>>1 うむ、スレ立てごくろうっ! なーんちゃって。
前スレの立てる流れと合わせて吹いたw
>>1乙
結局タルガーナは自分で立てたのかwwwwwww
アルトネリコ2を今、売ったらいくら位になるのかな〜2000位で売れるか?
スレ立て乙!
タルガーナ様に感謝しつつ早速投下します。いつぞやのクロア&アマリエ話の続きです。
(あれが初めてだったんだよな……。相棒って呼び合ったのは。それからはいつも
言い争ってたような気がするよ……。そういえば……あの時のルカとクローシェ様、
やけに息があってたような……。急に仲が良くなったのもあれからだったか?俺が
いない間に何かあったのかな?
それから……神聖政府軍に捕らえられて、ルカやクローシェ様とはなればなれに
されたんだ。どうにかアセンションを食い止めて……そうだ、あの時も……)
ジャクリ曰く『インフェルピラの膿』を片付けた一行はボロボロの体を癒すため、
パスタリアで一泊していた。その晩、寝付くことが出来ずにいたクロアは公園に
足を運んでいた。
「はぁ……」
(あの時、ココナにダイブした時。俺は……ラクラを討てなかった。ココナを……
たった一人の義妹を犠牲にしてまで向かったはずなのに……。俺は迷ってしまった……。
結果としてルカがアセンションを止めてくれたけど……俺は……なにも出来なかったんだ。
インプランタがあればIPD達を助けられる。けど……俺が境界門を破ってしまった
ココナを助けられるかは分からない……。そしたら……俺は……どうすればいい?)
「何やってるんだろうな?俺は……」
「まったくその通りね。相棒」
いつの間にか隣にはアマリエが立っていた。
「前にも言ったけどさ、らしくないことするのは犯罪よ?」
そう言っていつものように茶化す。
「義妹の心配して何が悪い?」
「本当にそれだけ?」
アマリエは正面にまわりこむと息が触れ合うほどの距離で言う。目の前で……
瞳を覗き込みながら……まるで……心を見透かすように……。
「本当に……それだけ?」
繰り返す。
「あ、当たり前だろ!当然じゃないか。ココナのこと心配するのは」
思わず目を逸らすと、内心を隠すようにクロアも繰り返す。
「それもそっか。ここで『心配じゃない』な〜んてほざくようならアンタは馬鹿の上に
ひとでなしだもんね」
そう言うとクロアから離れる。
「実はあたしも眠れなくてさ〜。いや〜寝る前に間食したら目が冴えちゃって……」
「馬鹿だろ?お前……」
「アンタも眠れないんでしょ?なら付き合ってよ」
「何にだ?」
「夜の激しい運動」
「じゃあ……行くよ!」
言葉と同時に足を払われ、クロアは尻餅をついてしまう。
「なにするんだよ!?」
「組み手」
わけがわからないクロアに対してアマリエは返す。『何分かりきったこと聞いてるの?』
と言わんばかりの表情で。
「は?」
「体動かして疲れれば良く眠れるでしょ?」
「それはそうだけど……って、うおっ!?」
続けて回し蹴りがクロアを襲う。
「お前な!まだ相手するとは言ってないぞ」
「あ……もしかして自信無いの?」
「お前こそ不意打ちだろ!今のは。汚くないか?」
「不意打ちって……。あんなスローなのが?はぁ……。弱いものいじめは
シュミじゃないし……。そうだね、帰っていいよ、アンタ弱すぎ……」
そんな売り言葉に対して買い言葉が返る。反射的に……。
「なっ……!?黙って聞いてりゃ言いたい放題言いやがって!わかった。やってやるよ!」
「そうこないとね」
「俺だって体術の訓練は受けてるんだ。好き勝手出来ると思うなよ!」
「今度はこっちから行くぞ!」
クロアは真っ直ぐに踏み込む。
(基本は出来てるみたいだけど真っ直ぐね。読みやすい……って……えっ!?)
一気に加速し、距離が詰まる。
(速い!)
「くっ……!?」
首を動かしてかわすも体勢を直す前に次が襲う。
「はあああああっ!」
ガードしながらアマリエは読みの甘さを痛感していた。
(動きは直線的で単純。けど……踏み込みが速い!突きと戻しも。これって……
ランス持ってる時と同じ!?それに重い。なるほど……体術の訓練は基礎だけでも
鍛えられた右腕はダテじゃないってことか……。……面白いじゃない!)
アマリエが半歩下がるとクロアもそれを追う。だが……
「それぃっ!」
繰り出した右手を思い切り蹴り上げた。
「ぐっ!?」
一瞬止まった右腕を掴むと
「おりゃあああっ!」
一気に背負い投げた。
「やるじゃん、相棒」
アマリエは腕をさすりながら笑う。不敵に……。
「お前こそな……」
起き上がったクロアもニヤリと笑う。
「これなら手加減はいらないかな?」
「本気で来ないとお前が怪我するぞ?」
「ふふっ……。じゃあ……あらためて行くよ!」
「来いっ!」
「ん?お前達こんな時間に何をしている?」
二人を呼び止める声があった。その主が着ている鎧は……青。
「まずい……」
「お前達……見覚えがあるぞ!クロア・バーテルにアマリエ・ジェラード!」
「忘れろっ!」
「寝てなさい!」
正拳と跳び蹴りを同時に受けた憐れな巡視兵は気絶する。だがその後にいた二人目が
警笛を吹いていた。
「やっば〜。仲間がいたみたいね〜。逃げるよ!」
「ああ!」
20分後……
「不審者ですか?いいえ、ここには来てませんけど」
「そうか。深夜にすまなかったな」
「いえいえ、私も仕事で起きてましたから」
「戸締りはしておくようにな。それと妖しいものは中に入れないように」
「はーい。おつとめご苦労様です」
「出て来ていいよ。二人とも」
「ごめんな……シンシア」
「ありがと、恩に着るわ」
二人はシンシアの店に匿われていた。
「けど、びっくりしたよ。急に外が騒がしくなって二人が飛び込んで来るんだもん」
「本当にすまん……」
「事情は……聞かないほうがいいよね?」
「「う……」」
二人は思う。確かに聞かれたくないと。危険に巻き込みたくないからではなく
あまりにアホらしいことが原因だから……。
「私は信じてるから。クー君達が悪いことするはず無いって」
そんな彼女に対してちょっぴり申し訳ない二人だった……。
「お茶でも淹れるからさ、クー君達は少し休んでなよ」
そう言うとシンシアは出て行った。
「はぁ……。散々な目にあったわ……」
「全くだ。けど……体動かしてたら少しはすっきりしたよ」
「すっきりした?アンタ、ココナが心配だったんでしょ?」
「あ、あれは……」
「ココナも助ける。絶対に」
「え……?」
「そう思っておきなよ。駄目だった時のこと考える暇があったらさ……うまくいかせる
こと考える。失敗したらその時はその時。それから考えればいいよ。あたしもアンタも
政治家じゃないんだからさ」
「お前……気付いて……?」
「やっと認めた……。アンタと話してるとさ、読心術に目覚めたんじゃないかって
思うのよね〜」
「そんなにわかりやすいか?俺って」
「うん。めちゃくちゃわかりやすい」
「はぁ……」
また溜息が出る。だがクロアの心は大きく変わっていた。
(まだ自分を許せそうにはない。けど……ココナを助けるために出来ることをしよう。
そして……ココナが目を覚ましたら……)
「そうね、うんと優しくしてあげなよ」
「ああ……って、お前また……」
「アンタさ……詐欺にひっかからないといいわね……」
「その時はお前が加害者だろ、絶対」
「あ、それいいかも」
「オイ……」
「大丈夫だって。まあ、どうしてもお金に困ったらその時はさておき……。
あ……一応お礼言っとくね」
「は?」
「あたしもさ……少しへこんでたんだ。チェスターのことで」
「あ……」
(そうだ!こいつは……)
「けど……アンタと馬鹿やってたらさ……なんか元気出てきたよ。
だから……サンキュ、相棒」
「お前は……平気なのか?」
「あたしのことはいいよ。それよりもさ、ルカやクローシェ様の前では
あまり落ち込まないこと!あの子達も苦労してるんだから」
心の中で付け加える『主にアンタのせいでね』と。
(あのおせっかいめ……。けど……なんだかんだ言っても……アイツは
お人良しなんだ……馬鹿の上に超がつくほどの。あの時……レイシャさんを助けるために
ムーンカルバートに行った時も……)
「ルカ、危ない!」
ラキの両腰から展開した砲がルカに向けられた瞬間、レイシャは駆け出していた。
だが……その足は払われる。そして……
「……破壊します」
放たれた一条の光が貫いたのは……レイシャの足を払い……ルカを突き飛ばした人物……
アマリエの体……。
「かはっ……」
血を流し倒れるアマリエ。その姿を目にした時……クロアの中で何かが弾けた。
「貴っ様ぁぁぁっ!!!」
一直線に突っ込むと勢いを乗せた突きを繰り出す。
ギィン!
障壁に阻まれるがそれでもクロアは止まらない。
(バリアか?それなら!)
「おああああああああっ!!!」
さらにその場で踏み込むと嵐のような乱突を放つ。過負荷に耐え切れず障壁が消えた。
(もらったっ!)
だが、必殺となる一撃は……ラキが下がったことで空を切る。
(逃すか!)
再び間合いを詰め、ランスを突き出すが復活した障壁に阻まれる。
(もう復帰した?ならもう一度消し去る!)
今度は至近距離から機銃が火を噴く。
(これで……どうだ!)
全弾撃ち尽くすとクロアはその場で一回転する。そして……
「吹っ飛べぇっ!!!」
遠心力を乗せたランスで横薙ぎに殴りつけた。勢いを消しきれずにラキは壁に
叩きつけられる。
「シールド出力……52%に低下。損傷率……14%。最優先事項……目標物の回収。
離脱します」
そのままラキは飛び去って行った。
「はぁ……はぁ……。逃げられた?……そうだ!アイツは!?」
皆アマリエの周りに集まっていた。仰向けになった彼女の服は血で染まり、蒼白な顔で
目を閉じていた。不吉な予感がクロアの胸にこみ上げる。
「アマリエ……?冗談だろ!目、開けろよ!なあ!相棒!」
クロアの叫びが届いたのか……アマリエがうっすらと目を開ける。そして……
「情けない声……出さないでよ……。耳元でうるさいわよ……相棒」
弱弱しい、けれどいつも通りの……減らず口が返ってきた。
「お前……生きて……?」
「あはは、ばーか。あたしが……簡単に……死ぬわけ……ないでしょ。勝手に……
殺さないでよね」
可愛らしさのカケラも無い憎まれ口。それでも……
「は、はは。そうだよな……お前を殺れるのは俺くらいだもんな」
クロアはついやりかえしてしまう。
「ふふ、そんな口がきけるなら……心配無い……か。あたしがいなくても
しっかりやりなさいよ……相棒」
「いなくても……?まさか……お前!?」
「少し……眠るね。疲れちゃった……」
そのままアマリエは目を閉じた。
「嘘だろ……?なあ?相棒?」
涙を浮かべるクロアの耳に聞こえたのは……
「くー。くー」
「は?」
なんとも気持ちの良さそうな寝息だった……。
「えーと、その……ね」
気まずそうにルカが口を開く。
「アマリエね、大丈夫だから」
「すまん……。ついていけないんだが……」
「怪我はひどかったけど、とりあえずの処置は済ませた、ということ」
クローシェが答える。
「えーと……。俺の立場は?」
「無くは無いわね」
ジャクリが言う。
「すぐ治療に専念出来たのが大きかったわ。かなり危険な状態だったのは事実よ」
「そうか……」
「けど、よく一人であのガーディアンを圧倒できたわね。アレの類似品は知っているけど
かなりの力を持っているはず」
ジャクリは意外そうに言う。
「よく憶えてないんだが……。あの馬鹿が血を流して倒れるのを見たら……頭が真っ白に
なったというか……。けど冷静な自分もいたような……そんな感じだったかな?」
「……興味深いわね」
「興味深い?」
「ええ、是非解剖してみたいわ」
「……断る」
「そう……残念」
「クロ……。それよりもアマリエを休ませてあげないと。それに、レイシャさんも送って
あげないと……」
(まあ……アイツが助かったのは良かったとして……人騒がせだよな……あの馬鹿は……。
しばらくは療養してたわけだが……)
「ふ〜ん。ヴィーナねぇ。ヒュムネクリスタルにも色々あるんだ……」
クローシェが『メタファリカ』を謳った後、クロア達はジャイロスタビライザに向かう
ことになった。ただ、その場所を知るシュンが「調べたいことがある」ということで
二時間ほど自由行動となり、クロアは相棒の見舞いに来ていた。
ちなみに……アマリエは現在クロアの家で療養中である。医療施設はなにかと窮屈で嫌。
食事もまずいし……。と、いうのがその理由である。(ベッドはココナのを拝借中)
「街の人たちの様子はどんな?」
「ああ、クローシェ様の演説のおかげでもう一度信じてみようって雰囲気には
なってくれたよ。ただ……リムの大半を落とさなきゃならないってのは……な」
「無理も無いか……。それで故郷が消えちゃう人達にはなおさらよね……」
「ああ、俺だってミント区で生まれ育ったんだし……。お前はどんな気持ちだった?
ゆめみ野を落とした時は」
「あそこにはロクな思い出無かったから……。それでも……寂しさはあったかな……」
「そうか……」
「けどさ……大丈夫よ。……多分」
「なんでそう思うんだ?」
「レイカの演説もだけど……あの詩。心に響いたから。だから大丈夫」
「お気楽な奴……。でもその通りだよな。信じよう。タルガーナ達も頑張って
くれてるんだ」
「そうそう。それにさ、なんだかんだ言っても他に選択肢は無いわけでしょ?」
「お前な……台無しだぞ。ところで……」
「ん?」
「クローシェ様のことレイカって?」
「ああ、あの子の本名なんでしょ?公の場では無理だけどさ、普段はそう呼んだほうが
いいかなって」
「……いいこと言ってるように見えるけど……敬語使うのが嫌なだけだろ?」
「はは、さっすが相棒。よくわかってらっしゃる」
「全く……。大怪我してても相変わらずだな……」
呆れるクロアにアマリエも応える。
「怪我ごときで本質が変わるほど主体性の無い生き方はしてないの」
「ああ言えばこう言う奴ってのはお前みたいなのを言うんだろうな……」
「ま、それはそれとして……。ルカやを庇ったこと、後悔は無いけどさ……
なんであたしってこんな役回りばっかなんだろ?」
「日頃の行いだろうな」
いつものように返す。しかし、アマリエの反応は予想外だった。アマリエは……
俯いて……肩を震わせていた。
「ばか……。こんな時くらい優しくしてくれたって……いいじゃない……」
「ア、アマリエ?」
「あたしだってさ……そう思う時、あるんだよ……。あの時……撃たれて……血が
止まらなくて……怖かった、ほんとに怖かったんだから……」
「そう……だったのか?」
「うん……。死ぬのが……怖かった。でもね!それ以上に怖かったのは……もうクロアに
会えなくなること……それが……すごく怖かったのに……。酷いよ……」
「……ごめん……俺……」
いたたまれなくなり、詫びるクロア。だが……
「っていうのは冗談だけどね♪」
アマリエは急に顔を上げると笑って言った。ニヤリ、としか表現できない顔で……。
「なっ、ななななな、お前!?」
「あっははは!やーい、引っかかった」
「おーまーえーはー!たまにしおらしくなったと思えばこれかよ」
「あはは、ごめんごめん。ここのとこ退屈しててさ、ぷっ、あはは!」
「謝るか笑うかどっちかにしろ!ていうか笑うな!」
「ふふふっ、ヤバ……!ツボにハマった……あははははは!」
「殴っていいか?相棒?」
「ははっ……。ちょ……脇腹が……痛く……あはは、傷に……響く。ふふふ……
し、死ぬ……助けてよ……相棒。あははは!」
苦しそうに馬鹿笑いする相棒をクロアは呆れ果てた目で眺めていた。
「……なんでこんなのの相棒やってるんだろうな?俺って……。そのうち本気で
この馬鹿に大金巻き上げられなきゃいいけど……」
「はぁはぁ……。あー、死ぬかと思ったわ……」
「死んでも良かったぞ……お前」
クロアは言う。……割と本気で。
「なんだか楽しそうね」
そう言って入ってきたのは……
「レイシャさん?」「レイシャおばさん?」
「お姉さん、ね」
レイシャだった。
「お姉さん、って……レイシャさんはたしかもうさんじゅ……」
ゴスッ!
なにかを言いかけたクロアは沈黙する、というかさせられた。
……フライパンのカドで……。
「クロア!?あ、あの……レイシャおばさん?」
「お姉さん、ね」
レイシャはにっこりと笑う。だがアマリエはなぜかその笑顔に恐怖を感じていた。
「あ、あはは……。あの、レイシャお姉さん?」
「なにかしら?」
「え、えっと……どうしてここに?」
「クローシェ様……レイカの演説を聞いたらじっとしていられなくてね。それに……
アマリエちゃんにはきちんとお礼を言いたくて」
「お礼?」
「ええ。……ありがとう。ルカを守ってくれて」
そう言うと深々と頭を下げた。
「レイシャおば……お姉さん……」
「ルカはいつか大鐘堂に連れて行かれる。その時辛い思いをするのは
わかっていたから……だからあの子とは距離を置いていたの。でも……ルカが
撃たれそうになった時……心臓が止まるかと思った。そして後悔したの……。
もっと優しくしてあげればよかった、って。あれから……ルカとレイカと三人で話したわ。
たくさん怒って……そして怒られたわ。でも、嬉しかった。ふふ、三人で謝りあって……
最後は抱き合いながら泣いたわ」
そんなレイシャの表情はとても暖かなものだった。
「あの子達にも立場がある以上昔のようにはいられないのはわかってる。でも……
ようやく家族に戻れた気がするの。あの時、アマリエちゃんがいなかったら……
ルカが死んでしまっていたら……それは叶わなかった。だから……ありがとう」
「レイ……シャ……おばさん……」
アマリエは涙を浮かべていた。
「アマリエちゃん?」
「ごめ……なさい。聞いてたら……あたしまで……」
そんな彼女をレイシャは抱きしめていた。
「落ち着いた?」
「あたしって意外と涙もろいところがあったみたいで……。ごめんなさい、
レイシャおばさん」
「アマリエちゃんにも可愛らしいところがあったのね。ところで……」
「はい?」
「私のことはお姉さん、ね」
「あ、あはは……レイシャお姉さん。ところで……今自由時間みたいなんです。
だから……あの子達のところにも行ってあげてください」
「ああ、あの子達もここに来てるわよ。今は下の台所にいるわ」
「台所?何か作ってるんですか?」
「ええ、アマリエちゃんのために何か作ろうって。邪魔するのも悪いでしょ?」
「ふふ、なんか楽しみです」
「あの、レイシャさん?つかぬことを聞きますけど?」
ようやく復活したクロアが質問する。
「さっきの口ぶりだとルカとクローシェ様が二人で料理してるように聞こえるんです
けど……」
その顔は青ざめていた。
「ええ、そうだけど」
「ルカの腕前は知ってますよね?クローシェ様の腕前も……」
「あ……」
そこまで言われてようやくレイシャも事態に気付く。
「そ、そうね……。私も手伝ってくるわ」
「お願いします」
レイシャは言う、ただ一人理解出来ていないアマリエの手を握って。
「アマリエちゃん!」
「は、はい?」
「大丈夫よ。お姉さんにまかせておいて」
「は、はあ……」
そのまま下に降りて行った。
「なんなの?一体……」
「あー、その、何だ。あの二人は……少し苦手なんだよ。料理が……」
「言われてみれば……。ルカの作品って戦闘向けのが多いわね……。でもレイカも
いるんだし……」
「実はな……前にインフェルスフィアでクローシェ様の手料理を食べたことが
あるんだが……」
「あるんだが?」
「……その……。死ぬなよ、相棒」
「って!?なんでそこでマジメな顔するわけ!?大丈夫なの?ほんとに?」
「信じよう、レイシャさんを!」
「……旅に出るわ。捜さないでね」
「お前、怪我人だろ?」
「ここにいる方が危険な気がするのよ!」
「アマリエー、起きてる?」
今度はココナが入ってきた。
「ココナもお見舞いに来てくれたんだ?ありがとね」
「うん、ところで……さっきレイシャさんが慌てて台所に走って行ったけど……
なにかあったの?」
「大したことじゃないよ。ああ、全然。全く。これっぽっちも」
「アンタね……他人事だと思って……」
「あの、ね。アマリエと二人で話したいんだけど……いいかな?」
「あたしと?」「コイツと?」
意外な発言に二人の声が重なる。
「あたしはかまわないけど……」
「俺も別にかまわないよ。じゃあ下の様子でも見てくるか……」
「うん、ごめんね」
「気にすることないよ。あ、そうだ。もしこの馬鹿に変なことされたらすぐに言うんだぞ」
「あたしにそんなシュミは無いっての!馬鹿」
(一体なんの話をしていたのやら……。妙なこと吹き込まれてなきゃいいんだが。
結局シュンが早く戻ってきて、出発が早まったおかげでアイツは命拾いしたわけだが……。
……まったくもって残念なことにな。それから……塔を復活させて……
天界に向かうことになったんだ……。アイツは怪我が治りきってなかったから
置いていくつもりだったのに……)
メタファリカの丘には大勢の人が集まっていた。天界へと向かう者達を見送るために。
「ごめんね、お母さん。いつも心配かけてばっかりで……」
レイシャは静かに首を振った。
「謝ることは無いわ。あなたの思うままにやりなさい」
「お母さん……」
「出来ることならルカを危険なところへは生かせたくない。けれど……
それがあなた達の決意。そうでしょ?」
「うん……」
「だから……胸を張って行きなさい。そして……必ず、帰ってくること。約束できる?」
「お母さん……。うん!約束するよ!絶対に帰ってくる、お母さんのところに!」
「ええ、私はいつだってルカの無事を祈っているから」
ルカの後ろを見て続ける。
「レイカ、あなたのこともね」
「あ……」
「ほら!レイカちゃんも」
ルカは自分の後ろに隠れるように立っていたレイカを前に出す。
「あ、あの……お母さん?」
「なあに?」
「私……まだはっきりと思い出せたわけじゃないんです。でも……レイシャさんといると
なんだか懐かしい気持ちに……ううん、心があったかくなる。それで……だから……」
「ええ……」
「私、ずっと思ってたんです。もし、私にもお母さんがいたら……こうしてあげたかった、
ああして欲しかったって思うこと、まだまだたくさんあるんです。だから……だから……」
「レイカちゃん……」
言葉が出なくなってしまったクローシェ……レイカの肩をルカが抱いた。
「お姉ちゃん……」
そんな二人をレイシャは抱きしめていた。
「ルカ、レイカ、私の大切な娘達。必ず……無事で帰ってきて」
「「うん、お母さん」」
「ついにここまで来たんだ……」
クロアは塔を見上げ、昔抱いていた憧れを思い出していた。
「感慨にひたるにはまだ少し早いのではないか?」
「タルガーナ」
「もうじき出発の時間だ。緊張しているのか?」
「あたりまえだろ」
「そうか……。こっちのことは全て私が引き受けよう。お前は……思うままにやってこい、
相棒。いや……友よ」
「お前……気付いて……?」
驚きを隠せないクロアにタルガーナは呆れて答える。
「誰だって気付くさ。……お前意外なら」
「相変わらずきっついな……」
「今のお前が『相棒』と呼ぶのはあの娘だけ。そうだろう?」
「ああ。アレが相棒ってのは不愉快ではあるんだが……。なあ、タルガーナ」
「なんだ?」
「俺がいない間……アイツのことも頼んでいいか?お前なら信頼できるから……」
「……引き受けよう。少し妬けるがな……。だが本当に良かったのか?」
「ああ、まだアイツの怪我は治っていない。けど……無理してでも……両足が折れてたら
這ってでも来る。アイツは……そういう奴だ。だから一服盛ってきたんだ」
「そうか……」
「いよいよだな……」
クロアは仲間達の顔を見まわす。ルカ、クローシェ、ココナ、ジャクリ、レグリス、
シュン、そしてフレリア。これまで共に幾多の死線を越えてきた仲間達。
「よし!行こう!」
「待って!!!」
そんなクロアを止める声が上がった。
声のしたほうにいたのは……アマリエ。
「クロア……クロアー!」
感極まったように彼女はクロアのもとへと駆けてくる。必死に息を切らせて。
服の隙間からは白い包帯が見えていた。
「クロア!」
そのままクロアのもとへたどりつくと……
「この……大馬鹿野朗ーーー!」
……思いっ切り顔面を殴り飛ばした……。
「なにするんだよ!毎度毎度お前は!」
起き上がるなりクロアが叫ぶ。
「毎度毎度殴られるようなことするアンタが悪いんでしょうが!怪我人に余計な運動
させないでよ、馬鹿!」
負けじとアマリエも叫んだ。
「怪我人ならおとなしく寝てろよ!」
「そうしたいのはやまやまだけどね……ならあたしだけ置いてけぼりにしないでよ。
ご丁寧に睡眠薬まで盛りやがって!」
「あのな……。そうでもしなきゃお前ついてくるだろ、絶対」
「当たり前よ!」
「お前の怪我が治るのを待つ余裕は無いんだよ!」
「待つ必要がどこにあるってのよ!」
「腹に穴開けてる奴を連れて行けるかよ!」
「こんなのカスリ傷でしょ?……なんなら今この場でわからせてあげようか?
アンタの体に」
「望むところだ!あと半月はベッドから起きられないようにしてやるよ」
そのまま始まるかに見えたいつものやりとりは……
「いい加減に!」
「しなさいっ!」
カーン!コーン!
トゥルーリーワース姉妹によるWフライパンストライク(母直伝)により阻止された……。
「はぁ……。全くあなた達は……呆れてものも言えないわね」
「二人とも子供なんだから……」
「ですがこの馬鹿が!」「だってこの馬鹿が!」
もう一度深い深い溜息をつくとクローシェは言った。
「一緒に行きましょう」
「クローシェ様?ですが……」
「戦力は多い方がいいよ。それにさ……」
「ルカ?」
「だめって言っても勝手についてくると思うよ。それなら、目の届くところにいたほうが
心配無いでしょ?」
「誰がこんなのの心配なんか……」
「あたしは……心配だったわ」
「え……?」
「主にルカとレイカとココナとジャクリとフレリアのことが。ついでにレグリスと
おまけでシュンもね」
「つくづくお前らしい言い方だな」
「けど……一番心配だったのは……アンタのこと」
「……」
意外な言葉にクロアは黙ってしまう。
「療養してる間も心配してたんだから……。あたしのいないところでアンタが……
自分にランスを使って『ああ、わたしはなんとおろかなのだ』ってなったり、
あれこれかんがえているうちにからだをくいちぎられたりとか、くらやみであしを
すべらせてかべにたたきつけられるとか、『ほっぷ、すてっぷ、じゃんぷ、かーるいす』
っていってひのなかにとびこむんじゃないかとか……。そんなことばかり考えてたの!」
「お前は……人をなんだと……」
「おとなしく寝てると暇で暇で……。けどさ、すっごいはまり役だと思わない?」
「……パチンコでお前の目を打ち抜いてやろうか?そのときは『ふしぎなちからが
くわわるくわわる』って言ってやるから。というかお前馬鹿にしてるだろ?絶対」
「うん。全力で」
「はぁ……。わかった、好きにしろよ」
「初めから素直にそう言えばいいのに」
「けどな……もし足を引っ張るようなら……その時は塔から蹴り落とすぞ。楽しみに
してろよ、相棒」
「アンタこそ。無様な姿見せたら……その首叩き落してやるから。期待しててよ、相棒。
でも……ちょっと失敗だったかも……」
「ん?」
「ほら、せっかくならこっそり後をつけてさ……アンタ達がピンチのところで
『手こずってるようね?』とか言って出てきたほうが良くなかった?一度やって
見たいシチュエーションだったし……。はぁ……失敗」
「安心しろ。お前が生まれたこと自体がすでにとてつもない失敗だから。そんなの
今さらだ」
「ね、お姉ちゃん」
「……レイカちゃんの言いたいことはわかるよ」
「アマリエのことが……少し羨ましい……かな?」
「そうだね……」
続く
26 :
世界を変える者:2007/12/29(土) 19:26:51 ID:8ldhY4lg
レイシャさん生存話は一度見てみたかったんですけど誰も書いてくれないんで
自分で書いてみました。
GJ!
レイシャさんが生きてるのがかなり嬉しい
なんだ、タダの神か。
正直涙腺崩壊した。GJ。
いい加減なげーよ、エロなしで何レスかせいでるんだよ
長くてもエロに辿りつくにはどうしても必要ってのなら俺は構わんがね
我がエロは天地とひとつ。故にエロは無くともよいのです
じゃあエロパロの意味無いじゃん
パロの意味はあるじゃん
あの伝説の迷作(あるいはバカゲー)を知ってるとは・・・昭和の人か?
アマリエのかっこよさは異常とも思ったがこれはこれでいいかも。
最初にエロの有無を書いとけばいいのでは?それ見て読む読まないを決められるし
35 :
小ネタ:2008/01/01(火) 00:31:58 ID:yaKMiVWo
トークマターLv,11
ラキ
「ラキ、入るぞ」
「あっ、クロアさん!どうぞ」
(…やっぱり、慣れないな)
「クロアさん!この前調合でねっちょりオイルっていうのを作ったんですけど……きゃっ!」
「ラキ!大丈夫か?」
「うぅぅ、少しかかってしまいました…………っ!!」
「…ラキ?」
「クロアさん…心理プロテクタ・オフ………体が熱いんですエラー発生…………ギュッてしてくださいエラー修正不可」
36 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 07:16:10 ID:wszZa0lv
大晦日にクローシェルートを初クリア
あまりにクローシェさまが可愛いので書いてみた。10レスくらいの予定。
「……クロア? いるの?」
「え!? く、クローシェ様!?」
クロアは、大鐘堂宮殿の一室で思いがけず恋人の姿を目にしていた。
騎士団の団長であるレグリスに呼びだされ、言われた通りに謁見控え室で待っていたクロアに声をかけてきたのは
澪の御子でありクロアの護衛対象でありご主人さまであり恋人でもあるクローシェ・レーテル・パスタリエその人だった。
公式の場に出るときの御子の衣装ではなく、今は普通の過ごしやすい部屋着に着替えているクロアの想い人は
落ち着かない様子でクロアに話しかけてくる。
「……く、クロア……きょ、今日は……ずっと、…わ、私のこと、無視して…い、いったい、どういうつもりなの?」
「クローシェ様…」
「ま、また…また、『様』って!」
「……」
言葉が出なくなるクロア。
硬い表情でクローシェの言葉を聴いている。
「…クロア?」
「も、申し訳ありません、クローシェ様!」
平身低頭して謝りながらクロアはそれだけを口にする。
その言葉は、金色の髪の御子の表情を凍りつかせるのに十分だった。
その深い紫色の瞳にはみるみる涙の玉が浮き上がり、白い頬につつと光る川を作る。
その涙はとどまる所を知らずに、つややかな頬を流れ落ち形のよい顎から綺麗な雫となって部屋着の胸に
染みを作っていく。
「…ふ…ふぅ…ぐ…ふあ…ふああああああああああん」
その涙の雨がぽたぽたと降り始めると、クローシェは耐え切れずに子供のような嗚咽を漏らす。
「く、クローシェ様?!」
取り乱し、子供のように泣きわめくクローシェの様子にあたふたとするクロア。
そのクローシェは、クロアの胸に抱きつくと、恋人の名を呼びながらただ泣きじゃくる。
「く、クロア……クロア……わ、私、わたしッ……」
その綺麗な雫を恋人の胸元に染み込ませながら、澪の御子としての顔をかなぐり捨てたクローシェは
ただひたすらにその名を口にする。
「ご、ごめんなさい…ごめんなさいっ…わ、私っ…な、なんでも、しますからっ……き、キライに、ならないで…」
「え? く、クローシェ様?」
「私、どんなことでもしますッ! クロアが望むことなら、なんでも、します……だから…お願い……
お願いです……私のこと、キライに、ならないで…下さいッ…」
涙ながらに懇願してくるクローシェの態度に驚いてドギマギしてしまうクロア。
「そ、その、く、クローシェ様? ど、どうなさったんですか?」
「…ふ……ふわぁっ……く、クロアっ……クロアぁあああ」
愛しい男の子の胸の中でグスグスとまだ泣いているクローシェがようやく落ち着いたのは、
散々泣いたあとクロアがその金髪をずっと優しく撫で続けた後のことだった。
「…クロア……クロア…」
夢見心地でそうつぶやくクローシェ。
「クロアは……私のこと……まだ、好きでいてくれる?」
どこか幼い、心細いような不安そうなクローシェの言葉がクロアの胸に突き刺さる。
「その……クローシェ様? お、俺は……クローシェ様のこと、キライになったりしませんけど?」
「だ、だって……今日は、私と一度も視線を合わせてくれなかったし……わ、私の……か、身体が…ダメだから…
クロアが…ま、満足、してくれなかったのかなって……」
真っ赤になりながらそう口にする御子に、クロアは答えた。
「そ、そんなこと、ありません!」
そう叫ぶように言うと、胸の中のクローシェを力いっぱい抱きしめる。
そしてその耳元に囁く。
「お、俺は、その……昨夜、クローシェ様と…クローシェと、その……そう、なって……
その……クローシェの……初めてを、自分のものにできて……すごく、嬉しくて……
幸せで……それなのに、クローシェさ…クローシェのこと、嫌ったりするわけがないです…ないよ」
恋人の力いっぱいの抱擁に潰されたクローシェは体中の骨が溶けてしまいそうなくらいの幸福感に洗われてしまう。
「だ、だって…」
涙で塗れた頬のままでクローシェは言う。
「ク、クロアが……起きたら、いなくて……公務の間は、目も合わせてくれなくて……きっと……私の…
身体がヘンだったから、きっと私のこと、嫌いになったんだって……思えてきて…」
「そんなこと――ない」
クロアは大好きな女の子を抱きしめた腕に力を込める。
「クローシェさ……クローシェは、柔らかくて、可愛くて……愛しくて、大好きで……そんなクローシェのこと、
キライになったりなんか、絶対しない」
「クロア…」
胸から直接響いてくる恋人の告白にクローシェは体内が甘い波でいっぱいになる。
「そ、それに……クローシェが……昨日の夜は、大好きだって言ってくれて……俺に初めてを捧げてくれて…
俺……すごく、嬉しかった」
クロアに抱きついていなければ立っていられないほど、クローシェは恋人の言葉に骨抜きになる。
膝に力が入らない。クロアの背中に回した手のひらで必死にすがり付いていなければ、床に崩れ落ちてしまいそう。
「クローシェの中、とっても…暖かくて…そんなとこに入れてるだけで、俺……すごく幸せで…」
クロアの言葉に、昨晩の情景を思い出すクローシェ。
たわわな胸を優しく揉まれ、口付けの雨を体中に浴びて、男の子の熱いシンボルを両足の間に感じてしまう。
その灼熱の剛直を、女の子の一番柔らかい器官で受け入れることができて。
大好きな男の子の、硬くて興奮しきった勃起を膣で抱きしめることができて。
クローシェはただ純粋に、ひたすらに幸福だった。
「クローシェ、泣いてたのに…俺、止まれなくて、無理矢理やっちゃって…クローシェの中、気持ちよくて…
思わず中に出しちゃって…そしたらクローシェが気を失ってて…」
恋人の告白が胸に突き刺さる。
クロアの言葉はクローシェの子宮をジリジリと熱く炙っていく。
「無理矢理なんかじゃないわ!」
「で、でも、クローシェ泣いてたし」
「…そ、その、嬉しくて…クロアに抱いてもらえてる、って思ったら嬉しくて…涙、でてきちゃったの」
「……」
「……」
「ずっと、その顔みてたら嬉しいような、幸せな気持ちになれて……でも、朝起きたらなんて言ったらいいか
わかんなくなっちゃって…クローシェが目を覚ます前に、自分の家に帰ろうと思ってしまって……ゴメン」
泣き顔のままクローシェは恋人に尋ねる。
「私の…身体、ヘン……じゃないの?」
「ヘンなんかじゃない! ……あ、いや、その、俺、クローシェの身体以外は知らないから……その、
なんとも言えないけど……でも、俺、クローシェの身体、すごく好きです」
思わず敬語が混じってしまうクロア。でも真っ白い幸福の陽だまりのなかにいるクローシェは気づかない。
「だから、クローシェのこと、嫌うなんて絶対ありえない」
クローシェをぎゅっと抱きしめ、その火照った耳たぶに唇を寄せながらクロアは告白している。
クロアは抱擁を緩めてクローシェの顔を覗き込む。
「クロア…」
澪の御子さまのそんな甘い声にクロアの心臓がドキドキと高鳴る。
「クロアぁっ」
クロアの背中に廻された細い腕。細い首。つややかな頬、染みひとつない真っ白いうなじに首筋。
金色の髪の中で輝くような瞳。吸い込まれそうなくらい透明な、淡い紫色に澄んでいる瞳。
嬉しさにほころんでいる頬。ふっくらとした唇。
そんなものすべてが、クロアに向けられている。クロアに捧げられている。
「…ふ…むっ…」
クロアは迷いなく、クローシェの唇を奪った。
触れるだけで熱く溶けそうな唇の感触にクロアは動悸が高鳴っていくのを止められない。
唇同士がお互いをまさぐりあい、粘膜が触れ合う感覚にクローシェは昂ぶっていく。
クロアも興奮を隠せない。
息の上がってしまったクローシェは、小さく震えながらクロアの胸に顔を埋めて囁いた。
「クロア…私を…部屋まで…連れて行って」
羞恥に染まった頬のままでクローシェは恋人に哀願する。
クロアは恋人を抱き上げる。
いわゆる「お姫さまだっこ」の形でクローシェを抱えて歩き出す。
「…クロアっ……」
クローシェは耐え切れずに思わずそう叫んでしまう。
大好きな男の子が、自分のことを抱き上げて運んで歩いてくれている。
しなやかで、太いわけでもないのにがっしりした筋肉質の腕。
それがクローシェを抱き上げ、自分を運んでいる。
ドキドキという鼓動と、クロアの肌の暖かさに澪の御子の胸の中は熱く溶けていってしまう。
ふわふわとした無重力の中に漂っているクローシェ。
私室のベッドの上に優しく横たえられた後でもそのドキドキは止まらない。
身体にやさしく触れてくれるのは、世界で一番大好きな男の子で。
そんな恋人が、優しく部屋着のボタンを外してきたらクローシェにはもうされるがままになる他ない。
青い薄明かりのなかに浮かび上がるクローシェの身体。
白いシーツの中に、ため息が出そうなほどつややかで透明感のある素肌が露わになる。
クロアは息を呑む。
クローシェと恋人同士になってからずっと。
いや、その前から。
初めてその姿を見たときからずっと、魅入られてきたその身体が再びクロアの目の前に晒される。
たわわな胸。
クローシェがいつも見せている腰に手を当て胸をつんと突き出した姿勢のとき、その二つの小山は
形よく前に飛び出している。
御子の衣装の開いた胸元からこぼれんばかりの膨らみにクロアはいつでも見るともなく目を奪われているのだが、
今やその膨らみは一糸まとわぬ姿で目に飛び込んでくる。
その胸元から視線を外すのに苦労しながらクロアは視線を下に向ける。
そこは砂時計のようにくびれた腰。
そして肉付きのよい腰と、その両足の間の薄い金色の叢がクロアの目に飛び込んでくる。
クローシェは「隠さないで」という恋人の言葉を忠実に守り、豊満な胸元をさらに押し上げるように胸の下で
腕を組み興奮と羞恥にその透き通る肌をほのかに赤くしている。
「クロア…」
切なさに震えるそんな声でクローシェは恋人の名を呼ぶ。
クロアは恋人の全身に賞賛のキスの雨を降らせる。
薄紫色の勝気な瞳を閉じたまぶたに。
形のよい鼻に。
ふっくらとした唇に。
白くて細い首筋に。
仰向けになってもそのふくよかさの変わらない胸乳に。
軽く持ち上げてその下乳を舐めるように。
薄桃色に硬く立ち上がった乳首を口の中に含んで、舌先で擦りあげるように。
ふっくらと充血する乳暈全体を愛しむように。
びく、びく、と立ち上がってくる乳首を歯と唇で甘く絞り上げるように、キスをした。
身体のどこかにクロアの唇を受けるたびに、クローシェの呼吸は荒く浅く速くなっていく。
止めようとする甘い吐息も、いつしか固く食いしばった唇の間から漏れ出てしまう。
ちゅぷっ、と音をたてて乳首を甘噛みされ、ぬらりと臍を舌で愛撫され、クローシェは
そのたびに堪らずに切なげな喘ぎを漏らす。
それが恥ずかしいのか、クローシェは切ない声で懇願する。
「いや…こんな…聞かないでっ……恥ずかしいっ――」
そんな声すら、クロアがふとももに落とした口付けで途切れてしまう。
すべすべなふとももから唇を離すと、クロアは言った。
「聞かせて」
「……」
息を呑むクローシェ。
「クローシェのそんな声、もっと聞きたい」
――ずるい。
――クロアはずるい。
クローシェはそう思う。
――そんな風にお願いされたら、どんな恥ずかしいことだって許してしまいそうになっちゃうじゃない!
しかしどんなに恥ずかしくても、真剣な瞳で見つめてくるクロアに「イヤ」とはけっして言えないのが
クローシェという女の子なのだった。
「クロア、だけなんだから…」
子宮の上あたりに唇を押し当てているクロアの頭に愛しげに手のひらを這わせるクローシェはそう言う。
肌に触れているクロアの唇から全身に甘い波動が広がってくる。
その波に心乱されながら、クローシェはそんな言葉を口にする。
「こ、こんな声を、聞かせるのも…」
ちゅぷ、とささやかな水音がクローシェの金色の薄い恥毛の中から響く。
クロアの唇が、興奮で濡れきった股間に達したのだ。
「ふあぁっッ!!!」
もう隠しようのないあえぎ声を私室の中に響かせながら、クローシェは背筋を弓なりにしならせて
その強すぎる快感に耐える。
快楽にとろけ始めた瞳は、いつもの凛としたクローシェを知るものからは想像もできないくらい
はかなげで弱々しく、同時に幸福そうだった。
「く、クロア…クロアッ!!!!」
クロアの舌がクローシェの中を浅くなぞる。
そのざらざらとしていて、でもしっとりと滑らかな器官は昨夜処女を喪った女の子にとっては
強烈過ぎる感覚を与えてくる。
ぬるぬると、しかし身体の芯を弾くように刺激するその感覚にクローシェは軽い絶頂に達してしまった。
「ああああっ、だめ、そこ、そんなっッ――」
荒い息を吐きながら、クローシェは頬にクロアのキスを感じる。
胸の動悸が全然おさまらない。
クロアに抱かれている、というだけでクローシェは嬉しさの底なし沼にずぶずぶと沈み込んでいくような
気分になれる。
クローシェはそんな気持ちを言葉にしようと、恋人の耳に囁きかける。
「この胸も…この唇も……こ、この…………も…クロアだけなんだから」
恥ずかしくて消え入りそうな声で、クローシェは大好きな男の子に囁く。
心の奥底まで覗かせ、自分のすべてをさらけ出して深く繋がりあった想い人に、この澪の御子は
切なげに語りかける。
「クローシェ」
耳たぶから唇を離したクロアは言った。
「聞こえなかった」
「胸と、唇と……あとは?」
真剣な瞳がクローシェの心を射抜く。
クローシェは呼吸ができなくなる。
「こ、この…………………………………………い、言えない」
頬をリンゴみたいに赤くしながら、くなくなと首を振るクローシェ。
その恥じ入りっぷりはクロアに悪戯心を生じさせるのに十分だった。
「どこ?」
そう言いながら、クロアはクローシェの蕩けた肉裂を指先でなぞり、イったばかりでまだ敏感な
その器官にさらなる愛撫を加える。
指先のぬるぬるする感覚が面白くて、クロアは恋人の恥じらいの表情をもっと見たくなる。
「ここは誰のもの?」
そうクロアが問うと、耳まで真っ赤にしたクローシェは泣きそうな表情のまま言った。
「クロア…クロアだけの…」
まるで幼い子供みたいに素直なその言葉はクロアの心に染み入る。
「うん。…俺も、クローシェのしか欲しくない」
そう言うとクローシェのふっくらとした唇に何度目かのキスをする。
唇を離すと、感極まりつつあるクローシェにクロアは誓いの言葉を口にした。
「俺もクローシェのだけでいい。一生、ずっと、クローシェしか欲しくない」
ズキン、と心が震えた。
誰よりも愛している、恋しくて、好きで、信頼している男の子。
自分のことをまっすぐ見てくれる人。
自分を一番深くわかってくれている大切な人。
そんな最愛の人に、そんなことを言われたら。
さっきとは違う意味で、クローシェは絶頂に達していた。
身体が発情しただけではなく、心が感極まっていた。
クロアと触れあっている肌が嬉しい。
クロアが興奮してくれているのが幸せ。
手を握られ、固く滾った性器をふとももに押し付けられているのも。
無駄に大きくなってしまったと思っていた乳房をクロアに揉まれているのも嬉しい。
クロアの太くはないが力強い指が自分の胸に埋まりこんでいる。
その指の感触だけで、クローシェは女の子の芯が甘くしびれてきてしまうのを感じていた。
クロアの指が乳肉を掬い取り、もにもにと変形させるたびにクローシェは切ない鼻声をあげ
快楽の歓びを恋人に伝える。
今やクローシェはクロアにすべてを捧げたい、と思っている。
「……クロア…」
クローシェの熱の篭ったその声は、鈍い恋人にも何を伝えたいのかがよく理解できた。
「……クローシェ」
クロアがそう口にする。
ベッドのシーツの上に広がった白金色の髪の中で、御子の首が縦に小さく振られる。
クロアは唾を飲み込むと、その猛りきった剛直でクローシェの陰部をゆっくりと撫ではじめる。
とろとろに溶けた肉裂が、ゆっくりと亀頭で寛げられる。
充血した粘膜が、クロアの肉槍でこねられ、シーツに染みを作るほど溢れた愛液と先走りの液が
混ざり合う。
その熱くて硬い感触はクローシェの興奮をさらに高めていく。
クローシェの秘奥は、昨日処女を捧げたばかりの恋人の肉竿を再び迎え入れる準備がすっかり
整っている。
意を決したクロアは、その男根をクローシェの中に挿入する。
愛液でぬらぬらに濡れている御子の熱い媚肉は、大好きな男のシンボルをゆっくりと受け入れていく。
「く……うっ…クロアっ……」
クローシェは切なげに眉を寄せながら、それでもその深い色の瞳は恋人から離さない。
「クロア…っ」
クロアは弓なりに反り返った男根をゆっくりと、しかし最後までクローシェの中に沈めていく。
ずぶり、というような音がクロアの身体には伝わってくる。
昨日は感じる余裕のなかったクローシェの表情の変化や、切なげに漏れる甘い吐息は
クロアの興奮をさらに高めていく。
最後まで男性のシンボルが挿入されると、クローシェの内側はきゅうっ、とクロアの分身を締め上げてくる。
その内側の襞はクロアの一部を優しく、しかしきつく締めてひくひくと動いている。
クロアは身体の下の女の子の顔を見る。痛みと嬉しさの交じり合ったような、笑みと涙の混ざったような
そんな表情はクロアを激しく興奮させ、同時に切ない愛しさの渦に放り込んでいく。
だからクロアは、心の底から思っている感情を口にしてしまっていた。
「クローシェ…愛してる」
まっすぐで真摯な瞳で見つめながら、クロアはクローシェに向かって囁きかける。
「愛してる」
「ひやっ……な、なにを急…にっ」
目をまん丸にしながらも、その告白に感じてしまうクローシェ。
「あ、あの、今までは……とてもすごく好きだって、思ってたけど。でも、今本当に
クローシェのことを愛してるんだって、わかって…」
深く繋がりあったまま、そんな甘い言葉を囁かれたクローシェは、目に涙を浮かべながら答える。
「そ、そんなこと……わ、私も…あ、愛してるっ」
その言葉を口にした瞬間、クローシェの膣の内側がきゅっと収縮する。
「ク、クローシェ!? そ、そんなに、締めないでっ」
「あ、あなたが大きくしてるんでしょう? そ、そんなこと言われても……」
頭の横でシーツを握っていたクローシェの手に、クロアの手が重なる。
その手指を握り締められるとクローシェは身体から力が抜けてしまう。
そして、子宮が甘く震えるのを感じる。
勝手に子宮がきゅうんと収縮し、膣全体がクロアの肉棒を抱きしめるように
蠕動をはじめてしまう。
「クロアに…スキって、愛してるって、言われたら…」
膣道がきゅんと収縮し、ただでさえきついクロアの男根を強く食い締めてしまう。
「か、身体がドキドキして…勝手に…こう、なっちゃって」
無数の細かな襞がクロアの肉棒を刺激している。
柔らかくまとわり付き、カリ首を舐めるように擦りたててくるクローシェの内側。
イきそうになるのを必死にこらえたクロアは、意を決したかのようにゆっくりと
抽送を開始した。
「クロアっ……」
紫水晶の瞳が歓喜の涙に塗れ、じゅぷっ、という湿った粘膜の音がクロアの陰茎に伝わってくる。
「クロア……」
呆けた表情で荒い息をつくクローシェ。
その唇をクロアが奪う。
小鳥のようなキスだけで、クローシェの心は高ぶってしまう。
身体の中深くで繋がりあい、手を優しく握られ、耳たぶに口付けされるとどうしようもない興奮の頂に
押し上げられてしまう。
じゅぷ、じゅぷ、という水音が私室の中に響く。
「く、クロアぁッ…そ、そんなに……は、激しくしては…だ、だめですっ」
その声も甘く震え、ダメと言いながらも抜き差しのたびに眉根を寄せながら身体の喜びに
蕩けた表情を晒してしまう。
ふるふると揺れる乳房をクロアに掴れて優しく握り揉まれる。
たっぷりとした胸肉は、クロアの指を飲み込んで柔らかく変形する。
その指の力強さにクローシェは乳房の内側が焼かれるような感覚に囚われる。
全身の細胞を甘く焼き焦がしていく感覚。それは生まれて初めて感じているものだった。
身体の内側で膨れ上がるクロアの男根の熱さと、耳元で囁かれる声。
「クローシェ……」
興奮の隠し切れないそんな切なげな恋人の声を聞くだけで、クローシェは降りられない
快楽の高みに押し上げられていく。
そんな間にもクローシェの胸はクロアの指で甘く切なく発情させられ続けている。
もう片手の指と指を絡め合わせた手のひらからは甘い
膣の襞をクロアの亀頭のくびれで掻かれ続け、耳元では切ない吐息を聞かされ続けている。
クローシェにはそれがなんなのかわからない。
腰の裏側からじわりじわりと身体を這い登ってくる感覚。
生まれて初めて感じるそれが快楽だとはクローシェにはまだわからない。
ただ、その熱い溶岩のような快美感が全身を浸していくことだけはわかった。
「クローシェ…クローシェ……愛してるっ」
感極まったクロアが、ついにクローシェの中で果てた。
ひときわ固く熱く大きくなった肉棒が、爆発するかのように灼熱の液を
澪の御子の粘膜にぶちまけていく。
二度、三度、と一つの脈動が終わるたびに次のほとばしりがクローシェの一番奥を
真っ白に染め上げていく。
粘膜を白く焼かれ、自分の内側を恋人の体液で染められながら、クローシェはその晩二回目の絶頂に達した。
クロアは目を覚ました。
ここは自宅ではない。
天蓋付きのベッド。
柔らかいシーツにふかふかな枕。
そして横には、大好きな女の子が自分の寝顔を眺めていた。
「ようやくお目覚め?」
シーツ越しでも隠しきれないその胸の膨らみを窓から差し込んでくる朝日に照らされているクローシェ。
そんな美少女は、大好きな男の子を蕩けそうな甘い瞳で見つめている。
「お、おはようございます」
「クロア? 敬語は無しだって言ってるでしょう?」
きつい目で睨むクローシェ。
「あ、ごめん…おはよう、クローシェ」
それだけでまたクローシェの目は優しくなってしまう。
朝の光を浴びながら、クロアのことを見つめるクローシェ。
陽光を浴びる金の髪は冠のような光沢をたたえ、その深い色の瞳は蕩けそうなほど甘い視線で
じっとクロアを見つめている。
そんな熱い視線に慣れていないクロアは思わず視線を逸らしてしまう。
小顔の下にはシーツで覆われたふくよかな乳房。それはクロアの目を捉えてやまない。
「ど、どこを見ているのです?」
ちょっと怒ってるクローシェ。
恋人が自分の目を見てくれないのは相当に不満らしい。
「そういえばあなたはスタイルの良い子がスキなのだったわね?」
「い、いえ、それは違うっていうか……ちがいませんけど、そういうことじゃなくて」
「私がスタイルがよくて美人だったから好きになったのでしょう?」
「そ、そういうことではなくてですね」
「本当は胸が一番スキなんでしょう?」
「いえ、その、あまり見つめらて照れただけで……」
焦っているクロア。そんなクロアを見ているうちにクスクスと笑いをこらえきれないクローシェ。
そんな澪の御子は、困り果てている恋人の唇にキスをする。
そして二人きりのときにしか聞かせない甘い声で続ける。
「わかってるわよ。クロアがそんな人じゃないってことは」
恋人同士の間だけにしか流れない、濃密で甘美な空気が二人の間に満ちてくる。
「それにしても…昨夜は五回もするなんて……」
と言いながらも決して不満げではない御子さまに対しどこまでも真面目なこの騎士は
馬鹿正直に謝ってしまう。
「すいませんクローシェ様。…その、クローシェ様が…あんまり可愛すぎて」
その正直すぎる告白に頬を染めながらもクローシェは目を見開いて怒る。
「ほ、ほらまた『様』って! クロア! 私はあなたの何なのですか?」
シーツで胸元を隠しながら、クローシェは怒ってクロアに詰め寄る。
「…恋人です」
それでもクロアにそんな風に言われると、怒って見せようとする顔も一瞬で
笑みに蕩けてしまう。
「だ、だったら……二人きりのときにはクローシェ、と呼び捨てになさい」
「ごめん、クローシェ」
「…わかればよいのです」
そう言いながらクローシェは恋人の胸に顔を埋める。
触れ合った肌から嬉しさが生まれてくる。
押し付けた胸の内側から、切なくて幸せな波動が溢れてきてしまう。
その肌の心地よさを増やそうと、より強くクローシェはクロアに抱きついた。
シーツはずれ、裸の胸がクロアの腹筋に押し当てられる。
クロアの身体に腕を廻し、より密着した体勢で恋人の身体に自分を押し付ける。
「く、クロア?」
「はい?」
「ゆ、昨夜…あんなにしたのに…」
クローシェはシーツ越しに触れているクロアの固くなった性器に驚いている。
「ま、またこんなに…」
そう言いながらシーツの上からそのクロアの肉竿に触れ、その固さに頬を染めている。
昨晩のことを思い出しているのか、その赤くした頬のままでクロアの顔を見上げて。
そんな風に可愛くされてしまったら、クロアには「それは生理的現象だ」と誤解を解く気も
吹っ飛んでしまう。
クローシェの胸を包むシーツを引き剥がすと、たわわな胸を露にしてきつく抱きしめる。
「クローシェ」
「く…クロア…」
「だ、だめです…こんな朝から…」
「今日はクローシェは何の予定もないんですよね?」
「え…」
「クローシェが、欲しい」
真っ直ぐな言葉がクローシェの心を打ち抜いた。
「クローシェが、可愛くて、キレイで、すごくスキで、愛してるから」
クロアはクローシェの掌を掴んで、自分の股間に導く。
「こんなになってる」
羞恥と興奮と、なんらかの期待で顔を真っ赤にさせてしまっているクローシェ。
このあとクローシェは朝から可愛らしい悲鳴を幾度か上げさせられ、シーツがいろんな液でしっとり濡れてしまい
最後にはすっかり腰が立たなくなってしまったというのはまた、別のお話。
終わる
ネ申
クローシェ様かわいいよクローシェ様
実家から帰ってきて、いの一番にスレを開いたらこれだ
神社のおみくじで大吉だっただけのことはあるなと思いつつ3回ほど読み返した
超GJ
ラキwww
レイカちゃんは可愛いなぁ
GJ!
やっぱりクローシェ様可愛いよクローシェ様
キャラセレにいこうとすると真っ暗オンラインなんだけどwwww
なんだこれ('A`)
すまん、すばらしく誤爆、忘れてくれ
53 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 04:03:10 ID:hPVfcmeS
>53
まさかジャクリのそんな痴態が見られるとは……GJ!!
貴様は空気語を知らぬとみえる
ルカCS8にて
「これから鐘を鳴らしてルカの人格を分離するわ。あなたはひとりひとりを満足させること」
「満足?」
「そう。それぞれのコスにあったヤりかたでね」
「えーと、バーテンに正装、チェリーにドSと魔女。全部で5回か。体力もつかな?」
「5回?そんなわけないでしょ?」
「ん?そうか。たしかに無茶だよな」
「ひとり一回で済むわけないわ」
「は?」
「それぞれが満足するまで続けるのよ?」
「まさか・・・」
「そう。ま、大丈夫でしょ?若いんだし」
「や、やっぱりまだ心の準備が・・・」
「じゃあいってみましょうか」
「待てーーーーー!」
パラダイムシフトはできたらしいが現実に戻ってきたクロアはなぜかやつれており
対照的にルカはやたらとつやつやしていたとか。
ナニがあったのかクロアは決して語らなかった。
ルカCS8を見てて思いついた。ナニがあったのかはご想像におまかせします。
どじょう掬いか
とりあえずCS内のロリルカとロリレイカは逃げたほうがいいと思うんだ
>>56 クロア哀れw
そういや新スレになってから、ルカ神が光臨してないな…
書いてる新作期待してます
>>56 クローシェcs9でも同じネタが使えるな。いや、あっちは三人でか…
多分クロア死ぬな…。腹上死で
>>60 歌魔法で回復させればいいんだよ!
ところでシュレリア様が幼児体型なのは産みの親の趣味?
フレリアもそんな感じな以上趣味というのが定説です
オワッテルなオリジン開発スタッフ
シュレリアは、開発者の死んだ娘の姿に似せた、とかいう設定なかったっけ。
それにならって他オリジンの外見が決まったのかもな。
むしろレーヴァテイルが女性にしか発祥しないっていう設定の方が、
なにか性別差に関する思想が絡んでそうな気がする。
調合=錬金術
レーヴァテイル=アニマ・ムンディ
微妙にオカルト入ってたりする・・・
>>63 それ逆
エオリア(アルファ一号体)が、死んでしまったエレノの娘に似ていたからシュレリアって呼ばれるようになった
ちなみにエレノはメインプランナーだから開発者ではない
これは設定資料集から
容姿が幼いのはアルファ体がまだ実験体だったために、中核三角環の導体H波の量が足りなかったため
もしかしたらティリアはシュレリア、フレリアより年齢が上かもしれないし、下かもしれない
っぽいことをトウコウスフィアで言ってた
あと、2のコスモスフィア内で
「Y染色体がレーヴァテイル質の発症を邪魔している」
って言っていたけど、こじつけくさい気がする
いやまぁ、矛盾のない設定を求めるのは常だが
もっと根本的にRTが女性だけの理由があるだろう
前衛よりごつい男性RTを庇ったりしたいか?
コスモスフィアに入ってゴツカワイイ(笑)衣装なんかを着たレグリスみたいなRTとちゅっちゅしたいだろうか?
否だろう
ゆえにRTは女性のみなのだ
>>66 タルガーナとチェスターのコスモスフィアは見てみたい気がする。
だが少し待ってほしい。
ラオウやハクオロのような男性RTなら命をかけて守りたくはならないだろうか?
アッー!はごめんだがw
存在が公表されたばかりの頃のRTの社会的地位がどんなかわからんが、
第三世代なんてもんがいる以上、コトに及んだ奴がいたわけで…
>>69 こういう考察はエロパロ向けじゃない気がするがw
設定資料集見るとエオリア誕生から数年後にベータ種が量産されてるようで
その頃は戦時中のわけでまるきり戦争用の道具だったんじゃないのかな、多分
んで、その150年後くらいに魔物が人を襲うようになってシュレリアがベータ種の量産を再度行うんだよな
暗黙的差別はよくわからんが、二度目の量産する頃にはある程度の法律的人権があったんじゃないかな
>>68 すっかりイチャイチャするためのツールになってるけど、
ダイブやCSって本来はRTへの理解を深めるためのものだからな。
そういう意味では男性キャラでも、こいつ何考えているんだろう、とか
過去に何があったんだろう、っていう興味関心からダイブしてみたいけどな。
チェスターとかレグリスも、かなり波乱万丈な人生してるし、
クロアの性格もいまいち掴みづらいので、そのコスモスフィアも見てみたくはある。
空気語ってなに?
>>72 ラードルフが喋る意味不明な、あの言葉のことw
>>71 エロパロスレ的には男性にもダイブが出来るようになって
ヒロインらをダイブさせておいて中で好き放題、っていう展開がおいしいと思う。
ルカ「ここがクロアの精神世界かー。なんか小ざっぱりしてるなー」
クロ「あ、ルカだ。セックスしよう!」
ルカ「うえぇ!?な、なにいきなりぃ!?」
クロ「俺はクロアの抑制された性欲なんだ!セックス!セックス!」
ルカ「あーれー♪」
こうですかわかりません><
人間にダイブできるようになったらルカinto空猫が非常にエロい事になるだろうな…
最後まで潜ったころには調教完了!って感じで
>>77 それはレベル6だろw
1は…普通だな
3でショタ樽が出てくるw
人間のコスモスフィアってシュレリアみたいになんもない世界なんじゃなかったっけ?
エロパロだからいいの
それと、人間はバイナリ野もCSも無いはず
人間にコスモスヒィアなんてあるわけないじゃん
あんたバカぁ?
>>82 言葉足りなかったな
人間の心にダイブ出来てもCSないから
シュレリアのコスモスフィアみたいになんもない世界なんじゃね?
お前らが期待するような出来事起こらないんじゃね?って言いたかったのであって
別に人間にコスモスフィアがあるないの話じゃないのぜ
>>83 RT以外にも「精神世界の具現化」っていう技術があったら面白いだろうなーっていう
パロディ妄想だから、細かい設定との齟齬は気にせず妄想を楽しめばいいと思う。
そうそうエロパロだからw
>>84 んなこたわかってるし、俺もそう思うが
>>82で冗談でもバカと言われたら違うぜ、といいたくなるだろw
>>63〜の流れである程度マジメな考察話だったし
>>86 エロ動力に基づくエロのためのエロ考察だから、真面目でもなんでもないよ。
最終的にハァハァに行き着くのがエロパロでの理。
だから真面目に見えても半ば冗談。それを壊したから嫌がられてるだけ。
あんまり気にすんな。でもその姿勢について、86にとやかく言われることじゃないよ。
つまり好きな人とやりまくったらむっちんばでーになっちゃったミュールはありですか
ミュールなら出来ると思うがミュールだからナシw
しかし、ネタ投下はおおいに歓迎だw
上の方でRTと事に及ぶ云々とかあるが、
明らかに種族は違うけど、見た目とか人間とさほど違わない可愛い女の子、
しかもインストールや苦楽を共にしたパートナー…
そんな相手といい雰囲気になったら流されない奴はいないだろうw
解りやすく言うなら、オリカやミシャやシュレリア様に誘われたら、おまいら我慢できるか?
母さんとシュレリア様とミシャには流されるw
おいおい童貞が女に誘われたら我慢なんて出来るわけないじゃないか
ノノが相手なら我慢できる
塔との結線を一緒にやった相手なら、
ノノだろうがたこ実だろうがやってしまいそうな気はする
総勢100人の親衛隊がクローシェの棒姉妹になろうとクロアに襲いかかるSSマダー?
俺は書けんぞんなもん。
親衛隊はあのあとどうしたんだろうな?
親衛隊として警護やら身の回りの世話とかしてんのかね?
性欲処理…はルカとだから
お使いとかやっぱり親衛隊じゃね?
100人もいるんだから二人の御子を守る唄闘士になっている
LV9とか鬼の様に強いもんな
>>100 ルカの代わりにPTに入ってほしいぐらいだよな
まぁ、暴走とけたら大して強くないんじゃね?多分
ゲーム上の都合というものがだな
しかしIPDはLv7が最高じゃないか、その辺ははっきりしといて欲しかった
Lv7以上のIPDの保護が最優先だから、9が最高なんでね?
一人パラダイムシフトという単語を思いついた
つまりオナ(ry
普通に悟りだろwww
一人じゃダイブ出来ないw
一人ダイブは脳内でやってくれっていってくるよね
あのダイブ屋ときたら
そもそも「一人で解決できない問題がCSとして鬱積している」んだから
一人でパラダイムシフトできる道理なぞ存在しない
つ 時間が解決してくれる問題もある
レイシャさんのおっぱい枕試してみたいとか
ルカ様に言葉攻め徹底的にされたいとか
クローシェ様を猫扱いして楽しみたいとか
時間が解決してくれるのかよ!
