☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第40話☆

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。


リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 02:16:06 ID:wxFzJ/9O
『リンク』

【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第39話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1195952007/

【クロスものはこちらに】
リリカルなのはクロスSSその27(実質28)
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1196174166/

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
・Nanoha Wiki
 http://nanoha.julynet.jp/
・アリサだもんっ!
 ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
・R&R
ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
(キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)
3名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 02:27:38 ID:Qm1Kk2RB
>>1
4 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/05(水) 10:16:45 ID:aMVzldd1
>>1
新スレ乙です。

と言う事で以前予告したヤンデレネタ書きます。
ヤンデレと言えば大抵がバッドエンドフラグな事が多いですが、
逆にヤンデレになったが故に事が良い方向に運んで…と言うのは出来ないかな?
と思って今回の話を書きました。

・なのはとユーノの関係は普通に恋人関係と認識した後からスタート
・二人は経験はまだ無い
・「ユーノが誰かに寝取られるんじゃないのか?」と言う被害妄想を抱く余りなのはがヤンデレになる
・私の話お決まりの二人の邪魔するお馬鹿フェイトは今回ありません。今回は普通に良い人です。
(ただし、過去形と言う形でフェイトがユーノを殺ってなのはを自分の物にしようとした事がある設定)
・むしろなのはの方がヤンデレの副作用で馬鹿っぽくなってます
・なのは×ユーノ
・エロ(ただしエロが出るのは後半)
・ユーノを性の奴隷にして無限書庫の情報を手に入れようとすると言う設定のオリキャラ出る
・ユーノがオリキャラに拉致されて逆レイプされそうになる
・キャラ崩壊イヤンな人は注意しまくり
・なのはがある魔法を会得してる設定

あと、久々の前後編と言う形で行かせて頂きます。
ではまず前編の方を…
5むしろ暴走に救われた 1 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/05(水) 10:20:17 ID:aMVzldd1
なのはとユーノが互いの気持ちに気付いて…友達から恋人へ変化してから一時、
なのはにある変化が起きていた。別にユーノに対する恋心が冷めたとかそんなんじゃない。
むしろ逆。ユーノが好きと言う感情が轟々と燃え上がっていたのである。
自らの気持ちに気付く以前からなのははユーノが好きだったが、その時は
まだ『LOVE』には至っておらず、『LIKE』と言う意味での好きだった。
もしかしたらそのせいなのかもしれない。初めて二人が出会ってから約十年間、
『友達としての好き=LIKE』と言う感情に心の奥底まで封じ込められていた
『恋人としての好き=LOVE』と言う感情が、解放された事によってより強く
燃え上がる様になっていたのである。だが、それ自体は別に問題では無い。
問題なのは、なのはがユーノを愛するが故にある被害妄想を抱いてしまったと言う点である。
「他の女がユーノ君を寝取って行ったりしたらどうしよう…。
ユーノ君優しいし…格好良いし…無限書庫司書長だし…持てないはず無いもん…
だから…怖いよ……他の女が勝手に私からユーノ君を奪って行きそうで…怖いよ…。」
これこそがなのはの抱いた被害妄想だった。なのははユーノを愛するが故に…
この様にユーノが誰かに寝取られやしないか? と恐怖していたのである。
そして、なのははユーノに近付く女性を憎む様になった。
勿論頭では普通に無限書庫にも女性の司書はいるし、恋愛がどうとかじゃなくて
仕事上の会話の為にユーノの所に来る者が大半であると分かっているのだが…
なのに何故かそれが許せなかった。誰であろうともユーノに近付く女性は許せない…
そう身体が勝手に反応してしまう。誰かが…誰かがユーノをそのまま
自分から寝取って行くんじゃ無いか…そう思えて怖くて怖くて仕方が無かった。
そして、それが例え親友であるフェイトであろうとも…、ユーノから遠ざける為なら
平気でフェイトさえ傷付けられそうな自分自身にもまた…恐怖していた。

一方その頃ユーノは局内食堂で食事を取っていたのだが、ふとユーノの正面テーブルごしに
フェイトが腰掛けて来ていた。
「ここ、開いてるかな?」
「何だフェイトかい? 別に良いけど…まさかまた変な嫌がらせとかしないだろうね?」
笑顔で席に付くフェイトに対し、ユーノは苦笑いしていた。かつてまだなのはとユーノが
互いを完全に恋人関係と認識したばかりの頃は、元々なのはが好きだったフェイトから
良くユーノは妨害を受けた物だったのだから…しかし…
「大丈夫。今更そんな事する気はさらさら無いよ…。もうなのはを怒らせたくないし。
それに今度は私の方が普通の友達として付き合っていくって決めたから…。」
確かに以前のフェイトならば熱狂的とも言える程なのはを愛し、なのはの為なら誰だって
傷付ける事が出来た。それによってユーノに怪我をさせた事もあったのだが、
それが逆になのはの逆鱗に触れて大騒動に発展しかかった事があった。
その日からフェイトは変わった。ユーノが汚した時にまるで自分の事の様に
ユーノを擁護してフェイトに詰め寄るなのはの姿に…フェイトは自らの敗北を認めたのである。
そうでなくても以前からなのはに対するフェイトの態度に関してレズビアン疑惑なんか
かけられていたし、今度は普通に友達として付き合っていこうと決めたのであった。
6むしろ暴走に救われた 2 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/05(水) 10:22:37 ID:aMVzldd1
「勿論なのはをユーノに取られて悔しくないって言うと…それは嘘になるけどね。
でももう良いんだ。私も良い相手見付けて、二人が泣いて羨む程幸せになってあげるから。」
「ハハハ…まあ頑張って…。」
フェイトも何だかんだ吹っ切りが付いた様で、ユーノも苦笑いしていたのだが、
そこでフェイトはにやけながらユーノの方を指差した。
「それはそうとユーノ、なのはとはどうなのかな?」
「勿論良い感じだよ。ヴィヴィオもパパって慕ってくれるしね。」
「そうか…それは良かった。代わりに私がママって呼ばれなくなって寂しくはあるけどね…。」
フェイトは一瞬寂しげな表情になっていたが、気を取り直して再びユーノへ問いた。
「聞くまでも無い事だとは思うけど…勿論なのはとエッチはしたよね〜?」
「ブッ!」
フェイトの一言にユーノは口の中の物を噴出してしまった。
「ななななな何を言うんだフェイト!」
「え? もしかしてまだしてなかったの!? エッチ!」
「う……。」
気まずい顔で頷くユーノにフェイトは驚いた。確かになのはとユーノの関係はいずれは結婚を
前提にした付き合いにまで発展していたのだが…流石にまだ交わってはいなかった。
「だ…だってさ…そういうのって結婚してからの方が…ねぇ?」
「ええ!? 私もうとっくにやってるのかと思ったよ! もうズッコンバッコンって!」
「だからってそんな大声で言わなくても良いじゃないか! ここ他にも人いるんだよ!」
前述の通りここは局内食堂で、多くの局員が利用していた。だからこそ他の人の耳にも
さり気なく話の内容が入っていたりしたのであった。そして……

「フェイトちゃん……何してるの………?」
「え…?」
突然二人の前になのはが現れた。そして恨めしそうな目でフェイトを冷ややかな目で睨み付けている。
「フェイトちゃん…ユーノ君に……何してるの……?」
「え? 何って普通に話してただけだけど…?」
少々戸惑いながらも普通に答えるフェイトだが、なのはの方は尋常では無かった。
「嘘でしょ……本当は私からユーノ君を取ろうとしてるんでしょ?」
「へ?」
なのはの言葉に逆に首を傾げるフェイトであるが、やはりなのははフェイトを睨み付けていた。
「お願いだから…ユーノ君に近付かないで…本当に……帰って……。これ以上したら……
私……フェイトちゃんだって……平気で傷付けてしまいそうだから……。」
「な…のは?」
なのははフェイトを睨み付けながらそう言い、レイジングハートを掴もうとしていた左手を
必死に自分の右手で抑え付けていた。なのはだってフェイトを傷付けたくは無い。
しかし、ユーノを他の女には渡したくないと考えるもう一人の自分が今にも
レイジングハートを持たせようとしており、それを抑えるのに必死だったのである。
「わ…分かったよ……ごめん……。」
とにかく今のなのはの言う通りにしておいた方が良いと悟ったフェイトはその場から立ち去って行き、
なのはも安心して肩を下ろし、ほっと胸を撫で下ろしていた。
7むしろ暴走に救われた 3 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/05(水) 10:25:29 ID:aMVzldd1
「こ…これでもう大丈夫だよユーノ君…。」
先程までの冷ややかな目が嘘の様にさわやかな笑顔でユーノを見つめるなのはだったが、
やはり自分を抑えるのが相当きつかったのか、その顔は真っ赤になり、汗が流れ出ていた。
「なのは……悪いけど……さっきのフェイトに対する態度は失礼じゃないかな?」
「え? ユーノ君…私より…フェイトちゃんの方が良いの…酷い……。」
ユーノは先のフェイトに対する態度について問い正そうとしただけなのに、
なのはは自分が捨てられるかもしれないと勘違いして青ざめていた。
「違うって! そんな事しないって! 僕が言いたいのはさっきのなのはのフェイトに対する態度!
 一対どうしたんだい? なのは最近おかしいよ?以前は逆に僕の扱いがぞんざいになるくらい
フェイトと仲が良かったのに…この変わり様は何なんだい?」
「あ………。」
再びユーノに問われてなのはも思わず黙り込んだ。そして一時してから再び口を開く。
「あのね……私……怖いの……。」
「怖い?」
「うん…ユーノ君が好きって事に気付いてから……私怖くなっちゃったの…。」
「何が怖いんだい? 君らしくない。」
ユーノは優しい目でそう心配そうになのはを見つめるが、なのはは俯きながら答えた。
「誰かが…ユーノ君を奪ったりしそうで……私…怖い……。」
「ハハハハハハ! 何だそんな事かぁ!」
笑って答えるユーノになのはは一瞬ムッと来た。
「ユーノ君そんな笑わないでよ! 私は真剣なんだよ!」
「ごめんごめん。でもさ、僕はそんな事はしない。君から離れるつもりは
さらさら無いよ。だからなのはは安心して?」
「う……うん……。」
ユーノに言われてなのはも一まずは安心していた様子であったが……
「ユーノ! 無限書庫の○○の棚にあった△△の本についてだけどさー。」
と、突然ユーノに話しかけて来たアルフに対してさりげなく冷ややかな視線を
浴びせていた辺りあまり効果は無かったらしい。

とまあこんな感じで、なのはがユーノの事を想う余りユーノに近付く女性には
問答無用で反応してしまうなんて事があったのだが、一方その頃、
時空管理局転覆を目論むとある時空犯罪組織が今日もまた管理局転覆の作戦を練っていた。
8むしろ暴走に救われた 4 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/05(水) 10:27:58 ID:aMVzldd1
「と言う事でだ。今回は無限書庫を落としてみようと思った。だって考えても見ろ。
あのJS事件でも無限書庫から得られた資料が聖王のゆりかご攻略に大いに役立ったと言う
ではないか。今と言う時代において情報はどんな武力にも勝る武器だ。
よって無限書庫を押さえる事は管理局の弱体化に通じるであろうし、また無限書庫に
存在する膨大な資料の中には我々にとって有益な物もあるに違いない!」
時空犯罪組織のボスっぽい男が会議室で部下達の前でそう主張し、次に
モニターにユーノの写真を表示した。
「そして第一に狙うはこの男。無限書庫司書長ユーノ=スクライアだ。」
「なるほど。この男を殺せば良いんですね?」
「馬鹿! 殺したらダメだろうが! 無限書庫はこの男がいるからこそ何とか機能
してるんだぞ! 確かに無限書庫が機能しなくなれば管理局も弱体化するが…
代わりに俺達が無限書庫を利用すると言うもう一つの目的が果たせなくなるでは無いか!
だからこそこの男は殺さず、逆にこちらの味方に付けられる様に仕向けるのよ!」
「ですが…一体どうやって味方に付けるんですか?」
いくら何でもユーノが時空犯罪に協力するとは誰にも考えられない。
だが、時空犯罪組織ボスはその方法に関しても既に考えている様子だった。
「大丈夫。その為に今回彼女を呼んだ。」
そう言って彼がある方向を指差すと、突如女忍者風の風貌をしたやたらに
ナイスバディーな美人の女性が現れた。
「私の名は『ハニー=トラップ』無限書庫司書長だか何だか知らないけど、
その男も私の性技の虜にしてやるよ。」
「何ですと!? 『ハニー=トラップ』と言うとまさかあの幾多の大物権力者を
その神がかり的な性技で虜にし、破滅させて来たと言う魔性の女!」
「フフフ…魔性の女は私にとって褒め言葉だよ。」

『ハニー=トラップ』
男を惑わす程の美貌を武器に幾多の大物権力者に近付き、一種の麻薬とも
思える程の神がかり的な性技で相手を虜にし、性の奴隷とする事で、快感を与える代わりに
その男を影から操り、果てには国一つを崩壊させた事もある恐るべき魔性の女である。

「人間苦痛には耐えられても快感には耐えられない物…。
私がその無限書庫司書長さんを私の性技の虜にして…私の操り人形にしてやるよ。」
「おう! 頼んだぞ! その為に態々高い金を払ってお前を呼んだんだからな!」
時空犯罪組織ボスの期待を背負い、ハニーは男に近付く際併用する変装技術を持って
無限書庫司書に変装し、無限書庫へ潜入した。
9むしろ暴走に救われた 5 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/05(水) 10:30:36 ID:aMVzldd1
恐るべき刺客が潜入した事も知らぬ管理局の者達はそれぞれの仕事を何時もの様にこなしていたのだが
なのははやはりユーノが心配だった。自分がこうやって教導中にも別の女がユーノに近付いて
変な事したりしないか…それが怖くて怖くて…教導にも身が入らない。
だがそれだけならまだ良い方だ。こうして教導してる若手魔導師の中にも…
もしかしたらユーノを狙ってる女性魔導師とかいるのかもしれない。
かと言って男の方も安心は出来ない。世の中には同性愛者と呼ばれる人種も存在する。
だからこそ男でユーノを狙って『アッー!』とか『ウホッ!』とか目論んでいる者も
いるのかもしれない…となのははついつい考えてしまう。
実際そういう事は一切無いのだが、なのははユーノを愛する余りその様な
被害妄想をやはり抱いてしまうのである。頭の中では必死にそんな事は無いと
考える感情も勿論存在するのだが…やはり誰かがユーノを狙っている。
そういう予感が強く…果てには…教え子の若手魔導師達をディバインバスターで吹飛ばしていた。

「ちょっと高町教導官…そりゃ厳しく鍛える様には言ったけど…やりすぎは逆に困るよ。」
気の迷い(?)とは言え、教え子の若手魔導師を派手に吹飛ばして怪我人続出なんて事に
なってしまったのだから、こうして上から叱られたりするのは当然の事であった。
しかし…こうしている間にもなのははユーノの事を考えていた。
「(ああこうしてる間にも…誰かがユーノ君を狙ってるのかもしれない…
いやもしかしたら…私の目の前にいるこの人だってユーノ君を狙って『アッー!』とか
『ウホッ!』とか目論んでいるかもしれない……そんな事は……私が絶対にさせないから…。)」
無論実際にそういう事は無いのだが、なのははユーノを心配するあまりもう
この様な滅茶苦茶な事しか考えられない様になっていた。

なのはがユーノを心配しながら上から説教を受けていた頃、ユーノはまさにその大変な事が起きていた。
「君! 僕を一体どうするつもりだ!?」
「フッフッフッフ…無限書庫のセキュリティーも案外大した事無いんだね〜。」
そう、司書に変装したハニー=トラップは物の見事に無限書庫への潜入を成功させ
ユーノを束縛する事に成功したのである。そしてハニーは誰にも悟られない様に
巧妙にユーノを拉致し、彼女の依頼主である時空犯罪組織の秘密アジトの
ある一室まで連れて来ていた。
「まさか僕を人質に取って身代金を取ろうって事でも考えているんだな?
悪いけどそれは無駄な努力だよ。管理局にとって僕なんて駒の一つに過ぎない。
僕なんかを救う為に態々身代金なんて用意しない。用意したとしても子供銀行券が精々だよ!」
「フフフフ…そんな事するワケ無いじゃないか。私の依頼人の目的はあんたを直接
利用する為なんだからね…。あんたを利用して無限書庫の膨大な情報を手に入れたいんだとさ。」
「何!? 誰がそんな事を!」
ユーノとてそんな重要な事を時空犯罪者等に教えるつもりはさらさら無い。
しかし、彼等の目的はユーノを拷問して無理矢理に情報を吐かせるのでは無く、
ハニーの性技による快感を与えてハニーの虜にしてしまい、こちら言うがままに
動く性の奴隷へ変えてしまうのであったのだから…ユーノがどんなに反抗しようが無駄だった。
「それじゃあお楽しみと行こうか? ちなみに助けは期待しない方が良いよ。
何故ならこの部屋は思念通話さえ遮断する特別製だからね……フフフフ…。」
「ええ!? わぁ!」
ハニーは不敵な笑みを浮かべながらユーノの目の前で服を脱いで裸になり、その豊満な乳房を弾ませた。
10 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/05(水) 10:31:35 ID:aMVzldd1
とりあえず前半はここまで。後半は明日辺り投下します。
11名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 10:34:09 ID:AVYWyxcF
>>10
リアルタイムGJ!!!
12名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 12:39:45 ID:f5pujMj3
新早々GJ!
なんという三角関係。何だか執務官どのを応援したくなってきたZE
そして、どう考えてもハニーさんの未来はピンクと黄色の閃光の中w
13名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 14:29:03 ID:tbeyXHLq
相変わらずギャグにしかみえないな。
これも一種の才能なのか……?
わざとやってんのかも知れないけどさ。
GJ.
14名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 14:31:57 ID:XvLbM7Np
一度読み返してから投下したほうがいいんじゃない?
誤字や変な表現が目に付くから
15名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 14:33:45 ID:tx59le5u
投下宣言します。

再び機動6課の休日 その2

今回は折り返し無しで投稿してみます。
前スレで次スレ確認せずに中途半端に投下しちゃいましたので
もう一度こちらで再投下します、マジで反省。
16再び機動6課の休日 その2:2007/12/05(水) 14:34:22 ID:tx59le5u
「予定時刻20分前……無事着いたな」
 遊園地の駐車場に到着したシグナムが運転席からフェイトにそう告げた。
「うん、ありがとう」
 一方、答えたフェイトは助手席に乗っている訳だが、経緯としてはこうだ。
 最初、フェイトは無意識で自分で車のキーを持って車に乗ろうとしたが、いざ運転席を空けてその事態に気がついた。
 子供だとペダルに足が届かず、車の運転が不可能だと言う事である事を……。
 泣く泣くはやての部屋に戻り事情を話して、代わりにシグナムに車を運転してもらう事となった訳だ。
「時にテスタロッサ……送った見返りと言うのも何だが、いくつか頼み事をしても構わないだろうか?」
「うん、別に良いけど?」
「まずは遊園地のお土産にヴィータの気に入りそうな物があれば適当に買ってきて欲しい、無論代金は後で払う」
 少々恥ずかしそうな口調で話すシグナムに対し、フェイトは嬉しそうに答える。
「それぐらいならお安い御用だよ」
「それと……もう一つの頼みなんだが……」
 今度は口調が途切れるほど恥ずかしいのか、顔が真っ赤になり今までフェイトに向けていた目線も外すシグナム。
「どうしたの? シグナム」
「その……だな。あ、頭を……撫でさせて欲しい」
 それは予想外の答えだったが、それでもフェイトは気にせず笑顔で答える。
「そのぐらい別にお願いする必要も無いよ。いつでもどうぞ」
 そのまま助手席から、横に乗り上げる形でシグナムの横へ顔を出す。
「あ、ああ……それでは遠慮なく」
 体格差と体勢の都合上どうしてもフェイトがシグナムに対して上目遣いになり、それが原因で更に顔を赤くしたシグナムが優しくフェイトの頭を撫でた。
「し、シグナム……すっごい顔緩んでる」
 先ほどの以外な発言中や頭を撫でる直前より更に変貌したシグナムを見て、流石にフェイトも一言発せられずには居られなかった。
「……っは! すまん、つい取り乱したようだ」
 我を取り戻したかのように冷静な表情へと戻る。
「私だけになら良いんだけど……はやてとかに見られたら、また遊ばれそうなぐらい凄かったよ?」
「肝に銘じておこう」
 続いて苦い思い出を彷彿させるフェイトの発言でよりいっそう顔が引き締まる。
「む、目的の2人が来たようだ。後は任せたぞ、テスタロッサ」
「あ、うん。行ってくるね」
 いつものように車のドアを開ける動作をするが、やはり子供の体格で片手の力では動かないらしく、構えなおして両手でドアを開ける。
「テスタロッサ。最後に聞き忘れたが帰りはどうするつもりだ?」
 フェイトが助手席側から車を出て、運転席側に回り込む途中にシグナムが窓を開けて質問をする。
「そうだね……必要になったらそっちに連絡する形で良いかな?」
「心得た。それでは上手くやるんだぞ」
 お互い手を振って別れの挨拶後、シグナムが乗った車が駐車場から去る。
「よし、ちょっと後ろの別の列から入れば簡単にはバレないよね」
 後方からエリオとキャロの姿を確認しながら入場ゲートへ並ぶ。
「入場人数を教えて下さい」
 どうやらフェイトがチケットを買う順番になったようで、カウンター越しに係員がアナウンスで呼びかける。
「えっと、大人一枚で」
「大人? ……保護者の方の分ですか?」
 係員がフェイトの付近を見回すが、それらしき大人は見当たらない様子で答える。
「あっ! ええと、すいません。子供一枚で……」
 車の時と同様に、自分が子供の姿であると言う事を忘れてしまっているハプニングであった。
 
「エリオ君、これなんかどうかな?」
「良いね。でもこっちとかもどうだろう?」
 エリオとキャロの2人は何種類かのアトラクションを回った後、お土産屋に寄っていた。
 無論、子供姿のフェイトも少し離れたお土産屋でヴィータへ渡すぬいぐるみを物色しながら見守っている。
 2人の道中はこれと言った事件も無く、なんら問題は無かったのだが……。
17再び機動6課の休日 その2:2007/12/05(水) 14:35:02 ID:tx59le5u
「お娘ちゃん、迷子かい?」
「迷子センターの行き方を教えましょうか?」
「おじさんと一緒にあれ乗らないかい?」
 など、フェイトだけ大人に話しかけられると毎度こんな事を言われる訳だ。
 流石にアトラクションにも行かず、1人でふらふらと誰かを追うように動き回る子供を見たら十中八九迷子だと思うだろう。
 この辺はある意味失策だったのかもしれないと、やや後悔するフェイト。
 だが、エリオをキャロにバレずに見守る事が出来る点ではやはり正解だと思っていた。
 そう思っている間に、2人がお土産屋を出た。
 続いて向かった先は噴水のある休憩所。
 ジュースを買ってベンチに座り、少々休憩と言った所か。
 フェイトもそれに習い、ジュースを買って2人を後方から見れる位置でベンチに腰を下ろした。
「ふう……今の所は問題無し、ついでにはやてに連絡しておこうかな」
 ポシェットを空け、通信機を取り出そうとするが……。
「あ、あれ……? まさか、無くした!?」
 車を出る直前までは確かに持っている事を確認したはず。
 それ以降、最後にポシェットを明けたのはさっきジュースを買った辺り。
 だとすれば自動販売機か露天の近くに落ちているはず。
 そう確信して、一目散に先ほどジュースを買った付近を探すが……。
「どうしよう……本当に見つからない」
 自販機の回り、付近の花壇や露天。
 いくら探しても出てこない。
「は、早く使用停止にした方が良いかな……それとも他に何か方法無いかな」
 四つんばいで地面を見ながら、慌てふためきつつ付近をうろつくフェイト。
「何かお探し物ですか?」
 聞き覚えのある声。
「え? エリっ……!」
 振り向いた瞬間、とっさにその名前が口から出そうになったが、慌てて口を塞いだ。
 どうやら落し物を探している様子がよほど目立っていたらしく、ついにエリオとキャロの目についてしまったようだ。
18名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 14:37:20 ID:tx59le5u
ちょっと短めですが投下終了。
次回はこの状態で会うと一番困る人との対面ぐらいまで
進めようかと思っている次第であります。
19名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 16:11:39 ID:4mu1vzdJ
ミちゃんねるwwwwwwwwww
うぇwwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwww

はやってんのかwwwwwwwww
20名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 18:49:39 ID:/J+MUbgj
>ミちゃんねる
この瞬間『なのはさんの教導』の話とリンクしたな。
21名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 19:51:21 ID:wZX4Pi1i
パラレルでいいじゃんおおげさだなぁ

いや、絡んでくれたら嬉しいけどw
22名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:09:05 ID:ZpgItkgb
なのはさんヤンデレ化フラグといえば
プロローグだけしか投下されてないユーノ×4&10に未だに期待してる俺がいる
23名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:11:34 ID:ZpgItkgb
>>20
>>21
でもあちらのユーノはリアル淫獣っぽいからなぁw
24名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:28:57 ID:Rt3h8Lc/
>>22
詳しく
25名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:46:11 ID:X1fFyiMs
>>18
GJです
26名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:52:52 ID:ZpgItkgb
>>24
専ブラの過去ログ、あるいはhtml持ってれば

29スレ目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189866413/551-557
ない場合は保管庫に上がるのを待つべし
27名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 23:16:28 ID:Rt3h8Lc/
>>26
わざわざありがとう
28名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 23:25:18 ID:ynhwsTpY
スバエリのじゃれあうようなエチネタは来ないかのう。

本番する前にコンドームを取り出すスバルとか
「エリオ、避妊を忘れちゃ駄目だよー、ちゃんと準備はしておこうねー」
「なんでスバルさんが持ってるんですか!? 」
「え? 買ってきたんだよ。 ……隊舎の自動販売機で」
「……売ってるんですか? 」
「……売ってたんだよ。 やー、私も見つけた時は驚いたよ。 ……正直助かったけど」

終始軽く、シリアスがひとかけらも無い様な、ゆる〜いのが。
29名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 23:29:58 ID:2k97alBX
>>28
それなりに絡みもあるのにスバエリ(もしくはエリスバ)って少ないよな…

やっぱナカジマ姉妹は人気ないんかなぁ…
30名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 23:36:42 ID:ZpgItkgb
ギンエリはエリオスレで大人気だったけどな
突っ込まれるのはエリオの方だけどw
3138 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/05(水) 23:43:26 ID:sK6B5IrO
>>29
スバルもギンガも、いいお友達としてなら山ほどネタ出るが、恋人で、だと途端にネタが出にくくなる感じはある。
後、人気以前の問題でめぼしい男キャラに相手がもうすでにいるってのも大きい。
使えそうなのはエリオ、グリフィス、ヴァイス、少し無理してユーノって所しかいないし。
エリオにはキャロ、グリフィスはシャーリーとアルトとルキノ、ヴァイスにはティアナとシグナム、ユーノにはなのはとフェイトとはやてがいるし。
ぶっちゃけ男女比がおかしすぎてナカジマ姉妹まで男が回って来ないだけかと。
……だから俺はオリキャラ作る羽目になったんだし。

……それと、コテコテの文系な俺にはeraのシステムは難しすぎて理解不能でしたorz
今お詫びも兼ねてユノなの書いてます……。
32名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 00:48:11 ID:vAYfSAEC
>>31
ヴァイスバを書いた猛者ならいたがな……
33名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 01:02:19 ID:uhRk7a51
>>32
無理やりなカップリングなら上手いオリキャラを作ったほうが良いかなとも思う。
34 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 01:10:19 ID:0J2Bb8gw
管理局の仕事でスバルがロボットの国に出張するけど、現地の支配者に見初められて
「良いでは無いか良いでは無いか。お前の身体の半分以上は機械なんだから。」
とか言って結婚させられそうになる…なんてのを妄想した事あったけど
管理局の管理する世界にロボットが実用化された世界は存在しないって
設定のせいで普通に断念しましたスマソ
35名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 01:23:27 ID:d3qQWyRc
なのはのeraって需要ある?
36名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 01:25:35 ID:ubDIrE1Q
e・ra /()r, r|r/→

1 (著名な人物または歴史的な事件などで特徴づけられる)時代,時期 《★【類語】 ⇒→period》.→
2 紀元.→
3 【地質】 代 《紀 (period) の上位区分; cf. →epoch 4》.
ラテン語「(計算用の)銅貨」→「計算」の意
37名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 01:35:20 ID:d3qQWyRc
書き方がテキトー過ぎた、スマン。

興味のある人はerakanonで調べてくれ
38名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 01:48:48 ID:/KOJE3K7
>>34
管理局に管理されなくても自力で管理できる世界もあるんじゃないか?
某猫型ロボットの世界とか
39名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 02:01:41 ID:EfJs98e3
>>34
っつーかそんなどうでもいいこと書き込むな
チラシの裏でやれ
40名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 02:11:02 ID:K4qTv1Om
>>39
そういう言い方は関心しないぞ。
自分ひとりではいまいち上手くまとまらない話も、誰かの意見をもらえたら
意外とすんなりまとまったりすることだってあるんだから。
とりあえず、もうちょっと柔らかな大人の物腰を心がけような。
41名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 02:25:04 ID:u3hRE8nN
なんか何もないところにレスしてるやつがいるなぁ。
42名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 02:44:32 ID:2xIni42e
>>37
なつかしいな
あれは数値の上下とその変動幅に欲情できるかなり特殊なジャンルだからなー
43名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 02:52:30 ID:O2mEBU6W
>>34
まぁ、そのくらいなら改変してもいいような気がするが…
住人のほとんどが、サイボーグな世界が新しく見つかったってことにするとか。


ちなみに今、ティアナに無理矢理、男装させられたスバルが、
その中性的な姿に、なのはが惚れるって電波を受信したんだが、アリか?
44名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 02:59:08 ID:uhRk7a51
>>43
>男装させられたスバルが、その中性的な姿に、なのはが惚れるって電波を受信
男装させられたスバルが、その中性的な姿から、なのはに惚れられるって電波を受信と言いたいんだな。
45名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 03:06:14 ID:UuN8OYr8
>>35
かなりほすぃ
46名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 03:06:52 ID:O2mEBU6W
>>44
うん、まぁ、そういうこと、書き方がおかしかった、ごめん
47ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/06(木) 06:50:58 ID:+s4D1SoE
おはようございます〜……スバルも結構可愛いけどねえ……同型が12人いるからなぁ
(注意書き)
今更かもしれませんが、泥沼な魔法少女なんて嫌!って方は、それは勿論もっともです。なのでスルーしてくださいね
こればっかりは筆者の仕様上回避しようがないんで……
でもさすがに、嫌だけど読みたい!なんてツンデレな方はシリマセンw

[はやてvsリンディさん]

ほいでは、昼メロ朝刊いきます
48〜ソラノカケラ〜(24)(1/2):2007/12/06(木) 06:51:49 ID:+s4D1SoE
 シグナムが部外者に対して一瞥を放って遠ざけてから、みんなのお母さんと一緒にいなくなってしまった主に代わって問いかける。
「テスタロッサ――状況はどうなっている?」
「……はっきりいってよくないよ。単なる噂話で済むならそれに越した事はないんだけど、
外部にまで漏れて凄い勢いで話が広がってるし、もう上層部の耳にも入ってるみたい。
はやてはただでさえ敵が多いから……」
「確かにな」
「自然消滅してくれそうな気配はないし、変にこじれると大変なことに」
「なんにせよ、はっきりさせないとまずい、ということか」
「うん。少なくとも上が納得するだけの説明をしないとどうにもならないよ……
いくら本局の秘蔵っ子っていっても限界があるしね」
「リンディ殿には説明したのか?」
「うん、一応。でもやっぱり、ちゃんと本人の口から聞きたいからって、連れて来たんだ。ごめんね」
本当に申し訳なさそうにしながら視線を逸らしたフェイトに、相変らずの緊張感があるのかないのかわからない微笑を返す桜色の髪の人。
「何故お前が謝る。遅かれ早かれこうなるのはわかっていたことだろう?」
「そうだけど……でも」
「まあそう気にするな。それよりなにより、当事者の解決が一番先だろう」
「うん……」
「リンディ殿は何と言っていた?」
「特に何も……ただ母さん、すごい複雑そうな顔してた」
「だろうな……」
その2人の入っていった部屋の方を今はただ、全員で不安げに見守るしかなかった。

 内心激しくどきどきもんのはやての目の前に、いつも通りにただし心持ゆっくりとテーブルを挟んで静かに腰を下ろして瞳を閉じ、
膝の上に手を組む緑色の髪の人。
「座って」
「は、はい」
瞳を閉じたまま促されて、正面に座るがとりあえず突然すぎて対抗策は皆無であった。
(あかんよなー、いくらなんでもボケとかはあかんよなー)
どないしよどないしよと思っている間に、リンディの方から話を切り出される。
そっと瞼が開かれて、そこに見えた緑色の瞳には背筋まで射抜かれるような鋭さがあった。
「もう、何の話かはわかってると思うけど……局中で噂になってる自分の話――知ってるわよね?」
「は、はい……」
目を合わせるなんてできるわけもなく、視線を落とすしかない。
「幸い、クロノは巡航任務中で記録も残っていたから影響はなかったけど、
スカリエッティに秘密裏に研究させているとか、クローン技術を使ったんじゃないかって噂になってるの。
これがどういうことかわかる?」
「え、えーっと……」
49〜ソラノカケラ〜(24)(2/2):2007/12/06(木) 06:52:24 ID:+s4D1SoE
怒られてる側が意見をどうこう言えるわけもなく、沈黙で返す。
「はやてちゃん、貴方はね、ただでさえ出自を問題視してる方も多いし、
六課設立からJS事件までの一連の事柄も少なからず快く思われてない部分があったのも知ってたわよね?」
「は、はい……」
「そんな中、こういう醜聞が出てくれば、当然疑惑があるだけでも上の中には理由を得てここぞとばかりに今までの分も含めて、
意見を通そうとする動きがでてくるわ。実際、もう既に貴方の更迭論も出てたりするの」
「……」
「だから、嘘をつかないで正直に答えて欲しいの。あの人――クライドは貴方の所に、いるの?」
わずかに女性が宿った瞳に、だが彼女も勿論彼を手放したくはなく、この期に及んで子狸モードを発動させた。
「な、なんのことでしょうか。うちにはさっぱり――」
「はやてちゃん!?今の状況がわかってるの?自分の立場、状況、それから――、それから、それから」
身を乗り出した彼女の瞳の端に、光るものが生まれていた。
「あの人は、クライドは――、いるの?いないの?」
出会ってからこの方、一度だって感情的な彼女を見た事ははやてどころかフェイトですらなかったが、
それにすらはやては一歩も引く気はなく、さらにとぼけた。
「うちは、しりません。そんな人のことは、なんもしりません」
「はやてちゃん?いくら貴方でもやっていいことと悪い事が――」
「うちには、そんな人はいてはりません。うちにいるのは」
あれ、なんでうち泣いてるんやろ、と彼女自身疑問に思いながらも瞳から涙を零しながら、彼女らしい答を返した。
「うちには、過去も、未来もない男の人が、ひとりいてはるだけです!」
「あ……」
はやてはその言葉が精一杯で、後はもう涙に目元を抑えることしかできなかった。
泣き出してしまった彼女に、自分が感情的になっていた事に気づかされたリンディは溜飲を下げ、
またあの人はこうやって人の心に住み着いて――と心の内で少しだけ呆れる。
「ごめんね、はやてちゃん、ここまで言うつもりは……」
立ち上がって回り込んで、隣に座りなおしつつ肩にそっと手をあてる。
「いえ、うちも……ごめんなさい。ただ……そっとしておいてもらうわけには、いきませんか」
「ん……分かったわ。けどね、ひとつだけ伝えておいて欲しいの。よければ一度でいいから、うちに顔を見せに来て欲しいって」
「……わかりました」
「うん。じゃあ、あとはこっちでやっておくから」
「はい……すいません、お願いします」
ん、と小さく承諾してから、そのままリンディは静かに部屋を立ち去っていった。
しばらくして頃合を見計らってか、シャマルから念話の問いかけがある。
(はやてちゃん?ど、どうなりました…?)
(ん……とりあえず、平気や。あとは……夫婦の問題やから、うちらが口出しする話やない。
うちができることは、もうないわ)
(そうですか……)
(なんや、ちっちゃいな自分は……まだまだや、っていつも思い知らされてばっかりや)
(はやてちゃん……)
50ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/06(木) 06:53:49 ID:+s4D1SoE
ほいではまたノシw
51名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 07:06:20 ID:v+nzkaNZ
>>50
GJ
毎日ありがとうございます。
52名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 07:55:55 ID:AOU9Q1NO
>>50
GJ!!ん、ひとまずは戦いを回避できましたね。
53名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 14:13:40 ID:79xNQFNp
しかし、上層部が危険視するのも当然だよな
事情を知らなかったら、かつて闇の書によって犠牲となった者でも
蒐集した情報にあれば私兵にできると思われても仕方ない状況だ
死人を操るなんて、どこの文化圏でも忌避されるからなぁ
54 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:46:21 ID:0J2Bb8gw
ではそろそろ先日の話の後半を書かせて頂きます。

・なのはとユーノの関係は普通に恋人関係と認識した後からスタート
・二人は経験はまだ無い
・「ユーノが誰かに寝取られるんじゃないのか?」と言う被害妄想を抱く余りなのはがヤンデレになる
・私の話お決まりの二人の邪魔するお馬鹿フェイトは今回ありません。今回は普通に良い人です。
(ただし、過去形と言う形でフェイトがユーノを殺ってなのはを自分の物にしようとした事がある設定)
・むしろなのはの方がヤンデレの副作用で馬鹿っぽくなってます
・なのは×ユーノ
・エロ(ただしエロが出るのは後半)
・ユーノを性の奴隷にして無限書庫の情報を手に入れようとすると言う設定のオリキャラ出る
・ユーノがオリキャラに拉致されて逆レイプされそうになる
・キャラ崩壊イヤンな人は注意しまくり
・なのはがある魔法を会得してる設定
55むしろ暴走に救われた 6 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:47:47 ID:0J2Bb8gw
ユーノが何者かに拉致されたと管理局が気付いたのはユーノが拉致されて数十分が経過した頃であった。
「ユーノ君が何者かにさらわれたって本当!?」
無論こうなれば今のなのはが慌てて無限書庫に駆け付けて来るのは当然だったのだが、
そこで先に執務官として現場に来ていたフェイトと、フェイトの付き人として
執務官になる為の勉強中のティアナに止められていた。
「落ち着いてなのは!」
「そうです落ち着いて下さい!」
「こんな時に落ち着いていられないよ! ユーノ君は一体誰に! 何処にさらわれたの!?」
なのはは滅茶苦茶に焦っており、もはや冷静な考え方等出来ずに現在調査中故に
封鎖されている無限書庫に無理矢理に押し入ろうとし、フェイトとティアナも必死に止めていた。
「落ち着いてなのは! 本当に落ち着いて! ここは私達に任せて!」
「そうですよ! フェイトさんの言う通りです!」
そう言って二人は何とかなのはを落ち着かせようとするのであるが、なのはは止まらなかった。
「ダメだよ! 二人だけに任せてられないよ! ユーノ君は私が助ける!」
「だからダメなんだって! 本当に落ち着いてよ!」
この手の仕事に関して、本来ならば教導隊が出る幕は無いと言うか管轄外の仕事なのだが
今のなのはにはどうしても自分自身の手でユーノを助け出さなくてはならないと
言う思いで一杯だった。そして…
「もしかして…二人とも…私からユーノ君を取ろうとしてるの? そうなんでしょ?
私からユーノ君を寝取ろうって画策してて…それで私を邪魔してるんでしょ?」
「え?」
突然二人にとってワケの分からない事を言い出したなのはにフェイトもティアナも
首を傾げるばかりであったが、今のなのはにはもしも自分以外の誰かがユーノを助けたりしたら…
そいつが自分からユーノをかっさらって行くんじゃないか? もしそれがフェイトや
ティアナであろうとも許さない…と言う普通なら無茶苦茶も甚だしい被害妄想を抱いてさえいたのである。
「とにかくユーノ君は私が助けるぅ!」
「だから落ち着いて! 落ち着いてなのは!」
今にも飛び出していかんばかりの勢いで暴れるなのはをフェイトとティアナは必死に押さえ込もうとするが
それでもなのはは二人に押さえられながらも暴れていた。
「離して離して! 私がユーノ君を! 私がユーノ君を助けるんだから!」
「いい加減にして!!」
次の瞬間、フェイトの平手打ちがなのはの頬を強く引っ叩き、甲高い音が周囲に響き渡った。
「…………!!」
これにはなのはも頬を押さえながら唖然とするばかりであったが、フェイトの目には涙が浮かんでいた。
「落ち着いて…落ち着いてなのは……。私は別になのはの邪魔をしたいワケじゃない…。
なのはの為なんだよ……。私もユーノを助けたいって思ってるから……。なのはがそれだけ
わがままを言えば言う程…事件の解決が遅れて…その分なのはが余計に悲しむ事になるんだよ…。」
なのはもユーノの為に必死なのだろうが、フェイトもまた必死だった。
この手の事件に関しては教導官のなのはより執務官であるフェイトの方が適任と言う事は
当然として、それ以上に将来大切な親友の夫となるであろう人を助けたいと言う気持ちを
フェイトもまた持っていたのであるが………
「やっぱり…そうなんだね……フェイトちゃんもユーノ君を寝取ろうと狙ってるんだね……。」
「だーかーらー!! ユーノは一体誰が何処に拉致して行ったのか分からない状況で
闇雲に探し回った所で埒は開かないって言いたいんだよ私は!」
56むしろ暴走に救われた 7 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:49:01 ID:0J2Bb8gw
もうユーノの事しか考えられず、相変わらずフェイトが自分からユーノを寝取ろうとしてる
んじゃないのか? と考えるなのはに対し、必死にフェイトは説明をしようと頑張っていた。
それなのになのはと来たら……
「ああそっか…そうだよね……フェイトちゃんはあの時みたいにこの事件のゴタゴタに
乗じてユーノ君を始末するつもりなんだね……そんな事は許さないよ………。」
ついには今更になって過去のなのはとユーノの仲を認めてなかった頃のフェイトの
所業を引き合いに出す始末。ここまで来たらもう何を言っても無駄なのかもしれない。
今のなのははユーノを愛する余り…心配する余り…自分以外の全ての者は皆ユーノを
狙っているとしか考えられなくなっていたのある。故にフェイトは事を収束させる為に…
なのはをバインドで締め上げていた。
「むぐー! むぐー! んんー! んー!」
「ほとぼりが冷めるまで誰かなのはを独房辺りにでも突っ込んどいて?」
「え? 良いんですか?」
「責任は私が取るから。今のなのはを放っといたら事件の調査どころか余計に
事態を悪化させる事になりかねないからね。」
正直言うとフェイトとしてもなのはをバインドで締め上げるのは申し訳無く考えている。
しかし、かと言ってこのままなのはを野放しにしていれば事件の解決が遅れ、その分
なのは自身が悲しい思いをする事にも繋がると判断し、心を鬼にして締め上げたのであった。
そしてフェイトが部下の数人に命令してなのはを独房の方へ運ばせた後で
再び事件現場の調査に入った。

「この! こんなバインド! うぁ!!」
バインドで身動き取れない状態にされたまま独房に閉じ込められてもなお
なのははユーノを助け出そうと必死に暴れていたのだが…フェイトは余程
厳重なバインドを行った様子で、外れる気配が無かった。
「はぁ…こうしている間にもユーノ君は……。」
くどい様だが、やはりなのはにとってそこが怖かった。
今こうして自分が暗い独房の中でくすぶっている間にもユーノは
拉致した相手に酷い目にあわされているかもしれない…そう思うと
なのはは恐ろしくて恐ろしくて仕方が無かった。
「ユーノ君…ごめんなさい…助けにいけなくてごめんなさい…。」
なのはの目には涙が浮かび、そして知らず知らずの内にユーノとの思い出を振り返っていた。
初めて出会った時やジュエルシード事件の時に二人で飛びまわった事…
そしてお互いに自分の本当の気持ちに気付いて恋人同士になって、恥かしくも嬉しかった事…
色んな事をなのはは思い出していた。そして…ユーノのもう一つの姿とも言える
フェレットの姿もその中にはあった。
「普通のユーノ君も格好良くて好きだけど…フェレットの時のユーノ君も
可愛くて好き…。小さくて…柔らかくて…ふさふさしてて……。
そう言えばフェレットのユーノ君と一緒に野山を駆け回って遊びたいからと…
私もフェレットに変身する魔法を練習したんだよね〜………って……そうだ!
それがあるじゃない! 私の馬鹿! 何でこう言う時に大切な事忘れちゃうかな!?」
なのは自身が言った通り、なのはは何時の日か自分もフェレットに変身して
同じくフェレット形態のユーノと共に童心に返って野山を駆け回って遊ぶ事に憧れていた。
その日の為にフェレットに変身する魔法の練習もしていたのだが、そうやって
フェレットに変身すれば人間形態より遥かに小さくなるのだから、バインドはおろか
独房の窓からだって簡単に抜け出せるではないか! 案の定、白いフェレットに
姿を変えたなのはは独房から脱出し、ユーノを救う為に駆け出すのであった。
「ユーノ君待ってて! 私が助けるから! 誰よりも先に私がユーノ君を助けるから!」
57むしろ暴走に救われた 8 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:50:23 ID:0J2Bb8gw
一方その頃、無限書庫では事件の痕跡などの調査が行われていたが、全く埒が明かなかった。
「何者かがユーノを拉致したって事は分かるけど…やっぱり犯人と場所が特定出来ない…。」
そうフェイトが頭を悩ませ、ティアナも必死にあれこれ調べていたのであったが、
フェイトの部下の一人が突然飛び込んできた。
「大変です! 独房に高町教導官の姿がありません!」
「ええ!?」
「ですが独房及びバインドが壊された痕跡が無いんです。まるで高町教導官だけが忽然と姿を消した様な…。」
「いくらなのはさんでも転送魔法は使えなかったはず…。」
突然のなのは行方不明に皆は戸惑うのだが、フェイトの部下はさらに言った。
「ですが、代わりに白いフェレットが走っていたのを見たとの証言が…。」
「それだ!! それだよ! その白いフェレットがなのはだよ! 今直ぐ捕まえて!」
「そうなんですか―――!?」
フェイトだってなのはがフェレットに変身する練習をしていた事を知っていたし、
実際に変身する所を見せられた事もあった。だからこそそのフェレットがなのはだと悟ったのである。
「今なのはに飛び出させたら事件解決所か余計に悪化させる結果にしかならないんだから!
もうこうなったら私も直接止めに行く! ここはティアナお願い!」
「了解です!」
無限書庫の調査の方はティアナに任せ、フェイトはなのは捕獲の為に出動した。

管理局から脱出したなのははフェレット形態を解除し、さらにバリアジャケットを
装着して全速力である方向に飛んでいた。
「ユーノ君! ユーノ君! ユーノ君! ユーノ君! ユーノ君! ユーノ君!」
なのはは『ユーノ君』を連呼しながらある方向目掛けてひたすらに飛んだ。
確かになのははユーノが拉致された場所を知らない。しかし、何かにこの方向へ飛べと、
この方向にユーノが捕まっていると告げられているかの様な感覚をなのはは感じていた。
そしてもう一つ…下腹の子宮の部分が疼いている感覚もあった。これは普通の腹痛とは違う。
まるで子宮そのものがなのはの意思とは無関係にユーノを求めている様な…そんな感覚。
とにかく何故だかは分からないが、今なのはの進んでいる方向にユーノがいる
予感を感じ、ひたすらになのはは一直線にその方向へ向けて飛んだ。
「ユーノ君! 待ってて! ユーノ君! 今直ぐに行くから!」

ユーノが捕らえられている時空犯罪組織秘密アジトでは、ハニーが自慢の性技で
ユーノを性の奴隷へとするべくそのズボンを下ろそうとしていた。
「ほ〜ら…司書長さんの可愛いオチンチンを見せておくれ?」
「うわぁ! やめろぉ!」
ユーノも抵抗しようとするが、手も脚もロープで縛られ動けない。
そしてついにハニーによってズボンはおろか、パンツさえ下ろされて
その股間の聳えるモノが露となるのだが、これがまた小さい物。
「おやおや、身体も細いがオチンチンも小さいんだねぇ。こんな小さいのが
勃った所で高が知れてるんだけど…一応これも仕事だからねぇ…行かせてもらうよ?」
「やめろ! ってああ!」
ハニーの口がユーノの小さなモノを優しく口に包み込み、右手で睾丸を揉み解していた。
「ほぉら〜! 司書長さんの小さな可愛いオチンチンを勃たせてあげるよ〜!」
「うわぁ! やめろぉ!」
まずハニーはフェラチオでユーノのモノを勃たせて攻めるつもりらしかった。
そして口の中に包み込んだモノを舌で優しくも大胆に嘗め回し、右手で睾丸を揉み解して行った。
58むしろ暴走に救われた 9 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:51:18 ID:0J2Bb8gw
「さっきも言ったけど所詮こんな小さなオチンチンが勃った所で
本当高が知れてるんだけ…ど………え……え………ウギャァァァァァァァ!!」
ユーノのモノが勃った瞬間、部屋中にハニーの絶叫が響き渡った。何故ならば…
「なななな何だいあんたのこのチンチンは! さっきまであんなに小さかったのに
どうやったらここまで大きくなるんだい!?」
「そんなの僕に言われたって分からないよ! 生まれ付きなんだから!」
勃つ前の普段のユーノのモノは小さくて柔らかいと言うのに、一度勃てば何倍にも巨大化していた。
これは流石のハニーも驚きを隠せない。
「まったく! 可愛い顔して何てバケモノみたいなチンチンしてるんだい!?
口から離すのが後一秒遅れてたら私の顎が外れてたかもしれないよ!」
勃起したユーノのモノはただ大きいだけでは無く、まるで人間離れしたグロさも持っていた。
幾多の男を性的な意味で食い物にして来たハニーさえ怖気付いてしまう程にまで…。
しかもユーノ自身が細身で、男であるにも関わらず美少女めいた顔してるからなおさらに
モノの巨大さ、凶悪さが際立つ!
「け…けどねぇ…ここで怖気づいちゃ女が廃るんだよ! 性技の天才! 魔性の女と
呼ばれたこのハニー=トラップがこんな優男のチンチンくらいでビビッちゃ……。」
口でそう言って勇気を奮い立たせていたのだが…やはりハニーは怖気づいていた。
「とにかくこの男に快感を与えて性の虜にしちまえば私の勝ちなんだ…。
それじゃあ…さっそく行かせてもらうよ?」
「あっ! やめ! やめ!」
ハニーは恐る恐るユーノのモノを掴みながらゆっくりと脚を開き、跨った。
ユーノのモノを己の股間のソレの中へと挿入する為に………

ハニーがユーノのお相手をしている特別室の外では時空犯罪組織のボスやその部下が雑談中だった。
「さて、これであの男は我々の操り人形になるのは確定。そうすれば無限書庫の膨大な
情報が一手に俺達の物になるんだ。」
「無限書庫って言う位ですから難しい内容の本ばかりじゃなくて、やっぱエッチな本なんかも
置いてあるんでしょうかね〜?」
とか皆で笑いながら冗談交じりで今後の計画を練っていたりしていたのだが…
そこで突然物凄い爆発音が響き渡ったのであった。
「何だ!? 一体どうしたんだ!? 何か凄い音がしたけど…。」
これには誰もが慌てるが、そこで時空犯罪組織構成員の一人が慌てて走って来た。
「侵入者です! 管理局魔導師が強襲して来ました!」
「何ぃ!? どうしてこの秘密アジトの場所が分かったんだ!?」
「分かりません!!」
「とっとにかく迎撃しろ! 魔導師で無い者は97管理外世界から輸入した銃器があるからそれ持たせろ!」
現在ユーノを閉じ込めている特別室は魔力を遮断する物質で作られているし、何より彼等の
アジト自体が秘密アジトと言うだけあて、ミッドチルダ奥地の普通では分からない位に目立たない場所に
置かれている。だと言うのにこうもあっさり侵入されたのは余りにも信じられない事だった。
59むしろ暴走に救われた 10 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:52:01 ID:0J2Bb8gw
突如時空管理局秘密アジトを強襲したのは他でも無い。高町なのはその人であった。
どうやってこの秘密アジトの場所を突き止めたのかは本人にさえも分からない。
ただひたすらにユーノを求めて飛び続けていたらここに来ていた。そう表現した方が良いのかもしれない。
「うおおお! 殺せ! 侵入者を殺せぇ!」
「撃て撃て!」
時空犯罪組織構成員で魔法を使える者はデバイスを、使えない者は97管理外世界製の
銃器を持って四方八方からなのはを撃ちまくった。しかし、なのはの全周囲を覆う
強靭な防御魔法が全ての攻撃を弾き返していくのである。そして……
「ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…
ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…。」
なのははユーノの事しか見えていないと言わんばかりの虚ろな目でひたすらに
ある方向目掛けてゆっくりゆっくりと進んでいた。なのはの進む先に存在するのは
ユーノが閉じ込められている特別室。勿論前述の通り、魔力を遮断する材質で覆っている部屋で
あるが故にユーノの魔力反応や思念通話によって場所を特定する事など不可能。
しかし、なのはは…いやユーノを求めて疼くなのはの子宮がまるでユーノの存在に
反応しているがごとく…なのははユーノのいる特別室までゆっくりと進んでいた。
「まずいです! 奴は特別室に向かっています!」
「させるな! 何としても阻止しろ! そして殺せ! 八つ裂きにしろ!」
自らの今後の運命を左右する事態に時空犯罪組織ボス自身もまた銃器を両手で持って
なのはを撃ちまくるが…それでも防御魔法に阻まれるだけだった。
「ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…
ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…。」
なおもなのはは虚ろな目でその様な事を呟き、次の瞬間自らを阻む者達に攻撃魔法を撃ち込んだ…

特別室の外では大変な事になっている事も知らないハニーは構わずに
己の性技でユーノを性の虜へと変えようとしていたのであったが…
「痛ぁ! なんて馬鹿でかいチンチンなんだコイツは!」
ユーノの勃起したモノが余りにも巨大過ぎて中々股間のソレの中に挿らない。
これには幾多の男を食い物にして来たハニーにとっても信じられない事だった。
「こ…こんなの挿れたら私のオマ○コ裂けちまうよぉ! 一体どうしたら良いんだい?」
「そ…そんな事言われても……。」
ハニーは焦っていた。このままユーノのモノを己のソレの中へ挿入出来なければ
ユーノに快感を与えて性の虜にする事は出来ないし、かと言って無理矢理に挿入すれば
余りの太さにソレが耐え切れずに裂けてしまうかもしれない。
「ああああ!! もう一体どうすれば良いんだい!?」
二つのジレンマに悩まされたハニーはそう叫んでしまうのであるが、次の瞬間
特別室のドアが開き、外からなのはが入って来た。しかも…純白のバリアジャケットを
大量の返り血で真紅に染め上げた状態で………
「あ………。」
「ユーノ君に………何してるの………。」
なのはに冷ややかな目で睨み付けられたハニーは蛇に睨まれた蛙の様になっていた。
「やっぱり私の思っていた通り…ユーノ君をさらったのは私からユーノ君を
寝取る為だったんだね……。そんな事……そんな事は私がさせないよ……。」
「は? 一体何を言ってるんだい?」
なのははハニーが自分からユーノを寝取ろうとしているとしか認識していない為、
ハニーも意味が分からずに首を傾げていたのだが…次の瞬間なのはの魔法によって
壁へ叩き付けられていた。
60むしろ暴走に救われた 11 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:52:56 ID:0J2Bb8gw
「がはっ!」
「痛い? けどね…大切なユーノ君を取られた私の心はもっと痛いんだよ…。
ユーノ君は誰にも渡さない……ユーノ君は私の物だから………。」
壁に寄りかかって呻いていたハニーになのはは一歩一歩近付き…
同じく返り血で真っ赤に染まったレイジングハートを……ハニーのソレへ付き込んだ。
「アッ! アアアアア!!」
「貴女なんかにユーノ君とはさせない……これでやってやって頭冷やそうか……。」
なのははレイジングハートでハニーのソレを掻き回し、ハニーは呻いた。
「アッ! アッ! アアアアアアアッ!!」
余程激しくやられたのか、ハニーはイッてしまい、ソレから大量の愛液をぶちまけていた。
その後でなのははレイジングハートを引き抜くが、当然レイジングハートにも
大量の愛液で濡れているワケで、なのははハンカチでそれを拭いていた。
「あ〜あ〜レイジングハートが汚れちゃった…。ごめんね? レイジングハート…。」
なのはは申し訳無さそうにレイジングハートの汚れを拭いていたのであるが、
何故か自分自身に付着した大量の返り血は全くと言って良い程気にしてはいなかったりする。
「さて…と…ユーノ君…もう大丈夫だよ…。」
「なのは…。」
再会出来たなのははとても嬉しそうにユーノに近付くのであるが…その時の
なのはの目は明らかに何処かにイッており、とても正気の目とは思えない。
無論ユーノも思わず恐怖してしまうのだが…なのはは次の瞬間、ユーノを跨ぎ、
己の股間をユーノの未だ勃ったままの状態にあるモノの真上へになる様にしていた。
「ユーノ君のオチンチン…凄く…大きい……。」
「な…なのは…何を……ってうわぁ!」
ユーノは驚愕した。何しろ自分のすぐ目の前でなのはがパンティーを下ろして
股間のソレをユーノに見せていたのだから…。そしてユーノが焦るのも構わずに
なのはは腰を下ろしてユーノのモノを己のソレへ押し付けていた。
「わ! なのはやめて! 落ち着いてなのは!」
「ダメだよ…もう私…我慢出来ないよ……。」
なのはは明らかに正気とは思えぬ目でユーノを見つめ、左手で自分の下腹を摩った。
「さっきから…子宮が疼いてたまらないんだよ……ユーノ君が欲しいって……だから……。」
今のなのはにはユーノが何を言っても無駄だった。そして構わずになのははユーノの
モノをソレの中へ押し込もうとするのであるが…
「無茶だよ! 処女でいきなりそんなバケモノチンチン挿入したらオマ○コ裂けちまうよ!」
ハニーは思わず叫んでいた。彼女は幾多の男を食い物にして来たSEXの天才だったからこそ
処女・非処女を見分けられる技を既に身に付けていた故になのはが処女であると分かっていたのだが、
普通なら敵であるなのはにそんな忠告をする様な義理は無い。であるにも関わらずそう
言ってしまったのは、やはりユーノの余りにもバケモノじみたモノが原因であろう。
巨根相手のSEXに関しても経験豊富だったハニーでさえ挿入する事が出来なかった
余りにも巨大なモノ。処女でいきなりそんなモノをぶち込んでしまえば…ソレが
引き裂けるのは必至。だからこそハニーもつい忠告せずにはいられなかった。しかし…
「オマ○コ裂けても…良いよ。ユーノ君とエッチ出来て死ねれば…本望……。」
「なのは………。」
やはり今のなのはは正気では無く、ハニーの忠告も叶わずになのはのソレの中へ
ユーノのモノが押し込まれ…
61むしろ暴走に救われた 12 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:53:56 ID:0J2Bb8gw
「ああああああああ!!」
ユーノのモノによって処女膜を貫かれ、破瓜したにも関わらず…なのはの顔は笑っていた。
「ふ…フフフフ…私のオマ○コ……裂けてないよ……それに…凄く気持ち良い……。」
「うそ…あのバケモノチンチンが…全部挿った…? 何て女なんだい?」
これにはハニーも思わず驚愕するしか無かったのだが、ただでさえ巨大だったユーノの
モノをいきなり奥まで押し込めば、例え股が裂けなかったとしても凄く痛いのは必至。
しかしなのはは痛みなど少しも感じておらず、むしろ快感を感じる程だった。
これは言わばなのはが正気では無かった事が功を奏したのかもしれない。
なのはがユーノを愛する想いと、ユーノを求める想いとがそれぞれ脳に作用して
脳内麻薬エンドルフィンを分泌させ、それによる陶酔感が痛み消し、
むしろとてつもない快感を与えていたのであった。
「ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…私…ユーノ君とエッチ出来て…嬉しいよ!」
「なのは落ち着いて…ってあああ!!」
ユーノのモノを下の口で咥えたまま上下に腰を動かし始めたなのはに、ユーノも
思わず快感を感じるようになっていた。確かに頭ではなのはを落ち着かせようと
する気持ちもあったのだが…余りにもモノとソレが擦れ合う感触が気持ち良すぎる。
そしてなのははユーノを強く抱きしめながら、より激しく腰を動かして行った。
「ユーノ君…ユーノ君…ユーノ君…もう離さない……私達は一生…いや死んだ後だって
ずっと一緒だよ……私達二人一緒なら……地獄の責め苦にだって耐えられるよ……。」
「ちょ! 何で今からもう二人とも地獄に堕ちる事確定みたいに言ってるの!?」
ユーノもちょっと呆れるのだが、既に身体の方はなのはを求めてしまっているらしかった。
ついにはユーノの方にも脳内麻薬エンドルフィンが分泌され……
「でももう今となってはどうだって良い! なのはと一緒なら何処までだって行くよ!
もうなのはの言う通り地獄だって何処だって良い! なのはと一緒なら何処だって!」
「ユーノ君!!」
「うああああああああ!!」
ユーノも完全に正気を失い、ただただひたすらになのはと交わりあう獣と化した。
こうして二人は激しく野性的ってレベルじゃねーぞって位に凄まじく交わり合うのであるが…
「ヒィィィィィィィィィィ!!」
なのはとユーノの人のSEXを超越した余りにも恐ろしい交わ様に……恐怖して腰を抜かし、
あろう事か失禁までしていた。
「なのは! なのは! なのは! なのはぁぁぁぁぁぁ!」
「ユーノ君! ユーノ君! ユーノ君! ユーノくぅぅぅぅぅぅん!!」
「嫌ぁぁぁぁぁ!! 誰か! 誰か助けておくれぇぇぇぇ!!」
部屋中になのはとユーノの喘ぎ声と交わる音、そしてハニーの絶叫が響き渡った。

その後、なのはを追跡していたフェイト率いる武装局員の部隊によって
秘密アジトの場所が発見され、時空犯罪組織は完全に壊滅した。
そうなれば当然ハニーも逮捕されるのであるが、他の者達と違い全く抵抗する
素振りは見せず、むしろ潔く逮捕されたと表現した方が良い程であった。
「何と! 幾多の世界で大物権力者に近付いて性の虜にし、狂わせて来た時空犯罪者の
ハニー=トラップがこうも大人しく捕まるとは…一体どうしたんだ?」
「ふ…あの二人のSEXを見てたら…もう男を食い物にするのが嫌になって来てね…
アレはもう人間の…いやもはやこの世のSEXじゃない………。まるで地獄の
化物同士が互いを喰い合いながら交わり合う様な…本当に恐ろしい物だったよ…。
今まで散々SEXの天才だとか神だとか言われてたけど……あんな物見せられたら…
私がやって来た事…って全部無駄だったんだなって思っちまうよ…。」
「え……?」
大人しく手錠をかけられながら言うハニーに武装局員も首を傾げるのだが、
ハニーはさらに言った。
「それにね…あの二人を見てると…この世の何処かに運命の相手がいる……
なんて迷信も信じても良いんじゃないか? なんてそう思っちまったよ……。」
確かにあながちその言葉は間違ってないのかもしれない。
幾多の男と交わって来たハニーでさえ挿入出来なかったユーノのモノを
なのはは初体験でいきなりソレに受け止める事が出来た。そういう意味では
元々二人の出会いが互いの運命を大きく変えていた事であるが、やはり
なのはとユーノの二人は互いの運命によって結ばれた者達なのかもしれない。
62むしろ暴走に救われた 13 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:55:35 ID:0J2Bb8gw
さてその肝心のなのはとユーノであるが……
「ハラオウン執務官……この部屋でお楽しみ中の二人はどうしたら良いでしょう?」
「勝手にやらせときなさい…その内自分達で帰って来るでしょう?」
気まずい顔の武装局員の言葉に対し、フェイトは今にも激怒して二人の間に
割って入りたい気持ちを押さえながらそう言っていたが、
その間にも特別室の中では二人の化物じみたSEXが続けられていた。
「なのは! なのは! なのは! なのはぁぁぁぁぁぁ!」
「ユーノ君! ユーノ君! ユーノ君! ユーノくぅぅぅぅぅぅん!!」

一連の『ハニー=トラップによるユーノ逆レイプ未遂事件』よりしばらくの時が流れるのだが、
ユーノと思う存分交わりあって鬱憤を晴らしたのか、なのはは元通りになっていた。
別にユーノとの愛が冷めたワケじゃない。相変わらずラブラブなままだ。
ただ、『誰か他の女がユーノを寝取ろうとしてるんじゃないのか?』と言う被害妄想を
抱いて他の女を敵視する様な事は無くなった。恐らくは自分とユーノの関係が
どんな事があろうとも崩れる事は無い完全無欠な物であると悟ったのであろう。
いずれにせよこれで平和が戻りめでたしめでたし……なのだが……
少しだけ……ほんの少しだけ続くんじゃ。

ユーノが仕事を終えて自室に戻って来て間も無く、なのはがユーノの自室を訪れていた。
「ユーノ君! ちょっと良いかな?」
「どうしたんだいなのは、何か凄く嬉しそうな顔して…何か良い事あったのかい?」
その時のなのはの顔は本当にとても嬉しそうだった。
「うん。本当に良い事があったんだ。だって凄く良い物が手に入ったんだもん!
どんな金銀財宝や便利なロストロギアだって敵わない様な良い物が……。」
「へ〜、その良い物って言うのは一体何なんだい?」
嬉しそうに言うなのはにユーノがそう質問するのだが、なのはは笑いながら下腹を摩った。
「あ…まさか……。」
「そう! そのまさか! 赤ちゃん出来ちゃった! ユーノ君の赤ちゃん!」
下腹を優しく摩りながら笑うなのはは本当に嬉しそうだった。
確かに今のなのはにとってはユーノとの間に出来た子供こそ
どんな金銀財宝や便利なロストロギアも敵わない宝なのかもしれない。
「この子が無事に生まれれば…ユーノ君も晴れて立派なパパだね! これからもよろしくね!」
「あ…う…うん…。」
さわやかな笑顔をユーノに向けるなのはであったが…ユーノの目には悪魔の微笑みに見えた。
決してなのはの事が嫌なワケでは無い。だが…どうしても彼にはそう見えてしまっていたのだ。
「(もしかしたら…本当に死んだ後も永遠に一緒…何て事になりそうな気がする………。)」

その後、間も無くして二人は出来ちゃった結婚やらかしちゃったとさ。
                 おしまい
63 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/06(木) 14:56:19 ID:0J2Bb8gw
>>14の指摘する通りに一度読み返してみたら本当に誤字が幾つか…そういう意味では感謝。

>>18
身体は子供、中身は大人の違和感に戸惑うフェイトが良いですGJ

>>50
はやての追い詰められっぷりがツボってしまいましたスマソセン
64名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 16:13:18 ID:h6cerKWY
>>50
なんていうか、
「エッチしちゃった」とかいうの
ロッテとアリアに聞かれたら激怒しそうだよなぁ。
65名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 16:19:08 ID:4In3RJW9
ここの住人って大人だな。
ガキみたいにエロだけじゃなく、人間関係やギャグまで楽しんでやがる。
恐ろしいぜ・・
66名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 16:36:41 ID:Wl0JP2fi
eroなんだけどそれだけじゃ終わらない、というのがいいですね〜。
GJですよ!

