ・・・お土産に・・・って、くれたんですけど・・・」
「へぇ? レモン牛乳? 栃木の名産? レモン無果汁ってw ちょww」
「すごい甘いんですけど、とってもおいしいんですよ」
「うっ、すごい甘い・・・けど、おいしいよ」
「そうですか、よかったぁ」
「いつの日か行列に並んでケーキとか食べに連れて行かされるのかな?」
「もちろんですw 女の子は甘い甘いスイーツが大好きなんですよ。覚悟しておいてくださいね」
「むあぁ」

456名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 22:37:49 ID:EbHqj/dn
「あの・・・伊藤くん・・・今日の放課後・・・その・・・映画に・・・行きませんか?
お母さんに、何でも見られる映画のチケットを貰ったんです。」
「映画? 別にキライじゃないよ。 じゃー世界にも聞いておくよ」
「その・・・2人っきりで・・・なんですけど・・・」
「えぇ? それって・・・デート・・・」
「イヤ・・・ですか?」
「うぅん・・・うれしいよ、放課後校門で待ってるね」
「はい、楽しみにしてますね」
映画の約束をして2人は教室に戻った。清掃の時間になると誠はあからさまにそわそわしていた。
「ちょっと誠ぉ〜ワックスを取りに行くの手伝ってよ」
「えぇ〜? オレ今日は早く帰りたいんだよ。泰介にでも頼んでくれよ」
「ん〜なんか澤永さっき先生に呼ばれていないのよね〜、それに・・・誠のニヤニヤしてる理由を聞きたいしぃ〜」
「別にニヤニヤなんか」
「あれぇ?誠は命の恩人にそんな態度するのぉ?」
「命の恩人って・・・ちぇ、わかったよ」
457名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 22:38:11 ID:EbHqj/dn
「ワックスは16kgもあって女の子には運ぶの大変なんだからね、」
「はいはい」
「あたしだってか弱い女の子なんだから」
「もう少し黙っていればモテると思うんだけどなw」
「いいの、モテなくて。好きな男の子に好きになってもらえればね」
「ふ〜ん」そう言いながら倉庫の扉を開くと世界が誠に詰め寄って来た
「ねぇねぇ、桂さんでしょ? そのニヤニヤって」
「だからニヤニヤなんてしてないって・・・イヤ、してるのかもな」
「それでそれで? 何があったのか世界様に話して」
「世界様かよw 今日の帰りに2人で映画に行く約束をしたんだ」
「わぁ〜、それってデートってことじゃん」
「そう・・・なるのかな」
「お姉さんはうれしいよ、あんなダメダメだった誠がねぇ〜w」
「そんなにからかうなよ、でも・・・本当に世界には感謝してる」
「ピュアバーガーおごりくらいじゃお礼にならないからね」
「じゃあ、何をすればいいんだ?」やれやれと俯きながら言うと
「フフフ・・・考えておく」そう言って世界は誠にキスをした
逃げるように倉庫から出て行く世界が誠に笑顔で言った・・・
「あたし・・・誠のことが大好きなの」
458名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 22:38:47 ID:EbHqj/dn
「ごめん遅くなって、オレのクラスの澤永って知ってる?」
「澤永さん・・・って、伊藤くんとよく一緒にいる人ですよね。」
「そいつが、職員室に呼ばれていなくなったせいで、掃除に手間取っちゃってさ」
「何かあったんですか澤永さん」
「わからない・・・けどあいつ、年上の人達と遊んでたりしてて・・・」
「そんな心配そうな伊藤くんを見ると、本当に仲良しなんですね」
「そんなことないよ、今は映画を見たい気持ちで一杯だよ」
「それじゃぁ、映画を見て元気出してくださいね」
「うん」
映画館についてみると、ホラー、恋愛モノ、アニメ、スパイもの、アダルト、が上映中だった。
誠は言葉が恋愛モノを見ると言うだろうと確信していたが
「どれが見たいの? オレはどれでもいいよ。チケット貰う身分だしw」
「あの・・・その・・・引かないで下さいね・・・」
「うん?まさかアダルトとか? 」
「違います!その・・・ホラー映画が・・・見たい・・・です・・・」
「へぇ〜意外だなぁ〜、」
「びっくり・・・しました?」
「うん、びっくりしたw」
「無理に見てくれなくても・・・ホラー映画が好きなんて言うべきじゃないとは思ったんですけど
いつかは知られてしまうだろうし・・・って思って・・・」
「言葉・・・学校や家で気を使って、オレの前でも気を使ったらつまんないぜ・・・
オレといる時はありのままの言葉でいてよ・・・なぁ〜んてw ちょっとカッコつけてみた」
「・・・」
「あれ?」
「うぅん・・・いきなり言葉って呼ばれて・・・」
「あぁ・・・まだ早かったよね・・・ごめん・・・あっ、そろそろ映画に行こうか」
459名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:09:07 ID:EbHqj/dn
プルルルルー プルルルルー
「はぁ〜い♪」
「あっ、今日の映画、おもしろかったよ、あんましホラーって見たことなかったから・・・それでさぁ」
「あぁ〜!! もしかしてお姉ちゃんの彼氏!?」
「えぇ!?」
「なぁ〜んかお姉ちゃんゴキゲンだなぁ〜って思ってたけど、デートしてたんだぁ♪」
「あの・・・君は?」
「わたしは心!お姉ちゃんの妹だよ!よろしくね誠くん!!」
「誠・・・くん!?」
「お姉ちゃんの待ちうけ画面の人でしょ?誠くんって?」
「えぇぇぇぇぇ!?」
「3週間誰にも見せないで隠し通せたら想いが叶うんだよね?」
「あ・・・あぁ・・・」
「想いが叶って、お友達ができて誠くんを紹介してもらえたって、お姉ちゃん言ってた♪」
「う・・・うん(両思いだったってことなのか!?)」
「わたしも協力す・・・あっ、お姉ちゃんがお風呂から出てきたから、誠くん、またね!」ガチャ・・・
「心ちゃん・・・かぁ・・・桂さんとはだいぶ感じが違ったな・・・電話変わってくれなかったな・・・
おまじないをしてたのは知らなかったな・・・明日は一緒の電車に乗れるように、もう寝るか・・・」
460名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:09:36 ID:EbHqj/dn
おはようございます」
「おはよー」
2人は昨日の映画の感想を話しながら電車に乗り、そのまま一緒にパン屋に行くことにした・・・と、その時・・・
「よぉ! 誠!!」
「泰介!?」
「澤永さん・・・」
うす汚いスクーターに乗った私服姿の泰介がいた。
「ラブラブで登校だなんて羨ましいぞ誠」
「ちょ、泰介、学校は?」
「あぁー、停学になった」
「なっ、どうして!?」
「昨日、掃除の時間の前に、トイレでタバコ吸ってるのみつかってさ・・・ははは」
「じゃー家にいなきゃダメだろ?」
「そりゃ〜そうなんだけどさ・・・今日、そこのパチンコ屋で激アツなイベントがあるんだよ
平日の朝から行けるチャンスを男なら無駄にできないだろ?」
「けど、停学中にはまずいんじゃないか?」
「男なら〜戦う〜時が来る〜♪ってやつだよ誠
姉ちゃんのサイフからこっそり3万もって来たから、負けることのできない仁義なき戦いなんだ」
「大変そうだな」
「おう、昨日は鷹狩りで単発だったからムキになったけど、今日は大丈夫w 誠も今度一緒に吉宗やろうぜ! じゃぁな!!」
「泰介・・・そのうち退学になりそうだな・・・ん? どうかした?」
「いえ・・・その・・・伊藤くんもタバコを吸ったり、パチンコしたりするのかな?って・・・」
「オレがタバコ吸ってたりパチンコしてたらイヤ?」
「パチンコは・・・よくわからないですけど・・・タバコは・・・」
「体によくないもんね」
「それも・・・ですけど・・・」
「何?」
「キス・・・キスする時に・・・タバコの味がしたら・・・」
「・・・」
「伊藤・・・くん?」
「すいません・・・」
「えっ!?」
「タバコ吸いません・・・なんてねw」
「もぉ〜!びっくりしたじゃないですか!!」
ほっぺを膨らましてムーっと可愛く唸りながらニラむ言葉に
『怒ってもカワイイな』と思いつつ誠はピロシキを購入した
461名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:10:18 ID:EbHqj/dn
「おはよー誠」
「あぁ・・・」
「昨日はごめんね・・・変なこと言って・・・」
「・・・だった・・・」
「えっ?」
「オレ・・・キスするのはじめてだった・・・」
「あぁ〜、お礼ってことで・・さ」
「タバコの味がした・・・」
「それは・・・ちょっとムシャクシャしてた時にちょうど澤永に昨日勧められてさ」
「泰介・・・停学になったんだぞ」
「あたしは〜すぐ吸うのやめたから」
「ふ〜ん」
「あっ、誠、これさ、ちょっと聴いてみない?お母さんが教えてくれたんだけどね
お母さんが若い頃に流行ってたBOOWYってバンドなんだけど
誠も気に入るんじゃないかと思って、今日持って来てみたんだ〜」
「なぁ・・・」
「な・・・何?」
「やっぱいいや・・・」
「何? 何? 気になるじゃない?」
「別に・・・あっ、今日から桂さんと2人でお昼するからさ」
「そ・・・そうなんだ・・・」
しょんぼりする世界・・・
それに気づいた甘露寺が世界に話しかけた
「世界?どうかした?」
「七海・・・うん・・・ちょっと・・ね・・・」
「あとで取り調べだぞ世界!!」
462名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:10:44 ID:EbHqj/dn
「お待たせしました」
「うぅん・・・オレもさっき来たとこ」
「じゃ、食べよっか」
「はいっ」
「あの・・・昨日ですね・・・」
「うん」
「わたし・・・妹がいて・・・心っていうんですけどね」
「うん(知らないふりしておいたのがいいのかな?」
「心に待ちうけ画面を見られて・・・どうしても伊藤くんに会いたいって・・・」
「そうなんだw」
「はい・・・それで・・・もし、よかったら明日の土曜日にでも・・・おうちに・・・来ませんか?」
「うん、行ってもいいなら、喜んでお邪魔するよ!!」
「本当ですか? よかったぁ〜、楽しみにしてますね」
「オレも楽しみだよ」
「来週からはわたし、文化祭の実行委員であまり一緒にいられなくなると思うので、たっぷり遊びましょうね」
「文化祭・・・かぁ・・・実行委員だなんて大変だね」
「がんばります」

463名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:11:06 ID:EbHqj/dn
で? どうしたの世界?」
「うん・・・ちょっと好きな男の子がね」
「おぉ?」
「ち・・・違うの! 別に付き合ってるとかじゃないんだけどね」
「違うの? どういうこと?」
「その好きな男の子にね・・・急接近してる女の子がいて・・・悩んでいるの・・・」
「ほぉ〜」
「はぁ・・・どうしたらいいのかぁって・・・」
「世界・・・そんなの簡単だよ」
「え!?」
「その好きな男の子を奪っちゃうバイタリティーを出せばさ」
「そんな・・・奪うだなんて・・・」
「で・・・どの女なのよ? うちらのクラス?」
「うぅ・・・となりのクラスの桂さん・・・」
「あの女・・・よりによって世界の男を・・・」
「え!? 知ってるの!?」
「あぁ・・・中学が一緒でね・・・とにかくムカツく奴なんだけど男受けはいい、イライラする奴なんだよ
わかった・・・世界、あとはこのあたしに任せて!!」
「う・・・うん・・・」
464名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:11:36 ID:EbHqj/dn

「お〜い、乙女〜」
「ん?七海〜、どうしたの?」
「ちょっと、お願いがあるんだけど」
「なぁ〜に?」
「桂っているじゃない? あの女があたしの友達の好きな男にちょっかい出してるみたいでさ
みんなで邪魔してやろうと思ってんだけど、協力してくれないかな」
「へぇ〜、あの桂が? あの女、はっきりしないから前からムカツいてたんだよね」
「だろ? 中学のときからあんな感じのくせして男をたらしこむのは得意だったんだよ」
「わかった七海、協力する。」
「運動部の子らにも言ってあるからさ、これから桂・・・大変だねw」
その日から、今までも少しはあった言葉へのいじめが急激に加速した
465名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:12:01 ID:EbHqj/dn
土曜日・・・
誠はBOOWYを聴きながら言葉の家へ向かっていた
「いつも愛はすり抜けたけれど、傷つくことに怯えないで・・・ONLY YOU・・・かぁ」
「いつかオレも・・・言葉・・・愛してるぜ・・・なぁ〜んて言いたいな・・・」
言葉の家に到着してインターホンを鳴らした
門が開いたと思ったら心が抱きついてきた
「わぁ〜わたしに会いに来てくれたんだね誠くん!!」
「えぇ!?」リアクションに困る誠の前に少し送れて言葉が誠の前に来た
「心!いきなり抱きつくなんて失礼でしょ!」
「誠くん、わたしが心だよ! お姉ちゃんより好きになっちゃダメだよ!」そう言いながらウインクをする心
「あぁ・・・はじめまして・・・心ちゃん」
「ごめんなさい・・・心がうるさくって・・・どうぞ、あがってください」
すでに言葉の部屋にお茶の用意がされていて3人でお茶をすることになった。
心はおやつのバニラロールに夢中になっていた。
「この前、心がわたしの携帯を黙って見たと思ったら、もの凄い勢いで連れてきてって・・・」
「アハハ・・・そうだったんだ」
「誠くんと心はラブラブなんだもんねー」
「初めて会ったのにラブラブな訳ないでしょ」
「この前、誠くんと電話でおしゃべりしたもんねー」
「えぇ!? 本当ですか!?」
「あ・・・あぁ・・・」
「お姉ちゃんが奥手だから心が家に呼んであげたの」
「オレは・・・心ちゃんに感謝してるよ・・・お陰で家に来れたし」
「ありがとう・・・心・・・」
そう言っておやつを食べ終えた心を抱き上げて、部屋から追い出す言葉はうれしそうに怒っていた。

466名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:12:22 ID:EbHqj/dn
「ホラー映画・・・おもしろかったよ・・・」
「えぇ・・・わたしもおもしろかったです」
「それでさ、オススメの映画があったら教えてもらおうかなって・・・」
「あっ、それならDVDで持ってるのをお貸ししますよ」
そう言って、本やCDやDVDがある棚の前で選び始めた言葉。
「わたしのお気に入りだと・・・えっと・・・古いのでもよければ・・・
死霊のはらわた・・・ですかね・・・ホラーじゃなくてもいいならレオンとか・・・」
『こんなに嬉しそうに勧めてくるんじゃ、よほどおもしろいんだろうな』
「じゃぁ、それ借りるよ」
そういいながら誠も言葉の隣で棚の中を覗いていた。
「たくさん持ってるんだね・・・音楽もオススメってあるの?」
「音楽ですか? う〜ん・・・家ではピアノのクラシックを聴くことが多いですが・・・
洋楽だとカーペンターズとか・・・邦楽だと・・・カプセル、パヒュームがオススメというか、気に入ってます。」
「ふ〜ん、ぜんぜんわかんないや」
と、言いながらジャケットを見せてもらう誠・・・
「このパヒュームてのの、この人・・・桂さんに似てない?」
「えぇ? えっと・・・かしゆかちゃんですか?」
「そう、この、かしゆかって人」
「わたしこんなに可愛くないですよ・・・髪の毛は似てるかもしれないですけど・・・」
「あ・・・髪の毛似てるかも・・・顔は・・・桂のがかわいいよ」
「あ・・・ありがとう・・・ござい・・・ます・・・」
下を向いて照れてる言葉を見て、誠はすごい恥ずかしいことを言った気がした。
「あぁ〜っと、これって何ていう木なの?」なんとなくの気まずさから話をそらす誠
「それは・・・ワイルドストロベリーっていうんです。」
「すごい名前だね・・・イチゴがなるの?」
「そうらしいです。」
「じゃあ、食べるのが楽しみだね」
「ダメです!! 絶対に誰にも食べさせません!!」初めて見る言葉の本気の怒りに誠はびっくりしながらも聞いてみた
「な・・・なんで・・・?」
「大切に・・・大切に育てて・・・実がなると恋が叶い、実を食べてしまうと失恋するというんです・・・」
『そういう理由なんだ・・・女の子って本当におまじない好きなんだな』
「言葉かわいいよ言葉・・・」誠は小さな声で呟いた

467名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:12:48 ID:EbHqj/dn
「え?なんですか?」聞こえないフリをして言葉が聞き返す
「何でもないよ」
言葉は思い返していた、誠が言っていた『気を使わないで・・・ありのままでいて』を・・・
来週からは実行委員もある・・・少しでも仲良くなりたい・・・そんな気持ちが言葉の勇気を後押しした。
「あの・・・」
「ん?」
「これからは名前で呼び合いませんか?冗談で言ったのかもしれないですけど
『気を使わないで・・・ありのままでいて・・・言葉って』言ってたじゃないですか
あの時、名前で呼んでくれたのが本当に嬉しくって・・・
今も『言葉かわいいよ』って・・・すごい嬉しかった・・・また呼んでほしいと思った・・・」
俯いたまま肩を丸めて勇気を出して言葉は誠にそう言った。
「オレもそう思ってたよ」
「え!?」俯いていた言葉はガバっと顔を上げて誠を見つめてきた
誠はその真剣に驚いたともいえる言葉の表情が微笑ましかったが、笑う場所ではないと堪えた・・・
けど、我慢できなかった誠がいる
「ぷっ・・・アハハハ・・・今の表情・・・すごい可愛かったよ」
「もうっ、真剣に言ってるんですよ」肩の力が抜けて、ホッとしながら笑顔で言葉が言った。
「これからは、名前でよぶね」
「はいっ、わたしも」
「コトノハ」
「マコト・・・」
468名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:30:39 ID:weLvyi/P
>467
原作とは異なるが、これはこれで楽しみな展開。
特に、言葉がかわいくていい。
ただ他方で、裏で時限爆弾がセットされてしまった。
続きを読みたいような、読みたくないような…(苦笑)。
469名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:41:41 ID:EbHqj/dn
「うぅぅ・・・わたしは誠くんって呼んでもいいですか?今まで家の中では誠くん・・・って呼んでいたから・・・
そのほうが自然な感じになっちゃって・・・」
「言葉の好きなように呼んでよ」
「はいっ、誠くん」誠には理解できないほど嬉しそうな言葉だった。
「紅茶のお代りどうですかぁ?」心が得意げな顔をして部屋に戻ってきた。
「心! ノックぐらいしなさいよ」
「まぁまぁ、いいじゃないお姉ちゃん。うまくいったんだしさ♪」
「な!? 覗いてたの!?」
「見守ってたって言ってよお姉ちゃん。」
「もぉ〜」
「でも、ほんと、心ちゃんのお陰だね」
「でしょでしょ〜、2人のことは心が地獄の果てまで応援しちゃうよ」
「そんな応援はいりません!」
「わわっ、」
「まぁまぁ、3人で仲良く遊ぼうよ」
「そうそう、仲良くプレステやろ」
「どうせ心が得意なゲームでわたしをいじめたいだけなんでしょ」
「今日は誠くんがいるでしょお姉ちゃん」
「誠くんの方がわたしよりうまいに決まってるでしょ」
誠はわざと負けては大げさに悔しそうにして、心ちゃんを喜ばせていた。
そんな誠に気づいた言葉も喜び、家に呼んでよかったと思っていた。
時間は過ぎて日が落ちた頃になって
「えぇ〜もう帰っちゃうの誠くん」心が残念そうに言った
「うん・・・見たいテレビがあるんだ」
「えぇ〜そんな理由で帰るのぉ〜?」
「コラっ、心っ、」
「ちぇ〜、つまんないのー」
駅まで送ろうと思い言葉が玄関の外に出ると誠は言った
「ここで大丈夫だよ、BOOWY聴きながら帰るし、コレとかも貸しくれてありがとう」
「わかりました。あの、誠くん・・・」
「ん? どうかした?」
「明日、また一緒に学校に行って・・・それで・・・お弁当作っていくから・・・また屋上で・・・その・・・」
「お弁当? 楽しみにしてるね。じゃ、また明日!」
「はいっ、おやすみなさい」


