【ふふん】怪物王女でエロパロ2【ふが】

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1名無しさん@ピンキー
容量オーバーなので立てました
2名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 22:22:43 ID:n9YCk7zD
>>1乙!
KB注意しときゃ良かったなぁ…
3名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 22:26:57 ID:jFjFgkrX
>>1
ふふん。勲章を授けよう
4名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:13:10 ID:XPTeRIu4
>>1
乙!
5名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:39:08 ID:ek+/BOXR
>>1
乙!
6名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:12:08 ID:mHS37U8K
前スレで姫と下僕シリーズ書いてたネ申は来てくれるだろうか。
続きwktk
7名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:13:36 ID:8ZiP78ic
8名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:10:10 ID:N1neoI5h
>>1
乙です!!
9名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 03:00:29 ID:jRTZ5Oek
>>1
保管はいかがする?
10>>87:2007/10/03(水) 04:53:43 ID:kZ8bIRwF
>>6
はい、来ましたw
お粗末ながら、続きを投下します。
11王女と下僕5 15/21:2007/10/03(水) 04:56:15 ID:kZ8bIRwF

――ぺちゃ、にゅりゅ、くちゅ・・・

幼性の柔肌が粘性のある媚薬と絡まり、僕の身体を熱した飴細工のように蕩かしていく。
「ふふん、どうじゃ? そろそろ最高の気分だろう、ヒロ?」
シャーウッドはヒロの乳首に己の勃起した小さな乳首を絡ませながら尋ねた。
「はい・・・」
未体験の心地よさの中で朦朧とする意識の中、僕はそう頷いた気がする。
「なら、いいものを見せてやろう。」
シャーウッドはそういうと身体をよじってシックスナインの形をとった。
薄明かりの中では良く見えない・・・その恥じらいの秘部にパッと光がともった。
それは横に立つフランシスカが手に持ったペンライトだった。
鮮やかに浮かび上がった幼性の秘所・・・まだ肉の整わぬ小さな尻・・・
そのアナルまで丸見えであった。
「ふふふ、奥までみせてやるぞ♪ やれ、フランシスカ!」
ふがっと小さく返事をしたメイドロボは片手を小さくプックリとした割れ目に指を添えて
器用に人差し指と中指で割れ目の奥の小さなヒダを押し開いた。

――それは綿棒が入るかどうかの、か細い膣口だった。

フランシスカがその膣口にフッと息を吹きかけると膣口はポカリと広がり
その奥になる小さな処女幕を垣間見せた。
「どうじゃ? 正真正銘の純潔であろう? ヒロ♪」
シャーウッドの少し震えた吐息に混じった声が聞こえた。

――きっと、そのときの僕はどうにかしていたと思う。
12王女と下僕5 16/21:2007/10/03(水) 04:57:57 ID:kZ8bIRwF
――そうでなかったら僕は・・・

短く息を詰まらせながら、意識が幼性の秘所に吸い込まれていく。
その様子を悟ったフランシスカは両手を縛っていた縄を解いた。

――自由になった両腕・・・その手で僕は・・・

幼性の小さな尻を撫でた、手毬のように柔らかく弾力のある感触。
その肌地の感触を堪能しながらその尻を手元に・・・そして、その股間の柔らかな肉の
割れ目をこじ開けるように嘗め回した。

――花の蜜のような甘く芳しい味がした。

「うふっ、くっ・・・いいぞヒロ・・もっと舐めて・・・ふっ・・・」
シャーウッドの艶のかかった声が僕にさらなる興奮を与える。
その秘所から、綺麗な肉の割れ目から愛液が滲み出し、ムクムクと勃起した
クリトリスが真珠の芽を剥き出していた。

――興奮しているんだ・・・こんな、こんなちいちゃい子供なのに。

それはゾクゾクと心を揺さぶられる禁断の欲望。
僕は舌を潤す愛液と己の唾液を割れ目から突き出たクリトリスにまぶしながらこねた。
コリコリと滑らかな舌の上で翻弄される幼い肉芽を意のままに、そして口唇の間に
挟んで揉みつぶした。
「ふああぁああーーー、ヒロ、ヒロ、ヒロ!」
その悦楽の痺れに悲鳴を上げたシャーウッドが溜まらず未成熟な細腰を揺らす。
13王女と下僕5 17/21:2007/10/03(水) 05:08:20 ID:kZ8bIRwF
――もっと、奥の・・・奥にある・・・蜜が飲みたい・・・

つぷり・・・僕は舌を尖らすと奥にある処女の蜜口に進入した。
ぬぬぬ・・・狭い蜜口をこじ開け・・・その奥の粘膜を味わい・・・そして、
突き当たった純潔の証から直接、愛の蜜を搾取する。
か弱く、儚い・・・ともすれば傷をつけてしまいそうな、その処女膜を舌先で
揺ら揺らと弄ぶ。
「あ、あん、もう・・・ふぁっ! フ、フランシスカ!」
シャーウッド姫の掛け声と共にヒロの顔は引き離される。

――引き離される瞬間、僕の顔に熱い飛沫が飛び散ったのを感じた。

暫しの静寂・・・己のしでかしたことの重大さを認識できない朦朧とした意識。
少女の少し乱れた呼吸・・・その身体を支える忠実なメイド。
僕は口元に残る飛沫の雫をぺろりと舐め上げた。

――ねっとりとした媚薬の香りがする・・・

それは僕の意識をさらに蒙昧とさせ、狂いの渦に飲み込んでいった。

――そう、欲しかった・・・純粋に、この幼い性の全てが・・・

フランシスかの取り出した巨大な注射器が四つんばいになるシャーウッドの
アナルに挿入される。
「は、、、んっ!・・・やれ、フンランシスカ!」
シャーウッドの命令とともに【ふが】とだけ答えたメイドは、浣腸器の液体を
ゆっくりと注入していく。
14王女と下僕5 18/21:2007/10/03(水) 05:09:31 ID:kZ8bIRwF
その様は、とても甘美で淫靡で淫乱で狂乱の宴を期待させた。
「は、う・・・あっ! ヒロ・・ヒロ・・ヒロ!」
そのシャーウッドの苦しげな呟きが途切れたとき、股間の脈打つペニスにニュヌリと
何かが絡まった。

浣腸器の下にある小さな空間・・・その空間にあるシャーウッドの横顔。
僕のペニスを口一杯に頬張り、呻く少女の横顔。
その手前を一滴の粘液が横切る・・・それは絶え間無く戦慄く幼性の割れ目から
滴る愛液だった。

――ぽたり・・・ぽたり・・・ぽたり・・・

媚薬で火照る僕の胸に堕ちる愛液の雨が狂った心に沁みていく・・・
その様が僕を禁忌に導いていった。

「さぁ、用意が出来たぞ、ヒロ・・・」
すこし腹の膨らんだシャーウッドの肩をフランシスカが支え、膝立ちにした身体を
僕に向ける。
「・・・・・」
僕の言葉はでなかった・・・その先に何があっても良かった。

――ただ、欲しかった・・・爆発的な開放が。

「ふふん、この奉仕は栄えある英雄の中でも特に勲功をあげた者にのみに与える
栄誉なのだぞ・・・ヒロ、わかるか? お前はあってはならぬ特例なのだ。」
そう言いながら、汗を滲ませたシャーウッドは僕のペニスに腰を落としていく。
15王女と下僕5 19/21:2007/10/03(水) 05:10:58 ID:kZ8bIRwF
「ローションにまみれた私のアナルの味は絶品だぞ・・・ヒロ♪」

――クプリ・・・幼性の小さな菊の花びらを僕のペニスが散らせていく。

――ぐ・・・ぐ・・・ぐぐ・・・・ぐぐぐっ!

狭い隙間に亀頭が潜り込んだ瞬間、フランシスカの両手がシャーウッドの
細腰を一気に引き落とした。

――じゅぷぷぷぷぷぷ・・・


まるで滑り台のように滑らかに僕のペニスは埋まっていった。
「きゃはぁっ♪♪♪」
声変わり前の綺麗なソプラノの嬌声が室内に響く。
僕の悲鳴を上げる前に・・・そして、間髪いれずフランシスカの手で揺さぶられた細腰に、
その悲鳴は飲み込まれた。

ジュプッ! ジュブリ! ズリュリュ! ジュパッツ!

すでに爆発寸前の僕の亀頭が熱いローションで満たされた禁断の秘洞を激しく上下する。
その肉竿がアナルのキツイ締め付けで擦られていく。
その意識の量りを超えた快感の竜巻に僕の喉は痺れ、ペニスは限界を超えて膨らんだ。

「あっ! あはっ! お姉様は・・姉様は、こんな素晴らしいもので・・・あぁあっ!」
シャーウッドの甘く痺れた声が室内に響く。
16王女と下僕5 20/21:2007/10/03(水) 05:15:58 ID:kZ8bIRwF
「あ、ああ! 欲しい、ヒロ! 欲しいの、ヒロ! あのとき! 
空で貴方に抱きとめられた時から! 私の心は――」

――その声が僕の聞いた最後の声だった。



――魔王は去り、再び唯一神が玉座に着く。
――それは毎朝繰り返される通過儀礼。

暖かい陽光と小鳥の囀りがまどろんだ意識を覚醒させる。
僕は・・・長い夢をみていた・・・そう、全て夢だったと信じたかった。

――僕の胸には少女がいた。
――ベッドのデスクには王冠の髪留め。

髪を解いたシャーウッドのウエーブのかかった長髪が、まるで金のシーツのように
僕の胸一杯に広がっていた。

「おはよう、ヒロ・・・いい朝ですわ♪」
彼女は可愛い声で挨拶をし、僕はその髪を撫でていた。

――そう、こんなことは現実であるはずがないんだ・・・

――そう信じたかった。

――でも・・・

17王女と下僕5 21/21:2007/10/03(水) 05:18:14 ID:kZ8bIRwF
「ヒロ、初夜を迎えた王族の娘は愛する殿方とモーニング・ティーを一緒に
飲むのが慣わし・・・そして、その紅茶は同じく王族の娘がもってくるのだぞ。」
そう嬉々と語るシャーウッド姫。


その僕の目前には紅茶を乗せた盆をもった姫が、とても不機嫌そうな眼差しで立っていた。


「・・・両名、さっさと飲むがいい。」

そのドスの篭った、口をヘの字にした、およそ姫らしくない恐ろしげな声に
僕の身体はブルブルと震えた。

「シャーウッド・・・前にも言ったが、それは私の下僕なのだが・・・」
「ふふん♪ ならば奪ってみせよう、ヒロは私のモノですわ♪」



僕は・・・この朝の修羅場を一生忘れない。




終わり〜orz
18>>87:2007/10/03(水) 05:23:33 ID:kZ8bIRwF
はぁ・・・やっと終わった。
容量一杯規制に引っかかったときはどうしようかとw

それはともかく、体調崩して、病院いって、会社休職して
なにやってんだと・・・

シャーウッドのところはもう少しハードになる予定でしたが
さすがにやり過ぎと思い、ソフトな感じに修正しました。

エロのみで申し訳ないですが、感想ヨロノシ

・・・それでは再び寝込みます〜
19名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 07:10:22 ID:jRTZ5Oek
>>18
メサイアGJ!
あなたはフェニックスか!?
20名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 07:48:53 ID:Tpc+xP3v
乙!
21名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 08:27:49 ID:mHS37U8K
>>18
ローリングGJ!!
俺はあなたを待ってました!
22名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 20:48:42 ID:BrP5HiDj
乙!
あとはゆっくり体を休めてください
23名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 21:03:46 ID:xa2YBPYo
GJ!
24名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 21:06:28 ID:yx5/vQTs
GJ!!
しかしこう神作品が沢山あると保管庫がほしいな・・・
25全て吸い尽くしたくて:2007/10/04(木) 02:14:34 ID:sZ6OThZ0
>>1
乙です!

>>87さん
GJでした! 体に気をつけてください。


令裡×ヒロの最後が終わったので投下します。
あとこっちもタイトルつけました。


「ねぇ……イキたいんでしょう?……ヒロ…」
令裡の誘いを否定したい。だが意識は下半身に集中してしまっている。
「良い子にしてれば……ほぅら…」
摩擦が強まる。地面に爪を立て体をこわばらせるヒロ。かろうじて理性が食らいついている。
「私もヒロとやらしいことがしたいの……」

ギリギリまで我慢させ、自ら手を差し伸べる。鞭打ち後の甘い甘い飴。

「さぁ……」

無意識に首が動いた。ヒロの本能は蜜を求めた。


「じゃあ……脱がせて下さる……?」
虚ろな目のまま、ヒロが令裡の制服を掴む。ネクタイを解き、上を脱がす。服の下から黒いブラが現れた。
肉欲に支配されかけているヒロを令裡が制する。
「まだ残ってますわ……」
二つの膨らみを覆うものは令裡の手で床に落とされた。美しい曲線がヒロを引きつける。
一挙一動を見逃すまいとするヒロ。情欲に取り憑かれ、体中が燃え上がる。


「こういうのが好きなのかしら? だったら……」

令裡は腰をくねらせながら立ち上がり、ヒロの前でダンスを踊った。
端整な顔にそぐわない下品な動き。自ら肌を弄り、少年に色目を向ける。

可愛い観客の手をとり、人差し指に舌を絡める。血を吸うように指先を吸う。
丹念な奉仕は別の行動を彷彿とさせる。

「自分で扱いてなさい……でもまだ出しちゃダメよ……」
羞恥心はどこかに消えた。躊躇せずに性欲を呼び起こす。
初めて目の当たりにする先輩の一面。艶やかな踊り。白い裸体。
見るもの全てがヒロのよからぬ想像をかきたてる。


時間をかけて、長く白い脚が披露された。数秒もかからない動作を何倍にも引き伸ばしてのお目見え。
(あの綺麗な脚で僕のを……)
しかし今のヒロにはそれすら性具の一つでしかない。令裡の洗脳が効果を著しく表す。
26全て吸い尽くしたくて:2007/10/04(木) 02:15:24 ID:sZ6OThZ0
「さぁ、最後の一枚ね……」
令裡を象徴するような漆黒の下着。 発情する雄から乙女を護るには、か弱すぎる貞操帯。
「仕上げはよろしくね……ふふふ…」
ヒロの肩に踵を乗せ、自ら身体を横にする。脱がせやすいように少し腰を浮かせた。

下着に指を引っ掛け、取り去ろうとするヒロ。令裡はその首を腿でキュッと挟んだ。
「黒に白が付くと目立っちゃうのよ、ちゃんと脱がせてね……」
ヒロの股間は痛いほどに怒張している。
令裡の匂いは火に油を注いだ。

温厚な性格が一変した色欲の塊が令裡を襲おうとした。それは令裡も驚くほどの迫力だった。
だがそれもほんの一瞬。逆に令裡に押さえつけられ、首筋に歯を当てられた。
「悪い子には……お仕置きね…」
何度も噛むふりをして怯えさせる。するとヒロのモノが自分にぶつかるくらいに暴れているのを感じた。
これを使わない手はない。即座に『お仕置き』を変更した。

「覚悟なさい……ヒロ……」
令裡は身体をずらした。眼前には今にも破裂しそうな陰茎。含み笑いをし、指で再び根元を押さえる。
口から一筋のよだれを垂らし我慢汁と混ぜた。それを満遍なく広げ準備は完了。
「しっかり反省なさい……」
ぬるりと口の中に呑み込まれていくペニス――始まっていく終わりの無い快楽。

ズズズッと盛大に音を鳴らし、令裡がペニスをすする。頬がこけるほどの吸引が気持ち良くない訳が無い。
たちまち射精感が込み上げるがお仕置きは始まったばかり。
令裡は止め際を熟知している。ヒロが呻く――出したい……出したい……

「出したら罰にならないものね……」
裏筋に沿って舐めあげるとヒロが地面を掻き毟る。令裡は気にもとめずそのままカリをぐるりと一周した。
これ以上ないほど勃起しているペニス。これ以上ないほど欲望を蓄積させているペニス。
その鈴口をチロチロと舌先で嬲る。令裡は不思議な味を感じた。ヒロが抑えきれなかった性の味。
「また何か出てきてるわよ……蓋をしましょうか…?」

本来なら何かを排出するための鈴口。そこに令裡が舌をねじ込んでいく。
ヒロは今までに無い感覚に悲鳴をあげた。実際はほんの少ししか侵入していないが、それだけでも十分だった。
「まだまだ序の口ですわよ……」
ピンとヒロの陰茎を弾いて遊ぶ令裡。軽く、鋭い刺激はヒロを休ませない。
27全て吸い尽くしたくて:2007/10/04(木) 02:16:08 ID:sZ6OThZ0
「ごめん……なさ……許し…下さ…」
――これ以上は狂ってしまう。ヒロは白旗を揚げた。令裡に絶頂を請うた。
「素直な子は好きよ……ふふ…」
自分に屈した少年の顔を撫でた。
荒い息を吐く唇をなぞると、甘える様に指を咥える。その行為が令裡の支配欲を満たす。
「よく耐えたわね、ご褒美よ……」
令裡はヒロのペニスを自らの割れ目にあてがった。
騎乗位でのセックス。


――の寸前で令裡が最後の質問をした。
「ヒロ……あなたが好きなのは誰ですの……?」

この場面で他人の名を出すことは、まず出来ないだろう。ヒロも然りだった。
「れ、令裡さ――」
「違うわ」
本人が名を呼ばれるのを拒んだ。かわりにヒロの耳元に禁断の言葉を囁く。

「あなたが好きなのは姫様。でも私とエッチするの……」

ヒロの顔が一瞬だけ後悔に変わった――がすぐに恍惚へと変化した。
令裡がヒロに腰を沈めた。

激しく上下する令裡。それに合わせてヒロのペニスが射精に向かう。
ヒロも少しずつ腰を動かしだす。快感しか目に入らなくなってしまっている。

「っ…はぁ……いいわ……ヒロ…もっと…」
責め続けた分、令裡も快楽を求めた。ヒロの陰茎を奥へ奥へと誘い込む。
愛液が止め処なく溢れ、いやらしい音を奏でる。


共に身体を貪りあう時間が過ぎていった。
「……もう…出…」
ヒロが限界の接近を知らせた。
(私も一緒に――)
自分も絶頂に達しよう。令裡はそう考えた。
しかし別の考えがそれを抑制した。

今にもイキそうなヒロ。
令裡はしばらく悩んだ後、その顔に口を近づけ最後の言葉を囁いた。
「美しい金髪……涼やかな眼……姫様と迎える絶頂……ヒロ……愛している……」
刷り込むように何度も何度も繰り返した。

「ひ……め…」
ヒロが反応した。それを確認し、令裡が切ない笑みを浮かべる。
一気にスピードをあげた。

極上の快感を受け入れたヒロと令裡。令裡の中をヒロの精液が満たしていく。
令裡は自分の中からヒロを抜き取り、そのまま倒れこんだ。
ヒロの顔はとても安らかだった。
28全て吸い尽くしたくて:2007/10/04(木) 02:17:01 ID:sZ6OThZ0
「令裡さん……なんであんな事を…?」
冗談めかして答える令裡。
「ヒロの心は姫様のものじゃない? だから体を頂こうと思ったのよ、気持ち良かった? ふふふ……」
「な、何言ってるの!!」
顔を真っ赤にして否定するヒロ。だがその顔はすぐに曇った。
「……でも僕…これからどうすれば……」
体の関係を持ってしまった事実はヒロにはあまりに重かった。
「姫様が好きなら気持ちに従えばよろしいんじゃなくて? 心と体は別問題ですわよ」
令裡の言葉はヒロを少し楽にした。すこしぎこちない笑顔でヒロが返事をした。
「……はい」
「でもしたくなったら何時でも言いなさ――」
「も、もうしません!」
ヒロの決意をあっさり無駄にしそうな誘いを全力で突っぱねる。
「じゃあ独りでするのかしら…?」
「そういう意味じゃ……」
すっかりいつものペースに戻されている。

「……そう言えば…あの時どうして姫の名前を?」
令裡の顔が心なしか悲しげになり、元に戻る。
「……ただの気まぐれですわ」
窓を開けて空気を入れ替える。
「またしましょうね」
そう言い残し飛び去っていった。


(きっと『姫様』じゃなくて『令裡』だったらあんな顔はしなかったでしょうね……)
幸せを湛えたヒロの寝顔を思い出した。あの顔だけは壊したくなかった。
(まぁ、今は体だけで十分ね。これであのメス犬とは圧倒的に差がつきましたし。 問題は姫様ね……)
思った以上に一途なヒロの想い。だが必ず自分が虜にしてみせる。
「でも心まで私のものになるのも時間の問題ですわ。ふふふ……」
令裡が決心を言霊に変えた。


どんな願いも必ず叶うと信じているほど子供ではない。
素直に身を引いてヒロを諦めきれるほど大人でもない。

そんな大人で子供な令裡のわがまま。



29名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 02:22:18 ID:sZ6OThZ0
以上です。
ドS令裡様の洗脳ものにする予定でしたが途中で甘めに変えてしまいました。
なので無理やりな終わらせ方な感じがするかも知れません、ごめんなさい。
では失礼しました。
30名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 03:21:01 ID:ejYMkWzG
>>29
GJ!!
31名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 07:44:01 ID:k6vmc6U0
>>29
GJ!!
最高ですた!今までゴミに見えた俺のがカスに見えました!
32>>87:2007/10/05(金) 09:08:49 ID:pFMLfRUn
沢山のGJ!ありがとうございます。

私がSS職人になったのも、
作品が出来てからどれだけのGJがつくか
そのドキドキ感がたまらないからです。

でも、たくさんのGJがつけほど
次はもっとエロ面白いSSを作らないといけない・・・
そのプレッシャーがまた辛楽しいのです。

次は短めで令裡先輩かなぁ〜
なんか面白いシチュあったらリクエストしてください。

それでは出社するかぁ〜ww
33名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 09:31:17 ID:6Gz9xIxx
>>32
ツェペリ×令裡という新しいカプをキボンヌ
34代理投下の本人:2007/10/05(金) 11:44:52 ID:n+7kaaCi
エロ薄いです。

淫魔王女

さわさわ

誰かが肩を揺らすのを感じて、ヒロは目を醒まし、上半身を起こした。
自室で寝ている彼を起こすのは姉の紗和々か、フランドルぐらいのもので、たまにリザが来ることもあるが、その場合は叩き起こされるという形容が相応しい。
「やっと起きたかい、血の戦士」
聞いたこともない声色に、聞き捨てならない単語。
彼が姫の血によって復活した死人であり、忠実な血の戦士である事は基本的には秘密の事項である。
そこにいたのは、異形だった。
可愛らしい少女の顔をしているが、双方の耳の上にがっちりとくっ付いているのは明らかに羊のものと思われる角、上半身が裸で形のいい乳房が惜しげもなく露出し、何より何かの動物のものと思われる下半身には蹄がついている。
その蹄がどうやら彼の肩をゆすっていたらしい。
(怪物!?)
ヒロにはその不確定名称だけははっきりと認識できた。
何度も姫や仲間達と修羅場を潜ってきた訳ではない。
咄嗟に周りを見渡したとき、不可思議な違和感を感じた。
自分の部屋ではなく、一階の客間だった。
光景は怪物屋敷の中の客間に間違いないのだが、漂っている雰囲気というものがなんとなく違う。
どことなく覚えがあるのだが―――
「君は、だれ!?」
 とりあえず目の前の怪物の少女に話しかけてみることにした。
「あたいは淫魔―――サキュバスだよ」
「―――やっぱり怪物? まさか、姫への刺客なの」
 ところがサキュバスという怪物は鼻で笑った。
「あたりさ。だが、今のあたいのターゲットはリリアーヌ姫さまじゃあなくて―――あんたさ」
「僕?」
「ああ、姫様の現在唯一の血の戦士。王国で流れている情報によれば、リリアーヌさまの護衛は最強の……はずだよね」
「僕に言われても」
「まあ、いいさ。どうせ、あんたはもう終わりだ。ここ、どこだかわかるかい」
この一種独特の気だるさと、不自然なまでに現実味のない空気。
ヒロの脳裏に似た経験をした記憶が甦る。
それは紙袋を被った殺人鬼の姿をしていた。
35代理投下の本人2:2007/10/05(金) 11:45:55 ID:n+7kaaCi
「まさか、ここはまた夢の中なの!?」
「あたりさ。遠くから様子を窺ってみたら、どうやら以前にここで夢を操った奴がいるみたいで、ものすごく容易く潜り込めたのさ。それに他の連中に比べると、人間のあんたは無防備そのものだからね。簡単簡単」
 客間に本来あるはずの扉がいつのまにかなくなっている。
「しかも、外からはどんな手を使ってもあんたを起こすことは出来ない。夢の中に入り込むことなんてできないからね。それも、とびっきりの淫夢の中に」
 けたたましい淫魔の笑いが室内に鳴り響く。
人の気配がしたので振り向くと、両の肘を手で組むいつもの姿勢の姫がそこにいた。
「姫、危ない、刺客だよ!」
だが、姫はその警告を聞いても身じろぎもしないで、ただヒロを見下ろしている。
おかしいと思いはじめると、姫は手を下ろし、自分の手でスカートをまくりあげた。
初めて見る白いレースのついたショーツがヒロの目に眩しい。
姉が手もみで洗っている姿をよく見たが、実際に姫が穿いている姿を見ると心臓が激しく高鳴る。
ショーツ越しに少しもっさりとした金の陰毛がわかった。
普段なら、まったく顔色の変わらない姫が、顔を赤くしながら持ち上げたスカートの端を口にくわえる。
まるで、ヒロたちに下着を見せ付けるような格好だった。
躊躇なく姫の指がショーツにかかり、するすると下にずりさがっていく。
太もものあたりで止まった。
ヒロの目には金色のヘアーに包まれた姫の秘所があらわになった。
股間の割れ目が隠れるほどに黄金が萌えている。
目を覆いたかったが、それはやはりできなかった。
男としての欲望と好奇心が少年を打ちのめしていたからだった。
太ももには隙間があり、とろりと透明の液体が零れ落ちる。
その蛇口となったのは姫の割れ目。
てかてかと輝いているのは愛液か。
感触が気持ち悪いのか、もじもじと太ももがすりあわされる。
羞恥のあまりか居心地が悪そうだった。
それから歩幅を開き、片方の手をヘアーに添え、秘所をさらに露呈させる。
「ヒロ……私の大事なところを見てくれ……いやらしくて、さっきからおまえのために濡れて濡れて仕方ないんだ……。いや、見るだけじゃなくて触ってください。……おまえに触れられると思っただけで気持ちいいのよ……」
想像したこともない、姫のエッチなおねだりが聞こえてきた。
怜悧な顔がエロい期待でほてっている。
「舐めてください―――ヒロ」
あまりの可愛さに抱きつきたくなる照れ顔だった。
こんな姫の顔を見るためなら何を払っても惜しくはないと思わせる愛らしさだった。
36代理投下の本人3:2007/10/05(金) 11:46:43 ID:n+7kaaCi
だが、ヒロからするとおかしな姿だ。
彼の知っている姫は、口が裂けてもこんなことは言わないような気がする。
しかも、ヒロに命令こそすれ、愛撫をお願いするなど、天地が割れてもなさそうだ。
あの姫が―――
ヒロは目の前の主が、本来のものではないのではないかと疑問をもった。
(このサキュバスって怪物に操られているの?でも、姫が誰かに操られるなんて、そんなことありえない!だったら……)
納得できずに目の前の目をそむけると、部屋の中央で令裡が四つん這いになって、こちらを向いていた。
セーラー服のスカーフが緩まり、姫と同様にその端をくわえている。
咥えているのに声がする。
「……ヒロ、ねえ、姫様ばかり見ていないで、私のほうも見てくださらない」
四つん這いから、女の子特有の横座りになり、制服の上着をまくり、黒いブラジャーに包まれた乳房をチラチラと見せ付ける。
「ほら、大きいでしょ。お姉さんのため、揉んでくれない?」
何度も見たことがある黒いショーツとお揃いの、イメージに相応しい(吸血鬼としてだ、学園のマドンナとしての先輩ではない)ゴージャスな品物だった。
胸の大きさもゴージャスなので、ヒロの視線が吸い付く。
「あら、注目の的かしら」
そういうなり、大胆に伸びをして制服を脱ぎ捨てる。
姫にまけずとも劣らない透き通った肌があらわになり、黒い下着とのミスマッチが眩しい。
ヒロの下半身がついに勃起した。
姫のときは恐れ多くて駄目だったが、多少、俗な感じがする令裡相手では簡単に欲情してしまう。
初めて会ったときも、ちょっと期待してしまい結果として周囲に迷惑をかけてしまった。
令裡の赤すぎる舌が唇を舐める。
あの舌がなんども往復する様はひどく劣情をそそる。
令裡はバストを強調するためにか、両腕をクロスさせる。
たわわな乳房がぷるんと揺れた。
どこのグラビアアイドルかと思わせるポーズだが、わざとらしさがなくむしろエロチックすぎて似合いの仕草だった。
肩にかかっていたブラの紐がずり落ちる。
片方の乳房と、その赤い乳輪が顔を覗かせた。
かぶりつきたくなるように白い肌ともちもちした肉の柔らかさ。
姫の時とはまた違う下半身に直接来る刺激だった。
これに耐え切れず、再び視線を外したヒロの目には、今度は窓枠に手をつき、こちらに大きな尻を向けた下半身裸のリザがとびこんできた。
37代理投下の本人4:2007/10/05(金) 11:47:35 ID:n+7kaaCi
上はいつもの黒いピタTだが、それも途中までまくりあげ、乳が盛大に突きあがっている。
令裡とは違う、ロケットのようなピンとしたオッパイだった。
健康的な赤色が、張りのある感触を想像させる。
指で押しても強く弾かれそうだ。
そして、突き出された尻と長い両脚の間にはなんともいえない淫猥な雰囲気が漂っている。
決してこんな男を誘うようなポーズをとりそうもない、屈服をしそうもない、半人狼の少女が尻を突き出し、耐えられそうもなく振っている。
びくびく震えているのが、興奮なのか、羞恥なのか、それとも誘いなのかヒロにはわからなかったが。
背中も同様に震えているのが、男に差し出した尻に倣ってのことなのかわからないが、見ているだけで射精したくなるような魅惑な持ち物だった。
尻の谷間にペニスを突き入れたくなる衝動に駆られた。
リザはきっと可愛い声で鳴くに違いない。
 そんな妄想を一瞬で抱くと、
「ヒロ」
「……何、リザ」
「突いてくれ」
「えっ」
「早く、オマエのおちんちんをあたしの中に入れてくれって言っているんだよ。もう身体が疼いて耐えられないだ。早く犯してくれよ。おまえのちんちんがなきゃ耐えられないんだよ。頼むよ、ヒロ……」
 実際にリザが可愛い声でおねだりをしてきた。
ありえない。
あのリザが僕にこんなことを言うなんて。
姫だって、そう。
高貴でわがままで、なに考えているのかたまにわかんなくなるけど、あの姫がぼくなんかにかしずくはずがない。
……まあ、令裡さんは普通だけど。
「なんか、バカにされたような気がする……」
ブラを完全に外して、すくいあげるように持ち上げた自分の乳房を舐めていた令裡が、ぽつりと呟いた。
「……どうだい、血の戦士」
「これは何なの。姫たちは何をしているのさ!」
「見てわかんないかな。これは、あんたの普段見ている夢の姿さ。あんたは常日頃から、周囲の女達で無意識のうちにこんな妄想を抱いているんだよ」
「えっ!」
 ヒロは三人を向いた。
怪物屋敷に住む三人娘は、どれもが信じられないほど大胆でいやらしいポーズをとり、卑猥な誘いを口に出している。
38代理投下の本人5:2007/10/05(金) 11:48:26 ID:n+7kaaCi
いつのまにか令裡がリザのもとにいき、その腰を掴み舌で尻タブのあたりをなめていた。
リザもその愛撫を拒まない。
姫はまだスカートを咥えたポーズのまま、今にもオシッコをしそうなほど何かに耐えているような顔で立ち尽くしている。
洩れそう、という感じだった。
「これが僕の夢だって!」
「そして、この自分が生み出した淫夢におぼれたとき、あんたは二度と目覚めない」
「―――だったら、僕が我慢すればいい」
「できるかい、ほら」
スカートをたくし上げ、尻をかざしあう姫と令裡。
その目は劣情に満ちている。
ヒロが目をそらすと、そこでは三人娘が痴態をさらしている。
「ヒロ……エッチしよう」
追いすがる令裡を振り払い、リザが犬のように四つん這いで擦り寄ってくる。
双眸には普段の勝ち気さは微塵もない。
これが自分の夢の産物だというなら、恥ずかしさのあまり死にたくなる。
僕はみんな相手に何を妄想しているんだ!?
「あうあう」
いきなり、両の頬がはたかれた。
だが、誰もそこにはいない。
しかしヒロの記憶には似たような光景があった。
あのときのように、外部で一人起きていたフランドルにはたかれたときのように、またやられているに違いない。
「ほう、外から干渉してきやがったか。もう気づいたとは、さすが王族の姫。一筋縄じゃあいかないね」
 サキュバスが感心したように呟く。
「だがな、そんなことじゃ、この血の戦士は起きねえぜ」
 誰に向かって言っているのか。
しかし、確かに、痛み程度では目は覚めそうにはなかった。
前回、謎の敵に襲われたときの明晰夢でも、何度も刺されたが決して目覚めのときはおとずれなかった。
そうなると、次は―――
口の中に慣れた鉄の味がした。
甘美で麗しい、そして心を惑わすその美味。
広がっていくのは、決して誤解しない姫の血の味だった。
サキャバスは今度のヒロに起きた異変をすぐに悟ったが、ただ笑い飛ばした。
蹄状の足を揃えて打ち鳴らし、愉快そうに呵呵大笑する。
「はっはっは。なんだい。はは、姫さまが血を飲ましたのかい。―――聞いているよ。例のアレのときに使ったっていう手だな。残念だが、あたいの能力相手ではそんな手は利かないよ。無駄だったな!?」
あの時は、救出に訪れたシャーウッド姫の血がヒロに姫をイメージさせ、夢の中に新しい姫を登場させた。
その結果、一緒に夢に取り込まれていた姫が排除され、目覚めた姫の手によって刺客の怪物は抹殺されたのである。
しかし、今回、姫たちはもともとヒロの夢の産物。
取り込まれているわけでもなく、夢の中の状況を外部から知ることは出来ないし、このサキュバスは夢の中に入り込める怪物だ。
どうやっても倒すことは出来ない。
だが、そのとき、
「それはどうかな」
サキュバスとヒロは、聞きなれた、そしてさっきまでの甘いものとは比較にならない冷静な声に思わず振り向く。
そこには姫がいた。
手には彼女が愛用するチェーンソーが握られている。
ギョルルルルル
激しく物騒なエンジン音が性に満ちた静寂を乱す。
「姫!?」
「そんなバカな!?」
「―――サキュバスか。趣向としては面白いが、二番煎じの手段では私を倒すことなど、文字通りに夢のまた夢と知れ」
 ヴォォォォォン
 ぐわっと、振り回された凶悪な刃がサキュバスの胴を軽く薙ぎ払った―――
39代理投下の本人6:2007/10/05(金) 11:50:56 ID:n+7kaaCi
「例の夢の怪物のあと、私は対策を怠らなかった」
客間で、フランドルが淹れた紅茶を嗜みながら、姫は得意げに微笑んだ。
他にはリザと令裡がいる。
仲間達は、ヒロの夢にサキュバスが侵入したことを知ると、さっそく客間につれこんで救出作業に入っていたのだ。
何時間もかかったようだが、みなが元気満々だった。
怪物たちは夜には強いので、一番眠そうなのはさっきまで眠っていたヒロ本人という始末だ。
「夢に異物が現れても、私の血の味を感じたら対悪夢の防御策が発生するようにな」
「なんだ、そりゃ?」
リザが首を捻る。
彼女が寄りかかっているのは、夢の中でリザが尻を差し出していた場所だったので、そのときの光景が思い出されて、ヒロは赤くなる。
あのリザの痴態については絶対に他人に洩らせない。
「おい、大丈夫か、ヒロ。熱でもあんのか。具合は悪くねえか」
心配したリザが額に手を当ててくれるが、ヒロの視線はピチTの下で盛り上がったオッパイに集中してしまう。
「―――その辺でおやめなさい。ヒロが駄目になってしまうわ」
「ん?」
「令裡に命じて、私がヒロと紗和々に暗示をかけておいたのだ。二人は特にただ人間だからな、利用されんとも限らんからな」
「血の味をキーワードにして、夢に侵入した異物を排除する赤血球のような虚像を出現させるというものよ。
要するに、夢の中のガーディアンね。それは血を飲む前には構成されず、まったく存在しないから、侵入してきた異物にも感知できず、発生後は二度と敵を逃がさず退治するという仕組みになっているの」
令裡は得意げに鼻を鳴らした。
確かに、パワー重視のリザと違い、特殊能力に長けた令裡ならではのものだろう。
自分がヒロを助けるのになんの手助けも出来なかったとわかり、リザはちょっと不愉快だった。
「そうすると、くだんのサキュバスは、ヒロの夢の中で退治され、二度とこの世にはでてこれなくなったというわけか」
「ふふん」
今回、血を飲ますだけであまり仕事をしていないのに、姫はやはり得意そうだった。
あの淫夢の中の姫と違い、やっぱりこっちの方がヒロの好きな姫らしくていい。
そう思ってニヤニヤしていると、
「……で、ヒロはどんないやらしい夢を見たのかしら、お姉さんに教えてくださらない?」
令裡が全てを知っているような顔で近寄ってきた。
期待で顔が緩んでいる。
「いや、別に……」
「隠さなくてもいいわ。だって、サキュバスの夢に出てくるものなんて相場が決まっているもの。で、ヒロがエッチぃなことをしようとしていたのは、いったい、だ・れ・な・の・か・なー」
「てめえ、ヒロ。なんで目をそらす」
 なんとなく野生の勘が働いたのか、リザまでも少年を問い詰めようと寄って来た。
「……なんでって」
答えられるはずがない。
リザも、令裡も、姫も、目の前の三人がそれぞれエッチな格好をしていたなんて!
一人遠くで様子を眺めていた姫が、こちらも全てをお見通しのような目で、
「ふふん、大方想像がつくが、―――このムッツリめ」
「えー!?」
ヒロはものすごく泣きたくなった。
まあ、泣けば許してくれるようなメンツではなかったのだが……

                      完
40名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 15:01:24 ID:6Gz9xIxx
>>39
GJ!!
41名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 23:33:06 ID:qFBtgj3T
寸止め王女
42名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 00:05:55 ID:zkC9IXzy
殺戮王女より
「もし一日以上銀の弾丸を射っていたら姫はどう用をたすのか?」
 
普通の人の考え

「フランドル。代わりに射っておけ。私はトイレに逝ってくる」
「ふが」

変態の考え

「ふふん。こんなこともあろうかとパンパースとウィスパー朝までガードを穿いている。大きくない限り大丈夫だ」


つい書いてしまいました。お目汚しすいません
43恋情王女:2007/10/06(土) 01:22:25 ID:jreZtYW+
姫×ヒロを書いてみたので投下です。
今回は甘々にしたかったのでエロは次回にしました。



「はい、ヒロ」
姉さんはニコニコしながら2枚のチケットを差し出した。
遊園地の招待券? どうしてこんなものが?
「お買い物をした時に福引で当たったの。いい機会だからヒロ、お嬢様を誘ってみたら? 」
「え!ひ……姫を誘う!?」
い、いきなり何を言い出すんだよ、姉さん! 僕は別に遊園地なんて……そ、それに第一どうして姫なのさ!
「あら、だったら誰を誘うかはヒロが決めたらいいじゃない。たまには羽を伸ばしてらっしゃい」
そう言って僕に券を渡して……いや、押し付けてだな。鼻歌まじりで姉さんは去って行った。
どうすればいいんだよ、これ……


考えていたらあっという間に夜。僕は眠れず、チケットをいじっていた。
もらったからには行かなきゃ悪いよなぁ……でも誰を誘えばいいかな?
フランドル――は仕事があるだろうな。
リザか令裡さん――は「片方だけ誘う」にしろ「二人に譲る」にしろケンカするかも……
シャーウッド姫――は……どうも苦手なんだよなぁ、あの子。
クラスの子はもっての他だもんなぁ。

――と、なるとやっぱり姫しかいないか……でも

『何をふざけた事を』『家来の分際で主を誘う気か』『身の程をわきまえろ』

とか言われて相手にされないかも。そうなったら……い、嫌だ嫌だ!
僕は不安をかき消そうと激しく頭を振った。するとふと別の考えが生まれた。
【……でもなんで姫の時だけこんなに悩むんだ?】
やけにドキドキするし、断られるのがすごく怖い。もしかして僕、姫のこと――
ま、まさかね。あ!そ、そうだ。姫は僕の主人だからだ。うん、そうに違いない。僕の命を握っている人だからね。そうだそうだ。あはは……

と、とにかくもう今日は寝よう。
急いでチケットをしまって毛布を頭からかぶった。

結局一晩中眠れなかったけど……
44恋情王女:2007/10/06(土) 01:23:21 ID:jreZtYW+
次の日は朝から大変だった。
学校ではボンヤリしてた所を令裡さんにからかわれて男子からひどい目に遭ったし、帰ったらリザにゲームをひたすら付き合わされた。
やっと解放された――と思ったら次は姉さん……

「ねぇヒロ、誰とデートするか決まった? やっぱりお嬢様?」
「え、まだだけど……ってデートじゃないよ!!」
な、何でいきなりデートになるのさ!! ただ遊園地に行くだけ――ってデートかも…… 違う、何考えてるんだ僕は!
「と、とにかく! まだ誰も誘ってないよ」
姉さんは途端にがっかりした。何を期待してたのさ……
「あら、そうなの…… 今ならお嬢様はベランダでお茶しているはずよ。声をかけて見たら?」
どうしてさっきから姫ばっかり出てくるんだよ、姉さん…… 何か思い込みをしてない?
「ほらほら早く行きなさい。お茶の時間終わっちゃうわよ」
「わ、わかったよ。聞くだけ聞いてみるよ」
姉さんに送り出されて、僕はベランダに向かった。


廊下を歩いている時にふと考えた。

――思えば女の子を誘うなんて初めてなんだよな、僕。それも二人だけで遊びに行くなんて……

ま、まぁ…あそこまで言われたからね。それに他に誰も思い浮かばないし、うんうん。
何より僕も姫と行きた――
「うわぁ! ち、違う、違う!」
ま、また変な考えが…… だから違うってのに……!
こうやって一人で頭を振ってる僕はきっとよそから見たらとても不審に見えただろうな……


「っと…… ここだここだ」
気がついたらベランダの前にいた。
この扉の先に姫がいるんだよな、やっぱりちょっと緊張するな……
僕はドアノブを掴んだまま少し固まっていた。

……よし。
そうだ。
別にやましいことをするわけじゃないんだ。
主人としてじゃなくて一人の女の子として姫を誘うんだ。

僕は扉を開いた。

涼しい。
風が流れてきた。
「あ!」
同時に鮮やかな金髪が風にそよいだ。

――姫だ――

姫は静かにお茶を飲んでいた。
45恋情王女:2007/10/06(土) 01:24:32 ID:jreZtYW+
あ!! 姫がこっちを向いた。相変わらず綺麗な顔だなぁ。
(――か?)
あ、あれ? いて当然なのにどうして嬉しいんだ、僕……?
(――のか? お前も紅茶を飲みに来たのか?)
それにいつも会っているはずなのになんでこんなにドキドキ――
「おい、ヒロ!! 何の用かときいているのだ!! それともお前は私を馬鹿にしに来たのか!」
「え!? あ!! ち、違うよ。そんなつもりじゃなくて、えっと……」
う……まずい。姫の話、全然聞いてなかった……
「まったく、用があるなら早く言え」
「え、えっとね、その…… も、もし良かったら今度の日曜に……」
あれ!? ぼ、僕、何しに来たんだっけ…… 頭が真っ白で言葉が出てこないよ……
「今度の日曜がどうしたのだ!! さっさと話せ!!」
まずい……姫が怒ってる!!
も、もう言うしかない――!!

「ぼ、ぼ、僕と一緒にゆ、遊園地に行こう!! ――って思ってたんだけ……ど……? あ…あのぅ……?」

あ、あ、あ。言っちゃったよ。ど、どうしよう。姫は相変わらず無表情だし……
「あ、あのさ。い、嫌だったら別にい――」
「良かろう」
「そ、そうだよね。姫が僕なんかと行くわけないよ……!?」
ん!? 聞き間違えかな? 今、姫が良いって……
「何だと言うのだ、自分から誘っておいて。おかしな奴だな。私は構わんと言ったのだ」
嘘…… 姫が僕と一緒に……!? え、でも何で?
「その『遊園地』とか言うものは娯楽施設のことであろう? たまにはそういう所で暇を潰すのも良いだろう。それに――」
「それに?」
姫はお決まりの『ふふん』という笑いを挟んだ。
「家来の頼みを聞き入れるのも主君の仕事だ」


……あくまでも「主従」としてなんだね。こうなるのはわかってたよ、わかってたさ。
わかってたけど……やっぱりどこか切ないなぁ。
【でもどうして?】

――と、とりあえず遊びに行くことは決まったからそのことは置いておこう。うん。


「えっと…… じゃあ、詳しくは決まったら伝えるね」
「うむ」
姫は何もなかったようにまた紅茶を飲んだ。


まぁ僕にしては上出来――なのかな?
……今日はもう寝よう。
46恋情王女:2007/10/06(土) 01:27:14 ID:jreZtYW+
今朝は学校が休みだったから遅くまで寝るつもりだった。でも本当に「だった」で終わっちゃった。
「ヒ〜ロ〜、早く起きなさ〜い! 明日の準備はしなくていいの? せっかくのデートなのよ! 新しいお洋服でも買いに行ったら?」
「う〜ん、デートじゃないってば」
朝から変なこと言わないでよ…… それにいつも顔あわせてるんだから変に着飾ってたら姫に笑われちゃうよ……
「あら!! お嬢様とデートなのね!? それなら一層お洒落しなくちゃダメじゃない!!」
し――しまった! 寝ぼけて言っちゃった、当日まで黙ってようと思ってたのに……
「ほらほら! お嬢様がびっくりするくらい格好良くしましょ!」
どうして姫だとそんなに張り切る――って、なんで勝手に服を脱がすの!?
「早く着替えて出かけるわよ。急いで急いで!」
「わ、わかったから外に出てよ。着替えられないよ」


今日も今日で忙しくなりそうだ。はぁ……


「これで明日はバッチリね、ヒロ!」
着せ替え人形ってこんな気持ちかも。なんて考えてた。
今日は姉さんとデートしたようなもんだよ――デートしたことないけど……


あ、姫に明日の事を伝えなきゃ。今日もベランダかな?


姫はやっぱりベランダにいた。紅茶を飲んでる姿まで昨日とそっくりだ。
「あの、姫、明日の事だけど――」
僕が話してる間、姫は眉ひとつ動かさずきいていた。

やっぱり乗り気じゃないのかな……?

「わかった」
姫は静かにそう言った。
「あ……うん。それじゃあお休み、姫……」
僕はゆっくりと引き返した。
もう寝たほうがいいよね。明日早いし……


「――ヒロ」


扉に手をかけようとした瞬間、姫の声がした。

「え、なに……?」
思わぬ声に正直ドキっとした。

「私を誘った以上はそれなりの礼儀は心得ておけ。私に恥をかかせるような真似はするなよ、良いな」
「あ……はい」
「ならば下がってよいぞ」
姫は月を見ているのか、顔は見えなかった。それでも僕は嬉しかった。
内容が云々じゃなくて、姫の方から声をかけてくれた事が嬉しかった。
「うん、また明日ね」


姉さんに感謝しなきゃ。
47恋情王女:2007/10/06(土) 01:28:02 ID:jreZtYW+
昨日はいい感じで終わった。
でも今日は始まりからアクシデント。

「なんだよ、二人だけで出かけんのかよ!」

『いざ、出発』という矢先、リザに見つかっちゃった。こうなるだろうから朝早く出かけようとしたのに……
「あたしも連れてけ!!」
リ、リザ! 朝から騒がないでよ〜

「こんな朝早くからやかましい犬ですわね。ゆっくりと寝ていられないじゃないの……」
!! 令裡さんまで!? これ以上ややこしくなったらどうしよう

――と思っていたら、令裡さんは僕と姫の方を見て意味ありげに笑った。
状況を把握してくれたらしく、そっと僕に耳打ちをした。
「帰ったらたっぷり話をきかせてね、『どこまで行ったか』とかね。ふふふ…」
ちょっ、ちょっと令裡さん!!

赤面する僕をよそに令裡さんはリザの方を向き溜息をついた。
「これだから空気も読めないケダモノはダメね」
途端にリザが噛み付いた。
「何だと!? この吸血鬼!!」
「そんなにお散歩がしたいならちゃんと首輪とリードをつけなさいな」
「ブッ殺す!!!」
売り言葉に買い言葉でリザと令裡さんの追いかけっこが始まった。
令裡さん、気を利かせてくれた……のかな。ありがとう。


「……あ じ、じゃあ行こうか。姫」
「うむ。では留守は任せたぞ、紗和々、フランドル」
「はい、お嬢様」
「ふが」
姉さんとフランドルに見送られて僕たちは出かけた。

「きちんとエスコートするのよ〜」
「ふがふが」

お、大声でそんなこと言わないでよ!!
姫に聞こえ――あれ? 姫はどこに……?

「何をしている。置いていくぞ!」
前から姫の声がした。ま、待ってよ〜

エスコートなんて出来るかなぁ……
48恋情王女:2007/10/06(土) 01:28:49 ID:jreZtYW+
とりあえずは無事、遊園地に着いた。エスコートは……うん。
せっかくだからいっぱい楽しもう!!――って考えは甘かった。
僕、絶叫系の乗り物は全然ダメだったんだ……忘れて……うわあぁぁぁぁ…………


「ちょっ、ちょっと待ってよ姫…… 少し休ませてよ〜」
何で姫はこんなに涼しい顔してるんだろう…… 怖がるどころか楽しんでもいないんじゃないかなぁ?
「なんだ、もう休憩か。情けない」
「ひ、姫は…疲れて……ないの…?」
「当たり前だ。 まったく、血の戦士でありながら……」
まずい! 姫を怒らせちゃった!! な、何か気を引くものは、えっと…えっと……

「そもそも血の戦士とは……ん? おい、ヒロ。あれは何だ?」
姫の指差す方には不気味な洋館があった。
「ああ、あれはオバケ屋敷だよ」
「『オバケ屋敷』? 何だそれは」
「え〜っとね…… 妖怪とか怪物が出てきて驚かしてきて……」
当たり前のものを説明するのって結構むずかしいな。
「ふふん。ならば怪物を統べる王族として一度見ておくか」
「え、でもあれは作りも――」
「行くぞ、ヒロ!」
「う、うん」
知らないよ……僕…


――結論から言うと『止めるべきだった』。 何が何でも……

出てきてから姫は一言も話してない。もちろん「怖かったから」というのは大はずれ。

中は暗くて顔はよく見えなかった。でも姫の周りの空気がどんどん冷たくなっていくのはわかった。
正直言って、オバケ屋敷よりも姫の方が数倍怖かったよ……はは…

(早く終わって……!)
僕の願いも中々叶わなかった。

出口を抜けた時にはさすがに姫の顔も少し引きつっていたように見えた。


「ど、どこかに座ろうか……」
とりあえずパラソルのあるテーブルに姫を連れて行った。
椅子を引くと意外にすんなり座ってくれた。相変わらず怖い顔で腕組みしてるけど――


「――この上ない侮辱だ」
ようやく姫が口を開いた……喜べないけど。
「人間の目には我々があんなに滑稽に見えるのか!? どうなのだ、ヒロ!!」
「あ、あれでも僕らには十分怖くて……」
どうしよう――姫かなり怒ってるよ……
「思い出すのも腹立たしい……馬鹿にしおって……」
「べ、別に馬鹿にしてるわけじゃ……」 


――姫がまた黙っちゃった。下手に機嫌とると逆効果かな?
「ぼ、僕 何か買って来るね」
姫は微動だにしない。せめてこっちぐらい見てほしいな…なんてね……!?
49恋情王女:2007/10/06(土) 01:29:27 ID:jreZtYW+
ソフトクリーム買うの思ったより時間かかったな、もっと怒ってるかも――ん!? 姫の近くに誰かいる……?
何か口論みたい…… 急がなきゃ!!


「こんなとこに一人でいてもつまんねぇだろ? 俺さー、ドタキャンされて暇なのよ。一緒に回らね?」
口論とは違った。それは良かったけど別の問題。姫がナンパされてる。

「……下がれ」
姫が冷たく言い放った。相変わらず機嫌悪いみたい……無理もないか…
「つれねぇなー。いいだろ? どうせあんたもドタキャンされたとかだろ?」
その人が姫の腕を掴んだ。

「やめろーーーーーーー」
僕は両手が塞がってるのも忘れて間に割って入った。

あ…… つい勢いに任せちゃったけど、どうしよう……

「何だお前? もしかして……彼氏か!? こんなガキが!?」
汚い笑い声を響かせる。すごく不愉快だ。
でも悔しいけど……確かに恋人じゃないよ…
「……彼氏じゃない」
なんとか搾り出せた声で反論した。
「んだよ、じゃあ口出す――」
「でも!!!」
もう止まらなかった。こんな奴に姫は渡さない……渡してたまるもんか!
声が園内を駆け抜けるくらい大声で叫んでやった。

――でも……僕は姫の戦士だ!!――


あいつも僕もしばらく何も言わなかった。姫の顔すら見えなかった。
怖かったけど……ずっとあいつを睨んでた。
「――は。 はは。 意味わかんね…… なんだよ戦士って。馬鹿じゃねーの?」
また笑い――痛っ!
「邪魔すんじゃねーよ!! どっか消えろ!!」
初めは何もわからなかった。でも痛みで殴られたのがわかった。ほっぺたがじんじんする。


「――そこまでだ」
姫が立ち上がった。男に近寄っていく。だめだよ……姫… 僕が……護らなきゃ…
「私の家来に何をしている」
「は? 家来?」
「そこに転がっている者だ。言ったであろう、我が戦士だと」
「は!? マジで言ってんの!? 頭おかしんじゃ……」
そこで言葉が止まった。姫の目に圧倒されてるみたい。
姫の目……綺麗だな。涼しいけど強い目……


「い……意味わかんね。なんだよ、こいつら」
捨て台詞を吐いてどっか行っちゃった。だったら最初から絡まないでよ……いたた……

でも……結局格好悪かったな僕……はぁ…
50恋情王女:2007/10/06(土) 01:30:50 ID:jreZtYW+
「……いつまで寝転がっているつもりだ?」
姫の言葉で我に返った。あ、そうだ!! ソフトクリー……ム…… あぁ
一つは地面が、一つは僕の服が食べてた。せっかく買ったのに……

それでも言われたとおり、立ち上がった。
埃を払っている時間があんなに長く感じるなんて。

「ごめんね、姫……あんなに待たせたのに――」
姫は何も言わず僕のお腹の辺りを見てる。あ、ソフトクリームか……って顔近づけすぎだよ、姫…

段々と僕の惨めさは薄れていった。大真面目に凝視する姫の行動が面白くて楽になっちゃった。
でも今度はなんかドキドキしてきちゃった…… だめだ、こんな沈黙耐え切れない。
「えっと、また買ってくる…」
僕は一瞬呼吸が止まった。
姫が服からソフトクリームを掬って口に運んだ。姫の真っ赤な唇に白い模様が……

「……甘過ぎる」
『心臓が破裂しそう』を運動以外で初めて知ったよ……何言ってんだろ、僕?
でも姫はそんな事は知るわけなくて、実直な感想を述べた。その後もいつも通り。
「まったく、言うべきことは他にあるだろう。なんだあの無様な姿は! そもそも血の戦士とは……」
だけど姫の説教もほとんど耳に入らなかった。頭の中は姫で一杯で空きはなかったんだ。

――やっぱり僕、姫が――

「――おいヒロ! きいているのか!?」
「え!? あ、ごめん……」
「……よっぽど私を怒らせたいようだな」
「ち、ちが…… あ! 姫、観覧車に乗ろうよ!! ね…?」
咄嗟に出たのがこれだった。でも幸い姫の気も逸れたみたい。
「……『観覧車』?」
「ほら、あの大きくて丸いのだよ。スピードは無いけど、良い眺めだよ!」
今度の説明は簡単だった。姫も興味が湧いたみたい。とりあえず危機は去ったのかな?



「ふふん。なかなかだな」
良かった、気に入ったみたい。一安心だ。
やっぱり偉い人って高いところが好きなのかな? なんて僕にも考える余裕ができた。

でも……改めて二人っきりって意識しちゃうな、ゴンドラの中って。
51名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 01:47:42 ID:ylVrswLs
ちょっとすいません
52恋情王女:2007/10/06(土) 01:51:25 ID:jreZtYW+
「姫、これが下に着いたら帰ろうか」
気がついたらもう夕焼け時だった。辺りがオレンジ色に染まってる。
それにしても窓の外がすごく綺麗だ。
でも姫の方が――
「ところでヒロ」
「……は、はい!?」
あ、危なかった。また聞き逃したらさすがに取り返しがつかなくなるところだよ。
「先ほどの続きだが――」
まだ怒るの!?……と思ったら違かった。
「お前は『私の戦士だ』と言ったな」
「あ……うん……」
「あの程度の輩すら追い払えないのにか?」
「……ごめんなさい」
謝る事しかできなかった。そりゃあ姫だって怒るよね……こんな弱い戦士じゃ……
「謝罪では無く理由を話せ。何故あの場で言った? 勝てると思ったのか?」
「……正直怖かったよ…でも――」
「『でも』なんだ?」
姫が僕をじっと見つめてる。怒るでもなく蔑むでもなくただじっと。

――言うしかないか

「姫をとられたくなかった――護りたかったんだ」
少しだけ、本当に少しだけ姫の目が大きくなった。
もう口が勝手に動いてた。次から次へと言葉が出てきた。
「勝てる気なんてなかったけど……姫から離れたくなかった…」
姫の顔が心なしかほころんでた気がする。きっと気のせいだよね。僕は頭が一杯だったもん。

「…だから、だから――あ。 あの…姫? あ、え、偉そうなこと言ってごめんなさい」
ひとしきり話したら急に恥ずかしくなった。ぜ、全部言っちゃったよ。どうしよう……
「……えーっとね、今のは――」
「ふふん。口だけは達者になったな」
完璧に姫に馬鹿にされてる……なんで言っちゃったんだろう……
姫を見てたら全部知って欲しくなって――
「まぁその心掛けは認めよう。褒美に血を与えるとするか」
自分の指を噛んで僕のほうに差し出す。
結局、主人と家来なんだよね……でも仕方ないか……

「血の一滴は生命の雫……」
よいしょ。ここ狭いからいつもより近……
「飲むが良――待て」
指に口を付けようとした僕を制した。もしかしてまた怒らせた!?

「ふふん。お前が口付けするのはそこではない。ここだ」
姫が指を口に咥えて血を吸う………………え!?
しばらくポカンと口を開けて情けない顔をしてたと思う。だって……ねえ?

それから口を閉じて恐る恐る姫に近づいた。
そしたら焦れったかったのか僕の顔を引き寄せて――

姫の紅い唇が僕に触れた。初めてのキス。
柔らかかった。それだけははっきりと覚えてる。
このキスが何を示してるかは僕にはわからない。でも僕は姫への気持ちを確信した。
姫が好きだ

僕のファーストキスは甘酸っぱいレモンの味じゃなかった。
血の香りがする、姫にもらった命の味だった。
53恋情王女:2007/10/06(土) 01:51:56 ID:jreZtYW+
「いつまで呆けている、ヒロ。さっさと降りろ」
もう観覧車は一周したみたい。僕はぼーっとする頭のままゴンドラを降りた。
自分で言った手前、「もう一周乗ろう」なんて言えない。


姫とのデートが終わった。終わっちゃった。後は帰るだけ――
別に離れ離れになるわけじゃない。けど……寂しいな。

姫はどう思ってるのかな……?

僕は姫の顔をちらっと見てみた――いつも通りの顔に戻っている。


そうだよね。
きっとあのキスだってただの挨拶みたいなもの――いや、本当は僕の勘違いだったんじゃ…
なんてどんどん落ち込む僕。姫だって遊びに来て後悔――

「……お前はキスの一つも満足に出来ぬのか?」
「ごめん……え!?」
「どこの世界に女からさせる奴がいる。それにさっきから暗い顔をしおって……」
「これは……ちが…」
先を歩いてたはずの姫が僕の目の前にいた。顔は夕日でよく見えないけど……


「姫……」
今度はちゃんと僕から姫に近づいていった。目を閉じて唇と唇を――
「ふふん」

――え!?

パシン

姫が僕を軽くはたいた。何!? 何なの!? 何で微笑んでるの!?
「調子に乗るな。あれは褒美だと言ったであろう」

……やっぱり姫は姫だ。
「早く帰るぞ、日が暮れる」


帰り道はあんまり話をしなかった。でも不思議と辛くなかった。姫が隣にいるだけですごく満たされてる気分。
きっと今は相手にされてないんだろうな。それでも…いつか僕が強くなったら……振り向いてくれるかな?

なんてね……はは……
54恋情王女:2007/10/06(土) 01:53:14 ID:jreZtYW+
「ただいま〜」
「あら、お帰りなさい お嬢様、ヒロ」
「ふが」
屋敷に帰ったらすぐに姉さんとフランドルが迎えてくれた……正しくは姫をだけど。

「お、帰ったのか」
リザだ。機嫌直ってるみたい……良かった。お土産で更に機嫌を保てれば良いけど。
あ、そうだ!! あとは令裡さんにお礼を言わなきゃ。
「ただいま。え〜っと、令裡さん……は…?」
「私を呼んだかしら?」
うわっ!! み、耳元で話さないでよ、令裡さん!

「姫様とのデートはどうでしたの? 最後まで行ったのかしら……?」
いきなりそんな話!? キスだってろくに出来――落ち着け、僕……言ったら最後だ……
「た、ただ遊んだだけですよ?……あは…は……」
「なんだ、そうですの……」
なんで残念そうなの、令裡さん…… 姉さんもニコニコして僕を見ないで!


ふぅ、今日は疲れたな……早く寝よ――
「ヒロ、これをお嬢様の所へ運んでちょうだい」
姫はこれからティータイムなのか………なんで僕が?

「僕もう寝ようと……」
「ダメよ、その前にデートして頂いたんだからお礼を言ってきなさい!」

……わかったよ。今日はもう少し姫といた――……もう誤魔化さなくていいか。
「またベランダだよね?」
「そうよ。あ! そう言えばどうだったの!? お嬢様とのデート!!」
姉さんの嬉しそうな声が聞こえた気がするけど今は関係ない。
姫に会いたい。


「姫、いるー?」
「遅いぞ、ヒロ」
姫はこの前と同じように座っていた。こうやって見てると今日のことが夢だったみたい。

カップとポットを姫の前に置いて……他にやる事――ないか……じゃあ帰らなきゃ…
「……おやすみ……姫……」
重い足取り。なるべく時間をかけて戻りたい。出来る限りここにいたいな……


「……お前も飲んで行け」
姫が静かに口を開いた。気まぐれかも知れない。それでも神様に感謝した。

紅茶をちびちびと口に運ぶ。少しでも長引かせたい。会話が無くても姫といたかった。
55恋情王女:2007/10/06(土) 01:53:46 ID:jreZtYW+
「主を退屈にさせるのか……?」
え……会話……話のネタ……
――こんなすぐ考えを改めなきゃならないなんて。

「き、今日はありがとう。楽しかった……すごく…」
何も言わず紅茶を飲む姫。
「それに、何より……嬉しかった…」

話が続かず、また静寂。意味もなくカップを覗き込む僕。流れる時間。
すると想いが先に口を離れた。

「僕……姫のことが――」
「ヒロ」
遮られた……やっぱりダメなのかな…
「は……はい」
「……褒美が欲しいなら相応の働きをしろ。功績に応じて授ける」
「……うん」
主と家来なのは変わらないんだな………褒美?
褒美って!?


姫がこっちを見て話してる。どこと無く嬉し……そう? よくわかんない……
「ふふん。では紅茶をここまで運んだ褒美をやろう、特別に口付けを許す」
く、口付け!? ってことはキス!? でで、でもさっきはダメだって……
「――ただしここにだ」
姫は手の甲を差し出した。

まぁ…そうだよね、でもせめてその勝ち誇った顔はやめてよ……
「私の唇は安くないぞ。ここでも特別サービスだ」

僕は姫の手をとった。姫の肌ってすべすべ……ダメだダメだ! 変なこと考えちゃ!!
――僕は姫の血の戦士だ――


姫の手はとても柔らかかった。
今、顔をあげたら姫に笑われるな……自分でも真っ赤だってわかるもの。
だからこうしていたい……

「――おい、ヒロ」
姫の声に対する反応速度は上がってる。すぐに顔をあげた。もう赤くないはず。
「は――」

今日二回目の姫とのキス。でもある意味初めてのキス。
さっきと違い、姫の舌が僕の中に入ってきた。大人のキスだ。
恥ずかしいけど、どうすればいいかわからなくてただ舌を絡めてた。
どっちも姫からなのが嬉しくて、少しがっかりで。そんな気持ちのまま。

姫は満足そうに笑っている。
「ふふん。私は慈悲深いのだ」

その後は思わず姫を抱きしめようとして、はたかれたのは覚えてる。


主導権は完全に姫のもの。
でもそれでいいんだ。
僕は姫の血の戦士だから。



56名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 01:56:19 ID:jreZtYW+
以上です。
途中トラブルがあり遅れました、ごめんなさい。

今回エロなしですみません。
続きはきちんとエロを入れてありますので……

では失礼しました。
57名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 04:30:39 ID:G2t/lHDV
GJ!甘ずっぱ
振り回されるヒロと微妙に揺れてる姫
かわいいなぁ、もう!
58名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 06:51:32 ID:hiv78+12
>>56
イイねぇGJ!
続きが楽しみだぜ。
59名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 17:13:58 ID:EdFgAtWt
いじわるしないで続きを読ませてぇ…
60名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 01:03:49 ID:Canea0D7
>>59
ちょっぴり体調崩したから自粛してたんだ、ごめんね

また取り掛かったから気が付いたら投下されとると思う

お待たせして申し訳ない(´・ω・`)
61動揺王女:2007/10/09(火) 04:05:25 ID:jiPiJGcg
続きが出来たので投下します。
甘々主体のせいかエロが少ないです。


「――っ ヒロ、もっと丁寧に動け……」
「あっ……ごめん。 こう……?」
「そう…だ。 んっ! そのまま……」
「わかっ……姫……好き…だ……よ…」

もう喋るのが難しいから激しく舌を絡ませあった。姫が僕をぎゅっと抱きしめる。
信じられない。姫が僕とこんなこと――本当に恋人みたい。いや、それ以上だ。

「弱い……ぞ……しっかり……突け…」
「これで……どう……?」
腰をより深く姫に近づける。姫が声をあげた。すごく可愛いい声だ……
今は凛々しい王女じゃなくて、普通の女の子。しかも僕と裸で抱き合っている。
動くたびに漏れていく吐息。段々、僕と姫の呼吸が一つになる。

あの姫がこんなに息を荒げてるなんて――
姫を凄く、凄く護りたくなった。だから思わず手に力を入れた。細い体が折れそうになるぐらい。
「もっとだ!……もっと…強く……私を……」
それでも姫は熱い抱擁を求めた。


姫……好きだ……姫…!


「ヒロ……そろそろ…だ……」
潤んだ瞳で僕を見つめる姫。了解の合図に姫のほっぺたにキスをした。
僕の動きに応えるように姫が喘ぐ。今だけは主導権を握ってる。

「んっ――!!」
姫が僕に力いっぱい抱きつく。愛する人と同時に僕も絶頂に達した。

遠慮なんて必要ないんだ。恋人同士だもの。僕は姫の中に思いっきり出した。

思いっきり出し……

思い……
62動揺王女:2007/10/09(火) 04:06:25 ID:jiPiJGcg
――眩しい…?
あぁ、いつもの夢か……


姫と初めてキスした日から、僕に変化があった。たまに夢を見るようになったんだ。
――と言っても、もちろん普通の夢じゃなくて……あの…エッチ…なのを…
ま、まぁ普段はエッチな妄想は控え目だし、仕方ないよね!? はは…… ん!? なんか下着が湿っぽ――


これは初めてだった。何があったかはハッキリと言わないけど。
ただおねしょじゃないとは言っておく――おねしょの方が良かったのかな……?

とにかくコレを何とかしな――
「ヒロ〜、起きなさ〜い!!」
「うわっ!!!」
僕は咄嗟に布団を被った。ね、姉さんか、心臓が止まるかと思った……
「あら、起きてるじゃない。早くしないと遅刻しちゃうわよ!?」
「わ、わかったよ! いま着替えるから出て行って!!」
姉さんが部屋を離れるまで、ずっと心臓の全力疾走に耐えてた。ばれたら何て言われるか……

部屋が静かになったところで今度は頭に働いてもらった。
もう汚れたパンツを洗ってる暇はない。じゃあどこに隠す?

