☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第41話☆

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454名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 06:39:07 ID:vVTA+chm
リアルタイムGJです。
手を繋いだ瞬間ビクッとするはやて。
可愛いらしいというかなんというかほほ笑ましいが良すぎる
455名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 11:08:04 ID:yp3uCrPo
>>453
GJ! これだ、このいちゃいちゃがみたかったんだ!

クライドがスクライドに見えたのはここだけの秘密なのです……
456名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 13:22:12 ID:HSniUwB5
いやほうううぅぅぅぅぅぅぅ
>>453
GGJJJJJJJ
かわいすぐる!

>>455
俺も当初そう読んでた>スクライド
457名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 14:04:53 ID:D9typJts
ところでさ、保管庫のことで前から気になってたんだが
何で「ティアナ」と「ティア」が別々に保管されてるんだ?
ややこしいんでどっちかに統一してもらえんだろうか。
458名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 14:10:04 ID:6RGLtSO4
98 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/12/21(金) 13:37:32 ID:ydKZd9iQ
でもあそこあまりに非エロ多すぎる、ガキはくるなよ
触手とか鬼畜が読みたいのに雰囲気がそうさせてくれない

見に覚えのある奴いるだろ
459名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 14:36:10 ID:CQdtp7U3
でもさ〜、明らかに反応はエロの時より、非エロの時の方が多いんだがw
しかもエロ描写に対する感想があったかと思えば「陵辱は苦手」とかなんとか…
ぶっちゃけ、読み手の需要は非エロ>エロじゃないの?って最近思う
460名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 14:50:33 ID:HSniUwB5
>>459
実は俺は422さんの散ル明日が大好きだったりする…
461名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 15:18:52 ID:w+p/lclZ
今でも二、三スレに一回は陵辱とかが投下されてるが
ものすごい反応薄いんだよな。
書き手にしてみれば、やっぱり良いなり悪いなりなんらかの感想がつかないと
もう一回同じ系統の話書こうという気が無くなるでしょ。
欲しい欲しいと言うだけでなく、最低でもGJの一言ぐらいは書いとけよという話。
462名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 15:41:13 ID:3TQ8f9xF
>>458
わざわざ自分で自分のレスを紹介せんでも。
463名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 15:58:14 ID:VobMCuSm
作品ならばいかなる内容でもどんどん気にせず投下しても問題ないでしょ
個人的にはアブノーマルなH物も読んでみたい、まぁ人によって嗜好に差が
あるのは当然だし、前もって要素を挙げとけば嫌いな人は読まなければ
良いわけで。

>>458
だから空気は読む物じゃなくて吸う物だって以前のスレで(ry
雰囲気は作るものだ、嫌なら変えるべく作品投下するのが効果的
雰囲気のせいにして叩きたいだけにしか見えない
464名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 16:17:09 ID:oqsSMq7X
この手の話は荒れて作家さんが投下しづらくなるからやめましょう。
話が投下されなくて過疎るよりはいいと思いますよ。
465名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 16:35:34 ID:B5j2bZ5I
そうですね


エロくてエロくてしかたがないSSをッ!
実用的SSを激しく希望したいですねッッ!!

主導権(ベッド上の)を握ろうと奮戦するも空しくヴァイスに陵辱されるティアナとか
陵辱の意味が何か違うような気がするがキニシナイ
466名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 16:45:11 ID:ebP+lnXj
>>453
ありゃ、クライド側のそのへんの感情も描くのか>恋人なのか、娘なのか、妹なのか
読んでて若干気にはなってたけど、やっぱりまだフラグ不足か。
元々妻帯者だったし、はやてと会ってまだ日が浅いしなぁ。

>>457
俺も気になってた。

>>459
元々ガチエロは感想書きにくいからなぁ。触手・陵辱ともなればなおさらなんじゃないか。
これが萌えエロなら「キャロたんハァハァ」とか「3Pキター」とか「なんて――ツンデレ」とか、
いくらでもコメント出てくるからな。

まあでも、エロエロしければいくらでも需要はあると思うけど。
467名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 16:45:26 ID:l+nWUT/3
流れを無視してスバエリか見たいと言ってみる
ハートフルな感じになっていいと思うんだけどな
468名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 16:48:03 ID:BaC523cT
では3人娘とエリキャロ以外のエロを希望しておこう。
たまには変わったものも読みたいんだ。
469名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 17:29:32 ID:LEPW44nw
違うんだ、非エロを書きたいけど行き場のない職人を受け入れる、リベラルなスレなんだよ。
470名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:00:40 ID:fVhliS9j
非エロってのは、和菓子に入れる塩みたいなもんだと思うんだ
塩をひとつまみ入れると甘さが引き立つように、エロくない話の投下でエロい話のエロさが引き立つというか何というか、そんな、感じで・・・

スマン、日頃からこのスレに塩ばっかり入れてる馬鹿の台詞じゃねぇやな。吊ってくる
471名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:16:07 ID:CQdtp7U3
>>470
俺も一緒に逝くよλ............
次回勇気を出してエロいの入れようかな…なぬはさんが益々鬼畜になっちゃうけど…
472名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:24:12 ID:B5j2bZ5I
>>470-471
お前たちだけ逝かせるわけにはいかねえよλλ............

エロを書く!!
しかし、魔法少女たちがエロへ至る道筋“も”しっかり書かなくてはならないのが職人のツライ所だ。
473名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:29:47 ID:S53wfYLK
>>472
だからこそ楽しいと言える職人は立派なんでしょうね……
時に糖度200%の作者はもう現れないのでしょうか……いや、あの人の作風とか大好きなんですけどね。
474名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:34:10 ID:qKG+V4+9
>>473
176氏は自分のHPもってるからもうこっちには来ないかもなー
475名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:37:56 ID:i3Oq5UhH
投下しても大丈夫ですか?
476名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:37:59 ID:fVhliS9j
理由無きエロス、ってのはねぇ・・・偏見だとは思うが、エロパロってシチュに拘ってナンボ、っていうイメージがあるんだ
そうじゃなかったら、適当に擬音と喘ぎ声を並べて、台詞の「」の前に名前を書いときゃ何でも良い、ってことにもなっちまう。どんなものでもだけど・・・
勿論、極論中の極論じゃが

読む人間を選ばないくらいの話が描けるようになりたいもんですなぁ
ついでに言うと、時々名前を上げて貰えるくらいの職人に憧れますねぇ・・・精進精進

477名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:38:45 ID:fVhliS9j
>>475