470名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:42:03 ID:EbHqj/dn
「ただいま」
「あっ、お母さんお帰りなさい」
「ただいま、心。何だか機嫌がいいわね? いいことでもあったの? 言葉は?」
「んふふ〜♪ 今日、お姉ちゃんの彼氏の誠くんが来たんだよ♪ それでね、お姉ちゃん明日のお弁当作るんだって」
「あらぁ、それならお母さんも一緒に誠くんと遊びたかったのに〜」
「今度誠くん来るときはお母さんにも言うね」
「頼んだわよ心」
「あっ、お母さん、みりんってどこにあるの?」
「彼氏の誠くんにお弁当を作るんだって?」
「べ・・・別にそういうわけじゃ・・・」
「ふふふ、いいのよ隠さなくって。お父さんには内緒にするわよ」
「う・・ん・・・お母さんなら何を持ってく?」
「う〜ん・・・やっぱり一子相伝のレモネード&親戚丼かしらね」
「親戚丼・・・マヨネーズを親子丼にかけるやつだよね」
「そうよ、お父さんに初めて食べさせた時は、まるで飢えたメスのライオンみたいな勢いだったわよ」
「ほんとう? じゃぁ、親戚丼にする」
「大丈夫だとは思うけど・・・上の空で砂糖と塩を間違ったりしないようにね」
「そんなマンガみたいなことはしません!!」
そう言って言葉はマヨネーズを作り始めた。
471名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:42:33 ID:EbHqj/dn
「おはようございます、誠くん」
「おはよう言葉・・・まだなんとなく名前で呼ばれるの照れちゃうな」
「ふふふ・・・そうですね」
「もしかして・・・その大きいのがお弁当?」
「はいっ、頑張りました」
「お腹ペコペコにしとかないとだね」
「はいっ、たくさん食べてくださいね」重そうなので荷物を持つと誠は言ったが、それでは意味がなくなるとのことで、
お弁当は言葉が持って、カバンは誠が持って登校した。
「昨日、レオン見たよ」
「どう・・・でした?」
「うん、すごいおもしろかったよ。スタンフィールドが最高に最低でさ!あんなカッコイイ悪役は初めて見たよ」
「うふふ、ゲイリーオールドマン演じるスタンフィールドの狂いぶりが見所のひとつですものね
どことなく誠くん、スタンフィールドっぽくないですか?」
「えぇ!? そうかな・・・オレ・・・あんなにカッコよくないって」
「ふふふ・・・冗談です」
「Shit!!」誠はレオンに出てくるスタンフィールドのモノマネをしてみせた。
と・・・その時・・・
「お前達・・・朝から楽しそうだな」
「泰介・・・」言葉はちょっと戸惑いながら誠の袖を掴んでいた。
「今日も朝から激アツのイベントに行こうとしてるとこなんだ。吉宗がオレを呼んでいるんだぁあああああ!!!
あっ、桂さん。今度女の子を紹介してよ! あっ、ヤベっ、それじゃ〜」うす汚いスクーターは走り出した。
「あっ、泰介! ったく・・・学校来る気あるのかあいつ・・・」
472名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:43:41 ID:EbHqj/dn
先生が出席を取ると、ちょっとだけ言いずらそうに言った。
「澤永は本日付けで退学処分になった」
ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・
理由は簡単だった(ry
「世界・・・借りてたBOOWYのCD返すよ」
「あっ、うん・・・どうだった? あたしは・・・わがままジュリエットが切なくて好きかな・・・なんて・・・」
「フォークのバンドじゃねーんだから・・・ジメっとするのはオレに似合わないと思うからなぁ・・・
わがままジュリエットは微妙かな・・・」
「うん・・・そうだね・・・エイトビートの縦ノリの曲のがいいよね・・・」
「・・・」
「あっ、誠・・・今日お昼一緒しない? 焼きそば作ってきたんだ〜」
「ごめん・・・オレ・・・言葉と食べるから・・・」
『え!? 名前!? そんな・・・』
「そっか・・・ごめんね・・・また今度・・・食べよ」
その頃、言葉はまどろんでいた・・・
「うふふふ・・・誠くん・・・喜んで食べてくれるかなぁ?
『食べすぎたぁ〜』とか言って『膝マクラで昼寝させて』とか
『デザートに言葉を食べたいっ』とか・・・そんなこと言われたらどうしよう・・・
って、誠くんがそんなこと言うわけないじゃない・・・わたしってバカだなぁ」
そんな妄想を楽しんでいる言葉の前に加藤乙女ら4人が近づいて来た。
「桂・・・ニヤニヤして・・・そんなにお弁当食べるの楽しみなの?」
「よっぽどお腹が減ってるんじゃないのこいつ?」
「彼氏と食べれるから楽しみなんじゃないの?」  「しっ!!」
「こんな大きいお弁当じゃ、男も引くよね〜」
「すみません、わたし・・・行きますので・・・」
「ちょーっと待ちなよ桂〜、わたし達がアンタが恥をかかないようにチェックしてやるよお弁当」
「チェックはお母さんにしてもらいましたから大丈夫です」
「そんなババァとウチラの年代じゃチェックするポイントが違うってもんでしょ?」
「ちょ・・・やめてください」
473名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:44:03 ID:EbHqj/dn
言葉は押さえつけられて身動きが取れなくなった
そして乱暴に開かれるお弁当・・・
「何これ? 1段目が親子丼? 2段目がご飯で、3段目がデザート・・・」
「わぁ〜ご飯に焼き海苔でLOVEって書いてある〜やるぅ〜」  「しっ」
「桂〜、ままごとなら家でママとやってたほうがいいんじゃない?」
「こんなの食べさせられる男に同情しちゃうよ」
「今どきLOVEとか寒いんですけど! ぺっ!!」そう言ってお弁当に唾が吐かれた・・・
「なにするんですか!!! もう返してください!!!」
「言われなくても返してあげますよ、ほらっ」
「あっ、」言葉になんとかお弁当が戻ってきたその時に
「シャイニングウィザード♪」
お弁当は音を立てて床に蹴り落とされた。
「うぅ・・・っく・・・うぅぅ・・・」言葉は泣き崩れた・・・
「頑張って作ったのに・・・お母さんも手伝ってくれた・・・誠くんも楽しみにしてくれていたのに・・・」
「そんな泣いて喜ぶことないって」
「そうそう、うちら友達じゃん?」
「明日のお弁当も楽しみにしてるねクスクス」
「掃除するのよろしくぅ〜」
言葉は誠を待たせてはいけないと思い、急いで掃除をして何もなかったように誠のところへ走り出した。


474名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:58:16 ID:fophEbjA
あっさり退学かよ泰介wwwww
加藤と馬鹿3人組はあいかわらずひどいな。
475名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:59:13 ID:EbHqj/dn
「言葉・・・遅かったじゃないか・・・もぉお腹ペコペコ」
「ごめんなさい・・・わたし・・・ドジで・・・ノロマな亀だから・・・」
「何かあったのか?」
「お弁当・・・転んで・・・その・・・ダメにしちゃって・・・」
「そっか・・・しょうがないなぁ言葉は・・・じゃぁパン買ってくるから待ってて!」
言葉は今にも涙がこぼれそうだったが、誠に知られないために必死に我慢していた。
「ほんとウケルんですけどぉ〜」
「なんか必死って感じのお弁当だったよね」
パンを買いに来た誠は廊下で偶然聞こえてきた話が耳に引っかかった。
「唾吐いたまま放置したらそのまま持って行ったのかな?」
「桂ならやりそうじゃない?」
「写メ撮ったの見る?」
「それはさすがにヒドくない? ウケルし!!」
誠は涙がこぼれた
朝会った時の嬉しそうな言葉・・・愛情が逃げちゃうからと持たせてくれなかったお弁当、
何事もなかったように転んだと嘘をついた言葉・・・今、屋上で寂しく待っているだろう言葉・・・
それらが頭の中で駆け巡り、誠の中で何かが切れた。
476名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:59:39 ID:EbHqj/dn
「お前らか」
「あっ、伊藤? どうしたの?」
「お前らが言葉のお弁当を・・・」
「桂の・・・こと?」 乙女はまだ誠が何を言いたいのかよくわかっていなかった。
「何よアンタ? これはウチらのクラスの問題だよ! 関係なくない?」
「オレは・・・桂の彼氏だ・・・」
「ヤバっ」
「お前ら許せない」
「あぁ〜冗談だからさ〜そんなムキになんないでよ〜」
「うそだぁあああああ!!! どうしてそんなヒドイことができるのかな・・・かなぁ・・・」
涙を腕で拭いながら誠は言った
「ざっけんな!! 冗談だぁ!? オレも冗談でお前ら殴ってみるか?
またこんなことがあったら・・・本気で・・・殺すからな・・・」
「もう・・・しません」
4人とも泣いていた。
誠は急いで屋上に向かった。何もなかったかのように言葉の前に向かった。
「えっと・・・買ってくるの忘れちゃった・・・」
「ごめんなさい・・・わたしのせいで・・・売り切れてたんですね・・・」
「2人でダイエットだね」
「ごめんなさい・・・」
「言葉・・・実行委員で忙しくなるだろうから・・・文化祭が終わったら今日のお弁当をまた作ってきてよ」
「誠・・・くん・・・」
「今日は帰りにピュアバーガー行こうぜ・・・」誠はそっと言葉の頭を撫でた
「明日はいいことあるようにさっ、ハッピーセットでも食べよう」
「はいっ」言葉は無意識に誠のことを抱きしめていた

477名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:00:17 ID:Maov5egx
言葉は教室に戻りたくなかった。授業が始まるギリギリに教室に入ろうとしていた。
そこに4人が言葉のところにやってきた。
「桂・・・」
「はい・・・」また何か言われると思い、怯える言葉。
「さっきは悪かったわね・・・」
「もうあーいうことはしないからさ、ごめんね」
「彼氏と・・・その・・・仲良くね」
「え? え?」何がどうしたのか言葉はわからなかった。
授業はまだ始まらないが教室に入って席について言葉はボーっとした。
そんな言葉を見て隣の席の男が言葉に話しかけた。
「桂、噂で聞いたぞ」
「えっ?」
「伊藤が加藤達にブチ切れたって・・・オレの言葉に何しとんじゃボケコラ! また何かしたらぶっ殺すぅううう!!ってさ。
カッコイイとこあるじゃん伊藤ってw しっかし女ってや(ry」
「誠くんが・・・そんなことを・・・だからさっき加藤さん達が謝って・・・」
その頃、誠のクラスでは・・・
「伊藤・・・話は聞いたよ・・・世界は関係ないんだ・・・悪いのはあたし・・・」
「誠・・・ごめんなさい・・・あたし・・・知らなくて・・・」
「息がくせーから話してくるなよ・・・」
「伊藤・・・」
「誠・・・
「怒りは憎しみを・・・憎しみは不幸を呼ぶ・・・もうこれ以上・・・オレを怒らせないでくれ・・・」
「ゴメンナサイ・・・ゴメンナサイ・・・ゴメンナサイ・・・・ゴメン・・・」世界は謝り続けた。
だけど誠は世界に見向きすらしなかった。
放課後になって誠と言葉は校門で会った。
「じゃぁ〜ハッピーセットしに行こうか」
「はいっ、」言葉は精一杯の笑顔で返事をして心の中で呟いた・・・
『誠くん・・・ありがとう・・・』
478名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:00:42 ID:Maov5egx
言葉は文化祭の実行委員の仕事のせいで放課後はぜんぜんと言っていいほど会えなくなっていた。
最初のうちこそ帰るのを待っていたが、言葉があまりにも酷く遠慮するので帰るようになった誠。
そんな誠は時間を持て余してることもあったが、BOOWYにすっかりハマり、ギターを買っていた。
「う〜ん・・・布袋ってビデオで見ると簡単そうに弾いてるけど、ぜんぜん弾けないや・・・」
3万8千円で買ったフェルナンデスの真っ黒のテレキャスター。
そこに白い油性ペンで布袋の幾何学模様を書いた。
ほとんど部屋のインテリアとなっていた。
「言葉にメールしてみよっかな」
時計を見ると18時30分だった。
「まだやってる? 委員会はそんなに大変でいいんかい? なんちゃって・・・っと、」
すぐに言葉からの返信メール。
「おーい山田くん・・・木刀持って来てーって感じですw 今、電車の中です。
今日は帰ったら誠くんがオススメしてくれたBOOWY聴いてみます。」
「おk。明日感想聞くの楽しみです・・・っと」
479名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:01:04 ID:Maov5egx
「言葉〜!!」
「おはようございます誠くん」
「どうだったBOOWYは?」
「わたしも好きになりそうです」
「そ〜だよねぇー」
「わがままジュリエットが切ない感じで良かったです」
「あぁ・・・うん・・・いいよね・・・うん・・・あれはいい・・・あ〜今日は何を読んでいるの?」
「アルジャーノンに花束を・・・氷室さんが大好きな本みたいですよ」
「ほんとに? じゃ、読み終わったら貸してね」
「はい、いいですよ」
「あの・・・誠くん・・・」
「なに?」
「明日から文化祭じゃないですか」
「そうだね・・・実行委員乙w」
「それで・・・文化祭・・・一緒に・・・見ませんか?」
「うん、オレもそのつもりだったよ」
480名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:01:25 ID:Maov5egx
文化祭当日。実行委員の仕事はひと段落。誠は言葉と文化祭を楽しんだ。
「言葉・・・もう占いはよくない?さっきのなんて『あなたは5分15秒後にソフトクリームを買って(ry』って変なのだったし・・・」
「ちょっと休憩しましょうか」
中庭のベンチに2人で座った。
「今日は一緒に文化祭をまわれて良かったです。」
「うん。オレも楽しいよ」
「知ってますか? 文化祭を一緒にまわるっていうのは、
みんなに『付き合ってます』っていうアピールらしいです。」
「そんなこと言ってるの女子だけじゃないの?」
「みんな知ってます!」言葉はいつになく真剣な目をしていた。
「うぅ・・・」
「じつは、わたし・・・今まで内緒にしてましたけど・・・ラブレターをもらっていたんです。」
「えぇ!? ほんとに!?」
「はい。それも1通じゃありません・・・」
「う・・・5通・・・ぐらい?」
「もっとです」
「えぇ? 10通?」
「もうちょっとです」
「うぅ〜20通?」
「それくらいです・・・」
『うぅ・・・やっぱ言葉カワイイもんな・・・』
481名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:10:49 ID:Maov5egx
その時、誠の電話が鳴った。
「え? うん、うん、ほんとごめん・・・悪かったよ・・・今すぐ手伝うからさ」
言葉はちょっと残念そうな顔をしていた。
それは、誠のクラスの刹那にいいかげんクラスの手伝いをしてくれと怒られたからだ。
「・・・オレ、行くね・・・」
言葉はあわてて言った。
「もうちょっとだけ時間を下さい。」
「・・・」
「誠くん・・・この学校の秘密の伝説・・・知ってますか?」
「なんか・・・聞いたこと・・・あるかも・・・」
「女の子が好きな男の子に、こうやって手を差し伸べて・・・」言葉は手を誠の胸のあたりに差し出しながらつづけた。
「好きですっ・・・付き合って下さいっ・・・って言って・・・」小刻みに震えながら、さらに続けた。
「もし、男の子もその女の子を好きだったら・・・手を取って・・・いいよ・・・って返事をするんです」
「・・・」
「カップルになれた2人はずっと・・・ずっと恋人でいられる・・・っていう伝説」
「・・・」
「だから・・・誠くん・・・好きです・・・付き合ってください・・・」
「言葉・・・ごめん・・・今のは聞かなかったことにしてくれ・・・」
482名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:15:18 ID:Maov5egx
誠がいなくなって、言葉はベンチから動かないで泣きそうだった。
「誠くんに嫌われたのかな・・・さっきまであんなに楽しくしてたのに・・・
ラブレターの話がよくなかったのかな・・・わからないよ・・・誠くん・・・」
誠はクラスの手伝いをやらされていた。
「くそっ、オレは何をやってるんだ」
『まもなく後夜祭が始まります。校内に残ってる生徒はすみやかに校庭に・・・』アナウンスが流れた。
「伊藤・・・それが終わったら、これも」刹那は明日やればいいような作業も誠に頼んできた。
「清浦・・・オレ・・・後夜祭に行くから」誠は迷うことなく教室を飛び出した。
遠くにボーっと火を眺めてる言葉を見つけると、誠は急いで近づいた。
「はぁ・・・はぁ・・・言葉・・・」
「誠・・・くん・・・」
「言葉・・・」
「誠くん・・・わたしは・・・誠くんの彼女になれないんですか?」
「ちがう」
「え・・・」
「言葉・・・1回しか言わないから、よく聞いてくれ」
「は・・い・・・」
「言葉に告白されたとき・・・ほんとうに嬉しかった」
「・・・」
「でも・・・ダメなんだ・・・」
「・・・」言葉は無言でうなずいた。
「オレ・・・初めて言葉を見た時から・・・すごい好きだったんだ・・・それで友達になれて・・・
それで・・・それで・・・」
「・・・」
「もう友達っていう関係に飽きたんだ」
言葉はまるでお祈りをするように両手を握り締めて誠のことばを聞いていた。
「だから・・・言葉・・・おれと・・・付き合ってくれ」
言葉は誠の胸に飛び込んだ
「誠くん・・・イジワルです」
「どうしても・・・オレから言いたかったんだ・・・言葉・・・好きだよ・・・大好きだよ・・・」
「わたしも誠くんのこと大好きです」
どちらからということもなく2人の口びるは自然と重なった。
483名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:28:29 ID:Maov5egx
今日は文化祭の片付けで学校は早く終わる。
「誠くん・・・これから、わたしの家に来てください」
「うん・・・いいけど」
言葉の家につくと誠はムリヤリ昼寝をさせられた。
「約束していたお弁当・・・今作りますね」
「あぁ・・・そっかぁ・・・それで昼寝なんだね」
耳を澄ましていると、何かを切る音や焼いたりする音がして、それが誠には心地よかった
「誠くん、できました」
「おぉー!? なんだかすごい」
「親戚丼です」
「親戚丼?あぁ〜wなるほどww」
「これはレモネードです」
「すごいおいしそうだ」
「ふふふ・・・それじゃ食べましょう」
「うん」
言葉は誠が食べる瞬間を見つめていた
「どうかな?」
「な・・・なんだこれ!?」
「まさか・・・砂糖と塩を間違えた!?」
「うぅん・・・すごいウマイよ」
「えへへ」
「レモネードもお店を開いたのがいいくらいおいしいよ」
「お母さん直伝なんです。」
2人は楽しくご飯を食べ終えると言葉の部屋に移動した



484名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:50:29 ID:Maov5egx
言葉の部屋に入って誠の目に映ったのはワイルドストロベリーだった。
まだ数える程だけど実がついていた
「誠くん・・・覚えていますか?」
「あぁ・・・もちろん」
言葉は実を1つ取った
「言葉・・・それって実を取るのはよくな・・・」誠がそう言いかけてる時、
言葉はその1粒のワイルドベリーを口に含んで誠にキスをしてきた
「んん・・・」誠は思わず声を漏らした。
「大人のキス・・・しちゃい・・・ましたね・・・」
「・・・」
「わたし・・・今日でおまじないを信じるのは卒業するんです」
「え?」
「最後のおまじない・・・しても・・・いいですか?」
「あぁ」
「わたしの言ったことを繰り返して言ってください・・・」言葉と誠の手をあわせて握りしめ2人は見つめあった。