ベッドの下――ありきたり過ぎる。
鞄に入れて持ち運ぶ――学校は特に安全じゃない。
洗濯物に紛れ込ませる――自殺行為そのもの。

……やばい、時間が――あぁっもうここでいいや!これ以上は遅刻しちゃう!!
急いで手の中のものを引き出しに放り込んだ。鍵をかけとけば大丈夫だよね。

「行って来まーす!!」
リザが何か話しかけてきたけど聞こえないフリ。ごめんっ!! 帰ったらゆっくりきくから!


「はぁはぁ……間に合っ……た」
校門をくぐったらようやく一息つけた。良かった、遅刻は免れた。とりあえず深呼吸…
「お早う、ヒロ」
うわ!! れ、令裡さんか。ビックリしたなぁ……
「あら、そんなに顔を真っ赤にして息を切らしてるなんて……まさか朝から……?」
何をいきなり!? 絶え絶えの息で反論する僕。
「は…走った……だけ…です!」
「そうよねぇ……まだ姫様とはキスだけですものねぇ……」
「な、何で知って――!?」
しまっ――もう遅かった。令裡さんが嬉しそうに僕を見る。
「やっぱりね、ふふふ……今度ゆっくりと聴かせてちょうだい」

僕は心なしか軽やかな令裡さんの後姿を呆然と見送った。それしか出来なかった……
63動揺王女:2007/10/09(火) 04:07:53 ID:jiPiJGcg
今日は授業に身が入らなかった。令裡さんとのやり取りが僕の危機感を煽ったからだと思う。
ようやく学校が終わると同時に屋敷に走った。一分一秒が惜しい。

「ただいま!」
挨拶もそこそこに部屋に戻る。引き出し、引き出し……よかった、閉まってる。
一応辺りを見回してから鍵――あれ? 壊れてる……

――まさか!!

「何か探し物か?」
「わぁっ!!!」
ひ、姫!? どこにいたの!? ――その手に持ってるのってまさか?
「ん? これか。今朝リザが『ヒロから変なにおいがする』と言っていてな」
リザが言おうとしたのはこの事だったのか、人狼族って鼻も良いんだね……なんて感心してる場合じゃない!
「私自らお前の様子を確かめに来たのだ、光栄に思え」
姫、その前にパンツ返して……ちょっと、指先で回さないで!

「だが引き出しをフランドルに調べさせたら、これだ。主人を馬鹿にしおって……」
でもそう言うわりに怒ってるようには……何?そのかすかな微笑みは。
「何か申し開きはあるか、ヒロ?」
「……みんなに心配かけたくなかったから」
思わず嘘をついた。気のせいか姫が満足そうな顔してる。なにか変なこと言った!?
「まぁ良い、私は寛大なのだ。それに恥じる必要は無い――と言っても何度もこんなことがあってもいかんな」
あの、本当に心配しなくても大丈夫だよー。あれ、いつの間にドア閉めたの……?

「よし、お前の『主に心配かけまい』という心掛けを評し、私が手伝ってやろう」

え。今なんて言ったの、姫?

「……さっさと服を脱げ! 嫌ならやめるぞ!!」
「は、はいっ!」
僕には姫の怒鳴り声に逆らうことは出来なかった。急いで服を脱ぎ始める。あんまりじっとみないで……
「ふふん。脱いだということは嫌でないということだな」
……わかってるなら一々言わないで!なんて思っても姫はお構いなし。
「どうした、赤い顔をして? 熱があるならやめておくか?」
――もう、いいです。僕の気持ち知ってるくせに……
64動揺王女:2007/10/09(火) 04:08:49 ID:jiPiJGcg
裸になったはいいけど……この後どうするの?
「ようやく終わったか。ではそこに寝ろ」
僕は大人しく横になった……え、僕だけ? 姫は一体……?
「あの〜、姫は脱がな――何でもないです……」
今までにないくらい姫が怖かったから最後まで言えなかった。でも、誰だって疑問に思うよ……
「勘違いをするな! 何故私が脱ぐ必要がある!」
「え、でも……脱がなきゃ出来な――」
もしや僕また余計な事言った!? 姫がまた微笑みだしたけど。
「ほう、何が出来ぬのだ?」
こんなこと言うの!? ――わかったよ、言えばいいんでしょ……

「いやその…………エッ……チ…を……」
きっと最後の方は聞き取れてないと思う。でも姫は満足気なんだよね、なぜか。笑ってるのかな?

静かな笑いがおさまったら僕の目を見てゆっくり言った。
「私を抱きたいだなどおこがましいにも程がある」
うん、わかってるよ。でも好きな人と愛しあいたいってのは――

「お前にはこれでも十分すぎる程だ」
姫の動きは決して速くはなかった。でも僕は避けなかった。避けずに姫の唇を待った。
今朝に見ていた夢とは違ったけどこれはこれで幸せ。


長いキスが終わった。姫は寝ている僕の横に腰掛ける。
「今日は特別サービスだ。そうそうあると思うな」
ふふんと笑い、姫が僕の……アレに手をかざした。

「ひ、姫!? ――あっ、ちょっ……」
「これがペニスか。初めて見るが……意外にグロテスクだな」
姫はただ観察してる。恥ずかしいけど僕はそれだけでも興奮してしまった。
「ん?膨らんできているぞ、ヒロ」
だから言わなくていいってば……自分が良くわかってるよ! 姫とこんなことしてるってだけで、もう……

「なかなか愉快だな。少し動かしてみるか」
股間に血液が集まるのがわかった。姫が僕のを擦――
「――いたっ! 姫、もっとゆっくり……やって…」
「主人に命令するな!立場をわきまえろ!」
「ご、ごめんなさ……い…」

そうは言っても動きを緩めてくれた。姫のこういうとこ好きなんだ。
「……お前、今なにを考えた?」
痛ーっ!! な、何も考えてません! だから爪を立てないでーーーーー!
「……まぁいいだろう」
姫がおもむろに手袋を外した。

さっきは凄く痛かった。それでも姫がしてたってだけで大きくなっちゃう僕って……
65動揺王女:2007/10/09(火) 04:09:49 ID:jiPiJGcg
姫の機嫌が直ると、僕のモノに対する刺激も心地よくなった。
「ん……姫…気持ち……良い…よ……」
「当然だ……次はこうしてみるか」
冷静な顔は崩れてない。でもどこかはしゃいでるような感じがする。まるで子供みた――やめとく。
姫の上下に擦るだけの手つきに指が加わった。その指が所構わず撫で回す。

「あっ……ひ…め……それ…」
裏側や先の方を躊躇せず撫でる姫。つい、僕は声を漏らした。
「ふふん。これが良いのか?  ほう、何か出てきたな」
姫の言うとおり、先からは液が出始めて……姫、何を!?
「……変わった味だ」
すっと赤い舌が先端を舐めた。予想外の行動に出た姫。
そんなとこ舐めるなんて…… 姫が思わず身体を振るわせた僕に気付いた。

「どうした、そんな顔をして。何か言いたい事があるのか?」
意地悪く微笑んで舌先を揺らしてる。本当はわかってるんじゃ……?
「ねえ……姫……僕のを…」
「ハッキリと言え!!」
「……舐めて…欲しい…んだ……」
こんな状況でも恥ずかしいものは恥ずかしい。でも今言わなきゃ……

「何を言っている。さっきから舐めているだろう、このように」
同じ場所を何度も何度も這う舌。この言い方じゃダメなの?

「……姫に……咥えて…欲し……い…」
「お前のペニスを私のこの口が咥える。それが願いか?」
小さく頷くのがやっとだった。何で反復したの……?
僕は改めて姫から主導権を奪うなんて無理だって実感した。

呆れた口調で、でも少し明るい声で姫が喋る。
「あの下着を汚した時も、どうせ私を浮かべていたのだろう? まったくお前は――」
「ち、違うよ!」
僕は咄嗟に否定した。それは誤った判断だったのはすぐにわかった。
66動揺王女:2007/10/09(火) 04:10:37 ID:jiPiJGcg
「……ほう。では誰だ!? リザか!? 令裡か!? フランドルか!!」
感情を押し殺して冷静を装う姫。でも誰が見ても怒ってるのは明らかだ。
「どうした? 主人に隠し事か!? おい、ヒロ!」
痛ーっ! つ、爪が食い込んでるよ!!! やめてってばー!
「ちが……」
「何!? では紗和々か!? シャーウッドか!? フランシスカか!?」
爪を立てたまま動かさないでーー!

このままじゃ大変な事になっちゃう。正直に言おう。
「ほ、本当は姫だよ!」
あ、ちょっと痛みが減った。
「 姫しか頭になかったんだ、姫で一杯だったんだ!」

……よ…よかった、握力が弱くなった。姫も元に戻った……のかな……?

「ふふん。やはりな。まあ仕方ない、家来の願いを聞き入れるのも主としての務めだな」
俄然、姫がいつもの顔に変わった。
「私もつくづく甘いな」
そう呟いて僕のモノに唇を近づけて――

あれ?

何も感じない。不思議に思い、僕はゆっくりと身体を起こした。
「どうか……したの……?」
姫は凍ったように止まっていた。姫……どうしたの…

「ひ――」
呼びかけようとしたら氷は溶けた。弾かれた様に僕を押し倒しキスをした。互いの唾液が混ざり合う濃厚な口付け。
あの姫が貪るように僕を求めてる。そんな考えが更に僕をドキドキさせる。

「あの……姫……」
それと無く姫の様子を探ろうとした。だけどもう姫は離れてた。
「ふふん。ではさっさと始めるか……いや、終わらせるの方が適切か?」
普段どおりのキツイ口ぶり。でもなんか様子が違う気がする。
67動揺王女:2007/10/09(火) 04:11:39 ID:jiPiJGcg
「んっ……!……姫…あっ!」
あれこれ考えてたら一気に姫に呑み込まれた。不思議な感触だ。
「そん……強く……吸ったら……」
姫から想像できない激しい動きだった。力強く吸い込み、急に緩める。僕はたちまち快感に迫られた。
口だけじゃない。舌も蛇みたいにうねうね動いてる。僕のモノにまとわりついて絶えず挑発する。
いつも高貴な姫が僕にこんなことを……

姫の行為からの直接的な刺激。僕の頭の中からの間接的な刺激。
二つが一つになって絶頂への道しるべになる。

「姫……僕……もう……」
近づく限界を知らせた。姫が口を外し、僕に問いかける。
「もう終わりか? やはりお前はこの程度か」

厳しい言葉。でも僕は辛くなかった。姫の顔が何となく陰を帯びてるみたいに見えたんだ。
だから僕は勝手に自分に都合のいい解釈をした。でもその内容は秘密。きっと姫に怒られるからね。

もはや頭の中が快楽で一杯だったから――そうに決まってる、うん――僕は射精直前に大胆な行動をした。

「まったく、血の――」
口を開いた姫を僕のほうに引き寄せたんだ。唇同士が重なるくらい思いっきり。
姫の顔は見てない。目をつぶったまま、さっきされたみたいに貪ることにだけ集中した。

ただ一つだけどうしようもなかった。どんなに抑えても射精は堪えれなかった。僕は快感と虚脱感に包まれた。



パシン
「起きろ!」
文字通り姫に叩き起こされた。……何で姫が?ここは……! 一気に目が覚めた。
「うわっ! さ、さっきはごめんなさい」
咄嗟にでるのはいつも謝罪。この癖、直らないかな?
「まったく、何ということを……」
無理やりキスされたら怒るよね、そりゃ……
「本当にごめ――」
 でもそれじゃなかった。矛先は別のもの。
「私の服を汚しおって……」
……!?

「……服?」
姫が僕を睨んだ。で、でもわからないものはわからないよ!
「とぼける気か!? ではこれをどう弁解する!」
真っ黒なドレス――に付いた白い液体。 あー……

「染みになってしまうな……紗和々に伝えねば」
「それは待って!」
必死に引き止めた。なんせ僕のこれからがかかっている。

「では訊くが何故わざわざ私を引き寄せた? 限界が近いのは自分が一番わかっていただろう」
そっちもちゃんと覚えてるのか……それどころじゃない。今度は全部話そう。
68動揺王女:2007/10/09(火) 04:12:45 ID:jiPiJGcg
「姫が寂しそうに見えたんだ……」
ピクリと姫が反応した。怒ってはないみたい。
「僕が嘘付いた時から……ちょっと姫が変わったように感じてた……なんていうか……不安そう…?」
何も言わない。観覧車の時みたいだ。
「だから僕……伝えたかった……姫が好――」
「わかった」

そこで止められた。姫は下を向いてるから表情がわからない。
「要するにお前の勝手な思い込みが服を汚したわけか」
「え……うん、まあ……」
怒ってる……やっぱり僕の勘違いだったのかな…?

「馬鹿者が……」
姫が再びベッドに腰掛けた。呆れて首を振っている。
「……ごめん」
これしか言えない。気の利いたことなんて言えない。


「――を貫け」
何か聞こえた。よく聞き取れなかったけど…

「自分の意志を貫けと言ったのだ。決めた事は最後までやり通せ」
綺麗な目が僕を見つめてる。僕は決心した。


ゆっくりと距離を縮める。これで何回目だっけ? 姫とのキス。
またパシンとかないよね、とか色々浮かんだけどそれならそれで構わない。意志を貫くんだ。


少しずつ唇を触れ合わせる。僕からするのは二回目……一回目はディープだったけどね。

僕が口を離すまで姫は拒まなかった。それがとても嬉しくて嬉しくて……だからもう一度近づいた。

パシン

「図に乗るな、褒美は功績に応じてと言ったはずだ。それに今日は特別と言っただろう」
すっかり意地悪な姫に戻ってる。でもなんだか涼しい顔の奥に微笑みが見える気がする。


夢では握ったはずの主導権。やっぱり姫のところに帰っていった。
でも今日のことは夢オチなんかじゃないんだ。それで僕は満足だった。


69名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 04:15:44 ID:jiPiJGcg
以上です。
風邪には気をつけてください。

それでは失礼しました。
70名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 13:25:55 ID:VtmfFpRx
(^▽^)b
71名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 17:43:18 ID:dFC1a/Xk
( ´ー`)
72名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 20:32:15 ID:myWvpfj/
(´・ω・`)b
73名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 21:50:12 ID:QCJS/SxC

   ∧_∧
  ∧( ´∀` ) ←>>69
 ( ⊂   ⊃
 ( つ ノ ノ
 |(__)_)
 (__)_)
74名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 02:33:21 ID:aAO/LGIg
原作スレで怪物王女の原作に絵柄が似てるって言われてる同人誌がググってみたけど、
たしかに結構似てる・・・かな?
ttp://www.h-thrust.sakura.ne.jp/doj1_z.html
75名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 05:19:12 ID:X6AP8BsA
かなり似てるだろ
76>>87:2007/10/10(水) 08:22:26 ID:bdiqe+Lv
確かに似ている・・・・

ツェペリ&令裡は難しすぎて頭パンクした。
あの二人は悪友ってかんじでエロさないからなぁ〜

・・・すまんorz
77名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 08:32:49 ID:1ccL+1HL
何かありえない組み合わせを思いついてしまった・・・

第一王女×エミール
78名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 08:46:46 ID:8y960vQR
>>69Gj!
(*^_^*)
79名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 08:49:45 ID:i0c/Gle7
エミール兄さんはロリコンでシスコンなんだ俺の中では
ありえるとすれば第一王女が幼少のエミールにSMちっくなおもちゃで自分を責めさせるみたいなシチュかしら
それがトラウマになって晴れてロリコンエミールに
80名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 09:02:14 ID:1ccL+1HL
>>79
ネタバレされちまったわ(´・ω・`)
81名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 09:12:23 ID:i0c/Gle7
マジか
ごめん
82名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 09:14:23 ID:1ccL+1HL
>>81
気にすんなや(´・ω・`)
エミール×シャーウッドにでも路線を変えるか
83名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 10:14:27 ID:bdiqe+Lv
>>82
どうせならエミール×幼女人魚で頼む!
幼女に悪戯したいから捕獲したエミール(;´Д`)ハァハァ
84名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 13:42:50 ID:oDhljmhO
自分で書こうZE!
85名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 15:48:10 ID:UCP7TipS
急に皆戻ってきたな
86名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 18:15:20 ID:oCgAYtc3
>>83
そして逆に人魚に攻められるエミール、ということですな
87名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:23:46 ID:inmi0O5s
>僕が口を離すまで姫は拒まなかった。それがとても嬉しくて嬉しくて……だからもう一度近づいた。


  ノ/   /     i  i /  /ニl  /、 l ̄ ¨7=‐‐- ::;;_:::::::::;.<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   i  /!      .i  i./  /  リ ./¨゙ ー!  / ∧V! /:::::/::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::
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.   /!    l   l  、             / l .l.  }   Vl i             l   //
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  ./   l    l. l     l     ¨ T´   l l  ,'   i ハ        /  '´  )
  _  l    l l     l、     l |.   l l  i    \ ',      , '    r-、ノ
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  ::::∧_!.    l l.    l l:::::::::::::::::::l:::::',   l. l   ',      V  "´   i    ノ
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88名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 07:15:06 ID:+XxbnKVM
いまさらながら令裡ものも淫夢ものも姫様デートも面白えろいですGJ!リザのおねだりにおっきした。
89>>87:2007/10/11(木) 08:30:45 ID:Wvjad+zP
>>84
私に書けと申したかw

無茶苦茶ようじょエロ かいちゃうぞ〜
ペド変態エミール かいちゃうぞ〜
90名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 12:15:18 ID:1IkcQgaS
書いちゃえ書いちゃえ
9169です:2007/10/11(木) 13:30:08 ID:Oqm2xKmk
>>87
見事なAA(^∀^)b !!
お察しの通り、アニメでみたその場面を意識しました。
92名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 01:57:11 ID:wrlWghdf
アニメオワタ\(^o^)/
93名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 19:27:47 ID:XhexP/M1
頭の中では2期が来週から始まります
94名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 22:28:49 ID:rli1mYTK
   /  ////  /´/</ / / / i ヽ
            / / /ヽ/  ,.代≦、/ヽ / イ / i ',
            // :{ ( /   /  `くバ /´ |/イ/ i i
          // /人 y  /         /ナフ,イ | i|
         /  /  /  /         Kカイ/ イ/リ
        /  / / /  /    ヽ  / .イ//リ ふふん
       /  ./ / i  .ハ      `   /
     ,. -―- 、 /  i  /  \    ,. イ 〉 y´ 〉
    /      ヘヽi  i    ヽ イ〈∨{ / イィ' i
   /         |:.i  ト、   / / / | ヽ ´  /
  /         /:|  i:.:.ト,  ! i / /!  /  /
  /         /:.|  i:.:.:.:.:ト, ト、 / ハ  .i   i
 /       / 〉:|  ハi:.:.:.:.:.トvト、i_/ ハー-‐〈
r 7,r‐z_ 、  /  /:.:.|:  i:.:.ii:.:.:.:ヘ:.:.:.:.:.:i  ハ:::.:.:.:ヘ
ムLi_// 〉/  /:.:.:.:|  i:.:::i }:.:.:.:ヘ:.:.:.:.:|  iヽ i::.:.:.:.:ヘ
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保守
95名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:21:14 ID:Cpciag2L
これは良い保守だ
96名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 20:04:48 ID:K27maM4P
兄弟の誰かがかけた妖術で、姫とヒロの精神が入れ替わっちゃって
元に戻るための儀式でHというのを考えたんだが、こういうのは有りだろうか?

97名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 20:08:45 ID:BwrK+z1h
>>96
アリじゃない?
98名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 22:17:38 ID:tbCoKsWB
>>96
スゲーwktk
99いつもの本人:2007/10/15(月) 09:31:03 ID:qmJPIp2e
相変わらずの変化球です。

令裡+α×ヒロ


嘉村令裡。
二年連続のミス笹鳴学園にして、ただ一人黒いセーラー服を着ることを黙認されている学園の女王。
口癖として、女生徒たちに「私の牧場(まきば)の子羊たち」などが確認されている。


ヒロは赤い夕陽の射す廊下を急いでいた。
ついさっき携帯に、同じ学園の先輩であり、現在では同じ屋敷の同居人である令裡から呼び出しを受けたからだ。
基本的に怪物屋敷の三人娘は、思いつきでよく彼を呼び出し、しかも応じないとひどいお仕置きをしてくるのでヒロはこの手の命令を無視することができない。
今日も、下校時間ぎりぎりになっての呼び出しだったが顔を出さないわけにはいかない。
「まったく、姫も令裡さんもわがままなんだから」
ヒロは指定された高等部の階に上がったとき、奇妙な感覚を覚えた。
「……あれ、この変な感じって」
何度も姫たちと修羅場を潜ってきたヒロにはおなじみの感覚だった。
それは結界と呼ばれ、怪物たちが自らを人間達の目から隠すために張る人払いの魔術だった。
結界が張られているということは、令裡は人に見られたくないよう何かをしているということだろう。
「まったく、令裡さんは一体何をしているんだろう」
指定された教室は、二年の令裡のクラスだった。
「令裡さん、来たよ」
赤光が室内を染め上げ、黒々とした影との間に不吉な斑を描く室内に、令裡ともう一人、見覚えのある顔の女生徒が居た。
上履きの色から、高等部の一年、ヒロよりも先輩である。
かつて同じ教室で、令裡に血を与えていたツインテールの少女だった。
その目は少し怯えているように伏せられている。
ヒロは記憶を辿った。
……あの時は確か、馬鹿みたいな数のミイラ男を引き連れたファラオの軍勢と徹夜で死闘を繰り広げたんだっけ。
「いらっしゃい、ヒロ」
「ど、どうも」
とりあえず女生徒にも挨拶をしてみる。
しかし、青ざめた顔色は変わらない。
むしろ、彼に怯えたかのように多少後ずさりされたのが少し情けない。
100いつもの本人:2007/10/15(月) 09:31:47 ID:qmJPIp2e
「何の用なの、令裡さん。僕は学校が終わったら、屋敷での仕事があるんだけど……」
「ヒロは少し我慢を覚えたほうがいいわね。さ、あなた。私が教えたとおりに振舞いなさいな」
 令裡が目配せをすると、女生徒はうなずいた。
「……は、はい。令裡さま」
そういうと、女生徒はヒロのすぐ前までやってきて、その場にしゃがみこんだ。
「失礼します……」
そして、ヒロのズボンのファスナーを躊躇いながらもくいっと下げるのだった。
「ちょ、ちょっと」
女生徒の手は止まることなく、あまりのことに硬直しているヒロのベルトを外し、ズボンのフックを外し、そして白いブリーフをむき出しにした。
ここでまた一瞬動きが止まるも、意を決したのか、細くて白い幼い指がブリーフをずりさげ、ヒロの男性自身を露出させる。
さすがに逃げ出そうとしたヒロを制止したのは、令裡の冷たい声と赤く色が変わった双眸だった。
「あら、ヒロ。逃げ出したりしたら、あとで酷い目にあわせちゃいますわよ」
それだけで情けないことに彼の精神は萎縮して抵抗できなくなる。
令裡があの目をしたときは、吸血鬼の生まれついた残忍さがフルに発揮されるときだ。
あのリザと正面きって闘争を開始しても互角にやりあう、怪物の本性。
血の戦士といえど人間のヒロには荷が重い相手だった。
何を考えているにせよ、ここはしばらく様子を見たほうが無難だろう。
女生徒は顔を出したヒロの分身を指で弄り始めた。
まったく慣れていないのは経験の少ないヒロにもわかる。
おそるおそるという感じで、ただ弄っているだけなのだ。
そうは言っても、話もしたことのない相手とはいえ、執拗なまでにスズ口や亀頭を弄られれば性器は勃起せざるを得ない。
完全とはいえないが、ヒロの性器は張り始めた。
女子高生の顔が赤らむ。
「まだ足りないわね。舐めてあげなさい」
「は、はい」
令裡の指示に従い、女生徒の舌の先端が軽く皮が剥かれた先を小突く。
ぞくり、とヒロの背筋が震えた。
フェラチオをされるのは、初めてだったからだ。
ヒロも童貞ではないが、主な相手となる令裡は基本的にこのような性交相手への奉仕じみた行為はやらない。
彼女よりも立場の弱い彼が、どんなに希望しても強制することなどはかなわないので、令裡とこういう関係を続ける限りかなわないと思っていたが、実に簡単に叶ってしまった。
しかし、相手は見ず知らずに等しい他人だ。
それでも今まで半起ちだった男根が一気に硬直の度合いを増すのは仕方がないところといえた。
女の子に性器をキスされて起たない男は滅多にいないものだ。
「もっと、こう……はむって感じでね。はむっよ」
 なかなか先に進まないのに業を煮やしたのか、令裡のアドバイスが飛ぶ。
「はむっですね」
一度口を離し、女子高生は深呼吸を一つしてから、今度こそ躊躇いを捨てて、ヒロの分身を咥えた。
確かに、「はむっ」という感じの、咥内すべてを使った行為だった。
陰毛に覆われた根元までいったん飲み込み、それからしごくように顔を前後させる。
101いつもの本人3:2007/10/15(月) 09:32:35 ID:qmJPIp2e
「んぐ、んぐ、むぶり、んぐ」
なんとも苦しそうだが、征服感をそそる音が腰の辺りから聞こえだし、ヒロは興奮が抑えきれなかった。
だが、それでも気弱で優しい性質は変わらないので、一生懸命に奉仕する女子高生を褒めるかのように髪を撫でてあげる。
女子高生はその行為に癒されたのか、ヒロへの奉仕をさらに熱心に続けていく。
少し疲れたのか、一度口から吐き出し、横からフルートの奏者のように舐めだす。
(どうして、この先輩はこんな風に熱心なんだろう?)
自分がこの娘に惚れられているなどとは決して考えない、自虐的なヒロだったが、その考えは的中していた。
令裡を見ると、とても楽しそうだ。
人を見るというより、それはペットの交尾を楽しむ眼差しだった。
(令裡さん、また酷い遊びを思いついたんだ。この人、かわいそうだな……)
そうは言っても自分も彼女のおもちゃに過ぎないことをヒロは自覚していた。
「んぐ、んぐ、んんんんん、んぐっ。ぷはっ」
「口の中に唾を溜めるのよ。そうすれば男をもっと気持ちよく出来るわ。あとはタマタマをいじるの」
「……う、ん。わかりました、令裡様」
呼吸を確保してから、女生徒は口をもぐもぐし始めた。
唾を溜めているのだろう。
一方で、両手がヒロの睾丸を優しくもみしだく。
「ぐぅ」
 激痛が走った。
キンタマへのマッサージは実はつぼに入ると、これほど気持ちいいものもないが、下手なものになると肛門がしぼられるように痛くなる。
女生徒は知らずにそれを行っていたようで、いい加減に抵抗しようとしたら、睾丸が小さな口に含まれて、ヒロはうなりをあげた。
タマを口にするなんて普通はありえない!
(気持ちよすぎる!)
さらに竿が柔らかい粘膜で刺激される。
女子高生による再度のペニスの咥え込みが開始されたのだ。
どうやら、これで決める気らしい。
口や下や歯での甘噛みが徐々に巧みになっていく。
頭のいい娘らしく、コツの掴み方が早い。
「うっ、でちゃうよ……」
 無意識にヒロがその頭を押さえた。
 女子高生の小さな口内にむちゃと粘液質のものが広がり、栗の花の鼻をつく臭いがこもる。
「んぐぐぐぐぐーーー!!」
苦しさのあまりペニスを吐き出し、さらに口の中の精液もこぼす。
想像以上の精液が少女の清らかな咽喉を侵している。
むせかえりながら喘いでいると、令裡が女生徒のすぐ側まで来て、耳元に囁いた。
「これでお口のロストバージンは終わったわね。じゃあ、打ち合わせ通りになさいな」
「……は、はい」
そううなずくと女生徒は、今度は後ろ手にスカートをめくりあげ、その姿勢で教室の床に這い、ヒロにその尻を掲げた。
ショーツはすでに穿かれていない。
女生徒の足首にまつわりついている布が、彼女の下着だったということに今まで気がついていなかった。
ノーパンで彼女はフェラを行っていたのだ。
「……ねえ、君、あたしのお尻の穴を見て」
「えっ」
「……あたしのアナル、綺麗でしょ……」
102いつもの本人4:2007/10/15(月) 09:33:17 ID:qmJPIp2e
形良く張った、小さいが丸くて白いお尻だった。
その下には女性の秘所が鎮座し、愛液に濡れてぬかるんでいる。
だが、視線がそちらに移る前に、少女は両手を後ろに回し、尻を自ら割って、その間に収まった穴をさらす。
太ももの内側に愛液が滴り落ち、幾条もの道を作る。
フェラたけでここまで感じてしまったのだ。
くなくなと腰が動く。
誘っているにしては雑な動作だった。
令裡に比べれば色気の欠片もないが、それが逆に少年の劣情を煽った。
ある意味での素人童貞のヒロには新鮮すぎる感覚だったからだ。
甘い匂いが立ち込める。
少女の発する牝の香りだ。
「早くイジってくださぃ。さっきシャワー室で洗ったばかりだし、昼のうちに浣腸で中は洗ってあるから汚くないからぁ!」
泣きそうだった。
それはそうだろう。若い女が自ら尻をさらし、男に愛撫を求めているのだから。
「さあさあ、ヒロ。早く慰めておあげなさい。可愛そうでしょ。あっでもオマ○コは手をつけちゃ駄目よ。この娘、処女だから」
令裡の目的はわからないが、ついにヒロの我慢は限界に達した。
(もう駄目だ、気持ちよくなりたい!)
がっつくように急いでひざを突くと、女生徒がさらした肛門の筋に指を這わせ、鼻先を近づけた。
鼻の先端が尻穴の少し上をつつく。
上方に顔をずらし、一舐めする。
「くふん」
熱くなった性感帯を熱く濡れた何かに撫でられれば、誰でも甘い鳴き声を発するものだ。
しかもヒロは女性への奉仕に情けないことに慣れきっている。
何度も何度も執拗に同じ場所を舐め続ける。
時折、指で輪郭をなぞり、アクセントをつけてまた舐める。
女生徒は羞恥心と気持ちよさに狂いそうになるのを感じていた。
(なんで、こいつ、こんなにうまいのよっ!嘘みたいに、気持ちいいっ!踏ん張る力が抜けちゃうよっ!)
ついに耐え切れずにヒザの力が抜け、四つん這いから、床に寝そべるハメになる。
うつぶせのその背にヒロがのしかかった。
腰と首筋が押さえつけられる。
固い性器が剥き出しのお尻のあたりをまさぐり、先っちょが肛門に添えられるのを感じた。
「ひっ!」
「ごめんなさい。でも、僕もそろそろ限界なんです!」
「ううー!」
密着していたヒロの腰が一度離れると、収斂する穴めがけ、次の呼吸で男根が突き刺さった。
貫かれる激痛に女生徒は叫びそうになったが、口を塞がれて洩れることはなかった。
逃れようとしても、ヒロの片方の手ががっちりと腰を固定していて身動きがとれない。
(もしかしてレイプされてるの、あたし?)
 この状況はそうとしか考えられないぐらい異常きわまりない。
しかし、ヒロは抵抗のための唸り声をだしはじめた女生徒を拘束し、構わずに奥まで性器を突きこむと、何度も引き抜いては戻すを繰り返す。
引き裂かれる苦痛と、排泄を感じさせる快感に女生徒は目がくらみそうだった。
頭を振ると、ツインテールが少年の顔を叩くが、ヒロはもう気にも留めない。
少女のアナルを責めることに夢中になっているのだ。
気持ちよさにおかしくなっているかのようだった。
通常のセックスとは違う、締め付けや感触が、彼の欲望を増幅させているのは間違いない。
103いつもの本人5:2007/10/15(月) 09:34:20 ID:qmJPIp2e
一方で、制服姿のまま教室で、しかも憧れの令裡の前で男に尻を征服されるという状況が、レイプされているはずの少女をもさらに激しく狂わせていった。
彼女はいまだ男を知らない乙女だ。
それなのに、本来のロストバージンよりも先にフェラチオを体験し、それからアナルの処女まで失くしてしまった。
あまりの倒錯に頭が空っぽになりそうだった。
それがアナルセックスによる気持ちよさからくるものだと気づかず、ただ怯え、そして快楽におぼれていく。
「あん、ああ、ああ、いい、いいよ、気持ちいい……令裡様……凄いです……。肛門が熱くて……ひゃん!」
「もうすぐみたいね」
「う、うん、あああ、ああん……。は、い、令裡様……」
つきこまれる膨張した感覚、引かれるときの排泄的快楽、熱く痛い、暴力にも似た刺激に蹂躙されつつも女生徒は憧れの女王の声に応える。
その間もヒロは決して休まない。すでに自分の快楽をむさぼるのに没頭しきっているからだ。
尾てい骨中心に痛みがあるぶん、少女のほうは完全には快感をむさぼりきれない。だからこそ、令裡に返事が可能だった。
「……ところで、あなたに一つだけ聞きたいことがあるのよ。よかったら、教えてくださらない?」
「……なん……で……すか……?」
令裡はゆっくり指を自分の頭に突きつけ、
「あなた、何てお名前だったかしら?」
女生徒の頭が真っ白になった。
(えっ?)
「私、あなたの名前を存じないことに、今、はじめて気づきましたわ。まったくそそっかしくて、ごめんなさいね」
(……あああ……)
自分は彼女が求めるから、この情けない様子の男のおチンチンを舐め、そして白い汚れのない尻を捧げたというのに。
令裡が「あなたがとっても可愛いから、酷いことをさせていじめたくなるの。こんな私を許してね」と言うから。
令裡が「私の大事な子羊ちゃん、学園の中で一番、あなたのことが好きよ」と微笑むから。
少女は痴女のように、淫乱のように、ヤリマンのように、豚のように、誰にも見せたことのない肛門を他人に与えたというのに。
敬愛する彼女は今なんと言った。
あたしに、こんなことを、屈辱的に尻をむき出し、つまらない男に犯さしているのに、あたしの、名前さえ、覚えていてくれていない……のか。
何かがきれた。
「いやああああああああああああああああああああ!!」
「あら、まあ、どうしたの?」
「もう、やだああああああ!」
「でるっ!」
会話に参加もせずに、ただひたすらにペニスの抽出を続けていたヒロがついに精を放った。
令裡の酷薄な台詞に女生徒がショックを受け、直腸内が一気に狭まったことによって締め付けられたからだった。
腸内を精液が暴れまわる気持ち悪さと、ヒロによって練りこまれていた刺激が、同時に女生徒を自慰では感じたこともない高みに達せさせた。
背骨に沿って電撃が走る。
背中がそりかえり、後頭部がまともにヒロの顔にぶつかった。
だが、ヒロは気にもとめずに最後の一滴までもその腸内に出し尽くしていく。
「いや、いや、いや、やだやだ、ああああ、いやあああああ!」
さまざまなものが一辺に経験のない少女を襲ったせいか、そのまま彼女は気絶して床に突っ伏してしまう。
104いつもの本人6:2007/10/15(月) 09:35:33 ID:qmJPIp2e
「……いやだ……」
そして指の一本さえも動かなくなった。
瞳は光を失い、肌は乾ききっていく。
裏切られた衝撃がどこまでも深い傷跡を刻み込んでいるかのようだった。
女生徒から身を離し、ヒロは無惨に横たわる姿に辛そうな視線を向ける。
ヒロはポケットから取り出したハンカチで、少女の汚れきってしまった股間を丁寧にそっと拭った。
蛙のようにがに股になった足を揃え、スカートを整えて、さっきまでかき抱いていたお尻を隠す。
その間も、女生徒はみじろぎもしない。
後悔の念が少年の心を暗く染めあげた。
彼女をこうしてしまった原因は、令裡の思惑にのって彼女を抱いた彼にも充分すぎるほどあるのだから……。
すると、彼の横に令裡が並び、しゃがみこむと覗き込んできた。
「さてと、味見、味見」
「?」
わけがわからないヒロを尻目に、鼻歌でも歌いそうなほど楽しげに令裡は少女を抱き上げ、その首筋に指の爪で傷をつけた。
かすかな傷からうっすらと血がにじむ。
その血を令裡の長い舌が舐めとった。
美しい柳眉がしかめられる。
もう一度、舌が優雅に動く。
今度こそ、令裡の顔には失望の色が浮かんだ。
「なーんだ、やっぱり変わらないじゃない」
「……なんだったの、令裡さん」
「いや、ねえ」
令裡は乱暴ではないが、かなり雑に女生徒を机の上に横たえると、不満たらたらの表情でこう言った。
「処女と非処女じゃ血の味が違うから、アナルバージンを失った処女の血も味が違うのかしらと思ったんだけど……」
 華奢な肩をすくめ、
「やっぱり変わらないみたいね。やあねえ、これでは骨折り損のくたびれもうけだわ」
ヒロは絶句した。
この人は、そんなことのために、ここまでのことをしたのか。
床に突っ伏す女生徒を見つめる。
それは亡骸にも似ていた。
心を蹂躙され破壊され尽くしたのだから、それは当然だろう。
この先輩をここまで傷つけて。
僕にも責任がある、それはわかっているけど……。
「……ヒロ、その目は不遜よ」
「令裡さん……酷すぎるよ」
令裡は冷酷に、そして誰よりも美しく冷笑む。
「だって、この娘は私の可愛い羊」
―――ヒロは目の前の怪物を心底恐ろしいと感じた。
姫やリザとは比べ物にならない邪悪さ。
彼女の同族のはずのツェペリやキニスキーですら及ばないかもしれない不気味さ。
だからこそ、ここまで超然として美しく感じるのかもしれない。
「そして、この学園は私のための牧場(ぼくじょう)ですもの」
快楽の支配者。
無慈悲な羊飼い。

嘉村令裡はほがらかに高みから万物を嘲笑う。

                    完
105名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 12:23:41 ID:NRNvTA0S
う〜ん。令裡様はSだけど残忍なSじゃなくて意地悪なSだとおもう。
自分が学校長く休んだとき心配かけてしまったわねとかいって気遣ってるし、
わざわざ日差しのつよい昼間から学校に通ってるくらいだから子羊たちのことはもっと大切にしてそうだけどなぁ。
ヒロに対しても脅したりおしおきしたりはしないだろうし、基本的にリザ以外には優しいと思う。
血を吸われる女子生徒も怯えるというよりは血を吸われながらうっとりしてたし。

とはいえ、女王様みたいな令裡様も斬新でよかったです。GJ!

106いつもの本人:2007/10/15(月) 13:23:13 ID:qmJPIp2e
不評みたいなので、「構成上、蛇足かな?」として省いたエピローグを。



 次の日、ヒロはいつもの通りに、学校へと続く道を歩いていた。
 本心ではあまり乗り気ではないのだが、弟の教育に熱心な姉の説教をくらうのもいやだったので仕方なくの行動だった。
その歩みがすこしだけ鈍る。
 校門のすぐ横で、女生徒たちが輪を作っているのを視野におさめたからだった。
 輪の中心にいるのは確認しなくともわかる、笹鳴学園の女王・嘉村令裡だ。
(令裡さんの正体を知らないってのは幸せだよね)
 避けて行きたかったが、運の悪いことに彼女たちが校門付近を塞いでいるので、すぐ後ろを通らざる得ない。
 嫌々だったが、令裡に気づかれないようにこっそり通り抜けようとした時、
「きゃあ、変態!」
 と、取り巻きの一人にいきなり頬をひっぱたかれ、ヒロは宙を舞った。
「あら、どうしたの?」
「すみません、令裡さま。たまたまあの男子を見たら、いきなりお尻のあたりが痛くなって…」
「変ねー。私、ちょうど見ていましたけど、別に触ってもいませんでしたわよ。もう、あなたったらそそっかしいのね」
 そういうと、令裡は倒れたままのヒロの横に来て、手を差し伸べて座らせた。
 ヒロは凍りついている。
 彼にビンタを食らわせた女生徒は、まぎれもなく昨日のあのツインテールの少女だったからだ。
 なぜ、ここにいるのだ?
 昨日のアレはどうしたんだ?
「完全に消したつもりだったけど、乙女の羞恥心というのはなかなか無意識にまで根を張っているみたいね。お尻をレイプした相手を忘れるのは難しいのかしら」
 昨晩の悪魔のような笑みとは全く別の優しそうな微笑みを湛え、吸血鬼はそうヒロの耳にだけ届くように囁く。
「さあ、みなさん、校舎の中に入りましょう」
 茫然とするヒロを尻目に、少女たちを引き連れ、令裡は校舎に向かっていく。
「吸血鬼の歴史は、隠蔽の歴史ってね」
 かつて聞いたようなフレーズが脳裏をよぎる。
 信じられないほどの脱力感を抱えながらも、ヒロはなんとか立ち上がるという行為だけはこなした。
 ただ、学校内に入ることだけはできなかった。
 どうしても。

 …なぜなら、ここは、令裡のための牧場だから。
 
                完
107名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 01:09:24 ID:3fNnEUJ2
>>106
GJ
令裡様のための牧場に一度は行ってみたいかもと思う俺はきっと異端
108名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 03:23:56 ID:AU28RMZU
うまかったです。ごちそうさまでした。
109名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 08:04:27 ID:BkHle13j
同人漫画の倉庫でいくつか同人誌あったな。
110名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 22:50:32 ID:2EYAfRxC
             _. -‐ ==‐- 、
                 _∠ .../ ̄\   ヽ
                _. イ´   /       ̄`ト、.,_
                /      |      .. :l     \
              ,イ      ../ |    ::::::|       ヘ
            /      .:::::l  .!     ::::::|        ヘ
         /     ./ .: :/ |  .|     ..::::::!   |      ∧
.          l   ..::|  _./-┼‐┤   ::::::/|  |  |:.     |
        |   .:::::|</  |   |   ::. :/十‐./、、|::..     |
        |    :: |∨_ィ'テ心、 |  .:: / _!_ノ l\:::.     !
        ヽ   :::::! /.んi::. C} \ :::/ ,ヌ示.、_/ |:: .   /
          Y~\l {l ゝ:こ_ノ     んi::. C} } |:: : /
          .>、( .ヘ    ̄        弋:`ーソ/}/_ス/
          /::::::>∧                ̄  / ) }
.         |:::::::::::::: 人        ′        ノ/_ノ
         Y、_::::{\へ、  , - 、    _,.イ:: ̄::::}      
            `テ不|l  \ >._`ー' _,.. <´ ノ:::::: ._ノ
             〉 /    /::::/ て\/  /fテヲテ
         / /     く_:::::/  ヽ::::>  | |  /
.         / /\      ̄    ~   | |   |
保守
111名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 19:57:30 ID:MnjRjKIL
  /    /           `<二¨ヽ、
      /       /              ヽ \ \
.      / :/   .::/ .::l               ∨∧ |
    ,' :/  .::::/ .::/|  .::::::/    ヽ::     \ ∨∧ |
     |.::{ .:::::/ト、/ :|  .:::::∧::.. |::...|:::.      ', |//|/
    Y :::::{=zk\l .::::/ ハ:: ∧:::j:::::.      } .|/
      ヽ::::::| {!{≧ヘ::::、|斗‐∨ー∨ヽ::::.    /:::,'
        {\{弋_ク  \|'´〒无テテ }:::::: / /:::/
       ヽ{   ,     弋`ー'ク /:::::/j//
          '、            ̄ 厶イ⌒ヾ'´    
         ヽ ヘ        ,、_ノ _ノ
          \ __     イ:/ ̄
              〕 -――┴┐
           _,z≦=――- 、_|
         /          ̄\
保守
112名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 12:55:00 ID:tCnFP8XB
何をしている。私は何をしているのだ。いつも通り冷静に考ぬか?私は今、何をしている?

時間は…時計があった。そうだ。まだ昼前で、紗和々とフランドルは家事で忙しい時間だ。私は茶を入れさせては迷惑と思い、適当に屋敷の中に居たのだ。
ここは屋敷の中の何処だ?私は横になっている。ベッドがあると言うことは誰かの部屋なのか?
床に幾つか服が投げ出されていると言うことは私の部屋ではあるまい。ただ生活感は溢れている。誰かの、この屋敷の住人の部屋なのだ。
落ちている衣服に目をやる。上下が一緒の模様の服といえば寝間着だ。と言うことはこの部屋の住人は焦って外出したか、無精ということだ。

一番の謎は、何故私が他人のベッドに身を横たえているかだ。
私の部屋のベッドは壊れていなかった。他人のベッドを睡眠に使う必要は無い。
もう少し考えるとしよう…


…体が冷めてきた。さっきまで体が暑かったのか?しかしこの部屋には空調も無く、季節も冬に差し掛かっている。外気のせいでは無いはずだ。
…ん?
右手に違和感がある。

…粘液だ。見ているだけで嫌悪するような鈍い輝きを放っている。一体これは…?
服もはだけて…私がやったのか?ではこの粘液は…
まさかこの部屋は?

学生服が掛けられている。ヒロの部屋だ。
ここはヒロの部屋、ヒロのベッド、ヒロが染み着いた場所…

改めて確認すると右手が動いた。女として敏感な場所へさっきの続きを…しようと…
113名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 12:57:14 ID:tCnFP8XB
自分が年頃の娘だと意識した事は無い。女という性が特別不利とも感じた事は無く、ただこんな体に産まれた。その程度の認識だった。

私はその性を治めている最中だった。それもヒロの部屋で。
何故ヒロの部屋なのだろう?
これほど自らの性が制御出来なかった事は今までに無い。ヒロが高ぶらせていたと考えるのが妥当だろうか?
私にとってヒロは何なのだ?血の戦士であり、信頼できる下僕だろう?
何をしているのかまた解らなくなって…

「ヒロ…」
ヒロが欲しい。お前はどうして気づかない?私自身を抑えられなくなる程お前が…
乙女だって捧げてやっても良いのだ…
「私がどれだけ…苦しい思いをしてると思って…っ」

冷静ではいられない。私はヒロに限ってはどうしようもない。
慰める事が汚らわしいと思っていて、やってる事は逆だ。感情の向いた者の部屋でその者を想像して慰めて。
相手の寝床を汚してそれに少しだけ満足している。
「幻滅しないでくれ…」
懺悔の言葉を吐きながら行為を止めない私をヒロはどう見るのだろう。
嫌うだろうか。死人に戻りたいと願うかも知れない。私に何かするかも知れない。

どうせならいっそ押し倒して欲しい。ヒロの欲望のままに乙女を奪われるのも悪くない。
この苦痛を持ち続ける位ならそちらの方がまだ良い。

「好きだ」と言う選択肢を私は持っていなかった。今までに恋らしい恋を知らなかったからだ。
今は、後悔している。

時計の針がヒロの帰宅時間を差した時、私は体の気だるさからそのまま眠りについていて、目を覚ませなかった。

迂闊だった。

Mっぽい姫は姫じゃないと思ったら…スマンorz
114名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 19:45:44 ID:YUHBvUF+
GJ
115名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:23:40 ID:qnFpauVl
(^ω^)b
116名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:35:54 ID:yQRsi+zo
GJ!!
続きもできればお願いします
117名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 21:44:08 ID:yPays22P
gj
118名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 22:20:36 ID:aPnsrhjk
夜泣きする姫に令裡さまが優しくおっぱい吸わせてあげる話まだー?
119名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 01:48:18 ID:bQ3gJkjF
こんなスレ立ってたのか、前スレのdat誰かplz
120名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 04:22:34 ID:ceQ7Gkoh
>>118
自給自足してついでにココに
うpれば神誕生ktkr
121名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 17:57:27 ID:+ZX7vdOv
>>119
持ってる人いるかなあ?
122名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 23:17:10 ID:n4qVUuPX
123名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 03:24:13 ID:y4kZuI3l
>>122
PCからなので無理だった、わざわざありがとう。
124名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 16:24:36 ID:fy9E2wMV
だれかssよろ
125名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 16:46:23 ID:FhwvPwFn
>>124言い出しっぺの法則発動!
126名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 20:39:46 ID:50/VBMfF
月夜の晩にお姫様
ちょいときざして手を叩く
やってきたのはフランドル
夜伽モードに変更だ、ふが
姫様ドレスの裾あげりゃ
早くもノーパン エロモード
ロボ娘さっそく舌伸ばし
姫のあそこをク〜リクリ
いいわいいわの独奏会
思わず発奮歩いて十分
そこにマヌケな血の戦士
ヒロが参上 さ〜てお立ち会い!
イッた瞬間アイコンタクト
OH!NO!お前がなぜここに?!
問いも虚しくヒロ発情
聞かずに姫にルパンダイブ
果たしてこれからいかなることと
唾呑むところで時間切れ
続きは次回!
はないけどね。じゃ!
127名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 17:19:03 ID:LYyNtUGY
なんか人少なすぎない?
128名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 19:41:51 ID:yjCLgJ0A
誰かがここで過疎化の流れを打ち破るべく>>118のSSを投下すれば神になれるぜ!!
129名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 21:09:38 ID:AEUwpVjr
女体化キニスキーとヒロのSMプレイまだ〜?
期待age
130名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 22:07:20 ID:Lwj/cLx4
131名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 02:14:28 ID:F+TpHYZ5
これはすごいな。
132名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:29:39 ID:gQuQj4Ff
>>113
続きマダー?
133名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:26:15 ID:orq+0u7P
   _,ィ / l v />  !._  _ハ   ,ィ - ミ、-、       \  /   l    l    l
    rイ¨ヽヽ、,.∧-─‐‐-= .._`ー' l   }>ュ、       ∨   l    l   l
     Kl  i / l \       ` < ー'i   )ヽh         ,'    l    l     l
    〈 i>'   l          V   \¨i⌒)トあ      ,'    .l.    l    l
    V/  .l  l        V  V ',  \´ ハヽ!、   _ ,'    l    .l.     l l
    /   l  l  l   ',   V   V ',    .\! X) /'¨V    ,i    l!     l !
   /  i  l   li  l i  V  ',ヽ  V .i    lヽ ゙ト/  ',     ll.    ll    l.l
   ,'  l   l  l V .l li  ',V  ',. \ ', !    .l iV/     }    ll    ll    l.!
.  i   l   l  l Vll l ',  ', ヽ _.!-=弋ハi    l レ'    /   .ll    l!    l!
   i l l  l-V.l- V!リ  V 斗''ニ -_‐ニ斗.l    l/    /-‐.ニ l─ -- .,l     l
..  V l l   ト、‐ モtォミヽ ヽ ! '"弋ト、リ_ノ    /    ィ ´ ̄`  ゙¨ ー- !_   l
   Vト、 !ヽ l、\.`込ノ ',  V     ̄   l   i     l     \     `  ー
    ヾ ヽト、.l ゙、       i          l    !     l_     l
      ヽ.ヾ ',      ;            l   l      ト\`¨ヽ ヽ
        l.   ヽ.    ヽ           l  i      }  \   、 乙
        l     l丶、   __       ,i  l     ノ    ヽ   \
        l.    l i \    -`   ./ l  i            ',   \
       l    l  i / ,.丶、  , イ   l   ',             ',     \
       l     l /  /   ー ':::::ハ  ,.l    ヘ
       l.   l   /     l:::::l  l i::::l    ハ
       l   l   /     l::;.へ ノ':::::i    l ',             i
       l    l  ,'      j::::〉 i::::::/l     l 入          l
       l   i  ;      /:::ヽr'::::::/ .!    l /  \        l
保守
134名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 17:44:23 ID:dd32solm
保守age
135狼心あれば蝙心:2007/10/30(火) 02:37:25 ID:D5RhZVdl
お久しぶりです。以前書いた令裡×リザの続きを書いてみました。
長くなりそうなのでキリの良い所まで投下します。


「……マンネリですわ」
独りで眠るはずのリザのベッド。そこに一人増える日が出来るようになってからしばらくが経った。
今夜も二人で汗をかいて、心地よい疲れのまま眠るはずだった。しかし令裡の呟きが邪魔をした。
「!? 何だよ、あたしじゃ飽きたってのかよ!」
唯一愛情を注げる時間。その時間が消されそうな怒りと悲しみで声を荒げた。

(本当に単純ですわね……)
令裡は苦笑しながらリザの方を向き、慰めるように言った。
「あなたに飽きた訳じゃないの、同じことの繰り返しって退屈になるのよ」
「同じこと……?」
「キスに始まって胸や股間への愛撫、後はクンニや貝合わせ……そんな所かしら」
後半は何を言っているかわからなかったがワンパターンだということは理解した。
口をもごもごさせながらリザが反論する。
「仕方ないだろ……あたし……こういうの…よく……わかんないし……」

申し訳なさそうに話すリザを見るとつい溜息がもれてしまう。
――いつもいつもいじめたくなるメス犬ですわね……ん、いじめる?
頭の中にとある考えが浮かんだ。その企みは令裡の嗜虐心をチクチク刺激した。

「ねぇ、リザ!?」
「……誰にもきけないし……調べるのなんて…戦士の誇りが……」
未だばつの悪い顔で続けるリザに苛立つ令裡。
「犬だからって呻らないでちょうだい!!」
「……それに――あたしは犬じゃねぇ!」
「もっと別のことを試してみない?」
リザの訴えを無視して話を持ちかける。怪訝そうな顔をするリザ。
「別のこと……ってなんだ?」
「それは今度のお楽しみですわ」
さっぱりわからないリザを置き去りにして令裡は楽しそうに微笑む。。
「おい! ちゃんと教え――」
「おやすみなさい」
リザが言い終える前にキスをして会話を断ち切った。目を見開いている恋人をそのままに眠りにつく。

「……何なんだよ、ったく!」
完全に置いてけぼりだ。
不愉快な気持ちのまま、頭まで布団をかぶってふて寝する。
136狼心あれば蝙心:2007/10/30(火) 02:38:25 ID:D5RhZVdl
昼間の令裡は忌むべき存在。普通の会話さえろくに出来ない。というよりも今日は姿が見当たらない。
(いったいどこに行きやがった……)
おそらく明日までには帰ってくるだろう。夜がこれ程待ち遠しかったのは満月の日以来だ。


日が沈み館が静かになった。皆に気付かれないように令裡の部屋に入る。
「おい、令裡!」
「今日は疲れていますの、相手はしてあげられなくてよ」
「そうじゃない!! 昨日の話だ」
「……あれは色々と準備がいりますの。それが終わったらちゃんと教えますわ」
相変わらずリザには全く理解できない。疑問符が浮かんでは消える。
「ほら、早く部屋にお戻りなさい」
パチパチとまばたきをするリザを追い返そうとする令裡。
「まだ話は終わってないぞ!」
「今夜は疲れていると言ったでしょう。いい機会だから独りでしてみたらいかが?」
「なっ――!」
言葉を失った隙に扉の外に追い出された。諦めて自分の部屋に戻る。


ベッドに潜りこんだ後もリザの苛立ちは消えなかった。
「くそっ……何なんだよ、あいつ……」
大切な事はいつも言わない。それどころかはぐらかす。そこがリザには気に食わず愚痴をこぼし続ける。
しかし悪態をつくごとに頭は冷えていく。本気で怒っている訳でないのもあり落ち着くまでそう時間はかからなかった。

(……あいつは一体、何がしたいんだ?)
冷静さは怒りを疑問に変えた。これまでの令裡の言動が脳内で反芻される。
(とりあえず……アレ関係なのは間違いないよな。 他にあいつが言ってた事……言ってた事…)

『いい機会だから独りで――』

思い出してリザの顔がまた赤くなった。
正直なところ今までにも興味はあった。しかし実際に行動に移すには様々な感情が入り混じり出来なかった。

(誇り高き戦士が独りでなんて……そんなこと…)
これまでならこの考えで留まることができた。 だが性の悦びを知ってしまってからはそうもいかない。
令裡と過ごした夜が鮮明に思い出され、身体が疼きだす。独りきりのベッドが寂しくて仕方がない。
必死に引き返そうとする思考を無視して手は股間へと近づいていく。
一度覚えた快感の前には不安も姿を消した。
137狼心あれば蝙心:2007/10/30(火) 02:42:42 ID:D5RhZVdl
「んっ……ふぅっ……」
ズボンはとっくに脱ぎ捨てた。行為には邪魔でしかない。
薄い下着の上から摩擦を繰り返すが、それでもまだ物足りない。
秘部を押さえる手が下着の中へと入って行く。指先が茂みをとらえた時、湿り気を感じた。
「こんな……こと……」
自分のもののはずの腕が言う事を聞かない――正確には本能のままに動いているだけだが。
多少は加減しているが、昔と比べたら躊躇なくいじっている。今にも水音が聞こえそうだ。
吐息が荒くなると、待っていたかのように片方の手が胸に向かう。

「んっ…!……れ…いり……」
愛しき者の名を呼び、頭に描く。共に夜をすごす。
独りじゃない、令裡がしている……これは自慰なんかじゃない……


(ここはどうかしら?)
「あ……んっ……」
リザの乳房を<令裡>が優しく撫で回す。わざと先端を避けることで、より本人の愛撫に近くなった。
触れるか触れないかのギリギリで焦らす得意のやり口が再現される。
(あら? こんなになってますわよ)
固くなりかけている乳首を指でつまむと鋭い刺激が走った。だがそのまま指を動かすと刺激が快感に変わっていく。
「いっ……あっ……」
生まれた感覚は胸を伝い全身に広まる。頭から足まで淫らに染まっていく。

「もっと……ゆっくり……」
(世話の焼けるメス犬ですこと)
憎まれ口を叩きながらも注文に従う<令裡>。胸の突起をこねる動きがやや緩くなる。
昼間は気に障る言葉も今は何とも感じない。むしろこの口調が好ましい。
「…それ……気持ち……い……」
率直な感想を告げた。リザの信頼の証は<令裡>を喜ばせた。
(自分から言い出すなんて――やらしくなったものね)
「そん……こと……言うな……」
反論が弱々しい。 訪れる快感を逃さぬよう、余計な力は省きたかった。
138狼心あれば蝙心:2007/10/30(火) 02:44:37 ID:D5RhZVdl
(こっちもして欲しいんでしょ?)
「あっ……そこ…は……」
割れ目の中を泳いでいた指に力がこもる。粘液を絡めながら上に向かう。
<令裡>にはリザが何を欲しているかが分かる。充血している豆に爪が届いた。
「んっ……だ…め……」
(ふふ……本当にやめていいの?)
爪の先でクリトリスを軽く引っ掻く。腕は完全に<令裡>に支配されている。

「やめ……れい…り……」
(嘘をつくのはお止めなさいな)
少しずつ爪を食い込ませると痛みと痺れが強まる。それが何かを満たしていくのをリザは感じた。
とはいえ、されるがままは誇りが放っていない。無意識に言葉が出ていた。
(ねぇ?……気持ち良いんでしょう?)
否定を示す首の振りもほとんどわからない程になった。性への慣れが顕著に表れている。

押さえ付けて離す、押さえ付けて離す。クリトリスへの単純な反復作業。
(ふふふ……面白いわね)
その一回一回にリザの身体が律儀に反応する。<令裡>の目には玩具に映る。
リザをからかう手に熱がこもり、「押さえ付ける」から「押し潰す」動きに変わる。
「……いたっ!……もっと……優しく…」
堪らずに声をあげた。『やめろ』と言わなかったことに本人は気付いていない。
(わがままばかり言わないで下さる?)
リザの要望に不満を吐きつつも<令裡>は手を緩める。
押し付けられていた痛痒さが退いた。ほっと安堵の息をつくリザ。
「いつも……みたいに…して……」
二人でも一人でもすることは一緒。未知の領域に踏み込む勇気は無かった。
(……嘘つきね…)
意味深な言葉を呟くも、リザを絶頂に導く。あくまでも<令裡>はリザに従う存在。
お馴染みの愛撫はお馴染みの快感をもたらした。大きく終了を告げると、全身から力が抜けた。

(結局いつも通りなのね……)
<令裡>の嘆息は息を切らすリザには届いていなかった。
139狼心あれば蝙心:2007/10/30(火) 02:46:45 ID:D5RhZVdl
ひとまず満たされたリザ。だが<令裡>は消えておらず、ぐったりする少女に提案する。
(……ねぇ、たまには別のことしてみない? あなたに言ったでしょう?)
「別のこと……?」
挑戦的な目をしている<令裡>に訊ねた。頭は少しまだボンヤリしている。
(例えば……新しいところでしてみるとか……)
<令裡>の手がゆっくりと降りていく。支配は続いていたようだ。
しかしされるがままにしておくリザ。状況が良く飲み込めない。

(ここなんて――)
リザの汚れを知らぬ女性部に<令裡>が指をあてがった。
「え――やっ! ダメっ!」
そこは処女であるリザにとって何よりも護り通すべき場所であった。疲れさえ振り切り、瞬時に腕を退ける。
触れたぐらいでどうと言う事は無いが、本能が阻止した。
「そこだけはダメだ……!!」
(残念ね……でも他にも――)
中途半端に言い残し、<令裡>は去っていった。防衛本能が<令裡>を除外した。
残ったのはリザと疲労感だった。


欲求は解消し終わった。リザは疲労を餌に睡魔が来るのを待ちながら物思いにふける。
(そんなこと出来るもんか……! わざわざ新しい事なんて……)
満足は誇りと理性を呼び戻した。
(そもそも今のままでも十分だろ)
寝返りをうった。こぼれ落ちた愛液に風が当たる。
(冷た……)
腿にひやりとした冷たさが伝わり自分の行動を再認識させられた。

(……あたし……独りでしちゃったんだ……)
自らの体液が絡みついた手を見つめながら考えた。羞恥と不安が心臓に助走を促す。
(いや、違う……これは令裡が……)
――<令裡>が無理やり自分を責めた――
そう思い込むことで「止むを得なかった」と自分に言い訳した。
だがこの苦肉の策はリザ自身も知らない一面を見出し始めていた。
令裡は薄々気付いているリザの深層心理。


(そう……令裡……が…)
眠りにつくまで同じことを考え続けた。
さっきの自慰行為が生んだ新たな自分になど気付かずに。
140狼心あれば蝙心:2007/10/30(火) 02:47:40 ID:D5RhZVdl
リザが初めて一人エッチをしてから三度の夜が過ぎた。だがその間、一度も令裡と過ごした事は無かった。
(なん……なん……だよ…あい…つ……)
話をはぐらかされたり、令裡のことを考えるたびに募るフラストレーション。
それを解消しているのは専ら覚えたてのオナニーだった。夜ごと<令裡>はリザを訪れた。今夜も共に愛しあった。


独りの夜に変動があったのはその翌日のこと。唐突に令裡からリザに擦り寄ってきた。
「ねぇリザ、今晩あたり久しぶりにいかがかしら?」
思いがけないチャンス。しかし予期せぬ誘いにリザはつい意地を張ってしまった。
「い、今更なに言ってんだ! あたしは行かないからな!」
令裡にとってもこの答えは予想外だった。(尻尾を振って喜ぶはず)――そう思っていた。
思わずキョトンとした目をして言葉をこぼした。
「あら、つれないわね。 でも、しばらくしてないはず……!? もしかして本当に独り――」
「し、知るか!!」
余計な事を喋る前に足早に去った。素っ気無い態度だったが令裡にはリザの本音が読み取れた。
(今夜は楽しめそうですわ)


(……くそっ! あんな事言ってたくせに!)
夕闇が近づくにつれ、期待は姿を見せた――が、本人は姿を見せなかった。
自分で拒んでおいて勝手な言い分だが令裡には汲み取って欲しかった。しかし部屋にいたのはリザ一人。

(今夜も……か…)
複雑な気持ちのまま下着姿になる。また<令裡>と寝ることに――
「失礼するわよ」
待ち焦がれていた人はやって来た。だが嬉しさよりも驚きが勝り、すばやくベッドにもぐりこんだ。
「な、何だよ!行かないって言っただろ!!」
布団にもぐったまま言葉を投げつける。令裡は喋る布団に苦笑した後、ベッドに腰掛けた。
「だから私から来たんじゃない。ようやく準備が出来たの、待たせてごめんなさいね」
「……準備って何だったんだ?」
そろそろとベッドから顔を出しリザが問いかける。令裡は含み笑いを浮かべ、床に置いた鞄を持ち上げた。
「これよ」
鞄を開いて、中身を取り出す。 リザの目が点になり怪訝な顔つきに変わった。
141名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 02:50:24 ID:D5RhZVdl
以上です。
改めて見ると全然キリが良くなかったです、ごめんなさい(´・ω・`)

残りもなるべく早く仕上げます。
では失礼しました。
142名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 08:05:52 ID:4TLCoOwK
>>141
GJ!GJ!!GJ!!!
最高でした!続きお待ちしております!
リザが可愛いいくて、リザに目覚めそうです
143名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 16:34:23 ID:VK26y5gj
俺はもう目覚めてる
144名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 17:08:55 ID:VK26y5gj
そういえば誰か保存庫作ってない?
145名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 17:31:44 ID:ci1L+bgL
>>141
GJ!!
ツヅキマダー?(AA略)
146名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 07:12:59 ID:E35flcf/
             /  ////  /´/</ / / / i ヽ
            / / /ヽ/  ,.代≦、/ヽ / イ / i ',
            // :{ ( /   /  `くバ /´ |/イ/ i i
          // /人 y  /         /ナフ,イ | i|
         /  /  /  /         Kカイ/ イ/リ
        /  / / /  /    ヽ  / .イ//リ ふふん 、補習だ
       /  ./ / i  .ハ      `   /
     ,. -―- 、 /  i  /  \    ,. イ 〉 y´ 〉
    /      ヘヽi  i    ヽ イ〈∨{ / イィ' i
   /         |:.i  ト、   / / / | ヽ ´  /
  /         /:|  i:.:.ト,  ! i / /!  /  /
  /         /:.|  i:.:.:.:.:ト, ト、 / ハ  .i   i
 /       / 〉:|  ハi:.:.:.:.:.トvト、i_/ ハー-‐〈
r 7,r‐z_ 、  /  /:.:.|:  i:.:.ii:.:.:.:ヘ:.:.:.:.:.:i  ハ:::.:.:.:ヘ
ムLi_// 〉/  /:.:.:.:|  i:.:::i }:.:.:.:ヘ:.:.:.:.:|  iヽ i::.:.:.:.:ヘ
:.:.:.:.:.:.:`く/y::::::::::::::::| i::::://::::::.:.:}:.:.:.:.| iヽ. i::.:.:.:.:.ヘ
:.:.:.:.:.:.:.:.:/|:::::::::::::::::::::| .i::://:::::::::::ノ:.:.:.:.:|. i:.:.:\i:.:.:.:.:.:.ヘ
:.:.:.:.:.:.:./ |:::::::::::::::::::::| !://::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:| /:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:ヘ
:.:.:.:.:.:/  |:::::::::::::::::::i/::i !::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::| i::::::::::::ノ!:.:.:.:.:.:.:.ヘ
:.:.:.:./ / |:::::::::::::::::::i|:.:i.i.:.:.:::::::::::::.:.:.:.:.i/:::::::/:::i:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ
:.:.:/ /  .i:::::::::::::::::::::::::ii:::::::::::::::.:.:.:.:.:.il_ イ `;:::::i:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
147名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 08:58:40 ID:QrUoBVgC
期待アゲ
148名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:07:36 ID:qTUgTFhv
    _,,. -- 、)_ ,ノ   丶、
                  _,. - '´      |  `丶、r^ っ ヽ
                /          ',     \r'  .i
               /      _,.. - ''" `ー-i       ヽ  ',
               |  ,,.- '"ヽ        ',       '.r^>|
              ,イ` v' 、    ヽ      ',       ',´.|
              i i / / >,、   )      ',      | i |
               | 、/  ! i;;;rfヽ、!       i     | |,!
              ヽi ///ヾ.=-'' ^     -- 、 |   | | |!
    __./\__    | ////       -ー   `ト   | /  |
   | / ̄ ̄ ヽ |',    |      ノ   .,'' \、  .|===i=i  |
  //      'ト、ト、__  ',.   i 、     {;;r'jlツ 、/ /  ./|  
  | .i       .|/i::::<- ' i   '--'  ///  ̄ ''"∠、' _,,. -´ !  
  .〉!        |/::::::〉  ',       /// _,. '"  )´ `ヽ、!
 /.|        |〉::::::::`/   ̄/ ─----- 'ー-- ィ´,.-ー 、 /
 〉|        |:::::::::::::::7, v V:::::\        i/    〉
./::|        i::/::::::::::::::::::::::::/::::::>-,-、    .レ'"⌒` V
:::::|        |/::::::::::::::::::::/:/"/ `v'`i i    〉''"⌒`〈


