【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ4球目

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1クソレフト
マターリエロエロとやっていきましょう。

前スレ
【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ3球目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182592504/l50

ログ保管庫
ttp://sky.geocities.jp/loghokan_oparo/index.html
2クソレフト:2007/07/24(火) 00:30:54 ID:jyF8Qmit
【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ2球目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1170159013/

【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロスレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124256095/
3名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 00:33:38 ID:bWc9VUnv
>>1ナイオッツー!!
4名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 00:37:55 ID:AkjtZ6V8
>>1乙バッチー!!
5小ネタ罰ゲーム:2007/07/24(火) 00:41:05 ID:AkjtZ6V8
早速投下させてもらいますw
6小ネタ罰ゲーム 3日目実行 阿部:2007/07/24(火) 00:42:18 ID:AkjtZ6V8
視点を変えて、アプローチを変えてみるべきか。
正攻法は全く通じないことがわかったしな。
どうする・・・・?

作戦その4 彼女を作らせる


オンナ作ってサルサルさかられて、野球への熱意が減ったら困る。
無理だ。


---破棄---
7小ネタ罰ゲーム 3日目実行 阿部:2007/07/24(火) 00:43:11 ID:AkjtZ6V8

作戦その5 篠岡に頼む

無理だ。オレが頼めない。
女と下ネタ話は絶対できない。
しかも篠岡だ。嫌だ。

---企画倒れ---
8小ネタ罰ゲーム 3日目実行 阿部:2007/07/24(火) 00:43:55 ID:AkjtZ6V8
作戦その6 強制執行

オレの目の前で単語を出せば即殴る方針。
口で言って聞かねえなら、手を出すしかねえな。

「三橋〜。オナニーするためのエロ本買いにいこうぜ!」
ブンッ! ヒョイ。
「昨日のエロ本よかったぜ。3回オナニーした。」
ブンッ! ヒョイ。
一発もあたらねえ〜・・・・・。

「昨日からよ、阿部何してんだ?
オレを殴るなんて無理だぜ?やめとけよ。」

田島の反射神経には追いつけねえ・・・・。


---失敗---
9小ネタ罰ゲーム 3日目実行 阿部:2007/07/24(火) 00:44:43 ID:AkjtZ6V8

作戦その8 モモカンに頼む

いや、罰ゲームの放棄はオレのプライドがゆるさねえ。


---作戦にもならず---
10小ネタ罰ゲーム 3日目実行 阿部:2007/07/24(火) 00:45:37 ID:AkjtZ6V8

作戦その9 抜くという単語を刷り込む


「よお、田島、昨日は何回抜いたんだ?」
オレはなるべく明るく話しかけた。
「んあ?オナニーのことか?一回だけだぞ。
練習で疲れてたからな〜。阿部は4回ぐらいか?」
「あほか、そんなに抜けるか。一回で十分じゃねえか。」
「おお、阿部のオナニーネタって何だよ?」
こいつ、もしかしてわざとその単語連発してんのか?
「だからテキトーにネットから拾ってきたアイコラとかで・・・
いやいや、オレのことはどうでもいいんだよ。
んで?今日も抜くのか?」
「ん〜。今もってるエロ本はもうあきちゃっておかずにならねえんだ。
阿部、なんかいいの持ってないか?」

もう、耐えられねえ!
「アホか!!そんなの人にやれるかあ!!大事なコレクションだ!」
はっと周りを見ると、みんな驚愕の顔して見てやがる!
ちっくしょ!やってられっか!!
これじゃあ自分のダメージの方がでかいじゃねえか!!


---失敗---
11小ネタ罰ゲーム 3日目実行 阿部:2007/07/24(火) 00:46:44 ID:AkjtZ6V8

この作戦が失敗したら、もう後はねえ。
期限までもう数日もないんだ。
これが、最後のチャンスだ!
ちっくしょ、プライドも捨てればいいんだろ!!


最終作戦 おねだり


「なあ、田島。頼むって。」
「何がだよ?」
「オレを助けると思って、協力してくれよ。」
なるべく悲壮感漂うように、声とかも少し震わせてみる。
めったにないオレの弱気な態度に、田島は少しびっくりしたようだ。
「阿部。どっかおかしいのか?なんかヘンだぞ?」
よしよし、食いついてきたぞ。
すこし涙目になってみる。
「田島だって知ってるだろ?あのプロテインの味。
オレにあれまた食べろって、かわいそうだと思わねえか?」
味を思わず思い出したのか、田島の顔がぐにゃりと歪み、涙目になった。
「お、思い出させんなよ。阿部。うっわあ舌が思い出した。まっじぃ!!」
12小ネタ罰ゲーム 3日目実行 阿部:2007/07/24(火) 00:47:44 ID:AkjtZ6V8

いいぞ!ここで一気に決めてやる!
そんな田島の顔をぐいっと掴み至近距離まで引き寄せる。

「そうだ、そのまずいものをお前はまたオレに食べさせたいのか!?
同情しないのか!?だから言うこと聞いてくれよ!」

田島がムッとしてオレの腕をばしっと払う。
しまった。ついついおねだりモード解除しちまった。

「うっせーな。オレが食べるんじゃねえんだ。
阿部はオレを納得させることできなかったんだから、もう失敗だろ?
あきらめて食べろよ。」

田島の・・・・残酷な台詞が・・・・
世界が崩壊する音に・・・・聞こえた・・・・・。



---期間終了---

13小ネタ罰ゲーム 3日目終了 モモカン:2007/07/24(火) 00:51:58 ID:AkjtZ6V8

「さて、罰ゲームの結果を聞こうか!?」

練習後のミーティングでモモカンの言葉が阿部に突き刺さる。

「どう?阿部くん?」

顔面蒼白な阿部が、ふらふらとうつろな目で一歩前へ出る。

「無理でした・・・。」
「そう、残念だったね。千代ちゃん 例のものを。」
「は、はい!」

篠岡が慌てながらあのま○いプロティンを数箱、阿部に差し出す。
力なくそれを受け取った阿部に、周りのあいまいな視線が集中する。
その中でも田島はにしにし笑っていた。

「田島くん。」
笑っていた田島に、モモカンの鋭い声が飛ぶ。
「はいっ!」
その声に、一同は嫌な気配を察したが
田島は全く気付いてないようだ。

にししと笑ってる田島に不意にモモカンの腕が伸び、がっちりと頭を捕らえた。
14小ネタ罰ゲーム 3日目終了 モモカン:2007/07/24(火) 00:52:56 ID:AkjtZ6V8
「阿部くんがココまでやってもあなたに全く通じないって言うのは
一体どういうことかしらねぇええ?」
「ひっひいいいいいいい!?」
「私はこんなこと直接いいたくなんか、なかったよおおお?」
「いやあああ!!いたい!いたいぃいい!!」
「所かまわず問題発言することを今後は控えるって約束しなさい?」
「痛いイタイイタイいたい!!!!わっわかりました!!!
約束します!!ゲンミツに!!」

その言質が取れたところでモモカンはぱっと手を離した。
「破ったらわかってるわよ・・・ねえ?」
蛇に睨まれたカエルのように、田島はコクコクと頷く。
「千代ちゃん。お願い。」
篠岡が再びあのま○いプロティンを持ってきて田島に手渡した。
「い、いやだあああああ!!」
「うるさいよ。田島くん。黙って受け取りなさい。」

阿部と田島はま○いプロティンを手にがっくりうずくまる。
そんな二人に他の部員の同情の目線が向けられるが、
誰も、言葉は、かけない。かけられなかった。


「みんな!これから秋の試合に向けて気合入れてくよ!!
また気が抜けたりなんかしたら、また罰ゲームするからね!!」

「はっはい!!」
一同の返事がグラウンドに吸い込まれていった。
15小ネタ罰ゲーム 3日目終了 モモカン:2007/07/24(火) 00:54:24 ID:AkjtZ6V8

練習後、いつものコンビニで一同は暗い顔をして集まっていた。
だれも、買い食いせず、ただたむろっていた。

「結局、賭けはどっちの勝ちなんだ・・?」

泉がつぶやいたぼやきに、花井が返事をする。

「いや、これ、モモカンの一人勝ちだろ・・・・。」

その言葉は、すべてを物語っていた。


---終わった---
16小ネタ罰ゲーム :2007/07/24(火) 00:58:09 ID:AkjtZ6V8
これで小ネタ罰ゲームは終わりです。
期待に答えられたでしょうか・・。

いや、自分で自分の首を締めるとはこのことかと
ひしひし感じました。
しかし非常に楽しかったw
皆さんこんな長いものにたくさんのレスありがとうございました。

では、また思いついたら何か投下します。
なるべく連載にならないように今後は気をつけます。
いきなりのレス消費申し訳ありません。
17名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 00:58:26 ID:iUJqynfd
GJ!いつも楽しく読ませてもらってます!
阿部の「大事なコレクションだ!」で吹いたw
18名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 00:59:42 ID:uEYKpeKp
すっげえ踊らされてるww
GJでした!楽しかったよ、ありがとう!
19名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:01:48 ID:jyF8Qmit
ナイバッチ!
やっぱり田島の調教はムリだったか。腹抱えて笑ったww
20名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:01:54 ID:w98YRLWI
田島にも降りかかったのかwww
すごく楽しかった、GJ!!
21名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:04:11 ID:IAIjILps
すげええええええええGJ!!!!
よくこんなにネタがぽんぽんと浮かぶなー!

個人的に阿部が悲惨すぎて気の毒だったので
最後田島も痛い目見て良かったと少し思った…www

すんごい等身大の男子高校生の一部を見させてもらった気分だよ。
またよろしくな。
22名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:05:36 ID:bUX3YgX6
GJ!
最近、ずっと夜が楽しみだったよ。
最後までめちゃくちゃわらた。
お疲れ様でした!
23名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:13:09 ID:310+qS/G
阿部のコレクションが激しく気になるwww
24名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:43:51 ID:gdFnQGFj
GJ
阿部はむしろ自分でコラ作ってそうだな
25名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:46:19 ID:w98YRLWI
フォトショップの扱いが無駄に上手い阿部想像して吹いた
26名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:47:13 ID:U/af48HR
最後まで笑わせてもらいました。GJ!

阿部は自らアイコラ作成してそうだ。
27名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:48:15 ID:Hm437eQd
このシリーズすっげぇ楽しかった GJ!
阿部のマイピクチャもの凄く覗きたい
28名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 02:04:01 ID:wFzu7xwk
すっごい面白かった!!
毎日が楽しみだったよ!作者ありがとうww
29名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 10:37:35 ID:KqojZsM/
ナイバッチー!!

