【KOF】格ゲー総合【侍魂】

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1名無しさん@ピンキー
Street Fighter、サムライスピリッツ、メルブラ、ヴァンパイアなどなど…
格ゲーなら基本何でもOKです
2名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 21:06:09 ID:enTdoQcd
>>1
ジャス学好きだー
3名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 21:35:08 ID:Ltnybc3C
>>1

とりあえずレイレイのSS読みたいのは俺だけ?

レイレイ×名無しとか、レイレイのエロいのってあまり読んだこと無いし…
4名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 22:56:02 ID:VglvDlDE
>>3
ヴァンパイアスレは一応あるぞ。
レイレイあるかは知らん。

ヴァンパイアセイヴァーエロパロスレッド 2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137835578/
5名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 06:41:19 ID:hQOpnE8Z
春麗に足コキしてほしい
6名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 08:31:18 ID:TxdNMDRd
関連スレっぽいの貼ってみよう

SNK作品総合スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read./eroparo/1172931061/
KOFのエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173543644/
サムスピ総合エロ萌えSS 4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163952361/

ソウルキャリバーでエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185584367/
鉄拳シリーズ 2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137304298/

バ−チャファイタ−のエロパロ 5  
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173174682/

ヴァンパイアセイヴァーエロパロスレッド 2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137835578/
【ムチムチ】永遠の春麗好きのスレ 6【お姉さん】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1184382264/

アルカナハートでエロパロ2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176400800/

当方、最近のゲームには疎いんで見落としあると思います。
7名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 08:34:49 ID:TxdNMDRd
あと、これも格ゲに入るのかな?

ランブルローズでエロパロ その4?
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1183896494/
武装神姫でエロ妄想をしてみるスレ 第六段
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175878


格ゲー化されてるもの&されるもの

月姫のエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185837871/
戦国BASARAでエロパロ 信者4人目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1181545589/

Nitro+の作品も2D格ゲになるみたいだけど、詳細わからないんでパス。
8名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 09:53:14 ID:/mqVLE0o
ランブルローズは充分OKだろうが流石に武装神姫は違う気がする
9名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 10:13:01 ID:TxdNMDRd
>8
そうか違うのか……
プラ○ス三四郎とかエンジェリックレ○ヤーみたいな格ゲだと思ってたんだ……すまん
10名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 13:08:37 ID:dqzlJG2v
格ゲー化されてるものだとジョジョとかも当てはまるような
11名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 19:48:26 ID:hQOpnE8Z
せっかくだし、作品枠越えたSSとかここでいいんじゃね?

12名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 06:57:10 ID:ZAxryQZc
レイレイ×スパイダーマン
13名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 19:46:54 ID:tSUPB0EJ
JOJOだったらゲームオリジナルのミドラーとか読みたい。
アレは原作じゃほとんどセリフだけの超チョイ役だったからなあ。

そういえば某スレでファイターズヒストリーダイナマイトの
リー×ヨンミーのSS予告してた職人がいたがこっちにも投下しないかな。
14名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 07:27:01 ID:IRWxYbke
>>13
ミドラーって原作だとブサイクっぽい表現されてたが、まったく違うんだよな
最初はあのギャップに驚いたぜ
15名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 11:35:33 ID:9aOSiIyA
覇王丸×梅喧とか妄想
16名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 03:30:57 ID:Q0AoaK24
>>14
そりゃ歯を全部叩き折られたら見れない顔にもなるだろw
17名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 10:36:25 ID:GCKvOy82
>>15
媚薬酒飲まされて「くやしい……でも…」ビクッビクッ
なのか、
「俺はジャパニーズなんかじゃねぇ……ひゃあ!」
なのかはっきりさせるんだ
18名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 08:24:50 ID:5or66Hmo
2007年9月、異種格闘技大会を開催する
格闘ゲーム出場経験者であれば、参加資格は問わない
各人、世代や時代さえも超えての参加を、切に望む
なお、女性の登場は格別の優遇措置を施すものとする

                                「R」



と言う脳内設定をとりあえず妄想してみる
19名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 19:05:55 ID:udedXUTT
職人来ねぇな
20名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 20:54:03 ID:ReiflUbM
まずは萌え語りでもして待つべし
つーても最近の格ゲーってよう分からん。

春麗と柳英美の脚とケツに萌えた俺はもう古いんか?
21名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 17:27:56 ID:XE3DUQCv
>>20
いよう(多分)同年代、俺の格ゲーキャラ萌はカプコンと共にあった(スレタイを見るとSNKメインって気もするがまあそんなことはいい)SFシリーズもヴァンパイアもいいがやはりジャスティス学園だな。
当時の各ゲーとしては女キャラ比率が高く「明るい同級生」からパツキンダイナマイツ、男装少女、長身バレーボールウーマン、大人の保険医さんまで色々取りそろえwて。
あとティファニーとかアキラ(“あきら”の方はまあ良し)を除けば割と現実的な格好だったのも俺的に高ポイント!
2220:2007/09/04(火) 19:43:50 ID:xH0Rw+UM
>21
当方30代だが同年代か?
ジャス学は良かったのう。

個人的には響子先生のぱんつは黒の方がより萌えたんだが。
23名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 21:49:06 ID:LxEBiJJr
俺20台前半だが、一番萌えたのは
肩アーマーつけてる先生だったな

あきら?
あぁ、萌えるも何も、俺の嫁だし
2421:2007/09/05(水) 01:55:12 ID:dl3FjCG3
>22
来年で三十路なので俺の方が少々下か、正直ジャス学は続編作ってくれないかなとずっと思ってるよ、このまま忘れてしまうには勿体ない。
続編という形が無理でも「熱血青春日記3」みたいな形で……

>23
アキラちゃんと幸せにな、そして俺のひなたは絶対誰にも渡さないぜ。
25名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 12:59:38 ID:URdTi0hx
いよーう兄弟共!
ロリ可愛いけど凶悪なももちゃんもイイ儂は少数派か?

続編出なさそうなゲームといえばファイターズヒストリーかな。
あのゲームも、巨乳熟女&寝技使いの女子高生&美脚姉ちゃんと
一応おいしいキャラ揃ってた筈なんだが周囲じゃ人気はイマイチだった。
あの絵の濃ゆさがマズったんかねえ・・・
26名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 13:04:35 ID:MLmgZDt7
みんなカプコンVSSNKより遥か前に、脳内で女キャラだけのトーナメントやったよな。
27名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 17:59:08 ID:oQRtk80U
>>26
ったりめぇよ、兄弟


今登場キャラ組むとしたら、代表的なのはこんなもんかね?

・カプコン
春麗
さくら
モリガン
リリス
あきら

・SNK

ユリ
ナコルル
リムルル
アテナ

・アーク
メイ
ミリア
ディズィー
紗夢
梅喧
28名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 18:35:05 ID:sLHVA7jJ
ttp://anotherddd.fateback.com/novel/p001.htm





べっ別にアンタ達のためじゃないんだからね!
職人さんのやる気を出すために仕方なくやってるだけなんだから!
29名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 11:42:49 ID:pynptfzJ
>>25
うむ、彼女も俺の持ちキャラだ、「強いっ!かわいいっ!ももちゃんで〜す」は心に余裕がない時に聞くと殺意を覚えたりもするがw
30名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 20:52:11 ID:sXipTBL+
春麗対紗夢、中華開脚股間娘頂上対決
31名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 05:29:29 ID:8uLbuLgC
つまりカプコンキャラとSNKキャラがエロ行為するSSもOKて訳か
そういえばエロ無しSSなんてのもこの板のすれでは見掛ける事が有るが
ここでもそういう方向もおkなのだろうか?
32名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 07:48:07 ID:+FstXX4k
良いんじゃない? エロ無くても
そん代わり、触発された他の誰かが
勝手にエロい続編書いてくれるかもしれないし
33名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 08:15:48 ID:GGSgue9y
春麗・モリガン・さくら VS 舞・ナコルル・アテナ のエロ対決キボン!!
34名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 13:14:55 ID:Nf3/T035
モリガンが5人全員凌辱して終わりそうな気がw
35名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:28:46 ID:NATzmArp
ブリジット対リリス妄想
36名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:55:36 ID:oKhsW1G2
ブリジット×モリガンとか
37名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:06:05 ID:LRTVKB7d
2Dは盛り上がるってるのに3Dって盛り上がらんね。
同人では人気のDOAもエロパロは落ちたし、鉄拳は職人少ないし、
バーチャがやや職人多めか?でも過疎気味。さびしいなぁ3Dは。
38名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 12:43:54 ID:Juk4Pd1r
さびしいよォォォォ〜ボス
いつものように
レス……ください…………
待って…ます…………







39名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 17:30:44 ID:uHSOMn4V
誤爆?
40名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 20:54:26 ID:j9lYEosA
スレイヤー対モリガン
血を吸う吸血鬼と精気を吸う夢魔ではどちらが強いか決定戦
41名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 05:17:31 ID:LP+c3ruK
放浪系のキャラって皆童貞なんだろうか?
テリー然りリュウ然り牙刀然りコーディー然りKだっしゅ然り
旅の資金やトレーニングとかに金掛けててそういった他の余裕が無い&
興味無さそうなだけに
42名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 17:17:42 ID:ICjQ+sjp
個人的にはコーディやテリーはあまり童貞というイメージがない。
コーディは彼女持ちだしテリーは夜の街でうまい事おねーちゃん引っ掛けてそう。
リュウとか牙刀は本当に女<修業って感じだな。

個人的には他の修業一筋系のキャラも気になる。
アキラや雷飛(VF)にリー(FH)にガイ(ストZERO)に。
43名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 23:46:30 ID:qcQO1NBV
だがカイは間違いなく童貞だ
44名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 23:58:42 ID:gFfXaRQ0
ロボカイは?
45名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 08:32:36 ID:njXbrd6a
(・∞・)何発俺に当たるかな?

コイツは……
46名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 14:01:37 ID:pjw7S2Cv
ガイは生真面目そうな顔してるが
彼女居るよ?レナっていう許婚が存在する。
コーディーは逆に闘いを選んで女も名誉も全部失ったが。
テリーは確かに資金に余裕有ったら少しはそういうのやってるかもなぁ。
闘いに明け暮れる理由の一つとして愛情に餓えてるのも有るだろうし

確実にやってるキャラはキムとケンとモリガンとガイルと大門と
ハイデルンとヴァネッサとセスとギースとルガールと琥珀さんくらいか?ああ、両方の意味で
あと幻十朗

47名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:01:42 ID:RMZJYFZz
アンディも絶対やってるよなあ。
KOFのVS舞での登場シーン見る限りじゃ絶対心当たりありそう。

「拳児」の李書文や「ジャングルの王者ターちゃん」の梁師範の例もあるし
一見して修業一筋なキャラもきっと陰じゃあんな事やそんな事(ry
48名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 16:29:35 ID:v4Enk9dV
ギルティに出てきた『あの男』って、XXのストーリーモードでは
確か、聖戦すら霞むこの星の危機に備えて、戦士を求めてたんだよな。

この『星の危機』って、無理矢理オロチの事に繋げてSS書けないかな?
そしたらとりあえずKOF、ひいては時代を超えてSNKのキャラまでも
ギルティキャラと絡ませる事が出来ると思うんだが。タイムスリップか何かで。
49名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 22:11:27 ID:CAIgcDmj
良いとは思うがSNKだけか?
50名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 23:35:43 ID:rlgSTKMT
カプコンをどう参戦させるかだよな
>>48の設定じゃ、物語の根幹に無関係なままだし
51名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 23:52:38 ID:CAIgcDmj
一番好都合なのはジェダの魔次元
一つの世界に時代を問わず色んな人間を呼び寄せれる
ラスボスとはいえ少し厨説定かな?とは思うが
52名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 00:11:17 ID:Se4j3B2Y
>49-50
ギル達の組織の持つ知識の中に「世界の秩序を乱す諸悪の根源:オロチ」があるとかどうだ?
カプエス的世界観にフィットすると思うが。
53名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 10:03:18 ID:stXOMRdx
スレタイ通り、KOF(つーかオロチ)がメインになりつつあるな……
54名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 15:21:51 ID:BFpnz2it
殺意の波動に目覚めたリュウ
洗脳されたケンに続いて
ギア細胞を取り込んだ豪鬼とかどうだ?


危うくエロパロである事を忘れて設定構築に没頭しそうだが
55名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:36:48 ID:wKvtG/uv
クリスとリリスでクリトリス
56名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 07:12:05 ID:vHfbQBjx
ここ格ゲー総合て事はDOAとかバーチャとか鉄拳も含むのか?
スレの流れ的に2D限定ぽくなってるが
57名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 16:03:17 ID:GqhpPJ1p
>>56
鉄拳シリーズ 2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137304298/

鉄拳は専用スレがあるよ。
58名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 16:12:50 ID:vHfbQBjx
SNKとギルティも一応単独でスレあるが
59名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 03:10:58 ID:1aw4aCsm
引っ掛からないんだが落ちてないか
60名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 09:25:40 ID:Bf0M2kzv
61名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 14:22:04 ID:vMp3uECq
「あの男」の正体がギルってのはどうだ?
62名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 23:52:11 ID:bnEI6s57
レインボー・ミカ×承太郎
63名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 01:42:34 ID:+X323tm2
闘いでしか生きれん者同士っつう事で
コーディーとレラでSS何かやってみようと数日前からやってるんだが
何この文才の無さ 閃きの無さ ネタのどん詰まり やる気のいい加減さ
もう死にて俺 
64名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 11:27:48 ID:9iOvc9Bl
モリガン(&リリス)はサキュバスだから、夢に出る=どんな世界観にも出られる
みたいなワイルドカードになれる気がするな。
欲求不満の委員長(ジャス学)の夢の中に出てきて〜とか妄想してみた。
65名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 12:43:32 ID:Zvv8G1Gj
モリガン&リリスにかかれば、「あいつがこの子をどう犯すのかを見てみたかったの」
この一言でどんな組み合わせも可能。淫魔の夢なんだから何でもアリアリ。
66名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 23:09:55 ID:VsHM13av
>>63
イ`。俺は期待してる。
67名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:31:38 ID:pMN9K5kx
「いずれ真の戦いが来る。
 聖戦すら霞む、この星の危機がな。
 戦士が必要なのだよ。
 百年の戦歴に、旧時代の叡智を持ち合わせた
 真の強者(つわもの)が」


プロローグ『ミレニアムファイティング2000』


古くはコロッセオやパンクラチオンの時代から、人々は格闘を好んだ。
肉と肉のぶつかり合い。血で血を洗う蛮行。
肉弾戦や白兵戦といったものは、人間の排他的攻撃衝動に深く関わる。
ギリギリの一線を見切る事による勝利。その先にあるカタルシス。
古代では賭けの対象とされていたが、それは現代になっても変わらない。
ただ『スポーツ』だの『健全』だのといった言葉で、
表面上さも綺麗な魂のぶつかり合いのように、美化されて言い表されるだけだ。
それは文明の進歩とともに、やがてより大きな規模へと変遷していった。
世界の裏側にまで電話線が伸びる程の時代ともなれば、
格闘大会の規模も自然、世界規模のものとなる。
K-1、アルティメット、PRIDE等、格闘の祭典はごまんとある。
この年開催された超巨大規模の異種格闘技大会も、その一つだった。

「さぁーついにこの日がやって参りました!
 世界中の格闘家が一同に会して腕を競い合う、ミレニアムファイティング2000!
 真の最強を決める千年紀最後にして最高のお祭りが、一週間後に迫っております!」
アナウンサーは、仰々しくも月並みな台詞を、マイクに乗せて全世界へ放った。
リビングのテレビで、繁華街の巨大モニターで、ネット上で、多くの者がその様子を見守った。
普段は格闘に興味の無い者でも、この大会ばかりは目を見張った。
正真正銘、本当に世界中の名だたる格闘家が、集ったのだ。
THE KING OF FIGHTERSの毎年の常連である草薙京や八神庵、テリー・ボガードにリョウ・サカザキ。
一方で、かつてある格闘大会に参加し優勝しておきながら、
栄誉に拘る事なくセレモニーを辞退した事で有名な、孤高の求道者リュウ。
資産家でありながら鍛錬に余念が無く、リュウとは互角と言われる、ケン・マスターズ。
他にもヨガの達人やムエタイの覇者、はてはリュウのように
正規の格闘大会への出場経験こそ無いものの、
世界トップクラスの実力を持つと言われる、数々の異能の格闘家達。
どんなに格闘に関して素人でも、名前ぐらいは聞いた事のある参加者達ばかりだ。
その辺のサラリーマンですら、リュウの名を知らぬ者はいない。
京やケンは、若い主婦の間では、別の方向で人気を博している。
それらの顔ぶれが、次々と画面に映し出されていく。
今日は、開会式前の調印式だった。
68名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:32:58 ID:pMN9K5kx
調印式とは、試合に関する様々な取り決めを行う契約の場だ。
試合で怪我して裁判になったりしないのは、この取り決めをしっかり行っているからだ。
また、対戦者同士で親睦を深めるための、挨拶の場でもある。
「今回リュウ氏は、ケン氏とチームを組むという事ですが?」
リポーターの一人が、大会の主役に質問を浴びせる。
「あぁ。ケンとは同門で、一番気心が知れている。
 相棒として、これ以上無いくらい信頼が置けるからな」
「言ってくれるな、リュウ。俺の方こそ、頼りにしてるぜ」
今大会では、レシオマッチという手法を取り入れていた。
チームの人数は最大三人。だが、別段三人で固定というわけではない。
本人達が合意していれば、二人でも、或いは一人きりで戦っても良い。
その代わり、人数差による有利不利を解消するために、諸々のハンデがつく。
「八神氏は、今大会では草薙氏とは組まれないのですか?
 ファンの皆は、密かに期待していたのですが……」
「下らん。俺が草薙と組むだと? 冗談は休み休み言え」
「そりゃこっちのセリフさ、八神ぃ。
 俺と紅丸が、久しぶりにまた組む事になったんだ。
 いくらレシオでハンデがつくからと言っても、お前一人で対抗出来ると思うなよ?」
本来親睦を深め合う筈の調印式だが、早くも火花の散る場所では散っている様子だ。
ボクシングの軽量の時と、その点は然程変わらない。
健全なスポーツだ何だと言っても、格闘の本質はそういう事だ。

ともあれ、その火花が大火事に繋がるのは、今この場ではない。
炎を燃え上がらせ、激突しあうのは、大会本番になってからだ。
燻る闘志を抑え込んで、その日格闘家達は式場を後にした。
「よっし! 帰るぜ、ロック!」
「うんっ」
テリーは、まだ幼いギースの忘れ形見を伴って、宿泊先のホテルに向かった。
「なぁテリー、俺も将来テリーみたいに、こういう大会で戦えるかな?」
「あぁ、勿論さ。だが今はまだ、体が小さいから無理だな。
 大人んなったら、俺と本気で戦ってみようぜ」
テリーもロックも、まさかその約束が、わずか数日後に果たされる事になるとは、思ってもみなかった。
69名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:33:41 ID:pMN9K5kx
「ほな帰ろか、リョウ。ユリちゃん」
ロバート・ガルシアは、今回チームを組む予定のサカザキ兄妹を、
自慢のスポーツカーに誘った。
毎年のKOFでも恒例の三人は、今大会でも優勝候補の一角だ。
覇王翔吼拳を使う三人の存在は、他の格闘家達にとって、脅威の的だ。
あんな大技を使う人間が、三人も……しかも、全員同じチームなのだから。
せめて一人でも違うチームだったなら、トーナメントの組み合わせによっては
都合よく潰しあってくれる可能性だって、あったものを。
「じゃあな、ユリ。俺達はこっちの部屋だ」
「お休み、お兄ちゃん、ロバートさん。三人で戦えるのが楽しみっチ」
「任せといてくれや、ユリちゃん」
まさか大会当日、ロバートが欠場になるとは、この時は誰も思わなかった。
70名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:34:37 ID:pMN9K5kx
その夜。
世界中の格闘家達を宿泊させるために、専用に貸しきったホテル。
深夜の人気の無いロビーに、一人の女が現れた。
フロントにいた従業員は、ギターを担いで現れたその女性に、不審がって声をかけた。
その女性は、異様な格好をしていた。
見せびらかすように胸元の開いた……と言うよりは、ただ乳房の上に
申し訳程度に布を乗せただけのような、破廉恥なジャケット。
服装は全身が真っ赤で、嫌でも目を向けずにはいられない。
「失礼。お客さ……」
その瞬間、女の周囲に超音波の壁が発生した。
壁は瞬く間に広がりを見せ、従業員を吹き飛ばし、気絶させた。
嫌な音が響き、従業員は柱に打ち付けられた後、血を吐いて床に倒れた。
別の女性従業員が悲鳴をあげようとするが、それより先にギターの女に襲い掛かられた。
次の瞬間には、女性従業員は背骨を砕かれ、涙と鼻血と泡を噴いて倒れていた。
「あらぁ、良いじゃない。強力な気を持った使い手が、腐る程いるわぁ。
 早速、あのお方のご命令通り、飛ばしてあげちゃおうっと」
魔女のように大きな三角の帽子を被った、その赤い楽師は、
自らの有する能力によって、空間を捻じ曲げた。
歪曲した空間は異次元へと繋がっており、その先には別の時代があった。
平たく言うところの、タイムスリップ能力。
空間は少しずつ大きくなっていき、テーブルやカウンターや椅子や書類、
ありとあらゆるものを飲み込んで肥大化していった。
異変に気付いた従業員達が次々とロビーに駆けつけてくるが、
それすらも無差別に片っ端から、空間の中に吸収していく。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「や、やめ……ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
やがて悲鳴を聞きつけた宿泊客達も、急いでロビーに向かう。
「何だ、テメェ!」
「ホテルのスタッフ達をどうした!?」
だが、イノは妖しく微笑むと、目の前のボクサーとバスケット選手をも、
空間の中に飲み込み、別の時代へと弾き飛ばした。
「ヘ、ヘヴィ……うおぉーっ!!」
「飛んで火にいる夏の虫……ってトコかしら?
 わざわざ標的の方から飲まれに来てくれるなんてぁ、手間が省けて助かっちゃう」
次々と現れる格闘家達、リュウやケンや京やテリー達すらも、
イノは易々と飲み込み、主に頼まれた通りの時代に、弾き飛ばしていった。
「テメェ……何のつもりだ!?」
「あらぁ、草薙京じゃない。あのお方の、一番の本命の」
「んだとぉっ!? あのお方ってのは、どこのどい……」
問い切る前に、京は空間に飲み込まれてしまった。
71名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:35:41 ID:pMN9K5kx
「着々と進行しているようだな」
暗い部屋の中で、ローブを頭から羽織った男が、部下からの報告を聞いていた。
「文献にあった、ミレニアムファイティングという格闘大会。
 この大会の参加者達をかき集めれば、あの脅威にも対抗出来る。
 ……レイヴン、首尾はどうか?」
男は水晶に目を向けると、そこに映った部下に、報告をさせた。
「はい。現時点では既に人外の者達……即ち、一般に
 妖怪や悪魔などと呼ばれる者達とも、コンタクトをとり終えています。
 具体的に名前を申し上げますと、吸血鬼のデミトリ・マキシモフやスレイヤー。
 サキュバスであるモリガン・アーンスランドに、羅将神ミヅキ……」
「結構だ。その調子で、次は歴史上の強者達もこちらの時代に引き込んでくれ」
「わかりました。では1600年代から1800年代の日本、いわゆる江戸時代から
 剣豪である覇王丸や、カムイコタンの戦士ナコルル。それに……」
72名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:36:46 ID:pMN9K5kx
第一話『あの男』

額に染み渡るような冷たい水の感触に、京は目を覚ました。
朦朧とする意識を振り払い、二度三度、目を瞬かせて起き上がると、
目の前には見覚えのある女がいた。
「あっ、まだ寝てないと駄目だよ。いきなり起き上がったら……」
「お前……確か、春日野さくら?」
起き上がった拍子に、濡れタオルが彼の膝の上に落ちた。
どうやら額の冷たい感触は、これのせいらしい。
ふと見ると、さくらの横には水を張った桶があった。
少し目が眩む事を考えると、どうやら自分は気を失っていて、
それを彼女が看病してくれていた……といったところだろうか。
「心配無いよ。軽い脳震盪だろうってさ。あの人が」
「あの人?」
言われて、京はさくらの指差した方向を見た。
そこにいたのは、背の高い……高い、高すぎる、しかも頭に紙袋……紙袋を被った……
「……何なんだテメェはっ!?」
紙袋を被った長身の男(?)は振り向くと、紳士的な態度で答えた。
「私はファウスト。一応医者ですよ。そう身構えないで下さい」
「医者だぁ? 嘘つけ、ネスツの作った人造人間か何かだろ!」
「ネスツ……というのは、聞き覚えのある単語ですね。
 確か先程見かけた、白髪に色黒の青年も確か、そのような言葉を」
それがK`の事だと、京にはすぐにわかった。
見渡せば、ここはどうやら古い民家の一室のようだった。
戸棚の中に薬の入った様々な瓶が納まっているところを見ると、どうにもここは病院らしい。
「大変だったんだから。アンタ担いでお医者さん探すの」
そう言うさくらの額や服には、よく見ると汗がかなり滲んでいる。
情けなくも気絶している自分を、彼女は懸命に運んでくれたのだと、京は理解した。
73名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:37:41 ID:pMN9K5kx

ナコルルとリムルルは、森の中で野党に取り囲まれていた。
「観念しな、妙な格好したお嬢ちゃん達」
「目一杯楽しんだ後、都に売り飛ばして荒稼ぎしてやっからよ」
見たところ、戦闘のプロフェッショナルとはとても思えない。
得物であろう巨大な鉈は、刃こぼれが酷かったが、全面に赤黒い血の跡があった。
技術ではなく力技で、数多の人を屠り、自分達の欲を満たしてきたのだろう。
この程度の相手なら、彼女達にとっては物の数ではなかった。
「無益な戦いは、避けたいのだけれど……仕方ないわね」
「姉さま、いこう!」
だが、ナコルルが短剣を振りぬき、リムルルが冷気を迸らせるより先に、
何者かの鋭い剣閃が、野党どもを一瞬にして退けてしまった。
「ひっ……ひぃぃっ! 何だぁ、テメェはぁ!?」
突如現れたナイトにそう問いかけはするが、その纏っている正装に、
野党もすぐさまその正体を知りえた。
「ま、まさか……警察機構の!?」
「カイ・キスクです。逃げも隠れもしません。
 どの道、あなた方に報復は不可能ですから。
 行きずりではあるが、未成年者略取未遂の咎により、全員この場で捕縛します」
カイは封雷剣をもう一振りすると、雷を飛沫のように周囲に飛び散らせた。
一つ一つの雷は小さかったが、全身に浴びれば、身動きを奪われる程度には強力だ。
野党達はなす術もなく、全員お縄となった。
「まったく、私がたまたま通りがかったから良かったものの、
 こんなところにか弱い女性二人では危険……と言うわけでも、無さそうですね?」
「さすがです、騎士様」
カイはナコルルの短剣と、目に宿った強い意志とから、
彼女が野党ごとき歯牙にもかけぬ強者であったと、見抜いた。
74名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:38:25 ID:pMN9K5kx
「どう思うね、我が同胞よ。
 かように掻き集められた世界中の、歴史上の戦士達の存在は
 『あの男』の計画にとってプラスになるのか、マイナスになるのか……」
暗闇の中、悠然と椅子に腰掛けて、吸血鬼スレイヤーは問うた。
向かい側の来客用の椅子には、同じく吸血鬼が着席していた。
名を、デミトリ・マキシモフ。
「下らんな。『あの男』が何をどうしようが、私には関係無い。
 それに、折角掻き集めた駒どもが、全て『あの男』の望み通りに動くとも思わん」
「君のところにも『あの男』の使いは来ただろう。
 確か、レイヴン……と、言ったかな。
 まぁ彼の名前はどうでも良いが、君はこの戦いに参加せんのかね?」
スレイヤーはワイングラスを傾けると、
血のように赤いその中身を、ゆっくりと飲み下した。
そうしてテーブルの上のもう一杯のグラスを、デミトリに勧める。
だがデミトリは、その杯を受け取ろうとはしなかった。
「ワインよりも、私は本物の血の方に、強い興味がある。
 より多くの血を吸えるというのであれば、今回の戦い、
 掻き乱してやるのも一興かもしれぬな」
デミトリはそう言うと、スレイヤーが用意した
法力制御の映像端末を操作し、下界の様子を観察した。
そこには、イノやレイヴンによって集められた戦士達が、
どこかの大聖堂らしき建物の中に集められている様子が、映し出されていた。
75名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:39:14 ID:pMN9K5kx
天窓から差し込む光は、ステンドグラスを通過して
色とりどりに乱反射していた。
しかし照明は他に一切無く、昼間だと言うのに室内は昏かった。
集められた格闘家達は、状況が飲み込めないまま、ただざわついていた。
祭壇の上には、ローブを頭から被った、謎の男。
自然、格闘家達の目線は、そちらに向かった。
「これはどういう事だ? 山で修行していた筈の僕が、
 何故突然こんなところに……」
日本刀を携えた黒髪の青年に、ローブの男は顔を向けた。
「ほう、君は……確か、楓と言ったな。
 良いだろう、質問に答えよう。だがそれは、今はまだ早い」
「早い? どういう事だ」
楓の問いかけに答えず、男は豪奢な装飾の施された椅子から立ち上がると、
よく通る声で、聖堂内の戦士達に呼びかけた。
「静粛に願いたい。
 諸君らの動揺も、致し方の無い事だと思う。
 君達をここに集めたのは、この私だ」
突然、怒号や猜疑の声が、次々と湧き上がった。
場慣れしている戦士達の何人かは、ただならぬ状況と見切り、臨戦態勢を構えた。
血の気の多い者などは、既にその掌に炎や雷や気等、各々の異能を発動させかけている。
一触即発の空気が流れ、細胞が総毛立つ。
その空気をクールダウンさせたのは、大仰な扉の開く音だった。
「ひゅう。みなさんお揃いで……ってかぁ?」
外界の光を背に負って、現れたのは草薙京だった。
傍には、春日野さくらとK`も同行している。
「京! それに、お前さんは……」
「……誰だ?
 あぁ、KOFで一度チームを組んだ、二階堂とかいう男か」
駆け寄った紅丸を、K`は冷たくあしらった。
彼はそういう男だと紅丸もわかっているので、特に今更腹も立てない。
「珍しいな、京。何でこいつと一緒にいるんだ?」
「そりゃ、こんな見知らぬ場所に突然連れて来られたんだ。
 仲が良いわけじゃないが、見知った人間が一人でもいるなら、
 一緒にいた方が何かと、やりやすいだろ」
京は、ファウストという医者に出会った事と、その医者から
K`らしき男も、ここに来ていると知らされた事を、紅丸に話した。
K`はK`で、この大聖堂に屈強な戦士達が、老若男女を問わず集合していると
町の者の噂で聞き及び、一人ここに向かっていた。
京の随行者であるさくらも含めて、三人は途中で合流したという流れだった。
76名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:40:05 ID:pMN9K5kx
開け放たれた扉から、次々と戦士達が集まってきた。
カイ・キスク、ナコルル、リムルル。
それに春麗、バレッタ、ギース・ハワード、藤堂香澄……。
「どうですか、ナコルルさん。リムルルちゃん。
 見知った顔はいますか?」
「えぇ。ここまで来れば大丈夫です。ご随行、ありがとうございました。
 ……覇王丸さーん!」
ナコルルは知人の名を呼んで、顔を繋いだ。
「よう、久しぶりじゃねぇか。お前さん達も来てたか」
「リムルルと二人でお夕飯の支度をしていたら、
 突然レイヴンと名乗る妖しい男性が現れて、それで……」
二人の会話など掻き消えてしまう程、更に続々と戦士達は集まってきた。
最初の時点でさえ、多くの戦士がこの大聖堂に集合していると思っていたが、
今や集まっているのは、その倍程にも膨れ上がっていた。
そうして最後、リュウが現れた。
「町人達が、ここに来れば何かわかるかも……と教えてくれたが。
 どうやら、当たりだったようだな。ケンはいるか?」
「リュウ! 遅いじゃねぇか!」
「悪いな、この格好じゃこの時代では不審過ぎて、
 誰も道案内をしてくれなかったんだ。
 場所を探し当てるだけでも苦労したのさ」
リュウの言葉に、ケンは引っかかるものを感じた。
「この……時代?」
リュウは祭壇の上のローブの男を見上げ、問い詰めた。
「そうだ。町で日付を見て、俺も驚いたよ。ここは西暦2181年。
 俺たちのいた2000年より、二世紀近くも後の未来。
 そうなんだろう? そこの祭壇の上の男」

ローブの男は、一通りホールを見渡して、得心したように頷いた。
「ふむ、どうやら揃ったようだ。では、説明を始めるとしよう」
男が合図すると、両脇から使いの者達が現れて、
リュウや京達にとっては何かよくわからない、不思議な模様を空中に描いた。
光る指先から粒子が零れ、それは空中に線を成していく。
やがてローブの男の背後の上空に、大きなディスプレイが現れた。
それはテレビのような、固体の表面に表示される類のものではなかった。
正真正銘、空中にそれは表示されていた。
ディスプレイは明々と周囲を照らし出し、両脇にいた者達を照らし出した。
「テメェ! ホテルで俺達を襲った、変態女!」
それは紛れも無く、京達ホテルの宿泊客を、亜空間に吸い込んだ張本人だった。
「私の名前はイノ。よろしくね」
一方、反対側にいる使いの者に目を向けたナコルルは、
それが自分と妹を拉致した、レイヴンと名乗る男だと判別した。
ディスプレイの上に、やがて一人の男の姿が映し出された。
多くの者はその顔に見覚えが無かったが、
一部の者だけがその映像に映った顔を知っていた。
「こいつは……!」
「……これは、何のつもり?」
「ふん、下らん」
草薙京、神楽千鶴、八神庵は、それぞれに異なる反応を見せた。
それは紛れも無く、かつて自分達が倒した筈の、オロチそのものの画像だった。
「知っている者もいるようだな。
 この画像の男については、君達の方が詳しかろう。
 皆に説明して差し上げてくれたまえ」
77名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:40:54 ID:pMN9K5kx
正直目の前のローブの男に命令されるのは癪だったが、
こんな訳のわからない状況に追い込まれた以上、
情報は共有すべきだと、千鶴は判断した。
それに、話さなければ、次には進めないとも思った。
「……この画像に映っているのは、オロチ。
 端的に説明すると、この地球の、いわゆる神のような存在よ」
単純明快な説明だが、それですぐに納得出来るのは、ごく少数だ。
オロチの存在を認識しているKOFの参加者達は、別段異議を挟まなかったが、
そうでない者達は、皆一様に疑念の声と表情を向けた。
かつて暗黒神と呼ばれる者と対峙した覇王丸や、
自らが四神の一人である楓なども、当初は千鶴の説明に納得しかねた。
しかし、彼らも多神教が基本である、日本人だ。
一神教の国や地域に生まれ育った者達……例えばガイル等に比べれば
まだ比較的、千鶴の説明に順応出来た方だった。
千鶴は、各々の反応に構わず、説明を続けた。
「オロチは、増えすぎた人類を、抹殺しようとした。
 人類こそが、地球を汚染する原因だと考えたのよ。
 勿論それは否定出来ないけれど、人類を守るために、私達はオロチと戦った。
 そこにいる草薙京、八神庵と共にね。
 そして、オロチを打ち倒し、封印した。けれど……
 そのオロチの映像が、どうしてここにあるのかしら?
 今度はあなたが説明する番よ、壇上の男」
ローブを羽織った男は、背後の映像の中に、
三神器と戦った時のオロチの映像を、次々と映していった。
そればかりではない。
吹き荒ぶ風のゲーニッツ、乾いた大地の社、荒れ狂う稲光のシェルミー、
そしてオロチの触媒となった、炎のさだめのクリスの映像すらも。
「おかしいじゃねぇか。
 オロチの四天王と俺達が戦ったのは、大会の試合上での事じゃねぇ。
 公式に映像が残ってるわけねぇってのに、何でそれがここにある?」
「ふむ、君の疑問も最もだ。
 しかし、我々の組織にかかれば、その程度の事は問題にはならないよ」
ローブの男は、答えになっているのか、なっていないのか、不明瞭な事を言った。

「で、そのオロチというのが、一体どうしたのだ?
 俺達が未来に……この時代に飛ばされた事と、何の関係がある?」
リュウはローブの男に、一同を代表して質問した。
この場に集まった誰一人として、状況が把握出来ていなかった。
オロチと直接の面識のある三種の神器達でさえ、それは同じだった。
ローブの男は、一つ咳払いをすると、説明を始めた。
「確かにオロチは、封印された。
 だが、あくまで封印されただけだ。完全に存在が抹消されたわけではない。
 ……兆しが見えているのだよ。オロチ復活の」
78名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:41:38 ID:pMN9K5kx
ゆらめく炎。溶ける蝋。
燭台の上に灯された小さな火が、狭い室内を彩っていた。
滴る汗は、蝋燭の熱さが促したものか、それとも単純に、激しい運動故か。
少女は火照った体を上下させながら、恍惚の表情で少年を見下ろした。
「っふふ……気持ち良い? 炎のさだめの……クリス君……?」
クリスは、にっこり微笑んで少女に答えた。
「君も楽しそうだね、リリスちゃん。
 これからもっと、楽しませてあげるよ。
 僕らの傍にいれば、この下界が君達好みの、阿鼻叫喚の巷に
 生まれ変わる様を、特等席で観覧していられるよ」
かつてオロチをその身に宿した肉体のままで、
クリスはこの2181年の世界に、転生していた。
彼ばかりではない。
部屋には、神の器と交わる夢魔の少女を、興味深げに眺める二人の女性がいた。
「素質ありそうじゃない、この子。ねぇ、バイス?」
「少なくとも、使い物にならなかったガイデルの娘や、
 山崎竜二よりはねぇ。マチュア」

その男は、小高い丘の上に立っていた。
正確にはそれは丘ではなく、丘のように背丈のあるギア……
いやそれすらも、正確ではない。かつてギアだった死骸、と言うのが一番正しい。
ソルは死骸の上から、大聖堂を見下ろしていた。
「懐かしいファッションした連中が大勢集まってると思ったら……
 この気……『あの男』がいやがるようだな……」
ソルは死骸の上を、滑るように降りて行った。
79名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:42:21 ID:pMN9K5kx
「そんな馬鹿なっ!?」
再び大聖堂。千鶴は、あまりにも驚異的過ぎる脅威の、
再びの復活の報せに、戦慄を隠し切れなかった。
ローブの男は、説明を続けた。
「オロチの恐ろしさは、直接戦った君達三種の神器が、最もよくわかっていよう。
 あれを放っておけば、今度こそ世界は滅んでしまう。
 それを防ぐためには、戦士が必要なのだよ。
 百年の戦歴を持つ強者。旧時代の叡智を誇る猛者が」
「その為に、私達をこの時代に掻き集めたってわけ?」
間髪入れずそう質問したのは、吉野凛花だ。
目は、レイヴンの方を向いている。
彼女もまた、突然レイヴンに襲われ、有無を言わさず連れて来られたクチだった。
「部下の非礼は詫びよう。正直、一人一人に説明している暇は無かったのでね。
 あぁそれと、本来なら全員を一度にこの大聖堂に集めるつもりだったのだが
 そう出来なかったのも、私の部下の不手際のせいだ。
 何分細やかな配慮の足りない女でな、空間転移の精度に修練が足りんのだよ」
ローブの男はそう言って、傍らのイノを、諌めるように一瞥した。
イノは跪き、男に頭を下げた。
が、自分のお粗末なタイムスリップ制御のせいで、
いろいろな場所に落とされ迷惑を被った、京やリュウ達には、一言も詫びなかった。
あくまで主には敬意を払うが、主の客人はあまり眼中に無い様子だ。
ローブの男がどんな善人だか知らないが、側近がこれでは、長の器も知れる。
リュウを始めとして、多くの者達はそう判断した。
「確かにオロチとかいう存在は、放置してはおけない。
 ……だが、お前の言う通りに動いてやる道理も無い」
「そうだな。せめて顔くらい見せるべきだ。
 それが人にモノを頼む時の、礼儀ってもんだろう?」
リュウとケンは、威嚇の意味をこめて、波動拳の構えをとった。
本来無礼に対して無礼で返すのは彼らの本意ではないが、
タイムスリップなどという、御伽噺のような現象を自在に操る女の、
その更に上に位置するというこのローブの男が、どれ程のものか、まだ図りかねていた。
人としての器は浅くとも、戦闘力は如何ほどか知れない。
すぐにでも技を撃てる体勢を取っておくに、越した事は無かった。
それに、そう……目の前の男が醸し出すオーラは、
二人には馴染みがあるような気がしていた。
「お前、まさか……」
「正体を見せろ!」
80名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:43:21 ID:pMN9K5kx
ローブの男は、纏っていたそれを脱ぎ捨てた。
現れたのは、金髪の白人。
何人かは、その顔に見覚えがあった。
「久しぶり……と言うべきかな。
 もっとも私にとっては200年近く昔の話でも、
 君達にとってはつい最近の事なのだろうが」
男は天を仰ぎ、ステンドグラスから漏れる光に、自身をさらけ出した。
正中線を境にして、右半身と左半身が、それぞれ赤色と青色に変化する。
その異様な姿は、一種神々しくさえ感じられた。
「……ギル!」
突然、窓ガラスの一つが弾けとび、外気を突き破って炎がホールの中に飛び込んできた。
ギルと呼ばれた男は、その炎を片手で受け止めた。
熱気が周囲を包み込んだが、ギルは身じろぎ一つしなかった。
「テメェ……こんな所で何やってやがる」
「久しぶりだな、フレデリック。いや、今はソル……だったか?」
ギルは軽く手を捻るような動作で、いとも簡単にソルを振り落とした。
転げるようにして、絨毯の上を吹き飛ばされていく。
「ぐぁっ、はっ……!」
ソル程の男が軽くあしらわれる様は、カイにとっては衝撃的過ぎた。
「ソル! 何故貴様がここに!?」
「ぐ、うっ……何故もクソもあるか……
 『あの男』が……ギアメーカーがここにいるってのに、
 大人しくしてられっかってんだ!」
気が膨れ上がり、膨大な法力が空間を熱する。
矢吹真吾のような力の足りない者は竦み、腰を抜かしそうになる程だ。
K`のグローブが反応し、くすぶるように火花を迸らせる。
豪鬼は、己の中の灼熱の殺気が、全身から滲み出そうになるのを感じた。
「やめろソル! こんな人だらけの場所で、
 お前がギアとしての力を、片鱗だけでも解放しようものなら……っ」
その警告に、我に返ったソルは、猛る紅蓮をその身に仕舞いこんだ。
「ちっ……何だってこんなに大勢、邪魔者がいやがる。
 テメェがこんだけ集めたのか? ギアメーカー……いや、ギル!」
「どうか落ち着いて欲しい、我が数少ない旧友よ。
 いつか言った筈だ。聖戦すら霞む星の危機に備えて、戦士が必要だと」
だが、諭すように話すギルに、ソルは問答無用で封炎剣を向けた。
81名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:44:22 ID:pMN9K5kx
「その戦士を使って脅威を排除した後で、テメェは何をするつもりだ?
 ガキのゴッコ遊びでも、今時世界征服なんて流行んねぇぜ」
「征服ではない。
 神によって統治される事は、人類全体の喜びだ。
 それを支配と邪推するなら、それも仕方ない。だが私は……」
ギルの言葉を遮るように、三者三様の炎が吹き荒れた。
空気が膨張し、ステンドグラスが片端から弾け飛んでいく。
炎を放ったのは、ソルだけではなかった。
「オロチとやらは確かに脅威だが、お前の為に戦ってやるつもりはない」
「アレの退治は俺んとこの専門だ。自称神様には黙っててもらおうか」
リュウと京が、それぞれに灼熱波動拳と闇払いの構えを取っていた。
また、他の殆どの者達も、ギルやレイヴン、イノに対して、否定的な目線を送っていた。
「……手を取り合えないのは残念だよ」
そう言って溜息を零すギルに、口を差し挟んだのは、ダルシムだった。
「手を取り合う、か。人類皆兄弟、大いに結構だ。
 しかし『そして私はお前達の兄なんだ』という態度まで、
 肯定しようとは思わないな」
「俺らは俺らのやり方で、オロチをぶっ潰してやるぜ!」
ラルフが後に続く。
煩い羽虫を消し飛ばそうと、イノがメガロマニアを発動しかけるが、
ギルの大きな手はそれを遮った。
代わりに、ホールの中を満たす程の光を、一瞬で発生させる。
「うおっ!」
「この光は!?」
戦士達が目を開けた時には、既にギル達はいなかった。
「野郎、逃げやがったか……」
ソルは封炎剣を下ろし、またも『あの男』を仕留められなかった自分を悔いた。
戦士達はそれぞれに、ギルの思惑やオロチの脅威の事に、考えを巡らせた。
リュウ、ケン、京、庵、カイ、春麗、さくら、いぶき、フェリシア、
麻見やアテナ、レオナ、キャミィ、不知火舞、双葉ほたる、B・ジェニー……

彼らは……そして彼女らは、まだ、気付いていない。
ここまでの一連の話の流れの全てが、ただ単に
格ゲーのクロスオーバーでエロパロするためだけに仕組まれた、
糞長い前振りだと言う事に……。


第一話、終了
82名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 08:38:30 ID:zdovbXkF
なにしてんだこのドSめwwwwww


テラGJ!!
83名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 22:17:33 ID:BxDTkj+X
GJだが、さくらはよっぽどのヤツで無い限り年上にアンタって言わないと思う。
でも普通に長編小説カッコヨスなので再GJ。
84名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 01:35:24 ID:nxEE+Wcq
お兄ちゃん!ユリ(アン)も出たいよ!
85名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:59:12 ID:60MaoNjt
長編エロパロ期待!GJ!
8667:2007/10/18(木) 23:33:29 ID:aiiq5OZR
第二話

どこの世界、どんな時代にも、悪党は一定数いるものだ。
彼らは自分より弱い者を配下に置き、或いは
自分より強い者に取り入る事で、組織を形成する。
そして警察と対立し、追っ手攻め手を逃れながら、闇に暗躍する。
麻薬の売買、銃器の密造、人殺しの請負……
彼らが生計を立てる手段は様々だが、罪状はこの際問題ではない。
少なくともその女、キャミィにとっては。

ヴェノムが駆けつけた時には、既に彼の部下達は
突然の襲撃者の足元に、死屍累々と横たわっていた。
ヴェノムは部下達に一瞬、慈愛のこもった憐れみの目を向けた。
しかし、長い前髪に隠れて、その眼差しはキャミィには見えなかった。
「人の事を言えた身分ではないが、君も随分と無粋な真似をしてくれる。
 突然我らがザトー様の居城に現れて、この荒事とは。
 一体何のつもりだ? 見たところ、警察機構の者とも思えぬが」
キャミィの足元に転がっていた男達が、微かにうめき声をあげる。
どうやら、まだ息があるようだった。
「問題無い、彼らは生かしている。
 殺してあなたの逆鱗に触れて、交渉を台無しにはしたくなかった」
「交渉?」
「単刀直入に言う。私を、貴様の組織に加えろ」
目の前の少女は、ヴェノムが想定していた二十三の要求の内、
最も確率の高いと思われていた要求を突きつけてきた。
正直、組織の者を手にかけ自分の力を誇示し、
同胞として取り入ろうとする輩は、後を絶たない。
無論使えそうな者は取り込むし、そうやってアサシン組織は拡大してきた。
そして目の前の少女は、並みならぬ殺気と手腕の持ち主だと、一瞬で察知出来る。
その冷徹で機械的な瞳と、静かに滲み出る殺気は、
かつて組織にいてザトーの寵愛を受けた、ミリア=レイジを思わせる。
長い金髪にレオタードというところもそっくりだ。
「……良いだろう。だが信用に足るまで、しばらくは監視をつけさせてもらう。
 無粋は承知だが、先に無粋な真似をしてくれたのは君の方だ。
 文句は言うまい?」
「了解した」
こうしてキャミィは、シャドルーの代わりとなる根城を手に入れた。
87名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:34:24 ID:aiiq5OZR
国際警察機構。
かつての聖騎士団を前身とする国際的治安維持組織。
そこではナッシュやガイル、レオナといった者達が、カイから事情聴取を受けていた。
「……それでは、あなた達は本当に、タイムスリップしてきたと言うのですか?」
「俺達も正直信じがたいが、疑って得は無い。
 現にこのナッシュと言う男は、俺のいた時代では既に他界していた筈だ。
 それがこうして俺の隣にいると言う事は……」
ガイルは、もう二度と会えないと思っていた旧友と、再会を果たした。
それは、ギルの差し金によるものだった。
様々な時代、様々な国の強者を獲得するためという、
ギルの説明を信じる事が、この状況に納得出来る唯一の方法だった。
「なるほど、わかりました。では次に、レオナ=ハイデルンさん。
 あなたはオロチに関して、重要な事を知っているとの事ですが……」
この警察機構本部に、捜査協力のために招かれたのは、
彼ら三人だけではなかった。
カイとしては、大聖堂に集まっていた戦士達全てを、
一人も残さず本部に連れ帰り、可能な限り情報を集めたかったのだ。
あの状況では、それが彼の仕事であり、義務でもあった。
だが戦士達は、殆どの者がそれを拒んだ。
八神庵のような者は勿論、自ら進んで警察に協力しようとは思わない。
バーディや山崎竜二といった者は、より強くそう思う。
草薙京や一文字バツといった者達は、生来の気質から、独立独歩を決め込んでいた。
あの場でカイ一人では、勝手に立ち去ろうとする戦士達の
一人一人を捕縛して、強制的に本部まで同行させる事は、出来なかった。
結局のところ、善意で協力してくれる者と言えば、
この三人のように、元の時代でも国家権力に属していた者達が殆どだった。

それでもレオナにとって、これが上官の命令でない以上、拒む事は出来た。
そうしなかったのは、自分の生い立ちと、その身に流れる血から、
事実を打ち明けないでいる事は、許されないと判断したからだった。
「……私は、オロチの配下の一人だ」
その告白は、カイ達を驚かせた。
だがカイは、努めて冷静に、詳しい事情を聞き出してみる事にした。
オロチには八傑衆と呼ばれる、配下にあたる存在がいる事。
彼女の父ガイデルがその一人で、本来転生によって継承される筈の
オロチの血が、何故か彼女だけは、遺伝によって受け継いでしまった事。
そして彼女は、オロチに強く反発しているらしい事。
全てを知ったカイは、彼女を拘束すべきか否か、判断に迷った。
「捜査には、可能な限り協力する。
 必要とあらば、私を拘束しても構わない」
レオナの声には、覚悟と気迫がこもっていた。
「……わかりました。形式上、監視は必要になります。
 しばらくは、常に私と行動を共にして下さい。良いですね?」
88名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:35:25 ID:aiiq5OZR
今までと異なる環境、異なる土地に突然追い落とされた場合、
まず必要となるのは、先立つものである。
京達にはこの時代の通貨など、持ち合わせているわけがなかった。
「マズったな……大人しくポリの世話んなってりゃ、
 身の振り方はあの金髪優男が、どうにかしてくれたかも……」
「今からでもカイさんの所に戻る?」
「それも何だかなぁ。あのテのキザっぽい男は、苦手なんだよ」
人はそれを、我侭と言う。
さくらは、二十歳にもなって学生服を着ているこの随行者を、
あまり尊敬する気にはなれなかった。
やはり格闘家としては、リュウの方が遥かに尊敬に値する。
「おい、これを見てくれ」
そのリュウが、街角に張られていた掲示板に、目を向けた。
同行していたケン、京、さくら、紅丸、真吾は、一様に
そこに貼られていた手配書の写しを見た。
「ふーん、賞金首ねぇ。レトロな事やってんねぇ、この時代は」
シャワーを浴びてベッドに潜ろうとした直後を襲われ、
そのままこの時代にやって来た紅丸は、いつもと違って
その長い髪を、真っ直ぐに下ろしていた。
「これ、良いじゃないっスか!
 悪党とっつかまえて警察に突き出せば、この時代のお金が貰えるんでしょ?」
「お前に出来るのか、真吾?
 それに、見様見真似の独学で技を覚えた、さくらもだ。
 ルールのある格闘大会や、最低限マナーのあるストリートファイトと違って、
 賞金首は命狙ってくんだぜ?」
京が、中途半端な戦闘力しか持たない後輩達に、釘を刺した。
二人ともムキになって反論しようとするが、
彼らでは賞金稼ぎになるには、まだ実力が足りないと、リュウも思っていた。
そんな危険な稼業をするには、彼らにはまだ戦いの覚悟が足りない。

だが、言って聞くような者達でもない。
とりあえず、当座の路銀は確保せねば、宿をとる事も出来ない。
そして賞金稼ぎになるのに、公式的な登録は一切不要だ。
一度に大金を稼ぐつもりでなければ、賞金は安いが腕も然程でないような、
いわゆる雑魚を相手にすれば、真吾達でも首をとる事は可能だ。
彼らが安物の賞金首を何名か警察に突き出し、当面の宿代を稼ぐのに、
大した時間はかからなかった。
89名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:36:28 ID:aiiq5OZR
「用心棒? ノンノン、うちは間に合ってるアルよ」
とある中華料理屋の店先で、蔵土縁紗夢は、来訪者を突き返そうとしていた。
現れたのは、彼女と同じく中華の闘技を身につけ、
彼女と同じく気孔を使いこなす、彼女と同じ女性格闘家。
名を、春麗と言った。
「そう、残念ね……仕方ない、他をあたるわ。
 やれやれ、やっぱりあの警察の坊やに、縋るしか無いのかしらね」
春麗が去り際に呟いたその言葉は、紗夢の注意をひいた。
「警察の坊や? ひょっとして、カイの事アルか?」
「え? えぇ、そうだけど。彼の知り合い?」
紗夢は、春麗とカイがどういう関係なのか、根掘り葉掘り聞き出そうとした。
過去からタイムスリップしてきたという話は、
紗夢にとっては信じられない類の話ではなかった。
アクセル=ロウという前例が、既に身近にいるのだから。
「……それじゃあ、本当にカイとは何の関係も無いアルね?」
「しつこいわね。あなたの彼氏をとったりなんて、しないわよ。
 ただちょっと、捜査協力のために、いくつか証言しただけ」
それを聞いて、紗夢は安心した。
別にカイと自分は付き合っているわけではないのだが、
春麗の『あなたの彼氏』という言葉を、否定しようとはしなかった。
疑った侘びにと、彼女は春麗を自店の用心棒、兼下働きとして、
面倒を見る事に決めた。

不知火舞と偶然街角で居合わせた御津闇慈は、
懐かしいジャパンの服装を身に纏う彼女と意気投合した。
時代は違えど同郷という事も判明し、
また互いに舞踊を嗜むという共通点もあって、二人の話は弾み、
その夜の内に、舞は闇慈の元に居候する事になった。

血の気の多い梅喧は、山道で遭遇した剣豪と
一言二言交わしただけで喧嘩になりかけ、一戦交える事になった。
しかし喧嘩が終わった後に仲良くなるのは、不良に通じる部分がある。
酒を酌み交わし、互いの身の上を話し、すっかり打ち解けた時には
その剣豪覇王丸と、旅路を共にする事を了承するまでになっていた。

ロック・ハワードは、懐かしい顔と再会した。
「……テリー? テリーなのか?」
そこにいたのは、幼い頃に見た、若かりし日のテリー・ボガードだった。
連れているのは、これも見覚えのある、少年時代の自分だった。
いつか自分が強く、大きくなったら、テリーと戦いたいと言った、少年時代の自分だ。
「Hey、大人んなったロックは、良い男前じゃないか!」
テリーはそう言って、傍にいた幼い方のロックの、頭をポンポン叩いた。
幼いロックは、イノの杜撰な転移によって、無関係なのに連れて来られていた。
こうして大小のロックが、偶然にも鉢合わせる事となった。
「凄いよ、テリー! これが大人になった俺かぁ……よろしく、ロック!」
「あ、あぁ……よろしくってのも変な感じだが。まぁよろしく、ロック」
90名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:37:29 ID:aiiq5OZR
青紫の炎が、少女の肉体を包み込んでいた。
最も少女と言うには、彼女の肉体はやや成熟していたかもしれない。
少なくとも外見年齢は二十歳に近いし、精神年齢も同様だ。
しかし生まれてから経過した月日は、わずか三年程でしかなかった。
「もう……やめて……」
ディズィーは、暴虐的な力を振るう目の前の男を、
恐怖と諦めの入り混じった目で見つめた。
「やめて、だと?
 先に襲ってきたのは、貴様の方だろうが。
 いや、貴様の背中の二匹、といった方が正確か」
ディズィーの背中に宿る二対の翼、ネクロとウンディーネは、既にその男、
八神庵の八酒杯によって、地面に打ち付けられるようにして、封じられていた。
自然、本体であるディズィーの方も、つられて地面に倒れこむ形となっている。
彼女そのものは無傷だったが、ギアの力の源である背中の翼は
封印に近い状態におかれ、もはや抵抗する力など出せよう筈も無かった。
「うぅ……ネクロ……何で、突然こんな……」
ディズィーは、買出しに出かけた際に立ち寄った、郊外の原っぱで
目の前の赤毛の男を見かけた時の事を、思い出していた。
町に下りる時は意識的に隠している翼と尻尾が、突然覚醒した。
恐らく、本能的に、この男が危険な存在だと認識したのだろう。
止めようとする彼女を振り切って攻撃を開始したネクロは、
牙をむいた庵によって、いとも簡単に封じられてしまった。

庵は、倒した相手の体を、つぶさに眺めた。
警察の世話になるつもりの無い彼は、京達と同じように、
賞金稼ぎになる道を選んでいた。
町には、庵達の時代で言うところの、駐在所か交番のようなものがあった。
そこに行けば、無料で手配書を確保する事が出来た。
掲載されていた、死亡確認済みの賞金首のギアと、
目の前の少女の特徴は、あまりに酷似していた。
かつて悪魔の棲むと言われた森に住んでおり、背中には人型の翼が二対。
髪は人造の生物である事を表すかのように、不自然に青い。
それは蔵土縁紗夢という女によって、跡形も無く消し飛んだとされていた。
しかし、いくら未来とは言え、こんな風体の女が、二人もいるとは思いにくい。
何らかの事情が絡んで、無事に逃亡出来た、といったところだろうか。
表記されている賞金額が、庵達の時代に換算してどれ程の貨幣価値かは知らないが、
この女を突き出せば、当面路銀に困る事は無いだろう。
「だが、その前に……」
庵は、目の前の女の肢体を、まじまじと見下ろした。
この時代は下着をつけないのか、それともこの女がたまたまそうなのか知らないが、
ガードの甘い短いセーラー服の淵からは、乳房がかすかに覗いている。
短く切り詰められたホットパンツと、剥き出しになった柔らかそうな太腿。
腰は魅惑的にくびれており、そそるボディラインだ。
「悪くないな。警察に連れて行く前に、軽く弄んでやるのも、面白い」
「……!? イヤッ! 止めて!!」
だが、力を封じられ、身動きさえとれなくなったディズィーには、
抵抗はおろか、逃げる事すら出来なかった。
91名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:38:44 ID:aiiq5OZR
力強い両手が、痛い程乳房を鷲掴みにする。
はちきれんばかりに揉みしだかれ、乳首が千切れそうだ。
庵は、細やかなテクニックで女を悦ばせるタイプでは、なかった。
力技で強引に、無理矢理強く感じさせるのだ。
声が漏れそうになるのを必死で堪えながら、控え目に喘ぐのは、彼の好みでなかった。
叫び声に近い程の嬌声をあげ、痛い程の快楽に思考と観念を麻痺させるのが、
彼の最も得意とするところだった。
女を楽しませてやろうという気は、さらさら無い。
ただ単に、狂ったように女がよがる様を、彼自身が見るのが好きなだけだ。
生来サディスト気質なのだろう。
だから女の乳首を吸う時も、優しくソフトな感じではなかった。
舌先で愛でるように転がすでもなかった。
ただ大胆に、強引に、バキュームのように吸引するだけだ。
「あぁっ! 止めてぇっ! そんっっ、なに……吸われ、たらっ……
 乳首、腫れ、ちゃ……っ!」
それは喘いでいるのではなく、痛みに耐えているだけでしかなかった。
「もう腫れているだろうが。乳首どころか、乳房全体が。こんなにパンパンに」
ククッと笑いながら、庵は彼女の大きな乳房を持ち上げ、
彼女の視界に入るようにしてやった。
「うぅ……おっぱいが、大きいのは……元からです……」
「クハハハハッ! 自慢か?」
庵は彼女の尻を両手で鷲掴みし、そのまま持ち上げた。
翼は相変わらず地面に打ち付けられているので、上半身は固定されたままだ。
ディズィーは強制的に、まんぐり返しの体勢にさせられた。
庵は彼女の膣に指を突っ込み、慣らしさえ無いまま、勢い良く掻き回しだした。
「いぎっ! ひっ、いたっ、あぁっ! ふあっ、んあぁっ!」
丁寧さのかけらも無い、愛撫とさえ呼べない、ただの虐待。
あまりの痛さに出血してしまうのではないかと思えるが、
血の代わりに溢れてくるのは、内壁を保護するための分泌液ばかりだ。
激しい摩擦に襞を焼ききられそうな錯覚さえする。
92名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:39:29 ID:aiiq5OZR
「あかっ! はっ、ふぁ! んんっ、んはぁ! はんぁっ……ん、くぅう!」
庵の強引な攻めによって、望んでもいないのに、
やがてディズィーの体は快感を得始めた。
決して素直に気持ち良いわけではないのだが、陰部を攻められ、
曲がりなりにも愛液を分泌させているこの反応を、脳が勝手に
『快感』と同じ信号で、受信してしまっているのだ。
強姦被害者が、心は頑なに拒絶していても、
肉体が勝手に快楽を感じてしまうのも、同じ原理である。
極度の興奮状態が、否応なしに錯覚を引き起こすのだ。
次第に彼女の声は、本物の喘ぎ声に変わってきた。
「あぁん! んやぁんっ、そこ! らめへぇっ! あぁはぁあっあんあんんぁあっ!」
最初は何とか辛うじて言葉になっていたが、すぐに言語らしい言語を成し得なくなった。
ヒリヒリと充血した陰唇から、お漏らしのように汁が飛び散る。
それは体勢的に、殆どディズィーの顔面と、乳房に降り注ぐ事となった。
既に目は虚ろで、どこか一点を見つめているようでありながら、何も見えていない。
ビチャビチャと滴る愛液と涙が入り混じり、頬を伝っていく。
流れるように綺麗だった髪は振り乱され、それすらも愛液で所々が湿っている。
「……飽きたな」
庵はそう言うと、ディズィーの膣から指を引き抜いた。
束の間の体の休息を得たディズィーは、ゼェハァと荒い息を繰り返した。
この女の反応を見るのは、もう飽きた。
別にこのまま手篭めにしてやろうとも思わない。どの道捨てる女だ。
後は、そそり立った自分の分身を、鎮めてやるだけだ。
庵は一通り考え終わると、既にぐったりとしている彼女の尻を
今一度持ち上げて、ズブズブと挿入していった。
痛みと快楽の相乗効果で、てっきり触覚など麻痺していると思ったが、
意外にもディズィーは、庵のモノが少し侵入する度に、小さく声を漏らした。
「あっ、あっ……あっ……あっ……あっ……」
「奥まで入ったな」
庵は、やはりゆっくりと動いて、徐々に高めていくような事は、しなかった。
いきなり全速力で腰を動かし、止める気配すら無い。
自分が射精する事しか考えていないから、回転運動を加えてやるとか、
突く位置を小刻みに変えてみるとか、そういった相手への気遣いもしない。
まるで童貞のセックスそのものだが、彼の女性に対する扱いなど、元々こんなものだった。
彼にとって目の前の少女は、人型オナホール程度の代物だった。
ただ、生身の人間のように、だらしなく喘ぎまくるだけの。
「あッあッあッあッあッあッあッあッあッあッ……」
程なくして、庵はディズィーの中に、遠慮なく八神の遺伝子をぶち込んだ。
93名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:40:14 ID:aiiq5OZR
一人服を着なおして、庵は近くの岩の上に腰掛け、一服した。
と言っても、煙草を吸うわけではない。ただ、一つ溜息をこぼすだけだ。
「ふぅ……さて、後はこの女が目覚めてから、警察に突き出すか」
目の前で気絶している女は、ただの賞金首だ。
この時代の世間の人権意識がどうであろうが、知った事ではない。
どの道世間がどうであれ、彼は他人の人権を守る気は無かった。
服など着させる時間も、勿体無い。全裸のままで出頭させよう。
この女には逆らえるだけの戦闘力は無いし、もし逆らっても、殺せば良い。
賞金首は生死を問わないらしいから、死体になっていても文句はあるまい。
殺さなかったのは、単に自分で歩いてもらった方が、楽だからだ。
そんな風に考えていた。
その時だ。
身を焦がさんばかりの熱風が、背後から吹き荒れたのは。
「ほう……」
「テメェ……その女に何してやがる」
立っていたのは、ソル=バッドガイだった。
庵は立ち上がり、臨戦態勢をとった。
「何だ、お前の女だったのか?」
「ゴタクはいらねぇっ!!」
ソルが叫ぶと、辺りの草と地面が、弾け飛ぶように燃えた。
94名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:00:05 ID:aiiq5OZR
第二話終了です。



今まで出てきたご意見を取り込んで第一話を作ってみたんですが
そもそも俺はKOFは2002までしかやった事ないし、いつもはギルティばっかだし
他の格ゲーはあんまりやった事無いしで、キャラや設定が全然掴めてません。
カプコンのゲームは、昔セイヴァーやジャス学を少し触った事があるのと、
カプエス2をやった事があるくらいです。後はロックマンとか……。
リュウがどこまで実直で、逆にどこまで無頼な部分を持ってるのか、
ケンがどの程度くだけてて、どの程度までは真面目な性格なのか、
リリスのあの馬鹿っぽい喋り方はわざとなのか、それとも素なのか、
そもそもギルは、リュウ達からは本当に神に近い尊い存在として認識されてるのか、
それとも強いけどクレイジーな奴、という程度にしか思われてないのか。

殆ど何も知らない状態で踏み切ってしまったので、煮詰まってない部分が多いと思います。
こないだ、このSSのためだけにPSPのダブルアッパーを購入して
さくらや春麗やキャミィの性格、喋り方を掴もうと、今頑張ってます。
(つーかダブルアッパー面白過ぎ)
明日は休みなんで、サムスピ買いに行こうかと思ってます。
かつてKOF信者、現在ギルティ信者の身分なので、自然と登場人物も
その辺りに偏ってきてしまうと思いますが、なるべく気をつけますので
キャラのセリフや設定に、おかしな部分が見受けられましたら、教えて下さい。

あと、俺としては、自分一人で全編書ききろうとは、思ってません。
リレー小説と言うか、どなたか気のむいた方々が、好みのカップリングで
好きなように続きを書いてくれる事があったら、嬉しいです。
先程も申し上げましたが、舞台設定はここの住人の方々のご意見を
勝手に頂戴して作り上げたものなので。
95名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:50:48 ID:0RkCqwjJ
きにすんねい。そこは色々と人から話聞くなり調べるなり、とかして知れば
良いさ。書いてくれてるだけでもGJよ。俺も書いてる最中だが全然駄目。
ボスケテ状態

熟知してるわけじゃないがシリーズや説定見る限りじゃ
リュウ=殺し合いは望まない基本正義感な堅物性格。誰が相手でも「高め合う闘い」が信条
ストリートファイトや肉体労働で最低限金稼いでるから賞金稼ぎとかも多分
行動不能までの状態まではやるかも 金無いとやっぱ死ぬしね
ケン=女好き、アバウト、陽気、自信家、派手好き。だが気配りはそれなりに利く常識人。
魅せるファイトや技を好むだけややラフスタイルだが
修行や闘い面に置いてはリュウ同様真面目。敵には容赦ない そこがリュウとの違い
リリス= 完全馬鹿だからあの喋り方は素。元はモリガンだしね

ギル=実力はリュウケンは認めてはいるだろうが リュウは「まだ上は居るぞ」と
言ってたりケンは馬鹿にしてる節は有る為 尊敬みたいな面は多分無い。
だが説定見る限りじゃオロチ一歩手前くらいの凄い事は出来るぽいね
96名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 15:45:43 ID:hwxRUuzx
>>95
GJ!
このスレにも活気が沸きそうだ
9767:2007/10/19(金) 18:20:00 ID:4GkjqF1w
>>95
大分リュウ達のキャラ性が理解出来ました、ありがとうございます。
ギルが決して尊敬はされてないって辺りが、一番役立ちそうな情報です。
要はイグニスみたいなのを想像すれば良いのかな……?
98名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 22:14:07 ID:IQfV6qPl
GJです

イグニスと言えばイグニス・02ルガール・ジョニーでチーム若本w
99名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 17:27:13 ID:9XZtLJfv
GJ!
コーディーとガロンが出てくれないかな・・・。
あとフェリシアとかウィップも。
100名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 01:01:35 ID:6DeJds0m
前出の説定通りでなくともじゃんじゃん書いても可だよな?と
少し聞いてみる
101名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 08:29:08 ID:/aZEtqLg
そりゃそうでしょ、勿論


と言うか、そろそろ区別のために、自分のSSに
なんかタイトルつけなきゃなぁ……と思い始める俺は>>67
102名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 07:00:40 ID:YCb7oa+v
それは必要だよな>タイトル
103名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 08:47:08 ID:VUu7QntH
ザ・ストリート・オブ・ファイターズ・イグゼクス・ハートフル・カデンツァ
104名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 22:39:40 ID:to7/FPhM
>>101
ガンガレ
105名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:12:23 ID:XRvK/kXz
ついでにファイナルファイト・メイ
106名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:57:24 ID:cHuOgAqE
>101
Eventual Rumble Orochi 2181(西暦2181年:オロチとの[避けられぬ/最終]決戦)とかどうよ?