夜空に星が瞬くように

  夜空に星が瞬くように


溶けたこころは離れない

   溶けたこころは離れない


たとえこの手が離れても

    たとえこの手が離れても



ふたりがそれを忘れぬ限り

     ふたりがそれを忘れぬ限り



「誠くん・・・愛しています」
「おれもだよ・・・言葉・・・愛してるぜ」

ただなんとなく通り過ぎていく退屈な日々・・・
遠くから眺めていられるだけで、その日がちょっとはマシになる気がしてた・・・
言葉・・・いつまでもオレに微笑んでいてね・・・

END
485名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:51:21 ID:Maov5egx
これでも頑張ってやってみたんです('A`)サーセン
486名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:58:22 ID:cIZhpFfo
GJ すばらしい
ちょい、VIP風味が入っているところもなかなかw
487名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 01:06:52 ID:LEiry9K+
>>485
GJです。お疲れ様でした。
言葉が幸せなのを見るとほっとする。

俺もホラーネタばかりじゃなくて、ほのぼのやエロを増やさないといかんかも。
最初はほのぼの書いてるのに、途中で方向性がひん曲がる癖が抜けん…


というわけで、次にエロネタ投下させていただきます。
488名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 01:09:51 ID:LEiry9K+

それは、ある夜の、言葉の家でのことだった。








「ウフフ、気持ちいいですか?誠くん…」
「こ、言葉…」

俺は今、言葉に椅子に座らされて、手足をロープで縛り付けられている。
俺の手足の自由を奪うために。

何故こんなことになったのだろう?
俺はただ、言葉の家に招待されて食事をしていただけだった。
言葉と心ちゃんと俺の三人で。




お母さんに俺を紹介したいと、言葉に呼ばれて来たのが数時間前。
帰ってくるまで時間があるからと、言葉に作ってもらった食事を心ちゃんと食べたことを覚えてる。
食事が終わって、レモネードを飲んで、トイレにいって席に戻って、そこから記憶が無い。
恐らく、レモネードに何かが混入されていたのだと思う。
目が覚めて気がついたとき、俺は椅子に縛り付けられて自由を奪われていた。
それだけでなく、下半身を丸出しにさせられていた。
489名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 01:12:31 ID:LEiry9K+

「気が付きましたか?誠くん」
「言葉?あ、あれ…俺…」

声を掛けられて顔を上げると、下着姿の言葉がテーブルの上に座っていた。
部屋の中は薄暗く、静まり返っており、電灯は薄い青色の光りを仄かに放っていた。

「な、なぁ…言葉?これは、一体どういうことなんだ?」
「誠くん…ここ、苦しそうです…」
「こ、言葉、俺の話を…!」
「クスクス…硬くなってますよぉ?誠くんのオチンチン…」

言葉は、質問する俺の声を無視して足の指で男性器を摘む。
すると、男性器の包皮を剥いて、足を動かして亀頭を扱き始めた。
急いで止めるように言葉に訴えたが、その時、側に人の気配を感じて横を向くと、そこには心ちゃんの姿が。
焦燥に駆られて更に訴えたが、心ちゃんのことなどお構いなしに、言葉は足で男性器を扱き続ける。

「こ、言葉、本当に…やめ……!あぁっ!」
「どうしたんですか?誠くん?」
「ど、どうして…こんなこと…」
「どうして?簡単なことですよ。……誠くんのことを、愛してるからです。」
「あ、愛してる…からって…!こ、心ちゃんが」
「大丈夫ですよ。ね?心?」
「ハァ……ハァ……そ、それ以上は……ほんとに…!」
「お姉ちゃん、誠くんが苦しそうだよ?誠くんのこと虐めちゃ駄目だよ!」
「違うわ、心。これはいじめじゃないの。」
「いじめじゃ、ない?」
「そう。これは調教というの。愛しい誠くんを、私の虜にするための……ウフフ……」
「とりこ?それって、何のこと?心分からないよ。」
「分からなくても、いずれ心にも分かるわ。誠くんは、これから気持ちよくなっていくの。」
「気持ちよくなるの?痛くないの?」
「そうよ。だから心配は要らないわ」
「こ、心ちゃん…こんなとこ、見ちゃ駄目だ…これは…」
「もう、誠くんったら…えぃ♥」
「くァッ!」
490名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 01:14:38 ID:LEiry9K+
もう、何日自慰もエッチもしてなかっただろうか?
鈴口からは先走りが溢れ、亀頭の感度が上がっている。
言葉の足の指が亀頭に先走りを塗り込むように動いたかと思うと、ギュっと亀頭を挟んだ。
その途端、男性器がビクビクと跳ね上がり、快楽の波が体に走る。
思わず愉悦の声を漏らしてしまい、心ちゃんがが見ている前だと言うのに何て情けないのかと思う。
そんな俺の反応を、言葉は薄笑いを浮かべながら楽しんでいるようだった。


「一度、楽にしてあげますね…」


そう言うと、言葉は足の裏全体を男性器に宛がい、上下に足を動かして男性器を愛撫し始めた。
横では心ちゃんが興味津々な顔をして様子を見ている。
恥ずかしさのあまりに目をそらして正面を向けば、そこには、大きな胸を上下に揺らしながら、俺の男性器を足で弄くる言葉の姿が。
快楽と背徳感に支配され、逆らう気力も何処かに消えてしまった俺は、言葉の足による愛撫に身を委ねた。
言葉と俺の荒い息が部屋中に響き、いつ間にか心ちゃんが足の間に移動してきて、足で男性器を扱かれる様子を 見ていた。
もう少し早ければ、近くに来ちゃ駄目だと言っていたが、今はどうでもよかった。
491名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 01:15:14 ID:LEiry9K+
言葉の足に扱き続けられた男性器は、射精の予兆を迎えて断続的に震え、他のことを考える余裕を俺から奪っていた。
そこへ、追い討ちを掛けるように、言葉は足を動かすペースを早めて射精を促してくる。
乱れていた呼吸は更に乱れ、何かが上ってくる感触を男性器に感じ、頭の中が真っ白になる。
それに合わせるかのように、言葉は亀頭を足の指で挟み込み、言葉から見て手前に傾けた。

その瞬間、俺は全身を震わせて腰を突き出して 噴水のごとく精液を吹き上げしまった。
何日も溜め込んでいたせいか、射精はすぐには収まらず、言葉の足をベトベトにしてしまった。
近くで見ていた心ちゃんは射精を知らないためか、「誠くんが白いおしっこを出している」と言った。




それから少しして、射精の勢いは萎え、やがて止んだ。
言葉は俺の射精が止んだのを察知すると、足を離し、部屋の電灯を点して明るくした。
仄暗かった部屋の様子がはっきり見えるようになったが、その時、心ちゃんの顔にも精液を掛けてしまっていることに気付いた。
顔に付着した精液が気になっているのだろう。心ちゃんは指で精液を拭い、手の中で弄繰り回していた。

「誠くんの白いおしっこ、心にかかっちゃったよぉ。これ、何かネバネバして変な臭いがするぅ…」
「見て、心。お姉ちゃんの足にも、誠くんの白いおしっこ、たくさんかかっちゃった」
「ごめん、言葉…心ちゃん…」
「謝らなくてもいいんですよ、誠くん。私達が愛し合うのは、今日が初めてじゃないんですから…」
「お姉ちゃん。誠くんは、どうして白いおしっこが出たの?」
「それはね、心。誠くんが、私の足で気持ちよくなっったからよ。愛し合ってる証拠なの。」
「証拠?」
「そう。さぁ、誠くん。夜は始まったばかりです。これから心も一緒に、もっと愛し合いましょう。ウフフ…」
「お、お姉ちゃん…?」
「言葉…」




492名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 01:16:30 ID:LEiry9K+
この作品は、例によって、別の場所で別の作品で投稿していたネタを改変、加筆したものです。
本当は刹那でやろうと思いましたが、当時のネタと照らし合わせて、言葉と心にしました。

それでは、失礼致します。
493名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 02:00:07 ID:DDmAxnJZ
みなさん色々と投入してくれて実に良い流れです。

この調子でどんどん活性化しましょう。
494名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 02:03:33 ID:cIZhpFfo
GJ 言葉えろいなw
真奈美さんも出てくるのかと思ったがそこまではないかw
495mark:2008/02/04(月) 18:56:13 ID:GlWD2E2v
怒りの誠X〜始まりE〜(418からの続き)

誠 「世界はフランスで四苦八苦してんのかな……
   友達作るのは得意だから、孤立する心配はなさそうだけど」
言葉「私もヨーロッパへは旅行で何度か行きましたけど、
   旅行で数日滞在するのと、居住する事は全然違いますしね。
   大変な事はたくさんあると思います」

西園寺さん曰く、『日本人も何人か通っている学校だから大丈夫』との
事だったが、語学の問題に加え、生活習慣、文化、政治状況……などなど。
こればかりは実際に住んでいる彼女にしかわからない事なのだろう。

誠 「清浦によると、どうにか生きているらしいけどな。俺達が
   心配する程、もう軟弱ではないのかもな。……世界を正式に
   ふっておいて言うのも変だけど」
言葉「そうですね。……私もあそこで譲るほど、お人よしには
   なれませんでした。」

この世に生を受けて10数年しか経っていないが、西園寺さんとの別れは、
私と誠君にとって、1つの大きな区切りになったと思う。
もちろん西園寺さんは、数年後に日本に戻ってくる予定なのだが、その時は
素敵な1人の女性として戻ってくるのだろうか。

誠 「その頃はまだ学生かな。来年は受験勉強頑張らないと。
   ……なんだか、模範的すぎる高校生そのものだけどな。ははは」
言葉「私も大学に行くつもりですけど、先の事を具体的に
   考えるのはまだ難しいですね」
誠 「言葉の学力なら、どの大学にも入れるよ。……俺も去年よりは
   まじめに勉強しているけどさ。なかなか結果が出ないのが
   辛いところだよ」

言葉「まだ1年ありますから、時間は十分ありますよ。誠君の時間の都合が
   つけば、苦手な所を教えてあげる事も出来ますから」
誠 「いつもすまない。ここで期待に応えられるのが、良い男なのに。
   現実は厳しいな」

言葉「誠君は、看護士になるという明確な目標がありますから、何をすれば
   よいか、ある程度見えやすいと思います。私は、自分に何ができるのか、
   何をしたいのか、まだわからないんです」
496mark:2008/02/04(月) 20:06:45 ID:GlWD2E2v
誠君は、将来看護士になる為に勉強に励んでいる。お母さんの影響か、
もともとその職業を志望していたらしいのだが、明確な目的があってと
いうよりは、ただ何となくという程度のものだったそうだ。しかし、
去年の事があって、医療という立場から人を助ける仕事に就きたいと、強く
考えるようになったのだという。

私はまだ、誠君ほど明確に将来を考えているわけではない。学力的には
誠君の言う通り、試験さえパスすれば、大抵の大学には合格できるレベルには
あるのかもしれない。しかし、それはあくまで受験時のみの話であり、
問題は仮に合格して入った後だ。

私の両親は共に事業に成功し、生活面においては最大限その恩恵を受けており、
経済的には不自由の無い暮らしをさせてもらっている。
しかし、私にも親と同じ才能があるのかはわからない。負けず嫌いだとは
思うけど、明確に商売や経営をしたいと考えているわけではない。

やはり自分の好きな趣味である読書から発展して、文学方面かな?大学で興味のある
分野を専攻して勉強する―― 悪くはないが、研究レベルまで行くと話は別だろう。

……私の場合、進路以上に、多様な人間との関わりを、必要以上に
怖れない事が重要かもしれない。どんな道を進むにしても、人との関わりなしで
生きる事は出来ないのだから。……恋愛に関しては、誠君以外の男性とお付き合い
する気は全くないけど。

………西園寺さんも誠君の事が好きだった。そして、私達とは離れ離れになり、
遠くフランスの地で、学校生活を送っている。
彼女は今までの人生に何を見出すのだろう?そして、これからどう生きるのだろう?


私は自然と今年の春休みの事を思い出していた。
497mark:2008/02/04(月) 20:53:22 ID:GlWD2E2v
(回想6)

3月末日、空港内に世界と彼女の母親、刹那の3人がいる。

踊子「わざわざ見送りに来てもらって、ありがとう刹那ちゃん。
   お姉さんとっても嬉しいわ」
世界「いや…… そこはお姉さんじゃなくて、オバさ……ぐぉっ!?」

母親にわき腹をどつかれる世界。

踊子「もう、余計な事は言わなくていいの!これでも気にしてるんだから。
   今まで世界に良くしてくれて、本当にありがとうね。……ほら、
   世界もちゃんとお礼を言いなさい」
世界「……刹那。今までありがとう」
刹那「うん。私も世界と過ごせて楽しかった」

踊子「うんうん。やっぱり青春よね。私もあの頃に帰りたいな……
   というわけで、代わりに荷物を見ててちょうだい」
世界「なんでそうなるのよ、お母さん」
踊子「出発にはまだ時間があるし、売店に少し寄りたいから。
   あとはちょっとお化粧直しもね」
世界「お母さんの『少し』と『ちょっと』だと、飛行機に乗り遅れるかも
   しれないじゃない」
踊子「大丈夫よ。今日はうんと手加減するつもりだから。じゃ、そゆことで〜」
世界「こら、待たんか!……あーもう。母親なのに、どうしてああも
   子供っぽいんだろうな」

なんというか、友達みたいな母娘の関係である。

世界「ごめんね刹那。見送りに来てくれたのに、荷物番まで押し付けちゃって」
刹那「ううん、平気」
世界「ああなると、いつもなら2時間は待たされるからね。……向こうに
   休憩用のいすがあるから、そこで待っていよう」

そう言い、旅行かばんを転がしながら移動する世界と、同じくそれに従う刹那。
498mark:2008/02/04(月) 22:32:15 ID:GlWD2E2v
世界「今日は本当に…… ありがとう」
刹那「ううん。こちらこそ、今までありがとう」
世界・刹那「………………」

お互いに感謝の気持ちを言い、そこで無言になってしまう。

世界「本当は、もっと話したい事がいっぱいあるはずなんだけど……
   なんか、いいことばが思い浮かばなくて。結局、月並みな事しか
   言えないんだよね」
刹那「想っている事を思い通りに表現出来る人なんて、そんなにいないと
   思う。でも、今のことばはちゃんと、気持ちが伝わった」
世界「……ありがと。フランスでも死なない程度に頑張るから」
刹那「うん。それがいい」

飛行機に乗り、日本を発つのは2時間ほど後だが、
色々な手続きがある為、実際にこうして刹那と話せる時間はそう長くない。
……こういう時に限って、思ったようにことばが出ないのがもどかしい。
普段はおしゃべりが大好きなはずなのに。

ふと、刹那が席を外そうとする。

刹那「……私もお店に行ってくるから」
世界「そう。じゃあ私は、のんびり待ってるから。でもあんまり長居しないでよ」
刹那「わかった」

いつもの世界なら、刹那と一緒に付いて行っただろうが、今はなぜだか1人に
なりたい気分だった。
499名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 23:27:45 ID:44EYHsxn
>>485
素晴らしいです。感動して涙が出てきた。
こういうのを望んでたんだよ・・・
言葉がちゃんと女の子してて、誠が優しく支えてあげて
理想的な純なカップルとしてうまくやっていけそうだね。
途中、澤永が出てきてヒヤリとしたよw
最後のおまじないでしめるのもいいなぁ。
言葉との仲睦まじい会話が最高にほのぼのしてるね。
3バカに誠が切れるシーンもカコイイ

とてもさわやかで幸せな気持ちになれました。次回作も期待してます。
500mark:2008/02/04(月) 23:45:34 ID:GlWD2E2v
世界「………ふう」

………数日前、刹那に言われた事がよみがえってくる。
長い付き合いの間に、軽い喧嘩をした事は、もちろん何度かある。
それでも最後には仲直りし、今まで仲良くやってきた。

しかし数日前の出来事は、そんな生易しい物ではなく、初めて
自分に対する不満を思いきり刹那にぶちまけられた。
あれ以降は、お互いに夜中にした話題は一切出さなかったが、
世界はその事をずっと引きずっていた。

世界(結局、自分が傷付きたくないから向き合わなかった……か でも、
   今更私にどうしろっていうのよ……)

あの時は、ひたすら否定してばかりだったが、冷静に考えれば、
刹那の言った事の方が、筋が通っている。
それどころか、自分がすっかり忘れていた事実を突き付けられた。

確かに入学式の時、苛めから刹那を助けたナイトは誰なのかと、彼女の為に
持ち前の行動力で、誠の事について調べたっけ。
……そうしているうちに、世界も、誠の事が好きになっていた。

『自分は桂さんだけでなく、刹那からも誠を横取りしようとしていた』

この事実に気付かされ、世界は恋愛に対して身勝手な自分を意識せざるを
得なかった。……刹那が怒るのも無理はないか。いや、恋愛に限らず、
いつも仲間に囲まれ、刹那という最大の理解者がそばにいた世界は、本当の意味で
人の関わりの重要さを認識していなかった。

自分の都合のいい時だけ、友達だとうそぶきながら、その実、
面倒な事は、刹那や仲間達に全て押し付け、おいしい所だけ、さも
自分が苦労して手にいれたかのように振るまい、自分の代わりに面倒な事や
困難な事をしてくれた人間には、感謝の気持ちも持たない―――

世界(私って、こんなにずるくて薄っぺらいやつだったのかな……)

普段の世界は、楽観的に物事を考え、過去にはあまりこだわらないタイプだが、
誠と言葉から知った、一連の騒動の真相や、数日前に刹那に言われた不満や、自分が
忘れていた事実が、世界を深刻な考えに導いていた。
501mark:2008/02/04(月) 23:48:44 ID:GlWD2E2v
今日はここまで。予想以上にスレッドの消費が早いので、急がねば……
502名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 00:29:59 ID:OQYrZe/L
GJ!!ご苦労様です。
503名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 00:36:51 ID:EedBy8I+
>>445
現在ブログ上にリリースしている作品と目次の関連付けが終わりました。
作品一覧の項目から目次を選んでいただいてそこで作品を選んでいただくと
話に対応した目次が出てきますのでお好きな話に直接飛べます。

>>501
GJです。
お疲れ様です。
続きを楽しみにしています。
504名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 01:30:36 ID:1rOdyyks
>>501
そろそろ終わりに近づいてきたかな、がんばってくださいな
505名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 01:48:27 ID:RNm3HMTS
四時限目の終了を告げる鐘が鳴り、教室の生徒達が席を立ち始める。
ある生徒は弁当の支度をし、ある生徒は学生食堂に向かい、ある生徒は校庭へと向かう。
そんな中、伊藤誠は、いつも昼食を摂っている屋上へ向うために席を立った。
隣の席の西園寺世界に声を掛け、途中、隣のクラスの桂言葉を誘うと、その足で三人で屋上へと歩いていく。
雑談を交しながら歩いて屋上に着くと、誠は扉を開いた。
中に吹き込んできた風の冷たさに、思わず三人揃って身震いした。

世界「ありゃりゃ、今日は中で食べた方がいいかもね。」
言葉「さすがに、今日は外で食べるには寒いですよ。防寒具、マフラーだけじゃ足りなかったかな…」
 誠「言葉のマフラー、暖かそうだな。」
世界「それ、手編み?」
言葉「そうです。けど、この寒さじゃコートも一緒じゃないと駄目ですね。校舎に引き返しましょう。」
 誠「風邪なんかひいたら大変だもんな。場所を変えよう。」

屋上で食事を摂るのを諦め、扉を閉めようとした。
が、追い風の勢いが手伝い、誠は危うく転倒しかけてしまった。
言葉に身体を支えられ、転倒を免れた誠を横目に、世界は扉を施錠した。
三人は急遽教室に引き返し、誠の席で食事を摂ることした。