エロパロなめたらあかんね
67名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 17:04:02 ID:XZ5ytBt+
なのはっていい子であろうとするから
こういう枷が外れて「好き好き大スキー」って
欲望一直線なのを見るとなぜか……なごむ
68名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 17:53:45 ID:5BDhvmD9
>>65
ジャパニーズポルノは侘び寂び萌えの世界なんだぜ

>>67
わかるわかる。幸せが伝染してくるというか。
なんつーか魔法と出会って掛け替えの無いパートナー見つけて
「やっと居場所を見つけた」って感じなんだよな。

え、淫獣? ほら、ここ百合板だしあいつヒッキーだし……
69名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 18:02:34 ID:K4qTv1Om
>>68
百合の人誤爆乙

それでもヒッキー呼ばわりは酷いと思うんだ(´・ω・`)
70名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 18:21:06 ID:vtP/uFHr
>>68
> え、淫獣? ほら、ここ百合板だしあいつヒッキーだし……
百合板とか言ってるから敬遠されてついにはユーノスレに保管庫が出来てここの投稿減っちゃうんだよバカヤロウ!
71名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 18:37:12 ID:79xNQFNp
まぁ、落ち着け
確かに本放送も終わって投下も減り始めた中で
エネルギーを分散させてどうすんだって気持ちは分からんでもないが

ってか、何でユーノスレの連中は妙に元気だったり卑屈だったりするんだろうな…
72名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 18:44:07 ID:u3hRE8nN
ユーノ絡みは興味ないから、分離してくれるのはありがたい。
73名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 18:46:36 ID:5BDhvmD9
あああああ最後の一行余計だったあぁぁぁ
完全に百合板と間違えた……orz

>>69
すまんかった。
でもね、こっちは遺跡発掘してるユーノくんが見たいんだよ!
それでうっかりロストロギアの暴走に巻き込まれて
そこに偶然通りかかったなのはさんに助けられちゃうユーノくんがみたいんだよ!
なのに今の彼はすっかりインドア!いっちょ前にメガネまでかけて!
返して!膝小僧の眩しい短パン小僧のユーノくんを返してよ!
74名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 19:10:49 ID:p2V4y6j0
>>73
落ち着けww
しかし何故だろうか、最初は誤爆乙とだけ思っていたのになぜだろう?
今はお前と旨い酒が飲めそうな気がしてきた
75名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 19:53:28 ID:xk21jWVL
>>71
StSで出番がほとんどない=妄想の余地がたくさんある
ってことで何かしら雑草魂みたいなもんに火がついたんだろうと思ってる
76名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 21:06:50 ID:foTtW18k
頭の中で第4期をやってる奴が何人いることか。
77名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 21:11:34 ID:79xNQFNp
>>72
だからそういう事を書き込まない
スレのマナーくらい守りなさいよ
NG設定すれば済むことだろう?
78名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 21:26:33 ID:u3hRE8nN
NG? しすぎて前スレとか「なのはさんの教導!」ぐらいしか見えませんねぇ。
79名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 21:46:30 ID:79xNQFNp
だから>>1を読んで自分の書き込みを確認しなさいな
人を不快にさせる自由なんてないんだから
80名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 21:47:46 ID:9rFNNGsf
>>78
もうこのスレ見なきゃいいんじゃない?時間の無駄でしょ?
81名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 21:48:42 ID:AOU9Q1NO
このスレってエロと同じくらい非エロが面白いから不思議だ。
82名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 21:55:37 ID:vMgWfKCi
>>78
まあ主張は分からんこともないが
心の中に仕舞っておくが吉ですな
83名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:01:27 ID:2DounTTd
なに?NGのし過ぎでスレに見るものがない?
それはね 見たくないものを削ろうとするだけだからだよ

逆に考えるんだ
「無ければ自分で作ればいいや」
そう考えるんだ
84名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:04:10 ID:ubDIrE1Q
>>83
イミフwww
85タイトル未定:2007/12/06(木) 23:24:43 ID:XxbdTH5E
こんにちは。
お供えです。

エロ無し
オリキャラ有り
キャラ崩れもあるかな?
歴史も微妙に変わって、
捏造設定もあり。

以上の事を確認の上お読み下さい。
86タイトル未定:2007/12/06(木) 23:26:07 ID:XxbdTH5E
真っ暗な闇の中……
何処か遠くの方で、ぴちゃ……ぴちゃ……と水の落ちる音が聞こえていた。
闇の中で、膝を抱える少年は何かに気付いたように顔を上げ、ゆっくりと立ち上がる。

やがて、近づいてくる足音。
僅かに入る月明かりが照らし出したのは、長く美しい金髪と、見る者全てを虜にする美しい美貌。
……だが、その顔は戸惑いと、悲しみに陰っていた。
少年は相手の姿を確認すると、静かに口を開く。
「なんでですかね?……来ると思ってました。
……場所はティアさんから?」
昔とは、随分と変わってしまった少年……
背も伸び、声も男ぽく……
……でも、一番変わってしまったのは、その瞳。
明るく希望に満ちていたあの瞳は、今は暗く、そして復讐の炎を燈していた。
「エリオ……もう……やめよう。
事情は……ティアナから聞いたよ。
でも……こんなやり方間違ってるよ。
今ならまだ……」
……僅かな沈黙。
そこに、僅かな希望を見る。
だが……少年は相棒を手に取り叫ぶ。
「戻れません。あいつらを、全員貫く。そうでなきゃ……
死んでいった仲間達が笑ってくれない!!」
それを見た女性もまた、苦渋に満ちた表情で、自らの相棒を起動させ、重い口を開いた。
「……エリオ=モンディアル……貴方を……連続殺人の疑いで逮捕します……」

87タイトル未定:2007/12/06(木) 23:26:51 ID:XxbdTH5E
6課が解散してから、1年が経過しようとしていた。
……6課での活躍を買われ、対テロ部隊へのスカウトを受けたエリオは、
自分の能力が誰かの役に立つならば……と、これを快諾し、この部隊へと着任した。
その裏には、自分や、彼女達のような、存在……
生まれ、生きていく事にさえ、哀しみを覚えてしまうような者を、
増やしたくないという思いも、少なからずあった。
6課とは全く違う、環境や、戦術。
もっとも、6課が、他の部隊と、違いすぎたのだが。
それらに、最初は随分と戸惑ったものだが、それでも、幾度か実戦を重ね、
日々を過ごしていく中で、部隊の中での自分の地位を確固たる物にしていた。

息を、鋭く吐き出しながら、ストラーダを突き出す。
風を切る音が、朝の冷たい風が気持ちよかった。
日課になっている、朝の自主練を黙々とこなしていると、不意に背後から声をかけられた。
「こんな朝っぱらから、練習かい?流石にストライカー様は違うねぇー……」
からかうような口調。
その声に聞き覚えのあるエリオは苦笑しながら振り返る。
「カブ陸曹〜……その呼び方はやめてくださいって、言ってるじゃないですか」
だらしくなく着ている、訓練服は随分とくたびれ、履いている靴も、手入れはされているものの、
傷だらけになっていた。
カブと呼ばれた青年は、エリオがこの部隊に配属されてからの、ルームメイトだ。
未婚で歳は28。階級は陸曹。魔術師ランクはB。
落ちこぼれでは無いが、エリートでもない。正に平均的な管理局員である。

彼が、エリオを呼ぶ時に使う、『ストライカー』と言うあだ名は、
エリオが、まだ転任して来て間もない頃、彼に、将来の夢を聞かれ、
そう呼ばれるようになりたいと、話した事に由来する。
最初は、他の皆も、カブと同じように、からかうように使っていたのだが、
エリオが実戦に出るようになり、確実に結果を残すようになってからは、
本当の意味で、エリオをストライカーと呼ぶようになってきていた。
だが、エリオ自身は、そう呼ばれるには、まだ早いとこの呼ばれ方を快く思ってはいなかった。
「そう言うなよ!!俺を含め、皆、もう認めてんだぜ?お前がウチの『ストライカー』だってな!!
その証拠に、最近じゃ、隊長だって、お前の事『ストライカー』って呼んでんじゃねーか」
エリオは、小さく溜息をつくと、タオルを手にとり、汗を拭き始める。
「僕なんてまだまだですよ。これくらいで、『ストライカー』なんて言ってたら、
なのはさん達に笑われます」
カブは、頭を掻きながら苦笑する。
「大空のエースオブエースの嬢ちゃんか?
そりゃ、お前比べる相手が悪すぎるわ。
『管理局の三大女神』相手じゃ、多少の英雄じゃ太刀打ちできねーからな」
その言葉に、エリオは手を止めると、真剣な眼差しでカブを見つめ。
「……それでも、そこに肩を並べることが、僕の目指す『ストライカー』ですから」
カブは、やれやれと肩を竦め、
「まぁ……頑張れよ。……けど、少しは今の自分も見てやれよ。
お前は、今、この部隊に必要不可欠な、『ストライカー』になってる。
お前の歳で、それ程の奴は、そうは、いない。
それは、誇れる事だし、自信をもっていいことだ。
あんまり、上ばっかり見てると、疲れるし、転んじまうぜ?」
「努力します」
「まぁ、いいや。朝飯食いに行っちまおうぜ?
朝練のせいで食いそびれたんじゃ、目も当てられねー」
88タイトル未定:2007/12/06(木) 23:27:40 ID:XxbdTH5E
先に歩き出した先輩を追い、エリオも歩き出す。
なんだかんだで、自分を気遣ってくれている先輩の背を見ながら、
エリオに、フッと悪戯心が芽生えた。
「そう言えば、彼女とはどーなったんですか?
皆さんから、いい加減覚悟を決めろとか言われてるみたいですけど??」
「んな!!?別にいいだろ??」
先程までの余裕は、どこかへ飛んで行き、慌てふためく。
だが、エリオの攻撃は、まだ止まらない。
「そういえば、この前の休日、宝石店に随分長いこといましたよね?
帰って来た後も、小さな箱を大事そうに、金庫に仕舞ってましたし」
「ぐぁ!!?てめぇ……見てやがったのか!!」

遠くで食事の時間を告げる、チャイムが鳴り響く。
それを合図にしたように、エリオが食堂へと歩き出すと、カブも慌てて続く。
「おい!!エリオ!!!誰にも言うんじゃねーぞ!!?」
「別に、いいんじゃないですか?
おめでたい事なんですし?」
「馬鹿野郎!!!隊長なんかに、知られた日にゃ、散々からかわれるだろうが!!
それに……万が一振られたりした日にゃ、目も当てられねーだろーが!!!」
そこまで来て、ようやくエリオは振り返る。そして、満面の笑みを浮かべ、
「それで、何時プロポーズするんですか?」
と聞いた。
流石にカブも、覚悟を決め、渋々口を開く。
「今度の休みにな……まあ、うまくいくかどーかは解らねーけど、その、なんだ。
やっぱり、そろそろ……な」
「そうですか。頑張って下さい。
カブ陸曹が、既婚者になってくれると、あの部屋、広く使えますから」
明るく言って、走り出した、エリオに、カブの身体が小刻みに震える。
「テメェの本音はそれか!!!待ちやがれ!!!この恩知らずのチビスケ!!!!」
カブが追い掛け始め、食堂までのかけっこが始まる。

非常呼集が、かかったのは、二人が食事を、食べ終わろうとした頃だった。
89タイトル未定:2007/12/06(木) 23:28:28 ID:XxbdTH5E
その日の深夜。エリオ達は、ミッド外れの、埠頭に身を潜めていた。
情報部からの情報で今夜、ここにある倉庫で、ロストロギアの密輸が行われる事が解ったからだ。
目的は、ロストロギアの確保と、密輸団の一斉検挙。

既に配置は完了しており、後は、突入の合図を待つだけとなっていた。
「0100に突入。全員ぬかるんじゃねーぞ」
静かな闇夜の中、頭の中で隊長の野太い声が響いた。
ストラーダは静かにカウントダウンを表示する。
ストラーダが表示していた数字が全て0を示す。
同時に、エリオは駆け出す。
近くに身を隠していた、カブが横に並ぶ。
「頼んだぜ!!ストライカー!!!」
「カブ陸曹こそ!!抜からないで下さいよ!!!」
一瞬の笑顔。二人とも、直ぐに真剣な表情になると、目的の倉庫へ向け駆ける。
倉庫の扉が開かれた。
同時に、隊長の声が響き渡る。
「管理局だ!!!神妙にしやがれ!!!」
だが、倉庫の中に人影は無かった。
暗い、倉庫の中にはいくつかの木箱があるだけだ。
少しの空白の時間が流れる。
「………ガセネタかよ」
誰かが呟き、隊員達の緊張感が薄くなろうとした時、それは起こった。

一筋の光りが闇に走り、次の瞬間に『ズドン』という音と爆発。
同時に、人の叫び声も聞こえた気がした。
「攻撃!!?どこから!!!?」
光の来た方向に視線を走らせるが敵の姿は見当たらない。
しかも、一度起きた、それは次々にエリオ達の元へ降り注ぐ。
「ぐ!!魔力反応がねぇ!!質量兵器か!!?」
近くにいた隊員の言葉にエリオも、降り注ぐ光りの正体を知る。
「全員散れ!!固まってると的になるぞ!!!」
隊長の言葉に全員が散り散りに逃げ始める。
だが、その先々で光が降り注ぎ、爆発音と叫び声が響いた。
『完全に囲まれてる。どこかから情報が洩れた?』
地獄絵図と化した埠頭を駆けながら、エリオの胸にあったのは、そんな思い。
悲しみや怒りを感じるには、あまりに現実感が無かった。
持てる魔法、技術を駆使し、脱出を謀る。
だが、相手の包囲網は完璧だった。
そして、遂にエリオの元にも避けられない光りが、その魔の手を伸ばした。

全てがスローで流れる時の中で、今まで光りにしか見えなかった物の姿を捉えた。
そして、エリオと光りの間に、シールドを展開し、割って入る人影。
シールドに、光。
いや、巨大な弾丸が直撃し、続いて爆炎と爆風が続く。
人影は吹き飛ばされながら、エリオにぶつかり、そのまま倒れる。
エリオは、その下敷きになる形になった。

強烈な光を直視した為か目が見えない。
身体も鈍い痛みを訴え、ピクリとも動かなかった。
遠くで声が聞こえる。
「……しちまって、大丈……」
「安心………俺達……には………が……」
エリオは聞いた。この惨劇の後ろにあった真実。
決して許せぬ裏切りを。
そして、直ぐ近くで響く声。
「エリオ……お前は……俺達の……」
よく知った人の声。
『カブ陸曹?』
それを最後に、エリオの意識は闇に落ちた。
90タイトル未定:2007/12/06(木) 23:29:21 ID:XxbdTH5E
見知らぬ風景。真っ白な天井。消毒液の匂い。
ハッキリしない頭で、今の自分の状況を把握しようとすると、人の顔が視界に割り込んだ。
今にも泣き出しそうな、フェイトの顔だ。
「エリオ!!!気がついたの!!!良かった!!今、先生を呼ぶからね!!!」
矢継ぎ早に言って、飛び出していくフェイト。
置き去りにされたエリオは、漠然と、ここが病院という事を理解した。
だけど、解ることはそれだけで、他の事は何1つ解らないままだった。

バタバタと慌てた足取りで、エリオの元へと、舞い戻ったフェイト。
そして、明らかにフェイトに、引きずられて来た医師に、エリオは簡単な診断を受けた。
神経質そうな医者は、引っ張り回されてヨレヨレになった服をただし、
ズレた眼鏡を上げながら口を開く。
「まぁ、何と言うか、呆れる程の回復力だな。
君が、ここに運ばれた、当初は、最悪の事態も覚悟するように言ったんだがね……
今じゃ、健康そのものだよ。
ここまで、いくと、医学に対しての悪夢だと言ってもいい」
「それじゃあ!!」
エリオよりも、フェイトが嬉しそうに聞き返す。
医師は、小さく笑う。
「えぇ。まだ、精密検査なんかはしてもらわないといけませんが、まぁ、まず心配無いでしょう。
2〜3日中には、退院も出来る筈です」
「良かった!良かったね!!エリオ!!」
まるで我が事の様に喜ぶフェイト。
だが、エリオは、他人事のように、小さく頷くだけだ。
自分の容態なんてどうでもよかった。
それより、知りたい事がある。
医師が、「お大事に」と言って、部屋を出て行くと、部屋には、エリオとフェイトの二人きりになる。
静まり返る、部屋。
それを、恐れたかの様に、フェイトは無理に明るく振る舞う。
「本当に良かったね。エリオ。エリオは、知らないだろうけど、1週間も寝たまんまだったんだよ?」
「1週間も………ですか」
記憶に焼き付いたあの出来事。言葉。
あの日から、1週間も………
再び静まり返る室内。重苦しい雰囲気の中、エリオを毛布を握り締めた。
聞かなければならない。答えの予想は出来る。それを聞くのが恐ろしくもある。それでも……
「フェイトさん………他の………部隊の皆は………?」
フェイトの身体が、ビクリと震えたのがハッキリと解った。
「エリオ………欲しい物とかある?あったら、今の内に言っておいてね?
明日、持ってくるから……」
「フェイトさん!!!」
あからさまに、話を逸らそうとしたフェイトをエリオが一喝する。
フェイトは、顔を下げ何も言わなくなってしまった。
言える筈が無いのだ。フェイトが、傷ついたエリオに、更に辛い現実など。
91タイトル未定:2007/12/06(木) 23:30:13 ID:XxbdTH5E
「その質問には、私が答えてあげよう」
沈黙を破り、部屋に入って来たのは、管理局の制服を着た、黒髪の男性。
「クロノ……」
「クロノさん」
二人が同時に、その名を呼ぶ。
「……でも、クロノ……」
「フェイト。気持ちは解るが、いずれ、解ることだ。
なら、僕達の口から伝えてあげよう」
「…………」
フェイトが黙ってしまうと、クロノが、手を開き、そこに、いくつかの、ウィンドウが現れる。
映し出されてるのは、あの日の場所。
時間が経過してるらしく、焼き焦げた地面と、寂し気な風景しか、そこには無いが。
「あの日、君が所属していた部隊と、突然通信が繋がらなくなったのを不信に思った管理局が、
即座に、数人の執務官と、1個中隊を派遣している。
そこで、見つかったのは、質量兵器が使われたであろう痕跡と、
全滅した、対テロ07小隊。
……そして、瀕死ながらも、かろうじて生きていた、エリオ……君だけだ。
陸としては、珍しいくらい、迅速な行動だったが……
犯人グループな姿は、既に無かったそうだ」
「全滅………」
覚悟はしていた。
それでも、伝えられた現実は、あまり重く悲しいものだった。
「カブ陸曹は!!?僕のすぐ側にいた人も!??」
クロノは、ゆっくりと首を振った。
「君を守る様に、覆い被さったまま事切れてたらしい」
「そんな………次の休みでプロポーズするんだって……あんなに………」
力が抜けた様にベットに倒れ込んでしまう。
慌ててフェイトが、駆け寄ろうとすると、その肩をクロノが掴み、小さく首を振る。
『一人にしてやれ』
瞳はそういっていた。悲しみを受け入れるには時間がかかる。
クロノは、その事を身を持って知っていた。

クロノと、フェイトが、静かに病室を後にし、1人部屋に残されたエリオ。
頭の中では、今の部隊に配属されてからの、約1年が次々と思い出されていた。

子供だからと馬鹿にされ喧嘩した。
それが隊長に見つかり、魔法抜きで、100Kと言うとてつもない距離を歩かされた。
誰かが持っていたエッチな本を無理矢理見せられた。
キャロとの通信を見られてからかわれた。
何度も危険な任務を、一緒にこなしてきた。
無茶苦茶する事があっても、皆、本当はいい人達で………
大事な仲間だった。
その人達が、もう……居ない………

「ぐぅ……うぅぅぅ〜〜……」
気がつけば、エリオは鳴咽を漏らし泣いていた。
何故、自分だけが生き残ってしまったのか。
そんな思いが頭を過ぎる。
そして、不意に思い出す言葉。
「……しちまって、大丈……」
「安心………俺達……には………が……」

「エリオ……お前は……俺達の……」
確かに聞いた言葉と、聞き取れ無かった言葉。
『僕が生き残ったのは………』
92タイトル未定:2007/12/06(木) 23:31:03 ID:XxbdTH5E
翌日以降は、大変な騒ぎだった。
エリオが意識を取り戻した事を聞き付けた、
元6課の面々が、次々と見舞いにやってきたからだ。
静かにすむ場合はいいのだが、
遠いからと言う理由で、白い龍に乗って来たり、
窓から道を作って入って来たり×2
鍛練が足りんとか言われて、訓練されそうになったり、
『慰めてやらんとな〜』と逆セクハラされそうになったり、
普通に見舞いに来たのに、『ペット立入禁止』の為、追い出されてたり、
見舞いに持って来た、兎ヌイグルミを離せなくなって、結局持って帰ったり。
そんな中で、事件の生き残りとして、事情聴取もあったので、かなり大変だったのだ。

「お疲れ様。エリオ」
皆が帰って、オレンジ色が部屋を染め始めた頃、最後まで残ったフェイトが静かに微笑む。
エリオも、昨日とは違い笑みを返し、
「いえ……皆さん、心配してくれてたんだと思いますし。
聴取の方も、協力するのが当然ですし、
まあ……ああいった、噂がたつのも解る気がしますし」
フェイトの表情が曇る。
管理局でも、滅多に無いような今回の悲劇。
その中で、奇跡的に生き残ったエリオ。
その事で、『実は、犯人を手引きしてたから生き残った』
と言う、噂が囁かれていた。
あくまで、噂であるし、調べれば、エリオの無実は明白である。
だが、聴取に来ていた局員が軽薄にも、それを、口にしたのである。
保護者として、同席していたフェイトは、激昂しそうになったが、
当事者のエリオは、ニコニコと聞き流し、聴取を続けた。

蛇足になるが、聴取を終えた後、その軽薄な局員は、
何故か部屋のすぐ外にいた、サイドポニーの女性に、
「少し頭冷やそうか?」
と、引っ張られて行った。

「エリオ………別に皆が、そんな事、言ってる訳じゃないし、
本当に、そう思ってる人なんて……」
「大丈夫ですよ。知らない人に何を言われても平気ですから」
「そう……なら、いいんだけど」
フェイトには、得体の知れない不安があった。
今朝から、昨日とは真逆に、『普段のエリオ』になっているエリオ。
そんな、エリオと接する程に、その不安は大きくなる。
93タイトル未定:2007/12/06(木) 23:32:03 ID:XxbdTH5E
放送が流れ、面会時間の終了を知らせた。
「時間ですね……」
「うん………」
出来ることなら、このまま帰らずにエリオの側に居たかった。
そうすれば、この不安も少しは和らぐのだろうから。
だが、執務官である自分が、決められたルールを破る訳にはいかなかった。
「エリオ……それじゃあ……また明日」
「えぇ……さよなら。フェイトさん」
最後まで笑顔をみせるエリオに、背を向けて、部屋を後にする。
ドアが閉まり、フェイトの足音が遠ざかるのを確認しながら、エリオは、もう一度呟いた。
「さよなら。フェイトさん」


部屋に帰り着き、シャワーを浴びていた、フェイトは、未だ消えぬ不安と、
僅かな、違和感を感じていた。
そして、その違和感の正体に気付いた時、フェイトは、髪を乾かす事も忘れ、病院へっ車を走らせた。
「なんで……なんで気付かなかったんだろう!!?」
エリオは、『さよなら』なんて言葉……普段なら絶対に使わない。
それが、どれだけ悲しい言葉なのか、知っているから。

病院に着くと、暗い廊下を駆け抜ける。
擦れ違った看護士が、何か言ってた気がするが構っていられない。
何もなければ、後でゆっくり怒られればいい。
ようやく、エリオの病室につき、息を整えると、ゆっくりとノブを廻し部屋に入る。
「エリオ?いる?」
静かな室内に、フェイトの声だけが響く。
その声に、返事をする者は、部屋の中には無い。
「エリオ………?」
空けられた窓から入る風がカーテンを揺らした。
月明かりが、主の無いベットを照らし出していた。


この日を境に、エリオはミッドから姿を消した。
94名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:32:47 ID:XxbdTH5E
以上です。
読んで下さった方ありがとうございます。
95名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:37:29 ID:PHC5+HDW
初めてのリアルタイムDA☆ZE
これは今度の期待もそえてGJ。
96名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:41:13 ID:OatC0wiW
GJ 続きが気になるw
97名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:43:00 ID:v+nzkaNZ
リアルタイムで見れたことに感謝
GJ!
こういう話しはワクワクが止まらん。
98名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 00:12:03 ID:TGTVlZVP
一度は聞いてみたいよね
黒ずくめのエリオが

「あなたの知るエリオはもう死んだ…」

「…苦しんで…死ね」

とか言うの
99名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 00:22:06 ID:FKkxIxqd
つまりキャロがロストロギアの制御装置に組み込まれたり、ルーテシアが、インゼクト・ツーク使ってハッキングして
敵の防衛網をのっとったりするんですねw
100名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 00:32:21 ID:GZYEXz3V
そして大人の事情で頓挫。
101名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 00:42:47 ID:H19FR3eH
で、某ロボット大戦で度々顔を出すと
102名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 00:43:16 ID:N9AaXD1i
プロジェクトFの後継者ってか

スバルかギンガを敵役にすべきかな、名前的に考えて
10338 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/07(金) 01:01:55 ID:crZkYBa+
キャロ「エリオ君の行きたい所はどこなの?」

……あれ? 違和感が無いorz
104名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 01:06:37 ID:H19FR3eH
>>103
それだとキャロの鼻がえらい事になってしまうがな
105名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 01:19:13 ID:zfptmpMI
アースラCか・・・
106名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 01:34:30 ID:LbBkK0i5
さて、夜も更けたところで、ちょっと投下させてくださいな

お馬鹿フェイエリで頑張ってみようとしたのですが、
またもやピンク色の魔力光に妨害されてしまいました

意味も無く前スレの炬燵話と繋がっています、翌日です

なのはさんとエリオが医務室に担ぎこまれた翌日、
フェイトさんが迎えに行ったあたりからはじまります

なのフェユ前提ですが、別に絡みません。
なんか次元軸がねじれの位置にあるような改変度です、ご注意ください

なのはさんが病んで壊れています、ご注意ください。
はやてさんが僻んでいじけています、気にしないでください。
フェイトさんがお馬鹿なのはデフォルトです、諦めてください

しかし、何故か今回もフェイトさんがまともに出てきません
せっかくなので、今回は綺麗なフェイトさんだったという事にしておいてください

エリ×フェイと、ゼス×レジ×エリがあります、ご注意ください
107或る執務官の約束:2007/12/07(金) 01:35:46 ID:LbBkK0i5

突然現れた間男候補生に対し、(ユニゾン烈火の将含む)4対1という絶望的な状況下で、
それでもきっちり目標だけは撃ち墜として、二人仲良く医務室送りという事件の翌日。

「今のエリオ君は、きっと悪エリオンなの!」

高町なのは一等空尉は、制服のまま本局医務室の寝台に縛りつけられた状態で、
絶賛監禁拘束進行形実行犯である、胸囲が不自由な方の10年来の親友に訴えかけた。

先に意識を取り戻したエリオ・モンディアルは、フェイト・T・ハラオウンと供に、
本局のどこかで昼を過ごしていると知ったが否やの、叫びであった。

…いや、ちょい待ち、不自由な方て何や、足が動くようなったら次は胸ですって、
何が悲しうて人生に、フリとオチがつかなあかんのや。

つーか普通にあります、目の前の乳ブルジョアはユーノ君込みの3人で、年がら年中、
乳繰り合ってたからこんなんなったんであって、私が人並みに届いてないわけやありません。

そういえば、

こないだもシグナムとフェイトちゃんと並んで歩いとったら、通りすがりの人の視線が、
なんやよう胸のあたりにのびてきて、私を見た時に、そうやな


たすけてひゃくたろう  ヒィ


「なんでやあああああああぁぁぁ!!!」

ちゃうねん、ほんまにちゃうねん。

そういう事が言いたいんやなくてな、そうそう、乳繰り合っていて大きくなるんやったら、
ユーノ君もばいーんのぼいーんで、外国産!?ってな感じにならなあかんやないの。

うん、私はユーノ君よりも大きいんや、まだ大丈夫や、大丈夫なんや。
108或る執務官の約束:2007/12/07(金) 01:36:23 ID:LbBkK0i5

「隙あらばフェイトちゃんを、捻身して合体するGo悪エリオンなのおおおぉ!!」
「うん、わかった、わかったから、なのはちゃん、ちょい落ち着いてラグナロク」

ぶれいかー

「きゅう…」

なかばやつあたり気味にぶっ放した魔、もとい、誠意溢れるお話し合いの末、
ようやく落ち着いてくれた親友、全身から煙とか噴いているのは気のせい、を眺めながら、

嘆息する。

「必死やなぁ…」

こうと決めたら、形振り一切構わずに、全力全開で突き進んでいく。

彼女のそんな性格に、救われた事も多々あるのだけど、さすがに、
エリオ君が黒焦げになるのを放置したら、寝覚め悪い事このうえ無い。

「フェ、フェイトちゃんを一番…可愛く……できるのは…私なのおぉ」

寝台の上から、なんか黒焦げの物体が呻き声をあげた。

「やれやれ、さすがに不屈のAofAや、しぶとすぎて笑うしかあらへん」

軽く肩をすくめて、誰へともなく呟く。

「まったく、お熱いことで」

少しだけ羨望が混ざっていたその声に、気がつく者は誰も居なく
109或る執務官の約束:2007/12/07(金) 01:37:33 ID:LbBkK0i5


『或る執務官の約束 はじまるまえ』



頭に靄がかかっているようで、うまく思考が纏まらない。
たしか、エリオに抱きつかれて、腰の辺りに何かを押し付けられて

−ああ、まだ意識が残っているんですね、フェイトさん

腕を持ち上げられて、手首を上に向けられる、誰かに、エリオ?

−じゃ、今度こそ人生にさようならしてください

二の腕に軽く痛みが走る、何かが血管を通って身体に染みこんで来て、
息が荒れ、靄が濃くなり、乳首や陰核が痛いほどに勃起をはじめて、靄に染まり、

それまでの私は、いったい誰だったのだろうか

咽が、腸が、子宮が、脳髄が、もう精液以外のものは受け入れないのに、
満たされたと思ったのは一瞬、すぐに身体に染み込んで、気がつけば無くなってしまう。

指を挿し入れた性器からは、壊れた蛇口のように液体が漏れ、
それに流されるように、エリオに注いでもらった精液が零れ出す。

慌てて指で掬い上げて、押し込んでみるのだけど、やっぱりまた零れてしまって、
仕方が無いので床板に舌を這わせて、啜りながら、お尻を上げておねだりをする。

また出してくれて、嬉しい。

けど、すぐに零れてしまって、うまく掬えなくて、啜りたいけど、髪を掴まれて、
零れてしまって、掬いたいのに、私はなんて莫迦なのだろうと、顔に押し付けられて、

お口も涎を垂らしてあえぐ事しか出来なくて、咥えてあげる事が出来なくて、
舌を伸ばして啜り、鼻を、頬を、唇を、瞼を、目の前にそそり勃つ陰茎に擦り付ける。

こんな莫迦なフェイトを、それでも気持ちよくしてくれる、エリオの優しさが、嬉しい。

今はいつなんだろうか、気にならない

噴出した精液が、床に零れてしまったので、口をつけて啜ろうと頑張るのだけど、
あふれ出す涎や涙や鼻水が、止まらなくて、うまく飲み込めないけど、すする。
110或る執務官の約束:2007/12/07(金) 01:38:04 ID:LbBkK0i5

蛙のような姿勢で、仰向けに転がされていた。

記憶がつながらない、エリオが精液をそそいでくれる、うれしい。

そそいでくれる、身体を洗われる、そそいでくれる、おしっこがおいしい、

血が止まらない、指がとまらない、自分のべんきあなをひろげる、
ばかなめすべんきの少ない語彙で、なんとかおねだりをひてみようとするのらけど、
よだれがとまらなくて ひたがもつれれ

ふぇいとは、えりおのべんきれすぅ たくさんおひっこのまひてくらひゃいぃ

うまくいえら、はひってきて、うれひいうれっひいうれひ


「とか、そんな展開になっているはずなの!!」
「て、今までの全部 妄想かい!」

嫉妬に狂う教導官が、寝台に縛り付けられた状態で力説する。
どうしようもないほどに、眼が本気だった。

「そんな自信満々に、ようそんな鬼畜な事を断言できるな」
「はやてちゃんも、少し考えればすぐに理解できるはずだよ」

言葉に込められたものは、確信。
その、あまりにも真剣な声色に、表情を引き締めて聞き返す。

「………なんでや?」
「だって私がエリオ君なら、間違いなくやってしまうもの!」

「あほかあああぁぁぁ!!!」

反射的に放った零距離フレスベルグが、医務室のベッドを中心に展開し、
周囲数部屋を吹き飛ばしながら、爆音を響かせた。


高町なのは一等空尉 − 有給休暇(リタイア)!
八神はやて特別捜査官 − 始末書(リタイア)!
いけないシャマル先生 − 揉消し工作(リタイア)!


余談だが、その日のエリオ・モンディアルとフェイト・T・ハラオウンは、
本局展望テラスでザフィーラにくるまりながら、のんびりと昼を過ごしていたらしい。

その際、エリオは首尾よくデートの約束を取り付けたそうなのだが、それはまた別の話。
111或る執務官の約束:2007/12/07(金) 01:38:37 ID:LbBkK0i5


付録:妄想の内容に納得がいかない人は、以下の内容に差し替えておくの
(裏テーマ:この腐れ脳味噌がぁなの)



「知らなかった、海の連中のやるせない思いを」
全裸の中将、レジアス・ゲイズが悔恨を乗せて呟いた。

「知らなかった、陸で耐え続けた友の苦しみを」
全裸の旦那、ゼスト・グランガイツが無念の形相で慟哭した。

「知らなかった、僕が産まれる前の世界の痛みを」
全裸の少年、エリオ・モンディアルが涙を零しながら囁いた。

−知らなかった −知らなかった −知らなかった

次元断層の中、先刻までいがみ合っていた、
全裸の三人の気迫が急速に薄れ、混ざり始める。

その有様を下に、何故か空中に全裸で浮いて発光している、
半透明のキョロ・ル・ルシエが厳かに宣言した。

《唱えよ 創生合体!》

ゼストの股間が展開し、レジアスの臀部へと吸い込まれていく。
エリオが空中で開脚し、レジアスの上へと跨る形になる。

「これが…!」
「本当の合体!?」

ゼストの魔力が、レジアスの気合が、過たずエリオの中へと注がれていく。

「うそだ…気持ちイイ!!」

そう、今こそ真実の三位一体となった、究極の激情版合体美が炸裂する。
エリオ・モンディアルを頂点とし、三人の熱き魂が交錯するのだ!!

「「「創生合体、GO! 悪エリオン!!」」」

1万と2千年前から全回転で、ごーたい正体不明のショウタイムであった。

かくしてミッドチルダに起こった次元断層は、悪エリオンの無限合掌で縫い合わされる。
同時期、暇を持て余していた執務官は、岩山の上で立方体を作って遊んでいたという。

(終)
112名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 03:14:13 ID:M5OCPdiP
悪エリオンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww烏龍茶返せwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
113ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/07(金) 06:47:48 ID:aOWCwI6D
スレのテンション下げまくりのゲリラ兵ですおはようございます!
>112 ちょwwwwww今日もまたヒドイwwwwwwでもやめられれんwwww
はやてだって胸あるよ!あるよ!単に周りがおっぱい魔人なだけd

……いつもGJ本当にありがとうございます
それにしても、はやての分が悪すぎかな……むー
[しょんぼりっくはやてちゃん]
今日は、何故か精神リンクが出来て、自由に開閉できる設定捏造
よくわからなかったら本気でゴメンナサイ
あとよかったらざっふぃーを拾ってあげてください 謎

ほいでは朝刊〜
114〜ソラノカケラ〜(25)(1/4):2007/12/07(金) 06:48:46 ID:aOWCwI6D
 それから一日は大人しく過ごし、定時に局を出て家の玄関に辿り付いたそこでようやく、大きなため息をつくはやて。
(ちゃんとお話、せんとな)
出迎えてくれたクライドにただいま……とぐったりとしたまま軽く手を上げてすれ違う。
当然何かあったのかなと彼が気づかないわけがなかった。
「何かあったのか?」
問いかけられたシャマルは、とりあえず苦笑いで誤魔化す。
「ええ、ちょっと……」
結局夕食まではいつも通りに過ごし、相変らずいい匂いのするクライドの作ってくれた料理をつつきながら、隣の彼にようやく切り出すはやて。
「クライドはん、実はな」
「ん?」
「今日、リンディさんにばれてもうた」
「ああ……それで」
あまり驚いた風でもなく、むしろ納得したらしく続きを促してくれる。
「なんと言っていた?」
「一度でいいから、顔を見せに来て欲しいって」
「そうか……」
勿論、他の家族達は神妙な雰囲気に若干食べ辛そうである。
ただ、最近ご飯のときはいつもフルサイズの白い長袖に水色ミニスカのリィンUは、一生懸命話を理解しようとじーっとはやての方を見つめている。
「やはり、行かないと駄目だな……これ以上はやてに迷惑をかけたくはない」
「うん、いいよ。いってきて」
「すまんな」
「ううん、ええって」
そこであからさまにはやてが食事に戻ったので、彼もまた気を利かせてそこで会話を終わらせた。
その後、頼まれたシャマルが電話でクライドがハラオウン家に戻る旨を伝え、早速翌日に出向く事になり事態は一応そこで収束を見る。
はやては眠る前に、よっぽど彼の寝室に行こうかな、と思ったがあまりにも浅ましく思えてそれはやめておいた。

 翌日、局に出向く家族全員で相変らず真っ黒で統一された彼を送り出す。
最初から逆方向であるから、実質ここでお別れであった。
「じゃあ、行ってくる」
「うん」
再開も別れも特に断りもせず、歩き出した彼の背中をはやてはただ寂しそうに見送った。
止めて困らせてみようかとも考えたが、例え叶ったとしても何の解決にもならないのは明らか過ぎて、踏み切れるわけもない。
それから一日は、昨日の事が嘘のように平凡で、全くの部外者からの視線が若干冷たかったが、
もはや気にかけるまでもなくデスクワークで時間が過ぎ去っていく。
一応リンディから言伝が入っていて、なんとかなりそう、とのことであった。
ちなみに彼女は今日はお休みである。巡航任務中のクロノとフェイトもかなり無理矢理引っ張って帰らせている。
代理でクラウディアに出向いたレティ提督は死ぬほどぶつぶつ言っていたらしいが。
そのまま何事もなく無事に家路について、ふっと玄関をくぐるが当然家の灯は消えていた。
「ただいま……」
仕事中もであったが、はやての後姿にはかなり元気がない。
その様子に、さすがにリィンUも制服姿で宙に浮いたまま主に聞こえないように念話で不安を呟いた。
(はやてちゃん……凄く元気がないです)
(まあ、しゃーないだろ。かなり甘えてたしさ)
(仕方のないことだ。これ以上事態を悪化させるわけにもいかんだろう)
(うん、そうよね……)
それから夕食を作る気力もなかったのかシャマルに任せて、ぼーっとTVの画面を見ている主。
誰が話しかけても、生返事しかせず、やはり凄まじい落ち込みようであることは間違いがなかった。
そしてその証拠に、何の因果かはやて側からの精神リンクが繋がり、しかも完全に開放されていた。
しかもそのことに本人が全く気づいていない様子からも、余程負荷がかかっているのは明らかであった。
あの命の危険すらあった闇の書の事件のときですら、騎士たちには痛みを殆ど隠し通したはやてなのであるから、相当の事である。
115〜ソラノカケラ〜(25)(2/4):2007/12/07(金) 06:49:21 ID:aOWCwI6D
当然将から警告が出る。
(しかしこの精神リンクはどうする?何故突然繋がったのかはわからんが……こちらから閉じておかなくては失礼ではないか?)
(そうね……感情がほとんどそのまま伝わってくるし。いくら私達でもこれは良くないわ)
(あたい、挑戦してみっかな)
(ヴぃ、ヴィータちゃん?!)
(はやての気持ち、わかりたいからさ……いつもあんまり言ってくれないし)
(そ、そうかもしれないけど……平気かしら)
(まあお前なら別に主も気にはなさらんと思うが……程々にな)
(わかってるって)
まあヴィータなら大丈夫だろう、とシグナムもそれなりに許すが、次の末っ子の発言はさすがに看過されなかった。
(私も挑戦するです!)
(り、リィンちゃん?!)
(リィン、お前は止めておいた方がいいと思うが……?)
シグナムの危惧も尤もである。いくら擬似人格とはいえ若い事に変わりはない。
(リィンもいつまでも子供扱いは嫌です!はやてちゃんのこともっとわかりたいです!)
(ふむ……どう思うシャマル?)
(うーん、はやてちゃん、こういうの凄い強いから……リィンちゃんには正直、まだ早いと思うけど)
(お願いします!リィン、いつまでも子供は嫌です……)
(……わかったわ。でも無理しないって約束できる?危ないと感じたら自分で閉じること。いいわね?)
(は、はいです!ありがとうございますです!)
こうして主の預かり知らないところで、ヴィータとリィンUの何か良くわからない挑戦は決定してしまったのであった。

 相変らず不評なシャマルの料理を突っつきながらの夕食。家族達も将を筆頭にいつも通り言いたい放題である。
「クライド殿に習ったのではなかったのか?」
「そ、そのはずですけど……一応分量とかに間違いは……」
「っかしーよなー。おんなじに作ってんだろ?」
「うううううう」
そして勿論、空いたままの席の隣でぼそぼそと食べていたはやてに食欲があろうはずもなく、さして時間も経たない内に席を立つ。
「ごめん、シャマル……あとお願いな」
「は、はい。お任せ下さい」
とぼとぼとキッチンの外に出て行く主の背中がかなり小さく見えた。
精神リンクがあろうがなかろうが、ヴィータにも次にどうなるかなんて分かりきっている事である。
「……ありゃー絶対泣くよな」
「そ、そうでしょうけど……」
「クライド殿を取られた挙句、晒し者だからな」
「励ました方がいいんでしょうか」
今日もヴィータと変わらないぐらいの背丈の姿で、部屋用の白いワンピース姿のリィンUの提案はかなり微妙な発案であった。
「ん〜……逆効果のような気がするわ」
「そっとしておくのが一番だろう」
「そうですか……」
シャマル、シグナムににあっさりと却下され俯いてしまう薄い青色の髪の人。
「やはりリィンは止めて置いた方がいいと思うがな」
「ですよね……はやてちゃん、結構文学少女ですからね」
しかし決意は変わらなかったのか、きりっと握りこぶしを作る。
「いえ、やるです!全部受け止めきってみせるです!」
「……そこまでいうのなら止めはせんが。だがヴィータと一緒の方がいいかもしれんな」
「そうですね。ヴィータちゃん、ついててあげてね」
「おう、まかせとけ!じゃリィン、今日は一緒に寝るか!」
「はいです!」
その答えに満足したヴィータはコロッケの残りをぱく、と全部咥えたが、見た目はそこまででもないのだが、やはり何かが違った。
もぐもぐと咀嚼し、飲み込んでから容赦なく審判を下す。
「やっぱまじーな」
「どうしてなのだろうな?さっぱりわからんが」
「あううううううううう」
116〜ソラノカケラ〜(25)(3/4):2007/12/07(金) 06:50:21 ID:aOWCwI6D
 夕食後、しばらくして主の様子をシャマルがこっそり伺って、日課の型をレヴァンティンと共に外でやっていたシグナムの所に戻ってくる。
「……どんな様子だった?」
「とりあえず、本を読んで紛らわしてるみたいだったけど」
「そうか……何の本だ?」
「古い小説みたい。なんていったかしら……赤と黒、斜陽……だったかしら」
「それは……大丈夫なのか?」
「さあ、私は中身までは知らないから。後は絵本だったかしら……100万回死んだ猫、とか」
あまりの回数の多さに、さすがの将も苦笑する。
「我らでもさすがにそこまでは輪廻した覚えはないぞ?」
「え、絵本ですからね……」
「まあ、なんにせよ主は強いお方だから心配は要らないだろう。ヴィータとリィンは?」
「もうベッドの上。まあ……壊れる事は、ないと思うけど……やっぱり危ない気も」
「本人達が望んだ事だ。やらせてやれ」
「そうね」
もう知らんと、投げやりに言い放って再び型に没頭し始める将に、
それでも大丈夫かしら、と若干不安に思いながらもシャマルも片付けに戻った。

 すっかりお風呂も済ませて、同じベッドの上、その問題の寝巻き姿の2人は
がんばりましょうねヴィータちゃん、おうよリィンとお互いの両方の手を組み合わせつつ健闘を誓い合っていた。
そしてじわじわと悲しみが伝わってきて電気を消してそっと抱き合う。
最初の数分で既に涙ぐんでいた2人であったが、それはほんの始まりに過ぎなかった事を程なく思い知る事となる。
「ひぎぃいいいいいいいいあ!?」
「あうううううううう!?」
「り、リィン、も、もう閉じた方がいいって!」
「い、いやです!最後まで頑張……いあああああああああああああっ!?」
「ひぃいいいいいいいい、は、はやてや、やめえええええええええええええ!?」
2人の悶絶ははやてが泣き疲れて眠るまで続いた。

 そして夜が明けて、チチチチと小鳥の囀りのようやく聞こえ始めた、まだ薄暗い早朝。
シャマルが起き出してキッチンに入ると、いつも通りにエプロン姿の主の後姿が見えて、信じていたとはいえさすがに少しほっとすることができた。
「おはようございます、はやてちゃん」
「んー、おはようさんやー」
隣に並んで顔を見ると、珍しく明らかに化粧が施されていて若干目元の辺りが濃かったが、母親よろしくさりげなく問いかける。
「大丈夫でした?」
「ん……まあそれなりにな」
「はい」
そうして微笑んだ金髪の人に、何笑ってるん、と少しだけ肩をぶつけながら非難するはやて。
「なんで笑ってるん?」
「なんでもありませんよ?」
「もう」
親子のようなじゃれあいをしながら、そのまま素直に朝食の準備を手伝う。
しばらくして朝刊を持ってシグナムも現れた。
「おはようございます、主、シャマル」
「おはようさんや〜」
「おはよう〜」
主のそれなりの様子になんだかんだで若干心配だった彼女も安心したのか、少しだけ微笑んでから定位置のソファで新聞を広げた。
そして――ぼさぼさの赤い髪全開のノロイのうさぎを持った少女が、大分経ってから現れたのだが何故だか激しくやつれている。
「お、おはよう、ヴィータ……どうしたん?」
「うう……」
117〜ソラノカケラ〜(25)(4/4):2007/12/07(金) 06:51:17 ID:aOWCwI6D
あまりの有様に駆け寄るとぎゅっと抱きつかれる。
「はやてはやっぱすげーな……あたいなんてまだまだだ」
「え?え?」
まだ気づいていない様子の主に後ろからシャマルがフォローを入れた。
「あ、あの、はやてちゃん。実はその精神リンクが――」
「え?せいし――あああああああああああああなんやこれ!?全開ばりばりやん!?え、じゃ、じゃひょっとしてヴィータ」
えへへ、と若干儚く笑う。
「もう、馬鹿なことして」
少しだけ呆れながらでも少しだけ笑顔で、膝をつき改めて抱きしめる。
「あ、シグナムとシャマルも……か?いや閉じてるな」
「はい、私とシグナムはこちらから閉じさせて頂きましたから」
「あー、うん。なんやーもう、めっちゃ恥ずかしいがな」
さすがにちょっと恥ずかしそうにしてしまう彼女の腕の中の人は、やつれてはいたがそれでも嬉しそうであった。
「はやての気持ち、知りたかったからさ」
「もう、無茶してからに……えーとあれ、リィンは……開いてるんか!?」
「あー……と」
ヴィータが若干気まずそうに状況を伝えようとしたとき、かの人が水色の寝巻きでフルサイズのまま、
陰鬱な空気と共に果てしなくどんよりと真っ暗を引き連れて現れた。
「……絶望……したです……プラーンって……するです」
「絶望してるー!?」
ふらふらとやってきた彼女がようやくはやての所に辿り付くと、ううう、と肩に顔を突っ込んでこれまたぎゅーっと抱きついた。
「もう、リィンもそんなんせんでええのに」
ぬくもりに何とか生気を取り戻して、それでも割と危なっかしかったが、何とか顔をあげて自分の意思をはっきりと伝える薄い青い髪の少女。
「先代の……リィンも、いっぱいいっぱい悲しい思いしたです……このぐらい、リィンだって」
「もう……」
もう一度ぎゅっと2人を抱きしめるが、ヴィータはともかくリィンの方は正直局には少なからず連れて行きたくないと思わざるを得なかった。
「今日は、みんなでお休みしとこか」
「ほんとに!?」
その言葉だけですぱっと明るくなるヴィータの無邪気さは、やはり長所であり勿論はやても何度か救われている。
「訓練予定とかもないやろ?」
「うん」
「うちも、どうせほとぼりが冷めるの待ちやしな。リィンもそうしよな?」
「はい……です」
「うん」
その様子を微笑ましく見守っていた将とシャマルであったが、その足元で寝そべっていた青い獣が
少しだけ濡れた瞳を隠すようにゆっくりと起き上がって、キッチンの外へと向かいながら何かを呟いた。
「嗚呼、美しき哉少女の想い……」
はっきりと聞こえたシグナムが、同じく聞こえたと思われる金髪の人に話を振る。
「……シャマル、生ゴミの日はいつだったかな?」
「え、えーっと明日ですけど……動物は、捨てられませんよ」
「ふむ。まあテスタロッサが拾いにきそうだしやめておくか」
「あー、手触りがいいからってかなりご執心でしたからね」
「全く、守護獣が感傷など柄でもなかろうに……!」
少しだけご立腹気味の将に、参謀は苦笑いをするしかなかった。
118ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/07(金) 06:52:26 ID:aOWCwI6D
ほいでは……多分月曜に
無理だったら王大人でも置いときますノシw
119名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 07:07:43 ID:JWOGNFsM
>>118
GJ!
しかも今日は4レス分
嬉しい限りだ。

ただ惜しかったのはヴィータは自分のことは「あたい」じゃなく「あたし」だったと思う。
書いてもらって申し訳ないがこれだけは言わせて下さい。
120名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 07:08:35 ID:Nm/uqqQF
>>118
腸GJ!朝刊お疲れ様なんだぜ!シャマルさんが可愛いんだぜ!取り敢えずザッフィーは全力で確保したいと思います


ただ一つ、ヴィータの一人称が違うかも知れなくもないかと
121名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 07:09:25 ID:gb2rKoOa
>>118
GJ!毎朝乙です。

ヴィータとリインが何を見たのか激しく気になる…
122名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 10:05:22 ID:3x3f++1B
エリオと隊長達を機械を用いて強制的に合体させたい…
中々面白い凌辱方だと思うんだ
最初は抵抗するんだけどだんだん自ら腰を動かし……
みたいな
123名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 10:30:16 ID:5vQHGgWn
それ前も聞いた
124名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 13:02:21 ID:RzrWISmI
>>63
亀レスですがギャグとエロが中々にいい感じで混ざっててGJでした!
この世のものとは思えないSEX…人を超え(淫)獣を超え、(悪魔)神の領域の性行為か
最後はできちゃった展開…このなのはさんは本当に死した後も一緒なんだろうなぁ
ユーノのナニはミニサイズからいきなりなのはの腕よりぶっとくなるのを妄想しちまったZE!!
見事にフカセテもらったYO
125名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 15:51:45 ID:Q1zarcO6
ここってHARDモノはないん?
126名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 16:16:07 ID:a77q9j/f
>>125


フェイトハード

単身スカリエッティのアジトに潜入したフェイト
しかしそれスカリエッティ一派の巧妙な罠だった
男が指を鳴らすと床に魔法陣が浮かび上がりフェイトはバインドされてしまう

フェイト「こんな奴等に…くやしいっ!!」
7「生フェイト様の生足を拝見してもよろしいでしょうか(ハァハァ」
ルーテシア「あなたとエリオの関係は私に崩されるために築いてきたんですものね」
なのは「へへへ…ついにあのフェイトちゃんが挿入歌歌い始めたなの」
BD「カチッ カシャ シャキーン」
俺「作画くやしいwwwwwでも燃えちゃうwwwwwwビクッビクッ」
127名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 17:01:52 ID:oOai2K1x
>>126
アホだwwww
128名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 17:10:06 ID:z2pLJzQJ
……昨日な、夢を見たんだよ。こんな感じのやつ。
スバル並みになのはさんが好きな人は見ないほうがいいと思うし、セリフとかかなり滅裂なのは夢だったからということでご容赦を。


「違うんだよッ!」

 優雅に白い雲の漂うミッドチルダ地上本部の平和だった空に、天を突く怒号が響き渡る。
 それと同時、地上に生まれた桃色の光は天へと駆け上がり、白い雲を突き抜け散らす。
 光は即ち高町なのは。人であればただ息をするのも困難な高度にありながらバリアジャケットに身を包まず、しかし総身から吹き出る威圧感には微塵のかげりも無い。
 その姿、まさに魔王のそれである。

「私がウザイっていうなら殺して見せろよ! エースの教導は違うんだよ!」

 手にしたデバイスは黄金の音叉型。構えたその先に現れるのは幾重にも重なる魔法陣と薄紅の極光。怒りに歪めた表情のまま、紡ぐは必殺、光の魔砲。

「スターアァァァァライトォ、ブゥレイカァァァァァァァァーーーーーッ!!!!!」

 砲撃は正確に自身の軌跡をなぞり、大地へ向かって放たれた。


て感じ。なのはさん恐い。((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
こんな夢見た原因は多分「なのはさんの教導!」シリーズじゃないかと邪推したり
129名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 17:27:22 ID:1zf99wKF
>>128
理由は多分あなたがドMだからさw
130名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 20:53:10 ID:hYAefDdR
なぜか、ザフィーラ×スバルという電波がきた。
格闘技の師弟関係から、肉体関係なっていって最後は獣姦オチというありきたりなの。
131名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 21:06:54 ID:5vQHGgWn
電波報告はいい
書きたまえ
132名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 21:10:10 ID:TiIgNiiS
>>128
もうそれ“スターライトブレイカー”じゃなくて
“スターラストブレイカー”でよくね?
133128:2007/12/07(金) 21:27:29 ID:z2pLJzQJ
>>129
いや、この夢のあとデスザウラーの荷電粒子砲を切り裂くブレードライガーのごとく
スターライトブレイカーの中をライダーキックで突っ込んでいくシーンも見たような
気がするから、ドMというよりなのはさん=ラスボスでいいんじゃね? 的な思考によるものだと思いたい
134名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 23:23:07 ID:iN1k9lTy
誰かユースバのエロを書く猛者はおらんのか。いや俺もネタはあるんだが、今は他のものを書いていて手一杯なんだ。
135名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 23:29:31 ID:aeYRTPSC
ユースバか……非エロならいくらでも沸いてくるんだがエロ描写がとんと浮かばないなあ
136名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 23:37:01 ID:sRtNwgKv
推敲が終わったら、一本投下します
多分、日付が変わったくらいに
137名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 23:38:55 ID:sRtNwgKv
いかん、テンパってて日本語がおかしい。推敲はもう終わってるって
誤字脱字のチェックが終わったら、投下します。の間違いだ
13826-111:2007/12/08(土) 00:04:14 ID:sRtNwgKv
お待たせしました。前スレには間に合わなかった駄目な子が投下を始めさせていただきます

・メインはキャロ、フェイト、エリオ
・非エロ・・・正直、スマン
・使用レス数16レス
・タイトル:“nowhereU”

随分前に書いた拙作“nowhere”の続きに当たります。同話の設定を色々持ち越しています。ご注意ください
あまりにも長くなりすぎたので2分割してお送りします

では、投下
139nowhereU:2007/12/08(土) 00:04:56 ID:sRtNwgKv
JS事件の終結から一ヶ月半ほど経った頃の事である
機動6課新隊舎の建築工事も始まり、現在6課の仮隊舎となっているアースラの周囲も段々と賑やかになりつつあった頃
クラナガンの街並みのあちこちで進められていた修復工事も少しずつ終わり、いよいよ地上本部も大々的な改修に着手。復興の兆しははっきりと見え始めていた
ここの所、大きな事件も起こっていない。はぐれガジェットもテロリストも、最近は大人しくなりつつある
塞ぎ込むような顔をしていた市民達も徐々に明るさを取り戻し、ミッドチルダの首都:クラナガンはかつての活気を取り戻し始めていた

そんな中、アースラの前には、一台の黒い乗用車と、それを見送る隊員達の姿があった



「それじゃ、みんな。留守をよろしくお願いします」
「あぁ、任せておけ」
「お前達こそ、あんまりこっちのことばかりを心配して、恥かくんじゃねーぞ」
「き、気を付けます・・・」
「エリオ。ちゃんと話してくるんやよ。キャロは、あんまり硬い顔しとったらあかんで?」
「は、はい!」

黒いスポーツタイプの乗用車・・・フェイトの車の中には、フェイトとエリオとキャロが座ってる。そして、外にいるのははやてとリィンとシグナム、ヴィータだった
車中のチビッコ2人は、フェイトの付き添いで地上本部に行った時でさえ、これ程までに念入りに身なりを整えはしなかった・・・という程にびしっと制服を着込んでいた
今日はエリオにとって特別な日である為、わざわざ身嗜みを整える為に早起きをしたくらいである

「お昼過ぎくらいには戻ると思うから」
「ん、少々遅くなっても構わへんよ?あんまりこっちの事ばっかり気にせんといてな」
「でも、あんまり部隊長達に甘えてちゃ、しっかり仕事をしてるって信じて貰えませんよ」
「確かにな・・・しかしまぁ、一月振りの対面だ。楽しんで来い」
「はい!シグナム副隊長」

苦笑を拵えたシグナムに見送られて、フェイトは車をゆっくりと発進させる。小さくなってゆく車をはやてとリィンが手を振って見送っていた

エリオが彼の両親と再会してから、一月・・・エリオはあの日から、今まで以上に溌溂と訓練・職務に励み、周囲を驚かせる程の活躍を見せている
そして、彼は両親と「一月に一度は会って話をしよう」という約束を交わしていて、今日はその約束の日だった
「あの、あの、エリオ君。私、えっと、変なところとか無い?大丈夫かな?」

先程から、緊張に強ばった顔のキャロが何度もそう尋ねてくる
車中に入って既に3度目の質問であり、流石に苦笑を浮かべるばかりだが・・・彼女の気持ちも理解できる

「大丈夫。変な所なんて無いよ」
「キャロ、緊張するのは分かるけど、いつも通りで良いんだよ?エリオのご両親は管理局の上官でも何でもない、一般の方なんだから」

エリオの両親・・・モンディアル夫妻は、フェイトの言うように一般市民である
だが、“ごく平凡な一般市民か?”と問われれば、否、と答える他ない。モンディアル家はクラナガンでも有数の資産家である
当代当主であるエリオの父の手腕によって経営業務は多岐に渡り、その資産を狙って夫人がテロリストに狙われた経緯もあるくらいだ

だが、キャロの緊張の理由は、“資産家:モンディアル夫妻との対面”ではなく、“エリオの両親との対面”が理由である
そもそも、何故キャロが月に一度の懇談に同席しているのかと問われれば、エリオの発案に理由がある。曰く、

『フェイトさんも来ますよね。だったら、キャロも一緒に招待したいんです。僕が今までやってこれたのは大勢の人の支えがあったからですけど、
その中でも、フェイトさんとキャロは、僕にとって“特別”ですから・・・大切な、“家族”ですから』

その一言によって、今日の懇談にはフェイトとキャロが同席することとなったのだ
キャロとしては勿論戸惑った。折角、エリオが両親とゆっくり話せる機会なのに、自分なんかが一緒に居ても良いのか?と、今でもそう心配している

「・・・きゅくるー・・・」

フリードまでも何だか大人しい。キャロの膝の上にちんまりと収まっている。キャロの不安が伝染ったような姿である
心配顔になってあれこれ話し掛けるエリオと、極度の緊張の為か顔を青くしたり赤くしたりしているキャロの姿をルームミラー越しに眺めて、フェイトは唇を綻ばせた

「エリオは、ご両親にキャロのことをなんて紹介するの?」

フェイトの問い掛けに、エリオは笑顔を見せてはっきりと口にした
141nowhereU:2007/12/08(土) 00:06:10 ID:dIVCkChA
「この1年間ずっと傍に居てくれた、大切なパートナーです。って、ちゃんと言いますよ」

その言葉を聞いて、キャロは一瞬で耳の裏まで真っ赤になった。エリオ当人は、自分で言った言葉の破壊力に気付いていないのだろうか
隣に座る少女の激変の原因が自分の言葉にあると理解できていないらしい・・・フェイトは、少し苦笑を浮かべてしまう

「エリオ、その言葉は意味深だよ。ご両親が卒倒しちゃうかも」
「そ、そうでしょうか・・・?でも、同僚です、って言うだけじゃキャロに申し訳無いし・・・何て言えばいいかな?」
「え?え?あ、あの、その、エリオ君が、ちゃんと言ってくれるんだったら・・・私は、それで・・・」

首を捻るエリオと、頭から湯気が立ち上りそうな程に顔を真っ赤に染めて俯いているキャロを乗せて、フェイトは車を走らせる



今日の目的地は、クラナガンでも評判の喫茶店である
普段ならば洒落た姿の若者や婦人で席が埋まるところだが、開店直後である為に今はまだ空席が目立っているようだ
ぱりっとした姿のウェイターに名前を告げると、オープンテラスの一角に案内された
そこに居たのは・・・

「エリオ!会いたかったわ、元気にしていた?」
「一月がこんなにも待ち遠しかったのは子供の頃以来だよ。ハラオウン執務官も、お久しぶりです」

いきなり母親に抱き付かれて、エリオは慌ててしまったが、それでもその抱擁を振り解こうとはしなかった。ただ、キャロの手前少し恥ずかしいそうではある
一月前に会った時は痩せぎすだった父親も、今はその細面にも活力に満ちている。どうやら、一月前の再会を経て気力が充実しているのはエリオだけでは無いらしい

「一月ぶりです。父さん、母さん・・・その、えっと・・・僕は、元気にやってますし、父さんと母さんも元気そうで・・・嬉しい、です」

カチコチに緊張したエリオだが、ようやくその言葉を口にした。一月前は頑なに撥ね付けようとした態度から比べれば、驚くほどに軟化した対応だ
真っ直ぐに顔を見れない程に緊張して、顔を真っ赤に染めているが、俯けた顔には隠しようのない喜色が滲み出ていた

「えぇ、私も嬉しいわ。皆さんも座って、お茶にしましょう」
「はい、ありがとうございます・・・キャロも、座りましょう」
142nowhereU:2007/12/08(土) 00:06:43 ID:dIVCkChA
「は、はい!」

フェイトにそう促されて、キャロはフリードを抱いたまま小走りに駆け寄り、ガチガチに緊張した顔をエリオの両親に向けて、びしっと敬礼をした

「キャ、キャロ・ロ、ル・ルシエ二等陸士と申しますっ!」

噛んだ上に上擦った口調。しかも大声である。両親は思わずきょとんとした顔でキャロの顔をまじまじと眺めてしまう
エリオがキャロの隣に並び立って、未だに敬礼を解こうとしない彼女の肩に手を乗せて紹介の言葉を述べた

「紹介します。彼女はフェイトさんを隊長とするライトニング小隊のメンバーで、大切なパートナーなんです。この一年間、ずっと助けられてきました」
「そんなこと!私の方が、エリオ君、じゃない・・・モンディアル陸士には、いつも助けられてばかりで、その、えっと・・・」

緊張し過ぎて言葉が続かないキャロの前に、エリオの母親がしゃがみ込んで彼女の瞳を覗き込んだ
そして、そっと彼女の頬に両手を寄せて、にっこりと笑う

「ありがとう。ルシエさん。エリオを支えてくれて・・・こんなにも可愛らしいお嬢さんの騎士だったのね。エリオは」
「あ、いえ、あの、その、き、恐縮でありますっ!」
「うふふ、でも、できれば普通に話して欲しいわ。エリオの大切な人なら、私達にとっても大切な人ですもの」

その言葉に、どうしたものか困ってしまい、フェイトの顔を見上げると彼女は笑顔で頷いて見せた

「は、はいっ!」
「良い子ね。さ、それじゃお茶にしましょう。皆さん紅茶とコーヒー、どちらが良いかしら?」



そうして始まったお茶会は、離れ離れだった親子の月に一度の懇談という様な気負った空気はまるで無くて、ただ和やかな談笑に終始していた
エリオはまだどこか照れが残る様子だったが、それでもこの対面は嬉しいらしく、普段の態度とは違って子供らしい素顔を見せていた
彼の両親もまた、和やかな笑顔で息子に接し、フェイトやキャロへの気配りも忘れず、色々と話題を投げ掛けてくれる

キャロは、笑顔を浮かべてケーキを口に運んだ
143nowhereU:2007/12/08(土) 00:07:22 ID:dIVCkChA
フォークの先に乗せたチーズケーキは、エリオの母親イチオシの一品らしく、上品な甘さと口に広がる柑橘の酸味、そして濃厚なチーズの味わいが素晴らしいものだった
だけど、

だけど、今は何の味も感じない

エリオが笑顔でいる。エリオの両親が笑顔でいる。それは嬉しい。とても嬉しい事だ
だけど・・・



(寂しい・・・なんて、言ったら、神様に怒られちゃうよね・・・)



○“nowhereU”



「それじゃあ、エリオ。元気でね」
「また会える時を楽しみにしているよ」
「僕も・・・それじゃ、父さん、母さん。また、一月後に・・・」

予定通り、彼らは正午で対面を終えた
エリオの両親は執事の運転する高級車に乗り込み、窓の向こうで手を振る母親に3人とも笑顔で手を振り返して、小さくなってゆく車を見送っていた

「・・・ねぇ、エリオ。本当に、良いの?」
「・・・ごめんなさい、フェイトさん。僕は、その・・・父さんと母さんが嫌いなわけじゃないんですけど、その、何と言うか、“家族”として生活を共にするのが、何だか・・・」
「あ、謝らなくても良いよ。エリオの思うように決めれば良いんだからね」

面はゆい顔で言葉を詰まらせるエリオに、フェイトは慌てて慰めた
フェイトとしては、エリオが両親の元に戻ることを望んでいる・・・だが、エリオとしては、まだ両親に甘えることができないらしい
144nowhereU:2007/12/08(土) 00:07:57 ID:dIVCkChA
“嫌っているから”ではなく、彼は10才という若年ながらも管理局員として、厳しい生活に身を置いていたのだ
両親に甘えて当然の年齢な筈なのだが、彼も一端の局員である。一人前と認めて欲しいし、子供扱いは照れくさい・・・そうした葛藤があるようだ

「でも・・・優しい人なんだね。エリオ君のご両親は」
「・・・うん・・・本当に、優しくて、温かくて・・・子供の台詞じゃないけどさ、いいひと、だよ。うん」

照れ笑いを浮かべるエリオに、キャロもつられるように微笑んで見せた
笑顔を交わず平和な光景・・・だけどフェイトは、キャロの笑顔に少し翳りが浮かんでいる事を見逃さなかった



3人は予定通り、正午過ぎにはアースラに帰り、はやてに呆れられながらも午後は仕事に励んだ
今日は警邏の予定もなく、3人揃ってオフィスで事務仕事である。本来、事務業はルキノが主に担当しているのだが、彼女も次元航行艦操舵士という大志を抱いている身である
各々、自分の為の勉強をする時間を作るため、課の業務は殆どが役割を持ち回りで受け持つようになっていた
6課に入ったばかりの頃は書類仕事が苦手だったエリオとキャロだが、今では課の事務仕事を手伝えるまでになった。エライ、とフェイトは思っている

だけど、今日は何だかキャロが上の空だ
エリオと並んでデスクに向かっているのだが、先程からキャロはペンを握ったままぼーっとしている時間がある

「キャロ?」
「・・・へ、あ、わっ!ご、ごめんなさいっ!」

フェイトに呼び掛けられて、自分が放心していたことに気付いたらしい。慌てた様子でキャロは謝ると、がばっと書類に向かった
そんな様子を見てフェイトは苦笑を浮かべるが・・・やはり、今日のキャロは変だ

「ちょっと、休憩にしよっか」
「あ、それじゃ、お茶の用意をしてきます。コーヒーで良いですか?」

フェイトの言葉に、エリオは背伸びをしながら椅子から立ち上がって、そう尋ねてきた

「あ、エリオ君。私も手伝うよ」
145nowhereU:2007/12/08(土) 00:08:33 ID:dIVCkChA
わたわたと慌てながら立ち上がろうとするキャロを、エリオは笑顔で制した

