4 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 13:25:49 ID:O6Q7s0FM
wiki更新しないの?
5 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:33:48 ID:Xwl4xCr9
どうもお久しぶりです。
え、お前なんて知らない? そういう方ははじめまして。
久々の投下です。
今回は犬です。
ちょっと長いです。
特殊な属性とかは特になし(のはず)です。
不平不満誤字脱字批判批評は遠慮なくどうぞ。
6 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:34:56 ID:Xwl4xCr9
――よし、いまのうちだ!
――ねえ、やっぱり……
――なにいってるんだよ、クーちゃん!
――だって、イチくんがおこられちゃうよ……
――だいじょうぶだって、みつからなければいーんだから!
――でも……
――でももへちまもないよ、ほらっ!
――あっ……あかるい
――だろ? ちゃんとそとであそばないと、おおきくなれないんだから!
――うん……ありがとう、イチくん
――ありがとう――
「市郎様、市郎様」
「――ん」
「市郎様、こんなところでお休みになっては、風邪をひいてしまいます」
恭しく名を呼ばれた青年は、机から体を起こした。物憂げに目をこすり、時計を確認する。
「あぁ、すまない。もうこんな時間か。すっかり居眠りしてしまった」
「何か飲むものを」
「いや、いいよ」
彼を起こした女性が書斎を出ようとするのを引き止め、脇に置いてある、すっかり温くなってしまった緑茶を飲み干す。
「……あの、市郎様」
「なんだい?」
女性は少し言いよどんだ後、
「顔色が、少し悪いように見受けられます。お辛かったら」
「辛かったら?」
女性の言葉を遮ってそう言い、後悔する一郎。彼女に当たったところで、事態は好転するはずもない。
すっかり萎縮してしまった彼専属の秘書――名は白華(はくか)という――に、なるべく優しく声をかける。
「大丈夫、少し、夢見が悪かっただけだから。心配してくれてありがとう」
「はい」
ほっとした白華の気配。何をやってるんだ僕は、と心の中でため息をつく。
「あの、それで……」
言いよどむ白華。懐から恐る恐る、上等な和紙の書状を取り出した。
「君の様子から、大体内容がわかるな」
彼女から書状を受け取る。内容がわかっていても、それがどんなに気に食わない内容であっても、読まなければならない。
彼は犬神を使役する武力集団『宮代』の当主であり、その書状は当主の輔弼機関である長老会議によって決済されたものであるからだ。
7 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:36:40 ID:Xwl4xCr9
事の発端は、25年前。
ある犬神が黒い仔を出産したのだ。
宮代の犬神は例外なく白い毛皮を持って生まれてくるはずだが、その仔はまるで鴉のような、漆黒の毛皮を持っていた。
千年を越えんとする宮代の歴史でも、このようなことは例がなかった。不吉だ、呪われた仔だ――と、その仔は長老会議の手で母親ともども秘密裏に幽閉されてしまった。
その仔を取り上げた産婆も始末され、母子共に薄暗い蔵の中で一生を終えて歴史の闇に葬られた――はずだった。
18年前。当主の長男である市郎が蔵に忍び込み、1人さびしくうずくまっていた仔を外に連れ出したのだ(その頃、母親は既に死んでいた)。
幼い市郎にはなぜ女の子が蔵に閉じ込められているのかわからなかった。ただ単純に、女の子の笑顔を見たくて外に連れ出しただけだった。
お互いを“クーちゃん”、“イチくん”と呼び合うほどに仲良くなった2人だが、幸せな時間はあっという間に幕を下ろした。
大人にばれたのだ。
市郎はこっぴどく叱られ、座敷牢に軟禁された。彼はまだ良い。少女は――その頃から“黒”と呼ばれるようになった――次期当主を誑かしたとして、折檻が加えられた。
市郎は泣き叫んで座敷牢で暴れたが、程なくして「“黒”は死んだ」とだけ伝えられた。
彼の淡い恋心は、最悪のかたちで叩き潰された。
(――と、そこで終わらなかったのは誰にとって幸運で、誰にとって不幸だったんだろう)
内心苦笑しながら、市郎は書状を開いた。
筆書きで、修飾過多の長々とした文がつづられているが、要約すれば以下の文くらいの意味しかない。
宮代を恨み、宮代への襲撃を繰り返す“黒”を、これ以上跋扈させておくわけにはいかない。“黒”が決闘を申し込んできたのは良い機会だ。当主自ら赴き、討伐せよ。
(言う方は、楽だろうよ)
何度も敷地に侵入されながら、討伐隊を返り討ちにされながら、本家が出る必要なし、を繰り返してきた長老会議。ついに宝物庫に進入されて宮代の神器である御神鏡を盗まれて、宮代を賭けた決闘を申し込まれると、真っ青になって全てを市郎に押し付けてきた。
(何を今更、と、言えれば楽なんだろうけど)
書状を無造作に机に置く。
ここまで事態がこじれたのは、有体に言えば政治だ。長老会議であっちの派閥が『”黒”への徹底的な反撃』を唱えれば、こっちの派閥が『牛刀で鶏を云々』と言い出し、そっちの派閥も――といった具合。
結局最後は、本家が出る必要なし、分家を討伐に当たらせよ、に落ち着く。
しかも、長老会議への当主の発言権は無きに等しい。つまりは操り人形なのである。
(それに加え、今回はトカゲの尻尾役もやるわけだ)
「市郎様」
市郎が意識を現実世界に戻すと、白華の不安げな表情があった。
「大丈夫だ、白華」
ひどく適当な物言いであることは彼にもわかっている。それでも、白華は主の言葉で少なからず安堵しているようだから、言わないよりかはましであろう。はっ、流石は宮代当主様の言葉、ということか。畜生。
白華、しばらく1人にしてくれ。ああ、長老衆に伝えて欲しい。見送り不要。約束の前に、少し散策したいから。
白華が退出する。何か思い詰めた表情が気になったが、市郎には1人で考えたいことがあった。
なぜクーちゃんは、決闘を申し込んだ? 宮代が崩壊寸前なのは、きっとわかっているだろうに。
願わくば、僕に会いたいから、であって欲しいな。
8 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:37:52 ID:Xwl4xCr9
雲ひとつない、満月の夜だった。
さらさらと夜風に揺られるススキが、蒼白い月光に照らされ波を形作る。
獣道を抜けた先にあるこの野原は、広さのわりに地元民でも知る者は少ない。
春は桜花、夏は蛍、秋は満月、冬は雪。
四季折々の素朴な、だからこそ贅沢な風情が、この野原には溢れている。
「――かわってないな」
獣道を抜けた市郎は足を止めた。
この場所を訪れたのは十年以上ぶりだが、何も変わっていない。幼い頃の、まるで宝石のようにきらきらした思い出の風景、そのままだ。
「かわってない」
もう一度、味わうように呟く。その呟きは秋風に溶け、消えていった。
「うん、かわってない」
市郎の呟きに、答える声。
「この場所は、何もかわらない。だって、わたしと君の秘密基地だよ?」
野原の中央、人の背丈ほどある大岩の上に、膝を抱えた女性が座っている。
「でも、わたしたちは変わってしまった。イチくんは宮代の親玉、わたしはみすぼらしいコソ泥」
「変わった、のかな、クーちゃん」
「変わったよ、イチくん」
2人は同時に、少し寂しげに笑った。
“黒”は――記憶の中のクーちゃんは、すっかり大人の女性へと成長していた。
おどおどしていた少女の頃の面影はほとんど無い。端正な顔に、すっとひかれた眉が印象的な、素敵な女性になっていた。
無地の白いTシャツに、薄い灰色のジーンズ。追われる理由となった黒い髪は犬耳をよけて後頭部で纏められている。が、肌はびっくりするほど白い。
「確かに、変わった。綺麗になったよ」
「イチくんは、期待してたほど格好良くならなかったかな。なにより、服のセンスが最悪」
“黒”の直球な物言いに苦笑する市郎。
彼の服装は、黒のスラックスに、黒シャツ黒ジャケット、そして、革ベルトに吊った日本刀。お世辞にもお洒落とはいえない。
「でも、昔の面影が残ってる。やんちゃで、やさしかった、イチくんの面影」
「だったら」
駆り立てられるように言葉が出たが、湧き上がる想いがそれを詰らせる。
「だったら、決闘なんてやめよう」
やっとの思いで、それだけを絞り出す。
誰にも言えなかった、心の底の本音。
“黒”が生きていた。この報告を聞いたとき、市郎はどれだけ嬉しかったか。「クーちゃんを見殺しにした」という自責の念が、彼にとってどれだけ深く突き刺さり抜きがたいものであったか。
しかし彼女は今、宮代を害するものとして、市郎の前に立っている。
こんな形の再会なんて望んでいなかった。どうせなら宮代の因習を一掃し、健全な経営と開明的な理念を持った組織へと刷新した後で、胸を張って迎えに行きたかった。
一方、今は伝統と格式にのっとった宮代家の当主である、という自覚もある。現時点では、他にどうすることもできないということも。
わかっているだけに、歯がゆい。
少しの沈黙ののち、彼女は変わらぬ調子で答えた。
「言ったはずだよ。変わった、って」
やんわりとした拒絶。
「もうね、戻れないの。わたしは反逆者。宮代に弓を引き、御神鏡を掠め取った物の怪。
で、君は?」
「……当主。宮代の」
「じゃあ、どうすべきかわかるよね、宮代市郎」
“黒”からの最後通牒。市郎は搾り出すように答えた。
「仇なす物の怪は、例外無く打ち滅ぼす」
その言葉に満足した“黒”は、岩から降りて市郎に近づいてく。
「そう。さあ、決闘だよ。刀を抜いて――」
9 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:39:19 ID:Xwl4xCr9
「――と、言いたいところだけど」
不意に“黒”が歩みを止める。
「その前に、約束を守れない駄犬を叱りつけないと」
市郎は一瞬疑問符を浮かべたが、直後に響き渡った咆哮に、すぐさま事態を悟る。
「駄目だ、白華!」
焦って叫ぶが、犬の姿で野原を切り裂くように疾走する白華には届かない。
渾身の力で跳躍し、“黒”の喉に牙を突きたてる。が――。
「っ――!!」
声にならない悲鳴を上げたのは、白華の方だった。
一瞬の閃き。
反射的に顔を覆った市郎が指の間から見たものは、青白い炎に毛皮を焼かれ、身悶えする白華の姿。
「白華っ」
「――こんな簡単な術に引っかかるなんて、宮代の犬神も劣化したね」
転げまわる白華に駆け寄ろうとした市郎だが、背後からの声に足を止める。
炎の術で立体的な擬似映像を見せる。繊細な温度の調節が必要とされる高度な術だ。
いつから擬似映像にすり替わっていたのか、そもそも最初からだったのか。市郎にはにわかに判別できない。
“黒”は無表情で市郎の横を通り過ぎ、地面に体を転がしてなんとか火を消した白華の傍らに立った。
「狐火か。この恥知らずめ。犬神の風上にも置けない」
毛皮のあちこちを焦がしながら、“黒”に向かって立ち上がる白華。
火術といえば、狐。
特に妖狐とは仲が悪い宮代の犬神にとって、火術の行使は妖狐に魂を売るも同然――と、今にも襲い掛からんという形相だが、“黒”は全く意に介していない。
「やだな、これくらいの火術、狐に習わなくても使えるよ。それより――」
ゆっくりと体を曲げ、白華の瞳を覗き込む。
「何しに来たのかな、お嬢ちゃん」
明らかに侮蔑が含まれた言葉に激昂し、反射的に飛び掛かる白華。が、身を翻した“黒”に頬をしたたかに痛打され、再び地に転がる。
「もう、手癖の悪いコだね。ちゃんと質問に答えてよ」
「貴様……きさまっ」
起き上がりざま闇雲に爪を振るうが、既に“黒”は白華から距離をとっていた。
「貴様のような者に、市郎様を害されてたまるかッ」
再度“黒”に飛び掛るが、今度は逆の頬を一撃され、悶えながら地に転がった。
「やっぱり、そんなことだろうと思ったけどね。これだから忠義ぶった莫迦は始末に困るんだよ」
微苦笑を浮かべながら言葉のナイフを突き立てる“黒”。必死に呼吸を整える白華を一瞥してから、続ける。
10 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:40:16 ID:Xwl4xCr9
「これは正当な――まあ、決闘なんてのに正当性があるかどうかは別にするけど、少なくとも、当人同士が同意の上での決闘だよ?」
“黒”はすっと右手を上げ、人差し指を白華に突きつける。
「お嬢ちゃんは、自分のマスターが信用できなかったの? 負けると思ったの? なんでもっと確実にわたしを仕留めなかったの? 場所も時間もわかっていたのに、どうしてこんなお粗末な攻め方だったの?」
白華は何も言えない。
「自分のマスターを信じられなくて、プライドをかけた決闘に水を差して、あげく不意打ちに失敗して。わたしだったら、恥ずかしくて死んじゃうよ」
顔を背ける白華に歩み寄り、胸ぐらを掴んで吊り上げる。
「わかってるのっ、あなたは三重の意味でイチくんを侮辱したんだよ?!」
「そこらへんで勘弁してあげてくれ、クーちゃん」
見るに耐えられなくなった市郎が仲裁に入る。“黒”は一瞬顔を強張らせたが、すぐにつまらなさそうな表情になり、白華をぽいと捨てて大岩の方へと歩いていった。
「白華、白華、大丈夫か」
「い……いち、ろ……さま……」
「しゃべらなくていい。立てるか?」
白華を抱き上げ、立たせてやる市郎。こういう時は足が4本ある方が良い。
「市郎、さま……、本当に、申し訳……」
「気にしなくて良い。それより、自分の身体のことを考えろ。もう君1人の身体ではないんだから」
驚いた表情の白華。何か言おうとするが、市郎が手で制する。
「さ、早く戻りなさい。頬、ちゃんと冷やすんだぞ?」
市郎に促され、白華はとぼとぼと野原を後にした。
「もっとましなのはいなかったの?」
白華の姿が見えなくなってから、“黒”は背中を大岩に預け、冷め切った声で市郎に問いかけた。
「彼女は良くやってくれる」
「それは公私混同ってやつだよ」
冷めた口調に軽蔑の粒か混じっていることに気付いた市郎は、苦笑いしながら弁明する。
「彼女の恋人は、他にちゃんと居るよ。君が最初の襲撃で左腕をへし折った犬神、彼だ。子どもができたことは隠してたみたいだけど、傍から見てれば」
「どうでもいいよ。そんなこと」
明らかに怒りを湛えた無表情で市郎の言葉をさえぎり、大岩から体を起こす。
「仕切りなおしだよ、宮代市郎」
“黒”の両手には大振りのナイフが握られている。
観念した市郎も、佩いていた刀を抜いた。
11 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:41:49 ID:Xwl4xCr9
静寂は、長くは続かなかった。
「せいっ」
先手は“黒”。鋭く踏み込み、ふた振りのナイフを市郎にねじ込みにかかる。
対する市郎も、刀のリーチの長さを生かし、最小限の動きでナイフを捌く。
呼気と、刃物が打ち、すべる音と、草の擦れる音。
千変万化の動きで攻め続ける“黒”と重厚な構えで防御に徹する市郎のそれは、演武というよりは演舞のような、絶妙な均衡を保っている。
十数合ほど刃を合わせたところで、均衡などまったく望んでいない“黒”が大きく跳んで間を取った。
「……まったくもって宮代的だね。動かざることなんとやら、って」
呼吸を整えた“黒”がさっぱりとした口調で呟く。
彼女のナイフは幾度も市郎をかすめたが、実のところは衣服に触れてもいない。
宮代の人間にとって本当の意味での刃は犬神であり、鉄でできた刃物はむしろ防具として使うように訓練される。防御こそ、宮代の剣の本質だ。
「その刀、確か君津豊根のだね? 物の怪を滅ぼすために刀を作り続けた君津一族の、一番の名工の。よくそんなの持ち出せたね。わたしの火なんて簡単に」
「楽しそうだね、クーちゃん」
妙に饒舌な“黒”をさえぎって市郎が尋ねる。
「? そうかな?」
「復讐、って、楽しい?」
不思議そうな様子の彼女に構わず、無表情で質問を重ねる。
「――復讐は何も生まない、って言うけど、これほど心躍ることなんて滅多にないんじゃないかな」
少し考えてから、“黒”は笑顔でそう答えた。
市郎は表情を変えることなく「そう」と呟き――大きく踏み込んだ。
鋭い突きが“黒”の喉仏に突き刺さる。かに見えたが、僅かに体をひねってやり過ごす“黒”。市郎はそのまま刀を横に振るうが、頚動脈の上を滑ろうとする刀を2本のナイフでしっかと受け止められる。
先程とは打って変わり、市郎の攻めだ。“黒”のように手数は多くないが、重い一撃を的確な場所へ振るっていく。“黒”はナイフ2本がかりで市郎の刀を受け止めることに専念する。
しかし、市郎の刃も“黒”に届かない。
先程と攻守を交代しただけの、危うい舞踏。
悲鳴にも聞こえる金属の音を打ち鳴らしながら、十数合が過ぎる。
今度は市郎のほうから間合いを取った。
「……おかしいな。もうちょっと追い込めると思ったけど」
呼吸を整えて問いかける市郎。打ち込まれていたはずの“黒”は、呼吸も乱さず平然としている。
「気が乗らないみたいだね。稽古のときのほうが、もっと刃が走ってたよ」
市郎の胸に氷塊が滑る。確かに技が冴えないのは認めるが、まるで普段の鍛錬を見てきたかのような物言いだ。
「見てたんだよ、ずっと」
目ざとく動揺を感じとった“黒”は揺さぶりをかける。
12 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:42:21 ID:Xwl4xCr9
「宮代の山はとても生きやすかったよ? 適度にしか人の手もはいってないし」
「……山の警備は、代々犬神の若手が」
「そんな慣習、とっくに廃れてるよ。特に当主の命令があったわけでもないみたいだし」
伝統的に、宮代所有の山は若い犬神が夜の見回りをすることになっている。が、なっていると思い込んでいた、というのが正確なところだったらしい。確かに、犬神の自発的な警備、という扱いで、歴代の当主が任務として与えたという事実はない。
「他の山まで行って山狩りしたときなんて、もう大笑いだったよ。台所からいっぱい美味しいものもらっちゃったし」
食料が紛失したという報告も聞いたことがない。天を仰ぐ市郎。
「末期だな。宮代も」
「そのお陰でわたしは生き残れたんだけどね。イチくんの涙ぐましい努力も見れたし」
「そっか。見られてたか」
大きくため息をつく。市郎の切り札は、最初っから相手に筒抜けだったようだ。
「他流派の剣術を取り入れる、ね。わざわざ長老連中の反対押し切って一刀流の師範呼んだのは、無駄になっちゃった? どっちにしろ、さっきのみたいな剣じゃ、師範のおじいちゃんカンカンに怒るよ。『市郎殿、それは当主の振るう剣ではありません』」
成功した手品の種明かしのように、嬉々として語る“黒”。丁寧に剣術師範の物真似まで披露した。
「さっきの幻影、炎じゃなくて、光を直接屈折させてるな」
流石に屋敷内まで入って覗いていたとは考えにくい。そう推理し、市郎は鎌をかける。
「半分正解。正確には、併用、だよ」
“黒”の両脇に二つの幻影が出現する。片方はやや透明がかっており、もう片方はかすかに揺らめいている。
「正直、あんまり良い出来のものじゃないんだけど――」
幻影が重なる。そうすると、月明かりの下では真贋がにわかには判別できない。
「――こう薄暗いところだと、効果は抜群。莫迦と鋏は使いよう、だよ」
重なった幻影が音もなく駆け出し、市郎に踊りかかる。市郎が刀を振るうと青白い炎が爆発するかのように広がるが、君津屈指の名工が鍛えた妖刀が持ち主を焼くのを許さない。
「さすが」
“黒”の素直な賞賛の声が届く。市郎が声の方に振り向くと、“黒”が3人立っていた。
本物に似せた幻影ではない。どれもが本物に見えなくも無い、という、ある意味狡猾な出来だ。
3人の“黒”が同時に飛び掛る。市郎は全てを同時に相手取る愚は避け、大きく下がって1人ずつ片付けにかかる。
1人を刺し貫き、もう1人を薙ぎ払い――どれも動作が精彩に欠く。全て幻影だ――最後の1人に切りかかろうとした瞬間、それが大きく膨らみ、破裂した。
市郎の網膜を青白い光が焼く。かろうじて君津の刀を盾にして炎を防ぐが――
「駄目だよ、イチくん」
すぐ脇から“黒”の声。同時に、脇腹に焼きごてが当てられるかのような熱い感覚。
市郎が無理矢理身体をねじって刀を振るったとき、既に“黒”は距離を取っていた。彼女のナイフは血に濡れ、月光を鈍く映している。
「ぼおっとしてるから、そんなことになるんだよ」
シャツが血を吸っていく感覚に眉をひそめる市郎。
彼女の言うとおり、多少の火傷に構わず回避行動を取らなければならなかったのだ。半ば心理戦になりつつあるこの決闘で、この傷は決定的だ。
「まあ、大して刺さらなかったから、まだまだいけるよね」
“黒”は半ば勝負がついた状況でも、決闘の継続を熱望した。頬に朱を散らせたように上気し、心の底から愉しそうな、無邪気にも見える笑顔を浮かべている。
「クーちゃんが望むなら」
痛覚を無視し、笑顔を作って刀を構える市郎。
「うん、それでこそ本家、それでこそ天下にあまねくその武勇を轟かす、宮代の当主」
熱に浮かされたようにそれだけ言い、2本のナイフを構える“黒”。
既に満月は中天に差し掛かっていた。
13 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:42:58 ID:Xwl4xCr9
勝負は一瞬でついた。
市郎が振るった刀が“黒”のナイフを弾き飛ばす。しかしそれは弾き飛ばしたのではなく、彼女自ら手放した結果だ。
慣性に引きずられて上体が泳いだ市郎の懐に飛び込む“黒”。体のばねを総動員し、市郎の胸元に渾身の肘打ちを叩き込む。
市郎はなすすべも無く打ち倒された。
「ちゃんと、鳩尾を狙ってほしかったな」
かすれた声で、やっとそれだけを吐き出す市郎。
“黒”の肘は、市郎の肋骨を数本へし折っていた。しかし僅かに鳩尾を逸れていたためにかろうじて意識は手放さなかった。
意を決して大きく息を吸うと、肋骨から嫌な音が伝わった。いっそのこと気絶していた方が楽だったろう。
「どういうこと」
少し震えた“黒”の声。先ほどまでとはうって変わり、醒めた無表情で市郎を見やっている。
「どういうこと、かな」
今度ははっきりと、怒りの感情を混ぜて問いかける。形の良い眉を吊り上げ、仰向けに転がる市郎へと歩み寄る。
「あの表情、どういうこと!!」
ついに声を荒らげ、市郎の胸ぐらを掴んで馬乗りになる。折れた肋骨に圧力がかかり、市郎は思わず顔をしかめる。
「負ける気だったの!?」
“黒”に懐に入られた瞬間、いや、“黒”があっけなく得物を手放した瞬間、市郎は体の力を抜いたのだ。
しかも、どこか晴れ晴れとした笑みを浮かべて。
まるでこの結果を望んでいたかのような、曇りの無い穏やかな笑顔。
胸倉を掴み上げ、詰め寄る“黒”。
「苦しいよ、クーちゃん」
市郎は脂汗さえ浮かべているが、“黒”はこの程度で追及を緩める気はない。そのために咄嗟に鳩尾を外したのだから。
「答えて、イチくん。わたしは、今日のために生き延びてきたの。あまり失望させないで」
抑揚を抑え、努めてゆっくりと問いかける。
「――宮代はもう、駄目だ」
苦痛の合間を縫って、ようやく搾り出す。“黒”が締め上げる手を緩める。
「宮代は、宮代だけじゃない、分家も含めて、もうボロボロだ。そろそろ幕を引くべきなんだよ。けど犬神たちは」
酸素を確保するためにそこで一息つき、続ける。
「犬神たちは、彼らは巻き込んではいけない。滅ぶべきは宮代であって、犬神じゃあない」
「わたしがあいつらを取り逃がすと思ってるの?」
「避難命令を出しておいた。書き置きで、即時発令永続命令の」
突き飛ばすように市郎を離す“黒”。大きく息を吐いて、表情を緩める。
「……まあ、いいや。あんな連中逃がすくらい」
「それに、どうあがいてもクーちゃんには勝てなかった。完敗だ。まあ」
無理やり笑顔を作り、おどけて続ける。
「クーちゃんに負けるのは、なかなか爽快だったよ、実際。強くなったね」
「しらないよ、そんなの。もう、宮代をどうこうするなんて話は、そんなのは本当の目的を果たしてから。あとまわし」
眉間をこねながら、どこか苛立たしげな、焦れた様子の“黒”。その様子の変化に、市郎はいぶかしむ。
言葉通りに雑事を棚に上げてしまったのなら、何に焦れているのか。
それに、本当の目的とは?
「どうしたの、イチくん。不思議そうな顔して。まさか、こんなのがわたしの望みだった、と思ってるの?」
無造作にナイフを捨てる。満月を背にしているため、表情をうかがうことはできない。
「復讐? それもあるけど、もののついで。御神鏡? あんなの、ボロ布に包んで縁の下に放り込んでおいたよ。決闘? ただの手段」
すっ、と自らの腰に手を伸ばし、ベルトに手をかける。
「クーちゃっ」
驚く市郎を尻目に、“黒”はベルトを抜いてボタンを外し、ジッパーを下げる。
スニーカーを脱いでジーンズを片方ずつ足から抜くと、しなやかな曲線を描く脚が晒された。
「わたしは、あなたがほしかったの」
下着を留めている紐を、ゆっくりと引く。
「誰に非難されることもない、堂々と、問答無用の方法でイチくんを手に入れたかった。イチくん自身でさえ拒否できないほどに」
下着もその役割を終えた。
「イチくんは決闘に宮代を賭け、わたしに負けた。宮代を、つまりイチくんをどうこうできる権利は、わたしのものになった」
ゆっくりと、ゆっくりと市郎に覆いかぶさる。その頬に両手を添え――
「やっと、手に入った。イチくんはもう、わたしのもの」
――自分の唇を、彼のそれに重ねた。
14 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:48:05 ID:Xwl4xCr9
それからの“黒”の行動は素早かった。
丸めた下着を市郎の口に詰め、ベルトで両手首を固定し、自由を奪い取る。そのまま襟首を掴んで引きずり、大岩の上へ引っ張り上げた。
市郎はなすすべもない。緩やかになったものの脇腹の出血は続いているし、胸の打撲傷は鈍痛をひっきりなしに発し続けている。
仰向けに転がされた市郎に、“黒”がのしかかる。
「あはは、イチくん、いいにおい」
“黒”は市郎の胸に顔を埋め、けれど傷には触れないようにして、彼の体臭で肺を満たす。同時に、“黒”から発せられる甘い香りも市郎の鼻をくすぐる。
「ずっと見てるだけだったイチくんが、こんな近くにいる。ながかったなあ……」
首筋に口を寄せ、舌を這わせ、頚動脈に吸い付く。ちろちろと喉仏をくすぐってから、シャツを裂いて上半身を露出させる。
「よく鍛えてあるね。素敵だよ、イチくん」
つつ、と引き締まった胸板を指でなぞる。その愛撫ともいえない行為の、えもいわれぬ感覚につい反応してしまう市郎。
その反応に満足した“黒”は、爪で器用にシャツを切り刻んで即席の包帯を作り、脇腹の切り傷にあてる。
(――クーちゃんが、こんな表情するなんて)
彼女は薄く微笑を浮かべ、いそいそと作業している。その笑顔は間違いなく欲情からくるもので、男に対し雄になることを強要するような表情だ。
しかし、不思議と退廃的な雰囲気がない。どこか清廉な、まるで酸いも甘いも知り尽くした娼婦と神に祈りを捧げる乙女が共存しているような、アンバランスな魅力を醸し出している。
「これでよし。――ん、よかった、ちゃんとわたしで感じてくれてる」
“黒”の色香にあてられ、市郎も反応してしまう。その変化に気付き、今度ははっきりと笑みを浮かべる“黒”。
「せっかくの初めてが前立腺を責めながら、なんて、さすがに嫌だからね」
さらりと怖いことを言い、今度は乳首に口を寄せる。
「んっ……」
「んふ、そんなに反応してくれると、うれしいな」
切なそうな表情の市郎に満足した“黒”は、いっそう熱心に先端を転がしながら下半身にも手を伸ばす。
しっかりと張り出でてしまった膨らみを指でなぞられ、市郎は痛みにも構わず腰を浮かせてしまう。
「もう、そんなにがっつかないでよ。童貞じゃないんだからさ」
あきれたような声色で、苦笑しながら、でも嬉しさを隠しきれない表情に、ついと視線が泳ぐ市郎。“黒”はふくらみに気を取られ気付かなかったようだが。
15 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:48:39 ID:Xwl4xCr9
さんざ嬲られた乳首は解放されたが、こんどはやわやわと陰茎を揉みあげられる。
「あーあ、こんなしみまで作っちゃって」
先端付近を重点的に撫でられる。市郎の視界では様子をうかがうことができないが、きっと塗り広げているのだろう。
「しょうがないから、出してあげる」
ジッパーが下げられる感覚と、布が弾ける音。シャツに続き、スラックスも破壊されてしまったようだ。トランクスの窓から手が差し込まれ、否応なく引き出される。
「……かわいい」
その形容はあんまりだが、どうやら彼女はそれが気に入ったようだ。二、三度手のひらでさすり、ためらいなく口に含む。
「んふ」
不意に、にゅるり、と、粘膜に包まれる。
その刺激はあっけなく市郎の限度を超えた。
「――っ」
「んぅっ!」
“黒”の口内で脈動するものを、市郎にはどうすることもできない。ただひたすら吐き出し、終わるのを待つだけ。それを“黒”は、ただ受け入れる。
お世辞にも美味といえない粘液を口に溜めるが、流石に飲み込めない。市郎が全て出したことを確認して口を離すが、処理に困って結局、手のひらに出す。
「飲むのは要訓練、だね。それより――」
精液と唾液の混合液をいまだ硬さを失っていない市郎のものにまぶし、続ける。
「イチくん、童貞?」
あまりにも直球な質問に、反論する気力もなくうなずく市郎。反論しようにも猿轡を噛まされているが。
“黒”は粘液の滴る指を伸ばし、唾液を吸って固まりになった布を取り出してやった。
「当主なら、言い寄ってくる女も多いんでしょ?」
「……むやみに抱くと、政争になる」
「犬神は?」
「彼らをそう扱いたくない」
ふーん、と気のなさそうな返事をするが、顔にはそれの対極にある表情が浮かんでいる。
「そう。それは、残念だったね」
再び市郎の口に詰め込み、愛撫も再開する。
「わたし以外の女を抱く機会は、一生なくなっちゃったんだ」
“黒”の静かな宣言。
「宮代の当主といえば、ダース単位で愛人を作るのが作法なのに。かわいそうなイチくん」
市郎の性器を撫でつつ、自らのも慰め始める。
「でも、自業自得。勝ったのはわたしで、負けたのはイチくんなんだから」
粘液だらけのお互いの性器を、あてがう。
「せいぜい、わたしで我慢するんだね」
“黒”が市郎へ、市郎が“黒”へ、ゆっくりと、最後まで沈んでいった。
16 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:49:44 ID:Xwl4xCr9
暫くの間、双方共に声を発することさえできなかった。
先に呼吸を整えたのは“黒”の方だ。
「あは、は、おかしいな。バイブで十分練習したのに」
市郎はいまだ荒い息をついているが、“黒”の発言に頭を上げる。
その視線に答える“黒”。
「毎日、イチくんを想いながらバイブ使ってたんだよ。人間に混じってアルバイトして買ったんだよ? でも」
両手をつき、ゆっくりと腰を引き上げていく。当然、粘膜を通して途方もない快楽が両者に伝わる。
「んんっ、やっぱり、本物は違うね。いや、イチくんのだからかな?」
腰を下ろす。最初よりも速度がついていたため、“黒”の襞を掻き分けた市郎の杭は行き止まりまで打ち込まれた。
「……まずいなあ、これ」
お互いの襞が、雁がわかるくらいゆっくりと動いたのに、しゃれにならない程に快感が伝わってくる。本格的に動かしたら、いったいどうなってしまうのだろう。
「ごめんね、イチくん。怪我にひびくかもしれないけど、我慢できるよね?」
きっと、この快楽に身を沈めたら市郎の体を気にかけることもできないだろう。そうわかっていても、“黒”は目の前の快楽に手を伸ばさざるを得ない。
「ふぁっ」
最初はゆっくりと、確かめるように。要領を掴んでくると、得られる快感を最大限にするように。
“黒”の中は潤みきり、石みたいに硬くなった市郎のものが混ぜると、卑猥な水音が響く。普段はバイブレーターの耳障りなモーター音が聞こえるところだが、今は市郎の喉から漏れるうめき声が彼女の耳をくすぐる。
これがまぐわうということ。これが知能を持つ生命の行ってきた、崇高な使命を帯びた恋愛の確認。
「いとしい、いとしい、わたしのイチくん」
これが、イチくんとのセックス。そう考えるだけで、“黒”は痺れるほどに胸が熱くなってくる。
全ての感覚器官から入る情報が、二人の快感を押し上げるためだけに働いているようだ。“黒”の膝は岩に削られて出血しているが、それさえも今は性交の一部に感じられる。
「いちくん、またっ、おおきくなった。でるの?」
傷が開くにもかかわらず、市郎の腰が浮いてくる。“黒”は市郎の頭を抱きかかえ、耳元にささやいた。
「いいよ、イチくん。おいで」
浮いた腰を無理矢理押さえつけ、自らの最も奥に導く。目の焦点がぶれかけている市郎に、もう抵抗するすべはない。
「んっ――」
力の限り、まさに生命まで発射しているかのような感覚に、思わず意識が遠のきかける市郎。
「あはっ、すごい、びくってなったの、わかったよ?」
跳ね上がろうとする市郎の腰を押さえ込み、大量の種子を受け止めていく。一生懸命注ぎ込んでくる市郎が、“黒”には愛しくてたまらない。
ようやく吐精が終わる。絶頂後の虚脱感もあるだろうが、いい加減血が足りなくなってきたようだ。市郎の視界は段々歪み、一定にできなくなってくる。
“黒”はそんな彼の髪に指を絡ませ、ゆっくりと頭を撫でてやった。
「いいよ、イチくん。お疲れ様」
今にも意識が違う世界に飛びそうな市郎に、優しく語りかける。
「あとは、わたし一人でしてるから」
きっと今、自分は苦笑してるんだろうな、と思いながら、市郎は意識を手放した。
17 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:50:29 ID:Xwl4xCr9
――ねークーちゃん。もうあしたにしようよぉ。
――……あとちょっと、あとちょっとだもん。
――ほら、もうさむくなってきたしさぁ。
――でも、あとちょっとだもん。もうすぐできるんだもん。
――な、なかないでよぉ。
――ほんとにできるんだもん。おかあさんにおそわったんだもん。
――おはなのわっかつくてくれるのはうれしいけど、かぜひいちゃうよ。
――ほんとだもん。できるんだもん。
――ね、かえろ? またあした、ゆっくりつくろ?
――……できたんだもん。おそわったんだもん。
――……クーちゃん。
――……あしたは、ちゃんとつくるもん。
(そういえば、昔のクーちゃんも結構頑固だったな)
思えば、これが2人で遊んだ最後の日だった。
18 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:51:14 ID:Xwl4xCr9
頬に鈍痛を感じ、市郎は目を覚ました。
「……クーちゃん、痛い」
自分の頬をつねっている“黒”を半眼で見やる。
「変な夢見てたみたいだから、起こしてあげたんだよ」
もちろん“黒”はそんなことでは堪えない。ぐにぐにと市郎の頬をこね回す。
「やめてってば」
「……ふん」
酷く機嫌が悪そうに鼻を鳴らし、最後にひとつつねって頬から手を離す。
淡い照明に照らされたそこは、市郎の寝室だった。彼の体は治療され、清められ、清潔な寝間着に着替えさせられている。
「ありがとう、クーちゃん」
“黒”は市郎の鼻をつまんで答えた。
「……機嫌、悪そうだね」
「悪いんだよ」
仏頂面の“黒”は、市郎を宮代の屋敷に連れてきたときの様子を簡潔に伝えた。
屋敷は、もぬけの殻だったそうだ。
分家頭から下働きまでそろって宮代を見限った。それどころか、金目のものもくすねて行ったらしい。
強大な武力で名を馳せた宮代の、これが最期だったそうだ。
「ほんと、尻切れトンボ。復讐譚には、ちゃんとした敵役が必要だね」
復讐が本懐ではない、といってはいたが、やはり自分を追放した張本人たちに何らかの意趣返しをしたかったようだ。
「因果応報。宮代の最期に、似つかわしいさ」
そうはいっても、市郎の顔は寂しさで翳っている。
「――そうそう、あのワンコたち」
「犬神?」
「ちゃんとイチくんの命令守ってるよ。正門の前に並んで、耳を垂らしてお座りしてる」
市郎は彼女の言っていることがとっさに理解できない。避難命令を遵守して、待ってる?
「イチくんの命令は『屋敷からの退避』だから、外で待ってたんだって。見上げた忠犬ぶりだよ」
「そう、犬神たちが――」
声が震え、喉が詰まる。使い潰されてきたといっても過言ではない彼らが、最後の最後まで宮代に奉公してくれるとは。
「わたしもさすがに呆れたよ。なんていうか、勝手にして、って感じ。いまだに外で待ってるのがあれの限界だけどね。もうどうで――」
何かに気付き、そこで言葉を切る“黒”。
「1匹だけ、勇ましいのがいるね。ハクなんとかっていうのが、わたしたちを盗み聞きしてる。さっき散々泣かしたのに」
ドアの向こうに、動揺する気配。白華だ。
「あんまりいじめないでやってくれ。彼女は生真面目だから」
「いじめ甲斐があるから、これからもイチくんにつけておこうかな」
意地悪く笑って、“黒”は立ち上がる。慌てて遠ざかっていく白華の気配。
「お風呂、入ってくる。これ以上イチくんの匂いをぷんぷんさせてると、またきゃんきゃん吠えてくるのがいるから」
「待って、クーちゃん」
部屋を出ようとする“黒”を呼び止める。彼女は足を止めるが、振り返らない。
「犬神たちに、避難命令を解除すると伝えてほしい」
「そんなの自分でしてよ」
にべもない。
「わかったよ。あと、もうひとつ……」
傷が疼いたのか、段々声が細くなっていく。ため息をついた“黒”が、市郎の口元に耳を寄せる。
「ほら、聞いてあげ」
言葉を紡ぎ切る前に、市郎の唇が塞いだ。目を見開いたまま、動けない“黒”。
「――やっと、一本取れた」
してやったりの表情の市郎。“黒”ははたと我に返り、市郎の頬を張った。
「ばか」
ぷいとそっぽをむき、振り返らずに部屋を出て行く。ドアが壊れるかと思うほど強く締める。
まるで睦言だな。痛む頬をさすり、市郎はぼんやりとそんなことを思った。
19 :
生産性の低い人:2007/10/22(月) 15:59:49 ID:Xwl4xCr9
以上です。
最近あれです。自分の書く文章がしっくりこないというか、なんか不自然に感じてしまいます。
小説って難しい。
ちまちま書いてはいるんで、またそのうち投下しにきます。では。
>>20 一番槍で乙だぜーーー!!!
久し振りです。実に良い逆レでした。
>>19 グッジョブ!
終わり方が秀逸だったww
あと外で待ってるワンコ達カワユス(*´ω`*)
今更何だが1スレ目の初めの流れワロタ
>19
和モノktkr! 白い方も好みで濡れ場も欲しいところだけど、
描写少ないけどキャラが立ってる白いのにも靡かないからこそイチローの想いの深さが際立つ訳か。
犬神乙です
つーか組織糞過ぎで吹いた
是非とも黒とイチローで復興して欲しい
ほら、犬は沢山子供産むしさ
てかイチローって書くなw
某全盛期の伝説を思い出して吹きそうになるw
・3決闘5逆レイプは当たり前、3決闘8逆レイプも
・イチローにとっての黒との決闘は主導権の握りそこない
・先頭打者サイクルヒットも日常茶飯
・一発でも余裕でヒット
・一回のスイングでバットが三本に見える
・決闘で逆レイプが特技
>>26を見て衝動的に書いた、反省はしている
28 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 06:40:32 ID:900FMaHg
もやしもんの所為で、A・オリゼーが逆レイプ→かもす(繁殖・増殖)→逆レイプ→かもry
とか考えた俺は駄目かもわからん。菌までおkなのか知らんけど
あと、完璧初心者なのに携帯で文にしてみようと張り切ってたら、間違って電源ボタン押した俺は死んでくる
菌SS投下自体はありだと思うが擬人化したときに菌らしさ(ってなんだ?)を出すのは難易度高そうだ。
>>28 菌やウィルスの類は動物じゃあないと思うが。
ええと、菌類は動物とも植物とも異なる独自の生物群らしい。
ということはスレ違い? でも植物よりは動物に近いともある。
ウィルスにいたってはそもそも生物なのかという問題が……。
あなたが生物だと思うものが生物です
ただし他人の同意を得られるとは限りません
増殖という単語に反応した俺は、間違いなくアブノーマルな性癖の持ち主
架空の動物もありなんだから拡大解釈して菌みたいな生態の架空の動物ということににしてしまえ
細菌の擬人化…
…パリダちゃん?
いや、何となく男性器を執拗に弄びながらじわじわと身も心も犯してくれそうなイメージが…
ストーンオーシャンのフー・ファイターズのような
人型をとった集合体もありなんじゃね?
ミトコンドリア娘の「パラサイトイヴ」が、商業ベースで成功してるんだからいまさらという気が(w
>37
そういやソレ有ったな
ゲームの2やってから文庫版読んでたはずなんだがすっかり忘れてた
ストロマトライトやサンゴとかは顕微鏡で見えるサイズの娘さんが
無数に集まって一人の娘さんに見えるとか?
体内の細菌が意思を持って主の体を奪って繁殖の為に逆レイプ
でもこれじゃ擬人化になんしなぁ
擬人化酵母に、二日酔いになるほど醸されたい。
って、「もやしもん」かよ?
獅子舞を擬人化してほしい
狛犬のロリ双子に無邪気に犯されたい
陸種族生徒の生徒会長の灰色熊娘と
海種族生徒の生徒会長の鮫娘と
空種族生徒の生徒会長の鷲娘
3種族がひしめき合う獣人学園内に何かの間違いで編入されたショタっ気のある主人公
降着した種族間抗争の多数決の一票の為に三人の会長に襲われる話はまだですか
で、最終的にハーレムと。
生物の定義の話だが、昔「未確認少年ゲドー」で簡単にまとめられてたような。
「遺伝子」と「酵素」と「細胞」を持ち、「繁殖する」だったかな?
>>44 だから人に頼む前に書けよ、と
お願いします書いてください
どれだけの時間が経ったのか、体を起こすとそこに龍の姿は無かった。
心中、あれは夢幻の彼方での出来事だと疑いたかった。
俺の手にはかすかに刃を残した刀、地には龍の角…そして胸の刀傷が俺を否が応でも現実に引きずり込み、ようやく自分が生きていることを認識できた。
「大義であった。しかしそなた、巽の刃をその身に受け、なおも角を折るとは…行く末が楽しみだな。」
巽の母であり、女の身でありながら“父皇”として君臨する彼女は笑みを見せる。
生粋の龍である彼女の齢は人のそれを遥かに上回るのだが、見た目は27・8歳ぐらいに見える。
どこか寂しげに笑う彼女は娘と同じ黒髪で…片方の角は古い太刀傷を残して折れていた。
帰り際、俺は刀一族が眠る墓を参り、無事に生き帰った事を報告して父と母の墓の脇に折れた刀を供えた。
『刀と共に生まれ、刀と共に生き、刀と共に眠る』
始祖である刀刃斎様の墓碑に刻まれた言葉は今もこうして受け継がれている。
俺もいつかは…。
いつもの駅で電車を降り、いつもの道を歩き、いつもの角で曲がるといつものアパート。
軋む階段を上がった先、古い金属製のドアを開けるといつもの部屋が目に映るはずだった。
月光に満たされた部屋と、“五爪の龍”はいつもと変わらない様相で俺を迎えてくれた。
「不思議な識者だな。臆せず足を踏み入れるか。刀はどうした?」
「弔った。いい刀だったよ。隣、いいか?」
返事を待たず彼女の横に座ると、無言で酒の入った杯をつきだされた。
「龍鱗を浮かべた杯…」
「違う、我の逆鱗だ。」
逆鱗を杯に浮かべる意味を俺は知っている。龍にとって最大の敬愛、つまりそれは…。
「返答はまだよい。だが少なくとも…あの…わ…我は…」
言葉につまり、背けた顔は真っ赤だ。
「なんだ、五爪の龍でも照れるんだな。」
「う、うるさいっ!我だって…女…だ…う〜っ!ついてこいっ!」
龍の娘はむんずと俺の手を掴むと、窓から空に飛び出した。というより正確には“飛び立った”といった方が正しい。
そして、彼女の背中に生えた翼はまるで西洋の竜そのものだった。
風を裂き、空を裂いて飛翔する龍神と人間。
「竜の翼?なぜ龍に竜の翼が生えてるんだ?」
「龍にもいろいろいるということだ。」
五爪の龍はあっけらかんと答えてみせた。
「って、ここは銭湯じゃないか。」
「ふ、風呂は命の洗濯と言うであろう?それに我は…あ、いや、なんでもない。」
なんだか妙〜な意図が見え隠れしてるんだが…まあ俺も一息つきたかったし、ここは俺の思い出の場所だし、疲れたし、ひとっ風呂浴びるか。
「で、なんでお前は男湯にいるんだ?」
「はう!あのそのほら、あれだ、背中を流そうと思って。ちゃんと術で幼くなったしな。」
偉そうにふんぞり返ってみせるが、中学生くらいの身体で入って来るのはどうかと思う。
「怪しい…」
「な、なにを言うかっ!我がわざわざ背中を流してやろうと言ってるんだ。やましいことなど何もないぞ!」
訝しげな視線を送る俺とは対照的に、先客の爺様方は孫でも見るかのように喜色満面だ。
「…まあいい、とりあえず湯をかぶってそこに座れ。洗ってやるから。」
「う…我を、か?そ、それはいろいろと…あの…」
目の前には長い黒髪と二本の角が生えた後ろ頭、鏡には恥ずかしそうにうつむいている龍。
「お湯かけるから目ぇつぶれ〜」
「わぷっ!言うのが遅いではないか!我は銭湯の神ぞ!もっと丁重に扱わんか!」
「あ〜銭湯の神な〜。シャンプーないから牛乳石鹸で頭洗うぞ〜。」
「う…うむ。」
それにしても銭湯の神様とは。八百万の神にもいろいろいるってことか。
熱湯しか出ない赤い蛇口と冷水しか出ない青い蛇口、様々な広告が貼り付けられた鏡。
壁に描かれた青く、広い海。
まだ俺が幼い頃、両親に連れられて初めて来た時と何一つ変わってない。
「神は…人の思いによって世に現れている。」
滔々としたその言葉に、彼女の髪を流しながら耳を傾ける。
「人々の思いが消え、記憶から消えた時、神は阿頼耶識へと還る…」
―――それが『神』から解放される時。
彼女は静かに言葉を閉じ、笑顔で振り返った。
「他愛もない話だった。どれ、代わって我が背中を流そう。」
つま先、足、太もも、股、ぐお…相変わらず熱い…。
「さっさと入らんか。いい湯加減だぞ?」
そういって尻尾を振って急かす風呂神様。
こいつといい周りの爺様方といい、なんでこんなに涼しそうな顔してんだよ。
「う゛あ〜あぢ〜よ〜。」
少しでも涼しそうな湯船の端であぐらをかいて心頭滅却すれば…すれば…やっぱり熱い。
「やれやれな奴だな。」
朦朧とした意識の中、ざばざばと近付いてくるとあぐらの間に体操座りで座り込む神様。
いつの間にか爺様方は姿を消し、浴槽には俺と彼女だけが残された。
姿形は小さいがこいつも一応神様なんだよなあ…って!
「なんでそこに手が出るんだ。」
「我はお前の事を好いておるからな。」
こっちに向きなおり、あっさりと答えて俺の大事な部分に手を伸ばす神様。
「くくく…動けないだろう?お前はここに来た時点で我の術数に嵌っている。」
耳元で囁き、心底邪悪な笑みを浮かべたまま肉棒に指を這わす。
「痛…」
引っかかる爪の感触に声が漏れる。
「あ、ご、ごめんなさいっ…その…我…こんなの初めてだから…」
さっきとはうって代わってしおらしくなった神様は真っ赤な顔を背けながらも、手の動きは止めない。
「うわっ、なんだか大きくなってきた…」
男性として至極当然の反応なんだ、まじまじと眺めないでくれ。
お湯の温度と、つたないながらも蛇のように絡みつく手。
「…よしっ」
「なん…だ…くっ」
しゅるり根元に巻き付いた尾と亀頭を攻める手を同時に動かしだす。
と、同時にものすごい激痛が俺を襲った。
「いだだだ!ウロコが!ウロコが!」
俺の悲鳴に彼女は慌てて尻尾と手を放し、申し訳なさそうな顔をしてうつむいている。
「我じゃ…だめなの…?」
無言で俺の手を取り自分の秘所にあてがうと、湯船の中でも分か
「我は、我はこんなにもお前の事が好いておるのに…」
彼女は俺の手に、足に自分の一番大切な所を息を荒げながら必死に擦り付ける。
そして、五爪の龍は俺の耳に口を近づけて囁いた。
「我の、全てをお前にやろう…だから…お前の全てを、我に…」
俺の肉棒は湯船の温度よりもっと熱い彼女の秘所に包み込まれた。
「つ…っ…!」
強い締め付けと共に苦悶の声が漏れる。
「お前…」
「ん…龍でも…っ!痛いのだな…」
必死に痛みをこらえ、ゆっくりと腰を動かしながら笑顔を見せる龍。
「なぜ、なぜそこまで…く…」
「知れたこと…ふ…くぅ…我はお前が…好きだから…な。」
彼女はしがみついたまま腰を振り、湯船の中でも体温が分かるほど体を密着させる。
俺も彼女も言葉はなく、ただ互いの吐息だけが漏れる。
神と人、龍と人、女と男、雌と雄の交わり。
蠢くような膣壁は俺の肉棒をくわえ込んで離さず、慣れてきたのか腰の動きも早まる。
まるで動物の交尾のように湯中で打ち付ける彼女の顔は苦悶ではなく求愛の快楽、愛しき人と交われる喜び…そして愛しい人を犯す喜びに満ちていた。
「はぁ…くぅ…ん…もっと…もっと…」
涙を流し、犬のように舌を出してねだり、腰を振り、体を擦り付け、快楽に酔いしれる彼女。
やがて俺にしがみついて声もなく絶頂を迎えると、きゅうきゅうと波打つような締め付けが俺を襲った。
「あ…く…出る…」
びゅくり、と吐き出された精液は止まることなく彼女に搾り取られていく。
「ん…だい…好き…」
最後の一滴まで吐き出すと、俺はどっと襲いくる疲れと共にぶくぶくと湯船に沈んでいった…。
んく、んく、んく…ぷはー。
「うむ、美味だ!やはり風呂上がりの銭湯といえば珈琲牛乳に限るな!そうは思わんか?」
「いや、俺はラムネが好きだし。というかなんで“巽”はそんなに元気なんだ。と、栓抜き栓抜き〜っと。」
あー!と叫ぶ声の主はもちろんタオル一枚の龍神様。
「今、呼んだ。」
「なにをだよ…いきなり叫んで。えーと、ラムネ用のタオルは…これか。」
スポンとラムネのビー玉を落とし、泡がこぼれ落ちないようにタオルを…。
「我の“名前”、呼んだぞ!」
え?俺が巽の名前を?何言ってんだ。…あ。
「ふっふっふ、気付いたようだな。なに、お前の気持ちはよく分かった。」
「ま、待て!何を勝手に」
「それに、だ。あれだけ我の中に出してるのだしな♪私は貴様のように強い者(強いモノ)は大好きだ♪」
「あ、あれはお前が…」
「ほう、天下の刀一族も落ちぶれたものだな?我の操を奪ったのは貴様の刀だろう?」
は、謀られた…。
「さあ、お前の家に戻って杯を交わそうではないか。そして朝まで…な♪」
がっくりとうなだれる俺の手には溢れたラムネの泡が流れ落ちていた。
「なあ、また来ような。我はここが気に入ったからな。」
「そうだな、いつかまたな。」
「まことか!きっと、きっとだな!」
ぎゅっと腕にしがみついたまま神様ははしゃいでいる。
「―――いつか、いつかみんなが我を忘れても…お前だけは我を忘れないでくれ。」
「え?」
振り向くと、きょとんとした表情で龍神は無邪気な笑顔を見せた。
月はまんまる、カランコロンと響く下駄の音、少しばかり肌寒い夜。
後ろには、ぴったりと寄り添って歩く影。
ふいに足が止まると男は龍に口づけを交わす。
そして笑顔で何事かを龍に告げると、龍は大層喜んで子供のように空を駆け回った。
その晩、男が飲んだ龍鱗の杯がこの世のどんな酒よりも美味だったのは言うまでもない。
以上、難産でした。銭湯の描写がもう少し描ければ良かったです。相変わらずえちぃシーンが淡白ですみません。
自衛隊辞めて久しぶりに地元に帰ったら小さい頃から通ってた銭湯が無くなってたのがショックでした。
次はお母さんの方の話を書いてみたいです。
>>58 温泉の銭湯に通う俺がGJしに来ましたよ。
たとえどんな逆レでもそこに通じ会う愛があったら、心と息子が満たされますね。
公衆浴場で風呂浴びた後は牛乳が俺ジャスティス。よって巽様マンセー!
>>58 保管庫の冒頭のシーンは数百年前の侍の時代が舞台と思ってたw
だから本編読んだ時は『ノリ軽っ!』とか思ってしまったwww
妖しげなお姉さんとの絡みと思いきや微妙にロリだったかwww
これはこれでGJだがなwww
にゃあ、にゃあと鳴きながら擦り寄ってくる飼い猫を抱きしめる、こいつの「抱いて」という合図だ。
「あはは、くすぐったいよニーソ」
こういう時のニーソは甘えモードだ、ゴロゴロ喉を鳴らしながらしきりに俺の頬に擦りついてくる。
ちなみにニーソというのはこいつの足が靴下みたいにになっているから、白い体に黒い足のコントラクト
は素晴らしい。
「んー、しかし……お前もそろそろ年頃なんだよなぁ」
人語を理解しているのかニーソは俺が呟くと首を傾げた。
「そろそろ避妊手術も考えるか。」
俺が続けざまそう呟くとニーソは急に俺の鼻を引っかいてぴゅっと逃げてしまった。
「痛て、ちきしょう。怒らせちまったよ」
俺の言葉の意味を理解しているのか、二−ソは怒ってしまった。まぁこうなったら、しばらく時間をおいて
機嫌の回復を待つしかない。俺は眠くなってきたのでそろそろ寝ることにした。
ヌチョ……ップ、ヌチャ……
暗い静かな部屋になにかいやらしい水音と、なにかにのっかられて感覚により俺は眠りから目を覚ました。
「……ゃあ、にゃぁ……」
何かが、俺の上に乗っている。いや、それだけではない。下腹部の息子が何か暖かいものに包まれかつ締めら
れている気持ちの良い感覚が伝わってくる。そして、目の前でゆらゆらと動く人影。
「お前は誰だ!」
俺は叫んだ。しかし、声は思うようにでなかった。
「にゃぁ、おはよう。御主人様」
ピクンと猫耳をひくつかせ、口から涎を一筋たらし妖しい目をしている少女が答える。
「な、き、君はひゃう!」
少女が急にグインと腰を動かすと、急に快感に襲われ俺はだらしない声をあげる。
「んふ、やだ御主人様。いつもニーソの事いやらしい手つきで撫で回してるくせに」
柔らかく肌さわりの良い尻尾がつーと太ももを撫でた。
「あん、ニ、ニ−ソ……」
この、目の前で俺に跨っている少女はの足元を見やると確かに黒いニーソックスを履いていた。
「あ、はぁ、君は……ニーソ…?」
「やっとわかった?御主人さま」
ニーソと名乗った少女はざらついた舌で俺の唇を舐め、チュッと可愛らしいキスをした。
「ん、もう、限界だから一杯…動くよ!」
今まで静かに動いていた動きをいきなり激しくする。
「いいっ!!」
いきなり激しくされた事で一気に射精感が高まってくるのをこらえる。
「にゃぁん!だめだよ、御主人さま我慢しちゃ。いつもテレビみてるみたいにすぐ出しなよ」
グチグチと粘液と肉棒が擦れあう音を出しながら少女が囁く。
(ちょ、それは俺しか…………はっ)
彼女のいない俺の性欲発散方法、AVによる自慰。そういえばたまにふけっていたらニーソ(猫)がじーっと
見ていた事があったなぁ。ということはそれを知っているという事はこの少女は……
「あん、にゃう、出してよ、御主人さま、出してよ!」
少女が少し半狂乱になりながら射精を強要する。
「ぐ、ぐぐぐ、だめだ、中出しなんてできるか…」
顔つきも大人の女性というにはまだ遠く、胸も並より少し小さい、そんな少女に中出しなんて決めてられるか!
「ん、んんん……!出してぇ……、出してよぉ……手術受けるの嫌だよぉ……」
(ん?手術?)
必死になる彼女が呟いたフレーズにちょっと頭に引っかかった。
「にゃあぁぁ……、出してよ、御主人さまの子種、ニーソに出して……孕ませてよ」
『孕む』そのフレーズを聞いて俺の本能が反応する。
(ダメだ、出しちゃダメだ…!)
体が出したがっているのをなんとか頭で引きとどめる、しかしそのブレーキも最早限界だ。
「赤ちゃん……御主人さまの赤ちゃん産ませてよ…!」
「で、出る!」
ゴプリっと塞き止められていたモノが崩壊し、俺はあっけなくこの少女の胎内を汚していった。
「お前、あのニーソなのか?」
ハァハァと荒げている呼吸を整えてこの少女に質問する。
「やだ、この部屋にいるのニーソと御主人さましかいないよ?」
猫耳をピクピク揺らせてニーソが答える、猫耳生えてるしやっぱこの娘ニーソなんだろうなぁ。
「それにしても、なんで?」
「……御主人さま、ニーソに避妊手術させようとしたもん。」
なんでも、寝る前になにげなく言ったあのセリフがニーソをこんな凶行に走らせたらしい。
「それなら、御主人さまをレイプしちゃって。ニーソを妊娠させてもらおうって思ったの」
「そうか、お前の気持ちもしらないでそんな軽はずみな事を俺はしようと…ってちょっとまて。
妊娠ってなんだ妊娠って」
「御主人さま知ってるでしょ?この時期いっつも綿棒もって慰めてくれてたでしょ。」
俺はさっと背筋が寒くなっていった。
「まだ、満足してないよ。折角、御主人さまとえっちできるんだもん。次はどんなのがいい?
『お兄ちゃん』?『パパ』?御主人さまはニーソと同じ体型の子に中出ししてるのが見るの好きだもんね。
今日から、ニーソが御主人さまを満足させてあげるからしっかり孕ませてね」
ニーソはさも楽しそうに笑うと再び腰を動かし始めた……。
猫娘ものです、靴下猫はきっと擬人化したら裸にニーソか靴下だとおもうんだぜ・・・
なんかところどころ語順とか書き間違えらしき部分があるので、カキコする前に一度読んだほうがいいと思う
内容的にはツボだったので、次回の投下に期待してますね
作者、川終読んだことあるだろ
66 :
ENIAC:2007/10/28(日) 19:42:48 ID:X0Q/gLUL
>>
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188184684/736 逆レイプ自体を去る原因にしてみた。通常はよひょうとおつうか?
ひとたび“つがい”が出来れば相手を貪り尽くす程に強く性欲を発揮してしまう、お鶴。
だが、罠から助けられた恩を返そうと、そこを抑えて「普通の」夫婦生活を送る事を決意し
恩人の男の許へ嫁ぎ行く。もちろん男も美しいお鶴を喜んで迎えた。
結ばれてしばらくは、幸せに日も夜も暮らすものの
否応なく溜まる欲求を抑え散らそうと、日々くりかえされる部屋に篭っての激しい慰み。
そんなある日、決して近づかず覗かないで欲しいと念を押したはずの夫が
襖の陰から自分の淫らな姿態を覗き、あまつさえ自涜しているのを目の端に獲らえたとき、
とうとうお鶴は、オスを限りなく求める強い本性に負けた。
「わたくしは我慢しようとしたのに。あなたが悪いのですよ」
飢え昂った淫心の前に現れたオス、飢餓の狼に鼠をぶらさげたも同然だ。
本能のままに、体の疼きを解き放って目の前のオスへと襲い掛かる。
あっという間に仰向けにすると騎馬に跨る格好で組み敷き
剛根を喰らうように自らの秘部へと捕らえようとする。
普段とはまるで違う、凄絶なほどに妖艶な妻の貌、体を押さえる強い力に
驚き、突然のことに抗うように身悶えさせる男。
しかし押し潰すように寄せられた豊かな胸が男の乳首を弄い、
まろやかな尻が腰周りを磨り潰し撫であげると、全身にぞくりと粟立つような快感が走り
途端にあっさり腑抜けた男の体中から、ゆるりと力が抜けて行った。
おとなしくなった隙に顔目掛けて熱いくちびるをあびせる、お鶴。
そしてお鶴のくちびるが、男の緩んだ口元から舌を吸い出し
咥えしゃぶる頃には、ぱっくりとぬれた下の唇にも男は咥え込まれていた。
そこはいつもとまるで違っていた。
常の交わりでさえ、それまで味わった事も無い途方もない心地よさであったはずなのに、
いま男自身を愛でる動きは、殆どこの世のものとは思えない
もはや責め苦となるほどの快楽を生んでくる。
亀頭に密着し包み込み、癒着したかとさえ感じられる柔らかな媚肉が、
女が腰を揺する度に、攣るような気持ちよさを思い知らせて、引きズリ剥がされて行く。
膣壁のすぼまりが、胴を滑らかに撫でたかと思えば
強く締まり、細やかな襞々がかり首をやすり削るように、ぬめっと通り過ぎる。
この淫らに重なり蠢き、快感を擦り付けるように送り込んでくる肉襞達に誘われれば、
男根は膣壷の奥の奥へと、まるで小水を漏らす如くに堪え性なく、絶え間なく
びくんびくんと白い精を吐き出し続けるしかなかった。
男の身体は既に快楽に従順にたゆみ、動こうとしない。
意識は、眩く脳裏に揺れる危険なまでの快美感を遠ざけようと、
身体との繋がりを断ち薄れ行こうとする。
だが今まで睦み合う中でも感じたことのない、ありえない程に
濃厚にただよう女薫が、艶やかにあえぐ嬌声が、熱くうるんだ肉の感触が、
何よりその極まった快美感自体がそれを許さなかった。
男の頭の中に染み入り、ささやき、侵し尽くし、甘く残酷に脳を励起させ続ける。
ますます勃起は強く滾り、命を垂れ流すように射精は止まらない……
気を失することさえ許されない哀れな男。
優しく与えられる暴力的なまでの厖大な快楽を、正面から受け止める破目に陥り、
かくして女肉の悦楽に比して、あまりに無力であった男の自我は、果て圧し潰された。
痴呆のようにうめき、延々と淫らな痙攣を続け、
緩みきった全身と、張り詰めきった剛直から
涎、汗、涙、精――あらゆる体液汁を放ちながら。
やがて女は落ち着きを取り戻したが、
すでに精気を吸い尽くされ廃人の如くピクリとも動かない男を下に
ただ呆然とするばかり。そしてお鶴はしばし泣き泣きはらしたのち、
静かに家戸より飛び去るのであった。めでたし。
超GJ!