もうアセンションしても良くね……?
>>112 アセンションなんかしたら妄想がそのまま現実になっちまうから面白くない
自分の思い通りにならないほうが面白いに決まってるだろってこういう妄想も
アセンションすると反映されてしまって結局堂々巡りなのでアセンションすればいいと思う
いや〜初めは皆さんそうおっしゃるんですよ
一度だけでいいからお試しください ほら、どうぞ
今回はただで構いませんから
しかしサーバーはインフェルピラ(半壊)
アセンションで全人類をインフェル・ピラに収納
↓
インフェル・ピラアボーン(反抗もされないし楽に出来るはず)
↓
人類消滅、とか出来んのかな
月にインフェルピラを隠すんだ
>>116 誰がインフェルピラアボーンするんだ?
アセンション謳った奴か?
ハイバネーションで
ちょwww
つどんな時でも生き残りがいる
流れぶった切ってSS投下。ちなみにクロア×クローシェ
新スレに移ってからずっとクローシェ様のターン!
な勢いで
「……………何やってるんですか、クローシェ様」
クロア・バーテルは手にしていたテレモの携帯端末を取り落とした事にも気付かず、呆然
とそれを見やっていた。
ここはクロアが暮らしている借家。
その二階にある彼の寝室に、クローシェはいた。
メタファリカを紡ぎ出し、世界を統べる大鐘堂の頂点に立つ御子である彼女は、ベッドの
脇に這いつくばったまま首だけをクロアに向けて固まっていた。
クローシェを心酔しているレイニなりが見れば卒倒しかねない姿勢のまま、彼女は引き
つった表情を浮かべて、
「は………はひっ」
やはり彼女らしからぬ奇妙な声を上げた。
「……それで、一体どういう事なんでしょう」
とりあえず一階のリビングまで戻り、何事もなかったかのように紅茶を入れてクローシェに
差し出すと、クロアは溜息混じりに切り出した。
「……探し物をしてただけよ」
羞恥に頬を染めたままのクローシェは紅茶には手をつけず、がっくりと肩を落としたまま答える。
彼女はテーブルの向かい側ではなく、クロアの隣――肩が触れ合うほどの場所に腰を下ろしていた。
テーブルの中央に据え置きのテレモが置かれているから向かい合って座るとそれが邪魔になる……
という理由もあったが、いまこの時に限らず常に彼女の定位置はクロアの隣なのである。
「何か落としたんですか? ……っていうか、なんで俺の部屋に?」
クロアの疑問はもっともと言えた。
メタファリカの調査や移住計画でこれ以上ないほどの激務の中、今日はようやく二人揃って
休暇が取れた日なのである。
最初はパスタリアで店を回っていたのだが、クローシェがふとクロアの家に行きたいと言い出したのだ。
ジャクリがメタファルスを離れるのに合わせてココナもまた家を出てしまい、片付けられた彼の借家は
空白ができたような広さがあった。
ココナを妹として養っていたクロアは勿論、彼女と懇意だったクローシェも少しの間寂寥に浸り、
いつしか二人は旅の思い出話をとりとめもなく交わした。
テレモの携帯端末にレグリスからの連絡があったのはそんな時だった。
メタファリカを紡いだ二人の巫女を護った功績があり、また元々騎士隊を率いるレグリスに眼を
かけられていた事もあって、クロアは一兵卒だった以前よりも増して騎士隊の仕事に従事する事が
多くなっていた。
今回の連絡もそういった類のものであり、彼はクローシェの許しを得てその場を一旦離れたのだが――
戻ってきて眼にしたのが、冒頭の光景なのである。
「だから……探し物よ」
「ですから、何のですか……?」
少なくとも今日クローシェがクロアの家に来て寝室に上がる事は一度もなかった。
だというのに探し物があるという彼女にクロアは胸の奥から微妙に嫌な予感が湧き上がってくるのを感じた。
彼女は僅かに震える手でカップを手に取り、珍しい事に小さく音を立てて紅茶を啜ってからソーサーに戻す。
かちゃん、と音がして、少しだけの沈黙。
そしてクローシェはクロアから顔を背けて、消え入るような声で言葉を紡いだ。
「その……男の人は、ベッドの下にそういった類のモノを隠すって言うから」
「………」
ぐらりと世界が傾いだような気がした。
「そういったモノ、とは」
「だ……だからっ、その……そういういかがわしい本とか、とにかくそういうのよ!」
搾り出すように叫ぶクローシェの声を遠雷のように耳に入れながら、クロアは眉間に皺を寄せた。
一体全体どういう事なんだろうか。何か陰謀の香りが漂っている。
「……持ってませんよ」
「……持ってないの?」
「持ってないとダメですか……?」
「……いえ、別に……」
気まずくなって二人して黙り込んでしまう。
クロアはいたたまれない気持ちでテーブルの紅茶をじっと見つめていたが、クローシェの方はその沈黙に
耐え切れなかったのだろう、意を決したような調子でクロアに声をかけた。
「で、でも、男の人ってそういうのを使うものではないの?
別に興味がないって訳でも、その……ふ、不能って、わけ、でも……ないし」
意を決していたのは最初だけだったようで、クローシェは次第にしどろもどろになって最後は結局くちごもる
ようになってしまっていた。
無論、クロアはそちらに興味がない訳ではない。
そして実際に幾度となくクローシェと身体を重ねている以上、不能であるはずもなかった。
「……。今は持ってませんよ」
「今は?」
訪ね返してくるクローシェにクロアは肩を落とし、大きく息を吐いた。
彼は僅かに頬を紅潮させちらちらと自分を覗いてくるクローシェの顔を一度見やると、彼は覚悟を決めた。
「ココナがいましたから」
「……まさか貴方ココナと!?」
「……クローシェ様」
「……ごめんなさい」
流石に自分で言って洒落にならないと理解していたのだろう、クローシェは肩を落として素直に謝った。
「恥を承知で告白しますが、以前は持っていました。
一応俺だって男ですから、そういうのを使う事だってありましたし」
「………」
クローシェの顔が驚きに変わり、次いで紅く染まっていく。
そんな彼女の様子を見ながら、クロアはきっと自分の顔も赤くなっているだろうと自覚しつつも言葉を続ける。
「それで、ココナを扶養する事になった後少しして……その、見つかってしまいまして」
「ま、まさかそのまま流れに身を任せて……!?」
「……クローシェ様」
「……ごめんなさい」
再びしゅんとなって黙り込むクローシェ。
その時ココナは
『あはは、クロってえっちぃんだ? でもココナに手を出したら犯罪だよ?
そんな事したらぷーで済む問題じゃなくなっちゃうからね』
と軽く流すだけで対応してくれた。
ただ、その後クロアが別の場所に隠してもココナに見つかってしまうのだ。
どこにどう隠そうが、絶対見つからないようにどれほど巧妙に隠したとしても、何時の間にかクロアの本棚に
ソレが仕舞ってあるのである。
「……なんだかもういたたまれなくなって総て捨ててしまいました」
「そ、そう……ココナって凄いのね……」
告白を終えて気が晴れたのか、クロアはふうと息を吐き出して紅茶で喉を潤した。
そして彼は改めてクローシェに問う。
「それじゃ、今度は俺の番ですね」
「え?」
「一体何だってそんなのを探そうって事になったんです?」
「……ぅ」
クロアの言葉にクローシェはあからさまに動揺し、視線をあちこちに彷徨わせ始めた。
「俺だけ自分の恥を告白するなんて不公平じゃないですか?」
「うくっ」
正道を旨としているクローシェにその言葉を使ったのが功を奏したのか、彼女は一瞬だけ言葉を詰まらせると、
おずおずと口を開いた。
「……ジャクリが『恋人同士なら相手の性的嗜好を把握しておいた方が良い』って言ってたから……」
「あいつ……ッ」
クロアはめまいを覚えつつ吐くように声を絞り出した。
普段から萌えだのなんだのと訳のわからない事を力説しているジャクリであれば、確かにそんな事を吹き込みかねない。
この分だとクローシェだけではなくルカにまで何か不穏な事を言い含めていそうだった。
ジャクリが既にメタファルスを離れてしまった事が今更ながらに悔やまれた。
もしまだこの地にいたとしたら、呼びつけてでも説教を食らわせていただろう。
「それで……どうなの?」
「え……ど、どう、って……?」
「前は持っていたのでしょう? ど、どんなのだったの? クロアはどういうのが好みなの?
わ、私としては縛ったりとか叩いたりとかそういう痛いのはちょっと……」
頬を真っ赤に染めてもじもじとするクローシェを見ながら眩暈が激しくなってきているのを感じた。
しかし、探るようにしてちらちらとこちらに期待を込めた視線を送ってくるクローシェの顔を見ては、
答えない訳にはいかない。
クロアは気持ちを落ち着かせるために一つ大きく息を吐くと、身体をクローシェに向け彼女と正対して口を開いた。
「……貴女です」
「……………え」
「以前の好みはともかく、今の好みはクローシェ様です。ありのままの貴女であれば、俺はそれが一番いい」
「………………………………………」
言い終えてクロアがクローシェを見やると、彼女は鮮やかな紫苑の瞳を大きく見開いたまま固まってしまっていた。
クロアを凝視したままふるふると震え出し……表情は全く変わっていないのに顔色だけがみるみる赤く染まっていく。
「あ……貴方っ!」
耳まで真っ赤に染め上げた彼女は、唐突に眉を険しくして怒鳴るように声を上げる。
「真顔でそういう事を言うのはやめなさい! 卑怯だわ!!」
「す、すみません……」
「いきなりそんな事……そんな、事」
波が引くようにクローシェは声を控え、うわ言のようにして何事かを口の中で呟き、赤い顔を俯けてしまう。
どうしていいかわからずにクロアがその場で固まっていると、ふとクローシェの手が伸びてクロアの服の袖を掴んだ。
「……卑怯だわ」
「……すみません」
捕まれた手に自分の手を添えると、クローシェは身体を寄せてクロアの胸に頭を押し付ける。
「もう……本当に、ずるい」
「すみません」
しなやかな少女の体つきと陽光のような金の髪から零れる甘い匂いを感じながら、クロアはそんな事を口にするしかできなかった。
顔を上げたクローシェが紫水晶の瞳をクロアに向ける。
クロアが朱の差した彼女の頬を軽く指で擦ると、彼女はくすぐったそうに身を捩ってから眼を閉じた。
身を委ねた彼女にクロアはそっと顔を寄せて口付けようとすると、不意にクローシェの方から唇を差し出してクロアへと口付けた。
ほんの一瞬だけ唇を合わせると、クローシェはすぐに口を離してクロアを見つめる。
「―――ふふっ」
驚きに固まっているクロアをよそに、彼女は口付けの余韻を愉しむかのように薄く微笑を浮かべる。
クロアはそんな彼女の姿に小さく苦笑を浮かべると、改めて待ち望む彼女の唇に自らのそれを重ね合わせた。
――二人がこうして身体を重ねるのは、逢瀬の際に必ず行う事でもあった。
メタファリカ創生以後の状況変化によって二人は共に仕事にかかりきりになり、個人として二人が共にいる事は
旅をしていた頃よりも圧倒的に少なくなった。
市井上がりで気安い感のあるルカとは違い、クローシェは御子としての立ち居振る舞いに殊更に厳格であったので、
彼女は公務の際には決して私人としての顔を出す事はなかった。
そしてクロアもまた彼女の意思を汲んで、大鐘堂の一騎士としての分は決して踏み越える事はしなかった。
結果として二人は同じ組織内にありながら、酷い時には一日中同じ場にいても一言も言葉を交わすことさえないという事も多々あるのだ。
そういった経緯もあってか、クローシェは休暇になるととかくクロアと接触を求めた。
常に触れ合える距離にいるのもその現われであったし、身体を重ねる事も同様だった。
その想いはクロアの方でも変わる事はない。
旅の道中で二人の関係を察し、彼の休暇をなるべくクローシェのそれと合わせるようにしてくれたレグリスには感謝をしてもしたりない。
クロアは久し振りに身体に抱きとめた愛しい人の温もりを逃さぬよう、強く強く抱き締めて彼女を求めた。
「んぅ……む……んっ」
唇の柔らかさを堪能するようにねぶり上げてから、クロアはゆっくりと舌先をクローシェの唇に侵入させた。
上下の口唇に差し入れるように舌を滑り込ませて、僅かに開いた歯と歯の隙間に舌先を触れさせる。
クローシェは僅かに眼を見開いたあと、官能に蕩けた表情を浮かべて迎えるように自身の舌先をクロアのそれに接触させた。
ぴりぴりと脳を灼くような刺激が頭の中に走り、絡まってきたクロアの舌を感じると彼女は弾けたように身を震わせる。
「は、んむぅ、ちゅ……ぅ……んん」
口内を蹂躙するクロアの舌に彼女は身体を震わせてそれに応える。
互いの舌を弄り合い、絡め合い、とめどなく溢れてくる唾液が混ざり合う。
密着した唇からくちゅくちゅと淫猥な音が漏れ、二人の顎を伝っていく。
口内の愛撫に溶けてしまいそうな快感を覚える中、不意にクローシェはぞくりとした感触に身を強張らせた。
「ん……っ!」
クロアの手がクローシェの身体のラインをなぞる様に撫で上げ、豊かな胸へと向かっていたのだ。
「……ぷ、あ……ク、んぅっ」
思わず口を離し声を上げようとしたが、クロアはそれを許さなかった。
顔を離した彼女に追いすがるようにして自らの唇を押し付け、再び口内へと侵入させる。
最初の時とは違い口内から押し出そうとするクローシェの舌を捕まえるように絡めとりながら、クロアは押し上げるようにして彼女の胸を擦った。
「ん、んくっ……〜〜〜っ」
クローシェがびくん、と身体を弓のように反らす。
動きを止めようとクロアの腕を掴むが、それでも彼は愛撫をやめようとはしなかった。
片方の手で彼女の背に手を回し逃げられないようにすると、もう片方の手でゆっくりと隆起した乳房を揉みしだいていく。
円を描くように胸を愛撫していくにつれて服の上からでもはっきりとわかるほどに隆起していく乳首を軽くつまみあげる。
途端、
「ふあぁああっ!!」
声と共に彼女の身体が大きく跳ねた後、かくんと身体から力が抜けてクローシェはクロアの胸元にしなだれかかってきた。
軽い絶頂に達してしまったのだ。
「……相変わらず敏感ですね」
胸の中で荒い吐息を繰り返しているクローシェに囁くと、彼女は僅かに身を揺らして彼の腕を掴んでいた手に力を込めた。
声のない抗議に彼は薄く笑みを浮かべると、眼前で項垂れている金の髪に柔らかく口付ける。
「……クローシェ様」
「あ……」
耳元で囁くと、クローシェは彼の意を察したのだろう、今度は小さく声を漏らして反応した。
そして彼女は僅かに息を呑むと、視線の先――膨れ上がったクロアのズボンにおずおずと手を伸ばした。
直前で一度躊躇しかけ、指先で僅かにクロアの下半身に触れる。
……唇の愛撫だけで快感に酔いしれていたのはクローシェだけではなかった。
クローシェが触れた彼の逸物は既にはちきれそうな程に腫れ上がっていたのだ。
「もう、こんなに……あついわ……」
自分を抱いていたクロアの身体が僅かに震えるのを感じながら、彼女は熱に浮かされたように呟き、
指先だけでなく掌全体でクロアの下腹部を撫で擦った。
く、と漏れたクロアの呻き声が耳に掠めて、クローシェは知らず淫靡な微笑を口の端に称える。
ズボンに手をかけてゆるゆると引き下ろし、クロアの自身を露出させる。
弾けるように反りたった剛直を目の当たりにしてクローシェは甘い吐息を吐きだし、そして今度は
さほど躊躇するでもなくしなやかな指をそれに絡ませる。
「すご……なんて、いやらしい……」
上気させて呻くと、クローシェは取り憑かれたようにクロアの陰茎を擦り上げる。
始めはゆっくりと、次第に緩急をつけながら、そして絡めた指の力に強弱をつけながら奉仕する。
先端から染み出してきた先走りに掌が濡れていくのも構わず彼女は手を動かす。
「……ひどい……私の手、クロアに汚されてる……っ」
にちにちと淫猥な音を立てながら揺れ動き、跳ね上がって彼女の白い指を汚していく陰茎を見ながら
クローシェは恍惚とした声を上げる。
荒くなっていく彼女の呼吸に合わせるように、手の動きが早くなっていく。
このまま続けていればそう時を置く間もなくクロアに限界が訪れるだろう。
だがクロアとしてはそれを簡単に受け入れたくはなかった。
「クローシェ様……っ」
クロアは自身への愛撫によって固まっていた動きを再開する。
胸元の衣装をひき下ろして彼女の豊かな胸を露出させると、柔らかな乳房に指を沈み込ませて揉みしだく。
その先端、隆起した乳首を軽く指でつまむと、弓の弦をそうするように弾いた。
「ひ、ぅんっ!」
悲鳴のようなクローシェの声が漏れて、びくりと身体が跳ねる。
その拍子に彼女の手淫が止まり、その隙を見逃す事なくクロアはクローシェの紅潮した頬に唇を寄せた。
「クロ、あむっ……ん、ち、ぅ」
瑞々しい口唇を吸い上げ、舌を絡めながらクロアは執拗に胸に手を這わせる。
簡単に変形し、そのくせすぐに元に戻ろうとする弾力をかき分けてクロアは彼女の双丘を堪能する。
苦しそうに眉を歪ませ、けれど恍惚として身を捩じらせ身悶える彼女の肢体を感じながら、クロアは
彼女の身体の流線をなぞるようにしながらゆるゆると手を下降させた。
「は、あ……や、んぅっ」
胸から腹部、形の良い臍を服の上からなぞり、下腹部へと手を這わせる。
そして彼の手の動きに合わせてもどかしく揺れ動くスカート、その奥のショーツへと指が伸びる……
その寸前で、唐突にクロアの動きが止まった。
「え……」
予期していた感触が訪れなかった事にクローシェは悲嘆の混ざった声を漏らした。
潤ませた紫の瞳でクロアを見上げる。しかし彼は普段見られない、どことなく意地の悪い微笑みを
浮かべながらクローシェの耳元に口を寄せた。
「止まってます」
「ぁ……ぅ」
それは自分だけが感じていた事への羞恥だったのか、それともその言葉に辱められた事への羞恥だったのか、
クロアの囁きにクローシェは頬を真っ赤に染めて俯いた。
そして視線の先、愛撫の再開を待ち望むようにいきり立った剛直に手を這わせると、クローシェは
再び細い指を動かし始めた。
それと同時に、
「ぅ、あ、あぁあ……っ!!」
クローシェの下腹部から駆け上がるような快感が走り抜けた。
それまでの行為で既に濡れていたショーツの上から、クロアが彼女の秘部を撫で上げたのだ。
「クローシェ様……」
「ふ、ぁ……ご、ごめ、ん、なさ……」
強烈な刺激に再び動きを止めてしまったクローシェは泣きそうな声で呟くと、耐えるように歯を
食いしばって意識を手淫に向ける。
「ぅ……んぐ、っ……あ、あ、ふ……んぅう」
手の動きを緩めるとクロアによって与えられる秘唇への刺激も緩まっていく。
もどかしくなって手の動きを激しくすれば、それに合わせて彼の指の動きも早まり彼女の濡れた
秘所をかき回す。
まるでお互いの恥部が連動していて繋がっているような錯覚を感じながら、二人は吐息が絡むほどに
身体を寄せ合って愛撫を続ける。
互いに互いを高めあっていくようなその行為に終わりが訪れるのはそれほど長い時間を必要としなかった。
「ク、クロ……っぁ、も、もう……私、っ」
「クローシェ様……俺も……っ」
まなじりに涙を浮かばせながら頷くクローシェを抱き寄せると、クロアは彼女の最も敏感な陰核を強く擦り上げた。
「ぃ、〜〜〜〜〜〜っっ!!」
クローシェの肢体が大きく跳ね上がり、痙攣するように震えた。
同時に彼女に弄られていた陰茎に強い刺激が走る。
声が漏れぬよう頑なに唇を噛み、強く眼を閉ざしてそれでも法悦の涙を零すクローシェの姿を見ながら、
クロアは自身を包む彼女の手に滾る白濁を撒き散らした。
その後二人は、場所をクロアの寝室へと移した。
同時に絶頂を迎えられたのは喜ぶべき事だろうが、久し振りのその行為がそれだけで
終えられるはずもない。
クロアは腰が立たなくなってしまったクローシェを抱き上げて寝室に移動すると、
ベッドに彼女を座らせてから身に纏った衣装を脱がし始めた。
「やだ……クロアったら手馴れすぎだわ」
「努力の賜物と言って下さい」
「そんな所に努力を傾けないで。……いやらしい人」
初めての時はクローシェの衣装の構造が全く理解できず、脱がせるのに悪戦苦闘する内に
盛り上がっていた気分が冷めかけてしまったという曰く付きの衣装である。
だが、今ではもう眼を瞑ってでも……睦言を交わしながらでも脱がせる事が出来るほどに理解しつくしている。
そうして今、クローシェは一糸纏わぬ姿でベッドに横たわり、クロアにその裸体を晒していた。
羞恥か官能かに僅かに赤く染まった艶やかな肌。
仰向けに寝そべっていても崩れない形の良い乳房。
まるで陶器のように滑らかで、それでいて肉感を十分に感じさせる体つき。
クローシェ・レーテル・パスタリエの総てを目の当たりにして、それが初めてではないにも関わらず
クロアは例えようもないほどの高揚を感じている。
「あ、あんまり見ないで……恥ずかしい」
紅潮させた顔を両の手で覆い、指の隙間からクロアを見つめながらクローシェは漏らした。
その消え入りそうな響きにクロアは思わず苦笑を浮かべてしまう。
豊かなその胸も、白いその肌も、そして多少時間を置いてもなお愛液で濡れている秘唇を晒していながら、
何故か顔を必死になって隠そうとしている彼女の姿がどこか可笑しくて、そして愛しかった。
「……何笑ってるの?」
「いえ……クローシェ様があまりにも可愛くて」
「なっ……あ、貴方、そん……んっ」
眉を怒らせて抗議を訴えかけたクローシェをクロアは唇を押し付けて黙らせた。
すぐに蕩けた表情になってクロアの舌を受け入れるクローシェ。
口唇を吸い舌を絡め、口内を自分の色で染めるようにねぶりあげる。
そして僅かに顔を離すと、彼女は自分を見下ろすクロアの目線から恥ずかしそうに顔を背けた。
「もう……ばか」
「クローシェ様……」
硬く隆起した陰茎をしとどに濡れたクローシェの秘所にあてがう。
彼女のその感触にびくりと震え、そして眼前のクロアを濡れた紫の瞳で見つめると、
了解の合図のように薄く微笑んだ。
「ん……っ」
ただ一人にしか侵入を許していない、そしてただ一人にしか侵入を許さないだろう彼女の
秘裂は彼を受け入れ、そして歓喜に震えた。
快感にせばまり陰茎を締め上げる膣内をクロアは身を沈めてかき分けていく。
それだけで絶頂に達してしまいそうなほどの刺激を全霊の力で押し留めて、クロアは
クローシェの膣内を抉っていく。
「あ……ぅ……っ」
身体をぶるぶると震わせてしがみ付いてくるクローシェを抱き返す。
宥めるように彼女の頭を撫で、金の髪を梳くと、彼女は僅かに力を緩めた。
陰茎にかかる力がほんの少しだけ弱くなる。
その隙に彼は一気に彼女の最奥まで滾る陰茎を押し込んだ。
「ひ、、、」
掠れた声と同時にクローシェの身体が弓ぞりにのけぞった。
口を開き舌を僅かに伸ばして、声にならない声を絞り出す。
食いちぎられるような膣内の締め上げにクロアは危うくそのまま果ててしまいそうになった。
「クローシェ、様……」
「あ……」
上気した頬に軽く口付けて囁く。
それで意識を引き戻したのか、彼女は顔を更に赤く染めて眼を反らしてしまった。
「……動きます」
「………」
クロアは言って身を起こす。
クローシェは彼の視線に耐えられないのか、自分の腕で目元を隠したまま小さく頷いた。
彼女の同意を得てクロアはゆっくりと抽送を開始する。
目元を隠したまま、彼女の唇だけが耐えるように引き絞られるのが見えた。
同時にクローシェの膣内が彼の動きに応えるように蠕動する。
舐めまわすように陰茎に吸い付いてくる襞の感触に焼けるような快感を覚えながら
クロアは彼女の胎内を擦り、削り、抉る。
「あ、ん、う、っく、……く、ぅ」
寝室に響く水音と、突き上げる度に漏れるクローシェの吐息がクロアの聴覚を犯していく。
抽送の速度を次第に上げていくと、彼女の豊かな胸が動きに合わせて踊るように揺れ始めた。
その淫らな動きにクロアはたまらず手を伸ばし、指を沈み込ませるように揉みしだいた。
「んんっ! あっ、あ、ひぅ、んく……っ」
クローシェの手が伸びて、胸をまさぐるクロアの腕を掴む。
だがそれは形ばかりの抵抗で、クロアの動きを阻害するには至らない。
情動の赴くままにクローシェの胸を蹂躙するにつれて、彼女の吐き出す嬌声が次第に大きくなる。
それに追随するような形でクロアの陰茎を締め上げる膣内の蠕動も強まっていく。
意識しない彼女の攻勢に対するようにしてクロアもまた抽送を激しくし、そして豊かな乳房を
弄ぶ動きも苛烈になる。
「ふ、ぅう、あ、んっ……」
まるでせめぎ合いのようなまぐわいの中、目元を隠していたクローシェの腕がようやく離れ、
クロアの視界に彼女の表情が飛び込んできた。
顔をこれ以上ないほどに赤く染めて、切なそうに眉を歪めるクローシェの痴態。
それを見られる事は限りなく嬉しい事なのだが、それからクローシェの取る行動はクロアの心中に
僅かな陰りを齎すのもまた事実だった。
「んっ、んんっ、ぅ、く、ぅう……!」
クローシェは快感に身悶えながら、自らの指を噛んで必死に声を抑えているのだ。
彼女がそうして声を出さないようにするのはこれが初めてではない……というより、
行為に盛り上がってくると決まってそれをするのだ。
それまでの休暇の時にはまだココナが家にいたためクロアの借家で行為に及ぶ事は一度もなかった。
御子という立場上、市井のようにそういった類の宿場に赴いて……という事もできない。
なので二人が身体を重ねるのは決まってクローシェの私室だったのだ。
彼女の私室は大鐘堂の内部であるので、クローシェが声を抑えようとするのはクロアにも理解できたし、
だからこそこれまでは彼女のその行為をどうこうしようという気はなかった。
だが、今回は違う。
ここは彼女の私室ではなく、クロアの寝室だ。
防音に優れているとはいえないだろうが、少なくとも彼女が自分の立場から声を出すのを憚る事はない。
それで噂になっても困るのはクロアであるし、彼はそれでも構わなかった。
それ以上に、クローシェの声が聞きたいのだ。
「クローシェ様」
「ぅ……?」
クロアは腰の動きを止めて、指を噛むクローシェに呼びかける。
快楽の涙に濡れた瞳を受け止めつつ、彼はそっと彼女の手を取った。
「……っ!!」
途端クローシェの身体がびくんと震え、クロアの拘束から逃れようと頭を振った。
「声を、聞かせて下さい」
「うぅっ! んうぅううっ!?」
悲鳴のような声を上げるクローシェの唇から、半ば強引に指を離させる。
唾液の糸が僅かに唇と指との間で糸を引き、そして雫になって零れた。
すると彼女はまさに糸が切れたように、その瞳からぼろぼろと涙を零し始めた。
「いや……やぁだあ……!」
端正な顔をくしゃりと歪めて、子供のように泣き始める。
それまでの彼女の態度とは違う、明らかな拒絶と怯えの表情にクロアの心の奥で大きな罪悪感と
僅かな寂寥感が湧き上がった。
「クローシェ様……どうして」
「ぐすっ、う……だ、だって……ひぅっ、声、出ちゃう、から……」
「……俺は貴女の声が聞きたいです」
クロアは心からクローシェに訴える。
しかし彼女は、それでもいやいやと首を振って彼を拒絶した。
クロアの胸を締め付けられるような痛みが走り抜ける。
だがそれは、
「……声、抑え、られな……嫌われちゃう……はしたない女だ、って……」
「―――」
涙を零しながら漏らすクローシェの声で消えてなくなった。
安堵と同時に堪えきれない熱い想いと、そんな彼女をもっと愛したいという情動が駆け巡る。
先走りそうになる情動をどうにか押さえ込みながら、クロアは繋がったままのクローシェに身体を寄せた。
そして顔を赤くして眼を反らしている彼女を見つめながら、彼は彼女の手――強く噛んで痣ができている指にそっと口付けた。
「……嫌いになんてなりません」
「え……」
「言ったはずです、俺はありのままの貴女が好きだと。
普段の凛としたクローシェ様も、ファンシーショップで子供のようにはしゃぐクローシェ様も、
そして貴方が言う"はしたない"クローシェ様も……総てひっくるめて、俺は貴女が好きなんです」
「ク――っ」
名を呼ぼうとしたクローシェの声が、嗚咽で途切れた。
声の代わりに溢れ出した涙が、頬を伝う。
クロアは彼女の手を強く握り締めて指を絡ませ、彼女の頬に口付けて涙を拭った。
「……聞かせて下さい。ありのままの貴女の声を」
「………っ」
クローシェはクロアの手を握り返し、もう片方の腕で彼の背中に手を回す。
歓喜か期待か、強く蠕動した彼女の胎内を感じながらクロアは再び腰を動かし始めた。
「……う、はぁっ、っく……んあ、あぁ、ああぁあっ……!」
拘束のない彼女の唇から嬌声が漏れ始める。
指を絡ませた手を強く握り締め、クロアの背中に爪を立てて、彼の肉体を全身で感じる。
そしてクロアの陰茎が最奥まで抉ると、
「あぁあああぁあぁああぁっ!!!」
はじけた様にクローシェは大きな悲鳴を上げた。
同時にこれまでにないほどクローシェの膣内が彼の陰茎を絞り上げる。
クロアは歯を食いしばって射精を堪え強く腰を打ちつける。
「うぅううっ! あ、ひぐっ、う、んんんっ、あ、あぁう! ぅあぁあっ!!」
歓喜に彩られた、絶叫のようなクローシェの声が室内に迸る。
聞いた事のない彼女の叫び声を耳朶で受け入れながら、クロアはその声に返すようにして激しくクローシェを求めた。
「ぅあああ、あー、あぁあっ!! く、くろっ、んううぅう!! クロ、アっ!! クロアッ!!」
「クローシェ様……クローシェ……っ!」
「ひぅっ、く、んんっ! あ、くろあ……す、き……ふぁあう! すきぃ……っ、だいすきっ!!」
「俺も、好きだ……クローシェを、愛してる……!!」
「ひぁあうぅうう!!」
必死に身体にしがみ付き、その胎内で彼を求めるクローシェに彼はもう胸を愛撫する余裕などない。
狂ったように彼女の身体に腰を打ちつけ、彼女の白い身体を犯し貪る。
「やっ! わた、わたしっ、もう……っ!! くるっ、きちゃう、うぅうううっ……!」
「俺も……もう……っ」
「い、いっ、しょ……っ! このまま、いっしょに、い、ぃいぅぅぅうぅっ!!」
「クローシェ……!!」
彼女の狂態とその締め付けを前に限界などとうに通り過ぎていた。
クロアは煮えたぎるような彼女の胎内、その一番奥にまで陰茎を深く突き入れると、
千切れかけていた理性を手放してその欲望を解き放った。
「あ、あぁっ、ぅああぁああぁあぁああぁあああぁあああっ!!」
耳をつんざくような叫びが響き渡る。
途切れる事のない彼の脈動と身体の裡に流し込まれる白濁を全身で感じながら、クローシェは意識をあっさりと手放した。
「……死んでしまいたい」
ベッドの中で意識を取り戻したクローシェが開口一番漏らしたのは、そんな言葉だった。
「あんなあさましい声を上げてしまうだなんて……全部クロアのせいよ」
「……すみません」
腕の中から恨めしげに見上げてくるクローシェを見ながら、クロアは苦笑を押し殺しつつ答えた。
「変な噂がたってしまったらどう責任をとるつもりなの?」
「……その時は俺がお護りします」
「もう……それを言えばいつも私が許すと思っているなら、大間違いなんだから」
口を尖らせて呟きながらも、クローシェはクロアの温もりを確かめるように顔を彼の胸に沈めた。
クロアは身を寄せる艶やかな金の髪をそっと撫でくしけずると、彼女はくすぐったそうに身を捩らせた。
「次はいつ休暇が取れるのかしら」
「……それは」
「それまではまた、いつもの御子と騎士でいなければならないのね」
「………」
どこか空虚さを伴ったクローシェの囁きに、クロアは答える事ができなかった。
今日を過ぎ明日になれば、二人はまた御子と騎士に戻らねばならない。
立場と職務が異なる以上、いかに尽力したとしても休暇が重なる事はそうそうできはしない。
そしてその休暇でさえも、急に入る仕事で潰れてしまう事がある。
二人が今ある立場は、そういった類のものだった。
そんな時、クローシェがくすりと笑い声を漏らす。
「……いっその事、結婚でもしてしまいましょうか」
「……え」
「そうすれば公務の時一緒にいて話をしても誰憚る事なんてなくなるわ。
これだけ忙しいなら式の一つや二つ増えたってどうって事はないし」
「………」
どこか夢見心地で囁き、同意を求めるかのようにクローシェはクロアの手を握る。
恐らくは、事後の余韻でまどろんでいるのだろう。
クロアはそう思う事にした。
だから、
「それはお断りします」
はっきりと彼はそう答えた。
「クロ、ア?」
クローシェが涸れた声を絞り出し、クロアを見上げる。
見つめる紫の瞳には驚きと、疑問と、悲嘆の色彩が浮かんでいた。
クロアはクローシェのそんな瞳を見据えたまま、彼女が握ってきた手を強く握り返して口を開いた。
「俺はそんなついでのような形で貴女と一緒になりたくはありません」
「ぁ――」
「メタファリカへの移住が総て終わって、皆が落ち着いたら……その時に改めて、貴女を貰いに行きます」
「―――」
透き通るようなアメジストの瞳が大きく見開かれる。
何か言葉を出そうとして、けれどそれを声にする事ができずにいるクローシェの華奢な身体をクロアは力の限りに抱き締めた。
その温もりと想いが彼女に伝わるよう。
彼女の温もりと想いを逃さぬよう。
強く強く抱き締める。
「――必ず、君を貰いに行く」
「――うん。待ってる……待ってるから」
彼女は震える声で小さく答えると、愛しい人のぬくもりを感じるその胸に、静かに涙を零した。
その後、クローシェはこれまでにも増して移住計画を精力的に推し進めるようになった。
彼女の唐突な変化に、何も知らない周囲の人間は一様に首を傾げながらも必死に職務に従事するしかなかった。
一方でクロアはその変化の事情を類推できる幾人かから突付かれたりもしたのだが、彼は所在なさげに頬を掻くだけだった。
メタファリカ――人々の夢見た理想郷。
その場所へと辿り着くのは、もはや遠い夢ではなかった。
Fin.
以上。
改めて見ると真っ黒でスゲー重いわ・・・ごーめーん・・・
ところで今回はラブエロだった訳だが
実はクローシェ様のエロで一番最初に思いついたネタは
「姫巫女クローシェ 〜貴方って本当に最低の犬だわ!」
だったりする
あそこまでブチキレるのはアリだったんだろうか・・・
黒くないし可愛いじゃん!
ああもうクロアは凛々しいしそりゃクローシェ様も惚れるってもんよ
クローシェのセリフ回しがすごく自然で上手いっすね
漏れは
>>46を書いた香具師なわけだが
せめてアンタの1/10くらいの文才ですら身に着けてみたいよ
ホントGJ!
>姫巫女クローシェ 〜貴方って本当に最低の犬だわ!
ものすごく読みたい!
おkkkkkkkkkkkkkk
しかし俺が真面目に読むのはエロの前後だけなのであった
いかにエロに入るか、そしてエロ後のまったり感をどう描くかを見たいんだよね〜
エロはおまけ?w
テラGJでした
姫巫女クローシェ見たいですw
出来れば…いえ、なんでもないです
マジGJ!!
クローシェ様大好きな俺にとっては最高だったわ
141 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 06:32:03 ID:q6ZhXnmH
憂いを帯びた吐息をそっと押し殺す目の前の親友に、ボンベルタンの看板娘である空猫
は首を傾げた。
「どうかしたの、先輩?」
「え?」
ぱちくり、と少し金がかかった茶色の瞳を瞬かせて、吐息の主が空猫とは別の方向に首
を傾げる。生クリームがたっぷり載ったパフェのグラスを傍らに押しやった空猫が、ずい
っとそちらに身を乗り出した。
「え、じゃなくて。そりゃね、そっとため息をこぼす先輩だなんて絵になりすぎてたまん
ないけれども、やっぱり親友としては心配じゃないの! どうしたの、御子様業がしんど
いの? それとも歌手の方? それとも」
「ちょ、ちょっとちょっと、ストーップ空猫!」
両手を突き出して、ルカ・トゥルーリーワースは迫ってくる空猫に制止をかける。とり
あえず前進を止めた空猫の様子に、ルカは椅子の背に身を預けるようにしてさっきから一
口も飲んでいなかった紅茶に口を付けた。
「相変わらず暴走屋なんだから、空猫は。なんでもないよ」
「先輩のなんでもないよくらい信用出来ないものはないわね。私の料理の腕くらい」
「……自覚があるのは喜ぶべきなのか、それともそれを引き合いに出される私って一体っ
て落ち込むべきなのか、とっても迷うところだね」
複雑そうな表情でカップをソーサーに戻したルカは、窓の方に目をやる。昼下がりのボ
ンベルタンは、ランチタイムが終わり、次のディナータイムまでしばしの小休止だ。ラク
シャクに仕事に来たついでに顔を出したルカが空猫の休憩に付き合いながらおしゃべりに
興じるのは新大陸創成以来の習慣だったが、いつもはにぎやかに盛り上がるはずのおしゃ
べりにちっとも乗ってこなかったのだ。
それどころかため息まで押し殺し、あまつさえ遠い目で窓の外を眺める始末。
「……ねえルカ、何があったの? 秘密厳守でなんでも相談に乗るわよ?」
いつもとは呼称を改めて真顔で見つめてくる親友に視線を戻したルカは、両手をテーブ
ルの縁にかけてうーんと腕を伸ばす。
「――ほんとに、誰にも言わない?」
「生クリームにかけて」
あくまでも真面目な口調での厳かな宣誓に、ルカは小さく吹き出した。この親友が生ク
リーム好きなのはよく知っているとはいえ、まさか誓いに用いられるとは生クリームも思
っていないだろう。
「じゃあ、空猫の生クリームにかける愛を信じて、相談って言うか……ちょっと聞いてく
れる?」
「うん、なんでもどうぞ」
ルカが両手をテーブルの上で組んで、空猫の方に顔を寄せる。空猫も同じようにして、
ルカとの距離を詰めた。
「……えっとね、その……クロアのことなんだけど」
ルカの幼馴染みであり、恋人でもある人の名前を聞いた空猫は、人差し指を一本顔の前
に立てた。
「浮気?」
「違うよぉ! クロアはそんなことしないもん!」
せっかく低めていた声を張り上げてしまったルカは、しまったと言うように少し首をす
くめ、それから改めて声を落とした。
「んっとね……その、ほ、ほら、一応恋人だから、なんていうか、その」
「やることはやってるのね」
「……うん、まあ、有り体に言えば……だけど空猫、もうちょっと言葉を選んでよ」
「それで?」
ノロケになったらこの特載せ生クリームパフェの代金はルカに負担してもらおうと心に
決めながら、空猫は続きを促す。
「う、うん……だからね」
組み合わせた両手をせわしなくもじもじと動かしながら、耳まで染めて考え込んでいた
ルカが、ゆっくりと口を開いた。
「――クロアって、すっごく恥ずかしいんだ」
適当に一つ首を縦に振る空猫。
「なんていうかこう、言わないでしょうそんなこといつもは! って叫び出したくなるく
らい恥ずかしいことをさらっと言うの。本当のことだからいいだろうってクロアは言うん
だけどそれが恥ずかしいんだって言っても不思議そうにするだけなの!」
さっきより適当さ加減が増した相づちを打つ空猫。
「そりゃ私だってちょっとは、その、クロアってムッツリじゃあって思わないこともなか
ったけどね、なんていうか私が恥ずかしがってるのを楽しんでるのよそれは間違いないの
よ。だからこうつい、その……やめてとかダメとかいやとか言っちゃうんだけど、たいて
いは聞いてくれないのね。本当かって聞くんだよ、ひどいんだから」
何故か耳元を押さえながら言うルカに、ますます適当な相づちを打つ空猫。
「でもってこないだ、私ちょっと……こう、クロアを押し返しちゃったのね。突き飛ばす
みたいな感じで。……そこまでするつもりでもなかったんだけど……」
熱弁を振るっていたルカが、しょんぼりと肩を落とす。だいたいの成り行きを察した空
猫は、頬杖をついた。
「で、それ以降、クロアくんは先輩に手を出してこないと?」
しばらく黙っていたルカが、こくんとうなずく。半分以上ノロケじゃないと思いながら、
空猫はスプーンで生クリームをつついた。
「先輩は本当に嫌だったわけじゃない、と」
「――うん」
「ああんもう可愛いなぁ先輩ってばもうどうなのクロアくんってば羨ましすぎるわ私と代
われっていうのよ私だったらもっと上手に先輩をたっぷり可愛がるのに!」
「空猫、心の声だだ漏れだから」
そこだけは冷静に突っ込んだルカだが、ため息をついて両手に顔を埋める。
「ちょっとパニックになっちゃっただけだったのに。あんな顔させるつもりじゃなかった
のに……」
一体どんなことをされてそうなったの、と喉元まで出かけた突っ込みを飲み込んで、空
猫はうーんと腕を組んだ。
「いっそ縛ってもらっちゃえば? 先輩」
「へっ?」
間の抜けた声を上げたルカが、両手を顔から外す。
「だぁから、縛ってもらっちゃえばいいんじゃない、って」
生クリームの山からフルーツを掘り出しながら、空猫は「そしたら」と続ける。
「先輩ははねのけなくてもすむし、本当は逃げたいわけじゃないよってわかってもらえる
んじゃない。何も本格的にそっちでやれってんじゃなくて、タオルとかで一応ポーズ的に
しておけば、先輩だって自分に言い訳ができるでしょ。縛られてるから逃げなくてもいい
んだって」
掘り出したオレンジを口に放り込み果汁を味わい飲み込んでから、空猫は今まで閉じて
いた目を開けた。
「なーんてねっ! 冗談よ先輩、じょう……」
けらけらと笑って手を振っていた空猫は、ひたと口を閉ざした。
空猫が愛する親友は、真剣な面持ちで軽く握った拳を口元にあてて黙りこくっている。
「……だんよ、って、聞いてないわね先輩……まあそんなところもかわいいんだけど暴走
屋なのは私じゃなくて先輩だと思うわ……」
**
明日の昼までの予定を繰り上げてもらって全力で仕事を片づけたルカは、へとへとにな
りながらもなんとか風呂に入り、意を決してその扉の前に立った。
幾度となく開いてきた見慣れた扉が、今日はなんだかとても威圧感がある。
軽く深呼吸をし、両手で頬をちいさくぺちっと叩き、意を決して軽く握った拳を扉に向
けた。
二人の間で決めた回数だけのノック音が、だいぶ静かになった廊下に響く。時間を空け
る為に遅くなってしまった。ひょっとしたら寝てるのかな、とルカが不安になった頃、扉
が開く。
「どうした?」
部屋着に眼鏡姿のクロアが、完全に扉を開かないままに顔を出した。いつもならそのま
ま招き入れてくれるのに、と早くも挫けそうになりながら、ルカは精一杯の勇気を振り絞
る。
「あ、あのね……ちょっと、クロアとお話したいなぁって。――クロアが疲れてるなら帰
るけど……」
最初はクロアの目を見て明るく言っていたはずが、どんどんうつむいて、最後の方はほ
とんど呟きになってしまったルカは、そっと唇を噛んだ。
と、頭に暖かな感触が触れた。反射的に顔を上げたルカの瞳に、苦笑に似た微笑みを浮
かべているクロアが映る。
ルカの頭の上でてのひらをひとつはずませたクロアが、扉を開きながら一歩下がった。
「どうぞ」
「う、うんっ」
勢いよくうなずいて、ルカはクロアの部屋に入った。と言っても、常時大鐘堂に詰めて
いるクロアは実質住み込んでいるがここは騎士の控え室のようなものなので、家具らしい
ものといえば寝台と小さな机と椅子に、やはり小さな棚一つだけだ。それでもクロアは何
不自由なく過ごしているようだが。
ランスの手入れをしていたらしいクロアは、道具を片づけながらルカに寝台を示す。椅
子が足りないので、ルカが腰掛けるのはたいていここだ。
寝台に座って、さてどう切り出そうかとルカが逡巡しているうちに、椅子に座ったクロ
アが先に口を開いた。
「こないだはごめんな、ルカ」
びく、とルカは肩をふるわせて、反射的にクロアに向き直った。
「ち、違うよ! 私が謝りに来たの、ごめんなさい」
頭を下げて、そのまま上げられずに、ルカは膝の上で握りしめた自分の手を見る。
「その……本気じゃなかったの、はずみだったの。本当にクロアが嫌だとか、そういうこ
とじゃなくて……」
「うん、知ってる」
穏やかな声に促されるようにして、ルカはそろそろと顔を上げる。長めの前髪の隙間か
ら、クロアの優しい苦笑が見えた。
「俺がやりすぎたんだよな。ごめん」
ルカはぎゅっと手を握りしめた。違うのに、どう『違う』のかクロアにわかってもらえ
ない。わかってもらえるように説明出来る自信がない。
「ルカがイヤだって言ったら、これからはちゃんとやめるよ。今まで無理させてごめ」
「違うの!」
大声で遮ってから、ルカははっと口に手を当てた。ここはあくまで宮殿内だ。詰めてい
る騎士だっているし、まだ忙しく立ち働いている人たちもいる。
隣が御子であるルカの部屋だから他の棟よりは壁も厚くできているが、それでも限界が
ある。
「……違うの、そうじゃなくて、……その……」
何度も口を開いては閉じを繰り返しているルカを見つめていたクロアが、軽く息を吐い
た音にルカは身を固くした。
呆れられただろうか。こんな面倒くさい女の子には付き合いきれないと思われただろうか。
かたん、と椅子から立ち上がったクロアが、ルカの隣に腰を下ろす。寝台の薄いマット
レスが揺れて、そしてルカの身体はクロアの腕の中に収まった。
「もういいから、ルカ。無理しなくていい」
ひさしぶりに包まれた温もりは、涙が出るほど優しかった。ぽんぽん、と子どもを宥め
るように触れてくる大きなてのひらが愛しかった。
ぎゅっとクロアの服を握りしめたルカは、意を決して顔を上げる。どうした、と問いか
ける眼鏡の奥の瞳を見つめていられずに、目を閉じて軽く伸び上がる。
狙いは外れなかったようで、ちゃんとクロアの唇の感触を覚えた。押しつけるようにが
むしゃらに口づける。
と、クロアの手が頬に触れて、角度が調節された。そのままするりと入り込んできた舌
に、ルカはそれを触れさせ、絡ませる。
どう言えばいいのかわからないから、せめてイヤじゃないのだとわかってもらえれば。
キスもその先だって全部、クロアにしてもらうことは怖いことでもなんでもないんだとわ
かってもらえれば。
あっさりと攻守が逆転してしまった口づけに必死で応えながら、ルカはクロアにすがり
つくようにして抱きついた。もっと、とねだるように腰を浮かせる。
酸素を補給する為に離れた唇に、ルカは自分からもう一度吸い付いた。驚いたような気
配がしたが、直後に下唇を軽く噛み返されて中断させられる。
「……無理しなくていいって言ってるだろう?」
「してないよ。してないもん……っ」
ルカの髪を優しく撫でるクロアにがむしゃらにかじりついて、ルカは首を振った。湯上
がりで下ろしたままの髪が肩口で跳ねる。
いつもクロアがするように、耳に唇を押し当ててルカは息を吸った。
「クロア、あのね」
確かに、空猫の提案は行為としては突飛なものだ。潔癖な彼女の妹にはとても聞かせら
れないような類のものだ。耳年増のルカにもそれくらいは解る。
でもそれでも、多分、ルカには言い訳が必要なのだ。クロアが示してくれる感情を全部
受け止めたいのに、それだけの覚悟が定まらないルカには、拒絶してみせることがその逃
げ道だったけれど、それがクロアを傷つけてしまうならば。
「……私のこと、縛って……?」
クロアが息を呑んだのを感じ取ったルカは、固唾を呑んで次の反応を待った。
ゆっくりとクロアの手がルカの肩にかかり、そして優しく引きはがされる。額に額があ
てられ、濃い灰紫の瞳がのぞきこんできた。
「――そんなに思い詰めなくていい、ルカ」
「そんなんじゃ」
「俺はこれでも十分なんだ。ルカがこうして俺の腕の中にいるだけで」
「嘘」
きっぱりと断じて、ルカはその瞳を見返した。
「嘘じゃなくても、本当の全部じゃないでしょ。だって私だってそうだもん」
わずかに視界がぶれる。ああ泣いちゃいそうだ。そう思いながらも、ルカは必死でクロ
アを見つめ続ける。
「抱きしめてもらうのは嬉しいよ。それだけで十分な時もあるよ。でも、キスだって嬉し
いし、クロアとしかしないことがたくさんあるのだって幸せだもん」
ルカ、とクロアの唇が動いた。
「もっともっとって思うもん、はしたないって思われるかもだけどそれが本当なんだもん
! クロアの全部が欲しいの、だから」
堪えきれなくなって、こぼれた涙をクロアの唇がすくい取ってくれる。目を閉じてその
感触に酔いながら、ルカはゆっくりと唇を動かした。
「お願い、クロア。私に、クロアを拒めないようにして?」
クロアの手が、背中に回る。ゆるゆると、けれどしっかりと囲われ、囚われながら、ル
カは夢見るように呟いた。
「……逃げ出せないように、して」
**
「これでいいのか?」
クロアが棚から出してきたのは、タオルだった。ルカは首を振る。
「……すぐにほどけちゃいそう……」
「何もそこまで念を入れなくても」
肩をすくめたクロアは、ただですら種類と量のない彼の荷を漁っていたが、ふとルカに
目をやった。
そうしてから、寝台に腰掛けたままのルカの足下に跪いた。
「……クロア?」
きょとんとしていたルカだが、クロアが丁寧な手つきで靴を脱がせ、膝上まである靴下
を止めるリボンを解いたところで、その表情から疑問の色が消えた。
「リボンじゃ細すぎない?」
「とりあえず、手だけでいいんだろ」
蝶結びになっていた赤いリボンをするりと解き、クロアは靴下を脱がせたルカの膝にキ
スを落とした。
「っひゃ」
思わず首をすくめたルカにちらりと一瞥を投げたクロアは、むき出しになった脚を寝台
の上に上げさせて、彼自身も横座りの要領で腰を下ろす。
そうしてから、ずっと握りしめられていたルカの両手をとって、しばらく考え込んだ。
「……このまま結ぶと、痕が残ってしまうよな」
「う」
それはまずい。だいぶまずい。主にクロアの安全とかの意味で。
辺りを見回したクロアはさっき出してきたタオルを取り上げ、それをルカの手首に巻き
付けた上にリボンを当てた。
きゅ、と一度引き絞ってから、「痛くないか?」と尋ねてくる。
「うん、平気」
頷くと、作業は続行された。両の手首を重ねるようにして、ひとつに束ねられる。
「これでいいか?」
真顔で尋ねてくるクロアに、こくりと頷きを返して、ルカは手首だけ結ばれているため
に輪になった腕を彼の首にかけた。
支えるように抱き寄せてくれたクロアの唇が降ってくる。触れて、掠めて、ちらりと舐
め取られるだけのキスに、ルカはいやいやと首を振った。
「ちゃんと……」
はいはい、と笑みを含んだ返事と共に唇がふさがれる。夢中になって口づけを交わして
いると、いつの間にか上着がはだけられていた。
ルカの腕から頭を抜いたクロアが、鎖骨のあたりからうなじを舐め上げる。喉を逸らし
て声をこらえたルカに体重をかけて押し倒したクロアが、ルカの腕を頭の上に持ち上げて
左手でシーツに縫い止めた。
「さっき」
ルカの首筋や耳元に唇を滑らせていたクロアの手が、するりと脚に触れる。
「んっ」
ぞわりと背筋をはい上がってくる感触に震えたルカに、クロアは笑みを向けた。
「そういえば、あんまり触ったことなかったよな」
「な、何……ひぅっ!」
つ、とクロアの硬い指先がふくらはぎのあたりを滑る。覆い被さっていたクロアは身体
を起こすと、ルカのふくらはぎを持ち上げて唇をはわせた。
「ちょ、く、クロア、ななななんで脚……!?」
くすぐったいような不思議な感触に戸惑うルカに、クロアは捧げ持つようにしたルカの
脚に口づけを落としたまま上目遣いを向ける。
「さっき、ここ」
ちゅ、とまた膝にキスが落ちる。縛られたままの指だけでシーツを握りしめたルカは、
思わず固く閉じた目をそろそろと開けた。
「声出してたから。そういえばあんまり脚って触ってなかったなと」
「さ、触ってたよ!」
「上はな」
太腿のあたりを撫でた手が反転して、足首までをなぞり落ちる。くすぐったさだけでな
い何かが含有された感触が、また身体を駆け抜けた。
「ん……っ」
「くすぐったい?」
問いかけに、ルカはこくこくと頷く。
「そうか、じゃあ」
やめてくれるのかと胸をなで下ろしかけたルカは、続いて彼の口元に自分のつま先が運
ばれるのを見て絶句した。
思わず脚を引き戻そうとするが、がっちり抱え込まれていて動かせない。そのまま足の
指を吸われて、ルカは思わず身体を跳ねさせた。
「ちょっ、クロア、汚い……っ、よ」
「汚くない。お風呂入ってきたんだろ?」
「そ、だけど……っ、あ、足――なの、にっ」
ちゅ、と大きな音をたてて一本ずつ吸われていくたびに、呼吸が乱れることに戸惑いな
がら言いつのるルカに、クロアは笑みを返すだけだ。
「足なのに、気持ちいい?」
かっと頬に血が上る。図星だ。
とっさに口をついて出ようとした拒絶の言葉を、戒められた手首が遮る。代わりに熱い
吐息を唇から漏らしながら、ルカは必死に耐えていた。
丹念に同じ事を反対側の足にも繰り返したクロアがやっと脚から手を離した時には、ル
カはぐったりとシーツに沈み込んだ。
シーツを掴んでいた指が強張っている。その手に大きな手が重ねられ、包むように握ら
れた。
「冷えてる」
「ち、力……入ってた、から」
荒い呼吸を沈めようとするルカの努力を水の泡に返そうと、また唇が重ねられる。
「んむ、……っは、んぅ……っ」
なんとか確保しようとしていた酸素も吸い上げるように、貪るような口づけを繰り返さ
れた。二人の間に立つ粘着質な水音が、思考を白く染め上げていく。
「ルカ、かわいい」
唇を解放して微笑んだクロアがいかにも幸せそうに囁くから、ルカは喉元まで出かけた
反論をなんとか飲み下した。
する、と動いたクロアの手が、縛られた手首に重ねられる。
「これ、効いてる?」
心理的な抑制効果という意味なら、今のところ十分だ。ルカがこくりとうなずくと、ク
ロアはルカの額に口づけた。
「そうか」
いきなり下腹から滑り落ちてきた指の感触に、ルカはのけぞった。まだキスと、そして
脚を触られていただけなのに、クロアの指はつるりと滑る。
「ひぁっ!」
「やっぱり」
とん、と一番敏感なあたりに指の腹が乗る。ゆるやかな円を描くような刺激に、ルカは
敏感に反応した。
「んぅっ、あ、っくぅん……!」
「ルカ、胸もいい?」
こくこく、と頷いてみせると、チューブトップになっているインナーをずらされて、先
端を柔らかく食まれた。まだ抑えつけられたままの手が勝手に跳ねる。
唇で挟んだまま、舌先でくすぐられた。ただですらその刺激に弱いのに、クロアの指は
なおも熱いぬかるみを嬲り続ける。身体のあちこちで立つ水音に、ルカは満足に動かない
身体を震わせた。
「……なんだか、襲ってるみたいだな、これ」
ルカの目元に滲んだ涙を吸い取ったクロアが、苦笑しながら言う。息を荒げながら、ル
カは首を傾げた。
「みたい、じゃなくて……襲ってる、んじゃ、んっく!」
唐突に中に侵入してきた異物の感触に、ルカは身体を強張らせる。
「あ、っは……んんっ、あ、や、やぁあ! も、もっとゆっく――ひぁっ」
親指で表面を、他の指で中を撫でるようにかきまわされ、ルカはとうとう声を殺せなく
なった。
嬌声を紡ぎ続ける唇がふさがれる。与え続けられる快楽は行き場を失って、身体の中に
閉じこめられてふくれあがる。
「んーっ! っむ、っぷあ……んくぅ、っはぁ、ん、んんんっ!」
ことさら強く刺激を加えられた瞬間、びくん、と一度震えたルカが硬直する。弓なりに
反った背中を支えるように腕を差し込み、クロアはゆるゆると弛緩していくルカの身体を
シーツの上に横たえた。
「っは、っぁあ……は、っんく……っふ、は……」
ルカの呼吸が落ち着くのを待ちながら、クロアは半ば用を為していない衣服から覗いて
いる肌を撫でて回った。するりと脇腹に滑らせると、途端にびくりとまたルカが硬直する。
過敏な反応に苦笑しながら、クロアはまだ羽織った状態になっているルカの上着を上に
押しやった。ついでにスカートの部分も押し上げる。
「脱がないと……っ」
「気をつけるから」
汚れることを気にして身をよじるルカの頬に、宥めるような口づけがされた。そのまま
押し入ってくる感触に、縛られた手が空を掴む。
「ぅっく……んぁ、っは――」
「ルカ、きつい……っ」
苦しそうなクロアの声に、必死に力を抜こうとするのだが、うまくいかない。初めての
時じゃあるまいし、と思いながら、ルカはだだっ子のように首を振った。
「だ、……って、だ――ん、くぅっ!」
無理矢理に押し込まれて、身体が薄いマットの上をバウンドする。やはり少し息を荒げ
たクロアが、腕を伸ばしてルカの手をとった。
そのまま、リボンが解かれる。
「や、クロ……ア、それ――っ」
とらないで、まだそのままにしていて、私に逃げ道を与えないで。そう訴えようと見つ
めたクロアは、優しい瞳でルカに口づける。
「もう要らない」
そう言って、上半身を抱え起こされた。誘導されるままにクロアの首に回した腕を、背
中で絡ませる。
「やっ、深……っ!」
ずぶり、と押し上げてくる感触にルカは仰け反った。抱え上げられているせいで、同じ
高さにあるクロアの唇が首元に埋まる。
強く吸われて、短い悲鳴を上げた。
「痕……っが、残っちゃ……んぅ、っは、んぁ!」
「見せなければいい」
「そん――あっ、ふぁ、あぁっ!」
揺さぶられ、押し込まれ、突き上げられ、ルカはただクロアにすがりつく。
「ダメ、きちゃ……う! あ、っくぅ、は……あぁっ、だ――だめぇっ!」
達したルカが身体を仰け反らせ、強張らせても、クロアの動きは止まなかった。声を堪
えきれないルカの唇を塞ぎ、さらに強く責め続ける。
「んっ、っむ、んんー! ん、っぷぁ、く、ろ――ぅんんんっ!」
ルカがこぼす涙で塩辛いキスを続けながら、先程まで戒められていた手がしがみつき爪
を立てる痛みを引き金にするように、やっとクロアが自分を解放した時には、ルカは声に
ならない声で、引きつったような呼吸を繰り返していた。
**
ひやり、とした感触にルカは目を開けた。
「あ、冷たかったか? ごめん」
謝るクロアの言葉に、とりあえず緩慢に首を振る。ぼんやりとした頭を廻らせると、枕
元にはルカの服がきちんと畳まれて置かれていた。いつの間にかクロアが脱がせてくれた
らしい。
ということは、さっきのひやりとした感触は。
じゃ、とタオルを絞る水音に、机の方を見ると、クロアがタオルを絞っているところだ
った。どうやら、身体まで拭いてくれたらしい。相変わらずクロアはマメだ。
「こんな時間からじゃ風呂には行けないだろう? とりあえずで悪いけど」
ふる、と首を振って、ルカは自分の手を見た。痕は残ってない。
その手をクロアの方に差し伸べると、こちらに歩いてきたクロアは包み込むように手を
取って、ルカの傍に腰を下ろした。
「……無理をさせてるのは俺だよな」
呟かれて、ルカは瞬きをした。ルカの手をあやすように軽く叩きながら、クロアは微苦
笑でルカを見下ろしている。
「ルカが一生懸命、ぎりぎりのところで俺を受け入れようとしてくれてるのが嬉しくて、
無茶をさせてる」
そんなことない、と反論しようとしたルカの手を叩いていたはずの手が伸びて、そっと
唇がふさがれた。
「ルカがかわいいから悪いんだけどな」
「……」
思わず半眼になったルカは、クロアの指に軽く噛みついた。「痛っ」と笑ったクロアが
手を振って離す。
その指がルカの髪を梳きはじめた。
「――ね、クロア」
「ん?」
飽きることなく往復するクロアの手を取って、ルカは頬に当てる。目を見て最後まで伝
えられる自信はなかったので、瞼は伏せてしまったが。
「私は、クロアだからいいんだよ。クロアだから、ほんとの本当に私が嫌なことはしない
って信じてるから、いいの」
クロアは一瞬複雑な表情を覗かせたが、ルカは目を閉じていたのでそれを見てはいなか
った。
落ちた沈黙に耐えきれずに彼女がクロアを見上げた時には、彼は既にいつもの優しい苦
笑でルカの上にかがみこんで、そっとキスをする。
「疲れただろう? もう帰って休んだ方がいい」
「ん。でも明日は、昼まで予定開けたから……その」
口ごもったルカは、寝かされていた所から少しだけ寝返りをうつようにして場所を空け、
シーツに半ばもぐりながらクロアを見上げる。
「ここで、眠っていっていい?」
「……つまりそれは俺に我慢大会をしろと」
「なんでそーなるのっ?」
ルカの抗議に、クロアは笑いながらルカの隣に滑り込んだ。猫の仔のようにすり寄るル
カを抱き込んで、ルカが眠りやすいように腕枕の位置を調整したクロアの手が、細い背を
ぽんぽんと叩く。
「これが罰だというなら甘んじて受けるけど」
「だから違うってば」
しかめ面のクロアと、唇を尖らせたルカは、次の瞬間には同時に吹き出したが、慌てて
互いに口の前で指を立てて、しーっと囁き合う。もうとっくに夜中だ。
くすくす笑いながら額を合わせて「おやすみなさい」を言い交わし、ルカは眠りに落ち
た。
おわり。
読んで下さった方長くて申し訳ありませんありがとうございました!
寒い日が続いてますが、センター試験も真っ最中ですし
風邪などひかないよう住人の皆様はご自愛下さい
ああでも受験生はエロパロ見てる暇などないか…
GJ!!
あなたが神か
グーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!
ジョォォォーーーーーーーーブはっひゃあ!!!!!
なんてラブラブ!なんてイチャイチャ!
お前らもう二人揃ってパラダイムシフトしちゃえYO!!!!
とかくGJ!!さらにGJ!!さらに!さらに!!
>>151 ヲイヲイ、こんなの見せられたら俺明日のセンター死ぬじゃないかwwwww
GJすぎるぜ(´_ゝ`)b
前々から思ってたんだが142-150って天才だろ
GJ!!!
長い?
面白いからいいよ
とにかくアンタはネ申!!!
マジGJ!!
クロア×ルカ好きには天国ですた
空気空気言われてるけど実はクロアってかなーり恵まれてるんだな。
このスレ見る限りだとルカクローシェココナジャクリシンシアとくっついてるし
アマリエともいい感じになってる。
実はオボンヌよりも待遇いいのか?
日頃の行いのおかげです
2chで言われてる空気の8割はただのネタと便乗して騒ぎたいだけのアホの産物です
主人公=主役としてなら確かに出番少ないかもしれんがギャルゲ主人公として見たり
主人公≠主役である事を理解しクロアの然るべき立場を認識すれば十分出張ってますよ
基本的に彼はツッコミマスターですから
?
お前らは一体何を言っているんだ
空気という素晴らしい称号を持つのは唯一神ラー様だけだというのに
?