保守
149名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:08:03 ID:4GiWgDx8
                             .┌┬―゙ ̄ ゙̄―┬┐
                         _______|_,,|___,||___,|,,_|_______
                       ./====──── ============\
                       ||.0 1 T.|. 5108 .│|.・・.|| ○ ○ | ||
                       ||.─.─.| 二二二.|├.──‐.───.||
                       ||    .| |    | |│  '´  ,、`ヽ   ||
                       ||    .| |    | |│ i ,ノノ ))リ,  . ||
                       ||__,,,| |__,,| |..|  |!il "ヮ ノl|   ,||
                       ||.--.--.|-------|-''''''''''''''''''''''''''''''''''''||
                       ||__,,,|____,|  ____ _,,,,,,,||
                       ||.┌┐..|       (⌒.       .┌┐||
                       ||__llllll__,|    ,´/´^`ヽ..____llllll._||
── =≡∧_∧ =            .  ||.--.--.|-  ノ〈 从ソ)ハ.--.----.---||
── =≡( ・∀・)  ≡    ガッ      _     (リ(!;゚ロノリ゙゙――――‐┘
─ =≡○_   ⊂)_=_  \ 从/   ――  ―   ⊂ )允iつ _| ||||||||||||||
── =≡ >   __ ノ ))<   >  ――   ― 三  く/_lj〉   |||||||||||||||
─ =≡  ( / ≡__ /VV\     ̄ ̄ ――  (ノし'   |||||||||||||||||
── .=≡( ノ =≡     ./.|         |||llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll|||
               // |    /  // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\  \
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150名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:08:20 ID:7jMSJbgG
 ノ/   /     i  i /  /ニl  /、 l ̄ ¨7=‐‐- ::;;_:::::::::;.<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   i  /!      .i  i./  /  リ ./¨゙ ー!  / ∧V! /:::::/::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::
  、\ l       i  i/ /  .-/./ニ.、 i  /./f ハイ:::::/::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::>
    \i       i   レ「 弋ラテ元ァ''  ,' ./ i,ニjイ::::::/::::::::::::::::::::::::;::':::::::::::::::::::>ヘ´ /:
   ) i       i   i  ` ヽ辷ソ    //  トリ.¨Τ「゙i‐、-‐ 、::::::::::;:'::::::::::::>'"    i/:::::::
  . {  i       i   i          ノ   '、! i.  l l. ', 、 V:::/:::::>'"     />'"
  、ヽi       i   !               ヽ!  l l  i ',  ソ>"     ,,.- 、  \
   `)!     i   i                    > l l.  ! 〉 /'´      /〃⌒リi
    l     i  i                 /!  l l   lヽ!       `ヾ、 ./ツ
.     !    l  l             ,, /  l   l.l  l V         ',彡   /:
.    l     l  l            ´ / i. l  i´ヽ l  i          i    /:::;.
.   /!    l   l  、             / l .l.  }   Vl i             l   //
   / l    l  i    ー- ..,,_    /   l l   i   Vi. i         リ   __
  ./   l    l. l     l     ¨ T´   l l  ,'   i ハ        /  '´  )
  _  l    l l     l、     l |.   l l  i    \ ',      , '    r-、ノ
  :::ハ i     l l    l:::`::ー--...,i__i    i. l  ',      \    /    `Y
  ::::∧_!.    l l.    l l:::::::::::::::::::l:::::',   l. l   ',      V  "´   i    ノ
  :::::::::::i    l .l    l \::::::::::::::l::::::V   i l、.  ',        V     └‐ '"
  ::::::::::::!.   i ト、   l   l::::::::::::::l::::::::V  l l ',   ハ        i、
  :::::::::::::i     !.l:::',__i   ヽ::::::::::l::::::::::V l l. V  ',、.._     _\     __,,.. -‐
  ::::::::::::::!   l l::::::::::::',    |::::::::::l::::::::::::V l l l / l:::::::::¨:: ̄:::::::::::l ¨  ̄

保守
151名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 19:53:19 ID:G012JGqm
ふが
152名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 03:24:16 ID:bxL8mLYB
           ,. - 「 ̄ ` <⌒\
         / /_/|  | _l.  \、 }  ふ ふ
         / ´/「/ l  |V| ヽ l 〈  が が
         | ィ⌒  \|⌒ ||  l |
            Vト ー   ー | ハ ノ
          i  、_、_,.   ソ
          ゝ、.    ,. ィ
          l/ l/i \///::ヽ
153名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 22:32:44 ID:sH+M9qZW
 ,.-ァ::''"´ ̄::¨::>、/  r ヽ
                 / , '´::::::::::::::::::::::::::::::::i ┌┘.‐ハ
           .    / ./:::::::::i:::::::::::::::::::::::::ヽヘ.  ̄L「 i
                   i./::::::ハ:::ハ::';::ト、::ヽ:::::∧::::\   ノ
              i/7::i_V ヽix‐ヽ_ト、::::ハ:::::::`¨:i
              //./:iハ,ィラ=ヽ'´迂ソ 〉`ヽゝ-、:::::',
            /./ /7ヽ:i--'/   `¨¨ ´   ' く`リ:::::ハ
           /´ ,ノ / / /::i. ヽ        ,. '.ノ::::::::::゙,
         /   /  ,':::::ヽ  -_-      ,.イ::::::::::::::::::::i
        ,. '  /¨´   i::::i:::::::\    ,.イ l:::::::::::::i::::ハ:!
      /  /      l:::ll::::::__::ヽ- ''"   _ノヽ─-、/ l
     /   ./       ゙、ヽ'´   /- ‐'' ¨    V__,.,._
    /   /   /´ ̄ ¨ヽ-‐ '⌒:://l ̄i    /l:::::::::>.、
   /    ,' __../、:::::::::::::::::::::::::::::〈/./l  l   /  !:::::::::::::::::ヽ
、  /   .,' ¨ヽ  i:::::::::::::::::::::::::// /__l ll.lヽ/   l:::/::::::::::::::::ハ
. /   ノ    l   !:::::::::::::::::::::/.ヽ/  Ll_ll      i:/:::::::::::::::::::::i
. 、__ ...  --‐く__ノ:::::::::::::::::::::;'    l/         /::::::::::::::::::::::::i
          \:::::::;. -‐.,'     .         ./:::::::::::::::::::::::::::i
            `¨   i    ..::.       ..::{:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                    、::::::::::::::';::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::/
                 ハ::::::::::::::゙、::::::::::::::::::::::::::`r一… T
                  ヽ:::::::::::::`:::::::::::::::::: ::::::l______!
                     l\:::::::::::::::::::::::   ::::/ l    l
                   l  ` :::::::::    .::::l__l   l

保守
154名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 22:34:12 ID:sH+M9qZW
すまん、失敗した…orz
155狼心あれば蝙心:2007/11/11(日) 02:20:00 ID:3NNG3NZq
かなり遅くなってごめんなさい。
前回の続きです。


「――何だ、これ…?」
目の前に置かれた縄の意味が分からない。これは何なんだ。
「ロープも知らないのかしら、呆れたものね……じゃあ、これは分かるかしら」
「そうじゃねぇ! 何でこんなもんを持ってきたのかきいてんだよ!」
令裡はリザを無視して別の道具を取り出し、突きつけた。それは輪っかが鎖で繋がっている物質だった。

リザは暫しの沈黙の後に口を開いた。
「……だからどうして手錠が要るんだ?」
「あら知ってるのね。 わざわざ特注したのよ、馬鹿力にはこれぐらいで丁度良いでしょう?」
楽しそうに話す令裡をみてリザの混乱は深まった。愛しあうには身体があれば十分なはずだ。こんな物、どうすると言うのか。
「お前、一体なにがした――」

言いかけて嫌な予感がした。さっき令裡は『馬鹿力』と言った。
聞きなれた自分への悪口に気付いてしまい、恐る恐る訊ねる。
「……おい、まさかあたしに使う気か……?」
満面の笑みと答えが返ってきた。
「ようやく理解しましたの?」

「今すぐ出てけ!!」
何をされるかわからないが、ろくな事にはならない。そう直感に警告されて、令裡を部屋の外に追い出そうとする。
だがすんなり下がる令裡でもなかった。押し問答を繰り広げる。

【SMなんて特に珍しくもない。知らないくせに批判するのは愚の骨頂だ】と令裡。
【関係ない。変なことするぐらいなら今まで通りで十分】とリザ。
意見は平行線をたどる。どちらも一向にひかなかった。


膠着状態を数分経て、夜が明けてしまうと判断した令裡がようやく妥協案を出した。
「わかったわ……」
(ん!? ようやく諦めたか?)
リザが安心するには少し早かった。
「今夜だけ……今夜だけ試してみてちょうだい。そうしたら判断は任せますわ……」
「だからあたしは――」
令裡は寂しそうな目をしていた。普段からは想像も出来ない悲しい顔。それはリザの口をつぐませた上に軽い罪悪感を与えた。
突然だから拒絶したが、令裡なりの仲を保つための考えだ。それに前に頼みを聞いてもらった借りもある。

「……今夜だけだからな」
考えた挙句に令裡と一緒にいたい気持ちも加わり、渋々だが承諾した。顔をそらしてぼそりと呟く。
「……ありがとう、リザ」
珍しく言われたお礼がとても気恥ずかしくてリザは顔を戻せなかった。
だから令裡が浮かべたのが微笑みでなく「笑み」だったことに気付けなかった。
156狼心あれば蝙心:2007/11/11(日) 02:21:38 ID:3NNG3NZq
初めてとはいえ基本的なことは変わらない。まずは互いに服を脱がし裸になった。
今夜のリザはぎこちなさが残るいつもの手つきでは無かった。<令裡>との練習が活かされている。
「脱がせ方が上手くなったわね。それにどうして下着姿だったのかしら? ふふふ……」
まさか独りでしようとしていたとは言えず、怒鳴るリザ。令裡は「冗談よ」と笑いながらリザを抱きしめた。二人同時に唇が重なった。

ひとまず令裡の口を味わい、リザは促されるままにベッドにうつ伏せになる。背中から小さな金属音が聞こえた。
「え!? 本当に使うのか、それ?」
承諾したが、「いざ」となると不安が出てくる。
「あら、怖いのかしら? それともあなたは動けない相手を責めるのがお好きとか?」
「怖くねぇ!! それに誇り高き戦士がそんな卑怯な事するもんか!」
声を張り上げるリザ。令裡にはこの気丈な少女がどうなるかが楽しみでたまらない。
(本当にそれが理由なのかしら……ふふふ……)

「だったらこれでいいのよ。さ、少しずつ膝を立ててみて」
なだめつつも着実に準備を続ける。リザの腰がゆっくりと持ち上がり令裡の目線に近づく。引き締まった尻が突き出された。
リザの動きが止まったところで右の手首と足首、左の手首と足首同士を繋いだ。枷部分の金属がむき出しでないのがせめてもの優しさ。

「こんなことして何の意味があるんだ?」
拘束された手足の動き具合を試してみる。確かに不自由なことは分かったがそれだけだ。
「……すぐにわかりますわ」
手足を動かすことで気付かぬうちに尻を振っているリザ。無意識な誘いが令裡を燃え上がらせた。他の道具を持っていそいそと近づく。
リザの脚の間に座り、つっと内腿を撫であげた。脚に力が入るが令裡が邪魔をして閉じられない。
そのまま指を滑らせると茂みに到達した。戯れに陰毛を指に巻きつけ、これからどんな責め方をするか考える。
(今夜はとことん堕としたいわね……)

「ねぇ……こっちは興味ありませんの?」
先に令裡が愛撫したのはいつもとは別の穴だった。隠れている肛門を軽くつつく。
もちろん拒む事は予測できる。それからのリザの反応が楽しみだった。

「なっ――! そっちは違うだろ!! 変なことすんな!」
「じゃあどこが良いのかしら、教えて下さる?」
リザが返事に詰まった。触って欲しいのは名前はわかっていても直接口に出すのがはばかられる場所。令裡にはそれが狙いだった。
会話が途切れた瞬間を見計らい、アナルに指をねじ込ませ始める。少しだけだが開いていく感触を感じる。

「んっ! やめろ、そこじゃな……」
逃れようと腰を振るリザ。皮肉にも揺れることで指はさらに沈んでいく。
「だから訊いているじゃない。『どこをいじって欲しいの』、ちゃんと教えて頂戴」
葛藤を続けるうちに第一関節が飲み込まれた。令裡の細い指が今は恨めしい。


「このままだと、こっちの方が先に純潔を散らすかも知れないわね、ふふふ……」
157狼心あれば蝙心:2007/11/11(日) 02:22:56 ID:3NNG3NZq
「や…め……ろ」
出すべき所に入っていく奇妙さが恐怖とは違う感情を呼び出す。手錠がもたらす効果が身をもって理解できた。
淫語を言えば解放される。しかしどちらにしろプライドに傷をつけることになる。言うも言わぬも恥辱が待っている。

「何か言いたい事は見つかったかしら?」
「……指……抜いてくれ……」
屈辱的な言葉だが猥褻な言葉よりはマシだ。リザにとっては大きな譲歩だった。
要望通り、指は引き抜かれた。令裡は思いのほかあっさりと頼みを聞き入れた。しかしこれは次の支度の為だった。
「もっと大切な事があるんじゃない? さてと、『ど こ に し よ う か し ら』」
わざとらしく言い放ち回答を待つが返ってこない。リザは耳を赤くして必死に言葉を選んでいた。

「口もきかないなんて冷たいんじゃなくて?」
リザは返答「しない」のでは無くて「できない」。それを令裡は知っていながら不満を漏らす。

「ちがう……えっと……こか……んっ!! おい、待っ――」
やっとのことで選んだ単語すらまともに言わせてもらえなかった。令裡が舌を這わせる方が速かった。
襞に一本一本沿うように舌先を動かす。唾液によって摩擦が減っていく。リザにも令裡の魂胆が見えた。
「良く聞こえなかったわ。ちゃんと言ってみなさい」
「だから、こか……あっ!!……ちょっ……待て…えっ!?」
言い切る直前に再び肛門に感覚が蘇った。しかし先程と違って硬さが無く蠢くように侵入してくる。
自分が令裡に何をされているか。わかってしまった事が猛烈に羞恥心を煽った。
「やめ……そんな…とこ……舐める…な…」

顔をベッドに押し付けて必死に陵辱に耐える。反応したら喜ばせるだけだと言い聞かせる。
だが一番見られたくない部位が犯されている。その効果は絶大で、ついに搾り出すような声を放った。
「……を……いじってくれ……」
(思ったより早かったわね)
開かれつつあるアナルから舌を抜き出す。舐め回す動きを加え、こちらに主導権があることを知らしめる。
「もっとハッキリと!次は最後までやめないわよ!」

『アソコをいじってくれ!』

「 ほら、これでいいだろ!? 」
どうということ無い言葉だが今のリザにとって「言わされた事」が何より恥ずかしかった。
言うが早いか、より深く顔をベッドに押し付ける。後ろからでも真っ赤なのがわかる。
(最初はこれが限界かしらね)
158狼心あれば蝙心:2007/11/11(日) 02:23:52 ID:3NNG3NZq
「良い子ね……じゃあ、始めましょうか」
名残惜しそうに肛門を撫で、リザが待ち焦がれた場所へと移す。触れる前にそっと鼻を近づけてみた。
「もうやらしい匂いで一杯ね……」
被虐心を刺激する声に相変わらず顔を伏せている。照れなどとは別のドキドキがリザに居座る。
だが自分から要求したことで少し吹っ切れ、言われる前に脚を広げた。

<何だかんだ言っても令裡は約束は守る>
リザはこれまでの経験からそう信じていた。そして何より令裡にされるのが最も好きだった。だから疑いを持たなかった。


――しかし令裡の愛撫は始まらなかった。
「……おい、どうした?」
顔を近づけたことは会話でわかったが、その後が続かない。不思議に思い訊ねた。
「ねぇ……もしかして、あなたお尻をいじられて感じた?」
「な――そ、そんなわけ無いだろ!」
「でも濡れてるわよ。ほら」
ふぅっと令裡の息がかかると、リザの股間にはヒヤリとした感覚があった。
「もしかして……そういう趣味なのかしら? だったらもっとして差し上げてもよくてよ?」
「た、ただ気持ち悪かっただけだ! 誤解すんな!!」
「まぁ!嫌な事されて感じちゃうの!? やらしいのねぇ……」

一々図星な挑発にリザはつい怒号で返してしまった。
それを待っていたように令裡が芝居口調になる。
「心外ですわ……お仕置きとしてしばらくお預けね、反省なさい」
「え!? お前ここまで来て何を……」
「いつまで我慢できるかしら? 見学させてもらうわね」

令裡は何も言わず、ただ見つめている。その視線がリザの身体を熱くしていった。
時折催促するように揺れるリザの尻。令裡は冷たく突き放すように平手ではたく。
「叩かれるのも好きなの?」
「違う!……何が言いたいかわかるだろ……」
「もう一度お願いしたらしてあげるわ」
陰唇を指で叩きながら令裡が告げる。それだけでリザに昔の感覚が呼び起こされてくる。
「くっ――ふざけんな! さっさとこれ外せ!」
本当は触って欲しかった。だが消えかけた誇りが再び息を吹き返し、手足をがちゃがちゃ鳴らして暴れる。
多少暴れたところで壊れはしないだろう。けれど人狼の力も侮れない。釘を刺すことにした。
リザのアナルに指を当てて力をこめる。途端に動きがとまった。
「徹底的にやるのもいいかも知れないわね……」
159狼心あれば蝙心:2007/11/11(日) 02:24:38 ID:3NNG3NZq
令裡の言葉にひとまず大人しくなったリザ。
「……何が目的なんだよ。また恥ずかしいこと言えば気が済むのか?」
「私は本音が聴きたいの。あなたも自分自身の心に薄々気付いているでしょう?」
「あ、あたしは何も隠してない!」
それっきり、だんまりを決め込んだ。

(もっと厳しくいかなくちゃダメかしら)
思ったよりもしぶといリザのプライド。まだ従順なメス犬までは遠いようだ。
「……だったら素直になれる薬をあげますわ」
鞄から小瓶を取り出し、中の液体を秘部にかける。
「んっ! 何……やってんだよ……!」
「あなたをもっとやらしくしてあげてるのよ……むずむずしてこない?」
リザの股間に液体を薄く伸ばしていく。粘性が高いのか染み込まずに広がっていく。
「え……? そんなこと……」
嘘に決まってるとは思っているが、『もしかしたら』がリザの身体を熱くする。意識がせめぎあい、新たに湿り気が生まれてきた。
(本当に単純ね……)
ただ一人、中身を知っている令裡は想像以上の効果に胸を膨らませた。

「…ふっ…ん……」
リザから切なげな吐息が漏れだしたが令裡は気にせずにただ秘部を見つめていた。
他にすることと言ったらたまに声をかけるぐらい。それも
『見られているのに興奮してるの?』 『すごく…すごく…気持ち良くしてあげますのに』 『一度は言ったじゃない、恥ずかしくなんて無いでしょ……』
などのリザを貶めるためだけの言葉。

「もう……ふぅん……その…手には……」
(……この際ですから実力行使にしましょう)
これ以上のいたちごっこは遠慮したい。令裡に苛立ちが見え始めた。先に身体を手なずける策に出る。
腰をあげ、リザの背中に覆いかぶさる。手を伸ばして胸に当てた。

「じゃあ、これは何なのかしら?」
「あっ! いやっ!! そこは止め……」
自分の足元にいたはずの令裡がすぐ近くに迫っている。その認識も乳首への刺激でかき消された。
令裡はリザの膨らんだ突起を見つけると痛いほどに激しくしごいた。
「んっ!待っ…! いたっ……あぁんっ!!」
「ほら、ほら、ほら! どうしてこんなに大きくなってるのかしら!? こっちだってこんなに固くして!!」
荒い口調でペースに飲み込む。左右の胸をまさぐる腕は力強さを増していった。
160狼心あれば蝙心:2007/11/11(日) 02:25:45 ID:3NNG3NZq
「私とえっちなことがしたいんでしょ!? 色々な所を触って欲しいんでしょ!? こうされたいんでしょ!?」
豹変した令裡に困惑するリザ。しかし快感は躊躇せずに押し寄せる。
満足に発せられない声でどうにか気持ちを伝える。
「いっ……こんな……や……んっ……」
だが令裡は聞く耳を持たない。むしろ力を強くしていく。
「嘘おっしゃい、気持ち良いくせして! ここが固くなっていくのがわかるでしょう?」
手で胸を責めたまま、耳を舌で舐めあげた。形に沿って動かすとリザの背中が跳ね上がる。
外側をなぞり終えたら次は内側。むず痒いのか、ぶるぶると頭を動かすリザ。息をかけると震えが身体にも感染った。
腕の速さとは対照的に非常に遅い舌。時間をかけて耳の穴へと向かう。

「あ……ああ……ダ……メ…」
「耳も敏感なの? いいこと知っちゃった、ふふ……」
ついこぼした言葉が火に油を注いだ。穴の奥に入ろうとした舌が寄り道をする。
付近の突起を何度もはじくとリザは細かく息を吐いた。

「そんな声を出してどうしたの? 薬のせいかしら?」
言い訳を用意すればリザも素直に従うはず。経験から学んだことだった。
確かにリザは抵抗をしなくなってきた。
「せめ……て…優し……く…」
「こうかしら?」
左手で内腿をそっと撫ぜる。股間に近づくにつれ、リザに淡い期待がうまれていく――あと少しで……

しかし令裡はそこで引き返してしまった。あと一歩でリザはひれ伏すだろう。そう感じたからだ。
「――でしょ?」
耳元で何やら囁くとリザは躊躇いがちに頷いた。令裡は満足そうに微笑む。
続けて別の言葉を呟くがリザはそれには首を縦に振らなかった。だが余裕のできた令裡は落ち着いて言い聞かせる。
「あと少しの辛抱で沢山楽しめるのよ……それに痛いのは嫌なんでしょう?」
懐柔と脅迫を同時に行った令裡。思考をぼやかす為に適度に快楽を与え続ける。


ついにリザは令裡との時間を選んだ。途切れ途切れに、教えられた服従の誓いを繰り返した。
「あたしは、令裡と……えっちなことが…したい……色んな場所をいじって欲しい……」


リザは恐怖でも苦痛でもなく悦楽に屈した。令裡にとって最も望ましい結果だ。これからがやりやすくなる。
「私もよ、リザ」
忠犬には褒美を与えよう、二度と逃れられなくなる美味しい餌を。
背骨に沿ってつぅっと背中を舐める。これだけでも悦びに震えるリザにいったん終わりを届けた。
十二分に膨らんでいる濡れた肉芽を擦りあげ嬌声を引き出した。一瞬身体を硬直させた後、一気に脱力する。


「次はどれで遊ぼうかしら……」
令裡が鞄を引き寄せて品定めをする。無防備な姿を晒しているペットに想像は止め処なく膨らんでいく。



161名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 02:32:52 ID:3NNG3NZq
以上です。
中途半端かつ小刻みな投下になってしまい申し訳ないです。

おそらく次で終わらせられるかと思います。
では失礼しました。
162名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 10:46:16 ID:zSOIuQd4
Gj!!!
163名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 14:57:03 ID:DDkDl/5N
わっふるわっふる!
164名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 15:20:06 ID:s3Hr+9HW
そろそろやばくなってきたか・・・ 
165名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 22:48:58 ID:9V3tIUxJ
かつての賑わいを今一度・・・
166名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 23:58:31 ID:pWmKvlgD
キニスキーがいなくなった後、拘束具を慣れた手つきではずして
繋がれたヒロの元にやってくる第一王女。
お前があまりにもいい声で泣くからキニスキーの責めを愉しめな
くなった、責任を取って私を愉しませるがいいとキニスキーをも
上回る過酷な調教が、そして最後は無理矢理ヒロの童貞を…

その頃リザたちは一つ目巨人と死闘を繰り広げてましたとさ
167名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 02:51:14 ID:TGf9UMMT
>>157
> 「や…め……ろ」
> 出すべき所に入っていく奇妙さが恐怖とは違う感情を呼び出す。手錠がもたらす効果が身をもって理解できた。
> 淫語を言えば解放される。しかしどちらにしろプライドに傷をつけることになる。言うも言わぬも恥辱が待っている。

> 「何か言いたい事は見つかったかしら?」
> 「……指……抜いてくれ……」
> 屈辱的な言葉だが猥褻な言葉よりはマシだ。リザにとっては大きな譲歩だった。
> 要望通り、指は引き抜かれた。令裡は思いのほかあっさりと頼みを聞き入れた。しかしこれは次の支度の為だった。
> 「もっと大切な事があるんじゃない? さてと、『ど こ に し よ う か し ら』」
> わざとらしく言い放ち回答を待つが返ってこない。リザは耳を赤くして必死に言葉を選んでいた。

> 「口もきかないなんて冷たいんじゃなくて?」
> リザは返答「しない」のでは無くて「できない」。それを令裡は知っていながら不満を漏らす。

> 「ちがう……えっと……こか……んっ!! おい、待っ――」
> やっとのことで選んだ単語すらまともに言わせてもらえなかった。令裡が舌を這わせる方が速かった。
> 襞に一本一本沿うように舌先を動かす。唾液によって摩擦が減っていく。リザにも令裡の魂胆が見えた。
> 「良く聞こえなかったわ。ちゃんと言ってみなさい」
> 「だから、こか……あっ!!……ちょっ……待て…えっ!?」
> 言い切る直前に再び肛門に感覚が蘇った。しかし先程と違って硬さが無く蠢くように侵入してくる。
> 自分が令裡に何をされているか。わかってしまった事が猛烈に羞恥心を煽った。
> 「やめ……そんな…とこ……舐める…な…」

> 顔をベッドに押し付けて必死に陵辱に耐える。反応したら喜ばせるだけだと言い聞かせる。
> だが一番見られたくない部位が犯されている。その効果は絶大で、ついに搾り出すような声を放った。
> 「……を……いじってくれ……」
> (思ったより早かったわね)
> 開かれつつあるアナルから舌を抜き出す。舐め回す動きを加え、こちらに主導権があることを知らしめる。
> 「もっとハッキリと!次は最後までやめないわよ!」

> 『アソコをいじってくれ!』

> 「 ほら、これでいいだろ!? 」
> どうということ無い言葉だが今のリザにとって「言わされた事」が何より恥ずかしかった。
> 言うが早いか、より深く顔をベッドに押し付ける。後ろからでも真っ赤なのがわかる。
> (最初はこれが限界かしらね)
168名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 05:23:53 ID:/BRUpGna
>>161
相変わらずこの作品は俺のツボをつきまくってます。
169名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 22:34:04 ID:pbmt2JaO
フランツ×フランシスカという奇妙な絡みを思いついてしまった
170名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 15:05:09 ID:SsKdjB4S
>>169
ふがしかないSSwwwwww
171名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 20:45:03 ID:DFEf3GnZ
>>170
そこは文章力でカバーだ!
でも会話は全部「ふが」w
172名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 03:34:12 ID:5UbedYhp
「ふが?」
「ふがふが」
「……ふ…が…」
「ふが、ふが、ふが」
「ふ……が!」
「ふが!」
「ふが!ふが!ふが!!!」
「――ふが!」


「ハハハ!おい、フランツ!何処でそんな芸当を覚えたんだ?」
「まさか……私のフランシスカがあんな事までするなんて……」


反省はしている
173名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 09:47:15 ID:BAr9uiyE
ほとんどリザとかヒロとか令裡とかシャーウッドが解説するんだろうな
174名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 21:53:20 ID:iCLSJ0BV
リザは、マゾ?
175名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 01:29:59 ID:1RUgP2Iv
誘い受け的な
176名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 14:45:43 ID:XbUjOF4f
>>11の前のが読みてえ・・・
上手く分断されおってからに・・・
177シャーウッドの日記:2007/11/18(日) 01:03:04 ID:r0MqH+Ol
今日私はフランシスカと繁華街に買い物に行ったのだ
買い物中フランシスカが私に「姿勢が整ってません」っと言い出したのだ
それからフランシスカは買い物中にも私に注意ばかりして来て私は鬱陶しく思った
そこで私はフランシスカに「黙れ」と言ったらフランシスカは額に眉を寄せ
「何ですかその言い方は?私は貴女の為を思って注意しているんです」っと
いい加減うるさく思ったのでフランシスカに主人の言う事を聞かなかった罰として
フランシスカにお仕置きする事にした
まずは服の試着をしたいと個室試着室にフランシスカと入り
フランシスカの起動スイッチを押しフランシスカを眠らせた
その後はフランシスカの服や下着を脱ぎ去り
周りの人間に注目されるよう試着室の扉を勢いよく開け
全裸のフランシスカを引き摺り男性達の目の前に置き
再び起動スイッチを押しフランシスカを再起動した
するとフランシスカは自分が全裸だという事
それを大勢の人間に見られている事に気付き
フランシスカは自分の乳房と股間を手で覆い隠しながらどうすれば良いか焦っていた
その後フランシスカは警備員に公然猥褻罪の現行犯で逮捕されたぞ ふふん
そして保釈され帰って来たフランシスカに私はこう言ってやったのだ
「お帰り露出狂」っと
そう言うとフランシスカは驚いた表情で弁解し始めた
「私は露出狂ではありません」
「目撃者から聞きましたがあれはシャーウッド様の悪戯でしょう?」
「こんな事は道徳に反します」っと
だが私はフランシスカにこう返した
「私は悪戯等しておらぬぞ?ただ躾をしただけだ。道徳に反する?
ならば人前に汚い体を見せ付けたお前の方がよっぽど道徳に反していると思うぞ?
これは夜中に女性の目の前で秘所を見せ付ける酔っ払い男と同じだこの性犯罪者め」
っと
その言葉を聞いたフランシスカはプライドを傷付けられたのか一瞬目を黒くして
充電室に戻って行ったぞ 
もちろんその日の夜中に充電室からフランシスカの反省の泣き声が聞こえたのは言うまでもない
178名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 17:51:43 ID:88vHtw1E
妹姫のキチクッww
しかしこれも傍から聞けば反論は、ふがふが、のみw
179シャーウッドの日記:2007/11/19(月) 00:48:53 ID:+izgzYTO
今日フランシスカが昨日の私のお仕置きに対して逆上して
私をお仕置きをすると言い出したぞ
全く逆上するとは・・・
昨日の夜中に充電室から聞こえた反省の泣き声は何だったと言うのだ・・・
そう思いながらも私はフランシスカの魔の手から逃れる為に
家中の電気を全て消してテレビだけつけ、フランシスカを惑わし屋敷の倉庫に隠れたのだ
まるで一人かくれんぼをしているかの様に私は身を潜めた

取り合えず一人かくれんぼならぬフランシスカかくれんぼの説明をしよう

用意する物
逆上したフランシスカ
コップ一杯程度の塩水

準備
下準備としてフランシスカにお仕置きする、その後はフランシスカがお仕置きに逆上して襲って来るので素早く家中の電気を全て消してテレビだけつけ、塩水を持って何処かに隠れる

終わり方
隠れてから2時間以内に塩水を少し口に含んでから出て、フランシスカを探してコップの残りの塩水、口に含んだ塩水の順にかけ、「私の勝ち」と3回宣言する。
塩水をかけられたフランシスカはショートするのでその時点で終了となる。

フランシスカは、最終的に燃える方法で処理するのが好ましい。

屋敷の倉庫に隠れてから数分が経ったのだが・・・
その時つけていたテレビが突然消えたのだ
近くの部屋のテレビなので音量が消えた事でフランシスカにテレビを消されたのが分かった
私は焦った何故ならば近くの部屋にあったテレビが消されたという事は
もうそこまでフランシスカが来ているという事になる
段々と何者かの気配が倉庫の扉の前に近づいて来た・・・
そして倉庫の扉が開き扉の先には心配しているフランシスカの顔があった
「シャーウッド様大人げない事をしてしまって申し訳ありません」
「お仕置きもしませんから だから倉庫から出てきて下さい もう食事も出来てます」っと
何とフランシスカは私を誘惑して来たぞ だが私の目は誤魔化せぬぞ
私はすぐに塩水を少し口に含んでからコップの残りの塩水、口に含んだ塩水の順にフランシスカの顔にかけ
フランシスカをショートさせ撃退しようとしたのだ しかし

「ぎぁやあぁぁああぁあぁあああああぁあ!!!」

塩水の量が少なかったのかフランシスカをショートさせる事が出来なかったのだ
フランシスカが奇声を上げている間に私は倉庫の前に居るフランシスカを押し飛ばしフランシスカから逃げたのだ
すると何と後ろからフランシスカが追って来たのだ
ついに本性を現したか ふふんまるでクロックタワーの様だな
私は必死にフランシスカの魔の手から逃げようとしたがフランシスカの方が圧倒的に足が速く差が縮まる一方であった
そこで私は近くにあった小型掃除機を手に持ちフランシスカに立ち向かったのだ

「ズィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!」

私はフランシスカの右胸を超強にした小型掃除機で吸った
するとフランシスカの奴「にゃっぁあぁ…」っと小さく子猫の様な鳴き声を上げたぞ
さらにフランシスカの奴は自身の右胸に吸い付いている小型掃除機を取ろうと引っ張ったのだ
私はそれと同時にフランシスカと共に小型掃除機を引っ張った
しかしそれで余計フランシスカの右胸はマシュマロの様に伸び小型掃除機に吸い込まれた
その後は流石にフランシスカが哀れに思えたので小型掃除機のスイッチを切ってフランシスカを助けてやったぞ ふふん私は慈悲深いのだ
その後フランシスカは反省の涙を瞳から出しながら充電室に戻って行ったぞ 今度の反省の涙は本物であると嬉しいな
これからはフランシスカの奴が私に刃向かう事がないように祈るだけだ
180名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 20:06:48 ID:8OSCksaa
SSを……もっとSSを……
181名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 00:43:20 ID:AfX0fmsA
寒い。冷え込みが昼夜問わなくなって来た事を姫は感じていた。
窓の外を覗けば雪こそ見えないが、葉があった気配を欠片も残さない、厳しい寒さに耐えている木々と、朽ち果てて完全な形では無くなった枯れ葉が見えて、ガラス越しに冬の形を感じさせていた。
寒気はよりはっきり、肌の震えとなって室内に押し寄せて来ている。どれだけ布団を重ね、ベッドの上に横たわっても何か足りない、そんな時間。

早く手配した温もりが来ないか。と、じんわり温まり始めたベッドの中で、姫はそう思っていた。

「…まだか」
呟いた側からノックの音がした。姫はベッドから出る気配も無く、そのまま入室の許可を伝えた。
ドアの先には、下僕。勿論、何の用件で呼び出したかは伝えていない。
「失礼します。姫?一体なんの…」
「寒い」
「暖房ですか?」
「そうではない」
「…?」
怪訝な顔で首を傾げる下僕に、姫は具体的に用件…要望を告げる。
「お前が温めれば良いだろう?」


「ふぅ…思った通り温かいぞ」
「は…はい」
促されるがままに、下僕は同じ寝床に導かれていた。
その下僕を予定通りに胸に抱きすくめ、暖を取る事に成功し、一息つく事の出来た姫。
対照的に、下僕は気が気でなかった。
頭を抱えてくれている腕からは、柔らかい肌が感じられた。更に胸に抱き込まれたせいで、当たってしまう女性の胸の膨らみの感触が、本能を刺激してしまう。

姫がそれを、全く意識しなかった訳では無い。

「ヒロ…もっと温もりが欲しいぞ」
「姫…最近甘えん坊じゃないですか?」
「お前だから許されるのだ。それとも嫌か?」
「…いえ」
「なら…来い」

静かな寝床に、衣擦れの音が響いた。
182名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 17:13:51 ID:bpysaOKN
_、、_ _、、_
(Д´≡`Д)つっ続き!続きはまだか!?
183名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 17:41:13 ID:9bpkZeZQ
>>182
落ち着け!
だが思いは同じだ!

続きまだー!!!?
184名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 19:39:55 ID:oeafpAWB
とりあえず、支援
185名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 21:13:11 ID:1OTtwVtx
寝床に衣擦れ(・∀・)イイ!!
186名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 00:02:54 ID:AfX0fmsA


体勢自体は変わっていない。抱きすくめた姫と、抱きすくめられた下僕。
二人の鼓動がさっきと比べて圧倒的に違った理由は、二人の間に本当に何も無くなったからで。
本来寒気から身を守る筈の布を取り払った事で、逆にお互いの温もりを近づけられていた。
「慣れてしまったな…」
「…僕は今でもドキドキ…してます」
「…私もその部分だけは慣れられん…私の鼓動、聞こえるだろう?」
「…はい」
柔らかい膨らみに惜しげもなく、相手を引き寄せる。
愛情と信頼。このお陰で姫は、如何なる行為も躊躇していなかった。

最初の口付けは、暗黙の内の決まりだった。胸の中から解放されたと同時に、下僕は姫の想いを了解する。顔を見合わせた時、既に姫の瞳は閉じられていた。
今からは、姫が受け止めなければならない。
愛しい者の口付けは少し浅ましくても深い所まで欲しいと、姫はそう思っていた。
無意識の内に、絡めてしまう。
「ん…むっ…」
「はぁ…ぁっ」
口が塞がれて、相手の名前を呼べない事だけが、惜しい。
せめてと思い、下僕の唾液を飲み干すという形でその切なさを消そうとした。

「んっ…」
細い喉は何度も揺れ、小さな音を立てて嚥下を繰り返す。
「…美味いと言えば良いか?」
「あ…いえ…その…」
「少なくとも私はまだ要るぞ?」
「姫…」

次に交わすと、月光に照らされた銀色の糸が、二人の唇を繋げてしまっていた。
今は、相手に夢中になる材料にしかなっていない。


少々小ぶりでも、形の良い胸だった。繊細な体だと、守らなければならない体だと解っているからこそ、下僕は慎重にその膨らみに触れる。
その慎重さが姫のもどかしさであり、性的な切なさになっている事を、下僕は知らない。
187名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 03:16:28 ID:6T6POdFL
ほう・・・・
188名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 23:32:58 ID:jOjkYAGl
つ、続きを・・・
189名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 01:38:47 ID:R7KTVVQM
gj!
190名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 02:00:54 ID:wz1N8HwV
「っ…」
「姫?」
「つづ…けろ」
物足りないと言えば物足りない触れ方でも、相手が愛する者だと考えるだけで全身が反応していく。
やられている事がどれだけ拙くても、相手がヒロだと考えればそれだけで姫は、甘い感覚を得る事ができた。

やがて、乳房の突起が存在を強くした。そこに下僕が慰めにくるのを求めて。

「ふぁぁっ!」
始めてはっきりした矯声。下僕の口付けが、その突起に行われていた。
胸元からくる快感と、自らの体に触れてくる者を見て、姫の瞳は更に熱を帯びていく。
「ん…はぁっ!」
普段では決して聞けない声は、普段の姿を逆に想像させて。
下僕の愛情を一層深いものにしていた。


その場所に触れる度に、下僕は思う。始めて繋がった日、予想通りでも避けられなかった乙女の苦痛から生まれた、姫の涙を。その苦痛を少しでも和らげようとして、姫が少々恥ずかしがったのを曲げさせて、そこに口付けした事を。
今その場所に乙女の証が無くなっていても、下僕はこの行為を辞めなかった。
どんなに回数を重ねても、姫の反応はいつも最初の時から変わらなかったから。
下僕はそれだけ、愛しさを確認し直していた。
「んっ…」
姫はピクリと、全身を震わせた。
恥じらいを忍んで、最も敏感で大切な部分を任せてしまった自覚が、更に反応を良くしてしまう。
既に自分が潤っているのも、下僕がそれに気付いているのも解っていた。
それでも、受け続けていた。
「やっ…」


「ヒ…ロ」
「…?」
「もう…切な…い」
「良いんです…よね?」
「先にキス…を…」

今夜が珍しかったのは、先に思いを告げたのが姫の方だった事で。
下僕はそれに、応えた。
191名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 12:52:22 ID:fBaFZTig
どっかの偉い人『続きだ!続きを持ってこーい!!!』
192名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 19:17:45 ID:NqUqf3cu
っていうか一気に投下せんくぁいヽ(`Д´)ノ
いや、マジでお願いします
193名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 19:39:25 ID:KO1zahtS
ええい、小出ししおってからに!

お願い・・・続きを早く・・・
194名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 01:21:33 ID:ocx9Tu4a
orzイツモゴメン



「…んうっ」
「くっ…」
悪いとは思いつつも、姫は下僕の背中に爪を立ててしまう。経験の浅さから快感と言うには、まだ辛すぎた感覚。
下僕との繋がりが、まだ入り口に差し掛かったばかりにも関わらず、既に姫に余裕は、無い。

「ん…はっ」
「姫?やっぱりつら…むっ!」
弱音を吐きそうになるのを、唇を重ねる事で防ぐ。
少しだけ息苦しくなりなった下僕の前に見えたのは、自分の為に必死になってくれている姫の姿だった。
その姿に申し訳なくなり、下僕は意志を固め直す。

元々広くない姫の胎内に達するまで、それ程時間は掛からなかった。

「ココが一番深い所みたいです…」
「…ヒロ」
「?」
「…自覚しろ…私と繋がっているんだ…どんな気分だ?」
「…幸せです」
「ふふ…ん…」
率直な言葉は何より姫を満足させた。
真っ直ぐで一途で、誰よりも自分を大切に思う気持ちを持つ者。この者で間違い無かった。と、感じさせてくれる相手。
その相手を自らの中に導いてやれた幸福感。
安心感から、再び唇を求めていた。
下僕はその度に、応えていた。


「あっ…んっ…うんっ」
「ひ…め…」
元が美しい声だけに、その甘い声は下僕を虜にする。最近になってやっと、ほんの少し掴めた快感。
身を任せれば甘美で、相手を見れば幸せなこの一瞬は、姫が毎晩下僕を誘ってしまう理由だった。

「いい…ぞ…ヒロ…」
「姫の中に…僕のが…」
「私は…お前だけの…」

下僕の首に腕が回り、姫の肩口まで引き込まれていった。
限界が近い時のサインでもある。

意識が無くなる間際になるほど、姫の抱擁は強くなる。
相手を最後まで知って起きたい望みが、姫の行動に繋がっていた。

「姫…僕…」
「私も…」
「中で良いん…で?」
「お前の子…出来ても…」
195名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 02:11:53 ID:5bkS6a0b
GJであります
196名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 02:12:58 ID:5bkS6a0b
GJであります
197名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 21:01:56 ID:43LtYJeZ
GJであります
198名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 21:12:01 ID:a3xQ4G1d
GJであります
199名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 23:22:24 ID:zFyjwUoS
姉姫様はやはりドS仕様ですか?
200名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 00:14:54 ID:2BkIUCKR
Mでもそれはそれで良いかと
201名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 22:05:18 ID:LzF3XJvD
ヒロがシャーウッド姫にちょっかい出されるぐらいでは動じない姫。
でもシルヴィアお姉様の場合はどーなるかしら?
202名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 23:16:58 ID:jge9Fdzj
姫が受けっていうのも萌える
203名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 04:21:29 ID:otsIbe0n
ヒロの本命はやっぱり姫なんだろうなあ、と思いつつ
ヒロ×リザとかも見てみたいなあとか思う僕は病気ですか。
204名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 04:24:59 ID:3n7i9n5K
俺は 令裡さま×姫 がみたい
205名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 08:38:56 ID:VlSBCVKM
セブランの元で妹のためにあらゆる恥辱に耐えてきたミカサ。
さあ次の再就職先は?

姫のとこ→令裡に百合られる。ヒロをつまみ食いして姫にお仕置きされる
キニスキ→さらにアドヴァンスな調教生活
エミール→ロリコンなのでミカサには興味なし、妹ピンチ!
206名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 12:48:30 ID:UO3ZZrXK
リザがヒロとゲームしてたら、リザの発情期が始まると言うストーリーを思い付いた俺は外道?
207名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 18:20:23 ID:8VP4gbAc
リザはテレビゲームに限らずトランプとかでも、
ヒロに負ける→イチャモンつける、ヒロ反論→組み付いてマウントを取ってetc
こんな事やってそう。つか毎日がこんな感じなんだろうか。
208名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 19:26:13 ID:DkY9XV/c
発情してついヒロを襲うリザ、それから性に目覚めちゃったヒロは
毎日のようにリザを求めるように。そしてどんどん上手くなっていくヒロ
209名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 00:31:19 ID:+cHtW4jf
姫×ヒロでクリスマスの小説を書こうか葛藤中
文才が欲しいデス…
210名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 18:13:27 ID:PB8HRKkM
一緒にゲームして遊んだりしてるうちに、
ヒロが好きという自分の気持ちに気づいてしまったリザ。
でもヒロの本命が姫ってことはわかってるから、そんなこと言い出せない…
とかして過ごしている間に>>208に続く。そういうわけですね
211名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 00:19:31 ID:mILOsThQ
あ…姫×エミールという謎の電波を受信した…。
どっちも美形だからなぁ…。いいんじゃないかねぇー。
212名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 21:08:11 ID:qhp5RdQ6
エミール×小さな姫…
213名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 23:36:37 ID:qx3bAKrB
それいいかもー。小さい姫よか、今のままの方が好みかなぁ…。
小さい姫も興味あるケド。
姫がエミールにいきなり襲われるっていうのは……どうだろうか。
214名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 00:30:59 ID:r31Xaa/P
ヒメミールかぁ…
それ何て近親相かn(ry
215名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 02:42:00 ID:LZGcckqX
ふが
216名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 11:53:29 ID:PN3R7Aaj
レイリに処女ネタでからかわれてムカつくから、そっち系にも耐性付けよう
と思って町内のアダルトショップに変装して入ったんだけど、

そこビデオ買った客用に個室が用意してあるシステムなのね。
我慢出来ない客はそこで抜いてくれみたいな感じなの。

そしたらいかにも年齢誤魔化してそうなビシっと変装した学生風の
ヒロが入って来ておもむろにスカトロのコーナーで1本手にしてレジに行き個室に入って行ったの。

薄い扉だけだからビデオの音とか筒抜けなんだけどヒロがいきなり大音量でビデオ再生して
ブリブリブヒブヒブババババン!みたいな音全快でさ!
しかもセンズリこいてるんだろうけど物凄い声なのよ!あのヒロが!
ウォォォォ!みたいな感じで・・・部屋ガタガタ揺れてるし。

しばらくその異常な空気が流れたと思ったら断末魔の叫びみたいな声と共に静かになってさ
扉が開いて凄くスッキリした顔のマヌケ面して出て来やがった。
時間帯からして飯の買い物途中で寄ったんだろうけど、もう普段とのギャップでマジびびった。
217名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 01:21:06 ID:AghI8gvf
姫×ヒロを4ページまで書いたんですが…
前半エロは無いけど、投下してイイ?
218名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 06:37:48 ID:XU8+Ueot
かむ
219名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 07:45:49 ID:AghI8gvf
最初はエロも小説的な文も無くてゴメンネ…


―姉さんとフランドルは忙しそうに屋敷の中を行ったり来たり…
今日って何かあったっけ?
紗和々「ヒロ〜?今忙しいから、代わりにお嬢様に紅茶を持って行って〜。」
ヒロ「えぇっ!?ぼ…僕が!?」
紗和々「文句はないでしょ〜?ほら行った行った♪お嬢様はお部屋に居ると思うわ〜♪」
―うぅ…。僕に選択権はないんだろうか…
溢したら姫(と、姉さん)になんて言われるか分からない。慎重に慎重に姫の部屋に向かう。
―ん?ぼ…僕、姫の部屋に入るのは初めてじゃないか!き…緊張してきた…。まずはノックを…

―? 返事がない…?もしかして寝てるのかな?
ヒロ「あ…あの姫?こ…紅茶を『一人で何を言っておるのだ?』―うわぁぁあ!?」
―ビックリした…まさか後ろに居たなんて…
姫「ふふん、間抜けめ。まぁ良い。今日はお前が紅茶を持って来たのか。」
ヒロ「あ、う…うん。姉さんが何か準備してて…」
姫「…?…あぁ、そうか。明日は『あの日』だったか…」
―何のことだろ?あの日?
姫「ヒロ、少し私の部屋に寄って行くが良い。」
ヒロ「えぇぇっ!?」
姫「む、不満でもあるのか?」
…一瞬、ほんの一瞬、姫が少し淋しそうな表情をした。
―今の淋しそうな表情は何だったんだろう…?
ヒロ「え!?あ!違う違う!僕が入っても良いのかな…と?」
姫「構わん。さっさとドアを開けろ。」
―やっぱり見間違いだったのかな?
姫の部屋は姫らしいと言えば姫らしいけど…何処か寂しい雰囲気があって…
姫「ふむ、隣に座るが良い。」
ベッドに座って、隣を指差す姫。
ヒロ「えぇぇ!と…隣に座って良い…の?」
姫「一々煩い奴だな…お前の純粋な所は、き…いで…ない、が」
ヒロ「え?何?」
姫「フン!何も言っておらぬ!」
―うーん…全然聞こえなかった…。何て言ってたんだろ?聞いたら怒られそうだしなぁ…

姫と話をしている時間は、とても早く過ぎてしまう。
やっぱり…僕は…姫のことが…
220名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 11:34:50 ID:0rs77sCI
とにもかくにも続きをお願いします
221名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 13:18:38 ID:AghI8gvf
続きは夜に書かせて下さい…

ヒロ「もう12時かぁ…そろそろ僕、部屋に戻るね。」
―もうちょっと姫と居たいけど…。
姫「…ふふん。戻る必要は無いぞ、ヒロ。」
―!?
ヒロ「え?ど…どうして?」
僕、何か悪いこと…したのかな?
姫「鈍い奴だな…『今日』は何日だ?」
―え、えーと12時になったから…
ヒロ「12月の…25日?」
―あ、クリスマス…?
姫「人間はクリスマスを想い合う者同士で過ごす、らしいな?」
<ドクン>
心臓の音が段々と大きくなる。
ヒロ「僕は姫が、す…好きだけど…」
―!? しまった!考えていたことが言葉になって…
姫「ふふん。なら問題は無かろう。」
―え? ひ…姫!?

姫の部屋に泊まっても良い、ってこと、だよね…。
途端に恥ずかしくなって、少しでも心を落ち着けたくなった。
ヒロ「あ!あの!僕、部屋から布団持って来るね!」
―んぇ!?
部屋に向かおうとした瞬間、背中に柔らかな、温かいモノを感じた。
姫「その必要は、無い…。私と眠れば良いのだ…。」
姫が、僕を抱きしめている…。
心臓の音は高鳴りを止めない。それでも、気持ちは不思議と落ち着いてくる。
ヒロ「姫…。」
ふと、姫を見ると瞳は潤んでいるようで…
普段あまり感情を表情に表さないからこそ、姫のその表情は、ヒロにとって甘い―誘惑だった。
姫「時々、強く思うのだ…お前を失いたくない…と。…いつの間にか、私はお前を…」
ゆっくりと、ヒロは振り向く。
そしてゆっくりと、姫を抱きしめた。優しく、想いを込めて。
ヒロ「僕は姫を残して居なくなったりしない。…僕だって、姫が居なかったら、生きられないよ…。」
姫「…ふふん。では、約束しろ。」
突如として、静寂が訪れる。
部屋の音を奪ったのは、静かなキスだった。
ヒロは動揺を抑えて、誓う。
ヒロ「約束するよ。僕は絶対に…」
姫「この程度、口約束のようなものだ。」
―えぇ!?じゃあ今のは…
姫「ヒロ…私を…抱け。」
驚いた矢先、思いもしなかった一言。
ヒロ「そっ…その、『抱く』って、かっ…体を重ねる!?」
姫「そうだ。お前の言う決意は、口約束程度のモノでは無いだろう?」
冷静な口調は、姫の覚悟。
『証』を奪われる事を―尋常ならざる痛みの覚悟。
ヒロに『否』の選択肢は無い。
ヒロ「で…でも、僕、あんまりよく分からないよ!?」
―Hな妄想は控え目だし…。
姫「これから慣れれば良いだけだ…。」
222名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 22:35:23 ID:/LrKOwa6
面白い。続きに期待。
223名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:39:09 ID:AghI8gvf
あの…続きは今から書きますんで…
良ければ、続きを書き終わるまでの番外編01を…

番外編(ネタ)
検証ファイル〜01〜
『姫はどうして後ろに?』

ヒロ「そういえば。姫は部屋に居るって聞いてたんだけど、どうして僕の後ろに居たの?」
姫「!! …まぁ…その…私にも色々と事情があって…な?」
ヒロ「え?どんな?」

姫「ふむ。ヒロが来る数分前だ。私は…その…テ…ティアラを取りに行ったのだ…。」
ヒロ「…置き忘れたの?なら僕が持って来ても良かったのに。」
姫「馬鹿者!リザなどが知ったら大変であろう!第一、私が忘れ物など…」
―リザにバカにされたら私のプライドが…。
ヒロ「あ、それよりもどうして後ろに居たのかが気になるんだけど。」
姫「…。(コイツ…軽く流したな…)部屋に戻ろうと思ったのだが、オマエが何やら不思議な動作で私の部屋へ向かったのでな…」
ヒロ「あの…?僕を見たなら、話しかけてくれたって良かったんじゃ…?」
姫「ふふん。黙っていた方が面白いと思ってな。」
ヒロ「姫…それを世間ではストーカーって言うんじゃないの?」
姫「…!! …ヒロ!私がティアラを置き忘れていた、などとは言うでないぞ!」
ヒロ「ハイ…。(姫…誤魔化したね…。)」
224名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 02:01:38 ID:1OGXiBG8
携帯は書きづらいです…
文が滅茶苦茶なのは、学生時代に真面目に国語を受けなかったか(ry

二度目の静寂が訪れる。
然しながら、静寂は一瞬にして終わりを告げた。
何故なら―
ヒロ「んむっ!?」
姫からの深いキスがヒロに贈られたからだ。
姫「はっ…んっ…むぅ…」
何度も、何度も絡め合う。
お互いを確かめるかのように。
強く、強く抱きしめ合って。
温もりを確かめるかのように。
ヒロ「ひ 姫…。んむっ…」
先程まで速く感じていた時間は、永遠にも感じられて…。
二人だけの世界。
ドアの向こうで聞こえた物音も、それは別世界の話…。
姫「んっ…中々、この様な趣向も…悪く無いだろう…?」
ヒロ「で…でも、何か変な気分になるよ…」
姫「ふふん。二人しか居ないのだぞ?ヒロ…私を楽しませろ…」
姫の言葉は『少年』の理性を的確に崩す。
姫「ふっ!?ぅむ!?んっ…」
それでも、ヒロから来るとは思っていなかった。
永遠に思える時の歯車も、ゆっくり…ゆっくり、回る。他の歯車とも変わりは―無い。
姫「んっ…。ヒロ…来るがいい…」
自らのベッドにヒロを招く。
姫「私を…お前だけが汚せる。この身体を…」
ヒロはゆっくりと、姫の2つの膨らみに触れる。
姫「んっ!くっ…あっ…」
ヒロ「ひ…姫…。もう僕…」
姫「ふっ…ん…好きに…してみろ、ヒロ…」
時折膨らみの頂点を刺激し、優しく膨らみを包み込む。
姫「く…ああっ!ふっ…ぅん…」
姫の嬌声は更にヒロの理性を削る。
もっと聞いてみたい、と言う思いと、更に先へ進みたい、と二つの思いが交錯する。
姫「あっ…ふぁっ…良い…ぞ…ヒロ…」
その内にヒロの手は姫の秘部へと向かい―
姫「うぁぁっ!?くっ…ああっ!」
卑猥な水音が響いた。
姫「んっ!ぅん…うぁっ!」
片方の手は膨らみを刺激し―もう片方は秘部を刺激し続ける。
二つの刺激に身体が強く反応する。
225名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 04:13:11 ID:kYb8wrwl
wktk
つーか生殺しだなw
226名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 05:20:39 ID:MgHRAwcB
GJです がんばってください!
227名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 13:06:27 ID:1OGXiBG8
期待とwktkとgjを有難う御座います。
私にとって、何よりの励みになります。
非常に申し訳無いんですが…エロは夜まで待って…

番外王女
検証ファイル〜02〜
『ドアの向こうで聞こえた物音って何なのさ?』

―ったく…何であたしが買い出しなんか…街では鈴みてーなのばっかり鳴らしてるし…
リザ「頼まれてたモン買って来たぜ〜…?」
紗和々「リザちゃん、ありがとう〜。そこに置いといてね♪」
―ん?何か変な物音がするような…ま、良いか。
リザ「ヒロー?ゲームでもしようぜー!」
紗和々「あ、ヒロ?お嬢様の所に居ると思うんだけど…」
リザ「そっか、サンキューな」
―姫の部屋に行ってみるか。

リザ「んん?やっぱ姫の部屋から変な音が聞こえるな…」
<はっ…んっ…むぅ…
ひ 姫…。んむっ…>
―っ!?な…何だ!?姫サマとヒロ?何やってんだ!?
リザの行動は、『盗み聞き』と呼ばれる行動だが、リザに悪気は無い。好奇心が彼女を動かしている。
が…
『盗み聞きは感心しませんことよ?そこの牝犬。』
―んわぁっ!?
リザ「テメ!このきゅう んむっ!」

令裡(…あんまり大きい声を出さないでほしいわね。)
リザ「むー! ぷはっ!」
令裡(…それで、アナタは何を聞いてい
228名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 13:10:54 ID:1OGXiBG8
何故か途中送信…
うぅ…携帯なんて…

令裡(…あんまり大きい声を出さないでほしいわね。)
リザ「むー! ぷはっ!」
令裡(…それで、アナタは何を聞いていたの?)
リザ(フン…姫とヒロが変な事してんだよ)
令裡(あら、ヒロも大胆な行動をするのね…)
リザ(…?何をしてるか知ってんのか?)
令裡(ふふ…クリスマスに二人で夜を明かすなんて…アナタには『交尾』の方が分かり易いでしょうね…)
リザ(んなっ!!テメ…)
今日がクリスマスだと忘れていたこと、バカにされたこと、二重の意味で赤面するリザ。

ふと、思い付く。
リザ(…あ! オイ、良いのか?)
令裡(…?)
リザ(姫が、オマエの大好きな処女を無くすぜ?)
令裡(…!! そ…そんな…)
突如大きな音を立てて倒れる令裡。
リザ「あーあ…自分で音出すなって言ったクセによ…」
令裡「うーん…姫様の処女がぁ…」
229名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 13:34:06 ID:ldpDySbs
wkwk
230名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 14:47:29 ID:PmkSPATw
続きを頼む
231名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 21:36:51 ID:h6V9PLSX
wktk
続きを頼みます。
232名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 21:44:31 ID:1OGXiBG8
ゴメン ゴメンヨ…筆が遅漏なのですヨ…
その代わりに、良い作品作ろうと思ってますんで…良ければ宜しくお願い致します。
233名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 22:53:53 ID:h6V9PLSX
はーい。待ってますよ。
234名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 00:15:50 ID:RbB+Ng9T
ふふっ…待っててくれるの?素直な子は―
…これは俺のキャラじゃねっ!
続きは明日になるかも知れません…

ヒロも、その温もりに心地良さを感じて―
ヒロ「直接、触るね…?姫…。」
姫「んっ!?ああぁっ!」
ヒロの手は姫のドレスを捲り、下着の中へと入り込む。そして姫を―より深い世界へ誘う…。
姫の声はヒロを誘惑し、甘く―底の見えない世界へ誘う…。
姫「くぅ…んっ!…お前だから…こそ、何処までも……。」
ヒロ「僕も……姫の事を、誰よりも深く…。」
姫「私を…もっと乱れさせろ、ヒロ…」
再びヒロの手は動き始め―柔らかな膨らみを、蜜の流れる秘部を―時折、膨らみの頂点を刺激し、途切れる事の無い『感覚』が姫を包む。
姫「んくっ…いい…ぞ…ヒロ…んぁっ!あぅっ!」
姫の全てが、ヒロには甘い―誘惑。
誘われるがままに―更なる刺激を姫に。
姫「んっ!くっ!ヒ…ヒロ…もう、少し優しく…あっ!」
ヒロの手は止まらない。
ヒロ「姫ぇっ…!」
呼吸が大分荒くなり、直ぐにでも果ててしまいそうになる。
姫「ヒ…ロ!も…う!ダ…メだ!―んっ!あああぁっ!んっ!ぅん!」
235名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:29:24 ID:tWhCh88t
>>194



一度目の高みを越えた後も二人に冷静さが戻る事は無かった。目の前の相手と築いた余韻に浸ったまま、姫の瞳は虚ろなままで、はっきりとした光を戻さない。
「っ…ぁっ」
「だ、大丈夫ですか?」
「…ヒロ」
「?」
「じっとしていろ…」
冷静さを欠いているからこそ、素直で情的な動きが出来た。この情熱が冷めない内にやりたい事を全てして置く気で、動く。
「受け取れ…私の唇を…」
「む…ぅっ」
指と脚をしっかりと絡めて、甘える様な体勢のまま、夢中で姫は唇を当てた。
頭の中の熱が冷めるまで、それを繰り返していた。


ようやく満足した頃が、冷静さを取り戻した時だった。
横向きに向かい合うベッドの上で、主人は満足と余裕の笑みを浮かべて、下僕は緊張を戻しながら、視線を合わせていた。
夜が明けて皆の前に出ると、いつもの関係に戻らなければならないこと。それがお互いに惜しい。
「また明日の夜まで…待たねばならぬか」
「仕方ない…ですよ」
「…必ず明日も来るのだぞ?…最近一人では寝られなくてな…」
「あはは…はい」
照れがちに返事をする下僕を見て、姫には再び愛しさが込み上げてくる。
この空間が尽きない内にその表情に褒美を。そういう気持ちが膨らんでいた。

意を決したとき、白い頬に僅かな赤みが差した事に下僕は気づかなかった。

「…ヒロ」
自分で閃いておきながら、息を飲む。
「…手を貸せ」
「…え?」
「手だ。力を抜け」
細い指が、下僕の手を取った。
236名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:31:50 ID:tWhCh88t
姫に言われるがままの手は、姫の手に引き寄せられていく。

行き着いた先。

下僕に、思いもよらない感触が伝わった。その手は明らかに布団の中の、姫の素肌のままの胸元へと引き込まれている。
「え?え?」
「好きにして…よい…」
「ひ、姫?」
「私とお前で愛を築いているのなら…お前が満足いくまで私を好きにして良い筈だろう?」
「それは…えっと…」
「一晩に一度きりなどと…誰も決めていないではないか…」
感触に触れたまま、動かせそうにない。少しでも動かせば握力が、美しい膨らみを変えてしまう。

それでも。
「私に恥を…かかせるな…」
一言が、下僕の緊張を解いた。

もう一度事が始まると、以前よりはっきりした声で姫は鳴く。その声が愛しくて、下僕の理性は抑え込まれた。

「あ…んっ」
「もっと聴かせて下さい…」
「こ、こんなの私らしく…無い…」
「姫は…姫です」
「んっ…わ、私は…」
「僕の最愛の…ご主人様です…」
「…だ、段々解ってきてしまったんだ…繋がるのは…気持ちの良い事だと…」
「僕も…」
「だから…こんなに良い事だから…お前としたいのだ…」
「僕も姫が…」
「これからも…私が慣れるから…頼むぞ…」
「…はい」
姫の体は少しずつ、何かを知っていく。

終わりを迎えて、珍しく甘えたのは姫の方だった。身長のせいか、姫の性格のせいか抱き込まれる事が普通だったが、今夜はヒロの胸を借りている。
眠りに落ちる寸前の幼子のように、空を見ていた。
「…疲れましたか?」
「ああ…良い夢が見られそうだ…それに温かい」
「良かったです…」
「先に…私が寝てしまうぞ…?」
「寝顔も好きですから嬉しい位ですよ…」
「ふふん…調子に…乗るな…」

言いながらゆっくり姫の瞳は閉じられていく。
珍しく悪戯心を持った下僕は、眠り際の半開きの唇に唇を触れさせた。

姫は意識があったのか、何も言わずに唇を微笑みの形にして、眠りに落ちていった。


ヒサビサゴメンorz
237名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:45:46 ID:BHvCKqoZ
私も読ませて頂きました!
素晴らしい小説…流石は神職人…。

あ…あの…投下終わる前に書いてしまって本当に申し訳ありません!反省致します…
238名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 17:21:00 ID:62ExGaW/
スゴイ!甘い姫もィィ!!
239名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 21:43:49 ID:yrsOhQFl
姫たまんねぇな(*´Д`*)ハァハァ
240名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 07:25:02 ID:8IWmg1Cc
た、たまらん(;´Д`)ハァハァ
241名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 22:21:45 ID:GFmKt93P
うぅ…自分のストーリー性の無さに失望…。一応こっそり投下しますね…。
>>234の続き

姫は快楽の絶頂に達した。
が…。それでも―足りない。姫の高ぶる心は『ヒロ』を望み、ヒロは『姫』の全てを望む。
―二つの歯車が揃い、動き始める。
姫「…ふふん。そろそろ…だな。お前も我慢出来ぬだろう?」
ヒロ「…うん。僕もそろそろ我慢が…」
最早、衣服を纏う必要は無い。ゆっくりと姫はベッドから降り、服を脱ぎ始めた。徐々に白い肌が現れて…
姫「…?何を見ている…。お前もさっさと脱ぐが良い。」
ヒロ「あ!う、うん…。」
服を脱ぐ動作すらも、ヒロの意識を興奮の渦に巻き込む。
露になる膨らみの頂点は薄紅色をしていて…

姫「遅いぞ、ヒロ…。私を待たせるでない…。」
姫には、ヒロが離れていた時間が長く感じて―
姫「んむっ… んっ…」
再び姫に深いキスをして―
身に纏う物が無いからこそ、感じられる体温…
柔らかな肌と柔らかな膨らみ…
淫らな世界が二人を包み込む。

ベッドの上で、姫が誘う。
姫「さあ…始めろ、ヒロ。お前に酔わせろ…私を。」
ベッドの上で、ヒロは誓う。
ヒロ「僕は、姫を護り続ける。そして姫だけを、愛し続けるよ…。」
深き愛情―確固たる想い。
見えない紐は二人を強く結び―
242名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 19:37:36 ID:NuqDH4Im
続きを…
243名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 22:48:38 ID:g61BGsgq
続きプリーズ☆
244名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 23:23:02 ID:TDLw+m1j
続きドーゾ☆
…俺に似合わないじゃないか!


強く、強くヒロは姫を抱きしめた。
その華奢な身体を。
姫「ふふん。私を、満足させられるのであろうな?」
ヒロ「最初は痛い、らしいけど…大丈夫?」
姫「無用な心配だ、ヒロ。お前だからこそ…耐えられる。」
姫を傷付けたくは無い―けど、もっと姫の全てを知りたい。

姫「早くしろ…私も…我慢が出来無くなるだろう…?」
天秤は、傾いた。

ヒロ「じ…じゃあ、いくよ?」
まだ温かく湿っている姫の秘部に『自身』を軽く触れさせ―
姫「良い…だろう…。くっ…」
自身を挿し込み、ゆっくりと、ゆっくりと沈ませる。
姫「う…ああっ…くっ!!」
―瞬間。身体に稲妻が駆けた。
ヒロ「あ…っ!大丈夫!?姫!?」
痛みは想像を上回っていた。
それでも…愛する者が自分と共にある。それが嬉しくもあって…
姫「ふっ…んくっ…。これ…ぐらい、何とも無い…。全て…入れてしまえ…。」
姫の言葉に従って、優しく―全てを沈める。
姫「んっ、あっ…」
時間を掛けて、全てを姫に―
姫「ふっ…くぅ…。」
どの様な痛みか、ヒロに知る術は無い。
それでも、『痛み』を知らない訳では無い。
ヒロは、姫を優しく抱きしめた。優しく…。

姫「どうした…?」
うっすらと、その紅い瞳が潤んでいて―
245名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 23:41:55 ID:oQOLM8+e
(*´Д`*)ハァハァ
生殺しだな
246名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 04:42:49 ID:rxFyuWS+
>>244
ぶつ切り投下は、携帯っぽいから置いておくとしても
せめて、タイトル書くかかトリップくらいは付けようよ。
もうすぐ冬厨のどもがやって来るから
騙られる可能性が出て来るぞ
247>>87:2007/12/12(水) 10:16:25 ID:niEzGNs4
流れをぶった切って悪いが・・・王女と下僕6が一応できた。

これから加筆訂正してうpろうと思ったけど
現在進行中のssが終わってからのほうがいいかな?