「大丈夫だよ、キャロ。ちょっと待っててね」

キャロを押し止めて、エリオはさっさと給湯室に向かってしまった。その足取りは軽く、傍目にも彼が心身共に充実しているのが見て取れる・・・
それにひきかえ、自分はどうしたことか。キャロは内心、忸怩たる思いであった
俯いて溜息を吐く少女の姿に不安を覚えて、フェイトはそっと声を掛けた

「キャロ・・・何か悩みでもあるの?」
「え、い、いえ・・・悩みなんて、何にも無いです。フェイトさん」
「でも、今日のキャロは変だよ・・・凄く辛そうに見える」
「そんな・・・そんなこと、全然・・・」

言い淀む姿が、既にただごとではないことの証明である
フェイトは、キャロの両手を包み込むようにそっと握りながら、優しく尋ねた

「ねぇ、キャロ。いつか、私とキャロとエリオの3人でいっぱい話したよね。
二人が私に笑っていて欲しいから、一生懸命頑張ってくれてたみたいに、私もキャロとエリオに笑顔で居て欲しいから、どんな時でも力になる。って」
「・・・はい」
「キャロが今、どうしてそんなに苦しんでるのか、悔しくて情けないことだけど私にはわからない・・・だから、話して欲しいんだ。勿論、無理にとは言わないけど・・・
キャロの笑顔を護る為なら、私はなんだってするよ?」
「・・・フェイトさん・・・」

不意に、キャロの大きな瞳から、ぱたぱたと涙が零れ落ちた
彼女は小さくしゃくり上げながら、書類の上に涙の雨を落としながら、震える声音で己の抱える“願い”を口にした

「・・・私も・・・お父さんと、お母さんに、会いたくて・・・エリオ君の、ご両親が、すごく、優しかったから、それで・・・お父さん・・・お母さん・・・っ」

ハンカチで頬を流れ落ちる涙を拭ってやりながら、フェイトは内心で、やっぱりそうか、と溜息を吐いた
エリオもキャロも、まだ10才・・・幼い頃に両親から離れた二人だが普通に考えれば親に甘えていたい年頃・・・なのだが、キャロの場合、エリオとも事情が少々異なる
とある研究機関によって引き離されたエリオとは違い、キャロはル・ルシエの部族から追放された身の上である
146nowhereU:2007/12/08(土) 00:09:07 ID:dIVCkChA
その原因は、彼女自身の強力な力・・・若干6才にして竜召喚士としての資質を発揮していた彼女自身の所為であった
竜にも“格”がある為にその質は様々だが、概ね竜という存在は強大な力を秘めており、その強大過ぎる力を危惧した部族の長老がキャロを追放したのだ

『強い力は災いと争いしか呼ばない』

その言葉は今でも呪いのように彼女の胸に刻み込まれている
そうしてキャロは災いの子として部族から放逐され・・・様々な機関を渡り歩いた挙げ句に、フェイトに出会い、ようやく救われた・・・

「ひっく・・う、ぐ・・・っく・・・」

顔を俯けて涙を零し続ける少女に掛ける言葉を思いつけなくて、フェイトは弱り切っていた
キャロの両親は今でも第6管理世界の雪深い山中、ル・ルシエの集落で暮らしている。それは把握している
だが、キャロが彼女の両親に会いに行って、会えるのかどうかは・・・恐らく、会わせてはもらえないだろう。集落に足を踏み入れることさえ厳しいかも知れない

「お待たせしましたー、って、キャロ!?どうしたの?何か、あったんですかフェイトさん!?」
「あ、エ、エリオ君・・・う、ううん。何でも無いの。ちょっと、目にゴミが・・・」
「本当に・・・?」

エリオの視線が、デスクの上、涙が零れ落ちて点々とふやけた箇所がある書類に注がれる。彼は何度か尋ねたものの、返答は変わらず・・・それ以上の追求はしなかった
結局、そのまま何だかもやもやした気分で一日の業務を終え、キャロは終始何でもない風に装ってはいたが・・・

「キャロ・・・どうしたんだろう?」

夕食もそこそこに自室に戻っていったパートナーに、エリオは顔を曇らせるばかりだった



夜のオフィスに、フェイトの姿があった
今は課の仕事ではなく、彼女の本業・・・執務官業の書類を片付けているところである

「フェイトちゃん。まだやっとったん?」
147nowhereU:2007/12/08(土) 00:09:41 ID:dIVCkChA
「あ、はやて・・・うん、ちょっと、考え事をしながらしてたら、随分はかどっちゃって・・・」

マルチタスクで意識を分割できる魔導師ならではの台詞である
決済の済んだ分厚い書類の束に視線を向けて、6課の部隊長、SSランク魔導騎士にしてヴォルケンリッターを束ねる夜天の主:八神はやては呆れ顔を作った

「区切りを付けて休むのも、重要な仕事の一つやよ。でも、考え事って・・・何かあったん?」
「うん・・・キャロのことで、少し、ね」

物憂げな表情で眉根を寄せて、フェイトも溜息を吐いた
どうにかして、キャロの力になってやりたいのだが・・・

「休暇を使って第6管理世界へ旅行・・・無理かなぁ・・・」

二人と約束した、「うんと長い休暇を取る」という約束は未だに果たせていない
そして現状、機動6課の隊員は有給休暇を取れるような暇は無いのである。部隊長以下、一般隊員に至るまで
クラナガンの治安は改善されつつあるのだが、だからと言って主力小隊の一つを丸ごと遊ばせて良いわけでは無い・・・

「休暇はちょっと厳しいかなぁ・・・一人ずつやったらまだしも。でも、何で第6管理世界?」
「うん、キャロの生まれ故郷がある世界なんだ・・・一度、あの子を帰してあげたくて・・・でも、あの子は色々複雑な事情があるから・・・」
「あぁ・・・あの子、故郷を追放されたんやったっけ・・・」
「・・・うん。でも、今日、エリオのご両親との懇談に同席して、ちょっとホームシックみたいで・・・お父さんとお母さんに会いたいって、泣いたんだ」

今まで、エリオもキャロも、寂しがる姿など見せたことは無かった・・・それは、心の底で両親を憎く思っていたからかも知れない
幼い二人を引き取ってからもしばらくは、“いつか捨てられる”という認識が根強く残っていたからか、なかなか打ち解けることができなかった・・・
それでも今現在、今日の関係が築けているのは、偏にフェイトの愛情の賜である
フェイトとしては、エリオとキャロの母親代わりというつもりがあったし、現に我が子の様に大切に思っている・・・彼女は独身だが

「やっぱり、お母さんの代わりにはなれないっていう事なのかな・・・」
「フェイトちゃん。お母さんに“代わり”なんて無いよ。フェイトちゃん“も”あの子達のお母さんや。違う?」
「・・・そう、なの・・・かな?」
「そうそう。そんな事言うたらアカンよ。エリオとキャロが一番傷付くんやから」
148nowhereU:2007/12/08(土) 00:10:22 ID:dIVCkChA
はやてに諭されて、フェイトは渋面を作った
自虐が過ぎるのが悪い癖よ、とリンディにいつか注意されたこともあったっけ

「うん、ごめん・・・それで、キャロの事なんだけど・・・あの子がご両親に会いたいって願ってるんだ。はやては、どう思う?」
「どう思うて言われても・・・勿論、親子の再会は良ぇんやけどね・・・あの子の事情は、キャロ自身が一番分かってる筈やし・・・ダメ元、ってわけにはアカンやろ?」
「でも、それしか無いかもしれない・・・居場所は分かってるんだし、行こうと思えば会いに行けるんだから・・・ただ・・・」

ただ、会いに行くことで、キャロの心が完膚無きまでに砕かれるかも知れない
明るく、おっとりした性格ながら、一生懸命に職務に励むあの少女の眸が、また悲しみに凍り付いてしまう様など想像したくも無い
それでも、エリオと彼の両親の親子関係が修復できたように、キャロもまた、両親に受け入れて貰えるかも知れない

「話ができなくても、元気な顔を見せるだけでも良いから・・・あの子を、ご両親と会わせてあげたいな」
「なぁ、フェイトちゃん。私としては、キャロが自分で会いたいって言うたんやったら、どうにかして休暇取り付けたげるよ?2人分・・・エリオも連れてくんやったら3人分やね」
「え、でも・・・流石に、それはダメだよ。ライトニングばかりそんな風に特別扱いするのは。シグナムやみんなに申し訳無いよ。
そうでなくても、みんなには私達のシワ寄せが行ってるくらいなんだし・・・」

困り顔のフェイトで俯くフェイトに、突然はやてはフェイトのデスクに掌を叩き付けて、鼻先がぶつかりそうになるくらいまで顔を寄せて、ガツンと言い放った

「あの子らの笑顔護る為なら何でもするんやなかったの!!?私を叩きのめして休暇をもぎ取るくらいの根性見せなアカン!!!」

柳眉を吊り上げた旧友の顔に、フェイトは目を丸くするばかりである

「それを何?特別扱いがダメ?みんなに申し訳ない?家族や無いの!?我が子の涙を止めたげる事もできんの!!?
子供の為に全力を尽くせへんのやったら、ホンマにお母さん失格やよ!!」

怒声を叩き付けたはやての方が、何故か目尻に涙を浮かべていた
怒鳴りつけられたフェイトは、一つ頷くと、はやての顔を真っ直ぐに見て、

「・・・八神部隊長。フェイト・テスタロッサ・ハラオウン以下3名、休暇をいただきます」
「よろしい、3日間しっかり休養取ってな。こっちの心配はせんでも良えよ」
「うん、ありがとう。はやて・・・それと・・・」
149nowhereU:2007/12/08(土) 00:11:00 ID:dIVCkChA
「それと、何?」
「・・・ん、ううん。何でもない。それじゃ、エリオとキャロにも伝えてくるから」

ごめんね、という言葉は飲み下して、フェイトは足早にオフィスを出て行った
一人、残ったはやては、親友の長い金髪が消えるのを確かめてから、でっかい溜息を吐いた

「・・・はぁ、管理職の言うセリフや無いなぁ・・・やっぱり、甘いなぁ。私」
「はやてちゃん、どうかしたの?何だか大きい声が聞こえたけど・・・?」

戸口からひょっこり顔を覗かせたのは、彼女の騎士の一人で、医務室の主:シャマルだった

「あ、シャマル・・・うん、ちょっと、フェイトちゃんにお説教しとったんよ」
「お説教、ですか・・・?」

意外な単語が飛び出してきたことに、シャマルは少し眉を顰めて見せた

「うん、ちょっと、一言物申したいことがあってな・・・ま、それはもう良ぇんやよ。みんなご飯は?」
「まだ食べてませんけど・・・?」
「ほんなら、今日は久々にみんなで一緒に食べよ!」

そう言って、彼女はシャマルの腕を取ると食堂目掛けて進軍を始めた。全速前進やー!と声を張り上げるはやてである

「ねぇ、はやてちゃん。フェイトちゃん、何か仕事で失敗でもあったの?」
「ん〜、仕事で失敗っちゅうか・・・まぁ、一家の家長として、一言アドバイスを、な。さ、はよ行こ!お腹ぺこぺこや!」

食堂に入ると、席について待っていたヴィータがシグナム相手になにやら唇を尖らせていた
どうやら、はやてが来るのを待ちきれないらしい。そんなヴィータにシグナムが小言を呟いたようだ。だが、次の瞬間にはシグナムの腹の虫も大きく泣き叫び、
彼女はばつが悪そうな顔で俯いた。武士は喰わねど高楊枝、という反論はこの場合適切なのだろうか?
それよりも、エサ皿の前でずっとおあずけくらっているザフィーラをどうにかしてやらなくて良いのだろうか?

「お待たせやよーっ!!」
150nowhereU:2007/12/08(土) 00:11:36 ID:dIVCkChA
遅いよー!というヴィータの可愛らしい抗議に笑顔で謝りながら、はやては席に着いた
全員揃って手を合わせ、いただきます、という唱和が終われば卓上は正に戦場と化す

毎日繰り返される、有り触れた光景・・・こんな光景を、エリオとキャロにも見てもらいたかった。夢見るだけではなく、現実のものとして

「・・・でも、フェイトちゃんにはちょっときつく言い過ぎたかな・・・」
「主はやて、テスタロッサがどうかしましたか?」
「お、流石シグナムはフェイトちゃん絡みの話題には敏感やね」
「わ、私は別に、あいつの事など・・・ただ、副隊長として、上の者がしっかりしなくてどうするかと思っただけで・・・」
「はいはい。そういう事にしとこか」

はやてとしては、エリオとキャロと、フェイトとの家族関係を悪く思っているわけではない。あの3人の間の絆は本物だと思っている
だけど、できることなら、実の両親との関係も大切にして欲しい・・・死に別れたわけでは無いのだから・・・夜天に瞬く星空を眺めて、はやてはそう思った



さて、翌日である
昨夜の内に身支度を済ませていた3人は、早朝には寝惚け眼のヴァイスの操縦で空港まで飛び、そこから本局を経由して第6管理世界に跳んでいた
現地惑星名称では“バレアラック”と呼ばれている

「えっと、現地惑星名称:バレアラック。文化レベルC、魔法文化B。年間平均気温氷点下4度。厳しい環境ながら稀少生物が多く、保護活動は盛ん・・・へくしゅっ!」
「特に、この惑星には竜種が多いことで有名なんだよ。エリオ、大丈夫?」

本局で貰ったパンフレットを読み上げながら、エリオは盛大なくしゃみをした
防寒着で着膨れした格好なのだが、流石にこうまで寒い所に来たのは初めてである。見ていて面白いくらいに身震いしていた

「そ、それで・・・ここアルザス地方の名前の由来にもなったアルザス山脈の中に、キャロの故郷がある・・・んだよね?」
「うん、そうだよ」

バリアジャケットの上に着込んだ防寒着で着膨れして尚、身震いが止まらないエリオとは対照的に、キャロはバリアジャケットの上に厚手の外套を引っ掛けただけの軽装である
それなのに、彼女は涼しい顔で頷いて見せた
151nowhereU:2007/12/08(土) 00:12:19 ID:dIVCkChA
「キャロ・・・寒くないの?」
「え?ミッドに比べれば随分寒いですけど・・・今の季節は本格的に寒い時期じゃないですし、今日は風も弱いから・・・少し暖かいくらいなんですよ?」

一層、身震いが増すエリオであった
空は厚い雲に覆われて、しんしんと雪が降りしきる空模様である。確かに、微風なのは幸いと言えた

「と、とにかく、支局に急ごう?バリアジャケットの常用許可と、緊急時の飛行許可の申請はしておかないと」
「はいっ!」「は、はひっ」

震える唇ではうまく喋れないらしい。そんなエリオの様子に、キャロはくすっと笑ってしまった


降って湧いた様な休暇と、突然の里帰りだが、キャロの表情が沈んだものでは無いことに、フェイトは少しだけ安堵していた
話を切り出したときは、喜びよりも驚きが強かったらしく・・・当たり前だが・・・目を丸くするばかりだったキャロだが、折角、はやてとフェイトが作ってくれた機会である
どんな結果になるとしても、両親に会いたい。彼女はそう決意して、帰郷に臨んでいた


「ま、まさか、こんなに寒いとは、想像してなかったよ・・・バリアジャケットの保温機能、目一杯上げてるんだけど・・・」

バリアジャケットには、耐衝撃・耐魔力機能に代表される保護機能が備わっているが、中には耐寒・耐暑など環境の変化にも対応できる機能も備わっている
が、バリアジャケットは魔力で作られる防護服・・・その保護機能は、本人の資質に左右されるため、寒冷地に不慣れなエリオのジャケットは耐寒性能があまり高くないようだ

「私は何度か寒冷地戦訓練は受けたことがあるからまだ大丈夫だけど・・・エリオ、大丈夫?」
「エリオ君、コレ、ポケットに入れておくと良いよ」
「ありがと、キャロ・・・わ、温かいね。懐炉?」
「うん、空港で売ってたの。買っておいて良かった・・・フェイトさんも、一つどうぞ。私の分はありますから、使ってください」
「ありがとう、キャロ。それじゃ、支局に急ごうか。ちゃんとした防寒装備が無いと、風邪を引いちゃいそうだからね」

はいっ!という元気の良い返事を返せたのはキャロだけで、エリオはガタガタ震えながら、凍える唇から情けない口調で返事をするのがやっとだった
とにかく動いて寒さを凌ぎたい。その一心でエリオは震える足をもつれさせる様な、不格好な早足で歩き出し、その姿に二人は揃って小さく噴き出してしまった
3人はしばらく歩き、やがて、支局の建物が目に入る・・・何だか、玄関の向こうの様子がおかしいことに気付いた
152nowhereU:2007/12/08(土) 00:12:59 ID:dIVCkChA
「・・・どうかしたんでしょうか?随分、慌ただしそうですけど・・・?」

キャロが呟いたように、玄関の向こうでは職員と思しき制服を着込んだ数人がバタバタと駆け回っているのが見える

「何かあったのかもしれないけど・・・とにかく、行こう」
「はいっ」「は、はひ!」

3人は揃って支局の玄関をくぐり、受付に向かった。受付卓の向こうには、頭痛を堪えるような顔で端末に向かっている中年女性が居る
何となく話し掛けづらいが、フェイトは、控えめに呼び掛けてみた

「あの、何かあったのですか・・・?」
「え?あぁ、あなたは・・・えっと、フェイト・T・ハラオウン執務官殿ですね。誠に申し訳ありませんが、少々立て込んでまして・・・」
「何か事件でも?」
「事件と言えば事件ですが・・・この星では、事件と言うよりも自然災害ですね。目下、接近中なんですよ」

自然災害、その言葉に、エリオとキャロは顔を見合わせた
確かに、災害への対応も管理局の仕事の内だが・・・接近中とはどういう意味だろうか?

「実は、山脈に氷竜種の大物が出たんですよ。保護指定じゃなくて、殲滅指定になっている暴れ者が。
それで討伐隊を編成しなきゃならないんですが、隊長格が療養中な上、本局の援軍が遅れてて・・・しかも、氷竜の進行ルートに集落があるんですが、避難勧告を聞かないんですよ」

弱り切った顔で彼女は溜息を吐いた・・・その言葉に、キャロは心臓を氷漬けにされるような悪寒を感じて、慌てて尋ねた

「あの、その氷竜って・・・亜竜ですか?まさか、真竜が・・・?」

受付卓に隠れるほどの背丈しかない少女からの専門的な質問に、受付担当の職員は驚いた顔を作ったが、慌てて顔の前で手を振ってキャロの懸念を否定した

「まさか。確認されたのは亜竜のドレイク種・・・一番ランクの低い竜ではあるんだけど、何せ大物でね」
「じゃぁ、その、避難勧告を聞かない集落の、部族名は・・・?」

最早、確信と言っても良いくらいの嫌な予感がしていた。アルザス山脈に住む現住部族は少ない・・・だが、まさか、
153nowhereU:2007/12/08(土) 00:13:43 ID:dIVCkChA
キャロの青ざめた顔色に、ただごとでは無い何かを感じたらしい、受付の女性は慌てて端末を操作し、表示された部族名を口にした


「ル・ルシエの部族、だね。このままじゃ、半日程で踏み潰されちまうっていうのに・・・偏屈な現住部族はこれだから!」


その言葉に、キャロは極寒の中であっても変えなかった顔色を蒼白にさせて、歯の根が合わないほどに身体を震わせ始めた
エリオは頽れそうになるキャロの身体を抱き留めるが、それでも彼女の震えは止まらない

「・・・フェイトさん!」

強い決意を宿した瞳に、フェイトは力強く頷いて見せた
首を傾げる受付の女性に向かってフェイトはお手本のような敬礼を向け、

「時空管理局本局執務官、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。微力ではありますが、事態の収拾に協力いたします」
「へ?あ、っと・・・ご、ご協力、感謝いたします」
「討伐隊の状況は?」
「え、ええっと・・・唯一Aランクの隊長格が抜けてて・・・Bランクの副隊長が一人、あとはCランクが4人。全員陸戦魔導師だよ」

予想はしていたが、辺境惑星の支局の戦力はそんなものか。と改めて思い直す

「・・・分かりました。私と、この子達が現場に先行します。ル・ルシエの部族の避難完了を最優先。殲滅指定の氷竜の撃退がその次。
防寒装備の貸し出しと飛行許可、魔力の戦闘運用許可をお願いします。それと、本局に私の名前で支援要請を。少しは動きが早くなるかも知れません」
「りょ、了解しました。防寒装備は人数分で?」
「お願いします」

面食らった顔の女性は、慌てて駆け回っていた職員を一人をとっ捕まえて、今すぐ倉庫に行って防寒装備を持ってこい。あの三人のサイズでだ!と怒鳴りつけた
フェイトは、未だに震え続けているキャロの身体をぎゅっと抱き締め、“隊長”の顔で二人に言った

「エリオ、キャロ。休暇は一旦お預け・・・防寒装備を受け取ったら出撃するよ。二人はフリードに乗って。キャロは道案内をお願い。まずはル・ルシエの集落を目指すよ」
「・・・フェイトさん・・・」
154nowhereU:2007/12/08(土) 00:14:19 ID:dIVCkChA
恐怖の為か、涙に潤んだ瞳を向けるキャロを安心させるように、フェイトは凛々しい笑顔を向けて、励ますように、ぱん、と彼女の肩を叩いた

「行こう、キャロ。生まれ故郷を守りに。良いね」
「は、はいっ!」

外套の袖でゴシゴシと顔を拭って、キャロは頷いた
そうだ、過酷な運命を嘆いている暇は無い・・・一刻も早く、ル・ルシエの里に急行して、避難を促さねばならない

「お任せしましたぁっ。防寒装備3人分、赤竜型のMと子供用2着。サイズはどうです?」

細身の男性職員が持ってきた防寒着は、着丈は足下まで覆い隠す程に長い外套だが、意外に薄手で、今着込んでいる防寒着よりも、随分頼りない・・・
思わず、手渡してくれた職員の顔を見返してしまうエリオだが、そんな少年に向かって苦笑を浮かべ、彼は短く説明した

「その外套、見た目は薄いけど、中に赤竜の魔力が籠もった鱗を縫い込んであるから、薄くても保温効果は抜群だよ。バレアラック支局自慢の装備さ」

その謳い文句を信じて、着込んでいた防寒着を全部脱いで、渡された外套を着込んでみた・・・袖を通して前を止めた途端に、じわっと身体が温かくなる

「うわ、確かに温かい・・・室内だと、暑いくらいだ」
「どうだい?大したもんだろう?」
「はい!これなら、外でも平気ですね」

寒さが凌げるとあって意気込むエリオだが、職員は一言釘を刺した

「確かに、外気に関してはそのコート一つで十分だろうけど、氷竜の冷気はどうにもならないからな」
「わかりました、ご助言、感謝いたします」
「飛行許可、及び魔力の戦闘運用、承認完了!幸運を祈るよ、執務官殿!」
「了解!さ、エリオ、キャロ。行くよ・・・ライトニング小隊、出撃する!」
「「了解!!」」

支局を飛び出し、そのまま飛び立っていった三人の背中を見送って、支局の職員達は武運と成功を祈った
15526-111:2007/12/08(土) 00:16:33 ID:dIVCkChA
今回は以上です
いきなり名前欄のタイトルを間違えたのは気にしないでやってください

第6管理世界・・・キャロの故郷がある世界に関しては公式設定がロクに無いので、捏造設定山盛りでお送りします
後編は、明日にでも

それでは、スレ汚し失礼しました
156名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 00:21:11 ID:brPrktAE
GJ!!
フェイトさんが相変わらず良いお母さんで安心したw
確かにエリオもキャロもまだまだ子供でお母さんに甘えたい年頃なんだよなあ・・・。
157名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 00:21:59 ID:VI3MwRtI
初リアルタイム記念
>>155
158名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 00:41:31 ID:m685CgR/
>>155
GJ!!
後半も楽しみにしてます。
そしてもう一度言わせて下さい。
GJ!!
159名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 01:27:36 ID:cyGzAI+s
乙です!
続編ってことはフェイトとエリオ、中々微妙な関係?
160名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 04:35:52 ID:aeVARYCt
投下してもよろしいでしょうか?
161名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 04:44:42 ID:VmGWXcKw
ok
16239-362:2007/12/08(土) 04:55:05 ID:aeVARYCt
他にもタイトル未定の人が出てきましたので、名前を変更しました。
作品名は「タイトル未定」のままですが・・・orz

とりあえず注意など
・とりあえず、前作からの続きです・・けど、時系列的には最初の話ですね
・ユノフェっぽいけどそうじゃないかも・・・・
・ヤンデレが出現します
・非エロなのは、自分がエロが書けないからです・・・orz
・捏造がたくさん
16339-362:2007/12/08(土) 04:55:39 ID:aeVARYCt
フェイトと付き合うことになった、その晩。
近くのレストランで、彼女と夕食を共にした後。
彼女を最寄の駅まで送り、その足で自宅へとユーノは帰ってきた。
「………………………」
帰り道。彼は一人、自問する。
これでよかったのだろうか、と。
「…いや、これでいいんだ……」
彼自身はこのままなのはを好きでいても報われないだろう。
それに、フェイトは自分を好きでいてくれてる。
だから、これでいいんだと。
そう、思う。
ぼんやりと歩いているうちに、家に着く。
鍵を鞄から取り出し、開錠し、ノブを回す。
そのまま、着替えもせずに自室のベッドに倒れこむ。

(なんだか…今日は疲れてるみたいだ、このまま寝ちゃっても、いいかな……)

今日はめまぐるしいことが多くあった。
ゆえに彼が疲弊しているのも仕方がないだろう。
倒れこんで、そのままメガネを外す。
手を伸ばし、TVの上にメガネを置く。
何かを考えようとしても、何も思いつかない。
彼は静かに目をつぶる。
そのまま、彼は意識を失っていった。



彼は、夢を見る。
白い少女の夢を。


吹き付ける風が、やけに寒かったのを憶えている。
なのは達と公園まで歩いているとき、北風がひゅうひゅうと鳴っていた。
その日は、闇の書の事件が終わり、彼が無限書庫からの招聘を受けた日だった。
彼は、その事を世話になった人たち、つまり、なのはやフェイト、クロノやリンディなどのアースラのスタッフ。ヴォルケンリッターたちやその主のはやてに報告をした。
「そ、そういうわけで、管理局の人から来ないかって誘われて…それで、さっき返事してきたんだ。」
「やるなぁ、ユーノ。……それで、もちろんOKしたんだろ?」
クロノは半ば予想していたのか、あまり驚いた様子はなかった。
16439-362:2007/12/08(土) 04:57:13 ID:aeVARYCt
「うん。その、部族の皆も賛成してくれたし…このまま世話になりっぱなしっていうのは、ちょっと。」
照れ臭そうにユーノは頭を掻きながら答える。
視線をクロノから逸らすと、視界の先に、なのはが映った。
彼女は、自分の船出を祝ってくれているだろうか?
そう思い彼女の表情を見てみると、何故かうつむいて、暗い表情でいた。
ユーノが自分を見ていることに気付いたのか、なのはは慌てて顔を上げ、笑顔を取り繕う。
「すごいね、ユーノ君……」
なのはがどことなく寂しそうに、呟いた。
「そうかな。その、僕はなのはのほうがすごいと思うんだけどな…あはは。」
空気を変えようと、彼はわざとらしく笑う。
なのはには、楽しそうに笑っていて欲しかった。
だが、お祝いのムードにも関わらず、彼女はずっと寂しげな様子だった。



その帰り、彼はいつものように、なのはを家まで送っていた。
いつもは会話が交わされるはずなのに、何故か無言で。
「…………………」
なのはは、悲しげに顔をうつむかせ、何も言わず、ただ歩いている。
さっきからずっとだ、とユーノは思う。
結局あの後も、なのははずっとこんな調子だった。
なんとか元気付けたいと、彼は思う。
いや、元気付けられるところまで行かなくても、悩みを聞くぐらいはしてあげたいと思った。
だが、そんな彼女に話し掛けられるほど、彼は勇気がなかった。
「…………………」
「…………………」
もう五分ほどで、なのはの家に着く。
そうすれば、この痛々しい沈黙も終わるのかもしれない。
そんなことを考えていたからだろう、早足で歩いてしまう。
ユーノが先に行ってしまっていることに気付いたなのはが、大声で呼びかける。
「ちょっと待って、ユーノ君!その……先に、行かないで欲しいな…」
後半になるにつれ、声がしぼむように小さくなっていく。
呼び止める声を聞いて、ユーノもやっと早足になったことに気付く。
決まり悪そうに、その場に立ち止まる。
なのははそのままユーノの傍に歩いてくると、足を止める。
「なのは?」
「………………」
無言でうつむく彼女は、彼の呼びかけにも応えず、ぼんやりと立っている。
「おーい、なのは?」
当然、彼は何かがあったのかと、声を掛ける。
すると、突然なのはは顔を上げ、彼の腕を掴む。
そのまま、なのはは何も言わず、彼の手を引っ張っていく。
「わ、わっ……ちょ、ちょっとなのは…何!?」
「いいから…ちょっと来て、ユーノ君。」
ぐいぐい、と強い力で引っ張られていくユーノ。
だが、そのまま引っ張れるのも恥ずかしいので、速度を合わせ、隣を歩く。
一体なんなのか聞きたかったが、その真剣な表情に何も言うことが出来ない。
とにかく、彼女についていこうと足を進める。

16539-362:2007/12/08(土) 04:57:57 ID:aeVARYCt

街灯が、薄暗い森をかすかに照らしている。
ほとんど照明としての効果が無さそうにユーノには思えたが、やはり無いのと有るのでは違うのだろう。
なのはに連れて来られた場所は、彼と彼女の出会った森だった。
よく考えれば、あれから一度も彼はここにきた覚えがなかった。
それもそうだろう、なのはとの出会いの地とは言え、自分が倒れていた場所なのだから。
自然と足がこの場所を避けていたのだろう。
夜の森は、殊更に不気味だった。
明かりはほとんど奥に届いて無さそうで、暗い闇が広がっている。
ユーノは尻込みするも、なのはが進んでいくので、意を決してついて行った。
どこからか鳥の鳴き声が聞こえてくる。
それが薄暗さと相まって、気味の悪い感じがした。
しばらく進むと、彼女は足を止め、近くの木に体を預ける。
やっと、話すことが出来そうだった。
「……どうしたのさ、なのは。」
「………………」
彼女は、うつむいたまま、黙っている。
自然と、彼も無言になる。
手持ち無沙汰に時計を見る。
幸い、時間だけはまだ多少の余裕があった。
彼は、なのはが話してくれるまで待つことにする。
彼女はぶつぶつと何かを呟いてから、彼のほうに向き直る。
「ユーノ君……これからは、やっぱり、なかなか会えないのかな…?」
悲しげなその声に、彼女も自分との別れを惜しんでくれてるのだと。
彼はちょっと嬉しく感じた。
「うん…これからは本局のほうに行っちゃうし……その、仕事をするわけだから。」
けれども、言わなければならないのは冷徹な事実。
その言葉に、ぎゅっとユーノの手を取り、すぅ、と息を吸って。
「ユーノ君…あの、あのね?」
「うん、何?」

「わたし…ユーノ君と離れたく、ない。その……そばに、いて欲しいな。わたしたちが、大きくなっても…」

「…………………!?」
その言葉に、彼はうろたえる。
彼がどう考えてもこの流れでは、彼女の告白と捉えるべきだったからだ。
ユーノはこの頃からなのはのことが好きであったので、それはとても嬉しいことである。
離れたくないとは、告白以外の何物でもないと。
熱に浮かされたまま、彼は答える。
「あ、あのさ…それは、今もずっとそばにいて欲しいって、そういうことかな?」
ドキドキしながら返答を待つユーノに、もちろんだよ、と彼女は頷く。
「今も、わたしたちが大人になっても、そばにいて欲しいんだ。」
内心の飛び上がりたい衝動を抑えながら、彼は言葉を吐く。
「いいよ…なのはと僕が大きくなっても……!」
僕はなのはの隣にいる、と彼は答える。
その言葉に、胸に飛び込んでくるのかと思ったが。
彼女は嬉しげに微笑むと、彼の手を離し、くるりと背を向ける。

(あ……あれ…………?)

ユーノは、なんか変だなぁ、と思う。
ここは感極まって抱きつくところなんじゃないだろうか。
そう思いながらぼんやりしてると、
「じゃあ、ユーノ君、帰ろ?」
照れ臭そうに笑いながら、彼女は振り向く。
なんだか変だな、と思いつつも、彼も帰ることにした。


16639-362:2007/12/08(土) 04:58:49 ID:aeVARYCt
そして、そのまま帰ってきたユーノである。
アースラの自室でぼんやりしながら、彼は考える。
あの後、なのははいつも通りに彼と話し、そのまま家に帰っていった。
どう考えても、恋人とかそんな感じではなかった。
「いやでも…あれって告白だよね?」
あの雰囲気、あの流れ、そうに間違いない。…告白されるなんてこれが初めてだが。
それに、彼女は帰り道にこう言ったのだ。
『ねぇ、ユーノ君。これから、一月に一回、一緒にお出かけしない?その、あんまり会えなくなっちゃうし……』
と、照れた表情で。
無論、彼はOKした。
なのはに会える時間は、これからの彼の心のオアシスとなるに違いない。
「へへへ……でも、なんでなのははデートって言わなかったのかな?」
そこで、はたと彼は思い当たる。
そういえば、なのはは無自覚にああいう言葉がすんなりと出てしまう子であるということを。
普通に考えれば、フェイトとリボンを交換したセリフも告白に近いだろう。
だがもちろん、彼女はそんな意図で言ったのではない。
「……………………」
冷や汗が、背を伝う。
ひょっとして、彼女は単に友達が一人減るのが寂しいからああ言っただけではないか?
よく考えれば、そっちのほうが正しい気もする。
その意味であったら、さっきの告白は「ずっと友達でいようね!」ってことである。
そうであるならば、それを受け入れたユーノへのあの態度も理解できる。
すっかり安心したから、あの後いつも通りだった。
告白ではないから、あの時胸に飛び込むとかそういうことをしなかった。
だとすれば、なのはがデートと言わなかったのは、なのはがユーノとの約束を文字通り『お出かけ』として考えているからだ。
「……………………」
冷や汗が背をべったりと濡らす。
―ヤバイ、僕、すごい痛々しいじゃないか。
あの後、彼はすっかり恋人同士だと思って、ガチガチに緊張して。
手を握ったほうがいいのかなんてずっと悩んでいた。
その上、これからは両想いなんだなぁとぼんやり歩き、電信柱に激突した。
『お出かけ』の話の時には、緊張して舌を噛んでしまった。
「…どうしよう……………………」
明らかに、自分は痛々しい上に変な人じゃないか。
「いやでも、ひょっとしたら本当に告白かもしれないし!!」
彼はそう言って自分を慰めた。
なのはがここにいない以上、彼を慰めるのは彼しかいなかったのだ。


16739-362:2007/12/08(土) 04:59:42 ID:aeVARYCt
「あはははははははははは……」
翌日。
彼は学校帰りのなのはとフェイトを送っていった。
その時に今までと違う反応があれば、あの時の言葉は告白だと考えることにしたのだが。
いつもの通り、二人が仲良さげに喋っていただけであった。
時折、彼にも話が向けられることもあるが、彼としてはのんびり会話している心の余裕がないのだった。
なのはの一挙一動をじっと見て、何か変わっていないか、彼なりに確かめたのだった。
さて、結果はどうなったか。
彼女の態度はなんも変わりなかった。
愕然とするユーノなど知らぬように、なのはは手を振って家に入っていった。
「また明日…あれ、ユーノ?どうしたの?ねぇ?」
「……………………あはは。」
フェイトも彼の態度の異変に気付いたらしく、先程から何か言ってるようだが、彼の耳には届かなかった。

(ああ、やっぱあれって告白じゃなかったんだ………僕、なにやってんだろ…あは、あははははははははは……)

なのはが彼のことを友達としか思っていなくても。
それでも、彼がなのはを好きなことに変わりはない。
とりあえず、彼女が自分との別れを惜しんでくれているだけでも上等だと、そう思うことにした。




彼は、夢を見る。
黒の少女の夢を。





春の陽気…とは言えないまでも、それなりに暖かくなってきた三月下旬。
聖祥大付属小学校の卒業式がしめやかに行われた。
そのまま中学に上がる生徒が多いので、市立の小学校のように別れを惜しむ姿というのは見受けられない。
「卒業…しちゃったね……」
ぼんやりと、フェイトが呟く。
どこか、寂しそうに。
「そうやね………」
はやてもぼんやりと佇んでいる。
普通の生活を送ってこなかった彼女らにとっては、やはり卒業とは感慨深いものなのだろう。
ユーノも、この卒業式に参加―と言っても父兄の立場での参加だが―していた。
仕事を休む手続きなど色々あったものの、彼女らの卒業を見ることが出来てよかったと思った。
「……ユーノ君、今日はごめんね?その、わざわざ忙しいのに…」
なのはがすまなそうに彼に言うけれども、謝る必要なんてない。
「大丈夫だよ。なんて言っても、なのは達の卒業式だしね。」
そう言って、彼はまだ校門の前でぼんやりと立っている二人を見る。
16839-362:2007/12/08(土) 05:01:15 ID:aeVARYCt
この三年のうちに、彼女らも大分成長していた。
はやては闇の書による力の逆流がなくなり、普通に歩けるようになった。
今では、何キロも走ることだってできる。
フェイトは最近はツインテールをやめ、髪を下ろすことが多くなった。
背も伸びて、あの頃の彼女達とは見違えるようであった。
「そう言ってくれるのは嬉しいな…えへへ。」
嬉しそうに目の前で微笑んでいる彼女も、やはり変わった。
最近は髪型をサイドポニーに変えたらしいし、もちろん彼女の身体も大分成長している。
「そろそろ、行かないとじゃないかな?皆待ってるし。」
「そうだね。せっかくパーティー開いてくれるんだもん、遅れちゃダメだよね。」
この後、卒業記念パーティーが高町家にて行われる予定であった。
一旦家に戻らなくてはならないアリサやすずかは先に帰り、今はこの四人だけがここにいる。
「フェイトちゃ〜ん!はやてちゃ〜ん!もう行こうよ〜!」
なのはが、二人を呼ぶ。
二人はハッと気付いたように振り向き、苦笑を浮かべる。
「すまんな?ちょっとぼーっとしてもうて…」
「別にいいよ。それより、皆待ってるし、早く行こう?」
なのははいいよいいよと手を振り、先に歩き出す。
フェイトは、まだ校門のほうを未練げに見ている。
「フェイト?」
「ああ、ごめん、ユーノ。こういうの…初めてだから、なんかね……」
苦笑しながら、こちらに歩いてくる。
前を見れば、なのはとはやては、先に行ってしまっていた。
「急ごうか?」
「……いいや。その、のんびり歩きたいんだ。」
いつもなのはにべったりな彼女がこう言うとは珍しいが、そんな時もあるのだろう。
そういう時はひとりにしておくのが一番なのかもしれないが、フェイトを一人にしてなのは達に合流すれば、二人に何を言われるかわからない。
ふぅ、と溜息をつき、彼女の隣を歩く。
のんびりとした彼女の歩みに、これは遅れるだろうなぁ、と思いながら、彼は無言でついて行くことにする。
「ねぇ………ユーノ。」
「ん?」
彼女から話し掛けてくるとは、かなり珍しいことである。
だが、この状況では仕方ないかな、とも思う。
彼以外に話し相手など、いないのだから。
「………いや、なんでもないよ…」
言いかけて、やめてしまう。
彼女のその態度が気になったものの、言いたくないのなら仕方ない、と思い直し、また無言で歩き出す。
結局、そのまま会話が交わされることなく、高町家に着いたのだった。




16939-362:2007/12/08(土) 05:01:47 ID:aeVARYCt

さて、高町家のパーティーである。
子供は子供同士、大人は大人同士と言うことで、子供組は高町家、大人組はハラオウン家にてそれぞれのパーティを行う運びとなった。
そういうわけで高町家に残ったのは、なのは、ユーノ、フェイト、はやて、アリサ、すずか、ヴィータ、クロノの計七人だった。
当初は、非常に平和な空気で皆がパーティーを楽しんでいた。
が、とある騎士が忘れていったものが、全てを変えてしまった。
「…もう、飲み物がない。どうするか……お、なんだ、こんなところにまだあるじゃないか。」
クロノは、それを発見した。
「ほんま?…でも、これ缶ジュースやなぁ……どないしよ……あ、紙コップがある!」
はやてが、それを飲むための紙コップを用意した。
「結構少ないね……どうしようか?」
「う〜ん…しょうがない、早い者勝ちにしよっか。」
アリサとすずかが、それを紙コップに注いだ。
ちょうど、五人分の量だった。
「あれ、ヴィータちゃん?ユーノ君とフェイトちゃん、知らない?」
「ユーノ?ユーノは知らないけど……フェイトならトイレ行ってたぞ。…それより、なのは、飲んじゃおうぜ、これ!」
そうして、この席にいないユーノとフェイトを除き、彼ら全員にそれは行き渡った。
「ユーノ?さっき、お菓子を買い足してくるって出かけて行ったけど。」
結論として、彼らはそれを飲んだのだった。
誰一人、漏れなく、である。
その頃、ユーノはスーパーの袋をぶら下げながら、パーティー会場である高町家に戻ろうと、心もち早足で歩いていた。
「さて……と、これだけお菓子足せば十分だろうし…飲み物も買ったし、これでいいよね。」
皆待ってるだろうと、そう思いながら。彼は帰途につく。
高町家で何が起こっているか、まるで知らずに。





「結構戻るのに時間かかっちゃったけど…しょうがないか。」
そう言って、彼はドアのノブを回す。
「大体なぁ…チビだっていいだろうが!執務官に背の高さなんて関係あってたまるか!!」
ユーノが家のドアを開け、居間に入ったところで最初に受けた言葉は、クロノの愚痴であった。
「へ……な、何、クロノ?」
まったく状況が飲み込めない。
突然クロノがこんなことを言うなんて、訳がわからない。
「エイミィもエイミィだよ…いっつも僕のことを弟扱いして…」
愚痴を続けるクロノから、目を奥に向けると、そこには。
惨状が、広がっていた。
「あっははは〜すずかちゃんが増えとる〜!もっと増えないんか〜?」
「もう、増えてるのははやてちゃんだよ〜?あははは〜」
何がおかしいのか、正座で互いの顔を見ながら、楽しそうに笑いつづけるはやてとすずか。
「誰がツンデレよ!?あんた、まったくなんもわかってないわね〜!」
花瓶に向かって、怒鳴り声をあげているアリサ。
17039-362:2007/12/08(土) 05:03:11 ID:aeVARYCt
「ううう〜…マジ頭痛ぇ…!」
「…………………」
頭を抱えて、気分悪そうに手を口にやっているヴィータ。
その横に、無言でコップをあおり、身体の中で叩き殺すようにして飲んでいるなのは。
―正直、なのはが一番怖い。
近づいたら、抜き打ちで斬られそうだ。いや、日本刀は持っていないが。
「な、何があったんだ…?」
彼はその惨状に数歩後じさりする。
ぐしゃっと、何かを踏み、転びそうになる。
「う、うわっ!!…なんだ、これ?」
それは、缶だった。
表面に、みかんが印刷されていた。
ミカンジュースか、と一瞬彼は思うが、その横にある文字は―
『アルコール3%』
「ってぇぇぇぇぇ!?お酒!?何でこんなところに…!」
見れば、好き放題をしている彼らの近くには、酒瓶や手に持っているのと同じような缶が点々と転がっている。
どう考えても、大人でも酔う量以上だ。
「一体どこからこんな量…」
ふと見ると、戸棚が片っ端から開けられていた。
台所は言わずもがな、リビングの棚まで開けられていた。
もはや無差別で捜索したらしい。
そこまで見てから、彼は気付く。
フェイトが、いないことに。
記憶を探ると、自分が出て行ったときには、確かにいたはず。
それから誰かが外に行かなければいけない用事は、ないはずだった。
「ん………?」
よく見ると、庭に通じる窓の端っこで、フェイトがこっちを見ていた。
そして、ユーノに向かってこっちに来いと、手振りする。
避難しているところを見ると、どうやら、酔っ払ってはいないらしい。
何とか逃げ道を見つけたユーノは、安堵の溜息を吐く。
彼も急いでそっちに避難することにするが、無言で酒をあおっているなのはがじろり、と彼を見る。
蛇に睨まれた蛙のように、ユーノは動けなくなる。
「……どこ行くの?ユーノ君?」
「と、トイレ?」
「トイレは外にないけど?」
なんだか、睨む視線が強くなった気がする。
その視線に耐えられず、目を逸らす。
「い、いやぁ…外の風に当たろうと思って?」
「さっきまで、買出しに行ってたよね?」
何故か、なのはが怖いのだが、それを指摘するともっと恐ろしいことになりそうだった。
「僕はね…いやぁ、あははははは、その…実は、外に行きたいんだよ!」
そう言って、走って逃げるユーノ。
なのはは、追って来なかった。
だが、じろり、と彼を睨んでいた。
その視線が恐ろしく、急いで外に出て、窓を閉め、なのはの視界から逃げる。
恐怖で息が荒い。そのまま、疲労感を感じた彼は地面にへたりこむ。
「はぁはぁはぁはぁ……」
「大丈夫?ユーノ?」
「だ、大丈夫なわけないよ!」
あの視線で見られ続けたら、恐怖で寿命が半分になりそうだった。
「その…わたしがあの…その…えと、お手洗いから戻ってきたときには、もう皆あんな感じで…」
彼女が、酒の毒牙から逃れたのは、トイレに行っていたかららしい。
そして、あの惨状になっていたのならば、どうしようもなかっただろう。
17139-362:2007/12/08(土) 05:09:46 ID:aeVARYCt
だからと言って、何も言わないで過ごすというのも、露骨に避けているようで嫌であった。
別に彼は、フェイトのことが嫌いではないのだから。
「………………」
「………………」
かといって、話す話題など…
「あ、」
彼は思い出す。
パーティーの前に、フェイトは何かを言おうとしていたはず。
それを聞いてみることにした。
「そういえば、学校からの帰り道、何か言いかけてたよね?あれ、なんだったの?」
「………………」
顔を伏せて、フェイトは黙りこくる。
あ、ダメか。と彼は思う。
どうやら一番触れて欲しくないことのようである。
そうでもなければ、この状況で無言のままでいないだろう。
しょうがないので、何か他の話題でも振ろうとユーノが口を開きかける。
「…一つ、約束してくれるかな?」
「え…?」
「他の人には…その、言わないでもらえないかな?」
その真剣な態度に、ユーノは真面目な顔で頷く。
どうやら、重い内容のようである。
そんなことを自分が聞いてもいいのかと思ったが、彼女が話したいのだったらいいか、と思い直した。
すぅ、と彼女は覚悟を決めるように、深呼吸する。
「そのさ、ユーノは、わたしの好きな人…わかるよね?」
「なのはでしょ?」
即答する。
普段の態度こそ知らないが、今日の卒業式での態度だったり、パーティーでも。
なのはの皿に親切すぎるくらいに料理を取り分けたり、なのはの皿から料理を食べたり…etc。
どう考えても、それ以外にはなさそうだった。
その言葉に、ガクリ、と手を地面につき、うなだれるフェイト。
「……やっぱり、ユーノから見てもそうなんだ?」
声がどことなく、しょんぼりしているようだった。
「まぁね……」
「ねぇ…なのははわたしがそうだって、わかってると思う?」
うなだれたまま、彼女は問い掛ける。
「いや、なのはは気付いてないんじゃないかな?多分だけど。」
彼から見ると、なのははフェイトの態度をただの友情表現と捉えているようだった。
その証拠に、彼女のやっていることを、嫌がりもせず受け入れていた。
愛情表現だとわかるなら、なのはがレズビアンでもない限り、フェイトを避けるだろう。
「そ、そう…なんだ。……ねぇ、ユーノ、そういうの、やっぱり変だよね?ダメだよね?気色……悪いよね?」
うなだれたまま、ポツリと、彼女は呟く。
自嘲しているような、悲しげな彼女の声。
その姿は、とてもつらそうで。
彼は、彼女を慰めたいと、そう思った。
それに、彼は。
「いや…僕は、そうは思わないよ。変だとか、気色悪いとか。」
そんな彼女に嫌悪感を感じてなどいなかった。
その言葉に、顔を上げ、ユーノの顔をびっくりしたような表情で眺める。
17239-362:2007/12/08(土) 05:11:19 ID:aeVARYCt
「嘘…だよ。本当は、自分でもわかってるんだ、こんなの、変だって。おかしいって…」
泣きそうな声で、フェイトは自分を傷つける。
「別に変じゃないって…ほら、掴まって。」
フェイトの手を引っ張り、立ち上がらせる。
地面に手をついていたからか、草などで掌が汚れていた。
ぼんやりとしたままのフェイトの手を、ハンカチで拭きながら、彼は続ける。
「誰かが、他の誰かを好きになっていけないなんて、僕は思わない。」
「嘘…だよ……ユーノは、なのはが好きなんじゃないの?だったら…」
けれども、フェイトはうつむいて、ユーノの言葉を否定する。
その優しさが、信じられないと。
「それでも、だよ。僕がなのはを好きだからって、他の誰かがなのはを好きになっちゃいけない、なんて思わないし。」
なのはは、皆に好かれるような性格なのだ。
そんなことを思っていては、やってられない。
「……………………」
「それにさ、そういう風に遠まわしに諦めろとか…言いたくないんだ。」
まだ、ユーノが自分の手の汚れを拭っていると気付いていないのか、フェイトはうつむいたまま。
「どうせやるならさ、どっちも本気で…なのはの言葉じゃないけど、全力全開で、それでやるなら僕はいいと思う。」
「なのはが、ユーノ以外の人を選んでも?」
「…なんとか、諦める…かな。まぁ、何ヶ月かは引きずると思うけどね。」
あはは、と軽く笑いながら、彼は彼女の手を拭き終え、ハンカチをポケットに仕舞う。
「ユーノは、優しいね。わたしより、ずっと。……わたしなら、そうは思えないだろうから。」
地面を見つめたまま、彼女は少し嬉しそうに。
「ユーノは、わたしが、なのはを好きでも、いいんだよね?」
「もちろん。ってことは、僕とフェイトは敵同士…ってことになるのかな?」
「わたしは…そんな殺伐としたのは嫌だな。どうせやるなら、明るくしたいし。」
そうだね、と彼は同意する。
自分だって、敵とか味方で徹底的に色分けするのは好きじゃない。
「あ、さっきからありがとう、ユーノ。」
「ああ、手を拭いたこと?別にいいよ。フェイトは女の子だし、そういうことに気を使うかなって思っただけだから。」
彼女からお礼を言われるのは、ちょっとくすぐったくもあった。
彼は照れ笑いをしながら、意味もなく、空を見上げる。
「……………」
フェイトはちょっと考えてから、ユーノに話し掛ける。
悪戯を思いついた子供のような笑みを、浮かべながら。
「そういえば……ねぇ、ユーノ?知ってる?なのは、一月に一日だけ、どこかに出かけてるみたいなんだ。それも、この辺じゃないんだってね。」
その言葉に、ユーノの身体が石化する。
空を見上げた、その体勢のままで、全身が硬直した。
フェイトの言っているなのはの用事とは、彼女が言ってきた、「一月に必ず一回遊びに行こう」ということ。
即ち、ユーノにとってのなのはとのデートに他ならない。
無論、毎月何日に、と決めているわけではないので、足がつきにくいと思っていたが、フェイトの探索能力は予想以上らしい。
いや、今はフェイトの能力を称えている場合ではない。
なんとか誤魔化せないものか、考えるのが先決である。
硬直から開放されると、彼は視線を空からフェイトに戻す。
しかし、彼の目はフェイトの顔を直視することは出来なかった。
「へ、へぇ……そうなんだぁ。ぼ、僕は知らなかったな。一体どこに行ってるんだろうね?」
「ああ、それは調べはついててね、この国の他の街に行ってるらしいんだ。」
白々しいユーノの返答にも、その笑みを顔から絶やさず、フェイトは続ける。
「それでね。ちょっと変なことがあって。」
「変なことって何かな?僕ちょっと用事あるのを思い出したから…」
何を言われるのかわからないが、それを言われれば、自分は間違いなく追い詰められるだろう。
逃げ出そうとするが、酒を飲んだなのは達のことを思い出し、今戻ればもっと悲惨なことになりそうだと思い、立ち止まる。
「なのはの出かける日には必ず、本局から誰かがこっちに来てるらしいんだ。……巧妙に偽装してるらしくて、調べるのに苦労したけど。」
逃げようとしたユーノの背中に、フェイトの視線が突き刺さる。
ふふふ、と笑うフェイトから逃げられない。
くるり、とフェイトのほうを向きなおったユーノは、笑うしかなかった。
「あ、あははははははははは。」
「ふふ、ふふふふふふふふふ。」
にこにこと、笑っているフェイト。
17339-362:2007/12/08(土) 05:13:44 ID:aeVARYCt
とりあえず逃げられないから笑ってみたが、どうにもならなかった。
思考の混乱したユーノの次の手は、この一手だけだった。
彼は笑みを顔から消すと、数歩後ずさり、素早く地面に正座し、手をついて頭を下げる。
「ご、ごめんなさい!僕が、なのはと毎月出かけてる張本人です!す、すいませんでした!!」
「え…?いや、別に、ユーノ…そこまでしなくても。」
ただ平伏する彼に、やや呆れたような声を出し、しゃがんでユーノの顔を覗き込む。
「ね、ユーノ?わたしは別に怒ってないんだよ?」
「ほ、本当?じゃあ…」
顔を上げ、フェイトの顔を見る。
そこには満面の笑み。
彼は、ほっと溜息をつく。
「ただね、お願いがあるんだけど?」
にっこりと笑ったまま、彼女は有無を言わさぬ口調で告げる。
「そのデート、わたしも連れていってくれないかな?」
もちろん、お願いなどではなく、連れて行けという命令である。
「ごめん、それはム…」
「そのデート、わたしも連れていってくれないかな?」
「あ、あの…」
「そのデート、わたしも連れていってくれないかな?」
笑顔で無理に押し切ろうとするフェイト。
しかし、ここでユーノは退くわけにはいかない。
なんと言っても、自分となのはだけの時間なのだから、邪魔をされたくないのである。
「……ユーノ、強情だね。」
拗ねたような、そんな瞳でユーノをじっと見る。
ユーノも負けじと、じっと見つめ返す。
このままでは埒があかないと思ったのか、フェイトはちょっと考えるようなそぶりをする。
「うーん………じゃあ、交換条件っていうのはどうかな?」
「交換条件?」
正座したままのユーノは、訝しげにフェイトを見る。
「そう、交換条件。ね、ユーノ。なのはがいつも何してるか、知りたくない?」
「そりゃ…知りたいけど……」
自分は既に無限書庫で働いている。この街に来れる回数だって、そんなに多くない。
いつも何をしてるか知りたくても知ることが出来ない。
悔しげに顔をうつむかせるユーノを見て、フェイトは、にやっと笑って、
「わたしさ、なのはと一緒に中学校に通うんだ。ユーノ、知ってる?」
そんなこと、当たり前ではないか、とユーノは当然のように頷く。
「なのはが何してるか、ユーノよりはよく知ってるよね?」
「あ……!」
フェイトの言いたいことが、やっとユーノにも飲み込めた。
「交換条件。なのはが普段何をしてるか、わたしはユーノに伝える。そのかわり、ユーノはわたしもデートに連れて行く。どうかな?」
なのはとの時間も大事だが、なのはのことも知りたい。
しかも、フェイトは女の子なのだ。
ユーノには全く見せない、なのはの別の面も知ることができるかもしれない。
なのはと二人きりの時間を捨てるのは手痛いが、常になのはの情報があるのは相当なメリットがある。
それに、彼女は今のところユーノを友達にしか思っていないだろう。
ならば、下手に進展させようとするより、フェイトから情報を貰って着実に進めていくほうがいいに違いない。
「わ、わかった。交換条件、それでいいよ。」
「交渉成立…だね。」
嬉しそうにフェイトは笑い、手を差し出す。
どうやら、握手をしようということらしい。
ユーノは立ち上がり、握手しようとするが、自分の手が草などで汚れていることに気付き、急いで拭こうとする。
「もう……別にいいのに。」
そんなユーノを見て、呆れたように苦笑する。
そうは言われても、これは彼の性分なのだ。どうしようもない。
ハンカチで手を拭いてから、彼はフェイトの手を握る。
―その手は、思ってたよりも、ずっと、小さく、柔らかかった。
その感触に、彼は赤面し、うつむく。
そんな彼を、不思議そうにフェイトは見つめる。
17439-362:2007/12/08(土) 05:14:34 ID:aeVARYCt
「どうしたの?」
「な、なんでもないよ…でも、フェイトが僕と協力しようだなんて言うなんてなぁ。」
握った手を離し、照れ臭そうに、フェイトから目を逸らしながら言う。
「それはユーノだからだよ…あ、そうだ。じゃ、今度はいつ会おうか?来週でいいかな?」
「へっ?」
なんで自分とフェイトが会うのだろうか、とユーノは間の抜けた顔をする。
その反応に不満なのか、フェイトは頬を膨らませる。
「情報交換、するんでしょ?だったら間隔は短いほうがいいよね。うーん…週二回ぐらいにしておこうか?」
「あ、あの……フェイトさん?別に直接会う必要なんてなくない?携帯でいい気がするんだけど…」
「あ、そっか。携帯の番号も知っておかないと。ユーノ今持ってる?」
そう言って、フェイトは自分の鞄から携帯を取り出す。
「持ってるけど…って違う!僕が言いたいのはそういうことじゃなくて!」
思わず携帯を出してしまったユーノは、先程からの疑問をフェイトにぶつける。
「どうして、直接会わなきゃいけないのさ?」
その疑問にフェイトは一瞬キョトンとしてから、悲しげな顔をしながら、
「ユーノは…わたしに会うのは嫌なんだ?」
「いやいやいやいや!そんなこと言ってないよ!?」
ユーノがそう慌てて答えると、フェイトはにっこり笑う。
「じゃあ、別にいいよね?」
「いや、ちょっと待ってよ。直接会うのはまだいいとして、なんでなのはよりフェイトに会う回数のほうが多いのさ?」
「…月一回にするの?そんな古い情報でいいなら別にいいけど。」
呆れたような顔で、ユーノを見つめるフェイト。
「いや、もっと多いほうがいいよね。よろしくおねがします。」
ぶんぶんと頭を振ってから、にこやかに微笑むユーノ。
そんな彼を呆れたような表情で見ていたフェイトは、何がおかしいのか、楽しげに微笑む。
「じゃあ、週二回で決定かな。あ、そうそう、集合場所だけど。クロノから教えてもらった喫茶店があってね……」
「そこにしようって?別にいいけどさ……」
投げやりに笑うユーノ。フェイトの言うことに口出しすることを諦めたらしい。
「決めることはそれだけいいよね?……あ、約束はちゃんと守ってね?」
「そりゃあね。約束したこと、破るつもりはないし。」
しかし、どうやってなのはに切り出そうか、それが問題だった。
悩むユーノに気付いていないのか、フェイトは明るい口調で、
「じゃあ、わたしたちの協力体制の完成、だね。どっちが勝っても恨みっこなしってことで。」
「いや、まだだって。」
まさか、そこでユーノが否定するとは思わなかったのだろう。
え?と首をかしげるフェイトに、彼は先程取り出した携帯を見せる。
「アドレスの交換、まだしてないだろ?」
そのユーノの言葉にフェイトはふふっ、と笑う。
「……ユーノも結構、乗り気だね。」
「……………協力体制、なんだろ。」
照れた表情で、けれど彼女からは目を逸らさずに。
まだ肌寒い夜、月と、赤い瞳だけが、そんな彼を見つめていた。


17539-362:2007/12/08(土) 05:15:27 ID:aeVARYCt




―さて、もちろんそれで話は終わらない。
その後、帰ってきた大人組に飲酒の現場を目撃され、フェイトとユーノを含む全員がお叱りを受けることになった。
そして、お仕置きとしてボランティア活動で街の清掃をすることになったのだった。
彼らが清掃しなければならない区域は広いので、組分けをすることになった。
その結果―
「…なんで、君なんだよ。」
「それは、こっちのセリフだよ。」
何の因果か、ユーノとフェイトは同じ組に分けられていた。
しかも、担当区域は一番広かった。
お酒を飲んでないのになんで、とは思うものの、クジで負けたのだからしょうがない。
「あーあ…クロノ、なのはとだってさ。いいよね…」
フェイトがゴミを掃きながら恨みがましく呟く。
陰鬱な気分は彼だって同じだ。
「僕だってなのはがよかったよ………」
そうは言うものの、フェイトでもいいのかもしれない。
少なくとも、ヴィータやはやてやアリサやすずかと同じ組になるよりは、気楽にできる。
彼女達とは、何を話せばいいのかわからない。
クロノだったら同性同士、話すことはあるのだが。
「でも…まぁ、ユーノでもいいかな。」
え?とユーノは驚いてフェイトを見る。
ちょうど、掃いたゴミをゴミ袋に入れていた。
「そういえば、今までなのはとデートで何話してたか、聞いてなかったし。」
振り向いて、楽しげに笑う。
だが、ユーノとしてはちっとも楽しくない。むしろ苦行に近い。
晴れた空の下、空き缶を拾いながらユーノは思った。

(やっぱり、他の人のほうがよかったかなぁ?)

と。



17639-362:2007/12/08(土) 05:17:56 ID:aeVARYCt
と、いうわけで二人は仲良しになりましたとさ。


この後に出てこない人が出過ぎてる気もしますが、気にしない。
とりあえず、ヤンデレ等の修羅場展開は次回以降です。
今回は伏線ということにしていただければ…

筆が早い人がうらやましいです。
177名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 05:29:52 ID:eUPP6wwd
おお、GJ
良い補間話でした

しかしこう見ると、なのはが何考えてるのか分からなくて怖いな
って、次回以降修羅場かよww
うは、怖い方向に転がらないことを祈ってます(無理かw)
ささやかな幸せを掴んでくれーw
178名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 05:31:04 ID:ER4EIE/A
>>176
GJ! 次回を水垢離しながら待たせていただきます。
179名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 05:47:19 ID:eFkGZgxY
>>155
早朝にGJしてみるぜ。
寒さが苦手なエリオがいい感じだった。
180名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 06:13:04 ID:losdHvac
>>155
GJ!最近のザフィーラはろくな目にあってない気がするwww
そして、フェイエリのイチャラブ希望!