より多くの女の子とイチャイチャできる、っていう意味では
全ヒロインとCS9まで攻略できるオボンヌの方が上だろう。
クロアはその辺一途で、本命一人にしぼる展開だし、
選ばなかったヒロインとは「お友達でいようね」ってはっきり言われる。
その代わり、選んだヒロインとは本編の時点で恋愛色の強い展開を見れるんだけどね。
AT2の話の主役は御子二人だからな。
クロアは物語の語り部っていうか、プレイヤーの視点代わり。
シャーロック・ホームズ=御子二人、ワトソン=クロア、みたいな。
それでも自分はハーレム物を待っているであります!
ところで、例えばフレリアにバイナリ野ダイブしてるときに
現実世界のフレリアにとろむらぶっかけたら
とろむら的ストーリーになったりすると思うかい?
それにストーリーを考えてる(作った)のはジャクリだぞ。
ハーレムを作れる奴には2種類いる
とんでもなく鈍感で流されやすい人間磁石か
逆に人心に聡くて立ち回りも上手い奴
空気読める常識人のクロあきにはハーレムは難しいかもな
女子的にはクロア>>>>>>>>>>>>>>>>超えられない壁>>>オボンヌ
そうかな?
個人的にはライナーの方がいいな
男だけど変な事したりしないというかそんなところが
ライナーは主人公っぽくて魅力的
クロアは人間っぽくて魅力的
ライナーはギャルゲーというかエロゲーの主人公の地を行くタイプだな
クロアは人間臭くてそっち系のゲーム向きの性格じゃないw
でもきっとクロアの方が変態
確かにな…
ヒロインに極限状態で誘惑されたらライナーよりクロアのほうが先に手をだしそうなきがする。
でも実際に生活しておもしろそうなのはクロあ
>>172 むしろ、ライナーは昔ながらのRPG主人公、少年漫画向け
クロアは典型的なツッコミ型ギャルゲー主人公に見える。
実際ライナーみたいな馬鹿主人公は、今のギャルゲーエロゲーじゃ希少じゃないか?
ギャルゲーエロゲーで、ツッコミではなくボケに回る主人公はほとんど見ない。
あ、
>>175は天然ボケが希少って意味で。
ツッコミ待ちとか、わかっててやってるボケ主人公なら複数思い当たる。
>>169 女性ユーザーも多分そうなんだろうなあ…
今回は特に、ヒロインを置いてけぼりにしなかったというのもでかそうだ。
>>175 ボケとかツッコミじゃなくて天然たらしの辺りが「典型的なギャルゲー主人公気質」だと思うんだが
クロアはわかってやってそうだからな、俺からみるとライナーよりもあざとさが感じてしまう
>>177 でもクロアの方が人間くさい感じがしていいんだよ
友達にほしいタイプだ
なんだかなんだいってクロアは好きだな
苦労してるとこが好感持てる
常識人だし
>>178-179 いや、俺も友人にするならクロアだけどなw
女性関係はライナーよりも手馴れてる感じがするなってだけの話で
クロアが手馴れてるってより、ライナーの恋愛感情が著しく幼かったからな……。
例えば、オボンヌに対する好きと女の子に対する好きが、まだ分けられてないっていうか。
そう考えると、よりエロゲ主人公的なのはクロアの方かなと思う。
普段は周囲に流されてるけど、恋愛感情はしっかり持ってるし
状況がそろえば押し倒す時にもためらわない感じがする。
ライナーは学園ハーレム系エロゲ
クロアは学園一途系エロゲ
こうですね、わかりました
シンシアへの対応を見る限り、クロアの鈍感さも大概だけどな…
ライナーは昔のファンタジー要素ありエロゲー主人公、
クロアは最近主流の学園ギャルゲー主人公って感じだけど
普通のRPGゲーの主人公らしいのはやっぱりライナーかな。
クロアはツッコミがうまいから、つるんだら安心してボケれそうだけど
ライナーはちょっと離れた位置で付き合うと、何やらかすかわからないだけに見てて面白そう。
つるんだら確実に巻き込まれるだろうから嫌だけどw
>>170みたいに、男が苦手な女の子はやっぱライナーみたいな
朴念仁みたいな奴が好きなのかな?
戦闘能力だとどっちが上なんだろ?
クロアかなー
武器のリーチ的に考えて
オボンヌの「インパルス」を考えるとどっちもどっちじゃないか?
短期決戦ならクロア、持久戦なオボンヌだろうな…
一撃の重さ
ライナー>クロア
手数の多さ
クロア>ライナー
攻撃&移動スピード
クロア>ライナー
耐久力
ライナー>クロア
人間性
クロア>>>越えられない壁>>>ライナー
主人公的要素
ライナー>クロア
こんな感じか?
クロアの方が強いと思うのだが…
ガチで闘ったときにクロアに主人公補正がかかる気がしないorz
技のクロア、力のオボンヌ
設定レベルでみれば人間の時点で五十歩百歩の世界だけどな
ライナーはメルク凄いからな
ライナーの最強武器のエアリオが攻撃力620でクロアの最強武器のフレリアが攻撃力102という罠
腕の差で判断できないなら得物の差になってしまうからな
腕は一緒くらいと仮定しても武器のレベルが違いすぎるw
クロアの最強武器はグレイトゴッチャってのがあるらしい
攻撃力150
俺も攻略本で初めて知ったがw
数値はゲームバランスだから比較にゃならんしょ
>>192 作超えた比較ってのは得てしてメタな物になりがちだろ
したり顔の正論なんかいらねーんだよw
むしろクロアのほうが長期戦向きじゃないかと思うんだ
ドMモードしばらくつづいた後に逆転ドS覚醒…!
むぅ…被虐の受け太刀…
オボンヌには必殺技が無いじゃないか
クロアはインフィニティ・スラストがある
オボンヌの必殺技がブレイクブレイドだとしてもHPを3割使うのはキビシイかと
いや、オボンヌにもあるだろ必殺技。フォトンブレイズだったっけかそんな奴。
というかこの話題そろそろスレ違いじゃないかとも思うんだが
>>196 その使い手と同じく
インフィニティも空気読まないけどな
歌魔法で可愛くケリをつけようとしてるのにいつの間にか溜まってて勝手に発動して
敵に止め刺しちまうのはやめてくれ
この流れでいくとあれか?
ライナーVSクロアのSSを誰か投下しろってことか?
しかもエロありで…
VSっつーか、どっちが受け攻めなのかの議論なんだと思って見てた。
クロア×クローシェ
クロアはヘタレ攻め
クローシェさまはああ見えて押しに極端に弱いので
>>202 誤解を招くようなレスですまなかったが、別にBLって訳じゃない
純粋に「ライナーVSクロア」のバトル
って、さらに誤解を招いたような…
要するに、互いに武器の性能差もあるだろうが、「一対一ならライナーとクロアどっちが上よ?」って話だ
>>203 そーいう話題って大抵、終わりがない不毛な議論になるか、荒れるかのどっちかだ。
どっちがパートナーを先にイかせるか、とかのありがちな勝負なら大歓迎だけどなー
ライナー×ルカとかクロア×オリカとか塔を超えたシチュで
そういえばアヤタネのエロってミュールとタスティエーラしか無いよな
>>203 本人達が少年漫画的なノリで手合わせを楽しんでる中、
脇で見守っていたシュレリア様とミュールが張り合いだして最終的にキャットファイトになるんですね
わかります
ついでにORICAさんとルカによる暗黒戦争も開始します
トウコウでは早くも仲良しになりかけ
ルカとオリカなら、ルカの不戦敗・作戦勝ちだろう。
というか、ルカは先輩からのいびりを極力避けながら
目立たず、でしゃばらず、傷つけず、傷つけられないように生きてきたんだし
ああいうのを避けるのも得意だろうしな。悲しいことに。
オリカとルカも黒いっちゃ黒いけど、お互いに違うものだから比べられないね。
どっちかっつーと、クローシェとライナーのヒーローっぷり決定戦を見てみたい。
メイメイジャクリラードルフクローシェと、変なチームが出来てるな
インフェル様のお子ちゃまクロアに対するプレイ講座マダー?
ジャクリCSLv7のC冒頭を見て、ちょっとした妄想をしてしまった俺はどうしたらいいですかね?
ところで顔勝負なら主観的にどっちが上よ?
もしそれがクロアVSオボンヌの事をいってるなら、聞くまでも無いと思うが?
オボンヌと答えるのは、ソル・シエールでも三人くらいだろう…
意外とラー様みたくファンクラブがあるかもしれんぞ>>オボンヌ
顔つきの男らしさならライナーのが上だと思う
クロアのが美形で容姿は整ってるが女顔だし
今のご時世だと6:4でクロアの勝ちでか?
根拠なし
ライナーは男らしい顔だよな
クロアは整ってる顔
正直、好みの問題だから甲乙つけがたいと思うぞw
まぁ、どっちも主人公だしな
やや方向は違えども「格好いい」って言える容姿だし
つーか、最初に絵を見たとき
あれ? 女三人?
と、素で思ったしなあw
まだクロアVSタルガーナのほうが拮抗するんじゃないか?
>>219 オボンヌは話は聞くが自己中…
浮気も酷いし……どんすけENDからシュレリア様の流れで゜゜(Д)になったし…
ウラタロスは任務に捕らわれるが、周りの人の事も考える…
ココナがピンチになると豹変するがwww
クロアは仲良くなると楽しいと思うwww
クローシェ様の犬になるイベントは神だった
クロアはなんかたまーに怖い感じがしそう。底が知れないっていうか。
暴走しているルカを口八丁で止めるようなスペックの持ち主だし
もともと感情の触れ幅が少ないから、本気でぶち切れたら
何をするかどこまでやるのか予想がつかない怖さがある。
ベッドヤクザなクロア
クローシェさまがどんなに懇願しても許してくれず
潮を吹いて絶叫しながら失神してしまう甘く激しい技巧の限りを尽くすんだな
クローシェ様にいじめないでっていわれて我慢できる人間いるの?
>>226 俺は無理www(/∀`)/
後で「鬼畜」「犬」言われる覚悟はあるwww
>>227 そこでしれっと
「申し訳ありません。クローシェ様があまりにも可愛らしくて」
とか返すクロアが目に浮かぶ。
>228
涙目でクロアを非難するクローシェ様も
しれっとそう言われてしまったら頬を染めながら許すしかないような希ガス
このスレ見てるとクロアがプレイボーイにしか見えないwww
クロアはエロネタに適してるのだろうが…
そもそも本編でクロアがスケベだっていう描写あったか?
>>230 「俺が欲しいルカは、そんなルカじゃないんだよ!」
「俺が包んでやるよ。寂しかったんだろ?」
あと大きさだけではない胸へのこだわりがあるあたり。
クロアは、萌えはよくわからんって感じだけど、エロスにはかなり反応する。
選択肢があるやつは一概には言えないけどな。
一応CEROB主人公で男だし
選択肢があるやつは一概には言えないけどな。
一応CEROBゲームの主人公で男だし、くらいの設定なんじゃないかと思うが。
あ、妄想は自由だよな?
>>233の途中送信すまんO| ̄|_
クローシェ様に罵られて反省して来る。
>>235 俺が変わりに踏まれに行こう!!
心配するな!!
大鐘堂|........λ
>>236 誤字ってるぜ兄弟
大鐘堂|===η゚ ズササー
厨レスするが
クロアに名台詞的なものってあったか?
ライナーの「謳ってくれ」みたいな。
名台詞
つこころがたり(主に歌詞
迷台詞
つ罵しられるのが好きなんです〜
つ騙された時、ナニかに目覚めた〜
ハイバネーションは…それを実現する…
ひ〜と〜の〜あ〜い〜に〜か〜こ〜ま〜れ〜
しゅ〜く〜ふ〜く〜の〜ひ〜が〜と〜も〜る〜
<Was wol ra kil hers !
./ ラプランカ ;ヽ いいぞ ベイべー!
l _,,,,,,,,_,;;;;i Was paks ra eta bautifal faura tes dornpica !
l l''|~___;;、_y__ lミ;l 俺の木の実を食べた鳥は美しい鳥だ!
゙l;| | `'",;_,i`'"|;i | Rrha wol ra stelled gettra faura anw dornpica !
,r''i ヽ, '~rーj`c=/ 俺の木の実を奪い合う鳥は薄汚い鳥だ!!
,/ ヽ ヽ`ー"/:: `ヽ Was i ga gatyunla METAFALICA ! fUxUhAhAhA_hAxA_
/ ゙ヽ  ̄、::::: ゙l, ホント 理想郷は地獄だぜ! フゥハハハーハァー(←新約パスタリエ発音で)
|;/"⌒ヽ, \ ヽ: _l_ ri ri
l l ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
゙l゙l, l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
| ヽ ヽ _|_ _ "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
/"ヽ 'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄ [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
/ ヽ ー──''''''""(;;) `゙,j" | | |
名台詞ねぇ…
やはり「謳ってくれ」が最強すぎる
クロアにはそれに勝る名台詞はない
いや、良いことだけどね。
個人的には
>>232の台詞が結構印象に残ってる。
見た瞬間、内面ぶっちゃけすぎだろクロアwwwと思った。
あれは本音をぶちまけすぎてるルカに対抗して
クロアも対抗して本音ぶつけないと! っていうことなんだろうなあ。
シンシアSSまだー?
オボンヌの名台詞はアレだよなぁ。
247 :
天界の猥宴:2008/02/03(日) 05:08:15 ID:3XJ8BXiv
シュン×フレリア。というよかフレリア陵辱
全編ひたすらエロエロ
個人の主観にもよるが以下、連想するかもワード
獣姦、鬼畜、レイプ、縛る、拘束、触手、異物挿入
ややハードでダークなプレイ、やも
苦手な人や清純なフレリア様好きはスルー推奨
では開宴
「本当にいいのか? フレリア」
女神の忠実なる僕、神の守護するもの――蒼い狼のシュンは、
念を押すように目の前の、四つ羽の少女に問う。
「うん。お願い……」
頬を染めて、俯きながら小さな声で、この世界の神が呟く。
まだ幼さの残る身体を隠すように、両手を下ろして、もじもじしている。
その身には、何も纏っていない。生まれたままの姿で、シュンと対峙している。
「きっとシュンちゃんは気持ち良くないかもしれない。でも、私は……やっぱり、
エンジャ、――ううん。シュンちゃんにしてほしいから……」
「僕は、君の為にいる。君が僕に望む事は、僕の総てでもって完遂する」
「……して、くれるんだね?」
「喜んで。女神のお召しとあらば」
此処は天界ソル・マルタ。その中のひとつの、広い広い、真っ白な部屋。
壁も天蓋も判らない白い空間の真ん中に、大きな大きな円い純白の寝台が、ひとつ。
その中心で、少女と狼型の従者は座して向き合う。
「僕は見てのとおり、人間の身体ではない。だから、人が与えられるような快楽は
無理だろう。だが、僕は僕にしか出来ない事で、君を満たしてみせる」
「う、うん……。シュンちゃんがしてくれるなら、何でも嬉しいよ」
フレリアはやや緊張気味に応える。
「―――では、始めるよ」
手始めに、シュンは顔をすいと前に出すと、フレリアの白く小振りな美乳を
自らの長い舌で舐め撫ぜ始めた。最初ひと舐めされた際、小さくフレリアの息を呑む声が聞こえた。
シュンは丁寧に薄紅色の先端の周りを優しくなぞり上げ、時折先端を軽くなぶってやる。
彼自身には必要のない、白い唾液が痕をつたい、肌に滑り落ちる。
「ひんっ、はぅっ。あはは、く、くすぐった……ひゃぁっ」
身を軽くすくませながら、フレリアは笑顔をこぼして愛撫を受ける。愛おしそうに彼の首に手を回す。
その光景は、傍目にはただ飼い犬にいたずらされている様にしか見えないだろう。
それはシュンも不本意だが分かっている。これは彼女の気持ちをほぐす為の前座に過ぎない。
少しの間彼女の小さなふくらみを舐めつつ、他の鎖骨や首筋の箇所にも舌を這わせてやる。
撫ぜられる度、フレリアの艶やかな唇から甘い吐息が漏れ出る。
そして、一旦身を引いて、甘美な前振りを終わらせる。彼女の視線が残念めいて見えた。
フレリアは少し、申し訳なさそうな表情でシュンを気遣う。
「ご、ごめんね。やっぱり無理なことお願いしちゃったかな、私……」
獣の口なので、咬み付いたり、吸い付けたりといった愛撫は確かに出来ない。
出来る事の許容が狭い中で、無理難題を課しているのでは、と不安になるのも無理なかろう。
「フレリア。その発言は僕を信用していないという事かな?」
「そ、そんなことは……」
「僕にしか出来ない事もあるんだよ、それを見せよう」
シュンはそう呟くと、自らの両角を形状を変化させた。ノイズが走った後光の塊になり、
次の瞬間には、―――人間の手になっていた。
それを、フレリアの両のふくらみへくるむ様に触れさせる。
「は、―――んひゃぅっ……あぁ、――ひゃんっ、はぅ……んっ」
先程まで只の角だった両手が、滑らかに彼女のふたつのふもとを撫でる。
柔らかな指先が、可愛らしい先端を執拗に転がし、なぞり上げて刺激を与え続ける。
それに応じて、フレリアの身体が、背の羽が震え、甘美な微声が虚空に伝う。
頃合を見計らって、シュンは次の段階へ移行する。
「さあ、――フレリア」
「え? シュンちゃ……きゃあっ!」
シュンは角手で、フレリアの肩を後ろに倒して仰向けに寝かせた。
そしてたじろぐ彼女に構わず、両膝を立てるように持ち上げて、その細い両脚を開かせた。
股を開脚させられ、大胆な姿で陰部を曝け出され、次第にフレリアの全身が朱に染まり出した。
「はぅ、し、シュンちゃん……。は、はずかしいよ……私……っ」
陰部を隠そうとする小さな手を角手が捕まえて、彼女の肩の上まで戻す。
「綺麗だよ。――女神フレリア」
己の眼前、股の中央に映える豊潤な蕾みに眼を据えて、シュンは呟く。
両の角手を再び、胸や、肢体をなぞらせながら――彼の舌は、フレリアの蕾みへ伸びた。
「はぅうっ……ぁ、ああんっ……!」
ずる、ぺちゃり、とこの場には不似合いな水音がした。その度にひくん、と陰部と少女の身体がはねる。
柔らかな花弁の襞を、丹念に舌先で嬲ってやる。長い舌を広く使い、股奥から手前へ、
ずるりと這わせて、隅々まで愛撫する。ぬめる唾液を纏って陰部を幾度も往復する。
その潤滑の心地良さに、絶えず胸に踊る角手の刺激に、女神は次第に翻弄され始めた。
「はぁん! やぁっ……、へんなこえっ……でちゃう……よ、ぉっ! ひゃぅう……、んっ」
頭をゆるく振って、指先と羽を震わせて、瞳を潤ませて、息を荒げて。
少女は身をよじりながら、とろける様な声を上げる。全身を走る彼の動きに意識を乱される。
ちいさな蕾みから、次第に唾液とは違う光るものが滲み出した。彼はすぐそれに気付く。
「ひぅん! ――ぁあっ……!」
ふいに瞬間、フレリアの身体がびくりと反った。シュンが舌を蕾みに挿し入れ始めたのだ。
軽く、蕾みの中央を自らの舌で、前後に抜き差しして蕾みの裏側をこすってやる。
舌が中央にずぶ、と埋まる度、まるで蕾が花開いたかのように拡がる。艶やかな花弁達に露が溜まる。
幾度も幾度も、花を開かせては蕾に戻す。その間隔も追うごとに早くなってきた。水音が響き続ける。
「はぁ、ぁあんっ……ひゃうぅ! や、はずっ……か……、ぁあんっ!――ひぅっ……」
次第にシュンの舌が埋まる深さが増す。フレリアの肢体がそれに呼応してびくびくと跳ね上がる。
頭ごと押すように、ずぶり、と一層深く挿し入れてから、蕾をえぐる様に彼は舌を引き抜いた。
「はぅうっん!」
激しく彼女の身体がびくん、と反り上がった瞬間、蕾みから、白い蜜がぷゅるっ、と弧を描いて飛散した。
そしてフレリアは、がく、と力を抜いた。小さな胸がやや上下しているのが分かる。
シュンは自分の顔に付着したものを舐めながら、静かに言う。
「女神が潮吹きとは」
「シュ……シュンちゃんが、気持ちいいことしてくれるから、だよ……。
でも……ごめんね。シュンちゃんに……と、飛んじゃった……」
「何、君は気にする事はない。――それよりフレリア」
瞳を潤ませて、恥ずかしそうに震える少女に向かい、あくまで優しく囁く。
「……辛そうだね。待っててくれ。今、更なる快楽を捧げよう」
「うん……。は、はやく……もっと、して……」
シュンは目を細めると、左の角手だけを――形状変化させた。
フレリアの前に現れたそれは、全長こそ長いが先端は男性の下半身に付いているもの、そのものであった。
勿論、形状は臨戦態勢。それをひゅるりと撓らせながら、フレリアの股へ移動させる。
右の角手を、細い腰に添えて支えると、少女は微かに震え出した。
「大丈夫だよ、フレリア。僕を信じてくれ」
「う、うん―――お願い……」
「さあ、力を抜いて。挿れるよ」
「は、はぅんっ……――ぁあ、はぁああん!」
ずぬり、とフレリアの蕾みの中央に、それが埋まりだした。彼女は己の中へ潜り込もうとする痛みに
抗おうと身悶える。震える両手がきつく純白のシーツを握り締める。
がっしりと右角手に押さえ込まれた白い腰へ、滾るものが容赦なく狭い通路を侵攻する。
「はぅ、ひぁうん! はぁ、フレリぁ、のっ……なかに、はいぃっ……てく、るぅう!」
「中はきつい様だ。大丈夫かい? フレリア」
「へ、へぃきっ……、だよ。ひぅぁっ! シ、シュンちゃ、んが……っ、はぁ、
してくれ、るんっ……ぁんっ、ぁあっ、ぁああんんっ!」
支えている右角手が彼女の腰を揺さぶり出した。その反動も手伝って太いものは更に深みに潜る。
ずぬっ、ずぬっ、とそれがめり込む度、入り口が軋む度、フレリアは嬌声をあげて身体を跳ねさせた。
既に呼吸は熱く乱れ、瞳からは透いたものが溢れている。肢体は火照り、艶めかしく喘ぐ。
その様子を、淡々と彼女を翻弄しながらシュンは静かに見つめる。
「ぁあんっ、はぅああ! ――ぁああっ、あ、はぅぁあんんっ………!」
びくう、と肢体を反らした後、フレリアは開いた両脚を痙攣させてぐったりと倒れた。
シュンのそれが、彼女の深奥を突いたのだ。右角手で、じっとりと汗ばんだ顔と肢体を撫でながら、
疲弊している女神を愛おしそうに労わる。
「大丈夫かい、随分と辛そうだ」
「だ、だいじょう、ぶ……だよ。だって、私がお願いしてるん……だから」
「そうだったね。手を休めてすまない。――すぐ動かそう」
「……え? ――ひゃうぅん!」
乱れた呼吸を整わせる猶予も与えず、シュンは淫行を再開した。
ぶん、とフレリアに突き立てているそれが激しくしなり、彼女を前後に揺さぶり始めたのだ。
右角手で再び腰を掴まえて、フレリアの開花部分を激しくこすり、奥を突き上げ続ける。
太い柄が引き出される度に朱交じりの白い蜜が隙間から滑る。押し込む度に女神の肢体が反動で揺れる。
自分の胎内を激しく反復される衝撃の中、フレリアはただもがき喘ぐ。
「はぅうっ! んくぅう! は、はげしぃ……よぉ……っ! でも、ひゃぁんっ!
……はぁ、ふぁあっ! きもち、い……ぁ、ああんんんっ……!」
乱れる女神を見守りながら、シュンは優しく激しく、愛しい者を弄り続ける。
最初こそ、痛みに耐えるような声であったが、次第に馴染んできたのか、その嬌声は
艶めかしい響きを帯びてきた。少女は指をくわえて、その快楽に身を委ねている。
「そろそろかな」
「――ぅんっ……ふぁああっ!?」
シュンは今度はただ真っ直ぐ突くだけではなく、それに横回転を加えて、ねじ挿れ始めた。
接合部がひねられる度、ぎちゅる、と厭な水音が立ち、蜜が散る。
最奥をえぐる様に突かれる。絞るように蕾みを激しくしごかれる。
「ふぅうっ……、はぁう! ぁあんっ、――ゃあっ、す、ごいっ……ょうぅ!」
その度に女神は濡れた肢体をびくんびくん反らせながら、両脚を激しく痙攣させる。
上も下も溢れさせながら、熱い嬌声を放つ。途切れ途切れに放ち続ける。
そして、シュンのそれが、ひと際強い水音を立てて、女神の胎内を突き上げた。
その瞬間、鈍くごもった墳音が響いて、フレリアの中を何かが満たした。
「ぁあ、あくぅううんん!」
彼女は強く身体を反らし、陸に上げられた活魚の如く、びちり!と跳ねた。
そして崩れ落ちた。シュンが彼女に突き立てられたままのものをずぷるっ、と引き抜く。
「ひぅ、ぁあんっ……!」
繋がりを解いたその蕾みから、ごぽり、と薄く赤い色も混じる白濁の蜜が飛散し、流れ出した。
止めどなくそれを溢れさせたまま、フレリアは火照る肢体をびくびく痙攣させている。
「……ぁあ……」
時折もぞもぞ、と股を動かして快楽の余韻に浸るその表情は、恍惚そのもの。
白い空間に、彼女の荒く熱っぽい息遣いだけが細かに伝わる。
やがて、のろのろと上体を起こして足元に座ってるシュンを見た。
「シュンちゃん……ありがと……」
それは、満足した彼女が発した、感謝の言葉。
その意味するところは、これで終わりにしていい、という締め括りである筈だった。
ところが、
「何という事だ。――いけないな」
「……? え……シュンちゃん?」
「まだ、君は起き上がれる程満たされていないのに。僕としたことが」
「な……何を言ってるの……?」
「いいんだよ、フレリア。僕は、成し遂げて見せるよ。
―――君に必ず、最高の、気を失う程の快楽を与えてみせる」
どこまでも優しく、静かな言葉を発して―――再び、彼の両角がその形状を変えた。
フレリアは、濡れた黄金色の目を見開いた。
現れたそれは、赤黒い蛭にも似た、人間の舌の様な、太く長くぬめぬめした物体。
それがシュンの角片方から二本ずつ、計四本が虚空にうねっていた。
「な……なぁに、シュンちゃん、それ……」
自然と身体を強張らせながら、恐れ気味に目の前の彼に問う。
彼はあくまで淡々と――瞳に静かな狂気を宿して――答える。
「名称は特にない。敢えて言うなら、『触手』だよ、フレリア――」
それが、宙でしなりながらフレリアに絡み付いてきた。
「ひぅっ、――いやぁああっ!」
ひとつは胴を這いずって背や胸をなぶり、ひとつは首筋や唇をべとりと舐め、
そして残りは左右の腿にひとつずつ絡んだ。螺旋状に、添え木に蔓が伸びるように
フレリアの白い脚を登り、―――艶やかな蕾みへ、滑り込んだ。
二本とも一緒に、先程散々なぶられていた、ひとつの窪みへ。
「や、ぁっ……やああぁ……っ!」
涙声で、フレリアは叫んだ。力の戻らない手でうねる触手を抜こうとするが
か細い抵抗も空しく、独特の体表のぬめりも手伝って簡単に触手達は潜り込んで行く。
ずぬっ、ずぬり、ずるるっ……。
「ひっ! ひぅっ、いやぁっ……――ひゃあん!?」
異質なものがうねりながら自分の中に沈んでいく気色悪さに逃げようとした瞬間、
全身に絡まった触手が、勢いよくしなって体力の無い彼女を転がした。
うつ伏せに倒れた時に、触手に両手首を捕られてしまい、後ろ手で縛られた。
そして先程両腿に絡まった触手達は、左右に彼女の脚を強く引っ張り上げる。
かくてフレリアは寝台に、つぶれた四つん這いの格好で固定されられた。
顔をシーツに埋め、両股を開き、腰は浮いた状態でシュンの前に陰部を曝している。
そこからうねうねと触手がうねるさまは、まるで尾が生えている様だ。
「はぅうっ……やぁあ……はず、かひぃょ……こん、な姿っ……んくっ、ふぅうんっ!」
触手に舌を捕られ、口を犯されて彼女は上手く悲鳴もあげられない。
「恥ずかしがる事はない。僕と同じ姿だよ、フレリア」
どこかその声には喜色めいた響きがあった。
全身をぬたった触手に纏わり突かれ、フレリアの身体は既にどろりとぬめっている。
小さなふくらみの蜂起しているところをべちょりと舐め嬲られ、
首に絡みつき、執拗に口に侵入されて呼吸を阻害され、二本同時に蕾みを攻め立てられる。
フレリアは身をよじって喘ぐ。突き出した腰がシュンの前で淫らに揺れる。
「んひゃうぅっ……はふぁ、たふ、けてぇっ……あひぅっ、んふゃ、うぁああぁっ……!」
不規則に伸縮を繰り返して、狭い秘唇で絡み合う触手は、限界まで広がっている蕾みを
更に押し広げる。その度にフレリアの精神に亀裂が走る。
シュンは軋むその蕾みから絶えず零れる露を、そっと舐めた。ついでに無事な後ろの孔や
その形のいい臀部も割れ目に沿って撫でてやると、少女の背中が引きつった。
「ぁあ……し、シュンちゃんっ……や、やめぇえ……っ!」
絶え絶えに喘ぎながら――フレリアは、自身の心の中に黒い亀裂を感じていた。
身体が嬲られる度、次第にその裂け目は深くなり、それと同時に抑え違い感情が
ゆっくりと彼女の清廉な心を病ませてゆく。
僅かな正気を保って、フレリアは後ろへ濡れた顔を回して懇願する。
「おっ……お願いぃっ……!
も、もぉっ……これ以上ぁは、私っ、おかしくなっちゃ……ぁあっ!」
「――おかしい? 君はおかしくなんかないさ、フレリア」
静かに、彼は淫らな姿の女神を見据える。
そして唐突に、フレリアに侵入している二本の触手は動きを変えた。
―――交互に激しく、彼女を突き上げ始めたのだ。
「ふあっ! ぁあんっ! ひゃぁあっ……!!」
水音が鳴る下半身をがくがくと前後させながら、彼女はこれまで経験した事のない
律動に支配された。
「君をおかしいと言うならば、もう僕は、とっくに―――」
その声は女神に届かなかった。
「ぁあ、あ、ああぁあぁああっ―――!!」
高い快楽に翻弄されながら、フレリアの心はみしり、と割れた。
そこから噴き溢れる黒い感情が、見る間に彼女の精神を侵食し―――。
―――女神の意識は、暗い奈落の底へ堕ちた。
そして暫時、ソル・マルタの一室に高い嬌声が響き渡り続けた。
「―――どうしたんだい? フレリア」
女神の忠実なる僕、シュンが目の前に立つ少女に問う。
「わ……わかってる筈なのに……。シュンちゃんのいじわる……」
既にその身に何も纏っていないフレリアは、瞳を潤ませて頬を染めた。
吐息を震わせて、すがる様にシュンに嘆願する。
「お、お願い……。また、して……」
「またかい? いけないよ、フレリア」
シュンは首を振った。
「前回からまだ三日しか経過していない。
そんな頻繁に興じていたら、君の身体がもたないだろう」
「まだ少し、つ、疲れるけど詩魔法使えば大丈夫だよ。
だから、お願い……。もぅフレリア……我慢できないよぉ……」
よく見ると、震える少女の股から、たらりと白濁の蜜が垂れている。
「また、独りでしていたのかい? ――いけない女神だ」
シュンが顔を近づけて、襞に舌を沿わせて舐め取ってやる。
フレリアはひく、と一瞬反応したが、すぐに彼に身を委ねた。
「シュンちゃん……。もっと、強く舐めて……。いっぱい弄ってぇ……」
あまつさえ、脚を開いて膝立ちになりシュンを誘惑する。彼も大人しく彼女の股下を愛撫してやる。
「あん……はぅう……っ、もっと、強くこすっ、てぇ……ぁはん、はぅ、あんん……っ」
彼の頭から背中に覆いかぶさるようにもたれ掛かり、フレリアは刺激に溺れる。
ふいに彼の角を触りながら、とろける様な情熱を込めて囁く。
「これ……シュンちゃんのこれ、フレリアの中に、挿れてぇ……。
これでいっぱいフレリアのこと、虐めて……。シュンちゃんじゃないと、だめなの……」
「虐めている積もりは微塵もないが、―――仕方がないな」
はみ出た花弁を舌先でなぶり、フレリアに小さく身体を跳ねさせながらシュンは呟く。
「僕は、君の為に此処に居る。君の望みは、僕の総てだ」
「……して、くれるんだね……?」
「勿論だ。女神のお召しとあらば」
光だけが降り注ぐ、どこまでも果てない白い空間。その中央に、大きな円い寝台がひとつ。
その上の真ん中で、五頭の蒼き獣が、輪を作って座っていた。
彼らの視線は、輪の中心の上空に注がれている。そこに、裸のフレリアがいた。
女神は、虚空に浮いていた。
その肢体には、何本もの赤黒い触手が嫌らしくうねり、絡み付いていた。
下の獣五頭の角から伸びる、計二十本もの長いその物体が少女の身体を空に拘束している。
両腕は肩より上に伸ばした状態で固定され、下半身は膝を胸の上まで持ち上げられ、
淫らに両脚を開いている。背の羽は、だらんと垂れ下がっていた。
さながら蝶の標本の如く、空中に留め具された彼女に、触手達が這い回る。
とある先端は、人間の舌の形状で、フレリアの全身を舐めまわし、
とある先端は、男性器の形状で、フレリアの口を犯し続け、
とある先端は、吸盤の形状で、フレリアの全身に吸い付き、赤い痕を付ける。
そして秘部には、何本もの触手がうごめいて、女神と結合していた。
……ずぬっ、ずぬぅうっ、ぐにゅむ、ぎちゅっ……―――。
「んふぅぁあっ! はくぅ……はぅうっ、んぁあんっ! ひぅぁああ……!」
どくどくと脈動する触手達は伸縮し、うねり、絡み合いながら容赦なく
フレリアの中へ潜り込んでゆく。限界以上に伸びる蕾が軋んで悲鳴をあげる度に、
少女はびくんびくんと肢体を跳ねさせる。腰は絶えず振動し、両手脚も痙攣している。
醜くひしめくその隙間から、色んなものが雑じる蜜が滴り落ち、下に雨降る。
「んくぅうっ……ふぁ、す、ごいよぅ……ひゅ、ンちゃ……ひゃうっ、ふゃぁ、ああんん!」
口からだらりと粘質な白液を垂らして、虚ろな瞳で絶え絶えに叫ぶ。
その卑猥な女神の様子を、従者達は静かに見上げていた。
「愉しんでいるかい、フレリア」
そのうちの一頭が、虚空で身悶えする少女へ話しかけた。
彼が恐らく本体で、他の者は分身なのだろう。
「フぇレリ、ぁのなか、にっ……いっぱひ、ふぇぁあっ! はぃっ……ぁあっ!」
「しかし、そろそろ君の体力も限界だろう。締めに入らなければ」
その声を合図に、フレリアと繋がっている触手達が細かく振動し始めた。
「ふぐっ、やめぇ……あんんっ! あ……ぁあっぁあ、あぁあぁぁあぁあぁ……!!」
ぶるるる、と細かくも強く身体の中から震わされ、女神は恍惚に喘いだ。
両乳房にうねる二本の吸盤が、同時にその先端に吸い付き、彼女の肢体を反らせる。
「快楽のあまり苦しそうだね、フレリア。今、楽にしよう――」
結合したまま振動している触手達は、そのまま予告も無しに絶頂の女神を、高く突き上げた。
「はぁぅっ! ――あああぁあぁぅうんっ!」
びくん!と腰から跳ね上がった後、だらん、と力なくフレリアは頭を垂れた。
上下にたわむ触手に支えられて、濡れた肢体が揺れる。
しかし、もう女神は動かなかった。
「……やれやれ。やっとご満足頂けた様だ」
一頭がぽつりと呟いてから、するすると気絶している女神を降下させ始めた。
そのすがら、秘唇からずちゅ、ずぷるっ、と触手を引き抜いていく。
その度に、女神の中から白と朱色の混ざる蜜が滴り落ちる。
だが最早、フレリアはぴくりとも反応しなかった。
頭を垂れ、だらりと細い両手脚を、火照る肢体をぶら下げている。
角の形状を人の手に変えて、シュン達は己の目の前まで彼女を降ろす。
ただしすぐに寝台へ寝かせずに、先ずは汚れた身体を隅々まで綺麗に舐めてやる。
赤い斑点の付く乳房を、激しく扱かれた蕾を、滑らかな輪線を丁寧になぞる。
そうしてからゆっくりと、女神を寝台に横たえた。
そして、一頭、また一頭とシュンの分身達は消えて――最後に本体の一頭が残された。
「流石に長時間、複数の分身を維持しているのは骨が折れるな」
ぐったりと力尽きているフレリアを見下ろしながら、シュンは呟く。
「さて、どんどん我が女神の要求がエスカレートしていくのだが
――次からは、まだ無事なもう一つの孔も攻めてやらなければ、
満足して頂けないかも、な……――」
静かな笑みを湛えながら、ノイズ音と共に、蒼き従者はその空間から消えた。
そして、静寂が訪れた。
誰もいなくなった白い白い空間に、少女がひとり。
長い長い時間が経ってから、少女はやっと、薄く眼を開けた。
まだ動かす事も出来ない身体。開かれた目も虚ろで、焦点が合っていない。
語りかける者も存在しない虚空に向かって、少女は、小さく弱く呟いた。
「ねぇ、シュンちゃん……。
次は、どんなふうに愉しませてくれるの?」
―――妖精と賢者の淫夢は、終わらない。
257 :
天界の猥宴:2008/02/03(日) 05:41:34 ID:3XJ8BXiv
これにて終宴、乱文失礼した
正直このスレでは浮くのは承知
フレリア様すまん愛してる
角がそんなふうになるとかマジでナイスアイディア
瞬ってモノ付いてないんだな
何はともあれGJ!!!
ワンコは種付けして何ぼだろうと思ってたが、確かに付いてないかもなあ。
しかし、瞬の台詞が一々妙に笑える気がするのは何でかのう。
漫画版アルトネリコ2はルカルートなのか……orz
漫画版はクロアが可愛いなwww
>>247 超GJ!!!フレリアたんエロカワイイよフレリアたん
瞬のセリフがどこぞの雪国の王混じってたような気がするが、何、気にすることはない
262 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 07:33:24 ID:7fHl2qu3
クロア&アマリエ話の続き投下します。
前回投下後悩んだけど最後までエロは皆無でいきますんで。エロ期待の方は
スルー推奨です。
(天界…ソル・マルタの最深部にいた黒幕はあのインフェルだったんだ。そして、
彼女と『ゲーム』をすることになった。……互いの未来を賭けて)
「やった!?」
ルカが歓声をあげる。レプレキア、IPD達の力を借りて放たれた無数の光条が竜樹に
突き刺さった。だが、爆炎が晴れた後には竜樹の禍々しい姿があった。
「そんな……。あれでも駄目なの?」
蒼白な顔で膝をつくクローシェ。
「効いてるわね。7割は消し飛んだみたい」
対象的にジャクリは涼しげに言う。
「ふ〜ん。ま、あれくらいならなんとかできるか。ぶっ壊し甲斐がありそうね」
「お前な……。そういうレベルの話じゃ……」
あまりにも不敵すぎる表情であまりにも不敵な発言をする相棒にツッコミかけて
クロアは言葉を止める。アマリエはクロアだけに見えるようにウィンクしていた。
(わざわざ気持ちで負けてやる義理なんてないでしょ?)
(全く……。確かにな。その通りだよ)
「クローシェ様、絶望するのは後回しです。今はあれを潰します」
「クロア……」
「でも……あんなに大きな相手を……」
ルカもまた呑まれかけていた。だからクロアは煽る。
「俺の知ってるクローシェ様やルカは……そんなフヌケじゃない!それとも……
ここまで来たのは、そんな安い覚悟だったんですか!」
「「……」」
「俺はかつてメタファリカの夢を諦めかけてた。けど!ふたりがいたから……今が
あるんです!だから……戦います!全力で」
「クロア。私をフヌケ呼ばわりした報いは受けてもらうわ」
クローシェの言葉に力が戻る。
「楽しみにしていますよ」
「高くつくからね?」
ルカの目にも戦意が戻る。
「ああ、望むところさ」
呼応するようにココナ、レグリス、シュンも力強く頷く。
(アンタにしては上出来じゃない?相棒)
(やかましい!)
そんな姿にジャクリが口を開く。
「さて、盛り上がってきたところで。アレを吹っ飛ばせる詩に心当たりがあるんだけど」
「本当なのか?確かに、チマチマやるよりも効果的だろうけど」
「ええ、さっきのレプレキア。あの半分程度の火力なら出せるわ。ただ……」
瞬時に理解したアマリエが返す。
「何分必要なの?」
「話がはやくて助かるわ。2分……と言いたいけど、90秒でなんとかする」
「オーライ。どうやらむこうも準備よさそうよ、相棒」
視線の先、竜樹の腹部にツタが集まり巨大な蛇を形作る。その口からは真紅の炎が
顔を覗かせていた。
「ああ。……覚悟はいいな?勝つぞ!相棒!」
叫ぶと同時に駆け出す。そして、蛇の口から飛来した火球にランスを叩きつけた。
火球が爆炎と化し、あたりに広がった。
「こっちも始めるわ」
爆炎の後ろでジャクリの指示が飛ぶ。
「ルカとクローシェは私のサイド5メートルの位置に、フレリアは私の隣に来て」
「私が?」
「わかっているのか?フレリアにはもう力は……」
フレリアとシュンの疑問を遮って重ねる。
「言われなくてもわかってる。フレリアに負担は掛けないわ。ルカとクローシェは私に
声を合わせて。……ただし、実質二人に詩ってもらうことになるわ。説明してる時間は
無いけど。ココナ達はガードを。なんとしても護り抜いて」
「「「「「「了解!」」」」」」
誰もが疑問を抱いていた。だが、説明する時間が無いことも皆が理解していた。だから、
それぞれが指示通りに動く。
「見とれないでねッ!!」
爆炎を貫いてアマリエが蛇に肉迫、ターンするように横一文字に振るわれたソードが
蛇の目を潰す。アマリエが動いた真後ろからクロアが突進し、頭をえぐる。さらに
アマリエは回転の勢いそのままでランスの柄に蹴りを叩き込む。加速された一撃が
深くめりこみ、耐え切れずに蛇頭が弾けた。そして、その下から盛り上がった茨が
すぐに新たな蛇に変わる。まるで彼らを嘲笑うように。さらに鞭のように振るわれた茨が
襲う。だがふたりは無視して攻撃を再開した。致命傷さえ避ければあとはどうでもいい、と言わんばかりに。……口元に笑みを浮かべながら。
クロアとアマリエは自棄になっているわけでなければ目的を忘れているわけでもない。
彼らの狙い、それは蛇頭を攻め続けることで防戦一方に追い込むこと。そして、
竜樹の注意を自分達に引き付けること。それは、時間稼ぎというにはあまりに苛烈な、守護というにはあまりに攻撃的なもの。もっとも、ふたりとも本気で、自分達だけで
竜樹を潰す気ではいたのだが……。
発動まであと72秒。
(さすがに骨が折れるわね……)
ジャクリは額に汗を浮かべていた。彼女が言った『レプレキアの半分程度には威力のある
詩』とは結線クラスの詩のこと。直接塔を詩魔法として操作できるのはコスモスフィアの
全てを完了し、パートナーと強固な絆で結ばれたレーヴァテイルのみ。そして、
ジャクリ、ルカ、クローシェの三人はその条件を満たしてはいない。けれど、例外が
存在することも彼女は知っていた。それは、エオリア…シュレリアやフレリアのような
オリジン体。だがフレリアには力は残されていない。それならば、フレリアを介して
塔にアクセスする詩を紡げばいい。それがジャクリの考えだった。クローシェあたりが
聞いたならその非常識さに呆れていただろう。それはレーヴァテイルとしては規格外な
彼女だけに可能な荒業だった。さらに短時間で威力を確保するためにリアルタイムで
アレンジを加え続けているのだからその負担は相当のものだっただろう。
(全く……ジェラードがレーヴァテイルだったらこんな手間も無かったでしょうに……)
発動まであと58秒。
「爆ぜろッ!!」
クロアが蛇頭の正面、至近距離からの機銃乱射を仕掛けると同時にアマリエが跳躍し、
真上から矢を放つ。十字砲火に耐え切れず、蛇は再び弾け飛び、また再生を開始する。
さすがに竜樹も羽虫のようにまとわりつくふたりにいらだっていたのだろう。
咆哮とともに巨大な翼を広げる。そこから放たれた無数の枝がクロアとアマリエに
殺到する。
(どうする?)
クロアは一瞬考える。だが、頭上から聞こえた『音』を聞くと即座に動いていた。彼は
竜樹から離れるように大きく跳び、ランスのギミックを操作する。その一方で
アマリエは空中でライアーのモードを変えていた。そして、着地と同時に曲が完成する。
それは破滅の運命を奏でる調べ。音色にふれた枝は、一瞬動きを止め、霧散した。
その中を突っ切ってクロアが駆ける、右腕のランスに光を纏わせて。クロアが後ろに
下がったのは回避のためではなく、助走をつけるため。
「せやああああッ!!」
その一撃は生まれようとする蛇頭を三たび穿つ。
発動まであと47秒。
(くぅっ……。こんなにも消耗が激しいなんて……)
ルカはすでに膝を着いていた。詩うという行為は程度の差はあれ、精神力を消耗し、
強力な詩魔法ほどそれは激しい。ルカもジャクリの口ぶりから大変な詩だとは
予想していたが、実際には大変どころではなく、『喰われる』と錯覚するほどの勢いで
彼女は消耗させられていた。
(レイカは大丈夫なの?)
無意識に目をむける。けれど視線の先にあったのは真っ直ぐに背中を伸ばして詩い続ける
義妹の姿。レイカもまた、自分と同じくらいの負担を負っていることはなんとなくわかる。それでも必死に詩い続ける姿はルカに力を与えた。
(……私のほうがお姉ちゃんなのに……。そうだよね、こんなのでへこたれてたら……
会わせる顔が無いよ。レイカにも、クロアにも、アマリエにも。そして、下で私達の
無事を祈ってくれてるお母さんにも!)
ルカは膝を上げると、力を込める。両足に、掲げた両腕に、瞳に、詩声に、そして、心に。
(もう弱音は吐かない!絶対に!!)
発動まであと29秒。
竜樹は感じていた。下でまとわりつく者達も目障りだが後ろで紡がれている詩は確かな
脅威になると。そして、咆哮と同時に竜樹の頭を取り巻くように3つの首が生まれていた。
その三対の目はそれぞれが詩い続けるレーヴァテイル達を捉らえる。
「来る!」
ココナは自分に、正確には後ろで詩い続けるクローシェに向かってくるモノを睨む。
迫ってくるのは生理的嫌悪を感じさせるような緑色の霧。それは、たとえ無害で
あったとしても触れたいとは思わないようなシロモノ。
(さっきまではクロとアマリエのおかげでこっちにはたいした攻撃は無かったけど……。
今度はココナが護らないと。クローシェ様を!)
バトン出力のリミッターを外し、強く念じる。彼女の意志力を受けたバトンは巨大な
光刃を生み出す。バトンごと光の刃を回転させ、霧に立ち向かった。回転で発生した
風圧が霧を弾き、意志の光が瘴気を焼いていく。
レグリスの後方にいるルカには棘(といってもひとつひとつが大人の体ほどもあるが)
が放たれていた。
「17、いや、18本か。まともに受け止めるには多すぎる、か。ならば、全て打ち落とす!!」
先頭の棘めがけて円盤を投げつける。
グチャッ!
棘が潰れ、毒々しい色の液が飛び散った。
(やはりな、触れるわけにはいかんか。だが、この程度ならば)
腕を振るう。まるで生き物のように軌道を変える円盤が次々に棘を打ち落としていく。
(ふむ。かなり高温の炎のようだな)
シュンの眼前には燃え盛る炎が広がっていた。回避するという選択肢などハナから無い。
彼の後ろにはフレリアがいるのだから。そこにいるのがジャクリだけだとしてもシュンの
行動は変わらなかっただろうが。
「消えてくれ」
体内で作り出した高圧のエネルギー波を叩きつける。青い波動が炎の赤を押し返していく。
竜樹の本体ともいえる首は真下にいるクロアとアマリエに向けられていた。その
閉じられた口の端から光を漏らしながら。解き放たれれば無事ではすまない。だが、
それに気付いてもふたりは回避行動はとらない。手を休めればそれだけ蛇頭を自由に
してしまうから。ふたりは、蛇頭の左右に展開、挟みこむように、さらなる連打を
浴びせていく。
発動まであと16秒。
「まずいよ……」
光をともなったバトンは一時、瘴気を抑えていたが徐々に押されていた。
(このままじゃあ……。けど、ココナが避けたらクローシェ様が……。よし!)
大きくバトンを振るうとクローシェの前までバックステップする。手にしたバトンは
一対の扇に形を変えていた。一瞬クローシェと目が合う。クローシェは詩声はそのままに
大きく頷いた。
(信頼してくれてるんだ……。ココナのこと)
「ココナだって!」
両の扇にありったけの意志を込める。ココナの両手から広がった翼のような光。まるで
羽ばたくようにそれを叩きつけた。
「できるんだからっ!!」
光の風が瘴気を完全に消し去った。
(よし、いける!)
円盤の舞が次々に棘を打ち落とす。そして、レグリスの目の前で最後の一本も砕けた……
ように見えた。だが……
(なっ!?もう一本だと?)
最後の棘、その真後ろに隠れるように新たな棘が迫っていた。今から円盤を操っても
間に合うタイミングではない。
「うおおおおっ!!」
レグリスは全身で棘を受け止め、毒液が弾ける。しかし、破裂した棘から飛び散った
飛沫は一つとしてルカには届かなかった。
(先に尽きるのは……僕のほうか)
シュンは冷静に分析していた。このままでは炎が尽きる前に自分のエネルギー波が
途絶えてしまう、と。
(ならば!)
波動が絶えると同時にシュンは自らを弾丸と変え、炎に飛び込む。青い彗星が
炎の全てを跳ね返した。
「あああああッ!!」
クロアは回転すると、遠心力を乗せ、蛇頭の横っ面をランスで殴りつけた。
両サイドからの攻撃を受けていた部分は耐え切れず、蛇頭の先端2メートルほど
が宙に舞った。
「アマリエ!!」
「オーケイ!!」
アマリエは真下に入ると、宙返りをしながら蹴りを叩き込む。オーバーヘッドキックの
ように。ただ一つ違うのは地面に蹴り落とすのではなく上に蹴り上げるという点。
その先端部が向かった先には、今まさに彼等目がけて滅びの光を放とうと口を開いた
竜樹頭部があった。結果、行き場を塞がれた光は暴発、一瞬あたりが白く染まった。
発動まであと5秒。
(ココナ!?)
クローシェの眼前でココナは、美しい光の翼を広げ、羽ばたくと、そのまま崩れ落ちた。
恐らくは力を使い果たしただけ。それはクローシェにも予想できていた。無視できる
ことでもなかったが。けれど、ココナがその身を賭して自分を護ったのは一体
なんのためなのか?それを思えば今のクローシェには駆け寄ることは許されない。
それはココナへの、いや、皆への裏切りになってしまう。
(あと少し、あと少しで……完成する)
そして……
「「「シンクロニティチェイン!!」」」
ジャクリ、ルカ、クローシェの声が重なった。
「「「シンクロニティチェイン!!」」」
アマリエの耳にもその声は届いていた。
(ふぅ。どうにかなったか……)
さっきから痛む腹の傷に手を当てると、ヌルリとした感触があった。
(あっちゃ〜。開いてるわね、やっぱ)
そんな中、アマリエは視界の端で竜樹を駆け上る相棒の姿を捉えた。そして、
意図を理解する。
(全く……少しは休ませろっての。けど……だからこそやめられないってものか。
あの馬鹿の相棒は!)
頭で爆発が起き、動きが止まっても竜樹は生きて、再生を始めていた。もっとも、
生み出した三つの首は吹き飛び、蛇頭は五分の一ほどに減じ、本体の頭もボロボロ
であったが。だから自分の体を駆け上がるふたりにも対応できずにいた。
クロアが、さらに一瞬遅れてアマリエが竜樹頭部に到達する。そして、
「これでっ!!」
「終いよっ!!」
右目に向けて至近距離から機銃が火を噴き、左目を矢が射抜いた。
だから、竜樹は知ることが無かった。第一塔より放たれ、自身を完全に消し去った
光。それは紡ぎ手のアレンジによるものだったのか、鴉の濡れ羽を思わせるような
漆黒であったことを。
ということで竜樹戦終了です。全員に見せ場つくろうとしたけどフレリアはムリでした。
あと2回で終わる予定です。自分はアマリエとエロを結びつけることができませんでしたけど
アマリエってエロにしづらいのか?アマリエ話はいくつかあるけどルカやクローシェと
比べるとエロ比率が低いような気が・・・。
こんなアマリエだったらレアキャラ同盟に絶対入らないだろうな…
GJ
そういやアマリエって使った事ないな・・・
何はともあれ
>>271GJ!!
まさか龍樹ごときとここまで激戦を繰り広げさせられるとは思わなかったぜ。すごい臨場感があったよ。
アマリエとレグリスは全部の技見てないけど
GJ!!!
275 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 04:01:32 ID:lZYhu3dP
276 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 11:38:39 ID:4KIROWKO
↑何か忘れたけど危険なサイトらしいので注意
今月末にドラマCDが出る
それで妄想補給だ
279 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 02:55:11 ID:+o5Hr2DJ
>>273 アマリエ意外と強いよ、レベル3↓の技が回復だから回復アイテム代が浮くw
寿司あったらアマリエいらんだろ・・・
寿司4個使うよりアマリエに演奏させたほうが楽で早いぞ?
それに、敵を殴ることなくサイコ上げられるから全裸チェインも出しやすい
シンクロニティはシンクロ切れると同時に魔法発動するから結構うぜぇ
とりあえず保守
こんにゃくプレイ(* ´Д`)
289 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 02:46:23 ID:RH2AQWsr
アンソロジーが出てるのね
どう?エロい?
一言で言うならチョコしまパンツ
リルラ最高だよリルラ
294 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 09:32:19 ID:SpUJV/xs
書きかけばっかり増えてちっとも投下できる状態にならない…orz
>>295 頑張れ。
とりあえず、全裸で待ってる。
誰か、誰でジャクリを書いてくれ−ーー!!
298 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:08:19 ID:5zoHZaBl
わ
299 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 03:33:19 ID:UTx1xdin
300 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 09:00:13 ID:tXR0dxt8
アルトネリコって薬プレイするにもネタがあっていいよな。
グラスノで精神吹き飛ばしたり、とろむらで誘惑したり、ミュッシェルヘヴンで敏感にしたり。
トリップフラッシュも上手く使えば何か出来る気がする。
フレリアとシュンの獣姦まだー?
犬チン子に喘ぐフレリアが読みたいという意見なら大賛成だ。
まったくエロは無いですけどクロア、アマリエ話の続き投下します。
「私達には人々を幸せにする使命があるから!」
竜樹を倒され、不承不承ながらも負けを認めていたインフェルだったが、ネネシャの
言葉に誘われるようにして、手を取り合い、再び謳い始めた。紡ぎ出されたのか、巨大な
リングが彼女達を護るように現れた。
「インフェル!?」
「これって、さっきの詩?どうなってるのよ?一体?」
「わからない。けど、見たままを言うなら……」
「インフェルがネネシャに操られてるように見える?」
クロアの言葉をアマリエが引き継ぐ。
「ああ。でも、なにか違う気もする」
「そうね、それに妙な既視感もあるし……」
「大地の心臓」
ふたりの後ろにはフレリアが立っていた。
「今のインフェルちゃんは大地の心臓の影響力にはまってしまっているの。自分の信念が
全て。あの、不完全な意志の力」
「それって、クローシェ様が大陸になった時と同じ?」
「どーりで。どっかで見たような気がすると思ったわ。ま、細かい話は置いとくとして、
止めなきゃマズイよね。アセンション、じゃないか。サブリメイションは、さ」
「だろうな。まだこの世界を諦めたくはない」
「それは大丈夫……だよ」
「どういうことだ?」
フレリアの答えにクロアが聞き返す。
「さっきも言ったけど、今のインフェルちゃんは不完全な状態になっているの。
あれじゃあ、サブリメイションを謳いきるまで……保たない」
「保たないって、まさか!?死んじゃうってことなの!?」
「……うん。身体じゃなくて、心が」
フレリアは一瞬言いよどんで答えた。
「その前にどうにか出来ないのか?インフェルを、いや、せめて彼女の身体だけは
傷つけないで、止めることは」
「クロア……」「相棒……」
フレリアは前を指差す。
「あのリング。あれを中心に力が流れてるの。だから……」
「リングだけを砕けばいい、ね。けど、」
アマリエは前方を見据えて続ける。
「障壁が張られてるわね。目に見えるぐらいだし、とびっきりに強力なヤツが」
「そうだな……。……手を貸してくれ、相棒」
「クロア?」
「同時に仕掛ける。全開で」
「同時に……?全開で……?って、まさか!?本気なの?ていうか正気?」
「ああ。本気で言ってるし、正気でいるつもりだ」
「無茶が過ぎるわよ!あたしはともかく、下手したら死ぬわよ!アンタは」
「ああ、それも理解してるよ。けど、あの手の障壁を抜くなら立て続けで負荷を
与え続けてやるのが定石だ。あまり時間も無い。今、まともに動けるのは俺と
お前だけだろ?」
激するアマリエに対してクロアはあくまで淡々と返す。本気を感じ取ったアマリエは
質問を変える。
「確かに……。筋は通ってるわ」
事実その言葉通り、他のメンバーは竜樹との戦いで力を使い果たして、あるいは深手を
負って倒れていた。クロアも無傷ではないし、アマリエは腹の傷が開いていたが。
ふたりともそのことには触れない。
「で、何故そこまでするの?聞かせてよ、理由」
「ああ、憶えてるか?ココナが……いや」
そこで一度言葉を切ると真っ直ぐにアマリエを見て言った。
「俺が……お前を殺しかけたことを」
「嫌な言い方するわね」
(けど、ま、妥当といえば妥当か。過ぎたこととはいえ、ココナがIPDを発症したなんて
言いたかない、か)
アマリエもあえてその点には触れずに答える。
「忘れる訳無いでしょ、んなこと」
「俺もはっきりと覚えてる。そして、重なるんだよ。今のインフェルに、あの時の
俺の姿が」
(そっか……。だからコイツは……)
「そして、あの時俺を止めてくれたのは隊長と……お前だった。だから……」
「今度は俺が止めてやりたい、ね」
「ああ」
アマリエは心底呆れた声で問いかける。
「そういうの、さ。何て言うか知ってる?」
「自己満足、だろ」
クロアははっきりと即答した。
「正解。んじゃ、質問その2。そんなもののために命懸けるヤツのこと、なんていうかは
わかってる?」
「馬鹿、だな」
「正解。つまりこういうこと?アンタは、それが、馬鹿げたことと、知ったうえで、
命懸けようっての?自己満足のために?」
「ああ」
その答えには迷いはひとかけらも無かった。
「はぁ〜〜〜〜〜〜」
アマリエは深い、深い溜息をついた。
「やれやれ、ね。馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけどさ、これほどだったなんてね。あたしの
予想を遥かに超えてたわ」
「悪かったな、馬鹿で」
「そうね、おおいに悪いわ。けど、そこまで言った以上無様な真似は許さない。
逃げようとしたらその瞬間に蜂の巣にするからね」
その言葉にはアマリエの意志が込められていた。
「相棒……」
「女を泣かせる奴は最低、この考えを変える気は無い、今までも、これからもね」
「は?」
「ちょっとした昔話よ。そして、女を泣かせるような奴は大概が馬鹿だった。だから、
あたしは馬鹿ってヤツが大嫌い、だった。けどね、」
アマリエはフッと笑って続ける。
「最近気付いたのよ。女泣かせないぶんには馬鹿ってのも悪くないってね。特に見てて
笑える馬鹿はさ」
「……腹が立つのはなんでだろうな?」
「そりゃそうでしょ。けなしてるんだから。ともかくさ、やろうよ。アンタの
自己満足のためにさ、止めよう!あの子を!」
「ああ。……サンキュ」
クロアの感謝にアマリエは露骨に嫌そうな顔をする。
「前言撤回。『あたし達』の、安っぽくてチンケな自己満足を満たすために、ね」
「お前……」
「正直言うとさ、このままあの子が壊れるまで放っとくってのはあたしとしても嫌なのよ。
……夢見が悪そうだし。ほら、最近の流行だっけ?
『べっ、別にアンタのためじゃないんだからね!』
ってヤツは」
「いや、お前が言うと気色悪いから」
「たはは、それもそっか」
そして、付け加える。礼も謝罪も要らない。アンタ一人が全部気負う必要も無い。
あたしは、あたしの意志でやるから、と。
「あの……」
遠慮がちにフレリアが声をかける。
「インフェルちゃんを助けてくれるの?」
インフェルがどんな生を送ったのかを知るフレリアは、叶うなら彼女を助けたいと
思っていた。だが、その問いに対する答えはイエスではなくて、
「助ける、なんて傲慢なことを言うつもりは無いよ」
「そ、あたし達は彼女を『止める』だけ。相手の意思を無視して、それこそ力尽くで」
「「自己満足のためにね」」
(クロア達なら、もしかしたら……)
そんな二人の姿はフレリアの心を動かしていた。
「私も……謳う」
「フレリア?でも君は」
「うん、今の私には力なんてほとんど無い。だけど、それでも……」
「心強いよ。すごく」
「え……?」
「そうね、神様のエールまで貰っといて下手を打つわけにはいかないし、ね」
「それって……」
戸惑うフレリアにふたりは続ける。
「頼りにするよ」
「しっかりね」
あくまでも気軽に。まるで散歩にでも誘うように。
「あ……。うん!」
だからフレリアもはっきりと答えることができた。
「さて、と」
アマリエは右手の腕輪を外すと上に思い切り放り投げた。やがて、最高点に達した腕輪は
重力に引かれて落ちていく。
「遅れるなよ、相棒」「遅れないでよ、相棒」
ふたりの口から同時に出たのは同じ言葉。そして、互いに苦笑する。
「まったく、こんな時だってのにな……」
「ま、いいんじゃない?あたし達らしくて」
「それもそうか」
「そういうこと。そうだ、一つ褒めてあげるよ」
「ん?」
「アンタがあたしの怪我を気遣わなかったこと」
「当たり前だろ?誰がそんな無駄なことするかよ」
「確かにね。けどさ、その無駄なことしてたら、殴ってたよ?」
フレリアの詩が始まる。
それは、本人も言っていたようにひどく弱々しい詩。詩魔法としての効果でいうならば、
ルカやクローシェ、ジャクリのそれと比べて1割にも満たなかっただろう。けれど、
クロアの、そしてアマリエの心に火を着けるには充分だった。
そして、
カツッ!
「これで、決める!」
クロアが翔け、
「あたしのとっておき、見せてあげる!」
アマリエが駆けた。
「うおおおおおおぉっ!!」
ランス内蔵のロケット。その爆発によって生み出された推進力を宿し、文字通り弾丸と
化したクロアが気合とともにチャージを叩き込む。
ガギンッ!
貫くには至らないものの、勢いまでは抑えきれずに、インフェルとネネシャは障壁ごと
弾き飛ばされる。
ヒュンッ!
そこへ追い討ちをかけるようにして矢が打ち込まれる。ライアーの魔力を帯び、
音速を超えて光速に至った矢が。クロアの身体からわずか数センチの空間を貫いて。
それすらも障壁を揺らすだけにとどまる。だが、クロアは連続でチャージを仕掛け、
アマリエは短い跳躍を繰り返すことで、位置を変え、角度を変えつつ矢を放ち続ける。
(すごい……)
フレリアは謳いながらも、目を奪われていた。目の前で繰り広げられているあまりにも
激しく、無謀で、そして繊細な光景に。
クロアが行っているのは大鐘堂の騎士に伝わる奥義。ロケットの推力を破壊力に
転化しての突撃。
アマリエがやっているのはライアーの力を全解放して、強化された矢を連射するという
大技。
どちらもそれぞれの切り札ではあるが、フレリアも何度かは目にしていた。
だが、今ふたりはそれらを同時に仕掛けている。
そう、クロアは後方から雨あられと矢が浴びせられる中を飛び続けている。ただでさえ、
体勢を維持するのが困難な高速機動で。
アマリエはそんなクロアを避けながら、かつ手を休めないように矢を放ち続けている。
ひとつひとつが必殺の威力を持つ矢を。
たとえ一矢でも当たったならクロアは良くて大怪我、悪ければ即死だろう。
ふたりともそれを正確に理解していた。だから、研ぎ澄まされた集中力で確実に、正確に、相手の動きを予測し、時に同時に、時に時間差で、連携を仕掛けていく。
ピシッ!
