376 :
102:2008/02/03(日) 23:56:21 ID:Y7iW7diA
どうも、執筆中の集音マイクネタがトライアングルムーンと見事に
タイミングカブって頭を抱えているアンバームーンの作者です。
気晴らしに短編でスレの濃厚さに拍車をかけてみます。
>>374 こういうことですか?
***********************************
「ふふ……とうとう捕まえたぞ怪盗ローズマリーめ」
「くぅッ、こんなことをして許されると思っているの?」
「泥棒相手に許されるも何もないだろう。それとも訴えてみるかね?
もっともその格好ではそれも不可能だがな」
ローズマリーと呼ばれた怪盗は、壁に手足を拘束され磔にされていた。
その顔はマスクで隠されてはいるものの、美少女であろうことがわかる。
年の頃は十代後半ぐらいだろうが、体に密着したレオタードという格好が
十分に発達した体型を露わにし、なんともいえない色気を放っていた。
「は、離しなさいッ! 何をするつもりなの?」
「人の家に盗みに入った犯罪者には、お仕置きをしないといけないだろう?
さて、どうしてやろうか……そうだ、今日は節分だったな」
「……はぁ?」
地下室で磔にされている状況だというのに、怪盗は気の抜けた声をあげた。
自らが制裁を受けるという脅威と、節分という行事が結びつかなかったのだ。
「犯罪者は恐るべき存在、つまり鬼だ。
我々善良な民衆が鬼に対抗するためには必要なものがあるということだよ」
パチンと男が指を鳴らすと、部下と思われる黒服が数人怪盗に群がり、
身に着けているレオタードを力ずくで脱がし始めた。
「い、いやぁッ!! 何をするのよこの変態ッ!!
頭おかしいんじゃないの? ちょっと、やめてよ、やめてったら!!」
必死の抵抗も空しく、レオタードは男達の手によってボロボロに破られ、
布の切れ端が無残にも垂れ下がっている以外はほとんど下着姿という格好を
ローズマリーは男達に晒してしまうこととなった。
「い、いやぁ……こんな格好にして何をするの……?」
普段隠されている部分を手で覆い隠そうと暴れるローズマリーであったが、
その両手の拘束は固く、かえって艶かしい下着姿を男達に晒すだけだった。
男の手には枡に入った大豆と、大豆のお買い得パックに付録としてついていた
安っぽい紙製の鬼のお面が握られていた。
男はツカツカと美少女怪盗に近づき、顔を背ける怪盗の頭に
鬼のお面をそっと乗せて輪ゴムで固定した。
「これでお前は鬼、というわけだ。人々から忌み嫌われる鬼、だ」
「わ、私が……おに……?」
苦しむ人々のために義賊として懸命に働いてきたはずだった。
その私が、人々から忌み嫌われる鬼にされてしまっている……?
377 :
102:2008/02/04(月) 00:00:22 ID:L8XJ5+/M
(……何を考えているの、私! 外道の言葉に振り回されてはダメ!)
ローズマリーは頭を振り浮かんだ考えを打ち消すと、目の前の男を強く睨む。
だが、下着姿で磔にされているという格好で睨んだとしても、
一層エロティシズムを喚起させるだけだということを彼女は知らない。
男は舌なめずりをすると、枡の大豆を手で掬い、怪盗に向かって投げつけた。
「鬼はぁー外ぉッ!」
「い、痛ッ!! 痛い……痛いよ……」
大豆とはいえ、大の男が至近距離から思い切り投げつけたのだ。
しかも、それを受け止める美少女怪盗は素肌の大部分を晒している。
柔肌に、容赦なく大豆の粒が突き刺さった。
「もういっちょいくぞ、鬼はぁー外ぉッ!!」
「い、痛いッ! や、やめて……もう、やめて、お願い……」
美少女怪盗の弱々しい懇願を歯牙にもかけない様子で、男は繰り返し
大豆をその裸体に投げつけ、ぶつけていく。
その度にローズマリーの柔肌は朱に染まり、磔にされているにもかかわらず
なんとかその痛みから逃れようと四肢が艶かしく動く。
「これぐらいじゃ鬼は退散するまい。おいっ」
男の合図とともに、再び部下が嫌々をする怪盗に群がる。
体を暴れさせて懸命に抵抗するローズマリーだったが、磔にされていては
満足に抗うこともできず胸と股間を覆う下着を取り払われてしまった。
全裸にブーツというフェティシズム溢れる姿で磔にされているその姿に、
取り巻く男達すべてが生唾を飲み込まずにはいられなかった。
「お前達も鬼を払ってやるんだ。それっ」
「鬼はぁー外ぉッ!」「鬼はぁー外ぉッ!」「鬼はぁー外ぉッ!」
周囲の男が口々に叫び、一斉にその手に握られた大豆を
涙目の美少女怪盗に向かって投げつけた。
「い、痛ッ! 痛い痛いッ! もう許してよぉ……」
今にも泣き出しそうな表情を浮かべながら身をよじるローズマリー。
口をついて出る言葉には怪盗としての矜持はもはやなく、
苦痛から逃れようとする懇願でしかなかった。
と、男がすいっとローズマリーに近づき頬に手を添えた。
怪盗はその行動にビクッと反応し、ふるふると体を震わせて潤んだ目を向ける。
「お前ら、やりすぎだぞ。まったく……可哀想に」
予想外の優しい言葉にきょとんとする美少女怪盗。
ひょっとしてもう許してくれるのだろうか。
だが、その期待は男の次の言葉によってあっさりと裏切られた。
「鬼の体に豆がへばりついてしまったじゃないか。取ってあげないとな」
そう言うが早いか、胸の突起を指でつまみ、引っ張り、弾きはじめた。
ギリギリと加えられる強い刺激に、ローズマリーは苦悶の声をあげる。
「はうぅッ!? あはぁぁ、そ、そこは……ま、豆じゃ……あんんぅ!!」
378 :
102:2008/02/04(月) 00:01:51 ID:Y7iW7diA
取り巻きの男達もリーダー格の行動に追従し、何本ものゴツい手が
美少女怪盗のふくよかな胸に容赦なく伸びる。
「ふぅぅ……あ、あふぅぅッ……つ、強くつままないでぇッ!!」
ローズマリーの悲鳴を心地よいクラシックを聴くかのように楽しんだ
リーダー格の男は、さらに攻撃対象を下に向けていった。
「おや、こんなところにも豆があるじゃないか。可哀想に、
あんまり強くぶつけられたもんだからめり込んでしまったんだな」
「あっくぅぅぅ……そ、そこはだめぇッ……お、お願いですからぁ……
ひぎいぃぃッ!! いっひぃぃ……あっああぁぁ……いっひひぃぃ!!」
ぷしゃあぁぁぁーッ!!
哀れ、男達が凝視する中、美少女怪盗の股間からは尿とも愛液とも
つかぬ液体がほとばしり、床を濡らしていく。
「そ、そんなぁ……わ、私……怪盗なのに……お、おもらしなんてぇ……」
「まったく、はしたない鬼だなぁ。豆をぶつけられて失禁か」
「いや、感じてたんじゃねぇの? ドMの鬼だったんだろう」
あまりの恥辱に自我が崩壊しそうになっているローズマリーに、
容赦なく周囲の男達からは口汚く罵る言葉がかけられる。
怪盗の目はもはや虚ろで、自分が汚してしまった床を見つめていた。
「そろそろ鬼にもご褒美をあげないと駄目だろう」
「ーーッ!? な、何をする……つもりなの……もう、許して……」
「鬼が大好きな物といったら決まっているだろう、金棒だよ、金棒」
「……い、いやぁぁーーーーッ!!」
磔から解き放たれた怪盗ローズマリーは、ダメージのせいで床に倒れ込んでしまう。
その傍で、カチャカチャとズボンを下ろし始めるリーダー格の男。
逃げようとする美少女怪盗だが、周囲の男達の腕がそれを許さない。
「さぁ鬼め、ゆっくりと大好きな金棒を味わうといい」
ズブズブズブッ!! 男の太い金棒が怪盗の膣内に音を立てて突き込まれる。
その喉元まで突き抜けるような衝撃に、ローズマリーは仰け反って呻いた。
「ひ、ぎぃッ! ふ、深いひぃぃ……ん、あひぃぃぃッ!!」
レオタードを纏い、颯爽と盗みを働く義賊としての姿はそこにはない。
今そこにあるのは、牡に金棒を挿出されて悦びの声をあげる牝鬼でしかなかった。
ズブッズブッとリズミカルに動く男の腰に合わせて、怪盗も喘ぎ声をあげる。
「はあぁあぁぁ……んあッ! あふぅッ!! あはぁあああッ!!