>>176
これまたGJ!
なのはは魔性の女だなwww
好きな娘から、そんな雰囲気でこんなこと言われたら、誰だって勘違いするわ
181名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 06:20:29 ID:eFkGZgxY
>>176 GJです。
>>179を書きこんでる間に投下されててビックリなんだぜ。
割り込まなくて本当に良かったぜ。ナイス偶然。

うわー、この伏線回はいいなぁ。次回から超楽しみです。
あとユーノはもうちょっとクロノを警戒しようぜ。
ここでなのはと組める引きの強さは侮れないんだぜ。
182名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 07:13:59 ID:m685CgR/
>>176
GJ!
次はヤンデレ展開か。
心の準備と胃薬を……しなくてもいいよね?
183名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 09:03:00 ID:9JpO4TIG
>>155

超GJ! キャロを弄ぶ天然エリオに萌えました。
フェイエリキャロの3Pがあると勝手に期待しようと思います。

>>176
 フェイトと逆に仲良くなっていくのにときめきますた。
184名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 09:35:05 ID:W4AZfOca
陵辱がTARINAI
185名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 09:59:14 ID:XPGP+v55
うん、きっといい陵辱の電波が職人さんに降りないんだろう……

自分で書くのも手だよ?
186名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 10:04:22 ID:YP+W6qNZ
>>176
GJ
フェイトが黒く見えてきました
コレ初めからユーノ狙いじゃないですか?
次回に超期待です
187名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 10:27:09 ID:b74+Lr1l
>>176
GJGJGJ!!
フェイトが黒いけど、フェイトに転んじゃうユーノの気持ちも良くわかる。
次回修羅場!? この3人で修羅場って……


 管理局史上最大のピンチだってのに、



   オラ、ワクワクしてきたぞ………………!!
188名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 10:29:14 ID:b74+Lr1l
すまんageた……吊ってくる。
189名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 11:33:35 ID:40WqOJAF
>>176
すでにこの時点でヤンデレの種は植わってたのかもしれないな・・・・・・。
てか、フェイトに転ぶフラグもすでにこの時点で立ってたのかもしれないな。

やべぇ、どう考えてもとんでもない展開になることはわかってるのに
wktkがとまらねぇ
190 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/08(土) 18:17:10 ID:lVKWtvw/
それじゃあそろそろ私も書きます。

・シグナム×フェイト
・以前フェイト×シグナム書いた事あったけど今度はシグナムが攻め
・エロ
・ガチレズ注意
・フェイトはなのはに対してレズ的感情を抱いているけど自分から馬鹿はやりません。むしろシグナムが…
・キャラ改変イヤンな人注意
・フェイト的には鬱っぽい要素とかあるかも(シグナムがフェイトの心を折ったり
なのはに裏切られたりするする描写あるし)
191お前に届け私の想い 1 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/08(土) 18:18:03 ID:lVKWtvw/
ある日、シグナムがフェイトにある事を話しかけていた。
「テスタロッサ…少し良いか?」
「シグナムどうしたの? そんなかしこまって…。」
何時も固めなシグナムが少々かしこまった表情でフェイトにある事を訪ねた。
「テスタロッサは…自分の運命の人と言うのを信じた事があるか?」
「無い…って言うと嘘になるよ。仮に私の運命の人は誰かって言われたら…やっぱりなのはだろうな。
なのはと出会わなければ今の私は無かっただろうし…精々がジュエルシード事件の実行犯として
今も牢獄に…なんて事もあったのかも。そう言う意味ではなのはには感謝してるよ。」
「そうか…。」
あっさりと答えるフェイトにシグナムは少々寂しげな顔をしたが、今度はフェイトが訪ねて来た。
「でもシグナムからそういう話をして来るなんて一体どういう風の吹き回しかな?」
ヴォルケンリッターの中でもクールな部類に入るシグナムが何故この様な
ロマンチックな(?)話をして来るのかフェイトにとって疑問だったのである。
「ふ…確かに以前の私ならばこの様な話をして来る事は無かっただろう。以前に使えていた主は
皆私達を道具としか扱っていなかった故…その様な事を考える余裕さえ無かった…。
だが…今こうしてお前とこの様な話をしているのは私達を家族として扱ってくれた
主はやてのおかげだろう。そういう意味では主はやてには感謝している。」
「そっか…。」
かすかな微笑を見せたシグナムにフェイトも思わず微笑んでしまうが、シグナムはさらに言った。
「話を戻すが…お前の本当の運命の人と言うのがいるとしたら…それはもっと近くにいるんじゃないのか?」
「は?」
フェイトにとって理解し難いシグナムの言葉に思わず首を傾げるが、シグナムは
先の一言を最後にその場から立ち去って行った。
「変なシグナム…。私にとって近くてかつ運命の人なんてなのは以外には有り得ないのに…。」

フェイトはなのはを愛していた。確かにその感情が世間ではレズビアンと呼ばれている事は知っている。
しかし…それでもフェイトはなのはを愛し、自分にとって運命の人はなのは以外に有り得ないと信じていた。
そのはずだったのだが………まさかあんな事になろうとは…………

しばらくして、仕事を終えて自室に帰っていたフェイトの所に同じく仕事を終えたと
思われるシグナムが訪ねて来た。
「どうしたのシグナム、こんな時間に…。」
「うむ…実は大事な話があってな…。」
やはりシグナムは先にフェイトに話しかけて来た時の様にどこかかしこまった表情になっている。
いつもクールで感情を表に出す事が少ない彼女なだけにフェイトも何処か不思議に思うのだが…
「あの時私が言ったお前への質問の答えを言いに来た。」
「え? あの時のって…運命の人はもっと近くにいるんじゃないのか? って奴?」
「そうだ…。」
シグナムは頷くが、フェイトは冗談半分に軽く笑っていた。
「そんな事の為に態々こんな時間に来るなんて…。」
「そんな事じゃない! 私にとっては大事な事なんだ!」
「え……。」
シグナムに突然怒鳴り付けられ、フェイトは思わず黙り込む。シグナムがここまで
感情的になるとは…フェイトとしても信じられない事だったのだから…
「はっきりと言わせてもらおう…。なのははお前の運命の人にはなり得ない…。
なのは以上にお前の近くにいて…それでかつお前の運命の人…それは私だ!!」
「え…………。」
若干頬が赤くなったシグナムにそう告白され、フェイトは一瞬唖然とし、その後で笑うしか無かった。
192お前に届け私の想い 2 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/08(土) 18:19:25 ID:lVKWtvw/
「ハ…ハハハハ……シグナムも冗談キツイな〜…。」
「冗談じゃない!」
シグナムはやはり感情的になりながら両手でフェイトの両肩を力一杯掴んだ。
「私は過去様々な主の下に仕え…様々な戦いを乗り越え…様々な者と会って来た…。
だからこそ分かるのだ! お前は私にとって他の者とは違う何かがあると……。」
「だから気のせいだよ気のせい…。」
やはりフェイトは信じがたい顔になっていたのだが、シグナムは真剣だった。
「私とお前が初めて会ったのは十年前…夜天の魔導書事件の時だったな…。
お前はまだ九つの幼子で…それでありながら幾多の戦いを経験した私と互角に渡り合った…。
その日から私は寝ても覚めてもお前の事ばかりを考える様になった…。如何に戦えば
お前を倒せるか…とな…。しかし…そうやってお前の事を考えている内に…
もう一つの感情が沸いて来ていたのに気付いた。私はお前の事が好きになっていたのだ!
過去の主の下で使えて来た時には抱いた事の無い新たな感情! これが恋と言うのだな!?」
「え…えええええええ!?」
真剣に問い詰められたシグナムにフェイトも慌てるしかない。しかしシグナムはなおも続けるのである。
「夜天の魔導書事件を終え…お前と共に戦う立場になってから…私は嬉しかった。
日に日に美しく…女として成長していくお前の姿を見守るのが…楽しかった。
しかし…同時に恐れもあった。成長する事も老いる事も無い私と違い…お前は生身の人間だ…。
その若く美しい体も永遠の物では無い…。いずれは老いる運命にある………。
だからこそ……今の内に……お前が若く美しい内に…………抱かせてくれ!!」
「え……? キャァァァァァァ!!」
余りにも突拍子の無い事にフェイトは意味が分からないでいたが、シグナムは
次の瞬間フェイトを勢い良くベッドへと押し倒していた。
「ダメ! ダメだよシグナム! 私はなのはが! なのはが好きなんだよ!」
シグナムに押さえ付けられながらもフェイトは必死に自分の好きな人の事を主張するが…
「何度も言うがなのははお前にとっての運命の人にはなり得ない。何故ならば…。」
そう言ってシグナムは何処からか取り出したリモコンの様な物を操作すると
空中にモニターが出現し、ある映像が映し出された。
「こ……これは………。」
そのモニターに映し出された映像を見たフェイトは愕然とした…。

「ユーノ君! 私頑張るよ! ユーノ君みたいに賢い子を産んで見せるよ!」
「僕も頑張るよなのは! なのはみたいに立派な魔導師になり得る子を産ませて見せる!」
映像の向こうにはベッドの上で全裸になって抱き合い愛し合うなのはとユーノの姿があり、
フェイトは絶望するしか無かった。

「あ……あああああ!! なのはぁぁぁぁぁぁ!!」
目から涙を滝の様に流し、頭を抱えるフェイトだが…映像の向こうのなのはは
それに気付く事無く一心不乱にユーノと交わり続けていた…。
「分かったか? これが証拠だ。お前がなのはを愛しようとも…なのははレズでは無い。
確かになのはもお前の事が好きなのであろうが…それはあくまでも親友と言う健全な対象でしか無い。
なのはが本当に愛しているのは…異性であるユーノに他ならないのだからな。」
「そんな……どうして……ユーノとは別に何も無いただの友達だって言ってたのに…どうしてぇ!!」
フェイトは信じられなかった。なのは自身の口からユーノはただの友達だと聞かされていた故に
この様に激しく交わりあい愛し合う姿が…本当に信じられない事であった。
193お前に届け私の想い 3 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/08(土) 18:20:41 ID:lVKWtvw/
「フ…単純に恋人同士である事を公言するのが恥かしかったのだろう。人前でそういう事を
大っぴらに言うのは誰だって恥かしい物だ。特にテスタロッサ…お前の前ではな……。」
「え……。」
「確かに嘘を付く事は悪い事だ。しかしなのはだって気付いていた…お前がなのはに
対してレズ的か感情を抱いていたのを…。それで大っぴらにユーノの事を愛している等と
言う事がお前の前で言えると思うか? もしそんな事になれば…お前はユーノに嫉妬して
傷付けていたかもしれない。そう。なのはがユーノと付き合っていた事をお前に秘密に
していたのは…ユーノを守ると同時に…お前を犯罪者へしない為の優しさだったのだよ!」
「そ…そんな…………。じゃ…じゃあ私はどうすれば………。」
フェイトは涙が止まらなくなった。一番愛していた者に裏切られた気持ちになったのだから…
しかし、そんなフェイトをシグナムが優しく抱いていた。
「今のお前の傷付いた心を癒せる者がいるとしたら……それはなのはでは無く…私以外には有り得ない…。」
「そんな…私は……嫌だ………なのは……なのは………。」
こうされてもなおフェイトはなのはを愛していた。なのはを求めていた…だが…現実は無情だ。
「だがなのははお前を抱いてはくれぬぞ? あの通りユーノに抱かれているのだからな。
だからこそ…お前を抱けるのは……本当にお前を愛する事が出来るのは…私だけだ……。」
「んっ!!」
シグナムがフェイトの唇を奪った。
「ん! んんん! んんんんん!!」
フェイトは必死に離れようとするが…シグナムは離さない。より強くフェイトの唇へ密着させる。
「ん……んん……ん…………………。」
それでも必死に抵抗していたフェイトだったが…まるでシグナムに力を吸い取られていく様に
身体から力が抜けて行き……動きを止めると共にゆっくりと目を閉じ、一滴の涙が零れ落ちた……
「んあぁ………。」
十秒後、シグナムの唇が離れた際には二人の唇の間には一条の唾液の糸が引いていた。
「どうだ……なのはだってここまではしてくれまい?」
「………………。」
口から唾液を垂らしながら笑うシグナムにフェイトは黙って頷くしか無かった。
「それでは…脱がすぞ……お前の美しい肢体を見せて欲しい………。」
シグナムはゆっくりとフェイトの服のボタンを外し、一枚一枚優しく脱がして行った。
フェイトは…観念したのか…はたまた抵抗出来ないのか…抵抗する素振りさえ見せない。
管理局の制服を脱がし終えた後に現れたフェイトの胸と股をそれぞれに隠した黒いブラジャー。
シグナムはそれにさえ手を掛けて優しく外した。やはりフェイトは抵抗する素振りさえ見せない。
「本当に凄い物だな…ほんの十年前はあんな幼子だったと言うのに…ここまで
美しい女へ成長するとは…私も驚きだ…。」
普段制服は茶色く、また黒いバリアジャケットを身に付ける事もあるフェイトだが…
それを全て脱がして一糸纏わぬ姿となったフェイトの身体は対照的に白かった。
そしてシグナムはフェイトの豊満な左乳房に優しく触れるとフェイトは一瞬ビクッと震えた。
「アッ!」
「ふふ…中々可愛らしい声を出す物だ。こういう事をされるのは初めてか?」
「シグナムの意地悪…。」
フェイトはやっと嫌そうな顔をしてシグナムを睨み付けるが…シグナムとしては今更感が拭えない。
「そんなに嫌なのなら私がお前の服を脱がす時点で抵抗すれば良かったのに…何故そうしなかった?」
「うう……だからシグナムは意地悪だと……。」
フェイトはまともにシグナムに言い返す事が出来ずに目に涙を浮かばせるのみだった。
「おっと…お前ばかり裸にさせては可哀想だな。それじゃあ私も脱ぐとしよう。」
そう言ってシグナムもまた制服のボタンを外し、服を脱ぎ始めた。
「……………………。」
194お前に届け私の想い 4 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/08(土) 18:22:05 ID:lVKWtvw/
フェイトがベッドの上で身動き一つせずに見守る中、シグナムは服を一枚一枚脱ぎ下ろし、
自らの裸体を露にして行く…。シグナムはフェイトの身体を美しいと評してはいたが…
シグナムの身体だって美しい……そう思うとフェイトの頬は自然と赤くなっていく……。
「どうした? 何か言いたそうな顔だな…言いたい事があるなら言って見ろ?」
服を全て脱ぎ終えたシグナムに心中を悟られ、フェイトは顔を赤くしながら言った。
「シグナムは私を美しいと言うけど……私にとっては……シグナムの方が……その…綺麗……。」
「そうか? 私としてはその様な自覚は無いが…まあどんなに客観的に優れた者でも本人にとっては
普通で、むしろ他人が羨ましく感じてしまう…その様な物か……。だが、仮に私が美しいとしても
所詮は作り物の身体に過ぎない。そう言う意味ではナチュラルに美しく生まれたお前には敵わん。」
シグナムはそうフェイトを褒め返すが、フェイトは気まずい顔になっていた。
「私も所詮は作り物…。プレシア母さんの実の子のアリシアの代わりに作られたクローンだから…。」
「あ…すまん…その事をすっかり忘れていた。」
大切な事を失念していたシグナムもまた気まずくなるが、その後でこうも言った。
「しかし…お前の元になったアリシアは自然の摂理によって生まれて来たのだろう?
ならば…その細胞を基に誕生したお前もまた…大自然の生み出した美と言う事になる。」
「そんな…アッ!」
優しい笑みを浮かべながら再びベッドに乗りかかったシグナムはフェイトの右乳房に
手をかけ、親指と人差し指で乳首を弄くりながら自らの口でフェイトの左乳房に吸い付いた。
「キャッ!」
両方の乳首を有無も言わせずに責められたフェイトはまたもブルッと身体を振るわせた。
「やめてシグナム…そんな…赤ちゃんみたいな事…。」
「赤ん坊の様でも…構わぬ。私とて甘えたくなる事くらいあるのだからな……。」
普段のシグナムからは想像も出来ない言葉。だが、それは考え様によってはその通りかもしれない。
何時もクールに澄ましているからこそ…他人に見っとも無い所は見せたくないと言う思いもあるだろう。
そうなれば甘える事など出来やしない。だからこそシグナムは密かに誰かに甘えたいと言う
気持ちを…心の中に潜ませていたのかもしれない。
「私は…何時も抱かれる立場だった……。」
「え?」
突然乳首から口を離したシグナムの言葉にフェイトは首を傾げる。
「主はやてに仕える以前の…過去の主達が私達を道具の様に使っていたのは以前も話した事があるが…
その際に私は良くその過去の主の性欲処理に使われた…つまり抱かれたと言う事だ…。
さらには私に風俗嬢まがいの事をさせて金を儲けようとした主もいた…。
つまり主では無い男達からも数え切れない程抱かれて行ったと言う事だ………。」
「そ……そんな事が………。」
悲しげな顔で言うシグナムにフェイトもかすかに悲しげとなる。
「そして私達は主の命令には絶対服従のヴォルケンリッター…。だからこそ主の命ずる通りに
抱かれて抱かれて抱かれ続けた…………だからこそだ……。今ここでは……私がお前を抱く!
今度は私が抱く立場になって………お前を抱かせてくれ!」
「ん………。」
シグナムは再びフェイトの唇を奪った。最初の時に比べ、今度はフェイトも抵抗しなかった。
だがそれだけじゃない。シグナムと繋がる唇を通して…シグナムの心が流れ込んでくる…
その様な感触もフェイトは感じていたのだ。

それは身の毛のよだつ恐ろしい光景だった…。確かに過去の主からは道具の様に
扱われていたと言う話には聞いていたが…実際に目の当たりにするとそれは実に恐ろしい。
昼は厳しい戦いを強いられた上に…夜はまともな休みさえ与えられずに主に抱かれる…。
それでもシグナム達は献身的に主に尽くしているのだが…主の方はそれに
一向に感謝する素振りさえ見せず、まるで自分の道具で当然と言った態度…。
本当に人間と見ていない。フェイトがプレシアにアリシアの代用品扱いされていた
時よりも酷い状況。そう言う意味では…はやてに仕える様になった後の
シグナム達のはやてに対する想いがどれだけの物なのかが痛い程良く分かった。
道具では無く…家族として扱ってくれたはやてに対する想いが…。
195お前に届け私の想い 5 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/08(土) 18:24:20 ID:lVKWtvw/
そして…シグナムの辛い過去を目の当たりにした後…今度はシグナム自身のフェイトに
対する想い…そういった物が流れ込んで来ていた………。
幾多の主の下で様々な戦いを乗り越えてきたシグナムが…真に好敵手と思える程の
実力者と出会った相手は…若干九歳の少女であるフェイト…。
シグナムが敵として…また味方同士になった後も訓練や模擬戦と言う形で
刃を合わせ続けた結果……シグナムはフェイトに対して今まで感じた事の無い新たな感情…
即ち…『愛する』と言う感情を知った………。

「(シグナムの言った通りだ…。こんな近くに私の事をこんなにまで想ってくれている人が
いたなんて…。それに気付かなかった私は……なんて馬鹿なんだろう………。)」
フェイトは自分が恥かしく…情けなくなった。そして頬を赤くしながら…シグナムに言った。
「本当に…こんな私でも……今頃になってやっと気付いた鈍感な私でも……愛してくれますか?」
「何を分かりきった事を……むしろ私の方がお前を愛して良いのか聞きたいくらいだ。」
二人は頬を赤くし、優しく微笑みながら………再び唇を合わせた………。

それから…二人は眠る事も忘れて愛し合った…。
互いの体温や肌触りを感じながら…乳房を揉み合い…乳首を摘み合い…揉み合い…
股間の花園を…擦り付け合った…。
「あっ………あ……。」
「やはり立派な女へと成長してくれた…嬉しいぞ………。」
シグナムは本当に嬉しそうに微笑む。フェイトもここまで嬉しそうなシグナムは見た事が無かった。
そしてそれがとても嬉しい。そう思える程になっていた。
結果二人は一晩中愛し合い…寝る間も無くまた新たな仕事に入る事になるのだが…
その間も二人で密かに愛し合った余韻に浸り…眠気に襲われる事は無かった。

間も無くして…なのはとユーノは皆に実は恋人同士だった事を恥かしそうにしながらも公言した。
「やっぱりじゃないですか!」
「そうだと思ってたんですよね〜!」
「むしろそうじゃない方が不自然って言うか〜!」
なのはとユーノの仲はフェイトを除く誰もが分かり切っていたらしく、結局予想通りと
言った反応で終わり、そこまで騒ぎにはならなかった。むしろこれを知ったフェイトが
どう言う風に怒るのか? と言う事が興味の対象になっていたのだが…フェイトは怒らなかった。

「フェイトちゃん…私今まで嘘付いてたのに…怒ったりしないの?」
「そうだよ。僕達…もしかしたら近い内に結婚するかもしれないんだよ?」
フェイトが意外にも無反応だった事が逆に怖くて…なのはとユーノが直接
フェイトに対しそう聞きに行っていたのだが…彼女はやはり特に怒る事は無かった。
「良いよ別に。二人でそういう道を選んだんでしょ? なら私が口出しする事じゃない。」
フェイトは冷静に微笑みながらそう答え、その場を後にした。
「私はこれから用事があるから…またね?」
「う…うん…。」

フェイトがなのはとユーノの二人の前から立ち去った後…彼女の向かった先には
シグナムの姿があった。
「本当に…良かったのか? まだ悔いはあるんじゃないのか?」
シグナムの心にも多少の悔いがあった。今回の事がフェイトの心を傷付けたのでは無いかと…。しかし…。
「悔いが無い…って言うと嘘になる。けど…だからと言って私がなのはを無理矢理自分の物に
すれば…なのはは嫌がるし…ユーノと引き離された悲しみに暮れるだけ……。
それに……私は気付いたから…本当に愛してくれる人の存在に気付いたから……。」
「そうか……。」
二人は優しく微笑みながら…互いの手を繋いだ。
                      おしまい
196 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/08(土) 18:26:19 ID:lVKWtvw/
最近また非エロが書きたくなって来ましたスマソセン
例えばユーノを友達と認識していなかったなのはが本当の気持ちに気付くまで…とか

>>176
この結構平和そうな状況からどう修羅場へ転がるのかかなり気になりますGJ
197名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 18:30:12 ID:dIVCkChA
GJ!エロかった!
198名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 19:05:02 ID:40WqOJAF
GJ!
テラエロス!というか、シグナムさんがいい漢、もとい女すぎて吹いたw
199名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 19:26:25 ID:m685CgR/
GJ
シグフェイは初めて見たがこれはいい。
シグナムさん、あんたやっぱりいい人だ。
20026-111:2007/12/08(土) 19:49:07 ID:dIVCkChA
昨日の投下よりも早い時間ですが、続きを投下させていただきます

・“nowhereU”の続きです
・使用レス数21レス
・オリジナル設定が満載です

エピローグの場面では、是非SS02収録のキャロのキャラソン:いつの日か、を脳内BGMにしてお楽しみください

では、投下開始

201nowhereU:2007/12/08(土) 19:49:50 ID:dIVCkChA
「ねぇ、キャロ。さっき話の中で出てきた、亜竜とか、ドレイク種とかって、何なの?」

フリードの鞍上で、赤毛をフードで隠したエリオがキャロにそう尋ねた
局員として色々と知識を身に付けている少年ではあるが、竜、という稀少生物に関しては造詣が浅い・・・その点、キャロは竜召喚士。竜の専門家である
フリードに行く先を任せて、キャロは風を切る音に負けないように大声で説明を始めた

「竜、って言うのはね、まず二つに大別されるの。真竜と亜竜の二つ。例えば、ヴォルテールは真竜で、フリードは亜竜のワイバーン種。火や氷の属性は遺伝で決まるみたい。
真竜は真竜っていう一種だけなんだけど、亜竜は色々、種類が別れるの。フリードみたいに翼があって、前肢が無い竜はワイバーン種。
水棲竜のサーペント種。多頭竜のヒュドラ種。蛇に羽が付いた様な格好のワーム種・・・今、ル・ルシエの里に迫っているのが、トカゲを大きくしたような格好のドレイク種。
ドレイク種は亜竜の中でも一番ランクが低い竜で、知能も低い、凶暴で危険な竜なの。繁殖力も旺盛で、だから竜の中で殲滅指定になっているのはドレイク種だけ」

殲滅指定、とは言え、ドレイク種が絶滅することは有り得ない
亜竜の中でもドレイク種は“なり損ない”と渾名される存在でもあり、多種の卵からでも突然変異的に産まれることもあるのだ

「知能が低いっていうことは・・・キャロの使役能力でも、ダメなの?」

相手が竜ならば、キャロが意思疎通を図れるのではないか。そんな風に考えていたエリオだが、彼女は首を横に振った

「うん、ダメ・・・ドレイク種を召喚竜にする魔導師もいるみたいだけど、使役って言うより、魔術で捕縛した竜を解放して暴れさせるとか、そんな風にしか扱えないみたいだし。
力が強くても知能は低いから、従属はしてくれない・・・でも、氷竜の、スノードレイクは本当に危険。周り中を凍らせながら、何でも食べちゃうから・・・」

その説明にエリオは背筋を粟立たせた
今、ル・ルシエの里に迫っているスノードレイクは、討伐隊を編成して立ち向かわねばならないほどの“大物”なのだという

「エリオ。今私達が優先すべきなのは、スノードレイクの退治じゃない。ル・ルシエの部族を避難させることだよ。戦うのは、応援が来てからでも構わないんだから」
「はい・・・あ、見えてきた。キャロ、あれが・・・?」

彼方の山間に、幾つものテントが張ってあるのを見て、こっくり、とキャロは頷いた
そう、あの集落こそ、自分が産まれ、育ち、そして追放された故郷・・・ル・ルシエの里だ

「じゃあ、降りるよ。早く説得して、避難して貰わないと・・・」
202nowhereU:2007/12/08(土) 19:50:24 ID:dIVCkChA
眼下に群れる天幕を見下ろしながら、フリードはゆっくりと高度を下げてゆく
集落が近付くにつれて・・・キャロの身体はまた震え始めた。寒さではない、別の原因で

「キャロ・・・」

鞍の後ろに座っているエリオがそっと呼び掛けるが、キャロは返答を返さない
瘧のように震えている小さな身体を、エリオはぎゅっと抱き締めた。フェイトが良くそうしてくれたように。不安や恐れを、和らげるように

「気休めみたいな言葉しか言えないけど・・・きっと大丈夫だよ。フェイトさんが付いてくれてるんだから」
「うん、ありがとう・・・エリオ君が一緒にいてくれるのも、心強いよ」

フリードが、集落の広場に降り立つ。フェイトも、脇に並び立つように降り立った
何事かと天幕から出てくる人々に遠巻きに取り囲まれる格好になった一同である。フェイトが代表して、声を張り上げた

「現在、この集落を目指して殲滅指定の大型亜竜が接近中です!直ちに避難を開始してください!!」

その呼びかけを聞いた集落の人々は・・・ただ俯いて、それだけだった

「あ、あと数時間後には、この集落にまで到達するんです!早く準備を整えて!まだ間に合いますから!!」
「・・・それはできんのだ」

声を張るフェイトを遮るような形で、静かな声が割り込んできた
人垣の間から出てきたのは、長い髪と髭を蓄えた痩身の老爺である

「あなたが、この部族の代表者ですか?」
「左様。我等、ル・ルシエの民は大地の民。この地に暮らし、この地に果てる者・・・この場所から離れることなどできん」
「そんな!」
「そして、竜とは我等が大地の守護者。竜がこの集落を襲うというのならば・・・それは大地の理であろう」
「そんなこと・・・!!」

偏屈、とは聞いていたが、まさかこれ程までに話に聞く耳を持って貰えないとは思っていなかった
203nowhereU:2007/12/08(土) 19:50:55 ID:dIVCkChA
拳を握り締めて、声を張ろうとするフェイトを押しのけ、キャロが長老の前に進み出た
フードを取って素顔を見せた瞬間、微かなざわめきが人の輪に走り・・・キャロはその場に跪いて、懇願した

「長老、お願いします。みんなを連れて避難してください。私達が、絶対に何とかします」

頭を垂れるキャロの姿を目にしても、長老は少しも表情を動かすことなく、憮然とした表情のまま逆に問うた

「何とか、とは、かの氷竜を殺す・・・そういう意味か?」
「・・・はい」

その返答がどんな言葉を招くか。キャロは全て承知の上で、頷いた
案の定、長老は勢い良く手にしていた杖で地面を穿ち、怒声を叩き付けた

「我等が大地の理を忘れたばかりか、竜の盟約までも破るつもりか!!」

その言葉に打たれて、キャロは身体を鞭打たれているかのように震わせた

「やはり、お前は災いの子だ。此度の災厄もお前が招いたか!!」
「違います!!私は、ただ・・・」

お父さんと、お母さんに会いたかったから
その言葉は、続かなかった・・・長老の言うように、自分が災いを運ぶ存在なのだとしたら・・・私は、ここに帰ってきてはいけなかったんだ
打ち拉がれたキャロの姿を見かねて、エリオが彼女の身体を支え起こしてやりながら、キッと長老を睨み付けた

「話を聞いてください!キャロは、ご両親に会いたくて帰ってきただけなんです!彼女の所為だなんて決めつけないでくださいよ!!」
「余所者に我等部族の理が解るものか・・・立ち去れ!災いの子よ!我等は我等の理に殉ずる!!」

長老はそう一喝すると、最早聞く耳は持たぬとばかりに背を向けた
3人を囲んでいた人の輪もそれを皮切りにぱらぱらと散ってゆく・・・どうやら、誰一人として避難しようというつもりは無いらしい

キャロは涙顔を上げて、去ってゆく面々を見上げるが、誰も彼女と目を合わせようとはしなかった
204nowhereU:2007/12/08(土) 19:51:27 ID:dIVCkChA
いや、一組の夫婦が・・・じっとキャロを見詰めていた
その夫婦に手を引かれた小さな男の子が、話の内容が聞き取れなかったのか、それとも状況が理解できていないのか、脳天気な口調で両親に尋ねた

「おとーさん、おかーさん。みんなどうしたの?ちょうろうさま、なんでおこってたの?」
「うん・・・ずっとずっとご先祖様が守ってきたこから場所を出て行くことはできない、って言っていたんだよ」
「どうして?」
「・・・どうしてなんだろうね・・・お前も大きくなればわかるかも知れないね」
「でも、もしでていくことになったら、ぼくきゃろおねえちゃんをさがしにいきたい!すごいおねえちゃんなんだよね。りゅうおうさまのみこなんでしょ?」
「あぁ、そうだよ・・・さ、もう戻ろう。風が強くなってきた」

涙さえも凍てつかせる様な寒風に涙顔を晒しながら、キャロはじっと、その親子が天幕に去ってゆく姿を見送っていた
広場には、キャロ達三人と、背を向けている長老だけが取り残され・・・キャロは立ち上がって、膝に付いた雪を払い落とすと、静かな口調で長老に告げた

「・・・私は、もうル・ルシエの民でも、竜王の巫女でもありません・・・一介の管理局員です」

その口調に秘められたただならぬ決意に、一同は息を呑んだ
これが、本当に、“あの”キャロなのだろうか・・・?

「最早、大地の理も竜の盟約も知りません。私は、私の我が儘を通すために、彼の氷竜を殺します」
「愚か者め・・・」

吐き捨てるように長老は呟き、彼も天幕に戻っていった・・・取り残されたキャロの背中に、フェイトが呼び掛ける

「・・・キャロ・・・本当に良いの?」
「フェイトさん、エリオ君・・・ごめんなさい、力を貸してください。今、こっちに来てるスノードレイクなんですが」
「そうじゃないよ!キャロ、本当に、このままで良いの?!このままじゃ、お父さんとお母さんと・・・それに、さっきのは弟さんなんだろう!?このままじゃ、もう・・・!!」

頼りないくらいに小さな肩を抱いて、エリオはそう訴えた。だけどキャロは、悲しいくらいに透き通った笑顔を浮かべて、首を横に振った

「私はね、本当は帰って来ちゃいけなかったんだ・・・私は、災いの子だから」
「違う!!こんなの、キャロの所為じゃない!!そんなことがあってたまるもんか!!もう一度長老に会いに行こう。それできっちり話をしなきゃ!!」
205nowhereU:2007/12/08(土) 19:52:03 ID:dIVCkChA
「ありがとう、エリオ君・・・でも、良いの。もう、良いの」
「良くない!!良いことなんか一つもない!!こんな、こんなの・・・キャロだって泣いてるのに、こんなの悲しすぎるじゃないかっ!!」

透明な笑顔のまま、ぽろぽろと涙を零すキャロは、それでもにっこりと笑みを浮かべて

「災いの子でも何でも良い。もう二度とル・ルシエの里には戻れなくなっても良い・・・この集落に住んでいるみんなに、生きていて欲しいから・・・だから、災いの子で良いの」

『強い力は災いと争いしか呼ばない』
その通りだ、と今更の様に思う。だけど、この手に宿る力は、きっと災いも争いも、鎮めることができるはずだから・・・
―――だから!

「私は、行きます!ただ一介の管理局員として、この集落を守ります!」

小さな拳を握り締めて、力強く、彼女は宣言した



それが、この地と永別を告げる宣言と等しいものだと、承知の上で



再び鞍上の人となったエリオとキャロ、そして飛行魔法でフリードの横に並んで飛ぶフェイトは、集落から東を目指していた
スノードレイクの大きさにも依るが、できる限り集落からは距離を開けた場所を戦場としたい。そんな思いで空を駆けている

「ねぇ、キャロ。何だか質問ばっかりしてるみたいで申し訳ないんだけど・・・」
「ん、全然良いよ。それで、何?エリオ君」
「・・・“竜の盟約”っていうのは、何なの?」

長老達との会話の中で、「災いの子」と共に何度か出てきた単語だった
キャロは一瞬息を呑み・・・少し俯いて、話し始めた
206nowhereU:2007/12/08(土) 19:52:35 ID:dIVCkChA
「・・・竜はね、真竜から亜竜に至るまで、決して同族を傷付けてはいけないっていう盟約があるの。それが竜の盟約」
「つまり・・・スノードレイクとの戦いに、フリードとヴォルテールの力は借りれない・・・?」
「うん・・・絶対に破ることのできない誓いなの。竜を傷付けた竜は、最早同族と扱われない・・・そういう掟があるから・・・だから、ごめんなさい・・・」

キャロの謝罪の言葉と共に、フリードも、ぐぅぅ、と唸った。どうやら、協力できないことを詫びているようだ

「大丈夫だよ、キャロ。私達が付いてるから、サポートお願いね」
「フリードもあんまり気にしないで。今回は僕達がフリードの分まで頑張るから!」

励まし合う3人だが、次の瞬間、彼らの笑顔は凍り付いた
耳を聾する甲高い咆哮が、山麓の向こうから響いてきたからだ

「フェイトさん、エリオ君!スノードレイクの鱗は強い冷気を帯びています!魔力刃は大丈夫ですが、絶対にデバイスや身体で直接触れちゃダメ!!」

キャロのアドバイスが耳に入ったかどうか
エリオとフェイトは、ようやく目に入ったその威容に、言葉を忘れて見入っていた

甲冑の様に全身を鎧う蒼銀の甲殻、胴体と同じくらいの長さがある太い尻尾。短い四肢で森を踏みつけ、その度に凍り付いた木切れや木の葉が輝く氷の塵と化した
短い首の先には、ズラリと牙の並んだ凶悪な顎を備えた頭がある
「トカゲを大きくした格好」というキャロの説明が、的を射ているのか外しているのかよくわからなくなってくる。その姿は下級の亜竜とはいえ、正に威容と言えた

「キャロ、ドレイク種って言うのは・・・みんなこんなにも大きくなるの?」

明らかにたじろいている様子のフェイトが呆然と尋ねたが、キャロはぶんぶんと首を横に振った

「こんなの・・・記録に残っている中では最大級じゃないでしょうか・・・?ヴォルテールよりは小さいけど・・・」

ヴォルテールよりは確かに小さいが、だから何なんだというレベルである
今までに彼らが戦った経験がある相手で比べるならば、ルーテシアの地雷王を三回りほど大きくしたくらいだろうか

平たく言えば、滅茶苦茶デカイ。そんな相手である
207nowhereU:2007/12/08(土) 19:53:09 ID:dIVCkChA
ぐうぅぅぅ、とフリードが尻込みするような響きの唸り声を上げた。件の、竜の盟約の為か。戦闘に参加することを嫌がるような素振りである

「フリード、私達はここで降りるから・・・集落で待っていて」
「キャロ!?この状況で地上に降りるなんて!」

フェイトが慌てて反論するが、キャロは取り合わなかった

「・・・この子にまで、盟約を破らせるわけにはいきませんから・・・フリード、お願い」

キャロの言葉と共に、フリードは高度を下げ・・・地面に二人を下ろすと、しばらく躊躇うような旋回を続けていたが、やがて空の向こうに消えていった
開けた谷間で、フェイトは空中から、エリオとキャロは地上でスノードレイクを迎え撃つ布陣を固めた

「バルディッシュ、ランサーセット!」
『Plasma Lancer』

まずは様子見・・・そんなつもりで、フェイトはバルディッシュに命じた。スフィアを4つ生成し、スノードレイクの背中を目掛けてバルディッシュを突き出す

「ファイア!!」

鋭い掛け声と共に放たれた稲妻の槍は、狙い違わずスノードレイクの背中に突き刺さった・・・だが、予想よりも効果は薄い
相手が生物ならば電撃は有効な筈である。だが、分厚い氷のような甲殻に阻まれるのか、あまり効果を上げていないようだ

「電撃が効かない・・・!?だったら、バルディッシュ!ザンバーフォーム!」
『Zamber Form』

閃光の戦斧を大剣へと変え、フェイトは背中に身を捩るドレイク目掛けて斬りかかった
地上では・・・

「我が乞うは、疾風の翼。若き槍騎士に、駆け抜ける力を・・・猛きその身に、力を与える祈りの光を!ケリュケイオン、ブーストアップ・フルドライブ!!」
『Full Drive,Boost Up Acceleration&Strike Power』

ケリュケイオンから放たれた魔力が、エリオが手にしている長槍:ストラーダに流れ込む

「ありがとう、キャロ!行くよ、ストラーダ!フォルムツヴァイ!!」
『Dusen Form!』
「いけぇぇぇっ!!!!」

地を蹴り、一散に加速したエリオの身体がスノードレイクの顔面を目指す
叩き落とそうと繰り出された前肢の一撃をかいくぐり、エリオはカートリッジを使用。ストラーダに魔力が満ち、穂先に魔力の刃が形成される

『Stahl Messer!』
208nowhereU:2007/12/08(土) 19:53:40 ID:dIVCkChA
キャロのブーストも同時に受ける魔力刃は、擦れ違い様にドレイクの顔面を斜めに切りつけた
感触は悪くない。どうやら、雷撃などの属性を帯びた魔力よりも、純粋な魔力攻撃の方が相性が良い様だ

「エリオ君!危険だとは思うけど、顔を狙って!甲殻に覆われていない目や口は弱点だから!」
「了解、キャロ!フェイトさん!援護と牽制をお願いします!」

バルディッシュ・ザンバーを以てしても、いまいち効果は薄い・・・一撃で首を刎ねることができる、などと考えていたわけではないが、
彼女にとって、電撃のダメージが通り辛い相手というのはやはり鬼門である

「エリオ、気を付けるんだよ!」
「はいっ!!」

バルディッシュをアサルトフォームに戻しながら、フェイトはスノードレイクの鼻先を掠めるように横切ってみせた
ドレイクが思わずフェイトの機動を目で追い・・・そこに生まれた死角に、ストラーダを抱えたエリオが突っ込んでくる
スタールメッサーの魔力刃が、ドレイクの左目を斬り裂いた。内臓まで震わせるような絶叫を上げ、ドレイクは狂ったように暴れ始める

・・・その姿に、キャロは胸を押さえた
まるで、自分が傷付けられたかのように、胸が痛んだからだ

「いける・・・フェイトさん!この調子なら、時間を掛ければ無力化できそうですよ!」
「そうだね、頑張ろう・・・え、キャロ!?」

胸を押さえて蹲っているキャロの姿を視界に収めて、フェイトは血相を変えてキャロの元に向かった
エリオも駆け寄ろうとしたが、標的にされている自分まで後退しては、逆にキャロの身に危険が及ぶ・・・心配だが、ここは堪えて囮に専念する
巨体な上に、なかなか素早い動きを見せるドレイクの攻撃は多岐に渡る・・・前肢で殴りかかってくることもあれば、巨大な顎で食らい付こうとしてくる時もある
不意に襲い掛かる尻尾による薙ぎ払いは、大木さえも小枝のようにへし折る破壊力を備えていた
そして、何よりも厄介なのは、触れた物を全て凍てつかせるという特性である
攻撃は勿論、そうではない一挙動でも、凍り付いた木の枝や雪の固まり、時には木の実でさえ、凍り付いて礫のように襲い掛かってくるのだ
そればかりに気を取られていると、今度はドレイク本体の攻撃を避けられなくなる

『Sonic Move!』
209nowhereU:2007/12/08(土) 19:54:14 ID:dIVCkChA
森林、という状況を最大限に生かして、エリオは逃げる。逃げに逃げる
真っ向張り合ってどうにかできる相手ではない。フェイトが援護に戻るまでは、何とか持ちこたえなければ!
食らい付いてきた大口から身を翻し、返す刀で鼻面を斬り付けた。噴き出してきた出血は即座に氷の粒となり、真紅の珠と化して雪の上にバラ撒かれる

「キャロ・・・どうしたの!?まさか、どこか怪我でも・・・!?」
「ち、違います、違うんです!私は・・・悔しくて、悲しくて・・・!!こんな風に、傷付けて、いっぱい傷付けないと、あの子を止めることができないのが・・・!!」

ル・ルシエの里では、長老相手に大見得を切ったキャロだが、本来彼女はとても優しい女の子だ・・・今現在でも、“敵”であるスノードレイクに同情してしまうほどに

「私がもっと強かったら、こんな風に、あの子を苦しめずに済むのに・・・それが、悔しくて・・・っ!!」

流す涙は悔し涙・・・己の無力さを恥じて流す悔恨の涙である
フェイトは、いつの間にか優しさと強さと、誇り高さを身に付けていた少女に驚きながらも、強い口調で言い聞かせた

「キャロ、だったら泣いてちゃダメだ。もう二度とこんな手段を取らないで済むように・・・二度と、こんな思いをしない為にも、強くなろう。
今日の弱い自分を乗り越える為にも、この光景を絶対に忘れちゃいけない」
「フェイトさん・・・」
「あの子の犠牲を、只の犠牲で終わらせない為にできることは、強くなることしかないんだから・・・だから、目を開けて、しっかりと見届けて」

バルディッシュを構え直し、フェイトは地を蹴って飛行魔法を発動
引き絞られた弓弦から矢が放たれるように、一直線に加速し、エリオを追い詰めようとしているドレイクに肉迫する

「この子の、生き様を!!」
『Thunder Blade』

バルディッシュから放たれた雷光の剣が、ドレイクの背中に突き立った。その数30以上
多少は痛痒を感じたらしく、身を捩ってフェイトの方を睨み付けるドレイクだが、フェイトは間髪入れず次のコマンドを口にした

「ブレイク!」

雷光の剣が弾け、強烈な電撃と化してスノードレイクの全身を襲った
210nowhereU:2007/12/08(土) 19:54:47 ID:dIVCkChA
その衝撃に絶叫するドレイクの口を狙って、エリオがストラーダを振りかざす

「ストラーダ!カートリッジロード!!」
『Explosion!Luft Messer!』

薬莢を弾き飛ばしたストラーダを、エリオは縦横に振り回す。その度に生み出される風の刃がドレイクの口に飛び込み、舌を大きく斬り裂いた
血と涎が混じった泡が溢れ出し、口の端から垂れ落ちようとした瞬間、凍り付いてボールのように雪の上に落ちる
凄惨な悲鳴に、エリオの顔にも苦渋の色が浮かぶ・・・こんな、嬲り殺しのような真似をして、嬉しいわけが無い
苦悶の呻きを漏らしながら、片目を潰され舌を斬り裂かれたスノードレイクはのたうち回るように暴れ回り、身体が木々に触れる度に砕けた氷の破片が降り注いでくる

「ごめんなさい、もう、これで最後にするから・・・だから・・・ッ!!」

ケリュケイオンに魔力が満ちる。涙を振り切って、キャロは自分にできる最大限のブーストを行使した

『Boostup,Full Potential』

短時間しか持続しないが、身体能力の全てを向上させるブースト魔法
万感の想いを込めたキャロの援護を受けたエリオは、ストラーダを握り締め、その穂先はスノードレイクの額をポイントする。涙声でキャロは叫んだ

「エリオ君!!お願い!!」
「・・・了解、キャロ!!行くよ、ストラーダ!!一閃、必中!!!」

高機動特化型のフォルム・ツヴァイ:デューゼンフォルムのブースターが一斉に推進炎を吹き上げた
初めてこの技を使った時は・・・6課での初出撃で、V型ガジェットを相手にした時だったか。だけど、今はあの頃よりも格段に強くなっている筈だ
穂先から伸びる紅の魔力刃はストラーダの全長よりも長く伸び、さながら、ザンバーの様な姿と化している

『Messer Angriff!!』
「だああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

動きを鈍らせつつあるスノードレイクの額を目掛けて、エリオは地を蹴った
211nowhereU:2007/12/08(土) 19:55:19 ID:dIVCkChA
光翼の如き推進炎を噴き出しながら飛翔するストラーダの長柄をしっかりと握り締め、その切っ先は貫くべき目標を狙って微動だにしない
自分に迫ってくる小さな存在・・・しかし、己の命を奪おうとする者の姿を見て、スノードレイクは四肢を張り、首を巡らせて逃げようとした

だけど、遅い。絶望的に遅い

全身を電撃で灼かれ、片目を潰され、舌を斬り裂かれて呼吸さえもうまくいかない身体は、どれほど叱咤しても力が入らない
己の額を目指して突き進んでくる少年と目が合った

エリオは、はっきりと解った
このスノードレイクは、怯えている。死にたくないと願っている。だけど、だけど・・・!!

「恨んでくれて良い。憎く思っても構わない!君の事を・・・僕は、絶対・・・忘れないッ!!ストラーダ!!」
『Explosion!!』
「いけぇぇぇっ!!!!!」

迷い、躊躇いを振り切るようなフルブーストで、エリオは翔た。甲殻を穿ち、真紅の魔力刃はスノードレイクの額に突き立つ
断末魔の絶叫を浴びながら、エリオも負けじと雄叫びを張り上げる。呼気にさえ冷気が含まれるのか、防寒着が凍てついてゆく

「あああああぁぁぁぁぁっ!!!!」

推進角度を切り替える。真っ直ぐに突き立てたストラーダの穂先も持ち上げ、頭部を真っ二つに斬り裂く様に、ストラーダの魔力刃を斬り上げる
内側から、頭蓋と甲殻を斬り裂きながら、真紅の刃はエリオの手で高々と掲げ上げられた。悲痛な程の断末魔と共に噴き上がった出血は即座に凍り付き、雹の様に降り注いだ
どう、と崩れ落ちた巨体は、幕の下りた隻眼から水晶玉のような涙を零しながら、弱々しい呼吸を幾度が繰り返し・・・それも、やがて止まった

「・・・ごめんなさい・・・」

息絶えた氷竜の身体が、端から氷の欠片となって崩壊してゆく
勝利の高揚など、微塵も感じなかった。苦闘の末に打ち倒した巨体が崩れてゆく様に、禁忌を犯したような畏怖さえ覚えて、キャロは涙を流していた
エリオも、フェイトも、風に吹き飛ばされる輝く粒・・・かつて、氷竜だったものを見送りながら、唇を噛み締めている

「私達の所為で、人間の都合で・・・いっぱい傷付いて、いっぱい苦しんで・・・痛かったよね、辛かったよね・・・ごめんなさい、ごめんなさい・・・う、うあ、ああぁぁっ!!」
212nowhereU:2007/12/08(土) 19:55:53 ID:dIVCkChA
かつての巨体は僅かな欠片も残さず崩れ去り・・・微細な煌めきと化して、風に溶けて消えてゆく
キャロは、竜王の巫女はただ泣きじゃくりながら、彼の氷竜の、哀しい程に幻想的な葬送を見送る・・・熱い涙を零しながら、彼女は同族の死を悼んでいた



3人は、スノードレイクの死を見送り、ル・ルシエの里に戻ることにした
村で待っているように言いつけられたフリードが、事が終われば迎えに来るだろう・・・そう踏んでいたエリオだが、待てど暮らせど白銀の飛竜が飛んでくる様子は無く、
フェイトが二人を脇に抱えて飛ぶことにした

「すみません、フェイトさん。疲れてるのに・・・重くないですか?」
「そんなことを気にしないの。二人の方がずっと疲れてるでしょう?私に任せて」
「はい・・・」

疲労に身体が重いのは3人共に共通していたが、フェイトには保護者としての意地がある・・・我が子の重みに耐えかねていて、母親が名乗れるものか
そもそも、飛行魔法が使えないエリオとキャロに合わせて、徒歩で移動していては日が暮れる・・・ロクな準備も整えずに雪山で野営など、自殺と同義だ

「でも、フリードはどうしたんだろう・・・?キャロ、念話が届かなかったの?」
「ううん・・・」

エリオの問い掛けに、キャロはふるふると首を横に振った
そうしている間にも、フェイトは山を幾つか飛び越えて、大きな天幕が群れる集落・・・ル・ルシエの里に再び降り立った
広場に降り立てば、到着した時の様にまた遠巻きに取り囲まれて、長老が人の輪から進み出てきた
キャロは、真っ直ぐに長老の目を見据えて、誇る様子も見せず、ただ、事実のみを伝えた

「災厄は打ち払いました。もう、この集落は安全です」
「・・・竜を、殺めたか」

報告を聞き、危難が去った事を喜んでくれるだろうか・・・そんな淡い期待を抱いていたが、現実は、厳めしい表情で詰問されるという対応だった
溜息を吐きたい気分になりながらもぐっと堪え、キャロははっきりと頷いた。途端に長老は顔を紅潮させて、キャロを厳しく一喝した

「愚か者め・・・!!竜王の巫女でありながら竜の盟約を破るとは・・・!!!」
213nowhereU:2007/12/08(土) 19:56:34 ID:dIVCkChA
「言った筈です。私は一介の管理局員・・・ル・ルシエの民でも、竜王の巫女でもありません。大地の理も、竜の盟約も、もはや知りません。
私は、私の我が儘の為に、竜の命を奪いました」
「許されぬ咎だと知りながら・・・!!即刻、この集落より立ち去れ!!そして、二度とこの地に足を踏み入れるな!災いの子よ!!」

一方的に訣別の言葉を叩き付けられたキャロは、悲しむ様子も見せず、踵を返して歩き出した
彼らを取り囲んでいた人の輪が、キャロが足を向けただけで割れる・・・彼女を怖れているかのように。その事実が少しだけ寂しい

集落を去ろうとするキャロと、怒りに顔を染めた長老と、自分達を取り囲む集落の人々を見回して、エリオは叫んだ
自分から何も求めようとしないキャロと、ただ頑固に掟を固持する長老と、あまりにも無関心な住人達が悔しくて、哀しくて、せめてキャロの代わりに、訴えずにはいられなかった

「あの子は、ただ、両親に会いたかっただけなのに!偶然の災難を彼女の所為にして、それでも命懸けで戦って、この集落を守ったのに!
ただ一言の、感謝の言葉も言えないんですか?!生まれ故郷のこの集落を、ここに住まう皆さんのことを護りたいって思う気持ちは、そんなにも無価値なんですか!!」

目尻に涙を湛えた少年の怒声に、住人達は顔を曇らせるが、長老だけは毫も怯んだ様子を見せなかった
その傲慢な態度に、エリオは我を忘れて、殴り掛かるつもりで拳を握り締める

「ダメだよ、エリオ」

フェイトの制止がもう少し遅れていたら、エリオは長老に飛び掛かっていただろう

「フェイトさん!でも、これじゃ・・・こんなの、あんまりですよっ!」
「・・・キャロが自分で決めたことなんだから・・・私達は、これ以上干渉しちゃいけない」
「でもっ!」
「お願いだから、我慢して・・・キャロの為にも。さ、行くよ」

唇を噛んで、悔しさを隠そうとしない少年の手を引いて、フェイトはキャロの後を追った
既に、キャロの小さな背中は、集落をぐるりと囲む外柵の外に出ている・・・あまりにも潔く、理不尽な別れ方に、フェイトは落ち込んだ
エリオの事があって、楽観視していたのかも知れない・・・キャロとル・ルシエの部族との間に、これ程の溝があるとは思っていなかった・・・

「・・・私の所為だ・・・私が、安易にあの子を家族に合わせようとしたから・・・」
「フェイトさん・・・フェイトさんまでそんなことを・・・!」
214nowhereU:2007/12/08(土) 19:57:06 ID:dIVCkChA
キャロの背中を小走りに追いながら呟いたフェイトの言葉に、憤懣やる方ないエリオはまた感情を爆発させた

「誰が悪いって、あの部族の人達が悪いに決まってます!!キャロは、あんなにも必死だったのに、何一つ話を聞こうともせずに、一方的に追い出すなんて!!」
「エリオ君、もうやめて」

熱弁を振るうエリオを静かに遮って、キャロは呟いた

「私はね・・・今、凄く嬉しいの。災いの子って呼ばれて、里を追放されて・・・そんな私でも、集落を守ることができて、みんなが無事で・・・本当に、良かったって思ってる」
「良くないよ!!こんなの、キャロだけが辛い目に遭って、ご両親と話すこともできなかったのに!」
「お父さんとお母さん、元気そうだったから・・・それに、私が追放された頃は、まだお母さんのお腹の中にいた私の弟も元気そうだったし・・・」

キャロは、エリオとフェイトの方を振り返って、にっこりと笑顔を見せた
目尻に涙を光らせた、哀しいくらいに、眩しい笑顔を

「だから、あの子の為にお姉ちゃんらしい事ができて・・・私は、本当に、嬉しいんだよ?あ、でも、名前くらいは聞きたかったかな・・・?」
「キャロ・・・」
「・・・戻りましょう。フェイトさん、エリオ君・・・急がないと、日が暮れちゃいます」
「うん・・・でも、キャロ。フリードは?集落で待っていた様子も無かったけど・・・?」

フェイトの問い掛けに、キャロは顔を俯けて・・・真実を告げた

「フリードは・・・あの子は、もう、帰ってきません」
「な、どうしてっ!?」

いきなり、苦楽を共にした戦友の別離を告げられて、エリオは悲鳴のような口調でキャロに尋ねた

「竜の盟約は、全ての竜に当てはまります・・・私は竜王の巫女。ヴォルテールの加護を受けていたから、私には竜使役の力があった・・・
竜の加護を得ていた私自身にも、竜の盟約は当てはまるんです・・・でも、盟約を破ったから・・・だから、もう、フリードもヴォルテールも、私の力には、なってくれません」
「そんな・・・!」

何もかもを失う覚悟で、キャロはスノードレイクと戦ったのだ。故郷と、肉親と、己の力と、騎竜さえも
215nowhereU:2007/12/08(土) 19:57:39 ID:dIVCkChA
「私は、もう・・・6課にも居られませんね・・・」
「そんなこと無いよ!フェイトさん、キャロが6課を辞めなきゃならないなんて、そんなこと、ある筈無いですよね?!」
「・・・うん・・・」

フェイトは、そんな返答しかできなかった
彼女の戦力評価としては、キャロ自身の力よりも、白銀の飛竜:フリードリヒと黒き火竜:ヴォルテールの存在の方が大きい
二騎の竜を従える竜召喚士・・・それ故に、キャロは魔導師として認められている
6課在籍だけは、はやてが堅守するだろうけど・・・微力しか持たない自分では役に立てない・・・キャロ自身が、6課への残留を許さないかもしれない



“全てを失ってでも、護り抜きたいものがあった”



その悲壮な覚悟は、どれほど重いものなのだろうか。どれほどの勇気があれば、そこまでの決意が固められるのだろうか
そして、自分は、こんなにも小さな少女が背負う重い覚悟を、引き受けてやることができなかったのか

「フェイトさん・・・何で、フェイトさんが泣いてるんですか・・・?」
「・・・ごめん・・・キャロ。私は、やっぱり母親失格だ・・・キャロの苦しみを、私はちっとも理解できずにいて、今も、何て慰めてあげれば良いのかわからない・・・」
「そんな!フェイトさんは、悪くないです!私は、私が・・・うっ、ひくっ・・・」

泣かないでください、そう懇願しながらしゃくり上げるキャロの頭上に・・・ふと、影が落ちた
驚き、頭上を振り仰げば・・・



「「・・・フリード!?」」

思わず、エリオとキャロは声を揃えてその名を呼んだ
216nowhereU:2007/12/08(土) 19:58:49 ID:dIVCkChA
それは、決して自分の元に戻る筈が無い者の名だ

「フリード、どうして!?」

白銀の飛竜は、キャロの頭上で全身に光を纏い、普段の小さな、チビ竜の姿に身を変えると、そのまますぽんをキャロの腕に収まった
そして、甘えるように鼻面を胸元に擦り付けてくる
その姿はいつも通りのフリードのもので、とても盟約を犯した者への対応とは思えない
首を傾げるキャロだが、掌に填めているグローブ、ブーストデバイス:ケリュケイオンの宝玉が明滅し、彼女の脳裏に、低い声が聞こえてきた。その声の主は・・・

「・・・ヴォルテール!貴方まで、どうして!?私は竜王の、貴方の加護を受けながら、竜の盟約を破ったのに!」
『キャロ・ル・ルシエよ。汝は竜王の巫女として、盟約を犯してはおらぬ』

脳裏に響く真竜の言葉に、キャロはますます混乱した。盟約を犯してはいない・・・?しかし、氷竜を殺したのに・・・?

『汝は、竜王の巫女という立場を放棄した。それ故に、竜の盟約を遵守すべき理は汝には当てはまらぬ』


(・・・私は、もうル・ルシエの民でも、竜王の巫女でもありません・・・一介の管理局員です)


確かに、自分はスノードレイクと戦う前に、長老に向かってそう宣言したが・・・

「それでも、私が巫女でないのなら、もうヴォルテールの加護を受ける資格は無い筈です。貴方の加護があったから、私には竜使役の力があったのに・・・」
『汝の持つ力・・・竜を使役する力は、我から巫女である汝に授けたものではない。
汝には最初から、竜と心を通い合わせる力があった・・・それ故に、我は汝を竜王の巫女と認め、加護を与えたのだ』
「・・・それでも・・・私は、巫女という立場と共に、貴方の加護を捨てたんです・・・私には、もう・・・」
『竜の心を知る者、汝、キャロ・ル・ルシエよ。巫女では無くとも、汝に宿る力は決して消えはせぬ・・・汝の魂が在る限り、我は汝に加護を与えよう』
「・・・良いの、ですか・・・?」
『我が名は、アルザスの大地の守護者、黒き火竜、ヴォルテール・・・白銀の飛竜、フリードリヒと共に、我等は汝の魂と共にある』

言うべき事は全て伝えた。そう言わんばかりに沈黙したケリュケイオンに涙の粒を落とし、キャロは大地に額ずいて、この地の守護者に感謝の祈りを捧げた
217nowhereU:2007/12/08(土) 19:59:20 ID:dIVCkChA
「・・・感謝します・・・ヴォルテール・・・!!」
「きゅくるー!」
「フリードも。本当に、本当に・・・ありがとう・・・!!」

もう、二度と戻らない・・・そう思っていた、自分が愛する、自分を愛する竜達が、戻ってきてくれた
その事実に、キャロはぎゅーっとフリードを抱き締めた。チビ竜であるフリードは苦しそうにもがくが、それでも、キャロは決して放そうとしない
彼女の嬉しそうな笑顔に、フェイトは尋ねた

「キャロ、今、ヴォルテールと話してたの?」
「はい・・・フリードもヴォルテールも・・・これからも、力を貸してくれるって・・・盟約は、破らずに済んでたみたいです・・・早とちりでした」
「本当に・・・?キャロ」
「うん、本当に本当・・・だから、これからもフリードと仲良くしてね。エリオ君」
「それは僕の台詞だよ!君の背中に恥じない、立派な騎士になるから、こちらこそよろしく!フリード!」
「きゅく!」

任せておけ、とでも言わんばかりに、キャロの腕の中で胸を張る小さな飛竜の姿に、一同は揃って噴き出した
そんな一同の背中に、新たな声が聞こえてくる・・・小さな、子供の声だ



「おねえちゃ―――――ん!!!!!!」



その呼び掛けに、キャロの全身が凍り付いた
森の向こうから、短い足で懸命に雪を蹴って、転がるように駆け寄ってくるのは・・・名前も知らない、彼女の弟だった

「かんりきょくいんのおねえちゃん!!どこ―――!!!?」

彼の低い背丈では、藪に視界を塞がれてキャロ達の姿が見つけられないらしい
キャロは慌てて声を張り上げた
218nowhereU:2007/12/08(土) 19:59:52 ID:dIVCkChA
「こ、ここです!!ここにいます!!」

どうやら、姉、として呼び掛けていたわけでは無いらしい。迷子のような顔で駆け寄ってきた弟の前に跪いて、キャロはまず一言叱った

「一人で森に入ったら危ないって、お父さんとお母さんに言われなかったの?!」
「う、ご、ごめんなさい・・・でも、どうしても・・・おねがいしたいことがあって・・・」
「お願い?」

首を傾げるキャロに、彼女の弟は、毛皮を仕立てた上着の中から、汚れた封筒を取り出してみせた

「おねえちゃん。かんりきょくいんさんなんでしょ?だったら、きゃろおねえちゃんにこのてがみをわたしてあげて」
「!!」

きっと、彼は知らされていない。目の前にいる相手こそが“姉”だということを。だけど、どうして・・・?

「ふぅ、ふぅ・・・ようやく追い付けたよ・・・こりゃ!ピーノ!!一人で森に入ってはいかんと約束したじゃろうが!!」
「うぇ、さんばばさま、ごめんなさいーっ」
「まったく、仕方がない子だよ・・・」
「・・・サン婆様・・・」

キャロは弟を追って現れた老婆の名を、口の中でぽつりと呟いた。5年振りの気の良い婆様は、流石に皺が増えていたが、未だにカクシャクとしているようだ

「あぁ、あんた達は、その・・・管理局に勤めてるんだろう?」
「え、えぇ、そうです・・・」

キャロの記憶の中にある彼女、サン婆は、こんな風に言葉を淀ませるような人ではなかった・・・鉄火で唐竹を割ったような、気っ風の良い老婆だったが・・・?

「だったら、私も頼みたいことがあるんだよ。もう5年も経つんだが・・・ウチの集落から、追放された女の子が、管理局で世話になってるって話なんだよ。
その子に、こいつを届けてやってくれないかい?」
「・・・その女の子の、名前は・・・?」
219nowhereU:2007/12/08(土) 20:00:27 ID:dIVCkChA
キャロの問い掛けに、サン婆は、真っ直ぐに彼女の目を見て、瞳の奥で優しく笑って、こう言った

「キャロ・ル・ルシエって名前の女の子さ。あの子の為に織ってた肩掛けなんだけどね・・・あの子が追放されちまった時にはまだ完成していなかったんだ。
あの子に、届けてあげておくれ。ル・ルシエの里のサン婆からだって言えば、きっと喜んで受け取る筈さ・・・あと、こっちは元気にやってるから、心配すんなって、伝えとくれ」
「はい・・・わかりました」

手渡された布包みの中には、驚くほど軽く、柔らかく、温かそうな毛織りのケープがあった

「局員さん。俺も頼みたいんだ。キャロっていう女の子に、こいつを渡してやってくれ。あんたと同じくらいの年格好だから、すぐ見つかると思う」

別の男性が手渡してきたのは、陶器の小さな器に入った膏薬だ

「あの子がどんな暮らしをしてるのかわからねぇけど・・・この薬は、傷に良く効くんだ。届けてやってくんな。ボンゴ爺さんからの贈り物だ」
「はい・・・ちゃんと届けて、お伝えします」
「私も良いかい?これ、あの子が好きだったお菓子なんだけど。里のベリーサおばさんからだって、伝えておくれよ」
「俺も頼む。あの子が好きだった薬草茶の茶葉なんだ。デミオのおっちゃんからだって言えば受け取ると思う」
「あの、私も・・・これ、端切れで縫ったぬいぐるみ・・・キャロにあげて。あの子泣き虫だったから・・・里の、ソニカからって」
「こいつはあたしからだ。雪狼の牙となめし革で作ったお守りなんだけど――――

次々と現れては、キャロの手に、“キャロ・ル・ルシエへの贈り物”を預ける彼ら、ル・ルシエの里の住人達が何故そうするのか。ようやく理解できた

恐らく、長老は今回の事件で“災いの子:キャロ”の存在を里から完全に抹殺した・・・だけど、彼女が5年前に里を追放された“キャロ・ル・ルシエ”だと知らない者は少ない
部族の者のけじめとして、“災いの子:キャロ”にまともに接するわけにはいかない・・・だから、彼らは“集落を救ってくれた管理局員”に頼んでいるのだ
管理局で世話になっているという、部族から追放された女の子、“キャロ・ル・ルシエ”に“届けて”あげてくれ。と
そんな回りくどさの裏には、彼らが密かに抱く掟への不信感が垣間見えた様な気がしたが・・・長老の厳しさが理解できないわけではない
かくも厳しい自然の中で、代々続くル・ルシエの部族を護り、導いてきたのは紛れもなく長老という立場にあった者達なのだ・・・彼らも、それを察しているのだろう

部族の掟を守りながら、されど、感謝の気持ちを伝える為に、彼らはこんな手段を選んだのだろう

「わかりました・・・ちゃんと、その女の子に、キャロ・ル・ルシエに伝えます。皆さんが大切に思ってくれていること・・・皆さんの真心が篭もった贈り物も、全部届けます」

両手一杯の荷物を抱えて、キャロはそう言った。見回せば、良く話を聞かせてくれた老婆、優しかった老爺、おじさん、おばさん、同年代の友達・・・
大勢の見知った顔が、笑顔で自分を見送ってくれていた。そして、その人垣を割って・・・一組の男女が姿を見せた
220nowhereU:2007/12/08(土) 20:01:00 ID:dIVCkChA
「・・・私達も、一つ。頼みたいんだ」

・・・お父さん・・・

「この首飾りを、あの子、キャロに届けてあげて・・・どう?キレイでしょう?」

・・・お母さん・・・

「あら、両手一杯で持ちきれないのね・・・少し、じっとしてて。首に、掛けてあげるから・・・」

震える指先で、彼女の母親は、青い護り石を連ねた首飾りを、キャロの首に掛けてやった

「この首飾りはね・・・アルザスの清流の中で磨かれた護り石で作ったもので、魔除けの力と幸運を呼び込む力があるって言われているわ」
「それと・・・あの子に、キャロに、伝えてくれ・・・辛い目に遭わせて済まない、だけど、お前の無事を祈らない日は無かった・・・元気にしているなら、それ以上の幸福は無い。それが、私達の・・・両親からの、言伝だと・・・」



最早、堪えることはできなかった
大きな瞳からは、堰を切ったように涙が溢れ出てきた。できることならば、大声で泣きながら抱き付きたいが、それはできない・・・今、彼らの前で“キャロ”にはなれない
彼らもまた、今、“里の住人”から“キャロの両親”に戻ることはできない・・・部族の一員として、愛娘を抱き締めることも叶わない
だけど、両親が胸に秘める深い愛情は、掛けられた首飾りからしっかりと伝わってきた・・・だから・・・ぱたぱたと、大粒の涙を零しながら、キャロは約束した

「わかり、ました・・・伝えます。絶対に伝えます・・・だから、心配しないでください・・・皆さんの気持ちは、きっと、通じますから・・・」



しんしんと降りしきる雪の中、かつては一人旅立った道程の中で、キャロは涙を零しながら別れを告げた
ル・ルシエの里と、そこに住まう人々と・・・そして、何もかもを一人で背負い込んで、ただ一人、孤独の果てに籠もって震えていた自分に



「さ、戻りましょう!フェイトさん!エリオ君!この贈り物を、きっちり届けないといけませんから!」



私は、一人じゃない
私達は、きっと、どんな時でも、繋がっている
この小さな身体では抱えきれないほどの大きな想いに、私はいつも支えられている



We are “now here”



私達は、ここに居る
221nowhereU:2007/12/08(土) 20:01:33 ID:dIVCkChA



街のホテルにて・・・

「・・・でも、本当にもう休暇を終わりにしちゃっても良いの?」
「はい。もう目的は果たせましたし・・・やり残したことも無いです。だから、今度は部隊長達がお休みを取れるように、頑張らないと!」

笑顔でそう言う少女に笑いかけて、フェイトは内心でこっそり溜息を吐いた。心配性と気遣い過ぎと・・・真面目過ぎるところまで似てしまったようだ

「うん、それじゃ、今日は3人でゆっくりして・・・明日の朝一番にミッドに戻ろうか」
「「はいっ!」」
「じゃぁ、今日の夕飯は・・・何か美味しいもの食べたいね。レストランに卵料理の美味しいの、何かあるかな?」
「バレアラックは自然が豊かですから、色んな食べ物がありますよ」
「そうなんだ・・・それは、楽しみだね。じゃあ、ご飯の前にお風呂済ませようか。エリオ、キャロ。一緒に入る?」
「あ、い、い、い、いえ、その、僕は一人で!もうすぐ11歳にもなりますし、その、女湯への男児入浴は11歳以下のお子様のみでお願いしますって」
「11歳以下なら、11歳ちょうどはOKなんだよ?」
「あ、で、でも、その、ユニットバス狭いですから、お、お先に失礼します!!」

猛然とバスルームに消えた少年の背中を見送って、寝室に二人きりになると・・・キャロはフェイトに向かって、ぺこりと頭を下げた

「あの、フェイトさん・・・本当に、ありがとうございました」
「キャロ、どうしたの?急に・・・?」
「フェイトさんと、八神部隊長が休暇を取り付けてくれたから・・・私は、こうして里帰りができて・・・大切な想いを、一杯受け取ることができました。
アルザスに帰ってきて、本当に良かったって思ってます。みんな、フェイトさんのお陰だから・・・だから、ありがとうございました。フェイトさん」
「・・・私こそ、キャロに笑顔が戻って、本当に嬉しいよ。至らない母親代わりだけど・・・これからもよろしくね、キャロ」
「フェイトさんは、お母さんの代わりなんかじゃないです!フェイトさんも・・・大切な、お母さんですから」
「・・・ありがとう。いつまでもそう言って貰えるように、頑張るよ」

照れ隠しに髪の毛をくしゃくしゃっと撫で回して、フェイトは満面の笑顔を作った



「それじゃ、今日一番の功労者であるエリオの背中、二人で流してあげちゃおうか?」
「あはっ、はい!」

風呂場に乱入すれば、愛する小さな騎士殿は、きっと顔を真っ赤に紅潮させて困り果てるだろう
そんな姿を想像し、二人は顔を見合わせて、少し意地悪な笑みを浮かべた

「エリオ、入るよー」
「エリオ君、お背中流してあげるねー」

夜の静寂に、絹を裂くような少年の悲鳴が響いたとか何とか ―――



222nowhereU:2007/12/08(土) 20:05:48 ID:dIVCkChA
以上です、長々とスレ汚し、失礼しました

元々、2つあったプロットを悪魔合体(withコペルニクス)した結果、事故った産物だったりします
ル・ルシエの里の住人の名前に関しては、言うまでも無く全部車です。サン婆も
キャロについてアレコレ描かれた部分は全部捏造です・・・スンマセン

そして、>>159
まだ黙っていてください。お願いします

それでは、スレ汚し失礼しました

223名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 20:29:22 ID:9JpO4TIG
GJ!
暖かい話をありがとうございました!

あ、エロエロな続きがあれば泣いて喜びます。
224名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 20:32:53 ID:40WqOJAF
GJ! この寒い冬にヌクモリティな話をありがとう!