フレリアの視界の端でリングにヒビが走った。まるで悲鳴を上げるように。
最初に気付いたのはクロアだった。右腕、正確には右腕に装着したランスに違和感を
感じた。
「なにっ!?」
次の瞬間、ロケットが失速した。
「えっ!?」
アマリエもまた前方を翔けていたクロアが急にバランスを崩したことに驚きの声を
上げていた。
クロアのランスは出発前にシンシアの手で念入りに整備されていた。しかし、繰り返し
行っていた無茶な使い方が少しずつ、確実に、内蔵機構に負荷を与えていた。
ロケットの失速はほんの一瞬、通常ならばクロアはすぐに体勢を立て直すことが
出来ただろう。
もしも、その一瞬が刹那でも早かったならばアマリエはとっさに射筋を変えることが
出来ただろう。あるいは、ほんの少し遅かったならば、クロアがバランスを崩すのは
矢が通り過ぎた後だっただろう。だが、その一瞬は最悪のタイミングで訪れた。
アマリエが矢を離すと同時に。
アマリエの手を離れた矢は瞬時に最高速に達する。そして、クロアから数センチ離れた
空間、そこを矢が通る前に、体勢を崩したクロアの左腕がそこに割り込んだ。
結果、アマリエの、フレリアの眼前で宙に舞っていた。血飛沫とともに、肩の近くから、クロアの、左腕、だけが。
「ぐあああっ!」
身体の一部を失ったことでバランスを保てなくなったクロアはロケットに振り回され
かけていた。なんとかして立て直そうとするも、その勢いは失われつつあった。
(くそっ!このままじゃあ。どうにか……どうにかしないと)
さらに左肩の激痛はクロアの意識を刈り取っていく。左腕の感覚が失くなって
いたのが幸いにも、と言えるかはともかく。
(だめ……だ。意識が……霞む……)
「気をしっかり持て!」
そんなクロアに向けて吼えたのは、爆炎をその身に受け倒れたはずのシュンだった。
(シュン?)
なおもシュンは叫ぶ。
「体勢を立て直すんだ!たとえ片腕を失くしても勢いを維持することは理論上可能だ!
お前ならやれる!」
(お前なら、か。他人事だと思って簡単に言ってくれるよ……)
だが、とクロアは思う。シュンがそう言うならば確かに理論上は可能なんだろうな、と。
そして、思い出す。
(そうだよな。俺の後ろにはシュンだけじゃない、皆がいる。そして、アイツも。なら!)
そう考えると同時に激痛が消し飛ぶ。
(アイツの前でだけは無様な姿をさらせるか!勢いを維持することは可能?違うだろ!
体勢を保てるなら、さらにスピードを上げられるはずだ。余計な重りが無くなった
分だけ!!)
アマリエもまた、動揺を抑えきれずにいた。
(……っ!ヤバ……意識が……集中できない!?)
震える手で、それでも放った矢は、クロアには当たらなかったが目標を大きく
逸れてしまう。
(なにやってるのよ!?こうなる可能性は……予想してたハズなのに)
必死に自分に言い聞かせようとするが、身体はついてこない。それどころか、
無視していた傷の痛みがさらに意識を乱していく。
「心を乱すな!精神を集中させろ!」
アマリエに向けられたのはレグリスの怒号だった。
レグリスは続ける。
「クロア・バーテルという男は強い!あいつを信じるんだ!」
アマリエは心中で、なかば無意識のうちに答える。クロアは強い?そんなことは誰よりも
知っている、と。そして、そうでなければ誰が隣を許すものか、と。
前に目を向けると、クロアはランスに振られるように、いや、振り回されながらも攻撃を
続けていた。錯覚だったのか、あるいは……。ただ、アマリエの目には映っていた。
左腕を飛ばされる前よりも、激しさを増しているように。
「ふっ、ふふっ、ふふふふふっ……あっはははは!!」
アマリエの口から笑いが噴出す。
(まったく……。魅せてくれるじゃないの、相棒?そこまでされたら……あたしだって
もうひと頑張りしないわけにはいかないでしょうが!!)
「震えるのも、痛がるのも後でゆっくりとすることにするわ!!」
駆け出すと同時に矢を放つ。今度は三本一度に。それは、クロアの左足をかすめ、右肩を
かすめ、髪留めを砕いて、障壁に殺到する。
「さしあたっては……取り返す!遅れたぶんを、ねっ!!」
勢いを取り戻した、いや、さらに勢いを増したふたりの連撃の前に障壁は、そして障壁を
生み出しているリングは徐々に耐えられなくなっていく。リングにはすでに無数のヒビが
入り、ますますその数と大きさを増していく。
対照的にクロアとアマリエの攻撃はさらに苛烈なものになっていく。
クロアは認めない。自分達の間にあるのが『信頼』などという美しいものであるとは。
アマリエは信じている。今自分達がやっているのはただの子供じみた意地の張り合い
でしかない、と。
だが、それでも。そんな想いに加速されるようにして、穂先はその鋭さを増し、射筋は
その速さを増していく。先のクロアの状況を『後方から矢が放たれる中を飛び続ける』
と表現するなら今のクロアは『矢の激流の中を縫うように飛んでいる』と言えるだろう。
そんな彼等にさらなる追い風が吹く。
サブリメイションにかき消されそうに弱かったフレリアの詩が美しいハーモニーへと
変わった。
ルカとクローシェの、ジャクリの、そして……ココナの声と重なり合うことで。
ルカとクローシェは手を繋いで、互いに、寄り添うように謳っていた。
(こうしてると、伝わってくるよ。レイカの想いが)
(お姉ちゃん……)
(ホントに、大好きだったんだね、クロアのことが)
(うん……。お姉ちゃんだって……)
(けど、解かっちゃったよ。ううん、ホントはずっと前から気付いてた。クロアは
いつだって私やレイカのことを気遣ってくれてた。護ってくれてた)
(でも、クロアにとっては私も、お姉ちゃんも『護りたい存在』でしか無かった。
後ろに立つことは出来ても、隣に並ぶことは出来ないんだよね?)
姉妹は揺れる瞳を前に向ける。通った後に血を落としながらも駆け、射つづける
アマリエの姿は眩しく見えた。
ルカもクローシェも感じていた。騎士だから、御子だから、人間だから、
レーヴァテイルだからとかではなくて、それでも、自分達があの場所に立つことは
叶わない、と。
(そうだね……。ね、もしも、もしもだよ?もっと早くに、素直になれてたら、
違う今があったのかな?)
ルカは妹に問いかける。涙を浮かべながら。
(わからない、な。そんな気もするし、違うような気もする、かな?)
クローシェも同じ瞳で答えた。
(でも、)
クローシェは思う。
(私達、ずっと離れ離れで、別々の道を歩んで、でも。どこかで繋がってたって思うの。
違う時に、違う場所で、違う形で、違う立場で同じ人に出会って、同じ人を好きになった)
(そして、同じ人に失恋した、か。初恋は実らないって本当だね。けど、さ。
私達、いい恋したよね?)
(結局、想いは届かなかった。辛いことも沢山あった。でも、クロアを好きでいた
気持ちは、それ以上の幸せをくれた)
(私も同じ。クロアを好きになって本当に良かった。だからさ、伝えようよ。この詩で)
(ええ、私達の気持ちを)
((私達の『ありがとう』を))
額に汗を浮かべて謳い続けるジャクリの脳裏にはある人物、金色のツンツン頭をした
少年の姿が浮かんでいた。
かつてソル・シエールを半壊させ、多くの命を奪った、災厄の象徴ともいえる
レーヴァテイル。封印されてなお、ニンゲンへの憎しみに囚われていた存在。だが、
彼はそんな彼女を解放した。封印から、ではなく、憎しみから。
(アレもたいがい馬鹿だったけど、このふたりはそれ以上ね……)
前方では、なおも攻撃を続けるふたりの姿があった。素人目にも重傷とわかる傷を
負いながらも決して立ち止まらない姿が。
ジャクリにはある目的があった。そして、彼女がメタ・ファルスに来たのはその
手がかりを探すため。まだそのカケラさえ見つかってはいない、あまりに途方も無い
目的。
けれど、今、確かに見えたような気がした。そこへ至る道が、クロアとアマリエの先に。
(そうね……。私の時もそうだった。あのふたりのような存在なら……もしかしたら……)
そして願う。
(見極める。だから、信じさせて!)
(すごい……。これが詩魔法なんだ……)
ココナは始めての感覚に戸惑いを感じていた。そして、喜びを。
(詩が、想いが溢れてくる。すごくあったかいよ)
(なんか嬉しいな。ココナの初めての詩を……クロと……アマリエのために紡げたんだ)
ココナは思い出していた。以前、ヴィーナを取りに行く前に、アマリエと話したことを。
「あたしが!?あの馬鹿を!?」
「うん。アマリエにだったら、任せられるから」
「あたしとしては心の底からお断りしたいんだけど……」
「だめ、なの?」
「うん、全力で嫌」
「そう、なんだ……」
「けど、そうね……」
「アマリエ?」
「もしも、の話よ?あたしとアイツの道が『たまたま』『何かの間違いで』重なることも
あるかもしれない。そしたら、その間くらいは面倒を見てやってもいい、かな?
他ならぬココナの頼みだし」
そういってそっぽを向いてしまう。けれどココナは見逃さなかった。その頬に、ほんの
微かな朱が浮かんでいるのを。
「うん!それでもいいよ。その時は……クロのこと、お願いします」
(アマリエはああ言ってたけど、きっとふたりの道は重なる。だから大丈夫)
目の前で駆けるふたりに想いを送る。
(ココナ、信じてる!クロとアマリエなら、出来ないことなんて無いって信じてるから!)
そんな、様々な想いを宿した謳声に応えるようにクロアが、そしてアマリエが叫んだ。
「「次で仕上げる」」と。
「せやあああぁっ!!」
床スレスレからすくい上げるように放たれた一撃が障壁ごとインフェルとネネシャを
数メートルの高さまで跳ね上げる。と、同時にクロアはその勢いに乗ってさらなる
高さへと駆け上がっていく。
一方のアマリエはその真下へと一足で飛び込む。左手から右手に持ち替えた弓が
その意志に応えて形を変える。それは奏でるものでなく、射抜くための弓でも、切り裂く
ための双剣でもない。ライアーが使い手に応えて取った姿、それは鉤爪。貫くのに適した
形だった。
最高点でターンをかけたクロアもランスを構え、穂先を下に向ける。
アマリエが叫ぶ!
「限界を超えてッ!!」
その身に蒼穹を纏って。
クロアが吼える!
「最後までッ!!」
その身を紅閃と変えて。
そして、
「「「「「「「「「貫けええええぇっ!!」」」」」」」」」
天へと翔け昇る蒼と地へと駆け降りる紅。それらは互いの片割れ目指すように、
距離を詰めていく。
求め合うように。
惹かれ合うように。
やがてその距離がゼロになり、世界が白く染まった。
その中で、ふたりの腕には確かに伝わっていた。リングが、粉々になる感覚が。
そして、ふたりの心には確かに聞こえていた。少女、ネネシャの声が。
「インフェルを苦しみから解き放ってください」と。
「くっ……。痛ッ!!受身を取りそこなったのか……」
気が付くと、クロアは仰向けで床に倒れていた。全身が痛む。改めて左肩を見ると出血は
さほど激しくは無いようだった。クロアが知る由も無いが、光速に達した矢は空気との
摩擦で高温となり、腕がちぎれると同時に傷口を焼かれたことで出血が抑えられていた。
右腕のランスは砕け散っていた。
(シンシアには感謝しないとな……)
「生きてる〜?相棒?」
声の方に顔を向けると、アマリエもまた床に転がっており、彼女のライアーもまた見事に
砕けていた。
「お前も、生きてたか?」
「まあね。よっ、と」
皆が駆け寄ってくるなか、どうにかふたりは立ち上がる。
「謝らないからね」
「当たり前だ!」
「えっと……大丈夫?」
ルカが遠慮がちに声をかける。大丈夫に見えないのはルカも含めて皆がわかってはいたが。
他に言葉が浮かばなかったのだろう。
「ああ、大したこと無いよ」
「そ、かすり傷よ。こんなのは」
もっとも、約二名はそれを認めていなかったが。
「そんなことよりもさ、相棒」
「わかってる。まだ終わってない」
クロアの視線の先には泣き崩れるインフェルがいた。インフェルひとりが。
クロアはインフェルの元へ行こうとして、
「くっ……!」
よろめいた。
「肩、借りるよ。相棒」
そんなクロアの右肩をアマリエは無理矢理に支えた。
「お前……?」
「あたしは疲れてるのよ。いいから肩貸してよ」
「おせっかいめ」
「なんのことやら?一つ借りとくよ。高く付けて構わないからさ」
ふたりは、ゆっくりと、確かな足取りでインフェルの元へと歩いていく。
「ネネシャ!?どこなの!?返事してよ!?ネネシャ!?」
「インフェル」
クロアの呼びかけにインフェルが振り向いた。
「どうして!?どうして……こんな思いをしなくちゃいけないの!?あなた達が創る
メタファリカは、本当に悲しみの無い世界になるの!?」
血を吐くような叫びに対してあくまでクロアは静かに答える。
「無理だよ。一切の悲しみが無い世界なんて。それこそ、君が言ったように夢の中でも
なければ」
「だったら、どうして!?そんな世界を理想郷と呼べるの!?どうして……そんな世界の
ために戦えるの!?そんなに……ボロボロになってまで!?」
「正直、君の苦しみや悲しみは、俺なんかが理解できるようなものだとは思えない。けど、
そんな俺にも、一つだけ、確信できることがあるんだ」
「なによ……?」
「君は言ったよね?ネネシャと過ごして得られた喜びよりも失くしたことの悲しみが
ずっと大きかった、って」
「そうよ、だから……私は……」
「でも、君は、ネネシャと出会わなければ良かったとは思っていない。違うかい?」
「あ……っ」
その言葉にインフェルの表情が変わる。
そして、アマリエが言葉を引き継ぐ。
「そうね、最初から無いよりも、失う方がずっと、ずっと辛いに決まってる。けど、
それでもさ、出会わなければいい、なんて思うのは間違ってるのよ。……多分、ね」
「ネネシャ……」
インフェルはうつむいたまま、で愛しい人の名を呼ぶ。やがて、顔を上げ、
「一つだけ、聞かせて」
問いかけた。
「ああ」
「もしも、あなたの、大切な人が理不尽に殺されたら、……それでも、同じことを
言えるの?」
「断言は出来ないよ。でも、もしも、そんなことになったら、俺は……」
「俺は?」
「指差して笑うと思う。無様なヤツ、ってね」
「は……?」
明晰な頭脳を持つインフェルをしてその答えは予想外だった。一方でそれを予想していた
者もいたが。
「ま、当然よね。勝手に悼んで、花なんぞ手向けたりした日には化けて出るわね、
取り殺すために。もっとも、簡単に殺されてやる気もないけどね」
「それもそうか。心臓刺されたくらいじゃ死なないよな、お前は」
そんな二人をインフェルはただ黙って見つめていた。
「もういいわ」
やがてインフェルが口を開く。
「行って。紡ぐんでしょ?メタファリカ。だから」
「インフェル?君は……」
「高みの見物させてもらうから。大丈夫、邪魔はしないわ」
「そうだ、君も一緒に……」
「少しひとりになりたいの。だから……」
「そうか、わかったよ。けど、いつでも歓迎するから」
「……憶えておくわ。……ありがと」
アルシエル球でひとりになったインフェルは呟く。
「夢にも思わなかったわ。この私が、あんな馬鹿に教えられるなんて……。でも、
その通りだった。この400年間、私はなにをしてたのかしら?ネネシャ、あなたとの
優しい想い出だって沢山あったのに、一度だってあなたの笑顔を思い出そうとは
しなかった。ゴメンね、ネネシャ……」
インフェルの記憶の中でネネシャが微笑んだような気がした。400年振りに。
(それから、パスタリアに帰ってきたんだ。皆すごく喜んで、けど俺の姿を見たとたんに
びっくりしてたっけ。蒼白になるタルガーナなんて初めて見たよ。シンシアは卒倒するわ
さ〜しゃは泣き出すわで大騒ぎだったな。
あれから一週間か……。あの後俺とアマリエは療養を命じられて、ようやく昨日帰宅
できたんだ。その間、皆は準備のために大忙しだったろうけど。
ココナがクローシェ様の秘書兼護衛として大鐘堂に行くって聞いたときは驚いたけど、
ココナが自分で決めたなら俺が反対することじゃ無い、か。それに、ココナなら
適任だろうし。腕は立つし、クローシェ様としても気心が知れてるもんな。寂しさは
あるけど、会おうと思えばいつでも会えるんだし。
それに、なんだかんだ言いながらタルガーナが世話を焼きに来てくれるおかげで
どうにか片腕でも生活は出来てるし。
そういえば、シンシアが張り切ってたな。特性の義手を造るからって。……微妙に嫌な
予感がするな。完成したらドリルやらが仕込まれてないことを確かめないと。ま、
なんにしても……)
「いよいよ明日、か。いろんなことがあったな……」
「そうね、相棒」
隣にはアマリエが立っていた。
「お前、いつの間に?それに演奏してたんじゃ?」
「とっくに終わったわよ。で、あんたが柄にも無く物思いにふけってるから観察してた」
「お前な……。ん、それにライアーは壊れたんじゃ?」
「ああ、あれは戦闘用。で、これは演奏用。こっちは変形しないけどね」
「ふーん、じゃあ音も違うのか?」
「当然。判らなかった?」
「ああ、考え事してたから聴いてなかった。奏者の腕が悪いからだな、きっと」
「むしろ悪いのはアンタの耳、いや、頭でしょ?レイシャお姉さんはあたしの曲、
褒めてくれたし」
「そっか、お前はパスタリアに引っ越してきたレイシャさんのとこの厄介になってるん
だっけか。ん……?レイシャ……お姉さん?」
「そ、あれだけ綺麗で人間出来てて料理上手な人をおばさんなんて言っちゃわるいでしょ」
「なるほど、餌付けされたのか」
「う、うるさいわね!それより、アンタの怪我はどんな具合?」
「ぶつけたりしなきゃ痛みは無いよ。そういうお前は?」
「もう出血は無いわね。あとはしばらくおとなしくしてれば塞がるって」
「そうか」
「ところでさ、今日はアンタを誘いに来たのよ」
「断る」
「即答!?」
「ああ、犯罪に加担する気は無いぞ」
「……アンタね、人をどーいう目で見てるのよ?」
「違うのか?てっきり金に困ったんで強盗でもするのかと」
「……とりあえずこの後帰りしなに金目の物貰ってくわ。お望み通りに」
「その時は遠慮しないぞ。過剰防衛なら少しは罪も軽いはずだし」
「あたしが言いたいのはそうじゃなくて……」
一度言葉を切るとアマリエは悪戯っぽくウィンクして言った。
「興味ない?危険と波乱に溢れた未知の世界ってヤツに?」
長いうえに今まで以上に趣味で突っ走りましたがこれにてラス戦終了です。
次で完結ですけど、構想はあるんでこれが終わったら別のカプでエロも書いてみよう
と思う。
322 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 17:28:53 ID:/5XrKi2p
とりあえずは超GJ。むしろGodJobか。
クロアとアマリエのシーンでテンション上がりすぎて鼻血吹きかけた。それから、クローシェ様とルカのシーンで
泣きそうになった。んでまたテンション上がってから泣きかけたわ。もう勘弁しろと。
思えば発売前はアマリエにコレを期待してたんだよな。まあここまでハードでは無いにしてもさ。
『おままごと』と評された付き合いは5年ほど。その後、もう一度やり直して1年ほど
になる。だがその5年間の大半は離ればなれだったし、仕切り直してからの1年もお互
い多忙な事や体面を気にする同士であることも手伝って、時折二人きりになって抱きしめ
てもキスをしてもそこ止まりで満足してしまう部分も多く、なかなかそれ以上を踏み越え
るきっかけは訪れなかった。
だから、本当にいいのだろうかと腕の中に居るルカを見下ろしてクロアは思う。こんな、
自分の部屋でなんとなくじゃれていたらそんな雰囲気になっていた、としか言いようのな
いその場の流れと勢いだけで一線を越えてしまっていいのだろうか。
迷った末、改めてキスしてもいいかとのクロアの申請は、「聞かないでっ!」と許可を
受けた。思わず吹き出しそうになるのを堪えて、そっと抱きしめたままのルカを仰向かせ
る。
出来るだけ丁寧に唇を重ねた。ゆっくりと舌で上唇をなぞり終えてから、努めて力を抜
こうとしているらしいルカの柔らかい唇を割って侵入させる。
隙間無く抱きしめれば自然と腕が余ってしまう細い身体に、びくりと力が入る。背中を
撫でて安心させるように後頭部に置いた手をゆっくりと引き寄せ、深く唇を合わせて舌を
絡めた。
「……っ」
クロアの肩の辺りを掴んだ手にぎゅっと力が込められたらしく、シャツが引っ張られる。
逐一敏感に返ってくる反応に、頭が煮えてくるのがわかる。理性と良識とできれいに覆
い隠してきたのに、その覆いがじわじわとはぎ取られていく。
そっとうなじをなぞった手に、苦しそうに呼吸を飲み込む動きを感じた。そろそろ潮時
らしい。
ゆっくりと離れていく唇が名残惜しくて、舌先でちらりと舐めて離れた。
「っは、ぁ……」
肩で息をしたルカの足から、かくんと力が抜ける。慌てて抱きしめた腕に力をこめて、
崩れかける身体を引き留めた。
「大丈夫か?」
問いかけると、こくん、と小さく頭が縦に動いた。けれど、こちらにすがりついたまま
の腕になんとか力を入れて立て直そうとしているルカの足は、わずかに震えるだけだ。
「や、やだ……ごめん、待って……」
囁く声も掠れている。やりすぎたかと反省しながら、一度ルカを抱えたまま腰を落とし、
膝を利用してルカの背と膝裏に腕を回し、軽い身体を抱き上げた。
「っきゃ!?」
小さく悲鳴があがるが、暴れる元気はないらしい。真っ赤な顔が肩口に埋められる。額
に唇を落とすと軽く吐息を漏らしたルカが顎を上げた。
同時に、伏せられていた睫毛も瞬く。泣き出す一歩寸前の様な瞳が彼を見上げて、そし
て、唇だけで彼の名が紡がれる。
勘弁してくれこれはなんの拷問だろう。
ひっそりと胸中で諸手を挙げて嘆いたことなど露ほども知らないルカは、小さな声で「ご
めん」と呟いた。
「……何が?」
狭い寝台の上に、そっと横たえる。白いシーツの上に赤い花を咲かせたようだと思いな
がら、クロアはその傍らに腰を下ろした。鮮やかな衣装とはまた違う柔らかい色に染まっ
た頬を両手で覆ったルカが、小さく首を振る。
「だ、だって……こんな、きっ、――キス、くらいで……」
そこで恥じらわれてもただ可愛いだけなんだけど。かろうじて声にするのは思いとどま
り、クロアはルカの頬にはりついた細い手をゆっくりと握って、そこから外させた。
「別に怒ってないよ」
そう言いながら、片手に収めた白い両手をルカの頭の脇にそろりと押しつけて、右手で
頬を撫でる。
「でも」
「可愛いな、とは思ってるけど」
片膝を乗り上げてルカの上にかがみ込み、不安そうに寄せられてる眉間に口づけた。ひ
ゃ、と声を漏らしたルカがきつく目を閉じる。
普段は前髪に覆われている額を、さらりとかきわけて露出させる。眉を指でなぞって、
唇で触れる。そのまま頬に指を滑らせると、ルカがびくりと肩をすくめさせた。
そのまま唇を軽く吸うと、ルカが「待って」と制止を口にする。
「……何を?」
内容によっては聞けるかどうかと危惧しながら促すと、ルカは赤い顔のままで両手を彼
女の首元にやった。そのまま、白い指が留め紐に掛かる。
「ふ、服……っ、脱がないと、皺になっちゃう……」
そう言いながら、外そうとする指が震えてうまく動かない様子に、クロアは表情を曇ら
せた。
やはりまだ早いのではないだろうか。もうちょっと時間をおいて、ゆっくり待った方が
ルカの為ではないだろうか。
悪戦苦闘を続ける指に、無骨な指を絡めて止める。驚いたように顔を上げるルカに、ク
ロアは微笑んで見せた。
「そんなに頑張らなくていい、ルカ。まだ無理なら、別に」
「ちっちがうの!」
慌てて声を上げたルカは、クロアにとられた指にぎゅっと力を込めた。離すまいとする
ようにすがりついてきた指は、まだ少し震えている。
「き、緊張はしてるけど……イヤなわけじゃないのっ」
ぐ、と指が握り直される。痛みを覚えるほどの力に、クロアがなおも言葉を継ごうとす
るのを遮るように、ルカはぎゅっと目を瞑る。
「こんなのが二回も三回もあったら、勇気なんか使い果たしちゃうよぅ……。お願い、だ
から、クロア……」
正直、こんなに可愛いルカを我慢する方が辛い現実に直面した事を悟り、クロアは涙の
にじんだ目元に口づけを落とした。握られた指をそっとほどいて、ルカの代わりに留め紐
を外していく。
延命剤の投与などで何度かこの姿は目にしている。コスモスフィアの深層ではバスタオ
ル一枚の姿のルカにも出会ったクロアだ。それでもやっぱり、チューブトップと短いスカ
ート一枚の姿になられると目のやり場に困る。
ルカの腕をとって、袖の部分を外させた。そのままするりと肩を抜かせて、寝台と背の
間に腕を差し入れて浮かせた上半身から上着を取り除く。
そのまま、手首を飾っている布を外そうとすると、それまで黙ってされるがままになっ
ていたルカが小さく声を上げた。
「どうした?」
手を止めて問いかけると、ルカは唇を何度か動かした末に、辛そうな顔で「左手」と呟
いた。
不思議に思いながら左手だけを取り上げると、彼女の右手がそっと自分の左手首あたり
を握りしめた。
「……あのね、驚かないでね」
そう言ったルカが、留め金を外していく。そうして露わになった左手の甲の付け根から
手首のあたりには、引き攣れたような傷跡が走っていた。
思わず目を見開く。
「――これ……」
思わず掠れた声で呻き、クロアは息を呑んだ。そういえば、幼い頃からルカは手首のあ
たりにいつも飾り布を着けていた。よくよく思い返せば、クロアは一人じゃないよと差し
出された最初のあの腕にも、何か布が巻かれていた。
あれは、この傷を隠す為だったのか。
「……レイカが連れて行かれた時にね……私、飛びかかったんだ。騎士の人に」
「無茶な!」
思わず叫ぶ。大鐘堂の騎士である自分が、発症したI.P.D.を保護する時に何をしてきた
かを知っているだけに、それを悔いているだけに、クロアはぞっとした。
ルカの手を両手でくるむ。それで傷が癒せるわけではないのに、そうしなければならな
い気がした。
「その時の、ケガなの。でもあんまり……見て気持ちのいいものじゃないでしょ?」
恥ずかしそうに言うルカの手を取って、クロアはかがみ込んだ。捧げ持つようにしたそ
の手に、傷跡の上に、唇を押し当てる。
ルカが硬直した。そのまま舌先でなぞると、今度はびくりと肩をふるわせる。
「ちょっ、クロアっ? ね、もう治ってるから、そんな……っ」
「痛かったんだろう?」
そう、言葉を絞り出す。
妹を取り戻す為だけに生きていたルカ。その為に自分の総てを押し殺していたルカ。
そのルカの苦しみを知っている。痛みを知っている。彼女のコスモスフィアで見せても
らい、分かち合ってもらった。その上で、ルカを愛おしいと改めて感じた。
ずっと護っていきたいと、一緒に生きていきたいと、彼女の笑顔の傍に在りたいと思っ
た。
「痛かったんだよな、ずっと」
傷はふさがっている。けれど、この傷はずっとルカの身にあったのだ。心にあったのだ。
誰にも知られないように、知らせないように。
目に見える形で、あの日、妹を助けられなかったルカをずっと戒め続けていたのだ。
「痛かったな……」
傷跡に口づけたまま囁くと、ルカが顔をくしゃくしゃにゆがめた。そのまま涙が目尻か
らこぼれ落ちる。
右手はルカの傷跡に触れたまま、クロアはもう片方の手をルカの涙を拭う為に動かした。
てのひらでぬぐい、指の腹ですくい取る。
ひっく、としゃくりあげるルカの唇に軽くキスを落とし、塩辛い雫を吸い上げた。髪を
飾る髪留めを抜き取り、月を象った髪飾りを外し、ほどいた髪に指を差し込んで梳くよう
に撫でる。
彼が握っていない右腕が動いて、クロアの首の後ろに掛けられた。引き寄せられるまま
にルカに口づける。
ルカの方からおずおずと触れてきた舌先に、自分の舌先を深く絡めて潜り込む。ん、と
鼻にかかった息が漏れた。
苦しいのかと少しだけ唇を離れさせると、クロア、と息継ぎの間に名が呼ばれる。互い
にしっとりと濡れて温度を分け合った唇を触れさせたまま軽く首を傾げると、もう一度ル
カの方から唇が押し当てられた。
「私、クロアが好きで、ほんとによかった……」
目眩を覚えたのは、酸素不足のせいではないだろう。
「好き、大好き、クロア……大好き」
まだ好きと続けようとする唇をがむしゃらに塞いで、噛みつくように貪る。必死で応え
ようとするルカを置き去りにして、角度を変えて、深くする。
自分も息苦しさを覚えて唇を解放した頃には、ルカはすっかり息が上がっていた。肩で
の呼吸が追いつかないらしく、不規則に胸元が揺れる。
なだらかな傾斜を描く胸をてのひらで包むと、びくりと肩が揺れた。ひとしきり泣いた
せいで赤くなった目元に、さらに朱が上る。
拒絶ではないと判断して、そのままやんわりと撫でてみる。柔らかな感触に押しつぶし
てしまいそうな危惧を覚えるが、ルカはちょっと唇を引き結んだだけだった。
もう一度、少し強めに同じ仕草を繰り返す。と、ルカが彼のシャツの袖を掴んだ。
「ご……ごめんね、つまんないでしょ?」
心底申し訳なさそうな口調に、思わず手を止めてまじまじとルカの顔を見つめ返す。目
を逸らしたルカは、もごもごと何か口の中で呟きながら肩をすぼめた。
「……っち、小さい……し……」
「――いや、俺としては、こういうのの方が……」
「え?」
「なんでもない」
危うく何か台無しにする発言をするところだったと思いながら、ルカの追求を交わす為
にも手の動きを再開させる。今度はかなり強めに、はっきりと揉みしだくように。
途端に表情を強張らせたルカの変化に、クロアは手の力を緩めた。
ルカの頭の脇についていた手で髪を撫でながら、頬に口づける。
「ごめん、痛かったか?」
「うっううん!」
ふるふると首を振ったルカは、固く目をつぶった。そのまま、クロアの手の動きに反応
するのか、時折唇が引き結ばれる。
やっぱり痛いのかと手を引くと、ルカの睫毛がそろそろと持ち上がった。その表情には
何か訴えたそうな成分が含まれている気がして、どうしたと尋ねてみる。
「……や、やめちゃう……の?」
「イヤじゃないのか?」
「――じゃ、ない……よ」
「でも、なんか無理してる顔だ」
そっと頬を撫でる。と、その柔らかな頬がクロアの手の中でまた一気に熱く染まった。
「だっ、だって! っは……はじめて、なのに――こう、ちょっと、きもちいいかなぁっ
て……思っちゃうのは、なんか」
ぼそぼそと続けられる破壊力満点の述懐に打ちのめされているクロアの心境も知らず、
ルカは恥ずかしそうに両手で顔を隠す。
「クロア、ずるいよぅ……私ばっかり、恥ずかしい……っ」
ぷつん、と何かが千切れた音がしたのをクロアは聞いた。
ぎしりと寝台を軋ませて体重を移動させる。完全にルカの上に覆い被さって、傷跡の残
る手首をシーツの上に縫い止めた。
「クロ……ア?」
不思議そうに、クロアの影に覆われたルカの瞳が瞬く。にこりと微笑みかけて、クロア
はてのひらを脇腹のあたりに置いた。
「ひぁあっ!?」
途端にルカが背を反らせるようにして反応する。気にせず、抑えつけるようにしてその
まま撫で上げると、今度は声にならない叫びを上げてルカが身もだえた。
そのまま数度往復させる。そのままするりと胸を覆う布きれと肌の間に侵入させてたく
し上げた。
彼の節だった指が白い柔肌にゆるく食い込む。ほんのりと色づいて存在を主張する先端
を指の間に挟むようにして動かすと、吐き出し損ねた息を飲み込んだような音がルカの喉
をこすった。
ルカの指がシーツを掴んだのを確認して、おさえつけていた手を離す。そのままうなじ
を撫で下ろし、ほっそりした腰の線を指の腹で味わうように滑らせると、猫の仔の鳴き声
にも似た叫びが漏れた。
「や……クロアっ、そこは――くぅんっ!」
「弱いんだって?」
驚いたような、今にも泣き出しそうなルカの顔を見下ろして、勝手に笑みが浮かぶ。ど
うしてだろうと訝しんで、ああルカが可愛いからかと納得した。
「な、なんで……」
「知ってる」
囁いて、少し身体を下にずらした。身じろぐルカの動きにつれて揺れる先端に口づけて、
そっと唇で噛む。
「んっ!」
びく、とルカが身体をしならせた。調子に乗って舌先でくすぐる。そのたびに返ってく
る反応の敏感さに、感動すら覚えながらクロアは少しずつルカの身体を探っていった。
わずかに熱をもって汗ばんだ肌がてのひらに吸い付いてくる。ルカの背とシーツの間に
潜らせた指で背を撫でると、堪えきれなかったらしい高い声が漏れた。
そのままスカートに手を伸ばしたが、ルカは恥ずかしそうに目を閉じるだけで、特に何
も言わなかった。それを肯定と取って、引き下ろす。
ついでに靴ひもも解いて、そっと寝台の脇に転がした。靴下のリボンも引っ張って、く
るくると巻くように引き下ろして脱がせる。
ルカは軽く膝を曲げたりして彼の動きを助けていた。が、クロアがその手を下着に掛け
た時にはさすがに身をすくめる。
「ダメか?」
「う、ううん……でも、あ、あのぅ……」
口ごもりながら、ルカがきゅっと膝を合わせるようにしてしなやかな脚を閉じた。
「あ、呆れたり……しない?」
「何を」
「だっ、だから……その、えっちな子だとか、思わない?」
耳まで赤くしておずおずとルカは尋ねてくる。
クロアとて騎士団の男社会の中であることないこと吹き込まれてきたクチだ。なんとな
くルカが口ごもっている内容を察して、それが自分の与えた影響によるものだということ
に満足を覚えた。
心配そうに見上げてくる潤んだ瞳に微笑む。
「ルカがえっちなら、俺はもっと酷いな」
囁いて、中途半端にたくしあげたままだったチューブトップも外す。ふる、と完全に現
れた白い柔肌に口づけを落として、薄い布地に指をかけて引き下ろした。
一糸まとわぬ姿になったルカを堪能する間もなく、クロアばっかり服着てずるいとルカ
が涙目で抗議するので、その場で上着を脱ぎ捨てる。
「全部脱いで良いのか?」
一応確認すると、ルカはちょっとためらった末に、「……ズボンだけ」と注文をつける。
大人しくそれに従って、改めてルカを組み敷きにかかった。
布地越しだった柔らかな熱は、はっきりとした感触になって直に伝わってくる。ルカの
とくとくと跳ねる心臓の鼓動に自分の胸を重ねて口づけると、細い指が肩口に触れた。
「傷」
ぽつりと呟いて、その指が傷跡にそって動く。ここも、と囁いて、ルカのてのひらが胸
部にあてられた。
「しょうがないさ、仕事なんだから」
「……でも」
「それにこの辺とか子どもの頃のだし。ほら、みくりの森で木から落っこちた時の」
「それは私のせいだったような……ごめんね」
「俺がドジ踏んだせいだろう?」
軽く頬にキスして、唇を少しずつ下ろしていく。柔らかな下腹部も軽く吸い上げるが、
痕は残さなかった。レーヴァテイルはインストールの為に複数人で入浴する必要がある。
一緒にお風呂に入るであろう彼女の妹に、そんな痕跡を見せられるはずもない。
まだ固く閉じている脚を撫でる。するするとすべる感触を楽しみながら細いウエストの
くびれのあたりを軽く唇で吸うと、シーツと髪のこすれる音がして顔を上げる。と、ルカ
はいやいやをするように小さく首を振っていた。
「ルカ?」
そっと脇腹を撫でると、ひうっと声が上がった。ぱちりと開いた瞳に、どうした、と目
で問いかけると、困ったような顔でルカがクロアの肩に置いていた手をそろりと離す。
「そ、その……なんでそんなとこまで、っき、キスとか……」
「ルカが許してくれるなら、体中全部にキスして回りたいくらいだけど」
即答すると、ルカは音がしそうな勢いで顔を真っ赤に染めた。うううとなんだか複雑な
味を噛みしめるように呻いた彼女は、わずかに目線を逸らす。
「や、やっぱりその……本当なの、かな?」
「何が?」
ゆるゆると肌の感触を楽しみながら尋ね返すと、ルカはなおも消え入りそうな声になり
ながら途切れ途切れに呟いた。
「その……えっと、あの、――も、舐めるって……」
肝心な部分は全く聞き取れなかったが、大意は掴んだ。
掴んだクロアは、笑みを浮かべて手を動かす。
「ここ?」
するりと指を滑り込ませたそこは、熱くぬかるんでいた。ルカがびくりと身をすくませ
る。
「やっ……、っく、クロア!?」
手首を返して、指の腹で撫で上げる。ぎくりと身体を強張らせたルカが、シーツを握り
しめて声を押し殺すように息を詰めた。
必死で脚を閉じようとしているようだが、ルカはそもそも全体の造りが華奢で細いから
か、どうしても隙間ができる。それを利用して、ゆっくりと往復させた。
ルカの呼吸が不規則に乱れる。
「ルカが嫌ならしないけど、どうする?」
っは、と熱い呼気を吐き出したルカに囁くと、泣きそうな瞳を向けられた。けれど熱っ
ぽく潤んだそれで無言の訴えを向けられても、煽られてるようにしか見えない。
もう一度なぞり上げ、そして引っかかった部分を指の腹で軽くくすぐる。今までで一番
激しい反応を見せたルカは、とうとう半泣きになって、ぷいっとそっぽを向いた。
「……ひ、酷いこと……しない……?」
――むしろ酷いことされてるのは俺の方じゃないのか。
そう突っ込みたい衝動をなんとか抑え込み、クロアはもう片方の手で半分シーツの海に
埋められているルカの頬を撫でた。
「無理なら殴って止めてくれて構わない」
「そんなこと!」
途端に真顔になってこちらに向き直るルカに、いいから、と念を押して脚に手を掛け、
するりと内側に滑らせる。
「力抜いて」
「う……うん」
小さく頷いたルカが目を閉じて、ゆっくりと息を吐く。それにつれてゆるんだ力に逆ら
わず、開かせたところに顔を埋めた。
「っひゃ! あ、っくぅ……あぁんっ!」
今までで一番はっきりとした甲高く甘い声を引き出せたことに、クロアは唇と舌の動き
に力を込める。
「やあぁっ……、へ、変なっ、感じが――する、よぅ……っ!」
「どんな?」
ちゅ、と口づけて促すと、また甘い悲鳴が上がった。
「い、言えるわ……っけ、な――ぁあっ、ひうっ!」
最後の悲鳴は、指を彼女の中に挿し込んだからだ。狭くて熱い中を、ゆっくりと撫でる
ように進めていく。武器を扱う為にいつも短くしていた爪に少し感謝しながら、傷つけた
りしないように慎重に。
「痛いか?」
ふるふると小刻みに震えて堪えているようなルカに尋ねると、一度だけ首が横に振られ
た。焦るなと自身に言い聞かせながら、舌での愛撫も続ける。
「んぅ……っは、んやぁっ! っふ、あ、っくぅ……っ」
高く鳴く声が呼吸の狭間に混ざるのを耳で拾いながら、少しずつ馴らしていく。声が甘
くなるポイントを見つけては、そこを重点的に責め立てる。
と、喘ぐような声に、彼の名前が挟まれた。顔を上げると、本格的に泣き出す寸前のル
カが、必死に上半身を起こしてこちらを見ている。
「どうした?」
上がった息と、強制的に上げさせられていた泣き声で掠れた声で、ルカがもう一度「ク
ロア」と名を呼ぶ。肘をついて起きあがろうとしたものの、努力の甲斐無くシーツの海に
沈んだルカは、弱々しく腕を持ち上げてクロアの方に手を伸べた。
「も、もう……おねがい……っ」
いったい今日何度目だろう。理性と良識とかろうじての我慢がまとめて破壊されたよう
な奇妙な脱力感に襲われながら、クロアは口元を拭って身体を起こした。
そのままではルカが嫌がるだろうと思い、頬や額に口づけてから触れるだけのキスを唇
に落とす。
「――ごめん。痛むって聞いてるけど」
汗ばんだ額から、さらりとした髪に指を滑らせる。ううん、と呟いたルカが、クロアの
首に腕を投げかけてぎゅうと抱きついてきた。
「クロアだから、いい……っ」
殺し文句って本当に殺されるんだな、理性とかそのあたりが。
そんな事を考えながら、もう一度唇を重ねた。行くぞ、と耳元に囁くと、小さな頷きが
返る。
「深呼吸して」
がちがちに力の入った肩をそろりと撫でて、深呼吸を促す。
「ん……延命剤の時みたいで、いいのかな……?」
「多分」
大きく上下する胸のリズムが深く静かになったところで、クロアはルカの腰に手を添え
た。ルカには見えないように下着を脱ぎ捨てて、熱いぬかるみに押し当てる。
一瞬強張ったルカは、ゆるゆると目を閉じた。深呼吸に集中しようとしているのだろう
と判断し、クロアは腰を進めさせる。
「――っ!」
ルカが背を反らせた。食いしばった歯の隙間から、痛みを堪える呻きが漏れる。
「ルカ……、力、抜いて」
人間の身体は痛みを与えられれば硬直する。それを知っていながら無理な要求をしてい
ることは分かっているが、このままではどうにもならない。
「っつ……ぅ! っは、あ……っく……っ!」
そう言えば、投与の時もルカは「痛い」とは決して言わなかった。泣き叫ぶこともなく、
ただじっと耐えているだけだ。
髪を撫で、頬に手をあてると、涙をこぼしたルカの瞳がそろりと開いた。安心させよう
と微笑みかけると、泣き笑いに似た表情でルカが頷く。
緊張が和らいだ瞬間を狙って、一気に奥まで突き込んだ。一瞬呼吸を止めたルカは、次
いで詰めていた悲鳴じみた呼気を吐き出す。
正直な所、ルカと一つになった気持ちよさよりも、荒い呼吸につれて過剰に締め付けら
れる感覚に痛みを感じる方が先だった。それだけルカにはきついのだろうと、必死に耐え
ているルカのきつく噛みしめられた唇にクロアは人差し指をあてがう。
「……?」
ぼんやりと涙のにじんだ瞼を持ち上げるルカの唇に、指の甲を挟ませた。
「噛むなら、こっち」
何か言おうとしたルカが、泣き顔で小さく首を振った。じゃあ、と指を外してその唇を
なぞる。
「我慢しなくて良いから。しがみついても噛みついてもいいから、俺にしてくれ」
「――やだ……ぁっ」
ルカはまだ強情に首を振った。覆い被さっているクロアにかじりつく様に回した腕に、
わずかに力が込められる。
「だい、じょうぶ……っだか、ら。レーヴァテイルは……痛みに、強いんだ、から」
「それは慣れてるだけだろう」
顔をしかめるクロアに、ルカは不安そうな顔を見せた。
「クロアは……気持ちよく、ない……の? 私じゃ、だめ?」
「――わかった。ごめん、もう無理だ」
潔くクロアは白旗を揚げた。ルカが涙をはじく様に瞬きをする。
いい加減やせ我慢も限界だというのに、ルカは理性の仮面など簡単に引っぺがしてしま
う。それならば、もういっそ。
「泣いても叫んでもやめられないから、諦めてくれ」
「……え? っく、クロ――やああっ!」
ルカの悲鳴にも似た抗議に耳を貸さずにゆっくりと抜いて、もう一度奥まで動かす。そ
んな単調な動きの繰り返しにルカは声にならない悲鳴を絞り出し、うまく継げない呼吸の
中からなんとか空気を胸に送り込もうと口を開いた。
だがその唇からはか細い悲鳴と、彼の名前が途切れ途切れに紡がれる。揺さぶられ、突
き上げられ、それでも必死でクロアの腕にからみついてくる細い手の感触に、動きを強め
る。
「も、もう――ちょっ、ゆっく、りぃ……っ! あ、やぁあ!」
腰に添えていた手を少し上に滑らせると、ルカの身体が跳ねた。そのまま動きにつれて
インストールポイントの辺りを指の腹で舐める。
「っく、っはぁ……っ! や、あぅ――っく、クロ……ア、クロア……っ!」
必死で繰り返される名前を、唇で塞ぐ。これ以上追いつめられてはたまらない。
塩辛いキスを続けながらしばらくその態勢を続けたが、息も苦しくなったので解放する。
「っふぁ……っ! や、んぅっ!」
延命剤を投与している時とは違う、何かを堪えているような、混乱しているような表情
のルカが、赤く色づいた唇をなおも動かした。きれぎれの嬌声にも似た悲鳴の隙間に、ク
ロア、とまだ彼女は彼の名前を呼ぶ。
舌足らずなその呼びかけは、幼い頃に少女が彼を呼んでいたものに似ていた。
「――ルカ……っ!」
限界を感じて、彼女をがむしゃらに抱きしめた。素肌を密着させたまま、一際深くに突
き込む。
ぎくりと背をしならせたルカを引き止めるように背に回した腕に力を込めて、クロアは
唇を噛みしめた。
ああ、落ち着いたらキスをしよう。そして名前を囁いて、彼女の匂いがする首筋に顔を
埋めて。
そんなことを考えながら、クロアは最後の我慢を解き放った。
*
とりあえず呼吸が整ってから、押しつぶしそうになっていた彼女の上から半身をずらし、
最後に考えていた事を実行すると、ぐったりしていたルカがくすぐったそうに身じろいだ。
横向けに転がり、腕の中にルカを収める。あまり動かすと辛いだろうかと思いながらも、
腕に力を込めるのは止められなかった。
案の定ルカは一瞬辛そうに顔をゆがめたが、すぐにゆるゆると頬をゆるめて、幸せそう
に微笑む。
ルカの額に唇を寄せて指に絡んだ髪を巻いて遊んでいると、ルカがクロアの前髪を軽く
引っ張った。
「どうした?」
「えっとね、えっと……」
恥ずかしそうに頬を染めていたルカは、しばらく言いよどんだ後にクロアの鎖骨の辺り
に唇を寄せた。
くすぐったいなと見守っていると、小さな痛みが走る。
「ルカ?」
訝しんで声をかけると、吸い上げていたらしい鈍い痛みは止んで、ルカが少し顔を離す。
まじまじと彼女が刻んだ痕跡を眺めてから、本人は至極満足そうにうなずいた。
「ここなら、クロアいっつもアンダーで隠れてるよねっ」
「……」
しばらく無言でルカを見つめていたクロアは、ややあって彼女の両脇に手をやった。ひ
ゃっとばたつこうとする少女を少し引きずり上げて、自分はシーツの中に潜り込む。
そうしてルカの胸の下あたりに唇を寄せると、強く吸い上げた。
「っちょ、クロア! だ、ダメだってば、私はお風呂とか……っ!」
抗議の声も意に介さず、てきぱきと痕をつけてもう一度彼女を抱き込む。
「ここなら多分よっぽどじゃないと見えないし、先にしたのはルカだからな」
「――もうっ!」
先回りで文句をつける道を絶たれ、拗ねたルカが頬をふくらませる。それをつついて潰
すと、どちらからともなく、くすくすと笑みがこぼれた。
「大丈夫か?」
笑いの発作が収まってから尋ねると、ルカはこくりと頷く。そうしてから、彼女は上目
遣いでおそるおそる見上げてきた。
「クロアこそ、その……あの、大丈夫だった? 私、ちゃんとできてた……?」
「……もうちょっと手加減してくれてもいいくらいだ」
「え?」
「いや、なんでもない。疲れただろう、もう寝た方がいい」
誤魔化して、シーツを引き上げる。ルカをくるみこんでから、改めてしっかりと抱きし
めた。
「ね、クロアってば、ほんとに」
それでもまだ追求してくるルカを、キスで黙らせる。そうしてから、ぽんぽんと頭を軽
くたたいて、胸元に引き寄せた。
「おやすみ、ルカ」
「……うん。おやすみなさい、クロア」
ふにゃりと微笑んだルカは、やがてとろとろと瞼を下ろした。やはり疲れていたらしい。
次はもうちょっとうまくやろう。ルカにのまれてルカを疲れさせていてはどうしようも
ない。
そう思いながら、愛しいぬくもりを抱きしめてクロアも目を閉じた。
おわり。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました!
コミックス版の幼いルカの左手首に包帯状のものを見つけて、
もしもここに傷があったならと考えたクロアとルカの初めて物語でした
なので、ルカの左手の傷に関する描写は捏造です
長いこと投下が無いと思ってたら一気にこれかよ。嬉しい悲鳴ってやつだな。
>>320 メチャメチャ燃えたわ。クローシェ様可愛杉。クロア格好良杉。あとアマリエ・・・
格好良い上にデレのチラリがヤヴァ杉。クローシェ様一筋だったのに浮気しそうだよ。
>>333 アツイのもいいけどこういうしみじみも良し。
さて、このスレもまだ大丈夫そうだし、祝杯でもあげるかな。
>>321 格好良いメンバーに惚れる・・・
>>334 実は俺も同じところ気になってたんだよな
ともかくいいもの読ませてもらった、GJ
337 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 04:43:11 ID:jBMUce+p
おおおルカ…!
遂に初めて物語がキター!
萌えさせて頂きました
GJです〜!
339 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 05:55:22 ID:P/5eG7wP
ミュールスレ(前スレ)のとあるカキコをみて強烈な電波を受信したのでうっかり書いてしまった。
反省はしている。シナリオ風に書いたものに手を加えた中途半端な書式で申し訳ない。
話はクロア×ミュール。あぼーんする場合はタイトルをNGで。
文中、台詞頭の「くろ」はクロア、「みゅ」はミュールの略称。
舞台設定はジャクリエンド後しばらく経過。
ミュールはクロアの身辺整理を建前にソルシエール帰還を先延ばしにしてクロアの家でズルズル同棲中。
鶴屋は新事業を展開していた。その主な内容はディスク状映像記憶媒体等の販売・レンタルであり、
店内の一角に〈TSURUYA〉コーナーを設けて、はやくも好評を得て軌道に乗り始めていた。
クロア・バーテルもその新事業を喜んでいた一人であり、今日も鶴屋に足を運んでいた。
ところが、クロアは偶然あやしいディスクを発見してしまう。様々な疑念がモヤモヤとわいて来る
クロアであったが、とりあえず調査しないことには始まらない。
まずはシンシアに詳細を訊くことにした。
くろ「なあ、シンシア…これって…」
シンシア「あ! これね。これってどうみてもジャクリちゃんだよね。…こういうのなんて言うんだっけ?
インディーズアイドル? アングラアイドル? しかし、こういう仕事をしていたとは……
あの子やっぱりタダモノじゃないね」
結局、最近入荷したばかりという以外は有力な情報は得られずクロアは落胆した。
もはや疑惑の中心であるミュールに直接尋問するよりほか手はなくなり、そのディスクを購入し
足取りも重く帰宅の途についた。
クロアの帰宅後。
ミュールは居間のテーブルでぺぺんべいをかじりながら本を読んでいた。
そこにクロアが緊張した表情で部屋に入って来る。
くろ「ただいま…」
ミュールはそのまま本から視線を離さずに
みゅ「あ、クロア。おかえり」
クロアは5秒ほど固まっていたが、意を決して歩き出し
持ち帰ったディスクをミュールの目の前にスッと差しだした。
くろ「なぁ、ミュール。このディスクなんだけど…」
みゅ「なにそれ?」
ミュールはディスクのパッケージをみて一瞬きょとんとするもすぐに怒りを顕わにして
みゅ「なんなの、これは? どういうこと!?」
くろ「ミュール、正直こういう仕事はしないでほしい。しかもおれに内緒で…」
みゅ「わたしがこんなのやるわけないでしょ!!!!」
くろ「でもなぁ」
みゅ「いいからちょっとそれこっちにみせなさいよ!!」
ミュールはクロアからディスクを奪い取る。
パッケージの表には普段のミュールからはかけ離れた、というか想像もできない
アイドルスマイルで笑うミュールに限りなく似ている人物の画像および
『ロリっこ美羽ちゃんとDATE(はあと)あなたとシンクロ二ティチェイン☆』の
文字が印刷されていた。どうやら擬似デート形式のアイドルイメージビデオらしい。
みゅ「…なんというベタベタなタイトル…」
くろ「…」
みゅ「クロア、わたしのこと疑ってるの?」
くろ「疑いたくはないが、現にこういうディスクが存在するのは事実だろ…。
とにかく今は本当のことが知りたい…それだけだよ」
みゅ「…わたしだって何が起こっているのか知りたいわよ!
…でもとりあえず内容を確認しないことにははじまらないわね…」
くろ「ま、まあ…確かに…」
クロアはテレモのモニターに専用プレイヤーを接続すると、
ディスクをセットして再生ボタンを押した。
ぶりぶりとしたタイトルが現れた後、早速本編に突入する。
くろ「これは…」
みゅ「どうやらわたしに間違いないみたいだけど…
あからさまに映像の編集・加工の形跡があるわね…」
くろ「…」
疑いの眼差しをミュールに向けるクロア。
みゅ「…なによ?」
映像は画質も不安定でアングルは遠巻きからのロングショットがたまに入る他は、
ほとんどデート相手役の男視点でミュールを眺めるというもの。
モニターに映るミュールはアイドルイメージビデオらしく可愛らしい服装をしており、
露出度もそれなりに高い。クロアの表情はどんどん曇っていき、嫌な汗をかき始めていた。
ところが、
くろ「ん?」
みゅ「あれ?」
くろ「今映ってる店って、この前おれとミュールでいったところじゃない?」
みゅ「そのようね…
っていうか、この前あなたと出かけたときそのまんまの映像じゃない、これ?」
くろ「その通り、だな…ぬあ!!!おい、!今映ってるのってどうみてもこのウチじゃないか!!!!」
みゅ「というかね、どうみてもアナタの視点で撮ってるじゃない、これ」
くろ「え…確かに…」
みゅ「クロアあなたねぇ、わたしにあれこれいっておきながらこんな隠し撮りして」
くろ「断じて違う!!!おれが大切なミュールのことを他人に売り飛ばすような真似をするものか!!」
みゅ「え……」
ミュールはその剣幕に一瞬たじろぐものの、すぐに目許が紅く染まり、あわててクロアから目を逸らす。
ところが逸らした目線の先であるものがミュールの目にとまる。
みゅ「……え?、ん?確かによくみるとあなたの目線にしては位置がおかしいわね…」
ミュールはクロアの顔を睨みつけるように凝視する。
くろ「な、なんだよ?」
みゅ「ちょっとその髪飾りかして」
くろ「え?これ?」
ミュールはクロアの髪飾りを手にとると拳を一発叩き降ろす。
パキッ!
乾いた音とともに割れて中から出て来たのはまぎれもない盗撮用カメラ。
みゅ「そのパッケージもう一度よくみせて」
くろ「あ、これって…」
パッケージ裏には堂々と『天上天覇企画』の文字が。
みゅ「なんとなく予想はついてたけど、こんなことするのは一人しかいないわ!!!」
天上天覇にて。
みゅ「スっ・ピっ・カぁああああああ!!!!」
怒号とともにスピカの店にミュールが入って来る。
商品棚の整理をしていたスピカは落ち着いた様子でミュールのほうに向き直り、
スピカ「あら、いらっしゃい。そんなに大声だしてどうしたの?」
みゅ「どうしたもこうしたも! こっ・れっ・はっ…なんなのよぉおお!!!」
ミュールがスピカの顔の前に例のディスクをビシッと見せつける。
スピカ「ああ、それのこと。うちの新人でいま売れっ子なの。あなたに似てるような気が
しないこともないこともないこともないけど、あなたはミュールでこの子は美羽ちゃん。
かわいいでしょ? ちょっとロリはいってて胸もぺったんこだけどマニア受けがすごくて」
みゅ「な・に・いってんのよッ? こんなこと勝手にして…」
スピカ「あなたいつも言ってるじゃない。『私は見られて恥ずかしい体してない』って」
みゅ「それとこれとは全然話が違うでしょッ!!!」
スピカ「ええぇ、私はてっきりあなたってこういうのに抵抗ないと思ってたんだけど。
それにあくまでこの子は美羽ちゃんなんだし…」
みゅ「まだ言うか、この女は! いいから今すぐ全部回収しなさい!!!!」
どうやら観念したらしいスピカはため息をひとつつくと、
スピカ「あ〜あ、残念。売れ行き好調でこれからって時だったのに…」
みゅ「つべこべ言わずにさっさと回収作業を始めなさい!
ついでに買ったやつの記憶まで回収しておくこと」
スピカ「…美羽ちゃん次はAVデビューする予定でもうマスター盤まで完成してたのになぁ」
みゅ「え? AV?…」
スピカ「いやまったく予想してなかったんだけど、偶然ね、美羽ちゃんのデートビデオの撮影のとき
気分が乗っちゃって勢いでそのまま始まっちゃったみたいでね」
みるみる顔が真っ赤になっていくミュール。
みゅ「…あ、あ、あのとき!…あのあと!…」
スピカ「それがすごい絵がとれててね、美羽ちゃんの●●●が意外に●●●くてわたしも驚いたんだけど、
相手役の子もすごくてあんなに●●●が●●●●だなんて・・・」
ミュールは怒りの形相で詩魔法の詠唱をはじめていた。
再びクロア宅。
みゅ「はぁ、ただいまぁ〜」
流石に疲れた表情でミュールが帰宅。
みゅ「クロアぁ? クロア? いないの〜?」
ミュールが居間にいくと、例のデートディスクを鑑賞中のクロア。
どうやらミュールがスピカの所にいっている間にもう一本買って来たらしい。
ミュールの帰宅には気づいていない。
ミュールはスピカのところから持ち帰った大量のディスクをそっと置くと、
忍び足でクロアの背後から近寄る。
テレモのモニター画面にうっすらとクロアが映りこんでいて表情が確認できる。
クロアはニヤニヤしながら映像を鑑賞しており、心持ち頬も赤い。しかしとても幸せそうな顔。
ミュールもそれに気付くとニヤニヤが伝染してしまう。
ミュールはクロアの後ろから最接近して声を掛ける。
みゅ「なにを見ているのかな?」
くろ「うわアアッ!!!…お、おどかすなよ、もうっ!!!心臓止まるかと思ったぞ!」
みゅ「へへぇ。で、クロアさんはなにを見ていらっしゃるのかな?」
くろ「あッ!これは、別に…!!!」
みゅ「へぇ〜、ほぉ〜、ロリっこ美羽ちゃんとデートねぇ。クロアさんたら趣味がコアすぎやしませんか?」
くろ「いや、あの…」
クロアはしどろもどろ。ミュールは腕組みをしてさらに顔がニヤけてくる。
みゅ「わざわざもう一本買ってくるだなんて、そんなにそれが見たかったの?」
くろ「その、なんというかおれなりにもう一度このディスクを検証しようと思ってだな…」
みゅ「ふ〜ん、あんなにニヤニヤしながら?」
くろ「え?そんなに…ニヤニヤしてたかな? おれ」
みゅ「うん、もうなんか変質者一歩手前みたいないやらしい笑みだったわ」
くろ「そ、そんな」
みゅ「まったく、ここに本物がいるっていうのに…」
くろ「いや、わかってるけどさぁ、こう、あらためてみてみると、隠し撮り風だし、その第三者的な視点で
みてみると、意外な発見というか、編集のせいでもあるんだけどなんていうか…」
みゅ「なによ?」
くろ「…これ観てたらこの子に恋しちゃうなぁって…」
みゅ「な、な、なにわけわかんないこと言ってんのよ!」
不意をつかれて取り乱すミュール。それをみてクロアは余裕を取り戻しモニター画面を見遣って、
くろ「でもさ、ほら今これとか観てよ、このシーン。ミュールすごいかわいいし、この笑顔とか」
みゅ「…」
くろ「こういう風に笑ってくれるようになったんだ、笑えるようになったんだと思って…」
みゅ「もういいから…わかったから…。恥ずかし過ぎるわこれ。はやく止めて」
クロアは一瞬不満そうな表情をみせるもすぐににっこりと笑って、
くろ「はいはい…じゃあまた今度ということで…」
クロアはディスクをプレイヤーから取り出し一息つく。
くろ「それでミュールのほうはどうだったんだ? やっぱり犯人はスピカさんだったのか?」
みゅ「ええ。あの女には回収作業させるように手配したわ」
ミュールは呆れ顔で溜息をつく。
くろ「ん? あれは?」
クロアはミュールが持ち帰ったディスクの山を指差す。
みゅ「あ、ああ。あれね…。一応、押収証拠品というか…」
くろ「なんだ、じゃあ急いでもう一本買わなくても良かったな。…これは?」
みゅ「あ、それはッ!」
くろ「あれ? これ『美羽ちゃん・新作』って書いてある」
みゅ「う、うん、そうみたいね。さ、さっさと片付けるわよ…」
くろ「え、ちょっと観てみようよ、せっかくだしさ」
みゅ「こんなの見なくていいから!!」
くろ「ええぇ、でも結果的にはこれっておれたち二人の思い出が記録できたってことなんだしさぁ、
それにどんなのが映っているのか興味あるだろ?」
みゅ「確かに興味あるけど、今はいいでしょ!!
…また今度プレイの一環で一緒にみるっていうんならいいけど…」
くろ「え?プレイ?」
その夜。
先に風呂から上がりクロアは寝室で本を読んでいた。
そこに同じく風呂から上がって淑羽織を着たミュールが寝室に入って来る。
その表情は頬が赤く伏目がちで、手には一枚のディスクとプレイヤーを持っている。
みゅ「…ねぇ、あのディスクだけど…今から観てみない?」
くろ「あのディスクってあの新作って書いてあったヤツ?」
みゅ「…そう」
くろ「なあんだ、やっぱりミュールも興味あったんじゃないか!よし、早速観よう!!」
クロアはベッドから降りていそいそとプレイヤーのセットを済ませ、部屋の照明を落とす。
クロアがベッドの背もたれに寄りかかり上半身だけ起こした体勢をとると、ミュールはクロアの
足の間に割って入りクロアを座椅子代わりにして体を預けた。
二人の顔が近くなり見つめ合う。ベッドのサイドランプが二人を照らしている。
ミュールははずかしそうな表情のままだが、クロアは笑顔で軽くキスをした。
くろ「じゃあ観てみようか!」
みゅ「…」
クロアはニコニコしたままリモコンの再生ボタンを押した。
モニター画面に映像が映し出される。
あいかわらず男視点だが、映っている場所はクロア宅のお風呂に続く廊下。
ミュールはニコニコして男の手を引っ張りながらお風呂へ向かっている。
お風呂に到着するとミュールはいきなりなんの躊躇もなく勢い良く服を脱ぎ始めた。
画面にはミュールの白い裸身が映し出されている。男がやや興奮した声で言葉を発する。
くろ「…あいかわらず大胆だな…」
みゅ「あなたもはやく脱ぎなさい。汗かいたでしょ?」
一方、その映像を観てクロアは愕然とした表情で汗を吹き出していた。
くろ「あの…さあ…これって一本目の続き…ってこと?」
みゅ「そのとおりよ。正真正銘そのまんまの続き!!」
くろ「へ!?…」
みゅ「まったく!あの女とんでもない女だわ!これがあやうく世に流出するところだったんだから。
流石に今回は度が過ぎてるからそれなりの落とし前はつけるつもりよ」
くろ「え!えエッ!!!じゃあ…」
みゅ「いいから!あなたは画面観てなさい。あなたが観たいって言ったんだからね!