教室に戻って席に着くと、周りは何人かの生徒がグループを作ってなにやら話し込んででいる。
グループの一つに至っては、新聞紙を広げており、いつもと違う雰囲気が教室に漂っていた。
誠、言葉、世界の三人はそれに気付き、少し考え込んでいたが、そこへ、澤永泰介と黒田光がやってきた。
506名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 01:49:24 ID:RNm3HMTS
泰介「お前ら、まだ昼飯食べてなかったのか?」
 誠「あぁ。屋上で食べるつもりだったんだけど、寒くて取りやめにして戻ってきた。」
泰介「なるほどね。」

いつ間にか交際を始めていたこの二人。
付き合うようになってからというもの、時折、見せ付けるように三人の下へやってくる。

 光「ところで、三人ともさぁ、今学校で噂になってる連続放火事件って知ってる?」
世界「放火事件?この前ニュースでやってた?」
 光「そうよ。つい三日前にもあったばっかりの。」
 誠「確か三日前のって、言葉の家の近くで起きたやつだったな。
   その前は世界の家の近くだったか…」
言葉「はい。すぐ近くだったので、家の中からでも火事が見えました。」
世界「私の家の近くであったのは、一週間位前よ。そう言えば、さっき新聞広げてる男子がいたけど、
   もしかして、放火事件の記事でも見てたのかしら?」
泰介「その新聞なら、俺もスクラップにして同じの持ってるぜ。」

泰介が徐に、小脇に抱えていたノートを開いて記事を見せた。
泰介は光の勧めで、最近は気になった記事をノートに纏めているらしい。
見せてもらったノートには、今まで起きた放火事件が丁寧に纏められており、記事を見た限りでは、
世界の家から言葉の家へと、沿線沿いに犯行現場が移っていってることが分かった。

泰介「この分だと、次は誠の家が放火されたりしてな。」
 光「やめなさいよ泰介、縁起でもない。」
 誠「お前ん家が事件現場から離れてるからって、平気で言ってくれるよな。」
泰介「わ、悪かったって…」
 誠「でも、このままいくと、本当に俺の家の近くまで来るよな……」

しかし、そんな誠の不安を他所に、事件は思わぬ形で終結する。
数日後、放火事件の犯人が焼死体で発見されたのである。
その現場は、誠の家の近くだった。
507名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 01:53:15 ID:RNm3HMTS
泰介「誠、危なかったなぁ。」
 誠「おまえの冗談が、本当になるかと思って冷や冷やしたぞ。」

誠は、一般的なマンションよりも、警備がやや行き届いているマンションに住んでいる。
しかし、先日の泰介の冗談が、強ち、冗談ですまなかったような気がしてならなかった。
もしも、犯人がまだ生きていたとしたら……
そう考えただけで身が竦む思いだった。

 光「けど、犯人は死んだみたいだし、これで事件に怯える必要もなくなったね。」
 誠「まぁ、それはそうだな。」
世界「その死んだ放火犯なんだけどね…」
泰介「どうかしたのか?」
世界「なんでも、警察の詳しい調べだと、肩の関節を外されてたみたいなの。」
 光「え?マジ?」
世界「しかも、体をロープみたいなもので縛られてたんですって。」
泰介「なんだそりゃ。それじゃ、まるで…」
言葉「みなさん、集まって何を話してるんですか?」
 誠「あ、言葉。今、放火事件の犯人のことを話をしてたんだ。」
言葉「今朝のテレビでやってたニュースのですか?」
 光「そうよ。」
世界「あれ、桂さん?」
言葉「西園寺さん、どうかしました?」
世界「いや、そのマフラー、昨日のと違うみたいだから気になって…」
言葉「これですか。気分転換に新しいものに変えてみたんです。似合いますか?」
世界「えぇ、似合うわよ。」
言葉「ありがとうございます。ウフフ…」
泰介「…桂さん?」

その後、言葉が話題を変えてくれたことで場の空気が和み、放火事件のことが話題に上がることは無くなった。
やっぱり、言葉は救いの女神だな……
と、誠はそんなことを思っていた。




508名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 02:09:10 ID:1rOdyyks
ごめん、意味?というか元ネタ?というか、全然わからんw
509名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 02:13:03 ID:OQYrZe/L
もしかして犯人殺したのは言葉?誠を守るために。
510名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 02:14:36 ID:xmaYPG+N
普通に和み系SSを書いただけかもしれんぞ。
あるいは言葉が…
511名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 04:43:07 ID:MmtTqxmM
答えは各々想像して下さいって事かね?
しかしいきなり放火話にいって何事かと思ったぜw
512485:2008/02/05(火) 04:45:19 ID:eHrYdm2l
もっとこう、「つまんねーんだよ死ねや」系みたいなことレスされると思ってたけど・・・
また書いたりしても('A`)イイノカナ
座右の銘が、「人生は毎日がオナニー」な僕ちゃんが空気を読まずにまた書いてみるす(・∀・)ノシ
513名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 05:51:09 ID:wZeIK80P
>>507
言葉怖いよ…

しかし何故ロープ?
肩の関節とか…言葉様って居合い以外も何かやってるの?

せっちゃんが一切出てこないのが怪しい
514審議無用:2008/02/05(火) 11:05:43 ID:wan3fhQa
>>507
これがホントの救い図
515mark:2008/02/05(火) 20:42:34 ID:9xHfr9D5
(怒りの誠X〜始まりE〜500からの続き)

10分後

  「…………あの、………じさん?」「………かい?」

いけない。下を向いて考え事をし過ぎたせいか、呼びかけに気付くのが遅れてしまった。

世界「……あ、すみません。荷物がお邪魔でしたか?すぐどかしますので」

隣の席に座りたいけど、横にトランクが2つも並べてあり邪魔だから
どかしてほしいんだと思い、顔を上げた瞬間、驚きのあまり、固まってしまう世界。

言葉「……あの、西園寺さん?聞こえていますか?」
誠 「なんか考え事していたみたいだったから、声をかけ辛かったけどさ。
   大丈夫か?」
世界「誠……… それに桂さんまでどうして……」

世界が驚くのも無理はない。2人にはフランス行きを一切教えていないのだから。
学校関連でこの事を知っているのは刹那だけである。
光や他のクラスメートにさえ教えていない。偶然にしては出来過ぎている。

世界「あ……、あははは。奇遇だね。こんな所で会うなんて。
   誠も誰かを見送りに来たの?」
誠 「……ああ」
世界「そうなんだ。……じゃあ、桂さんは?」
言葉「私も…… 誠君と同じ、見送りです」
世界「……そうなんだ。偶然って凄いわ」

世界はそう言いながら笑うが、自分でも不自然な笑いだと思ってしまった。

誠 「旅行カバンが2つあるけど、世界も誰かを見送りに来たのか?」
世界「……ううん。私とお母さんの2人で、ちょっとフランスに」
誠 「そうなんだ。でも、今から海外旅行に行って、4月の始業式に間に合うのか?」
世界「………間に合うよ。旅行じゃないから」

少し言いにくそうにしていた世界だが、今更隠し事をしても仕方ないと
思ったのか、(実は既に2人に知られている)真実を告げる事にする。

世界「……実は私、今日フランスへ引越すの。4月からは向こうの学校に
   通うんだ」
誠・言葉「………………」
世界「何というか、変にしんみりするのが嫌だったから、クラスのみんなには
   黙ってた。………隠しててごめんね?」
誠 「いや、いいよ」

世界は思わず、数日前に刹那にした時と同じように答えてしまう。

516mark:2008/02/05(火) 21:46:59 ID:9xHfr9D5
言葉「それにしても、どうしてフランスへ引越す事になったのですか?」
世界「お母さんの仕事の都合でね。研修を兼ねて、数年向こうで
   暮らした方がという事になっちゃってね。さすがに私も驚いたわ。
   ……まあ、日本人も何人か通っている学校だって聞いてるから、
   別にそれほど心配はしてないつもりよ」

誠 「少しはフランス語とか話せるのか?英語よりも細かそうだし」
世界「一応練習はしたけど、覚える事が多くて、頭がパンクしそうだわ。
   まあ、習うより慣れろってトコかな」
誠 「そっか。……月並みな事しか言えないけど、頑張れよ」

世界「……ありがと。ところで、こんな時に私から言うのも何だけど、
   誠も桂さんも、私とおしゃべりして油売ってていいの?2人とも
   友達だか親だか知らないけど、見送りに来たんでしょう?
   その人の所に行ってやらないと、きっと待ちくたびれているよ?」
誠 「……まあ、そうなのかな。そう言えなくもないか」

相変わらず優柔普段な男だと思い、ついいつものような調子で
誠にことばを返してしまった。

世界「もう、相変わらずはっきりしないわね。男ならもっとビシッとせんかい!
   桂さんに愛想尽かされちゃうよ」
誠 「……そうか。そうだよな…… 心苦しいけど、そうするよ。
   実は見送りに来た相手というのは…… 世界なんだ」
世界「えっ……… まーたまた冗談上手いなあ。誠ってばいつの間に、
   そんな殺し文句を言えるようになったの?」
言葉「冗談ではありませんよ。私達は西園寺さんに会いにきたんです」

今まで黙っていた言葉が静かにそう言い、世界は妙な緊張感に襲われそうになる。

世界「へ、へぇ〜そうなんだ。……でも、私を見送りに来たって、
   別に何もないよ」
誠 「わかってる。例え何もなくたって、見送りくらいはしたかったから」
世界「そりゃあ殊勝なことで。……でも、本当に何もないから」
言葉「……そうですか。何か、私達に言いたい事があるのではないかと
   思ったのですが」

言葉のいい回しに、引っ掛かりを感じた世界だが、その正体は
なんとなくわかっていた。しかし……

世界「……桂さんの考え過ぎだって。別に、これ以上私から2人に言いたい事
   なんかないよ……」
言葉「そうですか………」
517名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 22:46:23 ID:KSZ8awA/
>505
ちょっと怖いけど、これはこれでアリか。
GJ。
>514
思わず、コーヒー噴いた。
俺の情緒返せ(笑)。
518mark:2008/02/05(火) 22:55:32 ID:9xHfr9D5
それっきり無言になり、人が行き交う中、時間だけが淡々と過ぎていく。
10数分後、世界の母親と刹那が戻ってきて、チェックインを済ませる為に、
世界は席を立つ。

踊子「じゃ、ちょっと早いけど、そろそろ行きましょうか。
   世界の為に、刹那ちゃんだけでなくて、お友達まで見送りに来てくれて、
   本当にどうもありがとうね」
誠・言葉「いえ……」
刹那「………………」
踊子「じゃあ、行きましょう」
世界「うん…………」

そう言い、母親と共に、手続きを行っているカウンターまで移動しようとする。
誠・言葉・刹那から段々2人の姿が遠ざかり、やがて見えなくなりかける。
が、その姿がそれ以上小さくならない。
ほんの2〜3分後だろうか、先程誠達から離れたはずの世界が慌てて戻ってくる。

世界「はぁ…… はぁ……」
誠 「どうしたんだよ。忘れ物でもしたのか?」
世界「……うん。誠に言い忘れていた事があったの、思い出した」
言葉「………………」
世界「刹那には悪いけど、ちょっとだけ席を外してくれないかな?
   ……10分、いや、5分だけでいいから」
刹那「……わかった。」

そう言い、誠達の声が聞こえない所まで離れ、彼らから背を向ける刹那。

刹那(………がんばれ、世界)
519mark:2008/02/05(火) 23:34:53 ID:9xHfr9D5
誠・言葉・世界の3人だけの最後の会話である。


誠 「俺に言い忘れていた事ってなんだよ」
世界「……今更だけど、どうしても言いたい事があってさ。
   多分、これが最後のチャンスだと思ったから。」
誠・言葉「………………」

世界「誠が桂さんと付き合っている事を承知で、言いたい事があるの。
   茶化しは無しで、聞いてほしい。」
誠 「……何だよ?」

世界はそこで少し間を置いた後、今まで言えなかった事、本当に自分が
伝えたかった、ある事を誠に話す。

世界「私…… 誠の事が好き。多分、初めて誠の事を知った時から、ずっと。
   だから……… フランスから戻ったら、私と付き合ってほしい。」
誠 「世界………」
世界「桂さんが誠を好きなのはわかってる。……でも、私も誠の事が
   大好きなの!勝手なお願いだとわかってる。それでも、
   私は誠の恋人になりたいの……… お願い」

今まで言えなかった素直な気持ち。わがままだとはわかってる。
誠や桂さんの都合にお構い無しなのもわかってる。……でも、それでも、
自分の、今この瞬間の、この気持ちをごまかしたくない。
これ以上、嘘をつきたくない―――

誠 「……世界の気持ちはよくわかったよ。俺が誰とも付き合ってなかったら、
   何年でも、世界が戻るまで待っていたと思う。……もっと早くに
   世界の気持ちに気付いていたら、言葉じゃなくて、お前と付き合い続けて
   いたのかもしれない。」

……やっぱり。甘くないよね。

誠 「でも、俺はもう、言葉とずっと一緒にいると決めたんだ。
   ……だから、世界の気持ちには応えられないし、フランスから
   戻ってきても、世界と付き合う事はできない。………ごめん」
世界「…………………」
520mark:2008/02/06(水) 00:26:03 ID:jT9vFzIC
この瞬間、完全に可能性は潰えた。誠のことばでそれは
分かった事。分かりきった事なのに………
世界は縋るように誠と言葉を見る。

言葉「………以前の私だったら、西園寺さんの事を臆病でずるいとしか
   思わなかったかもしれません。……でも、西園寺さんが
   ずっと素直な気持ちを出せず、苦しんでいた事も、今ならわかります。
   ……本当に、ほんの少しの違いで、私ではなく、西園寺さんが誠君と
   お付き合いしていたかもしれない事も否定しません。」
世界「…………桂さん」

言葉「でも、生ある限り、私は誠君とずっと一緒にいたいです。
   いえ…… 人としての生を終えても、できるなら私はずっと
   誠君と一緒にいたい。……だから、例え西園寺さんにも、誠君を
   譲るつもりはありません。………ごめんなさい」

言葉の誠に対する思いは、もはや単純な恋の段階を超えていた。
それを、残酷なまでに突き付けられる。
521mark:2008/02/06(水) 00:34:34 ID:jT9vFzIC
今日はここまで。次で終われるかな…… 例え壊れなくても、言葉なら
これくらいは言いそうかな?ちょっと駆け足な展開だけど、
やっぱり世界も意地を張り通したまま去る事は出来なかったですね。
誠達が姿を現した所で、3人共こうなる事が無意識にわかっていたのかもしれません。
522mark:2008/02/06(水) 17:24:15 ID:jT9vFzIC
(怒りの誠X〜始まりE〜520からの続き)

世界「……そっか。そうだよね。………やっぱ虫が良い話よね。あははは……」

客観的に見れば、自分は選ばれなかった。素直な自分の想いを
伝えるのがあまりに遅すぎた。それだけの事のはず、なのに…………

世界「はははは…… はあ。駄目だなあ、私。ここまできっぱり振られたのに、
   もう誠が私になびく事はないってわかってるはずなのに………」

なんなんだろう、この胸の苦しさは…………
目から流れるものが止まらないのはどうしてなんだろう………?

世界「うっ………、ぐすっ……うう………」

世界が泣いている。

誠・言葉「………………。」

わかっていた。こうなる事は。同じ人間を好きになったという事は、
誰かが少なからず傷付く事を。諦めなければならない事を。しかし、
ほんの少しの違い・タイミング・状況で、目の前で、あるいは陰で
泣いていたかもしれない人間は言葉であり、乙女であり、あるいは世界以外に誰にも
その想いを打ち明けなかった刹那であった事を。

誠 「………ごめん」
世界「……バカ。何で謝るのよ……」
誠 「もっと早くに世界の気持ちに気付いていれば、きっとこんなに
   世界を傷付ける事なんかなかった。……ひょっとしたら、世界と
   こういう形で離れ離れになる事もなかったのかもしれないのに」
世界「………本当に、バカなんだから。人を完璧に振っておいて、いまさら
   そんな事言われても、遅すぎるよ」
523名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 18:05:52 ID:xdLNG0RT
>>521
お疲れ様です。

続きを楽しみにしてます。
524mark:2008/02/06(水) 18:33:40 ID:jT9vFzIC
誠 「ごめん………」
世界「もう、誠って天性の女たらしの素質が大ありだね。……桂さん。
   誠の事、しっかり教育してやってちょうだい。変に気を持たせて
   女を泣かせるのは私で最後にするようにってね」
言葉「はい。」

世界「あれだけ言っといて、もし別れるなんて言ったら承知しないからね!
   こう見えても、私はしつこいから」
言葉「はい。西園寺さんの言う通り、気をつけます。」

そう言い、嫌味でなく自然な笑顔を見せる言葉。
それを間近で見て、自分では完全に敵わないなと感じた世界。
そして、程なくして刹那が誠達のそばに戻ってきた。

刹那「伊藤に話したい事は、ちゃんと伝えたの?」
世界「うん、ばっちり。」
刹那「良かったら私のハンカチ使う?」
世界「ありがと。でも自分のがあるからいいや。……あのさ、
   誠達に聞くけどさ、刹那に呼ばれて今日ここへ来たんでしょ?」

そう言われ、誠と言葉は苦笑いする。

世界「やっぱりね。あまりに出来すぎなシチュエーションだもの。
   ……刹那が根回ししたのかなって」
刹那「………ごめん」
世界「いいって。私の為にしてくれた事なんだから。……もっと早く、
   自分の気持ちを素直に出していれば、刹那にもこんな事させなくて
   済んだんだし」

そう言い、ようやくいつもの笑顔を見せた世界。

刹那「……うん、やっぱり笑っている世界が1番好き。」

刹那は上着のポケットから何かを取り出す。

誠 「清浦、お前デジカメまで持ってきたのか。」
刹那「……出番がない可能性もあったけど、その心配もないみたいだから。」
525mark:2008/02/06(水) 19:32:53 ID:jT9vFzIC
そこまで読んで計画し、今日の為に行動した刹那に自然と驚く誠と言葉。
彼らのそんな様子に苦笑いしつつも、自分への心遣いが嬉しく感じた世界。

誠 「でも、写真撮るのは構わないけど、また世界が傷付くんじゃ
   ないかな?それに言葉だって………」
言葉「大丈夫ですよ。私は西園寺さんの事、今でも友達だと思っていますから。」
世界「ホント、どいつもこいつもみんな、バカなんだから…… 私もね。
   よし!今日だけは特別に世界さんも写ってあげますか」
誠 「おいおい、せっかく清浦がここまでしてくれたのに、態度でかいな」
言葉「くすくす。屋上で私達3人が過ごしていた頃に戻れたみたいですね」

刹那「………3人じゃない。もう1人いる」
誠・言葉・世界「……え?」
刹那「私も伊藤たちと写りたい」

そう言い、近くを通りかかった人に声をかけ、写真を撮ってくれるよう
素早く頼む刹那。



世界は母親の所に戻り、搭乗手続きを済ませ、その足で手荷物検査や
出国手続きを受ける為に、ゲートに向かう。それを見送る誠・言葉・刹那。
最後に世界が誠たちに軽く手を振り、誠達もそれに応える。
526mark:2008/02/06(水) 21:00:11 ID:jT9vFzIC
やがて、とあるフランス行きの便が出発し、飛行機が離陸していく。


言葉「………行っちゃいましたね。」
誠 「ああ………」
刹那「……………」

……ようやく、終わった。感慨深そうな3人。

刹那「……今日は、私のわがままに付き合ってくれて、本当にありがとう。」
誠 「いや…… 礼を言うのはこっちの方さ。最後に世界とのわだかまりを
   解く事が出来たのは、清浦のおかげさ」
刹那「桂さんも、わざわざ来てくれて本当にありがとう。」
言葉「いえ、西園寺さんとちゃんと向き合う機会を作ってもらい、感謝してます。
   ……色々ありましたけど、私達や西園寺さんにとっても、お互いの人生を
   有意義に生きる為の良いきっかけになったと思います。清浦さんが
   いなかったら、中途半端なままお別れする事になって、きっと後悔して
   いました。」