楽しませていただきました。
田島、かわいいよ、田島。
30名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:01:41 ID:r2WnR2B3
前スレからコピーして個人的に楽しませていただいてました。
ありがとうございました!
31名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:19:28 ID:ERswHLUt
前スレの阿部と篠岡と花井の3Pが保管庫に乗ってないのはなんで?
32名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:27:04 ID:IAIjILps
>>31

つかスレ変わったばかりだから、まだ保管庫に載ってないだけだっつの。(更新されてない)
他のもまだ入ってないだろ
33名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:28:20 ID:ERswHLUt
そうなのか
前スレの初期作品だったからパクリ騒動でごっちゃになったのかと思った
34名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:32:02 ID:axQ5elTg
罰ゲームのお題に『しのーかのオナニー頻度を聞く』とか
提案しようと思ったが、罰ゲーム編は終わりなのですね。
35名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:46:32 ID:Jt6Zimmj
いくらなんでも罰ゲームの範囲を超えてるだろ、そりゃ
36名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:00:57 ID:310+qS/G
「私で何回抜いたか私に報告しにきなさい」という罰ゲームを妄想した。
37名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:32:49 ID:AkjtZ6V8
暗くて痛いし途中鬱になるがしかし最後はハッピーエンドっていうのを
皆さんどうおもいますか?
38名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:33:55 ID:fOep4utk
>>37
面白ければ何でもいい
39名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:35:05 ID:IAIjILps
つかエロパロ板では誘い受けは止めましょう。好きに投下するのが吉
40名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:35:49 ID:AkjtZ6V8
>>面白いかどうかは自信ありませんorz
41名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:37:46 ID:AkjtZ6V8
>>39それは失礼いたしました。では書き終わったら投下します
42名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:39:47 ID:hS/ZT+JT
問答無用で爆弾のように投下する。
その緊張感がいいんじゃねーか。
43名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:43:44 ID:T1kx71ZB
誘い受けは本当にやめたほうがいい・・・というかやっちゃだめだ
このスレは寛容なほうだけど、よそのスレでは半端なく叩かれる

>>40
好きに書いて投下するんだ
受ければ絶賛の嵐 
だめならスルーされるだけ
もっと堂々としろ
44名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 22:08:19 ID:bUX3YgX6
今日人多いね
45名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 22:24:26 ID:+OFlgUHp
全員分の罰ゲームが見てみたいと思ったw
職人さん乙!
46名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 22:46:35 ID:jyF8Qmit
これからSS投下に入ります。

内容は花井×モモカン。
西浦卒業後の話です。
47名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 22:48:27 ID:jyF8Qmit
「アズサ」


「お待たせいたしました。アズサさんご指名のお客様、こちらへどうぞ」
ソファーに座っていた青年が立ち上がると、かなり背が高かったことがわかる。
部屋を出て階段の方へ向かうと、そこでキャミソールを着た女性が待ちかまえていた。
「いらっしゃいませ〜。ご指名ありがとうございます」
満面の笑みを客に向けると、次第にそのととのった顔が、おどろきに変化していった。
「…あ、あれ?ひょっとして、花井くん?」
「おひさしぶりです。…カントク」
眼鏡をはずすと、花井は一礼した。

西浦高校が甲子園へはじめて出場した年の秋、百枝は突然、野球部を去った。
彼女は臨時だから。当座のしのぐまでだったから。正式に監督に就任してもらう人材が見つかったから。
学校側からの説明では、とうてい納得のできないものばかりだった。
百枝が去ったあと、花井は荒れた。

花井は二十歳になっていた。今は普通の大学生をしている。野球は続けていなかった。
かつての仲間から、野球を続けるように言われたことはあった。
しかし、花井自身に、昔の野球の楽しさを見出せることができなくなっていた。
「野球がつまんねえ……なんでだろ」
そうつぶやいて、相棒であるグローブを物置にしまった。

なにげなくネットにつないでいた時のことだった。
「巨乳」の項目で検索してみて、たどり着いた先が、風俗店のページだった。
「…モモカン?」
たまたま開いた先の風俗嬢の写真が、百枝に良く似ていた。
顔にモザイクがかかっているとはいえ、体格から顔の輪郭までそっくりだった。
花井はじっくりと考えたあと、店に電話をして、「アズサ」という源氏名の女性を指名した。
48ハナモモ:2007/07/24(火) 22:50:22 ID:jyF8Qmit
「何年ぶりかしらね。西浦のあの頃がずいぶん昔のよう」
「はい」
二人は個室に入り、ベッドに並んで座った。部屋の奥ではタイル張りとなっており、浴槽もあった。
「その分だと、私が西浦を去ったときのこと、ずいぶん怒っているみたいね」
「いえ、……そうじゃないんです」
「あの時は……ごめんなさい」
「もう、いいんです。俺は……カントクに、会いたかっただけですから」
百枝に会うまで、花井は何百通りもの文句を、頭の中に用意していた。
しかし、実際に百枝の微笑みをみると、心の中のうっくつした感情が消え去っていった。
「じゃ、あとは仕事しなきゃ、ね」
そう言うと百枝は、立ち上がって服を脱ぎだした。
「あ、あ、あの……、ほホントにやるんですか?」
「え?だって、そのために店にきたんでしょ?」
いいながら百枝は長い髪を頭でまとめた。お団子ができあがると、下着をはずし、タオルを巻いて花井にむいた。
「せっかくだから、遠慮しないで」
花井はぎこちなく百枝に服を脱がされた。
「あ、あ、服は自分で脱げますから!」

イスに座るよううながされると、まず体洗いからはじまった。
洗面器の中にたっぷりと泡を作り出すと、百枝は手で泡をすくって、花井の体にこすりつけた。
「あ…っ、あぅ…」
首筋、胸板、腹筋、そして局部。百枝の手が花井の体のあちこちに触れるたびに、花井は情けない声をあげていった。
「ねぇ、花井くんって、ひょっとして……女の子はじめて」
ギクッと花井はくずれた。
「……はじめてです」
「え〜〜!?ホント〜!あははははっ!」
百枝の笑い声が花井の心をえぐっていく。次第に花井は涙目になった。
「あ〜あ〜、ゴメンナサイ。そんなつもりじゃないのよ。でもね、意外だったの。てっきり、花井くんて彼女いそうだったから」
「…いません」
49ハナモモ:2007/07/24(火) 22:52:11 ID:jyF8Qmit
機会がなかったわけではなかった。
長身で顔も良く、花井は誰からも注目される存在であった。相手の方から告白をされたことも何度もあった。しかし、花井には付き合えなかった。

「それはなんで?」
百枝の顔がさらに接近する。
「あの、笑わないでください」
花井はつばを飲み込むと、腹に力をいれて、思いを口にした。
「オレ、初めてはモモカンって、決めてたんです」
百枝の目が大きく開いた。
「…それは、それは。ふ〜ん」
花井は言い終わると、真っ赤になってうつむいてしまった。
百枝は身に着けているバスタオルを取り外した。目の前には一糸も身につけていない百枝の体だけがあった。
「花井くんて、けっこうロマンチストなんだね」

百枝は自分の胸と股に石鹸をつけると、イスに座っている花井のひざの上にまたがった。
「じゃぁ、今日は花井君にとって特別な日なんだね」
花井の肩を抱くと、百枝の腰はひざの上で動きはじめた。
自身の女陰を使って洗う「壷洗い」という技だった。

「花井くん、このイスって気にならない?」
花井が座っているのは、すね位の高さしかない桶のようなイスである。奇妙なことに、ちょうど真ん中だけ縦に大きな隙間があいていた。
百枝は背中の方にまわった。
「これはこう使うんだ」
尻の下から手が伸びてきて、いきなり花井のペニスをつかまれた。
「うわっ!……うわぁ……む」
百枝の右腕が花井の股の下で何度も動く。アナルとふくろが同時に刺激された。
「んふっふっふ。花井くんは、おしりが弱いようねぇ」
獲物をみつけたメスライオンのように、百枝は指でふくろをもてあそびながらニヤけた。
50ハナモモ:2007/07/24(火) 22:54:57 ID:jyF8Qmit
「準備があるから、ゆっくりお風呂に入ってて」
言われたとおり、湯船につかった。なんだかようやく開放された心地だった。
湯の外では、百枝が裸のまま、エアーマットを床にしく支度をしていた。
花井はあらためて百枝の体を視る。
服の上からでも圧倒される巨大なバスト。そのわりにキチンとくびれもできている引き締まった腰。女を感じさせる細い首。
見れば見るほどモモカンはいい女である。
花井は風呂につかりながら、今のモモカンを心配していた。
どうしてこんなところに居るんだろう?
風俗で働く人間が、一筋縄ではいかないことは聞いたことがある。
借金を返すために、自分の性欲を満たすために。理由は様々だが、やはりヤクザな仕事であることには変わりない。
「はい、できたよ。温まったら出ていいからね」
百枝の合図が聞こえたので、花井は思考を中断して湯船を出た。

風呂場の床一面に敷かれたエアーマットは、大きさといい、凹凸の形から、一人用のイカダにみえた。
それでも畳一畳より広いし、手で押し込めば、それなりに弾力がありそうだった。
「まず、うつ伏せになって寝てて」
言われたとおりにしてみる。すると、先ほど石鹸が入っていた洗面器を使って、今度は違う液体を注入しだした。
「これはね、ローション。これ使うとね、スッゴイいいことがあるよ」
ウヒウヒといたずらっぽく百枝は笑った。
洗面器にお湯を入れると、ローションを手でかき混ぜはじめた。
その液体は、粘りととろみがあって、透明な色彩からさながら水あめのように見えた。
いきなり背中に熱さを感じた。モモカンがローションをすくって体中にぬりつけている。
今度は残ったローションを、自分の体に、胸や腹、そして股に、ぬりつけた。
ただでさえメリハリの効いた危険な体が、ローションの光沢によってさらに妖しくみえる。

「いくよ」
モモカンが背中に覆いかぶさってきた。
背中に大きくて、柔らかくて、少しだけとび出ているものがあたっているのがハッキリとわかる。
花井の背中の上で胸を使って滑っているようにも見えなくもない。
今度は筆のような柔らかいものが背中一面に走り回っている。
百枝は、舌を使ってローションの塗られている部分を舐めとっていた。
51ハナモモ:2007/07/24(火) 22:56:12 ID:jyF8Qmit
花井にも、時間が経つにしたがって、自分自身が変調を来たしているのがわかっていった。
鼓動が速まり、どんどん興奮して息もあがってくる。
オレ、ただ肌に触れられているだけなのに、なんでこんなにカンジているんだろ。
「すごいでしょ?ローションって、感度をあげてくれる働きもあるんだよ」
そう言いながら百枝は、花井の足の親指を口にくわえた。
「ひっ」
百枝の口の中で親指をなめられ続けると、花井はとうとう悲鳴をあげた。
「うっ…あ、ああ、あ…」

百枝の左腕が花井の右手を腹の下でつかんだ。
そして、おもいきり百枝がひっぱると、独楽のように体が回転した。
気がついたら、花井は仰向けにされていた。
一瞬、二人は目と目があう。
百枝はまるで、ここからが本番だよ、と訴えてるようにもみえた。

胸に顔を近づけて、花井の乳首を吸い始めた。
「あっ!あうあ!うはぁ」
「感じるでしょ?男の子も乳首は弱いんだよねぇ」
「んがあ!」
乳首を攻められたあと、首筋、両わきの下、へそ、と進んでいき、そして股間までたどりついた。

「かたい……」
熱くさせた自分のペニスの感想をいわれると、恥ずかしさでこそばゆくなった。
先端から舌で愛撫をされた。裏スジは楊枝を使うように細かいところまで攻められた。