ほら前みて。集中しなさい!」
モニター画面の中では、全裸になったミュールが先に脱衣所からお風呂に向かっている。
クロアはモタモタしながらようやく服を脱ぐと後を追う。
クロアが浴室に入ると、ミュールはすでに湯船につかっていてペペンブロワーで遊んでいた。
くろ「わ、もう入ってるのか。やけに早いな。ちゃんと体洗ったのか?」
みゅ「ひととおり洗ったわよ。また後で本格的に洗うから気にしないで」
くろ「そうか。それならいいんだけどな…」
クロアはそう言うと蛇口の前の椅子に座って顔を洗い始めた。カメラの視界がほとんどクロアの手の動き
で占拠されている。が、急にクロアのすぐ後ろからしっとりとした声がした。
みゅ「お背中、流しましょうか…?」
くろ「うわ。…なんだかキャラが、…なにかの成りきりか?」
みゅ「そんなんじゃないわ。こういうシチュエーションには定番の台詞でしょ?」
くろ「よくわからないな…ま、いいや。じゃあお願いするよ」
みゅ「かしこまりました…」
クロアは前に向き直った。
ミュールがスポンジを使ってゴシゴシとクロアの背中を洗いはじめる。
くろ「お、いい感じだ。もうちょっと上のほうも頼む」
みゅ「かしこまりました…」
しばし作業が続く。ところが
くろ「…おい、ミュ、ミュール?な、なにで洗ってるんだ?」
みゅ「気持ちようございますか?」
くろ「気持ちはいいけど…お、おい!!ミュール!!」
クロアがガバッと振り向くとミュールは胸の部分だけ泡だらけにしていた。
みゅ「気にいった?」
くろ「…まったくお前は…」
ミュールは身を乗り出してクロアの股間をのぞき込むと、
みゅ「どうやら気に入ったみたいね…」
くろ「なっ!!これはしょうがないだろ!」
みゅ「私の胸でも効果があるか心配だったけど、あなたがマニアックな変態でよかったわ」
くろ「く…。くぅ…。今はなにを反論してもこの状態ではなんの説得力もないな…」
みゅ「あはははははははは!」
ミュールはけたけたと笑っている。
くろ「ほ、ほらッ。交代交代!お前、まだちゃんと体洗ってないんだろ?おれが洗ってやるから…」
みゅ「あらそうなの?じゃあお願いするわ」
クロアとミュールは席を交代した。画面にはミュールの裸の後ろ姿が映し出されている。
後ろからみると童顔と薄い胸が見えないだけに
長い髪とくびれた腰がやけに目立ってぐっと大人の女性を感じさせる。
病的な肌の白さは相変わらずだが、それがかえって妖しい色気を放っている。
クロアはスポンジで石鹸を泡立ててミュールの背中を洗いはじめた。
くろ「どうだ?」
みゅ「…う〜ん、まあまあ?」
くろ「…」
クロアはスポンジを捨てて手で洗いだした。
みゅ「…」
しばらく沈黙が続く。が、急にクロアは体を密着させ手を前に回してお腹のあたりを洗い始めた。
みゅ「…あ…ちょっと…」
ミュールは体をひねってクロアの顔をみる。クロアはミュールの顔を見つめかえして
くろ「気持ちようございますか?」
みゅ「あ」
それに答えてミュールがなにか言おうとした瞬間、突然クロアはミュールの唇から舌をいれて絡ませた。
みゅ「ん…」
舌をうごめかせながらクロアは右手を徐々にミュールの胸に這わせる。泡でヌルヌルしている中、
胸のやわらかな感触を楽しむように回転を加えながら揉む。左手はお腹を同じように手を回すように
撫でている。
みゅ「…ん……んン……」
やわらかさを楽しむクロアの手のひらの中で段々とミュールの乳首が立ってくる。
今度は両方の手で胸を弄びながら指と指の間に乳首を挟むようにする。
みゅ「…んん…」
ようやくクロアはミュールの唇を長いディープキスから解放した。しかし手は休めない。
みゅ「…ハァ…ハァ…えっち……」
その言葉を聞いた途端、またクロアは口を吸いはじめた。深いキスではなく、唇を舌で愛撫するような
動きである。ミュールの舌もつき出してその動きにチロチロとこたえる。
クロアの右手がミュールのフトモモの内側に降りて行き、ゆっくりとなめらかな肌の上を撫でる。
今度はミュールがぐっとクロアを抱き寄せて、舌を深くつきいれ口のなかを舐めまわす。
やがてクロアの左手もフトモモに降りてきた。クロアは両手でフトモモを撫で回しながら
徐々にミュールの足を開かせていく。
大きくM字に足を開かれてミュールはキスをしたままくぐもった声をもらす。
みゅ「ん、んフっ…」
クロアはそれまでの動きをやめて非常にゆっくりとした速度で両手を段々と足の付け根に向かわせる。
ミュールは口が塞がれているため鼻からの呼吸が荒くなり興奮している様子がわかる。
そしてついにクロアの指先がミュールの陰唇に触れた。
ミュールはたまらずキスしていた口を離して声をあげる。
みゅ「ぁアッ!」
ミュールのそこはすでに熱い液体が溢れ出しており石鹸とは違う感触でヌルヌルしていた。
クロアの指が左右の陰唇のふちをつーっとなでる。ミュールはハァハァと息を荒くしている。
クロアは蜜がでている穴からヌメリをすくいとると指にいっぱい絡めて、
それをミュールの目の前にもっていき欲情した顔で尋ねる。
くろ「…気持ちようございますか?」
ミュールはハッとして咄嗟に顔をそむける。
みゅ「もうッ!!どエロッ!!!」
くろ「え〜、どエロはどっちはだよぉ、こんなにしてぇ〜」
みゅ「なによ!あなただって・・・」
ミュールはそう言うと器用に後ろ手にクロアのペニスをしごきだす。
みゅ「ほら、こんなに先走りが出てる・・・」
ニチャニチャと音が鳴る。
くろ「あっ!まだダメだって!」
クロアはミュールの手を外してペニスをミュールの尻に押し付けるようにして体を密着させる。
さらに両手首をつかんで自由を奪い、口をミュールの首筋に吸い付かせる。
みゅ「…あ…ふぅ…」
ミュールの手の甲の上からクロアは手をかぶせて指を絡ませる。そのままミュールの手をゆっくりと
割れ目にもっていき、ヒダを触らせる。ミュールの陰部で四本の手が蠢く。
みゅ「あッ…ちょ、ちょっと!なにさせんのよぅ…」
しばらく快感を愉しんでいたのに、ミュールは急に気付いた素振りで手を引っ込める。
クロアの指だけが蠢きを続けていたが、左手の指で左右の陰唇をくぱぁと開き、
右手の指でヌメリをすくいとり、それをクリトリスの皮の上から塗りつける。
その皮のまわりをくるりと撫で回すと今度は左手でヌメリをすくいにいく。
そうして交互にヌメリをとってはクリトリスのまわりに塗りつけるという動作を繰り返す。
みゅ「ハアンッ!!…ハァハァ…ん…アッ!アッ!…」
クロアはしばらくその作業を楽しんでいたが、右手の中指を穴に少し沈めてみることにした。
みゅ「アアッ!!アアッ!!」
第一関節あたりまで埋まっただろうか、そのまま浅く、入れては出し入れては出すを繰り返す。
一方、左手は人差し指と中指でクリトリスを挟むような動きでそれをこすりたてる。
みゅ「アッ!ク、クロア、ま、待って、ね、待っ、アッ!ん!ア!アアアァ!!!!!!!!」
ミュールは首を反らせ顎をつきだしてビクッビクッと数回震えた。呼吸音がハァハァと浴室に響く。
くろ「ちょっとイッちゃった?」
みゅ「うん…ゾクッとなって…ビクッって…」
くろ「…気持ち良かった?」
みゅ「うん…気持ち良かった…」
くろ「よかった!」
クロアは子供のような笑顔をみせて、ミュールに唇を押し付けるようにキスをした。
みゅ「ね、今度はクロアのを…ね?」
ミュールはそういうと真っ赤な顔をしてクロアの正面に向き直りペニスに手を伸ばす。
みゅ「ねぇ、なんでこれこんな形してるの?」
くろ「いや…なんでと言われても…」
みゅ「なんだかこの子怒ってるみたい…」
くろ「…ミュールまたキャラ変わってないか?…」
みゅ「怒っちゃダメですよ〜、いい子いい子しましょうね〜」
ママゴトのような雰囲気の中、そのままミュールは亀頭を口に含む。
くろ「はあ…」
クロアはうっとりと目を閉じる。ミュールの舌はくるくるとカリふちを舐め回していたが、
やがて頭を上下させる運動にかわる。クロアも後ろ手に手をつき足を伸ばして快感を目いっぱい享受
しようとする。ところが
みゅ「はあはあ、…クロア、ごめん、もう暑くて…」
クロアがミュールをみると汗がダラダラと噴き出しており精気を失いかけた表情になっていた。
くろ「うわッ…おい、のぼせてるのか?!」
みゅ「そうみたい…なんかボーっとしてきちゃって」
くろ「とりあえずすぐにあがろう」
クロアはやや冷ためのシャワーを調節して二人にかけはじめた。
みゅ「はぁ、冷たくて気持ちいい」
くろ「だいじょうぶか?」
みゅ「うん、もう平気」
くろ「あがって冷たい飲み物でも飲もう。そうしたら落ち着くから」
みゅ「うん、…じゃあ飲み物飲んだら…部屋で続きしよっか?」
くろ「え?…あ、うん…」
みゅ「ふふ」
ミュールは微笑むと脱衣所のほうへ向かった。クロアも後に続く。
一方、この映像を鑑賞中の二人。
ミュールがクロアを座椅子にしている姿勢にかわりはないもののお互い既に全裸。
脱ぎ散らかした衣類がベッドに散乱している。
クロアは後ろから手をまわしていろいろ触りまくっている。
みゅ「ちょっとクロア!!ちゃんと観てる?!」
くろ「観てるよ」
みゅ「ほんとかしら?」
と怪訝そうに尋ねるミュール。
くろ「普段はじっくりみる余裕なかったけど、ミュールってあんなエッチな顔してるんだね」
みゅ「なっ!!」
くろ「あんな切なそうな顔して…感じてるときのミュールの顔、すごくかわいいし…興奮する…」
みゅ「ぐっ!!…不公平だわ!…これってあなたの顔が全然映ってないんだもの!」
くろ「ミュールは自分で観てどう思った?」
みゅ「どうって…べつに…」
クロアは突然ガバッと体を横に回転させすばやくミュールを組み伏せる。
くろ「ミュールは自分のカラダに自信があるんだろ?どう思った?」
みゅ「ちょっと、クロア!!」
くろ「…おれはすごく綺麗だと思った…」
というとクロアはミュールの唇をペロンと一舐めした。
クロアは顔をゆっくり下にずり下げていく。
くろ「このかわいい胸も…」
と言ってミュールの乳首の先端を一舐めする。
くろ「このくびれた腰も…」
みゅ「あ…」
ミュールは身をよじって舌をかわそうとしている。
くろ「この長い足も…」
クロアは口付けしながらフトモモを両手でなでまわしていたが、二つの脚をゆっくりと開いていき、
ミュールの陰部に顔を近づける。
くろ「そして…ここも…」
みゅ「ああっ、クロアっ!!そんなに見ちゃダメだって!この変態!」
くろ「あの顔がまた見たいな…今すぐに。…どうすればいいかな?こうかな?」
というとクロアはミュールの陰裂を下から上に一気に舐め上げた。
みゅ「はあッ!」
クロアはそのまま陰裂上部にあるクリトリスをゆっくりと舐め回しはじめた。
両手も加わり、穴からとろみをかきだしつつヒダを左右に広げて液体をなでつける。
みゅ「あん、あっ、いやっ!」
舌が皮を割り小さな突起を掘り起こす。そして指が穴にゆっくりと侵入をはじめる。
みゅ「ん、あン、ダメよ…そんなにしたら…ダメ…あっ…」
クロアは急に動きを止めて
くろ「ダメなの?」
みゅ「いや…ダメじゃないけど…でも、まだ続き観たいし…」
くろ「おれも続き観たいけど…もうがまんできないな…どうしよう?」
みゅ「どうしよう、って言われても…」
クロアはズリズリとミュールの体を這い上がっていき、顔をミュールの耳元までよせてささやく。
くろ「繋がりながら観ようか?」
みゅ「え?…もうッ!!このど変態ッ!!!どこでそういうの覚えてくるのよ!」
くろ「え〜、なんだよ。ミュールが言ってたプレイってこういうことだろ?」
みゅ「あなたはいつも私の予想の上をいきすぎなのッ!!
はぁ、はじめて会った頃はウブな少年みたいでからかい甲斐があったのに、蓋をあけてみれば
とんだどエロでど変態。こんな筋金入りのムッツリとは思わなかったわ」
くろ「違うって!ミュールがおれをそうさせて開発したんだろ?」
みゅ「なに言ってんの?あなたが私を開発してるんでしょ?」
くろ「もう…素直じゃないなぁ」
クロアはそう言うと再びミュールの膣に指を挿入してかき回し始めた。
みゅ「あッ!ん、ちょっとぉ、ズルいわよぉ!」
くろ「あ、ほら、画面観て。場面変わったよ、この部屋が映ってる」
みゅ「んんっ」
クロアはもう一度耳元でささやく。
くろ「一緒に観るんでしょ?ちょっとやってみようよ?」
みゅ「え…でもどうするの…?」
クロアはニヤリと笑う。
一方、画面の中では、二人共全裸のままお姫様だっこ状態で寝室に入って来る場面が映し出されていた。
クロアはミュールをベッドの上に降ろして自分もそのとなりで横になる。
そのまま見詰めあいお互い舌を絡めはじめる。
ミュールはクロアの体の上に乗り上がり顔をおさえて激しく舌をねじ込む。
クロアは口の中の快感にたまらず呻きをあげ、ギュッとミュールを抱きしめる。
みゅ「…続き、するわよ…」
ミュールはそう言うと体をずりさげていき、クロアのペニスに手を添えてマジマジと観察する。
みゅ「ほんとアブナイ形してるわね、これ」
くろ「おい…焦らしてるのか?あんまり遊ばないでくれよぉ」
ミュールは意地悪そうにニヤっとして
みゅ「なぁに?どうしてほしいの?」
くろ「うわ…しまった…」
みゅ「どうしてほしいのかなぁ〜、ちゃんと言わないとやってあげないぞ〜」
くろ「ぐっ!…」
みゅ「ほらほら、どうしたのかなぁ〜、ふっふっふっ」
くろ「…あの…その…舐めてください…」
みゅ「なにを?」
くろ「もう!いいだろ!…くぅ……ちんちん舐めてください…」
みゅ「あははははは!!よくできました!」
くろ「勘弁してくれ…」
みゅ「じゃ、ご褒美ね」
ミュールの唇がねっとりとクロアの亀頭をつつみこむ。
くろ「ああ…」
クロアはうっとりと目を閉じて首を反らして顎を突き出す。
ミュールも舌を動かしながら淫蕩な表情でクロアの顔をみている。
両手でペニスをつかみながら亀頭の裏筋をチロチロと刺激する。
やがて右手だけで竿を上下にしごきながらもう一度カリの周囲をなめまわす。
くろ「うぅ…」
たまらずシーツを握る手に力がこもり、布にしわが寄る。
くろ「ミュール、このままじゃヤバイからちょっとお尻こっち向けてくれ…」
みゅ「舐めたいの…?」
くろ「うん…」
みゅ「…もう一回おねだりできたら舐めさしてあげる…」
くろ「ああーー!!もおぅ!!!
ミュールのおまんこベロンベロンのねっちょねちょに舐めさせてくださいッ!!!」
みゅ「……スケベ……」
ミュールはそう言うとペニスを咥えたまま腰を移動させ、二人は69の体勢になる。
クロアは鎖につながれた飢えた家畜のように首をのばし舌をのばし待ち構えると、
一気にミュールの陰部にむしゃぶりつき、舌を膣に深く差し込む。
みゅ「ひゃあッ!!!あっ!そんな…」
クロアはそのまま膣にディープキスをするように中で舌をくねくねと動かす。
みゅ「ああん、ちょっとぉ、どうなってんの?あ…」
異生物に侵入されたかのような感触にミュールは困惑の表情をみせる。
クロアは膣に舌をつっこんだまま左右から指でクリトリスをやさしくこすりあげる。
みゅ「ああッ!!」
その刺激にミュールの腰がすこし跳ね上がる。腰が逃げそうになるのをクロアは左手を使って
押さえしっかり捉まえる。指の動きがリズミカルにせわしなくなっていく。
クロアが液体を吸い込みズルッという音をさせる。
みゅ「ああ、アン、アン、アン、アン、アン、…はあ、はあ、…アン」
ミュールはかわいらしい喘ぎ声をあげはじめる。
みゅ「んッ!もうだめクロア…」
クロアは会心の笑みをもらし
くろ「なにが?」
みゅ「きて…」
くろ「ふっふっふっ…」
クロアは体の上からミュールを降ろしそのまま押し倒して正常位の体勢をとる。
そして自分のペニスに片手を添えて亀頭でミュールの愛液をすくいとっては
陰唇に塗りつけるような動きを繰り返す。
くろ「ミュールちゃん、どうしてほしいのかな?」
みゅ「え…ちょっと…そんな…なに?…」
くろ「さっきおれになにをしたか覚えてるよな?」
みゅ「仕返しなの?…いじわる…」
くろ「そんなこと言ってもだめ。ほら、どうしてほしいのかな?」
クロアはそう言って、亀頭でクリトリスをつっつく。
みゅ「も、もうぅ…わかったわよ…言えばいいんでしょッ…
クロアのおちんちん挿れてください…」
くろ「どこにィ?」
みゅ「もおおーー!!クロアの超いじわるーー!!!」
くろ「ミュール、かわいいよ…。だから、言ってみて…」
みゅ「…クロアのおちんちん、わたしのおまんこに挿れてください…」
くろ「…」
みゅ「…」
くろ「どうしよっか、なぁ〜」
みゅ「ええ〜〜」
くろ「だって、おれはおねだり2回させられてるからなぁ、もう一つ言うこときいてほしいなぁ」
みゅ「はぁ、クロアがこんなにサドっ気あっただなんてショックだわ…」
くろ「サドじゃないって。ただあんまり尻に敷かれるのもアレかな〜と思って…。
そういえばミュールは普段女王様っぽいけどエッチになるとちょっとおとなしくなるね…」
みゅ「?…そうかしら?……」
くろ「ん〜、それにどっかでみたことが…あ!わかった!」
みゅ「なに?」
くろ「コスモスフィアで会ったミュールに雰囲気が似てるんだよ」
みゅ「えッ!!…私の潜在意識階層で…その…エッチな私に会ったの?」
くろ「いや、そうじゃないよ。なんか…ま、いいや。コスモスフィアのことはあんまり話ちゃダメだしな」
みゅ「う〜ん、なんか納得いかない…」
クロアはミュールの頬あたりに頭をおいて上目遣いで話す。
くろ「それよりほら…あと一つお願いきいてくれる?」
みゅ「ふぅ、しょうがない。ためしに言ってみてもいいわよ…」
くろ「じゃあお言葉に甘えて…」
そう言うとまたミュールの耳元に顔を近づけて
くろ「自分で脚を開いてそのまま膝をかかえてみてくれない?」
みゅ「え?…それってどういうこと?」
くろ「こういうこと…」
クロアはミュールの脚を大きくM字に開いていき、ミュールの両手をとって膝の裏を持たせ両脚を自分で
抱え広げさせる姿勢をとらせた。
みゅ「あっ…」
くろ「…すごい興奮する眺めだ…」
みゅ「エッチ…スケベ…ヘンタイ…」
くろ「ミュールが一番エッチなかっこうしてるんだよ」
みゅ「エッチ…スケベ…ヘンタイ…」
くろ「…いいよ…エッチでも…」
そういうとクロアは目を閉じてミュールに口付けをする。ミュールのほうから舌が伸びて来て
お互いの口の中を探り合う。
くろ「いつもとろけそうでたまらない気持ちになるんだよ…
こんなに美人でかわいくてエッチなミュールとこれから一つになるのかと思うと…」
みゅ「またクロアが変なこと言い出した…」
くろ「ミュールは今どんなこと思ってる?」
みゅ「女みたいな顔してるくせにすんごいエッチなクロアにこれから犯されちゃうんだと思ってる…」
くろ「じゃあ…犯しちゃうよ…」
みゅ「うん…」
クロアは割れ目に亀頭をあわせてゆっくりとミュールを貫き始める。
みゅ「はあ…」
カリのあたりまで埋まったところで3回ほど浅く出し入れをする。
みゅ「あ…あ…」
クロアは体を前に倒して覆い被さるようにし、ゆっくりと深く腰を進め、
最後は突き当たりに向けて根元まで押し込んだ。
みゅ「ああっ!!」
そこからグリグリと恥骨をすりつけるように奥を刺激した後、腰を少し引いてグラインドを大きくしていく。
みゅ「ん…ん…ん…んっ!!…」
クロアは右手をのばしてミュールの胸を包む。勃起した乳首を転がしながらゆっくりとした腰つきで
ミュールの中をかき回すように動く。
みゅ「アッ!、ハア…、ハア…、あ…、ん…」
くろ「きれいだよ…ミュール…」
みゅ「クロア…」
クロアの手がだんだんと降りていき親指の腹でクリトリスをとらえ、撫で回しはじめる。
クロアの腰がまわる度に結合部からネチョッ、ネチョッという音がでる。
みゅ「ああぁん!あんン、ン、あはっ!!」
くろ「…これやっぱり気持ちいいの?」
みゅ「うんッ!んッ、気持ちいいの!すごく気持ちいいッ!!」
くろ「ミュールが気持ちいいとおれも気持ちいいよ…」
みゅ「あんっ、でも、すぐイっちゃいそうになるから…あんまり…あッ!!」
くろ「もっといじっちゃお」
みゅ「もうぅぅぅぅ!!クロアぁぁぁぁ!!ダメだったらぁぁぁぁ!!」
くろ「じゃあこれはどうかな?…」
クロアはミュールの腰を両手でしっかりとつかみ、それまでのグラインド運動から徐々に
ピストン運動にかえていく。
みゅ「あ…ア…アン、アン、アン、アン、」
クロアの腰はすこしずつ加速をはじめ、えぐるような動きになっていく。
くろ「はあ、はあ、気持ちいいよ、ミュール!!」
みゅ「ああッ!!ああッ!はあッ!もう、イきそうぅぅぅぅ!!」
そういうとミュールは膝を抱えていた手を離し、きつくクロアを抱きしめ、両方の脚を
クロアのウエストにからめカニばさみでしっかりとつなぎとめる。
クロアはそれに答えるように最大限の動きでペニスを抽送させる。汗がしたたり落ちてくる。
みゅ「あ!あ!あ!イクッ!いやっ、イクぅぅううううううう!!!!ッーーーーーーーーーー」
くろ「はあ…はあ…はあ…」
みゅ「はあ…はあ…はあ…」
くろ「…気持ちよかった?」
みゅ「気持ちヨカッタ…」
くろ「ミュール…」
みゅ「クロアは?クロアはまだイってないの?」
くろ「まだ…だけど…もうイきそう…ちょっと休憩させて?」
みゅ「だめぇ、クロアもイって…ね?」
くろ「うー、じゃあこうしよう?」
そういうとクロアはミュールの背中に手をまわしてそのままミュールの体を抱きおこし、自分は
胡座をかいて対面座位の体勢をとる。
みゅ「わっ!…あ…いいね、これ…」
くろ「だろ?…しばらく、こうして抱き合ってキスしよう…」
二人はお互いに背中に腕をまわしてかたく抱き合ったままゆっくりと唇をかさねる。
どちらからともなく相手の口を舌でこじあけ舌を絡めあう。
断続的に唾液がはねるピチャッ、ピチャッという音が鳴る。
互いの舌を小刻みにチロチロと舐め合い、二人共唾液が口の端から垂れ始める。
やがてミュールの腰がクネクネと動き始める。
ゆっくりと右回りで一回腰を回したかと思えば今度は左回り、連続で回していると
思えば、左右に振ったりする。その複雑な動きが徐々に勢いを増してくる。
クロアはたまらず口を離し、
くろ「そんなにしたらダメだって!回復してるんだから!」
みゅ「なによ?そんなの気にせずにイケばいいでしょ?」
くろ「う〜ん、でもちゃんと気をつけてないと何回もイっちゃいそうだから…」
みゅ「だから何回もイケばいいでしょ?」
くろ「だから何回でもイケそうで恐いんだよ!!20回とかイッちゃったらどうするんだよ…
おれ干物だぞ…それにおれが読んだ本では…いや…そもそも男は原理的に連射に限界があってだな…」
みゅ「もおー、つべこべ言うの禁止!」
ミュールはもう一度クロアの口に吸い付きディープキスを再開する。腰の動きも再開される。
くろ「んっ!!」
クロアはしばらくそのまま快感に耐えていたが、やがて反撃を試み、
結合部に手をのばし、再びミュールのクリトリスを刺激しはじめる。
みゅ「んっ!!」
たまらず口を離し
みゅ「ああぁん、もう、それ反則だって、禁止ィ!」
ミュールはそう言うとクロアの腕をつかみ股間から引き剥がし、全体重をかけてクロアを押し倒す。
そのままクロアの両手を掴み、指同士をからめて拘束しシーツに押さえつける。
ミュールはクロアの耳もとで
「クロアは動いたらダメなんだからね…」
というとゆっくりと上体をおこし騎乗位で腰を振りはじめた。
手を握り合ったまま腰だけを器用に動かしながら前後にゆする。
くろ「はあ…はあ…」
みゅ「…ぅん…んっ…あ…」
ミュールは再び腰を回転させる動きに変え、中の筋肉を使いクロアのペニスを
根元から引き上げるように下から上に締め付けを移動させ絞り上げるような刺激を加える。
ペニスに絡みつくような快感にクロアは呻きをあげる。
くろ「ああっ!!あっ!なに?なにやってるんだッ?」
みゅ「ふふっ、気持ちいい…?ア…」
くろ「ダメだよ…気持ちよすぎる…ハアハア…」
みゅ「イキそう?…んっ…」
くろ「イキそうだよぉぉ!!」
クロアは突然、体を反らしながら下から腰を突き上げはじめる。
みゅ「あんッ!あんッ!クロアっ、今度は一緒にイこ…。っわたしもイきそうだからっ、ねっ」
ミュールは繋いでいた手を離してクロアの胸に手を置いてクロアの突き上げにあわせるように
腰を上下に動かす。結合部からグチョグチョという音が鳴る。
くろ「ああ!一緒にイこうッ!!」
クロアはミュールの腰の動きを邪魔しないようにミュールのウエストを掴んで支えながら
ペニスの突き上げに集中する。ミュールの上体が徐々に崩れてクロアの胸に倒れかかる。
くろ「はあっ!はあっ!ああぅ、もうッ、出るーーーーーー!!!」
みゅ「ああン!ああっ!あはっ!あぁああああああああーーーーーー!!!」
二人の荒い呼吸。
みゅ「…いっぱい出てる…ん…」
くろ「…はあっ…はあっ…はあっ…」
みゅ「まだピクピクしてる…気持ちよかった?」
くろ「はあはあ…なんていうか…もう、スゴかった…」
みゅ「へへっ、参ったかぁ?」
くろ「はい、降参です…はぁはぁ…参った…参ったから…」
クロアはミュールを抱き寄せてキスをする。
しばし二人は繋がったまま目を閉じて静かに抱き合い、ゆっくりと舌のみを動かす。
くろ「こうしてるとすごく落ち着く…。安心する…」
みゅ「わたしも…。なんだか…しあわせ…」
一方、この映像を観ている二人。
クロアは胡座をかき、ミュールを背面座位で貫きながら手を胸とクリトリスに這わせている。
ミュールは首をそらして頭をクロアの肩に預けて喘ぎつつも、
自ら腰をゆるゆると回転させ中をかきまぜている。
みゅ「ああっ!んんっ!」
くろ「ミュール…ちゃんと観てる?」
みゅ「ァんっ、そんなにしてっ…観れるわけないでしょッ…ァッ…いやッ!…」
クロアの後ろからまわした手がミュールの股間で小刻みに動く。
みゅ「あぁぁぁっ!」
くろ「腰が動いてるよ…集中してないんじゃない?」
みゅ「ハア、ハア、勝手に動いちゃうから…」
くろ「エッチだなぁ、ミュールは…。
…ホントは気持ちよくなりたいから自分で動かしてるんでしょ?」
みゅ「そんなことぉ、ハアン、なイってばぁ…アハッ!…」
くろ「ホントにぃ?」
みゅ「もおぅぅ、私が自分で本気を出したらこうよッ!!こうなんだからッ!!」
ミュールは腕をクロアの肩にまわして体を支えながら、腰をねじるように上下に動かし、
同時に膣の中の動きも上にねじりあげたら下にねじりおろすという複雑な動きをはじめる。
くろ「急に!?ああぁん!!んあぁ、ご、ごめんッ!言い過ぎた!あはっ!ダメ…」
みゅ「どう?」
くろ「うあっ!しぼりとられるぅぅぅぅ!」
みゅ「ふふっ…」
クロアは体を海老反りにして、そのまま後ろに倒れて仰向け大の字に寝そべりピクリとも動かない。
みゅ「あん…」
勢い、性器の結合が解かれてミュールはクロアの横に寝そべる。
ミュールはクロアのおでこをつつきながら
みゅ「…調子に乗るからだぞ…」
くろ「すみません…」
みゅ「へへ…」
ミュールがクロアの股間に目を遣ると液体にまみれたペニスがヘソまで反り返っている。
ミュールは四つん這いになると手を伸ばしてそれをゆっくりと上下にしごきはじめる。
みゅ「ねぇ、クロア。まだイってないんでしょ…?
今日は…バックからしてみて…」
くろ「え?う、うん…。…さっき後ろから入ってて気持ちよかった?」
みゅ「うん…なんかゾクゾクして…」
くろ「…それじゃあ…」
クロアは膝立ちでミュールの後ろに移動して腰をおさえて、ペニスに手を添えて、
亀頭で入り口を探り出す。
みゅ「はあン…」
くろ「…挿れるからね…」
みゅ「うん…」
クロアはゆっくりと腰を前に進めてペニスの中間ぐらいまでをミュールの体内に埋め、
その位置を基点に緩やかにピストン運動をはじめる。
ミュールは苦しそうな表情をしながらも甘い喘ぎ声をあげる。
みゅ「はぁーっ、あぁ、アン、アン、アン、アン…」
クロアは15往復ぐらいしたところで腰に力をためてぐぐぅっと奥まで貫き通す。
みゅ「ああっ!!す、すごい…」
クロアはミュールの耳もとでささやく。
くろ「どう…?どんなかんじ?」
みゅ「はあぁ、お、奥まできてるよぉッ…
私の中、クロアでいっぱいになってる感じ…」
くろ「じゃあ、もっといっぱいにするよ…」
クロアはゆっくりだが今までより大きな動きで腰を振りはじめる。
同時に、右手をミュールの陰部にまわしてクリトリスの周りを中指で一周するように撫でまわす。
みゅ「んッ!それッ!気持ちイッ!!気持ちいいよッ!!」
クロアは左手で胸を包み込み、息を荒くしながらもう一度ミュールの耳元で力をこめて言葉をはなつ。
くろ「はあはあ…、ミュール…、おまえを全部おれのものにしたい…」
みゅ「ああっ!いいよッ!んんっ!してッ!いっぱいしてッ!!全部してッ!!」
くろ「ミュールッ!!!」
クロアはミュールのウエストをつかみ上体を起こして、腰の動きを一気にトップギアまであげる。
くろ「はあッ!はあっ!」
みゅ「クロアッ!クロアッ!」
くろ「うぅっ!はあっ、はあっ!」
ミュールの四つ這いの姿勢が次第に崩れていく。
みゅ「クロアっ!私っ、イッちゃうよぉーーーーーっ!」
くろ「ミュールっ、おれもイクッ!イクッ!うあぁッ!ッーーーーーー!」
みゅ「あーーーーーーーーー!!!!!」
くろ「はあはあ…」
みゅ「はあはあ…」
クロアはミュールの背中に少し倒れこんでいたが横によけて仰向けになり呼吸を整えようとする。
みゅ「すごかったね…」
くろ「うん、すごかった…」
みゅ「どうぶつみたいだったね…」
くろ「え?…えーっと…ミュールが?」
みゅ「ちがうわよ!ク・ロ・アが!」
くろ「そ、そっか。確かにちょっと意識がとびそうになったけど…ミュールもすごかったよ?」
みゅ「え…もう!いいのッ!もう忘れたっ!!」
くろ「へへへ、おれは覚えてるからいいけどね…あんなこと言われるとすごい興奮したよ」
みゅ「クロアだって恥ずかしいこと言ってたでしょッ!」
くろ「ええ?お、おれは恥ずかしくないよ…全部本当のことだし…」
みゅ「それが恥ずかしいって言ってるのッ!!」
くろ「まぁたミュールは…もう…かわいいなぁ…」
みゅ「あっ…」
クロアはぐいっとミュールを抱き寄せると目を閉じてねっとりとキスをする。やさしく舌を絡める。
十分にからめあいお互い満足すると、口を離し目をあけて見詰め合う。
くろ「ミュール、愛してるよ、世界で一番君が好きだ…」
ミュールは困惑した表情で視線をそらし、頬を赤らめて、
みゅ「もうぅぅ、クロアのいじわるぅ…」
くろ「意地悪なんてしてないだろ?さっきの聞こえなかった?じゃあ、もう一度…」
みゅ「わかったからっ!わかったから…ちょっと待って…」
すぅーっと一回深呼吸してクロアの目をみつめて
みゅ「私も…クロアのこと…愛してます…」
クロアはぎゅっとミュールを抱き締める。ミュールもしっかりとクロアの背中に手を回して抱き締め合う。
くろ「ミュール…」
みゅ「クロア…」
しばし抱き合ったまま時間が静かに過ぎる。
ブツッ。
とっくにビデオは終わっており静止画像になっていたが、プレイヤーのメンテナンス機能が作動して
電源が自動でオフになり、部屋の暗さが増す。
くろ「あ…ディスク…おわってた…」
みゅ「途中から全然観てなかったね…」
くろ「慌てることはないよな。また観ればいっか?」
みゅ「えっち…」
くろ「い、いや別に…そういうわけ…」
みゅ「そうじゃなくて……下…」
くろ「え?…ん?…あ…」
みゅ「またおっきくしてる…」
くろ「ハハハ…」
みゅ「もっと…する…?」
くろ「え?…うん…もっとする…」
みゅ「そう……、じゃ、きて…?」
そういうとミュールは脚を大きくM字に開いていき、膝の裏を持ち両脚を自分で抱える姿勢をとった。
くろ「うわッ…!ミュ、ミュールッ!!それは…エロ過ぎだぁああああああ!!!!!」
二人は風呂場でシャワーを浴びている。
くろ「…さすがに疲れたな…。なんだかフラフラする…」
みゅ「だいじょうぶ?なんか謳おうか?」
くろ「いや…適当になにか食べれば元気出ると思うから…たぶん大丈夫…」
みゅ「じゃあ、ごはん作ってあげるわ!」
くろ「ぅえ!?…いや…やっぱり今日はもう寝るから、あ、明日なっ!明日!」
みゅ「そう?…じゃ明日ね!」
汗を洗い流したあと、クロアはシャワーをとめて
くろ「ふと思ったんだけど…スピカさんにハメられたのかな?」
みゅ「え?そうだって言ったじゃない!なに言ってるの」
くろ「いや、そうじゃなくてさ…結局、あのディスクを置いてたのはシンシアの店だけだったんだろ?
それに、ここんところミュール、スピカさんにあまり会ってないだろ?確か以前もこんなことが
あったような気がするんだけど、スピカさんお前に会えなくて寂しくなって…」
みゅ「私を誘い出すためにあんな手の込んだマネしたって言うの?
それでクロアにディスクをみつけさせたってこと?」
くろ「うん…さすがに考え過ぎか?」
みゅ「う〜ん、確かに…言われてみると…可能性はゼロではないような…」
くろ「まあ結果的には…なんだか…ミュールとすごく仲良くなる…きっかけになったし…
あ…それに二人の思い出の記録にもなったし…かえって感謝したくなるっていうか…」
みゅ「…ばか…」
くろ「ははは…ま、次にスピカさんに会ったらよろしく言っといてくれ」
みゅ「なにをよろしく言うのよ…もう…」
翌日、天上天覇にて。
ミュールが入店し、スピカの顔を見ずに手をふって挨拶の合図をする。
スピカ「あ、ミュール。また来たの?」
みゅ「…たまたま近くまできたから…ついでにね…」
スピカ「ミュール、ほんとアレはごめんね…。わたし、そんなつもりじゃなかったんだけど…、
いえ、やっぱりわたしが大きな勘違いをしてたから…こんなことしてもお詫びにならないかもしれないけど
今日はうちの商品タダでなんでも5つもっていっていいから」
みゅ「…まあ、くれるっていうんならもらっとくけど…」
スピカ「わたしね、以前のミュールなら素っ裸で街をあるこうがなにしようが気にもしない…むしろ
『私の美貌に平れふしなさい!』みたいな勢いがあるからああいうの気にしないと思ってたんだけど、
やっぱりクロアくんと付き合うようになってあなたも変わったのね…。急に女らしくなったっていうか…
恥じらいも出てきたし…」
みゅ「…べ、別にそんなんじゃないわよっ!!」
スピカ「あらそう?心理的なことだけじゃなくてなんだか体つきもすごく女らしくなってきたみたいだし…
ほらフトモモとかお尻とかプリンプリンしてきたんじゃない?おっぱいは…あんまり変わってないか…」
みゅ「ちょ、ちょっと!!なに言ってるのよッ!!」
スピカ「ふふっ、それに今日だっておめかししちゃって…。その服どうしたの?」
みゅ「え?こ、これは…クロアがこういうの着てくれって…」
スピカ「ホント?あなたが『ねぇん☆ダーリンン、わたしにどんな服着てほしい?
これ?それともこういうのぉ?』とか言ってクロアくんから聞き出してるんじゃないの?」
みゅ「なっ!そ、そんなこと、い、言うわけないでしょッ!」
スピカ「へぇ〜、ま、そういうことにしておきましょうか。で、今日はなにか用事があって?」
みゅ「べつに…ちょっと寄っただけだから…。
あ、そういえばクロアがディスクのことであなたによろしく言っといてって…」
スピカ「え?クロアくんが?ん〜、なにかあったかしら?
むしろ恨まれてるかと思ったんだけど…」
みゅ「さ、さあ…」
スピカ「あ!もしかして…ミュール、あなたあのディスク使って『ねぇ、あのディスク一緒に観てみない?』
とかいってクロアくんに迫ったんじゃない?
それでそのまま鑑賞プレイとかしてあつ〜い一夜を過ごした…と・か?」
みゅ「バ、バ、バッカじゃないのっ!?あんた!ほ、ほんと何言ってんのよ!!」
スピカ「へぇ〜、ま、いくらなんでもそんなエッチなことはしないか…」
みゅ「す、す、するわけないでしょ!」
スピカ「う〜ん、でもあなたたちってちょっと前まで未経験同士とはとても思えないわ。
わたしもアレみちゃったけど、二人ともどこで覚えたの?」
みゅ「もおお…恥ずかしくて死にそう…」
スピカ「あハハハ、そんなに恥ずかしがらないでよ。わたしもアレみて興奮したんだから」
みゅ「バカッ!!」
スピカ「あら、怒った?気にしなくてもいいのに…」
ミュールは商品が5つ入った袋を抱えて店を出ようとしている。
みゅ「…これ、もらっていくから」
スピカ「ごめんなさいね…ほんと」
みゅ「う、うん…次から気をつけなさいよ…。それじゃ、またね」
スピカ「あ…ちょっと待って」
スピカがミュールの傍まで駆け寄る。
スピカ「ミュール…あなた、クロアくんと付き合えてほんとうによかったわね」
みゅ「な、なによ?」
スピカ「これからこの星を救ってみんなを幸せにしようとしている人が幸せって何か知らないんじゃ
話にならないものね。今までツライことばかりだったんだもの…
もう少しぐらいクロアくんとあま〜い生活を楽しんでもバチは当らないと思うわよ。
だからクロアくんにいっぱい幸せにしてもらいなさい」
みゅ「スピカ…」
スピカ「じゃ、そういうことで」
みゅ「うん…ありがとう…」
ミュールは手を振って別れをつげる。スピカも手をふる。
店を出て二、三歩歩いたところで後ろから声が掛かる。
スピカ「あ!そうだ!ミュール、あんまりエッチばっかりしてるとクロアくん干からびるわよ!」
みゅ「バカぁああああああ!!!!」
ミュールが帰宅する。
みゅ「ただいまぁ〜。クロア〜。あ!あなたまたそれ観てるの?!」
くろ「おかえり。なんだよっ、別にいいだろ?」
みゅ「ま、いいけどね〜」
くろ「スピカさんどうだった?ヘコんでたりした?」
みゅ「しおらしくしてたのは最初だけ。あとはいつもの調子だったわ、まったく」
くろ「ハハハ、スピカさんらしいな。ミュールのいじり方をおそわりたいぐらいだよ」
みゅ「なにいってんのよ。今日だってなんだか知らないうちに
こっちがからかわれてたいへんだったわよ。ほんとに悪知恵が働くし意地が悪いしやけに勘が鋭いし…、
ん?…勘が鋭い?…」
くろ「ん、どうかした?」
みゅ「も、もしかして盗撮カメラ…あれ一個だけだったの…かしら?…」
くろ「え?」
END
29でみゅスピ突入かと思った
GJ!
ミュールが異様に可愛いよミュール
GJ過ぎる!
誰か殿下で書いてくれる神おらんかの〜
GJ杉!!
だけどキャラが違うような(´・ω・`)
>>372、
>>373、
>>375 ご感想に感謝!
「ミュールが本性を垣間見せるのはベッドの上だけ(今の所は)せめてその時は身も心も裸に」
という設定および信念のもとに書いてみたのですが、私自身その点成功したのかどうか疑問でした。
エロシーンで本性あるいは白ジャクリっぽさを出す、素面ミュールとの自然な移行、切り換え
というのは難しかったです。
これから再度精進して参ります。
「羨ましいなぁ……。解ってはいても、やっぱり」
それは夜が更ける前、ベッドに腰掛け二人きりで交わすひとときのお喋りの最中。
会話がやや切れた後、ふとそんな事を漏らすルカの言葉を受けてクロアはああ、と気付いた。
「ジャクリのコスモスフィアと、フレリアのバイナリ野のことか」
「……。うん」
ダイバーズセラピという職業柄、ルカがあの二人の精神世界に強い興味があるのは知っていたし、
また、実際にダイブしてみて、そんな羨望を抱いているのもクロアは察していた。
ダイバーに架空の世界と人物設定を与え、楽しませる事の出来るジャクリとフレリアの精神世界は
ルカにとって衝撃であっただろうし、事実、挫折に近しい敗北感を味わったのは想像に難くない。
「ジャクリにはハッキリ言われちゃったしね。……私には絶対、どんな努力をしても無理だって」
「ジャクリは、まあ……普通じゃないから仕方ないさ。フレリアは神だし、オリジンだしな」
クロアのその何気ない台詞は、気落ちしているルカをますますへこませた。
そんな彼女の後ろ向きな空気を察して、クロアは言葉をやや慌てて次ぐ。
「すまない、言い方が悪かった。でもこればっかりは仕方のない事だからな。
セラピで使えたらっていうルカの気持ちも分かるが……」
「うん、それもあるけど。でも一番は……」
ルカは俯いていた顔をあげて、横に座るクロアをじとりと見つめた。
「私のコスモスフィアでも、クロアにあんな風に楽しんでほしいなって」
「え?」
クロアはルカを見つめたまま、拍子抜けした声をあげた。
「だって、クロアすっごく楽しそうなんだもん。……正直、羨ましくて」
「……ちょ、ちょっと待ってくれ。楽しそうに見えたか? そんなに」
「うん」
少し拗ねた感じの返事に、彼は軽く眩暈を覚える。
「………確かに、楽しいことは確かなんだが、でも正直あれは……」
「何かいつもと違って生き生きしてるように見えるし。別人みたいなんだもんクロア」
言葉の終わりを待たず、まくしたてるルカに負けじとクロアは交戦の口火を切る。
「解ってないみたいだから言うぞ。あれは、俺の性格が改変されてるんだ。
だから別人というのは確かに間違っていないし、あの『世界』での発言は現実の俺の本意じゃない
そこのところを勘違いされると困るんだが」
「ふーん。でも楽しいんでしょ?」
目を離さずに詰問を重ねてくるルカに、思わず脱力しながらも続ける。
「あのな。結構現実世界に戻った時、しんどいんだぞアレ……。確かに最中は入り込んでるから
楽しんではいるが、その、いつもの自分とのギャップに苦しむと言うか……。
急に我に返って頭痛くなることも、実はある」
頭を押さえながらクロアは長い溜め息をついた。そんな彼の様子を見つめていたルカは一言。
「実性格を変えちゃう事が出来るなんて、本当によく出来た精神世界だよね……。
やっぱり、羨ましいな」
「……人の話聞いてたか?」
今度はクロアが、じとりとルカを見つめる番だった。そして問う。
「だいたい、楽しんでほしいってルカは言っているが、何か物語のアイディアとかあるのか?
逆にどんな展望があるのか気になる」
ルカはたちまち黙り込んでしまった。視線を膝元にさ迷わせて、手持ちぶたさをごまかす様に
両手指を交差させている。程なくして、焦げ付くような横からの視線に圧されるように呟いた。
「うーん……。やっぱり、学園が舞台の話、かなぁ……」
「うん、どうしてだ?」
「……どうして『どうしてだ?』なのっ? どういうお話なのか聞いてくれてるんじゃないのっ?」
「どうして学園が舞台なのか、何か理由がありそうだったからな」
ルカはきまりが悪そうな表情を返す。
そして、どこかほんのりと頬を染めつつ――観念した。
「あの二人の精神世界で見た、クロアの制服姿が、格好いいなーって……」
「……。うん」
「それに、眼鏡との組み合わせが、いつもよりすごく……似合ってたし……」
「…………………………」
(それが本音か)
「違うもんっ!」
「まだ何も言ってないぞ」
苦笑気味に返すクロアに、軽く拗ねた表情でルカは言葉を尖らせた。
「分かるもん、クロアの考えそうなことくらいっ。ええとねっ、
……理由はそれだけじゃなくって、ちゃんと他に……」
「わかったわかった」
「判ってないーっ」
あからさまにルカはむくれた。やり場のない、このいたたまれなさをごまかす様に、
クロアの胸を軽くぽかぽか叩く。
ひとしきり叩いた後も、まだ気の納まらないルカは反撃に出た。
「じゃあクロアならどんな世界で、どういう事がやってみたいのっ?
クロアの意見を聞かせてみてよぅっ」
「……うーん」
明らかに口論するポイントがズレてきているのだが、敢えてクロアはそこには触れずに
考える態度を取った。思案している振りをしながら、するっと眼鏡を外す。
そうしてから、挑む様に見つめてくるルカに視線を向けて、至って爽やかな笑顔で言う。
「そうだな……。じゃあ、こんなのはどうだ?」
きし、とベッドマットを軋ませながら、距離を詰めてきたクロアの大きな手が、
ルカの華奢な肩を掴んだ。
「ちょ、ちょっと待ってクロアっ!
なんで私にのしかかろうとしてるのか、な……?」
両手でクロアを押し返しながらの、ルカの困惑した言葉。
そんなルカを中途半端な姿勢で見下ろしながら、クロアはややわざとらしく首を傾げた。
そしてさらりと言ってのける。
「そうだよな。――キスしてから押し倒すべきだよな。順番は守らないと」
「何の順番っ!?」
「それともルカは押し倒されて無理矢理、の方がいいのか?
好きな方でいいぞ。――言ってごらん」
眩むような色声で囁かれて、ルカは完全に冷静さを失った。それでも余力の限り懸命に応戦する。
「は、話がおかしくなってないっ!? 私はクロアにどんな世界で、
どういう事がやりたいのかって、聞いてっ……」
耳まで染めながら倒されまいと必死にばたつくルカを、クロアは強く見つめる。
心と身体の熱さを感じさせない、静かな口調で、最後の通達。
「今まさに、なんだが」
どんなによく出来た創リモノの世界より、涙誘うドラマチックな物語より
――――この世界と、君のとなりで。
「ち、ちょっと待っ、クロア――――ん、っ」
会話が、ぷつりと切れた。
代わりに直後、ばふん、とベットマットが軽くはずむ音がした。
―――それから、だいぶ暫く経った後。
「……クロアの、ばかっ」
彼の胸に火照る己の顔を埋めて、ぽつりと少女はつぶやいた。
彼女を包む腕に力を込めながら、青年は邪気のない笑顔で受け流す。
ありのままの、ふたりがいる。
それは何ものにも換え難いしあわせ。
小ネタおわり
ネタ程度で申し訳ないー
エロの有無は個人の判断に丸投げで
長いものも書いてる…んだけどもorz
また何か小ネタ書けたら投下しに来ます
読んでくれた方ありがとうございました
>380
小ネタでも萌えたw
クローシェ様やジャクリネタも待ってるぜ
GJ!萌えたぜかわいいなルカ
抱き締めるすっ飛ばして押し倒すな選択肢が見えたぜ!
クロアは自分の声の使い道分かり過ぎだろw
いいものをありがとう
長いのも待ってる!
あれ?今、驚いた顔でベッドに押し倒されてるルカのCGが見えた気がしたんだが…
気のせいか、GJ
GJ!!いやぁー、いいもん読ませて頂きました。
長さとかエロはなくともいいものはいいと再認識しましたわ。
Was apea ra infel yor,
accrroad anw lequera akata!
GJ!
386 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 05:48:57 ID:zA7XvpOi
クロア&アマリエ話投下します。相変わらずエロは皆無です。
今回で最期になります。
朝日が地平線の彼方から顔を覗かせ初めていた。アルシエルの新しい一日が始まる。
メタファルスにとっての、あるいはアルシエル全てにとって記念すべきものとなる一日が。
そんな中、メタファリカの丘で対峙するふたつの人影があった。
それはメタファリカを謳うふたりの御子、ではなくて。ひとりはアマリエ・ジェラード。
もうひとりはクロア・バーテル。
ふたりは互いを真っ直ぐに見すえ、向き合っていた。それぞれの右手を固く握り締めて。
事の発端は数時間前に遡る。
「興味ない?危険と波乱に溢れた未知の世界ってヤツに?」
「……すまん、唐突すぎてよくわからないんだが」
「あー、実はさー、ちょっとおつかいを頼まれてるのよ。で、その行き先ってのが
メタファルスの外、危ないトコなんだってさ」
「端的な説明だな。で、俺も一緒に来ないか?と」
「そういうこと」
「お前は引き受けたのか?そのおつかいってのを」
「もちろん。面白そうだし」
「たしかに……退屈だけはしないですむだろうな。まして、お前と一緒なら」
「でしょ?だからさ……」
「……」
「クロア?」
アマリエは沈黙する相棒を覗きこむ。
「悪い……。俺は行けない」
「あ……。そっか。そうだよね。ムリもない、か」
アマリエにとってはその答えも予想のうちではあった。どこか残念そうな表情を
浮かべてはいたが。
「ルカにレイカにココナ、皆アンタを必要としてるもんね。アンタもあの子達を置いては
行けないよね」
「……それもある。それに……」
「それに?」
「今の俺じゃあ……足手まといになる……」
「えっ……?」
「いくら利き腕が残ってるっていっても、それだけじゃあ……今までのようには……
いかないからな……。お前の足を引っ張るのは嫌なんだ」
「そう……。なら、さ。少し付き合ってよ。ここにいる間にやっておきたいことが
あるから」
そう言うとアマリエは歩き出す。返事も待たずに。
「アマリエ?」
そうしてふたりがやって来たのは鐘付き堂の最上階。御子像の前。メタファリカの丘
だった。アマリエは像の前にライアーを置くとクロアの方へと向き直る。一言も発する
ことなく。
「ここか?クローシェ様とルカが謳うのは明日だろ?なにかあるのか?」
アマリエは答えるかわりにクロアの前にやってくる。そして、
ゴッ!
その顔目がけて右の拳を振り抜いた。
「ぐあっ……!」
とっさに反応出来ずにクロアは吹っ飛び、倒れこんでしまう。
「なんなんだよ!?」
叫ぶクロアにアマリエは返す。
「別に……。ただ……ムカついただけ」
「はぁ?」
「アンタの口からは聞きたく無かった。泣き言なんてさ」
「泣き言……だと!?」
「そう。確かに片腕失くすってのは大事だわ。どれだけ影響がでるのか?なんてことも
理解はしてる。けどね、あたしがムカついてるのはそんなことじゃない」
アマリエは淡々と続ける。
「たかだかその程度のことで情けないセリフを吐く。そんなフヌケに隣許して、あげく
相棒と認めてた。そんなあたし自身に腹が立ってるのよ!」
「なん……だと!?」
「アンタとの縁はここで終わりにする。けどね、その前にウサ晴らしをさせてもらう。
もうアンタにはなにも期待しない。ただ黙って殴られてればいいから。あたしの気が
晴れるまで」
「……黙って聞いてりゃ言いたい放題言いやがって」
「ふ〜ん?悔しいんだ?」
「悔しい、っていうよりは俺もムカついてきた」
「へ〜?まだそれだけ言えるんだ?」
「ああ、そうらしい。正直、お前との縁が切れるってのは心底嬉しいよ。踊りだしたい
気分だ。けどな!その前に訂正してもらうぞ。今言ったことをな!」
「訂正?別に間違ったこと言ってないのに?アンタは、たかが、左腕を、失くした
くらいで、意地も張れなくなるようなへタレじゃない?実際に」
「……訂正するつもりは無いんだな?」
「これっぽっちも」
「なら、力付くで訂正してもらう。いや……訂正させる!」
「言うじゃないの?なら、こっちも遠慮しない。自分がヘタレたフヌケだって理解できる
まで……沈めてあげる。何度でもね!」
「行くぞぉ!」
クロアは真っ直ぐに間合いを詰めると拳を突き出す。だが、クロアの拳はアマリエの
左手であっさりと流されてしまう。逆に前進したアマリエの右手がクロアの胸に
あてられる、
トン!
と、無造作に。次の瞬間、クロアの身体が吹っ飛ぶ。アマリエが突き飛ばしたことで。
ただし、密着状態から、カウンター気味に、手加減無しにではあったが。一瞬息を
止められたクロアは背中から倒れる。そこへアマリエはさらに追撃をかける。クロアの
左肩を、思い切り踏みつけた。
「ぐああああっ!!」
「これで理解できたでしょ。そのまま寝てれば?」
アマリエは冷ややかに見下ろして吐き捨てる。
「……待てよ。勝ち誇るには早すぎだろ」
だが、クロアは立ち上がった。左肩を薄く朱に染めながらも。
「ふ〜ん。しぶとさだけはそれなり、か」
「お前がヘボなだけだろ?」
「あはは、言うじゃないの?けど、悪くないよ。だからチャンスをあげる」
「チャンスだと!?」
「そ、一度でもあたしに膝をつかせることができたなら、アンタの望み通り、
さっきのことは訂正してあげるよ。期限は……そうだね、夜が明けるまでで。
ま、その前に力尽きるだろうけど」
「サービスしすぎだな。まあいいや。すぐに吼え顔かかせてやる!」
そのままふたりの殴り合い、というよりも一方的な展開が始まった。クロアの攻撃は
ことごとく流される。アマリエが軽く腕を振るう、右手を蹴り上げる、あるいは首を
動かす。ただ、それだけのことで。
そして、アマリエの蹴りが、拳が、膝が、肘が幾度も左肩を狙い、クロアを床に這わせる。
ふたりのコンディションが万全であったならこれほど一方的にはならなかっただろう。
アマリエは腹部に傷をかかえていたが、それは『ただ痛みを無視すればいい』
というだけのこと。
クロアは左腕を失くしたことで身体全体のバランス感覚が大きく崩れ、踏み込みや、
残った右手からも本来のキレが失われていた。さらに、左側にできた大きな死角兼弱点、アマリエはそこを狙っていく。一切の容赦無しに。
だが何度倒されてもクロアは起き上がり、アマリエに立ち向かっていく。苦痛はもちろん
あった。それでもクロアは止まることは無い。決して。それどころかクロアの動きは
徐々に鋭さを増していく。まるで忘れていた何かを思い出していくように。
床に這った回数が三十回を超えるころには、クロアの動きは徐々にではあるがアマリエを
捉えはじめていた。
「だいたいアンタは初めて会った時から気に入らなかったのよ!」
アマリエの足払いをバックステップでクロアはかわす。
「なにがだ!」
体勢を立て直してクロアが回し蹴りを繰り出す。
「アンタ、あたしが行き倒れてるの見て呆れてたでしょ!」
アマリエは右手で蹴りを受け止める。
「当然だろ!ばーか」
そのまま体勢が不安定になったクロアの鳩尾に左拳を打ち込む。クロアの身体が後ろに
吹っ飛ぶ。いや、自ら後ろに跳ぶことで勢いを殺す。
「演技に決まってるでしょーが!あんなのは」
構えなおしたクロアが言い返す。
「嘘付け!素で行き倒れてただろ?」
「そう思うんなら迷わず手を差し伸べろってのよ!根暗野朗!」
「追加だ!それも訂正しろ!無駄飯喰らい」
クロアが踏み込む。が、一瞬アマリエの右足が浮くのを見て、足を止める。
(フェイントか!?)
だが、すぐに右足を下げると、アマリエは一気に間合いを詰める。そのままクロアの
右腕を掴み、一気に背負い投げた。クロアの左肩を床に叩きつけるために。しかし、
クロアは自分からその方向へ飛び込む。タイミングをずらしたことで難なく着地すると、
すぐに構えを取り直した。
(今の……読まれてた?なるほどね……。ウィークポイントを狙いすぎたのがアダに
なったか。やっぱ面白いわ、コイツ)
「確かに俺も後悔してるよ。あの時のことは。今にして思えば明らかに不審者だった
からな!さっさと始末しとくべきだったよ!」
「よく言うわ!あたしがいなきゃどうにもならないこと山ほどあったくせに!」
「そんなことあったか?むしろお前は事あるごとに事態をややこしくしてたほう
だろうが!ルカをエナに連れ出したのも、クローシェ様の誕生際で神聖政府軍を手引き
したのも、全部お前だ!その結果ルカやクローシェ様がどれだけ苦しんだか……。
思い出したらますます腹が立ってきた」
「あたしのせいであの子達が苦しんだ、ね。否定はしない。けどね、アンタにだけは
言われたくないわ、ソレ」
ヒートアップする一方だったアマリエの口調が一瞬醒める。
「なに?」
「自覚無し、か。サイテー極まりないわ、アンタって。
ルカはアンタの名前呼びながら泣いてたことがあった。『もっと私のことを見てほしい』
って。
けど、レイカはアンタとルカが話してるのを見て悲しそうにしてたことがあった。
あの子達の想いに気付きもしないくせにあっちこっちにいい顔してんじゃないわよ!
鈍感!朴念仁!」
「ああそうだろうさ。けどな!それがどうした?」
「それがどうした?」
クロアが事も無げに言った言葉にアマリエの瞳が光る。戦意ではなく殺意に。
「……アンタ……それ本気で言ってるの?」
「ああ」
「そう……」
アマリエはクロアの懐に飛び込むと、クロアの頭に両手をかける。ふわりと、どこか
柔らかい動きで。だが、次の瞬間、
ゴスッ!!
一瞬意識が飛ぶ。次の瞬間、クロアは膝をつき、床に倒れていた。
(な、んだ……?)
頭突きを喰らわされていた。ぼやける意識の中、クロアの目には冷たく自分を見下ろす
アマリエの姿が映っていた。
「見損なったわ。そのまま寝てたらいいよ。アンタには殴る価値も無い」
そのままアマリエは背を向けて歩き出す。
(くっ……。このっ!)
「待てよ!!」
ふらつく身体を無理矢理起こすと、クロアが叫ぶ。
「何?これ以上時間を無駄にしたくないんだけど」
「勝手に決め付けるな」
「事実よ」
「確かに……俺があのふたりを傷つけたのは間違いないさ」
「へぇ?」
「それを忘れる気は無い。許して欲しいなんて言うつもりは無い。そんな資格も
ないだろうさ。だから、ふたりが俺を恨むなら、憎むならば、俺は……それを
背負い続ける。ただ、それだけのことだ」
「アンタ……?」
「けどな、それは俺の問題だ。少なくともお前にどうこう言われる筋合いも無ければ
勝手に見損なわれるいわれもない」
クロアは言い切った。
「ついでに言うとな、わざわざ他人の話を持ち出さないと何も言えないようなクズに
いいようにされっぱなしで引き下がれるほど俺はお人よしじゃないんだ」
クロアの言葉に激しさは無い。けれど、そこに込められた意志が一瞬アマリエを
ひるませる。
そして、クロアにはそれを見逃すつもりなどカケラほども無かった。
「うおおおおぉっ!」
右手を握り、気合とともにアマリエへと駆け出す。これまでに、何度も返り討ちにあった
にもかかわらず。
「ちいっ!」
迎え撃つアマリエの右足が一瞬揺れる。
(フェイントか?いや、惑うな)
クロアもただ倒され続けていたわけではない。おぼろげだが、アマリエの戦い方を
掴んでいた。
(コイツは同じ動作の中にも虚と実を散りばめる。あえて露骨に。それが相手に迷いを
引き起こすんだ。けど、そうとわかってるなら無視するまでだ。これが実だったなら
また起き上がるまでのこと)
アマリエの右足は上がることなく、クロアはアマリエを射程内に捉える。クロアが
繰り出した拳は親指で中指を持ち上げるように握りこまれていた。面ではなく一点に
力を集中させる形。確実に手を傷める形に。しかし、それさえもクロアの計算のうち。
(仮にこれをガードしてもその腕は無事で済まない。だから、コイツは必ず避ける。
そしてこの状況なら後ろに跳ぶしかない。まともにやりあうのは初めてだ。けど、ずっと
近くで見てきたんだ。コイツの癖はわかってる。この突きはオトリだ。跳んだところで
追撃、これで決めるぞ!)
アマリエが後ろに跳ぶよりも自分が前に跳ぶほうが速い。クロアはそこで決着をつける
つもりでいた。だが、
「「ぐっ!?」」
異口同音に同じ、苦悶の声がこぼれた。
クロアの予想に反して、避けさせるはずの突きは受け止められていた。アマリエの
左腕で、正確には左腕に右腕を重ねるようにしてクロアの突きを受け止めていた。
ミシリ!
アマリエの左腕から嫌な音が鳴った。
先に動いたのはアマリエ。クロアの腹を蹴り飛ばし、再び距離を開く。
クロアにとっては完全な予想外。しかし、あえて受けることを選んだアマリエのほうが
次の行動は早かった。
「目の付け所は悪くなかったよ」
「気付いてたのか?」
「あたしも反射的に跳ぼうとしたけどね。だけど、不自然だった」
「不自然……?」
「そ、不自然。アンタらしくない気がした。なんとなく、ね」
「なんとなく……か」
アマリエは左手を握ろうとして、顔をしかめた。
「痛っ。けど、後ろに跳んでたら、左腕を盾にしなかったら取られてたね。間違い無く」
「そうか……」
「それに、いよいよ後が無くなってきたみたいよ?」
ふたりの足元からは長い影が伸びていた。
目線の先、東の空に昇り始めた朝日に照らされて。
「それよりも、身体の方が限界かしらね?」
クロアの右手に視線を向ける。
「油断大敵、じゃないのか?」
(とはいえ……下手するとこっちもヒビくらい入ってるな)
握ろうとした右手に激痛が走る。
(けど……あと一回打てれば十分だ)
「続けるぞ。まだ完全に夜は明けてない」
「背水の陣ってヤツ?ま、いいけど。もう少しだけ夢を見てられるよ。最後で逆転、
なんて儚い夢をさ。夜明け前だけに」
「つまらないぞ、ソレ。お前こそ、せいぜい優越感ってのを楽しんでおけ。
……粉々にブチ壊してやるから」
そこまで言うとふたりそろって笑い出した。吹き出すように。
「ふふふ、なんかさ、前にもあったよね。こんなの」
「はは、そうだな。あの時は……なんでだったっけ?忘れたな」
「そうだね。ま、忘れるくらいだし、どうでもいいことだったんでしょ。きっと」
「それは同感だよ」
「けど、憶えてることもあるわね。確か決着がつかなかったんだっけ。それと……」
「お前に夕食をおごらせ損ねたこと」「アンタに夕食をおごらせ損ねたこと」
「おごり損ねた、だろ。言葉は正しく使えよ」
「それはこっちのセリフだと思うけど」
「なら、チップの上乗せだ。俺が勝ったら今日の夕食をおごれ」
「オーケイ。あたしが勝ったらアンタのおごりね。ふふ、俄然やる気が湧いてきたよ」
「それこそこっちのセリフだ」
いつの間にかふたりの表情はどこか楽しげなものに変わっていた。
「そろそろ始めるか」
「そうね」
徐々にその姿を現しつつある朝日に照らされ、メタファリカの丘が白く染まっていく。
あたりには大小幾つもの血だまりが出来ていた。クロアの左肩から流れた、あるいは
アマリエの腹から流れ出た血によって。
クロアの攻め手はただの一つも傷口を捉えてはいない。意識して避けたわけでは
なかったにしても。
だが、夜通し全開で動き続けたことでアマリエの傷もまた開ききっていた。
「行くよ」
アマリエは左手の腕輪を外すと、思い切り放り投げる。宙に舞う腕輪が暁に照らされ、
一瞬輝いた。
腕輪がアルシエルの重力に引かれて落ちていく。
クロアは右手を後ろに引き、真っ直ぐにアマリエを見据える。アマリエもまた、
同じ構えを取っていた。
相手の懐に入り、拳をぶつける。丸腰での攻撃手段としては最も単純で、そして最も
多用されてきたであろう方法。
やがて腕輪が落ちる、と同時にふたりは相手目がけて走り出していた。
一歩目を踏み出す。
クロアは『なんとなく』感じていた。アマリエは一切の小細工無しで真っ向勝負を
仕掛けてくる、と。
二歩目を踏み出す。
クロアは、はっきりと思い描いていた。自分の右手がアマリエを打ち倒すそのビジョン、
その感覚を。
三歩目を踏み出す。
あと二歩で互いの射程に入る。クロアは右手を握り締める。固く、強く、自分の意地を
込めて。
そして、四歩目。
踏み込んだクロアの右足が、ブレた。
クロアが踏みしめた場所。そこには大きめの血だまりが出来ていた。それがクロアの足を
滑らせ、バランスを崩す。右足を下げ、どうにか立て直した時、クロアの目の前には、
すでにアマリエの拳が迫っていた。
避けることも、防ぐことも出来ない距離まで。
アマリエは奇妙な感覚の中にいた。クロアがバランスを崩すのがまるでスローモーション
のようにはっきりと見えていた。いや、クロアだけでなく、ほとんど反射的に動いた体が、
足を止めた相手に合わせるように、正確に右拳を打ち出すのもはっきり見えていた。
(本当に……これでいいの?)