内容は 幼エミール×幼姫 & エミール×人魚姫 の
真性ロリコン変態エミールの独白ものw

ようじょ関係が苦手な人はご遠慮くだしあ^^
248 ◆k2mr2ENX0s :2007/12/12(水) 13:06:40 ID:YqvE++J5
タイトルは最後に書こうと思ってる変人で申し訳無い…
代わりにトリップ付けるんで、ご容赦を…

あ、お先にどうぞ!
と、いうよりお願い致します…
249>>87:2007/12/12(水) 14:20:25 ID:niEzGNs4
了解・・・では、投下します^^
250王女と下僕6 1/10:2007/12/12(水) 14:22:14 ID:niEzGNs4
・・・すぅ〜・・・すぅ〜
君の口元から漏れる、その妙間の一拍一拍が僕を狂わせる。

その黒いドレスの短いスカートとソコから覗く細い小鹿のような御足。

リリィ・・・僕の可愛い妹。

そのシルクすら汚れたミルクの肌の奥に眠る

リリィ・・・僕に見せておくれ。

美しい君だけの気高い花園の奥を



      王女と下僕6・・・キョウキ



全てを見通す魔眼は凶器・・・そして、狂喜の運び手。

うっすらと透かし見える人肌、心、魂・・・どれも汚れて醜い汚物。
僕の幼い心を蝕む魔法の瞳は僕の姿すら変貌させた。

徐々に・・・脳から角が生え、腰骨からは尾が・・・そして、爪は忌まわしい
ケダモノの様に赤黒く尖った。

吐息は熱く・・・炎を纏ったように肺を焦がし、冷水も煮え立つマグマに変えた。

恐ろしい・・・恐ろしい・・・恐ろしい・・・恐ろしい・・・

王子と呼ばれた僕は異形どもを蹂躙するモノ、統括するモノ、愛でるモノ。
251王女と下僕6 2/10:2007/12/12(水) 14:22:58 ID:niEzGNs4
その僕のモノにならないモノなど何もない。

・・・そう、信じていた。

・・・あの人が来るまでは、ね。
あの人は何も知らぬ僕を抱きしめて言った。
「愛しい私の弟・・・異形の王佐にして、魔王の寵愛を受けたもの。」
優しく、優しく、ややフックラとした乳房が僕に語りかけるような・・・
僕より僅かに華奢な腕が、しなやかな細腰に僕を縛りつけ・・・

・・・そして、僕を奪っていった。

その魔貌に見据えられた僕の無力さは湖岸に浮かぶ羽毛のように揺ら揺らと儚い。

その頭に据えられた王族たる冠が僕の全てを服従させた。

魔眼が捕らえた在らざるべき姿・・・アレは魔でも人でもない何か・・・

それは僕の瞳の奥を、魔の魂を優しく鷲づかみにして服従を迫った。

・・・僕は、ただ頷くしかなかった。

力なくズルズルと・・・しなだれる幼い童子を軽々と持ち上げた女は服従の儀式を始めた。

僕の皮を被った童性を強引に引きずり出し、血の滴る僕のペニスを自らの汚れた花園に
埋め込み腰を振るった。

魔女め! 売女め! 悪魔め!

僕の種の篭らぬ精液を膣で受け止め・・・奴は・・・姉は満足気に薄ら微笑んだ。
252王女と下僕6 3/10:2007/12/12(水) 14:23:44 ID:niEzGNs4
その時、白雲のかかった脳裏に流れた美しい旋律・・・隣室で奏でる妹の演奏。
その鎮魂歌が僕の涙と交じり合い、シーツに滲んで消えた。

リリィ・・・キミはボクの救世主だったのだよ?

秘伝の薬物がキミに甘い眠りを囁く頃・・・ボクの幼い胸は躍った。

すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・

ちょうど柔らかい吐息が四拍目を打つ頃・・・ボクは人に目覚める。
聞こえるだろう? 小鳥達の囀りが・・・
感じるだろう? 微風の溜息が・・・

この僕だけの秘密の花園に誘った僕の心を理解できるかい? リリィ?

色とりどりの草花達に囲まれる眠り姫にボクは口付けをした。
優しく背中のファスナーを下げて肩からドレスをずりさげ、薄い胸を顕にさせる。
小さな豆のような桜色の乳首に・・・ボクの胸は踊り、幼く汚れてしまったペニスが
痛々しく勃起した。

・・・ペチャリ・・・チュル・・・

淡い幼の芳香を放つ肌に頬を寄せ、ボクはキミの乳首を舐めたよね?

・・・すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・

吐息に合わせてキミの乳首は赤く染まり・・・徐々に硬く膨らんだ。

ボクの唾液でベチョベチョになった君の両乳がテラテラと鈍く輝き・・・
253王女と下僕6 4/10:2007/12/12(水) 14:24:17 ID:niEzGNs4
それでもキミは汚れない聖女のままでソレを受け止めていたね?

・・・ボクは、どうしても確かめたかった。

スカートをめくり純白の下着に両手をかけた・・・それが如何に卑怯で卑劣な
行為であるかも理解していた。

口に潤む唾液の沼を飲み込んでゆっくりと・・・キズひとつない白桃の薄皮を
剥がす様に慎重に震えながら・・・脱がしていった。

・・・こんな戦慄の伴った快感をボクは味わったことはなかった。

程無く顕になったプックリとした小さな丘と一筋の亀裂・・・
ボクは抜き取った下着を投げ出すとその亀裂に瞳を寄せた・・・

・・・息を飲む
・・・口唇を舐める
その領域に限りなくゼロに近い距離に身を置きたかった。

そして・・・ふと気付く。

その亀裂から僅かに顔を覗かせる何かに。
無垢な大地から芽吹こうとしている何かに。

ボクは震える指先を亀裂に這わせ、そっとその大地を・・・何かを掘り出していた。

・・・ピンク色した小さなクリトリス。

その未熟な新芽はツンと甘酸っぱい香りを放っていた。
汚い・・・などとは微塵も思わなかった。
254王女と下僕6 5/10:2007/12/12(水) 14:24:49 ID:niEzGNs4
まるで、そう・・・ボクの心は心待ちにしていた玩具を渡されたように心躍った。

舌を伸ばさずにいられなかった。
唾液を垂らさすにいられなかった。

そのコリっとした硬そうでニュクリとした柔らかな絶妙な感触。
いかなる珍味にも勝る芳醇な香りと微酸を帯びた味わい。

ボクは生まれて初めて魅入った・・・酔うほど、失うほど、狂うほど。

凶器が、狂喜が、狂気が、全てに勝る快楽だなんて・・・知りもしなかった。

正義? 道徳? 愛?

そんなもの、この快楽の前ではクソほどの価値をもたない!
求めるもの・・・ボクの苦痛を取り除く儀式は悪魔が教えてくれた。

あの魔女が囁いた・・・おぞましい仕打ちの、その口止め料として、

下僕になったボクへ
生贄となったボクへ
汚れてしまったボクへ

その背徳の極みは、だが!しかし!・・・ボクの苦痛を確かに取り除いてくれた。

リリィ・・・ボクの知った愛らしい金箔の天使。

あの時は確かにボクのモノだったキミは、淡い小粒な新芽を膨らませてボクの稚拙な
愛撫に答えてくれたね。

255王女と下僕6 6/10:2007/12/12(水) 14:55:03 ID:niEzGNs4
リリィ・・・嬉しかったよ、この上なく幸せだった。

ボクが新芽の・・・その奥に眠る秘密の小部屋に気付くまで・・・
儚い夢に浸るキミの吐息は甘くボクの鼓膜を擽っていたのに・・・

リリィ・・・わかるかい? だからボクは許せなかった。

突然、潰されたヒキガエルのような悲鳴を上げたね?
ふと持ち上げた夢見心地のボクの頬を思い切り叩いたよね?

そして、ボクの瞳を捕らえて・・・君はどんな顔をしたか!

傍らの下着を掴んで! 犬畜生のように這って! 美しい草花達を蹴り飛ばして!
キミは走り去っていったんだよ・・・そうだったよね?

キミは裏切った!
キミは騙した!
キミは砕いた!

そして、キミは二度とボクの前に現れなかった・・・それなら良かったのに、ね。

なのに、リリィ・・・キミは再びボクの前に現れた。
その沈没しかけた呪いの船からボクを見下ろし・・・そして、言ったね?

【自分は王座に興味などない】と・・・だが、それがどうした!?

お前は本物の天使を抱き寄せるボクに、別の何かを訴えたがっていた。
その冷ややかなツラのクソッタレタ瞳を見抜けぬほど、ボク魔眼は錆付いてはいない。

ボクは本物の天使を手に入れた・・・あのとき。
256王女と下僕6 7/10:2007/12/12(水) 14:55:39 ID:niEzGNs4
ボクの静止した心に、確かな秒針を刻んでくれる救世主を。

リリィ・・・わかるかい? ボクの望みをかなえてくれた天使の様相が。

ボクの血を分け与えた彼女の・・・ボクは下僕にすらなってもいい。
愛しい愛しい人魚姫・・・彼女はボクの恋人になってくれた。

ボクは彼女と深く口唇を交わし、その彼女の震える歯を静かに開かせた。
そして、その奥の小さな舌べらに己の唾液を纏わせ、優しく吸い上げた。

その羞恥に染まる頬の色合いは、初春を迎えた草花樹木の色香に勝る。

その頬を舐め。
その目蓋を舐め
その耳たぶを舐め
そのうなじを舐めた。

彼女の漏らす小さな呻きの芸術がボクの鼓膜を・・・忘れかけていた血の暖かさを
呼び戻してくれた。

あの時の感じた快感の渦を・・・それはボクの嫌らしく成長してしまったペニスに
確かな鼓動を与えた。

ボクは安堵の溜息をつき・・・彼女の全てが嘘偽りない真であることを知った。
そして、彼女の小さな両の肩にかかるワンピースの布を左右に開き、華奢な体躯を包む
布切れの一つを取り落とした。

彼女の鼓動は乱れない・・・ただ、その刻がやってくるのを望んでいたかのように。

ただ、ボクの眼前に晒された乳房と呼ぶには、まだ未熟な膨らみを恥ずかしげに隠し、
257王女と下僕6 8/10:2007/12/12(水) 14:56:21 ID:niEzGNs4
僕の魔眼を美しい黒瞳で受け止めてくれた。

愛しい愛しい人魚姫・・・彼女は僕の苦しみを受け入れてくれた。

ボクは彼女を抱き上げると豪奢なベッドの中央に、そっと寝かしつけた・・・そして、
ボクが良いと言うまで決して瞳を開いてはいけないと約束をさせた。

何故?・・・そんな穢れた言葉を彼女は吐かない。

ただ静かに頷くと瞳を閉じて小さな浜辺の貝殻になった。
砂塵波紋の模様がされたベッドの真芯に落ちた美麗な貝殻に・・・

あぁ、人魚姫・・・美しき天の美姫よ・・・

暫し、ボクはその様相の美しさに酔いした。
そして、その危うい美の骨頂を壊さぬように、そっと彼女の手の甲に指を伸ばした。


ボクの手が彼女の手に重なり・・・そして、柔らかく華開く。

可愛い真珠の粒が顔を出し・・・
彼女の頬の紅潮が深みを帯び・・・
そして、温かい吐息となって紡がれる。

その絶妙の刹那に・・・ボクは感嘆のため息をついた。

その小さな小さな乳首に震える口唇が・・・でも、届かない。
これから行われる背徳の儀式に・・・生贄となる彼女に・・・ボクは一抹の悲哀を感じた。

その何かを彼女は感じ取ったのだろうか? 躊躇うボクの頭を小さな手で抱きとめた。
258王女と下僕6 9/10:2007/12/12(水) 14:57:06 ID:niEzGNs4
そして、口唇を自らの乳首に押し付ける・・・ボクは・・・そうなされるがままに
彼女の乳首を吸い上げた。

ペチャ・・・ペチャ・・・ペチャ・・・

卑猥な音がボクの耳に届く・・・そして、彼女の耳にも・・・
その音色に反応して微かに淫を帯びた彼女の呻きが仄かな艶を添える。

ボクの嫌らしい舌は彼女の両の乳の間を無限の軌道を描いて這いずり・・・
そして、脇に、腹に、臍に・・・その、小さな下着の淵に這わされた。

ボクの指先が彼女の小さな下着の両脇に掛けられたとき、彼女は、はぁ・・・と
切ない吐息を漏らし・・・そして、小さな尻を浮かせて答えた。

あぁ・・・その時、ボクは彼女に対し非礼を感じずにいられなかった。

そう、彼女は子供ではない・・・一人の立派なレディーなのだと。

ボクの指先の軌道が、彼女の滑らかな起伏に合わせて・・・彼女の両腿が、両脹脛が
そして、足首が・・・その抜き取られる小さな布と共に緩やかなSの曲線を描いた。

そう、そして、ボクは見た・・・彼女の生まれたままの無垢な姿を。

その白肌を目一杯に紅潮させて・・・その淫らな儀式の羞恥の責め苦に耐えながら・・・
彼女は目頭を潤ませていた。

その身体を再び貝のように綺麗に閉じてしまった人魚姫・・・
その耳元にボクは儀式の為の冷酷な指令を呟いた。

彼女は閉じられた瞳の淵から一滴の涙をこぼしながら・・・そして、小さく頷いた。
259王女と下僕6 10/10:2007/12/12(水) 14:57:42 ID:niEzGNs4
徐々に開かれて行く貝殻・・・その真芯にある小さな・・・リリィより小さな亀裂が
顔を出す。

・・・さあ、続けてごらんボクの人魚姫。

大きくM字に開かれた・・・その両足の付け根にある小さな亀裂に彼女の手が添えられる。
僅かに震えた指先が愛らしくその貝殻に添えられ・・・そして、
可愛く勃起したピンクの新芽を曝け出した。


・ ・・ああ、可愛い、愛しい、狂おしいボクの人魚姫。

・・・キミの泉が枯れるまでボクは蜜を吸い続けるだろう。

・・・そして、ボクが王になったとき、キミは純潔を散らすのだ。



愛する者の為ならば非業の死すら厭わない・・・
その伝説と同じく、彼女が在らざることを・・・


・・・終わり。
260>>87:2007/12/12(水) 14:59:40 ID:niEzGNs4
一日で書き上げたので内容はサッパリ系、
サックリと読める感じに仕上げました。

なんかSS書くのは久しぶりなんだけど
どうだったでしょうか?

では、感想&要望よろしくノシ
261名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 23:08:11 ID:txbpT1s+
うん…いい感じじゃないか?
新しい組み合わせを知った……藁
262名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 01:18:09 ID:Rfgqnsl1
>>236

今朝も下僕は忙しく立ち回っていた。人間としての生活、下僕としての雑務、様々な友人との一時は楽しいながらも、休息を与えてくれない。
定位置とも言うべき館の一席で、姫は下僕を尻目に、窓の方を向いていた。

遂に空から、冷気の塊が目に見える形で降って来ていた。小さな白は幾つかは大地に触れて消えていくものの、殆どは地に残り少しずつ地面をその色に変えていく。
昨夜とはうって変わった暖房の効いた部屋の中で、姫は下僕の姉が淹れた紅茶に口を付けつつ、それを眺めていた。

「ち、遅刻だー!」
「朝から騒がしいぞ」
「す、すみません!」
「よく着込んでいけ。今朝は冷える」
「は、はい!」
下僕の騒動と姫の余裕は相反していた。今の二人の関係から昨夜の光景はとても想像できない。
ましてや、今余裕を見せている方が、ベッドから出るのを引き留めていたとは。

「全く…台無しではないか…」
「遅刻ー!」
不機嫌と言うほどではないが、少なくとも今の下僕に掛けてやる言葉は無かった。下僕には下僕の生活があると承知している。
それでも本当は昼時になるまで、寒さが本当に和らぐ時間になるまで抱き合っていたかったのが本音だった。流石に口には出していないが。
仕方なく別の事を考えていた。
外の景色を見て、思った事を。

「ヒロ」
「な…なんですか?」


「今夜も冷えると…いいな」
「…」

ほんの少し赤みの差した姫の表情に魅了されて、下僕が現実に戻るのは五分後の事だった。




(´ω`)ノシ
263名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 11:23:07 ID:Sf9B58kD
gj!
264名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 21:36:38 ID:ie/INlcB
イイねぇ!!最高。
265名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 22:47:22 ID:+wrURp0P
グッド!
ぜひ続編が見たいね
266名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 00:53:42 ID:QtqNGOM1
甘えん坊さんの姫も可愛い(゚∀゚)
267名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 12:18:51 ID:lRe00ypO
保管庫ないの?
268名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 12:46:09 ID:CKDMZcQ0
うん、無いのよね・・・
269名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 12:56:56 ID:AqXjVsZO
頼めば保管してくれるとこないっけか?

前スレのログないんで名作が読めない
270名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 19:48:50 ID:OmiJizUp
ミカサの妹、マズイなエミール好みだわ…
271 ◆k2mr2ENX0s :2007/12/17(月) 00:55:22 ID:B1ULBtNx
えと…>>244の続きが最後まで出来たのですが…
投下してイイ?
272名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 00:57:08 ID:Hzk7DoFu
カモン!
273名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 01:07:38 ID:b942xtwN
聞くまでもない!
やってみればいいのさ!(池田秀一ボイスで)
274 ◆k2mr2ENX0s :2007/12/17(月) 01:08:48 ID:B1ULBtNx
どうか…温かい目で見て下さい…

>>244の続き
(8/9)
「ん……?動かないのか?」
「その、まだ動いたら痛いかなぁ、と……」
――ふと、柔らかな感触がヒロに伝わった。

「無用な心配、だと言っただろう……?私は――お前だからこそ、耐えていられる」
優しく、温かな姫の抱擁。
互いに抱き合い、静かに時が過ぎて……

「そろそろ、始めるか……」
「え?もう大丈夫なの?」
多少の時間が経っていたが、痛みが消えた、とは思えなかった。
それでも、冷静な姫は――
「ふふん、心配ばかりだな。そんなことでは夜が明けてしまうぞ?」
二人の『夜』は今、始まる。

「ど、どう?姫……」
「ふっ……んぅ……悪くは……無い……」
音の間隔は、ゆっくりと。
姫が、時折苦しそうに見えて――
「んっ……むぅ…」
ヒロは言葉の代わりに深いキスをし、姫は強く、強く抱きしめる。

次第に音の間隔が短くなり、淫らな水の音が二人を刺激する。
「んっ! あっ! 良い、ぞ!ヒロっ!」
「僕も……っ、凄く…気持ち良いよ、姫ぇっ……」
深くヒロのモノは入り込み、快楽へと誘う。

誘われるがままに、包み込まれるのも――悪くはない。
275 ◆k2mr2ENX0s :2007/12/17(月) 01:12:11 ID:B1ULBtNx
(9/9)
速くなる鼓動に、速くなる音。
二人だけの『夜』の砂時計はサラサラと落ちて――

「ふっ、ぅん!あっ!」
その艶やかな声はヒロの動きを促進させる、甘い薬。
「んくっ……もう、少し動いても…構わぬ、ぞ……?」
導かれるままに更に深く、姫へと入り込む。

「んっ、んっ!ヒロっ……んあっ!」
激しくなる動きに身体が反応し、更に強く『ヒロ』を望む。
「もっと……お前を、感じさせてくれ……」
紅く、切ない瞳はヒロを惹き付けて離さない。
『二人だけ』の砂時計はサラサラと、流れ続けていた。大きくはない砂時計……

「んっ!ヒロっ!もう、私は……!」
「姫ぇっ! 僕も、もう……っ!」
互いに迎える、絶頂の瞬間。
「やっ…あっ!ああああっ!」
熱を帯びたモノが姫の中へ入り込み、意識が途絶え始める。
意識を手放す間際に、愛しい者を抱きしめて……


ふと、目を覚ました。
「……ヒロ?」
返事が、ない。
――まさか…夢だったのか?
そう思った途端に、聞こえた寝言と、温かい感触。
「ん……んぅ…姫ぇ……」
夢の中でも自分を求めているのだろうか。
自然と笑みが溢れる。
子供の様な、純粋な笑みが。
「ふふん。一生私に尽せ。私も一生、お前に尽してやる……」

〜〜〜〜
以上です。タイトルが思い浮かばなかったのデス……。
後日談はギャグになりそだから止めときますね…
276名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 01:26:59 ID:4tfyvMvo
GJ!
個人的には後日談も読みたい(´∀`)
277名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 01:51:31 ID:b942xtwN
いいよいいよ!GJ!!
ギャグ?
大いに結構! ぜひ投稿してください
278 ◆k2mr2ENX0s :2007/12/17(月) 02:29:16 ID:B1ULBtNx
ギャグなのか何なのか分からなくなっちゃった…

番外王女
検証ファイル〜03〜
「姫って詳しかったよね」

今日はクリスマス。
雪が太陽の光を反射して、綺麗に光ってる。
―姫と過ごした夜は忘れられないだろうなぁ……
「何を呆けておる、ヒロ」
優雅に本を読んでいる姫。
―ん?ちょっと待って……
「あの、姫?何の本読んでる…の?」
絶対見覚えあるよ…コレ……
「ん?コレか?お前の部屋に置いてあった物だ」
―それはっ!
「僕の保健の教科書っ!?」
「ふむ。中々の物だったぞ?」
―そうじゃなくて……
「もういいです…」

「さて、そろそろ朝食だな。行くぞ、ヒロ」
「あ、うん。今行くよ」
廊下に出たら――
「令裡さん!?」
「んん?何故令裡がこんな場所で寝ているのだ?」
―多分、寝てるんじゃないと思うよ。姫…
「むにゃ…(姫さまの処女がぁ…)」
―なんか…嫌な夢でも見てるのかな……?

―あれ?いつの間にツリーが?
「あら、お嬢様♪いかがですか?私とフランドルちゃんで作りましたの♪ヒロも、こんなに大きなツリーは初めてでしょ〜♪」
ふと、姫が振り向いて――
「意外と小さかったな。まぁ満足ではあったが」
「ちょっ…姫ぇ…」
―それ明らかにツリーのコトじゃ無いよね……
「え? え?何のお話?小さかったのかしら……(ツリーは)大きいと思ったのですけど…」


〜〜〜〜〜〜
クリスマス編は終わったので、続編を書いて良い…ですか?ぶつぎりはしませんので…
279名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 03:24:09 ID:4tfyvMvo
もちろんです。
書いちゃって下せぇ!待ってますんで。
280名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 22:46:19 ID:SGeB+/Yi
もちろんいいですよ!
っていうか、お願いします。
281名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 00:59:46 ID:pLzyD6zw
うぅ…温もりに感動しましたッ…。
クリスマスにはきっと、神な職人の方が来てくださるハズっ!
282名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 20:00:54 ID:w1AsHIx8
      _ .. 上_J く_r'ワ   iト、
.                      ,. <      > 、V_,.、 ノ ハ
                   /     \      \ク/   ノ!
.                   ,.'         \    ',  / .l
.                   7 ー- ..,,__  _,,.. /ヘ    i'"  ,. く
.                   i  |  '¨ ̄ ̄,,. -rァ、 ハr-、 j<_,.イ7
.                 l   レ       辷jレ  ヽリヽi' ¨´_,,.ノ
                 ー-ヽr弋ュ   ///  /fイ>-‐ 7
                      「ト`¨ ,!   _   // 〈--‐<´
.                     〈l l ト、.` .<´ }  ,.' i r'"¨´7
                   ,.ゝ-、ヽ`ヽ.`¨./  ', Kニ´___
.                    /     V  }´ ノ__ハ-‐':/、 /、l
                 ,'     ', ハ _ノ:::::::ノノ:;'、 r┘ i 〉
.                  ,'       i V:::レ::::-‐ァ:::、:i ノ   l
                  ;        i. V::;':::::::/:::::::::l l    l
.                /,'        ;  V:::::::;'::::::::::::リ     !
                /.,'        ,'   ';::ゝ!:::::::::::::>!   i
.                / /      /    < 〕::i::::::::::::/.!    l
.               ヽ/      ./    /、h;i::::::::::;' l    l
                  /      /     ヾハヽィフヵ l.   i
..   _        /     ./l      /ヽ !:::VY》 l   l
 ‐-/ y  ゙̄丶、/レ、,'     /:::;i       └ト、!::::トイ .!   i
  i_ i 「 f r‐ \. /    /:::/ l       L入::::::::\;.   i
  Lレヒ.ノソヮ'、,.-‐ ヽ.    /:::::ヽ i、      l   ヽ::::::::::',   i
     \`^ '     ヽ  ./::::::::::::V !        \,.i l:::::::::::',.  i
  .._   l 丶      ! /::::::::::::::::l\       ( l i:::::::::::.;  .!
    > .._‐i ヽ       /:::::::::::::::::::K´        )ハ';::::::::::',  i
       └ワ!    ,'::::::::::::::::::::/ハ        \ /\:::::::',.  i
.         _グ.i     ;>====>‐-〉       //  lヽ:::::',  .!
      { /ヽ..,,_,ノ/¨ヽ∧__ /、`ニカ、._   _,,.イ  >' l ヽ¨ ', -┴- .._
      ーヘ__∠゙ヽ,ム/_V¨\__   ̄、__     \j/レハ、     ¨ヽ
..                      `¨´ ̄  `¨´ ̄ ̄
保守
283名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 21:44:27 ID:j+p0Qvo1
続きぃー。
284クリスマス編?:2007/12/22(土) 10:09:56 ID:hLmp/F+/
聖夜。この屋敷の住人にとっては、本来無縁な筈だった。屋敷の主人と、数人の家来にとっては何の変哲も無い一日に過ぎない。
それを良く理解しているつもりで、主人に最も目を掛けられている家来はいつもの様に雑務をこなしていく。
屋敷の雰囲気の異変に気がついたのは、日が暮れ始める前の事だった。

「あれ…?」
人の気配がしなくなった屋敷。見慣れた仲間と、姉がいなくなっている事に気がつく。窓の外を見渡してみても、その姿は見られなかった。
夕日に照らされた白い粉が、空から降り続いている。この寒さの中で、外に居るとは考え難い。

やっとたどり着いた人の下で、漸くヒロは理由を聞くことができた。

「休暇をやった」
「え…?」
「やれる限りの事はこなさせてな。今日、奴らは帰ってこない事になっている」
「ど、どうしてですか?」
「今宵は聖夜と言う物だろう?私には関係無いが、少なくとも紗和々は休みを取りたがっていた」
「姉さんが?」
「ああ。何でも色々買い物をしたかったらしい。小金も使って良い事にした」
姫は紅茶を嗜みながら、外の景色に目を離さず答えている。
「フランシスカや令裡さん、リザは?」
「令裡が引き連れていった」
何故令裡が連れていったのかに付いて聞けば、ヒロの物わかりはもっと良かっただろう。
気づかずに、こんな質問をしてしまった。
「あの…」
「うん?」
「僕の休みは…?」

姫の表情に、ほんの少し鋭さが混ざる。言葉の真意をくみ取らなかったばかりに。
「休みが…欲しいのか?」
「い、いえ!どっちでも良いんです!」
「お前までいなくなったら私の世話係は誰がやるのだ?万が一王族の襲撃があった場合は?」
「ご、ごめんなさい!」
反応を見て、今度は憂鬱な表情を見せていた。どこか呆れた様な表情で。
ため息をついた後、仕方無くヒロに「気づかせる」言葉を、繋いだ。

「…いいか?」
「…?」
「今夜は誰も居ないのだ」
「…」
「お前と私。だけだ」
「あ…」

「…聖夜がそういう日と言うのならば…早く気づかぬか…」


285名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 23:07:35 ID:u+8GI6RV
面白い。姫がイイ!
286名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 23:52:43 ID:OhIY3n2H
wktk
287名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 23:55:37 ID:8lrZNkrq
つ……続きを御願い致します……!
288名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 19:24:00 ID:HsNk8opl
ふがふが
もしまとめとかに収録とか自分でどこかにうpするときの為につっこんどく。
フランシスカはシャーウッドの御付で、姫の御付はフランドルでふが。

それはそれで、続きはwktkして待ってます。
289狼心あれば蝙心:2007/12/24(月) 04:11:13 ID:MBUe8vv+
お久しぶりです。160の続きです。
投下するのがとんでもなく遅くなってしまい申し訳ございません。


「いつまで居眠りしてるつもりなの?」

令裡の声はいつでもリザを引き戻す。人狼の娘はゆっくり瞼を開いた。
視界にぼんやりと声の主が映る。すると束縛は終わったのか。
ためしにリザは腕を動かしてみた。

――が動かない。だが令裡の顔はハッキリと見える。では自分はどんな格好をしているんだろうか?

首を動かしてみると答えはよくわかった。同時に感覚がしっかりと戻ってきた。
「……なんで姿勢が変わってるんだ?」
尻を突き出していた先程と異なり、手足を四方に引っ張られた状態で拘束されている。言うなれば『X』という表現が最も相応しい。

「やっぱりSMと言えばこの格好じゃない? なかなかお似合いよ」
リザの頬を撫でて嬉しそうに話す。状況が違ったらリザも喜んで受け入れた心地よさだ。
だが丸め込まれる訳にはいかない。少し惜しいが反論する。
「もう満足しただろ? あとは普通にすれば……」
言いかけて紅潮した。意識せずに、欲求不満を伝えていた事に気付いてしまった。

(だいぶ素直になったみたいですけど……まだ足りないわね)

「そうやって正直に言えばひどいことはしませんわ。 あ、そういえば耳がお気に入りなのよね?」
自分の長い黒髪をつまみ、毛先でリザの耳を掃く。チクチクした刺激がリザの脳に走る。
しかし抵抗はしなかった。多少は頭を動かしたがすぐに令裡に任せた。可愛いらしい声が聞こえる。

「これだけでそんな声を出しちゃうの? 呆れたメス犬ですこと」
もっと抵抗してもらわなきゃ調教ができない。わざと気に障る言葉をぶつける。
「だって……気持ち…い……お前の……」
しかしリザは少しも怒らなかった。むしろ照れぎみに笑っていた。令裡の方が照れてしまうような笑顔だった。

どうにか愛しさを押し殺すと疑問が浮かんだ。すなわち『本当に堕ちているのか』。

快楽に積極的にさせることは成功した。
だが自分への服従は? リザが抱いているのは忠誠心でなく信頼では?
これでは躾けたと言うよりも懐かれたと言うほうが正しいのではないか。

令裡の為に向けた笑顔は皮肉にも令裡の怒りを買った。嗜虐心が令裡を駆り立てた。
290狼心あれば蝙心:2007/12/24(月) 04:13:33 ID:MBUe8vv+
「そう……もっとしましょうか……」
極力優しく話しかけ、毛先を耳から首筋、胸部、乳首へと移動させる。依然幸せそうな表情のリザ。
何とか怒らせようと撫でる仕草からつつく仕草へ変えてみた。チクチクと鋭い痛みに切り替わる。
「んっ……いた…優し……く……」
甘えるように要求する。やはり自分を恋人か何かと勘違いしているようだ。
(調子に乗ってもらっては困りますわ……)
とにかく、まずはこの娘を現実に呼び戻さなければならない。主従関係はその後に教え込もう。
痛み・恐怖・羞恥、どれなら通じるか。鞄の中を探ってみた。
(あら?……これでも使ってみようかしら)

「リザ、もう少し楽しんでみない?」
令裡に呼ばれ、リザが視線を向ける。瞳は純粋に且つ艶やかに輝いていた。
「え…でも……普通ので十ぶ……」
「怖がらなくて平気よ」
強引に押し切り、戸惑いをみせるリザに目隠しを施す。視界が閉ざされ、少し不安そうに身を縮めた。それを見て令裡の機嫌がよくなる。
消えた視覚の分、触覚はどの程度過敏になったのか。試しに膨らんだ乳首を唇に咥えてみた。
「やっ!!……あっ!……」
(単純っていうのは本当に扱いやすいわね)
予想以上に敏感な反応。この分なら――
涙を流し媚びへつらい、大声で喘ぎ、自分に許しを請う天敵。想像し悦に入る令裡。準備を続ける。


「何……して……?」
身体に何かが取り付けられていく。それぐらいはわかったが肝心の『何か』がわからない。もっとも見てもわからなかっただろうが。
設置場所から推測するにまともな物ではない。左右の胸に股間、どこも性感帯だ。
「余った分は……やっぱりここよね」
すっかり気に入ったらしく耳に取り付ける。それ自体大したことではない。だが暗闇が刺激を増幅させ令裡の一挙一動をリザへの愛撫に還元した。
(いい気でいられるのも今のうちですわ……ふふふ…)

リザが大人しくなるのを待って支度は完了した。
「ねぇ、リザ」
愛する者との時間、限られた時間を満喫しているリザ。しかし次の言葉がリザを陶酔から覚ました。
「あなた私がいない間、独りでしてたでしょ?」
「え……」
しばらく口をパクパクさせたが、リザは結局何も言わなかった。首を横に傾け知らん振りを決め込む。
(誤魔化さなかった辺りは調教の賜物かしら)
「正直に言わないとお仕置きって言ったわよね……?」
怖いほどに丁寧に告げ、手に持ったリモコンのダイヤルを回す。
291狼心あれば蝙心:2007/12/24(月) 04:14:33 ID:MBUe8vv+
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
身体中に振動が伝わる。過剰な刺激は快感を通り越して苦痛に変化する。リザの全身が激しく暴れまわった。
「い!!たっ!!……れい……や…め……!」
付けられたローターからの荒々しいペッティング。普段から敏感な部位ばかりなのに目隠しが余計に手を貸す。
「五個も使うなんてそんなに玩具が好きなの? それとも好きなのは別のコトかしら」
適当にダイヤルをいじってリザをもてあそぶ。まるでリザ自身がリモコンで動いているようだ。
振動が弱くなると快感が増し、振動が強くなると苦痛が増す。どちらにしろリザは休めない。
オモチャで遊ばれるリザ。そのリザをオモチャ代わりに遊ぶ令裡。まさしく令裡の望んだ形。
「ん……いっ!……あぁ……うんっ……」

何をされているかわからない不安。欲しいままにされる屈辱。それらすら快楽に変換しようとする本能が憎い。嫌なはずなのに――
相手が令裡だからって何でも出来るわけじゃない。普通に愛し合いたかっただけの自分はどこへ?

いったん電源が切られ、リザに理性が戻った。
「気分はどう?」
「も、もう……やめ……痛…やだ――」
「あら、このオモチャ壊れちゃったみたい。止まらなくなっちゃった」
空々しく言い放ちすぐに電源を入れ直した。

「んっ!! あっ、いやっ!……」
無情に響く振動音がリザの理性を蹴散らす。
「ごめんなさいね、でもこの強さだったら痛くないでしょ?」
言葉と逆に前より強い苦痛を与える。ローターと指をつかい、掴めるほどに膨らんでいる乳首を力一杯挟んだ。
堪らず叫び声を放つリザ。どうにか逃れようと身体を揺らすがせいぜいベッドが揺れる程度だ。戒めは解けなかった。

「大人しくなさい! さもないと……」
令裡が下腹部を強く圧迫する。それだけでリザには伝わった。
「このまま腕を下げると何処にたどり着くか……ご存じよね? どれほど繊細かも……」
「や、やめ……」
「だったらじっとしてなさい。オモチャはオモチャらしく……ね」
脚を閉じて令裡の手を防ごうとするも枷が許さない。身体をこわばらせることに恐怖が表れる。
拘束され怯えるリザの姿を目の当たりにし、上機嫌で首に口付ける令裡。それだけでも緊張するリザがとても小さく見える。
「そう……良い子にしていれば怪我しなくて済むのよ……」
玩具の振動を弱めリモコンを横に置く。恐怖を与えるのは自分だけで良い。それにこれで両手が使える。

リザの肌が寒さを感じた。令裡の肌の冷たさとは別のものだった。
292狼心あれば蝙心:2007/12/24(月) 04:15:10 ID:MBUe8vv+
爪を立てれば凹みが残る。甘く噛み付けば歯形が残る。令裡の仕打ちは確実にリザに届いているはずだ。
しかしリザは口を真一文字に結び、声の一つも出そうとしない。胸を撫でてみても同じこと、微妙に身悶えするだけだった。
逆鱗に触れぬよう極力動きを抑えるリザ。表情までも硬くなっていた。当然、令裡には面白くない。
「ねぇ、さっきみたいに笑ってくれないの?」
口を開くとまた厄介なことになるかもしれない。『しばらく我慢すれば終わる』 そう自分に言い聞かせ、沈黙を続けるリザ。
痛かろうが痒かろうがひたすら耐える覚悟を決めていた。

(こんなことで私の気が済むとでも思ってますの……?)
別にリザを痛めつけたい訳ではない。それはただの手段であって求めているのはリザの懇願や服従の証。
無言で耐えるのではなく幾度も幾度も許しを請う。どうしてそんな事すら出来ないのだろうか?
眠った子犬を屈服させて楽しいはずがない。猛る狼だからこそ涙に価値がある。

「これで笑えるかしら……?」
どんな手でも口を開けさせてやる――歪んだ決意を胸に、剥き出しのリザの腋を舌先で穿った。リザが怒りではなく唇を振るわせた。
この刺激は予測できなかったのか、それとも刺激の種類の問題なのか。露骨過ぎとも言える反応を示している。
「……んっ……ふっ…」
時折息を吐きだす唇がリザの現状を物語る。
痛みなら幾度となく味わってきた。だがこんなことは――押さえつける腕を跳ね除けるほどの力を見せる。それ程までに
抵抗すればするほど令裡が悦ぶ。しかし抵抗せずにはいられない。葛藤とは裏腹にこみ上げる笑い。
「…んふっ……はっ……やめ……アハハハハ……」
効果があった。耐え切れずにリザが笑い声を漏らす。令裡はリザの我慢の綻びを畳み掛けて責めた。
一度崩れた沈黙は取り戻せない。どれだけもがいても魔の手は付いて回る。喘ぎ声、叫び声に続き笑い声が室内にこだました。
「や、やめ……アハっ……アハハハハハハ……」

「アハ…たの……ハハ……む……待っ……て……」
言葉の間に笑い声を挟みつつもなんとか言い切る。だが令裡の手はすぐには止まらず、何度も令裡の名を呼び続ける羽目になった。
リザはようやく令裡から与えられた猶予を呼吸を整えることに費やした。
「ほら、ちゃんと喋れるじゃない。無視するなんてひどいわね」
「だ……だって――ハァハァ……お前が――騒ぐなって――ハァ……ヒっ!? やめ……」
「私は『じっとして』と言ったの。『人語を話すな』なんて言った覚えはありませんわ」
「そん……なの……めちゃく――いや! やめ……」
「簡単な事でしょう? 暴れるだけの元気を悲鳴に換えればいいだけよ」
令裡の小指にさえ警戒する、か弱き乙女。ピアノを弾くように指を踊らせると身体をくねらせて逃げ惑う。
「あなたも協力してくれるわよね? もちろん……」
その質問にリザは答えなかった――答えられなかった。身体の奥から再び『笑い声』が呼び出された。
容赦なく続く異質な責めはリザの思考を奪う。『誇り』も目の前の『恐怖』には影を潜めていた。

「わかっ……アハハハ……言うこ…と……ハァ…きく――きくから――!」
「そう? じゃあ笑うのはここまでね」
振り絞って出された答えであっさり解放し、リザのお腹をギュッとつまむ。「いたっ」と小さな声が返った。
「だったら今度は叫んで……ね?」
293狼心あれば蝙心:2007/12/24(月) 04:16:05 ID:MBUe8vv+
「痛っ……令…やめ……い…た……」
皮膚が赤くなるほど強く脇腹がつねられる。抵抗は許されていないので直接訴えるしかない。
「それでいいの……思った事を素直に言えばいいのよ……」
「もう痛いの……やだ……うっ!……」
「ごめんなさいね、まだまだ足りないのよ。ほらもっと大きく歌って、歌って、響かせて!」
令裡は自分がどんどんサディスティックに変わっていくのを実感した。
――もっと、もっと激しく!  休んでる暇なんて作らせませんわ!!――
何度も『やめて』と告げるリザ。届かなくても言い続けるしかない。


一通りもてあそび、指が一旦緩まる。つかの間の休息。
「よく我慢したわね……ご褒美よ……」
今まで虐めていた箇所をそっと舌で舐める。ジンジンした痛みと混ざって複雑な快楽に還元された。
「んっ……なんか……変な感じ…」
「痛いのも悪くないんじゃなくて? ふふふ……」
苦痛を埋め合わせるように優しく語りかける。口調と同じように身体に触れる手も柔らかい動きだった。リザも次第に静かになっていった。

すると令裡の耳に聞きなれた声が入った。リザの顔を見た令裡が声の正体を知り微笑む。
「あら?……もしかして……」
「え!? あ……ちが……」
リザの股間に手を当てると指に液体が絡みついた。令裡は嬉々として耳元でささやく。
「やっぱり感じてたのね。あんなことされたのに?」
羞恥に細かく震えるリザ。言い返す言葉が見つからない。

「『痛いの嫌だ』とか言いながら本当は喜んでいたのね!? こんなにやらしかったのね!?」
「これは…ちが――痛っ!」
「こうしてればもっと濡れてきたりしてね……あらあら、言ってるそばから? どうしようもないわね」
「そんな――うそ……うそ……」
芽を出したリザの被虐心が令裡に育まれていく。耳障りな侮蔑の言葉のはずなのに不思議と潤いを促進させる。
身体が自分の意思に従わない。従うのは令裡の意思。乱らなメスへと染め上げられる。
「どうして『やめて』って言わないのかしら? 言えばやめてあげますのに……」
思い出したようにリザが口を開く。しかしすかさず令裡の口によって塞がれた。突然の事にリザは一瞬理解出来なかった――舌以外はだが。
リザが気付いた時には既に舌を絡ませあっていた。こんな状況なのに令裡を求めてしまうしまう自分が恥ずかしくて消えてしまいたい。
あれだけ罵られたのに口付けが愛しい。もっとこうしていたい。声が、手が、全てが欲しい。

十分に口腔を犯したあとに令裡は補足をした。ダメ押しの一撃といえる呪文。
「でも代わりに【もう二度としてあげない】のが条件よ。 どっちがお好み? 」
受け入れたなら『新たな一面』も認めることになる。だが令裡を失うよりはマシだ。それは自覚しているが喉が承諾を渋る。
令裡はそんな少女の逡巡すらあっという間に拭い去った。
「やっぱりやめる?」
令裡のいかにも残念そうな口ぶり。ほんの少しの言葉がリザを引きずり落とした。
諦めたように首を横に振り、続行を願う。儚く切ない声がこぼれる。
「……もう許し……恥ずかしい…」
待ち焦がれたセリフが令裡の嗜虐心に染み込んでいく。笑みをこぼしながらたずねる。
「続けるのと許すのは逆じゃない。どういうことなの?」
「早く……最後まで……これ以上…無理……たのむ……ます……」
これほどまでにリザを愛らしく思ったのは何日ぶりだろうか。ようやく可愛いペットに進化した。望みどおりにしてあげようではないか。
294狼心あれば蝙心:2007/12/24(月) 04:16:52 ID:MBUe8vv+
「そろそろ仕上げに移りましょうか」
令裡はゆっくりと腰をあげて場所を変えた。枕元へと向かい、はやる気持ちを抑えながらリザの顔に跨る。準備は整った。
「その口だけで私を気持ち良くしてちょうだい  私がイったならそれで合格、戒めは外しますわ」
返事の代わりになにやらくぐもった鳴き声が聞こえる。もう一度腰を浮かせて声を拾った。
内容はたった一つ、シンプルで純粋な要求だった。
「いいですわ、もしあなたが合格したなら――」
頬に軽く唇を押し付け誓う。
「一緒に愛し合いましょう。道具もなにも抜きで、ただ身一つで」
リザは嬉しそうに頷き、軽く口を開いて令裡の秘部を迎えた。


「うんっ……やっぱり……舐めるのは……お手の物ね……」
軽い挑発には乗らず――むしろ気付かず――舌を動かすリザ。きっと今の彼女にはどんな罵詈雑言も届かないだろう。それほど集中していた。

まずは淫裂を広げることから始まった。押し当てられているせいですでに口唇と淫唇が触れ合っている。
それを利用し、リザは思いっきり吸い付いた。令裡の恥丘を飲み込むように小さく咥え力の限り吸い寄せた。
もちろんそれだけではたいした刺激にはならない。けれどもリザは何度も何度も繰り返した。機会を伺っていた。
「やる気がないならやめ――んっ!」
痺れを切らした令裡の声を合図にチロっと舌の先で淫裂をなぞった。油断していたところを責められて、つい可愛い声をあげてしまった。
令裡の声を糧にリザの動きは段々と速さを増していく。だがそれでもまだ舌を中に入れようとはしなかった。あくまでなぞることに徹した。
続けていくと令裡の方からリザを誘い込む形になった。蓄積された快感が性器を内から湿らせ、入り口を開かせる。無言でリザを呼ぶ。

リザ自身は特に考えなど持たず思うが侭にしているが、令裡は遊ばれている気がして屈辱だった。結果的に快感を認めてしまっている。
(このままじゃ……主導権が……)
適当に舐めさせたところで終わりにしようと思っていたが、初めから想像以上にのめりこんでしまっている。
万が一ペットに快楽を乞うようなことになったら――それは避けたい。傍らにあるオモチャのリモコンに手を伸ばす。
「上手……な…ワンちゃん……ご褒美よ……」
建て前を述べ、いきなりスイッチを入れた。長らく止んでいた振動がまたリザを襲う。順調に動いていた舌が止まった。
一刻も早く恋人と重なる為に休んでいる暇はないが、全身から伝わる愛撫に意識がもって行かれる。辛うじて責めても愛液を掬うぐらいが関の山だ。
令裡は更に追い打ちをかける。
「この分じゃお預けかしらね……」
焦りが体に鞭を打つ。『終われば令裡と気持ち良くなれる』と自分に言い聞かせて必死に奉仕した。
舌を令裡の中に潜らせて暴れさせる。上下に、左右に、前後にかき回して音を立てすする。
(んぅ……リザが……私にひれ伏している……たまりませんわ…!!)
天敵が自分のために一心不乱に働いている。屈辱的な行為を進んで努める。そう考えるだけで感度が段違いに高まる。
顔を紅潮させ悦に浸っていると何度か絶頂に達しかけた。そのまま達しても良かったが最後に欲が出た。

リザもローターの刺激でだいぶ昂ぶってきていた。しかし令裡の限界も近い事がわかっていたのでがむしゃらに励んだ。
(もうちょっと、もうちょっと頑張れば二人で――)

「あっ!……それは…ダメ……」
探索を続けていた舌先が大きく膨れたクリトリスを見つけた。急に令裡の脚に力が加わり、歓喜の声を放つ。
ゴールが目前に見えてきた。リザが渾身の力をしぼり一挙に責めたてた。
「んっ……あぅん……あぁ、あっ、あっ!」
令裡が痙攣し始めた。このまま絶頂を迎えればリザの願いが叶う。
(これで一緒に――)
そう確信したリザの舌はむなしく空気を泳いだ。令裡の最後にして幼稚なイタズラ――腰を浮かせる――の仕業だった。
295狼心あれば蝙心:2007/12/24(月) 04:22:49 ID:MBUe8vv+
目隠しの所為で状況がわからない。渇いた犬のように舌を伸ばし周囲を探るしかできない。真剣に行っているのが余計に滑稽だ。
「あらあらどうしたの? 私より先にイッたら約束は無しよ」
嘲りながら言い反応を楽しむ。ローターを強めていくに連れてリザがイヤイヤと首を振る。令裡がおもむろに目隠しを外した。
リザの眼に強さは見られなかった。暗闇に取り残されたように不安を宿しており、令裡を見上げて懇願を示す。
どうにかして届かせようとするが舌先すら届かない。令裡が頭を押さえつけ嫌がらせを続ける。

「舐め……させて……お願い……令裡…おねが…」
リザは体を動かすのを諦めると自分から頼み込んだ。
自分が言わせようとしたことを先に言われて令裡は面食らった。調教の賜物か、はたまた無意識の行動か。
どちらにしろ令裡に悦ばしいことに変わりはない。ねぎらいの言葉を掛けてやり再び股間を近づけた。
今度は滴るほど十分に潤っていたのでリザの舌も快活に動く。令裡を絶頂に導くのも難しくない。

「リ……ザ……そろそろ…イ――」
令裡自身が協力したためか早かった。身体をのけ反らせて達した。息を荒くしたままリザに倒れこむ。
リザも相当危うい状況まで追い込まれている。意識があるうちに、と催促した。
「や…く…そ…く……」
「わかって……ます…わ…」
まずはローターを止めなくては。リモコンを掴んで――
そこで令裡の記憶は途絶えた。溜まっていた疲れが眠りを呼び込んだのが原因だった。
「おい……れい……」


「おい令裡!!」
リザの怒鳴り声と振動音で令裡は眼を覚ました。頭には霞がかかっている。あのまま寝ていたようだ。
「早く……それ…止めろ!」
令裡はリモコンを見た。スイッチを切る前に眠ったのでずっと動いていたらしい。電源を切ってもしばらくリザは息があがっていた。
急かされるままに枷を外すと軽く頭をはたかれた。いきなりのことに令裡は目が丸くなる。
「いたっ……何をするの!?」
「うるさい! お前は変なことばっかしやがって!!」
「まぁ……その変なことを求めてたのはどこの誰かしら!?」
リザが言葉に詰まった。いつもの自分に戻ったが記憶はしっかり残っている。
「そ、それは……あ! そ、そう。お前が使った変な薬のせいだ!」
「薬……? あれは只のローションよ」
せっかく見つけた逃げ口もあっさりと塞がれてしまった。全ての元凶と思っていたものはまったくもって無害だった。
愕然とした面持ちを続けていた。あまりのことに声すら出ない。

「え!? で、でも本当に体が熱くなって……」
「プラシーボ効果ってご存知? 偽薬とも言うわね。要するに思い込――」
「う、嘘付け!!」
「嘘なんてつきませんわ。ねぇ、本当は興味があったんじゃないの?」

しばらく口をパクパクさせた後、もう知るか!と言い捨ててそっぽを向いてしまったリザ。さっきまでの従順な姿はどこへ行ったのか。
この様子だと気に入らなかったのかも知れない。令裡にしては珍しく弱気な声で訊ねた。
「本当に嫌だったの? 本気でもう二度としたくない?」
「……痛いのが嬉しいはずないだろ」
やっぱりやり過ぎたかも知れない――後悔がよぎる。もっと控えめにするべきだった。激しく自責の念にかられる。
気まずい雰囲気がただよう寝室。それをリザの一言が変えた。
「――たまになら」
聞き落とすくらい小さな言葉。令裡も耳を疑った。
「毎回は絶対嫌だ。痛いの無しでたまになら……」
リザの精一杯の思いやり。令裡の寂しげな声を無視することは出来なかった。

令裡はリザを振り向かせ両手で抱きしめた。数秒おくれてリザもまねる。
頬にキスをした後、赤く熱を持っているリザの耳をそっと噛んだ。悩ましい吐息が肌に触れる。
「これは痛いかしら……?」

リザは無言で令裡の首筋を軽く噛み返した。令裡にはくすぐったさと痛さ、そして嬉しさが混ざったキスだった。


296名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 04:26:52 ID:MBUe8vv+
以上です。
一ヶ月以上あいてしまったので忘れ去られているかもしれません。
それでも読んでいただければ幸いです


では失礼しました。
297名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 10:17:08 ID:m/GnEpTy
(*´Д`*)ハァハァ
リザかわいいよリザ
298名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 23:58:01 ID:yDF5t6Mo
秘境王女の3ページ目のフランシスカに惚れた俺はブッチーですか?

フランシスカ×ヒロをきぼんぬ
299名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 00:14:34 ID:mADWNGZz
なんでこんなに百合が少ないんだ?こんな百合が美味しい作品も珍しいのにあり得ない
ヒロはパンダと絡んでろよ
300名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 00:14:38 ID:mADWNGZz
なんでこんなに百合が少ないんだ?こんな百合が美味しい作品も珍しいのにあり得ない
ヒロはパンダと絡んでろよ
301名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 00:39:46 ID:SL65wj3L
あれ?
302名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 00:39:51 ID:SL65wj3L
あれ?
303名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 21:24:22 ID:FdAata5j
 r::‐-、
          ,r::-.、   i::-、::::ハ             __
          l::::::>゙'"´i::::{ V::::i`丶、   ,. -‐ァィ'':::::::::::::>、「¨゙ヽ.
          >'´    ¨´ヽi::::l   \/ ./::::::::::::::::::::::::::ヽ\ ヘ
        ,. '           ∨     .i. ,.':::/:::::::::::::::;i:::::i::i:::::ハ:::V i
 .      / ,. -‐..、              レィ:;'::::/:::/:::/ l::::l::l::::::::::i:::∨
      / .i:;'r:ゥ、:::::\        _    //:/x':/ j:ノl;ハ:::::::l::::ヽ
 .    ノ  ';:ヽブ::::::::::}         il.「ト ノ:/:::ノrt::ッi ァ=r ィッ:ラハ:::リ::i::::\
    ,.イ   ヽ::::::::::/       l.!l.l |:::::::::::i.ハ ー一' ! ` ー ' ノ:::::l:::::ト、ヽ
 .  (::/     `¨"         /ll ! lヽ::::/`:'、    {   /::::/::/:::::i ';::i
    i                 / /:i   l i:::::::::/丶、 ‐‐//:/::/:/jノ  }:l
 .   \__r─v'       _.. <::::::i/ l  ヽ!:://:::/::/iヽ / /イ::_/:ノ-- 、 .jノ
       ヽ    _,..<:::::::::::::::::::::::l   /':⌒>ー--/仄i¨´ / ̄ i::::::::::::::\
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 :::::::::::::::::::::::::::::::::::>'"ハヽ- '   /!   ヽi    ヽ\ ',  ヽ、..,,/-ニ -‐ ¨      V
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::::::_;> '"´::l、  _,,..ノ    \ l   \ l '     ::::::::`¨¨ ̄T_二ニ ‐--‐‐… ¨
::::::::::::::::::::::/、! .\       /ヽ   ,人       :::::::::::::::::::::y'  : ::::::::::/
保守
304名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 21:55:41 ID:4zYfqu8Q
>>296
GJ!最後萌え転がった
305名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 22:13:24 ID:r55hSiHO
>>296
GJです!今度はぜひ、姫×令裡を…
306名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:00:50 ID:i9HRPOdT
hosyuage
307名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:18:33 ID:Zi6TioQ4
支援
308名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 21:57:08 ID:Ama/wo4Z
あげ
309名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 23:47:09 ID:0Ucle6cv
保守age
310名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 00:27:37 ID:oz3ckHnJ
hosyu
311名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 01:41:40 ID:oz3ckHnJ
h
312名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 01:42:57 ID:ipTy1VSX
ふふん
313名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 02:31:17 ID:gHgjiOzN
あげ。
314名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 02:46:05 ID:oz3ckHnJ
ho
315名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 11:32:39 ID:Rm0GkuQI
ちょっとした妄想だが、姫が変な薬で幼姫になってしまい挙げ句の果てに、令裡+ヒロ×幼姫となるのはどうだろう。
316名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 11:37:45 ID:zAx+5FO4
OKかと思われます
317名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 13:40:58 ID:feTo5Ptc
わざわざ幼くすんなよwww
シャーウッドと被るし

誰か令裡×リザのリバーシブル書いてくれ
318名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 13:42:53 ID:C9Ba9IOc
>>315
ロリアーヌに令裡さまがどう接するのかみてみたい。
319名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 13:44:25 ID:5qB6Egzs
ロリアーヌ×シャーウッドというのはどうか
320http://www.gate219.bunbun.ne.jp.2ch.net/:2007/12/27(木) 13:46:36 ID:eDgdoztE
guest/guest
321名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 14:10:35 ID:gHgjiOzN
ヒロが幼くなってしまった姫とお風呂に入る話を
誰か・・・
322名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 14:48:08 ID:E5hMLkGp
ロリアーヌ使うなら相手はシルヴィアが一番自然じゃないですか?
323名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 20:01:43 ID:ZFohZkDH
ふが
324名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 20:40:45 ID:szZ8smOg
>>315
小さくなっても基本的に主従関係は変わらないロリアーヌ姫とヒロ。
そこへドSのシルヴィア王女がやってきて…

ヒロはシルヴィア王女の魔の手から姫の貞操を守り切れるか?
325名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:19:09 ID:6ZT8VWg4
>>296
今北。なんかもう、ツボ過ぎる!!

GJ!!!!
326名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:00:05 ID:9TLFApgl
姫×エミール希望w
すげぇ近親相姦……(ワラ
327名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 02:07:45 ID:xEE4SVVw
姫×セブラ(ry
・・・何でもないです
328名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 21:21:31 ID:EStOUqc5
是非フランドル×シエルをやってもらいたい。
329名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 21:44:44 ID:jLspNJzn
「ふが」
「そう……僕は、君を好きになってしまったみたいだ…」
小さな体を抱き寄せて、そっと口付けを交す。
「ふが…?ふがぁ」
「今、この二人だけの世界では――僕達は自由なんだ」

……すまない。魔がさしたんだ。
330名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 23:26:16 ID:HqHcFLXn
そんなことより続き書いてみない?
331進展王女:2007/12/31(月) 02:30:20 ID:V1hAOXXa
お久しぶりです。姫×ヒロでエロより甘々が強めです。
クリスマスに間に合わなかったやつだけど場繋ぎ代わりに投下させて頂きます。


「ヒロ、こっちを向いてちょうだい」
「なに? 令裡さ――」

<パシャッ>

うわっ! えっ、カメラ!? どうしてまた?
「前に写真をあげたでしょう? そろそろ使い古したでしょうから新しいのでもあげようかと思ったのよ」
「いや、まだ使ってすらいませんけど……」
と言うよりも未だに使い道がわからないんだけど――何で嬉しそうなの……?
「まぁ、とぼけちゃって。あ! そうよね、ヒロには姫様がいらっしゃるものね。きっとそれ以上のことも……」
「な、何もしてません!」
すぐそっちの方に話をもって行かないでよ! 大体、姫に『好きだ』って言った事すら無いのに。

そう考えて少し胸が痛んだ。たしかに姫とはキスとかしたこともあるけど、恋人になったわけじゃない。
もしかしたら【ただの暇つぶし】としか思われていないかも知れない。

――姫にとって僕は何なんだろう――

そんな思いが顔に出たのか令裡さんもばつが悪そうにしてた。

「……ねぇ、明日はクリスマスね。姫様へのプレゼントは用意したの?」
しばらくの沈黙を経て令裡さんが口を開いた。あぁ、そういえばもうそんな季節か。
僕は首を横に振った。あの姫が何か欲しがるとは思えないもんなぁ。

「あらダメよ、昔から言うじゃない?『聖なる夜には奇跡が起きる』って。やってみなくてはわかりませんわ」
奇跡か。姫が僕を好きって言ってくれるとか――自分で「奇跡」って認めてるよ僕。はは……

……うん、自虐的に笑うのはこれくらいにして前向きになろう!
プレゼントをあげるくらいなら咎められたりしない。
「じゃあ考えて見ます」
令裡さんが微笑んでいる。僕もつられて笑った。
「ああ見えて意外とサンタを信じてたりするかもね、ふふふ……」
姫がサンタを……それはどうかな? なんせ姫だし。いや、意外と姫にも可愛いとこあるからなぁ。

――そういえばあの時の姫はすごく……ん? あ!まずい。
さっきと打って変わって姫のことばかり考えてにやけてたらしい。令裡さんが興味津々な顔して僕を見ていた。
「そういえばサンタと言えば寝ている子の枕元に来るのよね」
な、何が言いたいのさ令裡さん!! 結局そっちの方にもって行くの!?

まあ何はともあれせっかくのチャンスだ。僕は利用させてもらうことにした。

ところがそのときは致命的な思い込みがあったことに気付いていなかった。それがわかったのは夕食後に姫がお茶を飲んでいた時。


「はい、お嬢様。ちゃんと枕元に置いておいて下さいね」
「紗和々、なんだこれは?」
「何ってお嬢様、明日はクリスマスですよ? そのための靴下です」
この時は(このまま姉さんが姫の欲しいものをきいてくれたりして)とか考えてた。
でも次の姫の言葉は僕に大きな衝撃を与えた。もちろん悪い意味で。
「『クリスマス』……何だそれは?」

僕が全く予想してなかった事、それは【姫はクリスマスを知らない】ってこと。
332進展王女:2007/12/31(月) 02:34:33 ID:V1hAOXXa
「あらあら、お嬢様ご存じなかったんですか?」
姉さんに馬鹿にする気なんてこれっぽっちも無い事はわかってる。でも姫の顔がそれとなく不機嫌になってるような……
あ、こっちを見た……えっと……はは……え!? ち、違うよ。僕は別に姫を笑ったわけじゃ――
「でしたらお教え――」
「良い」
姫が遮った。やばい、視線が僕の方に固定されてる。
「お前はまだ仕事があるだろう、そちらに戻れ。話はヒロにきくとしよう」
「ヒロに……あっ!そういうことでしたら私は失礼いたします」
僕の不安を知る由もなく姉さんはニコニコしながら姫の元を離れる。帰りがけに僕に耳打ちした。
「お嬢様ともっと仲良くなるチャンスなんだから退屈させちゃダメよ、頑張ってね」
……今は楽しませるどころか宥めることすらできるかどうかだよ、姉さん。
「聞こえていただろう、ヒロ! さっさと来い!!」
「ほらヒロ、お嬢様がお待ちよ。早く行きなさいな」
何も知らない姉さんは終止笑顔だった。だけど振り返ってたらきっと笑顔でなんかいられなかったと思う。


「そこに座れ」
「あの、さっきのは決して姫を笑ったわけじゃ――」
「座れ」
「……はい」
逆らわない方が良い。火に油を注ぐのだけはごめんだから。
「さて、お前は先程私を何も知らぬ愚か者と嘲ったわけだ」
「ち、違うよ誤解だよ!」
「黙れ。ではその『クリスマス』とやらが如何に重要なものなのか説明してもらおう。知らぬのがどれ程に愚かなのかをな」
うわぁ……物凄く怒ってるよ。どうしよう……
あの――もし、もしもだよ? もしもクリスマスがさほど重要じゃないとしたら……?
「お前が普段から私をどんな目で見ているかがわかるだけだ。主である私をだ」

僕は持っている知識を総動員してクリスマスを語った。たぶんクリスマスの価値をこれほど熱く解説するのは最初で最後だと思う。
聖人や宗教と深いかかわりを持っている事。日本では国民的な行事になっている事。知っていることはどんなに些細な情報でも話した。
「――今頃は街中がクリスマス一色に染まって」
ん? 心なしか姫の機嫌が直ってきたような……興味が出たのかな? この調子なら危機は免れるかな。
「――恋人たちには掛け替えのない日で」
恋人かぁ……姫をそう呼べたらどんなに…… !! あ、危ない。またにやけるとこだった。
今笑ったりしたら全部無駄になっちゃう、落ち着け落ち着け。

「ふむ……代表的な行事だと言う事はわかった」
良かった。怒りは消えたみたい。ちょうど良いからあれもきいて見よう。
「だから姫が欲しいものがあるならプレゼントするけど……」
「待て。プレゼントを贈るのは『サンタクロース』だろう? なぜお前が私に贈るのだ?」
「あぁ、今は恋人同士でプレゼント交換するのが――」
「ほう、恋人」
姫の顔つきが微妙に変化した。

僕はまた馬鹿なことをした。つい姫が怒ってるもんだと決め付けてたんだ。だから不必要な言い訳をしてしまった。
「あ、いや別に僕は姫のこと恋人だなんて思ってる訳じゃなくてなんていうか……」
一度はよくなったはずの空気。それがどんどん悪くなっていくのを実感した。
この時には僕は完全にパニックに陥っていた。一言一言が泥沼へと僕を導いていく。
「そう、家族とか友達とかでも――」
この一言が姫の逆鱗に触れた。姫はカップを叩きつけるように置き、僕の方に迫ってきた。
「家族? 友達!? なるほど、お前は私をそう見ていたわけなのだな? 主人を同等のものだと!?」
待って、そんなつもりじゃな――痛っ!! 髪を引っ張らないでー!
いったい何て言えばいいの? もう咄嗟に口を出た言葉に賭けるしかなかった。
333進展王女:2007/12/31(月) 02:37:24 ID:V1hAOXXa
「た、大切な人!」

「大切な人……」
姫が少し手を緩めてくれた。成功……かな?
「そ、そう。自分にとって大事な人、一緒にいたい人、特別な人にプレゼントするのが習慣なんだ……はは……」
僕は無意識のうちに、遠まわしだけど姫に想いを伝えてた。姫は気がついて……ないよね。疑わしそうに僕をじっと見つめてるし。

「ふふん。まぁ良いだろう、そう言う事ならば私もお前にプレゼントをくれてやろう」
急に思いついたように笑って僕にそう言った。姫が僕に? それって僕が特別な人ってこと……
自分の顔が赤くなっていたのがわかった。だって姫が僕を見て満足気に笑っていたから。
慌てる僕の髪を離しながら勝ち誇った声で姫は言った。
「お前は一応、私の血の戦士だからな。あとで血をやろう、光栄に思え」
「……はい」
そうだった。姫はそんなに優しくない。

姫は僕から顔をそむけてさらに続けた。でも僕なにか嫌われるようなことした!?
「あとでフランドルに付いて私の部屋に来い」
わかりました。僕はゆっくりと、重ねて振り返りながらドアに近づいていく。
「それと――」
まだ文句!? だったらせめてこっちを向いて話して欲しいな……
「私の部屋に入るのにそんな埃まみれでは許さん。……体の隅々まで洗ってから来い」
出来るだけ明るい口調で答えた。半分は姫の、半分は自分の為。
「わかった。じゃあお風呂入ってくるね」
「良いな、一箇所も余すところなく洗え。一箇所もだ」
……そんなに念を押すほど汚い? ドアを一歩でたら足取りが倍に重く感じた。


『しっかり洗う』と『姫を待たせない』。両立は難しかったけど僕は頑張った。
怒らせたくないのもあったけどもっと別の気持ちが強い。湯船につかった時には姫に会いたくてたまらなくなっていたんだ。
お風呂から出たらその想いはピークに達していた。どんな理由でもいい、早く早く――

でも文字通りあの時がピークだったみたい。不思議なもので体が冷えていくに従って気持ちも落ち着いていく。
むしろ不安になりそう……
部屋でフランドルを待ってたけど全然来ないんだこれが。……ひょっとして姫に忘れられた? いやでもあれだけ言って……
「ふが」
あれこれと悩んでいるとようやくフランドルが迎えに来た。僕の葛藤も知らないで「来い来い」と手招きしてる。今行くよ!
334進展王女:2007/12/31(月) 02:38:41 ID:V1hAOXXa
「ふが」
扉を指さすフランドル。ここが姫の部屋か……とドキドキする暇もなく、フランドルはノックするとさっさとどこかに行っちゃった。
取り残されてポツンと立っていると中から声がした。
「入れ」
え〜っと……入っていいんだよね? じゃあ……失礼します……

中には姫が居た――のは当然か。でもいつもと違って……なんていうか……綺麗……?
僕は思わず見とれていた。あと一秒気付くのが遅れてたらきっと叩かれてたと思うよ。

「さて、早速だが血を与える前にだ……お前は代わりに私に何をくれると言うのだ?」
姫が僕を現実に戻した。あ――やばい、まだ何も用意してない。ど、ど、どうしよう!?
目の前で右往左往する僕を見かねてか、姫はイライラしながらも教えてくれた。
「……血の戦士が捧げるものと言えば一つだろう」
「え? ……あ、『忠誠』?」
「ふふん。わかっているならば良い、これからも私に仕え続けろ」
姫が指を噛み僕に向ける。僕はその手をとって命の一滴を受け取った。

「主従としてはこれで済んだな。では本題だ」
本題? まだ何か用事があるのかな。でも首を傾げても浮かんでくるものは無い。何を始めるの?
姫は吐息がぶつかるぐらいに僕に顔を近づけた。ゆっくりと口を開く。その内容は思いがけないものだった。
「おまえ自身は欲しいものはないのか?」

瞬きしか出来ない僕の髪を掴んで、目を見据える姫。
そりゃあ欲しいものはあるよ? 言っていいのかな? でも怒るだろうな。いや言わない方が怒るかな
――なんて躊躇していたら姫の手に力がこもってきた。だから僕は正直に言った。というか言わされた。
「あの!――姫が欲し……い…です」
これでも精一杯の勇気なんです。だから……含み笑いはやめてよ……

思いが通じたのか姫は笑うのをやめた。同時に確認するように声のトーンが落ちた。
「ほう。私を抱きたいと言うのか? 家来の分際でか?」
「え……は、はい」
どことなく不服そうな姫の顔。
「あ、でも家来としてじゃなくて……その……」
「ハッキリと――」
今度は僕が姫の言葉を遮った。
「僕自身が……です」
姫の目が丸くなった。でもすぐに元に戻り、僕のことを黙って見つめてた。違っていたのは口元にかすかな微笑みがあったこと。
もう叩かれてもいいや。僕は覚悟を決めて姫にキスをした。柔らかさが唇に伝わった。

「……か」
口を離したら姫が何か言ったみたいだった。でもよくきこえなかった。


(やれば出来るではないか)
335進展王女:2007/12/31(月) 02:40:18 ID:V1hAOXXa
「さっさと脱がぬか! お前が望んだことだろう!」
「ま、待ってよ。今脱ぐから」
二人仲良く恥らいあって――とはいかない。姫はやっぱり姫だった。
急かされるままに服を脱ぐ。見られたことがあるといってもやっぱり恥ずかしいなぁ……
「ようやく終えたか。さぁ早くしろ」
「早くって何を?」
「……私に服を着せたまま始めるつもりか!?」
僕が脱がせるの!? 困惑する僕をよそにベッドに腰掛けてる姫。
おずおずとした手つきで姫のドレスに手を伸ばした。

パシン

この感じ久しぶりだなぁ―― 違う。
理不尽な平手。僕は「なんでぶつの!? 自分で命令したのに!」ってさけんだ。心の中で。
「そこに跪け、まずは足からだ」
そういうことか。最初に言ってくれれば良いのに…………はい、終わったよ。すらりと長い脚がブーツから現れた。
両足を床に下ろし立ち上がろうとする姫。だけどにやりと笑い、もう一度脚を上げて僕の口元へ足の甲を近づけた。
「ふふん。ヒロ、お前の『忠誠』を見せてみろ」
目の前に突き出される足。いくら僕でも何をすべきかわかる。出された白い足を手にとり、唇を付けた。
嬉しそうに微笑む姫。その顔が可愛いかったせいか僕も少し積極的になった。
戻ろうとする足を引き寄せて、指を口に咥えてみた。姫の足がピクンと動いたのが口の中に伝わった。
(さすがに姫も驚いたのかな)
あの冷静な姫を動揺させたと思うとちょっと嬉しかった。特に嫌がる素振りもみられない、だからもう少し続けてみよう。

「――っ……ふっ……」
何の音かな? 僕は視線だけを上に動かした。あれ? 姫……顔が赤いような……
もっとよく目を凝らしてみよう ……ねぇ、この音って姫の口から出てる?
気付いてしまった瞬間から「僕は姫とそう言う事をしてる」と改めて自覚させられた。
頭が真っ白になって舌が動かせない。色っぽい息を吐く姫の顔から目が離せない。僕の顔が熱を帯びて――あ
奉仕が止まって不思議に思ったのか姫がこっちを見てる。何か言わなきゃ……何か言わなきゃ……

「あの……もう片方も……する?」
冷たい空気。姫は無言で逆の足を僕に突き出した。


「…っ……もう良い……」
一通り全部の指を舐め終わった頃、姫が吐息まじりに言う。じゃあ最後に。もう一回足の甲にキスをして手を離した。
姫につられるように僕も慌てて立ち上がる。 威圧感を感じるけど怒ってないよね?
「……脱がせろ」
今度こそドレスを脱がせた。姫の白い肌があらわになっていく。僕……もうすぐ姫と…… 考えるとドキドキがぎこちない手つきに表れる。
床に衣服が落ちても姫は堂々としてた。凄く綺麗だな……僕……やっぱり……姫のことが――
「お前は正直だな」
何で下を見――ご、ごめんなさい!! で、でも服脱げって言ったのは姫でそれに遅かれ早かれこうなるんだし何より姫が魅力て――
僕の早口もそこまで。姫に唇を塞がれて喋れなくなったから。
思わず抱きしめた姫の体はちょっと冷たかった。
336進展王女:2007/12/31(月) 02:42:01 ID:V1hAOXXa
「……いつまで見ているつもりだ」
姫をベッドに寝かせて、いざ! という状況になって僕は固まっていた。この期に及んで一歩踏み出せない。

「手間のかかる奴だ」
じれったいとでも言わんばかりにため息をついた。すっと僕の股間に手を伸ばす……何を――あっ……ひ……め…
「ふふん。こいつとは久しいな」
からかうように指で僕のモノをさする。それだけでどんどん固くなっていった。
細い指が絡んで……上下に…… 抑えてきた気持ちが起き上がってきた。
十分に大きくなったところで姫が問いかける。
「まだ足りぬか?」
僕は笑顔を返した。

倒れ込むように姫の口を貪り、舌を吸う。二本の腕が僕の頭を固定した。喉を流れる姫の唾液。
形の良い胸に手を置くと心地よい弾力が伝わってくる。ゆっくりと力をこめていくと頭を押さえてる腕が緩んできた。
胸全体を揉んでると手のひらに何かがぶつかりだす。指で挟んでみると姫がピクっと動く。
結構敏感なのかな……? 僕は痛くならないよう加減していじった。それでも姫は身体を振るわせていた。
(ここにも……キスしたい……)
膨らんだ胸の突起。そこに移動する為に唇同士を離す。互いの口から伸びた細い糸が姫の身体に落ちて汗と混じった。
姫の口から漏れる息。姫、もっと気持ち良くなって――  僕は姫の胸を口に含んだ。先を吸いながら舌でこする。
「……はっ……あっ…ん……」
今まで続いてた吐息から声に変わった。こういう姫も可愛いな。

いつまでも同じことしてるわけにもいかない。僕は腕を下にずらしていった。
えっと……ここかな? 手を動かすと毛の感触がある。もう少し奥に指を――その途端に姫の全身が強張った。
「あ……嫌だった……?」
引っ込めかけた僕の手を掴んで姫が囁いた。
「構わん……続け……ろ…」
途切れ途切れだけど強い姫の言葉。僕は従った。
(何か……変な感じ…)
指を割り込ませるとすでにそこは濡れていた。指にまとわりつく不思議な液体。でもこれが姫のものだと考えると凄く愛しい。
僕が気持ち良くしてると思ったらなんだか誇らしいな。
なんて平和なこと言ってるけど、指先は最も繊細なところにある。内心びくびくしてた。
傷をつけないようにしなくちゃ。ん? なんだコレ――
「……っ!!…ヒ……ロ…」
突然名前が呼ばれた。え!? ご、ごめん。ここ痛かった?
「んっ……待て…離す……な…」
「え!? あ、はい……」
姫が望むならやめる理由はない。僕はこのか弱い場所を指の腹でこすった。

女の子らしい声を出す姫。いつもでは見れない顔。僕だけが知ってる顔。姫が欲しい。

お互いにだいぶ気持ちが高まってきた。姫の身体は凄く熱いし、僕のアレも準備できてる。
できてるけどタイミングがつかめない。姫は大丈夫かな? でもそんなこときけないしなぁ…
「……来い」
僕の考えなんてお見通しってことか。
「姫」
「……ん…?」
たまには姫をびっくりさせたい。綺麗な顔を押さえて今までで一番激しくキスをした。
予期せぬ出来事のはず。それでも姫は慌てずに僕の背中に腕を回した。
(姫には勝てないや)

僕は少しずつ姫と重なっていった。
337進展王女:2007/12/31(月) 02:44:40 ID:V1hAOXXa
「……痛っ…」
小さく姫がうめいた。弱いところを見られたくないのか僕の胸に顔を押し当ててる。
もしかしたらシーツに赤い跡が残っているかも知れない。いつも僕にくれる命の一滴よりもずっとずっと大切な一滴の跡が。
姫が小さく感じる。自分の快楽のために姫に痛い思いはさせたくない。僕は次第に及び腰になっていった。
「……しっかり…動け……」
動きを控える僕の髪を引っ張って命令する姫。
でも痛いんじゃ――僕は気付いた。顔を隠したのも今の言葉も全部僕のためのものだって。
もう何も考えずに姫の身体を抱き寄せてた。壊れそうに華奢な身体だけど強く抱きしめた。
「姫、動くよ」
顔をあげて僕の目を見る。姫が微笑んだ。

「ひ……め……好……です…」
「…何……んっ!!…だ?…聞こえ…ぬ……」
腰がぶつかる度に姫を感じて声が漏れる。しばらくすると姫が痛そうな顔をしなくなってきた。
喘ぎ声を出し始めた姫に僕は何回も「好き」と言った。きっと聞こえてないかも。でも構わない。
体が熱い。喉の渇きが姫の口を求める。声も息も何もかも飲み干したい。僕の舌は貪欲に姫を襲った。

ずっと続くように思えた時間。でも始まりがあれば必ず終わりがある。こみ上げる射精感がそれを僕に教えた。
「……姫…僕……そろそろ……」
僕は腰をあげて姫の中から引き抜こうとした。でも姫は僕にしがみついて引き止めた。
どうしたの…? 目線をさげる。すると悲しみと怒りの合わさった表情でどなられた。
「ふざけ……な…従者……主より…先を…行く…など…許さ…」
何とか声に威厳を保とうとしてるのはわかる。でも駄々っ子にしか思えない。
それでも僕は笑う事は出来なかった。言葉に強い意志を感じたんだ。
「家来……主の…後ろ……行くもの……いや…共にだ…」
でもこのままだと――中に……
「……共にだ」
一言だけ繰り返すと姫はもう何も言わなかった。わかったよ、姫。僕は従う。僕は姫の戦士だから。
抜きかけた体を元に戻す。姫は声を押し殺して反応した。

姫の言いたい事はわかった。だから僕は最後まで姫と繋がっていた。

大好きな人と過ごした夜。大好きな人と一つになった夜。僕は満たされていた。
一つだけ残念な事と言えば、直前に姫と唇を合わせてたから『姫の顔』が見れなかったこと
――怒られそうだからこのことは胸にしまっておこう。

「ねぇ、僕は姫にとって何なの?」
「お前が一番わかっているだろう」
と言うと……あれか。
「――血の戦士です」
満足そうに頷く姫。いつか違う答えになるのかな?