歓迎
478ておあー:2007/12/21(金) 18:41:56 ID:i3Oq5UhH
>>477
把握。でも流れを読まない非エロだよ? いや、最終的には入るけど・・・

前回レス下さった方、ありがとうございました。
ちょっとタイムリーなネタを投入しようと思って書き始めたら50kbを超えてなお終わりが見え
ないので急遽短期集中連載的投下に切り替え。朝刊ならぬ夕刊的な何かです。
でも鮮度的な理由で最高でも5日しか投函されません。


今回の注意

・舞台はJS事件終了後、本編でいう新暦75年の年の瀬です
・基本はギャグですが、根底にあるのは『ほぼ全員に見せ場を』という気持ちです
・一部を除いて全ての登場人物が等しく壊れています。フリーダムです
・そしてネタまみれなおバ会話を繰り広げてます
・エロは最後のほうにユー×なのでちょっと(なのはさん的な意味でなく)だけあります。今回じゃないです
・その他オリジナルのカップリングが幾つかあります
・割といろいろ妄想設定です

という事で今回注意が多いです、酔狂な方だけお付き合いください。
シリーズのタイトル兼シルバーカーテンの起動キーは『機動六課のクリスマス』です。

479『機動六課のクリスマス』:2007/12/21(金) 18:43:17 ID:i3Oq5UhH
0.

 それは暮れも差し迫ったある日のこと。
 なのはは愛娘がきょろきょろと辺りを見回す姿に気がつき声をかけた。

「むー……」
「あれえ、どうしたのーヴィヴィオ?」
「あ、ママー……ザフィーラがどこにもいないの」

 どうやらいつも自分と一緒に居てくれるペット兼ボディガード兼移動式モフモフ兼非常食の
姿が見当たらないので探し回っているらしい。
 なのはは記憶を探る。
 確か今日彼ははやての警護で朝早くから別次元に出張中のはずだ。

「ああ、ザフィーラなら、今日ははやてちゃんと一緒にお出かけしてるんだよ」
「お出かけー?」
「そうだよー、夕方には帰ってくると思うよ」
「そっかあ……」
 ヴィヴィオは納得したようだが、まだ少し不満そうな顔をしている。
「ヴィヴィオはホントにザフィーラのことが好きだね」
「うん! ザフィーラ、いつもヴィヴィオと一緒にいてくれるの! だからわたし、ママが忙
しくても全然寂しくないよ!!」
 
 ヴィヴィオのスティンガーブレイド、エクスキューションシフト(ざくっざくっ)!!
 こうかは ばつぐんだ!!

「ヴィヴィオ、おっきくなったらザフィーラのお嫁さんになるの!!」

 さらに追撃の罠カード発動。
 微妙に笑い話で済まされない可能性があるのでまた性質が悪い。
 きっとなのはの頭の中ではフェイトが歌っている声が聞こえているだろう。

「……orz」
「ママー、大丈夫?」
「大丈夫だよ、ヴィヴィオ……わたしはえがーおでいーますー、げんきでーすー」
「ママそれだめー(ジャス○ック的な意味で)!」
「ごめんツッコミはちょっとだけ待って、今『素数』を数えて落ち着くから……」

 2…3、5…7…そうだよね……わたしやフェイトちゃんはいつも忙しいもんね…… 
 11…一緒に居る時間は……13…ザフィーラが一番長いよね……
 もっとわたしが一緒に……17、居てあげられたらいいんだけど……19。よし。
  
「……ママー、ほんとにだいじょうぶー?」
「うん、もう大丈夫だよ……ヴィヴィオ、いつも寂しい想いさせてごめんね。でも、もうすぐ
ママもお休み取れるから、クリスマスやお正月はずっとヴィヴィオと一緒にいられるよ。サン
タさんにもプレゼントをお願いしないと……あれ、どうしたのヴィヴィオ?」
「ママー、『くりすます』ってなーにー?」


機動六課のクリスマス☆彡
480『機動六課のクリスマス』:2007/12/21(金) 18:43:57 ID:i3Oq5UhH
1.

「クリスマス……かあ」
「確かなのはさん達の世界にあるっていう伝統行事よね」

 なのはとヴィヴィオのそんな会話があった翌日。
 早朝訓練を終えた訓練場で『クリスマス』なるものについて話し合うフォワード陣の姿があ
った。

 基本的にミッドチルダにクリスマスを祝う習慣は無い。
 優秀な魔導師を多く輩出している事で、管理局内ではそれなりに認知されている第97管理
外世界―いわゆる地球だが、一般的なミッド人にとっては管理『外』世界の一つである。
 そこに住む人間がどのような生活形態や風習を持っているかを知る者は少なく、せいぜい地
球出身の者が内輪で集まってささやかな宴を催す程度だ。
 にも関わらずフォワード陣がこのような話をしているのは、先程まで行われていた訓練の最
後に、隊長陣から『12月24日は夜の訓練をお休みしてクリスマスパーティーをする』とい
う話があったからである。

「あんたは何か知らないの、スバル? 確か元を辿ればアンタのご先祖様もなのはさんと同じ
世界の人だったわよね」

 ティアナに聞かれ、スバルが記憶を漁る。

「んー……確か元々は何かの宗教的な行事で、神様が生まれた日? だったかな。詳しくはよ
くわかんないけどうちでもケーキ買ってお祝いするよ。五段重ねのウェディングケーキみたい
なやつ」
「うえ……」

 想像しただけで口の中が甘ったるくなるような話である。
 さすが戦闘機人仕様、人工臓器で糖尿病も怖くないといったところか。

「ま、まあこっちでいう聖王教の『聖誕祭』みたいなもんかしら」
「たぶんね」
 ミッドチルダを始め多くの次元世界に信者がいる聖王教にも聖王様が生まれた日を祝う『聖
誕祭』なる祝日がある。それと似たようなものだろうとティアナは判断した。

「僕、フェイトさんから聞いた事があります。クリスマスは『家族や大切な人が集まって過ご
す日』だって」
「私もエリオ君とおんなじ話を聞きました」

 エリオとキャロのちびっこカップルが口を開く。

「あと、"サンタサン"って人が子供達にプレゼントをくれる日だって話もしてました」
「"サンタサン"? なんだか悪魔みたいな名前ね」
「でも凄くいい人なんですよ。"サンタサンは"クリスマスの夜に世界中を飛び回って、子供達に
プレゼントを配って回るんだそうです」
「プレゼント?」
「はい、"サンタサン"が持っている白い大きな袋の中には玩具やお菓子がたくさん入っていてる
んだって」
「それに、"サンタサン"は何も聞かなくてもその子がどんなものを欲しがっているのか、ちゃん
とわかってるんです」
「すごーい! ね、すごいねティア!!」
「いや、ありえないでしょ」
481『機動六課のクリスマス』:2007/12/21(金) 18:44:51 ID:i3Oq5UhH