だが、身体とは裏腹に、心には迷いが浮かんでいた。
(こんな形で幕引きだなんて……こんなの事故だし、やり直しても……。ううん、
コイツだって良くやったんだから、それに免じて……)
そこまで考えてふと、思う。何故、自分はそこまでしてクロアの負けを避けようとして
いるのか?と。
そして、気付く。
(そっか……。なんだかんだ言っても、あたし自身気に入ってたんだ。コイツの……
馬鹿で、真っ直ぐな……強さを)
だから、許せなかった、クロアが弱音を吐いたことを。足手まといになる、と言った
ことを。
(そして、気に入ってたんだ。コイツが……隣にいることを)
だから、今一抹の寂しさを感じていた。
けれど思う。
(だけど、どうにもならない、か……。事故だから、とか、良くやったから、なんて
言ったらコイツは絶対にあたしを許さない)
なぜかそれだけは確信出来た。
(そしてあたしも……そんな自分は許せないだろうな。たはは……。なんだ、どっちに
しても失われるわけか、あたしの『相棒』は。ホント、間が悪すぎよ……。よりによって
無くなることが確定してから気付くなんて、さ)
インフェルのことを思い出す。
(我ながらよく言ったもんだわ。『最初から無いよりも失う方が辛い』なんてさ。けど、
そうだね。同じ失うなら……せめてあたしの手で引導を渡してあげる。……手向けには
ならないだろうけど、ね)
そして心で別れを告げる。たとえどんな間違いがあっても絶対に口にすることは無い
だろうけど、と前置きして。
(さよなら……。あたしの……最初で最後の……ただひとりの……そして……
最高の相棒)
クロアもまた、不意に時間が止まったような感覚の中にいた。
(まずい……。避けられない。それに右手でのガードも間に合わない。これまでなのか?)
そして、感じていた。心に響く声を。
『お……おなか……すいた……』
初めて出会った時の第一声。今時こんな場面に遭遇できるなんて夢にも思ってなかった。
『アンタ……何……考え……るのよ……。いくら……トチ狂ったから……て……
恋人を……殺そう……なんて……。この馬鹿……目、覚ましな……さい……よ』
ココナがIPDを発症た時。アイツは身体を張って暴走した自分から、ルカを護ってくれた。
『さっきも言ったわ。悲劇の主役ぶるのは止めろって。確かにルカは言った。アンタを
利用したって。それでアンタが傷ついたのもわかる。けどアンタがしてる勘違いは……
許せない』
ルカの本心を知って、知ったつもりになって勝手にルカを避けるようにしていた自分に
アイツは言った。アイツがいなかったらルカとはずっと仲直りできなかった、かも
しれない。
『今言ったばかりよ。アホな理由だったら殴るって。訂正するわ。アンタは馬鹿なんか
じゃない。筋金入りの大馬鹿ね。史上稀に見るくらいの』
ルカやクローシェ様を泣かせた自分に対してアイツは本気で怒ってた。
『ココナも助ける。絶対に。そう思っておきなよ。駄目だった時のこと考える暇が
あったらさ……うまくいかせること考える。失敗したらその時はその時。それから
考えればいいよ。あたしもアンタも政治家じゃないんだからさ』
ココナのことで落ち込んでた自分。それでも前向きになれたのはアイツのおかげかも
しれない。
『やれやれ、ね。馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけどさ、これほどだったなんてね。あたしの
予想を遥かに超えてたわ』
インフェルを『止める』ための無謀すぎる賭け。それに乗るアイツも十分に馬鹿では
あるんだがな。
『肩、借りるよ。相棒』
ボロボロだった自分に、口ではそう言いながらもアイツは肩を貸した。アイツだって
ボロボロだったくせに、カッコつけすぎだろ。
次々に浮かんでくるのは……アマリエの言葉ばかり。
(なんでアイツの言葉ばかり……?それに、これじゃあ、まるで走馬灯じゃないか?)
だが、自分に迫る拳を見て理解できた。これはやはり走馬灯なのだ、と。
(命までは取られないだろうけど、ここで死ぬんだな。アイツの『相棒』としての俺は)
静止した時の中、せめて最後に顔を見てやろうと視線を向ける。そこにいたのは、
クロアの記憶には全く無い表情をしたアマリエだった。
ドクン!
その表情をみた途端、クロアの中に溢れ出すものがあった。それはある感情。
マグマのように熱く、どろりとした感情。
『知ってた?人間、柄にもない事するのは犯罪だって』
(柄じゃないことしてるのはお前のほうじゃないか!)
『女泣かせる奴は皆最低なのよ』
(また繰り返すのか?俺は……)
湧き上がる『何か』は瞬く間にクロアの全身を駆け巡る。そして、
「ふざっ……けるなあぁっ!!」
クロアの咆哮と共に時間が動き出す。
アマリエの拳は文字通り目と鼻の先まで来ている。避けるにも防ぐにも間に合わない。
だが、クロアはただ黙って受けはしなかった。まだ唯一動かせるモノ、自分から頭を
アマリエの拳へと叩きつけた。
「ぐっ!」
一瞬意識が飛んだ。が、それでも踏み止まったクロアの目に映るアマリエは、思わぬ反撃に右手を跳ね返され、一歩後に下がっていた。ひどく無防備な姿で。
その顔めがけて拳を打ち出す、右足を前に出すと同時に。咄嗟に反応したアマリエが
反射的に右手で顔を守るのが見えた。
(速い!?それなら……その右腕ごと)
先と同じ場所に出したクロアの右足は再び、血だまりにとられてしまう。
けれど、
今度はそれがクロアに、そしておそらくはアマリエにとっても味方した。
バランスを崩しながらも繰り出されたクロアの拳が直撃した。
右腕に守られているアマリエの顔、ではなくて、無防備なアマリエの腹部。かつて、
鉄板砂漠でクロアが貫き、ムーンカルバートではラキによって撃ち抜かれ、そして今、
開いている傷口へと。
「……っ!」
アマリエの口から声にならない叫びが漏れ、その身体が前方へと崩れていく。
アマリエは倒れなかった。それは無意識のことだったろう。倒れる方向にあったもの。
クロアの身体に、すがるように、つかまっていた。
クロアは迷っていた。このままアマリエを突き飛ばせば、自分の勝利条件、膝をつかせる
というのは達成できる。けれど、自分にしがみつくアマリエの肩があまりに小さく
見えたことがそれをためらわせていた。
結局、クロアは突き飛ばすことを……選ばなかった。そして、そうするかわりに
ポツリと一言告げた。
「時間切れ、だな」
東の空には太陽がその全身を見せていた。
やがて無言で身体を離し、朝日へと目を向けたアマリエも力無く呟く。
「そう……だね……」
と。
「ところで、だ」
不意にクロアが口を開く。さも、たった今思い出したように。
「お前には貸しがあったよな?」
「貸し?」
「ああ、ソル・マルタでのことだ。あの時はお前が疲れてるって言うから、肩を貸して
やった。そんな設定じゃなかったか?」
「ああ……そういえば……そういう話になってたっけ……」
「だから、あの時の貸し、今この場で返してもらう。お望み通り高くつけてやるからな」
どこか楽しげなクロアに戸惑いつつもアマリエは答える。
「あ……うん……」
クロアはとびきりに意地の悪い笑みを浮かべて言った。
「今の勝負、な。俺の勝ちってことにしろ」
「へ……?」
イマイチ話についてこれないアマリエにクロアは呆れ顔で続ける。
「だから、俺が、お前に、膝をつかせた。そういうことにしろって言ってるんだが……」
ポカンとしていたアマリエだったが、やがて笑い出す。
「ふふ、あっはははは!なるほど……そう来たか。ぷっ、あはは」
「ああ。高くつけていい、そう言ったのは他ならぬお前だし」
「確かにね。けど、足元見すぎよ。だから、夕食のおごりは無し。それで手を打つけど?」
「ま、いいか。それで妥協してやるよ」
「オーケイ。アンタをヘタレやらフヌケ呼ばわりしたのは訂正する。これでいい?相棒」
「ああ、上出来だよ、相棒」
「……全く。カッコつけすぎだってのよ……ばか」
「ん?」
「……なんでも無い」
ふたりは、どちらからともなく、背中合わせに座り込む。
「にしても……疲れたな」
「あたしも……。ま、夜通し殴り合ってれば当然か。けど、驚いたよ」
「何がだ?」
「あの時、アンタが足を滑らせた時。あそこから返されるとは夢にも思わなかったから」
「ああ。今度は……泣かせずに済んだよ」
「え……?」
「あの時、泣きそうな顔してたろ?お前」
「あたしが……」
アマリエは言葉をきり、クロアの正面にまわると、心底心配そうな声色で言う。
「アンタ……大丈夫?ゴメン。さすがに殴りすぎたかも。まさか幻覚が見えるように
なるなんて……ホントゴメン。ただでさえ大馬鹿な頭をますますダメにしちゃって……」
そして真摯に頭を下げた。
(アレは幻とは思えないんだが……まぁ、いいか。ていうか、そこまで言うか?)
だから、売り言葉に買い言葉を返す。極々いつものように。
「それもそうだな。しおらしいお前なんて気色悪いだけだし」
「そうそう、って誰が気色悪いのよ!?」
「どうでもいいだろ?今さらだし。そんなことよりも、だ」
「今さら!?そこまで言われるとなんかムカつくんだけど……」
「もう一度聴かせてくれないか?お前の……『メタファリカ』を」
「何?そんなに良かったの?」
「いや、奏者の腕が悪すぎるせいでまともに聴いてなかったんだが、あんなのでも
『メタファリカ』だろ?……一応は。だからな」
「まだ言うか、アンタは……。そうだね……。出すもの出してくれるなら弾いてあげても
いいけど?」
「金取るのか!?ヘボ奏者のくせに」
「うっさい!これでも貴重な飯のタネなんだから」
「で、いくらぼったくるんだ?」
「ん〜。一億リーフ」
「は……?」
「と、言うのは」
冗談だけど、と言いかけたセリフを遮ってクロアが言う。
「払う」
「へ?」
「だから一億払う」
「アンタ……わかってるの?1リーフ置いて『いちおく』とかじゃないのよ?」
「いつの人間だよ?お前は……。そうじゃない。10リーフコインなら一千万枚だろ。
わかってるよ」
「マジで……?」
「大マジだ。ただし……無利息の分割、出世払いだ」
「どういうこと?」
「『危険と波乱に溢れた未知の世界』だったな。俺も行くぞ」
「それって……」
「とりあえず、全額払い終えるまでは……俺の隣にいろ。そこがお前の定位置だ」
「ふふ、すごい殺し文句じゃないの、ソレ」
(どーせ深い意味なんて無しで言ってるんだろうけどさ。……天然ジゴロ)
「知るか。で、答えは?」
「そうだね。そこまで言うならそれでOKしてあげる。けど、払いきる前に死んだり
したら……地獄の底まで取り立てに行くから」
「そうか。もし払い終える前にお前が死んだら……迷わず踏み倒すぞ」
「でしょーね。やれやれ、なんにしても……長生きするハメになりそうね。お互いに」
「だな」
「さて……」
アマリエはライアーを手に取ると、御子像によりかかって目を閉じる。
「そうしてるとお前が御子みたいだな」
「そ、そう?」
「ああ、お前なら紡げそうな気がする。……魔大陸の百倍はタチの悪いシロモノを」
「その時は真っ先にアンタを餌食にしてやるわ。ったく、無駄口叩いてないで耳かっぽ
じって聴けってのよ。一億リーフの調べを」
「わかったよ。気の抜けた演奏したら蹴っ飛ばすぞ?」
「アンタこそ、居眠りなんぞしやがったらブン殴るから。はぁ……実はあたしって
貧乏性だったのね……」
「はぁ?」
「いざ捨てるとなるとゴミでも惜しく感じるってこと」
アマリエの指が彼女の『メタファリカ』を奏で始める。
暁の中で。
ただひとりのために。
「全く……。今日が私の命日だっていうのに……」
「そう?ご愁傷様」
そんなふたりをやはり一晩中観察して、というよりはバイナリ野から見物している者達が
いた。呆れているのがインフェル。あまり心のこもらない慰めをしているのがジャクリで
ある。
「でも、湿っぽくなるよりはいいのかもしれないわね。ところで……本当に良かったの?
ティリアの塔に行かせるのがあの馬鹿ふたりで」
「ええ」
「私も知識でしか知らないけれど……あそこはレーヴァテイルの管理が徹底してる
らしいし、あのIPDの娘のほうが適任じゃないの?」
「確かに……私はエオリアの塔に帰らなければならないし、最初はココナに頼むつもり
だったわ。けれど、気が変わったの」
「どうして?」
「あのふたりなら腕は申し分ないわ。それに頭もきれる」
「確かにね。……馬鹿だけど」
「そうね。けれど、だからこそ……なにかとんでもないことをやらかしてくれそうな気が
するの。それこそ世界全てをひっくり返すような、そんななにかを」
「それがあなたの目的、アルシエルの再生?」
「ええ。これは私の持論だけど、馬鹿というのは……時に奇跡を起こすの」
「奇跡?」
「そう。『あの』インフェルがメタファリカの成功を信じられる。これは奇跡と言えない
かしら?」
「なるほど……。『あの』ミュールが本気でアルシエルの再生を願っているのと同じくらい
には奇跡なんでしょうね。そして当の本人達はそれを自覚していない、か。あの時もそう
だったわね」
『もしも、あなたの、大切な人が理不尽に殺されたら、……それでも、同じことを
言えるの?』
かつてインフェルの問いかけに対してクロアは迷わず答えた。
『指差して笑うと思う。無様なヤツ、ってね』
インフェルは『大切な人』が誰とは言わなかった。けれどクロアはそれをルカでも
クローシェでもココナでもなく、アマリエのことだと受け取った。無自覚に。
「そう。きっと馬鹿という生き物はあなたの頭脳でも解明しきれるようなものじゃないわ。
そして、だからこそ……」
「世界をも変えていくかもしれない……。ただひとつの心残りだわ。一度くらい馬鹿の
研究をしておきたかった……」
「そう……」
「もしも……私が消えても魂が残るなら……ネネシャと一緒に見守っていくわ。あの
ふたりがどんな風に世界を変えるのかを。だから、ミュール。あなたは……」
「ええ、私は生きて見届ける。そして……叶える」
「おはよーございまー……すって、どうしたんですか?ふたりとも?」
ルカとクローシェを起こすため、寝室にやってきたココナは驚きの声をあげた。なぜなら、
朝っぱらから御子ふたりはテーブルを囲み、その上にはお茶の道具が用意されていたから。
さらに問題のふたりが、
「ふぁ……。おはよう……ココナ……」
「おふぁよー……」
全身全霊を持って「私達はロクに寝てません」と表現していたからである。
「えーっと……」
固まってしまったココナにクローシェが事情を説明する。
「実はね……。もひも、また失敗ひたらろうしようとか……考えていたら眠れなくて……」
「そぉ……。それれ……落ち着こうと思ってお茶を飲んれはんらけろ……」
ろれつもまわっていない言葉をココナは先読みする。
「それでも眠れなかった。と?」
その問いにふたりは頷いた。
「あのー……まさかとは思いますけど……結局徹夜した……なんてことは……」
どうか否定してくれますように、と思いつつもココナが恐る恐る口にした言葉に
返ってきたのは……残念なことに先ほどと同じリアクションだった。
「……」
「……」
「……。と、とにかく!窓開けますね!朝の空気でも吸って元気だしましょう!」
ココナは気まずい沈黙を振り払うように言うと窓を開ける。
「あれ?なにか聴こえる……」
澄んだ空気に乗って聴こえてくる音があった。
「音楽……?この曲……どこかで……」
「あ、このメロディ!メタファリカだわ!澪の」
「そうだよ!あの時レイカがみんなの前で謳った……」
やがてルカがゆっくりと頷く。なにかに気付いたように。
「うん。大丈夫だよ、きっと」
「お姉ちゃん?」
「確かに……前に謳った時は失敗だった。けど、あの時はふたつのメタファリカが
そろってなかった。それに……」
「それに?」
「あの時は一人ぼっちだったから……。私も……レイカも……」
「あ……」
「だけど、今私にはレイカがいる」
「そして私にはお姉ちゃんがいる……」
「うん。それに……お母さん、ココナちゃん、フレリア様、ううん、それだけじゃなくて
メタファルスのみんなが……一緒に謳ってくれるから」
「そう……だったね……。よし!そうとなったら……まずは目を覚ましましょう。ココナ、
シャワーの用意を」
「はーい!」
「レイシャ?」
レグリスは大鐘堂の廊下で意外な人物を見つけていた。
「レグリス?おはよう」
「ああ、おはよう。めずらしいな、どうしてここに……。ああ、クローシェ様達に会いに
来たのか?」
「ええ。余計なお世話でしょうけど、もしかしたら緊張しているかも、と思って。
だったら少しでもリラックスさせてあげたいって思ってね。思い上がりかしら?」
「いや、おふたりともまだお若いからな。君が顔を見せれば力になるだろう。ただ、
少し早かったかな?まだ起きたばかりだろうが……まぁ君が訪ねる分には問題あるまい」
「そう、それなら……少し話さない?」
「俺と?」
「ええ、あなたと落ち着いて話すのなんて……アーシェ様のもとにいた頃以来でしょ?」
「そうだったな。あの時……君と先輩が連れて行った子がもう19か。俺も君も歳を取る
わけだ……」
「あら、私は今でも若いわよ?」
「そ、そうなのか?」
「どうして疑問形なのかしら、ね?お姉さん、て呼んでくれる娘もいるのに」
「……っ!」
その時確かにレグリスは感じていた。幾多の死線を越えてきた自分でさえ怖気立つほどの
殺気が、目の前でにこやかに微笑むレイシャから立ち昇るのを。
「と、ときにレイシャ。メタファリカの後はどうするつもりだ?」
強引に話題を変えると同時にその気配は雲散霧消する。
「とりあえずは、約束を果たすわ」
「約束?」
「そう。あの子達との約束」
「そうか」
レグリスも深くは聞かなかった。レイシャの幸せそうな表情がなによりも雄弁に語って
いたから。
「それで、あなたは?」
「大して変わらないさ」
「そうなの?」
「ああ。……一切の悲しみが無い世界など創れない。夢の中でもなければ。そんなことを
言った奴がいた。あのおふたりが創るメタファリカはきっと素晴らしいものになる。だが、
それでも今の世界で起きるような問題は無くならんだろう。ならば、それを解決、いや、
未然に防ぐ。そうすることで少しでも理想の世界に近づける。それが俺の役目……いや、
俺に出来ることだ」
「ふふ、いかにもあなたらしいわ。本当に変わらないのね。昔から」
「生憎と石頭なんでな」
「あら、褒めてるのに」
「あの、ね。シュンちゃんにお願いがあるの」
「どうしたんだ?改まって」
「うん。今日のメタファリカなんだけど……。もしも……400年前と同じことに
なったら……」
「それは……」
400年前……インフェルとネネシャが失敗した時。人々の想いが十分な力にならなかった。
その不足分を補うためにフレリアの力を奪うことになり、その結果神と人の戦争が起きた。
「もし……そうなったらね、それでも止めないで欲しいの」
「メタファリカを、かい?」
フレリアは小さく頷いた。
「それは出来ないな。いくら君の頼みでも」
「シュンちゃん……」
「それに、その必要もあるまい」
「必要が……無い?」
「そう。僕は確信しているよ。今回は成功すると」
「あ……」
「君はどう思うんだい?フレリア」
「ゴメンね……。おかしなことたのんで……」
「いや、気にすることはないよ」
「じゃあ、別のお願い」
「なんだい?」
「私も……オリジンじゃなくて……ひとりのレーヴァテイルとして謳いたい。だから……
シュンちゃんも一緒に……」
「ああ、お安い御用だ」
アルシエルの新しい一日が始まる。様々な想いが駆け巡る中で。
目の前で奏でられる『メタファリカ』を聴きながらクロアは思う。
シンシアが造ってくれてるという義手。完成したら、その時は……真っ先に拍手をして
やろう。
目の前の相棒に。
良い曲だったぞ。
と。
終わり
長々と書いてきましたがこれで幕です。
しっかし、書いててかなり以外だったな。アマリエが。
最初はクロアを引き立てるというか「見た目クールで中からっぽ」を引き出すために
相棒を消去法で選んだはずだし、(ルカ、クローシェ、ココナはクロアにとっては護る対象
レグリス、犬、ジャクリもなんか違う気がしたので)ダシくらいにしか思ってなかった。
それが書いてくうちに勝手に動いてやたら男前になってしまいました。あげく自分まで
アマリエを好きになってしまうし……。
ともあれ、読んで下さった方々、ありがとうございました。
リアルタイム遭遇キターーー!
毎回楽しませてもらいましたが最後の最後までGJでした。
今回も爽快な話だなーと思ってたら・・・あの迷コンビがツンデレですと?
転げまわっちまったよ。ラストはしんみりで読後感もよし。
この後はクロアにほめられて赤面するアマリエが見えた気がしたんだが気のせいか?
やっぱアマリエはサイコーだぜ。
先のことすぎるのは承知だがVがでたらこの話前提でVの話も是非に!
406 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2008/03/28(金) 19:51:19 ID:bMKL44Vs
407 名前: 名無しさん@ピンキー [age] 投稿日: 2008/03/28(金) 20:15:25 ID:bMKL44Vs
IDに関してはよくあることなのかどうか知らないし真偽を判断する術はないわけだが
それとは別にしても次は作品を発表する場所を選んだ方がいいと思う
それでも「GJ!!!」と言いたい
まあ、エロパロにエロが無い話を書いちゃいけないって決まりは無いし良いんじゃね?
パロにはなってるし
あと、アマリエの演奏したメソメタを聴きたい
誰かニコニコかYouTubeでやらないかな?
ひさしぶりに清々しいまでの自演自爆を見たな
すると今までもずっと自演してたってわけか
エロはないにしろ結構良かったのに最後の最後で評価下げたな
しかしなんでバレないと思ったんだ?
勿論バレる事はわかるハズ
バレるならやらない
俺はたまたまという結論にするけど自演クサイ
今までID被った事がなかった方が不思議なんだが
エロパロって特別被り難いのか?
自分の経験上ID被りはごく稀にみるけど、
お世辞にも人が山ほど居るわけでないこのスレで起こるほど頻繁じゃないよ
擁護すればするだけ自演臭が濃くなるだけだし、
真実は本人しかわからない上に匿名掲示板で本人証明は不可能だ
それにあまり突っ込むと職人さんが「GJきてもどうせ自演だろpgr」と言われることを
嫌がって来てくれなくなるかもしれない
今後はもうこの件に関してはスルーがいいんじゃないか?
せっかくまったりとしたいいスレだったからもったいない
……俺はぼんやりと、今日のやり取りを思い返した。
ボンベルタン厨房での会話は、確かこんな感じだった。
「だからね、ここはもっとPRするべきだと思うのよ!」
立って熱弁する空猫を前に、遠い目をしながら丸イスに腰掛けている俺とルカ。
げんなりしながらも一応相手にしてみる。
「……一応聞くが、空猫は何について力説しているんだ?」
「だ・か・ら! 今アルポータル公式で行われている人気投票の事よ!」
「ええと、あれはFLASHコスモスフィア2では誰の話が見たいのかっていう投票で、
別に人気を争っている訳じゃ……」
「先輩は絶対1位を獲るべきだわ! 世の中はまだ先輩の本当の魅力に
気付けていないだけなのよ! だからちょいっとアピールしなきゃ!」
「………もうどこから突っ込んでいいか分からないな」
「ネタになるならなんでもアリなのよ」
さらりと禁断の言葉を口にした後、こほんと咳払いをしてから空猫は揚々と言い放つ。
「だからこういうのはどうかしら?
先輩がラッピングリボン姿で色っぽく『い・れ・て(はぁと)』って言うの!!
あぁっ……想像しただけで何かが出てきそうだわ!!」
何かとはなんなのか。
空猫の眼がヤバイ色を帯びてきた気がする。隣を見れば冷や汗のルカ。ドン引きだ。
「ねぇっ! いいアイディアでしょ? これなら女に餓えた狼どもはこぞって
先輩に入れまくってくれるわよ! ねえクロア君!」
「もう少し言葉を選べよ、空猫。それと俺に振るな」
「ええっと……。あの格好は寒いし、ちょっと着るのは恥ずかしいよ……」
ルカは空猫を刺激しないように、言葉を選びながらお断りの意を伝えようと
しているみたいだ。だがそんな弱い言い方で暴走中の空猫を説き伏せられる訳もない。
「何言ってるのよ先輩! いつも露出度としては大差ないカッコしてるのにもう!
はっきり言ってラッピングリボンの方が身体に接着する部分も多くて、
風邪ひかないんじゃないかと思うわよ!」
「……まあ、それは確かに見ていて一理あるとは思うが」
「え、ええーっ!? クロアったら私の衣装、そんなふうに思ってたのっ?」
何故かここで、ルカが怒ったような声を上げた。
「それって何だか着てる、っていうよりかぶってぶら下げてる、って感じだしな。
ルカだって別に趣味じゃないんだろう? 平時は私服でもいいと思うんだが」
ルカの衣装は可愛いと思っていたし、正直なところ鮮やかな生地から垣間見れる
その細い身体に、眼を奪れる事も度々ある。態度に出ないよう鉄の心を徹しているが。
だからこの台詞は、普段くらい好きな服を着たらどうだ、という意見の積もりだ。
だが、ルカは非難がましい眼をこちらに向ける。そしてぽつりと一言。
「……やっぱり、クロアって枯れてるよ、ね…………」
「やっぱり何と言っても、艶やかな肢体にリボンが巻かれてるのが
この衣装最大の萌えポイントなのよ! 男なら落ちるわよねクロア君!」
「だから俺に振るな」
……後はただ、取りとめなく空猫と言葉の応酬をして(会話にはなっていない)
逃げる様にボンベルタンを後にしただけだ。
そして宿でルカと別れて今に至る。他には特に何も無い。思いつくのはこれだけだ。
だから、今起こっている事の理解に苦しむ。そう、俺の目の前には―――
ルカが生まれたままの姿にラッピングリボンを巻いて、立っていた。
顔も身体も、まとった紅のリボンに染まるように薄紅色を帯びている。
滑らかな肢体の輪線が、部屋の照明に曝され白く光る。
俺の眼には、眩しすぎるくらいだ。
「……ク、クロア……」
恥ずかしいのだろうか、吐息を震わせながらルカが俺の名前を呟く。
その瞳は、かなり思い詰めているようだった。
そういえばあの後、ルカは極端に口数が減っていた。
きっと空猫や俺の言葉で、悩んだり惑わされたりして、結果血迷ってしまったんだろう。
ほんの少し、ルカに申し訳なくなった。
「クロア……お願い。わ、私に……挿れて………?」
今日ほど、空猫の突拍子もない言動に感謝した事はないだろう。
ルカに二度目は、言わせなかった。
「―――おいで、ルカ」
恥ずかしさで気絶しそうになっているルカの手を引いて、
ベッドの上で彼女を優しく拘束する。
「……――んっ、ぁあっ、ひあ……ぁあんっ!」
―――リボンはすぐにほどかれ、ルカと俺は深く絡まる。
駄ネタ完
色んなイミで下ネタすいませぬ
ある意味エロパロにふさわしいかと
反省はしていない
ありそうでなかったプレゼントリボンがキター!
小道具の使い方とかおいしすぎだGJ!
しかしぼかされてるはずなのに最後あたり妙にエロいな。
成る程。だから「駄ネタ」かw
だがそれがいい。それでいい
GJ!
さてルカに挿れて…いや投票してくるか…
420 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 05:34:48 ID:/EH90+FD
ところでクロアってエロアニメに出てたりする?
(声優的な意味で)
ほ
そもそも遊佐ボイスは無駄にえろい
視線が絡まる一点は酷く淡いもので満たされていた。
真下にいる彼女の目が潤んでいるのは気のせいだろうか。
ミュールはクロアの首に腕を絡ませ密着した。離れたくない。このまま彼に侵蝕されたい。
積極的なミュールにクロアは少々戸惑いつつも、滑らかな絹肌を撫でた。首に腕が廻っているので彼女の耳下あたりに唇を這わす。
そのまま耳を甘噛みし、リップノイズを響かせた。
「…っ、は…」
堪え切れずに彼女が甘い息を漏らした。
適度に熱くなる身体は血液の循環を良くしているんだろう。色んな細胞が反応して活発になる。相手を感じたくて。
クロアはするするとミュールの腕を抜け、月明りの下の顔を見つめる。甘くて切ない眼差しは切実に自分を求めているようで、また愛おしいと思ってしまった。
赤く熟れた唇を味わって、鼻から抜ける甘美な音に心を揺さぶられ、髪を撫でて、彼女を欲した。
小さな胸に唇を寄せ、もう一方を掌で愛でる。
稚拙ながらも丁寧な愛撫に意識がふんわりとなる。
「あ…ん、ぁ…っ」
甘い声を発する唇を塞ぎ、歯列をなぞり、中に眠る舌を誘い出す。
唇を舐め、最後に口角にキスを落とし、そこから下へと這っていき、腰骨辺りにキスを落す。
そこにまた痕を残しながら、右手は子宮の上を撫で、太ももの付け根をゆらゆらと。
クロアはミュールがじっとりと汗を掻いて艶かしく首筋に黒髪を貼らす姿を見る。
「ミュール…」
「クロア…んっ…」
濡れた声はクロアの理性を激しく揺さぶる。再び胸へ唇を戻す。
「あ…、っ、ん、ァっ…」
一々反応するミュールを弄ぶように何度も吐息で湿らせる。色づいた肌はこの上なく美しい。
右手の指がゆっくりとミュールの間を撫でる。しとどに濡れたそこを撫でるたび、粘着質な水音が響いた。
「っ、…クロア…」
指が、周りに毛も生えていない割れ目の間を割って入っていく。
小さな唇から声が溢れた。慣らすように、優しく繊細なタッチで中を撫でる指の感覚に踊らされる。
陰唇の上の突起は硬く勃起し、天上を仰いでいる。クロアはそれに触れ、撫で上げた。
「はっ、ぅ…っ!、……ぁ…!」
突拍子もなく手に入れた体の中心から頭の先へ駆け抜けていく明確な快楽を、ミュールはとても享受することができなかった。
とても、心地よいでは済まされない肉体的快楽の、本質に触れるのがとても、怖い。そしてとても、とてつもなく、この上もなく。
感じた。
「わっ、悪い!痛かったか…?」
「ち…ちがう、わ。すこし、びっくりした、だけ…よ」
「そ、そうか……」
クロアは先程よりも顔が紅潮し、ミュールもミュールで固まったままだ。
…いたたまれない。我慢できなくなって、もう一度、熱いキスをした。
「んっ…ふ……ぁっ……」
離れるクロアの首をミュールの腕が引き寄せて、抱きしめるように深い口付けを。
口の端が唾液に濡れるのも厭わずに、深くクロアを求める。
中断しかかった行為も、再び熱を帯びてきた。
紅潮した頬で訴えられる。熱を含んだ視線も同様。
「あ、あァ…っ、ん、ふ…っ、クロアぁ…!」
「入れる、ぞ?」
「…きて、クロア…」
その言葉を合図に、酷く美しいそこを貫いた。
「っ…、……ッ…!!」
固く瞼を閉じたミュールの表情が苦痛に歪む。
必要以上に傷つけないよう細心の注意を払いながら、ゆっくりと抽迭を開始する。
「っあ、んっ、ぁ…!ん…、」
忘れたころ丁度よく奪われる唇は、ミュールの汗や唾液で濡れて赤くなっていた。
動けば動くほどに深まっていく、そんな感覚が自分たちの身体を麻痺させる。
広がる想いも、不名誉で形の無い劣情も、脳が認識する目の前の光景も、今すべてを共有し交わっている。
その事実が堪らなく嬉しくて切なくて、互いに鳴りやまない心で求めるだけだ。
「ん、ぁっ、ァ、ぁあっ…ん、ハっ…ぁ、ク、ロア、もう…っ!」
いやいや、と首を振り、もうかなり潤んだ瞳からは涙がぽろぽろ溢れる。裏腿に半透明で粘着質のものと鮮血が伝っている感触を、いやというほど感じ取る。
「…っ!」
殆ど同時に彼も耐えられずに限界点を迎えてしまった。
強烈な快感に、意識が飛びそうになる。
「あ…っ、あっ、クロア…っ!」
「ッ…ミュール…!」
それを最後に全身の力が抜け、ベッドに深く沈みこむ。
「はぁ…、は…、ぁっ…!」
呼吸は調整を続けるのに必死でまだ正常を保ててはいない。
倦怠感からくる空を舞っているような感覚の中、彼の腕の中にいることを感じる。
ひどく安心しきっている自分に気付いて、また恥ずかしくなった。
目の前でむき出しの肩口に頭を落として息を吐く。
クロアと触れている部分が強く鼓動を打つ。
息を整えたはずなのに酸素が足りない。
体が熱い。
クロアは腰に当てた腕で体を引き寄せた。頬から髪を巻き込みながら手を滑らせ、後頭部のところでゆるく深く掴む。
少し開いた唇にゆっくりとキスをした。
心から、大切に思う。
「Was yea ra melenas..,
en yanje yanje.. eterne pitod yor..」
というわけでミュール初物語でした。
最後のヒュムノス語。気付いた方もいるでしょうが、アレです。
一応訳は「好きです、あなたが…ずっとずっと傍にいたい」となります。
本作はこれを入れたいが為に描いたような(ry
どっちが言ったかはご想像にお任せします。それでは、お目汚し失礼しました。
普通にGJ
さりげなくGJ
ヒュムノスGJ!
クロアには意味解るのかな?
勉強したみたいだしわかるんじゃね?
435 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 14:57:43 ID:PLpNUcyv
空アゲすんなよ
クロアはむっつりだからクローシェさまにブルマはかせてえっちしたり
ルカに裸エプロンだけつけさせていやらしいことしたり
全裸ニーソックスのジャクリを美味しく頂いてしまったりしてるはずだ
変態度にしておよそ3
通院の必要は無いですね
ぞうだな
クローシェに溶かしたバターを丁寧に塗りたくってイカせたあと、
今度は丁寧に舐めまわしてもう一回イカせたい
とか思ってる俺に比べれば全然正常だよ
保守
441 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 16:08:54 ID:TX/cIHvp
なんかSSでも投稿しようと思ったけどここ、寂れているなあ…………
俺、何でも書けるけど要望ある?
ノノちゃんのどきどきセラピ日記で
クロアのクローシェさまらぶらぶ調教録を希望
ルカがダイバーズセラピの客にいかがわしいことされてしまう話希望
シンシアのクロア問い詰め逆レイプで
ノノちゃんの話は俺も見たいな
シンガーエンジェルの触手陵辱
ライナー×ハマで
まてまてみんな、そいつはシュレリア様スレとミュールスレを荒らしている奴だから構うなよ。普通に
ここのみんなってキャラスレやら本スレには顔出さないものなの?
クロア×クローシェ
453 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 16:28:12 ID:e/NWiYva
ほ
し
どうかクロア×クローシェで
たるが×くろあき
ダサカコイ×ラクラ
のどっちかがいいです
>>442 さっさと書けよ、アルトネリコ?ぶつけんぞ
荒らしにすらすがるこのスレもうダメポ
459 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 00:01:02 ID:p0Kw41kJ BE:1051008375-2BP(0)
エロパロ職人だしここなら問題なくね?
今までのキャラスレでのエロパロに問題があったんだから。
主人公はアキラ禁止だが
460 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 06:06:49 ID:QhHgTSQ+
アキラ死ね
462 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 22:35:22 ID:2OE/4t1I
保守
463 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 23:17:00 ID:2OE/4t1I
「ライナー…気持ち……い…あっ、ひぁっ……」
「彌紗……すごく可愛いよ………もっと見せてくれ…チュッ…」
「ライナー////……ん…んむっ……ちゅく……!!…んふっ!?…んんっ///…ぷぁっ……ライ…ナ///…そんな…んっ…んんーーーーーー////!!」
〜翌日〜
コンコンッ
「ライナー、ちょっといい?」
オリカ宿会話「真夜中に何してたの?」
「ライナー…昨日あんな夜遅くに何してたの?」
「え?……あ、えっと……み、彌紗と話してたんだよ…」
「ふ〜ん……そーいえば昨日彌紗ちゃんの体を小さくしに行ったよね…」
「うぐっ……あ、ああ」
「私も子供の姿になれたら…」
「え?」
「もう…ライナーのロリコン!!」
「ふぐぁ!!!」
この後、シュレリアの宿会話〜昨日はうるさくて寝れなかったです〜と彌紗の宿会話〜昨日は……////〜が待っている…
初めての投稿…ヘタクソですいません…
混沌とした流れの中の救いGJ
465 :
とりあえず場面は瑠珈CSLv4 と言うことで【1/3】:2008/05/05(月) 10:02:55 ID:Zs4uflVY
叩く
叩く叩く
叩く叩く叩く!
とりあえず万感の思い―とりあえず怒りを抱きながらクロアはルカの尻を叩く。
「ふぁっ…ぁん…ああっ!」
叩かれる度に身をよがらせ恍惚の笑みを浮かべるルカ。
軍服を彷彿とさせるのにボディラインだけが水着のような服装―アサルトペインだったか―で、むき出しになった尻はすでに無数のクロアの手形で赤く腫れており、水着のような下着のような場所からは透明な雫石が内股を伝って垂れ流しになっている。
「ルカ、お前はついさっきクローシェ様に『普段Sっぽく振る舞う人間は潜在的にM』って言ってたよな?」
「いってましたぁ…」
「じゃあ普段から献身的でMっぽいのに、ここコスモスフィアでも尻叩かれてよがってるルカは真性のMなんだよなっ!」
渾身の力でルカの尻を叩くクロア。
「ふゃやあああんっ!」
ヒットした瞬間ルカは大きくのけぞり、股間の辺りから大量の愛液を噴出し、苦悶と快感の入り混じった笑顔を浮かべる。
エロなしでもアリ?
467 :
とりあえず場面は瑠珈CSLv4 と言うことで【2/3】:2008/05/05(月) 10:15:07 ID:Zs4uflVY
事の顛末は言わずもがな。
ルカ主催『くるるくの実集めゲーム』にてルカ優勝、クローシェ最下位という結果、ルカがクローシェを奴隷のように扱ったために起きたことだ。
『ルカ!クローシェは世界で最も尊い方なんだぞ!それをこんな…』
『ゲームのルールなんだよ?仕方ないじゃない。…まあクロアはクローシェ様の忠犬だから仕方無いよね。犬なら犬らしく尻尾降ってたら?』
『!…上等だよ。なら犬らしく飼い主の危機に立ち向かおうじゃないか!』
『え?ちょ…きゃああ!』
「犬にイカされるなんて心底変態なんだなルカ。こんな変態が世の中に出たら迷惑だし、俺が孕ませて一生飼い殺しにしてやるよ…」
「はぃぃ…クロアのせーしではらんで…一生クロアのいぬになりましゅ…」
すでに快感により呂律の回らないルカの下着を剥ぎ、自身の怒張をルカのそこにあてがう。
既に潤った其処は前戯を必要としなかった。
「ひああぁああっ!」
挿入されまたも体が弓なりにのけぞるルカに構わず、体の奥を突きまくるクロア。
そのたびに接合部からは淫らな水音が周囲に鳴り響き、傍らのクローシェやココナにも劣情を催させる。
468 :
とりあえず場面は瑠珈CSLv4 と言うことで【3/3】:2008/05/05(月) 10:26:53 ID:Zs4uflVY
「ま…ったく、可愛いんだよルカ!お仕置きなのにそんなに悦んで!俺にこうされたくて暴言吐いたんだろ!?」
「う…んっ!そうだ…ひゃあっ…そうだよ…っ!クロアに滅茶苦茶に犯された…ぁあああっ!」
「可愛いイヌだなっ…!やっぱり飼い殺し決定だ!…孕ませてやらないと…」
「ふぁあっ!ありがとうございましゅううっ!」
ルカの頭を地べたに抑えつけ、後背位から貫くクロア。
ルカの口から溢れ出し涎と、下の口から溢れ出した愛液で地面が湿ってゆく。
そしてクロアのモノがルカの一番奥に達した瞬間、大量の欲望を吐き出し
「ふゃっ、あ、ああああああぁあんっっ!」
快楽と至福に満ちた、これ以上無い笑顔でルカは果てた。
クロアがルカの中からモノを抜けば、下の口からは愛液と入り混じっても尚濃さを失わない精液が、ごぼっと音を立て溢れ出してきた。
そしてクロアは焦点の定まらない目をしたルカの唇を奪う。
「これからルカは俺の飼い犬兼お嫁さん、だな」
「うん…不束者ですが、よろしくお願いします…旦那様ぁ…」
【完/オチに続く】
469 :
とりあえず瑠珈CSLv4【オチ】会話のみ:2008/05/05(月) 10:54:04 ID:Zs4uflVY
「まあとりあえず分かったのはクロアがSM両方イケるってことだねっ」
「待て」
「あら、そうではなくて?ルカを虐げていたあの表情、実に悦に入っていた様に…」
「うわー。ココナ、クロとのつき合い方考え直そうかなー」
「クローシェ様やココナも待て」
「まあ私だけ犯られっぱなしもシャクだし、クロアに仕返ししよっかな…」
「な、なんだその器具は…」
「クロアの装備GETー!」
「ルカ!俺の鎧を脱がすな!」
「さあさあ拘束具をつけましょうねー」
「くっ…!装備さえあればこいつらなんか…!」
「よかったじゃない。装備のせいに出来て」
「くやしい…でも感じちゃう…!」(ビクンビクン)
「あれ?隠されたハーモニクスゲージに当たっちゃったかな?甘いバーステックがいつまでもとれないでしょ?」
「らめえぇぇええ!」
特にオチになってないが完
今まで閲覧ありがとうございましゅううっ
クリムゾンww
GJ
ちょwオチがクリムゾンww
しかしSルカとMルカを味わえてGJすぎると言わざるをえない
これからの書き込みも待ってるぞー
472 :
まあとりあえず予告でも:2008/05/05(月) 18:53:37 ID:Zs4uflVY
遥か未来
メタ・ファルスはいつ崩落するやも分からぬ土地と、「神聖パスタリア政府軍」による統治により疲弊していた。
そんな中、パスタリア統治の大鐘堂学園に通うクロア・バーテルはとある少女「瑠珈」と出会い、詩を力にする力『ハーモニウス』を手にする。
「クロア・バーテルが命じる!貴様等は死ね」
理想の国家「メタファリカ」を作るため、そして妹ココナが平和に暮らせる世界を作るため、クロアは今反逆を決意する―!
コードガスト
反逆のクロア
ごめんなさいやってみたかっただけなんです
反省も後悔もしています
一応続きも書くつもりです。
やたら運動能力の優れたタルガーナですね。
わかります。
ところでココナが初潮を迎えてクロアがあたふたするお話はまだですかー?
前スレの終わりの方にクロア×ココナの純愛エロがあったような
でも保管庫にもあがってないしー うう、読みたい
>>473 「うう…どうしよう…」
夜中のことだった。一日が無事に終わり、明日もまたクロアと一緒に騎士隊の仕事をして…そんなことを
思いながら眠りについた夜。ココナはふいに自分の大事な場所が湿っていることに気がついた。
――まさか、お漏らし?
どうしようもない羞恥心がココナの頬を熱くする。隣のベッドで眠るのは、誰よりも大切な義兄。
知られたくない、ただその思いがココナの中を駆け巡る。もし、知られてしまったら?
そんな最悪な想像をする一方、頭の中ではどうやってこの事態を切り抜けるか冷静な自分がいた。
――確認、しなくっちゃ。
そう思い、確認のためとその場所へそっと手を延ばす。
「……っ!」
確かに、そこは湿っていた。しかしパジャマは湿っておらず、普通の手触りだった。
――ちょっと、出ちゃっただけ…かな?
それなら下着を換え、こっそり濡れた方を洗っておけばばれないだろう。
そう考え付いたココナは眠るクロアを起こさないよう、こっそりとトイレへと向かった。勿論、片手に替えの下着を持って。
しかし。
「血…?」
下着に付いていたのは、やや粘性の赤いもの。そこでココナはふと思い当たる。
『ココナちゃんて、”まだ”だったりするのかな?』
以前知り合ったRTのお姉さんの言葉。”まだ”の意味がわからなかった自分は、それこそ一から十まで教えてもらった
ことがあると。
「生理、って……こういうこと?」
とりあえずこれで我慢してくれ(´・ω・`)
>>474 GJ!
やっぱり女の子と同居してればそれなりのトラブルがありそうな気がするのですよ。
どうなってんだ
新作?発表記念sage
保守
クロスエッジのことを言っているならそれは新作じゃない。
アルトネリコ3はまだまだ先だよなぁ。
481 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 19:14:00 ID:OAhBOIER
フレリアかわええ
………………え?
ああ、ココナのふとももを思いっきりつかんですりすりしたい。
ほしゅ
\(^O^)/今更だけど2クリアした
>485
さあ
クローシェさまのエロSSを書く作業に入るんだ
クローシェ様のネタって少ないよな。なんでだろ。
486が
ざまあ
に見えた
>>486 クローシェじゃないけどフレリアがお忍びで
下界に降りるネタが浮かんだ。
暇になったら書くかも
☆
何だろう。
ここでアルトネ3の妄想を書き散らしたい気がする。
493 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 07:50:58 ID:Wz/MoRNn
保守
494 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 15:58:11 ID:uc3HDLKk
ねぇここってパロだけの場合
投下するの厳禁?
>>494 保管庫いってみん、エロ以外もあるから。行ってみたら、投下する準備に移ろう。
>>495 一週間くらい待ってくれ
書くの遅いんだ。ごめん
保守
hほ
『瞬ちゃんは下で暮らしたことあるの?』
フレリアがそう言ったのはいつだったか。メタファリカが成功し、
ようやく移住の計画が固まり始めた頃だったと思う。
2人の御子の尽力もありこの世界は快方へと向かっていた。人々を疲労させていた根元は消え、
メタファリカが紡がれた今、
世界は喜びと活力に満ち始めている。
半数以上のリムを落とすことになってしまったがそれ以上に新大陸は広く大きかった。
僕は・・・こんなことをいうと落としたリムに住んでいた人々に申し訳ないが
リムを落とす事によりフレリアの力を使う事が減って嬉かった。
新大陸が出来てからのフレリアは元気そのもので、
以前より世界を維持する力を使う必要が軽減されたのがいいのかもしれないが
何より世界の新大陸への喜びと活力がフレリアを元気にしているのだと思っていた。
『ねぇ瞬ちゃん。下の人たちは毎日どんなことをしてるの?』
ホッとスポットの客室でゴロゴロとしながら聞いてきた。
以前はソル・マルタで色々と事務的な管理をしていただけだったが
最近第1塔の管理者と頻繁に連絡を取り合うようになってからその・・・
フレリアの生活は明らかに怠け者になり始めている。
『平和な時間は貴重だからしっかり休むの』
と言ってはいるがそれも第1塔の管理者からの請け負いだ。
いったい第1塔の管理者はどんなやつなのだろうか。
フレリアは「お姉ちゃん」と慕っているが
きっと自堕落なやつなのだろう。まったく。
『それでねー、お姉ちゃんはよくお買い物にいったりするんだってー』
『フレリアは何か欲しい物でもあるのかい?』
フレリアが欲しいものか、僕へのプレゼントならいいなと思ってしまう。
犬用の首輪だったら困るが。
『ううん。特にこれといってはないのだけど、実際に買い物なんてしたことがないから。
やってみたいなぁって。バイナリ野じゃ仮想現実だしね。』
ゴロゴロとしながら眠そうな声でしゃべるフレリア。
かわいいやつめ。思わず顔がほころぶ。そんな姿に見とれうっかり、
『パスタリアも夜なら人が少ないだろうから
買い物は出来なくとも街を散歩するくらいはできるよ。きっと。』
・・・などと言ってしまった。
僕が思わずはっとした時にはフレリアは立ち上がり
何やら決意したような顔で僕を見つめていた。
『さっすが瞬ちゃん!そうだよね!人が少ない時間なら下に降りても大丈夫だね!』
『ちょっ、フレリア。今のは例えばの話だ』
実際に降りるとなると問題が多すぎる。
塔の管理は一部ラキ達に任せるとしてもフレリアの姿は一目につきすぎてしまう。
以前・・・目覚めたばかりのフレリアが大鐘堂に世話になったときは
タルガーナとかいう男のメイドが周りのことは全てしてくれていたので
人目につくことは少なく助かっていたが、お忍びでいくとなるといくらなんでも人目につく。
それがフレリア神、自分達の世界の神であると気づかなくとも人々は目を惹かれるだろう。
しっぽとつのはテル族で見慣れていてもさすがに
羽の生えた美少女←重要はなかなかいないからな・・・
不埒な輩がいないとも限らない。
『フレリア・・・』
『ちょっとお姉ちゃんに下界に降りたときのこつとか聞いてくるね!』
・・・行ってしまった。どうしようか。
僕は今までフレリアを護るために動いてきた。
僕はフレリアが喜ぶことをしてあげたいと思うが
危険なモンスターから護る方法はゴマンと浮かぶがフレリアが
自分から楽しもうと計画していることを
『危険だから』という理由で辞めさせはダメなのだろうか。
―――下界に降りる事を嬉々としているフレリアに
そんな野暮な事はは僕には到底言えそうにない。
『ふぅ・・・まぁ今はフレリアの力もだいぶ戻っているし、大丈夫だろう。何より』
『彼女にはとことん甘いな。僕は。』
―――そう自分に言い訳することにした。
その日、クロアが大鐘堂からの
・・・といってもそのほとんどは移住に関わることだが・・・
の仕事を終えて帰る頃には深夜となっていた。
ただ彼は明日久々の休みであり彼の足取りは心なしか軽快だった。
そんな明日の予定などをとりとめもなく考えていたクロアの前に、
音もなくすっと一匹の四足獣が現れた。
『うわっ!・・・瞬?なにしてんだこんな所で』
いくら有能な騎士といえど月明かりの下いきなり獣が出てきたら驚かないわけがない。
もっと、彼は獣扱いを頑なに拒否するが外見は紛れもない獣である。
『く、クロア!?いいいところで会った。フレリア見なかったか?』
『どうしたんだ。かなり挙動不審だぞお前。』
瞬は耳を立て忙しなく当たりをキョロキョロと見ている。
クロアはなんとなく悪戯を見つからないか心配している子供みたいだと思ってしまった。
『フレリア様?こっちに来ていたのか?』
フレリアがわざわざ下に降りるのは珍しいことだが無いわけではない。
ただ普段は瞬がフレリアの伝言を伝えに降りてくるのでそうそうないが
稀に来るとなると大鐘堂からもかなりの護衛が派遣される。もちろん、
護衛が必要だとなるのならクロアにも指令が入るはずなのだが・・・
『フレリアをみていないのか?』
・・・話を聞いていない。よく見れば目も心なしか血走っているように見えないことも無い。
フレリアから目を離した瞬はこうなってしまうのか。これは何かの禁断症状なのだろうか。
正直普段冷静であった瞬がこんなにもフレリアフレリアと口走っているのを見ると怖くなる。
そんな軽いショックを隠しながらとりあえず聞かれたことには答える。
『いや、見ていないが。こっちに来ていたという話も聞いていないしな。』
『そうか。見ていないのか。』
そっけない返事。どうやら期待はされていなかったようだ。
会ったのも久しぶりだというのに
瞬はそれどころではないようだ。目が血走っている、正直怖い。
『待て瞬。そんなに困っているなら俺も手伝おう。』明日休みだし。
『そ、そうか。クロアはここの街の住人だったな。
土地勘がある人間が一緒に探してくれるとなるとありがたい』
瞬は砂漠でオアシスを見つけたような顔をしてそういった。なんだこいつ。
普段の余裕はどこにいってしまったんだ瞬。俺なんか悲しいぞ。
『それで、』クロアは最初にした質問をする『フレリア様がこっちにきているのか?』
『ああ。少し所用があってな。僕も一緒についていたのだがはぐれてしまってな。
塔の中ではぐれたのならすぐ分るのだが・・・』
『所用?』
神の【少し】の所用がどんなものなのかクロアには検討もつかなかった。
新大陸にかかわること?いや、それならこちらに委託されているし移住計画のことも瞬を通して
フレリアに伝えてあるはずだ。
なら世界の維持のことか?リムを落とす結果となってしまったとはいえ、塔が復活してから
フレリアの力はかなり戻ったと聞いていたのだが・・・
いや、それなら少し、で済まされる話ではないか。
『ああ、所用・・・といっても当のフレリア自身はかなり力を
入れて計画していたのだが』
そこで一旦瞬の言葉が途絶える。クロアには瞬の言葉を待つしかなく、
深夜ということもあいまって二人の会話が途絶えた深夜の街は
とても静かに感じてしまう。
その静寂に、言葉の続きを待っていたクロアは思わずどんな言葉が来るのかと身構えてしまう。
瞬がフレリアとはぐれただけでこんなにも取り乱し、かつ神のいう『少し所用』なのに
力をいれて計画していたこと。何がくるのかさっぱり分らない。
と・・・
『フレリアの声が聞こえた・・・』
『は?』
いきなり顔を上げたかと思うとそのまま
『フレリアァァ!!!』
と叫びながら夜の街を疾走しだす
瞬。なんだあれ。瞬ってこんなだっけ?レキに改造でもされたのだろうか。
駆け出した瞬を放っておくわけもいかずに、追いかける。
クロアは、既に日付が変わり、
自分の休日が消化し始めていることに気付いていなかった。
『あれ?瞬ちゃんそんなに慌ててどうしたの?』
僕がフレリアがいる広場についたとき、フレリアは
―――たしか、ペペンとかいったか―――の何匹かとベンチに座って話していた。
『おおぅ!今度はでっかい犬が登場じゃん!?』
『夜のパスタリアは魔界じゃん!?』
なんだあれ。ひどい言われようだな。
『犬じゃないよ、私の友達の瞬ちゃんだよ』
フレリアがやんわりと訂正に入る。
『メンヘラ少女の飼い犬じゃん!?』
『でも犬なのに喋ってるじゃん!?』
な、い、今奴らはフレリアのことをメンヘラだと!メンヘラだといいおったか!
確かにフレリアは普段からおっとりした所があるが
断じて妄想に生きるメンヘラなどではない。侮蔑もほどほどにしろ鳥め!
神を侮辱するあの哀れな鳥に神の裁きを・・・
と意気込んでいるとフレリアがペペンから離れこちらに歩いてきた。
『どうしたの瞬ちゃん。なにかずいぶんとあわててたみたいだけれども』
『どうしたもこうも、フレリアの姿が見えなくなったのであわてて探していたんだよ。
フレリア。下に降りたらはぐれないようにと言ったじゃないか』
『えー私はちゃんと一緒にいたよ?少し目を離したら瞬ちゃんがいなくなっちゃったんじゃない。
もうだめだよ、自分から離れちゃダメ。って言っていたのにその瞬ちゃんが迷子になるだなんて』
―――ああ、ものすごく反論したい。僕は断じて迷子になってはいない。
フレリアと一緒に歩いていて、
『あ!あんなとこにぺペンがいるよ!ホッとスポットにもいるけれど、こっちにもいるんだね!』
と、言われたので一旦フレリアが指差した方向をみて、
『どこだい?』と返そうとフレリアのほうを
見ると・・・すでにフレリアの姿はなかったのだ。
フレリアが指差す→その方向をみる→声をかけようと振り向く→姿が消える
そんな短時間の間にフレリアがどこかにいってしまった
という事実を把握するのに一拍必要としてしまったが
急いで・・・というかかなり切迫して彼女を探したのだがぺペンがいる方に行ってしまっただけの
ようだったらしい。けれどそれなら視界に入るはずだし・・・
ううんフレリアはいったいどんな手を
もって迷子になったのか。振り向いたらもういないだなんてどう対策したらいいのか。困った。
反論したい気持ちと対策なんかを考えながら結局
『すまない。僕がはぐれてしまったようだね。大丈夫だったかい?』
と返しておいた。
フレリアは瞬ちゃんも久々の下界だからはしゃいじゃったんだね―もう迷子にならないでねー
といいながら、というか二人で行動していて迷子もなにもないだろうと思う。
『大丈夫だったよ。人には会わなかったし、この子達とおしゃべりしてたよ』
えへへ、と笑いながらいう。
そして、でねーと言葉を続ける。
『この子達ったら私がこの塔の管理者なんだよ、って言っても信じてくれないの。
なんかメンヘラーとか痛い子に会っちまったーとか言われちゃって。
意味はよくわからないのだけど』
なんというやつらだ、飛べない鳥のくせにずいぶんと毒舌だなおい。
まぁ確かにこんな夜更けに表れて私この塔の管理者なのーつい最近天界復帰したのーとでも言えば
・・・実際のところどんなふうに自分が神だと明かしたのかは
わからないがにわかには信じられないだろうなとは思う。
しかしまぁこの鳥畜生は・・・言い方ってものがあるだろうに
一瞬、頭に以前フレリアのバイナリ野で澪の御子があの着ぐるみを
楽しげに着こなしていたのを思いだしてしまったが
忘却させる事にする。あれは黒歴史だ。
でもフレリアがメンヘラだの痛い子の意味を知らなくてよかった。
今自分がどれだけバカにされているかわかっていないフレリアは相変わらずえへへーと笑っていた。
『おい!瞬!』
そんなとき、遠くからクロアが走って来るのが見えた。
彼は近くまで来ると歩いて息を整えながら
『瞬、どうしたんだ急に』
あぁ人間には聞こえなかったのか。
クロアと話しているときに風の流れにのって微かにフレリアの話し声が
聞こえたのでそちらに走ったのだが、
人間の彼にはいきなり走りだしたように見えてしまったのだろう。
『こんばんは。クロア』
『ふ、フレリア様!?』
おぉ驚いてる驚いてる。
会うのは初めてではないというのにクロアはフレリアに対していまいち態度がよそよそしい。
今まで信仰とまでいかなくとも、天界で[神]としているものだと思っていた人物が、
どうみても自分より年下の少女にしか見えない(羽生えてるけど)ことについて、
クロアは微妙にどう接すればいいか決めかねているようだった。
まぁこれは大鐘堂に保護されていた時からなのだが。
『クロアは迷子になってた瞬ちゃん助けてくれてたんだ』
フレリアがありがとーといいながら微笑みかける。
クロアが、
別に助けたというほどでは・・・ていうか迷子になってたの瞬の方だったのかよ、
と言う前に瞬が
『そうなんだよフレリア。迷っている間にクロアに会えてね』
微妙に白々しい感じで話す瞬。
ついさっきまでのあの瞬の取り乱し様を見ていたクロアは
あの取り乱し方はどうみても迷子になったやべぇ!よりも
フレリアがいない!フレリアがはぐれた!フ(ryというものだが
フレリアがもう瞬ちゃんったら急にどっかに行ったらだめでしょーと言ってるのを
見る限り微妙に湾曲された真実を聞かされているような気がしてならないが・・・
あの、二人で行動しててはぐれたら迷子もなにもなくありませんか?
という言葉はあえて言わずにおいた。
そんなこんなでクロアにとって第二の故郷とでも言うべき街、
パスタリアを案内しているクロア。
街の住人は深夜というとこもあいまってほとんど寝ている。それにともない、
クロアが今案内している通りも全くひとがいなかった。
まぁこんな時間に街を歩いている人間はほとんどいないだろう
とクロアは一つため息をついた。
ぺペンはおきていたけど。なんで起きてたんだあいつら?
『―――と、まぁこれでほとんど案内し終わりましたね。フレリア様、他にどこかみたい
ところがありますか?』
『うん、いっぱい見れて楽しかった。ありがとう、クロア。でもごめんね、
こんな時間なのにわざわざ案内してもらって。』
『いいえ。街の案内くらいいつでもいたしますよ。』
『ねぇクロア』
一呼吸おいてからフレリアが言う
『その様つけやめない?私はあんまり人にかしこまって話しかけられるの得意じゃないの。
もっと瞬ちゃんみたく気軽にはなしかけていいよ?』
―――うーん、とくだん神というこを気にしないように
話しかけていたつもりだったのだが気を使わせてしまっただろうか。
フレリアは普段おっとりしている印象が強かったが人の思いには敏感なのかもしれない。
『クロア、フレリアの言うとおりだ。フレリアは確かにこの世界の神だが、
そのことを強く強調してまで人と接していきたいいわけではない。
そんなにかしこまらないで、自然に接してほしい。僕からもお願いする。』
『そうか、ならそうさせてもらおうかな。
フレリア、他に見ていきたいところはあるかい?』
フレリアはうれしそうに笑いながら『うん!案内してくれてありがとう、クロア!』
と返した。
実際フレリアとこうして砕けた話し方で接しているのは今では僕くらいだ。
フレリアは(ずっと封印されていたせいもあって)
友達、というか知り合いが極端に少ない。まぁ神という役目についているので
しょうがないといえば仕方が無いが、
せめてクロアをはじめとする一緒にいたものたちくらいは
『友達』としてつきあってくれたらと思っている。
いや、ひとりだけ会った当初から呼び捨てていたRTがいたか。
というか彼女が他人に対して敬語なるものを使っているところを見たことがないな・・・うん。
フレリアは初めて対等にあつかって話しかけてくれたことが
うれしいのかにこにこしながらクロアと
話している。この調子なら二人の御子君たちもすぐにうちとけてくれるかな、と思う。
『ありがとうクロア、こんなことまで頼んじゃってごめんね。
さすがに普通の宿に泊まるのはむりそうだから・・・』
『べつにいいさ、ココナはジャクリにつれていかれたからな。
部屋とベットならあいているから。』
ん?
『瞬ちゃん!』
OH、なんだい我が愛おしきフレリア?
『今夜はクロアが家にとめくれるって。よかった、今夜はどうしようかと思ってたよ。
瞬ちゃんは大丈夫?』
はあああああああああぁあぁ!!?ちょ、ちょっとまて。
おい、そこの私服メガネ、そこに座れ。
『瞬はどうするんだ?フレリアの話を聞く限りじゃ、
お前は明日は予定が入ってるそうだがお前も家にとまっていくか?』
まて、僕が御子君にお願いすればきっとすぐにフレリアの友達になってくれるだろうな、
とか考えていた間になんてことを話し合っているんですかこの子達は。
『フ、フレリア、夜パスタリアの町を散策したら
夜のうちに塔に戻るのではなかったのかい?』
えーちがうよ瞬ちゃん、と口を尖らせながらフレリアは拗ねた感じで言う
『ラキたちには、塔の管理を一日よろしくね。
って言ってきたんだよ。一日は24時間だからまだ時間あるもん』
く、なんという屁理屈。これもあれか、第一塔の管理者の入れ知恵か。
『で、どうするんだ瞬、お前は『行くに決まっているだろう?クロア』
・・・なんか声が怖いぞ瞬』
なんてことだ・・・
そうか・・・一番危険なモンスターがこんなに近くにいたのか・・・そうか・・・
『瞬ちゃん?本当に大丈夫?明日はどこか行くところがあるっていっていたけれど
こっちに泊まっていっても平気?』
『ああ、心配しなくていいよフレリア。予定というのは少しエナに寄っていくだけなんだ。
朝早く行って昼には済ませられるよ』
『そっか、よかった。じゃあクロアの家にれっつごー♪』
『フレリア、街の人達は寝ている時間帯なんだから静かに頼むよ・・・』
クロア、きみだけは・・。きみだけは仲間だと思っていたが、
今夜なにかしでかしたらその考えを改めなくてはいけないかもな・・・
ふはは・・・ふはははあっはっははっはっはあ!!!