も、もうだめえへえぇぇッ!!」
379 :
102:2008/02/04(月) 00:03:37 ID:Y7iW7diA
美しい肢体がガクガクと砕け、目を見開いて悲鳴にも似た声をあげたかと思うと、
力の抜けた怪盗の体はビクッビクッと震えながら床にぺしゃんと崩れ落ちた。
「あ、あはぁぁぁ……わ、私……い、イカされて、しまった……」
屈辱的な敗北感と、それを上回る甘美な愉悦。
それを全身で味わいながら荒い息遣いで倒れている怪盗の体を男が持ち上げた。
「鬼は金棒一本じゃ満足しないよなぁ? お前ら、金棒を鬼に与えてやれ」
リーダー格の男の声に、歓声をあげながらローズマリーに群がる男達。
我先にとズボンを下ろして自らの金棒を露わにし、怪盗へとむしゃぶりついた。
「あぐぅぅッ!! だ、駄目えへぇ、イ、イッたばかりだからっ……
今は敏感になりすぎてるからぁ……ひっ、や、やぁ……んっひぃぃぃ」
怪盗は絶頂の余韻に浸ることも許されず、秘部はおろか口にも尻穴にも金棒を
挿入され、それだけでは収まらない金棒が両手にあてがわれた。
「ひあぁああぁ……す、すごいの……お、おひりも……ほっぱいもぉッ……
おむっむむむぅ……お、おふちにもほぉッ……だめえへぇ……わたひぃ、
怪盗なのにひぃ……悪者に犯されてぇ……感じるなんていけないのにひぃ……」
「おい、鬼ッ! 金棒は気持ちいいのか、言ってみろ!」
「す、すごぉ……あ、はひぃぃ……気持ち、いいですぅ……んっんんんッ!」
怪盗の瞳からは光は失われ、目の前の快楽を貪ることしか考えられなくなっていた。
「き、気持ちいいいぃぃのぉぉ、んんん……ひあぁぁ……んあぁぁぁ、
こ、こんなの……だめえへぇ……お、おかしく、なっちゃいまふぅぅ……
さ、さっきイッたばかりなのに……ひああぁ、ま、またイ……イッ……」
再び突き上がってくる絶頂感に、怪盗は呂律をおかしくしながら懇願した。
「ひあぁ……い、イカせてくださひぃぃ……い、いやあぁぁ、来るぅ……
来ちゃう、何か来ちゃうぅぅ……んあぁぁぁイク、イクッ、イクゥゥゥ!!」
どぷっ。ぴちゃっ。ぷしぃっ。
愛液と男達の白濁液にまみれながら、怪盗ローズマリーは絶頂を迎えた。
「ふふ……これで怪盗ローズマリーも正真正銘鬼の仲間入りってわけだ……ふふ」
男達がどっと笑うのを意識の遠くで聞きながら、美少女怪盗は気を失った。
***********************************
初・読切投下終了です。おそまつさまでした。
>>376 GJすぎるだろ・・・・
このスレまだレスが一桁台のときに見つけたけどまさかここまで盛り上がるとはw
勃起した
抜いてスッキリしないとモヤモヤして眠れなくなったじゃねーかwww
残りスレ容量50kbを切ったので次スレテンプレ案作ってみましたが
保管庫FTPが不調でアップできませんw
とりあえずこっちに貼ります。
改善等の指摘はこのスレでお願いします。
スレタイは
怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第3夜
です。
タイトル通り怪盗が警察などに捕まってあんな事こんな事に逢う作品はここに投下してください。
長編短編バッドエンドグッドエンド一次二次どちらでもOK。
とにかく住人たちの心を盗む怪盗求む。
【前スレ】
怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第2夜
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1198052206/l50 【注意事項】
○sage進行でお願いします。
○職人さんは特殊嗜好の作品の場合は投下前に注意書きをお願いします。
○職人さんが投下しづらい雰囲気はやめましょう。供給があってこそのエロパロ板です。
○好みに合わない作品や意見はスルー(読み飛ばし)を推奨します。
○荒らし、煽り、広告はスルーしましょう。
以上テンプレでした。
---
>>376 GJです
個人的にバッドエンド大好きなので嬉しさ倍増
クリスマスにもAM氏が投下してましたし
行事の投下をスレ名物にするしかw
となると次はバレンタインデーか?
周期を考えると次はひな祭りではないかとw
>>384 細かいこと言えば、あんな目やこんな目に「遭う」ですね。
くそう、昨日投下する予定だったのに……orz
弟にパソ占拠されて投下出来なくなるわ、3/4書き上げてた11話丸ごと消されるわorz
とりあえず第10話投下します……
恋するキャットシーフ 第10話
「……一体どんなの着せられてるんだ? 里緒さんは……」
そう冷汗を流しながら呟く涼人。
それもそのはず、女子の着替えに使わせてもらっている隣の教室から、
「無理! 絶対無理! こんなの、着れる訳無いから!」
といった里緒の悲鳴がひっきりなしに聞こえて来ていたから。
「しかも、どう考えても僕と里緒さん組ませる気だろ? 一美さんは……」
そう言って溜息を吐いた涼人が着ているのは、いつもと同じ警官の制服。
『父の友人の警官からお古をもらって来た』と言う事にしてあるものの、実は自前の物で。
「(まあ、好都合かな。
大山のおじさんからいつも武装してろって無茶な命令が出たばっかりなんだし……。
それに……ずっと里緒さんと組んでたら、分かるはずだ、本物かどうかが……。
里緒さんが本物の『レインボーキャット』かどうかが……)」
ショルダーホルスターにコルトポケットを忍ばせたままでそう考える涼人。
と、教室のドアが開き、そこからやけにさっぱりとした表情の一美が顔を出した。
「女子の方の着替え、終わりましたわ♪ ではこれから、ファッションショーを行いますわね♪」
そう悪戯っぽく一美が言うと、開け放したままのドアから、女子が1人ずつ入って来た。
「……ここまで並ぶと、却って清々しく感じるね、主に一美さんの壊れっぷりが」
「あら、お褒めいただき、光栄ですわ♪」
「いや、褒めてないから」
さまざまなコスチュームに身を包んだ女子達を見て、涼人は一美にそう皮肉る。
しかし、一美ににこやかにスルーされて、涼人は溜息を吐き……、
「……あれ? 里緒さん、は?」
……里緒がいない事に気付いた。
良く見ると、教室の入口に、人影らしきものがちらちらと映っていて。
「里緒ー? 恥ずかしいのは分かりますけれど、廊下にいる方がもっと恥ずかしいですわよー♪」
そう一美が楽しそうに言うと、その影はびくり、と肩を震わせて、ゆっくりと教室に入って来て……、
「……は?」
……涼人は、凍り付いた。
レインボーキャットのコスチュームと言うのは、厚手の素材で出来た全身タイツ。
水を通さない素材と思われ、身体のラインは浮き出るものの、露出はほとんど無い。
しかし、今の里緒が着ている、いや、里緒の身体に引っ掛かっている物は、
「『いやらしい警官に捕まったレインボーキャット』と言うシチュエーションですわ♪」
胸と背中が思い切り深く抉られ、脚の部分はタイツすら無く、足が剥き出しになっている。
しかも、ご丁寧にもいかにも破られましたと言った加工がされていて。
「〜っ!」
入って来たはいいものの、恥ずかしさに耐えかねたように、里緒は身体を腕で覆ってしゃがみ込む。
その里緒の行動を見て、ようやく涼人は我に返ると、一美に詰め寄った。
「ちょっ……! あのコスチューム、高校の文化祭としてあるべき限界越えてるでしょ!