固いモノをつかまれると、百枝の胸の谷間に置かれた。そして、両側から乳房で挟まれる。
あまりの巨大なバストのせいで、自身のモノがすっかりうまってしまった。
「花井くんって、おっぱいすき?」
モノを胸でしごきながら、百枝は花井をみつめた。
「モモカン、ゼッテェわざとでしょ…?」
言われて百枝は図星という顔をした。
「……すきです」
花井は穴があったら隠れたいくらい恥ずかしかった。次々と心のベールをはぎ取られていく。
完全に百枝のペースだった。
52ハナモモ:2007/07/24(火) 22:58:08 ID:jyF8Qmit
花井は百枝に指示されて、両股を大きくひらいた。完全に自分の肛門が百枝に見られている格好になる。
百枝は、その肛門に指をつっこんだ。
「んがっ」
鈍い痛みが突き刺さる。
「うんがああああああああ!」
花井は我慢できずに、悲鳴をあげ続けた。前立腺マッサージを行われているのだが、痛みが突き抜けた後には、得体の知れない脱力感が体にきた。
「痛かった?今度はやさしくしてあげるから」
百枝が指を抜くときが、一番きもちよかった。

「うはあああ!あーーーーーーーーー!」
今度は舌で肛門を攻められ始めた。指のときは痛みがあったのだが、この場合は、電撃が走るみたいな快感が花井をおそった。
「アーーーーーーーーーーーーーー!!」
花井はのけ反る。花井は悲鳴をあげ続ける。
しかし、自分から逃げようとは思うことができなかった。いや、もっと味わいたい、とまで思っていた。

花井は声をあげ過ぎたせいで、のどがカラカラになっていた。
百枝の顔が真直までせまった。上にある百枝の首をつかむと、そのままキスをせがんだ。
百枝は口の中でだ液をため、口うつしで花井へとおくりこんだ。
花井は飲みこむと、舌を百枝の口の中へと入れ、さらにむさぼりはじめた。
「お尻なめちゃったんだけど、汚くなかった?」
百枝は申し訳なさそうに言った。
「いい。モモカンの体に汚いところなんてない」
そういっていやらしいキスをつづけた。
唇と唇、舌と舌、舌と歯、お互いがせめ、お互いがせめられる。愛しあうようなくちづけ。
花井が百枝の舌を味わうたびに、百枝から吐息まじりのあわい声が聞こえてくるようになった。
「ああう…」
モモカンって、なんてエロイんだろう。
53ハナモモ:2007/07/24(火) 23:00:50 ID:jyF8Qmit
花井がモモカンの唇に夢中になっている間、自分のペニスを握られていた。
そして、女の秘部へと導かれた。
「えっ?ひ、避妊は?」
侵入は入口でいったん止まった。
「薬を飲んでるから大丈夫。それに、今日は花井くんの特別な日だから」
百枝がいうと、再び挿入をはじめた。
「はう…」
刀の鞘におさまるように花井のペニスが根元まで入り込む。
騎乗位の体勢になった。

百枝はまだ動こうとしなかった。何かを待っているように。
不思議に思ったので花井は聞いてみた。
「モモカン、あの…?」
「もうちょっと待ってて。もう少し感じさせて」
百枝の胎内は熱く、愛液で湿っていた。

「んくっ」
百枝の胎内にある特定の部位をみつけると、百枝は小刻みに腰を動かし始めた。
「あっ…、あっ…、ふう、ん…」
花井はなにも動いていなかった。だが、自分のペニスを使われて、モモカンがあえいでいるのはわかる。
「モモカン、感じてる?」
「うん…、かんじ…る」
花井も百枝のためにもっと何かをしてあげたいと思った。

両手を伸ばした。手の先には、横に揺れるモモカンの乳房。
花井は乱暴にわしづかみしたあと、親指と人さし指で乳首をいじくりだした。
「アンっ!」
あまりにも大きすぎて、手のひらの指の間から肉がこぼれてしまう。ローションのせいでうまく揉めない。しかし、かえってその方が百枝をもっと感じさせることができた。
「はン…、おねがい…、ずっとおっぱいから…手をはなさないで」
百枝は左胸をいじくる花井の手を自分の手に重ねた。
「ああ」

百枝は少しずつテンポをあげていった。
胎内で花井がつっつくたびに、卑猥な声がもれる。
「あうっ、んん…、アン、ハッ」
花井の頭は、目をつぶるとモモカンのことで一杯になっていた。
54ハナモモ:2007/07/24(火) 23:02:20 ID:jyF8Qmit
「でそう…」
「うん。いいよ!なかに出してイイよ!」
「あう!でるっ、うう、あああああああああああああっ!!!」
風船が内側から膨らんで破裂する感覚に似ていた。

百枝は汗まみれになって、花井にしがみついた。
花井も射精のあと、急に心がさびしくなって、モモカンの体にしがみつきたいと思った。
二人は抱擁をつづけたまま、無言の空間をすごした。
「どうだった?初めての感想は」
「……頭が真っ白です」
「ウフフ。うれしいなぁ」
チュッ、と軽いキス。

「なぜ、ここで働いているんですか?」
意識もはっきりし、花井はわだかまりをぬぐうため、モモカンにたずねてみた。
「お金、なんですか?ひょっとして、デカイ借金があるとか?」
マットに横たわりながら、二人は見つめあう。
「…ねぇ、なんで私の源氏名が“アズサ”だとおもう?」
「……わかりません」
「梓って聞いたときね、素敵な名前だとおもったんだ。花言葉は『夢見心地』」
「モモカン、それって……」
ウフッと百枝は微笑んだ。
「私、いまね、リトルリーグの監督やってるんだ。みんなかわいいんだよ。田島くんが何人もいるみたい」
どうやら百枝は、小学生を集めてチームを作ったようだった。花井はうれしかった。西浦にいたときとまったくかわっていなかった。
「今度、全国大会にでるんだけど、場所が九州だから。みんなと親御さんの分を勘定すると、オカネが足りなかったんだよね。で、友人に紹介されてココで働いているわけ」
野球に関してなら自腹も辞さない。あいかわらずのモモカンだった。
「それにさ、ソープって見た目以上にハードなんだよ。体力だってつくし」
「あの……、オレにも手伝わせてもらえませんか?」
花井は自然と口にできた。自分から野球をやりたいと思えるのは久々なことだった。
そうだ。オレの野球には、モモカンが必要なんだ。
いや、俺のこれからは、モモカンとずっと一緒だ。
花井はすぐに、しまったグローブのおき場所はどこか、全力で思い出していた。
55ハナモモ:2007/07/24(火) 23:04:16 ID:jyF8Qmit

「ところで、モモカン。ネットみたときおもったんだけど」
「ん、なに?」
「モモカンの年齢が“二十歳”になってたんだけど、これってずいぶんムリがあるんじゃ…」
言い終わる前に、モモカンの鉄の爪が花井の顔をおそった。
「口封じ!」
「ぎゃあああああ!」


56名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 23:06:24 ID:jyF8Qmit
以上です。俺の中でモモカンはドS。
57名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 23:31:33 ID:W1ukJAp1
エ…エロい
乙女な花井いいなぁ
GJです!!
58名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 23:34:34 ID:gdFnQGFj
GJ!
やべぇ、モモカンがかっこいい…!
本当にいい女だな
59名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 23:48:33 ID:AkjtZ6V8
GJ!
エロイ!エロイっす!!
年齢誤魔化すモモカンwイイw
60名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 00:12:47 ID:JRBxLuRV
GJ!
…こっそりエロくない「口封じ」に萌えたのは俺だけでイイ
61名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 10:11:46 ID:CNoDjjYF
うっわ・・・!!
これってどういう展開?!って思ったけど
GJ!!
モモカン、エロイし漢だねえ!!
「口封じ」ワロス
62名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 10:39:30 ID:MxLiE9Y2
今月号のモモカンの「ほれるわぁ」がモモサカフラグにしか見えない俺は病んでるな
63名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 11:48:34 ID:d0IAN89z
>>62
わかるwドキドキしちったぜ
64名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 14:07:38 ID:g1Gs4aaq
すげぇぇGJです!!!
エロい。
無事お金たまってほすぃ。
次はラブラブなハナモモが見たい。
65名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 18:17:42 ID:7VtHf/To
>>62
母親いなくて実は愛情に飢えてる栄口と
オトナの包容力で包んでくれるモモカンを妄想したw
66名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 21:40:34 ID:U8kyi6hW
誘い受け禁止。問答無用で投下するべしという助言を受けて
爆弾のように投下したいと思います。

カプなし、エロパートは一応アベ×チヨ
67冬のあいだ 前フリ:2007/07/25(水) 21:41:38 ID:U8kyi6hW

秋の大会も終わって、しばらくたった頃、
いつものコンビニで野球部一同は買い食いをしていた。
めずらしく篠岡もいて満面の笑顔で肉まんを頬張っていた。

「もう少ししたら春だな〜。新入部員いっぱくるといいな。」
水谷が何気なく話を振った。
「うまい奴がくるといいな!」
「まあ、量より質のほうがいいよなあ。」
「オレらも結構有名になったから結構くるんじゃねえ?」
「オ、オレは・・・。」
「すごい投手きたらエース取られるとか思ってんだろ?三橋。
いい加減もっと自信持てよ。」
「おお、なんか阿部がやさしーぞ。」

水谷が篠岡を振り返る。
「マネジも来るといいな。篠岡。仕事楽になるんじゃねえ?」
「うん。そうだね。マネジも増えるといいな。」
「かわいいこが来るといいなあ。」

「アホか。水谷。なに期待してんだ。」
水谷のささやかな希望に、花井が水を差す。
68冬のあいだ 前フリ:2007/07/25(水) 21:42:25 ID:U8kyi6hW
「いっとくけどなぁ、おれは部内で付き合うとか反対だからな。」
「ええええ?そうなの!?」
「いや、それはオレも賛成だ。」
「あ、阿部まで。」
「考えても見ろよ。こっちが汗水流して練習してる時に
付き合ってる奴らがアイコンタクトでもして見ろ。
それが年下だったらスグ殴るぜ。」
阿部が冷酷に言い放つ。
「阿部こえ〜よ。」
水谷が青ざめて答える。

「おいおい。篠岡もいるんだぜ。ちょっとは気をつかえよ。」
栄口が慌てたように割ってはいる。
「篠岡だって、新しく入ってきたマネジがそいつの彼氏だけをヒイキ
してたら腹立つだろ?」
花井の問いかけに、篠岡は腕を組んでしばし目をつぶる。
「そうだね。それって嫌だね。他のみんなに失礼だよね。」

「うっし、じゃあ。野球部内の恋愛は禁止な。
その方針で残り2年間いくぜ!」

花井明るく断言したが、
それがみんなの心の微妙な変化を生み出したとは
知る由もなかった。
69冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:43:12 ID:U8kyi6hW

冬は日が暮れるのが早い。気温も低い。
夏大と秋大のデータ整理を阿部と篠岡が冬の間にすることになり、
練習が終わった後、阿部の家に篠岡とその日集まれる面子が
集まることが日課になっていた。

「なあなあ 阿部、エロ画像は?エロコレクションは?」
「アホ、誰が見せるか。」

そんな二人のやりとりを篠岡はいつもくすくす笑いながら見ていて。
周りのほうが必死に二人を止めるという平和な光景がいつも
繰り広げられていた。


ある日、阿部の家から帰る途中、栄口は忘れ物をしたのに気付いて
慌てて阿部の家に引き返した。

チャイムを鳴らそうかと思ったが、その日は家の人が誰もいなかったことを
思い出して、阿部を驚かしたいいたずら心が不意に湧いた。
阿部がコレクションチェックしてる時だったら、見れるかな?
阿部のアイコラコレクションは門外不出で、誰も見たことがないという。
野球部内で伝説化しているそれを、急襲して見てやりたい誘惑に、
栄口は勝てなかった。
70冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:43:50 ID:U8kyi6hW