めでたい…のか?
「と言うわけで、恩返しに参りましたぁ」
「はえーよ」
俺の前で座る少女が深く頭を下げたのに対し、真っ先にそんな言葉が出た。
傍目から見れば、仁王立ちの男の前で少女が土下座してる訳だから、
ちょっと普通じゃない光景だ。ただ、この少女は普通じゃない。
金髪で少し小柄なこの少女、
しかしよく見ると、頭の横から長く、フワフワした毛に覆われた耳が飛び出している。
そしてもう一つ、お尻の辺りには7つの尻尾。モコモコとした毛に覆われたそれはまさしく狐の尻尾だ。
コスプレではない事は確かである。
さっき俺が自身で確かめ、頬に残る三条の傷と引き換えに、血の通った本物であることを証明した。
なぜ、我が家に狐少女がいるのか。恩返しがどうのと言い出しているのか。
それを説明する為には、6時間前に遡らねばならない。
折りしも、趣味のハイキング中、山の中で奇妙な鳴き声を聞いた俺は、
わざわざ確認しに行くような物好きであった為、一匹の狐と遭遇した。
あの辺りは、確かに田舎だったが、それでも、狐が出るのは珍しい。
そこで敵意むき出しに吼える狐を、まじまじと観察していた俺は、
そいつが罠に引っ掛かっている事に気付いた。
しかし、これが笑える話で、その罠と言うのがクマバサミとかそんな大仰なものでなく、なんとネズミ捕りだった。
多分、卑しくチーズかなんかに手を伸ばして嵌ったんだろう、
でだ、俺はその怪我をしてるアホ狐に、軽く菓子を放ってやり、
油断した所でとっ捕まえて、その罠を外してやったわけだ。
いや、暴れるは噛むわで偉い目にあったが、散策用に、厚い長袖の服と皮手袋を持参したのが功を奏したな。
で、自己満足に浸りつつ家に帰ってみるとあれですよ、奥さん。
見知らぬ少女が家の中で待ってるじゃありませんか。
うん、すぐに警察に電話しようとしましたよ。
そしたら、見事にサブミッションを極められましてね。
狐の癖に、総合格闘でもやってんのかって勢いでしたね。あれは。
そのまま事情説明ですよ。もうアホかと、馬鹿かと。
助けた狐が助けた人より先に家に帰ってるなんてねーよと。
そんな訳で、落ち着いた俺の前に、助けた狐……、
「そういや、お前、名前なんていうんだ」
「えー、好きに呼んでくださいな」
「じゃあ、キツ子さんで」
「呪いますよ」
「じゃあ、フォックスで」
「横文字は嫌いなんですよぉ」
注文が多いやつだなぁ。
「じゃあ、7つ尻尾があるから七尾だ」
「ちょっと安直過ぎませんか」
「しばくぞ、この野郎」
「はい、それでいいと思いマス」
ともかくだ、七尾と言う名前はついた、
これで一歩前進したかもしれない。何がと言われても困るが。
えーッと何処まで話したっけ。
「あ、そうだ! で、結局恩返しってのはなんなんだ?」
「あぁ、はいはい。私たち一族はですねぇ、
傷つけられたら七代仕返し、恩を受けたら七年仕えよと、そういう掟があるわけなんです。
それで、貴方様に助けられた以上、私も七年貴方に恩返ししないといけないんですよねぇ」
「執念深いというか、義理堅いというか。ともかく、別に困ってないから帰っていいぞ」
玄関を指差し、手を振る俺。勿論左右ではなく、上下だ。
しかし、七尾は引き下がらない。
「そんなぁ、困りますよぉ。何もしないで帰ったら、私が今度は怒られちゃいます。
長老様怖いんですよぉ。知ってますか、鬼狐と呼ばれてるんですよ。
100年前は、隣の山の大猿大将とそれはそれは苛烈な一騎打ちを……」
「知らんわ。そんなローカルな武勇伝」
「う〜、頼みますよぉ、お願いですよぉ」
足元にすがり付いて、懇願してくる七尾。
さすがに、これを振り払うのは気が引ける。
「分かった分かった、そこまで言うなら何ができるか言ってみろ。それ次第だ」
「へっへ〜、私こう見えても、炊事洗濯掃除、何でも出来ますよ」
「ほぉ。家政婦代わりにはなりそうだな。よし、じゃあやってみせてくれ」
こうして、七尾の恩返し試験が始まった。
自分で言うのもなんだが、こんな試験やるのなんかウチが世界初だろう。
うん、全く嬉しくないが。
「帰れ、お前」
「そ、そんなぁ〜〜」
試験は1時間で全て終わった。
というか、コイツ使えない。全然使えない。小学生の方がまだ使える。
最初に料理やらせた時は、
「……あの〜」
「なんだよ」
「これどうやって使うんですか」
「お前コンロも知らんのか。ここをこうやって捻るとだな…」
「わぁ! 火が出た!」
「………」
「あの〜」
「なんだ」
「これなんですか?」
「何って、ピーマンだよ」
「ピーマンってなんですか」
「………」
キッチンどころか食材の半分以上が分からないという体たらく。
幾らなんでも味噌醤油も分からないんじゃ話にならねえ。
かと言って洗濯をやらせれば、
「これは…一体…」
「洗濯機だ」
「……せんたくき?」
「お前今までどうやって洗濯してたの?」
「そりゃ、洗濯板でごしごしと」
「………」
「洗濯板、ありません?」
「ねーよ」
そして掃除、これが一番酷かった。
これまでの例を見て、箒とかだろうと思っていたが。
アイツは、いきなり自分の尻尾を振り回し、
埃といっしょに、部屋の中の小物までいっぺんに外に放り出しやがった。
狐流の掃除だとよ、なめとんのか。
「お願いです! 最後の! 最後の機会を!」
「えぇい。知らん知らん。とっとと帰って長老とやらにしばかれてこい」
「そ、そんな! 殺す気ですか! 何卒、何卒最後の機会を〜」
七尾は涙目で縋り付く…というより、俺にしがみついて来る。
ええぃ、うっとうしい。
「あぁ。もう分かった。いいか、次が最後だぞ」
「へへ〜、ありがとうございます」
「全く…。あー、動き回ったら腹が減ったわ。
飯にするから、お前は大人しくしてろ」
「はぁい」
…ハイキング帰りで面倒くさいな、簡単にできるものにするか。
そういや、レトルトのカレーがあったな。
コイツにも食わさなきゃいかんのか?
「おい、お前、人間の飯は食えるのか?」
「この姿なら、大抵のものは大丈夫ですよぉ」
「便利なもんだな」
カレーが狐の舌に合うかとも思ったが、
コイツは意外にもすんなり受け入れ、ペロリと平らげた後にお代わりまでしてくれやがった。
そんなこんなで飯も食い終わり、一息ついた俺達は、
ゴロゴロと横になり、閑談しながら時を過ごす事にした。
「あー、今日は色々疲れたな」
「体力が足りてないですねー。そんなことだとこれから困りますよぉ」
「半分はお前のせいだけどな」
「そうですねぇ…」
気楽に言ってくれるな、本当にコイツは。
しかし、横になって無駄話を続けていたせいか、腹もこなれてきた。
今日は歩き回ったせいか、どうにも体がベタベタとすると感じた俺は、
ヨッと腹に力を込めて起き上がり、浴室へと向かった。
今思えば、この直前の会話の時気付くべきだったかもしれない。
奴が既に、「恩返し」を始めようとしている事と。
横になりながらも、奴の尻尾がまるで狐が獲物を狙う時のように、怪しくユラユラと揺れていた事に。
後編(エロス)は省略されました、読みたい方はワッフルワッフ(ry
それは冗談として、とりあえず書いてみました、眠いので続きは後日。
エロあんまり書いたことないので期待は程々でお願いします。
狐少女っていいですよね。
ワッフルワッフル
お前、これ続き書かなかったらここの住人に呪われるぞ
ってぐらい続きが読みたい
わふっわふっ!
恩返しが流行っているのかw
なのに、何度木の上から救出してやってもうちの猫ときたら・・・。
狐や鶴に恩返しされるためにちょっと山に罠仕掛けてくる
>>75 朝、起きると体がだるい時ないか?
つまり、そういう事だ。
わっふるわっふる
投下しなかったら十年の呪うぜ
ワッフルワッフル
これって元ネタ何なのかね。
大猿と一騎討ちで某犬漫画思い出した。
80 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 18:44:52 ID:qjwBZitz
>>73 おい職人!呪われたくなければ・・・
書いてください
>>79 ベルギーのワッフルじゃない事は確か
81 :
80:2007/10/29(月) 18:45:29 ID:qjwBZitz
畜生・・・sage忘れた
和んだw
ほしゅ
過疎ってるな
あの人が投下した後はいつも過疎だな
プラナリア擬人化マダー?
浦島太郎の魚介ハーレムマダー?
くまさん・ポン氏まだー?
91 :
一発頼み:2007/11/02(金) 07:35:18 ID:ZFT12iCk
このスレの繁栄を願いつつ、過疎に終止符を打つため投下。以下注意文、これ見てNG設定お願いします。
まともに書くのは初。エロパロ板で二回目の投下だから素人。
微妙に言葉責め有りかもしれない。
パロネタ有り。
設定がファンタジー過ぎる。
と、こんな感じ。生暖かい目で見守ってくれると助かる。
そろそろ裸が辛い季節になってきたので早めに投下願います
>>92 みんなで寄り添って温めあえばいいじゃない。
96 :
有角少女:2007/11/02(金) 17:15:33 ID:ZFT12iCk
すいません、長文でひっかかったりしてゴタゴタしてるうちに、投下しそこないました。やたら改行が多いのはそのせいです。
ご迷惑かけて本当に申し訳ない。
「慌てんぼ〜のサンタクロース♪クリスマス前〜にやってきた♪」
…虚しい。少年は心の中で、心よりそう思った。
今は11月前半、部屋に響くのは調子っぱずれなクリスマスソング。
歌声の主は、小さなクリスマスツリーの前に座る少年。バックコーラスはストーブの駆動音と、時計が時を刻む音―――
「うつだ…死のう」
哀愁漂う18歳、宮部俊彦の呟きが、停滞した部屋の空気に溶け込んだ。
俊彦は一人暮らしだ。なればこそ、この状況を作ったのも俊彦本人である。
事の発端はこうだ、使用されなくなって二ヶ月、いい加減扇風機を片付けようと思い立った俊彦は、
物置部屋に扇風機を運び込んだのだが、その際にこのクリスマスツリーを蹴飛ばしてしまい、なんとなく持ち出して飾ってみたのである。
んで、そのついでにと先程「慌てんぼうのサンタクロース」なんか歌ってみたのだが、それが良くなかった。
去来するのは一年前のクリスマス、一人で安売りシャンパンを開けたときの事だ。
よくよく考えれば、俊彦が最後に誰かと過ごしたクリスマスは5年前。
父、母、そして両親が友達から任されていたという少女と過ごしたものだった。これは酷い。
「切実に彼女が欲しくなってきた……」
そう呟いては見るものの、生れ落ちたその日から、今この瞬間も
彼女いない歴を更新していることを思い出して、更にうつになる……
本気で死にたくなる前に、俊彦は寝る事にした。
さて、どれほどの時間が経っただろうか?自分を呼ぶ声で少年は目覚めた。
「俊彦さん、起きて下さい」
最初に浮かんだのは、誰だろうと言う疑問。前述の通り、この家は俊彦しか住んでいない。
泥棒だとしたらわざわざ起こしたりしないだろう。夢だろうか?
「俊彦さんってば」
揺り起こされている、夢ではないらしい。
上体を起こしながら目をこする、寝起き状態の目蓋がまだ重たかった。
夢としてはリアルな感覚で、現実より少し浮世離れした浮遊感。寝起きか夢か判別できない。
視界が少しづつ鮮明になって来る。最初に見えたのは顔、ベッドの脇で膝立ちして、俊彦の顔を覗き込んでいるらしい。
なかなか整った顔立ちを不安気に曇らせている。その顔に、俊彦は見覚えがあった。
「沙良…ちゃん?」
97 :
有角少女:2007/11/02(金) 17:16:06 ID:ZFT12iCk
そう呼ばれた瞬間、少女は小さく顔をほころばせた。
「はい、お久しぶりです、俊彦さん」
幼い頃、この家に引き取られていた存在。
俊彦にとって、5年前から家族の一員で、自分のよき遊び相手だった妹分、神谷明のモノマネが得意だった、初恋の対象が、そこに居た。
「久しぶりって…なんで家に?」
俊彦は正直言って理解が追い着かない。
こんな時間に勝手に部屋にあがり込んで来ていることもそうだが、
「何故今になって沙良が?」と言った事など、予想外のことが多すぎた。
沙良は一瞬、キョトンと言った感じの表情を浮かべると、得心したかの様に聞いてきた。
「参太雄さんから、連絡もらってないんですね?」
「親父から?特に何もねえけど」
さんだゆう≠セなんて時代錯誤な気もする名前を持つ俊彦の父は、フィンランドではそこそこ有名な事業家らしい。
ただ、俊彦がズボラなのはその親父に似たからだと母親に言われたことがあるので、
連絡を入れるのを面倒くさがっているうちにタイミングを逃した可能性は十分あった。
俊彦はそんな事を考えていたが、沙良の声で現実に復帰する。
「今日は頼みが有って来たんです、その…こんな風に押しかけてきて、いきなりこんな事を頼むのは気がひけるんですが……」
沙良はそこで言葉を止め、指をモジモジと絡ませていた。が、やがて顔を真っ赤にさせながらも
意を決したように、小さいながらもはっきり通る声で言った。
「私を…抱いてもらえないでしょうか……」
……………………。
……………………。
「俺って…こんなに飢えてたのか……」
どれぐらい沈黙していただろうか、俊彦が口を開くまで、部屋の空気は完全に止まっていた。
恥ずかしさの余り、頬を真っ赤に染めてうつむいていた沙良が顔を上げる。
俊彦は何故か布団を被りなおしていた。
「あの〜…俊彦さん?」
「こんな夢を見るなんて…俺も末期だ」
「って、え!?ちょ、ちょっと待って下さいよ俊彦さん!?」
物凄くうろたえる沙良、たいして俊彦はこれでもかと言うほどにローギアだった。
「もう消えてくれ、俺の望んだ幻…これ以上、俺に人の醜さを教えないで欲しい」
「違うんですっ!これ現実なんです!!気持ちはわかりますけど夢じゃないんです!!」
98 :
有角少女:2007/11/02(金) 17:16:50 ID:ZFT12iCk
沙良が必死になってわめきたてるが俊彦は聞く耳を持たない。その内寝てしまいそうだった。
「うう〜、仕方ありません。ちょっと荒っぽいですが……!」
沙良がそう言った瞬間、沙良の頭から二本の立派な角が飛び出してきた。さすが夢……
何でも有りだなと俊彦が思っていると…
「パラァイザァァァァァ!!!!」
二本の角から電流がほとばしった。
「ギャース!!」
物凄い衝撃、おそらく第三者視点でみると、なぜか骨格が浮き彫りになるのではといった威力の電流だった。
「ゆ〜め〜じゃない…あれもこれも〜……」
「やっとわかっていただけましたか」
シビシビと体が自由に動かない状態でそういった俊彦に、沙良が雄々しい角を生やしたまま、ホッと息を吐いた。
「え〜と、だ。つまりその角はトナカイの角で、お前は人の体に変身できるサンタさんのマジカルトナカイだ、と」
「はい、生物学的には変身≠ナはなく変態≠ニ定義されますけど、その通りです」
「で、だ。ウチの両親はサンタクロースで、マジカルトナカイはサンタの関係者か、トナカイの関係者とくっつくのがならわしだ、と」
「はい、その通りです」
まだ体に軽い痺れが残る俊彦だが、あの後すぐに沙良に事情を聞いていた。
いわく、数年間自分を放っておいた沙良の両親は、娘をなんかの政略結婚の駒にしようとしたらしく、
沙良はそれがいやで逃亡中らしい。この事を俊彦の両親に相談したところ、
「結婚させられるより先に結婚しちまえ」と参太雄に言われたらしく、その際二人が冗談のつもりで俊彦を進めた所、沙良が予想以上に喰い付き、
俊彦の親公認で俊彦に会いに来たらしい。軽く親に売られた気分だ。
「つーか、もう少し考えたほうが良いんじゃねえ?俺なんてなんの取り柄もないダメ人間だぜ」
「俊彦さんは、私のことが嫌いなんですか…?」
なぜそうなる、と俊彦は内心で頭を抱えた。正直に言えば願ったり叶ったりで、棚からぼた餅である。嫌いなわけが無い。
というかその表情はやめて欲しい。脳内審判がレッドカードで即退場だ何だと叫びまくっているし。
「嫌いなわけないけどさ…ホラ、順序とかそう言うのってあるじゃん」
99 :
有角少女:2007/11/02(金) 17:20:42 ID:ZFT12iCk
沙良はため息を吐くと痺れた状態で、ベッドに転がっている俊彦の服を強引に剥ぎ取った。
なんかマズったかと俊彦はヒヤリとする。
「おい沙良!?」
「私はもう5年間も待ったんです、もうこれ以上は待てません」
「だからって―――むぐ!?」
なおも言い募ろうとした俊彦だが、唇を唇でふさがれ、舌を舌で絡め取られた。
前述のとおり、俊彦は彼女いない歴を常に更新中の少年だった。必然、これがファーストキスになる。
酸素の補給すらぎこちないのはいたしかたないだろう。肉厚の舌で舌を押さえ込まれ、酸欠を訴えようにも、手や足はまだ痺れていて抵抗もできない。
意識が遠のき、酸素の足りなくなった脳は、理性を総動員させるといった命令も下せない。
俊彦自身が反応を始めたのも仕方なかった。
沙良が俊彦の口内から舌を引く。銀色のアーチがかかったが、途中で切れて、露出された俊彦の胸板に落ちる。
くるりと沙良が顔を反対方向へ向け、俊彦のパジャマの隆起した場所に触れる。
「沙良、もう―――」
「おかしな事言わないで下さい俊彦さん。あなただって、こんなに悦んでるじゃないですか」
そういって、生地越しに肉棒を撫でる沙良。そのむず痒いような感覚に、俊彦の愚息はバカ正直に反応した。
「う…」
何も言い返せなくなる俊彦、不甲斐無いと感じつつも、最初程止めようと言う気持ちが起こらない事を、自分でも実感している。
俊彦が逡巡する間に、するすると服を脱ぎ捨てる沙良。全裸になると、俊彦の腹の上に跨って自分で自分の秘所を弄ぶ。
5年越しの思い人の前、というか上で自慰にふけるという行為が、沙良に倒錯的なまでの喜悦をもたらし、沙良自身が驚くほどの蜜を分泌する。
「これだけ濡れてれば、多分大丈夫ですよね」
「ちょい待て沙良!さすがにそれはマズいだろ!?」
「でも俊彦さんの体は涙を流して悦んでますよ?」
「自分の上で自慰されて反応しなかったら俺は不能だわ!!」
「嫌だったら体で抵抗してくださいよ、こんなに悦んでるこの体で」
そう言いながらパジャマを脱がす沙良、先程沙良が言ったとおり、
俊彦のナニは涙を流して、物欲しそうに鎌首をもたげていた。うわーい説得力ゼロだ、あはははは。
100 :
有角少女:2007/11/02(金) 17:25:18 ID:ZFT12iCk
二度、三度となで上げ、自分の秘所にあてがう沙良。すう、と一呼吸おいて、一気に腰を落とし、根元まで飲み込む。
衝撃、今の俊彦の心境を表すのはその言葉だろう。衝撃の内容はいろいろ、「まさかこんな突然に脱童貞っすか」だとか、「つか逆レイプで脱童貞かよ」とか、「へぇ〜、ナカってこんなんなんだ」とか色々。
「〜〜〜〜っぅ!!」
対する沙良の方は口を両手で押さえ込み、苦悶の声を漏らすまいとしている様だった。
ぽろぽろと涙がこぼれている。痛みに耐えるためか、かなりの力が入っており、締め付けも厳しいものになって来ている。
「大丈夫か、沙良?」
話し掛けようとして自分も息を荒げていることに気づく俊彦。正直、「人の心配より自分の心配をしたらどうだ?」状態で、根元には熱いカタマリを感じる。
「だいじょう…ぶ、です」
口元から手を離し、まったく大丈夫ではなさそうながらも応える沙良。
マジカルトナカイ的な、挿入されても痛くなくなるマジックは無いようである。
「でも、この状況で…私を気遣えるなんて凄いですね、俊彦さんは……」
「イヤ、正直ギリギリなんだけどね…」
「…へぇ」
小さく呟いて、ゆるゆると腰を動かし始める沙良。本当にゆっくりだったのに、お互い驚くほどの快感に襲われてしまう。
二回、三回と上下運動を繰り返すうちに、臨界点へと確実に近づいていく俊彦。それを伝えようと思うが、快感の波に耐えるため、それもできない。
「くっ…」
「出そうなんですか?俊彦さん」
こくりと肯いた。今の俊彦の体では、それが限界だった。
沙良はにこりと笑うと、全力で腰を振り始めた。
当然耐えられるわけもない。俊彦はあっけなく射精に至る。沙良の胎を白く染め上げるかのような激しい脈動に、俊彦は驚いた。
「ん…俊彦さんの精子…暖かいです……」
恍惚と表現しても差し支えない表情で、沙良が呟く。
「なあ、ホントによかったのか?」
知らず、俊彦はそう言っていた。沙良が怪訝そうに俊彦に顔を向ける。
「俺なんかに抱かれて、ほんとによかったのか?」
沙良はぽかんという表情を浮かべたが、次の瞬間には盛大なため息を吐いた。
「あのですね、俊彦さん。ここまでしておいて実は乗り気じゃなかったとかだったら、私ただのバカなんですけど」
「…ということは?」
おそるおそる、と言った風に、俊彦は問い掛ける。
「後悔なんて、してるわけないじゃないですか」
あきれたような笑顔で、沙良はそう言った。ほう、と俊彦は息を吐く。
「そっか…」
「それに…中に出しちゃった以上、俊彦さんは私の事貰ってくれますでしょう?」
沙良の問いに俊彦は顔をしかめる、しばしの逡巡の後、小さく呟いた。
「決まってるだろ……」
そう言って首を縦に振る。今の俊彦の精神では、それが限界だった。
101 :
一発頼み:2007/11/02(金) 17:29:19 ID:ZFT12iCk
これにて投下終了。こんな駄文だが、このスレの繁栄の役に立てば嬉しい。
さて、三年ほどロム・ストールしてくる。さようなら。
>>101 GJ!!
でもクリスマスの事考えたら…orz
逆レイプで共生中出し、その後なし崩し的に結婚・・・・うむ、GJ
>>101 GJ!
そして、パライザーでワロタwwww
ガイキングかよ。(笑)
>>101 素直にGJできない俺がきましたよ。いや気持ち的にはGJなんですがね?
ただ単にリアルに妹が沙良な訳で…それが逆レイプしたり角生やしてパライザーとか…
俺はどうすれば良いのディスカ!?;y=-( ゚д゚)・∵.ターン
今日は野良猫を見たんだ、無視しようとしたけど、このスレを思いだして助けようとした。
でもね、あまりにも汚れててとても近寄る事ができなかったんだ…
俺は猫好きだけど奴はちょっと…
復讐されるかな?
されるよ!(AAry
さあ、家に帰ったらボロボロの猫耳おにゃのこが不機嫌そうに待ち構えていた
妄想で一本SSを書く作業に移るんだ!早く!
俺羽根が折れたトンビがいたから助けようとしたんだ
…全力で逃げられたorz
メス猫のの三毛があぐら描いてる俺の股の上でスヤスヤ寝てる。
撫でてやったら嬉しそうに鳴くんだわこれが。
猫耳メイドとかいいな。
突然失礼。こんとこアクセス禁止で・・・俺悪い事したのかな・・・
擬人化度:★☆☆☆☆ 凶暴度:★☆☆☆☆ 逆レイプ度:★☆☆☆☆
ですがよろしく。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
まだ朝霧の残る小高い山に響く荒い呼吸
ランニングスーツに身み、朝霧を切り裂いて長い石段を駆け上がっていく
ここは俺お気に入りのトレーニングコース、通称、「地獄の石段昇り(俺命名)」だ
そもそもここを見つけたのは偶然で、ある休みの日に散歩に出かけたのがきっかけだった
小高い山があるのは知っていたので、散歩ついでに登ってみようときてみると
目の前にあったのはゴールの見えない長い長い石積の階段である
さすがに最初は躊躇したが、せっかくここまで来たのだから・・・と登ってみた
そして、登り終えるとそこで待っていたのは鎮座する2匹の狛犬と寂れた神社の姿だった
雑草は伸び放題、コケは生し放題、狛犬もコケまみれで可哀想に見えた
だが、俺はその人気の無さと静けさが気に入り
出勤前や休日にはここでトレーニングをするようになった
ここの階段は1往復するだけで体力の限界を感じてしまうが、朝の訓練にはちょうど良い
最近では、使わせてもらっている感謝の気持ちも込めて清掃を行っている
今では、草の生え放題だったのも綺麗になり、
コケまみれで緑色になっていた狛犬たちも、凛々しい姿を見せている
(しかし、ここでトレーニングを始めて数ヶ月になるけど、未だに誰とも遭遇していないなぁ・・・)
そんなことを考えているうちに頂上に到着し、狛犬達の間を通って境内に入る
乱れた息を整え、少し休息した後に石段を駆け下り、家へと戻る
その途中・・・
「じゃあ、また明日っ」
そう言って、狛犬達の頭をなでてやってから石段を駆け下りるのが俺の習慣になっていた
そして、ある休日の朝、俺はいつものように石段を駆け上がっていた
だが、前日に雨が降った影響で足元が濡れている為にスピードは出せない
ゆっくりしっかり慎重に一段一段昇っていたのだが、足を踏み込んだ瞬間・・・
‘ツルッ’
その瞬間、“やっちまった”という考えが頭の中をよぎる
足を滑らせた瞬間に体の重心が後方に引っ張られてしまい、咄嗟に滑らせなかった方の足を後ろに出した
しかし、そこが平地ならばもう片方の足を付けば良いのだが、あいにくそこは急勾配の石段
出した足は空を切り、少し落下して下の石段に接触する
そして、雨で濡れて摩擦の減少した石段は落下した俺の足をさらに滑らせて・・・
‘ゴッ’
視界が上下さかさまになり、鈍い音を聴いた次の瞬間、俺の視界は真っ暗になった
「はむっ、ちゅっ」
「あ、マコばっかりずるいっ、私も舐めるのっ」
「もうっ、私まだ少ししか舐めてないっ」
気が付くと俺はどこかに寝かされていたが、病院のベットの上ではない
ごつごつした床に見覚えのある天井、間違いなく山頂の社の中だ
しかし何だ、今の声は?
そして、声のする方を向いた瞬間、俺はまだ夢を見ていると認識した
なぜならば、そこにいたのは全裸のかわいらしい2人の少女
なぜか頭の上にはふさふさの毛で覆われた三角形の耳
おしりからは尻尾が生えており、うれしそうにパタパタと動いている
しかも、俺は何故か全裸で、少女の一人が俺のイチモツを嬉しそうに加えていた
(いやぁ、地獄の石段とか言っていたけど、実は天国への階段だったんだな)
あいにく体はうまく動かず、少女たちにされるがままだ
「あ、見て」
美少女の一人が俺の意識が戻ったことに気付き、よろこびの声を上げる
「ここは夢?天国?俺はもう死んだのか?」
俺の発言に、顔を見あわせ、キョトンとする二人
「今はもう昼ですよぉー夢じゃないですよぉー」
「あなた死んでないですよぉーあの世でもないですよぉー」
“死んでない”という言葉に安堵感と脱力感を覚える
「あなたの心の警報が聞こえたからお助けしたんですよぉー」
「とっても重かったですよぉー」
確かに、頭には包帯が巻かれ、治療した形跡がある。
だが、今までこの神社で人に会ったことは一度もないし
よりによって全裸のコスプレ少女2人にイイコトしてもらえる覚えは無いのだが・・・
「そういえば、君たちはいったい誰なんだ?」
すると、そのセリフを待っていましたとばかりに声を上げ
「私の名前はマコ」
「私はコマ」
『私たちは、この神社の狛犬です』
耳と尻尾をピーンと立て、声をハモらせながら言う2人
狛犬?なんとか首を動かして社の外を見てみると
開け放たれた格子の間から、狛犬がいるべき場所に台座しかないのが見て取れた
「・・・マジか?」
「あなたは、私達やこの神社をきれいにして下さいました」
「だから、コレは恩返しなんです、おとなしく受け取ってください」
すると、イチモツをくわえ込んでいた少女の動きが激しくなる
‘ピチュッ クチュッ’
と、音を立てて唾液を絡めながら丹念に舐めしゃぶる
彼女の小さい口ではその先端部分を舐るのが精一杯だが
小さな舌が亀頭や尿道口をクリクリと刺激してくる
また、手で睾丸をコロコロ転がし、さらなる快感に襲われる
「あ、コマちゃん上手、じゃぁ私はお兄さんのお口を気持ちよくしてあげるね」
すると、もう一人が顔に近づいてきたかと思うと俺の口に舌を入れて愛撫してくる
「んっ、チュッ、ねぇ、お兄さんも舌を絡めてくれなきゃいやぁ」
俺は、求められるままに彼女の舌を絡めとる
どちらかというと、俺が彼女の口に舌を入れる形になっているが
彼女の舌がシュルシュルと俺の舌を動き回る
ペニスに与えられる刺激とあいまって、俺のモノは限界一杯まで勃起していた
「んふっ、そろそろ、入れても良いよね・・・」
そういうと、俺のペニスを舐めていた少女が立ち上がり
自分の小さなアソコを指で開いて俺に見せ付けてくる
そして、ゆっくり腰を下ろすと、俺の亀頭と彼女の入り口が密着した
「はぁ、はぁ、・・・うぅ、入るかなぁ・・・」
少女がゆっくりと腰を下ろすと、俺のイチモツにもズッシリと力が加わっていき
‘ズンッ’
「あああぁあぁぁっ!」
挿入された痛みか快感かはわからないが、雄たけびを上げる
しかし、臆すことなく体を上下させ、ピストンを開始する
「んっ、いっぱいいっぱい、気持ちよくさせてあげるんだからぁー」
その中の締め付けはきつく、俺のペニスの半分近くしか入らない
「あっ、奥にズンズンくるよぉ〜」
実際、俺のペニスの先が彼女の中の行き止まりを小突いている
小さな中はぎゅうぎゅうと俺のものを締め付け、絞り上げていく
「はぁ、はぁ、はぁ」
体が上下すると、それにあわせて尻尾が上下しているのが見える
「ひんっ、はんっ、ああっん」
「ぴちゅっ、くちゅっ」
小さな社の中は、2人の狛犬少女が作り出す淫らな音で溢れていた
「ねぇ、そろそろ私と交代・・・」
俺の口を愛撫していた方の狛犬が交代を要請した
だが、あいにく俺のペニスを絞りとるのに夢中で、声は届いていないようだ
プクーっと頬を膨らまして講義するが・・・
「むぅ、いいもん、じゃあ私はお兄さんのお口でしてもらうもんっ」
俺の頭の上に自分のアソコを持ってくる
目の前には少女の綺麗なお尻が広がり
「舐めてぇ〜、ねぇねぇ〜」
お尻を振って幼いアソコが俺の上で左右に揺れる
そして、何もしない俺に痺れを切らしたのか・・
「えい」
‘ムギュ’
無理やり俺の口に押し付けられた
「むぅ〜、むぐぅ〜」
しかたなく、舌を出して毛の生えていないアソコをチロチロと舐める
ピチャピチャとなでると、愛液がじわじわ染み出てくる
「舌・・もっと舌を中に入れてぇ〜」
俺がリクエストに答えると、彼女の中は俺の舌をギュウギュウと締め付けた
「はぁ、はぁ、お兄さんのおちんちん、気持ちいいよぉー」
「はぁ、お兄さんのお口も、とっても良いよぉー」
「私っもうイクよぉー」
「あっ私もっ・・・もおっ・・・」
『あぁぁぁぁーーー』
幼いアソコに精液を捧げ、また、俺の口の上であえいでいた少女は俺の口内に愛液噴出させる
その瞬間、俺のペニスから何かが吸い取られるような感覚を覚える
「はぁ、お兄さん、もう一回・・・・あれ?」
そこには、力なくうなだれる俺の姿があった
「マコ、あなたお兄さんの“力”吸い取ったでしょう!」
「あっ、ゴメーン、つい夢中になって・・・」
2人で同時に悩みこんでしまった
「でも・・・気持ちよかったよね・・・」
「うん、とっても気持ちよかった」
力なくうなだれる俺をよそに、喜びの声を上げる二人
「ねぇねぇ、どうせこの神社は誰も来ないんだし、ず〜っとここでエッチするってどう?」
「賛成!これで、お兄ちゃんとずっと一緒にいられるね!」
体力が限界になり、動きの取れない俺に対して最終宣告をする二人
そして、再び俺を襲おうと顔を見合わせていたその時
「やめんかぁー!」
‘ズガッ’
『ふぎゃ』
突然、双子の脳天に強烈なチョップが振り下ろされる
『何するんだぁー』
声をハモらせながら攻撃者のほうを向いた瞬間、2人の顔が凍りついた
『アワワワワワワワ・・・』
双子は登場した謎の人物を見ると完全にビビリモードになり
『ごめんなさぁーい』
・・・と突然やってきたこの人物に平伏してしまった
「まったく、よりにもよってこの神社の恩人になんて事を」
「うぅぅ、ごめんなさい・・・もうしません」
「お願いですぅ、許してくださいぃ・・・」
怒り心頭の人物に対して、目に涙を浮かべて許しを請う双子
そこにいるのは誰何のか、後光が激しすぎて何も見えない
これ以上何もしないことを確約させると、その人物はため息を突きつつ光の中に消えていった
『ごめんなさぁーい』
犬耳と尻尾を垂らしてうつむきながら謝る双子
よく見ると、うつむきながら目には涙を浮かべてこちらの様子を伺っている
可愛い子供にそんな顔をされたら、許さないわけには行かない
俺が怒っていない事を伝えると、嬉しさで抱きついてきた
「ねぇ、また来てくれるよね?」
「ね?」
着替えを済ませ、石段を降りようと歩みを進める俺に尻尾を振りながら訴えかけてくる
「あぁ、もちろん」
そういうと、嬉しそうな顔をして俺を送ってくれた
結局、それからも俺はここでトレーニングを続けており、何度か双子の相手をしている
双子ばかりか、この前は上司と名乗る謎の女性にも襲われた
また、最近では、帰り際にお供え物と称して色々とおねだりしてくる、
「今度のお供え物はおだんごがいいかなぁ〜」
「え〜、私はお兄さんの体があれば何もいらないよぉ〜」
無邪気な所が可愛いけれども、怖いところでもある
そして、俺は今日も石段を昇る
『おかえりぃ〜』
「あぁ、ただいま」
まるで我が家のように明るく出迎えてくる二人に会うために・・・
―終―
どこかで狛犬の双子という天の声を聞いたので書いてみた。
なぜかずっとアクセス禁止で投下できずにスマン
・・・DIONのバカヤロウ!
オモロイぞ。上司は祭神様か……
その辺の続きは「人間以外の女の子とのお話」スレで読みたいな
アナルはいいけどふたなりとかやめてほしい
>>116 ベネ(良し)。
ただ、
>嬉しそうに「加えて」
この手の誤変換をする人が多すぎる。
色々言いたいこともあるが、ここでは言わない。無論それはハエトリスキー氏個人に対してではないことを明記しておく。
>>117 そこって人外なら動物でも植物でもアリですか?
>>120 見直しはしているつもりなんですが・・・
誤字脱字を気にするとまったく書けないのでスイマセン
前編
>>69-72 「うー、いい気持ちだ」
シャワーを浴びながら、思わずそんな声が出る。
熱いシャワーのしずくで汚れといっしょに疲れた体が癒されていく。そんな気さえする。
やっぱ、風呂と睡眠はこの世で最高の贅沢だよな。そんな親父くさいと言うか、爺くさい事を考えていて時、
突然、後ろからひんやりとした風が吹いてきた。
「んん?なん……」
思わず振り向いた俺の前には、素っ裸の七尾。
突然の展開について来れず、言葉が詰まる。
え。と言うか、ナニコレ。普通、物語的と言うか展開的に逆じゃん?
「というか、展開とかそういう問題じゃねーッ!」
「わわ、びっくりしたぁ」
カルタ名人も真っ青の速度で洗面器を手に取り。
すかさず下半身を隠す。よし。取りあえず丸腰は免れた。
落ち着きを取り戻した俺は、目の前のアンポンタンを問い詰めることにした。
「なに勝手に入ってきとるんだお前は!」
「いやー、恩返しの機会かなぁと思っちゃいましてぇ」
「背中でも流そうってか?」
「アハハハハ、違いますよぉ」
ニヤソとでも言いたげな、悪そうな笑みを七尾は浮かべる。
……なんかヤバイ。よく分からんがヤバイ感じがする。
「いいから、とっとと出てけ! それから服着ろ!」
「えー、何言ってるんですか? 恩返しはこれからですよぉ」
ユラリと奴の後ろで尻尾が動いた。と思った途端、
その尻尾が物凄いスピードで俺に向かってきた。
反応する間もなく、それは俺の両手両足に巻きつき、俺を床に組み伏せる。
「のあっ!」
「どうですかぁ?痛くありませんかぁ?」
のんびりとした声で七尾が俺を見下ろしてくる。
こ、このボケ狐。なにさらしてくれる!
「というか、晒してるのは貴方ですけどねぇ」
「ほっとけ!」
4つの尻尾に押えられ、俺のか細い装備である洗面器はあっという間に取り上げられてしまった。
つまり、俗に言う丸出し状態。しかも、目の前には全裸の少女。
幼く見える面持ちの割には、それなりにボリュームのある胸。
元が野生の狐の為か、無駄な肉は無く、臍からアソコの辺りまで均整の取れた身体。
元々なのかそういうニーズなのか、両手足だけは半端に擬人化しており、
指先や足先の肌の白さと柔らかな黄色い毛が相まって。美しさを際立たせているように見える。
血が一部に溜まっていくのも必然というわけだ。
「いい加減にしろ、この野郎! 恩人さらし者にするのがお前の恩返しか!」
「違いますよぉ。恩返しはむしろこれからです」
「何が恩が…ウグ!」
最後まで言う前に七尾がのしかかり、俺の唇を奪った。それだけじゃない。
七尾の舌が俺の口の中をゆっくり撫ぜ回して行く。
頬の辺りをなぞり、舌を絡ませゆっくりと丁寧に口内を愛撫していく。
その感触に加え、七尾のそれなりに大きい乳房の感触をダイレクトに胸板で感じ、
こんな状況でありながら、嫌が応にも気分が高まっていく。
そのまま抵抗できない俺をタップリと舐り倒した後、ようやく七尾は離れた。
「ぷはっ、どうですかぁ。気持ちよかったですか?」
「恩返しって…、こういう事か…」
「はい!」
「人を拘束したままやる事かッ!!」
ニッコリと笑う。不覚にもその可愛らしい微笑みに、一瞬心を奪われた。
が、すぐに我に返り、体を捻って拘束から抜け出そうと暴れまわる。
「だって、これが最後だって言ったじゃないですか。
だから、絶対に失敗しないようにしないとって思ったんですよぉ」
「やかましい! 早く離せ! 離せ! HA・NA・SE!」
「あー、あんまうるさくしないで下さい」
スルルともう一本の尻尾が伸びてきて、俺の口を覆う。
ヤバイ。これで助けを呼ぶ事も出来なくなった。
「それじゃ、始めますねー」
「ムムグ……ムゥ!?」
「んあ……ふっ…」
何を始める気だ、と緊張走らせる俺の前で、七尾は思いもよらない行動に出た。
自分の胸を手で包み、それをヤワヤワと揉み始める。
さらに、尻尾の一本を自分の秘部に当てゆっくりと上下になぞり始める。
これは…、いわゆる一人エッチと言う奴でわ。
「ムググ! ムグゥ!!」
「あん! 暴れないで下さいよぉ…」
俺が、尻尾で押さえつけられている間も、七尾は腹の上に跨ったまま、自慰を続けている。
まるで、俺に見せ付けるかのように、自分の乳房を持ち上げて乳首を舐めたり、
尻尾や指を秘部に出し入れしたり、艶やかな喘ぎ声を上げながら、濡れた眼で俺を見つめて昂らせる。
俺とて健全な若者な訳で、こんな痴態を見せ続けられれば、そりゃ勃起の一つもします。
というか、むしろそれをじっと見ながら体を動かせないのは拷問だ。
さっきから、起ちっぱなしのアレが痛いほど張っている。
「フフフ…、そろそろいいですよねぇ」
「…? むぐぅ!」
七尾が愛液に濡れた指で、俺のそり立った息子を撫であげた。
トロリとしたその感触に、思わず腰を上げてしまう。
その様を楽しむように、ニチャニチャと音を立てながら愚息を弄ぶ。
「フムゥ! ムグゥ!」
「アハハ、気持ちいいですかぁ。もっと良くしてあげますねぇ」
七尾はひとしきり前戯を愉しんだ後、腰を上げ、
いよいよ本番ですとばかりに、不敵な笑みを浮かべて見せた。
あぁ、こいつは分かってやってると思ったね。
限界に来ている俺が、早く入れてくれとばかりに目で懇願しているってことに。
そして、それを確認してから、奴は目標に向かって一気に腰を下ろした。
「〜〜〜!!!」
「アハァァ!!!」
声にならない悲鳴と、嬌声。
あいつの中に入った肉棒が、肉の壁によって揉みしだかれ、あまりの快楽で声にならない声が出る。
それだけでなく、七尾自身も腰を激しく振り、ぬめぬめの膣内で淫靡な水音を立てながら嬲られる。
俺は力いっぱいに床を叩き、善がり狂うが、その度に七尾は体の位置を巧みに変え、
まるで荒馬を乗りこなすように腰を振り、俺に快楽を与え続ける。
「どぅ…ですかぁ…、聞くまでもないですけどねぇ…」
「〜〜グッ!! グムゥ!!!」
「アハァ。いい顔ですねぇ…そろそろイっちゃいますかぁ…」
「〜〜〜ッ!!」
ペロリと舌を出し、七尾は内股をギュッと締め付けた。
肉壁によって高められていたモノに、更なる刺激が加わる。
既に限界まで来ていた俺は、耐えようと考える間もなく噴出していた。
びゅるるるうう!!!
「……ハァ!ハァ!」
「出ちゃいましたねー」
荒い息をしながら、俺は快感の余韻に浸る。いつの間にか口に巻きついた尻尾は外されていた。
よく考えてみればこんな物口につけてヤってたんだ。もうちょっとで呼吸困難になるところだった。
こいつ、まさかそこまで見越して…。
俺の視線に気付いたのか、やや不敵に笑いながら七尾が耳元に囁いてきた。
「どうですかぁ。恩返し…満足しました?」
「……これで、満足したって言ったらどうする?」
「主従関係成立ですねぇ」
「つまり、お前が居座るってことか」
「ま〜、そうとも言いますねぇ」
「この女狐め……」
どうしたもんか…、正直、可愛い女子が傍に、と言うのは魅力だ。
だが、こんな風にいいようにされて頷くというのもむかつく。
それに、人一人抱えるというのはそんな楽な話じゃないだろう(狐だけど)。
食費も生活費も一人分増えるわけだし。まさか、必要な時以外は外で過ごせというわけにもいかんだろうし。
何より、俺はまだ学生だし…。
「ヌグァ!」
考え事は唐突に股間に走った感触で途切れた。というか途切らされた
七尾が体を動かしたらしい。
「何考えてるんですかぁ。一言ハイって言ってくれればいいのに」
「人間には色々と事情があるんだ!」
「やだなー、そう言う面倒な事は全部あとで考えればいいんですって」
「……駄目だ、こいつ」
「じゃあ、力づくで言って貰いますねぇ」
七尾が腰を浮かし、ズルズルとアソコに入った愚息を引き抜いた。
ドロッとした白濁液が滴り落ちる。結構な量出したもんだ。
だが、完全に引き抜いた後、今度は尻尾が蛇の如く、逸物に絡まってきた。
「んなっ! 何を!」
「決まってるじゃないですか。素直にしてあげるんですよぉ」
「ぁ…ぐぁ!」
「あぁ…いい顔ですねぇ……」
七尾はクスクスと笑いながら、モコモコとした尻尾が動かし始める。
長く柔らかい毛が、擽るように雁首を這いずり、萎えていたアレを再度いきり立たせる。
更に七尾は亀頭に顔を近づけると、愛しそうに一舐めした。
人とは違う、獣特有のザラっとした感触を急所に感じ、俺は初心な少女のように喘いでしまう。
それを楽しむかのような七尾に、柔らかな尻尾で棹を摩され、刺激的な舌で噴出孔を舐られ、
二度目の射精に達しようとした、その時、
今まで、下腹部で愛撫するように動いていた尻尾が、逆に拘束するようにグルリと締め上げた。
「ぐぁ…!」
「出す前にですね、お返事を聞いておきたいなぁと思いまして」
「へ…返事?」
「私をここに置いてくれますよね?」
言いながらも、七尾は舌の動きをやめず、更に刺激を与え続ける。
既に、限界に来ていた俺に抗う術は残っていなかった。
「わ…かった…」
「もっと大きな声で言ってくださぁい」
「分かった! 居てもいいから! は、早く出させてくれぇ!」
「ハイ、よく出来ました」
止めとばかりに、七尾は下から上まで一気に舐めあげた。
それと同時に、尻尾の拘束が緩み、堪えていたものが一気に噴出す。
ぴゅるるるるるるる………、
大分溜められていたせいか、二度目だと言うのにかなりの量が飛び散り、
最後の刺激を与えた七尾の顔は、髪の毛まで顔に飛び散った精子でベットリ白く汚れていた。
まるで毛繕いするように、七尾はそれを丹念に舐め取っていく。
「あぅ、顔にかかりましたぁ…」
「……ううぅ、そんだけ顔近づけてれば当たり前だアホ」
「まぁ、目的は達しましたし。終わり良ければってことで問題無しですねぇ」
そこで、ようやく七尾は俺の四肢に纏わせた尻尾を解いたので、
俺は多少ふら付きながら起き上がった。やっと開放された訳だ。ヤレヤレ。
しかし、その代償にとんでもない約束をしてしまったもんだ。
「これで、さっきの約束は無しとか言ったらどうする?」
「あれ? まだ足りないんですか?」
「言ってみただけだ! 言ってみただけ!」
尻尾が怪しく蠢き始めたので、慌てて訂正する。
こいつに下手な冗談はやばいな。
「いやぁ、でも本当に良かったですよぉ」
「何がだよ」
「いい主人が見つかってぇ」
「あぁ。そうか…………………待て」
聞き捨てならぬ一言が聞こえて、俺は七尾の頭をグワシとつかむ。
「わっ。何するんですかぁ。離してくださいよぉ」
「お前、確か恩返しに来たんだよなぁ」
「はい、そうですよー」
「じゃあ、いい主人が見つかった。ってのはなんだ?まるで、事前に人材を見繕ってたような言い方だな」
「ギクッ!」
七尾の尻尾と髪の毛が、まるで生きてるかのように逆立った。さすが狐。
俺はギリギリと頭を掴む力を強くしていく。
「考えてみれば、ちょっと偶然にしては出来過ぎてるよなぁ?
滅多にいないはずの狐に出会って、それが罠に引っ掛かってて。助けて恩返し。
一体どこのむかしばなしだろうなぁ?」
「よ、よくある話ですからぁ…」
「あの辺って民家無いのに、なんで都合よくネズミ捕りの罠があったんだろうなぁ」
「ギクギクッ!」
「しかも、よく思い出してみれば、罠に挟まれてたわりには怪我もなかったよなぁ。バネも緩かったし、あっさり外せたし」
「ギクギクギクッ!」
「さて、何か言いたい事でもあるかね、七尾さん」
「全てはただの偶然ですよ♪。
……あ、痛い!痛い!痛い! すいませんすいません!
郷が退屈だったもので、掟を大義名分に外に出る機会を待ってたんですぅ!」
甘夏を握りつぶす程のアイアンクローが効いたせいか、あっさりと白状しやがった。
七尾は頭を摩りながら、なみだ目でこちらを伺ってくる。
「えーっと、怒ってます?」
「呆れとるわ」
「ううぅ」
やれやれ、しょうがない奴だ。本当に本当にしょうがない奴だ。
「全く…、呆れて追い出す気にもなれんわ」
「…え? それって」
七尾は一瞬、虚を突かれたようにポカンとして、
すぐに笑顔に変わると、俺に思いっきり飛びついてきた。
「ありがとうございますぅ!!」
正面から抱きつかれているので胸の辺りに、柔らかな感触が…、
漢としては、この状況に甘んじるべきなのだろう。
だが、このままでは確実に危うい事態が起こる。と俺の直感が告げていた。
「……ニヤァ」
「ギクッ」
因みにこのギクは七尾ではない。俺のものだ。
裸体の少女に抱きつかれ、そのスベスベとした肌を堪能していた俺の身体は、
二度放ったにも関わらず、正直に反応していた。
…これが若さか。
とか言ってる間に、いつのまにか抱きしめられる腕に力がこもり、
俺と七尾を結びつけるように、尻尾がグルグルと巻きついていく。
「恩返し、足りませんでしたねぇ…」
七尾が体を少しずらし、俺の棒を自分の膣へと一気に引き込む。
さっきも味わった膣が締めあげ、はげしく蠕動を始めた。
どうやら、俺の受難はこれからはじまったばかりのよう……
くっ…うっ…あっ! アーーーーッ!
後編でした。エロって難しいですね。前編の数倍時間が掛かりました。
一編に書いたほうがよかったかな。
七尾のキャラについては腹黒にするか、天然にするか考えましたが、
最終的に腹黒っぽいアホの子で決定しました。
楽しんでいただければ幸いです。また暇が会ったら会いましょう。ノシ
ありがとう
アホの子は大好きです
テラGJ
七尾かわいいよ七尾
>>128 おい、貴様・・・・
GJ過ぎるじゃないか。この昂りをどうしてくれる
>>128 GJ、アホな娘は大好きです。
やっぱり逆レは最高だな〜。
鯱の幸さんの完結編ってまだだよね?
134 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:05:07 ID:gwmk2sFy
>>128 GJ!!
これは間違いなく夢に出てくる
ごめん、あげちゃったorz
夢でお預け食らってくる
今の時期って、冬眠前の擬人化した凶暴な♀動物達が餌を探してる時期だよな?
ちょっと山に行ってくるわ。
そういや庭に猫が三匹ほど集まってたなぁ
こたつの中で座椅子に座ってるんだが、ぬこが膝の上で寝てるよwww
>>137 気を付けた方が良い、狙われてるぞ。(笑)
・・・どうも、お久しぶりとかそういうレベルじゃないメサイアです。
あれから色々と忙しくて、このスレに来る暇がありませんでした。
皆さん、5ヶ月くらい待たせてしまって、本当に申し訳ありません。
ちょっと時間がかかるとかそういうレベルじゃないですね。本当にごめんなさい。
では、作品を投下します。
保管庫の「猫娘13」の続きです。以下は注意点。
・ようやくエロが入りましたが、尺が短めです。
・主人公の気がコロコロと変わります。
・地の分多め。
なあ、俺はちっとも悪くないんだ。
ただかりん謹製の朝ごはんを食べて、らぶらぶモードでーす♪ に入って、食い終わったからゲームでもしようと思っただけなんだ。
何で、それだけで部屋に入ったところに腹に一撃を喰らって気絶……うん、気絶してたんだよな、俺。
気絶させられて、目が覚めたらおもいっきり厳重に縛られてて、目の前であげはに俺のPCを使われなければならないんだよ。
嗚呼、今日は浮き沈みの激しい日だな……
「ふーん……あんたはいっつもこんなのを見て興奮してるわけ?つくづく駄目人間ね……」
「おーい、あげはー。今ならまだ許してやるから、今すぐこの縄を解きやがれ。あと俺のPCを勝手に使うな」
「あら、起きた?ふふん、いい気味だわ。あんなに威張りくさってても、所詮人間ね、大した事ないじゃない。こっちが拍子抜けしちゃったくらい」
「いや、だから俺のPCを……」
「いいじゃない、減る物じゃないし。ケチケチしないの」
て言うかPC使えるのかよ、お前……いつの間にマスターしたんだ?
……いや、そうじゃないそうじゃない!
「ていうか俺が一体何をしたって言うんだよ。正直、全く身に覚えが―――」
「覚えが無い、ですって!?」
「え、ちょ、おまっ」
俺の言葉を聞くやいなや、あげはが俺の方に倒れこんできた。
ちょうど、あげはが俺を押し倒したような形になる。
「大体あんたは何もわかっちゃいないのよ!あたしだってあんたの事を気にかけてやってるのに、あんたはかりんとばっかり……あたしの気も知らないで!」
一方的にあげははまくしたてる。その目には涙が浮かんで―――って、涙!?
あげはの奴、そんなに俺のことを……
「ずるいのよ、あんたはいつも!本当に……本当に……っ」
・・・ああ、そういえばそうだ。
あげはだって俺のことを思ってくれているはずだ
それなのに俺はかりんのことばかり気にして……
ああ、馬鹿だ。俺は本当に馬鹿だ。
「なあ、あげは……」
「何よ!」
「ごめん。俺、お前の気持ちなんてちっとも分かっちゃいなかった。お前も、俺をそんなに想ってくれてたんだな」
「そうよ、あたしだって、あたしだって……」
「そうだよな。俺を想ってくれているのはかりんだけじゃない。こよりんも、そしてお前も」
「……そうよ。今更分かったって遅いんだから」
「本当だな、すまん。この通りだ」
「……まあいいわ。その代わり、1つあたしの言うことを聞いてくれる?」
「ああ、わかった。俺に出来ることなら何でも……」
「その言葉、偽りはないわね?」
「え?あ、ああ」
「よし、分かったわ。後で後悔したって知らないわよ……それなら」
ニヤリと妖しく微笑んで、あげはは続ける。
「いまここで、あたしを抱きなさい」
にゅぷ、ぢゅるっ……
狭い部屋に淫らな水音が響く。
状況は簡単だ。あげはが俺のズボンを下ろし、肉棒を舐めている。
「んっ……どう、気持ちいい?もちろん悪いわけないわよね、このあたしが舐めてるんだから」
そう言いながら、舌をねっとりと肉棒に絡み付ける。
ああ、とても気持ちいいぜあげは……ザラザラした舌の感触が伝わってきて、実にいい。
「ちょっと、何か言ったらどうなのよ……あ、わかった。気持ち良さ過ぎて声も出ないって奴でしょ?そんなにあたしが気持ち良いのね、嬉しいわ……」
いや、あのー、俺、何も言ってないんですけど……まあ良い方向に思ってくれてるんだし、いいか。
「そうだ。お礼に良い事をしてあげるわ。確かこうやって……」
と、あげはは急に愛撫をやめ、服を脱ぎ始める。
上着を脱いでシャツを脱ぎ、ブラ――まったく意味を成していないが、それでも着けているのは虚栄心という奴だろう――をはずし、立派な洗濯板があらわになる。
そう、あげはは貧乳を遥かに超えた無……いやむしろ抉れてるんじゃね?的な壊滅的な胸なんだ。
かりんはいわゆる巨乳の内に入ってるし、こよりんはデカァァァァァいッ説明不要!! なのに、どうしてあげはだけ……
ペース配分間違えまくりだからな、うん。
そうして、あげははその焼け野が原を俺の息子にあて、盛んに両側から押さえつけようとしている。
「くっ、このっ、挟めないっ、本の通りにっ、やってるのに……」
もしや、これは……いや、まさか。
「あのー、あげはさん……」
「何よ」
「これって、一体なんでしょうか」
「決まってるじゃない。パイズリよ、パイズリ。中々、うまく、いかない、けど……」
「……正直に言わせてもらいますと、あなた様の胸ではパイズリなんて到底無理かと」
「……………」
「…………」
「ええ、そうよそうよ!無理に決まってるじゃないの、こんなこと!」
途端にあげはの顔が真っ赤になった。ああ、やっぱり気にしてたんだな……
「大体何よあの布団の下に隠してあった本は!『巨乳同盟』!?『大きなおっぱいは好きですか?』!?そんなにあたしをないがしろにして、何が楽しいわけ?」
ちょ、絶対ばれないと思ってた隠し場所が……いやそれより何より、今この状態であげはに巨乳系エロ本が見つかってしまったことがまずい!
「もう頭にきたわ……こうなったら!」
そう言ってあげはは下半身の服も脱ぎ始める。
スカートを下ろしてパンツを脱いで、毛も生えてないつるつるの秘所が現れる。
あげははそれを俺のそそり立つ肉棒にあてがい……って、ええっ!?
「前戯もなしに、直接入れてやるんだから……あンっ!」
そう言っていきなり腰を下ろし、俺のモノを咥えこんだ。
「中々っ、具合が、良いじゃないっ。気持ち良いからって、まだっ、出しちゃ駄目よ……」
くっ、これはさすがにキツい。すぐにでも射精してしまいそうだ。
「ううっ、あげはさーん、もう俺ちょっと限界で」
「駄目よっ、まだっ、イってないんだからっ、もう少し待ちなさいっ」
腰の振りはどんどん早くなっていく。ううっ、頼む、早くイってくれ。
「ああっ、慎、あたしの中でっ、イっていいわよっ、今日はまだ一回も出してないんだからっ、濃い精液っ、いっぱい出せるでしょっ」
「お、おう、だが、もう、ちょっと限界……」
「いいわっ、一緒にっ、イきましょっ、あっ、あっ、イクっ、イクっ!」
「くぅ・・・っ!」
「ああ〜〜〜〜〜っ!」
ああ……見える、見えるぜ、あげはの膣内に俺の精液がドバドバと射精されている様が……
「みゅぅ・・・っ」
ビクビクと震えていたあげはが、力なく俺の胸元に倒れこんでくる。
俺はそれを受け止めて……あ、縛られてるから、無理だ。やれませんでした。
「はぁーっ、はぁーっ・・・とっても良かったわ。なかなか、やるじゃない」
「……ありがとう。素直に嬉しいぜ」
「でも、まだまだこれからよ。精液が出なくなるまで絞りつくしてやるんだから」
「ちょ、待ってくださいよ、俺まだ心の準備が……」
「問答無用!」
嗚呼……やっぱりあげははあげはか。感動した俺が馬鹿だったかもしれん……
まあいいか。今は今を楽しもう。ガ○ダムファイト、レディー……ゴー!
「ええ、ですからエロ本の件についてはこの通り謝りますから、どうかあなた様の寛大な御心で……」
「……はぁ、まあいいわ。今回だけは特別に許してあげる」
「ありがとうございます、あげは大明神様。これからは巨乳モノと貧乳モノを交互に……」
「反省しなさい」
「……はい、しゃーせん……」
あの後結局俺たちは5ラウンドほど励み、そのつど膣内に精液をぶちまけたのだった。
で、今は夜。あげはが急に、添い寝がしたいと言ってきた。
俺としても断る道理は無かったし、快諾して、今あげはは俺の隣、同じ布団で一緒に寝ている。
「それにしても、今日はいつもに増して凄かったじゃない?おかげであたしも大満足よ、本当に良かったわ」
「褒めてもらえて何より。やっぱり女の子に褒められるのは嬉しいな」
「あったりまえよ、あたしが褒めてるんだから、嬉しくないはずないじゃない。ああ、そうだ」
急に、あげはが俺のほうを向く。
「あたしと一つ、約束しなさい。これからはあたしのことも平等に扱うこと。そして―――」
「そして?」
「あたしたち3人を、平等に幸せにしなさい。それが約束できるなら、あたしは一生この家に居てあげるわ」
……うれしいこといってくれるじゃないの。それじゃ、とことん喜ばせてやりますか。
「ああ、もちろん約束するさ。我が麗しきプリンセス、あげは姫」
「……ありがと、『ご主人様』」
「ん?何か言ったか?」
「べ、別に……///」
ふ−ん?確かに何かいってたような……
まあいいや。俺もそろそろ寝よう。
願わくば、この幸せな日々が一日でも長く続いてくれることを。お休み……
以上であります。
「こよりんとかりんに出番が無い!」とお嘆きのそこのあなた、安心してください。
今後、頑張って2人のお話も書く予定です。
どうか、気長に待ってやってください。ではこの辺で。
※なお、逆レイプ分が薄いのは仕様です。すいません。
先々週あたりから俺の部屋に蚊が住んでいるようなのだが
いつもだいたい決まった時間に現れて血を吸っていく
不思議なことに刺す場所はいつも左手の甲の親指の付け根で、
手の甲が布団等で隠れてる時は何故かいつも右頬なんだよ。
なんなんだろう、この蚊は
>>144 GJ
てか久しぶりすぎて素で忘れていたではないか
ところで三桁はいくであろうけしからんおっぱいマダー?
リロしろよ俺orz危うく割り込むところだった…
>>144 GJ!
俺も忘れてたのでまとめ見てきたよ
逆レ分が少なくてもその分甘々なら大いにアリだぜ
>>144 GJ!!!
ラブラブはやはりイイ!