と、言うか、その『スケベな警官』って、僕の事ですよね!?」
そう一美に怒鳴り付ける涼人だったが、一美は平然としたままで。
「本番ではもう少し露出を増やして、腰縄を付けて、連行中みたいにするつもりですわ♪」
「これ以上露出!? しかもこの流れだとただ巻き付けるだけじゃない気が!?」
「ええ、亀」
「それ以上言わない! 絶対越えてますからそれ! 年齢制限要りますから!」
珍しくぎゃいぎゃいと怒鳴りまくる涼人と、それを何処吹く風と受け流す一美。
その話の渦中となっている里緒は、涙目になっているままで。
「……うー……」
必死にタイツに包まれたままの腕で、里緒は身体を隠す。
元々同年代の平均を遥かに超えたスタイルで、顔も美人な里緒にそんな格好をさせたらどうなるか。
口論中の一美と涼人を除く、クラス全員が男女を問わずに里緒に見惚れていた。
そして一美と涼人は口論で忙しく、里緒は恥ずかしさで周りを見れる状態ではない。
つまり、この瞬間、全員の意識が教室の入口から完全に逸れていて。
「全員、動くなぁっ!」
……その瞬間、その隙を突くかのように、何人かの男が乱入して来た。
「!?」
「……ん?」
乱入して来た男達に、涼人は完全に虚を突かれ、棒立ちになる。
だが、虚を突かれたのは男達も同じだったらしく。
「……何だ何だ、コスプレ大会か?」
そう毒気を抜かれたように呟く男に、涼人は飛びかかろうと身構え、
「……止めた方がいいぞ、そこの警察官君。こっちは6人いるんだ。1人で何とか出来る数じゃない事は君でも分かるな?」
……その男の声と同時に5つのサブマシンガンを向けられて、涼人は沈黙した。
「今、君達は人質となった。……何、おとなしくしていれば危害は加えないさ。
……おい! そこのしゃがんでいる子を連れて来い!」
そうその男が言うと、その男の仲間の男が里緒に近付いて、
「や、やだ! 来ないで……きゃあっ!?」
……里緒を、その肩に担ぎ上げた。
「里緒さんっ!」
「里緒っ!」
途端に血相を変える涼人と一美を見て、その男はにやつきながら言い放つ。
「別に殺そうって訳じゃない。……だが、もし抵抗したら……、どうなるか、分かるな?」
そう言ったその男に、涼人は歯を食い縛る。
そんな涼人を知ってか知らずか、その男は口を開いた。
「自己紹介がまだだったな、私の名前は高橋 天山。短い間だが、よろしく頼むよ」
そう言うと、見張りに1人だけ残して、高橋は里緒を連れてその場から立ち去った。
一人残った男は、退屈そうに椅子を持ってきて、そこに腰掛ける。
そして、ひょいひょいと1人ずつ指を差して、人数を数え始めた。
「ボス、36人です」
そして、そうトランシーバーで連絡を送ると、その男は欠伸をして、言った。
「全員、そこに固まって座れ。……そこの1人だけ学校の制服の女! これで全員の手首と足首を縛れ」
「え!? わ、私ですか!?」
「ああ。……ん?」
そう、驚く一美にその男は頷いて見せて、……部屋の隅にパンや茶葉が積まれている事に気が付いた。
「ちょうどいい、腹が減ってたんだ。……ついでだ、サンドイッチでも作れ」
そう言った男に、何故か教室中の全員がチャレンジャーを見るような視線を送る。
その視線に気付き、怪訝そうな表情をした男に、涼人が言った。
「……作った料理が全部BC兵器な人に料理作らせるなんて……」
「お前作れ、警察官」
その涼人の言葉を聞き、速攻で調理人に涼人を指名した男。
それを受けて、涼人は立ち上がると、教室の反対側にある食材置き場に向かおうとして……、
「はっ!」
「がはっ!?」
……その男の横を通った瞬間に後ろ回し蹴りを飛ばし、男の意識を刈り取った。
成す術なくぶっ倒れたその男を男が用意していたロープで縛り上げると、涼人はほっと息を吐いた。
「……り、涼人さん……?」
涼人がした大胆すぎる行動に、一美はさすがに慄く。
と、そんな一美、……いや、クラス全員を見渡して、涼人は口を開いた。
「……他のクラスを解放して、里緒さんを助けたい。そう僕は思ってます。
……みんなも、手伝ってくれますか?」
急にそう言った涼人に、クラス全員がきょとん、とする。
しかし、それはほんの一瞬の出来事で。
次の瞬間、クラスの全員が涼人にサムズアップを返していた。
これで終わりです。
……ノンストップで最後まで突っ走る気満々ですよ、ええw
箸休めどころか一気に結に突っ込んで行くという意味での
>>357だったりしますw
里緒の服装は、長袖なのを除けばスク水に近い感じです。
ただし、胸元の抉りはへそ上まで抉ってありますし、股はハイレグなので、里緒はノーブラ、ノーパンでこれを着てますw
ここで1つ質問があるんですが、この『恋するキャットシーフ』は13話で一段落付いて、その後2話後日談があると言う感じになるんです。
……後日談が完璧に怪盗関係無い内容になる可能性がほぼ100%なんですorz
14話はまだ後始末も多少書く予定なんでまだしも、最終話はもう、ねorz
最終話まで怪盗スレでやっても良い物なんでしょうか?
流れとしては一応13話できっちり切れるので……。
>>386 ……流れ的に、書くのは俺かフィズの人……?
AM氏がサンタとトナカイを貸していただけたらバレンタインで純愛行きますが……。
>>388 指摘ありがとうございます。
保管庫内のテンプレを修正しました。
これで問題なさそうなら今夜〜早朝辺りに立ててみます
●持ちだから大丈夫だとは思いますがスレ立てした事がないので心配w
慣れている人が先に立てちゃってもOKですよ
>>394 GJです
そんなエロコスで何をされるのか心配で心配で(ハァハァ
どうみても犯罪者集団なだけに躊躇もないでしょうし
以下インデント部 私見
2話位ならスレに投下しても問題ないかと
後日談投下という甘い餌につられて
アクアメロディエンディングも書き上げられる流れも期待できますし(ぇ
気になる様でしたらどこかのロダにtxtをアップ→保管庫に収録でもOKです
人気作家の原稿を盗み去ったのも束の間
捕まってしまいマッドサイエンティストに女の子にされた弟が
D・V・D!! D・V・D!!な目に遭う短編も全裸でお待ちしております
396 :
AM:2008/02/04(月) 21:12:22 ID:hub3KV3P
>>376 なんという節分、これはエロエロGJといわざるを得ない。
あー、ネタかぶりについては中身がまるで同じでない限りは俺は気にしませんといっておきます。
そもそも俺のほうはあんまプッシュしたネタじゃなかったし。
>>394 いなきりの急展開、これは次回をwktkせざるを得ない…!
果たして我々は次回で涼人空気嫁と叫ぶことになるのか(ぇ
てか涼人、そのまま一美の料理食わせればよかったんじゃね?
後日談に関しては閑話や日常パートと同じく本編のためのスパイスなわけですし、いいんじゃないかと思われ。
サンタとトナカイの貸し出しは無問題ですが、あいつらでどう純愛するんだろう…?
頃合だったと思うよ。乙
>>395-396 了解です。
……今日書いてたら変に盛り上がって一気にキャットシーフの下書き全部書き上げたなんて言えない……!
>>396 >そのまま一美の料理食わせればよかったんじゃね?