『瞬?どうしたんだ?また今夜会った時みたくなっているぞ?』
夜は更ける。
『クロアー?いるー?』
朝ともいえず昼には早い時間、クロア宅に訪問者の姿があった。
クロアの恋人であり、焔の御子兼、凄腕セラピスト兼、売れっ子の歌手であるルカである。
ルカは焔の御子兼、凄腕セラピスト兼、売れっ子の歌手という大忙しのなか
やっと調節できた休みを、恋人であるクロアと過ごしてそのまま泊まって・・・
と意気込んできたのである。
むろん、そのためにむりくり調節してクロアの休みにあわせて休暇をとったのだ。
しかし悲しいかなルカが休暇を取れたのはクロアには伝わっていない。
そのことを伝える前にクロアは昨日大鐘堂を出て行ってしまっていたのである。
夜遅くに押しかけても迷惑かも・・・と考えつつルカが眠気に勝てずベットに
突っ伏した昨日の夜。
ちょっと!ルカ!また私のベットで!しかも重い!下敷きにしないで!
とか聴こえた気がしなくも無いが気にしなかった。いつものこと、いつものこと。
本当はもっと早い時間に訪れてどこか行こうと思ってはいたのだがいささか
遅くなってしまった。
あのふかふかにのベットがいけないのが原因だ。あんなのに翌日は休みの日、
しかも疲れていたときたらおきるのがつらくなってしまうのは自然の摂理だ。
私は悪くないはずだ。たぶん。と自己弁護。
『クロアー?』
家に入ってみるもクロアはいなかった。きょろきょろと見渡してみるも
そこまで大きくはない借宅である。いるのならすぐに見つかるだろう。
『クロアー?』
一応台所も見てみる。しかし当然恋人の姿は無い。
『二階・・・?かなぁ』
にやり、とルカの口がいやらしく笑う。彼はいつも自分よりも早く起きてしまっている。
そんなわけで彼の寝起きの顔・・・しいては寝顔などはまだあまり拝んだことは無い。
これは一世一代の大チャンス、ルカは足音を殺しながら二階へと続く階段を上りはじめた。
『・・・・・・・・・・・』
案の定、クロアのベットは盛り上がり、人が寝ていることを示している。
しめしめ、とルカが唇が笑を形どるのを抑えきれずに階段のだいを最後まで上がりきった。
『・・・?』
クロアの隣のベット、普段はクロアの妹であるココナが使っているはずのベットに
誰かが入っている。
その小柄な姿からココナかとも思ったが、
ココナは現在ジャクリにいずこかへ拉致されているはずなので違うはずだ。
第一、ココナだとしたらジャクリの姿もあるはずだ。
ではだれが?考えたくはないが・・・まさか仲のいいシンシアちゃん?
いや、ここに来る途中に彼女の店に寄って働いているところを見ているのでちがうはずだ。
クローシェ様?いや、もっとありえない。レイカは自分なんかよりもっと忙しいのだ。
こんなところで寝ているはずがあろうか?いやありはしない。
『(きっと迷子になっちゃった娘とか、泊まるところがないからって泊めちゃったとか
・・・なんて、ね)』
まさかまさかと思いながらクロアの浮気相手(容疑者)の眠るベットの隣に立つ。
頭から布団をすっぽりかぶっているため顔は見えない。
かろうじて緑がかった髪の毛がみえるだけである。
『(クロアは私のこと全部見てくれたし、絶対そんなことはしないはず・・・)』
と心の中で今だ寝ているクロアをみる。本当ならゆっくり寝顔でも見ていたいものだが
それどころではない心境である。正直かなり動揺しています。
きッ!とクロアの浮気相手(暫定)に向き直る。
が、またそわそはしだしてクロアの方を見てしまう。
クロア・・・私たちいろんなことがあったけど、恋人・・・だよね?
はぁぁぁ、と長い息をはいてクロアの浮気相手(確定)の布団をガバッ・・・とはいかず
そろりそろりとめくる。もし起きてしまったらなんて言えばいいかわからないし。
『えっ?』
そこに寝ていた人物に驚いて思わず声を上げてしまう。
なんでこの方がこんなところで・・・?しかしルカが事態を自分の中で収集をつける前に
ある事実を目撃してしまう。
それはルカの、「私はクロアと恋人♪」という自信を根底から崩し去る威力があった。
『く・・・か、ぐは・・・なんてことが・・・』
ルカにはそう言ってよたよたとクロアの家から逃げ出すのが精一杯であった
同日昼過ぎ
『あら?めずらしいお客様ね』
瞬はスピカに会いにエナを訪れていた。理由はもちろん
『やあスピカ、久しぶりだね。ちょっと君の住んでいた第一塔のことで
聞きたいことがあったものでね。寄らせてもらったよ』
『ふふ、また懐かしいことを聞くのね。まぁ立ち話もなんだから店に入りなさい。
お茶でもだして・・・
あなたに出すお茶は何に入れればいいのかしら?』
『いや、おかまいなく。・・・だからおかまいなくといっているだろう!
にやにやしながら犬用の水飲みにお茶を注ぐのをやめろ!そんなことをしても
飲まんからな!絶対に飲まないからな!』
『あら、ざんねん。いい葉が手に入ったのだけれど、飲まないのね』
スピカが確信犯的な笑みを浮かべる。
瞬は話を聞きだすのは骨が折れそうだと、
スピカに聴きに来てしまった事を後悔してしまった。
―――『それで、重要な相談というのはなんなのルカ?あなたも知ってのとおり
私も貴方も休みはないも同然なのだからせっかくの休みをここで過ごす必要は
ないでしょう?』
と、暗にクロアのところでいちゃついてこいというクローシェ。
御子として、政治家として執務をしていたクローシェの所にルカから重要な相談がある、
という連絡がきたのは昼過ぎである。
やっととれた休み、姉は恋人のところに入り浸っているのだろうと思っていたクローシェは
そんな姉からの急連ということで急いで時間を割いたのであった。
まぁ時間も時間なのでお昼を取りながらでも、と思っていたのだが・・・
『う、ううううん!そ、そそそそうなんだけどね、れ、レイカちゃん』
目の前にいるルカはかなり動揺している。
目はそわそわと落ち着きなく、手にしているスープの
ぬいぐるみ(大陸完成後しばらくしてクローシェ自身が原案を出してファンシーショップに
売り込んだものである。現在ではケロッゴに並ぶ人気キャラクターとしてグッズ化されている。
もっとも、これがヒュムネクリスタル、
メタファリカであったことなどは民衆はまったく知らないのであるが)
を胸の前でぎゅぅぅっと握り締めている。今にもなかの綿がはちきれそうである。
ぎゃぁぁぁ、と今や自身と一体化したはずのクリスタルから悲鳴が聞こえた、気がする。
『どうしたのルカ?貴方らしくもない。
せっかく取れた休みなのだからクロアのところにでもいってくればいいのに』
『そ、そうなの!クロアの所に、クロアのところにね!いったん、だ、だけど!』
『うん、それで?』
もう会いに行っていたのか。しかしこんなになっているということはきっとクロアになにか
言われてしまったのだろうか。
口げんかではないかんじを鑑みるになにか恥ずかしいことでもされたのだろうか。
『み、みちゃったの!クロアのとなりで!』
『なにを?』
―――『裸Yシャツ?』
スピカは耳を疑った。職業柄、客の行ったことを一回で聞き取るのは得意である。
裏の取り引きではそうなんども聞き返すなど自殺行為である。
なので自分の耳には自信がある・・・なのに思わず聞き返してしまった。
『ああ。素肌の上にYシャツだけを羽織るのを裸Yシャツというのだろう?
フレリアがそれを聞いて・・・
『ふぅん・・・』
否定も肯定もせずにあいてに先を促す。
これはなかなかおもしろい話題がきたと、内心ほくそ笑んだ。
『第一塔の住人は就寝時は着物を一枚しか着ないで床につくと聞いてな。
それが本当なのかと思ってきになってな』
『それはだれから聞いたのかしら?ミュ・・・
ジャクリではないはよね。彼女、今放浪中のはずだものね』
ミュールがこの塔の守護者にこんなことを言ったとしてもここまで信じはしないだろう。
いったいこんなデマを吹き込んだのはだれなのか。
『僕はフレリアから・・・フレリア自身はお姉ちゃんと慕っている第一塔、
君の塔の管理者から下の人々のことを聞いた際にな。耳にはさんだんだ』
スピカは実際にここの塔の管理者には会ったことはないが、
おっとりした性格をしていると聞いている。
つまりこんな簡単な嘘を信じてしまう天然なのか。
ここを発つ前に一度話してみたいものだ。
『実際のところどうなんだ?やっぱりただの嘘だろう?』
あのシュレリア様も人をからかって遊ぶことをおぼえたのか。
実際裸Yシャツなんかで寝ている人間は第一塔には居ない。
もっとも裸にバスタオル一枚で戦うRTはいるし、裸Yシャツで戦うRTもいるので
一概にうそだといえないところが巧妙である。微妙に嘘でないところがいやらしい。
『そうね、確かに第一塔の住人は大体が就寝時に裸同然の格好で寝るわね』
『は!?本当だったのか?そんな非常識な地域があるだなんて・・・』
『それはカルチャーショックというものよ。自分だけの尺度で世界を見ていては
真実と嘘も区別がつかないわよ』
『しかし・・・』
あと一押しというところか、スピカは冷静に瞬の様子を観察していく。
クロア以上に冷静だと思っていたがフレリアの言うことは簡単に信じるようだ。
これがわかっただけでクロアより扱いやすいということがわかった。今日は
大収穫ね、とほくそ笑む。心の中だけで、だが。
『失礼な質問で悪いが、そうゆう君もその・・・件のようなかっこうで寝るのか?』
『ええ。むしろ、あなたはそんな人物とつい最近まで一緒にいたのではなかったの?』
『そんな人物・・・?』
『ジャクリ。彼女、むしろ眠るときに服を着るのすらめんどくさがっていたでしょ?
むこうの住人としてはあの反応が正常ね。
彼女の反応を見ていたのなら嘘だとは思いにくいのではなくて?』
『そうか・・・言われればたしかに・・・あれはそういう文化だったのか』
シュレリアが
『男の人の家に泊まるのなら服装は絶対裸にYシャツ!
これが最強の組み合わせですからね!』
と、力説してしまったのが湾曲して、まるで文化であるかのように伝わってしまった。
遠くに離れている地同士なら、それが正確に伝わらなくなってしまうのは
仕方が無いことなのかもしれない。うむ。
―――『で、布団をめくってみたらフレリア様が裸にYシャツだけでベットに寝ていたと』
こくこくと首を振るルカ。クローシェにとってはなかなか頭の痛くなる話題である。
まさか姉の恋人が浮気(しかも神と、裸Yシャツなどというマニアックなかっこうで)して
いただなんて。
『でもルカ、クロアに言って確かめたわけではないのでしょう?それなら・・・』
『でも、いつもならクロアが起きているはずの時間に寝ていたんだよ。しかも二人して』
スープ(むいぐるみ)を掴むてに更に力がはいる。表情だけは普通に保っているところを
みると、おそらくCSは恐ろしいことになっているのだろう。おそろしや。
『いくらクロアでも人間なのだから寝るときは寝るものでしょう?』
『でも、く、クロアは、旅をしていたときはいつもどんなときも
私より早く起きていたんだよ。
そ、そんなクロアが、がこんな時間まで寝ていたんだよ』
『そ、それは疲れていたらいつまでも寝ていたくなるものでしょう?貴方だって今日は
ずいぶんと遅くまで・・・』
ここまでいってからクローシェはこういう言い回しをしてしまったことを強く後悔した。
クロアは大鐘堂のホープであり今日の休みを抜かせばまた激務にもどるのだからいつもの
疲れを取るためにおそくまで寝ていたのだろう。と言いたかったのだが、今のルカの
心情ならば・・・
『―――やっぱり、昨日の、夜に、疲れるような、ことが、く、クロアにはあったんだ』
しまった・・・・一番いけない方向に思考がいってしまっている。
クロアに限ってそんな事は
あるはずが無いだろうとは、クローシェはおもっている。
が、クロアとて男性である。絶対なんていうことは言い切れないかもしれない。
『やっぱり、私に、魅力がなかった・・・のかな・・・』
嗚咽を含んだ声が部屋に広がる。相手に対して怒ってしまえるのなら簡単なのだが
ルカは自分に魅力が無いという考えに矛先が向いてしまったのか。
『やっぱり、胸、なのかな』
ルカが伏せ目がちにこちらをみてくる。
そのしぐさはクローシェの保護欲をエンジン全開にもって
いくほどの破壊力があったがなんとか理性を総動員させておさえる。
『べ、べつに大きいからいいというわけではないでしょう?(多分)
それにそれはそれで肩がこったり走るのに邪魔だったり・・・』
『・・・やっぱり!レイカだって慰めるつもりでいてけなしてくるんだ!うわぁぁぁん!!!』
『る、ルカ!?そういうつもりは・・・、そ、それにクロアの浮気相手はフレリア様だったんで
しょう?ならむしろ逆なんじゃない・・・?』
『・・・どういうこと・・・?』
『大きいのが好きな人もいるのなら小さいのも好む人がいるのでなくて?前にジャクリも
「貧乳はステータスだ!希少価値なんだ!」っていっていたじゃない。
もし本当にその・・・浮気相手がフレリア様だとするなら、・・・フレリア様は
控えめな体格をしていらっしゃるし、
もしかしたらクロアはそういうのが好みだったんじゃないのかしら?』
ルカが今にも握りつぶさんとしていたスープのぬいぐるみを横に置いて自分の胸に手を置く。
そうしてしばらく自分のものとクローシェのものとをちらちら見比べていたが、
『レイカは、私は微妙だって言いたいのね!
やっぱりバカにしていたんだうわあああああああああぁん!!!』
『ちょ、ちょっとルカ!そんなつもりじゃ、ってなんで胸の話題になっているのよ!
今話すべき内容はそこじゃないでしょうルカ!』
『う・・・もう朝・・・ってもうこんな時間か!』
クロアが時計を見たとき既に昼を大きく過ぎていた。
寝ていた時間としては普段とあまり変わりはないがいかんせん起きた
時間が遅すぎる。不断なば昼からの仕事ですら遅刻は確実な時間である。
昨夜、家に着くところまではよかった。
フレリアがお風呂を珍しがり、遅い時間ながらも風呂を沸かすところまではよかった。
が問題はその後、フレリアが寝巻きはYシャツ以外着ない。
といいはり始めたことである。
瞬てめぇ上ではどんな生活おくってんだよ、
ふ、フレリア一体どこでそんなマニアックな知識を、
羽が引っかからないように後ろに切れ込みいれてきたんだよちゃんと考えたんだからー
等など、そんな喧騒をへてようやく眠りについたのが既に朝日が見えてきた時間であった。
『・・・やっぱり、そのまんま、なんですね』
普段妹が寝ているはずのベットを見てみると
昨日議論の渦中となった格好のまま寝ているこの世界の神。
しかしこうして寝ている姿を見ているとただの少女にしか見えない(羽は生えているものの)。
自分の両手ですっぽり納まってしまいそうな小柄な少女を見ていていると、
この娘がいままでどんな思いで世界を維持していたのかと思う。
そして天界という誰一人訪れない孤独な場所で謳い続けていたことを。
昨日、友達として話しかけてくれといったあの言葉は、自分のぎこちなさを
見透かしたわけではなく、この娘の本心からの一言なのかもしれない。
『・・・なにをみつめている・・・』
『うわッ!しゅ、瞬、居るのならそうといってくれよ』
ゆっくりと瞬が近づいてくる。その足取りはなんだか疲れているようにも見えた。
『フレリアになにかしでかさなかっただろうな・・・』
『あたりまえだ。相手はフレリア様だぞ。それに俺は彼女もちだ。
・・・そういえばお前今日はエナに用事があったんじゃないのか?』
『それは今済ましてきた。君たちが完全に眠りに就いたのを確認してからでたからな。
思ったより早く済ませることが出来たよ』
瞬は結局クロアとフレリアが寝るベットの間に番犬のごとく座ることを
選んでいた。もっとも、番犬のごとく。ではなく完全に番犬そのもので
あったが。
結果、彼はクロアが完全に寝付く(フレリアはすぐに寝てしまった)まで起きていて、
すぐにエナに行ったので寝ていない。
『しかし・・・まさか本当だったとな』
『ん?なにがだ?』
『フレリアの格好だよ。第一塔の管理者から聞いたらしいのだが、
僕は半信半疑だったんだが・・・』
はぁぁぁぁぁと長い息をはく瞬。
『さっき第一塔に住んでいたことのある人間、・・・
スピカにそのことを聞いてきたところ本当らしい。
これは第一塔の立派な文化だそうだ』
『そうか・・・』
思わず二人とも黙ってしまう。
昨日は、「絶対そんなことありえませんって!」
「でもお姉ちゃんはいってたもん!瞬ちゃんは信じてくれるよね?」
「いや僕は・・・そ、そうだフレリア、
そんな姿では風邪を引きかねないよ。やはり服を・・・」
「神様は風邪ひかないもん!」
などと繰り返していたが、まさか本当だったのか。
『なにはともかく、いい加減フレリアを起こさないとな。
そろそろ塔に戻らないと時間的に厳しくなってきてしまうからな』
フレリア、と瞬が起こしにかかる。まだお昼だよー早いよーなどと聴こ
えるが本当は天界でどんな生活を送っているのだろうか。
昨日の様子を見る限り完全な夜型の生活スタイルのようだったが。
フレリア、そろそろ帰る時間だよ、やーだーじゃあこのふかふかベット
も一緒がいいーなどと眠そうな声で口論中。
起こすのはなかなか大変そうだ。
『とりあえず・・・おそいけど飯でも食うかな・・・』
そういってクロアは寝室を後にした。
―――『じゃあいってくるね!』
『ええ、がんばってねルカ』
多大な時間と労力を費やしてルカの説得となぐさめるのに成功したクローシェは、
ルカの勝負への出発を見送るため昇降機の前に来ていた。
胸の話題から鎖骨の話題に変わりスープのぬいぐるみの綿がついに破れた頃、
ようやく一様の解決への切り口を見出したクローシェは、ついに
『どっちが魅力的なのかは同じシチュにはいれば判るはず!
そのときクロアにさらりと聞くのよルカ!』
『ねぇ・・・クロア、私の鎖骨とあの娘の鎖骨・・・どっちが魅力的・・・かな?』
『OKぇ!そのとき答えはわかるわ!さぁ今こそ戦のとき!出陣よルカ!』
『うん!私、がんばってクロアに鎖骨見せてくるね!』
というやり取りを交わしたのはついさっき。
武器(Yシャツ)を手にしたルカは今は昇降機の中。
以前は普通に街中を歩いていても平気だったルカは、今や出かけていく際は
クローシェのように昇降機を使いお忍びで行くようになっていた。
もっとも、これは御子としてしょうがないことではあるのだが。
『ふぅ、まさか浮気だなんてことは満に一つもありはしないでしょうけれど』
そんなことを聞いてしまうと、あそこで引いていなければ
私もクロアと一緒になれたのかしら。
などとひとりごこちに考えてしまう。
と
カチン
昇降機がついた音が響く。この昇降機を使う人はほんの一握りである。
そもそも、大鐘堂の中に通ずる昇降機があること事態世間には知られていない。
ゆえに、クローシェはルカが昇降機の中でまたなにやら心配なこ
とを思いついてしまいそのまま戻ってきてしまったのかと思った。
こんどはなんだろうか、胸、二の腕、鎖骨ときたからこんどはうなじだろうか。
そんなことを考えていたクローシェの前に現れたのは
先ほどまで議題の根本であった件の二人であった。
『クローシェ様!?どうなされたのですかこんなところで』
『クロア!?あなたこそ今日は休みではなかったの?』
クロアに続き昇降機から降りてくるのは瞬とフレリア。
やぁ澪の御子君、ご機嫌麗しゅう。
なんていっている瞬の口調を真似て同じ台詞で挨拶をするフレリア。
『こ、こんにちはフレリア様、下に来ていらしたのですね。
なんのもてなしもせずに申し訳ありません』
『とうッ!』
いちなりクローシェの頭にチョップを入れるフレリア。
もちろんおふざけのものだが。
『今はお友達作ろうキャンペーン中だから敬語禁止なの!』
『?』
そこに瞬が、
『今回フレリアが下に来たのはそういうことなんだ。(始めは違ったけれど)
フレリアは知り合い自体すくないからね。
そんな訳でせめてその知り合いぐらいは友達として接して欲しいということでね』
『そういうことでしたらこちらからお願いしたいくらいです。
これからもよろしくね、フレリア』
『うん、よろしくねクローシェちゃん!』
一連のやり取りをみていたクロアはそれだといいにくいから
レイカちゃんのほうがいいのでは・・・
と思うだけで留めておく。クロアがクローシェに対して
そんなことは到底いえそうもないからだ。
『ところでフレリア・・・』
『うん!なぁにクローシェちゃん?』
『なんでYシャツなんかをもって歩いているのかしら・・・?』
ああこれ?となんのけなしにフレリアがそれを持ち上げる。
『これはパジャマの代わりだよ』
『パジャマの・・・かわり・・・ね』
目線だけでクロアに問いかける。
Q、これ、まさかあなたのもちもの?
A、ま、まさか!違いますよクローシェ様!
ぶんぶんと首を横に振るクロア。縦に振っていたら
直ちに拘束してルカの前に引きずり出していたところだ。
『フレリア、そろそろ時間だ。澪の御子、今日はあまり時間が無くてね。
こんな立ち話だけで申し訳ないが、今日はもう行かなくてはいけない』
『あそっか、もう行かないといけないのだっけ。じゃあね、
クローシェちゃん。また来るね』
そういって鐘つき堂にむかう昇降機に乗り込んでいく二人。
おそらく鐘つき堂を通って塔の方に戻って行くのだろう。
『ええ。こんど来るときは前もって教えてねフレリア、
予定を明けておきますからくから』
閉まる昇降機の扉の前、フレリアは閉まりきるまで
嬉しそうに手を振っていた。
『―――ところでクロア』
『はい、なんでしょうかクローシェ様』
『貴方には大罪を犯した嫌疑がかかっているのだけど』
『・・・は?』
―――後日談
『クローシェ様、少し報告が・・・』
『どうしました?移住の計画書のチェックは既に終えてそちらにまわしましたよ?
スラム再興の件は・・・』
『いえ、そうではなく』
ではどうしたというのか、彼女が今話している秘書は
アルフマン政権からの付き合いであり、クローシェ自身もこの優秀な秘書
がいいごもっているのを不信に思い手を休めた。
『焔の御子様が昨日からこちらに戻っておらず所在がつかめなく・・・、
民衆に悟られぬよう捜索隊を出そうかと案じていまして、そのことなのですが・・・』
『ああ、そのこと』
はぁぁぁとため息をつく。自分は昨日あんな相談に
のってあげたというのにやはり本人の杞憂だったのか。
しかし昨日つぶしてしまった付けが回ってきて私は大変だというのにあの姉は・・・
『クロア・バーテルという隊員がもし今日来ているようなら
捜索の件は検討しなくてはなりません。
が、もし来ていないようならその心配はいらないから。
そのことがわかったらもう一度報告をお願い』
『承りました』
く・・・一段落ついたら今度は自分が休んでルカに仕事を押し付けてやる・・・
硬く決心したクローシェであった。
―――、一方天界ソル・マルタ・・・ではなくその下ホッとスポット。
『ねぇ瞬ちゃん』
『なんだいフレリア』
ホッとスポットの客室でゴロゴロとしながら聞いてくるフレリア。
『また下に遊びにいきたいね』
う、またその話題か。フレリアは先日降りてから
ずいぶんと下の空気がお気に召したようだ。
『そうだね。でも行くとなっても前回のように
夜になってしまうけどいいのかい?』
『うーんそうだね、また夜になっちゃうか・・・』
うむむと頭をひねるフレリア。
と、
『でもエンジャと一緒にいけるのだったら全然いいよ。私はそこが重要
なのだから』
・・・いきなり顔を朱にそめつつそんなことをいうフレリア。
おもわずこっちも赤くなって言葉に迷ってしまう。
―――しかし、そうそう頻繁に人の町に現れるのはあまりよくはないだろう。
そんなことを思いつつも冷静に日程と時間を考えている自分がいる。
あぁ、彼女にはとことん甘いな。僕は。
―――そういつものように自分に言い訳することにした。
糸冬
あとがき
みんな、いいかいよく聞いてくれ。今投下したSSの中には俺の妄想があふれんばかりに入っている
このSSが保管庫に入れるよう、頑張ってみた。
もし俺が死んだら新しくSSが投下されたことをみんなに知らせてくれ。
去っていってしまった人達がが本当だと信じてくれたら、この駄作は保管される思う。
俺が直接上げて誰かが新しいSSを書くのを待って居そうかとも思ったんだが
何て言うか、そうするのは逃げるみたいに思えて、
ここで書くのを止めると自分が自分でなくなるような…
いつまでたっても新作のアナウンスがないとか、クロスエッジ買わないと・・・
とか言うんじゃないんだ。
うまく言えないけど、あいつと…SSを書いていった職人達と戦ってみたくなったんだ
俺がNEETだからなのか理由は自分でもよく分からない。
みんな、多分これは駄作だろう。そして保管されないだろう。
そのことで保管庫の管理人や首相のチンパンを恨んだりしないでくれ。
彼らだって、俺と同じで自分がやるべきだと思ったことをやってるだけなんだ
無理かもしれないけど他人を恨んだり自分のことを責めたりしないでくれ。
これは俺の最後の頼みだ。
もし運良く乙といわれたらさ、必ず板に帰ってくるよ。またSSを書きに来る。約束だ
これでお別れだ。じゃあなみんな。元気で暮らせよ保管庫管理人によろしくな。
乙
フレリアも可愛いけどキョドってる瞬に萌えたw
>529
何言ってんだ
瞬がこんなに可愛いSSが駄作なわけねーだろーが
自身持て
乙乙
ココナってジャクリと一緒に旅してるわけじゃないと思うんだ
面白かったぜ。
シュレリア様萌え
保守しなくてもスレ落ちないっていいね。
539 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:19:24 ID:yCHH+xyH
保守…
「こんな所にいたのか、ハーベスターシャ」
「ターシャ」
「え…?」
「親しい方は皆私をターシャと呼びます。アナタもそう呼んで下さいません?」
「あ、ああ…ターシャ」
「ふふ」
(主人公とハーベスターシャ、塔のバルコニーから世界を見下ろす)
「皆の想いが、既に消滅した大地を紡いだ。…もうRTも人間も関係ない、新たな世界を築けるはずです」
「そしてお前も、もう塔に縛られずにすむ」
「しかし…いいのですか?私なんかと。私より彼女やココナの方が…」
(主人公、ハーベスターシャを抱き締める一枚絵になる)
「ぁ…」
「CSで言っただろ。お前の時間を全て貰うって」
「…しかし、私の寿命とアナタの寿命とでは」
「今は考えるな。…今は俺とのコトだけを考えていれば良いさ」
「……料理出来ませんよ」
「俺が教えるよ」
「年寄りだから物忘れが酷くなるかも」
「俺が記録してやるさ」
「浮気に厳しいですよ」
「そんな器用な真似出来ないよ」
(ハーベスターシャの顔が涙した微笑みになる)
「…一つ、お願いがあります」
「なんだ?」
「…もっと、強く抱き締めて?」
「…拒否する理由は無いな」
すまん もうやらん
おお、妄想もいいなw
発売前の醍醐味…
男主人公クールカッコよさそう
……3でるの?
543 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:59:20 ID:XS8CW2bw
ちび彌紗の「Y」装備見たい
ライナー♪どうかなこれ?
み、彌紗!?なんて格好……
えへへ…すっごいダボダボ……でもこれがいいんだよね♪さ、楽しみましょ…
うっ…彌…紗……彌紗ーー♂
544 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 00:01:47 ID:oLF0uEOa
保守
546 :
アイランドフィッシャー:2008/07/09(水) 23:26:31 ID:wlTyydGe
今ライナー×ちび彌紗書いてマスる
出来たら投稿する…かも
ちなみにこれが出来たら二回目の投稿なると思う
548 :
アイランドフィッシャー:2008/07/14(月) 17:59:30 ID:CtDA1P5X
ちび彌紗×ライナー
下手だけどどうぞ
ライナーが亜耶乃さんたちとアルトネリコの調査に出かけて1ヶ月ちょい………その間私はお留守番…もといおあづけ状態……我慢出来なくなって、ライナーを思いながらするオナニーももう限界…。
「はぁ…はぁ……ん…ライナー……」
今もオナニーの真っ最中……アソコを高速で掻き回し、クチュクチュとイヤらしい音を紡ぎ出す。
「あっ…ひぁ…ん……ん、んん……ダメ…も、う……イクッ…あっあっ…らいなぁあぁ!」
びくびく震えながら、アソコから白い液体を撒き散らす………ライナーのベッド、びしょびしょにしちゃった…
「また…汚しちゃった…………ライナーが悪いんだからね…ライナーが早く帰って来ないからーー」
ガチャ……ガタゴト…ドアを開ける音、何か重い物を置く音が一階から聞こえた。
「!!…誰か来た?どうしよう、早く片付けないと……もしかして……」
急いで私の愛液でびしょびしょのシーツやらなんやらを片付け、一階へ降りていく。
「あ、彌紗♪ただいま!」
そこには1ヶ月ぶりに見るライナーの姿があった。
「ライナー!」
私は駆け寄りライナーに抱き付いた…愛しいライナーの胸板に…
「おっと…元気にしてたか彌紗?」
いつもの笑顔…でも久し振りのその笑顔に安心感を覚える。
「もちろん元気よ♪だけどすこし寂しかったかな…」
すこし甘えるように言うと、ライナーはよしよしって言ってぎゅってしてくれた。
「それにしても疲れたぜ…奥に行けば行くほど強いウイルスが出るんだもんなぁ…マジ休む暇なかったよ…一日3時間くらいしか寝てなかったし…その分報酬はたっぷりだけどな…」
え?…ちょっと待って……それじゃあ…
「ねぇライナー?もしかして…溜まってる?」
「え?…あ、ああ……まぁ…オナニーする暇もなかったし…きっちり1ヶ月分は…」
…そんな…………さっきオナニーしたばっかりなのに……したい…ライナーの1ヶ月ぶりの…欲しい…
「だからさ…帰って来て早々悪いんだけど…」
「え?…」
………
……
…
「ん…んっ……んぅっ…ぷぁ…らい…なぁ…ちゅっ……ふむぅ」
「ん…ちゅっ…はぁ…はぁ…彌紗…」
549 :
アイランドフィッシャー:2008/07/14(月) 18:05:44 ID:CtDA1P5X
私はライナーに抱っこされたまま寝室に連れて行かれ、押し倒されて強引にキスされた……相当溜まってるみたい……当たり前か…1ヶ月オナニーも無しじゃこうもなる…
「はぁ…はぁ…彌紗……俺、彌紗が欲しい…1ヶ月も…我慢したんだ…もう限界だよ…」
「ライナー………いいよっライナー……私もライナーの欲しい…」
ライナーは私を後ろから抱き締めるような体制になり、手始めに胸をいじり始めた…着衣のまま…後ろから手が伸びてきて、私の胸をわし掴みにして揉み始める
「あっ…ん、ひゃ…あ…」
「えらい敏感だな…彌紗の声すごい可愛い…そそられる…」
ライナーは胸を優しく揉みながら、私の首筋を舐めてくる…ライナーってテクニシャンなのかな……ぞくぞくしちゃうよ///
「はぁ…ん…は、ぁっ……きゃんっ!!」
「彌紗…服着たままでもわかるくらい乳首立ってる…この乳首はいじって欲しいからこんなになったのか?」
ライナーは意地悪に笑うと、勃起した私の乳首をクリクリいじり始めた…びっくりしてきゃんっ!!って叫んじゃったじゃない…ていうか…乳首はダメェ!
「次は直接揉んでやるよ♪」
ライナーは服の間に手を滑り込ませて、そのまま直接私の胸を揉んできた……やっぱりこれが一番気持ちいい…///
「ああんっ…あ…ふぁっ…んぅっ」
「やっぱり生が一番だな〜…彌紗の肌スベスベで気持ちいい…乳首もビンビンで感度良好だし♪」
ライナー揉むの上手すぎ……ああ…胸の部分の服がライナーの手が動いてグネグネしてる……第三者から見るとすごいエッチな光景だなぁ…
「はぁ…あ……ら、ライナー……私ももうダメ……アソコが切ないよぉ…」
私は足をもじもじさせながら、ライナーにおねだり
「可愛いな彌紗は♪///………俺も…ほら…」
ライナーの股間をパンパンに膨れ上がっていて、すごい苦しそう
「彌紗…頼むよ」
「………うん」
私はライナーのズボンとパンツを同時に下ろす
ビンッ!!
ライナーのモノは、お腹につくくらい反り返っていた
「う、わぁ……」
私は思わず見とれてしまった…大きい…それにすごく苦しそう…私はライナーのモノを握ってゆっくりしごいていく
シュッ…シュッ…シュッ…シュッ
「っ…くぅ…」
ライナーは苦痛(笑)のような顔して呻く
けど、そんなことはおかまいなしにしごいていく
「いただきま〜す♪」
550 :
アイランドフィッシャー:2008/07/14(月) 18:11:05 ID:CtDA1P5X
「あっ…彌紗!ちょっ…待て…」
ぱくんっ♪とライナーのモノをくわえた…その瞬間勢いよく私の口の中をライナーの精液が満たした
「くっ…う…うぁ…あぁ!!」
ドクドク…ドピュドピュ…次々と発射される精液
子供の私じゃ…いや、大人の私でも無理…こんなの飲みきれない
「ゴクッ…ゴクッ……ぷぁっ…ケホッ…ケホッ……んぁ…はぅぅ…」
飲みきれなくなりむせた…口から離した後も出残りの精液で顔射…まだこれ…一発目よね?
「はぁ…はぁ…はぁ…ごめん…彌紗…つい…」
「ケホッ……ライナー…出しすぎよ…もう……」
ライナーは悪かったよと言って顔についた精液をふきふきしてくれた…それにしてもすごい量…まだ勃起したままだし………私ももう…
「次は彌紗の番だな…」
そう言うとライナーは私の股間に手を伸ばしてきた……
「あんっ!…あ…ひゃっ…」
「彌紗のここすげぇ濡れてる…スパッツがびしょびしょだぞ?」
スパッツの上からアソコの感触を楽しむようにぷにぷにといじり始めるライナー…すごい気持ちいい……でもなんか変な感じ…いつもより気持ちいい感じがする…どうしてだろ?
「下ろすぜ彌紗……」
「あっ…」
ライナーは我慢出来ないと言わんばかりにスパッツをバッと下ろす…その時、はっと変な感じが何なのか気付いた
「わっ?……彌紗…ノーパンだったのか?///」
そうだ…オナニーの真っ最中にライナーが帰って来たから…パンティ取り替えるの忘れてた…だってライナーが帰ってきて嬉しかったんだもん
「エッチだな彌紗は…ノーパンだなんて………おかげでスパッツ彌紗の愛液でトロトロだぞ?」
「そ、そんなつもりじゃ///…さっき穿き忘れただけで…きゃんっ!」
「穿き忘れたね〜…」
意地悪に笑いながら、アソコに指を一本入れて掻き回す…
「あっ…きゃっ…んぁっ……ダメ…ェ……あああっ」
「すごい締め付けだな…キュウキュウ締め付けてくる…」
片手でアソコをいじり、もう片方で胸をいじる…ああ…ライナーにエッチなことされてる…///
「あっあっ…ライナー…来る…きちゃう……ヤダ……ダメ…待ってライナー…」
「彌紗の今の顔すごく可愛い…イった顔もみたいな」
そう言うとライナーは、出し入れする指を二本に増やし、これでもかってくらい指で突く。当然私はーー
とりあえずここまでで…
続きはまだ製作途中なので…一週間くらい後に…
一週間後・・・だと・・・
保守
553 :
夜宵:2008/07/21(月) 23:22:10 ID:+5VGphC9
アイランドフィッシャー改め夜宵です。続きをどぞ…
「ライナー…待っ…て…んっ…ふぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
プシャァァァァァァ
「彌紗……すげー潮吹き///」
息を荒げてびくびく震える…
「はぁ…はぁ…はぁ……あぅぅぅ……」
チョロチョロチョロ…私はおもらししてしまうくらいに気持ち良かった…うぅ…ライナーの前でおもらししちゃったよぉ…
「彌紗…////ごめん…すこしやり過ぎたかな?…」
グッタリしてる私を、ライナーは優しく包むように抱きかかえる…
「っかった…」
「え?」
「指じゃなくて…ライナーのおチンチンでイキたかった…」
ライナーは顔を赤くして申し訳なくなさそうに…
「ごめん彌紗////………今からでも大丈夫か?//」
「うん………ライナーのちょうだい…」
ライナーは、私を優しく寝かせ、アソコにおチンチンをあてがう…
「入れるよ…」
「来て…」
ズプッ…
「あひっ……んくっ…」
「くっ…キツい……」
やはりちびの身体だとすんなりとはいかず、ギチギチでキツキツ…
「はぁ…ひ…ぁ……ライナー…もっと……奥に…」
「ああ……わかった…」
ゆっくりとライナーのおチンチンが膣内を進んで行く…膣内をライナーので満たされていく……
「そりゃっ!」
パンッ!!、ゴッ!
「あひぃっ!」
膣内をライナーのおチンチンが満たし、奥にある子宮を突く…膣内はギチギチでキツキツ……ちなみに今は正常位で挿入されちゃってる…パイパンの子供マンコだから挿入部分も丸見え……ライナーのが刺さってる…ぞくぞくしてきた…
「ライナー……動いて…いいよ」
「ああ…言われなくても……動くよ…」
パンッパンッパンッ…ライナーの腰と私のお尻(?)が奏でるリズミカルな音…
ズッ…ズッ…ズチュッ…ズチュッ…ズプププッ……ライナーのおチンチンが出し入れされるに出るイヤらしい水音
「あひっ…あ…あんっ…ああああっ…きゃあん…いい…いいよライナー……ライナー!」
ライナーに突かれるたびに紡がれる喘ぎ声…
その全てがライナーと私をそそり、駆り立てる。
「くっ…彌紗の膣内キツキツで絡み付いてくる……マジ気持ち良すぎ…うっ…で、出るっ」
「出して…ライナーのいっぱい膣内にーー」
ドピュッドピュッ…ドク…ドク…
「うぁっ…くっぅ……ああっ」
奥にたっぷりと射精するライナー…すごい気持ち良さそうに呻いてる…
「ライナーの…熱いのたくさん…膣内で……もう、ダメェッ!」
554 :
夜宵:2008/07/21(月) 23:24:41 ID:+5VGphC9
私もライナーにいっぱい中出しされてはしたなくイッた…びくんびくんって跳ねて……すごい気持ち良かった…
「はぁ…はぁ…はぁ…彌紗……すごい可愛いかったよ…今もすごく…」
「はぁ…はぁ…はぁ…ライナー……気持ち良かったよ…」
グッタリした私を繋がったまま抱き締めるライナー……ライナーのまだおっきい…まだ挿入したままだからわかる……まだ出し足りないんだ……
「ライナー…まだおっきいよ?」
ライナーの顔を見上げる。
「そうだな…はは………でも彌紗も疲れたろ?続きは今度な♪」
ニコッと笑うライナー……でもまだこんなおっきいのに…やっぱり出したいよね?ライナー…それに私だってまだ……
ヌポッ……ビンッ!!
……なんて内におチンチン抜いてるし…アソコから抜いた後も元気いっぱい…今度っていつだろ……………そうだ♪ふふふ…
「じゃあ…また今度ねライナー♪」
ちゅっとライナーの頬にキスする…ふふふ…夜が楽しみ♪
……………
…………
………
……
…
ーその夜ー
「ふ〜…いい湯だった〜♪久し振りにゆっくり風呂に入れたからなぁ…一言で言うとリフレッシュ☆、だな♪」
寝間着姿のライナー。
「彌紗〜♪そろそろ寝るぞ〜………あれ?…彌紗〜?…先に寝たのかな…」
彌紗を探しながら寝室に入ると、ベッドの中に膨らみがあるのが目に入った。
「なんだ…先にベッドに入ってたのか…」
「……………モゾモゾ」
「?……彌紗?」
俺はベッドに近寄り、毛布をバッと上げた。
「何してーーぶっ!!」
「ぷぁっ……はぁ…苦しかったぁ」
そこには猫耳に猫の尻尾を装着し、Yシャツ一枚のちび彌紗が愛らしく寝転がっていた……。
「な、何て格好してるんだ彌紗////」
「えへへ…ライナーを喜ばせようと思って♪どうかなこれ?」
彌紗はそう言いながらダボダボのYシャツを最大限に生かし、見えそうで見えないもどかしさを披露…さらに尻尾をふりふり…あ、今度はちゃんとパンツ穿いてる…ていうかパンツ丸見え……ん〜…ちっちゃい彌紗にYシャツはヤバイな…ロリの極みだこりゃ……
「ねぇ…どう?」
「え?あ、ああ…すごい可愛いよ////」
「えへへ、良かったぁ♪…」
ニコッと笑うと四つん這いで寄って来て、抱っこしてと言わんばかりに手を伸ばしてきた………可愛い////…
「しょうがないな……」
555 :
夜宵:2008/07/21(月) 23:28:56 ID:+5VGphC9
「にゃっ♪」
ぴょんと飛び付いてくるちび彌紗…もとい猫彌紗をしっかりと受け止める。この抱き心地が…やっぱりちっちゃい彌紗だな〜♪
「えへへ、ライナー♪……にゃむっ…ちゅっ…んっ…」
抱っこしたままのキス。
「んっ…ちゅっ…む…」
「はにゃあっ……ペロペロッ♪」
「うわっ!……み、彌紗?!」
口を離した後、俺の首筋を舐め始めた………なんか首筋って変な感じ…
「ペロペロッ♪」
「うっ…あっ////」
そのまま舐め続ける猫彌紗…う〜ん…なんかやられっぱなしってのもアレだな………。
「くっ……よっと…」
「にゃ…ライナー?」
猫彌紗をベッドの上に下ろす。そして仰向けにしてぱかっと足を開く。
「きにゃっ…ライナー?……にゃっ…ふぁっ…あんっ!!」
「ふふふ、エッチな子猫だな♪……ちょっといじっただけでグショグショだぞ?猫の格好して興奮しちゃったのか?♪」
猫彌紗をM字開脚のように足を開かせ、アソコを人指し指でいじる。
「はぁっ…にゃっ…ライ…ナー………あっ…ひゃあっ!」
「可愛い声上げて……そんなに気持ちいいのか?…乳首立ってるぜ♪」
Yシャツの上から彌紗の乳首をクリクリいじる。ノーブラだった。さらに唇も奪う。
「あっ…にゃっ……んんっ…乳首……んむぅ…んふ…んっ」
「ん…ふぅ……ふふ♪…すごく可愛いぞ彌紗♪」
彌紗の前髪をかき上げ、息を荒げながら顔を赤くして涙ぐんでる猫彌紗にニコッと微笑む。
「はぁっ…はぁっ…にゃっ…ライナー////…」
「彌紗の気持ち良さそうに喘ぐ姿見てたら我慢出来なくなっちまった……そろそろいいか?」
「あ……わ、私が…して上げる///えっと…ご奉仕よご奉仕…ね?」
「ん〜……じゃあ頼もうかな」
「うん……任せて////」彌紗はYシャツは着たまま、パンツだけを脱いだ。ちび彌紗にYシャツはさすがにデカすぎるらしい…パンツを脱いでも隠れてアソコが見えない…さっきみたい尻尾をふりふりしてくれないかな…そしたら見えるのに。
「じゃあ仰向けに寝て」
俺は言われた通り仰向けに寝る。さて、どんなご奉仕をしてくれるのやら…。
「えへへ♪…ライナーのおチンチン…」
彌紗は俺のズボンを下ろし、息子を取り出す。そして手始めに舐め始めた。
「ペロペロッ…チロッ…チロッ…レロレロ……」
「っ……相変わらず上手いな…」
彌紗は猫を意識してか、舌だけで俺の息子を舐め回していく。
一週間後に続くちなみに夜宵はやよいと読む。
よよいかと思った
新作age
558 :
夜宵:2008/07/29(火) 23:28:55 ID:WQvK+0sf
これはこれで気持ちいい……でももうすこし強い刺激が欲しいな…。
「ペロペロッ……ふふ、ライナーのお腹にくっつきそうなくらい反ってる♪そろそろいいかな……」
「?」
彌紗は舐めるのを辞めると上に乗ってきた。
「いくよライナー♪」
彌紗は俺の息子の上に乗ったまま腰を振り始めた。
「お?…おお…うぁ、なんだこれ……すげ……」
「んっ…あっ………にゃっ…」
なんだか今までとは違う気持ち良さが…///やべ…気持ちいい……彌紗のツルツルのアソコが俺の息子を擦って……これがかの有名な「素股」か?…彌紗のアソコのぷにぷに軟らかいのが伝わって……マジ…ヤベッ…。
「彌紗、これスゲー気持ちいい…」
「はぁん…にゃぁっ……私も……ライナーに……クリトリス擦られて……あっ……気持ちい…い…よぉ……」
これの一番いい所は彌紗の可愛い顔が見れるって所だな……スゲー気持ち良さそうな顔…涙ぐんで……可愛い…今すぐぎゅってしたいな……よし。
「はぁ…はぁ……んぁっ…にゃ…あっ」
「彌紗………今度は俺がしてやるよ…」
猫彌紗を抱き上げ、そのまま立ち上がる。俺は後ろからぎゅっと抱き締めた。「はぁ……あっ…ライナー……お尻に…当たってる////」
「ああ、ごめん……よっと」
「んぁっ!!」
俺は息子を彌紗の股の間に入れる。彌紗のアソコぬるぬるしてて気持ちがいい。
「これも素股に入るのかな?♪」
「わから…ない…よ…んんっ…あっ…ああっ」
立ったまま後ろから息子を彌紗の股に出し入れする。挿入ではないからこれも素股か…。彌紗の股を出たり入ったりと繰り返す。
「みろよ彌紗…彌紗の股からきのこ生えてるぜ♪」
「うぅ…その表現すごいイヤらしいよライナー////んっ…ああっ!」
「気持ちいい……彌紗っ!イクッ」
「あぁっ…ライナー////」
ビュービュー…
「はぁ…はぁ…彌紗…」
彌紗をぎゅっと抱き締める
「私もイっちゃった……ね、ライナー…このままいっしょに寝よっ…」
「ああ」
翌日
「ん……ライナー?…あれ…なんだろう…書き置き?」
「ごめん彌紗…亜耶乃さんから連絡がきてまた一ヵ月帰れない……マジでごめん」
私の地獄の一か月がまた始まる…
終わり。
559 :
アキト:2008/07/30(水) 17:40:32 ID:kt/WD0WC
本当にこの人達はすごいですね
かな
世界が平和を取り戻して二年経ったことに気づき、記念として世界を回り詩を紡いできた。
最後の星詠として、世界を救った一人として、三種族の平和を期して、詩姫として、
いろんな思いを込めて詩を紡いだ。
途中、町の人たちといろいろな話をしてきたけど「本当の平和が訪れてよかった」とみんな
言ってくれる。それはとてもうれしいこと。ジャック、オリカ、ラードルフ、シュレリア様、
アヤタネ、そしてライナー。みんなが、命を張って創り上げた平和だもの。短い間だったけど、
旅をした仲間のことをほめてくれているようで、心が温かくなった。
その巡業で最後に回った町は、ネモ。とりあえず宿を取ろうかなと思っていたら酒場にオリカが来ていた。
今はオルゴール屋を一人で経営しているんだけど、今日は一ヶ月に何回かないクレアさんのコンサートの日
だったみたいで、酒場の手伝いに来たって。もちろんクレアさんの詩を聞いてきた。詩を謳うことに、人間
とかレーヴァテイルとかは関係ない。歌い手が想いをしっかりと込めて詩を紡げば、聞き手はその想いをちゃんと
感じてくれる。そう、強く思えるようなコンサート。私も、いずれはクレアさんのようになりたい。
コンサートが終わって、ライナーが挨拶がてら片づけを手伝うと言い出したから当然私も手伝った。
知らない仲というわけでもないし、オリカとも話したかったし。片づけが終わった後、一つのテーブルを
四人で囲っていろいろな話をした。
途中、ネモでコンサートをするということが話に出たから、オリカも誘ってみることにした、
「一緒に謳わない?」と聞いたら少し迷って「下手だけどいい?」と。昔のオリカなら絶対自分のことを
蔑むだけ蔑んで拒否していたのに、今のオリカは前向きになったと思う。クレアさんも誘ったんだけど
「あなた方二人で謳いなさい。あたしは伴奏で良いから」と言われちゃった。
宿屋の個室でオリカとクレアさんと練習していたら、その声が漏れていたっぽくて、宿屋の近辺では
「酒場に新しい娘?」「これってミシャの声だよね?」「ミシャがネモでコンサートするのか?」などなど
いろいろな噂が立っていたとか。
ライナーは旅の費用を稼ぐために一生懸命メルクで何か作っていたみたいで、聞こえなかったみたいだけど。
次の日の昼、教会の大聖堂を借りてちょっとしたコンサートをやらせてもらった。レーヴァテイルじゃなくて、
一人の人間として曲を紡いだ。もちろんオリカと一緒に。クレアさんとライナーは伴奏で。
コンサートの曲目で必ず入れるのはハーモニウス。世界を、人間を憎んでいたミュールが紡いだ詩。
本当は人間と共存したかった思いが込められた詩。
コンサートは大盛況で終わった。聞いてくれた人が私たちの思いを感じ取ってもらえた、
立派なコンサートになったと信じてる。
コンサートが終わった後、プラティナに一回帰ろうということになった。
オリカもプラティナに買い物に行きたかったらしく、一緒に行くことになった。
プラティナに着いてから、とりあえず荷物をライナーの家に置いていく。
「シュレリア様のところに今から行くけど、一緒に行くか?」とライナーが聞いたら、
「一緒に行く。その代わりに、デパート一緒に来て」と言ってきた。ライナー一人に
するといろいろ危険だから、私も絶対付いていくけど!
「あら、お久しぶりね、ライナー、ミシャ、オリカ」
広場に出て塔へと続く階段を下りようとしたとき、声をかけられた。
振り返るとそこには、長い黒髪を垂らしてとてつもなくきわどい服を着た少女
(私のYシャツといい勝負かも……)と、女性と見間違えるほどの美形の黒髪の
男の人がたっていた。男の人は私たちのこと知らないみたいだけど(きょろきょろしている)、
少女の方は知っているみたい。
「……あなた、どなた?」
私が問う。
「ミュールよ。忘れた?」
「「え?」」
ライナーが変な声を出したのは聞こえたけど、私も声が漏れていたっぽい。二人してフリーズした。
「またまたぁー。ミュールちゃんがそんな格好してるわけないじゃん」
オリカは相変わらずの脳天気。そんな格好って、裸というイメージしかないのかね。
「ふふふ……困ってる困ってる」
いや困ってると言われても、ツッコミどころが多くてどうしようかと。オリカの言葉は無視?
「ミュール……か?」
ライナーが復活したみたい。
「そうよ。そんなに驚くことでもないでしょう?」
「いや……変わったなぁって。まず服着てるしさ。本当にミュール?」
全部同感。
「本物よ? 証拠を見せてあげましょうか? いまからちょっとウイルスを発生させ――」
「あああああわかりました本物ですね!」
ライナーが慌てて台詞を遮る。
「となりにいる女にしかみえないの男の人は誰?」
オリカ……。
「メタ・ファルスで拾ってきた」
「「拾ってきた!?」」
メタ・ファルスってどこ? という疑問はさておき、拾ってきた発言は……!
「おいおいジャクリ。拾ってきたとか言わないでくれ」
「事実だからいいじゃない。ところで、シュレリアはどこにいる?」
「あ、ああ、俺たちもシュレリア様のとこへ行くところだから一緒に行くか」
「ええ」
ライナーとオリカに呼ばれて、やっと正気に戻った。慌ててライナーのもとに
駆け寄ったけど、未だにミュールとは信じられない……。
シュレリア様は使徒の祭壇にいた。なにかぼーっと、祭壇を眺めている。
「二年経ったのね……。七百年のうちのたった二年なのに、長く感じる……」
シュレリア様が、独り言をぼつぼつ漏らしていた。
「シュレリア様!」
ライナーが声をかける。リンケージをまとってないと、ただの女の子にしか見えない。
700年生きてるのに。
「ライナー? 旅は終わったのですか?」
と言うか否や、振り向くシュレリア様。振り向いたその瞬間――。
「!!」
シュレリア様もフリーズした。なんとなーく、ミュールを見ると……にやけてる。
悪ガキがいたずらを仕掛けたときの、そういうにやけ方。
「あ、あ、あ、ああああああああなた! トラップの除去も終わってないのに、男の人を連れ込むなんて!」
「いいじゃない。わたしの勝手じゃない? それにライナーに捨てられたくせに。
さすがに齢700歳強の"女の子"はダメだった、ということかしら?」
最後の言葉にカチンと来たのか、シュレリア様の表情が固まった。なんかオーラが出てる。
「あなただって400年ぐらい生きていたでしょう!」
「封印されていたから実際はもっと少ないわよ。そうね、まだ三十路は越えていないんじゃないかしら?」
「むかー! いいもん、私だって永遠の16歳だもん!」
シュレリア様がおかしくなっちゃった。私の生みの親(?)って、こんなんだったのね……。
だいたいの言動は承知というかあきらめていたけど、まさか永遠の16歳なんて言うなんて。
「シュレリア様って満16才と8000ヶ月ぐらいなんだよ」
こそこそと私に話しかけてくるオリカ。なるほど、そういう解釈も出来なくは……。
「シュレリア様、言葉遣いが」
「ライナーは黙ってなさい! オリカさんも! ミシャ! あなたも心の中で余計なことを考えない!」
「「「! ごめんなさい……」」」
「ふーん、捨てられたからってライナーをいぢめるのね。ライナー取られたからってミシャもいじめるのね。
年のこと突っ込まれてオリカも虐めるのね。悪い子ねー」
「――――!」
「――――!」
人間より相当長生きしているこの二人、ちゃんと年齢相応の会話をして欲しいものだったり。
ライナーとミュールが連れてきた男の人も同意見らしい。表情で。
とても文章に書き起こしたくないような罵倒がちらほら聞こえる。
終わるまで放置しておこうと無言で同意。二人から距離を置いて適当なところで腰を下ろした。
なんか下に敷くものが欲しいな、と思っていたら、ライナーが手招きしてる。膝の上に座れって……さすがに恥ずかしい……。
「そういえば自己紹介もしてなかったな。俺はライナー。ライナー・バルセルト。こっちが――」
「ミシャよ。彌紗・アルトセルク・リューン」
「オリカ。オリカ・ネストミール」
「ライナーにミシャにオリカか。俺はクロア。クロア・バーテル」
クロアね。この辺じゃあ聞かない名前。……もしかしたら。
「ねぇ、さっきミュールがメタ・ファルスって言ってたけど、どこ? ……まさか別の塔から来たってこと?」
知識として、メタ・ファルス以外に塔があることは聞いていた。
「そう……なるらしいな。俺もよくは知らないんだが――」
「この世界には三つの塔があって、ソル・シエールとメタ・ファルスがあるんだね。
それで、クロアはメタ・ファルスからこっちにきたんだね」
オリカが適当に話をまとめた……けど、略しすぎでしょ。説明がちょっと違うし。
「最後の塔の名前は俺は知らないが、そういうことだ」
「へぇ……アルトネリコって一本だけだと思ってた」
「俺も。こんなでかい塔が何本もあるなんて普通思わないしな」
ライナーの場合、そんなことを考えようとも思わないでしょ?
「ところで、ここからが本題なんだけど――ミュールとはどのような関係なの?」
「ミシャ!」
「いいじゃない。ライナーも興味あるんでしょ?」
そういわれて『興味はあるけどな』といった表情を見せる。
「あたしも興味ある!」
女としては当然よね。
「二年前までだな。ミュールは世界を、正確には人間を恨んでいたんだ」
「ああ、知ってる。コスモスフィアで聞かせてもらったからね」
「俺は――俺たちはウイルスの発生源、ミュールを倒すことで平和を作ろうとしていた。
でも、ミュールのことについて調べていくうちに、なぜ世界をつぶしたがるかがわかった。
俺にミュールの痛みは分からないけど、一つだけ分かったことがある。
大昔、ミュールが生まれて間もない頃に紡いだ詩を聞かせてもらった。
人間を嫌いとは思えないほど清んだきれいな詩だった」
「ミュールは別に破滅を望んでいた訳じゃないんだって。
誰か、相談できる相手がいてあげれば、こんなことにはならなかったかも……」
ハーモニウスは純粋な思いだった。謳い手の私が言うのだから、間違いない。
「そうか……。俺はミュールを支えてやらないといかないんだ……」
クロアがぽつりと漏らす。ん? 支えて?
「やっぱりそういう関係なのね!?」「やっぱりそういう関係なんだね!?」
「ミシャ? オリカ?」
ライナーはいまいち分かってない模様だけど。
「い、いやそういう関係って……」
「その通りでしょ? ミュールにも彼氏が出来たのね! ねぇ、どうやってあのミュールを落としたの?」
「ねね、ひねくれ根暗色白露出狂幼女をどうやって落としたの!?」
幼女だけは止めなさい。女の子として。
「その話! わたしも興味があります!」
シュレリア様も聞いていたのね。こっちの方に駆け寄ってきた……が、こけた。
クロアだけが心配そうな表情を見せていたけど、私たちは慣れっこだし。
「クロア。言ったら怒るわよ」
ミュールも近づいてきた。
「は、はい……」
「ミュール、教えてくれたっていいじゃないですか」
「そうよそうよ」
「やけにノリノリだな……」
女の子としては興味のあるところだし、
何より告白"される"っていうことを知らない"私たち"としては是非とも聞きたいところ。
「ミュールちゃん、もしかして恥ずかしいの?」
あ、オリカが黒化――いやいや、オリカの本領発揮。
「「「恥ずかしい!?」」」
シュレリア様もこけた体勢のまま驚いてる。ライナーもなぜか叫んでる。私も叫んでた。
「失礼なこと言わないで。恥ずかしいわけないでしょう」
「だったら話してくれるよね?」
オリカがさらにたたみかける。
「……わかったわよ。そこまで言われれば喋るわよ」
この辺中略。
私とライナー vs ミュールとクロアののろけ合戦になっちゃったから思い出すだけでも恥ずかしい……。
「あ、そうそう。ミシャにプレゼント」
「へ?」
突然プレゼントとか言われて、とてつもなくいやな予感が背中を駆けめぐる。本能的に。
「はいこれ。入浴剤」
……と思ったけど、ごくごく普通。でも入浴剤を渡す?
「メタ・ファルスでは、インストールの代わりにお風呂でグラスノ結晶を溶かして体に浸透させるのよ。その方が負担が少ないし」
アバウトな説明だけど、とミュールは付け加えた。
で、それとこの入浴剤とどういう関係があるのよ。
「向こうでは有名な入浴剤なのよ。よく疲れが取れるってね」
「なんかその笑みが妙に気になるけど、ありがとう」
「なにそれ?」
「オリカも気になる?」
ふふふ……。ミュールの笑いがやっぱり気になるけど……。
ミュールはシュレリア様に連行されちゃったから(クロアも)、今からデパートに向かうことにした。
オリカと一緒にファンシーショップでいろいろ探した。
なんか世界を救う旅をしていたときみたいで、とても懐かしい。オリカに言ったら、オリカも懐かしいと思っていたみたい。
ライナー? ライナーは武器屋のおっちゃんと楽しそうに喋ってたわよ。買ってあげようか? とか言ってくれる……わけないか。その辺はあきらめてる。
一時間ぐらいなんかいろいろ見て、一つ買おうかなと思ったのを決めた。
でもライナーはまだ喋ってる。すこしカチンときたのでライナーにひとつ買ってもらうことにした。オリカにもせっかくだからライナーに"買わせる"。
デパートの外に出ると、ちょっと日が下ってきた。今からネモに下りるだけでも完全に夜になっちゃうから、オリカは宿屋に泊まっていくみたい。
……そういえば、入浴剤もらったな。でも、ライナーの家のお風呂は一人入るので精一杯。宿屋だったら数人で入れるお風呂があるってことで、私たちも着替えを持って宿屋に向かった。
浴槽にお湯をはって、準備が出来たのにライナーが入りたがらない。何で。
「恥ずかしいの?」
「オリカも入るんだろ? ……恥ずかしいって」
「あっ、そう。まあいいや。じゃあお風呂行ってくるね〜」
「ライナーは?」
「タオル巻いてるからみえないのに、ライナー入りたがらないのよ」
「ライナーってまだ純情なんだ。……ちぇっ」
『ちぇっ』て何さ。
風呂場に入ると、湯気がもわり。
「やっぱりプラティナのお風呂は大きいね!」
と言って突然飛び込むオリカ。どぼーん。湯船に浮かぶタオル。タオル意味ないじゃん……。
「そんなはしゃがなくても……」
「楽しいよ! ミシャちゃんもほら!」
あ、こら引っ張らないで!
どぼーん。顔から湯船にダイブ。あああ、鼻に水が……。
「ぶはっ……このー!」
手で水鉄砲を作って、オリカに向けて発射!
「痛い痛い痛い!」
ふふん、ライナーに教えてもらった水鉄砲の威力はどうよ!
「むー!」
バシャバシャとお湯を頭からかけられた。痛くはないけど、目を開けられない……。
そんなこんなで、五分ぐらいお湯を掛け合ったりしてた。
「あはははははははは」
はぁ、疲れた。オリカはまだ遊び足りなそうだけど。
「ねぇ、ミュールちゃんにもらった入浴剤は使わないの?」
「え? ああ、そういえば」
どこに行ったのかなーと思ったら、湯船に浮いてた。
「ねぇ、いれようよ!」
「はいはい」
にしても、なんか毒々しいほどのピンク色。容器は綺麗なんだけど。
ビンの栓を抜く。
「どのぐらい入れればいいのかな」
「半分ぐらい」
オリカが迷いもなく言ったけど、どっからその自信が出てくるのだか。言われたとおりに半分ぐらい入れる。
入れたそばから、湯船がピンク色に……やっぱり毒々しいけど。
「ねぇミシャちゃん、お湯がとろとろしてきたよ」
「ホントね……」
これはこれで気持ちいいかも。入浴剤の栓を閉めて、湯船の外に置く。
さらに湯船に沈む。口元すれすれまで浸かってみたけど、このとろとろ感がまたいい……。
「……ミシャちゃん、ミシャちゃーん」
はっ! なんか凄くぼーっとしてた。
「ねぇ、なんで手を握ってるのー」
はっ!! なんでオリカの手を?
「ってオリカもなんでこんなに近づいてるの?」
もう身体が接触しそうなほど近い。
「え? えー? なんでー?」
とりあえず離れる私たち。
あーまたなんか意識が……。
気づいたらまた身体が接触しそうなほど近い。
「ねぇミシャちゃん、あたし我慢できない……」
「……何を?」
「わかってるでしょ? 遊びよあ・そ・び」
オリカが私に襲ってきた! 乗りかかってこないでよ! 力入れようとしても身体の言うことが聞かない……。
そのままキス。
「!!」
唇を重ねるだけではなく、口の中に舌が入り込んできた。驚いたけど、もうなるようになっちゃえと私も応戦した。とろとろしたお湯が立てる音と、キスの音がいやらしくお風呂場に響くのを、他人事のように聞いていた。
あーおかしくなっちゃいそう……このまま一線を越えても……。
何分経ったかわからないけど、オリカが唇を離す。もっと欲しいのに……。つうっと糸を引く。
「ミシャちゃんの胸大きくていいなぁ」
「オリカも大きくなったじゃない……んっ」
突然胸を揉まる。でもオリカにやられてばっかじゃイヤだ。同じようにオリカの胸もゆっくりと揉み出す。
「もう乳首立っちゃってエロい娘♪」
「あうっ……そんなこと言わなくても……ひゃん!」
軽く、ホントに軽く両方の乳首をつまんであげただけなのに、いい反応。オリカの攻撃は物足りないなぁ。いい線行ってるとは思うんだけど。ライナーが濃すぎるんだよきっと。
「じゃあ唇をふさいであげる♪」
「え? んんっ」
身体を抱き寄せて、思いっきり濃厚なキスをしてあげる。胸同士がつぶし合って気持ちいい……。小刻みに動いて、胸に刺激を与える。
「んーんーーー!」
オリカも気持ちいいのね。それに息が足りなくなってさらに気持ちいいのね……やっぱりエロい娘。
右手をオリカのあそこへと動かす。
「んーー!んーーー!」
ちょっと触れただけなのに、とてつもなく反応するオリカ。嬉しいな。もっと見せてよ……。
さらに弄る。しつこく弄る。これでもかってぐらい弄る。
「んーんーんーーーー!」
あ、さすがに苦しそう。唇を離す。
「はぁ、はぁ、はぁ、ミシャちゃん……激しいよぉ」
「はぁ、はぁ、ねえオリカ、とりあえずお風呂から出ない?」
さすがにこのまま風呂の中で続けたら、お風呂の中でのぼせて気絶しちゃいそう。協力し合って、なんとかお風呂の外に出た。タイルが冷たくて気持ちいい。
冷えたタイルのおかげで少し思考がすっきりした。
いつものエッチとは何か違う……何が違う――!?