自分、前スレ
>>348辺りの者ですが、その時言っていた
歌詞から発展させた話を投下したいと思います。
ご都合主義な上、かなり原曲から話をひん曲げましたので、
その曲を知っている人は(居るんか?)かなり違和感があると思いますが、
最後までお付き合いしてください
いやぁ〜、今回自信無ぇ〜
ある都会の中。若者は夢を求め、夜の街を自分なりの精一杯で明るく照らす。
しかし、光あるところに影がある。闇夜に謳歌するそれは……
―――――――K(eroparo edition)―――――――
週末の大通りを 黒猫が歩く
御自慢の鍵尻尾を水平に 威風堂々と
説明は要らない。黒猫だ。耳をピンと、尻尾と同様に立て、周りを探る。
行き交う人々の足と足の間をすり抜け、その人間たちに逆らうかのように駆け抜ける。
クリスマスも相まって、いつも混雑している大通りはさらに過密地帯となっていた。
その中央には大きなモミの木がそびえたち、装飾によって街灯とともに道を照らす。
世間は、クリスマスという、人間たちのお祭りらしかった。
まぁ、猫にとってはまったくもって関係のない話だが。
人々にとっても、野良猫なんてそんな日にはどうでもいい、筈なのだが……
人間達はその猫を四六時中放っておかない。何故なら……
その姿から猫は 忌み嫌われていた
真っ黒な、夜のような猫。それは、不吉の象徴。
だから、嫌われる。
しかしそれ以外にも理由はあった。もう二度と出会いたくない、自分のもうひとつの姿。
猫はその理由に封をして、ずっと自分の心の奥深くに閉じ込めている。
手加減を知らない無邪気な子供たち、クリスマスで浮かれている彼らに、
闇に溶ける その体目掛けて 石を投げられた
「不吉な猫め!ここから居なくなれ!」
ビシュッ!ビシュッ!
無邪気、悪気がない、だから余計に、残酷なのだ。
猫は持ち前の俊敏性で、まったく無駄のない動きで石を避け、路地裏に溶けていった。
はじめはとっても悲しかった。
生まれた時に居る筈の親はなぜか居ない。
同じ猫からも、追いやられ、人間には不吉の象徴というレッテルを貼られ、
毎晩毎晩、一人で泣いていた。孤独だった。
傍から見れば、鳴いていたに過ぎない。しかし、猫は泣いていた。
しかし、そうやって過ごしているうちに……
孤独には慣れていた。寧ろ望んでいた
誰かを思いやる事なんて、煩わしくて
喧騒の大通りから道を一本外れただけで、嘘のように誰もいない静かで、寒くて、狭い路地裏。そこに猫は居た。
誰の暖かさにも触れること無い自分には最高にお似合いの場所だ。猫は自分自身でそう思っている。
泣く事も、笑う事も忘れた、無機質になってしまった猫。
石を投げてくる子供たちに対しても、もう何の感情も持ち合わせていない。動物として重要な、闘争本能さえも。
今日も一切の光明もない明日を憂い、自分の毛に包まり、寝ようとしていた。
……ひょいっ
!
突然、誰かが猫を持ち上げる。
猫が見上げると、どうやら絵描きの格好をしている。
ベージュ色に統一したトレンチコートとベレー帽。
背中には寝袋と大きな荷物を背負い、画材道具も見える。すぐに絵描きと判断できたのはそのためだ。
優しいその表情と猫のように真っ黒な瞳は、猫に心配のまなざしを向けていた。
猫はただただ驚いて、固まってしまう。
そんな猫を抱き上げる 若い絵描きの腕
は、とても温かかった。
「今晩は 素敵なおチビさん 僕らよく似てる」
猫がほぼ初めて体験する、誰かの温もり。それが……怖かった。
孤独に、冷たさに、慣れすぎていた。だから体が拒絶して、
シャッ!
「痛っ!」
猫は、腕の中もがいて 彼を必死で引っ掻いて
逃げ出した。暗い路地裏を。孤独という名のいう逃げ道を
走った。ひたすら走った。どうすればいいか解らなくて。
生まれて初めての、優しさが、温もりが、まだ信じられなくて。
しかし逃げるうちに後悔の念が猫を襲う。
親切にしてくれた人間を、その温もりごと、切り裂いてしまった。
恐らくもう居ないだろう。あの人間は自分を嫌っただろう。そう思って振り向いた。すると……
彼は自分を追っかけてきていた。重い荷物のせいで息を切らしながらも必死に。
こんな自分を追いかけるなんて、相当の変わり者だ。
どれだけ逃げたって、その変わり者は付いて来た。
猫は走るのを止めた。同じく走るのを止めた、肩で息をしているその絵描きをじっと見つめる。
てこてこと、猫は絵描きに歩み寄った。
絵描きの顔を見上げる。息切れのせいで引きつっていたが、また微笑を猫に渡す。
そしてもう一度猫を抱き上げる。
「へへ……猫ちゃん捕まえた……と、いうよりは、あきらめて貰った感じだけど……」
また自分にとって耐性の無いものが、自分に侵入してくる。
怖い、しかし、覚悟と勇気を振り絞る。
……どうやら、今度は大丈夫、体は拒絶しない。温もりを、ちゃんとすべて受け止めていた。
頭を撫でられる。そこから放たれる温かさ。
人間の手から放たれた物で、いい思い出のない猫は、なんだか新鮮な気分だった。
いつの間にか温もりは安心へと変わり、猫を包む。
絵描きは首に巻いていた自分のマフラーを、猫の体に包ませる。
……あったかい
物理的に温かいのも確かだ。しかし、もっと、形容できない温かさが、猫を包んでいた。
5分前の自分は、こうやって誰かに愛でられている事など、欠片も想像の範疇にないだろう。
そして、願った。今まで一番嫌っていた、この悲惨な運命を自分に義務付けたであろう、神様に。
……この人間の、傍に居たい
嫌われ者の自分にこんなに優しくしてくれる。優しい笑顔で微笑んでくれる。
猫にとってはそれだけで十分すぎた。
……あんたの傍に居ていいかな?
にゃあ、と言葉の代わりに鳴き、必死にうるうると目で訴える。すると思いは伝わった。
「ヘヘ……可愛いね。一人が嫌なんだったら、一緒に住もう?僕も一人は寂しいからさ。
僕はライト、よろしくね、おチビちゃん」
にゃあっ、と文字通り猫なで声で可愛らしく鳴くと、
さっきまでの廃人の様な自分が嘘の様に澄み切った存在になっているのに気が付いた。
自分を取り戻させてくれた彼の温かい腕の中、すやすやと寝息を立て始めた。
こんな優しくて暖かい場所、初めてなのに、何故か気持ちよくて。
それから猫は絵描きと 二度目の冬を過ごす
あれから一年が経ち、またモミの木に灯りが灯るようになる。
こんなお祭り騒ぎは自分にはまったく関係ない、筈だったのだが……
「おチビちゃん、メリークリスマス!」
猫はライトとモミの木の下にいた。クリスマスを祝うために。
あれからというもの、閉鎖的だった猫は嘘のように彼にべったりくっ付くようになっていた。
猫はライトの膝の上。此処が、一番落ち着くようになった。
自分のせいで、ライトまで近頃厄介者に見られ始めたのに、
偏見の欠片も無い目で、いつもの優しい笑顔で、自分を撫でてくれるから。
そして今日が猫にとって一番特別な日になろうとしていた。
「はい、プレゼント!……って言いたい所なんだけど、お金無くってさ……ろくな猫まんまも買えなくて……
その代わりといっちゃなんだけど……」
ライトは自分の目の前まで猫を持ち上げ、ガラスのようなその瞳に微笑みかける。
「名前を……つけたいな」
ひげがピクン、と揺れる。
……なまえ……
周りのもの全てに在って、自分に無かったもの。名前。
名前など要らなかった。自分は居ても居なくても同じだと思っていたから。
だからこの世で生きる為の証も、必要なかった。
でも、今は、この世で生きていける理由がある。
目の前の、貧しい絵描き。
……俺の、ご主人さま……
この人のために生きてやる。そう誓った。
この人のつける名前の一つや二つ、受け入れてやる。
この人のくれる名前を、命より大事にしてやる。
猫はライトの目尻をできる限り優しく、その小さい舌で舐めた。
言わんとすることが伝わり、猫の額にキスをするライト。そして……
「ホーリー・ナイト……『黒き幸』……」
その名前が自分に染み渡ってゆく。
あぁ、今日から自分はこの名前で生きていくんだ。
ライトがくれた、こんなに素敵な名前で、生きていけるんだ。
その瞬間、今まで感じた事の無い感情がもたげた。
……いとしい
……だいすき
気恥ずかしくなりライトの胸に潜り込む。余計に自分の心臓が速くなる。
見上げれば愛しいヒトの満面の笑顔。
自分の気持ちが真実という事を知り、ひとつ決心をした。そして……尋ねた。
……カミサマ、この人にもう一人の俺を見せても
……この人はかわらずに愛してくれますか?
すると、天から白い粉。自分と正反対の色の冷たい粉。
こんなに温かくなった自分に、神様が嫉妬しているような気がした。
じゃあ、一年前まで私にひどい仕打ちをしたあんたに、復讐してやる。
運命に逆らってやる。
しかし、そんなことより何より、伝えたい。
大好きな人にこの思いを……
ライトは借家に戻るや否や、眠ってしまった。
空腹を紛らわすには寝るのが一番、らしい……
そうしてもらったほうが、都合がよかった。
窓の外には、妖しく光る満月。
猫はそれを見上げると、ゆっくり目を閉じた。
「ん……?」
下半身に違和感を感じて、ライトは目を覚ました。
その瞬間、違和感が別のものに変わる。
「……っ!?あっ……」
驚愕と、そして、快楽。
誰かが部屋に入り込んで、自分の雄を愛撫している。
そんな異常事態に、眠気は一瞬で消失した。
その人物を振り払い、必死に後ずさりして。
「だ、誰!?」
そう問うのが今のパニックな彼には精一杯だった。
するとかすかに視える人影から声が発せられる。
中性的な澄んだ声は、予想外の台詞と共に発せられる。
「今晩は 素敵なおチビさん 僕らよく似てる」
「……!!」
驚愕。その二文字だった。何故ならその台詞を知っているのは二人、いや、一人と一匹だけだから。
「まさか……いや、そんな事あるわけ……」
ライトの目は次第に慣れ、人影が月明かりにライトアップされる。
その瞬間、頭の片隅に僅かに置かれた非現実的な予想が現実のものになった。
そこに居たのは、頭に猫耳、臀部上からは鍵尻尾を生やした全裸の少女だった。
褐色の滑らかな肌は月明かりを逆に照らすようで、最早綺麗という次元ではない。
それに比例して顔の整い方も半端ではない。鼻は程よい高さで、唇は瑞々しく照らされ、
大きな目には長いまつ毛と黄色い瞳が、褐色の肌に映える。頬にはひげが生え、ピクピクと動いている。
「ライト……俺、ホーリーだよ……ホーリー・ナイトだよ……」
自ら名乗ったホーリーは、四速歩行、もとい四つん這いでライトに歩み寄る。
無造作な感じの髪がゆれ、元の姿と同じ色艶を放つ。
ライトから見て、その姿は、一人称と正反対のものだった。
胸には形のいい丘が二つ。
その向こうに見える股間には、余計なものが一切ついていない。ただ、自分と対象の形をしているだけ。
言葉すらも出ないライトの眼前まで近づき、ホーリーは独白し始める。
「これが俺の……もう一人の姿。知ってる人間は少ないけど、この街で嫌われている本当の理由。
もう誰にも見せないだろうと、思ってた。皆離れていくから、この姿が在っても無駄だって。
でも……ライトには全部見せようって決心した。ライトなら全部受け止めてくれる。そう思ったから。
引っ掻かれても放っておけないって俺のこと追いかけてくれて、温かい手で撫でてくれて、
俺を絵のモデルにし始めて、それからずっと俺ばっかり描いて、
ライトのスケッチブックは、ほとんど黒尽くめになって、その絵は誰にも相手にされなくて。
しょげて尻尾をたらすと、悪いのはお前じゃないって励ましてくれて。
クリスマスプレゼントにこんなに素敵な名前をくれて……」
そこまで言うと、顔を紅で染めて俯いて、そして最後の一言を……
「俺……ライトが……好き……だから気持ちよくしてあげる……」
それを言い終らないうちに、ホーリーはライトに覆い被さって組み敷く。
ライトは自分を襲わんとする彼女に一言訴えた。
「……ごめん!僕は、ホーリーの気持ちを受け取れない……」
ホーリーはぴたりと動きを止める。一瞬目の前が真っ白になったが、どうにか踏みとどまる。
受け取れないだけでは、まったく納得がいかなかった。
「どうして……?」
そう問い詰めると、ライトはゆっくり口を開いた。
「ホーリーが、僕のこと好きって言ってくれたのは、すっごく嬉しい。
自分を全部さらけ出してまで、そんな苦い思い出を持ってる姿を出してまで言ってくれたのも、すっごく嬉しい。
まだ頭の整理ができて無くて……つたないけど、ごめんね……
でも、僕には……故郷に待っている人がいる。僕の、恋人。名前はシャイン。
こっちで成功したら、迎えに行くって約束したヒトがいる。だから……」
「……」
しばらく気まずい沈黙が続くが……
「そ、そうだよねっ!ライトみたいな優しい人、女の子がほっとくわけないもんね?
俺、ばかだなぁ、ほんとに。あっ、それに、さぁ……俺みたいな……へんてこな、やつ……
好きになんて、なれない、よね……ぐすっ。
……あれ?雨漏り、してるんじゃないの?ひっく……ぼろい、からね……ここぉ……」
ホーリーはその雨の正体が自分の涙という事は充分解っていた。
それでも彼女は取り繕って。ライトに迷惑かけたくない、今まで散々世話を焼かせているのに。
その思いが精一杯の作り笑顔を製造する。しかし、涙は勝手に流れていく。
おかしくなってしまいそうだった。自分が惨めで仕方がなかった。
やっぱり、神様は自分に悪戯しかしない……
しかし、またも絶望から救ってくれたのは、目の前のヒトだった。
ギュウッ……
「ら、らいと……?」
ホーリーの顔は、ライトの顔にうずまっていた。背中には、がっちりと組まれたライトの腕。
「ダメだよ、ライト……だって……恋人、いるんでしょ?」
先ほどとは打って変わって弱気なホーリーに、ライトは……笑って見せた。
「僕が好きでやった事にすればいい。そうすれば、ホーリーは何にも悪くないから。
シャインには、ちゃんと謝る。ちゃんと説明すれば解ってくれるヒトだから……」
「でも、俺……猫なんだよ?嫌われ者の……まわりから疎まれてる、猫、なんだよ……?」
ライトの笑顔に少しだけ呆れが加わる。
「たとえ、世の中の皆に嫌われていたとしたって……
僕が、好きでいる。絶対ホーリーの事嫌いになんてならない。
僕が、ホーリーを守ってあげる。ずっとずっと。
たとえ、ホーリーが人間の姿でも、猫の姿でも、関係ない。
同じようにこうやって抱きしめるから……」
まだビシャビシャの状態の眼と顔で、ライトを見上げる。
猫の姿の時と、今日の夜、モミの木の下で恥ずかしくなって胸に体をうずめた時と変わらない視点、そして、笑顔。
そして……
「僕も……ライトが大好き……」
その一言が、どれだけ、ホーリーの奥深くへ届いたろうか。
「……うれしい……」
その一言しか感想を言わなかったのは、本当に嬉しかったから。
言葉で説明できないほど、嬉しかったから。嬉しすぎて、泣けてくる。
「ライト……」
愛するヒトの名前を呟き、不器用に唇を、その人の唇と重ねた。
嬉し涙をずっと流しながら、ホーリーはライトの唇にむしゃぶりつく。
吐息が交じり合ってお互いの肺へ流れ込み、化学反応を起こしたように熱くなる。
ホーリーの舌がライトの口へ入り込む。ライトはそれを歓迎した。
自分達がしているように、ライトの舌がホーリーの舌を抱きしめる。そして、ゆっくり優しく犯していった。
「ふみゅう……らいとぉ……」
舌が絡まりあって、唾液が混ざり合って、ホーリーは本能へ落とされていく。獣に、なっていく。
自分が熱を帯びていくのがわかる。キスだけでは足りなくなっていく。
ちゅぱっ……
唇を名残惜しそうに話すと、今度は舌のほうへ顔を向け、両足の間へ入り込む。
「らいとの……おっきくなってるぅ……」
最大全長になったそれを、口に含む。ねっとりした熱がライトの雄を包む。
その中で、舌が動き始める。ゆっくり、愛しそうに下を這わせていく。
「んっ、ふぅ……」
唇と猛りの隙間から、ホーリーの甘い吐息混じりの声が漏れる。本番でもないのにもう喘ぎ声を上げはじめていたのだ。
なぜなら、左手ではライトの猛りをがっちり固定しているのに対し、右手では……自分の中心を弄っていた。
ぷっくりと膨れた陰唇を指でなぞり、その間の部分に指を挿し入れ、
きれいなピンク色に映えるそこを、わざとライトに水音が聞こえるように、激しく、いやらしく、責め立てていく。
くちゅっ、くちゅっ
「はうぅ……にゃんっ、んむぅ、ちゅぱぁっ、ふむぅ……」
自然に出てくる喘ぎをこらえようと唇をきゅっと締め、ライトの猛りに密着させようとする。
自慰の快感を紛らわそうと、さらに舌が激しく動き回る。
ライトの猛りは裏筋から、亀頭から、鈴口から、何から何まで、
その純人間とは少し違う、ざらっとした舌に嘗め回される。
そのたび、ライトの猛りはびくりと震え、先走りは止め処なく溢れて。
ホーリーは上目遣いで淫らな色をした顔をライトに向ける。
その顔には理性なんてあったものじゃない。本能で雄を求める、獣の表情だけがあった。
「ホーリー……うっ……」
男にとって兵器と言っても過言ではないその姿に、生真面目なライトもさすがに限界が近かった。
「ホーリー、もう出ちゃうよ……口、離して……」
「やだ……俺、ホーリーの飲みたい……」
「あっ……ふあっ!!」
優しい性格とは真反対に、凶悪なまでの勢いで、耐え切れなくなった白濁をホーリーの口へ流し込む。
ホーリーはとろんとした目つきでそれをただただ飲み干し、飲みきれないものをただただ浴びる。
ようやく射精が止まり、まだ脈打っている竿から口を離し、上目遣いでライトを見上げて微笑む。
ライトも笑ってくれたが、いつもより余裕がないのがわかった。
「へへ……溜まってたんだね……えっち」
「こ、こいつぅ……」
わしわしとホーリーの頭を撫でるライト。元の笑顔に戻った。
頬を赤く染めて、尻尾を揺らす。撫でてもらえるだけで、それほど幸せなのだ。
けれど、もっと幸せに、なりたい。
「ライト……俺、ライトとひとつになりたい」
そう言いながら自分のそこを、ライトの猛りにあてがう。再び眼には淫乱な獣の表情が戻る。
ライトが頷くのを見て、ホーリーはゆっくり腰を進めていく……
「にゃあ……ぐぅ……くにゃ……」
濡れているとはいえ、初めて誰かを受け入れるのだ。膣はキュウキュウと締め付けをやめない。
ホーリーからは苦痛をあらわす声が漏れる。
ライトはその様子を見かねて、ホーリーの頭を撫でる。
「ゆっくりでいいよ……無理しなくていいから」
痛みを和らげようと尻尾を擦り、耳を撫でる。それがよかったのか、ホーリーは少しずつ落ち着きを取り戻していった。
「ありがとう……」
唇を当てるだけのキスをして、再びライトを自分に侵入させる。ゆっくり、少しづつ。
そして、とうとうライトはホーリーに包み込まれた。
膣ひだが収縮してそれを歓迎し、歓喜の蜜を洪水のように流している。
「全部、入ったよ。ライトのが……全部……」
もう処女の痛みはなく、代わりにライトを全て受け入れた悦びと、子宮にまで達する焼きごてのような熱さが在った。
「ライト……大好き」
もう一度、確かめる。このヒトを受け入れ愛している事を。
返事は聞かなかった。たとえ恋人がいても、彼も自分の事を想ってくれているのは、分かっているから。
見上げれば、ほら、笑っているから。
「動くよ……」
ホーリーは不器用に腰を前後に降りだしはじめた。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、
「はぁん、にゃふぅ……」
焼きごてが出たり、入ったりする度に、遠慮なく漏れ出す喘ぎ声と蜜の音。
ライトもそれに煽られ、ホーリーの胸に手を伸ばしていた。
まだ発育途中の胸の突起を指の腹で転がして愛撫する。
「にゃうぅっ!だ、だめぇ……」
「ホーリーっ……また、締め付けてっ……」
面白いほど素直に反応して、膣の締め付けはさらに強さを増す。それによってさらに膨張したライトのそれは……
「し、しきゅう……こつこつあたってるよぉ……」
子宮の壁が敏感に反応し、ホーリーは快楽漬けになってしまう。
涎が糸を引いて口の端から垂れ、喘ぎ声はもはや猫の鳴き声と化していた。
「にゃあっ!きもちいぃよぉ……
ライトも……もっと気持ちよくなって……おれと、一緒に……」
返事の代わりに強く抱きしめられる。ライトも相当しんどいらしい。
耳がライトの胸に当たり、心臓の音が聞こえる。とんでもない速度で脈を打っていた。
ホーリーも腕をライトの背に回し、完全にひとつの生き物のようになる。
ホーリーはそれでよかった。完全にひとつになってしまってもかまわないと思った。
ぐぷっ、ずぼぉっ、じゅぶぐぶっ!!
腰はさらに速く振られ、すでに汗やらなんやらで布団はぐしょぐしょだ。
それでも、二人は頂上へ行くまで決してやめる事はない。
そして、その頂上が見え始める。
「ふにゃああっ!ライト、イクイクッ!ライトのおちんちんでッ!!おれ、イッちゃうよぉ!!」
「あぐっ……ホーリー……僕も、もう限界……」
「一緒にイッてぇ!おれといっしょにぃ!……あいしてるよぉ!!!こいびといても……あいしてるぅ!!!」
「ぼくも……愛してる……あっ、もうダメッ……!!!」
びゅるうぅ!!どくどくんっ!!
「にゃああああぁぁぁぁっ!!!」
もう触れないはずの腰がガクガク痙攣し、そこを軸にして全身が揺れを起こす。
涎がアーチを描き、鞭のようにそこらじゅうへ線を残す。
自分の中で、真っ白な熱い奔流が自分を満たしていくのが分かる。
愛しいヒトの、子種。自分の中へたくさん入って暴れまわる。
その白濁を吐き出している張本人が膣と子宮でのた打ち回る。その間、ホーリーはずっとイキッぱなしだった。
ずっと気持ちいいままでいたいから、痙攣を利用してさらに腰を振る。
射精がまだ弱くなりつつも止まない。つまりライトもイキッぱなしなのだ。
それでいい。ずっとこうしていたい。ずっと繋がって営んでいたい。心からそう思った。
数分後、二人は一人サイズの布団にいっしょに包まっていた。
普通なら女性が先に眠って男性に抱きかかえられているが、ライトが寝てホーリーが起きていた。
ホーリーはライトの寝顔をじっと見つめながら物思いに耽る。
……ライト、ありがとう。今日が多分、生きてきた中で、そしてこれから生きていくうえで一番幸せな日になった……
もう、思い残す事、この歳でなくなっちゃった……
嬉しかった。好きって言ってくれて。こんなどうしようもない俺を愛してくれて。本当に、嬉しかった。
でも俺はライトとは結ばれちゃいけない……だからこの姿は初めからなかった事にさせてね……
これからは元の姿で一緒に居させてね……ごめんね……自分勝手で……
恋人と幸せになってね……幸せにしてあげてね……
……だって、ライトが幸せなら、俺も……
もう一度沈みかけた月を見て、眼を閉じる。
猫に、戻った。
―――――翌朝―――――
「うん……あれ、何で裸なんだろ?」
ライトは自分に問う。その瞬間機能の情事が一瞬にして彼の脳に組み立てられた。
「ホーリー……!!」
昨日となりに居た人間の彼女を確認しようとするが……
「……あれ?」
そこにはいつもと同じ、猫のホーリーが居た。
「……夢、だったのかな……?……それにしても……寒っ」
恐らくあんな夢を見て、すごい寝汗をかいたんだろうという事で、ライトは片付けた。
くしゃみをしながら布団を片付けるライトをホーリーは眺めていた。
……ごめんね、ライト……
その日からこれまで通り、猫として、友達として甘える日が再び来る、筈だった……
「ごほっ、ごほごほっ……」
極寒のこの季節に、寝汗とその他液体にまみれた布団に裸で眠っていたせいで、ライトは風邪を引いてしまった。
しかし薬を買おうにも、絵が売れない。理由は被写体が嫌われ者の猫だから。
心配そうに見つめるホーリーに、すぐ治ると笑っていたライトだが、日に日に症状は酷くなっていく。
そしてついに……
「……なぜこんなになるまで……」
そう呟いたのはこの街の巡回医だった。
異常なまでに高熱を出し、一目で衰弱状態だと分かる姿に、ライトはなっていた。
「正直に言いましょう……このままいれば……命の保障はできませんよ
肺炎も患ってしまったようですし……お金は後回しにして、とにかく……入院してください。
それでも……もう手遅れかもしれませんが……」
「そう……ですか。待っている間、手紙を書いてもいいですか?」
そう言って、ふらふらになりながら執念で手紙を書く。
「……遺書になるかもしれませんよ」
ポツリと医師がこぼしたその言葉を聴いたとき、ライトは手を止め、新しい便箋に手を伸ばす。
そして、書き終えたと同時に、倒れてしまった。
医師が慌てて出て行った。
「ホー……リー……」
微かな声で名前を呼ぶ。
ホーリーは、猫の姿だったにもかかわらず、泣きそうになっていた。
こんな事になったのは、自分のせいだ。風邪をひかせて、自分の絵ばかり描いていたせいで薬を買うお金もできなくて、
全部、自分のせいだ……
「ホーリー……君の事だから、自分のせいだ、なんて思ってるだろうけど、絶対そんな事ない。
だから自分を責めちゃダメだよ……
でね、お願いがあるんだ。この手紙を……ぼくの恋人に届けてほしい……前に、言ったよね……君が人間の、時に……
ホーリーが僕の事好きって言ったくれた、あの日に……
ぼくに迷惑がかかるからって、猫に戻った、あの日に……」
……!!!
ライトは、覚えていた。何もかも。
自分の意図もお見通しだった。
「おね、がい……頼れるのは……ホーリーしか居ないんだ……」
ライトの眼から涙が零れ落ちていく。ライトの泣き顔を見たのは初めてだった。悲痛な涙を嫌というほど流している。
本当は、傍に居て、支えになってあげたい。でも、彼が自分にこれを望むのなら……
絶対に、やり遂げて見せる。自分の誇りにかけて。そして何よりライトの為。
ホーリーは手紙を口に銜えた。ライトの手は、熱いのに、冷たかった。
窓のレールに軽やかに乗る。ライトが数人の白衣の人間に運ばれていく。
その人間達が、死神のように見えた。恐かった。
最後にライトは、精一杯の笑顔を見せた。笑顔なんて呼べるものじゃなかった。
主の居なくなった部屋の窓から降りて、全速力で走り出す。
走りながら、ホーリーは泣いていた。
……カミサマ、俺はどうなってもいいんです。ライトは、ライトだけは俺から奪わないで……
何で、あんなに優しくて、雪みたいに真っ白な心の持ち主が、あんな目に遭わなきゃいけないんですか?
何で、こんなどうしようもない、恋人が居るヒトを寝取ってしまう嫌われ者がが生きているんですか?
何で、俺をライトの身代わりにしてくれないんですか?
何で、貴方は私にこんなに、過酷な運命を押し付けるんですか?
何で、何で、何で……
そんな事ばかり考えていた。壊れそうなほど、考えていた。
壊れずに済んだのは、この手紙にライトが存在してくれているから。
本当のライトの命は、消えかかっているのに。いや、それとも……
ホーリーはさらにペースを上げる。一秒でも早くこの手紙を、恋人に、届けるために……
街を抜け、雪の降る山道をホーリーは走る。
ライトとの約束をその口に銜えて。
どれくらい、走っただろうか。もう猫としては世で一番走っているだろう。
それでも、まだ恋人の家は影も形も現れなかった。
目標の見えない不安と同時に、また、悪夢がやってきた。
「見ろよ、悪魔の使者だ!」
どこに居る子供でも、ホーリーには同じ反応を見せた。不吉なものを視界から、ひたすら消そうとする。
しかし、今のホーリーにとっては、蔑まれようが石が当たろうが全く関係ないことだった。
手紙を届ける、ただそれだけのために動く。ただライトの為だけに自分を削る。
悪魔の使者でも、何とでも呼ぶがいいさ。
自分には、消えない名前がある。ライトがくれた、大切な名前。聖なる夜、ホーリー・ナイト。
その名前がある限り、愛しい人がくれた宝物がかき消されない限り、
決して、負けない。
忌み嫌われた自分にも、生まれた意味が在るとするならば、
ライトと出会うため。
ライトと共に過ごすため。
ライトを愛するため。
ライトに愛されるため。
ライトに対して生きるため。
そして何より、この日のタメ。
今走っているのはライトが自分を支えてくれているから。
今はもう斃れているかも知れないヒトが自分を支えているから。
……ライト、どこまでも走るよ。だから、見守ってて!
さらに走って、とうとうライトの故郷にたどり着いた。
恋人の家まで、あと数キロだ。
走っては転び、走っては転びを繰り返した。すでに満身創痍だ。
立ち上がる間もなく、後ろからは事情も知らない罵声と暴力たちが襲ってくる。
もう体は動かない。心も張り裂けてしまいそうだ。それでもホーリーは走っている。
ライトが傍についているから。名前と自分の体に宿って、応援しているから。
そして、ついに……
家の中で編み物をしていた女性は、扉に何か大きなものがぶつかった音で驚いた。慌てて毛糸を置きドアを開ける。
そこにはなんと全裸の女の子が倒れていた。
慌てて家の中へ運び入れ、自分の床へ寝かせる。
落ち着くと共に、彼女が奇妙な格好をしている事に気付いた。
それと同時に、だいぶ汚れてしまった便箋を彼女が持っていた事に気付き、それを手からそっと抜き取る。
「う……」
そのとき、女の子が眼を覚ました。可愛らしい顔だった。
こちらを見て驚きの表情を見せ、慌てて逃げようとするが……
「痛……っ!」
「動いちゃダメ!ボロボロなんだから……」
女の子にホットミルクを差し出す。すると、舌でちろちろ舐めながら飲み始めた。ますます奇妙だ。
「あなたお名前は?」
「……ホーリー・ナイト……」
それだけ呟いてホーリーはその女性を見つめる。
とても綺麗だった。撫子とはこういう人のことを言うのだろうか、と思った。自分とは正反対だ、とも感じた。
と、一番大切なものがないことに気付く。
「手紙……ライトの手紙……」
「ライト……!?今、ライトって言った!?」
その名を聞いた途端、彼女は少し動揺を見せた。
「これは……彼の手紙なの?」
その問いに対して頷いた途端、彼女は直ちに便箋を広げ、読み始めた。
そこには、自分が危ない状態で、もうこの世に居ないかもしれない事。
そのことに対してひたすら陳謝している事。
自分の分まで幸せになってほしいと書いてある事。という事が並べられていた。
「そんな……」
がくりとうな垂れる彼女。ホーリーは掛ける言葉が見つからなかったが……
「ありがとうね……」
え?という間もなく、ホーリーは彼女に抱きしめられていた。
「遠かったでしょ?寒かったでしょう?辛かったわね……届けてくれて、本当に、ありがとうね……」
彼女の姿と、ライトの姿が、ダブった。
嘆くわけでもなく、この姿の事を問いただすわけでもなく、目の前の伝令の労を、精一杯ねぎらう。
自然に涙が、あふれてきた。
「ごめんなさい……」
ホーリーは、全て洗いざらい白状しようと決めた。ライトならきっとこうする。
「全部俺の、せいなんです。ライトにあなたがいることも知っていたのに、
自分勝手に彼を愛して、無理やりそれに応えさせて、彼を奪って……そのせいで、そのせいで……」
最後のほうは泣きじゃくっているせいでほとんど声に出なかったが、それでも彼女には伝わった。
彼女はライトと同じようにゆっくり自分の頭を撫でる。
「そこまで、あのヒトの事大好きだったんだ。」
「はい……でも俺がした事は、許されない事です。
だからせめて、これだけは届けようと思って……
私は、ライトはまだ頑張ってるって信じてます。あなたが会いに行くまで。
だから、彼に会いに行ってあげてください……」
そう告げると、彼女は少し考えて……
「私は向こうへ行く準備をするから、あなただけ先に行ってくれる?
服は貸すし、ここから汽車に乗ればすぐに街に着くわ。そのお金も、貸すから。
あなたにも会えたら、彼はもっと喜ぶと思うの。」
もっともらしい理由だった。ホーリーはすぐに納得した。
涙をごしごし拭いて、お礼を言う。
「ありがとうございます……」
服を着て、お金を握り締め、ボロボロの体からは嘘のようなスピードで駅へ向かう。
その姿をずっと見つめている彼女。
「ライト、私は、手紙を見た時点でほとんどあきらめてた。恋人失格よね、相手を信じれないなんて。
でもあの子は、まだ信じてる。あなたが待っているって。
しかもあんな距離を走ってなんて……そこまであなたが好きなのよ?きっと、あなたに逢えて何かが変わったのね。
……いい子見つけたわね、ライト。私もあなたのこと大好きだけど、入り込む余地ないみたい。
あの子と数分しか会話してないけど、完敗って悟ったわ。間接的に、振られちゃったかな……
……あの子と幸せになってよ?私も今まで通り、幸せでいるからね……」
彼女は手紙を丸めて、暖炉に投げ捨てた。
ホーリーは行きに何日もかかった道程を、汽車で数時間で戻ってきた。
街で唯一の病院に急いで駆け込んだ。急いでライトの病室へ駆け込む。
そこには、何本ものチューブが繋がれていた、変わり果てた姿のライトがいた。
医者が言うには、ずっと昏睡状態で、もう、いつ逝ってもおかしくないらしい。
医者に退室してほしいとお願いして、部屋には二人きりになる。
返事をするはずもないライトに、ホーリーは話しかけ始めた。
「ライト……ちゃんと届けれたよ。手紙を恋人さんに。すっごくいい人だった。ライトが好きになるのも無理ないよね。
やっぱりライトには、ああいう人が一番似合うよね……
……ねぇ、ライト。こんな俺にもできる事があるんだよ。嫌われ者の俺でも、できる事があるんだよ。
ライトの為なら、大切な人のためなら、なんだって頑張れるって分かったんだ。
ライトに出会えてから、自分にも生きている意味があるって分かったんだ。
この世に誰からも必要のない存在なんて、無いって分かったんだ。
だから、これからは猫の姿で生きていこうと思ったけど、この姿にも意味があるって分かったんだ。
それもこれも全部全部、ライトのおかげなんだよ。だから、これからたくさん、お礼したいな。
してあげたい事、山ほどあるんだ。一生かかっても多分やりきれないだろうなぁ……
……だから、死んじゃやだよぉ。これからたくさんたくさん、してあげたい事あるんだから……悪い癖も直すからさ……
もう我が侭いわないし、自分の事思い詰めたりしないし、俺なんて野蛮な一人称も金輪際二度と言わないよ。
だから、もう一度、笑顔見せて。
もう一度、抱きしめてよ……
ずっと一緒に居させてよ……
……ライトは、俺の全てだもん……」
そこまで言い切って、軽く口付ける。祈りのキスを施した。溜まっていた涙が、一粒ライト掌へ落ちる。
その直後……ホーリーに握り締められていたライトの手の力が……
「ライト?ねぇ……ライトッ!!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「……耳、隠さなくていいの?」
「この姿で生きてくって、決心したもん」
「そう……」
「あれからもう二年も経つんだね……」
「うん……」
「始まるよ……」
「えぇっと、右足から右足から……」
ギイィィィィ……
「うわぁ、こんなにたくさん人が……」
「うん、皆、君の事認めて、祝ってくれてるんだ……」
「あっ、シャインさん、おなかおっきい……」
「もうすぐ君も、ああいう状態になるよ」
「もう……スケベっ」
「ふふっ、こんな事言えるのも、君のおかげだよ。君があの時来てくれてなかったら今頃は横の墓地に埋まってるな……」
「うん……でも、シャインさんが、私のために……」
「シャインも、あれで良かったって、納得してくれたから……シャインで、本当に良かったよ……」
「今は、とっても幸せそうで良かった。横の旦那さんと、新しい命と……あっ!」
がしっ!
「大丈夫?」
「……」
「ど、どうしたの?」
「やっぱり、あなたでよかった」
「……ありがとう。僕も、君でよかった。」
「……人前でキスするの、恥ずかしいな……はやく済ませちゃお?」
「うん……」
ちゅっ
「……(かあっ)」
「……可愛いなぁ、もう。耳、ピクピク動いてさ……」
「う、うるさいっ……みんなもニタニタするなぁ!」
ゴーン、カーン……
「私、幸せだよ。大好きな人のそばに居れるから……」
「これから、もっと幸せになろう、二人で一緒に。」
「うん!じゃあ今日は、たくさん抱いてねっ」
「ちょっ……急にそんな強気に……」
「あぁ。楽しみだなぁ、結婚初夜♪」
「もう……覚悟しておくように」
「はいっ!!」
このカップルは、この街で一番中睦まじい夫婦になり、いつまでも仲良く暮らしました。
そして嫌われ者だった新婦が、何十キロもの道程を愛する新郎のために走った事から徐々に彼女は讃えられ、
いつしか彼女の名前にはアルファベット一つが足されるようになりました。
その街の教会の結婚記録に彼らの名前が載っています。
新郎 ライト・クリア ― Right=Clear
新婦 ホーリー・ナイト ― holy="K"night
〜fin〜
_ ∩
( ゚∀゚)彡 バ○プ! バ○プ!
⊂彡
あぁ、いまだに投稿する時どきどきする……
とっても、苦しかった。
今回は苦しかった。
言い訳はしません、もし良かったら感想どうぞ
そして、また暫く傍観に戻ります。
それではノシ
>>168 全米が(ry
こう来たか!!
次はダンデライオンでヨロ!
原曲を知ってるだけに、この結末は泣けた。
>>168 あんた最高だ!!!!
……で、できれば、またバン○で作ってほしいZE
最高だが正直バンプはいい
>>168 なんでだろう、目から汁が止まらねぇ…
なんかすごく救われた気持ちだよ
作者よ、ありがとう!
歌詞から話を発展させるのはかまわないけど、歌詞そのものを乗せてしまうのは勘弁してほしい
兄弟の書いたポエムを読んでしまったかのような恥ずかしさを覚えた、原曲を知ってるだけに。
涙でモニターが(ry
原曲を知らない俺にはなんの事やらさっぱりだ。
てかこの歌詞を元にssを作るというこの流れ昔の谷川スレであったな……。
その時も確かバンプだったしw
う〜
話は凄く良いんだが…
なまじ曲を知ってるせいか、読んでてなんだか恥ずかしい…
179 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 03:51:08 ID:DeekZNPi
ダメだ涙腺が物故割れた歌詞から入った漏れ
しかしハッピーエンドなのはよかったGJ!
歌詞からとかはやめてほしいな
萎えるし
個人的な意見と聞き流してくれ。
俺も歌詞をそのまま流用するのは、少々不味い気もする。
Wikiに載せた時、カスラックが横槍入れて来ないとも限らないから。
1フレーズのみを限定して使うか、全編に改変・添削を加えてアレンジ入れたほうが良いんじゃないかな。
まぁあくまで1個人の手前勝手な意見なので、『萎えた』とか『恥ずかしい』って意見と一緒に聞き流せ。
>>168のSSを読んでから、
>>181で『K』を初めて聞いた。
涙腺がブッ壊れましたよコノヤロウ!?久しぶりにSSで泣いちまったぜ!
バンプというものに心当たりが無いのだが、これはバンプ鶏でいいのだな?
給料出たら即効でツタヤ行ってくる
上の二人、神GJ!!
185 :
183:2007/11/12(月) 19:20:11 ID:GKt4HVmD
>>184 何かを漏れに紹介してくれている事に、まず感謝をのべます。
ありがとう
しかーし!携帯厨な漏れには見れないこの悲しい現実…
くまさんや暁狐等はもう来ないのだろうか…
くまさんのクドリャフカは曲の使い方がうまかった
個人的にはくまさんが書く切ない短編も好きだ。
くまさんはなぁ…
読むのはいんだがほぼ確実に涙腺崩壊するんだよな
暁狐さんは狐っ娘かわいいよ狐っ子。
凛々しく立ってちょこんと白が乗った狐耳は至高であり至宝だと思うんだ
>>136 まだ山に行っていないなら、即刻中止しろ。
もしくは、腕の立つマタギ衆に同行してもらえ。
クマに遭ったら絶対に走って逃げたり、大声を出したりするな。死んだフリは論外だ。
声を出さず、直立不動でクマが去るまで身動きするな。
奴らは身軽な重戦車だと考えろ。
倒木も草むらも無視して猛スピードで追いかけ、木にもスルスルと登る。
死んだフリは臓物を自ら差し出すに等しい愚挙だ。
ここの古参の住人なら、六線沢を知っているはずだ。
あの惨劇を繰り返してはならないと知っているはずだ。
>>168 歌詞をほぼそのまま引用するのは感心しない。
色々言いたいが荒れそうだからここでは言わない。
熊から走って逃げてもむだだ。追いつかれ、たたきのめされたあげくの果てに食われちまうのがオチだ。
もちろん、木に登るのは手だろうさ。そうすれば、熊が木を倒してお前さんを食っちまう前に、ちょっとした風景を楽しめるからな。
灰色熊wwwwww
なんで軽いネタの
>>136にここまでマジレスしてるのw
194 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:19:39 ID:xlkItdw2
このスレで泣けるSSってどんなのがある?
>>189がSSだと思った俺は、どうすればいいんだ。
197 :
ピンキー:2007/11/13(火) 13:49:37 ID:A/UW1WEt
198 :
168:2007/11/13(火) 21:58:23 ID:2CqPe4p1
>>168です
皆さんに指摘されたように、もう少し気をつけるべきだったと思います。
ご迷惑かけて申し訳ないです。
件のSSは自分で手直しして、時期を見計らって
wikiに載せる形にしたいと思います。
これを挽回できるようにこれからも頑張りたいです。
これ以上言い訳しても空気を害するといけないので消えます
それではノシ
ひとまわりおおきくなってかえってくるのを待ってるよ
まぁ、山に行かなくても居るところには居るんだよ・・・
例えばコイツのように
201 :
1:2007/11/14(水) 06:26:24 ID:aIJwohsd
同居蜘蛛 3?
知っている人は知っているが、知らない人は知らないと思うので言っておく
俺の家には人外が住んでいる
種族は虫で種類はクモで詳細を言うとハエトリグモだ
今の家に越してきた3年前から同居しているのだが、俺はただのクモと思って気にもしていなかった
(あっ、痛っ、痛いからその脚で突っつくんじゃないって・・・)
コホン、訂正
一匹のハエトリグモと平穏な共生関係を送っていたわけだ
しかし、その平穏な生活が崩れたのは今年の夏の事になる
そう、ただのハエトリグモと思っていたアイツが変身(変態?)したのだ
しかも可愛らしい女の子に
まぁ、クモ脚とクモお尻がちょっと余分だったのだが、自在に消せるらしいので問題ない
(わかった・・・余分なんてもう言わないから・・・噛み付くな・・・・)
しかし、最初の出会いは夜這という衝撃的なもので、その後も週2のペースで搾り取られている
さらに、クモ以外の人外にも襲われるという特典も付いてきた、正直やめてほしい
紹介が遅れたが、同居人の名前は“榮”、見た目少女だが、実年齢は・・・
(はっ、殺気!)
いや、やめておこう、彼等の種族では若い方とだけ言っておく
さて、そんな風に毎日を送りつつ、寒い季節がやってきた所から今回の話を始めよう
あれから数ヶ月、俺は絞られながらも平穏な生活を送っている
最近は夜の冷え込みが激しい事が平穏な理由だ
アイツの蜘蛛としての本能がそうさせるのかは分からないが、寒くなると活動が滞る
昼でもウトウトして眠ったかと思うと、基本的にそのまま暖かくなるまで目覚めない
まぁ、眼を覚まさないのをいいことに、一週間ほど部屋の隅で放置したこともあったが
その後、逆切れされて一晩中相手をさせられたため、朝には起こすようにしている
「うー寒いよぉー出たくないよぉー」
俺の布団を奪って丸まり、顔だけにょっきり出して震えるハエトリ娘
あいにく俺は寒さに強いため、部屋にはろくな暖房器具がない
そのため、日が昇ってあったかくなるまで布団から出てこない
布団から出てきても、部屋の外に出る事は一切ない
以前、冬眠したらどうかと提案したが
「君が誰かに取られると思うと、おちおち冬眠なんてできないよぉ」
と言って拒否されたため、仕方なく今の状態にあるわけだ
俺に惚れているのか、単なるエサと見ているのか俺にはわからないが
女性(少女だが)からそういわれるのは悪い気分ではない
202 :
2:2007/11/14(水) 06:26:55 ID:aIJwohsd
そんなこんなで今日も夜がやってきた
夜遅くに仕事から帰ると、榮はいつもの通りに布団の中で丸まって眠っていた
「ったく、俺の毛布まで全部使ってやがる・・・」
どうやら、俺の寝るスペースは無いようだ
安らかに眠る榮の顔を眺めつつ、ゆっくり手を伸ばし・・・
‘プニッ’
「おぉ〜やわらけぇ〜」
プニプニと柔らかい肌を何度も突っつき、起きない事を確認する
半冬眠モードになったコイツは大抵何をやっても起きる事は無い
俺はそれをいいことに毎晩色々とイタズラをしてきたのだが
今夜は思い切っていつもの恨みを晴らす事にした
「おじゃましま〜す」
榮が眠る布団に潜り込み、添い寝する
ちなみに、コイツは寝るときは常に素っ裸である
昼間に起きているときは服を着るように指導したのだが、寝るときはいつも裸だ
寒がるくらいならちゃんと服を着ればいいじゃないかと思うだろう?俺もそう思う。
だが、種族的な習慣のせいもあるのか、彼女は寝るときだけは頑として着衣を拒む
彼女の小さい体に抱きつくと、冷たさを感じる
人間であれば生きているとは思えないほど冷たくなっているが、それがまた心地よい
「さて、まずは胸をいじってやろう」
若干小さいが、形の良い胸に手を添えると、冷たさと同時にやわらかさが伝わってくる
マシュマロのような胸が加える力に応じて変形している
‘ちゅっ’
俺は、片手で胸をもみつつ、もうひとつの胸に吸い付いた
彼女に攻められる時は体が動かせなくなってしまうため、胸を触ることはできない
まぁ、普段でも“触らせて”とお願いすると恥ずかしがりながら触らせてくれるが
そうして、彼女の胸に満足すると、布団の中をもぞもぞ動きつつ目標を下半身へ移す
彼女の体に手を這わせつつ下半身に手を移動させると、股の間にある目標を捉えた
そこに指をあてがうと、驚くことにみっちりと彼女の密であふれていた
少しずつ指を挿入していくと、彼女のなめらかな蜜が指に絡みついてくる
「・・・これならいけるんじゃないか?」
俺が自分のムスコを彼女の割れ目へと導くと彼女はそれをすんなりと受け入れてしまった
自分が彼女を襲っているという、普段とは違う感覚が性感を高めているのか、普段より興奮する
俺のムスコを包み込む彼女の肉壁が動くことはないが、みっちりと締め付けてくる
そこは、冷たい彼女の体とは違って、生暖かい感触が俺を迎えてくれた
そのまま、俺は真っ暗な布団の中で腰を動かしながら彼女を犯し続ける
「うっ」
限界はすぐに訪れ、眠った彼女の中に精を奉げてしまった
俺は、射精の余韻に浸りつつ、これからどうしようかと考えていると、異変が起きた
‘ガシッ’
榮のクモ脚がニョッキリと現れ、俺の体を抱きこんだのである
もしや起きてしまったのかと思ったが、顔を見てもその気配は無い
「ン・・・セーエキー・・・ムニャムニャ」
などと寝言を言いつつ、俺のペニスが入っている肉穴をグニグニと動かしてくる
いつもやられている事とはいえ、その凄まじい快感に、俺は2度目の精を献上してしまう
「アフゥ、おいしいよぉ・・・クー・・・」
本当は起きているんじゃないかと疑ってしまうが、やはり眠っている
俺は、8本の手と足に体をガッチリと固定されているために身動きが取れない
「頼む!頼むから離してくれ!」
‘スー・・・スー・・・’
俺の懇願は聞き入れられることは無く、その後、俺は一晩中絞られ続けていた
203 :
3:2007/11/14(水) 06:27:38 ID:aIJwohsd
「ンクッ〜・・・はぁ、よく寝た」
久しぶりに目覚めの良い朝を迎える榮
くるまっていた布団から出ようとすると、不思議な違和感を感じる
その違和感の正体を確かめるために布団をめくると、そこには絞られた俺の姿があった
「ちょっと、こんな所でなにやってるの?なんでこんなに絞られてるの?」
俺は、「お前のせいだ」なんていう気力すらなかった・・・
まぁ、会社に遅れる事がなかったからヨシとしよう
後日、事の次第を正直に話した所、仕返しといって一晩中絞られたのはいうまでもない
そして、それから数日後
「今夜はどうやって楽しもうかな〜」
そう言いつつ、彼女のくるまる布団にダイブする俺
こうして今夜も、なんだかんだで彼女に絞り取られるのである
・・・懲りろよ、俺
―続く?―
みんなも気をつけてくれ、俺から言えるのはそれだけだ。
>>204 朝っぱらからなんてGJしやがるか!
どうにかして息子を鎮めなきゃ、どこにも行けない!
>>198 手直しが入ると聞いて慌てて原文確保してしまった俺
>>206 そう言われるとそうですね・・・失礼しました
続編は人間以外の女の子にお邪魔して投稿しまするとします
また逆レらしい展開になるのをいつまでも待ってる。
さて出張してくるか。
カウンターレイプ
くまさん・暁狐ってなに?
>>148 お前の話に俺が泣いた!GJですよ!
やっぱり、歌はいいですねぇ・・・
>>201 良いものを見せていただきました、GJ!
こんな蜘蛛なら何匹でもうちに来てくれてもいいです。
さて、暁狐氏やくまさん氏などの職人の皆様のクオリティには死んでも追いつけないお話を投下します。
以下、注意点です。
・今回も分割投下です。
・いきなりエロシーンから始まりますが、逆レイプではありません。
・主人公はやっぱり変態です。
「ほらっ、慎太郎、あんっ、もっと強く腰を振りなさいっ」
「いや、そんなこと言われても、今日はこよりんが上だし……」
「だからこよりんと言うのをやめなさいと、あれほど、あんっ!」
俺の部屋に、妖しい水音とこよりの喘ぎ声が響く。
状況は簡単だ。3行で説明すると、
「今日はこよりんの日」
「俺が部屋でPCをしていると、急にこよりが求めてきた」
「断る筋合いは無く、現在絶賛交尾中」
つまりはこういうわけだ。
何、「こよりんの日」ってのは何なのかって?
まああれだ、ありていに言うなら今日はこよりが俺を好きにしていい日って事。
こより達3人が始めて俺の家に来たとき、俺を巡って争ってな(もっとも、争っていたのはあげはとこよりの二人で、かりんは二人の間でおろおろするばかりだったが)
それを見かねた俺が、1日づつ順繰りに俺を好きにしていい日を定めたらどうかと提案してな。
三人も快諾し、現在に至るというわけだ。
おっと、そんなことを言ってる間にも快感が高まってきた。そろそろイってしまいそうだぜ……
「なあ、こより。そろそろ、イきそうなんだが……」
「あんっ、良いですわっ、たっぷり出しなさいっ、わたくしの中にっ」
こよりの腰の振りがますます激しくなる。うっ、もう限界……
「あっ……あっ……いくうっ!」
こよりの膣が強く締まると同時に、大量の精液が音を立てて子宮に流れ込んでいった
「ああ、肩がこってしまいましたわ。誰か揉んでくれる人は居ないかしら……」
俺の漫画を勝手に読みながらこよりんが呟く。む、またいつもの要求だな。
こよりがこういうことを言うときは、つまり俺にそれをやれと言うことだ。
やらないとすねてしまって口を利いてくれなくなってしまう。まったく、やって欲しいんだったら素直に言えばいいのに、意地っ張りめ……
「ああ、だったら俺がやってやろう。どうせヒマだし」
「まあ、いいんですの?それは助かりますわ。さ、やって頂戴……」
やれやれ、人使いの荒いこって……ま、俺も好きでやってるしいいか。
こよりの後ろに座り、優しく肩を揉んでやる。ん、確かに結構硬い……
「ん……いいですわ、そのまま続けて頂戴」
こよりが気持ち良さそうに体を揺らすたび、胸元の2つの西瓜がぷるんぷるんと揺れる。
……しかし、こよりんって本当におっぱいがでかいよなぁ……。
この乳で街中をうろついたら目立って仕方ないと思うんだが、視線とか大丈夫なんだろうか。
「ちょっと、どこをじろじろと見ているんですの?セクハラですわよ!」
「あ、いや……す、すいません」
「気をつけて頂戴。全く、何で男という生き物はこうも破廉恥なのかしら……」
くっ、俺としたことがついつい気を抜いてしまったぜ。ここでこよりんを不機嫌にしてしまったら、後でどんなことを命令されるか分かったものじゃない。
ここは機嫌を直してもらうためにも、一つ物で吊るか……
「あー、こよりお嬢様、俺なんだかハーブティーが飲みたくなってきたんですが、お嬢様もいかがです?」
「あら、今日はなんだか根回しがいいですわね。いつもの冴えない慎太郎とは大違い」
「けっ、どうせ冴えないですよーだ」
まったく、こっちが下手に出ればいけしゃあしゃあと……
まあいい。そもそも俺がこよりんに優しくしているのも、あの計画を実施するため。
そのためなら、命だって賭けて見せるぜ。
おっと、もたもたしてるとまたどやされてしまう。そうならない前に、ハーブティーハーブティーっと……
「ふぅ……やっぱりお茶は落ち着きますわね。お茶請けが無いのが、少し残念ですけど」
「仕方ないでしょ、無いものは無いんだから。ズズ……」
で、結局こよりんは俺の入れたハーブティーで一息ついている。
茶を優雅に飲む様は実にお嬢様といった感じだが、片手間で優雅に漫画を読みながらという所が、一つ残念なところだ。
さあ、土台は揃えた。後は彼女の口から「何でも言う事を聞いてやる」と言う言葉が出るのみだ。さあどうか……
「慎太郎……」
「ん、なんだ?」
「今日はなんだか、あなたがいつもより立派に見えるんですの……わたくしの為に色々としてくださって、ありがとうございますわね」
「ははっ、いやー、それほどでもないって」
よしっ!これはフラグが立ったか?もう少し、もう少しだ……
「こんなにしてもらったんですから、わたくしの方でも何かお返しをしようかと思って。ただ、何をしたらいいものなのかわたくしにはわからなくて……ですから慎太郎」
漫画を閉じ、お茶を一口飲んでから、こよりんは口を開いた。
「何か一つ、わたくしに言ってくださいな。わたくしにできることなら、なんでもしますから」
…………
………
……イィィヤッホォォォウ!!これだ、この台詞を待っていたんだ。ついに我が世の春が来たぁ!
さあ今こそ計画を実行に移すとき!さあ行け真中慎太郎!
「そうだな。なら、その……」
「ふふ、何でも言ってくださいな」
「その美しい髪の縦ロールの部分で、俺のモノを扱いてはくれないか?」
「……えっ?」
そう、モニターの前の諸君。さっきから俺が口にしていた「計画」というのは、こよりにこれをしてもらうことだったのだ!
こよりんの髪はとても美しい(むろん、他にもチャームポイントはあるが。主に胸とか胸とか耳とか尻尾とか胸とか)。
前々から俺は、その髪を何かのプレイに使えないかと思っていたんだ。
ただ、なかなかいいアイデアが思いつかず、悶々としていたある日。
何気なく読んだとあるエロ漫画に、「縦ロールでモノを扱くと、とても感じがいい」というシーンがあった。
正直それを見たとき、ティン!ときたね。これを是非ともこよりにやってもらおう、とても気持ち良いに違いない、と心に誓った。
だが正直、これはアブノーマルなプレイだ。こよりんの性格だ、普通に頼んでも一蹴されるのがオチだろう。
そこで今回の作戦だ。こよりは機嫌が良いと、たまにああいった事を言い出す。
今までは「じゃあ今日は俺が上」とか「パイズリ濃い目で」だとかそういったことを言ってきたが、今回は違う。
それに、「何でも言う事を聞く」と言った以上、それをやらなければ彼女のプライドが収まらないだろう(事実、今までは俺の指定したとおりにやってくれた)。と、こういった作戦な訳だ。
さあこよりん。しっかりやってくれ……
「…………」
ん、どうした?なんだか顔がどんどん赤くなってるぞ?
「慎太郎の……」
「へ?」
「馬鹿――――――――!!!(バキッ)」
「ドグゴルァッ!」
な、殴ったねっ、かりんにもぶたれたこと無いのに!
「な、ななな何ですの、その破廉恥な要求は!そんなこと、私にできるとでも!?」
「え……いや、だって何でもするって……」
「それにだって限度はありますわ!まったく、どんな思考をしたらそんな答えが……ブツブツ……」
ああっ、ま、まずい。どうやら俺はパンドラの箱の蓋を開けたばかりか、ひっくり返してしまったらしい。
嗚呼、やっぱりこんなアブノーマルな要求は無理だったか?
「慎太郎、まさかあなたがこんなに破廉恥な男だったとは知りませんでしたわ……一遍、その根性を鍛えなおす必要がありますわね……」
「い、一体何を……」
「今後一切わたくしがいいというまでは!わたくしに話しかけないで!あなたが心から反省しない限り、わたくしの体には指一本触れさせませんわ!」
「え、それって、つまり……」
「ええ、そうですわ。平たく言えば、今後あなたとは、」
こよりは乱暴に俺に背中を向け立ち上がる。
「絶交よ!」
そういって部屋から出て行った。
あぁぁ……俺が変なことを言ってしまったばかりに、こんなことになるなんて……
どうする、どうするよ俺!
今回は以上です。
この後の展開がバレバレなのはやっぱり仕様です。ご了承ください。
次回はこよりんの逆レイプに加え、おまけにかりんと和姦の2本立てになる予定です。ご期待ください。
では、今回はこれで。
GJ
期待のこよりんktkr
>>211 くまさん:泣ける話、切ない話が上手。ミリタリー好き。良くも悪くもスレを活発化させる職人。
暁狐さん:多分このスレでは投下数が最多。名前通り狐さんが大好き。BIGBOSS。
こんな感じ。
219 :
暁狐:2007/11/17(土) 23:08:10 ID:QVYpjQHD
小ネタ エロ無し注意
季節は冬に変わりました。
周りが田んぼだらけの道を、一人の人間と一匹の狐少女が並んで歩いてました。
「うぅ……さみぃ」
「そ?」
「お前はいいよな、刹那。暖かそうな尻尾付いてて……」
「妖狐のハーフだもん……じゃあ、はいっ」
人間、双馬の羨ましそうな視線を感じ、お尻から生えている長くフサフサした二本の尻尾のうち一本が双馬の手に触れました。
そして少し巻きつくように動き、それに合わせて双馬も尻尾を握りました。
その感触に狐耳をピクッと刹那は動かします。
「敏感な部分なんだから、あんまり強くしないでねぇ」
「おう、あったかいぃ〜」
「でしょー」
暖かそうな双馬を横目で見て、刹那も嬉しそうです。
「だけど、あたしであったまったんだから、今日もしていいよね?」
「…………野外は勘弁な、寒いから」
「わかってるよぉ……今日もいっぱいするからね〜」
「頑張りますよ」
もうすぐ刹那の家に到着する。
あぁ、今夜も刹那に一滴残らず搾り出されるんだろうな……
そう思いながら、双馬はグッと自分に気合を入れていました。
〈終〉
どう見てもただのバカップルです、本当にありg(ry
Gj!!
モフモフな尻尾…ハァハァ
やはり尻尾は敏感なんですね
うちの犬、尻尾を握るとビクッてなってこっち見てくるぜ
>>222 家の犬もそうだ。
けどもう1頭は、暫く触ってないと反応してくれない……。
>>222 うちのは触れる前から気づいた途端に舐めだすから困る
尻尾に触ると、こっちの足にしなだれてくるから困る。
シベリアンハスキーだから重いんだよ………
職場の近くの野良猫、去勢手術済みなんだけど
尻尾の付け根近くを撫でてやると
やっぱり発情する仕草をするな。
>>222 俺が昔に飼ってた犬の場合、腰の辺りを撫でただけで悶えてた。
その後、何かを期待する目で此方をじっと見ながら尻を向けてきた。
あの時、犬は俺に何を期待していたのだろうか………まあ、分かりきった事だろうけど。
だがエキノコックス
230 :
223:2007/11/19(月) 23:04:44 ID:1Yb0+mCd
>>229 ウチの犬は両方とも♂だけど?
って言うか、全部♂なんは当たり前やろ。
うちは♂♀だわ
ついでに♀の方は尻尾触ろうとするとビクッっつって逃げてくwwww
職場近くの野良猫は♀だ。
ちなみに甥っ子にあたる♂と年中ベタベタしているわ
>>229 俺のは牝だ、腰を撫でると何時も後ろ足で妙なダンスを踊るから面白かったw
でも、今、その犬はもう虹の橋に行っちゃったんだ………(´・ω・`)
。・゚・(ノД`)・゚・。
うちも雌だ。まえに飼ってた犬のことを忘れられなくて親がまた同じ犬種を飼ってきたんだよ。
最近墓参り行ってないな、犬の。
>>235 そのうち枕元に立って逆レイプされる、まで受信した
237 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 15:36:40 ID:EkbUC7Hn
お前さん達は一方的な恩返しが大好きだな
238 :
229:2007/11/20(火) 17:48:27 ID:wK2sZh0Y
ペットは金魚しか考えられない我が家庭orz
虹の橋は既に渡ってるけど
「なんやねんうちの人……いっつもウチの感じるトコ触ってきてからー……。
うちかて花も恥らう乙女やっちゅーの。いきなりそんなトコ触られたらびっくりするやん。
もうちょっとこう、喉ごろごろさせてから、とか……段階踏んでやるもんやないの、そういうのって?