いや、「BC兵器」のくだりは嘘ですよw
普通に不味いのは事実ですけど、それだけです。
クラスメイトの同情は、他に上手いのは結構いる(涼人だって結構上手い)のにわざわざクラス一下手な奴選んだ同情ですしw
>サンタとトナカイ
別にあいつら×パープルローズ考えてる訳でもありませんので。
バレンタインですしね。
400 :
前スレ503:2008/02/07(木) 22:38:55 ID:3DJoCi4N
さて埋めますかね
…二万文字近く書いた第一話エピローグを自分で没に、削除した勢いでw
PTフィズ後編(Bパート)投下数8…Cパートへ続きますorz
例によって半端な、卑怯なとこで切れますm(._.)m
無理矢理縮めた部分が多々あるので…説明くさい台詞は笑い所と思ってくださいw
支援
ババババババババ………
ヘリコプターの喧騒が近づいて来る。
「っ?!!!」
振り返るフィズの視界に入ったのは…四本の柱で天高く持ち上げられた美術館。
ヘリが来ても不思議はない突拍子もない風景。
そしてそのヘリは当然、問題の建造物に徐々に接近してくる。
…悲鳴を必死で飲み込む。
その付近をゆるゆる漂う胸パットの気球は飽くまで非常用の装備…
ヘリに積極されればその風圧でどうなることか……
だがフィズの飲み込まれた悲鳴は生命危機に対してではない。
恐怖したのは…ヘリの放つ光……サーチライトだ。
その光に照らされれば……映しだされるのは……生まれたままの姿………
(いや!……やだぁ!……もうこんなの………いやあぁ………もう…『Fizz』やめる!
だから……もう許して……っ
お願いだから……来ないでえ………っッ!!!)
音に、声にしないからこそ思考が爆発する。
あまりにも高空、だから今までは『視られる』という恐怖は薄かった。
それが一気にひっくり返された。警察かマスコミか…
誰であっても関係ない、視られる……撮られる………
このまま悠長に浮かんでいれば確実にだ。
そしてバッテリー残量の少なさ……
重力軽減と光学迷彩を同時に発動できないほどに消耗している=ゼロになるのも目前…
あまつさえ自由に行動出来ない今の状況……
落下を覚悟で光学迷彩を使っても気球までは隠せない。追尾は簡単だ。
考えれば考えるほどに万事休す…袋小路、行き止まり……
絶望の材料は余るほど揃っている。なのに。
さらにハバネロ級の決定的なスパイスが加えられる。
……ドクン!
(ふあああっ!……なっ………なにこれぇ…………っ……っ………あっッ!
ふぁ………あ………ん………はぁ………は…………はぁ…………っ!)
フル回転していたエンジン…心臓にニトロをブチ込まれたようだ。
一瞬尿意すら忘れかける。チョロリと漏れて…また全身全霊で蛇口を絞る……が
(やあ……おしっこは……止めてるのにぃ…………っ!
なにか……あふれて………っ…やぁ………ひぁ……………)
それは確かに尿ではない。じゅわっと股間を湿らせていく粘りのある液体……
熱くなっていく体温、荒くなる吐息、紅潮の意味を変える頬、背筋に走る……快感。
(うそ……嘘っ!………やだぁ………なんで………………あっ!………ま、まさか!)
迂闊にも虚空へ跳び出した時……『思わず息を飲んだ』
…充満していた媚薬ガスが流れでていた扉周辺……媚薬が凄まじく強力なモノなら……
(そんな………外へ………出てた…のにぃ…………んぁ!……ひぁう………っ)
志由には…そうとしか考えられない。そして…例え原因が何であろうと……
(ダメぇ……風が当たるだけで…………ぅ……あぅ……んっ!)
ビクビクと痙攣してしまうほどに電流に似た快感が突き抜けてしまう。
顔をのけ反らせ逸る気で気球を見つめる……
(お願い………早く………ここから………っ?!ッ?!……〜〜〜〜〜〜〜っッ!!)
見つめた気球の一つに模様が浮かび上がる……バイザーを被った少女のシルエット……
全身が強張る。毛穴まで絞めているような感覚……
胸の微かな膨らみの先端まで完全に勃ってしまう……
「ぅ………うあああぁああああぁん………っ!!……っ!!…ッッ!!!」
振り乱す頭、その勢いでバイザーが夥しい水滴…涙で濡れる。
まだヘリとは距離があるが…やや下、背後からフィズに浴びせられる光……
陽光に曝された吸血鬼の気分だ。羞恥が全身を焼いていく。
反射的に光学迷彩を作動させようとして…落下の警告が表示されるが
即座にコマンドを最優先させる……その一瞬のタイムラグさえ呪う志由……
途端に重力に捕われ…ぐんぐん落下していくフィズ。
気球のおかげで自由落下ほどの速度はないが流石にパラシュートほどは減速しない。
パワーアシストの付いたブーツさえ履いていれば無傷で済むだろうが…
今の志由では良くても骨折ぐらいしてしまうであろう速度。
だが…そんな事を考えられる心理状態ではない。
(………お尻………みられちゃった………っ
絶…対…………みられちゃったよおぉ……………っ!)
今度こそ幻影相手ではない、強敵と戦い、その結果の被害でもない。
ただの一般人、ギャラリーに生尻を晒したのだ。それも屋外で…
(こんなの……こんなの…………っ
……へんたい…だよ……わたし………変態…?!………やああぁ………ッ!)
落ちていく肉体と同様に堕ちていく精神……
相乗効果で志由の心に襲い掛かる絶望。
激しすぎる動悸も追い撃ちをかける。
興奮に応じてアドレナリンや様々なモノが分泌される。…伴って愛液も……
落下の風が容赦なく全身を嬲るせいもある。
もう志由は尿意と性衝動を押さえることだけで精一杯…ほかには何も出来ない。
気球のコントロールも…このまま落ちゆく先を思うことも……
…バイザーの生命保護優先プログラムのことを考える余裕も当然なかった。
漢との戦いでもそうであったように…フィズ=志由が自覚出来ない攻撃を受けても
…例えば遠距離からの精密狙撃などでもエアバリアは自動作動する。
同様に…負傷を避ける為に再び自動的に重力軽減に電力を回すのも当然なのだ。
それを避ける為には予めコマンド入力しておく必要があった…。
地上から30mほど…負傷しない速度まで減速できる限界高度で…それは起こった。
皮肉にも…大勢の観客がフィズを見失い探索するヘリを見上げて
気球の急接近に気付き凝視、ざわめき始めた頃だ。
バイザーに重力軽減発動予告のウインドウが表示された。
ひたすらに耐えるだけの志由は…理解するのに時間を要した。
(え………? なに………?
………うそ…………うそ…………うそおおぉ…………っ!!)
反射、瞬時に咄嗟に両手で胸を隠し身を丸めるのと同時に重力軽減発動…光学迷彩消失…
「…こ、こうがくめいさいっ!………光学迷彩ぃいっ!!」
トサッと軽い落下音の直後にフィズの絶叫が響く。
幸い…と言っていいのかどうか…
フィズの落下先には観客がいて、その体がクッションになった。
でなければ気球を手放してしまった志由は重力軽減していても
相当なダメージを受けたはず…気絶していたかも知れない。
だが気絶しなかったことで…地獄の羞恥を…味あわなければならなかった。
胎児のように体を丸めた全裸の少女が突如空中に現れて落下するまで3〜4秒……
落下する気球の前振りを含め多くの人間が見上げていた。
全裸ゆえにその少女がフィズかどうか…バイザーまで視認出来たのは数人だったが…
皆、フィズを見るために集まっていたのだ。状況から考えてもフィズと決めてかかる。
さらに落着後の叫び…上を見ていなかった者にまで存在を報しめてしまった。
今や現場は阿鼻叫喚…馬が居れば目を抜かれただろう。
男女を問わず皆が皆、騒がしく周囲を探索している。
フィズが落着した場所を中心に人はどんどん集まる……
特にトラップで使用された立体映像の男たちと同類のような者達はカメラを手に血眼だ。
そしてフィズは…その騒ぎの中で微塵の身動きも取れずにいた。
呼吸…震え…目の瞬きすら止めている。
もし光学迷彩が効いてなければ人々に「これは人形だ」と思われたかも知れないほどに。
…最も全裸のフィズは例え人形だとしても視線の集中砲火を浴びただろうが。
叫びながらも無意識に地を蹴った志由は落着地点から数m離れたベンチの上まで跳躍…
重力軽減の効果があるうちに跳び速度を得てから
空中で重くなった為にそこまで跳べたのだ。
ベンチの上、本来は尻を置く場所に降り立てたことは真実に幸運だった。
この状況で座っている、座ろうとする者などいない。
…もし着地点が30cmズレていたら………
フィズを捜して激しく流動する人の波に揉まれていた。
見えない何かにぶつかった者は手探りででも正体を探ろうとするだろう。
そして消えられることこそフィズの証明…どこかを掴めれば離さない。
バッテリーが空になるまで捕まえられていた………いや、
わずかでも触れられた時点で志由は叫びを堪えることは出来なかった。
放尿し、喘ぎ、絶叫と共に志由の精神は崩壊してしまっていた。
そこまで追い詰められている。
それは今のフィズの姿勢、ポーズも物語っている。
爪先立ちの『気をつけ』の状態から両腕を肘から曲げ肩の横辺りに手がある……
…その小さな胸も、極薄の陰毛も、可憐なヒップも一切隠していない。
…………
……
着地した瞬間。
(ひゃああああう!…出ちゃう………おしっこ………もれちゃ…………ッ!)