でも、最後のエリオの悲鳴が脳内で『アッー!』になったのは俺だけじゃないはずだ
225名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 20:35:50 ID:ERcJbbHE
GJ!
もうエリオが風呂に入る→乱入されるは完全にお約束だな
226名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 21:28:40 ID:3zuz81Z9
うまいこと言いやがって……エリキャロに傾いてしまったじゃないか。GJなんだぜ!
227名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 21:40:23 ID:cyGzAI+s
>>222
つまりフェイトとエリオ、二人の交わりをキャロが目撃する展開が…
228名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 21:41:11 ID:kaiVEu18
>>222
モニターの前で泣いちまった…
心からのGJを!
229名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 21:50:09 ID:lge1k0rR
>222
激しくGJ.
ちょっち,涙目になってしまったじゃないか.
なんというか,想われてるというのはいいものだな.
230名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 21:52:07 ID:pAiKSze5
GJでした!
231名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 22:01:47 ID:GNEXNojg
>>227
「わたし、フェイトさんとエリオ君は幸せになれないと思います」
232名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 22:08:03 ID:+erHRuhv
>>222
これはGJせざるをえない
すげー感動した!
233名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 22:11:37 ID:cyGzAI+s
>>231
ダメだ!そんな鬱展開ダメだ!!
フェイトとエリオの愛の営みはキャッキャウフフでフェイトがお母さんになる展開がいいんだ!
234名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 22:38:41 ID:IzDld7Y8
>>233
フェイト&キャロ×エリオの母娘丼
こうですか、わかりません!
235名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 22:42:40 ID:cyGzAI+s
>>234
違う!エリオの子供を孕むフェイトだ!!
236名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 22:44:25 ID:hBWY8vei
>>222
目から変な汁がでてきた。ほんと、グッジョブ(^ー^)b
23738 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/08(土) 23:16:00 ID:7hS5VKWV
この流れをSLBしてユノなの投下しますよ。

・ユノなのイチャラブもの。
・エロあり
23838 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/08(土) 23:17:29 ID:7hS5VKWV
ある司書長の本当

「……今日はこれでおしまい。ちゃんと整理運動もやるんだよ?」
「「「「あ、ありがとうございました」」」」

訓練が終わり、なのはが訓練場から立ち去ると、スバル達4人はその場にぶっ倒れた。
ぐったりとしているスバル達4人に、ヴィータが溜息交じりに声を掛けた。

「ったく……、ティアナ、お前がなのはの逆鱗に触れたkらこうなったんだぞ? ……さすがになのははやりすぎだと思うけど」
「……そ、そう思うならなのはさん止めてくれたっていいじゃないですか……」

そうティアナが言うと、ヴィータは少し遠い目をして答える。

「……一応、止めはしたぞ? ……最初はSLB撃つ気だったんだからな、なのはの奴」

そうヴィータが言うと、4人はぴしっと固まる。
そんな4人に、溜息混じりにヴィータが言った。

「もう一回言うけどな、お前が悪いんだぞ? ティアナ。
 お前がユーノの事を弱いなんて言うから……」
「……だって、なのはさん達とスクライア司書長って、リンディ・ハラオウン提督がほとんど同時期に見出したんですよね?
 ……別に強さだけで価値が決まるって訳じゃないですけれど、ランク的に見たら……」

そう言ったティアナに、ヴィータは呆れ果てたような表情を向ける。
しかし、すぐに何かに気付いたように手をぽん、と打つと、口を開いた。

「……そっか、単純にユーノのランクだけ見りゃ、そこらの局員より少し強い程度にしか思えねーか
 ……はやてになのはにフェイトに……あたしやシグナムも含めて、ユーノの周りAAAオーバーばっかだし……」

その中じゃ、ユーノの総合Aは低いって思われちまうな、とヴィータが呟くと、ティアナは頷いた。

「そうですよ! だから、なのはさん達とは比べ物にならないくらいに弱いって言ったら……」

そこまで言うと、さっきまでの砲撃の嵐を思い出したのか、身体を震わせるティアナ。
そんなティアナに、ヴィータはも一度溜息を吐くと、言った。

「……多分ティアナは勘違いしてるだろうけど、ユーノは一芸特化型だぞ?
 どうしても必要だから総合ランク取ってるだけで」
「必要だから……って、何ですか?」

そうヴィータの言葉に首を傾げて聞くエリオに、ヴィータは視線を向け、答えた。
23938 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/08(土) 23:18:19 ID:7hS5VKWV
「ああ、本局勤務の人間、特に情報系の人間は総合ランク取らなきゃなんねーんだよ。
 無限書庫も本局勤務だからな。総合でランク取る必要があるんだと」

元々ユーノは結界魔導師だから総合じゃランク凄え落ちるぞ? と付け加えたヴィータ。
その言葉に4人は固まり、……1番最初に立ち直ったスバルが、ヴィータに声を掛けた。

「……あ、あのー、ヴィータさん」
「ん?」
「ユ、ユーノさんって、その、攻撃魔法は……」
「全然使えねーな」

そう言ったヴィータの言葉に、スバルはもう一度硬直した。
そんなスバルを見て、ヴィータはスバル達に向き直り、口を開いた。

「……この際だから言っとくけどな、ユーノ、あたしのラケーテンやなのはのディバイン普通に防ぐぞ?
 ……しかもラウンドシールドで」

そう言ったヴィータに、キャロが驚いたように口を開いた。

「……ラ、ラウンドシールドって、純粋魔力障壁じゃなかったですか?」
「……ああ。それで純粋魔力砲撃ななのはのディバイン立て続けに止めやがったからな、ユーノの奴」

本当に詐欺に近えからな、ユーノのシールド、とヴィータが呟くと、エリオがヴィータに聞いた。

「……それじゃあ、スクライア司書長の本当のランクって……、本当はA以上なんですか?」
「……いや、最初から総合でしかランク取ってねーから、総合Aで間違いねーんだけどな。
 ……結界魔導師でランク取ってたら、多分AAAに届くぞ、ユーノの奴」

そう言ったヴィータに、スバル、エリオ、キャロの3人は顔を見合わせ……、
……3人揃ってティアナを睨みつけた。

「ティア! ユーノさんの何処が弱いのさ!」
「強いじゃないですか! 凄く!」
「それなのに、何で弱いって言ったんですか!?」

半分なのはのお仕置きの恨みを混ぜながティアナに八つ当たる3人。
そんな4人を見て、ヴィータはもう一度溜息を吐いた。
24038 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/08(土) 23:19:20 ID:7hS5VKWV
一方。

「えへへ〜♪」

こてん、とユーノの肩に頭を置いて、なのはは本当に嬉しそうに微笑む。
そんななのはの髪を撫でながら、ユーノは苦笑した。

「……もう……、本当になのはは甘えんぼ何だから……」
「ごろにゃ〜♪」

髪を撫でられ、気持ちよさそうにしながら、子猫のように喉を鳴らすなのは。
2人が作り出すだだ甘の空気に当てられて、司書達はげんなりしていた。

「……なあ、誰かあの2人どうにかしろよ……」
「……SLBで消し飛ばされるぞ? ……司書長も仕事はちゃんとしてるから文句も言えねえし……」
「むしろあそこまでいちゃつきながらでもちゃんと仕事してる司書長凄くね?」

などと司書達がひそひそ話をしていると。

「てっ!」
「つっ!」
「あ痛っ!」

ごんごんごん、とひそひそ話をしていた3人の頭に本が命中した。
その3人の司書が恐る恐る本が飛んで来た方向を見上げると、
そこにはみどりのひかりをまとったあくまがたっていました。

「……ねえ、君達、減俸と残業、どっちがいい?」
「「「……どっちもいやです」」」
「じゃ、ちゃんと働こうね」

そうユーノが言うと、その3人の司書は大慌てでそれぞれ別方向に飛び去る。
それを見送って、ユーノはなのはに笑いかけた。

「……これで大体のめどはついたし……、部屋、行こうか、なのは」
「……うんっ!」

そう言って少し赤くなりながら腕を絡ませてくるなのはにユーノは微笑みかけ、司書長室に向かう。
司書長室の中に入ると、ユーノは扉を閉め、鍵を掛けた。
24138 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/08(土) 23:20:00 ID:7hS5VKWV
「……なのは」
「……んっ、はむっ、うんっ……」

司書長室に入ってから、ユーノとなのはは何度も何度も唇を重ね合う。
とろん、と熱に浮かされたような目でユーノを見るなのはを、ユーノはソファに横たえ、もう一度口付けた。

「んんっ、んっ、んんん!? んむっ! ふんん!」
「……んっ……、可愛いよ、なのは」

ふにふにと服の上からなのはの胸に刺激を送ると、なのははそれだけで快感にふるふる震える。
そんななのはの服を肌蹴させて、ユーノは送る刺激を直接のものにした。

「ひんっ! あっ、あ……」

ころころと指先で胸の先端を転がしてあげると、なのはは身体を反らせて甘い声を上げる。
突き出されるようにしたなのはの胸の先端を、ユーノは口に含んだ。

「ふああああっ!」
「……ふふ、なのはって、本当に敏感なんだね」
「だ、駄目えっ! 咥えたまま喋らないでえっ!」

なのははそう言って首をぶんぶん振るが、その声が明らかに甘くなって来ていて。
そんななのはの胸の先端に、ユーノは軽く歯を立てた。

「あ、あああああんっ!」

途端に身体を反らせて悲鳴を上げたなのはに微笑みかけて、ユーノは下の方に手を伸ばす。
なのはの秘所に触れた瞬間、くちゅり、と微かな音がユーノの耳に届いた。

「……うわ……、もうびしょびしょだ……」
「―――っ!!」

思わずユーノがそう呟くと、なのはは一気に真っ赤になる。
ぱくぱくと口を開閉させるなのはを尻目に、ユーノはなのはの中に指を差し込んだ。

「ふあああっ!」

びくっ、と雷に打たれたように身体を跳ねさせるなのはの耳元に、ユーノは唇を寄せ、囁いた。

「……なのは、今から激しくするけど、壊れないでね?」

そう囁くと、ユーノはなのはの中を激しく掻き回しはじめた。
24238 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/08(土) 23:20:30 ID:7hS5VKWV
「あ、あ、あ、あ、あ! あふああっ、きゃあああん!」

びくんびくんと際限無く身体を跳ねさせるなのは。
必死で快感から逃れようとなのはは身体を捩らせ、……上半身がソファからずり落ちた。

「……一回こんな格好でしてもらいたかったの?」
「ち、ちが、あっ! ああっ、ああああんっ!!」

恥ずかしい格好になって真っ赤になるなのはに、ユーノはさらに責め立てを強くする。
がくがくと震えながら虚ろな目になって喘ぐなのはを見て、ユーノはなのはの限界が近い事を感じ取った。

「……だーめ」
「〜っ!?」

ギリギリまでなのはを追い詰めて、ユーノが手を止めると、なのはは小刻みに震える。
身体の中で満たされなかった快感が暴れまわっているなのはに、ユーノは言った。

「ふふふ……、簡単にはイかせてあげないよ、なのは」
「そ、そん、な……、ああうっ!」

そうユーノは言って、意地悪く笑う。
少し落ち付いたらすぐに絶頂寸前まで快感を引き上げられる、その繰り返し。
なのはの秘所はみるみるうちにぐちゃぐちゃに、そして敏感になっていった。

「っ! っ!! っ!!!」
「……そろそろ、限界?」

そう首を傾げて聞くユーノを、なのはは息も絶え絶えになって見詰める。
物欲しそうに秘所はひくつき、吐息はこれまでになく荒くなっていて。

「……お……お願……い……、もう……死んじゃうよぅ……」
「……どうして欲しいの? ちゃんと言ってくれなきゃ分からないよ」

そうユーノが言うと、なのははユーノを恨めしそうな目つきで見る。
しかし、快感を望む身体に耐えきれず、なのはは身体を震わせながら口を開いた。

「わ、私の中……、もっとぐちゅぐちゅって掻き回して……。
 私、イかせて! お願い、ユーノ君!」
「……良く言えました♪」

そう言うと、ユーノはなのはを一糸纏わぬ姿にして……、
手の動きをこれまでの中で1番早いものにした。
24338 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/08(土) 23:22:01 ID:7hS5VKWV
「あ! あああ、あっ! あー!!!」

みるみるうちに絶頂に上り詰め、身体を完全に硬直させるなのは。
ぷしゃぷしゃと潮を噴いて、がくがくと震えるなのはに、ユーノはそのまま責めを続けた。

「い、うううううっ!!! らめっ! 私、もう、イってるから、らめぇぇ!」
「駄目だよ、止めてあげない♪」
「あ、あああぁあぁあああっ!!! ひっ―――!!!」

絶頂のままで快感が固定され、なのははぶんぶんと首を振る。
絶え間無く潮を噴き続けて、なのはは自身の愛液でびしょ濡れになっていた。

「……そろそろ、かな」
「ああうっ!」

そう言ってユーノが指を引き抜くと、なのははそれだけで達しそうになる。
完全に脱力しているなのはの秘所に、ユーノは自身を宛がった。

「だ、だ、だだだ、だめっ! 今、されたら……!」
「されたら、どうなるの? ……試してみようか♪」

ユーノのその行動に、なのはは真っ青になって逃げようとするが、身体に力が入らなくて。
そんななのはを簡単に押さえ込んで、ユーノはなのはの中に自身を埋めた。

「!!!!!」
「うわ……っ!」

途端に声にならない絶叫を上げ、力一杯ユーノを締め付けるなのは。
ユーノも予想を遥かに越える締め付けに、思わず顔を顰める。
そしてそのまま、激しく中を抉るように突いてやると、なのはは悲鳴を上げた。

「あはっ、はにゃ、にゃああああーっ!!! にゃああ! にゃーっ!!!」

まるで猫のようににゃーにゃー鳴くなのはに、ユーノは苦しそうな息の下で、微笑みを送る。
みるみるうちに膨れ上がって行く自身の快感を押さえきれず、ユーノはなのはの最奥に自身を突き込み、

「……く……ぅ……っ!」
「ふにゃあああああぁぁあーっ!!!」

欲望を注ぎ込むと、なのははこれまでで最大の絶頂に達した。
24438 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/08(土) 23:22:40 ID:7hS5VKWV
「……え、えっと、大丈夫? なのは」
「……うん。……もう、慣れたよ。ユーノ君がこう言う時にはいつもすっごく意地悪だって事」
「……ごめんなさい」

膨れっ面をしてそっぽを向くなのはに、ユーノは平謝りに謝る。
さまざまな液体でぐちゃぐちゃになったなのはの身体を拭いてやりながら、ユーノは一言呟いた。

「……でも、なのはって、虐めるくらいの方が反応いいんだよ?」
「そ、そんな事ないもん! 私、変態さんじゃないもん!」

そう真っ赤になってユーノの言葉に抗弁するなのはに、ユーノは微笑んで……、
秘所にタオルを持った手を伸ばした。

「あっ!?」
「ここも、ちゃんと拭かなきゃ、ね」

そう言って、ユーノがなのはの秘所を擦り始めると、なのははひくひくと震えた。

「あっ! はあんっ! ゆ、の、くん……」
「うーん……、おっかしいな……、いくら拭いてもどんどん溢れてくる……」

そう意地悪く笑って言うユーノに、なのはは真っ赤になる。
しかし、その間もユーノの手はタオル越しになのはの秘所を擦り続けていて。
なのははどんどん膨れ上がる快感に翻弄された。

「きゃあんっ! も……もうっ……私っ……」
「なのは? どうかした?」

ぞくぞくと身体中を駆け巡る快感に、なのはは絶頂に達しそうになる。
そんななのはに、ユーノはとどめを刺した。

「……それ♪」
「ひああああっ!? あ、あは、はああああああん!!!」

こりっ、と秘所の上の突起を押し潰すと、なのはは成す術無く絶頂に達する。
そのまま小刻みに震えるなのはに覆い被さって、ユーノは囁いた。

「……それじゃあ……、第2回戦だよ♪」
24538 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/08(土) 23:24:45 ID:7hS5VKWV
これで終わりです。

……何でユノなのだとマニアックプレイに走るかな俺orz

この前某魂のリンク辿って見たんだ。
……ユーノリンクの中に俺のサイトあってテラ吹いたw
246名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 23:31:45 ID:eUPP6wwd
んー、嫌いじゃないんだけど…
最初の2レス必要か?
後半にも特に繋がってないし

ユーノが好きなのは解るが
それを必要以上にアピールしすぎな印象を受けるよ

マニアックプレイはGJ
247名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 23:42:36 ID:qnmC0nML
ほんとこのスレはユーノに過剰に反応するなぁw

普通、あいも変わらず自サイトの宣伝してる事を問題視すべきだと思うんだが。
248名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 23:50:11 ID:iluKV4FX
そんな事より、盗作したにも関わらず今だこのスレに居座れる図太い精神を称えてやろうじゃないか
249名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:34:03 ID:81eCU1fV
>>245
今までのあなたの作品の中で、最も読みやすく、かつ面白い出来だと思います。エロも十分エロいですし。
ただ、>>246でも言われてるように前半の存在意義は「?」ですかね。

で、まぁ、これだけ書けるなら、そろそろ自サイト1本に絞った方かいいんじゃないですか?
「作品に対する迅速かつある程度の量のレス」を求めてのこのスレへの投下だとは思いますが、
ほとんどこのスレの自分用の保管庫と化しているサイトが可哀想ですよ。
自分のサイトに対する愛着とか向上心は無いんですか?
250名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:39:00 ID:h4QgywkJ
>>247
すまん、別にそんなつもりはなかったんだが…
俺ユーノ好きだよ?

ただSSの流れとしてさ
前半でされた、彼のユーノ設定説明が後半に全く必要無いところに違和感を持っただけで
普通そーいったことを話題にあげるなら、それを絡めた話作りをするだろ?
ユーノのランクや能力の話→/ぶった切り/→いちゃラブエロパート
なら最初からいちゃラブさせとけって思わないか
これはユーノの部分がエリオでもクロノでも彼のオリキャラであったとしても同じことだよ
251名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:48:45 ID:sH3mhUzt
まぁ、盗作疑惑の人のサイトのイベントに堂々と参加するような御仁だからなぁ・・・
252名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:51:33 ID:bTZUfSgT
バインドでの拘束とかシールド応用してとかランクに絡めようもあるのにな
その辺の行間抜かして個の批判があたかも不特定の範囲から出たものだ
と広げる>>247もどうかとね

実際問題どこまで魔王様に対応できるものになるか心配だがな、シールドも
教導での特訓分で差がry
253名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:52:06 ID:2J6gk1NH
ユーノスレってどこにあるんだーーー。
まさか分離しているとは思わなかった
誰か俺を誘導してくれよぅ。
254名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:53:21 ID:zrFNaF+y
【リリカルなのは】ユーノ司書長はエロカワイイ13【Strikers】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1196262604/
255名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:53:54 ID:GPJBC+ar
>>253
アニキャラ個別へGO!
256名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:55:19 ID:U6ZnjGSL
>>222
GJ!GJ!GJ!
とてもいい話しをありがとう。
感動した。
電車の中で泣いちまった。
257名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:55:28 ID:eGd7oXIM
アニキャラ個別へ行けばいいと思うよ
258名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 01:05:53 ID:2J6gk1NH
おっしゃーーー!テンション上がってきたーーーー!
255.256 サンキュー気に入った家に来てエリオをファックしていいぞ。
259名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 01:23:02 ID:lm4k1lbw
公式のグッズページを見て吹いた
エリオォォォ!
このまま皆に食べられちゃうぅ(性的な意味で)
260名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 01:43:53 ID:h4QgywkJ
>>259
あれ絶対トラウマものだよなww
しかもまたキャロ迫られてるしw
261名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 01:54:45 ID:/SE2ScNv
>>250 >>252
そんなマジな反応されても…正直、困るw
先日の“自己投影”の件があったから牽制も兼ねて軽くレスしただけなんだがな。

こんなやり取りをしてる事が全てを物語っている気が(ry
262名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 02:11:23 ID:JlxT2sx7
よほど事大に拡大したいのか?
263名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 02:50:22 ID:KafGvt19
いつぞやの「自己投影」野郎のおかげで過敏に反応してしまうようになって、って所か
荒らしたがりの思うツボになってしまうぞ
264名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 03:15:15 ID:E+A2zQ5I
>259
エリオ、専用種馬化だな…

なのフェイのタオルの方もヤバすぎ
なのはの左胸を隠してるのがフェイトのもみ上げだけ…
265名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 03:19:09 ID:Ltu5uYSs
いいじゃない。プロ級もいれば、初めての子もいる。
レベルがならやるなって場所じゃないでしょ、ここは。
話に存在意義や目的を見出したいのなら本屋行けばいいのよ。
266名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 04:22:07 ID:mp/bTZs2
>>249
サイトが可哀相とかイミフだぞw
別に保管庫でも良いじゃん
267名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 04:27:21 ID:fP6+zVc1
投下したいですけど、平気ですかね
268名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 04:30:17 ID:mp/bTZs2
>>267
全然大丈夫じゃないか!
269シナイダ:2007/12/09(日) 04:31:20 ID:fP6+zVc1
では……

・ユーノとはやて
・エロあり
・凌辱? ではないのかあるのか
・MC(マインドコントール)的な感じアリ
・ちょっとユーノのキャラがあれ? と思われるかもしれないですが仕様です
・幸せな話ばかり書いてると反動で書きたくなるんですとか言い訳してもいいですか
270『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:33:22 ID:fP6+zVc1
 我慢が出来ない。
 足元がおぼつかない。
 目の前が霞む。
 壁に手をつきながらじゃないと歩けない。
 自然とスカート地の前面を抑えるように手が動いてしまう。

 早く。
 もう駄目だ。
 我慢が、出来ないから。

 八神はやては、ようやく見つけた男の白衣の裾を、必死の思いで掴み取った。

「あ、ぅ」
「―――ん?」

 彼は振り返ると、なんてことのないような―――冷たい視線をはやてに向ける。
 その冷酷ともいえる視線に、背中へと走るなんとも言えぬ感覚。
 口から熱い吐息を洩らしながら、今にも泣きそうな顔で、絞りだす様に彼女は小さな声で叫んだ。

「お、お願い……も、もう駄目なんよ。我慢が、出来んの……」
「ふーん」
「お願い! お願いやから……これ、外してぇ……」

 彼の冷たい視線は変わらない。
 微動だにせず、その冷徹な表情で見下ろしてくる。

 助けてと叫んでも、今の彼は助けてくれないだろう。
 前はこんなじゃなかった筈なのに。
 どうしてこんなことになってしまったのか、はやてにはさっぱり理解が出来ない。

 でも。
 例え理由はどうあっても。

 ―――はやてが今、彼を求めずにいられないのは、事実だった。

「お、お願いします。これを、て、貞操帯、外して……っ」
「断る」

 絶望がはやての両肩に圧し掛かる。
 足元はずっとグラついていたが、ついには崩れ落ちそうになってしまう。
 両手で彼の服を掴み、なんとか自分を支えながらも、堪え切れずに―――縋るように求めてしまった。

「ユーノ君、お願いやから、イジワルせんで……! わ、私、も、もう我慢出来ない……ず、ずっと我慢して、もう、限界なんや!」
「何が限界なの?」
「せ、せやから―――あ」

 気が、ついた。
271『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:34:21 ID:fP6+zVc1
 ユーノが自分に何を言わせようとしているのか。
 きっと彼は、もう自分が―――彼を心の底から求めないと、自分の下半身の大切なところを覆うこれを、外してくれないだろう。

 今朝から、ずっと彼女のことを拘束していた。
 中には小型のバイブが仕込まれていて、電池が切れるまではずっとはやてを責めたてる。
 恐らくはもう後数時間だって電池はもたないだろうが―――はやてはそんな電池切れまで、我慢できる自信なんて、一切なかった。

 だから、崩れ落ちる。
 身体も、心―――プライドも。

 地面に膝をついて、全身を震わせながら。
 もうスカートには染みが大きく出来てしまっていて、とても隠し通せるものではなくなっている。
 荒く息を吐きながら。
 両手は未だ、彼の白衣を掴んだまま。

「お願い、です。こ、これを外して―――わ、私に、ヤらしいこと、してぇ……してっ、下さぃぃ……っ、う、ぁ、あああっ!」

 屈服の意志を示すと同時。
 はやての身体が大きく仰け反る様にえび反りになって、小刻みに震え出す。
 イってしまった。
 白くなりつつある意識の中、それだけを認識出来たはやては地面に倒れるように全身の力を抜いて、幸せそうに―――

「よく出来たね」

 今までの冷酷さが嘘のような、優しそうに笑うユーノの腕の中に抱きとめられて。
 そのまま幸せそうに、己の意識を手放した。

――――――――――――

 目を覚ますと、そこは見覚えのある部屋だった。
 白い、部屋。
 無機質とも呼べる家財が申し訳程度に並んでいて、まるで生活臭がしない。

 そう、ここは彼の―――

「や。目が覚めた?」
「あ……」

 ユーノ・スクライアの、部屋だった。
 自分はここで処女を散らされ、その後も数々の辱めを受けた。
 が、どうしてか必要以上に抵抗も出来ず、されるがままで。
 今ではさっきのような、貞操帯をつけたまま半日に近い時間を過ごす羽目になったりするほどの―――

「あ、あれ? こ、これって」
「……何。まだ寝ぼけてるの?」
「ちが、うわあ!? なんで!? なんで裸―――だけじゃなくて、縛られてるん!?」
272『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:35:22 ID:fP6+zVc1
 なんでって、何言ってるのさ、とユーノが呆れたようにぼやく。
 はやては信じられないものでも見る様な眼で彼を見上げ。
 ユーノはそんな、地面に転がされたままの彼女の側へと近寄ると、

 ニッコリと笑って。
 彼女の乳首を、抓り上げた。

「痛ッ、や、何、ぐ……」
「嘘付きなよ。今、何感じた?」
「な、何って、なんや?」
「だから―――もう、興奮してきてるでしょ。はやては」

 目を見開く。
 冷や汗のようなものが出ると同時、思わず舌の回らぬ反論を試みてしまう。

「適当言わんで! こんなんで興奮なんかしたら、変態やん!」
「だからはやては変態じゃないか」
「ち、ちゃうもん! そんな変態なわけな、」
「濡れてる癖に」
「くぁ!?」

 もう一度、乳首を抓られる。
 自覚させられたからか。
 そう言われたからかは、分からない。

 けど。
 ゾクりと。
 背筋を―――なんとも言えぬ、甘い感覚が駆け抜けた。

 自覚した瞬間、己のさせられている格好に認識が追いつく。
 全身を丁寧に紐のようなもので縛られ、身動きが取れない。
 手も足も後ろに縛られて、抵抗しようにもすることが出来ない。
 だから、唯一自由な口で、なんとか反抗して―――反論するしか道はない。

「と、解いてっ、これ、解いてぇ!」
「折角頑張って縛ったのに……」
「そこで残念そうな顔するなぁ! も、もうええから許してよぉ……こんなん嫌やぁ……」
「―――はぁ」

 ユーノは大きくため息をついて、はやての身体をひっくり返す。
 今までうつ伏せのまま転がされてる体勢だったのが、今度は手足が地面につくような、はやての身体がある程度柔らかくなければ苦しいであろう体勢にさせられた。
 ついた手足でジタバタともがきつつも、涙で滲む視界の中、ユーノを睨みつける。
273『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:36:23 ID:fP6+zVc1
「何をするん? ひ、酷いこと、やめ……」
「酷いことはしないよ」

 そっと、ユーノの手がはやての下半身に延びてきた。
 瞬間、暖かい感触を下半身の―――今日、朝から封じられていた敏感な場所に添えられ、なぞる様に“筋”を撫でられ。

「う、ひゃ!?」

 くい、と曲げた指先がはやての肉を割り入ってくる。
 そのまま上まで移動したユーノの指は、豆のようなはやての敏感な部位を掴むと―――
 捩った。

「きゃぅううううううううううう!!」

 潮を噴く、という例がある。
 クジラの潮を噴く様を例えて言われることだが、ユーノは目の前の光景をまさにそれだなぁ、と感じていた。

 はやてのソコからは、一瞬だったがまるで小便のように液が噴き出し。
 彼女の身体を震え上がらせると、絶頂へと導いていた。
 あまりにも早く絶頂が訪れた己の身体が信じられず、チカチカする視界で天井を見上げるはやて。
 口元からはだらしなく涎が垂れているが、手も自由にならない今はそれはただ流すのみ。
 涙も、鼻水も、垂れてはそのまま―――汚くはやての顔を、惨めに濡らす。

「あ、う、な、あぅ、ひっく……」
「縛られて、興奮してるんだよね?」
「え……?」

 呆然とした頭に、何かが滑りこんでくる。
 耳鳴りがしたかと思うと、意識が曖昧になっていく。

 白い世界。
 意識だけの世界。
 そこで、自分の心を直接なぞられるかのように、何かが沁み込んでいく。

「―――朝も、身体の一部を封じられて、興奮した」
「ち、が」
「今も、手足を縛られて、興奮してる」
「あ、ち、違う。これ、これは……」

 呼吸が荒くなっていく。
 自覚したくない。
 認めたくない。
 認識すれば、世界はまるでその通りになってしまう。
274『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:37:18 ID:fP6+zVc1
「さっきも僕に思い切り乳首を抓られて―――本当は悦んでた。知ってるよ? だって、口で否定しているのに顔が嬉しそうだったもの」
「あ、ああ……」
「手足を縛られて、拘束されたまま弄られて、こんなに早くはしたなくなってしまう」
「あぅ……ああ……」

 溶け込んでくる言葉を―――拒めない。
 なんでかは分からない。
 けれど、彼の言葉は、凄く凄く、気持ちがいい。

「顔もこんなに汚して……汚い女の子だね、はやては」
「ッ!」

 震える。
 一瞬、捨てられると思ってしまった。
 汚い子だから、いらないと言われるかと思ってしまった。
 それに、恐怖を感じ。
 けど、

「―――だから、僕が飼ってあげるよ。変態はやては」
「ひ、あ、あは……う、あ……く……はぅッ!!」

 また身体に電流のような感覚が走って、軽く達してしまった。
 飼われる。
 その内容を想像して―――達してしまった。

 犬のように扱われるのだろうか。
 首輪をつけられるかもしれない。
 四つん這いで床を這いずり回るのかもしれない。
 タライに入れたご飯を犬食いするのかもしれない。
 おしっこもうんちも、彼の見てる前で処理するのかも―――

「僕に飼われたい? それとも、飼われたくない?」
「あ、―――わた、あ―――」
「いいよ。頷くか、それとも、首を横に振るか。選んで?」

 心に沁みる言葉が、不思議だった。
 全てを支配される感覚。
 自分を失ってしまう喪失感を、彼と言う温かい主人が埋めてくれる感じ。

 それだけで。
 もう、はやての心はいっぱいで。

「―――」

 ゆっくりと、彼の誘いに頷いていた。
275『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:38:01 ID:fP6+zVc1
――――――――――――――――

「こ、こんな恰好のまま……」
「雌犬には上等でしょ」
「そ、そんな言い方……!」
「何? されたらまた濡れるんだ?」
「へ、あ、ち、違うん―――あうっ!」

 触られ、思わず艶の入った声を漏らしてしまう。
 恥ずかしさに顔を覆いたくとも、両手が縛られている状態ではそれも出来ない。
 ベッドの上で、仰向けで。
 全てを曝け出す格好で、はやては寝転がっていた。

 実は先程一回、紐は解いて貰っていた。
 だから抵抗すれば逃げ切れたかもしれないが―――先程屈伏を経験させられたはやてに、そんな気力は微塵も残っていなかった。

 そうして新たに縛り直され。
 今度は両足を大きくM字に開き、何やらユーノが用意していた鉄の棒を通され、膝の裏側で両手を結ばれ。
 そこから通じる紐がはやての首筋にかかり―――ちょっとやそっとじゃ身動きも取れず。
 開くことも閉じることも、隠すことも出来ないまま、はやては彼の目の前に晒されていた。

「さ、じゃあはやてにはまず自己紹介からしてもらおうかなー」
「じ、自己紹介……?」

 これ以上何をされるのかと身構えていた彼女は、思わず拍子ぬけしたように聞き返した。
 だが、すぐに後悔する。
 この状況で、ユーノがよく知っている自分のプロフィールなんかを聞きたがるはずもない。

「―――自分の立場を認識してるか、テストね」
「あ、ああ……!」

 身体が恐怖で震え始める。
 先ほど精神は全部折れたと思ったのに―――こんな感情が自分の中に残っているとは、思わなかった。

 だって、自分の口から全部言わなければならないのだ。
 認めなきゃいけないのだ。
 言われるのと、言うのでは、大分違う。
 精神にかかる負担そのものが、大きく違う。

 ―――と、またはやては耳鳴りを感じ、意識が軽く白けるのを感じる。

「はやて?」
「え、あ、はい」

 ユーノの言葉に意識を現実に戻したはやては、震える唇で―――しかしそれでもはっきりと、言い切った。
276『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:38:46 ID:fP6+zVc1
「わ、私は、普段は時空管理局で特別捜査官をしてる、八神はやてです。で、でも、今は、違います。そ、その……」
「その?」

 促され、ゴクリと唾を呑んで。
 もう、顔が弛んで、それを言うことに対しての抵抗どころか、悦びすら感じてることにも気付かず、告げた。

「ユーノ君の、奴隷で、ぺ、ペットです。変態の、わ、私は、ユーノ君に、飼われてる、ぺッドです……!」
「そうなんだ。―――うん、よく言えたね。偉いよ、はやて」
「え、えへへ……」

 嬉しそうに笑う。

 けど、既にその瞳に正気の色は薄い。
 言葉の一つ一つが、彼女の心に負担をかけている。
 本来なら思わぬことでも、何故か今は快楽と共に言えてしまう。

 次第に壊れつつある己の心に気付かず、はやてはユーノの手で頭を撫でられて、幸せに包まれていた。

「よし―――じゃあご褒美だよ」
「へ―――ひゃうぅぅッ!?」

 また、アソコを触られた。
 しかも今度は外側を撫でるのではなく、内側。
 そこを搔き雑ぜるように、指を二本も突き立てられる。

「あ、が、く、苦し、ゆーのく、あ」
「苦しい? 本当?」
「あ、ほんとに、くるしーて、かふっ、う、」
「それはよかったなぁ」

 まるで初めからそれが目的であるように。
 ユーノは、更に動きをつけ始めた。

 前後に動かし、指先に力を込めて強く壁を擦ったり。
 親指で軽くクリトリスへと触れてみたり。
 左右にも動かして、彼女が一番よがるポイントを探ってみたり。

 ただ、それら全ての行為がはやてを快楽の坩堝へと落とし入れることだけは、間違いなく。

「あ、ひ、ふ、は、あふ、はっ」
「ほら、また鼻水垂らして……」
「ご、あ、ごめ、あ、あは、きゅ」
277『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:40:16 ID:fP6+zVc1
 そんなはやてを愛おしそうに見つめてから、ユーノは身動きの出来ぬ彼女のふとももの裏側を、そっともう片方の手で撫でた。

「あひっ!?」

 くすぐったさに身を捩ったはやてだが、今の彼女は逃げられない。
 瞳に涙を浮かべて止めるように頼もうとするが、続けさまに指先でお尻から太ももにかけてを丹念に擽られてしまい、声が出ない。

「あ、ま、くすっ、ひっ、あ、おっ、あ!」

 膣を弄られ、汁をだらしなく垂れ流し。
 くすぐられ、呼吸すらも苦しそうに、舌を突き出して酸素を求める。

 既に限界そうなはやてに対して、ユーノは笑って告げる。

「イってご覧。そしたら、僕のおちんちん上げるから」
「え、あ? はくっ!」
「あはは。そうそう、はやての大事なものを奪った奴だ―――よっと!」
「くひっ!?」

 ユーノが膣内に入れた指先を捻る。
 更に出し入れの速度を上げ、はやてがものを考えられない程に高めていく。
 もう我慢なんて無理だ。
 壊れてもいい。
 今は、ただ、これを、貪れれば。

「イきなよ、はやて」
「い、いいいいあ、くぅぅぅ……っ!!」

 激しい震えと共に。
 心身を痛いほどに拘束されたまま。
 はやては、ユーノの指で、絶頂へと導かれ、再び意識を飛ばしてしまったのだった。

―――――――――――――――――

 頬を叩かれた気がして、目を開けると―――そこには呆れ顔のユーノがいた。

「いちいち気絶しないでよもう……」
「あ、う? ……あ、ご、ごめん。やっぱり、慣れんから……」
「まあいいけど。寝顔も可愛いからね、はやては」
「え―――そ、な、何言うてんの! わ、私なんてとても! な、なのはちゃんとか、フェイトちゃんとかおると霞む程度の、そんな」
「焦りすぎ。―――ほら、手足自由にしておいたよ」
「え?」
278『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:42:13 ID:fP6+zVc1
 視線を下げると、確かに手足も自由にされていた。
 されていたが、が。
 代わりに、全裸のユーノの両手両足に、全身が組み敷かれていた。
 展開についていけず、すがるような目でユーノを見上げる。

「え、えっと……」
「別に初めてじゃないんだから」
「それでも女の子は一回一回緊張するんやっ!」
「ふうん。ペットの癖に、反抗する気?」
「え、あ」

 ユーノははやての顔に己の顔を近づけて。
 ぺろりと、舌でその頬っぺたを舐めとった。
 再びゾクりと背中に支配される喜びに反応した感覚が走る。

「しょっぱいね。涙と鼻水?」
「あ、き、汚いから……」
「うん汚い。―――で、その汚いペットのはやては僕にどうすればいいの?」
「え、あ、はい」

 段々慣れてきたのか、組み敷かれたまま―――恥ずかしそうに顔を赤らめて、熱の籠った視線で、彼を見上げる。
 下半身は、先程の情事で既に濡れている。

 ちらりと、彼の股間から垂れ下がるモノを見て、期待にゴクリと喉を鳴らしつつも、懇願する。

「わ、私の、あ、えっと、その」
「―――その?」
「そ、その、おまん、こ、に……入れ、て……」
「何を?」
「お、おちんちんを」
「どこに?」
「お、おまんこやって! さっき言ったやん!」
「はいじゃあ通して」
「う、ううこのどサドぉ……」

 唸ると、はやては開き直ったように叫ぶ。

「私のおまんこに! ユーノ君のおちんちん、入れて下さいっ!!」
「―――あ、実は今の、外部電源に繋げて本局中に流したから」
「へ?」
「嘘だけどね」

 性質が悪すぎる嘘に、全身から流れ出た冷や汗と共に―――身体から力が抜けてしまう。
 一瞬でカラカラになった喉と、激しく波打つ動悸を抑えようとしながらも、流石に怒った。
279『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:44:27 ID:fP6+zVc1
「い、言っていいことと悪いことがあるで! そ、そんなん、そんなん本気にしたやんか!」
「したら、どうなった?」
「そんな、わ、私、これから、周りの人に、変な目で、見られ……」
「イヤらしい目で見られるかもね。ああ、あの時あんな恥ずかしい言葉を惜しげもなく叫んでた変態娘かーって」
「ち、違」

 ユーノははやての小さな顔を掴む。
 震えるその顔は、瞳を見開いて、フルフルと小さく左右に振られていた。

「違くないでしょ?」

 ―――耳鳴りがした。けれど、もう気にならないし―――気にする必要も、なかった。

 はやてはこっくりと頷いて。
 蕩ける様な声で、

「うん……私、変態やから、皆に、見られるのも、好き、かな……」
「そこまで言った覚えはないけど……まあいいや。きっとはやては本質的に変態なんだね」
「うん……」
「……やりすぎたかな」

 うーんと唸ってから、再びま、いいかと頷いて。
 ユーノはいきり立った己の物を、はやての膣内へとゆっくりと導いていく。
 はやては気持ち良さそうな、幸せそうな顔でそれを受け入れて。

「最後まで、入ったよ?」
「あ、う……嬉しい……もっとぉ……」
「はいはい」

 苦笑する間もなく。
 ユーノが腰を動かす前に、はやてが自ら腰を振り始めていた。
 やれやれと思いつつも、そんな体勢じゃ碌に腰も動かせない彼女の代わりに、一気に引き抜いて―――突き入れた。

「あぐっ」
「じゃ、頑張ってねはやて」
「あ、う。うん。頑張りますぅ……」

 はやての嬌声が、響く。
 快楽に溺れてしまった彼女は。
 ひたすらに闇へと堕ちていった。
280『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:45:37 ID:fP6+zVc1
―――――――――――――

「あ、あはぁ……も、もっと、もっとぉ……」
「……」

 ベッドでそんな言葉だけを漏らす少女を、ユーノは冷たい目で見下ろしていた。
 また、やってしまった。
 そんな寂寥の思いが彼を突き上げるが、すぐさまそれは―――首筋の後ろからの感覚が打ち消してしまう。

 ベッドの横に立ち、髪の毛をそっと掻き上げる。
 黒い、石。
 それがそこに埋まって、鈍く光っていた。

「―――ごめんね、はやて……」

 寂しそうに心を壊してしまった少女に擦り寄る。
 彼の行動を縛る悪魔の石も、その意志に反するような行為でなければ拒絶反応も出ない。

 外部から干渉して、精神操作にまで及ぶことの出来る石。
 以前、遺跡発掘に行った際にユーノに寄生し―――それ以来、彼の行動と意志を奪い続けている。
 彼の意思では逃れられない。
 誰かに助けも求められない。

 だから、“仕方が無かった”。

「ゆ、ユーノくん……ねえ、もっと、しよ……」
「そう、だね」

 はやてに軽くキスをすると、スイッチが入れ替わる。
 元から被虐的な素質があったのもそうだが、今の彼女は石の操作もあって、そういった性癖を備えてしまっている。
 だから優しくじゃなくてもいい。
 忘れたいと思う様に、激しく。

 ユーノはいきり立った己の物を、はやての膣内へと押し込んだ。

「あ、く、あ、あふ……」
「……処女失ってまだ1週間くらいなのに、凄い順応だね」

 それだけ無理やり、ほぼ毎日慣らしたのもあるが、やっぱり才能だろうか。
 くっ、と喉の奥で嗤うと。
 ユーノは萎えることを知らぬペニスで、幾度となくはやてを貫いていった。

―――――――――――――
281『それはある意味幸せな』:2007/12/09(日) 04:47:02 ID:fP6+zVc1
「じゃあ、またね」
「あ、うん……い、いや、はい。また、お願い、します……」
「二人でいる時以外は普通にしないと怒るよ?」
「っ、ご、ごめんなさい。ほんなら、またっ」

 身体を震わせて、顔を真っ赤にしたはやては去っていた。
 ふう、と大きくため息をついたユーノはやれやれと思う。

 このまま自分の周りの少女たちを、ゆっくりと壊していかないといけないのだろうか。
 誰か、助けて欲しい。
 こんなことは正直もう、したくない。

 だって、はやてはまだ知らないが。
 感染は―――既に―――

「……あ、あの」
「ん?」

 振り返ると。
 そこに、幼馴染の金髪の少女が、恥ずかしそうに立っていて。
 もじもじと身体をくねらせると、怯えるように、言った。

「あ、朝早くから、ごめんね? き、昨日まで我慢したから、して、くれるんだよね?」

 震える声。
 ついこの間まで身体を重ねていた少女を見て、少し眉尻を下げて、答える。

「……うん。そういう約束だったからね」
「ま、毎日オナニーもしてたよ? 言うとおりに、したよ? だ、だから私、もう、ユーノが、いないと、い、いないと……っ」
「分かってる。ちょっと汚れてるけど、部屋入る? まあ、片づけはしたから」
「うん! う、うん!!」

 心から嬉しそうに頷いたフェイトの背を押して、中へと導く。
 内心でごめんと呟きながらも、気が付けばスイッチは入れ替わっていた。

 悪魔の頬笑みを浮かべて。
 今日もまた、毒の牙が―――
282シナイダ:2007/12/09(日) 04:49:49 ID:fP6+zVc1
はい空気の欠片も読んでない話、読んでくれた方、ありがとうございました
あーエロくなってるのかなってないのか……

では、また
ちなみにユノフェはなんとか方針が決まってきた感じです……難産……
283名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 04:52:22 ID:mp/bTZs2
>>282
これは良い抜きテキスト、目茶苦茶エロいよ
しかし良い意味で男女なら誰でもどころか同姓間でも使用できそうなシチュエーションだ。
284名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 08:39:59 ID:8yyxgb8W
GJ!
日曜の朝から激しくおっきした
285名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 10:39:09 ID:e0QeO5K4
人畜無害そうな青年が鬼畜行為に走るのは大好物です。
テラGJ!

フェイト編とか、はやて編の続きが見たいと思う俺ガイル
286名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 10:47:20 ID:pJ+eXF5c
このユーノネタ連打は誰かさんを釣ろうとしてるのかと勘繰ってしまう
287名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 10:53:04 ID:yHqqnMxv
まあ、何を言ったところでユーノが書きやすいんだろう……
陵辱やら百合はすっかり減ったしな。需要はまあ、あると思うんだけど、職人さん次第だから。
三期からの男性キャラはエリオ以外は出番も半端だったし、1期からのクロノは嫁さんできちゃったしな。
職人さん達の、キャラに対する思い入れにも温度差があるんだろうな。
288名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 11:20:27 ID:sibBHuF5
それでもクロノなら、クロノならやってくれるッ!
289名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 11:52:14 ID:e0QeO5K4
クロノが最近調子にのっている淫獣を犯ってくれるとな。

やっぱりクロノ君の鬼畜攻めが基本よね!
あれ、何で晴れてるのに雷が真直ぐ私に向かって落ちて(ry
290名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 12:46:50 ID:Ltu5uYSs
いやクロユーは王道だね。
例えエイミィがいたとしても、
性欲をぶつけ合うだけというユーノとのがむしゃらなセックスをクロノの体は忘れられないよ。
291名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 12:56:24 ID:vla9JIq9
そういやヴォルケンズは最近減ったな
いや元から少なかったは少なかったけど。ザフィとかシャマルさんとか
292名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 12:58:59 ID:HA+popKj
>>289
シャマルさん帰りますよ
293名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 13:03:07 ID:ZMmf428d
>>291

エロくないネタなら、プロットができてるんだけどね・・・
294名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 13:50:56 ID:I9svA9m/
>>259 >>260
前スレ◆bi8/V/6HZAさんのエリオ物にピッタリだw

>>264
まあ俺はヴィヴィオ抱き枕を選ぶけどねw
295名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 15:21:54 ID:iL71B05Y
スバル×ティアナが少ないお。
同人誌だとよく見かけるのに、なぜだろうか?
296名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 15:34:31 ID:sibBHuF5
ぶっちゃけスバルはいらない子
297名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 15:48:17 ID:ewbfoorN
>>296
てめーは俺を怒らせた!
298名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 16:24:03 ID:Dv/FZbyb
>>296
言うなっ!!言うなよ!!!!
299名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 16:36:04 ID:zytL8DUU
>>296
とりあえずギンガのドリルにティアのクロスファイア、なのはさんのSLBは確定として
下手するとヴィータのアイゼンに、ああノーヴェ辺りも加わるかな。しかもそうすると、
ナンバーズの何人かも応援に来るか……。

頑張って生き残れよ? ああ、あの世に逃げてもクイントさんが待ってるからな?
300名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 16:39:51 ID:RT1X15BO
ギンガ「ギガ!ドリルブレイクゥゥゥゥゥウゥ!!!!」
301名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 17:32:09 ID:/slsMtfT
>296
アインヘリアル砲手「情け無用! ファイア!」
302名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 18:29:03 ID:3IJEiy0W
そしてファイナルフュージョン承認
303名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 19:14:58 ID:bTZUfSgT
ジェネシックType0-2
304名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 19:55:32 ID:hd9OFsP2
剛腕爆砕!
305名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 20:20:10 ID:GZwGmYCO
スバル「アンタって人はー!」
306名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 20:31:54 ID:auLlw/z3
>>296の人気に嫉妬!! と言っておこう
スバル←眼を金色に染め、青いテンプレートを展開しておりますが296以外には無害です
307名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 20:31:55 ID:kqfZMqWb
296の人気に嫉妬した。
俺の家に来てティアナとファックしていぞ。
308名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 21:09:17 ID:h4QgywkJ
まぁ、そろそろいい加減にしとけ…
309246:2007/12/09(日) 22:05:44 ID:b2B459E9
覚えてない方も覚えてる方もお久しぶりです。246 です。
ちょっとネットが見れない環境にいました。
本人もいつ投下したか覚えていないフェイト×なのは二話目投下します。
注意
今回はエロなしです。
多少鬱になるかもです。
なのはさんが多少病みますか趣味です。
ではでは。
310君に届けたいただ一つの想い:2007/12/09(日) 22:06:29 ID:b2B459E9
 朝。視線を上げれば、もう日が完全に姿を現し地面を暖め始めていた。
 日差しをさえぎるように掲げていた手を下ろし、眩しさに目を細め、スバルが若干歩く速度を速くした。

「おはよー」
「おはようございます、スバルさん」

 いるのは御馴染みの三人。視界に納めた瞬間、微かな違和感に首を傾げるがそれもつかの間。
 隣に立つエリオとキャロは、もう既に額に汗を滲ませている。汗を掻いていないのは、ギリギリまで起きな
かったスバルと、彼女を待っていたティアナの二人。

「エリオたちはもうアップ終わったんだね。ティア一緒に走ろ」
「すいません。何だか早く起きちゃったんで」

 そうなんだ、と相槌を打つと同時、会話に花を咲かせる二人の様子にスバルが閉口する。
 思い出したのは昨日の事。医務室で眠っているフェイトと、絶句していた二人。

「ほら行くわよスバル」
「う、うん……」

 ティアナに突付かれ、スバルが気を取り直して走り始めた。
 六課の隊舎を一周するいつものコース。それをティアナが前を走り、スバルがその背中を追っていく。

「二人が気を使ってんだから、あんたも気をつけなさいよ」
「うん、大丈夫だよ」

 ほんとかしら、と先ほどのスバルの様子にため息を吐くティアナと、苦笑するスバル。会話をしつつランニ
ングを続け、考えるのは戻ってからの事。
 戻ったら適当に騒いで忘れさせよう。なのはさんに怒られでもすれば、緊張で余計なことなんて考えていら
れない。

「あっ、ティアそういえばさぁ――――」
「スバル、ラスト気合入れなさい!」
「えっ、ま、待っててばぁ!」

 ここを曲がれば後は一直線。スピードを上げたティアナに追いつくべく、スバルが足に力を込める。
 ティアナの背中が近づいていく。ペロリ、と唇を舐めたスバルがティアナを追い抜き、制止の声を無視して
速度を落とさず角を曲がった。

「よー、元気そうだな」
「いっ!? ヴィ、ヴィータ副隊長!?」

 曲がって、眉を吊り上げるヴィータに出くわし慌ててスバルが急停止。立ち込める土ぼこりにヴィータが咳
き込み、グラーフアイゼンがスバルの頭に直撃した。

「げほっ、げほっ……元気なのはいいけどよ、アップで疲れてどうするんだ?」
「す、すいません、気をつけます」

 ペースを守ったティアナがため息をつきながらそれを眺め、ヴィータの一声で四人が整列し背筋を伸ばす。
 四人が見つめる中、珍しそうに視線を巡らせていたヴィータが、特に気にした様子も無く呟いた。

「珍しいな、というか初めてかなのはが寝坊なんて。まぁ、あいつの事だからすぐ来るとは思うけどな。それ
まで、あたしが指示するからしっかりやれよ」
「はい!」

 前もって予定されていたメニューをこなしつつ、ヴィータが視線を動かば予想通り制服の上着に袖を通しな
がら走ってくるなのはの姿。
 おはよう、と声を張り上げ、ヴィータの横に立って乱れた息を整えて。
311君に届けたいただ一つの想い:2007/12/09(日) 22:07:13 ID:b2B459E9

「風邪なら無理しなくていいぞ。顔真っ赤だぞ」

 隠していたつもりなのだろうか、伏せていた顔は背の低いヴィータからは筒抜けで。

「な、何でもない……!」

 なのはが更に顔を真っ赤にして、そう言った。


 魔法少女リリカルなのはStrikerS
 ―君に届けたいただ一つの想い―
(2)


「――――さぁ、何でこんな事になったのか説明してもらしますからね」

 目覚め、シャマルの姿を確認して早々のその問いにフェイトは答えず無言を貫いた。正確にはフェイトは答
えられない。そんなもの、目覚めた瞬間に自問していたから。

「みんな心配してたわよ? エリオとキャロなんて可愛そうなくらい」

 ティアナの勉強を見ていた。
 自分の過去の資料を持ち出して、ジュエルシードを見ることになって。

「テスタロッサちゃんはずっと寝てたから分からないだろうけど、本当に大変だったのよ? はやてちゃんも
本局とこっちを行ったりきたり――――」

 それでジュエルシードに近づいて。
 何もしていないのに光りだして。それを素手で掴んでしまって。

「――――もぅ、テスタロッサ聞いてる? もしかして、やっぱり体調悪い?」

 違う。
 後もう一つ。

「なのはちゃんも、夜遅くまで診ててくれて。今まで寝坊なんてしなかったのに、私が起こすまでずっと――――」

 夢を見た。
 夢の中で、なのはと一緒にいた。

「――――!」

 そこまで思い出して、シーツを掴んだ。俯き、唇を噛んで。ただ、痛みに耐えるように体を震わせていた。
 突然のフェイトの様子に、シャマルが慌ててフェイトの顔を覗き込む。フェイトが大丈夫、と小さく呟く
が、その表情からは血の気が引き、白い顔が更に青白く変わっていた。

「テスタロッサちゃん、本当に大丈夫? 寝ている間に検査だけはしたけど……」
「け、結果はっ? 何か異常は無かったですかっ!?」
「きゃっ、ちょっとっ落ち着いて! 何も無かったわよっ!」

 検査の言葉に、フェイトがシャマルにしがみつく。バランスを崩しながらフェイトを支えるシャマルの言葉
に、我を取り戻し俯いて。だが、それで安堵の息が零れることはない。
 あれはジュエルシードのせいではないのか。本当にただの夢だったのか。

「まだ、こんなに残ってるのに……」

 体にまとわりついて離れない、夢の中のなのはの感触。なのはの声。なのはの暖かさ。そして、その全てを
欲したときの気持ち良さ。
 あれがただの夢だとは思えない。シャマルを信じていないわけではない。ただの夢だと思えなかっただけ。
312君に届けたいただ一つの想い:2007/12/09(日) 22:07:59 ID:b2B459E9

「本当に……何とも無かったのよ? だってジュエルシードに何も、お願いしてないでしょ?」

 本当にそうなのかはフェイトには分からない。いつも、心のどこかで願い続けていたものだから。
 無言のフェイトに、シャマルは何も出来ない。診察はした。結果も出た。その結果はフェイトの不服なもの
の筈がないのに。

「あっ、そうだテスタロッサちゃん。もうすぐお昼なんだけどお腹空いてない?」
「お昼……私そんなに……」

 空気を変えるためのシャマルの言葉に、フェイトが愕然とする。
 そんな時間まで寝ていたことにではなく、そんな時間までなのはの夢を見ていたことに。

「お昼、持って来るわね。お腹空いてなくても食べること」

 部屋を出る間際、本当に心配ならもう一度検査をすると伝えシャマルが部屋を後にする。
 そのまま、何もせずに時間を送った。シャマルが昼食を持って来たのに視線を向け、訓練が終わってシャマ
ル一緒に訪れたとスバル達と一緒に昼食を食べて。

「フェイトさん、体の方は大丈夫なんですか?」
「うん大丈夫。心配かけてごめんねキャロ。エリオたちもごめんね」

 キャロの質問に曖昧に笑って。
 時間が経つほどに、手に残っていた感触が無くなっていく。
 だがそれでも。
 網膜にこびり付いたように、離れてはくれない。自己嫌悪で、涙が出そうになる。
 なのはの笑顔。好きになるきっかけだった笑顔が、白いものを張り付かせながら笑っていたから。
 本当のなのはの笑顔はあんな寒気がするものじゃないのに、と何度も何度も呟いた。

「あの、フェイトさん……やっぱり少し休んだほうがいいんじゃないですか?」
「そう、かな……ごめん、そうかもしれない……」

 心ここにあらず。そう言うのが正しいフェイトの様子に、エリオとキャロが眉を下げて顔を見合わせた。
 昼食を片付け部屋を出るエリオ達を見送り、呆れたはやてがため息を吐いて医務室に訪れたのがその後すぐ。

「エリオ達元気なかったけど、フェイトちゃんあんまり心配かけたらあかんよ?」
「……うん、そうだね」

 ため息をもう一つ。はやてが本当に体調が悪いのかと、フェイトの表情を伺い、やっぱりそうかと今まで以
上の盛大なため息を吐いた。

「なのはちゃんはヴィヴィオとお出かけ中や」
「なっ、何でなのはが出てくるの……!?」
「そらあれや。顔に出てるっていうやつやな」

 図星だった。
 なのはに会いたい。今フェイトにあるのは殆どそれだけ。エリオ達と話しているときも、なのはの顔をずっ
となのはの笑顔を思い出していた。
 何かあったのか、とはやてが言う。曖昧に笑おうにも、はやては誤魔化せない。フェイトを見つめる視線は
鋭く、握られた手は暖かかった。

「嫌な夢、見ちゃって……」
「夢? なのはちゃんが出てきたとか?」

 実際あったことは言えず、ただ一言なのはが怖かったとだけ呟いた。
 はやてが一瞬耳を疑って。
 そのまま、何も言わずにフェイトを抱き寄せ頭を撫でた。

「そら、嫌な夢やなぁ。まぁなのはちゃんやないけど、私で堪忍な」
「うん……でも、私が一番怖かった……」
313君に届けたいただ一つの想い:2007/12/09(日) 22:08:46 ID:b2B459E9

 願ったことがないとは言わない。ずっと心のどこかにはあったから。ただ、あんななのはは一度たりとも
願ったことなんかなかったのに。
 本当は、それが一番怖かった。

「なのはちゃん、すぐ帰ってくるから」
「うん……でも、わがままになっちゃうから」

 はやてに抱きしめられたまま、フェイトがゆっくり目を閉じる。昼まで寝ていたにも関わらず、眠気がまっ
たく消えていなかったから。
 意識を沈める直前、なのはの笑顔をもう一度思い出した。
 夢で、この笑顔に会える様に。


* * *
 

 少女がゆっくりと身を乗り出し、それを目標に近づけていた。目標との距離は後わずか。伸ばした腕を後も
う少し伸ばせば、少女の目的は達成する。ぽたり、と水滴が弾けた。だがそれを気にする余裕は無い。少女が
意を決し腕を伸ばし、

「ひあっ……!?」

 母の頬に、冷えたジュースのグラスを押し付けた。

「ヴィ、ヴィヴィオッ! びっくりするから止めてよっ!」

 予想通り、驚きながら頬を拭うなのはの様子。だが、ヴィヴィオは頬を膨らませてなのはを見た。
 とても睨んでいるとは言えない、だが精一杯の不満を込めて。

「ママさっきからずっとぼうっとして! ヴィヴィオとちっともお話してくれないよっ!?」
「ご、ごめんねっ、ママが悪かったから怒らないでっ」

 昼過ぎ。場所はミッドチルダ首都に位置するデパートの軽食コーナー。
 なのはとヴィヴィオ、二人がいるのはヴィヴィオの学校に早速入学手続きを取る為だった。
 ヴィータに後の事を頼み昼休みを返上して仕事を片付け、ヴィヴィオと手を繋いで六課を出たのが、少し前
の事。
 学校に行くまでの時間、ヴィヴィオと二人きりで昼食を食べていたヴィヴィオとなのはだったが、ヴィヴィ
オの頬は、時間が経過することに、風船のように膨らみ続けていた。
 一緒にデパートについて、新しいぬいぐるみを見て。ヴィヴィオのお腹の無視が可愛らしく鳴いて。その
間、ずっと。
 ずっと、なのはは何か考え込むように上の空だったから。
 それはもう、ヴィヴィオの怒りも頂点を越えて当たり前だったのかもしれなかった。

「お願いだから怒らないでぇ」
「むー」
「ほ、ほらっ、可愛い顔が台無しだよっ? いやっ! 今も可愛いけど! と、とにかく怒らないでぇ……」

 ヴィヴィオの頬に手を添えて、あまりにも柔らかいものだから引っ張ってまたヴィヴィオを怒らせて。
 際限なく高まっていくなのはの至福と、際限なく高まっていくヴィヴィオの怒り。見れば、ヴィヴィオの頬
を引っ張るなのはの口元が、だらしなく緩んでいた。

「んー、ヴィヴィオのほっぺた柔らかいねー」
「むぅー」
「ほらっ、怒らないで? ママにヴィヴィオの可愛いお顔もっと見せて?」

 ぷにぷに、とヴィヴィオの頬を引っ張って。ついでに、両目から零れそうな涙を拭って。
314君に届けたいただ一つの想い:2007/12/09(日) 22:09:34 ID:b2B459E9

「ごめんね? 今日一日はママ、ヴィヴィオとずっと一緒にいるから。だから、怒らないで欲しいな」
「怒ってないもん」
「じゃあ、笑って? ヴィヴィオの笑ってる顔がもっと見たいんだ」

 もうたくさんだった。泣いている顔も、痛みに苦しんでいる顔も沢山見た。だからこれからは。そう言っ
て、なのはが笑う。
 しばらくしてヴィヴィオも、手の甲で涙を拭い小さく頷いた。

「うん、やっぱりヴィヴィオは笑ってるほうが可愛いね」

 ヴィヴィオの手を握りデパートを後にして。向かうのは、本日の一番の目的、聖王教会のシャッハのところ。
 教会へ入る直前、声をかけられたなのはが振り向くと、待っていたシャッハが頭を下げなのは達を出迎えた。

「すいません、お待たせしてしまいましたか?」
「いえ。それよりお元気そうでなによりです。ヴィヴィオちゃんも」

 ヴィヴィオが、芝生を駆け回っていた。その背中を見つめシャッハが微笑み、なのはもじっとその背中を見
つめていた。

「学校へはどちらの希望ですか?」
「最初は私が言ったんですけど、本人が張り切っていまして」

 なのはの横顔。その、嬉しそうな表情にシャッハがクスリ、と声に出して笑った。
 いつかの空の人間だと言ったなのはと、今のなのは。それ程時が経っていないにも関わらず、違って見えた。
 しばらくヴィヴィオを二人で眺め、シャッハが思い出したように抱えていた書類を掲げた。なのはも忘れて
いたのか、慌ててヴィヴィオに声をかけ三人で並んで学校へ歩き出した。

「ヴィヴィオちゃんは来年度から……機動六課が正式に運用期間を終えてからになります」
「はい」

 入学式はその少し前。きっと、その時はみんなが祝ってくれるかもしれない。その時の事を想像し、なのは
が笑みを更に深いものにする。
 しばらく、なのはが無言で書類に目を通していた。こういうものはどこの世界も同じなのだろう。自分が中
学校の時、桃子が用意してくれたものと殆ど同じだったから。

「書類は、期限までに送付してください。正式に受理されたら制服もお届けできるので」

 シャッハが手を伸ばす。あったのはガラスケースに展示された小さな制服だった。なのはがそれを着たヴィ
ヴィオの事を想像して、

「きっと似合いますよ」

 シャッハの言葉に、強く頷いた。
 それからしばらく、学校の事に括らず他愛のない世間話が続いた。最近の機動六課の事。ヴィヴィオの事。
そして、なのは自身の事。
 会話が途絶えたところで、何となくなのはが窓の外を見た。さすがにこの季節だからなのか、もう日が落ち
始め、夜の気配がちらついている。

「そろそろ帰らないと……」
「そうですね、申し訳ありません。お引止めして」

 同時に席を立ち上がり、ヴィヴィオの手を引いて教会を後にして。
 頭を下げて見送るシャッハに、なのはとフェイトが手を振った。

「ヴィヴィオ、楽しみだね」
「うん! ヴィヴィオ早く制服着たいなぁ」
「うーん、あ、フェイトママの制服あるよ。フェイトママがね、たまにキャロに着せたりしてたんだ。でも、
ヴィヴィオにはちょっと大きいかな?」
315君に届けたいただ一つの想い:2007/12/09(日) 22:10:22 ID:b2B459E9

 ヴィヴィオが着てみたいとはしゃぎ始めた。じゃあ、早く帰ろうとなのはがヴィヴィオの手を引っ張る。
 そう、早く帰らないといけない。今日は、一日中放っておいてしまったから。
 途中、仕事を頑張ってくれたスバル達のためにお土産を購入して六課に戻った。案の定、スバル達にそれを
見せると、目を輝かせて喜んでくれていた。

「ヴィータちゃん、今日は一日ごめんね」
「気にすんな。お前は働きすぎだからな、ちっとは休めただろ」
「うん、おかげさまで」

 ヴィータがなのはに頭を撫でられ、うざったそうに腕を振り払うが、丸分かりの照れ隠しになのはが更に頭
を撫でる。
 ここ最近はあまりやらなくなったが、なのはは喜んだりするとすぐに頭を撫でてくる。それがヴィータが
一番嫌がる事だから。
 激しく嫌がりながら、喜んでいるのを隠しているのがすぐ分かったから。

「おい、お前もかよ」
「えへへー」

 視線を下げれば、ヴィヴィオもヴィータに頭を伸ばそうと手をあげていた。さすがに、ヴィヴィオの手を振
り払うわけにはいかない。甘んじてヴィヴィオに頭を撫でられ、ヴィータがしばらくしてぐったりと肩を下ろ
してなのは達から逃げ出した。だが、それも叶わない。
 ヴィヴィオが面白がって、待ってよとヴィータの後を追う為駆けていった。

「な、なんだよっ! まだ撫で足りないのかよっ!? なのはっ、こいつ何とかしろよ!」
「ヴィータちゃん待ってよー」

 ヴィータが隊舎を駆け回りながら、ヴィヴィオから逃げていた。ヴィヴィオが、笑いながらそれを追いかけ
る。
 隊舎内に、ヴィータの泣きそうな声とヴィヴィオの笑い声が駆け回っていた。スバル達もヴィヴィオから逃
げるヴィータの姿を笑いながら眺めて。

「てめぇら! 笑ってねぇで助けろよ!」

 ヴィータに凄まれ、慌てて視線を逸らしてなのはへ助けを求めようとして。

「あれ……なのはさんは?」

 いつの間にいなくなったのか。そこになのはの姿はなかった。
 なのはの座っていたソファに、書類が纏められて置き去りにされていた。


* * *


「ごめんね、一日中放っておいて」

 部屋に入って一番最初の一言。
 そのまま、フェイトのいるベッドへと足を向かわせなのはが腰を下ろした。
 フェイトからの反応はなく、彼女は瞼を閉じ小さな寝息を立てている。

「もう寝ちゃったの?」

 なのはが、じっとその寝顔を見つめていた。顔を近づけてよく見れば、目尻にほんの少し涙が浮いている。
それを起こさないように拭い、何もせずフェイトの寝顔を見続けた。

「なの、は……?」
316君に届けたいただ一つの想い:2007/12/09(日) 22:11:12 ID:b2B459E9
 
 どれくらい時間が経っていたのかはなのはには分からない。どれくらい、近づいていたのかも分からなかっ
た。
 フェイトの睫毛が揺れていた。フェイトの瞼も。
 それで気付いたのだろう。フェイトがなのはの名前を呟き、目を開けた。

「なのは?」
「えっ、ご、ごめん! 何でもない!」

 二度目の呼び声。それで、ようやくなのはが下げようとしていた頭を上げた。どうしたの、とフェイトが聞
くが、なのはは真っ赤になったまま俯いている。
 小さな声で一言、何でもないよという言葉がフェイトの耳を打っただけ。
 
「ヴィ、ヴィヴィオの学校どうだった?」
「……うん、いいところだったよ」

 会話が続かない。返ってくるなのはの小さな声がそれを遮っているかのように。
 あまり心地よくない雰囲気の中、フェイトがなのはに視線を向けようと度々動かしていた。なのはの視線も
同様に忙しく動き、フェイトと目が合いそうになるとそれを慌てて逸らしている。
 なのはが何故か知らないが明らかに動揺している。困っている。そう、フェイトが確信して何とか話題を提
供しようとして、不意になのはと目が合った。

「――――ぁ」

 目が合って、何故かあの時の事を思い出してしまった。
 さっきまで夢で見ていなかったからじゃない。別に本当に忘れていたわけじゃない。ただ、今なのはが目の
前にいることで、頭がいっぱいになってしまったから。

「なのは、その……心配かけてごめんね」
「う、うん……心配してたの」
317君に届けたいただ一つの想い:2007/12/09(日) 22:12:05 ID:b2B459E9

 あれは夢の中の事。ただ一度きり。絶対にあってはいけないこと。だからいつもどおり。そう、ゆっくり
と、なのはに喋りかける。
 次第になのはも落ち着いてくる。小さく深呼吸を繰り返し、フェイトに気付かれぬよう一度拳を握った。

「ヴィヴィオ泣かせちゃった」
「えっ? お、怒ったりしたのっ?」

 なのはは厳しいから。そう何とか苦笑して、なのはの反応を伺った。しばらくして、今までの中で一番小さ
な声で、フェイトが心配だったと返ってくる。
 それ以降なのはは何も言わない。だが、まるでフェイトの様子を伺うような仕草は、起きたときから未だ変
わらない。

「……」
「……」

 無言の時間が過ぎていく。普段フェイトは余り気にしたことは無かったが、なのはと一緒にいる時は、彼女
が何かと話題を持ってきていた。だから、会話に困るなんて今までありえなかった事だった。