誠 「……そうだな。俺達だけでは多分、あそこまでやる事は無理だったと思う」
刹那「……私は自分の出来る事、あるいはすべき事をしただけ。別に
   誉められるような事じゃない」

そう言い、いつもの無表情で応える刹那。

刹那(……私の気持ちに区切りをつける為でもあったのだから)

世界にはずっと秘めていた自分の気持ちを打ち明けた刹那だが、いまさら人の
彼氏をどうこうして、勝ち目の無い勝負をするほど、彼女は馬鹿にはなれなかった。

誠 「……じゃあ、そろそろ帰るとするか。ここからだと自宅に戻るには
   結構かかるし。空港で何か買い物がしたいなら、一緒につきあうけど」
言葉「そうですね。ショッピングならこれからいつでも出来ますから、今日は
   遠慮しておきます。」
刹那「……私も、データの確認や、バックアップ等、色々とやる事が
   あるから。………写真は後日と言う事で」

そう言い、空港でやる事がなくなった3人は、帰途につく。
今日の出来事を、それぞれの胸の奥に秘めながら。
………恐らくは、一生の思い出として。
527mark:2008/02/07(木) 00:10:35 ID:jDBscALH
今日はここまで。次でエピローグまで行けるかな………
刹那はおいしいとこ取りですな。自分で書いといてなんだが、誠や言葉といい、
世界も物分り良すぎで、こんな綺麗に終わるなんてありえねえ(笑)
でも、こういうワールドもあったらなと、ふと妄想したくなる私であります。
528名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 13:17:20 ID:EBPevM1g
怒りの誠シリーズの世界、めちゃくちゃ萌えた。
エピローグ楽しみだけどこのシリーズ終わるかと思うとちょっと寂しい気もしてくる。GJ。
529mark:2008/02/07(木) 17:48:28 ID:jDBscALH
怒りの誠X〜始まりF〜(526からの続き)

時間は再び、屋上に戻る。

言葉「……西園寺さんとの別れを経て、人を愛する事の意味や、
   友達の事、人としての在り方、……難しいですけど、以前よりも
   色んな事を深く考えるようになりましたね。」
誠 「……そうだな。言葉があそこまで真剣に俺のことを愛してくれる
   と言った以上、俺ももっと頑張らないと」

そう言いながら、誠君は自分の胸をドンと叩く。
私の為に頑張る誠君は、もちろん大好きだが、それで自分の心や体を
ボロボロにしてまでそうして欲しくない。……それでは、以前の私と
変わらないと思うから。

お互いの都合の良い部分だけを見て愛や恋を語っても、それはお互いに自分に
酔っているだけであり、上手く行かないのだと思う。

言葉「誠君のやる気を削ぐようで申し訳ないのですが、本当に辛い時は
   私にちゃんと打ち明けて下さいね。……お互いの為にも、なるべく変な
   我慢はしない方がいいと思いますから」
誠 「わかってる。言葉を泣かせるような事はもうしないから。
   でも言葉も、俺の為だけじゃなくて、もっと自分の為に行動したって
   構わないよ」

言葉「難しいですけど、私も頑張ります。……誠君に守られるだけで、
   何も出来ない人間にはなりたくないですから。……でも、
   誠君の為に何かをしてあげたい、誠君が喜ぶ顔が見たい、それも
   私にとって、偽らざる幸せです。」

私にとって、人を愛するとは、こういう事。
でも、ただ恋愛するだけでは、駄目なんだ。
私は誠君との恋愛を経験し、共に困難を乗り越えてきた事で、
そう考え、感じるようになった。
530mark:2008/02/07(木) 19:07:53 ID:jDBscALH
言葉「これからも大変な事はいっぱいあると思いますけど、
   よろしくお願いしますね。」
誠 「なんだか、新婚の夫婦が言うようなセリフだな。それを
   現実に近づける為に、まずは受験をクリアーしないと」

言葉「誠君の都合がよろしければ、明日の日曜に、一緒に図書館で
   勉強しませんか?定期試験も近いですし」
誠 「そうだな。学祭関連で、ここしばらくは勉強がおざなりに
   なっていたし。ペースを取り戻すには丁度良いかも」
言葉「では、決まりですね。詳しい事は、夜に電話でお伝えしますから」
誠 「ああ、わかった」

今はまだ、ただの高校生でしかないけど、
お互いに望む幸せは、すぐそばにある。
それを色褪せさせないように。今、出来る事をしよう。

誠 「じゃ、そろそろ出ようか。夕方まではまだまだ時間があるけど」
言葉「そうですね。今日はまだ時間がありますから、待へ寄る事も
   できますけど、どうしますか?」
誠 「久しぶりにそうするかな。ああ、でも持ち合わせがあまりないけど」
言葉「別に無理をして高価な物を買ってもらっても、あまり嬉しくは
   ないです。私は誠君と一緒に過ごせる事が幸せなんですから」

この幸せを維持する為に、私達はお互いに出来る事をする。
出来ない事、無理な事はしない。お互いの
身を滅ぼすような愛は、愛ではなく、誰も幸せにしないから。

言葉「では、行きましょうか。誠君」
誠 「わかった。行こう、言葉」

私達はベンチを立ち、屋上から出る事にする。
青空は雲もほとんど無く、太陽が眩しい。
今日は誠君と一緒に、街で何をしようかな。


第5部  完
531mark:2008/02/07(木) 20:03:43 ID:jDBscALH
エピローグ

某日 清浦家

刹那「ただいま。」
舞 「おかえり刹那。世界ちゃんから、エアメールが届いているわよ」
刹那「うん、わかった。」

そう言い、母親から世界のエアメールを受け取る刹那。
2階に上がり、自分の部屋の机で読む事にする。

封筒には、フランス語で刹那の住所と、現在の世界が住んでいる
住所が書かれていたが、中身の手紙は日本語であった。
(以下は手紙の原文である)

ボンジュール、刹那。フランスに引越してから、もう半年以上も
経っちゃった。でもこっちは何とか生きているから。最初はフランス語が
全然わからなくて、日本に帰りたい病と戦う日々だったわ。……まあ、
今もなんだけどね。でも、ことばがわからなくても、みんな親切に
フランス語を教えてくれたりして、なんとか頑張っている。
意外にも、日本の事を詳しく知っている人が多くてビックリしたといったら!

授業科目も、日本でやってた事とそれほど大きな違いはないけど……
まあ、これはマジメに授業受けなかった私が悪いんだけどね。

刹那が生徒会の副会長になったのは、前に送ってきた手紙で知ってるけど、
やっぱり色々と大変なのかな?この時期だと学祭もあるし。でも、刹那なら
きっと責任を果たせると信じているから。応援してる。
532mark:2008/02/07(木) 20:59:45 ID:jDBscALH
(手紙の続き)

こうして刹那と離れる事で、本当に色んな人達に支えられて、今まで
生きてこれたんだなと、最近本当に思う。今まではそれが当たり前で、
人との関わりをあまり深く考えた事がなかった。……もっとちゃんと、
人の想いに向き合っていれば、……桂さんが、酷い目に遭う事もなかった。
七海や加藤さんが退学するような事にもならなかったし、ひょっとしたら、
澤永だって馬鹿な事して、警察に逮捕されて光を悲しませる事もなかったかも
しれない。

起こった事は取り戻せないし、これからどうするかが大事なのはわかってる。
でも、忘れちゃいけない事なんだというのも、わかる。

……誠と桂さんの事については、冷静に振り返るのはまだ辛いかな。
あれだけ盛大に振られても、私はまだ、誠の事が好きなんだ。
でも、それだけでは、例え最初からごまかさずに、あいつに好きだって
言って付き合っても、上手くいかなかったと思う。

素直な気持ちを伝えるのは簡単であり、難しい。
でも、相手の存在を思いやる。相手の幸せをちゃんと考えられる。すごく
シンプルで当たり前の事なんだけど、私はそれをちゃんと実践していなかった。
だから誠と桂さんは、お互いを選んだんだなと思う。

……誠達の事で今の私が出せる見解は、こんなとこかな。多分、遠く
離れているから、ある程度冷静に振り返れるんだと思う。近くに誠が
いたら、諦めの悪い癖が出て、寝取っちゃおうと考えるのかもしれない。

誠や桂さんと過ごした記憶を忘れる事は出来ないけど、自分なりに
乗り越えて、何年か先に日本に戻ったら、その時は、
変なわだかまりやしがらみは無しで、また3人、いや4人で仲良く
過ごせるのかな?………いや、これはさすがに甘過ぎるか。

なんか上手く纏まらない文章でごめん。いつもはこんな
シリアスな事考えない方だから、いざ考え出すと、色んな事
書こうという気になっちゃって。
533mark:2008/02/07(木) 21:18:45 ID:jDBscALH

 最後になったけど、お互い心と身体には気を付けて、
お互いの高校生活を頑張ろうね!日本に戻ってきたら、
お酒でも飲んで、楽しみましょう。

                   
                   世界


手紙を読み終え、机に飾ってある写真に目を向ける刹那。
写真には誠・言葉・世界と、Vサインをする刹那の4人が写っている。
それを見て、微笑する刹那。

刹那「がんばれ、世界」


怒りの誠  完
534mark:2008/02/07(木) 22:19:10 ID:jDBscALH
やっと終わった…… 最初は本当にただのネタでしかなかったのが、
ここまで膨らむとは思わなかったです。いやいやマジで。
書き終える前は、まだ終わらんかと思っていたのが、いざ書き終えてみると、
書き足りない事や書けなかった事が今になって思い浮かびます……

自分的には4部で物語は終わりであり、5部は完全に自分の妄想でしたね。
4部の後半もそうでしたが、誠・言葉が現在を語り、過去を振り返る形式を
とったせいか、長くて単調な展開になりすぎました。
あとはキャラの扱いかな。物語を収束させる以上、どうしても万能過ぎたり、
一部のキャラ(特に澤永や刹那を)を都合の良いコマみたいに使っちゃった事が、
自分的に心残りでしたね。絶対悪としてのキャラは1人もいないつもりですが。

原作やアニメでは排除されており、実際の学校生活でも普通に過ごす分には、
家族やら学校・警察の力というのは、発揮されない事の方が多そうですが、
それらが理想的に機能した場合、2〜4部のようになるのかな?
苛めの陰湿さとは違う、有無をいわさず強制的に変化させる、あるいは変化を
促す力は、使いどころが難しいですね……(つーか原作的には完全に反則だな)

芋エンド以上に厳しく、かつ誠達に救いをもたすにはどうしたらよいかを
考えると、自浄作用の難しい問題は、誠と言葉の頑張りだけでは無理ですし。
結果的に、芋以上に3人はもちろん、刹那・乙女・七海・夏美も成長したと思います。

纏まりのない文章ですが、最後に、ここまで書き通せて良かったです。
2ヶ月もお付き合い下さってどうもありがとうございました。
535mark:2008/02/07(木) 22:47:24 ID:jDBscALH
忘れていましたが、一応5部とエピローグの番号だけ。

5部(47〜50、55、57、58、60〜62、93〜95、110〜113、117、138〜140
  286、288〜290、329、330、332、333、339、340、342、398〜402、
  415〜418、495〜498、500、515、516、518〜520、522、524〜526
  529、530)

エピローグ(531〜533)

終盤かなりハイペースで進めたせいか、雑になった感は否めませんね……
5部のみ、一部の回想を除いて言葉の視点で統一しました。
上手くキャラが掴めたかどうかわかりませんが、どうだったでしょうか?
では、今度こそ失礼します。気が向いたらお会いしましょう。
536名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 22:58:43 ID:VsRNMim+
>>535
長編の完結、乙でござる 
537名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 23:14:24 ID:vl8oZmfM
>>535
完結乙でござるよ

力作だね♪
538名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 23:37:34 ID:mfnglVtS
>>534
乙。よかったよ。
本当に最初はネタの雰囲気だったのに、こうなるとは…GJ。
539名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 00:26:38 ID:ZpdhM5om
>>535
長編乙でした。
次回作を楽しみにしています。
540名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 00:39:41 ID:UZuLbT76
>>535
お疲れ様でした。
派手さはあまりないが、静かに何度もかみしめたい懐石料理。
そんな感じ。
541いたると子犬:2008/02/08(金) 01:09:39 ID:ZpdhM5om
心の彼氏(前編)続編です。

いたると子犬。

沢越家前にて。

「あれ?段ボール箱?」
学校から帰ってきたばかりのいたるが家の前に置かれた段ボール箱を
開けてみると小さな子犬が一匹と手紙とリード等が入っていた。
手紙を開封してみると

『やっほーいたる?
 この子が学校でお世話を頼んだ子だよ。
 大人しい子だから手間はそれ程かかんないよ。
 名前は”世界”って言うんだ。
 じゃあよろしくね。』

「あのバカ紛らわしい置き方するなっての!
 せめて犬用のカゴに入れなさいよね。」
いたるは確かに学校で友人から子犬の世話を頼まれた。
何でも週末急用で一家揃って出かけるから世話をする人がいなくなるからだそうだ。
家にもしあいつがいたらとても危険なので友人に住所を教えた時に
犬は玄関先にそのまま置いておけとは言ったのだが・・・

試しに子犬の頭を撫でてやったらとても気持ち良さそうに目を細めていた。
お礼のつもりなのか手をペロペロと舐めてきた。
正直言ってかなり可愛い。

「お前可愛いね。
 三日間だけだけどよろしくね。
 でも今週はお兄ちゃんちに行けないなあ。」
いたるがそう犬に話しかけると不意に携帯が鳴った。

「(いたるちゃん?心だよ。)」
「あ、心お姉ちゃん。」
「(実はねえ今日お母さんが取引先からお肉を沢山貰ってきたんだ。
 お姉ちゃん達も来てるからいたるちゃんもおいでよ。)」
「行きたいけど無理なんだ・・・」

いたるは預かった子犬の事を言うと心が桂家の面々にわざわざ聞いてくれて
連れてきても良いと許可を取ってくれた。
もちろんいたるは喜んで招待を受ける事にした。
でも何かが頭の中に引っかかる。
「一体なんだろね?世界。」
子犬はキョトンとした顔で首をかしげていた。

542いたると子犬:2008/02/08(金) 01:10:17 ID:ZpdhM5om
桂家にて。

「こんばんわー。」
「いたるちゃんいらっしゃい。」
なんと真奈美が出迎えてくれた。
「ねえいたるちゃん、この子の名前は?男の子?女の子?」
嬉しそうに子犬を抱いて真奈美が聞いた。
「女の子ですよ、名前は”世界”って言うんです。」
その途端にガシャーンと音がした。
廊下を見ると食器を運んでいた言葉が信じられないといった目でこちらを見ていた。
こころなしか顔色も悪いようだ。

「言葉大丈夫か!?」
台所で材料を切っていた誠が包丁を持ったまま飛んできた。
「だ・大丈夫です、誠君。」
「騒がしいわね、この子だって驚くじゃない、ねえ”世界”ちゃん。」
今度はカラーンと誠の手から包丁が落ちた。
反応はさっきの言葉と似たようなものだ。
「お兄ちゃん!いくらなんでも危ないよ!」
「そうよ、二人ともどうしたって言うの?」
「い・いえなんでもないんです、すみませんでした。」
「ごめんなさいお母さん。」

いたるはさっき頭の中で感じた違和感がなんとなく確信めいたものに変わってきていた。
自分は確かに”世界”という人名をどこかで聞いたことがある。
それも兄とはかなり関りの深い人物だったと思う。
こうなると否が応でもいたるの好奇心が鎌首をもたげてくる。
だがさっきの誠と言葉の反応からするとまともに聞いても答えてはくれないだろう。
『さあどうやって聞き出そうかな。』
543いたると子犬:2008/02/08(金) 01:10:56 ID:ZpdhM5om
食事中いたるはわざと”世界”という名を口にして話題を振っていった。
その効果はてきめんで二人ともあからさまな反応を示した。
「おばさま、今の”世界”情勢なんですけど・・・」
この時は誠がスープを引っくり返してズボンをびしょ濡れにした。
「心お姉ちゃん、この選手”世界”記録出すなんてすごいよねえ。」
この時は言葉がタレを引っくり返してしまった。
「もう二人とも今日はどうしたの?様子が変よ?」
その度に二人はこんな感じで真奈美から呆れられていた。
さすがにいたるも可哀想になってそれ以上の意地悪はしなかった。

食事の後片付けがすんで一息ついたときに誠と言葉が子犬に構いたいらしくて
二人で「わんちゃん。」とか色々な呼び名で関心を引こうとしていた。
でも犬は無反応。
「その子”世界”って言わないと反応しないよ。」
自分の名を聞いた犬はいたるの所に喜んで駆けつけた。
二人は子犬の様子を見て複雑な表情でこちらを見ていた。
言葉は本当に辛そうで誠はそんな言葉をすまなそうな顔をして肩を抱いて支えていた。

いたるはその光景から昔あった事を思い出した。
いたるが小学校に入った年に誠には何人か女友達がいた。
その時の1人が確か世界という名前だった。
544いたると子犬:2008/02/08(金) 01:11:44 ID:ZpdhM5om
いたるは家庭環境に問題があったせいか子供の頃から人の雰囲気を鋭く読むことが出来た。
その時に感じた印象は
・背が兄くらいあって目付きが鋭い人→怖いおねーちゃ
・言葉→やさしいおねーちゃ
・世界→邪悪なおねーちゃ
だった。

『そうか世界ってあの邪悪なお姉ちゃんの事だったんだ。
 あの人からはお兄ちゃんに近づく者は全て許さないって雰囲気があったっけ。
 私すらも弾き出されそうでその為にはとんでもない事をしそうで怖かった。
 あの時私から見たら言葉お姉さんがダントツで良かったなあ。
 だから私もお兄ちゃんにこのお姉ちゃんがいいって思いっきりプッシュしたっけ。
 実際私も家族ぐるみで可愛がってもらってるし何よりお兄ちゃんがすごく幸せそうだし
 そんなお姉さんにこんな意地悪しちゃダメだよね。』

「お兄ちゃんお姉さんごめんなさい。」
いたるは誠と言葉に向かってペコリと頭を下げた。
「この子がいると二人とも辛そうだから今日は帰るね。」
「いたるちゃん、そんな事ないですよ。」

「いいから、無理しないでよお姉さん。
 それより優柔不断なお兄ちゃんを見捨てないでくれてありがとね。」
「いたる、お前何を言って・・」
「お兄ちゃん、こんなにいい人他にいないんだから一生大事にするんだよ。
 十年前みたいにフラフラしちゃダメだよ。」
「い・いたるちゃん、いきなりどうしたんですか?」
「お前に言われるまでもなくだなあ・・」
「じゃあね、今日はごちそうさまでした。」
「おい、いたる。」
誠の声を無視していたるは子犬を連れてそのまま家路についた。
545いたると子犬:2008/02/08(金) 01:12:22 ID:ZpdhM5om
帰り道で

『世界って人とは色々あったんだろうな。
 我が兄ながら罪な事してたんだろうな。
 多分お姉さんも随分辛い思いしたんだろうな。
 でもあれから随分たったし世界って人も幸せになってくれてるといいな。』