理由?頭文字みれば分かるだろ?
10767:2007/10/26(金) 09:04:37 ID:WNg/aOuY
では、早速その神ネーミングを使わせて頂きます。

Eventual Rumble Orochi 2181 第三話



陽もとっぷりと沈んで、蝙蝠が幅をきかせる頃合。
窓から漏れる柔らかな月明かりに、庵は目を覚ました。
「ん……ぬぅ……っ」
痛む体に鞭打って起き上がってみると、そこはベッドの上だった。
傍には、薬品らしき瓶の入った棚。真っ白で清潔感のある壁から、病院と知れる。
膝元には、疲れているのだろうか、眠りこけるディズィーの姿があった。
ドアが開き、紙袋を被った長身の医者(?)が現れた。
「お目覚めですか?
 やれやれ、今日は似たような事例の多い事です。
 昼間もね、あなたみたいに、気絶したまま女の子に運び込まれた
 男性の患者さんが、おられたんですよ」
「……運び込まれた? ちっ、この女……」
庵には、昼間運び込まれた患者と言うのが、憎き草薙京の事だとは、知る由も無かった。
「ん……あ、お早うございます、庵さん。
 もうお体は大丈夫ですか?」
そう問われはしたものの、正直庵には、いまいち状況が飲み込めなかった。
意識を失う前の記憶を、順繰りに辿ってみる。
確か自分は、たった今までこの膝元で寝息を立てていた女を、
偶然郊外の草地で見咎め、倒し、犯した筈だ。
そう、そして、その後……。
「思い出されましたか?
 あなた、ソルさんに負けたんですよ」
思い出した。
突如乱入してきた、炎を操る男と、戦ったのだ。
そして、敗北した。あの時の事は、思い出すなり屈辱だ。
しかし庵には、嫌でもその時の事を、思い出さずにはいられなかった。
10867:2007/10/26(金) 09:05:30 ID:WNg/aOuY
「ガンフレイッ!」
「どうしたぁーっ!」
地を駆ける紅と蒼の灼熱が、真正面からぶつかり合った。
掻き乱された気流の壁を突っ切って、庵とソルは、
互いに一足飛びで間合いをつめた。
ソルには武器があったが、彼はその間合いに頼ろうとはしなかった。
むしろ、素手である庵よりももっと深く、間合いを詰めようとする。
そうして極端に姿勢を低くし、滑り込むように庵の足元に突進する。
だがその一撃は、野性的カンで瞬時に回避行動をとった庵には、
すんでのところで命中しなかった。
「グランドヴァイパー!」
「無駄だ!」
ソルの攻撃は、荒削りで豪快だ。
当たれば大きいが、ジョニーのような、一発で確実に当てる技術が無い。
或いは面倒くさいのか、技術はあるのに、そうしなかった。
反対に、庵には技術がある。
本人は否定するだろうが、仮にも古流武術に技を習った身の上なのだ。
荒々しい戦い方を好みはするが、基礎はしっかり出来ている。
冷静でさえあれば、ソルの攻撃を回避する事は、難なく出来た。

だがそれも、ソルがまだまだ、全力の十分一も出していない段階での話だった。
ソルには細かく当てる技術が無い代わりに、
避けようもない程に極大の炎を発生させる力がある。
「ガンフレイム!!」
先程と同じ技名を叫んだ事が、庵の判断ミスを誘った。
放たれた火柱は、先程のものより遥かに太く、大きかった。
寸分の差で避けるつもりだった庵に、それは直撃した。
「ぐおっ……!」
同じガンフレイムでも、ソルが本気を出せば、
それは手加減した時のサーベイジファングと、同じくらいの規模になる。
ダメージに体勢を崩した庵の鳩尾に、鋭い膝蹴りが叩き込まれた。
「ぐほっ!」
続けざまに襟元を掴まれ、大きく弧を描いて中空を通過し、
反対側の地面に、ぶっきらぼうに投げつけられる。
一度相手を固めてしまえば、そこからの猛攻は、ソルの最も得意とするところだった。
「立てやぁぁぁぁっ!!!」
殺気が爆炎となって逆巻き、今までとは比較にならない程の熱量を放つ。
紅蓮の渦が巻き起こり、上昇気流を誘発した。
気を失っていたディズィーは、身を焦がす程の殺気に、うとうとと目を覚ました。
警察に連行するつもりだった庵によって、既に翼の楔は解かれていた。
ゆっくりと起き上がると、目の前の戦いが目に飛び込んでくる。
「……ソルさん?」
109名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:06:27 ID:WNg/aOuY
「ぢぃっ!」
庵も負けじと、極大の炎を巻き起こす。
三神器の奥義を放つ時に代表されるように、庵もまた、
瞬発的に直径2メートル級の火柱をあげる事が出来る。
技の威力では、ソルに負けない。
「楽には死ねんぞぉっ!?」
裏百八式・八酒杯。
かつてゲーニッツの動きを止め、つい先程ネクロとウンディーネを封じた、
封じる者八神の技の中で、最も八神らしい飛び道具。
だが、ソルには通用しなかった。
「……楽には死ねんぞ」
瞬間、X字を描いて、細い火柱がソルの前に発生した。
そうして、ソルめがけて一直線に迸ってくる紫の火柱をものともせずに、彼は突進した。
重い一撃が、庵の顔面を捉える。
そこからはソルの本領発揮だった。回避する暇も、反撃の隙も与えない。
ガードしていようがいまいが、無関係なぐらい、乱打で固め続ける。
庵の視界は、不自然な程暗くなっていた。
対象を一撃で沈める、問答無用の滅殺の時空。殺界へと引きずり込まれたのである。
フレイムディストーションからドラゴンインストール:殺界への連携。
容赦の無い猛攻が、庵を死の世界へと追い詰めていった。
「ぬ……ぐぅう!」
止めの一撃、最後のタイランレイブが、庵の体を無理矢理空中に押し上げた。
あまりにも威力が高過ぎて、空気ごと弾き飛ばされたのだ。
「ぐおぉぉぉぉぉっ!!」
だが、これで終わりではなかった。
普通の人間なら、これでとっくに死んでいる。
しかしソルは、ディズィーに手を出した男を、許す気は無かった。
細胞の一欠けらもこの世に残らないくらい、分子レベルで殺してやる。
勝負自体の止めはタイランレイブでついていたが、命の止めが、まだ残っている。
ソルは一旦深く屈み込むと、その反動を利用して、高く飛び上がった。
霞む目の奥で庵は、ソルに悪魔のような羽が生えた姿を、幻覚のように捉えた。
110名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:08:51 ID:WNg/aOuY
だが、庵を蒸発させるために放たれた最後のナパームデスは、庵に届かなかった。
突如二人の間に割り込んだ存在によって、ソルは無理矢理軌道を変えざるを得なかったのだ。
「やめてっ! ソルさん!」
「……くっ!」
無理に体を捻り、何とかディズィーと、その背後の庵を回避するソル。
ソルの着地と、庵が地面に落ちるのとは、ほぼ同時だった。
ディズィーは既に翼を回復させており、羽ばたいて宙に留まっていた。
「……何のつもりだ」
裸のまま滞空する彼女の姿は、ある種輝かしく、美しかった。
その姿は、信心の無いソルにすら、女神のように思える。
まさか自分を強姦した男ですら、殺されるのは嫌だと言うのだろうか?
だとしたら本当に、女神か菩薩のような女だ。
ディズィーはゆっくりと着地すると、そのまま気を失っている庵の前に立ち
両手を広げて、彼を守るかのようにソルに立ちはだかった。
「……私、この人の傍にいます」
その眼差しは、決意と愛情に満ちている。ソルには、それが不思議でたまらなかった。
「本気で言ってんのか? そいつは、お前を……」
彼が最後まで言い切る前に、ディズィーは首を横に振った。
「確かにこの人は、私に乱暴しました。
 けれどそれは、私を人間の女として扱ってくれた、証だと思ってます」
「そいつにとってお前は女じゃねぇ。ただの賞金首だ」
「確かに、そうかもしれません。
 でもそれは、あくまで『賞金首』であって『ギア』ではありません」
彼女の言いたい事が、ソルには何となくわかってきた。
人型ギアであるソルには、ハーフのギアであるディズィーの抱えているジレンマを
幾ばくなりとも、理解する事が出来たのだ。
それは、平生から彼らギアが、常に抱いている苦悩でもあった。
111名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:11:22 ID:WNg/aOuY
ディズィーは続ける。
「昔の私は、誰からも、ギアとしてしか扱われませんでした。
 腕に覚えのある賞金稼ぎ達は皆、私を普通の賞金首とは見ていませんでした。
 ギアだから賞金がかかっている、と見ていたんです。それは事実でした。
 テスタメントが私を庇ってくれたのも、私をギアとして、同胞と見ていたからです」
確かに国連や警察機構の大多数の人間、それにテスタメントは、
彼女がギアだからこそ殺そうとしたり、逆に助けようとしていた。
しかし……
「あの空賊の頭領は?
 奴はあんな軽薄な振る舞いをしちゃいるが、決してお前がギアだからって理由で
 お前を家族に迎え入れたわけじゃねぇだろ」
「ジョニーさんの事ですか?
 あの人は……私が孤独だから、私を受け入れてくれたんです。
 孤独を感じている女性に、手を差し伸べたいと思う事が、あの人の優しさなんです。
 それはとても素晴らしい事ですし、あの人の大きな魅力だとも思ってます。
 けれど逆に言えば、私が孤独を感じていた原因は、
 私がギアとして迫害されていたから……だと思うんです。
 決してジョニーさんがそんなつもりじゃなかったとしても、少なくとも遠因は」
その時、ディズィーの背後の広大な平原の上に、飛空挺が一隻、舞い降りてきた。
焼け焦げた草や花が、風で細波を打つ。
さながら、ディズィーそのものから吹いてくる、健やかな癒しの息吹のようだった。
彼女の表情は柔らかく、聖母のようにも感じられた。
「この人は、私がギアだからとか、そんなの関係無しに、私を見てくれたんです。
 ……それが例え、賞金首としてであろうとも。或いは、肉欲の対象としてであろうとも」
彼女が全て話し終えてから、しばらく、ソルは黙りとおしていた。
やがて口を開き、飛空挺から降りてきた、一人の男に問いかける。
「……だそうだ。どうする?」
「なぁに、構わんさ。ディズィー自身が選んだんだ。
 家族の自立を妨げるつもりは、俺はさらっさら無いぜぇ?
 ま、メイ達は寂しがるかもしれんがな。
 ……しっかし、お遣いに出かけたまんま、やけに帰りが遅いと思ったら。
 まさかこんな事になってたなんてなぁ」
「ジョニーさん……ありがとうございます」
112名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:13:30 ID:WNg/aOuY
「……と言うわけなんです」
庵が気を失ってから今までの経緯を、ディズィーは話した。
庵としては、全て聞き終え、彼女の真意を知って尚、理解が出来なかった。
自分を強姦した相手に、倒錯した愛情を抱いているとしか、思えない。
心理学用語で言うところの、ストックホルム症候群。
別に自分は、彼女を『女』として見たわけではない。『穴』として見ただけだ。
その辺りの事を、この見るからに平和主義者な小娘は、気付いているのだろうか?
「私、本当は間違ってると、わかってます」
「……だろうな。レイプされた女が、した相手に情を……」
「いいえ、違います。そういう意味じゃなくって」
庵は怪訝そうな顔をすると、少しだけ首を傾げた。
ディズィーは、自分の中の葛藤と、自覚している醜さについて語った。
「私、常日頃から、ギアと人間が仲良くなれる世の中が来たら良いのにって、思ってます。
 そうすれば、私も堂々と街を歩けますし、争い事だって、その分減るし。
 ……でも、心のどこかで、自分がギアである事を、嫌がってもいるんです。
 ギアでなければ、こんな思いしなくて済むのに、って。
 だから、人間として扱ってもらえる事を、素直に喜んでしまう。
 ギアと呼ばれる事を嫌がるなんて、他のギアに対して失礼ですよね……」
なるほど。
庵には、何となく納得がいった。
自分に罪や落ち度は無いと信じていながら、その事を心から誇れない。
差別が無くなれば良いのにと感じていながら、その実、自分が楽になりたいだけ。
別にそれ自体は、悪い考え方ではない。
同じような境遇にあれば、誰しもまず本能的に思う事は、
全体的な差別の撤廃や垣根の根絶といった大儀よりも、
自分自身がとにかく救われたい、と言う事だろう。
「お願いします。私を、あなたの傍に置いて下さい。
 自分の醜さはわかっているつもりですけど、それでも私、
 偏見や差別的感情を一切持たずに私に接してくれた、あなたの傍にいたいんです」
己の心の罪悪を打ち明け、思慕を告白したディズィーを、
ファウストは隣室に繋がるドアの前から、静かに見守っていた。
「……俺はいつでも気がむいた時に、お前を警察に突き出すぞ」
「構いません。それまでの、束の間で構いませんから……」
その日以来、庵とディズィーの、奇妙な共同生活が始まった。
113名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:14:28 ID:WNg/aOuY
一方で、共同生活を始めたのは、彼らだけではなかった。
「兎に角、元の時代に戻るためには、どうしたら良いかを……」
「そりゃ、あのギルってのに聞くしか無いんじゃない?」
「あいつが素直に俺らを帰すかよ」
「でも、他にアテは無いでしょう」
ケンと紅丸は、四六時中、元の時代に戻る手立てについて、議論していた。
しかしいくら考えようとも、彼らには為す術が無かった。
ここは、彼らが一晩の雨露を凌ぐために借りた、とある宿屋。
都合六人もの旅客は、宿の主人にとって大口の客だったが、
彼らは難なく全員泊まれるだけの賃金を、既に得ていた。
リュウは朝から近くの川縁で、真吾と手合わせをしている。
「修行熱心だなぁ、あいつら」
「あんたも後輩に負けてらんないよ。修行しないの?」
「はっ、冗談。面倒くせぇ」
京とさくらは、リュウ達のように修行するでもなく、
ケン達のように不毛な議論をするでもなく、ただ無駄に時間を過ごしていた。
眺めていると、やはり真吾では、リュウの相手にならないのは明白だ。
リュウ自身は「どんな戦いも肥やしにはなる」と言うだけあって、
別段嫌な顔一つせず真吾に付き合うが、真吾はもはやヘトヘトだ。
「容赦無ぇなぁ、リュウって奴。お前にも普段、あぁなのか?」
京は、自分にとっての真吾がそうであるように、
リュウにとってのさくらもまた、一応弟子にあたる存在と認識していた。
自分は真吾に、稽古らしい稽古もつけた事は無いが、さくらはどうなのだろう?
彼女の拳が我流に近い事は知っているが、リュウは稽古をつけてやった事は無いのだろうか。
「私は学校があるから中々長旅に出られないし、
 リュウさんは逆に一箇所に留まってないからね。
 滅多に会える事なんて無かったよ、元の時代では」
「なぁるほどね。
 だったら今の内に、目一杯甘えとけよ。憧れの人なんだろ?」
京の言葉に、さくらは戸惑った。
「あ、憧れは憧れだけど、甘えるって……別に、そういう意味の憧れじゃないし。
 格闘家として尊敬してるってだけで、それに……」
「それに?」
「私の知ってるリュウさんは、もっと若かった」
114名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:15:40 ID:WNg/aOuY
丁度その時、リュウと真吾の手合わせが、ひと段落したようだった。
汗を拭きながら川縁から戻ってきたリュウは、
岩場に腰かけていたさくらに、声をかけた。
「お互いに、元に居た時代が、少し違うようだ。
 君と出会っていた頃は、俺もまだまだ青かった。
 あの頃は、殺意の波動を制御出来ない程だったからな」
さくらのよく知っているリュウは、少し赤みがかった明るい髪色をしていたが、
今さくらの目の前にいるリュウは、殆ど真っ黒な髪をしている。
先天的に髪の色が明るい人はいるものだが、髪のボリュームが増えれば
その分色素が濃く、より黒に近い色で見えるものだ。
さくらの知っているリュウよりも、今のリュウの方が、微妙に髪が長いのだろう。
「私の知ってるリュウさんより、今のリュウさんの方が
 もっとずっと渋くて、格好良いですよ」
さくらは尊敬の眼差しでそう言った。
見も知らぬ未来に飛ばされはしたものの、リュウを始めとする
このメンバーならば、活路を開けそうな気がした。
殺意の波動を克服し、電刃波動拳を体得したリュウ。
そのリュウと同等の実力を持つケン。
かつてオロチを倒した張本人である草薙京に、その戦友の二階堂紅丸。
そして京の愛弟子(?)である矢吹真吾。
「君の事も頼りにしているぞ、さくら。
 ちゃんとした師匠も無く、誰の指導も受けずに、
 見取り稽古だけで波動拳を模倣出来るようになった娘だからな。
 ……どうだろう?
 俺と真吾の手合わせはひと段落したから、次は君と京とで手合わせと言うのは」
リュウからしてみれば、ただ眺めて暇を潰していただけの二人に
そう声をかけるのは、至極当然のなりゆきだった。
本当は真吾とさくらを戦わせてみたいが、真吾は既に肩で息をしている。
素人より鍛錬は積んでいる方だが、格闘技を始めた事自体が
彼にとってはつい近年の事らしく、基礎体力が出来上がっていなかったのだ。
「俺ぁさくらの、素人に毛の生えた程度のママゴト格闘に、付き合う気は無いぜ」
さくらが答えるよりも早く、京は面倒くさそうに、さっさと宿に戻って行った。
「……ったく、あいつは。弟子の真吾君がこんな真面目なのに」
健全でフェアな精神を持つさくらでも、京だけは、尊敬する気になれなかった。
115名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:16:28 ID:WNg/aOuY
その日の夜。
さくらは、宿の一角にある水場に描かれた方陣の前で、
着ていたセーラー服を脱いでいた。
この時代に科学文明は殆ど無く、水を得る蛇口など無い。
代わりに、誰でも簡単に使える方陣が設置されており、
指定された箇所を指でなぞる程度の動作で、簡単に空間から無限の水が湧き出た。
一般的な方陣の使い方を、一行は既に宿屋の主人に、一通り教わっていた。
着替えなど持たないままこの時代に送り込まれてきたが、
法力制御によって、洗い物は二分もあれば綺麗に出来た。
つい昨日も、同じ方法で全員着衣を洗濯したばかりだ。要領は掴んでいた。

鉢巻を取り、スカートを脱いだところで、
おもむろに背後の扉が開いた。
「……あ? 何だ、先客がいたか」
「きっ、京! ノックぐらいしてよ!」
知っての通り、さくらは普段、スカートの下にブルマを履いている。
試合中でも遠慮なく開脚出来るようにとの知恵だったが、
しかし如何に下着姿を見られたわけではないとは言え、
スカートを脱ぐ動作を、心の準備も無しに男に見られるのが、平気とは言いにくい。
それにスカートを脱いだ後は、そのブルマも、制服も、全て取り払う予定だったのだ。
今ここで京に入って来られては、予定が繰り越してしまう。
そしてそんな事はお構いなしに、京は話しかけてくる。
「この時代で言うのも可笑しな話だが、今時ブルマなんて指定してる学校、珍しいな。
 ハーフパンツやクォーターパンツが主流で、ブルマなんて絶滅危惧種だろ」
「良いじゃん、別に。私が何履いててもさ。
 ……あのさ、そんなジロジロ見ないでくんないかな?
 いくらパンティじゃないって言っても、さすがに恥ずかしいし」
さくらは、物珍しそうに自分の下半身を見てくる、京の視線に気付いた。
「は? 別にお前の汗くさそうなアソコなんざ、興味無ぇよ。
 つーか俺、元の時代にカノジョいるし。他の女になんか目移りしねぇよ」
その言葉に、さくらは意外さを感じると同時に、
女としての一抹の悔しさも感じた。
「意外だね、あんた恋人いたんだ……」
何気なしにそう呟いた瞬間、京の瞳が、少しだけ曇ったのがわかった。
116名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:17:17 ID:WNg/aOuY
「……ユキはな、オロチの完全復活に必要な、生贄だった。
 クシナダヒメって言ってな。あいつがオロチの手に渡ってたら、
 正直、俺らじゃオロチを倒せなかったかもしれない」
「そんなに手強い相手だったんだ、オロチって」
「手強いなんてもんじゃねぇよ。相手は地球だぜ?
 ま、あのギルってのが、ユキまでこの時代に連れて来るワケ無ぇから、
 今回はあいつに関しては安心だが……なぁ……」
「……寂しいんだね」
「否定すりゃ、そら嘘になるわな。
 オロチと戦った時、俺は心の中であいつに、必ず帰るって約束した。
 あいつも『待ってるからね、京』って、答えてくれた気がした。
 なのに、その後すぐにネスツって組織に俺は拉致られ、
 何だかんだやってる内に、気がつけばまだ、約束は果たせてねぇ」
京の目は、どこか遠くを見ているようで、儚げだった。
遠く、もっと遠く、時代さえも隔たって、更にその向こう側。
181年前の世界に置いてきた、最愛の女。
このいかにも自分勝手そうな男が、そこまで大切に思う女とは、どんな人だろうか。
さくらは、気になって問いかけてみた。
「どんな、人だったの?」
「そうだな……」
京は再び、さくらの下半身に視線を落とした。
「お前と一緒さ。茶色がかったショートカット。
 そんで制服の下に、ブルマ履いてた」
「え?」
「うちも、学校指定の女子の体操服は、ブルマだったんだよ」

時刻は、西暦2000年で言うところの、23時を回った辺り。
修行で疲れた真吾は勿論、夜更かししないリュウは、もう床についている。
紅丸とケンも、夜中まで議論を続けても埒が明かないと、既に眠っている。
そして宿屋は、今彼らの他に、宿泊客はいない。
誰にも見咎められる事なく、心行くまで心を温め合う事が出来た。
京は壁にもたれるように座り、開いた両足の間に、
更にさくらをもたれさせていた。
さくらは制服姿だったが、それは外側だけだ。
ブラジャーは既に取り払われ、傍の床に落ちている。
勃起した乳首が夏服に透け、浮き彫りになっていた。
京はそれを後ろから、ゆっくりと柔らかく、揉みしだいていた。
「あー、落ち着くわコレ……」
「……他の女には目移りしないんじゃなかったの?」
「寂しさだけなら紛らわしてやっても良いっつったのは、どこの女だよ」
京はさくらの制服の裾に両手を差し入れ、
直接その控え目な乳房を触りだした。
庵がディズィーにしたのとは反対に、優しく、撫でるように扱う。
まさしく本当の意味での愛撫だった。
さくらは、今回のミレニアムファイティングで対面するまで、
草薙京と言う男を、いけ好かない気取り屋だと思っていた。
オロチにまつわる、彼の背負っているものを、さくらは知らなかった。
きっと、自分本位で強引なだけの、我侭なセックスをするだろうと予測していた。
しかしどうだろう。
普段見せる生意気な態度と違って、今の京の手つきは、紳士的にすら思える。
これなら元の時代で、京の彼女という女性が、京に委ねていた理由もわかる。
正直、良い男だと見直していた。
117名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:18:00 ID:WNg/aOuY
ふにふに。むにむに。
擬音で表すなら、そんな感じだろうか。
京はひたすら、さくらの胸を優しく愛し続けた。
気がつけばそれだけで、既に半時間は経過していた。
空気はまったりとしていて、正直たったのこれだけの行為でも、
さくらの心は満足を得られていた。
さくら自身、今まで男性と付き合った経験が無かったのも、一因かもしれない。
付き合い、体を重ねると言うのは、処女にとっては未知の世界だ。
この先にある快楽を、まだ体が知らないから、愛撫だけでも心は満たされた。
だが、同時に、未知の世界への興味も高まる。
ついさっきまでは死んでも断りたかったが、今となっては、
相手が京なら、一緒に気持ち良くなりたいと思える。
リュウに対する、戦士としての憧れとは、また違った感情が芽生えていた。
「ねぇ……チュウ、しよっか?」
さくらは首だけ振り向き、京の顔を見上げた。
「俺に、ユキ以外の女とキスしろってのか?」
「もっとえっちぃ事してるじゃん、もう」
「順番は明らかに逆だがな」
京はさくらに向かって顔を近づけるように、首を傾けた。
彼女の目は、少し臆して、怖がっている様子だ。
しかし、委ねるようにゆっくりと、瞳を閉じていく。
この不安げな瞳を前にして、遠慮する事など、罪悪に等しく感じられる。
貴公子の唇が、少女の唇に触れ合った。

事がそこまで進んで、今更この先される事に、文句を差し挟む女はいない。
またこの状況で、この先の行為を、求めない女もいないだろう。
さくらは、京の為すがままになっていた。
柔らかいベッドの上ではないので、床に背を預けるのは体に痛い。
傍の腰かけ台に座り込む京と向き合い、
彼の太腿をまたぐように、さくらは着席した。
まだ制服は着たままだが、裾は捲り上げられており、胸はあらわだ。
法力で賄われている照明の下で、京はさくらの、
健康的な小麦色の乳首に吸い付いた。
少し怯えた彼女の目から、特に聞かずとも、彼女が生娘と知れた。
「怖いなら、やめるか?」
「馬鹿……そんな優しさ、いらない」
さくらは大人しく、京に乳首を吸わせ続けた。
舌先が、母乳の出る穴を的確に突いてくる。
上唇と下唇を不均一に動かし、様々な感触を楽しませる。
硬くなった乳頭に、時折、軽く歯を立てられる。
下乳をつぅ、と下っていく液体の感触に、さくらは、それが京の唾液だと感づいた。
口という器官一つとっても、実に多様な快感を与えられる。
その度にさくらは、自分がどのように気持ち良くなっていて、
自分の胸がどんな状態になっているのか、観察されているような気分になった。
恥ずかしくて、死にそうだ。
腰に回された、華奢だが逞しくもある両腕が、彼女を逃がすまいとする。
だが京の、飴細工を取り扱うかのごとき丁寧な愛撫に、
逃げる必要などどこにあろうかと、思いなおす。
118名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:18:43 ID:WNg/aOuY
乳房を解す段階が過ぎると、次はいよいよ、腰から下だ。
こちらも焦らず、ゆっくりと解していかねばならない。
今度はさくらが腰掛けて足を開き、その前に京が跪いて、顔を埋める形となった。
まずはブルマの布地を横にずらして、第一の防壁が除かれる。
その奥には当然第二の防壁、パンティがあるが、そこは既に湿っている。
少し指で突いてみると、薄布越しでも、簡単に第一関節辺りまで埋没した。
「ふぅうっ……んんっ」
「お、やっと声漏らしたな。胸弄ってた時は我慢してたろ」
「しっ……仕方っ、ないでしょぉ……こんっ、な、あ……」
パンティすらも横にずらすと、薄明かりの元、さくらの桜色の秘肉が顔を出した。
発達しきっていないのと、使い込まれていないせいで、まだまだ綺麗だ。
京はそこに舌を突き出すと、努めて優しく、
触れているか触れていないか程度の、微妙なタッチで舐め始めた。
だがこれが、相手にとっては逆に良い。
背筋がゾクゾクするような、何とも言えない感覚を這い登らせる。
京の舌に、汗とは明らかに別物の塩っぱさが、纏わりついてきた。
クリトリスが、少しずつ大きくなっていく。
陰唇はひくつき、いかにも物欲しそうに、感触が柔らかくなっている。
「胸に時間かけたからな。下の方ももう、我慢出来なくなってるみてぇだぜ?」
京はここにきて、ようやく服を脱ぎ始めた。
最初から全裸で向かっていっては、相手を余計に強張らせると思っていたからだ。
だが今やさくらは、京が服を脱ぐ時間すらも惜しい程だ。
「お願い……早くぅ……」
請う瞳はもはや呆けて、蕩けんばかりだ。
「じゃ、立ちバックと駅弁と、どっちが良い?
 ここじゃ柔らかいベッドは無いから、正常位だと痛いと思うぜ」
「……やだ……ちゃんと顔見てしたい……」
後背位は、御免と言うわけだ。生娘ならそれも当たり前だろう。
119名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:19:55 ID:WNg/aOuY
京はさくらに股を開かせ、彼女の膝の裏側を通るように、両腕を回した。
そのまま彼女の腰を担いで、勢い良く持ち上げる。
「わっ、わっ」
反射的に何かに掴まろうとしたさくらが、京の首に両腕を通した。
「しっかり掴まってろよ。ま、振り落としゃしねぇけどよ」
京の腕は力強く、この腕があれば、姿勢を崩して床に落ちるなど無いと信じられた。
隆起した男根も同じく力強く、まだ挿入はされていないが、
さくらの股間の筋に添うように、ぴったりと密着している。
京は少しだけさくらの体を浮かせると、穴の入り口に自分の先端をあてがった。
そのままズブズブと、ゆっくり挿入していく。
「いたっ、痛いっ! もっと、ゆっくりっ……」
「そんな優しさ、いらねぇんじゃなかったのか?」
途中に立ちはだかる抵抗の膜すらも、重力に任せた挿入によって、容易く破られた。
「いぁっ! ぎ、は……」
激痛に堪えるように、さくらは一層強く、京の首を抱きしめた。
それまでは耐えるように、なるべく強く引き結ばれていた唇が、
痛みに声を漏らしたために、逆に大きく開かれた。
一度開かれてしまえば、もう閉じる余裕など無い。
陸に上げられた魚のように、ピクピクと唇が戦慄く。
涙が頬をつたい、涎が顎をつたう。
京はその涙も涎も、受け止めるように、彼女の顔を舐め回した。
「動くぜ、さくら」
「あっ……か……」
京は、なるべくゆっくりと、彼女の腰を動かした。
しかし正常位と比べると、どうしても重みがあるために、思う程スローペースに出来ない。
彼女には悪い気がしたが、自然と動きは早くなっていく。
「ぅあっ、あんっ、あっ、はっ、あぁっ!」
痛いのか、感じているのか、さくらは徐々に可愛い声を漏らし始めた。
京は回転を加え、角度を変えて、様々な感触をさくらに与えた。
汗が飛び散り、唾液が撒き散らされ、愛液が垂れる。
嫌でも先端が奥に直撃し、刺激は痛みをともなって、快楽となっていく。
初めての異物の感触は、さくらにとってはまりに苦しかったが、何とか耐えた。
この窮屈さがいつか、気持ち良く感じられる筈だと、思った。
熱い肉棒が、自分の中の襞を摩擦していくのがわかる。
「そらっ、イクぜ! さくら!」
「んあぁっ! あはぁあ、あんあぁあっあぁ……っあ……!」
実に久しぶりに女を抱いた感覚に、京は果てた。
さくらもまた、今までの人生で感じた事の無い
未知の感覚に、頭が飛びそうになっていた。
12067:2007/10/26(金) 09:27:59 ID:WNg/aOuY
翌日。
議論に飽きたケンと紅丸は、リュウ達が修行している、近くの川原まで来た。
しかし、てっきり修行に励んでいると思っていたリュウと真吾は、
岩場に腰掛けたまま、少し離れた場所を興味深げに眺めていた。
「……あれぇ? 京の奴、珍しく真面目じゃん」
紅丸は、さくらと手合わせしている京の姿に、軽く驚いた。
「昨日は面倒くさがってたんだがな。
 まぁあいつにも、気が向く時はあるんだろう」
さくらに立ち回りの基礎を教え込む京の姿は、
さながら良いお兄さんのように、リュウには見えた。



第三話、終了です。
これ以上無いくらいのタイトルを考えて頂き、誠にありがとうございます。
案を出して下さった方々に、深くお礼を申し上げます。

……で、物は相談なんですが。
今までこのE.R.O.2181の中に出てきたカップリング
(ヴェノム×キャミィとか、カイ×レオナとか、闇慈×舞とか、覇王丸×梅喧)を、
書いて頂ける方、是非書きたいという方、おられませんでしょうか?
思いつきでカップリングを色々設定してみたものの、
当方は現在ナコリム×ギルを書くのに忙しく、また思いつきであるが故に
特別思いいれのあるカップリングでも無いので、どなたかが代わりに書いて頂ければ……と思ってます。
そもそも僕一人で全部書ききろうと思っていないという事は、以前にも述べた通りです。
協力して下さる方がおられましたら、有難く思います。
12167:2007/10/26(金) 09:34:50 ID:WNg/aOuY
言い忘れてましたが、勿論上記以外のカップリングでも
どしどし受け付けてます。

とりあえず話に決着がついて、各々の時代や世界に戻った時に
・ロバートがミレニアムファイティング欠場
・ロバートに限らず、拳椎を筆頭として、出場してないとおかしい奴が出場していない
・そのくせ時代の違う覇王丸や、ロック等が出場している
・本来参加資格など得られない筈の、異世界の住人であるモリガンが出場している

等などの、カプエス2の「真面目に考えたら変」な部分を、
どうにかして辻褄合わせようと考えてますので、
その辺だけ狂わなければ、他はどうなろうが構いません。
辻褄の合わせ方に関しても、良いアイデアがありましたら、お教え下さい。
では。
122名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:06:59 ID:FMs5AOQB
GJ!毎回これだけ凝った長文書けるとは凄いな。
123名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 13:32:37 ID:m6WZj+WA
ぬう、先を越された 悔しい でもGJしちゃう!(ビクビク)
124名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:16:44 ID:z98q2PZy
空気読まずに投下。

設定はE.R.O.2181に準じる・・・ハズ

エロ無し

嫌いな人orエロ目的の人ははスルー推奨
125名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:20:45 ID:z98q2PZy

22世紀では、科学に替わり「法力」なるものが世界の理となっているらしい。

しかし、人間の営みは変わることはない。

人は「ギア」と呼ばれるものを作り、そして幾多の血がギアによって流されてきた。

かつて人が科学の名のもとにおびただしい屍の山を築き上げてきたように。

やはり、人間の営みは変わることはない。

ギアに家族を皆殺しにされた少女が一人、女の幸せを棄てて復讐に身を捧げた。

かつて養父を殺された一人の少年が己の幸せを棄てて復讐に身を捧げたように。

されど、人間の営みは変わることはない。

22世紀においても、人々は小さな幸せを求めて歩み続ける。

今、我々が輝ける地平線を目指してこの大地を踏みしめているように。



[22世紀.フランス.パリ]

楽師風の女が21世紀初頭の格闘家達を22世紀に「拉致」しててから、5日目のことである。
5日と言っても、432000秒が経過したという訳ではなく、単純にパリで日の出が4回繰り返されたと言う意味合いである。

5日目の昼、パリの公園の事である。
かつて養父を殺され、復習を誓ったかつての少年は世界に名だたる格闘家として名をはせた。
その青年が22世紀に連れ去られて、かつての花の都・パリの公園に足を運んでいた。
友人との待ち合わせの為である。
公園の敷地内には感じのよいレストランがそっと体を横たえており、公園の一角をオープンテラスにして散歩に訪れる人の憩いの場としている。

青年はオープンテラスの椅子に座り、静かに公園を見回していた。
青年の優美な金髪が端正な顔立ちに一房垂れ下がっている。
126名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:25:24 ID:z98q2PZy
清涼で物静かな雰囲気は、一見すると文学青年を思い起こされるだろう。

しかし、達人の目に彼は触れれば斬れる日本刀に映るだろう。
青年が受け継いだ技の切れ味こそが正に日本刀のそれなのである。

青年の名を、アンディ=ボガードと言う。

アンディがなにかに気付いた様に微笑み、自然な動作でテーブルに備えてあったナイフを手に取って─────公園を歩いていた男に投げつけた。
値の張りそうな上下を上品に着崩した、一見すると優男の様である。

アンディの投げたナイフは弾丸の様に空気を引き裂きながら優男に狙いを澄まして飛んでゆき、もしこれが刺されば死ぬことは無かったとしても大怪我は避けられぬだろう。

しかし。

ナイフが眉間に「触れる」瞬間、男の手の中にナイフが消えた。
ごく最小限の動きでナイフをかわして掴んだため、残像すら残さなかったのだ。
更に驚くべきことに、男は怒るどころか───微笑んでさえいたのだ。

その彫りの深いイタリア系の顔だちに張り付いた不敵な笑みを見るものが見れば、彼の中に獅子心を見い出すだろう。

アンディの向かいの椅子に座って男が口を開いた。
「なんやアンディ、もう来てたんか。───で、どないするんや?わいはいつ始めてもええで」
男は手の中で転がしていたナイフをテーブルの所定の位置に戻しながら、挑戦的な笑みを浮かべる。
「ええ、僕も準備は出来ていますよ───いざ!」

瞬間、アンディと男の周りを莫大な熱気がつつんだ。

男の名はロバート=ガルシア。「最強の虎」の二つ名を持つ、極限流空手の双璧を成す稀代の格闘家である。

同時に22世紀に飛ばされたアンディとロバートは同じ格闘大会の常連どうしと言うこともあって、すぐに気の置けない仲になった。

22世紀に飛ばされた時運悪く彼らはギルのいたコロッセウムからあまりにも遠くに落ちたため、何故連れてこられたのかも誰の仕業かも知らされなかった。
そのため彼らはまず最初に異国での生活を安定させるべくパリの市内をくまなく歩いて食いぶちを探して、それから何故22世紀にタイムスリップしたのか探ることにしたのだ。
127名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:30:10 ID:z98q2PZy
今日がタイムスリップしてから始めての報告会となる。

しかし、親友同然の仲であるとは言え互いが互角の格闘家である。
元の時代で大会に出場するつもりだった所に肩透かしを食わされた上、22世紀の生活に慣れる事に忙殺されてここ数日二人はほとんど体を動かす機会が無かったのだ。
格闘家であるゆえに、親友同士であるからこそむしろこの様な混じり気のない純粋なぶつかりあいが出来るのだ。

いまや二人を取り囲むものは熱気などではない。
吹き上げる闘気の炎である。猛る虎の咆哮である。

静寂にして緊張の対峙。
ふと、木の葉が一枚はらりと舞い、二人を通り抜けた。

刹那───────



アンディ「やあ、餓狼伝説の美形キャラ、アンディだよ!」

ロバート「わざわざ説明せんでええやろうけど、わいが龍虎の拳の美形キャラ、誇り高きヤングタイガーことロバート=ガルシア様や」

美形会議 2181の開催が、華々しく宣言されたのであった。



果たして彼らはもとの世界に帰れるだろうか───


彼らは世代を越え、世界を越えた格闘家たちとどのような物語を紡いでゆくだろうか───

一体誰が彼らの毒g……彼らと愛を紡いでゆくのだろうか───

そして、作者は>67氏に怒られはしないだろうか───



彼らの22世紀は、まだ始まったばかりである。

to be continued...?
128名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:36:33 ID:z98q2PZy
「ロバートがミレニアムファイティングに不参加の謎」にあやかってみました。

>67氏の了承さえ頂けるなら、続きを書いていきたいと思います
129名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:46:48 ID:YxiYFUj/
まず、某サイトから怒られるのが先だと思うが続きを見てみたいw
13067:2007/10/29(月) 04:54:18 ID:lUFkqB67
突然夜中に目が覚めたのは、きっとこれを読むためだったんだと思います。


フいたwww
GJwww
131名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 06:57:32 ID:FVeJ5bvb
wwwすげえ
132名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 09:39:30 ID:070YG2hF
MUGEN見てるみたいだな
133名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:50:54 ID:FsTktq/r
>>127
右京さんに謝れ!
134名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 16:44:32 ID:V9sI4szx
燕六連?
135名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:19:00 ID:R0T8kVB1
資料として色んな格ゲーやってるが本当世界観のすり合わせ大変だな
特にSNKは餓狼から侍魂までよくもこんな毛色の違う世界作れたと思
説定資料集見てると
テリーとナコルルが一諸に居るのに凄い違和感という温度差を前以上に
感じてしまう
136名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:05:04 ID:251tBS++
まこととレミーとアンヘルとマキ出ないかな
137名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:04:09 ID:QPeiDVaw
エロもいいがそれ以外の部分がびっくりするほど面白いな〜。
すごいよ、良スレみっけた。
138名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 06:11:40 ID:J9eHm75+
アンヘルなら良いネタが浮かんだけど。
ストーリー的に2001が開催される前で、ロンがパオの力を得る為にネスツにパオの力の話を持ち掛ける。
ネスツはアンヘルにパオの源でもある精液を採取するよう命じ、アンヘルはパオを犯す。
まぁ、こんな感じのSSになるが……どうだ?
139名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 09:16:45 ID:J9eHm75+
とりあえず>>138のネタで良ければ初投下にチャレンジしてみるが良いか?


結果的にパオ×アンヘルになるが。
140天使の精液採取計画(1/7):2007/11/02(金) 20:52:50 ID:J9eHm75+
暑くもなく寒くもなく、淡い闇の中に静寂が沈み、その静けさ故にかえって仰々しく聞こえる微かな音は、この空間の温度と湿度を完璧に管理している空調システムの稼働音だろう。
マントを思わせる黒い衣を羽織った、長く髪を編み込んだ男は、口元を隠した表情の読みにくい横顔を、微かなモニターの光が照らす男の前には肩口に鳥の羽根をあしらった紫色のコートの男がコンソールを操作し、一人の少年を写していた。
『確かに、この小僧については興味がありますな?ロン師父』再度コンソールを操作すると、そこには去年の優勝チームであるサイコソルジャーチームのチームメイトであるケンスウがパオの力によって力を取り戻す一面が再生される。
『調べぬ訳にはいくまい?』
布によって口元を隠された男、ロンの唇が歪んだ。
『ふむ…しかしどうやって小僧の力を調べなさるおつもりで?』
『実に簡単だ……』
コートの男にロンは耳打ちし、襟首に隠れる男の口元が歪む。
『なるほど…だったら、おあつらえ向きの者がおります』
男は微かに椅子を軋ませ、ゆろりとコートの裾を揺らして立ち上がった。
『アレの記録をこちらへ』
『はい。センターコンソールに回します』
オペレーターの一人が緊張気味に答える。
程無くして、男のいるブースのコンソールに明かりが灯り、モニターに光が入った。
『採取するにはもってこいの奴です…』
『ふむ…異議はない』
二人が見つめるモニターに映っていたのは、一人の女性の基本データだった。
異議はないと答えるロンの目と男の目が合わさり、互いに頷いた。
そして作戦は実行へと移される。


2001年、冬。
リズムに乗って御機嫌な鼻歌を奏でる少年、包は大会までの期間での修行を終えて、朝早く霧の深いサウスタウンの路地を歩いていた。
『あれから採れば良いのかぁ〜』
そんな包を遠くから眺め、貧相なスクーターに跨がるグラマラスで露出度の高いなりをした陽気な女、アンヘルは目立つ服装を避ける為に上質のカシミアに肢体を包む。
アンヘルに与えられた初の任務。
それは包の体液、精液の採取。
殺害してはならず、あくまでも内容は、採取の為アンヘルの胸には試験管が挟まれている。
もしアンヘルのコートに隠された肉体を見た者が居るならば、決して発情せずには居られないだろう。
『包確認〜♪確保〜♪』
写真を破り捨て、芝居掛かった仕草でエンジンに火を入れたアンヘルはスクーターを操り包を背後から近付き始めた。
141名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 08:41:44 ID:di4GBAL0
支援

ついでにほたると二ノンでロックの取り合いとかどうよ?
142名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 17:28:49 ID:aRZEWOa9
空気読まず投下。

エロ無し
143名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 17:30:42 ID:aRZEWOa9

[22世紀.フランス.パリ]

22世紀においてもパリの風は芸術家の郷愁を誘う。

パリのとある公園。
ここでも芝生の上にカンバスを立てて絵筆を握る姿がちらほらとうかがえる。

そんな公園にレストランが一軒、柔らかな陽射しの下で昼寝をしている。
レストランはテラスを公園に出して道ゆく人の一休みの場所を提供している。

昼前で客の少ないレストランのテラスには男が二人、同じテーブルに腰かけて早めの昼食を取っている。

一人をアンディ=ボガードという。
日本に古くから伝わる不知火流忍術の継承者にして骨法の達人である。

一人をロバート=ガルシアと言う。
坂崎拓馬の創設した極限流空手の師範代にして、坂崎拓馬の息子にして極限流空手師範代・坂崎亮の親友にしてライバルである。

二人は数日前に謎の女により突如22世紀に拉致されてきたのである。
彼らは今、何故連れてこられたのか、もとの時代に帰る方法があるのかを探しているのだ。

そんな二人の前にコース2皿目の魚料理が運ばれてくる。

アンディ「あ!これ美味しいですね。フランス料理はもっとコッテリしてるイメージがあったけど、魚の味が生きていますね。日本で食べた魚の煮付けを思い出すなぁ」

ロバート「なんやアンディ良いこと言うなあ。………この塩もバターも最高の加減やで。これ以上だと食材の味が消えるし少ないと魚の味に負けてしまう。ここんとこがよーく見極められとるわ………」

アンディ「流石はロバートさん!お詳しいですね」

ロバート「アンディもよく分かってるやないか。こーゆートコでキッチリしてるんが美形キャラの素質やな!」

アンディ「ええ。嫌味なく才能をアピールするのが美形キャラの………」

ロバート「………」

アンディ「………」

ロバート「………」

彼らが言いよどんでしまったのには訳がある。
「右京さんが見付かりませんね……」
なのである。
「右京さんがおらんと気ぃ入らへんな………」
なのである。

お互いが睨みあいながらしばらく気まずい沈黙が続いていたが、
144名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 17:34:09 ID:aRZEWOa9
ロバート「もう埒があかん!探しに行くで!」

アンディ「しかしロバートさん………」

ロバート「『探すあてが無い』やろもう何度も聞いたわ!確かに右京さんが何処にいるかもわからへん。だからといって何もしないっちゅーんか。右京さんはこんなこと望んでいるんか!」

アンディ「ロバートさん………」

ロバート「こんなことで美形会議が終わってもええんか!美形会議は何のためにあるんや!」

アンディ「ロバートさん……!そうだよ……。美形会議は………美形会議は美形キャラ間の親交と美形キャラ業界発展のためn……」

ロバート「大会に出場出来んときの暇潰しやろ。暇潰しでストレスためてどないすんねや!」

アンディ「………………まぁ、そうですね。」

ロバート「右京さんがおらへんやったら、なんやそこらの居合キャラ連れてきたらええんとちゃう?まぁギルティギアは武器格ゲーやさかいに日本刀持ちのひとりや二人はおるやろ。
 せやけどあんなペチペチペチペチ小技当てるのがなして武器格ゲーなんやろな?これがサムスピやったら100回は死んどるで!22世紀の武器はナマクラとちゃうんか?」

アンディ「し、失礼ですよロバートさん!」



[22世紀.コロニー.某所]

「はぁ………困ったなぁ。」

22世紀には「日本」は灰になった後である。

生き延びた僅かな日本人たちは「絶滅危惧種の」ジャパニーズとして人工の疑似日本、すなわちコロニーでの生活を余儀なくされている。
もっとも、中にはコロニーでの「飼い殺し」を嫌って飛び出す者もいるにはいるのだが。

アンディはコロニーに来ていた。
日本刀の事は日本人が最も馴染み深いと考えてのことだ。

フランスからは結構な距離だが、アンディは不知火流忍術の師範である。
目にも止まらぬような「瞬」速走行は彼の一番の特技である。

因みに、格ゲー的には斬影拳連発したのであり、ここまで来るのにアーケード版ギルティギアXX ∧Coreのデータロードほどの時間しか掛っていない。
それほどの健脚なのである。

コロニーまで日本刀持ちを探しに来たアンディは困っていた。
日本刀どころか棍棒を持った男すら見当たらないのである。
道中、素手とHaikuを組み合わせた全く新しい格闘技を使う吸血鬼には出会ったものの肝心の居合キャラには会わずじまいであった。
145名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 17:37:48 ID:aRZEWOa9
アンディはほとほと困っていた。
不知火流忍術の胴着はもちろん和服であるため、和服を着こなした金長髪の品の良い顔立ちをした外国人は
沢山の大和撫子の黄色い会釈を受けることになったのだが、根が生真面目で純粋なアンディはこれを好かぬ。
さりとて純粋ゆえに女性をぞんざいに扱うことも出来ぬ。

結局、逃げるように集落を後にしてしまうため手掛り一つ聞き出せぬ。

アンディは困り果てていた。



尚、所々池波正太郎先生に影響を強く受けた文体になっているようだがこれはアンディが和の心に通じる事をほのめかそうとしての事である。
決して安易なPA☆KU☆RIでは無いのである。
そこら辺の所は良く良く理解して頂きたいのである。



[同時刻.フランス.パリ]

ロバートは困っていた。
日本刀どころかネギを持った美女(特に妹)すら見当たらないのである。
道中、KOFXIに出場していた双葉ほたるという美少女(しかも妹キャラ)を見掛けたが牙刀とか言う男が物凄い勢いで睨みつけてくるので声をかけられずじまいであった。

ロバートはほとほと困っていた。
値の張る上下を上品に気崩した優男然としたイタリア系美丈夫に黄色い会釈をするパリジェンヌが余りにも多いのだが、生真面目で純粋な性格ゆえに一人ひとり相手をするせいでなかなか日本刀持ちを見付けられないのである。

結局、地元の女性と親交を結んだ以外は何の収穫もなかった。

「なんやアンディはどっか行きよってほんま災難やなぁ。舞ちゃんもおらへんのにわいがギャルの視線を独占してしもうたがな!まぁこれも美形キャラのつらいトコやな!ニョホホホホ………」

ロバートは困り果てていた。



[22世紀.コロニー.川辺]

「っ…クシュンッ!」
アンディは大きくくしゃみをした。
透明に煌めく小川の河原に薪がくべられて誰かの上着を乾かしている。
「ッ……ふぅ。誰か僕の噂でもしていたのかな?」
アンディは運悪く水を被ってしまった上着を脱いで、川辺で一休みしていた。
146名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 17:41:33 ID:aRZEWOa9
日の光に煌めく金長髪は紐でまとめてくくられて手拭いで覆われており、一見したところ短髪に見える。
寒気がしてぶるっ、と身震いひとつした後に乾かしている上着の懐から一振りの鉄扇を取り出す。

不知火流忍術の鉄扇である。
KOFでは使用を控えているがアンディは暗器類の達人でもある。ゆえに、彼が鉄扇を懐に入れてても何らおかしな所はない。

おかしな所はないのだが、この鉄扇には特別な意味が込められている。
アンディの婚約者、不知火舞──その名からもわかるように不知火流の忍者の前総帥の孫娘である───から借りた鉄扇なのである。

「まったく、舞にも困ったなぁ!『私が出場している間も、これを私だと思っておとなしく留守番しててね』なんて、普通は逆だ、ろ………舞」

知らず愚痴がこぼれる。
思えば舞には苦労ばかりかけさせられてきた。
勝ち気な性格の彼女に何度となく強引なアプローチを仕掛けられた。
その癖、心配症で嫉妬深くてアンディが年頃の娘に話しかけられるだけでふくれるのだ。
男の正直な感想を言えば「うざったいことこの上ない」である。

しかし。
本当は。

「舞はどうしているかなあ………」

人一倍甘えん坊な彼女を元の時代に置いてきたのが、心配でならない。

「………」

鉄扇を眺めていたアンディは、ふと何かを思い付いたようにおもむろに立ち上がった。
鉄扇を肩から円を描くように横に振り下ろし、鉄扇を開く。

「(バサッ)にっぽんいち〜ぃ……」

………………。

「な、何やってるんだ僕は!舞はよくこんな事でき……」

「おい暗慈(あんじ)!何してやがんだ」

「!!」

アンディは驚愕し、反射的に振り向いた。
対峙すればこれほど荒々しい剣気を放ちながら、忍者に気配を悟られず背後をとるのだ。並の実力ではない。

アンディは反射的に振り向き、驚愕した。
着物の裾からのぞく宝満な乳房の持ち主を、彼は一人しか知らない。

「ま、舞!?」

「ぁあん?舞してる事ぁ見れば分かんだよ。だからどうしてこんなトコにいるかって聞いてんだよ」
147名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 17:44:27 ID:aRZEWOa9
アンディの見たことのない女武道である。
どうやら相手もこちらを「あんじ」という男と勘違いしているようである。
付け加えて言えば、機嫌がよいとはとても言えない。
機嫌が悪い女性の扱いを間違えるとどうなるか、それこそ不知火舞で嫌と言うほど体験しているアンディは慌てて言い訳する。

「い、い、いいや僕は暗慈さんではなくて……」

「ぁあ?!アレ以外にそんなふざけた格好してる奴がいるかっつーんだよ!手前ぇいったい誰だ!」

「あ、ぼ、僕はアンディ=ボガ………」

「アンジ・ィだとおちょくってんのか手前ぇ!!覚悟しやがれトーヘンボクがぁ!」

それだけ言い放つと、女武道が日本刀を抜き放った。

───いいニュースと悪いニュースがあります、ロバートさん───

───いいニュースは、日本刀持ちが見付かったことです───

───悪いニュースは、僕が生きて帰れるかどうか分からないことです───



果たして、アンディに襲いかかったのは誰なのか───

彼は無事に生きて帰れるだろうか───

そして何より、彼が不知火舞も22世紀に飛ばされた可能性に思い当たるのはいつのことだろうか───



22世紀、彼らの美形会議はまだ始まったばかりである。

...to be continued?
148名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 17:56:06 ID:FGh/g29M
GJ!
アンディろくな目にあってねえじゃんw
149名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 18:59:37 ID:PcQYX7Sy
OH! アンディさん! アンディさんじゃないデスか!





……アンディさん
150名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:02:16 ID:PcQYX7Sy
すまん、KOFXIIの収録が長引いて遅れてしまった。八神だ。
まだ美形会議は…


帰るか…
151名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:19:24 ID:VZCgM6AO
GJ過るwww
152名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:46:14 ID:xYKuXCvc
GJ
でも、アンディは不知火流体術の継承者よ。ふたりで(舞ちゃんとアンディ)不知火流を背負っているのよ〜
15367:2007/11/05(月) 00:53:36 ID:RGEzX42c
昨日、サードストライク買いました。

プレイしてみて、ギルのキャラ作り、思いっ切り間違えたかも……
と、半ば反省しています


それでは『Eventual Rumble Orochi 2181』第四話
投下させて頂きます。
154名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:54:26 ID:RGEzX42c
統制のとれていない国家は、須らく無法地帯だ。
力が物を言い、略奪や殺人が平気でまかり通る。
調べた所によると、この西暦2181年という時代は、戦後らしかった。
ギアなる凶悪な生命体が闊歩し、人類の大半を死滅させた『聖戦』。
その傷跡がまだ色濃く残る時代らしく、
力無い者が犯され、殺され、奪われるのは、そう珍しくないらしい。
そしてその姉妹、ナコルルとリムルルは、
そうした野党達にとっては、とびきりの獲物に見えた。
「ここに来てから、まだ三日だと言うのに。
 二度も襲われる事になるなんて……」
「姉さま! ひどい世界だね、ここ!」
野党どもは、下卑た目つきで姉妹を見る。
舌なめずりする音が、嫌でも聞こえてくる。
出来ればリムルルには、こんな荒んだ人間の心は、見せたくなかった。
ナコルルは、こんな時代に自分達を連れてきたギルを、恨みたいとさえ思った。
博愛精神の強い彼女でなければ、
ギルに対しての文句が治まらないところだろう。