そっと、ドアを開け、勝手知ったる間取りを、忍び足で阿部の部屋に向かう。
静かにドアノブをまわし、一気にあける。

「よお!阿部、オレ忘れモンし・・・・てっ!?」

ドアを開けるとともに、部屋の中を見た栄口は
そこで起きていた事に、言葉を失い、硬直した。
自分の目がおかしくなったかと思い、取り合えず瞬きを数回する。
何度瞬きしても、光景に変化など起きず。

これは、現実だ。


部屋の中では・・・・

部屋の主である阿部、
その腕の中に、
あられもない格好をした篠岡が、いた。

71冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:44:50 ID:U8kyi6hW

阿部の腕が篠岡の背中に回りそっと抱き寄せる。
抵抗しないその体はすっぽり阿部の胸の中に納まり、
阿部のシャツの端を、篠岡はぎゅっと掴む。

「落ち着くか?」
「うん。いつも、ごめんね。阿部くん。」
「いいよ。別に。気にすんな。」
「私、ダメマネジだね。ほんと、なんでこんなにダメなんだろう。」

阿部の部屋で皆が帰った後、篠岡は一人戻ってきて。
部屋に入るなり、阿部の前にへたり込んで、涙を流し始めた。
そんな篠岡を阿部は優しく慰める。

「泣き言いいたいだけ言えよ。明日、また笑えばいいんだ。」
「ふっふ・・・・ふぇん・・・うっ・・うぅ〜・・・。」
泣きじゃくり始めた篠岡を腕の中に抱えたまま、篠岡の頭をそっと撫でてやる。
「目はずっと閉じておけよ?」
泣き止まない篠岡はぎゅっと目を閉じ、こくんと頷いた。
顔を上げさせ、篠岡の唇を阿部はゆっくり塞いだ。
篠岡の嗚咽は途切れることなく、阿部の中に消えていく。
嗚咽ごと吸い込むように、
篠岡の口内に舌を侵入させ、舌を絡めとリ、吸い上げる。
せめて少しでも悲しみを吸い上げるかのように。
72冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:45:34 ID:U8kyi6hW

篠岡のブラウスのボタンを阿部の無骨な指が一つずつはずしていく。
すべて外れたところで、背中に手を回し、ブラのホックをプチンとはずす。
窮屈さから開放された小ぶりな乳房を、阿部はすっぽり包み込み、やや強く揉む。
篠岡の嗚咽に、かすかな喘ぎが混じる。
塞いだままの唇から、そのわずかな変化を阿部が読み取ると、
唇を離し、篠岡を膝立ちに刺させて、乳房の突起を口に含んだ。
「あ、はっ・・・ああ。」
目は硬く閉じられたままで、篠岡は快感に任せるように身を捩じらした。
阿部の責めは容赦なく続き、阿部の手はスカートの裾からそっと、侵入を開始する。
目的の場所にゆっくり時間をかけ到達した阿部の指は、そっと上下に刺激を与える。
「んっ・・!!ああ・・んっ!」
「声だして、名前を読んでもいいぞ?」
目は相変わらず閉じられたまま、篠岡は首を左右に振り、否定した。
嗚咽は完全に、はかない喘ぎに変わっていた。
そんな篠岡に阿部はふっと笑うと、篠岡の下着を一気に引き摺り下ろし、
直接刺激を与え始める。
「はっああっ・・・ああん!」
篠岡のそこはすでにしっとりと溢れていて、阿部の侵入を簡単に許す。
ゆっくりと出入りを繰り返し、一気に奥まで侵入し、中でこねくり回す。
「んっあ・・!!!んんんんん!!」
目を決して開けることなく、自らの口を手で塞いで、声をこらえようとする。
「いいぞ、イって。イけよ。篠岡。」
73冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:46:21 ID:U8kyi6hW

篠岡の体が数回痙攣し、やがて力がくったり抜け、阿部にもたれかかる。
まだ息が荒い篠岡の下着を元に戻してやり、改めて抱きしめ頭を撫でる。
「ちゃんと、できたか?」
篠岡が力なく顔を上げ、こっくり頷く。
「そうか。じゃあ、またがんばれるな?」
「ご、ゴメンね、阿部くん・・・・。」
「いいって。謝るな。」


その時、部屋のドアがいきなり開き、帰ったはずの栄口が現れた。
「よお!阿部、オレ忘れモンし・・・・てっ!?」



「し、篠岡!? 阿部・・? えっ・・・・?」

阿部は茫然自失で立ち尽くす栄口に、阿部はひとつため息をつくと、
部屋の端に転がっていた、栄口の手袋を広いあげ、そのまま押し付ける。
呆然と受け取った栄口の腕を強引に引き、ドアの外に追いやる。
「ほら、忘れ物はこれだろ? じゃあ、帰れ。」

服が乱れたままの篠岡をただ凝視している栄口に
阿部はチっと舌打ちし、腕を掴んだまま玄関まで引きずる。

「栄口、また、明日な。」

一言も発しないまま、栄口は靴を履き、ふらふらと歩き出す。

「アイツ、大丈夫か・・・?」

無事に歩き出したことを確認した阿部は、
篠岡の待つ部屋に戻る。
案の定そこには、真っ青な顔をした篠岡が身じろぎせず座っていた。

「どっどっどうしよう? 阿部くん!」
「どうもしねーよ。落ち着け篠岡。」
「だっだって!!見られた!!私こんな格好・・・。」
「向こうからは別に胸も見られてねえよ。まあ
刺激の強い格好ではあるだろうがな。」
ブラウスのボタンは全部はずれ、脚は太ももまで見えてしまっている。
でも、でも、と繰り返す篠岡に、阿部はゆっくりと諭す。

「オレらは何もやましいことねえだろ?堂々としてろよ。」

阿部のその言葉に、篠岡の表情は引き締まり、こくんと頷いた。
74冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:46:59 ID:U8kyi6hW

栄口は自分が見たものが一体なんだったのか帰りながら
必死で考えていた。
あの二人はつきあっていたのか?
でも、ついこの間花井が部内恋愛禁止したところだろ!?
阿部も賛成してたじゃないか!
くそ!先を越された!!

自分の思考に、はっと我に返る。
今、おれ、なんて思った・・・?
先を・・・越された・・・?
オレは篠岡が好きなのか・・・・・?

切れかけた電灯がちかちかと瞬いてる下で
自分の中から新しく湧き出した感情に戸惑っていたら、
いつの間にか自転車をこぐのをやめていたことに気がついた。

自分の吐く息の白さをしばらく眺めた後、
のろのろと再びペダルを漕ぎ出す。

おれは・・篠岡のことが・・・好きだ。

そんな、確信とともに。
75冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:47:39 ID:U8kyi6hW

「篠岡、最近なんかヘンじゃねえ?」

数日前、7組でランチを食べていた田島が
唐突にそんな話を言い出した。

「そうか?いつも笑顔でいるじゃねえか。」
「ん〜・・な〜んか、笑ってるけど笑ってないような気がする。」
「何だよ。それ。」
泉が冷静につっこむ。
「なあ、三橋もそうおもわねえ?」
「え?い、いや、わからない・・けど。いつも・・笑顔だよ。篠岡さん。」
「なんでわっかんねえかな〜。笑ってないじゃん!全然!」
泉と、浜田が、不思議そうに田島を見つめる。
そこに三橋が口を挟む。
「でっ!!でもっ!!阿部くんも・・・へんだよ。」
「へっ!?」
泉と浜田と田島が三橋を見つめる。
「なんか・・・最近。阿部くんがなんか違う気が、する。」
「そうか〜?どっちもフツーだと思うけどな?」
泉が理解できないという表情で、パンにかぶりついた。

田島は篠岡の笑顔がいつからおかしくなったのか、
必死に思い出そうとした。
篠岡の笑顔がしばらくヘンだなと思った後
元の篠岡に戻っている時があった。
その後、ゆっくりまたヘンになっていっている・・?
そして、今はまたヘンな笑顔だ・・・。
76冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:48:41 ID:U8kyi6hW

栄口が阿部の部屋を訪ねた次の日の放課後、
部活が始まる前の柔軟を田島はしていた。

皆がぞくぞく集まってくる中、篠岡もグランドに顔を出す。
「ちわっす!」
明るい声といつもの笑顔で挨拶し、篠岡がベンチに座って
水谷らと話をしながら、準備をしていると、
不意に目の前が暗くなった。顔を上げると、田島が篠岡の目の前に
立ちふさがるようにたっていた。

「どうしたの?田島くん?」
「何があった?篠岡?」

いつもの飄々とした田島からは考えられない、鋭い表情で篠岡に問いかける。
その違う声音に篠岡は少し怪訝になりながらも笑顔で答える。
「何もないよ?ヘンな田島くん。」

「なんだよ!!その顔!誰に苛められたんだよ!?」
豹変した田島の態度に、篠岡はびっくりして、返事に詰まる。
「笑ってねえよ。全然笑ってねえよ。しのーか!なんだよその顔!!
最近ヘンだったど、今日は一番ヘンだ!」
田島の大声にみんな集まってきた。

花井が慌てて田島を押しとどめる。
「何だよ、田島、急にどうした?何怒鳴ってんだよ?」
立ちふさがった花井をかまわず押しのけ、田島は篠岡にさらに近づこうとし、
花井は慌てて後ろから田島を羽交い絞めにした。
「誰に苛められたんだよ!しのおか!いえよ!オレがそいつ殴ってやるから!」
篠岡の目は驚愕に見開かれ、両手を口に沿え、硬直して田島を見つめる。
「泣きたいときはちゃんと泣け!笑うな!!」

その言葉を合図に、篠岡の目から涙が一粒、頬に伝わり、落ちた。
その様子に、水を打ったように静まり返る部員たち。
「やだ、本と、平気だよ・・私。田島くんってば・・。ゴ、ゴメン!!」
震える声で誤魔化そうとしたが、やはり無理だったのか、
篠岡はグラウンドを飛び出し、校舎のほうへ駆けていった。
77冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:49:26 ID:U8kyi6hW

「おい、阿部、追いかけねえのか?」
思わず栄口がそう阿部に問いかけると、全員が阿部を振り返る。
阿部は栄口の発言にチッと舌打ちを打った。
「オイ、阿部。お前かよ?篠岡苛めたの?」
冷え切ったその田島の目線と口調に、周りのほうがびびったが、
阿部は一つも表情を変えず、怒りで満ちた田島の目線を受け止めた。
「苛めてねえよ。」
「ホントか!?じゃあなんでしのおか泣いてたんだよ!?」
花井の羽交い絞めから田島が抜け出そうとしたが、
花井はがっちり押さえ込み、離さない。
「どういうことだ?話が見えないんだが 阿部、何か知ってるのか?」