それから姫とは言葉を交わさなかった。もう眠ったみたい。 でも僕はまだ眠くない。色々な事を考えてた。
――姫の寝顔って一体どんな顔なんだろう。すまし顔かな、でも子供っぽいとこあるからなぁ――
考えてる事まで言うつもりはなかった。でも急に姫に話しかけられて、つい声に出してしまった。
「ヒロ、冷えるからこっちに来――」
「やっぱり姫って可愛いなぁ」

姫が何を言ったかは重なって聞き取れなかった。僕が聞き直そうとするより早く隣から鋭い殺気が漂ってきた。
恐々と横を見ると――とても口では言い表せない様子の姫。
え〜っと……今のは言葉の誤まりで……はは……
「誰が私の部屋で寝て良いと言った!?」

激怒する姫に追い出されて気が付いたら自分の部屋。今頃疲れが出てきて倒れこむように眠っ……
338進展王女:2007/12/31(月) 02:46:30 ID:V1hAOXXa
ん……朝? 周りは明るくなっている。昨日のことが嘘みたいにいつも通りの朝。
違う事と言えば――膨らんだ靴下が枕元に。そういえばクリスマスか、中身はなんだ…ろ……う!?

「令裡さん! 何ですかこれは!?」
「あらヒロ、メリークリスマス」
「そんなことより! これ! 僕の靴下に入れたでしょ!!」
丁寧に包装された箱。中身は『コンドーム』だった。
「あら、それはきっとサンタからのプレゼントよ。第一、私が部屋に入ったら気が付くでしょう?」
そ、それは……そうですけど……
「でも、もしも部屋にいなかったら気付かないわよねぇ…ふふふ……」
笑顔で僕の方に近づいてくる令裡さん。あれ? 立場が逆に……?
後ずさりする僕。さらに後ろからリザの怒鳴り声が響いてきた。
「おいこら、吸血鬼! あたしの靴下に『犬笛』入れたのお前だろ!!」
「まぁサンタってひどいのね。犬笛は飼い主に渡すものよね?」
「ぶっ殺す!!」
冬の朝から追いかけっこ。でもやっぱりいつも通り。

「朝から騒がしい奴らだ」
うわ!! 姫!? 僕の頭に昨夜のことがよみがえる。
「まったく――ん!? ヒロ、何を持っている」
え、これは……そ、それより姫は靴下に何が入ってたの?
「ふふん。私がそんな幼稚なことをするわけ無いであろう」
姫らしいと言えば姫らしい。でもちょっとがっかり。姫の欲しいものって何なのか興味があった。
「それに贈り物ならすでに昨日受け取ったしな」
「――え?」
それってもしかして……

パシン

「勘違いするな、馬鹿者。お前のことではない」
「あの……僕…まだ何も言ってないけど……」
姫の顔が一瞬固まった。そして見る見るうちに怒ってる顔に……

クリスマスでも日常に何ら変わりはなかった。変わりがあったのは僕と姫の間だけ。
あれ? 姫、手に何持って……ちょ、やめ…なんでぶつのーーーーー!?


「そういえば……姫様は喜んでくれたかしら? あれ。ふふふ……」

姫が『サンタ』から貰ったもの。それは『フラッシュに驚いたヒロの顔』。



339名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 02:54:15 ID:V1hAOXXa
以上です。もっと早く出せればよかったのですが……
違和感が有るかもしれませんが、そこら辺は広い目でお願いします。


では失礼しました。
340名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 03:09:48 ID:O9B+4JPO
超GJでございます!!
姫のツンツン具合が最高ですな
341名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 03:24:51 ID:X0sOIGNa
GJ姫かわいすぎ悶え転げた
342名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 04:27:21 ID:aCl5Tn+g
GJ!
クリスマスっていいな〜
次は誰か新年の姫とヒロを書いてくれないかなぁ
343名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 05:07:23 ID:CnceW1/Z
GJ!足のくだりがたまらん!
344名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 05:47:42 ID:krKFbhSj
これは良いGJ!!
345名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 11:38:48 ID:gh1nCnHx
いいよいいよ〜すごくいいよ〜
346名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 12:39:59 ID:FeNbGRl2
姫の嫉妬は怖いだろうなぁ…
347名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 12:44:52 ID:Puhsht9t
使える得物の種類は豊富だからな・・・
まあちょっとくらいグロイことになっても平気だが。
348名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 01:20:30 ID:vEO+b4aw
初ふふん
あげ
349名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 07:38:25 ID:ew8cTnKy
将来のヒロと姫の痴話喧嘩は
スプラッタコメディになりそうだ
350名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 00:31:12 ID:4x2qM4FX
そしてシャーウッドのとこに避難してまた一悶着あると。
351如月の宵に溶けるモノ:2008/01/05(土) 04:04:32 ID:K3mI6zHg
参考までに…>>275の続編です

――「あの日」から、もう何日も過ぎたなぁ……。
雪の降る、寒い帰り道。
今日も僕は学校へ行っていた。ホントは姫と一緒に居たいし、一緒に居なきゃならないんだけど、
「姉さんは『血の戦士』なんて言っても……信じないだろうなぁ」
――溜め息混じりの独り言。

ふと、声が聞こえた。
「あら、ヒロじゃない」
「? あ、令裡さん」
「……フフ♪ヒロ、明日は何の日か分かるかしら?」
「え?明日、ですか?」
明日……?分からないなぁ。何の日なんだろ?
「あら♪これは楽しみね……♪」
令裡さんは妖しく微笑んだ後、何処かへと行ってしまった。結局、教えてくれないんだ……令裡さんらしいけど。
「うーん……何かあるのかなぁ?」

――色々と考えている内に、気付けば屋敷の前。
「ただいま戻……アレ?」
何か騒がしいような?屋敷の奥で聞こえるのは、姫とフランドルの声。『何か』と闘っている。
「まさか、刺客!?」
そう思った途端――僕は走り出していた。

「姫っ! 姫ぇっ!」
音の方向へ――1秒でも速く姫の場所へ着こうと、身体が動く。

音の聞こえるドアの前。まだ間に合う!勢いよくドアを開けると、
「んん?ヒロか?……あ」
「姫っ!だいじょう……ぶっ!」
何故か目の前には、姫ではなく無機質な――フライパンが。凄まじい音を響かせて僕の顔にめり込む。
「な、なんで……フラ、イ、パン、が……」
「ふむ。手が滑った」
冷静な声――姫が無事だと分かった瞬間、意識は闇へ落ち行く。前にも、あったような……

「ん…!姫っ!?」
さっきとは違う場所で目を覚まし、前にはフランドルが立っていた。
<ふが、ふがふが>
「え…えと? 姫……は?」
<ふが、ふが〜>
――言葉は全く分からないけど。
「んと……とにかく今は、入っちゃダメ、ってこと?」
<ふが>

なんか、寂しいな。

窓の向こうでは雪が次々と舞い降りていて、とても綺麗だ。姫と一緒なら、なぁ…。

「んー?オイ、ヒロ。何ボケっとしてんだよ!」
陽気に話し掛けてくる声が聞こえた。
「あ、リザ。んと、姫が――っ!」
「ふ〜ん?姫サマがどうしたって?」
「え、いや?何でも無いよ?アハ…アハハ……」
誤魔化そうとしたけど、動揺は隠せなかった…。
352如月の宵に溶けるモノ:2008/01/05(土) 04:06:34 ID:K3mI6zHg
「ん?もしかしてお前、姫が今何してるか知らないのか?」
「あ、うん。知らないけど……」
ニヤリとリザが笑う。
「へ〜え。やっぱ、お前は鈍感だなっ!」
そっ、そんなこと言われても……分からないものは分からないよ。
「うぅ。リザは何か知ってるの?」
「当たり前だろっ?まぁ、待ってりゃその内に分かるぜ」
んん……。なんだろうなぁ…。


やっぱり姫が居ない時間は長く感じる。時計の針を見る度に、『時』を実感させられて……
僕は部屋に戻ってベッドに寝転がり、時が過ぎるのを待った。
「……時間って気まぐれだなぁ。」
瞼を閉じても、浮かぶのは姫のことばかり――。


んん…あれ?
気付けば寝てしまっていた。僕の上には、眠る前には無かった布団が掛けられていて……ん?布団は掛けていなかった筈だけど――どうして?

困惑しながらも体を起こした瞬間、部屋の明かりに気付く。
「目が覚めたか、ヒロ」
「え……姫?」
机の椅子に、優しく微笑む姫が座っていた。僕の視線に気付くと、いつもの顔に戻ったけどね……。
蛍光灯がボンヤリと姫を照らしているのを見て、僕の胸は高鳴る。

姫が布団を掛けてくれたんだ……。
「え、と。ありがとう…布団を掛けてくれて……」
「風邪を引かれても困るのでな。……私に会えなくて、寂しかったのであろう?」
う…。確かに寂しかったけど……どうして分かるんだろ?
「何故分かったか、か?――寝言で何度も私を呼んでいたぞ?」
語る間、姫の表情は微かに『嬉しそう』だったのだが、ヒロがその事に気付く余裕は――無かった。
「えぇっ!?姫が笑ってたのはソレが原因だったの!?」
「……。まぁ…な」


微笑みの理由は、二つあった。
理由の一つ目は、愛しい者の夢にすら自分が存在している。それが嬉しくて……
理由の二つ目も、ヒロが知る事は無い。
言葉にはならなかったのだから。
――ヒロ。私はお前の『寝顔』を眺めていたのだぞ?その邪気ない寝顔を、な。

「僕ってそんなに寝言を言うのかなぁ……?」
「全く……。物分かりの悪い奴だ」
「えぇ…?何で怒ってるの……?」
「フン、怒ってなどおらぬ!」
プイと顔を背ける姫。何が何だか、さっぱり分からないよ……。
353如月の宵に溶けるモノ:2008/01/05(土) 04:09:02 ID:K3mI6zHg
突然、姫が神妙な面持ちで僕を見てくる。
「……ヒロ。先程、駆け込んで来たのは何故だ?」
「え、と。刺客が襲って来たのかと思ったんだ」
「ほう。……それで、見たか?」
え…?何をだろう?
多少厳しい表情で問うが、姫は怒っている訳では無く、ただ純粋に『気になった』だけ。
「うーん……フライパンは見たけど、他は見てないなぁ」
だってフライパンで前が見えなかったし…。何でフライパンが飛んで来たんだろう。
「ふむ。それなら良い」
――ふふん。『アレ』に気付いてはいない、な。

フワリと立ち上がった姫が、僕の隣に座る。その長く、金色に光る髪を靡かせながら……。
「心配させてしまったな、ヒロ」
「本当に、姫が無事で良かった……」
姫の手が僕の頬を捕まえて――
一瞬、唇に感じる温かな感触。
「……褒美だ」
二人を甘い夢が手招きしている。――それは、何処までも堕ち続ける夢。

会えなかった時の『空白』を埋めるため、ヒロの体が動く。
「姫が居ない間、とても寂しくて……」
姫の細い身体を、壊れないように優しく抱きしめる。
「ならば今から、私を誘ってみるか……?」
妖艶に微笑む姫。
ヒロの『天秤』が傾いた。

姫をベッドへゆっくりと押し倒し、深いキスを贈る。
「んっ……今日も、私を酔わせてくれるのだろう…?」
恍惚とした表情。火照る身体。全ては愛する者へ――

姫の温もりを体が求める。何度も唇を重ねて――混じり合う、互いの液体が興奮を高めゆく。
「んんっ、ふあっ……」
時折、胸の膨らみに手を添えて力を加える。柔かな感触に、艶やかな声がヒロを捕まえて離さない。
少し強く膨らみに力を加えると、姫の艶めかしい声がヒロを誘う。
「んんっ……ヒロっ…。もっと、お前が欲しい…」
――壊れる程強く、愛されたい。
――壊れない様に強く、愛したい。

互いに火照る体が、身に纏う衣服を否定する。
「んん…そろそろ暑いな……ヒロ、お前も脱げ」
ふと姫が起き上がり、手早く服を脱ぎ始めた。その姿に見惚れて、自分の服など意識の彼方。

服を脱ぎ終えた姫が、視線を僕へと向ける。
「あ! ゴメン!今脱ぐよ――って、 ひ 姫ぇ!?」
言葉の途中で、僕は姫に押し倒された。
「ふふん…お前の服は、私が脱がせてやろう……」
一つ一つ、丁寧にボタンが外される。

二人の『体と体』を隔てる物が、取り払われた。
「お前が……こんなにも私を狂わせる…お前だけが……」
354如月の宵に溶けるモノ:2008/01/05(土) 04:11:57 ID:K3mI6zHg
堪らなく姫が愛しく見えて……ヒロは一つの事に気付く。
『僕』にはもう『姫』しか見えていない、と。
「ヒロ……どうしたのだ?」
不思議そうにヒロの顔を覗き込む姫。その何気無い表情すら愛しいと、ヒロは思う。
「僕は――もう姫しか愛せない」
少し恥ずかしい台詞だったけど、それだけは伝えたかった。
「良い心掛けだ……ヒロ」
姫が僅かに微笑み、僕の唇は柔らかなキスで塞がれる。

「ヒロ、もう…良いか?お前を欲しがって……胸の高鳴りが止まらぬ」
姫が上に乗った侭で、ゆっくりと『ヒロ』に秘部を沈める。
「ヒロっ……お前が、私の中に……んんっ!」
徐々に深く姫の中へと入り込み、全てが姫に入った瞬間、甘い言葉が放たれた。
「ふっ…ん……今日は強く愛して貰うぞ…?前よりも強く、な……」
繋がった侭、体を起こし――了解の意味を込めて、深いキスを贈る。

姫が少し腰を浮かせて、僕のモノを刺激し始めた。
「んっ、くっ……どう、だ?ヒロ…。私が動いてやっているのだ…光栄に思うのだな…。んっ…」
「う、うん……凄く、気持ち良いよ…姫ぇ……」
時折キスを交え――部屋には淫らな音が、何度も何度も鳴り響く。
「んんっ…私の……奥深くまで、お前が入っている……。あっ……」
前に体を重ねた時よりも深く挿し込まれ、次第に姫は快楽の沼に嵌まる。
「んっ! まだ……私には足りぬ、ヒロ……」
「僕も、まだ大丈夫…だと思う」
「…ふふん。今夜は、私が満足するまで……離さぬぞ?」

時間が経つに連れて、段々と姫の動きが速くなっていく。
「んん! んっ! ヒロっ……!もう、止まらぬ…! あっ!」
「ひ 姫っ! そんなに強く動かれると、もたないよ……っ!」
「んっ、構わん……私は…お前と繋がるだけ、で……んんっ!」
適度な締め付けが、ヒロの下半身に込み上げるモノを誘う。
「ヒ…ヒロっ!も、う……っ! ああぁっ!」
瞬間、姫の中が強く締まった。
「ひ めっ! んんっ!」
姫の体の中へ、熱い生命の欠片がドロドロと流れ込む。
「ん……。ふふん。一滴残さず出すが良い……」

――姫は満足したかなぁ……?
「ヒロ。何だ、その締まりの無い顔は……次はお前の番だと分かっているのか?」
「え…… えぇっ!?」
「当然であろう。私が動いてやったのだ。お前も動くべきだろう? ん?」
予想はしていたさ…でも、実際に言われるとは……
355如月の宵に溶けるモノ:2008/01/05(土) 04:14:00 ID:K3mI6zHg
流石に2回は無理じゃないかな、と思いつつも――下を見れば、意識とは正反対の主張をするモノが。
「……。ふ、ふふん。準備が出来ているでは…ない、か」
冷静な姫も、少し驚いていた。もう開き直って、姫が満足するまで続けよう……。

ゆっくりとベッドへ姫を寝かせると、押し倒された様な姫の格好がヒロの脳裏を擽る。
「どうした? 早く来い、ヒロ……」

蜜と命の欠片が混じる膣に、腰を沈めてゆく。
「んん……先程より、も…大きく、ないか……?」
「だっ…て 姫の中が……凄く気持ち良くて……」
姫の顔が少し赤く見えたのは、体の火照りだったのだろうか?それとも――
「……無駄口を利く暇があったら、さっさと動くのだな」
「えぇ…!? 姫から話し掛けてきたんじゃないか……もう…」
姫の口調は厳しいが――その表情は僅かに微笑んでいた。

「んん…もう少し、強く……動け」
「あ、うん……んーと、こんな…感じ?」
少し強く腰を沈め、動きを速める。
「んっ! そう、だ……」
1回目が終わっている為か、姫の中は動き易い。奥まで挿し込んだ時の声が可愛らしくて、やっぱり姫も女の子なんだなぁ……と、僕は思う。
「んぅっ!……何か…良からぬ事を…考えては、いない…か?」
「……。滅相もございません」

「うぅっ…んっ! 良い…感じだ、ヒロ……」
「もう少し、速くても大丈夫……?」
「構わ、ん……。んぅっ!」
段々と動きを速め、より深く姫と繋がる。――この時間が永遠に続いて欲しいと思った。
無情にも過ぎ去る時を横目に……。

「ゴメン……姫っ、僕…もう……!」
腰の動きが今迄で一番速くなる。
「んっ、あっ! んんっ!ヒロ、待…て! ん…っ!」
出来る限り、達する時間を遅らせようと堪えたが――それでも腰の動きは止まらない。
「んっ 姫ぇ!そろそろ…っ!」
「私、も……っ! んっ!」
強い勢いで中へ放出される白濁とした液体。
「んんっ! ヒロっ…! 出し、すぎだ……っ!」
「ご…ごめん、姫……」

――姫が満足したかは分からない。 気付けば隣で静かな寝息が聞こえた。
その寝顔、僕には微笑んでいるように見える……。気のせいでは無いと信じて、僕は眠る。愛する人の隣で――
356如月の宵に溶けるモノ:2008/01/05(土) 04:15:53 ID:K3mI6zHg
小鳥の鳴く声で、僕は目を覚ます。姫は未だ眠っているけど、僕は学校に行かなくちゃ。
着替えた後、そっと姫に口付けをする。
「行ってきます、姫」
僅かに姫の口元が動いた事を、ヒロは知らない。
パタンとドアを閉めた後の声すらも。
――今日は早く帰って来い、ヒロ。


長い授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
「日和見くん、今日は帰りに――」
「あ、ブッチー。今日は僕、早く帰るね」
「何!?君は僕の知らない禁断の領域を、あの健康的なお姉さんの禁断の領域を調べ――」
……ごめん ブッチー。聞いてられない。全て聞かずに僕は走り出した。
「日和見くん、走って逃げるなんて……その行動は僕の予想が当たっていると言う証拠なのか!?」

何だか今日は早く帰らなきゃならない気がして……いつもは歩いて帰る道を、僕は走っている。


「ただいま戻……また何か…」
聞こえるのはリザと姫の声。リザが怒ってる様な……取り敢えず行ってみよう。

ドアを開けると目の前に姫が居た。
「あ、姫。ただいま…って何コレ?」
手に乗っけられたのは綺麗に包装された箱。なんだろう?
「ふふん。今日は『バレンタインデー』だ」
あ……。また気付かなかった…。
「あ…ありがとう、姫!」

「オイ、待てよ!ヒロにはマトモなモン作って、あたしには何でこんなモン渡すんだ!」
ほ……骨型のチョコレート…。
「お前が自分の物も作れと言ったのであろう。私は慈悲深い故に作ってやったのだ」
「ば バカにすんじゃねぇー!」
「併し……私の方が先に溶けてしまったな…」
ふと姫が僕を見る。
「あ…え?姫……?」
「あたしを無視してノロケてんじゃねーよ!」

――今日も屋敷は騒がしい。でも僕は、そんな屋敷が嫌いじゃない。
「…ツェペリ、あなた…その髪型はどうしたの?」
「あぁ、令裡君か。今日は特別な日、だと聞いてね」
「……そう…良かったわね」

「フフ…今年も……ゼロか……」
357名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 04:20:11 ID:K3mI6zHg
以上ですが、短くて申し訳ない……。
皆様、明けましておめでとう御座います。
そして新年早々、稚拙な文で申し訳ありません……。
358名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 04:33:16 ID:60kcoiUI
>>357Gj!
アナタが王族か!
359名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 10:14:10 ID:LJg4gj2K
GJ!
姫かわいいよ姫

ツェペリがどんな髪型にしてたのか気になるw
360名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 15:06:12 ID:bv0qQoJf
落とし方がまた上手い
361名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 18:10:36 ID:tO2Zbj4Z
ふが!
362名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:04:43 ID:uCe0Qlly
姫とヒロで書きたいなぁと思ったけど……ム、ムズイ
元々純愛物しか書いてないからこの姫様のキャラじゃ色々と難しいものが有るよぅ
363名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 00:27:50 ID:rttlFjb8
>>362
とりあえず書いてみなよ
wktk
364名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 00:36:51 ID:KTvKdyAA
姫とヒロが好きジャー!
正直エロじゃなくてもいいんだぜ
このスレじゃおこられそうだけど
365名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 00:37:17 ID:vDCJnwzs
>>362にwktkwktk
キニスキー×リザでも書いてみようかな……
危険な香りがするけども
366名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 01:17:49 ID:K9Jd4Vh0
>>365
ああ、良い香りだ・・・実に良い香りだ!
367狼蝙は豹変す:2008/01/06(日) 02:20:14 ID:4m95kCVx
明けましておめでとうございまふが。
令×リザですが、エロ成分が限りなくゼロに近くてごめんなさい。


「ねぇリザ、一つきいてみたいことがあるの」
手錠を外しながら令裡が問いかけた。リザは手首をさすりつつ怪訝な面持ちで聞き返す。
「何だよ改まって」
「私のこと好き?」

まるで付き合いたての恋人のような質問。令裡は平然としているがリザは顔が真っ赤になっていた。
素直に『好き』と言うのが照れくさく、困惑を隠せない。
「あ、いや、嫌い……ではないけど……その…何というか…」
リザらしい快活さが少しも見えない。しどろもどろな口ぶりが彼女の動揺を表す。
「私は好きよ」
もじもじとしているリザを微笑んで見つめる令裡。照れる少女をそっと自分の方に抱き寄せた。
気恥ずかしさと嬉しさが抑えがたい。耳元でさえ辛うじてきこえる程度の声でリザが返事を試みた。
「あ、あたしも――」
「ペットとして大好きよ」

甘い気分から一瞬で現実に引き戻された。言葉の主を睨んでみるがクスクス笑っている。
舞い上がっていた分だけ怒りは大きかった。令裡を突き飛ばして頭をはたく。
「痛っ! 何をするの!?」
「うるさい!! どうしてお前はいつも――そうやって――」
頭に血がのぼって上手く話せない。口は動けども声が出てこない。
「ほんの冗談よ。本気にしたの? ごめんなさいね」
さっきとは別の意味で赤面するリザを宥めようと頭を撫でる。皮肉にもその行動が怒りを助長することに一役買った。
令裡の言葉に他意は無かったが、リザには馬鹿にされてる気がした。今度は口が止まらなくなった。
「ふざけんな! 」
「わかったから少し落ち着――」
「やっぱりお前なんて天敵だ、この性悪吸血鬼! どっか行っちまえ!!」

吐いた言葉は飲み込めない。気まずさが寝屋の中を支配する。
さすがに言い過ぎた。それはわかっていたけれど意地になってしまい何も言えなかった。
「……わかりましたわ」
令裡は抑揚のない声で告げ窓へと向かった。ほんの一言『ごめん』で行き先が変わったかも知れない。
だがリザに出来たのは見送ることのみ。それも途中まで。最後には目を背けてしまった。
「ごきげんよう」
止めようとした時にはすでに令裡の姿はなく、夜風が窓から吹き込むだけだった。


おそらく今夜は帰ってこない。そう思っていたが、リザは窓を閉める事は出来ずに朝日を迎えた。
368狼蝙は豹変す:2008/01/06(日) 02:20:58 ID:4m95kCVx
(良かった。ちゃんと居る……)
令裡を見かけた時、最初に思ったのはそれだった。以前のようにしばらく帰ってこないのでは? それが不安だった。
居るのならどうにか話しかけたい。しかし当の令裡は全く自分に気付かない――気付かないだけと思いたい。
――近づいていったら逃げられないか。何て言えばいい――
考えるとどんどん疑問が増えていく。

「何で暗い顔してるの? リザ」
振り向くと少年が立っていた。リザの気持ちを感じ取ってか無垢な顔を不安に染めている。
今のリザにはどんな些細な意見でもありがたい。ヒロなら口外もしないだろう。
「なぁヒロ、もしお前が大切な――友達と喧嘩したときってどうする?」
「う〜ん……僕はケンカしないからなぁ。 でもまずは謝るんじゃない?」
それが出来ないから困っている。そう言いたかったが自分のことだと知られるのは遠慮したい。なので黙っていた。
「だよなぁ……」
頬をぽりぽりかいてなるべく明るく答える。

「こんなとこに居たのね」
声のする方に首を動かすと目的の人物がいた。まさか向こうから来てくれるとは――リザは淡い期待を抱いた。
けれど悲しくもその期待は儚く散った。用件はリザでなくもう一人の方。
「姫様が探してますわ、ヒロ」
令裡の目にはリザなど映らない。そう代弁するかのように一瞥すらくれなかった。
だがこの機を逃すわけにはいかない。リザが呼びかける。
「お、おい令……裡……」
一言で良い。『悪かった』 それだけ伝えられれば良い。
「……何かしら?」
無視はされなかった。予想以上に嬉しい事実。伝えるなら今しかない。
しかし謝罪が喉を出ようとしない。意固地でも照れでもない、なのに何故か声が出せない。


令裡が現状にピリオドを打った。悲哀の目をリザに向け、居心地悪そうにしているヒロを先導する。
「早く行きましょう。姫様がお待ちよ」
ヒロが視線を交互に令裡とリザに移しながら連れて行かれる。
「ねぇ令裡さん、リザとまたケンカ……」
だんだんヒロの声が小さくなっていく。令裡が遠くへ行ってしまう。リザはまたもや見送る事しかできない自分が凄く憎かった。


その後、リザは令裡を見かけても呼び止めることすら出来くなってしまった。
369狼蝙は豹変す:2008/01/06(日) 02:22:28 ID:4m95kCVx
(リザ、この前はごめんなさいね)
「んっ……あたし…も……悪…かった……」
手が股間の割れ目を覆い隠す。指が愛液をかきだしていく。
(本当はあなたのこと大好きよ)
「あたし……だって…ふぅん……好き……」
膨れかけの乳首をつまんで軽く引っ張ると息がもれてしまう。

満月が近いせいか性欲が抑えにくい。令裡と一緒に寝れない以上は独りでするしかない。
だがそんな時でも令裡とのいざこざが思い出されてしまう。
いつしか<令裡>が現れていた。<令裡>には本当に言いたい事が言えた。<令裡>は言って欲しい事を言ってくれた。

「あっ……令…裡……もっと……」
(仕方ないわね……ふふふ……)
秘部をこすり、胸をいじる。やっていることは一緒のはずなのに何故か全然違う。愛しい人からの愛撫なのに嬉しくない。
。気持ちの衰えと比例して自慰行為の勢いも衰えていく。
「令裡は……そんな優しく言わない…」
(ほら、続けましょうよ……)
「あいつはもっとからかってくる……」
ついに手が止まった。もう完全に気分が萎えてしまった。

「やっぱり……あいつじゃなきゃ嫌だ」
(いいじゃない、私で。私はあなたのこと何でもわかるわよ? あなたの思い通りなのよ?)
「口が悪くて、たまに変なことするけど……あいつが良い」
(どうせまた顔合わせたら何も言えないんじゃないの? 傷つくぐらいなら私で妥協しましょうよ)
言い返せない。令裡の悲しそうな目がずっと自分を見つめる。
(ほら、どっちにしろ発散しなきゃ溜まっていくだけよ? 満月だって近いんだし)


リザは何も考えずオナニーをした。<令裡>も誰もいない、性欲を発散させるためだけの事務的な行為だった。

「ん……っ……!」
一度果てると、とりあえずは満足した。しかし埋まった気はしない。やり場の無い感情だけが残る。
「ベッド……こんなに広かったっけ……?」
自分一人のためのはずのベッド。それが妙に大きく感じた。手を伸ばしても触れるのはシーツだけ。
伸ばしすぎて手が外に出た。手に付いた液体が窓からの風で冷たかった。
370狼蝙は豹変す:2008/01/06(日) 02:25:02 ID:4m95kCVx
何やら館中が騒がしい。リザにはまったくもって心当たりが無い。ヒロを捕まえて話をきくと
【年末だから大掃除】【全員強制参加】【姫が監督なのでしっかりやること】 とのこと。
突然のことだったがリザにはありがたかった。 動いているうちは余計な事を考えずにすむ。
たまに令裡を見かけたとき以外は順調に働き、紗和々に褒められるほどだった。

掃除に費やした一日が終わる。言い換えれば独りの夜が来る。
じっとしていたくないので自分の部屋を掃除したがそれも長くは続かない。仕方なくベッドに入った。

(満月か……)
気分に関係なく押し寄せる欲望が安眠させてくれない。
(『夜が嫌だ』なんて令裡と一緒の時は――)
考えて後悔した。たちまち姿が浮かび、声が響く。リザは耳をふさいだ。
「失礼しますわ」
頭の中でなく本当に令裡の声が聞こえた。本人が部屋の入り口に立っていた。

「令――」
「お邪魔……します…」
飛びつかんばかりの勢いだったが、後ろからひょっこり顔を出したヒロに驚いて床に激突した。
「痛……なんだよ二人して」
ヒロの話を要約すると
【部屋の掃除してたが続きは明日に】【途中なので寝場所がない】【さまよっていたら令裡に会った】となる。
「――でここに連れて来て貰ったわけで……」
だいたいの話はわかった。リザは続いて「なぜ自分の部屋なのか」を令裡にたずねた。
「姫様に相談したら『リザの部屋にでも行け』ですって。場所を借りるだけだからお構いなく」
淡々と言い放ち部屋の角に移動した。無論ベッドと反対側の。
「そういうことらしくて……今晩だけごめんね……はは…」
女の子の部屋だからか、それとも二人の冷戦を感じ取ってかそそくさと毛布をかぶるヒロ。
三人もいるのに静まり返る部屋。

しばらくすると寝息が聞こえてきた。リザには聞き覚えが無い声だ。
ヒロが寝ているのを確認し、令裡に話しかけた。
「……令裡」
「何かしら」
怒りも悲しみも含まない返事。機械的で冷たい一言。
「眠かったらあたしのベッド……半分使っても……」
「お気遣いなく」
無下に断られた。リザにはそれ以上会話が続けられず、月を睨んでから強く目を閉じた。


(眠れるわけないか……)
熱くなる体に加えて悩みの原因たる人と同じ部屋にいる。
寝返りを打とうとするとベッドがもう一人分沈んだ。令裡がすまし顔で隣に寝ていた。
「え、令裡!?」
想い人がすぐそばに来た。せめて手だけでも握りたかった。だが令裡は会話さえ許さない。
「あなたが使えって言ったんでしょ? 私は休みたいの、静かにして下さる?」
「あ………悪い…」

――自分は必要とされていない――
リザにとって最も怖れていたこと。どんな怪我を負った時よりも胸が痛い。
同じベッドに寝ていても令裡がひどく遠くに感じた。寝ているからこそ遠くに感じた。
371狼蝙は豹変す:2008/01/06(日) 02:26:41 ID:4m95kCVx
(ダメだ……熱い……)
少しでも負担を軽くしたいと股間に腕を伸ばす。しかし<令裡>との会話を思うと空しくなるだけだ。
それに周りを起こしてしまうかも知れない。催促するように息だけが荒くなっていく。
(令裡にひどいこと言った罰かもな……ハッ……)
自嘲気味に笑うがちっとも気が紛れない。モヤモヤは積もる一方で叫びたくなってくる。
「令裡……」
呟きが静寂に吸い込まれていく。むなしさに体勢を変えようとしたとき、何かにぶつかった。
どうせ令裡が寝返りでもしてこっちに来ただけ。リザは最早ひとかけらの希望すら持たなかった。

しかし眠っているはずの令裡の腕が自分に絡んでくる。それも真っ直ぐに秘部を目指して。
(寝ぼけてるだけでも良い……こいつが恋しい…)
全て捨てた希望。リザは一粒だけ拾い上げ、令裡が受け取った。

「え!? 令――んっ……」
陰裂を振るわせる柔らかい感触。下着に侵入した手が場所を確認する。リザはとっさに口を覆う。
「そのまま。自分で口を押さえてなさい、ただでさえ声が大きいんだから」
令裡は起きていた。それは喜ばしいことだがリザには腑に落ちない。
叱ったり叩いたりするならまだわかる。だがどうしてこんなことをしてるのか、何故恋人のように自分に触れてくれるのか。
早くも水音をたてている快楽の中、喘ぎながら尋ねる。
「でも…ん……何で……?」
「隣でハァハァされてたら眠れませんわ。大方、満月だから体を持て余してるんじゃなくて?」
相変わらず淡々とした答えだが「世話焼き」の温かさが言葉に含まれていた。
小さく頷くリザ。ケンカしたのに令裡が自分のことを思ってくれている。
今の嬉しさとあの日の後悔がリザの喉を塞ぐものを溶かしていった。

「はぅっ……令……ごめ…」
リザは今夜の満月に初めて感謝した。性欲に気持ちが集中して無かったらきっと泣いていただろうと。
「この前…あっ!…んぅ……言った……取り消――」
「……わかったから話は後にして下さる? どうせ一回じゃ終わらないでしょうし」
令裡の言うとおりに身を任せた。

(何で……こんなに……?)
言わなくてもリザの触れて欲しい所や仕方まで的確に責める指先。令裡にはリザのことなど手にとる様にわかる。
リザの性癖を知る唯一にして最大の理解者。共に過ごした夜は伊達ではなかった。

程なくしてリザが一度目の絶頂に達した。意識が途切れる瞬間まで令裡を想像したままのエクスタシーだった。
372狼蝙は豹変す:2008/01/06(日) 02:29:06 ID:4m95kCVx
「少しは落ち着いたかしら?」
「……あぁ……悪い…」
多少は打ち解けてきたがぎこちなさは未だ残っていてお互いに向き合ってはいない。だがリザは令裡の腕をしっかり掴んでいた。
令裡が少しでも動くと即座に腕に力が入る。
「『どっか行っちまえ』とか言っておいて……」
「それは…………悪かった……『天敵』とか『性悪』も取り消す……」
リザがようやく思っていたことを届けた。令裡はフフと控えめに笑い、リザを振り向かせた。
「あんな悪口ぐらいじゃ怒りませんわ」
「じゃあどうして……?」
「あなたにはもう少し私の性格わかって欲しかったのよ……」
令裡は素直じゃない。それはリザが一番良くわかっている。
あの時も普段ならば「照れ隠し」で済んだ。だがリザにとってあの日は『普段』とは違っていた。
数秒、自分の気持ち言おうか躊躇したがリザは隠さずに話した。
「わかってる……でも……でも…『好き』って……だから…」

この言葉は令裡に全てを悟らせた。すばやく腕を伸ばす。リザは反射的に目を閉じた。
そろそろと目を開けたら令裡の胸の中だった。悲痛な声が聞こえる。
「私もふざけすぎたわ。ごめんなさいね……」
もともと気持ちの行き違いから生まれた事象。二人の溝は完全に埋まった。
だが雰囲気にはしこりが少し残っていた。
「ねぇ終わりにしましょう」

「え!? 嫌……れい――! ……あ……ごめ…ごめん!! 悪かった!!」
予期せぬ一言。リザは激しく取り乱した。顔全体に不安を浮かべ令裡を早口で説得する。
対照的に令裡はポカンとしている。しばらく経ちリザの思い違いに気付くまでそのままだった。
堪えきれずにクスクス笑った後、リザが一段と愛しい。
「勘違いしないで、ケンカのことよ」
ピタリとリザが止まり、令裡の体をより強く抱きしめる。
それをギュッと抱きかえし、リザの額の髪をかきあげ口付けた。唇を耳元に移して優しく唱える。
「……よ、リザ」
耳を赤くしてひたすらしがみつく。もしかしたら令裡が痛がっているかも知れないがあと少しこうしていたい。

「令裡」
顔を伏せたまま呼ぶ。
「よく聞こえなかった。もう一回……」
(そんなはずは……)
訝しげに下を見るとリザの頭からもう一つの「耳」が出ている。「今か今か」とピコピコ動いている様が令裡の心を捕らえた。
愛らしさに噴出しそうになるがどうにか抑え返事をする。

「はいはい、何回でも言って差し上げますわ。好きよ……リ――キャっ!」
狼の耳を撫でながら囁いていた令裡。名前を呼び終わる前にリザに突き飛ばされた――正確にはリザが勢い良く離れた。
373狼蝙は豹変す:2008/01/06(日) 02:30:25 ID:4m95kCVx
リザは窓の方を向き丸くなっている。
「どうしたの? くすぐったかった?」
細かく震え、令裡の問いに何も言わない。
「黙ってちゃわからないでしょ、気に障ったなら謝るから教えてちょうだい」
「……今はこっち来るな」
令裡は自ら近づき、強引に自分の方を向かせる。
「バ――見るな!」
「ほら、ちゃんとこっち向い――」
実力行使を試みた結果、頑なに拒み続けた理由がわかった。

「……なにも泣く事ないでしょう」
リザの心に染みいる甘い声。月明かりに照らされたリザの顔は目元が輝いていた。

「泣いてない。これは……あくびしたからだ」
「あくびで顔は赤くならないでしょ」
「……泣いてない」
「別に笑ったりしませんわ」
「……泣いてない!」
依然認めないリザ。令裡も無理にでも認めさせる気など毛頭ない。押し問答はそこで終わった。
唇を噛み締めて耐えるリザの頭を胸に抱える。布団をかぶせるとリザの姿が見えなくなった。
「こうしてると、もしもあなたが泣いたとしてもわからないわね」
「……泣かない」
リザの抱擁に幼さが感じられる。まもなく嗚咽が始まった。
子供をあやす要領で背中を軽く叩く令裡。からかいでなく純粋な気持ちが令裡にそうさせる。
初めは全く聞き取れなかった涙声でも慣れてくる。令裡の紅色に染まった頬がそう語っていた。

「…れっ…り……き……好…きっ……令…裡っ…」

(……何も聞こえませんわ)
途切れ途切れでも意味はきちんと通じた。「聞こえない」と自分に言い聞かせても耳を傾けずにはいられなかった。
涙と共に搾り出された本音。どんな音楽よりも令裡の心を揺り動かす。

リザは静かになるとベッドの奥から這い出てきた。令裡に一言「もう平気」と告げてうつ伏せになる。
「これで全部すっきりしたでしょ? じゃあ寝ましょうか」
お休みを言いながら目をつぶる令裡。だがリザに眠りを阻まれた。
呆れ顔になりつつある令裡に申し訳なさそうに耳打ちをする。
「すっきりしたけど……今度はあっちが……」


口を開くまで溜め息一つ分を要した。
「わかりましたわ、口を押さえといてちょうだい」
局部に伸びる手をリザが押さえる。
「……お前とが……良い」
「ヒロが起きちゃうから無理よ。それとも見られたいとか……?」
リザは令裡の挑発には乗らなかった。満月の性欲と和解の恋情が一つになり、ひたすらに令裡を求める。
縦に動かない令裡の首にキスをして説得した。
「大声出そうになったらこうやって口塞ぐ……だから今夜だけ……」

顎に人差し指を付け、しばし考える。令裡はベッドから外に出た。目を見開くリザにいたずらっぽく笑いかける。
「ヒロに少し外してもらうだけよ、『どっかに行ったり』しませんわ」
「終わりって言っただろ……」
口を尖らせる恋人の頭を撫で、邪魔者を廊下に運ぶ。リザが気の毒そうに「風邪ひかないか……?」とこぼした。
「毛布かけてるから大丈夫よ? ねぇ、それより窓閉めてよろしいかしら?」
令裡は帰ってきた。だったらもう閉めよう。もう出て行かないように。もう誰も入らないように。
あの日から開いたままの窓がようやく閉められた。
374狼蝙は豹変す:2008/01/06(日) 02:31:39 ID:4m95kCVx
ベッドに入ろうとする令裡にリザが断りを入れる。
「今夜はいつもと違うかも知れないけど…明日……何も言うなよ……?」
「ふふふ……わかりましたわ」
違うといっても普段より多めにしたがるぐらいだろう。令裡は特に深く考えなかった。それが災いした。

段々とペースアップしていくはずの二人の営み。今日は初めから激しかった。
令裡がベッドに入るやいなや上に乗りキスを繰り返すリザ。
「ちょっ――んっ……落ち着い……」
有無を言わさぬ熱烈な口付け。リザの舌が閉じている口をこじ開けて中へと潜っていく。
逃げ惑う令裡の舌。だがリザは構わずに捕らえて舌同士を絡ませる。令裡を味わうように口腔の全土を侵食していく。
存分に楽しむとようやく令裡を解放した。しかしリザは、まだまだ満足していない。
「リザ! ちょっと待って!」
また唇をふさがれる前にリザを静止する。すでにリザの息が荒い。
「どうした……令裡……」
「私がして差し上げるから……落ち着いて……」
リザの『いつもと違う』が理解できた。令裡に得体の知れない恐怖が走る。完全に気圧された。
身を守るための令裡の申し出。リザは首をぶんぶん振って拒否する。
「一緒に……気持ち良く……」
「わ、わかってますわ。でもほら遠慮しないで」
上下を交換してリザを寝かすとすぐに胸に顔を移動した。すでに大きく膨らむ乳首を舐めるとリザが声をあげる。
口と両手で胸を愛撫しつづけ、絶頂への道を造る。早くもリザが喘ぎだし、身体が痙攣をはじめる。
(リザには悪いけど……私まで一緒だと体が持ちませんわ。今夜は手だけで……)
胸中で謝り、下腹部へと手を沈める。茂みを濡らす水を掬うように指を動かし深みへ向かう。
奥へ奥へ進むとリザに腕を掴まれた。考えが読まれたのかと焦ったが違うようだ。
「ど、どうしたのリザ……」
リザは一言「約束」と呟き令裡の首に激しく吸い付いた。声を抑えるための手段。令裡は安堵の息をついた。
気付かれないうちに終わらせよう。止まっていた指を再度動かす。リザの吸い付きが強くなった。

(ここ……ね。これで簡単になりますわ)
令裡がリザのクリトリスを見つけた。その瞬間、二人同時に快感を感じた。令裡の腕が止まる。
何故自分まで快感が走るのか。答えはリザが教えてくれた。いつの間にか首から胸に口が移っている。
「そこを……吸っちゃ…あんっ!……せめて首に……」
これでは集中できない。何とかやめさせようとするがリザは不思議そうに見るだけだった。
「一緒に……だろ……?」
それを言われては何も言えない。とにかくまずはリザをエクスタシーに到達させよう。
激しさを増す令裡の指先。令裡自身の快感も激しくなっていくが絶頂には程遠い、それが救いだった。

「――んっ!んっ!んっ!!」
三分と待たずに声を押し殺したままリザが達した。令裡への熱いキスを終えて体を投げ出す。
(これで……休めますわ……)
せめて数分は休憩できるはず。いつもの経験からそう判断した。
(凄いわね、手のひらまで濡れて――)
リザの性欲を確かめようと腕を引き抜く。けれどもリザの腕まで付いてきた。令裡は言葉を失った。
「次は……あたしが……」
令裡の頭に例の言葉がリフレインした。

『いつもと違うかも知れないけど』

火照った顔で令裡を見つめるリザ。少しずつ近づき、固まっている令裡に身体をくっつけていく。
抵抗したところで満月の人狼には勝てない。次第に快楽が迫ってきた。それが怖いのは初めてだった。
375狼蝙は豹変す:2008/01/06(日) 02:33:50 ID:4m95kCVx
(えっと……僕は何で廊下に……?)
ヒロが現状を理解するのは困難だった。寝てる間に扉を開けて外に出るなんて夢遊病としか思えない。
「あら、ヒロ。凄い寝相ですわね」
「お早うございま――令裡さん……寝不足ですか?」
令裡の整った顔に疲れが見える。対してリザの顔には満足が伺えるが、頬が赤らんでいる。
「それに……それは虫刺され……ですか?」
首に点々と散りばめられた赤い印。正体を知っているのは令裡とリザだけ。
「……良いこと教えてあげるわ。人狼は満月には吸血鬼のマネを――」
「ヒロ!! お前まだ片付けあるんだろ!? 早く済ませて来い、ほら、ほら!!」
強引に送り出されるヒロ。首を傾げながら去っていく。姿が見えなくなるのを確認してリザが令裡をにらむ。
だが令裡にはそんなことなどどこ吹く風で歌うように口ずさむ。
「昨日の可愛らしさはどこへやら――」
「わー!わー! 黙れ黙れ!! このっ……」
殴りかかるリザをひょいとかわして廊下を歩みだした。
「さあ、行きましょうか。私の部屋の模様替えが途中なの」
リザがくるりと踵を返す。「ふざけんな」と吐き捨て自分の部屋に入ろうとするが嫌な単語が引き止める。
「そうよね……疲れてるわよね……昨晩はあんなに泣い――」
「……少しだけだからな」

「模様替えも何も棺桶ぐらいしかないだろ、この部屋」
「その棺桶をベッドに変えようかと考えてるの。もちろん『ダブル』にね……ふふ」
「ひ、必要ないだろ」
リザが作業を中断し、平然を装い答える。すまし顔を繕うが朱に染まる顔色まではごまかせなかった。
わかり易い反応に令裡は満面の笑みで返した。
「冗談よ」
(……このやろう)
後ろを向いて笑っている令裡に怒りをぶつけようとした。両手を変化させて振り上げる――が振り下ろすことは出来なかった。
また繰り返すのはゴメンだ。両手を元に戻して背を向ける。
(――やっぱり軽く一発だけ)
はたく程度なら差し支えないだろう。再び令裡の方に体をひねる。しかし奇しくも相手も同じ行動をしていた。
目の前にいきなり現れた令裡にリザがのけぞる。咄嗟に令裡の腕を掴むが令裡ごと倒れこんだ。

令裡が冷たい目で見下ろす。口に出さないが「疲れている」と訴えているのがリザに伝わる。
「まだ満足してないのかしら? 本当にもう……」
力なくリザに全てを投げ出したまま動こうとしない。受け止めたリザにはどうするべきなのかさっぱりわからない。
呼びかけにも返事はなかった。

「……寝てんのか?」
規則的な呼吸が肯定する。寝不足がたたって、リザをベッド代わりに睡魔に従った。
拍子抜けしたリザはこのまま令裡を放っておこうかと考えた。しかし原因は昨夜の自分。
責任をとり令裡をゆっくり棺桶へ運ぶ。ふたを開き中に寝かせた。その時にこっそり添い寝を試みたがやはり二人は狭い。
(やっぱり当分はあたしのベッド――)
すっかり令裡に影響されている自分に気付き、恥ずかしくなった。相方を睨んでみるも平和な顔で眠っている。
「まったく……黙ってりゃ何も文句ないのにな……」
いつも憎まれ口を叩く唇を指でつつきながらぼやく。令裡が微妙に反応し、ビクッと指を引っ込めた。
(眠ってるよな……?)
頬をつついて確かめる。ちゃんと眠っていた。

きょろきょろ見渡し周りに誰もいないのを確認する。この部屋には二人だけ。片方は寝ている。チャンスは今この瞬間。

「……ありがとな」
一晩中寄り添ってくれたお礼のおやすみのキス。それはリザだけが知っている秘密。


376名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 02:43:13 ID:4m95kCVx
以上です。GJをくれた方達、ありがとうございました。
「エロくするはずなのにどこで方向を間違った」という感じですが許して頂ければと言う所です。


では失礼しました。今年もよろしくお願いいたします。
377名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 11:50:04 ID:rttlFjb8
GJ!
姫一筋だったけどリザと令裡も好きになったよ
378名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 12:57:18 ID:IBmtUqbN
これは良い百合ですね
描写うまいなぁ
379名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 14:35:05 ID:dgtZB9sI
<令裡>の下りが萌えたGJ!!
380名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 21:51:53 ID:p77pGn6Z
保守
381名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 23:41:38 ID:cj6HyTE1
保守
382名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 19:01:14 ID:CO4vzmyH
人狼化ヒロ×姫
もアリだろうか…?獣姦な気がしないでもない
383名無し:2008/01/10(木) 22:56:54 ID:rAiJtr9Q
ezweb.ne.jp
384名無し:2008/01/10(木) 22:57:53 ID:rAiJtr9Q
姫×ヒロのはなし
385名無し:2008/01/10(木) 23:05:50 ID:rAiJtr9Q
姫、もう、我慢出来ないよ、、、
姫 どうしたのだ、ひろ、おちつけ
386名無し:2008/01/10(木) 23:40:44 ID:rAiJtr9Q
ヒロ、、、ッもっと、激しく突け。
ヒロ、凄く気持ち良いよ、姫のなか
387名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:45:49 ID:vZNe59mO
久しぶりにスレ最初から読み返してみたんだが、
>>112 >>284 >>329の続きはまだだろうか…
もしや打ち切り?…orz
読みたいよぉ(´・ω・)
388名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 23:00:57 ID:aPDcbIp6
ナゼ俺のフランドル×シエルも含まれてるんですかw
だけど俺も>>112>>284の続きが読みたい……
389名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 00:52:37 ID:tK3t1N6B
令裡さまが姫にエッチなことを教えてやろうとして気持ちよくしてあげてたらいつの間にか形勢逆転してて令裡さまが姫にいかされまくる話が見たい(´・ω・`)
390名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 01:19:36 ID:UF5cfQ2g
>>389
ちょうど作成中です(´・ω・`)
391名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 01:48:38 ID:QMHN14+l
>>390
お待ちしてます!
392名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 02:05:21 ID:tK3t1N6B
>>390
うおおおおお!!!
超期待してます!!!
393名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 02:14:32 ID:TP3oJyfJ
わっふるわっふる
394名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 02:47:03 ID:UF5cfQ2g
あの……そう言って下さるのは嬉しいのですが、367と同一人物なので過度な期待はしないほうがよろしいかと(;´―ω―)
395名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 02:48:38 ID:mB1/W4je
その言葉を見てwktkが加速しました
396名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 02:55:54 ID:tK3t1N6B
>>395
オレもオレもw
397名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 03:32:30 ID:QMHN14+l
>>394
貴方は百合の神だと思うよ
398名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 12:06:10 ID:+LVeGne4
とりあえずわっふるわっふる
399名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 12:26:43 ID:/doceUvi
400名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 12:28:15 ID:/doceUvi
>>394になら金払ってもいい
401名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 21:45:22 ID:YyNepzU5
落ちないように 落ちないように
落ちませんように
【保守 & wktk】
402名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 22:39:08 ID:fQ2AI7Rv
令裡さまにおちんちんいじめてほしいです><
403名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 23:45:12 ID:GUSEy3YG
シルヴィア様に調教…ウソ
404名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 23:52:11 ID:kK3IrZVw
ふふんあげ
405名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 01:45:19 ID:ghS0rv3F
>>113
気の緩みか。それとも余韻に浸り過ぎていたのか。ベッドの上で、いつの間にか時間は過ぎていた。
もっとも、ヒロの帰宅時間くらいは把握していた。だから油断したのだろう。
体が切なくなる寝床の上で、私は仮眠を取ってしまっていた。

夢から覚めた時だった。いや、正確に言えば何らかのはずみで起こされてしまったのだろう。
私の眠気は、一瞬にして吹き飛んだ。

両手の自由が奪われていた。手首を両手で押さえつけられていた。私は、私の自由を奪った相手を見た。
眼前にその顔は、あった。
ここに在って当然の顔。なにしろ、この部屋の主なのだから。
ただ、いつもと違ったのは、その者の穏やかな表情が、思い詰めた様に私を捉えていた事。

ヒロには、私が何をしていたのか、解ってしまっていた。

「ヒ…ロ…」
私自身が、動揺していない訳が無かった。私の行いが悟られた事。そしてヒロの表情、その両方が私に緊張を与えていた。

「姫…」
「私…は…」
「…何も言わないで下さい」
優しさとも取れる言葉。だが、この体勢はヒロの心に何らかの動きがあった事を示している。
「…許して下さい」
何がいつものヒロを変えたのか。
そんな事を考えるも無く私は、唇を奪われ
406名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 01:47:30 ID:ghS0rv3F
れていた。
ファーストにしては、少々惜しい程荒々しい口付け。
幾ら私が過ちを犯したからとは言え、下僕が主人を侵そうとするなど、越えてはならない領域の筈だった。

しかし、私はヒロ相手に何もかも許す気でいた。ヒロの願いは偶然、私が心のどこかで持っていた望みと一致していた。
舌が触れあう度に、私の力が抜けた。なされるがままにされて、満足してしまっていた。
ヒロから伝わった液体を何度も飲み込み、見つめ返した。お互いに、相手の病に罹っているかのようだった。
「姫…」
「…ずっと望んでいた事だった」
「え…?」
今度はこちらから首に手を回し、引き込んで行為を続けた。
それこそ雛鳥が親鳥からもらう様な嚥下を繰り返した。それで、満足だった。

長い口づけの後、夢見心地になりながら、私は思いを告げた。

「…もう、止めたくなくてな…最後まで…してくれないか?」


本当にMの姫ですorz
407名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 03:16:43 ID:MAbiq0ma
GJ!!
Mの姫 全然イイ!(・∀・*)
ぜひ続きもお願いします
408名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 11:19:32 ID:PORJofUs
待っていた!
続きをお願いします!
409名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 23:35:06 ID:as5uOQAQ
>>406
待ってました!!
410名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 02:18:17 ID:0hZozSss
あげておこう
411名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 13:51:35 ID:hmH9hIbs
>>406
gj
412名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 23:13:16 ID:611bjHON
危ない危ない
保守。
413名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 20:52:13 ID:IxMj8gjv
保守っと
414名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 02:31:16 ID:dyBRmJiB
ふが
415名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 08:37:13 ID:mz7Dko3R
ふふん
416名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 00:44:28 ID:MfHEgnzy
ふがふが
417名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 20:06:01 ID:53jNPycj
huhunn
418名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:09:32 ID:cP/qHhhz
huga
419名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:35:21 ID:xGN3vv8v
フガ
420名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:39:22 ID:cP/qHhhz
チッ!
421名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 02:30:00 ID:UztQayGJ
ふがっくしゅ…!
422Serenata di un giglio:2008/01/28(月) 02:54:13 ID:oWHXWdUi
お久しぶりです。 >>305かなりお待たせしました >>389要望と違っていたらごめんね
姫×令ですが、今回のは非常に読みにくいと思います。


「お招きに預かり光栄ですわ、姫さま……」
招かざれる館に吸血鬼は入れない。しかし令裡がいるのは館どころか姫の部屋。夜の相手に選ばれた者の特権だった。
「これが初めてでもあるまい。さっさと支度をしろ」
極めて冷静な言葉。姫にとってはただの戯れに過ぎない。長い夜に読む物語のようなものだ。

わざと姫に見せ付けようと少しずつ服をはだける令裡。ちらりと目をやるとすでに脱ぎ終えていた姫の裸体が視界に入った。
(あぁ……相変わらずお美しい……)
細く長い脚、粛々と潜む恥毛、上品かつ高貴な金髪、形良く張りのある乳房。全てが美を司る。
だが一つだけ令裡に残念な箇所があった。昼間と変わらない涼しい目。それがいまいち物足りない。
(この目に艶かしさが宿れば言う事なしですのに、惜しいですわ)
でも別に構わない。誇り高き姫君を堕とすのも愉しいに違いない。とろかして差し上げますわ。

ヘッドボードに もたれかかり令裡を呼び寄せる姫。令裡は厳かに近づき、姫に寄り添った。
「ねぇ……せっかくなんですからもっと雰囲気出しません……?」
「ふふん。勘違いするな、お前は私の伴侶でも恋人でもない。私を楽しませればそれで良い」
「そう言わずに、こんなことなんていかがです?」
横にあった自分の身体をずらし姫と向き合う。そのまま首に手を回して顔を近づける。
二つの唇が合わさる寸前――姫は令裡の額を押さえた。
「こんなもの必要ないだろう。さっさと始めるがよい」
「連れないですわね。もしかしてヒロの為ですの? ふふふ……」
姫の表情は変わらなかったが瞳に微妙な変化が伺えた。
気丈に見えてもやはり乙女なのだろうか。令裡の胸に心地よいむず痒さが広がる。
「……戯言をきくために呼んだわけではないぞ」
半呼吸ほどの間もあけず淡々と諌める。
「冗談ですわ、では失礼いたします……」
まだまだ姫の誇りは揺るがない。汚したい。汚したい……

「姫さまはどこがお好きなのかしら……?」
令裡の目の前に広がる肌。絹のようにきめ細やかな肌。触れるだけで官能を刺激する肌。温もりを持った淡雪。
卑しい獣だったら間違いなく襲い掛かっているだろう。でも私は違う。優れた楽器は優れた技術で芸術へと生まれ変わる。
横たわる姫の喉から下腹部まで、湿らせた唇を一気に走らせる。実は最初から狙いは決まっていた。

敢えて胸は放置するの。最初から最後まで秘所だけで奏でましょう。舐めて噛んで擦って撫でて……
何回くらいアンコールを繰り返したら姫さまは演奏を拒むかしら? いえ、もしかしたら場所を変えてと懇願するかも。
ふふふ、焦らした後の胸はどんな音色かしらね…… さぁ楽しみましょう!
423Serenata di un giglio:2008/01/28(月) 02:55:00 ID:oWHXWdUi
「素敵……この御御足……いつ見ても見とれるほどの輝きですわね……」
投げ出された片脚をバイオリンのように首にあて、頬ずりをする。腿から付け根までゆっくりと挨拶をした。
付け根から下腹部へ少し上がり、キスマークをつける。仔牛への焼印のように熱く激しく。所有者の証として舌でなぞる。

下半身に擦り寄る令裡。柔らかな陰毛を撫でる姿は言わばペットを慈しむ飼い主。コンサート前の楽器の手入れが始まる。

姫の入り口は一本のままだ。残念ながら準備は出来ていない。まずはここから。
絃の張り具合を確かめるように指で押さえる。端から端まで行ったり来たり行ったり来たり……
「……ぅ……っ…」
ちょうど滑りがよくなってきた頃、声とも息ともつかぬ音がした。口元に笑みを浮かべて令裡が顔をあげる。
しかし姫の顔は見れなかった。今の『お姉様』はどんな顔? 無垢な幼子? 淫猥な売女?

線だった割れ目が少しずつ花開き、変化していく。令裡が口を近づけていった。絃楽器の次は管楽器の番だ。
マウスピースでの練習を彷彿とさせる行為。タンギングのように細かく息を吹き込む。一息ごとに少しずつ下の口が開かれていく。
「ねぇ姫さ――今は『お姉様』とお呼びしたほうがよろしいかしら? うふふ……」
何気ない一言に「女同士のデュオ」という意味合いが込められている。
「下らぬことは……それより……何を言いかけ…た……?」
極力、喘ぎ声を押し殺して奏者に問う。令裡はわざと間を空けながら答えた。

「もう ヒロとは こういうこと なさって?」
舌を差し込み、体温を測るようにじっと待つ。開演を待ちきれぬ姫の中が騒ぎ出すとそれがチューニング終了の合図。
膣壁をぐるりと舐め回すと段々と熱が伝わってきた。姫の息も断続的になっている。

「こういう やらしい行いを  ヒロが見たら 真っ赤になりそうな 大人の世界を ヒロはご存知?」
抜いて挿して抜いて挿して…… 再び弦楽器へ戻る。今度はコントラバスよろしくゆったりと舌を出し入れしてみる。
姫の音色はまだピアニッシモ。その分を令裡の挑発的な言葉で補う。
「…ふっ……自分で…んっ!…調べて……みろ」
そろそろクレッシェンドですわよ? もっと歌って! フォルテ!フォルテ!!
「姫さまをですの? それともヒロを……?」
しきりに出される少年の名。きっと『ヒロ』を出せば姫は動揺するはず。
恋する少女のような姫の顔、それが恥辱に満ちたら――考えるだけで令裡を湧き上がらせる。
姫さまにこの音楽を教えたのは私。今夜こそ完璧な楽器にしてみせますわ……

「……好きにすれば良――くっ!! なっ……」
「では、お言葉に甘えて」
了承を得るやいなや姫の内部を覗きこむ。白色の肌とは違い美しく色づいている。
奥に座する真珠に舌先をぶつけただけでビブラートがかかるのは令裡の教えか。それとも姫の本能か。
424Serenata di un giglio:2008/01/28(月) 02:55:41 ID:oWHXWdUi
「――んっっ! ……ぅ……ふぅん……」
(なかなか響かせてくれませんわね、そろそろ我慢も限界でしょうに……?)
クリトリスが膨らむ前は激しく吸い続けて無理やり引き出し、充血して大きくなってからは逆に舌を当てて押し込もうとする。
ひたすら一点集中するうちに姫は何度かフィーネを迎えた。だが音符の一つも口から発しなかった。
初心者のトランペット並の微かな音さえ許さぬプライド。壊れたクラリネットのようにただ息を漏らすだけの挑発。
音の出ない楽器は楽器と呼べるのか。

「ねぇ姫さま、声を出しても構いませんわよ?」
「ふふ…ん……この程度…あっ…くっ!……私…悦んで…っ!…いる…言うのか……?」
「あら、音程がずれてません? ヒロでも呼びましょうか?」
どんなに弄ばれようが屈しはしない姫のプライド。女の喜びを心底植えつけてやりたい令裡のプライド。
互いの矜持はシンバル。ぶつかって強烈な音を轟かせる。
(鳴かぬならなんとやらですわ……)

「どう……した? そんな…うっ……ものか……」
「あら、楽譜通りに奏して頂かなきゃ困りますわ。そこは『快楽を存分に表現』のはずでは?」
姫を覗き込み顔の紅潮具合を確かめる。令裡から顔を背けたが頬の色は隠せなかった。
血の赤。恋する少女の顔であり乱れる娼婦の口紅。ヒロへの一滴の色?陰核に注いでいる色? ねぇ姫さま、どちらかしら。
「……私を…楽器と……扱うか……ぁっ…」
「それも極上のですわ――そうそう、もうミュートは結構、派手に掻き鳴らして下さいな」
「……どんな…名器でも……奏者が…これでは……な…」
「まぁ『名器』だなんて……ヒロでお試しになられたのかしら?」
姫はもう何も答えなかった。言葉とは別のものが外に出ようとするのを感じたから。

(吐息すら消えるなんて変ね……?)
蜜を吸う令裡の耳に音が途絶えた。奏法を口から指に変化させ視線を姫の口元へ――そういうことですの。
右手が口を押さえている。初めに抱いた印象は「あくびを我慢している」だった。ただあくびにしては長すぎる。
想像できないぐらいに切なそうな表情を浮かべている姫。目を閉じているせいか令裡が近づいても気付かない。
「………っ……っ……」
単純な防音壁だが意外に音を吸収している。しかし逆に言ってこの砦が崩壊したらどうなる? 答えは簡単。そして令裡は微笑む。
(クライマックスが見えてきましたわ!)