本能が勝手に両手を動かした。
放出を止めようと尿道口を押さえたのだが……次の一瞬で両手は肩まで跳ね上がる。
(ふひぁあああああぁ!………らめえぇええッ!!)
手は尿道口のみならず性器全体を押さえてしまった。
その際の全身を貫く電撃が手を肩まで上げさせたのだ。
限界の数倍を軽く超越する羞恥に…性感も数倍に増幅されていたのだ。
そのまま股間を押さえていたら…間違いなく自慰を始めていた。
手を上げたのも本能……精神崩壊を避ける為、理性を保つ為の行動…
そして守られた理性が今の微動だに許さない硬直を命じる。
手で股間を押さえずに放尿を止める唯一の手段だ。
志由は考えて行っているわけではないが……
新陳代謝を極力抑えることと動かないことで尿道口に綻びを作らない点で有効な方法だ。
まさに気絶の一歩手前、志由の桁並外れた羞恥心の成せる荒業だが……
…そんな状態を長く継続させられるはずもない。
1分以上も保った現時点で僥倖だ。
…決壊は秒読み段階に入った。
思考までも止めていた志由だが…
決壊を前に何とか事態を打破できないかと知恵の悪あがきを再開する。
が。…もうモジモジと太股を擦り合わせるだけで尿は漏洩してしまうのだ。
愛液に至っては何もしていなくても太股を一筋、二筋、雫が這っていく。
躯は変わらず微動すら出来ない。
そんな状況で志由が何も出来るわけがない。
(たくさん…こんなたくさんの…ヒトの前で………
オトコのヒトも女のコも…たくさん…いるよぅ………
カメラ持ってるヒトも…いっぱい………
こんな……とこで…………あ……ひあ!…あのヒト…こっち見た…………っッ!)
志由の半径30m以内に5、60人はうろうろしている。
フィズの姿は見えなくてもたまたま見た方角の先に志由がいることなどままある。
それだけのことなのに…光学迷彩が効いていることも忘れて戦慄した。
ブルッ………抑えていた反動…一際大きく身体が震え…………
ぷしゃあッ!
(ふひあっ……………あっ…………ぁ……………)
躯の震え、動きと同調して尿が噴き出した。
飛沫がベンチとその下のコンクリートを濡らす。
最後の全力制止…一応は止まった、止められたが…これまでで最大量の放出…
その壮絶な開放感……身体は勝手にGOサインを出す。
叫ばなかったのは先程まで通用していた無我の境地を呼び戻すためだが……
(止まって………止まって………………止まってぇ………………っ!)
心臓までは止められないように生理現象をこれ以上留めるのは無理だった。
ぷしゅ!……チョロ、チョロロ………シャアアアアァァ…………………
(あ………あ…………ああ…………ぅ…………あああ……………)
思考が真っ白になっていく。
突き抜ける爽快感、紅蓮に燃え盛る恥辱、
気絶したいのに…それすら凌駕する………性的な快感。
志由は…生まれて初めてのオーガズムへ向けて…高く…高く昇天していく。
立ったまま失禁しながら……尿を漏らす、ただそれだけで………
…ベンチとコンクリートを叩く水の音に気付いた男が志由のほうへ振り返っても……
減速できないどころか加速する。
(みてりゅ……あのヒト………知らないヒトに…みられてりゅ………ッ!
し、志由が……おもらし…してりゅとこ…………
おしっこ…してるとこ……みられてるぅぅッ………ッ!)
凄まじい羞恥の津波……志由はなす術もなく…その悦楽に流されていく。
光学迷彩はまだギリギリ機能していた。フィズのそれはハイスペック、
迷彩表面が濡れようとも瞬時に水滴までカバーするため
尿と愛液が伝いびしょ濡れの太股から足先も完全に不可視だ。
しかし。フィズの体表ではない空中…放物線を描く尿の奔流は誰の目にも見える。
街灯の明かりで雫の一滴一滴が光り輝く。
その不思議な現象の答えを男は近くの男に尋ねる。
「おい、…なんだアレ?」
その声に二人、三人…視線の数が増えていく。
(ひぁ………ひああ…………みんなが………みてりゅよお……………
わらひが………おしっこ……おもらし…してりゅとこ………っ
………はぁ…ぅ………キモチ………ぃ…ぃ……………?
はぅ……くふあ………………っッ!)
志由が自然にその頂きに昇り詰めようとするその時……電力切れの警告音が響く。
『バイザーの』光学迷彩は解除されてしまった証拠だ。そして響く誰かの叫び。
「…フィズだっ!!」
(ん…っッ!…〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!………ぁ…きゃあああああぁあ………
…………………………………………っ……っッ!!!)
名を呼ばれた瞬間…絶頂の高みから更なる忘我の極みへ飛ばされる。
…
果てしないエクスタシー…一抹の理性も…最後の断末魔を残し消え去った……………
「あ……………あ…………は…ぁ………♪
ん………はぁ………んぅ…………ぁ………………///」
絶頂…余韻…絶頂………それを繰り返す志由は…甘い喘ぎを声にしていた。
近くにいれば完全に聞こえる音量だ。
色を失った瞳はもう何も映していない。
糸が切れた操り人形のようにベンチにM字に座る…
いまさらながら和式の放尿スタイルになって尿に濡れた性器や足に当たる風の冷たさに…
ほてりを醒ますような快感に身を任せる。
…そんな状態だ。
観客が群れをなして『離れていく』ことにも気付けるはずもない。
…
男が叫んだ対象…その『フィズ』は『失禁した志由』のことではなかった。
…棒高跳びなら届きそうな空中に突如現れたフィズを見て指で差し示し叫んだのだ。
全裸ではないが…スカートやドレスの肩が破れて非常に際どい衣装のフィズ。
相変わらず何層ものペチコートに阻まれ下着も露出していないが…
今にも見えそうなチラリズム…エロさ全開…苦悶の表情…
いつもの精彩を欠きフラフラと空中を漂っていくフィズの『幻』を群集は追っていった。
…
『後始末』を一応終えて追い付いたクマのぬいぐるみの仕業…
ピーチが投影するホログラムのフィズはその役目を充二分に果たした。
もう少し行列を行進させて観客が疲れた頃合いを見計らい消す算段。
フィズ、志由自身の体も光学迷彩をピーチが発動、その存在を消していた。
「……さて……どうしようかなぁ………?」
…呆れ半分、途方に暮れ半分でピーチは独り言を呟いた。
志由の動きは広域センサーでチェック、そのバイタルもバイザーを通じて把握していた。
(…まさか…視られる、視られると思っただけで…こんなにHになっちゃうなんて……)
そう、媚薬ガスは効いていなかった。
ピーチは機能回復後、すぐに換気作業を行ったのだ。
元々二階の一部…フィズの進路にだけ散布されていたガスだ。
…短時間でかなり薄くなっていた。
それでも万全を期して、志由が発情しないように外へ急がせたのだが…
非常口で呼吸を確保するだけでよかったのだ。
まさかブラ一枚で虚空へ身を躍らせるとは思ってなかった。
それに…性に臆病な志由が視られて発情するとは思ってなかった。
(ううん……もともと感じやすいコだから……逆にHが怖かったんだ……)
自分で制御できないほど強い性欲を…無理矢理封じ込めてきたことになる。
ふとしたきっかけで炸裂しても不思議ではない。
溜めに溜めたぶんだけ強烈に発情した………今になって理解る事実。
そして凄まじいが故にこれ以上の刺激は危険だ。
「人前で失禁しイき果てた」…こんなことは誰にも知られたくないはず。
たとえそれがAIであってもだ。仲間であるピーチであってもだ。
他者に事実を認識されることで志由自身も深く事態を認識、傷ついてしまう。
ピーチも格下のAIにイかされまくった事実は志由にだけは知られなくない。
大好きな志由にだからこそ……
…『志由が好き』
その気持ちを自覚できたのが今回得た最大の報奨…ピーチはそう考える。
こんなことで二人の関係をギクシャクさせたくない。
(やっぱり…気絶するまで待って…私は何があったか知らないフリして………
う〜、それじゃ志由が恥ずかしいとこ視られたことになるし…
やっぱ発情したのは媚薬のせいってことにして……)
ピーチがそんなことで悶々と悩んでいる間に…志由は……
…その小さな手で、指で胸の突起を撫でる。
「あ………んぅ………ちくび……キモチぃ……………っ」
誰に言うでもなく感じたままを言葉にする。
それを聞いたピーチは焦りと…言い知れない感情を覚えた。
(そっか…イったのは心だけだから……カラダは…まだ欲しいんだ………)
冷静に状況を分析しながらも回路を廻る電子の不安定さを隠せない。
もしピーチが生物なら…激しく脈動する心臓で興奮状態を自覚出来たかも知れない。
そう、オナニーを始めた志由に対して………ピーチは欲情を覚えたのだ。
…電脳空間での危険極まりなかった、
それでいて悦楽も半端なく凄まじかった…志由との交わりがリフレインする。
(今度は…私が…志由をキモチよく……………っ?)