一欠けらの感情も浮かんでない顔で、阿部は花井を一瞥すると、
おもむろに口を開いた。
「オレは知らない。」
「何だよ! 阿部!ウソつくな!!しのーかに何をした!」
田島が勢いよく花井の腕を振りどいたが、再び花井はがっちり捕まえる。
「よくわからんが、阿部。お前、追いかけたほうがいいんじゃねえ?」
花井の控えめな提案に、
無表情なままで、阿部はつづける。
「これは篠岡の問題だ。誰も変わってやれねえし、誰も理解することはできねえ。
篠岡が解決するべきことなんだ。だから、誰も追いかけるな。」

その阿部の普段からは考えられない凍った表情に、反論をすることもできず、
部員はみな黙り込んだ。
こうなった阿部は、一言も事情を話さないだろう。
78冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:50:22 ID:U8kyi6hW

そこへ誰かがやってくる足音が響き、皆が振り返るとモモカンが来た所だった。
「みんな!どうしたの!柔軟は終わったの!?」
「はっはい!!」
花井が慌てて返事をし、田島の手を緩めた一瞬で
田島がするりと抜け出し、グランドの外に飛び出した。
「カントク!!おれウンコいってくる!!」
モモカンの返事を聞く暇もなく、猛ダッシュで走っていった。
「あら、田島くんおなか壊しちゃったのかしらね・・?千代ちゃんは?」
篠岡の名前が出て皆は一瞬びくっとなったが、阿部が反応した。
「委員会で遅くなるそうです。」
表情の変化をつけず、さらっと答えた阿部に、周りの驚愕の目線が刺さるが、
全く気にする様子はない。
「あらそう。」


田島は篠岡の姿を探して、部室棟を走り回っていたら、
やがて非常階段の下で、うずくまる篠岡を発見した。
79冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:51:59 ID:U8kyi6hW

「しのおか。」
その声を聞いて篠岡はびくっとして、顔を上げる。
「田島くん・・・。」
田島の姿を確認して、はっとなる。
「練習!!はじまってるでしょ!!田島くん行かないと!!」
「じゃ、篠岡もいこうぜ。」
にししと篠岡に笑顔を向ける。
「わ、私は・・・後で戻るから・・・。」
「ダメだ。一緒にもどるぞ!!」
座り込んで動こうとしない篠岡に、田島は手を差し出した。
おずおずとその手を握ると、ぐいっとひっぱり強引に立たせる。
手をそのまま離さず、グラウンドの方へ歩き出す。
そのまま引っ張られて、篠岡も歩き出す。
「篠岡、阿部に苛められてるのか?」
田島が、前を向いたまま篠岡に尋ねる。
「ええ?いや。阿部くんはむしろ私を助けてくれてるの・・・。
感謝してもしきれないくらい・・・。」
「ほんとか〜?ま。いいや。そっか。
だれかに苛められたらオレに言えよ?助けてやっから!」
握られた手から田島の体温と、優しさが伝わってくるような気がして
篠岡は胸が温かくなるのを感じた。
「ありがとう・・田島くん。」
田島はくるりと篠岡を振り向き、にかっと笑う。

「オレ、しのーか 好きだ!!」
「ええ!?」

唐突な告白に、篠岡は耳まで真っ赤に染まった。
「絶対甲子園につれてってやる!もう泣くな!
悩みはもう悩むな!ちゃんと笑え! なっ!?」
田島のめちゃくちゃな物言いに、篠岡は思わず笑う。
「お、その顔だ!篠岡の笑顔だ!」
にししと笑った田島は、急に篠岡をぐいっと引き寄せ、抱きしめた。
その唐突な行動に、反応すらできなかった篠岡の耳元で
そっと田島がつぶやく。

「篠岡が笑ってたら、それだけで、いいから。」

普段の田島から考えられないその口調に、
篠岡が聞き返そうとしたら、田島はもう篠岡を離していて
改めて手を引っ張ってグラウンドに歩き出す。
ぐいぐいと篠岡を引っ張って歩く田島に
そのまま引かれていきながら篠岡はそっとつぶやいた。

「ありがとう・・・田島くん。」

80冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:53:07 ID:U8kyi6hW

「阿部、ちょっと話いいか?」

部活が終わったあと、栄口が真剣な表情で阿部を呼ぶと、
周りは空気を読んで先に帰っていった。
阿部は話の内容がわかっていたので、人気のないグランドのほうへ
栄口を誘うことにした。



「阿部、篠岡と付き合ってんじゃないのか?」
「付き合ってねえよ。」
いきなりの栄口の直球に、無表情のまま阿部は答える。
「だっだって!お前の・・・部屋で。」
いきなり否定されて、栄口はやや消沈するも事情を求めるように阿部を見た。
阿部は短いため息を一つつくと栄口を斜めに見る。
「別に、最後までヤってねえし。」
「なっ!?」
「誰にも言うなよ?栄口。話す必要のないことは、黙っておけよ。」
「あ、阿部!篠岡のこと好きなんだろ!?なんで!?」
「栄口。」
阿部の冷たい響きが、栄口の動きを止める。
「部外者は首突っ込んでくるな。ほっておけ。」
あまりに酷い阿部の言い方に栄口は激昂して反論した。
「な!?部活の仲間だろ!? それに、おれだって!篠岡のこと好っ!!」
「黙れ!!」

栄口の言葉を阿部は無理やりさえぎる。
「栄口、お前が篠岡を好きだなんていうのはな、ただの幻想だ!
たまたま篠岡の違う一面を見てそう錯覚しただけだ!!」
阿部のただならない様子に、栄口は思わず息を呑む。
「はっきりいってやろうか。栄口、お前はな、篠岡のあの姿を見て
お前もヤリたいって思っただけだろうが!!」
81冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:54:04 ID:U8kyi6hW

栄口の脳裏に、先日見た篠岡がフラッシュバックする。
情事の名残の残った目で自分をびっくりした表情で見る篠岡。
ブラウスからはみ出た白いブラジャー。
襟元からかすかにのぞいていた、やわらかそうなふくらみ。
太ももまでたくし上げられたスカート。
そこから伸びる、すらりとしなやかな脚。


自分の根底にある汚い欲望に気づき、栄口はただ途方にくれた。
阿部の言葉は正しいことをはっきりと意識してしまった。

荒く息をつく阿部は
やがて顔を栄口からそらし謝罪を口にした。
「悪い・・・言い過ぎた。」

「いや・・・阿部の言うことは正しいよ・・・。」


阿部そのままを後ろを向き、言葉を続ける。
「篠岡の好きな奴は・・・オレじゃねーんだ。」
栄口がはっと顔を上げる。
「まさか・・・部内にいるのか?」
栄口に背中を向けたまま、阿部は続ける。
「花井があんなこと言い出した後に、自分の気持ちに気づいたらしくてな。
まあ、それは田島もそうか?ま、とにかく、隠そうとしていたが
気づいてしまった気持ちってそんなに簡単には隠れない。
わかるだろ?栄口。」
「ああ、わかるよ。」
それは、昨日、今日と栄口の中で起こったことでもある。

「限界超えてつぶれる前に、オレの前で気晴らしするように進めた。
オレの前で泣けってな。お前がこの間見たのはそういうことだ。」
「そ、そんな。」
「篠岡はオレの腕の中で、オレの手で触れてるのに、
アイツに触れられてることを想像する。
そうやって、表に出せない気持ちを発散させてるんだ。」
「ええ!?そ、それって、それで阿部はいいのかよ?」
阿部はちらりと栄口に視線を向ける。
「別に、いいけど?」

その、何の感情も浮かんでいない目と口調に、
感情を込めないことで隠そうとしている真実に、
栄口は気づいてしまった。

「そうか・・・阿部、篠岡が好きなんだな。」

「好きじゃねーよ。」

少しの動揺も見せず、阿部は答えた。
82冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:54:43 ID:U8kyi6hW

一見、平和が戻ったように見える。
日々は淡々と過ぎ、部活は着々とこなし、
篠岡はいつも笑顔で。、
田島はひたすらただ元気で。
阿部は相変わらず冷淡で。
栄口はいつもと変わらない。

しかし、そこに横たわる強烈な違和感。
何一つ、解決していないことは明らかなのに。

田島が篠岡を問い詰めて泣かせて二人で戻ってきて。
その帰りに栄口が阿部を呼び出して。

でも、次の日から何もなかったかのように振舞っていて。


事情がまったくわからない他のメンバーからかなり
せっつかれていたが、花井は打つ手もなく途方に暮れていた。

田島にきいても
「にしし!秘密だ」
と話にならない。
栄口にきいても
「なんでもないよ。へーき。」
笑顔でかわされる。
阿部を問い詰めようとしても、睨まれて終わる。
篠岡には聞けない。

一番事情を知ってそうなのは阿部なんだが。
一体どうすれば阿部が口を割るか。
うまい策は全く浮かばないまま、日々は淡々と過ぎていく。
83冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:55:27 ID:U8kyi6hW

ある日、花井は部活後、阿部の家に向かった。
すでに解散していたが、渡し忘れていた試合のビデオを
思い出し、コレを気にきっちり話をしようと思ったからだ。

チャイムを鳴らすとおばさんがでてきて、
そのままあがってくれというので遠慮なく
花井は阿部の部屋に向かう。

花井が部屋のドアを開けると

阿部と篠岡が、いた。

ふたりで、抱きあっていた。
服は着ていたが、阿部の手は篠岡のシャツの下に入っていて。
そのままの姿勢で
花井を見上げる阿部の目はいつものタレ目で。
花井を見上げる篠岡の目は泣き腫らして真っ赤だった。

その光景に目を見開き、思わず手に持っていた紙袋を落とす。

「なっ・・・なっ・・・・!?」

すべてが崩壊する音を、頭のどこかで聞きながら、
阿部は花井のリアクションは栄口と一緒だな・・・と
どこか冷静に眺めていた。

「何しに来たんだ?花井。試合のビデオか?」
「あ、ああ、そうだ。・・・これだ。」
「サンキュ。もらうわ。じゃあ、帰れ。」
「帰れってお前・・・説明ナシかよ?」
「今度な、今度。今日は帰れ。」

茫然自失の花井を取り合えず追い出した後、
蒼白になっている篠岡を抱き寄せた。

「かなり早くバレたな。栄口は黙っててくれたんだけどな。」
篠岡の頭に顔をうずめ、阿部はチクショウと小さな声でつぶやいた。
「阿部くん・・・ゴメンね。せっかく・・。」
「いいって。気にするな。」
「私、阿部くんにひどいことしてる・・・・。」
その言葉で阿部は少し目を見開いたが、静かに再び目を閉じた。
「オレは嫌なことはやらない。篠岡も知ってるだろが。」
篠岡は小さくコクリと頷くと、静かに泣き出した。

阿部はずっと篠岡を抱きしめていた。
84冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:56:26 ID:U8kyi6hW

夜空の下の、人気のない校舎、人気のないグランド。
野球部の部室だけは電気がついたままで。

中には花井と阿部と篠岡がいた。


花井がさて、なんて切り出すか思案していると、
阿部が口火を切った。

「いっとくけど、オレら、付き合ってないからな。」
「なっ!? あ、あれでか!!?」

花井が阿部と篠岡を交互に見るが、篠岡はうつむいたまま顔を上げない。
阿部は恐ろしいほど冷たい表情で、花井を睨みつける。

「お前、自分が決めたこと覚えてないのか?部内恋愛禁止にしただろ?」
「で、でもっ!お前・・・付き合ってないのに・・あんなこと?」
「あんなことってなんだよ?泣いてる篠岡をただ慰めてただけだ。
やましいことなんて、ねえよ。」
「・・・阿部・・・お前が泣かしたんだろ?」
阿部を問い詰めると篠岡が慌ててさえぎる。
「・・・ちがう・・・違うの。花井くん。私が悪いの。
阿部くんの優しさに甘えて、すがってただけなの。」