……ウチが知らんだけで、他所はああいうので一気にガーッとするんかなぁ?
いやいや、んなわけないわ。北本さんちのミケかて、そんな事あらへんよ、言うとったし。
……せやけど……ウチの身体の方が問題よなぁ……段々触られるのに慣れて……。
今度触られたら……ああ、発情してもうたらどうしよ? そん時は、うちの人襲ってまうかもなー。
……まあえっか、うちの人やったら。結構ウチごのみの顔と匂いしとるし……て……
何言うてんかなぁ、ウチは。犬と人間やないの。あはは、はは……ふぅ……もう寝よ」
電波がァー(ゆんゆんゆん
ミヤビかと思ったw
>>237 ほのぼの逆レイプってよくいうじゃないか
>>239 コイイヌ・・・・・・
今思ったけどコイネコも一歩間違えば逆レイプな展開になりかねない
>>239 こう言う時に吉川教授の擬人化薬を浴びせたら、さぞ面白い事になるだろーなーと思う俺。
鳶娘っていたっけ?
なんとなく巨乳でのんびりしたイメージがある
247 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 08:38:14 ID:lHczS696
>>245 鳥類だとどうしても鳩胸→マッチョとなってしまって、固っっったい胸を想像してしまう。
吉川教授の擬人化薬、どっかで売ってないかな……
通勤途中にホルスタイン飼っているとこあるんだけど、思いっきり散布してー。
249 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 09:59:31 ID:lHczS696
>>248 ホルスタインならば搾乳の為に妊娠してるか出産直後だったりするから、挿入は厳しそうだな。
まぁ母乳プレイは基本として、妊婦プレイもしくは種付けプレイだな。
…電波受信しすぎだろ常考
そういやエロリッチの逆襲にある「ドラゴンと僕」ってこのスレ的にはどうなの?
田代島に夢を求めて旅立ったんじゃね?
>>252 むしろシルキーや蟻娘(名前失念)のその後が気になる。
255 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 20:34:05 ID:lHczS696
>>246 北海道ではフクロウは「森の狩人」と呼ばれております
「火よう日のごちそうはひきがえる」という本を思い出した。
簡単にストーリーを書くと
ひきがえるが梟に捕まって木の“うろ”の中にある巣まで連れて行かれる。
↓
巣の中にあるカレンダーの火曜日に○がしてあり、「誕生日(ひきがえるを食べる日)」になっている。
↓
ひきがえる、なんとか逃げようと試みるがことごとく失敗。しかし生活を共にするうちに少しずつ打ち解ける。
↓
ある日、ねずみの大群が木を削り進んで助けに来る。
↓
逃げる途中で狐に襲われる梟を見付け、「あんな奴ほっとけばいい」と言うねずみ達の制止を振り切って梟を助けに行く。
↓
ねずみ達の協力もあって狐を追い払う。
梟はひきがえるが自分を助けに来てくれた事に驚く。
そして、今まで断固として「友達なんていらない」と言ってきた梟は
「もし、友達になるなら…お前たちのような奴がいいな」と笑顔を見せる。
ちなみに主人公のひきがえるは元気っ子。
梟は超が付くほどのツンデレ。
低学年向けだがとても面白いので読んでみてくれ&SSを書いてくれ。
なぜ俺は題名を知っているのだ?粗筋みたが読んだことないぞ?
文字の世界で既視感覚えるとは思わなかった。
>>261 なんとなくタイトルを見て注文の多い料理店を思い出した。
そして書きながら思ったんだが、
やって来た客を食べてしまう(性的な意味で)
山猫姉さんを思い浮かべた俺の脳は良い感じにこのスレに毒されてるw
でその後やってきた山犬も混じると
>>260 京都弁だなっ!(くわっ
だが京都弁がわからないっ!(あべし
ショタが梟に捕まって木の“うろ”の中にある巣まで連れて行かれる。
↓
巣の中にあるカレンダーの火曜日に○がしてあり、「誕生日(ショタを食べる日)」になっている。
↓
ショタ、なんとか逃げようと試みるがことごとく失敗。しかし生活を共にするうちに少しずつ欲情する。
↓
ある日、ねずみの大群が木を削り進んで助けに来る。
↓
逃げる途中でレズ女狐に襲われる梟を見付け、「あんな奴ほっとけばいい」と言うねずみ達の制止を振り切って梟を助けに行く。
↓
レズ女狐も加わった3Pになる。
こうですか?わかりません><
267 :
261:2007/11/22(木) 21:09:39 ID:UWbnPbAR
よろしい、直ちに執筆だ。
>>263 おまいのレスでビーストマスターを思い出した俺は…
(゚Д゚)ウボァー
269 :
229:2007/11/23(金) 22:47:46 ID:htrP++JW
分割投下だが投下してもいいですか?
272 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 01:23:09 ID:5ROtNRTb
273 :
暁狐:2007/11/24(土) 08:57:53 ID:w58NSfSE
よし、投下します。
以下注意点(言い訳)
※分割投下、今回エロ無し
※擬人化描写一切無し。このスレでの必然性も怪しいところ
※動物さんは狐(九尾の狐)。これもまた狐である必然性はあるのか怪しい。書いた人が狐スキーだからとでも言っておく。
※主人公の男は一応最強設定なので苦手な人はよろ。
※ついでに、まとめにある某話と世界観が繋がってるので、苦手な人はよろ。
注意点多いけどまぁ、苦手な人はNG登録してください
274 :
暁狐:2007/11/24(土) 08:59:06 ID:w58NSfSE
魔王は暇であった……
大きな玉座に座りながら大きな欠伸をする。
最強と呼ばれた力を得て魔王となり数百年の月日が流れたが、どうにもつまらない。
やる事がない……暇つぶしに人間族全てを消滅させるか……
魔王になりたての頃、力の制御があまりできず誤って”魔女の力”を与えてしまい、逃げてしまった飼い猫を捜すか……
それとも世界の一つでも創世し、自分の理想とする世界でも創るか……
しかし、人間を滅ぼしたら唯一無謀にも自分に立ち向かってくる種族がひとつなくなってしまう。人間は程よく残しておこう。
猫は……魔女の力が少し厄介だし、二匹いたし、もうくたばっているかも知れない。
世界を創るのも面倒だ。出来なくもないが何だか面倒くさい。
「はあ〜ぁ……召喚でもすっかなぁ」
一人で考えても、この退屈を解消する良い案が浮かばない。
と言うより数百年間ずっと考えても浮かばなかった……ならば、考えてくれる奴を増やそう。
魔王はそう考え、ゆっくりと立ち上がった。
人差し指を数メートル先の床に向け、呪文を唱えると指の先が眩く光り出した。
「えっと、セルシウスあたりでいいか……」
魔王が今から行うのは召喚魔法。
この世界とは全くの別世界から、様々な生物を呼び出す超高等魔法だ。
本来なら何十年と修行した熟練の魔術師でも出来るか分からない魔法なのだが、魔王にとっては召喚魔法など容易いものだ。
魔王が床に描かれていく光の魔法陣を見つめながら召喚獣を呼びさそうとしている。
呼び出そうとしているのはシヴァと呼ばれる、全てを凍てつかせる氷の召喚獣。
そして、魔法陣が描かれると眩く光り、暗い室内を白で染めた。
眩い光で目を瞑る魔王。自分の前に出していた手も下げ、光が治まると魔法陣が消えていることに気づいた。
「召喚成功っと、さすがオレ」
無論、魔王の目の前にはセルシウスが立っており、冷たい目でこちらを見ているはずだ。
しかし光が完全に治まると、期待の眼差しで前方を見つめていた魔王の表情が一変して落胆の表情となった。
275 :
暁狐:2007/11/24(土) 08:59:45 ID:w58NSfSE
「お前か? 私を呼んだのは?」
「チェンジ」
「できるかぁ!!」
広い室内に少女の声が響き渡った。
セルシウスはお姉さま系の美しい女のはず……しかし目の前に立っているのは見るからに幼い小さな少女。
セミロングの赤紫の髪に瞳。口からは小さな八重歯も見られる。
そして、そんなロリ少女の頭からは髪と同系色の狐を思わせる耳が見え、また九本の少女とほぼ同じ大きさだろうフサフサした狐の尻尾も見えた。
しかも狐耳と尻尾の先端は白い毛になっており、怒鳴る少女の感情にあわせてビンと天井を向いて立っている。
セルシウスとは似ても似つかないその容姿に、魔王は大きなため息を吐いた。
「なにお前?」
「なにって……呼び出したのはお前だろ!」
「いや別に呼んでないぞお前みたいなお子ちゃま。だから別にもう帰ってもいいぞ? 古代語で言うクーリングオフだ」
「出来るわけないだろ! 一度呼んだらもう戻れないだよ、お前が使った召喚術は!」
「…………ぁ〜、確かにそうだったかもなぁ……」
少女に言われ、魔王は自分が使った召喚魔法にも種類があることについて思い出した。
魔王が使おうとしたのは、強力な力をもっているがこの世界に長くは留まれない、人間達が言う”召喚獣”と呼ばれるもの。
しかし魔王が誤って使用したのは、召喚獣に比べ多少力は劣るものの、召喚した者が死ぬまでこの世界に留まり続ける事ができる、人間達が言う”使い魔”と呼ばれるもの。
前者も後者も召喚魔法には変わりないのだが、使い魔は熟練した魔術師なら呼び出すことが可能で、生活のパートナーとして人間に呼び出される場合もよくあったりする。
そんな事を思い出しながら魔王は露骨に嫌な表情を浮かべた。
彼が召喚したのは”使い魔”
本来なら冷たいながら返事は返ってくるセルシウスに、暇な現状をどうすればいいか訊くだけのはずだった。
すぐに元の世界に帰るし。
だが、使い魔は召喚した者が死なない限りこの世界に居続ける。
つまりは、目の前の狐ロリはこの先何百年と死ぬ事のない魔王と共に生きる事になる……
276 :
暁狐:2007/11/24(土) 09:01:15 ID:w58NSfSE
「……お前、名前は?」
魔王は簡単に諦めた。
間違った召喚魔法を使ってしまったのは自分なのだから仕方がない。
それに、いざとなったら魔法でどうにでもできるし、美少女なので成長するならこの先有望だし。
魔王の問いに不機嫌そうにムスッとしていた狐少女は、ゆっくりと口を開く。
「リンシャオ……」
「種族は?」
「九尾……」
「何で不機嫌なんだよ? オレご主人様なんだからニコヤカに」
「そのご主人様が不機嫌にさせたんだろ?」
確かに狐娘、リンシャオの言うとおりだ。
いきなり呼び出しといて数秒で帰れと言われれば誰でも不機嫌になる。
魔王はぐうの音も出ない。しかし立場は上だから、別に反省する様子も無く、その態度が更にリンシャオを苛立たせた。
「ちょっと、一言くらい謝るとかできないのかよ?」
「……オレ、魔王だし。全世界、どんな生き物も恐れをなすおっそろしい魔王様だし」
「魔王っておま……こんなんが魔王なんて世も末ってやつかね」
”魔王”という言葉を聞き、リンシャオは改めて目の前の男を見直す。
人間にしてはとてつもなく大きな力を秘めているようだ、それに耳も尖っているし。
確かに人間じゃないようだけど……魔王というのがかなり怪しい……
ジト目でリンシャオは魔王を見つめ続け、魔王はその視線を感じ優しげに微笑んだ。
「なんだ? そんなにオレ見て、惚れたか?」
「そんなわけ、ないだろ」
いきなり、魔王とは思えない彼の微笑みにリンシャオは少し頬を赤くして視線を逸らす。
その仕草が可愛いと魔王も思ってしまい、何だか少し、数百年と感じることがなかった感情、照れも入って頬を人差し指で軽くかく仕草をしていた。
妙な沈黙が流れる。
とりあえずこのままにしておくわけにはいかない、魔王は何かブツブツ言っているリンシャオを見下ろしながら口を開いた。
277 :
暁狐:2007/11/24(土) 09:02:00 ID:w58NSfSE
「とにかくリンシャオ、お前はオレの使い魔になったんだ。今後はオレに絶対服従な?」
「は、はあ!?」
「なんだその返事は? 使い魔なんだから当たり前だろ。そうだなぁ……せっかくだから、オレの事はご主人様と呼べ」
「なにぃぃ!!?」
然も当然のように出た魔王の要望に、リンシャオは困惑の表情を浮かべた。
その直後、彼女の表情は恥ずかしさと怒りが混じったような表情になり、当然魔王に抗議する。
しかし魔王は聞く耳持たず。
力もリンシャオよりは上だと言うことは彼女が出てきた時にもう分かっていたし、何より自分はリンシャオを召喚した張本人。
いわばご主人様だから、別にリンシャオが怒ろうが怖くもなく、むしろ可愛かったりする。
やがてリンシャオの抗議の言葉は終わりを迎える。
もう何を言っても無駄だと思ったのだろう、彼女の表情からは諦めの言葉が浮かんでいるようだった。
「今日は召喚されたばかりだから、もう休め。部屋は腐るほどあるから好きなの使っていいぞ」
「え、おま……ご、ごしゅ、ご主人様は、一人で住んでいるのか?」
「あぁ、今日から二人だけどな」
「そう、なのか……」
という事は今までずっと一人だったのか、何だか悪い事訊いたかな……
そう思うとリンシャオの尻尾と狐耳は少し垂れ下がる。
その様子を見て魔王はケラケラ面白いものを見たかのように笑うものだから、リンシャオの同情の念は微塵と消え、その代わり妙に腹が立ったので尻尾と耳は再び逆立った。
実際のところ、魔王はずっと一人だったわけではない。昔は飼い猫もいたとリンシャオに言う。
だが、その猫も自分のちょっとしたミスで何処かへ行ってしまった事も言うと、リンシャオは思いっきり高らかに大笑い。
そして二人は口喧嘩になった。
魔王と九尾の狐の共同生活は、こうして始まったのだった……
〈続〉
278 :
暁狐:2007/11/24(土) 09:02:53 ID:w58NSfSE
続くけど、正直すまんかった
スパロボユーザー疑惑につづき、さらにテイルズユーザー疑惑まで立ったか、BIGBOSS
ともあれGJ
テイルズ知らない俺に説明を
>>278 なにともGJ
よく分からんがRPGの詰め合わせでFA?
魔王っていうとドラキュラ伯爵しか思い浮かばないw
滅びよ!ここは貴様の住むべき世界ではない!
>283
盾を押し付けられてるだけで倒れちゃうひ弱な若本ボイスのオジサマなんて知りません!
今日「いぬみみずかん」というエロマンガを買った。
やっぱり発情期を迎えた犬娘はいいと思った。
289 :
暁狐:2007/11/24(土) 23:49:14 ID:w58NSfSE
あ、見直したら誤字があったorz
なんか本当にごめんなさい
いぬみみはロリ多目なのがなぁ…
梟のお話、書いてみます。
いぬみみは主人公カワイソスでなんか普通に見てしまっていたな
>>284 ロケット・プペルド・グレネードじゃねぇw
っつーか、RPG-2や7、16・18・29がみっちり詰ったタンクローリー想像して噴いた。
以前、ウチにSSの神様が降臨したんですが、中途半端に降臨したんです。
おどおど娘なリスっ娘とか、パンクなヤマアラシ娘とか、関西弁な虎娘とか……
キャラばっか置いて行ってストリーは置いていきませんでした。
リスっ娘なんてどー考えても逆レにならねーよ(T.T)
>おどおど娘なリスっ娘
普段檻に入れて可愛がっていたペットのリスがふとしたはずみに逃げ出してしまった。
天井裏に行ってしまったらしくどうしても見つからない。
仕方ないまた明日捜そう、檻の中に餌を入れて帰って来ることを祈りつつ就寝。
夜中異変を感じて目を覚ますとなぜかベッドにくくりつけられている俺、その側には
「あああの、スミマセンご主人様! でもでもこういう事一度やってみたくて、今までは考えるだけだったけど……まさかこんなチャンスが来るなんて」
まで妄想した
俺も妄想を考えたんだけど書いてるうちに先客が来ちゃったか。
でも、そんなの関係ねぇぜ。
−−−−−−−−−−−−−−−
季節はもうすぐ冬。冬支度をろくにできなかった雄リス。
このままじゃ冬を越せないので他人の家から食料を盗もうとする。
とそこにリスっ娘帰宅「なっ…なにやってるんですか〜 私の食料返してください〜」
一瞬ヤバイと思った雄リスだがリスっ娘のおどおどした態度を見て「こいつはイケル」と思った。
どうしても返して欲しいか? はい。 じゃ何でもするか? えっ…はっはい。 じゃあ一発ヤらせろ
というわけで季節外れの交尾開始
このとき二匹は知らなかった。冬支度中のリスは一年でもっとも体力があることを…
発情期でない時期に交尾をすると発情が止まらなくなることを…
支援支援
>>発情期でない時期に交尾をすると発情が止まらなくなることを
まじ?
そろそろ職人の数減らそうぜ
駄目だ…
因幡の白兎が、水着姿の鮫姉さんの大群に蹂躙されるショタ兎君の話にしか見えない…
ちょっと電波をプリントアウトしてくる。
<ナイルなティティス>
「――おっしゃ、勝ち!」
33対31。
ぎりぎりもいいとこだけど、まあ勝ちは勝ち、だ。
「ま、負けたにゃー」
がっくりと肩を落としたのは、山猫の獣人娘、山本麻耶(やまもと・まや)。
通称、海苔屋。
キャット空中三回転の天才だ。
学園長だって引っかいてみせらあ。
でもマタタビだけは勘弁な。
「何をブツブツ言ってるニャ」
麻耶が睨みつけてくる。
「いや、何も」
慌てて返事をする。
この子のネコパンチと引っかきは尋常ではないスピードだ。
「しかし、あんなところから逆転されるとは思わなかったニャ」
麻耶は恨めしげに盤の角を睨んだ。
「ふっ、奥が深いのさ、オセ──」
ぱこーん!!
見事なネコパンチがヒットして俺はひっくり返った。
「な、何しやがる?!」
「それ、言っちゃ駄目ニャ。商標登録されてるニャ。リバーシゲームと呼ぶニャ」
「そ、そうか」
この倶楽部に入ってから知ったんだが、「8×8」の盤に白と黒との駒を使って
「自分の色の駒で相手を挟んだらひっくり返して自分の色にできる」ゲームは、
リバーシゲームと言うそうで、俺の知っているオセ──
がしっ!
顔面引っかき炸裂。
「だから言っちゃ駄目ニャ!!」
「痛えよ、加減しろ、バカ」
顔を抑えて抗議する。
まあ、オセなんたらは、商品名(実際にはちょっと違うらしいけど)なんだそうだ。
まあ、そのオ……。
すっ。
麻耶が構える。
したーん、したーん。
「ね、ネコパンチの癖にフリッカージャブの準備をするな……」
……その、リバーシゲームの愛好家は多く、<学園>にもいくつも同好会がある。
そのひとつが、我が<64モーグリ倶楽部>だ。
64とは、8×8のマス目のこと。
その盤にダイブして死闘を繰り広げるからモーグリ倶楽部。
しかし、なぜかレトロなテレビゲームマニアが集まってくる。
名前の問題だろうか。
まあ、俺らのライバルの<白黒将会>は、
なぜかストリップ大好きエロ人間が集まってくるというから、まだましか。
とにかく、俺はそういう倶楽部に所属していて、
「……オセロッ…」
「わー、馬鹿バカばか!!」
がりっ!がりっ!
見事にX字に顔面を引っかかれ、悶絶する。
「……お、オセロット(山猫)娘に勝利した、と言おうと思っただけなのに……」
「紛らわしいニャっ!」
顔がチクチク痛むけど、それはまあ我慢して、俺はのんびりとした放課後を楽しんでいた。
秋の爽やかな風が開け放たれた窓から入ってくる。
遠くに聞こえる部活の声。
授業が終わった後の教室、知的な遊戯で時間を潰す。
理想的な午後。
……それは、唐突に破られた。
すぱーん!
不意に、教室のドアが、ものすごい勢いで開け放たれる。
「やはり、ここにおったかぁ!!」
「げっ!」
教室の空気が一変する。
大体にしてテーブルゲームとかを好む人間/獣人は大人しい。
俺や麻耶は体力とか運動神経とかにも結構自信があるけど、
どちらかというと、間違いなくインドア志向だ。
他のメンバーもご多聞に漏れず、倶楽部会員はみな
静かに趣味を楽しむことを至上の喜びとしている。
だけど、こいつは──。
「このような不健康なところで不健全な遊びをするものではない、と何度言ったらわかるのじゃ!
日光浴をしにプールに行くぞえ!!」
こちらの意思をまるで確認する気もなく、突撃してきた人影は怒鳴った。
「……ふざけんな、こんな寒い日に日光浴なんて正気の沙汰じゃねえ」
俺は、立ち上がってそいつに歩み寄り、視線を30センチほど下ろしながら、そう答えた。
ドアをぶち破らんばかりの勢いで入ってきたそいつは、つまり俺よりそれだけ背が低い。
尻尾だけはいっちょまえの堂々としたものを引きずっているが、
それは足りない身長の代わりにはならない。
目の前に立つと、そいつの強く睨みつける瞳が視界から失せ、
おかっぱのように切りそろえた黒の直ぐい髪だけしか見えなくなる。
「むむむ」
そいつは、顔をぐっと上に向けて、ほとんど天井を見るような角度で俺を見上げた。
「悪いな、お前と遊んでるヒマはないんだ、おチビちゃん」
「おチビと言うなあ! 張り飛ばしてでも連れて行くぞえ!」
ティティスは、大いに憤慨したようだった。
小麦色の滑らかな頬に朱が差している。
「おお、やってみろ、チビっ子星人」
「わらわは星人ではないわ、誇り高きナイルワニ獣人の女王じゃっ!」
「ああ、そうか。うん、じゃあ、な」
ティティスの肩をつかんで、くるりと回す。
身体と一緒に半回転した尻尾は、軽くジャンプしてかわす。
「じゃあ、帰った帰った」
「ちょ、やめっ、待たんかっ!!」
ティティスがぐるりと振り返ったときは、もう俺は二、三歩下がっていた。
相変わらず、トロいジャリだ。
「ちょっとぉ! 痴話喧嘩なら他でやってよねえっ!」
麻耶が、ずずっと教室の隅っこにダッシュしてから叫ぶ。
山猫獣人はこのちびっ子が苦手らしい。
なんでも「めちゃくちゃ怖い」んだそうだ。
あの運動神経の固まりがこんなトロチビ娘相手に不思議なことだけど、
まあ、ネコは水に弱いし、案外水棲生物は苦手なのかも。
だが、俺は別にこいつのことを怖いとかは感じない。
なんといっても、チビだし。
同じワニ獣人でも、これが三年の鰐淵先輩とかだったらすごい恐いけど。
<学園>屈指の美女は、ライオン獣人だろうがトラ獣人だろうが、水辺ではお話しにならない。
同級の獅子尾との喧嘩しているところを偶然目撃したことあるけど、ありゃあ、逆らわないほうが無難だ。
プールの中に引きずり込んでワンサイドゲーム。ライオン相手に、だぜ?
もっとも、猛獣の獣人もその多くはこちらから刺激しない限り、手を出してくることはない。
ましてや、獣人と純血種との揉め事はご法度だ。
純血種が、身体能力的に圧倒的に劣って勝負にならない、とか、そういう理由だけじゃない。
「男の子と女の子は仲良くすること。そうしないとつがいが見つかりません」
それは、<学園>のもっとも強力な不文律。
だから、獣人娘は、クラスメイトの純血種男子と本気で争うことはない。
誰が、自分とつがいになれる<因子>を持つ男の子なのか、分からないから。
ひょっとしたら、隣の男の子が自分に卵や子どもを産ませられる貴重な能力を持っているかもしれないから、親切にする。
男の子のほうも、美人ぞろいで、ほとんどが体力的に自分を圧倒している女の子に意地悪なんかしない。
だいたい、男というのは、自分に目の敵にさえされてなければ、たいていの女の子に好意的なのだ。
>>303 もう今から
+ *
∧_∧ *
(0゚・∀・) + ワクワクテカテカ
oノ∧∪ ∪
(0゚(0゚・∀・)+ ワクワクテカテカ
∪(0゚∪ ∪
/ヽ_と__)__)/ヽ +
(0゚ ・ ∀ ・ ) ワクワクテカテカ
(0゚ ∪ ∪ +
と______)______) +
+ +
出来れば、百合の方が良いね。
だから、<学園>の生徒は、つがいが見つかるまでの間、
放課後こうして和気藹々とクラブ活動に興じる。
ここは、<学園>、<獣人特区>。
僕の通う学校──獣人と人間の若者が<共学>する市立学園を中心にして、
人と獣人が共生するモデルタウンとして作られた街。
獣人を嫌う人間も多いけど、宇宙に飛び出して「進化の壁」にぶち当たった人間にとっては、
はるか昔に捨て去ったはずの「獣の因子」を持つ自分たちの亜種は、大きな可能性を持つ存在らしい。
宇宙開発が頓挫した世界政府は、世界中に隠れていた獣人を保護し、集結させ、
次世代の<超人類>が外宇宙への壁を打ち破ることを目指している。
<特区>と<学園>は、そのための大切なゆりかごだ。
……だが、何事にも例外と言うのはある。
俺とこのジャリ、テティティスがそのいいサンプルだ。
「――わらわの名はティティス! <ナイルの女王>じゃ!」
開口一番、そう言ったチビは、会ったその日から四六時中俺をストーキングしている。
理由は……。
「そなたは、ナイルワニの獣人と卵を作れる因子を持っておるのじゃ!」
自己紹介が終わり、クラスをぐるりと睥睨した自称<ナイルの女王>は、
俺を見つめると、たっぷり三秒間、停止した。
それからものすごい勢いで突進して、俺に飛び掛って、
「見つけたぞ、わらわの夫!! 卵を作ろう!!」とのたまった。
以来、こいつは俺の行く先行く先に現れて、楽しい高校生活の邪魔をする。
遺伝子だの<因子>だの、小難しい話は知らないが、はっきり言って迷惑だ。
「うむ。俺はこれからジュースを買いに行く。お前はどっか行け」
「な、な、な、無礼な!」
けんもほろろに言い放つと、ティティスは真っ赤になって怒った。
「うるさい。人の顔を見れば、交尾交尾とうざいんだよ」
「何を言うか、ひょうろく玉! 交尾以上に大切なものがあると思うか!?」
「とりあえず、俺は今、交尾よりジュース一本のほうに興味あるぜ」
「ぬう……、こ、この変態が!」
「なんだよ、それ」
「若いオスとメスで、交尾に興味がないなど、ド変態もいいところじゃ!
わらわが正しく性教育してつかわす!!」
「まっぴらゴメンだ!!」
俺たちはののしりあい、にらみ合った。
「むむむ、大体じゃな。そなたはもう精子が出る大人なのに、なぜわらわと交尾をせぬ?!」
むちゃくちゃな理屈だ。
だけど、発情した獣人というのは、こういうものなのかも知れない。
「素直な生殖要求」というのは、「外宇宙への挑戦」にものすごく重要な種族としての能力だそうだけど、
俺にとってはあんまり関係ない。
俺は、俺の好きな女とそういうことをしたいだけだ。
……まあ、まだそんな相手はいないが。
とりあえず、目の前で真っ赤になって恥語を連発するワニ獣人が
俺の恋の相手じゃないことは確実だ。
「……これ、聞いているか、我が背(せ)?」
「誰がお前の背中だ」
「むむ、背とは、そなたの国の古語で、夫や愛しい男を意味するのじゃ」
「……物知りだな」
「王族として、他国の伝統にも詳しくなければのう。
ましてや国際結婚をする相手の国ともなれば、精通せねばならぬ」
「国どころか、種族もちがうじゃねえか」
「ちなみに妻や愛しい女の子とは妹(いも)と呼ぶ。わらわのこともそう呼びや」
「妹萌えの趣味はねえ」
言い捨てて横を素通りしようとしたが、ティティスは両手をばっと広げて通せんぼした。
普段よりずいぶんとしつこい。
「なんだって言うんだ、いいかげんに──」
「イリエワニの鰐淵が、つがいを見つけたそうじゃ」
「へ? 鰐淵って、鰐淵先輩?」
「ええい、あの女に先輩付けなどせんでよい!」
ああ、なるほど。
合点が言った。
イリエワニと、ナイルワニは最強のワニの座を争うライバル種で、
<学園>最強のイリエワニ獣人は、ナイルワニの王女様にとっては目の上のタンコブらしい。
もっとも、鰐淵先輩のほうは、何とも思っていなさそうだが。
その一方的ライバルが、つがいを見つけたとくれば、ティティスが慌てるのも無理はない。
だが、そんなの関係ねえ。
「いいや、関係大ありじゃ! 鰐淵のつがいは一年生じゃぞ?」
「……それがどうかしたのか?」
「おぬし、一年生が先に童貞捨てたのに、何とも思わぬのか?」
「別に……?」
「なんと! わらわは一つ年上が先にまぐわいはじめたと聞いて居ても立ってもいられぬのに、
そなたと来たら、一つ年下に先を越されて二年生として平気なのかえ!?」
「わけ、わかんねーよ」
全体的に、初体験とか、つがいを見つけることに熱心なのは獣人の女生徒のほうで、
どちらかというと、純血種の男子生徒のほうはのんびりとしたものだ。
色々な本能が弱い純血種が「その気」になる前に、獣人のほうが発情してカップル発生、というのが
学園の伝統的な恋愛事情なのだが、
──俺はこいつとつがいになる気はねえ。なぜなら、
「俺んちは、もう兄貴が異種族結婚しちまったから、無理だっつーの。
俺は純血種同士でふつーに結婚するの。だから、いーかげん、諦めれ」
俺の兄貴もこの<学園>に通っていたが、
ある日、麻雀部で知り合った龍族の娘にハコテンにされ、
「負けた分、あの娘の実家の神社でバイトしてくる」と京都に行ったきり、帰ってこねえ。
そのまま相手が長女だから婿入り、という強引な展開で、今じゃ一年に一度帰ってくる程度だ。
向こうは三十人姉妹で、跡取りの弟も生まれたつーのに、
兄貴はもうこっちには帰らないつもりらしく、
おかげで親父とお袋は、俺に純血種とのごく普通の結婚を期待するようになった。
「というわけで、俺のことは諦めて、……そろそろ、あっち行け、チビワニ娘」
そっくり返った姿勢の肩をちょん、と突く。
バランスの悪いジャリはひっくり返りそうになった。
「わわっ、何をする。馬鹿者ぉ!!」
ティティスは尻尾を使い、慌てて姿勢を保とうとする。
その横を俺はさっさと通り抜けた。
「ちょっ! こら、待て、そなた! そなたに話が──」
「俺はお前に話はねえ」
「ま、待てっ 待ちゃれっ!」
大きな声だけが追いかけてくる。
うるせえ。
端から聞いたらまるで夫婦喧嘩のようだ。
恥ずかしいったらありゃしねえ。
こちらは何とも思っていないのに、まわりに「そう」思われるのは迷惑千万だ。
ティティスの慌てた声はしつこく聞こえたが、
俺は早足になってそれを振り切り、無視を決め込んだ。
どうにもあのチビはうざったい。
はっきり言って、兄貴のことがなくたって、俺はあいつと付き合うことはない。
そりゃ、顔はけっこうな美人だし、驚いたことに本当にナイルワニ獣人の<王家>の血筋だし、
黙ってさえいりゃあ、たしかに<お姫さま>だ。
追っかけまわされる俺を「据え膳を食わない」と言ってうらやましがる奴は多いようだが、
あいにく俺は、こんなチビに欲情する変態じゃねえ。
そう。
<ナイルの女王>ティティス=なんたらかんたら133世は、
「身長140センチ、体重軽い、バストぺったん、ヒップつるん」の発育不良のガキ体型だ。
入学のときに中等部どころか、小等部に案内されたという逸話もむべなるかな。
体の中で唯一立派なのは鰐獣人の証である巨大な尻尾だけ、という具合では、
グラマー好きの俺の眼中にない、っていうのも理解してくれることだろう。
実際、抱きつかれて求婚された瞬間に、俺は丁重にお断りの返事をした。
だが、あいつはあきらめない。
もともと爬虫類系の獣人と言うのは情が濃くって執念深いって噂だけど、こいつはその中でも特別製だ。
さっきみたいに、ちょっと押しただけでふらふらよろめいてしまうくらい
運動神経のないジャリの追跡を振り切るのは簡単なことだが、
血の巡りの悪いせいか、こいつは恐ろしくタフだ。
逃げても逃げても追っかけてきやがる。
ガキで、大声で、鈍い。
──俺の苦手の三大要素をすべて持ち合わせていやがる女。
それがティティスという女だった。
あんな奴の<夫>なんか、まっぴら御免だ。
俺はひとしきり小走りでティティスを引き離し、自販機の前で足を止めた。
硬貨を取り出し、ジュースを買う。
「熱血飲料か、鉄骨飲料か……?」
しばし逡巡。
「あっ……」
反射的にころころと転がる百円玉を追っかける。
銀色のコインは、小さなスニーカーに当たって止まった。
小さな白い指が、それをつまんで拾い上げる。
「はい。落し物よ」
「……へ?」
自分に百円玉を差し出す娘を、ティティスと見間違えたのは、
その少女が、あのジャリと同じくらいの背丈だからだ。
だが、俺が呆けたようにその姿を見つめたのは、あいつとは全然違う雰囲気に呑まれたから。
ティティスと同じ黒い直(す)ぐい髪は、あいつとは違う白い肌に映え、
ゴシックロリータの服装は、幼さよりも、妖しさを印象付ける。
なによりもその美貌。
顔の下半分が見えなくても、瞳だけで確信することが出来る。
下半分が見えなくても?
そう。彼女は、白い大きなマスクをつけていた。
それでも、その美貌をかくしきれない。
切れ長の、潤んだような黒い瞳に視線を合わせると、吸い込まれそうになった。
どきん、とした。
精神的にも肉体的にも成熟した女性にしか興味がないはずの俺が。
俺は、そのことに激しく動揺した。
「ふふふ、どうしたの?」
「……あ、ああ」
ようやく百円のほうに意識が行き、それを受け取る。
「じゃあ、ね」
ゴスロリ少女がくるりときびすを返したとき、雷が落ちた。
「なっなっなっ、何をしておるのじゃ!!」
金切り声に振り向くと、ティティスが顔を真っ赤にして突き進んでくるところだった。
「こ、このっ、泥棒トカゲめっ!!」
「……」
「と、トカゲ……?」
140センチ級の美少女二人に挟まれて出現した突発的修羅場空間の中、俺はただただ呆然とするしかなかった。
前編 ここまで
<学園>新作キター(AAry
・・・炉?炉っすか??
「ナイルは何でも知っている」ですか?
学園シリーズktkr
ふと、蛇ニガテな人に惚れた擬人化蛇さんが、逆レイプして苦手を克服させるなんてデムパを受信した。
と言うか、受信したと気付いた時には半分ほど書き上げている俺が居る。
時代は再び爬虫類か
<学園>シリーズキタ――――――――(゚∀゚)――――――!!!!!
てーか日不見先輩ん所に男児誕生バンザーーーイ!!!!
323 :
暁狐:2007/11/26(月) 00:34:01 ID:z/8dKZ5W
ゲーパロGJ
それと『魔王と狐と娘たち』の話はまとめに載った時点で、まとめに続き投下するんでよろしく
まとめのいじり方わからないから人任せorz
ついでにサモンナイトなんて俺知りません
<学園>シリーズって保管庫にある?
>>323 サモンナイトはいいですぜBIGBOSS。
特に2はロリ、ショタと両方の獣人が揃っていてなかなかw
>>315 これは期待せずにはおられんですな。同じ学園(学校)なのに海保校ときたら…orz
主人公の血筋が羨ましすぎる。
『風呂神さま』の続き?を投下致しまする。
龍と人の昔話
その日は月が青く澄み渡り、縁台に座って茶をすすれば遠く虫の鳴き声が心地良い夏の夜だった。
「神は天に在り、世は全て事も無し…そろそろ寝るか。」
どんどんどん!―――たのもーっ!
できれば無視して眠りたいが、放ってほいたら戸を打ち破る勢いだ。
やむなく重たい腰と尻尾を上げて入り口に向かって戸を開けながら文句を投げる。
「なんだなんだ騒々しい。戸を破るつもりか!…ん?」
来客の顔があるべき位置からずっと下、余の腰より下に顔があった。
齢は五つばかり、ぼろを纏った背中には不釣り合いな拵えを担っている。
「お前が龍か!」
「いかにも余は龍だが…小僧が何用ぞ?」
「小僧じゃないやい!僕は刀刃斎って名前があるんだ!お前をやっつけてやる!ていてい!」
言うなり手を振り上げて殴りかかってきた。なんだこの騒々しい小僧は…。
尻尾を小僧の体に巻きつけて持ち上げると、今度は卑怯卑怯と声を騒ぎ立てる。
「う…うわーん!ずるいよ!」
泣いたり怒ったり忙しい小僧だ。
「全く、すっかり眠気が失せたではないか。まあ入れ。」
「余の淹れた茶だ。ありがたく飲むがよい。」
「熱い。ふーふーして。」
「…」
黙って受け取り、息を吹きかけながら訪ねてみる。
「ふーふー…そなた、余に何用か…というのは聞いたな。親はどうした?ここまで歩いてきたのか?」
「うん、ずーっと西の方から歩いてきた。お父とお母は戦で死んじゃった。」
西の地…あの戦か。
「みんな、みんな死んじゃった…でも、龍の血があればみんな生き返るんだ!」
「それで余に斬りかかった訳か。ふん、甘い考えだ。」
自分の湯のみに茶を注ぎ、仄かな湯気を眺めながら言葉を続ける。
「確かに、余の血は人を黄泉返らせる事も、不老不死にすることもできよう。だがそれで何を得る?
森羅万象の理を覆して得た偽りの命?それは…死者と変わらぬ。」
そこまで告げ、私は声を押し殺して泣く少年の言葉を待たずに腰を上げ、茶道具を片付けて寝支度にかかる。
「もう夜も遅い、寝ろ。」
「でも、ひっく…僕…」
「まどろっこしい奴め、こっちに来て寝んか。」
首ねっこを掴んで布団に引きずり込む。もともと一人分の布団だから狭いのは否めないがこの際やむを得ない。
それに、このような幼子を捨て置いては龍の名折れだ。
それにしても成り行きとはいえ、龍が人の子と枕を共にするとはな…。
天井を見ながら自分の行動の奇妙さに思わず笑ってしまう。
ぐすん…ひっく…。
「まだ泣いておるのか。そなたも男子であろう?ならば泣くでない。」
「お父…お母…」
「…やれやれ。」
それは無意識の行動だった。私は体を向けて胸に幼子を抱きしめ、震える背中を、その小さな頭を撫でた。
―――ねんねんころりよ おころりよ…坊やはよいこだ ねんねしな…
誰かから伝え聞いた子守歌を口ずさみ、人の子を龍が添い寝をして寝かしつける…まったく、今宵はなんともおかしな夜だ―――などと思いながら私は懐の温もりを抱きしめ、目を閉じた。
翌朝
「あ、あのっ!」
「なんだ?今あさげを作ってるんだ。手短かに言え。」
「僕を弟子にして下さい!僕、強くなって世の中を平和にしたいんだ!」
「いいぞ。…くっくっく、今朝の味噌汁もまた格別よ。ちゃぶ台を出してお椀を並べてくれ。」
今、余は何か重大な事を言った気がするが…。
「では、両手を合わせて。いただきます。」
「い〜た〜だ〜き〜ます!」
うむ、うまい。
昨日の騒ぎで腹が減ってたのか、2人してあさげをがっついていた。
「―――しかしあれだな。もぐもぐ、ほなたはまふ、ずるずる、表の物をなんとかへねばなるまいよ。」
かんらから。
燦々と陽光が降り注ぐ夏の朝。騒ぎ立てる蝉の声。
龍と人の子が居を共にする小さな家の表には、地図入りの布団が誇らしげに干されていた。
今日も神は天に在り、世は全て事も…無し?
続く
>>330 不覚にも刀斎に萌えてしまった。続きwktk
あ、ミスった
刀斎→刀刃斎
あれ?20年後の時点でも日不見先輩の子供に男はいなかったような
>>334 読みなおしてみたが、二人の子どもは、20年後の段階で21人姉妹。
女の子が30人まで増える過程で、ようやく男が生まれたことになる。
エピローグで長女「市花」が<学園>で彼氏を見つけたというから、
それが「ナイルなティティス」の主人公の兄にあたる人物なのだろう。
(「お盆は実家に帰ってる」=「今じゃ一年に一度帰ってくる程度」)
>>335 なるほど…。日不見先輩と、鰐淵先輩やティティスの話が
同時間軸であると思い込んでいたことがそもそもの間違いか
「麻雀部」、「龍族の娘」、主人公の名前が出てないこと、
これらに引っかかってしまった
…まさか狙ってやったんじゃないよね、ゲーパロ氏?
保管所に話載せるにはどうしたらいいんですか?
>>337 @wikiメニューで新規ページ作成すればいいけど、最初は難しいかも。
また新規ページ作成する場合、ページ名の変更は難しいから慎重につけた方がいい。
>>335 >女の子が30人まで増える過程で、ようやく男が生まれたことになる。
ぜ・・・絶倫夫妻
>>336 >同時間軸であると思い込んでいたことがそもそもの間違いか
時間軸は同一。
時点が違う。
>> ゲーパロ専用氏
京都にあるのですね。
めちゃくちゃ由緒正しいじゃないですか。
国の半分云々など、おおげさじゃないなぁ。
獣人特区があるのは、やはり歴史ある港町でしょうか。
たしかヘルプかなんかでwikiの弄り方って無かったかな?
ってか弄っておくからどっかのロダに置いておけとwww
よくわからないが、毎晩オセロと叫んでいればぬこ娘が襲いに来てくれるのは理解した
キャット空中三回転だぞ・・・
娘の父親が「おまっとさんでした。」ってバラバラ増えたら困るだろ?
いなかっぺ?
んだ。
>>330 ていていに和んだw今は亡きねこねこを思い出した。
347 :
343:2007/11/28(水) 01:02:35 ID:wK9GFkl8
スーパースリーのマイトもね。
ラリホー!!
最近保管所更新されないな
349 :
くまさん:2007/11/28(水) 20:23:40 ID:jIOX/fWm
長女が生まれました。
SSの完成まで時間がかかると思いますがどうかご了承くだされ。
>>349 【審議中】
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U ( ´・) (・` ) と ノ
u-u (l ) ( ノu-u
`u-u'. `u-u'
パッ パッ パッ パッ パッ パッ
[お] [め] [で] [と] [う] [!]
‖∧∧ ‖∧∧ ‖∧,,∧ ‖∧,,∧ ‖∧∧ ‖,∧∧
∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)
( ). ( ). ( ) ( ) ( ) ( )
`u-u´ `u-u´ `u-u´ `u-u´ `u-u´ `u-u
352 :
343:2007/11/28(水) 21:09:47 ID:u1QO3Spe
こ
この暖かな流れに感動した
おめ!
くまの仔誕生おめでとう
356 :
ポン:2007/11/29(木) 07:33:35 ID:kfqNvBDi
おめでとうございます。
おめでたう!
おめでとうございます
362 :
名無しの略:2007/11/29(木) 21:39:41 ID:bKYnKlrb
くまさんおめでとう!
くま氏おめでとう!
・・・確か、くま氏の細君は河馬沢先輩・・・?
「なんか産まれたらしいわよ」
「なんかって……何が?」
「くまさんちのお子さん。女の子ですって」
「ふーん」
僕の気の無い返答が、どうやら彼女の癇に障ったようだった。
「……ふーんって、それだけ?」
「え、あ、いや……めでたいよね?」
「……めでたいって、それだけ?」
「ほ、他に、何か?」
「……ふーん、それだけ? 本当に?」
彼女が、僕にしなだれかかってくる。
わかってるんだ、彼女が……そういうつもりだって事は。
「……貴方はそう思ってはいないのかもしれないけど……ウチもそろそろよね?」
「………………」
「何で黙るの」
確かに、彼女は器量良しの上に、料理もできる、これ以上無いくらい理想な奥さんで、
僕としても彼女との間には……そろそろ、欲しいかな、と思わないでもない。
とはいえ、彼女とそういう事をするのには、少々覚悟が必要になる。
何せ彼女は普通の人間ではないのだ。
「……だって、一昨日やったばかりだし、ね?」
「もう二日もやってないって事よね?」
「……そ、そうとも言うかな?」
「そうとしか言わないわ……んっ」
彼女の二股にわかれた舌が、僕の首筋を這う。いつの間にか、彼女の手足は
僕の身体を包み込むように、がっちりと抱きしめていた。
「その気がないなら……その気にさせちゃうわよ?」
「……ごめん、今日は許してもらえない?」
明日は仕事だ。大事な会議の予定があるし、遅刻はもちろん、欠勤するわけにはいかない。
「だーめ」
語尾にハートマークが見えそうな可愛らしい口調での、残酷な宣告。
「君も、僕が明日仕事だってんむっ!?」
「ん……あ……んっ……」」
彼女の二股に分かれた舌が、僕の口中を蹂躙し始める。二股に分かれているだけあって、
普通の舌では決して為しえない、二つの場所への刺激が行えるわけで、あっという間に
僕の背筋に寒気にも似た快感が走り始める。
「……私がその気になっちゃったんだから……明日はあなたはお・や・す・み・よ?」
彼女は、普通の人間じゃない。二股に分かれた舌――そう、彼女は蛇の化身だ。
そして、蛇は性欲の象徴。まあ……彼女もその例に漏れず、底なしだったりするわけで。
覚悟が必要だというのは、つまり、そういう事だ。彼女が満足するまですると、僕の方は
丸一日は再起不能な状態になってしまう。だから、今日は勘弁して欲しかったんだけど……。
そんな僕の内心はお構い無しに、彼女は僕の身体を、まるで蛇が獲物に身体で巻きつくかのように
両手で強く抱きしめたまま、ベッドへ組み敷いた。
「……やっとその気になったみたいね」
僕のあそこは、もうすっかり固くなっていて、準備は万端だ。心の準備はともかくとして。
「勘弁してくれよぉ……」
「だーめ」
最後のあがきが、一刀両断される。
彼女の手が、僕のあそこをまさぐり……そして下着の隙間からまろび出る物。
「……わたしの方は大丈夫だし、入れるわね?」
「入れないでって言っても入れる癖に……」
「そりゃね……んっ!」
彼女の前の穴が、僕の物を飲み込んでいく。
「今日は……そっちなん……だ……はぁ」
「特別、よっ……んっ……あっ、はぁっ!」
彼女は蛇の化身だ。だから、蛇のそれと同じく、生殖用の穴が二つ存在する。
つまり、人間の身となった彼女には、三つの穴があるわけだ。
前の穴、中の穴、そして後ろの穴であるお尻。
「……はぁっ、くっ……やっぱり、ちょっと……いた……っ!」
「無理、するなよ」
前の穴は、まるで処女のそれかのようにきつい。初めて僕らが結ばれた時から
変わらずに、今でも僕のそれを痛いくらいに締め付けてくる。
彼女の方も、僅かではあるが痛みを感じるらしい。
「だいじょう、ぶ……んぁっ……無理言って、してもらってるん……だからっ」
だからだろうか。彼女はそういう事をする時、自分から前の穴を使いたがる事は無い。
今日は、自分でも我侭を言っているという自覚があったからという事か。
「……まったく、仕方無いな、君は」
不意に愛しさが湧き上がってくる。眉根にしわを刻みながら、懸命に僕の上で
腰を振る彼女の姿に、僕の顔には自然と笑みが浮かんでいた。
「いひぁ!?」
下からの不意の突き上げに、彼女の表情が変わる。
狭いそこを傷つけないように、ゆっくりと。だが彼女の快感のツボをつけるように、大胆に。
「……っ、ぁっ」
「んっ……あっあ……ふぁっ!」
狭いが故に、お互いの限界はすぐに訪れる。
「わたし……きちゃ……ああっ!」
「僕も……出そう、だ……」
彼女の背が、快感に反りあがっていく。
だが、僕は少しでも彼女の身体を逃さまいと、その背に手を回し、抱きしめる。
彼女もまた、同じように改めて僕の背に手を回し、僕らは抱きしめあった。
「いくっ……いくぅ……いっ、ひゃああぅぅぅう!」
「……くっ」
湧き上がってきた愛しさを、そのまま彼女の最奥へと注ぎ込む。
「いっ……ひぁっ、ふっ……んっ……あくっ」
腕の中でビクビクと震える彼女の身体を感じながら、僕は自分の幸せを噛み締めていた。
……まあ、一先ず明日以降の幸せの事は置いておいて、今日はこの幸せを味わい尽くすとしよう。
「……はぁ……ふぅ……すごかったぁ……」
腕の中で、もう彼女は回復しようとしている。
僕はその精力にいつものように呆れながら言った。
「くまさんに謝っとけよ」
「へ? なんで?」
「僕とこういう事するダシに使っておいてそりゃ無いだろ」
「ん……そうよね。ごめんなさい、くまさん」
「それから、おめでとうもだ」
「おめでとう、くまさん」
「……僕らの子供ができたら、見せてあげないとな」
「そうね……きっと可愛い子よ。わたしと貴方の子供だもの」
「君に似て美人だろうな」
「貴方に似て優しいでしょうね」
「……ははは」
「……ふふふ」
僕らは笑いあい、そして口付けを交わし――
「じゃあ、第二ラウンド、いきましょ?」
「……ちょ、ちょっと休まない?」
「だーめ」
――そのまま第二ラウンドへとなだれ込んだというか込まされたとさ。ちゃんちゃん。
ここまで投下です。
お子様のご誕生、おめでとうございます。
お子さんご誕生おめでとうございます!
>>366 GJっす!!
某スレのラミアネタで悶えた後だったんで余計に萌えましたw
あれ?なんだか涙が…
結構古株なくまさんについて過去スレ見返してみた。
くまさん=陸上自衛隊、士長
陸自ネタで逆レイプという珍しいジャンル
↓
事故で入院
↓
復活
↓
自衛隊辞める
↓
学生になる?
↓
結婚
↓
海上保安官になる
↓
長女が生まれる
なんというか、すごいな!
えと、こういう言い方も難だが……
くまさん自体は興味ないし…そんなこと書かれても困る
チクショー!オメデトウだ!チクショー!
>>370 幅が広がって、今度は海ネタで書けるかもという事じゃないか
前向きに行こう
ところでやっぱり、蛇な奥さんだと……卵生か卵胎生か?
373 :
三陸:2007/11/30(金) 10:37:34 ID:Y9WyHs7h
軍司「戦いの場を陸から海へと移したくま氏」
みのり「そのくま氏を支えているくま夫人」
みどり「そして未来の日本の担い手であるくまっ娘ちゃん」
三人「「「くまファミリーに永遠に幸あらんことを」」」<(_ _)><(_ _)><(_ _)>
もうここくまさんスレでいいじゃんw
なんだかんだ言って愛されてるなくまさん
色々な人がいるんだからいろんな人のSSを俺は読みたいが
熊とか需要ないの?
“需要”はあるよノシ
男「わぁっ熊だぁ!!」
熊娘「お〜と〜こ〜」(ガシッ)
男「ひぃ、く、食わないでくれ!!」
熊娘「それ無理、だって冬ごもりの間すっごい暇だし。大丈夫、ご飯は余分に
とってきたから」
男「あ〜れ〜」
翌年の春には野山でひなたぼっこに興じるヒトと熊娘とその子供が確認されたとかされないとか
こんな感じ?
>>379 何そのどっかの宇宙人委員長みたいな熊っ娘はw
>>380 てめえ何て事を……
書いて下さい頼むいや頼みます
まあなんだ、馴れ合い禁止とか、他の職人が投下し辛いとかあるかもしれないからほどほどにな。
とにかくおめでとう!
まったく、話題に事欠かないなw
思いがけず蛇のSSが長くなってしまって困っている俺が通りますよ………
気が付いたら60KBを軽く超えているんだが………
この場合、投下するときは一括でやった方が良いか分割でやった方が良いか悩んでしまう。
おまけに………気が付いたら熊のSSまで書いている始末、どんだけ〜
別にどっちでもいい
読みやすくするなら2回ぐらいに分けた方がいいかな
俺は長いの一遍の方がいいな
てか、投下まだ?
お待たせして申し訳ない気分で一杯な俺が通りますよ………。
蛇のSSを次のレスから投下します。
とある学校の屋上にて。
「あー、くそ、羨ましいなこんちくしょうめ………」
屋上にある昇降口の屋根の上で、俺は寝っ転がりながらある方向を見下ろし。
悪態を付きつつ購買部人気メニューNo1のやきそばパン(カレー風味)をカブリとかじった。
そんな俺が見下ろすのその視線の先には………
「だからなぁ、虎姐。何時も言うけど勝手に俺の弁当から唐揚げとかお握りとか取るんじゃない!
諺にもあるだろ、親しき仲にも礼儀ありってさっ!」
「あたし、頭悪りぃから諺なんてわかんねーし………っと、お握りいただきっ!
うん、何時もながら光喜の作ったお握りはおいしっ!」
「理解しろっ、つか言ってる傍から取るんじゃねぇっ!!」
「良いじゃねえか、別に。代わりに、あたしの作った弁当も食わせてるんだからお互い様だよ」
「……だからと言って俺の弁当をバクバク食わないでくれよ? 作るのに結構苦労してるんだから、それは」
俺の親友である、狭山 光喜と、俺達の間では虎の姐御、または虎姐の名で親しまれる虎山 妙が、
掛け合い漫才をしながら仲良く弁当を食べる姿があった。
ちくしょう、何時の間に光喜の奴は虎姐さんとくっ付いちまったんだ?
この前はまでは、あいつ、しょっちゅう付いて回る虎姐さんの事をかなり鬱陶しがっていた筈なのに、
気が付いてみたら、何処か満更でも無さそうな態度になってやがる。
しかもあのレヴェルのラブラブ固有結界から見て、確実に光喜の奴は虎姐さんとデキてやがるな?!
光喜の奴、俺の預かり知らぬ間にいったい何の心変わりがあったんだ!?
あーくそう、俺と光喜の間には童貞不棄協定(なんだそれは?)が結ばれている筈なのに。
その協定を光喜はあっさりと破りやがって! 羨まし過ぎるぞ! アパートの家賃上げるぞ、コンニャロウ!!
………まあ、流石にアパートの家賃を上げるのはヒドいか………?
何? お前さんは誰だって?………ああ、そういや紹介が遅れていたな。
俺の名は東条 秀樹(とうじょう ひでき)、某有名芸能人の一字違いの名前で覚えやすい名のナイス・ガイ☆だ。
彼女いない歴は幼稚園の時に三丁目のアイちゃんにフラれた時から数えて11年になる!
何だって?、それだけじゃあ分からんだと?
俺は、今、あそこでラブラブムードたっぷりの固有結界を作っている狭山 光喜の友人だよ。
しかもその光喜の住んでいるアパートの大家の息子、と言えば分かるだろ?
以前、光喜が逃げる様に親元から出てきた時。
路頭に迷ったあいつに住む場所を紹介してやった友人、というのは俺の事だ。
これで分かったか? 分からんかったらこのSSを書いている暇な作者(をいこら)の作品を全部見るんだ!
それでも分からんかったら、今すぐPCの回線引っこ抜いて寝てろ!
―――と、ちとくだらん事で熱くなっちまったな。
俺とした事が、友人に先を越された事に熱くなり過ぎていた様だ。Be cool、Be Coolだぞ、俺!
……とはいえ、このままあのラブラブ固有結界を眺めるのは癪だし、さっさと何処かへ移動しちまうか………
丁度、やきそばパン(カレー風味)を食い終わった事だしな。
やきそばパンの入っていた紙袋を丸めて後ろポケットに入れ。
『よっと』の掛け声と共に昇降口の上から屋上の床へ降り立つと、
未だラブラブムード続行中の裏切り者の友人を尻目に、屋上を後にしたのだった………。
「はぁ〜あ、何であの偏屈な光喜の奴には恋人ができて、このナイス・ガイ☆の俺に恋人はできないのかねぇ……?」
なんて愚痴を呟きつつ、学校の廊下をややがに股で歩く俺。
なんで態々がに股で歩いているかと言うと、俺が不機嫌だと言う事を周囲にそれとなくアピールする為だ。
まあ、これは俺なりのポリシーって奴だな。………ん? 何か違う?
『SATUGAIせよ!SATUGAIせよ!SATUGAIせよ!SATUGAIせよ!SATUGAIせよ!』
と、歩いている所で唐突に俺のズボンの後ろポケットに入れている携帯が鳴り出す。
その独特な着信メロディに、たまたま近くを歩いていた結井の先公が何とも言えない表情で此方を見ていたが、
俺は敢えてそれを無視し、携帯を取り出して応答する。
「―――もしもし?東条ですが、どなた様で?」
『よぉぅ! 元気にしているか馬鹿息子ー! こっちは元気だぞー!』
このノー天気かつ無神経極まりない軽薄な声、電話してきたのは親父か………!
電話の向こうの相手、東条 平八郎(とうじょう へいはちろう)は俺の親父であり、
俺の友人の光喜が住んでいるボロアパートの大家であり。そして、俺にとっての不倶戴天の天敵である。
とにかく、この親父は俺の嫌がる事をやっては、
それで俺が困っている様を見て腹を抱えて大笑いする性根の捻じくれた性格で、
たとえば、夕飯時、いきなり俺の嫌いなピーマン(しかも生)を皿に山盛りで出した挙句、
笑顔で『これを全部食わなかったら小遣い抜きね?』なぞと言い出す様な奴なのだ。
………ああ、その時は全部食ったさ。
ピーマンを食うのも嫌だったけど、それよりも小遣い抜きはもっと嫌だったからな!
もうあの時は吐き気を堪えながら必死に食ったよ! 半分食ったころには視界が歪んで見えたよ!
食い終わったと同時に気を失って、その後、大量のピーマンに埋もれる悪夢まで見たよ!
口に広がる苦味とえぐ味を必死に我慢して食っている最中、
親父がニヤニヤと嫌な笑みを浮かべて見ていたのが…… 今思い出しても腹が立つ!
んで、一番腹が立つのは!あの親父、去年、俺を放っぽって母さんと一緒にアメリカへ移住しやがったんだよ!
朝目覚めた時、『アパートの管理はお前に任せた、後はよろしく(はぁと)』なんて書き置きをのこしてなっ!
アパートの管理に必要ないろいろな手続きとかその他諸々の管理とかを、
学生の息子に全部押し付けるんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
もう最初の数ヶ月は滅茶苦茶大変だったぞ!何度不動産業者とか役所とか行き来した事か!!
それを学業と併用してやってたんだぞ!もうストレスの所為で十円ハゲが何個もできたんだぞ!
………まあ、今はもう慣れて落ち着いた物だけど………。
んでだ、今回はいったいあの親父は何の用で電話掛けてきたんだ?
またなんか下らない事でも頼むつもりだったら即行で電話切ってやる!
「………何の用だ、親父。俺は今、学校で忙しいんだけど?」
『あれ?今そっち学校やってたんだっけ?おっかしーなー?
ここは真夜中だから、てっきりお前も家で休んでいるかなー? と思ってた AHAHA』
「あのな……時差ってもんがあるだろ……?」
『あーっ!そうだったそうだった、時差を忘れてたや、こりゃうっかりAHAHA!』
相変わらずムカツク喋り方だ。
話す俺の声が、徐々に険しい物に変わっていくのが自分でも良く分かる。
あ、通りすがりの同級生が俺の様子を見てビビってら………落ち着け、俺!
「で、時差の話はもう良いとしてだ。俺は何の用かと聞いているんだけど?」
『おっと、つい忘れそうになったや、いかんいかん。
んで、話と言うのはだな、秀樹、お前が住んでいる家、あるだろ?』
「ああ、それが如何したんだ?」
………取り壊すとか言うのか?………クソ親父なら言い出しそうな話だが………。
『其処にな、人を住まわせる事にしたわ』
「 は ? 」
クソ親父の唐突な言葉に、俺は目を点にして間抜けな声を漏らす。
『だからだな、今、お前の住んでいる家って広いし部屋数も多いだろ? それも無駄に。
でだ、それだったらその無駄なスペースを有効活用しなきゃ勿体無いだろう?』
「あ、ああ……」
続けるクソ親父に、俺は気の抜けた返事を返す。
確かにそりゃあ、俺が今住む家は俺一人が住むには広い家だとは思うが………
だからと言って、なあ?
『で、俺の知り合いの娘さん、まあ、その人は数年前から日本に住んでいる24歳の若い女の人なんだが。
ある事情があって、彼女はこの辺りに引っ越す事になったんだ。
で、その知り合いから聞く所によると、彼女の合った良い場所が中々見つからなかったんだわ。
まあ、日本の住宅事情ってのは色々あるからなぁ、その所為で合わない事も多い訳なんだなと俺は同情してな。
それなら、俺の息子が住む家に行けば良いって言う様に、その人へ言っちゃったんだ(はぁと)』
は、はぁと、じゃねぇ………何勝手に話を進めてるんだこの親父はっ!?
その場で携帯を床に叩き付けたい衝動を堪えつつ、俺は親父へ問い掛ける。
「………そ、その人が来るのって何時だよっ!?」
『あー、多分、今日くらい?………もう彼女に合鍵渡しちゃったし』
「………………………」
親父の答えに、俺はしばし絶句するしかなかった。
こ、このクソ親父はぁぁぁぁっ!!!
「…………い、幾らなんでも言うのが遅過ぎるだろっ!!」
『いやスマンスマン、本当はもっと前に言うべきだったんだけどな、
先週、べガスのカジノで大当てしてなぁ!それでドンちゃん騒ぎしている内にうっかり忘れちったんだよ、
で、今日、何気にTV見てて、ふと思い出したから慌てて電話した訳よ。分かったか?馬鹿息子』
「そ、そうか………」
俺の顔がヒクヒクと引きつってゆくのが手に取るように分かる。
この親父、忘れてたとか言ってるが………絶対わざとだろ? そうに違いないっ!
『ま、とにかく、その人はお前が驚くよーな美人だからきっと仲良くなれる筈だ!