「あの……なのは」

 意気込み、フェイトがなのはに話しかける。
 理由は分からない。ただ、このなのはが嫌だと感じた。普段のなのはの方が良いという程度だったけれど、
嫌だった。

「さっきは、何やってたの?」
「……え?」

 だからとりあえず、きっかけに。自分が目覚めた瞬間に持った疑問を打ち明けた。

「起きたとき、私の顔凄い近くで見てたから」
「……」

 なのはが、フェイトから視線を逸らした。
 何か考えようとしている様子で、だが結局何も思いつかなくて。

「ごめん、なんでもないよ。ただ気になっただけだから」

 フェイトが、そう口にするまで何も言うことは無かった。
 その後すぐ、なのはが部屋に戻ると腰を上げた――――。




以上です。ありがとうございました。
次回は多分今回より間が開くことは無いと思います。
246 駄目な方はご容赦を……。
では、溜まっているログ見てきます。
318名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 22:21:35 ID:ZMmf428d
GJ!そしておかえりなさい
続きの展開を楽しみにしています
319名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 23:28:07 ID:h31nb0B8
GJ!!
久々のなのフェイありがとうございました。
投下を楽しみにしていたので嬉しいです。
フェイトさんにはやっぱりなのはとヴィヴィオを幸せにしてほしい。
これからもがんばってください。
320名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 23:59:30 ID:5OWPzPmE
GJ!
ずっと待ちわびていました!
俺的には246氏は神。
次を楽しみにしてます。
321 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/10(月) 00:02:01 ID:L8DOlCs0
日付が変わった所で先に予告した非エロ書かせていただきます。

・久々に非エロ
・ユーノはなのはに対して恋愛的感情を抱いているけどなのははユーノを友達だと思ってる
・ユーノが撃たれる(微グロ? 注意)
・キャラ改変イヤンな人注意
322今はまだ友達だけど 1 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/10(月) 00:03:10 ID:L8DOlCs0
「なのは! 正直に言う! 僕は君が好きだ! これからは友達としてじゃなくて…
恋人として付き合って欲しい!」
ユーノは勇気を出してなのはに自分の本心を打ち明けた。しかし……
「ごめんなさい…。」
「あ………。」
結果はこれだった。なのははユーノを友達としてしか見ていなかったのだ。
これに関してユーノはショックを受けていたのだが、それを悟ったなのはは
慌ててフォローを入れていた。
「で…でもユーノ君の事嫌いなワケじゃないよ! 勿論好き…けど…流石に
恋愛的にどうこうって言うのは……ごめんね…………。」
「あ……う……うん…。」
結局、これからも友達と言う関係でいようと言う事になったのだが……
その時のユーノの寂しげな顔が……なのはの頭に強く刻み付けられていた…。

それからだ。なのはが自問自答をする様になったのは…
「私にとってのユーノ君って…何だろう……。勿論大切な友達だよ。
けど………何なのかな…このもどかしい気持ち……。」
ユーノと別れ、自室に帰ったなのはは一人ベッドの上で自分の左胸に手を置き、その事ばかり考えていた。
自分にとってユーノとは何なのかと言う事を…。しかし、どんなに考えても『友達』と言う
認識でしか考えられない。であるにも関わらずこのもどかしい気持ちは何なのだろう…。
なのはがこれからも友達でいようと言った時のユーノの寂しげな顔が今もなのはの頭に
強く刻み付けられている。そして…自分はとんでもない過ちを犯してしまったのでは無いか?
と言う感情…。何故こうなるのか…。ユーノはあくまでも友達なのに…
何故こうまでももどかしい気持ちになるのか…この矛盾めいた事になのはは葛藤するが…
解決の糸口は見出せない。そうして悩んでいる内になのはは眠りに付き、気付くと朝になっていた。

数日後、なのはとユーノは二人きりで街に出かけていた。
状況的にはデートに近いのだが、なのは本人はただ友達と遊びに行く様な
感覚でしか無く、ユーノもなのはと二人きりでいられて嬉しい反面…やはり寂しかった。
「どうしたの? ユーノ君?」
「え…ああ…何でも無いよ…。」
「そう…。」
ユーノの寂しげな表情がやはりなのはには気になっていた。ユーノは自分にとって
『友達』のはずなのに…何故『友達』と考えれば考える程もどかしい気持ちになるのか…
と、その時…それは起こった。

「死ねぇ! ユーノ=スクライア!!」
「え…。」
その様な叫び声と共に突然街のど真ん中で物凄い音が響き渡り、
なのはの目の前でユーノが血を吹いて倒れた。何者かがユーノを撃ったのだ。
しかし魔法の類では無い。ミッドチルダでは使用の禁止されている質量兵器。
それも97管理外世界製の炸薬式拳銃だった。と言っても、これが戦闘態勢に入っていた
ユーノであるならば防御魔法で防ぐ事は容易い事かもしれない。しかし、今の
なのはと二人で街に遊びに行き、かつ精神的に寂しさを感じていた不安定な状況で
その様な警戒が出来るはずも無く…不意打ちに近いこの銃撃を防ぐ事は出来なかった。
323今はまだ友達だけど 2 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/10(月) 00:04:15 ID:L8DOlCs0
「キャー!」
「誰か撃たれたー!」
「誰か救急車を呼べー!」
「他に怪我人は無いかー!?」
ユーノが血を噴出して倒れる様を目の当たりにした他の人々は慌てながら口々にそう叫び、
もはや軽いパニックと化していたのだが、なのははその様な事は気にしていなかった。むしろ…
「ユーノ君! ユーノ君しっかりして!」
「な…のは………がはっ…。」
なのはは涙目になりながらユーノを抱き上げようとするが、ユーノの腹部から流れる血は止まらない。
挙句の果てには口からも血を吐き出す始末。
「な…のは……怪我は……無い…かい…ぐはっ!」
「無いよ! 私は怪我してないから! もう喋らないで! ユーノ君死んじゃダメだよぉ!」
なのははユーノの状況が危ないと言う事は身体で分かっていた。確かに撃たれてここまでの
傷を受ければ誰にでも危ないと分かるのだが…なのはは普通とは異なる意味で捉えていた。
それは数年前になのは自身がアンノウンの奇襲によって撃墜された時の事。
あの時のなのはは大きな傷を負い、ヴィータに抱かれて生死を彷徨った。
そして今度はなのはが撃たれて重症を負ったユーノを抱く立場に立っていたのだ。
しかしその間にもユーノの腹部からは血が流れ、口からは血を吐く。
周囲にいた人が慌てて病院に電話をしてくれていた様子であるが、救急車が来る様子はまだ無い。
「なのは……本当に……怪我は……無いんだね……。」
「無いよ! だからもう喋らないで! 本当に死んじゃうって!」
なのはは必死に叫んだ。ユーノに死んで欲しくは無い。その一心で…
「そっか……良かっ……た………………………。」
「ユー……ノ………く……ん……?」
ユーノは先の一言を最後にガックリと崩れ落ち、動かなくなった。
それにはなのはも思わず沈黙する。
「ねぇ…嘘だよね…喋っちゃダメなんて言ったけど…その通りに喋って無いだけなんだよね………。」
なのははユーノを軽く揺さぶるが…ユーノは動かない。そしてその事を悟った時なのはは…
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
街中になのはの絶叫が響き渡った。大切な人の命を突然、不当に奪われた悲しみ…怒り…
今のなのははそれで一杯だった。周囲に人がいる事等構う事無く…なのはは叫び続けた。

「あああああああああああああああああああ!!」
なのはが叫び続ける十数秒の間…なのははある光景を見ていた。
人は死の間際の一瞬の間に己の人生が走馬灯の様に流れると言うが、それにも何処か似た感覚。
十年前、なのはが森の中に倒れていたユーノと出会って、ジュエルシード事件を共に戦って、
その後も闇の書事件やその他様々なユーノとの思い出が走馬灯の様になのはの中に流れる。
僅か十数秒の間にその全てが振り返られる。その様な感覚だった。そして……

「なのは、なのは、なのは、なのは、なのは」
フェレット形態のユーノが…十年前のまだ九歳だった頃のユーノが…
無限書庫に勤める様になってメガネもかけるようになったユーノが…
今のユーノが…優しい表情でなのはの名前を呼ぶ。勿論それもまた
なのはが見ただたの幻覚。本物のユーノはもう動かないのだから…。
その現実を目の当たりにすればする程…なのはの中で怒りの炎がフツフツと
燃え上がり…ユーノを撃った者への憎しみが増幅されていった。
324今はまだ友達だけど 3 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/10(月) 00:05:20 ID:L8DOlCs0
「うわああああああああああああああああ!!」
なのはは怒って怒って怒り続けた。流石に髪が逆立ち、金髪になる様な事は無かったが、
本当にそうなっても別におかしくは無いと思える程の怒り振りだった。
この余りのなのはの怒りぶりに、周囲にいた者も思わずとばっちりが来るのでは無いかと
恐れて退いていたのであるが…
「………………………………。」
突然なのはは黙り込んだ。先までの怒り叫ぶ様とは打って変わっての静かな様に
皆は呆然とするのだが…なのはの怒りは別に消えてはいなかった。
むしろ叫んでいた時以上に怒っている。それも静かに…。
怒ればそれだけ冷静さが失われるのが普通であるが、今のなのはは逆に
『怒ったが故に逆に冷静になる』と言った風な物だった。
確かに先の激しく叫んでいた時のなのはの怒り振りは、逆上して
他の者へもとばっちりを与えかねない程にまで冷静さを欠いていた。
しかしその怒りが頂点に達し、限界を超えた事によって…なのはは
逆に冷静さを取り戻していたのである。より強い怒りを内包させたまま。
「ユーノ君を撃った奴は許せない…。」
直後になのははバリアジャケットを装着。そして怒りによって冷静になり、
かつ極限にまで研ぎ澄まされた神経を集中させ、静かにある一方を見つめていた。

「やったぜ! これで無限書庫はお終いだ!」
なのはの見つめる方向に、一人の男が狂喜乱舞しながら走っていた。
ユーノを突如銃撃した者。それは無限書庫から手に入れた情報に基いた戦術によって
管理局に壊滅させられたとある時空犯罪組織の残党だった。
ユーノが無限書庫に勤務する以前はまともに機能さえせずに誰にも目も
付けられなかった無限書庫は、それを扱う事の出来るユーノ=スクライアを
得てからは恐るべき情報の宝庫へと姿を変えた。かのJS事件による聖王のゆりかご攻略には
機動六課の活躍や管理局艦隊の総攻撃などの印象が強いが、その成功は
ユーノが無限書庫から手に入れた情報があって初めて可能な物だった事は
知っている人は良く知っているが、知らない人は全く知らない事実だ。
だからこそユーノを憎む者も少なくは無かった。ユーノが無限書庫から
失われたと考えられていた情報をサルベージしさえしなければ
俺達は管理局に敗れる事は無かった…。そう考える者にとって
ユーノの存在は如何なる戦力にも勝る脅威だったのだから…。

「これでもう無限書庫によって情報戦で不利になる様な事は無くなるぜぇ!」
ユーノを撃ち殺した事によってその男は時空犯罪者界の英雄にでもなった
つもりになっていたのだろう。しかし……次の瞬間彼の正面になのはがフッと現れていた。
「え………?」
「少し……頭冷やそうか………。」
冷ややかな目のなのはに見つめられた男はヘビに睨まれたカエルの様になり、
思わず手に持っていた拳銃を地面に落としていた。直後になのはのバインドが男を縛り上げ、
なのはの指先から放たれたクロスファイアシュートが男の全身に強く叩き付けられていた。
325今はまだ友達だけど 4 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/10(月) 00:06:02 ID:L8DOlCs0
「ぐはっ!」
「もう一度…頭冷やそうか……。」
非殺傷設定で撃っているとは言え…周囲を巻き添えにしない様にピンポイントに
撃っているとは言え…それでも直接撃たれた男の身体に凄まじい激痛が走るのは必至。
そしてなのはは何度も何度も男へ向けてクロスファイアシュートを撃ち続けた。
何度も…何度も…何度も…何度も…何度も…何度も…何度も…

「もうやめてなのは! これ以上撃ったら本当に死んじゃう!」
そう言ってなのはの右手を掴み止めたのは騒ぎを聞き付けて来たフェイトだった。
幾ら相手がユーノを撃った男だと言ってもやり過ぎだとフェイトは考えていたのだが…
なのはは冷ややかな目でフェイトの目を見つめた。
「離してよフェイトちゃん…。」
「いいや離さない! この男は生かして逮捕して法の裁きを受けさせるのだから殺すワケにはいかない!」
とても親友に向けている物とは思えぬなのはの冷ややかな目にフェイトも恐れの心を抱かずには
いられなかったが、それでも執務官として男の命を守ろうとしていた。
「殺しちゃえば良いんだよ…。こんな男なんて……ユーノ君を撃ち殺した男なんて…死んじゃえば…。」
「なのは落ち着いて! 本当に落ち着いてよぉ!!」
なのはもユーノを撃った男が憎くて憎くて仕方が無いのだろう。しかしフェイトもまた必死だった。
いくら相手が殺人犯であろうともこちらも殺人を犯すワケにはいかない。生かして法の裁きを
受けさせると言う義務と、なのはに殺人をさせない為に…。
「邪魔するんなら…フェイトちゃんでも…容赦しないよ…。」
「なのは!」
なのははフェイトをも自分の行動を妨害する者として敵視する様になった。
まさに一触即発の事態であったのだが…
「スクライア先生は死んではいません! まだ生きています!」
「ええ!?」
フェイトの付き人として同じく現場に来ていたと思われるティアナが倒れているユーノの
左胸に耳を当てた状態でそう叫び、それを聞いたなのはは先までの冷ややかな目が嘘の様に
本来の優しい瞳を取り戻してユーノの場所へ駆け寄った。
「スクライア先生の心臓はまだ動いています。多分ただ気を失っただけかと…。
ですけど急いで病院に運ばないと大変な事になります。」
「分かったありがとうティアナ!」
すっかりユーノが死んだとばかり思っていたなのはは実は生きていたと知るや否や
目に涙を浮かばせながら笑っていた。そして優しくユーノを抱きかかえるのである。
「フェイトちゃんはその射殺未遂犯の逮捕をお願い! 私はユーノ君を病院に運ぶから!」
そう言ってなのははユーノを抱きかかえながら飛び去って行くのだが、
フェイトは先程の男に手錠をかけながら苦笑いしていた。
「全く…調子が良いんだから……。」

ユーノが病院に運ばれた後、直ぐに緊急手術が行われた。
手術室の外でバリアジャケットを解除して元の私服に戻ったなのはが心配そうに
待っていたのだが、そこでドアが開いて医者が姿を現した。
「先生! 大丈夫なんですか?」
「大丈夫。命に別状は無い。心臓は外れていたし、弾丸の摘出にも何の問題も無い。
後は栄養を取って傷の直りを待てば退院出来るよ。」
「良かった…………。」
命に別状は無いと聞かされたなのはは安心すると同時に緊張の糸が切れたのか
その場で………泣き崩れた………。
326今はまだ友達だけど 5 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/10(月) 00:07:28 ID:L8DOlCs0
手術を終え、病室に運ばれたユーノの寝ているベッドの隣に置かれた椅子になのはが座っていた。
その時にはユーノも目を覚まし、また痛み止めも効いていた事もあって普通に話す事が出来た。
「ユーノ君ごめんね……。」
「なのはが謝る事じゃ無いよ。犯人は僕を狙っていたみたいだし。」
ユーノは何やら罪の意識を感じるなのはに対してフォローを入れるが、なのははやはり言った。
「でもユーノ君を撃った射殺未遂犯が持ってた銃って、私の出身世界の物だったんだって。
そういう事は…私が管理局と接触した事が時空犯罪者達にも私の世界の存在を知らせる事になって…
それで私の世界の武器がミッドチルダに…密輸された原因になるなら…やっぱり私にも
責任はあると思うから………。」
「そんな事は無いよ。武器そのものに罪は無い。何でも使う人間の問題なんだ。
なのはの使う魔法だって…使い方を誤れば立派な殺戮兵器になるからね。
それに…仮に君の世界の銃がミッドに密輸されていなかったとしても…
その時にはまた別の方法で僕の命が狙われていたと思う。だから気を病まないで。」
「う…ありがとう…ユーノ君…。」
なのはの目にまたも涙が浮かんでいたのだが、その後でなのははさらに言った。
「話が全然変わっちゃうけど…ユーノ君はまだ私の事…好き?」
「そうだね。今でも好きだよ。でも……なのはは僕の事を友達としか思って無いんでしょ?」
「うん…そう。ユーノ君の言う通り私はユーノ君の事友達としか考えられないよ。」
「そっか………。」
申し訳無さそうに言うなのはにユーノも寂しげな顔になるが………
「でも……ユーノ君が私の事好きって気持ちは否定したく無いよ。だからこれからも
ユーノ君と一緒にいさせて欲しいの。私も今はまだユーノ君の事友達以上の感情で見られないけど…
何時の日か……ユーノ君の気持ちに応えられる様になりたいから………。」
「なのは………。」
なのはの口から放たれた意外な言葉にユーノも驚きを隠せないが、なのはは優しく微笑んだ。
「だから……ユーノ君…。これからも……よろしくね?」
「う…うん………。」
なのははまだ気付いてはいなかった。その時の自分の気持ちこそが…友達を超えた物だと言う事に…
                   おしまい
327 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/10(月) 00:09:32 ID:L8DOlCs0
>>317
これ続きが気になっていたんですよ。本当GJです。
328名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 00:18:14 ID:CJWx26BM
何年生の子が書いてるの?この文章…
329名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 00:30:07 ID:xn9DYY8g
>>328
お前よりましな頭の人が書いてるよ
330名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 00:31:27 ID:TESLoAP8
>>327

GJ!ネタ切れ知らずなのが凄いぜ!
331名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 00:44:16 ID:3VT8X2Pa
>>327
GJ!
これはいいなのユですね。
貴方のネタの器は底なしですか!
332名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 00:45:42 ID:ihVidLvn
一応eranano完成しましたので投下させていただきます
パスはnanonanoです
ttp://www11.axfc.net/uploader/20/so/He_53153.zip.html
333名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:04:18 ID:KZpgq9Uk
>>332
おお、頂きやす
334名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:11:36 ID:B2BQi5mn
>>332
乙ですが兄ィ
Lhacaにぶち込んでも動作しやせんぜ
335名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:19:09 ID:Hy+Ad9a6
>>332
いただきます。
>>334
うちんとこのLhacaはちゃんと働いてくれやしたぜ
336名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:19:46 ID:ihVidLvn
>>334
すいません、そのソフト使ってないので何故動かないのか解りません○| ̄|_

解凍パス付けたのが拙かったんでしょうか…?
337名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:25:26 ID:B2BQi5mn
何というか。解凍前にはちゃんと入っているのに
出てきたものはフォルダばかりなりといった風情で
338名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:38:22 ID:B2BQi5mn
調べてみたらば一応自己解決しました
使用中のバージョンがやっぱりパス付Zip不対応のようで orz
339名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:38:27 ID:yiiV4o8n
>>336
zipにもパス付けたんなら一言言ってくれれば良かったんだぜ
何も出てこなくて軽くファビョった
340名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:40:04 ID:yiiV4o8n
アゲちまったぜ
スマソ
341名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:42:09 ID:ihVidLvn
皆さん申し訳ない… ○| ̄|_
パスは同じで解凍パスは無しです

ttp://www11.axfc.net/uploader/20/so/He_53163.zip.html
342名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:54:24 ID:B2BQi5mn
おお、ありがとうございやす。それにしても中の価格設定にフイタw
あとはキャラ追加と文でもあれば盤石とry
343名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 02:06:03 ID:ihVidLvn
>>342
価格は迷いましたがテストのままのやりやすさ重視で
中でも触れてますがA'sキャラまでは増やします。
アリシアの性格がいまいち掴めてないのが問題ですね…
344どっかのゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/10(月) 06:47:31 ID:ZNAH09ed
危うく死亡確認されかけたゲリラ兵ですおはようございます!

>332 にゅにゅ……現在進行形でいじりちゅうですが……調教は苦手なのれす・゚・(ノ∀`)・゚・。

(注意書きとか)
はうあ!ヴィータちゃんの一人称は「あたし」ですね……A'sで確認してきましたごめんなさい
素直に修正しときます……過去のは脳内で変換しといてくだs
関連して祝福の風さんは初代も二代目もリィンではなくリインのようなのでこちらも表記を変更します。
初代をリインで二代目をリィンと表記します。ちっちゃい方がちっちゃい方で。よろしくですよ〜
しかしちっちゃいィは以前どこかで見た気がするんだけど……どこだったかな
[お休みの八神家の風景]

ほいでは朝刊どす〜
345〜ソラノカケラ〜(26)(1/2):2007/12/10(月) 06:48:16 ID:ZNAH09ed
 クライドは居ないものの、皆で賑やかに過ごす朝食。
シャマルの目から見てもはやては無理こそしてはいないものの、やはりまだ完全に振り切っていないのは確かであった。
後片付けを彼女が引き受けると、残り家族一同はTVの前のソファーに仲良く並んで座ってチャンネルをいじりはじめた。
普段の時間からすればとっくに局に出かけている時間帯なこともあり、見慣れない構成の番組ばかりである。
朝食後の番組構成はといえば、家族を送り出した後の奥様向け――つまり種々雑多な野次馬な話題――97番管理外世界的にいえば
いわいるワイドショーのような番組構成になってしまうのはどこの世界でも常であるのか、ミッドチルダにおいてもそれは同様であった。
ころころとヴィータやリィンの手によってチャンネルが変えられていたが、ふと、止まったチャンネルの話題に全員の視線が集まる。
「さて次の話題、死んだはずの人が生きていた!?奇跡の生還!」
そして画面が切り替わり、映し出されていく映像は二十数年前に護衛艦と共に消滅したはずの管理局某提督が実は生きていた、という内容の話題であった。
個人名こそでないものの、昨日までこの家に居た誰かさんであることは明白である。
奇跡の生還、次元空間の神秘、家族との再会、そして彼を見つけ出した薄幸の美少女、なんてテロップが画面に踊っていた。
ヴィータ、リィン、シグナムは勿論そーっとデニムのタイトと白い長袖姿の主の方へ視線を向けるが、拳をぎゅっと握り締めてわなわなと肩を震わせている。
はやてちゃんは取られた事が悔しいのかな、と白い部屋用のワンピース姿のリィンは考えたがその時、マイスターは激しく画面に突っ込みを入れた。
「誰が薄幸の美少女やー!」
「そこに突っ込むのかよ!」
ヴィータの手の甲で肩に突っ込まれる。
「美少女では不満ですか、主」
苦笑されながらシグナムにも口を挟まれる。
「うーん柄やないし、そりゃーちったあ可愛いかもわからへんけど、薄幸ってのは納得いかへん。
うちは別に不幸やあらへんもん。な、ヴィータ」
そういってぎゅっとはやてに抱きしめられて、えへへと笑う赤い髪の2本のお下げ。
「大体今時薄幸の美少女ってなんや!マッチ売ったり、灰かぶったり、たいやき食い逃げしたり誰がするっちゅーねん」
「確かに言われてみれば奇妙な表現ではありますね」
「せやろー?そんなんシャマルにでも任せとけばいいんやー」
皿を洗いながら後ろから聞こえたその声に、それはあんまりですよはやてちゃん……と金髪の人が心の中だけでなく泣いた事は言うまでもない。
そしてコメンテーターのとてつもなくどうでもいいコメントが続き、それから独占入手らしい未亡人であったはずの人の談話が読み上げられた。
勿論胡散臭く目一杯脚色された本人とは程遠い声で、であるが。
「この度、20数年振りに夫と再会を果たす事が出来まして、関係者の方々には本当に感謝の言葉もございません。
特にあの人を見つけ出してくれた彼女にはいくらお礼を言っても足りないほどです。
振り返ってみればあの時夫を失ってから――」
と、延々と続く談話に家族全員で呆けるしかなかった。
それが終わった頃に、ようやく素直な感想を漏らすはやて。
「……なんやろな、ぶっちゃけあの人だけはやっぱり敵に回したらあかん、と思うんやけど」
将も同意せざるを得ない。
「そうですね。噂話が広まった時はどうなることかと思いましたが、これではまるっきり美談です」
そう、管理局中に話が広まり某掲示板にまで書き込まれた大醜聞のはずが上層部にもメディアにも伝わって蓋を開けてみれば、
儚い少女が助けた男性が家族の元へ奇跡の生還を果たしたとかいうとてつもなくいい話にすり替わっていたのである。
しかも快くなんて欠片も帰していないわけで、世の中の反応というものは奇怪です……とリィンですら思わざるを得なかった。
そしてこういう綺麗な話はスキャンダルと違ってあっという間に人々の記憶から消え去るのは間違いがない。
リンディの見事というべき情報操作術の賜物であった。
「いくらうちが魔導師ランクダブルSったって、あの人の立ち回りっちゅーか手腕つーんはもうトリプルSやわ。正直歯がたたへんな」
「全くです。いつものことながらお世話になりっぱなしで申し訳ないぐらいですね」
「せやな……」
そう言って納得しつつ再び画面に意識を戻した主であったが、未だに開いてくれている精神リンクから少しだけ切ない感情が伝わってきて、
ヴィータと共に視線を落としたリィンは胸の前でそっと手を握りしめた。
346〜ソラノカケラ〜(26)(2/2):2007/12/10(月) 06:48:58 ID:ZNAH09ed
 お昼もとっくに過ぎ、リィンの髪をヴィータとお揃いにしたり、サイドポニーにしたりして遊んでいたはやてであったが、
唐突に呼び鈴がなった。
「ん?誰やろか」
対応係シャマルが玄関に向かう。
ちなみに勧誘やマスメディアはここ最近は完全に寄り付いてこない。
何故って参謀の人が某腕だけにょきっ魔法で脅かすからである。
はっきりいって心臓に悪いと大変好評であった、悪い意味で。
がちゃりと簡単に開いた玄関の音に続いて、かなりの大声で呼ばれる主。
「はやてちゃーん!」
「?」
全員揃ってキッチンからでて玄関に行ってみると、そこには――
(うそ……)
一瞬はやては我が目を疑った。勿論可能性を考えなかったわけではなかったが、
彼の性格からして引きとめられば絶対に戻ってこないのは間違いがなかったから。
しかし――確かにそこには相変らずの黒一色で統一された見慣れた大人しい黒髪の男性――クライドが居た。
全力で駆け寄って抱きつく。
「おかえりおかえりおかえりおかえりおかえり!」
「ただいま、はやて」
果てしなく嬉しくて目一杯腕に力を篭めるはやて。
もうこのまま泣き出してしまいそうな程であった。
しかし当然気になるのは、彼の奥さんのかの人のことである。
「リンディさんは……?」
「もうとっくに仇も取ったし場所もないから好きにしていいわよ、と言われたよ。それから――はやてのことを心配していた」
「うん、うん……ありがと、ありがとう……」
嬉しくて嬉しくて体に顔を埋めつつ再びぎゅと抱きつくと、ふっとその力が抜ける。
「はやて?」
そっと肩を抱きかかえると、完全に意識を失っていた。
相変らず仕方なさそうに頬をかくクライドに、家族達も帰還を素直に喜ぶ。
「よっぽど嬉しかったんですね」
シャマルに続いて、ヴィータ、リィンにもおかえりを言われて、彼も素直に返す。
将だけは、少し皮肉っぽかった。
「成程。修羅場もハラオウン家へ戻したのも――全てシナリオ通り、というわけですか……なんというか、さすがですね」
無言の笑顔で肯定する彼の後ろには、おほほほ、と笑っていそうなリンディの姿が見えそうな勢いである。
言動や手腕もであるが、何より侮るべきでなかったのは夫婦と絆と懐の深さなのであろうか。
心底感服しながら、未だにはやての感情が伝わっていたであろうリィンに問いかけるシャマル。
「リィンちゃん、今のはやてちゃんは、どんな気持ちかしら?」
勿論、問いかけるまでもなく幸せそうに彼に抱き抱えられたまま、意識を失っている彼女を見れば一目瞭然なのであるが。
それでも少しだけ目に涙を浮かべて、素直に答えるツインテールのリィン。
「すごく幸せで、すごくあったかい気持ちでいっぱいです」
「うん」
本当に良かったですねはやてちゃん、と彼女も自分のことのように嬉しかった。
347どっかのゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/10(月) 06:49:55 ID:ZNAH09ed
ほいではまた明日ノシw
348名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 07:29:46 ID:7dvnj9Cn
>>309

遅くなってしまいましたがGJ
なのフェイなのフェイ!!
続き楽しみにして待ってます。
349名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 08:11:05 ID:VXtKY09p
>>347
GJ!!朝刊ご苦労様です。
クライドさんがリンディさんとどんな会話をしたかが気になるところですが。
350名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 14:00:19 ID:O8Mc012y
>>222
遅レスですがGJ!
nowhereからファンだった私にとっては感激&また目から汗が・・・
そしてエリキャロに久しぶりに目覚めました
ただエリフェイで結ばれちゃっているのに・・・キャロカワイソス
ぜひVに続けて欲しいです。想像してみてもniceboatな展開しかででこないのはなぜ
351名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 14:20:45 ID:wa3U1TZ9
大分前にエロ有りで続けると宣言しておいて完成した文が非エロになってしまった…
今まで殆ど無かったカプだが蛇足でも入れておくべきなのだろうか
352名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 14:23:59 ID:mW+57hTb
投下します

ちょっと間が空いたので概要のおまけ入れておきますね

わだかまりはほとんどなくなったものの、休日に遊びに行ったエリオをキャロを見守りたい。
そんなフェイトの思いをはやてが子供化の魔法で解決させる。
だが、潜入先の遊園地で待っていたのは子供化のギャップによるハプニングだらけ!
どうするフェイト! 負けるなフェイト!

再び機動6課の休日 その3 始まります。
353名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 14:24:31 ID:mW+57hTb
「どうかしました?」
「あ、うん。ちょっと襟が汚れちゃって……」
 少々強引な逃れ方であったがエリオの方は納得してくれたようだ。
「ええと。僕らでよければお手伝いしますけど?」
「だ、大丈夫だよ。ちょっと携帯電話落としちゃっただけだから……」
 このフェイトの素直さは長所でもあり、短所でもあるだろう。
 もちろん今回の件に関しては短所である訳だが。
「大変じゃないですか! キャロ、一緒に手伝おう!」
「うん! それじゃあ私達はどこら辺を探せば良いかな?」
 避ける所か、見事に手伝わせてしまっていた。
「あ、その前にお名前教えていただけませんか? 僕の名前はエリオ。そしてこの子がキャロ」
 礼儀正しい2人挨拶によって更なる問題に発展する。
 そう、もし呼ばれた時の偽名なんて考えてる訳も無く、即席で名前を決める必要があったからだ。
「え、ええと……私の名は……プレ……セア」
 嘘を捻り出している動作が見え見えの挙動の挙句、危うく自分の前の母親の名前を出し掛けたが、ギリギリでその名前を偽装することに成功した。
「プレセアさんですか……解りました。僕らは別の場所を探してみますね」
 一瞬、何かを考えているような様子で言葉を止めたエリオであったが、その内容は口にせず携帯電話ことフェイトの通信機の捜索を開始する。

「うーん……、見つかりませんね」
「エリオ君、プレセアさん。こっちもダメだったよ」
 2人の協力も空しく、徒労の結果となってしまった。
「そうだ、プレセアさんの電話を鳴らしてみると言うのはどうですか?」
 突如新たな作戦を思いついたエリオにフェイトは首を縦に振った」
「そうだね、近くにあるなら音を出せば解るかも。私の番号は……」
 あっさりと電話番号をエリオに伝えるフェイトだが、この地点ではまだ問題があることに気がついていなかった。
「あれ? これってフェイトさんの番号だ」
 エリオが自分の通信機兼携帯電話を見て首をかしげる。
「間違じゃないよ。これフェイトさんの番号だよ」
 キャロも自分の端末をエリオに見せ互いを見比べる。
 そう……フェイトが自分を偽装していると言う事を忘れ、そっくりそのまま自分の番号を教えてしまったため、番号の参照により偽装がばれてしまうと言った問題であった。
「そ、それは……ね。フェイト……お、お姉ちゃんが私に……貸してくれた奴なんだ」
 さっきの偽名と言い今回の番号の件と言いあからさまに怪しすぎるが、それに対しキャロがこんな質問をする。
「ええと、それじゃあプレセアさんってフェイトさんの親戚とか?」
「あ、うっ……うん。フェイトお姉ちゃんは私の従姉……なのかな?」
 慣れない嘘を続け、かなり窮地に立たされているフェイトだが、キャロが納得したように手のひらを叩く。
「だからプレセアさんはフェイトさんに似てるんだね」
「そうか、だから端末もプレセアさんに渡したと言う訳か……」
 エリオも素直に相づちを打ち、怪しい嘘もすっかり通ってしまった。
 今回ばかりは素直すぎる2人に感謝したフェイトであった。

 そして、肝心のフェイトの端末については……。
「まさか露天の人が預かってくれてたなんて夢にも思いませんでしたね」
「でも良かったよね。誰かに盗まれたりしちゃ大変だもん」
「うん、2人とも本当にありがとう」
 端末を呼び出した瞬間、3人から1番近くにあった露天から呼び出し音が発せられ、その在り処が解ったと言う結果であった。
 露天の人も、客足が落ち着いたら落し物センターに届け出る予定だったらしいので、実はそれほど深刻な状況ではなく一安心と言った所か。
「どういたしまして。所で、プレセアさんはこれからどうする予定ですか?」
354再び機動6課の休日 その3:2007/12/10(月) 14:25:14 ID:mW+57hTb
「あ……」
 3人で再びベンチで休憩後、再びエリオから難題を押し付けられる。
 そう、フェイトの目的は2人を遠くからでも良いからばれずに見守る事。
 こうして会ってしまうと、一回分かれて見守ろうにもばれてしまう確率が格段に上がってしまう。
「もし……良かったら一緒にアトラクション回りませんか?」
 大方予想していた内容であったが、その言葉はキャロの口から告げられる。
 こうなってしまってはこれが最善の選択かもしれない。
 都合の良い事にこちらの正体は完全にはばれていない、だとすれば逆に良い結果なのかもしれない。
「わっ、私で良ければ……一緒に行っても、良い……かな?」
 なんと言えば良いのか、改めてこう言うと気恥ずかしくフェイトはもじもじしながら目線を泳がせ、2人向かってこう言った。
「喜んで。さぁ、行きましょう」
 ベンチから降りたエリオとキャロに手招きされ、それに続くフェイト。
 2人とも良い子に成長していて、まさに感無量であった。
 
「いやぁー。ずいぶんと回りましたね」
 時は夕暮れ。
 辺り一面が朱色に染まってくる時間帯。
 疲れたような口ぶりのエリオであったが、笑顔の混じったその表情を伺えば、まだまだ遊べる様子だ。
「うん、楽しかったね」
 その笑顔がフェイトにも移る。
 結局ライトニング隊の年少組とアトラクションを回ったわけだが、フェイト側も疲労の色は無かった。
 それも子供になったおかげかと思うほど、歩き回っても普段より疲れないのだ。
 なのは意外とこう言う風に遊び歩くのも久々だったが、これはこれで非常に面白く有意義な1日だった。
 だが、道中なのはと歩くときと同じようにエリオとキャロの手を握ったり、腕を組んで歩いたりもしたのだが、エリオだけは途中でそれを意図的に避けたように感じたのが唯一心残りなフェイトであった。
「……それにしてもキャロ、遅いな」
「トイレにしてはずいぶんと時間がかかってるみたいだね……連絡してみたらどうかな?」
「そうですね、ちょっと連絡を……っと!?」
 エリオが端末を自分の手に持った直後にそれが鳴り響く。
「もしもし……うん……うん。そんな所まで行ってたんだ……それじゃあその付近で待ってて、今行くから」
 キャロから着たであろう電話を受け、用件を聞き終えたエリオがベンチから立ち上がる。
「プレセアさん、すいません。ちょっとキャロが迷ったらしいんで迎えに行ってきます」
「うん、解ったよ。私はここで待ってるから何かあったらこっちに連絡入れるかここに戻って来て」
 フェイトの素早い判断にエリオが敬礼をする。
「はい、フェイ……じゃない、プレセアさん。行ってきます」
 どうにも喋り方が戦闘中に近い口調で喋っていたせいか、エリオもつられてフェイトに命令されてる感じを思い出したのか、はたまた正体がばれていたのだろうか。
 咄嗟の判断で仕事の喋り方をしてしまったフェイトが、エリオの飛び出した後に1人で考え込んでいた。

「結構待ってるけど……2人とも大丈夫かな……」
 真っ赤に染まっていた遊園地の影が次第に大きく、そして広がってきた。
 アトラクションの一部は一部ライトアップしており、まもなく日が落ちる。
 そろそろ夜だと思ったその時、現地点でフェイトが1番感知したくない魔力を感知した。
「近くに……居る?」
 この雰囲気は見間違う事など絶対無い、親友のデバイスの待機状態の魔力なのだから……!」
「フェイト……ちゃん?」
 その声がまさに真後ろから聞こえて来た。
 考え込んでる間に見つけられたらしい。
 どうしよう、この状態でばれてエリオとキャロに見られたらきっと嫌われてしまうに違いない!
 ……そうだ、知らないふりをしてそのまま立ち去ろう。
 エリオと待ち合わせしたベンチには相手が去ってから戻ればなんらも問題は無い。
 ベンチから立ち上がり歩き出そうとするが……。
「えっ? あっ……」
 立ち上がった直後、何者かに袖を掴まれていた。
「フェイトマ……マ?」
 子供になったフェイトよりも頭一つ小さい金髪の子供、ヴィヴィオの姿だった。
355再び機動6課の休日 その3:2007/12/10(月) 14:27:08 ID:mW+57hTb
以上、前回お約束した所までの投下。

次回もあらすじは出来てますが読者様の妄想によっては
内容変えて遊びたいとか考えながら執筆する予定です。
356名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 14:33:24 ID:WLj+LwaI
                                   / ¨ ‐- _
                                         /        ¨ ‐- __
                                            /              /
                                          /              /
                                         /              /
               ,. <´ト、ヘ                     /              /
            /      ヽ \                     /      _      /
            || /      ヽ                  /.    ,r´ |    ,/
           ||,ハ| //  ノ  ヽヽ                /    /f ,!    /
             ||ヽレ伐テリ/,/ /,.r`,               /     /   }    /
          _,」'‐'´ ̄i' '-イ"レ' ´ ,/|              /.    /  ,!     /
         |n () () | ‐,∠-‐ ´_ |              /.    ,!   ,!    /
          |`,.-―ァ'てj_,r'´:' ̄:::::: ̄7            └-- ._,!    l    /
          ,.!'   <二ニ'ニ'‐、:::::::::::::::/}                 |   ├ ┬ -'
   「 ` ―- '´     ,.. ‐'‐'‐-ミミlニ=、!'                 |   |.  {
   ∨)         ` ¨{ {¨:::7>:> lニ=、      r'´ ̄ `丶     |.    |  |_
   \ 0         Oヽヽ{{f r':::::::::::::`:--┐  `丶 、   i    r'    |.   トヽ
     〉、            >{{:::::::::::::::::::::::;.-` 、    }  ト-、/      |.  ! l ヽ
     `7`丶、0        / ∧:::::::::::::;r'´ ,.ィつ>、 _ |   〉/'  ヽ / }  | l ヽ
<二ニ‐-j:::::::::::7\      /   ∧:::::::::f  ,.' ,.' ´   ,.〈   !            _} |  ヽ
    `y` ―,/  \.    /     Y_::::{  f0f    ,r' ,〉           /   ,〉  j
<ニ_‐-/:::: ̄/     ∨          |`t\{ |    {Of \               ,.-'´
   `/ニ―/\-、     ∨ ,/     ´|-、`0廴   ! |   {、          /
 ̄ `┴-二〈  \ ` ‐-、「`´  ,.- '´-' /   ̄ ¨\`‐、|(∧  `、        _,.‐´
        ` ‐- \_ `-‐ ' ´- '´ / /  ヽ   ヽ `丶≧、\_   _,. メ'
           > / //  /  /     ,イ丶、  、    ` ‐-ニニ‐'´
      > '´  / /      ,.- '´   /:::i´   ` 、l
   > '´   / ,/   _,.- '´    /:::::::::|









357名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 15:07:55 ID:7dvnj9Cn
>>355

GJ!!
とりあえずフェイトさんのドジッコぷりにふいたwww
この後どうやってなのはさんとヴィヴィオに弄られるのか楽しみです。
魔王の活躍に期待.
358名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 15:17:41 ID:2MKG5a5l
>>355
GJ!
ヴィヴィオきたwwwww
35958:2007/12/10(月) 15:38:32 ID:rOM33n7P
>>355
おお、面白くなってきましたな。
さあ……どうなるっ!?(新世界の神調に)

>>356
こんなとこでなにやってんすか社長?
360名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 15:40:04 ID:rOM33n7P
>>359
ぐお、ageた上に名前欄までミスorz

すんませんちょっくらSLB食らってきます……
λ
361名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 15:47:05 ID:aJQ1pVHj
>>360
SLBなど生ぬるいっ!!
ランブルデトネイターを食らえ!!
362名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 16:23:55 ID:yzyxD/1Y
妄想した・・・。
ヴィヴィオに頭なでなでされて照れてるフェイトを
(´Д`;)ハァハァ
363名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 16:32:40 ID:lDzd2HhQ
アニメディアのなのはとフェイトのマラソン姿は、どう見てもレイプして欲しいようにしか見えない……

なのはさんやたら乳でかいしwwwwww

フェイトはソニックフォームよりエロい!!
364名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 16:36:09 ID:xRUIo1AX
ダウンロードと解凍は問題ないのに、起動すると黒い画面で
[0]最初から始める
[1]ロードして始める
からどう操作していいかわかりません。誰か助けてorz
365名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 16:41:57 ID:0A84Deyr
>>364
ゆとり乙
366名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 16:42:42 ID:00UU2Mom
あってるよ

数字をタイピングしてリターンキーを押す
全てこれだから

最初だったら"0"と打ってEnterキーを打ってみな
367名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 16:54:02 ID:sNcKa6dh
>>363
最初は等身伸びたなのはやフェイトさんに違和感あったけど、
絵師も慣れたのか、すっかりバランスよくなったなw
368名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 17:10:25 ID:viWhEjuP
>>367
突っ込むのもなんだがごく単純に描いてる人が違う。
369名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 17:13:50 ID:xRUIo1AX
>>366
ありがとうございます。自分の無能さに死にたくなりました。
370名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 17:49:00 ID:TESLoAP8
イ`
371名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 18:57:14 ID:7qMtRw+P
>>369をみて
なぜか逆境無頼なのはというのが浮かんだ
372名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 19:34:56 ID:syydIFUo
>>371
なのはさんがスバルとティアに裏切られるのかw
37338 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/10(月) 23:18:32 ID:wuqG+7MJ
>>355
ドジっ子フェイトさんw

こちらも書き上がったので投下します。
・一応「ある司書長の本当」の続編
・ユーノVSヴィータ
・エロ無し

では、行きます。
37438 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/10(月) 23:20:42 ID:wuqG+7MJ
ある司書長の実力

「……ねえ、1つだけ聞いていい?」

そうユーノは言うと、1つ溜息を吐き、対峙している少女に向かって口を開いた。

「何で僕が君と模擬戦しなきゃいけないのかな? ……ヴィータ?」

そう言ったユーノに、ヴィータはにやり、と獰猛な笑みを浮かべる。

「どーもティアナの奴がお前が強いって事にまだ納得してないみてーでな。
 最初はティアナ立ちと模擬戦してもらおーかと思ってたんだが……、
 ……考えて見れば、あたしとユーノってまだ決着付くまで戦った事無かったしな」

そう言ったヴィータに、ユーノはもう一度溜息を吐く。

「強い事に納得してないも何も、僕ってそんなに強くないじゃないか……」
「……まーだそう言う事言ってんのか」

そのユーノの言葉に、心底呆れたように呟くヴィータ。
しかし、グラーフアイゼンを構えると、その表情は一瞬で真剣なものに変わって。

「……あたしのラケーテンやなのはのディバイン普通に防ぐ癖に強くないとは良く言った。
 ……つまり、強くないお前のバリア抜けないあたしは弱いって言いてーんだな?」
「え!? い、いや、違うから!」
「問答無用だ……、本気で行く!」

そう叫んで突っ込んで来たヴィータに、ユーノは慌ててバリアジャケットを着て、

「テートリヒ……シュラークッ!」
「わわっ!?」

打ち込まれてきたハンマーに、何とかシールドを間に合わせた。

「ちっ!」
「ちっ、て……、本気通り越して殺す気なのヴィータ!?」
「うるせえっ! あたしの本気は、これなんだよっ!」

そのまま立て続けに打ち込まれるハンマーを受け止めながら、ユーノは観念したように一瞬だけ目を閉じる。
……そして、もう一度目を開けた時、ユーノの目は戦士の目に変わっていた。
37538 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/10(月) 23:21:21 ID:wuqG+7MJ
「……始まったね」

訓練場を見ながらそう呟いたなのは。
その言葉に、隣に立っていたフェイトも頷いた。

「そうだね……、……どっちが勝つかな?」
「……なかなか面白い戦いにはなりそうだがな……」

フェイトの言葉に同調するようにそう呟いたシグナム。
と、そこにはやてが能天気な声を上げた。

「……やったら、みんなでどっちが勝つか予想してみん?」

そのはやての言葉に、最初に口を開いたのはティアナ。

「……わたしは、ヴィータさんだと思います。スクライア司書長ってどう見ても体力無さそうですし、長期戦になったら終わりだと」
「……私も、ティアと同意見です」
「ヴィータさんって凄く強いですし……」
「いくら守りが堅いと言っても、防御だけじゃ……」

そうスバル、キャロ、エリオもティアナの意見に同調した。

「……なのはちゃん……はユーノ君が勝つと思っとるやろうし……、フェイトちゃんはどないや?」
「……ユーノ……、かな。ユーノのバインドなら、一度貰ったら脱出不可に近いし……」
「……私もスクライアですね。恐らくヴィータの技でスクライアのシールドを抜けるのはギガントだけでしょうが……、
 ギガントはお世辞にも対人戦に向いているとは言い難いので」

スクライアなら振り回す時に出来る隙を突けるでしょう、と言ったシグナムに、はやても頷く。
そして、驚いたような表情をして固まっているスバル達4人に、口を開いた。

「……どないしたん? 私達がこないにユーノ君の事評価しとるの、意外やったんか?」

そう言ったはやてに、スバル達4人はこくこくと激しく頷く。
そないにユーノ君って弱そうに見えるっけ? とはやてが考え込んでいると、

「そろそろ……動きが変わるんじゃないかな?」
「そうだね……ユーノはともかく、ヴィータの我慢の糸が切れる頃、かな」

そう言葉を交わすなのはとフェイトの声が聞こえて、はやては訓練場を向いた。
37638 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/10(月) 23:22:17 ID:wuqG+7MJ
一方。

「(うーん……、体力勝負じゃ分が悪いだろうし、体力尽きる前に勝負決めた方がいいよね……)」

そう考えて、ユーノはヴィータから逃げ回るように飛びながら、少しずつなにかを仕込んで行く。
そんなユーノを追いかけながら、ヴィータは驚いていた。

「(こいつ……速くなってやがる!)」

9年前戦った時は、一度距離を取られてもすぐに詰める事が出来ていた。
しかし、今は距離を取られるとなかなか詰める事が出来ていない。
一応シュワルベフリーゲンを時折放って、何か仕込む時間は与えていないと思うのだが。

「(何しろユーノだからな……)」

ヴィータから見ると充分過ぎるほどにえげつない戦法を取るクロノが「えげつない」と評するユーノの戦い方。
クロノが罠を仕掛けるタイミングすら見切れないヴィータに、ユーノが罠を仕掛けるタイミングなど見切れる訳が無いと考えるのが普通で。
だが、

「(……それなら、仕込んだ罠が発動する前に叩きのめせばいいだけの話だ!)」

そう決心し、ヴィータはグラーフアイゼンに視線をやる。

「やるよ……アイゼン!」
『ラケーテンフォーム、エクスプロージョン!』

そのままヴィータはその場で回転し、遠心力を付けると、

「ラケーテン……ハンマー!」

遠心力を推進力に変え、それにグラーフアイゼンの噴進力も加えてヴィータはユーノに突っ込み、

「ラウンド……シールド!」

……ユーノの右手から展開されたシールドに防がれた。
一気にそのシールドを砕こうとヴィータは力を込めるが、ラウンドシールドはびくともしないで。

「くっそ……、やっぱ硬えっ……!」

思わずそうぼやいたヴィータだったが、すぐに気を取り直すように、叫んだ。

「硬くて抜けねえなら……、抜けるまで攻撃力増やすまでだ! アイゼェンッ!」
『エクスプロージョン!』
「重ねがけ……っ!?」

もう一発カートリッジをロードし、明らかに勢いが増したハンマーに、ユーノのシールドは耐えきれず。
加速度的にヒビが入っていくシールドに、ヴィータはさらに腕の力を込めて……、

「つ、ら、ぬ、け、えっ!!」

ついにシールドは砕け散り、ハンマーは一直線に、ユーノが「いた」場所を薙いだ。
37738 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/10(月) 23:23:10 ID:wuqG+7MJ
「……は?」

一瞬にして消えたユーノに、ヴィータは一瞬だけ呆気に取られる。
と、

「きゅい!」

突然耳元から訳の分からない鳴き声が聞こえ、ヴィータが慌ててそちらを振り向くと、

「ストラグルバインド!」
「な……!」
『フィアーテ!』

そこにいたフェレットがバインドを放ち、ヴィータは完全に虚を突かれる。
しかし、グラーフアイゼンがオートで高速飛翔魔法を使い、何とか難を逃れた。

「……ふう……、ありがと、アイゼン」
『ヤー』

ヴィータが冷汗を拭うと、それを見上げていたフェレットも元の姿に戻る。
それを睨み付けて、ヴィータは叫んだ。

「てめ……いきなりフェレットに化けるなあっ!」
「そう言われても……」

苦笑するユーノに、ヴィータは落ち付こうとしたのか、深呼吸する。

「……まあ、いい。お陰で決心がついたしな……、てめーをボコボコにする決心が!」

そう吼えたヴィータに、ユーノは冷汗を流す。

「(ヴィータ、切れちゃったよ……。……絶対、やばいよね?)」
「……逃げるなよ……殴れねーから!」

そうユーノが考えていると、ヴィータがもう一度吼え、カートリッジをグラーフアイゼンに込める。

「……アイゼン!」
『ギガントフォーム!』

そして何の躊躇いも無くギガントフォームを起動させたヴィータを、ユーノは引き攣った表情で見詰めた。
37838 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/10(月) 23:23:41 ID:wuqG+7MJ
「ヴィ、ヴィーター? 僕がずっと無限書庫にいて、まともに戦いしてない事分かってるー?」
「……ああ、安心しろ。
 ……あたしとここまでやれる奴が素人な訳ねーから全力で叩き潰してやるから」
「いや、全然安心出来ないから!」

白い悪魔モードななのは並に切れているヴィータに、ユーノは冷汗をだらだら流す。

「(やっぱり……僕の戦法がおちょくってるように見えたのかな……?)」

逃げ回れるだけ逃げ回って、ようやく一撃入れる事が出来たと思ったらフェレットになって交わされて。
元々気が長い方では無いヴィータがぶち切れるのには充分すぎた。

「……本気で殴るけど、死んだりはしねーよ。……多分」
「多分って何さーっ!?」

思わずそう叫ぶユーノに、ヴィータは怖い笑みのままで詰め寄って、

「……轟天……爆砕……!」
「いや、だから本気はちょっと」
「ギガント・シュラ―クッ!」

……何の躊躇いも手加減も無くギガントシュラークをユーノに振り下ろし……、
……そのハンマーは、途中で無数の鎖に縛り付けられて、動きが止まった。

「……ディレイドバインドかよ……っ!}

慌ててヴィータはバインドを振り解こうとするが、それよりもユーノの次の動きの方が早かった。

「ストラグルバインド!」

……放たれたストラグルバインドを、デバイスが拘束されているヴィータによけられる訳も無く。
あっと言う間に、ヴィータはぐるぐる巻きにされた。

『ヴィータの戦闘不能を確認。……ユーノ君の勝ちやな』

そうはやての声が響く中、ヴィータはユーノを怒鳴ろうとして……、

『ねえ、ヴィータちゃん。少し、頭冷やした方がいいような気がするんだけど、いいかな?』

……聞こえて来た本家本元の白い悪魔の声に、硬直した。



余談だが、この戦いを見たティアナが、ユーノに憧れの気持ちを抱いてしまったらしい。
……そして、ヴィータと一緒になのはから「頭を冷やされた」そうだ。

なのは談:「芽は早めに摘んでおくの」
379名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:29:02 ID:k85f0SiP
スーパーゆーのタイム!
しかし、フェレットに変身云々はどっかで見たような…?
まぁ、とりあえず乙!
38038 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/10(月) 23:30:34 ID:wuqG+7MJ
これで終わりです。

……うん、前回非難されたあれはこれ書くための伏線だったんだ。

このスレを俺の小説の保管庫代わりにしているという批判が出てますが、無視します。
口調的に考えて、その批判をしてる奴は以前からずっと俺に対して粘着して叩いてる奴ですので。
381名無しさん@ピンキー :2007/12/10(月) 23:37:14 ID:jQqdDTBn
>379
 某男の祭りにあったのじゃないかな。
 タイトル忘れたけど。
 確か、人間一人を転移する余裕はないけど、フェレット形態ならいけるって展開だったと思う。
382名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:42:54 ID:wZwWc60i
投下乙
ずっとユーノのターン!

叩いてる奴云々は割と同感ですが、口に出さなかったほうが良かったかと。無駄な顰蹙を買いますよ?
383名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:44:30 ID:GR9sSkGR
>>380
おつかれさん
俺としては面白かったぜ
ただ、思っても言わない方がいい事ってあると思うんだぜ
投下します。
ユーノ×なのは+ヴィヴィオ
非エロです
いんじゅーだいすき。ではどうぞ。
時空管理局のエースオブエースこと高町なのはは、機動六課解散後、とあるマンションの一室を買い取った。
そこで暮らし始めてから、少し後のお話。
「かわ?」
「うん!あのね、パパとママと、ヴィヴィオでね、三人一緒なの!」
風呂からあがりたてで、まだ湿っている少女の髪を同じ色の髪を持った青年が拭っている。
青年の名はユーノ・スクライア。少女は高町ヴィヴィオという。
二人はこの部屋の正式な住人ではない。
ユーノは家主であり恋人でもあるなのはからお泊りのお誘いを受けて。そしてヴィヴィオは学校からの一時的な里帰りであった。
ヴィヴィオの言うママとは保護者のなのはであり、パパとは目前のユーノを指している。正式な婚姻はまだ先のようであるが。

ユーノは困っていた。子どもの発言は必要な部分が抜けていたり、間違えて覚えていたりするものだが、それにしたって三人で川ってなんだ。
うーんと唸っていると、くすくすと笑う女の声がした。――なのはだ。
「ユーノくん、変な顔ー。どうしたの?」
風呂上りのお手入れを済ませたなのはがドアの前で笑っていた。
事情を説明すると、なのはにはすぐ意味が分かったらしく、何も言わずユーノに用意された客間へ姿を消した。
十分ほど経って、客間から二人を呼ぶ声がした。

「わーい、かわー」
ヴィヴィオがダイブした先には布団が敷いてあった。三組分、うち真ん中は子ども用なのか、尺が小さい。ヴィヴィオの着地点もそこだった。
「これが『かわ』だよ」
「ああ……漢字の『川』ってことか」
せーかい、となのはが笑った。
そのまま消灯までは何事もなく過ぎていった。
部屋が暗くなると、ヴィヴィオはすぐにうとうとし、やがて安らかな眠りの世界へ飛び立った。
そしてかわの一辺が本領を発揮し出すのであった。
386名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:45:51 ID:7dvnj9Cn
流石にその言い方は自意識過剰なんでは?
38氏を批判している人の気持ちがちょっと分かった。
「や……だ、だめだよお……ユーノくん」
「何が駄目なの?」
ん?とすっとぼけるユーノ。もじもじするなのは。
「な、なにって、その……えっちなこと」
「別にしようとしたつもり、ないけど」
「じゃ、じゃあ……どーしてさっきから私の体、撫でまわしてるのかなぁ……?」
そして今も胸元をさすさすしている。というかもはやもみもみと言ったほうが適切である。
「気にしないでよ」
「きっ……む、無理だよっ、ひゃぁんッ」
もみもみが先っぽを摘んでぐりぐりにギアチェンジした。なのはもたまらず声を上げる。
「相変わらず反応いいねー。さすがエースオブエース」
しれっとした様子で、ユーノはなおもセクハラを続けようとする。
「っゆ、ユーノく、ん!!?」
思わず大声で叫ぼうとした口唇を、口唇で相殺された。
「はいはい静かに。ヴィヴィオ起きちゃうよ?」
「ううう……ユーノくんの、馬鹿!」
「どういたしまして」
ちっとも罵倒の効果がない。
「……いんじゅー!」
「――襲うよ?」
効いた。が、効きすぎてきっちりカウンターが帰ってきた。もう黙り込むしかなかった。
「ッ……うー……」

沈黙が続く。聞こえるのは愛娘の寝息のみ。
なのはにとってはひどく長く続く重苦しい時間。だけど自分でどうにかできるわけもなく、ただただ黙り込む。
そうしてどれくらい時間が過ぎたのだろう。マイペース淫獣がようやく口を開いた。
「ねえ、なのは」
「……なに」
棘のある口調を全面に押し出してやる。が、ユーノは気にしない。そして何でもないことのように言う。
「好きだよ?」
「…………もう……ばかぁ」
たったひとことの甘いことば。
それも何の捻りもないストレートど真ん中。それでも、いやむしろと言うべきか、なのはの心はあっさり解けてしまう。惚れた弱みかメロメロ効果か。
私だってだいすきなんだからぁ!
――と、言えるのは己の心の裡のみ。このあたりがなのははユーノに勝てない原因なのだろう。

終わっときます。
388名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:47:40 ID:3VT8X2Pa
ヴィータに勝てるユーノなんてユーノじゃないやい!と思った俺ガイル。

せっかく淫獣形態になったんだからヴィータの服の中にもぐりこめよ!
そしてえろえろでいやんな展開に(ry
389名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:51:17 ID:3VT8X2Pa
GJです。そして割り込み失礼しました。

というか、淫獣自重wwwwwwwwww
そしてやっぱり淫獣大好きだw
390名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:52:45 ID:Utae1Vk2
釣られてやるか

>>380
エスパーってすごいですね
391名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:54:11 ID:GR9sSkGR
>>387
おつかれさん
淫獣自重しろw
コレはイイな。和んだw
392名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:58:25 ID:mrggxpur
書かなくて良いことを何故書くかな。
393名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:17:20 ID:Kt/1/qSQ
>>391のIDが物凄くジャイアントロボっぽい件について
394名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:24:45 ID:S32iF4xU
そういうことの積み重ねで批判が生まれてるんじゃね?

>>387
 GJ!
 ヴィヴィオに和んだ。
 あとユーなののラブラブでにやにやさせられましたw
395名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:40:21 ID:OuLyIfNO
396名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:53:58 ID:bqYcecQ5
>>380
盗作しといて、アンチが付かないわけないだろう。
最初にちゃんと謝罪しとけばこうはならなかっただろうに。
397名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 01:19:37 ID:xOaaXRB1
>>396
盗作?何の話?
なんだか空気が悪いけど読めない子なので投下しますよ。
フェイトとエリオとキャロ
非エロ。かろうじてエリキャロ?
フェイトさんのあたまあったか注意報発令中
話は>>387と繋がってはないです。ネタが一緒なので。
それではどぞー。
「エリオ〜キャロ〜っ」
甘い甘い、とろけそうな女の声。振り向くのは名を呼ばれた二人の少年少女。
呼んだのは二人の母親代わりのフェイト・テスタロッサ・ハラオウン。
ちなみにここは、エリオとキャロが所属する辺境自然保護隊の宿舎近くに広がる草原で、二人はフリードリヒの散歩に出かけていた。
なので本来フェイトがここにいるはずはないのだが、曰く。
「来ちゃった」
テヘ、などと抜かしているバカ親一名。幸か不幸か、息子&娘は過度なまでの純真さで感激するばかり。
ここにツッコミなどいないのだ。

「そうそう。これをやろうと思ってたんだよ」
言うが早いか、フェイトはぶわっさーと毛布のようなものを広げて自分と二人をくるみ、地面へまとめて押し倒した。
毛布と下に生えている草のおかげで痛くはなかったが、あまりにも突然で、さすがに目を瞬かせる二人。
「今日ね、久々に丸一日お休みでね?どーしよーかなって思ってたら、すごくいいお天気だったんだ」

空はあおくあおく。澄み渡っていて、そばにいない人とも空で繋がっているように思えて。
でも、思うだけじゃ足りなくて。抱きしめて、ぎゅってして、一緒に空を見たくてしょうがなくなってしまったのだ。

「だからね、今日はエリオと、キャロと、日がなおひるねするって決めたんだよ」
えへへ、と、少し照れくさそうに笑って。次いでごまかすように二人を抱きしめて。
満足したのか、二人を両脇に抱えたまま、すよすよと眠ってしまわれた。
川の字にしては真ん中が突き抜けているが、これもひとつの愛の形である。
「あ……フェイトさん、もう寝ちゃってる」
「やっぱり疲れてるんだよね」
そっと額にかかる髪を掃うキャロ。エリオもフェイトに毛布をかけ直す。
「僕たちのこと、心配してくれたんだね」
「うん……」
嬉しい気持ちと、申し訳ない気持ちが交錯していく。だけど、謝ったって、この人を悲しませるだけだから。
「ね、キャロ」
「なあに?」
「僕らにできることって、ないのかなぁ」

どうせなら、喜んで欲しかった。
「できること……あ、そうだ!」
ぽんと手を叩くキャロ。耳貸して、と請われ、囁かれたのは微笑ましい提案。
年頃の少年にはいささか抵抗のある案だったが。
「え……でも、それは」
「ありがとうの気持ちだよ。エリオ君」
ね、と念押しされると頷くしかできない。

二人は眠るフェイトの顔に自分の顔を寄せた。
そして、感謝の気持ちをこめて、口唇を頬に重ねた。

おやすみなさい。ありがとう。やさしいおかあさん……
おまけ。

そっとフェイトの頬から口唇を離す二人。ふと、目が合う。
何故か顔が熱くなる。トマトのような顔の相棒。そして鏡を写したように自分も、きっと。
「ね……エリオ君」
「な、なに……キャロ」
とろんとした同い年の少女のまなざしに瞳を奪われて、身動きが取れない。
だから、気付けない。少女がこちらにどんどん近寄ってくることに。
「あ……」
柔らかい、先ほどのフェイトのほっぺたとはまた違う、暖かい感触が口唇を掠めていった。
ようやく硬直した体が動き出す。でも、今度は思考が固まってしまった。言葉もうまく紡げない。
「エリオ君にも、ありがと……だよ?」
にっこりと顔を赤らめながら、キャロは早口でおやすみなさいを告げて夢の国へ逃げていった。

「……こんなんじゃ、寝れるわけないよぉ……」
残されたのは髪まで真っ赤なエリオ少年。傍から見れば両手に花だ、良かったねエリオ少年。
明日は君に微笑むぞ!
おまけ。

そっとフェイトの頬から口唇を離す二人。ふと、目が合う。
何故か顔が熱くなる。トマトのような顔の相棒。そして鏡を写したように自分も、きっと。
「ね……エリオ君」
「な、なに……キャロ」
とろんとした同い年の少女のまなざしに瞳を奪われて、身動きが取れない。
だから、気付けない。少女がこちらにどんどん近寄ってくることに。
「あ……」
柔らかい、先ほどのフェイトのほっぺたとはまた違う、暖かい感触が口唇を掠めていった。
ようやく硬直した体が動き出す。でも、今度は思考が固まってしまった。言葉もうまく紡げない。
「エリオ君にも、ありがと……だよ?」
にっこりと顔を赤らめながら、キャロは早口でおやすみなさいを告げて夢の国へ逃げていった。

「……こんなんじゃ、寝れるわけないよぉ……」
残されたのは髪まで真っ赤なエリオ少年。傍から見れば両手に花だ、良かったねエリオ少年。
明日は君に微笑むぞ!
間違って二重に書き込んでる……。すいません吊ってくる。
どうやら眠たいのはヴィヴィオでもあったか執務官でもなく自分だったみたいですね。
では失礼します。
次はロッはやに取り掛かりたいところです。おやすみなさーい。
404名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 01:32:52 ID:S32iF4xU
GJです!

川ではなく小ですね。
ここでフェイトさんが実は起きてたりすると、わくわくですな。
405名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 01:35:35 ID:Kt/1/qSQ
OK、GJ!