阿部が優しい?甘える?すがる?どの単語も阿部を表現する言葉に
ふさわしいとは思えず、花井はすこしきょとんとした。

「花井くん・・私、マネジ辞めるね。」
「はあああ!?なんで!? あ、阿部と付き合うためか!?」
「ちげーよ!!オレらは付き合ってねえよ!」
「私は、マネジ!辞めるから!」
「篠岡、それは解決にはならないだろうが!」
阿部が鋭く篠岡を叱責する。
荷物を掴んで出て行こうとした篠岡を、阿部が捕まえた。
「篠岡、全部、吐き出せ。な?」
大きな目に涙を浮かべてぽろぽろ泣き始めた篠岡に、
花井はただ驚いたが、阿部はその頭を引き寄せ撫でる。
「篠岡、がんばれ。」
コクンと篠岡が頷くのを見て、阿部は自分の荷物を持ち、
部室をでていった。
目だけで花井に話を聞けと命令して。

阿部と篠岡の二人に流れる空気にまったく、自分との空気の差に、
どうすればいいのかまったくわからなかったが、
阿部の目線に花井はとりあえず頷いた。

阿部は部室を出た後、閉めたドアにもたれながら地面に腰を下ろし、
手のひらを眺め、ぎゅっと握り、膝に顔をうずめ、そのまま動かなかった。
85冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:57:27 ID:U8kyi6hW

阿部が出て行き、静かになった部屋で、
花井はどう話を聞けばいいのか、一人悩んでいた。

「私、好きな人がいるの。」

唐突な篠岡の告白に、花井はぎょっとする。

「でも、好きなの辞めようと思ったの。」
「な、なんでだ?」
「好きなのやめて、今までどおり、皆の手伝いをして、がんばる姿を
応援しようと思ったの。だって、今までちゃんとできてたし。」
篠岡がポツリポツリと話すことを、花井はただ黙って聞く。
「野球が好きで、男で生まれたかったと思ってたけど、
がんばる皆を見てて、そのチームの中に参加できるだけで
ずっと幸せだった。甲子園目指すみんなはきらきら光ってて。
そばで手伝えるだけでよかったのに・・・・・。」
話しながら、篠岡の目から涙がこぼれ続けていたが、
泣きながらも一生懸命話す篠岡を、
花井はどこかきれいだと少し場違いなこと考えながらも、
視線をはずすことすらできず、ただ、黙って聞いていた。

「・・・・・花井くんが・・・・好きなの・・・。」

「いぃ!?」
まさかここで、自分の名前が出ると思っていなかったため、
おおきくのけぞり、びっくりする。

「部内恋愛禁止が決まった時に、なんか気づいちゃったんだよね。
それから、もう。まったくダメで。皆に心配かけて。

田島くんも励ましてくれたのに。
好きなのをやめようと、ずっとやめようと思ってがんばってきたけど、無理で。
毎日、つらくて。そんな私を、阿部くんはすごく助けてくれて。
でも、やっぱり、無理で。だから。
マネジを辞めるべきなんだと思う。
そうしたら、花井くんを好きでいても、いいのよね?」

篠岡の悲壮感漂う告白に。
ただひたすら自分を責めるその告白に。
一言も、勝手なルールを決めた花井を責めない篠岡に。

自分の信念が、ここまで篠岡を追い詰めてしまったことに。
花井は、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
86冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:58:05 ID:U8kyi6hW

そっと右手を伸ばし、篠岡の頭を引き寄せ、自分の右肩に押し付ける。

「は、花井くん!?」
「悪かった。オレの不用意な一言で、篠岡追い詰めて・・ゴメン。」

花井の柔らかいその声音に、篠岡は激しく声を上げて泣き始めた。

しばらく、篠岡が落ち着くまで、花井はじっと待つ。


やがてすすり泣く声が静かになってきた頃に、花井はおもむろに口を開く。

「え〜と、まずだなあ。スマン。
篠岡がオレを好きなの、全然わからなかった。」

おずおずと、まず、そこをわびるところから入った。

「それでだなあ、篠岡にマネジを辞められると非常に困る。」

そして、引止めにかかる。
そして、核心に触れる。

「で、オレは今、野球のことしか考えられないんだ。一年しかいなくて。
おまけにオレはキャプテンやってて。
なんつーか、恋愛にベクトルが向かないっつーか。
いや、篠岡に興味ないってワケではないぞ。
篠岡は可愛いし。良く動いてくれるし。
おにぎりはうまいし。
だから、えーと、何がいいたいかというとだな。」

自分の言葉のたらなさに、花井は歯がゆく、必死で言葉を探す。
87冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:58:56 ID:U8kyi6hW

「野球は好きだろ? 篠岡。」

花井の右肩に顔を押し付けたまま、篠岡は頷く。

「オレも、野球が好きだ。今は野球が一番なんだ。」

篠岡は再び頷く。

「篠岡のことは可愛いと思ってるよ。」

今度は頷かず、じっと動かない。

「で、でも、オレは篠岡のことを・・・その
・・・・そういう対象で見たことがないんだ。
いや、違うな・・・・。
誰か付き合うとか、彼女を作るとか、そういうことに
興味がない・・・違うな。え〜と。そう。
自分の力、全部野球に使いたいんだ。」

篠岡は顔を上げて、じっと花井を見つめる。

「こういう言い方は残酷かもしれないが、オレが受け入れない限り、
オレとは付き合わないわけだから、部内恋愛禁止は守ることになると思う。」

そこで一旦、花井はおおきく息を吸い込んで、吐く。

「だから、オレのこと、好きでいていいから。マネジは辞めないでくれ。
一緒に甲子園・・・行こうぜ。」

暖かい、感情の波が、篠岡を包み込む。
満たされた気持ちの中、篠岡はお兄ちゃんってこんな感じなんだろうかと
少し的外れなことを考えていた。

「あ、でも、ヒイキはするなよ?ちゃんと平等にしろよ?」

篠岡は笑いながら答える
「しないよ。そんなこと。」

その笑顔をみて、花井はほ〜と深々とため息をついた。

「なんか、久しぶりに篠岡の笑顔見た気がする。よかった〜・・・。」
88冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 21:59:54 ID:U8kyi6hW

「部活引退するまで・・・恋愛はなし?」
「そうだ。それに部活以外のことする時間、お互いないだろ?」
「それまで、誰のものにもならないよね?花井くん。」
「そんな余裕、ないからな。」
「じゃあ、予約してもいいかな?」
「え?」
篠岡の真意がわからず、花井は篠岡の顔を見ると
急に篠岡の唇が花井の唇に被さってきた。

びっくりして篠岡を引き剥がそうとしたが、
それより早く篠岡の手が伸び、花井の耳をぎゅっと引っ張る。
「い!?」
花井がどぎまぎする瞬間を逃さず、やすやすと花井の唇を割り開き
貪欲に花井の舌を求め、撫でさする。

強引な篠岡の口付けに、花井はパニックに陥り、
自分の口内で動き回る篠岡に翻弄された。
うっ・・うわあ・・柔らけえ・・。

篠岡が花井の唇を開放した後、花井はやや前かがみになっており、
顔は高潮したまま、ばつの悪そうな顔で、篠岡を見つめる。
「し、しのおか〜・・。お、おまえ・・。」
その困り果てた、花井の表情に、篠岡は満足感を覚え、
満面の笑顔を見せる。

「ふふっ。これからもよろしくね。キャプテン。」

そのまま篠岡は、荷物を掴み、
動けなくなった花井を置き去りし、
部室を後にする。
89冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 22:00:38 ID:U8kyi6hW

自転車置き場に篠岡がついたとき、
寒空をずっと外で待っていたのか、
阿部が寒さを紛らわすように、
肩をすぼめて篠岡を待っていた。
「話、ついたのか?」
相変わらず阿部の顔には表情は浮かんでいないが
その、彼なりの優しさに篠岡は感謝した。
「うん。ありがとう。阿部くん。」
「いーけど。んで、どうなった?」
「うん。好きでいていいんだって。付き合わないけど。
やっぱり部内恋愛は禁止だけど。
でも、好きでいていいんだって。」

その憑き物が落ちたような篠岡の笑顔に、阿部はふっと表情を和らげた。

「そうか。まあ、泣きたくなったら、いつでもこいよ。」

「ううん。もういかない。」

きっぱり宣言した篠岡を、阿部はちょっとびっくりしたように見つめる。

「もう、泣かないから。」

そういってにっこり笑った篠岡に、
阿部はにっと笑い返した。


春が、来るまで、あと少し。


---終わる---
90名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 22:03:01 ID:+nLp6bOS
途中でホロっときた
青春っぽくていいな、そして酷いヤツじゃない阿部お久しぶり
91冬のあいだ 本編:2007/07/25(水) 22:03:47 ID:U8kyi6hW
実は小ネタ罰ゲーム書いたものです。
なので一部罰ゲームの時のキャラ設定が引き継がれてます。
阿部のアイコラコレクションとか栄口はムッツリとか。

最後の篠岡のキスは阿部に仕込まれ、すごいテクになってるという
どうでもいい設定になってます。
目汚しスマソ。
92名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 22:04:57 ID:YdIznwbX
しのーか、よかったな。みんなええこや〜。
作者様、また今度ぜひ書いてください!
93名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 22:05:00 ID:YbdtH4Nc
阿部良い奴じゃん(´Д⊂
94名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 22:09:02 ID:cTYFVOD8
小ネタ神乙!
すっげーおもしろかったよ!
途中まで、まじで誰が本命かわかんなかった…
花井かよ!ってのけぞった
95名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 22:25:55 ID:msTizpC8
おお面白かったー!!!
本命は花井ってのを見た瞬間、あんまりびっくりして思わず携帯をなげてしまったよ…
そうくるか!みたいな。
小ネタといい、ここ数日めちゃくちゃ楽しませてもらってます。

阿部いい人派の自分にはたまらん内容でした
96名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 22:34:37 ID:6TyCOxkp
まさかの花井フラグw
楽しませてもらったよ、GJ!
97名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 22:36:08 ID:wzII8sP9
せっかく降臨中に遭遇出来たのに
ラスト数行で携帯の電池がきれたのが悔やまれる…

ありがとう神!
阿部がせつなくてたまらんよ!
98名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 22:45:07 ID:eaHZYZ2D
アベチヨキタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─!!

と思ったら…阿部かわいそう阿部(;´Д⊂)
でも滅茶苦茶面白かった。
小ネタ職人さんはおお振りキャラの性格をよく掴んでて
漫画から抜け出たようなお話を書くね!GJGJ!
99名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 22:59:02 ID:N7At1lBz
花井が花井らしくてすげー良かった!
神ありがとう神
100名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 01:27:25 ID:bZN/Zi5H
GJとしか言い様が無い!!!
阿部切ないな…(つД`)
101名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 01:53:55 ID:L+lpkFGy
じーんと来たよ!
作者さんの作品は、キャラの特徴つかんでてすごい!
102名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 01:58:18 ID:UP4aPTd/
切なくもいい人な阿部が、いかにも「阿部」で
可哀想やら感心するやら……。

103名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 01:59:03 ID:UP4aPTd/
あ、でも、以前のひどい阿部も好きでしたんで、
そこんとこはよろしく。返す返すもGJ!