だが、生きるためならば、野党に襲われるのは好都合だ。
ナコルルもまた、妹と共にこの時代で生きるために、賞金稼ぎになっていた。
獲物の方から近づいてくれるのであれば、面倒が無くて良い。
数が多いのは厄介だが、真の戦士のみが辿り着ける、
『無の境地』の世界に入れば、瞬きの間に三回は斬りつけられる。
「ぐぇえ……つ、強い……」
「ひぃぃ……何なんだ、この女ぁ……」
五秒後には、野党どもは地面にのたうち、痛みに呻いていた。
「すっごーい姉様!」
リムルルは、無邪気に姉の強さに喜んでいる。
こんな強さ、不要であればそれに越した事は無いのにと、ナコルルは思う。
だが、時代が、世界が、彼女にそれを許さない。
光の巫女として、自分には力が無ければならないのだ。
155名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:55:16 ID:RGEzX42c
その時だった。
「ふぅん……確かに凄いわねぇ」
急にナコルルの耳元で、女の声が聞こえた。
慌てて振り向くなり、柔らかい唇が彼女の悲鳴を塞いだ。
「んん……っ!」
リムルルは、突然空間を裂いて現れた、ギターの女が、
大好きな姉に接吻しているのを見た。
「あっ! あの時の!」
「くっ……大聖堂にいた『あの男』の、側近!?」
咄嗟に離れて唇を離したナコルルは、見覚えのある赤い女に、鋭い目つきを向けた。
「イノ、よ。名前くらい覚えてよ、んもうっ」
「何の御用ですか。私達は悪に手を貸すつもりは……」
言いかけたナコルルは、瞬間、自分の目を疑った。
ほんの一瞬、まさに瞬きのために目を閉じ、開いた次の瞬間には、
周囲は暗闇に包まれ、自分とリムルルと、イノの姿しか映らなくなっていた。
他は一面、黒よりも暗い闇に覆われている。
この感覚は、覚えがある。レイヴンに拉致された時と、近いものだ。
「まさか……!」
「うわーん! 姉様助けてぇー!」
「囀んなよ、ピーチクパーチクよぉ。
 ギル様がテメェらに用があるんだってよ」
二人の巫女達は、為す術も無いまま、問答無用で空間を跳躍させられた。
156名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:56:04 ID:RGEzX42c
急に目の前に、光が見えた。
光はどんどん大きくなっていく。
……いや、違う。
自分達の体が、光に向かって飛ばされているのだ。
そう気付いた時には、既にナコルルの体は闇を潜り抜け、
異次元空間の向こう側に投げ出されていた。
「痛っ! ……く、う……っ」
「いったーい! 膝擦りむいちゃったー!」
見渡してみるとそこは、どこかの城の地下室のようなところだった。
照明はわずかなランプのみで、窓が一つも無い。
そこそこ広い部屋の中央に、人が三人は並んで寝られるような、豪奢な台座がある。
その上には、厚みがあって柔らかそうな、日本の布団に近い敷物が乗っている。
江戸時代の日本から来たナコルルには、それが西洋で言うところの
キングサイズのベッドにあたるものだとは、知りようがなかった。
壁はレンガ造りで、床の材質に至っては、彼女の見識には無い素材だった。
それは西暦2000年で言うところの、コンクリートに近いものだった。
もっとも、感触がそれに近いだけで、構成物質は異なるのだが。
初めてそれに触れるナコルルには、あまりにひんやりと、冷たく感じられた。
「ここは……?」
「ようこそ。歓迎しよう、光の巫女達よ」
再び、聞き覚えのあるの声。
だがイノのものではない。これは『あの男』の声だ。
「……ギル!?」
振り向いた先には、王座のような悪趣味な椅子に腰掛けて、
いかにも人を慈しむ人徳者のような表情でもって少女達を見る、驕り高い男の顔があった。
だが今は肉体も赤と青には分かれておらず、ただのスーツを着た金髪の男の姿だ。
その、気持ちの悪い程に穏やかな眼差しは、
反対側の席に着くようにと、姉妹に促していた。
見ればそこにはソファと、簡単なテーブル。
上にはグラスが三つと、赤い葡萄酒の入った、透明な小瓶。
殆どナコルルにとっては初めて見る物ばかりだったが、
西洋にはこういった家具があり、西洋ではあの赤いのが酒なのだろうと、予測出来た。
「ワインは飲んだ事があるかね?
 まぁ、元の時代が時代だ。年齢から言っても、無いだろうな。
 良かったら、この機会にどうかね」
「結構です。敵の塩を受け取るつもりは、ありません」
ナコルルは、怯える妹の頭を撫でながら、凛として答えた。
157名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:56:49 ID:RGEzX42c
「……ふむ、敵、か。そう思われても、仕方ないな。
 だが私は、人類の脅威である、オロチの脅威を取り除こうとしているのだ。
 それが君にとっては、敵となるかね?」
ギルは、一人だけグラスにワインを注ぎ、それを少しだけくゆらせた。
芳醇な香りは、神の鼻腔さえも魅惑する。彼はそれをゆっくりと口に運んだ。
その仕草の一つ一つを、ナコルルは見逃さなかった。
面妖な術を使う、イノという女を配下に置く、この男。
彼ならば、どんな体勢から技を放ってくるか、予想もつかない。
ナコルルは、隙を作らないように心がけていた。
「……オロチは、大自然を破壊する人類を、抹殺しようとしたと聞いてます」
「ふむ。神楽千鶴という女性が、そう言っていたな」
ギルは、大聖堂で千鶴に説明をさせた時の事を、思い出した。
「大自然を守るのは、私達、光の巫女の務め。
 その意味では、オロチは私達にとって、カムイです」
ギルはワイングラスをテーブルの上に置き、両手の指を絡ませた。
「では君は、オロチの側につくと言うのかね?」
「わかりません。私は、人間もまた、大自然の一部だと思っています。
 オロチの側の言い分を聞くまでは、判断出来ません」
「だがオロチにとって、人間は自然の一部ではない。
 かつて自然の一部でありながら、その範疇を超えた者。
 それが人間なのだよ」
「けれど、歩み寄る事は不可能ではない筈です。
 打ち滅ぼすのではなく、相互の理解を……」
目の前で繰り広げられる討論は、リムルルには難解過ぎた。
ただ一つ、ギルとは仲良く出来ないと言う事だけは、理解出来た。
「いっけぇー! コンル!」
リムルルは氷の矢を空気中に発生させ、それをギルに向けて飛ばした。
気の長くない彼女の先走った行動に、姉は驚いた。
なるべくなら話し合いで解決すべきなのに、早まった事を……。
158名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:57:33 ID:RGEzX42c
だが、氷の矢は、ギルの元には届かなかった。
ギルの目の前で、突然蒸発したのだ。わずかな水分一粒すらも、彼は被らなかった。
「驚いたかね? 全能の私の手にかかれば、造作も無いよ」
ギルは人差し指を突き出し、右から左に、ゆっくりと動かしていった。
最初は炎、次に雷。指先から水滴が滴ったかと思うと、最後には健やかな風が吹いた。
全てが、彼の指先から生まれ出でたものだった。
一度にこれだけの異能を行使する者など、ナコルルは見た事が無い。
大抵の人間は異能を持たず、持っていたとしても、どれか一つに特化している。
だが目の前の男は、呼吸に等しい程容易く、全てを事も無げに顕した。
「君達は、この時代で『魔法理論』と呼ばれる学問を、知っているかね?」
驚愕のあまりに声を失っていた姉妹に、ギルは問いかけた。
「2010年。人類は無限のエネルギーを生み出す超自然的制御法……
 いわゆる『魔法』を、学術的大系の中に組み込む事に成功した。
 これにより、学識さえあれば誰でも、不可思議な力が使えるようになった。
 しかし稀有な事に、この『魔法理論』を打ち出した学者は名乗りを上げておらず
 誰がこの世紀の研究を発表したのか、現在に至るまで判明していない」
ギルは空間に手をかざし、いくつもの光をそこに発生させた。
光達は正方形や長方形、時には丸にさえ変形して、隙間無く並んでいった。
並び終えた後で、ギルはそこに指を滑らせ、流れるように光を一つ一つ、撫でていった。
それはさながら、キーボードをタイプするような感じだった。
やがて部屋の壁の一角に、光のディスプレイが表示された。
そこには、よくわからない複雑な公式や、専門用語が並んでいった。
「私なのだよ。
 人類に法力を与え、学べる者に等しく後天的異能を授けたのは」
ディスプレイにはやがて、草薙京や楓等、特定のエネルギー交換形式を
戦闘に用いる戦士達の姿や顔写真が、次々と映し出されてきた。
159名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:58:17 ID:RGEzX42c
「元々一部の人間には、燃焼エネルギーや発電エネルギー、
 場合によっては分子結合や気圧の変動などを、任意で制御出来る者達がいた。
 それらは殆どの場合才能や、遺伝によって発動されてきた。
 才能の無い者……例えばそうだな、矢吹真吾のような者には、
 どう頑張っても炎は出せなかった。2010年以前は、な」
「それをあなたが、変えたと……?」
ナコルルにもようやく、ギルの言わんとするところがわかってきた。
「その通り。全ては、この星のためだ。
 資源を浪費する事なくエネルギーを生み出せれば、機械文明は衰退する。
 森林の伐採や、それに伴う砂漠化も減少する。
 200年もする頃には、地球は元の自然の星に戻り、オロチとも和解出来る筈だ。
 まぁ、機械や資源といった単語、概念は、君達の時代には多用されなかった言葉だから
 話の中に少々、理解しにくい部分も、あるかもしれないがね」
確かに江戸時代出身のナコルルでは、大自然を守るという大儀は理解出来ても
守らなかった場合に、具体的に何がどうなるのかは、理解しかねていた。
二酸化炭素排出量がどうとか、石油の枯渇がどうとか、そんな考えは彼女には無い。
ただ、木々や川や山や空に敬意を払う民族は、そんな理屈抜きで、自然を大切にするものだ。
彼女もまた、そういった人間の一人だった。
だから、ギルが予想外にも自然を愛し、オロチという脅威と
和解の道を採択しようとしていた事に、純粋な驚きを感じた。
文明や科学の事はわからないが、ある意味で自分よりも、遥かに星の事を考えている。
聞き及んだ噂では、彼は驕り高ぶって他者を見下し、
神がましい口をほざくと言う話だった。
だがどうだろう?
目の前の彼は、人類の脅威を倒すのではなく、人類の脅威と手を取り合おうとしている。
ナコルルは、自分が彼を誤解していたと思った。恥じ入る気分にさえ、なった。
相互理解を深めようと考えているのは、自分達よりも、このギルと言う男だと思った。
「では、あなたはそこまで考えて……?」
「世界中から歴史上の戦士達を集めたのは、万が一の保険だ。
 もしオロチが人類を認めてくれない場合には、抗わねばならなくなる。
 決して問答無用で消滅させようと、考えているわけではないよ」
まだ半信半疑だったが、表情には真摯なものが見て取れる。
ナコルルは、彼を信じてみる気になりかけた。
160名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:59:05 ID:RGEzX42c
しかし、話を飲み込めなかったリムルルの方は、まだギルを疑っていた。
詮議の眼差しを向けるリムルルに、ギルは計画を説いた。
「そんな目をしないでくれ。君達にも協力してもらいたいんだ。
 自然と人類が共存し、傷つけあう事なく生きていける世界にするために」
「……じゃあ、何で私と姉様だけ、このお部屋に連れて来たの?」
少女の疑問は、もっともだった。
「それは君達が、巫女だからだよ。
 恒久的平和のためには、敬虔なる者の導きが必要だ。
 その担い手に、君達にはなってもらいたい」
なるほど、建前は立派だ。
しかしどうにも、リムルルには納得しかねる部分が残っていた。
それは、ナコルルにとっても同様だった。
彼の理想は素晴らしいと感じるし、そのために彼が努力を払っている事もわかる。
だが、どこか最後の一線が、まだ妄信しきれない。
この男が本当に人格者なら、リュウ達には認められても良い筈なのだ。
しかし大聖堂では、誰もが殆ど、この男を敵視していた。
「あなたの言う恒久的平和の、具体的な内容を、お聞かせ願えますか?」
ギルはゆっくりと立ち上がると、靴音を響かせながら、地下室の中を歩き始めた。
「ふむ、良いだろう。
 目処にしているのは、西暦2200年。今より更に20年後の未来だ。
 本当は2000年には目的を達成したかったのだが、当時は余計な邪魔があったのでね」
「目処……一体、何の?」
ランプの灯りが逆光になる辺りの位置まで歩いてから、ギルは振り返った。
ほの暗い闇の中で、その目は水のように鋭く光って見えた。
「我々の組織が、この世界を統治するための、だよ。
 予定では、天帝なる私が、2200年には全世界を治める事になっている」
一瞬、ナコルルには意味が計りかねた。
政治の事はよくわからないが、世界の元首にでもなって、
国家間の争いを無くそうとでも言うのだろうか?
だがこの時、彼女は大聖堂での、ソルの言葉を思い出していた。
『その戦士を使って脅威を排除した後で、テメェは何をするつもりだ?
 ガキのゴッコ遊びでも、今時世界征服なんて流行んねぇぜ』
161名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:59:55 ID:RGEzX42c
「……まさか!?」
ナコルルが目を大きく見開いた瞬間には、
既に額にギルの人差し指が突きたてられていた。
何をされたのかわからないが、少し触れただけで、ナコルルは姿勢を崩した。
体が勝手に倒れ、ベッドの上に仰向けに落下する。
「待っ……」
当惑し混乱するナコルルの声をも遮って、ギルは語り続ける。
「巫女とは本来、神道においては神の妻、或いは娘であるとされる。
 祭りという儀式は、元々は歌と踊り、そして性技によって
 神を喜ばせ、楽しませるためのものなのだ。
少なくとも君達の国、ジャパンではね」
「姉様っ!」
姉を助けようと駆け寄る少女の叫びすらも、もはや聞き入れられない。
「神に奉仕する事は、君達の本来の責務だ。神聖な事なのだよ。
 私は2200年に世界を統治し、その後長らく、子々孫々に至るまで、
 我が組織が世界を統治し続ける予定だ。
 君達巫女には聖母となってもらい、神の子を産んでもらわねばならない」
その言葉に、ナコルルはついに、声すらまともに出せなくなった。
馬鹿でもわかる。
これから自分がされようとしているのは、レイプだ。
しかも、今のこの時代の根幹をなす魔法理論を築き上げた、
換言すればまさしく創世者とも言える者が相手では、抵抗のしようもない。
手持ちの刃物ごときで、どうにか出来るとは思えない。
「待って! せめて、妹だけは……」
「何を嫌がる必要がある?
 神との交わりを、よもや巫女が拒否する事はあるまい」
……あなたは、神なんかじゃない。
そんな当たり前の正論が、通用する相手とも思えなかった。
「リムルル、逃げて!」
「無駄だ、我が妻よ。ここは法力制御によって作られた、入り口の無い部屋だ。
 酸素だけは供給され続けるが、それだけだ。塵一つ入り込めない。
 神と巫女の交わりという神聖な行為に、外界の空気など邪魔なだけなのだから」
絶望が姉妹を襲った。
今日間違いなく、自分達は処女膜を破られ、
その後間違いなく、妊娠するまで毎日セックスを強要される。
助けなど期待出来よう筈もない、密室に監禁されて。
考えれば考える程、発狂してしまいそうだった。
162名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:00:43 ID:RGEzX42c
恐れ戦くナコルルから目を逸らし、ギルは、その妹に目を向けた。
「どうした、第二の巫女よ。君も早く、ベッドの上に上がりたまえ」
ギル自身は、脅しているつもりなど、さらさら無い。
慈愛の手を差し伸べているつもりでさえ、あるだろう。
徳に満ちた導きのつもりで、少女に温かな眼差しを送る。
それが殊更に、少女の恐怖を誘った。
ギル自身は、リュウに対して「ある意味で悪人よりもタチの悪い純粋さ」
と評した事があるが、それを言うなら、彼はもっとタチが悪かった。
気を張っていなければ、ナコルルでさえ、彼の眼光の前には
小便を漏らしそうにさえ、なってしまいそうだった。
「ね、姉様……」
「言う通りにしなさい、リムルル……他にどうしようもないわ……」
姉として、妹を守らねばならないのに、今自分に出来るのは、
脅迫者の言うがままになる事だけ。
言う通りにしなければ、どんな目に遭うかわからない。
妹を守るためにこそ、妹を窮地に呼び込まねばならない姉の心境は、
筆舌に尽くしがたいものがあった。
「神聖な行為は、なるべく穢れ無い方が、より神の領域へと近づける。
 まずは処女同士で、互いの体を解しあうが良い。
 私自身の肉体によって君達を可愛がるのは、その後だ」
ナコルルは、耳を疑った。リムルルは、意味をよく理解していない。
処女同士で体を高めあう……。
つまり、女色の行為に没頭しろと言う事だ。そんな事、考えた事も無い。
自分が、妹と愛撫しあうなど。自分が、妹と接吻するなど。
自分が妹の性感を開発し、妹が自分の陰唇を広げるなど。
「早くするがいい。それとも、濡れないまま挿入されるのが好みかね?」
「そんな……っ」
「ならば」
「くっ……」
観念したナコルルは、今にも泣き出したい衝動を抑えて、
なるべく優しい表情で、リムルルを見つめた。
それは、妹を不安がらせないための、精一杯の心遣いだった。
「リムルル、安心して。怖くなんか、ないから……」
「姉様……」
リムルルもまた、大泣きしてしまいたい衝動にかられながら、
恐怖の鎖に縛られて、声一つ満足に出せなかった。
懸命に笑顔を取り繕うとする姉を前にして、少女には何も言えなかった。
163名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:01:35 ID:RGEzX42c
ナコルルは、生まれて初めて、人と口付けをした。
ガルフォードにさえ、まだ許した事が無い。
それはリムルルも同様で、閑丸以外の者に、唇を明け渡したいと思った事は無かった。
それでも、姉妹なのだから、大好きな姉様となのだからと、自分を納得させる。
潤った唇を、柔く、繊細に触れ合わせる。
それはまさしく、天使同士のキスのように、清らかで美しかった。
もっとも当人達が迎えている恐怖は、鬼の棲む地獄のそれに等しい。
しかし二人には、それを拒む事は出来なかった。
ナコルルは、なるべく慈しむように優しく、衣服の上から妹の胸を撫でた。
アイヌの伝統的衣装の上に、流麗な手つきが皺を形作る。
「姉様ぁ……」
「目を閉じなさい、リムルル」
姉はそう言うと、再び妹に口付けた。
そうして、自分自身もまた、瞳をきゅっと閉じる。
こんな境遇に置かれた現実を、なるべく妹には、直視して欲しくなかった。
妹に手を出そうとしている自分を、自分の表情を、見て欲しくなかった。
と同時に、彼女自身、とても妹を直視出来なかった。
どんな哀れな目で、リムルルは自分を見つめ返してくるだろう。
どんな憐れみをもって、リムルルはこの姉を見下げ果てるだろう。
そんな姉妹の様子を、ギルは神々しい儀式でも見るかのように、
一部始終見逃す事なく、椅子に座って観察し続けていた。
その目は、色欲に染まっていない。あくまで静謐で、澄み渡っている。
我欲のために新興宗教を立ち上げる教祖などより、遥かに凶悪だ。
絡み合う少女達の舌から滴り落ちる唾液を、聖水と見做し、感嘆の溜息すら漏らす。
「美しい……」
すすり泣き、流される涙すらも、聖なる伝道への贄だった。
164名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:02:18 ID:RGEzX42c
「リムルル……私の体を、触って。胸でも、お大事でも、どこでも良いから」
ナコルルはそう言うと、自ら衣装を脱ぎ始めた。
躊躇いがちに肩をはだけさせる仕草から、恥じらいと恐怖が見て取れる。
だが、彼女はそれを、敢えて受け入れた。
大切な妹に、同じ思いを味わわせたくなかった。
ギルの目的は、巫女と交わり、子をなす事だ。
それが果たせるのであれば、交わる相手は、自分一人で十分な筈。
暴行されるのは、自分だけで良い。せめて妹には、無事でいてもらいたい。
そんな願いが、ナコルルに、自ら誘いの言葉をかけさせた。
「う、うん……えと、こう……かな……?」
恐る恐る、リムルルは姉の乳房に触れてみた。
サラシが巻かれているが、感触は柔らかだ。
ナコルルとて胸のある方ではないが、手頃で揉みやすい大きさを持っている。
リムルルの掌に、それはパズルのピースのように、自然にフィットした。
やがてサラシがスルスルと解かれていくと、皮膚の吸着はより密になった。
掌に、乳房の張りが吸い付いてくるようだ。
だが、これだけではまだ全然足りていない。
ペッティングだけでは、済まされないのだ。最終的には、ギルを受け入れねばならない。
そのための下準備としては、乳房への愛撫など、到底及ばない。
「リムルル。舐めたり吸ったり、しても良いのよ?」
「え……? な、舐めるって……」
リムルルにとっても衝撃的な発言だったが、ナコルルにとっても、
人生全てをかなぐり捨てる程の覚悟のこもった、悲痛な提案だった。
妹を守るためという、心の支えになる信念が無ければ、今にも壊れてしまいそうだ。
「赤ん坊の頃お母様にそうしたように、甘えて良いのよ。
 お母様の温もりが、恋しいでしょう?」
リムルルは、少し強張ったように唾を飲み込み、
その後すぐに、どこか安堵したような表情になった。
リムルルにとって、ナコルルは頼れる姉だ。
そればかりでなく、今この場では、母代わりにさえなってくれると言う。
姉の言う通りにさえしていれば、根拠が無くとも、この状況から救われるような気がした。
少女は、まだ気付いていない。
姉が自分を救おうとしている手段とは、姉が一人でレイプされる事に、他ならないと。
「ありがとう、姉様。大好きだよ……」
「私もよ、リムルル……」
大人しく笑うナコルルの笑みは、痛々しかった。
165名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:03:02 ID:RGEzX42c
少女の小さな唇は、懸命にナコルルの乳首に吸い付いた。
それこそ、お腹を空かせた稚児が、母乳を求めるかのように。
ナコルルの腕の中で、ナコルルの乳首を舐めていると、
リムルルはどこか、気持ちが落ち着くような感じがした。
しかしナコルルにとっては、この上無い屈辱だ。
妹と百合行為に没頭する様を、憎むべきギルに、観察され続けるのだから。
そのギルはと言うと、さも神聖な儀式を見守るかのように、
忌々しいくらい姿勢を正して椅子に座り、瞬きさえ殆どしない。
ソル=バッドガイという男が、人智を超えた力を有する戦士だと言う事は、
大聖堂の時の悶着を見て、ナコルルも知っている。
そのソルをすら、このギルと言う男はいとも容易く打ち負かした。
こんな狂人が、人類最強クラスの実力を持っているなど、許されるのだろうか。
オロチなる上位存在が、人類に悲観し、滅ぼそうとしたのも、
認めたくはないが、納得出来てしまいそうだ。
ナコルルはただ、大切な妹が無事で帰れる事だけを祈って、
リムルルの後頭部を優しく撫でていた。
「っぷは……姉様ぁ……」
愚直に乳首を漁っていたリムルルは、次にどうしたら良いのか、目でナコルルに問うた。
乳首へのキスだけで準備が整う女体など、余程の淫乱でも有り得ない。
だが、ギルの子種を受け入れなければ、この凶行は終えられない。
ナコルルは覚悟を新たにし、肌蹴ていた服を、全て脱ぎ捨てた。
灯りの下、控え目で薄い恥毛と、薄桃色の媚肉が現れた。
死ぬ程の思いで自ら足をM字に開き、股の間に妹を誘導する。
「こ、ここを……舐めなさい……リムルル」
「え、でも、ここって……大事なところだって、姉様……
 他の人に触れさせちゃ駄目なんだって……」
「良いから……リムルルになら、許してあげるから……」
たまらず、それまで我慢していた涙が、ナコルルの頬を伝って落ちた。
その涙のせいで、リムルルには、断れない空気が出来てしまった。
だが、その涙のお陰で、姉がとても苦しんでいるのも、わかった。
ナコルル一人に、辛い思いはさせたくない。リムルルもまた、覚悟した。
「姉様。姉様も、私のお大事、舐めたり触ったりして良いよ?」
「えっ……待ちなさい、リムルル!」
「ふむ、素晴らしい姉妹愛だ。感服する」
一人ギルだけが、この場で満足そうな顔をしていた。
166名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:03:54 ID:RGEzX42c
シックスナインの体勢で、姉妹は重なり合った。
有無を言わせず、リムルルはナコルルに自分の股間を近づける。
まるで、直に押し付けようとせんばかりだ。
そうして、自らはナコルルの大事なところを、犬のようにペロペロと舐め回す。
あぁでもない、こうでもない。
一体、どんな風に舐めるのが、一番良いのだろうか?
そもそもこの状況で、何をもって「良い」状態と言うのかさえ、リムルルにはわからない。
ナコルルの陰部はギルからは丸見えだったが、
リムルルのそれは、彼からは逆方向で、全く見えなかった。
それはナコルルの、せめてもの配慮、抵抗だった。
自分のなど、どれだけ見られても構わない。
だが、リムルルの恥部は、あんな男に見られるわけにはいかない。
この愛らしく、穢れなど知らない、秘肉すらも未だ筋の中に埋没している、幼い入り口。
これを、ギルはおろか、他の男に見せなどすれば、亡き父が如何ほど嘆くかわからない。
そんなナコルルの考えなど露知らず、リムルルはひたすらナコルルを舐め続ける。
「んは……姉様ぁ……む、う……こんなんで、良いのかなぁ……?」
妹の声は聞こえるが、そう問いかける表情は、ナコルルにはわからない。
彼女の目の前にあるのは、決して貫かせるわけにはいかない、妹の無垢な恥丘だけだ。
「えぇ、そうよ……私を、気持ち良くして……」
「気持ち良く? うーん、こうかなぁ」
それまでは露骨に這いずり回っていたリムルルの舌が、
今度は繊細に、舌先で撫でるような、優しい動きになった。
リムルルにとっての『気持ち良い』は、姉に頭を撫でられた時だった。
撫でるのと同じように、優しく柔らかな感触であれば、きっと気持ち良くなるだろう。
リムルルは、そう考えたのだ。
そしてそれは、効果的だった。徐々に、愛液が染み出してきたのだ。
ごく少量で、汗かリムルルの唾液と言い張れば、通せてしまいそうな程度の量。
それでも、ギルにはそれが紛れも無く愛液だと、確信出来るだろう。
それがナコルルには、堪らなかった。
「恥じる事は無い、巫女よ。それは魂を導く、気高い香油だ。
 背徳を覚える必要は無い」
ギルにしてみれば民草を気遣っているつもりか知らないが、
彼のそういう発言の全てが、いちいちナコルルを追い詰めていく。
こんな恥ずかしい汁を垂れ流している様を、妹には見られたくないのに。
事もあろうに、今自分にその汁を流させているのは、その妹なのだ。
「姉様、これ何? お漏らしじゃないみたいだけど……
 何かしょっぱい。涙かなぁ?」
味を確かめるように、殊更にリムルルは、姉の陰唇を舐め続けた。
167名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:04:39 ID:RGEzX42c
目の前のリムルルの、まだ性の味を知らない股間が、羨ましい。
この幼い膣は、恐らくリムルル自身の手ですら、
体を洗うのと、用を足す以外の目的で、触れられた事は無いだろう。
しかし自分は、その妹に同じ部分を舐められ、濡らされ、
そしてこの行為の後には、神を自称する狂人に、貫かれる運命にある。
まだ肉もはみ出ていない、勿論愛液など染みてすらいない、綺麗な処女宮。
羨ましい。恨めしい。
何で自分が、こんな目に。カムイに仕える、神聖な身柄だと言うのに。
「姉様。姉様も、同じ事をリムルルにしないの?」
そう言ってリムルルは、より一層、その綺麗な股間を、ナコルルの顔面に近づけた。
止めて。
止めなさい。
そんなはしたない真似を、あなたはしては駄目。
そう言いたいが、声が出ない。ただ、すすり泣くばかりだ。
押し付けられた妹の割れ目が、強制的にナコルルの唇に、鼻に触れる。
吐き出すかすかな吐息が、跳ね返ってくるのがわかる程に、近い。
自分の呼吸の生温かさに、気持ち悪くなってくる。
そうしている間にも、リムルルの舌が、唾液が、吐息が、
自分の媚肉を、悪気も無いまま、溶けさせていく。
「……そろそろ頃合か。戯れはもう十分だ、巫女達よ」
いよいよ、地獄の閻魔の審判が、下る瞬間がやってきた。
ギルは椅子から立ち上がると、滑らかな足取りで、ベッドに近寄ってきた。
どんな表情と仕草をしたのかわからないが、即座にリムルルが
ナコルルの上から退き、横に引き下がったところを見ると、
どうにもギルが、リムルルにそう指示したのだろう。
その辺りの事は、妹の体が被さってギルの姿がわからなかったナコルルには、
推測する事しか出来なかった。
168名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:05:25 ID:RGEzX42c
「では、始めるとしよう……リムルルよ」
その言葉の意味が、最初、ナコルルにはわからなかった。
仰天のあまり、意味をそのまま理解する事さえ難しい。
だが、額面通りに受け取るなら、まさにその通りの意味だ。
「待って! 何故、リムルルを……!?」
「今更おかしな事を言うね。私は最初に言っただろう。
 『君達』に聖母になってもらう、とね」
計算違いだ。
ナコルルは、この男の容赦の無さを、理解しきれていなかった。
そうなのだ。どの道彼は、最終的には二人とも妊娠させるつもりだった。
ナコルルは、自分さえ犠牲になれば、妹が助かる道はあると、思い込んでしまった。
いや、思い込もうとしていた、と言った方が正しい。
希望は残っていると思わねば、精神がもたなかったのだ。
「お願いです! リムルルはまだ、準備が出来ておりません!
 彼女の前に、どうか私を先に……っ」
ギルには、彼女の嘆願は、妹を大事にする姉、という風には、映らなかった。
むしろ、神と交わるという誉れ高い行為を、
妹より先に体験したいと貪欲になる、浅ましい娘に思えた。
「私も最初はね、君の方から抱かせてもらうつもりだった。
 しかしここに来て、考えが変わったのだよ。
 君の体は、リムルルによって、性感を覚えてしまっている。
 その意味で言えば、二人とも処女であるにも関わらず、君の方が汚れを知っている事になる。
 であれば、より清らかな肉体の方を優先するのは、当然の事だ」
ナコルルは、もう今日何度目かわからない絶望を、味わった。
完全に裏目に出たのだ。
妹のためを思えばこそ、自分は妹に前戯を施さなかったし、
一方的に弄られ続けたのだ。
だがギルは、弄られていない方の体を、尊んだ。
「いやっ……助けてっ! 姉様!!」
リムルルの叫びが、室内に煩い程響き渡る。
「心配無い、リムルル。直に姉の方も、すぐに抱かせてもらう。
 我が血族には代々、常に兄弟が必要なのだ。玉座を競い合う兄弟がな。
 そうしてより神に近い方が、天帝の座を手にする。
 我々はそうして遺伝子を継承してきたのだ」
神の座にいる者の尊大な言葉は、姉妹には、重くのしかかるばかりだった。
169名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:06:07 ID:RGEzX42c
ギルはナコルルに掌をむけると、法力を作動させた。
軽い衝撃波が発生し、決して痛めつける事のない程度に、
ナコルルの体を壁面に押し飛ばす。
「きゃっ!」
崩れ落ち、膝を折ってうずくまるナコルル。
その周囲に、結界が発生した。
それは目には見えない、空気の壁のようなものだった。
触れればそこにあるのに、目には映らず、音も声も通らない。
ただ、結界の向こうの風景が、見えるだけである。
音すら漏れない空気の層の向こうで、ナコルルが結界を両手で叩きながら
何事か叫び続ける様子が、ギルにははっきりと見えた。
助けを求めて姉の方へと伸ばされるリムルルの手が、無理矢理引き戻された。
「ならんよ、リムルル。あれは既に、汚れを知っている体だ。
 たとえ処女膜は無事とは言え、君より汚れている事には違いない。
 この神聖な行いには、極力汚れた物は招き入れてはならない」
「姉様は汚れてなんかない!
 汚れてるのは、お前の方だ!」
だがギルは、涼しい顔でそれを受け流す。
「無論だ。清濁併せ呑まねば、統治は為しえない。
 綺麗事だけでは、神にはなれないのだよ」
ギルはリムルルをベッドの上に押し倒し、無理矢理両足を広げさせた。
そのまま、濡れてもいない清らかな入り口に、神の男根をあてがう。
「いやぁっ! やめ……ぎぃいっ!?」
「身を任せるが良い。すぐに良くなる。私は全能なのだから」
奢れる神は、相手の痛みを気遣う事もせず、一気に奥まで挿入した。
狭い膣の中を、太い肉棒が突き進んでいく。膜が、裂けた。
汚れた証である赤い血が、肉棒に絡みつく。
「法悦に身を浸すが良い。感じる事は、恥ではない」
ギルは、問答無用でピストン運動を開始した。
パン、パン、パンと、肉がぶつかり合う。
幼く細い尻が、鍛えられた筋肉質な下半身に、何度となくぶつけられる。
その度に膣内で、肉棒が襞を蹂躙する。
「あんっ! あんっ! あんっ! あんっ!」
初めてだと言うのに、しかも濡れてもいないのに
すぐにリムルルは、淫らな喘ぎ声を出し始めた。
「さすがだな、光の巫女よ。性技を極めし眷族の末裔だけあって、
 素質はかなりのもののようだ……」
そうは言うものの、しかしギル自身、何か違和感を感じていた。
処女がここまで喘ぐのは、あまりにも都合が良すぎる。
さては……。
彼は、何かを察知はしたが、別段気にし過ぎる事も無く、
そのまま目の前の少女の中に、白濁を注ぎ込んだ。
170名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:06:49 ID:RGEzX42c
その、瞬間だった。
ギルの目の前の風景が、まるで鏡を割ったように、ひび割れたのは。
(パリーン!)
乾いた甲高い音を立てて、眼前の光景が飛び散っていく。
煌めく破片は雪のように輝いて、次々と床に散らばっていった。
「楽しい遊びをしてるじゃない。
 私抜きでこんな事するなんて、ズルいわ」
現れたのは、ギルにとって、見覚えのある顔だった。
確か、レイヴンからの報告書の中に、該当する人物がいた筈だ。
いや正確には、人物ではない。魔物の一種だ。
「君を呼んだ覚えはないな、モリガン=アーンスランド」
モリガンの両腕には、裸のままのリムルルが抱えられていた。
しかしその股間には、男を受け入れた痕跡は無い。血も、流れていない。
そればかりか、ギル自身の肉棒にも、彼女の破瓜の血がついていない。
ギルには、これが何なのか、既にわかっていた。
「幻術……いや、もっと単純に。夢、か。
 なるほど確かに、夢魔である君ならば、この出入り口の無い空間にも
 他者の無意識界をゲートにして、通行が可能だな」
「そういう事。今回は、あなたの夢をゲートにさせてもらったわ。
 神を気取る愚か者が、みっともなく夢精する様子は、見てて愉快だったわよ」
恐らく、ナコルルを結界に閉じ込めた辺りからだ。
ギルは既に、サキュバスのイリュージョンの中に、引き込まれていた。
彼は、リムルルを犯してなどいなかった。
リムルルを犯しているという夢を、夢魔の能力によって、見せられていただけだ。
その隙にナコルルとリムルルは、モリガンに保護されていた。
某奪還屋漫画の主人公の、ジャスト一分のアレと、大体同じようなものだ。
「妻達を返してもらおうか。神の血脈を、途絶えさせるわけにはいかない」
ギルは法力を用いて、威嚇のために、室内に風を巻き起こした。
気圧の変動を自在に操る『風』の法力ならば、造作もない事だった。
だが、そんな程度のもので臆する程、モリガンは格下ではない。
「お生憎様。この子達には、別の人達も用があるのよ」
何食わぬ顔で、そう言い放つ。
「別の者? ……ふむ、大体想像はつく」
「バイバイ。縁があったら、また会いましょう」
そう言ってモリガンは、意識を失ったままの巫女達と共に、
空間に姿を溶け込ませて、消えていった。
171名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:07:35 ID:RGEzX42c
「なるほど、これが光の巫女ですか……」
「可愛らしい顔してるじゃない。神に仕えるに相応しいわ」
「おいおい、まだ味方になるか、決まったわけじゃないぜ」
「でも、この子達が味方になってくれたら僕、嬉しいなぁ」
眠り続ける姉妹を、安宿のベッドの上に安置したまま、
かつて四天王と呼ばれた者達は、好き勝手に喋っていた。
「それじゃ、私はこれで。
 ……あぁそうそう、リリスをよろしくね。
 せいぜい可愛がってやってちょうだい」
モリガンはそう言うと、再び姿を消した。
後に残された四人は、未だ眠りこける姉妹に、再び視線を落とした。
吹き荒ぶ風のゲーニッツ。
乾いた大地の社。
荒れ狂う稲光のシェルミー。
炎のさだめのクリス。
かつて200年前に死亡した筈の彼らは、既にこの2181年の現世に、甦っていた。
「決着をつけようか、人類」
クリスは微笑んで呟くと、ナコルルの額に手を当て、
愛しむように、柔らかく撫でてみせた。
172名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:09:14 ID:RGEzX42c
E.R.O.2181第四話、終了です
173名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 05:38:22 ID:6JKdeCLX
174名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 06:53:16 ID:0zUqp7LD
あれだね まとめると
主サイド  リュウケン京庵系統 
サブ   アンディ ロバート 
また関係無い別次元  アンヘル って感じかな

ギャグとシリアスの温度違ぇwww
17567:2007/11/05(月) 21:56:02 ID:RGEzX42c
長らくカプエス2やってなかったんで忘れてましたけど
今取り扱い説明書見たら、ミレニアムファイティング2000じゃなくて
ミリオネアファイティング2001だったんですね……

恥ずかし過ぎる……
17667:2007/11/05(月) 21:58:41 ID:RGEzX42c
と思ったら、1はミレニアムファイティング2000で合ってたのか……
どうも一緒くたにして、混乱してしまってます。1やった事無いのに。

ERO2181は、全てミリオネアファイティング2001直前の話だと思って下さい。
あー恥ずかし///
177名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 23:31:52 ID:MJn+Ohyt
この世界観でマキ×コーディーでも書こうと思ったが文才が無いので断念した俺が通りますよ。

それはともかく職人さん達GJ。
178名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 23:38:43 ID:0zUqp7LD
コーディーは良いな 堕落した男は絶望の世界で何を見るか?みたいな
17967:2007/11/09(金) 00:15:14 ID:TmSf/JYq
『Eventual Rumble Orochi 2181』第五話
投下します


尚、今回はあんまりエロ成分は無いです
最後らへんに、とってつけたように描写してるだけですので
あんまり期待はしないで下さい
180名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:16:07 ID:TmSf/JYq
カイ・キスクは、焦っていた。
彼には、わからない事が多すぎた。
ギル。オロチ。そして終戦管理局。
あまりにも知らない事が多すぎて、何から解決すれば良いかもわからない。
パンクしそうな頭を振り払って、努めて冷静になろうとする。
知る限りの情報を整理し、何とか一本化させようと試みる。

この地球には、地球意思と呼ばれるものが存在する。
人間が、いわゆる神と呼んで、畏れている対象。
オロチは人類の繁栄の陰で朽ちていく星を憂い、人類に攻撃をしかけた。
それが古くはジャパンに伝わる、文献に記されし古代の伝承。
ヤマタノオロチとの凄絶な戦い……と言うわけだろう。
一旦は封印されたオロチは、しかし西暦1997年に復活を遂げ、
再び人類に対して攻撃を開始しようとした。
そしてその矢先に、三種の神器によって、滅せられた。
神の手足となって動く、オロチ八傑衆とともに。
……これが、レオナや神楽千鶴から聞き及んだ限りでの、
彼の知るオロチの情報の全てである。

では、ギルとは?
取調べに協力してくれた春麗なる格闘家や、
その他の戦士達の証言を照らし合わせて考えると、
あの男の正体は、古くから続く秘密結社の、頭領と言う事になる。
その目的は、神として人類を救済に導き、統治する事。
……それだけなら、驕りに溺れた狂人、という言葉で片付けられる。
現代にあってイエス・キリストをなぞろうとする、酔狂な男というだけだ。
しかし不思議なのは、あの男の実年齢だ。
一体あの男は、どれ程の年月を生きている?
西暦2000年当時から今まで、200年弱の時間が経過している筈だ。
百年単位で生き続ける、不老の男……カイにとって、知人に一人、
同じような人間の……いや、ギアの心当たりがあった。
181名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:16:52 ID:TmSf/JYq
「わからない……」
いちいち声に出したいわけではないが、どうしても口をついて出てしまう。
オロチの目的が人類の抹殺。それは良い。少なくとも、意味はわかる。
だが、ギルの目的は何だ?
人類を救済するつもりでいながら、何故、聖戦を起こした?
何故ジャパンを壊滅させ、日本人を根絶やしにし、
そればかりでなく戦争によって、数え切れない人間を殺す必要があった?
終戦管理局は、そこにどう絡んでいる?
……終戦管理局?
終戦すらも、管理されていた? 誰に?
終戦が管理されていたと言う事は、開戦も管理されていたのか?
「お前は何か知っているのか? ……ソル」
ギルと旧知の間柄であり、百年以上生き続ける戦友。
カイは、大聖堂でギルに『フレデリック』と呼ばれた、
認めたくない友を思い起こしていた。

法力端末を操作し、違法な回線を繋いで、本来接続出来ない相手に接続を試みる。
しばらくして通信が繋がり、画面上に表示されたのは、ポチョムキンだった。
「久方ぶりだな、団長殿。
 いくら貴公と私の間とは言え、通常回線でない通話とは、感心しないな」
「失礼します、ツェップの防人よ。
 こうでもしなければ、居所の一定しないあなた方に、
 呼びかける手段が無いものですから」
規律と規則を重んじ、罪を心から毛嫌いしていたカイが、
徐々に融通のきく、時に合法的でない手段をも採択出来る度量を
身に着けてきている事を、ポチョムキンは素直に認めていた。
口では文句の一つも言うが、内心では褒めてやりたいところだった。
「先日、パリのある大聖堂にて執り行われた、謎の集会の件は、ご存知ですか?」
「感知している。だが、あれは何だ?
 当該座標上に相転移空間の形成を確認したかと思った次の瞬間には、
 館の内外を問わず、周辺に生命反応が何十、何百という単位で増殖した。
 警察機構は、この件に関わっているのか?」
「関わっている……と言うべきなのでしょうか。
 少なくとも私個人は、行きずりでその現場に居合わせました。
 私の知る限りでの詳細をお話します」
本来、ツェップと国際警察機構は、全く協力関係に無い。
そもそもこの時代、科学は違法なのだ。
法執行機関である警察が、公式にツェップと協力し合う事も非合法であれば、
カイが個人的に、ポチョムキンに情報を提供する事も、当然非合法だった。
しかしこの為にこそ、カイは国際チャンネルを使っての通信を、選択しなかった。
公的周波数を用いての通信など、傍受してくれと言わんばかりなのだから。
「……なるほど、ギアメーカーが関わっていたのか」
全てを聞き終えて、ポチョムキンは、この案件の処理に思案を巡らせた。
しかし考えれば考える程、事の大きさがとてつもなく大きく感じる。
ガブリエルにも相談を持ちかけてみようとは思うが、
一国の大統領の知恵を拝借した程度で、どうにかなるとも思えない。
「現在私は、クサナギ……それにリュウ、と呼ばれる戦士達の居場所を、探っている段階です。
 彼らならば、オロチやギルについて、もっと詳しい何かを知っているかもしれない。
 あの時素直に捜査協力してくれていれば、こんな苦労せずとも済んだのですが……」
「一筋縄ではいかぬ連中と言う事だな。
 そういう手合いを相手するのは、ソル=バッドガイで慣れているだろう?」
「ご冗談を……胃が痛くなります。
 それでは、ポチョムキンさん。何かわかりましたら、ご一報を」
「うむ、約束しよう」
カイは端末を解除すると、溜息を一つ、かなり露骨に零した。
182名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:17:43 ID:TmSf/JYq
「どうした? 疲れているのか?」
部屋に戻ると、そんな声が聞こえてきた。
それは無粋な口調だったが、柔らかで綺麗な声だった。
声の主は、先日からカイと行動を共にしている、レオナだった。
「疲れもしますよ。もっとも、激務には慣れているのですが……」
カイは襟元のボタンを緩めて、おもむろにベッドの上に倒れこんだ。
傍の椅子に腰掛けて、レオナは黙ったまま、一時の休息を得る若き騎士を見ていた。
ここは、来客を泊めるために用意されている、空き部屋の一つ。
レオナはもう数日間、ずっとここに寝泊りしている。
彼女から目を離さないために、カイがこの部屋を貸しているのだ。
目を離さないと言っても、カイの寝室に通すわけにはいかない。
まだカイは、彼女を信用しきってはいない事になっているのだから。
同様の理由で、レオナは資料室にも、警察本部にも、どこにも通行を許可されていない。
どこか外出する時は許可制で、常にカイか、他の誰かが同行する。
もっともカイが彼女を信用していないのは、立場上の振る舞いだけで、
実際には、既に彼女が信用のおける相手だと、感じ取っていた。
彼女を軟禁しているのは、むしろ彼女がオロチ側から接触されないための、安全措置だ。
ここなら警察機構の施設の中なので、警備体制は万全だ。
最も、空間転移と時間跳躍を操る者までいるのだから、
どこにいようと関係無いのかもしれない……とは、思っていたが。
「私に出来る事はあるか?
 ストレッチやマッサージ程度なら、多少心得はあるが」
レオナはカイを気遣って、無機質的な言い方ながらも、温かい言葉を投げかけた。
だがカイは、言葉を返さなかった。彼は、とっくに眠りに落ちていた。
ここ数日は、ずっとこんな調子だ。
カイが疲れて帰るのは、自分の寝室ではない。この部屋だ。
さすがに夜は体裁もあるから自室に戻るが、たまの休憩は、殆どこっちだ。
レオナはカイの、分刻みのスケジュールを熟知している。
そろそろと思う頃合になると、彼女が起こしてくれるのだ。
カイはすっかり、それに甘える形になっていた。
レオナは、ただ無言で、まだ幼さの残る年上の騎士の寝顔を、じっと見ていた。
183名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:18:40 ID:TmSf/JYq
宿の主人は、一通りの雑務を終えて、漠然と窓の外を眺めていた。
夜になればまた仕事が色々とあるが、夕刻のこの時間は、
彼にとっては安らぎのひと時だった。
のんびりした町だから、騒ぎの一つも滅多に起きない。
ゆっくり昼寝でもするか、窓際でそよ風に吹かれながら本を読むのが、彼の日課だった。
だが、最近はそうも言えなくなってきた。
騒がしい客が、ここ数日居付いてしまったのだ。
どこの町に行っても見かけないような、風変わりな服装。
都会に行けば、最近はああ言うのが流行っているのだろうか?
学の無い彼には、その客達の着ている服が、前世紀のものだとは、わからなかった。
敗れた胴着や、学ランや、セーラー服。
どうやら格闘技の心得のある者達らしく、たまに賞金首を捕まえてきては
数日分の宿代を、気前良く前払いしてくれる。
上客なのだが、日がな一日中、宿の近くの川縁で、大きな声をあげながら
火を出したり雷を出したりして修行に励むのは、勘弁してもらいたかった。
「おい京。お前が面倒臭いからって、真吾の相手を俺にばかりさせるなよ。
 お前の弟子なんだから、お前がちゃんと……」
繰り出される拳を一つ一つかわしながら、紅丸は京に文句を垂れた。
さすがに元々パシリ程度にしか考えていなかっただけあって、
京は真吾に、真面目に修行をつけてやろうとは、全くしなかった。
しかし紅丸の目から見て、真吾は筋が良い。
殆ど見取り稽古と独学で技を磨いてきただけなので、磨きが甘いのは否めない。
それでも数度KOFに参加経験があるので、実戦感覚は養われてきている。
格闘を始めたのが高校に入ってから、という事を考えると、
アマチュアレベルでは満点以上をつけてやっても良い。
よくもまぁ、ちゃんとした師匠も得られないまま、ここまで来たものだ。
「けど……」
刻むように放たれた荒咬み・未完成の間を縫って、
神速の居合い蹴りを、紅丸はお見舞いしてやった。
ほんの少し腹を小突く程度のものだが、動きを挫く事は出来る。
「うっ……!」
一瞬腰を折って体勢を崩しかけた真吾に、すかさずジャブが繰り出される。
拳の先から雷電が発生し、ショックを与える。
「雷靱拳!」

毎度汗まみれになって砂利敷きの地面の上に寝そべる真吾に、
紅丸は川で汲んできた水を、頭から被せてやった。
「ぶはっ、冷てっ!」
「筋は良いぜ、真吾。それなりに教科書通りの動きが出来てるし、
 またマニュアルのみに頼る事無く、自分なりのアレンジも生きてる。
 ただな、隙間が多いんだよ」
隙間?
声も出なかったが、真吾は、目で問い返した。
「手数が足りないって事じゃぁ、ないんだけど……
 こっち側からしたら、コツンと一発入れるだけで、崩せるんだよ。
 どんな戦士でも、戦いの中には必ずそういう瞬間がある。京やリュウだって例外じゃない。
 お前の場合、そういう瞬間ってのが、ちょっと多目なんだな」
美しい戦いを信条とする紅丸にとって、一点を突くだけで崩せる瞬間を
見抜く目というものは、ある意味京以上に培われていた。
彼だからこそ出来る、的確なアドバイスだ。
傍で見ていたケンは、真吾は従うべき師匠を間違えたな、と密かに思っていた。
184名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:19:36 ID:TmSf/JYq
そこへ、宿の主人が現れた。
「お客さん方。アンタらに用があるって人が、訪ねてきてまさぁ」
皆、一様に首を傾げた。
彼らは、この時代の人間ではない。
法力端末での通信手段に不慣れなため、ここに宿泊している事自体、
テリー達顔見知りの者にも、まだ教えていない。
もっともそれには、テリー達の居所がまず彼ら自身にもわからない、
という理由も起因しているのだが。
兎も角、彼らに用があって、ここを訪ねて来られる者など、ぱっと思いつかなかった。
宿の主人が、さも迷惑そうに、リュウ達に耳打ちする。
「面倒事は御免だよ。何だって警察が、アンタらを訪ねてくるのさ?」
警察……あぁ、あいつか。
それがカイ・キスクなる青年の事だと、すぐにわかった。
主人が宿に戻って行くのと行き違いに、カイが川原の方へ向かって降りてきた。
「ようやく見つけましたよ、クサナギさん。それに、お仲間の方々も。
 こちらの用件は、言わずとも察してくれましょう」
「……オロチの事を聞きてぇんだろ?
 生憎だが、話せる程の情報は持っちゃいないぜ。
 直接戦ったってだけで、他は何にも知らねぇんだからよ」
「ならばギルの事は?」
「そっちは、もっと知らねぇよ。リュウやケンにでも聞きな」
京とカイは、今、たった一言か二言交わしただけで、
早くもウマの合わない相手だと見極めた。
互いに、悪い意味で、初めて会った気がしない。
カイは、京のふてぶてしい態度に、ソルを見た。
京は、カイのいかにも素直な良い子ぶった態度に、真吾を見た。
「何も知らないとは、言わせません。
 直接戦ったのであれば、他の人達の知らない事を、一つか二つは知っている筈です。
 オロチとは一体何なのですか。何故、人類を滅ぼそうと……」
「そのぐらい調べはついてんだろ?
 人類が地球を汚染するから、根絶やしにしようとしただけの事だろうが。
 戦ったって言ったって、それ以上の事は何も知らねぇよ。
 それ以上の目的だって、オロチ側には無かっただろうしな」
「では、あなた方はそれを、どうやって打ち倒したのですか?
 対処法を共有出来れば、有事の際は有利に立てます」
「どの道テメェにゃ無理だよ。俺と、あとの二人の神器が揃ってなけりゃな」
「では、その神器というものについて、詳しくお聞かせ下さい。
 ジャパン壊滅の際に、かの国の文献や古文書は殆ど焼失したので、資料が少ないんですよ」
どうやら根本的に、この二人の相性は良くないらしい。
押し問答は、しつこいぐらいに続いた。
185名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:20:22 ID:TmSf/JYq
日が落ちても、カイの取調べは続いた。
カイとしては彼らを警察本部に連行するか、それが出来なければ
宿の一室を借り切ってでも、取調べを行いたかった。
しかし京は、頑なに取り調べを拒否しようとしていた。
立ち話も何だからと場所を変える事を提案したかったが、
そもそも話すらしたくない京が、それに応じる筈は無かった。
宿に戻ろうものなら、そのまま自室に逃げ込まれ、内側から鍵をかけられかねない。
勿論公務執行妨害だから、多少荒い手段を使えば、強制連行出来る。
しかし、なるべくそんな手荒な真似はしたくないと、カイは思っていた。
「お腹すいたし、あたし帰るよ?」
「俺も。付き合ってらんないぜ、ったく」
さくらとケンは、早々に宿に戻って行った。
リュウはある程度カイに証言していたが、彼自身、ギルについて詳しいわけではない。
殆ど話せる事も無かったため、彼もまた、宿へと帰って行った。
残ったのは京と、紅丸と、真吾だった。
「ふぅ……埒が明かないですね。
 二階堂さん。あなたは、オロチの事を何か、ご存知で?」
ようやく紅丸に話が振られて、京が質問攻めから一息つけるようになる頃には
既に四人とも、適当な岩の上に腰掛けて、体を休めていた。
「オロチそのものに関しては、そんなに知らないな。
 俺が戦ったのはオロチじゃなくて、その配下。シェルミー……って言ったっけな。
 俺と同じで、雷を纏って戦う女だったよ」
かつてのオロチの決戦の折、日本チームは優勝セレモニーの直後、
オロチ四天王の内の三人と対面した。
京がクリスを屠り、紅丸がシェルミー倒し、大門が社を破った。
しかし、死闘に力尽きた彼らの前に、復活を遂げたオロチが現れた。
もはや為す術も無いと思われた時に現れたのが、暴走を克服した庵と、神楽千鶴だった。
傷ついた京と力をあわせて、ようやくどうにか、オロチを倒したのだ。
その時紅丸はシェルミーとの戦いで気を失っており、
千鶴の手配した医療チームによって、病院に搬送されていた。
最終決戦の一部始終を、彼は知らなかったのだ。
186名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:21:06 ID:TmSf/JYq
オロチ自身の事は、これ以上聞いても得られるものがない。
そう判断したカイは、次に、その配下の事について問いただしてみた。
「では、その四天王と戦った時の事を、詳しくお聞かせ下さい。
 戦闘能力や、具体的な技の詳細等、出来る限り細かく」
その質問は、紅丸の闘争心に、火をつけた。
荒れ狂う稲光のシェルミーが、自分と戦った時の事を思い出す。
あの女の、具体的な技だと?
戦いの中に美学を重んじる紅丸にとって、忌々しい猿真似をされた記憶が甦る。
――暗黒雷光拳!――
「そうだな……直接見せてやるよ。
 あの女の美しくなかった戦い方と、この俺の美しい戦いぶりをね」
紅丸は立ち上がり、暗闇を切り裂くように、その右腕に雷を纏った。
志向性を持たない電流は、一番手近な導体に落ちる。
紅丸の体の周囲を、徐々に雷が包んでいった。
「そうですか、あなたも……」
カイも立ち上がり、自分と同じく雷を武器に戦う男に向けて、鋭い眼光を放った。
どの道この者達は、聞いたところで素直に答えてくれる者達ではないのだ。
強引なやり方は好まないが、時には、力づくでなければならない時もある。
オロチの配下の戦い方をトレースし、直接この目に見せてくれると言うのであれば、
むしろ有難い好機と言わざるを得ないだろう。
カイもまた、足元から雷の法力を迸らせた。
「得物は良いのかい? そのケースの中に入ってるの、剣だろう?」
紅丸は、封雷剣の入ったケースを呼び指して、そう言った。
カイには、剣を抜くつもりがなかった。
「素手相手に武器を使うのは好みません。これは殺し合いではありませんしね」
その痒くなる程の紳士ぶりに、紅丸はほくそ笑んだ。
「後悔するぜ、僕ちゃん」
187名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:21:50 ID:TmSf/JYq
しかしカイとて、剣に頼らねば何も出来ない男ではない。
聖戦の折、素手で戦わねばならない場面は山ほどあった。
幾度となく死にかけたという意味では、紅丸より死線を潜っている。
その動体視力と観察眼とによって、彼は紅丸の戦いを、逐一記憶していった。
それは紅丸の戦いではなく、荒れ狂う稲光のシェルミーの戦いだった。
どんなに間合いを離そうとも、空間に雷球を発生させて、距離の利を打ち消す。
一歩近づけば鞭のようにしなる雷を走らせ、出鼻をくじく。
軽く飛び上がったかと思うと、電撃をまとった両足で、蹴りを放つ。
空間を巧みに使い、縦からも横からも、背後からすらも雷を浴びせる。
「これが、オロチ八傑衆の戦い方……!」
それでも、思った程には、驚異的とは思えなかった。
確かに、空間に雷球を配置する事によって、相手に
動く事への恐怖を、植え付ける事は出来るだろう。
だがこのくらいなら、カイにも出来る。
空中Dやスタンレイズ、家庭用イスカでのBOSSカイの、スタンエッジ・プロダクション。
導体や発生器を用いずに任意の場所に電気を発生させるのは、
雷の法力においては、基礎に過ぎない。
大抵の術者は、遠隔発生させた雷に、威力を伴わせる事が出来ないだけなのだ。
無論、カイにとっては、造作も無い事なのだが。
「わかりませんね……正直、これがそんなに脅威だとは……」
「そりゃ、当然さ」
疑問符を投げかけるカイに、紅丸は、涼しい顔で答えた。
「いくらオロチ四天王が人外だとは言え、この俺に負けた奴だぜ?」
それは、紅丸の自信家ぶりを表すと同時に、彼の実力をも物語っていた。
俺が本気を出せば、こんなもんじゃないぜ。
今は、俺より弱かったあの女の戦いを、トレースしているだけなんだからな。
紅丸の目は、カイにそう語りかけていた。
それは、ある種の宣戦布告。挑戦状でもあった。
血が騒ぐんだ。一人の格闘家として。だからここからは、本気でいかせてもらうよ。
無言のメッセージが、紅丸の動きの一つ一つに、如実に現れてきた。
明らかに、身のこなしが良くなってきている。
これが人真似ではない、紅丸本来の動きなのだろう。それらの技は鋭く、速い。
徐々に、試合はカイに劣勢となってきた。
188名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:22:50 ID:TmSf/JYq
「くっ……ぐぅ……!」
閃光のごとき速さで繰り出される、無数の蹴り。
隙を生じぬよう、二段三段と、連続で浴びせられる。
手刀のように鋭く、紙一重で回避するものの、衣服がどんどん裂けていく。
カイは、自分が追い詰められている事を悟った。
否、追い詰められているのではない。もっと直接的だ。
自分は、今まさに、負けようとしているのだと理解した。
「安心しな、警察のお兄さん。もしオロチ達が復活しても、また俺らが戦う。
 君の出番は、生憎だが無いよ!」
「何を……っ!」
紅丸もカイも、互いにプライドが高い。
それを感じ取っていたからこそ、紅丸は、わざとカイのプライドを
刺激するような言い回しをもって、倒しにかかった。
彼らが対立しあう理由など、どこにも無い。単なる、意地の張り合いだ。
もはやシェルミーの戦い方を知るという、当初の目的は、カイにとっても忘れられていた。
「このまま、むざむざと……させん!」
封雷剣が無くても、雷の法力は使える。力を増幅させるブースターが無いだけだ。
「ライド・ザ・ライトニング!」
渾身の力を振り絞って放たれた、シェルミーのものより何倍も大きな雷球を、
紅丸は驚愕の表情で受け止めた。
それまでの攻めの姿勢から一転、思わずガードに回ってしまったが、
エネルギーは熱に転化され、莫大な熱量をもって、紅丸の両腕を焼き尽くそうとしてくる。
「おいおい、やり過ぎだろ」
「だ、大丈夫っすかね、草薙さん」
京と真吾は、ヒートアップし過ぎている目の前の二人を、
止めに入るべきか否か、ひとしきり逡巡していた。
だが、封雷剣の無い状態で放たれた技には、カイが期待する程の威力は無かった。
「お前さんも、真吾と同じだな……」
やはりカイにとっては、剣を用いての戦いが、デフォルトなのだろう。
剣士なのだから当たり前だが、剣術に比べれば、徒手空拳には慣れていない。
徒手空拳に慣れている紅丸の目から見れば、つけこめる隙間が多かった。
「……そこっ!」
紅丸はあえてガードを解き、雷の奔流の中で、何とかカイの首根っこを掴んだ。
カイの背筋を、寒気と恐怖が襲う。天から紅丸に向けて、雷が降り注いだ。
或いは紅丸から天に向けて、雷が昇っていったのかもしれない。
「エレクトリッガー!!」
暗闇を照らし、雲間を裂いて、空気を震わせ、大地が揺れる。
宿の主人は驚いて窓から顔を突き出し、女将は他の宿泊客達を落ち着かせようと必死になった。
それでも人々の声は、轟く雷鳴に打ち消され、掻き消えていた。
189名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:23:33 ID:TmSf/JYq
数時間後。
ボロボロになって帰ってきたカイを、レオナは少しだけ驚きつつ、部屋に迎え入れた。
服が焦げている事から、恐らく炎か、電撃を使う相手と戦ったのだと、推察出来た。
「お帰りなさい。医務室には、行かないの?」
だが、カイは答えなかった。
天才と言われた彼も、ソルと知り合ったがために、敗北には慣れていた。
それでも、悔しさに慣れたわけではない。ましてや、ソル以外の者に敗れる事など。
紅丸が最後に放った大技を、カイは脳裏に焼き付けていた。
惨めな気持ちだった。
服を焦がし、足取りを重くしながら、腰を曲げてトボトボと逃げ帰る背中を、
草薙京にも、矢吹真吾にも、勿論二階堂紅丸にも、
そして宿の客達にも、終始見られていただろう。
振り返るのが、怖かった。恥辱を受けた気分だ。警察が、得体の知れない民間人に負けたのだ。
全く、本来敵対せねばならない相手では、ないというのに。
時折、自分の大きすぎる矜持が、重く感じられる。
騎士道精神を貫くために武器を手放した挙句に、負けるなど。みっともない。
レオナは心配してくれているのか、顔を覗き込もうとしてくる。
しかし、恥ずかしさのあまり、彼には顔を上げる事が出来なかった。
「うっ……うぅ……」
仮にも年下の女の子の前で泣きそうになる自分が、たまらなく憐れだ。
レオナはそっと手を伸ばし、青く若い騎士の頬を、優しく撫でた。
その優しさが、逆に何とも皮肉に思える。
オロチと戦うために、本来、二階堂紅丸達とは、協力しあわねばならない筈だ。
その紅丸と仕合い、負けて逃げ帰り、オロチの血統であるレオナに慰められる。
本末転倒も良いところだ。
だが、若きナイトには、その手を振り払う事が出来なかった。
その晩初めて、カイはレオナに甘えて、自分の寝室ではなく、彼女の隣で眠った。

紅丸は熱いシャワーを浴びて、この時代の酒をグラス一杯、一息で飲み干した。
「……っぷはぁ!」
身を焦がす危険の匂いが、今も肌に焼きついている。
今日のカイとの仕合は、全くもって危険だった。
もしカイが、封雷剣を使っていたら。
あのライド・ザ・ナントカと言う技の威力も、あの程度で済んではいまい。
あの程度の威力だったからこそ、激痛に耐えながら、何とか腕を伸ばせたのだ。
武器を持っている方が有利なのは事実だが、仮に剣士に負けたとて、
紅丸には得物の有無を言い訳にするつもりはなかった。
むしろ得物を持たぬ相手に、苦戦を強いられた事こそが、悔しくてたまらない。
「よぅ、キザ野郎。余裕ぶるのも、楽じゃねぇな?」
紅丸が一人で酒を飲んでいると、京が現れた。
「全くさ、京。あのままシェルミーの戦い方のままで続けてたら、
 負けてたのは間違いなく俺の方だった……強いぜ、あのボウヤは」
腕は、今も痺れている。三日は使い物にならないだろう。
酒を一気飲みしたのも、長くグラスを持っていられなかったからだ。
アルコール度数が弱かったのは、幸いだった。
190名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:25:17 ID:TmSf/JYq
深夜。
もはやこの時間に起きているのは、夜更かしと言える程の時間帯。
窓は締め切っているが、カーテンは開けたままだ。
もっとも外に人通りは無いし、部屋そのものが三階にある。
ここより高い場所など、少し離れた教会の尖塔ぐらいしかない。
仮に部屋の中で淫らな事をしていても、月ぐらいしか見ている者はいない。
舌なめずりの音と、唾液の絡まる水音が、静かに室内に響いていた。
月明かりに照らされて、レオナの長い髪が、前後に軽く揺れる。
口は大きく開けられ、カイの男根を迎え入れていた。
「んぷ……じゅる……む、は……」
「は、あ……レ、レオナ……さん……」
どちらから言い出すともなく、二人は、いつの間にか行為を始めていた。
出会ってからたった数日だったが、物静かな性格同士、相性は良いのかもしれない。
警察と軍人という、ともに法執行機関に属する人間という事で、信頼もあった。
二人にとってこういう関係になる事は、ごく自然な流れだった。
「うっ……!」
カイはレオナの口中に、熱い白濁を注ぎ込んだ。
レオナはそれを、苦くて苦しそうな表情をしながら、何とか飲み下した。
カイが疲れを癒し、一時でも敗北の悔しさを忘れ、気を楽にしてくれるなら、
レオナにとっては精液の苦味など、いくらでも耐える事が出来た。
「はぁ……ふぅ……いっぱい、出たわね」
「そっ、その……! す、すいません……我慢しきれなくて……」
「謝る事は無い。あなたの為に、しているのだから」

その様子を、遠くから眺める者がいた。
教会の尖塔。鐘の下、レンガ造りの窓際に、女が一人、頬杖をついて立っていた。
長い前髪に隠れて、目も表情も、窺えない。
しかしスタイルは良く、胸は大きく、腰はくびれて、尻は丁度良いボリュームだった。
瞳も見せないくせに、胸の谷間と太腿だけは、わざとらしく見せ付けるファッション。
片手はムチムチのスカートをめくってパンティの中に差し込まれており、
指はクチュクチュと音を立てて、染み出る愛液を絡ませていた。
自分の汁に汚れた指を抜き出し、その塩気を、舌で舐め取る。
「カイ・キスク……。
 二階堂紅丸と良い勝負をしたぐらいで、今の私に勝てると思わない事ね。
 今とあの頃とでは、状況が違うわ。クシナダを手に入れれば、オロチは完全復活出来る。
 そうなれば、オロチの波動を原動力とする私達も、より強力になれるというものよ」
その女……荒れ狂う稲光のシェルミーは、
赤く染め上がった月の下で、みっともなく少女に慰められる若い騎士に、
わざとらしく投げキッスをしてみせてから、その場を静かに立ち去っていった。
あの時……1997年の時には手に入れられなかった、クシナダヒメ。
この2181年の現代においても、それは転生していた。
まだ誰も知らないだろう。草薙京も、八神庵も、神楽千鶴も。
あの女さえ手に入れ、生贄として捧げば、今度こそ、オロチが人類を滅ぼせる。
シェルミーは前髪の奥で、その冷徹な瞳をかすかに輝かせた。
191名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:28:00 ID:TmSf/JYq
第五話、終了です。


最近、脳が大暮維人化してきているのか、
意味の無いところでキャラにエロ行為をさせたくなります。
(シェルミーの全く意味の無い自慰とか)


現在、ソルを誰とくっつけようか、迷ってます。
192名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 06:26:58 ID:6RO+a9GP
おお、
193名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 08:24:44 ID:fbAPih6f
乙乙乙
戦闘描写がカコイイよ!
194名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:12:29 ID:fbAPih6f
エロ無し(次こそは・・・!)

投下します。
195名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:13:21 ID:fbAPih6f

[22世紀.フランス.パリ]

22世紀のパリでも春の陽気に晒された歌手の蕾たちがほころび始めている。

パリのとある公園。

「♪あのね 早ぁ〜くー パソコンにいれぇーてよ〜」

値の張るスーツを上品に着崩した優男が、流行りの歌を口ずさみながらパリの公園を散策している。
ロバート=ガルシア。
世界最強の流派の一つ、極限流空手の師範代である。
すなわち、世界最強の格闘家の一人である。

ロバートがいる公園にある一軒のレストランが花見にむけて場所とりをしている。
命がめぶく春である。
レストランが公園に出しているオープンテラスが道行く人の花見の場になっている。

ロバートはレストランにゆく道すがら公園散策を楽しんでいた。とはいっても、食事のためではない。
レストランでアンディと待ち合わせをしているのだ。

アンディ=ボガード。
アメリカ人でありながら日本古来の忍術の一派、不知火流格闘術の免許皆伝をうけた世界最強の格闘家の一人である。

彼らは謎の女によってここ22世紀に連れ去られたのである。
彼らの預かり知らぬところだが、彼らの他にも大勢の一流格闘家たちも同様に拉致されてその理由───恐るべき人類の危機───を知らされた。しかしアンディとロバートは不運な偶然が重なってその理由説明を受けていない。

したがって彼らはその「理由」を探ることにしているのだ。

今回は、何度目かの情報交換会議となっている。

「なんやこの調子なら5分早くつけるさかい、もうちょいゆっくり歩いても…ッッ!?」

レストランへ歩くロバートの背筋を刃物を押し当てられたような悪感が走る。

(なんやこの冷たい感覚は……!まさか、アンディに何かあったんやないか!?)

196名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:18:10 ID:fbAPih6f
一流の格闘家は無意識の内に危険を察知して回避するし、その自分の直感を信じる事が出来るからこその一流なのである。
ロバートは何かを振りきるように走り出した。



[2分後]

ロバート「で!なんやねん、これは?」

アンディ「あ!早かったですねロバートさん」

ロバート「なんやアンディも時間前に来とる…ってわいが言いたいのはそういうことやないねん!アンディがかついどるのは何や、って話や」

アンディ「ああ!ギルティギアの美形キャラ、日本刀持ちの梅喧(ばいけん)さんじゃないか」

梅喧「おい!くっちゃべってないでさっさと降ろせよ!(ドガッ)」

アンディ「ギャア!な、何で蹴るんですか!?」

梅喧「蹴りたくもなるわ阿呆が!!」

アンディ「はいはい分かりましたよ……っと、どこまで話しましたっけ?ああそうそう、彼女がギルティギアの美形キャラ、日本刀持ちの梅喧さん」

ロバート「いやそんなんは見たら分かるさかいに、なして右京さんの代わりがそない幻十郎みたいに『阿呆が』言う奴かっちゅう話ねん。
 そらアンディがムッツリスケベでむちむちロリ巨乳ちゃんが好きなんは分かるで。せやけど右京さんの代わりまで自分の趣味で選ぶのはどうか
197名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:26:08 ID:fbAPih6f
と……………なんやほんまにボインちゃんやな」

梅喧「な、な、何ヘンな目で見てんだよ手前ぇ!!(ドガッ)」

アンディ「ギャア!?な、な、何で僕が蹴られるんですか!?」

梅喧「…………そ、そりぁあいつを蹴ろうにも小柄なせいで足が届かないし、すそがはだけたら…………………って誰がロリ巨乳好きだこのトーヘンボクがぁ!!(グリッ)」

アンディ「!!!!?」

ロバート「……!あらら3rdのQみたいなこと言うや思うたら、物の見事に急所に入っとるのう。音せえへんかったって事は力が逃げんかった、ちゅーことやな。こら一大事やで」

梅喧「フン!」

ロバート「いや冗談やあらへんでこれ。そない『フン!』で済まされる傷やないで。下手したら一生使い物ならへんて!舞ちゃんもあの年で未亡人(性的な意味で)になるかもしれへんねんて!分かっとるんかいな!?」

アンディ「か………………カハ、解…説してないで…………………………たすけ………」



[20分後]

アンディ「死ぬかと思った………」

ロバート「アンディ、無理せえへんでもいいんやで?美形会議はいつでも出来るさかい。無理やったら我慢しないでちゃんと言うんやで」

アンディ「……………ありがとうございます。」

梅喧「………」

ロバート「何黙っとんのやおまいは!はよ謝らんかい!」

アンディ「い、いいんですよロバートさん。梅喧さんも反省してるみたいですし」

ロバート「……そら、アンディがそう言うんやったら良えねんけど」

梅喧「………………ごめん。」

アンディ「本当に大丈夫ですって!……それじゃあ、ロバートさん、梅喧さん!」

ロバート「いくで!」

梅喧「応!」

ヴェノム「なんだ。こんな所で何をやっている?」

アンディ「やぁ!餓狼伝説の美け……!?」

198名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:29:20 ID:fbAPih6f
ロバート「!?」

梅喧「!!」

ヴェノム「???」

アンディ「お、お前は誰だ!?」

ロバート「誰やねん!?わいらの美形会議の邪魔しおって!」

ヴェノム「び、美形会議!?わ、私はヴェノムだが……い、いやそれよりも聞きたいことが………」

梅喧「ちっ!」

ヴェノム「いきなり舌うち!?」

アンディ「ヴェノム君。僕たちは大事な会議の真っ最中なんだ。下らない話で邪魔されたくないんだよ。」

ロバート「せや!お前みたいな奴が来たらおしまいや!梅喧ちゃんもごっつ怒っとるで!」

梅喧「………空気読め!」

ヴェノム「この仕打はないだろう!?そんなに私が嫌いか梅喧!?」

ロバート「好きも嫌いもあるか!自分その髪のペイントがハンサムや思うとんのやろーけどそんなん遠くから見たらポケモンかなんかの指人形にしか見えへんで。
 誰が指人形なんかと親しく話そう思うんや!」

ヴェノム「ポケモン!?何故話をするだけでここまでボロクソ言われなければならないんだ。用事があるから仕方なく話しかけているんだ。そうでもなければ話しかけん!」

梅喧「いきがるんじゃないよ、若僧が!」

ヴェノム「わ、若僧!?……いや何を言われても引くわけにはいかん。大事な仕事だからな」

アンディ「しつこいなぁ…………分かったよ。話を聞いてやるからさっさと終らせて帰ってくれ。君みたいにレストランに来て注文もしないのは周りにも迷惑なんだよ」

ロバート「せや!見てみい、シェフもごっつ困ってるで!」

シェフ「断罪の時間だ!!」

ヴェノム「あ、す、すいません!Aコースをお願いします!」

シェフ「あんたは分かりやすい。見るからにグルメだからな。」

アンディ「分かればいいんだ」

199名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:35:26 ID:fbAPih6f
ロバート「次からは気ぃ付けてな」

梅喧「………(コクコク)」

ヴェノム(何なんだこの落差は………)



ヴェノム「………本題に入るぞ。Mr.ヤガミから人探しを頼まれていてな。見たところSNKキャラのようだが、アンディ=ボガードとロバート=ガルシアの居場所を知らないか?」

アンディ「ん?アンディは僕だけど、八神君がどうかしたのかい?」

ロバート「ロバートはワイのことや。八神のやつが何や用事でもあんのか?」

ヴェノム「そうか、それなら話が早い。彼から手紙を預かっている。すぐに読んでほしいとのことだ。」

ロバート「ほな受けとりました……なになに………何やと!?」




果たして、八神庵が彼らに伝えたかったことはなにか───



途中、コピペをミスしてしまいおかしな所で切れています。申し訳ございません───



そして何より、そろそろエロ描写を入れないと話が続きそうにないがこれはただの愚痴だ───



───22世紀、美形伝説が静かに幕を開けた───


...to be continued?






梅喧「何どさくさに紛れて『ちゃん』付けしてんだ!(ドガッ)」

ヴェノム「グボゥ!?何故私を蹴る!?」
200名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:46:29 ID:6RO+a9GP
いやいや、エロ知識無いゆえ投下してもエロ無しになるだろうなって思ってる
俺も居るんだから別に無理にエロを書かなくても良い様な気もするっすよ。
何はともあれGJ!!GJだよ美形キャラ会議w
201名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:48:20 ID:TmSf/JYq
エロくなくても良いから、ずっと書いて下さいw
202名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:56:23 ID:6RO+a9GP
現在の所見ない格ゲー(アーケード以外も含む)関連は
メルブラ アルカナ あすか系  月華  ジャス学 
ファイターズヒストリー 等等かな
203名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 23:16:20 ID:pIdiaxKF
>ソルを誰とくっつけようか、迷ってます。

まこととかどうだろ?