令裡の指がテンポを上げ、姫を崩しにかかる。ラルゴ、アダージョ、アンダンテ……アッチェレランドに従って。
肉芽を撫で上げると姫も腰を上げる。スタッカートをきかせると姫も細かく動く。つまむと脚を閉じ、押すと腰を引く。
思い通りに動くオモチャになった。惜しむらくは音が出ないこと。でもきっと素敵な音色を響かせてくれる。それももうすぐに。

「姫さま、これでダメなら私はもう降参。これだけやって声一つ出さないなんてさすがですわね」
諦めに聞こえるセリフ。本当は確信した勝利の表れ。はやる気持ちが指先を操る。
きっと姫さまも「勝った」と思っているはず。それが壊れた時、いったいどんな顔をして下さるかしら……恥辱? 絶望? それとも恍惚?

姫が悶えだす。絶頂に近づいているサイン。今まではリピートしていたがコーダに飛ぶ時がきた。
令裡が腕をふるい、姫を快楽へと押し上げる。撫でられるクリトリスの痛みが快感としか思えなくなっている。
身を仰け反らそうとする姫。そこを見計らって令裡が防音壁を取り外した。空いている片手で姫の右手をベッドに押しつける。
姫が左手を口にあてるよりも悦楽が喉を飛び出す方が早かった。

「なっ!? くっ――ああああああぁぁぁぁっっっ!!」

フォルティッシモで締めくくられた令裡による『姫の演奏』。ほんの一小節ほどだったが、この為の楽曲だったと言っても過言ではない。
会場に響き渡った姫の美声。その音色に含まれた甘さと涼しさは果汁、愛しさと生々しさは断末魔。万人を魅了する禁断の果実。
425Serenata di un giglio:2008/01/28(月) 02:56:20 ID:oWHXWdUi
「やはり処女ですわね。ヒロを呼ばない辺り予想はつきましたけど」
姫はベッドのシーツを固く掴んでいる。屈辱か羞恥か。どちらにしろ令裡には勝者の報酬。
「もっとお顔を見せて下さらない? あんなに可愛い声を出したお顔を、きゃぁきゃぁ叫んだお顔を」
とことんまで姫を辱める令裡。もしかしたら姫さまの「もうやめて」がきけるかも……いえ、大粒の涙でも別に――
だが姫は令裡から目をそらさなかった。さすがに息は荒く顔は赤い。しかし目だけは強かった。
「……そこに寝ろ」
「あら、お仕置きですの? 『あぁ……お姉様、お許しを……』なんてね、ふふふ……」
あくまで余裕を見せ付ける。勝ったのは誰か、負けたのは誰か。お分かりよね?
鼻歌まじりにベッドにうつ伏せる令裡。姫が起き上がり令裡の方へ近寄る。
「さて姫さま、いったい何をなさるおつもりで?」
「なに、怖れずとも良い。お前の技量を認め、今度は私がお前を楽しませてやろうと思ってな」

報復と言ったところかしら。 もしこれで私が退屈そうにしていたら姫さまはどんな反応するかしらねぇ……
小さな子供みたいにむきになる?大人しく負けを認める?……どっちも面白いわね。
姫さまに女の悦び を教えたのは私。だったら女の絶望を教えるのも私なのが道理よね。
「ではお言葉に甘えて……光栄ですわ、ふふふ……」

今の令裡はソロを奏じる楽器。白いボディは前曲の楽器と同じだがストリングが大きく異なる。
輝く金髪の姫に対して静寂を湛えた黒髪の令裡。白に黒――乱らな鍵盤はどんな音色を届けるか。
「きっと姫さまはお上手でしょうね」
「ふふん。その余裕が続けば良いがな」
耳元に話しかけながら演奏準備をする。令裡の秘部に手を差し入れ、自らの身体を令裡に重ねた。
姫の胸が令裡の背にあたる。柔らかさの中に二つの硬さが感じられた。まぁ姫さまったら……
「まだ興奮してらっしゃるの? 見かけによらず『お好き』なのね」
「さあどうだかな。始めるぞ」
奏者が交代し第二楽章が流れ出す。

(……やはりこんなものですのね)
正直期待はずれですわ。さっきから同じとこばかり。それも触れているのかわからない程度。
そもそも、いきなりココを責めるなんて……私の真似をしたって私のようには行きませんわ。
単調なメロディなんて……ご存じないのかしら? 違う楽器に交代するだけで意外と違うものですのよ?
「どうした、令裡? 何か言いたいのか?」
「……いいえ、どうぞお好きに」
「そうか、まぁ慌てる事はない。『ゆっくりと』愉しめ」


(いつまで……繰り返す…つもり?)
同じ強さ、同じリズム、同じ場所……機械的に精密な姫の演奏。まったく変化が見られない。
しかし楽器の方はそうでもない。ちょっとずつちょっとずつ忍び寄る快楽。蓄積されるにつれて液体が零れ落ちる。
「もっと……強くなきゃ…全然…気持ちよく……なりま…せん…わ」
素直に「もっとして欲しい」などは口が裂けても言えない。姫を挑発すれば乗るはず――だが姫はそ知らぬ顔で語った。
「そういえば、さっき私を楽器に見立てたな? 楽器と言えば私はピアノが得意でな。指には自信があるのだ」
(まさか……わざと弱く……!?)
「『ゆっくりと』愉しめ」

音に音を積み重ねて生まれるのが音楽。では快楽に快楽を積み重ねて生まれるのは……?
426Serenata di un giglio:2008/01/28(月) 03:02:00 ID:oWHXWdUi
「だいぶ潤っているな……」
姫の手を伝うほどに溢れる愛液。令裡からくすぶりを思わせる音色が聞こえてくる。
指先どころか爪先が辛うじて触る程度の愛撫。クリトリスが膨らんでも距離は一定に保つ。
(触るかやめるかどちらかに――)
出しかけた弱音。エチュードのはずがどうしてこんなに……
「何か頼みごとはないか? 態度によってはきいてやるぞ」
「……なにも……ありませ…んぅ……わ…」
「ふふん。後悔するなよ」
「!?――で、でも……そこ…ばかり……では……ダメ…で…ぁん…す…わ…」
絶対に負けは認められない。これは『アドバイス』、そうただの『アドバイス』。
「…他の…とこ!っ……も」
けれども姫が人の『アドバイス』を素直に聞き入れるか。そこを令裡は忘れていた。
「遠慮しなくて良い。始まったばかりではないか?」

ぷっくりと自己主張をしている陰核。もう簡単に絶頂に達せる大きさだ。しかし姫の調べはサディスティックに五線譜を走る。
いっそのこと自分で――でもそんなことを姫さまに見つかったら……んっ!……段々……頭が…
令裡の迷いを主旋律に作られるエレジーが感覚を狂わせる。恍惚のマーチはあせらずに且つ確実に歩んでいく。

「何をしている。私がしてやると言っただろう」
ばれないよう胸に手を伸ばしたがすぐに姫に捕まった。顔は見えないが含み笑いが聞こえる。
間違いない。姫さまは全部わかってる。だったら意地を張っても――
「あの…姫さま……少しご相談が……」
苦渋の選択。悲愴な声は屈辱のマイナーコードを響かせる。

「ふふん。言わずとも分かっている」
姫が令裡の背中から退く。相変わらず股間は姫の指に支配されているが、令裡は何も言わずに起き上がる。
しかし完全に上体を起こそうとしたところを姫に制された。四つんばいのままなんて……何を?
「尻を出せ」


呼吸を整えて令裡が一言尋ねた。
「…姫さまはそういうご趣味ですか……」
「ふふん。馬鹿を言え。お前に真の恥辱を教えてやるだけだ」
「そんなこと言って『ヒロ』との予行練習では?」
ブレス一回でもだいぶ脳は働く。令裡の口が回り、姫を怒らせようと試みる。
(誘いに乗れば躍起になって私をイかせようとするはず。『ヒロ』の名前ならできるはず――)
だがそんな一縷の願いも適わない。先ほどの令裡を見た姫は自分の勝ちを確信した。そんな状況であの姫が動揺するわけが無い。

「令裡――呼吸は落ち着いているようだが……」
微笑みを崩さぬまま右手指の爪をほんの少し立てる。それだけで令裡は口をつぐみ、腰を突き出した。
「そうだ、楽器は私の思う音を出せば良い」
427Serenata di un giglio:2008/01/28(月) 03:02:58 ID:oWHXWdUi
「……これは……奇妙だな…」
左手のみで器用に尻を開き、隠れていた場所をじっと見つめる。触れもせずにじっと見つめる。
「あの……なさるのでしたら早いところお済ませに……」
こんな所を焦らされるなどまっぴら御免だ。一刻も早く本番に入ってもらいたい。
「片手が使えぬのはなかなか不便でな……そんなにここが待ち遠しいのか?」
「な――っ!? 」
とんでもない侮辱。誇りに突き刺さる下劣な言の葉。だが姫の機嫌を損ねることは出来ない。
この演奏が終わるまでの辛抱。その後のアンコールでは必ず姫をひれ伏せさせてみせる。

姫さまのプライドを粉々に散らしてみせますわ……絶対に! まずは私になさったことをその小さなお口で謝罪して頂かなきゃね。
そうしたら次はヒロの目の前でソロでもしてもらいましょうかしら? いえ、発情した獣のように「犯して」と乞わせるのも良いかもね。
ふふふ、そうよ。そのためならこんなことぐらい恥ずかしくも何ともありませんわ……今だけ……今だけ……

「…………はい……待ちきれ……ません…わ」
「ふふん。素直になったな。では褒美をとらせよう」
いったん尻から手を離し、令裡の秘部に湧く欲望の水を絡める。満遍なく指を濡らすと再び上の方へ戻す。
鼻歌が聞こえそうにご機嫌な姫.。令裡は必死に自分を保とうとする。姫が令裡の肥門に標的を定めた。
ぬるりとする淫靡な感触。普段なら拒絶するであろう感覚だが今は何かを期待させ――私……何を考えて?
違う、これはきっと防衛本能。今を凌ぐためのもの。今だけ……今だ――
「あっ!…姫さ…ま………痛っ……」
唐突に加わる新たな音色。しかし慣れない演奏は悲鳴しか奏でない。
「左右のテンポが同じとは限らぬ。なに、壊れる前に慣れればよいことだ」
「そんな……こと…言いまして…っ!…も……」
潤滑油があるといえども姫は容赦なく暴れまわる。抜いたと思うとより深くまで差し込んでくる。これではまるで――
「これでは まるで 『処女』 を 奪っているみたいだな 令裡」
かつての自分を彷彿とさせるリズム。もはや姫は完全に指揮者と化した。

「……ぅぅん…はぁ……」
「まるで獣だな。普段馬鹿にしているリザが見たらなんと言うか……」
天敵の名に少しだけ怯える。こんな姿をリザにからかわれるなんて――

令裡の体内で上下左右、自由に振り回されるタクト。指示するは形式にこだわらないカプリッチオ。駆け出すギャロップ。
その指揮にあわせるように歌声が流れる。聴く者を引きずり込む甘い嘆息は令裡自身の四肢を震わせる。。
「良い音色ではないか。こちらが好みなのはお前ではないのか?」
「これは…姫さまのため……ご冗談っ……を…」
「まあよい。では譜面をめくるとするか」
もったいぶりながら指揮棒を引き抜く姫。排出される指は令裡に複雑な快楽を教えていく。
クリトリスの微弱な刺激がそうさせるのか。あるいは令裡自身の秘められし――か。
(たかが……指だけ……私は負けてません……まだ認めませんわ…)
リフレインし続ける自己暗示。自分の快感は責めること。逆ではない。断じて逆ではない。本当の奏者は私、楽器は姫さま。


例えるなら木琴の上での追いかけっこ。令裡は進む、一歩ずつ。鳴らした音は階段に。姫も追います、一歩ずつ。
ド・レ・ミ……ほら気をつけて、追いつかれちゃう。止まっちゃだ〜め、休符があるのはもっと先。ブレスはOK? さぁ行進!
行くは苦痛、止まるは恐怖、じゃあ戻るのは? それはなし! だって後ろは無いんだもん。あるのは暗〜い闇の穴。
堕ちることしか出来ないよ? でも平気! 底にあるのは悦楽だけさ。理性を食べちゃうとびきりの、誰もが飼ってる怪物さ。
428Serenata di un giglio:2008/01/28(月) 03:04:17 ID:oWHXWdUi
「無様に尻を弄ばれた感想はどうだ? なんならオルガスムスまで届けてやってもよいが」
「間に合って…ます…わ……」
「先刻から一度も達していないのにか?」
「…んふっ……感じてすら……いません…から」
「ではこの泉は汗か?」
シーツにできた大きな染み。令裡から溢れたスライドオイルで作られた水溜り。ほとばしる気持ちの証拠。
しかし令裡は屈しない。嘲りの歌詞を諳んじることで息を繋ぐ。奏者の息切れをひたすら待つ。
「この格好じゃ……見えませんわ。姫さまのではなくて?」

「ふふん。まだ軽口を叩けるか。ならば私も次で終わらせるとしよう。今夜で決着がつくぞ」
一拍おいて最終楽章の始まりが宣告された。

「フランドル!!」
「ふが?」
二人きりと思っていた会場に突如現れた存在。言葉を失う令裡、姫はフラットに伝える。
「案ずるな、トリオをするわけではない。 フランドル、あらかじめ言っておいたな?」
コクンと頷きどこかへ走り去るメイド。ドアが開く音がした。
「さて、最後はチェロ独奏にするか。位置を変えるぞ」
扇情的なポーズの令裡を起こし、扉へ向けて座らせる。その令裡の後ろに姫が座った光景は、さながら二人羽織。
そっと抱きしめるように背中から令裡の方へ腕を回す。腹を撫でて乳房を掴む。無論右手は動かず定位置。
「……随分まともですわね?」
「では戻すか?」
「いえ、このままで楽しませて下さ――」
再びドアの開く音がした。フランドルが帰ってきた、ゲストを連れて。
「姫さ……なぜ……!?」
「お前が何度も名を出すから会いたいのかと思ってな」
姫がさらっと言う。やがて飛び入り参加の観客は眠たげに口を開いた。
「どうしたの、姫……こんな夜中に…」
紛れもないヒロ。目隠しをされているが意識は起き始めているようだ。
「ヒロ、お前の戦士としての力量を試す。聞こえてきた音を事細かに説明してみろ」
「まさか……姫さま……?」
令裡の胸を嫌な予感がテンペストーソに騒ぎ立てる。それをベースに姫の落ち着いた口調が際立つ。
「これは『絶対音感』と言うべきか、お前はどう思う?」

すぐさま逃げようとする令裡。姫は初めて右手に力を入れた。歌いかけた口を慌てて押さえる令裡に耳打ちする。
「(リザを呼んでカルテット、いやフランドルを入れてクインテットにしても構わぬぞ?)」
「(でも姫さまも現状を見られると困るのでは?)」
「(ふふん。私の体はお前が隠してくれているではないか)」
姫の言うとおりヒロから裸体は見えない。だが引き換えに令裡は全てをさらけ出している。
「フランドル、ヒロをもう少し近づけろ。よく聞き取れるようにな」
音を禁じられた奇妙な音楽会。タクトは振り上げられた。
429Serenata di un giglio:2008/01/28(月) 03:04:52 ID:oWHXWdUi
「えっと……なんだろう。 水……音?」
「もっと細かくだ。どんな水だ、流水か? 水滴か? 音を良く聞け」
「ピチャピチャ……いや、ネチャネチャ? 何これ…液体石鹸?」
「はずれだ(では令裡、もう一回だな)」
「(ひ、姫さま……お待ち――)」
両手で音楽を封じこめる令裡。これで何回目だろうか――ヒロが間違うたびにもたらされる強制的な絶頂。
今まで蓄えてきた快楽がこんな形で解き放たれるとは想像だにしなかった。

「(ぜひ皆にみせてやりたい姿だな)」
少年の前にさらされる裸。閉じる事すら許されぬ脚。ご丁寧にヒロの目線と局部の高さがぴったりあわせてある。
もしも目隠しが解けていたら……だがそんな羞恥心も忘れるほどに姫は激しく令裡を奏でた。
「(ここも待っていたかいがあるのではないか?)」
姫に負けず劣らずの美しい胸。先端の小ぶりな乳首をはじく姫の指運び。嫌でも固くなってしまう。
二本の指で摘ままれると興奮が全身を包む。令裡の高ぶりが触らずともわかる大きさになってきた。
「……ぅん……ぁぁ…」
胸で生まれた心地よさはある一箇所を目指して走る。ヒロが当てられなかった音の場所へ。かきだしても涸れることのない泉。
メトロノームのように規則的な刺激しかなかったのに急に令裡の膣内を蹂躙しだした姫の嗜虐。生かすも殺すも指一本。

「ねぇ姫、音だけじゃ難しいよ……せめてちょっと触ってみるとか……」
音楽会の実態を知らないヒロの一言。姫の期待に応えたいがための言葉なのに姫は別の目的に利用する。
見えないからこそヒロは申し出た。見えていたらとても言えないだろう、第一見えていたら――
「さてどうするか……」
令裡は小さく震えながら首を横に振る。おびえた目で姫を見つめ無言で訴えた。しかし姫の返事は残酷だった。
「(きちんと音に出せ。それとも私が奏でなければ無理か?)」
痛々しいまでに愉楽を蓄えた令裡の宝玉。愛らしい球体が姫の指で押しつぶされた。一瞬息を飲んだが音楽はすぐ喉を目指した。
苦痛すらアクセントにして快楽は流れる。叫びたい、叫べば楽になれる。しかし令裡は堪えた。呼吸音すらきこえないほど耐えた。

やがて指にかかる圧力は小さくなってきた。股間の痛みは次第に薄れ、甘美な痒さへと変身していく。
令裡も少しずつ口から手をどける――がそれこそ姫の狙いだった。胸をまさぐっていた腕を即座に動かして令裡の腕を束縛する。
「(最後の一音まで搾り出してやろう)」
左手は令裡を両腕ごと抱きすくめ、右手はクリトリスを捕獲している。姫の全身が令裡を襲う。振りほどこうとする令裡。
右手の指を上下に動かして阻止する姫。男根をこするように令裡の陰核をしごく。悦がすさまじく駆け上がった。

「……ぃやっ!!……」
我慢できず取りこぼした声。それはヒロの耳にしっかり届いてしまった。忠実に姫の言いつけを守るヒロ。
「え!? 今のは……姫の声……? でも少し違うような……」
「はずれだ。もっとハッキリときかせてやろう」
より強く首を振って拒む令裡。悲しくも楽器は奏者に逆らえない。鳴り出したオルゴールは止まらない。
「……あ……ぅん……」
「どこかできいたような……」
無理に声を抑え続けているため、達しても達しきれない。中途半端な快楽は渦となり深みへと引き寄せる。
「はぁ……ぅぅん……ぃやぁ…」

「もしかして……令裡さん…?」
ついに正解にたどり着いたヒロ。ファンファーレは令裡の喘ぎ声。
屈辱は大きかったがこれで終われるはず。しかしまだ大切な事が残っている。
「ふふん。ではそろそろ解答を発表するかな」
430Serenata di un giglio:2008/01/28(月) 03:05:36 ID:oWHXWdUi
「(姫……さま…それ…は……お止め……)」
「ヒロ、私が良いと言ったら目隠しをとれ」
限りなく追い詰められていく令裡。本人にも自覚はある。だが不思議と、恐怖が麻痺してきている。
待っているのは羞恥の極みなのに―― 抵抗が弱いのは本当に押さえられているから?
「(明日から楽しみだな。ヒロが誰かに話したらどうなるか……)」

ヒロが話したら――
【令裡さんってこんな人だったんだ……】 ヒロは口に出さないでしょうけどきっと心の中で……
【吸血鬼ってのはどいつも変態なんだな】 あの天敵にこんなこと言われたら私は……
【令裡さま、こうされたかったのですか?】 もしも可愛い子羊たちが私のことを――違う! 私はこんなことに喜んだりなんて……

嗜虐心と被虐心が不協和音を響かせる。このままだと自分は壊れてしまう、令裡は重い口を開いた。
「(姫さ…ま……数々…ぃゃっ…非礼…お詫び……いたし…ます…)」
「(ふふん)ヒロ、とくと見ろ」
「(ですから…どうか………お許し……を…)」
長かった宴を締めくくる悲痛な願い。令裡が姫に屈した証言。涙が流れないのがおかしいほど消え入りそうな声。
姫は満足そうに頷いてヒロに告げる。
「ヒロ、やはり今夜は遅いから私は眠る。また後日教えることにする」
令裡から恐怖は去った。しかしまだ令裡は震えている。

さっぱり事情が飲み込めないまま、ヒロはフランドルに引きずられていった。部屋は二人きりに戻る。
姫が体を離すと令裡は力なくベッドに倒れた。潤んだ瞳で姫を見上げる。
「気分はどうだ、『奏者』どの? 『楽器』に敗北した感想は?」
令裡は答えない。心臓はエイトビートを刻み続ける。だがこの早鐘が嫌ではない。どうして?
許しを懇願したあの瞬間、令裡の不協和音は綺麗に重なった。胸の中が非常に心地よい。
「皮肉すら吐かないときたか。すると転調は済んだようだな」
奏者は楽器から音楽を創る。だがその創られた音楽に操られるのも奏者。表裏一体。
もちろん音楽だけでない。嗜虐を返せば被虐が顔を覗かせる。攻めの裏には受けがいる。

「さて……お前が望むなら続けてやっても良いぞ? ただし、それなりの頼み方でな……」
何やらぼそぼそと令裡に吹き込む。聞き終えた令裡が姫の方を陶酔した面持ちで見る。姫は微笑んでいる。
「無理にとは言わんがな。お前の本音と相談しろ」
責めていた時と違い驚くほど優しい語り口。催眠術のように令裡が行動にかかった。
膝を曲げて脚をそろそろと左右に開く。両手で陰唇を広げ、自分から姫に全て見せ付ける。躊躇は無かった。
「お願い……いたします……」
動物が降伏するように腹を――それ以上のものも――さらけ出す。羞恥心はあった。だが興奮はもっとあった。
姫の手が再演の指揮をとりアンコールへと導く。辛抱してきた声が後から後から流れる。
従いの悦楽に堕ちていくことは止められない。令裡によるアリアは一晩中行われた。全ては姫の戯れのため。

「はぁぁぁぁん!! 姫さまぁっ……もっと…もっとぉ……」
令裡を壊すつもりはない。だが関係が反転しないように徹底的に教え込もう。指揮者はいつも私だと。
「あっ…あっ!私を…もっと……いぃっ…姫さまの手で…あっ!…またイっ――!……」
それとだ、私の嬌声を聴かせたのは歓迎の笛代わりだ。良くぞ来た、我が足元へ。


「なんだよ令裡、夜中に呼び出したりして」
「姫さまが『リザに聴かせたい曲があるからつれて来い』ですって」
「姫が? でもあたしは別に音楽に興味ないぞ?」
「あなたならきっと気に入るはずですわ。私もお気に入りですもの」
「ふーん で、曲名は?」
「二重そ……いえ、今夜は三重奏の【百合の小夜曲】ですわ」



431名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 03:16:05 ID:oWHXWdUi
以上です。本当に百合百合に書こうとした結果がこのザマです。
こだわりすぎて横文字ばっかりになってしまい申し訳ないです。


読んでいただいた方、ありがとうございます。
では失礼しました。
432名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 05:26:14 ID:z0AjlcWH
乙であります・・・眠い・・・
433名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 05:45:01 ID:7I8RGjK6
GJです!!
令裡さま信者の俺としては令裡さま勝利バージョンもみたい!!
434名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 10:46:25 ID:xSEnsYyT
う〜ん。ちょっと令裡さまがただのおもちゃ扱いなのがちょっとね・・・
正直な意見いわせてもらうと今回は令裡さま一番好きだからちょっと気分わるくなった。

たしかに姫は女王様キャラかもしれないけど、令裡さまも一応そういうキャラだから、プライド壊されるような攻め受けていじめられるにしてもただの戯れでやられるのはね・・・

姫がもう少し令裡さまのこと好きな感じで、好きな故にいじめるとゾクゾクするって感じだったらよかったのに・・・
ただいじめられるだけじゃ令裡さまがかわいそう。

まあ、話書けもしないただの一名無しの意見です。
435名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 14:21:57 ID:IRFK4emU
>>431GJでした!
>>305でリクエストしたの自分だったんで書いてくれて嬉しかった(*・ω・)
ありがとう
436名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 22:17:34 ID:Cr3CCcxh
遅れ馳せながら、グッジョブです!
437名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 00:49:42 ID:MjMc1gU+
ふがーふがー
438名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 03:06:44 ID:N6ke7rWs
ごきげんよ…こんばんわかしら?とあるいきさつで家来になってしまった、可哀想な吸血鬼ですわ。
まあ、楽しんでいない事も無いのですけど…最近は少々飽きがきてない訳でもないのでして。
気晴らしの夜のお散歩は欠かせませんの。
いつもは街の空。でも今夜は何故か、屋敷の周りを彷徨く程度にしようと思った、そんな日ですわ。

月光は結構な明かりですのよ?夜の秘め事を見通せる位に…ですから、私はカーテンを閉める事を薦めますわ。

その辺りの詰めが…ヒロはともかく、姫様まで甘いなんて…ここからだと丸見えですわ。こんな機会滅多に無いのですからしっかり鑑賞させていただきます。
音声も欲しいですわね…


「いつもの様に…」
「は、はい…」
結局ギリギリの距離まで近付いてしまいましたわ。
ベッドの上でも力関係は変わりませんのね。案外、ヒロが強くなると思いましたのに…何よりその方が面白いですわ。
しかしヒロの手つきも手慣れてますわね。簡単にお召し物と…下着を…
「さ、触っても良いですか?」
「…駄目だ」
「…え?」
「…何か忘れているだろう」

姫様ったら…素直じゃありませんわね。キスが欲しいのでしたら欲しいと…
ヒロが相手でなかったら苦労する所ですわ。
「っ…ふっ…」
…姫様でもこんな声が…貴重ですわ…


体勢だけヒロが上みたいですわね。姫様に引き込まれていると言われればそれまでですけど。
439名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 03:07:38 ID:N6ke7rWs
それにしても…お綺麗ですわね。最近益々お綺麗になられましたわ。処女の血が頂けなかったのは残念ですけど、ヒロなら仕方ない気もしますわ。
お肌の色、胸の形、脚の美しさ。私の自信も無くなりそうですわね…。私だって負けてない筈ですのに…

「あの…姫?」
「む…」
「恥ずかしいんですけど…」
「…お前だけと思うな。忘れろ。お前は私の事だけを考えていればよい」
「は、はい…」
もっとヒロに頑張って欲しいですわ。体のつくりが違うのですから、一瞬くらい見られそうですのに。
…でもヒロが羨ましいですわ。あんな綺麗な体に触る事が出来るなんて…
「姫?」
「?」
「もしかしておっぱいが…」
「…最近下着が窮屈でな」
「…ごめんなさい」
「…程ほどなら良いだろう。ただ、他の部分も可愛がるのだぞ?」
ヒロは姫様のお胸が好きですのね。かなり可愛がってると見ましたわ。
ヒロも変化に気付くなんて、よほど経験させてもらったのかしら…気づかなかったのは迂闊でしたわ…

「だ、だからそこばかりはやめろと…」
ヒロ…巧いですわね…姫様もまんざらでは無さそうですわ…

やっぱり最後は正常位ですのね。まあヒロが下で無いだけ…良いものが見られたと思った方が良いみたいですわね。
「…いいか」
「…いいですよ」
「ヒロ」
「…え?」
「…愛している」
「…僕も…です」

一瞬、照れましたわね。あの表情だけでも待った甲斐があると思いますわ。この際最後まで鑑賞させていただきます。
…ヒロを抱きしめてるのは姫様ですけど、幸せそうなのも姫様ですわ。やはりヒロが好きなのですわね。ヒロにも愛されて…

…少しだけ羨ましいですわ…姫様が…
440名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 05:32:35 ID:Qc4tHfP7
GJ!!
仕事行く前にいもいいもの読ませて貰った!!
441名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 07:23:08 ID:N6ke7rWs
>>439

「…ヒロ」
「…やっぱりできないです…」
…え?ヒロに何かあったのかしら?
「私は…心の準備ができていたのだがな…」
「…気になるんです」
…まさか…



「…令裡」
「…いつから気づいてましたの?」
「さてな。本当は大事な時間だったのだが…」
「…」
「たまには狂った夜も良いだろう。私とヒロ相手に、踊れ。令裡」
「…」



最後の一部寝ぼけて忘れてた…ヒロインどころか脇役同然の令裡…orz
442名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 08:37:41 ID:kKfo2KWw
GJっす
443名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 11:16:22 ID:HUyuvOE8
続きが凄く読みたい・・・・
444名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 14:26:07 ID:dcQf4FC2
保守。
445名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 23:36:42 ID:x8d7efBk
人いないなぁ…
446名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 11:32:08 ID:UPzIlj9n
ちゃんと居るんだぜ?
規制食らってただけで
447名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 00:31:41 ID:s9+TAPmN
落ちませんように…
448名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 15:34:37 ID:oIHQFAFA
保守
449名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 04:39:16 ID:9jCcSjLv
保守
450名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 05:36:11 ID:cCP8wMEp
ふが
451名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 09:31:46 ID:fNIdboIn
ふふん
452名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 23:12:42 ID:6h62iRkE
うふふ
453名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 01:32:48 ID:8JrqVngu
職人さんは補充タイムなんだろうか……。
454名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 07:20:39 ID:lvG1Y55R
忙しい人が多いのかな?まぁ気長に待つとしようぜ
455名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 19:10:33 ID:zCNMq2C1
ふふん
456Notturno di un giglio:2008/02/06(水) 20:35:55 ID:xRFpQ66Y
>>433 令裡さま勝利バージョンを作ってみました。429の次(430の代わり)と考えて頂きたい。


(このままじゃ……慰み者に……)
ピンチとは裏腹に迫り来るエクスタシー。快楽と引き換えの敗北はどんな音色か。令裡から刻一刻と理性が削られていく。
(私の負けで終わるなんて……終演は…姫さまの泣き声……)
思考のデクレッシェンドを食い止めるプライド。出来るかぎり引き伸ばしたい。そのためには姫を止めなければ。
「(姫さま……少々……お待ちを……)」
「(何も聞こえぬぞ? 令裡) ヒロ、存分に観るが良い」
「(……数々の…無礼…を……ます)」
「(どうした? もっとしっかり話せ)」
極限まで辱めようと試みる姫。耳を近づけて令裡を挑発する。もう自分の勝ちは揺らがない。
しかしこれは誤った判断だった。令裡はまだ堕ちていない、冷静な姫に有るまじき早計だった。

(……今…しか……!!)
力を使い切る最後の賭け。失敗すれば待っているのは自分に手向けられたレクイエム。しかしやるしかない。
喘ぎ声を抑え続けた口を開く。だが声を出すのではなく、軽く歯を立てて姫の耳を甘噛みした。別にじゃれるつもりではない。
「(――っ!?)」
思いもしなかった令裡の行動に姫は咄嗟に体を離す。同時に腕の拘束も緩んだ。これが令裡の狙い。
姫の責めが途絶えた隙に思いっきり後ろに倒れこんだ。出来るならばこのまま眠ってしまいたいが体に鞭を打って姫を押さえ込む。
「(何のつもりだ、令裡……)」
「(プレリュードは……終わり…ですわ……)」
姫の両手首を令裡の片手が捕まえる。声は弱々しいが力は強い。姫が抗うにはもう遅かった。
「ヒロ! 部屋を――」
令裡の濃厚な口付けが姫の言葉を吸収した。姫のプライドごと陵辱するようにねっとりと舌を絡ませる。
逃げ回る姫の舌を狩る楽しみ。歌いたくなる高揚感。姫に与える絶望と羞恥。聞こえてくるのは陽気なスケルツォ。
血液の代わりに唾液をたっぷり味わいようやく口を離した。けれど終わりではない。まだまだこれからこれから。
「(ファーストキスは……頂きましたわ…)」
ほんの一瞬で立場が逆転した。姫の顔から笑みは消え、令裡の顔へと移っていった。


「あの、姫……どうかしたの? 僕はどうすれば……?」
「ヒロ、そのままで平気よ」
「え、令裡さん!? 姫は……?」
「姫さまは取り込み中なの。『声を出す』のがやっとなくらいね」
「(ふざけるな! さっさと退け!)」
「(あら、上品で冷静な姫さまはどこへ? もう少し躾が必要ですわね)」
愛でる為でない愛撫が姫を襲う。磨耗するほどに陰部をこすられ内外から熱くなってくる。強制される沈黙の時間がやってきた。
457Notturno di un giglio:2008/02/06(水) 20:37:00 ID:xRFpQ66Y
「(くっ……やめ…ぁうっ……)」
ぐにぐにと荒く揉まれるクリトリス。痛みは激しいがその分快感も大きく、愛液が止め処なく出てくる。
「(私を…んぅ……侮辱…するか…)」
湿る秘部に加えて胸も令裡に弄ばれた。小さな乳首が舌先で押されるたびに尖っていく。姫が体をひねっても令裡には通用しない。
情欲を詰め込まれて膨らんだ胸。令裡は蔑むように姫を見ながら手や口でいじくり回す。はじいて摘まんで……
「(姫さま、いかがなさいました? こんなに膨らませて……)」
目をそらせば逃げた事になる。遊ばれて興奮していく屈辱。それを見せられるさらなる屈辱。
令裡から送られる屈辱の重奏は休符なしに姫を悩ませた。

「(…ぅっ!……んふぅ…っ……)」
姫から言葉が消えて吐息の演奏に変わる。絶頂が近いのを知らせる警鐘は令裡の活力となり、嗜虐を育てる。
「(姫さま、私にキスしたくありません?)」
「(何を……世迷言…を……)」
唐突な令裡の提案を単なる挑発として切り捨てる姫。ただし口数の少なさはそれだけが理由ではない。
「(強がってもあなたの音を消せるのは……これだけですわ)」
ちゅっと空気にキスをして唇を強調する令裡。自分に従うかヒロに乱らな音楽を鑑賞させるか、二者択一。

令裡は焦らすことはせず一気に責め立てた。優しさではなく、姫の考える時間を奪うために躊躇を捨てる。
何とか意識を保とうとする姫を肉体と精神の両方で弄ぶ令裡。エクスタシーは姫に迫ってくる。
耳元で淫語を唱えられ、陵辱の手は終わらない。とうとう限界へと足を踏み入れた。
「(待――あっ!…んぅっ……んっ…)」
熱烈な口付け。快楽によって、ついに姫は令裡へキスをした――させられた。令裡の指揮のままに曲は流れる。
「(そんなに私が好きですの?)」
口を離せるようになっても姫は何も言い返さなかった。令裡を悦ばせるだけとわかっていても何も言えなかった。
(一気にテンポアップと洒落込みましょうか)


「(……んっ!…れい…やめ…あっ――ん…)」
何回目かわからないキス。何回目かわからない悦楽。姫の息が部屋に広がる。
休むことなく歌わせる令裡。絶頂の度にキスをされて口と口が輝く弦でつながれる。
「(そろそろ負けを認めたらいかがですの?)」
首を振って拒む。差し伸べた手を払いのける意味。当然令裡には面白くない。何度イかされれば気が済むのかしら。
(じゃあこれで……)
令裡の冷たい目に気付く暇もなく、姫にエクスタシーが訪れる。喉が嗄れるほど叫べたら楽になれるのに。

音色を飲み込みつつ令裡の口を探す――が遠くにある。令裡を睨むがあっさりと告げられる。
「(何をお望みで? 『ヒロにきこえないように』こっそりとお願いしますわ)」
令裡を跳ね除ける力など今の姫には到底ない。となると自力で耐えるしかないが、半分快楽の海に浸かっている。
抵抗できたのも束の間。姫が口を開いていく。怪物を統べる一族、その王女が吸血鬼に懇願する。
姫を組み敷いたこの瞬間にスコアは令裡の思うがままと決まった。
「(お前…の……唇……を…くれ……頼む…)」
事実上の敗北宣言。令裡に支配権を渡して唇を受け取る。令裡の至福と姫の恥辱が混じるキスが交わされた。
458Notturno di un giglio:2008/02/06(水) 20:37:56 ID:xRFpQ66Y
「(従順な姫さまにはご褒美を……ね)」
「姫さま」という呼び名に反して無礼な物言い。けれど姫は咎めなかった。
「ヒロ、姫さまはお疲れの様ですから今夜はお帰りなさい」
今まで姫を困らせていた「人質」がフランドルに連れて行かれる。寝屋が黙に包まれる。

「姫さま、これからどうします?」
「……好きにすれば良い」
両手を解放しても姫は大人しくしていた。令裡の顔がほころぶ。
「私まだ物足りなくて……誰か手伝ってくれないかしら……」
ベッドに寝転がって大きな独り言を漏らす。姫は少しおいて、無言で令裡の胸を口に含んだ。姫からの奉仕。
贅沢な報酬に酔いしれる令裡。支配欲は大きくなる一方だ。
「胸だけじゃいまいちね……」
姫の方を見つめながら呟く。姫は何か言いたげに口を開けたが、令裡は続けて言い放った。
「『唇をくれ』……ふふっ」
顔を赤らめて言葉を飲み込む姫。ゆっくりと令裡の股間へと顔を動かす。
(もう少し調教が必要かしら……)
ためしに姫を呼び寄せてキスをする。しかしこんどは姫の方から舌を絡ませてきた。なかなか素質はあるようだ。
もしかするとそんなに手間はかからないかも知れない。令裡の演奏は夜明けまで続けられた。
(姫さまは大丈夫ね……次は……)


「リザ、たまには音楽でもどう――っ!…だ? 私が……演奏…して……やる…」
「お、おい姫、大丈夫か? 息切れなんかして……風邪か?」
「心配は……要ら……ん…っ……それより…ぅん…ぜひ…お前に……聴かせた…い…」
「……本当に大丈夫か? んー……まぁたまには音楽も良いか。それでどんな曲だ?」
「題名は――んっ!」
突如体を振るわせて座り込んだ姫。リザが慌てて駆け寄る。姫は赤い顔で息を荒げていた。
「姫!? 何だよ急に……なんだこの音?……姫どうしたんだ?」
音の出所はおそらく姫。だが何の音かリザにはさっぱり理解できない。その場で混乱しているうちに令裡が姿を現した。
「どうしたのこんなところで?」
「あ、令裡。見りゃわかるだろ、姫が風邪ひいたらしいんだ」
「まぁ……姫さまいつも夜遅くまで音楽の練習してたから……『リザに聴かせたい』って……」
「そこまであたしに? いったい何なんだ、その音楽って」
手に隠し持ったリモコンをいじる令裡。姫から聞こえるモーター音が小さくなる。
「タイトルはたしか……【百合の夜想曲】ですわ」



459名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 20:44:28 ID:hfIOw4E7
凄すぎっ!
GJです!!
460Concerto di un giglio:2008/02/06(水) 20:48:40 ID:xRFpQ66Y
>>434 不快な思いをさせて申し訳ないです。令裡さまの名誉のため、姫に愛情を加えたら甘々になりました。
430の代わりに読んで頂き少しでも不快感をそそげたらと。


(それ……だけは…避けなくては……)
姫から逃れようと渾身の力でもがく令裡。思わぬ抵抗にさすがの姫も面食らった。
「(なっ! 馬鹿も――)」
しかし無理に体を捻ったことが裏目に出た。互いにバランスが崩れ、姫の指先がより食い込む状況を作り出してしまった。
(しまっ――)
手で口を押さえるのは間に合わない。テヌートな快感が音色へと変わり声を生み出す。これで全てが終わるのか。

「――あ!! んぅ……ん!……んっ!……」
結論から言って令裡は声を出した。だが音になったのはほんの一瞬、スタッカティシモ。あとはかき消されて闇の中。
脱力した体を働かせ口に手を当てると先客が居た。自分を拘束していた手――姫の手が令裡の音を包みこんでいた。
姫が助けてくれたのはわかっても理由はわからない。ここまで辱めておいて今更何のために。
「ヒロ、今夜は遅い。明日教えてやる」
早口でそれだけ言い、叩き出すようにヒロを追いやった。部屋に静寂が戻る。
問いただしたいが声にならない。令裡の悩ましい吐息はレガートを保ち、寝息に移っていった。


(温かい……ここは…?)
「起きたか」
「姫さ――ま?」
気付けば体が溶けるような温もりに包まれている。令裡は寝ている間にベッドの中へ運ばれていた。
「気分はどうだ?」
隣で肘枕をしながら姫が尋ねる。その余裕の顔に令裡は不機嫌そうに返す。
「……最高ですわね。嬲られた上に情けまでかけて頂いて」
「情けではない。罰は十分与えたと判断した、それだけだ」
令裡の皮肉に対し、真面目に答える姫。だが令裡は何も言わない。沈黙の後、姫がピアニッシモに呟いた。
「私の嬌声を聴かせたのはお前だけ。そしてお前の嬌声を聴くのも私だけで良い」
「? ? ?  仰ることがいまいち……?」
「……何故私がお前だけを夜宴に呼ぶのか。察しろ!」
姫は一瞬令裡を睨み、ふて寝するように肘枕をやめた。令裡が怪訝そうに姫を見つめると、姫は令裡を一瞥し背中を向ける。
取り残された令裡は首をかしげ、きょとんとしていた。だが姫の反応を思い返し、一つの仮説をたてた。
「姫さま……もしかして…?」
令裡が姫の手をとる。ギターのアルペジオのように指を一本、また一本と重ねて。姫はその手を払わなかった。
理解されたことが嬉しいのか何も言わずにふふんと笑う姫。つられて令裡も笑いだした。

「光栄ですわ、ふふっ……でも私はてっきり本命はヒロかと――」
何気ない一言だった。けれどもそれが姫の逆鱗に触れた。素早く振り向き令裡の手を掴む。
「……また罰をうけたいのか? お前に言われるのが一番腹立たしいと何故気付かない!?」
音はどんどんクレッシェンドしていき最後には怒鳴り声となっていた。音色に比べ、珍しく姫の瞳に強さが無い。
言葉の奥を感じ取った令裡。静かに瞼を閉じて姫の胸に顔をうずめる。姫の手が自分の手首を放し、髪を撫でるのがわかった。
「…可愛いとこございますのね」

さっきまでの暴君はどこへやら、すっかりヤキモチやきの女の子。それも私好みの処女。顔の赤さは怒りか照れか。
でも不器用にもほどがありますわ。初めからそう言えば私は無駄な恥辱を受けずともすんだのに――まぁ言いっこなしね。

令裡はしばらく姫のハープ演奏にも思える愛撫を楽しんでいたが、頃合を見計らいゆっくりと体を離した。
すこし間をおいて姫が囁いた。うっとりするほど優しい調べだった。
「令裡、私に仕えろ。そうすれば褒美を取らせるぞ」
「ふふふ、さぁどうしましょう」
今までのお返しと言わんばかりにすまし顔で提案を突き放す令裡。しかし姫自身はすぐそばに来ていた。令裡の顔を自らに向ける。
「あっ――んっ……」
令裡は口をきく間もなく唇を奪われた。あまりに突然な出来事だった。しかし瞼が自然に下りていく。
『神経の全てを唇へ』、頭の中の楽譜はそう指示していた。


「先ほどは拒みませんでした?」
「お前からはな。指揮者は私だ、私から行うのが当然だろう」
461Concerto di un giglio:2008/02/06(水) 20:49:30 ID:xRFpQ66Y
誓いの口付けを終えどちらからともなく抱擁を行う。令裡はそこでずっと抱いていた不服を漏らした。
「そういえば――先ほどまでのこと……さすがにやりすぎじゃありません?」
もしも体が密着してなければ令裡は珍しいものが見れた。瞬間的にした、姫のばつが悪そうな顔。
本音を語るわけにはいかない。「虐められる令裡がどんどん可愛く思えた」など言えるはずが無い。
「ふふん。あれぐらいしなければお前は堪えないだろう。どっちが上かはハッキリとさせなければな」
「あら、恋人に上も下もございませんわ」
とりあえずそれらしい答えを渡したが即座に返された。さらっとした答えが姫を困惑させる。もしや気付いているのではないか。
「…自惚れるな。恋人なんかではない」
「では妾? 愛人? それともペット?」
胸の鼓動がテンポアップする。どうにか話を逸らしたい。ポーカーフェイスの裏で焦る姫に一つの考えが浮かぶ。
「……そういえば私の事を『姉』と呼んでいたな、あれで良い。お前は妹で十分だ」
「え!? ふふふ……かしこまりましたわ『お姉さま』、ふふっ」
令裡はつい笑ってしまった。姫は本当の意味をわかっていない。「シャーウッド」と似たようなものと思っているようだが全くもって違う。
でも姫と令裡には関係ない。理由など「響きが良いから選んだ」でも十分だ。二人が納得すればそれが是となる。

「さて、一段落ついたところ悪いが……私はまだタクトを下ろす気は無くてな」
「もちろんご一緒いたしますわ、『お姉さま』」
姫の誘いを受け、性戯へと再び身を投じる。今度は本当に二人での演奏。性器どうしをくっつけて悦楽をかき鳴らす。
「私の『弓』と姫さまの『弦』とを擦り合わせる……やらしい弦楽器ですわね」
「んっ……くだらぬことを言うな。お前は私だけ考えていれば良い」
「姫さまが可愛く歌ってくれたら考えますわ」
言い返そうとした姫だが途中でやめた。遮られたわけではなく自分から口を閉じる、姫が見せた令裡への「甘さ」。
(多少の騒音など咎めはしない。それでこそ令裡だ。お前の歌声ならば耳に心地よい)

夕暮れまでの令裡だったらそんなこと気にせずにたたみ掛けただろう。しかし今では嗜虐心も丸くなってしまった。
追撃はせず、静かに手を重ね指を絡める。すると姫と目があった。その目にはすっかり強さが戻っていた。
(この方なら従っても……なんてね、ふふっ。いつか主導権は頂きますわ)

「ねぇ、『お姉さま』……」
令裡は一言だけ発した。あとは黙って目をつぶり、ほんの少し唇を動かすだけ。きっと伝わる。
「ふふん。それで良い」
想いを感じ取った姫が嬉しそうに口を近づける。キス――あくまで姫からのキス。令裡は「甘さ」の礼に姫を立てた。


互いの秘部は弦楽器。互いの喘ぎ声は管楽器。弦と管が奏でるは【百合の協奏曲】。



462名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 20:55:33 ID:xRFpQ66Y
以上です。結果的にマルチエンディングですが好みに応じて読んで下されば幸いです。
あと、「令裡負け」「姫負け」に不快感を抱いた方がいらしたらお詫びいたします。


>>459さっそくありがとです。 では失礼しました。
463名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 21:31:59 ID:ucPmVoZq
bravo!!
464名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 21:37:08 ID:lvG1Y55R
すごすぎて言葉に表せないぜ…
個人的には最後のが好きだな
465名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 21:47:01 ID:PU85RcDa
エクセレント!
466名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 21:55:26 ID:YMuxAZle
律儀ですのぉ〜。
すばらしかったです。GJです。
467名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 21:26:49 ID:k9Wsz3pm
ほしゅ
468名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 00:47:30 ID:84QFh2Qp
眠れない夜がある…なんてあたしには似合わないかな。…悔しいが姫にも、あの吸血鬼にもやっぱり女らしさって点じゃ負けてるぜ…
あたしが女らしさを意識しなきゃならないなんてな…
でも、好き合うにはやっぱり男と女じゃないと行けないんだろ?ヒロ、悪いがあたしの方はお前の事をそう…見てる。見ちまった。

やっぱり姫に負けるか?吸血鬼にも負けるのか?けど…あたしだって…

「む…」
「ん…」
これがキスの…味か…悪くない…

「リ、リザ!?」
「驚いたか?」
「い、いきなりなんて事するんだよ!」
「いきなりじゃなかったら良かったのか?」
「う…けどどうして…」
「…へへ」
…あたしじゃ勝てない気がするからだよ…


「り、リザ…」
「黙って…寝てろ…」
あたし、何やってんだろうな。無理やりヒロを襲っても…何も変わらないって解ってる筈なのにな。
でも…体見せてもあんまり恥ずかしくねぇや。やっぱりコイツが好きなんだ。
「どうだ、あたしの体?」
「そ、そんなの見れないよ…」
「み、見れない位変なのか?」
「そ、そうじゃなくて…」
「じゃ、じゃあ見ろ。せっかく…見せてやってんだ…」
「うう…」
あたし割と自信あったのに…女の体してなかったのかな…


「…も、もう!リザ!」
「な、なんだよ!」
「一体何があったんだよ!いきなりキ…キスしたり、それにこんな事して…」
「…」
「リザ!」

…言える訳ないだろ。お前が好きなのに敵が多いから先に手を出したら…無理やりでも手を出したらあたしのモノに出来ると思ったから襲ったって…言える訳ねぇだろ…




攻め受けリザ…いきなりorz
469名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 08:31:53 ID:U5SPY/3X
GJ!!
ありがとう
470名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 13:03:17 ID:GBRwNmLq
こらぁッ!
なぜそこまで書いて寸止めなんだYO!?
人狼の戦士の名にかけて目的は最後まで遂行せよ!
続きを投下するのだッ!
471名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 13:26:33 ID:lsYKlcGI
まぁまぁ。焦らしプレイと考えるのも一興じゃないですか。

GJ!リザ×ヒロはあまり無かったしなぁ
472名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 13:27:35 ID:GDoNiGWH
やはり狼だけに発情期ネタは見たいところだな
473名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 00:09:41 ID:AwBSU6uV
リザ令で発情期ネタあるんだけどなぁ
俺の頭の中身を上手く書いてくれる人いないだろうかw
474名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 00:18:17 ID:6Hk2dytA
ミカサ×ヒロという奇妙な絡みネタを思いついてしまったw
475名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 13:37:41 ID:f4W459Q1
血の戦士同士かよw
本当に奇妙だw
476名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 23:05:11 ID:eImDisYB
>>474
奇妙だがオレとしてはストライクゾーンど真ん中だ!!
さぁ、投下するんだ!
477名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 03:07:58 ID:wKgYZmR4
478名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 03:08:58 ID:wKgYZmR4
>>468

「あたしは…」
「…」
「あたし…は…」
「…いきなりこんな事されたら誰だってびっくりするよ…」
…そんなに辛そうな顔するなよ。あたしだって辛かったからこんな事したんだ…お前のせいで眠れない夜もあったんだ…

…なんで言えないんだ。あたしは…

「…あたし、可愛くないよな…」
「え?」
「…お前の前で可愛いトコなんて、見せた事無いよな…」
「…」
「意識なんかしてくれる訳…無い…よな…」
どんなに頑張っても、これがあたしに言える限界…
「あの…リザ?」
「無理だよな…いきなりこんな事したって…」
「ぼ、僕が好きって事なの?ねぇ?」
「…」
つくづく不器用なんだ。あたし。



生まれて始めて告白されたと思う。こんなに可愛い人から。リザはそう思ってないみたいだけど、僕から見ると。
「…リザ」
「…」
「ありがとう」
どうしようも無く可愛い人だ。抱きしめたくなるくらい。
「…!?」
「さ…最初からリザは凄く可愛いいんだよ?そんなにしなくても僕と遊んで、僕を叱ってくれるリザが、好き」
「…それってどういう好き…なんだ?」
「…姫には悪いけど…ご主人様より…」
「ほ、本当か!」
「う、うん。だから…」
「?」
「もう一回キスからやり直したいな…とか…」
せっかくリザがここまでしてくれたんだから…勢いだけなんて嫌だよ…
「や、やり直し?」
「うん…」
「や、やるか!やり直し!」
「うん…」
「またキスからだよな!?じゃあ…」

凄くやりにくい気がするんだけど…




今度は駄々甘…orz
479名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 10:35:48 ID:kXjtWXj1
ふもぉぉぉおお
焦らしが堪らん……早く続きが読みたくなる作品だぜ
480名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 12:06:29 ID:5eU+N1jt
僕と遊んで、僕を叱ってくれるリザが、好きって・・・
甘い、甘いなコンチクショウ!姉さん女房かよコノヤロウ!
行動で気持ちを伝える以外手段が無いなんて可愛いワンコめ!
全裸待機で続きを待つ
481名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 00:00:54 ID:N7gy93En
俺は基本的に姫×ヒロ派だが、これは続きが読みたいぜ
リザ可愛いな
482名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 02:14:56 ID:fxB7doml
えぇい! だからどうして寸止めなのかとッ!?_
読んでる方が赤面しちまうくらいに甘々の雰囲気のまま
ニヤニヤからハァハァに移行できるよう最後まで書かんかいコラァッ!



いや、すんません、つづけてつづけて。
483名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 08:24:58 ID:0EoePPz7
ふふん
484名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 08:59:14 ID:rxsmzrTI
ふががふがふが
485名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 20:21:08 ID:E0F61F9P
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
486名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 23:31:20 ID:0EoePPz7
ふが?
487名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 01:06:12 ID:SMjPfajc
ふふん?
488474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/13(水) 02:07:54 ID:8egqegdx
取り敢えず一通り書きましたが、
全て書き終えるには時間が掛りそうです。
ミカサ×ヒロ&キニスキー公爵×シルヴィア作品です。


「・・・・王女」
「何かしら?」
「・・・今日・・お出掛けしてもよろしいでしょうか・・?」
「好きになさい」

聖バレンタインの日。
この屋敷で、とても大きな屋敷だが、屋敷全体から感じる貫禄以外は、ごく普通の家と変わりがない。
もちろん人が尋ねて来れば扉を開けるし、屋敷に訪れた客人は何の疑問を持つ事もないだろう。
この屋敷で、二人の女は話していた。

一人は黒くゴワゴワし長い髪、その髪には白い点々が無数にくっ付いている。フケだ。
マントの下に、冬にも関わらず水着の様な露出が多い服装、爪の間に挟まった垢、まるで戦って来たかのように汚れた格好をしている。
顔は整っていて綺麗だが、お世辞にも美人とはいえない。
元々は第五王子セブランの血の戦士であったが、セブラン亡き後、
現在はシルヴィアの血の戦士である寡黙な少女、ミカサだ。

「・・・・ありがとうございます・・」
「いいのよ。折角のバレンタインデーなのだから」

もう一人は、水のように流れる美しい長い金色の髪、綺麗な肌に整った顔立ち、一言で言えば美女だ。
怪物王国の王女の一人、シルヴィアである。

この屋敷で、二人の会話を聞くのは天のみか。いや、二人は気付いていないが、その会話を聞く者がいた。

荒々しい長髪と整えられた髭、鋭い牙を持つ、吸血鬼だ。
かつてシルヴィアによって一度殺害されて血の戦士と化し、
シルヴィアを監禁し、彼本人は王族の血を賞味しているという認識だったが、
彼女が救出されたため、血の補給ができず死亡した、と思われていた。
キニスキー公爵である。
489474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/13(水) 02:08:37 ID:8egqegdx
ただ、その表情は決して明るいといえるものではない。むしろ怒りすら感じられる目をしている。いや、これは哀しみか、あるいは両方か。
その目は窓越しのシルヴィアに向けられている。

その目線の先に居る、シルヴィアの右手の中には、
青色の薔薇の刺繍が精巧に施された黒いリボンに結ばれた、黒い包み紙に丁寧に包まれた円形の小包がある。

「・・・王女も・・ですか?」
「私だってチョコを贈りたい人はいるわよ」

ふと、ミカサの両手に目をやると。
そこには可愛らしい赤いリボンに結ばれた、雪のように白い包み紙に少々雑に包まれた四角形の小包が大事そうにミカサの白く細い両手の中に包み込まれている。
どうやら手作りのようだ。

そう二人が持っているのは、バレンタインデー用のチョコレートが入った小包だ。

「・・・・そのチョコレートは誰に?」
「そんな事聞く物じゃないわよ?」
「・・すみません・・・・」
「そのチョコレート、包み紙を見る限り手作りのようね」
「・・・・・はい・・・始めて作って見たんです・・・」

ミカサは顔が真っ赤になり、顔が真っ赤になっている所をシルヴィアに見られたくないのか俯く。
そんなミカサを見て、無表情だったシルヴィアは笑顔になる。

「そんな事よりも、出掛けるんじゃなかったの?私に構わず行って来なさい。」
「はい・・・それではお言葉に甘えて・・・行って来ます。」

シルヴィアはミカサを後押ししたのか、あるいは、追い出すかのように、屋敷からミカサを見送った。
ミカサは立ち上がり、チョコレートが入った小包を大事に持ちながらも、少し頬を赤くしながら屋敷の扉を開け、屋敷から出て行った。
490474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/13(水) 05:48:29 ID:8egqegdx
ミカサが外出した事を確認すると、シルヴィアは椅子から立ち上がり、西洋のアンティーク物の電話機で、電話をかけた。

静寂に包まれた深夜の屋敷に電話の発信音が静かに響く。
暫くして電話から若い男の声が聞こえた。

「もしもし」
「もしもし?私よ」
「姉者ですか・・・お誕生日おめでとう御座います」
「有難う、エミール」

若い男の声の主は怪物王国の王子の一人、エミールだ。
そして今日2月14日は、バレンタインデーと同時にシルヴィアの誕生日でもあった。

「今日の夜7時に約束した丘で待っているわ、護衛に貴方はフランダースを、私はフランセットを同行するわ」
「わかりました」
「それじゃあ、切るわね」

エミールの言葉を確認し終えると、シルヴィアは電話を切り、微笑んだ顔をする。
そんなシルヴィアに対し彼女の人造人間のフランセットは語りかける。

「ふが」
「どうしたのフランセット?何を心配しているの?」
「ふが」
「大丈夫よ、あいつは兄弟の中でも1,2を争う程のお人好しなんだから。
貴方には昔、酷い事をしたから仲直りがしたいの。
それでせめて私の誕生日でもあるバレンタインデーの日だけでも仲直りがしたいから、仲直りの証として直接会って貴方にチョコレートを渡したいの。
お願い私をもう一人にしないで、護衛に人造人間を付けてでもいいから会いたい、会って仲直りがしたいの。
とでも泣きながら謝ったら簡単に会う事を了承してくれた位だからね。」
「ふが・・・・」
「どうしてそんな事をするのかって?そんな事簡単よ、私にとって兄弟は皆邪魔な存在だからよ。
その為にわざわざ蠅男から毒入りチョコレートを作って貰ったのだから」
「ふが」
「それは大丈夫よ。万が一毒見をされたとしても、毒の効果は食べてから数日後に後発的に現れるから。
調べても毒だと判別出来ないように蠅男に特別に作らせたからその心配もないわ。
フフ・・・エミールも自分の命が私への誕生日プレゼントとなる事を光栄に思ってくれるでしょう。」
「ふが」
「フランセットも心配性ね。あんな軟弱男相手に」
491474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/13(水) 05:50:42 ID:8egqegdx
フランセットは主人であるシルヴィアを案じて質問を投げ掛けた。
だが、フランセットは質問をする以前に気付いていたのかもしれない。そもそも彼女は、
主のシルヴィアと何年もの月日を共に過ごして来た。だからシルヴィアの性格を知り尽くしていないはずがなかった。
そう言われる事は分かっていたはずなのに、シルヴィアに質問をした。
なのにフランセットはシルヴィアを心配し質問する反面、少し苛ついた。苛ついた?私は王族に仕える人造人間である。だがそれでも、シルヴィアには、感情が殆どない冷たい機械の人造人間ですら惑わす魔力がある。
この世に生まれたのならば例え同じ女性であろうと誰もが近付き、触れたくなる魅力があった。
王族の人造人間なのにも関わらず、私は憎み、妬み、嫌いの感情を王族に対して持ってしまったのか。
それも自分が仕える王族に。
見つけてしまった。生き物が持つ醜い感情を。聞いてしまった。醜い自分自身の本音を。

「フランセット。フランセット!」
「ふが!?」
「何をぼんやりとしているの?車の準備をなさい。出掛けるわよ。」
「ふが」

フランセットは我が主の呼ぶ声に応じ、自動車の準備を始めた。
しかし、フランセットは大きな間違いを起こしてしまった。
考え事が続くと、考えている事以外に集中力が回らないのも仕方がない。
だから普段は絶対に気付いているはずの事に気付かなかった。絶望的な失敗をしてしまった。
ここでフランセットにシルヴィアに対する忠誠心がもう少し大きければ、彼女達はこんな事に遭わなくても済んだのかも知れない。

ミカサ×ヒロを主に書こうと思ったのですが、
キニスキー公爵×シルヴィアが主流になりそうです。orz
ミカサ×ヒロも必ず書きますので…
割り込みすみませんでした。
因みにシルヴィア王女が2月14日誕生日と言うのは私も2月14日誕生日なので、オリジナル設定で付け加えさせて戴きました。
492名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 09:37:20 ID:5opOr+UX
つ……続きマダ―?(AA省略)
493名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 03:46:29 ID:Vw4Le3N5
>>478
「ん…」
「…っ」
またあたしから…こういう時女の方からやって良いのかな…
でもヒロがやり直したいって言ったし…


「…なんか改めてやると…恥ずかしいな…」
「…僕も…」
「で、でも…」
「?」
「…あたし今、凄く幸せだ」
…リザって素直過ぎるよ。こういう所が魅力なんだって自覚して無いんだろうけど…
姫や令裡さんと違うのはこういう所なのかな?僕を使って遊んでるって所、リザには無いよね…
だけど…そろそろ…
「い、良いんだけどさ、リザ?」
「え?」
「あの…その格好…」
「あ…」
やっぱり忘れてたんだ。自分の格好。
目のやり場に困るん…だけど…
「こ、これはこれで良いんだ!」
「え?」
「…今夜のあたしはそのつもりだったから…」
「…えーと」

…リザっていつも本気だよね。いつも一生懸命で、全力で。空回りしても失敗してもまた全力で突っ走っちゃって。
僕もよく一緒になって振り回されるけど、嫌いじゃなかったと思う。

…きっと今回も本気…なんだよね…

「…僕始めてだよ?リードなんか絶対…」
「あたしだって始めてだよ…お互い解らないなら逆に…」
「…変なトコ一杯触るかも知れないよ?」
「い、良いよ。覚悟は出来てる…」



「こ、言葉が変だよ?リザ」
「あまり喋らせるなよ!…だんだん緊張してきちまったんだ…」
「…そういう所」
「?」
「凄く女の子って感じがする…」
「…バカ」
感情がすぐ顔に出る所は、きっと僕と似てるんじゃないかな。だから同じ様にからかわれるんだと思う。
僕はこういう人が好きなんだろうな…姉さんとも姫とも全然違う感じの人…



コダシゴメンorz
494名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 18:00:22 ID:8dfV0Mdr
小出しでも一向に構わん!!!
495名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 16:17:11 ID:/qKvuwmf
ふが
496名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 16:50:09 ID:J+97jZo6
「おい、起きろ。ヒロ」
「ん?」
目を覚ましたヒロが見たもの、それは…
「ひ、姫が小さくなってる!」
「起きたか。全く、わざわざ私が起こしに来てやったというのに、中々起きないとは。いい度胸をしているな、ヒロ」
「いや、だって、重みも何も感じなかったら気付かないよ」
びっくりして完全に目が覚めた。
「ところで、ヒロ」
ちび姫はヒロのある部分に注目した。
「何だこれは」
「あ、そ、それは朝の生理現象で…」
ヒロのあれを足の先でつつく姫。
まあ、当然の事なのだが余計に硬くなるわけで。
「ふふん、ヒロ。朝の生理現象中だとはいえ、この姿の私に足でつつかれて更に硬くするとはな…
お前は、そっちの趣味があるのか?」
さらに足でいじる姫。
そっちの趣味がなくてもいじられたら硬くなるのは当たり前である。
「こうか、こうがいいのか?」
「ちょ、や、やめ、姫!」
「ほおれ、ほおれ」
「ああああぁぁぁぁぁ!」

「……ヒロ」
ちび姫の足は、ヒロのあれでべとべとになっていた。
「お前のせいで私の両足がベトベトではないか」
「ご、ごめんなさい」
「おまけに、この姿の私の足でいじられて果てるとは…お前はそっちの気があるのか?」
「いえ、そんな事は…」
「まあ、いい。ヒロ私をこんな姿にしたんだ、責任を取れ」
「え? 責任って…」
「決まっているだろう? ヒロ」
「え、ええええ」

ごめん、ノリで書いた。許して。
497名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 20:36:56 ID:VjCqyZzc
ノリでもオッケーバッチコイ
続きを書いて
み な い か ?