ひょっとしたらお前の彼女にできるかも知れんぞ?………と言う訳で、言う事は終えたし、それじゃーなー♪(プツン』
「って、ちょ、ちょっと待て、親父! まだ話は終わってな――――………切りやがった………」
この後、俺は直ぐに親父の方へ電話を掛け直したのだが。
何度やっても、繋がらない旨を伝える機械的なアナウンスが流れるだけで、結局繋がる事は無く。
その上、そろそろ授業が始まる事もあって、諦めた俺は仕方無しに教室へと向かったのだった。
――――ややあって
「………ったく、あのクソ親父………人に黙って勝手に話し進めやがって、俺の迷惑を考えろ………」
授業が終わった後、ぶちぶちと愚痴りながら不機嫌極まりない様子で家路につく俺の姿があった。
さっきから通りかかる人が一様に、俺の姿を見るや道をさっと空けたり、目線を合わせないようにしているあたり、
俺のまとっている不機嫌オーラはさぞや凄まじい事になっているのだろう。
しかし、だからと言って不機嫌な様子を隠すつもりは無い。
もうとにかくクソ親父の所為で心の内が怒りで煮え滾っているのは確かなのだから。
恐らく、クソ親父の言っている事が正しければ、俺が帰る頃には既にその人が家に来ている事だろう。
親父が最後に言っていた事にはその人は美人とか言っていたが、それが普通の美人であると言う保証は何処にも無い。
多分、親父が送ってくる人間の事だ、性格か何処かに問題を抱えているような人間の筈だ(断言)
おそらく親父は、その女に俺が振り回されて困る事を見越して、俺の住んでいる家を紹介したに違いない。
じゃなきゃ普通は広くて無駄なスペースがあるというだけの理由で、人の住んでいる家を薦める事なんてせず、
俺が管理しているボロアパートを紹介する筈だ!
まあ、とにかく、先ずは家に帰って、その女に会ってから親父の意図を探るとしようか………
―――とか何とか一人で考えている内に、俺は自宅の前に辿り着いた。
閑静な住宅街にある、築7年程の6LDKの3階建て。本来、この家は二世帯住宅だったのだが、
数年前に祖父と祖母が立て続けに天寿を全うし。そして昨年、親父と母さんがアメリカへ移住した為。
今では、俺が一人だけが住む、空き部屋が目立つ無駄に広いだけの家と化している。
にしても、気の所為だろうか………?
何時も見ている自分の家にも関わらず、何処と無く不気味な雰囲気を感じさせる。
何だか家の上空に暗雲が黒々と渦巻いている様に思えるし。
おまけに烏が数羽、屋根の上に止まって此方を凝視している様にも感じる。
………本当に只の、気の所為だろうと思うのだが。
ま、まあ、俺がそう感じてしまうのは無理もないか、
その自分の家の中に、親父の送り込んだ得体の知れない誰かが居るかも知れないのだ。
今の俺の気分を例えて言うなれば、
エイリアンの居ると思われる宇宙船へ侵入する海兵隊員の気分、と言えば分かるかもしれない。
いや、俺の場合、ひょっとするとエイリアンの方がマシだと思えるのが居るかもしれないのだ。
それを思えば、自分の家が不気味に見えても仕方ない事だろう。
…………何だか、今になって、急に家に入りたく無くなって来た。
さっき、エイリアンの方がマシだと思えるのが居るかもしれないとか考えた所為か?
いや、違う、これは俺の中の何かが警告しているんだ。
家の中に、俺の恐れる何かが潜んでいる、と。
………何を馬鹿な事を、
在りもしない物で恐れて如何するんだ俺は!ビビってんじゃねえよ、俺!
と、しばらく自問自答した末、
意を決した俺は玄関のドアの鍵を開けようと鍵を差込み―――――
「………開いてる」
既に、ドアの鍵が開いている事に気が付いた。
無論、家を出た後できちんと鍵を掛けたのを確認してから学校に向かっているにも関わらず、だ。
どうやら、俺の思っていた通り、その女は既に家に入っているのだろう。
と、とにかく、中に入ってみよう………
恐る恐る、ドアノブを捻り、ドアをゆっくりと開ける。
キ……ィィ………
不安と警戒心によって五感が過敏になっている所為か、ドアを開ける時の蝶番がきしむ音がやたらと耳に障る。
気の所為 気の所為………気にするな、俺。
そして、ゆっくり開いたドアの向こう側は何時もと変わらぬ玄関の光景が広がっている、のだが、
如何言う訳かその玄関の空気が重く湿っているような気がする。
―――其処で、俺は妙な事に気が付いた
「…………靴が、無い?」
そう、誰かがこの家に来ている筈にも関わらず、その誰かの履いていた靴が見当たらないのだ。
一瞬、海外から来た人間だから何時もの感覚で土足で家の中に入ったのかと思ったが、
上り框から先の玄関ホールの床に土足で踏み込んだ形跡が無い事から、そうとは考えられない。
………いや、良く見ると、土間と床の段差の角にごく少量の土が付いていたのに気付いた。
それも、まるで何かにくっ付いた土を落とすために擦り付けたような感じで。
靴でやったにしては妙だ、何処か違和感を感じる。
何だ? 何がおかしい? この微妙な違和感は一体?
……………考えていたって仕方が無い、さっさと中に入るか。
―――そして、俺は靴を脱いで玄関ホールから廊下へと進み始めた………。
………ギシ………ギシ………
1歩、足を踏み出す度に普段は気にならない筈の床材のきしむ音がなって、妙に耳に障る。
それはまるで、恐怖映画のお化けが居ると言う家の中を一人で進むワンシーンの様に、
ええぃっ!だから気にするなって俺っ! Be Cool、Be Coolだ!
怖気づいた気を紛らわせる様にかぶりを振って、再び歩み出そうと前を向いた時。
―――――――?
俺の前方の、廊下の角から妙な物が見えているのに気が付いた。
それは、最初、妙に黒光りする太い棒の様な物に思えた。
だが、良く見るとそれはオレンジがかった緑色で、更に不規則な黒い斑点がある事も分かった。
そして同時に、廊下から覗くのは何かの長い物の先端である事も分かった。
しかし、離れている場所で見ている上、廊下が薄暗い所為で、
幾ら見てもそれが何なのかが俺にはさっぱりだった。
仕方ない、明かりを点けて確認するか………
―――と、壁のスイッチに手を伸ばし、明かりを点けた矢先、
それはスイっと滑る様にして、廊下の角の向こうへ消えた。
「…………………………………………………………」
絶句、俺絶句、もう絶句するしか他が無い。
アレナニ?ナニアレ?アレは一体何だっ!?
一瞬、俺の脳内がナンノコッチャナンノコッチャで一杯になりそうになる。
落ち着け俺! そうだ、こんな時こそ深呼吸だ。
一回吸って、はいて、そして吸って、はいて………よし、落ち着いたな?
……………明かりをつけたその一瞬だけ見えたけど、
アレ、明らかに滑らかな鱗みたいなのに覆われていたよな?
………と言う事はだ、アレは蛇のような生き物のしっぽの一部?
しかもあのサイズから見て、結構な大きさがあるぞ?
仮に、もし、俺が見たものが蛇だった場合………はっきり言って冗談では無い!
情けない話だが、俺は蛇が大の苦手だ。
まあ、普通のシマヘビとかアオダイショウ程度なら問題は無い。
俺が苦手としているのはニシキヘビの様な大きな蛇なのだ。
こうなったのも、俺が中房の頃、
家族で行った動物園の何かのショーで、俺の首にニシキヘビか何かの蛇を巻かれた時、
クソ親父が何を思ったか、俺の首に巻かれている蛇を棒で突付いて刺激しやがったのだ。
そんなクソ親父の行動に蛇は驚いたのかそれとも怒ったのか、そのまま俺の首を絞め付けて…………
次に気が付いた時、俺は病院のベットの上だった。
医者の話だと、俺は蛇に首を絞め付けられた事で窒息して気を失っていたらしく。
飼育係の人がなんとか蛇を引き離していなければ俺は窒息か首の骨が折れるかで死ぬ所だったらしい。
尚、クソ親父はというと、息子が蛇に絞め付けられて苦しむ様を見て腹を抱えて爆笑した後、
殺意の波動に目覚めた母さんによって、その場で瞬獄殺を食らった事で、
親父はめでたく包帯だらけの姿となり、俺の隣のベットで寝こむ羽目になった。
…………当然の結果だ。
で、その事件以降、俺はでかい蛇が駄目になってしまったのだ。
そんな俺にとって、家にでかい蛇がいる、と言うのはかなり恐ろし過ぎる話だ。
考えてみろ!例えば自分の家にでっかいゴキブリが潜んでいると想像すれば、その恐ろしさは充分分かる筈だっ!
どうしよう、もう先に進むどころかこの場に居たく無くなって来た、つか逃げ出したい!
い、いや、ちょっと待て………ひょっとするとアレは俺の恐れが見せた幻なのかも知れないし。
蛇以外の動物の物の可能性だって有り得る、何を恐れている、ここは自分の家だぞ?
数分の間、俺はその場で行くべきか逃げるべきかと躊躇した後、
なんとか勇気を振り絞って先に行く事に決めて廊下を進み、
角に立つと、思いきって何かが消えていった方を見た。
「………何も、居ねぇ………」
―――だが、其処にはでかい蛇どころか何もおらず、
視界にあるのは、何時もと変わらぬ廊下の光景だけでしかなかった。
「やれやれ………なんだ、俺が一人でビビってただけじゃねぇか………馬っ鹿みてぇ………」
何も無い事が分かり、一気に緊張の糸が切れた俺は大きく溜息を付いて自嘲の言葉を漏らした。
さっきのアレは多分、俺の強迫観念が見せた幻なのだろう。
多分、鍵が開いていたのも俺が鍵を掛け忘れただけで、
段差の角に土が付いていたのも何かの拍子で靴の裏の土が付いただけだったかもしれない。
それに、誰かが来ていたのなら必ずその誰かの履いていた靴がある筈だ、
無論、泥棒が入った、と言う割に泥棒が入った痕跡すら見当たらないし(俺が見付けていないだけかもしれないが)
良く考えてみれば、たかが人が一人来るだけの事じゃないか、
何でこんな事でビビって居たのか、俺自身が馬鹿らしく思えてくる。
はあ………なんか安心したら急にどっと疲れが出てきた………
さっさと俺の部屋に行ってカバン置いて学生服着替えて風呂入るか………
安堵と同時に何とも言えない気分を感じながら、俺は自室へと向かったのだった。
「ふーんふんふんふんふんふんふんふーん♪ ふーんふんふんふんふんふんふーん♪」
自室にカバンを置き、学生服から私服に着替えた後、
俺はタオル片手に何かのOVAで聞いたオリジナルのテーマ曲の鼻唄を気分良く口ずさみながら、
風呂場の脱衣所の扉の前にたち、何気に扉を開け――――
「――――――――!?」
―――その向こうにある物を見て。
俺は一瞬固まった後、慌てて脱衣所の扉を閉め、
そして踵を返すと、何も言わずそのままダッシュで自室へ戻って自室のドアを閉め、扉を背に荒い息を漏らす。
どきどきどきどきどき
未だに心臓の動悸が鳴り止まない、おまけに何だか鳥肌まで立って来た。
脱衣所にあったものは幻でも見間違えでもない、アレは紛れもなく現実に存在している物だ。
俺が見た物、それは――――
狭いながらも、それなりのスペースのある脱衣所の床全体を埋め尽くす様にのたくっているでっかい蛇の身体だった。
オリーブグリーンと言うのだろうか、ベージュ系の何だか良く分からない色。
その独特の色に大きな楕円形の斑点の模様の付いた小さく滑らかな鱗に覆われた胴体は異様に太く、
大よそでも俺の胴の太さほどはあったかとおもう。
そしてその長さもパッと見た目だけではあるが、軽く8m、いや、それ以上あるかもしれない。
とにかく、そんなアマゾンの奥地とかでしか見られないようなクソでかい蛇が俺の家の風呂の脱衣所にいたのだ。
無論、んなもん見たらダッシュで逃げるに決まっているだろ!
普通の人間でもビビるぞアレは!
―――って、ちょっと待て、と言う事はだ、先ほど廊下で見たアレは………幻ではなかった訳、か?
ど………
どひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!!
こ、こうなる事が分かってたんだったら、最初にアレを見たあの時点で逃げ出しておくべきだったぁぁぁっっ!!!
そうしてりゃ警察を呼ぶなり何なりして家の中のアレを追い払う事が出来た筈なのにっ!!
俺の馬鹿、大馬鹿、大間抜けっ!! あぁぁぁぁぁぁ、後悔先立たずぅぅぅっ!!
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようしようどうしようどうしようどうしよう
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようしようどうしようどうしようどうしよう
頭を抱えてベットに突っ伏す俺の脳内は、その一言で埋め尽くされていた。
それも当然だ、家の中に俺の苦手なでっけえ蛇が居ると分かったのだ、パニくらない方がおかしい。
このまま思考停止して、「パニパニ パニパニ パニパニパニック」などと言いながら
意味不明の踊りを披露してしまいたい気分だ。
…………どうしよう、もう部屋からも出たくねぇYO!
何処にあのでかい蛇が居るのか分かった物じゃない家の中をあるきたくねぇYO!
これじゃあ出かける所かトイレにすらいけねぇYO!
このままじゃあ引きこもり決定だYO!
―――いや、だったら、いっそのこと窓から出入りするか?
………はっきり言って、それは無理無茶無謀な話だ。
俺の部屋は家の三階にあるのだ。おまけにその部屋の窓の周りの壁には取っ掛かりすらないのだ。
そして、俺の部屋にはロープなんて物はないし(あったらあったで何に使うんだ? と言う話だが)
んな状態で三階の窓から、ウォールクライミングで出入りしようなんて考えた日には、
三日もしない内に、ご近所さんへロープ無しバンジーを披露する事間違い無しだ。
じゃあ、どうするんだといわれたら…………どうしよう、もう部屋から…………。
そうやって、俺の思考が半ばループしかけたその時――――
………コンッ………コンッ………
誰かが、ドアをノックする音が俺の耳に届いた。
俺は何も言わず、とっさにベットから降りて身構えた。
まさか………さっきの蛇か?
――――って、ちょっと待て、この世の何処にドアをノックする蛇が存在すると言うのだ?
つーか、そもそも蛇にノックする腕なんて無いだろ? 何を馬鹿な事を考えているんだ俺は?
………じゃあ、ドアをノックする奴は一体、誰なんだ?
泥棒がわざわざドアをノックするなんて話は聞いた事無いし。
俺は零能力者だから幽霊なんぞとは無縁だし………。
………あ、ひとつだけ、心当たりがあった。
クソ親父が寄越した誰ともつかぬ女、で、話では24歳の美人、と言われている人。
ひょっとすると、その人なのかもしれない。
だったら、早く家にデカイ蛇が居る事を教えなくちゃ!
下手すると何処かのパニック映画の犠牲者よろしく、な事態になりかねないぞっ!?
と、取り合えず、考えるよりは先ず行動!
「誰、だ?」
扉の向こうの誰かさんにむけ、俺が恐る恐ると言った感じで声を掛ける――
『……………』
が、しかし、返事は無い。
人が声掛けているのにだんまりかよ、おい。
「え、えっと、アンタ、親父が言ってたここに住むって言う人か?」
気を取り直し、俺は再度、声を掛ける。
そして、一拍ほどの間を置いて―――
『あたり』
誰かさんの小さな声の、その一言だけが返ってきた。
声の質からして、恐らく女性と見て間違いないのだが…………
「…いや、あの…『あたり』じゃなくてだな。もう少し、なんか他に言う事あるだろ、普通。
たとえばさぁ、お邪魔しています、とかさぁ?」
少し戸惑いながら返す俺に、またも間を空けて――
『言う事?…………お邪魔しています』
「いや、それ、さっき俺が言った言葉なんだけど。鸚鵡返しかよ。
俺が言いたいのは『誰彼の紹介で来ました。何々と申します、これからよろしくお願いします』とか言えって事だよ」
そんな俺のツッコミで、誰かさんはようやく俺の言いたい事に気付いたのか、
ドアの向こうで、ポン、と手を叩く音が聞こえ、
『平八郎さんの紹介で来ました………紺田です………よろしく………』
声が小さい上に途切れ途切れではあるが、俺の言った通りに返答する誰かさん。
………なんか、この人、話しているとある種のストレスが溜まりそうな話し方だなぁ………。
まあ、それは兎も角、これでドアの向こうの誰かさん、もとい、紺田、って名の人が、
親父の言っていた人だと言う事は分かった。
やれやれ、思った通り、親父の寄越してきた人間は何処か問題ありげな様な………?
ま、話をした限り、思ったよりも大人しそうだから良いけど………。
「親父から話は聞いてる。俺は息子の東条 秀樹、別にヒデって呼んでくれても………」
安堵した俺は言いながらドアへ近寄り、鍵を外し扉を開き――――
「………………………」
その向こうの彼女を見て、言葉を失った。
その人は親父が言っていた通り、
確かに20代前半の若い女性で、長い黒髪の、感じとしては線の細い、と言った風の美人である、のだが、
病的なまでに白い肌に、人形の様に整った顔立ち、そしてガラス玉の様な金色の双眸と言う特徴の所為か、
俺は何処と無く、彼女に対して怪しさと妖しさの二つの意味での印象を感じずに居られなかった。
だが、それだけならば俺が言葉を詰まらせる事はない。
なら、何故言葉を失ったか。それは、俺が彼女に対して何とも言えない違和感を感じたからだ。
そう、その違和感というのも、彼女の上背が異様に高いのだ。
俺の身長は170cm以上と普通よりちょい高いくらいなのだが、
目の前にいる彼女は、明らかに俺の頭一つ分以上は背が高いのだ。
いや、ただ背が高い、だけならば、それは違和感には繋がらない。
この世の中、俺の身長よりも背が高い女性なんて幾らでも居る。
たとえば、学校内だけで見ても虎姐さんとか鰐淵さんとかの例もあるわけだし。
しかし彼女の場合、その身長に対する身体のバランスがどうもおかしったのだ。
そう、まるで、シークレットブーツを履いた見栄っ張りな男を前にした時のような感じ、
もしくは、何かの作業台の上に乗っている人を目の前にした時の感じ、と言えば良いのだろうか。
それに気付き、俺はその違和感の原因を確めようと目線を下に向けようとしたのだが………。
…………。
……………………。
…………………………………。
何でだろう? 急に目線を下に向けたく無くなってきた、何か凄く嫌な物を見そうな予感がする。
そう、彼女の腰から下のあたりを見たらショックで気絶しそうな気もする。
何故だ? 何故なんだ? 一体何故なんだ?
そんな、理由が分かっているけど分かりたくない予感に戸惑う俺に
「どうか、しました?………」
無表情ながら不思議そうに首を傾げ、
やや焦点の合ってない眼で俺の方を見つめる紺田さん。
ああ、そうだ、紺田さんのこの無表情な顔も、何かを連想してならない。
そう、それはまるで…………
「ヒデさん、身体の具合…………悪い?」
俺の様子がおかしいと思ったのか、彼女がスイっと滑る様に俺へ近づく。
―――”スイっと滑る様に”?―――
………って、待て。
妙な上背の高さ、ガラス玉の様な焦点の合っていない双眸、無表情、滑るような動き、
この特徴………何かにとても似ている様な…………?
「熱、ある?」
「――――――!?」
考えている内に彼女は熱を測ろうとしているのか。
彼女の人形のような顔が俺の眼前まで迫り、お互いの額が触れ合う。
そして、彼女の額のひやりとした感触を額に感じると同時に、
俺の目の前で、彼女の唇からちろちろと紅く細い先の割れた舌が出入りしたのが見えた。
そう、その動きはまるで蛇が舌を出し入れする様に。
「熱、無い」
―――そして、彼女の顔が離れた一瞬、僅かに視線を落とした俺は見てしまった。
恐らく、彼女の腰に続いているであろう巨大な蛇のうねった身体を。
ざわり、と背中の皮膚があわ立ち始めるヤな感覚。
「あ、あ、あ、あ、あ、あの、紺田さん………つ、つかぬ事を伺いますが………」
「………何?」
「ひょ、ひょっとして………に、人間じゃ……ないんです、か?」
どもりまくっている上にみょーなですます口調で問い掛ける俺。
それに対し、彼女はわずかな間、黙った後。
「私の母が南アメリカ生まれの蛇の獣人…………」
ぽつり、ぽつりと呟くようなその言葉と共に、
俺の目の前で、彼女の身体がするすると上へ伸び上がり、
視界に入っていく景色が、彼女のセーターの上からでも形の良い乳房と判る胸部、
そしてほっそりとした腹部へと続いてゆく。
「私、紺田 アナ(こんだ あな)はその二世…………」
そしてスカートから下からが、人間の二本の太股の代わりに、
独特の色に楕円の斑点模様の滑らかな鱗に覆われている巨大な蛇の身体へ続いていた。
そう、それは先ほど俺が脱衣所で見た物と同じ物………。
ああ、よくよく見れば彼女の髪がしっとり湿っているし、さっきまで風呂に入ってたのは間違い無いなー?
それを理解したと同時に、ざぁっと脳内から血の気が急激に引いていく感覚を感じた。
多分、俺の脳が『じつは、巨大蛇は目の前に居た』と言う現実を受け入れるのを拒否したのだろう。
視界が徐々に天井の方を向いて行く、俺の身体が後ろ向けに倒れていっているからだ。
多分、俺はこのまま後頭部を強打する筈だ。
とか、俺は薄れゆく意識の中で、みょ―に冷静に思っていた。
―――そして、後ろ頭でゴツンと音が響くと同時に、俺は意識を失った。
「………う………ん?………」
―――そして、俺がようやく気が付いたのは、アレからだいぶ経った後らしく、
日も傾いて、窓から射し込む夕日が俺の部屋をオレンジ色に染め上げていた。
………どうやら俺が倒れた後、
紺田さん(さん付けなのは恐ろしくて呼び捨てに出来ないから)が寝かせてくれたらしく、
俺はベットの上できちんと布団を掛けられ寝かせられている状態だった。
倒れた際にぶつけた後頭部がまだ少しずきずきと痛むのを堪えながら部屋を見渡すと、
恐らく自分の部屋に行ったか何かの用事でこの場を離れたのか、部屋に彼女の姿はもう無かった。
……あったらあったでまた気絶しそうなので、今は居ない方が俺にとって好都合だが………
俺はベットから身を起こすと、
すぐさま机の上のカバンの中に入れてる携帯を取り出し、在る場所へと電話する。
電話先は無論、親父の電話だ。
プップッと言う回線の接続音の後、数度のコール音が俺の耳元で聞こえ―――
『はいもしも―し、何処のどなたさんですかー?
ただいま、俺は朝のコーヒータイムが忙しいので電話に出られません。
言いたい事のある奴はツーツーと言う発信音の後。ワッフルワッフルと言って………』
「こぉのクソ親父ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
如何考えてもモロバレな居留守の言葉をクソ親父が言い切らぬ内に、
俺は音量ボリューム大にした絶叫に近い怒声を浴びせ掛ける。
……電話の向こうで一瞬『うおっ』という声と何かが壊れる音がしたが気にしない。
『な、なんだ、馬鹿息子か。いきなり大声上げるんじゃないぞ。
びっくりして手に持ってたコーヒーカップを落としちゃったじゃないか。
お陰で朝の優雅なコーヒータイムが台無しだぜ? お前、謝罪と賠償を………』
「アレは一体如何言う事だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
尚もクソ親父が寝ぼけた事を抜かそうとするが、
無論、俺は聞く耳持たず声のボリュームを更に引き上げた怒声を浴びせる。
『……んあ? アレって何の話なんだよ?
ひょっとして、ちょっち前にお前の貯金をちょっぴしちょろまかしたのがバレたのか?』
「違うわぁぁぁぁぁっ!!つか、何時の間にそんな事してたのかあんたって人はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
道理で最近、妙に貯金の減りが激しいし、不明瞭な引き出しがあるなと思ったら……――じゃなくて!」
『んん? じゃあなんだよ?………他に何かあったっけ?………』
「紺田さんの事だっ!!」
俺の叫ぶような問い掛けの後、数秒ほどの間を開いて。
『―――おおっ、お前の家に行った紺田さんの事か。思い出した思い出した。
俺の言った通り、彼女は美人だったろ? ………で、早速ヤったのか?』
「ふざけんじゃねぇボケクソ親父ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!
俺がデカイ蛇が苦手だって知ってて、彼女をこの家に来るように仕向けたんだろあんたはぁぁぁぁぁぁっ!!」
『アー、そういやおまえデカイへびがにがてだったんだなー、AHAHAHわすれてたーわすれてたー、メンゴーメンゴー』
「忘れてたーじゃないわぁぁぁぁっ! 絶対分かっててやっただろてめぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!
と言うか、思いっきりモロバレな棒読みで謝るんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
もうこれ以上に無いくらいエキサイトして叫ぶ俺。
『息子よ………何事もな、苦手と言う物は克服する物なんだぜ☆』
「こ、この………」
それでも、明らかにふざけてるとしか思えない事をのーのーと抜かすクソ親父。
その態度に怒りのヴォルテージがGENKAITOPPAしそうな俺が、再び怒声を浴びせようとした矢先。
「あの、秀樹さん」
「―――!………………………」
唐突に横からぽつりと抑揚の無い声を掛けられ、
身体が硬直し、一瞬の内に怒りが雲散霧消した俺は、声のした方へ錆付いた玩具の様にギギィッ、と頭を向ける
「身体、もう大丈夫ですね?」
其処には、何時の間にやら来ていたのか紺田さんの姿があった。
「………あ、アナさん………何の用で………?」
一瞬、気絶しそうになるが何とか気力を振り絞って堪え、掠れた声で彼女に向けて問い掛ける。
彼女はやはり何処か焦点のあっていない目でこちらをじっと見て、
「夕飯、作りました………一緒に、食う?」
「あ、い、いや、今電話中だから……あ、後で」
心の中で動揺しまくっている俺は、自分でも分かるくらい震えた声で答える。
彼女は暫くそのまま動きを止めて沈黙し―――
「………そう」
と、一言だけ返すと、彼女は踵?を返し、しゅるしゅると蛇体を這わせ部屋から出ていった。
………やっぱ、ものすごく怖いです………。
彼女が去った後、俺は2度3度深呼吸して気を取り直し、再び電話を再開する。
『如何した? 馬鹿息子? いきなり話を切って何かあったのか?
……ああ、そうか、分かった。お前、早速紺田さんとチョメチョメする算段をしようと………』
「違うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
ただ単に彼女から夕食出来たから食わないかって言われただけだっ!俺にとっちゃ余計なお世話だと思うけどなっ!」
会話再開するなり再び寝ぼけた事を抜かす親父に、
俺は怒りの炎を再び燃え上がらせ、力の限り否定する。
『んあ? 余計なお世話? 何の事だ?』
「俺は俺で別に料理作って食うつもりだったし。彼女の作った料理を食う必要は無いって事!」
『勿体無いなぁ。せっかく美人の奥さん候補の人が作った料理を食わないなんて漢が廃るぞお前』
「をいこらまてっ、奥さん候補って何だよそれっ!!」
『んー、やっぱな、男女がひとつ屋根の下で暮らすとなると必然的にその関係へ発展するかなー?と思って?』
「勝手に展開を予想するなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 何処のホームドラマだよそれはっ!! しかも疑問系か!?
言っとくが俺は彼女と目線を合わせる事すら恐ろしいってのに、罷り間違ってもんな関係になる訳ねーだろっ!!」
『いやいや、この世の中何が起きるか分かったもんじゃないぞ―?
ひょっとするとひょっとしたらの展開が待ってるかもしれないんだぜ?今後に請うご期待☆って奴だ』
「誰が期待するかっ! んな展開っ!! つーか、絶対親父は面白がってやったんだろっ!!」
『あ、バレた?』
「やっぱりかてめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
完全に俺をからかっているとしか思えない親父に、俺は更にエキサイトして絶叫を上げる。
………ひょっとすると、この会話すらも面白がられているかも?、と俺の冷静な一面が推察しているのだが。
クソ親父と話していると如何も冷静になり切れないのがひたすら悔しい。
『けど、面白がってやっているのは半分ほどで、後の半分ほどはお前の為に思ってやっているんだぞ?』
をい………『面白いから』が行動の理由の半分も占めているのかっ、このクソ親父!
と、思っていると、急に親父が何時もと違う調子で、
『………お前、未だに彼女が出来てないんだろ? しかも最近、親友に先を越された見たいだな?』
ざ む っ ! !
親父の言葉が心に突き刺さる音が聞こえた。
人はそれを、図星、と言う!
「な、何故、ソレヲ………?」
顔を思いっきり引きつらせ、震える声で聞く俺。
『HAHAHA、息子よ、この俺を甘く見ないで欲しいな。
何で分かっているかと言うとな、子供の事は何時でも把握しておくのが親の務めって物だから、
その手の人に頼んで、お前の現状をチョイチョイと調べてもらった訳だ。
この他にも、お前のエロの嗜好や、エロ本の隠し場所、そして1週間に何度オナニーやってるかとかも丸分かりだぞー?』
「んなもん勝手に調べるなぁぁぁぁぁぁぁっ!! ってか思いっきりプライバシーの侵害だろそれはぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
『まあまあ、息子よ、落ち着けって。そうカッカしていると禿げるぞー?』
「俺をカッカさせているのはテメェだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
朗らかな調子でのたまう親父に、今すぐ携帯を窓から放り捨てたい衝動を絶叫に変えて更にエキサイトする俺。
………何だろうか、今日はこのクソ親父の所為で俺は絶叫してばかりいるような気がする………。
これで良く咽喉が枯れないものだと我ながら感心してしまう。
『まあ、とにかく、今年で彼女いない歴11年を更新しようとしているお前の事を考えて、
独身の紺田さんへお前の家に行くように言った訳だ』
彼女いない歴いうな! 自分自身で考える事ですら心が痛いんだから。
『それに、お前は年上フェチだろ? 年上の彼女が出来て望んだり叶ったりじゃないか、良かったな?
この俺の配慮を本当にありがたいと思えよ? 馬鹿息子』
「……だっ……」
俺が反論しようとした、その時。唐突に身体に何かがしゅるりと巻きつく。
「―――うぇ?」
うかつな事に、俺は思わず巻きついたそれの方を視線を向け―――
身体に巻き付いているデカイ蛇の胴体をまともに見てしまう!
ぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつ!
この時、俺は確かに、自分の身体中に鳥肌が立つ音が聞いた気がした。
「夕飯、冷める」
後ろから掛かった声の方を見れば、其処には相変わらず無表情の紺田さん。
恐らく、俺を待ち切れなくなった彼女が、
未だに電話中の俺を無理やり食卓に連れて行くべくロールしたと言う所かっ!
この状況、ロールミーとか言って喜ぶ連中にとっては憧れのシュチュエーションなのだろうが。
生憎、デカイ蛇が苦手な俺にとっては只々恐怖でしかない!
もう今すぐ逃げ出したい!
だが、紺田さんの蛇体が身体にがっちりと巻きついている為、
振りほどくどころか身を捩じらせる事しか出来ない!
『それじゃあ、何も言わないって事はここで話は終わりって事で、バハハーイ♪(プツン)』
こうやっている間にさっさと電話を切る親父。
しかし、声を出そうにも、巻きついた蛇体の鱗のおぞましい感触による恐怖で声すら出せず、
俺は酸欠の金魚の様に、口をパクつかせる事しか出来ない!
「最初の夕飯………一緒に食うと決めた、だから一緒に食う」
「い………いやぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
そして尻尾の端で俺を拘束したままするすると移動し始める彼女に、
俺は力いっぱいの悲鳴を搾り出して拒否の姿勢をアピールするのだが――
「さあ、親睦は深めましょう」
「いぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
あっさりと受け流され、俺は悲痛な悲鳴を残して部屋から連れて行かれてしまう。
―――そしてこの日、俺の悲痛な悲鳴は幾度に渡って家中を響き渡るのだった…………。
それから数日後
「おい、ヒデ、お前………一体、如何したんだ? なんか凄く顔色悪いぞ?」
「あ、ああ………光喜、か………」
体育の授業中、俺がグラウンドの隅に力無く座っている所で、心配げな光喜に話しかけられる。
光喜に心配されるのも無理は無い。もう、この時の俺は自分でも分かるくらいに憔悴しきっていた。
多分、今の俺の姿を鏡で見たら、それこそ幽鬼の様な顔となっている事だろう。
「お前、ひょっとして何か悪い病気なのか?
もし具合悪いんだったら、無理しないで家に帰った方が良いんじゃ………」
「………その家に問題があるんだよ、光喜………」
「はぁ……?」
俺の言っている言葉の意味が飲み込めないのか、
光喜は気の抜けた声を漏らすと共に『何言ってんだお前?』と言わんばかりに首を傾げる。
「実はな。俺の家にな………今、とてつもなくデカイ蛇が居るんだよ、それも生半可な大きさじゃないんだ。
それこそ、動物園に居るニシキヘビが縄跳びの縄に見える位にデカイんだよ、
もう恐いを通り越して死にたい位だよ………」
「あ、ああ………そうか、そいつは大変だな………」
「光喜………まるで他人事みたいに言わないでくれ。もうはっきり言って本気でシャレになってないんだよ」
光喜が若干引き気味に返すが、それでも俺は涙ながらに光喜へ訴える。
「その蛇はな、普段は風呂場で、風呂桶の水に浸かって過ごしているみたいなんだけどよ。
気が付いたら何時の間にか俺の傍にいたり、壁の角からじっと俺の様子を見てたりするんだよ。
しかもおまけに食事の時、俺を無理やり食卓まで連れてきた上で、テーブルにでかい豚の丸焼きを用意したかと思えば、
奴は普通ではありえない位に口を大きく開けて、一口で豚の丸焼きを飲み込んだんだぞ!
あの時はギャル○根なんて目じゃないぐらい凄まじい物を感じたぞ………」
「は、はぁ………?」
再び首を傾げる光喜。
今度はさっきとは違う意味で俺の話が理解できなかったらしく、
光喜はこめかみに人差し指の先を当てながら、
「い、いや、ちょっと待て………ヒデ、今、お前の家にいる蛇って一体何なんだ?
如何もお前の話を聞く限りじゃ、その蛇って俺の想像する蛇とは少々どころかかなり違うような気がするんだが………」
………どうやら光喜の奴、俺の家に居る蛇を、何処にでも居る普通の蛇だと思っていたようだ。
仕方あるまい、いちいち掻い摘んで説明するのはヤなのだが、分かってもらうには他が無いか………。
「その蛇はと言うとな、実は………――――っておい、光喜?」
と、俺が言い始めた所で、光喜の奴はやおら、ばっ、と立ち上がると、
俺が話をしている最中にも関わらず。ダッシュでその場から離れて行く。
………をいをい、一体何なんだよ? 人がせっかくしたくもない説明をしようとしていた所なのに………?
んあ………? 光喜が立ち止まって、俺の後ろの方を指差して何かを言っている………?
え?…………ひ・で・う・し・ろー?
まるで大昔のコントの観客みたいに言うな―、あいつ。
………で、俺の後ろに何があるんだ?
そう思いつつ、俺は何気に後ろへ振り向いて――
「東条 秀樹、私の授業中にムダ話とは良い度胸だな?」
「……………」
後ろに立っていた体育教師と目が合い、硬直した。
年の頃は二十歳すぎ、小麦色の肌の女性にしてはがっちりとした体つきに、腕4本、黒い短髪で鋭い目つき、
着ている上下のジャージが妙に似合っている彼女こそ。
自称スーパーカブトムシと言って憚らぬ体育教師のアテナ先生である。
つーか、木枯らしの吹く季節にカブトムシが元気に体育教師しているんじゃね―YO!
数ヶ月ほど前に彼女はここへ赴任してきたのだが、
少しでも反抗的な素振りを見せた生徒を、容赦無くブン投げるその教育スタイルもあって、
今では、この学校の不良はおろか、他の学校の不良にまで恐れられている熱血(?)教師である。
俺の前で、4本の腕を腰に当てて仁王立ちするアテナ先生のその表情は既に不機嫌そのもので。
明らかに、先生は俺を攻撃対象としてロックオン☆していると見て間違い無かった。
「さて、これから私がやろうとしている事は分かっているよな?
……お前が悪いのだ、私の授業中にムダ話をする行為がどういう結果を齎すかを理解しないお前が」
「え、エーと、いや、そのー、俺は、友人に話しかけられたから答えていた訳で、
別に、ムダ話しようと思って、ムダ話をしていた訳ではないんですよー?」
じりじりと迫ってくる先生に向け、俺は必死に弁明をしながら肩越しに光喜の方を見ると。
奴は既に、遠く離れた場所で他人のフリをしている所だった…………くっ、友達甲斐の無い奴め!
そりゃーまー、逃げ出したい気持ちもわかるが、せめて何か言ってから逃げろよこんちくしょう!
「どのような事情があろうとも、お前がムダ話をしていた事実には代わりは無い」
「いやそれだったら光喜の奴も同罪じゃ――」
「問答無用!」
「――え?ちょ、やめ――――」
俺の必死の弁明も虚しく。
聞く耳持たぬとばかりに先生に組み付かれ、俺が悲鳴を上げるいとますらなく。
視界に映る景色が上下に反転し………
「う………む………?」
「………あ、気が付いたか?ヒデ」
目を覚ますなり、傍に立っている光喜に声を掛けられる。
気が付けば、俺は保健室のベットに寝かされている所だった。
身を起こそうとするとずきり、と背中が痛む。
多分、ブン投げられた俺はそのまま背中から地面に叩き付けられて気絶したと見て良いだろう。
くそう、あの暴力教師、俺を思いっきり投げ飛ばしやがって………まあ、だけど
「ヒデ、悪かったな………あの時、もう気が付いたら先生が来ていたからな………
その事をヒデに教える余裕なんて無かったんだ………こんな俺を許して、くれないか?」
「ああ、本当だったらお前をぶん殴る所なんだが、今回は許す」
「え?………何故?」
「投げられる直前、俺はとっさに先生にボインタッチしてやったんだ―――柔らかかったぜ☆」
「………………」
とてもイイ笑顔でサムズアップする俺を前に、口をぽかんと開けて呆れる光喜。
女性の大きな胸を揉む事の出来る幸運に比べれば、友に裏切られた事何ぞ、取るに足ら無い事だ。
「ああ………アテナ先生のおっぱい、先生のがっちりとしたガタイの割に大きくて柔らかかったなぁ………」
「………ヒデ、お前って奴は………何時かエロスの為に大怪我してもおかしくないぞ?」
「フッ、光喜よ、大怪我が恐くて女のおっぱいを揉めるかっての、俺を甘く見るなよ☆」
「………いや、その………ヒデがそれで良いって言うんだったら………もう、俺、止めない………」
やや引きつった顔でで言った後、光喜はやおら「あっ」と言わんばかりの表情を浮かべ、
「そういや、ヒデ、お前が言ってた蛇の話……俺、なんと無く理解できたんだけど」
「おぇ?………いきなりなんだよ?」
「いやな、ついさっき、お前を保健室に運んだ時に………」
「ヒデさん、目を覚ましましたか?………」
話の最中、光喜の後ろの方から掛かった、抑揚のない調子の女の声に、俺はびくん、と身体を硬直させる。
………こ、この声はまさか………!?
「身体の具合、如何?………」
さっと道を開けた光喜の横を通り、学校にはいない筈の紺田さんが姿を見せる。
う………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? 何でこいつが学校にいるんだよぉぉぉぉぉぉっ!?
「紺田 アナ、さんだっけ?………確か、今はヒデの家に住んでいるんだってな?」
「はい」
「あいつの家って、結構広いけどさ………アナさんの、その、長い身体は邪魔にならないのかな?」
「大丈夫、慣れれば気にならない…………」
認めたくない現実を前に、思わず頭を抱える俺をよそに、
光喜はのんきに紺田さんと世間話を始める。
「あ、あ、あ、えーと、その………何でアナさんがここに………?」
―――そして、二人の世間話の内容がパンにはさむ物の好みの話題に差し掛かる頃。
ようやく気を落ち着け、覚悟完了した俺が、掠れる声で彼女へ問う。
「私、ここの養護教諭………」
「………ゑ゛?」
彼女の意外な答えに、俺は思わず変な声を上げてしまった。
ど………どひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!
よ、よりによって保険医(実際はそんな職業はないらしい)なのかぁぁぁぁぁぁぁっっ!?
保健室は俺にとっての心のオアシスだったのに、この蛇女が其処に居座るってのかぁぁぁぁぁっ!?
こ、このままじゃストレスで死んでしまうぞ俺っ!?
頭の中でパニックになりつつある俺に、光喜は意外そうに、
「ヒデ………知らなかったのか?」
「ぜ、全然………これっぽっちも………」
「紺田さんの事、今日の朝会で言ってた筈なんだけが………お前、まさか朝会をサボってたのか?」
「………う゛………」
「………やっぱりか」
するどい指摘に呻きを漏らす俺を、光喜はジト目で見ながら呆れた様に呟く。
………だ、だって仕方ないじゃないか!
ここ最近の出来事のお陰でテンション最悪の状態で、
朝っぱらから校長の長話に付き合うなんて出来るわけないだろっ!
そんな事するくらいなら、学校の屋上で流れる雲を眺めている方が100倍マシだっ!
………まあ、その所為で知っておくべき重要な情報を聞き逃した訳なのだが………後悔先立たず………
「まあ、朝会で校長が延々と言ってた話を掻い摘んで言うと、
紺田さんはな、前々から日本の学校で働きたい一心で猛勉強して、教員免許を取得した努力人だそうだ。
何も、紺田さんの父親が、結婚する前は日本の学校の教師をやってたらしくてな、
小さい頃に何度もその父親の思い出話を聞いて、紺田さんは日本の教師に強い憧れを抱いたそうだ。
で、何で、養護教諭かと言うと、父親も養護教諭をしていたからだってさ」
「………そのとおり………」
「ソウデスカ…………」
光喜が親切丁寧に説明した後、紺田さんが小さく頷いて肯定する。
それに対して、俺は殆どうわのそらで聞き流していた。
「取り合えず、そろそろ次の授業があるんで、俺はここでお暇させてもらいます。
紺田さん。ヒデの事、よろしくお願いします、それじゃ
「あ………ちょっ………」
言うだけ言った後、光喜の奴は無常にも助けを求めようとした俺を置いて、さっさと保健室を後にする。
後に残されたのは、去り行く友(裏切り者とも言う)に何か言おうと手を伸ばした状態で口をぱくつかせる俺と。
そのベットの傍でとぐろを巻いて、俺の様子を静かに眺めるアナさんの姿のみ。
………どうしよう、思いっきりこっち見てるんだけど………
ああ、これが蛇に睨まれた蛙って奴か。この場合、俺が睨まれた蛙って訳だな?
って、事は俺は食われる事確定かっ!?(んな訳無い)
「………秀樹さん………」
「ひゃいっ!? ナンデヒョウカッ!?」
いきなり声を掛けられ、俺は思いっきり上擦った声を上げてしまった。
「身体はもう大丈夫?」
「あ……えっと」
どうやら、彼女は俺の身体を心配している様だが。
ここで正直に『背中がまだ痛いです』なんて言おう物なら、
恐らく、俺は学校が終わるまで、保健室のベットから起きることすら許されず、
この狭い部屋で彼女と二人っきりでいる羽目になる事だろう。
………はっきり言って、それだけは勘弁したい。
「大丈夫大っ丈夫! 俺はこれくらいでへこたれるほど弱くはないからなっ!
だからっ、紺田さん、いや、先生か。まあ、先生が心配する必要はナッシングだぜっ☆」
そう思った俺は、ベットから立ち上がるなり、自分が平気である事を身体を張ってアピールする。
更に、とても良い笑顔を浮かべてサムズアップをする事も忘れない。
………本当は背中がまだズキズキ痛むが、ここでそれを悟られる訳には行かないのだ。
「そう………けど、秀樹さん、如何見ても足が震えて………」
「それじゃ、もう授業が始まっていると思うんで、急がないとっ! それじゃっ!」
紺田さんが何かを言い出そうとするのをさえぎり、俺が言うだけ言ってダッシュで保健室を後にする。
振り返る事無く、保健室から離れた南校舎へ続く渡り廊下についた所で、俺は足を止め、後ろを振り向いた。
大丈夫、彼女は追ってきていないようだ。
―――やれやれ、なんとか脱出成功できた。
けど、ろくに処置もされてないまま出た物だから、背中がズキズキ痛む………
ま、まあ、学校が終わるまでの間、あの蛇女と二人っきりでいるよりかはマシだと思えば、
ある程度は痛みが我慢…………できるかなぁ?
そう思いつつ、俺は背中の痛みを我慢しながら教室へと向かったのだった。
―――結局、この後、俺が思っていた通り、
この日の授業の内容は背中の痛みの所為で殆ど身が入らなかったのだった。
今回はここまで、続きは次回をお楽しみに!
尚、ツッコミ所満載ですが、仕様ですので気にしないでください。
GJ!!
主人公ヘビ嫌いか〜
これは期待www
GJ!!
もしかして通りすがりさんの舞台も獣人特区?
うーん…この空気だと、獣人特区の話をした方がいいらしいな……
獣人特区ってゲーパロ氏のネタじゃねぇの?
勝手に使っちゃパクリになる
しかし、ある程度設定があると書きやすいってのもある…
同人物を使うのは否定するが多少設定に乗っても俺はいいと思うけど
獣人特区って他のスレなかったっけ?
今後は獣人特区で固定
魔法とかはもうイラネw
獣人特区って、プラットフォームとしての出来が良くて
二次展開にも利用しやすい設定だからね
差し支えなければゲーパロさんの了解を得て展開させてもらったら?
>>419 獣人特区・・・体育教師がカブトムシのアテナでまさかとは思ったが
次スレからスレ名とテンプレも少し変更が必要だな
何だか自分の書いた事で論議を巻き起こしてかなり申し訳無くなっている俺が通りますよ(´・ω・`)
投下前に一言言っておきますが、
SSの舞台については、とある都市のとある学校と言うだけで、
明記されていない限り、何が如何だとか言う事は特に設定しておりません。
その為、舞台が獣人特区ではないか、とか言うのは皆様のご想像にお任せします。
それと、恐らく
>>401での一文が論議の原因となっていると思いますので、
もし、問題となる様でしたらWik掲載時に訂正をします。
ゲーパロ氏、およびスレ住人に対して、誤解を招く様な文を掲載し、大変申し訳無い………
では、気を取りなおして次レスより続きの投下を開始します。
きーんこーんかーんこーん………きーんこーんかーんこーん
「お、おわったぁ………」
終礼のチャイムが鳴るなり、俺は自分の机に突っ伏して盛大に溜息を漏らす。
背中がズキズキと痛む中での授業は、はっきり言って拷問に近かった。
ああ、くそっ! 数学の田中め! 俺が必死に痛みに堪えているのを知ってか知らずか、何度も指しやがって!
3度目に指名してきた時は本気で殺意沸いたぞ!
「どーしたんだ? ヒデ、お前、さっきから元気がないぜ?」
振りかかった声に、俺が突っ伏していた頭を上げて見ると、
其処には虎姐さんと裏切り者の光喜の姿。
「ああ、それがな、虎姐。 ヒデの奴がこーなった原因がな、
こいつの家に、こいつが大の苦手としているでかい蛇の獣人が住む様になったんだと。
で、おまけにその蛇の獣人、この学校の養護教諭になったらしくてなぁ………」
「あ?………」
光喜の説明に、虎姐さんが何か思い出そうとする様に、しばし獣耳の後ろ辺りをぽりぽりと掻いた後、
やおらぽんと手を叩き、
「あー! 紺田って女の事か? 朝礼で聞いたよ。
なんか無表情で大人しそうワリに強そうなでかい蛇のネーチャンだろ?」
「まあ、そうだけど………虎姐、お前は人を強いか弱いかで見ているのかよ………?」
「当たり前じゃねーか、光喜。 分かりきった事を聞くなよなー?」
うるさい、俺の前で夫婦漫才をするな、さっさと帰って乳繰り合ってろ。
―――と言いたいのだが、背中の痛みと心身の疲れもあって、行動に移す事が出来ず。
俺は机に突っ伏しながら夫婦漫才をする二人を睨むしか出来なかった。
「なあ、ヒデ、あいつは強いんだろ?」
「…………あ?」
唐突に、虎姐さんから俺へ話が振られ、机に突っ伏したまま間の抜けた声を漏らす。
「だから、あの紺田って女、強いんだろって聞いているんだよ」
―――ほほぅ、どうやら、虎姐さんは紺田さんと戦り合う気マンマンご様子。
…………これは、チャンスかもしれない。
「朝礼の時に見てから、あたし、アイツといっぺん戦(や)り合って見たいと思ったんだけど、良いか?」
「おい、虎姐、やめろって。迷惑だろ……」
「良いぜ? 思う存分、力の限りやってくれ、虎姐さん」
光喜が止めようとするのをさえぎり、俺は虎姐さんに向けて満面の笑顔でサムズアップする。
こう言う時、虎姐さんの腕っ節の強さが役に立つ、ああ、虎姐さんが居てくれて本当に助かった。
これであの蛇女をコテンパンにノしてくれれば、俺に対して大きな顔ができなくなることだろう。
「ホントかー!? それだったら本当にやっちまうぜっ!、本当に良いんだよなっ?」
「ああ。何だったら今直ぐ保健室行って戦ってくれても構わないぜ!
もうあの蛇女には迷惑してたんだ、だから虎姐さんがビシィッ、と懲らしめてくれるなら俺は大喜びだぜ!」
「よっしゃーっ! なら今直ぐ出発だっ! あー、あたしワクワクして来たぜー!」
「…………おいおい。もう知らないぞ、俺…………先に帰るからな?」
そして、俺と虎姐さんは、冷めた視線を投げかけつつ帰る光喜をよそに、
意気揚揚と紺田さんのいる保健室へと向かったのだった。
因みに、この時、俺は既に背中の痛みなんぞすっかり吹き飛んでいたりする。
「たーのもーっ!」
ガラガラガラッ バーンッ ガターンッ!
保健室の静寂を打ち破る様に、
虎姐さんの掛け声と共に、横開きのドアが物凄い勢いで開け放たれ、その衝撃でドアがレールから外れ、床に倒れた。
うーん、何と言う馬鹿力、だが、今はそれが逆に頼もしく思えてくる。
しーん
突然の事に、水を打ったかのように静まり返る保健室。
この時、保健室の真中でとぐろを巻いた紺田さんのほかに
保険委員の生徒や、物見遊山で紺田さんを見に来ていた生徒が何人かいたのだが、
この虎姐さんの闖入によって、紺田さんを除いた、保健室にいる生徒全員が一様に此方を見たまま硬直していた。
トラブルの空気を感じ取り保健室からそそくさと立ち去り始める生徒達に気に掛ける事無く、
虎姐さんは尻尾をピンと立ててずかずかずかっと紺田さんの前に来ると、
「お前が紺田 アナ、だなっ?」
紺田さんに向けて、びしぃっ、と指を差して問い掛ける。
「…………はい、そうです」
「よっしゃ、なら早速、あたしと勝負しろっ!」
「……………?」
肯定するなり、虎姐さんに勝負を申し込まれ、
紺田さんは意味が分からず、無表情ながら不思議そうに首を傾げる。
「あたしの名は虎山 妙! 朝、一目見た時からアンタと戦り合いたくなってここに参上した!」
「…………戦う?………なんで?」
「それは、あんたが強いと見たからだッ! だからあたしはアンタと戦いたいと思ったんだっ!
それに、光喜のダチがアンタに迷惑しているとも聞いた。
だから、あたしがここでアンタをビシィッと懲らしめて、光喜のダチに迷惑を掛けないと誓わせるんだ!
まあ、これは戦うついで、だけどなっ!」
「……………」
紺田さんは黙って、意気込む虎姐さんの顔を見据えていたが。
「分かりました。戦りましょう」
「本当かっ!」
「嘘は言いません………けど」
言って今度は俺の方へ視線を移し、
「もし、私が勝った場合…………秀樹さん、私の言う事を一つだけ聞いてくれますか?」
―――そう来たかっ!
俺が虎姐さんに頼んだ事を察して、交換条件を挙げたと言った所か………
何を頼むつもりか分からないが、どうせろくでもない事に違いない。
ま、まあ、虎姐さんに限って負ける事は無い筈だ!
たかが蛇獣人の一人や二人、虎の獣人のパワーに掛かればちょちょいのちょいだ!
そう思った俺は、少しだけためらいつつも首を縦に振った。
それを見届けた紺田さんは虎姐さんへと向き直り、
「ここで戦うと迷惑―――外で戦りましょう」
と言った後。紺田さんはしゅるしゅると蛇体をくねらせて移動し始める。
その後について、何も言わずに歩き出す、俺と虎姐さん。
そして、後ろの方で保健室にいる生徒たちの安堵の溜息や、罵声などを背に
紺田さんと虎姐さん、そして俺の一行が保健室を後にした。
暫くの間、俺も虎姐さんも紺田さんも、何一つ語る事なく歩き続け。
やがて、一行が校内の片隅にある人気の無い中庭に出た所で、紺田さんはぴたり、と蛇体を止めた。
「なるほど………ここなら幾ら戦りあっても誰にも迷惑にはならないな?」
ぐるりと周囲を見まわし、呟く虎姐さん。
周囲を校舎に囲まれた教室2、3個分くらいのスペースの中庭は、まるで放課後の喧騒から切り離された様に静かで。
聞こえる音とすれば、グラウンドか何処かから聞こえる部活の声と、チュンチュンと雀達が戯れる声のみ。
おまけに程よく掃除の行き届いた石畳の地面には出っ張った物は何一つなく、
更に人気が無い所為もあって。生活指導の先公の目も殆ど行き届いてはおらず。
決闘を行うにはこれほど適した場所は無い、と言える場所であった。
そして、中庭の中心でとぐろを巻いた紺田さんは、虎姐さんへと向き直り、その目を見据えて――
「では、虎山さん………遠慮せず、掛かってきてください」
無表情かつ抑揚の無い声で言い放った。
「へっ………随分と余裕じゃねぇか。 だが、その余裕の顔も泣き顔に変えてやるよ!」
「…………………………」
その言葉に応える様に、獰猛な笑みを浮かべた虎姐さんは尻尾をゆらゆらと揺らめかせて身構える。
対する紺田さんは、中庭の中心でとぐろを巻いたまま、悠然と何も言う事無く虎姐を見据える。
途端に―――ぴりぴりと肌を刺すような緊張感が中庭に満ちる。
既に、先ほどまで中庭で戯れていた雀達は身の危険を察して逃げ出している。
もし、この場に気の弱い生徒がいたら、恐らく雀達と同じ様に尻尾を巻いて逃げ出している事だろう。
――気が付けば、戦いを見ている俺自身もまた、額から汗を滲ませ、拳を強く握っていた。
と、そんな最中、緊迫感漂う決闘を観戦する俺の後ろの方から、
やや慌てぎみな足音が近づいて来るのに俺は気付いた。
「あ、いたいた――って、もう始まってやがるか………来るのが少々遅かったか」
その姿を確認する間も無く、足音の主、もとい光喜が観戦する俺の隣に立つと、少し残念そうに呟く。
「んあ? 光喜か?………如何したんだ? お前、 帰ったんじゃないのか?」
「いや、帰ろうとは思ったんだけどな………少し思うところがあって虎姐を止めに来たんだけど………」
「へぇ、お前にしちゃあ珍しい………いったい如何言う風の吹き回しだ?」
「ああ、いや、紺田さんを相手にするってのは、少しばかり無謀じゃないかなって思ってな」
「…………は?」
光喜の言葉に、俺は思わず眉をひそめる。
「いやあの………幾らなんでも無謀ってのは如何言う事だ?」
「それが虎姐の奴、先週辺りにちょッとした事で俺の知り合いと戦りあって、其処で見事なまでにボロ負けしてな。
ま、それで、虎姐はここ最近はその汚名返上をしたがって―――って、これは関係無いか」
「何が言いたいんだよ」
ツッコミをいれる俺に、光喜は構わず話を続ける。
「まあ、それで虎姐が汚名返上したがるのは良いんだが、今回ばかりはその相手が悪すぎる。
俺の予想が正しければ、相手の紺田先生は恐らく世界最大級の蛇、オオアナコンダ種の獣人だぞ!」
「アナ……コンダ? ああ、だから紺田 アナ、か。分かりやすいネーミングだなぁ………」
「――紺田先生のネーミングについてのツッコミはさて置き、
虎姐は多分、レスリングで紺田先生に挑むつもりつもりだろうけど、それこそ無謀ってもんだ。
そりゃあ、普通に戦えば虎の方がアナコンダよりかは強いだろうと思うが、
巻き付いて締め付けるのを得手とするアナコンダ相手に、組み付いてレスリングしよう物なら、
組み付いたその途端に………」
などと光喜が言いきらぬ内に―――
ぐぎょぇぇぇぇぇぇぇ………
横合いからガマ蛙を踏み潰した時のような悲鳴が響く。
「………巻き付かれてあの様になるんだよ」
「…………………」
紺田さんの蛇体に身体を締め上げられ、あっさりと白目をむいて気絶した虎姐の姿を見ながら。
光喜が疲れた表情を浮かべて言ったのだった。
それに対して、俺はその様子を呆然と眺めるしか、出来なかったのであった。
「ほら、帰るぞ………全く、馬鹿な事しやがって………」
「うぅ〜、ちくしょー………」
それから数分後、拘束を解いた紺田さんの処置によって、虎姐さんは意識を取り戻し。
窘める光喜の肩を借りて悔しげに呻きながら、ふらふらとその場を後にして行く。
「………戦いとは、何と虚しい………」
その去り行く二人の後姿を眺め、
虎姐さんを嗾(けしか)けた事を棚に上げ、俺は戦いの愚かさをかみ締める様に呟きを漏らす。
結局、この戦いからは何ら得る物は無かった………ああ、夕日が眩しい。
「秀樹さん」
―――なんて現実逃避している最中。
声を掛けられ、ビクッ、と身体を震わせて振り向いたその後ろにはやはり無表情な紺田さんの姿。
「な、なんでしょうか、紺田さん?」
「約束、守って下さい」
顔を青ざめさせ、上擦った声で誤魔化す俺に、紺田さんが淡々と言いつつずいっと無表情で詰め寄る。
「は、はは、何ノ事デショウ?」
「私が虎山さんに勝った時、秀樹さんが私の言う事聞く約束です」
「………う゛」
必死にとぼけて見せる俺に、更にずいっと詰め寄る彼女。
こ、これはかなり怖い………
「その約束、守ってくれますね?」
「………………………………」
「ますね?」
その詰め寄る彼女の様子から、俺は1分の隙すらも見出せず。
結局、頭をこくこくと頷かせる事しか出来なかった。
その瞬間、気の所為だろうと思うが、常に無表情である筈の彼女の口の端が僅かに笑みの形に歪んだ様に見えた。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。
自宅の、自分の部屋のベットに頭を抱えて突っ伏す俺の頭の中は、ただこの文字で一杯だった。
放課後の決闘のあの後、俺は誰と何を如何会話して、そしてどうやって家に帰ったかさえ覚えていない。
普段ならば、今頃の俺は夕食のカップラーメンをすすっている頃なのだろうが、
今の俺は食事をするどころか、部屋から出る気すら起きなかった。
自分で蒔いた種とは言え、流石にこう言う事になるのは勘弁して欲しい。
一体、紺田さんは、これから俺に何を言うつもりなのだろうか?
しかし、それは彼女が学校から帰ってくるまで分からない。
今、俺に出来る事は只々、自分の部屋のベットに突っ伏して震えて待つしか出来ないのだ。
―――ふと、俺の脳裏に、紺田さんの食事光景がありありと甦る。
紺田さんは自らの顎を外し、大きく口を広げて見せると
女性のか細い口には到底、収まりそうにない豚の丸焼きを見る見るうちに飲み込んでいったのだ。
そして、飲み込み終えたのを見た後の記憶がない事から、俺はそのまま気絶したのだろう。
それだけおぞましい光景だったのだ。
ひょっとすると、彼女は、俺をあの豚の丸焼きと同じように飲み込むつもりかっ!?
ありえる、絶対にありえる、彼女なら人間の男の一人や二人、飲み込む事も容易い筈だ!
ああ、何てことだっ! 俺は童貞を捨てる事も出来ずに蛇女に食われちまうのか!
ちくしょう、こうなったのも全てクソ親父の所為だ!
死んだら化けて出て親父の悪行を全て母さんにばらしてやるぅっ!!
――――無論のこと、後々れーせーになって良く考えれば分かる事なのだが。
幾らなんでも、紺田さんが巨大な蛇の獣人だからと言って、人を食う事なんぞある筈がない。
もし家主の息子なんぞ食おう物なら、追い出される所かそのまま刑務所へ送られる事になる。
それは彼女自身も分かっている事だろうし、俺自身も分かりきっている事だった。
――――賢明な人なら、もうお分かりだろう。
この時、俺はあまりにもの恐ろしさで冷静さを完全無欠に失っており。
悪い想像が悪い想像を呼んで澱のように心の中に積み重なった結果、
まともな思考なんぞ出来る状態ですらなかったのだった。
そして、そのまま悪い想像の無限ループを、這い寄る混沌すらも呆れるほどに繰り返した後。
………コンッ………コンッ………
どびくぅっ!
唐突に鳴り響いたドアのノックの音に、俺は思いっきりビビり、ベットから転げ落ちかけた。
………コンッ………コンッ………
何とかベットから落ちぬ様に堪えた後、恐る恐る振り向いたドアの方から、再びノックの音が響く。
間違いない、紺田さんが来たんだ。
………このまま無視しつづければ、ひょっとすれば彼女は諦めてくれるかも?
――とか、一瞬、俺は楽観的な事を考えたのだが、
それで問題の解決になるかと言えば、ちっとも解決にならないのは明白だった。
暫くの間、俺は思考を逡巡させた後、意を決し、ドアに顔を向けて、
「………鍵なら開いている、入るならさっさと入ってくれ」
僅かに震えた声で、扉の向こうにいるであろう紺田さんに向けて言い放った。
もし、食うつもりならばせめて一矢報いてやる、とか考えながら。
ガチャリ………キィ………
一拍の間の後、ドアノブが回され、僅かに軋む音を立てて扉が開く。
その向こうの暗闇から、紺田さんが滑る様に俺の部屋に入ってくる。
下半身さえ見なければ、その様子はさながら美女の幽霊が入ってくる様にも思えた。
「用事が終わるまで時間が掛かりました。………少し、待たせてしまいましたね」
「……あ、ああ……いや、別にそれほどでは………」
「そうですか」
淡々と、抑揚のない言葉で謝罪する彼女に、俺は掠れた声で応える。
その応答に、彼女はぽつりと一言だけ言うと、するすると俺の傍までやってくる。
「では、早速………私から、秀樹さんに言いたい事があります」
「……………」
………ごくり
無意識の内に、俺は唾を飲んだのか咽喉の奥で音が響く。
彼女は一体、何を言い出すのだろうか?
やはり………俺の思ったとおりの事なのか?
それとも………もっと別の事を言うつもりなのか?