 "サンタサン"の話に大興奮するスバルに対し、ティアナの表情は冷めたままである。
「人の欲しいものを何も聞かずに当てられるって相手の心が読めるって事でしょ? 魔法使いじ
ゃあるまいしあり得ないわよ」

 ある意味自己否定に繋がりかねない発言だが、そんなちっぽけな言葉のナイフでちびっ子達は
怯まない。

「あ、でももしかしたら"サンタサン"は僕達と同じ魔導師かもしれないですよ。確かフェイトさ
んが『"サンタサン"は普通の人が着ないような、変わったデザインの真っ赤な服を着てる』って
言ってました」
「真っ赤な服?」
「はい、全身真っ赤な服を」
「あと、プレゼントを配る時はトナカイを連れていくって言ってました」
「紅いバリアジャケットに、トナカイの使い魔ねえ……? そういえば子供にプレゼントを配る
って、具体的にはどんな風にするの?」
「確か……家のみんなが寝静まった頃に煙突から家の中に入って」
「寝ている子供の枕元にプレゼントを置いていくって」
「……な、なんかそこだけ聞くとただの変質者みたいに聞こえるんだけど。それで煙突がない家
はどうするの?」
「さあ……?」
「たぶん、壁抜けとかしてるんじゃないでしょうか……」

 三人の脳裏に浮かぶのは、かつて烈火の将と共に模擬戦で自分達を叩きのめした武闘派シスタ
ーの姿である。

「で、でもそれにしたって一晩で世界中を回って全ての子供にプレゼントを配るなんて、たとえ
SSSランクの魔導師でも不可能よ……だいたい管理外の世界で魔法を使用してるんなら管理局
が黙ってないだろうし……」
「でも、地球はなのはさんや八神部隊長の出身地ですし……」
「地球には稀にものすごく高い魔力を持った人がいて、なのはさん達以外にも過去には地球出身
の人で艦隊指揮官や執務官長まで務めた方がいらっしゃるって……」

 それに加えて、目の前で頭にアホ花を咲かせている馬鹿みたいに恵まれた体力と魔力を持つ少
女の先祖がいた地でもある。
 ティアナはこれまでに出た情報を頭の中で整理してみる。

 一晩で世界中を回れるという事は高速移動魔法ではなく転移魔法を使えるのだろう。
 人の家にこっそり侵入し、眠っている子供の枕元にプレゼントを置ける理由もこれか壁抜けで
説明がつく。
 持っている袋には世界中の子供に配るプレゼントが入っているそうだが、量が多すぎて普通は
持てないはずだ。もしかすると袋の中に入っているのは一部で、別次元から召喚魔法で取り出し
ているのかもしれない。
 そして聞かなくても子供の欲しいものが分かるという事だが……魔法で心を読んでいる? そ
のような魔法が存在するのかわからないが、もし使えるとすればとてつもない大魔導師である。
482『機動六課のクリスマス』:2007/12/21(金) 18:45:37 ID:i3Oq5UhH
「いや、確かにもしそれだけの力がある魔導師なら、管理局がうかつに手を出せないのもわかる
けど……さすがにありえないでしょ……迷信よ」
「でも……地球に住んでた時、フェイトさんのところにも"サンタサン"は来たって……」
「自分が欲しかったかわいいリボンをもらったって言ってました……」

「……え"?」

「ねえエリオ、キャロ! "サンタサン"的には15歳ってまだ子供なのかなー?」

 第97管理外世界に確かに存在するという謎の人物"サンタサン"。

 その常識外れの能力に戦慄する三人と、そんな事はまったく気にしないマイペースな一人であ
った。


2.


「ほんなら頼んだで、ザフィーラ」 
「心得ました、我が主」

 数日後。
 隊舎の一室で人間形態に白衣姿のザフィーラが待機していた。
 今日の彼の任務は、フォワード陣が人間時の彼を知らない事を利用してカウンセラーに扮し、
彼らの望んでいる物をさりげなく聞き出す事である。もちろんここで聞き出した希望はクリスマ
スになのはサンタの手で叶えられる。
 なのは、フェイト、はやての三人も別室からカメラでその様子を見守っている。
 ちなみに過去にもこんな事があったような気がするがそれはこことはほんの少し捻れた時空の
話なので無害です。

(以下フォワード陣とザフィーラとの会話から抜粋) 

「望みかあ……あたし、お母さんが小さい頃に死んじゃってるんです。母さんが生きてた頃のあ
たしは今よりずっと泣き虫で、迷惑ばっかりかけて……だからもし叶うなら、母さんにもう一度
会って今のあたしを見せて安心させてあげたいです。『あたしはもう大丈夫だから』って……時
々はまだ泣いちゃう事もあるんですけどね」

「望み、ですか……? 執務官になりたいっていう希望はありますけど、それは自分の力で叶え
たいものですし……でも時々考えちゃいますね。もっとアタシに魔法の才能があったら、恵まれ
た魔力があったらって。もちろんそれで諦める事なんて絶対にしないですけど」

「そうですね……僕、ちょっと事情があって小さい時に両親と離れ離れになってるんです。今僕
の親代わりになってくれてる人はすごくよくしてくれてますし、この生活にも満足しています。
だけど、もしできるなら両親にもう一度会ってみたいですね。何を話せばいいのかとか、全然わ
からないんですが……」

「望み……私、こことは違う世界の少数民族の出身なんです。少し事情があってそこにはいられ
なくなっちゃったんですけど……もしできるなら、一度でいいからお父さんやお母さん、部族の
みんなに会って『私は元気でやっています』って伝えたいです」

483『機動六課のクリスマス』:2007/12/21(金) 18:46:28 ID:i3Oq5UhH


「……ちょ、重ッ!! 母親は殺され自分とお姉ちゃんはサイボーグ! 両親も親代わりのお兄
ちゃんも死んで天涯孤独! 息子を亡くした親に造られたクローンでそれが明るみに出たらあっ
さり捨てられる! 6歳で部族を追放されてその後もたらい回し! なんで一つの部隊にこんだ
け重たい過去を背負っとる人間が集まっとるねん!!」
「そ、それははやてちゃんがスカウトしたから……」
「あと私とフェイトちゃんの親も亡くなっとる! 都○か! これが黒○築か!!」
「はやて、落ち着いて……」
「フゥ〜フゥ〜……クワッ」
「でも確かに私達には難しい願いばかりだね……」
「そうだね……でもとりあえず明日からティアナの訓練メニューは倍に増やす事にするよ」