アッー!
498名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 00:46:30 ID:QmFDva/j
ロリアーヌ(;´Д`)ぜひ続き書いて!
499名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:03:03 ID:2/99V/lC
「ヒロ、何をしている。早く食べさせろ」
「いや、あの、姫?」
ヒロが戸惑うのも無理はない。
何故なら今、ちび姫はヒロの膝の上に横向きで座って朝食を摂っているのである。
おまけに、何故かヒロに自分に食べさせようとしている。
「ヒロ!」
「は、はい! やります。すぐやります!」
逆らう事が出来ないヒロは姫に言われたとおりにした。
「ふむ…」
(ほっ…)
内心ほっとしたのもつかの間。
「ヒロ、口を開けろ」
「え?」
何故かちび姫がヒロに向かってプチトマトの刺さったフォームを差し出していた。
「え?」
「何をしている。はやく口を開けろといっているのだ」
「え、ええ、ええ!?」
ヒロの頭は混乱していた。なにせあのちび姫が自分に向かっていわゆる『あーん』のポーズをしているのだから。
「ヒロ、早く口を開けろ」
「え、えーっと」
「む、そうか。こういう時はムードが必要なのだったな。ヒロ、あーんだ」
ここで拒否したらフォークで刺されかねない。何より目がそういっている。
「あ、あーん」
死ぬのはごめんなので、ヒロは仕方なく口を開けた。もっとも、血の戦士であるヒロはフォークで刺されても死なないが。
「ふむ。では、次は私だ。食べさせろ」
「え、う、うん…姫、あ、あーん」
かなり恥ずかしいが死ぬよりはマシ。
ヒロと姫はこれを交互に繰り返しながら朝食を摂った。


ごめん、またノリで書いた。
500名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:28:17 ID:j24qbdi8
ノリでオーケー。是非、また頼みます。
501名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:35:29 ID:j24qbdi8
保守用小ネタであります。
 
今、屋敷にはヒロとフランドルの二人きり。そして二人は、慣れない事に戸惑っていた。
 ヒロの指が、半ば透明の液体が緩々と溢れ出るその穴を覆っている白いものを外す。
 「こっちの‥‥、この穴でいいのかな‥‥?」
 その穴に、先端からツーッと透明な液体が流れ落ちている物を恐る恐る挿入する。
 「ふがッ」
 「あっ、違った‥かな?」
 「ふがー‥‥」
フランドルの幼い手がヒロの手にそっと添えられ、そのままゆっくりと奥へと導く。
決して広くないこの場所。無理な体勢。蒸し暑さ。ヒロのこめかみから頬、顎を伝って滴る汗が、フランドルのメイド服のたくし上げたスカートにポトリ、ポトリと落ちてはその生地の色を濃くしていく。
 クツン‥‥!
 (何かに、突き当たった‥‥!)
 これほど浅いところで、もう突き当たってしまうものなのか?
 いくらなんでも、と考えたヒロは少し身を捩って体勢を変えてみる。
 「ふが‥‥!」
 成功だ。フランドルも僅かに身を捩ることで少し楽になったようで、ヒロの顔を見上げ、クリクリトした愛らしい眼をぱちくりさせて(もっと、奥まで‥‥)という意志を示す。
 「じゃ、いくよ。でも、もし、ダメそうだったら、すぐに言って‥‥。」
 緊張からか、ヒロは上手く息が継げない。自分が唾を飲み込む音が、大きく耳の奥に響く。
 それ程広いわけではない穴の更に奥を目指してゆっくりと挿し込まれていく物を、フランドルが凝視している。ヒロの全身に熱い汗がじわっ滲む。
暫くすると‥‥。
502名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:36:49 ID:j24qbdi8
(っ‥‥!!)
中をそろそろと前進していた物の先端が、最奥に到達した感触。
「‥‥ふがっ!」
フランドルが、(そう、そこ!)と言わぬばかりの抑揚の声を出す。人造人間ならではの感覚の鋭さ。それこそ、ヒロがフランドルをパートナーに選んだ理由だった。
「よし、いいね‥‥。」
「ふが‥‥。」
コクンと頷くフランドル。見慣れているはずの彼女の顔が、今のヒロにはとても輝いて見える。
「ここで、思い切り‥‥、一気に、出す‥‥ッ!」
「ふがふがッ!」
ヒロの手を覆うように添えられたフランドルの手に少し力が入り(ダメ!)との意思を伝える。
「えッ!?そんな‥‥。」
ヒロの全身の毛穴から、今度は冷や汗が噴出した。
「ふがー。」
「フランドル‥‥?」
ヒロの手を導くフランドルの手が僅かずつだがゆっくりと、正確なリズムをとって前後に動き始めた。
「ごめんよ。いきなり全開じゃ、やっぱり危ないよね‥‥。」
苦笑いと共に自分の軽率さを彼女に詫びながら、ヒロはその手のリズムに身を委ねる。
(フランドルで、良かった‥‥。)
穴から溢れる透明な液体は徐々にその量を増してきた。
「ふがッ!ふがふがッ!!」
(良いよ!良いよ!!)というような声を発していかにも順調そうなフランドルの様子に、ようやくヒロの心も落ち着いてきた。
「ふが‥ッ、ふが‥‥、‥ふがーッ、‥‥、ふがふがッ‥‥。」
「‥くッ、‥‥ウッ、‥はぁ、はぁ、‥‥ふぅッ、‥‥んんッ‥。」
ヒロは既に全身をグッショリと汗で濡らしていたが、この頃にはリズミカルな前後運動を楽しむ余裕が出てきていた。
「うッ‥?‥‥フラン‥ドル、‥‥何か、出るゥッ‥‥!?」
「ふがふがッ!」
503名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:38:13 ID:j24qbdi8
フランドルの(止めないで!)という抑揚の声に、止め処なく流れ落ちる額の汗を拭いながら懸命に前後運動のリズムと強さを維持しようとするヒロ。
「ふがーーッ!!」
「で‥、出たの‥?あうッ‥!出たァ‥!!」
ドロリとした白みがかった黄色いものが穴から断続的に排出される。ヒロは思わずビクンッと飛び上がった。
「あッ!止めなよ!汚いよッ!!」
それを掌で受けようとするフランドルの手を、ヒロは咄嗟に押し止める。
「フランドルが汚れちゃうだろ。そんなの、触っちゃだめだよ‥‥。」
物を穴から静かに引き出しながら、その全身を緊張から解放され口元に穏やかな笑みを浮かべたヒロは、フランドルを優しく叱る。
「ふがッ!ふがッ!」
(上手く出来たね!)という声音ではしゃぐフランドルのシャンパン・ゴールドの髪を、ヒロは何度も何度も労わる様に撫でた。
「ちょっと、一休みしよう。」
「ふが。」
お互いに初めてのことではあったが、二人でやり遂げたのである。ヒロは達成感に満たされていた。

先ほどの“第一回戦”から数分後、まだ呼吸の荒さは完全には取れていなかったが、ヒロはフランドルの手をとってその指先をキュッと握ると、フランドルのつぶらな瞳を覗き込んだ。
「みんなが帰ってくる前に、やれるところまでやりたいんだよ。フランドルとだったら、きっと上手く出来ると思うんだ。さっきみたいに。ね、いいでしょ‥‥」
「ふが!」
一瞬の躊躇も見せずコクンと頷くフランドル。
「じゃ、ここを見て。黒いのがうっすら生えてるでしょ。」
「ふがぁ。」
「ここにさ、これで‥‥」
そう言って、掴み上げた物をフランドルから見やすい位置に持ってくると、指差しながら説明を始めた。
504名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:42:42 ID:j24qbdi8
「ここを繰り返し握ると、この先っぽから白い液体が噴き出すから、それが顔とか服にかからないように注意しながら、ここの筋のところに生えてる黒いのにたっぷりとかけてほしいんだ。
慣れないとちょっと臭いがきつく感じるかもしれないけど、我慢してね。あっ、でも、気持ち悪くなったら、直ぐに言うんだよ。」
「ふがっ。」
再びコクンと頷き、早速動き始めるフランドル。
きゅッ、きゅッ、きゅッ、きゅッ‥‥。
「もうちょっとだけ力を入れて、もっとぎゅっとしてみて‥‥。」
「ふが。」
フランドルが、ヒロの指示に忠実に指に力を込める。
「あッ!出始めたよ!!筋、筋にかけて!」
「ふがーッ。」
505名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:43:36 ID:j24qbdi8
フランドルの指によって物の先端からビュッ、ビュッ、と噴出した白い液体が、黒い箇所に幾度も降りかかる。それは、下に垂れずにその場にドロリと付着した。
「良い!良いよ!フランドルは、上手だね‥‥。」
空を舞う白い液体をぼんやりと見ながら、ヒロは恍惚となった。
(このまま‥‥、このままいけば、一番良いところに姫を入れられるよ‥‥。)
だが、その時‥‥!!

カラカラカラッ!
「ヒロ、私に隠れて何をしているのだ。」
入り口のガラス戸を勢いよく開けたのは、姫だった。
506名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:44:33 ID:j24qbdi8
「ひっ、姫!」
「フランドルと二人、窓を閉め切った上、下着姿で!うっ!何だ、この臭いは!!」
「あっいや、これは‥‥」
「ヒロ!それ‥‥!まさか、フランちゃんにかけたの!?」
「違うよ、姉さん!」
「ヒロー、あたし達がいない間に、フランドルと良・い・こ・と・してやがったなぁ!!」
「リザ!『良いこと』って言い方がいやらしいよ!」
「まあ、私はてっきりヒロは姫様オンリーだと思ってましたのに。」
「令裡さんまで〜!」
仁王立ちになり腕を組んで睨み付ける姫の前に汗まみれのランニングと短パン姿でおずおずと進み出たヒロは、フランドルを庇う様なしぐさをしながら説明を始める。
507名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:47:39 ID:j24qbdi8
「あのさ、この間、姉さんが『この頃お風呂が沸くのが遅くなった』って言ってたから、きっとボイラーの配管の中が汚れてるんだろうって思って、
それでホースを配管の奥まで入れて水を勢いよく入れたら、山ほど湯垢が出てきて‥‥。でも、ボイラーは全自動だから、配管の中にセンサーとかいろいろとあるから、フランドルに手伝ってもらって‥‥」
姫の鋭い語気が、ヒロの情けない声を遮る。
「それはそれでよいのだ!私が怒っているのは、塩素が含まれているカビ取りスプレーを使っているのに、なぜきちんと換気をしないのか、ということだ。」
姫の厳しい視線は、フランドルの手に握られたカビ取りスプレーのボトルに注がれていた。
「‥‥、姫に、綺麗にしたての一番風呂に、‥‥入ってもらいたかった‥から‥‥。」
真っ赤になって俯くヒロ。これを聞いたリザや令裡は早速「御熱い、御熱い」などといって囃し立て始めた。
姫は、いからせていた肩の力を抜き、軽く目を閉じた顔に穏やかな微笑を浮かべると、半泣きのまま立ち尽くすヒロに厳かに命じた。
「お前の主として命ずる。湯殿の掃除はそこまで。すぐにシャワーを浴びてバルコニーに来て私の話し相手をせよ。」
おしまい
508名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:50:01 ID:j24qbdi8
『長すぎる行がある』ってハジかれたり、なかなかスリリングでしたが、初投下、何とか成功であります。
509474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/17(日) 02:54:25 ID:Pj6gMctI
GJ&お疲れ様です
私も今執筆中なのですがどうも話が思い付きません;
510名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 03:12:10 ID:j24qbdi8
474様。
GJを下さり、ほんとに有り難う御座います。
お悩みは、ストーリー展開に関してでしょうか。あるいはH描写の濃淡?
私も、大作をものしようと思い、導入部分のみ書きましたが(今回投下したものは、その挿入エピソードとして書いたものです)、大作の場合、H描写が濃くて長くなければ読者を喜ばせられないのでかなり難しいですよね。
511474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/17(日) 03:19:03 ID:Pj6gMctI
中々の出来でしたよ。
H描写の濃淡の描写に少々物足りなさを感じてしまいます…
488-491のレスを見ればその片鱗が分かると思います。
そうなのですか。そうですね難しい物です。
512名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 04:08:14 ID:j24qbdi8
うーん、H描写ってのは、そっち方面の経験の数や濃度がものを言ったり言わなかったり(←どっちなんだよ!)‥‥。
H描写が上手く行かないときは、心理描写に力を入れてクオリティーを保つという手もあったりなかったり(←だから、どっちなんだって!)‥‥。
これからも、お互いに気合を入れて書きましょう!!
有り難う御座いました。
513474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/17(日) 04:14:41 ID:Pj6gMctI
こちらこそ有難う御座いました
514名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:27:49 ID:tGkFNUNl
なんというか……
椅子に座っているヒロの上にトスン、と座るチビアーヌが見たくなってしまった……

そんな俺はエミールですか?
515名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:36:20 ID:Eyzgz8BZ
俺はなぜか無邪気にヒロに抱きつくロリアーヌが浮かんだ。

こんな俺もエミールですk(ry
516名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:41:10 ID:tGkFNUNl
同士を発見したんで妄想が止まりません。

エロ有りの話の後で、『オマケ』としてエロ無しのチビアーヌ話、ってのはアリなんだろうか……?
517名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:52:32 ID:wig3wigQ
まぁなんだ、続きを頼むよ>>499。ノリで全然いいから。
518名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 01:04:43 ID:Eyzgz8BZ
>>516
アリなんじゃない?少なくとも俺は読みたいな
519名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 23:21:28 ID:lFpzPmD4
この微妙なタイミングで保守。
520名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 21:56:55 ID:Ox3S1veU
ふふん、保守だ
521名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 01:43:27 ID:Mg5MENUv
お初に投下させて頂きます
マンガのコミックとアニメを少ししか見てなかったので
変なとこあったらすいません、2,3回で終わります
522名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 01:44:18 ID:Mg5MENUv
―淫夢王女―


 ぱちり姫と呼ばれる少女は目を覚ました
夜の闇、窓に星、冴え冴えとした空気、冷たくさえある
「…………」
紅い目がしばし天井を見つめ、そしてゆっくりと起き上がった
真珠のように白い肌、その細い指先が黒いシルクの夜着をしゅるしゅると胸から伝い
その先に伸びた

くちゅ…
「ん…」

 指先は少女の股の狭間に熱いヌメリを感じとった
星明りにかざしたその先には、まだ暖かい男性の体液が白く糸を引いていた
「……」
親指と人差し指の間でその粘性を確かめるように暫くこね、舌先に運んだ
ぺろ…

「…ふふん」
 穢れ無きはずの自らの肢体の異常に眉一つ動かす事なく
何事も起こって無いように少女は呟き、むしろ愉快そうな笑みを一瞬だけ浮べた
呼び鈴を一つチリンと鳴らすと侍女のフランドルを呼んだ

 キィ…
ほどなく現れた幼稚園児のような小さな女の子―人造人間のフランドルだ
「ふが?」

 明かりもつけない部屋の中
姫は黒と白の絵画の名画のように姫は
ベッドに方膝を寄せ座っている
紅い目だけが闇に鮮やかだ

「…フランドル、ヒロは…今部屋に居るか?」
「ふが…」
フランドルはこくりと頷く、姫は細い顎に手を当て少しだけ思案した
「…よし呼んでこい、今すぐだ」
「ふが…」

 こくと頷き
トテテと走り去ったフランドルは、ほどなくしてヒロ―彼女、姫と呼ばれるモノの
 血をもって不死者と化した少年を連れてきた
…もっともヒロ自身は寝ていたベッドごと運ばれてきたのだが

 ぐーがーぐー…そしてまだ寝ている

 ドカッ
姫は躊躇無くそれを蹴飛ばした、いつもの事である

「うわぁ!」
「起きたか」
「な、なな…なっ何っ!?ひ…姫?」

 目を覚ますと、自分を見下ろす金髪の少女、いつにも増して夜の闇に人間離れして綺麗に見える

(人間じゃないんだけど…)
―自分の主人…自覚も、そして未だに、あまり自信がない…、辺りを見回す
 薄暗い部屋は星明かりだけ、ベッドの上、指先にシーツの感触、状況がつかめない、自分の部屋では無い事だけが解った
おろおろとして子犬のように戸惑い、助けを求めるように主人の白磁の美貌を見上げる
523名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 01:45:51 ID:Mg5MENUv
「脱げ」
「へ?」
軽く目を伏せ、パチン、姫が指を鳴らした、2度は言わないと言わんばかりに
「ふが」
わあああああああああ!

ドタン、バタン、     …シーン

 ヒロは悲鳴を上げた、有無を言わせず姫が彼のパジャマの下をズリ下げた
フランドルが暴れるヒロを押さえた
 そのペニスを姫がその可憐な指先でつまみあげ、そして剥いだ、ペロン
赤い亀頭が露出させられた
実に手際が良かった

「ななななーなんーーーーーー!!??」
真っ赤になって声を上げるヒロに構わず、姫とフランドルは興味深そうに、しげしげとその先を見つめた
ちょ…、ピクリとやや動いた自分の分身の先を見る、な、何なんだ…?

「…ふが」
「ふん…やはりな」
 亀頭から薄く滲む精液とパンツを見比べる姫、ヒロの後ろ手を押さえているフランドル
姫のその顔がなぜか満足げに頷き、その先端に指先をあて、自分の舌に運んだ
「ちょぉー」
一瞬の接触、ぞくりとした

 すっくと立ち上がる姫、下を露出したまま胡坐をかかされていたヒロの視線が
姫の顔を見つめたまま、それが水平から――上になる
 赤い双眸が冷たく見下ろす、ふいに姫がその黒のシルクの夜着をたくし上げた
「えぇ!?ひ、姫!?」
 驚くヒロ、当然だ、白い双脚
キャーキヤー!
 と言いたい少年、比喩では無く、耳まで赤くなる
目を隠したい、がフランドルがしっかりと押さえている
 彼女の力はヒロが100人居ても到底かなうようなものではない、そうこうするうちに
象牙のように白い太股から一気に金色の淡い茂みまで露になる

「…あく…ぁ!!!!!!!!!」
「見ろ、ヒロ」
「ひひ…姫…な、何を」

 言われなくても見ていた、伏し目がちではあったが、しっかりと
姫の秘密の場所に視線が吸い寄せられるようだった、止むを得ない男子なら、と彼の為に言っておきたい
―多分想像でもここまでの展開はこの少年の現実には無かったであろう―現実
冷たく見下ろすと、慌てふためく哀れな下僕に姫は見せた、その中の部分を

 くぱっ…
ヒロの目前で―呆然と見ていた

淡い茂みを掻き分け、細い指先が開いたピンクの裂け目が、いやらしく開いた、中が見える
「んっ…」
 微かに声が漏れる、ヒロの下半身にドクンと血液が流れた、多分目も血走っているだろうな
魘されるような思考の中、そう少年は思っていた

 ごくり…生唾を飲み込む、こめかみを流れる血液がドクドクと煩い
やがて―

 その間からコプリ…と白濁の液体が流れ出し、ぼたりとシーツの上に落ちた
「・・・・・」
見下ろす、見上げる、もはや言葉が無い、まだ夢の中に居るのだろうか?少年はそう思った
星空の窓を背景に白く輝く姫の体はいやらしくも芸術的ですらある
524名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 01:52:43 ID:Mg5MENUv
 言うべき言葉も無く、パクパクと虚しく口を開閉する僕にに姫は告げた
ほんの僅かに、桜の花びらを思わせる羞恥の色が姫の頬を染めていた
「ヒロ…これはお前の精液だ」

……そ

「んなーーーーーー!!!!?」
ポカンとして、耳から入った言葉が信じられず、やがて噛み締めた後叫んだ

絶叫が一瞬古めかしい館に木霊した


「…んん…」
離れた地下の一室で、リザがゴロリと寝返りをうった


 どげし、姫の素足がヒロの顔面を押さえていた
むぎゅ…

「…黙れ、リザが起きてくると色々面倒だ」
チラリと窓を見る、蝙蝠は居ない

「…令裡もな」
いや、あいつの場合は『特にそう』だろう、令裡の妖しい笑みが見えるようだ、行動を急ぐべきだろう

…ふふん、姫は振り向いた、忙しい夜になった

「…喜べヒロ、…かようなごとく、…下僕が主に不貞を働いた場合…王国では当然相応の罰を与えるところだ…」
踏まれた足の裏、その脇からヒロの目が主人を見ていた、相応の罰…姫の事だからさぞかし
容赦の無いものだろう、自分が不死身なのを差っ引いても、いつの間にかヒロは正座していた

「が、安心しろ、これは淫魔の仕業だ―」
姫は楽しげに微笑んだ

(…淫魔)
言葉は知っていたが、知識として、それだけだった、やっぱり見上げるしかないヒロ
姫は構わず続けた

「ふん―…まったく、安眠妨害も甚だしいな…だが、まぁ、そんな季節でもある―仕方もあるまい、では、早速
   …駆除に移るとする、…よいなヒロ」
「えっ…!?…は、はい」
返事など必要としていないだろう主に少年は了承を答えた
「そこに寝ろ」
「はい?」
下を見た、シーツしか見えない、姫のベッド、え?見上げる

姫はサラリと髪をすくって、ふふんと笑った
「フランドル」
「ふが」
「え?」

 ゴイン!
後頭部に衝撃を受けてヒロはパタリとベッドに倒れこんだ
 (…シーツ)姫から滴った体液の匂いがわずかに鼻にした
(…ボクと…姫の…混ざった…)
それはヒロの脳髄に淫靡で甘く香った、落ちる意識、閉じるまぶたの裏の端

薄く微笑んだ姫の口元が見えた

続く
525名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 02:20:59 ID:EfFlLLYJ
続き超期待
526名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:23:32 ID:Mg5MENUv
出来たので投下






「…んーんんっ…ん……ふ…ん…ん…ー……」


 豪奢なベッドの上に少年が大の字にされていた
あまり快適では無さそうなその寝姿は、その苦しそうな息使いから明らかだった
黒の布で目隠しをされ、両手両足はベッドの四隅に縛りつけられている、下着一枚身につけていない
全裸だ、裸に縛り付けた少年の主は傍らの椅子に優雅に腰掛け足を組みその様子を見守っていた

「…ふが」
「…来たか」

 フワリと窓辺のカーテンが揺れ、刺繍の向こうの夜を透かした
冷たく見つめる紅い双眸の前を半透明の『何か』が通り過ぎて行く
 仰向けになっているヒロのところまで来ると『それ』は
少年の上に固形物の煙のようにもやもやと立ちこめた、するとヒロの体がビクリと跳ね
声が悩ましいものに変わった

「んっ!…んんー…ん……」

「ふが?」
姫の方を見たフランドルに、見られた方は正面の光景から目を離さず、その視線に答えた
ふん…姫は組んだ指に顎を乗せて言った
「そうだ淫魔だ」

 見ると半透明のモノは白い煙のようなものから人の形となり
美しい女性の姿に変わっていた、それが少年に跨って、やがて艶かしいその白い腰を使い始めた
その腰まで流れる金髪、少年の上で動くたび形を変える白桃のようなお尻

「ふがー」
「ふん…妙な気分だな…」

その女性は『姫』だった

『あっあっ…ああ…あっあっああん………』

姫があり得ない声を上げている
ギッ…ギッ、ギシッ…ギッ…
ベッドが軋む

「んぐっ…はっ…あっ…ひっ…だめ…姫っ…姫っ…!」
ヒロは喘いでいた、その若い体の上で、やはりうら若い姫の細い肉体が大きくうねると、形の良い胸が揺れた
「ああっ…あっ…もうっ…もうっ…!」
同時に耐えかねたようにヒロが腰を突き上げその先端から熱いザーメンを吐き出した
四肢の自由が効かないために体全体が反り返るようだ

「あっ…ぐぁっ…ああっ…あぅ…うっ…うっ…」
 少年の射精の快感、しかしむしろ苦しむようなヒロの喘ぎ、その上で『姫』がまた緩やかに変化していた
『んっ…ん…』
柔らかそうな胸に手を当て、、柔らく、優しく、男の最後の1滴まで絞りつくそうとするかのように
蠢く白く淫靡な肉体が瞬くように明滅し、半透明になって行く
「ふが?」
頷いた
「そろそろだな…」
527名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:24:53 ID:Mg5MENUv
「はぁっ…あっ…あ…」

 その内部でヒロの白濁の残りがピュピュッと放出されているのが見えた
クタリとヒロの力が抜けると、半透明のものは完全に形を失い
用は終ったと言わんばかりに、そのゼリーのような体を宙を滑るように動かし
ベッドからするすると降り窓辺に向かって行く
その傍らに立つ者が居た、ピタリとその動きが止まった

「…ふふん、一々出て行く必要は無いぞ」
 じっと自分とヒロの痴態を見つめていた姫が立ち上がっていた
スルリとローブを脱ぎ捨てた、フランドルが受け取る
白磁の裸身が薄闇に浮かんだ







「…んっ………んっ……ぅ………ぁ…」

ギシっ…ギィ…ギッ…ギッ…
ベッドの…軋む…と…小さく…声…が聞こえる

「ん…んんー?」
「ふがー」
ユサユサと体を揺すられヒロは目を覚ました、揺すっているフランドルの顔が
ボンヤリと焦点を結ぶ
あれ?…ボクは…ずっと…寝てて…いや起こされて…姫が…ひめ…

「姫!?」
「ふがー」
 急速に視界がクリアになり、フランドルの指差す方向を見てヒロは驚愕した、姫がベッドで仰向けにされ
その股を割って律動する男の背すじが見えた、表情の乏しいその横顔はなんと『ボク』だった
「ああっあっ…あっ…」
 姫のこんな声を聞いたのは初めてだった、艶かしいその表情、桜色に上気したその顔、全てが
その白く細い両腕が男の、いや『ボク』の首に回されている、信じられない、男に抱かれている雌の顔、姫のかお(表情)
ハッとして今更ながら自分の体を見る、こちらも全裸、すっぽんぽんだった
絡み合う姫とボク、そして全裸のボク、非現実的すぎる光景だった

ギシっギッ…
「あっ…」
 姫の体を起こすと男は
―良く見ると顔はボクだけど体は少しボクよりガッチリしている―ように見える、が
綺麗にキュッとくびれた姫の腰を引き寄せ座位で腰を揺すり始めた
その動きがじょじょに縦の動きになって、最後には大きく突き込んでいた
「ぐっ…」
 より深く貫かれ快楽と苦しさに顔を顰める姫、その体が上下にユサユサとゆらされる
「ひ、姫…」
ボクは呻いた

 その形の良い胸の先端、乳首が男の胸に擦れるのが見え、ボクは自分のモノが張り詰めるのを感じていた
姫の男の胸に抱きつき潰れた弾力性豊かな胸の白さ、ボクは我知らず勃起していた、それは鉄のように固くこわばって
天を指し起立していた

ギシッ…ギィ…ギッ…ギッ…
「はっ…はっ…は…ヒ、…ヒロ…」
姫がこちらを見た、快感に耐えるように、濡れた声を漏らした、濡れていながら
冷静さを維持しようとしている、その姫の様がたまらなく、腰の辺りが痺れるような気がした
「ヒロ!」
528名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:26:10 ID:Mg5MENUv
はっとした、見ると姫は快楽に耐えながら目だけは真剣にこちらを見ていた
「こちら…に…あっ……来いっ…あっ!…」
ギシっ
「ふがー!」
 最奥を突かれて姫が呻いた、呆然として膝立ちで魂を飛ばしていたボクをフランドルが
急げとばかりに手を引いて、そこまで連れて行ってくれた

行為が行われているすぐ横に立つ
ベッドの軋む音が夢の中から響くようだ

ドサッ
 ちょうど姫がベッドにうつ伏せにされているところだった、その腰が男―ボクに高く上げさせられた
男は姫のお尻を両手でまさぐると、左右に開き、その秘所をさらけださせていた
「くっ…」
 流石に恥ずかしそうな表情を姫が浮べた、傍に立つ僕を見る目が逸らされ閉じた
狭そうなピンクの肉の隙間、がこじ開けられ、舌が侵入していた、中をほじり、舐め上げ
入り口に舌鼓をうち、敏感な肉豆を吸われると、流石の姫も声を上げた
「うぁっ…」
ピッチャピッチャ…チュ…ヌズ…チュル…

シーツに押し付けられたくぐもった姫の声が漏れる
「ろっ…ヒロっ!…こちらを見ろ!ヒロ!…あっぐっ!…」
ハッとして姫を見た
「ひっ姫っ」
 慌てて、上の奴をどかせようとする、しかし手ごたえが無い、必死になって後ろから
肩をつかもうとするが、文字どうり霞をつかむように手ごたえが無い
ギッギッ…ギシッ…ギッ…ベッドの軋む音だけが響く

「ひっ姫…こっこれって!」
 姫は歯を噛み首を振った
「…無駄…だ、ヒロ、…そいつは実体であって…実体では…な…あっ……い…
…それ…よりもっ…今…だ、お前のものを…コイツより先に私に挿入…あっ…して…しゃ、射精…、…しろ…」
 射精の部分でホンの少しだけ姫が言うのに躊躇した、ような気がした
「えええ!っでっ…ででも…」
射精しろなんて?そんなバカな、そんな事姫にしていいわけが…
「急げ!」
 はっとすると『ヒロ』が姫のそこに肉棒をあてがっていた、それが姫の内部へ侵入していく

「あ…ああ…」
 呆然とそれを見ていた
時折透明になるその体、一瞬姫の膣の赤い肉壁までくっきりと見えた、ズブズブと他の男のペニスが
姫の中に埋められていくのを見た時
 瞬間、猛烈な感情がヒロの心に湧いた、爆発的に、それは白熱した炎のように一瞬でヒロの心を一杯にした
嫉妬!強烈な嫉妬心


「ひっ………姫ぇえええ!!!!!」

 夢中でがしりと姫のお尻を後ろから抱えた、柔らかい、雪のように白い、しっとりとして、吸い付くようで
それでいて、でも何て…何て…
「うあぁあああああああ!!」
「…ヒロ…あぐ!?…あぐぅうう!!」
ズム!ググググ
 すでに熱くぬめっていた膣内に一気に根元まで挿入した
ズブブブ、ゴツン、先が奥に当たった、当たった?姫の奥に?、夢中で押し上げた
「あっぐ!ヒロ…いきなり…強すぎ…」
姫が遠く何か言うのが聞こえた、でも
ボクのものも、もうこれ以上は無いというほど怒張し、カウパーでヌルヌルだった
『!??』
そしていきなり自分の上に重なってきたボクに『ボク』もとまどっていた
529名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:28:05 ID:wsTPHn4M
wktk
530名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:30:24 ID:Mg5MENUv
 しかしそんな事は今のボクにはどうでも良かった、あの姫が、あの高貴な姫の中にボクが侵入しているんだ
あんな顔をして、あんな声を上げて、ボクに自分の中に射精しろって言ったんだ、姫が言ったんだ
雑音は何も聞こえなかった、ただ前の白い姫のお尻が、そこに埋まったボクのペニス、それが世界の全てだった

 苦悶に顔をしかめたその姫の顔がボクの中の最後の何かを弾けさせた
「姫ぇえええええええええええええええええ!!!!!」
 猛烈にピストン運動を始めた、テクニックも何も無い、いや初めてだから当然なのだが
そんな些細な感情は濁流に飲まれる木の葉のようにちっぽけだった、夢中で腰を白い臀部に叩きつける
支える腕から、腰から、指先まで、足の先から頭のてっぺんまで、パリパリと電流が流れているようだった

「あっひっヒロッあっ強いっあっ奥にっ奥っ…当たってっあっあっああつ!!!!!」
 姫の肉、熱くボクの肉棒を締め付ける狭さに、カリがその内壁を削る快感に全て集中していた
悶えるように逃げそうになる細い姫の腰を押さえつけて欲望の全てをぶつけた
「姫っ!姫っ!姫ぇえええええええええ!!!あああああっああああああああああああ!!!!!」
「ヒロっ!ヒロッひっひいっ!んうぅ!!!!!!!」
「あぐ!!!!!!!!!」
 突きこむ
「ああっ!」
引き抜く
「ひぃ!」
 突く、抜く、押さえる、擦り付ける、子宮を、叩く、押し上げる、押しつぶす
亀頭の先端が姫の子宮をノックし続けた、引き抜くたびに中の肉を引き出すように
ひだが肉棒にまとわりつき、一気にまた押し込まれた
「あぁあああヒロっ!!!!!」
姫の悲鳴がボクを更に興奮させた


 そして突然、終わりはやってきた
「はッ…ぁああ!!…」
ボクは勢いよくガクンと前のめりになった、姫の背中に密着して腰と肩を手で支えた
同時に大量のザーメンを姫の膣内に放った
「あっああっあああー!!!!…」
 姫の絶頂の声
「はっ…ぐぅ…あ…ぁああ…」
 ボクは姫のお尻に指を食い込ませたまま、忘我の目の眩むような快感に腰を震わせていた
(…こ…これ…もう…死んでもいい)
そう思った、本気で…今、この、ありったけのボクの体液を全部、ボクを全部
体を全部精液に変えてでも…この白い肢体の中に…注ぎこみたかった

そう思い、喘ぎながら姫を見た、愛おしかった、自分の体の下で余韻に息をつく姫の姿が
「ひ…姫…ひめ…」
「…ご苦労ヒロ」
さらりとした答えが帰ってきた
「…え?」
ボクは、いや後ろの『ボク』も同時に呟いた、彼も頑張ってたらしいが
炎と化したボクには及ばなかったようだ、の二人が目が点になっていた

 瞬間うつ伏せに押し付けられていた姫の手が閃くと、一瞬の後、二人の『ボクの喉笛』
がパックリと裂け大量の鮮血が舞った

プシューッ

「ひっ…めぇ………」
 舞い散る鮮血、カクリと首と同時に意識が落ちた…意識を失う間際に
せめて…せめて…でも
姫の白いうなじ、背すじ、そしてくびれた腰から続く形のよいお尻と
その光景が―全て赤に装飾された―が流れるように見えた

 せめてっ…
ヒロはその絶景を絶対に忘れないようにしよう…と思うのであった
531名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:31:26 ID:Mg5MENUv
「淫魔―無魔とも言うあれはな…」

 翌朝、早朝、いつものテーブル、お気に入りの場所で
姫は語り始めた、その姿は優雅で気品に満ちており
実際、昨夜のあれは本当に夢だったのではないかとボクには思われた


 姫が言うのはおおよそこんな内容だった
淫魔―古来から人の夢と現実の狭間を行き来する者どもが居る
奴らは一般にインキュバス(男型)とサッキュバス(女型)が居ると言われているが
実際は同じものなのだそうだ、まずサッキュバスが男から精液を集め、インキュバスが女にその集めた性液を注ぐ
そうして交接し女性が身篭った子供が次の淫魔になるのだそうだ
 古来よりそうして彼等は子孫を作ってきたのだそうだ、人間界で想像妊娠と言われているものの正体
それががおおよそそうなのだという
また伝説に多く伝えられる処女受胎等も奴らの仕業の仕業であろうな―らしい

 彼等は普段不定形でゆえに物理的な攻撃がまず効かないのだが
精を集めた状態で女性と交尾に入り『イッた』瞬間だけ実体になるのだそうだ
だから交尾中のまさにその時に先に子宮を別の雄に占領されると
射精待機状態で止まってしまい実体が維持されてしまうのだそうだ
(これは生命エネルギーが最高潮に達した状態らしい)
そこで姫は立ちすくんだ奴を討ち取ったワケだ(…ボクごと、ヒドイなぁ…)


「…妊娠しても中身が無く、その内消えてしまうものだから(実際は居たのだが)
 とりわけ危険と言うわけのものでもないのだがな…」
そう言いながら姫は姉さんを呼んでコーヒーを頼んだ、はーいと言う元気な(いや能天気な)声が遠くから返ってくる
リザは下(庭)で腕立て伏せをしている、逆立ちで、姫は続ける

「私も現在闘いの最中に居るわけだからな…それに私の場合、王族は成人しないと妊娠はしない
 …はずだ、とは言え、万万が一と言う事もあるからな…」

 この時はボクはまだ知らなかったが姫は不死鳥の一族だった、確かに彼女達が成人前に簡単に妊娠していては
そこら中が不死身の怪物で世の中が溢れていそうだ
(うん…?)
 そこまで考えて、ふと思ったのは一見幽霊のように見える彼等、淫魔にもも命があり
以外と限りある存在であるボク達と同じなんだなって事だ
 今澄ました顔で姉からコーヒーを受け取り優雅にそれに口をつける姫こそが、やはり永遠の存在
異種なのだ、ボクとは根源的に違う存在、あの時―振り向いた姫の冷ややかな眼差し
 姫の中に精を放った後に感じた愛おしさ、この雌を守りたいというどうしようも無い気持ち…あれはやはり
ボクと姫の間では共有できない、ただのボクだけの独り善がりなのだろうか…
そう思うと何か心が冷えてくるような気がした…

じっと姫を見つめた

「何だヒロ?まだ何か聞きたい事でもあるのか?」
「え―…いや…別に…あっ…そうだ!」
特に疑問ではなかったが、勝手に口が動いた
「?」

「淫魔ってリザや令裡の姿にはなれないの?」
一瞬の沈黙、姫の顔が何か苦いものでも噛んだような表情になった
やがて一言
「ヒロ」

コトリとコーヒーカップを置く
「…お前は…では何か?私では不服だったと言いたいのか?リザや令裡に出てきて欲しかったのか?」
「そ、そんなとんでも…」
 慌ててブンブンと首を振った
ふふん、そんなボクの様子を見て、機嫌を直したのか姫は長い髪を撫でた
532名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:33:14 ID:Mg5MENUv
「…あれらはあれらで必死なのだ、その雄が一番気にかけている雌の姿で現れる、それが一番効率良く
 精を収集できるからな…ヒロの中で私が一番…」
「一番…?」

ボクの声に、ハッとしたように姫は閉じていた目を開けた
「つ…つまり!お前が心に描くのは私のみでよいと言う事だ、今後も忠節に励め、解ったなヒロ!」
顔を赤くしてコーヒーを啜る姫
ボクは呆気に取られたあとぷっと吹き出した

「もちろん、解ってるよ姫」
「何が可笑しい!、フランドル!出かけるぞ」
「ふがー」

 ガタンと立ち上がり、つかつかと言う感じで歩み去る黒い姿の金髪の少女―ボクの主人
後ろに続く、自分より大きなカバンをいくつも頭に乗っけたフランドル

ヒロはもう一つ男の姿が―姫の想像した相手がヒロだった事は聞かない方がよかったんだろうな
とそう思った、もっとも聞いたところで

「…近くにお前しか異性が居ないのだから当然の帰結だ、…それしか選択しようが無いでは無いか?
 …それとも何か?私が兄弟を相手に呼び出すような女に見えるのか!?何を勘違いしている、頭に乗るな」
などとでも言われたに違いない

「何をしている!お前も来るのだヒロ」
「解ったよー姫ー!」
遠くから呼ぶ愛しい主のその声にボクは大急ぎに小走りで走り始めた




ふふんと終わり
533474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/24(日) 19:23:24 ID:RJCkuSbk
まだエロ描写はありませんが、

その頃ミカサはー。
「・・・・遠い・・・」
人気のない三道を歩いている、この先には多くの種族の怪物達が住む大きな街がある、
そこを通れば小さな町がある。

笹鳴町だ。

「っ!?」
足に何かが引っ掛かりミカサはその場を転んだ。
「痛かった・・」
ミカサは引っ掛かった方の足を撫でながら、足に引っ掛かった物を見た。

「ロッテちゃん大丈夫?」
「いたたたたたたた…おいそこの女、気をつけろ」
「・・・・シャーウッド姫ですか?何でこんな所に?」
「シャーウッド姫だと?何だそれは?ん?何か尻の下に?」
「あっ!」
ミカサの手作りチョコレートがシャーウッド姫?の下敷きになって潰れている
「あーあさっきので潰れてしまったか・・・まっ形ある物はいつか壊れてしまう物だ気にするな」
「・・・・ひっく・・・」
「じゃあ行くかクロブラック」
「ロッテちゃんあの娘泣いてるよ 謝った方がいいよ」
「まっ生きてればこんな時もあるだろう」
「慰めになってないよロッテちゃん」
「ひどい・・・どうしてこんな事をするの・・・」
ミカサは逆上し立ち去ろうとするシャーウッド姫?の首を両腕で締めた
「(・ε・ 3・)あばばば 」
「この・・・この・・・」



「なるほど・・・でお前そのチョコレートをヒロとか言う奴に渡したかったのだな?」
潰れたチョコレートを小さな手で持ち見詰めるシャーウッド姫 ではなく
「そうです・・・所で貴女本当にシャーウッド姫じゃないの?」
「だから何度も言っているであろう私の名は地獄の門番ケルベロッテだ!」
「クロブラックっス」
「・・・・・・・ ・・・・ミカサです」
「それにしてもお前随分と汚い格好をしているな」
「チョコレート作る事だけに集中してたから・・・お風呂とか入ってなかった」
「うむ・・・チョコレートを潰してしまった事もあるし私がお前の色恋を手伝ってやろう 
まずはその汚い体をなんとかせぬとな」
534474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/24(日) 19:24:07 ID:RJCkuSbk
「・・・・・・」
銭湯の大きな浴槽に浸かりながら、ミカサは俯く
体の汚れを落とす為にケルベロッテに薦められ、怪物達の住む街にある銭湯に入っていたのだ。
「いい湯だな」
ミカサの振り向いた先には、全裸のケルベロッテが浴槽に浸かっている。
「・・・・・・」
「どうした?」
「何でもない」
ケルベロッテの姿を見ていると何故かミカサは表情が暗くなった、
幼い少女の姿を見て、あの足の動かない妹の事を思い出したのだろうか。
「ミカサとやら、体を洗ってやろうか?」
ケルベロッテはミカサの表情を見て気を使ったのか、声を掛けた。
ミカサとケルベロッテは湯舟から出て、洗い場に座り。
お互いに髪にシャンプーをかけ、シャワーで髪を流す。



「いい湯であったな それとこの服とチョコレートはサービスだ チョコは市販の物だがな」
ケルベロッテはミカサに、青い清楚なワンピースと黒いリボンに結ばれた箱を手渡す。
「貰ってもいいの?」
「チョコレートのお詫びだ 受け取れ」
「ロッテちゃんいい所あるね」
「私にもいい所の一つや二つあるわ」
「ありがとう ロッテちゃん」
「上手く思いが伝えられるといいな それじゃ私はもう行くぞ」
「本当にありがとう それじゃまた」
ミカサはケルベロッテと別れた後、ケルベロッテに与えられたワンピースに着替え、
チョコレートを大事に抱えながら笹鳴町へと急いだ。



「へっ変態だ!」
「見ないで・・・いやぁっ!・・・」
繁華街の方から若い女性の叫び声と大衆の声が聞こえて来た。



「何だか繁華街の方が騒がしい・・それに聞き覚えのある声が聞こえたような・・・
まぁいいや・・変な事に巻き込まれるの嫌だし先を急ごう・・・」
535名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:38:18 ID:CvRDSUSx
>>532 GJ!

>>534 続き頼みます
536名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:56:17 ID:B/p7XQnx
続きが気になる・・・
537名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:15:18 ID:0KtAmrzZ
保守
538名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:49:24 ID:ynIriFAS
ふふん、保守してやろう
539名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 03:38:06 ID:ljXqre3x
保守しますわ
540名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 05:03:05 ID:hIx5B0rr
ふが(ほしゅ)
541名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:28:21 ID:dPB+vpFX
女とヤってお金が貰える♪
まさに男の夢の仕事!
出張ホストっておいしくない?
ttp://limitededy.com/2ch/01_info.html
542474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/29(金) 16:16:49 ID:M6qlIPlA
まだまだエロ描写はないけど 一先ず投下

約束の丘へ自動車を走らせるシルヴィア一向ー

「ふが」
「どうしたのフランセット?」

自動車の走る音しか聞こえない静寂の時を断ち切るかのように、
フランセットの無機質な声が聞こえる。
その声にシルヴィアは答える。

「ふが」
「嫌な予感がするから引き帰した方がいいって?」
「ふが」
「私がいない間に随分と臆病になった物ねフランセット、
たかが餓鬼一人にそこまで心配性になるなんて」
「ふが」
「あまり王族の男性を舐めない方がいい? 
お前はいつから私に口答えを出来るほど偉くなったのかしら?」
「ふが・・・」

このフランセットの最後の忠告をシルヴィアが受け止めていれば
シルヴィアは性奴隷と化し大衆の前で痴態を晒し泣叫ぶ事はなかったのかも知れない。

自動車を走らせて20分が経ち、約束の丘がようやく見えて来た。
しかし突然フランセットは自動車を止めた。

「フランセットどうしたの?まだ降りるには早いでしょ?」
「ふが!?」
543474 ◆OulFgLI3v. :2008/02/29(金) 16:18:02 ID:M6qlIPlA
フランセットが睨み付けた先には、
下層吸血鬼を始め、凄まじい怒りを感じさせる目をしたシルヴィアに反抗意識を持つ民衆がシルヴィア達を待ち構えていた。
無論その中にはキニスキー公爵の姿もあった。

「あらあら随分と懐かしい方がいるわね。雑魚の癖にまだしぶとく生きていたのね。」

キニスキー公爵はシルヴィアの嘲弄の言葉を無視し、下層吸血鬼達と民衆に指示を出す。
それと同時に下層吸血鬼達と民衆がシルヴィアに襲い掛かる。

「馬鹿ね。こっちには人造人間が付いているというのに、フランセット出番よ。」
「ふが」

シルヴィアに襲い掛かる者達を前にし攻撃を仕掛けようとするフランセット。
しかしー

「フガ」

突然無機質な大きな声が聞こえると同時に、
フランセットはその声を発した者に囚われてしまった。それも片手で。

「よくやったぞ フランダース」

そう。その無機質な声の主はエミールに仕える人造人間のフランダースだ。
他の人造人間とは異なり、人間の数倍もある巨大な体躯と機械的な外見を持つ、
フランセットが片手で捕まえられるのも無理もないであろう。

そして

「お久し振りです姉者」
「エミール何のつもり?」

フランダースの肩に乗った青年がシルヴィアに声を掛ける、
装飾的なシャツを着た高貴な面立ちの金髪の美青年。
王族の中で唯一、睨みつけた相手を念力で攻撃する異能力を持つと同時に、
シルヴィアの兄弟でもある怪物王国の王子エミールだ。
544名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:58:17 ID:WefBwOhD
ふがふふん
545名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 19:55:38 ID:0mX+J4Aw
つ……続きは……未だでしょうか…?
546名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:34:52 ID:JEHVoNZr
ふが
547名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 21:56:38 ID:6ztBsUWb
ふふん
548474 ◆OulFgLI3v. :2008/03/06(木) 16:51:36 ID:fQaw5uUV
夜の闇はシルヴィアの白い肌をより強調させ、冬の冷たい風が美しい金色の長い髪を広げる。
夜の静けさが辺りを支配し、静寂を断ち切るかのようにエミールは口を開けた。

「お待ちになっていましたよ姉者」
「そんな挨拶は良いわ それよりもフランセットを放して頂戴」
「駄目です………」

エミールはそう言うと何故か俯く。


ー嫌な予感がする。

シルヴィアはエミールの不審な行動に気付き、
エミールと少し距離を置く。


するとキニスキー公爵がエミールに近付き口を開ける。
「エミール様」

エミールはその声に気付くと体を大きく震えさせながら

「わかっているっ!、忌まわしき女っ!、こいつを」
「だが殺すなっ!、捕らえろっ!、殺すのは衆目の前だ、何よりも酷い姿でな!っ」

燃え滾る怒りとずぶ黒い欲望がエミールの目から、暗闇の中でもはっきりと取れる。

この女に、二度と立ち上がれぬほどの凌辱を加えその上で殺す、
でなくては、私のこの怒りは消えない、
それはキニスキー公爵を始め、この女と人造人間を除いて此処にいる全員同じだ。

エミールの声は、わずかに昂揚している、興奮を何とか押さえ込んでいるようだ。

その声にキニスキー公爵は下層吸血鬼と民衆達に指示を出し、
シルヴィアを捕らえようとする。

シルヴィアはエミールの怒声を聞くと同時に、身の危険を察し逃げ出した。
しかしドレスを着ている状態ではまともに走る事が出来ず差はつまる一方。


そしてついに民衆の一人に捕腕を掴まれ、捕らわれてしまった。


「触るな、汚れる、誰が触って良いと言った?」

シルヴィアは冷酷さ見せ、蔑みの言葉を投げつけるが、
シルヴィアの目にはいつもの余裕さが感じられない。


そんなシルヴィアの言葉を無視し、民衆達は無理矢理シルヴィアを闇の中に連れて行く。
549名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 09:04:34 ID:Ma+zgsqX
ふがーふがー
550名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 03:02:49 ID:AeNNt6Hu
>>478
二回目のは…ちゃんと目を見て出来た。始めてヒロがあたしを見てるって…解った。
…見てくれてたの方が正しかったか?
「…っはぁ…」
「リ、リザ?」
「ん?」
「あ、あのさ、そろそろ…その…」
「?」
「服…とか」


…キスまではなんとかなったんだ。ちょっとの間目を閉じるだけで良かったから。
でも…その格好のままされたら僕でも耐えられない。
「あ…」
「…忘れてたの?」
「…これはこれで良いんだ」
「え?」
「あ…あたしは今夜…そのつもりで…」
「…」
「来た…んだ。お前…だから」

リザはいつも一生懸命だった。何でも全力でやって、空回りしても、次はまた全力。失敗だって多いし、むしろ良かった事の方が少なかったのかも知れないのに、前だけはいつも向いてる。

きっと今も本気なんだと思う。
今度は、僕からも。

「…うん。解った」
「…ありがとう」
「お、お礼は良いよ!きっと辛いのは…リザの方だと思う…」
「…解ってる」
「う、上手く出来るか解らないけど…」
「…あたしはお前が相手ってだけで良いんだ…」
「…」
「…好きにしてくれ…ヒロ…」

ベッドの上のリザの顔。一段と女らしくなった気がする。赤い頬とドキドキした目。
「あ…あたしが変な声だしても笑うな…」
段々不安になって来たみたいだ。

リザの体は、本人が全く気にしなくて良いくらい女らしい。全体的に細い体と、長い脚。お腹の辺りは引き締まってるのに…
胸はその割りに合わないくらい膨らんでた。谷間もしっかりつくれるくらいあって、肌の色も白に近い。
きっと綺麗な部類に入るんだと思う。いつもシャツで、胸を押しつけてる事も解った。
先の方には、リザの緊張で震えてる、桃色の小さな突起。きっと優しく扱わないと、リザが大変な事になるんだと思う。

「…触ってもいい?」
「…そっと…だぞ…」
まだ触れても無いのに、リザの声が色っぽかった気がした。
orz
551名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 22:30:34 ID:HV7f5bb4
乙 
続きが楽しみです。
552名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 09:03:57 ID:7TMXbXwQ
ふう、ここにはじめて来たけど・・・
一気に読んだ!全作品GJ!
553名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 14:03:38 ID:Ds0sgLye
ふが
554名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20:30:00 ID:5hsxLQQs
ふふん
555名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 00:12:25 ID:vhVJxl2v
おおお、毎度ながらリザ可愛すぎだよ・・・
このまま結ばれて幸せになってくれ
全裸待機は尚も続く!!
556名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 00:23:05 ID:NKwlvTvd
だから、どうしておまいさんは全裸待機なのかとww

wktkwktk
557名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 05:15:36 ID:NCXsmTsZ
保守
558名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 21:09:57 ID:omY0KxWg
暗い部屋の中に、男が二人。
「それで……この呪法、確かな効果があるんだろうな?」
「フガ」
「それで良い。我が愛しき妹――リリアーヌ!今度こそ、俺がお前の命を貰い受ける……」

〜〜〜〜〜〜
今日は土曜日。学校もないし、刺客さえ来なかったら……偶には平和な休日を過ごしたいなぁ。

「ヒロ!ヒロは何処だ!」
……まぁ、無理だよね。早速、姫が僕を呼んでる。ん?声が少し違うような気がするけど。
怒らせない内に行こうっと。

「ヒロ!何をしていたのだ!」
部屋のドアを開けたら、目の前には今にも泣きそうな『小さい女の子』が。
「ありゃ。シャーウッド姫?どうしたの?」
「むぅっ……!」
いや、違う。頭上には燦然と輝く『見慣れたティアラ』。この女の子は――!
「ひ、姫…なの……?」
少女は頬を膨らませていたが、その表情が一気に満面の笑みへと変わった。
「ふふん。分かれば良いのだ」


姫の話を整理すると――朝、目が覚めた時にはこの姿だった。
姉さんはフランドルと買物に行って、令裡さんは学校の女の子とお出掛け(?)らしい。
リザは朝からバイクのレースに行ったみたい。つまり――屋敷にいるのは僕と姫だけ。
僕達は居間に向かってるんだけど……いつもの姫と性格が違うんだなぁ、と確信した。
「良いか、ヒロ。私の視界から決して外れるな!」
僕の服の裾、そんなにしっかり握らなくても。トコトコと付いて来る姫が、スゴく可愛いらしく思えた。

居間に着いて、姫がいつもの椅子へと向かう。僕は椅子に座ったけれど――
「えーと……姫、座れる?」
姫は高い椅子に四苦八苦していた。よいしょ、よいしょと頑張ってるけど……ありゃ。
「フンっ!ヒロ、お前は私の家来だろう?」
「あ、うん。そうだけど」
トテトテと姫が近寄って来て――両手を僕に突き出した。まさか……?
「ふふん。お前が私の椅子になれば済む事だな」
「は、はい……」
うーん。理不尽な性格は変わらないんだね……。

僕を椅子にしたままで、姫が語る。
「今日から3日の間、私から離れる事は許さぬぞ?無論、寝る時もな」
「怖いから?」
言ってからマズいと気付いたものの、後の祭りだ。――怒られる!
「……。まぁそうでもあるのだが。悪いか!? ん!?」

まさかの逆ギレ?


エロが無くてご免なさい…
559名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 00:53:56 ID:OMI8cQbv
おおおおおおお!!!おおおおおおおおおおおおおお!!!!
ロリアーヌゥゥウウウウウウウ!!!!!
560名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 02:32:18 ID:WjqiBJrg
キタァァァーーーーー!!
続きを激しく求む!!
561名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 01:22:02 ID:BneGIEA8
続きはまだですか!?
562名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 09:25:50 ID:xvuowbWG
ふふん
563名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 23:59:18 ID:uSfdpYcy
>>558より

その後も話をしていたけど、何やら姫がよく目を擦っている。
「姫、もしかして眠いの?」
「ふん……そんな訳、が…ある、まい……」
ポスリと姫の小さな頭が僕の胸に預けられた。僅かにスー、スーと寝息が聞こえる。
「安心して、姫。姫は……僕が護るから」
――僕の言葉、小さな姫に聞こえていたのかな?夢の中には届いたのかも。
スヤスヤと眠る姫の表情は安心に満ちていたから……。


太陽が真上に昇る時間。少女は薄ぼんやりと目を覚まし始めた。頬に違和感を感じながら。
「リザっ!ダメだって!姫が起きちゃうよ!」
『別に良いじゃねーか、面白ェし!』
「……何をしていりゅ! っ!」
レースから帰って来たリザが、姫のほっぺたを引っ張って遊んでいる……。
あ、ちょっと痛かったのかも。
『へぇ〜。以外と柔けぇな〜!』
腕の中にスッポリと収まっている姫の表情を横から覗いて見ると、今にも泣きそうだった。
「あの、姫? 怒ってる?」
「……フンっ!犬め!あっちへ行くがよい!」
そう姫は言うと、向きをクルリと変えて僕にギュッ、と抱きつく。
『い、犬だと!? テ、テメェ!このヤロウッ!』
姫が僕の服を握る力が少し強くなった。心なしか、少し震えている様な気がする。
「リ、リザぁ!落ち着いて! 姫は姫だけど姫じゃないんだから!」
『あ?何だって?訳わかんねーよ……。 つーかお前が落ち着け』
なんと言うか、必死でリザを説得した。説得する間、姫はずっと僕の顔を心配そうに見ていて……。
『――……まぁよく分かんねーけど、刺客が来る可能性が高いって事か?』
「そう、だね……」
『ならヒロ。お姫サマはお前が護れ。あたしは外を見張っといてやるよ』
そう言って、リザは外に向かった。
「ふふん、外の見張りか。やはり犬だな」
……やっぱり姫は姫なんだなぁ。


そろそろ夕方になるのに、姉さんの帰りが遅い。多分パフェでも食べに行ってるんだろうけど。
「紗和々の帰りが遅いのぅ……。ヒロ、先に風呂を沸かしてくれ」
「あ、うん。僕は姫がお風呂に入ってる間、部屋に居るからね」
「んん? 何を寝ぼけておるのだ? 私から離れるな、と言ったであろう」
……えぇぇ!?
564名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 17:33:37 ID:lSMDFgoI
リリたん可愛すぎるぜ(*゚д゚*)
565名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:04:04 ID:TLuLqQYr
おおおおおおお!!!おおおおおおおおおおおおおお!!!!
待ってたぜロリアーヌゥゥウウウウウウウ!!!!!
566名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 01:41:14 ID:iYRLrag6
早く続きを!
567名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 01:49:10 ID:pCZ9JjZn
ふふん
568名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 01:49:55 ID:pCZ9JjZn
ふが
569474 ◆OulFgLI3v. :2008/03/20(木) 08:53:11 ID:nMGbFnId
「で…君は一体どこから来たの?」
「だから言っているであろう地獄からだ」
「…君の名前はなんて言うのかな?」
「(・ε・ 3・)あばばば 」
「はぁ…」

(私とした事が夜道を迷ってしまった挙句警察官に捕まってしまった
私が人間共を地獄に送っている事が勘付かれたのか?
名前を明かす事は命を失うに値すると昔聞いたからな隠しておこう
それにしてもクロブラックの奴…犬の餌何ぞに釣られよって…)

「爽やかドックフードでお口スッキリ! ガブガブ」

「そろそろお腹が減らない?名前を教えてくれたら何か出前で奢って上げるよ?」
「ケルベロッテだ!出前ならばお子様ランチを頼むぞ!!」
「名前を教えてくれて有難う 今出前を取るよ」
(しっしまった!!私とした事が名前を明かしてしまった…早く逃げなくては…)

―30分後

「やっぱりお子様ランチは美味しいぞ!!! ガブガブ」
「結局待ったんだねロッテちゃん」
「黙れクロブラック!」

「それにしてもその喋る犬は一体何なのかな?玩具にしてはよく出来ているね」
(何故こいつはクロブラックの事を聞くんだ?まさか堕天使達の手先か!?)
「今日はもう遅いしお家に帰ろうか 保護者の連絡先とかわかるかな?」
「うぉおおっぉぉおおおぉおっぉおおおぉおぉおお!!!」
「ウギャあぁぁぁああぁぁぁぁぁぁああっぁぁぁぁ!!!」

その夜、凶器(片手の大きなフォーク)を使い警察官を刺した事で、
ケルベロッテ達が補導されたのは言うまでも無い。



「何をするつもり?」
此処は怪物達が住まう街の外れにある、今は使われていない怪物用の刑務所だ。
辺りは夜の為とても暗く、月の光だけが辺りを照らす。

そこには異常な興奮状態に陥った30人前後の男達が、シルヴィアを囲んでいる、

逃げ場は無い―、そして空気から、未来を悟る

がちがちがち、未来を悟ったシルヴィアは震え出し
シルヴィアの歯の鳴る音が、夜に寂しく鳴る

窓の隙間から差す月光が、シルヴィアの白い柔肌をぼんやりと照らす。
辺りを支配する闇が白い肌をより強調させ。

闇に浮かぶシルヴィアの白いドレスは、
男達を誘惑するかの様に細やかなレースが施されている
その様は緻密に作られた砂糖菓子のようで、美しさと繊細な儚さを思わせる。
シルヴィアの姿は女神と言っても形容し難い程、この世の者とは思えない美しさだ。
570名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 10:00:23 ID:zejTaAUl
ケルベロッテちゃん!
571名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 20:28:42 ID:TgKV/abf
ふふん
572名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 01:30:21 ID:yCzBqoZR
ふが
573名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 12:31:24 ID:BNnxfCXB
ふふん
574名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:06:39 ID:RBH2vPCg
保守ふが
575名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:37:28 ID:N/ytysTS
ほふん
576名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 04:37:12 ID:+WbcDmrk
474 ◆OulFgLI3v.さん
ご無沙汰しています
>>501の保守用小ネタを書いて、あなたにGJを頂いた者です

ここのスレは、良い意味で静かでとてもいい雰囲気ですね

それにしても、アニメが終了してもこれだけのSSの投下数を維持しているとは
住人と職人の心のバランスがいいのでしょうね

今は花粉症で思うにまかせませんが
原作第6巻・第27話を読んで、姫ヒロ甘甘を書きたくなったので
またこのスレにお邪魔したいと思います
でも、今は、チビ姫が人気なのかな?
577名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 13:26:39 ID:4qOzNrrZ
>>576
ちび姫も好きだが、当然いつもの姫も好きだから無問題。
てか是非書いてくれ(・∀・)

俺474さんじゃないですけどw
578名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:18:41 ID:U2ZXN4/o
期待して待ってます
579名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 01:17:18 ID:FzB8G31W
ふふん、wktkしながら待ってるぞ
580名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 01:00:52 ID:wTLE7/GB
ふが(保守)
581名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 02:03:04 ID:saLXv6EH
>>576
クールな通常の姫があるからこそロリ姫が映えるんだ!
582名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 03:57:03 ID:lv2tq2Xd
>>563より

僕が、姫と一緒にお風呂に入るって事!? ま、まさかね。 お風呂場の近くで待ってろ、って事――
「あ、一つ忘れていたな。ヒロ、しっかりと腰にタオルを巻いて置くのだぞ?」
じゃないみたいだね……。

お風呂に入る、たったそれだけの事なのにも関わらず、緊張してしまう。
「あの、姫?そろそろ入れるけど……」
「ふむ。ならばさっさと行くぞ」
堂々とした言葉と姫の行動は余り一致していない。何故なら、しっかりと僕の服を握っているから。

お風呂場の前に着き、服を脱ぎ始める。僕は腰にタオルを巻き、姫は少し大きめのタオルを体に巻いて。

「ふむ……まずは体を洗うとするか」
ふと姫を見ると、眼が合った。そしてその小さな口が開くと……。
「折角だからヒロ。お前に洗わせてやろう」
「……。アリガトーゴザイマス……」
決して嫌な訳じゃないんだ。でも、女の子の体を洗うってのは初めてだから。
露になった姫の白い肌が、僕の思考を惑わせる。

「ヒロ……。背中ばかりでなく前もしっかり洗え」
「え、あ!? ご、ごめん……」
動揺しながらも、ゆっくりと姫の体を僕の方に向けた。 小さい体だけれども僅かに膨らんだ胸に、ついつい目が行ってしまう。
そんな僕の悩みを知らない姫は、意外にも機嫌が良いみたい。
「ふふん。人に体を洗わせるのも悪くないな♪」
「えと……その、む、胸とかは自分で洗うよね?」
「む? 別に構わぬぞ。触られてどうなるモノでもあるまい」
僕に拒否権は無い、そう確信した瞬間でもあった。恐る恐るスポンジを近付ける。
「じゃ、じゃあ、洗うよ……?」
プクリと僅かに膨らんだ胸は、スポンジ越しでも柔らかさが伝わってくる。
「ふっ、ぅ……く、くすぐったいぞ、ヒロ……」
「え、もうちょっと力入れた方が良いのかな……?」
そう思って、ほんの少しだけ力を強くする。
「ひぅっ! そ、そこはダメだ、ヒロっ……!」
「え!?ご、ごめん……」
うーん。僕、謝ってばかり。姫って敏感肌なのかなぁ?力加減がすごく難しい。

難関の胸を洗い終えたと思ったけど、未だ下半身を洗ってなかった事に気付く。
下半身には僕が最も洗い辛い場所がある訳で。
「……やっぱりソコも、僕が洗うの?」
「ん?当然であろう。大した事ではあるまい」
「いや大した事って……」
「何だ?嫌なのか? ん!?」
大問題だとは思うけども、やっぱり逆らえない。姫が小さくなっていても……。
583名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 03:58:26 ID:lv2tq2Xd
「嫌じゃないです、ハイ」
「ふふん。 それなら良かろう♪」
どうやら姫は、何かを人に始めさせると、最後までその人にやらせないと気が済まないタイプなのかも知れない。
そう意味の無い事を考えつつ、女の子特有の場所へスポンジを近付ける。
その瞬間――
「ぁう……!ヒ、ヒロっ! 指で洗えとは言っておらぬ!」
「うわっ! ご、ごめんなさいっ!」
うっかりスポンジを落としてしまい、指が“女の子の部分”をツッ、と辿ってしまった。
柔らかな感触が指に残る。
「全く。どうしようも無いヤツだな、お前は」
「で、でも!わざとじゃないんだ! 信じてくれないかも知れないけど……」
「ふむ……。ならば仕方あるまい。特別に信じてやるとしよう」
特別だぞ!? と姫は語尾に付け足してから、洗う事を続ける様に促した。

その後は若干挙動不審になりながらも、なんとか姫の体を洗い終える。
「じゃあ姫は先にお風呂入ってて。僕は先に頭とか洗っちゃうから」
「むぅ……。お前は入らないのか?」
「いや、僕まだ体洗ってないからさ」
一瞬。僅かに姫の表情は不満、という風にも見えた。多分気のせいだろうけど。

僕が頭と顔を洗い終えた頃、姫がペタペタと歩いて来た。
そうして当然の如く髪、顔を洗わされられる。
体の時とは違って、大して何か起こる事が無かったのが幸いだった。

「ヒロ、お前は未だ体を洗っていないな?」
「あ、うん。今洗うけど、姫はまた先にお風呂入ってる?」
「……。いや、特別に私がお前の体を洗ってやろう」
少し考える様な素振りを見せた後、またもや姫の爆弾発言が僕を襲う。
「い、あ、え!? さ、流石にソレはマズいんじゃないかと……」
「私の気が変わらぬ内に、さっさと背中を向けぬか!」
「はい……」

姫の小さい手が、懸命に僕の背中を上に、下に。行ったり来たり。
「中々大変だのぅ……。ふぅ」
背中は未だ大丈夫なんだ。問題は――
「ヒロ、こちらを向くがよい」
コレだ。男子特有の部分がある正面。やっぱりココだけは自分で洗わない……と?
「ほう。 男にはこの様な物が付いていたのか」
「ちょ、ちょっと姫ぇ!?」
「んん? 一々騒ぐでない。私が洗ってやってるのだからな」
そういう問題じゃなくて。そう思っている間にも、姫の手が動く。
「ふぅむ……奇妙な感触だ。心なしか、先程より大きくなっている様な気がするな」
584名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 03:59:31 ID:lv2tq2Xd
触られている内に、無情にもソレは大きさを変えてしまう。
「んん? 明らかに太く、硬くなっているが。どうした?」
「えーと……コレは興奮するとなっちゃうモノなんだ……」
「興奮? 確かこうすれば良い筈だ」
そう言うと、男子特有のコレを素手で掴む姫。
「え!?な、なにを!?」
「ふふん、感謝するのだな。こうすれば洗える上に、お前の興奮も抑えられるだろう」
程良いスピードで、上下に小さい手が動かされる。正直に言うと、多分長くは保たない。

――その予想は当たっていた。始まってから数分。
「ご、ごめん! も、もう保たない……っ!」
勢い良く白濁とした熱い液体が姫に向かう。
「っ! 熱ぅっ……。ネバネバしているぞ……」
姫の顔や体に付着してしまった。その光景が脳裏に焼き付く。
「……ヒロ、脱力している場合ではあるまい。 もう一度洗ってもらうからな?」
……そんな訳で、もう一度姫の体を洗う事になった。

そうして姫の体も洗い終わり、僕の体も洗い終わる。後はお風呂に浸かるだけ。
長い様で短いお風呂だったと思う。そう考えながらお湯に浸かっていると――
「その……ヒロ。もう少し寄っても良いな?」
「え?別にいいよ?」
胡座を組んで、脚の上にチョコンとした姫を乗せる。その時、少し姫が驚いた様な表情をしていた。
「……ふふん♪」
このお屋敷に来てから、こんなにほのぼのとした時間を過ごすのは初めてだなぁ。

「あれ? 姫、ちょっと顔が赤いけど……上せちゃった?」
「フンっ! 上せてなどおらぬ!」
うーん。ちょっと赤いと思うんだけど、口調からは上せている様にも思えないし……。
「そ、そう? なら後5分位でお風呂から上がろうよ」
「もう少し長い時間でも構わぬのだが……まぁ良かろう」
後5分、それでお風呂の時間は終わり。無意識に姫を抱きしめてしまっていたけど、姫には何も言われなかった。

で、お風呂から上がって着替えを終えてから、最初に言われた事はと言うと――
「ヒロ、居間に着くまで背中に乗せろ」
なんて理不尽な……しかも既に両手を僕に向けている。僕は姫を背負って、居間に向かう事になった。

居間に向かう途中、姉さんの姿を見かける。
「あ、姉さん。今日は遅かったんだね」
『あらヒロ。今日はね、新作のパフェが――……で、それがとても……――でね?」
パフェの話になったら姉さんは止まらない。
585名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 04:00:38 ID:lv2tq2Xd
『あ、ところでヒロ?お嬢様は何処かへお出掛けになったの?』
「姫なら此処に居るよ?……小さいけど」
ヒョコリと僕の背中から顔を出す姫。
『あら、シャーウッドちゃんじゃない♪』
「む……私はお前の主人、“姫”だ!」
『ええ♪シャーウッド“姫”ちゃんでしょ〜?』
「くっ……だから違うと言っておろうが……」
ある意味、僕の姉さんは要塞だ。なんとなく、姫が頬を膨らませているだろう事が想像出来る。
『今日のお料理を楽しみにしててね、シャーウッドちゃん♪』
「う……。むうぅっ……!」
予想通り、姫は頬を膨らませていた。それはそれで可愛らしいと思う。
「そう怒らないで? 姉さんにだって悪気は無いんだか――痛っ!?」
「フンっ! 天然“鈍感”姉弟め!」
何故か僕がポカンと頭を叩かれた。小さくて力の弱い手で。

居間に着いてからも、姫が自分の椅子に座る事は無かった。座った所は勿論、僕の膝。
「あの……姫?ここでご飯を食べる、って事になったりする?」
「ふふん。当然であろう?」
って事は、まさか?そう思って聞いてみる。
「僕が食べさせる事になったり?」
「……。私を子供扱いするでない!食事位は一人で可能だ!」
と、姫は言っていたけれど、結果的には僕が“手伝う”事になった。

姫と僕が食事を終え、暫くのんびりとした時間を過ごす。時間は夜の9時。
「ふぅむ。少々早いが、そろそろ寝るか」
トン、と僕の膝から降りた姫が言った。でも未だ9時なんだけど……。
「え? ちょっと早くないかなぁ?」
「まぁ、お前の部屋で眠るとしよう」
全く僕の話、聞いてないみたいだね……。っていうか僕の部屋で!?
「そ、そんな事を言われても僕の部屋は――ってちょっと姫!?」
最早僕の話は全く聞いてないらしい。僕の手を引っ張って、洗面所へ向かっている。

そして寝る準備を済ませた後、地下に歩いて行く。本当に僕の部屋で眠る気らしい。
部屋の扉が開かれ、姫はベッドに向かう。
「ふむ、寝心地は悪くないな」
じゃあ僕は机の椅子に座って――
「ヒロ。さっさと入らぬか!」
「……え? 僕も入るの?」
そう問掛けると姫は“当たり前の事であろう”と、半ば少し呆れていた。

そうしてベッドに入り、数十分が経過して……姫はスヤスヤと寝息をたてている。
その無垢な寝顔を見て、僕は決めた。眠らずに姫の眠りを見守る事を。
586名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 04:01:52 ID:lv2tq2Xd
何時間、姫の寝顔を眺めていたのだろう。僕は2〜3時間程度だと思っていた。
だけれど、外はもう明るくなっていて、小鳥の鳴き声すら聞こえる。
そして……――。
「ん……んぅ。ヒロ、そろそろ起きる――ん?」
僕が起きている事に、少し驚いているみたい。でも姫が驚いたのは“僕がずっと起きていた事”にだった。
「……! まさか、ヒロ……?寝ていないのか?」
「そうだよ。 あはは……でも、ゴメ、も、げんか……」
姫が起きたと思ったら、急に眠気に襲われた。 プツリと意識が途絶える前、姫が僕の名前を呼んだ様な……。
「ヒロっ!? 本当に馬鹿だな……お前は……」


ん、ん? 僕は、えーと?
「……起きたか?ヒロ」
頭には枕とは違った柔らかさの何か。そして僕に話し掛けるこの声は――。
姫? でもどうして真上に姫の顔が?
「ふむ。膝枕というのも中々キツイものだな……」
「あぇ!? ご、ゴメン姫っ!」
頭に柔らかな感触を感じたのは、姫の膝枕だったから。何だか凄く申し訳ない気分になってしまう。
「んん? 私は別に構わぬのだが。 さて、朝食……いや昼食に行くぞ」
「あ、うん。お昼になっちゃったなんて……」


こうして丸一日が過ぎた。2日目も姫と一日を過ごし……3日目も姫とお風呂に入ったり、一緒に寝たり。
結局、刺客が襲って来る事は無かった。そして今日は4日目の朝。だけど姫の姿が部屋に見えない。

「姫!? 姫っ! 何処に居るの!?」
着替えもしないで部屋を飛び出し、姫を探して居間の前を走り過ぎようとした時だった――。

「……朝から騒がしい奴だな」

いつも座っていた席に、いつもの黒いドレスを着た、僕のよく知っている人が座っている。
「姫!? お、驚かせないでよ……てっきり刺客に襲われたのかと……」
居間に入り、椅子に座った瞬間。
姫がツカツカと僕の方に歩いて来る。まさか……煩かったから怒った?
何故か怖くなって、反射的に目を瞑る。すると――
トスン。 僕の膝に誰かが座った様な感じ。瞼を開くと、目を瞑った姫の顔があった。
僕の唇と姫の唇がほんの少しの時間、合わされる。
「え!? ひ、姫!?」
「……ふふん。3日間の褒美だ」
587名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 04:08:52 ID:lv2tq2Xd
「あの……結局、今日も僕に座ったまま?」
「ふむ。……妙に気に入ってしまってな」
そうして、今回の事を姫が語り始める。

「恐らく、王族により封印されていた呪法であろうな……。3日以内に相手の命を奪う事が出来なければ、
いずれ何らかの形で、呪法を行った者の“命”が削られるというリスクを伴う。
兄弟の誰かの仕業であろうが……この様な姑息な手段を好む“奴”しか居るまい」
聞いても僕にはサッパリ理解出来なかった。分かるのは姫が無事だという事。
「ふん……まぁ良い。気分転換に明日は出掛けるぞ」
「え? でも台風が近付いてるんじゃなかったっけ?」
「大した事ではあるまい。兎に角、明日は出掛けるからな?」
――この時は知らなかった。とあるモーテルで、姫と不思議な夜を過ごす事になるなんて。

〜〜〜〜〜〜
「で、フランツ。リリアーヌは何処に居るんだ?」
「フガ?」
「……ハハッ。冗談が上手くなったじゃねぇか。で、リリアーヌは何処だ?」
「フガ?」
「知らないって……? リリアーヌは何処に居る、って聞いてんだろうが!このポンコツ野郎ッ!」
金の髪を持った男の剣が、スーツを着た男の左眼を切り裂いた。


〜〜〜〜〜〜
以上です。エロが少ないモノで申し訳ありません。
今回はいつもの冷静な姫の可愛さとは違った、
チビ姫の“可愛いさ”を表現してみたかったのですが……。

私も職人様達の作品をwktkwktkでお待ちしております。
588名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 04:46:21 ID:wTLE7/GB
おぉ!GJ!!
リリたん可愛いよリリたん♪

良ければ、その後の密室王女とかで続編も希望w
589名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 13:57:00 ID:G5D+Q/x0
抑えたエロスもいいもんです
ある意味、僕の姉さんは要塞だという一言が
何故か俺的ツボにw
590名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:11:09 ID:VrJyvk9F
GJ

ロリコンじゃないけど萌えた
591名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 23:44:58 ID:dJX4Wmv+
GJ!!!!