様々な想像が俺の脳中を駆け巡り、俺の身体全体に緊張が漲る。
永遠のような刹那の後――彼女が口を開いた。
「秀樹さん………私と、仲良くなってください」
………………………………………………………………………
「はぁ?」
想像していた物とは180度以上も裏側の言葉に、
一気に拍子抜けした俺は思わず気の抜けた声を上げていた。
「ですから、私と仲良くなってください」
俺が意味を理解していない、とでも思ったのか、彼女がもう一度、淡々と言い直す。
ま、まあ、俺が想像していた物と違って、仲良しになるのは容易い事、だろうと思うのだが…………
けど、けど………俺は………
「ゴメン、無理」
でかい蛇が苦手である俺にとって、彼女と仲良くなる事ですらも精神的にダメポであり。
即行でなおかつきっぱりと一言で断ったのだった。
「…………何故? 私が嫌い?」
「い、い、いや、別に紺田さんが嫌いって訳じゃなくて、俺はでかい蛇全般が苦手なんだよ!
だから、紺田さんが蛇の獣人じゃなくて、普通の人間だったり他の種の獣人とかであれば嫌がったりしないんだよ!
だから無理って言うのはそう言う事、分かってくれる、紺田さん」
首を傾げ、問い掛ける紺田さんに、俺は必死に言いつくろい、弁明する。
そして、彼女は暫く考える様に顔を俯かせ――
「分かりました」
なにやら頭の中で結論に達したのか、おもむろに顔を上げ。俺の顔を見据えて言った。
む、むぅ………何が分かったのだろうか? ひょっとして出ていくとか言うのだろうか?
もし、そうだとすれば少し罪悪感を感じてしまうなぁ。
「私が、秀樹さんの苦手を治します」
……………………………………………………………………
「い、いや、あの………苦手を治すって、如何やって?」
今度こそ、俺は紺田さんの言っている意味が分からず、思わず掠れた声で聞き返してしまった。
苦手を治すって、ひょっとして彼女はカウンセリングでもするって言うのだろうか?
そうだとすれば………尚更お断りである。
只でさえ俺は、紺田さんと顔を合わせる事ですら滅茶苦茶ストレスが溜まるってのに
それを一々、顔をつき合せてカウンセリングなんてやっていよう物なら。
1週間も持たない内に俺の胃に穴が開くか、もしくは精神がいかれてしまう事だろう。
とにかく、ひとの苦手を治すのは一筋縄では行かないのだ。
はてさて、彼女は一体、如何言う風に俺の苦手を治すのだろうか?
なんて思っていると―――
「―――――っ!?」
何時の間にやら俺の眼前にまで来ていた紺田さんの両腕が後ろ首へ回され、
そのまま彼女の双丘の間に顔を埋める様に、俺は抱き寄せられた。
俺がそれに驚く間も無く、彼女の下半身の蛇体がしゅるしゅると俺の胴体へと巻き付き。
やがて俺を抱擁する彼女のともども、彼女の蛇体が形作るとぐろに巻かれてしまった。
当然のこと、俺は恐怖に駆られて逃げ出そうと必死にもがくのだが、
無論、しっかりと巻きついた蛇体から逃げられる筈もなく、惨めに身体を捩じらせる事しか出来ない。
中房の頃の蛇に絞め殺されかけた記憶が脳裏をよぎり、俺の恐怖が頂点に達そうとした、その時――
「こわくない、こわくないよ……大丈夫」
何時もの、紺田さんの感情の欠片すら見えない抑揚のない声とは違う、何処までも優しい声と共に、
俺の頭に添えられた彼女の両手が、母親が子供にする様に。俺の後頭部を優しくなで上げる。
「大丈夫、大丈夫。だから、おびえないで」
巻き付いている蛇体も、しっかりと巻き付いているが締め上げる訳でもなく、
むしろ、優しくクニクニと蠕動し、俺の身体全体を揉み解す。
普通は蛇は冷血動物なのであるのだが、俺の身体に巻き付いている蛇体はとても温かい上に柔らかく。
まるで、いや、まさに彼女によって全身を優しく抱擁されていると言っても良かった。
ふわりと漂う、何処か甘いものを感じさせる彼女の体臭。
それを嗅いでいる内に、恐怖に凍り付いていた心が、穏やかな日差しを浴びた氷の様に溶け出し。
彼女の温もりに包まれ、鼓動を感じている内に、俺は次第に落ち着きを取り戻して行く。
「ほら、もうこわくない」
そして、気がついた時には、俺の心の中から、彼女に対する恐怖心は完全に消え失せていた。
「………落ち着いた?」
「………あ、ああ………」
何時もの調子に戻った紺田さんに問い掛けられ、俺は双丘の間に顔を埋めた状態のまま応える。
頬の両側に触れる、彼女の柔らかく温かい乳房の感触は何処までも気持ちが良い。
――のだが、いい加減そろそろ離れないと息苦しい上に何だか恥ずかしくなってくる。
「あの、紺田さん………そろそろ、手を離してくれません?」
「……………………」
「あの?……聞いてますか?」
幾ら言っても、一向に俺の頭を離す動きが無い紺田さんの様子に、
何処か妙な物を感じた俺は、頭を何とか動かして彼女の顔を見る。
――そして、俺は気が付いた。彼女の頬がほんのりと赤くなっていると言う事に。
その原因を、俺が探る間も無く――
「秀樹さん………固くなってる」
頬を赤らめた彼女が一言。
………あろう事か、そう、本当にあろう事か、
頬に触れる柔らかな乳房の感触によるものか、それとも女性に抱かれている事によるものか、
俺の一物が反応し、その本性を顕にしてぐいぐいと彼女のお腹を押していたのだ。
心の内に怒涛の如くわきあがった羞恥心が
天元突破とばかりに恐怖心を完全無欠に吹き飛ばし一瞬の内に頂点に昇り詰め。
俺の頬が、熟れてぐずぐずに崩れる直前の苺よりも紅く染まり、
おまけに頭から蒸気機関車の如く湯気が立ち上る。
「ちょwww、ゴッ、ゴメンッ、俺、変なもんを押しつけてしまって!
でもこれは男の性(サガ)で、如何しても抑えられない物でっ!紺田さん、本当にごめ――」
「嬉しい」
「………へ?」
俺が慌てて彼女から離れようと、身体をばたつかせて言い訳を始めた矢先。
彼女からの思いがけぬ言葉を聞いて、俺は目を点にして間の抜けた声を漏らす。
「私に発情してくれた。つがいになる人が発情してくれた」
「え?あ? あ、あの?………つがい? 発情? えっと、一体如何いう事か意味不なんですけど!?」
訳の分からないまま問いかける俺の顔を、
彼女はちろちろとしきりに舌を出し入れしつつじっと見据え、
「秀樹さんと初めて会った時、私は気付いた。秀樹さんは私のつがいになる人だと。
でも、最初、嫌われた時、私、どうしようと思った。
けど、今、秀樹さんが私に発情してくれてる。これほど嬉しい事は無い
だから、今直ぐ私と交尾しよう、それが良い」
……………………………………
え―っと、これって別の意味でヤバくない?
何だか紺田さん、興奮して何時に無いくらいに頬を真っ赤に染めて、目を潤ませてるし。
しかも何だか直球ストレートど真ん中過ぎる発言まで飛び出してきましたよ!?
うん、逃げよう。ここは逃げの一手だ。それが良い。
―――って、この状況でどうやって逃げれば良いんディスか?
今や、俺の身体は彼女の蛇体によってしっかりと拘束されている訳だし。
幾ら暴れた所で、このド太い蛇体を俺のなまっちょろい力で何とかできる筈も無い。
つーか、マジシャンでもこの蛇体から抜け出すのは不可能だろう。
良し、ならば俺の得意とする舌先三寸で彼女を説得して………
って、ずぇーったい無理だ、発情した獣人が人間の言葉を素直に聞くかどうかの問題だ。
多分、今更俺が何を言った所で、そのまま押し切られてアッー、な事になるのは間違い無いしだ。
…………じゃあ、どうしろと?
うーむ、何だか考えれば考えるほど、どつぼに嵌っていく様な気がするぞ?
「善は急げ、思い立ったが吉日」
―――とか何とか考えている内に彼女、妙に嬉しそうにいそいそと服脱ぎ始めてるんですけど?
ええ、もうためらいなく上着のセーターを脱いじゃいましたよ。
ああ………彼女ノーブラだ。道理で抱かれた時、柔らかくて気持ち良いなぁと思ったら………
―――ってノーブラっ!?
「――ってぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「……………?」
色々な意味を含めた叫び声を上げる俺の様子を不思議そうな目で見つつ、
彼女はスカートに手を掛けて、これもあっさりと脱ぎ捨てる。
ああ、彼女ってノーブラだけに飽き足らず、ノーパンでもありましたか………
って、何を変な事で納得しているんだよ俺!
もうこうやっている間に紺田さんが生まれたままの姿になっちゃったんですけど!?
「秀樹さんも脱ぐ」
「あっ、ちょwwwやめっ、服脱がさないでっ!?」
脱ぎ終わった紺田さんに無理やり服を脱がされそうになった俺は手をばたつかせて必死に抵抗する。
暫しの間、脱がそうとする紺田さんと、脱がされまいとする俺との攻防が繰り広げられた後。
「……………」
唐突に彼女が脱がそうとするのを止め、黙って俺を見つめる。
諦めてくれた、のかな?………と、一瞬、彼女の沈黙を楽観的に捉えた矢先。
むちゅ
「――――っ!?」
いきなりキスをされた、それもかなりディープな奴。
とっさに抜け出そうとするも、俺の後ろ首に回された彼女の両腕がそれを許してくれず。
そのまま俺の口内へ、彼女の長く二股に分かれた舌がにゅるりと侵入してくる。
「んぅ―――っ!んんんんぅ―――!」
そのまま舌は二股の先でぬりゅぬりゅと歯の付け根や、頬の内側、上顎の粘膜を舐り回し。
普通の人間では為し得ぬ感触を脳髄へ叩き込まれ、俺はくぐもった声で呻きを上げる。
「………ん………ん」
「んんんぅっ!?ううんむ―――――!!」
それだけでは飽き足らず、彼女の舌はグネグネと蠢くと、俺の舌へと螺旋状に巻き付いてぎゅうっと締め付ける。
彼女の舌のざらざらとしていながらぬめった感触を舌全体で味あわされ、俺の呻き声の大きさが高まって行く。
「………ん………ふぅ………ん………」
「んぐぅっ……んんっ………んんん………んぐぅ」
そして更に、俺の身体に巻き付いている彼女の蛇体がやわやわと蠕動し、身体全体へ愛撫を加えてくる。
口内と身体全体へのこうかばつぐんな2重攻撃によって、次第に、俺の頭から抵抗の意思が消えて行く。
「…………ぁ…………」
「………大人しくなった」
そして、ようやく俺の唇から唾液の糸を引いて彼女の唇が離れた時。
俺は快感と酸欠によってぐったりと、すっかり大人しくなってしまっていた。
というか………なんか………もう駄目かな?
「脱ぎ脱ぎ、脱ぎ脱ぎ」
彼女は俺が大人しくなった事を良い事に、
巻き付かせていた蛇体の拘束を僅かに緩めると、言葉に合わせて手際よく俺の着ている上着を脱がして行く。
トレーナーも、シャツも、ポイポイと脱がされ、あれよあれよと言う間に俺は上半身裸となった。
「今度は下」
上半分を脱がし終わった後、彼女は俺の足を拘束した部分を除いて蛇体を解き、
俺の下半身の前まで上半身をずり下がると、俺のズボンへ手を掛ける。
やばい………このまま下の方も脱がされる訳には行かない。
俺は快感で陶然となった脳に渇を入れて、もう1度抵抗を試みようとした………が。
「…………嫌、なの?」
僅かに身動ぎした所で、じっと上目遣いで俺の目を見る彼女に、何処か悲しそうな声で問い掛けられ、
俺の最後の抵抗の意思は、突風に吹き散らされる蝋燭の火の如く、フッと消え去った。
何と言う情けない俺/(^o^)\フッジサーン
「ズボンも脱ぎ脱ぎ、パンツも脱ぎ脱ぎ」
………あー、もう好きにしてください。こーなりゃなるよーになれっ!
なんて思いつつ、俺はズボンと下着と言う名の最後の牙城を切り崩して行く彼女の様子を眺めていた。
「…………ピンクスネーク、カモン」
をい、露出した俺の一物を見ての感想がそれかい!
―――とツッコミを入れたかったのだが、こんな状況でやった所で、
無意味なのは分かっているので言わないで置いておこう。
………と言うか、紺田さんって………意外にお茶目?
「いただきます」
「………ひぅっ!?」
と、ぼんやりとしている間に彼女に一物を咥えられ、その熱くぬめった感触で思わず変な声を上げる俺。
「ちょ……やめっ!ひぃっ!!」
そして、彼女の長い舌がしゅるしゅると一物へと巻き付き、にゅるにゅると唾液を塗り付けて行く。
その未知の感触に俺は悲鳴を上げ、一物はより堅さを増して行く。
「………ん………ん」
「うひぅっっ!! あひゃひぃぃ!?」
笑わないで欲しい、俺は決して冗談のつもりでこんな叫びを上げようとは思っていない。
とにかく、気持ち良過ぎるのだ、一物に巻き付いた舌がグネグネと蠢き、締め上げて、そしてやわやわと揉み上げ。
そして舌先が裏筋を這い回り、にゅるにゅると唾液を塗り付けて舐めまわす。
その凄まじい感触で、俺は思わず変な悲鳴を上げてしまうのだ!
「………んん…………んむ」
「あふっぁぁぁぁ!!」
その普通の人間では不可能な責めに、俺は徐々に悲鳴から嬌声に変えて、先走りの液を漏らす。
それに気付いた彼女は、舌先をちろちろと這わせて尿道から溢れ出た先走りを舐め取り、
更に尿道へ、舌先を突っ込んでくりくりと舐りまわす。
同時に、俺に巻き付いている彼女の蛇体がグニグニと蠢き、俺の身体を揉み解し始める。
俺の肌に直に触れる彼女の蛇体の表面はとても滑らかで、動く度にその滑らかな感触を全体で味あわされ、
感じる快感の度合いを増させて行く。
「ぐぐぅっあぁっ!………くぁっ!!」
俺は思わず、その執拗な責めから逃れようと身をよじらせるが、
両足と胸の辺りにしっかりと巻き付いた蛇体の所為で抜け出す事も出来ず、嬌声を上げる事しか出来ない。
「んっ………んっ………」
そして、ラストスパートと言わんばかりに彼女が舌の動きを早め、与える快感の度合いを増させて行く。
根元も、竿も、雁首も、亀頭も、尿道も、それら全てが彼女の舌によって責め嬲られて行く。
「ああっ……ああがぁっ!」
その責めによって、たちまちの内に俺は絶頂に押し上げられ。
腰がガクガクと震え、視界にちかちかと星が明滅し――――
「うっ………ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
遂に我慢の限界に達し、どくり、という脈動と共に、彼女の口内へ精を解き放ってしまう。
何時ものオナニーとは全くダンチな射精の快感に、俺は思わず叫びを上げていた。
だが、精がドクドクと吐き出されている最中でも尚、責めは止む事はなく
逆に精を吐き出すのを促すかのように竿に巻き付いた舌がうねうねと蠢き
舌先が尿道をチロチロと刺激して吐き出される精を舐め取って行く。
そう、それはつがいとなる者の精を一滴も逃さぬ様に、情をたっぷりと込めての責め。
俺はなんとなく、そう思ってしまっていた。
そして、長い射精が終わり、最後の一滴すらも舐め尽くした彼女がようやく股間から顔を離す。
「………とても濃厚………美味」
顔を上げた彼女が、疲労困憊の俺に向けて感想を述べる。
「こ、紺田さん………」
「………下の名で呼んでください」
思わず漏らした言葉に、彼女は一言だけ言うと俺にそっと抱きつく。
ここで改めて全裸となった彼女の身体を見るが、紺田さん、いや、アナさんって、案外着やせする方なんだなぁ………
「秀樹さん………」
「は、はいっ!!」
彼女の身体に見蕩れていた所で声を掛けられ、思わず上擦った声を上げてしまった。
だが、そんな俺の様子を気に掛ける事無く、彼女はゆっくりと身体をずり上げて行き
彼女の下腹部が俺の頭と同じ高さまであがった所で、
「ここを刺激してください」
腰の少し下、人間の腹部と蛇体との境界線より少し下辺りを指差して彼女が言う。
指差されたその部分は、少し盛り上がった部分の真中に、亀裂のような線が縦に一本通っており。
彼女の呼吸に合わせて、盛り上がった部分と共に僅かに上下していた。
―――恐らく、ここが彼女の…………
そう思いつつ、彼女のそこをガン見してしまうのは童貞の悲しいサガである。
「じゃ、じゃあ、アナさん、行きます」
無意識の内にごくりと唾を飲んだ後、俺は意を決して彼女の性器と思しき部分に顔を近づけ、舌を伸ばす。
滑らかな鱗に覆われた皮膚の感触を舌に感じつつ、線に沿って舌を這わせて行く。
「ん……んん……」
俺の舌が動く度に、彼女は小さく声を漏らし、僅かに腰を揺らめかせる。
どうやら、感じているらしい、のだが………
「………舌だけではなく、指も使って下さい」
どうやら、彼女にとってはまだ刺激が足りないらしく、もっと刺激を与えるように言ってくる。
取り合えず、俺はその言葉に従い、舌で舐めると同時に、線の周りを指で軽く摘んで揉み解してみる。
線の周りの膨らんだ部分は周りの蛇体より柔らかく、中々触り心地が良い。
「……ぁん………んん………」
「………うぉっ、何、これ………」
そうしている内に、彼女のひときわ大きな声(他に比べてだが)と共に、その部分に変化が訪れる。
線の周りがピクピクと震え始めたと同時に、線が横へ広がりその内側に仕舞われていたピンク色の陰唇を広げ、
その奥に隠されていた淫穴とクリトリス(……と言うのだろうか?)を、俺の目の前に顕にする。
その、まるで花が開いて行くような様に、俺は小さく驚きの声を上げた。
「其処、舐めて、ください………」
頬を紅く染め、目を潤ませて言う彼女。
無論、俺は言われるがままに開ききった花びらの様な性器に舌を這わせる。
「んんぅっ……んくっ……」
舌先に渋みのある塩味を感じつつ、陰唇や淫穴を舌で舐るたびに、
彼女は明らかに感じている声を上げて、全身を走る快感に身体をビクンと震わせる。
更に、淫穴に舌をさし込んで見ると、その穴の淵や内部が脈動しながら蠢き始め、
中に入りこんだ舌先を奥へ引き入れ様と、うねうねと纏わり付き、吸い付いて来る。
―――こんな所に一物を入れたら、果たして俺はどうなる事だろうか………?
想像して、俺は背中におぞ気を覚えると同時に、どう言う訳だが一物を堅くした。
………ここもまた、如何しようもない悲しい男の性(サガ)って奴である。
「んんっ………もう、良い です………」
彼女に言われ。息苦しくなった事もあり、俺が顔を離した頃には性器はより大きく広がり、
淫穴の内部の粘液に濡れた襞状組織を顕にし、其処からとろとろと愛液を溢れ出させていた。
「準備は終わり………後は、本番」
すっかり上気しきった彼女の言葉と共に、彼女の上半身がゆっくりとずり下がり、
それと同時に俺の身体を彼女の身体と密着させる様に、蛇体がうねうねと優しく締め付ける。
………そして。
ちゅく
「――――っ!」
「あたった………秀樹さんのが、私にあたってる」
一物の先端が、熱く濡れぼそった女性器が触れ、
その慣れない感触に俺は身体を硬直させ、彼女が喜びの声を漏らす。
ずぬ
「うぉっ!?」
そして、亀頭が淫穴にめり込み、穴のふちが広がって迎え入れてくる感触と同時に、、
亀頭から竿を伝ってとろとろと流れる愛液の感触と穴の淵がグネグネと蠢く感触を感じ
それが痺れるような快感となって脳へ突き刺さる。
「では、秀樹さん……いきます」
驚く俺の顔をじっと見つめ、彼女が腰を沈める。
ずぬにゅるるるるるるるる………
「う、うあ、あああああああぁあぁぁぁぁぁぁっっっ」
挿って………いや、吸われて行っている!
何処までも甘く温かい、ぬめぬめと柔らかな襞に覆われた中に、俺の一物が飲まれてる!
こ、こんなの……気持ち良過ぎて、直ぐに出して………しまいそうだっ!
「あ、あぁ……うあああぁ………」
そして、グネグネと蠢く内壁が一物に絡み付き、蛇が獲物を飲み込むように奥へ奥へズプズプと引き入れて行く。
無論のこと、俺はそれに抵抗する事すら出来ず、やがて俺の一物は蛇に根元まで彼女の肉壷に飲み込まれた。
その途端、襞でびっしりと覆われた内壁がぐにゅぐにゅと一物に纏わり付き、その全体に愛液を塗りたくる。
「挿り…ました………秀樹さん、気分は、如何ですか?」
快感に打ち震える俺の顔を、同じく快感を感じているであろう上気した彼女が覗き込む。
グッバイ、Myチェリー! そしてハロー、NEW俺!
――と、彼女に答えたかったのだが、俺が何かを言おうとした途端。
俺の一物を包み込んでいる肉襞がぎゅうっと収縮して、喉元まで出掛けた言葉を中断させる。
「………嬉しい様ですね。良かった、喜んでくれて」
「あ、ああ、うん……うあぁぁ」
彼女の言葉に、俺は痴呆老人のうわ言のような言葉を漏らす事しか出来ない。
それだけ、俺の一物に与えられる快感の度合いが凄まじいのだ、これでは何時もの軽いノリも出来ない。
…………其処で軽いノリで振舞った所で、何になるの? と、聞かれると少々答え辛いが………。
「では、動きます………」
「う、うおっ、うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
彼女が俺の身体にそっと抱きつき、僅かに力を入れた途端。
締め付けて撫でるだけだった肉壁の動きが明確な意思を持って蠢き始める。
そう、つがいとなる異性から、より多くの精を搾り取る為に。
先ず、包み込んでいる襞がグネグネと蠢いて、亀頭や雁首をヌチュヌチュと執拗に舐り
そして一物の亀頭、雁首、そして竿の3箇所を、肉壁がまるで一物に蛇が巻き付いた様に締め付け
更にうねる内壁がギュッポギュッポとポンプの様に一物全体へ吸いつく。
そして身体に巻き付いている蛇体も、やわやわと蠕動して与えられる快感を増大させて行く。
「我慢する、必要はないです………何時でも、出してください」
抱き付いた彼女が、俺の耳元に息を吹き掛ける様に囁く。
それと同時に、一物を締め付けている肉壁が緩急をつけて伸縮し、一物を上下にしごき始め、
更に亀頭の鈴口へ唇のような物がクニュリと密着し、キュウっと一気に吸いついた。
当然、その攻撃に俺が耐え切れるはずもなく、まるでスタンガンを食らったかの様に快感が身体を掛けぬけ、
身体全体がびくびくと痙攣し、意識が真っ白に染まって――――
「で、出るっ……あ、あうあうあぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!」
「………んっ!……んんっ!」
俺は無意識の内に彼女に抱きついて叫びを上げ、その中へ精を解き放った。
びゅくんびゅくんと一物が脈動し、先程よりも勢い良く、そして長い間、精が注ぎ込まれて行く。
その感触を中で感じているのか、彼女は身体を小刻みに震わせて、閉じた口の端から嬌声を漏らす。
…………って、やっちまったぁぁぁぁぁっ!!
幾らなんでも、学校の保険医相手に童貞を献上しちまうとは………これじゃ親父の思惑通りじゃねぇか
おまけに、彼女は人間じゃなくてさっきまで俺が毛嫌いしてた蛇の獣人……
ちくしょう、これは作者の陰謀かっ!
………何? このスレのSSに出演する以上、仕方ない事だって?
俺も主役になりたいとか抜かしたんだから、これくらい覚悟しろだって?
ま、まあ、そう言われりゃそうなんだけどさ………。
とか何とか頭の中で、誰かさんへの会話をしている間(と言っても現実の時間にして0.2秒ほど)に、
長く続いた射精が収まり、俺は身体を数度震わせて、大きく息を吐いた。
射精が終わって尚、尿道に残った精を搾り取るかのように、一物を包み込んでいる肉壁が蠢き、
根元から先端に掛けてゆっくりと圧迫して行く。
「いっぱい、出した………嬉しい」
彼女がそれを感じ取りながら、下腹部を優しく摩り微笑を見せる。
今まで殆ど無表情だった彼女が初めて見せた笑顔に、俺が見蕩れる間も無く。
「―――え?ちょっ、うおっ!?」
巻き付いている蛇体が再びうねうねと蠕動し、一物を包み込む淫肉が蠢き出す。
その動きによって、萎び掛けていた一物が堅さを取り戻し、その感覚に俺は思わず戸惑いの声を漏らす。
「………もっと、欲しい」
俺の目をじっと見て、彼女が微笑を浮かべて一言。
その一言は、俺にとって死刑宣告の様に聞こえたのは気の所為ではない。
そして、再度、精を搾り取るべくうねうねと蠢き始める内壁、
竿をグニョグニョと波打つ肉壁に弄ばれ。裏筋をヌトヌトと上下する肉突起に圧迫され。
亀頭をみっちりと包み込んだ襞に揉み立てられ。鈴口を唇のような器官に執拗に吸いつかれる。
「あぐっ、うおぅぐっ!あふあぁっっ!!」
俺は悲鳴とも嬌声とも付かぬ声を上げ、
凄まじい快楽責めから逃げ出そうと、蠢く膣から一物を引きぬくべく腰を引こうとするが。
僅かに腰を引いた所で、巻き付いている蛇体がタイミング良く締め付け、逆に一物を膣奥へ突き込まされる。
じゅぐっぷじゅぐっちゅじゅぶっちゅじゅぶ
奥に突き込まされた所で、再び肉壁が蠢いて一物を責め立てる。
もう逃がさないとうねりを激しくさせて蠕動する内壁。全体を揉み解すように蠢く肉襞。
俺を射精に追い込むべく執拗に責め立てる肉突起。そして先走りの一滴すらも逃さぬ様に吸いつく肉唇。
それが一体となって、俺に狂おしくも甘美な快感を与えてくる。
「あぐあぁあ、うああぁぁっ―――んむぐぅっ!?」
その快感に身を捩じらせ、思わず彼女の身体に抱き付いた所で、
既に嬌声を漏らすしか出来なくなった俺の口を、彼女の唇がふさぐ。
「ん………ん………んんっ」
「んぐぅ……ん……んむふぅ………」
そして、俺の口内を彼女の二股の舌が這い回り、舌に巻きついてねっとりと責め立てる。
決して精を搾り取るだけではない、何処までも深い愛情のこもったキス。
その彼女の愛のこもった責めによって、俺の心は恍惚に浸りつつあった。
ぎゅっぷずじゅっぷぬじゅっぽぐじゅっぷじゅぐっぷ
一物を包み込む膣の全ての動きが激しさを増し、
粘液にまみれた襞が、既にヌトヌトになった一物へ更に愛液を塗りたくり。
内壁が緩急をつけて一物を締め付け、揉み解して上下に揺さぶり。
亀頭に纏わり付いた肉襞がぬめぬめと表面を舐め回し。
膣全体がぎゅうっと一物を奥へ吸い寄せる。
その責めによって、再び腰の奥に渦巻き始めた熱い感覚が一気に一物の中を掛け抜け、
「ん、んぐううぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」
快感で脳が焼ける様な感覚と共に、俺は彼女の舌に口内を責められつつ果てた。
3度目にも関わらず、吐き出される精の勢いは衰える事無くドクドクと中に注ぎ込まれ。
それに歓喜する様に肉壁が蠢き、奥へ奥へ精を吸いこんで行く。
「………あ、アナさん……も、もう勘弁………」
長い射精が終わり、彼女がようやく唇を離した所で。
俺は何とか咽喉の奥から言葉を搾り出した。
「だめ、もっと」
「う、うあぁぁぁぁぁぁぁぁ………」
だが、俺の懇願は彼女にきっぱりと切り捨てられ、再び責めが再開される。
もはや、この時の俺に抵抗する術は何も残されてはいなかった。
結局、この後 5時間に渡って紺田さんの愛のこもった責めを受け続けた結果
俺は心身ともに疲労困憊となり、それによって三日間寝こむ羽目になったのだった………。
※ ※ ※
「…………で、結局、蛇が苦手って話はどうなったんだ? ひょっとして、治ったのか?」
「ああ、俺もそう思ったんだけどな………苦手が治ったのは彼女に対してだけであって、
普通の蛇に対しては全然治ってなかったんだよな………」
「だから、昨日、動物園のヘビ舎まで行った挙句、勝手に気を失って倒れた訳か………」
「言うな、それは」
それから1週間後の昼休み。
俺は、学校の屋上で光喜と共に購買で買ったパンを齧りながら話していた。
………結局、俺の蛇ニガテは殆ど治ってはいなかった。
どうやら、俺のヘビを苦手とする原因は別の所にあるようだ………
やれやれ、やはりニガテを治すのは生半可では行かないんだな………ハァ
「所で、虎姐さんは如何したんだ? 何時もだったらお前と一緒に弁当を食いに来てる筈なのに………」
ふと、何時もの姿がいない事に気付き、疑問に思った俺は光喜に聞いてみると
「ああ、虎姐は今、秋季合宿、という事で女子レス部の人達と山篭りをしに行ってる所だよ」
「………え? 合宿って、女子レス部にそんな行事あったっけ?」
「それがな…………あの時、紺田先生に負けたのがよっぽどショックだったみたいでな
『強くなる為に修行に行って来る!』だとか言って、そのまま学校に許可取りつけて2週間ほど、な。
………俺としちゃあ、あれ以上虎姐に強くなられたら、付き合う俺の方が困るんだけどなぁ………はぁ」
遠い何処かを見ながら光喜は溜息をついた。
まあ、後期が溜息をつきたい気持ちも分からないでもない。
只でさえ、光喜の奴は虎姐さんから挨拶代わりに良くどつかれるからな………
そのどつく威力が上がるなんて考えたら、気分がブルーになるのも当然か………。
まあ、俺にとっちゃ如何でもいい事だが(鬼)
「なるほど………これで暫くの間はお前と虎姐さんのラブラブ固有結界を見ずに済むって訳か」
「ラブラブ固有結界ってなんだよ?………俺、そんなの何時の間に張ってたのか?」
「うん、張ってた」
「………………」
俺が笑顔であっさりと即答し、光喜は沈黙した。
「………秀樹さん」
「―――うふぉぁっ!?」
「―――ど、どわぁっ!?」
そのまま、俺と光喜がなにも言わずぼんやりと景色を眺めていた所で。
何時の間にか、俺の後ろでとぐろを巻いていたアナさんに声を掛けられ、二人とも驚きの声を上げた。
………び、びっくりさせるなぁ、相変わらず。
「………弁当、食う」
俺に向けて、弁当包みに入った弁当をすっと差し出す紺田さん。
それと同時に、なぜか光喜がにやけた表情を浮かべる。
「ヒデ、お前………この学校が教師と生徒の間の恋愛を禁止していない事を良い事に。
何時の間にか紺田先生とラブラブになりやがって………」
「待てこら、ラブラブってなんだよ!! 俺はお前と違って………」
「弁当、食わないの?」
「ほら、先生が悲しそうな目でお前を見てるぞー?
ああ、俺はもうこのラブラブ空間の邪魔したくねーなー………と言う訳で、俺は別の場所で飯食ってくるよ」
「をいこら、光喜、何を勝手なこと言って逃げ出そうと―――」
にやけた顔を浮かべてその場を立ち去る光喜を、俺が追おうとした矢先。
俺の身体へアナさんの蛇体がしゅるりと巻き付く。
「………えっと、アナさん………離してくれない?」
ぎぎぃっ、と錆付いた玩具の様に、俺が彼女の方に振りかえり掠れた声で言うが………
「だめ、パンだけでは不摂生。だから私と一緒に弁当食う」
抑揚のない声できっぱりと断られ、弁当を差し出される。
暫くの間、彼女と俺は無言で睨み合い、
「…………分かりましたよ…………弁当食いますよ…………はい」
「うん、それで良い」
彼女の無言の圧力に負けた俺は、素直に弁当を受け取らざるえなかった。
はぁ………結局、親父の思惑通りに、俺は踊らされてしまったなぁ………はぁ、くそ親父め………
ま、けど、これもこれで悪くないな………彼女、笑うと結構可愛いしな。
そう思いつつ、俺は、自分にだけ笑顔を向けてくれる彼女を横目にして、
弁当の中にある、オニギリを手に取ってガブリとかじったのだった。
―――――――――――――――――――――――了―――――――――――――――――――――――
以上です、長々と書いて申し訳無い。
尚、熊のSSの方はまだしばらく掛かる見込みですので、期待せずお待ちください。
GJでした
母さん、僕のあのGJ、どうしたでせうね?
ええ、インターネッツから擬人化逆レスレへ行くみちで、
>>450に送った
あのGJですよ
かくて自分の言ったとおり彼女にイカレてめでたしめでたしと言うわけですね。
実に逆レ、実にナイスです。
454 :
417:2007/12/03(月) 01:40:23 ID:/6Z3PL/5
GJであります(^o^)ゞ
獣人特区の件ですが、某女史の名前が出たときにニヤニヤしながら
『クロスワード最高!』って思って思わずカキコしてしまいました。
混乱を招くようなレスして申し訳ありません。
某氏が承認してくれたらそのまま掲載してくれたら最高なんだけど……
クロスワードじゃねえ、クロスワルードだったよ……orz
>>455 クロスワールドと言いたかったのだろうなぁ。
えっと…もう世界観は獣人特区で固定なのか?
獣人特区じゃなきゃだめなのか?
GJであります。エロいよ可愛いよ紺田さん。
ただ、キャラからのメタなつっこみはちょっと萎えてしまいました……
>455
……クロスオーバー?
当初からシェアードワールドとして構想されたわけではないだろうから、
作家独自の世界観として展開させていきたいという考えもあるはず。
気に入ったから、使いやすいから使わせてというのは問題じゃない?
たとえ許諾を得られたとしても、それが本心からのものかは疑わしい。
無言の期待と圧力がかかる中「嫌です」とはなかなか言えないだろう。
また、
>>422みたいな書き込みが他のSS投下を萎縮させる危険もある。
「お遊びで固有名詞を登場させただけで世界観に繋がりはありません」
と作者さんが明確に宣言するのが、事態の穏当な収拾方法だと思う。
「ご想像にお任せします」
>>426みたいな含みを残す言い方はどうかと。
書き手が自分の話だけで世界観繋げたりするのは全然おkだと思う
実際にそういう事してる書き手はこのスレにもいるし
あとは
>>460に同意かな……
えー、指摘を真摯に受けとめた俺が通りますよ………。
確かに
>>460のご指摘の通り、「ご想像にお任せします」という言い方は
かなり不適切な言い方だったと猛省しております。
問題となった文については、Wik掲載時に訂正する事にします。
これからは同じ轍を踏まぬ様に、そしてスレ住人や他の書き手に迷惑を掛けぬ様に
この教訓を心に刻み、頑張っていきたいと思います。
最後に、自分の所為でスレ住人の皆様に迷惑を掛けた事をお詫びします。
では、SS投下まで名無しに戻ります。言い訳がましいレス、失礼しました。
そもここはパロ板だし。
うほww
ごめん、意味がわからなかった…。
くまさんの悲劇再びか?
いや全然。
加害妄想と言うやつか?
470 :
464:2007/12/05(水) 15:38:11 ID:Sr6NnQei
ばりどと=バーリトゥード=何でもあり
こういうつもりで言ってみた
皆、取り合えず色々言っているより、
今はどんな擬人化動物さんに逆レされたいか妄想しようぜ!
俺はおっぱいの大きそうな牛さんだ!
じゃあ名前はスジャータ
獣の邑に近い大樹の元で、寺院から修行に来ている
かわいい僧見習いの男の子を堕落させるのが趣味。
龍と狐
>>471 ホルスタインって別名『フリーシアン』って言うそうです
そしてかなり目が悪いそうです。
つまりは、爆乳メガネっ娘なフリーシアって娘……
クマー、或いはお姉さんキャラの龍
優しげな山羊の姉さんとチワワの妹
小柄でワイルドなニホンオオカミで一つ。
やっぱぬこさまだよぬこさま
コモドドラゴンかプラナリアだな。
480 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 00:13:30 ID:Vrim++zy
狐もしくは龍に一票
巻貝。サザエとか、カタツムリとか。
・・・雌雄同体とか言うなorz
482 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 00:31:03 ID:awZRkqxa
熱帯魚というのもなかなか
オス同士でアレを武器にして闘い、刺されたほうがメスに変化すると言うウミウシが居るらしい
どう考えてもスレチだけどな
ハリネズミ
普段は背中側でツンツン
Hはお腹側でデレデレ
騎乗位しか無理っぽいけどな
変化、で掘骨砕三が最近描いてた鼠と竜の話思い出した。
竜が惚れた他種族に自分の血を飲ませて、つがいの「竜」にするの。
最後交尾してたんだろうけど、もう少し先まで描いて欲しかった。
タコ・イカの類。
ロォォォォォォルミィィィィィィィィィ!!
>485
急に気になったのだが、ハリネズミやヤマアラシってどうやって交尾するんだ?
漏れのIDなんかワロタ
いっそのこと、シャナ的に徒娘とかが良いわ。メアとかティリエルとかフィレスとかチェルノボーグとか
『人化』したアルラウネとかレライエとか。
スマソ。レライエは既に『人化』してた。
>>485 『ハリネズミのジレンマ』を思い出した。
あれでなんか話が書けそう。
AVP2公開間近でここにも燃料投下か?
>>494 じゃぁぬこさまのネタでも投下させてもらおうか・・・
うちの従兄弟んちのぬこなんだが・・・
小型犬並の大きさなんで、犬用のリードをつけて散歩してるんだ
で、家の中では結構臆病
飯時、足にじゃれ付いてくるけど、ちょっと動かそうものならビビッて逃げ出す始末
でも、ぬこ様らしくなくて犬のようにゴロゴロまとわりつくんだ。
家から逃げ出しても飯時には必ず帰ってくるしぬこらしくないぬこさまってどうよ?
>>495 つまり食いしん坊のちょいポチャ巨乳、さらに甘えん坊なぬこさまとなw
ちなみに声はぽんこつっぽいなw
>>497 ぬこさまの名誉にかけて言っとくけど、デブじゃないのね。
スタイルは普通のぬこ。
人間でたとえれば背が高いから体重も重くなるって感じで・・・
食いしん坊でスレンダーな長身きょぬーで甘えん坊なぬこさまってことでFA
教授厨おつ
ぬこぬこ
>>498-499 俺の中の教授が『書けっ!お前の心のリビドーの限り書くんだっ!』って囁かれて
何時の間にメモ帳を開いて書いている俺が居る。
…………が、明日は早朝から仕事なもんでそろそろ寝なくちゃならん。
と言う訳で早くて明日の深夜辺りに出来るかと思う。期待するな!
504 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 06:08:31 ID:GWQhNWwf
>>503 だが断るッッッッ!!
目一杯wktkさせてもらおうッッッ!
ついに教授が報われる日が来るかw…wktk
教授って誰だよ
何でそんなマンセーしてんの?
レッサーパンダ娘
押しかけ山猫蛇娘
>>509 虚乳少佐も忘れるな!確か最後は司令官だっけ?
>>511 つまり妻に先立たれた中年に振り向いてもらおうと必死な新妻でおk?
>>514 犬とかと一緒で成熟するのが早いんじゃね?
>>515 それでも自分の娘、下手したら孫くらいの年齢差だぞ
つまり、ナイスミドルなオジさんが高校生(下手すりゃ中学生)の女の子を奥さんにするような物ですね?
いや、ここのスレ的に言えば逆か。
女子高生の子が自分の親よりも年上の人にアタックする訳になるか………
小学校高学年レベル・・・。
519 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 07:38:41 ID:Glz5srvp
あれ?スレタイ通り読み解けば、『擬人化した♀動物』が『♂を逆レイプする』訳だから、♂は人間でなくてもいんじゃね?
この記事で一本書いてみるか…
擬人化したガチムチな♂動物が逆レイプする【九匹目】
>>523 それじゃ前進筋肉質のガチガチ娘マンセーになってしまう
>>525 わかってる。
だけどさ、男→女がレイプで、女→男が逆レイプ。
じゃあ漢→男は何レイプだ?と疑問に思って逆レイプのままにしておいたんだ
♂同士はスレ違いどころか板違いじゃないのか?
>513
おっかけてるのは中年の方じゃないのか?
529 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 05:12:12 ID:5854Wo1e
>>528 記事を見る限り振り回されて苦悩してるのは♂らしいから逆レイプでおkじゃね?
スレ違い板違い
僕のししょう
僕のししょうは龍の人です。ししょうはとても優しいけど、怒るととても怖いです。
ししょうの頭には二本の角が生えていて、まるでアオジシのようでかっこいいし、尻尾もウロコがついていて強そうです。
お風呂に入るとししょうはいつも大変そうに角や尻尾を洗っているので、僕も手伝っています。
あと、時々お母のにおいがします。ししょうは本当のお母じゃないけど、お母です。
僕は大きくなったらししょうのように強くて優しい人になりたいです。
ろ組 刀刃斎
「なんだこれは?」
碗によそう夕げの香りが立ちこめる中、紙から目を上に向けると刀刃斎は笑いながら答えた。
「今日、お寺さんで書いてきたんだよ。親について書けって言われたから。」
「なるほど…しかしそなたの親御は余ではあるまい?…っと、ありがとう。」
問い掛ける先に差し出された碗を受け取り、返しに茶を互いの湯のみに注ぐ。
「ん〜だって、ししょうは僕のもう一人のお母だから♪
そうそう、今日は大根の葉の雑炊だよ!隣りのお春婆ちゃんがくれたんだ〜。」
あっけらかんとしたその答えは私を呆けさせるに十分だった。
「…そ、それはそうとして、お春の小娘には礼を言わないとな。」
では、いただきます…熱っ!
「だ〜はっは!それで舌を火傷したってのか。全くお前らしいなあ!」
バンバンと床を叩きながら笑い転げるこやつ、普段なら一発お見舞いしたい所だが…。
「う、うるひゃい!余はなんろも思っれはほらぬわ!」
「そうかいそうかい。くくくっ…」
必死で笑いをこらえているのか、頭の犬耳は震え、尻尾はぶんぶんと忙しなく振られている。
柴犬の神、犬神奈々は私の強敵(とも)であり我が家を訪ねてくる神衆の一人だ。
犬神は野良犬の神も兼ねているためか、一カ所にとどまらずあちこちを旅している。
「れ、こんろはろこにいっれきらんら(どこに行ってきたんだ)?」
「四国八八ヶ所を巡ってきたぜ。四国はいいね〜!飯はうまいし景色はいいし、男もおいし…まあその話は坊主が帰ってきてからかな〜♪」
「ば、ばかものっ!刀刃斎に要らぬ知恵を吹き込むでないっ!」
ぼんっと頭から湯気が出た気がした。
「なんでだよ〜?坊主はきっとイイ男になるぜ?今からちゃんと知識を付けておけばいざ、交わる時に…」
「皆まで言うな〜!あやつは余の…余の…!」
「ただいま〜!ししょ〜稽古しよ〜!…あ、犬神のお姉ちゃんこんにちは!」
…空気が凍りついたのは余の周りだけだろうか。
「刀刃斎〜久しぶりだな〜!3ヶ月ぶりか?ますます可愛くなったな!まあまあ、まずはウチと一緒に風呂でくんずほぐれつ…」
くんずほぐれつって何〜?と、きょとんとしている刀刃斎の手を引っ張っていく。
「こんの犬神ぃ!そなたの言葉には邪念しか感じられぬわ!刀刃斎はいつも余と風呂に入っておるのだ!なあそうだろう!?」
こくりと頷く刀刃斎。ふっ…勝ったな。
だが、奴は奥の手を繰り出した。
「今なら耳と尻尾、触りほうだい…」
勝ち誇ったように笑う奴の顔は忘れようもない。
「え!ほんと!」
きらきらと目を輝かせる刀刃斎の先にはふさふさ尻尾、ふさふさ犬耳。
「ああ、今日はお触りおっけー♪なんなら別の所も触ってもいいんだよ…」
「別?」
「うん…例えばウチの(ry」
「わーっ!わーっ!刀刃斎、今日は余の尻尾と角もお触り…おっけーだぞ!」
刀刃斎の手を取り叫ぶ私は鬼気迫る勢いだったのではなかろうか?
「んと…じゃ〜ししょーと、犬神のお姉ちゃんと、僕の三人で入ろ!」
再び凍りついた空気、やがて飛び散る火花。
風呂場はてんやわんやの大騒ぎ、結局仲良く床に就いてしまった。
「刀刃斎〜久しぶりだな〜!3ヶ月ぶりか?ますます可愛くなったな!まあまあ、まずはウチと一緒に風呂でくんずほぐれつ…」
くんずほぐれつって何〜?と、きょとんとしている刀刃斎の手を引っ張っていく。
「こんの犬神ぃ!そなたの言葉には邪念しか感じられぬわ!刀刃斎はいつも余と風呂に入っておるのだ!なあそうだろう!?」
こくりと頷く刀刃斎。ふっ…勝ったな。
だが、奴は奥の手を繰り出した。
「今なら耳と尻尾、触りほうだい…」
勝ち誇ったように笑う奴の顔は忘れようもない。
「え!ほんと!」
きらきらと目を輝かせる刀刃斎の先にはふさふさ尻尾、ふさふさ犬耳。
「ああ、今日はお触りおっけー♪なんなら別の所も触ってもいいんだよ…」
「別?」
「うん…例えばウチの(ry」
「わーっ!わーっ!刀刃斎、今日は余の尻尾と角もお触り…おっけーだぞ!」
刀刃斎の手を取り叫ぶ私は鬼気迫る勢いだったのではなかろうか?
「んと…じゃ〜ししょーと、犬神のお姉ちゃんと、僕の三人で入ろ!」
再び凍りついた空気、やがて飛び散る火花。
風呂場はてんやわんやの大騒ぎ、結局仲良く床に就いてしまった。
「おい…起きてるか?」
「余は眠いのだぞ…なんだ。」
傍らにはスヤスヤと眠る刀刃斎。
心底満足げな寝顔で、うわ〜柔らかい〜ふさふさ〜とか、ししょうの尻尾とウロコは体洗うのにちょうどいいね…などと好き勝手言っている。
「四国も行く先々で戦ばかりだったよ。全く、人間はどうしてこうも争いばかりするんだろうな?」
「人は種族では無く、個体で生きている。だから人は争い、寂しがり、寄り添わなければ生きていけないのだと…余は思うようになった。」
夏の夜風が部屋の熱気をさらっていき、虫の声がにわかに賑やかさを増す。
「四国で出会った狸の長に言われたよ。自らを憎み、傷付け、殺す事ができるのは人間だけだとさ。」
「では…我らが自ら命を絶てば人間に近付けるのだろうか?」
無音の静寂が床を包み、応えの代わりに寝息が聞こえてきた。
犬神は一週間ほど寝泊まりしていたが、やがて鎮西に行くと言ってふらりと出ていった。
「ししょーっ!お寺さん行ってきまーす!また後でね!」
「ああ、気を付けてな。」
いつからだろう?私の顔に自然な笑顔が浮かぶようになったのは。
空はうららか良い天気、そして初めての参観日。
どれ、腕を奮ってあやつのお弁当を作るか。
続く
おもしろいねぇ、GJ
このスレの神キタ――!
くまさんGJ!!
最後のシリアスな展開がヨカタ(`・ω・´)
<ナイルなティティス>2
「ちょっ、な、なんだ、お前ら……」
俺は、突然現れたティティスが、ゴスロリ少女とにらみ合っているのに慌てた。
二人の間に流れている空気は、一触即発ってやつだ。
ティティスがこれほどまで誰かに対して険悪になるのは珍しい、というか、はじめて見る。
ティティスは、俺以外の人間からはおおむね好かれている。
「わらわはナイルの女王じゃ」とのたまう尊大なジャリは、
普通の人間がやったら鼻持ちならないのだろうが、
そこは本物の威厳と言うか、血筋と言うか、なんとなく、それが許せる雰囲気がある。
ノーブレス・オブ・リージュというやつなのか、
その態度を取るのにふさわしいだけの責任を、こいつは自然に果たしている。
猪突猛進──あ、こいつはワニか――だが、行事ごとではクラスをちゃんと引っ張っているし、
皆がやりたがらないことも、さりげなく片付けている。
それでいて、本人が底抜けの馬鹿で明るいから、ティティスが、
「わらわが一番偉いのじゃ!」ときいきい声をあげて叫んでも、
まわりのクラスメイトは苦笑して頷くだけだ。
だから、こいつが、こんなものすごい剣幕で誰かを睨みつけるような事態に遭遇したことはない。
「あら、──ナイルのお嬢ちゃん」
ゴスロリ少女は、白いマスクの下でくすりと笑った。
口元が見えないのに、におい立つような優雅な微笑みが俺の目にははっきり見えた。
ああ、ティティスとは月とすっぽんだな。
こりゃ、あれだ。
ティティスのほうは、顔を真っ赤にして
(じょ、じょ、嬢ちゃんとはなんじゃ、無礼者! わらわはナイルの女王なるぞ!)
とでも叫ぶだろうな、と思ってあいつのほうを見た俺は凍りついた。
「我が背(せ)から離れるのじゃ」
ひとことだけ、静かにことばを放った小さな人影は、
……俺の知っているジャリのものなのだろうか。
「あら、このお兄様、あなたの素敵な人?」
ゴスロリ少女は微笑みながら聞き返した。
ほんのちょびっと、絶妙にブレンドされた、からかうような調子。
男の子なら、異性のそれにコケティッシュを感じるだろうし、
女の子なら、同性のそれになにか反発するものを感じるだろう。
そんなタイミングと声音のひとこと。
だが、ティティスはそれに対して無言だった。
「……ふうん」
ゴスロリ少女が、また笑った。
「……いいのよ、ティティス。私はここではじめちゃっても……」
鈴を転がすような声。
何を「はじめる」というのだろう。
お茶会?
おままごと?
それとも何か別の、女の子らしい遊び?
その声を聞けば、誰もがそうイメージするだろう。
しかし──。
ずしっ。
校舎裏の、未舗装の土に、ティティスの上履きがめり込む。
まるで体重何百キロの巨獣のもののように、ティティスは無言で一歩踏み出した。
「ちょっ、お前、上履きのまま……」
話題を変えようとした指摘は、無視される。
ぞくり。
俺の背中に何かが走った。
いままで余裕でからかってきた少女が、まるで別物に変わったかのように。
「……お、おい……」
俺は思わず間に入ろうとした。
だが、足が動かなかった。
「……あれ?!」
足元を見る。──震えていた。
「何だ、これ……」
自分より30センチも背の低い、小さな女の子たち。
その二人のにらみ合いですくむ自分の足を、俺は呆然と見つめた。
「……下がっておれ」
「そうね。そのほうがいいわよ、お兄様」
ティティスとゴスロリ少女が、ささやくように言った。
──そう、したかった。
でも、それさえもできずに立ちすくんだとき、後ろから、声がした。
「……そこの二年生たち、さっきから……うるさい」
「!?」
二人の少女がぱっと後ずさった。
声は、校舎の裏口からした。
「わ、“鰐淵”!?」
ティティスが声を上げる。
「鰐淵先輩……」
俺は、校内最強クラスと呼ばれるイリエワニの獣人娘の名前をつぶやいた。
「……」
鰐淵先輩は、ふらふらという感じでドアから出て、まっすぐ俺たちの前を突っ切った。
ティティスと、ゴスロリ娘の前を、どこに焦点があっているのかわからない瞳が通る。
それだけで、憎悪をむき出しにしていた二人の間の空気が、流れた。
なくなったわけではない。
強いとか、弱いとか、そういうものとはまた違った、存在感。
それに流されたのだ。
無言で通り過ぎる美しい長身に。
「ぐうう……」
ライバル視している先輩を睨んで、ティティスが低くうなった。
ゴスロリ少女に背を向け、同種族の美女に挑戦的に向かい合う。
「……鰐淵ぃ〜〜!」
「……何?」
鰐淵先輩が振り向く。
「つ、つがいを見つけたからといって、いい気になるでないぞ。
わらわもすぐに追いついて、先に卵を産むからのう!」
言い切って腕組をし、40センチ以上も背の高い相手をにらみつけたティティスは、
──いつものティティスだ。
「……貴女、ギャグのセンスあるわ……」
鰐淵先輩は微笑んで、歩み去った。
「うぬうううううーーー!! 勝者の余裕のつもりかえぇぇ!!
つがいができたくらいで偉そうに!!」
ティティスは地団太を踏んで悔しがった。
王族の気品など、どこにもねえ。
「ええいっ、わかったか、我が背。こういうわけじゃ!!
われらも早くまぐわって、きゃっつめより早く卵を作らねばならぬ、迅(と)く、来よ!」
「どこにいくつもりだ、どこに?」
「ら、ら、<らぶほてる>とやらに、じゃ!」
「却下」
「なぜじゃああああーーー!」
まるっきり、いつもの会話。俺は、なぜかほっとした。
「……とんだ邪魔が入ったわね」
いつの間にか、ゴスロリ少女は俺の後ろに立っていた。
俺の肩越し──正確には、脇の下か?――に、ティティスを見つめる。
「貴女とは、<論争>の決着をつけなければならないわ。そのうちにね」
そして、少女は俺のほうを見て笑った。
「お兄様にも、あらためてご挨拶いたしますわ」
「貴様……!!」
ティティスが何か言おうとするよりもはやく、少女は背を向けて歩き出した。
「……っと!」
それを呆然と見送ってから、俺は我に返り、その場を走り去った。
「あ、こら、待ちゃれ!」
一人残されたティティスの声を後に残して。
──翌日。
俺は、オセ……おっと、リバーシゲームの<64モーグリ倶楽部>へと急ぐ途中、
灰斑恵那(はいぶち・えな)につかまった。
新聞部と<水辺でお昼寝倶楽部>を掛け持ちするハイエナ獣人娘は、
今日は前者の活動中らしい。
「ちょっとちょっと、あんた、ティティスと龍那の対マンに出くわしたんだって?」
誰から聞いた、そんなこと。
待てよ、龍那って、あのゴスロリ娘のことか。
「そうよ、薦戸龍那(こもど・りゅうな)。2年のコモドドラゴンの獣人娘」
……こどもドラゴン?
思わずそう聞き返してしまうくらい、ゴスロリ少女は小さかった。
「コモド! コモドオオトカゲよ。コモド島に棲む最大最強のトカゲ」
「ふうん」
ティティスと同じくらいの背丈の女の子が最大最強種の獣人と言われても、ぴんとこない。
まあ、ティティスも最大最強クラスのワニの獣人娘なのだが。
「対マンたって、ティティスが突っかかって睨みつけてただけだ。
というか、それがそんなに大事なのかよ?」
メモを取り始めた恵那を呆れて眺めながら俺は言った。
「わかってないわね、あの“龍那”とあの“ティティス”の対マンよ。
学園新聞の1面トップ物よ!!」
「そんな馬鹿な」
女子小学生と見間違うばかりの二人のにらみ合いが、読めば100日話題に困らないといわれる
学園紙のトップ記事になるとはとうてい思えない。
──俺は、昨日感じた足のすくみのことをちらっと思い出したが、それを飲み込んだ。
身についた常識の感覚というのは、めったなことではひっくり返らないものだ。
「だって、鰐淵先輩の“引退”後の“ワニのトップ”と、“トカゲのトップ”よ。
<獣王戦争>が、また復活するじゃないかもしれないじゃん!」
興奮したように叫ぶ恵那に、俺は仰天した。
「<獣王戦争>!? まだ続いてたのか、そんなもん!?」
「種」が異なる獣人たちの集う<特区>。
その中でも若くて未熟な子供たちが通う<学園>は、
ともすれば「異種族」たちの文化がぶつかり合う闘争の場と化す。
獣人と純血種、男子生徒と女子生徒は、文化以前に本能によって、
<本気の対立>が為されないが、同属同士、同性同士の争いは尽きない。
いわく、<壱年戦争>。
カラス系の獣人たちが初等部一年入学時に行うという
「誰が群れの中でリーダーなのか」を決める伝説の<クラス会長>の覇権争い。
いわく、<聖軒戦争>。
<学園>内に10軒あるラーメン系学食のどこが一番美味いのか、
それぞれのひいき客が、店とは全然関係なく争って、勝手にランキングを決めるという争い。
去年はトンコツ醤油の<風林火山軒>を推した某河馬獣人の先輩が圧倒的な腕力で勝ち進んだという。
いわく、<女難戦争>。
伝説の巫女服<マサキマキの“まとい”>をめぐって争う、プール南エリア女子寮真夜中の陰惨な戦い。
最後にその巫女服を押し付けられた女生徒は、妖怪マサキマキの呪いで、
女性にしかモテなくなり婚期を逃すという、恐ろしい事態に陥る。
その中で、もっとも危険で激しい抗争のひとつに挙げられている争いが、
ワニ系獣人とトカゲ系獣人との間の<獣王戦争>だった。
もともとは、<獣王論争>と呼ばれていたこの争いは、その名の通り、最初は論争だった。
ある伝説的なマンガの中に出てくる<獣の王>が、ワニ族なのか、トカゲ族なのか。
その論争は、やがて過熱し、爬虫類を代表する二種族間の大きな火種となった。
<ピンク色のかませワニ>と呼ばれた獣の王は、しかし、ワニの姿をしながら、
公式設定では「種族:リザードマン」とされていたからだ。
古参の読者からは「ヘタレからヒーローになった副主人公の魔術師」に次ぐ人気を博す偉大な獣王を、
どちらの種族も自分たちの眷属と見なしたがった。
初等部の子どもたちが、帰り道ではじめた言い争いが、
数百人単位の大規模闘争に発展するのに要した時間はわずか二日。
そして、その火種は今でも続いている。
「今まで、ワニ系獣人のトップはそういうことに興味がない“鰐淵”先輩だったんだけど、
あの女(ひと)、つがい作って“引退”しちゃったから」
<学園>の不文律。
「つがいを作った生徒は、揉め事に参加しない。また周囲も参加させない」
それは、子孫を残せる貴重なチャンスを見つけた同種への配慮。
純血種と獣人の間の新しい生命は、<超人類>の誕生に賭ける全人間の宝であるからだ。
鰐淵先輩は、部活で見つけた後輩とつがいになった。
それは、彼女を鰐獣人の代表的存在からの“引退”を促すことになる。
その座を追うわけではない。
<獣人の子どもたち>は、<成熟し、子孫を残す能力を持った女性>を認め、
一段高いステージに送り出すのだ。
彼女が、わずらわしい争いにかかわって卵を産むチャンスを逃さないように。
そして、鰐淵先輩が去った後、ワニ獣人の代表は、ティティスになった、というわけだ。
「なーんで、あのチビがなるかなー」
俺はつぶやいたが、まあ、獣人には獣人なりのルールがあると言う。
あんな運動神経のないチビでも、名ばかりの盟主にはなれるのだろう。
まがりなりにも、イリエワニと最強の座を争うナイルワニのお姫サマなわけだし。
「……ばっかみたい」
俺の納得を、恵那は一言のもとに否定した。
「へ?」
「あの娘、めっちゃくちゃ強いよ。マジで鰐淵先輩に紙一重。同い年だったら多分互角」
「へ???」
「“怖い”のよ、あの娘は……」
「ちょ、ちょ、あのチビが……?」
「“背丈”だ、なんだの問題じゃないの。ナイルワニの恐さは“理屈”じゃないのよ……」
新聞部の敏腕記者(自称)のことばは、俺を混乱させた。
「……でも、龍那も強いわよー。喧嘩の“技術”なら一等賞かも。
それも怪物並に“タフ”なのよ、あの娘。
獲物を何日でも追い掛け回して牛でも鹿でもスタミナ勝ちしちゃうご先祖持ってるんですもの」
「ちょ、待て、お前。あの娘が怪物並だって?」
俺は笑おうとした。
いくらなんでも、そりゃ無理があるって……。
「まあ、信じないのなら、信じなくていいわ。純血種にはあんまり関係のないことだし」
恵那は、ふくれっ面をしてそっぽを向いた。
もともと<帝都スポウツ新聞>並みに情報が怪しく、
拡大解釈と捏造については<ユウヒってる>といわれる学園新聞の記者だ。
話半分どころか、100分の一くらいに聞いておいたほうがいいだろう。
俺は、しつこく話を聞いてくるハイエナ娘をあしらって別れた。
部室のある校舎に入ろうとしたとき、
「――あら、お兄様、奇遇ね。」
後ろからかかる声。
鈴を鳴らしたかのような可憐な声は、昨日のゴスロリ少女。
薦戸龍那だ。
「あ……」
「ふふふ、昨日約束しましたわね。あらためてご挨拶するって。
──少し、そのあたりでお話しませんこと?」
そう言われて、俺は反射的に頷いた。
なぜ頷いたのかは、自分でも分からなかった。
ティティスと同じくらいの背丈とプロポーションを持つの少女は、
大人の女が好きな俺には全然魅力的でないはずなのに。
だが、現実に俺は、まるで魅入られたように、
返事も待たずにくるりと背を向けた彼女の後を追って、
学校内の<公園>地区に足を踏み入れた。
「うふふ、寒いですわね、お兄様。こういう日は、
こうして温かい缶を持って、日向ぼっこするのが一番」
たしかに、冬が秋を駆逐する季節の風は冷たい。
だが、ホットの烏龍茶の缶を両手で抱えた南国種のオオトカゲの獣人は、
ことばほどは寒そうではなかった。
「お兄様って……タメ年だろ……」
俺は、なぜかどぎまぎとして答えた。
「うふふ、同い年でも、私より背が高い男(ひと)はそう呼ぶことにしてるの」
龍那は、そう言って笑った。
白いマスク。
その下に隠されているのはどんな美貌なのだろう。
あるいは──。
(ごくり)
先ほど恵那から聞かされた話を思い出して俺はちょっと震えた。
トカゲ獣人は、ワニ獣人、ヘビ獣人と並んで爬虫類の中で「強い」ことで有名だ。
派閥として大きいだけでなく、個々の獣人が強く、しかも執念深い。
この娘(こ)も、「そう」なのだろうか。
──くすり。
ゴスロリ少女が笑った。
「気になります? このマスク」
「え……あ、いや……」
龍那は、別のことを想像したようだった。
「私、ちょっと特別な体質なので普段はこれをつけているのですが、
……お兄様には素顔見せても、いいかな?」
美貌の下半分を覆う白いマスクに繊手がかかる。
するり。
下から現れたのは──想像どおり、いやそれ以上の美貌。
獣人らしく、鋭く大き目な八重歯はあるが、
牙も生えていなければ、耳元まで裂けた口があるわけでもない。
ゴスロリにどこまでも映える、整った少女の美貌だった。
「あ……」
「うふふ、ふふふ。何だと思いました? 私の素顔」
「い、いや……」
少女にすっかりペースを握られていることに気がついたけど、どうにもならない。
くすくすと、龍那が笑う。
ティティスとは比べ物にならない、上品さと可憐さ。
心を惹かれはじめているのはそれのせいだろうか。
俺は、烏龍茶の缶を弄(もてあそ)ぶのをやめ、プルトップを引き開けた。
いい匂いが冷たい空気に溶け込む。
ゴスロリには紅茶、と思っていたが、
こうして眺めてみると、烏龍茶も貴族趣味があってお似合いだ。
まあ、缶だからどちらにせよ風情はないけど。
そんなどうでもいいことを考えたのは、視線が、
マスクを外して見えるようになった龍那の桜色の唇に吸い付いて離れないからだった。
「いやなお兄様。何をじろじろ見ているのです?」
龍那がこちらを見据えた。
「え……、あ……」
焦る俺を見て、龍那はくすりと微笑み、そして烏龍茶の缶を差し出した。
「はい」
「……え?」
「一口だけですよ?」
「ちょっ……」
「のどが渇いているのではないのですか?