いたるはそんな事を考えながら帰り道をのんびりと歩いていた。
すると後ろから自転車が近づいてきていたるの真横で停まった。

「良かった、追いついた。」
自転車に乗っていたのは心だった。
「どうしたの?心お姉ちゃん。」
「はいこれ。」
心はいたるに紙袋を差し出した。
中を開けてみるとマフィンがぎっしりと入っていた。
「誠お兄ちゃんが張り切っていっぱい作ったのに
 いたるちゃんが食べずに帰ったから随分寂しそうにしてたよ。」
「それでわざわざ届けてくれたんだ、ありがとうね心お姉ちゃん。」
「気にしなくてもいいよ、じゃあおやすみ。」
「おやすみなさい。」
心は手を振って元来た道を帰って行った。
いたるは帰宅後マフィンを子犬と食べながら思った。
『お兄ちゃんにも少しは優しくしてあげようかな。』
End
546名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 01:28:52 ID:0QJNv74p
>541-545
GJ!!面白かったです。
いたるに「邪悪なお姉ちゃん」って覚えられていたのか、世界(人間のほう)…。
547スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:07:42 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話a
榊野町〜映画館
妹の止とアニメ映画を見終わって映画館を出たところ…
止「おにーちゃ〜いたる〜おなかペッタンコ」
誠「うん〜それじゃあ御飯食べにいこうか〜止は何が食べたい?」
止「うんとね〜ハンバーグ!たべたいなあ〜」
誠「よし〜じゃあファミレス行くか!」
止「わ〜い!ハンバ〜グ!ハンバ〜グ!」
誠「止はハンバーグ本当に好きだな〜」
止「うん〜でもねでもね〜おにーちゃのつくったハンバーグはもっとすき〜」
実は止が1日早く〜つまり金曜日の夜に遊びに来た…一ヶ月のうち1日だけ母と会う事になっているが…
親父は出張の為、家にはいないので同居している巴おばさんが気を利かして早めに連れてきたのである
以前止が我慢できずに1人で家出した事もあっての事だと思う
まあ母さんは仕事の関係で帰ってくるのが土曜日の夜中〜実質日曜日しか会えないが俺に懐いてる事もあっての処置で……
誠「あ!!ダメだって走っちゃあ転ぶぞ〜おい!いたる〜」と言ってるそばから人にぶつかって…ってあれ?
誠「せ、刹那?!!」
刹那「誠…」
止「せちゅにゃ〜?」と不思議そうな顔をして見上げるいたる
誠「いや〜悪いな刹那…妹がぶつかって迷惑かけた…」
刹那「妹?」と言いつついたるの目線まで降りると
刹那「こんにちは…私はキヨウラセツナ〜妹さんは〜お名前は何て言うのかな?」
止「いたる〜だよ」と言って『えへぇ〜』とニンマリと笑顔…
刹那「イタルちゃんか〜可愛いお名前ね〜」と頭をナデナデすると…いたるはさらにニンマリして喜んでいた
誠《へぇ〜いたるが初対面の人にこんなに懐くの初めてみたなあ……もしかして…刹那がちびっ子だから共感したとか……》
刹那「む…今なんか失礼な事、考えた?」と下から上目で言う
誠「いんや〜別に〜何も《ひぇ〜相変わらず勘が鋭い》」と言って視線を逸らす
誠「いや〜とにかく悪かった〜刹那ごめんな〜」と片手で謝りながら『いたるいくよ』と言って手を掴もうとすると…
止「いや〜せちゅにゃ〜もいたるといっしょにいくの〜」
誠、刹那「ええー!?」
誠「ダメだって!お姉ちゃん困ってるだろう〜」
止「いや〜せちゅにゃといっしょにハンバーグたべる〜」と言って足に抱き付いた
刹那「誠…その…私は全然大丈夫だから…イタルちゃん…いっしょにいこうか〜」
止「うん〜」と言う訳で一緒に行くことに……
548スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:08:57 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話b
榊野町〜ファミレス
結局3人で昼食を食べに行くことに…待合いで混んでるため席があくまでしばし待つことに…
いたるはお土産コーナーでオモチャを物色中〜
誠《刹那〜何かあったのかな?》とさっきファミレスに着くまでの間の会話を思い出していた
止「おに〜ちゃとせちゅにゃ〜おに〜ちゃとせちゅにゃ〜」手を繋ぎながらはしゃいでる
誠「あのさマジでゴメンな〜刹那にも用事あるだろうに〜」
刹那「ううん〜行く所無くて…時間つぶして世界の家に行くつもりだったから…特に問題ない…むしろ助かるかも」
誠「そうなんだ……」
刹那「…うん」
誠《ちょっといつもと違って無口…は変わらないか?……あ!》
誠「いたる〜席空いたみたいだよ〜」

席に着くとかなり懐いたせいか刹那の隣ではしゃいでいる
誠「いたる〜いい子にしないとメ!だよ!」
止「えへぇ〜ごめんなしゃい〜」
メニューを見ていたるはお子様ランチのハンバーグセット、俺は日替わりランチのAセット、刹那はパスタにするとの事でウェイトレスに注文
織葉「オーダー入りました〜あ!いらっしゃいませ!ラディッシュにようこそ!〜野杏!接客!」
昼時の為、忙しく動き回っている
誠「そういえば世界ってこのバイトやってるんだよな〜ランチタイムは地獄だ〜マジで…」
刹那「うん…」
止「うん〜うん〜」
どうもいちいち話に加わりたい年頃のようだ〜
刹那「あ〜これ後で使って割引チケット…ラディッシュ系列はこれで少し安くなるから…」
誠「これって世界から貰ったの?」
刹那「うちのお母さん、このファミレスの開発研究課にいるから〜それで…ちなみに世界のお母さんも部署は違うけど会社は同じ」
誠「へぇ〜開発研究課か…じゃあ料理作るの上手い?」
刹那「うん…あ…携帯…」着信音が刹那のバックから鳴っている
刹那「世界からだ…ごめんね、いたるちゃん」と言って携帯電話を持って席を離れる
止「う〜う〜せちゅにゃ〜」刹那に着いていこうとする
誠「いたる〜ダメだぞ〜いいこにしないと…待ってなさい」
止「うん〜いいこにする」
誠「じゃあ〜刹那お姉ちゃんが帰ってくるまでお兄ちゃんと呼び方の練習しよう」
止「うん」
誠「お姉ちゃんの名前はキヨウラセツナ〜さあ言ってみよう」
止「え〜とキオウラセチュニャ!」
誠「ん〜どうしても舌足らずになるか…あ…じゃあこう言ってごらん〜え〜と……」
549スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:09:43 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話c
榊野町〜ファミレス
刹那〜世界からの電話
刹那『もしもし世界…』
世界『ゴメン〜朝メールあったの今気がついた…』
刹那『もしかして今起きたの?』
世界『…う〜ん昨日ニキがさあ泊まりにきたの…でついさっき帰ったとこなの…』
刹那『え?〜本当に泊まりに来たの?』
世界『うん…』
刹那『あれって友達の世界の家に泊まる口裏合わせで本当はニキが彼氏とお泊まりするって話だったような?』
世界『私もそう言う話だったんだけどね…バイトから帰ってきたら家の前で待っててさあ〜何か彼氏の浮気と言うか二股ってヤツをされていたらしくて…』
刹那『…それは…』
世界『でさ〜結局朝までニキの愚痴を聞きながら酒まで買ってきて2人で飲んでた…てか飲まされたよ』
刹那『…うわ……』
世界『ニキってば刹那も呼ぼうよって言ってたけど夜も遅かったから〜何とか宥めたけどね』
刹那『う〜ご苦労様…世界』
世界『あれ?妙に周囲が賑やかだけど…今どこにいるの?』
刹那『榊野町のラディッシュ…』
世界『え?〜1人で?』
刹那『……あ,あのね今、誠と誠の妹さんと3人でいるの…』
世界『ええ!?……デート?』
刹那『ち、違う…その誠と妹さんが映画観に来てて偶然私と会って御飯一緒に食べないか?と言われて……』
世界『…へぇ〜偶然なんだ〜』
刹那『うん…偶然…世界から連絡無かったから…時間つぶしで…』
世界『……』
刹那『世界も一緒に…あ,でも昼飯は間に合わないかもしれないけど多分まだ榊野町で遊ぶと思うから……来ない?』
世界『ははは〜行きたいけど今回はパス…お母さん帰ってくるまでに証拠隠滅しないと…』
刹那『証拠隠滅?』
世界『うん…知らないうちにお酒こぼしたらしくて…部屋の中が凄い匂いなの〜だから後片付けと飲んだ事がバレないようにね…』
刹那『世界、手伝う?』
世界『多分来たら倒れると思うからいいよ〜まあもし行けれたら連絡する』
刹那『うん…分かった〜じゃあね…』そういって電話を切る
刹那《あ…そうだもし遊ぶならあの人にも連絡しよう…光は澤永とデートだろうし七海は練習試合だったはずだし》と電話する刹那…
刹那『もしもし…』
550スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:10:29 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話d
榊野町〜ファミレス
刹那〜電話中
刹那『もしもし…言葉さん?』
言葉『あ…刹那さん〜こんにちは〜今日はどうしたんですか?』
刹那『言葉さん…今どちらにいますか?』
言葉『え?…今ですか?…榊野町ですけど〜』
刹那『え?〜本当に?…今、私達も榊野町に来てるんだけど…もし予定がないなら良かったら遊べないかな?』
言葉『ありがとうございます…でも今、家族と一緒に食事に来てて…ちょっと無理かもしれません…ごめんなさい』
刹那『そうなんだ…ううん謝る事じゃないし〜私の方こそ突然電話してごめん…この前また遊びたいって言ってたから…じゃあまたの機会に…』
言葉『…はい〜それじゃ失礼します…』
言葉《私達も…と言うことは…誠くんも一緒かも…行きたかったなあ〜》と考えながら家族が待っている席に戻ると…

心「お姉ちゃん〜おかえりー」席に座りながらただいまと言うと…
桂母「携帯、誰からだっったの?」と言われ友達と言おうとしたら…
心「マコトくん?〜それともセカイさん?セツナさん?」
突然の心の発言に桂父は「マコトクンだと?」と言い眉間に皺が…桂母は「セカイ、セツナ?」と呟き…言葉は…
言葉「な、何で!心がそんな事知ってるの?!」とつい強い口調で問い質す…
心「だっていつもリビングでマコトくん〜とかセカイさん〜とかセツナさんとか言って楽しそうに携帯で話してるよ!〜もうミミタコだよ!」と愉しげに話す〜
言葉「もう心は…そういう事は覚えなくて良いです!」
桂母「ねぇ〜さっきの名前の子達って西園寺とか清浦って名字じゃないの?」
言葉「えっ?…お母さん何で知ってるの〜」
桂母「やっぱり…私の友達にね〜確かそういった変わった名前の娘さんがいるのを聞いたから…そう言葉は友達になったの〜」
言葉「うん〜クラスは違うけど仲良くしてもらってるの…」
桂父「あ〜言葉…そのマコトくんとはどういった知り合いなんだね?」
桂母「もうお父さんも無粋ね〜言葉だってもう年頃なのよ…ボーイフレンドの1人や2人いますよ」
心「お姉ちゃん〜マコトくんってカッコいいの?今度家に連れてきてよ!見たい!」
桂父「男女交際はもっと大人になってからでも遅くない!言葉にはまだ早い…うん早い」
言葉「もう…知りません!《まだそんな関係にもなってないのに…》」
結局、奥手な娘の異性の話で盛り上がる桂家であった〜
551スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:11:11 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話e
榊野町〜ファミレス
言葉との電話が終わって席に戻る刹那…
刹那《まだ料理はきてないか…》「ただいま」と言って席に座ろうとすると…
止「せっーちゃ!おかえり〜」
突然何を言われたのか暫し逡巡していたるちゃんを見て…誠を見て…顔が真っ赤になる…
誠「この前、電話で、せっちゃんって呼ばれ方でも良いって言ってたから〜言わせてみたけど〜どう?」と言いながら顔はニヤニヤしていた…
近所の人や年上の人に、せっちゃんと言われるのに馴れてるから小さい子から言われると意外と恥ずかしい…しかし誠のしてやったりの顔を見て…
刹那「いたるちゃん〜お姉ちゃんと内緒話しよう」と言うと止は「ないしょばなし?」と首を傾げつつ刹那はいたるの耳元でヒソヒソと…
止「う〜んと…まこーちゃ!」と言い放つ…
誠「ぐはっ……」突然の不意打ちに飲んでものを噴き出しそうになる
刹那「( ̄ー+ ̄)フッ〜お返し…」真っ赤になりながらもVサイン
誠「うう…」と今度は誠が赤くなる…それを不思議そうに見て止は〜
止「まこーちゃとせっーちゃ…おかおとほっぺ〜まっかっか〜」と言われ…互いに顔がさらに真っ赤になっていた…

昼食後…近くの公園へ〜
今日は秋とはいえ残暑がまだ少し残るお昼時…まだこの時間だと人も多く遊んでいる子供達もいる
止はお腹が一杯になったのかベンチに座ると誠の腕にしがみついて眠っている
刹那は同じベンチに座りながら止のそんな様子を見ていた〜
刹那「可愛い…いたるちゃん……本当にお兄ちゃんの事、好きなんだ」
誠「………」
刹那「さっきもお兄ちゃんの子供になりたいって言ってたし…」刹那は頭を優しく撫でた
誠「…でもさ〜俺、止の事、嫌いな時期があったんだよな〜」
刹那「…えっ?」
誠「…いやもちろん今は妹として大事にしたいって思うけど……な」
刹那「…うん…」
誠「あの当時、止が産まれてはっきりした事があって…父さんは本当は娘を欲しかったって事……
俺は父さんには邪魔な存在だって…」
誠「だから止とは兄妹だけど何処か醒めた態度で接していた……でも父さんと同じ事を止にしていた事に気がついたのが離婚する事が決まった時…
俺、すげー後悔したよ…止と父さんは違うのにな〜だからそれからは心を入れ替えて止の望む事を俺の出来る限りしてあげようと思って……」
刹那「そうなんだ…」意外な誠の一面を見た気がした
552スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:11:51 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話f
榊野町〜公園
誠「ごめん…何かこんな話するつもりなかったのに…ははは〜何でだろう?」
刹那「…それは多分、誠と私が同じだから…かな?」
誠「同じ?」
刹那「今日…お父さんが家に来てるの…」
誠「《…刹那も母子家庭だったな》父さんに会いたくないからか〜時間潰してるのって…」
刹那「…うん…もうここ1年ぐらい…会ってない…」
誠「嫌いなのか〜父さんの事?…って好きだったら悩まないか〜」
刹那「…小さい頃は離婚した理由が理解できなくて会いに来てくれるお父さんに喜んでたけど…
女性関係にだらしない事を理解してからはお父さんを避けるようになったの…
もう私を悲しませる事はしないと約束しては破って嘘をついての繰り返し…」
誠「何かお互い、父親に苦労してるんだな〜そういう意味での同じか」
刹那「…そうだね…」
誠《そうか…一緒にいていつも感じてた感覚はこれだったのか…》
刹那《疎外されてきた者、裏切られ続けた者…
互いに求めるものは違うけど親のせいで悩んできたからこそ共感できるものがあったのかも…》
誠《止も多分それを感じたから初対面でも懐いたのかもなあ〜》
誠「似た者同士…かな」
刹那「うん…」
いたるが目覚めるまで二人は残暑が残るものの少しずつ秋に向かっていく青空を眺めていた

誠「さて〜刹那…もし予定ないなら俺の家来ないか?」
いたるが目覚めてそろそろ潮時かな〜と思っていた刹那は驚く…
誠「どうせまだお父さんがいて帰れないだろう?」
刹那「…いいの?」
誠「止〜お姉ちゃん一緒に来ても良いよな?」と聞くと…
止「あいあい〜せっーちゃ〜いこう」と言って手を握るいたる…
刹那「うん…」刹那は嬉しそうに手を握るいたるに連れられて3人は一路〜駅に向かう……
553スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:12:46 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話g
原巳浜駅〜
榊野町近くのスーパーで食材を買い電車で移動〜原巳浜駅に到着して改札を抜けて後は歩いて数分だったが…
止「…おにーちゃ…おしっこ」
誠「え…え!?〜えーと駅戻るかなあ…一番近いし…」
刹那「あ…誠は待ってて〜いたるちゃん、わたしといこう」と言って手を引いて今きた道を戻る…
誠「ごめん刹那〜ここで待ってるよ…」と言って待つことに…
誠《刹那推薦のスーパーが安かったからってつい買いすぎたかな?》と思案してると…
??「あれ?先輩?こんなところで何してるんですか?」誠は後ろから声をかけられる…が声ですぐにわかった…
誠「…ああ可憐か〜久し振りだな」
可憐「お久しぶりっす!!何です?買い出しにでも行ったんですか?」
誠「まあそんなところだ…今、止がトイレだから駅に戻っててな…ほれあそこに…」と言って指差す方には何とか止らしき幼女を連れた女性が歩いているのが分かる…
可憐「いたるちゃんだ〜って、あれ?隣の人って先輩のお母さん?〜」
誠「学校の同級生だよ…今から家へ遊びに来る予て…」
可憐「ええー!?先輩の恋人ですか?」
誠「はあ!?〜同級生だって言ってるだろう〜」
可憐「同級生…ねえ〜」
誠「暇なら可憐〜お前も来るか?」
可憐「うう〜行きたいですけど…お父さんの用事があるから〜スイマセン先輩」
誠「ははは〜ご苦労様…じゃあまたな!」
可憐「はい!じゃあ先輩も彼女と仲良く!」
誠「だから違うって〜の…まったく《恋人か…刹那が彼女だったらどうなんだろう?〜
いや駄目だすぐ友達をそういう目で見ちゃいけない…愛の時だってそれで……》」
刹那「誠〜お待たせ」
止「おまたせ〜」
誠「うわ!…あ、おかえりー」
刹那「どうしたの〜誠?」
誠「いや!何でもないよ!」とあわてて取り繕う…
止「おかおがまた〜まっかか〜ふしぎだな〜」
誠「さあいくぞ!2人とも〜」何とかごまかして先を急ぐ…

マンション〜玄関
誠「まあ大した持て成しは出来ないがゆっくりしてくれよ〜」鍵で扉を開けていう…
刹那「お邪魔します〜」
止「ただいま〜」
誠「どうぞどうぞ〜ってアレ?」見慣れた靴が…
誠「母さん!〜帰ってるの?《確か〜夜中じゃなかったか?帰ってくるの?》」廊下を抜けて居間のソファーに寝転がっている母さん発見!
誠「母さん〜こんなところで寝てると風邪引くよ!」と言ってお越しにかかる…
554スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:13:33 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話h
マンション〜誠自宅
誠「母さん…駄目だって寝るならちゃんとベッドで寝ないと…」と言って母さんを起こしにかかると…
誠母「あら〜おかえりー…ふああ〜つい寝ちゃった…ってあれ?」見知らぬ女の子に気がついたようだ…
誠「ああ紹介するよ〜同じ学校のクラスメートで清浦刹那さん…ちょっと遊びに来たんだ〜」
刹那「あ…どうもはじめまして清浦刹那です…突然お邪魔してすいません」とお辞儀する
誠母「あらやだ〜ごめんなさい…こんな格好で〜ほほほ…」と言って誤魔化そうとしていた〜がスカートの後ろからの視線に気がついて…
誠母「止…おかえりなさい」と言って止に向かって手を広げた
止は刹那の後ろから飛び出して…おかあさんと言って手を広げた母に抱きしめられる
止「おかーさん〜」と泣きながら…
誠母「また大きくなったね〜元気だった?」
抱きしめあう2人を見て刹那はふと懐かしくもこの見たことのない光景を思い出そうとしていた
刹那《あ……そうか止ちゃんが私で誠のお母さんが私のお父さんなんだ…》
後ろから見るのは拒絶されたり無視されるのが怖くて…泣いてしまうのは受け入れてくれて安心したからだった…とふと幼い自分と止ちゃんを重ねていた…