>断罪の時間だ!!
レミー何やってんだよwwwwww
願わくば美形会議に参加してほしいな。
ともかく両者ともGJ!
204名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 00:55:38 ID:GTgCg700
夢路に一票
205名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 22:59:52 ID:0Jh6Voju
>>202
一応月華だったら、最初の方で楓が出てたぞ
女キャラが出てないって意味では、確かにまだだけど
206名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 09:50:56 ID:i9wBfojF
保守
207名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 02:23:01 ID:f3rtRro2
い、一応言うけどちゃんと見てるんだからね!
俺も頑張るから筆者達も頑張れなんだからね!保守
20867:2007/11/15(木) 16:37:32 ID:8mZCpiz1
>>207
ありがとうございます、頑張ります。


『Eventual Rumble Orochi 2181』第六話、投下します。
尚、今回は思いついたギャグをそのまま話にしただけなので、
シリアス路線は皆無です。
209名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:38:24 ID:8mZCpiz1
法力の恩威に恵まれた近未来にあっても、
人々が肉体を鍛えるための施設は、衰退しなかった。
2000年で言うところのスポーツジム、ボクシングジムのようなものが
どこの町にも必ず存在し、会員や練習生を擁していた。
と言っても『あしたのジョー』に出てくるような、
木材だけで打ち立てたような、安っぽい施設だが。
無論利用料金はかかるが、今のサカザキ兄妹にとっては、
金銭を支払ってでも、ジムのリングは使いたかった。
彼らは、元々自分達の家にある道場で、日々鍛錬していた。
突然この時代に飛ばされても、賞金稼ぎや日雇いのバイトで
路銀を稼ぐ事は十分出来ていたが、修行や手合わせだけは、
さすがに宿の中や、そこらへんの道端でするわけにはいかなかった。
宿でやれば宿泊客と宿主に迷惑だし、道端でやれば奇行でしかない。
幸いにして、この時代のパリは元居た時代の日本より、
賞金のかかった犯罪者の数が、仕事になるくらい多い。
どうやら聖戦という大戦の傷の癒えきれぬ時代であるらしく、
ちょっとスラムに行けば、安い首ならそこそこ見つけられた。
首を二つか三つ警察に突き出せば、しばらくは安心して生活出来た。
ジムに通う金も、楽に供出出来た。
会員制でなかった事は、これもまらラッキーだった。
住所や生年月日など、今の彼らには書きようがないのだから。

「ユリちょうナッコー!」
恥ずかしい名前の技が、スパー用にレンタルしたリングの上で、繰り出された。
リョウ・サカザキはそれを、こともなげにかわす。
「ユリ……いい加減そういうの、止めろと言っただろう」
元々西暦2000年の時代でも、英語が世界の公用語として用いられていた。
あらゆる国々が交流しあう中で、異文化間でも問題無く使えて
勉強していればある程度誰でも読み書き出来る言語というものは、需要が大きかった。
更にエスペラント語という、英語を超える世界共通語として、
一人の博士によって作り上げられた言語さえあったものだ。
しかしこの時代は法力場の作用によってか、
言語の共通性については、その更に上を行っていた。
何と、相手が何語で話そうと、自動的に自分にわかる言語で聴こえてくるのだ。
日本語も英語も、フランス語も中国語も、のべつまくなし、である。
よく漫画やゲームでは、異国間の人間同士が会話する際に、
何故かお互いに相手の言っている事がわかってたり
何の根拠も無く外国人まで日本語を喋っているようにしか見えないシーンもあるが、
このSSではその辺りの不思議まで『法力』の一言で片付けておく事にする。
「この時代の言語はそれで解決したとして、じゃあKOFはどうなんだよ」
などと言う無粋なツッコミは、俺じゃなくてSNKに言え。
210名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:39:08 ID:8mZCpiz1
兎も角そんな風にして、妹の恥知らずな技名に悩まされる兄と
それを気にもとめず人前で連呼しながら技を連発する妹、という図式が
この時代でもよく見受けられるようになってしまっていた。
明らかにバーンナックルとしか思えない技名、
明らかに竜巻旋風脚としか思えない技名、
明らかに昇竜裂波としか思えない技名。
血の滲むような努力でもって技を磨き上げてきた格闘家達に、
何と無礼千万な真似を……と、リョウは思わずにはいられない。
「いい加減、人の技名をパクるのは止めたらどうだ?
 ちゃんと飛燕疾風拳とか、飛燕旋風脚とか、そういう名前があるんだから」
「他流派の良いところを模倣するのは、悪い事じゃないっチ!
 極限流だけに縛られてたら、進化は無いっチよ!」
「名前変えただけで、他流派の模倣も糞もあるか!」
スパーリングしながらでも会話を交わす余裕が、彼らにはある。
並みならぬ身のこなしを、まるで暇潰しのように繰り出す兄妹は、
他の施設利用者達からして見れば、何の冗談かと言いたくなる程驚異的だった。
また、サカザキ兄妹が着ている服装も、彼らにとっては見慣れなかった。
石渡のセンスで、どんな服装にもベルトが
ゴテゴテついているのが、この時代のファッションだ。
飾りっ気の無い胴着などというものは、奇異の目で見られた。
辛うじてユリの履いているスパッツだけは、この時代にもブリジットという、
スパッツを履かせればその似合い具合は右に出る者はいない少年がいるから、
比較的目に馴染みやすかったが。
しかしこの兄妹と言い、リュウや京達と言い、夜中にホテルから拉致された割には
何で全員、胴着やら学ランやら着てるんだろうね。
一人くらいパジャマで連れて来られた間抜けがいても良かったのに。
「ほう、この町にはこんな施設があったのか。盛況だな」
まるでリョウのような格好をした男が二人、受付を通過して入室してきた。
その後に続くのは、学生服を着た男女が三人と、金髪ロン毛(←死語)。
「お前達……げふぅっ!」
まさかこんな所で会えるとは思っていなかったリョウは、
驚きのあまり動きを止め、その隙に顔面にユリの膝を食らった。
薄れ行く視界の中でリョウは、(ノ∀`) アチャー顔をしているユリと、
リュウ、ケン、京、あとその他の連中の姿を、捉えていた。
211名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:40:12 ID:8mZCpiz1
「……なるほど。じゃあこの町に着いたのは、ついさっきという事か」
医務室のベッドに腰掛けて、リョウは鼻血をティッシュで抑えた間抜けな面で
リュウ達の説明を聞いていた。
「まったく、紅丸君とカイさんが派手に戦ったせいで。
 私達まで宿を追い出されるなんて、ついてないよ」
愚痴るさくらは、エレクトリッガーを放った張本人である紅丸を
半ば責めるような目つきで見た。もっとも紅丸は、口笛など吹いてシラを切っているが。
「それでも、朝までは宿泊させてくれたから、助かったよ。
 あそこの親父さんの温情には、感謝しないとな」
リュウは相変わらず、イチローみたいに爽やかな顔と無精髭で、事態を受け入れていた。
「宿の手配は、まだなのか?
 だったら、俺達兄妹の泊まっている宿に、来ると良い。
 確かまだ部屋は空いていた筈だ」
リョウの提案は、リュウ達にとって渡りに船だった。
それはこのジムから程近い、街道沿いにあった。
一行は一通りジムでスパーをして、前払いで支払った金額の元をとって
夕方になってから、宿へと向かって行った。
「ところで、ロバートはどうしたんだい?」
宿への道々、紅丸はずっと気になっていた事を、ユリに尋ねた。
「さぁ? この時代に着いた時点で、ロバートさんだけ既にいなかったっチ」
「そうか、残念だな。あいつが居たら、俺とケンと三人で、美形会議が出来たのに」
と、そこへ、京が口を挟む。
「あいつのこった。大方、誰か適当な相棒見つけて、
 既に美形会議を開催してんじゃねぇのか? テリーんとこの弟とかさ」
「あはは。まさか」
「だよなぁ。まさかなぁ」
212名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:41:21 ID:8mZCpiz1
宿に着くと、まず最初に宿帳を記入した。
今まではサカザキ兄妹は、血縁という事で仕方なく同じ部屋に寝泊りしていたが、
本当ならユリは、兄などと同じ部屋で寝たくはない年頃だ。
家族とは言え、いろいろと、男がいると不都合な事もある。生理とか。
そこで今回は、ユリとさくらが同室、後は男連中で適当に振り分け、という事になった。
「残ってるのが俺と真吾と紅丸、リュウとケンとリョウか……」
「どうします、草薙さん? 部屋はあと二つしか無いらしいですよ」
突然客数が増えたために、宿の主も、部屋数の不足に嘆いていた。
安宿なので一人部屋が多く、せいぜい二人部屋が幾つか用意されているくらいだ。
家族や団体等で、三人以上で泊まりに来る客など、滅多に居ないのだ。
RPGのように、100円で泊まれるのにベッドが6つもあるような部屋は、
貧困国でも無い限り、現実には有り得ない。
「誰かは床で寝る事になるわな。まぁ俺ら日本人だし、慣れてるだろ。
 布団だけ貸してもらえねぇかな、オッサン」
「へぇ、それはもう、お客様さえそれで良ければ。
 宿泊料金はサービスさせて頂きますんで」
部屋割りは、京と真吾と紅丸のKOF組と、
リュウとケンとリョウの胴着組に分かれた。
床で寝るなんて考えられないと紅丸が反発したので、KOF組は一番下っ端の真吾が、
一方胴着組は、床はおろか砂利の上でも寝慣れていると言ったリュウが、
それぞれベッドではなく、床に布団を敷いて寝る事となった。
リュウとリョウが遠慮しあって、互いに相手にベッドを譲ろうとした事を除けば
概ね揉める事も無く、八人はその夜、床についた。(大所帯だな……)
213名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:42:09 ID:8mZCpiz1
奇しくも、人の技や技名を、勝手に真似してきた者が、三人もいた。
真吾、さくら、そしてユリである。
その内の二人、さくらとユリが同室なのだ。自然、話も盛り上がる。
二人は修学旅行の夜に中々寝付けない中学生のように、ずっと話し込んだ。
「うちのお兄ちゃんったら、人の技名はパクるなって、うるさいっチ」
「でも、人の技は教わるんじゃなくて、見て盗めって言うよね。
 だったら名前盗むのも、別に悪くないと思うけどなぁ」
「そうそう! まったく視野の狭い兄で苦労するっチ!
 著作権とか気にするのは、メーカー側のやる事っチよ。
 どうせエロパロなんだし、次は真空波動拳から何かパク……
 いやいや、参考にさせてもらうのも、良いっチねぇ」
「真空虎煌拳とか、真空びんたとか? 良いね、それ!」
冗談なのか本気なのか、この二人だとわからない。
その内、黒歴史化しているファイヤー波動拳の事まで引っ張り出して、
ファイヤー翔吼拳とか言い出しそうである。
「そうだ! 明日リュウさんに、いろいろ技教えてもらうっチ!
 ちょっとリュウさんの部屋行って、頼んで来るっチよ」
別に明日ジムで頼めば良いだけの事なのに、
気が急いているのか、それともエロパロだから夜に行動起こした方が都合が良いという
作者の事情によるところがあるのか、ユリは元気良く部屋を飛び出して行った。
「あ、ちょっとユリちゃ……あぁ、行っちゃった。
 まあ良いや、私は先に寝ていようっと」
まさかこの直後、憧れの格闘家であるリュウが、ユリの毒牙にかかるとは
この時点ではさくらには、予想だに出来ていなかった。
214名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:42:50 ID:8mZCpiz1
ドアをノックする音に、リュウは目を覚ました。
部屋の間取りの関係上、ベッドで寝ている二人よりも、よりドアに近かった。
ケンとリョウは、ノックに気付かず、眠ったままのようだ。
リュウは立ち上がり、入り口を開けた。
「あぁ、君は確か、リョウの妹の……」
「ユリ・サカザキっチ! リュウさんにお願いがあって来たんだけど」
俺にお願い?
首を傾げるリュウに、ユリは明日技を教えて欲しいと、頼んでみた。
リュウの事だから快く了承してくれるだろうと思っていたが、
意外にもリュウは、それを断った。
「俺はまだ未熟だし、人に教えるのは苦手なんだ。
 君は極限流で強くなれば良い。俺やケンの技は、元は暗殺拳だからな」
「でもでも、さくらちゃんには教えてるじゃない?」
しかしさくらは、リュウから手解きを受けたわけではない。
それこそ、見て盗んだ、ただそれだけだ。
リュウもそれをユリに説明したが、納得しきれないのは、
さくらのセンスが良過ぎて、とても猿真似とは思えなかったからだ。
真吾とは大違い……いや失礼。兎に角ユリは、納得出来なかった。
「大体、俺から何を習おうと言うんだ?
 君だって一応波動昇竜キャラだから、殆どの技は俺と被ってるだろう。
 昔は俺にだって他の技もあったけど、今は使ってないし……」
「何で使わないっチ?」
「そ、それは……最も信用出来る技を幾つか鍛えれば、
 その他の技は不要になるし、第一……」
途端にリュウは、口ごもった。
確かに若い頃のリュウには、今のリュウに無い技もあった。
ファイヤー……じゃない、灼熱波動拳や、滅昇竜拳などが、それだ。
しかし逆に、年月を経て編み出した、電刃波動拳という新技もある。
だがリュウが口ごもったのは、そんな事が理由ではなかった。
若い頃のリュウに在った、今は使っていない技。
……阿修羅閃空に、滅殺豪昇竜に、瞬獄殺。
それらは殺意の波動によって発動していた、忌々しい技だ。
若い頃の、殺意を制御し切れなかった自分を思い出し、リュウは恥じ入ってしまう。
それを克服したからこそ、今、電刃波動拳が使えるのであって、
間違ってもそんな呪われた技を、他人に教えようという気にはなれなかった。
215名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:43:37 ID:8mZCpiz1
「さくらから聞いていないかな。
 昔の俺は、殺意の波動というものに、侵食されかけていた。
 暗殺拳を使っておいて言うのも何だが、純粋な殺人を目的とした技や波動は、
 他者に伝えるべきではないというのが、俺の見解だ。
 第一、殺意の波動ってのは、教えて使えるものでもないし……」
確かに、それはそうだ。
ユリにとってはそもそも、波動というものが何なのか、よくわかっていない。
虎煌拳や砕破といった技は『気』を使うが、これが波動なのだろうか?
いや待て、宇宙戦艦ヤマトに搭載されていたのも、確か『波動』砲ではなかったか?
波動というのは、一体?
よくわからない未知のエナジーか何かの事だろうか?
……などと言う、物理学をかじった事のある人間からしてみれば、
よくもまぁこんなにSF科学に毒された考え方が出来るものだと
呆れられるような妄想が、ユリの頭脳の中では繰り広げられていた。
「もう良いか? そろそろ寝ないと、女の子がこんな時間に
 男の部屋に来るもんじゃないぞ」
しかし、リュウの声はユリには聞こえていない。
今はただ、どうやったら『さつい の はどう』とかいう代物を、
自分に取り込めるのか、そればかりを考え込んで、立ち尽くしている。
そうして、一つの結論に達した。
「……リュウさんのエキスをどうにかして吸収出来れば、
 さついのはどうも、使えるようになるっチね?」
「何でそうなる!?」
この脳のあぶない、ちょっと可哀想な思考回路をした娘が、
リュウのエキスとやらを、どうやって抽出するつもりだろうか。
沸騰した湯の中にリュウを突っ込んで、出汁をとるのか。
それとも雑巾のように水を含ませて、きつく絞るのだろうか。
216名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:44:23 ID:8mZCpiz1
無論、エロパロ板なんだから、そんな方法は採択しない。
「静かにするっチ、リュウさん。お兄ちゃんとケンさんが、起きちゃうよ」
「や、やめ……」
ユリはそっとリュウの体を押して、床に敷かれた布団の上に、押し倒した。
安宿の床は軋み、厚みのない布団のせいもあって、音が少し室内に響いた。
リョウ達が起きないか心配したが、どうやらまだ気持ち良く眠っているようだ。
ベッドの中で布団にくるまって、身じろぎ一つしない。
ユリは調子にのって、さっさとリュウの衣服を脱がしにかかった。
ほとんど衝動的に押し倒されて不利な体勢だったため、
リュウらしからぬ事だが、こんな体重の軽い娘っ子一人、退けられなかった。
勿論力技で押しのける事は出来るが、女相手にそれが出来ないのは、彼の優しさだ。
ストリートファイトならいざ知らず、このノリで無理矢理女の子を
弾き飛ばすなど、この場では出来なかった。
そうこうしている内に、リュウの逞しい男根は、早くもユリの手の中だった。
「止めるんだ、ユリちゃんっ」
「騒いだら、お兄ちゃん達が起きるってば。
 こんなみっともない所、他の格闘家に見られて良いの?」
もはや脅迫だ。
リュウもまさかこの年になって、年の離れた女子供に、
夜這いをかけられるとは思わなかった。
「えっへへー。リュウさんのエキス、頂きっチ」
それにしても、このSSが無かったら『エキス』なんて単語、
あと二年は実生活で使わなかったに違いない。
217名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:45:05 ID:8mZCpiz1
ユリは何の躊躇いも無くリュウのモノを口にふくむと、
口の中で舌を縦横無尽に蠢かした。
いくらちゃんと洗っているとは言え、リュウのモノは、男くさい匂いがした。
しかしこの匂いも、今のユリにとっては淫靡なものではなく、
汗にも似た修行の空気のように感じられた。
こうなると勃起してしまうのは、男の性である。
ユリの口の中で、収まりきらない程、リュウのモノは肥大化していった。
硬く、太く、存在そのものが暴力的だ。
ユリは口を離すと、涎の糸をひくその先端に、舌の先を這わせた。
先走り汁を舐めとり、カリにしゃぶりつき、吸い込むように刺激を与える。
睾丸を手で揉んでやると、リュウは一層、
孤高の求道者にあるまじき、恥ずかしい程間抜けな、オスの顔になった。
「うっ……出る!」
「んむっ!? んんん〜っ!!」
ユリにテクがあったのか、リュウが溜まってたのか。
リュウの、大量で濃いエキスが、ユリの口の中に注ぎ込まれた。
ユリは喉にへばりつくそれを、頑張って飲み干した。
ゲホゲホと咽ながら、満面の後悔を浮かべるリュウに、にっこりと微笑みかける。
「これで、さついのはどうは、バッチリ覚えられたっチね!」
「……そんなわけ、ないだろう……」
218名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:45:48 ID:8mZCpiz1
翌朝。
宿の傍にある、昨日と同じジム。
両腕はファイティングポーズを構え、左足は膝を折って持ち上げる。
右足は爪先立ちで、そのままの姿勢で、地面の上を滑るように移動する。
相手を掴んだ瞬間、その一瞬だけ、周囲の者の視界が暗くなる。
無数の打撃音が鳴り響き、闇がひいた時には、
食らった側の男……矢吹真吾は、何故か地面に倒れていた。
「し……」
「瞬地殺……」
リュウとケンとさくらは、言葉を失って立ち尽くした。
京と紅丸とリョウは、格の違うこの技に、ただならぬ脅威を感じた。
リュウのエキスを吸収した(と思い込んでいる)ユリの脳内には、
朝起きると何故か、インスピレーションがわいていた。
理由はよくわからないのだが、何故か突然、頭の中に新技が思いついていたのだ。
それを試しに、そのまま繰り出してみた。
よくこんな無理のあるポーズで、地面スレスレをホバー移動出来たと、自分でも思う。
「凄いっチ、この技! よし、この技を『ユリちょう燕舞』と名づけるっチ!」
無論リュウは、こんな技を教えた覚えは、全く無い。
第一本当に、習ったからと言って出せる技ではないのだ。
まさか昨日のフェラ、及び口内射精で、殺意の波動のエキス(笑)を、本当に……?
「ええと……プラシーボ効果?」
思い込めば、本当にその通りになるという、一種の自己暗示。
得意気な表情で背中に『天』の文字を顕すユリの存在は、
今のリュウにとって、ギルや豪鬼よりも、ある意味恐ろしい存在に思えた。
ちゃんちゃん。
219名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:47:15 ID:8mZCpiz1
終了です。
220名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 21:45:53 ID:GhSehwXG
67氏GJ!

いつも長文乙です
最近寒くなってきたので風邪には気を付けてください
221名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 00:14:12 ID:b5PcW3Ia
wwwwwwwGJ

そういえば格闘ゲームで普通の様に扱われる気の概念て未だによく
わかんないよな。波動とか八極聖拳とか
222名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 00:36:07 ID:HptN15TI
GJ
シリアスもギャクもいけるとは良いね。なにより長文なのが、読みごたえがあって良いよ
舞の話を書くときは、是非エロいもの頼みます!
223名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 22:34:10 ID:NQF8oFXr
hosyu
224名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 00:16:51 ID:Lu5Inj2z
美形会議の続きはまだですか?
225名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 01:31:19 ID:7punPoWl
どうも。美形会議を書かせていただいている者です。
二重の意味で二次創作のパ●リというきわめてグレーな拙作に沢山の応援を頂き、誠にありがとうございます。

いつの間にか>>67氏が美形会議2181を正史認定されたようで、有りがたい様な申し訳ないような気持ちで一杯です。

実はPCが使える環境ではなく、携帯で書いて投下させていただいているのですが、携帯の仕様上、PCに比べかなり無理をしています。

ここまで読んで不安な方もいらっしゃるでしょうから先に断っておきますが、美形会議は書き続けます。
力の限り続けます。

只、投下時のコピー&ペースト地獄に体力を使うので、よろしければ誰かに投下だけを頼みたいのですが………

無理な注文で申し訳ありませんが、今回分だけでもお願いできないでしょうか?
22667@ケータイ:2007/11/19(月) 13:46:59 ID:A3VYJ+ZI
捨てアド晒して本文貰って、代わりに投下すれば良いんですかね?
それくらいなら、やってみても良いんですけど
今俺がそれやると、このスレ実質一人の書き手の独占状態って形になりそうで
閉鎖的なイメージが先行しそうなんで、何とも……。


アンヘルの続きが投下されるなり、他の住人の方が投下されるなりして下されば
そん時には僭越ながら、捨てアドを晒させて頂きます。
勿論他の方が美形会議氏とのやり取りに名乗りを上げて下さるのであれば
そちらの方が、よりE.R.O.2181を多人数参加型SSとして、
間口を広くしているイメージを持たせる事が出来ると、勝手に思ってるんですが。


追記:
自分が性格、性質を把握出来ているキャラであれば、
可能な限りリクエストは受け付けたいと思ってますが
あくまで自分は、E.R.O.2181を自分の占有状態にしたくはありません。
>>222様は勿論、他の方のリクエストに関しましても、
もし「いや、それ俺が書きたい」と言う方がおられましたら、
遠慮なく書いて頂きたいと思ってます。
責任放棄と捉えられると、立場無いんですが……^_^;
227名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 22:39:07 ID:lFHpV5MF
書いてるけど完成しない、そんな俺としては
今まで通りにやってりゃいいんじゃないすかね?異論有るならもう誰か
言ってる筈だし・・・
俺はEROではない別のSS考えてるので ギャグだけどw
228名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 05:18:27 ID:0Q9smTgo
229名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 22:30:00 ID:amTKtQSH
67氏の作品も美形会議も期待してるよ
230名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 22:43:03 ID:O/2/9W2X
今日知ったんだけど、>>198のレミーのくだりって
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gamefight/1182242403/

これが元ネタだったんだなwww
23167:2007/11/26(月) 17:21:00 ID:OndLRaSs
『Eventual Rumble Orochi 2181』第七話、投下します。
232名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:21:52 ID:OndLRaSs
少年には、夢があった。
一つは、生まれ育った故郷に、富を与える事。
もう一つは、男らしくなる事。
少年は双子としてこの世に生を授かったが、故郷の言い伝えでは
男の双子は災厄を齎すとされたために、女として育てられたのだった。
しかし、いつまでも女のフリをして生活するには、限界がある。
発達すれば声変わりもするし、肉体は屈強になっていくだろう。
根本的な解決策として、故郷の言い伝えを、打破する必要があった。
男の双子でも、災厄など何ら齎さないと、証明せねばならない。
故郷に富を与えるために、少年は自立し、賞金稼ぎとなった。

少年の名は、ブリジット。
その名すらも、女として育てられるために、生後に与えられた名だ。
本来両親がどんな名前をつけたかったのかは、今となってはわからない。
ひょっとしたらマクシミリアンとか、アーサーとか、
そんなシヴい名前をつけてもらえていたかもしれない。
いつか故郷の者達に、誰より両親に、自分を男として認めてもらった暁には
どんな名前に改名しようか、近頃はそんな事ばかり考えていた。

彼に転機が訪れたのは、そんな時だった。
賞金稼ぎは、賞金首を捕まえてナンボの業界である。
賞金首と言えば、大抵は強面の荒くれ者である。
髑髏をあしらったデザインのヘルメットと、ライダースを纏い、
服の至る所にトゲが生えているとなれば、その外見たるや
「凶悪」の一言に尽きるというものだ。
ブリジットがその者を賞金首と勘違いしたのも、無理は無かった。
「そのお姿、名のある賞金首と見受けました!
 ウチの野望のために、お縄になって下さい!」
後先を考えないのは、ブリジットの悪い癖だ。
道端で出会った、何の恨みも無い相手に、問答無用で突進する。
「……ん?」
ヘルメットの奥の瞳は、一瞬キョトンとした後、すぐに鋭く光った。
次の瞬間にはブリジットの胸部に掌底が打ち込まれ、彼はすぐさま
後方数メートルの距離まで、吹き飛ばされていた。
それは、衝撃的な出会いだった。
何と強い男だろうか。
ブリジットは、自分が未熟である事を、それなりに自覚していた。
だが、不意打ちに近いタイミングで先制を仕掛けて尚、
一瞬で決着をつけられてしまう程弱いとは、思っていなかった。
「あ、あぁ、すまない。大丈夫か、お嬢さん」
逆光の中で手を差し伸べるヘルメットの男は、あまりにも格好良く見えた。
お嬢さんと呼ばれたのが気になったものの、自分が女だったら、
きっとこんな人に惚れていたに違い無いと、彼は思った。
図らずも、胸がキュンッキュンするような感覚に陥った。
逆光に遮られて暗いバイザーの、その向こう側にある睫毛が、
男にしてはやや長いように思えた事にも、特に気をとめなかった程に。
233名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:22:37 ID:OndLRaSs
「えぇ!?
 女の子なんですかぁ!?」
ブリジットは仰天し、バイザーの奥をひたすら見つめ続けた。
光の加減で、一瞬だけ、可愛らしい瞳が見え隠れした。
ヘルメットの男……いや女は、ヘルメットを脱ぐと、細い両手にそれを抱えた。
「初めまして。風間あきらって言うの。
 男言葉とヘルメットは、ちょっとワケありで」
かつて兄の風間醍醐を救出するために、手がかりを掴もうと
男子校である外道高校に転入した際、彼女は男装を貫き通した。
本来暴力を好まないのに、無理して格闘技を披露した。
本来心優しいのに、無理してぶっきらぼうな喋り方に徹した。
その時の影響か、今でもヘルメットを被ると、男のような喋り方になってしまう。
ブリジットに手を差し伸べた時も、自分は男のつもりでいた。
女の子になりたいと切に思うのに、反射的に男っぽく振舞ってしまう。
男らしく振舞いたいと願うブリジットとは、その意味で好対照だった。

賞金首と思い込んで攻撃を仕掛けたブリジットも、
反射的に反撃して痛打を叩き込んでしまったあきらも、
二人ともが互いに、相手に何か詫びをしたいと申し出た。
そこでブリジットは、あきらにうまい飯を食わせる店を教えてやり、
あきらはその店で、ブリジットに食事を馳走する事になった。
「じゃあ、その服装は、一言で言うとナメられないために……って事ですかぁ?」
「あぁ。この格好でドスをきかせれば、相手がビビってくれる。
 勝手に降参して警察に連行されてくれれば、戦わずに済むからな」
とある昼下がりの中華飯店。
ブリジットに連れられて、あきらは表の看板に「生龍焼」と書かれた、物騒なこの店にやって来た。
程なくしてウェイトレスが、この店自慢の一品を、トレイに持って現れた。
「……お前は、春麗?」
「あら? 食事の時にもメットを取らないような変質者に、知り合いはいない筈だけど」
あきらはヘルメットを脱ぐと、素顔をさらけ出した。
もっとも、春麗の方はそれでも、相手の顔を見知っていなかった。
「ごめんなさい、私が一方的に知ってるだけです。
 春麗さんと言えば、ストリートファイトの世界では有名でしたから。」
現れた可愛らしい顔立ちの少女は、先程までとはうってかわって、
おしとやかで愛らしい声と表情でもって、春麗に非礼を詫びた。
カウンターの奥から様子を見ていた紗夢も、その変身ぶりには驚いた。
「アイヤー、別嬪さんアルね。隠すのは勿体無いヨ」
その柔肌を覆うライダースからは想像もつかない程、
あきらの照れ顔は、可愛らしかった。
234名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:23:23 ID:OndLRaSs
反面、それが彼女の悩みでもあった。
普段は、ひなた以上に女の子らしい仕草の彼女だが、
バイクに乗る時だけは、人格が変わってしまう。
ヘルメットとライダースに身を包んだ時だけ『あきら』から『アキラ』になってしまう。
さりとて危険だから、ノーヘルで運転は、あまりしたくない。
バイクに乗っている時間が一番好きなのに、その一番好きな時間が、一番女らしくない。
もっと可愛く、もっと女の子らしくなりたい。それが、彼女の密かな願いだった。
他方、人のいない所で密かに男らしく振舞おうとするブリジットとは、
そういう意味では通じる部分がある。
男らしくなりたい、女の子のような男と、
女らしくなりたい、男のような女の子。
互いに愚痴や相談を繰り返しながら、会話はどんどん弾んでいった。
だが、この会話には、一つだけ地雷があった。
それは、ブリジットという少年の、他人からはやや外れ気味の思考回路である。
「はぁ……やはり格闘技やってる女ってのは、、女らしくないのかな」
店を出てからの道々、同じ疑問をあきら……アキラは、何度も繰り返した。
「そんな事無いですってば。
 ウチの知り合いにも、格闘技やってるけど可愛い女の子、結構いますよぉ。
 例えば、さっきの紗夢さんとか……」
「……うむ、確かにさっきの人は、随分可愛らしかったな。
 どうやったら、俺もあんな風に可愛くなれるんだろうか」
素は十分可愛い上に、その邪魔なヘルメットとライダースを脱いだら、
自動的に女の子っぽくなれるというのに、アキラはずっと悩み続けていた。
ブリジットは、その危険な思考回路でもって、何故紗夢が可愛いのか、考えた。
そうして、一つの結論に辿り着いた。
「……パンチラ」
「ん、何だって?」
あまりにも唐突過ぎて、はっきり聞き取れていたにも関わらず、
思わずアキラは、聞き返してしまっていた。
235名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:24:05 ID:OndLRaSs
紗夢は基本的に性格が悪く、利己的で打算的だ。
とても女の子らしい性格をしているとは、思えない。
いやまぁ、むしろそっちの方がリアルでは女の子らしいんだけど、それは置いといて。
戦っている時の彼女は溌剌と動き回っていて、それだけなら性別を感じさせない。
では、紗夢が女の子だと、嫌でも認識させられる瞬間とは、一体いつだろう。
「やっぱり、パンツ見せる事ですよ。あと太腿ですね、フトモモ!」
「……頼むから、他にマシな意見を出してくれないか」
そう言われてブリジットは、どんどん知り合いの女性の顔を、思い浮かべていった。
「ウチの知り合いに、格闘どころか、背中に化け物飼ってる
 人(?)がいるんですけど、その人もすっごく、女らしいですよ」
「ほう。で、その人の女らしさの秘訣は?」
ブリジットは、ディズィーの外見を思い浮かべた。
そして、ディズィーのどこに男が最も欲情するであろうか、客観的に考えてみる。
ディズィーの性格そのものの女らしさは、ものの見事にスルーして。
「……下乳」
「なぁ、頼むからマトモな意見を……」
「じゃあ、むき出しのスレンダーなお腹と、腰のくびれ」
「もう良い。他の女性は?」
「梅喧さんって人がいるんですけど、この人男勝りなのに、
 胸の谷間だけは、凄く色気があっ……」
「っホント、もう良いから、うん、ありがとう」
この少年は、少し頭がおかしいのだと、そろそろアキラも気付き始めてきた。
「でもでも、あきらさん、そのゴツい服脱いだら、本当に可愛いっぽいですよ」
「そっ……そんな事、言われてもだな……」
ブリジットは、天然だ。
天然の恐ろしいところは、周りを自分のペースに巻き込むところだ。
そして基本的に、女性は可愛いものを好む。
バイザーの向こう側から、ブリジットの可愛らしい瞳で見つめられて、
ライダースを脱げば良いのにと言われれば、脱いであげたい気にも、なるというものだ。
人気の無い、夕暮れの山道。
アキラは誰にも(特に賞金首に)見られていない事を確認してからヘルメットを脱ぎ、
ジャケットのジッパーを、ゆっくりと下ろし始めた。
236名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:24:49 ID:OndLRaSs
現れたのは、程よく引き締まった上半身と、それを包むタンクトップ。
重たいジャケットに押しつぶされて分からなかったが、結構そそるスタイルだ。
胸はそこそこあるし、腰も細くくびれているのが分かる。
髪は健康的に短く、さりとて風にそよぐ程度には長く、うなじのラインは流麗だ。
これだけで、十分可愛いじゃないかと、ブリジットは思った。
……まぁ確かにこんな格好では、賞金首にドスはきくまいが。
「わぁ。あきらさん、スタイル良いですねぇ。
 こうして見ると、本当に女の子なんだなぁって感じしますよ」
「そ、そんなにジロジロ見ないで」
「そうは言われましても、こんな見事なモノ魅せられたら、見入ってしまいますよ。
 男の性だと思って、諦めて下さい」
ブリジットはそう言うと、子供なのを良い事に、まじまじとあきらの胸を観察した。
「あきらさん、タックトップを上にずり上げて下さい」
「な、え?」
「下乳ですよ、下乳。谷間はもう十分ですから、次は下乳を披露してですね……」
どうやら、先程話にあがった、背中に化け物を飼っている女性と、張り合わせているようだ。
そんな会った事も無い女性と、女らしさで張り合う気は、あきらには無かった。
だが、ふと思う。
目の前にいるのは、ほんの小学生程度の子供だ。そして、自分は高校生。
乳首を見られるわけでなし、乳房の下半分を見られるくらいなら、まだ受け入れられる。
もっとも、仮に乳首まで見られたとしても、小学生相手に取り乱すつもりは無いが。
あきらは少し顔を横に背けながら、ゆっくりとタンクトップを持ち上げた。
ライダースは蒸れるのと、そもそも上着を脱ぐつもりは
当初無かった事から、ブラジャーはつけていなかった。
「おぉ……これも見事な下乳ですね」
「はっ……恥ずかしいから、そんな事言わないで……」
あきらは、すぐさま裾を下ろした。
子供相手とは言え、恥じらいはやはりある。
「兎も角これで、あきらさんが本当は、可愛い可愛い女の子だって、証明されましたね」
悪気があるのか無いのか、満面の笑みでそう言うブリジット。
だがあきらにはこの時点で、火がついていた。
この屈託無く笑う、少女のような少年に、何かリベンジしないと気が済まない。
「わ、私が、女だという事が証明されたんだから……
 次は、君が男の子である事を、証明してよ」
237名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:25:32 ID:OndLRaSs
ブリジットは、とぼけてみせた。
「ウ、ウチはこの通り胸も無いですから、女の子なワケ……」
「バストの殆ど無い、まな板みたいな体型の女の子だって、いるわよ」
「じゃ、じゃあ……これ見たら、信用してくれますかぁ?」
ブリジットは涙目で、スパッツを下ろした。
やはり男である分、女よりは恥じらいも少ない。
まだ産毛も生え揃わない、皮をかぶったままの陰茎が、あきらの目の前に差し出された。
「わぁ、可愛い」
「かっ、可愛いとか言わないで下さい! 気にしてるんですからっ!」
「ふふ、ごめんなさい。でも、ありがとう。
 私もおっぱい見られたし、これでオアイコね」
「何が、オアイコですかぁ……
 下乳とアソコとでは、比べ物にならないですよっ。
 あきらさんのも、見せて下さい!」
「え、いや、そんな……それこそ、男の子と女の子とでは、
 同じ部位でも恥ずかしさのレベルが違……」
「だったら、パンチラだけで結構です。そのくらい、紗夢さんでもやってる事ですよ?」
勢いとは言え、相手に下半身を曝け出させた負い目が、あきらにはあった。
まぁ子供相手だし、パンティくらいなら……という判断が
誤りであったと気付くのは、このわずか数分後である。

人通りが無いとは言え、いつ誰が通るかわからない。
傍の木陰に隠れて、あきらは服を脱ぎ捨てて、タンクトップとパンティだけの格好になった。
見ると、ブリジットの股間のダストアタックが、明らかに大きくなっているのがわかる。
先端の皮が剥けかけて、敏感な中身が顔を覗かせている。
こうして互いに服を脱いでみると、相手が異性なのだなと、改めて思い知らされる。
普段は女らしいブリジットも、下半身は立派に男だ。
普段は男らしいあきらも、ボディラインは立派に女だ。
「……あきらさんが女の子だって事、もっとはっきり分からせて下さい」
あきらは、もはや抵抗も反論もしなかった。
黙って、こくりと静かに頷いたのみだ。
裾からゆっくりと侵入してくる、少女のように細く柔らかい手を
無言で受け入れ、瞳を閉じて、そのまま身を委ねた。
「やーらかいですねぇ……ふにふにしてる」
タンクトップの中で、ブリジットの掌と指が、虫のように這いずり回る。
乳輪をなぞり、乳首を引っ掻き、乳房を揉みこむ。
既に彼のモノは、あきらの太腿に擦り付けられている。
互いに立ったままでのペッティングなのだから、たまたま体のどこかが触れ合っても
全く自然な事なのだが、彼のは明らかにわざとだった。
タンクトップ越しに、明らかにあきらの胸に頬擦りする。
ブリジットの方が背が低いので、自然とそいう体勢、高さになるのだが、
これも当然、故意でやっている事だ。
ぷっくりと膨れた乳首が、薄い布地を挟んで頬に触れる感触は、何とも心地良い。
当初は、子供相手に恥ずかしがるのは大人気ないと思っていたあきらも、
今では、子供相手に自分は何をやっているのかと、自問自答していた。
238名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:26:16 ID:OndLRaSs
ブリジットは頬擦りをやめると、今度はタンクトップの上から、
あきらの乳首に吸い付いた。
勃起した乳首は、服の上からでもどこにあるのか、一目瞭然だった。
唾液で布地が濡れ、それは乳首とより密着した。
もはやブリジットに、遠慮は無い。このまま最後までコトを運ぶつもりだった。
それは、あきらにとっても悪い気分ではなかったし、
むしろこのまま空気に流されてしまう事を、体は欲していた。
しかし、子供に最後まで良いように扱われるのも、心外だ。
ここで少し、復讐してみる事にした。
「ひっ、ひゃあぁ!?」
突然、ブリジットの体がふんわりと地面に押し倒された。痛みは、無い。
得意の体術を駆使して、あきらが彼を組み伏せたのだ。
例えば柔道でも、強い者程素早く相手を投げ、痛みを与えずに畳の上に倒す事が出来る。
パンクラチオンですら、相手に固められる際、痛みは伴わない。
あきら程の使い手ともなれば、ブリジットに「いつの間にか寝てた」と
思わせる程、手早く仰向けにさせるのに、造作も無い事だった。
「あ、あら? ウチ、あれ?」
「ごめんなさい。私ばっかり悪戯されるのも癪だから」
あきらは人差し指をブリジットの唇に当て、声を荒げないよう諭した。
視線は、彼の肉体を、舐めるように這っている。
ブリジットは、自分の『男の象徴』が、弄ばれるのだと直感した。

しかし、その直感は、外れだった。
あきらは、既に剥き出しになっているブリジットの男根ではなく、
敢えて彼の上半身の方に、照準を定めたのだ。
服を脱がせ、少年の扁平な胸を見据えると、その乳首を指先で一押しした。
「ふぇえ、何するんですかぁ? ウチ、男ですよ?」
そんな事はわかっている。
だが、そう認めてやる気は、あきらには無かった。あくまでも、女扱いしてやる。
舌を突き出し、幼女のように可愛らしい乳首に、そっと突き立てる。
「こんなに乳首ビンビンにして、どこが男なの?」
「ちっ、これはっ、違っ……ぅあ」
しかしどう聞いても、男と言うよりは、処女のような声で啼いている。
みっともない表情、だらしない声で、何とか体裁を保とうとするが、目は緩みきっている。
何とかやり返そうと、手を伸ばし、あきらのタンクトップの裾に指が届く。
そのまま勢い良く勝手に捲くり上げて、乳房の全てを露出させてやった。
「やだ、ちょっとっ……」
恥じらいから体を離しかけたあきらの隙をついて、今度はブリジットが反撃に転じた。
タンクトップを下ろせないように、両手をあきらの乳房にあてがい、そのまま揉みしだく。
してやったりという表情で、あきらを見上げる。
ムッとしたあきらは、勿論そのままブリジットに良いようにされる気は無かった。
そっとブリジットの男根に手を伸ばし、恐る恐る手で握る。
そもそも当初は、どうすれば女らしく振舞えるか、それを考察していた。
場の空気の流れで、ペッティング紛いの行為にまで発展こそしたが、
それ以上の深みにまで陥る事だけは避けねばならないと、心のどこかで思っていた。
だが、もう遅い。手遅れだ。
ここまで来て、お互いこのままでは終われない。
覚悟を決めて、あきらは少年の男根を握る手に、ほんのもう少しだけ力を込めた。
ブリジットもまた、上半身を起こして姿勢を整えた後、あきらの股間に手を伸ばした。
239名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:27:00 ID:OndLRaSs
「凄い……これ、先走り汁っていうの?」
「あきらさんのここも、凄い濡れてますよ。これ、マ○汁って言うんですよね?」
お互いに、普段なら絶対に恥ずかしくて口に出来ないような単語でも、
こんなシチュエーションでは平気で口に出来た。
ブリジットの肉棒はあきらの掌の中で脈打ち、あきらの陰唇もまた、
パンティの上からなぞられただけで、その筋をくっきり浮かび上がらせていた。
差し込む西日の中、濡れた下着の向こう側に、薄く陰毛が茂っているのが見える。
ちょっと指先を押してみただけで、簡単にずぼっと第一関節辺りまで埋没した。
「パンティ越しでもこんなに入るなんて、もう準備万端ですね」
ブリジットはあきらのパンティの股間部分に指を引っ掛け、悪戯っぽく引っ張ってみた。
筋に沿って布地が食い込み、これだけでも彼女は恍惚とした表情を見せる。
背中に傷をつけないように、脱いだジャケットを地面に敷いてから、
あきらはその上に、仰向けに寝転がった。
ブリジットがそっと彼女の足に手を添えて、開脚させてやる。
狙いを定めて、そのまま先ず先端を挿入する。
入り口を通過すると、ゆっくりと奥に向かって突き進んでいく。
行き着くところまで行き着くと、一層あきらの表情は緩んだ。
「入れた瞬間のあきらさんの顔、すっごい可愛かったですよ」
「んんっ……ふ、う……そん、な事……あはぁ……」
腹の中に異物が入っているという感覚は、それだけで心を掻き乱す。
快感が脳を刺激し、まともに喋る事など、とても出来なくなる。
「ブリジットこそ……女の子に、跨っれ……
 そんな太いの、刺して……男らひっ……い、よ……」
ジャケットを挟んでいるとは言え、砂利の上で激しく交わるのは、背に痛い。
ブリジットはあきらを気遣って、正面から彼女の背中に腕を回し、
自分の腕で彼女の体を守るようにして、抱きしめた。
「動きます、よ……?」
ゆっくりと少しずつ、腰を打ち付ける。
あきらの胸が、ブリジットの胸板に密着する。
あきらもまた、体を揺さぶられながらも、その両腕をブリジットの背に回した。
「ふぅう、んっ、うぁ、はっ……はぁ、うっ……あぁん、はあぁ、あ……」
少しずつ、少しずつ、快感が肉体を這い登っていく。
次第にペースアップする腰の動きに合わせて、意識が飛びかけていく。
もはや目も、何を見ているのか、何が見えているのかすら、判別出来ない。
頬の上を涎が伝っていくが、それすらも感じ取れない。
悦楽の波に翻弄され、あきらは段々、声を我慢する事すら忘れかけてきた。
「あぁんっ! おく、奥に当たっれるぅっ! も、らめぇんっ!」
「あぁ、ウチ、もう……」
「出ひてっ! いっぱい出ひてぇんっ!!」
がっちりと両足でブリジットの腰を固定し、密着状態で、
あきらは男の精を子宮の中に受け入れた。
240名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:27:43 ID:OndLRaSs
日はとうに暮れ、星と月明かりのみが、夜を照らす頃合。
あきらが余韻から冷め、何とか「服、着なきゃ……」
と認識しだすのに、数分の時間を要していた。
だがその前に、膣内に発射された白いものを、掻き出さなければならない。
立ち上がると、股間からポタポタと精液がこぼれてきた。
「うふふ。いっぱい出したね」
「ウチ、男ですから。セーシぐらい出ます」
あきらの優しい声に、子供扱いされたように感じて、ブリジットは膨れっ面になった。
クスクスと笑うあきらの表情が、いかにも女の子らしく可愛いのが、余計に腹立つ。
だが少なくとも、これで二人とも、互いに自分の性別に自信が持てるようになった。
ブリジットは、自分が間違い無く男だと思えたし、
あきらもまた、自分が女である事を、強く刻み付ける事が出来た。
めでたしめでたし。

……とは中々ならないのが、戦後という時代である。
夜道には野党が潜んでいて当たり前、声など出そうものなら、襲ってくれと言わんばかりだ。
「へっへっへ。ようやく終わりかい?」
「良い女連れてんじゃねぇか、ボクちゃん。こっち寄越しな」
いかにも札付きの悪、といった風体の男達が、五、六人徒党を組んでいる。
あきらは思わず、両手で自分の裸体を隠し、顔を真っ赤にした。
「セーシなら、俺が掻き出してやるよ、嬢ちゃん」
男の一人が、中指をクネクネと動かす。
「どうせすぐに、別のセーシを注がせてもらうけどなぁ!」
がっはっは、と下卑た笑い声をあげて、舌なめずりしてくる。
「そっちのシスターみたいな服着てるガキも、良いんじゃねぇか?
 男でも、こういうのなら買い手がいるぜ!」
野党達は、男であるブリジットにまで、目をつけた。
野党達にとっては、これが毎日の仕事だった。
山道を行く馬車を見つけては、御者をまず殺し、乗っている者を襲う。
男は殺すし、女は犯す。一晩中輪姦し、女体の中も外も、白濁で埋め尽くす。
飽きたら、金品だけ奪って、女は町に売る。
それにしても今日の得物は、上玉と見えた。
女は、まだ若いが大層美人で顔立ちが良いし、少年の方も売り物になる。
金はあまり持っていなさそうだが、二人分なら良い値で売れるというものだ。
241名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:28:35 ID:OndLRaSs
皮算用を始めた野党達の一人が、ブリジットに手を伸ばした。
「そういうワケだから、テメェはしばらくそこで、
 お姉ちゃんが俺らにツッコまれてニャンニャン鳴いてるのを、黙って見物してな」
その瞬間、野党の顔が、何かに弾かれたように歪んだ。
「ぶげっ!?」
思い切り仰け反り、その場で意識を失って、豪快な音を立てて巨体が沈んだ。
「なっ、何だ!?」
野党達には、何が起こったのか、わからなかった。
何が起こっているのかわからないまま、次々と、仲間が一人ずつ気絶していく。
打撃音と、骨の砕ける音だけが、夜の森の中に響く。
「ひっ、ひぃいっ!!」
「あなた達が悪いのよ……せっかく、女の子らしくなれる筈だったのに」
ブリジットは、この目に見えない攻撃が、あきらのものだとすぐに理解した。
呟く彼女の目は暗く光っており、完全にキレているのがわかる。
もはや野党よりも恐ろしい。
「わっ、俺っ、俺らが悪かった! 頼むっ、から、殺さ……っぶべらぁ!?」
とうとう最後の大男まで、あきらは一撃で沈めた。
ブリジットは戦々恐々とし、腰がくだけ、その場にへたり込んだ。
立ち上がる事すらままならない彼の前で、あきらは月光を背に、柔らかく微笑んだ。
「ねぇ、ブリジット。私、全然女の子らしくないね?
 こんな乱暴な女の子じゃ、駄目だよね……?」
目は涙を浮かべて滲んでおり、声は震えて、悲しみに打ちひしがれている様子だ。
「あは、あは、あははは……」
そんな事無いですよ、格好良くて可愛いなんて、とびっきりのクール・ビューティじゃないですか。
ブリジットはお世辞でもそう言いたかったが、怖くて声も出なかった。
メソメソと泣き出したあきらを、彼が何とか宥めすかしたのは、
それから一時間以上後の事だった。
242名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 17:31:27 ID:OndLRaSs
終了です。


>>203
まことのキャラは好きですし、ソルと絡んだら面白そうなんですが
土佐弁がわからないので、書きたくても書けません……
243名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 22:52:07 ID:al3hz315
GJ!
>>242
じゃあ、いぶきとかどうだ?
244名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 23:12:21 ID:WAeg1C/8
GJ!!
IDオンドゥルwww

>土佐弁がわからない
大丈夫!まことの使う土佐弁は
「ちぇすとー!」
「もじゃ!」
「ふにゃ!」
「にゃぁ!」
「うにゃぁぁぁぁ………」
だけだから!

あ、あと「しおらしくするのは嫁入りン時だけで充分じゃ!」も大切
245名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 15:41:56 ID:yC5m3G2d
保守
246名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 19:20:47 ID:IzgnEmh1
まこと「ダディャーナザァァァン!!
オンドゥルルラギッタッチャネー!?」
右京「……」
247名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:11:28 ID:G+Wgf7rH
保守かわりに投下します

エロなし
ギャグなし?
248名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:12:43 ID:G+Wgf7rH

[22世紀.フランス.パリ]

22世紀においてもパリの陽射しは人を活発にする。

木木と静寂に覆われたパリのとある公園に、そのレストランはあった。
レストランが公園に出したオープンテラスが道行く人の憩いの場になっている。

そんなオープンテラスのテーブルの一つが「彼ら」の特等席であることを散歩の常連が認識し始めた、パリの春である。

アンディ=ボガード。

そして、ロバート=ガルシア。

彼らは21世紀から謎の女によってここ22世紀のパリに拉致されてきた、稀代の格闘家である。

何の説明も受けず此処に放り出された二人は、恋人を残してきた(と彼らは思っている)元の世紀への戻りかたを探していた。

そしてその報告会にこのレストランを使っているのである。

アンディ「やあ!餓狼伝説の美形キャラ、アンディだよ!」

ロバート「もぅわざわざ説明せんでもええやろけど、わいが龍虎の拳の美形キャラ、誇り高きヤングタイガーことロバート=ガルシア様や」

………報告会だったのである、最初は。

ロバート「で、梅喧ちゃんはまだ来ぃへんの?どないしたんやろ?」

アンディ「さ、さあ……梅喧さんは梅喧さんで忙しそうだからね………」

ロバート「そ、そうかいな………なあアンディ、ちょいと相談にのってくれへんか?」

アンディ「え、ええ良いですけど……どうしたんですか急に改まって」

ロバート「なんや美形会議を私物化するようで気ぃひけんやけども………ホンマおおきにな……」

アンディ「水臭いですよロバートさん!僕とロバートさんとの仲じゃないですか」

ロバート「ホンマおおきにな……………実は、昨日の夜からクシャミしたり胸が痛とぅなって眠れへんのや……」
249名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:14:59 ID:G+Wgf7rH
アンディ「風邪ですかロバートさん?美形会議なんかのために無理しないでゆっくり休んでも良いんですよ」

ロバート「いや風邪やないねん。よう説明出来へんけど、なんや……ユリちゃんがハゲ野郎にかどわかされた時みたいな気持ちになるんや」

アンディ「………」

ロバート「わいが居なくてユリちゃんが寂しがっていないか心配でたまらんのや。ウサギみたいに可憐で儚いユリちゃんが寂しくて死にそうなっとる気ぃしてたまらんのや!」

アンディ「ロバートさん………!」

ロバート「ああアホくさ…………なんやアホみたいな話聞かしてもうたな…………ホンマおおきにな」

アンディ「そんな事ないですよ!」

ロバート「アンディ………」

アンディ「ユリちゃんを本気で心配している姿、素敵ですよ!美形キャラの鑑ですよ!」

ロバート「アンディ………!」

アンディ「ロバートさん………!」

想い人と引き離された苦しみを彼らは知る。
二人は親友の顔を見つめあった。

ロバート「アンディィィィ!!」

アンディ「ロバートさぁぁぁん!!」

ピシガシグッグッ!

アンディ・ロバート「YEAH!」

梅喧「悪りぃっ!私用があって遅れちまった。美形会議はまだやって………………何やってんだお前ら?」

アンディ「だ、誰だ!?」

ロバート「何見とんや!?」

梅喧「そこまで驚くこたぁねえじゃ……あっ!こら、逃げんじゃねぇ!」

???「嫌だ………や〇いは嫌だ……」

梅喧「暴れんじゃねぇコノヤロ!『畳返し』ッ!」

???「グハァッ!」

アンディ「………何してるんだい、梅喧さん?」
250名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:18:49 ID:G+Wgf7rH
ロバート「遅かったやないか梅喧ちゃん。………せやけどなして男縛り上げて連れ回しとんのや?ひょっとしてそっちの気があったんかいな?」

梅喧「ふぅ……あ、いや何してたのか聞きたいのは俺の方だ。あと、ヘンな趣味なんか無ぇよ」

???「や〇いは………勘弁してくれ………」

梅喧「何勘違いしてんだ手前ぇ!?ノーマルだって言ってんだろうが!」

アンディ「だっ、何が〇おいだ!僕とロバートさんの男の友情を〇おい呼ばわりとは何事か!」

ロバート「せや!わいらの友情をやお〇呼ばわりとは失礼な奴やでほんま!なしてわざわざアンディの裸描こうなんざ考える物好きがおんねん!」

アンディ「…………」

???「……正直………すまんかった………」

アンディ「そんな理由で納得しないでくれ。」

梅喧「………どうでも良いけどよ、男同士見つめあったり『男の友情』とか言ってるから余計に『らしく』見えるんだと思うぞ」

ロバート「なっ!?なに言うとんねん!梅喧ちゃんは男の友情っちゅーモンを分かっとらんのや!男の友情は世界で最も誇り高いものなんやで!」

梅喧「あぁん?じゃ、どんな物だってんだい!」

ロバート「ほなら教えたるわ!男の友情っちゅーのはな……!」

梅喧「男の友情、てのは?」

ロバート「そ、そら…………なぁアンディ?」

アンディ「え、ええ。それは………」

梅喧「それは?」

ロバート「ま、まぁ何ちゅうか……」

アンディ「な、何と言ったら良いか………」

梅喧「さっさと言わねぇか!」

ロバート「ま、まぁあれや。エロ本の貸し借りとかやな」

アンディ「エロ本の貸し借りとかですね」

梅喧「…………………………馬鹿じゃねえの?」

ロバート「ばっ!?馬鹿はないやろ馬鹿は!」

251名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:21:24 ID:G+Wgf7rH
アンディ「男のRomanが分からないのか!?」

梅喧「いやその年にもなってエロ本も何も無いだろ。つーか彼女持ちがエロ本は女に失礼じゃねぇか。あと、片仮名で良いものをわざわざフランス語で言うな」

ロバート「も、物の例えっちゅーのがわからんか!?」

梅喧「んにしちゃあ息がピッタリあってたじゃねえか。で!(グイッ)お前は何処に行くつもりだ?」

???「い、いやmi●iのチェックに………」

梅喧「江戸時代から来た奴が何でm●xiに用があんだよ!おとなしく観念しやがれ!」

アンディ「ん?江戸時代?その日本刀!………き、君は!?」

ロバート「なんや?わいらの他にも此処に飛ばされた奴がおったんかいな!?………お、お前は!?」

梅喧「刹那(せつな)っちゅーらしいぜ。公園で暇そうにしてたから引っ張ってきたんだ。いやぁ俺もいろいろ忙しいからよ!美形会議で俺の代役に使ってくれ!」

アンディ「ああ!前々からどこかで見たことが有るニートだと思っていたけど、よく見たら幕末浪漫第二幕 月華の剣士 〜月に咲く華 散りゆく花〜の美形キャラ、刹那君じゃないか!でも、刹那君はもっと野生的なイメージが有ったんだが………」

ロバート「その江戸時代にも関わらず学ランと着物を半々にした服装は確かに月華の刹那やな……せやけど、こいつ偽者ちゃうの?本物の刹那は『死ね』とか『消えろ』とか言いまくるキャラやったで」

刹那「……自己啓発本で………勉強した………」

梅喧「自己啓発本だぁ?顔に似合わず細けぇ奴だな」

アンディ「自己啓発本………!?がっかりだよ……周りに媚びるなんて美形キャラとしてあるまじき行為だ!君に美形キャラとしての誇りは無いのか!?」

252名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:24:22 ID:G+Wgf7rH
ロバート「せや!じぶん前髪下ろしてゴテゴテしてるだけのステレンキョーな服装したら美形キャラなれるとか勘違いしとんのやろ!?甘いわ!ぶっぱだけで龍虎2のCPU戦をクリアしようとする位甘いわ!
 キャライメージのために何回コスチュームチェンジしても時代遅れのダッサい服のまま統一しとるアンディを見習ったらどうや!!」

アンディ「………………」

梅喧「………アンタ、本当は八神庵が嫌いなのか?」

ロバート「見てみい!アンディもごっつ怒っとるで!怒りすぎて禿げそうなっとるで!」

アンディ「………ロバートさん、ちょっと、いいかな?」

ロバート「見てみい!アンディ怒りすぎて真下にためとるで!自分はよ謝らんとアンディに超烈破弾でしばかれるで!!はよ謝らn……」

アンディ『超烈破弾!!!』

ロバート「熱うっ!?なしてわいに超烈破弾食らわしてんねん!?」

梅喧「あちっ!俺にまで飛び火したじゃねえか!何してんだ馬鹿!」

刹那「……暴力は……よくない………」

アンディ「今日という今日は怒りましたよロバートさん!いつもいつも僕ばかりおちょくって!そこまで言うならこっちにも考えがありますよ!」

ロバート「なんやと!?いきなり超必ぶっぱなしといて逆ギレかいな!?かかってこんかいこのポンコツが!?」

梅喧「どうして手前らの喧嘩に巻き込まれなきゃぁいけねぇんだ!いきがるんじゃないよ!」

言葉でも効果音でも説明できないような壮絶な泥試合を始める三人組。
一流の格闘家たちの手加減抜きの喧嘩は素人の傍目にはギャングの抗争と変わらず、レストランの客たちはこぞって逃げ出して行く。。。

アンディ「だいたいロバートさんは!いつも一言おおいんです、よ!」
253名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:27:40 ID:G+Wgf7rH
ロバート「なんやと!そういう自分はいつもいつもチャラチャラ!しおってからに!しばかれるぞホンマ!」

梅喧「てめぇらしつこいんだ……よ!さっさとくたばりやがれェ!」

刹那「お、お店にも……迷惑だから!………やめろ……グワッ!?」

ロバート「なんや舞ちゃんの腰巾着の癖して!!美形キャラ気取りかいな!!」

アンディ「ロバートさんこそ!!ユリちゃんユリちゃんしつこいんですよ!!あんたはストーカーですか!?関西弁といいストーカーといい!椎拳崇とキャラかぶってる癖に美形キャラ気取りですか!?」

男性客「何でそこでわいの名前が出て来るんや!?」

梅喧「覚悟せぇや関西弁ヤロォ!!」

男性客「危ないアテn………ギャァァアア!!!」

梅喧「チィッ…!紛らわしいんだよ手前は!……」

女性客「きゃあああ!?拳崇!?しっかりして!!………どうしてこんな事を!?」

梅喧「あぁん!?手前ぇも斬られてぇか!?」

女性客「あなた………!!許せない……『サイコボール』!」

アンディ「斬影拳!!」

ロバート「覇王翔吼拳!!」

梅喧「畳返し!!」



刹那「………………やかましいわおどれら!!いてこますぞ!!!」



『!?』

刹那「おとなしくしてたらつけ上がりやがって!!店の迷惑も分からんかこの阿呆供が!?今ここで死にたいか!?」

『!!?』

刹那「…………美形キャラは、美形キャラらしく振る舞って始めて美形キャラになるんだよ!!」

アンディ「せ、刹那君………」

ロバート「刹那さん………」

梅喧「刹那………」



『……ごめんよ(な)、刹那((君)さん)。。。』



刹那「……………分かれば良いんだ。」
254名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:31:53 ID:G+Wgf7rH
アンディ「本物だ!刹那君は本物の美形キャラだよ!!」

ロバート「わいらが馬鹿やったんや!刹那さんは正真正銘の本物やないか!ほんま疑ごうてすまんかったわ!自己啓発を馬鹿にしたりして本当に済まんかったわ!」

梅喧「刹那………」

刹那「…………おい、そこの女」

女性客「はいっ!?」

刹那「この軟膏をやる………連れの傷に塗ってやれ」

女性客「あ、あ、ありがとうございます!!」



────22世紀。時代を、世界を越えた魂の美形会議は、ここから始まった───





シェフ「…………(怒)。」

『あ………』

シェフ「……断罪の時間だ!!!」

『ぎぃゃやあああああぁぁ………』


...to be continued?



梅喧「………ところでよ、ナントカ本ってやつ、なに書いてあるんだ?(ぺらっ)」

『第204章≪悪役キャラ≫
 ●第一項●
 無茶なキャラを要求されても、文句を言わないで演じましょう。
 *特に、初出場で悪役ぶりを披露するには、高笑いや自爆が効果的です。
 
 【体験者の喜びの声】
 ☆俺は始めての役で主人公の宿命のライバルという難役を演じることになりましたが、先生の教えて下さった「三段笑い」で大成功しました!今でも本当に感謝しています!(Y.I.君 20歳)
 ☆始めてラスボスを演じさせて頂いた時に、先生の「悪役ぶりに困ったらまず自爆」という教えのお陰で、シリーズの看板ボスとまで呼ばれる用になりました。
 これからも先生の教えをしっかり守って、悪役キャラに励んで行きたいと思います。(R.B.君 年齢不詳)』

梅喧「なに書いてあんだよこれ!?何を啓発するつもりだよ!」
255名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:38:21 ID:G+Wgf7rH
一応、新キャラの顔見せと言うことで。

自分で投下してしまうのは>67氏に失礼な気もしたのですが、最近スレが停滞気味な気がして、空気改善になればと投下させて頂きました。
256名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 19:51:29 ID:Qp/xQ3s8
来ぃたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!wwwww
257名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 22:44:30 ID:P4HCP4IP
本人じゃないのか?この文章力はwww
ともあれ、GJ!
そして店主の会議参加も希望しておく。
258名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 13:55:52 ID:l6xdAIff
保守
259名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 00:34:13 ID:oajIYgge
いやーまさか刹那をここで出してくるとは意外だったけど納得。
次も期待してるぜ!
260名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 23:10:41 ID:U8CJb7UN
保守
26167:2007/12/09(日) 23:11:40 ID:DbtR8ckR
最近、あまりにも仕事が忙しくて
中々続きが書けない日々が続いております。
本当だったらこの土日に、各二時間ずつくらいは
執筆時間を得る事が出来ていた筈なのですが
急遽決まった他支部(遠い……)への一時的応援のために
結局パソコン開く時間すら、取れませんでした。


思いつきのネタ話が少しだけあるので、
過疎地の空気が蔓延する前に、それだけ投下させて頂きます。
故・塩沢兼人氏に、哀悼の意を表して。
262名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 23:12:24 ID:DbtR8ckR
無法者の闊歩する時代とは言え、町中で武器を携えていては、
悪い意味で目立ちすぎる。
カイが町に繰り出す時は、封雷剣はケースに仕舞っていたし
梅喧は面倒を嫌って、なるべく人の多い町は避けて旅していた。
ジョニーは普段は空の上に隠遁しているし、
ヴェノムのキューも、闇慈の扇も、それだけでは武器とは見えない。
刃物を臆面も無く持ち歩く危険人物と言えば、元ジャンキーのチップや
荒くれ者のソル、後は馬鹿のロボカイぐらいのものだった。

だから、その男を見かけた時のミリア=レイジの反応は、
少々抑揚が無かった事を除けば、至極当たり前のものだった。
「堂々としてるのね。あなた、賞金首?」
赤い衣装を身に纏った、長い銀髪をくくった青年。
携えられた得物は日本刀なる武器だと、
梅喧やジョニーとの付き合いから、ミリアは知っていた。
町に買い物に出かけた、その帰り道。前を歩いていた後姿に、ミリアは声をかけた。
「賞金首? そんな下賎の者と、同じにしてほしくはないな」
振り返ったその口から聞こえてきた声に、ミリアは驚いた。
正直、またこの声を聞く日が来るとは、思ってもみなかった。
心のどこかで憎みながら、心のどこかで求めていた、その声。
「……ザトー!?」
男は眉をひそめ、否定の言葉を返した。
「知人に似ているかね?
 私の名は忌野雹。失礼だが、君とはこれが初めてだと思うんだが」
家々の窓から漏れる灯りに照らされた、その静謐な顔は
確かに、故ザトーのものとは、違っていた。
263名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 23:13:17 ID:DbtR8ckR
「なるほど。故人と声が似ていて、驚いた……と言う事か」
立ち寄った酒場で、雹はミリアと話し込んだ。
単に声の質が似ていた程度なら、あぁそうですか、と別れれば、それで終いだった。
だが目の前の女性にとって、ザトーなる男と自分の声は、似すぎる程似ていたらしい。
雹が立ち去ろうとすると、ミリアは縋るような目で「あ……」と呟いた。
その呟きに心を引っ張られ、雹はついつい、まだこの女性に付き合う気になってしまった。
「まぁ、よく言われる話だ。
 クレヨンしんちゃんにも出てきたんじゃないか、だの。
 メタルギアにも出てきたんじゃないか、だの。
 壷が好きなんじゃないか、だの」
「ふふっ。何、それ?
 ……でも、私の友人にも、そういう人がいるわ。
 セルと声が似てるとか、マスオさんの同僚に似てるとか、
 PSP版メタルギアのラスボスだとか」
いい加減怒られそうなので、ここら辺で止めておく事にする。
カイとトランクスは同じ人だから、セルまで居るギルティシリーズでは
ちょっとした因縁を感じるよな、とか、そんな事はどうでも良い。
「……お酒、飲まないの?」
先程から雹は、酒を一杯注文したものの、一口も飲んでいなかった。
それを疑問に感じたミリアが問いかけてみるが、
直後、ミリアは一つの可能性に気付いた。
「あなた、まさか未成年?!」
「酒場であまりそういう事を、聞こえるような声で言わない方が良い。
 それに貴女も、成人しているようには思えない程、若く美しいが?」
雹は、自分がまだ高校生である事を、白状した。
(そう言えばこいつ、高校生だったんだな……。)
アルコールに対する世間的、法律的束縛は、時代と国によって異なる。
大人でも酒を禁じられた禁酒法の時代もあれば、
国によっては現代(2007年)でも、子供の頃から酒を飲むのが当たり前の国もある。
煙草ですら、一部の国では子供達が出稼ぎの際の暇つぶしに吸っても、
何ら法的制限が課せられていない程だ。
だがたまたま、この時代のこの国では、未成年者のアルコール摂取は禁じられていた。
264名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 23:16:32 ID:DbtR8ckR
ミリアはその晩、自分のアパートメントに、雹を泊めてやる事にした。
かつて自分を汚したザトーに、屈折した愛憎を未だ抱き続けている彼女だ。
声があまりにも懐かしくて、期待していない部分が無いと言えば、嘘になる。
酔っていた勢いも、あるかもしれない。
久しぶりに、男に抱かれたいと思ってしまった。
高校生相手に火遊びのお誘いをかけるなど、随分と堕ちたものだ。
彼女は一人、心の中で自嘲した。




終了(というか中断? 中止?)です。

マジで書く暇が無い……。
今回の話自体、一週間以上前に執筆を一時中止していたものを
とても今続きを書いていられる状況じゃないから
中途半端な状態で無理に投下しただけのものです。
ひょっとしたら年始が過ぎるまで投下出来ないかもしれません。
他の職人様方が、その間にバンバン投下して下さって
盛り上げて下さる事を、切に願います。
265名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 10:36:58 ID:hEtcFzND
若本吹いたwww
GJ!
266名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:21:54 ID:c1EeLM4A
これはいい生殺し投下ですねわっふるわっふる
267名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:30:13 ID:SFI3oXoM
妖怪腐れ外道女体(ブリス)化

「いっただきま〜す♪」 カプッ、モグモグモグモグ…………ゴックン

頭蓋骨を吐き出してから両手を合わせて
「ごちそうさまでした♪」


絶命奥義見ててそんな妄想が浮かびました……………病んでるな俺orz
268名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 17:22:47 ID:9OpKpWmS
保守
269名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 14:50:30 ID:33x89o7e
捕手
270名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 21:44:45 ID:XtV63raC
続きはまだかの
271名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 01:49:01 ID:9t/ed0Af
よーし。
前聖夜祭なのにエロパロ板にいるような淋しい独り身(含む俺)の皆のために、頑張ってプレゼント用意しちゃうぞー。

【問題】
次の美形会議に登場するキャラを全員予想して下さい。

正解者にはSSをクリスマスプレゼント!
ハズレた人にも残念賞のSSをプレゼント!

それじゃまた明日〜
272名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 09:21:09 ID:XfU8ak7W
やはりクロスオーバースレらしく、他メーカーからの参戦か?
カイとかダンとか
273名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 18:11:39 ID:wGeMvk5l
地味主人公キャラ会議

デミトリ(ヴァンプ)
ドノヴァン(同上)
レイ(みぞぐち君が出てるアレ)
アレックス(ストV)
Kだっしゅ(地味という程でもないが KOF)

なんて浮んだ
274名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 23:03:00 ID:YbZuI9iS
>>271
恭介、レミー、オルバス、ロック、アクセル・・・
順当な所しか思い付かんな・・・。

>>273
コーディー忘れてるぞ。
275名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 23:13:21 ID:YbZuI9iS
あとルビィハートも。
276名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 23:14:41 ID:JuH2/mze
>>273
ロバート
277名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:25:15 ID:pWFZ0y1q
278名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 05:48:39 ID:Glz4c3PC
しゅ
279名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 16:21:25 ID:Acee0WE4
不知火舞の誕生日が近い
280名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 16:38:58 ID:5u4NYIHL
>>279
あんなキモ婆の誕生日なんてどうでもいい
281名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 22:19:26 ID:Rtrkwear
続き期待
282名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:46:17 ID:wTaUBeMQ
クリスマスプレゼントに伴侶のいない衝動でどきどき魔女神判を買ってしまいました
まぁ買ってしまったのはしょうがないしと、一応触っておく事に

あれ?意外と面白い。
マリアいいな。
れんげどんかわいいよれんげどん!
あやめたん、ももも萌えー。



。。。
。。。。。

ゲェー!?
書き上がってたの忘れてた!!