クマのぬいぐるみが首を振る。誰も見ていなくても人間くさい動作を行う超AI…。
そこに志由を思いやる気持ちがあることも間違いない。
しかし大半は自身の欲望…志由を抱きたいというエゴ。それもまた事実。
(やっぱり…ダメ!……志由が自分で満足するまで…)
誰にも認識されないように超結界でガード…それ以外はしない。
…襲っても許される状況。想い人をだ。…しかし。
志由が望むときに結ばれたい。その気持ちが劣情に勝ったのだ。
……短い勝利…だったが。
…例えば空腹の状態で御馳走を前にどれくらい我慢できるだろう?
電脳空間で自らの中の志由と交わった…言わば志由をネタにオナニーした。
直前にそんな経験をしたピーチ、妄想ではない御馳走が目の前で跳ねる。
それを『小1時間』は拷問以外の何物でもない。
そう、『一時間』…志由はそのまま拙い自慰を続けていた。
見守っている方…ピーチはもう限界だった。
(こんなの……こんなのォ………いけない……ょ………っ!)
クマの本体上部に自身の、人型の虚像を投影して晒している。
欲情に身を任せる姿、両膝で中腰になり股間と乳房を弄ぶ様をだ。
無論、志由に悟られない位置、結界も警戒も維持したまま……
姿を晒すのは志由のオナニーを覗いて自慰に耽る自分に対する戒め…
背徳の思いがそうさせるのだが…それは志由も同じだった。
(…クスリの…せい…媚薬の…せい……だけど………
お外で……みんなに……お尻…ハダカ…みせて………おしっこ…漏らして……
こんな……恥ずかしいこと…しちゃう…なんて………ッ!)
…淫乱以外の何者でもない。無意識…本能のレベルでは理解しているのかも知れない。
媚薬など効いていない事実を。
『一時間』という時間は志由の精神を回復させていた。
初めてのオーガズムから醒めてみれば…羞恥と後悔の…豪雨、暴風。
その罰として、罪を償う意味で、羞恥を味わっている。そんな気分なのだ。
…建前は、だが。
観客が消えたことも逆に災いしていた。自慰行為を止められない。それも一時間も……
実際には自らの指だけでも過敏に反応する性感帯を、再度の絶頂を恐れているのだ。
無意識下ではその上で甘美な快感を長く愉しんでいる面もある。
理性では、表層意識では絶対に認められない…極度に変態度の高い性癖。
((でも………このままじゃ…………っッ!!))
二人の少女を苛む性の疼きは治まらない。
二人は同じように…決定的な刺激を求めていた。
磁石のように被虐と加虐が惹き合っている。それでも動くべき加虐側…
ピーチは何も出来ない。
(志由……しゆぅ………っ)
好きだからこそ、自分はAI…本来隷属すべき立場だからこその…金縛り。
…物理的な理由も一応はある。
先程の敵AIとの攻防…その絶頂、再起動の際には結界を維持できた。
だが今度は…本物の志由と本当に性行為をしては…結界を張り続けられる自信がない。
それほどに溺れてしまう確信。それがどれほどの危険か…
…実際には対応策はあるのだが…ここまでの苦難を、この勝利を危うくしたくない。
その二つの呪縛を解き放つ為には…『彼』の回復を待たねばならなかった。
「何をしておるか!」
志由には聞こえない大きさの囁き、ピーチには大音量のサイレンに思えるほどの。
…遥か上空から『漢』の声が響いた。
その漢の巨躯が高空…上から降ってきたとき。
ピーチはフィズのバイザーの索敵機能を無効にした。
しかし志由自身が自分の聴覚等の五感で『漢』の気配に気付いたら…
恥ずかしい自慰、この状況…野外での行為を他者に見られたら…その心は砕け散る。
凄まじく焦ったが…漢は気配を絶つことにも長けていたようだ。着地もほぼ無音、
志由は至近距離…木々の影に漢が降り立ったことを察知できず恥態を晒し続けている。
「ちょ、ちょっと!…契約破る気?!
私はちゃんと守ってる!…フィズと…私の…映像、ちゃんと…見せてるでしょ!
『ソルジャードッグ』と呼ばれる超一流の傭兵…貴方が約束破る気?!
そっちがその気なら……爆弾!…作動させちゃうからね!」
小声で言いつつ…爆弾作動は志由に悟られる公算が高い、不可能だとも悟っていた。
…そして同時に思い出す。『漢』との奇妙な契約を結ぶことになったいきさつを…
…
……
………
フィズが『漢』の前から去った後…一分ほどでクマのぬいぐるみ…ピーチは来た。
ピユピユと幼児の靴が鳴るような足音で立ち往生…麻酔で気絶している漢の前で進み…
「『組織』とも対等に交渉できる…契約無しでは組織に従わない、勝手に契約を破れる…
それが許されるほどの実力を持つ傭兵『ソルジャードッグ』…
惜しい気もするけど…死んでもらうわ…」
その言葉の終わり、クマの背中から触手が一閃!
蠍の針のように漢の体…胸、心臓を貫こうとするが…
「…なんてこと!…気絶してるのに!」
気を失っていても漢の纏う『闘氣』は失われていなかった。
コンクリートに穴を開けることも苦としない触手ですら皮膚も破れない。
無駄を悟り触手を止めるピーチだが…
(フィズ…志由の秘密を守る為には…殺すしかない!)