愛情たっぷりでちょっと頭のゆるめの執務官は大好物ですw
これはじつにいいきれいでかわいいふぇいとさん。
というかフェイトさん実は少しアルコールがはいってないですかw
406名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 01:35:48 ID:MUUPSkyQ
>>403
GJ

>>404
鼻血出して気絶してるだろうから問題ない
407名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 02:07:53 ID:b7XSqTQX
>>397
過去ログ参照。
確か第23話辺り。
まぁ、言い逃れ出来ないレベルだとは思う。
408名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 02:15:18 ID:j/5SyISp
>>380
つーか、前作の前半を切り取って今回の頭にくっ付けても、前作今回共に全く違和感が無いんだが
伏線でしたー、なんて言い訳か後付けにしか見えんよ
色々言わなくてもいいことを言っちゃって自分で墓穴掘るタイプだな
409名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 04:18:36 ID:tKPfQ6L9
盗作だって勝手喚いてただけだったじゃん結局
410名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 04:40:17 ID:Du0s7Pp2
下手な語りは作品にマイナスにしかならないっていう最たる例だなw
まぁ彼の場合は単に自己顕示欲が強いだけな気もするけど…
411ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/11(火) 06:37:48 ID:5sHxTw3N
盗作……どっからが盗作なんだろう……
陵辱……どっからが陵辱なんだろう……
この世は謎だらけだ……

>403 テヘいいよテヘ!フェイトさんかわいいなあ

(注意書き)
夫婦のごにょごにょは後ほど。今ははやてに一直線
[恋する乙女なはやて]

じゃ朝刊っ!
412〜ソラノカケラ〜(27)(1/2):2007/12/11(火) 06:39:01 ID:5sHxTw3N
 夜天の王でヴォルケンリッターの主で元部隊長でダブルSランク魔導師で他称子狸自称歩くロストロギアこと、八神はやては困っていた。
夜の帳の下りた自室のベッドの上で目を覚まして一人、果てしなく困っていた。
時間からすると夕食の始まる時間であろうか、勿論キッチンに行けば綺麗に揃った家族と――あの人がいるはずである。
いつも通り素直に行けばいいだけのことではあるのだが、なんせ半ば諦めていただけに嬉しくてとにかく無闇矢鱈にどきどきしていた。
いい加減精神リンクは閉じているし家族にも悟られるようなことはないのであるが、そんなものなくてもこのままキッチンに行って、
挙動不審な彼女を見れば子供にだってわかるというものである。
酔った勢いで半ば行為まで及んだとはいえ、最後まで至らなかったあの時からすれば、
奥さん公認で先程のように抱きついてぶっちゃけもうなんでもやりたい放題やってしまっていいのであるが、困っていた。
(めっちゃ恥ずかしいし、どきどきするし、どうしたらいいんや……教えてリイン!)
先代の祝福の風の名を心の中で叫ぶが、当然返答があろうはずもない。
(ああもう、うちってこんな愚図やったかいな……)
どうにもこうにも思い切りの悪い自分を呪いながら、デニムのタイトの足をベッドから下ろし、電気をつけて白い長袖に乱れがないか鏡でチェックする。
化粧のおかげで赤面はばれなさそうであるが、問題なのは言動であった。
(おちつけおちつけおちつけおちつけおちつけおちつけ子狸子狸子狸子狸子狸子狸)
謎の言葉を心の中で囁きながら立ち上がって、よし、と呟く。
(い、いくでー……)
ゆっくりと廊下を歩き、キッチンから聞こえてくる雑談をまるで別世界からの声のように聞きながら、
ひょっこりとその部屋へ――少なくとも彼女自身はひょっこりと――入ったつもりであった。
ヴィータとリィンがごく普通に声をかける。
「おー、はやてー」
「はやてちゃん、おはようございます?」
「お、おはよう、か?こんばんわ?それも変やね」
と、彼女も当たり前に返したつもりであったが、もうその一瞬でクライドどころか騎士達にもモロバレである。
(……はやてちゃん、何か緊張してるです?)
(なんかへんだな、はやて)
(……察してやれ)
(あ、あはは)
シャマルに椅子を引かれて、どうぞ、とクライドの隣に座るが耳まで真っ赤になりそうな勢いでカチコチと座る。
(平常心平常心平常心平常心平常心平常心ラグナロクミストルティンあーてむですあいせえええええええ!?)
食卓にどう考えても似合わない物騒な呟きを心の中で繰り返しながら、固まったまま食べようとしない様子にヴィータから突っ込まれる。
「はやて、食べないの?」
「あ、あああ、せやね」
そう言って箸を取るが、横からの暖かい視線に心臓が爆発寸前であった。
(あかん、あかんて、いくらなんでも無理すぎやって!おのれリインこれが目的か!裏切り者めええええええええええええええええええええ!)
先代のリインに良くわからない逆ギレをしてみても、勿論食が進むはずもなく、2、3口食べてみるもののクライドの料理であるから
美味しくないはずがないのであるがぶっちゃけ味がしなかった。
そして彼から料理について何か話を振られているのであるが、内容が理解できなくて困る。
(おかしい、うち耳おかしうなったんか?ちゃうな、ちゃんと音声は認識できてる、うん。ナンバの子達やないんやからメンテフリーのはずや。
多分、うん、つーことはあれか、聞こえてるけど聞こえてないっちゅー奴か。うん、せやね、どしよ)
冷静に状況判断をするところはさすが指揮官かつマルチタスク常用のオーバーSランク魔導師なのであるが、
如何せん肝心のハードウェアの方が停止しすぎで対処のしようがない。
あまりにも反応のおかしいはやてに、クライドも少し不安になったのかちょっとだけ心配顔で尋ねた。
「はやて……大丈夫か?」
413〜ソラノカケラ〜(27)(2/2):2007/12/11(火) 06:40:01 ID:5sHxTw3N
と、彼の指先が頬にほんの少しだけ触れようとした瞬間――
「きゃっ!?」
彼女は、よくわからない声をあげて過剰に反応してしまっていた。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
果てしなく微妙な沈黙に包まれる食卓。
(無☆理)
すっぱりと自分の中で諦めがついてしまったはやては、猛然と席から立ち上がる。
「ご、ごちそうさまーーーーーー!!!」
それだけ叫んでキッチンの出口へと猛然とダッシュしたはやては、何か壁とかにぶつかる音を残しながら、瞬く間に逃げ去っていった。
残された家族達は、リィンを筆頭に呆然唖然とするしかない。
「い、いったい何事です……?」
まあなんとなく気持ちはわからなくもないが、といった感じで頬をかいているクライドはともかく、
シャマルは呼吸困難レベルでテーブルに突っ伏す勢いで笑っていた。
「シャマル、失礼だぞ?」
「わ、わ、わかって、る、けど、もう、はやてちゃん、あーもう、ひい」
先生が応答不可能の為、リィンはヴィータに一応の解説を求める。
「ヴィータちゃん、これはいったいどういう現象なんでしょう?」
「あー、あれだ。乙女心って奴なんじゃねーかな。わかんねーけど……」
「お、乙女心ですか……難しいです……」
箸を片手に必死に宙を見上げて悩む彼女であったが、さすがにその意味合いを理解するには経験不足である。
そしてテーブルの下で嗚呼愛しき哉――とか言いかけた守護の獣が即座に反応した将の足で蹴られて、ごふっ、と悶絶した。
414ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/11(火) 06:41:30 ID:5sHxTw3N
ほいではノシ
415名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 06:50:57 ID:oDrxSbmS
>>414
GJ!
はやてかわいいよはやて。

416名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 07:26:50 ID:ovh9hcDH
GJ
将に蹴られるザフィはいいですねw
417名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 07:48:58 ID:j9FZg3fy
GJ
朝刊乙です。はやてはこの後どうなるのか!?
418名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 08:49:56 ID:pzVoRVmN
乙女はやてはなんという殺傷力。朝っぱらから死人がー。ともかくGJです!

>>404 なるほど小ね!ちょうど真ん中に擦り寄ってるあたりピッタリですな。
>>405 いやフェイトさんは、愛車でかっ飛ばしてきたことにしといたので。書いてないですが。
酔ってないのにこのテンションなので酔わせたらうちのフェイトさんひどいことになりそうです。
あと>>406 

(お、おちつけ私・・・・・・でも、でもかーわいいにゃああー。あー抱きしめたーい。はぐはぐしーたーいー!!)
傍らに感じる二人のぬくもり。そしてかわいらしい感謝の印。
実際、眠ってはいたのだが、二人がきゃっきゃとあまりにもかわいいいもんだから。
つい狸寝入りで様子を伺っていた執務官なのであった。
しかし、キャロはずいぶん大胆になったものだ。私の頃は・・・・・・あ、淫獣がいたか。
そんなわけでフェイトさん予想外のダイレクトアタックに、彼女のライフは底をつきかけていたのだ。
そして、フェイトさんの鼻の中は第一戦闘配置につき激戦中であった。ええ、紅い液体と精神力の限界バトルで。

(ダメダメ・・・・・・二人の前で鼻血なんて。優しくてすてきなママから遠のいちゃう。我慢しなきゃ・・・・・・ああ、でもかわいいよおお)

フェイトは耐えた。耐え抜いた。そうして勝ったのだ。しかし、勝利には常に代償が付きまとう・・・・・・。

「ブッフーー!!」
「あああアルフ!?血!鼻から血ー!ってああ今日入ったばっかりの新刊ーー!!」
――その日、無限書庫にて紅い雨が降った。
デジタル化が進んでいるものの、書庫と言うだけあって、紙はまだ多い。
つまり、水分にはすこぶる弱いわけで。

「きゅううううーーん・・・・・・」
声が聞こえる。そう、フェレットのなく頃に。書庫は紅く血に染まる・・・・・・。

こうですかわかりません。
419名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 09:24:19 ID:oXshUPL9
スポイトで精子流し込まれるリインとアギトの読みたいな
420名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 09:59:10 ID:7LkQRtbO
この変態め!

俺も読みたいです。
421名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 10:16:30 ID:zYPzUciV
>>416
そしてザフィーラは新たな悦びに目覚めた
422名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 10:36:05 ID:SgMomxK4
>>418
その後、今度はお詫びとしてユーノとやってるアルフの感情が逆流するんだな
423名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 12:18:29 ID:hEIo/P8C
亀レス失礼

>>380
折角面白いのに余計なこと書いたら駄目だって。
あと、「前回のは伏線でした」なんて書かなくてもすぐに分かるから大丈夫(笑。

と、文句はここまでにしてGJでした。
特にフェレットに変身する部分wwwサイズ変更は卑怯だよなぁ・・・・・・。
次回作も期待してます。
424名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 12:39:51 ID:S32iF4xU
うおおお……(断末魔の声
保管庫に38スレのTEXTデータ来てないぃぃ……
サイヒさんのおしりフェイト話が読み返したい……
425名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 14:33:50 ID:XxikP1Tj
>>418
フェレットのなく頃にって、どっかにあったな……思い出せないが
426名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 15:24:29 ID:cS8p/9Wj
GJ!
やっぱり最近のザフィーラはろくな目にあってねぇwwww
そしてはやてがスーパーボールのように、あちこちにぶつかりながら消えていく姿が見えたw
427名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 16:48:02 ID:fYKZYqBl
>>425
魂の奥底から…別館の浅倉竜也さんの短編7がそんな副題ですよ。
428名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 17:21:56 ID:0QTKOKyT
戦闘時には凛々しいスバルだが、恋となると奥手の乙女になる…
そんなスバエリを妄想したぜ
429名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 17:29:26 ID:vaN6fiut
>>424

馬鹿者、紳士なら嘆くな

つ http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org11002.zip.html
430名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 17:34:47 ID:3j+ysWUw
>>428
温泉ではばりばりからかってたような。

……あぁ、からかう分にはいいけど2人きりになると
途端にもじもじして会話が続かなくて逆にエリオの
大人っぽさに惚れちゃうとかそんな奴か。把握した。
431名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 18:00:46 ID:S32iF4xU
>>429

超感謝です。おいしくいただきましたっ
432サイヒ:2007/12/11(火) 20:47:57 ID:oeoTVqNO
こんばんは
>>363の絵を見て、車で迎えに来たクロノが密閉された空間に立ち込めるフェイトの汗の匂いに
辛抱溜まらず押し倒して車内でいやんあはんな妄想をしている病人です。
誰か書いてくれないかな。……ボチボチ俺も消費者の側に回りたい。

前スレに投下した「Mischief of cat」の続編いかせてもらいます。(前スレのタイトル全部eが抜けてました)
そっち読んでいないと色々と意味不明です。
中身はショタクロノ×ロリフェイトのエロという変化球。
前編はギャグでしたが、今回はいつもどおりの俺のクロフェ。
433初体験をもう一度:2007/12/11(火) 20:49:29 ID:oeoTVqNO
 フェイトはたとえ中に誰もいないと分かっていても、自宅に帰った時にはただいまと言うことにしてい
る。
 住居であり家族がいる場所としての家という存在そのものに対して、帰ってきたということを告げるた
めにそうしていたのだ。
 その自分で決めたルールを、十年目にして初めて破った。
 無言で鍵を開け、靴を脱ぎ散らかし足を引きずりながら自室に入ってベッドに倒れこむ。シーツに身体
を沈み込ませると、半日溜めていた想いが口をついた。
「…………クロノの馬鹿」
 昨夜、クロノが話した彼の過去。フェイト以前に肉体関係を体験したことがあるということ。
 フェイトが訊ねるまで黙っていたということは、訊かれなかったら生涯隠しておくつもりだったという
ことだろう。裏切られたような気分で、怒りに身体が熱くなる。
「鈍感、むっつり助平、鬼畜、後ろ好き」
 しばらく枕相手にひたすら罵倒して、多少はすっきりした。しかし同時に、フェイトの表情は曇る。
 ちょっとだけ冷静になれた頭は、自分の怒りが理不尽なものだということを理解している。
 なにも恋人だからといって自分の全てを話さなければならないことはない。ましてやクロノの弁を信じ
るなら、逆レイプの如きものだったのである。話したくなくて当然だ。
 そこまで自分で分かっていながら、フェイトの心は静まることが出来なかった。百の正論を並べられて
も、感情が嫌だと駄々をこねている。
 隠し事なんて決してしてほしくない。彼のことは生まれてから死ぬまでのことについて、なにもかも知っ
ていたい。フェイトが全て知っているクロノでいてほしい。
 そんなこと不可能だと理解しているだけに、どうすればこの感情が落ち着いてくれるのか自分でも分か
らない。
 クロノが平謝りに謝ってくれればいいのか。リーゼ姉妹をあと数十回叩きのめせばいいのか。昨夜のよ
うにクロノの身体を貪り尽くせばいいのか。
 どの案も一時的に鬱憤は晴れるだろうが、後から来るのは怒りのぶり返しと自己嫌悪だろう。かといっ
て、他の解決策も思いつかない。
(嫌な女だな私……)
 独占欲が激しく、恋人の過去を見過ごす程度の度量も無い。クロノに全てを委ねてもいいと思う同じ心
で、彼のなにもかもを欲している。
 こんな自分では、そのうちクロノの方から愛想を尽かして出て行ってしまうかもしれない。
 ますます暗澹たる気持ちに陥りかけた時、ピンポーンとチャイムが鳴った。
 正直他人と応対できるようなコンディションになかったが、万が一大事な客だとまずい。
 鏡を覗いてなんとか普段どおりの表情を作り、急いで玄関に向いドアを開けた瞬間、眉が跳ね上がった
のが自分でも分かった。
「……どうもこんにちわ〜……」
「お久しぶり……って、昼間に会ったね。あはは……」
 立っていたのは、引き攣った笑みを浮かべたリーゼ姉妹だった。
434初体験をもう一度:2007/12/11(火) 20:50:59 ID:oeoTVqNO
「……なんの用ですか。クロノならいませんよ」
 いけないと思いつつ、声がドスがきいてしまうフェイト。
「い、いやクロ助じゃなくてフェイトちゃんに用があって……」
「……あなたが怒っているのって、私達が昔クロノにいたずらしたことなんだよね……?」
「…………」
 返答はしなかったが、自分の表情が返事になっているのは猫姉妹がひぃっと叫んで三歩退がったことで
分かる。
「いやー!! もうフォトンランサーもザンバーもいやーー!!」
「お、落ち着きなさいってロッテ! と、と、とにかくっ、あれは調子に乗りすぎた私達が悪かったから、
お詫びの品持ってきたの!」
「お詫びの品……?」
 見たところ、二人とも手ぶらである。まさか現金なわけもなかろう。
 不審に思うフェイトの前に差し出されたのは、リーゼアリアがポケットから取り出された懐中時計。
 受け取ってみると、それは時計のようで時計ではなかった。通常の時計ではありえない造作が見られ、
そしてなにより強い魔力反応が感じられる。
「これは……?」
「それを使えば、クロノの本当の初めてがもらえるから」



       初体験をもう一度



 きっと今日より帰り道の足が重い日はないだろう、とクロノは思っていた。
 今日は、フェイトが先に帰っているはずだ。いつも彼女が先に帰宅している場合は、帰れば食事も風呂
も準備がされており、玄関には笑顔のフェイトが出迎えてくれて、仕事の疲れがすぐに吹っ飛ぶところで
ある。
 それが今は家に近づくにつれ胃がきりきりと痛み、下半身に鈍痛が走る。目まで霞み出したような気も
する。
 この不調の原因は、明け方に絞られ尽くしたクロノを残して部屋を出て行くフェイトが放った一言にあ
る。
「足りなかったから今晩もね」
 性欲は強いクロノだが、いくらなんでも打ち止めはある。なんとかしないと真剣に生命に関わりかねな
い。
 しかし完全に損ねてしまったフェイトの機嫌が、どうやれば元に戻るか見当がつかない。
 リーゼ姉妹とのことを黙っていたのに対する謝罪は昨夜二十回ぐらいやったが、冷たい眼で一瞥された
だけだった。
 なにかフェイトの好きなものを買って帰るのも、物で釣ろうとしたと思われるような気がして取り止め。
 どちらかと言えばフェイトの方が理不尽なので、いっそ毅然として叱りつけようかとも考えたが、もし
それで本格的な口論になったら隠していたクロノにも非があるだけに泥沼化しかねない。
435初体験をもう一度:2007/12/11(火) 20:52:45 ID:oeoTVqNO
「どうしたものだろうな……」
 十年兄妹をやっている間は出てこなかった問題が、この一年足らずでぞくぞく出てくる。その中でも今
回のものは特大だが。
 恋人関係とはかくも難しいものか、と一人嘆息するクロノ。
 またこういう日に限って仕事はさっさと終わり、信号は止まらずエレベーターも来ている。家まであっ
という間だった。
 寄り道してそこらの公園で思案しようかとも思うが、一日考えて出なかった答えが一時間やそこらで出
るわけがない。
 結局、フェイトの反応を見ながらその場で考えていく、というクロノらしからぬ場当たり的な考えしか
浮かばなかった。
「……ただの無策じゃないか」
 こういうことには極めて無能な自分の脳味噌を恨めしく思いながら、クロノはマンションのエレベーター
を降りた。数メートル先には、自宅のドア。一度深く息を吸って、ノブを捻った。
 まず目に入った転がっている靴が、同棲者の機嫌を如実に現していた。ひるみそうになりながらも、意
を決して玄関に上がるクロノ。
 フェイトはリビングにいた。椅子に腰掛け、手でなにやら弄っている。表情に明確な怒気はないが、憂
鬱さのようなものが漂い出て部屋中の空気を重くしている。
「……ただいま」
「おかえりなさい」
 声に抑揚が無いのが怖い。
 とりあえず、フェイトの対面に座るクロノ。そのまま空気が硬直する。フェイトは相変わらず手の中の
物に視線を落とし、クロノを見ようとしない。クロノはクロノで、かける言葉が見つからない。反応を見
るも何も、フェイトが動いてくれなければ話にならない。
 なんとか必死で話題を捻くり出すクロノ。
「そ、そういえば六課の方はどうなんだ? 順調にいってるのか」
 口にしてから、昨日もこのことを訊いたことを思い出した。これなら今日の天気でも話題にした方がま
しだった、と三秒前の自分を呪う。
 無視されるかと思ったが、フェイトの返答はクロノの予想の斜め上をいくものだった。
「……今日リーゼさん達が来たよ」
 いきなりの爆弾投下。
 すっかり忘れていたが、あの二人はミッドチルダに来ているのだった。忘れていたというより、考えた
くなかったというのが実情だが。
「……な、なにか言ってたか?」
「いろいろあってすぐに帰ることになったから会えないけどクロノによろしく、だって」
 その「いろいろ」とやらの中身を訊きたいが、知ったら絶対に後悔するだろう。
436初体験をもう一度:2007/12/11(火) 20:54:43 ID:oeoTVqNO
「……それで、これ持って来てくれたの」
 フェイトが手の中の物を机に置く。
 それは銀色の懐中時計。製作されたのが古い時代であることを示すように、銀盤は黒ずんでほとんど輝
きを失っている。
 だが普通の時計ではない。まず針が一本しかなく、しかも動いていない。文字盤にも七十、八十といっ
た時計にあるはずのない文字が刻まれている。
 同じ物を、クロノは執務官時代に書類で見ていた。
「ロストロギアじゃないかこれ!?」
 当時クロノが関わった事件の参考資料として、無限書庫に請求した記憶がある。たしか使用者の肉体を
過去に戻す物だったはずだ。産まれる前まで戻せば実質上死亡してしまう危険な物で、管理局で厳重に保
管されている物である。
「こんな物、どうしてリーゼ達が持ってるんだ?」
「ちゃんと持ち出し許可はもらったらしいよ。明日中に返せば問題ないって」
「どんな裏技使ったんだ……。だいたい、なんでこんなものを?」
「…………クロノの初めて」
「は?」
「これでクロノを九歳に戻せば、クロノの本当の初めてがもらえるからって……」
「なんでそうなるんだ……」
 その発想の飛躍にクロノは目眩がしそうである。あの猫姉妹らしいと言えばらしいが。
(身体を戻せばどうこうという問題じゃないだろう)
 苦りきった顔をするクロノだが、ふと気づいた。フェイトはこれをたぶん手渡しでもらっている。その
時にいらないと言わなかったということは。
「君も、僕にこれを使って抱いてほしいのか?」
 少しの間を置いて、フェイトはこくりと頷いた。
「……君までそんなこと考えてどうするんだ。確かに黙ってたのは悪かった。けどあれは事故みたいなも
のだし、僕はこれからも絶対に浮気なんてしない。だからそんなにこだわらなくてもいいだろう」
「分かってる。分かってるけど、クロノが私以外の女の人と色んなことしてたんだって思ったら、悔しく
て……悲しくて……すごく嫌で……」
 フェイトの声と肩が震えだす。
「……どうしても我慢できなくてクロノとリーゼさん達に八つ当たりしちゃって。……お願い。クロノの
初めてもらえたら、いつもの私に戻れそうだから、だから……」
 そこまで口にすると、フェイトは顔を覆ってしまった。指の間から、水滴が机に落ちる。
 泣き出したフェイトに困惑しつつ、クロノは願いをかなえてやるべきか
 本人が言ってるように完全な彼女のわがままであるが、これを拒絶しても代替案など無い。
 それにしゃくりあげているフェイトを見ていると、クロノも悲しくなってくる。この涙を止める方法は、
一つしか思いつかない。
 自分は本当に恋人には甘いなと思いつつ、クロノは立ち上がりフェイトの側に歩み寄った。
437初体験をもう一度:2007/12/11(火) 20:57:23 ID:oeoTVqNO
「フェイト」
 声をかければ、充血していっそう赤みを増した目でクロノを見上げてくる。
「君がそれで気がすむというのなら、僕はそれで構わない」
「ごめんなさい…………ありがとう」
 掠れた声の漏れる唇を、クロノは自分のものでそっと塞いだ。


 十数年前の自分の身体は、とにかく軽かった。
 当時から鍛えていたとはいえ、成人男性とは比べ物にならない細さの手足。力の入り加減もかなり違う。
少し屈伸してみて動きを確かめるクロノ。
 その姿を、服を脱ぎ終えベッドに腰掛けたフェイトが見ている。クロノは小さくなってからだと脱ぎに
くいと思い、あらかじめ全裸になってからロストロギアを使用している。
「特に問題はなさそうだ。本当に小さくなっただけだな」
 それじゃあ始めようかとクロノはベッドに上がるが、フェイトは返事をせず枕元に手を伸ばした。
 そこにあるのはクロノが置いたロストロギア。それを手に取りネジを巻いたかと思うと、フェイトの身
体が一瞬まぶしく輝く。光が消えたかと思うと、そこに現われたのは幼い少女だった。
「……フェイト?」
「……クロノからもらうだけっていうのも不公平だから」
 幼いフェイトが、今と変わらない紅の瞳で見つめてくる。
「私の初めても、もう一度もらって」
「そんなの……」
「この身体じゃ、エッチな気持ちになれない?」
 幼女に欲情する特殊性癖は、もちろんクロノにはない。ないはずだった。
 だが目の前にいる幼いフェイトの裸を見ていると、心臓の鼓動がどんどん早まってくる。
 ちょうどクロノと出会った頃のフェイト。あの頃はこんな関係になるなんて微塵も思っているわけがな
く、ましてや裸なんて見たこともなかった。
 自分の知らない部分をさらけ出したフェイトがここにおり、その肢体を抱くことが出来る。その事実が、
くらくらする程の血の量を頭に送ってくる。
「…………分かった。そのままでいい」
 瞬間的な凄まじい葛藤の果てに、クロノは頷いた。
「けど、君の身体が必要以上に傷つきそうだったら、その時は元に戻ってもらうからな」
 なけなしの理性でなんとかそれだけ告げて、クロノはフェイトを抱き寄せた。
438初体験をもう一度:2007/12/11(火) 20:59:56 ID:oeoTVqNO
「ん……んんっ……」
 口づけを交わし、舌でフェイトの唇をつつくクロノ。心なしかいつもより柔らかい唇を割って舌を侵入
させる。
 歯並びもちんまりとしていて可愛らしい。歯の裏側から歯茎まで念入りに舐めてやり、一度顔を離した。
「クロノ、昔から背が低かったんだ」
 フェイトがおかしそうにくすりと笑う。確かに成人後は人並みになってくれたが、この頃は同い年の子
より頭半分以上低かった。
「立ったままキスしたら、クロノは背伸びしなきゃいけないね」
「……さっきまで泣いてたのにずいぶんと現金だな」
 笑い続ける彼女がこれ以上コンプレックスを刺激してこないように、クロノはもう一度キスして黙らせ
る。
 もう少し深めのキスを繰り返しながら、フェイトの胸に手を置いた。
 子供のクロノの手でもすっぽりと覆えてしまう淡いふくらみ。いつもなら気ままに捏ねくり回している
が、そんなことしたら壊れそうな気がして細心の注意を払って指に力を加える。
 それこそ豆腐が崩れない程度の強さで揉む。だというのに、フェイトの声は早くも甘いものが混じりだ
している。
「う……く……はぁ…ん」
 手の平にも、飛び出し始めた乳首の感触がある。触ってない方の胸まで同様である。
(……ふむ)
 試しに、クロノは乳首をちょんとつついてみた。それだけで、フェイトの身体全体がぶるりと震えた。
「いつも以上に胸が弱くなってないか?」
「う……ん。なんだか胸の奥まで指が入ってきてるみたいで、すごくびりびりってきちゃう」
「だったら」
 クロノは身体をずらして、ぽっちりとした赤い突起をぺろりと舐め上げた。
「思い切りやったら君はすごく感じるだろうな」
「え? で、出来たら優しくしてほしいんだけど……」
「小さい身体なんだから、よく濡らしておかないと」
「そんなこと言ってまたいじめるつもり……ふぁんっ! 乳首噛んじゃだめぇ……」
 フェイトの抗議を聞き入れず、クロノは胸への愛撫に集中する。
 胸を舐めしゃぶり軽く歯を立てながら、手の力を段々と強めていく。大人の時に負けない柔らかさだが、
かすかに芯のようなものが感じられる。まさに青い果実の身体であった。
 その果肉の裾野を強めに揉みながらクロノは訊ねる。
「いつも胸はここが感じてるけど、今はどうだ?」
「そんなの……気持ちよすぎて分かんないっ……!」
 快感の激流に涙まで流しながら、フェイトが喘ぐ。
439初体験をもう一度:2007/12/11(火) 21:02:01 ID:oeoTVqNO
 そろそろ飽和点を越えると見たクロノは、手の力をさらにまで上げる。しかし舌の動きはむしろ優しく
乳首を転がす。
「あうっ…………!」
 左右の胸で別々の愛撫を受け、フェイトがのけぞる。腰が引きつるように浮き上がり、クロノのへそに
ぴゅっと熱い飛沫が飛んだ。
 いったん手を止めるクロノ。くったりとシーツに着地したフェイトの頬は桜色に上気し、目は潤んで吐
息には艶が混じっていた。達してはいないものの、限りなくそれに近い状態に上ったのだ。
 顔と気配は女そのものなのに、身体は無垢な少女である。そのギャップに、改めてクロノは生唾を飲み
込んでしまう。股間も痛みを覚えるほど充血している。
 フェイトの股間はどうなっているのか、とクロノは目を移した。
 そこに金色の茂みは無く、筋が一本走っているだけである。だが成長すれば咲き誇る淫花となり証明の
ように、奥からはとろりと蜜が零れていた。
 いったいその奥はどうなっているのか知りたい。引き寄せられるようにクロノはフェイトの足を開け、
もっとよく見ようとした。
 だがその手が払いのけられる。
「クロノばっかりずるい……。私だって、クロノのあそこ見たいのに」
 いつの間にか正気に戻っていたフェイトが、クロノの足元ににじり寄ってくる。
 クロノの皮を被ったままの陰茎を目にしてフェイトは、はぁと感嘆とも驚きともつかない言葉を発する。
「エリオより年下なのに、同じぐらいあるんだ」
「……なんでエリオの大きさを知ってる」
「この間、お風呂に一緒に入ったから。真っ赤になって大きくしてたよ」
「……ふぅん」
「ふふっ、嫉いてくれた? 安心して。触ってなんかいないし、タオル越しに見ただけだから」
「馬鹿馬鹿しい。息子同然の相手に嫉妬するわけないだろ」
 口では否定したが、一瞬眉根に皺が寄ったのは事実である。これではフェイトのことを嫉妬深いと非難
できない。
 フェイトは、まだあちこち角度を変えながら肉棒を観察している。ようやく顔が止まったかと思うと、
幼い顔に相応しからぬ妖しい笑みが浮かんだ。
「さっきあんなにしてくれたんだから、今度はこっちの番だよ」
 揉むようにして、先端の皮が剥かれる。姿を見せた肉に、フェイトが吸いつく。
「ううっ……」
 フェイトの口淫は何度も受けているが、この身体は刺激への慣れが無い。いつもより数段強い快感に、
クロノは思わず呻いた。
440初体験をもう一度:2007/12/11(火) 21:04:38 ID:oeoTVqNO
「やっぱり、ここが弱い? ……んちゅ」
 フェイトの舌が重点的に先端を舐めてくる。皮に守られていた部分は、舌どころか指でさえ触ったこと
がなかった場所である。そこを巧みに舌で攻められて、陰茎どころか身体までびくつき出す。
「あむ、んん……まだ大きくなるんだ……んぐぅ」
「あうっ……フェイト、もっと別の場所も」
「いや」
 にっこり笑って恋人は拒否する。
「クロノの先走り、いつもと違う味なんだからもっと飲ませて」
 言い終えると、腰に腕を回してがっちりと固定し根元まで咥え込んでくるフェイト。そのまま源泉まで
吸い尽くす勢いで吸引してくる。
「くっ……ああっ!」
 声変わり前の甲高い声で、それこそ女の子のように喘いでしまうクロノ。膝ががくがく震える。このま
まだとまずい。
「……だ、だったら、お尻こっちに向けてくれ」
 これも拒否されるかと思ったが、意外にもすぐにフェイトは身体を回してきた。
 クロノの顔の上に乗せられた秘裂からは雫がぽたぽたと滴り、腿を伝って踵の辺りまで流れ落ちている
ものもある。
「……やけにすんなり言う事を聞くと思ったら、君も我慢できなかったのか」
「だって、小さいクロノを舐めてたらなんだかいけないことしてる気がして、また身体が火照ってきて……んっ」
 成熟していない性器を、お互いに味見する。
 クロノは固く口を閉ざしている秘貝を舌でこじ開けつつ、時折小指の先ほどもない秘芯も舐める。
 フェイトはまだえらを張っていない先端に雁首を絡めて、先から流れる液体を飲み干している。
「……毛が無いだけでずいぶん感じが違うんだな」
「クロノも…………硬いのに、表面は柔らかい……」
 身体は子供でも、技巧は大人だった時のものが発揮できる。フェイトが口の奥まで陰茎を飲み込み、喉
の奥で先端を擦りたててきた。
 危うく放ちかけてしまうクロノ。なんとかこらえたが、抗いようの無い限界が近づいている。
「ううっ……フェイト」
 切羽詰ったクロノの声に、口淫を中止してフェイトが振り向く。
「そろそろ出そうなんだが……口に出していいのか?」
「あっ……」
 フェイトが我に返ったという顔をする。攻めに夢中になってすっかり忘れていたらしい。
「……そうだったね」
 クロノの上からどいて、フェイトがベッドに横たわる。股間に伸びた指先が、入り口をそっと割り開い
た。
「ここにクロノの初めて、ください」
441初体験をもう一度:2007/12/11(火) 21:06:35 ID:oeoTVqNO
 指の間から垣間見えるのは、まだ誰も知らないフェイトの最奥。
 桃色の肉壁は、艶かしさよりも瑞々しさを思わせる。
「ああ……」
 乾いた喉からなんとか返答を搾り出し、クロノはフェイトに覆いかぶさる。
「危ないと思ったら止めるからな」
 最後にもう一度だけ念を押し、クロノは侵入を開始した。
「つぅっ……!」
 充分に濡らしたはずなのに、少し進むにも痛みを覚えるほどきつい。むしろ固い。先端が入っただけで、
クロノは握りつぶされるような痛みを覚える。
 まだ、身体自体が男を迎え入れる構造になってないのだ。これ以上進めば、フェイトの身体を引き裂い
てしまうような気がする。
「……やっぱり無理だ、これは」
 腰を止めて引き抜きにかかるクロノ。
 だがその行動が強制的に阻止された。
「いやぁ……最後までして……」
 フェイトが足を腰に絡みつかせ、力任せに押し込もうとしてくる。
 クロノの先端に何かが押し当たる。子宮口とは違う、かすかな弾力のある肉の膜。突き破ってしまう寸
前でなんとか止まったクロノは怒鳴る。
「フェイト! 無茶するな!」
「大丈夫だから……。痛くなんてないから……」
 明らかに苦痛による涙を流しながら、フェイトが泣き叫ぶ。
「もう一回……もう一回私をクロノのものにしてぇ!」
 次の瞬間、ぐいっとフェイトの方から腰を押しつけてきた。
 薄紙を押し破るような感覚。直後に肉の壁に激突する。
「くあああぁぁ!!」
「〜〜〜〜!!」
 声も無くフェイトが絶叫する。息が上手く吸えないのか、口がぱくぱくと動いている。
 クロノも頭ががんがんしている。ぎちぎちに締めつけられた男根に血が通わず、痺れたようになってい
て気持ち良くもなんともない。
 だが放ってしまえば解放されることを身体は知っているのか、吐き気にも似た射精感が腰にある。
 それに従いさっさと出してしまえば、クロノの初めてをフェイトに与えるという目的は達成される。
 だがそんなただの排泄行為のようにするのが、クロノは嫌だった。挿入ってしまったものはもう仕方が
ない。ならば可能な限りフェイトにも感じさせてお互いに果てたい。
「フェ、イト……力抜けるか?」
 痙攣するように振られた首が、無理と伝えてくる。
 完全に固定されてしまっている腰は動かせない。ならば、そこ以外の場所で快感を補うしかない。
442初体験をもう一度:2007/12/11(火) 21:09:16 ID:oeoTVqNO
 半開きになっているフェイトの口にキスをする。震える歯に舌が噛まれるが、かまわず舌同士を絡め合
い唾液を交換する。
 手は胸を優しく揉む。まずはフェイトの身体の固さを取らないことには始まらない。
 キスを終えれば耳や鎖骨を甘噛みしたりと、知っている限りの性感帯を刺激する。
 その間もフェイトの膣は思い出したように痙攣し、その度に射精してしまいそうになるがとにかく耐え
る。
 そんな愛撫をどれだけ続けたか。我慢のしすぎで下半身の感覚が無くなりかけた時、フェイトの乳首を
軽く摘むと声が上がった。
「ふぁ……ん」
 痛みの混じらない甘い響き。快感だけの喘ぎ声。
 そこから胸を中心に弄ってやると、ちょっとずつ肉が解れていくのがクロノにも伝わってくる。
「気持ちよく……なってきたのか?」
「うん。下も、痛くなくなってきたよ……」
「だったら、動く……ぞ」
 ずるりと、絡みつく粘膜をこそげ落とすように引き抜く。
 動かすたびに、陰茎にどっと血と快感が流れ込んでくる。いけないと思いつつ、腰が加速していく。
 フェイトも、堰を切ったかのように感じだし、よがる。
「ふぁ……ああああ!」
 無意識か、クロノに合わせて腰を突き上げている。
 外だけでなく、フェイトの内側も徐々に変化していく。ただ締めつけるだけだったのが、逆に男を貪る
ようにうねり出す。
「いつもと違う……。なにか、なにか来ちゃうよクロノぉ……!」
 不安に泣きそうな顔のフェイト。初めて絶頂に導いてやった時も、こんな顔をしていた。
 あの時と同じようにぎゅっと抱きしめてやる。フェイトも全力で抱きついてくる。爪が背中に突き刺り、
激痛が走った。
 だがその痛みのおかげで、またもう少しだけ保つことが出来た。呼吸も加減も忘れて、クロノは腰を叩きつける。
「やぁっ……ふぁん!! クっ……クロノっ!!」
 フェイトの叫びに、クロノは自分の先端から流れる液体を染み込ますように擦りつけた。
「あっ、はあああああああっ!!」
 まだ上があったかというほどの強さで、膣が収縮した。
 それで、ついにクロノの我慢も決壊した。
「フェイ……トっ!!」
 耐えに耐えて吐き出された精液は、とても九歳の子供の量ではなかった。一瞬でフェイトの子宮を満た
し、逆流して結合部から吹き出てくる。
 がくがくと全身を震わせながら、クロノは際限なくフェイトの胎内に注ぎ込み続けた。
443初体験をもう一度:2007/12/11(火) 21:12:04 ID:oeoTVqNO
 射精が終わるのと同時に、クロノは布団にぶっ倒れた。
「か、はぁっ……」
 久しぶりの酸素を必死で取り込む。数十回息をして、ようやく全身が正常に動くようになった。
 まだ痛む頭を振りながらよろよろと起き上がれば、隣のフェイトは死んだように横たわっている。か細
い呼吸音と上下する胸だけが、生きていることを示している。
 股間からどろりと溢れた白濁液に朱色が混じっているのが目に入り、痛々しさに心が疼く。
(……別に九歳でなくても、フェイトは十五歳ぐらいにしとけばよかったんじゃないか)
 今更気づいても、もう遅い。
 とりあえずティッシュを取って、股から流れる血をきれいにしてやる。
 最後に秘裂全体を拭うと、びくりとフェイトが痙攣して蘇生した。
「あ……」
「身体、なんともないか?」
 こくりとフェイトが頷く。
「まったく、無茶をする。君がかすり傷を負うのも嫌なんだ。なのに僕が傷つけてしまうようなことはや
めてくれ」
 フェイトの頭を撫でてやりながら、クロノは耳元で囁いた。
「これで僕の最初の女も最後の女も君だ。死ぬまで君以外の女は抱かない。……だから、もうこういうこ
とで不安にならないでほしい」
「……ごめんなさい」
「謝らなくていいから、約束してくれ。昨日みたいな形で、君とセックスするのは嫌だ」
「うん。もうやきもち焼いてクロノにひどいことしない」
「分かってくれれば、それでいい」
 見つめあい、どちらからともなくキスをする。
 唇だけでなく、頬や耳にも啄ばむように唇を落とす。
「クロノ大好き。世界中の誰より愛してる」
「なのはよりも?」
「……そんなの、答えられないの分かってるくせに……いじわる」
 何度も囁きあいながら、二人はいつまでもキスを繰り返した。
444初体験をもう一度:2007/12/11(火) 21:13:59 ID:oeoTVqNO

 ミッドチルダにあるホテルの一室。
 壁際にスクリーンのような物が浮かび上がっており、そこにはハラオウン家の寝室が映し出されている。
「うーん、ちっちゃくなったクロ助が年上の女の子どう攻めるか興味あったけど、まさかあの娘まで小さ
くなっていたすとは」
「思い込んだら突っ走っちゃいそうな娘だったけどねぇ」
 スクリーンを見てあれこれ言っているのは、リーゼロッテとリーゼアリアである。
 一方的に叩きのめされたままというのも悔しいので、ロストロギアに遠隔地監視魔法をかけておいたの
である。本体の魔力反応に気を取られるため、詳細に調べなければまずばれはしない。
 見事にクロノとフェイトの二人は気づかず、一部始終を二人は見物させてもらった。
「しっかし『これで僕の最初の女も最後の女も君だ』とは、クロ助もキザったらしいこと言うようになっ
たもんだ」
「でも女の子なら、一生に一度は大真面目にあんなこと言われてみたいものね」
「そうだね。あっちの方も上達したみたいだし、もう一回味見したいなー」
「……今度は二人がかりでボコられるわよ」
 下手すれば、リンディ提督やエースオブエースあたりまで出てきかねない。
「したいなら、早くいい男見つけなさいよ」
「アリアだって独り身のくせに。……こっちの二人は、またこっ恥ずかしいこと言ってるし。ああもう、
なんかむしゃくしゃしてきた。お酒持ってきて」
「はいはい」
 リーゼアリアはグレアムのために買った土産のワインから適当に選んだ。一本ぐらいはいいだろう。
「なにに乾杯する?」
「決まってるでしょ。女の子を幸せに出来る甲斐性が出来た弟子に」
「だったら、私はそんな弟子に選んでもらえた果報者の女の子に」
 チン、とグラスが音を鳴らし、注いだワインが波打った。
「「乾杯」」


      終わり
445初体験をもう一度:2007/12/11(火) 21:17:10 ID:oeoTVqNO
以上です。
当初の予定では前回同様ギャグで、ロストロギアの能力は性別反転だった。
二十五歳処女クロノお姉さんを食っちゃう十九歳童貞テクニシャンフェイト君、という狂気の産物。
半分ぐらい書いたところで「……空気読んでないどころじゃないぞこれ」と正気に返って全面変更。
生まれて始めての処女貫通エロがこんなんでいいのか俺。

>>424
自分の書いた話を二度読みたいとおっしゃってくれる方がいるのは、書き手冥利に尽きます。ありがとうございます。
いつもレス返してませんが、GJ言ってくださる皆さんにも感謝しております。
出来る限りクロフェ中心でやっていきますんで、生暖かく見守ってください。
446名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 21:24:34 ID:fAHfe33z
GJGJGJ!!
ロリフェイトさん最高でした!
あえて自分の初体験をもう一度されたいフェイトさんがかわい過ぎる。

というか、
>>当初の予定では前回同様ギャグで、ロストロギアの能力は性別反転だった。
二十五歳処女クロノお姉さんを食っちゃう十九歳童貞テクニシャンフェイト君、という狂気の産物。

むしろこっちもみてみたかったwww
フェイトさんの暴走っプリがすごそうな作品だったんだろうなあ・・・残念!
447名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 21:28:15 ID:9ErwFCn7
>>445
これはエロス…正にGJ!

ところでロストロギアで性別反転編というのは完成はまだですかいの?
448名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 21:31:22 ID:rI3+s918
GJ!
しかし反転となると……今度はフェイトさん視点がメインになるのか。
お互い結合時の感覚は未知だろうからなぁ。いや、この場合フェイトさん不利か?

で、そっちのバージョンはいつ投下予定で?
449名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 22:24:13 ID:ARlchgL7
スバエリで、スバルが年上らしくエリオをリードするネタを考えていても、いつの間にか
エリオに逆転されてしまうのはどういう事でしょうか?

いやまあ、発想を逆にして
エリオにリードされてもいいや。むしろ、お姉ちゃん振りたいのに、失敗ばかりで逆に年下にリードされるスバル
は、しょんぼりかわいい
と、考えるべきなんでしょうが。

>>445
クロノおねーさんとフェイトくんか……
うん、最初はリードしていても、結局クロノに逆転されるフェイトしか想像出来ません!
450名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 22:26:09 ID:vaN6fiut
>>449

そこまでのヴィジョンがあるならば、自然、やることは一つだぞ兄弟

書☆か☆な☆い☆ka
451名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 22:29:37 ID:JR6GaT41
>>445
GJ!!!

>>449
さあ作品紹介は後にして、早く投下作業に戻るんだ
452名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 22:30:34 ID:i3aNFYEQ
>>445
GJです。
<<「……空気読んでないどころじゃないぞこれ」
はっはっは作者さま前スレか前々スレで出た名言「空気は読むものじゃない。吸う物だ」
を胸にドンと構えてればいいのですよ。という訳で反転ものの新作楽しみにしてます。
453名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 22:55:09 ID:4JHOes/7
>>445
そうだよな、空気読むのも大切だよな

と、いうわけで反転もの楽しみにしてます
454名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 23:26:42 ID:BrXJAwp2
エロゲ主役顔のお約束に則って、女性化クロノは普通に美人だと思うんだ。
あとツンデレかクーデレ。
455名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 23:57:55 ID:+RTRDfbf
>>445
GJです! エロくってでもラブラブで、こういう二人はいいものですね!

それではこちらも投下させていただきます!
カップリングはユーノ×なのはです! エロ有りです! それではいきます!
456彼女の刻印:2007/12/11(火) 23:58:51 ID:+RTRDfbf
無限書庫。そこは、管理局内でもトップレベルの激務が行なわれている場所である。

しかし中空に浮かびながらその激務をこなす青年……ユーノ・スクライアには、不思議と疲れの色は無かった。

何故ならば、彼は今日の仕事を終えれば明日、明後日と連休に入れるからである。
ついでに言うと、その連休中彼はずっと恋人と一緒に居られるのである。非常召集も無し。そのようにシフトを組む事も出来たし、何より
も人事部の方からも溜まった有給を消費しろとうるさく言われていたので、余程緊急の場合でもなければ自分を呼び出す事はしないであろ
うとの予測もあった。

そしてそれは、彼の恋人にも言えた。普段から仕事を頑張る彼女であったが、ここ最近は頑張りすぎて有給を取る事も少なくなっていた。
そこで今回珍しく連休を取れた彼に合わせ、彼女も有給を取ったのである。

「ふぅ、と。……あれ、もうお昼か。早いなぁ。」
そんな訳で外には出さないが内心張り切って仕事をしていたユーノは、気がつけばお昼になっていた事に軽く驚いた。さて、それじゃあいつ
ものバランス栄養食でもかじるかと司書長室へと向かおうとした彼に、声がかけられた。

「ユーノく─────ん!」

その声に驚いて振り返れば、彼の恋人が輝くような笑顔と共にこちらに近づいてくるのが見えた。
栗色の髪をサイドポニーにし、白い制服を身に纏ったその女性……高町なのはは、無重力の書庫の中をユーノ目掛けて一直線に向かってくる。
その様子に軽く苦笑しつつも、ユーノは彼女を受け止める態勢をとった。程なくして、なのはがユーノの元に辿り着き、そのままぽすん、と
抱きとめられる。

「えへへ、ユーノ君久しぶり!」
そう言って笑顔を向けてくるなのは。恋人同士とはいえそれなりに責任ある立場の二人である。プライベートで逢える時間は少なく、また所
属する部署の違いから仕事でも逢うことは出来ず、この二人が直接顔を合わせたのは実に一週間振りの事であった。

「うん、久しぶりなのは。でも今日はどうしたの? 君は確か今日から休みに入ったんじゃなかった?」
なのはの髪を優しく撫でながらユーノは尋ねた。
そう、なのははユーノより一日多く、今日から休みに入っていた。ユーノとたっぷり一緒に居られるように、溜まった色々な事を片付けるた
めにそうしたのである。

ユーノに髪を撫でられて気持ち良さそうに目を細めていたなのはであったが、そのユーノの問いに目を開くと言った。
「うん、実はね、どうしても今日中に終わらせなきゃいけない書類仕事があって、それだけを片付けに来たの。それでね、その仕事が午前中
 には終わりそうだったから、ユーノ君と一緒にお昼を食べようと思ってお弁当を作ってきたんだ。」
そう言うとなのはは、手に持っていたバスケットを持ち上げた。そして少し悪戯っぽい顔をしながら言った。

「ふふ、ユーノ君を驚かそうと思っていきなり来ちゃった。どう? 驚いた?」
自分の腕の中で無邪気に笑ってそう言う恋人の顔を見ていたユーノは、自分の頬も緩んでいくのを感じた。
「うん、すごく驚いたよ。それとね……。」
「……それと?」
「凄く嬉しい。ありがとう、なのは。」
そう言ってユーノは軽くなのはを抱きしめた。抱きしめられたなのはは少し驚いた顔をしたが、すぐに幸せそうな笑みを浮かべると、ユーノ
を抱きしめ返した。
ちなみに軽い抱擁なのは、彼なりに周りの目を気にした結果であるが、それでも十分周囲にとってはお腹いっぱい、砂糖特盛りなレベルであ
った。
457名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 23:59:40 ID:+RTRDfbf
「あー、そこのバカップル。何でもいいからとっとと司書長室へ行っとくれよ。見てるこっちの身にもなって欲しいもんだねぇまったく。」
そんな二人にアルフが呆れたような、半分諦めたような声で言った。そう言われた二人は流石に気まずくなり、顔を赤くしながら司書長室へ
と向かおうとした。

しかし、ユーノの肩をアルフががしり、と掴んだ。何だろう? と思ったユーノの耳に口を近づけ、アルフはこう囁いた。
「まぁゆっくりしてくるといいよ司書長室で。二人きりで逢うのも久しぶりだろう? ちょっとくらい遅くなってもいいから、たっぷりと欲
 救不満を解消してきな♪」

そう言われたユーノの耳が、かああと燃え上がる。思わず反論しようとしたユーノの唇に人差し指を当てると、アルフはウインクしながら言
った。
「さっき見せ付けられたお返しさ♪ さあさ、恋人が待ってるんだからさっさと行った行った!」
言うだけ言うとアルフはユーノを司書長室へと押しやった。その態度に苦笑しながらも、ユーノは恋人が待つ司書長室へと向かった。

「どうしたのユーノ君? 顔が赤いよ?」
「い、いや何でもないよ・・・・・・。それよりお腹空いたから、早くなのはのお弁当を食べたいな。」
顔が赤いのを紛らわすのを半分、早く食べたいという本音を半分入れてユーノは言った。なのはは笑顔で頷くと、バスケットの中から弁当を取
りだし、机の上に並べ始めた。



「ふぅ……! いやぁ食べた食べた! やっぱりなのはの手料理は美味しいや! ご馳走様でした!」
「はい、おそまつさまでした。でもやっぱりユーノ君にそう言ってもらえると嬉しいな。」
なのはは笑顔でそう言いながら弁当を片付け始めた。一方ユーノは片づけをなのはに任せ、自分の椅子にもたれかかった。
「ふぅ……。」
恋人と共に美味しい食事をした所為で気が緩んだのだろうか。午前中の時に比べ、ユーノは自身の体に残る疲れを自覚した。
その様子を見たなのはは弁当を片付け終えると、そっとユーノの後ろに立った。そして、そのまま後ろからユーノを抱きしめると、彼の髪に
顔を埋めた。

「え? な……のは……?」
突然抱きしめられ、髪に彼女の吐息を感じたユーノは少し驚いた。だが、そんな彼の狼狽を無視するかのようになのはは呟いた。
「ユーノ君……やっぱり無理しちゃってるんだね……。」
その言葉に、ユーノの体はぴくり、と反応した。その後暫く司書長室は沈黙が支配したが、やがてユーノが口を開いた。
「なのは……それは……。それは言わない約束じゃなかったのかい……?」
「ごめん、ユーノ君……。だけど、ユーノ君があまりに辛そうだから、つい……。」

それは、二人の間に交わされた約束であった。
かつてなのはは無理を重ね、大怪我を負った。ユーノはそんな大事に至る事は無かったが、しかし頻繁に過労で倒れていた。
二人は互いを心配し、無理をしないようにお互いに言い続けていた。

だが、互いの状況は一向に改善しなかった。なのはは以前ほどは無理をしなくなったが、それでも受け持った訓練生の練習メニューを夜遅
くまで考えたり、自身の訓練などで、やはり多少は無理をしていた。
ユーノの方も、司書達の数と質が上がっていくにつれて以前ほどの過酷な状況は減ってきていたが、それでも何日も徹夜をしてしまう時が
あった。

そんなこんなでお互いに無理をするなといいつつも、結局無理をしている相手に二人はお互いに腹を立て、一度凄まじいまでの大喧嘩が勃発
した事があったのである。

その時は凄まじかった。なのはの全力全開の砲撃と、ユーノの全力全開の防御魔法とバインドが炸裂しぶつかり合う様はまるで夏の夜空に咲
く花火のようであった。喧嘩の場所となった訓練室はもちろん大破。いつもは訓練室を壊さないように結界を張り、模擬戦の最中であっても
その事に気を配るユーノが、完全に己となのはの戦いに集中したのもその一因と言える。
458名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:00:30 ID:+RTRDfbf
その後、お互いに全力でぶつかりあった二人はあっさりと仲直りした。それとともに、ある事が二人の間に取り決められた。
それは、「無理してるんじゃない?」「無理をしないで」といった類の言葉を相手にかけない事であった。よくよく考えて、二人の立場で無
理をするなと言ってもそれこそ無理なのだ。ならば、出来ない事を言って相手を困らせたり、言う事を聞いてくれないと自分が嫌な思いをす
るような事をわざわざ言う必要は無い。それよりも、その分相手を気遣って色々してあげた方が余程いい。なのはならば今回のように食事を
作ったり。ユーノならば、書類作成やデータ編集を手伝ってあげたり。とにかく、余計な事を言うよりも相手の負担を軽減させるように、お
互いが自分に出来ることをしようと約束したのだ。

だのに、なのははユーノに「無理をしている」と言った。それが意味する所は……。
(僕はそれほど疲れている……少なくとも、なのはにはそう見えるってことか……。)
ユーノは内心で溜息をついた。恋人にここまで心配をかけてしまう自分に、少し腹が立った。

「なのは。」
そう呼びかけると、彼女の体はびくり、と震えた。もしかすると、約束を破った事で怒られると思ったのかもしれない。
ユーノはそうではない事を示すために、彼女のサイドポニーにしてある髪を取ると、自分の顔の前まで持っていき、そのまま口付けた。
「あっ……。」
ユーノが自分の髪にキスをした感触に、なのはは身を震わせ、思わず声を漏らしてしまう。
ユーノはそのままなのはの髪を優しげに撫でながら、静かに言い始めた。

「ありがとう、なのは。僕の事を心配してくれて。」
そのユーノの言葉に、なのはは驚いて言った。
「そ、そんな……。私は、ユーノ君との約束を破っちゃって……。」
「うん。だけど、それは僕の事を本当に大事に、大切に想ってくれているからだよね?」
「……うん。それは、確かにそうだけど……。」
なおも言いよどむ彼女の髪に、ユーノは再び口付けを落とした。まるで、その行為によって自分の想いを伝えるかのように。

「確かに君は約束を破ったけれど、でも僕は嬉しいんだ。約束を破ってまで、君は僕を心配してくれた。それに、ちゃんとお弁当を持って
 きて、僕を助けてくれたじゃないか。だから……約束を破った事で、君を責めるつもりは無いし、君を嫌いになる事も無い。むしろ、惚
 れ直したよ。だから、もう一度言うね。ありがとう、なのは。」
なのはは暫く無言であったが、やがて小さく「……うん。」と呟くと、ユーノをきつく抱きしめた。ユーノは微笑みながら、なのはの髪を
撫で、されるがままになっていた。


459名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:01:15 ID:+RTRDfbf
だが、程なくしてユーノはなのはの異変に気がついた。彼の髪にかかる彼女の吐息が随分と荒くなっていたのである。
「なのは!? どうしたの!?」
何か体調が悪くなったのかと思ったユーノは立ち上がると、彼女を正面から見た。
「ゆ……のくん……。」
だがそうして見た彼女の顔は、体調が悪い事を示してはいなかった。確かに瞳は熱っぽく潤み、頬は真っ赤で吐息も荒いが、これはむしろ
……。

「なのは……もしかして……。」
ユーノの遠慮がちな問いに、なのははこくんと頷いた。
「うん……何か、火がついちゃったみたい……。」
「な、何でいきなり……?」
恋人がいきなり欲情してしまった事にユーノが軽く困惑していると、なのはがユーノをぎゅっと抱きしめながら言った。
「ユーノ君が悪いんだよ……? 前にしたのだって、もう結構前なのに……。そんな時にさっきみたいな事を言われたり、髪にキスされたり
 したら、もう駄目になっちゃうよ……。久しぶりに嗅いだユーノ君の匂いだって凄く効いたのに……。だからユーノ君……。」

「……抱いて……?」

上目遣いにそう言われたユーノの脳裏には、様々なことが駆け巡った。
「司書長室で!?」とか「今昼休みなのに!?」とか「バレたらどうすんの!?」とか。
だがユーノはそれらの事を全て頭から追いやった。彼とて男である。愛しい恋人からせがまれたのだ。それに応えねば男が廃るというもので
ある。
彼はなのはに頷いて応えると、彼女の唇を奪った。なのはは嬉しそうに微笑むと、腕をユーノの首に回し、目を閉じた。暫く司書長室には、
二人の口から発せられる水音だけがしていた。

「ユ、ユーノ君……。本当にこんな格好でしなきゃダメ……?」
「仕方ないじゃない。お昼休みはそんなにたっぷり残っている訳じゃないんだから。」
「そ、それにしたって……うぅー……!」
なのはは顔を真っ赤にしながらデスクに手をついてお尻を突き出していた。その格好だけでも確かに恥ずかしいであろうが、彼女がそう言っ
た原因は、他にもあった。

彼女の上半身は、そのまま制服を着ていた。しかし下半身はと見れば、スカートは腰の辺りまでたくし上げられており、更にその下の物は全
て脱がされていた。ショーツも、ソックスも、靴もである。お陰で彼女の形の良いお尻や、桃色の秘裂まで、全てが丸見えであった。

「こ、こんな格好じゃあ裸になった方がまだマシだよぉっ……!」
そう言いながら、弱弱しくもユーノに非難の視線を向けるなのは。しかしユーノはそんな視線を全く意に介さずに言った。
「そう? なのはも結構満更じゃないのかなぁって僕は思ったんだけど。」
「なっ! そ、そんなこと……!」
「無いって? だったら……。」
ユーノは言葉を切ると、軽くなのはの秘所を撫ぜた。
「……どうしてここはこんなになっちゃってるのかな?」

ユーノの指摘した通り、なのはのそこはもう大洪水とも言える状況であった。前戯を全くしていないにも関わらず、彼女のそこはもう愛液
で溢れきっており、太ももには幾筋も愛液の道が出来ており、足元には既に水溜りが出来ていた。

「ち、違うの! これは違うのぉっ!!」
ユーノに秘所を軽く撫ぜられただけで痺れるような快感が全身を走り言葉を無くしていたなのはであったが、ユーノのその言葉に我に返り、
必死にそれを否定する。しかし。
「違わないよ。なのははこうされるのが好きなのさ。自分でも薄々分かってるんでしょ?」
ユーノの責めは止まらない。触れるか触れないかという絶妙なタッチでなのはのお尻を愛撫しながら彼は言った。
「んくぅっ!! そ、そんな事ないもん! 私はそんな変態さんじゃないもん!!」
臀部から走る快感に身を震わせながらも、なのはは必死に否定する。それを楽しげに見た後、ユーノはなのはの耳元に顔を近づけると、こう
囁いた。
460名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:02:11 ID:+RTRDfbf
「大丈夫だよ、なのは。僕はそんな変態さんななのはの事も大好きだから。……愛してるから。」
その言葉を聞いた瞬間、なのはの中にあった何かが崩れ落ちた。もう変態でも何でもいい。ただ、ユーノに愛されたい。ユーノを愛してあげ
たいという想いだけが彼女を支配した。

そのなのはの様子を微笑んで見ていたユーノであったが、やがてズボンを脱ぎ、己の剛直を取り出した。実の所、彼自身も限界であったのだ。
彼はコンドームを探そうとしたが、そんな彼になのはは言った。
「……ユーノ君、私、ここ二、三日は大丈夫な日だから……着けなくていいよ。」
「……本当に?」
そう尋ね返すユーノに、なのはは嫣然と微笑んだ。
「うん。だから、いっぱいユーノ君を感じさせて。そして、私の中でいっぱい気持ちよくなってね?」

そんな事を愛する人に笑顔で言われてはもう収まりがつかない。ユーノは己の分身をなのはの秘裂にあてがった。くちゅり、という音がし、
その感触に二人とも身を震わせる。
「……挿れるよ、なのは。」
「うん。きて……ユーノ君。」
なのはの言葉に頷いた彼は、そのまま彼女の中に押し入った。
瞬間。
「ひあああああああああああああああッッッ!!」
なのはは背骨が折れるのではないかというくらい身を反らして全身を震わせると、そのままデスクに突っ伏し、動かなくなった。

「なのは?」
ユーノが呼びかけてみても返事は無い。虚ろな目をしたまま浅い呼吸を繰り返すだけである。
彼は剛直を抜ける寸前までゆっくり引き抜くと、今度は思いっきり腰をなのはの尻に叩き付けた。ぱぁんっ! という小気味良い音が響き渡る。
「ああああああああああああああああああッッッ!!」
その激しい快感に、なのはの意識は忘我の境地から引き戻された。目に意識の光が戻った事を確認したユーノは、ややゆっくりとしたペース
で腰をなのはの尻に打ちつけながら言った。

「駄目だよなのは、一人だけでいっちゃあ。」
「そ、そんな事いったって……! ああ駄目ぇ! そんなに激しくしないで!! 私イッたばっかり……!!」
「仕方ないじゃない。時間があんまり無いんだから。」
そう言いながらユーノは段々とペースを上げ始めた。時間が無いのもそうだが、彼自身も久しぶりのなのはとの情事に、抑えが効かなくなって
いるのもあった。

温かく、柔らかく、時には優しく、時には激しく絡み付いてくるなのはの中を、ユーノは己の凶悪な得物でえぐり続ける。ただ同じように突く
のではなく、ペースを微妙に変えたり、角度や挿入する深さを変えたり。
その度になのはは嬌声を上げ、全身でユーノの行為に対する反応を示してくれる。それがまた愛おしくて、ユーノはなのはへの愛を込めて、
剛直を突き刺した。

「ユーノ君……お願い……ちょっと待って……!」
何度目かの絶頂を迎えた後、なのはは息も絶え絶えに言った。ちなみにユーノはまだ一度も出していない。
「何? どうしたのなのは?」
腰を打ち付けるペースを緩め、ユーノが尋ねた。
「う、ん……。あのね……ユーノ君もそろそろイキそうだよね……? 私、ユーノ君が出す時の顔を見たいの……。そして、私がいく時の
 顔も見て欲しいの……。だから、体位を変えて欲しいなぁって……。」
顔を赤らめ、快感に打ち震えながらもなのははそう言った。ユーノとしても、愛しい恋人の願いに応えるのはやぶさかではなかった。

だが。

「分かったよなのは。じゃあ、お互いの顔が良く見える体位にするね。」
ユーノはそう言って剛直を引き抜いた。なのははその感触に「んっ……」と声を上げてしまう。
「じゃあなのは。しっかり掴まっていてね?」
ユーノはそう言うと、なのはの返事を待たずに体位を変えた。なのはをひっくり返して抱きしめると、そのまま壁際まで移動。壁になのはを
押し付けると、彼女の片足を持ち上げ、そのまま貫いた。
461名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:04:32 ID:+RTRDfbf
「!?───────!?──────ッッッ!!」
訳が分からないままユーノにいいようにされていたなのはは、彼が自分を貫いた感触に声にならない叫びを上げた。彼の首に腕を回し、必死
に縋り付く。
「どう? これならお互いの顔が良く見えるでしょ?」
ユーノは笑顔でそう言った。片手でなのはの足を持ち上げながら、もう片方の手で器用になのはの制服のボタンを外していく。
「やっ……! ユーノ君、何でこんな……! それに、何で服を脱がすのぉっ……!?」
「うん、実は一度こういう体位を試してみたくってね。服を脱がしているのは、なのはの胸をいじめてあげたいから。なのはは胸を弄られる
 のが大好きだったのに、今日はまだ全然していなかったからさ。忘れていてごめんね?」
そう言う間にユーノはなのはの制服のボタンを外し終え、ブラのホックまで外していた。ひょい、とブラをずらすと、綺麗な桜色をした乳首
が、既にこれ以上無いくらいに自己主張をしているのが見えた。

「いじられるのを待っていたんだね。待たせちゃってごめんね?」
そう言うとユーノは、なのはの乳首を口に含むと、思いっきり吸い上げた。
「はっああ! あああああああああああああああんんん!!」
乳首を吸われる感触に、なのはは思いっきり仰け反った。ユーノは片方の乳首を吸い、舐め、甘噛みし、もう片方の乳首をこねくりまわす。
もちろんその間も腰の律動を止める事は無い。

「ああ! いい! いいようユーノ君!! 凄く気持ち良いよお!!」
涙と唾液を流しながらなのはは歓喜のあまりに泣き叫んだ。そんななのはを見て、ユーノは意地の悪い笑顔を浮かべると言った。
「凄いねなのは。この壁の向こうではみんな真面目に仕事をしているのに、こんなに乱れちゃうんだね。」
その言葉は、官能の波に溺れていたなのはの頭に冷や水を浴びせ、冷静な思考を蘇らせた。
「あ……私……わたし……!」
快感によるものとは別の震えがなのはの身を襲った。ユーノは更に追い討ちをかける。
「一応音が向こうに漏れないようにはしているけどね。……ああでも、ひょっとしたら少しは漏れちゃってるかもね? ちゃんと確認はしてい
 なかったから。」
「!!!」
ユーノのその言葉に、なのはは身を震わせた。自分と彼との秘め事の声が、他人に聞かれていたかもしれない。そう思うと、なのはは恐怖と、
そして……言い知れない高揚感を感じた。それは彼女の体にも現れており……。
462名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:05:14 ID:RMQdkh/K
「……くっ! なのは、急に凄く締め付けてきたね……!」
ユーノが思わず喘いでしまう程に、彼女の膣は収縮した。
「どう? なのは? どうせだったら聞かせてあげようよ! 僕と君が、いかに愛し合っているのかをさ!!」
腰を動かすペースを上げながらユーノが叫んだ。流石に彼も大分限界が近づいてきており、段々と余裕がなくなってきたようである。
「き……かせ……る……? うん……きかせるのおっ……! わたしとゆーのくんが……どれほどあいしあってるか……みんなにおしえてあげる
 のおおっ!!」
なのははそう叫んだ。もはや、今の彼女には理性は欠片程も残っていない。誰かに情事を見聞きされるのではないかという事も、もはや興奮と
快感を高めるための一因でしかない。そして、それはユーノも同様であった。

「なのは! 愛してるよなのはぁっ!!」
「私もぉっ!! ユーノ君好き!! 大好きぃっ!!」
もはや二人は快感を貪り食らう獣であった。お互いに腰を振り、唇を貪るように吸い合う。唾液が垂れようが、結合部から愛液がたれ落ちて床
に染みを作ろうが、そんな事はもう関係ない。今の二人にはどうでもいいことであった。

「ああああああああああああっ!!」
快感に耐えかねたなのはが、ユーノの首に噛み付く。もちろんある程度の加減はしてあるので痛みは無いが、ユーノを更に昂ぶらせるには十分
な行為であった。

「なのは! 出すよ! 中に沢山出すよ!!」
「うん! 来て! 沢山出して!! 私の中をユーノ君で一杯にしてぇっ!!」
こみ上げる射精感に耐えながらそう言うユーノに、なのはも応える。やがて限界が来たユーノは、一際強く深く腰を打ち付けると同時になのは
にキスをした。そのまま彼女の中に、己の欲望を吐き出す。
「んんんんんんんんんんん!!」
なのはも自分の中に吐き出されたユーノの欲望を感じた。その熱く、凄まじい勢いの射精を受けて、なのはは今日一番の絶頂を迎えた。
やがて射精を終えたユーノが、自身をなのはの中から引き抜いた。それと同時にごぽり、と音を立ててなのはの中から精液と愛液がまじりあった
モノが、こぼれ出た。
「なのは……。」
「ユーノ君……。」
二人は見詰め合うと、どちらからともなく、そっとキスを交わした。


463名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:06:26 ID:RMQdkh/K
「うわ……何か凄い事になっちゃってるね……。」
「もう……ユーノ君が無茶するから……。」
二人はお互いの身なりを整えていた。床に出来た染みは、それほど目立つ場所ではなかったのでその上に物を置く事で隠蔽。匂いは消臭スプレー
を一本使い切るぐらいに振りまいた。
なのはの中から溢れ出る精液は、彼女が持っていた生理用ナプキンをつける事で解決した。「こうすれば、ユーノ君を感じる事が出来るもん。」
とはにかみながら言う彼女を再び押し倒したい衝動にユーノは駆られたが、それは今夜の楽しみにとっておく事で我慢した。

先に服を着たなのはは、部屋の処理を終えたユーノのシャツを直していた。と、その時。
「あっ……。」
なのはは小さく声を上げると、顔を赤くした。その様子を不思議に思ったユーノが声をかける。
「どうしたのなのは? 何かあった?」
その問いかけに、しばし逡巡していたなのはであったが、やがて笑顔で首を振って答えた。
「ううん、ごめん。何でもないんだ。」
「? そう? ならいいけど……。」
なのはの様子に引っかかりを感じつつも、彼女が何でもないと言うならそれでいいか、とユーノは思った。この後起きる騒動を知らずに。

「じゃあユーノ君。私は先に行くね。仕事が終わったら真っ直ぐ来てね。約束だよ?」
そう言うなのはに、ユーノは笑って答える。
「もちろんだよ。寄り道なんかせずに真っ直ぐ行くさ。」
その言葉に、なのはも安心したような笑顔を浮かべた。
「じゃあユーノ君、また今夜ね。」
「うん、なのは。また今夜。」
そう言って軽くキスを交わすと、なのはは司書長室を出て行った。
464名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:07:08 ID:RMQdkh/K
「さて、それじゃあもうひと頑張りするとしますか!」
ユーノは顔を両手でぱしんと張ると、司書長室を出て行った。すると、ちょうどアルフと出くわした。彼女はにやにや笑いを浮かべながら
言った。
「ユーノ、随分長い昼休みだったねぇ? なのはも顔を真っ赤にしてさっさと帰っちまうし。きっと随分と激しい昼やすみ……を……。」
だが、何故か楽しげだったアルフの口調は段々とトーンが落ちていき、最後には彼女は顔を赤くして気まずそうに黙り込んだ。
どうしたのだろう? と周りを見れば、他の司書達も同様に気まずそうな顔をしていた。
本当にどうしたのか、状況を飲み込めないでいるユーノに、アルフが黙ってコンパクトを向けてきた。
ちょうどユーノの首の辺りが見えるようにされたコンパクトを覗き込むと、驚くべきものが映っていた。

ユーノの首に、『歯型』がついていたのである。

ユーノははしっ! とその歯型を手で隠した。そして周りを改めて見る。アルフを始め、司書達は全員ユーノからさっと視線を逸らした。
それはまぁそうだろう。キスマークとかならばまだからかいようがあるが、何と言っても歯型である。どんだけ激しいプレイをしてたんだと、
からかう気力も萎えるだろう。実際、かなり激しいプレイをしていた訳であるし。

しかし、何故こんなものがついているのか、ユーノには分からなかった。
いや、心当たりが無いといえば嘘になるが、しかしこんなモノがついていれば、なのはが……
……と、そこまで考えた時に、ユーノの脳裏に閃くものがあった。

─────あっ……!─────
─────ううん、ごめん。何でもないんだ─────

(あの時様子がおかしかったのは……コレを見つけたからか……。)
ユーノは先程なのはの様子がおかしかった理由に気がつき、内心苦笑した。
きっとこれは、彼女なりのささやかな悪戯。そして、彼と、彼の周りに対するメッセージ。

─────ユーノ君は、私のものなんだから─────

そんななのはの声が聞こえたような気がして、ユーノは苦笑した。
(……いいさ。たまにはこんなのも。少し恥ずかしいけれど、でも僕がなのはのものであることは確かな事だしね……。)
そう腹を括ったユーノは、首筋から手を離し、その歯形を見せ付けるかのように堂々と働き始めた。
その様子に、気まずそうな顔をしていたアルフ達も苦笑を浮かべると、それぞれの仕事を再開した。

(……もっとも、なのはが僕のものである事も……なのはにはまたきっちり教えてあげないとね……。)
検索魔法を展開しながら、ユーノはそんな事を考えていた。



この後、連休中なのははユーノにそれはもうこの世のものとは思えない程たっぷりと快感を与えられることとなり、足腰が立たずに連休を
延長する羽目になるのだが、それかまた別のお話。

465名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:09:19 ID:RMQdkh/K
以上ですー。

しかし、拙作メイドスバルの続きをお待ちになっている方がいて驚きました。

必ず書く、とお約束は出来ませんが、でも何とか頑張ってみたいと思います。ユーなのも好きですけれど、ユースバも
大好きなもので。ではー。
466名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:16:22 ID:GnBzJ+5i
GJ!
性別反転物も楽しみにしてますよっ
467名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:18:13 ID:sQMZ9uQv
>>465
GJ!
メイドスバルお待ちしております
468名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:19:47 ID:cpjTsV5F
GJ!ユースバ俺も好きだぜ同士よ
469名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:21:07 ID:22fSZI57
サイヒさんGJ!!
いやいや、性別転換モノ楽しみですよ。
テクニシャンフェイト君楽しみに待ってますw
470名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:21:27 ID:uf49/G/Z
>>465

GJ!エロかった!
そして何だかんだで似たもの同士ななのはさんとユーノに和んだ!
GJ!
471名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:35:20 ID:QEuq0L+y
>>465
GJ!
いいユーなのをありがとう! 機会があればまた是非!
ユースバも待ってますぜ!
472名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 01:08:52 ID:A5UXXs+n
>>465
エロエロでラブラブなユーなの、GJです!ユースバも期待しております!!
473名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 01:53:27 ID:qyShAcsD
eranano A's追加版完成です。
DLパスはnanonano
ttp://www11.axfc.net/uploader/20/so/He_53598.zip.html
474名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 02:36:30 ID:n6uWxzHB
>>473
GJ
キャラと能力増えて多様性が広がったといった感じですか
惜しむらくは某スレのeraのように、ゲーム内にもうちょっとテキストあれば…
475名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 03:20:27 ID:Lz9sldZu
あれ?ザフィーは?
476名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 03:20:33 ID:O/JIFnFW
>>465
GJ×10.甘久だよ、とてつもなく甘いYo。
477名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 03:49:08 ID:JhtgDITw
誰かなのフェイお願い
478名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 04:20:46 ID:M/HXQkBo
リクするより自分で書く方が建設的
479ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/12(水) 06:36:36 ID:l5jN9i23
朝刊!(まてまて
エロいいですね。うちもぼちぼち……どしよねw

[フェイト執務官のなんでも相談室][1レス]
480〜ソラノカケラ〜(28)(1/1):2007/12/12(水) 06:37:08 ID:l5jN9i23
 翌日もろくに目も合わせられないどきどきモードのまま家をでて局についたはやては、
思いっきり私用で仕事時間中にフェイトを面談室に呼び出した。
呼び出したとは言っても、そこはまるっきりフェイト執務官のなんでも相談室の様相であったが。
――フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官のなんでも相談室〜
「わー、どんどんぱふぱふー」
――本日の相談者は、ミッドチルダの首都クラナガン南部からお越しの仮称・綾崎ハーマイオニーさんです!
「ど、どうもー」
――でー、本日のご相談はなんでしょう?
「い、いえ……色々と気になることとかありまして……いくつがお伺いしたい事が」
――はい、では早速どうぞ
「一昨日、フェイト執務官はお休みでしたよね?り、リンディさんはどんな感じでした?」
――母さんはいつも通り元気だったよ。昨日はなんかとってもお肌が艶々って感じでただでさえ若く見えるのに20年ぐらい若返ってたけど
「お、怒ってへんかった?」
――うん。はやてのこと心配してた。父さん――クライドさんも同じ事言ってたし
「そ、そっか。クロノ君は何か言うてた?」
――お兄ちゃんは……結構照れてた。でも一緒にお酒とか飲んでたし久しぶりに帰ってきたマグロ漁船の漁師の親子みたいだったよ
「そ、そっか、ほ、ほいでな………これが相談なんやけど……あの人――クライドさんを見てると、めっちゃどきどきして
あがってもうて、ろくに話もできへんようになるんや。どうしたらええかな」
――そんなことしるかー!って言いたい所だけど……まさかはやてに恋愛相談を持ちかけられるとは思わなかったよ
「そ、そんなこというたかて、他に相談できそうな人おらへんし……フェイトちゃん、しっかりお母さんやんかー」
――お母さん役の前に恋人役が抜けてるよ。っていうかなのはといいはやてといいキャロといい私を売れ残りにする気満々だよね?ね?いじけていい?
「そ、そういうわけやあらへんけど……お願い!この通りや!何かアドバイス!」
――そんな拝まれても……うーんアドバイスと言われてもなあ……
「なんやめっちゃ中途半端な距離になってもうて……でも時間も惜しいし、かといって突撃する勇気もないし……」
「母さんにきいてみよっか」
「それだけはやめてええええええええええええ」
そこで突然相談モードを終了されて、絶叫するはやて。
さすがに冗談だよ、と苦笑いでなだめるフェイトであったが妙案などあろうはずもない。
「私にそんなこと聞かれても……うーんティアナとかシャーリーとか……」
手っ取り早く彼女の頭に浮かぶのは自分の補佐官の名前であったが、彼女達も役に立ちそうではなかった。
「あかんて……どっちも朴念仁やないか。つうか元六課面子って揃いも揃ってこういうんは疎いよな……」
「メインメンバーだと一番年長組が私達だからね。それ以外の要因もあるような気がするけど」
むしろそれ以外の要因の方がほとんどのような気がするが、敢えて触れるまい。
「あとはギンガとかスバルとか……ナカジマ三佐?いやいやいくらなんでも……」
うーんと一緒に悩み始める金髪の人であったが、ふと一人、頼りになりそうな人が思い浮かんだ。
「あ、そうだ」
「お?」
「義姉さんに聞いてみよっか?」
「おおお、なるほど!確かにいいかも」
フェイトが義姉さん、と呼ぶ人は勿論、今はクロノ・ハラオウンの妻であり2児の母である、元名執務官補佐エイミィ・ハラオウン、その人しかいない。
知り合いの中では、恋愛経験があり割と真っ当なアドバイスを貰えそうで割と適任な方であろう。
じゃあちょっと電話してくるね、と部屋から出て行ったフェイトは、しばらくしてから戻ってきた。
「な、何て言うてた?」
「せいぜい苦しめ、この泥棒猫め!だって」
フォローどころかそのものずばりの核弾頭に激しく絶叫するはやて。
「いいいいいいいいいいいいいやあああああああああああああああああああああああああああああ!?」
「うそうそ。言われたのは本当だけど」
「エイミィはん……そのギャグは過激過ぎや」
そしてフェイトは、思わぬところから直撃を食らってぐったり気味の彼女にさらに止めを差した。
「まあ、どきどきは仕方ないから、なるようにしかならないよーって言ってた」
「はううううう、そんな殺生な……」
481ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/12(水) 06:38:29 ID:l5jN9i23
ほいではまたノシ
482名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 07:23:57 ID:SxsMPJqu
朝刊お疲れサマンサなんだぜ!