投下します
283名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:49:17 ID:wTaUBeMQ
[22世紀.フランス.パリ]

春の日射しを浴びて体を刷りあわせている花と恋人達の恥じらいあう、22世紀のパリである。

パリのとある公園を散策している地元民がレストランで「いつもの」男たちと、トレンチコートの男を見た、ある日の出来事。
独り身特有のの禍禍しい瘴気を放つ彼らと、それを監視する怪し気な影。
いつものレストランでの、少しだけ奇妙な事件である。

◇◆◇◆◇

男性客「(むぅ、遅いな………ん? あそこにいるのは確か………)」


シェフ「前菜の時間だ」

アンディ「お、ちょうどいい時間に来たな………やあ! 餓狼伝説の美形キャラ、アンディだよ!」

ロバート「もぅわざわざ説明するんもなんやねんっちゅー感じやけど、わいが龍虎の拳の美形キャラ、誇り高きヤングタイガーことロバート=ガルシア様や」


男性客「(アンディ=ボガードにロバート=ガルシアか………気付かれたら邪魔されかねんな。新聞で顔を隠しておくか)」

◇◆◇◆◇

アンディ「お、ちょうどいい時間に来たな………やあ! 餓狼伝説の美形キャラ、アンディだよ!」

ロバート「もぅわざわざ説明するんもなんやねんっちゅー感じやけど、わいが龍虎の拳の美形キャラ、誇り高きヤングタイガーことロバート=ガルシア様や」

刹那「………」

ロバート「刹那さんや」

アンディ「幕末浪漫第二幕 月華の剣士〜月に咲く華、散りゆく花〜の美形キャラ、刹那君だね」

ロバート「ほんで時代を象徴するそうそうたる美形キャラが一堂に会してしもうたんやけど、確か今日は梅喧ちゃんは来ぃへんのよな?」

アンディ「ええ。確かサムスピの覇王丸さんと デ ェ ト の約束があるとかで……」
284名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:52:54 ID:wTaUBeMQ
ロバート「まぁこれが男やったら『色事にうつつをぬかすとは何事や』言うてどついとるけど、女の子にデートするなー言うのは酷やからな。せやけどなしてあんなムサイ男がええんやろな?」

アンディ「確かに僕たちみたいな人気超絶殿堂入りスーパー美形キャラは、女性関係にいつでも余裕を見せているからね。そこが一流と二流の決定的な差になるんだよ」

ロバート「せやな。わいら位の美形キャラにもなると何もせんで立っとるだけでもギャル達を熱狂させるさかい、あんな影の薄いエセ主人公なんか箸にも棒にもかからんでホンマ」

アンディ「そうだよ! あんな隙の大きい大技ばっかりの事故死狙いキャラなんて今時流行るはずも無いからね。SNKプレイモアもそこら辺を考慮してシェン・ウーの替わりに僕を主人公チームに入れるべきだ。刹那君はどう思うかい?」

刹那「ガハァ!」

アンディ「血を吐いた!?」

ロバート「刹那さんが血ぃ吐きよったで………せ、せや! あかんかったんや! 隙の大きい大技ばっかりの事故死狙いキャラなんて言うたらあかんかったんや!
 只でさえ月華は弾きのせいで安易な牽制出来へんゲームなのに、新キャラの癖して技がいちいち隙だらけの物ばっかりやいう事を指摘されたらあかんかったんや!
 墓標の月華2攻略記事がネタ半分で書かれた、回線が重い月華のラグ利用したモッサリ殺法やちゅーことを指摘されたら致命的やったんや!」

刹那「ヘルゴゥベゲハァ!!」

アンディ「せ、刹那君大丈夫かい!?」

刹那「……大丈夫だ………」

ロバート「ホンマに大丈夫かいな?無理せぇへんでもええで………シェフ、ナプキン貸してくれへん?」

シェフ「スタンゲージ、ブロッキング、しゃがみカウンター………どれもこれもウンザリだ!」

ロバート「……シェフ?」
285名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:56:34 ID:wTaUBeMQ
シェフ「! ………………いま持ってくる」

ロバート「おおきにな………せやけどアンディ、八神の『代理』とか言う奴全然来ぃへんな。作者も完全に忘れとったで」

アンディ「そういえばそうですね………遅刻でもしているんでしょうか? 八神君も遅刻魔だったからね」

ロバート「せや! 八神はそこんとこ分かっとらんのや! 時間にルーズなんは美形キャラとして失格なんやでホンマに」

アンディ「そうだよ! 八神君も無責任だよね。一体どんな用事で欠席するのか検討もつかないけど、代理を立てるにしてもルーズなのは困ったもんだ!」

ロバート「まぁ八神の事やから新作の収録やろうけどな。……まかり間違っても『大切なもの:新しい彼女』なんて事はあらへんやろなホンマ! いくら周りがイチャイチャムードやからって、お前それは美形キャラとしてアカンでマジに!」

男性客「(結局は独り身のひがみか。しかし、とても言えんな………ディズィーをグループの新ボーカルにしようと長葱持たせて調k………特訓しているからだとは……)」

アンディ「ロバートさん落ち着いて! ……まぁ、とは言っても僕たち位の美形キャラともなると沢山の
ギルティギア世界の女性ファンを作ってしまうんだろうけどね。美形なのも罪深い物だよね」

刹那「……即売会2181…………刹那オンリー………」

ロバート「せやな。わいら位のそうそうたる美形キャラが集まりよってしもうたら、もう八神の一人や二人欠席でもええ位に美形会議やな。……それにしてもあんのヴェノム、やったか? ほんま身勝手やで!
代理が来いへんのやから自分から積極的に代理代理かなんかに立候補せんかい! っちゅーねん。そんなんだから奴さんフォモネタだけの二流美形キャラ止まりなんやで」

286名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:00:34 ID:zeICMgkp
男性客「(何故そこで私に矛先が回ってくるんだ! だいたい………)」

ロバート「だいたい自分あの髪型がカッコイイ思っとるんやろうけど、正直ダサダサやで!
そもそもあんなケッタイな髪型してたら目立ってしょうがないやろ。アサシンが目立ってどないすんねん」

男性客「(顔を見られないようにしてるんだよ素人が! …………いかんいかん、顔を会わせないようにせねば。
せっかくのキャミィとの初デート、あいつらのひがみごときに潰されてたまるか……!)」

刹那「……………その『ゑのむ』とやらは誰だ」

アンディ「あ、ああ。確かヴェノム君の写真ならGGXXムックに………あった!」

刹那「む………見るぞ」

アンディ「ほら、この銀髪の……」

刹那「ガハァ!」

アンディ「血を吐いた!?」

ロバート「刹那さんが血ぃ吐きよったで…………せ、せや! あかんかったんや! どっちも銀髪・色黒・下ろした前髪でキャラかぶってること指摘されたらあかんかったんや!
 K'とキャラかぶってるだの八神庵とキャラかぶってるだの言われとる割に人気の点で二人にとても追い付かん事を指摘されたらあかんかったんや!」

刹那「ウゴガハァ!!」

アンディ「な、何て卑劣な奴だ!?話題に出るだけで刹那君を傷付けるなんて!」

ロバート「思い出の中でジッとしておれへんのかいな!?」

刹那「ゲフッ!?」

アンディ「ま、また血を吐いた!?」

287名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:05:58 ID:zeICMgkp
ロバート「せ、せや!あかんかったんや!アドベントチルドレン的な事言うたらあかんかったんや!只でさえ記憶に残らへん銀髪新キャラ三人組(*1)がKOF2003の主人公チーム(*2)とキャラ被っとんのに、
 あまつさえ統一レザースーツのグダグタ変態ファッションのせいで『銀長髪は空気キャラ』っちゆー流れを産み出してしもうた事を指摘されたらあかんかったんや!」

(*1)
カダージュ:ttp://www.gpara.com/comingsoon/ff7ac_0716/19.htm
ヤズー:ttp://www.gpara.com/comingsoon/ff7ac_0716/yazoo.htm
ロッズ:ttp://www.alles.or.jp/~uir/CG/item/item/mihon4/tiac2.jpgの3コマ目

(*2)
右からアッシュ,シェン=ウー,デュオロン
ttp://game.snkplaymore.co.jp/consumer/title/kof2003.php

アンディ「あ、謝れヴェノム!」

ロバート「刹那さんに謝れ!」

ヴェノム「そこまで来ると言い掛かりだ!」

アンディ「!?」

ロバート「!?」

アンディ「お、お前はヴェノム!」

ロバート「なんでここにおるんや!?」

ヴェノム「気付いていなかったのか!? ……………………しまったああぁぁぁ!!」

アンディ「……ん? 『しまった』?そういえばいつになくおめかししてるじゃないか。髪型もオールバックにしているね。
まさかとは思うけど デ ェ ト なんて事は無いよね………!」

ヴェノム「(まずい……何とか誤魔化さねば!)い、今は仕事中だからな。変装も仕事の一環だ」

ロバート「そうやったんか。ホンマ疑ごうてすまんかったわ。お疲れさんやで」

ヴェノム「ま、まあな。慣れているさ」

キャミイ「おまたせ。」

ヴェノム「げっ!?」

キャミイ「……………『げっ』?」
288名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:07:51 ID:zeICMgkp
ヴェノム「あ、いや……違うんだ!キャミイ!」

アンディ「………」

ロバート「………」

刹那「………」

ヴェノム「あ……」

アンディ「な、何のつもりだいヴェノム君!?失望したよ!」

ロバート「なんや自分もデートかいな! ふざけよってからに! 」

刹那「………空気嫁!」

ヴェノム「わ、悪いか!?俺がキャミィと何をしようともお前たちに関係ないだろう!」

アンディ「悪いに決まってるじゃないか!よりにもよってストリートファイターシリーズのキャミィさんだと!?」

ロバート「自分ホンマになに考えとんねん!?やっていい事と悪い事の区別もつけきれへんのかいな!見てみい、刹那さんもごっつ怒っとるで!」

刹那「けしからん!実にけしからん!」

ヴェノム「お、お前たちに指図されるいわれはない!独り身の憂鬱を八つ当たりするな。」

アンディ「おまっ、お前は何を言っている!?」

ロバート「せや!わいらが先輩美形キャラとして心を鬼にして忠告してやっとんのにその態度は何や!
 お前なんかキャミィちゃんにはつりあわへんねや!むちむちレオタードっ娘を返せ!わいらの青春を返せ!」

刹那「けしからん…………レオタード忍蜂だと………!」

アンディ「そこで不知火流究極奥技的な事を持ち出さないでくれ。」

ヴェノム「とにかく!キャミィは俺と二人で話がしたい訳であって、俺はお前らに付き合ってる暇は無いし、キャミィはお前らなぞに興味など……」

キャミィ「ヴェノム。知り合いか?」

ヴェノム「…………………はい。」
289名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:12:57 ID:zeICMgkp
シェフ「………ナプキンだ。………そこの二人、テーブルはどこにする?」

ロバート「あ!わいらと同じテーブルで」

ヴェノム「貴様!勝手な真似を!今日位は静かに過ごさせろ!」

キャミィ「私は賑やかな方が好きだが………」

ヴェノム「何ぃ!?」

キャミィ「賑やかなのは……嫌、か?」

ヴェノム「お、俺も賑やかな方が好きだな!シェフ、同じテーブルで!」

アンディ「………」

ロバート「………」

刹那「………」

ヴェノム「な、何故私を憐れみの目で見る?!」

◇◆◇◆◇

シェフ「メインな料理をくれてやる」

ヴェノム「………………」

キャミィ「?どうした食べないのか?」

ヴェノム「いや、なんと言うか…………疲れた」

キャミィ「ところで、自己紹介がまだだったな。キャミィだ。ええと……」

ヴェノム「あ、ああ、そうか。こちらはアンディさん。あっちがロバートさん。あと………………………る〇うに剣〇のコスプレの人?」

刹那「ガハァ!」

アンディ「刹那君が血を吐いた!?」

ロバート「せ、せや!あかんかったんや!月華キャラに〇ろうに〇心とか言うたらあかんかったんや!
 何処かで見たことあるキャラが多すぎて一歩間違えてたら講談社とリアルバウトしてたんを突かれたらあかんかったんや!
 リアルバウト餓狼伝説なんぞ作っとる場合やなかった事を指摘されたらあかんかったんや!」
290名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:13:49 ID:zeICMgkp
刹那「ウゴガハァ!!」

アンディ「謝れヴェノム!」

ロバート「刹那さんに謝れ!」

ヴェノム「またこの展開か!?」

◇◆◇◆◇

シェフ「ん?客か……………き、貴様は!?」


果たして、シェフの前に現れたのは誰なのか────



to be continued...

291名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:19:23 ID:zeICMgkp
今回はここまで。
何やらクイズの解答の中に今後登場させたいキャラが3人ほど居てビックリしました。

>280
春麗乙
292名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 01:18:13 ID:p5oM+TGH
まるで銀髪キャラのバーゲンセールだぜ!
つか>>287の漫画ww
29367:2007/12/30(日) 07:45:11 ID:0bSMFOD1
GJ! 出勤前から超笑ったwww!



奇しくも今キャミィとヴェノムで書いてるとこだったんで
今自分の構想の中でキャミィに偉そうに振舞ってるヴェノムが
途端に可愛らしく見えてきた
294名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 22:40:41 ID:Y/mQDyus
レミーの前に現れたの誰か気になるw
今回もGJ!
29567:2007/12/31(月) 00:52:26 ID:5FncdJOE
『Eventual Rumble Orochi 2181』第八話
>>264の続き、投下します。
296名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:53:22 ID:5FncdJOE
その組織に、固有の名称は存在しなかった。
創設者は、吸血鬼だった。
生きる糧を得るために、血液を効率良く摂取出来る機関を欲した。
吸血鬼は義賊を立ち上げ、悪人を始末する過程で、血を吸い続けた。
しかし吸血鬼は、生来独立独歩を好んでいた。
彼は組織に『結束』だとか『仲間意識』といったものを持ち込まず、
故に自分達を一括りにする名称も、特段設けなかったのだ。
ある時はギルド、ある時はアサシンと呼ばれるその組織は、
興味深い事に『組織』という呼ばれ方で、最も定着していた。

「組織の長は、猫を可愛がるのが伝統らしい」
そう噂され始めたのは、ここ数日の事だ。
次元の歪みによって過去の戦士達が、ここ西暦2181年に転移されてから
それぞれに紆余曲折を経験しつつ、そろそろ一週間が過ぎようという頃合。
新入りの『子猫』が慰みを得るために、夜毎ボスの寝室に通い続けていた。
「キャミィです。入ります」
子猫はドアをノックすると、返事も待たずに入室した。
夜の0時の鐘が鳴る、ちょうど5分程前。
この時間からボスとの宴が始まるのは、ここ数日の慣例だった。
部屋の中の男は既に、用意を済ませて待っている。返事など、聞く必要も無いのだ。
この時間に来るように、ボスが言いつけているのだから。
「待っていたよ、キャミィ。今日も不慣れな職場で、一日ご苦労だった」
ボスは、長い前髪の奥から、飼い猫の表情を観察した。
その男は、組織において三代目の長だった。
男はテーブルの上のワインを、二つの杯に注いだ。
そうして片方を、キャミィの方に差し出す。
これも、ここ数日執り行われている、二人の間の儀式のようなものだった。
二人とも酒は弱くないのだが、微量でもアルコールを摂取している方が、
この後の行為により没頭しやすくなる。
要は『酔っていたから』という言い訳が、欲しいのだ。
「組織を象徴するかのような、血のように赤いワインだな。ヴェノム」
キャミィは、入室する前は他の者達への示しのために使った敬語も、
二人きりの時だけは使わないようにしていた。
彼女が組織の一員となって以来、この子猫を夜通し可愛がるのが、
ヴェノムの日課となっていた。
297名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:54:12 ID:5FncdJOE
華奢だが、鍛えられて引き締まった肢体。
思わず舐めたくなる太腿。
吸い付きたくなる小さな唇。
何より、薄暗い部屋の中でさえ輝いて見える、その黄金の髪。
つくづく、あの女を思い出す。
ザトーの寵愛を受けながら、ザトーを追い詰めた張本人。
「ミリア……」
キャミィのレオタードを丁寧に脱がせながら、ヴェノムはその名を呟いた。
「こんな時に他の女の名前を呼ぶとは、失礼な男だな」
キャミィは、長相手に臆面もなくそう言った。
「いや、失敬。ザトー様の愛した女と、あまりに似ていたんでな。
 組織の長が代々猫を可愛がるという風聞も、あながち嘘ではないようだ」
ヴェノムはキャミィを全裸にさせると、テーブルの上に腰掛けるよう指示した。
ぴったりと閉じた両の太腿の間に、先程のワインを流し込む。
上と同じく、下も金色だった。
金のアンダーヘアは、赤い湖の中で、少しだけ揺れたように見えた。
股間にたたえた泉をピチャピチャと舐め始めた男を見下ろしながら、
その悪趣味をなじるように、キャミィはそっと呟いた。
「……全く、良い趣味をしているな。ベガ様と同じだ」
「こんな時に、前の男の話など……」
「先程の返礼だ」
「なるほど、やってくれる」
ヴェノムは苦笑いを一つこぼすと、音を立てて赤い泉を吸い始めた。
ザトー様もこんな風に、ミリア=レイジと戯れたのだろうか?
ザトー様の前で、あの女はどんな風に踊り、どんな風に歌ったのだろうか?
恐らくキャミィとは、また違った声で鳴いたに違いない。
キャミィとミリアは似通っているが、決定的に違う部分がある。
それは、ミリアが野良猫であるのに対し、キャミィは飼い猫だという事だ。
その事に、キャミィ自身は気付いているのか否か……。
298名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:55:05 ID:5FncdJOE
郊外のアパートメント。
シャワールームとトイレと、簡易なキッチン。
後はリビングとダイニングと寝室を一纏めにしたような、
いかにも下宿といった感じの部屋が、一室あるのみ。
ミリアはそこに住み始めて、もう何ヶ月か経っていた。
さりとて、男をこの部屋に呼び込むのは、初めてだ。
手狭な筈なのだが、元々家具類や装飾品をあまり置かない彼女だったから、
部屋は無機質な分、少々は広く見えた。
置いてあるのはベッドとベッドサイドテーブルと、小さな食器棚。
それに、買い置いた食品を保管するため、法力で冷気を送り込む、この時代の冷蔵庫。
もっともそれにしたって、一般家庭用のよりは随分小さい。
書架も無ければ、蓄音機やそれに類する、音楽を嗜むための機器も無い。
法力端末でネットワークにダイブするための、オルガンも無い。
来客があるとは思わなかったから、ソファも置いてはいなかった。
そもそも、そんなものを置くと部屋がその分狭くなるし、
一人でくつろぐだけならベッドの上で十分だったから、買う必要を感じなかった。
今になって、ソファくらい買っておくべきだったかと、彼女は後悔した。
「悪いわね。もてなしは何も無いけど、紅茶くらいなら淹れるわ」
「気遣いは無用だ。……いや、違うか。
 私のいた時代の、私の国では、こういう時は口ばかりとも遠慮をするのが礼儀だったが、
 外国では素直に『Thank You』と言っておいた方が良いのかな?」
「私も世間の礼儀作法にはとんと疎い方だから。
 変に気を遣わず、適当に寛いでてくれれば良いわよ、雹」
寛ぐと言っても、前述の通りソファは無い。
どうしたものかと雹が思った瞬間、先にミリアが釘を刺した。
「分かってるでしょ?」
それは、有無を言わずベッドに居ろという、誘いとも脅迫ともとれる言葉だった。
「そんなに、私の声が欲しいか?」
意地悪な質問だとわかりつつ、雹は湯を沸かすその背に問いかけた。
ザトー=ONEという男の事は、雹は知らない。
ただ、ミリアが昔、そんな名の男と何か深い関係にあったと、少し聞いただけだ。
それ以上の事は、彼女は何も語らなかった。
299名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:55:54 ID:5FncdJOE
やがてベッドサイドテーブルに、湯気の立つ紅茶が二杯、運ばれてきた。
夜風の寒い日だったが、これで体も温まりそうだ。
更にこれから二人、人肌で温もりを与え合うともなれば、寒気など忘れられよう。
カタカタと小さな音を立てて、安い窓が震える。
だが今宵、ミリアがその肩を震わせるのは、凍えからではない。
快感に包まれて痙攣するだけだ。
もてなしの紅茶など、ほんの場繋ぎでしかない。
一口か二口すすっただけで、もう二人はそれ以上無駄に時間を重ねる事を止めた。
重ねるのは、無為な時間ではなく、肌と肌だ。
「灯り、消して良いかしら?」
「好きなようにするが良い」
「……駄目ね。ザトーならこんな時、嫌でも灯りは消させてくれなかったわ。
 私が恥辱的な表情をするのを、愉しんでいたから」
「ふん。いくら『代わり』と言えど、そう昔の男を思い出されるのも、癪なものだ」
嫉妬か、或いは言葉攻めの一種か。雹は微かに笑いながら、
言われた通り灯りは消さずに、ミリアの肩に手をかけた。
だがミリアはミリアで、ザトーを『昔の男』と言われる事を、癪に感じていた。
ザトーに対する彼女の気持ちは、複雑だった。
愛していたとは、とても思えない。大切だったなど、あり得ない。
憎んでいると言えば、それはその通りだろう。だが、嫌いだったとは思えない。
感謝はしているし、体も心も、ザトーを今尚欲している。
だが、それが恋愛感情とは異なるものである事だけは、明白だった。
依存。
結局、ただそれだけの単純な単語でしか、関係性を表現出来ない。
付き合っていたとか、愛し合っていたとか、陳腐で一般的な言葉では、言い表せなかった。
「私はきっと、まともに男と抱き合う事なんて、一生無いのね」
誰にとも無く、勿論雹に語りかけたわけでもなく、彼女は虚空に呟いた。
純粋な愛に基づいて体を交える事は、恐らく一生無い。
依存を確立するための交わりしか、想像が出来ない。
今、この時のように。
300名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:56:44 ID:5FncdJOE
「んんっ……はっ、あん……」
くすぐったがるような、愛撫されているかのような、どっちつかずな声。
ヴェノムはキャミィをテーブルの上に仰向けに寝かせ、その上を舌なめずりしていった。
彼女の体の上には、主に乳房を重点的に、生クリームが塗りたくられていた。
それをヴェノムは舌で掬い取りながら、彼女の体ごと味わっていく。
「一度、女体盛りというのをやってみたかった」
彼は飼い猫の股間に指を添わせて、愛液を指先に絡め取った。
先程のワインでもって、まだ毛先は湿り気を帯びている。ほんのり、葡萄酒の匂いがした。
ヴェノムはその濡れた指先で、彼女の腹の上を撫でていく。
生クリームが、腹の上を薄く広がっていった。
「その肉体の全てが、さながら瑞々しい果実のようだ。
 さしずめ、桃かメロンといったところか」
ヴェノムは腰をかがめ、生クリームまみれの乳首に、
あたかもアイスキャンデーでも舐めるかのように、舌を突き出した。
乳房がメロンなら、乳首はさくらんぼといったところだった。
まっすぐ体を伸ばして横たわるキャミィの指先が、打ち震えるように
テーブルの上を軽くカリ、カリと引っ掻く音が聞こえる。
普段から無表情な彼女は、その鉄面皮を崩す事無く、
しかし瞳はしっかりと潤し、唇は控え目に開け放して、吐息を漏らしていた。
「思ったよりも面白い反応だ。
 明日は部下に調達させて、フルーツでも盛り付けてみようか?」
我ながら悪趣味な事をほざくものだと思いつつ、
彼はその特徴的な前髪を、一度邪魔そうに掻き揚げた。
この肌の上にキウイや苺が並べられる様は、さぞかし艶やかで、楽しみな事に違いなかった。
キャミィはそれを、嫌がるような言葉一つ発する事無く、無言で聞き流していた。
それはつまり、その恥辱を甘受するつもりでいる、という事だ。
あのミリアならば、例え幾度も肌を合わせたザトーにでさえ、
女体盛りなど、頼まれたって全力で断っていただろう。
従うべき相手に対しては従順になるのが、この少女の弱点と言える。
組織を裏切ったミリアとは、そこが決定的に違う。
「さぁ、キャミィよ……今夜も言ってみろ」
「……私は、子猫だから……どうか、ミルクを飲ませて……ご主人様」
実に飼い慣らしやすい。
恐らく以前の時代に属していた、シャドルーとかいう結社の長にも、
夜毎ミルクをせがんでいたのだろうと、容易に推測出来る。
「良いだろう。今夜もたっぷりと飲ませてやる」
301名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:57:34 ID:5FncdJOE
丁度その頃。
今や組織の頂点となったヴェノムが、組織の新たな飼い猫を可愛がっている頃に。
かつて組織に居付いていた野良猫は、組織とは無関係な男に可愛がられていた。
「年の割りに、変態ね。あなた」
「なに、その綺麗な金色の髪を、汚してみたいと思っただけだよ」
雹はミリアの髪を一束掴み取り、それを自らの男根に巻きつけていた。
いわゆる髪コキというプレイだ。髪を武器とする彼女には、この上無い恥だろう。
自分の意のままに操れる、得意の得物が今、自分を汚す道具として使われているのだ。
「けどコレ、私は全然気持ち良くないんだけど?」
不平を漏らしはするものの、それに対してどんな返答が来るか、何となくわかっていた。
相手はザトーではないとは言え、声はおろか、性格の悪さも少し、ザトーに似ている男だ。
「君には便利な髪があるだろう?
 自分で慰めているのも一興だと思うがね」
ここで、もしミリアがキャミィのような、誰かに飼われる性分だったなら、
雹の言葉をそのまま汲んで、大人しく髪で自慰にふけった事だろう。
そうしないのは、彼女が誰かに飼われるタイプの女ではなかったからだ。
「冗談じゃないわ。あなたがいるのに、何で自分でしないといけないのよ。
 適当に人の髪で遊んだら、次は私自身をちゃんと相手しなさいな」
はっきりとモノを言う、気丈な性格だ。
だからこそ、一層髪を自慰の道具に使われる様が、滑稽に見えて仕方ない。
この凛々しい横顔に、その冷たい頬に、今から精液がぶちまけられるのだ。
ザトーという男が、生きてその様子を眺めていれば、どんなに憤慨した事だろうか。
もっともミリアとて、一方的に玩具にされるつもりは無い。
「……っ」
雹は、自分の男根を襲う異変に、瞬時に気付いた。
ミリアは、その自在に操れる髪を、雹のモノに絡み付いている箇所だけ、心持ち引き絞ったのだ。
締め付けが強くなり、あたかも膣を連想させる。
「早く下の口に入れて欲しいのよ。お遊びはさっさと済ませて頂戴」
「ちっ……女豹め」
雹が自分の男根から手を離しても、まだそれは前後にスライドしていた。
ミリアの髪が、手の代わりにそれを握りこんで、摩擦してやっているのだ。
こういう髪コキも、男自身の手を煩わせる必要が無い分、面白いものだ。
もっとも、相手がミリア限定だが。
「そろそろかしら?」
「やってくれる。……出すぞ」
ミリアに急かされて、雹は一旦、彼女の顔に白濁をぶっかけた。
飛び散ったその液体は、彼女の白い頬と、輝く髪に、遠慮無く降り注いでいった。
302名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:58:24 ID:5FncdJOE
女はブロンドに限ると言ったのは、アクセル=ロウだったか。
もっとも彼の恋人は日本人だから黒髪の筈なのだが、
これも彼流のキャラ作りといったところだろう。つまりは、ジョーク。
無論、人によってはこの意見に、賛否の分かれるところだ。
乱れた髪が艶を帯びて見えるのは黒髪だが、これは見ようによっては湿っぽくも見える。
開放的で野性的に見えるのは、黒よりもむしろ金髪だろう。
少なくとも雹とヴェノムは、ほぼ同時刻に、それを噛み締めていた。
彼らの目の前では、それぞれミリアとキャミィが、
そのブロンドヘアーをベッドの上で揺らしながら、汗と愛液を垂れ流していた。
ミリアはロデオにまたがるかのように騎上位で、
キャミィは猫が伸びをするように後背位で。
いずれも本能的で、動物的な体位だ。勿論、男の方も興奮は一入だ。
「いっ! いふぅ! お、奥ぅん! 奥当たってっ、あはっ、んあぁっ!」
「ふーっ! ふぅーっ! いっ! んふーっ! んっ、んっっ!」
一方は声を抑える事も無く、もう一方は声を極力漏らさぬよう、
しかし総じて二人とも、実に可愛い声で鳴いた。
ミリアが動くたびに、彼女の頬と髪にまとわりついた精液が弾む。
キャミィが突かれる度に、体に付着した生クリームのカケラが飛び散る。
雹はミリアのクリトリスを摘み、仰け反るような衝撃と快感を与えた。
「んっ、ひぃいっ!?」
ヴェノムはキャミィの口に背後から指を差し込み、指フェラさせた。
「んちゅっ、じゅぱっ……ぷは……」
脳天が逆返りそうな程の快感を、ある種の拷問のように感じながら
それでも子宮口を突かれる事を、欲してやまない。
恋仲でもないというのに、目の前の男を、さも大切な想い人のように錯覚する。
こんなにも淫乱に踊る様を見られる事に、後悔と背徳と、満足感を同時に得る。
顔を赤らめて首をイヤイヤと横に振る動作が、可愛くて仕方ない。
やがて、全身をブルブルと震わせて、二匹の猫は示し合わせたように、同時にイった。
「あはぁあーっ! イクぅーんっ! イっちゃうぅぅぅぅん!」
「ゃあぁぁあぁぁあああぁぁんん……!」
雹はミリアが絶頂に達したのを見届けると、無遠慮にそのまま彼女の奥に射精した。
ヴェノムはキャミィがイったのを見届けると、ベッドの上を移動して
抜いた男根を彼女の口に押し込み、喉の奥に精液を迸らせた。
303名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:59:07 ID:5FncdJOE
「実に甲高い声で鳴くじゃないか、ミリア」
「……その声で言葉責めされると、本当にムカつくわね」
「この声を欲したのは、どちらだったかな?」
それは、まさしく当初の予定通りだった。
ザトーの声を欲する彼女への、ささやかなプレゼント。

「よし、ちゃんと全部飲み干したな」
「……苦い。それに、苦しい」
「毎晩の事だろう。ミルクを欲したのは、君の方だ」
それもまた、まさしく当初の予定通り。
主人から飼い猫への、当たり前に与えられる餌。
304名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:59:52 ID:5FncdJOE
翌朝雹は、ミリアのアパートメントを出て行った。
一晩限りの火遊びであり、夢うつつの幻でしかない。
最初から、二人ともそういうつもりで交わったのだ。
「縁があったら、また会おう」
そう別れを切り出した雹に、ミリアは冷たく言い返した。
「結構よ。言わなかったかしら?
 私、その声の主が嫌いだったの」
野良猫は一つ欠伸をすると、裸にワイシャツのままの格好で、
乱れた髪を片手で掻きつつ、自室へと戻っていった。

「……明日、一緒に食事? それなら、いつも……」
「いや、そうじゃない。たまには昼日中、ゆったりと外食でも、と思ってな」
ヴェノムは彼女を労うつもりで、誘いの言葉をかけた。
毎晩部屋で戯れてはいたが、本当の恋人同士のように街に繰り出した事は、一度も無かった。
彼としては、キャミィを愛玩動物のように扱い続ける事を、非紳士的と思っての誘いだ。
だがキャミィは、もっと的確な言葉でもって、それを補足した。
「つまり、デートと言う事か?」
生真面目なヴェノムが慌てたのも、無理からぬ事だ。
彼女に本気になりかけている自分を、肯定するだけの度胸が、彼に無かったのかもしれない。
「い、いや、まぁ……美味いレストランが出来たと聞いてな。
 シェフは寡黙で愛想が無いが、腕は一流らしい。どうかな?」
キャミィは素直に頷き、彼とのまともな初デートを、クールに受け入れた。
彼女は、飼い猫だ。
主人として、この時代をゆっくり見聞させてやり、勉強させてやろう。
そんな考えが、ヴェノムにはあった。
奇しくも、キャミィが彼の思う通りの飼い猫ではなく、
気ままに無自覚に彼を振り回す、まさしく野良猫だとヴェノムが気付くのは
>>287辺りに差し掛かってからの事だった……。
305名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:01:00 ID:5FncdJOE
番外編
・ある日の庵さん

「あ、あの、庵さん……本当に、こんな事するんですか?」
ディズィーは、実に不安そうに、一時の伴侶に尋ねた。
「煩い女だ。俺について来ると言ったのは、お前の方だろう。
 嫌なら今からでも警察に突き出すぞ」
「だったら、あなたが私をレイプした事も、その時にバラします」
互いに相手の首根っこを押さえた心理状態で、牽制の言葉を交し合う。
だが、庵は言い負かされてやる気など、全く無かった。
どの道この女は、逆らえない。
賞金首を捕まえては金に替えて宿に帰ってくる庵を、
ディズィーはいつも、甲斐甲斐しく世話してやっていた。
食事を作って待っていてやったし、夜伽もぬかりない。
むしろ夜の営みに関しては、若干庵よりも、むしろ彼女の方が欲しがっていた程だ。
彼女は、庵が望むなら、どんなプレイでもしてきた。
フェラチオ、パイズリ、アナルファック、オナニー。
だが、いくら何でもこれだけは、許諾してやる気になれない。
しかし、問答無用。
庵は無理矢理、買ってきた長葱を彼女に持たせた。
「言った通りにしろ」
「へ、変態さんですぅ……」

「やっつぁっつぁぱれびっぱれらんらんびっぱりりんらんぴちたんるんらー
 りぴたりるんらーるっぱりるぴらんこれかんろっかやきりかんぐー♪
 まっちゃっちゃーやりびだりりんらびりちたんりんらんでんらんどーあばりっかったー
 ばりっぱりーばりびりびりびりすてんてんどんどん♪
 やばりんらすてんらんてんやろーわらぶどぅぶどぅぶどぅぶどぅぶどぅーやぶー♪
 わでぃーだんりんらんせんらんどぶだけだげだげどぅーどぅーでーやどー♪」
顔を真っ赤にしながら、何とかディズィーは歌いきった。
恥ずかしくも長葱を、片手でブンブンと振り回しながら。
「やれば出来るじゃないか。よし、これで新たなバンドの青図が見えてきたぞ」
庵は得意満面な表情で、一人ほくそ笑んでいた。
何でも、元はフィンランドの曲なのだが、21世紀の日本では、
長葱を持った巨乳の女の子が、笑いながら歌う映像が流行したそうな。
私、こんな人についてきて、果たして良かったのだろうか……?
ディズィーはそろそろ、自分が選んだ男が間違っていたのではないかと、思い始めていた。
306名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:02:06 ID:5FncdJOE
終了です
良いお年を
307名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:39:26 ID:gBv0KYra
GJ
308名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 14:29:46 ID:KsegE1ZY
庵www
309 【小吉】 【37円】 :2008/01/01(火) 01:03:21 ID:wuQZ9s5J
このスレの今年の運勢とお年玉
310名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 09:28:50 ID:D0Djmv3K
今年もこのスレには期待
311名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 16:42:40 ID:YJetYi+B
KOFではさもキングがリョウのヒロインのように扱われてるけど
実際原作の龍虎じゃどうだったの?
何かフラグあったの?
312名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 10:46:49 ID:w11Ne4Ik
初めて来て>>1から見てきたが、やっぱりバトルファンタジアはねぇよなあ…
313名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 15:28:15 ID:0pORQ0rY
>311
何やて?KOF極限流チームの原作、龍虎の拳について知りたいやて?
ほな教えたるわ。
わ……龍虎の拳の人気超絶美形キャラ、ロバート=ガルシアさんの親友にしてライバルのリョウ=サカザキとキングが、まぁ何ちゅうか恋仲、にあるかどうかやろ?
まぁ結論から言うてしまえば「微妙な関係」やな。
龍虎1でキングが妹のユリちゃんの情報を教えてくれたさかい、リョウは感謝しとるみたいやで。
逆に龍虎2ではリョウがキングの弟のジャンの入院費(足が悪かったんや)を立て替えたから、キングもリョウにごっつい恩義感じとるみたいや。(まぁほとんどはわいが出したんやけどな)
ここまでやと恋仲になってもおかしうない気もするんやけど、リョウの奴ははもぅホンッッッマにボクネンジンやさかい、「恩を返しただけだ」ゆうとるんやけどな。
キングもそれに甘えて微妙な関係続けとるみたいやな。

リョウと言えば、あれや、藤堂の娘さん、香澄ちゃんとも良い仲になるかもしれんな。
わい、やのうてロバートさんが主役のアートオブファイティング龍虎の拳外伝のEDで、リョウのやつ香澄ちゃんから鉢巻を預かっとるっちゅーてたな。
「日本で再戦するために」らしいで。
まぁ………龍虎の続
314名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 22:25:07 ID:UWfJ0LdS
>>313
ケンスウ君!
ケンスウ君じゃないか!
315名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:38:02 ID:uqZDAHHm
そろそろ保管庫を作るべきか?
316名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 01:54:19 ID:awcvR+Ma
KOFの99か2000あたりではタクマがもうその気なんだよね>キングはリョウの嫁
317名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 17:28:05 ID:cFyoYF6d
まぁ良いや
お陰で香澄は俺のものだし
318名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 13:21:06 ID:kajKwloK
カップル系のキャラ…

相思相愛→アンディ&舞 ケン&イライザ 京&ユキ オルバス!!
本当誰だよ?→庵&新しい彼女
愛し合ったけどオワタ→ コーディー&ジェシカ ギース&メアリー

以外は何だっけ
319名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 14:28:54 ID:vVaf59en
真吾と彼女
さくらと旦那
カイと木陰の君
アクセルとめぐみ
大門と奥さん
ジョーとリリー
320名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 22:48:12 ID:a7q51NVV
ガイとレナ
321名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 23:00:33 ID:SEhElvIQ
テリーとブルーマリー
322名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 23:14:07 ID:VCmdJNs7
NEOGEO系しかよく知らないけど。

覇王丸とシャルロット
ガルフォードとナコルル
溝口と千恵
リーとヨンミー
雪と守矢
十三とあかり姉
キムと妻
ホンフウとブレンダ
323名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 23:57:59 ID:X7SRmHbg
>>318-322

ロバート「な、何やお前ら!?なしてわいとユリちゃんがのってないねん!?しばいたろか!?」

アンディ「ロバートさん落ち着いて!」

刹那「……今日はやけに…………夕日が目に染みる………」
324名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 11:01:48 ID:fzVbM0Dl
>>319
真吾については彼女はつきあってるとは思ってない仲だったらしいけど。
つまり真吾の独りよがりな勘違い。

>>318
CDドラマだと病気で亡くなった95彼女(谷間菊理)の姉(このえ)か、ライブでやったアメリカ人の女が99の新しい彼女らしいが。
XIに出てた墓は95彼女説ありだが不確定。
325名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 11:06:23 ID:8NOjzD0X
ジョーとリリー
真吾と彼女
十三とあかり姉

相思相愛だとこの三つがNGかな
全て
男>>恋人
女>>仲のいい友達
という図式が成り立ったまま進展無し
326名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 17:42:24 ID:8NoOFFkH
>325
ケンスウとアテナもそうだね。

覇王丸とシャルロット(お静も?)、リーとヨンミー、守矢と雪もある意味NG?
どちらかといえば女→男への片思いで
男は色恋沙汰より己の目的しか頭にないって感じ。
327名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 00:25:20 ID:Doo6pQAh
そこで右京さんとお圭殿ですよ。
328名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 07:51:54 ID:R6T23EMt
ガハァ!
329名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:00:20 ID:UZSZ6ASy
右京はお咲じゃないの?
ポリサム(黒歴史)だと圭は人様の嫁になって子供も生んでるし。
330名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:46:47 ID:1kkwEafH
夢路なんて奴もいたもんさ
33167:2008/01/08(火) 18:17:07 ID:1kkwEafH
手っ取り早くSNK女性キャラの性格や口調が掴めるかと思って
ケータイのアプリでDays of MemoriesをDLしてみたけど
これ、キャラ名だけ使いまわした別モンっぽい……?
332名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 20:51:36 ID:c9UAAbfE
基本的には別物と考えた方がいいと思う。
パラレルワールドだし。
333名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 21:23:58 ID:l9xz7kRz
パラソルワールド?
334名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 10:07:50 ID:nLFlBfmx
たまたま辞書見てたら

キャミィ→kitten(仔猫):ふしだらな女
ミリア→猫(cat):意地悪女

67氏のセンスは神だぜ!
335名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 10:29:55 ID:qTLor1e0
ランブルフィッシュネタはないよなぁ
336名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 16:46:29 ID:dUuwcHY6
皆は覚えてるだろうか
最強のウェイトレスを決める
ヴァリアブルジオというどきっ!女だらけの格闘大会を
337名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 17:54:42 ID:0PYOrhuD
闘姫伝承も忘れちゃいけませんぜ。
338名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 00:07:43 ID:F6CEZQxu
女だけの格ゲーというと、真っ先にあすか120%を思い出す
しかもPCエンジン版
339名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 07:09:23 ID:4/477kv7
昔は意外とそういうの流行ってたんだよな

しかしウェイトレスの大会だの
部費を貰う為の部活代表の殴り合いだの
どういう神経をしてるのやら
340名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 15:03:41 ID:pkR54MhS
昔、某シチュスレで見たアンディ×舞SSに萌えた。
ひたすら鍛錬中のアンディをあの手この手で誘惑する舞、
相手にされないので空しくなって帰ろうとした所
実は密かに欲情してたアンディに半ば強引に…みたいな内容だった。

普段ストイックな修行バカほどタガが外れたらえらい事になりそう。
>>326の男連中も一度ブチ切れたら凄そうだ。見てみたい。
341名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 15:56:59 ID:Fu9FQ5kR
ストイックな修行馬鹿……





殺意の射精に目覚めたリュウ?
342名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 21:52:40 ID:UE2BqQrn
343名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 23:27:42 ID:4/477kv7
リュウ サガット→性に狂う姿が何か想像できない
ケン→常時最初からぶっ放してる感じ
ロバート→陽気に最初から最後までバランス良く
京→最初は大人しいが徐々に激しく
山崎 庵→ドS
テリー→ああ見えてテクニシャンぽい
リョウ→不器用だが貫禄を感じる
モリガン デミトリ→テクニシャンついでに生気も吸いそう
コーディー→燃え尽きた
ガイ→生真面目だけに凄そうに見えるが婚約者が居るので大人しい
ギース様→淡々としてるが内では興奮してる
ルガール→変態プレイ
ベガ→幼女しか興味無い

カプコン SNKの男共の性イメージ
344名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 23:46:35 ID:g1Oij/p5
ソル→ぶっきらぼうに犯す
カイ→と言うか童貞にしか見えない
チップ→速いのね……
345名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 16:55:16 ID:zYYqbxA1
KOF系主人公

K'→始終不機嫌そうだが内心焦ってる
アッシュ→SとかMとかフェチとかそんな枠に収まらない変態
アルバ→全般的に卒がない
346名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 21:40:10 ID:rQuEvil0
>>340
おお、それだ!どうも有り難う!

さしずめ、
覇王丸→相手の事などお構いなしに本能の赴くまま
リー→「これも修行…!」と己に言い聞かせつつズンズン
守矢→「ずっと傍にいたお前がこれほどまでに美しく…!」等と言いながら激しく
ってとこ?
つーか溝口が彼女持ちって意外だ。
347名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 21:46:16 ID:T6ciy46P
>>343

>モリガン
>カプコン SNKの男共の性イメージ

ふたなr
348名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 01:42:52 ID:oSefn5n7
アルバって誰だっけと真面目に考えたら半魚人が浮かんだ、こりゃ
オルバスだ。
最近の格ゲー疎くてさ・・・。
349名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 11:55:58 ID:01dxH88g
オルバスの子供の名前はアルバだぜ。
350名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 13:56:32 ID:WPSXLVVB
>>343
ストUドラマCD(黒歴史?)だったかで
ベガに洗脳された春麗に背後から首絞められて
苦しみつつも背中に当たる感触にニヤけるリュウの場面があったっけ。

個人的には戦い以外はあくまで不器用なイメージがある。
相手が春麗あたりだったら逆にリードされそうな。
351名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 16:48:05 ID:eEgWH8WG
京「うおおおおおおお!!これが草薙の性拳だァああァァァ嗚呼くぁせk4fk!!」
ケン「逝くぜぇ!性龍裂破ぁ!!」
覇王「ウオースィーズゥー!!ウオーシーズー!!」 ズンズンズンズンズン!!
右京「け、圭どn…グハァ!?」
ガイ「武神!夢精連刈!!! デヤデヤデヤデヤデヤーーー!!」

ロバート「ユリちゃアッー!! …あれ?ユリちゃんどこや?」

京「ゼェ…ゼェ…どうだ…!これだけやりゃあ満足だろユキ…!」
ケン「俺の、俺の勝ち…だな…!!」

ロバート「なあ、そこの彼女持ち共。ユリちゃん知らへんか?わいの未来の彼j 」

ユキ「京ー。もっともっとー」
イライザ「燃えれないわケン。貴方の熱い魂、この程度じゃないでしょ?」
お静「あの…覇王丸様。…      まだ、逝けません…」
圭「右京様しっかり!右京様!?」
レナ「…駄目よガイ。固いわ。固いだけで燃えあがらないわ」

男陣「       嘘 ぉ っ !?         」

京「(ば、馬鹿な。ヤリマンのケンと違い、俺は溜めに溜めて今ぶっ放しまくったんだぜ!
  1800年の草薙の性をっ…!」
ケン「(し、信じられねぇ!!やり過ぎて俺より鍛えられたとでもいうのかよ!)」
覇王丸「(お静…!我流でここまで強くなったってのか!)」
ガイ「(マッドギア戦をも上回る持久戦…レナ、ぉ恐ろしい子!!)」
右京「……」

ロバート「右京さんが下から白い血ィ吐いてから動かへんで!なあ!?
   つうかユリちゃんどこや聞いとんのやボケェ放置プレイすんなよマジほんま
   シャレならへんd」

ユキ「京!早く!!」

京「(くそ、もう尽きちまった)」

ロバート「おどれ等誰のおかげでココ盛り上がっとる思う取んや!」

ケン「(攻めて攻めまくる俺の信条に反するぜ…ここで根を挙げるのは…しかし)

ロバート「ちょっ、ほんまツッ込みだけして無視てマジ傷つくんやで!?
    わいそういう部分ナイーb」

覇王丸「うおしゃぁ!!武士道とは死ぬ事と見つけたりだ!来いお静!!」
ロバート「ゴルァ!!言い切る前に次の展開進むんちゃうわボk」

ガイ「武神の定め!今ココに!!」
ロバート「ちょ、人の話マジ聞いとんk」
ケン「(待ってろよリュウ!イライザが俺の風の拳の答え…必ず見つけてやる!」
ロバート「んな訳有るかぃおどれ等わいの話略しすg」

右京「…」

ロバート「右京さんまでほんm

ロバート「かゆ うま 」
ロバ(r
ロ(ry
352名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 22:22:12 ID:OpP/YCTs
カオスwwww
353名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 00:55:01 ID:cFfdhHAe
>>349
あー、そうだったそうだった。どうりで半魚人が
真っ先に思い浮かんだわけだ。あながち間違いでもなかったんだな。
35467:2008/01/21(月) 02:32:19 ID:hvmemtRs
Eventual Rumble Orochi 2181
第九話が出来上がったので、投下します。


今回は、メーカーの枠を超えたクロスオーバーではありません。
餓狼シリーズ内での、時代を超えたカップリングとなっております。
このテのネタも、タイムスリップでもしない限り出来ないので、良い機会だからやってみました。
355名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:33:02 ID:hvmemtRs
パリの街は、ここ最近賑わいを見せていた。
別段祭事が催されているわけではない。
単純に、人口が急激に増えたためだ。
食料品や衣服、嗜好品にその他実用品が、兎に角売れるようになった。
街に居る人間の数が増えれば、商店やサービス業の売上も
殆どの場合、ストレートに比例して増加するのが道理だ。
突如現れた見慣れない服装の人々が何であるかを理解出来る者は少なかったが、
理解せずとも利益は上がるのだし、治安が悪くなるでもなかったものだから、
住人達は不平一つ言わず、その旅行者達を受け入れていた。
むしろ治安の良さに関しては、上向きになったぐらいだ。
正体不明の、百や二百に及ぼうかという旅行者達は、どれも腕が立った。
戦後の乱世に闊歩する賞金首や野党どもに、人々は脅かされていた。
旅行者達は、それらの悪党を捕まえてきては、警察に突き出してくれたのだ。
無論それによる報酬が目当てではあっただろうが、
お陰で需要が拡大し、流通が良くなるとなれば、拒む理由は無い。
中でも、旅行者達を受け入れる宿屋やホテルの類は、軒並み売上がたったものだ。
「最近は旅のお人が増えてくれて、助かるねぇ」
「お陰で、毎朝届けてもらってる食料が、足りなくなりそうな程だよ」
「やぁ聞いたかい、何でも旅行者さん達は、タイムスリップしてきたって言うじゃないか?」
「タイムスリップ? ははは、ジョークがきいてるねぇ」
往来は、毎日その話題で持ちきりだった。
『旅行者達』が、誰に、何の目的で連れて来られたのかなど、知る由も無い。
聖戦すら凌駕する程の危機に備えて、ある種の宗教団体が呼び込んだなどと知れたら
信じない者は楽観的に終末までの日々を浪費するだろうし、
信じる者はパニックになって、自殺や暴動が頻発したに違いない。

そんなある日の事。
上等のスーツを身に纏い、傍らに部下を従わせた男が、レストランで食事をしていた。
「ふむ。腕の良いシェフを雇っているな。
 今泊まっているホテルのランチは、洒落っ気が強すぎて味わいが無かったが、
 ここの食事なら病み付きになりそうだ」
ここは、庶民が気軽に足を運べる、安いレストランだ。
オープンテラスでは今日も見覚えのある男達が熱い会議を開いているが、
他に無用の気取りも無く、俯瞰して見れば凡百の飯屋に過ぎない。
だが、だからこそ、ギース・ハワードにとっては好める店だった。
高級ワインや高いステーキも悪くはないのだが、
飽きの来ない、長く付き合える味となると、着飾ったコース料理の出る幕ではない。
その点、この店の料理には文句が無い。
「ギース様のお眼鏡にかなうとは、中々の店のようで。
 もうここ数日は、ずっとこちらで昼食をとられていますね」
「元の時代に帰るのが惜しい。
 オロチの件が片付いた折には、ここのシェフも一緒に連れ帰れんものかな」
「それは……まぁ、無理でしょうねぇ。
 シェフも実は『旅行者』だった、とかいうオチでもない限りは」
すぐそこでそんな会話が交わされているとは気付かないまま、
シェフは厨房で食材を切り分け続け、テラスの美形達は会計を済ませて帰っていった。
356名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:33:44 ID:hvmemtRs
比較的庶民派なレストランだけあって、メニューは豊富だ。
ギースの楽しんでいた、ちょっと手の込んだランチもあれば、
皿に乗ったハンバーガーやホットドッグといった、ファストフードも揃っている。
どちらかと言えば、スーツを着込んで来店している、ギースの方が珍しい。
サイゼリヤとかガストとか、それ系の店にスーツの紳士が来たら、浮くのは道理だ。
逆に言えば、ここにテリー・ボガードやロック・ハワードが現れた事は、
ギースがいる事に比べれば、極めて自然な事だったのだ。
「ふん、忌々しい顔が現れたせいで、せっかくのランチが不味くなった」
ギースがそう言い終えるより先に、ビリーは咄嗟に立ち上がり、両者の間に割って入った。
既に眉間には、煮えたぎる悪意を刻み付けるように、皺が食い込んでいる。
「止せよ、ビリー。こんな所で一悶着起こそうってつもりじゃないだろ?
 俺達は昼飯を食べに来ただけだぜ」
獰猛な獣のように敵意を剥きだしにするビリーと、それを飄々と受け流すテリー、
そして口元を拭きながらも、威圧感だけは解かないギース。
ちょっとケンカの強い客でもいようものなら、この場の異様な緊張感に触発され、
気圧されて食事が喉を通らなくなるか、さもなくば足早に席を立った事だろう。
周囲の客全てが素人故に、誰もこの『気』の流れに気付かず
呑気に食事を続けていられたのは、幸運な事だったに違いない。
わずかにシェフは気付いていたようだが、事が荒立てられないのであれば、
しばらくは静観していようと判断したのだった。
この場にさっきの美形達がいたら、殺気に気付いて彼らの方を振り向くと同時に
その渦中にいる兄や知人と、涙の再会を果たせたであろう事を思うと
彼らに限って言えば、何とも不運な事だった。
「ギース・ハワード……こいつが……!」
ロックは、まさか会えるとは思っていなかった実の父との邂逅に、驚きを隠せなかった。
自分が物心つく頃には既に他界していた、畏怖される伝説の武人。
殺人者と言っても良い。それが今、自分の目の前にいる。
愛憎が交じり合った、何とも形容しがたい複雑な感情が、我知らず拳から滲み出たが、
彼のそんな闘気は、百戦錬磨のギースにとっては、実に拙いものだった。
357名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:34:48 ID:hvmemtRs
「えぇと……何だか、雰囲気が良くないわね」
「気にするなよ。あ、お姉さん、俺ハンバーガーね。マリーは?」
「私はシェフのお勧めランチで。ロック君達は何食べるの?」
「俺は、そうだな……ド「俺ドリア!!」
遅れてやって来たマリーを交えて、テリー達は昼食をとり始めた。
他に席が空いていなかったので、事もあろうにギース達の隣のテーブルで、だ。
ドリアを注文しようとしたロックの声を遮って、先にドリアを注文したのは、
誰あろうロック・ハワード本人だった。
正確に言えば、青年ロックの声を遮る形で、少年ロックが元気良く叫んだのだ。
同じ人間とは言え、小学生と大人とでは、落ち着き方もやはり違う。
我ながらこんな腕白だっただろうかと、青年ロックは傍らの少年を見下ろした。
その様子を横目で見ていたギースは、苦笑いを隠しきれなかった。
ロックにとっては、憎むべき実父だ。
裏社会を牛耳るなどという、およそ人道において正しくない行いをしてきた男だ。
その過程で死んだ政敵や、処罰を下して殺した部下は、両手の指で数えられる程度ではないだろう。
恩師であるテリーの養父も、ギースのせいで死んだのだ。
そんな悪鬼羅刹のごとき老獪な男が、子供の腕白を見て苦笑い?
意外と人間臭い面もあるものだと、ロックは複雑な気分にさせられた。
或いは、自分の息子を見る気分というものが、非道の男にさえ口元を綻ばせたのだろうか。
だが、そうではなかった。
「ふん、煩わしい動物を連れているな。貴様の息子か、テリー?」
ギースはどうやら、少年を自分の息子だとは気付いていないようだった。
心のどこかで、本能的に血の繋がりを察知してくれないのかと、期待していた。
その期待が叶わなかった事に、青年のロックは、少しだけ悔しさを感じた。

……悔しい? 馬鹿な。
俺はこんな男に、息子だと認めて貰いたいのか?
有り得ない。死んでしまっても構わないと思えるくらい、憎しみある相手だと言うのに。
「寝惚けてんなよ、ギース。こいつは、俺じゃなくてお前の子供だぜ」
テリーは相変わらず重くない口調で、真実をギースに話した。
その言葉にギースは顔をしかめ、ビリーは鳩が豆鉄砲を食らったような表情になり、
ロックは苦い眼差しを向け、ロックJr.は意味がわからず呆けた。
「ねぇねぇ、どういう事? このオジサンが、俺のお父さんって」
ロックJr.は、ロックの袖をぐいと引っ張って、話を聞きたがった。
「ちょっとテリー……」
「良いじゃないか、マリー。親子の縁ってのは、隠すもんじゃないぜ」
相変わらず明るく振舞っているが、テリーなりに考えがあっての事だと、目が物語っていた。
実際、ロックの方はとっくに気付いていたし、Jr.の方もまだ幼いため、
この男がギース・ハワードだと言われても、別段憎しみなど湧かなかった。
幼い頃のロックに、養父テリーは「お前の親父は極悪人だった」
などと、吹き込んではいなかったのだろう。それは正しい子育てだ。
「この人が俺のお父さん? 死んだんじゃなかったの?
 あ、そうか。いろんな時代の格闘家がタイムスリップさせられてきたワケだから、
 生きてた頃の父さんがここに連れて来られてても、不思議じゃないんだ!」
Jr.は、ただ感心するように、物珍しそうに、ギースの顔を笑顔で見上げていた。
この年頃の俺には、父親像はかくも明るく見えていたのだろうか?
傍らのロックは、まだ憎しみを知らないJr.の頭を撫でながら、そんな事を考えていた。
思えば自分がギース・ハワードを憎むようになったのは、もっと成長してからだ。
テリーが話さずとも、街の噂で聞き及ぶ。
サウスタウンに暮らしていれば、あのギース・ハワードの息子だと、誰もが蔑んだ。
だがロックJr.は、まだそんな世間の冷たい視線を知らない。父親の非業も知らない。
ただただ、数奇な運命に、感嘆の声を漏らすばかりだ。
358名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:35:30 ID:hvmemtRs
「ねぇねぇ父さん! 俺を抱っこしてよ! あ、肩車でも良いや!
 小さい頃にテリーがしてくれたみたいに、父さんも俺を抱っ……」
「煩い」
幼い願望は、無情な声に堰き止められた。
落ち着きと、渋みと、深みのある、大人の男の声だ。
だがその声は、一般的な成人男性の持つ慈しみの声とは、程遠い。
深みの底に、軽蔑の意思が見て取れた。
Jr.はその声に身を強張らせ、押し黙ってしまった。
幼い自分が威圧された事に、ロックは一層腹立たしくなった。
「別に良いじゃねぇかギース。減るもんじゃなし」
「ギース様に意見してんじゃねぇよ! 高い高いなら、俺がしてやろうか?
 自慢の棍棒の先っちょにぶら下げて、だけどなっ!」
そして、そのまま振り下ろして、頭蓋から叩き割って、スイカにしてやる。
口にはしなかったが、ビリーの言葉の裏側には、そんな悪意が見え隠れしていた。
それでもJr.はまだ子供だったから、この黒い大人達を
怖いと思いこそすれ、憎悪だとか殺意とかいったものを、感じはしなかった。
むしろそれを感じたのは、青年のロックの方だった。
テーブルの下で拳を握り締め、今にも殴りかかりそうになるのを、必死で堪える。
その思いを、テリーは汲み取った。
「……さぁ、そろそろ飯も食い終わったし。帰るか」
レシートを持って席を立ち上がる。だが、ここからは別行動だ。
「マリー。Jr.の方を、ホテルに連れて帰ってやってくれ。
 俺と相棒は、ちと野暮用があるんでな」
その言葉の意味するところは明白だ。
ギースはまだ、テリーに伴うこの青年が、息子の成長した姿だと気付いていない。
あくまでハワードを受け継ぐ血統は、そこにいる犬っころのような少年だけだと思っていた。
だがそれでも、この名も知らぬ青年が、煮えたぎる怒りを抱えているのは、見て取れた。
少年の方とどういう関係か知らないが、固い絆で結ばれてでもいるのだろうか?
兎も角ギースも立ち上がり、財布だけビリーに渡して、その場を後にした。
テリーとロックとギース。三人が連れ立って、店のドアを潜っていく。
ビリーも彼らの考えが読めているから、大人しく会計を済ませると、すぐにギースの後を追った。
359名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:36:54 ID:hvmemtRs
ロックJr.はマリーに手をひかれて、今部屋を借りている小さなホテルに向かった。
二人部屋を二つ借りて、片方にテリーとロック。
もう片方の部屋に、先日町で居合わせたマリーと、ロックJr.が寝泊りしていた。
ロックは幼い頃から男だらけの生活に慣れてきて、女性を苦手としている。
その事を青年のロックから聞いたテリーは、せめてJr.の方はそうならないようにと、
この時代ではなるべくマリーに同行してもらうように、頼んでいたのだ。
もっとも、マリー一人と接した程度で、苦手意識の予防にどれ程貢献出来るかわからないが。
「ねぇマリー。兄貴とテリーは、どこに行ったんだ?」
Jr.は、成長した自分を、兄と呼んでいた。
「言ったでしょ? 野暮用よ。あなたはまだ知らなくて良い事ね」
「ちぇっ。ケチ」
少年はまだ知らない。兄と慕う自分自身が、この後どうなるのか。
マリーはひっそりと、救急箱でも用意して待っていようか、
或いは医者を呼んでおくべきか、などと考えていた。
彼女がそんな風に気遣ってくれている事など知らぬまま、
ロックは町の路地裏まで、テリーと連れ立って歩いてきた。
少し遅れて、ギースとビリーもいる。
「ここなら誰にも迷惑がかからない。思う存分やれるぜ」
「下らん事を気にする小童だ。貴様ごときを捻るのに、造作はない。
 往来であろうが、迷惑など元々誰にもかからんわ」
その尊大な物言いが、殊更ロックの自尊心を傷つける。
闘気が膨れ上がり、拳から光が滲み出る。
背中から、鳥とも天使ともつかない、神々しい翼が羽ばたく。
力の奔流を右拳の一点に収束し、ロックは臨戦態勢を整えた。
「どうした、さっさとかかってこんか。遠吠えだけが得意技ではなかろう?」
安い挑発だ。
だが、わかっていても、それが合図となった。戦いの引き金を引く、狼煙となった。
360名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:39:18 ID:hvmemtRs
「羅刹!」
空を裂いて、ロックの掌から光線が迸る。
本来は真空投げから繋ぐ、追撃用の飛び道具だ。
力のタメを必要とする分、速射性では烈風拳に劣るが、
この技を生で出せたら格好良いのに、と思うニワカプレイヤーは、筆者だけだろうか?
兎に角そんなどうでも良い理由で、ちょっと生羅刹を描写しましたスミマセン。
無論そんな設定無視の技は、ギースには通用しなかった。
「甘いわ!」
単発で放つ直線的な攻撃が、ギースに掠る筈も無い。
力が一点に集約されている分、半身ずらすだけで回避出来た。
が、ロックとてそれが読めない男ではない。レイジラン・Typeシフトで、ギースの裏に回りこむ。
ギースもそれを読んでいるであろう事は、ロックも計算済み。
そこで、反撃の出鼻を挫くために、ジャブを軽く放り込む作戦だ。
ガードさせれば固められるし、回避されても隙の少ない牽制技なら、不利はつかない。
距離を置かれるならば、ハードエッジを引っ掛けるように追いかけて、固めなおすだけだ。
……そんな彼の計算は、ひどく浅かった。
「甘いと言っているだろう」
ほんの軽く、ジャブを、放り込んだだけだった。
だけだった筈なのに、いつの間にかロックの体は、地面を離れていた。
目の前に空が見える。背後に雑草の生えた地面を感じる。
地面は急速に近づき、やがて鞭打つ激痛とともに、ロックの背中を迎え入れた。
ギースの代名詞とも言える、当て身投げが決まったのだ。
「ぐっ……あぁっ!」
痛みに苛まれ、叫びをあげるのに一秒程のブランクがあった。
勝負は一瞬だった。
ギースは、大技どころか『気』すら使わなかった。
レイジングストームはおろか、烈風拳すらも。それでも、ロックは敗北した。
「言った筈だ。往来であろうが、誰にも迷惑はかからんとな」
見下ろす影が、逆光の中で吐き捨てる。
ほんのわずかな襟元の乱れを、ギースは両手でパパッと整えた。
確かにこの技なら、歩くのもままならない人ゴミの中でくらいしか、迷惑にはならないだろう。
また仮に人ゴミの中であっても、この男なら鉄指功か何かで、直立のまま相手を屠れただろう。
格が、違いすぎた。
伝え聞く鬼神の強さは、想像以上だった。
戦闘経験の浅い自分が小細工を弄したところで、通用する相手ではなかったのだ。
361名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:40:30 ID:hvmemtRs
ギースはロックに背を向けて、テリーの方を向き直した。
「当てが外れたか? 小僧が、このギース・ハワードを倒せるとでも……」
「思っちゃいないさ」
テリーは、いともあっさりと、そう言ってのけた。
「だが、勝てないからケンカするな。勝てないから、どれ程怒りを覚えようと、噛み付くな。
 ……そんな風には、俺はこいつに教えたくないんでね」
「一丁前に教育論か?
 臥薪嘗胆、伏龍の心意気も教えてやるべきだな。
 勝てるようになるまでは耐え忍ぶというのも、時には必要だ。
 かつて貴様とその弟が、そうしたようにな」
ビリーは恭しく手を差し出して、預かっていた財布をギースに返した。
それを受け取ると、立ち上がる事すらかなわぬ脆弱な息子を一瞥もせず、
父は悠然とその場を去っていった。それが息子であるとすら気付かずに。
後に残されたのは、餓狼の魂に目覚め打ち震えるハワードの後継者と、その養父だけだった。
ようやく痛みが薄れてきた頃、ロックはのろのろと起き上がった。
「……あれが、ギース・ハワードか」
羅刹を放ち、背後に回りこむまでにかかった時間は、二秒にも満たない。
その二秒で、自分は倒された。屈辱を通り越して、頭がどうかなってしまいそうだ。
このような修羅と、テリーは渡り合ったのか?
そして草薙京、リョウ・サカザキ、リュウといった戦士達は、
これ程までに強いテリーと、互角に戦えるのか?
この程度の腕で、自分はミリオネアファイティングに出場しようとしていたのか?
大会までは、まだ時間がある。いつ、どうすれば元の時代に戻れるかわからないが、
少なくとも戻るまでは、修行する時間がある。
幼い息子を歯牙にもかけず、あまつさえこの自分をすら軽くあしらった、憎き実父。
大会であの男と渡り合うために、自分はもっと強くならねばならない。
ロックは、決意を新たにした。
「テリー。知る限りで、あいつの技を俺に教えてくれ。口伝えで構わない」
「だがロック、お前まだ力の制御が出来てないだろう?」
ロックは、まだ修行中の身だった。
テリーからライジングタックルを教わり、クラックシュートを真似てカウンター技に昇華し、
噂に聞く邪影拳とバーンナックルをアレンジしてハードエッジを生み出すも、所詮それまでだった。
ギース・ハワードが得意としたと言う、レイジングストームが、まだ彼には使えなかった。
少なくともこのSSでは、勝手にそういう設定にしてしまう。
餓狼MOWは、ミリオネアファイティングの後の話だとでも思って下さい。
そして何より。
ギース自身が龍虎乱舞を参考に編み出したと言う、デッドリー・レイブ。
オリジナルの龍虎乱舞は、肉体のリミッターを無視した気絶に近い状態で、無数の打撃を叩き込む技。
半ば無意識的に繰り出されるそれを、意識的に発動するのが、ギースの編み出したデッドリー・レイブ。
その技を、使えるようにならねばならない。
そこまでのレベルに到達しなければ、八稚女を操る八神庵にも勝てない。
無論、その庵と肩を並べる、数々の強豪達にも、ギース・ハワードにも。
「いつか必ず……貴様に俺を認めさせてやるぜ。糞親父……っ」
362名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:41:12 ID:hvmemtRs
その日の夜は、激しい汗を流す事となった。
Jr.が寝付いてからロックは、ひたすら技の修練に励んだ。
街の中心に広場があり、そこは夜間は誰も通りがからない。
周辺には観光客向けの飲食店や土産物屋が立ち並ぶが、民家は無い。
夜になれば、このだだっ広い広場で何をしていようと、通報する者はいなかった。
広場の中心には噴水が設置してあり、大きな天使のブロンズ像が佇んでいた。
ロックは聖書や神話には暗かったが、この天に向かって片手を掲げる天使像は
きっとこの街を守護する、有難い存在なのだろう。
彼は噴水の縁石の上で、片膝をつく形で屈んだ。
天使像と同じように、その背から光の翼を吹き上がらせる。
それは、彼なりの気合の表れであり、仕切りなおしの儀式だった。
「よし……今度こそ」
水面に掌を浸し、気を集中させる。水面がにわかに振動したかと思った、次の瞬間。
気の発散によって水飛沫が上がり、それは滝のような勢いで、
しかし滝とは逆に上方に向かって瀑布を成し、そのままロックの上半身をずぶ濡れにした。
見守る天使像も濡れ鼠となり、僅かに表面に付着していた砂を洗い落とす。
だが、ロックにとっては納得のいかない結果だった。
確かに気をぶつける事によって水面は爆発したが、
それでは羅刹を水面にぶつけたのと、何も変わらない。
彼は、未だかつて成功した事の無い、レイジングストームを完成させたかった。
当て身投げと同様に、ギース・ハワードの代名詞とされる技。
だがそれを正しく発動するには、発生させる気に、任意の指向性を持たせる必要がある。
突き出した手から真っ直ぐに気を放つだけなら、羅刹で十分なのだ。
だがレイジングストームは、その逆。
地面に拳を突き立てながら、上空に攻撃判定を発生させなければならない。
そうでなければ、気の奔流が全身を包み込むように覆う形にならない。
今の彼では、発生した力は殆ど水面に逃げてしまい、無駄なエネルギーロスが生じた。
この技の完成系では、水飛沫はもっと少なくなければならない。
少なくとも、彼はそう考えていた。
もう何十回と練習したか知れない。疲労は大量の発汗を伴ったが、
その殆どは水飛沫によって洗い流されていた。
363名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:41:54 ID:hvmemtRs
「もうその辺にしといたら?
 風邪ひいちゃうし、第一、力加減間違えたら地面壊れちゃうわよ」
夜の冷たい空気を裂いて、高く通る女性の声が耳に届いた。
背後からかけられたその声の主は、ブルー・マリーだった。
傍らには、テリーも随行している。
「……二人して、どうしたんだ? あいつは?」
「Jr.なら、もう寝かしつけてるよ。子供は寝る時間だからな」
テリーはそう言って、普段帽子を投げる時のような仕草で、タオルを投げて寄越した。
ロックは手を伸ばして、それを受け取ろうとした。……が、受け損なった。
思った以上に腕の感覚が無くなってきており、タオルは彼の手の横をすり抜けて
そのまま顔面に柔らかく衝突した。
どうやら、自覚している以上にはガタが来ているようだ。
当然である。あのギースにとってすら、レイジングストームは大技だ。
膨大な気を発動するこの技を、三時間もぶっ通しで練習していれば、意識だって遠のく。
ロックはむしろ、よく立っていられる方だった。
だが、痩せ我慢もここまで。膝が折れ、縁石の上に尻餅をつくような勢いで、彼は腰掛けた。
「そんなに、ギース・ハワードと戦いたい?」
マリーは彼の隣に腰を下ろし、若い青二才の横顔に問いかけた。
冷や水を浴び続けた肩は、少し震えているらしかった。
「マリーは、戦いたいとは思わないのか?
 あの外道を倒したいとは、思わないのか?」
「そりゃ、思わないと言えば、嘘になるわね。私の祖父を殺した男だし。
 テリーやアンディのお父さんだって、あの人に殺されたわ」
「だったら……」
「でも、あなたは別。あなたにとっては、ギースは父親でしょう?
 あなたにだってギースを憎むに足る理由はある。
 でも、それでも、実の父親に殺意を抱くような人には、なって欲しく……」
「関係無いっ!」
マリーの気遣いの言葉を遮るように、ロックは声を振り絞って反抗した。
別段、マリーもテリーも驚きはしない。反発は予想の範囲内だ。
むしろ、ロックが素直に言う事を聞いて、復讐を諦めるとは思わなかった。
「母さんは、あいつのせいで不幸になった。
 俺は病身の母さんに苦労をかけながら、実の父親に抱きしめてさえもらえず、ここまできた。
 俺は、俺と母さんの人生を狂わせたあいつを、許しはしない。
 殺すとは言わないけれど、あいつが見下し蔑ろにした母さんの意思を継いだこの拳が、
 あいつを打ち負かす事すらも出来るのだと、証明したい」
「……月並みな言葉だけど、あなたのお母さんは、
 あなたの拳に復讐の意思は継がせなかったと思うわ。
 お母さんは、あなたが幸せになる事を願って旅立っ……」
マリーの言葉は、そこで途切れた。
睨みつけるロックの眼差しに、紛れも無いハワードの血筋を匂わせる殺意が漲っていたからだ。
364名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:42:48 ID:hvmemtRs
全くもって、あの腕白な少年が、こんな風になるとは予想出来なかったものだ。
テリーは男だから、少年というものがどう成長するのかは、ある程度予測していただろう。
彼やアンディだって幼い頃は明朗な子供だったろうに、一時は復讐を誓ったのだ。
だがマリーからしてみれば、以前少しだけ会った事のある少年が、
時を経て落ち着きを得ると共に、荒々しい反骨精神まで身につけていたとは、思いもしなかった。
もっと素直で明るい、良い子だと思っていたのに。
そんな彼女の気持ちが、ロックにも伝わったのだろう。彼は、自分がそうなった理由を語り始めた。
「……別に、テリーの育て方が悪かったとは思っちゃいない。
 むしろテリーは俺に良くしてくれたし、ギースの事は必要以上には話さなかった。
 ギース・ハワードの息子じゃなく、ロック・ハワードとして接してくれたんだ。
 けど、サウスタウンの人々は、そうじゃなかった。誰もが、ギースの息子という目で見た。
 皆口々に、ギース・ハワードの悪行を俺に言って聞かせた。
 中には俺を哀れむ者もいれば、俺を蔑む者もいた。時には謂れの無い暴力も受けた。
 勿論、母さんを見捨てられた恨みだって、忘れられた代物じゃないしな」
「だから、ギースに復讐すると言うの?」
「違う。復讐がしたいんじゃない。
 マリーに言われるまでもなく、母さんだって復讐なんか望んじゃいないだろうさ。
 俺はただ……」
ロックは、一旦そこで言葉を切った。
しばし考え込んで、深く呼吸をしてから、搾り出すように呟く。
「あの野郎を、一発殴り飛ばしてやりたいだけだ」
立ち上がり、濡れた上着を片手に、湿った髪を左右に振る。
汗で火照った体は良い具合に水で冷やされていたが、
このままでは確かに風邪をひいてしまうだろう。
早くホテルに戻って、熱いシャワーで体を温めなければならいだろう。
法力とやらを源とするこの時代の文明の器具にも、もうそろそろ慣れてきた頃だ。
最初の頃は扱い方がわからず、どう頑張っても冷たい水しか出てこなかったが、
今夜こそは目の覚めるような熱々のシャワーでなければならない。
そうして、明日からまた本格的にトレーニングに明け暮れるのだ。
この拳は、復讐なんて下らないライフワークのためにあるわけではないが、
妻を大事にしなかった糞ッ垂れの親父を殴るためになら、振るっても良い筈だ。
そんな決意を胸に、ロックは拳を固く握りなおした。
365名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:43:38 ID:hvmemtRs
だが、彼のそんな胸中を察したのか、テリーは目を伏せて口元を少し綻ばせ、
マリーはロックの手を取って引き止めながら、首を横に振った。
「……温かいのね、あなたの手。まるでテリーみたい」
女性を苦手とするロックは赤面しながら、慌てたように手を振り払った。
いきなり何をするんだと彼が問いかけるより先に、マリーは言葉を紡いだ。
「あなたの手は、人を殴るためだけに使うのは、勿体無いわ。ねぇ、テリー?」
法力によって灯されたほの暗い街灯の下で、彼女は微笑んだ。
テリーも親指を立てて、その意に賛同する。
彼らが何を言いたいのか、ロックにはわかりかねた。
数秒考えてから、ようやくその意を読み取れたものの、気恥ずかしさから、素直に認められなかった。
わざとらしく、とぼけて問い返す。
「戦う以外に、どう使えってんだい? 生憎器用じゃない方でね」
「んもうっ。聞かなくてもわかってるくせに。
 その温かい手で、女の子でも抱いてあげれば良いのに、って言ってんのよ」
「色恋沙汰にはとんと疎くてね」
彼女の提案から間を置かず、ロックは言い返した。
その事こそが、とぼけていながら本当は彼女らの言いたい事をわかっていた、証明となった。
今度は、テリーが反論した。
「俺だって、昔は女になんか目もくれなかったさ。ギースへの復讐に燃えてた頃はな。
 だが、今は違う。リベンジに生きるだけが生き甲斐じゃないと、気付いたのさ。
 マリーが教えてくれたんだ」
目の前でノロケられても、あぁそうですか、としか思えない。
彼の人生でこれまで、身の回りに女性など皆無に等しかったのだ。
今更恋愛を意識しろと言われても、いまいちピンとこない。
今だってそうだ。彼の周辺に、女っ気など欠片も無い。
……マリーの存在以外は。