(……主はやて、取り込み中のところ申し訳ありませんが今ヴァイスとの面談が終わりました。
彼の望みは『妹の目がもう一度見えるようになってほしい』というものです)

「うがーっ!! 世界はこんなはずやあらへん事ばっかりやーっ!! フェイトちゃん、ガジェ
ット三型から回収したジュエルシード、まだ六課で保管しとるやんな!? ちょっとアルハザー
ドまで行って来るわ!!」
「はやてダメー!!」

(な、何というか申し訳ありません……私の聞き方が拙いばかりに……)
(にゃはは……とりあえずはやてちゃんはこっちで何とかするから、ザフィーラはこのまま引き
続き他のスタッフ達の悩みも聞いてあげてくれる?)
(はあ……)


(以下訪問者とザフィーラとの会話から抜粋) 

「未だにライトな視聴者からルキノさんと間違えられるんです……終盤はヘリでフォワードのみ
んなやリィン曹長を運んだり地味に活躍したのに……」
「未だにライトな視聴者からアルトと間違えられるんです……終盤はアースラのブリッジクルー
とかで地味に活躍したのに……」
「最近幼馴染が凄い勢いで睨んでくるんです……心当たりが全く無いんですが……」
「あの泥棒猫……私だって四六時中機械と戯れてるわけじゃないのにっ! 誰かがメカオタ眼鏡
とか変なニックネームをつけたせいでー!!」
「三期はメインキャラ以外はほとんど年齢が発表されてないのに、何故か私だけ33歳って明記
されてるんですが……」
484『機動六課のクリスマス』:2007/12/21(金) 18:47:00 ID:i3Oq5UhH

「きゅくる〜(最近エリオがガリューに夢中で相手してくれないんだ……)」
「結局スーパークロノタイムが来なかったんだが……」
「いつまで経っても教育を担当していた子のサボり癖が直らなくて……」
「もうホント、トンファーは勘弁してほしいところだよ……」
「この板内での出番が全く無くて……そもそも本編でも補佐に出番を取られましたし……」
「最近なのはちゃんからまたデバイスについて無茶な要求が来ててね……」
「いやあ、この前娘の職場を見学に行ったら、娘の教え子が俺の方をこうジーッと見てきてよお
……全くモテる男ってのは(ギュイイイイイン」
「この前スバルが両手リボルバーを試したんです……結局自分にはまだ早いって結論になったみ
たいなんですけど……あの子が両手リボルバーを使うようになったら私の武器が……」
「自分の存在意義がわからないんです……六課に出向してたはずなのに最終戦ではナカジマ三佐
と居ましたし……」
「最近、久しぶりにお兄ちゃんの方から話しかけてくれるんだけど……私とお話してくれなかっ
た間に色んなフラグが乱立してるのはなんでなのかな? かな?」
「……(ルーテシアの魔力が大幅封印されたせいで、元の世界に戻れなくなった……向こうに残
してきた卵も今頃は孵っているはずなのだ。早く妻と子供の顔が見たい……)」
「いやあ、なんかアンタが面白そうな事やってるって聞いたからさ。とりあえずお弁当作ってき
たから、一区切りついたら一緒に食わないかい?」
「やあ、ザフィーラ……あれ? いないのか……まあしょうがないよね。ボクは部外者だし……
無限書庫に戻ろう……」
「働きたくないでござる! 絶対に働きたくないでござる!!」
「なんかさ、二期でも三期でもアタシだけその……パンチラしてたんだけどよ……あれってスタ
ッフの趣味なのか?」
「新しい同人誌のネタが思いつかないのよねえ……」
「私もそろそろ、もうちょっと大人な体に作り直してほしいですよ……」
「えっと……アタシやっぱりシグナムと一緒に行こうと思うんだ。だからこれからはよろしくな」


「……いやあ、こらなんやツッコミどころ満載やな。関西出身の血が疼くで」
「こ、これは……はやてが大量のボケを前にして正気を取り戻した!?」
「やっぱり……ボケがあるとツッコまずにはいられない、関西人の性を利用したこの作戦……計
画通り! なの!!」
「そこ! 最後の『なの!!』はいらんやろ!」


「くうっ……」
「お医者さんのおにーさん、泣いてるの?」
「あ、ああごめんね。なんだか先生不意に凄く悲しくなってね……」
「じゃあ、ヴィヴィオがいい子ってしてあげるね! そしたら悲しいのはどこかへ行っちゃうよ!」
「……ありがとう」

 せめて自分が共に居る間だけは、敵からも味方からもこの子を護ってやりたいと改めて誓うザ
フィーラであった。
485ておあー:2007/12/21(金) 18:48:40 ID:i3Oq5UhH

本日投下分は以上です。お付き合いくださった方はありがとうございます。
ザフィーラとヴィヴィオは混沌としたこの話に残された最後の良心ですが、どうみても焼け石に
水です。本当に(ry
エロは難しいんですが……書かないと上手くなりませんよね。ということでがんばってみます

あと>>ゲリラ氏
天津飯、技を借りるぜぇ! ……じゃなくてちょっぴり形式をお借りします。
数日で終わるので生暖かい目でスルーしていただければ幸いです。
486名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:52:20 ID:QJv+byut
もともと9歳児のエロってのがアブノーマル。
挙句、陵辱には>>1みたいな制約が付いちまってるからな・・・

そう言う意味では、stsのスバルとティアナなんて実にジョクり甲斐のある良いキャラだと思う。
生い立ちから性格にいたるまで実ににおい立つようなジョクられ臭がする。
隊長陣はどれもジョクり甲斐が薄そう(展開がどのキャラでも変わりそうに無い)だし、キャロは・・・ボクロリコンジャナインデ・・・
でも、某ユミエル作者のフェイトリョージョク本は嫌いではなかった
487名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 19:09:47 ID:QJv+byut
>>478
うへぇ、リロードしないで書いたから投稿に気づかなかった。
前半のお子ちゃまたちのサンタいじめ(無自覚)と、ヴィヴィオのザフィーラへの絶対なる愛にいろんな意味で涙した。
一方の大人陣は・・・何この温度差。