そうだ! 良いこと思いついた!
「ねぇ、ライナーと……しない?」
「え?」
「オリカも欲しいんでしょう? ライナーのあ・れ」
「……でも、ライナーはミシャちゃんの――」
「私が良いって言ってるの! ねぇ、やってみない?」
真っ赤な顔をさらに朱くして、こくんとうなずくオリカ。かわいいなぁ。
……なんか私が一番壊れているような気がしたけど、気にしないことにした。
「ライナー! ライナー!!」
いろんな意味で切羽詰まった声で、ライナーを呼ぶ。
「どうした!ミシャ……?」
あわててお風呂場にやってきたライナー。
「ねぇ、一緒にお風呂に入りましょう?」
もう既に四肢に力が入らないから、のそのそと動く。
「いや、え? オリカ? のぼせたのか?」
オリカもぐったりしているところを見て、ライナーはのぼせちゃったと思ったみたい。こんなにエローい空気になってるのに。
「えー? あたしはのぼせてないよー?」
といいつつ、ライナーの下半身にしがみつくオリカ。っていつの間に!?
「ライナー私たちのぼせてないから、一緒にお風呂入りましょう?」
ライナーによさりかかるようにしてなんとか立ち上がる。上着を脱がしちゃお♪
それを見たオリカが、ズボンを脱がしにかかる。
「ミシャ! オリカも!」
さっさと脱がしちゃってお風呂場の外に上着を投げ捨てる。オリカもズボンと下着を脱がし終わったみたい。
「ライナーの……」
もうオリカは欲しそうだけど、そこはまだ我慢。あのお風呂にライナーを入れれば、私たちみたいに……。
「ね!」
といって無理矢理お風呂のそばまで連れて行き、そのまま抱きついた。
「あ、おいミシャ!」
どぼーん。今日三回目の音。バランスを崩してライナーがお風呂に顔からダイブ。私もダイブ。お湯が大量に漏れる。
「ぶはっ……げほっげほっ」
あ、お湯飲んじゃった……?
「ご、ごめんライナーはぶっ!」
どぼーん。オリカが飛び込んだのか、顔にお湯がもろにかかった。
「ライナー!」
「オ、オリカ、抱きつくなよ」
「なぁにライナー。そんなにあたしに抱きつかれるのイヤなの?」
「そ、そうじゃないけど……」
「ライナー」
私もライナーにしがみつく。
「ミ、ミシャまで……」
「ね、ライナー。私たちはライナーとしたいの」
普通なら恥じらいが入ろう言葉も、いまならなぜかすらすら言える。やっぱりあの入浴剤のせいか。
「ライナー……お願い……」
オリカも同じ気持ちらしい。
「………」
ライナーの顔が朱くなってきた。入浴剤の効果も回ってきたみたい……?
意を決したのか、口を開くライナー。
「……じゃあどっちから」
「オリカ」
私は即答する。
「え!?」
「たまってたんでしょ? ライナーにしてもらいたいのを我慢してたんでしょ?」
「……う、うん」
「じゃあ先にそれを解消しないと! ね!」
「はじめて……お願いします……」
顔が真っ赤になって、かわいい。
浴槽の外に出たふたりは、向かい合うようにしてタイルに座った。
「……んっ!」
早速の濃厚なキス。早くライナーにして欲しい……けど悶えるオリカもかわいいなぁ。
私も浴槽から出て、オリカのうなじをゆっくり撫でつけてあげる。
「………!!!」
オリカが暴れ出したが、ライナーがオリカをしっかり抱いて押さえつける。
「……んっ!んんん!」
「気持ちいいのかしら? もっと気持ちよくしてあげる♪」
目でライナーに合図すると、ライナーがオリカの胸をゆっくりと弄り出す。代わりに私がオリカに抱きついて、
うなじを舌でゆっくりとなめ回す。
三カ所同時に快感を与えられたオリカはさらにぴくぴくと反応する。
しばらくその状態で弄り倒していたけど、そろそろ下に入れてあげないとオリカがかわいそう。
やっぱり目で合図すると、長いキスをやっと止めた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ライナー激しすぎるよ……ミシャちゃんも」
「そう?」
「俺はまだしたりないな」
ふたりとも素っ気なく言う。心の中ではもっといじり倒したいって思ったけど♪
私がオリカから離れると、ライナーはオリカを押し倒して足を開いた。
「や……恥ずかしいよぉ……」
「最初だけよ。そのうちライナーに見られるのが快感に変わるのよ」
耳元で艶やかに囁くと、オリカの顔がさらに朱くなった。
オリカの大切なところをライナーがゆっくりなめ回す。
「や、ライナー……あ、あ、あ、ひゃああっ!」
胸がお暇だなーと思って、こんどは胸をなめ回すことにした。まずは左から。
「ひっ!ミ、ミシャちゃん!……あっ!」
甘噛みすると身体がぴくん!と跳ねる。
「は、激しす、ぎる……よ」
そんなに強い快感を与えてはないと思うんだけどなぁ。
「それはオリカがエロいからだよ」
「台詞取らないでよ」
ライナーに台詞取られた。でもライナーはそんな気にしていないみたい。いぢめることをやめて、顔を合わせる。
「……ライナー、ミシャちゃん……」
「どうした?」「どうしたの?」
二人してオリカの顔をのぞき込む。
「……意地悪しないで……」
「いいよ。続けてあげる♪」「もちろんいいさ」
それぞれまた刺激を与えだしたら、オリカがこれまで以上に悶え始めた。
「あっ…………あ……ああああっ!」
ぴくぴくと痙攣しだしたと思えば、"びくびく"痙攣して盛大な潮吹きをした。
「……おいしいよ、オリカの」
「はぁ、はぁ、はぁ……そんなこと言わないで……」
「ライナー。ちょっと頂戴」
口移しでオリカのをもらった。
「ミシャちゃんも……そんなの飲まないでよ……」
「ふふっ、いいじゃない。おいしいよホントに」
まだ息があらいけど、ちょっと落ち着いたみたい。
「じゃあ、あとはライナーにお任せしようかな」
「任せとけ」
「じゃあ、入れるよ」
「……うん……」
正常位の体系を作って、あれをオリカのあそこに当てるライナー。
「うあ、こんな大きいの入るの……?」
「大丈夫よ。痛いのは最初だけ。少し立てばライナーのぬくもりが感じられるようになるから。インストールより楽よ?」
オリカをリラックスさせようと、言葉をかける。うなずくのがみえる。
と、ライナーが始めたみたい。
「ひっ! い……いた……い……ああああっ……」
ゆっくり、ゆっくりとオリカの中に入っていくあれ。
「……ああっ!」
赤い血が結合部から漏れる。
「……ごめん、痛くない?」
「……大丈夫。落ち着いてきたよ。……繋がったね」
表情にはまだ苦痛があるけど、それ以上に繋がることができたことのほうが嬉しいみたい。私だってそうだったけどね!
「ああ……じゃあ、動くぞ……」
私もなんかとてつもなく溜まっている。早くライナーの……ライナーのあれを!
「んっ……あっ……はぁ、あああっ……」
激しく突き上げるライナーと、突き上げられるオリカをみて、自慰をする私。
ぐちゅぐちゅと接合部から音がもれ、ひたすらにかき乱す。早く私にも!
「……俺、もう……!」
「ライナーぁ……もっともっと!」
さらに激しく突き上げるライナー。いいなぁオリカ……早く欲しいなぁ……。
「いくよ、オリカ……!」
「あたし……イっちゃう…ライナーぁ……あああああっ!!」
一緒にイっちゃったみたい。オリカの身体の上でライナーのあれがまだビクビクと動いてる……。
「はぁ、はぁ、はぁ、うれしい、よ……ライナーぁ……」
……ちょっと長くない? 相当疼いてるんですけど。
「オリカ、早くライナー貸してよ」
「……い、いいよ……」
まだ息がととわないのか、ぐったりしている。
「ライナーのあれ、元気にしてあげる」
オリカの体液も付いてたけど、別に気にはしない。
「ちょ、ミシャ!」
「だーめ。私、もう我慢できない。んっ……ちゅっ……あん……あむ……ちゅっ」
即座に元気を取り戻すライナーのあれ。もっと大きくなって! もっともっと!
「あ、ミシャ……もう……」
一発抜いてるのに早いなぁ。それだけ私に興奮してるんだよね!
「ちゅむ……ぺろぺろ……あん……」
「ミシャ! 俺……」
いったん口を離して、
「盛大に出しちゃいなさい」
といって、またライナーのあれをくわえる。崩壊は早かった。
「んん!!」
さすがに二回目ね。量は少ない。でも、すんごく濃い……。
なんとか漏らさずに全部口で受け止めた。
それをオリカの口に持って行く。ライナーの、味わいなさい♪
「? んん!」
口移しであげる。
「おいしい?」
オリカに半分ぐらいあげる。
「……うん」
嬉しそうにうなずいた。やっぱりライナーのあれはおいしい。
「こんどはミシャちゃんにしてあげる番だよっ!」
いつの間に元気いっぱいじゃん。
「えっ?」
「そうだな。ミシャ」
ライナーも濃厚なキスをくれる。強く抱き合い、お互いの舌をまさぐりあって快感を求め合う。途中からライナーが胸を揉み出す。
「んっ……ううんっ……」
気持ちよすぎてたまらない。やっぱりライナーにしてもらうのが一番……。
何分ぐらいそういしていたんだろうか、目を閉じていたから気づかなかっただけかもしれないけど、気づいたらオリカが何かを持って立っていた。
ライナーから唇を離す。
「え゛。ななな、なんで猫飴が!?」
「オリカさんに知らないことなんてないんだよっ! ミシャちゃんが"これ"で感じること! さっき浣腸してたことも!」
「見せてくれるよな? ミシャ」
ライナーに言われてしまっては、うなずくほかない。ライナーは知ってるけど、オリカに知られていることはとてつもなく恥ずかしい……これは恥ずかしすぎる……。
「……いいよ」
ライナーが舐めて適当な太さにする。
私はもう四つん這いになってる……。エロいな私……。
突然、猫飴はおしりに差し込まれた!
「んんんんっ!!」
オリカが楽しそうに見てるのがみえる……。
「おしりで感じちゃうミシャちゃんって、変態だね!」
「そうだな、ド変態だな」
……反論できない。気持ちよすぎて。そういう間にも抜き差しが繰り返されている……うううっ。
「あっ……ライナー……ああっ……ふあっ!」
気持ちよすぎて四つん這いになるのも大変……。
「ライナー、貸して?」
「ああ、いいよ」
え。
「さっきのお返しだよっ!」
もの凄い速度で猫飴を回転させてる……っぽい。一瞬力が抜けて倒れ込みそうになったけど、ライナーが抱き寄せてくれた。
「ライナー……」
膝で立つ状態になって、ライナーがしっかり抱きしめてくれた。
「オリカ」
なんで私の名前じゃないのよ、と思ったらすぐに身体でわからされた。
「ひゃ……ああ……ああん!」
激しい抜き差しと回転が混ざり合ってとてつもない快感になってる!
「ミシャちゃんかわいー」
腰に力が入らないけど、ライナーが抱いてくれてるから安心してイける……もうイきそう……。
「ああああっ!」
びくびくというより、がたがた震えだしてイっちゃった……。
その瞬間に、オリカがあそこに顔を当てたのがわかった。
わ、私のあそこから滴る愛液を飲んでる……。舌で舐められた瞬間にも、ぬちゃっという音と共に猫飴が抜かれた時も、
「あん!」
……声出しちゃった。
「ミシャちゃんのおいしい」
なんかオリカに言われると恥ずかしいな……。
うつ伏せに寝かされて、おしりにある異物感を我慢していると、ライナーがごろんと仰向けにして抱き寄せてくれた。
「ライナー……入れて?」
「自分から言うなんてエロいな、ミシャは」
「だねー。ミシャちゃんエローい」
顔が真っ赤になるのがわかる……。何か段々やけになってきたぞ?
「エロいよーだ! エロい"ミシャ"をライナーだって好きでしょ?」
「もちろん」
「じゃあ早く入れて! 私をぐちゃぐちゃにして!」
「よし、入れるよ」
焦らし焦らされ、私のあそこはもうぐちょぐちょ……。ライナーの大きいあれも、簡単にくわえ込む。
「ふああっ!」
一気に挿入されてもなんの痛みも感じない。ライナーに開発し尽くされてるもん♪
「あったかいよ、ライナー……」
「ああ、ミシャもあったかい」
このままでも十分幸せだけど――
「……動いて?……」
ライナーにしか聞こえないように、そっと囁いた。
「いいよ」
ライナーも耳元でそっとつぶやいた。その瞬間――
「あっ、ああん、ああっ、わた、し……」
激しく感じる! もう何も考えられない。もう時間感覚すら曖昧になっていく……。
「ミシャ! 俺、もう、そろそろ……」
名前を呼ばれて、ふいに意識が戻る。
「あっ……ライナー……は……早く……ねぇ!!」
身体のそこから何かが出てきそうな感じになった。ライナーも限界みたい。
「いくよ……ミシャ!」
「あっ……ライナー……ああっ、イっちゃう!!!」
いった瞬間にライナーのあれが引き抜かれる。その快感で私もイっちゃった。
「はぁ、はぁ、はぁ、ライナー。私、幸せだよ……」
「俺もだ……」
「ラ・イ・ナー? あたしにももう一回して?」
え? オリカ? 痛くないの?
で、結局3Pはライナーがぐったりするまで何回か繰り返された。
おしりが痛い……。猫飴は……?
事が終わって――というか、あの入浴剤の効果が完全に切れて冷静になった後というもの、空気がこれでもかってぐらい重い。
私とライナーはさておき、ライナーとオリカ、オリカと私の組み合わせのあれはまずかったように思う。
「ライナー……あたしをお嫁によって?」
突然を開いたかと思ったら、大胆告白。っておい! ライナーのお嫁さんは私!
「あたし気づいたんだ。やっぱりライナーの元にいたい。でも、ミシャちゃんと仲良くいたい」
「……え?」
「ミシャちゃんも好きだったんだ、あたし。あたしじゃあ絶対できない重荷を背負ってさ、それでも自分に負けずに使命を果たそうとする姿を見て、あたしミシャちゃんのことが好きになっちゃったんだ……」
なんとレズ発言。
「ライナーはあたしの命の恩人。一緒に過ごしたいと想ってたんだ。でね、解決策を最近見つけたんだ」
「へ、へぇ……それで?」
もう結論は見えたけど、あえてその先を促す。
「ライナーのとこにお嫁に行けば、ライナーとも一緒にいられるし、ライナーの妻のミシャちゃんとも一緒にいられるって!」
ぶほっ。やっぱり。
オリカのこと嫌いじゃないけど……。
「いいさ。ふたりとも俺が幸せにしてやる」
ライナー!?
「ミシャもオリカも、コスモスフィアを全部見たんだ。俺に全部見せてくれたんだ」
まー確かに Lv9 まで見たよね。
でも、たしか一夫多妻制を今の法律は認めていないはず……。だったら。
「……ライナー、ライナーが総帥になって一夫多妻制を認めちゃえばいいのよ」
「!!」
オリカも驚く。
「オリカの真摯な気持ちは受け取ったし、オリカ、弄るとかわいいんだもん」
「!!!」
オリカが赤くなる。かーわいー。……あれ、入浴剤の効果、私、まだ効果残ってる? 発言がいろいろ危ない……。
「俺が総帥に? ……そうか、俺が総帥になれば、法律の上は問題ないのか」
「私はいいわよ。楽しそうだし。何よりライナーが居てくれれば」
「あたしは、ずっと一緒にいたいんだ。ライナーとミシャちゃんと」
あたしたちは、それぞれのコスモスフィアへ行って、Lv9 までクリアしてしまった。
晴れて私とオリカはさらに強い絆で結ばれることとなって、理想の三角関係。
ライナーはいつもどおり、私とオリカに接してくれる。むしろ、今までより濃厚になったかも(何がとか聞かない!)。
たまには、私とオリカだけで事をすることも……。あたし、そっちの気もあったのね。
そういえば、レアードが「ライナーが勉強するようになって感心感心」とか言ってたな。
本気で総帥になって法律変えるのかな……それならそれで嬉しいけど。
でも、なんか忘れてる。もうひとり、ライナーに好意を寄せる人がいたようないなかったような。
ま、でもいま幸せだからいいや。
ライナー、オリカ、ずっと一緒だよ。
一応、目次。
>>561-568 アルトネリコ終了後二年後の世界の後日談なもの。
>>569-570 前座。 とろとろむらむ〜ら。
>>571-581 本編。 みんな大暴走! えろえ〜ろ。
>>582-583 結末。 みんな仲良し! 見事な三角関係。
>>584 蛇足。これ。
・長い。異常に長い。マジ長い。マジごめん。読むのたるいとおもう。ごめん。
・1スレ約 25 行で区切ったので、大体 500 行だ。俺もなんでこんなに書いたのかわからん。
・というかエロが薄くてごめん。書き方をまだ模索中なんだ。
・ミュールがただのエロプレゼンターだけになってしまった。クロアの空気レベルが上がってしまった。猛省している。今だけ。
・後日談を書きたかったのも事実。
・一夫多妻制でも問題ないじゃん! と思ったのもまた事実。
・↑二つを混ぜ合わせたら、こーなったという。それぞれで分けて書けよ俺。
・実質2日で書いている。妄想があまりにも暴走しだしたので、書きたくなった。言葉回し・構成etc.が稚拙なのは勘弁して欲しい。
・ミシャとオリカ、あまりにも性格が違うからなんかうまくやっていけそうな気がする。
・今まで禁忌に近かった一夫多妻制に踏み込んでしまったのは、俺がミシャとオリカ、両方好きだからだ。
・ふたりとも幸せになっちゃえよ。
・というわけだ。こんな駄文読んでくれてありがとう。
・……あとはシュレリア様をどう拗ねさせるか……だ。
・ま、まだまだこれからだよっ!
稚拙な文章を読んでいただいた、全ての人に感謝を。
超乙&GJでした
当然シュレリア様編もあるんですよね?
ハーレムエンドktkrwwww
シュレリア含めた4Pも期待してる!
なんだただの神か
○後日談の続きの続き side 彌紗. ※エロはない。飛ばしておk。
三人での生活が始まったら、今までとは違う生活が始まった。
二人でいる時間よりは、三人でいる時間のほうが楽しいと感じるようになった。
ライナーが私にかけてくれる時間はもちろん減った。でも、昔よりよりシアワセ。
二人のシアワセというのはすばらしいもの。でも、私たち三人で創り上げるシアワセは……もう格別のもの。
……でも、オリカはひどく傷ついていた。
実はコスモスフィアでのオリカが“おかしかった”から、現実のオリカにちゃんと聞いてみた。
「隠し事はなしよ」と。私に対して、あのような形で無理矢理に攻めたこと。
ライナーにも既成事実を作らせたこと。あのような行動を起こして私たちの関係を崩したこと。
私としては、気持ちを打ち明けてくれたというだけで十分だったのに――本当にいやだったら、
力の限り拒否するって――、ずっと気にしていたみたい。……一つ訂正があるとすれば、途中から
“私が攻めた”んだけど。
あとでミュールを執拗なまでにとっちめて吐かせたわ。メタ・ファルスでの仲間が作った
「とろとろむらむら」っていうお風呂に入れる“媚薬”だったみたい。それをオリカに伝えたら
「ごめんね、ごめんね……!」と言って泣き出してしまった。ライナーが優しく抱き寄せて、
私も後ろからそっと抱きしめて「本当の気持ちが分かったんだから、いいだろ?」とライナーが
諭して、私はただずっと「気にしないで……」と。“好き”じゃなきゃ、あんな返事返さない。
ああ、私もオリカが愛おしかったのかも……。
泣き止むまで、私たちはずっとオリカのそばにいてあげた。
……余談なんだけど。
オリカの“心の護”――確かどんすけ――が「オリカさんがこんな道に走るとは……っ!
しかし拙者、オリカさんを守る節としてお願いする! ミシャ殿、オリカさんをよろしく頼む!」
とかなんとか。……私に頼られても、ね。
って、節ってなによ。誤変換?
オリカが開いたカルル村のオルゴール屋は閉店することにしたって。たった二年で相当な技術を
身につけて、ひそかに有名人になっていると聞くわ。その店を閉じるというのは、相当な思い切りが
必要だったはず……。でもその代わりに、私の世界を回る旅についていって、その街々でライナーと
オルゴールを作りつつ売ることにしたみたい。
私も作るのを手伝ってる……けど、主な役目は楽曲の作曲ぐらいしか。海風のオカリナが、
私のメロディを優しく奏でる。それを、イメージが失われないうちに譜面に書き出して、おわり。
あとはオリカのお仕事。
私の曲で、なおかつオリカ製のオルゴールっていうことで結構有名な商品になっているって。
行く先々の町でオルゴールを買ってくれる人が必ずいるんだから、オリカも相当な有名人じゃん。
街々を転々とするときに必要になってクルシェに作ってもらったのが、リアカー。別に特別なもの
じゃないでしょ。オリカのオルゴール作りとかで、一気に荷物が増えたからってライナーが言ってたわ。
特別な機能はないけど、軽くてひたすらに頑丈だって。足が疲れたときはリアカーの後ろに座っていれば、
ライナーが引っ張ってくれる。ちょっとライナーには申し訳ないと思うけど。
……鉄骨も相変わらず載ってる。何使うんだろ。
今回は、"詩姫のミシャ"ではなくて、"ライナー&オリカのミシャ"の旅。つまりお忍び。
天覇の地下実験室で体を小さくして、"詩姫のミシャ"とはわかりにくくしている……つもりだけど。
実は小さいままでやったことないなぁって、移動中、頭の片隅で考えてた。
さすがエロエロ変態ミシャちゃん!
…………あー死にたい。
…………でも猫飴、は……ちょっと捨てがたいかも……。オリカの猫飴は気持ち……い……
…………あー死にたい。
シュレリア様はまだか!!
・次はオリカ編だ! シュレリア様の拗ねる姿はもう少し後になる。申し訳ない。
・シュレリア様はこの娘らの性奴隷になります!(嘘。俺には書けない) ん、誰か来たようだ……
ミュールがソルシエールに帰ってきたのと話の流れで言えば――
クロア×ミュール×シュレリアというのも不可能では無(通信が途絶えました
>>593 !! でもまた3Pを書かなければならないのか……っ!
○後日談の続きの続き side.シュレリア ※ 本編。
「うえーん………ぐすっ」
本気で泣いてます、私。
“あれ”を見て、“あの”話を聞いてかれこれ二日間ぐらいこんな感じです……。
私もライナーに恋心を抱いていました。それは周知のことでしょうけど。でも、ライナーも
ミシャと暮らしていくことを望んでいましたし、なによりミシャの想いはその上を行っていた
のです。だからあきらめました。
ウイルスが発生しなくなってからというもの、塔の管理者としては暇な限りです。さすがに
道を少しでも覚えようと、メイメイに作ってもらった地図と睨めっこして塔内をぶらついていたら、
ライナーがリアカーを引っ張りながら歩いていたんです。たぶんホルスに下りるのでしょう。
ちびミシャがリアカーの後ろに座っているのもみえました。
声をかけようと思ったら、もう一人リアカーに座っているじゃないですか。
目を疑いました。居るはずもないオリカさんが、ミシャといちゃついていたんです。
友達という域を超えるぐらいに。もうそれは恥ずかしくなるほど。誰も見ていない……
とおもったら大間違いです。私が見てます。
皆で旅しているときより進展しているみたいで、声をかけられませんでした……。
後を追おうかなとも思いましたが、ライナーとの旅で学んだことを思い出してやめました。
それこそ、道を知っている人に手を繋いで――いいえ、首輪でもしてもらわないとまた迷いますたぶん。
と、いうことでミュールを呼びつけることにしました。まあ塔のどこかに住み着いてることは
わかっているので、メイメイに探させてそこに ELMA を送り込みました。
「なによ? 突然呼び出して」
ミュールは相変わらずのボンテージ風衣装。裸よりはマシですが。
「……ミュール、ライナーとミシャとオリカさんのことについて何か知らない?」
なんかすごく仲が良かったんだけど、と付け加えます。
「……ふふっ。まさかあの薬がそんな効果を発揮するなんて」
にやり。まさにそう形容するほかない笑みです。
「ミュール!?」
気づいたらミュールの肩をがたがたと揺すっていた私が居ました。
「落ち着きなさいシュレリア。私がやったことといえば……そうね、"媚薬"をミシャに渡した――」
「媚薬!?」
さらにがたがたと揺する。
「――だけよ。その媚薬をどう使おうとミシャの勝手だし、なぜかオリカと使っちゃったみたいだけど」
オリカさんと使った……? ミシャが?
「ってことは……いまミシャとオリカさんが結ばれているって事は、ライナーはフリー!?」
「違うみたいよ。単純にライナーの嫁が増えただけ。あとミシャとオリカがレズの関係に……」
単純に、三角関係になっただけってこと……?
「三角関係といっても、お互いがそれぞれ し っ か り 結ばれてるんだから、入り込む余地はないわね」
………。
「あ、ありがとうミュール。突然呼び出したりしちゃって」
「シュレリア?」
なんか私の様子を気にかけてくれているみたいですが、気遣いを受け取る余裕もないです。
自室に引っ込むことにしました……。
「シュレリア??」
ミュールが声をかけてくれているようですが、もうダメです精神的に。
「そんなに悔しいのかしら? でもあのドロデレの作ったものでも、たまには役に立つようね……」
……回想終わり。
ぐすん。泣くほかないです……。なんかレアードが呼んでいたみたいですけど、それすら無視してしまいました。
乙女心はずたずたです……。
“メイメイ”がわざわざご飯と飲み物を持ってきてくれました。本来、食事というものは要らないはずなんですが、
700年来続く慣例で未だに食べ続けています。
ご飯を食べてやっと落ち着いてきました。とりあえず作戦を立てることにします。
オリカさんが同性愛に発展するなんて考えてもませんでした。ミシャはいろいろ問題発言をしていますが、
意外と根本からえっちく出来てるんですよ。クローンマスターの私が言うことじゃないんですけど。エロくない!
と拒否してるのは照れ隠し。しかし、ミシャも何でそっちに走っちゃったんでしょう。
……作戦が全く持って思いつきません。なんでオリカはあんなに強く繋がれたのでしょう?
!! バイナリ野をあさってみましょう! こういうときは過去の偉人が解決策を残してくれているはずです!
・
>>593 ちょっと妄想してたらおらわくわくしてきたぞ! でもライナー x ミシャ x オリカでおなかいっぱいだ!
・ごめん、ホントどうでもいいんだが、フレリア様 x シュレリア様(+α)で書きたいんだが、需要ある?
・次は 4P です。想像力の限界にチャレンジします。しばらくお待ちください……
貴公・・・
ふれ×しゅれを書くということは三が出た暁にはふれ×しゅれ×てぃを書くと誓っているようなものだが・・・
それでもいいのだな!
個人的にはライナー×ヒロインズ×+ミュールの4Pを……!
ってかライナー×ミュール(ジャクリ)って、2が出た今となっては需要ないのかな……。
>>599 クロアがあまりにもミュールの婿としてぴったりだからなぁ
ライナーは恩人だが、クロアは恋人なんだよ
うーん、俺としてはジャクリCSのクロアは
ライナーやソルシエールのみんなの代用に見えるんだよなあ。
ライナーに元々想いを寄せてて、クロアにその姿重ねて〜っと
……妄想するなら何か書けだな。勝手にCP論語ってすまん( ´・ω・`)
ライナーに思いを寄せるというよりは「私も彼氏欲しい」って欲望がクロアというちょうどいい対象に向かったと思ってる。
ライナーに思いを寄せているとか俺にはとても見えない
せめてトークマターで話題に出る時にそのそぶりが出るならともかく
すごい奴とは認識してるけどその先は無いように見えるよ
CSにしてもランク5以降は間違いなくクロアの頑張りでライナーの代替品じゃないし
まさかジャクリルートであそこまでやっておいて全部ライナーの代わりでしたとか言われたら流石に萎える
604 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 17:28:22 ID:gQdHu3fT
確かにライナーは恩人であっても恋人ではないよな。
今までずっとソル・シエールの人々を苦しめてきたから、ライナー、ひいてはソル・シエールの人間に対して何か負い目を感じてるのかも。
根っこで世界に負い目感じてる人だからなあ
ライナー達は人類全体の許しの象徴みたいな感じじゃないか?
んで、個人として一緒に歩いてくれる人としてたまたま相性いいのが見つかったと。
ミュールにライナーに恋愛感情が現状であるかどうかじゃなくて
恋人対象にはなってたかもしれないというような気はする。
ミュールの趣味って表面上はシュレリアの反転であり、そのくせ根本は同じだと思うから
シュレリアを射止めたライナーにも、なにかの拍子で転んでいた可能性はありそうな気がする。
フラグはVEDAでも充分だし、熱血しつつも女の子のいいとこ探しはライナーもできるから
そこに潜れるきっかけさえあればジャクリCSもクロアのものとは過程は違えど、
同じ着地点=恋人関係にはなれたんじゃないかなあ。
まあ可能性を言い出すと全キャラにいえるんだけど、少なくともクロアからみたアマリエよりは
レグリスからみたアマリエくらいには射程範囲にいたんじゃないかなあ。
登場ヒロインを全部ライナーと恋愛フラグありで絡ませないと気が済まない人間でもいるのか?
そこまで無理にくっ付ける必要性があるの?
いや書きたいって意志や妄想は別に否定しないけどさ
それでもそこまでしてミュールとライナーをくっつける必要あるの?
本編ヒロインの三人娘で言えばゲーム本編で全員恋愛フラグ立ってるんだよなぁ。コスモスフィアの全部終わらせられるからさ
Lv9まで入れられるクロアを結局ライナーと重ねていたとかねもうねもう。
ライナーに姿を重ねてたと考えると、
クローシェにしろルカにしろココナにしろシンシアにしろ当人のクロアにしろ、
なんかもう惨めというか考えるだけで何だか辛くなるからなあ
CS奥まで入るクロアの覚悟を問い質したアヤタネは何を想うのだろう。
まあ、そこらへん全てひっくるめて調理したSSがあればそれはそれで見てみたいが。
……シンシアはこの問題とは関係ないか。
シンシアは俺結構好きだ
シンシアは切ないねえ
クロアはクローシェさまかルカとくっついた後はシンシアを愛人にしてやればいいと思います
俺はココナも不憫だと思うんだが
なんか思ったより2主体の人が多いんだなあ。
ミュールからライナーへの関係とか心情とかは、1の頃から考えたから
むしろ2でその辺さっぱり触れられずに終わったのが残念だったんだよね。
だから思うんだけど、ミュールの問題は本来ソルシエールでこそ完全解決するものだし
深層部でも明らかにミュールの心はソルシエールにあったじゃないか。
素直になれないから外部に逃避して、そこで完了したんじゃなくて
本当に完了するための心構えを身につけたから最後に帰るんだろう。
代用という言葉が悪かったのは認める。本来は故郷で解決するべき問題を、
メタファルスの皆からアドバイスをもらって後押ししてもらった、というべきだったな。
何よりジャクリEDでなくてもジャクリは故郷に帰るんだし、
誰かがCS深層にもぐらなくても、2の世界でなんらかの心情変化があったとみてもいい。
それでジャクリが故郷に帰って、そこでライナーたちとの関係に変化がある展開も視野に入ってもいいんじゃないかな。
>>613 それって結局ライナーになびくことにならんか?
ミュール関連が2主体なのは仕方ないだろ。1ではあくまでラスボスでしかなく、ライナー達との接点がほとんどない
2は仲間になってコスモスフィアにも入れる。つかライナーとクロアを重ねてたって、ジャクリED以外でソルシエールに戻った後でライナーになびく可能性があると言うことか?
オリジン、β型、第三世代と三種全て抑えてるくせにさらにラスボス型とは
ところで記憶違いでなければβ型はオリジンのクローンだったような気がするんだがミシャがシュレリアのクローンとは(体系的に)思えない
やっぱ記憶違い?
シュレリア様のクローンで合ってるが…
遺伝子操作とかしてるのかね
>>614 なびく可能性はあると思うなあ。まあそれも、ジャックとかラードルフよりはあるって意味で。
2が主体になるのはゲーム中で「攻略できる」からであって、そこで描かれた設定の大半は1にもみれた。
クロアは1のその後に発生した心の問題にも触れてはいるが、
それらの情報全ての最終到達地点がミュールが紡いだハーモニウスの想いだというのは、クロアもライナーも同じ。
その上で二人とも、こいつは放っておけない! と行動して、その結果ミュールは開放されたわけだ。
特に1の展開は、ミュールの何百年も続く怨念その他の開放の始まりであり、
彼女の長い歴史の中でも非常に重要な出来事であったのは確か。
ちょっとその経緯を調べれば、その基点にライナーの強い意思があったのも調べがつく。
まあライナー側の事情はミュール以外の問題もあっての行動だけど、
だからといって、自分に大きな影響を与えた相手を特別視してはいけないというわけではないはずだ。
そういうわけで、フラグはそろってるし、ではそれをどう転ばせるか、っていう
作り手の妄想が追いつけば別段不思議じゃない展開だと思われる。
ちなみにクロミュを否定したいわけじゃないよ。ライナーに対するヒロインの一人に
ミュールが加わるのもそう不思議ではないし、俺は長年それに妄想萌えしてたってだけで。
>>613 素直になれないから外部に逃避して云々は妄想すぎるだろ…
というか、ソルシエールで完全解決しちゃだめなんでは
1のラストは始まりで、そこから償い含めて人生やり直す形なんだし
ライナー達は両親みたいな立ち位置と考えるのが自然だろう
2ででてきた私服シュレリア様が何をしてたのか激しく気になる
>>616 そんな長文書いてる暇があるなら、
その不思議じゃない妄想ってのをみんなが納得出来る展開のSSにして
投下すればいいんじゃないだろうか
自分の妄想を語るだけなら
「それはおかしい」って反対する人が出てくるだけだ
シュレリアってオリジンでも最初生まれたんだよな?
あの星で最年長者のはずなのに16歳って……
>>614 いわばシュレリア様は全てのレーヴァテイルのオリジナル且つプロトタイプみたいなもんで
そこから作り出されたのがミュールやリューンなどのβ純血種
ミシャは「シュレリア様を元に作られたリューンのクローン」だから、まぁ、あれだけ違うことだってある
因みに、スペクトラム遺伝子の揺れでクローンといえどまったく同じ固体は作れないそうだ
そういやクロニクルキーを3交代制で唄うとかできないんだろうか
落とせるならライナーだろうがクロアだろうがどっちでもいい
腐女子じゃあるまいし相手方になんて拘らないよ
全裸ラスボスぐらいしか情報なかった1の時点ならわからんでもないが、
2やるともうあの二人が夫婦としか考えられん気が
フラグ云々じゃなくて、キャラの相性としてさ
というか、ミュール助けたのライナー1人って訳じゃないしな
長い付き合いの16歳はともかく、それ以外はオボンヌ一行って認識になってそう
もしライナーが落とすドラマCDなりフラッシュCSなり出てたら
それはそれで受け入れていたな
夫婦wとかキャラの相性とか、拘るのはクロアが好きだからじゃないか
ライナをオボンヌって認識したのは、塔を出るときの餞別が原因だろうかね
大量に渡されたみたいだけど全部食べたのかなぁ
名前間違えた
ライナじゃなくてライナーだ
2時点でミュールは最後の世界にも行ったみたいだけど、各世界の同胞の扱いを見てどう思ったんだろうな
道具扱いの1、共存もしくは敬いがある2、支配階級みたいな最後の世界
ティリアの塔はレーヴァテリアに近い感じだけど、良く思ってないような会話なかったっけ?
後、もうミュールとジャクリは別人ってことにすればいいと思うよ
「ライナー。私、ずっとライナーのこと好きだったんだよ? 浮気なんかしたら――こうだからね?」
狂気にまみれた、いや、狂気しか見いだせないような凄惨な笑顔を見せて、ライナーの腹目がけて包丁を突き刺した。
「ぐっ……ぐはっ!!」
刺された腹からは血が、口からは内容物と胃液が。
「ライナーは、私たちのことだけを見てくれればいいんだから!!」
そういって、腹から包丁を引き抜き、さらにもう一差し――
「!! …………夢か…?」
声にならない悲鳴を上げつつ、飛び起きた。ひどくリアリティがある夢だった。
にしてもひどい夢だったと回想する。プラティナの"あの場所"で、ミシャからの告白を受けていたというのまではいい。
しかし、どこがどう狂ったら腹を刺されるまで発展するのだろうか。
ふと隣を見ると、ミシャが気持ちよさそうに寝ていた。それを見たライナーは、
「……寝よう」
まだ眠かったので、また寝ることにした。夢は夢だ、と割り切って。
「ねぇライナー。これからもあたしに優しくしてね。してくれないと――こうだよ!」
狂気にまみれた、いや、狂気以外の何者でもない無邪気な笑顔を見せて、ライナーの首目がけて――動脈側だ――ノコギリが当てられ、引いた。
「……!!」
首もとからおびただしい血が噴き出し、ライナーの意識はすぐに混濁した。
「ライナー、ずっとあたしたちのことを見ててね……」
そういって、ノコギリをもう一回首に当て、さらに強く引いた。
「!!! …………………………夢………か…?」
声にならない悲鳴を上げつつ、飛び起きた。腹筋を限界まで酷使し、先ほどの比ではない驚異的な速度で
飛び起きた。起きた瞬間に汗が散る。二度目だ。冷や汗つゆだくもいいところだ。事実、額には玉になるほど
の汗が噴き出ている上、背中もじっとり濡れている。
またしてもひどい夢だったと回想する。ネモの"あの場所"で、オリカに延命剤を入れていたまでは良い。
しかし、どこがどう狂ったら首をかっさかれるにまで発展するのだろうか。おまけに二回目は首を切り取ろうか
といわんばかりの強さで――。
「!!!!!」
冷や汗が増えた。無駄なことを考えるべきではなかった。
「ん……っ」
「!!!!!!!!!!!」
今度は心臓が止まりそうになった。隣で寝ているオリカの目を覚ましてしまった。いくら夢のなかとはいえ、
オリカはオリカだ。一瞬ぞっとするライナーだった。
「どうしたの……? ライナー」
ライナーの顔をのぞき込んでくるオリカ。あまりにも冷や汗だくだく、月明かりでも分かるぐらい顔色が悪い
その顔を見て、オリカの表情はいっそう険しくなった。
「あ、ああ。ちょっと悪い夢をな……」
そういって、髪の毛をかきむしる。少しでも落ち着けば、と。
「ひどい汗じゃん。はい」
オリカがバスタオルを渡した。『フェイスタオルではなくバスタオルを渡すあたりオリカらしいな』と、
どうでも良いことを思ったら心が少し落ち着いた。
「……どうしたのライナー」
ミシャまで起きてしまった。
といっても相当寝ぼけているらしく、布団にくるまったままで目は半分以上閉じているが。
「……大丈夫だ。ちょっと悪い夢をな」
「ふーん」
あまり関心がなさそうな(単純に眠いだけなのだろう)生返事を漏らした。と思ったら――
「ってちょ、ミシャ!」
突然、抱きついてきた。不意の事態に何も抵抗することが出来ず、上半身がベットに引き戻された。
「怖くて眠れないんでしょ? 一緒に寝てあげる」
「あーミシャちゃんだけずるい! あたしも!」
オリカも抱きついてきた。
二人分の暖かみを受けて、ライナーの心の中に平穏が戻ってきた。
とても、安心できる暖かみ。
「ありがと、安心して寝れそうだよ。ミシャ、オリカ。おやすみな」
「「おやすみ」」
耳元で二人がささやいた。
「ねぇ、ライナー。ずっと私たちのことだけを見続けてくれれば……」
「ね、ライナー。ずっとあたしたちのことだけ、見ててくれれば……」
――心臓が、跳ね上がった。
――二人の表情が、ひどく恐ろしく見えた。
※ これは
>>595-596 の続きではありません。
・言うことは何もあるまい?
・強いて言えば、ミシャはもっと黒くなれるはず……なんだが。
○タイトル未定。
「クロア、これ着てちょうだい」
ジャクリがクロアに、平べったい――何かの衣装が入った――箱を押しつける。
先ほどまでジャクリが『適当にぶらぶらしてくる。但しついてこないで』と言い残して買い物に出かけたのは三時間ほど前の話。
ようやく帰ってきたと思ったら、これだ。
「……何が入ってるんだ?」
「ふふふ」
(凄くいやな予感が――)
ジャクリの表情というのは意外と単純でわかりやすい。人間と違って嘘をつかないと断言しただけはあり、表情にもその概念がそのまんま適用されてしまっているからである。ポーカーフェイスが不得意、とも言えるが。
片手で箱を持ち、もう片手で蓋を取り外すと――。
「――!!」
まさに声にならない叫びを上げて、クロアの思考がぶっ飛ぶ。
「さあ着なさい。今すぐ着なさい。着ないなら私が無理矢理にでも着せるわよ」
「ジャクリ……勘弁してくれないか?」
「昨日、私の前ではっきり言ったわよね? なんでもしますって」
昨日の夕方の話なのだが――。
クロアは致命的なミスを犯した。ジャクリが大切に持っていた小瓶――中身は何かしらない――をゴミと間違えて捨ててしまったのだ。そのことについてひどく言及され、そのことについてのお詫びというか、罰的なものを受けると言うことになった。
で、その罰がこれだ。
「確かに言ったが……これはひどいだろ……」
「男に二言はないわ。さあ着なさい!」
ぎゃああああああと、クロアらしからぬ悲鳴が聞こえたような聞こえなかったような。
「うううう……」
何か半泣きになっているクロアを引き連れて外に出かけたのはつい数十分前の話なのだが、町で会う人会う人がやけにクロアの方を好奇の視線で見てくる。
と、あの人たちに会ってしまった。今のところほぼ唯一、ご近所以外にクロアのことを知っているソル・シエールの住人、三人集。
「ミウちゃん!」
「あらオリカ。奇遇ねこんなところで会うなんて」
「……そちらの方は?」
もう一人の同行人、ミシャが問う。
「クロアよ」
「へっ……」
ライナーが息をのむ音が聞こえた。突然――。
「クロア……俺、クロアのことが好きだったんだ……いや、一目惚れしてしまった」
「「えー!」」
と、ライナーの連れが叫ぶ。いやそりゃ叫ぶだろ。
「やっ、ちょっ、待って」
本当に女性のようなか細い声を出すクロア。
「ミュール、こいつ借りてくわ」
と矢継ぎ早に言ってクロアをさらっていくライナー。近くの宿に吸い込まれるように入っていって、ものの数分後「クロアーッ!!」という叫びが聞こえたのを、レーヴァテイル三人は呆然と聞いていた――。
――なんてことになりかねない。
とあり得ない妄想を脳内で繰り返しながら、クロアは町を歩かされた。
と――。本当にあの人たちに会ってしまった。今のところほぼ唯一、ご近所以外にクロアのことを知っているソル・シエールの住人。
「ミウちゃん! お久しぶりー」
「あらオリカ。奇遇ねこんなところで会うなんて」
「……そちらの方は?」
びっくりするほどクロアの妄想通りに進む会話。
(これは……)
汗で背中までびっしょりになっていくのが自覚できた。
「クロアよ」
「へっ……」
ライナーが息をのむ音まで――。
「クロア……」
げっ。ここまで妄想通りか……っ。
「そんな趣味があったなんて……」
(へっ?)
ライナーの言葉が妄想とは違う……!
ひどく異常事態だったのでクロア自身の妄想が明らかにおかしいものだと、自身で気づかなかったらしい。
「……んーでも何か物足りないね」
オリカが言う。
「そうね……」
ミシャも言う。
ライナーの連れ二人がクロアの顔をのぞき込んで、何か考えている。
そんなまじまじ見られても――というか、こんな恰好させられているというのに、嫌悪感を抱かないというのは異常だろ、と思うクロアだった。まだノーミソに冷静な部分があるらしい。
「! そうだ! 化粧をろくにしてないから!」
「! そうだね! 味付けが足りないんだ!」
「そうなの?」
ジャクリがことさらににやにやとし出した。
「いやもうこれ以上女らしくなったらクロアの威厳が――」
一方、ライナーはクロアの『男としての威厳』を守るための発言をしてみたが、だれも聞いていなかった。まあ……少々ピントはずれているが。
「もっと美しくなれるわよークロアさん」
と言ってにじり寄るミシャ。新しいおもちゃを見つけた子供のように嬉々とした表情である。
「あたしたちがもっとかわいくしてあげるよ!」
と言ってにじり寄るオリカ。新しい弄り相手を見つけたドSのように嬉々とした表情である。
「さあ、あの二人に化粧なりなんなりされてきなさい」
と言って事の成り行きをミシャとオリカに任せたしたジャクリ。
「「ライナー!」」
「は…はい!」
「クロアさんを拘束して」「クロアちゃんを拘束して」
既にオリカはちゃん扱いである。
「家までお連れして?」
とミシャが言った。
プラティナへの帰り道――。
「さあ弄り倒すわよ!」「弄り倒しちゃうもんね!」
二人の発言を聞いていて、クロアはとてつもなく不安になった。
続く。
・ソル・シエールでのクロア編です。
・何着てるか特に書いてはないけど、分かりますよねw
・一つ弁解させてくれ。
・
>>630-631だが、夏の納涼的な意味で10分ぐらいで書いたんですけど全然そういうのが読み取れないあたり最悪です。
もうちょっと練れよ俺。俺死ね。氏ねじゃなくて死ね。駄作を投下して本気でごめん。
・後日談の続きが滞ってるのでこんな日常(?)を書いてみてる。4Pは妄想力の総意を決しての総力戦だ。
・募集。クロアの女性名を考えてくだされ。思いつかん。
・個人的にはもう『クロ子』でもいいかなぁなんて。ほら、ネーミングセンスがあれなひともいるし。
・『クロシャ』の方がいい? 漢字にすると『黒紗』。ああ、マシかな?
そこは「クローシャ」だろ
女装ネタがでてきたか……。そういうの嫌いなんだよな。悪いけどNGにする。
ヤンデレ(?)の話までよかったのに……。
不覚にも勃起した
黙ってNGにしてってね!
NG 設定にするなら "後日談の続き" あたりを登録しておくといいよ!
俺の作品それでほとんど見えなくなるから。前方一致ならな。
!注! 次の作品の時間軸は著しく狂っております。設定も一部ねじ曲げてあります。その辺要注意。
- Kara * Cola 発売記念
「ディスクオルゴール?」
聞いたこともない名前に首をかしげた。オリカが金属の円盤を両手で持ち、楽しそうに話す。
「そ。ディスクオルゴール。いままでのオルゴールはね、シリンダっていう筒に針を打ち出すことで
作ってたんだけど、曲の交換が出来なかったんだよね」
一台のオルゴールに、一つの曲。当たり前だと思っていたんだけど。
それはそれでなかなか情緒あることだと思うんだけどな。
「でね、古い本に円盤に穴を開けて曲を記録するっていうのがあったんだ。これを何枚も用意して交換
して、曲を変えることが出来るんだよ」
といいつつ、ただの金属の円盤を私に渡す。厚みがあまりないわりには、結構重い。
「これが? 投げて遊べそうだけど」
投げるふりをしてみた。……重いなこれやっぱり。それに、人に当たったら――
「ミシャちゃん……これ人に当たったら死ぬよ?」
オリカが顔をしかめた。
「冗談だって。いくらなんでも」
笑ってごましてみる。私じゃ、こんな重量物投げる前に自分の足下に落としそう。
「……そういえば、オルゴールの機械は出来てるの?」
「いまライナーが作ってるよ。やっと完成しそうだから、ミシャちゃんに曲を書いてもらおうかなって」
ああ、最近ご飯とお風呂以外に部屋から出てきたところを見てないなぁと思ったら、やっぱり何か
作ってたのね。円盤をオリカに返して、ふと疑問が沸いた。
「曲を書く? いまある曲じゃダメなの?」
まだオルゴールにしていない曲がいっぱいあるはず。たぶん。
「んーとね、ディスクオルゴールの特徴は、曲を交換できる以外にも長い曲を作れるんだよ。
あと音域がとっても広い」
長い曲を書けるの?
「何分ぐらいの曲なら出来るの?」
「音符の密度低くすれば、3分ぐらいなら?」
「音域は?」
「だいたい4オクターブぐらい?」
今までより、ずっと長くて大きな曲を書けるのね。どういう曲にしようか、すぐには思いつきそうにないわね。
あれやこれやと構想を立てていると、ふと、オリカの表情が別のものに変わった。
「ミシャちゃん。ライナーには話したんだけど、あたし、やってみたかったことがあるんだけど、聞いてくれる?」
「もちろん。いいわよ」
すごい真剣な表情で言われたので、私も真剣に聞くことにした。
ライナーが最初に作ったディスクオルゴールの機械は、机における程度の小さなものだったけど、私の目の前にあるのは――
「でけぇ……」
「おっきい……」
ライナーとオリカがそれぞれ感嘆の声をあげた。
「作業場でも十分でかく感じたけど、ここに持ってくるとなおさらでかく見えるな」
作業場はそんなに広くないでしょ。
「ライナーも一緒に作ったんでしょ?」
「まあ、そうなんだけどな……」
私たちがいるのはエル・エレミア教会の大聖堂、その一角。私たちが作ったのは巨大なオルゴール装置。
中にベルや太鼓とか、いくつかのパーカッションも搭載している「ミュージックボックス」と呼ぶのに
ふさわしいオルゴール。作るのだけに一年、さらに調整に半年もかけた、オリカとライナーの自信作。
天覇にお願いして、ゼンマイを巻かないでも動かせるようにする動力機も付けた。ライナーが自慢して
いたけど、数十枚のディスクを自動的に交換する機能まで付けたっぽい。ライナーってそういうところ
だけ器用なんだから。でもね、あまりにもライナーががんばりすぎて大きいの作るから、持ってくるだけで
一苦労だったけど。エル・エレミア教会の人たちにも協力してもらってやっとだったけどね。
ディスクは十五枚。つまり、十五曲。私たちが旅の最中に歌った曲が六曲。思い出すのに苦労した。
大体、歌っているときのことはほとんど覚えていないので(曲をっていう意味で)、それを必死になって
書き出した。星詠だけは例外ね。あとはソル・シエールに昔から伝わる「つがう命の声」、あとはそれと
なく出てきた曲を新作書き下ろし。
「ライナー、ミシャ、オリカ」
? 誰だろ。
「クルシェ!」
振り返ると、クルシェがいた。
「また凄いもの作ったね」
「当然よ。私たちが作ったんだもの」
「ミシャが手伝えることなんてないんじゃないの?」
むか。(オルゴール本体の制作は手伝えなかったのは)事実だけどこいつは……。
「でもすごいな。ドッコイ定食一回はおごってあげても良いよ」
「一回と言わず十回でもおごりなさいよ。あとメガミルクも」
「ま、まあまあ……」
ライナーが割り込んできた。まだこれからなのに。
「またでけぇもん作ったなおい」
また人が来たみたい。この声は!
「ジャック! ……フラウト!?」「アル兄ぃ! ……フラウト!?」
「どうした、ミシャ、それにライナー。私がここにいるのがそんなに不思議か?」
「……い、いや、イム・フェーナから離れて良いのかって……」
同感。よくよく考えたら、イム・フェーナから出てきたの初めて見たよ。
「いや、アルモニカが行くといったのでな、一緒に付いてきた」
いいの? 町の長が町を離れても?
「それよりよ、ここに来るまで大変だったんだぜ? こいつこんななりしてるからそこいらの
ガキに笑われたり、おばちゃんに指さされたり――」
「アルモニカ!」
「いいじゃねぇか事実なんだし」
「でも、フラウトがそれ以外の格好をしているの、想像できないわね」
「実は下にオボンヌTシャツを――」
ライナー、それはあり得ないから。
そう、エル・エレミア教会にこのオルゴールあるのかっていうと。
最初はプラティナの大聖堂に置こうかな、と考えていたんだけど。プラティナの大聖堂は
すでにスペースがない。たくさんの人に聞いてもらうことが出来る場所……と考えたら
エル・エレミア教会の大聖堂ぐらいしかないんじゃないかなってことになった。
ラードルフにこの話をしたときに、「これが平和の象徴となるなら」といって大聖堂に
おいてくれるのを快諾してくれた。資金援助に、人手まで貸してもらって本当に至れり尽くせり。
「アヤタネ……来てくれないのか?」
ライナーが悲しそうな表情を見せた。そう、アヤタネもこの試奏に呼んだのに、なかなか来ない。
「大丈夫よ。おそらく来てるわよ。クロアとアヤタネもつれて、ミュールが私たち以外の前に出てきたくないんでしょ」
ほら、母さん帰ってきたって喜んでたじゃん、と付け加えた。しばらくは親子(?)水入らずにしておかなきゃ。
「そうだな……きっとどこかで聞いてくれてるよな」
――へっくしゅん。
……? どこからともなくくしゃみの音が聞こえたような?
「あらあら、みんな集まってるのね」
「クレアさん!」
ライナーがやけにうれしそうに反応する……ジト目で見てやるけど、ライナーは気づかない。
やっぱり胸が以下略。私もオリカも十分大きいと思いますが!? でももう成長することないのよね……私。
「オリカがオルゴールの試奏をするって聞いたから来たのだけど」
もっと小さいオルゴールだと思ったのかな。ディスクオルゴールを見て、なにやら。
「オリカもこんなに立派なオルゴールを作れるようになったのね……」
ライナーと私が一緒だったんだから、当然ね。
「オリカー。クレアさんが来てるぞ−。オリカ……?」
ライナーがオリカを呼んでも全く反応がない。不思議に思って、ずっとオルゴールの方を向いて立ち尽く
している(というほかない)オリカの顔をのぞき込んでみる。と、オリカのつぶやきが聞こえた。
「なんかうそみたい……こんなに大きなオルゴールを作って、たくさんの人に聞かせられるなんて……」
って、オリカ! まだそのオルゴールを試奏してもないのに泣かない!
と、その様子に気づいたのか――
「オリカ」
クレアさんが、正面から優しくオリカを抱きしめた。
「……お姉ちゃん」
やっとクレアさんが来てくれていることに気づいたみたい。
「オリカ、よくやったわね」
「うん……」
昔から姉と慕っていた人にほめられて、とても嬉しそう。ほとんどクレアさんの胸に阻まれて見えないけど。
しばらくの間、ずっとそのままだった。そして――。
「オリカ、オルゴールを鳴らしてあげたら?」
聞かせてちょうだい? と付け加えて。
「「オリカ」」
二人で呼ぶと、オリカはそっと私たちの方を見た。
「オルゴール、鳴らそう?」
ライナーがディスクを手に、オリカに言った。
クレアさんがオリカに何か囁きかけた。私たちには聞こえないけど、その瞬間、オリカの表情は晴れ晴れとしたものに。
「……うん!」
蓋を開けて、ディスクをセットする。最初の曲目は――
――良い旋律だね、母さん。
――そうね。いい"音色"だわ。
――素直じゃないんだから、母さんは。
・女装ネタは受けが悪いと分かってて、平行してもう一本放出してみる。でもエロなしだ。
・ラー様? ……ちゃんと出てますよ? 地の文(ミシャ)で。
・どうやって 2 の曲を書いたかって? 電波受信したんだよミシャが!
・リアルレーヴァテイルとシンクロニティした、としておこう (ぇ?
・おつきあいいただき感謝。もうストック切れました。
>>595-596の続き必死になって書きますです……
GJ
647 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 01:12:23 ID:PA1S1i/d BE:180173232-2BP(0)
グッドジョブ
648 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 22:35:36 ID:vDGmV1J5 BE:1051008757-2BP(0)
2の話しを書こうという匠はいないのか?
「お姉ちゃん……スレの容量が限界近いよ、新しいスレ立てなくていいの?」
フレリアはお姉ちゃん――シュレリアに新しいスレのことを打診してみたのだが。
「……ぐすん」
泣いていた。
原因はすぐに分かった。スレを見れば分かること。
「お姉ちゃんスレの住人に弄って貰えなかったことそんなに悲しいの?」
そう、このスレではほとんど――というかほぼ一切弄られなかったのだ。
同じ出演者のオリカやミシャは弄られているというのに……!
「……うん」
「8ヶ月も放置されればお姉ちゃんだって悲しむよね」
さりげなく傷口を広げるフレリア。
「…………うん」
「オリカさんやミシャさんのほうが弄りがいがあるのかな」
なんとなく言ってみた。
「………………うん」
(肯定されちゃった……)
いたたまれない空気になって、フレリアはその場所を離れることに。
「じゃあお姉ちゃん新しいスレ立ててくるからね。あとでちゃんと新しいスレに来てね」
「………………………うん」
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220025564/
名前欄間違えた。
恥ずかしい。
もろばれた。スレ立てたのが俺だということに。
確かに相当数投稿してスレを食いつぶしたのは俺だ。
だから最後にSSを投下した俺が立てるのは至極全う(?)なことだとは思わないか。
ただ恥ずかしすぎる。俺、別にMでもなんでもないのに。
……早く新スレ行けよおまえら。俺の醜態見たっておもしろくないだろ? な。
ニヤニヤ
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め 埋め
埋め埋め埋め埋め埋め埋め
とても素だと恥しくて投稿できないけど
埋めネタとして。
クロア×ジャクリ
ジャクリED後、設定とか間違ってたらすまん。
ジャクリには羞恥心が足りないと思う。というか、「恥ずかしい事」に含まれている事があまりに少ない気がする。
こういう事を彼女に言うのはもう何度目かも忘れたし、その都度軽く流されてしまい改善の兆しが無い事もわかっている。
けれど今日のアレはまずい。一緒に旅する仲間として。いや、そんな事は関係無しにジャクリには改めてもらいたい。
すっかり日程となったこの夜の会話。いつもと同じように俺は扉をノックした。
「ジャクリ、今少しいいか?」
「いいわよ」
がちゃ
扉を開けて中を見る、とベッドに腰掛けた下着姿のジャクリが−−
がちゃん。
「なんで入って来ないのよ」
「何で服着てないんだよ!?」
「何言ってるの、着てるわよ。早く入ってらっしゃい」
言われて覗いてみると、下着に見えたそれは「サザンクロス」だった。
「どうしたんだよジャクリ、いつもの寝間着は?」
今度こそ部屋に入りながら訪ねる。
「どうせ今日はこの服の話しでしょう? その話題になってから着替えるのもなんだから、前もって着ておいてあげたわ」
俺が何を言いに来たのか解っているらしい。服の話しをする時にわざわざその服に着替える必要は無いというのは、何度言っても解ってもらえないが。
「解ってるなら話しは早い、すまないが−−」
「嫌よ」
……。
「これはもう着るなっていうんでしょ? 嫌よ」
落ち着け、俺。いつもの事だ。
「人の台詞を横取りしないでくれ……。どうして嫌なんだ? 向こうではあんまりそれ着てなかったじゃないか」
「別にこれが気に入ってるわけじゃないわ」
「じゃあ別に他のでもいいじゃないか、向こうではよく白い−−」
「それだけは嫌。いえ無理よ。あんなのを着てる姿をあいつにもし見られたら何を言われるか……」
「……ああ、成る程」
度々ジャクリが口にする「あいつ」
多分仲がいいんだと思うんだけど、直接話題には出して来ない謎の人物。
「つまりこっちの世界にはあれを着てる所を見られたく無い人がいる、と」
「そうよ、理解が早くて助かるわ。じゃあこの話しはおしまい。ところでデコレートメイルに刺す蝋燭の調達の事なんだけど−−」
「おしまいじゃない、勝手に終わるな」
「何よしつこいわね」
「服がいやならせめてしかるべき時にはしかるべき行動をとれ」
「抽象的すぎて意味がわからないわ」
「もし今後際どい所が露出するような事があったらすぐに隠せって意味だ!」
事の発端は今日の昼間。
二人で巨大な塔の内部を上へと進む途中、神の軍団に似たガーディアンとの戦闘になった時の事だった。
アレのなれない攻撃に対して反応しきれず、詠唱中のジャクリに攻撃を通してしまったのだ。
「使えないわね……」
と相変わらずキツい言葉を背中に浴び、ちらりと後ろを振り向いて謝ろうとしたら。
「!? ジャクリ、上っ! 胸!!」
焼け切れたのかビキニの上のパーツが床に落ちていた。
完全に戦闘の事を忘れてあたふたしていた俺に対して、ジャクリはなんと、
そのままの体勢で詠唱を続けたのだ。
まさか俺が着けなおしてやる訳にもいかず、そのまま戦闘を続行。
ガーディアンを撃破した後、変身を解いた彼女は何事もなかったかのように振る舞っていた。
そして今、やっとたどりついた宿に泊まっているわけだが。
「いいじゃない、人間はクロアしかいなかったんだし」
「そういう問題じゃ無いだろ!」
「そういう問題よ。シャワーを浴び時や寝る時まで何か着てろっていうの?」
「いや、そうじゃない。……寝る時も下着くらいは着た方がいい気がするが」
「なんにせよ、誰もいない所でどんな格好をしていようと私の勝手でしょう?」
「−−っ」
やっぱり、普通にやったんじゃあジャクリに口では勝てない。
なりふり構っては、いられない。
「俺が、いたじゃないか」
口にする以前に、この言葉に対する返答は解っている。
「あら、だから言ってるじゃない」
−−クロアになら見せてあげてもいいわよって−−
「そんな事ばかり言ってると本気にするぞ」
「へえ、本気になるとクロアはどうなるのかしら?」
なんて、首を少しだけかしげながら惚けた事を言う。
「っ!」
そんジャクリを、俺は多少乱暴に押し倒した。いきなりの行動だったはずなのに、組み伏された今も彼女は全く動揺した様子が無い。それが余計に腹立たしくて、つい口調が荒くなる。
「俺言ったよな、ジャクリの事好きだって!」
「聞いたわ」
「じゃあ何でこんなっ、……もう前と違ってルカもクローシェ様も、皆いないんだぞ」
「ええ、そうね」
「だったら! そんな俺を挑発するような真似はしないでくれっ」
「どうしてよ」
「どうしてって、そんなの我慢できなく−−」
「だから、いいって言ってるじゃない」
「−−え?」
その時になってやっと、ジャクリの頬が赤く染まっている事、いや自分の間違いに気付いた。
「えっ、いやまてまてそんな−−」
「死ね、鈍感」
「っ」
全く、その通りである。
俺は両の手をジャクリの両脇に置いたままうなだれた。
「人の上で落ち込まないでくれる?」
「う、ごめん」
「落ち込んだり謝ったりする以外にする事があるでしょう? クロア」
その通りだ。
「ああ、そうだな……ジャクリ、好きだ」
「文脈ってモノを考えなさいよ、っん」
ジャクリの唇は、思っていたよりずっと柔らかく、温かかった。
「キス、何回目か聞いてもいいかしら?」
「……3回目だ」
「そう」
それ以上、例えば相手を聞いてくるかと思ったが、それはなかった。
「因みに私は初めてよ」
「そうか、……それは光栄だな」
言ってもう一度重ねる。
「舌、出して」
え? と言う前に再度キス。
しかもある意味ジャクリらしく、全く遠慮無く舌を入れてきた。
「んっ……んん」
流石にこれ以上ジャクリにリードされては、既にボロボロの甲斐性が消し飛んでしまう。
「……ぅんん」
やり方なんて分からない。
とにかくジャクリの舌に自分の舌を擦りつけてみる。すると彼女のがぴくりと体を震わせた。ジャクリの口が、舌が、息が、ここちよくて堪らない。5分くらいそんな事を繰り返していたら。
「はあっ、はあっ、はぁ」
二人共息があがってしまった。
「ごめん、なんか」
「いいのよ、やればできるじゃない。
流石男の子」
などと余裕ぶっている彼女の顔も、何時もの凛としたものでなく、淡く朱く溶けていた。
何も言わずに身体に手を伸ばす。
「あ、胸……いえ、何でもないわ」
「?」
そういえば小さいのを少なからず気にしていた節があったか。
「外すよ?」
返事をまつ余裕もなく、彼女の背中に手をまわす。しかし「サザンクロス」を着ていてもらってよかった。俺でも容易に外す事ができる。