「……何だ、カッコつけてるけど、要はチェリーボーイなんだ?」
んなっ!?
「おいおい、言ってやるなよマリー。俺の育て方も良くなかった。
 固定収入の無い俺の事だから、多分まともに学校にも行かせられなかったんじゃないかな。
 出会いが無けりゃ、そりゃあセックスも出来ないさ。
 俺はそこそこ遊んでたけど、アンディなんて舞とデキるまで、
 ガールフレンドの一つも作った事無かったしな」
いや、あの……。
「へぇ、可哀想。所詮美形だ会議だ言っても、青春をエンジョイする
 心の余裕が無ければ、単なる童貞で終わってしまうと言う事ね。
 童貞を好きになってくれる奇特な大和撫子がいて、アンディも助かったわね」
そこまで言わなくとも……。
「第一、人を好きになった事も無い男にゃ、本当の拳は身につかないぜ」
そ、そうなのか?
「やっぱり、失う事の怖さと、守る事の大切さを知った格闘家は、
 経験無いくせにカッコつけてる童貞君とは、技の深みが違うわよね」
そ、そうなのか……。
「ましてそんな浅い人生経験と、軽い拳で、レイジングストームを習得しようなんて
 昇竜拳コマンドも出来ないのに立ちギガスにチャレンジするのと同じくらい無謀ってもんさ」
あれ? シリアス路線じゃなくなってきた……。
「悔しかったら、言い返してみなさい。
 ま、どれだけ反発したって、あなたがSNK美形主人公のくせに
 月華の主人公と同じで、童貞確実のチキン男児って事に、変わりは無いけどね」
366名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:44:39 ID:hvmemtRs
今思えば、実に安い挑発だった。
本当に余裕のある男なら、意にも介さずスルー出来たであろう。
だがロックには、大人の男の余裕は無かった。
受け流すというダンディな選択肢を選べず、ひたすらムキになって、言い返そうとした。
しかし、言い返せるくらい大人なら、そもそも言い返す以前に、相手になどしないのだ。
平たく言うなら、言い返そうと躍起になった時点で、言い返せる筈など無かったと言う事だ。
あとはお決まりの泥沼である。
出来もしない事を、半ば顔を真っ赤にしてファビョりながら、出来ると強がる。
「本当に?」
そう念を押された時、素直に「やっぱり無理です」と、謝っておけば良かった。
三度聞かれて、三度とも「俺を舐めてんじゃねぇ!」と
銀狼怪奇ファイルみたいな幼稚な強がりで返してしまったがために、
今夜彼は、実に情けなく恥ずかしい夜を、過ごす羽目となった。
「何分もつか、賭けましょうか? 初めてなんだし、あたしは三分が限度だと思うわ」
「俺ぁ一分だな! マリーのテクは、俺でも舌を打つレベルだからな」
「ふ、ふざけるな……五分は耐えてやる……」
ロックは噴水の傍のベンチに腰掛けていた。
昼間は恋人達が寄り添い、愛を語り合うムードある広場だ。
ここで青姦したいなどとは、昼間の恋人達の誰もが心の中では妄想しつつも、
まさか実際にやる度胸のある人間は、マリー達くらいのものだったろう。
元々この時代の人間ではないので、旅の恥は掻き捨て、のような考えもあった。
第一、夜間は誰も通りがからない場所なのだ。刺激はあるが、危険性は思う以上に低い。
マリーは腰掛けたロックの男根を、その豊満な胸に挟みこんでいた。
しかし服は脱いでいない。
どういう事かと言うと、彼女はいつも着ているタートルネックのヘソ出し服を
胸元ギリギリ、下乳が見えるか見えないかぐらいのところまで、捲り上げていたのだ。
そうして下の隙間から、谷間にロックのモノを挟み込んだ。
だから普通のパイズリだったらロックの亀頭も露出するし、
マリーの乳房は余すところなく露になるのに、今回はそれとは異なり、
ロックのモノもマリーの乳房も、服に隠れて全く見えなかった。
その状態で、乳房だけ上下に揺らし、男根をしごき続ける。
隠されている分淫靡な感じがするが、それ以上に
ロックにとっては、焦らされている感じが強かった。
事ここに至っていながら、自分はまだ相手の乳首すら見せてもらっていない。
想像と妄想だけが肥大化し、絶頂を早める。それが、マリーの手だった。
「くっ……あぁ、あ……」
ロックの肩がブルブルと震え、目は情けなく細められ、眉間に悔しさが滲み出る。
マリーの着ていた赤いタートルネックの、ちょうど首と胸の間辺りに、
街灯の下ではっきりとわかるぐらい、一気に染みが出来た。
テリーが公園の時計を確認する。開始後、一分と三十秒程が経過していた。
「ドローだな」
「うっふふ。ねぇ、わかる? ロック。
 私の服の中。胸と布地の間とか、谷間とか、あなたのスペルマでもうグチョグチョよ」
マリーは服の上から両の乳房を揉み、左右に広げた。
隙間から、ボトボトと白濁の液体が零れ落ちた。
367名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:45:47 ID:hvmemtRs
次は五分くらいじゃない?
いや、今出したばかりだから、十分はもつだろう。
俺を舐めてんじゃねぇ、十五分くらいはもたせてやる!
コミュニケーション感覚で楽しんでいるテリーとマリーに、
一人だけ意地を張って強がるロックという構図が、出来上がっていた。
夜風と水飛沫と乾いた汗で、ロックの体は冷えていたが、
動いている内に温まってきて、風邪の心配は無くなった。
「それにしても助かったぜ、マリー。
 多少の勉強は俺が教えてやれるが、女を知るのだけは、
 俺一人の力じゃこいつには教えてやれねぇからな」
「テリーの頼みなのと、相手がロックだから、オッケーしてあげたのよ。
 これでも身持ちは固い方なんだから」
ロックと違い、彼ら二人には余裕があった。
話しかけられなければ自分からは口も開けないような、
切羽詰っているロックとは、本当に大違いだ。
そのロックはと言うと、四つんばいになったマリーの尻を見つめて、
どこにどういう角度で挿入したら良いのか、判断に迷っていた。
多分ここだろう、というポイントはあるのだが、角度がわからない。
膝をついた体勢だと入るのか、或いは中腰の方が良いのか。
ここで二人に「どうすれば入るんだ?」などと聞くわけにはいかない。
だが、迷っていれば迷っている程、それを見透かされる。
方やテリーは、可愛いマリーの頭を撫でながら、
彼女の口の中に慣れた感じで陰茎を咥え込ませていた。
ちらりと、テリーがロックの方を見た。
どうした、わからないのか?
そう言われているようで、殊更悔しい。もうとっくに見透かされているのだと知れた。
「あっ……ぁぁぁ……あふっ……んふぅ……」
たどたどしい手つきで、何とか先端を差し込み、
初めて感じるキツい摩擦感と微かな痛みに耐えながら、
最終的にはどうにか奥まで到達させる事が出来た。
内壁はゴリゴリした不思議な感触で、少し気味が悪い。
先端が突き進んでいく度に、マリーが声を漏らしたのが、余計に刺激を加速する。
元々声の高い女性だとは思っていたが、こんな高い声で鳴いてくれるのかと、感心した。
喘ぎ声というものも、ロックにとっては初めて聞くものだった。
だが無論、本当に喘ぎ声とは、こんなものではない。
今宵それを、ロックは知る事となる。
368名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:46:29 ID:hvmemtRs
「うぶっ……はぁ、んむ、も……ちゅく、じゅぱっ……んは、ぉほ……」
モノを咥えながら漏らす鳴き声は、淫らで生々しかった。
清純なチェリーボーイハートには、ある種の幻滅さえ誘いかねない。
バックで繋がるロックの方からは、マリーの表情は見えない。
しかし、恐らく今彼女は、絶世の美女になっているに違いないと、想像出来た。
「良いぜ、マリー。いつもながら最高のテクだ」
テリーはそう言って、優しく彼女のブロンドの髪を撫で、指先で弄んだ。
マリーの体が前後する度に、上の口はテリーのモノを蹂躙し続け、
下の口はロックのモノに蹂躙され続けた。
ロックの精液にまみれた胸は、同じく精液まみれのトップスに包まれたまま、
乳首をしっかりと硬くして、マリー本体に連動して揺れていた。
「はぁ、はぁ……マリー……気持ち良いのか? マリー……」
「ん……奥まれ、キテるよ……ロックぅ……」
童貞の単調な腰使いで気持ち良いわけはないのだが、リップサービスだ。
これでもロック相手なら、随分喜んでくれるだろう。
もっとも当の本人は、マリーが喜んでくれていると勘違いしているのだが。
ぱん、じゅぷっ、ぱん、ずちゅ、ぱん、ぶふっ、ぱん、ぐちっ。
ピストン運動に伴って生じる色とりどりの音は、ロックにとっては
これが人間の体から聞こえる音なのかと、疑いたくなる程にケダモノらしかった。
溢れ出る未知の汁は、ロックの男根を満遍なく汚し、潤滑油となる。
どんどん滑りが良くなっていき、それと共に、ロックの二度目の限界も近づいてきた。
だが、ここで素直に射精してしまっては、情けなさ過ぎる。
気を抜けばすぐにイってしまいそうな意識を何とか強気に保ち続ける。
「動き方にも工夫を凝らせよ、ロック。
 たまにはゆっくり動いてみるとか、回転運動を加えてみるとかさ」
「そ、そうか……」
ロックにとっては、目から鱗の新情報だった。さっそく、拙いなりに試してみる。
欠伸が出るくらいのスローペースでカリまで引き抜き、
そこから一瞬で、思い切り良く奥まで突きなおす。
「んんぅ!?」
マリーの体がのけぞり、一層甲高い声で鳴いたのがわかった。
何度か繰り返した後で、今度はテリーに言われた通り、回転運動を加えてみる。
「んん、んん、ん……」
ロックの方からは相変わらず見えないが、彼女はテリーのモノを咥えたままで
もはやフェラをする余裕さえ無くし、涙を滲ませながら快楽に打ち震えていた。

そろそろラストスパートだ。
もうこれ以上、焦らしは必要無い。
全員の動きが、容赦無くスピードアップした。
マリーの体は今まで以上に前後に激しく動き、
ロックが腰を打ち付ける速度は、それより更に激しく、早くなった。
マリーはもはや両手をついて姿勢を保つだけで精一杯で、
テリーの男根を側面から責めてやるとか、先走り汁を舌の先で舐め取るとか、
そんな細かな動き一つも出来なくなっていた。
テリーの助言が無ければ、ロックではこうまで彼女を悦ばせる事など、
出来なかったに違いない。
ロックの睾丸がマリーの太腿を擦る度に、ボルテージが上がっていく。
もはや、尻がぶつかる音しか聞こえない。
「イクぜ、マリー!」
「あ、ぁ、俺も、もう無理……っ」
「んほぅぅううんっ! んあむぅうおぅぅぅぅ……っ!!」
唾液をダラダラとこぼしながら、マリーは上下の口に精液を注ぎ込まれた。
369名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:47:55 ID:hvmemtRs
翌朝ロックは、実に清清しい目覚めと、
これまでに無い程の肉体の快調さに、ひどく感心した。疲れは全く感じない。
満足のいくセックスをすると、熟睡出来て目覚めはハッキリすると言うが、それだろうか。
まさしく疲労感は全く無く、トレーニングによる消耗も、殆ど感じられなかった。
実に気分の良い目覚めだった。
ホテルの傍のカフェで朝食をとりながら、そんな事を考える。
傍らのロックJr.は、自分の寝ている間に何があったかなど、知る由も無い。
今日も朝から元気に、よく焼いたトーストとハムサラダを頬張っている。
「調子良さそうじゃないか、ロック」
「あぁ。ひょっとしたら今日は、レイジングストームが完成するかもしれない」
「こら、調子に乗るな。一日で完成する程安い技じゃないわよ」
「わかってるさ。けど、今なら何か、何でも出来そうな気が……って……」
意気揚々と話す自分を、テリーとマリーが見つめ続ける。
それは、可愛い弟を見守る、温かい眼差しだった。
が、それと同時に、何か突っかかるものを感じる。
幸せそうと言うか、楽しそうと言うか、馬鹿にしていそうと言うか。
その笑い方を、ちょうど良い言葉で表すなら、そう……
「さっきから、何を二人ともニヤニヤしているんだ?」
「別に。昨日のお前は情けなかったなぁ、と思って」
ロックは、顔が青ざめていくのを感じた。
強がりの童貞が、テクニックも無いのに無理をしたり、
テリーのアドバイスでどうにか体裁だけ保てたのを、今更になって自覚してきた。
うまく済ませる事が出来たつもりだったが、今思えば、何とも間抜けで不甲斐無いセックスだ。
一部始終、リードされっぱなしの遊ばれっぱなしだった気がする。
「なっ、何の話を……い、いきなり朝から……子供だっているんだぞ!?」
「何を焦ってるのかしら?
 テリーは多分、二秒でギースに負けた昼間の事を言ってるんだと思ったけど」
「そうだな。ロックは一体、昼間のあの件でなかったら
 一体いつの、どの件を思い出してこんなに慌てたんだろうな?」
「テ……テメェら……」
一人Jr.だけが、首をかしげながらコーンポタージュをすすっていた。

マリーは涼しげに、対面のロックの額に、軽くデコピンして言った。
「言ったでしょう?
 あなたの腕は、温かいんだって。馬鹿な父親を殴るためでなく、
 大切な誰かを抱きしめるためにこそ、使うべきなのよ」
ロックは頬を赤くし、目を背けた。
女を知ったとは言え、シャイな性格はすぐには治らないようだった。
「ガールフレンドを作りなさいな。そしたらあなたは、今よりもっと強くなれるわ」
「そんな事……今はまだ、考える余裕が無いさ」
本音では、マリーのような女性をこそ、ロックは理想と思っていた。
もっともマリーはもうテリーのものだし、
元の時代に戻れば、マリーの方がずっと年上だ。釣り合うものではない。
傍目にも、テリーとマリーのカップルは、よくお似合いな気がした。
あぁ、これが初恋というもので、同時にこれが、失恋というものなんだな。
ロックは、ぼんやりとそんな事を考えていた。
彼が、マリーとどこか似通った、年頃の近い大人の女性……
B・ジェニーと知り合うのは、元の時代に戻ってから、更にもう少し先の話になる。
370名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:50:02 ID:hvmemtRs
終了です。


ところでスレ違いなんですが、ギコナビもしくはPINK板に詳しい方に質問です。
何度か、投稿したにも関わらず、リロードしたら反映されてなかった事が
今回二度程あったんですけど、原因わかる方います?
今までこんな事、一度もなった事ないんですけど。
371名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 23:04:27 ID:Rqv6i6rl
GJ!
美形会議の人も早く来ないかな。
372名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 02:23:16 ID:uGbSYWUO
昇竜コマンドにギガスで少し吹いたw

その辺はよく、わかんないすね。
そういうのに詳しい人いればいいけど
373美形会議の人:2008/01/22(火) 14:15:49 ID:26p2AuLO
どうも。美形会議の人です。
今手が離せない用事が入っておりまして、2か月程投下出来ないと思います(´・ω・`)
もう暫くお待ちを。
374名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 17:58:28 ID:IVjMiyf+
に、二ヶ月も……
心からお待ち申し上げております


今こそ>>63氏筆頭に
まだ投下されてない方々の台頭するチャンスですぜ
375名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 23:20:36 ID:MMpKevsE
GJです!
マリー好きなのでうれしいなw

>>370
同じくギコナビ使いで同じ現象にあったことがあります。
「SS書きの控え室」スレにて話題になったことがありますが、原因が特定されてません。
とりあえずギコナビが原因ではないと思います。

自分の時は改行減らしたり、スペース削ったりしたらうまくいきました。
なぞです。

スレ違い失礼しました。
376名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 02:55:00 ID:zfnOeSJF
>>344
GG2でカイは・・・ネタバレだからメル欄で
377名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 05:54:08 ID:3JZwkt6j
それでもカイは童貞にしか見えない
378名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 16:12:30 ID:rSWgkqfF
それを言ったら…
キムの子作り(しかも少なくとも2回)が未だに想像できない俺参上。
379名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 18:06:16 ID:zfnOeSJF
ガルフォードは死ぬまで童貞
これはガチな気がする
380名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 23:12:42 ID:aU5UzV/u
アルカナはオヴァロン以外全部処女
381名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 15:11:53 ID:Mv/6pIBG
アルカナの冴姫みたいな典型的なツンデレってあんまり
格ゲーにはいないなとか思った

男は一杯居るのにな レミーとか庵とかユリアンとか(ry
ツッ込みは受け付け…無い!
382名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 16:46:09 ID:c852wgI7
>381
そういや3rdの主人公(アレックス)は素直クールで、ライバル(レミー)はツンデレだな。
しかも二人とも声はイメージと逆………(オクターヴ高い素直クール&低いツンデレ)
女だったらアルカナに出せる。





CAPCOM…………怖い子!!
383名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 21:24:56 ID:Mv/6pIBG
アレックス→肉のアルカナ『レッドサイクロン』
      (全て投げ技で一撃必殺ばりの威力)
レミー→星のアルカナ 『シュペルノーヴァ』
     (弾幕を形成しやすいが防御力紙)

レミー「応えなさいよ 何で貴方達は闘うの?」
アレク「答えなど無いわ…気付いたら拳をあわせている」
レミー「…!その驕りが人が傷つける!貶めるって事に何故気付かないの!
   私は許さない、全ての格闘家達。家族を捨て、私達姉妹を
   見捨てた格闘家という人種をね!貴方も同じなのでしょう!
   捨てられた悲しみ、その人達に代わって天誅をくだすわ!」
アレク「許せないならどうなの?人生相談なら他所でなさい!
   拳の痛みなら 今からたっぷり教えてあげる!!!」


こうですか!わかりません><
ちなみにステージは日の丸公園!!
384名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:37:29 ID:BErwjmk4
保管庫が出来たら>>383も載せるべきだなw
385名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:51:32 ID:nLzElQk0
>>381
アレクのライバルキャラは一応リュウとギルだがレミーの方が相応しいと思うな。

>>383
吹いたww
386名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 12:13:53 ID:QpHbGESr
肉のアルカナ『レッドサイクロン』

投げ、極めに置いて右に出るものは居ないと呼ばれる
格闘技『腑露裂須』(ぷろれす)を終始頑固なまでに
磨き上げ続け、遥か頂点に君臨したかつてのロシアの英雄が
(気づけば)高次の存在となった。いかなる災いも耐え抜いたと言われる
その鋼の如き肉体は並みの攻撃を通さず、技の底の底まで知り尽くした技巧と
極限をも越える鍛錬から得た剛力から放たれる投げ技は正に『一撃死』と
捕らえても過言では無いだろう。しかし、頑固なまでに投げにこだわり過ぎた
影響かアルカナ自体の技には飛び道具は無く、また使用者もその影響か
飛び道具が使えなくなる。相殺する手法の技『気』は多少使える様にはなるが
弾幕といった多数の飛び道具には効果は薄く、光線系は一切返せない。正に
女なのに漢のロマンを必要とされる硬派なアルカナである。

星のアルカナ『シュペルノーヴァ』

かつて殺された親友の仇を討つ為、全てを捨てた軍人の憎悪が
高次の存在となり聖霊化したもの。迅速に倒し、迅速に生き抜くその理念の下
小技を捨て去り 厳選した数少ない遠距離、近距離技を徹定的に鍛え上げ
音速を越える名前通りの『必殺技』を得た。
レミーが憎悪を胸に抱き続ける限りその力は永久的に貸す姿勢であり、
相乗されて放つ憎悪と復讐の音速拳は、手合わせなどという生温い世界に浸かる者への
手厚い制裁となろう。シンプルだが威力は高く隙も少ない、正に洗練された神技を扱うが
その弱点は技の豊富性の無さ。ひとたび見切られれば最早
別の技での対応策が無く、あっさり追い詰められる羽目となる。
まさに(またかよ)女なのに漢の浪漫を求められる硬派なアルカナである。

何か電波受信しちゃいました!!><
387名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 21:13:01 ID:Eo16LExa
>>386
クオリティタカスwwwwGJ
388名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 12:56:06 ID:CERM/r46
このスレがこんなレベル高くなるとは、立った時は誰も予想しなかったに違いない
389名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 13:03:39 ID:+KoMYGqN
知らん間に、サムスピスレ以外の格ゲースレ落ちてたんだな
もうここクロスオーバーだけじゃなくて、作品単品での投稿もアリにして
本当に統合しちゃわない?
390名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 19:52:33 ID:IG0NISCY

テンプレにあるスレの半分くらいはまだ残ってないか
391名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 23:42:54 ID:vt8h/iza
どっちでもいいと思うけどな。
流れ的にもいかんせん盛り上がっても無くば
盛り下がってる訳でもない奇妙な流れだけに
それに作品は一杯見たいし 作りたいし
39267:2008/02/01(金) 00:22:34 ID:oOTyR1sd
Eventual Rumble Orochi 2181 第十話

先に申し上げておきます。
零サムの夢路を、当SSの中では女性として扱っております。
夢路は男性の筈だという考えの下に夢路を好きでおられる、大多数の真っ当な方々は
どうぞNGワードに指定して、お目汚しとなる事を避けて下さい。



霧が立ち込めていた。
視界は良くない。四方2M前もロクに見えない状態だ。
ただでさえ達人という生き物は、須らく気配を消すのが得意だ。
濃霧の渦中に晒されたジョニーにとって、敵はまさしく
どこから狙ってくるかわからない、といった戦況だった。

「……アンヌムツベ」
高速の斬撃が、ジョニーの足元を強襲した。
現れた少女は、ジョニーにとって見覚えのない服装の娘だった。
ただでさえアイヌの民族衣装というものは、
ミリオネアファイティングの時代においてさえ、一般人には馴染みが無い。
ましてやジョニーは西暦2181年の人間であり、アイヌはおろか
日本ですらとうの昔に壊滅している時代なのだ。
辛うじて御津闇慈や梅喧といった知人との面識で、
ジャパンの伝統的衣装をある程度は知っていたから、
何となくそれに似た感じのファッションだな、とは認識出来た。
常人ならば見てからでは反応しきれない程の、高速の下段攻撃を繰り出されながら
ジョニーには、漠然とそんな事を考えつつ回避する余裕があった。
393名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:23:19 ID:oOTyR1sd
少女は、勢いそのまま、また霧の中に消えていった。
再び静寂が戻る。
「参ったなぁ、こいつは。
 女の子と隠れんぼなんてして遊んでたってバレたら、
 メイに叱られちまうんだがな」
ジョニーには、追い詰められている様子は無い。至って余裕を見せている。
次の攻撃がどこから襲ってくるかは予測がつかないが、そんな事は関係無い。
見てから回避なり反撃なり出来る自信が、彼にはあった。
襲撃者もその事は理解していたが、と言って、攻撃をやめるつもりもない。
霧の壁を突き抜けて、今度は先程の少女とは異なる影が、突進技を繰り出してきた。
影は、屈強な肉体にギラつく目をもった、いかにも殺人狂といった風体の男だった。
息つく暇も与えぬ速さで繰り出される、三連続の剣撃。
「猪鹿蝶!」
ジョニーが全てをガードしきり、反撃を放った時には、既に男は霧の中に消えていた。
先程から、ずっとこんな調子だった。
襲撃者達は、多対一でジョニーを追い込もうとする。
一人の攻撃を捌いたと思ったら、次の瞬間には別の者が攻撃をしかけてくる。
酒を買い込みに下界に下りた折、いきなり霧に包まれて
以降、数分間こんな状況が続いていた。
「ツバメ返し!」
「燕穿牙!」
空中で、炎をまとった二振りの刀がぶつかり合う。
今度の相手は、女のように長い髪を翻した、大層な美丈夫だった。
これもまた、ジャパンの伝統的衣装、袴を着用している。
襲撃者は全て日本人。
ジャパニーズに襲われる理由を、ジョニーなりに考えてみた。
やはり真っ先に思い浮かぶのは、団員であるメイの存在だ。
同じジャパニーズであるメイを、何らかの理由で誘拐するつもりだろうか?
394名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:24:05 ID:oOTyR1sd
「バイオネットラージュ!」
だが、次に霧を裂いて突きを繰り出してきたのは、
明らかにジャパニーズではない国籍の女性だった。
それに、さっきからずっと、気になる事がある。
超射程の打突を寸分でかわしながら、ジョニーの疑問は確信に変わっていった。
その確信をより深めるためには、やらなければならない事が一つある。
「結構な腕前だ。
 だが、霧で囲めばこの俺を翻弄出来ると思うのは、大間違いだな。
 幻影博文派燕月剣皆伝、ジョニー。霧の扱いは、お前さんより上だぜぇ?」
チン、と小さく、金属の音が聞こえた。
襲撃者は、その耳慣れた音が何の音であるか、瞬時に把握した。
把握した時には、既に周囲の霧は突風で吹き飛ばされており、
眼前には白木拵えの日本刀の鋭い切っ先が、わずか一寸先のところに据えられていた。
「抜刀術・ミストファイナー(Mist Finer)……
 霧を晴らす者、という意味だ。切れ味はどうだい、お侍さん」
「流石です……小細工で幻惑出来る相手では、なかったようですね」
霧の消えうせた山道に、立っていたのはジョニーと、目の前の侍の二人だけだった。
アイヌの衣装を着込んだ少女も、背中に傷のある仕合狂も、
長髪の貧相な美男子も、ブロンドの女騎士もいない。
戦いの最中から、ずっと気にはなっていた。
複数いる筈の襲撃者達は、何故か一度も、同時攻撃をしかけてこなかった。
そして何故か、全員同じ声だった。
「気配は全員別物だったが……幻術の類か?
 まぁ、初めて見るわけじゃないがな」
ジョニーは刀を下ろし、それを鞘に収めた。
襲撃者の方も、簡単には勝てないと悟ってか、大人しく得物を仕舞った。
無論二人とも、警戒心は解かない。
彼ら二人にしてみれば、二人とも抜刀術が最大の得意技だったのだ。
咄嗟に攻撃された時、最速で反応出来る攻撃手段が、居合い抜きだった。
「名乗りが遅れた事をお詫びいたします。
 私の名は、黒河内夢路。折り入ってのお話があり、参上した次第でございます」
395名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:24:47 ID:oOTyR1sd
ギルは、実に様々な時代、様々な国や世界から、戦士達を召還していた。
異種格闘技大会華やかなりし、西暦2000年前後には、異能の戦士達は豊作だった。
だが無論、それ以外の時代、それ以外の戦場から連れてこられた戦士達も、大勢いた。
その内の一人が、つい先だってギルに拉致されたナコルルとリムルルであり、
また或いは、今こうしてジョニーの前に現れた、黒河内夢路であった。
夢路はギルの事、オロチの事、そのためにこの時代に連れて来られた自分達の事を
知る限りでひとしきり、ジョニーに打ち明かした。
代わりにジョニーは、この時代において脅威とされたギアなる生命体の事や、
つい八年か九年前にこの全地を襲った、聖戦の話を言って聞かせてやった。
「ギル……オロチ……それに、終戦管理局ですか。
 思った以上にややこしい話のようですね」
「だな。正直ギル……いわゆる『あの男』と呼ばれる男の事に関しては
 俺は殆ど何も知らねぇからな。一人、事情に詳しそうな知り合いがいるが、
 まぁあのぶっきらぼうな男は、何も教えてくれんだろう」
ジョニーは、つい先日も会って話した、一人のギアを思い出していた。
そう言えば、あの時ディズィーが望んでついていった、
少々古めのファッションの赤毛の男も、今思えば『旅行者達』の一人だったのかもしれない。
「で、俺に折り入ってのオハナシってのは?」
一通りの情報の共有化が終わると、ジョニーは本題を切り出した。
互いの情報に嘘は無いと思っているが、まだ信用したわけではない。
この先どんな頼み事や提案がなされるのか、まずは様子見だ。
こう見えて慎重さを持つジョニーは、二つ返事で了承しないよう注意を払った。
夢路は、警戒されている事を理解した上で、呼吸を整えた。
相応の覚悟があっての事だと、眼が物語っている。
396名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:26:35 ID:oOTyR1sd
「私なりに町の噂や、盗み見した警察の資料などから、
 可能な限り情報収集してきました。
 そこで、ジェリーフィッシュ快賊団という義賊が存在し、
 その頭領があなたである事もつきとめました。
 実力の程は、失礼ながら先程確認させて頂きました。
 あなたのその実力と組織力、そして幅広い人脈を、私達に貸して頂きたい」
夢路は刀を置き、深々と頭を下げた。
まだジョニーなる男がどんな人間なのか、夢路は知らない。
義賊といっても、人格者かどうかは定かではないし、第一自分は、相手を一度襲っているのだ。
こうして頭を下げている最中に首を切り落とされる可能性だってある。
にも関わらず刀を置くのは、夢路なりの誠意の表れだった。
ジョニーは、しばし無言でいたが、まずは頭を上げるよう、夢路に言った。
「お前さんの言いたい事はわかるつもりだ。
 事態が大規模である以上、対抗するこちらにも数と結束力がいる。
 そして確かに俺ならば、ツェップの大統領から警察の重鎮、
 はてはギアに至るまで、幅広く顔がきくからな」
「その通りです。
 過去の時代から連れて来られた我々と、この時代に元々いる戦士達は、
 手を取り合わねばならない。なのに現状では、
 我々『旅行者達』ですら、一枚岩ではありません。
 我旺様が夢見た益荒男の世界は、切磋琢磨の中で互いを高めあう世界なれど、
 必要な時に相互の扶助や協力を拒み合うような、心のさもしい世界ではなかった筈。
 今こそ同盟関係を締結するために、組織力のある者の協力が欲しいのです!」
我旺、という名は、夢路の話した身の上の中に、度々登場した名だ。
兇國日輪守我旺。
時の政権に対する反発から謀反を企て、臣下を伴って戦を起こした益荒男。
部下から慕われ、自身も部下を信用していたからこそ、
負け戦とわかると部下を道連れに出来ず、夢路を『切り捨てた』。
話に聞くだけでも、さぞかし立派な男だったのだろうと推察出来る。
そんな男の下で働いたこの黒河内夢路という者も、十分に信用に足る器だ。
ジョニーは、夢路の頼みを承諾する事にした。
「良いだろう。事実なら、放っておけないのは変わりない。
 カイの坊やは、事情をある程度知ってるんだろう?
 となればポチョムキンを通じて、ガブリエル大統領にも話はもう繋がってるかもしれん。
 後は闇慈達ジャパニーズに、テスタメントやソル・バッドガイ。
 それに気は進まねぇが、アサシン組織にも打診してみるのも良いかもしれねぇな。
 その辺は俺が当たろう。ツテはある」
「かたじけない! それでは私は、もう一度警察機構に赴こう。
 『旅行者達』には、同じ『旅行者』である私の方が、話を聞いてくれやすいだろう。
 今日はもう日も暮れて遅いから、行動は明日という事になる」
明日以降に備えて、ジョニーは夢路を、自分の船に招待した。
旅慣れている夢路は、生活費を稼ぐために賞金を稼ぎこそすれ、
野宿を気にしないものだから、宿はとっていないとの事だった。
体調は万全を期すべきだというジョニーの提案で、夢路は久しぶりに
屋根の下で眠る機会を得る事となった。
397名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:27:47 ID:oOTyR1sd
数世紀もの時代を隔たっているから、文明が違いすぎる事は、折込済みだった。
にも関わらず、こうして船舶が天空を航行している様を間近に見ると、
夢路は溜息を漏らさずにはおれなかった。
夢路のいた時代の日本は、木造建築や石造り、
瓦屋根の建物ばかりが立ち並ぶ世界だった。
初めてこの時代でレンガ造りの家屋を見た時は、未知の物質に恐れて、触れる事さえ躊躇われた。
見た事もない建築様式が、当たり前のように軒を連ねる世界。
見聞にて、西洋は日本とは全く異なる文化を持つとは知っていたが、
実際に見てみるのはやはり衝撃が大きかった。
そこにきて、この飛空艇である。
「むしろ現代より、お前さんにとっては21世紀頃の方が凄まじかったろうぜ。
 今の時代には撤廃された科学技術や素材が、ふんだんに使われてたからな。
 機会があったら、今度ツェップに行ってみると良い。ロストテクノロジーの宝庫だ」
甲板で遥か下方に町の夜灯りを見つめていた夢路に、ジョニーはコーヒーを差し入れに来た。
日本ではコーヒーなど、明治時代にならなければ、庶民は口にする事が出来なかった。
飲んでみると、実に体が温まった。反面、慣れない苦味に顔をしかめてしまう。
「ジョニーったら、気がきかないんだから。
 いきなりコーヒーじゃ刺激強過ぎるだろうから、始めは紅茶とかのが良いよ」
彼に伴って現れた、メイという名の少女は、そう言ってジョニーの足を小突いた。
ははは、悪ぃ悪ぃ。そう言って、ジョニーは頭をポリポリと掻く。
仲の良い親子のように見えるが、血縁では無いとの事だ。
この船には、同じようにジョニーに拾われた孤児達が、大勢いるという話だった。
かつて自分を拾ってくれた我旺と、心なしか温もりが重なる。
「可愛いお嬢さん。お気遣い有難う。
 自慢のお紅茶は、また今度頂くよ。今夜はこの苦味を楽しませてもらう」
端整な顔立ちの青年に「可愛い」と言われて、焦ってしまうくらいには、メイは幼い。
軽く受け流すような大人のレディの余裕は、まだ備わっていない。
「か、かっかかか、可愛い……
 そんな事言われたって、僕はジョニー一筋なんだからね!
 他の男になんか、心奪われたりしないんだから!
 僕を狙おうたって、そうはいかないよっ!」
すっかり勘違いしてしまっているのか、或いは照れ隠しが下手なのか。
メイは顔を赤らめながら、ドタドタと船内の自室に戻っていった。
後に残された二人は、困ったように苦笑いを交わすしか出来なかった。
398名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:28:30 ID:oOTyR1sd
だが、その談笑の中で。
ジョニーにはもう一つだけ、夢路に対する違和感が残り続けていた。
昼間山道で仕合った時から感じている、直感からなる疑問。
メイが「他の男になんか」と口走った事で、再びその疑問が脳裏をよぎる。
「なぁ、夢路。一つ聞いて良いか?」
「答えられる事ならば」
「ズバリ言うぜ。お前さん、男じゃねぇだろう?」
瞬間、二人の間に静寂が訪れた。
普通の男性が「男じゃない」などと面と向かって言われたら、馬鹿にされたと思うだろう。
だが夢路に限っては、違っていた。
「……いつから、気付いておられましたか?」
「最初っからさ。これでもフェミニストでね。
 それにお前さんは、男の振りをするには、ちと無理があり過ぎる。
 自分で思っている以上に、魅力的って事さ」
「別に、男性の振りをしているつもりは、ありませんでしたがね……
 あまり女性として扱われたくなかったという意味では、正解です」
夢路は甲板の手すりの上にコーヒーカップを置いて、刀の鯉口を切った。
わずかに覗いた刀身は、月光を反射して輝いていた。
かつて、流派を継ぎたいと願いながらも、身体上の都合で叶わなかった。
誰もが認める強さでありながら、女であるという理由で、家督を継げなかった。
家を出てからも、我旺の下で益荒男として生きたかったのに、
我旺は彼女を慮ればこそ、敢えて彼女を切り捨てた。
それでも彼女には、剣に生きる道しか無かった。
選択の余地が無かったのではない。彼女程の麗人ならば、引く手数多だっただろう。
現に我旺の下を去ってからは、剣を捨てる選択肢さえ、頭を過ぎった事もある。
しかし今、彼女は、自らの自由意志で、剣の道を究めたいと願っていた。
夢路はそんな生い立ちを、とうとうとジョニーに語って聞かせた。
「そうか、そんな事がねぇ。ま、しょうがないさ。
 男尊女卑と捉えられると困るんだが、確かに女の細腕じゃ、男と比べてハンデがあるのは否めない。
 お前さんの実力を疑われてたわけじゃないだろうが、柱は太い方が、心強かったんだろうよ」
「私では、流派の……そして、連綿と連なる黒河内の家系の、
 大黒柱にはなれなかったという事ですか。確かにその通りかもしれません。
 現に家を出てからの私は、我旺様という柱に寄り添わねば、生きていけなかった」
夢路の眼が、悲しみに曇った。
自分が女である事を疎むわけではないが、悔しさは拭いきれない。
聡い彼女の事だから、差別ではなく、純粋に性差というものが
男女の間には在って然るべきだと、理解もしていた。
だが、理解したところで、飲み下せるものではなかった。
しばし、決して軽くない沈黙が、二人の間を仕切った。
399名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:29:18 ID:oOTyR1sd
やがて夢路は、物思いにふける事に飽いたのか、侍の目に立ち戻った。
その怜悧な眼差しで、ジョニーを見据える。
「昼間の続き……仕合いましょうぞ」
ジョニーもまた、手すりに立てかけていた愛刀を取り、サングラスをしっかりとかけ直す。
「お前さんが、それを望むのならな」
正直、こうなるとは予想していた。
理由など無い。女である事を意識したくない夢路の意地というわけでも、
無論彼女を負かして否が応にも女である事を意識させたいジョニーの意地悪、というわけでもない。
夢路は別に女である事を捨てたいと考えているわけでもないし、
ジョニーにしても、女は女の幸せだけを求めるべきだと、押し付けるつもりもない。
ただ単純に、仕合う事こそが、意思疎通の手段だったのだ。
スポーツ感覚のコミュニケーションと言えば、わかりやすいかもしれない。
この点、テリーやロバート達、歴代のKOF参加者達と通じるものがある。
「神夢想一刀流、黒河内夢路! 参る!」
「幻影博文派燕月剣、ジョニー。行くぜ?」
抜刀の鞘走りの音が、夜の虚空を劈く。抜いたと思った瞬間には、既に両者の刀は鞘の中。
だが、この瞬き一回にも満たない時間の中で、二人の刀は一度衝突していた。
このまま鍔迫り合いになっては利が無いと判断した夢路が退き、
再びすぐに抜刀術に移れるよう、神速で抜き身を収めたのだ。
ジョニーもまた、この神速の達人相手にスピード負けしないためには、
得意の居合い抜きを常に繰り出せるよう、今は刀は収めておくべきと判断していた。
400名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:30:23 ID:oOTyR1sd
「秘剣ささめゆき・閃!」
二合目を切り出したのは、夢路だった。
常人の目には捉えられない、真の神速をもって、無数の抜刀を放つ。
しかしその全ての攻撃を、ジョニーは同様に、無数の抜刀で受け止めた。
「ミストファイナー・Lv.3ってトコか?」
船内で寝ていたエイプリルが、気付いて目を覚ます程に、美しくも耳を傷める剣撃の音。
「次はこっちから行くぜ? ジャックハウンド!」
一瞬、ジョニーの姿が消える。
次の瞬間には、彼は夢路の背後にいた。
夢路は、自分の体を覆う空気の流れが、切り裂かれた事を悟っていた。
体には傷一つ無く、着衣にすらその抜刀は触れていなかったが、空気だけが断ち切られていた。
ちょうど、夢路の肩から腰にかけて、袈裟懸けになるように。
冷や汗が滴り落ち、武者震いが足を動けなくさせる。
「俺の勝ち……かな?」
「……まだだ! そのくらいの高速移動なら、私にも出来る!
 神夢想一刀流奥義・御神薙!」
勝負という意味では、今のジャックハウンドで既に夢路は敗北している。
これが殺し合いなら、彼女は死んでいた。だがこれは、殺し合いではない。
純粋なコミュニケーションである以上、夢路に止める気が無ければ、仕合は続行である。
もっとも、無数に繰り出された斬撃の全ては、いとも簡単に全段防がれたのだが。
数分後には、肩で息をしながら床に寝そべる夢路と、
息一つ切らさず悠々とコーヒーを楽しむ、ジョニーの姿があった。
「いや全く、大したモンだ。その若さで、その女らしい細ッこい腕で。
 カイの坊やあたりとだったら、かなり良い勝負になるんじゃないか?」
「ぜぇ……はぁ……ぜっ……ふー……っはぁ……」
ジョニーが何か話しかけているのは聞こえたが、答える余裕は夢路の肺腑には無かった。
この風が肌を刺す夜の空の上で、暑くて汗をかく事になるなど、
船に乗せられた当初には思いもしなかった。
着物の布地がじっとりと汗ばみ、肌に張り付いて気持ちが悪い。
「……申し訳ないが、湯浴みさせて頂いてよろしいか?
 それが無理なら、せめて手拭いを濡らさせてほしい。体を拭きたい」
「遠慮すんなよ。バスルームぐらい貸してやるさ。
 元々、呼んだのはこっちなんだからな。アンタは客人だ」
ジョニーは彼女が起き上がるのを待ってから、バスルームへと案内してやった。
401名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:31:38 ID:oOTyR1sd
元々野宿が常だった夢路にとって、シャワーという機器は慣れないものだった。
使い方がわからない、と言うわけではない。
幻術使いの彼女にとって、紋様を特定のルートで
指でなぞっただけで水が発生するのは、
不可思議な事と感心はするものの、納得出来ないものではなかった。
ただ、その不可思議な感覚に慣れるのに、時間がかかるのだ。
「ふむ、上から水飛沫が降り注いでくるのか。
 これがシャワーと言う装置なのだな。私の時代には無かった発想だ。
 桶に汲まずとも頭から湯水を被れるとは、まさに魔法だな」
夢路はジョニーから、一通りシャワーの使い方を教わった。
ボディタオルというものも、それに塗布するボディソープというものも
頭髪を洗うシャンプーや、女性用のリンスも教わったが
ただ一つだけ、いまいちわからない事があった。
「ジョニー殿。ここの湯船は、何故こんな形をしている?
 それに、どうも底が浅いような気がする。これでは肩まで浸かろうと思ったら、
 殆ど横になるような姿勢になってしまうのではないのか?」
夢路はバスタブを指差して、真剣に問うた。
博学のジョニーは、日本人である夢路が、何故このバスタブの形状を
理解出来なかったのか、すぐにわかった。
「この、端の一辺が傾斜してるのが、不思議なのかい?
 西洋の入浴形式では、ここにもたれかかるようにして入るのさ。
 そしてその姿勢で、バスタブの中で体を洗うんだ」
「何と、湯船の中で!?
 それでは残り湯が洗剤で汚れるではないか。
 次に入る者は、また新しく湯船に湯を張るのか?」
ジョニーは、日本人である彼女に、西洋の入浴の作法を、丁寧に教えてやった。

そもそも湯船に長時間『浸かる』ように入浴する風習は、西洋には馴染みが無い。
西洋ではシャワーから出る湯を、文字通り
湯水のごとく浪費するのが、一般的なやり方なのだ。
湯船に湯をためて肩まで入るというのは、日本の入浴作法だ。
この時代の法力で使う風呂ならいざ知らず、20世紀前後の西洋のバスルームは、
日本では考えられないくらい、温水器の容量が少ない。
一人が湯船を満杯にするまで湯を使ってしまうと、その後は
一時間くらい間をおかないと、次に入る者は冷たい水しか使えなくなるのだ。
魔法理論の初歩的応用によって、簡単に大量の湯を得る事が出来る時代にはなっていたが、
こういった経緯があったから、22世紀でも西洋では、
未だに風呂はシャワーのみ、が基本だった。少なくともこのSSでは。
(余談だが、一般的に外国人の体臭が日本人より強めなのは、このせいだと言う説がある。
 湯に浸かって皮膚をしっかり解したり、毛穴を開いたりしない状態で
 表面上だけ湯と洗剤で汚れを落とすような生活を続けていれば、
 そりゃあ塵も積もるだろう……という事らしい。真偽の程は定かではないが)
「理に適っているような、適っていないような……。
 疲れを癒すには、肩まで湯に浸かるのが良いと、ずっと思ってきたが……」
「別に、絶対にそう言う形式では風呂に入っちゃいけない、ってワケじゃない。
 お前さんが湯船の中で溜まった疲れを吐き出したいってんなら、一向に構わないんだぜ。
 西洋にだってそういう入浴方式を好む人間も、結構いる。
 どうせお前さん以外は全員、もう入浴は済ませてる。後の事は考える必要は無いさ」
慣れない所作には戸惑うが、しかしこれがこの地の作法であるならば、郷に従うべきだ。
夢路はジョニーから習った通りの形式で、湯を馳走になる事にした。
402名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:33:04 ID:oOTyR1sd
袴を下ろし、着物を脱ぐ。
押し込められていた乳房が、サラシを一回り解く毎に、剥き出しになっていく。
剣士として生涯を全うすべきか、女人として生くるべきか、幾度も迷ってきた。
剣を振るい、血煙を掻き分ける人生を続けながらも
夜毎サラシを巻き直す度に、嫌でも自分は女なのだと意識させられる。
女である事が嫌なわけではないが、それ以上に、剣士でありたいと思う。
それでも男性の優しさ、包容力に触れる度に、子宮が疼くのは女の性だ。
かつては我旺に、或いは幼き頃、橘右京に心揺れた事もある。
(と言う設定を勝手に作るお茶目な俺)
昼間も、そしてつい先程も、ジョニーに完敗した事実が、
殊更自分を『弱い性』だと認識させる。
「タオルはここに置いとくぜ。
鍵は内側からかかるから、不安なら閉めときな」
磨りガラスのドアの向こうから、ジョニーの声が聞こえる。
自分を改めて『女』だと認識させた者の声だ。
一目見て自分を女だと見抜いた者の声だ。
「かたじけない……」と簡潔に返事をすると、その声は浴室の壁に反響した。
自分の存在が浮き彫りになったような錯覚がして、やや寂莫の念にかられる。
不安なら、鍵を閉めておけ?
自分が男だったならば、まずかけられない言葉だ。
あぁそうだ。私は女だ。否定する必要など何処にも無い。
女である事を、受け入れないつもりもない。
受け入れてくれなかったのは、父上ではないか……っ!
403名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:33:56 ID:oOTyR1sd
磨りガラスの向こう側からも、微動だにせず立ち尽くす
夢路の影が気にかかったのだろうか、ジョニーが声をかけた。
「どうした?
 中の道具でわからない事があるなら、聞くなら今の内だぜ?
 いつまでも客人を案じて脱衣所に留まっとくのも、気色の良い話じゃないからな」
フェミニスト……好色を自称したのも伊達ではないようだ。
然り気無い、それでいて細やかな気遣い。
今後何か気にかかる事があったらば、まずこの男に話してみようと、思わせてくれる。
安心感を、与えてくれる。心のガードが、下がっていく実感を感じる。
「ジョニー殿……一つ尋ねてよろしいか?」
磨りガラスに映る、か細い肩が、ドア越しに剣聖に問いかける。
「私は、女でいるべきか?
 それとも、剣士である事を貫いても良いのか?
 貴方の目から見て、私はどうあるべきと思う……?」
勿論、ジョニーの答えは決まっていた。
間を置かず、しかしゆっくりと、夢路が一番欲しかった言葉を返す。
「女と剣士は、両立出来る。
 お前さんが望むのなら、欲張りに二兎を追っても
 文句を言う奴ぁ、いないんだぜ」
夢路の時代には、女武道は少なかった。
わずかに、自らの腕のみで生きねばならなかった境遇の者が
望むと望まざるとに関わらず、闘いの術を身につけねばならなかっただけだ。
時代は違えど、梅喧のような女性が、それにあたる。
だが夢路は知らない。
彼女の住む、今は壊滅した日本でも、20世紀前後には
女性が剣や弓を、剣道や弓道という名で親しみ、スポーツとして嗜んでいた事を。
家督の継承は男性でなければ通りがたい事も多々あるが、
少なくとも男は戦え、女は家で守られていろ、といった固定観念は
とうの昔に取り払われた、カビの生えた概念なのだ。
元居た時代ならいざ知らず、せめてこの時代に居る間だけは、
そんな凝り固まった考え方や風習は、忘れてしまえば良い。
守られたい、愛されたいなら、素直にそう言えば良い。
素直にさえなれば、受け止めてくれる腕は、いくらでもあるだろう。
今この瞬間の、ジョニーのように。
404名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:34:51 ID:oOTyR1sd
夢路にとって初めての西洋風呂は、混浴となった。
寝そべるのはバスタブの傾斜ではない。
その傾斜の上に寝そべる男の更に上、屈強な胸板に、背中から凭れ掛かる形でだ。
彼女の頬は紅潮していた。湯気にあてられたのではない。まだ湯は出していないのだ。
夜の風に冷え切っていた彼女の肩には、温かく大きな掌が添えられていた。
「そ、その……快賊団の仲間達にも、普段こんな事を……?」
「うん? そうだな。
 マーチみたいな小さい子には、たまに一緒に入りたいって頼まれるからな。
 メイもよくせがんでくるんだが、昔は兎も角、今はもう無理だろう。
 いくら家族だっつってもな」
「そ、そうか……」
尻に当たるジョニーの隆起した男根の感触が、夢路の思考をぐらつかせる。
この勃起こそが、今ジョニーが夢路を女……性欲の対象として見てくれている事を証明する。
少なくともこの場においては、剣士という扱いでも、ましてや男という扱いでもない。
何故だか、思わず吹き出してしまいそうになる程、心地良い感覚だった。
「シャワーを出すか。このままボーッとしてたら、体が冷えちまうぜ」
ジョニーはそう言って、傍らに引っ掛けてあったシャワーを手に取った。
別にシャワーなど浴びなくとも、貴方の胸と腕で、十分温かいのに……。
夢路はそう言いかけたが、あまりに女性らし過ぎるその台詞は、
まだ気恥ずかしくて口に出来なかった。
勢い良く温水が噴き出し、冷えているのか火照っているのかわからない
夢路の柔肌を、火照り一色に染めていく。
ジョニーがもう片方の手にボディソープを取り、夢路の鎖骨に薄く広げた。
いよいよだ、と思うと、彼女の身が強張る。
いきなり胸を触るのではなく、敢えて鎖骨から攻めたのは、ジョニーなりのテクだ。
少しずつ優しく解すような優しさを見せながら、
同時に焦らしているかのような意地悪さも同居させる。
やがて手は滑るように乳房の上を這っていき、乳首に到達した。
「んっ」
「もう勃ってるな。そんなにイイのかい?」
「ちっ、違……っ! これは、寒さのせいで……」
確かに寒さのせいもあった。今は流れる温水のお陰で温もってきたとは言え、
ついさっきまで冷えていたのだから、そんなすぐに乳首の柔らかさは戻らない。
だが、今夢路の乳首が硬くしこっているのは、明らかに寒さ以外のせいだった。
405名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:35:52 ID:oOTyR1sd
洗剤のせいか、それともテクニックのせいか。
ジョニーの手は、ねっとりとした肌触りに感じられた。
人差し指と親指で乳首をつまみ、縦に横に、無作為に転がす。
爪の先で乳輪を軽く引っ掻いたり、指の腹で何度も弾いてやる。
その度に夢路の肩が活造りのように小刻みに跳ね、
首は陸に揚げられた魚がのた打ち回るかのように、左右に振れた。
「ふぅん……ふっ……ふー……ふっく……はぁあ……」
夢路の乳首は、依然として硬く艶やかなままだった。
寒さのせいと主張したものの、もうそんな嘘は、何の意味も持たなかった。
夢路は股間が熱くなってきたのを感じた。
湿っていくそこから滲み出る愛液が、ジョニーの陰茎に滴り落ちるのを恐れた。
感じている事を、濡れている事を、悟られたくない。それはあまりに恥ずかし過ぎる。
思わず、両手で抑えるようにして、そこを隠してしまう。
「おぉっとぉ。そりゃ勿体無いんじゃないの?」
ジョニーが自分の掌を夢路の手の甲に添えてやると、
夢路は躊躇いながらも、素直に手を股間から離した。
「嫌だ……見ないで……」
「安心しな、見るわけじゃない。過去から来たお前さんに、
 ちと面白い余興を教えてやろうかと思ってね」
ジョニーはそう言うと、放水の勢いを調節した。
噴出する湯の量と勢いが増し、肌に刺激を増す。
それをそのまま、夢路の股間に向けてやると、丁度シャワーがそこを穿つような形になった。
「ぅひあっ!? ああああ、こっ、ああっ! ちょ、ぁあっ、うあぁ!?」
突然の責め苦と未知の快感に、体が跳ねそうになる。
初めてシャワーでそこを刺激される夢路にとっては、拷問のような気さえした。
「ひぃ……やめっ、らめてぇ……っ! これ、わかんなぃ……」
「ほぉ、やめて良いのか?」
ジョニーは意地悪そうに耳元で呟き、手首を返した。
夢路の希望通り、シャワーは彼女の股間から逸れて太腿を濡らしたが、
反対に夢路は、物欲しそうな目で太腿を流れる温水を見つめた。
「素直になりな。欲しいんだろう、こいつが?」
ジョニーは夢路の手を取り、シャワーを握らせてやった。
夢路は何も言わなかったが、恐る恐る、自分で大陰唇に湯をぶちまけてみた。
「あふっ……う、ひぃん!? あ、やぁあん……や、あは……」
手が震え、何度も放水が的を外す。
その都度彼女は、慌てて狙いを直し、このシャワーオナニーを続行する。
ジョニーは両腕で彼女の二つの乳房を揉み、上半身への快楽を与え続けた。
下半身は、彼女自らに担当させるつもりだった。
「その調子だ。このやり方は、元の時代に帰っても出来ないだろう?
 今の内にゆっくり味わっときな。お前さんが女だからこそ、出来るやり方なんだからな」
406名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:36:46 ID:oOTyR1sd
数秒が経過しただけで、夢路はもう形振り構わなくなっていた。
恥じらいだとか、屈辱だとか、そんな理性はもう吹き飛んでいる。
背後からジョニーに胸を弄ばれながら、秘部は自分の手で弄ぶ。
片方の手でシャワーを流し続け、もう片方の手で、彼女の『女』の部分を責め立てる。
陰唇を指で左右に押し広げ、中身の肉に直接シャワーを当てる。
直撃を受けたソコからは愛液がダダ漏れになるが、
湯に混じって流れ、もはや見分けはつかない。
肥大化した陰核の皮を剥き、指で押したり倒したりして苛め抜き、
更にそこへもシャワーの直撃を食らわせる。
夢路の背が弓のようにしなり、電気椅子に座らされたかのように、ビクビクと跳ねる。
涙も涎も垂れ流しで、顔はどんどんみっともなくなっていく。
目は真っ直ぐ前を向いているが、もはや景色など見えてすらいない。
ただ、所在無く天井の辺りに向いているだけだ。
「ふぁっ、あっ! あふ、んふっ、はっ、はっ、あ! んんーっ! ぁあーっ!」
ものの数分もしない内に、夢路は軽いアクメに達したようだった。
力が抜けて、両手ともブラリと浴槽に投げ出される。
シャワーは相変わらず出っ放しだが、それすらも気にとめる事が出来ない。
ジョニーは手を止めて、洗剤にまみれたその手でシャワーを掴み、手を洗い流した。
夢路は荒い息を小刻みに続けながら、体をピクピクと震わせていた。
「あー」だの「はー」だの、言語にすらならない、何か呻き声のような喘ぎを、
小さな小さな声で、呟き続けるばかりだ。
「これくらいでヘバってちゃ駄目だぜ。
 回復したら、次は俺の方も気持ち良くしてくんなきゃな?」
放心状態の夢路の耳に、そんな言葉が聞こえてきた。
だが、その言葉が意識に届くまでには、まだもう少し時間がかかった。
半分気絶や昏倒に近い状態だったので、その後ジョニーに抱かれて果てた事など、
次の日にはもう殆どはっきりとは覚えていないのだった。
407名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 00:37:33 ID:oOTyR1sd
翌朝。
人家の無い、小高い丘の上の広い空き地の上に、飛空挺は着陸した。
タラップを踏み外さないように慎重に降り、夢路は波打つ草原の上に立った。
振り向くと、快賊団の皆が、甲板の上から手を振ってくれている。
ジョニーだけが一人、代表して船の入り口のところまで、彼女を見送りに来ていた。
「それじゃ、こっちの方は任しときな。
 お前さんには、予定通り『旅行者達』の方を頼むわ」
「かたじけない。突然現れた、こんな氏素性のわからぬ女の頼みを、聞いて頂いて」
「気にしなさんな。オロチの事は、人間全ての共通の課題だからな」
ジョニーは手を振らなかったが、帽子の鍔を直す仕草で、挨拶の代わりとした。
「感謝する、ジョニー殿。
 お陰で剣士としても、女としても自身を持って生きていけそうです」
「そいつぁ良かった。そう言ってもらえるなら、男冥利に尽きるってもんだ」
夢路は深々とお辞儀をすると、後ろ髪を引かれながらも、その場を後にした。
心なしか、胸が弾むような気分だった。
剣士としてのみ生きる覚悟を持っていた頃は、感じた事のない高揚感。
それを若い女性のように表現するなら、ウキウキ……といった感じだっただろうか。
再び天空へ舞い上がっていく飛空挺を見上げながら、
朝の眩しい日差しを片手で遮って、夢路は少し、微笑んだ。




以上です。
本番書く気力が無かったのと、書いたら長くなり過ぎるので、端折りました。
期待してた人ごめんなさい。
408名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 18:05:25 ID:StH168Yc
不覚にも右京さんに吹いたwGJ!
409名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 18:56:49 ID:0UWKUFpl
相変わらずGJ!
エロ少なくてもイイけどやっぱエロも欲しいなぁと欲張ってみる。
続き楽しみにしてるよー
410名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 14:43:39 ID:Z1PL4dbT
保守
411名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 18:22:18 ID:I4BKoxuw
なあ、紗夢×レミーってどうよ?
412名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 18:36:12 ID:RtI3ZLu2
料理人対決……と思いきや
レミーは本当はシェフじゃなかったなw
もう俺の中でイメージが出来上がっちまってる
413名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 19:51:19 ID:BuJcntmz
ゲニ子はダメか?
414名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 22:05:42 ID:aKv1OBa1
>>411
中身はともかく見た目は紗夢の好みに入るだろうなw>レミー
415名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 02:44:03 ID:FOuREAb4
格闘ゲームキャラをギャルゲーにすれば面白ろくね?みたいな垂れ流しオナニー

人生に希望を無くし喧嘩ばかりしてるロクデナシの父親(コーディー)
が原因でぐれ始め学校も真面目に行かず遅刻常習犯&主人公のレミー
校内では不良のレッテルを貼られ遠ざけられ高3になっても特に
進路は決まらず 喧嘩が原因で空手部を退部させられレミーとつるみ日々を
ダラダラと生きている素晴らしきへタレな悪友 ダン
体が弱くて欠席が多く留年したヒロイン ナコルル
バイク登校なツンデレ 冴姫 とそれに付き合わされる(性的な)妹的存在のはぁと
元不良で今は生徒会長なマキ

タイトルは 〜暗(くら)ナド〜で
416名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 09:54:53 ID:V1M0a+t9
男キャラの人物紹介に5行も費やすくせに
女キャラが3行しかないから却下
417名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 10:02:22 ID:oPq4AknK
しかしその場所はすでにSNKが三年前に通過している。
418名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 22:54:18 ID:wRHOqDJj
>>415
レミーのライバルだけどイマイチ影薄い アレックス
不登校気味なレミーを心配する女教師 春麗
レミーのいた空手部の主将 まこと
レミーの遅刻仲間で時々暴走する二人組み 庵、ソル
学校近くの中華料理屋の看板娘 ジャム
その反対側の中華料理屋の息子 ユンヤン
風紀委員で他校の兄と対立してる 恭介
校長 ハガー

なぜか男キャラばかり浮かぶわ・・・。
419名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 15:58:49 ID:DK1cfjG5
レミーはガチで童貞
420名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 23:05:15 ID:vfQXWzH8
真吾やチップの童貞率に比べればレミーなんてまだまだ童貞力は足りないよ
421名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:58:25 ID:6UpL9MpP
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
422名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 23:11:32 ID:LiCKz4Zw
新作まだかな
423名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:19:53 ID:SwrZRgpV
クーラ「KOFの人気ロリキャラ、クーラだよ」

ウィップ「わざわざ説明するまでも無いけど、私がKOFの
超攻撃的女王様ことムチ子……じゃなかった、ウィップよ」

K'「……」

ウィップ「K'よ」

クーラ「ネスツ編の冴えないDQN主人公、K'だね」

K'「お前等、このノリは何の真似だ……」

ウィップ「決まってるじゃない。美形会議が二ヶ月もブランクが空くそうだから、
その間の箸休めに、私達で会議を開いてあげるのよ」

クーラ「シリアス路線だけじゃ、スレ住人も食傷気味になっちゃうしね♪」

K'「今までのどこがシリアスだってんだよ?!
……つーか、これは何の会議なんだ?男女三人で美形会議なんてネーミングも、
まぁ間違っちゃいないが、イマイチ合わねぇっつーか……」

クーラ「そうだね。ロリ人気のある私や、格ゲー板で尻が評判のセーラはともかく、
腐女子にすら大してウケの良くなかったK'お兄ちゃんじゃ、とても美形とは言えないね」

ウィップ「やっぱり地肌の上にライダースなんてキショいファッションじゃ、ねぇ。
おまけに白髪だし。99のイラスト初めて見た時は、
『何でオロチがこんな恰好してんの?』とか思ったわよ」

K'「るせぇ! 良いからとっととこの会議のタイトルを言いやがれ!」

ウィップ「ふふふ、何だかんだでノってくるのね。
私達ネスツ出身者が集まるとすれば、答えは一つ……」


クーラ「今日は 改 造 人 間 会 議 ! だよ」
424名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:20:41 ID:SwrZRgpV
22世紀、フランス。パリ。
過去や異世界から飛ばされてきた、数え切れない戦士達。
その中には、かつて秘密結社ネスツを崩壊させた者達もいた。
組織を乗っ取ったイグニスをして、人類最強クラスと認めさせたK'。
その姉のクローンであるウィップに、アンチK'のクーラ。
他に全身武装のマキシマや、クーラのお守り役であったダイアナ、フォクシーらと
協力しあって戦った事で、ゼロを打ち破り、イグニスを倒し、ネスツ壊滅に至った。
そんな彼らもまた、ギルによってこの時代に転移させられていた。

完全体ではなかったとは言え、地球意思であるオロチを倒した草薙京。
その地球意思をも凌駕する事で、全地を支配せんと目論んだ、イグニス。
草薙京の力を移植され、イグニスを倒したK'の戦闘能力は、
ギルにとっても貴重な戦力だったに違いない。
だが、ある意味で草薙京以上に、K'という男は人の話を聞かない。
彼がギルに手を貸すわけなど、毛頭無かったのだ。
もっともそれでも、ギルにとっては困らない。
要はオロチを倒せればそれで良いのだから、例え一枚岩でなくとも
誰かがオロチを倒してくれるなら、それで目的は成就される。
他力本願はギルの好むところではなかったが、上記の理由から考えれば、
K'を泳がせる事にさしたるデメリットは無かった。
だから、例え彼らがこの2181年の世界で、日々を愉快にエロく過ごしていても
ギルはおろか、読者すらも文句を差し挟まなかったに違いない。


K'「改造人間会議って……そりゃ、俺やクーラはそうだろうが
お前は『改造人間』なのか?」

ウィップ「あら、お姉様に向かって反抗的な目つきね。
私だってネスツの出身なんだから、ただのクローンってわけじゃない筈よ。
公式設定には無いけど、きっと変身してキックをお見舞い……って、
キムチんところのど根性ガエル女が既にやってたわね、それは」

クーラ「でも、そうだね。格闘技の大会で拳銃をぶっ放すなんて、
脳改造でも受けてない限りはまず出来ないよね」

ウィップ「やだわ、褒めないで///」

K'「誰も褒めてねぇよ……で、メンツはこんだけか? マキシマは?」

ウィップ「うーん、彼はムサいから削除。エロパロにムサい男はいらないわ。
それに折角の格ゲー総合スレなんだから、版権の枠を超えて
他メーカーからも改造人間を招集すべきよね」

K'「他のメーカーに、改造人間なんていたかぁ?
………………あ、いたな」

K'の脳裏に、ソルを筆頭としたギア連中の顔が思い出される。
また或いは、スト3に出てくるヨーグルトみたいな色の皮膚をした変な生き物も。
だが、ウィップが差したのは、別の改造人間達だった。
425名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:22:21 ID:SwrZRgpV
ウィップ「じ・つ・は。今日はこのお二人に来てもらってまーす」

クーラ「わーいわーい、ドンドン、パフパフ♪」

ユーリ「……」

ユーニ「状況把握。直ちに自己紹介に移行します。個体識別名称、ユーリ及びユーニ」

K'「……誰かと思ったら、ベガの肉便器じゃねぇk(ベシッ!)ぃ痛っ!」

ウィップ「その発言は少々オイタが過ぎるわねぇ。
この二人のファンが聞いたら、ボコって簀巻きにされちゃうかもよ?」

K'「わ、わかったから……鞭でしばくのだけはヤメロ……」

クーラ「スト0の巨乳代表ユーリに、貧乳代表のユーニだね!」

ユーリ「当該発言:否定」

クーラ「え、何?」

ユーニ「公式設定の確認を推奨。対象項目、スリーサイズ」


言われてクーラは、ユーリとユーニのスリーサイズを確認した。


クーラ「……あ。ユーリよりローズの方が巨乳なんだね。
………………………………………って、ユーニ、私よりおっぱい大きい?」

K'「何だお前。そんなんで人の事、貧乳とか言ってたのかよ?」

クーラ「ちっ、違うもん! あれは、スト0を代表するって意味で……」

K'「お前が貧乳なのは認めるんだな?」

クーラ「ぅ……でもでも、ロリっぽい外見の割には結構胸あるって、評判だよ?」

K'「藤堂香澄とかと比べりゃ、そりゃそうかもしれねぇケドよぉ。
バスト80cmをほんの1cm超える程度なんて、視認出来るギリギリの範囲だろ」

クーラ「うぇーん、お姉ちゃーん! お兄ちゃんがイジメるー!」

ウィップ「こらっ、DQN! クーラを苛めちゃメッ!」

K'「ぅわっ、待て鞭はマズい! 鞭はマズいって! ゴルァ!」
426名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:23:13 ID:SwrZRgpV
ユーリ「……現状把握:不能」

ユーニ「M-020。当会議の明確な趣旨の伝達を要求」

ウィップ「あぁ、すっかり忘れてたわ。この会議のテーマはね、
メーカーの垣根を越えて、改造人間同士、親睦を深めましょうって事なのよ」

K'「お前、こいつら相手に親睦とか、マジで言ってんのか?
まともに喋れるかも怪しいんだが」

ユーニ「発言内容を吟味。当該発言を、対象者に対する侮辱と認定。直ちに修正に入る」

ユーリ「歯:食いしばれ。そんな大人:修正」

K'「待て、キャラも喋り方も違っ……ゴフッ!」

ウィップ「まぁ、早速仲良くなれそうじゃない、私達!」

クーラ「いっぱい遊んだりしようねー、ユーリ、ユーニ」

K'「俺に対する態度を友好の試薬に使ってんじゃねぇよ……」


〜5分後〜


ウィップ「あら、よく似合うじゃない、クーラ」

クーラ「お姉ちゃんも、たまにはそういう服装も可愛いね」


サッカー選手が試合終了後、ユニフォームを敵チームの選手と交換する事がある。
また或いは、仲の良い姉妹などは、よくお互いの服を貸し借りしたりもするそうだ。
K'を除く4人は、親睦を深めるための儀式として、コスチュームの交換を楽しんだ。


ウィップ「それにしてもクーラのレオタード姿って、犯罪的な可愛いさね」

クーラ「セーラお姉ちゃんもかぁいいよ。お姉ちゃんとユーリは、
衣装を交換しても全然違和感無いよね」


見ればユーリは、ウィップの軍服を着用していた。
確かにウィップとユーリの顔デザインは似ているから、違和感は全く無い。
むしろユーリはその軍服よりも、鞭の方に興味津々といった表情だった。
無言だが、じっとウッドドゥを見つめる。K'の背中を、嫌な予感が走った。


K'「待っ……」

ビシッ!