普段ROMばかりで、感想ベタでごめんなすってぇ。
GJですた
488名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 19:32:52 ID:yp3uCrPo
>>485
テラアホスwwwwww じーじぇ!
とりあえずティアナに合掌。

上から順にアルト・ルキノ・グリフィス・シャーリー・アイナ・フリード・クロノ
シャッハ・ロッサ・カルタス・マリー・ゲンヤ・ギンガ・マリー・ラグナ・ガリュー
アルフ・ユーノ・シグナム・ヴィータ・シャマル・リイン・アギト、かな。

マリーが被った所には誰が入るのか……うぅん。
489名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 20:01:04 ID:D9typJts
つかシグナムww
もう奴の扱いはニート侍で決定なのか?w
490名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 20:08:55 ID:fVhliS9j
>>485

GJ!
何気に「魔法忠犬リリカルザフィーラ」の続き(番外?)っぽい話なのですな
これは良いカウンセラー・・・そして良いヴィヴィオ・・・

GJ!でした。続きを楽しみにしてます
491名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 20:50:05 ID:vaXpkIwc
>>485
GJなんだけどwwwwwwバロスwwwwww
なんと言うか非ユーなのの漏れでも楽しめるユーなの作品を書いてくれるあんたには感謝してるんだぜ

>>488
アルト・ルキノ・グリフィス・シャーリー・アイナ・フリード・クロノ

シャッハ・セイン・カリム・リンディ(?)・ゲンヤ・ギンガ・マリー・ラグナ・ガリュー

アルフ・ユーノ・シグナム・ヴィータ・シャマル・リイン・アギト
じゃね?
492( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 20:54:02 ID:qN/64fAp
GJ!
シグナムのニート侍もだけど、ザフィーラは苦労人のイメージがすっかり定着して……

自分も投下行きまーす。

注意事項
・捏造有り過ぎ
・レイジングハートの形状が(アニメ、リリちゃとも)違います。
・ついでに本編とレイジングハートの特性も違います。
・非エロですが、今回はお色気シーンがあり。微エロかも。
・なのは属性の方にはちょっと申し訳ない内容かも。
・あぼーんキーワードは「リリカルバイオレンス」
493リリカルバイオレンス 4-1/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 20:54:48 ID:qN/64fAp
 アリサ・バニングスは孤独だった。
 就学前から利発な子と言われ、大人達の評判こそ良かったものの、元々日本人ではない
という事もあって、同年代の子供の輪には馴染めず、孤立しがちだった。
 結局、両親は彼女を公立ではなく、私立の聖祥大附属小に入学させる事になる。だが、
ここでアリサの持ち前の積極さと、我の強さは悪い方向に吹き出してしまう。
 自らが排斥の対象とならない為に、周囲に対して攻撃対象を選んで行く。いじめられっ
子はいじめっ子になりやすいという論理である。
 その最たる標的となったのが、月村すずかだった。
 下手をすれば、今頃は女ジャ○アンとして、すずかと言うの○゙太を伴いつつ、聖祥大
附属小第3学年に君臨していただろう。
 ────でもそれって、結局1人だってことには変わらないのよね。
 夕暮れのバニングス家。アリサは自室に閉じこもり、膝を抱えて、思いにふけていた。
今日は塾も習い事もない曜日。……アリサの両親は立場上、ほとんど家にはいない。使用
人の中には親しい人間もいるが、アリサの暇つぶしに恒常的に付き合わせたのでは、彼ら
に迷惑である。
 ……閑話休題、悪ガキいじめっ子街道まっしぐらだったアリサに、その転機を与えたの
が、高町なのはである。
 それは同時に、アリサの孤独からの救出だった。
 ────なのはがいるから、今の私がある……
 殊更思い出さなくても、常に心のどこかで意識している気持ち。
 ────でも。
 アリサは時々思う。特に、レイジングハートをなのはに譲り渡してからしょっちゅう考
えるようになった。
 ────なのはは誰がいるから、今のなのはがある……?
 アリサとすずかは、なのはと出会ってから、それまでの自分ががらりと変わった。けれ
ど、なのは自身はどうだろう? 少なくとも、自分たちと出会う前から今のなのはだった
に違いない。
 ────かなわないなあ。
 自嘲気味に笑う。
 ────なのはなら、あの子だって……
 黒衣の少女。一般的にブロンドと呼ばれるアリサのそれより、さらに輝く金色の髪の持
ち主。赤い、澄んだ、けれど寂しそうな瞳。小学生が振るうには余りに強大な力を持って
いるのに、何も出来ないかのような顔。
 ────そっか。
 アリサはハッと思い出したように、目を見開いた。
 ────誰かに似てると思ったら、あれは、なのはと出会う前のあたしだ……
494リリカルバイオレンス 4-2/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 20:55:44 ID:qN/64fAp