104名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 03:57:37 ID:ufTIEBxg
最近は神作品ばかり生まれて興奮しまくりんぐ
105名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 04:45:53 ID:Rrklk71P
ものすごい切ない…
だけど描写は少ないのに後からじわじわエロいw
職人さんGJでした!
106名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 05:54:38 ID:N9oIPJ0P
小ネタ職人さん乙いやお疲れさまといわせてくれ。
あなたの文章すごい好きだー…。
皆が皆キャラっぽくて特に花井の告白された時の「いぃ!?」がひぐち絵で頭に浮かんだ。
107名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 08:13:29 ID:ITif9WpE
罰ゲームと同じ方が書いてたんですね!
小ネタ職人さんファンですー。

初投下です。エロはないです。読むのはアベチヨが好きなんですが、
気づいたらアベモモ風になってました。
108アベモモ?:2007/07/26(木) 08:14:55 ID:ITif9WpE
 自分より早く、篠岡が早朝のグラウンドに顔を出すとは思わなかった。
 いつもは、選手よりも遅い時間に出てくるので、珍しいなと思いつつ後ろから声をかける。
「おはよ。仕事やり残しかなんか?」
 一瞬びくりとして、篠岡が振り返る。
「あ、阿部くんおはよう!」
 オレを確認して、にっこり笑う。他の部員はまだ来ていなかった。
「昨日雨だったから、今から洗濯して干しておけば、放課後には乾くと思って」
「1年しかいないんだから、言ってくれれば男でもそれくらいはやるよ」
 きょとんとする篠岡。そして、とろけるような笑顔になった。
「阿部くんって優しいね」
109アベモモ?:2007/07/26(木) 08:15:26 ID:ITif9WpE
 ウチのマネジは野球が好きで、気立てが良く働き者だ。
 その上、本人のいない時限定で「マネジのレベルなら甲子園も夢じゃねえ」と部員が絶賛する程可愛い。
 マネジは憧れの「高校球児」に無償の愛を注ぐのであって、部員個人に特別な好意はないだろう。
 判ってても、篠岡の大きな目で見つめられて褒められると動揺した。
感情を殺して、なるべく冗談に聞こえるよう返す。
「そりゃどうも。でも、篠岡には負ける」
「わわわ、私はマネジだから……」
 篠岡は顔を赤らめて下を向いてしまった。予想外の反応にオレも固まる。
 いつもの篠岡なら、ここは笑うんじゃないか? 
 いや、オレと篠岡は業務連絡とかモロ事務的な会話しかしないから、普段どういうリアクションするのか判らない。
 オレが柄にもないこと言ったから、困ってるのか?
 でも、困るようなこと言ってねーよな?
110アベモモ?:2007/07/26(木) 08:16:19 ID:ITif9WpE
 どう声を掛けて良いか迷っていると、後頭部に想像を絶する激痛が走った。
「こら阿部ー! アタシの千代ちゃん口説いてんじゃないわよー!」
「監督!」
 殺気をはらんだモモカンが立っていた。指をバキバキと鳴らしてオレを睨む。
 思いっきり頭を掴まれた痛みで少しヨロけた。これって体罰じゃないのか?
「口説いてねーよ」
「ま! なんて生意気な態度!」
「監督こそ、いつもオレらを『くん』付けで呼ぶのに…」
「千代ちゃんに近づく馬の骨につける敬称なんてないよ! 怖かったね〜千代ちゃん。よしよし」
 そう言って篠岡をぎゅうっと抱きしめる。あの胸に押しつぶされたら、死人が出てもおかしくない。
「か、監督、く、るし…」
「うあ。ごめんね!」
 羨ましいけどこれも一種の体罰だよなと眺めていると、不敵な笑みの監督と目が合った。
「まあ、阿部くんじゃ無理よね」
「何がっすか?」
「手を握っただけで顔真っ赤だもんね! 可愛らしいったらありゃしない。あっはっはー」
111アベモモ?:2007/07/26(木) 08:16:59 ID:ITif9WpE
 悪魔の高笑い。合宿の夜の話だ。篠岡の前でそれを言うか!
「えーと?」
 篠岡が怪訝そうに監督とオレの顔を見比べる。きっとオレの目は泳いでいる。言い訳をしたらますます監督が喜ぶから、どうに

か踏みとどまった。
「んふふ内緒〜。千代ちゃん、仕事あるよね?」
「は、はい」
「阿部くんもグラウンド整備!」
「はい!」
 ヤケクソで返事する。セクハラだろこれは!
 怪訝そうにオレを見つつ、篠岡が遠ざかっていく。きっととんでもない想像をされてるに違いない。
 ふと、朝の挨拶をしていないことに気づいて振り返ると、腕組みした監督がニヤニヤしていた。
「私は成績には口出すけど、恋愛には口出さないよ」
「じゃあ、さっきの金剛輪と、誤解を招く発言はなんだったんですかね」
 わざとらしく後頭部をさする。
「私に見えるとこでなかったらOKって意味だよー。ほら、誤解だって言っておいで」
「遠慮しときます」
112アベモモ?:2007/07/26(木) 08:19:06 ID:ITif9WpE
 下手な返事はしたくなかった。
 この人は、野球をよく知っている。オレたちが理解出来ない練習はしないし、監督という立場を利用して理不尽に押さえつける

ような指導もしない。
 いろんなものを犠牲にして、野球部を最優先にしてくれる監督に迷わずついていくし、その先にどんな結果が待っていようと後

悔しないと断言出来るくらい、信頼している。
 だけど。
 投手に出す指示は全面的にオレに託されていて、試合中は決して子供扱いをしない監督が、篠岡との仲をからかうのにちょっと

傷ついた。
「どうしてー。あんな良い子、今時滅多にいないわよー」
「なんでオレに言うんですか」
「同じ中学出身でしょ」
「妄想のしすぎじゃないっすか」
 ここで監督がキレた。
「ちょっと! アタシの千代ちゃんのどこが気に入らないのよ。もう1回、金剛輪やったげようか?」
「あんたこそ言ってることメチャクチャだよ!」
113アベモモ?:2007/07/26(木) 08:20:12 ID:ITif9WpE
 かしゃん、とフェンスのドアが開く音がして、花井たちの挨拶の声が聞こえた。
 返事を返して、言い足りなさそうに監督がオレを見る。
「阿部くんはいじり甲斐がなくてつまんないよ。他の子はちょっとつつけばドギマギして面白かったのにー」
 あ。オレだけじゃないんだ。花井や田島たちも同じ事言われたんだろうか。
 じきに会話が聞こえる圏内に他の部員が入ってくる。その前に、何か言い返してやりたい。
 年下だからといって、野球以外のことでおちょくられたまま終るのはプライドが許さねえ。
 監督の目をまっすぐ見た。
 そのまま、じっと逸らさずに言う。
「今気づいたんですけど……オレ、年上が好きなのかも」
「はあ?」
 信じられないことに、監督が耳まで真っ赤になって硬直していた。
 やった!
 鼻で笑われる覚悟だったけど、コレは有効なんだ。
 栄口や泉が「何の話?」と言いながら近づいてきた。
 三橋まで気になるらしい。
「あ、阿部くん、カ カントク…?」
 キョドりながら首を傾げ、オレと目が合う前に逸らした。
「……変な妄想でもしてんじゃね?」
 オレは、監督に仕返しが出来て気分が良かった。

      *
 
 その日の練習は今までで1番キツかった。特にオレに対して。
 今後、何があろうと監督には絶対服従しようと深く反省した。
 
114アベモモ?:2007/07/26(木) 08:21:03 ID:ITif9WpE
終わりです。
改行がメチャクチャになっててすみません。
夜は書き込み出来ずこんな時間になりました……。


115名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 10:35:56 ID:aHubPo/h
モモカンかわいい!
朝から乙バッチー!ほのぼの暖かいねぇ〜
116名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 19:08:28 ID:G1rB58Sy
阿部モモ(風味)キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!!
最近、阿部モモに飢えて死にそうだったた所にGJGJ!
可愛いなあ(*゜∀゜)=3
117名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 20:45:22 ID:C5ahhWcy
ウヒ!モモカンかわええw
ちゃんと監督の立場を利用して、理不尽な仕返ししてんのがウケたww

では、自分も爆弾のように投下させていただきます!
「2人は3年生で、部活引退後に付き合い始めた」
という自分設定で、タジチヨ2学期の中間テスト時期のお話です。
どぞー。
118タジチヨ:2007/07/26(木) 20:46:06 ID:C5ahhWcy
全く集中力のない田島に、思わずため息が出る。
「いくら推薦で大学行けたって、卒業できなきゃ意味ないんだよ?」

田島と千代は、中間テストに向けて、田島の家で一緒に勉強をしていた。
しかし、どうにも田島が真面目にやらない。
試合に出さないって言われたら、あっさり赤点クリアしたのに、
将来がかかった今はダメなんて、いかにも田島らしいというか…。

「だぁってさー。」
田島は頭の後ろで手を組んで、寄りかかっていたベッドに倒れる。
しばらく何か考えてたかと思うと、パッと起き上がって笑顔で千代を見た。
「じゃあさ、オレが問題1個解けるたびに、篠岡服脱いでよ!
そしたらオレ、超やる気出る!」
「はぁ?なに、バカなこと言って…。」
…本気だ。目が野球してる時と一緒だ。

「なーなー。いいじゃんよー!そしたらオレ頑張れるから!」
「いーや!」
千代はぷいっと横を向く。
困るのは自分なのに、いったい何を考えてるのか…。
119タジチヨ:2007/07/26(木) 20:46:59 ID:C5ahhWcy
田島の激しいお願いも、千代は断固として受け入れない。
しばらくそんなやりとりをしたかと思うと、田島は急にしゅんとなる。
「だってオレ、ほんとに集中力ねんだもん…。
自分の為だってわかってても、好きじゃないことってどうしても集中できない。
でも、好きな物の為ならオレ、頑張れるんだ。
今オレが1番好きなのは、篠岡だしさぁ…。」

不覚にもときめいて、千代は言葉に詰まった。
上手いこと言われても、ダメ、乗せられちゃダメ。
心で何度も繰り返す。
ちらっと田島を見ると、すがるような目で千代を見つめていた。
あぁ、もう…。その目で見られたら、どうしても言うこと聞きたくなる。

目を伏せて、無視を決め込んだ千代だが、
まだ自分を見つめてるだろう田島を想像して、ついに折れる。
「間違えたら、その倍服着るからね!」
結局田島の思うツボだ。
千代はため息をついたが、田島は両手を上げて喜んだ。