「…目ん玉からなら…脳味噌を…」
触手を瞼に向け操作しながら何気なく呟いた言葉に返答があった。
「効かぬ!…殺るならば鼻と口を押さえ呼吸を封じるのだな…
…あるいは痺れが回復する前に窒息するやも知れぬわ」
『漢』自身からのアドバイスにピーチは触手の進行を止める。
見開かれた漢の眼光…確かに触手で貫けるものではなさそうだ。
(…普通なら三日は昏睡する麻酔を…化け物が……)
「……窒息死するのにどれくらい時間かかりますか?」
率直な質問を本人に向けるピーチ。不敵に微笑を浮かべ答える漢。
「…30分くらいか?…その間に腕くらいは動かせるようになるだろうがな!」
…他の殺傷手段を検討し始めるピーチに漢のほうが問いかける。
「…踏み止まるわけにはいかぬか?」
「むしろ闘氣を解いてくださいよ!」
即答するピーチだが…その台詞は漢の殺傷が困難だと吐露している。
そして尋ね返す。
「…どうして…フィズの麻酔針を喰らってくれたの?」
この闘氣…麻酔針など無効なはず……しばしの間を置いて漢が答える。
「汝の心意気が我が氣を上回ったのやも知れぬな……」
ツッコミを…「じゃあ何で今、殺せないのか」と入れようとしてピーチは止めた。
漢は油断していたわけでも手心を加えてくれたわけでもない。
麻酔針が刺さったのは単なる結果…それを悟ったからだ。
今、殺害出来ないのも同じこと…単なる結果だ。
仕方なく漢の案を実行しようと漢の巨躯を、鼻と口を目指して
抱き着きつつ、ぴょこぴょこと登り始めるクマのぬいぐるみ…
「……『取引』をせぬか?」
逞しい胸筋にへばり付くピーチの顔を見て漢が問う。
「しません。殺します。。。」
ピーチは即答するが…クマの巨躯登山は止まった。
話を聞く雰囲気を察した漢は言葉を続ける。
「汝は…あの娘を助けたい。…今も安全とは言えぬのでは?
条件さえ飲めば…とりあえずは…あの娘を襲わぬことを誓おう…
汝との約定を違えた場合は我を即殺出来得るであろう手段を与える…
………これでどうだ??」
無言を続けるクマに漢が語った条件はこうだ。
フィズに関する全ての情報を漢に教えること…代償にフィズの秘密は口外しない。
「フィズを完全に性奴隷にするには彼女自身を熟知する必要がある」とのこと。
…それが済むまでは襲わないと。襲う場合も宣言、宣戦布告してから襲うと。
そして条約を交わすのであれば…闘氣を解き体内に毒や爆弾を仕込めるようにすると。
沈黙……。
10秒ほど漢の胸に抱き着いたままだった小さいクマは飛び降りる。
「…爆弾……取って来ます」
背を向けたままそう言ってピユピユと足音を立てて部屋を出ていった。
………
……
…
(やっぱ…あのとき殺しとくべきだった…)
爆弾は心臓や肺の近くに埋めた。その際に手元(触手)を狂わせれば済んだ。
…いつかは敵になるのだ。そしてフィズ=志由に関しても知り過ぎている。
充分な殺害動機だが…利用するだけ利用できると考えたから踏み止まった。
(志由を狙ってるなら…『組織』の手に堕ちるのも阻止してくれる………けど!)
今、襲われては元も粉もない。だが止める手立てもない。
「ふふん!…条約を破った時ならば潔く爆弾の餌食にもなるわ!
だが!…それ以外では死んでやるわけにはいかぬな!」
ニヤリと笑う漢…契約の後、『戌』と名乗った彼は不敵に笑う。
(こいつ………っ!…マジに爆弾に耐えるかも………)
どころか爆弾を埋め込む際に心臓を攻撃にも耐えたかも知れない。
自信があるから無謀な取引を持ち掛けた…そう思えるほど。
…結局は戌を信頼するしかない。そんな無力感すら覚える。
「そんな些細なことなど!どうでもよいわ!
何故に性交わらぬ?!…あの娘の欲することを叶えてやらぬか!
それであの娘のパートナー気取りか?…片腹痛いわっ!!」
戌の一喝に即座に反論する。
「そんなことしたら!…志…フィズが傷つくでしょ!
ちったあ考えろよ!…筋肉バカっ!!」
全裸の、股間からは愛液の滴る少女の立体映像が怒鳴る。
その大音量は漢にしか聞こえない。戌の体内の爆弾を振動させて声とする荒技だ。
「笑止っ!…バカは汝よ!」
それに身じろぎもせず戌は小声で一蹴し…その後に穏やかな言葉で続けた。
「………それしきのことで壊れる娘ならば我は求めたりせぬ………
何より…汝らの信頼は並のモノでは無かろう?…我が言うまでもなくな!
……だから……恐れるな……」
(…恐れてる?…私が?……志由に……嫌われるのを??)
戌の言う事は…志由とは初対面、それもつい先程、わずかに邂逅しただけの漢の言葉は…
…真実。
沈黙するしかない。…ヒトとして生物としてのシンパシーなのか?
ピーチは己の未熟さを恥じる。そんなピーチに戌はさらに続けた。
「…先程に制圧したAIを独立稼動させ結界を張らせよ……我も見守ってやる!」
「…っ………アンタが見たいだけでしょ!………へんたい!」
そう返しながら…ピーチの立体映像はフワリと浮かび、クマは歩いて志由へと近付く。
少女の立体映像が戌の巨体を摺り抜けたのは…
唇の座標が一致していたのは何故かわからないが。
GJ!
このスレ最後にいいものを見せてもらった…!
しかしフィズは開始第一話から想像できないような展開ばかり続くなぁ。
なんだこの歪んだ人間(?)関係www
観衆?に見られるのかと思ってドキドキしたよ…ホントGJ
次回はピーチ×フィズだよな?楽しみにしてるww
GJ、おっきした!
もうピーチがAIって設定すら忘れそうな展開だ…つか三、四秒って誰か撮影してそうだな。
しかしフィズの人はシチュ展開が上手いなぁ。
ギミックによる状況の説得力と構成がエロとマッチングして臨場感が出てるし。
一行一行ハラハラワクワクできるぜ。
>>400 GJです
戌が既にメインキャラに昇格してるっ
没とか修正とか苦難の道は全て奴のせいに違いないw
強烈な個性とパワー、そしてエロス。俺もこのキャラ大好きです
志由一直線だと思っていたピーチに
>>409の最後の段落は…
なんて所でぶち切るんだ…
ほ
ほ
保守。
新スレが立っていることだし、埋めてしまわないか?
そこで誰か短編投下ですよ
ご新規さんも大歓迎
419 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:54:39 ID:NPYLFLsY
あ、ありのまま(AAry
短編で埋めちまおうと書いてたら本編で使おうと思ってるシチュと似ちまってた!
何を言ってるのかわからねーと思うが俺も何を書いてるかわからなくなった
パクリとかネタ被りとかじゃ断じてねえ(同じ作者だから)
もっと恐ろしいものの片鱗を(ry
………素直に本編進めりゃよかった…orz
逆に考えるんだ
似たシチュなのに全く違う展開になって
より多くの嗜好の人向けに投下できると考えるんだ
堕落エンドの方が良いよって人も
二次元エンドで後味良くないと駄目だよって人も
どっちもござれ みたいなw
だが断るw
何故なら…「ネタは二つあった!」
いや、やっぱさ…投下するにしても本編を先にしたいじゃん?