私が飲んでいるのをじろじろご覧になってたのは……」
「あ……うん」
なんとなく、やましい気持ちをごまかせた感じになって、俺はその缶を受け取った。
……間接キスだ。
意識しないように、そして意識させないように、俺は烏龍茶の缶に口をつけた。
「一口だけですからね……」
龍那が念を押す。
「分かってるよ……」
温かい液体が、口の中を、そしてのどを通っていく。
どこかに甘い香りがしたのは、ゴスロリ少女の香りだろうか。
そして俺は
──嘔吐してのた打ち回った。
「うふふ。一口だけにしておいてよかったですわね、お兄様」
頭上から、龍那の声がした。
「私、コモドドラゴンの獣人なんですよ。口の中に致死性のバクテリアを持つ。
だから、私にキスをしたり唾液を飲んだりしたら死にますし、
飲みかけ──これは唇を軽く押し当てただけですけど──
のお茶を飲めば、そうして死ぬ一歩手前で悶え苦しみます。
だから、私はくしゃみで飛んだ唾でまわりの人たちが死なないように
いつもマスクをしているのですよ。さて……」
龍那は、急速に意識が薄れ出した俺を片手でひょい、と担いだ。
「ここまでやってしまったら、我慢強いティティスも喧嘩を買わざるを得ないでしょう。
なにしろ、たったひとりのつがい候補を人質にされたのですから……」
ゴスロリ娘は、そのために禁忌を犯したのか。
失神する寸前、俺はティティス、とつぶやいたような気がした。
だが、すぐに意識は闇に閉ざされた。
ここまで
とりあえず女難戦争に突っ込みたい。
よそのスレで書いたネタだったら申し訳ないけど。
いよっ、待ってました!
獣王戦争ワロス あのオッサン、一部ではヒロイン属性持ち、とも言われてましたっけ。
そういえば、ナイルワニって夏眠(?)しますな。
壱年戦争でカラス系ってテラ鈴蘭ww
あとユウヒってるってw
あいかわらず小ネタが豊富ですな。
神の投下ラッシュキタ
いつまで経っても続き投下しない書き手はくまさんやゲーパロ氏を見習ってほしいものだ
さすがゲーパロ師、黄金のワニ系獣人Jrとかではなく,
聖軒戦争とは渋い!
でも妖怪マサキマキの呪いなら
「女性にしか興味を持てなくなり婚期を逃すという、恐ろしい事態」
では?
洋上のくまさんといいゲーパロ氏といい、これはいいGJ
tesuto
ゲーパロ氏は書き慣れてるだけあって世界観やキャラ設定や小ネタの使い方がうまい
読んでいて楽しいし、普通にラブコメで漫画化できそう
くまさん氏は世界観や設定が毎回独特でほんわかする部分とシリアスな部分の分け方が上手
ただ高確率であまり報われない終わり方…
つまり他のやつは駄目だと言いたいんだな?
>>545 >風林火山軒
来週、最終回ですな。
GJ !!
561 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:58:19 ID:fpOGg0tE
続きはまだかー!
作品を途中放棄と思わせといてふらっと職人が帰ってくるのがこのスレの常。
某宇宙犬なんてどんだけ間隔が空いたことか…
少し気になったので指摘。
>ノーブレス・オブ・リージュ
noblesse・obligeが正しいかと。英語ではなく仏語由来です。切り方が違うだけで意味は間違ってないと思います。
続きwktkしています。
くまとゲーパロ以外も投下していいのか?
それとも↑の専用なのか?
そろそろ小話が読みたい
自分では書けないものの
>>567 壱年戦争と獣王戦争はわかるが、
後の二つがわかんね。
>>565 ゲーパロ氏やくまさんを越える作品なら投下してもおk
>>565 投下一向に構わない。
ただGJがつくかスルーされるか叩かれるかは作品次第。
ゲーパロ氏とくまさんは単純に何作も良SSを投下している馴染みの職人さんというだけ。
572 :
565:2007/12/11(火) 12:15:23 ID:jnKWJYhC
そうなのか
でもなんか投下しづらいし自重して別スレいくわ
なんかサーセン
>>570 お前、何様?
そう思うんだったら自分でスレ立てて職人呼べよ。
『
>>570に選ばれた人のみが書くことを許されたスレ』って。
変なのに構うヤツも変なのと同類だぜ
ここが○○専用だと本気で思ってるようなのもな
>>569 <聖軒戦争>は、”風魔の小次郎”だとおもう
光あるところに影がある。
「死ぬことと見つけたり」と伝えられる武士道、その対は「人の命より重いものはない」と説く。
それぞれの土地で気候風土に合わせて磨かれたことから、地名を冠して呼ばれる。
中でも厳しい冬を越さねばならない、今の東北地方で発達した一派が最強であり、名を陸奥延命流と言う。
遡れば、奈良、平安まで辿ることができ、義経がモンゴルへと落ち延びる際、ともに海を渡ったとされる。
そのままシルクロードをヨーロッパまで伝わったのち、貴族階級を支えたとも。
一門に名を連ねるものの中に後のクリミア戦争の看護婦 某 がいるそうである。
当代の当主はセントバーナードの獣人、ましろ。
女だてらに我らがライフセイビング部のエース。
何を隠そう、俺の幼なじみである。
申し遅れたが俺の名は,はじめ。
漢字で書くと「一」の横一文字だ。
さっきから,ましろはビーチフラッグスの練習中で砂まみれだ。
名前の由来となった真っ白な毛並みも薄汚れている。
唯一、俺が勝てる種目なので、あまり練習してほしくなかったりする。
----
というのを考えたがどうか?
この後、競技に勝ったましろが襲いかかるが拒まれ
「はじめと一緒にならなければ百になれない。」
「私は99なの。」
というところが山の予定だったが、たどり着くだけの才能がなかった。orn
特定の職人専用のスレなんて存在するわけないだろうに。当てつけかよ。
>578
「修羅の門」「修羅の刻」バロス
しかしornってどんな体勢なんだ? orzなら土下座or落ち込んでるってカンジだけど。
きっと尻尾がついてるんだよ
orn
↑400%エヴァ初号機の四つん這い歩行と桃割れ
なんか蚊がいる・・・
俺の血で越冬する気だ
>>569 説明せねばなるまい。
>> 聖軒戦争
・車田正美がジャンプで連載していた「風魔の小次郎」の「聖剣戦争」と思われる
・車田正美は「リングにかけろ!」で有名
・聖剣は10本の木刀
・風林火山は小次郎が使用するもの
>> 女難戦争
・ゲーパロ師のセルフパロと思われる
・元ネタはHRスレに投稿された産姉妹シリーズの次女編に出てくる正木真紀
・産姉妹自体がプレステ用ゲーム「ぼくのなつやすみ」のパロ
・正木真紀が流鏑馬で巫女の格好で騎射する場面がある
・正木真紀は星華ねぇという女性に一方的に惚れている
でも、そもそも「ナイルなティティス」ってところから説明しないと・・・
ちなみにオレは「獣王戦争」ってわからんので、教えてほしい。
ガンダムも全然知らんし。
>>586 車田正美なら「リンかけ」よりも「聖闘士星矢」だろ。
>「獣王戦争」
・元ネタは「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」に登場する「獣王」クロコダイン
・詳細は本文参照。外見はピンクのワニだが、キャラのパラメータでの表示は「リザードマン」
後は「壱年戦争」だが、誰か頼む。
<壱年戦争>
月刊チャンピオン「クローズ」の「一年戦争」。
舞台となる不良高の名物で、春に入学してきた一年生たちが同年代最強の座をかけて争う。
「クローズ」は今年映画化もされた。現在は続編の「ワースト」が連載中。
<聖軒戦争>
週刊少年ジャンプで連載された「風魔の小次郎」の「聖剣戦争」。
主人公と敵側が10本の聖剣を持って争う。主人公の聖剣が風林火山。
<女難戦争>
週刊少年マガジンで連載された「湘南純愛組」の「湘南戦争」。
伝説的暴走族「暴走天使」初代総長の真樹(まさき)京介の特攻服(マトイ)をめぐって主人公と敵が争う。
これにセルフパロで「僕の夏休み」シリーズのレズ女「マサキマキ」の巫女服をかけた。
<獣王戦争>
週刊少年ジャンプで連載された「ダイの大冒険」のクロコダインのこと。「戦争」に該当することばはない。
鰐頭の獣人(リザードマン)だが、作中もファンの間でもワニかトカゲかの論争はされていない。圧倒的に「ワニ」として認識されているはず。
<ナイルなティティス>
実写特撮少女変身もの「不思議少女ナイルなトトメス」。
サンデーのこと……時々で良いから
>>588 >><壱年戦争>
機動戦士ガンダムかと思ってた orz
どうりで、説明されている学園の状況が、ガンダムに全然あてはまらんわけだ(w
師匠と聞くと東方不敗を思い出すのは俺だけか?
ティティスと龍の師匠は間違いなく超強気w
それはそうと、すっかり投下が減った気がする、特定の書き手以外の
みんな冬眠してるんじゃね?
それはそうと保管庫も更新しないとなー
てすと、自分のID確認したい
スマソ。
他にわかるとこの解説
キャット空中三回転
・アニメの「いなかっぺ大将」の主人公、風大左右衛門(声:野沢雅子)のわざ
・投げられても回転して立つ
・師匠のにゃんこ先生(直立歩行して日本語で会話できる猫:声は愛川欽也)から伝授された
ティティス
・Tethys あるいは Thetis のどちらかであると思われる。
・Tethysはウラノスとガイアの娘で海神。オケアノスの妻でティタンの一人。ヘラ(ゼウスの妻)をクロノスから匿って育てた。
・Thetisはネレウスの娘。海の精霊でアキレスの母。
・いずれもギリシア神話に由来する。エジプト神話ではない。
・また両方とも海に関係する神格であり、淡水に生息するナイルワニの名前としては・・・
ところで64モーグリ倶楽部の元がわかんない。
モーグリはジャングルブックしか浮かばないので
元ネタ考えるのとか解説とか、そろそろやめといたら?
新規者とか投下しづらくなるんじゃね?
>>595 <64モーグリ>
週刊ヤングジャンプ連載の「ハチワンダイバー」という将棋マンガ。
9×9=81マスの将棋盤に「潜って」戦う、という意味の主人公のあだ名&タイトル。
オセロ盤は8×8=64マス。
主人公の敵の組織は「鬼将会」。「白黒ショー」はストリップで男女のカラミを見せるショーのこと。
<通称、海苔屋〜でもマタタビだけは勘弁な。>
海外ドラマ「特攻野郎Aチーム」のOP、コングの自己紹介セリフ。
何この流れ
何だか、漫画板でむかしあった西川魯介スレで
魯介の単行本が出るたびに
ディープなヲタ(アニヲタ、軍ヲタ、ゲーヲタ、その他文系理系問わぬ雑学ヲタ)たちが
全編のパロディの元ネタを洗い出ししていたのを思い出した
このスレは元ネタ解説厨に制圧されました
とりあえずネコマタさんとにゃんにゃんしときますね
制圧しました
だから紺田アナはオレのもの
今朝冬眠前のリス系の獣っ娘複数に巣に連れこまれるって夢をみた。 冬対策なんだろうか?
今日、教室でハエトリグモが散歩してたのですよ。手に乗せようとしたら嫌われたOTZ
>>604 リスの発情期は夏頃だった希ガス きっと(性的でない意味で)食べられるな。
>>605 上の口でたんぱく質をとるというところまで読んだ
ふと思ったのだが
orn
は四つん這いで顔と尻を向けた体勢ではないかなぁ。
とすると
がっくり orz
と
きて〜 orn
で、全然意味が、が、、、あっーーーー
わたしはリス、しっぽを剃られたの。
>>608 ほお袋に、男から搾り取った何発分ものザー(ry
リスに例の棒をカリカリされたら終わるんですが
うっかり春まで忘れられるという可能性もあったり
リスだと棒よりも隣の胡桃を狙われそうな悪寒。寒くて縮むと結構ソックリ。
てすと
リスのしっぽにもふもふされたら気持ちよさそうだよな
そろそろ、にわかに職人さん達が
現れそうな雰囲気…
618 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 19:15:57 ID:aN4Ed/6i
ティティス続きを期待!!
まだかなー
>>618 思うのは勝手だが、んなこと書くと他の書き手が来なくなってしまうと思うんですが…
鶴の恩返しってエロいよな…
どっかで鶴の恩返しも浦島太郎も桃太郎も元々性描写があったって話を聞いた
>>621 それは桃太郎しか知らないな。
大きな桃を食べたおじいさんとおばあさんが・・・・
結果、桃太郎が生まれました。
桃を食べたおじいさんとおばあさんが若返って幻影陣して桃太郎が生まれたことは有名だよね
「ああっ、じいさん!じいさん!」
「ばあさんの桃尻、若い時のまんまじゃのう」
ごめん。
このスレ的には
おじいさんが桃に逆レイプされて桃太郎出産へ
って方が自然じゃないのか?
え?桃太郎が獣っ娘と鬼っ娘に逆レイプして仲良くくらしましためでたしめでたし
じゃないのか?
そうなると浦島太郎なんかは竜宮城に着く前に亀に拉致られめでたしめでたしに
古典の浦島太郎では乙姫=カメだしな…
カメと鯛とヒラメの三つ巴なわけだ
唐突だが
「首輪物語 第1部 ヘビの仲間」
というのが浮かんだ。
>>627 乙姫というとGS美神のヤンデレ乙姫を思い出すw
たしかあれは蛇女だっけ?
630 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 20:16:44 ID:IyqlNU3E
当時から何故横島が
逃げるのかふしぎだった。
あんなゴツい女萌もしないわw
アレにゾッコンな彦星の気が知れん
乙姫は竜宮城の海底地雷女だな
最終的に玉手箱で老けて人格が丸くなったってオチの
最近読み返してあぁ、当時はヤンデレなんて言葉なかったんだよなと感慨に耽った。
635 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 22:30:47 ID:vGdgTkRz
ゲーパロ氏とくまさんマダー?
なのか
が抜けた
ポンさん…
鯱女房最後マダー?
冬眠するときは学校に冬眠許可証とか必要なのかなぁ
そういえば、雨季が来るまで土の中で寝てる魚がいたな。
肺魚とかキノボリウオとかタウナギとか色々・・・
乾季の間は♂を土の中に引きずり込んでにゃんにゃんするとな?W
そんなことしたら、乾季に歓喜して潤ってしまうじゃないかw
今、ファンタジー系の物を書いているのだがここって需要有りか?
私はそれを求める
私も求める
ファンタジー……そういえばあの書き手さんは一体どこへ……
>>640 「先生、許可お願いします。」
「おう、また来年な」
「頑張れよ、男」
「これ・・・もってけよ」
「生きて帰ってこいよ」
「ああ、必ず生きて帰ってくる。俺、彼女の冬眠が終わったら結婚するんだ・・・」
こんなやり取りがこの時期行われてるんだろうな。
冬眠から永眠に移項する例もたまにありますので、
死亡フラグを立てる行為は非常に危険です。
決して行わないように、注意して冬眠しましょう。
650 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 22:14:53 ID:yY9UCTKG
>>645 早く投下させるんだ
>>647 誰?
冬眠といえば熊とかカエルとかスズメバチがまず頭に浮かぶ
需要大ありだ。娘姉妹を狼姉妹だと勘違いしてがっくり来てる俺に愛の手を。
なんかの動物番組でネコ科の動物が集団で獲物に群がる姿に萌えた
あれを擬人化したらと思うと
>>645に過度なプレッシャーかけちゃ駄目だろ…
>>645 I Need It Very Much.
ここはひとつ
サーバルキャットで頼むよ。
ライオン娘に逆レイプされた後、動けずにいたら
ハイエナ娘達に集団逆レイプされるという
>>654と
>>655を見て、
「キミのそれが欲しいの〜!!」と言って上に乗っかって来る猫耳少女を連想した
これから商談なのにorz
>>657 連想以前に商談前にここを見ることに
疑問を抱かなかったのかと小一時間(ry
659 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 12:18:54 ID:VF8rreoO
まとめの更新はまだか?
645の者ですが夜中には一応書き込む予定ですので。
後そんなに期待はしないでください。何分初めて書いた物なので
誰かライガーで書いてくれないかな……。
ゲッターロボか?
いや、ゾイドだろう。
モンスターファームしか出てこない
マドロック?
怒りの獣神かもよ
ミスった。直リンすまん。
>665
それはエイガーじゃなかったか
>>666 アヒャヒャヒャヒャと笑いながら逆レイプされる山田さんと申したか。
>>656 それなんてM鍋J治のリトルターザン?
あれ?ちょっと違うかな?
>>672のんびり待ちましょう。年末だから誰もが忙しいですし
もう、冬眠に入った奴もいるだろう
まとめの更新マダー?
676 :
昔のSS書き:2007/12/19(水) 22:03:13 ID:G00946w9
ここに来るのも暫くぶり。
2つほど書き残したままだったのをようやく思い出す。
……どうしよ、書き残したのを書くか。いっそ忘れて新しいのを書くか。
ソレが問題だ。
>>676 書き残したのをupして、新作の投稿を希望します。
>>676 汝の為したき事を為すが良いよいよいよいよいよよよ(残響音含む
総統!総統ではありませぬか!
>>676 どちらにしても、みんな歓迎してくれるはずです。 ガンガレ!
自分も載せたいとは思うんですが…
>>168で問題起こした野郎なんですよね…
改めて軽率な行動をとって誠に申し訳なく思います。
もし皆様が許していただけるのであれば、自分もまた、載せたいな、と…
構わないでしょうか?
>>676氏
きっかけのようにしてしまって申し訳ないです。
本当に頑張ってください。
>>681 ヒント:名無しは何の為にある?
わざわざ言う必要は無い事だと思うよ。
ちゃんと先に言われた事を踏まえた作品を投下する事が、
そういう風に許可を得て書く事よりも大事な事なんじゃないかと思う。
贖罪って言葉を使うのはちと大げさかもしれないけど、
すまないと思うなら、そういう事こそ必要な事だと思うよ。
言葉だけの謝罪と寛容よりもね。
無論、作品投下は大歓迎!
頑張ってちょうだい
>>682 書いてくれる職人がいるだけでもいいと思うよ?
結局読み手は書き手に指図しがちになるから。
このスレの歴史を振り返っても、投下後フルボッコ→出直してGJだった職人さんもいたしな
685 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 00:13:56 ID:uluEcRm9
いろんな書き手がいるよなぁ
毎回泣ける話書く人とか毎回焼き回しの内容しか書かない人とか…
ここにも変な奴多いんだな
とにかく敵わない動物娘に逆レイプされたい!
それだけなんだ!
688 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 09:28:34 ID:UGQSgY5c
とにかく強制的に種付けを強要されたい!
ただそれだけなんだ!
スマンコ
>>688 そんなことを言ってると
ぬこ様に逆レされるよ
この時期は寒いから布団に潜りこんでくるし
・・・あれ、生暖かい・・・うわっ、お前なんで!?
ちょ、ちょっと待って!!
ヒーッ
ざらざらした舌で削られたか・・・南無
子猫の牙は細くて鋭い
爪も痛い
おかげで背中は傷だらけだ
何があったんだww
今回の氷河期はただもんじゃねぇ('A`)
もう10日間ぐらいか…
あ…白熊っ娘が来ヒーッ
695 :
681:2007/12/20(木) 22:34:35 ID:p7fgSbTL
自分ので良ければ、均衡を破らせてください
ストーリー性全くないですし、突っ込みどころ満載ですが、あしからず
>>682 ありがとうございます
ここから挽回していきたいと思います
696 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:37:12 ID:p7fgSbTL
ある年の冬休み。
夏には毎年のようにおじいちゃんの家へ遊びに行っていた。でも今年はいろいろあって冬にいくことになった。
でも今年は両親抜きで、一人旅だ。年末で忙しいらしい。
電車を乗り継いで、毎年同じようにしているから覚えていたけど、少し不安だった。
どうにかたどり着くと、自動改札機の無い駅の改札の向こうに、おじいちゃん達が手を振っているのが見えた。
車で海の横を通り、10分ほどで家に着いた。
ちなみにいつもは家族ごと泊まっている部屋は、僕の貸しきり。
一応宿題を持ってきていたけど、ここに来るととやる気なんてうせてしまう。
それで毎年ヒーヒー言う事になるんだけど……
697 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:38:05 ID:p7fgSbTL
朝早くに、僕はおばあちゃんに起こされた。
おじいちゃんは鉢巻をしながら「もうでるぞ」と寝ぼけている僕にはつらつとした声で言った。
僕のおじいちゃんは漁師で、前々から船に乗せてもらっていた。
今年はそれだけでなく、漁を手伝わせてくれる、とここに来る前に電話で約束してくれた。
昨日早く出るとは言われていたけど、まさかこんなに早いなんて……
結局寝ぼけ眼のまま、僕はおじいちゃんと一緒に出かけた。
まだ日も出始めたばかりのころに、船は出港した。
眠気は潮風と広大で綺麗な景色にさらわれていった。
こうなれば僕のテンションは決して落ちる事が無い。
船がぐらぐら揺れるせいで船酔いする人が居るけど、その人の気が知れない。僕はむしろその揺れを楽しんでいた。
ただひとつだけ言わしてもらうなら、とても寒かった。
何時間か経って、だいぶ遠くまできた。四方はひたすら海だった。
こんなに遠くまで連れてもらった事が無かったので、僕はさらに興奮した。
おじいちゃんがなんだかすごい機械で網を巻き取っていく。その機械もおじいちゃんも、すごく、格好よかった。
しばらくすると僕の目の前にはパンパンに膨れ上がった網と、その中にぎっしり詰まっている魚が映った。
バシャバシャ……
すごい勢いで船体に魚が流れ込む。その光景に圧倒されながら、僕は魚を船についているボックスに移していった。
初めは張り切っていたけど、まるで体力がついていかない。それでも意地で魚を掻き出して、運んでいった。
ようやく一段落着いて、もうすでに体の節々が悲鳴を上げていた。
おじいちゃんはクタクタの僕を見て豪快な笑いを飛ばし、自分で網を引いてみるか?と聞いてきた。
その一言に喜びが疲労より勝ったので、すぐに取り掛かった。
おじいちゃんは僕でも引けるような、小さめの網を用意してくれていた。
足を踏ん張り、歯を食いしばり思いっきり引っ張る。小さめでも重いものは重かった。
かろうじて残っていた気力と気合を頼りに、網を手繰り寄せる。
そして……
「獲れた!!!」
たくさん魚の入ったその網を、最後まで持ってこられた。おじいちゃんがほめてくれた。
自分で収穫したので、喜びが格別だった。
もう疲れているだろうから、とおじいちゃんが魚を集めて運ぶ作業を全部やってくれた。
その間僕は獲った魚を眺めていた。すると……
698 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:39:11 ID:p7fgSbTL
「なんだこれ?」
青魚の中に、一匹だけ茶色っぽい魚が居る。結構な大きさのそいつを持ち上げる。
「うわっ、きもちわるぅ……」
つい口に出してしまった。
そいつはとにかくグロテスクで、牙もびっしり生えていて、触角のようなものが生えている。こいつは確か……
確認のため、おじいちゃんに見せようと持っていこうとした瞬間、そいつは腕の中で暴れだし、海へ落ちていった。
慌てて海面を見る。でもそいつはもう居なかった。
「まぁ、いいか……」
とにかく、大漁を喜びたかったので、そいつは放っておく事にした。
でも、このとき僕は興奮しすぎていたせいですっかり忘れていた。
『アンコウ』に気持ち悪いと言ってしまった事と、
『アンコウ』が、こんな深くも無い海に居るはずの無い事を……
699 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:39:48 ID:p7fgSbTL
その日獲った魚をおばあちゃんがさばいてくれて、豪華な魚のフルコースにしてくれた。
今まで食べたどの魚料理よりもおいしかった。
新鮮だという事だけでなく、自分で獲ったこともあるんだろう。
その後、幸せ成分で体も心も満たされた僕は、
その日の疲れに一気に襲われて、ばたんきゅーしてしまった。
そして、意識が完全に眠りの世界へ旅行していたころ……
何だか目の前がチカチカする。
夢?違う、現実みたいだ、どうやら。
じゃあ、誰?おじいちゃん?おばあちゃん?
それとも……泥棒?
その単語がゆらゆらと脳に浮かんできた途端、眠気は蜘蛛の子を散らすように弾けた。
ど、泥棒!!!
瞼が一気に開く。
「おじいちゃ……ムグッ!!」
助けを呼ぼうとしたけど、手で口を塞がれてしまった。
そしてその人が僕に喋りかけてくる。
その声は、なんと女の人の声だった。
700 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:40:53 ID:p7fgSbTL
「うふふっ、おはよう……
それにしても失礼ねぇ……人を泥棒呼ばわりなんて……」
こんな時間に忍び込むのは泥棒以外の何者でもないでしょっ!
……と言いたいけれど、口が塞がっているのでモゴモゴとしか言えなかった。
無駄な抵抗をし続けているうちに、強い光にも目が慣れ、その女の人の姿が見えてきた。
「……ムグッ!?」
僕は生まれてから一番びっくりした。何個もの理由がそこにはあった。
一つ、その女の人がとっても綺麗だったこと。
二つ、その女の人が真っ裸で僕の上に跨っていた事。
三つ、その女の人が点けている明かりが懐中電灯でもペンライトでもなく、
……その人の、茶色のアホ毛にぶら下がっていた事。
その姿はどう見ても異常だった。でも恐がるより、顔が真っ赤になるほうが早かった。なぜかは理由二を参考に。
それを見て、その女の人は不敵な笑みを浮かべる。
「ふふ、赤くなっちゃって……かわいいわねぇ……
女の人の裸を生で見るの、初めてなんだ?」
口を押さえたまま、女の人は顔を僕の顔に近づける。
その人は、テレビのアイドルや女優よりもずっと綺麗だった。
目は小さくてくりくりっとしていて、鼻はすらっと伸びて唇はぷるんっと瑞々しくて……
茶色のストレートヘアーが動くたびにさらりとゆれていた。
あれ?……何だか潮のいい香りがする。
そんな疑問すらも喋れない僕をそっちのけで、その女の人は喋り始めた。
「私ね、あなたに対して怒ってるのよ?だから仕返ししに来たの♪
乙女に向かって気持ち悪いなんて……許せないわよぉ?」
僕は必死に記憶を手繰り寄せた。
でもそんなこと言った覚えは無いし、第一、こんな綺麗な人にそんなこと言うはず無い。
僕が戸惑っていると、また女の人が喋りかけてきた。
「覚えてないの?もう、ひどいわぁ……これ見ても思い出せないの?」
701 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:41:45 ID:p7fgSbTL
目の前で女の人は自分の髪のフラッシュをゆらゆら揺らす。
その瞬間、今日一度だけ気持ち悪いと言った時の事を思い出した。
でもそれは……人間に言ってない!!
「ムグッ!ウグムグゥッ!!」
僕はパニックになった。ありえないけど、自分の推理が正しければ、今目の前にいるこの人は……
「ようやく思い出してくれたのね?
ふふ……焦るのも無理ないわよね。アンコウが目の前に、人間に成って居るんだから……」
嫌な予感は的中してしまった。反射的に必死に手を振り払って、逃げようとしたけれど……
バチバチィッ!!
「うあああぁぁぁっ!!」
アンコウが化けた女の人の明かりから、僕の体にスパークが走った。
聞いてないよ、電気流せるとか……
体が痺れて、動けない……
「これでもう、逃げれないわねぇ……」
「や、やめてぇ……」
ニタニタしながら僕を見下ろすアンコウの女の人。
食べられる。そう思って必死に命乞いをする僕だったが、
体のある一箇所だけは、女の人の裸とスパークですごい反応を示していた。
決まりの悪いことにそこを発見されてしまう。
「うふふ……狙い通りね……こんなに勃たせちゃって……」
パジャマ越しに僕のそれが盛り上がっているのを確認すると、彼女は嬉しそうに笑って、パジャマをずらす。
無防備になったそれが姿を現した。
「仕返しっていったけど、殺したり食べたりなんてしないわよ?ある意味食べる事は、食べるんだけど。
あなたを奪って、ウブな性格をぐちゃぐちゃにして、私の虜にして、
もう他の女とはシたくもなくなるような体と心にしてあ・げ・る♪」
それを聞き終わるとほぼ同時に、また僕の口は彼女で塞がれた。
今度は手ではなく、唇に。
702 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:42:22 ID:p7fgSbTL
しばらく思考が硬直してしまった。何故かって?
……ファーストキスだから。
でもそのことについて考える余裕も、彼女はくれなかった。
急に生温かいものが、口の中に入ってきた。
舌だった。彼女の。すんごく柔らかい。今になって、唇も同じくらい柔らかい事に気付いた。
その舌が、僕の口の中を這いずり回る。ゆっくり、ねっとり。
口の中に入れられている筈なのに、包まれているみたいだった。だんだん、変な気持ちにもなってきた。
気がついたら、僕の方からも、舌を動かし始めていた。
舌が絡まってる。二人の舌が。ぐちゃぐちゃと唾の混ざる音。
口の端から、出したこと無い声が出始める。その声を出す度、気持ちよかった。
不意に口から舌が抜かれ、唇も離れる。二人の間には唾が繋がっていた。
その時、もっとしていたかったと思ってしまった。
「まずは……キス、ごちそうさまぁ……ふふ……その様子じゃ、キスも初めてだったみたいね?
ファーストキス、いただいちゃった♪」
舌を突き出して、妖しく笑ってきた。その魅力に圧倒される。
「じゃあ、次は……こっちねぇ」
そういいながら、手を僕の膨張部分に伸ばしてきた。
「一人でして出したこと、ある?」
こんな子供に、何てこと聞いてるんだよぉ……
そうは思ったけど、答えなければ、また電撃を浴びせられると考えたから、
恥ずかしかったけどすぐさまこくりと頷いた。
すると彼女は残念がってきた。
「なーんだ、つまんないの……でも、その時より何十倍も気持ちいいから覚悟してね……」
703 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:42:56 ID:p7fgSbTL
「ひゃうっ!?な、何してるんですかぁ……」
僕のそこを、彼女はすっぽりと咥えこんでしまった。
まだそういう知識の薄い僕にとっては、その行為は異常なものだった。
一度口を離して笑いかけてくる。僕の顔が上にあるから彼女は自然に上目遣いになる。
……すっごく……きれい……
「これはね、フェラチオっていうのよ……おち×ちんをね、口で犯すの。
こんなことされるの初めてでしょ?ふふ……いいのよ、恐がらなくて。
ただ自分に正直になって、気持ちよくなって欲しいだけだから。
さてと、じゃあ、今から君を、堕としてあげる♪」
アンコウさんはもう一度僕のそこを加えて、ゆっくり味を確かめだした。
口に咥えられているから、とっても生暖かくて、ぬめぬめしてる。
その中で、僕は気持ちよさと恐さの入り混じった変な気持ちを感じていた。
そんな気持ちの中でも、体はしっかり前者寄りの反応を見せていた。
体が熱い……呼吸がうまくできないよ……
苦しい、でも、苦しいのが、気持ちいい。
もう僕、堕ちちゃったのかなぁ……?
そんな心地でボーっとしていたけど……
「はうっ!?ふああぁぁ……っ!」
突然現実に、下半身の気持ちよさによって引き戻された。
彼女は頭を前後に揺らして、僕を根元まで咥えこんだり、先っぽギリギリまで行って舌でちろちろ舐めたり……
行ったり来たりされると、僕も快感1と快感2を行ったり来たりする。
「これくらいで根をあげちゃだめよぉ……もっともっと苛めてあげなきゃいけないんだからぁ……」
頭の動きがいっそう激しくなる。何だか、根元から、のぼってきたよぉ……
動かせなんて脳は指示してないのに、僕の腰はガクガク揺れ始めた。
「……でちゃうっ!!」
僕は放出を覚悟した。もう限界だったから。
けれど、それは叶わなかった……
「ダーメ、まだイかせるわけにはいかないんだから……」
704 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:43:35 ID:p7fgSbTL
バチィィッッ!!!
「はうあっ!?」
アンコウさんはそこに直接頭の灯りを当てて、電流を流し込んできた。
そのショックと痛みで、さっきまで味わっていた快感が吹き飛んだ。
だから、のぼってきたのに……ちゃんと出せなかった。
そのもどかしさと痛さで、僕は涙をこぼし始めてしまった。
けれど、僕が追い詰められるほど、アンコウさんはますますイジワルになっていく。
「あーぁ、泣いちゃった。けど、悪いけど同情の余地無しよ。
あなたが私を傷つけるのがいけないんだから……許してほしかったら、言うべき事、言わなきゃねぇ?
早くしないと、おち×ちん黒焦げになっちゃうわよぉ?」
アンコウさんはもう一度僕のそれに触角を当てて弱い電気を流してきた。
「はぁっ、やめ、てぇ……」
「ふふ……本当に苛めがいがある子ねぇ♪」
一刻も早くこの天国で地獄な状況を抜け出したかったし、
それに……こんなに綺麗な人に悪口言って申し訳無いとも思ったから……
「うぅ……ごめんなさい……ひどいこと言って……ぐすっ、だから、お願いです……おねがい……」
「なーにーを?」
アンコウさんはニタニタ笑いながら、わざとらしくとぼけてきた。
もう、本当に恥ずかしい……恥ずかしすぎて、おかしくなっちゃいそう……
でもこのまま悶々としてたら、もっとおかしくなっちゃいそう……
「う……ださせて……出させてくださいっ……!」
「ふふっ……よくできました」
そういって頭を優しく撫でてきた。こんな状況でのん気だとは思うけれど、
とっても綺麗な女の人にかわいがられる。それだけで純粋に照れくさかった。
でも僕の考えてるかわいがると、アンコウさんの考えてるかわいがるは、まったく違うものだった。
「聞き分けいいから、ご褒美あげるわねぇ……」
「えっ?」
「あなたを、男にしてあげちゃう……ださせてあげるのよ?あなたのお願いどおり、ね?
下のお口に、思う存分出していいのよぉ……よかったわぁ、目的が一緒になって。
私も仕返ししようと思ったとき、あなたをこういう意味で食べちゃおうって決めたから。
こんな綺麗な子の童貞食べちゃえるなんて、もう最高♪」
そう言うなり、僕に一言もしゃべる隙も見せずに、抱きついて腕を回してきた。
705 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:44:17 ID:p7fgSbTL
「見てぇ……」
アンコウさんは僕に回した腕を僕の頭に移動させて、頭をぐいっと下に向けさせる。
そして見てといった場所を自分の触手で照らし出す。
そこにあったのは興奮と電気ショックの痺れでパンパンに膨らんだ僕の大事な部分と、
その先端の数センチ先にある綺麗なピンク色をした肉の壁。
アンコウさんは全くためらう様子も無くエッチな言葉を次々繰り出して説明を始めた。
「私のここにね、あなたのおち×ちんをいれて、腰を振って、ぐっぽんぐっぽんするのよ……
そしたら二人とも取っても気持ちよくなって、イっちゃうの。
イっちゃったら、あなたは白い粘液を、精液を、私のお腹へビュルビュル出すの……」
説明してる間のアンコウさんは、とっても楽しそうだった。
この状況に快感を覚えているのと、今からすることが楽しみで仕方なさそうで。一方、僕は逆に……とっても怖くなった。
「じゃあ、いくわよ……怖がらなくてもだいじょうぶ、ぜんぶ私にまかせてぇ……」
「やだっ、やめてぇっ!」
「いやよぉ、せっかくあなたみたいなかわいい子捕まえたんだから、
言ったでしょ?他の女とはもうできないようにしてあげるって。
それに、男は自分の言ったこと曲げるもんじゃないわよ?」
僕は必死に抵抗したけど、まだ痺れの残る体ではまるで無理だった。
ずぷっ、ずぷぷぷっ……
「はっ……いやあぁぁぁぁっ……」
「ほんとにかわいいわぁ……ほら、入ってるわよぉ?あなたのおちんちん私の中に、エッチな音立てて……」
「あつい、あついよぉ……」
僕はアンコウさんにどんどん飲み込まれていく。
初めて経験したきもちいいこと。
恐いのに、恐怖感が揺らいでいく。
706 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:46:04 ID:p7fgSbTL
「ぜぇんぶ、入ったわねぇ?」
そのセリフがあらわすように僕のそれは跡形も無く、代わりにアンコウさんの中に突き刺さっていた。
その突き刺さっている部分はとっても綺麗で、びしょびしょに濡れていて、甘いような匂いがした。
僕はもう普通に呼吸できなくなっていた。
舌が勝手に突き出て、はっ、はっ、と過呼吸気味になって、まるで犬みたいになってしまった。
頭ももう、人間のちゃんとした思考ができなくなってきたような気がする。
それとは正反対に、アンコウさんは余裕たっぷりの表情をしていた。
「さぁて、どこまで壊れないで耐えられるかしら?……もう半分壊れかけてるけど。じゃあ、まずは手始めに……」
キュウッ!
「はふゅあああっっ!?」
僕を飲み込んでいるアンコウさんの肉の壁が、僕を締め付けてきた。
まだ僕には早すぎる、初めて味わう、女の人の性器。
柔らかくてうねうねしている部分の締め付けは、僕をどんどん気持ちよく追いやっていった。
とっくにもう限界を超えているはずなのに、電撃のせいで放出ができない。
その分気持ち良さを味わう感覚は、どういうわけかかわりに研ぎ澄まされていた。
だから、きもちよすぎるのに、出せない。
僕はその出せない液体の代わりに、目からぽろぽろ涙をこぼすしかなかった。
……くるしいよぉ、きもちよすぎて、くるしいよぉ……
しかし、それでもアンコウさんは、容赦しなかった。
「あらら……これじゃあ、前途多難ねぇ……」
わざとらしさを出すようにわざとらしく言いながら、アンコウさんは何度もその部分に力を入れるのを繰り返してきた。
「あぅあっ、もうっ、やめぇっ!!」
そう言いながらも、僕の心にはどこかで、もっとやってほしいという思いが現れ始めてきてしまった。
現に、僕の体はもう抵抗しようともしない。
「あぁ、喘ぎ声もかわいいわ〜……ところで、精液出せないでしょう?こんなにパンパンに膨れてるのに全然でないんだもの。」
僕はかくかくと操り人形みたいに首を縦に振った。
「なんれぇ……?」
なんでわかったの?と言いたいのに、もう舌も回らない。それでもどうにか伝えると、
アンコウさんはとんでもない事を言い出した。
「何でわかるかっていうとねぇ……狙ってやったもの♪すぐ出されちゃったら、面白くないでしょう?だから電撃で、ね。
……あっ、いい事思いついたわ。このまま出させないで終わっちゃおうかしらぁ?
私の目的はあなたに仕返しすることだからもう済んだし」
僕はどんどん突き落とされていく。こんな地獄状態から開放されないなんて絶対嫌だった。
そう思った瞬間、頭で考えるより言葉が先に出た。
「いやですぅ!ださせてぇ!いかせてぇ!どれだけいじめてもかまいましぇんからぁ!!」
次の瞬間、もはや呼吸困難ともいえる息の荒さの僕の口を、アンコウさんが塞ぐ。
そして少し顔を赤くして、とても美しくて妖しい満面の笑みで一言。
「りょうかーい♪」
707 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:46:48 ID:p7fgSbTL
……ずちゅぅっ
「ふあぁぁぁ……!」
さっきしていた説明どおり、アンコウさんは腰を前後にゆっくり振りはじめた。
お互いの肉がねっとり擦れて、僕はもう喘ぐしかできない。
「あんっ……奥まではさすがに届かないけど、けっこう、いいわぁ……大人になったら楽しみねぇ……」
アンコウさんの声もさっきまでとは違って、とっても甘い声に変わっていた。
「もっと激しくするわよぉ……」
……ずちゅぅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、ぐちゅずちゅっ!
「ふぅん、うぁぅん、はああんらめぇっ!!」
「うふぅっ、ぁん、かわいいぃぃ……」
アンコウさんの腰はどんどん加速していく。
僕はうねうね動くアンコウさんの中に自分が包み込まれて、
その粘った肉に撫で回される度に、悲鳴に近い喘ぎ声をあげるばかり。
アンコウさんの中は本人と同じように、僕を一気に責め立てることはせず、
ゆっくり、ゆっくり、少しでも僕を長く責めるために、少しでも長く気持ちよくなりたいがために、
そして最大まで僕の放出感を高めるために、拷問のようにして僕を襲う。
それを操っている当人は、口の端から洪水のようなよだれを垂れ流し、
口をぱっかりあけて、お腹から直通で、何の恥ずかしげも無く喘ぎ声を出して。
目は潤んで、頬は真っ赤に染まって、天国にでもいるような表情。
たった一つの出来事が大きく人を左右するって聴いたことがある。
僕はアンコウさんに出会ってこんなに……エッチになってしまった。
僕は体も心も、すっかり彼女にやられてしまったみたいで。
……もっと、ほしい……
……もっと、気持ちよくなりたい……
頭にはそんな感じの言葉しか浮かんでこなかった。そのうえ自然と体がそういうことを求めて……
……かくん、かくん
アンコウさんとは似ても似つかないたどたどしい動きで腰を振りはじめた。
でも考えが麻痺した僕の脳は、そのことを喜んでいた。そこから信号が送られて、全身が、そういうことを望んでいた。
「あぁん……自分から腰振ってくれるなんて嬉しい……そんなにエッチな子になっちゃったのねぇ……
目の焦点は合ってないし、下は突き出てとっても助平な表情だし……ほんとにかわいい……
ひぁんっ、わたしもぉ、そろそろねぇ……あなたのおち×ちんもぉ……」
その言葉どおり、僕は正真正銘の限界に直面していた。一際自分のが大きくなるのを感じて。
「ねぇ、私に射精できて嬉しい?初めて私に奪われて嬉しい?」
完全に染まってしまった僕の答えはひとつ。
「うれひいですぅ……ださせてぇ……」
アンコウさんはまた僕に口付けしてにこりと笑う。
その笑顔に胸が熱くなる。こんな状況でそんな感情が出るのも不自然だけれど、
こうやって体が繋がっていると、仕返しとわかっていても、愛されてるような気がしたから
708 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:47:23 ID:p7fgSbTL
アンコウさんはラストスパートに入る。
腰を振ると言うより、打ち付けると言ったほうが近いほど動きが激しくなる。
急にアンコウさんの中が、これまでと違って強く僕を締め付けてくる。
もうダメだ、と思った瞬間、アンコウさんの僕の背ににまわっていた腕が僕を強く抱き寄せる。
アンコウさんのきれいな形の胸が僕の胸で形を平らにする。
僕のすぐ右にアンコウさんの顔。彼女の体のあったかさが伝わる。僕の興奮の中に何か違う種類の興奮が強まる。
最後に今までの意地悪な表情とは違う、優しく甘い声で耳打ちしてきた。
もし今僕が冷静なら、僕を追い落とすための、演技なのかも、と思うかもしれない。
でも今の僕にはそんな風に思えなかった。思いたくなかった。
「……かわいいわよ、だいすきぃ……」
そしてその一言に、素直に止めを刺された。
「あぁあぁああああああんんんんっっッッ!!」
一気に僕から、まだ何度かしか見たこと無い白い液が、アンコウさんへなだれ込んでいく。
自分のそれが壊れそうなくらいの勢いだった。痛かった。でもそれ以上に、きもちいい。
アンコウさんの中は残さずそれは飲み込んでいく。その吸い取りも……よかった。
「くふぅんっ……あ、あついいぃぃんんっ!!」
アンコウさんも絶叫する。僕は壊れそうなほど抱きしめられる。僕自身も、僕の下のほうも。
肩で息をするアンコウさんの背中に僕も腕を回した。
ようやく僕の勢いが弱まってくる、と同時に意識が途切れていく。
原因は……ありすぎてわからない……
……ダメだ、何にも考えられなく……
709 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:48:19 ID:p7fgSbTL
「……ん」
ゆっくりと目を覚ます。すると僕は横向きで寝ていた。僕の隣には……
「あっ、おはよう」
さっきまで交わっていた光る触角を持つ女の人。でもそこから出ているその光は、最初のただ眩しい光じゃなく、
暖かくて、優しい、どこかそんな感じのする光だった。
僕の目に、アンコウさんの微笑みが映る。
一度寝て落ち着いてるはずなのに、ドキドキが止まらない。
不意に頭を撫でられる。それと同時にそのドキドキは心臓の音が聞こえるまでになった。
「まいったわぁ、仕返しのつもりだったのにまさかイカされちゃうなんて思っても見なかったわぁ……
後半、そんなこと忘れて耽っちゃったし……
あなた、かわいいし、聞き分けいいし、純粋だし、ドMでエロエロだし……ちょっと本気で好きになっちゃった。
大きくなったら楽しみねぇ……きっと大物になるわよ……
来年まで会えないのが残念だけど、来年にはもっと仕込んであげるからね♪
私も、気持ちよくしてほしいから……好きだもの、あなたが」
アンコウさんの顔がほのかに赤くなった。僕はすぐに返事をした。
「……はい。来年も、よろしくお願いします。」
あんな事されてこんな事が言えてしまうから、僕は確かにこの人に捕まってしまったようです。
この人が……僕を堕としたから。
この人が……大好きになってしまったみたいだから。
後々図鑑をみて知ったけれど、アンコウのオスはメスに比べてとても小さく、
メスに取り込まれて一生そのまま精を差し出すらしい。
アンコウさんから見れば小さい僕は、どうやら取り込まれてしまったみたいだ。
「あの、横で寝てくれますか?」
「……お安い御用よ♪」
そのまま、僕はアンコウさんと向かい合ったまま目を閉じた。
閉じていく目の中で、アンコウさんが触覚の電気を消したのがわかった。
翌朝目が覚めると、ちゃんとパジャマ姿に戻っていた僕は手に握っているメモに気付いた。
それを見ると、僕の顔は笑顔であふれた。そして来年からは冬に来る事に決めた。
『返事してなかったけど、こちらこそ来年もよろしくね
追伸―わたし、人間の名前持ってないから、来年までにあなたに考えといてほしいな♪』
710 :
アンコウ娘:2007/12/20(木) 22:48:53 ID:p7fgSbTL
「うぅん、はぅんっ……!いいよ、なかにぃ、だしてっ……!」
「あぅっ、ヒカルさ、んッ……ぐううぅっ!!」
「はぁぁぁぁ……!!んっ、やっぱり私の思った通りね。ドM尚且つこんなにテクニシャンになっちゃって」
「それは、どうも……(まぁ、ドMはヒカルさんに逆レされちゃったせいとしか考えられないけど……)」
「(ちゅぽんっ)んっ……はぁ、でもまた来年まで海で魚の姿でガマンかぁ……」
「いやそれが今年は……決めてきたんです。」
「え?」
「ヒカルさん、これからは、ずっとその姿で、陸地で、僕の傍にいて、僕を搾り取ってください……」
「それって……」
「……僕まだ大学生なんでお金もあんまり持ってないから、不自由させるかもしれないけど……でも、大好きですから……」
「……ありがとう……ぐすっ」
「そ、そんな泣かなくても……」
「だって、だって、嬉しいんだもん……」
「……よしよし、わかりましたから」
「私も……大好きよ(ちゅっ)」
「んっ、……へへ、ありがとうございます」
「それにしても、わたしも体力落ちたわぁ……息があがるのが早くなってきちゃった」
「仕方ないですよ、外見変わらなく綺麗ですけど、人間換算年齢と中身はもう四捨五入したらみそJ……」
「(バリバリバチチチィィッ!!)」
「あごえああああぁぁぁぁ!!!」
「そういえばさっき搾り取ってって言ってたわよねー……?お望みどおり搾り取ってあげる(怒)」
「そんなすぐには無理ですっ!あぁっ!!尿道が痛い!尿道がーーーー!!」
「これから毎日、年取って不能になるまで、搾り取り続けてあげる♪セックスレスなんて無いと思っておいてねぇ……?」
「(あぁ、もう、やっぱり、なんだかんだで、幸せだぁ……)もう、どうにでもしてくださいっ!!」
お わ り か?
終了です!
何を言われても仕方ないとは思いますが、コメントあればどうぞー
コテってどのタイミングで名乗ればいいんだろ・・・
GJ〜。なんだかアンコウさんが某ジャンクで乳酸菌なお方にダブってしまったw
ハッピーエンドはやっぱりいいな!
やべぇ。テラGJ!
gj!
その後日談に、あんこう姉さんの『ヌルヌルプレイ』はありますか?
銀ちゃんGJ!
jしかし一気に大学生になったのはワロタww
アンコウ姉さんktkr
そしてGJ
うめ
保管庫見に行ってあまりの動物の種類の多さに吹いたw
まだ保管庫に収録されてない話もあるんだよな?
少なくともこのスレの話はまだっぽいですな
過去スレにもいくつかあったと思うぜ、収録してない話
お、お、お、お、お、お、お、おれは秘密を知ってしまった
従姉妹の妹のほうはハマグリの獣人で、
姉のほうはアワビの獣人だったんだ……
1レス分くらいのとか、小ネタみたいなのは載ってないな。
載せたいやつが載せたらいいんだよ
載せなくていいのもあるしな
>722
そいや蛤女房って話、エロいよな
…で、おまいは味噌汁作ってもらったのか?
職人さんへのネタ提供。
狐は、生きた年数に比例して尻尾の数が増え、その中での最上位が九尾である。
また、尻尾の数を増やすには大量の精気が必要であり、美しい人間に化けて人里に降りてくることもある。
>>727 むしろ逆の方が題材的には良かったんじゃないか?
あれ?棗姉妹パターン?
とりあえずまとめに載せてもいい作品を挙げてみよう
くまさんとかのは無条件でおk
>>728 漢文だと狐が化けて女房になってる、って結構見掛けるよな
九尾まで増えたら、また少なくなっていって
神になると尻尾がなくなるんじゃなかったか?(by wikipe先生
くまさんって実用的じゃないよな。泣けるけど
>>あのキャラレイプのやつも?
ご冗談を。
クリスマスだし、八名のトナカイっ娘に集団逆レされてみたい。
>>735 ミニスカはいた元気なサンタッ娘と一緒に来てくれたらいいが娘は擬人化じゃない件
ミニスカはいた元気なショタサンタが逆レで我慢しる。
ショタサンタは半ズボンで勘弁して
つまり、半ズボンをはいたショタサンタは2頭のトナカイおねーさんから
尿道攻めとアナルを掘られてヒィヒィ言わされるわけですね?
こうですか?わかりません!!!
>>739 更に2頭のトナカイおねーさんに乳首責めと顔面騎乗されるから
ヒィヒィ言うことさえままならんと思うのだがどうだろう
ちょっと替われ
そこのショタ坊主
俺と替われ
>>740 付け加えれば、ショタッ子が手綱で縛られて身じろぎすら出来ずに悶えに悶えて堕とされればなおよし!
デンジャラスなトナカイ姉妹がいたいけなショタを袋詰めにして
サンタの国に拉致監禁、強姦するスレはココですか?
赤鼻の酔っぱらい♀トナカイ
酔った勢いで相方の♀トナカイと主人のショタサンタをアッー!
真っ赤なお豆のトナカイさんは(ry
えーとアレだ、メリークリトリス?
だれがうまいことをw
性の6時間・・・・あれ涙が
サンタ「ふう、ワシも歳じゃのう。プレゼント配りも今年が最後になりそうじゃ……」
トナカイA「そんなことをおっしゃらないでくださいまし、来年も頑張りましょう!」
トナカイB「そうだよ、サンタ様!! ボク、来年はもっと頑張るから!」
サンタ「おお、99代目トナカイガールズ。せっかく代替わりしてもらっても今年が最初で最後のお役目になってしまったのう、すまぬ……」
トナカイA「いやです! 私たち、もっともっと子供たちに夢とプレゼントをお配りしたいです!」
トナカイB「ボクだって、今年だけでやめるの、やだよ!」
サンタ「そう言われても、わしは、もう老いぼれて何も出来ぬ……」
トナカイA「そんなこと、……ありませんわ、ね?」
トナカイB「うん、そうだよ、ほらっ! サンタ様、見て見て!」
サンタ「うおっ、お前ら、なんでパンティを脱ぎだしておるのじゃ!?」
トナカイA「古来、殿方を元気付けるのに、若い女の裸以上に効果がある物はありませんわ」
トナカイB「トナカイAはナイスバディ担当、ボクはツルペタ担当ね!」
サンタ「ちょ、お前らっ……!!」
トナカイA「あらあら、いけないサンタ様。私たちのここをご覧になってこんなにしちゃっているじゃないですか」
トナカイB「孫娘みたいなボクのま×こ見てフル勃起!? 全然若いじゃん、サンタ様!」
サンタ「あ、いや、その……」
トナカイA「というわけで、いけないサンタ様には、私が楽し〜いお仕置きしてあげますわ」
トナカイB「そうそう、来年もプレゼント配りたくなるように、ボクがとってもすっごく滅茶苦茶に元気にしてあげるからねっ!」
サンタ「ちょっ、おまっ……待っ……」
トナカイA「大丈夫。殿方はここが元気になれば若返るものですわ……」
トナカイB「そうそう、ボクのここ、すっごく具合いいから、サンタ様とっても若返るよ!」
サンタ「うわああああっ!」
あれ、ショタじゃなかったw
>>749 ちょっと待てwショタはサンタのはずじゃ
>>749 そしてショタサンタが生まれた日になる訳ですね?
相変らずのGJさ加減
>>751 それだと母親トナカイに怒られヒーヒー言いながらプレゼントを配るショタサンタができるんじゃ
それもまた(・∀・)イイ!!
753 :
三陸:2007/12/25(火) 00:55:42 ID:XQEqTTxi
こっそりSS投下していきます。
クリスマスなのにトナカイでなくってごめんなさい。
後、三陸SSなのでエロ目薄いです。
マダ?
755 :
三陸:2007/12/25(火) 11:40:59 ID:g2cMt1NQ
うわわわーっ!『人大杉』で投稿できないから寝てしまったらこんな時間になってたー!
冬休みも近づいた学園の教室
「なぁ鬼軍、お前冬休みはどうするの?」
「ずーっと寝て過ごす(キッパリ)」
「軍司君。冬休み、何もする事なかったら家でアルバイトしない?」
「うんうん。みどりのパパねぇ、軍司君の事とぉーっても気に入ってたよぉ♪」
「やなこった!」
「どうしても?」
「どうしてもだ!」
めるめる
めるめる
みのりとみどりは携帯を同時に操作した。
『ボインは、赤ちゃんが吸うためにあるんやで〜♪』
軍司の携帯が鳴った
「……ん?( ̄□ ̄;)!!」
軍司の携帯に送られた写メには三人の愛の営みが写されていた。メールのタイトルは『バラすわよ』だった。
「あのー。みのりさん、みどりさん。アルバイトの話ありませんか……(T.T)」
俺の名前は『鬼首軍司』。バイトの餌につられて今では牧場シスターズの肉奴隷……
ぷす
「ギャー!」
「何、くだらないナレーション入れてるの」
「て、テメー!今、フォークで突いたろ!」
「ねぇねぇ、けんかはやめて早く朝ごはんに行こうよぉ〜」
「そうね。朝ごはんを済ませたら午前中は勉強、今日は英語と……」
「「保健体育〜!」」
(……俺のナレーション当たってるじゃねーかよ……)
牧場農場の近くにあるスキー場に隣接したホテル、そこのスイートルームには獣人と執事風の男がいた。
獣人は優雅に朝食をとっていた。
僕の名前は『白石星矢(しらいしせいや)』。そしてこちらで朝食を召し上がっているのが
『宍戸麗美(ししどれいみ)』お嬢様。
僕達は人間と獣人の共学の学園に通い、僕はお嬢様のボディーカード兼召使いをしています。
麗美お嬢様のお父様は大会社の社長で、お母様はライオンの獣人でその統率力と勤勉さでお父様を支えております。
麗美お嬢様はお母様の血を引くライオンの獣人で、ゆるくウェーブのかかった金髪に、切れ長の目・スタイルは申し分無く
そしてスラリと伸びた手足・その金髪には丸い耳が覗き尻尾はゆったりと動いております。
その美しさといったら神の産物、いや神すら嫉妬するでしょう。あぁ、麗美様、麗美様……(ry
「星矢、星矢ってば!」
「は、はい!いかがなさいました?」
「今日の朝食、美味しいわね。」
「今日のは牧場さんのお宅で作っている食材を使用しております」
「牧場さんってみのりさんのお宅の?さすがですわ。挨拶したいから車を手配してちょうだい」
「かしこまりました」
車で揺られる事数分、麗美達は牧場宅に着いた。
「いらっしゃい……ってもしかして麗美ちゃん?しばらくぶりね」
「やぁ、麗美ちゃん」
「おひさしぶりです。おじさま、めぐみさん」
「みのりー、みどりー。麗美ちゃんが遊びに来たぞー」
「いらっしゃい」
「ませ〜。麗美ちゃん、星矢君」
「今日はどうしたの?」
「朝食の食材をお嬢様がとても気に入られて挨拶に伺いました」
「さすがは牧場さんのお家で作っている食材ですわ。とっても……」
「なんだ、宍戸じゃねーか。おじさん、おばさん牛舎の掃除終わりましたー」
「軍司さん。絶食は身体に毒ですよ(にこにこ)」
「……めぐみさん、掃除終わりました……」
「……とっても下品な味ですわ。もしかしてこの下男のせいかしら」
「なんだとー。殺人料理しか作れねぇくせに」
軍司は一年の時、麗美の作った料理を食べて一週間学校を休んでいた。
そして星矢は一口食べて気絶したため、軍司の暴言に何も反論できないでいた。
「おじさま、めぐみさん。このような下衆がここにいては牧場ブランドにキズがつきますわ」
「安心しな。学校卒業したら永遠にこことオサラバしてやるからよ」
ピキッ……
牧場ファミリーに冷たい戦慄が走った。
「みのり・みどり。軍司君の好物ってなにかな?」
「飼葉よ」
「ええっとねぇ〜。後、ゴミ箱の残飯漁ってるの見たことあったよぉ〜」
「ウソ言うんじゃねぇよ!」
「あらあら。だったらこれから軍司さんの食事は好物にしなくちゃいけないわね」
「……ボク、ココニ永久就職シタイデアリマス。麗美オ嬢様、味ノ向上ニ勤メマスノデ、
コレカラモゴ贔屓ニシテクダサイマセ……(T.T)」
「おーっほっほっほっ!。あの軍司君がこんなに素直に。愉快、愉快ですわ!」
次の日
麗美達は再び牧場宅を訪れた。
「ねぇねぇ麗美ちゃん。みどり、ケーキ作ったんだけど食べていかない?」
「本当ですの!」
「じゃあ、私お茶淹れるわね」
「あぁ……」
麗美はうっとりとした表情になった。
「確かに2人のお茶とケーキ美味いけど、大騒ぎするくらいなのか?」
「なにを言ってるんですか。二人のお茶とケーキはプロ級って評判なんですよ」
「まぁ、野人には牧場さんの作った料理なんてもったいないですわね」
テーブルを囲んで5人のお茶会が始まった。
「牛獣人といえば『温厚で芯が強くって家庭的』ってよく言われますからね」
「ふーん。(温厚?そうでもないぞ。芯が強いって逆言えば頑固じゃねーかよ)」
ぴくっ、
麗美の耳がかすかに動いた。
「しかもお二人は料理も上手!」
「まぁ、2人ともめぐみさんにバッチリ鍛え上げられたからな」
ぴくぴくっ
「お嫁にするなら牛獣人と言われますからね。僕もそのような人とお付き合いしたいですね」
「何よ!牛獣人なんて胸が大きいだけじゃない!気持ち悪……あっ……」
麗美は自分の失言に気付いたが、時すでに遅し……
「……お前、今なんて言った……」
軍司は異様な殺気をみなぎらせゆっくりと立ち上がった。麗美も後には引けなくなって……
「あーら。人間風情が『ライオン獣人』に素手で挑むわけ?」
ギラリ
麗美の爪と牙が妖しく光った
「軍司君、やめなさい!」
「みどり達慣れっこだから気にしなくっていいよぉ〜!」
パシィッ!
星矢は麗美を平手で打った。
「お嬢様。今のはお嬢様の方が悪いですよ。みのりさん達に謝ってください」
「……ごめんなさい……」
「どうです。気が済みましたか?これで済まないなら僕を殴ってください。ただし、お嬢様に手を挙げるようなら……」
「ようなら?」
「僕が許しませんよ」
「へー。面白い事言うじゃねーか」
ドスッ!