その後、お母さんの話だと仕事のシフトを変更して帰ってきた事や夕食の準備が整って4人で楽しく食事したり…
食事の後は止が絵本を読むのを刹那にせがんだり…ついさっきまでこんな事もあった…
止「いたるね〜せっーちゃのこどもになる〜」
誠母「あら〜この前はお兄ちゃんの子供になるって言ってたけど?」
止「ん〜とじゃあ、おにーちゃがパパで〜せっーちゃがママになってふたりのこどもになる〜」
誠母「そう〜それじゃあ誠とせっちゃんが結婚しないとダメね〜」
止「うん〜」
誠「母さん…そのあんましリアクションに困る事言うなよ〜刹那だって困るよな?」
刹那「…うう…」
とさっきまで仲良く話しをしていた止も刹那の横でスヤスヤと寝息を立ててた…楽しい時間は終わった事を感じていた

マンション〜玄関
止は朝、風呂に入れることにして夜も9時なので帰る事に…
刹那「どうも遅くまで失礼しました」
誠母「またぜひ遊びに来てね…あとこれからも誠と仲良くしてね〜せっちゃん」
刹那「…はい…」
誠「じゃあ母さん〜俺、駅まで送ってくよ」
誠母「うん頼むわね〜じゃあ、おやすみなさい〜せっちゃん」
555スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:14:17 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話i
原巳浜駅へ
夜道を2人で歩く…こんな日が来るとはほんの数ヶ月前まで想像してなかった
ただ隣の席になっただけでこうも簡単に親しくなっていく〜あの半年近くの悩みや切なさは何だったんだろうか?とふと思い返す
でも…親しくなれば知れば知るほど新たな悩みと苦しさが増えていく事を考えると果たして自分のこの想いはどうすればいいのか?…
今はまだこの夜道と同じだと…先が見えず手探りと要所要所にある電灯だけが先へ進む道標…
でも隣で一緒に歩いてくれるこの人がいれば私は……
誠「本当に今日はありがとうな〜止も随分機嫌が良かったし…助かったよ〜」
刹那「ううん〜こっちこそ助かった…もし誘ってくれなかったら1人で寂しい休日になったから〜」
誠「じゃあお互い様と言う事で〜」
刹那「うん」
その後、暫しお互いに無言で夜道を進む…そして駅に着いて改札を抜けて電車が来るのを待つ〜そして…
刹那「あ…あのね…私、今度お父さんと会う機会があったら…」
誠「…うん…」
刹那「…会ってみようと思う…多分お父さんは何も変わってないかと思うけど…それでも会って話しをしようと思う…」
誠「そうか〜それも良いかもなあ…話し合う余地がある分まだマシだしな〜」
刹那「うん…」
刹那「でね…もしまた辛くなったら…今日みたく…その…あの…」
誠「うん?」
刹那「誠に…」と言おうとすると…
誠「ああ〜愚痴を聞いてやるから…安心しろ!」と言って頭をポンポンと優しく撫でてくれた…
刹那「あ……うん〜ありがとう《やっぱまだこれが限界か〜はあ》」
そして電車が来て…
刹那「止ちゃんとおばさんによろしく…じゃあ月曜日に…誠…おやすみ…」
誠「ああ〜じゃあおやすみ」
ドアが閉まり走り出す…電車が見えなくなるまで見ていた…
誠《刹那…か〜不思議だな…世界のように明るく元気一杯とか〜言葉のように女性を感じるとか…全然ないのになあ〜
どちらかと言うと…愛に近いかな〜性格は…あ〜でも愛には感じないのもあって……そうかどちらかと言うと止に近いのか〜刹那は…
確かに入学式の時の刹那は止みたいな感覚だったかも…でも今の刹那は…何か頼りになると言うか〜一緒にいて俺が安心出来るんだよなあ…
何だろうなあ〜この感覚は…》と帰り道にふと思いながら夜空の中、夜道を行く………

5話「Another SummerDay」

さてその頃、加藤家では……
556スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:15:02 ID:XaHX8JGP
SchoolDays-if5話j
加藤家〜
乙女「ただいま〜」居間に行くと可憐がソファーでテレビを視ていた
可憐「お姉〜おかえり…遅かったね〜試合はどうだった?」
乙女「練習試合とは言え県外だから遅くなったけどね〜勿論試合は全勝!…そのうちの9点は私が稼いだけどね〜」
可憐「凄い!〜今日は補欠じゃなかったんだ…しかも9点…もしかしてレギュラー入り?」
乙女「まあ〜さすがにそれは無理かもなあ…先輩差し置いて〜来年まではね〜あははは」
可憐「あ…でもお姉に残念な〜と言うか…お知らせが…」
乙女「な〜何よ…?」
可憐「伊藤先輩…彼女出来たみたいだよ…学校の同級生だって!…お姉〜知ってた?」
乙女「え?!……どういう事?…」
可憐「駅で伊藤先輩が彼女といてね…ショックだった〜」
乙女「名前は聞いたその彼女の?…彼女ってどんなヤツ?〜髪は長かった?」と突然可憐に問い質す
可憐「え?え〜と…名前は聞かなかったけど…確か《遠くから見ただけだから……髪は肩あたりより長かったような〜》うん〜長かったような〜」お姉のあまりの反応に少しパニクる〜
乙女「後は…そう胸は?」
可憐「え?!…え〜と胸?《あんな距離じゃあ分からないって〜あ〜でも確か先輩は胸大きいのが好きなはずだから…まさか彼女が貧乳はない…よね》多分〜胸は大きいかな…」オドオドしながら答える
乙女「…………………………やっぱり伊藤と桂……付き合ってるんだ……」
可憐には聞き取れない声でブツブツ言いながらフラフラとまるで消え入りそうな足取りで部屋に向かう
可憐「あちゃ…やっぱりショックデカいか〜」まあ自分も何だかんだでショックなのだが…
結局、お姉はその後一歩も部屋に出ないで寝たみたい…そんなにショック受けるなら他の女の子の邪魔しないでさっさと告白すれば良かったのに〜
とふと可憐は思っていた
可憐《まあでも私は先輩が幸せなら別に良いけどね〜お姉がいる限り先輩とは付き合えないし
いつかフリーになった先輩をゲットすればいいし〜》
と前向きに考える可憐であった…

5話完
557スクイズイフ:2008/02/08(金) 12:15:53 ID:XaHX8JGP
さて5話がやっと終わりました〜今回何が苦労したかと言うと止(いたる)の台詞…
何せ必殺の「キオウラ」が使えない〜最初から誠が刹那っていってるからね〜
キオウラは不自然と思って色々考えましたが〜どなたか良いアイデアあれば御教授お願いします
あと世界の友達の「ニキ」ちゃんが名前なのか〜漢字はどう書くか?
上と同じく〜よろしく


0話「????」
1話「隣の席から始まる物語」
1.5話「愛と誠と…」
2話「新たなる関係」
3話「友達」
3.5話「????」
4話「誤解から始まる」5話「AnotherSummerDay」
とまあエンドタイトルです〜これまですっかり忘れてましたので〜
ちなみに0話はブログに載せる予定ですのでタイトルはまだです〜同じく?はまだこれからかく予定
しかしまこちゃんとせっちゃんは描きやすくて本当に良いカップル〜いくらでも湯水のように書ける…と思うw

さてあと何話か…終わるのか?
markさんのような文才が欲しい今日この頃〜あと完結ご苦労様です
では次は6話か5.5話か〜それとも…
ではつぎでお会いしましょう
558名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 22:53:58 ID:yNpglDsI
>>557
GJ。
個人的には、『刹那「( ̄ー+ ̄)フッ〜お返し…」Vサイン』がツボ。
普通、顔文字は、文章を幼稚にするので引くのだが、
今回は、原作とうまくリンクしたので、吐血した。
やるな(笑)。
559いたると子犬:2008/02/09(土) 00:11:52 ID:MC9t4OBT
>>546
ご感想ありがとうございます。

次回でそろそろいたるに大きな変化が訪れるかも知れません。

所で17歳のいたるって皆さんはどんな外観を想像されますかね?
既存のキャラだと髪が長いときのリナリーみたいな感じかなと
個人的には思って思っているのですが。

>>557
GJです。

次回を楽しみにしています。
560名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 00:46:05 ID:NoyJUd8Z
>>559
最高でした。
世界を絡ませるのがこんなに楽しいとは。

言葉と誠には幸せになってもらいたいもんです
いたるが俺たちの気持ちを代弁してくれた!!
あんないい子いないんだから大事にしろ誠!!!
561名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 00:55:18 ID:Ww5PHlnj
>559
10年経っても誠と言葉が激烈なPTSDを発症するとは
在学中に一体何やらかしたんだ、この物語での世界(人間のほう)は…。
562名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 01:06:40 ID:+MRsejTu
>559
乙。大きな変化をwktkしてまってるお!
563名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 12:46:27 ID:1y1hMQuX
KBが466 KBしかないからまた立てないとまずいね。
それとMAKEさんの小説見れないのは残念だから保管庫とかあればいいんだけど。
564名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 13:48:23 ID:MC9t4OBT
>>560-562
ご感想ありがとうございます。

>>560
原作を始めとしてTVでも小説でも誠が言葉を粗末にしすぎですよね。
だからこんな感じのSSになっちゃいますw

>>561
その辺りもいつか触れるつもりです。

>>562
今細部を考えていますのでお楽しみに。

>>563
では私が立てておきます。
565名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 13:53:32 ID:MC9t4OBT
新スレ立てました。

スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part3
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1202532657/l50

これに伴い私がここに投入したSSは自分のブログに移していきます。
566名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 14:20:45 ID:RoBLo8vz
  らきすた スクイズ  スレ数差
12/02  352  282  (70)
12/16  359  293  (66)
01/08  367  318  (49)
01/13  369  322  (47)
01/20  371  330  (41)
01/27  373  336  (37)
02/04  375  344  (31)
02/09  376  348  (27)
567名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 14:22:19 ID:RoBLo8vz
誤爆した
スレ立て乙
568名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 16:10:36 ID:CEhW9jVO
まだ40k近くあるが大丈夫だろうか?
569名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 16:44:39 ID:qohwtumG
>>565

570名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 18:44:13 ID:MttXBFi3
571スクイズイフ:2008/02/09(土) 18:44:51 ID:MttXBFi3
>>558
ありがとうです〜
このSSを書いてるのが携帯のメモ帳で描いていてたまたまこの
( ̄ー+ ̄)フッ
が何かイメージが合ってたので使うことに…
572名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:50:24 ID:fjknuTkp
ところで、ここはもう容量がいっぱいになったのか?
573名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 03:25:00 ID:T+MNxqpf
まだ30kb強あるな
574名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 12:41:07 ID:W0d0dgb3
さて…
575名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 15:01:20 ID:sapNjK2w
  ||~"'-- ,
  ||(・∀・)*\ウメナノ
  '-- ,,___| 
    ||                     ,, --''~|'''- ,,,_
    ||               __,, -''''""__ .i- :|:::::::::::::::::"''''--- ,,,,,,_
    ||        __,, -'''""~  s t 0 k' ヒ .゙|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::~""'''--- ,,,,,
    ||  __,, ---'''"~        ___,, ---'''i i"~""'''--- ,,,_____:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    || |    ____,,, ---- ' '''""~| |  |  | | |::::::::::::::|::::::i::::::|~""'''' ----::::,,,,,,,,,
    || '"|""~~____,,゙  :| | i i i i i| |  |  | | |:::::::::::::::~""""'::::::::::::::||:::::::::::::::::::::
    ||  | |~~|   |   | | i i i i i| 十ー'''''":| | |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||::::::::::::::::::::::
    ||  |  ___ ̄    | |.._i_i_i_i_i|::_|::::::::::::::| | |::::::|~i~□~i : :::::::::::::::::||:::::::::::::::::::::_
 '''''''''||'' ' '|___|_||    :,、 _>_ ,、 i | |::::::::::::::| | |::::::|::i::;:;:;::;| : :::::::::::::::::||:_∠ニニ△
 ---- ,,,,,,,   ~~~~,.'⌒<´/^^゙ヾ´`ヽ---- ,,,,,,,|_|,,_|,,,:::|::i : ::::::!''"""""~~θニニθ .::::〔
 :::::::::::::::::::::~~~~"'''"´`i ノノソヾ!リ' ``             ..................〈⊆ニ⊇__/:⌒l:
 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ(l ゚ヮ゚ノi ももじゅーす""'''--- ,,,,,,,____   ゚~'--’  `--'~
 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::と)//iつ日:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::~~~""""'''''----- ,,,,,,,,,
             (゚w゚)'j_ヽ
              `じ'ノ´
576名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 15:02:00 ID:sapNjK2w
         _
       '´/ ,、ヽ   
       i (ノノ"))i  冬はコタツで読書に限ります
       li l|゚ ヮ゚ノl|
        リ/つ{⌒l^0
     //\ ̄⌒'^ (⌒
    // ※ \ ,´/´^`ヽ
   \\※ ※ノ〈 从ソ)ハヽ みかんサイコー  
     \`ー─(リ(!゚ ヮ゚ノリ ヽ
       ̄ ̄ ヽつ(;゚;;)つ ̄
577名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 16:05:20 ID:UmctSwZ3
PS2のあの作品のせいで一時期勢いが衰えたけど
またスレが増えていくのは嬉しい事です。
578名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 16:16:58 ID:n9+Btq2a
       >    _ きれいな景色ですよね
    ,''´ '`´ ゙ヾ '´  ,、 ヽ
    ル ンノソヾリ リノソノ ))i
    ''v(i ゚ヮ゚ノi |l、゚ヮ゚ |l i
     /ij~Y~iつ⊂i允(つリ
      l__ハ_! (( 〈|_ヽ> ))
      |__l_j    し'J
   ,,..-―'"⌒"~ ̄"~⌒゙゙"'''ョ
 ゙~,,,....-=--√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ
  T  |   l,_,,/\ ,,/l  |
 ,.-r '"l\,,j  /  |/  L,,,/
  ,,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /
 _V\ ,,/\,|  ,,∧,,|_/




誠・・・      あーあそうだな
         >    _
  (⌒  ,''´ '`´ ゙ヾ '´  ,、 ヽ
/´^`ヽ  ル ンノソヾリ リノソノ ))i
ノ〈 从ソ) ''v(i ゚ヮ゚ノi |l、゚ヮ゚ |l i
!# "-ノリ  /ij~Y~iつ⊂i允(つリ
/)允iつ   l__ハ_! (( 〈|_ヽ> ))
く/_lj〉~   |__l_j    し'J
(./J_,,..-―'"⌒"~ ̄"~⌒゙゙"'''ョ
 ゙~,,,....-=--√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ
  T  |   l,_,,/\ ,,/l  |
 ,.-r '"l\,,j  /  |/  L,,,/
  ,,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /
 _V\ ,,/\,|  ,,∧,,|_/
579名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 16:17:22 ID:n9+Btq2a
        誠くん
         _     >      
        '´/ ,、ヽ ,''´ '`´ ゙ヾ   
       i (ノノ"))i ル ンノソヾリ うわっ落ち・・  
       li l|゙ ー゙ノl| ''v(i ゚ロ゚ノi    (⌒  
       リ./)允iつ⊂ij~Y~iつ-= ,´/´^`ヽ. 
        く/_lj   l__ハ-=≡_ノ〈 从ソ)ハ  
        し'J   |__⊂こ(○リ(! ゚ д゚ ノリ{{つ えっ
  _,,..-―'"⌒"~ ̄"~⌒゙゙"'''ョ   し
 ゙~,,,....-=--√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ 
  T  |   l,_,,/\ ,,/l  |   
 ,.-r '"l\,,j  /  |/  L,,,/  
  ,,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /    
 _V\ ,,/\,|  ,,∧,,|_/     


      手を繋いでたのでよかったです。       
       _     > 
      '´/ ,、ヽ,''´ '`´ ゙ヾ   
     i (ノノ"))iル ンノソヾリ   
     li l|゚ ー゚ノl|''v(i#゚ ロノi 死ぬとこだった。
     リ./)允iつ⊂ij~Y~iつ   
      く/_lj   l__ハ_!    
       し'J   |__l_j     
  _,,..-―'"⌒"~ ̄"~⌒゙゙"'''ョ   
 ゙~,,,....-=--√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ   
  T  |   l,_,,/\ ,,/l  |    
 ,.-r '"l\,,j  /  |/  L,,,/
  ,,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /  
 _V\ ,,/\,|  ,,∧,,|_/
580名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 16:18:34 ID:n9+Btq2a
誠君が助かってよかった♪
    _     >   
   '´/ ,、ヽ,''´ '`´ ゙ヾ   
  i (ノノ"))iル ンノソヾリ   
  li l|゚ ー゚ノl|''v(i#゚ ロノi 何言ってんだ!
  リ./)允iつ⊂ij~Y~iつ 性格歪んでる世界だよ
   く/_lj   l__ハ_!    
    し'J   |__l_j     
..-―'"⌒"~ ̄"~⌒゙゙"'''ョ        \                                  /
...-=--√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ        \ あなたが落としたのはふつうの世界ですか?/
  |   l,_,,/\ ,,/l  |           \                          /
. '"l\,,j  /  |/  L,,,/
 /\,/ _,|\_,i_,,,/ /  
\ ,,/\,|  ,,∧,,|_/


                             (( ⌒(⌒ )) ブーン  
                              '´^`ヽヽ 
                              ハ((ソ从 〉}___ 
やってらんね〜_                ふが .|l、゚ヮ ゚!)リ) /\
   <   '´  ,、 ヽ                /| ̄ ̄ ̄ ̄|.\/
. ,''´ '`´ ゙ヾリノソノ ))i 誠くん             | せかい |/
"リノソヾ、 ル|l、ヮ゚ |l i  待ってください         ̄ ̄ ̄ ̄
  i、ロ゚#i)v゙ !⊂i )illリ                  ( ( ( (
   f~`l   〈|_ヽ>                   ) ) ) )
   U_.j    しヽ.)"                 ( ( ( (
  _,l,..`―'"⌒"~ ̄"~⌒゙゙"'''ョ
 ゙~,,,....-=--√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ 
  T  |   l,_,,/\ ,,/l  |   
 ,.-r '"l\,,j  /  |/  L,,,/
  ,,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /  
 _V\ ,,/\,|  ,,∧,,|_/                    END.
581名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 18:57:48 ID:bYz0a3cv
しかし、みんなよくネタがあるなー。 文才の無いオレはただただ見てるだけですよー。
582名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 01:18:07 ID:jl266cq5
私が早めに3を立ててしまい混乱を招きまして誠に申し訳ありませんでした。
次からはスレ立ては他の方にお任せいたします。