「ねぇちょっと、なのは」
 月村家での出来事から、数日後。
 アリサは、登校直後から自分の机に突っ伏しているなのはに、心配そうに声をかけた。
「なんか、朝からずいぶん疲れてない?」
「なのはちゃん、大丈夫?」
 すずかも、アリサの傍らで、不安げな顔をしている。
「あー、うん、ちょっと夜更かししちゃって……」
 なのはは、顔を上げつつ、困惑げな、やや自嘲混じりの苦笑になる。
『ひょっとして、黒い服の女の子、出た?』
 すずかに聞こえないよう、アリサは念話でなのはに問いかける。
『ううん。あれからまだ、会ってないよ』
『ジュエルシード、いくつ見つかったの?』
 なのはが答えると、アリサはさらに問いかけた。
『2つ』
『そんなもんか……』
 アリサは視線を天井に向けた。
「?」
 2人のやり取りが聞こえていないすずかは、アリサが体勢を動かしたのを、小首を傾げ
るようにして見る。
『気になるの?』
『んー、まぁ、ちょっとは』
 少し照れたように頬を紅くしつつ、アリサは答える。
『心配なんだね、ユーノ君の事』
『バ・バ・バ、バカ言ってんじゃないわよ、どーしてあたしがあいつのことなんか!』
 慌てて言い返しつつも、ぼっ、と顔が紅くなる。
『そうかな、ユーノ君はアリサちゃんのこと、だいぶ気にしてたみたいだけど』
『わーっ、なのは、なんて事』
 2人の念話に、第三者が割り込んできた。
 もちろん、少なくともこの近辺でそんなことが出来るのは1人……いや、1匹しかいな
い。高町家にいるだろうユーノ・スクライアだ。
『えっと、アリサ?』
 おどおどしたような、ユーノの声が、念話として、頭の中に聞こえてくる。
『アンタはあたしの心配は良いから、はやくなのはと一緒にジュエルシード集めちゃいな
さい』
 無意識に、わざわざ突き離すような口調になってしまう。
『う、うん』
 ユーノはそれ以上言い返すこともなく、おずおずと返事をした。
495リリカルバイオレンス 4-3/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 20:56:05 ID:qN/64fAp
「アリサちゃんも大丈夫? 熱あるんじゃない? 顔、赤いけど……」
 事情を把握していないすずかにそう言われ、アリサはさらに顔を紅くする。
「そ・そ・そ、そんなことないわよ! あ、あたしはこれ以上ないってぐらい元気なんだ
から!」
 アリサは、慌てて取り繕うように言い、わざわざ腕をぶんぶんと回して見せる。
 その様子を見て、なのははクスクスと笑っていた。
『ええい、笑うなっ』
『あはは、ごめんごめん』
 アリサは荒い声を念話越しに伝えるが、なのはの笑いは止まらない。
『でも、魔法ってずいぶんイメージ違うね』
『え?』
 話題を切り替えようと、なのはがかけてきた言葉に、アリサは反応する。
『マンガやテレビだと、みんな簡単にホイホイってやっちゃう感じだけど、自分で使うの
は、凄く、疲れるよ』
『え、そ、そうかな?』
 アリサは腕組みをし、考え込んでしまう。
『あたし、そんなに疲れた覚えないけど』
 少しいぶかしげに思うアリサだったが、
「あ、ところでなのはちゃん、今度の連休の事なんだけど」
 間近に迫った連休の、小旅行の話題が、すずかから切り出される。その為、ここでそれ
までの話題は打ち切られた。
496リリカルバイオレンス 4-4/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 20:57:12 ID:qN/64fAp

 海鳴温泉は海鳴市内に存在する。とは言っても、市中心部からすると、それなりの距離
が開いている。
 また、海鳴市の主要部が海岸沿いの平野であるのに対し、この一体はやや起伏の激しい
地形になり、交通の便も良くはない。
 生活圏も、市街地とは異なる。
 拠って、ここを訪れる観光客の大半が自家用車によるものだった。
 という訳で、高町家・月村家+αの御一行様も、高町家所有のミニバンと、月村家のセ
ダンの2両を連ねて山道を行くところだった。
 ミニバンには高町夫妻と恭也、忍、ファリン。セダンにはノエル、美由希、それにアリ
サ、なのは、すずかの3人組。……に、高町家の扶養家族、ユーノが加わる。
「アリサちゃんはうちの車に乗ったほうが良かったんじゃないかな?」
 山道を走る中、なのはが唐突に切り出した。
「はぁ? 何でよ」
 素でわからないといった表情で、アリサはなのはに問い返す。
「だってアリサちゃん、うちのお」
「それ以上言ったら殺ス」
 電光石火の如く反応し、アリサのスリーパーホールドがなのはに決まる。
「うわぁアリサちゃん、落としちゃだめっ」
 声で事態に気付いた美由希が、フロントのシートの合間から後ろを覗き込み、慌てて声
をかけた。
 そんなやりとりをしつつ、一行は2泊3日を予定している旅館に着いた。
 海鳴温泉に温泉宿は少ないが、ここは例外中の例外で、旧くから続く純和風の温泉宿だ。
 なまじ海鳴市という地方自治体が、商業都市、あるいは都心のベッドタウンとして成立
してしまっている為、自治体の予算を割いてまで観光産業を積極的に切り拓こうという意
識がないのである。
 この日も、大型連休の真っ最中だというのに、旅館はほとんど彼女らご一行の貸切のよ
うな雰囲気さえ漂わせていた。
『あ、あのなのは、アリサ、僕やっぱり士郎さん達と一緒の方に……』
 なので、対外的にはどう見てもペットであるユーノを持ち込んでも、ほとんど旅館側か
らのお咎めは無しだったのだが、本人(?)がここへ来て妙に抵抗を続けている。
『だーめ、そう言って、ユーノ君、ホントはお風呂嫌いなんでしょ?』
 なのはが、より小さい子供を、めっ、と叱るように、言う。
『いや、別にそんなん、ブハッ!?』
 なのは達も既に全裸当然の姿だったが、問題はその後ろ。
 月村家長女の忍は、抜群のプロポーションの持ち主だし、そのメイド、ノエルも神の造
形の如きスタイルの持ち主である。
 翻って高町家、桃子はとても人妻、それも3児の母(正確には、実子はなのは1人なの
だが)とは思えない若さと美貌の持ち主であり、なのはの姉、美由希も平均以上と言って
差し支えない。
497リリカルバイオレンス 4-5/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 20:57:43 ID:qN/64fAp
 ファリンも、行動お子様の割りに出るべきところは無闇矢鱈に出ている。むしろ、無防
備な分たちが悪い。
 5対、10もの刺激的な膨らみに囲まれ、ユーノの意識は沸騰状態になる。これが松本零
士のマンガなら、彼の目はハート型がぐるぐる回転しているところだ。
 なのはもアリサも、後に『淫獣』などと、本人の意に反する二つ名を与えられる、彼の
正体をまだ知らない。
『ほーら、観念しなさい、今日は特別にあたしが洗ってあげるから』
 ぐったりとしてしまったユーノを、髪を挙げてタオルで包んだアリサが、脇に抱えて、
浴室内に“連行”していく。
『あ、あぅぅ……せ、せめてなのはか、すずかって子に』
『んぁ? あたしじゃ不満だっての?』
 そう言いつつ、いきなりユーノの全身に、洗面器でお湯をかけた。
『ぷはっ…………む、むしろ逆……』
『は?』
 すずかとなのははネィティブジャパニーズの9歳らしい体型、大してアリサはアングロ
サクスンらしく、2人に比べるとやや早熟。
 ついでに言うと、アリサは後が怖い、とはさすがに即時報復を恐れて言えない。
 床にべったりと、這いつくばる、と言うよりは敷物にされたようにのっぺりと広がった
ところを、石鹸でアリサの手ずから洗われていく。
「はぁ……言いお湯ですねぇ」
「はい……」
 きゃあきゃあ騒ぐ小学生3人+メイド1名+フェレット1匹に対し、歳の割に妙に落ち
着いた様子で、湯船に使っている桃子と忍。
「美由希さーん」
 すずかが美由希の背中に飛びつく。
「あんっ、すずかちゃん、どこ触ってるのっ」
 美由希が困惑したような声を上げる。
「なのはちゃん、待ってくださいー」
 ファリンの声が響く。
「はぅー!?」
 ファリンの悲鳴と共に、どこからともなく石鹸が飛んできて、ユーノの後頭部に直撃し
た。
「あ」
 アリサが驚いて短く声を上げるが、ユーノは最早悲鳴すら上げない。
498リリカルバイオレンス 4-6/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 20:58:33 ID:qN/64fAp