K'「痛ぇっ!」


口には出さないが、ユーリはこの女王様気分を、大層気に入ったようだった。
傍で見ていたユーニもまた、彼女は彼女で、クーラから借りたライダースがお気に召したようだ。
427名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:23:55 ID:SwrZRgpV
クーラ「でも、ただ衣装を交換するだけじゃ、面白くないなぁ……。
そうだ、このタイツ脱いでみよう」

K'「んなっ!?」

ウィップ「それ良いわね。私も試してみよっと」

K'「はぁっ!?」


二人は物陰まで行くと、下半身をまとう紺色のタイツを手早く脱いで、また戻って来た。


クーラ「ジャーン! 初公開、クーラの生足だよー」

ウィップ「私の生足も貴重じゃない? どうどう? 見てみなさいよ、K'」

K'「……ゴハァッ!」

クーラ「鼻血噴いた!」

ウィップ「K'が鼻血噴きよったで……せや、アカンかったんや!
ただでさえムッツリスケベと噂されてる純情ボーイの前で
レオタードで胸強調、股間食い込み、尻食い込み。これだけでも十分エロいのに
その上太腿丸出しなんていかにもキャバクラ常連のエロ親父が好きそうな
狙い過ぎの直球スケベファッションしたら、アカンかったんや!」

K'「お前、キャラ違……」

クーラ「なぁんだ。お兄ちゃん、私達の格好見て、コーフンしちゃったんだ?」

ウィップ「うい奴、うい奴。ようやくお姉様の魅力に気付いたのね。
何なら今度麻宮アテナに頼んで、セーラー服でも借りてきてあげようか?
これでも私16歳だし、肉体年齢はあなたより年下だしね」

クーラ「あー! 制服良いなぁ。クーラも体操服とか水着とか着てみたい」

K'「……ゴハァッ!」

クーラ「鼻血噴いた!」

ウィップ「K'が鼻血噴きよったで……どうせまた、スク水の上に
上半身だけセーラー服着たクーラとか想像して、血が上ったんでしょ?
それともマニアックに、ジャージを着た私が委員長みたく叱り付けるとこでも?」
428名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:25:19 ID:SwrZRgpV
想像してみる。
朝、妹の部屋に用があって赴くK'。ノックをすると「入って良いよー」の声。
貸していた辞書を返してもらおうと入室すると、そこにはスク水に上半身制服のクーラ。
何て格好してんだテメェ! と焦って怒鳴る兄に、クーラは言う。
今日、1時間目に水泳の授業があるんだ。着替えるの面倒だから、最初から着て行くの。
クーラはまさに、これからスカートを履く途中だったのだ。
だがむしろ、スカートを履く前の、その段階こそが絶妙。
制服を全て着てしまってからでは、この魅力は出せない。
また、いかにスク水が神の真理に基づいた聖なるコスと言えど、それだけではこの味は出ない。
スク水に、セーラー。だからこそ良いのだ。この絶対的バランス。黄金比。
見る人によっては、これにメガネがあったら尚良し、と思うだろう。
お兄ちゃん、どうしたの?
悪意も悪戯心も無く、首をかしげるクーラの仕草が、愛苦し過ぎる。

妄想と欲望を何とか押さえつけながら、K'も登校。
いつも可愛い妹と一緒に登校出来て良いなぁと、クラスメートが羨む。
ったく、少しは俺の身にもなってみろってんだ。心の中で悪態をつく。
午後になって、体育の授業。今日は長距離走だ。
マラソン大会が近いから、ここ数日は授業内容もそれにあわせたものになっている。
かったるいと思いつつ、相棒のマキシマとグラウンドに座り込んで時間を潰す。
「こらー、男子。そんなトコに座り込んでたら、先生に言いつけるわよ」
見上げると、白の体操服に赤いブルマ。いや、この際クォーターパンツでも良い。
そしてそのブルマと同色の赤いジャージを羽織った、委員長が立っている。
勿論(?)、ジャージのチャックは全開だ。小さな事だが、ここが重要なのだ。
大した事ない格好なのに、目のやり場に困って、悪態をつきながらも
少し前屈みになって、その場から逃げ出すようにマラソンに参加するのだ。


K'「……う」

クーラ「大変! お兄ちゃんの鼻血が止まらないよ! 病気? 体大丈夫?」

ウィップ「妄想はそのくらいにしときなさい。ここは格ゲーのスレなんだから。
それ以上その妄想の続きがしたいなら、該当スレに行きなさい」

K'「誰のせいで、こうなったと……」

ウィップ「そうね。私達も、調子に乗りすぎたわ。
お詫びに、エロパロらしく、その昂ぶった性欲を処理してあげる」

K'「ハァ!?」


ウィップはユーリにアイコンタクトを向けた。
瞬間、危険を察知して逃げ出すK'。だがそれより早く、ウッドドゥが放たれる。
上半身をグルグル巻きにされて、K'は前のめりに転倒した。
そのままズルズルと、ウィップ達の足元に引きずられていく。
コケた衝撃で、K'は少しの間、意識を失っていた。
429名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:27:30 ID:SwrZRgpV
目が覚めた時には、彼は椅子に括り付けられていた。
ぼんやりとする視界を、頭を左右に振る事で、何とか明瞭にしようとする。
見てみると、彼のズボンのチャックは下ろされ、男根がむき出しになっていた。
ドーン!!

「何の真似だ痴女ども!」
だが、ウッドドゥによってグルグル巻きで椅子に固定された彼には、逃げ出す術は無かった。
目の前のウィップが、クスクスと不気味な笑いを浮かべている。
クーラは勿論の事、無表情なユーリとユーニすら、何故か楽しそうだ。
そして何故か、ユーリとユーニは素っ裸。
「役得だと思わない?
 公式には不明瞭だけど、ひょっとしたら妹かもしれないクーラぐらいしか
 まともに相手してくれる女の子のいないアナタにとっては。
 滅多に現れない千載一遇のチャンスよ?」
「だから何する気だテメェ!」
K'は、さぞかし女性に免疫が無いのだろう。顔が真っ赤だ。
まぁ、例え免疫があったとしても、普通は気絶してる間にチンポ丸出しにされてたら
顔は赤くなるか青くなるかの、必ずどちらかだろうが。
「と言うわけで今日は、シャドルーが誇る美人強化兵士のお二人に、
 この哀れな子羊の色黒チンポを、丹念に弄んでもらいまーす」
「任務:了解」
「了解しました」
「了解するかボケェ! 何でこんな人形みてぇな連中に、
 逆に人形扱いされなきゃなんねぇんだよ!」
「あら、じゃあフォクシーに頼もうかしら? あんなオバサンで良ければ」
「誰があんな、2001の公式イラストが研ナオコにしか見えない女に頼むか!」
「でも、私やクーラがするんじゃ、折角クロスオーバーさせた意味無いしぃ……」
「いやそれを言うならフォクシーだってそうだろ……じゃなくて!」
「まぁ別にあなたが望むんなら、私達がしてあげても良いのよ?
 お姉ちゃんが優しくしてあげようか? うふふ」
「……それはそれで(ゴクリ)……じゃなくて!」
「お兄ちゃん、ふぁいと、おー」
K'は炎を発動させて、体を縛る鞭を焼ききろうかと思った。
が、うまくやらなければ自分の体まで焼けてしまう上に、そもそも炎が発動しない。
後ろ手に縛られているのでよくわからなかったが、この冷えた感触。
ひょっとすると、クーラがグローブを氷漬けにしているのかもしれなかった。
彼は、もはや観念するしか無いと悟った。
430名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:28:17 ID:SwrZRgpV
ユーリが、その豊満な胸でもって、K'の男根を挟み込んでくる。
肉の重圧から覗き出る先端に、ユーニが横から舌を伸ばす。
自分の下半身に、美女が二人群がる様は、苦悶とも悦楽ともつかない。
「男性器:勃起確認」
「パターン・465。海綿体への血液の流入が認められます。
 カウパー氏腺液の漏洩を視認。回収開始」
小難しい事を言うが、要は先走り汁を舌で舐め取る、ただそれだけの事だ。
しかし無機質に報告を読み上げるだけの少女達の口調では、盛り上がるものも盛り上がらない。
ユーリが、自らの両手で保持した胸を上下させて、摩擦を加える。
本来なら情熱的なこの行為も、この少女にとっては、機械的な動作なのかもしれない。
今頃頭の中では、チンポの硬化比率だの、パイズリの摩擦係数だの、
そんな滑稽な程に無機質な計算を、延々繰り広げているのだろう。
だがせめて、ハァハァと息を荒くするなり、目を呆けたように
トロンとさせるなりしてくれなければ、どこか興ざめというものだ。
少なくとも、扇情的な声や、わざとらしい程エロティックな台詞でもって、
興奮を高めるような努力はしてくれないものか。
……そこまで考えて、この少女達にはそれが一番求められないと、今更気付いた。
それならまだ、息を荒くする事の方が、期待出来る率は高いだろう。
「……こんなんでイケるワケねぇだろ。味気無ぇ」
「あら、仕方ないわねぇ。普段オナニーばっかりしてるから、本番でイケなくなるのよ」
「してねぇ! っつーかコレ本番未満だろうが!」
ウィップは一頻り思案した後、妙案を思いついた。
興奮度が低いのは、確かにその通りだろう。
ユーリとユーニには、その悩殺ルックスでもって男を興奮させる事は出来るだろうが、
リップサービスを駆使して言葉で相手の欲情を刺激するような真似は出来まい。
ならば、リップサービスだけ別の人間が担当してやれば良いのだ。
「クーラ。何でも良いから、目隠しになるようなもの持ってきて」
「目隠し? それって、ハンカチとかでも良いのかな」
「大丈夫よ。この色黒オロチモドキの視界さえ奪えば」
「待て、お前何考えて……おいこらっ、やめろ!」
抵抗出来ないK'の目は、実に手際良くさっさと塞がれた。
ハートマークのあしらわれた可愛らしいハンケチーフは、
彼のチンピラ然とした顔面に対して、愉快な程不自然だった。
431名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:29:09 ID:SwrZRgpV
「つまり、エロボイスが無いから興奮出来ないってわけよね?」
「そうだね。実際のセックスやAVなら兎も角、文字だけで表現するエロパロで、
 声や台詞が無いってのは、読者にとって致命的だもんね」
「そこで読者……じゃない、K'の性欲を掻き立てるために必要なのは、
 劣情を刺激して止まない猥褻な台詞の数々、という事になるわ」
「そうだね。でもそんなの、ユーリやユーニには期待出来ないね」
「……何かお前ら、物騒な話してないか?
 つまり結論から言って、何がしたいんだテメェら。
 ゴチャゴチャ言ってっと、体が自由になった時に問答無用で焼くぞ」
後ろ手に縛られて椅子に括り付けられ、ピンク色のハンカチで目を隠され、
下半身はワンインチならぬフォーインチの凶器を剥き出しにして、
そこに無口無表情の鉄面皮少女二人に無言で群がられるK'の姿は、
口先で強がっている程には、頼もしくは見えなかった。
「鈍い男ねぇ。我が弟ながら情けないわ。
 これが本当に、あの全身ボンテージのSM野郎、クリザリッドの素体?
 ちょっとは妄想力を駆使して、状況を理解しなさい」
「つまりセーラが言いたいのはね、私達二人で
 ユーリとユーニの代わりに、えっちな言葉を一杯聞かせてあげようって事なの。
 目隠しされてるお兄ちゃんには、あたかも今自分のおちんちんを弄んでる二人が
 エロエロ喋ってるように聞こえるって寸法だよ」
「……いや逆だろ。
 どっちかっつーと、この人形二人が喋ってるように聞こえるんじゃなくて
 お前ら二人が俺のモノを弄り倒してるように錯覚するんじゃ……」
「つべこべ言わない。好きな方を選べば良いじゃないの。
 ユーリ&ユーニがエロい言葉を口走りながらご奉仕していると妄想するか、
 ウィップ&クーラがラブラブご奉仕してると思い込むか。
 それは読者……じゃなかった、あなたが勝手に選べば良いのよ。
 これはむしろ、漫画という媒体には不可能な、SSでしか出来ない事なのよ」
無茶を言うな、お前らにはユーリのような巨乳は無いんだから、
お前らに実際にパイズリなんて出来るわけないだろ……とK'は言いかけたが、
言ったら鞭でしばかれそうなので、黙っておく事にした。
432名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:29:51 ID:SwrZRgpV
それでは、スタート。

「ん……じゅぷ……ふあっ……お兄ちゃんの、すっごくあったかぁい」
小さな唇が、亀頭を包み込むようにキスしてくる。

「挟んでる私の胸まで、温度が上がっちゃいそうよ。ふふ」
肉厚の胸がはち切れそうな男根をぎゅっと挟み、時折乳首で側面に摩擦を与える。

「先っちょの方から、ミルクが滲んできてる……美味しそう」
恐らく人差し指だろう、女性特有の冷えた皮膚の感触が、ピンポイントで尿道を擦る。

「ねぇ、わかる? 血管浮き出てるの。ビクン、ビクンって、苦しそうよ」
吐息がかかり、余計に先走り汁を流させる。

「あむ、ん……むはっ……おっきくて……私のお口、入んないよぅ……」
小さな口が頑張って男根を頬張ろうとするが、苦しいのか、入り口だけでも辛そうだ。

「咥えられない代わりに、いっぱい舐めてあげなさい。そのちっちゃいベロで」
舌なめずりの音が聞こえる。

「ちゅる……っぢゅ……ぴちゃ、じゅ……やだ、先っちょのお汁、変な味」
尿道を中心に、カリ全体に余すところなく舌が這う。

「セーシは栄養満点なのよ? 後で顔にぶっかけてもらいなさい」
挟み込む巨乳が、いつの間にかテクニックを変えたのか、左右交互に上下するようになっていた。

「うん。その時はお姉ちゃんも一緒に、ね?」
生温い唾液が垂らされ、パイズリとの相乗効果で、泡を立てながら男根を濡らしていく。

「ダレてきたわね。手を変えましょうか?」
両の巨乳が男根を解放すると同時に、今度は手で、しっかりと握りこまれる。

「ほらお兄ちゃん、この感触。何が当たってるか、わかる?」
まさか、これは……。

「ふふ、そうよ。正解はち、く、び♪」
反り上がった裏筋を、下から上へゆっくりと、乳首が滑っていく。

「私とお姉ちゃんの、どっちのかはナイショだけどね」
うぉぉぉどっちなんだ!? 姉の立派な乳首か、妹の小粒な乳首か!?
433名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:30:39 ID:SwrZRgpV
「さぁ、そろそろラストスパートよ」
「お姉ちゃんと私の、共同作業だね!」
少し大きさの異なる二つの掌が、やはり女性特有の
冷たい感触でもって、男根を握りこんでくる。
だがその冷たさも、二つの手で微妙に体温が異なるようだ。
つまり今、K'の男根を、二人の女性が一本ずつの手で、同時に握っているという事になる。
美少女二人の手と指が、自分のモノを包み込むように絡み合う……
それは、想像しただけでも射精出来てしまいそうな、天国の心地だった。
「ガマン汁もかなり漏れてきてるし、もうすぐにでもイっちゃいそうね?」
「ガマンせずに出して良いからね、お兄ちゃん♪ でもイく時は言ってね」
小さな手が上下に動き、柔らかくも確かな刺激を加えてくる。
その動きは素早く、K'の下半身は敏感に反応して、時折膝がビクビクと跳ねる。
その度に爪先が張り、靴底が床の上で音を立てる。
湿った空気が亀頭を撫でる。二人の顔が、射精を待ち構えるように、
それこそ吐息が当たる程男根の至近距離にあるのがわかる。
「くぉっ……ヤベェ、くそ……」
自分は今どんなに情けない表情をしているだろう、
そして目隠しされているからわからないが、少女達はそんな自分の表情を
どんな表情でもって見つめているだろうと、彼は思った。
愛しい伴侶に満足してもらえる、幸せな目?
可愛い兄弟とじゃれあう、楽しげな目?
いや、そのどれも違うだろう。
恐らくは、こんな簡単に絶頂を迎えてしまう負け犬を見る、馬鹿にしたような目だ。
それがウィップであるにしろ、クーラであるにしろ、
ユーリであるにしろ、ユーニであるにしろ、誰一人として
睦まじく愛し合う女の目ではないに違いないと思えた。
その屈辱は恥辱となって、あろう事かより一層、性的興奮を高めてしまう。
「ちぃっ……イクぞオラァッ!」
情けない強がりから、K'には無理に乱暴な言い方で
自分の絶頂を宣言するしか出来なかった。
水鉄砲のように解き放たれた白濁が、待ち構えていた美少女達の顔面を
ピュッと一回、またピュッと一回と、断続的に撃ちぬいていった。
434名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:31:25 ID:SwrZRgpV
まだ目隠しは解かれない。
K'は余韻を感じながらも、耐え切れずみっともない醜態を
姉妹達の前で晒してしまった事に、徐々に後悔の波を感じ始めていた。
微かに漏れてしまう疲労の吐息と、恐らく火照って赤くなっているであろう自分の頬。
客観的に今の自分の姿を想像すると、穴があったら入りたくなる。
「あはっ、いっぱい出たね!」
「まだまだよ。この尿道の中の残り汁も、全部吸い取ってあげるんだから」
生暖かい、少し気持ち悪い感触が、柔らかくなりかけたK'の男根を咥えこむ。
先程はカリの辺りまでだったが、今度はもっと深い。本格的なフェラチオだ。
ずじゅっ、ずーっ、ぶふっ。思い切りの良いバキュームの音が耳に届く。
精液の一滴一滴までも搾り取るつもりらしかった。
「うーん、何か苦ぁい。あんまりおいしくない」
「それがオトナの味よ。慣れたら美味しく感じるようになるわ」
K'にはそれが、自分の精液を味わう声に聞こえた。
もっともその時クーラは、精液ではなくコーヒー(無糖、ミルク無し)を飲んでいたのであり
ウィップに至っては、椅子にかけて適当な漫画の単行本を読んでいただけだったが。
ユーリは大事そうにK'のモノを舐め続け、ユーニは唇に付着した白濁を舌で掬っていた。
435名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:32:18 ID:SwrZRgpV
おわり
436名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 22:04:51 ID:QaV1QBZL
GJ!
K´wwwww

SSじゃ散々な言われようされてる主人公だが、
アレックスよりは大分マシだと思うんだ。
437名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 22:44:46 ID:nhIydEdA
アレックスのエロなど
夜盗が女を襲う光景にしか見えぬわーーー!!
438名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 22:54:52 ID:EVRa4x02
GJGJ!!
K'には是非攻める側にも回って欲しいのぅ
439名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 19:18:53 ID:BHwTt2Xi
最初に謝っておく。
板違いごめん。









KOF12の動画sugeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!
440名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:30:09 ID:OpZ92k0e
>>439
kwsk
441名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 00:10:41 ID:3heT5HXa
442名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 00:31:23 ID:djHkibGC
なんかストVみたいな事になってないかw
でも確かにすげぇ
443名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 06:46:25 ID:hv3aldmM
ストV少し思い起こさせるな

ていうか何かアテナがシャナっぽくなってない?
444名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 12:29:21 ID:RIyEex+I
それに
445名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 12:30:11 ID:RIyEex+I
それに比べてスト4と来たら・・・。
446名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 14:31:13 ID:aBDjxmWB
リュウとさくら、もしくはチュンリーの甘いエロが見たいです><
447名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 08:28:34 ID:eDSnWUo7
エリザベートハード

アッシュ=クリムゾンの蛮行を止めるためKOFに潜入したエリザベート。
だがそれは主人公チームの巧妙な罠だった。

オズワルド「おっとあんまり動くと爆乳がこぼれそうですよ」

シェン「オイ クイックシフトを用意しろ へへ みんなで気持ちよくピヨらせてやるぜ」

アッシュ「ベティのスタンゲージは、ボクに崩されるために築いてきたんだよネ」

シェン「戦ってるときからずっとこの爆真をぶっぱなすのが楽しみだったんだ」

オズワルド「生エリザベート様の生乳を拝見してもよろしいでしょうか?」

シェン「へへへ、遂にピヨりゲージが点滅を始めたぜ…」

アッシュ「ほ〜らシェン・ウーさま バカみたいに大きなスタン値が役に立つときがきましたヨ」

シェン「リー超の生弾拳ゲ〜ット!」

アッシュ「マゾ神武様かよ。ベティにリー超ぶっぱされて感じてるんじゃないの?」

シェン「右手首が弾拳しやすくなってるのを悟られたら…!」

オズワルド「よかったじゃないですか リーダー選択ミスのせいにできて」









『チクショーーーーーー!!』

448名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:32:00 ID:ckGzFGC/
シェンwwww
449名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 23:19:42 ID:9rE48R0N
くやしい……でも……気絶しちゃう!
450名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 07:23:19 ID:KYuMX06l
だれか舞を書いてください
451名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 19:27:07 ID:701BJRMU
アンディ「僕は闇慈って人じゃありません信じて!僕はアンディ・ボガ……」
梅喧「アンジ・ィだとフザケんな!」


闇慈「俺はアンディなんて奴知らねぇ!俺は御津闇慈……」
舞「ミト・アンディ?何それ、もう何でも良いわ子作りしましょう!」


美形会議の裏側
452名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 20:50:47 ID:cbmfmQDi
どこまでを格ゲーのキャラと認定して良いんだろう
例えばアテナは元々格ゲーのキャラじゃなかったけど、今やKOFの中核だけど
果たしてロックマンやフィオや、はては版権アニメキャラなんかは
格ゲーキャラとして認定して良いのか否か
453名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 22:40:12 ID:XpQQG3ls
まあ…元がベルトアクションのキャラだった
コーディーやガイだって格ゲーキャラだと認識されてるんだし
かりんも元は漫画から生まれたキャラだし…一応は許容範囲じゃないのか?
454名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 02:53:28 ID:VGHyDj1j
満月の夜だった。

俺はヒトならざる何かの奇声といくつもの銃声、女の子の悲鳴が聞こえ目が覚めた。
俺は無意識のうちに夜の街へと飛び出し、悲鳴が聞こえた場所へと走りだした。

狭い路地裏の中、月光が差す先には赤いずきんを被った10歳前後の女の子が倒れていた。
俺はとっさに彼女に近づき声をかけるが返事は無い。
病院を考えたが、彼女の所持品を見た瞬間にその考えは止めた。
彼女は鼻を刺すような血と硝煙の匂いを放ち、彼女の物と思われるバスケットからは、ナイフに機関銃、火炎ビンが顔を出していた。

俺は治療のために、彼女をとりあえず自分の家に連れて行くことにした。
455名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 03:09:41 ID:VGHyDj1j
>>454

彼女を抱えて何とか帰宅し、俺は初めて彼女の顔を覗き込んだ。
まだ何も知らなそうな純真無垢な顔、ちょっとクセがあるが綺麗な髪、まるでもちのようにぷにぷにと柔らかい頬…。

俺は無意識のうちに彼女の柔らかな唇にキスをした。
彼女が軽く震えた気がしたが、構わず彼女の口の中に舌を入れていき舌を絡ませていった。
ただ、己の欲望のまま彼女と舌を絡ませて唾液を混ぜ合わせいくと、突然腹部に冷たい何かが突き刺さった。

ふと、腹部を見てみると、俺の腹から肉の塊が流れ出て赤い鮮血が噴き出していた。

俺は口づけをしている彼女の顔を見ると、まるで汚らわしいモノを見る目で俺の顔を睨み付けていた。
456名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 03:21:43 ID:VGHyDj1j
>>455
俺はそんな彼女の表情を見た途端に、身体中が熱く高ぶるのを感じた。

いや、もはや感じた事も無い感覚だった。

熱く吹き上がる感情は、そのまま俺の身体を異形へと形を変えていった。髪の毛は総立ちし、身体中に凄まじい程の活力がみなぎると同時に頭の中に一つの概念が広がっていく。
腹部の怪我はいつの間にか消え、その変わりに俺の生殖器が通常の数十倍に肥大化し、ビクビクと脈を打ちながら猛々しく勃起していく。

彼女は一生懸命俺の身体にナイフを突き立てたり機関銃を乱射するが、今の俺には全く無意味だった…。
457名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 03:31:57 ID:VGHyDj1j
>>456
俺は彼女の口から舌を抜くと、まるで爬虫類を思わせる舌が出て来た。

俺は高ぶり続けていく生殖器をどうにかしないとと思い、つい彼女の顔に自らのモノを押し付けてしまった。

俺のモノが彼女の頬に当たると、凄まじい勢いでカウパーが噴き出してしまった。
彼女の顔は粘性のある透明な液体を浴びて、一瞬にしてベトベトになってしまったが、彼女は外見通りに性の意識は全く無いらしくキョトンと俺のモノを見つめていた。
458名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 03:43:17 ID:VGHyDj1j
>>457
俺の生殖器はもはや人間界のどの生命体とは比べ物にならない程肥大化してしまっていた。
精巣の中では子孫を残す為にある種が凄まじい勢いで増殖し続けていた。

俺は片腕で赤いずきんの女の子を持ち上げていた。
俺は、彼女が履いているかぼちゃパンツをずらし彼女の幼い割れ目を露わにした。

「なにすんだよオラァ!」彼女は叫びながら暴れるが、それは逆に俺を興奮させるだけだ。

俺は暴れる彼女を抱え、幼い割れ目に自らのモノを後ろから押し当てた。
459名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 03:53:24 ID:VGHyDj1j
>>458
「な、なにしやがる…?」彼女の幼い割れ目に、俺の巨大なモノの先端が当たると、彼女は小ぶりなおしりをふりふりと振った。
しばらくその様子を楽しんでいると、彼女の方も意識して来たのか「はぁ…はぁ…。」と、甘い吐息をたてていた。

「お前…あたしにこんな事して…タダですむと…んぎゃああぁぁ!!!?」
彼女が文句を言う瞬間に、俺は自らのモノを彼女の幼い割れ目にねじ込んだ。
460名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 04:09:00 ID:VGHyDj1j
「ぎゃあっ!うあっ!痛いっ!痛いいっ!!」
俺は痛みで悶え狂う彼女をの腰を掴み、狭い割れ目の中に巨大なモノをズブズブとねじ込んでいった。
「ぎゃあああぁぁっ!!!無理っ!そんなの無理っつってんだろぉ!!」
すぐに彼女の幼い子宮口にハンドボール並みの亀頭の先端が当たると、少し溜めてから一気に子宮口を突き破った。
「うぎゃああああああああああああっっっ!!?!!!」
彼女は初めての感覚に身体中をビクンビクンと痙攣させながら、目から涙をボロボロと流し、口の端から唾液を撒き散らしながら泣き叫んだ。
俺は子宮の中に亀頭が入ると揺さぶりながら突き上げていき、自らの巨大な生殖器を幼い肢体に無理矢理根本までぶち込んでいった。
461名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 04:17:17 ID:VGHyDj1j
>>460
彼女の幼い割れ目は限界以上に広がり、結合部から赤い血と粘性の透明な液体がトロトロと流れ落ちていて、彼女の下腹部は俺の生殖器の形に膨れ上がってしまい、子宮内はパンパンになっていた。

彼女は虚ろな瞳をしながらも一生懸命に意識を保っていた。

だが、まだ終わってはいない。

俺は両手で彼女の腰を掴み、彼女のパンパンになってしまった幼い子宮の中で自らのモノをピストンし初めた。
462名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 04:28:23 ID:VGHyDj1j
>>461
「いやぁ!もう無理っ!無理だからぁ!いやっ!イヤぁ!」
俺がピストンを開始すると彼女はのけぞり必死に悶えながら俺にやめるよいに哀願した。

俺が君との子供を作りたいと言うと、「やだっ!テメエみたいっ!な…っっ!バケモンとガキなんか作るもんかぁ!!」と叫ぶのでピストンの勢いを凄まじくした。

「あぁん!死んじゃう!あたし死んじゃうっっ!!」
俺がピストンする度に彼女はガクガクと震え、下腹部が隆起したりへこんだりしながら俺のモノを千切るような勢いで締めつけていった。
463名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 04:43:50 ID:VGHyDj1j
>>462
「あああぁぁぁん!!??んきゃあああああああああぁぁっっ!!!!」彼女が突然ビクンビクン痙攣をすると、幼い子宮は俺の巨大なモノを根本から締めつけた。

その瞬間、全ての感覚が生殖器に集まり精巣が爆発するかと思わせるくらい膨れ上がり、亀頭の穴から全ての欲望が噴き出した。

俺は彼女の身体に全てをぶつけるようにガクガクと全身を奮い立たせ何度も何度も絶頂を迎え、何リットルもの白濁した精液を彼女の幼い子宮にブチ撒けていった。
464名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 04:58:12 ID:VGHyDj1j
>>463
全ての欲望を吐き出した後、彼女はビクビクと震えながら失神してしまった。
下腹部は妊娠したかと思わせるほど精液で膨れ上がってしまい、結合部からは血と精液が混じり合った液体を濁流のように噴き出していた。

俺もあまりの快感の嵐により、その場で気を失ってしまった。

次の日…。
俺が目を覚ますと、彼女が目の前に立っていた。「テメエ…あたしにこんな事しやがって…。」
そういうと、彼女は力無く俺に抱きついてきた。「あなた…名前なんてゆうの…?」



終了です。
一応ヴァンパイアのバレッタの鬼畜ものという事で。
465名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:08:32 ID:Bj5N8o1E
うほっwwwGJ
466名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 10:33:18 ID:0syCKmvR
セイヴァースレには申し訳ないが、こりゃGJだ!
467名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 13:32:29 ID:VGHyDj1j
>>465
>>466
ありがとうございます。駄作ですいません、そのうちに続編書くのでよろしくお願いします。
468名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 23:47:49 ID:3R9Przc2
>>454-464
セイヴァースレから来ましたww


GJ!ガロンとバレッタの因縁の初エッチいいな。続編も超期待
もし良ければ、今度セイヴァースレにも投下して下され
469名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 01:33:40 ID:/C+ajfBN
>>468
感想ありがとです。
バレッタの相手は一応オリキャラです。


自分でも探してみますが、セイヴァースレの名前がちょっとわからないので出来れば教えてください。
470名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 01:49:49 ID:/C+ajfBN
発見しました。
早速書きますね。
471名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:36:25 ID:iIdcDRWQ
>>469
勘違い申し訳ない!気を悪くさせるような事言ってごめん
472名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 02:42:59 ID:gRpNag8e
>>471
気にしないでください。俺の表現力が下手なだけですよ。
473名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 12:11:49 ID:vs8qZlCQ
俺は逆に、わざとガロンだと「気付かせる」ように描写したんだと思って「さすがだなぁ」と感心してた
474名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:16:03 ID:T0CKZOSu
ここのスレでSSを書くとき、必ずエロ要素は含めなきゃいけないのか?
それとも含めなくてもいいのか?
475名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:59:25 ID:j1T3vjsq
>>474

OKじゃないっすか?
ていうか「ダメ」とか言われたら俺の立つ瀬がなくなる……
476名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:17:02 ID:T0CKZOSu
じゃあ含めなくてもいいんだな、安心した。
じゃあこれから俺も自分の書いたSSをここで投稿してみるけど、
正直SSなんて一度も書いたこと無い上に、小説自体あまり読まない自分なんかが書いたSSなんて載せたら、
「氏ね」「消えろカス」「どっか別の場所でオナニーしてろw」なんて言われるのがオチだろうから
載せるのにちょっと抵抗がいるかな・・・
477名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:44:31 ID:j1T3vjsq
>>476
ここの住人は優しいから大丈夫だよw
気軽に投下してみな

>小説自体あまり読まない
まずはライトノベル読むことから始めようか………と言いたいのは山々だが、
自分の知ってる上手いSSさらすから読んでみる?
書くときに役立つかも………

美形会議(墓標)
ttp://bohyou.vis.ne.jp/neogeo/conference/index.htm

逃げの一手
ttp://www7.atwiki.jp/nigenoitte/

女の子に貞操帯を
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/sm/1117195223/l100
478名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:30:38 ID:Nby/dbKr
むしろエロパロでは、ラノベ風の軽い文章のがウケが良いかもしれない
下手に既存の小説家の文体に慣れて、太宰治みたいな文章になっても困るw
479名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 15:52:45 ID:72DWlv1X
>>477-478
ありがとう
それとラノベ風の文体というと、第三者からのようなものではなく、「私は恐怖した・・・」とか
月姫とかのような「そのキャラクターの主観からの文体」というようなものか?
480名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:17:03 ID:HiAPCMXO
それは単なる視点や人称の違い。

そこらへんから分からないなら、Web上で適当な「創作小説の勧め」系サイトを
見て一通り勉強して来た方がいい。ここで延々講釈するのはスレ違いだから。
481名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:12:31 ID:89zR5erh
というかだ。君の作品の続き見たい者としては
いつ書いてくれんのかなー?とワクテカしてる訳でありw
KOFとメルブラのクロス書きたいって人でしょ?自信持ってここで
バーンとやってみたら?
俺みたいにやりたいけどグジグジ悩んで出来ない、ていうのが多分
一番創作したい者としちゃ苦しいだろうしねー…
482名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 03:27:21 ID:HZL0eNQH
え〜っと…投下します。ネタはKOF。


まりん「ねぇねぇ、ホントにかくまってくれるの?」
俺は仕事請負人、コイツはスパイの仕事でヘマを起こしたまりんとかいうガキだ。
「ああ、しばらくの間はここで寝泊まりしていい。ただし条件がある。」
まりん「条件?まさかえっちなコトしろ〜とかじゃないよね?」
ったく、相変わらずマセた事を言うガキだ…。
「そんな事言うならもっと成長してから言えよ。」
俺は煙草に火を付けながら吐き捨てるように言うと、まりんはぷ〜っと膨れる。
「条件は騒ぐな、それだけだ。」
まりん「なんだよそれ〜っ!まるでキミはあたしをうるさいって言ってるってコト〜っ!?」
「騒ぐな。」
俺はまりんの鼻先に人差し指を当てて言った。
483名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 03:43:39 ID:HZL0eNQH
>>482
まりん「キミは相変わらず無愛想だな〜。」

「悪かったな…。お前は相変わらず五月蝿いな。」
俺はまりんの小言を聞き流すと、まりんが目の前に顔を出してきた。
「何だ?」

まりん「ん〜…キミは愛が足りないね〜♪目が死んでるぞ?」

「お前は脳味噌と胸が足りないな…。愛とはこういう事か?」
俺は調子に乗ったガキを静かにさせるつもりでまりんの頭を掴み、無理矢理キスをしてついでに舌を絡ませた。

まりん「むぐっ!?む〜っ!んむ!?…っ!ぷはっ!」
唇を離すと、まりんは顔を真っ赤にしながらぺたんと崩れてしまった。

いい気味だ。
484名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 03:54:10 ID:HZL0eNQH
>>483
まりん「…たのに。」

「何か言ったか?」

まりん「はじめてだったのに…こんなのないよ〜っ!」
まりんは頬を紅潮させ涙目でこっちを見た。

「経験者をナメてかかる方が悪い、それともこの先も教えてやろうか?」俺はまりんを抱きかかえうつむいた顔を覗いた。
まりん(…こくん)

「ったく、本当にマセたガキだな…。なら、じっくりと教えてやる…。」
485名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 04:08:05 ID:HZL0eNQH
>>484
まりん「うわ…デカ…。」
まりんが俺のを見たいと言うからジッパーを下ろさせて、モノを眼前に突き出した。

「コイツを両手で持って先を舐めろ。」

まりんは俺のモノを凝視してたが、俺の言葉に反応してモノを握った。

まりん「あちちっ!なんかあついよコレ!」

「いいから言う通りにしろ、こんなモンで驚くなよ。」

まりんは俺の顔とモノを交互に見た後、覚悟が決まったのか目を閉じてモノの先端を舐めた。
486名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 04:17:34 ID:HZL0eNQH
>>485
まりん「うえ…マズッ…ってうわわわわっ!?」
まりんの小さな手の中で俺のモノが勃起していく。
「ただデカくなっただけだ…まりん、続けな。」
まりん「う、うん…あむ…。」
まりんはまるで猫のようにペロペロと俺のモノを舐め続けた。

「お前はまるで猫みたいだな、なかなか上手いぞ。」
そう言うと、まりんは真っ赤になりながら上目づかいで俺の顔を見た。
487名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 04:31:39 ID:HZL0eNQH
>>486
「お前、尻も小さいな…本当にガキみたいだ。」
まりん「うるさいなっ!もんく言うならさわるなぁ!」

「俺のを舐めながら、よく言うよ…。」

俺は体制を変えまりんに覆い被さり、まりんの小さな口に無理矢理俺のモノをくわえさせた。

まりん「ん〜っ!!んぐぐぐぐっ!!」

俺はまりんの幼い割れ目をスパッツ越しになぞった。
まりん「んっ!!?ん〜っ!んむ〜っ!!」

まりんは腰をうねらせて抵抗したが、俺は容赦なく幼い割れ目を指先で弄りまわした。
弄り始めて間もなく、幼い割れ目からトロトロと愛液が染み出しスパッツを汚していった。
488名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 04:52:25 ID:HZL0eNQH
>>467
「どうだ?俺のは美味いか?」
俺は腰を使って、まりんの喉奥にモノを何度も突き立てた。
コイツには悪いが、俺のは自他共に認める巨根で知られている。

まりん「んぶっ!!ぐむぅ!!ん〜っ!!!」

「そうか、そんなに美味いか。それなら、そろそろご褒美をやろう…。」そういうと、まりんは一生懸命俺のモノを口から抜こうと暴れた。
暴れるたびにまりんの舌が俺のモノを吐き出そうと蠢き、口内に唾液が溜まっていくのがわかる。
「さぁ…たっぷり射精すからな、しっかり飲めよ。」
まりん「んむぅ!?んっ!んむ〜っ!!ぐぶっ!!!??」
ドビュッ!ドビュドビュドビュッ!!

俺のモノがまりんの小さな口の中でドクン!ドクン!脈打ちながらと大量の精液を吐き出す。
まりんはモノが脈打つのに合わせて、激しく痙攣した。
489名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 05:09:36 ID:HZL0eNQH
>>488
まりん「げほっ!ごほっ!うえぇぇぇっ!!」

口から俺のモノを引き抜き、射精しきれなかった精液をまりんの顔にブチ撒けてから解放したら、まりんは俺の精液を何回も吐き出した。

「さて、本番いくぞ…。」

俺はまりんのスパッツを破り、その隙間から見える幼い割れ目に再度勃起したモノを当てがった。

まりん「ふえっ?ちょっと待ってよ…そっちもはじめてなんだから…ひぎっ!!?」

まりんの言葉を無視し、俺は幼い割れ目を指先で広げながらモノの先端を無理矢理挿入した。
490名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 05:23:15 ID:HZL0eNQH
>>489
まりん「あっ…あっ…あっ…。」

俺はまりんを上にして持ち上げ、モノの先端でまりんの処女膜を軽くつついた。

「まりん…しっかり受け止めろよ…。」

俺はまりんを持ち上げていた力を逆転し、まりんの膣内に一気にモノをねじ込んだ。

まりん「ひぎゃっ!!うにゃああああああああああああっっっ!!!!」

まりんは凄まじい絶叫をあげながら、小さな身体を弓なりにしならせながらビクンビクンと痙攣した。
処女膜は一瞬に破れ、俺のモノはまりんの子宮口を簡単にぶち抜いて子宮内まで侵入していた。
491名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 05:57:17 ID:HZL0eNQH
>>490
俺はまりんの幼い割れ目に根本までねじ込んだ途端に、まりんの幼い身体を激しく揺さぶり快楽を求めた。
「まりん、わかるか?俺のモノがお前を壊そうと暴れまわってるのが。」
まりん「うにゃ!やぁ!やぁぁん!!ひんりゃう!あたしひんりゃうっ!!!」

まりんの下腹部は俺のモノでパンパンに隆起しながら、幼い肉壁は俺の巨大なモノを必死に締め付けていた。

「まりん!そろそろ射精すからな、一滴残さずに全部射精すぞっ!!」

俺は自ら腰を突き出してまりんの最奥をゴリゴリと力強く抉りながら、凄まじい勢いでまりんの腰を揺さぶった。

まりん「ああっ!うにゃ!にゃっ!ふにゃっ!!んにゃああっっ!!」

まりんが俺の上で壊れたオモチャのようにリズムに合わせて泣き叫びながら、割れ目に突き刺さっている異物の動きに身体中を震わせていると、急に身体をビクン!と強くのけぞり異物を根本たら思い切り締め付ける。

「まりん!射精すぞっ!!ぬああああっっ!!」

まりん「んあっ!あっ!!はぅん…っっ!!ふにゃあああああああああああああああああっっっっ!!!??!!??!」
ドビュドビュドビュドビュドビュドビュッ!!!ビュビュビュビュビュッ!!
まりんは俺が射精するのに合わせて、身体中をガクガクと痙攣させまくり、俺は射精しながらも腰を凄まじく揺さぶり、何度もまりんの中で果てた。
492名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 06:08:15 ID:HZL0eNQH
>>491
「ふう…。」
俺が全ての精をまりんの中に吐き出した頃には、まりんは下腹部を妊婦のように膨らませ、ビクンビクンと痙攣しながら失神していた。

失神したまりんをベッドに寝かして一服していると、突然気を失っているまりんが腕を絡ませてきた。

まりん「んにゃぁ…だい好きだよぉ…。むにゃむにゃ…。」


「…………ごめんな。」

俺は深呼吸をした後に軽く笑い、まりんの可愛い寝顔にキスをした。



以上です。
誤字が大量にある駄作ですいません。
493名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:28:43 ID:HZL0eNQH
>>492
ちょっと後日談…。


まりん「で、なんでこうなるわけ〜っ!?」

「お前がきゃあきゃあ喘ぎ過ぎなんだよっ!騒ぐなって言ったろ?」

まりん「うわ〜ん!だってさ〜っ!!」

現在、俺達はまりんを追ってきたヤツに狙われて逃げている。
ったく、それにしても本当に厄介なヤツだ…。
ここは一つ…。
「まりん!何でもいいから武器を出せ!」

まりん「え〜っ!あんなのにどうすんのさ〜っ!?」

まりんにハンマーを借りると、勢いをつけて追っ手に投げつけた。
494名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:44:10 ID:HZL0eNQH
>>493
追っ手は高く跳躍してハンマーを軽々避けてしまった。

まりん「あ〜っ!なにやってんだよぉ!バカ〜ッ!!」

「かかったな…。」

まりん「えっ…。」

跳躍した追っ手は空中で一瞬硬直すると、そのまま身体中の関節が逆方向にねじ曲がっていった。

まりん「ちょっ…なにあれっ!」

「一種の罠…俺の武器みたいなもんだ。」

まりん「うわ〜…痛そ〜…。」
俺は"糸"を弾くと追っ手はそのまま地面に落下した。
「動かない方がいい。医者は呼んでおくよ。」

俺は煙草をふかし、まりんを抱えてその場を去った。
495名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 14:03:39 ID:HZL0eNQH
>>494
まりん「ホントにお別れなの?」

俺達はまりんを国外に逃がす為に空港にいた。

「お別れねぇ…んな事悩んでたのか?」

まりん「んな事って!…だって、お前はあたしの…。」

「だから?」
俺いつもと変わらず煙草をふかした。

まりん「だからって!そんな…ひどいだろぉ!」

まりんは半ベソをかいて俺を睨みつけた。
俺はまりんの頭をグシャグシャなでた。

まりん「うわぁ!」

「俺は一度手を出した女は手放さないって決めてんだよ。」

まりんの顎を持ち上げ、その柔らかい唇にキスをした。

まりん「っ!…///」

「じゃあな、お前はKOFとやらに出場するんだろ?お前の出る試合はいつも見に行くから、安心して暴れてこい。」

まりん「………うん!」
496名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 14:27:08 ID:HZL0eNQH
>>495
「さて…と。」
俺はまりんが乗った飛行機を見送り、空港の外に出た。

「いい加減出て来いよ…それとも、俺から仕掛けてもいいのか?」

俺が言うと、多数の殺気が俺に向かってきた。
しかし一人目が俺に襲撃する刹那、そいつは瞬時に解体されていった。

空気が凍る。

「悪いな…俺にもやる事が出来たから、手加減はしないよ。」

俺を取り巻く集団が動揺している。

俺はその流れに合わせて"糸"を通した。

一人…二人…三人…

数える間も無く、俺を取り巻く集団はただの肉の塊へと化した。

「さて…俺も行くか。」

俺はまりんが乗った次の飛行機で日本へと向かった。


続く…。

続編書く予定なのでよろしく。
497476:2008/02/28(木) 16:10:48 ID:+kLbRbGz
>>480-481
ありがとう、一応一通り読んできたよ。ちょっと難しそうだなぁとは思ったがw
それとたった今SSが完成したから投稿してみるわ
498名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:53:50 ID:+kLbRbGz
「こらーーっ志貴ーーー!!!」
「遠野くーん!!待ちなさーーい!!!」
「兄さん!!逃げると後でお仕置きですよ!!!」
「いいいいやあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
季節も本格的に暑い夏へと変わった。そんなけだるような猛暑の夏の日の朝、
学校への通勤路で遠野志貴は必死で逃げ回っていた。
そしてそれを追いかけるのは、

真祖の姫君――アルクェイド・ブリュンスタッド――、
埋葬機関の第七位「空の弓」――シエル――、
遠野家当主――遠野秋葉――

の3人である。

何故こんな事になったかというと、話は数分前に遡る。




MELTY KING OF FIGHTERS BLOOD 〜序章〜 (KOFオロチ編('97)×メルブラ)

『始まりを告げる出会い』




「志貴。ねえ、志貴。起きてよ。ねえったら」
自分の寝室にて彫像の如く爆睡中の志貴は、白セーターを着たあーぱー……いや、アルクェイドに身体を揺さ振られながら
起こされようとしていた。
しかし全く起きる気配のない志貴。
「む…。あ、そうだ。むふふ……」
何か子供のような無邪気な笑みを浮かべ、パッと毛布を掴み上げて志貴の布団の中に入り志貴の隣で横になるアルクェイド。
「んー♪志貴〜」
あろうことか、志貴に抱きつきながらそのまま自分も寝るつもりらしい。
「わぁ……気持ちいい……」
志貴の隣で寝られるせいかこの上なく至福の笑みを浮かべている。
――ん……うーん、なんか……暑苦しい……
志貴はアルクェイドがしつこく隣で抱きついてくるせいで、序々に目覚めようとしていた。
「志貴……お休み……」
志貴が目覚めようとしている所なのに、逆にアルクェイドはそのまま寝てしまった。
――うぅ……ん、何なんだ……?―――――うおおおぉぉぉおおおぉぉおああああああああぁぁ!!???!!?
志貴はぎょっとしガバッ上半身を起こして今自分の真横で横になりながら眠っているアルクェイドを見て焦った。
――なっなななななな……
「ア、アアアアルクェイド……!」
「ん……」
アルクェイドは薄目を開けた後、すぐにまた寝入ってしまった。
「おいっこらっ……起きろ!!」
「んっ―――!」
志貴に必死に揺さ振られてアルクェイドはようやく目を覚ました。
とは言え、寝てたのはほんの1,2分程度なのだが
「あっ……おはよー♪」
満面の笑みである。
「お、お前なあ……」
せっかく気持ちよく寝ていたのに無理矢理叩き起こされて余計に疲れが溜まってしまった感じの志貴であった。
499名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:54:34 ID:+kLbRbGz
「あ〜……おはよう、アルクェイド。はあ……」
「志貴?」
「ん?」
「まだ寝足りないなら……もう一回……寝る?」
もじもじと体をくねらせながら頬を赤らめ、誘うようにこちらを見つめるアルクェイド。
というかその顔はまさにペットショップなどで見かける子猫そのもののような顔である。
「ちょっとおい、なに顔を赤らめているんだっ!」
呆れた顔で突っ込みを入れる志貴だが、アルクェイドはにししっと頬を赤くしたまま相変わらず子供の
ような無邪気な笑顔を浮かべていた。
「ったく。こんな隣で寝られると暑苦しいだろ。つーか何で俺の真横で寝ていたんだ、お前は。」
「だって、志貴ったら私が一生懸命起こそうとしたって中々起きないんだもん」
「え?じゃあ何、俺を起こす為にこんな事をしたということか?」
「そゆこと♪」
アルクェイドはまた満面の笑みを浮かべながら、元気良く答えた。
「なるほど……よし分かった、じゃあ特別にサービス。リクエストにお答えしてもう一回だけ一緒に寝てやるぞ?」
「いいの!?やったあ、志貴だぁい好きー♪」
そう言うとアルクェイドはまた横になり毛布に包まって志貴に抱きついた。
志貴も笑顔を浮かべながら、まるで子猫を飼っているかのようによしよしとアルクェイドの頭を優しく撫でてやった。
彼女自身も志貴に頭を撫でられて非常に上機嫌のようである。

しかし直後に、志貴の顔から少しずつ笑みが消えていった。
「志貴……?」
その変化を見ていたアルクェイドは、訝しげな表情で志貴に呟いた。
「―――ん?いや、なんでもない。」
「……どうしたの?何か話しづらそうな顔って感じがしたんだけど?」
訳も分からずアルクェイドは首を傾げた。
「―――いや、その……」
「大丈夫、言って……」
志貴がそう呟くと、アルクェイドは笑顔で優しく聞き返した。その返事に触発されてか、志貴は答え始めた。
「お前と今こうして一緒にいると、なんかお前と初めて出会った頃の事を思い出すんだ……」
「あ……」
「思えば、唐突だったよな、俺達の出会い……」
「うん……まぁあんな形だったけど……」
アルクェイドもそう言うと、互いに苦笑した。
そう、この二人の出会いは非常に異例なものであった。
顔を見合った直後、いきなり殺害する(される)なんて普通考え難いものである。
それをいざ思い返してしまうとお互い奇妙な出会い方だったなと考えてしまう。
「でも、私はああいう出会い方で良かったんじゃないかなって思う。」
アルクェイドは顔と視線を志貴のほうに向けて呟いた。
志貴が「え……」と聞き返すと、アルクェイドは続けて語った。
「前にも話したと思うけど、私が何故生まれたのかっていうのは、もう知ってるよね?」
「……ああ」
「私、生まれてからずっと『兵器』として運用されてて、私自身も自分のその生き方に
それが当たり前なんだと別に何も疑問にさえ感じなかった……そして私はロアに騙されて吸血した挙句、
ロアに私以外の真祖を皆殺しにされちゃって、そしてその後はただただロアを殺すだけの存在に成り果てた。
その行動に対しても、何も思わなかった。自分はただロアを殺す為だけにしか存在しないって……」
そう、アルクェイドは本来は堕ちた真祖――魔王――を『処分』する為だけに創り出された真祖である。
そのせいでそれ以外のことは一切させてもらえず、魔王を狩り終えたら記憶を消されて眠りにつかされ、
さらにその後は死徒の狩り出しも命じられ、『道具』として扱われる日々を過ごしてきた。
そして初めての吸血衝動に苦しんでいるところを転生無限者―――ミハイル・ロア・バルダムヨォン―――の
姦計にかかり知らずに血を飲んでしまい、結果暴走してブリュンスタッド城の真祖を全滅し、
その後千年城ブリュンスタッドに自らを封じた。以後、怨敵ロアが転生する度に城から出てロアを
処刑してゆくのみの存在となったのである。尚、真祖を全滅させたのは紛れも無くアルクェイド本人だが、
彼女自身は暴走の際に理性と自我を失っていたので、『ロアが真祖を全滅させた』と思い込んでいる。
「…………………………」
志貴はただ黙ってアルクェイドの話している事を聞いていた。
二人は陰鬱な表情のまま向かい合っていた。そして少し経って、またアルクェイドは話し出した。
「―――でも、貴方が私を変えてくれた……あの場所で私を殺した事で。」
「……知ってる。」
500名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:55:18 ID:+kLbRbGz
「それまで感情なんて欠片も存在しなった私が、貴方に殺された事でそれを持つ事が出来た。
そしてそれまで無縁だった無意味な行動を、意味のある行為へと変えてくれたのも志貴……貴方なんだって……。
こうして今貴方の事を好きって思うこの気持ちも、それのおかげ……
それに私がロアにやられたときだって、貴方はそっと私を抱きかかえてくれたよね……」
「……アルクェイド。」
「―――――志貴、ありがとう……」
志貴はアルクェイドの目から涙が零れ落ちるの見ていて、右手の人差し指でススッと涙を拭いてあげた。
「―――大好きだよ、志貴」
「ああ……、俺もだ。確かお前、俺と初めて出会ったとき言ってたよな。殺した責任、取ってもらうからって。」
「―――うん。」
そしてお互いにそうやって抱き合いながら、キスをしようとすると……
「志貴さま?朝です」
がちゃっ、と部屋のドアが開かれた。
「え―――――」
二人の、つまり志貴とアルクェイドが互いに抱き合っているのを、翡翠は目撃してしまった。
一瞬何だが分からなかったようだったが。
「――――――!」
その声に、志貴が振り向いて驚き、アルクェイドが、「あ……」と漏らした。
翡翠は今、目の前の二人がアレな行為に及んでいるのに気付き、ぼっ、と顔を赤くして、
「しっ、失礼致しましたっ!!」
そう言って部屋から出て行ってしまった。勿論、志貴の弁解の言葉を聞く暇もなく。


「な、何ですって!!あの泥棒猫が今度は兄さんと一緒に抱き合って、し、しかもキ、
い、いえ……せ、接吻まで!?本当なの、翡翠!?」
遠野家の居間で、翡翠の報告を聞いて秋葉は憤慨していた。
「は、はい。志貴様がそ、その、あのアルクェイド様とあの、その、せっぷ……はうっ……」
翡翠も先程の志貴とアルクェイドのやり取りを秋葉に説明する度に、その時の光景がフラッシュバック
されてしまい顔を酷く赤面してしまっている。
「あはー、志貴さん、なかなかやりますね〜♪」
琥珀は相変わらず面白そうにのたまっていた。
「くっ、毎度毎度あの泥棒猫はっ!……兄さん、どうやらお仕置きが必要みたいですね。ふふふふふふ……。」
秋葉は邪悪な笑みを浮かべ、志貴のお仕置きプランを考え出すのであった。


ぞぞぞぞぞっっっ!!!っと何やら得体の知れない悪寒に身を振るわせる志貴。
「にゃはは。見られちゃったね、志貴?」
アルクェイドはまるで気にも留めないような口で言った。
「アホか!ああ、もう!きっと下では秋葉が髪を赤くして怒っているに違いない!」
この後に待っている地獄を予想してか、ガクガクブルブルと怯える志貴。読者としては見ていて滑稽だ。
「何よ。妹なんかに怯えちゃって。みっともないわね。」
アルクェイドは、軽い溜息をついた。
「そんな事より、どっか遊びに行こうよー。ねー。」
そう言いながら志貴にねだるアルクェイド。なんか最近子供っぽくなってないか、こいつ?と少し心配する志貴。
「あー、駄目だ。今日は学校あるから、無理だ。俺だって健全な高校生なんだから、
卒業する為には出席とか単位は取らないとまずいだろう?」
志貴はそう言いながらアルクェイドを宥める。
「いいじゃん、学校なんて。そんなの卒業しなくても、志貴はいつも私と一緒なのに。」
「失礼なことを言うな!!」
「失礼じゃないよ!」
「あーもう、とにかく駄目だ!!」
文句を言うアルクェイドと心外な事を言われて反論する志貴。まるで子供の喧嘩のように二人は言い争っていた。
「――おい、アルクェイド。とっとと下に行くぞ。」
アルクェイドはまだ非難の視線を志貴に向けながら志貴に文句を言っている。
501名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:57:21 ID:+kLbRbGz
「はぁ……」
志貴は元気そうに無い溜息を吐いた。
そして扉を開け、自分の部屋出たその直後――、



――――どくんっ。



不意に自分の中の血液が何かに騒ぎ立てるかのように、激しく活動し出した。


「―――――――――」
志貴は自分の胸に咄嗟に手を当てて、表情を引き締めた。
「―――志貴、大丈夫……?」
志貴の背後にいたアルクェイドはその志貴の行動を見て、不審そうな表情で呼んだ。
「……ん?いや、大丈夫。なんでもないよ。」
「そう?よかった……。」
志貴はアルクェイドのほうを向いて、普段通りの笑顔で言った。
アルクェイドも別に何とも無いんだとホッとした表情を浮かべている。
「アルクェイド――」
「ん?」
「――いや、ほら今、俺の事を心配そうに声をかけてくれたんだろう?」
「そうだけど?」
「なら俺からも、―――ありがとう、アルクェイド。」
「あ―――うん。志貴、大好き……」
二人はお互いに微笑みを浮かべて顔を向き合わせるとぴったりと身体を寄せ合い、居間へと向かった。
しかし志貴には先程自分を襲った衝動の事が、まだ頭から離れずにいた。
―――何だったんだ、さっきの……。殺人衝動ではなかったが……。ただ―――まるでこれから
何かに会えるような、そういう高鳴りだった……。一体……




公園の噴水近くのベンチで一人、空を見上げる男がいた。
その男の体躯は寸分なく鍛えられていて、何か武術をやっているような雰囲気が見受けられる。
年は20代前半ぐらいか、白いTシャツに黒っぽいジーパンを穿いた青年だった。
この夏休みにせっかくだから、バイクでぶらりと日本を旅して回るのもいいかもしれないと思って、
この三咲町に寄ったのだが、どうも嫌な感じがして、彼をこの町に留まらせていた。
いつもは1〜2日ですぐ他の町に出かけるのに、である。彼の中に流れる血が感じるのだろうか?
これから訪れるであろう闘争の予感を。
「――ったく、いざこざはもう去年ので一杯一杯だってーのに」
そう青年はぼやいた。そしてタバコを咥え、――それから指から炎を灯し、タバコに火をつけた。
そう―――、彼は能力者だったのだ。その炎は血によって受け継がれる神話級の概念武装である。
その青年の名を、――草薙京――という。
502名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:58:46 ID:+kLbRbGz
一年前の夏、KOFの決勝戦の会場で彼は、オロチ八傑集で四天王の一人――吹き荒ぶ風のゲーニッツ――と戦った。
そしてその場所で宿命のライバルである、三日月を背負いし男――八神庵――と、
同じくオロチ八傑集の一人――風に散る花びらのマチュア――、――荒野を走る死神のバイス――、
加えて同じ三種の神器で八咫家の人間――神楽ちづる――とも出会った。

彼はその血によって、宿命というべき過酷な戦いを繰り返してきた。
自分の父親でありルガールに哀れにも洗脳されてしまった男――草薙柴舟――、
オロチの力を手に入れ、より強大と化したルガール、そして八傑集のマチュアにバイス、四天王のゲーニッツ・・・。
中でもゲーニッツとの死闘は今まで以上に遥かに苦しいものだった。
実は京は、一年前のあのKOFが開催される直前にそのゲーニッツと鬱蒼と茂った雑木林の中で野試合をしたのだ。
相手の姿が暗闇の中に溶け込んでいたので、容姿がつかめずにいたのだがゲーニッツはその京を軽くあしらったのである。
京は負けじと必殺の大蛇薙も放ったが、それもゲーニッツには通用しなかったのである。
ゲーニッツにコケにされ派手にやられた京だったが、その後彼はもう一度修行をやり直し、
ついに草薙流古武術最大の秘奥義――最終決戦奥義 “無式”――を完成させたのだ。
そして決勝戦の会場で乱入してきたゲーニッツと再び出会った。京はチームメイトの二階堂紅丸と大門五郎、
その同じ場所にいた八神庵のチーム、そして神楽ちづると協力し、見事ゲーニッツを打ち倒したのである。
だがその戦いの中で、一つ気がかりとなる事があった。庵がゲーニッツに止めを差す際に
放った『裏百八式・八酒杯』の炎の色が「蒼」ではなく「紅」だったのである。
それは神楽ちづる曰く、「祓う者草薙、封ずる者八神。大蛇は八神の紅い炎で封じられ、
草薙によって薙ぎ払われた。八神の紅き炎は庵が持つ人の部分の本能が生み出したもの。
そして普段庵の炎が蒼いのは、庵の中に流れるオロチの血から生じたもの。
八神家が代々短命なのは、そのオロチの血のせいである」とのこと。
庵はそれを戯言と見受けたが、直後、口から大量の血を吐血した。
ちづるは「草薙と八神が争いを失くし、共にオロチを止める事が出来れば、その苦しみからも逃れる事が出来る」と言った。
しかしそれでも庵は頑固なに京と組む事を拒否し自分自身のやりたいようにやる――――と
吐き捨てるように言い、その場を去った。
京も庵と同じだった。自分達の闘いは草薙とか八神とかなどという宿命じみた事ではなく、
草薙京と八神庵という一個人の中での戦いだ――――と唸り、会場を後にした。
だがちづるは、この闘いからは決して逃れる事など出来やしない、
この闘いは我々にとって宿命なのだと京と庵に言い聞かせるように一人呟いていた。無論、この呟きを京と庵が知るはずがない。
しかし、それでもこれだけは京と庵も理解していた。――――これはまだオロチとの戦いの始まりにしかすぎない――――と。
一方、あのマチュアとバイスは、その後去った庵と行動を共にしていた途中、
庵の中のオロチの血の暴走し、正気を失った庵に八つ裂きにされ死亡したらしい。
ちなみにこのゲーニッツが決戦場に乱入した事によるハプニングは、公には「何者かによるテロ活動」と発表され幕を閉じた。
503名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:00:33 ID:+kLbRbGz
そしていつも通り日本に帰国し、最愛の恋人――ユキ――と会い、さらには自称自分の弟子を名乗る後輩の矢吹真吾も現れ、
穏やか(?)に過ごす学校生活を送っていた。
京はタバコを吹かしながら、一人苦笑しながら呟いた。
「今年こそは、卒業しなくちゃな……」
そう、彼は未だに学生だった。最近になってチームメイトだけでなくユキにも非難され、
挙句の果てには庵からも万年高校生なんて馬鹿にされる始末。
その為に、今年は出席日数と単位とか計算しながら、ユキの手助けもあったが、テストなども無難にこなした。
「ふふふ、卒業すれば、晴れて学業から開放されるしな!」
ほくそ笑む京だが、同時に、不快な事も思い出してしまった――――。
「――ちっ、いい加減宿命だとか……んなもんにはもうウンザリだぜ……」
一族の継承者としての自覚が薄く、八神家との確執やオロチ一族の事など、大昔の因縁に束縛されるのを嫌悪している
京にとっては、去年の大会で神楽ちづるから伝えられた「三種の神器としての宿命」云々には反吐が出るようなものなのである。
吐き捨てるように京はそう呟いた。
「……さっさと、楽にしてもらいてぇんだがなぁ……」
その時、視界の端に奇妙なものを見つけた。住宅街の屋根の上をぴょんぴょんと駆けていく物体だった。
いや、物体というより、人間か?よく見るとカソック姿の女性だった。
「……何故、こんな朝から女があんな所を跳んでいるんだ?」
もっともな疑問を浮かべる。そのうち女の姿が見えなくなってしまった。
「……とりあえず、追いかけてみるか。」
そう呟き、京はベンチを離れて公園の入り口に停めてあるバイクの所へ向かった。
「やっぱ、この町に留まって正解だったかもな……」
これから面白い事が起きそうな予感に心躍らせていた。
先程思い起こした「宿命」云々など、すっかり頭の中から忘れ去られているほどに……



遠野志貴とアルクェイドは今、居間の扉の前に立ち尽くしていた。
「どうしたの?早く入ろうよ?」
アルクェイドのほうは全く気にしていないが、志貴は中から漏れる負のオーラを敏感に感じ、
この中に入ることを躊躇っていたのだ。
「…………………」
ふぅ、と一息吐いてから、扉を開けた。その中にいたのは勿論、怒っている秋葉だった。
「あら、おはようごさいます。兄さん。」
先に秋葉に声をかけられた。くそぅ、と志貴は観念して、なんとか挨拶をあげた。
「やあ、おはよう、秋葉。今日もいい天気だね。」
「おはよー、妹ー。」
アルクェイドは能天気に秋葉に挨拶をした。瞬間、秋葉のこめかみにピクッと青筋が浮かんだが気にしない事にしよう。
「兄さんは朝からお楽しみだったようですね。遠野家長男として自覚がなっていませんね」
秋葉が冷たい声で言った。志貴は、また始まったよ……秋葉のお小言が……と心の中で諦めつつ、
「そ、そうか?でも、あれはアルクェイドがいきなり……」
なんとか弁解するが、この台詞の後アルクェイドは志貴をまさに絶体絶命な立場に追い込むような事を喋ったのだ。
504名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:01:25 ID:+kLbRbGz
「えー?なによ。志貴だって、途中から私をサービスと言って誘い出したくせに♪」


ピキッ――――!


その時確かに居間の空気が凍りついた。
「志貴に頭撫でられて嬉しいー」などと、脚色をつけながらのたまうアルクェイド。
「はははははは。何を言ってるのかな、アルクェイド?冗談はいかんなあ……」
不自然に余裕な表情で大げさに言う志貴であるが、顔には滝汗を浮かんでいる。
どう見てもその場逃れの言葉を述べているようにしか見えない。
「ん?私、嘘は言ってないよ?それにお互いに抱き付いたりもしたし、何言うのかなあ?」
「う、うおおぅ……」
アルクェイドのその一言で志貴はもはや先程の表情も浮かべられなくなり、
「まずい!」と思い、苦笑しながらビクビクと震えていた。
当のアルクェイドはまるでこの状況を楽しんでいるような顔をしている。
――翡翠ぃぃ、助けてくれえぇぇぇ………
志貴は翡翠に救いの視線を向けたが、ツーンという無表情で無視された。
――え?あの、もしかして翡翠さん、怒ってらっしゃいますか……?
そして最後の希望とばかりに琥珀に助けを求めてみた。
「あうぅ、こ、琥珀さん……」
しかし読者の皆もお分かりの通り、琥珀にそんなセリフなんて吐いても返ってくる答えは……
「あはー、頑張って下さいね〜♪」
ほら、この通り。
――さすが割烹着の悪魔だ。信じた俺が馬鹿だった……
志貴はそう思い、己の愚かさを呪った。
「……兄さん?」
「はっ!な、何でしょうか、秋葉さん……?」
そして振り向いた先には怒り心頭の真っ赤な髪をした秋葉がいた。
志貴は思った。うわぁ……僕、ここで人生を終えるのね……と。
その時、居間の窓が開き、誰かが入って来た。それはシエルだった。
「遠野君!大丈夫でしたか!?」
「シエル先輩!」
志貴はまさに天の助けとばかりな顔で言った。
「すみません、私が寝坊したばかりに!あのあーぱー吸血鬼に何かされませんでしたか!?」
「何よ、このカレー尻女。私の志貴に触らないでくれる?」
シエルに志貴が横取りされると思い、突っかかるアルクェイド。
「全く、窓から侵入してくるとは、無礼極まりないですね、先輩。」
秋葉も睨み付けながらシエルを咎める。
「あら、これは失礼しました。とりあえず、おはようございます。」
けど、シエルはそんな二人の警告なんて気にも留めずに挨拶した。
「おはようごさいます。で?朝から何か御用事がおありなんですか?先輩?」
「あら、私はただ遠野君と一緒に登校しようと思って迎えに来ただけですよ?勿論、見張りも兼ねてですけどね。」
見張りといっても、単に純粋に志貴と付き合いだけだという意味合いで言ってるだけなのである。
「ちょっと、シエル。志貴は私と一緒に出掛けるのよ。貴方なんかお呼びじゃないわ!」
「何言ってるんですかこのあーぱーは。遠野君は真っ当な高校生なんですから、私と一緒に登校するのが当たり前でしょう。」
「そうですね。もうこんな時間ですし、私と一緒に行きましょうか、兄さん?あんなカレー臭い女とU.M.A.なる
未確認生物は放っといて。」
――おお、なんとか地下牢行きは免れそうだ。ただ……。
志貴は秋葉からお仕置きを食らわずに済むと安心した束の間、
秋葉の一言で三人の口喧嘩はますますエスカレートしていった。
「ちょっと、妹。誰が未確認生物ですって。抜け駆けしようたって、そうはいかないわよ!」
「そうですよ。それに私が先約ですから、秋葉さんは引っ込んで下さい!」
505名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:02:03 ID:+kLbRbGz
「あ〜ら先輩、先約なんてそのような事を何時お決めになられまして……。兄さんは健全な高校生なんですから、
貴女方のような変人なんかより私と一緒に登校するほうが相応しいに決まってます。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………

三人の女達からこの世のものとは思えないほどの凄まじい殺気が居間全体に放たれていた。
その傍らでそれを全身に浴びせられていた志貴は、一人顔を強張らせながらブルブルと震えていた。

――な〜んか、不吉な予感がするんだよなああ……

「志貴!!」
「遠野君!!」
「兄さん!!」
三人は同時に志貴に向かって叫んだ。
「勿論私と行くもんね!!」
「遠野君、私に決まってますよね!!」
「兄さん、この私と行かないなんて事は言いませんよね!!」
――ああ、やっぱり。さて、どうするか……。

1.アルクェイドと行く=他の二人に血をみる
2.シエルと行く=他の二人に血をみる
3.秋葉と行く=他の二人に血をみる
4.4Pは男のロマン!=友情のトリプルプラトンあり?
5.やっぱり逃げる=他の三人に血をみる

――うおおおぉぉぉいいぃぃぃ!どれを選んでも、全っっ然良い結果にはならないじゃねーか!!

「「「どっち!!??」」」

3人はまた同時に叫んだ。既に3人とも危険なくらいに目が血走っていた。
中でもアルクェイドは目が金色に変化していて、今にも殺し合いに発展しそうな雰囲気である。
――しかし、どうせ結果は同じなんだ。……逃げよう。これが、おそらくベストの選択肢だろう。よし!そうと決まったら――――
「あれ?レンじゃないか?おはよう。」
にかっと志貴はわざとらしく3人の背後に声をかける。
「「「え?レン――――?」」」
そして案の定、3人は背後を向いた。チャーンスとばかりに志貴は音も立てずに、
そして迅速に学校に向かい、風となりながら走っていったのだ。
――クハハ、七夜の記憶を思い出した俺なら、このぐらい造作も無い事だ。
そしてその頃、3人は……
「何よ、いないじゃないの。」
「遠野君、下らない嘘を付くのは止めて下さい。」
「……兄さん、そんなに私と行くのが嫌なんですか?」
振り向いた先には、あら不思議。既に志貴の姿なんて無かったのである。
「逃げたわねーーーーーー!!!」
「遠野くーーーん!!!!」
「卑怯ですよ、兄さーーーん!!!」
愕然とした3人は、憤怒の表情で猛スピードで志貴を追いかけた。
「あはー、志貴さん。骨は拾ってあげますよ〜♪」
「姉さん、楽しそうですね……」
琥珀と翡翠は居間にいたまま他人事のように言っていた。
506名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:02:47 ID:+kLbRbGz
それで、遠野志貴は今に至る訳だが。
――ああ、神様。俺は何か悪い事でもしたのでしょうか。こんな天罰は御免こうむりたいです………。
――とりあえず、あの角を曲がれば、校門が見える。そう、学校こそ、俺の唯一のオアシスと
も言えよう!心休まるし、何より面倒事もかからないしな!
そう考えて、さらにスパートをかけた。

京はバイクに乗って住宅街の辺りを回っていた。
「確か、あの女はこの辺に来たと思うんだが……。見失ってしまったかな?」
さっきからあのカソック姿の女性―――シエル―――を探しているが、一向に見つかる気配はない。
「とにかく、あちら辺を探して見るか……」
そう呟いて、バイクを走らせ、角に差し掛かった。

ばっ―――!!!