いたるSSなんですが現在親父と大喧嘩してるやつを書いてるところです。
出来次第Upします。
583名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 01:29:14 ID:3Y7Ur/L1
            ____,......、_
           ,/´::::::::::::::::::`ヽ、.     
         ,/´;::´;::::::;:::::,,;:::;;; ;,、:\    
        /;';/:::;/;/´フノ リ`゙i::::`、    
       ,/レ/;/!/○    ノ 、_!::!::;;i,   
       ,/:/:/::::/  ,、      ○ リ:;:| i!   
      ,/::::/:::::/  i  ヽ、_    |;ノi
     ,イ:::::;!:::::/|  |      フ  /:::|
    ノ,/::::/;::::::|:ヽ、 ヽ    /  /::|:::|   
   / /::::::::|:|::::::|::::::`メ、`___ ´,, イ:::::|:::ト、
  / /::;::::::|リヽ、|;/~ \|ヽ;::::::::::::::::::;|;イ `  
 ノ  /::/::::::|::::::::/::::ヽΤ`+´`、:::::::::::::::リ;|
   i::::|::::::::|::::::/:::::ノ:´゙レ、ノ、_ノ、;::::::::::::::|;|   
  /:::/|::::::;/::::/:::/::::::::::::::ヽ´::::i`、:::::::::::|i!
  /;::||::::::;/:::::/;;;/::::::::::~::::::~::|::::|;、`メ;;::::|リ
 レ´|:| !;;;;|::_;/_ソ;;::;:::;:::::;::::;:::::|:::;:i´~ー´:ノ 
   !j-ーイ_/,/,__|__|___|__|__|__|__ト;;;;/
 ''゙´"/'´`|\:::::/===/:::::::::::|===
 ^~~    ` `ソ::::::::/::::::::::ノ|::::::::|
584名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 01:29:44 ID:3Y7Ur/L1
☆+; * : 。 ☆      ☆* +:   o : 。 ☆+; *  + *  +     o
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○      o        ○            ○      o
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   。       o  、 .        o  ○
                ☆       >    _  ∞     o  ○
  o   o          人    ,''´ '`´ ゙ヾ '´  ,、 ヽ 田
               ノ::;oゝ   lル ンノソヾリ リノソノ ))i   ○
    ○        ∠;;:;;o;;;;::;ゝ  ''v(i ゚ヮノi |l、ヮ゚ |l i
             ∠:;;;;;;:: ;;:。ゝ.  /ij~Y~iつ⊂i允(つリ      o 。
      。      ∠o;;;;;;:;。;;ゝ ヾ.l__ハ_! (( 〈|_ヽ> ))     o
   。              |:::::|"(;;]X[;;.|__l_j ;;;;;;;;;;しヽ.)";;;;;;;;;;;;
            ;;´;.,ヘ ニニニ [Happy Birthday]ニ  へ ヽ
             !  <介>  ,ヘー―,ヘ―‐.,ヘ.ー‐ヘ . . <介> i
    .        从      <介>  <イト>  <介> <介>  _,,。ィ
           |  .~~"""'''''''''ー―-゛-"-――'''''''"""~~  . .: .::|
           |     ※∞※    ハハハ    ※∞※     .:|
          人. |    ※    ※ (~ヽr'~') ※    ※    ..::| 人
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        /     人"''''''''ー―-――――''''' 人 "´    \
        (_ イ  ,(::0::)  へ    人   へ  (::0::)   ト 、_ノ
           ヽ。  _/  .\  (::0::) ./  \_  _ノ
              ̄      .ヽ、_ _./       ̄
585名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 01:30:45 ID:3Y7Ur/L1
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586名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 01:52:05 ID:bupSDnMU
埋め支援
587名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 02:19:49 ID:q0vqdKLU
>>577
出来が悪いのは事実だが、それとここを一緒にしてはいけない。
588名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 17:57:45 ID:J95Tnj7B
      ,. - '¨ ̄  ̄ ̄ `  、
     /            `ヽ、
   /   ,. -‐r ― - 、 _    \
  / > ¨   |   |  `ヽ<_  }
  レ  |  |   |   |   }  }ヽ._}
 /|  }   !  __!____!   {  |  \
 | |  {  >f ¨ / |!| 「¨i <}  }  !|
 レ  ,ゝ¨| / / /  r|‐十 ト|、」 `<}   ヽ
 {/   |,{斗/   !| ノ レ' |∧! ||\  \
 | !  ィ | リ   /  圻示ト、|  !| | `ー‐く  
 | !   レ r示ミ     {!:::_:リ}|  リ .|/ ̄::\
 | ヽ.  | |ハ{::::ハ     辷ソ |   |:::::ー::::::r\
 ヽ  \ ヽ V少     ::::: | |   |:::::::::::::::::::::::\
   \ヽ\>:::::  '  ,    | !   |:::::::::/ ̄:::::::::\
    {\`ーへ、   `´   ,.ィi| !   |:::/:::::::::::::::/:::::>、
.   /|  `ー |::::`≧r -  ィV/:レ   |/::::::::::><フ^'く::\\
  / .|    |::::ヽ::::::::::::::`ーく:/    |:::::::/\ノ´ ヽ. \|ヽ \
 ./  |    |__:::::::ハ::::::::::::::::/     !/  /    ヽ  ヽ. \ \
. !  .|    {/>く_{::::___:/     /Y⌒´       ヽ  ∨ ヽ \
 |  ! !  !|>‐<>--/     ./¨          |  ∨  ヽ \
 !  .| !   |   |\,/| !    /     /      }   V   ',  ヽ
 ヽ _| !   |   |   | |    ノ    /      /    ∨  |   !
   | !   /   .|   ! |\  {         //       }   |   !
   |ハ.  /_/  ヽ. 人|_入V|         /        !   |   |
   乂Wリ ____ _V_}__ /        /          .|   |   |
    |  /::::::::::::/::::::::::::::::::/        /           ∨  |  /
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   / /::::::::::::::::{:::::::::::::::::::::|   ̄ー-、   / ̄ヽ -  ̄ _     人|
  /  |:::::::::::::::::!::::::::::::::::/         /\            / ,/!
 ./  .∧:::::::::::::::V::::::::::/          /∨\ヽ _    ___ /|/ |
 |    ∨:::::::::::::ヽ:::::/         ,イ::::::∨ `ー-<二二 _,>く  | |
./     ∨:::::::::::::::∨         /::::ヽ::::::∨   _,// |  |  | |
|      \::::::_/         /::::::::::::ヾ:::::|\_//  |  .|  |  |. |
|       | `{         /:::::::::::::::::::\∨ | |   |  .|  |  |. |
冬は寒さに耐える季節ですね、私なら大丈夫ですよ……貴方が居ますから
589名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 19:18:53 ID:jl266cq5
いたるSSを作ったのでここから埋めます。
590いたるの家出:2008/02/11(月) 19:19:43 ID:jl266cq5
いたると子犬の続編です。

いたるの家出。

沢越家前にて。

「こんな家二度と帰ってやるもんか!!」
サムソナイトとショルダーバッグを持ったいたるがそう毒づきながら
玄関の扉に蹴りを入れて家から出て行った。
身の危険を感じたり父親とケンカして無断で外泊する事を全て家出と言うのなら
いたるの小さい頃からの家出は数え切れない。

ただ行き先は誠の結婚前は母親と誠が住むマンションで
誠の結婚後は誠と言葉が住んでいるマンションか桂家と決まっているし
大体数日で帰宅するしその間学校にも普段通り通うので
世の中の不良娘が非行に走る家出とは様子が違っていた。
591いたるの家出:2008/02/11(月) 19:20:19 ID:jl266cq5
でも今回のいたるの怒り方は尋常じゃない。
持っている荷物も着替えだけでなく身の回りで必要なものは全て持ってきていた。
他のものも引越し業者に頼んで移すつもりだ。
空を見ると雪も降ってきたし冷え込んできた。
とりあえずいたるは誠達のマンションに向かう事にした。
592いたるの家出:2008/02/11(月) 19:20:54 ID:jl266cq5
誠と言葉のマンションにて


玄関先に着いたいたるは呼び鈴を押しても二人とも出てこないので合鍵を使って入った。
誠も言葉もいなくて仕方が無いのでそのまま留守番をする事にした。
お茶を淹れてリビングのソファに座って一息ついていると電話が鳴った。
すぐに留守電に切り替わって相手の声が聞こえてきた。
あの親父だった。
内容は”いたるがここにいるなら連絡させろ”との事。
「ふざけるんじゃないわよクソ親父!!あんたとはもう親でも子でもない!!
 口だってきくもんか!!」
誰もいない部屋でいたるはそう叫んだ。

夕方ソファーで寝ていたいたるは言葉に揺り動かされて目が覚めた。
「いたるちゃんどうしたんですか?」
いたるが来る事はあってもサムソナイトまで持ち出してきたことは無い。
さすがに言葉もいつもとは違う雰囲気を感じ取っているようだ。
「お姉さん・・お姉さ・ん・・うわぁぁぁぁぁ」
いたるは言葉の胸に顔をうずめて泣き出した。
「い・いたるちゃん一体どうしたんですか?」
いたるの泣き声を聞いて誠も飛んできた。
「いたる!一体どうしたんだよ!」
その後もいたるは30分くらい泣き続けていた。
593いたるの家出:2008/02/11(月) 19:22:34 ID:jl266cq5
ようやく落ち着いたいたるが理由を話すことになったのだがその内容は驚くべきものだった。
「あのクソ親父がね・・女を3人連れてきたの。」
「3人もですか?」
「うん、それも私と年が同じ位の子を3人。」
「あのクソ親父一体何考えて・・」
「次の嫁候補だって。」
「はあ?」
「自分との相性やら何やら一緒に暮らして確かめるんだって。
 でも3人とも不合格だったら誰も嫁にはしないって言ってた。」

「それは・・ひどいですね。」
「そうでしょ?私が家にいるのに・・・」
「あのクソ親父相変わらずだな。
 大体それは口実であいつには結婚する気なんてハナから無いぞ。」
「そう思ったから私だって言ったんだよ!
 あんた達バカ見るだけだからやめとけって。」
「でも誰も聞く耳持たなかったんですね。」
「うん・・あいつはそれだけじゃなくてもっと酷い事言ってきた。」
「何を言われたんだ。」

「その3人の面倒を私に見ろって。」
「えええっ!?」
誠と言葉が異口同音に声を上げるのも無理は無い。
つまりいたるに家政婦をやれという事なのだ。
「私は冗談じゃないって思ったからそこからは大喧嘩だよ。
 花嫁に相応しいかどうか調べるならそいつらに家事をやらせるべきなのに。」
「そりゃそうですよね・・・」
「でね、あいつが殴りかかってきたから急須に入れてあったお湯をかけて
 怯んだ隙に食器棚をあいつの真上に倒して下敷きにしてやったの。
 それだけじゃ気がすまなかったからはみ出してた頭を
 ガラスの灰皿で何回も殴ってやったけど。」
594いたるの家出:2008/02/11(月) 19:23:27 ID:jl266cq5
「そ・そんな事をして大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ言葉、あいつはその程度じゃ死なない。」
「それであんな家いられないと思ったから
 以前から纏めてた荷物を持って家出してきちゃった。
 迷惑かけてごめんね。」
「本当にすまない言葉、迷惑をかけてしまって。」
「誠君まで何を言ってるんですか。
 迷惑だなんて思ってませんよ。
 落ち着くまではここにいて下さい。
 今後の事ならゆっくり話し合えばいいですし。」
「そうだよ、いたるちゃんはうちに来れば何の問題もないんだし。」
また心が合鍵でそのまま入ってきたようだ。
「心!あなたまた・・」
「今はそんな事言ってる場合じゃないでしょお姉ちゃん。」

そんな話をしていると再び電話のベルが鳴った。
誠が出ると相手は件のクソ親父だった。
誠は電話で暫くケンカしていたけれどいたるの方に向き直って受話器を差し出した。
「出ろって。」
「やだよ!何であんなやつと口利かなきゃいけないの!」
「いいから出ろって!」
「誠君あんまりです!」
「そうだよ誠お兄ちゃん!」
誠は言葉に心配するなと目配せした。
いたるはその様子を見て渋々受話器をとった。
595いたるの家出:2008/02/11(月) 19:24:36 ID:jl266cq5
「代わったわよ、出るのが遅い!?やかましい!!
 あ、そう?そりゃこっちも願ったり叶ったりよ・・・」

「誠君、一体どうなってるんですか?」
言葉も気になってるようで誠に小声で尋ねた。
「親父がいたるみたいな恐ろしい娘とは暮らせないって音を上げてね。
 頼むからこっちで引き取ってくれって言ってきた。」
「じゃあいたるちゃんは私たちと暮らせるんだね。」
「ああそうだよ。」
「やったー。」
心もすごく嬉しそうだ。

いたるが受話器を置いてこちらを向くと
「やったね!いたるちゃん。」
心がいたるに抱きついた。
「うん、とっても嬉しいよ心お姉ちゃん。」
「じゃあ早速私の家に行こうよ。」
「心、家の受け入れの準備が出来るまでは
 いたるちゃんはここで預かるわ。」
そういって言葉はいたるの左手を掴んだ。
「お姉ちゃんずるいよ!
 お父さんやお母さんだっていたるちゃんを待ってるんだよ!」
心も負けじといたるの右手を引っ張る。
「お父さんもお母さんも来週まで帰らないでしょう!?」
「うちには私1人しかいないんだよ!」
「いたるちゃんは私や誠君が作るご飯が好きなの!
 心とじゃ店屋物ばかりで栄養が偏るでしょ。」
「あ・あのう・・」

言葉や心が何か言うたびに腕を引っ張られるのでいたるも困惑顔だ。
『昔もこれに近い事があったよなあ。』
誠はいたるを始めて桂家に連れて行ったときの事を思い出した。
『ただ俺の扱いもあの頃からさっぱり変わってないよなあ』
なんとも複雑な誠だった。
End
596名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 19:39:58 ID:6jxVeyB6
乙です。いたる、ついに別居か。元気娘だなあ
外道親父の魔の手から逃れたようで何より


神楽が怒り狂ったときも懲りてなさそうだから
ああ嫌われちゃったっと軽く苦笑して
別居許した程度なんだろうな、奴は
597名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 19:48:47 ID:/ohD3guP
>>595
ついに別居ですね、今後の展開が楽しみだw
そろそろ17歳いたるのビジュアルがほしいなぁ
どこぞの上手い絵師さんが描いてくれればなぁw
598名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 20:21:39 ID:vIlbMRnJ
>>595
乙ですw
いたるからしたら清々したけど、第三者視点で見るとほんと可哀相な子だよあんな父親で
つか最後の誠好きだ面白いw
599名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 20:33:53 ID:rMP3wZMi
>>597
あの・・下手糞だけど・・アニメ 351スレで・・描きましたよ・・。 榊野バージョンだけど・・。
600名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:19:10 ID:vIlbMRnJ
>>599
自分は流れてしまってて見れなかったよ…
601名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:20:21 ID:G21Gb/q1
乙です。あなた様は本当に和やかなSSを書くのがうまい。
いつも癒される。

言葉と誠で子作り旅行〜温泉編
まだ〜??
602名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:21:50 ID:rMP3wZMi
>>600
ここで迷惑でなければ、もう一度貼っても良いんですけど・・。
603名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:36:41 ID:vIlbMRnJ
>>601
誠が獣になってお風呂の中でやらないか心配だなw
>>602
wktkしてるお
604名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:41:50 ID:rMP3wZMi
断っとくけど・・・ 下手だよw

ttp://kjm.kir.jp/pc/?p=52620.jpg
605名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:44:43 ID:G21Gb/q1
浴衣姿の言葉を見て欲情
水滴が滴る艶めかしい言葉の肌を見て欲情
バスタオルを捲いて恥ずかしがる言葉を見て欲情
背中を洗ってもらう時に胸が密着して欲情
言葉と混浴して欲情
卓球の時に揺れる胸を見て欲情
恥ずかしがって布団にもぐる言葉に欲情
言葉の可愛い下着姿に欲情
言葉が勝負下着をしてきたことに感動して欲情
言葉の色っぽい寝声に欲情
言葉の可愛い寝顔に欲情

606名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:48:37 ID:G21Gb/q1
言葉がワカメ酒をやってくれて興奮と感激のあまり卒倒する誠
607名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:53:18 ID:vIlbMRnJ
>>604
d
最初のころより段々上手くなってきてるよねw
頑張ってる証拠だよ
608名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 22:06:18 ID:jl266cq5
>>596-598
>>601
ご感想ありがとうございます。

ようやく親父と引き離す事が出来ましたw
いたるの行き先とかはすでに考えていますがそれは後のお楽しみという事で。

>>601
私はエロが下手なので他の上手な職人さんたちが書いてくれると思いますよ。

>>604
なかなかいいですね。
609名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 22:47:35 ID:jl266cq5
書き忘れてたので一言。

私のブログで2/9まで
誰の主役の話が読みたいですか?
という投票を行なったのですが結果は以下の通りでした。

言葉  27
世界   2
いたる  1
心    1

と言うわけで言葉様の圧勝でした。

今度書く長編は言葉視点か言葉主役のものにします。
610名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 22:59:20 ID:vIlbMRnJ
>>609
楽しみにしてます
611名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 12:27:47 ID:b1CHYrsN
>609
神乙!桂姉妹のいたるの取り合いに萌え〜。
もっとやってくれ。次は真奈美ママンも参戦きぼんぬ。
612名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 12:58:09 ID:EJhQVRg2
              |     "''ー──‐---''ヽ
               |               /
               |             |
          、--───‐ノ''ー-,,,_         |
         `ヽ     \   "'''ー-,,,_     |
           \      \        "''''ー--┤
              /\    "'''-,,,__        |
             /  r‐\       "'''ー‐-.,,,__ |、
          /   ||,-`| \           "` \
           /    ヽYi |  /`-,,_                \
        |     \ | |   "''ー-,,,_        \
           |       ‖ |         |"'''''┬--,,,_  \
         |      |  |           ゙、   |       `ー-'
           |      |   ゙、   、        > |
         ゙、     /|  ,、゙、  `ー- .,__    /       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           ,へ / ノ,イ二ヽ、     ‐- ̄ /      < 世界、てめーは消えな
            ノ   `''y''i|.r''⌒ヽヽヽ-、   人,,,/、        \_________
    _,,,-‐'''"\  r'"‖| |   | |    ゙''"    ゙、
   /     ,,--`-|| .(l| ゝ`ー‐' ,人-.,,_       \
    |    /    ||) rヽ、゙、。/  ゙、 "''ヽ、 、  __ "''-,,_
   .|  /   ,-─i゙、ヽ `''`i! ||、   ゙、. | `ゞ`=i-"、` ̄
   |  |    /  /ト、`Tヽ<||‖ \   ゙、|、     |  ゙、 \
                                      
次スレ
スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part3             
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1202532657/l50 
                                         
613名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 18:19:47 ID:jxtPwylY
        _ (⌒
       ,´/´^`ヽ,-- 、
      ノ〈 从ソi ノノ"))リ
      (リ(!゚ Д゚!il|"ワノl! ___
         /つつ<)允iぅ=l,、,、l}
  .       く/_|ノ (_l_l_i リ ,''´ '`´゙ヾ
         し'ノ      ル ンノソヾリ゙ ?
     | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   ''v(i゚ ー゚ノi
     |        |   くj~Y~iつ
     |        |    l__ハ_!
     |_____|     |__l_j

        _ (⌒
       ,´/´^`ヽ   
      ノ〈 从ソ)ハ   ., -- 、
      (リ(!゚ ヮ゚ノリ   i ノノ"))リ
       ⊂)允iつ    |!il|"ワノノ  ___                     
  .       く/_|j〉    リ({う'`´ ゙ヾ|l,、,、l}
         し'ノ    ル ンノソヾリ゙ 
     | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ''v(i;゚ ロ゚ノi
     |        |  くj~Y~iつ
     |        |   l__ハ_!
     |_____|   |__l_j
614名無しさん@ピンキー
                                                    ∩∩∵*; 
                                                  ((.くヾl!〉))
                                                  |i とj孕!つニニニニニフ
                                                  l! |。 A。Y|∵*; 
                                                  i い),,))! ; こころ〜?!
                                                  弋 ヽ ~_丿 '`.
                                               ∵*;   '・’';
                                                                         (⌒
                           ∵*;                                    ∵*;   ,´/´^`ヽ
                         / ̄~~~ ヽ 心ちゃん?!        __,,:::========:::,,__        ∵*; ノ〈 从ソ)ハ どんだけー?!
                         | | し(! 、 A ,Y!つ           ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...      (ヽ,ヘ(リ(!゚д゚ノリ
                         i_l__jゞ"リヽ从ノヘ ∵*;       ..‐´      ゙          `‐..    (にi__{(lつ允ソぅ∵*; 
                               <          /                   \      ∵*; 
いっけーーーー!                    .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                      ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
       _                  .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙      .'                            ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
      '´r===ヽ              ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:               ゙゙゙゙゙;;;;;;
     。Σ(ノノ゙リj。              ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                             ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
   〃ノi(|゚ ヮ゚ノリ゙ヽ .)) 卩            ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
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   .  ゙く,ィ全ト、>   ))  |ノ                    ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
      (ノ ヽ_)                             /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
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                           スドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!