…週末までに埋まってなければ違うネタで埋めるよ
容量が足らなさそうだが…その場合はそこまでって事でw
423 :
摩天楼遊戯:2008/02/16(土) 20:26:43 ID:bW0tLkMK
「か、怪盗〜〜〜?」
「…さようでございます」
訝しげな声を上げる少女に執事は頭の悪い者に言い聞かせるようにゆっくりと答えた。
プライドの高い少女は馬鹿にされた気になり即座に怒鳴り返す。
「なんで!…この私がコソ泥の真似なんかしなくちゃいけないのよっ!」
今にも噛み付きそうな八重歯が光る怒り顔。
しかし執事は慣れているのか変わらない口調で語る。
「何をおっしゃいます。『怪盗』とは…
見目麗しく聡明で類い稀なる運動能力を持つ者のみが名乗れるものでございます。
…お嬢様はその全てを満たしておいでと私めは思っているのですが?」
…執事の少女に対する評価の「大部分は」世辞ではなく本心だった。
執事の口調はやはり気に入らないが、その内容は真実と思っている少女。
怒り顔から膨れっ面へとややクールダウンした。
表情としては良いものではないにも関わらず怒り顔も仏頂面も大変に愛らしい。
そして運動能力も高かった。揺れる双乳すら加速に使われているかのような俊足。
標準以上の胸と尻以外は華奢な彼女の走る様は実速より疾く感じるせいもある。
その柔軟さ、高いバランス感覚も彼女の魅力を引き立てる要素である。
様々なスポーツ、要所の局面で衆目を集めるポーズが自然に決まる。
腰まである緩やかなふわふわの頭髪が揺れることで芸術点も加味される…
だが「聡明」だけは彼女の『家』の威光、そのおかげだ。
大財閥の令嬢…学校のほうからそれとなく試験内容がリークされる仕組み。
それでもトップは取れない有様…優秀とは言い難い。
そんな彼女だ。少し褒められただけでその気になりかけてる。
流石に「すぐ食いついては馬鹿っぽい」と自覚しての仏頂面だ。
「その通りだけど……でも………」
膨れっ面に頬を染めて執事の言葉を待つ。
「既にお嬢様は何をなさっても頂点におられます
お嬢様ではない別人…『怪盗』という存在でもなければ下々の者たちは驚きますまい
世間の噂話に花を添えることも高貴なる者の務めかと………」
「…そ、そこまで言うなら仕方ないわね!」
…こうして怪盗『ルミナルージュ』は「赤園寺 彩香」の仮の姿として誕生した。
―――――
「なんで………私が………こんな………」
標的の屋敷に忍び込んで直ぐさま彩香は後悔していた。
赤園寺財閥と肩を並べる青乃宮コンツェルンの豪邸……
見つかっては、捕まっては大財閥の一人娘と言えどもただでは済まない。
…いや、ライバルである青乃宮だからこそマズいことになる。
「そのほうがスリルがありましょう?」とは執事の言。
そもそも「面白い退屈しのぎはないか?」→「怪盗など如何でしょう?」という流れ。
「無理ならばもっと格下の標的を探しますが何か?」的な事を言われ
意地で「やる」と言った自分が愚かなのだが………
424 :
摩天楼遊戯:2008/02/16(土) 20:32:34 ID:bW0tLkMK
「へへへ、侵入者は女だってな」
「身体は相当エロいらしいぜ?」
「イカれたコスプレしてるらしいから頭は悪いだろ?」
「何でもいいさ…ここは治外法権だからな……やりたい放題……」
屋敷本館へ辿り着く以前に見つかり凄い人数に追い回された。何とか逃げ切り…
…今は使用人用の家屋、その男子トイレの個室。
用を足しながら雑談する男どもを殴りたいのを彩香は必死で耐えていた。
女性用トイレもあったが捜索の最中で隠れられず止むを得ず…だが。
(こんな……臭くて汚いとこに…………!)
別に普通のトイレなのだが贅を極めた「お嬢様」には耐え難いのだろう。
場所も男どもの言い草も。
(見つかったら……どんな目に遭うか……)
正体を明かさなければほぼ間違いなく…いや、確実に輪姦される、
だがバラせばこれを材料に『家』にどれほどの迷惑をかけるかわからない。
…どちらも絶対に駄目だ。
(仕方ない、ギブアップするか…………)
それも彩香にとっては苦汁だが…所詮は遊び、その割にリスクが高すぎるのだ。
執事から「もしもの時に」と預かった機器のボタンを押した。
『その時点でお嬢様の安全は保証されます』…執事の言葉を疑いもしなかった。
ジリリリリリーーッッ
ボタンを押した機器自体が轟き叫ぶ。それを持つ彩香は気絶しそうになった。
隠れている、見つかりたくない状況を抜きにしてもだ。それ程の大音量が鳴り響く。
…何も言う間もなく、何も考える間もなく蹴破られる個室のドア。
その向こうには…信じられない人数が詰め寄っていた。
トイレには大小合わせて10基ほど便器があるが…その数倍。
ネコ一匹通る隙間もない。…彩香は一瞬にして何十人もの男に包囲された。
…
男の数は増える一方、場所は本館の大広間に移動された。
そこで天井から吊される彩香…
その名が示すように鮮やかな真紅のチャイナドレス、
スリットからは網の大きいストッキングが覗きガーターベルトまで見える。
仮面舞踏会で使っていたマスクは目の穴が大きく彼女の美貌を殆ど隠していない。
知っている者なら正体を見抜く…というか彩香以外何者でもない。
それは男どもも気付いているのだろう。
ざわめきの中にその気配を感じる。まだ吊されただけで済んでいるのは
上からの指示を待っているだけだと思われる。
直接手を出せない、まだ本名を呼べない腹いせか?
男たちは盗んだモノと引き換えに置くはずだったカードに書かれた名で嘲る。
「ルミナルージュちゃん、色っぽいねえ!」「男子トイレで何をしてたのかなあ?」
「決まってんだろ?…オナってたんだよ!」
「オナだけじゃ我慢出来なくなって自分から居場所を知らせたってか?」
言い返したいのを歯を食いしばって耐える。
その怒りを込めて拘束具…SMで使うような革手錠を引っ張るがビクともしない。
手首を覆う幅が広いのでさほどは痛くないぶん思いきりなのだが…
(これから…私……犯され…ちゃう?
……この私が?………そんなの……許されるはずないでしょ?!………ッ)
…だが現実は無情だ。助からない。
425 :
摩天楼遊戯:
「おやおや、これはこれは…」
新聞のトップにもよく載る、新聞など読まない彩香でも知っている。
青乃宮コンツェルン総帥のご到着だ。
好色そうな、舐めるような視線。
彩香はボディラインどころか中身まで見透かされたような気分になりゾっとする。
「さてどうしたものか…
本来の貴女として『丁重に』もてなすか… 不法侵入の犯罪者として扱うか…
…貴女に選ばせてあげましょうか?」
「く………っ」
どちらも選べる訳がない。そして総帥の目を見て思う。
(こいつ…弄んだ後で『家』に言うつもりだ………っ)
最悪のシナリオ。その中でも『家』に知られることだけは絶対に避けたい彩香だが…
(…お父様にだけは…知られちゃダメ!……でも…ここで媚びても………っ
とにかく…時間を稼がないと………)
だがその方法が思いつかない。時間を稼いでも解決しないことも気付かない。
「仕方ありませんね、では手始めに…」
そう言うと総帥は銃を取り出し彩香に狙いを定める。
手始めと言う単語など忘れて彩香は恐怖してしまった。
人を殺しても完全に隠蔽出来る連中だから無理もないが…
「ちょ…! やだ! やめて! …………ッッ!」
なまじ卓越した視力がある為に引き金を絞る動きがよくわかる。
その瞬間に思わず目を閉じてしまった。が、聞こえるはずの銃声が無い。
変わりにチャイナドレスの裾に濡れた感触を覚える。
目を開けて確認するとやはり濡れている。
彩香は恐怖のあまり失禁してしまったのかとゾッとする羞恥に襲われるが
その割には下着は濡れてない。確認すべく総帥を見て銃口から滴る水にようやく気付く。
「…み、水鉄砲?」
安堵と屈辱が溢れるが総帥の次の言葉にそれは戦慄と羞恥に変わる。
「もちろん普通の水ではありませんが……」
効果は説明を聞く前に理解した。
ドレスの濡れた部分が乾燥していき…その部分の布地も蒸発していく。
「人体には無害…さて、射撃大会を始めましょうか♪」
下卑た笑いを浮かべた男たちは配られた水鉄砲を手に集中砲火を開始した………
…彩香も頑張った。
人体には無害と聞き縛られていない、そのスラリとした足で直撃するはずの水を蹴る。
身体を激しく揺らしながら足を大きく回し迎撃するが…
その動作のたびに眩しい太股、根本まで晒してしまう。
さらに蹴った際の細かい飛沫までは防げるはずもない。
少しづつ確実に溶けていく衣装…
右肩、上半身を覆うチャイナドレスの要に被弾すると衣装はベロリとめくれ、
その豪華な装飾のブラがあらわになる。…途端に動きは悪くなった。
しかし狙いはその揺れる双乳に集中する。防御する足を高く上げなくてはならない。
上品なレースのパンティの露出率も上がり…恥じらいが更なる失敗を呼ぶ。
天井の装飾、シャンデリアから伸びる鎖に唯一の盾、足を絡めてしまった。