>僕の唇と姫の唇がほんの少しの時間、合わされる。
>「え!? ひ、姫!?」
>「……ふふん。3日間の褒美だ」

>「あの……結局、今日も僕に座ったまま?」
>「ふむ。……妙に気に入ってしまってな」

何だかんだ言いながら、ヒロくんを気に入っている姫…
たまんないです…
592名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 05:56:44 ID:vFdwemgR
超GJ!
フランドルとかシャーウッドは普通だけど、
ロリ姫はすごく愛しく感じるw
早く7巻でてくれ!
593名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 10:13:50 ID:o/lbjAEu
スバラシイ
594 ◆/C5rzj9GfQ :2008/03/31(月) 01:04:28 ID:xVvnfODV
注意 一部に猟奇的、またグロテスクな描写があります。

「…ごちそうさま」
「あら、ヒロ、おかわりはいいの?」
「うん…、美味しかったよ。ごちそうさま…」

姉さんが作るカレーはとっても美味しい。
だけど、それが美味しく感じないんだ…

僕は、そっと席を立って、厨房から出て行く。

「変ねぇ…、ヒロ。普段なら、カレーのときは必ずおかわりするのに…。
どこか身体の具合でも悪いのかしら…、それとも学校で何か心配事でもあるのかしら?」
「んん〜?イジメってやつか?」
「ここ一週間くらい、元気がないの。ずーっと何か考え事してるような、思い詰めてるような顔して…」
「確かにな。よし!あんなんでも、あたしの大事な弟分だ。
明日にでも学校へ乗り込んで、ヒロを苛めてるヤツをぶっ飛ばしてやる!」
「待って、リザちゃん!まだイジメと決まったわけじゃないんだから…」

厨房の扉越しに聞こえる、姉さんとリザの会話。
そう、姉さんが言うとおり、僕は学校で苛められてなんかいない。
ブッチーが冷やかし半分に教えてくれたけど、
クラスの女子が「この頃、日和見くんはカッコ良くなった」って噂してるんだって。
女子たちは、「スポーツジムに通ってるのかな」とか、
「一人でいるときの表情や雰囲気が、なんとなく“大人っぽい”」とかって言ってるらしい。
それはそうだよ。
刺客は昼も夜も見境なしに襲ってくる。
それと戦うために重い斧を持って全力疾走して姫の所に駆けつけて、
酷いときには次の日の朝が来るまで、その斧を振り回し続けなきゃいけないんだ。
それに、僕は不死身だから、刺客が姫を目掛けて振り下ろす得物を
この身体で受け止めることだってしょっちゅうだ。
そんな生活が一年も続けば、嫌でも体力がつくし、肝だって据わってくる。
それに何より、僕は怪我をするとその傷口から湯気みたいなのが立ち上って、すぐにその傷が治るから、
学校で、というか普通の人の前で怪我をするわけにはいかないんだ。
だから、この頃じゃ身のこなしだって軽くなったし、体育の授業だって、前に比べたら苦手じゃなくなってる。

595 ◆/C5rzj9GfQ :2008/03/31(月) 01:05:36 ID:xVvnfODV
「…姫」

自分の部屋へ歩いていく途中で、姫のことを、ポツリと声に出して呼んでみる。
胸が、苦しい。

部屋に入る。
姉さんがきちんと整えてくれたベッドに、わざと乱暴に身体を投げ出す。

スプリングの揺れが収まっても、僕の心は大きく波打ったままだ。

天井を見詰めながら、姫のことを考える。

姫は、成人すると不死鳥になる。
人間の寿命なんて、どうがんばったって100年くらいだ。
血の戦士の場合はどうなのか分かんないけど、
いくら『半不死身の血の戦士』って威張ってみても、元は人間だ。
僕は、いつまで姫と一緒にいられるんだろう?
僕は、姫と、ずっと一緒にいたいんだ。

僕は、姫が、好きだ。

ううん。違う。

僕は、姫が、大好きだ。
姫と一緒にいられなくなる時が来るんなら、今すぐに死んでしまったほうがましだ。
僕は、姫無しじゃ生きられない。姫のいない世界になんか、生きていたくない。

596 ◆/C5rzj9GfQ :2008/03/31(月) 01:06:43 ID:xVvnfODV
セブラン王子との裁判のとき、
裁判が始まるまで入れられていた牢屋の中で、姫が看守に暗殺されそうになった。
看守は、姫を乱暴してから殺すつもりだった。
あの時、僕は、初めて“姫の敵”に殺意を抱いた。
あの時まで、僕は、「姫を護りたい」と思って戦っていた。
刺客に対して「殺してやりたい」と思ったことはなかった。
刺客が降参して、姫が「それでよい」って言えば、僕はそれでよかった。
だけど、あの看守だけは、どうしても許せなかった。
僕は、あいつが持っていた電磁式の警棒を奪って、あいつの頭を、思い切り殴った。
あいつはあっという間に動かなくなったけど、僕は、もっともっと、
あいつの頭が粉々になるほど殴り続けたかった。
僕がそうしなかったのは、あいつの脳味噌が飛び散って、それが姫の身体を汚すかもしれなかったからだ。

リザの運転で夜のドライブに出かけて、幽霊トラックから追突攻撃を受けたとき、
自動車の屋根の上で戦っていた姫が転落しかかった。
僕は、夢中でドアから飛び出して、姫を空中で受け止めて、そのまま背中を下にしてアスファルトの上を滑った。
アスファルトの路面に擦られて、シャツが破れ、皮膚が裂け、血が噴き出し、肉が千切れ、骨がガリガリと鳴った。
勿論、血の戦士だって痛みを感じる。とても痛くて、とても辛かった。
でも、そんなこと、どうだってよかった。
『血を授けてくれる王族が死ねば、血の戦士も死ぬ。』
そんなことも、どうだってよかった。
姫の綺麗な顔や身体が凄い勢いでアスファルトに叩きつけられたら、どんなことになるか。
姫は、僕の大事な女性(ひと)だ。
その大事なひとの綺麗な顔や身体を、
小汚いトラックをいい加減に操るくらいしか能のない怨霊なんかに傷付けさせてなるものか!
あの時、姫はびっくりしたみたいな顔をしてたけど、
僕が「姫」って呼びかけたら、いつもの顔に戻って「うむ」って返事をしてくれた。
姫の綺麗な顔に傷が付いてなくて、姫の身体に怪我がなくて、とっとも、とっても、嬉しかった。

「…姫」

もう一度、姫をそっと呼んでみる。
涙で、天井が、ちょっと滲んだ。
597 ◆/C5rzj9GfQ :2008/03/31(月) 01:07:41 ID:xVvnfODV
今回は、以上です
598名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:17:55 ID:Ty0EMAbP
これはwktkしながら待つしかあるまい。
wktk
599名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 09:29:52 ID:C6IzkCbi
続きが凄く気になるな
wktk!
600名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 10:16:08 ID:aAMMsNrWi
ヤンデレのヒロか…
601名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 14:24:03 ID:8mFK46FP
wktk
602名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 00:06:38 ID:dyCNUsqG
中の人よ、なんということをしてくれたんだ!
こんなもん投下して、GJとでも言って欲しいのか!!!
……畜生!GJだ!!!
603 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/01(火) 16:51:25 ID:FD0mtwpc
トリ、上手く付くかな?
604 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/01(火) 16:53:28 ID:FD0mtwpc
>>596
一部、設定を捏造してます


ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!

あ…
いつの間に寝ちゃったんだろう…?
目覚ましが鳴ったってことは、もう行かなきゃ…
でも、まだ朝じゃない。時刻は午前零時ちょっと前。
今から、姫から血を飲ませてもらうために姫のところへ行くんだ。

部屋の扉をそっと閉めて、姫の部屋へと歩き出す。

姫のことが大好きなのに、いつでも一緒にいたいのに、
それに、姫の柔らかくて温かい手を気兼ねなく握れるのは血を授けてもらう時だけなのに、
『もう行かなきゃ』なんて、まるで気の進まないところに行くみたいな感じがしてる。

姫に、凄く逢いたいけど、でも、とても逢いたくない。
姫に、僕の、この乱れきった心を見透かされてしまいそうで、怖い。
でも、姫のことが大好きだって気持ちは、絶対に誤魔化したくない。
だけど、僕は“下僕”で、姫は“姫”なんだ…

姫が僕のことを大切にしてくれてるってことは、何となく分かる。
姫の家来になってすぐ、
笹鳴総合病院で生体解剖されそうになった僕を助けるために吸血鬼の群れの中で戦ってくれたし、
僕がキニスキー公爵に攫われた時も、
それが姫をおびき出す罠だって分かっていたのに、ポセイどん達半魚人族を大勢連れて助けに来てくれた。
後で令裡さんが教えてくれたけど、
ポセイどん達を連れてくることは、王族同士の戦いの“掟破り”ぎりぎりだったんだ、って…

でも、姫が、そうまでして僕を大切にしてくれるのって、
僕が、姫の、今のところ唯一の血の戦士だからなのかな?
姫が、兄弟のうちの誰かによって血の戦士化した人狼の三兄弟の刺客に、
地下室で銀の銃弾を何発も何発も撃ち込んだあの時には、結局、聞き損ったけど…

605 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/01(火) 16:54:43 ID:FD0mtwpc
きっと、そうだよね…
いくら僕が強く強く姫のことを想ったって、姫は僕のご主人様で、僕は姫の家来なんだから…

姫と僕との間には、
“姫”と“家来”、“主人”と“下僕”っていう、
どうしても超えられない厚くて厚くてどこまでも厚い壁、深くて深くてどこまでも深い谷がある。

でも、僕は、姫のことを諦めたくない。
僕は、姫のことが『一人の女の人』として、好きなんだ。

姫に、僕にだけ特別な表情を見せて欲しい。
別に、にっこりして欲しいんじゃない。
僕は、姫の“特別な人”になりたいんだ。

「姫のことが好きだ」って言ったら、どうなるだろう。
「馬鹿者!!」「身の程を知れ!!」って叱られるかな?
そしたら「ごめんなさい」って謝って、姫のことをきっぱり諦めればいい。
それとも「おまえは、もう不要だ」「血はやらない。屋敷から出て行け」って言われる?
それでもいい。
今のこの宙ぶらりんの苦しい気持ちがずっと続くより、いっそ死んでしまったほうがよほどマシだ…

とうとう、姫が待っている部屋の前に着いた。

ノックをする。

「ヒロか?」
「はい」
「入れ」

静かに扉を開ける。

いつもの椅子に、いつものように優雅に足を組んで座っている姫。
僕は、その前にゆっくりと跪く。

「血の一滴は、生命の雫」
姫が、白くて細くてとても綺麗なその指に噛み傷を作る。
傷口からジワリと血が盛り上がるように溢れ始めるその指を、僕に差し出す。
「飲むがよい…」
僕は、その掌をそっと捧げ持つように支えながら、
そして、姫に気付かれないように、掌を少しだけ窄めてそっと握りながら、
血が滴り始めている姫の指を、ゆっくりと舐める。
606 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/01(火) 16:56:06 ID:FD0mtwpc
姫…

姫の手の感触は、今までに触ったどんなものよりも心地いい。
この手を、離したくない。いつまでも、いつまでも、握っていたい。

血の匂いと一緒に、姫のとってもいい匂いが僕の鼻を擽る。

姫…

僕は、姫の血で生かされているのに、
今この瞬間も、僕の身体の中には、姫の血が流れ込んでいるのに、
姫はこんなに近くにいるのに、姫をこんなに遠くに感じる…
ずっと前に聞いた流行の歌に、そんなふうな歌詞があったっけ…

姫が、そっと手を引っ込める。おしまいの合図だ。
僕は、握っていた手を緩める。
姫の掌が、僕の掌の上を離れていく。

この瞬間が、姫との永遠のお別れのようで、物凄く切ない…

「ありがとうございました」

立ち上がって、深くお辞儀をする。
切な過ぎて、姫と目を合わせられない。
僕は、そのまま素早く横を向く。

「うむ」

いつもの姫の返事。

部屋を出ようと、ドアノブに手をかけた時…

「待て、ヒロ」
607 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/01(火) 17:00:04 ID:FD0mtwpc
「はい」

「何か私に不満でもあるのか?」

「えっ…」

「今もそうだが、ここ二日ほど、お前は私と目を合わせたがらないが、どういうわけだ?」

「いや、そんなことは…」

「私の目は節穴ではない」

「はい…」

『姫のことが大好きなんだけど、それを言い出せない』とか『姫の特別な人になりたい』なんて、
言えるわけないじゃないか…
僕は、黙っているしかなかった。

「どうした?主人の私にも言えぬ様なことなのか?」

だから、そうじゃないんだ。姫が僕のご主人様だから言えないんだ…

「わかった。
私が原因なら話し合いも出来るだろうが、『私が原因か』と聞いても『私に言えぬことか』と聞いても、
お前は返答をせぬ。
お前が今抱えている悩みなり何なりが私に関係ないものならば、自分独りのときに好きなだけ悩むがよい。
以後、私の前で、そんな辛気臭い顔をするな。迷惑だ」

姫は怒ってるんじゃない。
こういう言い方で突き放す時って、姫が、ほんとのことを知りたいと思ってる時なんだ。

「ごめんなさい…」
僕は、恐る恐る姫と目を合わせた。
もう、本当のことを、僕の気持ちを素直にそのまま言うしかないみたいだ。

「ほう、白状する気になったか」

「僕は、姫と、いつまで一緒にいられるのかなって…」

姫の目が、ちょっと、細くなった。

608名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 18:28:20 ID:Vw5oSntq
>>607
乙!!GJです!!
早く続きを読ませてくれ!
609名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 20:04:48 ID:5ceCjqtl
やべぇ〜なんか切なくて泣きそうだ
続き頼む!
610 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/02(水) 05:23:57 ID:6H+NS7aY
トリ
611 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/02(水) 05:25:00 ID:6H+NS7aY
「どういうことだ?私に仕えるのが嫌になったか?」

「違う!」
姫の意地悪な質問に、僕は思わず叫んだ。
そう、これが相手に本当のことを話させるための意地悪な質問だって分かってはいても、
僕は叫ばずにはいられなかった。
「そんなんじゃないよ!!」

「そこでは話が遠い。こちらに来い」

「はい」
僕は、姫の真正面に立つ。

姫が、ニヤッと笑う。
相手に意地悪な質問をしておいて、それに相手が怒ったり驚いたりするのを見ながらニヤニヤ笑うなんて、
普通だったら『趣味が悪い』って思うよね。
でも、姫はこれが普通だし、令裡さんにもそういう癖があるからもう慣れてる。
それに、姫がニヤッと笑うと、なんか、
「これからイタズラしますよ〜」って言ってるみたいで、とっても可愛いんだよね…。ムフフフ…

あ!いけないいけない!今は姫との一対一の真剣勝負の真っ最中なんだ。
僕の気持ちをそのまま姫に伝えたらどんな結果になるか、まったく想像もつかない。
でも、僕の心の中にある姫に対する想いを全部、今ここで姫にぶつけるんだ。
そうしなけりゃ、何も始まらないし、終わらない。
セブラン王子との裁判のとき、同じ牢屋に入っていた地底人のラッドと話をしながら自覚した。
姫とは、住む世界が違いすぎるって…
でも、僕は、ずっとずっと姫の傍にいたいんだ!!
それに、僕は、姫が好きなんだ。
もう、眠れない夜も、起きているのに夢の中にいるような日々も、たくさんだ。
歴史の授業で、大決戦の前に「勝利か、死か!」って叫んだ偉人がいるって聞いたことがある。
僕はちっぽけな中学生だけど、下僕だけど、今、たった一人で自分の運命に立ち向かう。
姫か、死か!!

612 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/02(水) 05:26:33 ID:6H+NS7aY
「姫は、成人したら不死鳥になるんだよね」

「そうだ」

「僕は、姫の血の戦士で、半不死身なんだよね」

「そうだ」

「姫は不死身の不死鳥になって、僕は“半不死身”だってことは…」

「ん?」

どうしても、言わなきゃいけない。
それを言うために、僕は今、ここにいるんだから。

「僕は、姫とずっと一緒にいたいんだけど、でも…」

「でも?」

「…姫は、成人すると不死身になっちゃって…、僕は、半不死身だから…」

「ヒロよ。お前は先ほどから“不死身”と“半不死身”にこだわっているが、
それと、お前が、これから先もずっと私に仕えたいという事と、どのような関係があるのだ?」

「えっ…、それは…、だから…」

「よいか、ヒロよ。
血の戦士は、王族から定期的に血を与えてもらわねば生き続けられぬ。
だが、血を与えてもらい続ければ、ずっと生き続けられる。
そして、もし、血の効力が切れて死すれば、もう二度と生き返ることはかなわぬ。
ただそれだけのことだ。」

613 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/02(水) 05:28:01 ID:6H+NS7aY
「…?」

「わからぬか?」

「…いや、その…」

「全く、飲み込みの悪いヤツだ。
よいか、ヒロ。お前は、私がお前に血を与え続けるかぎり、ずっと生きられるのだ。わかったか?」

「うん…」

「一体どうしたのだ?
お前は私にこれからもずっと仕えたいと言って、私がそれでよいと言った。
これ以上分かりやすい話はないではないか?どうだ?まだ何か納得がゆかぬか?」

「…じゃあ…」

「ん?」

「これからも、ずっと…、ずっと、姫の傍にいてもいいの…?」

姫が、クックックッととても可笑しそうに笑い出した。
酷いよ、姫!僕の生きるか死ぬかの瀬戸際の質問を笑うなんて!

「ああ。気の済むまで、飽きるまで私と共にいて、せいぜい私に忠勤を励むがよい!」

「うん!僕は姫とずっと一緒にいる!!」

まだ姫はククククって笑ってる。
何だか、僕も可笑しくなってきた。

僕たちは、二人で笑った。

これで『姫といつまでも一緒にいたい』って問題は、一応だけとクリアーできた。
次は、『姫の特別な人になりたい』だけど…

「ねえ、姫」

「何だ?だが、もう、不死身のことは勘弁してくれ。私まで訳が分からなくなりそうだぞ!」

姫が、笑いながら僕をからかう。
質問を止めるなら、姫の機嫌がいい今のうちだ。
だけど、僕は、前へ進むことを選ぶ。
姫か、死か!!

「僕は、姫の、特別な人になりたいんだけど…」

姫が、笑うのをピタリと止めて、僕の顔を真顔で見詰める。
僕はもう1つ、歴史の時間に覚えた言葉を思い出した。
『賽は、投げられた』
614名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 08:44:14 ID:j3VqCrO/
続き期待!
615名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 11:53:06 ID:NYuhkxJP
ふおおお!
wktkwktk!!
616名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 21:56:15 ID:57pLmS/o
ムフフフ… ってヒロww
617 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/03(木) 19:39:54 ID:U2jVxT5P
「椅子を持って、こちらへ来い…」

姫の顔が引き締まってる。
“引き攣ってる”んじゃない。引き締まってる。
戦いの指揮を執ってるときとおんなじ顔。
声だって、どこにも隙がない。
とっても、カッコいいな…

ああっと!
いけないいけない。今は、姫のカッコいい顔に見惚れていていい時じゃない。
とにかく、姫の指示の通り、椅子を持ってきて、と…

「先ほどは笑って悪かった。で、お前の戦略を聞こうか」

え!?“戦略”って…?

「大丈夫だ。どんなに状況が危険でも、私は動揺などしない」

“状況”が“危険”?
それに、今、必死に動揺を抑えてるのは僕の方なんだけど…

「あ…、その、…うん」
とにかく、姫との会話を続ける意志があるってことを示すために、僕は優柔不断の見本みたいな相槌を打つ。

「やはり、それ程までに状況は切迫しているのか…」

う〜ん…。
そりゃ確かに僕にとっては“状況は切迫”しているけど…

「わかった。話しにくいなら、話の順序を変えよう。
私が今から1つずつ質問していくから、お前はそれに答えよ」

ああ、そうして頂けると、とても助かります…
618名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 19:40:24 ID:ItVrf3ss
>>613
続きがめっちゃ気になる!!
619 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/03(木) 19:41:40 ID:U2jVxT5P
「で、今度の敵は、それほど強力なのか?」

どう考えても、おかしい。
明らかに僕たち二人の会話は全く噛み合ってない。

「姫」

「うむ」

「その…、僕たちの会話…、ちょっと噛み合ってないような気がするんだけど…」

「ん?」

「僕は、姫の『特別な人』になりたいんです…」

「うむ。
だから今、その『特別な警戒態勢』についての話をしているのだが…?」

今度は、僕が姫に質問しなきゃならなくなった。

「『特別な警戒態勢』って…?」

「ん?
私の血の戦士であるお前が私にとって“特別な者”になりたいということは、
つまり、私の『親衛隊』のようなものになりたいということであろう?」

なんか、話の食い違いの原因と方向が、だんだん僕にも分かりかけてきた…

「そもそも我々王族にとって、血の戦士という存在は『親衛隊』のようなものだ。
そうであるのに、更にお前は私にとっての『特別な存在』とやらになりたいという。
そこで、私としては、
お前が、『特別な存在』にならなければ倒せない敵の存在を察知したのか、と考えたのだが…」

そうか、なるほどね…
前にリザがお屋敷の自動車の整備をしながら教えてくれたけど、
クラッチっていうのを上手く繋がないと乗り物が上手く走らないんだって。
僕は、慎重にクラッチを繋ぎなおす作業にかかる。

「ごめん、言葉が足りなくて。そうじゃないんだ」

「そうか!
道理で先ほどから話が上手く通じぬわけだ。
のんびり屋のお前が血の戦士としての自覚にかかわるような質問をするなど、
珍しいことが起きたと思ったのだが…」

又、姫がクックックッと笑い出す。
でも、今度は、僕も一緒になって笑うわけにはいかなかった。

僕は、本題を切り出そうと、姫が笑い終わるのを待っていた。
それに気付いた姫が、白くて綺麗な細い指で目尻の涙を拭いながら僕の方を見た。

「で、お前の言う、私にとっての『特別な存在』とは何なのだ?」
620 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/03(木) 19:42:31 ID:U2jVxT5P
「僕を、姫の恋人にしてください!」

姫が、ポカンとした顔で僕を見る。
そりゃ、そうだよね。
この僕の告白は、姫にとっては、
砂糖だと思ってたくさん口に入れたら塩だった、とか、
麦茶だと思って思い切りゴクゴク飲んだら薄めためんつゆだった、みたいなものだろうから。

でも、もう、後戻りなんか出来ないし、そんなことする気もない。
勝利か、死か!姫か、死か!英語で言えば“all or nothing”だ。
姫がいてくれれば、他に何もいらない。
姫のほかには、何も欲しくない。
だって、姫は、僕の全てだから!!

「僕は姫のことが好きです。
だから、姫の特別な人に、恋人になりたいんです!」

姫の表情が変わっていく。
ちょっと眉をひそめて、小さく溜息をついて…
でも、怒ってはいないってことは分かる。
どちらかっていうと、“困ってる”って顔、かな…

「いつからだ?」

「え?」

「いつ、私を好きになったのだ…」

姫は静かな声で質問を始めた。
よし!叱られたり無視されたりしてないって事は、いわゆる“脈がある”ってことだよね!
『運を天に任せる』なんていうけど、そんなのはアマチャンだ。
『運命の女神は、勇敢な者に微笑む』って言うじゃないか!
この運命との戦いに必ず勝って、姫に微笑みかけて貰うんだ!
僕は、慎重に、丁寧に、心の中にある姫への想いを伝え始める。
621 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/03(木) 19:44:29 ID:U2jVxT5P
「出会ったときからです」

「そうか…」

「あの時の姫の声も、言葉も、顔も、今でもはっきり覚えてる」

「…」

「とっても綺麗な子だなって思った」

「…」

「その時、好きになったんだと思う」

「…」

「いくらそれが王族の運命だっていっても、
兄弟の誰かに命を狙われるってことがただ事じゃないってことは、僕にも分かる。
そういう姫を護りたいって、
少しでも姫の心の支えになりたいって強く思ったし、今だって思ってる」

「…」

「今日まで、姫を護るために戦うたびに、どんどん姫のことを好きになった」

「…」

「笹鳴病院に監禁されたときも、キニスキーに攫われたときも、
姫が、自分の身の安全や王族の掟に構わずに助けに来てくれて、とっても嬉しかった」

「…」

僕にとっては、これで精一杯だった。
二人の間に、沈黙が流れる

「…」

「…」

それまで椅子の背もたれに預けていた背中をちょっと離して、姫が口を開いた。

「今日は、もう、下がってよい…」

「はい」

僕は、丁寧にお辞儀をして、静かに部屋を出た。

足元が凄くフワフワするけど、頭の中はキーンと冴え渡ってる。
姫の『特別な人』になれるかなんて分からないけど、とにかく、姫に「好きだ」って伝えることは出来た。

とってもすがすがしい気持ちだった。
622名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 20:26:04 ID:pMx/hADv
こ、これは……どうなるんですか?
非常にwktkwktkでお待ちしております。
623名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 21:17:42 ID:GR+dflDO
超大作な予感!(・∀・)
624 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/05(土) 06:27:46 ID:i2d0IF6c
トリよ、上手く付け!
625 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/05(土) 06:29:10 ID:i2d0IF6c
>>621から

パタン!
僕の部屋の扉は重い鉄扉だけど、今はその扉が閉まる音さえ軽やかに聞こえる。

「ヒャッホーーーーオゥ!!!」
僕は歓喜の雄叫びを上げながら、ポーンと大きく弧を描いてベッドにダイブした。
ボヨンボヨンと波打つスプリングの振動をわざと大きくするように何度も身体を上下に揺する。

やった!やった!やったぞ!!
とうとう言ってのけたんだ!

出口が全く分からない狭くて暗くてジメジメした洞窟を彷徨ううちに、
ひょっこりと、爽やかな風が吹き渡る陽の光が燦燦と降り注ぐ高原に出たような開放感と爽快感。

「やったーやったー、やったやったやったー!!」
どうしようもなくハイになっちゃった僕は、そのままベッドの上でコロコロと左右に転げ回る。

姫、ちょっと困ったような顔してたよね…
勿論、告白したのは、姫を困らせるためでも、姫の困った顔が見たいからでもなかった。
でも、姫の困った顔、ちょっと可愛かったかも…!うん、可愛いよ、エヘヘヘ…
あれ、ひょっとして、僕ってほんとはSなのかな…?

「はぁ〜…」

ようやく落ち着きを取り戻した僕は、さっきの告白を思い出していた。
姫への想いを、もっと詳しく言えたんじゃないか?
もっとたくさんの言葉を使って言うべきだったんじゃないか?
そんな思いが少しずつ沸いてくる。

やばい、なんかとっても不安になってきちゃったよ…

そりゃ、僕としては姫に告白できたことはとってもよかったし、凄く嬉しかった。
だけど、僕から告白されて、姫はどんな気持ちになったんだろう…

やっぱり、困ったのかな…?
僕は、姫を困らせちゃったのかな…
僕、姫に悪いことしちゃったのかな…
626 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/05(土) 06:30:17 ID:i2d0IF6c
でも、でもだよ、
もしあの時、姫に告白しなかったらとっても後悔しただろうし、
これ以上姫への気持ちを抱え込んだままだったら、僕は精神的に参っちゃうと思う。
でも、だからって、勝手に姫を好きになっておいて、勝手に告白して、
姫を困らせていいってことには勿論ならないよね。

僕は、何てことを仕出かしたんだろう…

なんか、心が凄く重くなってきた…
明日、姫にどんな顔して逢えばいいんだよ…

後悔の念に耐えられなくなった僕は、自分の顔を両掌でグシャッと掴んだ。

天にも上る歓喜と奈落に落ちるような失意、
大きな達成感と底なしの後悔の大波に翻弄されて精神的にクタクタになった僕は、
いつの間にか深い眠りに落ちていた。



「ヒロ、起きなさい!ヒロ!!」

「…んんっ…、ああ…、姉さん…」

「こら、ヒロ!目覚し、ちゃんとかけたの?学校に遅れるわよ!」

部屋に差し込んでる朝日の角度が、いつもより明らかに高い。

「うわぁっ!!」
僕は、ほんとにびっくりしてベッドから飛び起きた。
遅刻したら、また職員室でお説教だ!
ん?何かとっても大事、っていうか深刻なことを忘れてるような気がするんだけど…
姫…
姫のこと…?

「わああっ!!」
それを思い出したとたん、自分でもびっくりするくらいの大声が出た。

「ど…、どうしたの!?」
固まってる姉さんをベッドの傍に残したまま、
勉強机に掛けてある通学を引っ掴んで転がるように部屋を出る。

朝食を食べている暇は無いみたいだから、そのまま厨房の横を駆け抜ける。

いつも姫たちがいる小食堂の前にさしかかる。

姫への朝の挨拶はどうする?

する?しない?

自然に足が止まった。
どんなに気まずくても、朝一番にはやっぱり姫の顔が見たい。
僕は自分で自覚している以上に姫のことが好きみたいだ。

開けっぱになってる食堂の入り口から首だけをヒョイと出して、姫に挨拶する。

「おはよう!」
627 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/05(土) 06:33:14 ID:i2d0IF6c
「うむ」

姫の様子は、全く普段と変わらない。

「おはよ!ヒロ、おまえ、今まで寝てたのか?」
リザが声をかけてきた。

「ははーん、さては寝坊だな!
そりゃあ、夜中にゲームであんだけ盛り上がりゃ、翌朝は辛いよな」

「え?」

「昨日の、つか今日の12時ちょっと過ぎだよ。真夜中なのに『ヒャッホー』とか『やったー』とか…」

あちゃー!リザの耳のよさ、忘れてたよ…。て、ちょっと待ってよ!
姫に告白した後、僕が自分の部屋で大ハシャギしたってことが姫に丸分かりじゃないか!!
今のリザの言葉を聞いても姫の表情や態度に変化は無い。
だけど、リザにこれ以上余計なことを話されちゃたまらない。何とかしなきゃ!

「学校に遅れそうなんだ。バイクで送ってよ!」
とっさに出た一言。うん、我ながら一石二鳥の超GJ!

「いいぜ、来な!」

リザの後を付いて食堂を出るときにもう一度姫をチラ見したけど、姫は普段の姫のままだった。

学校から帰って、姫に挨拶する。
姫の態度には、変化も異常も無い。
日中は特に姫からの呼び出しはない。
夕食のとき姉さんの手伝いで姫に給仕をしたけど、その時も姫の様子は普段通り。
寝る前に姫に挨拶する。
姫は普段と変わらない。

翌朝、今度はちゃんと早めに起きて朝食を食べて姫にきちんと挨拶して、それから登校。
姫の態度はいつもの通り。
帰宅時および日中の活動中、そして就寝前、姫の態度に変化なし。

翌々日、起床から就寝直前までの姫の様子は全く普段通り。
そして、そう、今日は血を飲ませてもらう日。
姫はどんな危機の中でも、いつだって冷たいくらいに冷静沈着だ。
それに、人物が凄く大きいから、自分の気に入らないことがあったからっていって、
そういうことをした人にチマチマした嫌がらせなんかするはずがなかった。
つまり、僕の告白への姫の答えは、二人きりになる今日、はっきりするはずだ。

みんなが寝静まってから、午前零時までの時間がメチャクチャに永い。
それでも、気が付くと僕はウトウトしてたみたいだ。
かけておく必要なんかない、と思っていた目覚まし時計に起こされた。
これだけの緊張の中でも寝ちゃう僕って、
よっぽど精神的な疲労に弱いか、そうじゃなけりゃ大物か、どちらかだと思う。

部屋を出て、姫が待ついつもの部屋へと向かう。
628 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/05(土) 06:36:01 ID:i2d0IF6c
姫がいる部屋のドアの前に立つ。

ノックをする

「ヒロか?」
「はい」
「入れ」

いつもの姫のいつもの声だ。

そっとドアを開ける。

…!

一瞬、僕の全思考が停止し、
ドアノブを開けた手がそのままノブに固定され、
足の裏が入り口の絨毯の上に張り付いたんじゃないかと思うくらい、全く身動きがとれなくなった。

僕の身体のうちで動いてるってはっきり分かるのは、
激しく高鳴る心臓と、部屋の中をせわしなく見回す目の玉だけだ。

だって、姫がいるべき部屋の姫が座っているべき椅子の前には、
もの凄く綺麗で可愛いけど普通の女の子がたった一人、立っているだけだったんだから。

ううっ!

息が苦しくなって、やっと、自分が呼吸を忘れてるってことに気付く。
僕の脳がフルスピードで回転を始める。

「刺客ッ!」

僕の意識が結論を出す前に、身体が素早く反応する。
僕は部屋の入り口に立ったまま、その女の子に対してサッと半身に構える。
そして、大きな声で部屋中に呼びかける。
「姫ッ!どこにいるの!姫ッ!!」

僕の思考が出した結論はこうだ。
『この子は、刺客か、それに極めて近い存在である。
なぜなら、姫がいるべき部屋に姫はおらず、この子だけがいた。そして、姫の行方は分からない。
以前にも、複製植物や夢を操る怪物の襲撃を受けたとき、
このような、そこにいるべき者がそこにおらず、そこにはいないはずの者がそこにいる、
という現象が観測された。
よって、僕がとるべき行動の第一は、早急に姫の所在とその安否を確認すること。
第二は、この子をこの屋敷から排除すること』

とにかくなんとしても一刻も早く姫の安否を確認しなければ。
そして、出来れば
−でも、女の子の姿をしてる相手に対しては使いたくなんかないけど−いつも使ってる斧を取ってきたい。
相手の出方によっては、リザを起こす必要だってあるだろう。
629 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/05(土) 06:36:57 ID:i2d0IF6c
その時…

「どうした?ヒロ。私だ」

その女の子が、僕に呼びかける。
そうはいかないぞ!
お前が姫の命を狙ってこの屋敷に潜入した刺客だってことは、こっちは先刻承知…

「私だと言っているだろうに。ほら、これなら分かるだろう?」

女の子は、
サイドテーブルの上に敷かれた真紅のビロードの上から、姫のティアラを慣れた手つきで取り上げると、
それをキュッと自分の頭に載せた。
ああっ!女の子が姫そっくりになったじゃないか!!
またあの複製植物がお屋敷の中に蔓延ってるのか!?
『複製』って、分かりやすく言えば“ニセモノ”ってことでしょ?ニセモノの分際で、姫のティアラを着けるなんて!
「こら、姫の大事な冠を元に戻せ!」

女の子は、ちょっと困った顔をした−その顔も姫そっくりだった−けど、ここで怯んじゃいけない。
「姫を、姫をどうしたんだ!正直に言えば、正直に言って姫を帰せば見逃してやる!」

女の子は、ふぅ、と一つ溜息をつくと、落ち着いた声で話し始めた。

「ヒロよ。落ち着くのだ。
私が刺客なら、わざわざお前に警戒心を起こさせるような、普段と違うこのような格好はせぬ」

確かに、それはそうだけど…

女の子は、ティアラを頭に載せたまま両方の腰に手を当てて、ちょっと呆れたような顔でこっちを見てる。

うん…、考えてみれば確かにその通りだ。
僕を殺そうと思うんなら、普段の姫とそっくりの姿形でいて、僕が全く警戒せずに近づいた所をやればいい。
それに、今みたいに僕が勘付いちゃったんなら、もう、その時点で僕に襲い掛かってきてもいいはずだ。

と、いう事は…

「姫…、なの…?」

女の子は、「やれやれ」という顔でこっちを見ながらもう一度小さく溜息をついてから、ゆっくりと返事をする。

「お前は、主人の顔も忘れてしまったのか。この大間抜けめ!!」

この顔、この声、この台詞。

この女の子は、確かに、姫だった。
630 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/05(土) 06:37:40 ID:i2d0IF6c
今回は、以上です。
631名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 07:12:10 ID:nxPJNL+j
リザかわいいよリザ
632名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 11:53:42 ID:7ZQZ2nr1
面白い!こりゃwktkwktkせずにはいられねぇぜ
正座で待機w
633名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 13:13:27 ID:KkApGUzu
ヒロ疑いすぎだから!姫を疑いすぎだからw
ええなぁ。かわいいなぁ姫
634名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 20:24:30 ID:a7XAfgh1
ヒロおもしれぇw
635名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 00:17:52 ID:PJ/eOrch
続きが待ちきれないぜ!
もう一回最初から読む事にしよう
636名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 00:18:59 ID:VrB3E8t1
続きまだかな?
637 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/09(水) 00:46:08 ID:pE9pjicT
「ほんとに…,姫…?」

「そうだ」

う〜ん…
『そうだ』って言われなくても、ティアラを着けてる頭、っていうか“首から上”は確かに姫なんだけど…
でも、どうしていつもの黒いドレスじゃないんだろう…?
上は白い半袖のパーカーの中にグレーのシャツ。下がベージュのショートパンツ。そして足元は茶色のブーツ。
なぜに姫はこんな格好を…?

「そのようなところに突っ立っていないで、近くに来てよくその目で見て確かめたらどうだ?それに…」

「?」

「あまり大声で騒ぎ立てると、またリザに聞きつけられてしまうぞ!」

わわわっ!そ、それは勘弁してほしい!
僕は姫に言われたとおり、ドアをそっと閉めて姫に近付いていく。

近くに来て、よく見ても−いや、『よく見れば』かな?−、やっぱり姫だ。

「どうだ?」

「姫…、です…」

ハハハハッと姫がとても楽しそうに笑う。
姫の笑い声も、そっと閉じたその瞼も、優しく緩んだその頬も、とっても、とっても、綺麗だな…
638 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/09(水) 00:47:32 ID:pE9pjicT
「しかし、先ほどはよくやった。
何時でも精神を研ぎ澄まし少しの異変に対しても敏感である事は、血の戦士としての基本中の基本だからな」

「あははは…」
褒めてもらったのは嬉しいけど、本物の姫をニセモノ扱いしちゃったのは大失敗だった。
でもそれは、いつもと全く違う、っていうか、
今までに一度もしたことが無いような格好をしている姫にも原因があるんじゃないかと…

「あの…」

「ん?」

「どうしたの…?その格好…」

「似合わぬか…?」

「いや…、そういうことじゃなくて…」

「紗和々に見立ててもらったのだが、やはりヒロに好みを聞いたほうがよかったか…?」

姫はちょっと残念そうに自分の服を眺めてるけど、でも、『ヒロに好みを聞く』って、どういうこと…?

「あの…、僕と、姫の服と…、一体どんな関係が…」

僕の言葉を聞いた姫は、ちょっとぷっと膨れて僕を睨みつけた。
「想い人が逢いに来るのに、それを特別な服装で出迎えようという女心が分からぬのか。全く、鈍いヤツだ!」

いや、『特別な服装』っていうのは分かるよ。でも、『想い人』って…

その時、姫はティアラをそっと外して、サイドテーブルの上に置いた…

うわわわッ!!ぼ、僕の目の前にさっきのめちゃくちゃに綺麗で可愛い女の子がッ!!!
僕は、前後もわきまえずに思わず口走ってしまった。

「あっ…、綺麗だ…」
639 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/09(水) 00:48:48 ID:pE9pjicT
自分の言ったことを自分で聞いて、僕は、その場に突っ立ったまま耳まで真っ赤になってしまう。
その様子を見た姫が、再びティアラを着けた。

「これでどうだ…?」

いつもの姫はいつもの姫で、とっても魅力的だけど…
僕のちょっとがっかりした気持ちが顔に出ちゃったのか、僕の顔を見ていた姫が、ティアラをもう一度外す。
あー!またもや物凄い美少女が、僕の目の前にー!!

「そうか、ヒロ。お前は、冠を着けぬ私が好みなのだな…」

「ええッ!そ、そんな…」
ちょ、ちょっと待ってもらえませんか…?『好み』って、それも『お前は』って一体、どういうこと…?

「それとも、逢い引きの始めから、もう私に飽きてしまったのか?」
姫が、ちょっと真剣な顔になって、僕をじっと見詰める。
確か、『逢い引き』って『デート』のことだよね…。なぜ、姫が僕とデートを…?それに『私に飽きる』って…?
姫が、僕と、デート…。姫と、僕…、デート…。姫、僕、デー…
640 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/09(水) 00:50:07 ID:pE9pjicT


あああああーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!

すっかり忘れてたよ!!!!
そうだった!そうでした!!この間、僕は姫に「恋人にしてください」って告白したんだ。
そして、今日、その返事がもらえるに違いないって、ついさっきまで物凄く緊張しまくってたのに…
今の『姫を刺客と間違えちゃった』騒動で、そのことをすっかり忘れちゃってたよ…
うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜、参ったなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…
『姫に告白したのを忘れてました』なんて言ったら、姫に対してとんでもなく失礼だよね…
下手したら、「お前を恋人にするのは、止めだ!」なんてことになるかも知れない…
もしそんなことになったら、喩えこの身は半不死身とはいえ、死んでも死にきれないよ…
返す返すも、あまりに慌てん坊のこの身が只々情けない。
ああ!一体、僕はどうしたらいいんだろう…?

でも、姫は物事の本質や人の本心を見抜く名人だし、
こちらが誠実に接すれば、姫は、必ず誠実に応えてくれるから。
ここは素直に『忘れてました、ごめんなさい』って謝ったほうがいい。

「…あの…、姫…」

「ん?」

「ごめんなさいッ!さっき、姫を刺客と間違えて大騒ぎしたせいで、姫に告白したことをちょっとの間忘れてました。
ほんとに、ほんとにごめんなさい!!」

僕は、今まで一度もしたことが無いくらい身体を腰から二つに深々と折り曲げて、必死の最敬礼をする。
641 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/09(水) 00:51:05 ID:pE9pjicT
「ふふん。よい、気にするな」

「えっ…」
姫の優しい言葉に、僕は思わず顔を上げた。

「我が想い人としては、色恋沙汰に夢中になって警戒を怠るよりずっと頼もしいぞ、ヒロ…」

『我が想い人』ってことは、つまり、僕を恋人にしてくれるってこと、なの…?

「…じゃあ…」

「ん?」

「…僕を、…恋人にしてくれるの…?」

「うむ」
姫が、僕の目を真剣な眼差しで見詰めながらしっかりと頷いた。

僕は…
僕は、自分自身の運命に勝利したんだ。
“姫”と“下僕”、“主人”と“家来”という立場の差や
“成人すると不死鳥になる身”と“半不死身”という生きる時間軸の差を超越して、
姫っていう、この世に二人といない素晴らしい女性の恋人になったんだ。
テレビでは、何十輌もの戦車や何百人もの兵士を高い壇上から閲兵する将軍や、
大きなホールで何百人もの議員を前にして演説する大統領の映像が流れることがあるけど、
僕は、そんな彼らより、何千倍、何万倍…、いや、とても比べることなんて出来ない位、
姫の恋人になれたことが、姫が恋人にしてくれたことが、とってもとっても誇らしかった。

「姫…、ありがとう…」

「ふふん。これから、よろしく頼む」

なんだかちょっと普通の“恋人同士”の遣り取りと違うような感じはするけれど、
でも、今、目の前にいる物凄く綺麗で可愛い女の子は、確かに僕の恋人なんだ…
僕は今、生まれて初めて『生まれてきた意味』とか『生きる意味』っていう言葉が存在する理由を理解した…

642 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/09(水) 00:51:49 ID:pE9pjicT
今回は、以上です
643名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 01:43:15 ID:FulBydbZ
うおぉーーー!!
待ちくたびれたぞ!
それにしてもwktkが止まりませんな。続き頼む!
644名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 01:54:07 ID:PIz1EMd2
あぁぁっ……。 良い所で……
続きにwktkwktk
645名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 18:45:40 ID:iuXxAMPF
わっふるわっふる
646名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 19:01:42 ID:LWE6zEvu
GJ!!!!
647名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 03:01:33 ID:wXr/XC2g
うおお、GJ!!
続き気になるなぁ、これ。
648 ◆lGlh4qGedo :2008/04/13(日) 04:11:53 ID:zao0xUBS
「まずは、血を飲ませてやろう。来い」

姫が、いつも通りの優雅な足取りでソファーの前へと歩いていく。
服装は普通の人間の女の子と全く変わらないけど、
その背筋をスッと伸ばした歩き方は、姫がまぎれも無く高貴な存在だということ表していた。
だけど、その『普通』と『高貴』のギャップに、ちょっと萌えちゃう僕って…

「ん?何をしている…?」

「姫の、歩き方…。綺麗だな、って…」

「ふふん。私は、普段と同様に歩いているだけなのだが…?」

姫は、悪戯っぽい眼差しで僕の方を見ながら、
片方の手を腰に当てて、ちょっと気取った歩き方でソファーの前をゆっくり2、3回往復してくれる。
さっきと歩き方、明らかに違うんですけど…?
でも、わざわざ僕のために、ポーズを作りながら歩いてくれたんだよね…
とっても嬉しいよ!ありがとう、姫!!

「どうだ?」

「うん!とっても綺麗で…、とっても、カッコいい!」
これが僕の正直な感想だ。

「ふふん。そうか…。しかし、女を褒めるのに『カッコいい』というのは、どうかと思うぞ。」

「ごめん!じゃ、『カワイイ』がいい…、かな…?」

「こらこら、お前は、自分の恋人に、どんな風に褒めて欲しいかを自分の口で言わせるつもりか?」

「ごめん…」

姫!本っ当にごめん!!
『女心』とか『ムード』とかいうものに僕が詳しければ、二人きりの時間を楽しく過ごせるのに…
でも、僕は今までまともに恋をしたことなんか無いし、あの日、姫に告白したのも、
もう自分自身の中に姫への想いを蓄え込んでいることに耐えられなくなった挙げ句の一か八かの大博打、
みたいなものだったかから、正直、後先のことを考えてなかったんだよね…
僕が、姫の気持ちや立場を考えないで、自分の都合だけで告白した“つけ”が、姫に行っちゃっているんだね…
余りの申し訳なさに、僕はその場で俯くことしか出来ない

「…、言葉が過ぎた…、すまん…」
649 ◆lGlh4qGedo :2008/04/13(日) 04:13:23 ID:zao0xUBS
何で姫が謝るんだよ!悪いのは僕なのに!

「ごめん!僕が悪いんだよ!
『姫のことが大好きだ』って言ってるくせに、僕が、上手く姫のことを褒めて上げられないから…」

姫は、静かに僕に近付くと僕の手をキュッと握り、その手を引いてソファーのところに連れてきた。

「私の隣に座れ。いいな…?」
とっても綺麗でとっても優しい、姫の顔…

「はい!」
僕は嬉しくなって、思わず元気よく返事をする。

二人で仲良く並んでソファーに座る。

二人の身体は最初はちょっと離れていた−僕が少し遠慮したんだ−けど、
それに気が付いた姫がちょっと座りなおして僕に身体を密着させると、そっと体重をかけてきた。
姫のとってもいい匂いを、こんなに近くに感じる…
僕は、全身がカーッと熱くなって、首から上の肌がサァーッと蛍光ピンクに染まっていくのを、どうすることも出来ない。

膝の上で握り拳を作っている僕の手に、姫の柔らかい掌がふんわりと重なってくる。

「我々は、今始まったばかりだ。そして、お前は、私とずっと一緒にいたいと言った。そうだな、ヒロ?」

「はい…」

「私は王座になど興味は無いが、死ぬつもりも無い。
私が死なぬ以上、我々は、これからずっと一緒にいられる、ということになる。そうだな?」

「はい」

「ならば、今ここで少々意志の疎通が上手く行かぬからといって焦る必要など全くない。
我ら二人、これから少しずつゆっくりと互いのことを理解してゆけばよい。そうだろ?」

「はい!」

650 ◆lGlh4qGedo :2008/04/13(日) 04:15:33 ID:zao0xUBS
姫の、白くて細くてとっても綺麗な指が、僕の握り拳を丁寧に解いていく。
そして、その姫の指が、僕の指に、最初は軽く、次第に強く、絡みついてくる。

姫が、その指に力を込め始める。
どんどんその力が強くなっていく。

ちょっと、痛い。
僕は、思わず、小さく悲鳴を上げた。

「痛ッ…」

「こういうのは嫌いか?」
イタズラっぽい眼差しで僕の目を覗き込む姫。
姫の瞳を近くで見る機会って今までも何回かあったけど、恋人同士になってから覗き込んだそれは、
本当に美しい緋色をしていて、大きくて、澄み切っていて、キラキラと輝いていた。
そして、よく見ると、僕の顔が映り込んでいた。

僕は何も言わずに、指を絡めあっている手をゆっくりと上げて僕の口元まで持ってくると、
僕の手に乗っている姫の手の、その甲に、チュッと軽くキスをした。

「ふふん。なかなかやるな…」

「でも…、痛いのは…、ちょっと、苦手かな…」

「そうか、さもあらん。お前は私を護るため、事ある毎に痛い思いをしているからな…」

「ううん。姫のためなら、どんな事だって平気だよ」

「ふふん。頼もしき我が血の戦士、ヒロよ。今からお前に血を飲ませてやろう。ここに、横になるがよい」

絡めていた指を解いた姫は、僕を残して立ち上がると、一人でソファーの端に座りなおした。
そして、「?」という顔をしている僕に、得意そうに、こう告げた。

「『膝枕』なるものをしてやる!」
651 ◆lGlh4qGedo :2008/04/13(日) 04:17:09 ID:zao0xUBS
え…、ええーっ!!
恋人同士になっていきなり、『膝枕』なの!?それに、それと血を飲ませてくれることと、どういう関係が!?
いや、嫌だっていうんじゃないよ!
でも、そういうことって、並んで身体をくっ付けあって「好きだよ」とかって囁きあったりとかしてから…

「え…、あ…、その…、いきなり膝枕は、ちょっと…」

「嫌なのか?」

「そんなことないよ!そんなことないけど…」

「ならばよかろう。早くソファーに横になり、ここに頭を乗せるがよい!」
そう言いながら、姫は、自分の太股の上をポンポンと軽く叩く。

「はい…」

僕は、とてもぎこちなくソファーに横になると、注意深く頭を姫の太股の上にそっと乗せた。
姫の太股は、とっても柔らかかった。

「うむ。それでよい」

ああ…、姫の顔って、どこからどう見ても綺麗だけど、姫のふっくらとした胸越しに見上げるそれも、なかなか…

「血の一滴は生命の雫」

姫が、カプッと自分の人差し指に牙を立てて咬み傷を作る。
そして、血が滴り始めたその指を、僕の口元へと運んでくれる。

「飲むがよい」

なるほど、こういうことだったんだね!
『王族』と『血の戦士』ならではのラブラブイベント(!?)だ。ってことは、これからは、毎回…。ムフフフ…

僕の口の中に、ゆっくりと、いつもと同じ姫の血の味が広がっていく。

姫が、とても優しい眼差しで僕を見詰めながら、僕の髪を優しく撫で始める。
とっても、とっても、心地いい…
そう、今の姫のこの眼差しって、『慈しみ深い』っていうのかな…?
姉さんもこういう眼差しで僕を見てくれるし、余りよく覚えていないけど、
確か、母さんも同じ眼差しで僕を見てくれていたような気がする…

「姫…」

「ん?」

「髪を撫でてくれて、ありがとう…。とっても…、気持ちいいよ…」

「そうか…」

姫が、今度は、時折小首を傾げたりしながら、とても幸せそうな顔で、僕の顔全体を眺め回し始めた。
それが一通り終わって、姫が、柔らかい声音でポツリと呟く…

「ヒロ…。私の初めての想い人…」
652 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/13(日) 04:20:14 ID:zao0xUBS
今回は以上です
トリの付け違いをお詫び致します
653 ◆lGlh4qGedo :2008/04/13(日) 04:23:02 ID:zao0xUBS
本人確認用レスです
トリとIDをご確認ください
654名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 08:37:30 ID:MI4HSHBe
GJ!!
続きも頼むぜ
655名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 10:33:08 ID:zqsMYYN2
サイコーだ・・・

続きwktk!
656名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 04:53:26 ID:1oX4yeXf
GJ!!
ヒロが何かいちいち面白いなw
姫も可愛いよ。
続き待ってます!!
657名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 12:53:24 ID:HIruMRQ9
これ書き込む時点で容量481KB。
そろそろ次スレの準備が必要な時期ですよ。
658 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/16(水) 01:37:45 ID:dY+sjVHy
>>651の続きです



血を飲み終えた僕を、姫は膝の上に引きとめた。

「もうしばらく、このままでいるがよい…」

「はい…」

姫は、指の咬み傷を塞ぐと、その手を、僕の頬にそっと優しく添えた。
もう一方の手は、僕の髪をずっと撫で続けている。

「ヒロ…」
姫が、僕の目を優しく見詰めながら、その綺麗な声で僕の名を呼んでくれる。

「はい…」

もう一度、姫が僕を呼ぶ。
「ヒロ…」

「はい、姫…」

「お前の声は、私の耳にとても快い。もう一度、私の名を呼べ…」

そう、姫の本当の名は『リリアーヌ』だ。でも、その名では絶対に呼んじゃいけないんだ。
あの時…
リザのお兄さんから姫を庇った時、僕が名乗っていないのに、姫は名乗ってくれた。
『よく聞け…、私の名は、姫』って…
あの時の姫の顔も、とっても綺麗だったっけ…

「はい…、僕の大切な姫…。僕の、とっても綺麗な恋人…。大好きな…、ご主人様…」
姫からは『名前を呼べ』とだけ言われたのに、つい、言葉が後から後から溢れ出てしまった…

「ふふん。それほどまでに私のことが『好き』か?」

姫が『好き』の位置にアクセントを持ってきたのがちょっと気になったけど、僕は素直に心の内を答える。
「はい、大好きです」

姫が、ちょっと寂しそうな顔でポツリと漏らした。
「私は、その『好き』ということが、もうひとつ、よく分からぬのだ…」

ええっ!!それって一体どういうこと!?

659 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/16(水) 01:38:49 ID:dY+sjVHy
状況から考えても、姫が僕のことをからかったり、僕の気持ちを弄んだりしているわけじゃないってことは分かる。
それに勿論僕のことを嫌いになったってわけじゃないはずだ。
どこの世界に、
嫌いな相手に膝枕をして髪を撫でながら目をじっと見詰めて「あなたが嫌いです」って言う女性がいるもんか!
じゃあ、また、僕の言葉が足りなかったのかな?
僕が、姫のことをどれ位好きかってことを、もっとたくさんの言葉で伝えればいいのだろうか。
いや、もう、考えてる暇はない。
僕から見れば、姫が僕のことを好きだと思ってくれているのは間違いないんだから、
きちんと姫の気持ちを聞かなきゃ!

「姫、『好き』っていうことの、どこがどう分からないの?僕も一緒に考えるから、詳しく教えてよ」
姫は僕の大切な恋人なんだから、
こういう時は二人で一緒に悩まなきゃ、せっかく二人でいる意味が無いじゃないか!
それに、寂しそうな姫の顔はもう見たくない…。姫の笑顔は、僕が護る!

「ふふん。ヒロは、優しいな…」
姫がニッコリ微笑んでくれた!で、何が分からないの?

「僕が姫のことを大好きだってことを、もっとたくさんの言葉で伝えればいいの?」
ついさっきと同じ内容の提案だけど、今、僕が思い付くことといえばこれ位しかなかった。

「ああ、今度は言葉が足りなかったな…。すまない」

「ううん。せっかく僕たち恋人同士になったんだから、
どんな小さなことでも、気になることがあったらきちんと相手に話そうよ。
二人で考えたら、きっといいアイディアが見つかると思うから」

姫はとっても可愛らしくクスクスって笑うと、軽く頷いた。
「うむ。その通りだ。ヒロ、やはりお前は頼もしいな!」

僕は、残念ながら自分がそれほど頼もしいとは思えなかったけど、姫の気持ちを一生懸命に聞くことにした。

「私は王姫として生を享け、育てられ、そして、戦ってきた。
そうした環境の中では、男女の関係における『好き』という感情に接する機会はほぼ皆無だった。
私の周囲にいる年齢の近い親族は互いに刃を向け合う間柄だし、
血の戦士も、原則として爵位を持つ者の中から特に武功と忠誠心に篤いものを厳選して血の戦士とする関係上、
どうしても私とは年齢が遠くなる傾向がある上に、
主人である王族と恋愛関係になるなど夢にも考えぬような者達ばかりだ。
勿論、こうした事情は全く致し方ないことではあるのだが、
今回のような事態が発生した際には、これらは少々の不都合の原因となる…」
660 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/16(水) 01:40:28 ID:dY+sjVHy
僕は薄々分かったけど、『何でもきちんと話し合おう』と自分で言った手前、勇気を出して姫に尋ねる。
「『今回のような事態』って…」

「私は、ヒロに、想いを告げられた…」

やっぱり…
問題の“質(中身)”は違うけど、結局、僕に責任があるわけか…。なら、勿論、僕が責任をとる。

「姫は、僕が傍にいると、嫌?」

「何だそれは!どうしてそういう話になるのだ!」

「ごめん。でも、今から『好き』って言う言葉を説明するためにいろいろ質問するから、怒らずに答えて」

「うむ…」

「僕が傍にいると、姫は、嫌?」

「血の戦士たる者は、片時も主君から離れず…」

「いや、そうじゃなくて、僕を一人の男性として見た場合だよ」

「嫌であるはずがなかろう」

「じゃ、僕が傍にいると、嬉しい?」

「うむ」

「僕が傍にいないと、寂しい?」

「うむ」

「僕に、何時も傍にいて欲しい?」

「うむ」

「僕のこと、気に入ってる?」

「うむ」

「僕が『姫のことが好きです』って言うと、姫は、嬉しい?」

「うむ」

「姫のその気持ちが、『好き』っていうことだよ」

姫は、ちょっとの間ポカンとした顔をしていたけど、暫くすると、とても愉快そうに明るく笑い始めた。

「なるほど…、『好き』というのは、このような感情のことをいうのか!」

「うん」

姫の表情が、ふんわりと、とっても柔らかくなった。
661 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/16(水) 01:41:39 ID:dY+sjVHy
「では、私は、ヒロのことを好きなのだな…?」

「うん!」

姫は、ちょっと目を伏せて、言った。
「私は…、人を想うということは、もっと複雑で難儀なことかと思っていたのだが…」

ああ、そうか…。だから姫は一度も僕のことを『好き』って言わなかったんだね…

姫が再び僕の瞳に視線を据えて、自分自身に言い聞かせるように、そっと呟いた。
「私は、ヒロのことが好きなのか…」

「でも、僕は、姫に『想い人』って呼んでもらって、嬉しかったな…」

「そうか」

「あのさ、姫…。僕に、『好き』って言ってくれないかな…」

「ヒロ。私は、お前が、好きだ…」

「ありがとう、姫!とっても、てっても、とっても嬉しいよ!!」

「ふふん。幾らでも言ってやるぞ。
先ほどお前は、我々二人、気になることがあれば相手に何でも話すべきだと言ったろう?
私は、お前のことが気になって仕方が無いのだ。だから、何度でもお前に『好きだ』と伝えることにする」

「うん!」
662 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/16(水) 01:42:50 ID:dY+sjVHy
「姫は、いつ、僕のことを好きになってくれたの?」

「そう…、いつからであったか…。
お前が先ほど話してくれた『好き』の諸条件によれば、お前を“気に入った”のは、
ロボ・ワイルドマンの襲撃を受けた折、私の盾となって倒れたお前が、『姫が無事でよかった』と言ってくれた時か…」

「そっか…」
エヘヘ…。僕は、出会ったときから姫のことが『好き』だったんだからね!僕の勝ちだよ!!

「お前を好きになったのは、やはり、三日前の晩、想いを告げられた時だ」

「そ、そうなんだ」
うーん…。あの“窮鼠、猫を咬む”みたいな告白で、か…

姫は、僕のリアクションがちょっと不満だったらしく、ほんの少し眉間にしわを寄せて唇をツンと尖らせた。
「あのように真剣に想いを告げられて、心が動かぬ女などいるはずが無かろう!」

そっか、僕が真剣だったってことは伝わってたんだ…

「ありがとう…」
有り難う、姫!僕を好きになってくれて!!

「お前の気持ちを受け入れる決心が付いたのは、あの翌朝のリザの発言から、
お前があの夜、私に想いを告げた後、自分の部屋で歓喜の声を上げていた、と知った時だ」

「エヘヘヘ…」
あれは、実は、姫にとにかく想いを伝えることが出来て、
いろんな意味で「すっきりしたー」って気持ちが半分くらい入ってのことだったんだけど…。姫、ごめんね…

「しかし、『好き』ということに関する知識については、ヒロに一日の長があるようだな。
これからいろいろと不明なことが出てきた場合にはそれを問うゆえ、しっかりと私を教え導け。いいな、ヒロ!」

「うん!」
『好き』っていう言葉や感情を姫が完全に会得したら、
たぶん僕は、そんな姫のことをもっともっと好きになると思う。

「では、今日は、もう下がってよい」

うーん。恋人に『下がってよい』は普通言わないよね。後でそれも相談してみよう。

「はい」

僕は、姫の膝枕からそっと身体を起こす。
そして、ソファーに座ったままの姫の前に立って、きちんとお辞儀をした。
663 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/16(水) 01:43:48 ID:dY+sjVHy
僕が顔を上げ終わると、姫の表情が少し厳しくなっていた。どうしたのかな…

「我らの交際については、屋敷の者たちには内密にしておけ。
私はお前…、いや、ヒロと恋仲となったことを不都合だとも恥ずかしいとも思っているわけではないが、
しかし、屋敷の連中に知られると何かとややこしくなるし、
王族の交際に関してはいろいろと煩雑な決まり事がある。
詳しいことについては後ほどゆっくり説明するゆえ、それまでしばらくの辛抱だ。いいな?」

そうだよね。どんな事だって始めから全部上手くいくってワケじゃないもんね。

「はい」

僕は、『分かりました』って意味を込めてしっかりと返事をして、部屋を出る。
でも、ドアを閉める間際、首だけを姫のいる部屋に突っ込んで、姫に声をかけた。

「姫!」

「どうした?」

「その服、とっても似合ってるよ!」

「こら、ヒロ!ちょっと待…」

姫の顔がちょっと赤くなったみたいだったけど、僕は姫の返事を全部聞かずにドアをパタンと閉めた。

僕は、姫と両想いになれたんだ!最高の気分!!今だったら、空だって飛べるかも知れない!!!

真夜中に一人で屋敷の薄暗い廊下をスキップするなんて、
他の人が見たらいろんな意味でちょっと心配になるかもしれないだろうけど、
るんたった、るんたった、のリズムを刻む僕の足は、とっても軽快だった。
664 ◆/C5rzj9GfQ :2008/04/16(水) 01:47:16 ID:dY+sjVHy
本日は、以上です。
さて、当方、現実世界での仕事がこれから少々忙しくなりそうなので、
次回投下までにお時間を頂く事になると思います。
申し訳ありませんが、ご了承下さいませ。
665名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 02:17:35 ID:4A2P2FOt
純愛って美しいなぁ、GJ!
お仕事がんばって下さい。次の投下を楽しみに待ってます(・∀・)wktk
666名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 02:30:44 ID:edyyChc5
GJ!&wktkwktk
焦らしプレイも中々悶々とすr(ry
続き、待ってます!頑張って下さいね!
667名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 00:28:19 ID:XsgJvWMG
wktkして待ってるぜ!
668名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 02:26:15 ID:WcO34f7v
で、次スレは良いのか?
残り容量的に次に投下あったら埋まりかねないが。
669名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 16:33:36 ID:QgFVdmkX
建てれる人、居るかな?
670名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:49:45 ID:7MtCh6/b
やれやれ俺が立ててやろう
嘘です立てさせてください
671名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:54:55 ID:7MtCh6/b
と言う訳で立ててきた
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208620441/l50
保管庫作るのならどこら辺借りればいいんかね
672名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 01:47:28 ID:iGyULhs2
>671乙。
大した言葉はかけてあげられないが
673名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 21:44:40 ID:L4E04I97
埋め
674名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 02:35:56 ID:Vw6cHxJO
埋め兼誘導保守
675名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 22:00:28 ID:sRCS1F7Y
ふふん
676名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 00:47:55 ID:XqsreWsA
ふふふん
677名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:13:17 ID:ZPIHM69B
ふふふふんががが
678名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 23:35:15 ID:P+KRdONO
                 ,  :'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ >、
                 /. : : : : : : : : : : : : : : : : : \
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          '. : : : : : : :./ : : : /: : : .:/: : : / l:. l: : ヽ :\
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            l. : :./.:.ィ.:.:/ :.:.:/ 'ナ‐;< /./ -‐弋\ : \ヽヽ  ヽ
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  / : : : :.l : : : : ヽ: :ヽヽ .:.:.ヘ      ト、___/| ̄ ̄ ̄ ̄|
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: : ./.: : : :.|: : : : : : : : : V\\ : \     ヽ : : | |       / __ }
://: : : : : l: : : : : :.:. : : : |.:. :ト、\ : `く二二_|: : :| |     / / __}
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679名無しさん@ピンキー
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