「うっ」
軍司の鉄塊のような拳が星矢の腹にめり込むと星矢は小さく呻きの声をあげて地面に崩れ落ちた。
「軍司君、やりすぎよ!」
「フン」
軍司は星矢を担ぎ上げると一言
「なぁ、今日は帰ってくんねぇか?」
牧場農場から駐車場までの帰り道。
「あのさぁ、お前いつも『わたくしはあなた方とは違う人種なのよ』とか言ってるけど、確かにその通りなんだよな」
「……」
「その『人種』の不用意な一言が回りに大きな影響与えるってこと解かってくれねぇか?」
「……」
2人+1は車の前にたどり着いた。
軍司がドアを開けて麗美が車の中に入ると星矢を車の中に押し込み
「なぁ、明日も遊びに来いよ」
麗美が頷くとドアを閉めた。
「……う、うーん。ここは……」
星矢が目覚めたのは夜になって自分のベッドの上だった。
枕元には一枚のメモ用紙が……
『目が覚めたら私の部屋に来なさい』
星矢はいつもの執事の服装に着替え、麗美の部屋へむかった。
コンコン
「入っていいわよ」
「失礼します」
星矢が部屋に入ると麗美はネグリジェ一枚だった。下着も着けてないないような……
「し、失礼します!」
星矢が部屋から出ようとすると
「ま、待ちなさい!……こっちへ来なさい……」
直立不動の星矢とベッドに腰掛けた麗美。麗美は俯き、星矢は恥ずかしさにやや目を逸らし気味だった
「あなた、これからは私の我侭につきあわなくっていいわよ」
「……えっ、それって……」
麗美からの解雇通告だった
「これからあなたは自由の身よ。楽しい青春を送って恋愛をして……」
俯きながら言い放った麗美から涙が一雫
「お嬢様、お願いです!なんでもしますから僕をそばに置いてください」
「なんでもする?だったら私が足を舐めろって言ったらできる訳?」
「それをお嬢様がお望みなら喜んで」
「だったらやってみなさいよ」
麗美が脚を差し出すと星矢は膝間付いてつま先から踵・ふくらはぎ・腿へと舌を這わせた。
ぴちゃっ。ぴちゃっ……
「よくできたわね。次はこっち」
麗美が反対の脚を差し出すと星矢はつま先から上へと舌を這わせた。
「次はここよ」
麗美がネグリジェのすそをたくしあげると星矢は秘所に舌を這わせた
ぴちゃっ、ぴちゃっ……
「中々上手いね。誰かで練習してるのかしら……」
「そんな事ありません!」
星矢に秘所を舐めまわされ麗美は顔を紅潮させいてた
そして足の甲を星矢の股間に押し付け
ぐにゅっ、ぐにゅっ……
軽く踏みつけたり足の指でスラックス越しに星矢のモノをしごいたりした。
「ああっ、お嬢様……」
「誰が休んでいいって言ったのかしら?」
麗美は顔を紅潮させつつ意地悪な笑みを浮かべて言った。
「も、申し訳ありません!」
ぴちゃっ、ぴちゃっ……
ぐにゅっ、ぐにゅっ……
二人の痴態は一度目のクライマックスを迎えた。
「ああっ、ああっーーーー!」
「ううっ!」
麗美は星矢の頭を掴み大きくのけぞり、星矢はパンツの中に精を放出した。
「……はぁ、はぁ……あら、星矢ってばお漏らし?」
にちゅっ、にちゅっ……
麗美は星矢の敏感になっている股間をつま先で撫で回した
「ああっ、お許しください!」
麗美はネグリジェを脱いだ。その身体は正に神の産物といっても過言ではなかった。
牧場シスターズのような巨大の表現がふさわしいようなでは無い、バランスの取れた美巨乳。
抱きしめれば折れそうなウエスト、そしてスラリとした手足。薄い金髪に覆われた秘所
「ねぇ、私だけが裸?恥ずかしいわね」
麗美が悪戯っぽい笑顔で言った。
「いや、しかし……」
「いい加減に覚悟を決めなさい!」
ビリリリーーー!
麗美が爪を振り下ろすと、星矢のシャツ・ベスト・スラックスが一気に引き裂かれた。
しかし、星矢の身体には一切傷はつけていなかった。
そして星矢の手をとるとベッドに引き込んだ。
ぴちゃっ、ぴちゃっ……
麗美の舌が星矢の全身をくまなく舐めていった。
「ああっ、お嬢様。そこは……」
「ふふふっ、牡の匂い……」
麗美は星矢のモノを舐め回すと細い指でしごき、先端を咥えた。
じゅぷっ、じゅぷっ……
「口に出してもいいわよ。ただしあなたにも飲ませるわよ」
「ああっ、それだけは許してください」
じゅぷっ、じゅぷっ……
「ああっ、お嬢様……」
「ねぇ。ベッドの上でまで『お嬢様』はやめて頂戴」
「しかし……」
「ベッドの上では『麗美』って呼びなさい!」
麗美はおっぱいで星矢のモノを挟みしごきはじめた。
ぐにゅっ、ぐにゅっ……
「どう?それとも、私のでは小さくて不満かしら?」
「い、いえそんな事ありません……」
「うそおっしゃい。さっきは牧場さんばっかり褒めて、本当は牧場さん位のが好みなんでしょ?」
「本当です!僕は麗美さんの事が好きです。そしてお側にいるだけで幸せなんです」
「本当かしら?試してあげる」
麗美は星矢に跨り星矢のモノを秘所にあてがった
れ、麗美さん。それはいけません!」
「嫌なの?」
「そんな事はありませんが、それは将来添い遂げる人に……」
「あなたじゃなければ嫌……お父様もお母様もあなたの事は認めているわ。後はあなたが私と宍戸の家を背負う覚悟があるだけ」
「……宍戸の何恥じない男になってみせます」
星矢の返事に安堵の笑みを浮かべた麗美はゆっくりと腰を落とした。
じゅぶじゅぶ……
「麗美さん、痛くはありませんか?」
「少しね。でも大丈夫よ」
「……それって僕のが小さいって事?」
「違うわよ。激しいスポーツしていると痛くなくなるって言うけどそのせいかしら」
麗美は星矢に覆いかぶさり
ちゅっ。
星矢にキスをした。
「これは二人の契約。これであなたは一生私の我侭に付き合わなくっちゃいけないわよ」
「それは僕の望んだ事です」
「じゃあ、そろそろ動くわね」
ぐちゅっ、ぐちゅっ……
「ああっ、麗美さんの中キツい……」
「星矢の、はち切れさう……」
麗美は星矢の上で激しく裸体をくねらせた。
「ああっ、麗美さん。イキそうです!」
「じ、自分だけ満足するつもり?私がイクまで何度でもしてもらうわよ……」
麗美の動きは激しさを増していった。
「ああっ、星矢、星矢……」
「麗美さんっ!」
「星矢、星矢っ!ああああっ!」
「れ、麗美さん!ううっ!」
どくどくっ!
麗美が身体を仰け反らし軽く痙攣すると星矢は麗美の中に二度目の精を激しく放出した。
「はぁ、はぁ……。ねぇ星矢。まだできるでしょ?」
「は、はい。まだ何とか……」
「次はバックでお願い……」
翌朝。
星矢は麗美に腕枕をして、反対の手の指でその金髪を弄んだり髪に頬擦りをしていた。
「星矢ったらもしかして髪フェチ?」
「ははは、そうかもしれないですね」
「でも、普通は髪フェチって黒髪好きなはずなのにね」
「僕はお嬢様のこの金髪が好きなんですよ」
「もぅ、ベッドの上では『麗美』って呼ぶ約束でしょ」
「はい。麗美……さん」
「……まぁいいわ。これからは呼び捨てで言えるように練習なさい」
この日も牧場家では5人のお茶会が行われた。
「あぁ、みのりさんの淹れた紅茶にみどりさんのスイーツ。至福のひと時ですわ」
「ありがとう」
「本当?みどり、がんばった甲斐あるなぁ〜」
「本当に美味しいです!」
「もう、星矢ったらほっぺにクリームがついているわよ」
ぺろり
麗美は星矢の頬についたクリームを舐め取った。
「麗美お嬢様。デレモードでゲスね(ニヤニヤ)」
「ライオン獣人の性質『王たる者と同時に惚れた相手にはとことん尽くす』」
「麗美ちゃん、らぶらぶ〜♪」
「そ、そんなことないわよ!」
「星矢照れちゃいますぅぅぅっ」
「おだまりなさい!」
バリバリッ!
専ブラぐらい入れろよカス
wktk
764 :
三陸:2007/12/25(火) 13:12:59 ID:g2cMt1NQ
テーマを『ツンデレお嬢様』って決めて書いたんだけど、ちょっとツンデレ分
足りなかったかな……
前作は自分視点で書けたけど、今度のは他人の視点からだったから難しかったです。
おっつー
世間はクリスマスか…
乙。
シナリオが会話で進むスタイルとは思うが、途中で発言者が不明瞭になってる。
あと、ト書きの部分が情景を説明できてない感じが。よく云われる5W1Hを、場面毎にチェックしてみると良さげ。
顔文字とか止めてほしい
これはひさびさの良作
次回作にも期待(*´-`)
なんで犬娘や猫娘はあるのにフェレット娘はないんだろ??
昼は噛み付き魔で夜は搾り取り魔とかマジ萌える(*´Д`)ハァハァ
そろそろ次スレの時期かな
擬人化した狂暴な♀動物が逆レイプする【十匹目】
おかしな奴がいる様なので保守age
ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'', / 容 . ま ヽ
ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{ | 量 .建 だ |
ヽ::r----―‐;:::::| | じ て |
ィ:f_、 、_,..,ヽrリ .| ゃ る |
L|` "' ' " ´bノ | な よ |
', 、,.. ,イ ヽ い う /
_ト, ‐;:- / トr-、_ \ な /
, __. ィイ´ |:|: ヽ-- '.: 〃 `i,r-- 、_  ̄ ̄
〃/ '" !:! |:| :、 . .: 〃 i // ` ヽヾ
/ / |:| ヾ,、` ´// ヽ !:! '、`
! |:| // ヾ==' ' i i' |:| ',
| ...:// l / __ , |:|::.. |
とニとヾ_-‐' ∨ i l ' l |< 天 ヾ,-、_: : : .ヽ
と二ヽ` ヽ、_::{:! l l ! |' 夂__ -'_,ド ヽ、_}-、_:ヽ
早く建てすぎるとスレが中途半端に使い切れないんだよね
連スレ建て自体より保守の嵐の方が危険ぽいので上げますね。
775 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 02:16:22 ID:+foXkf0J
age
ダレモイナイ、トオリスガルナライマノウチ………
と冗談はここまでにして、熊のSSを投下しに来た俺が通りますよ………。
随分と時間が掛かって申し訳無い。
で、今回のSSについての注意点を何個か
今回はエロ無しです、エロは後半に期待してください。
NTR要素がすこしアリです、ご注意を。
少々分かりにくい用語が出てきます、精神安定上、クグって見るのが効果的です。
後半の投下が来年になっても泣かない。
―――唐突であるが、俺は、良くある危機に直面していた。
「狭山ぁ、テメェ、生意気なんだよ………いっつもいっつも我関せずってツラしやがってよ。
俺達を馬鹿にしてんのかよ? あぁん?」
「いっぺん、テメェのような奴はきちんとシメておかねぇと、俺達の面子に関わるしよ」
「逃げようたってムダだぜ? 俺達が立ってる横を通らねえと逃げる事なんて無理だからよ!」
俺の目の前で、ニヤニヤと下卑た笑みを浮べ。
己の頭の悪さをアピールしているとしか思えない脅し文句を口々に並べる連中。
その頭は、色の濃さの違いはあれど一様に金髪に染め上げられ。
着ている服も良く言えば個性的、悪く言えば『頭が悪そう』と言えるようなデザインであり、
おまけにごていねいにも首元に銀や金の悪趣味なデザインのネックレスをしている辺り、念のこもっている。
まさにそれは、一般的な人達が見れば100人中99人が不良だと言っても良い格好をしていた。
彼等は弱い者には威圧的で、逆に強い者にはとことん弱気な、
不良、もしくはチンピラとひとくくりで呼ばれるタイプの人種。
こう言うのは大体、強い相手によって仲間の一人でもノされよう物なら、
途端に掌を返した様に恐れをなして逃げ出す事が多い。
だが、それでも彼等が、腕っ節の弱い俺にとっては脅威である事には変わりはない。
逃げるにしても逃走ルートを塞がれている為、逃亡は殆ど無理である。
―――かといって戦うにしても、相手が3人もいる以上。
この状況で俺が無駄に抵抗した所で、逆に余計にタコ殴りにされるのが関の山だ。
俺、狭山 光喜がなんでこうなったか………
何てことは無い、何気に買い物に出かけ、ブラブラと街を歩いていた時。
急に後ろ首を掴まれたと思ったら、そのまま寸どまりのこの路地裏に引っ張り込まれたのだ。
多分、こいつ等は学校の俺の事を快く思っていない連中で、
たまたま一人で歩いていた俺を見つけて、それを良い事にシメようと考えたのだろう。
………もし、この時、俺の傍に虎姐がいたのであれば。
この程度の連中、俺が空の雲を数えている間に地面に寝転がっている事だろう。
しかし、今はその虎姐がいないのだ。………まあ、彼等はそれを知って、俺をここに引き込んだのだろうが………
………にしても、本来は女性を守るべき立場の男である俺が。
逆に守られていると言うのは我ながら情けない話だ。身体、鍛えなくちゃな………。
「ま、狭山がここで財布を差し出して、地面に頭を擦り付けて土下座でもすれば見逃してやっても良いけどよ?」
「ヒャハハハ、ヤスはヒデェな。どうせ土下座してもボコるつもりだろ?」
「そういや、この前、オタクっぽい奴に絡んだ時、
そのオタクが必死に涙目になって謝ってんのに結局、ヤスはそのオタクをボコったよな?」
「そー言うオメーらも同罪じゃねーか、あん時、オメーらも俺と一緒に笑ってボコってたろ?」
俺が考えているのを余所に、不快極まる耳障りな声でゲラゲラと笑う不良達。
どうやら、彼等は如何あっても俺をボコる気の様で………参ったな。
「おい、そろそろ何とか言えよ? 狭山」
「ひょっとしてこいつ、俺達にビビってんのか?」
「オラ、黙ってないで何か言えって」
沈黙を守り通す俺の態度にしびれを切らしたのか、不良達がそれぞれ何か言う様に促して来る。
………恐らく、彼等は待っているのだろう、俺が懇願の言葉を言うのを。
しかし、無論の事、俺がこう言う連中の思惑に素直に従うわけが無い。
「………(ボソボソ)………」
『………んあ?』
俺はわざと顔を俯かせ、その上、小さく篭った声で呟きを漏らす。
当然、声を聞き取れなかった不良達が、俺の声を良く聞こうと耳を傾けた所で。
「”三流”」
―――ひききききききき!
彼らの耳元に向け、きっぱりと言い放った俺の言葉に、不良達の表情が面白い様に引きつって行く。
言ってやった、言ってやった。大成功!
俺はこう言う性格なのだ。
強気になっている相手の思惑とは180度違った事をやってやるのが大好きなのだ。
まあ、それもあって、友人のヒデからは良く『偏屈な奴』とか言われるのだが。
「………こ……このっ!……俺達が下手に出りゃあつけ上がりやがって!」
暫く顔を引くつかせていた不良その1が、ようやく言葉を搾り出し、顔を真っ赤に染め上げ怒りを顕わにする。
つーか、お前さんら、いつ下手に出た?………少なくとも俺の覚えている限りじゃ下手のしの字すら出てなかったぞ?
「こうなりゃ徹底的にボコボコにしてやる! 朝刊の三面記事は覚悟しろっ!!」
顔を真っ赤にして木刀やらを振り上げて不良その2が激昂し、それを合図に不良達が詰め寄る。
をいをい、一人を相手に複数で、おまけに凶器使用か? 随分と頭に血が上ってるみたいだな、こいつら。
―――ったく、ちょいとからかいが過ぎたか?………こりゃマジでやばいかも。
せめて怪我が後に響かない様に上手く立ち回るべきかな?
なんて、俺が心の中で覚悟を決めた、その時。
「其処くらいにして置くんだな」
―――不良達の後ろから声がした。
「ああんっ?」
「誰だぁ?」
「なんだテメェ?」
突然の横いりに不良達は皆、一様に不機嫌な声を上げ、声の方を向いた。
逆光と不良達の身体によって邪魔されている所為で、此方からはその声の主の姿が良く見えないのだが。
さっきの声の質からして、其処にいるのは女性だろうか………?
ひょっとして虎姐が助けに来たのか?……ありえる話だが………
―――いや、まて、虎姐はあんなにハスキーな声はしていない。じゃあ、一体、誰なのだろうか?
「邪魔するんだったらスケでも容赦しねーぞっ―――」
邪魔をされていきり立った不良その1が、月並み極まる台詞を吐きつつ”女”へ掴みかかる。
………あー、こー言うパターンは大体が………
「――――!?―――」
次の瞬間、不良その1の身体がぐるんと回転し、
び た ん !
悲鳴を上げる暇(いとま)すら与えず、
”女”に投げられた不良その1は背中から地面に叩きつけられ、
身体を2、3度ビクつかせた後、その場で白目を向いてノビる。
………ほーら、言わんこっちゃ無い。
『な……なぁっ!?』
目の前で起きた事が理解できなかったのか、
残りの不良その2、その3が暫く目をぱちくりさせた後、ようやく驚愕の声を上げる。
「………こ、このアマぁっ! 」
「………て、テメェっ!」
数秒して、やっと我に返った不良その2その3が怒りの声を上げ、
二人同時に木刀を振り上げて果敢に”女”へ飛びかかる!
どかごすげしゃべきびたん!
―――そしてそのまま不良その2その3が”女”にノされるまで、五つ数える必要さえなかった。
「さて………危ない所だったな。奴らに何かされ……―――っ!?」
”女”は不良達が完全に気を失った事を確認した後。
此方に歩み寄りながら問い掛け様とした所で、
”女”は俺の姿を見て、はっ、と驚いたかの様に動きを止める。
年の頃は20代後半、身長こそ俺と同じ位と小柄ではあるが、その体付きはがっしりとした物で、
やや大きめのジーパンに、赤のトレーナーの上にジージャンを羽織ったラフな出で立ちをしており。
顔は中々の美人なのだが、その顔の右頬にある斜めに走った深い傷跡と、
左目の金縁の黒い眼帯によっていかつい印象を抱かせる。
その上、黒い短髪の間から覗き見える丸みを帯びた茶色の獣耳が彼女の印象を更に引き立たせていた。
恐らく、彼女は熊の獣人………って、そういや、彼女の顔に見覚えが………?
「お前………光喜か?」
無事な右目の部分を驚きで見開いた彼女に問い掛けられ、俺は思わず首を縦に振る。
「やはりそうか………私だ、熊谷だ! お前の兄の婚約者だった、熊谷 佳子(くまたに けいこ)だ!」
「………まさか、義姉さんか!?」
言われて、俺はようやく、目の前の隻眼の女性が誰であるかを完全に思い出したのだった。
―――――――――――――――――――――――――――
「まさかここで光喜に会えるとは思っても無かった………元気にしていたか?」
「義姉さんが見ての通りだ、俺はそれなりにしているよ」
「そうか………」
あの後、気絶したままの不良達を警察に引き渡した後。(因みに不良達は凶器準備集合罪とか何とかで逮捕。当然である)
俺と熊谷さんは通りをぶらつきながら、旧交を暖めていた。
因みに、俺が熊谷さんの事を義姉さんと呼んでいる事を気にする人もいるかもしれないが。
これは熊谷さん自身から「私の事は義姉さんと呼べ」と言われている為である。
………もし、うっかり名前で呼ぼう物なら、途端に不機嫌になるのだから性質が悪い。
「もう、あの日から6年、か………時間が流れるのは早いな………」
「………いや、あの日から”まだ”6年だ」
遠い空を見上げながら言う彼女に横に、俺は顔を俯かせながら溜息を漏らす様に言う。
「………幾ら時間(とき)が流れても―――俺にとっては”まだ”なんだよ………」
「………………」
その俺の横顔を、彼女は悲しげな眼差しで眺めた後。
「…………済まない…………」
そう、一言だけ謝罪する。
「い、いや、義姉さんが謝る必要は無いって!?
………アレは―――そう、不幸な偶然が重なった事故だった訳だし………
だから………義姉さんは悪く無いよ………」
謝られ少しばかりばつが悪くなった俺は慌てて熊谷さんへ言い繕うのだが、
「フ、光喜、お前はだんだんアイツに似てきたな?」
「い!?」
その慌てる表情を見た熊谷さんに苦笑され、余計に戸惑うしか他が無かった。
その様子を暫し、彼女は微笑みを浮べて眺めた後、通りにある料理店の方を指差し、
「さて、旧交を暖めるついでに食事でも奢ってやる、ついて来い」
「い、いや、俺は別に………」
「この私が奢ってやると言っているんだ。人の親切くらい、素直に受け取るべきだぞ?」
「………あ、ああ………分かったよ………」
彼女の提案に俺は遠慮するも、結局、強引に押し通されてしまい。
俺は彼女に引かれる様にしぶしぶ料理店のほうへ足を向けたのだった。
「いやいや、食った食った………それにしても良い食いっぷりだったぞ、光喜。
お前の食いっぷりを見ていると、此方としても奢り甲斐があったと思えるよ」
暫く後、食事を食い終わり料理店を後にした俺は、熊谷さんに食いっぷりについて笑顔で誉められる。
だが、俺は笑顔の彼女をジト目で見て、腹を擦りながら、
「良い食いっぷりって……義姉さんが食え食えって次々に料理を注文しなけりゃ、
あんなに食う必要無かったと思うんだけど?………お陰で胃がかなり苦しいし………」
「フ、そうは言うが、お前が残した分は私が全部食ってやったのだ、
それに今回の食事は私の奢りなのだから、本来はお前が文句を言う筋合いは無いのだぞ?」
「………うー………」
はぁ………如何も俺の周りの人間は、こう言う強引な人が多いみたいだな………
虎姐といい、獅子沢さんといい、どうしてこんな―――
「あーっ! 光喜、おまっ、その女誰だっ!」
「ひょ、ひょっとして、光喜さんの浮気発覚!?」
―――って………をいをい、噂すれば曹操の影あり、ですか………?
激烈に嫌な予感を感じつつ、首を軋ませながら声の方へ顔を向けると、
俺の思った通り、其処には熊谷さんを指差す虎姐と、驚愕の表情を浮べる獅子沢さんの姿があった。
「光喜っ、これは一体如何言う事なんだっ! その女は一体誰なんだ!?」
「あー、いや、その………この人はだな………」
尻尾を不機嫌に振りまわし、俺に向けてまくし立てながらずかずかずかと歩み寄ってきた虎姐へ、
俺が疲れた調子で説明しようとした矢先、
「フ、私がこいつの婚約者といったら如何する?」
…………………………………………
「あの…………いきなりナニを言い出しているんですか…………?」
とーとつな一言に、俺は暫し唖然とした後。
引きつった声で熊谷さんへ問うのだが、彼女は口元に笑みを浮べるばかり。
そして恐る恐る虎姐達の方へ視線を向ければ………
「―――――っっ!?」
「な、何だってーっ!?」
熊谷さんの言葉をまともに信じたらしく、
虎姐は言葉にならぬ声を上げて驚愕し、獅子沢さんに至っては何処ぞの編集部員の様に驚いていた。
………をいをい、なんでこうなるの………?
「あ、えーとえとえとっ!ううううう浮気はいけませんよ、光喜さんっ!」
「いや、あの………なんて言うかそのー………」
「ここここ言葉をどもらせるって事はううう浮気と見ていいい良いんですねっ!」
「いや、だから………」
「あああ、なんて事でしょうなんて事でしょう、はわわわわわわ!!」
「………………」
完全にパニクってどこぞのメイドロボみたく声を上擦らせる獅子沢さんにまくし立てられ。
助けを求めるように熊谷さんの方へ目をやると、彼女は腕組みをしながらにやにやと笑みを浮べていたりする。
………ひょっとしてこの義姉(ひと)この状況を楽しんでませんか!?
「……あ、あたしは信じないぞっ! 光喜があたしを裏切るなんて事する筈ないっ!
どーせ、人の良い光喜を騙して無理やり結婚を取りつけたんだろっ! そーだろっ!
そーじゃなきゃ、そんな恐い顔の女に、光喜がくっ付く訳が無い!!」
………虎姐、なんだかんだ言って、俺の事信じてくれてるんだな………。
「フ、如何とでも好きに取れば良いさ。
まあ、私と光喜の関係を、ケツの青い子猫に理解できる筈も無いだろうがな?」
「……∞♯〒※‰≒%&っっ!?」
食って掛かる虎姐に対し、全く動じない熊谷さんに挑発的に返され。
虎姐は声にならぬ声で悶絶し、獣耳と尻尾の毛を逆立て怒りを顕わにする。
「て、て、て、テメェっ!! ず、随分と挑発的じゃないかっ!! こうなりゃここで勝負だっ、決闘だっ!」
「ほう………決闘か、面白いな? 腹ごなしには丁度良いかも知れん、受けて立とう」
ちょwww なんで決闘の話に縺れ込んでるんですかっ!?
あー、止めないと止めないと!
「と、虎姐も義姉さんも落ち着いて―――」
『光喜は黙ってろ(るんだ)!』
「―――………………はい」
仲裁に入ろうと俺が声を掛けようとしたのだが、
無論のこと、頭に血が昇りまくってる虎姐と、完全に状況を楽しんでいる熊谷さんが聞き入れてくれる筈も無く。
結局、臨戦態勢に入った二人を前に、俺は黙るしか他が無かった。
と言うか、虎姐はそうとう頭にキているみたいだな………
俺が熊谷さんの事を『義姉さん』と呼んだ事に全く気付いてないし。
獅子沢さんは「え? 義姉さん?、と言う事は……あれ?」と誤解に気付き始めていると言うのに………ハァ
「さて、勝負の形式はレスリングで行こうと思う、それでも良いか?」
「ああ、上等だ! レスリングはあたしの十八番だからな!」
十数分後、通りはストリートファイトが始まると見て取った観衆が何時の間にやら集まり、
対峙する彼女等を中心に、10メートル程の間を取って固唾を飲んで見守っていた。
―――なんと言うか、お祭り好きな人が多いんだなー、この街って。
「では、私の名は熊谷 佳子。私がクマの獣人だと言う事を先に言っておく」
「あたしは虎山 妙だ! 見りゃ分かるけど虎の獣人だ!」
お互いに睨み合いながら、名乗りをあげる二人。
気の所為だろうか、二人の間で視線がぶつかり合って火花を散らすのが見えたような気がする。
「あ、あのー………光喜さん?」
「………んあ? 如何した?」
対峙する二人をよそに、俺は『この事態の収拾を如何しようかな―?』なんて考えている所で。
ようやく我に返ったらしい獅子沢さんに声を掛けられ、何気に聞き返す。
「………あの人、さっき熊谷 佳子って名乗ってましたけど………私の聞き間違いでしょうか?」
「あ?―――いや、聞き間違いじゃないけど? それが如何したんだ?」
「え? ちょ、ちょっと待ってください? それって本当なんですかっ!? 本当にあの人、熊谷 佳子なんですかっ!?」
「あ? ああ………そうだけど?」
驚き問い掛ける獅子沢さんに、俺は意味が分からずなんと気なしに答える。
「そうだとしたら………先輩は、確実に勝てません!」
「え?………って、はぁ!? 如何言う事だよ、それ!?」
彼女の一言に、俺は思わず声を荒げる。
「私の知る限りでは、熊谷 佳子と言うと……えーっと、確か数年ほど前に引退した。
不敗の小さき巨人と呼ばれた女子レスリングの金メダリストですよっ!! 知らなかったんですか!?」
「………え゛? ………マジ?」
そして驚愕の事実を知らされ、俺は掠れた声で問う。
「ええ。TVで見た時より印象は大分変わってますけど………多分、間違い無いかと。
私が聞いた話ですと、彼女は自分より二周りも大きな相手でも余裕でフォールに持ち越せるとか………。
まあ、とにかく、彼女は滅茶苦茶強いんです!
だから……幾ら先輩が強くとも、彼女相手じゃ、それこそヒグマに子猫が挑むような物なのです………」
「そうなのか………」
何時もの軽いノリの彼女とは思えないくらいに、真面目な表情で熊谷さんについて語る様子を見て。
俺は、獅子沢さんの言っている事は事実だと信じざる得なかった。
そーいや、以前、熊谷さんが兄貴と婚約する前はスポーツに傾倒していたとか、良く言ってたが。
まさか金メダリストとは思ってもいなかった………つくづく情報に疎いんだな、俺………
「しかし、彼女の引退した理由が少し解せないんですよ………
一般のメディアでは、婚約が契機に、とか言ってますけど。
実は、彼女がその婚約者と同じ職業に就いたのが、引退の理由と言う話があるんですよ。
……で、確か、その職業が何かの、開発関係で……―――」
「アキラっ、お前が審判をやってくれ! ボヤっとするな!」
「―――え!? あ、はいっ!」
言いかけた所で虎姐に呼ばれ、慌てて審判として二人の間に立つ獅子沢さん。
俺は敢えて何も言わず、3人の様子を眺める。
「ルールは、フリースタイル………と、女子レスリングはこれしかないから当然か。
で、勝敗を決めるのは、オリンピックのルールで2分間ずつの計6分間3試合を行い。
先に2ピリオド先取すれば勝ちとする、これで良いな?」
「ああ、それでも良いぜ。 後で変えろと言ったって無しだからな!」
俺と獅子沢さんが話している間に、
虎姐と熊谷さんはレスリングの邪魔となるジャンパー上着を脱ぎ捨て、
お互いにズボンとタンクトップだけの姿となって戦闘準備を完了していた。
………と言うか、もう雪が降ってもおかしくない季節だと言うのに、二人とも良くやるなぁ………
「先輩……無理しないでくださいよ? 彼女は………」
「アキラは黙ってろ! あたしは相手が何だろうがぶちのめすって決めたんだ! だから止めんじゃねぇ!」
「あ、あう〜………」
無謀な戦いを始めようとする虎姐を止めようと、獅子沢さんが言いかけた所で一喝され。
一喝された彼女は尻尾を下げて、助けを求めるような眼差しを此方に向ける。こっち見んな。
「さぁ、話はここまでにして―――始めるぞっ!」
「フ、来い!子猫ちゃん」
「あたしは子猫じゃねぇっ!!」
掛け声と共に、虎姐と熊谷さんが構えを取り―――同時に動いた。
虎姐は咆哮を上げながら低い体勢での猛烈なタックルを仕掛け、
それを熊谷さんは低い体勢のまま両手を大きく広げ迎え撃つ。
ガッ
ぶつかり合う身体と身体。
誰もが、虎姐のタックルによって、小柄な熊谷さんが押し倒されるかと思ったが―――
「フ、良いタックルだ………これが同世代の相手だったら、成す術無くマットに倒されている所だな………」
「………っ!?」
だが、その予想を裏切り。
熊谷さんは自分よりも一回りも大きな身体の虎姐のタックルを、
地にしっかりと根を張った巨木が受け止めるかのようにして、押し止めていた。
ざわ
ざわ
どよめく観衆、ここからでは良く見えないが、恐らく虎姐は驚愕の表情を浮かべている事だろう。
「………くっ、このっ!」
「ふむ、スジは良いな………だが、まだ青い………」
あっさりとタックルを抑えられた虎姐は、今度は熊谷さんを倒すべく、足を取ろうと動くのだが、
幾ら虎姐が仕掛けようとも、熊谷さんの両足はまるで地面に張り付いているかのようにビクともせず。
何時まで経っても倒す事が出来ない事に、次第に虎姐の表情に焦りの色が深まって行く。
そして組み合ったそのまま、1分が経ったその時。
「さて………時間がもう無いのでな、今度は此方から仕掛けさせてもらう」
その一言と共に―――熊谷さんが動いた。
ば ん っ !
―――そう、動いたと思った次の瞬間には、
虎姐は瞬く間に股関節をロックされた上で後方に投げられ。
そのまま熊谷さんによってフォール技に持込まれていた。
「――――っ????」
「あれはっ、レッグホールド!!………ってそれより!」
その早業に観衆は更にどよめきの声を上げ。
フォールされた虎姐は何が起きたか理解できず、地面に倒されながら呆然としていた。
審判の獅子沢さんも驚きの声を上げていたが、直ぐに我に返って判定を下した。
むろん、熊谷さんのフォール勝ちで。
「さて、これで私が1ピリオド先取、だな?」
「………くっ、たまたまだ、たまたま隙を突かれただけだ………次は、負けない!」
「フ、その意気は良し、だな」
余裕綽々な笑みを浮かべる熊谷さんに、虎姐は身を起こしながら悔しげに呟いて睨み付ける。
その様子に、熊谷さんは口の端に不敵な笑みを見せる。
「……さっきのは様子見だ、一本先取したからと言って、勝ったと思うな!」
「ふむ、様子見、か………その様子見が、今回にいかせられると良いな?」
そして30秒間のインターバルを経て、二人は再び対峙し、構えを取って睨み合う。
「………………」
「ほう? 今度は敢えて動かない訳か………成る程、賢明な判断だ」
そして2ピリオド目。今回は虎姐は先ほどの失敗を踏まえ、
自ら動かず、低い体勢で構えて相手の動きを見る作戦に出た様だ。
その行動に対して熊谷さんは感嘆の言葉をもらす。
「なら、今度は―――私が動くとしよう」
そして、再び熊谷さんが動いた。
ど っ !
「――――っ!?」
強烈、の一言に尽きる熊谷さんのタックルを受け、
熊谷さんよりも一回り大きな虎姐の身体が一瞬だけ浮き上がり、虎姐の目が驚きで見開かれる。
………俺と同じ身長なのに何ちゅう威力だ………獅子沢さんが言ってた事は真実と見て間違い無い、か。
「なっ……こ、こいつ!………このっ!」
尚も虎姐を圧し続ける熊谷さんの凄まじい膂力を前に、
虎姐は驚きを隠す事が出来ないまま、熊谷さんに倒されない様に必死に足を踏ん張らせる。
「如何した、こんな物か?………言っておくが、私の力はこんな物じゃないぞ?」
「ぐっ………な、なんて、力だっ!」
だが、熊谷さんによって圧される力を抑える事が出来ず、虎姐は驚きと困惑の入り混じらせた呻きを漏らす。
………虎姐がああも一方的に、それも力で圧倒されるのを初めて見た………
「ああ、そうだ、一つだけ子猫ちゃんに言っておく事がある」
「あ、あたしは子猫じゃねえと言ってるだろっ!」
「まあ、聞け。 とても重要な事だ」
「………な、なんだよっ! さっさと言え!」
そして圧し圧される体勢のまま、1分が過ぎた頃。
唐突に熊谷さんに話し掛けられ、額に汗を浮かべ始めた虎姐は焦りを混じらせた声で答える。
「私が、自分の事を光喜の婚約者だと言った話………実はアレは冗談だ。
正確に言えば、私は光喜の兄の婚約者だったのだ。騙して悪かったな」
「………なっ!?」
「―――隙あり!」
熊谷さんのカミングアウトに、虎姐が間抜けな声を上げ、一瞬力が抜ける。
―――その一瞬を熊谷さんは見逃す事無く、全身に力を込めた。
「だっ―――うあぁぁっ!?」
そして、虎姐の驚愕の悲鳴が周囲に響いた。
―――ああ、俺は一瞬、我が眼を疑ったよ。
それは戦いを見守る周囲の観衆も、そして審判をしている獅子沢さんも同じ事だろうな。
何せ身長190cm、体重は80キロ近い虎姐の身体を、熊谷さんは文字通りのベアハッグで容易く抱え上げたんだ。
多分、持ち上げられている虎姐が一番驚いていた筈だ。
何せ、一瞬の隙を突かれたとは言え、自分よりも一回り小さな女性に持ち上げられたからな。
「さ、フィニッシュだ。少々痛いが我慢しろよ?」
「ちょwwwまて、おまっ!?」
俺や獅子沢さん、そして観衆が驚きに固まっている間も無く。
投げの体勢に入った熊谷さんに、虎姐が慌てて止める様に叫ぶが………。
「これが………ビックポイント技だっ!」
「――――ど、どわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
必死の叫びも虚しく、熊谷さんの咆哮と共にブン投げられる虎姐。
―――って、投げられた虎姐がこっちに向かって飛んで、やば―――
ど ぐ わ し ゃ ぁ ぁ っ ! !
俺が避ける間も無く虎姐がぶつかる衝撃が全身を走り、
そしてそのまま俺は虎姐の身体に押し潰され………
『………あ゛』
俺と虎姐以外の全員が上げた声を耳に―――俺は意識を遠くへ旅立たせたのだった。
前半はここまで
女子レスリングに付いて調べたけど、間違っている所があるかもしれません………(汗
後半はひょっとすると来年になるかもしれませんので悪しからず。
紺田さんより一週間前に虎姉さんを負かした相手ですね(´∀`)
紺田さん好きだなー
熊にやられ、アナコンダにやられ、虎姐がボッコボコに(ノToT)ノ
マーキングと称して聖水をぶっかけられたい!
まとめ更新マダー?
>>795マダー?って言った奴が更新出来るのがwikiの強みだよな。
スレと直接関係無いけど
ヤングチャンピオン烈で新連載の鬼脚のイロハに期待
798 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 08:43:59 ID:hd9EA2CB
>>798 797じゃないが確か競走馬の擬人化漫画だったはず。
一応一般紙なんで局部描写とかはないけど中々良さげだった。
てかヤングチャンピオン烈エロ漫画家多すぎだろjk
私は一向に構わんッッ
>>799 一瞬マキバオーを想像して、「あの作者はエロ漫画家だったんか!」などと思った俺。
チャンピオン烈といや人頭の竜とねずみの話が結構よかった
しかしあの雑誌は思いっきり成年誌方面だな
804 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 20:11:05 ID:ljPsxPVK
>799 亀レスで悪いが ありがと
今年は存分に逆レ分を堪能出来た……!
年明けはネズミ算式に投下が溢れるに違いないw
誰がうまいこと言えと
あけおめことよろ
ネズミがかぷっと噛んでちゅうちゅう吸って・・・
「ハァ………やれやれ、気が付いたら何時の間にか年を越していたのか………?」
ふと、腕時計を見て、時刻が零時を過ぎた事に気付き、俺は独り言を漏らした。
テレビに視線を移すと、その画面には看護師姿に扮装したお笑い芸人が騒いでいる場面を写している所だった。
………なんか変だと思ったら、この番組ではカウントダウンをしない事をすっかり忘れてた。
なんて迂闊…………もし、他の番組を見ていたのだったらカウントダウンを見ながら年越し蕎麦を食べていたと言うのに!
まあ、その分、多いに笑わしてもらったけど。
まさか250を超える大台を、文字通り叩き出すとは思っても見なかったぜ!
………にしても、アレだけ叩かれてお尻大丈夫なのかなぁ?
閑話休題
それにしても、今年は寂しい年越しとなってしまったなぁ………
………そういや、去年は家族と年を越したんだっけな?
って、馬鹿か俺は?
自分から家を飛び出しておいて、今更寂しがるなんて…………ハァ…………
くだらない事考えてるより、とっとと寝てしまおう………
そう、思いつつ、俺は敷きっぱなしの布団に横になろうとした………その矢先。
バーンッ!ガターン!
いきなりドアが乱暴に開け放たれ、その所為で蝶番が壊れたのかドアが倒れる。
その凄まじい音で俺は驚き、思わず飛び起きた。
「あけおめだっ!光喜っ!」
「光喜さん、あけましておめでと……って、先輩! ドアが壊れちゃってますよ!?」
「げっ、やべっ!?………どうしよ?」
聞こえた声に、俺は恐る恐るドアの無くなった玄関の方を見れば、
其処には、困った表情を浮かべる獅子沢さんと、倒れたドアを見てうろたえる虎姐の姿があった。
大方、虎姐は獅子沢さんと一緒に新年の挨拶をしに来て、ドアを何の気無しに開けたつもりだろうけど、
こやつ、その力の加減を間違えやがったな?………
アレほど「ドアを開ける時は優しく」と言ってるのに………ここのボロアパートのボロさ加減を甘く見てたみたいだな………
「………一体何の用だ?」
「い、いやな、光喜の事だから一人寂しく過ごしている事だろうなと思ってな!
あたしとアキラがその寂しさを紛らわしてやろうかなーって?」
ジト目を二人に向けて聞く俺に対し、
虎姐がやや焦った調子で答えつつ、俺の視線を倒れたドアの方に向けさせない様に必死に身体で遮る。
………今更隠しても、もう既にバレバレです、どうもありが(ry
「まあ、倒れたドアの事に関しては後で追求するとしてだ。
虎姐、そして獅子沢さん、俺の寂しさを紛らわすって、一体何するつもりだよ?」
「ん〜、そうだな………」
「そうですねぇ〜………」
何やらニヤニヤと笑みを浮かべながら、顔を見合わせる虎姐と獅子沢さん。
…………何やらすっごくヤな予感が…………?
『やっぱり、姫始め?』
やっぱりか、やっぱりそうきましたか、
口を揃えて言うって事は二人ともそのつもりでここに来たんだな!?
「まあ、取り合えず光喜は大人しくしてるだけで良いから」
「全部、私と先輩がやってあげますし」
「良くないわっ!!」
服を脱ぎながらじりじりと俺に迫る虎姐と獅子沢さん。
無論のこと、俺はダッシュで逃亡を選択した。
が
「おーっと、逃がさないぜ光喜!」
「光喜さん、獣人相手に逃亡を選択しても無駄ですよ」
脱出する事はおろか、立とうとする間すらも与えられず
獣人特有の機敏さで飛び掛って来た二人に身体を押さえつけられ、俺は逃げるチャンスを永遠に失った。
「ちょ、やめろって、虎姐、幾ら何でも冗談きついぞ!?」
「あのなぁ、光喜。あたしは冗談でこんな事しないって、だから大人しくしてろ」
とかにこやかな笑顔で言いつつ、俺の服を爪で引き裂き始める虎姐、
どうやら説得を聞く気は無い様だ。
「し、獅子沢さんもこんな事止めろよ!」
「光喜さん、残念ですけどこれも運命と思って諦めてください」
言いながら俺のズボンを一気にずり下ろす獅子沢さん。
どうやら彼女もまた、俺の説得を聞く気は無い様だ。
やっぱりこのパターンか、どちくしょう。
「光喜ぃー。口じゃあ色々と言ってるけど、お前の身体は大歓迎みたいだぜ?」
「あ、本当ですねー?、これじゃあ説得力ゼロどころかマイナスですよ?」
うるせえ。説得力マイナスとか言うな!
女二人に圧し掛かられて乳房押しつけられて、その上さんざ愚息を弄繰り回されれば誰だって反応するわ!
「んじゃ、早速………んっ」
「う゛ぁっ!?」
「あ! 先輩、ずるいですよっ!」
俺が止める間も無く、虎姐が騎上位の形となり、
既に濡れている秘所へ俺の愚息をあてがうと、獅子沢さんの抗議を余所に一気に腰を下ろし根元まで挿入する。
愚息全体を熱く包みこんで締め付ける虎姐の膣壁の感触に、俺が打ち震える間も無く
「もう………だったら、私は光喜さんに舐めてもらいますよ」
「うぶぅっ!?」
獅子沢さんが俺の頭にまたがり、腰を下ろすと秘所を俺の口に押し付け、更にぐいぐいと擦り付ける。
鼻腔と口に広がる獅子沢さんの秘所の匂いと愛液の味に、俺の意識は朦朧とし始める。
「いいぞ!いいぞぉっ!光喜っ!」
「あっ、光喜さんっ! そこっ、気持ちいいですっ!」
二人の猫科獣人に犯され、朦朧とする意識の中、
俺は、2匹の猫に捕まって舐りまわされる哀れな鼠の姿を思い浮かんだのだった。
そして、同時に思った。寂しくはなくなったけど、年の初めからこれでは、先が思いやられるなぁ、と
その後、散々犯された所為でしっかりと初日の出を見逃した俺は、
申し訳なさそうな虎姐と、同じく申し訳なさそうな獅子沢さんと共に初詣に行ったのだった。
ちなみに、御神籤を引いて見たら、何故か獣吉だった………なんだよ、これ………
――――――――――――――了――――――――――――――――――
熊のSS後半で苦戦中の俺が通りましたよ………
それとあけましておめでとう。
新年となったので即興で書いたSSをお年玉として投下しました。
後半はもう少し掛かる見込みです、期待しないでまっててください。
あけましておめでとう、そして通りすがりさんGJです。
年明け早々のお年玉ありがとうございます。
後半の方も帰省中の実家でゆっくりしながら待たせていただきます。
一番乗りかな?
とにかくGJ!!!!新年早々いいもん読ませてもらった。
獅子沢さん可愛いなぁ
GJ!! ラストの獣吉に吹いたけど。しかし虎に獅子に熊ってかなり大型肉食獣に好かれてますね。
ねえ、知ってる?
ネズミって、多産の象徴なんだよ
多産ってことは、それだけ回数もこなすってこと
だから、姫始めは朝から頑張ってね
あたし、あなたの子供をたっくさん産むからね
元旦から そんな電波を受信したw
実家に帰ったらメス犬に押し倒され、腰を振られ、股間をなめられた。
びっくり。
犬なんかは異性の飼い主に恋してしまう事がよくあるらしい。
ちなみに生理中の女性の体臭はフェロモンに似ているらしく
男性の飼い主に近づくと雌犬がやきもちを焼く事もあるとか
拳精の精を獣人化したら萌えるなと見ててオモタ
<ナイルなティティス>3
「……」
気がつくと、見えたのは、古ぼけた木の天井だった。
「ここは……」
身を起こそうとして、ものすごい虚脱感に身体を襲われた俺は、
そのまま布団の上に沈みこんだ。
布団?
「お、気がついたみたいだぞ」
「あっ! よかったー!」
声がする。
男の人の声がふたつ。
片方は年上に思え、もう片方は同い年か下くらいのものに聞こえる。
身を捩ってそっちのほうを見ようとしたが、やっぱり身体は動かなかった。
「あ、動かナい方が良イでス。あなたの身体、弱ってマす」
三人目の声。
微妙にイントネーションがおかしいけど、びっくりするくらい綺麗な声が降ってきた。
俺をのぞきこむ顔が三つ。
「よかったー。意識が戻らないんじゃないかとハラハラしましたよ」
同年代の学生の、ほっとしたような表情
「大丈夫だ、ここで治せない毒はないぞ」
サラリーマンが、元気付けるように話しかけてくる。
「正確ニは、あノ娘の牙、毒ではアりまセん。敗血症を起コすバクテリアです。
でモ、私、そちラのほうも、トても研究しテます。さっキ打ッた注射で、菌、全部退治でキましタ」
純血種と違う瞳の、どきりとするくらい美しい女性。
俺は、三人のことばを働きの鈍い頭で反芻した。
……助かった、ということか。
「あ、デモ、体力をとテも消費しまシたかラ、まダ動いてハ駄目です。
こレを飲んでからジャないと……」
女の人が、立ち上がり、壺を持って戻ってきた。
「これ…は……?」
思わず質問して、自分の声がびっくりするくらいしゃがれていることに気がつく。
「まだ、喋らナいで。水分と栄養ヲ、随分消耗してイます。これデ補充するノでス」
女の人は、壺の中にペットボトルの水をあけた。
500mlを、二本?
「あとハ、果糖ヲ、400ml」
今度は、何か液体が入った瓶をあけた。
「ちょ……」
声にならない声をあげたのは、その美女が、
それをかき混ぜるために自分の尻尾の先を、壺に突っ込んだからだ。
神妙な顔で壺を見つめる美女は、やがてにっこり笑ってそれを終了した。
壺を、俺に差し出す。
「1.4キロの砂糖水。あなタに必要な最低限のものです。
……ほンとは、この十倍が望ましいのですが……」
そんなもの14キロも飲んだら死ぬんじゃ……というより、1.4リットルだって相当なものだ。
だが、俺は、抗議する力もなくそれを受け取った。
頭はともかく、身体がそれを欲していた。
水分と、吸収しやすい栄養。
大きなペットボトル一本分に近い分量のそれは、あっと言う間に俺の喉を通っていった。
「うぷっ」
飲み終えると、さすがにむせかえったが、吐き出すこともなかった。
自分でもちょっと信じられないが、これが追い詰められたときに
生物が発揮する力というものだろうか。
俺は、喉の渇きが癒えると同時に、全身が楽になったのを感じた。
急速に熱が取れて行く感覚。
「どうヤら峠は越えタようですね」
爬虫類の瞳を持つ美女が微笑んだ。
「ここは……」
起き上がってあたりを見渡したとき、ドアが開いて答えが返ってきた。
「私のアパート……の隣室、百歩蛇さんの部屋だ」
「……鰐淵……先輩?」
俺は、外から入ってきた学生服姿の長身をぼんやりと眺めた。
「うむ。下校の途中、君を担いだ龍那に出くわしてな。
バクテリアが…予想以上に利きすぎたことに焦っていた彼女から、……君を任された」
「それは――ありがとうございます」
「礼なら、そっちに……」
鰐淵先輩は、俺の周りに視線を向けた。
「私のつがいは……君を担いで、運んでくれたし、
治療してくれたのは、……こちらの…百歩蛇さん夫妻だ」
「あ、ありがとうございます」
俺は、布団のまわりに座っている三人に頭を下げた。
百歩蛇さん、というのは、多分、砂糖水をくれた女の人のことだろう。
サラリーマンの人は、その旦那。
じゃあ、この学生服が、鰐淵先輩の「つがい」か。
たしかに――俺より年下っぽい。
「<学園>の保健室、とも考えたんですが、距離的にこちらのほうが近かったんです」
鰐淵先輩のつがいが、頭をかきながら捕捉した。
「賢明な判断だ。毒とそれの近いものの治療にかけては、うちの女房は天下一品だぞ」
サラリーマン氏が笑う。
「そンな……」
あぐらをかいた旦那の横にきちんと正座している百歩蛇さんが、
顔を真っ赤にしながら、尻尾の先で夫の背中を軽くはたく。
サラリーマン氏は豪快に突っ伏して咳き込んだ。
「事実だ。……百歩蛇さんは<学園>の保険医に、勝るとも劣らない」
鰐淵先輩がぽつりとそう言い、俺は戦慄した。
純血種のもつテクノロジーの粋を集めても解き明かせない謎が多い獣人の集う<学園>。
その命を預かる<保健室>は、世界最高の病院機能を備えているはずだ。
ここの保険医が生徒の治療の片手間に書き記した論文が、
世界の医術を左右されると言われるようになって久しい。
だが、俺は鰐淵先輩が嘘や冗談を言っているようには思えなかった。
「さて――立てるか?」
俺が、密かに混乱しているのを知ってか知らずか、
イリエワニの獣人は、唐突にそう言った。
「い、あ、はい」
実際、目覚めたときとは別人のように身体が軽い。
龍那と間接キスをする前より、と言ったら言いすぎだけど、
一回地獄の淵を覗いて帰ってきた身体は、普通に動けるだけでも、
奇跡的で、そしてものすごいことのように思えた。
「ジャンプしたら、あの天井に届きそうな気分ですよ」
「うチ、天井低いデす」
「うん、僕でも届きそう」
……俺より10センチは背が低そうな後輩に頷かれ、俺はちょっとばつが悪かった。
「では、行くか」
鰐淵先輩は、靴を脱いでいない。
外へ、ということだろうが、
「――どこへ?」
思わずそう聞いた。
「ティティスと龍那が戦っている。さっき見てきたが、そろそろ決着がつく頃合だ」
鰐淵先輩は腕時計をちらりと見ながら答える。
「へ……あっ!」
不意に、俺は、龍那が俺に毒を盛ったのが、ティティスを挑発するためだったことを思い出した。
「ちょっ! 先ぱ……戦うって、ティティス!?」
俺は、自分でもおかしくなるくらいに混乱した。
「うむ」
鰐淵先輩は、少しずれてきた眼鏡を指で押さえて直しながら頷いた。
「だって、龍那、毒っ……」
「大丈夫」
「大丈夫って……!」
「毒で決着がつくような……女たちではない。行ってみるかね?」
鰐淵先輩は、冷ややかなほどに涼しい瞳でそう言い、俺は絶句した。
「これは……」
目の前に広がるのは、荒野だった。
プールの西にある、<裏山連峰>。
そのふもと、数時間前まで、松や桜の若い木が植えられていた一角は、
見事なまでにそれらが押し倒されていた。
局地的なハリケーンが発生したらしい。
「……」
鰐淵先輩は、この惨状にも興味がなさそうな感じで、黙々と坂道を登る。
どちらかというと、隣を歩いているつがいの様子のほうに興味と関心があるらしい。
もれ聞こえる会話は、今日の夕飯はどうしようか、とかそういう話だ。
だが、俺は気が気じゃねえ。
(何が起こっているんだ、ここで?)
俺の記憶が確かなら、それは、ティティスと龍那の喧嘩のはずだった。
だが、これは――まるで災害か戦争の跡じゃないか。
小山の一つを登りきる。
「〜〜〜!」
俺は、目の前に広がる光景に、絶句した。
そこに「いる」のは、二人の、小さな女の子だけだ。
そして、同時に、世の中で最も獰猛で凶暴な獣が二匹でもある。
ティティスが、尻尾を振るう。
重金属に匹敵するほどに硬い、丸太のような一撃を食らって、
龍那は、軽く十メートルは吹き飛ばされる。
イチョウの若木をぶつかった背中でへし折ったコモドドラゴンは、
あきれるほどのタフネスを発揮して、すばやく立ち上がる。
駆け寄って、お返しとばかりに尻尾を振るう。
ムチと言うよりはしなやかな棍棒のような一撃。
ティティスは地べたに叩きつけられた。
その黒髪に守られた頭を、龍那が思いっきり踏みつける。
それだけで、野性の牛を踏み殺せるパワーで。
「!!」
がつん、とも、ごつん、とも聞こえた音。
「ティティス!」
思わず叫ぶ。
この距離からでも分かる。
今のは、致命傷だ。
頭蓋骨陥没──どころか、脳漿を噴き出してもおかしくない死の一撃。
今、わかった。
あの娘たちが、純血種相手にどれだけ「手加減」して応じていたのかを。
ティティスが俺に簡単に突き飛ばされたり、走って追いつけないのは、
あいつが、そう演じているから。
いや、演じているとか、そう振舞っているとかじゃなく、
獣人は純血種相手に、体力や戦闘力の部門で「本当の本気」になることはない。
それは、俺だって知っていたけど、俺よりも30センチも小さい女の子の、
「本当の本気」が、これほどのものだとは夢にも思わなかった。
そして、その「本当の本気」がぶつかり合って、
ティティスは──、
ティティスは──。
「……芸のない奴じゃの。今の攻撃、何度目じゃ……」
……けろりとした顔で起き上がった。
「何度も食らうほうが恥ずかしいと思わないかしら?」
龍那が悔しげに、だが立ち上がって当然、という表情でののしり返す。
「どうでもよいわ」
ゆらりと立ち上がったティティスの黒い直(すぐ)い髪が、風になびく。
龍那の漆黒の髪も。
俺は、戦慄した。
この二人の、幼い、小さな、だが、強力で残虐な女神の争いの前で。
心臓が鷲づかみになるような恐怖と畏怖。
だが、このドキドキは、それだけじゃない。
俺は、今、何を感じているんだ?
「そろそろケリをつけるかえ?」
ティティスが、別人のような声で静かにつぶやいた。
小さな声にこめられた威厳。
それは、数十メートルはなれている俺の耳にもはっきりと聞こえた。
女王は、廷臣相手に大声を出す必要はない。
支配者の声は、誰の耳にもよく聞こえるのだ。
「はっ、うざいのよ、貴女は!」
龍那が身構えながら答えた。
「貴女といい、鰐淵といい、それだけ強いくせに、男を見つけたとたん、
まだ「つがい」にもなってないうちからデレデレして!
こっちは貴女と喧嘩するのを楽しみに待ってたのに!」
トカゲ族最強の少女は、鰐族最強の少女との対決を望んでいたのか。
鰐淵先輩も、ティティスも、今日までそれに応じずにいた。
だが──。
「龍那。わが背に危害を加えたこと、地獄の底で後悔せよ」
ティティスは、俺を危険な目に合わせたことで、それまでの自制を投げ捨てた。
あいつの本来の、強力で凶悪なナイルワニ獣人の女王の姿を呼び覚ましたのだ。
「――っ!」
龍那が走る。
双腕の連撃は、空中で受けた。
ナイルワニの女王の両腕が、コモドドラゴンの支配者の両手で封じられる。
無防備な喉もとへ龍那が噛み付く。
毒よりも危険な、致死性のバクテリアを宿した牙が。
「ティティス!」
俺は叫んだ。
「……!!」
龍那が噛み付いたのは、ティティスが自分の顔の前に横から割り込ませた尻尾。
だが、尻尾と言えど、あの毒では──。
「勝負……あり」
鰐淵先輩がつぶやいた。
「ティ、ティティスっ!!」
俺はもう一度叫んだ。
いや、もうそれは、悲鳴に近かった。
だが、ティティスは、何事もなかったように、龍那が噛み付いた尻尾を振り回した。
高く高く持ち上げて──地面に叩きつける。
砂埃を巻き上げ、龍那の身体がボールのようにバウンドする。
体重30キロ台の少女とは言え、人間を一人そんなに扱う筋力はどれほどのものなのか。
もう一度大地にキスをしたコモドドラゴンの支配者に、
ナイルワニの女王は、硬く重い尻尾を上から叩き付けた。
龍那は、──起き上がってこなかった。
「ちょ……ちょっと……」
俺は、呆然としてその様子を眺めることしか出来なかった。
頭は混乱しきっている。
動かない龍那。
先ほどからの超人ぶりを見て死んでいるとは思えないが、
その確信が持てないほどのティティスの打撃。
そのティティスは、猛毒バクテリアの牙を受けたはずだ。
「い、医者──。さっきの、百歩蛇さん!!」
俺は、口から漏れた自分の言葉で、何をすべきか気がついた。
きびすを返して戻ろうとする。
その背中に。
「こりゃ、待ちゃれ。わが背──」
振り向くと、ティティスがそこにいた。
「ちょ、お前、さっきまで、山の下に……」
俺の前でのろまに行動していたこいつなら何分かかるかわからないが、
<ナイルワニの女王>の本気なら、あっと言う間だろう。
俺は、それを理解した。
俺が見たこともないティティスを目の前にして。
そう、俺は、今日、はじめてナイルで女神と恐れられる、
鰐獣人の支配者と「出会った」のだ。
ティティスは、何も変わっていないように見えた。
小さな身体。
薄い胴体と華奢な手足。
脂を塗ったようにつややかな黒い直い髪。
肌理のこまやかな小麦色の肌。
だけど。
上気した美貌は、
濡れたように輝く瞳は。
何より、見にまとう血と暴力の匂いは。
俺の知るティティスじゃ、なかった。
「ど、毒、毒っ……!」
動転のあまり、何を言っているのかわからなかったが、
尻尾を指さしたことで意味は通じたのだろうか、ティティスは快活に笑った。
「大丈夫じゃ。わらわの尻尾、あんなやわな歯の通るものではない」
龍那の歯型が付いたそれは、文字通り、鰐皮の塊だ。
松の老木よりも硬く分厚いそれは、どんな鎧よりも頑丈そうに見えた。
「じゃ、救急車! 龍那を……」
振り返ってみると、コモドドラゴンの支配者は、もう立ち上がっていた。
「……」
忌々しげにティティスを睨み、気品に溢れる動作で地面に唾を吐き、無言で歩み去る。
一メートルもバウンドするくらいに地べたに叩きつけられ、
それをさらに上回る一撃を食らった少女に残ったのは、
ちょっとよろめく程度のダメージだけだった。
「信じられねー……」
俺は、嘆息した。
同時に戦慄も。
背中に流れる汗。
ティティスが、視線をそらしてうつむいた。
「そなたらには、こういうのを……見せたくなかったのでのう」
人外の能力を持つ獣人──俺はそれに恐怖した。
「……」
「……」
沈黙。
昨日まで、からかって遊んでいた女の子が、
自分が百人集まっても叶わない暴力の化身だったという事実。
いろんなアイデンティティが崩れ去った瞬間。
ティティスが、俺と「仲良くなるために」、
そういう態度で接していたということを、今の俺は痛いほどに理解していた。
こいつは、その気になれば、鰐淵先輩や獅子尾のように、
露骨な実力行使を行わなくても、周りから「強い」と認知されることなど簡単だった。
それをしなかったのは、インドア倶楽部に通う、本質的には内気で消極的な男への配慮。
「ティティス……」
目を伏せた<ナイルワニの女王>は答えなかった。
「……」
それきり、沈黙が続き、やがて──。
「では、私たちは帰る」
鰐淵先輩の一言でそれは破られた。
「あ……」
今まで忘れていたが、先輩は、つがいの少年と一緒にそこにいたらしい。
「あ、ちょ、ちょっと……」
「……同族の交尾を見る趣味は、ない」
先輩は、すたすたと坂道を下りながら、振り向きもせずに言った。
「……え?」
一瞬、何を言われたかわからない。
「血の匂いで、私も、昂ぶった。……私のつがいに、頑張ってもらうことにする」
手をつないだ少年が、ぼぉっと言う音が聞こえるくらいに顔を真っ赤にしたのが、
背中から見るだけでも分かったが、こちらはそれどころではなかった。
「こ、交尾って……」
「……!!」
ティティスが、何かに気が付いたように俺のほうを振り向いた。
「……」
「……な、何だよ」
俺は、こちらをまじまじと見つめる同級生に戸惑った。
「そうかえ……そうだったのかえ……」
ティティスがくすくすと笑い始めた。
「な、ど、どうした」
凶暴な女王の様子の変化に、俺は動揺する。
こんな怪物じみた娘が、理解不能の反応をしたら誰だって──。
だが、俺は、動揺していたわけじゃなかった。
「そなたは、こういう女に欲情する性質(たち)じゃったのか」
下からねっとりと見つめるティティスの視線。
ぞくりとした。
身体の真ん中が。
血の匂いと、力の匂いが、俺の鼻腔をつく。
それは、ティティスの体臭。
俺は、ズボンの前がはち切れんばかりに盛り上がっているのに気が付いた。
「うかつじゃった。鰐淵に聞いて知ってはおったが、とんと気が付かなんだ。
自分より強い獣に魅せられる獣がおることを。
──自分より強い女に惹かれる男もいるということを」
それは、サドとか、マゾとかそういうものじゃ、ない。
より強い子孫を残すために備わった本能。
純血種は歴史の中でそれを薄れさせていった。
だが、俺は、それを強く受け継いで産まれた。
だから──ナイルワニの獣人と交尾が出来る<因子>を持っているのだ。
だから──ティティスのつがいに選ばれたのだ。
そして、俺はもうそのことに反発しなかった。いや、できなかった。
ティティスの力を知ってしまったから。
この娘が、どれだけ強いか目の前で見てしまったから。
ティティスが、俺の手をつかんだ。
俺は、抵抗もせずに引き寄せられた。
「向こうへ──あの林でまぐわおうぞ。
いや──犯してつかわす。わらわの愛しい夫よ。
おぬしの望みどおりの方法で、のう」
全てを悟ったクラスメイトは、別人のように妖艶な瞳で俺をからみとり、
全てを悟った俺は、つがいの導くまま、林の中に連れ去られた。
ここまで