『弄ばれた……』
 廊下を歩くアリサの肩に担がれながら、ぐったりとしたユーノが漏らす。
『何、大げさなこと言ってるのよ』
『はは……』
 アリサが呆れたように言い、なのはが苦笑の声を出す。
「ん……?」
 3人の目前に、浴衣をやや着崩した、女性が歩いてくる。
 年の頃は美由希と同じぐらいか。グラマラスな体つき。
「ハァーイ、おチビちゃんたち」
 気さくに、と言うより、妙に馴れ馴れしく、女性は声をかけてきた。
「ふむふむ……」
 そして、値踏みするかのように3人を、高い位置からジロジロと見回す。
 やがて、なのはに視線を固定する。
「君かね、うちの子にアレしてくれちゃってるのは」
「!」
「!!」
 なのはと、アリサの表情がぴくん、と反応した。
「あんまし強そうにも、あんまし賢そうにも見えないけどね」
 しげしげとなのはを見ながら、女性は言う。
『なのは、こいつと会った事あるの?』
『ううん。アリサちゃんは?』
『あたしも無い』
 答えつつ、なのはからの答えを聞いたアリサは、ずっ、となのはと女性の間に割って入
る。
「この子、あなたを知らないそうですが!?」
 アリサの棘のある言葉に、女性はしかし、ニヤニヤと面白そうに笑いながら、訪ね返し
てくる。
「へぇ、何でわかるのかしら?」
 ────あ、しまった。
 はっと我に返るが、遅い。
 ジロっとアリサの顔を睨むように見てくる女性に、アリサはだらりと脂汗を流す。
 数十秒──アリサとなのはに取っては、数十分くらいに感じた──が経った後。
「あーっはっはっはっ」
 突然、女性は声を上げて笑いです。
「ごめんごめん、人違いだったかぁ、あたしの知ってる子によく似てたから」
 一転、あっけらかんとした態度に、なのはとアリサは呆気に取られて、軽く顔を見合わ
せる。
499リリカルバイオレンス 4-7/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 20:59:09 ID:qN/64fAp
 アリサはまだ怪訝そうにしていたが、なのはは警戒を解いて表情を崩す。
「あはは、かわいいフェレットだねぇ。よしよし、いい子いい子」
 女性は手を伸ばして、ユーノの頭を撫でた。
 アリサは、むーっと不機嫌そうな顔をしたまま。
 だから、見逃さなかった。
 女性の視線がギラっと光り、なのはの表情が驚いたようなものに変わる。
『ちょっと』
 アリサは、目の前の女性に、念話で呼びかけた。
『やっぱアンタも魔導師。でもま、三流、いや四流どころもいいところだねぇ』
『なっ!?』
 女性の言葉に、アリサは顔を真っ赤に紅潮させる。
『そう言うアンタは、この前の黒い奴のお仲間?』
 アリサが問い質すと、女性は得意そうな笑顔のまま、答える。
『へぇ、アンタも知ってるんだ?』
『当然よ、あの時あの子とやりあったのはあたしの方なんだから』
『は?』
 念話で、驚いたような声を出したかと思うと、
「あーっはっはっは、あはは、あはははははははははっ、あーっはっはっはっはっ、ひー
っひっひっひっひっ」
 実際に声を上げ、腹を抱えて悶絶する。
『ちょっ、それ、どういう意味よ!』
『そのままの意味に決まってるじゃない。そっちの子ならともかく、アンタみたいな四流
どころがフェイトの相手になるわけないじゃんか』
 感情のままに言い返しかけて、アリサは重箱の隅に気付く。
『ほー、あの子の名前、フェイトって言うんだ』
『うっ……』
 女性の顔色が変わる。
『でも、悪いけど事実。あの時そのフェイトって奴とやりあったのは、あたしの方』
『ふ、ふん、まぁ、どっちだって言いさね。あまりおいたがすぎるようなら……』
 女性は体裁を整えるようにしつつ、アリサを睨みつける。
『ガブッ、どころじゃすまなくなるからね』
 そう言うと、女性はわざとアリサとなのはの間を通り抜けて、アリサたちが来た方に歩
いて行った。
「さて、もうひとっ風呂浴びてくるか〜」
『なのは、あー言うのに負けたらあたしが承知しないんだからね』
『う、うん……』
 アリサは強い調子で言うが、なのはは戸惑いがちに言っただけだった。
500リリカルバイオレンス 4-8/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 21:00:10 ID:qN/64fAp

『こちらアルフ、フェイトどーぞ』
 女性は、大浴場の湯船につかりながら、自らの主人に呼びかける。
『アルフ?』
『ちょっと見てきたよ、例の白い奴』
『どうだった?』
 アルフ、は上機嫌な様子で、ニコニコと笑顔で答える。
『全然、フェイトの敵じゃないよ』
『そう』
 主人の答えを聞いてから、アルフは顔を、いくらか険しくする。
『ただ、妙なオマケがくっついててさ』
『オマケ?』
 怪訝そうに、主人は聞き返してくる。
『妙に態度ラージな奴がいてさ。フェイトから見れば吹けば飛ぶような奴だったけど、そ
れなのに以前邪魔してくれたのはあたしだ、とか言っててね。笑っちゃうの』
『……どっちが、どっち?』
 主人は急に、声を険しくする。
『多分、白い奴が、髪の毛茶色でちょっとちんちくりんの奴で、オマケってのが、フェイ
トよりちょっとくすんだ感じの髪の毛の、眼の碧い奴』
『……アルフ、その子の言った事、本当だ』
 主人の答えに、アルフは驚愕に目を見張る。
『冗談っ、あいつの出力、3人の中で一番小さかった……っ、どんなにがんばってもC-、
いやDがやっとって感じのやつだよ!?』
『うん、でも動きは凄く良かった、それに……私のマルチショット見て、いきなり真似し
てきた』
『…………信じられない』
 アルフは1人で、呆然とする。
『それで、バルディッシュが、“殺せ”って言ったぐらい……』
『バルディッシュが……ちっ、もうちょっと脅かしとけばよかったかね』
 アルフは、自らの失策にギリ、と奥歯を鳴らした。
501リリカルバイオレンス 4-9/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 21:00:59 ID:qN/64fAp