リンディさんがより若々しくなったってのはつまりクライドさんとあんなことやこんなことがあったと解釈すべきなのでしょうか?(*´Д`*
483名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 08:14:52 ID:XtffHEpM
>>481
朝刊GJ。うーん、エイミィさんらしい・・・
484名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 08:26:04 ID:cliJdfvG
>綾崎ハーマイオニー
一瞬はやてスレのヤツがここまでやって来たのかと思ったじゃないかw


>泥棒猫
物凄い勢いで頭を抱えてのけ反るはやてが浮かんだw
485名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 10:17:43 ID:bZWOGRqS
>>481
いつもGJ!

はやてがヴォルケンビッチのそれに近づいてきたw



で、リンディさんのお肌ツヤツヤ話は?
486名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 11:59:14 ID:e2aX+TOV
リーゼ姉妹に相談だ!
確実に死ねるwww
487名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 13:15:42 ID:2IgTdyNl
えーとつまりクロノに26〜27歳年下の弟か妹が出来る訳ですね
48835スレ137:2007/12/12(水) 15:04:03 ID:blRBIN4o
覚えている人は多分居ないと思いますが、ゲンヤノーヴェ(機械の心)の続きが出来ました
……展開の都合と中の人の力量不足により非エロ回となってしまいましたがorz
宣言しておいて申し訳無いのですが、投下しても良いでしょうか?
489名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 15:14:47 ID:Zq0iZlxq
うむ
490名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 15:17:45 ID:4ry7ocAX
491名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 16:53:33 ID:blRBIN4o
では、投下行きます

・ゲンヤ×ノーヴェメイン?(非エロ
・ノーヴェはスバルの事を知っていません
・かなりオリジナル設定・演出有り
・基本ノーヴェ視点、「―――」の間はノーヴェが居ない為第三者視点です
492機械の心:2007/12/12(水) 16:54:14 ID:blRBIN4o
「チンク姉!」
『ノーヴェ、久しぶりだな』
「ああ、オットーやディード達は元気か?」
『皆元気だ、しかしディードが現地協力者の二刀流の女性に挑んで打ちのめされてしまってな、
今はその方に師事を仰いでいる、とても楽しそうだったぞ』
「どんな人間なんだ……、化け物か?」
『まだ私達の知らない世界が有ると分かったのだ、姉も惚けては居られんな。
それとノーヴェ、ミッドチルダの方はどうなっている?』
「相変わらず。ドクターや姉さん達とは面会も出来ないし、最近は平和だし、街には出られないしで退屈だ」
『そうか……落ち着いたら、時々そっちに遊びにでも行こう』
「ああ、ありがとう……それじゃ、そろそろ切る」
『分かった、セインとウェンディにも宜しくな』
「ああ」

暫くぶりの通信の回線を切り、チンク姉の映る画面を素早く消し去る
いつもチンク姉との通信は短く簡潔に済ませる様心掛けている、変に引き伸ばせばその分終わる時が辛くなるからと。
顔が見れて、声が聞けただけで十分嬉しかったし、私としても話す事柄が無くなっていた、
それ程までにミッドチルダでの隠遁生活には刺激が少ない、強いて挙げるならば、時折ギンガと共に
今後三人で世話になるだろう管理局の地上部隊の見学くらいだろうか、
変に個人行動して起こる管理局とのいざこざは御免、先の事件で嫌と言う程に思い知ったつもりだ。

「ノーヴェー!準備出来たー?ギンガが待ってるよー」

セインの声が住屋の外から聞こえて来る、既に他の三人は準備が整ったらしい
寝巻きから愛用のスーツに着替え、ISの状態も確認する、暫く作動させていなかったけど、異常は見当たらない。
準備を終えて出てみれば、セインにウェンディ、その上ギンガまで物々しく着込み

「それでは、見学に行きましょうか」
「ハイっス!」

全身を武装しておきながら『見学』と告げるギンガに苦い表情を隠せない。


人気の少ない朝の、更に人気の少ない森の中をギンガに付いて歩く
公道に出た方が分かり易いのだが、この姿ではあまりにも目立ってしまうからというギンガの配慮による決定だった、

「ねー、何処行くんスかー?」

道中、後ろを歩いていたウェンディが歩き慣れない道に弱音を上げる、既に私達との差は相当開いていた、
日常行動でISを振る活用しているのもどうかと思うが。
既にセインの姿は見えないが、ギンガの隣の小さな動く出っ張りで位置は確認出来た、静かな能力が今は羨ましい。

「訓練場。模擬戦も予定しているから、たまには思い切り力を振るいたいよね」

当然反対する理由なんて無い、即座に追いついて来たウェンディと、何時の間にか拳の形に成っている出っ張りも同意の様だ。
だけど、私達と模擬戦をしようと言う物好きの事が気に掛かる、余程の戦好きか、心の広い上官でも居たのだろうか、
誰でも構わないが、ブレイクライナーの調子は良好、どんな人間が束になって相手をして来ようが負ける気がしない、
例え悪魔でも、魔王だろうとも。
493機械の心:2007/12/12(水) 16:54:53 ID:blRBIN4o
「ギンガ、皆も、おはよう」
「お早うございます、今日は宜しくお願いしますね」

森を抜けて最初に姿を現したのは、いつかの高町なのはという女性だった、
二つに分けた長髪に白い防護服と、髪型や服装は違うものの、この魔力は間違え様が無い

「ギンガ……?もしかして、あたし等の模擬戦の相手って……」

セインが恐る恐る訊ねるが、ギンガの笑顔がそれを十分に肯定していた
直後にセインやウェンディの苦い表情を読んだのか、慌てて付け加える

「えっと、高町教導官は参加しないから大丈夫よ、大丈夫」
「あはは……そんなに怯えなくても、ちょっと悲しいよ……」
「じゃあ、誰があたし達とやるっスか?」
「私の教え子達。ティア、スバル、エリオ、キャロ、ちょっと来てくれる?」

木々が深く茂る中に向かって呼ぶ名前の一つ、スバル、その名前に微かな記憶が呼び起こされる
あれは確か施設を出る前だったか、数度目かのゲンヤとの会話の中に聞こえた事が有った
いつか面と向き合って紹介したい、そう言い張って結局今まで音沙汰は無く、今この場で会う事に成るとは何の偶然なんだろうか
私もこの目で見るのは初めてだった、密かに楽しみにしていた事はあまり知られたくない。

「はいっ!」「今行きます!」「ほらっ、行くわよ」「わ、分かったから〜」

木陰で休憩していたのか、作業着の様なほぼ同一の服装の人間が四人、木々の間から飛び出して来た
微かに覚えの有る桃色の髪の少女に、赤い髪の少年、そして

(――――ッ!)

いつかのオレンジ頭に

忘れもしない、青髪の鉢巻―――――

494機械の心:2007/12/12(水) 16:55:30 ID:blRBIN4o

「………………IS、ブレイクライナー」
「――!ノーヴェ!」

セインの声が聞こえない、私の中に有る記憶が他の全ての干渉をシャットアウトするかの様に、目の前のアイツだけを捉える
私を壊し、チンク姉を壊し、それで尚悠々と人に混じって生きている戦闘機人
あの緩み切った顔に罪の意識なんて微塵も感じられない、復讐と呼ぶのも馬鹿馬鹿しい『憎しみ』に脚部の骨格、筋繊維が軋む
ジェットエッジの起動と共にブースターを最大出力で噴射、数秒と掛からせずに目標を定め、

「なのはさん、どうしたんで――うあっ!!」

身構えられる前にまず一撃、左足で脇腹に回し蹴りを打ち込む、バリアジャケットの無い身体は気持ち良く吹っ飛んで木々を薙ぎ倒す
胴体を砕く手応えは十分に有ったが、こんなものじゃ足りない、チンク姉の受けたダメージに比べたら、この程度。
追って森へと突進しつつ後方の地面に手甲を向けエネルギー弾を撃ち込む
振り向きもせずに発射した方向から聞こえる大き目の爆発音と小さな悲鳴、違わぬ予想に邪魔者が消えたと確信する、そして目の前には地面に倒れ伏す鉢巻
自分でも驚くほど冷静にこの状況を作り出せた事に驚く、チンク姉に教わった極限の冷静さというものだろうか、今になってはどうでも良いが。
射程内に踏み込み、左足を軸に一回転、ブースターの加速を伴って十分な威力を持たせた右足を振り抜く

「これで――!」

決まる――――

「Dusenform!」

左の二の腕を破壊する足の軌道の先に赤い閃光が走り、次の瞬間にはローラーが空を切っていた、反動を受けない足が宙に放り出される
直後、体制を崩した私の身体に幾重もバインドが掛けられる、足掻いてみるがビクともしない

「糞っ!離せ!このっ!」
「ノーヴェ!もう止めろ!」
「五月蝿ぇ!お前等は黙ってろ!アイツだけは……!!」

そうもたついている内に、桃髪が鉢巻に近付いて回復魔法を施す、後少しの所で

「危なかった……」
「スバルさん!大丈夫ですか!?」

スバルを、仕留める事が出来ていたのに。

「……?」

目の前に横たわる鉢巻の姿を見る、立ち上がろうとしているが、欠けた胴体でバランスを保てず、起き上がる事が出来ていない、
その痛々しい姿を見る間も無く、続けて後頭部に受けた衝撃で意識を落としてしまった。

495機械の心:2007/12/12(水) 16:56:01 ID:blRBIN4o

―――

「ティアナ!」

『後頭部に命中、気絶確認』
BJを展開させる間も惜しみ愛用の銃で正確に急所を狙い撃ち、当てた後も追撃弾を装填するティアナ、
二発、三発と続けて撃つが、

「オレンジ頭、そこまでにしろ」

宙を舞うライディングボードに弾かれ、その全てが霧散する。
感情の無い台詞を静かに吐き捨て、ライディングボードを構えながら立ち塞がるウェンディとノーヴェの近くに屈み込むセインの姿に
いつかの絶望的な状況がフラッシュバックするが、感情に任せて振り払った

「許せない……あたしの目の前で、よくも」

残るカートリッジを全て消費し、銃口に圧縮した魔力の塊を生み出す、見た目以上の威力を叩き出す銃撃を身体で覚えているウェンディが
警戒を促すが、セインは気にも留めていない、既に彼女の意識は別の方向に向いている

「クロスミラージュ、モード3、リリース。フルドライブ、アローフォーム」
『All right、Arrow form』

小さな呟きと共にクロスミラージュを取り囲む魔力圧が増加し、そこから生じる風圧が二つに束ねた髪を激しく揺らす
圧縮された魔力は形状を変え、槍の穂先の様に鋭く正面の敵を中心に捉えていた。
同時にバレルの両側面から鰭の様な滑らかな曲線を描く魔力刃が展開される、翼を広げた銃身と鋭く研ぎ澄まされた魔力弾は、宛らクロスボウの如き様相を見せる、
出力を最大限まで強化し、制御出来る限りの魔力を圧縮させて撃ち出す、ティアナの魔力運用技術の集大成とも言える技である、
高い威力を発揮するのだが我流の上試作段階の為、使用するのは初めてだった。

目標だけを真っ直ぐに視点に捉え、多大な魔力負荷に震える銃身を両手で握り締めて狙いを定める、
回避しようとしない二人に疑問符を浮かべるが、既に指一つで目の前の相手に風穴を開ける事が出来る状況に迷う事は出来ない

「一撃、必殺!」

息を止め、僅かに照準を動かし引き金を引く。
直後に起こる轟音と反動に少し仰け反るが半身の姿勢で踏み止まる、弾は狙い通りの軌道を通り着弾地点で爆発していた。
舞上がる砂煙で見る事は出来ないが逃げた様子は無かった、命中を確信し、デバイスを待機状態に戻す

「スバル、大丈夫―――」

力の篭らない足取りでスバルの元へと歩き出すティアナだが、程無くして晴れた視界に映るのは呆然とする二人の戦闘機人と砕け散る防御魔法の破片、そして

「ティアナ、どうしちゃったのかな……?」

聞き覚えの有る言葉。

―――
496機械の心:2007/12/12(水) 16:56:34 ID:blRBIN4o
首筋に走る鈍痛に目を見開く
無理に身体を動かさないよう改めて患部を確認するが幸いにも損傷は無い様だった、皮膚に穴も開いてはいない
横目に周囲を確認する、見た事の無い部屋だが誰かが見張っている訳ではなく、部屋を照らす夕日が時刻を示しているだけだ

(糞……)

分からない、チンク姉を壊したのが鉢巻で、ゲンヤの娘でギンガの妹がスバルと言う名で、鉢巻がスバルで
そのスバルを、私は攻撃した。
そこまで記憶を辿った所で思考に奇妙な靄の様な感覚が入り込み、思わず頭を抱え込む

「うう……うあぁっ」

感じた事の無い精神的な支障に我慢できず唸ってみるが、喉に違和感を感じる様に成り止めた

「お、ノーヴェの可愛いとこ発見〜」
「足バタつかせちゃって、案外可愛いトコ有るっスね〜」
「なっ、お前等!」

視界に入り込んだ二人のにやついた顔、咄嗟に頭突きを仕掛けるがあっさりと避けられてしまった
自分自身の事だけでも頭が痛いというのに、目の前で私を無視して小声で会話する辺りが更に腹立たしい
時折「乙女」だとか怪しい単語が飛び出してくるがもう指摘する気も起きない

「その様子じゃ、何処も問題無いみたいだね。ちゃんと動いてるし、いつものノーヴェだ」
「当たり前だ!」
「それじゃ、あたし達はこれで帰るね。ノーヴェ、頑張るっスよ〜」

頑張れ、という言葉について問う間も無く、セインが専用の魔法陣を床に敷き、ウェンディを捕まえてお気に入りのISを発動させる
私もそれに掴まろうと急いで駆け寄るが、二人の身体は掴もうとした手をすり抜けて胴体、肩、頭と次々に床と同化し数瞬後には完全に姿を消してしまっていた
苛立つ出来事の多さに拳を握り締める、こうなったらと急ぎ部屋の出入り口へ歩み寄るがそこに人が立ち塞がる様に現れる、
自分の部屋に戻るかのようにノックもせず入り込んで来た人物に、セイン達によって掃われた思考の違和感が再び脳を埋め尽くしていく、
その原因、ゲンヤ・ナカジマとギンガ・ナカジマは扉を閉めると、並んで私の座る寝具の近くの椅子に腰掛けた。

「身体に別状は無いって話だが、大丈夫か?」
「あ、ああ……大丈夫だ」
「なら良かった。ティアナの奴、時々無茶しやがるからな……許してやってくれ」
「ティアナ……?」
「おっと、まだ教えてなかったな、オレンジ色の髪で銃を使ってたのがティアナってんだ、覚えておいてやってくれ」

ギンガに差し出された飲み物を口に流しながら頷く、名前なんて今更どうでも良い
何から話し、何から伝えれば良いのか、順序も言葉も滅茶苦茶に絡まり合って次々と思考の外に消えて行く
そんな混乱し続けている頭に、音の無い静かな部屋の空気が今は非常に有り難かった

「スバルの事か?」
「……!?」

ただ一言呟かれた言葉に、閊えていた言葉が堰を切ったかの様に溢れ、口から漏れ出しそうになる

「過ぎた事はしょうがねぇ、だがよ、大事な娘を訳も無く攻撃したってんなら俺はノーヴェを殴らなきゃならねぇ。
何か理由が有るんなら、出来るだけ話してくれ。俺も嫌いには成りたくねぇからよ」

俯き気味の顔を持ち上げると、目に映るのは茶化す様子の無い、真剣な二人の顔
その正体の分からない威圧感に圧されて、私は理由を最低限の言葉で伝え始める。
497機械の心:2007/12/12(水) 16:57:07 ID:blRBIN4o
話が終わるまで、ゲンヤもギンガも一言も口を挟まず黙って聞いてくれていた
説明するのは得意な方では無かったし、質問に答える余裕も無い、話し始める事が出来たのなら最後まで続けた方が楽だ。

「……分かった、有難うな」

僅かに続く静寂の後に、その一言だけが私の耳に届く。
身体が圧迫されかねない程の重苦しい空気が漂うが、何とかしようと思う気は毛頭無い、
今の私がやらなければならない事、私が希望する行動ははただ一つ、

「ノーヴェ?!」
「ノーヴェ、お前さん、何処へ行くつもりなんだ」

無言で立ち上がり背を向ける私を呼び止める声、聞こえないフリをして立ち去りたかったが
肩を掴む腕に邪魔をされ渋々立ち止まる

「……知らねぇ」

行ける所なんて無いし、ウェンディやセインの所に居てもまたこの二人は尋ねて来るだろうから、戻る事も出来ない
ただ取り合えずこの二人に関わらない場所へ、今すぐにでも行きたかった
ゲンヤにとって、大事な娘であるスバルを酷く傷つけてしまったという結果から目を背けたいだけの為に

「……やっぱり、うちの家には来てくれない?」

続けてギンガの言葉にも、首を僅かに横に振って退ける
妙にしつこいこの二人の事だから、きっとまた何か無理矢理引き止める様な事を―――

「分かった、何処にでも行きな」
「……?」

言わなかった、それどころか認めているとさえ取れる発言に目を丸くする
身体ごと後ろを向く私の肩から手を離すと、ゲンヤは少し老けた威厳の有る顔に笑顔を浮かべた。

「俺はもう何遍も止めたかったという事を伝えたし、お前はそれを受け入れなかった、これ以上は不粋ってもんだ。
そこにお前のやりたい事が有るんなら、それで良い。胸張って行きな」

そこまで言い切られて、軽く頭を叩かれる。殆ど子ども扱いのそれの様だが、私はその場から動けずに居た
何故そこまで私の言葉を鵜呑みにする必要が有る、一度は敵として立場を違えた相手を

「……なんで、そこまでするんだ……?」

初めに話を持ちかけられた時からの疑問を口にする、敵である戦闘機人の、それも私だけにここまで、
犯罪者を家族に加えるとなれば、その代償は想定できるが決して良い結果ではない事は明白だ。
だけど、その重要な事を気にもしていない様に、これが当たり前だとでも言うかの様に話し出す。
498機械の心:2007/12/12(水) 16:58:14 ID:blRBIN4o
「ノーヴェの……ISっつったか、エアライナーはスバルやギンガのウイングロードによく似てるし、戦闘方法も近い、
娘に似てたから、ってだけでもねぇんだけどよ……」

そこで戸惑う様な表情になるゲンヤ、言い難そうに何度も言葉を飲み込むその姿は何だか滑稽にも見える、
思わず笑ってしまいそうになったけど、辛うじて表情に出す事は抑えられた、幸いにも気付かれていない。

「まあ……その、何だ。施設に居た時にお前がちょくちょくこっちを見てすぐ顔を背けるのによ、
年甲斐も無く、可愛らしいと思っちまった訳だ……」

そして、小さくも確実に聞こえた声に、顔が爆発したのかと思う位に熱くなってしまった。

「問題発言です、父さん。公式の場では止めてくださいね」
「分かってるって、別に変な意味で言ってる訳じゃねぇんだしよ……ただまあ、昔のギンガやスバルを見ている様でな」

二人が何か話しているのが見えるけど、聞こえる声が頭に入って来ない
思考がまともに命令を受け付けていない、全神経がゲンヤの言葉を有らん限りの声量で体中に響かせている。
「可愛らしい」と、確かにそう聞こえた。

「ん?どうかしたのか?」
「あ……う……」

その言葉の意味が分からない訳では無い、だから今、自分が嬉しいと感じているのだと解る。
思う事で舞い上がってしまったのか、自分でも気付かない内に前方に身体を倒してしまっていて、
自然とその先のゲンヤに身体を預ける形に成ってしまっていた。

「お、おい?」
「ノーヴェ……ふふっ、何だか嬉しそう」
「…………」

当然恥ずかしさは有るけど、それ以上に安心感や、不思議な充実感がこの状況を留めておきたいと押さえつける、
次に落ち着いたらこんな事は二度と出来ない、ならば、と楽しんでしまおうとする考えもどうかと思うけど。
ゲンヤはどうして良いか分からなさそうに慌てていたけど、突き飛ばされないという事は嫌ではない、と勝手に決め付けておく事にした。

「……まあ、良いか。機嫌も直ってくれたみてぇだしよ」
「そうですね。ノーヴェ、あなたは、どうしたい?」

改めて聞かれる同じ質問、だけど、今度は逃げようとは微塵も考えてない。
私はスバルを攻撃した事も、今ここでこうしている事も、自分の思うままに行動しての結果だと思っている、

きっと大変な事になるから顔を正面から見る事は出来ないけど、今は思う事を呟くだけで良い、

「……此処に、居たい」

それが私のやりたい事だ。
499名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 16:59:18 ID:blRBIN4o
以上です
コミックとSS4でノーヴェがスバルの事を説明されていたと知ってどうかと思いましたが、練り直す余裕も無いのでそのままにしました
途中のオリジナルスキルはクロスミラージュが強化、ティアナが構成と、無茶な組み合わせという事にしておいてくだされば幸いです
50038 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/12(水) 18:12:04 ID:AyKBLV7f
GJ!
とりあえずティアナは死んだなw
501名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 19:20:15 ID:uf49/G/Z
>>499
GJ!でした

普通に考えれば・・・いきなり対面すれば衝突は避けられんですよねぇ
“素直じゃない”ところがノーヴェの魅力なのだと再確認しましたぜ

ノーヴェにとってスバルはチンクの仇・・・
でも、それだけじゃなく、スバルのクローン培養体だからこそ、ノーヴェはスバルを憎み、心のどこかで“スバル”になりたがっていた
人としての生きているスバル、機人としか生きられないノーヴェ・・・色々憶測が楽しい展開でした。GJ!でしたっ!
502名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 19:23:01 ID:BMACbNxX
>>499
グッジョbだぜ!!
相変わらず飲兵衛はかわええな〜☆

続がスゴーク気になりまっす!
スバルとのこれからやもっとチンク姉さんに出番をとかとかetc
503名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 20:18:07 ID:qyShAcsD
ザフィーラ攻略を期待していた方には謝る事しかできません。
すいませんでした…。

>>474
スレ違いを承知でお願いしますが
そのeraを何処かに上げて頂けないでしょうか?
出来るか解りませんが(特にテキスト)取り入れられる所は入れたいので。
504名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 20:57:08 ID:Lz9sldZu
>>503
ショタキャラじゃないから別に構わんけど。
ネタ以外ではやりにくいだろ。

それにショタ属性がないなら無理してショタを出すこともない。
505名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 21:22:31 ID:uf49/G/Z
勝手ながら次スレ建てました
506名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 21:23:18 ID:uf49/G/Z
507名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 22:06:54 ID:n6uWxzHB
>>503
一応まだろだにありましたので  パスは目欄です
ttp://www.uploda.net/cgi/uploader2/index.php?dlpas_id=0000044585.zip
508名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 22:27:01 ID:qyShAcsD
>>504
一応某同人のショタザフィも考えましたがアレ過ぎるので却下。
素質の[オトコ]が機能するのかの実験も兼ねてましたので
ちょうど良かったかもです。

>>507
ありがとうございます、早速開きましたがコレは苦労しそうですね…

StS版は追加キャラも多く遅れるかもしれません。
待って下さる方は気長にお待ちを。
509 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/12(水) 23:10:51 ID:vkn0AQ9F
残り35KBですけど、スレ埋めも兼ねて書きます。

・何度やったか忘れちゃったけどしつこくなのは×ユーノの結婚に関してのお話
・非エロ
・自分のこの手のネタだと決まって反対する事が多いフェイトや士郎は何とか承諾
・しかし意外にもヴィータが……と言う展開
510お前じゃ心配だ! だが… 1 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/12(水) 23:12:12 ID:vkn0AQ9F
なのはとユーノはついに結婚を決意した。しかし、そうなればやはり障害は多い。
なのはは自分の物だと頑なに信じる百合なフェイト。ユーノをフェレットの姿で
娘に近付いた悪い虫としか認識してい無い士郎がそうである。
だがそれもなのはとユーノの二人が誠意を込めて話し合った末に…何とか承諾を取る事が出来た。
これで万事解決…と思われていたのだが……その時点では二人は思いも寄らなかった。
まさか意外な障害が新たに現れようとは………

「二人が結婚だと!? ふざけんな!!」
「え?」
「ヴィータ…ちゃん?」
二人の結婚に異を唱えたのは何とヴィータであった。フェイトや士郎の反対ならば
予想は出来ていたし、既に丸く治める事が出来た故に問題は無かったのだが…
まさかヴィータが反対する等余りにも予想外過ぎた。
「どうして? どうしたのヴィータちゃん? どうしてダメなの?」
「うるさい!! どうしてもだよ!!」
まるで自分の事の様に必死にそう異を訴えるヴィータの行動になのはとユーノのみならず
他の者達も戸惑ってしまう。
「ユーノみたいな奴になのはを任せられるかよ! ふざけんじゃねぇ!!」
「どうして!? どうしてそういう事言うの!?」
やはり何故ここまでもヴィータが怒るのかなのははワケが分からなかったが…
「ええかげんにせぇ!!」
その様な叫び声と共に甲高い音が響き渡った。はやての平手打ちがヴィータの右頬を叩いていたのである。
「…………………!!」
それには流石のヴィータも右頬を腫らし、右手で頬を押さえながら涙目になるのであるが、
はやては物凄い形相でヴィータを睨み付けて叫んだ。
「ヴィータ何でそんな我侭言うん!? フェイトちゃんだって! なのはちゃんのお父はんだって
OKしてくれたんのに何でヴィータはそんな我侭言うん!?」
「うう…はやて………。」
流石に主であるはやてには勝てないのか、ヴィータもすっかりその迫力に押されていたがはやてはさらに言った。
「そりゃ〜ヴィータはなのはちゃん好きやもんなぁ。他の男に取られるんが悔しいのも分かる。
けどな、だからってなのはちゃんは何でもヴィータの思い通りになる人形や無いんよ?
なのはちゃんは自分の意思でユーノ君と一緒になる道を選んだんよ! 最初はあんなに反対しとった
フェイトちゃんや士郎さんだって何とか承諾せざるを得なくなる程の強い意志で…。
なのに今更になってヴィータがそんなん我侭言ってどうするんや! それやから……それやから……
それやからヴィータは何時までも子供のままなんよぉ!! ってあかん言い過ぎてもうた!」
はやては慌てて自分の口を押さえていた。小さくて誰よりも大人ぶりたいヴィータを子ども扱いするのは
禁句だと言う事をはやても理解していたからだ。
「ごめんな…ちょっと言いすぎたわ…ほんまゴメン…。」
黙って俯くヴィータに対し、はやては慌ててそうフォローを入れようとしたが…既に遅かった。
「うるせぇ…誰が何と言おうと…二人が結婚するのは許せねぇ…例えはやてでも……。」
「え!?」
「私は許せねぇ!! それでも結婚するってんならあたしがぶち壊してやる!! 畜生!!」
ヴォルケンリッター鉄槌の騎士のヴィータが主であるはやてに反抗するとは信じられない事だった。
そして誰もが唖然とする中、ヴィータは涙を撒き散らしながらその場を走り去って行った。
「ヴィータちゃん…。」
なのはは心配そうにヴィータの走り去った方向を見つめていたが、そこではやてが肩に手を置いた。
「大丈夫や。あんな我侭な子は放っとこう? 万が一本当にヴィータがぶち壊しに来ても…
うち等がなのはちゃんとユーノ君を守ったる。」
「う…うん…ありがとう……。」
はやてに礼を言うなのはとユーノだが、その顔は悲しげな物だった。
511お前じゃ心配だ! だが… 2 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/12(水) 23:13:11 ID:vkn0AQ9F
皆の前から走り去ったヴィータは自分の部屋でグラーフアイゼンやカートリッジ、騎士服の
手入れをしていた。その目には涙を浮かばせたまま…
「壊してやる…あいつ等の結婚式に乱入して…全部ぶち壊してやる…そして思い知らせて
やるんだ………あいつじゃ……あんな奴じゃ……なのはは守れねぇって事を………。」
ヴィータは本気だった。本気でなのはとユーノの結婚式をぶち壊す気らしかった。
「ヴィータちゃん止めてです!」
そうヴィータに対し背後から話しかけて来たのはリインUだった。それだけじゃない。
シグナム、シャマル、ザフィーラの三人もまたヴィータの背後にいたのである。
「邪魔する気か?」
「そうだ。お前の邪魔をするつもりだ。」
ヴィータが目に涙を浮かばせながら睨み付けようともシグナムは表情一つ変えずにそう返す。
「ヴィータちゃん教えて頂戴? どうしてそうまでして二人の結婚に反対なの?
別になのはちゃんが遠くに言っちゃうワケじゃないのよ? ユーノ君と一緒に暮らす様に
なるだけで、これからもなのはちゃんとは普通に会えるのに……。」
シャマルが心配半分で睨みながらそう訪ねると…ヴィータは目から一滴の涙を落としながら言った。
「だって…アイツは強くねぇじゃねぇか! アイツじゃなのはは守れねぇ! そしたら…
また…あの時みたいに……なのはが……死にそうな大怪我しちまうかもしれねぇ!」
これがヴィータが二人の結婚に反対する理由だった。ユーノになのはを任せるのは余りにも
不安すぎると…。二人の結婚に反対したのも、主であるはやてに反抗したのも
全ては彼女なりになのはの事を想っての事だったのである。
ヴォルケンリッターとして生を受け、主の為だけに生きて来たヴィータが初めて見付けた
主以外に守るに値する人間なのだから…しかし…
「ならば…強い男ならなのはを任せても良かったのか? お前の言っている事は…
逆に言えば強い男ならば誰だって良いと言っている様な物だが…。」
「う………。」
シグナムにそう言い返され、ヴィータも黙り込んでしまった。
「確かにユーノは戦いをする人間では無いし頼りにならないと考えるお前の気持ちも分かるが…
お前は大切な事を忘れている。ユーノはやる時にはやる男だと言う事をな。」
「何?」
「本当に忘れたのか? ユーノはお前の攻撃を防いだ事があるでは無いか。
守ると言う事に関しては、奴も捨てた物では無いと思うがな。」
「あ…………。」
確かにシグナムの言った通り、ユーノは攻撃系の魔法は使えないが、それを
補って余りある程の強力な防御魔法やバインド系魔法が使える。
そしてそれによってヴィータの攻撃も防いだ事があった。
「だが…何よりもあのなのは自身が自分の意思で夫として選んだ男だと言う点が最大の強みだ。
お前は自分の手でなのはを守りたいのであろうが…少しは信じて見ても良いんじゃないか?」
「…………。」
ヴィータは黙り込んだままだったが、シグナムはさらに続けた。
「もしそれでも考えが改まらないのならば…好きにするが良い。もっとも…私達は全力で
それを阻止させてもらうがな。例え同じヴォルケンリッター仲間と言えども容赦はせん!」
「…………。」
その言葉を最後にシグナム達は帰って行ったが、ヴィータはその場に俯いたまま黙り込んでいた。
512お前じゃ心配だ! だが… 3 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/12(水) 23:14:18 ID:vkn0AQ9F
ついにやって来た結婚式当日。式は予定通り行われ、最初の頃はあんなに二人の結婚に
反対していたフェイトや士郎も笑顔で式に参加し、皆でワイワイと楽しくやっていた。
それでも一応当初から予測されていたヴィータの襲撃に備え、何時でも戦える体勢を
取っている側面もあったのだが、そこで……
『実は急遽ある人物からのメッセージです!』
と、その様なアナウンスが響き渡り、式場にいた皆の間にざわめきが起こった。
アナウンスの人が『急遽』と言う言葉を使った通り、予定外の事であり、
また『ある人物』とは一体何者なのか? と考えていたのだが…そこで突然
式場の照明が切れて真っ暗闇となった。当然そうなればますます式場でざわめきが起こるのだが、
突然ある一点にスポットライトが当てられる。そこにいたのは何とヴィータその人である。
「ヴィータちゃん!」
「やはり襲撃に来たか!?」
「でもちょっと様子が違うよ!」
スポットライトの光を浴びるヴィータは少々様子が違った。まず着ていたのは
戦闘用の騎士服では無くお祝い用の真っ赤なドレスだったし、その手には
グラーフアイゼンでは無くマイクが握られていたでは無いか。そして……
『ユーノォ!! てめぇその耳かっぽじって良く聞けぇぇぇ!!』
マイクの音量を最大にした状態でそう派手に叫んだのである。あんまりうるさ過ぎて
耳を塞ぐ者も大勢いたのだが、これは明らかに襲撃する様子では無い。
『てめぇ! 今からあたしと約束しろ!! なのはを命を賭けて絶対に守るってな!!
例えてめぇが死んでもなのはだけは絶対に守れ!! って馬鹿!! 死んだらダメだろ!!
てめぇなのはを未亡人にする気か!? そんなのあたしが許さねぇ!!』
「(ええ――――――――――――――――!?)」
一人ノリ突っ込みするヴィータに誰もが唖然とするばかりだったが、ヴィータは真剣だった。
『いいかユーノ! なのはを守っててめぇも生き残れ! 例えなのはを守れても
てめぇが死んじまったら元も子も無ぇ! そんな事したら残されたなのはが悲しむだけだ!
だから絶対に二人とも助かる様な道を探れ! それでもダメだって言うなら………
その時には二人一緒に死ねぇぇ!!』
「(ええ――――――――――――――――!?)」
凄い事を言うヴィータにやはり誰もが唖然とするが、ヴィータは皆の顔からそれを悟ってさらに言った。
『だってそうだろうが! 二人いっぺんに死ねば残された方が悲しむ事は無いからな!』
「(なのはとユーノの二人以外の私達の存在は無視ですか――――――!?)」
やはりどうもヴィータの求める要求はかなり難しい物なのだが…それでもヴィータは必死だった。
ただ結婚するだけでなく…何時までも幸せであって欲しい。そう考えていたのである。
「分かったよヴィータ。僕の力が何処まで及ぶかは分からないけど…全力でその約束を守って見せるよ。」
『本当だぞ! 本当だかんな!!』
ユーノの答えにヴィータは強く睨み付けながらそう何度も叫んだ。

その後、ヴィータは普通に式に参列。皆と共になのはとユーノの結婚を祝う事にある。
しかし式が終わった後………

「う…うあああぁん!! えぐ…えぐ…うああああああ!!」
「おーよしよし。」
ベッドの中ではやてに抱かれて泣き崩れるヴィータの姿があった。
やはり何だかんだで寂しかったのである。
「頑張った。ヴィータはよう頑張ったよ。うんうん……。やから…今夜は
久し振りにウチと一緒に寝てもええ…。うちがヴィータの悲しみ…受け止めたるわ。」
「うわあああああん!! うえぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大声で泣き続けるヴィータを優しく抱きながら…はやては頭を撫でた。
                      おしまい
513 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/12(水) 23:16:17 ID:vkn0AQ9F
式に乱入! けど何だかんだで祝福ってネタは過去にもやりましたが
今回はプロレスのマイクパフォーマンス風(?)でやって見ました。
514名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 23:18:33 ID:1pjKFsVO
>>513
乙!確かにこういう展開もありそうだ。
そして終盤のヴィータの暴走具合に吹いたw
515名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 23:20:49 ID:uf49/G/Z
GJ!
ヴィータ可愛いよヴィータ
516名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 23:31:45 ID:X4YexuTc
>>513
なんか背伸びした感じのヴィータだな。逆に子供っぽくて可愛い。GJ!

・・・…511の後ろから三行目の「〜言えども容赦はせん!」が
「〜容赦せん!」に見えて自分はもう駄目かと思った。
517名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 23:37:41 ID:JhtgDITw
GJ!
こんなヴィータもありだな
518名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 00:16:44 ID:hBRd/P9U
OCN規制が倒せないっ!今回も結構長引きそうな悪寒…。
もうスレッドも終わりそうなので、あきらめて俺の言いたい事を代行さんに代行レスしてもらう!

>>1乙。
そして職人の皆様方GJ!
そして>>128君、首を洗って待ってろ( ゚Д゚)ゴルァ!
519( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2007/12/13(木) 02:45:32 ID:sc/ROfp3
自意識過剰に聞いてみるテスト。
「Reload」と「リリカルバイオレンス」、どちらの続編を待っていますか?
520名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 04:47:08 ID:+I84yiO6
521名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 05:53:59 ID:n230uLdr
>>513
ヴィータwwGJ
ノリ突っ込みいいなぁ
522ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/13(木) 06:54:43 ID:0gZ7H7Xz
おはようございますw

>513 ヴィータかわいいよヴィータ!でも会話分の最後の句点はいらない慣習らしいですよ……私は気になりませんが
しかし新婦の父よろしく会場乗っ取るヴィータはいいですねw
途中で腕のサポーターをずらしやしないかと冷や冷やしましたが ぇ

(注意書きとか)
リンディ×クラウドは、展開か気力が許せばかなぁ……
勿論夫婦の問題がこれっきりってわけはないですし、ね
ただ今ははやての恋を追いかけます。ごめんなさい

[はやてとザッフィー][唐突に出動]
ほいでは職業柄らしい展開で
クライドさんの戦闘能力は……とりあえず不明ですが飛べる設定で
クロノから想像するにストレージデバイスでがりがりやっちゃうバランスタイプなのかなあ……
どっかに既存設定あったらお許しを

では朝刊っ!
523〜ソラノカケラ〜(29)(1/2):2007/12/13(木) 06:55:55 ID:0gZ7H7Xz
 結局その日はやては無駄に頑張って残業とかしてみて夜遅く日付の変わる直前ぐらいに、ザフィーラと共に家の玄関をくぐった。
「ただいまー……」
勿論出迎えてくれる人もあろうはずもない。
「ありがとな、ザフィーラ」
中へ上がると屈みこんでそっと頭を撫でる。
正直あまり気力もなかったが、このお礼だけは何があっても欠かす気はなかった。
「主を守るは当然の勤め。それでなくても皆が心配します」
「うん……せやな。な……ザフィーラ」
「はい」
「うちは……どうしたらええんかな」
「……」
僅かに獣の瞳が逡巡したが、役割ではない、と一度だけその瞼を閉じて開いた。
「我には主のような乙女の気持ちは正直わかりませぬ。報われて欲しいとは常日頃願っていますが……」
「うん、ありがとな……」
そうしてふかふかの毛に体を埋めるが、やっぱり答えはでてこなかった。
「むーむずかしいーなー……なんとかならへんかなー」
「ふむ……時満ち足りて心満つ、とベルカの格言にもあります。その時がくればなるようになる、では駄目でしょうか」
「ふむぅ、なるほどな……まだその時やないってことか?」
「かもしれません。それは明日かも知れませんが、永遠に訪れぬやも知れません」
「明日か、未来永劫か……か。それもまた微妙やな〜」
「時は心の鏡にして絶対的な支配者。未来と過去の交わりし果てに心と共に現在は蠢動しています」
「むー」
反応の乏しくなってしまった主に、自身の無駄な饒舌を恥じいるザフィーラ。
「申し訳ありません。余りお役に立てないようです」
「ああ、いや、ええんよ。大体これはうちの問題なんやしな……」
「はい。兎に角体を休めた方が宜しいかと。明日に差し障ります」
「うん、せやね。じゃおやすみ」
「はい、いい夢を。主」
そして守護の獣と別れてそっと自室に荷物を置いた後、こっそりと入浴を済ませベッドに倒れこむ。
ぎゅっと枕を抱きしめてみるが、どうやっても何を考えてもどうしていいかわからなかった。
(わからへん、わからへん……どうしたらいいんや、なあリイン、うちはどうしたら)
胸の中に問いかけつつもっと強く枕を抱え込んだが、眠りに落ちても答えは見つからなかった。
524〜ソラノカケラ〜(29)(2/2):2007/12/13(木) 06:57:26 ID:0gZ7H7Xz
 目が覚めてみれば普段からすればすっかり起きだしているはずの時間で、尚且つ非常用の通信に履歴が残っており
最悪の寝覚めであったが仕事の性質上致し方ないと割り切って発信元へ通信を入れる。
まだ寝巻き姿であるから画面は黒にして音声だけにしておいたのだが、
応答した相手は夢へ向かってまっしぐらのティアナ・ランスター執務官補佐であった。
「おはようございます、八神二佐……今、大丈夫ですか?」
非常用の回線ということは割とそれなりに深刻な事態であるはずなのだが、昨今の騒動のこともあり普段起きているはずの時間に応答がなかった事もあり、
その状態でも一言付け足してくれる彼女の心遣いは正直嬉しかった。
「ああ、うん、平気やよ……どないしたん?」
「それが……今朝朝一で護送されるはずの犯罪者が護送直前に脱走したらしくて――」
「ふむー、どこで?」
「それが管理局地上本部なんですが、かなり足の速い相手で、逃走中なんです」
「フェイト執務官は?」
「フェイト執務官は今日は本局から一歩も出られないと仰っていました――海の仕事でかなり逼迫した案件がいくつも溜まっているとかで」
この間も休んだし、昨日も話聞いてもらったし、と彼女が思考を巡らさせてみれば普段の忙しさからして、
彼女の今の状況が果てしなく危険であるっぽいことだけは想像に難くなかった。
「高町教導官はどないやろ?」
「高町教導官は本日お休みです――その、結婚式の準備がどうとかで――」
「首都の航空部隊もあかんか」
「地下を逃げ回ってて、正直手伝って頂いてもあまり。とにかく決め手がないんです」
あー、それでうちに繋いできたんやな、とティアナの行動に納得するが、勿論引き受けないはやてではなかった。
「ええよ、クラナガンのどこかにおるん?」
「場所は大体特定できているんですが……その、捕まえるのがかなり困難でして……と、少し失礼します!4番区画5番区画、閉鎖急いで!
7番、結界担当局員用意!強度はいいからとにかく足止めして!」
既に彼女は現場であるのか、緊張感の漂う声が少し遠いが聞こえてきた。
「……失礼しました、とにかく手が足りないんです。スバルも緊急任務で出払っているみたいで」
なるほど――こういう時研修中のあの子達が使えれば――と誰が言わなくてもそう思えてしまうのであるが、とりあえずは目の前の解決である。
「わかった。場所教えて、今からうちの子達にも流す」
「はい」
(おはよう、みんな。ちっとティアナの捕り物手伝うで。いけるか?)
はやての念話の問いかけに、当然とばかりに即座に返ってくる返事達。
(おうよ!いつでもいけっぜ!)
(了解しました、主はやて)
(わかりました、はやてちゃん)
(了解です!)
(心得た)
情報を全員に伝えてから通信を切り、身支度を整えて玄関へ向かうとその時には既に制服姿の騎士達と守護獣と
そして黒一色のシャツに青いジーンズにエプロン姿のクライドも見送りに待っていてくれた。
勿論どきどきは全く収まってなどいないのであるが、そこはそれ局員の本分と割り切って主らしく出立の号令をかける。
「ほいなら、いくでみんな」
「おう!」
「はい」
「リィンも頑張るです!」
「うん……あ、クライドはんもちょっといてみるか?」
「ん?」
「部外者やないし、平気やよ。お散歩にはちょーっと微妙かもしれへんけど。飛行魔法いける?」
「いける。わかった――じゃあ1分くれ」
「うん」
そして宣言通り30秒でエプロンを外して戻ってきた彼の手には、黒い上着と、小さなバスケットが携えられていた。
「これは?」
「はやての朝ごはんなんだが」
「あー」
ありがとう、とお礼を言ってもう瞳の潤みそうな勢いで恥ずかしげに俯いて、
そのままいい雰囲気になりたかったはやてであったが状況が許してはくれない。
「と、とりあえずいこか!じゃ緊急事態につき、市街地飛行許可、八神はやて他一同、承認!」
はい!と綺麗に揃った声の後、全員で勢いよく戦闘服に身を包みながら玄関から飛び出した。
525ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/13(木) 06:58:27 ID:0gZ7H7Xz
ほいでは〜ノシ
526名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 07:58:56 ID:nIWMBwBA
GJ
はやて可愛いですね〜。
クライドめ…羨ましい
というかフェイトさんは大丈夫なのか?
なんかデスクに書類の山が出来てそうなんだが……
527節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2007/12/13(木) 10:30:06 ID:u+kIFMFa
>525
乙。

足の早い……さては……
>526
「書類の山が邪魔で飛べない……」

アポロ計画なんかも、「ロケットより先に書類の山が先に月に届きそう」などと言われてたしなぁ。
528名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 13:02:58 ID:sMQp3fXI
>>465
亀レスで申し訳ありませんが、なんとメイドスバルの書き主でしたか…。
今回はユーなのGJでした! ユースバも待ってますー
529( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2007/12/13(木) 14:03:33 ID:sc/ROfp3
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ 
 ∪  ノ
  U U
530名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 14:30:51 ID:biFZsmh1
早まるなよ>>529
タイミングが悪かったんだ。タイミングが
平日の昼は分が悪い。今晩を待て
531名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 15:05:52 ID:nwanMI7L
>>525
誰かはやてに狸の毛皮のコートをかぶせてあげて

>>529
保管庫を探しても見つからないのだが……
53226-111:2007/12/13(木) 17:51:36 ID:RtoWrPmh
少々、いらん世話を焼かせていただきましょう

>>529氏の「Reload」、「リリカルバイオレンス」はまだ保管されていないんだ
「Reload」は38スレの454〜
「リリカルバイオレンス」は39スレの313〜

過去ログ、zipで置いておきますね

つ http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org11002.zip.html

私としては「Reload」希望。 ノ
533名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 19:09:54 ID:VXdzZBrX
>>529
吊らないでーw

彼女らがメインになる話ってあんまり無いから
どっちも読みたいってのが本音だけど
強いて言うならReloadをお願いしたいですね
534名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 19:56:27 ID:0XA1Tunq
>>529
よくわかんないけど、よりエロい方がいいな!
535名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 20:05:43 ID:fxJBjfap
>>529
ちょいと読んで来ましたよ
正直俺も両方読みたいが一応バイオレンスかな〜?
536名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 20:25:06 ID:nwanMI7L
読んだ。バイオレンス希望。
ツンデレアリサとフェイトの対面が気になる。

欲を言えばどっちも(ry
537名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 21:06:41 ID:xIvYY1fo
全員集合がコレくらいで凹むタマなわけないだろうがw
538名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 22:14:09 ID:Nc/mtEBX
>>531
三等身になって狸マリオのごとくしっぽを一生懸命振ってふよふよ浮かぶはやてがだな
539名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 22:34:14 ID:RtoWrPmh
本部の査察を地蔵になってやり過ごす、と申したか?
540名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 22:53:42 ID:M1gmyA0N
カエルスーツのヴィータ


まで見えた。
541名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 23:05:15 ID:nwanMI7L
たぬきはやて
カエルヴィータ
ハンマーザフィーラ
ファイアーシャマル
スーパーシグナム
くつリイン

……ってところかね。
542ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/13(木) 23:23:07 ID:0gZ7H7Xz
>539
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org12134.gif.html
pw:hayate

みようみまねでやってみた。正直すまんかった
テラ下手wwwww
543名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 23:32:41 ID:RtoWrPmh
ちょっ、GJ!www
544名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 23:52:51 ID:a3bR/BFp
>>529
どっちも読みましたけど、続き気になるのはバイオレンスの方っすね
バイオレンスの続きを希望
545名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 00:05:55 ID:ypGNVKkE
はやてスレより転載

ちびたぬきAA

誕生時
        ∧,,∧
       ,," _ ゙゙ヽ;
      ミ ((・∀・x))ミ 
     ;(ノ~r‐‐、 ';)
     ⊂;,;'l x ';;
       ''∪''∪

改訂版

        ∩,,∩
      .,," _ ゙゙ヽ;
      ミ ((・∀・)x)ミ  もふもふやでー
     ;(ノ~r‐‐、 ';)
     ⊂;,;;'l  x) ';;
      ''∪''∪

ちびたぬきふぐり追加版

        ∩,,∩
      .,," _ ゙゙ヽ;
      ミ ((・∀・)x)ミ  ?
     ;(ノ~r‐‐、 ';)
     ⊂;,;;'l  x) ';;
      ''∪ω∪


 フッ… l!
  |l| i|li ,      __ _  ニ_,,..,,,,_
 l|!( ・∀・:l. __ ̄ ̄ ̄    / ・∀・≡
  !i   ;li    ̄ ̄ ̄    キ     三
  i!| |i      ̄ ̄  ̄  =`'ー-三‐ ―
              /  ;  / ;  ;
          ;  _,/.,,,//  / ヒュンッ
            /・∀・ /
            |  /  i/
           //ー--/´            ∩,,∩
         : /                ,," _ ゙゙ヽ;   乙やで!
         /  /;              ミ ((・∀・)x)ミ
    ニ_,,..,,,,,_  セットアップ!        ;(ノ~r‐‐、 ';)   
    / ・∀・)x`ヽ  ニ≡            ; .: ダッ
    キ    三    三          人/!  ,  ;
   =`'ー-三‐     ―_____从ノ  レ,  、
546ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2007/12/14(金) 06:26:43 ID:VAaSey1J
……ごめんなさい 今朝は間に合いませんでした……o.........rz
あふぉなことやってるから……・゚・(ノ∀`)・゚・。
月曜には再開予定です
547名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 06:47:59 ID:l8yLv/2W
>>546
そうですか、残念…
でも、ちびだぬきに癒されたんで大丈夫です!
月曜日、楽しみにしてます!
548名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 11:18:07 ID:qUC3CIAf
チビ狸わろたw
549名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 19:08:03 ID:OOu39usE
埋めるよ!
   ヾヽヽ 
 ⌒*(・∀・)*⌒ 1羽でなの! 
   ミ_ノ 
    ″″ 

   ヾヽヽ        ヾヽヽ 
 ⌒*(・∀・)*⌒  ⌒*(・∀・)*⌒ 2羽でなの!なの! 
   ミ_ノ         ミ_ノ 
    ″″        ″″ 

   ヾヽヽ       ヾヽヽ      ヾヽヽ 
 ⌒*(・∀・)*⌒  ⌒*(・∀・)*⌒ ⌒*(・∀・)*⌒ 3羽そろえば 
   ミ_ノ        ミ_ノ      ミ_ノ 
    ″″        ″″      ″″ 

                                                        
  / ̄ ̄ ̄/  / ̄ ̄ ̄ /          /二二二/_.    _ノ ̄/ / ̄/    / ̄ ̄ ̄ / ロロ /''7      _ノ ̄/  __/ ̄/__ . 
   ̄ .フ ./   / ./二/ /         / __  / / ̄  / /  ゙ー-;  . ̄ ̄/ /   / / __  / ̄  / /__  __  / 
 __/  (___ /__,--,  /  / ̄ ̄ ̄/   ̄  __,ノ /   ̄/ /.  /  /ー--'゙  ___ノ /   / /_ノ ./   ̄/ /   _./  //  / / ̄ ̄ ̄/ 
/___,.ノゝ_/   ./___ノ    ̄ ̄ ̄     /____,/   /__/   /_/    /____,./   /_____,ノ   /__/   |___ノ.|___,/    ̄ ̄ ̄ 

次スレ:☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第41話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197462075/l50
550名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 19:10:26 ID:OOu39usE
   =8/二二ヽ8=   
   ∬((・∀・)x))∬  おいら おいらん やでぇ  
┗─wヽ::v丞/^ヽ   
    `シ'::*+l   ヽ   
     l*;,;';*|ヽ_ノ   
    .|'-,*;':|!: 《   
    ~ソハ、  \_, 、   




 【審議結果】   
パッ   パッ   パッ    パッ   パッ    パッ   
[微妙]  [脱力]  [無理]  [失笑]  [勘弁]  [残念]   
 ‖∧∧  ‖∧∧ ‖∧,,∧ ‖∧,,∧ ‖∧∧ ‖,∧∧   
 ∩・ω・`) ∩・ω・`) ∩・ω・`) ∩・ω・`) ∩・ω・`) ∩・ω・`)   
  (    ). (    ). (    ) (    ) (    ) (    )   
  `u-u´  `u-u´   `u-u´  `u-u´  `u-u´  `u-u´   

次スレ:☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第41話☆ 
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197462075/l50
551名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 19:12:28 ID:OOu39usE
                                 ,. ニ二ニ、ニニ =、 
                                l|__j|___|;|___|[__)| 
                               , '-- 、 - ‐ '';;',:.:l.:l:;::l_ 
                              ,〇;|l(*)Il|:○r::,.=、、::l,´,:‐、l  三3 
                             i.:..:::;i====i:___;.:,jii´i:l_,j_;ji´!」 
                             .===========l ,j.,.,., lil ,j 
                             `~´        `~´  `~´ 
          __)ヽ                
     く⌒7´/⌒^fく             
      7イ=ルハ从け> 次スレ〜次スレ〜♪ 
      /,'ヾ(リ^ヮ^ノリ 
      //  ノ7去ニ包 
     く/  せfヒ{}ヒ} ヽ> 
       ((◎く_77 
(;;(::⌒(;;(::⌒ ((◎(◎ 








         ’、′・  ( (´;^`⌒)∴⌒`.・   ” ;  ’、′・ 
      、 ’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ、"'人      ヽ 
           、(⌒ ;;;:;´'从 ;'   ;  ;) ;⌒ ;; :) )、   ヽ  -‐,               __)ヽ 
           ( ´;`ヾ,;⌒)´  从⌒ ;) `⌒ )⌒:`_,,..・ヽ/´           く⌒7´/⌒^fく 
   ′‘: ;゜+° ′、:::::. :::    ´⌒(,ゞ、⌒) ;;:::)::ノ‐''"..,,_              7イ=ルハ从け> なんか当たったけどまずは次スレ〜 
            `:::、 ノ  ...;:;_)  ___|;|___|[__)|                   /,'ヾ(リ^ヮ^ノリ 
        ( ´;`ヾ,;⌒)´  从⌒ ;) ` ‐ '';;',:.:l.:l:;::l_                  //  ノ7去ニ包 
         ( ´;`ヾ,;⌒)´  从⌒ ;) `r::,.=、、::l,´,:‐、l                 く/  せfヒ{}ヒ} ヽ> 
         ( ´;`ヾ,; i.:..:::;i====i:___;.:,jii´i:l_,j_;ji´!」                  ((◎く_77 
               .===========l ,j.,.,., lil ,j            (;;(::⌒(;;(::⌒ ((◎(◎ 
               `~´        `~´  `~´ 

次スレ:☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第41話☆  
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197462075/l50
552名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 19:15:21 ID:OOu39usE
   _ ,、,、 
  ,' ´ハハヾ 
  !イノリノハ))) 
 ノ.人l|゚дl| 
. (( (__つ/ ̄ ̄ ̄/ 
 ̄ ̄\/___/ ̄ 

    _,、,、 
  ,' ´ハハヾ 
  !ノリノハ))) 
. ハl|゚д゚l| 
..(( (__つ/ ̄ ̄ ̄/ 
 ̄ ̄\/___/ ̄ 

    _,、,、 
  ,' ´ハハヾ 
  !ノリノハ))) 
. ハl|゚д゚l| ガタッ 
. ((r   ヾ 
__.リ|_| / ̄ ̄ ̄/_ 
  \/     / 
     ̄ ̄ ̄ 

    _,、,、 
  ,' ´ハハヾ 
  !ノリノハ))) 
. ハl|゚д゚l| スッ 
..(( (__つ/ ̄ ̄ ̄/ 
 ̄ ̄\/___/ ̄ 

   _ ,、,、 
  ,' ´ハハヾ 
  !イノリノハ))) 
 ノ.人l|゚дl| 
. (( (__つ/ ̄ ̄ ̄/ 
 ̄ ̄\/___/ ̄ 

   _ ,、,、 
  ,' ´ハハヾ 
  !イノリノハ))) 
 ノ.人l|゚дl| ガタッ 
.(( r   ヾ 
_.リ_|_| / ̄ ̄ ̄/_ 
  \/     / 
     ̄ ̄ ̄ 

   _ ,、,、 
  ,' ´ハハヾ 
  !イノリノハ))) 
 ノ.人l|゚дl| スッ 
. (( (__つ/ ̄ ̄ ̄/ 
 ̄ ̄\/___/ ̄ 
次スレ:☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第41話☆ 
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197462075/l50
553名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 19:18:38 ID:0/gtD3IM

   >┬<                   ⊂⊃
                   ⊂⊃
      ⊂⊃  ______________
          (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;( )
           |:::::| ̄ ̄8 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄8 ̄ ̄|:::::| ̄
           |:::::|ノヘ`ヘ 〃^-^ヘ  /   .|:::::|
           |:::::Z八从ハ }f/ハヾ!i{ /  |:::::|    ギーコ 
           |:::::リ *゚ヮ゚リ ル.゚ヮ ゚*ル     |:::::|
   . ギーコ    |::::○   ○○  ○ノ      .|:::::|
          _|_ _/ __丿  /  丿_    . ..|:::::|
         (;;;;;;;;;;;;∪∪;;;;;;;;∪∪;;;;;;;;( )))........|:::::|
          ̄|:::::| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |:::::|
.       .....,,,.,. |:::::|..,.,..,.,.,.,...,, ..,,,.,,,.,,,.,...,,,,,............,,..|:::::|,,,.,.,.....,,,.,.,...

ズレマセンヨウニ
554名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 19:22:14 ID:0/gtD3IM

   >┬<                   ⊂⊃
                   ⊂⊃
      ⊂⊃  ______________
          (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;( )
           |:::::| ̄ ̄8 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄8 ̄ ̄|:::::| ̄
           |:::::|ノヘ`ヘ 〃^-^ヘ  /   .|:::::|
           |:::::Z八从ハ }f/ハヾ!i{ /  .|:::::|    ギーコ 
           |:::::リ *゚ヮ゚リ ル.゚ヮ ゚*ル    . |:::::|
   . ギーコ    |::::○   ○○  ○ノ   . .|:::::|
          _|_ _/ __丿  /  丿_    ...|:::::|
         (;;;;;;;;;;;;∪∪;;;;;;;;∪∪;;;;;;;;( )))........|:::::|
          ̄|:::::| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |:::::|
.       .....,,,.,. |:::::|..,.,..,.,.,.,...,, ..,,,.,,,.,,,.,...,,,,,............,,..|:::::|,,,.,.,.....,,,.,.,...

ワンチャンス!
555名無しさん@ピンキー
  !       i              | 
    i     | 
  /  ̄ \ 
 lニニニニコ  .i           | 
  \___/   |    | 
    | ||i 
    | |    |     i 
   | ̄||   i 
   |  |i               | 
   |_|i          i   
    | | |          ______/  ` | 
    | |   |        .``‐-、._    \ 
    | |       ヽl   ,、 l/  `..`‐-、._ \ 
    | |    i  〃"ナ'⌒~´ヘヘ  ../  _..` ‐-、\ 
    | |   i.  // ,ハノノソヽソハ  ../ / -,\―ーヽ.、   
    | |      ハ ヾl.゚ ヮ゚ノ!.ノ /   {/べ==ヘ†〈V〉 
    | |       ○7|..7⊃〆  〃/ヾ/从从! }(咒)  
  _| |_      /ソ、j、iヾ.      从゚- ゚,V|ノ〈ィゝ         i  i 
  |___|      /~(_>!(_>`     ⊂{|_]†[j○>(y')    ====コ〇l> 
   \  \                </,、,、,、,、ヽ, _.,,       、___<  

「雨の中どうしたの?」 
「なんでもねえよ、ほっといてくれよ」 
「だって、ずぶ濡れだよ。服もぼろぼろだし」 
「うっせーよ!あたしは今、急いでるんだ。はやく集めなきゃいけねーんだ……っ」 
「ごめん。だけどね、風邪引いちゃうから」 
「……」 
「名前は?いやだったら無理には言わなくていいよ」 
「……ヴィータ」 
「そっか、ヴィータちゃんていうんだ」 
「んだよ、文句あんのかよ」 
「違うよ。……あのね、うちにくるといいよ。温かいキャラメルミルクをつくってあげる。頑張るのはきっとそれからでいい」 

次スレ:☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第41話☆  
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197462075/l50