「なっ!!?」
いきなり向こうから出てきた志貴に驚き、京は反射的に急ブレーキをかけた。
志貴は走ってきた京のほうを「―――え?」と言って咄嗟に振り向いたが、
「うぉおあああああっっっ!!」
ドリフトしつつ、なんとかバイクはぎりぎりで止まってくれた。
志貴はバイクの前で道路にへなへなと尻餅をついていた。
「危ねぇじゃねぇか!?いきなり飛び出して来るなよ!!」
「――あ、う。あう……」
京は怒鳴ったが、志貴のほうは呆然自失状態でその場に尻餅をついていた。
なんか……真吾みたいな奴だな……と京は思いながらも、志貴に手を差し出した。
「ほら、立てるだろ?」
「あ、は、はい。」
そう言って志貴の手を握った直後―――、違和感を感じた。そして、京は見てしまったのだ。
志貴がかけている眼鏡の奥にある蒼い煌きを。

――な、ん、だ……この、感覚は。俺は、こいつと昔、会った事がある?それにこれは八神や神楽、
オロチの連中と会った時と同じ感覚じゃねぇか―――


志貴にとっても奇妙な感覚だった。バイクを運転していた男にいきなりぶつかりそうになったのに
差し出された手を握った途端、懐かしい感じがしたのだ。そう、まるで昔、会った事があるような――――

――そういえば、この感じはさっきも――――。

「志貴ー!!」
「遠野くーん!!」
「兄さーん!!」
そんな時、アルクェイド達の声が後方から聞こえてきた。
志貴はああ、追いつかれてしまうな……と思いながら諦めつつ、目の前の男に視線を向けた。
「あの、すみませんでした。いきなり飛び出しちゃって。怪我はありませんか?」
「―――ん、あ、ああ。何ともないさ。そっちは?」
京は話しかけられると気が覚めたように志貴に言った。
507名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:03:27 ID:+kLbRbGz
「ええ、大丈夫です。」
「志貴、大丈夫だったー!?」
アルクェイドも今ようやく追いついた。
「ああ。なんとかな。」
「そう。貴方もごめんなさいね……―――――っ」
アルクェイドは京に話しかけた途端、険しい顔をした。
「貴方――何者、なの――?」
京はアルクェイドのほうを凝視していた。
――この金髪紅眼の女はこの男の彼女なんだろうが、ただ、この女……強い。それも途轍もなく……
そう直感した。先刻アルクェイドも京と同様の反応をした事から、おそらく彼女も京が只者ではないと分かったのだろう。
それで京は何者かと問われたが、それと同時にアルクェイドからビリビリと殺気が伝わってきた。
――間違いない。この女も闘いの中に身を置いている。ああ、楽しくなりそうだ―――。
そう昂揚感を感じたがすぐに冷静になって、諭す様にアルクェイドに言った。
「おいおい、人に名を尋ねる前にまずは自分の名を名乗るのが礼儀ってもんだろうが?」
「―――――――」
アルクェイドは一瞬の間をおき、自己紹介をした。
「私は、アルクェイド・ブリュンスタッド。貴方は?」
「そうか。俺は、草薙京って言う者だ。草薙流古武術の正統伝承者だよ。」
京も不敵な笑みを浮かべ、己の名を名乗った。



この3人が出会うことで、新たなる闘いの予兆が見え始める。
508名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:15:55 ID:+kLbRbGz
以上です。文体が小学生並のレベルの駄作で申し訳ございません・・・・OTL

正直SSを書く事なんて、ほんと初めてな上にこれでまだ序章なもんだから、
完結するのなんて一体何年かかるのか分かったもんじゃないです・・・・(苦笑)
あと繰り返しになりますが、これはまだ序章なんで続編を書く予定ではいます。
一応現段階では、

「庵とシエルが対決する」
「アルクと志貴が京と一緒に、暴走レオナを止める」
「オロチチームと対決し、その後オロチと対決する」

というシナリオを考え中ではありますが、これらのシナリオって二話目ではなく、
三つとも結構後のシナリオなんですよね・・・・・(苦笑)

もしかしたら今回のでもうやってられなくなり、この序章だけで終わってしまうかも知れません。
でも、そのときはそのときで「自分にはSSなんて書ける技量は無かったんだ・・・・」と思い諦めるつもりでいます。

ではまた。
509名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 19:15:46 ID:HZL0eNQH
>>482-496の筆者ですが、最近書き始めたばかりで…。

感想いただけると嬉しいです。
510名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:38:02 ID:h3Xawj5J
二人ともGJ!!

>>509
内容(ストーリー)自体は悪くないよ。GJ
ただ、情景描写が少なめだから、もう少し増やすともっと良くなる。
あと、会話の前に名前を入れるのはNG(美形会議2181は原作のアイコントーク形式を表現しようとしたからで、普通は書かないほうがいい)

書き始めでこれくらい書けるなら大したもんだよ。
511名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:54:16 ID:HZL0eNQH
>>510
アドバイスありがとです。
前回はセイヴァーのバレッタネタで書いてたのですが、やっぱり台詞前に名前入れない方が良いのか…。

とても参考になりました。
続編も書く予定なのでよろしくお願いです。
512508:2008/02/28(木) 22:19:05 ID:+kLbRbGz
実は書き忘れていましたが、
自分が上のほうで書いたSSを見て、「オロチ編とメルブラじゃ時系列がどう見ても合わないだろww」
と思う方もいらっしゃるでしょうが・・・はい、そうです。分かっていて書きましたww
格ゲー板のギルブラスレでも書き込んだんですが、月姫(正確には型月全般)とKOFって
どちらもガイアネタが含まれていて物語が伝奇物なので非常にクロスさせやすいと思ったからなんです。
特にオロチ編やアッシュ編はそれが顕著だから、最も適した材料としてオロチ編を選びました。
なので時系列は「KOF側は'97、メルブラ側はRe・ACT後」とめちゃくちゃなものですが、純粋にパラレルと見なして下さいw
あと当初はFateも混ぜようと思っていましたが、Fateシリーズをやった事の無い自分なんかが書いたら自殺行為だと
思ったので止めました。まあそんな事を言ったら、メルブラはやったけど月姫はやっていないというのも充分危ないですけど・・・
ここは月姫読本+や他サイトの用語集で何とか補ってみようと思っています。

またこれも最初のほうで書き忘れていましたが、もし感想とかあれば遠慮なくどうぞ。
513名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:27:37 ID:K/TBri37
作品増えたなぁ
ようやくこのスレも盛り上がってきたか
514名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:05:26 ID:b9qV9iQB
この流れに載っていっちょSSでも書いてみるか。
515名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 02:30:59 ID:UG8bP+UF
>>511
ってなわけで続編投下します。


「ふ〜っ…今日もつかれたな〜…。」

今日の試合も終わって、あたしは自分の部屋でシャワーで汗を流していた。
ちゃんと予定通りにKOFに出れたし、チームメイトの二人とも仲良くなれたし…どれもこれもアイツがいなかったら出来なかったかな…。

シャワーから出てパジャマを着てふかふかのベッドに飛び込む。
まくらに顔をうずめていると、アイツの顔が浮かんでくる…。

あたしを助けてくれたアイツ…あたしにちゅ〜したアイツ…あたしに……した…アイツ。

「はぁ〜…アイツ、大丈夫かな〜…。」

「アイツっていうのは俺の事かな?」

「っ!!」
あたしはベッドから飛び起きて、声の主の方へ振り向いた。

「おやおや、久しぶりに会ってもベソかいてるんだな。」

そう、あたし目の前には確かにアイツが立っていた。
516名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 10:56:27 ID:UG8bP+UF
>>515
「えっ…なんで?なんでここにいるの?」

「ずっといたんだがな…気付かなかったか?」

俺はキョトンとするまりんの頭をなでた。

「う〜っ…だって〜…。」
まりんが相変わらず泣きベソをかく。

「まったく…いつまで経ってもガキはガキだなぁ。」

「なんだよ〜っ!だいたいキミがいけないんだからなぁ!どんだけ心配したと思ってんだよ〜!」

まりんは顔を真っ赤にしながら両手をパタパタと振った。

「それはお互い様だろ。それよりも…。」

まりんを後ろから抱き締める。

「ひゃぁ!?なになにっ!?」

抱き締めながら胸や腰回りを触っていく。

「あっ…やん…いきなりそんな…ふあぁぁっ!」
517名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 11:51:57 ID:UG8bP+UF
>>516
「本当にまだまだガキだな…ちっとも成長してないじゃないか…。」

背も伸びないし胸も尻も大きくなってない…あの時のままだな。
俺は抱き締めるのをやめまりんの首筋を舐める。
「やぁん!うにゃぁ…。」

まりんは軽く震えながら喘ぎ声をあげた。

「さて…と。」

俺は責めるのをやめる。
「ふぇ?なんで〜っ!?」

「悪いがまだ宿が決まってないんだ。今日はここまでだ。」

荷物をまとめていると、まりんが後ろから抱き付いてきた。

「ねぇ…今日は泊まってっていいから…あの……えっと…。」

「……なんだ?」

「あの……えっち……して…?」

まりんの顔を覗くといつもの強気なアイツはどこ行ったやら、頬を真っ赤に染めながらもじもじとしていた。

「ダメ………かな?」
518名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 12:38:10 ID:UG8bP+UF
>>517
「エロガキ。」

俺はわざと傷付くように言った。

「えっ…あう……ひぐ……ふああぁぁぁぁん!」

まりんはいきなり大泣きしてしまった。
いつもなら突っかかってくるんだが…。

「あ〜…すまない。俺も無神経だったな…。悪かった…すまん。」

俺が謝ると、まりんは泣きながら飛び付いてきた。
「バカ。」

「あっ?」

「アホ、トーヘンボク、無神経、スットコドッコイ…。」

「おい…?」

「いいも〜ん!キミなんか知らないもん!べ〜っだ!」

あちゃ〜…怒るよな、普通…仕方ないな…。
519名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:31:15 ID:4unPpUBu
>>515
書いてる途中に割り込んで申し訳ないけど、
ここで直接内容を考えながら書き込むより、まず一旦メモ帳とかを使って内容を
完成させてからそれをこっちにコピペしたほうが大幅に効率が良くなると思いますよ?
520名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:32:17 ID:UG8bP+UF
>>518
「まりん。」

「なによっ!もう知らないっていったじゃむぐぅぅぅ!?」

俺は振り向くまりんにキスをした。
最初は抵抗していたが、次第に力が抜けていくのがわかる。
おとなしくなってから唇を離した。

「……ずるいよぉ…。」

「ずるじゃないよ…ほら…したいんだろ?」

まりんを抱き寄せて、パジャマ越しに小ぶりな尻を弄る。

「…エロジジイ…。」

「勘弁してくれ…俺はまだハタチだぜ…。」

俺は驚くまりんに軽くウィンクをしてからパジャマの中に手を入れていった。
「…!!…お前…下着着てなかったのか!」

手には柔らかい尻の肉の感触が伝わる。
張りのある尻、その谷間にはキュッと締まった穴がある。

「だって…だってぇ…きゃうっ!!」

尻の穴を軽くつつくと、まりんは背筋をのけぞらした。

「ん〜…えっちなガキは前よりもケツの穴の方が好きなのか?」

「ふあぁっ!そんなコトないもん…あたしそんなヘンタイじゃふにゃあぁっ!!?」
521名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:39:51 ID:UG8bP+UF
>>519
うーん…すいませんです。

携帯で書き込みをしてるから時間がかかってしまいまして…。

続けてもいいですか?
522名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:42:28 ID:4unPpUBu
あ、そうなんだ。
それなら仕方ないか、分かりました、続けてもらって結構です
523名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:45:19 ID:UG8bP+UF
>>522
すいません。

それでは続けますね。
524名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:03:31 ID:UG8bP+UF
>>520
「あ…やぁぁん!きたないよぉ!」

俺はそのまま、まりんの尻の穴に人差し指を入れた。
中はとても狭く、熱い肉壁が抵抗するように人差し指をキツく締める。

「おぬがいだからそんなトコいじらないでぇ…。あうぅぅぅ!!」

人差し指に力を入れ、ズブズブと挿入していく。中を人差し指で掻き回すたびに、奥から熱い腸液が溢れ出して指を汚していく。

「めちゃくちゃキツいけど結構馴染みやすいな…もうコレも入るかな?」

尻の穴を弄り回されてるのに集中して、力無く震えているまりんの手を俺のズボンの中に導く。

「きゃっ!?ウソ…デカくなり過ぎ…。」

まりんは俺のモノに小さな手を絡ませてくる。
まりんにズボンを下ろすように言うと、尻の刺激に身体を震わせながら俺のジッパーを下ろした。
525名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:28:54 ID:UG8bP+UF
>>524
「まりん…俺は舐めろとまでは言ってないけどなぁ。」

「んにゃっ!?えっ…あれ?」

まりんは俺のを見たら何も言わずに舐め始めた。まぁ、最初にした時に無理矢理舐めさせたからなぁ…。

「まりん…俺が今からする事がわかるか?」

「?……せっくす?」

まりんは照れくさそうに言った。

「ちょっと違う、今日はこっちだ。」

俺はまりんに後ろを向かせて、パジャマを下ろして小ぶりな尻を露出させた。

「こっちって…えっ?もしかして…。」

「そう、こっちだ…。」

まりんを尻を突き出すような体制にさせ、その小さな肛門に俺のモノを当てがう。

「いやぁ…ウソでしょ?ねぇ…ねぇってば!」

確かに…こうして見ていると絶対に入りそうもないが…。

「いや…本気だ。」

俺は暴れるまりんの腰を掴み、小さな肛門に無理矢理俺のモノを入れようと力を加える。
526名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:51:00 ID:UG8bP+UF
>>525
「んぅぅぅっ!無理だよぉっ!!」

「無理じゃない…あとちょっと我慢だ……っ!」

俺が全神経を集中してまりんの肛門にモノを入れようとするたび、まりんはビクビクと震えていた。
まりんの肛門はミリミリと音をたてながら、少しずつ広がっていた。

「あと少しだ……あと少し……くっ…。」

「はあ…はあ……あっ!?うにゃああああっっっ!!??」

俺のモノが亀頭まで入ると、あとは力を込めるだけで一気に根本までねじ込まれていった。

「ほら、言った通りじゃないか。お前の尻はえっちだってな…。」

「いやぁ…おしりが…おしりがぁぁ……。」

まりんの肛門は俺のモノで凄まじく広げられていた。
まりんは俺が少しでも動くて、それに合わせるように弱々しく尻を振った。
527名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:24:46 ID:UG8bP+UF
>>526
「さて、動くぞ…。」

「えっ…ちょっとまってよ…あああああぁぁぁ!!」

まりんの腰をしっかり掴みゆっくりと俺のモノを引き抜いていくと、まりんは背中をのけぞらしながら痙攣した。

「いやあぁぁぁ!うんちが出ちゃうよぉぉ!!」

「うんちじゃなくて俺のチンコだろ。じゃあ、コレはどうかな?」

俺は先端まで引き抜いたモノを一気に根本まで突っ込んだ。

「ふにゃあああああああっっっっっ!!!!」

まりんはビクンビクンと痙攣しながら、俺のモノを思い切り締め付けた。

「あれ?もしかしてイッちゃったかな?」

「あぁ…はう…イッちゃったぁぁ……。」

まりんが肩で息をして呼吸を整えていた。

「まりん…ごめんな。俺はまだイッてないんだ…。」

まりんの肛門からモノを引き抜き、その瞬間に一気に根本までねじ込む。

「んにゃぁ!ふゃああん!!んあぁぁ!!」

その動きを繰り返す。徐々にスピードを早くしていくと、それに合わせて腸液が四方八方に飛び散る。
まりんの肛門はそれでもギリギリと俺のモノを締め付ける。

「あん!はふっ!はふっんにゃあぁ!!んああぁぁっ!!!」

俺のモノをピストンさせるたび、まりんはだらしなく口から唾液を垂らし、俺のモノを千切れそうな勢いで締め付けながら悶えていった。
528名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:04:40 ID:UG8bP+UF
>>527
「さて…俺もそろそろ射精しちゃおうかな?」

俺はピストンのスピードを速めながら、まりんの奥へ奥へとモノをねじ込んでいった。

「ふにゃあぁぁ!!はやくっ!はやくだしてよぉ!!あたしひんりゃう!!ひんりゃうぅぅ!!」

まりんの肛門が再び俺のモノをギリギリと締め付ける。
俺は震えるまりんの腰をしっかりと固定し、まりんの奥に渾身の力を込めて打ち付け、まりんの肛門に根本が当たるくらいまで思い切りねじ込む。

「うあああっ!!まりん!射精すぞっ!射精るぅっ!!」

「んにゃああん!!にゃああっ!!!ふにゃあああああああっっっっ!!!!!!」

ドビュッ!!
ドビュドビュドビュドビュッ!!!
ビュルビュルビュルビュルビュルビュルッッ!!

「はあっ…はあっ!!止まらない…全然止まらないぞっっ!!!」

まりんは既に失神してしまい、俺がドクンッ!ドクンッ!と射精すたびに全身をガクガクと震わせた。

「うおおおおっっ!!」

俺は射精しながら凄まじい勢いでピストンしまくり、何度も何度もまりんの直腸に射精しまくった。
529名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:40:09 ID:UG8bP+UF
>>528
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
まりんの肛門から俺のモノを引き抜くと、まりんはビクン!と震え失禁してしまった。
尻の穴からは大量の精液を噴き出していた。

「まりん…いつでも見てるからな…。」

まりんの唇に軽くキスをして、俺は部屋を去った。


数日後…
「はぁ〜…。」

「まりんさん、どうかしたんですか?試合前ですけど…。」

「いやいや大丈夫!なんでもないよ〜!」

まったくも〜っ!
やっと会えたと思ったら、やり逃げはないでしょ〜…。
チームメイトには心配かけちゃうし…。

「はぁ〜…。」

「まりんちゃん、さっきヘンな格好の男の人がまりんちゃんにって。」

「んあ〜?」

なんだよ〜ヘンな格好って、なんかファンでも出来たかなぁ…っ!!

「おお〜っっ!!」

アイツからだっ!
なになに?後ろを見ろ?
「あっ……。」

アイツは客席の中にいて手を振っていた。

「アイツ……。」

あたしはアイツにウィンクで返した。

「まりんちゃん、出番だよ!」

「あいよっ!まりんにおまかせっ♪」
530名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:44:31 ID:UG8bP+UF
>>515-529

以上です。

自分で読み返してみると、なんか読みにくい作品になってしまいました。

時間をかけてすいませんでした。
531名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:59:17 ID:Aq8ktHjm
>>512
時に…話の中に
白レン居る?ファンなんで・・・w
532名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:12:45 ID:4unPpUBu
>>530
読んでいて非常に面白かったですよ、また次回にも期待してます。

>>531
はい、一応出す予定でいますが、KOFはチーム制なので、路地裏チームという事で
さっちんとシオンの二人と組ませます。
もし宜しければ、上で書いた自分のSSを便乗して頂いても構いませんよ
533名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:51:58 ID:UG8bP+UF
>>532
感想ありがとうございます。
まりんは結構マイナーキャラだけど、結構好きなキャラなので書きました(謎が多いからあとが怖いけど…)。

また続編書くかも?


路地裏チームですか〜。
俺もコイツらがKOFで出たらな…って考えてましたよ〜。
534名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 14:59:40 ID:NufDPazP
Eventual Rumble Orochi 2181 第十一話
投下します。
今回は紗夢と春麗とロボカイです。



中華料理を好む人間は、世界中を見ても案外多い。
本家中国は言うに及ばず、日本にだって中華街が横浜や
神戸や長崎にあるし、日本以外の国でも、中華は好まれるところだ。
ダンボールだの農薬だのといった危険性は、この際無視だ。
2181年のパリでも、中華料理は庶民が好んで食していた。

パリのどこかにある、 賑やかな目抜き通り。
行商が行き交い、数多の客で賑わう中に、その店はあった。
生龍焼きが評判の、人気の中華飯店だ。
腕は一級品で、この店で食事をして満足しない客はいない。
料理長は格闘でも腕が立ち、かつては悪魔の棲む森にいた独立型ギア、
ディズィーを跡形も残らない程消し飛ばして、
その賞金でこの店を構えたという武勇伝でも、好評を博していた。
名を、蔵土縁紗夢。
試合中のドット絵では、どのモーションでも常に例外なく、
どこかで必ずパンチラをしている事でも有名な、ギルティの人気キャラである。
料理も勿論だが、彼女を目当てに訪れる客も少なくなかった。
「紗夢ちゃん、今日もご機嫌麗しゅう」
客の一人が、両手に料理の乗ったトレイを抱えて無防備な彼女の尻目がけて、手を伸ばす。
だが紗夢は、掌ににトレイを乗せたままで、それを少しも傾ける事無く、
足技だけで客のいやらしい手をあしらった。
ピシッという軽快な音と共に、客は手を引っ込めた。
「ウチはそういうお店じゃないアル。
 次そういう事やったら、何も食わせてあげないヨ?」
蹴り足を天井に向けて突き出したまま、紗夢は威嚇とも挑発ともとれない笑みを返した。
彼女のコスチュームのせいで、客にはパンティが丸見えだ。
だが彼女も、わざと見せている。
今日はもうこれで一回パンチラしてやったんだから、これ以上のサービスは無し。
そういう暗黙のルールが、いつの間にか決められていた。
客はその一度のパンチラで満足し、幸せそうな顔でまた午後の仕事に励みに戻るのだ。
535名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:00:12 ID:NufDPazP
だがこの店に、ここ数日は、紗夢とはまた違う看板娘が現れた。
タイムスリッパーである、春麗である。
年齢は秘密との事だったが、紗夢にはない大人の色気と、
中年好みのムチムチしたフトモモは、成人男性諸兄の人気を博した。
警察関係者らしく、セクハラに対する容赦の無さは、紗夢以上だ。
誰も彼女には手の一つも出そうとはしなかったが、
だからこそ、庶民からは高嶺の花のように珍重されていた。
どちらかと言うと、若い男性客には紗夢が、
中年以上の男性には春麗が人気という感じで、棲み分けが出来ていた。
「はい、生龍焼きお待ちどうさま。ゆっくりしてってね」
春麗も、自分が中高年に人気があると自覚していたから、
最近ではわざと、中年以上の男性客には自分が食事を持って行くようにしていた。
気分は複雑だが、彼女なりの一種のサービスだ。
稀に若い男性客でも、彼女の包容力や大人の余裕に負かされて、
彼女を指名したがる男性はいたが、その都度彼女らは
「ここはそういうお店じゃないですから」と言いつつ、笑顔で食事を運んでやるのだった。

昼の立て込む時間帯を過ぎて、一段落した頃。
スタッフの何人かは休憩をとり、客席で賄いを食べる者もちらほら見受けられる。
そんな中、一人の男が、店の入り口をくぐってきた。
「あ、いらっしゃいアル! 今ちょうど暇だから、すぐに料理出せるアルよ」
反射的に営業スマイルを振りまいてしまった紗夢は、すぐに後悔した。
入り口をくぐってきた一人の男が、本当は一人の男ではなく、
正確に言うと『一機のロボ』だったからだ。
「女将! タコ焼キハアルカ?」
「……もうその紛らわしい服装にもいい加減慣れたケド、
 中華料理屋に来て的外れなものを注文するのだけは、未だにムカツくアルね」
紗夢は、常連となりつつあるそのガラクタを、溜息交じりにテーブルへ案内した。
「エート、ジャア、ちんじゃおろーすヲ頼ム。まよねーずハタップリデ」
「お前、チンジャオロースが何か、わかって言ってるアルか?」
余程紗夢の事が気に入っているのか、そのガラクタ……
ロボカイは、毎日のように店を訪れいてた。
料理などという下等なエネルギー補給は不要、などとかつて言っていたのは、どこのどいつだ。
どういう仕組みか知らないが、とりあえず出した料理は本当に食べるし、
どこで収入を得ているのか知らないが、金払いもきちんとしているので、
紗夢も春麗も、特段彼を邪険にはしなかった。
かつては他の客が怪しむからお引取り願いたかったのだが、
近頃は逆に常連客達の人気マスコットになってしまい、
このガラクタを見るために、近所の子供がわざわざ店の軒先に集まる程だった。
「人気者アルね、このポンコツ」
「ワッハッハ! 駄目おりじなるヨリモ人気ダゾ!」
悔しいが、それは認めざるを得ない。
ロボカイのオリジナルであるカイ・キスクは、模範的優等生で人望も篤いが、
こと子供や一般市民に対する庶民的人気という点では、やや劣る。
生真面目過ぎて、少しとっつきにくいのだ。
無論、もっと深くカイと接していけば、彼が決して杓子定規なだけではない、
人望に比例した温もりと明朗さの持ち主である事がわかるのだが、
それでも子供に人気が出るのは、やはりロボカイのような奴の方だった。
当初は春麗も「意外ね。あの警察の坊やに、こんな親戚がいたなんて……」と
冗談交じりで言っていたが、今ではすっかり慣れたようだった。
536名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:00:52 ID:NufDPazP
「で、今日は何を持ってきたアルか?」
紗夢はロボカイの対面に座り、何とはなしにそう尋ねた。
彼女の気を引きたいのか、ロボカイはたまに、プレゼントを持ってくる事があったのだ。
大抵は博士とやらの所からくすねてきた、やれ貴重なオイルだの、
よくわからない鉄屑にしか見えない模型だのだった。
流石にそれは紗夢も受け取らなかったが、気に入られているのは、悪い気分ではない。
繁殖出来ないロボットのくせに、性欲に基づいたスケベ心で勝手に嫁扱いされるのは
甚だよろしくないが、最近では無邪気に絡んでくるガキンチョのようにも思える。
……まぁ、決して気持ちに応えてやろうとは、露程も思わないが。
「今日ハダナ、コレヲ持ッテキタゾ!」
ロボカイは懐から、可愛らしい柄の紙で包装され、リボンまでつけられた箱を取り出した。
長方形で、そんなに大きくはないが、さりとて小さいという事も無い。
模様は可愛いが、不器用なのか、包装紙の折り目はグチャグチャだし、
リボンの結び目はデタラメで、逆にどう結んだのかわかりかねた。
だがこれも、拙い愛情表現だと思えば、何だか笑えてくる。
春麗も横から覗き込み、一体どんな素敵なプレゼントかしらと、紗夢を急かした。
……油断してはならない。
相手は、ロボカイだ。
開けた瞬間にバネ仕掛けの人形がビョンビョン飛び出してきて
「ヤーイ引ッカカッタ」とか言われても、おかしくないのだ。
それで済むならまだ良いが、イグゼクスのストーリーモードを見る限り、
こいつは放火とか平気でやりかねない。
そんな風に怪しんでいたのが、ロボカイにも伝わってしまったようだ。
「我輩ノ大切ナ想イヲ、ソンナ風に捉エラレルナンテ……」
涙は流せないが、もし可能なら、彼は泣いたかもしれない。
シクシク、メソメソ。テーブルに突っ伏して、落ち込んだ。
「わ、悪かったアル! 私はロボカイを信じるヨ。
 きっと素敵なプレゼントに違いないネ!」
あぁ、何と自分は、彼に対して失礼な事を考えてしまったのだろう。
紗夢は後悔と自責の念にかられながら、彼の好意を思って、満面の笑みを浮かべた。
そうだ、そうなのだ。
海法がなんかロボカイを悪役にしやがったが、
本来のロボカイは人間味と愛嬌のある、楽しい奴なのだ。
嫌な奴である事に違いは無いが。
537名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:01:34 ID:NufDPazP
ねぇ、開けても良い?
紗夢は今更のように、わざとらしく嬉しそうにそう尋ね、
丁寧にリボンを解いて、綺麗に包装を剥がした。
中にはプラスチック製の箱があり、更にその蓋をとると、
そこには丸い卵のような形をした、小さな玩具が入っていた。
卵からはコードが延びており、スイッチに繋がっている。
こういう玩具は、見た事があるような気がする。
スイッチを入れると、コードで繋がれた兵隊さんの模型が、
両手両足を交互に動かして、前に進むといった具合のものだ。
だがこれは、それとは違い、卵型。
手も足も無いが、一体この卵は、スイッチを入れるとどんな動きをしてくれるのだろう?
これも博士とやらの所からくすねてきたのだろうか。
「これは一体どんな玩具アルか?」
紗夢はニコニコ微笑みながら、ロボカイに尋ねた。
反面、隣で見ていた春麗は、眉間に手をあてて溜息を漏らしていた。
「はぁ……それ、元の時代で見た事あるわよ」
それはピンクローターというものだと、春麗は教えてあげるべきか否か迷った。
「マダマダアルゾ!
 コッチノハモット面白イ!」
ロボカイは次に、側面に幾つもの小さな半球が散りばめられた、
全長20センチ、直径3〜4センチくらいの棒を取り出してきた。
棒とは言っても、やや反り返って、湾曲している。
先端から3センチ程は本体より更に太く、その境目には、少し引っ掛かりがあった。
まぁ早い話がバイブなのだが、この時代の住人である紗夢には、正体はわからなかった。
「これ、どうやって使うアルか?」
「聞かない方が良いわよ、紗夢」
「ホホウ、ソンナニ気ニナルカ! デハ実演シテヤロウ!
 イザ厨房ヘ! イザ人目ニツカナイ裏方ヘ!」
そして紗夢は、一瞬でもロボカイの愛情を真剣なものと捉え、
真摯に彼と向き合おうとした自分を、底抜けに後悔する事となった。
538名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:02:10 ID:NufDPazP
いかに平然とパンチラをする紗夢とは言え、それはパンティが綺麗な時に限られる。
少なくとも、染み出した愛液でうっすらと陰毛が透け、
クリトリスと割れ目がくっきりと形を浮かび上がらせてしまっては、
いくら何でも股間を見られたいとは思わない。
だが、ねっとりと虐められて脱力し、全身の力が抜けてしまっている今の彼女には、
恥じらいからスカートを押さえ込んで、股間を隠すような事は出来なかった。
「モハヤ抵抗ナド出来マイ。イヤラシイ汁ガ溢レテイルゾ」
「っくぁふ……んんはぁんっ……ふん……やだ、あぅ……」
パンティの上から、小刻みに震えるローターが押し当てられ、
容赦なく敏感な部分をくすぐった。
紗夢は今程、自らの作為的パンチラファッションを呪った事は無い。
ちょっと油断した瞬間、ロボットの屈強な腕にあっさり組み伏せられた。
それだけならまだ幾らかの猶予はあったのに、彼女ときたら
普段自分からパンティを見せていたものだから、一番の弱点が常に剥き出しだった。
それはロボカイにとっては、非常に好都合だった。
ちょっと無理やり押し倒して、慌てているほんの少しの隙をつく。
それだけでもう、股間にローターを押し当てる事が出来るのだ。
もし紗夢がジーパンなどを履いていたら、もっと面倒臭かったに違いない。
まぁギルティ世界の女性キャラは、どいつもこいつも股間がお留守だから、
その意味では全員紗夢と似たり寄ったりな無防備さだが。
「もっ、ぅはっ! んん、ひぐっ……にゃあぁあ……恥ずかしいアルぅ……」
「大変ダ、下着ガ濡レテ、汚レテキテイルゾ! 早ク脱ガネバ!」
「やだ、ちょっ……」
剥き出しになった紗夢の醜い肉に、ロボカイはバイブをあてあった。
「うひっ!? や、それっ、入れっ、な……っ」
感じているとは言え、まだ紗夢のアソコは、異物を受け入れる程には解れていない。
先端を咥えるだけでも痛覚が刺激され、余計に息が掠れる。
クリトリスに振動を受け続けながら、同時に膣穴に太いモノを挿入される。
覚悟せずに受けてしまえば、頭がどうかなってしまいそうだ。
「……お願っ、がっ……はっ……もと、優ひくぅ……」
もはや彼女から漏れ出る声は、抵抗ではなく甘受だった。
本当ならこんな責めなど受け入れたいとは思わないものを、快感や不快感よりも、
痛みが先に襲ってくるため、先ずはその痛みから逃げたいと思ってしまう。
故に「せめてもっと優しくして」という嘆願に化けてしまうのだ。
バイブはまだ先端がほんの3センチ程挿入されていただけに過ぎなかったが、
今のうちに慈悲を懇願していなければ、この激痛を伴ったままで、
奥まで無遠慮に貫かれていたに違いない。
彼女にとって「入れて良いから優しくして」という交換条件は、避けられないものだった。
539名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:02:42 ID:NufDPazP
「遅いわねぇ、あの二人……じゃなかった、一人と一機」
春麗は、夕方に差し掛かって客が一人か二人しか見受けられなくなった店内で
テーブルを拭いてまわりながら、紗夢の身の心配をした。
ロボカイが破廉恥なプレゼントでもって紗夢を篭絡しようとしていた事には気付いていたが、
どうせロボカイだし、相手は紗夢だし、大方すぐに厨房から爆発音が響いて
顔を真っ赤にして膨れながら、ロボカイの生首を片手にぶら下げた紗夢が
「まったく失礼しちゃうアル」とか言いながら帰ってくるものだと、信じて疑わなかった。
だが、紗夢とロボカイが厨房に消えてから、もう十分くらいにはなる。
不安になってきたので、そろそろ様子を見に行こうかと考えていた矢先、
厨房から紗夢が、何食わぬ顔で出てきた。
それを見たアルバイトスタッフは、紗夢が無事に現れたので、内心ほっとした。
あの得体の知れないロボットに、何かひどい事をされていたようには、見えなかったからだ。
だが、スタッフは気付いていなかった。
この時点では、まだ気付きようがなかった。紗夢が、無言で脅迫されている事に。
「ひぅんっ!?」
突然、紗夢が嬌声をあげた。
右足がカクンと綺麗に膝で折れ、と言って左足にも力は入っていない様子で、
手は懸命にスカートを抑えており、しかし力のこもったその手とは裏腹に、
表情はあくまで頼りなく、泣いてしまいそうにすら見える。
「ちょっと紗夢、どうしたの?」
春麗が近づいて声をかけるが、紗夢は無言で首を横に振るだけだった。
より正確に言うならば、声を出す余裕など無かった、というのが正しい。
パンティの中に、スジに沿うように納められた遠隔ローターが、
彼女から抵抗の意思も体力も奪っていたのだ。
その様子をロボカイは厨房の入り口からこっそり覗き見ながら、悦に浸っていた。
サァ、教エタ通リニ言ウンダ。今すいっちヲ切ッテヤルカラナ。
心の中で……いや、人工知能の中で呟きながら、ロボカイは手元のスイッチを操作した。
ローターの振動が切れ、紗夢は恐る恐る、体勢を立て直した。
だが正直、直立するのも怖いものがある。
彼女は今、普段から普通に歩いていても下着が見えかねない、
はしたない格好をしていた事を、嫌になる程後悔した。
何かの拍子に、自分の股間に不自然な膨らみがある事に、気付かれはしまいか。
幸い客はゼロに等しい時間帯だが、全くいないわけではない。
それに、アルバイトスタッフだって、春麗だっている。
540名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:03:13 ID:NufDPazP
客の一人が、気遣って声をかけてくれる。
「紗夢ちゃん、具合悪いのかい?」
「だ、大丈夫アルよ」
紗夢はその後に、本来なら店員として、
どうぞゆっくりして行って下さい、と言うべきだった。
だがこの状況では、例え口上のサービスとは言え、とても言えたものではない。
失礼だが、出来れば早く帰って下さい、とさえ言いたかった。
いつローターが作動するかわからない、拷問のような状況で、
彼女は無限とも思える時間、接客に勤しんだ。
こういう時に限って、止せば良いのに、客は水のお替りを頼んだりする。
そしてロボカイは、そのタイミングを見逃さない。
コップに水を注ぐその瞬間に、スイッチを入れる。
途端に下半身を快感が襲い、全身から力が抜け、水を盛大に客の足にぶちまけてしまう。
「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ」
慌てて謝りながら布巾を取りに戻り、客の召し物を拭いてやるが、
その間もずっと、小刻みな振動は彼女のクリトリスを震わせ続ける。
我知らず内股を擦り合わせて、必死で快感から気を背けようとする。
パンティは既にずぶ濡れで、太腿をいやらしい液体が
這い落ちてしまわないかと、気が気でならない。
春麗が紗夢の体調に気を使って、代わってやると申し出るが、
自分がこぼした水の始末は、自分でしなければならない。
紗夢は店長であり、仕事は接客業であり、客がまさに見ている目の前なのだから。
不幸中の幸い、良い客だったので彼女の不始末を怒りもせず、
風邪ならゆっくり休むと良い、とまで笑顔で言ってくれて、そのまま帰ってくれた。
ようやく、店内から客がいなくなった……。
既にローターのスイッチは切られており、紗夢も今は平常に戻る事が出来た。
「お疲れ様アル。ところで、ちょと用事頼みたいネ」
紗夢はアルバイトスタッフを呼びつけると、買出しを頼んだ。
スタッフは疑いもせず店を出て行き、後には紗夢と春麗と、ロボカイが残った。
「ちょっと紗夢、一体どうしたの?」
明らかに様子のおかしい紗夢を春麗が訝しく思ったが、紗夢はその質問を無視した。
代わりに一方的に、彼女にも用事を伝える。
「今からちょと、厨房の方に来てほしいアルね」
一体どうした事かと、春麗は首を傾げながら、ロボカイの待つ厨房へと向かった。
541名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:03:53 ID:NufDPazP
ロボカイは、奥の椅子に腰掛けて、悠々と何かプラスチック製の箱を掌で弄んでいた。
ロボットに表情は無いが、いかにも春麗を待っていたという雰囲気だけは、匂わせていた。
そして無論ロボットに表情は無いのだが、心なしか挑発的というか、
いかにも悪い事を企んでいるような、一言で言えばムカつく目をしていたので、
春麗は警戒心たっぷりの超硬ガードで、威圧的にロボカイに話しかけた。
「私に用があるのは、あなた? 紗夢に何したんだか知らないけ……」
最後まで言い切る前に、春麗の胸を、何者かに背後から鷲掴みにされる感触が襲った。
「んなっ!? ちょ、紗夢!」
「勘違イスルナ。用ガアルノハ我輩デハナク、本当ニ紗夢ノ方ダ」
「お願い、観念するアルよ。春麗……」
既に肩越しに聞こえる息遣いは荒く、じっとりと湿っている。
胸を揉む手つきも遠慮が無く、春麗は服の下にブラジャーもつけているのに、
それごと乳首を狙ってくるような、ピンポイントのしつこさを感じる。
太腿を春麗の足にこすりつけ、あわよくば股間に割り込んでこようとする。
どう考えても様子がおかしい。春麗は、その原因がロボカイにあると、すぐにわかった。
「種明カシヲシテヤロウ。コレダ」
ロボカイはスイッチを最大目盛りまで押し上げた。
途端に、その厨房にいればどこにいても聞こえるくらい、大きな振動音が響いた。
ビィィィィィィン!
「あひゃっ!? ひきぃいっ! い、きっ、なりっ、そんっ、あはぁっ」
春麗の体に腕を回したままで、紗夢はバネ仕掛けの人形のように、
何かに押しつぶされたのではないかと錯覚する程、ビタンッとその場に崩れ落ちた。
その反応から見るに、股間にリモコン式のローターなりバイブなりを
仕込まれているのは、問わずとも明らかだった。
「このガラクタめ……卑劣な真似をして紗夢を脅して!」
「ダカラ勘違イダト言ッテイルダロウ。
 オ前ヲ求メタノハ、紛レモ無ク紗夢自身ノ意思ダ」
「そんなワケ……」
「ナラ本人ニ聞イテミルガイイ。機械ノ冷タク硬イ指ヨリ、
 人間ノ温カクテ柔ラカイ指ノ方ガ欲シイト、ソイツガ言ッタノダ」
紗夢にその事実を問いただすまでもなかった。
ロボカイが喋っている間にも、紗夢は春麗の下半身を狙い始めたからだ。
春麗の胸に背後から手を回した姿勢のままで崩れ落ちたという事は、
その手は今は春麗の膝の辺りにある、という事だ。
そして紗夢の顔面は、春麗の尻の辺りにあるという事でもある。
紗夢は手を這わせて春麗の股間のレオタード部分の布を引っ張り、横にどかした。
中から、パンストに覆われた黒いレース下着が、顔を覗かせる。
「じ、紗夢……!」
「お願い、私を抱いて春麗……ロボットの手に胸を撫でられても、イマイチなの。
 キスしたくても、ロボットには唇が無いの。舌を絡ませられないのぉ……っ」
もはやそれは、ケダモノの台詞。
紗夢がロボカイと厨房に篭りきった十分程の間に、ここまで心を折らせてしまうとは、
彼女にとって大人の玩具は余程刺激が強かったに違いない。
この時代には、恐らくツェップにぐらいしか無いだろうから、耐性が無いのだろう。
武術で心身ともに鍛えぬいた紗夢とて、これでは敗北もやむなしだ。
542名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:05:32 ID:NufDPazP
春麗は厨房の流し台に背中を向け、手を縁にかけて体重を預け、
右足の爪先を天井に向けて、地面に対してちょうど垂直になるように高く突き出した。
右手をその足のふくらはぎの裏側に回し、支えにする。
既に彼女の股間はレオタードがずらされ、パンストは破られていた。
紗夢は残ったパンティを引っ張り、料理用の鋏で、ジョキジョキと薄布を切り裂いていった。
現れたのは、年相応に熟れた肉と、よく手入れされた陰毛。
左右に押し広げてみると、内側に赤黒い粘膜が見えた。
「や、やだ……パンティ切られたら、仕事が……」
「何ノ問題ガアル? れおたーど部分ハ無傷ダシ、ぱんすとモ一部シカ裂イテイナイ。
 ソ知ラヌ顔デ股間ノ布地ヲ整エテ接客ニ戻レバ、誰ニモ気付カレンダロウ。
 マァ、オ前ガ興奮シテ股間ヲ『きゅっ』トサセテ布ヲ食イ込マセテシマエバ、
 ドウカワカランガナァ? クックック」 
ロボカイがそんな事を言う度に、やはり紗夢が自分一人の意思で
春麗を巻き込んだのではないと、春麗は強く確信するのだった。
明らかに、ロボカイが紗夢をそそのかしたのだ。
だがそんな強気な敵意も、媚肉にあてがわれたローターの振動によって、
否応なしに振り払われる。
「いっク……っ!」
春麗は反射的に股間に目を落とし、自分を責めるそのローターを見据えた。
それは驚く程濡れており、彼女は一瞬、こんな事で自分は早くも濡れてしまったのかと
錯覚してしまいそうになったが、それはよくよく考えてみれば、紗夢の愛液だった。
たった今まで紗夢の中に入っていたローターが、まだ汚いままで、
そのまま春麗の入り口に押し付けられているのだ。
振動の波長に合わせて水滴のように、雫がポタポタと落ちていく。
「キスしてぇ……春麗ぃ……」
ローターから解放された筈の紗夢は、しかし、既にもう淫欲の虜だ。
口付ける前から伸ばされた舌は、相手の唇を求めてやまないのが見て取れる。
春麗は観念してか、或いは空気に流され逆らえなかったのか、
とうとう目を瞑り、紗夢とのキスを受け入れてしまった。
最初はソフトタッチに……などという紳士的な口付けは、紗夢はしてくれなかった。
キスが欲しいというよりは、もっと獣じみて、唾液が欲しいといった感じだった。
貪るように舌を突き出し、まだ足りない、まだ足りないと言うかのように、
春麗の口の中を掻き回そうとしてくる。
春麗の方もその気持ちに答えるように舌を伸ばし、ねっとりと絡ませていく。
漏れた涎が顎を伝い、これもまたポタポタと落ちて、二人の胸を濡らす。
543名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:06:14 ID:NufDPazP
そうこうしている内にも春麗の膣は解れて汁を撒き散らしていき、
、小さいローター程度なら、もう少し時間をかければ、
程なくしてすっぽり収まっていきそうに見えた。
あまり年齢の事には触れられないが、紗夢よりは幾分年上で
れっきとした大人の女性だから、その辺も関係しているかもしれない。
「あっあっ、あっ、あっあっあっ、ああぁ、あっ」
ローターは普通、入れてから振動させるものだ。
時折、振動させたまま入れる事もあるが、そうすると女性はこんな声を出す事になる。
小刻みに震えるローターを周波を合わせるかのように、
自らも途切れ途切れに声を吐き出すのだ。
チャイナ服を着用した二人の美女が絡み合う様子は、
もしロボカイが人間の男性だったなら、勃起を通り越して先走り汁が出るところだ。
いやもうひょっとしたら、それだけで射精出来てしまうかもしれない。
我輩、人間ジャナイノガ惜シイ。彼はそんな事を考えながら、美しい百合を眺めていた。
「も少しで全部入りそうヨ、春麗」
「ぃふっ……焦らしちゃ、やだ……」
涙ながらに、春麗は紗夢の瞳を見つめた。
紗夢はそれを受けて、もう準備は万端整ったと判断し、ローターを一気に突っ込んだ。
「あひぃん!」
根元まで挿入されたローターはそのまま奥の子宮口に届き、
それを押し込んだ紗夢の中指までも、第二関節の辺りまでくわえ込んだ。
すんなり入ったわけではないが、程よい締め付けがあり、指を抜くのが惜しく感じられる。
「すっごいアル。噛み付いてくるみたいヨ。指、簡単には抜けないアル」
紗夢はローターを奥に押し当てたままで、指を中でぐりぐりと動かしてみた。
回転させるだけでも春麗にとってはたまらず、
中で指を曲げられたりした時には、声にならない声があがる。
「っはッ……こ、こんなのっ……はぁっ」
だが、一方的に負けてばかりいるのは、格闘家として認められない。
それに紗夢自身、人間の手で胸を触って欲しいなどと、さっき頼んでいたではないか。
春麗は意識を何とか保って、紗夢の胸を覆う衣服の、止め具を解いていった。
544名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:06:48 ID:NufDPazP
動きの邪魔になるからか、紗夢は一般的なブラジャーをつけていなかった。
ブラジャーを吊るためのワイヤーも紐もなく、どちらかと言えば
現代で言うところの、ヌーブラのようなものに見える。
春麗はそれと紗夢の乳房の間に指を一本差し込んで隙間を作り、
そのまま容易く剥がして、さっさと取り払った。
すると、彼女の肌は元々美白だが、そんな腕や足に比べてもまだ白い、
若く可愛らしい、けれども決して小さくないバストが、露になった。
乳首は既に十分硬くなっており、摘んで下さいとばかりに尖っている。
春麗はそこに爪を引っ掛け、まずは一回、そのまま引っ掻いてみた。
案の定、ただそれだけの事で、今の淫らに落ちた紗夢には、効果的だった。
「ぅひっ?」
間抜けな桃色の声が、予想以上に気持ち良い事を雄弁に語る。
いくら乳首が胸の中では一番敏感とは言え、これでは他の部分まで丹念に攻めたら、
彼女はどんなに壊れてくれるか知れない。
そう考え始めたら、もう強い興味を抑える事は出来なかった。
腋に近い辺りから掌を這わせ、徐々に乳首に向かって撫でていき、
そこで一旦手を返し、こぼれる乳房を下から掬うように持ち上げ、
また更に手首を返して、谷間の辺りを指の腹でくすぐる。
乳首の時ほど敏感かつ突発的ではないが、紗夢はやはり、息を荒くして感じてくれた。
「ハァ……んんっ、はぁ……は、ぅは……」
乳首と乳房、両方を同時に責めるように掌全体で覆ってやると、
もうその頃には、意識がそっちに全て持っていかれているのか、
ローターを押し込む紗夢の指は、完全に止まってしまっていた。
そして春麗の方ももう、ローターや指なんかでは満足できない。
このまま終わりたくないという生物的欲求が、頭をもたげてきた。
もっともここに男はいない。
いるのは、AIBOより性能が悪いと言われたら信じてしまいたくなるような、
人呼んでギルティ界の先行者、ロボカイだけだった。
「オ前、何カ失礼ナ事考エテイタダロウ。
 言ッテオクガ、我輩ニモ中華きゃのんハ実装サレテイルゾ!」
ロボカイは胸のハッチをKOFのマキシマみたいに開き、
中から更にバイブを一本取り出して、自慢げに見せびらかしてきた。
「んっ……ローターより、太、っい……のは、認めんっ……るケドぉ……
 それで、ハァ……ハァ……満足なんて……あふ……出来るかしら……?」
「わしノてくにっくガ有ルカラ、無問題ダ!」
春麗は勿論、意識の溶けきった紗夢も、彼のテクニックが如何ほどのものかと
期待せずにはいられなかった。
中でグリグリするとか、緩急をつけるとか、
その程度の一般的な遊び方では、彼女らを唸らせる事は出来ない。
ひょっとしたら、アブノーマルなプレイを強要されるのだろうか?
スト2時代の気孔拳のポーズでバイブを尻穴に突っ込まれる屈辱や、
スト3Ver.の大股開いた気孔拳のポーズでバイブを突っ込まれ、下には具の入った鍋を置き
隠し味とか言ってその中に愛液を山ほど垂れ流す羽目になる屈辱が、
彼女の想像の世界を駆け巡った。
客に出す料理の中に自分の体液を混ぜるなど、変態以外の何者でもない。
だがロボカイが採択したのは、それらよりアブノーマル度は低いものの、
ある意味誰も予想出来なかったに違いない、全く新しいプレイだった。
545名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:07:21 ID:NufDPazP
ロボカイは二人に指示し、まずは一度、春麗のローターを外させた。
その上で二人とも服を全て脱がせ、全裸にする。
高さはホールのテーブルがちょうど良かったので、その上に春麗を、仰向けに寝かせる。
中華のテーブルって、上に回転台のついたやつじゃないの? というツッコミは無しだ。
窓のカーテンは全て締め切り、入り口のドアには『準備中』の札を下げた。
それでも、買出しに行ったスタッフが、いつ戻ってくるかわからない。
スタッフは堂々とドアをくぐってくるだろうから、油断は出来ない。
「アァ、ソウデハナイ。モウ少シ尻ヲコッチニ突キ出セ」
ロボカイは、位置取りを細かく指示した。
ようやくそれが終わると、春麗の上に、紗夢が覆いかぶさってきた。
乳房が互いに押しつぶされ、乳首が擦れあう。
股間はクリトリスまでも綺麗に密着し、二人とも黄色人種で毛髪の色も近いから、
交じり合った陰毛はどれが紗夢のもので、どれが春麗のものかわからなかった。
ロボカイは最初に紗夢を苛めていたバイブと、先程後から取り出したバイブの
合計二本を、テーブルの上で横たわる二人に、これみよがしに見せ付けた。
「それを、どうするアルか?」
「ただ入れるだけってんじゃ、芸が無いわよ?」
「フフフ、わしヲ人間ノ男ト一緒ニスルナ。
 駄目おりじなるヨリモわしノ方ガ優レテイル理由ノ、一ツガコレダ」
ロボカイは自分の股間を全開にした。
中には機械特有の無機質な金属ボディが存在しただけで、
人間にあるような、男性生殖器すらも無かった。
だがそこにはよく見るとハッチが付いており、簡単に開ける事が出来た。
その奥には、何かのパーツを取り付けるためと思しき、連結穴を見る事が出来た。
そして、穴は二つ、縦に並んでいる。
「ココニ、先程ノばいぶヲせってぃんぐスルト……」
春麗は、思わずぎょっとした。
カチッという淀みない音から察するに、このバイブは元々、このために開発された特注だ。
二本のバイブが装備されたロボカイの下半身は、
まるで二本のペニスを供えているかのようだった。
いや、今この瞬間においては、ロボカイは紛れも無く二股のペニスを持つ男だ。
「一人ノ人間ガ二人ノ女ニ、同時ニ挿入スル事ハ出来ナイ。
 ソレガ出来ルノハ、我輩ダケナノダ!」
あぁ、素敵……。
悔しい事に、春麗も紗夢も、思わず心の中で呟いてしまった。
口に出さなかっただけ幸いである。口に出せば、ロボカイの勝利を認めてしまう。
546名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:07:59 ID:NufDPazP
ロボカイは彼女らの膣に照準を合わせると、
既にいつでも異物を受け入れられるようになったそこへ、
二本同時に、ズブズブと己の男根を進軍させていった。
視界をズームインし、陰唇がひくつくのも、陰毛の一本一本に愛液が濡れ広がっていくのも、
全て余すところ無く舐め回すように観察し、記憶領域にデータを転送する。
後で何回もこのシーンを脳内で再生して、一人で楽しもうというハラだ。
そのズームの際に少しだけ聞こえてくる「キュイィィィ……」という音が、
殊更に春麗と紗夢の恥辱を煽る。
ハメ撮りされて気分の良い女など、まぁ多数派ではない。
「おまっ、えっ……後で、覚え……っ」
カシャッ! カシャカシャッ!
紗夢を挑発するように、ロボカイはわざとシャッター音を響かせた。
彼程の性能があれば、音もなく撮影する事は標準設定で可能なのだが、
それでは彼自身が面白くなかった。
「後デ駄目おりじなるニモコノ映像ヲオ裾分ケシテヤロウカ。
 アァソレトモ、わしノ母体ノ、終戦管理局ニ流シテ……」
ロボカイは平然と喋りながら、股間のバイブを自由自在に動かし、二人を苛めた。
「あひっ! あぁん! あぁん! やふぁ、う、らめアルぅうっ!」
「ふぁ! はっ、はぁーっ! あんんっ! ふぁあん! あぁあっ!」
ロボカイの男根は、ただの男根とはワケが違う。
内部にセンサーが内臓されており、自動でGスポットを探り当てると、
側面から突起物が現れ、そこを間断なく攻め立てるのだ。
「ぉひぃあっ!? お、ソコォ……ッ!」
「こんっ、なの……スゴ……過ぎぃ……」
時折手加減して、ロボカイがGスポットへの攻めを中止したりするものだから、
春麗と紗夢はその度にほっとしてしまい、また数秒後、
その油断しているところに再びGスポット攻めが再会されて、
何度も何度も、気絶一歩手前の状態までもっていかれた。
「サァ、ソロソロ終ワリニシヨウカ」
ロボカイがバイブを操作し、膣の奥壁にピストン運動の要領で勢い良くぶつけると、
二人の女達はそれに合わせて、店外にまで聞こえかねない程の、甲高い声をあげた。
「あぁん駄目! もうイっちゃうアルぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
「やあぁん! ぅあぁあぁぁぁぁぁぁぁっあぁっ、あぁぁ……」
後には、誰がいつ帰ってくるかもわからない店内で、汗まみれで息を荒く吐き出す二人と
椅子に腰掛けて悠々とその様を録画し続けるガラクタが一体、
しばらくの間余韻に浸り続けていた。
547名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:08:30 ID:NufDPazP
「サテト、ソロソロ我輩、オ暇サセテ……」
「待つアル」
「待ちなさい」
そそくさと帰ろうとしたロボカイの後ろ襟を、二人の中華娘がふん捕まえる。
「ナ、何ノ用カナ? サテハ、マダ満足シキッテ……」
「とぼけるのは止しなさい。さっき録画したデータ、全て消去なさい」
「ナ、何ノ事カナ?」
「しらばっくれるなら、それも良いヨ。本当の鉄屑にしてやるだけアル」
「ヒッ、ヒィィィィィィィッ!?」
咄嗟に手を振り払い、背部バーニアを吹かして逃亡を図るロボカイ。
だがその背中を、鍛え上げられた脚力からなる高速移動と、
中華の真髄である気孔の闘技が追った。
「FB版百歩しんしょーっ!!」
「ナァッ!? ソンナげーじ消費技……ウグゲャアァッ!」
大爆発が起こり、ロボカイははるか彼方へと吹き飛んでいった。
まだ日暮れ前だというのに、空にはキラーンと一つ、一番星が輝いた。
「レディを口説き落としたかったら、次からはテクよりハートで来るヨロシ」
紗夢は、汚れや埃を落とすかのように、両手をパンパンとはたいた。
遠くの空から「タ〜ス〜ケ〜テ〜……」という声が、
徐々にフェードアウトしていくように響いてきた。
「それにしても、あいつが途中で言ってた言葉……
 終戦管理局って、一体何なの?」
「私もよく知らないアル。どうせ海法が勝手に作った設定アルよ。
 初代ギルティにも、ギルティ2にも出てこなかタシ」
548名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:09:13 ID:NufDPazP
所変わって、夜の闇。
科学技術の廃止されたこの時代に、それでも科学を行使し続ける場所があった。
一つは、科学大国ツェップ。だがもう一つは、一般にはあまり知られていない。
世界のどこかにある地下の生産ラインで、延々と部品が組み立てられていく。
全てオートで作業が進んでおり、そこで人間がする事と言えば、
せいぜいラインの管理をするぐらいのものである。
退屈で変わり映えしないが、これも近い将来に勝利を獲得するための、重要な仕事だ。
マチュアとバイスは、お互いにそう言い聞かせて、
ひたすらに見飽きた部品の行列を今日も眺めていた。
「地球を汚染する科学技術を、よりにもよって私達が、積極的に利用するとはね」
「今しばらくの辛抱だよ。今に第二の聖戦が勃発する。
 その戦いに勝利し、人類の全てを根絶やしにしてしまえば、
 それまでにどれ程星が穢されていようと、時間をかけて治す事が出来る。
 だが人類が繁栄したままでは、いつまで経っても治療は進まないんだ」
愚痴をこぼしあう二人の後ろでは、今日も『博士』と呼ばれる老人が、
デスクワークに勤しんでいた。
書架には、背表紙に『終戦管理局報告書』と記載されたファイルが、
すし詰めの状態で並んでいる。
「自分達人類を絶滅させるための計画に、加担する気分はどう? 博士」
「……ワシは死ぬまでの間に、満足のいく研究が出来ればそれで良い。
 そのためにカイ・キスクのデータを基に、イミテーションシリーズ開発に着手したのだ。
 今はあんなポンコツぐらいしか完成しないが、研究がすすめば、
 生態部品を多く用いた、真の完成形が生まれる。
 量産の暁には、人類など72時間以内に残らず駆逐出来ようものよ。
 その研究の成果を見届ける事さえ出来れば、わしはお前らに、いつ殺されても惜しくない」
「えぇ、その約束は必ず守るわ。
 博士の命は、全人類の中で最後まで生き続ける事だけは保証してあげる。
 研究をなしとげて死ねるんだから、本望よねぇ?」
549名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:09:44 ID:NufDPazP
噂をすれば、何とやら。
生みの親である博士をして『ポンコツ』と呼ばれた、
初期型ROBO-KYのプロトタイプ……周囲にはいわゆるロボカイと呼ばれている者が、
博士とマチュア達のいるこの地下工廠の、入り口に辿り着いた。
バイスが趣味で書いたのだろうか、べっとりとした赤い血文字で、
オートドアの上に『終戦管理局 秘密工場 関係者以外立ち入ったら殺す』と書いてあった。
その横には、もうとっくにひからびて腐った、人間の死体が一つ転がっていた。
この血文字はニ週間前までは無かったので、最近になって書き足されたのだろう。
恐らくはそのためだけに人間を一人殺して、ここまで持ってきたのだ。
いや、血文字を書くためならば、持ってきた後で殺したのだろうか。
首がぱっくりと綺麗に裂けている。惨い事だ。
だがロボカイにとっては、そんな事はどうでも良い。
「博士。指示通リ、でーたヲ採取シテ来タゾ。
 法力ノ属性ノ一つ『氣』ヲ操ル東洋人二人ノ、技でーたダ」
「やれやれ、指示を出したのは二週間前だぞ。遅かったじゃないか、えぇ?」
「事を荒立てないように、慎重にってお願いしたのは、私なのよ。
 その為にこの子は例の中華飯店に足しげく通って、ターゲットと懇意になったのよ」
相変わらずロボカイを馬鹿にする博士に代わって、
マチュアが彼の労苦を労う言葉をかけてやった。
こういうまどろっこしいやり方は、バイスも嫌っていたが、
それでも慎重さが必要とされるのは理解していたので、文句は差し挟まなかった。
空中に映し出された立体映像には、紗夢のFB百歩の静止画像が形成されていた。
「兎も角これで、敵方の戦力がより詳細にわかるわ。
 かつての1996年のKOFでも、氣を操る格闘家達には梃子摺ったからね」
法力の中で唯一定式化されていない氣は、オロチ側にとっても厄介だった。
だが今回の事で、自分達はより有利に立ち回る事が出来るだろう。
彼らは、勝利に対する努力に、余念が無かった。
かつて数多の戦士達と戦い、その度に敗北してきた苦汁の歴史から、学び取っていた。
磐石な勝利を得るために、呆れる程大勢の手駒を揃える。
その為に一国の長を脅迫し、買収し、歴史すらも操れる大掛かりな組織を作り上げた。

終戦管理局。
幾度と無くソル達にその存在を仄めかしてきたその組織が、
実はオロチの手勢だったと人類が気付かされるのは、そう遠くない日の話である。
550名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:11:48 ID:NufDPazP
終了です。

終戦管理局=『あの男』にとっては敵? 聖戦の黒幕?
といった前提条件を満たしながら無理矢理話に組み込むためには
どうしてもオロチ側の組織という、破天荒な設定にせざるを得ませんでした。
反省?
してねぇよw
551名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 20:05:37 ID:FcgmDFiZ
良いんじゃないか?いつまでも口だけうまい事ばかり言って
伏線張ってるだけで何もしようとしない
連中の公式説定なんか放っといてもw

>>532
ああ、成る程。
当時のKOFは戦わない2人は後ろで観戦して攻防の様子を
一喜一憂してたが、路地裏達だとどんな反応するかねえw
552532:2008/03/02(日) 02:33:19 ID:VybaDnFf
そうですね
さっちんやシオンだったら普通に応援するだろうけど、白レンの場合は多分しないんじゃないでしょうか?
ツンデレだし
553名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:39:22 ID:ZmoRPTLJ
シオン→冷静に観戦。

さっちん→常にオロオロ。

白レン→通常そっぽ向いてて、味方ダメージ時に心配そうにチラッと。
味方勝利時にちょっと赤くなって後ろ向くとか?
554名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 04:20:50 ID:VybaDnFf
まあそういった感じなんじゃないですかねw
あと先書きで、設定のほうは>>550氏と同様に自分の都合のいい
オリジナル=厨二病なものに改悪(笑)させるつもりでいます。
ざっと挙げると、



「真祖(アルク)を生み出したもの=ガイア=オロチを含む多くの地球意思」
「アルクの戦闘スタイルの『爪』が庵やマチュア、オロチ一族のものと
酷似しているのは、オロチが製造過程で一族の要素を加えたから」
「また遺伝子構造もオロチ一族のものと近似性がある」
「KOF開催前にガイア(オロチ)からのバックアップがアルクに供給されなくなる」

まあこんな感じですね。あとチームの構成なんですが路地裏はいいとして、
その他をどうしようか現在悩んでいるんですよ・・・
京の場合、恒例の紅丸、大門のものじゃ面白味が欠けるから、
個人的にはアルクらと組ませようかなっと思っているんですが、果たして相性が合うかどうかなんですよね・・・

そこでちょっと自分一人では中々思いつかないので、皆さんからも何か「こいつらはチームとしてどうだ?」
みたいな意見を頂けたら嬉しいのですが、如何でしょうか?
555名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 04:23:43 ID:VybaDnFf
あ、ちなみに設定の改竄ですが、反省はしてませんw後悔はしまくってますが・・・
556名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 10:24:39 ID:E7BHwxlr
深く考えすぎても纏まらず、安易に考えてもまた進まず。とは言う。
ウンチク言う気は無いし、好みで良いんじゃないか?とは個人的に。
公なクロスオーバー格ゲーのカプエスでも、性格正反対なのに意気投合してる
リュウや京に、何の接点が有るのかも分からないのに掛け合いが有る
ロレント対響なんてのも存在する訳だし

翡翠とレオナのムッツリチームお願いします(えー
557名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 19:21:01 ID:VybaDnFf
なるほど、分かりました。

それと残念な事ですが、翡翠や琥珀はKOFには出しません。勿論都古も出さないつもりでいます。
理由は>>512でも述べましたが、時系列はリアクト後なので琥珀や翡翠、都古からは
(多分)憑いていたタタリの力は無くなってますし、そもそも彼女らが闘いに参加できたのは
タタリがあったおかげでしたからね。
でもタタリが完全に消滅した今ではもう戦闘に参加するのは不可能でしょうから、出場させないつもりでいます。
まあもし公式にまだタタリの力が残っていたら、分かりませんが。
558名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:42:22 ID:VybaDnFf
それと志貴なんですが、こいつって設定上では格闘大会に出れるほどの運動神経と技能って持ってましたっけ?
どなたか原作等に詳しい方がいらしたら教えて頂けるようお願いします
559名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:48:49 ID:ZmoRPTLJ
>>558
基本的に貧血持ちの高校生で、病弱だからよく早退してた気が…。


あと、相手を殺す技しか使えないから大会向きの人じゃないかも。
560名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:46:09 ID:kScXSaC9
リアクトのストーリーモード的に考えるとシオン≦志貴≦タタリって感じだな
手加減しても吸血鬼になったシオンに勝てるくらいに強いんだから大丈夫でしょ
561名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 01:33:46 ID:05u4EtkD
マイクバイソンが女キャラ犯しまくるって話誰か書いて タイソンじゃなくバイソンね
562名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:11:59 ID:0UF/CyqI
>>550
上のほうの以前投稿されたものの中に「シェルミーは紅丸より弱い」という文を目にしたけど、
公式では、実際はシェルミーのほうが紅丸より強いそうですよ。
というよりもオロチチームの3人とも紅丸や大門より遥かに上らしい。でも京よりは少し下のよう。
これは嬉野さんの公式小説で書かれてたんですが、京が社に勝てたのはユキに危害が及ぶ事に対しての
怒りのパワーらしいです。その怒りが出るまでは京も社には手も足も出なかったようです。

唐突に横から偉そうな事を述べて誠に申し訳ございません。
もし不快に感じたら、スルーしてもらって構いません。
563名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 09:03:03 ID:LqxSGY6e
そもそも嬉野は公式じゃない
564名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 13:35:56 ID:0UF/CyqI
あ、そうなんですか?
KOF'01の小説版が公式扱いにされていたから、てっきり嬉野の小説は公式だと思っていたんですが
565名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 13:39:08 ID:OK5r7uj7
嬉野は半公式じゃね?
ストシリーズにとっての中平漫画みたいな。
56667:2008/03/03(月) 22:05:01 ID:sfXyfSNG
>>562
小説版呼んだ事無かったので、大変参考になりました。ありがとうございます。
公式、非公式を問わず、資料を殆ど持ってないニワカなので、
ツッコミ所は多々あるかと思いますが、どうか見逃してやって下さい。
既にギルを単なるキチガイにしてしまっている男なもので……。
567名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:52:27 ID:pncPteoL
まあな、格ゲのメディアミックス全部公式扱いにしたら
えらいことになるから・・・
雑君保プのワーヒー2とかどうよ。面白かったけど。
568名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:41:14 ID:GdJxOplS
>>566
毎度、67氏の素晴らしいSSを楽しみにしています。

ところで、例のアレを再開しようと思うのですが、沢山の作家さん達も出てきたので、遥か昔(225-226)のお願いどおりにして頂けたらな…と。
宜しくお願いします。
569名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 01:21:36 ID:u4TwSnNs
>>559-560
ありがとうございます。一応こことかも見ましたが、どうやら志貴でも大丈夫のようですね

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/995/1204465604/

けどやはり志貴の場合、技が全て「殺人」だから殺害禁止のKOFだとちと危うい気がするんですが、
ここはどうすればいいんでしょうか?
570533:2008/03/04(火) 01:58:04 ID:LLVsCNr0
まりんのエロスレ書いてた者ですが、オリキャラの設定とか書いても良いのでしょうか…?
571名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 07:06:22 ID:leXhqVVn
とりあえず次スレを立てるのが先ではないかと思う、
572名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 13:35:45 ID:u4TwSnNs
確かにもう500Kだから立てたほうがいいかもね

それと例のオロチ編×メルブラの続編のシナリオを考えているんですが、その考えている中で一つ大きな壁にぶち当たりました。
戦闘描写なんですが、これが全く思い浮かばないんです・・・・(´・ω・`)ショボーン
もう「がしっ!ボカッ!」という非常に単純で幼稚なものしか思いつかなくて、ここからどうすればいいのか全く分からなくて
シナリオの作成が一向に進んでいないんですよ・・・・戦闘描写以外のものなら一応は思い浮かんではいるんですが・・・
でもこちらのほうも正直人に見せられる自信が無いです・・・
>>508でも書きましたが、本当SSなんて書く事自体が初めてなものだから話の構成とかどういう風にすればいいか分からなくて・・・・OTL

なので非常に申し訳ないことなんですが、どなたかこのSSの作成を手伝って頂けないでしょうか?
正直自分一人ではさすがに厳しいかも・・・
573名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 19:32:34 ID:gecOl3+f
だからこそ自身1人で作るべきだとは思うけどね。
他人任せにすると自身1人じゃ何も作れなくなるってケースはよく有る。
最初から誰しもプロじゃないんだし、
今その話が無理に感じるなら別のキャラでの短編作ったりして練習、てのも
色々作品見る方も作る方も楽しめるとは思う。
それでもどうしても戦闘描写駄目ならアレだ。
墓標の餓狼小説読んだらどうかね?戦闘描写ィパーィ有るぜ?

と、このスレ最初から見てて何か作品作ろうにも中々完成できない
半端な俺が偉そうな事言ってみる。
574名無しさん@ピンキー