「それでは、お休みなさーい……」
 ファリンは、そう声を抑えて言いながら、後退りで部屋を出て、ふすまを閉める。
「子供達、寝ちゃった?」
「ええ」
 桃子と、ファリンの話し声が聞こえてくる。
「ふっ、相変わらず単純」
 寝たふりをしつつ、アリサは邪悪な笑みを浮かべる。
 しばらくすると、ごそごそと、自分の背後で、なのはが動いているのが解った。
 ユーノと念話で会話しているのか、その内容まで窺い知る事は出来ない。
 だが、しばらくすると、なのはが突き飛ばされたように飛び起きた。
「!」
 アリサはびくっと、肩を竦めかける。
 ごそごそと着替えたかと思うと、こっそりと部屋を抜け出していく。
 ────ジュエルシード、この近くにあるのかな。
 アリサは、寝返りを打つのを装って、なのはの布団を振り返る。
 当然、そこに彼女の姿はない。
 ────あの子ならうまくやるはず。
 アリサはそう、自分に言い聞かせるようにして、そっと眼を閉じる。
 しばらくして、アリサは睡眠に落ちかけたが……
 カッ!
 赤色と緑色、ピンク色と金色の閃光が、窓の外を一瞬満たし、そしていきなり消えた。
「今の……」
 見覚えのないのはなのはの魔力光か。しかし消えたと言う事は、誰かが結界を張ったか
な?
「何でだろ、イヤな予感がびんびんにするのよね」
 そう言って、アリサは身を起こす。
 ────見に行くだけならいいわよね、そう、邪魔しなければいいのよ。
 アリサは布団から手を伸ばして、自らの服を手繰り寄せると、コタツの様に布団を盛り
上げてゴソゴソとやった後、同じようにしてポシェットを掴み、布団から、そして部屋か
ら飛び出した。
 旅館のすぐ脇を流れる川を、遡上するように、アリサは駆けていく。
「何も見えない……何が起こってる……?」
 アリサは駆けながら、辺りを見回す。何も見えない────
「!」
 見覚えのある緑の魔力光が、紅い魔力光ともつれ合ってるのが見えた。
「あれは……」
 ビリビリビリビリっ……
502リリカルバイオレンス 4-10/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/21(金) 21:01:45 ID:qN/64fAp
 閃光、大気の振動。アリサを揺さぶる。
「なのはっ!?」
 そこに、アリサはとんでもないものを見た。
『Devine Buster』
 聖祥大附属小の制服に似た白い服を着た少女が、錫杖状のデバイスから、とんでもない
出力の魔力弾を発射した。
「なのは!? 凄い……」
 一瞬、呆気に取られた。
 とすれば、あの杖がレイジングハート?
 ────確かに、あたしのときよりはそれっぽい形してるわよね。
 魔法のステッキ、と言うなら、などと思い、アリサは微妙に惨めになる。
「うわぁっ」
 ビリビリビリビリッ
 感傷に浸るのも僅か。なのはのピンク色の魔力光が、あたりを満たす。
「あたしとは桁違い……これなら……」
 手に汗握りつつ、アリサはなのはを見る。砲撃の魔力弾に限るなら、フェイトも凌いで
いる。
 だが。
「はっ」
 砲撃の閃光が視界から消えたとき、なのはの背後にフェイトの姿。
『Protection』
 レイジングハートがシールドを張る。火花が散り、バルディッシュの魔力光の刀身と凌
ぎあう。
『Axel Fin』
 なのはの靴から生えた、ピンクの光の翼が、いっそう輝きを増す。
 瞬間的なダッシュで間合いを取る。なのはが振り向き、レイジングハートを構えなおす。
『Devine Buster』
 強力な砲撃魔法。だが、放たれたときには、既にフェイトは照準から外れている。
「っ、あの子、自分の力に振り回されてるっ」
 離脱、接近、防御、離脱、接近、防御、また離脱……
 バラ撒かれる魔力の量はとんでもないが、明らかにフェイトがなのはを追い詰めている。
 そして、遂に────
『Photon Lancer』
「っあ!」
 フェイトの周囲に、無数の魔力弾が発生する。
『Multi Shot』
「なのは! シールド重ねて!」
 アリサは、思わず叫んでいた。
503リリカルバイオレンス 4-11/11 ◆kd.2f.1cKc
「ふぇっ!?」
 ピンク色の魔力光の盾は、それだけでフェイトの魔力弾を全て凌いだ。
「バカ! 貫(ぬ)かれるってば!」
 アリサが叫ぶが、遅い。
「ごめんなさい」
 魔力光の刀身が、光の盾を凪ぐ。
「あぁああぁぁぁぁぁっ……」
 バリアジャケットは辛うじてバルディッシュの魔力の刀身を凌ぐが、反発するエネルギ
ーが運動エネルギーに変わり、なのはは吹っ飛ばされる。
 あたりに茂る樹に叩きつけられ、なのはは、低層の茂みの中に落下する。
 その正面に、フェイトは降り立った。
「ごめんなさい、でも約束だから」
 フェイトは言い、なのはの落下した茂みに近付いてくる。
「そっちの持ってるジュエルシード、貰う」
 ────このバカ! なんて約束してんのよ!
 アリサは毒つきつつ、すばやく、脇からなのはの元に転がり込んだ。
「ごめん、なのは。レイジングハート、もう一度力を貸して」
『All right. Data is Loaded』
 アリサが錫杖のレイジングハートを握るがはやいか、その形はチップ状になって分解し、
西洋剣の形に再構成されていく。
『Standby, Set up』
 レイジングハートから漏れていた魔力光は、優しげなピンク色から、燃えるようなオレ
ンジ色に変わる。なのはのバリアジャケットが解除され、変わりにアリサの身をバリアジ
ャケットが包む。
「!」
 フェイトがその異変に気付くが早いか。
『Defencer』
『Ray Lance, Crasher, Tri』
 3発の魔力弾が、フェイトめがけて撃ち込まれる。
 金色の光の盾に、ヒビが入った。
「ごめん、ルール違反だってわかってる。そもそもあたしの身勝手でこんな事になっちゃ
ってる、でも」
 レイジングハートを構え、アリサは表情を険しくする。
「もともとあたしが引いた“Joker”だから────」
 アリサの声に、フェイトはバルディッシュを握りなおした。