1時間ほど勉強を教えると、田島はものすごい勢いで吸収していく。
千代は半ば呆れながら感心した。
集中力さえあれば、この人できないことないんじゃ…。
「おっしゃー、いつでも来い!全裸にしてやるぜ!」
ほんとにそうなりそうだなぁ…。
千代
120タジチヨ:2007/07/26(木) 20:48:53 ID:C5ahhWcy
すんません、切れた…。
ちょっとだけだが、こっちがほんと。
121タジチヨ:2007/07/26(木) 20:49:43 ID:C5ahhWcy
田島の激しいお願いも、千代は断固として受け入れない。
しばらくそんなやりとりをしたかと思うと、田島は急にしゅんとなる。
「だってオレ、ほんとに集中力ねんだもん…。
自分の為だってわかってても、好きじゃないことってどうしても集中できない。
でも、好きな物の為ならオレ、頑張れるんだ。
今オレが1番好きなのは、篠岡だしさぁ…。」

不覚にもときめいて、千代は言葉に詰まった。
上手いこと言われても、ダメ、乗せられちゃダメ。
心で何度も繰り返す。
ちらっと田島を見ると、すがるような目で千代を見つめていた。
あぁ、もう…。その目で見られたら、どうしても言うこと聞きたくなる。

目を伏せて、無視を決め込んだ千代だが、
まだ自分を見つめてるだろう田島を想像して、ついに折れる。
「間違えたら、その倍服着るからね!」
結局田島の思うツボだ。
千代はため息をついたが、田島は両手を上げて喜んだ。

1時間ほど勉強を教えると、田島はものすごい勢いで吸収していく。
千代は半ば呆れながら感心した。
集中力さえあれば、この人できないことないんじゃ…。
「おっしゃー、いつでも来い!全裸にしてやるぜ!」
ほんとにそうなりそうだなぁ…。
千代は早くも自分の発言を後悔した。
122タジチヨ:2007/07/26(木) 20:50:29 ID:C5ahhWcy
「…正解。」
「イエー!」
あっという間に1問目をクリア。
なんであんなこと言っちゃったんだろう。今さら悔やんでも、もう遅い。
田島が期待いっぱいの目で千代を見る。
「うぅ…。」
千代は靴下を片方脱いだ。

「エー、片っぽずつ?」
「文句言うならやめるよ。」
「言わない言わない。逆に燃えて来たぜ!」

続く問題も正解され、もう片方の靴下を脱ぐ。
今着てるのは夏服だ。シャツとスカートの下は、下着のみ。
負けられない…。勝負ではないが。
千代はパラパラと問題集をめくり、難度の高い問題を出した。

「できたぁ!」
テーブルに叩きつけられたノートを見て唖然とする。正解だ。
なんなの?この人。千代は驚愕した。
「さ、上と下、どっちから行く?」
田島はにしし、と笑う。
エロガキめ!
千代は田島を睨んで、スカートのファスナーを下げた。
123タジチヨ:2007/07/26(木) 20:51:44 ID:C5ahhWcy
白いシャツでギリギリ下着が隠れる。
裸になるより、よほど恥ずかしい気がするのはなんでだろうか。
千代は、裾を出来る限り引っ張って正座した。
「さ、次来い!」
戦いはいよいよ白熱してきた。絶対解けないようなの出してやる!
完全に方向性を見失った勉強会は続く。

千代は真剣な目で問題を探す。田島もそれを真剣に見守る。
傍目に見たら完全にアホだが、2人は大真面目だ。
「よし、じゃあ次これ!」
ちょっとずるいかも知れないが、千代は自分も解けなかった問題を出した。
さすがに田島も唸って考え込む。
これで、服が2枚着られる。千代はホッと息をついた。

初めて優位に立って、千代は笑いながら秒読みをする。
「3、2、1、はい、終了〜!」
ぱっとノートを取り上げ、答えを見る。
田島は頭を抱えたまま千代を見ていた。
笑っていた千代が顔色を失う。ほんとに、この人って何なの!?

「せ、正解…。」
「うしゃー!!」
千代が呟くように言うと、田島は膝立ちでガッツポーズをした。
ま、負けた…。がっくりとうなだれた千代の顔を、田島が覗き込む。
「さ、今度は?」
鬼!
124タジチヨ:2007/07/26(木) 20:52:38 ID:C5ahhWcy
服の上からブラジャーを外し、袖から抜き取る。田島がおお、と声を上げた。
「よーし、次の問題は?」
千代は、泣きそうな顔で田島を見る。
「もう無理。これ以上は恥ずかしいよぅ。」
泣きを入れると、田島がうーんと唸る。なぜ千代がお願いする立場なのか…。

「じゃあさ。」
千代は、声のする方に顔を向ける。
「次、正解したらさ、篠岡からキスして。」
うってかわって真面目な表情の田島に、千代はどきっとした。
「う、うん…。」
頷くと、いつもの顔で田島が笑う。
「約束な!よし来い!」

次の問題もあっけなく正解して、テーブルの向こうから田島が手招きをする。
千代は畳をゆっくりと膝で這って移動した。
「ん。」
田島が千代に向き直り、目を閉じる。
うわぁ、これは…。もしかして1番恥ずかしいかも…?

いつもは自分が先に目を瞑ってしまうから、あまりこういう顔は見たことがない。
低い鼻にはそばかす、意外と長い睫毛…。
田島の肩に手を乗せ、おずおずと顔を寄せる。
ちゅ、と唇が重なった時、急に田島に抱きすくめられた。
125タジチヨ:2007/07/26(木) 20:53:15 ID:C5ahhWcy
「あっ、あの…?」
「つかまえた。」
田島はにっと笑うと、千代の唇を強く奪った。
「ん…。」
「今日はずっとテーブル挟んで、篠岡に触れなかったから、すっげー触りたかったんだ。」
「た、じまくん、勉強は…?」
話す間にもキスをされて、言葉が途切れ途切れになる。

「オレ、篠岡がご褒美くれたら、なんでもできると思うな。」
「えぇ…?」
「だから残りの問題の分、前払いでちょーだい!」
そう言うと、シャツの上から千代の胸に触れた。
126タジチヨ:2007/07/26(木) 20:53:57 ID:C5ahhWcy
「乳首透けて見える。超エロイ。」
服の上から擦られ、すぐに乳首がプクンと勃ち上がる。
「触っていいなんて、言ってないよぉ。」
「でもダメとも言われてねーもん。」
田島が器用に左手でボタンを外しながら言う。

「エッチなんだから…。」
「ダメ?」
乳首をペロっと舐めながら、上目で千代の顔を見る。
「ダメじゃない、けど、ん…。」
田島は、わざとよく見えるように、舌を出す。
恥ずかしさと妙な興奮で、田島から目が離せない。

「すっげーやらしい顔してる。」
「やだ、もう…。」
千代が右手で顔を隠すと、その手を掴んで田島は言う。
「やらしい顔した篠岡も、大好き。」

千代をベッドに押し倒して、下着を脱がす。
シャツを1枚だけ羽織った姿が、裸よりいやらしく見える。
脚を開いた千代の隣に、田島が膝をついた。
手を伸ばして秘唇に触れると、ぬるりと指が滑る。
千代の腰が小さく跳ねた。
127タジチヨ:2007/07/26(木) 20:54:36 ID:C5ahhWcy
「ねぇ、篠岡もオナニーすんの?」
「え!?」
ふいに聞かれて、千代は思わず大きな声が出る。
「隠さなくてもいいじゃん。オレ、しょっちゅうしてるよ。」
「し、知ってるけど。」
突然の質問の意味がわからない。
いや、わかっているけど、わかってしまうわけにいかない。

「ねぇ、して見せてよ。どうすれば篠岡が気持ちいいのか知りたい。
そしたらオレ、もっと篠岡を気持ちよくしてあげられるよ。」
一気に顔が熱くなり、耳まで赤くなっているのが自分でもわかる。
「え、う。」
じっと目を見つめられると、何も考えられなくなる。
いつも言うなりになってしまう。
田島くんの目には、不思議な力があるんだ…。

視線を逸らすことが出来ず、唇からはぽろりと言葉がこぼれ落ちていく。
「やらしい奴だって、思わない…?」
赤い頬に田島の手が触れる。
「可愛い奴だって思う。」
そう言って田島は千代の頬にキスをした。
128タジチヨ:2007/07/26(木) 20:58:41 ID:C5ahhWcy
千代はおずおずと下に手を伸ばす。
田島が凝視しているのを感じて、恥ずかしさで体が熱くなる。
割れ目をなぞると、指にぬるぬるの粘液がまとわりついた。
もうこんなに濡れてたなんて…。

「田島くん、やっぱり恥ずかしいよ…。」
そう言うと、田島の手が、千代に目隠しをした。
「オレのことが見えるから恥ずかしんだよ。
ほら、目ぇ瞑って。いつも1人でする時みたいにしてみ?」

そんなわけないと思いながらも、視界を失うと不思議と恥ずかしさは薄れていく。
暗闇では逆に、見られているということがほんの少しの安心に繋がって、
たどたどしい指の動きは、徐々に大胆になっていった。
くちゅくちゅと小さな水音と、千代の息遣いだけが部屋に響く。
129タジチヨ:2007/07/26(木) 21:00:14 ID:C5ahhWcy
「田島くん…?」
千代の集中を妨げない為なのか。田島は答えない。
目を覆っている手は温かく、確かにそこに存在している。
「田島、くん。」
それなのに、返事がなくて不安になる。
「田島くん…。」

「いるよ。」
ふいに聞こえた声に、全ての感覚が反応した。
「篠岡のこと、ずっと見てるよ。」

ざわざわと体中の神経が騒ぎ出す。
千代は田島の声に追いたてられるように、指の動きを早めて行く。
「見てる、の?」
「見てるよ。」

見てる。見てる…。
130タジチヨ:2007/07/26(木) 21:06:08 ID:C5ahhWcy
「はぁ…っ。」
全身に電気が流れたように、千代は体を痙攣させた。
肌は粟立ち、うっすらと汗ばんでいる。
「…イッちゃった?」

田島が手をどけると、頬を染め、大きく息をしている千代の顔が現れた。
千代の瞳に、透明な涙の膜が張り、ゆらゆらと揺れて光る。
「恥ずかしい…。私、田島くんの前で、こんな。」
田島が千代の瞼にキスをすると、涙は小さな粒になってこぼれ落ちる。
「なんでさ?」
「だって、私、変態っぽい。」

田島が千代の手を取り、自らの硬くなった股間へ導く。
「それならオレも変態だよ。
篠岡のことが、可愛くて可愛くて、大好き過ぎてこうなるんだ。」
こぼれた涙を舌ですくい上げて「しょっぱい」と田島が笑うと、千代もつられて笑う。
「入れてもいい?」
千代は田島の肩に手を掛けると、来て、と小さく囁いた。
131タジチヨ:2007/07/26(木) 21:07:03 ID:C5ahhWcy
「はぁん…。」
待ち焦がれていたむず痒いような刺激に、思わず大きな声が出る。
自分の声に驚いて、千代が手で口を覆うと、田島がその手をベッドの上に抑え付けた。
「篠岡のやらしい声好き。もっと聞かせてよ。」
「だ、だって。あ、んっ。」

田島の動きに合わせて、押し出されるように声が止まらない。
「やだ、やだ。恥ずかし、いっ…。」
ベッドの軋む音と、粘膜の擦れ合う音。
それを打ち消すかのように、千代の甘い声が響く。

「あっ。田、島、くんっ…。」
「うん…?」
ゆっくりと出し入れを繰り返す、田島の腰の動きがもどかしくて、千代は田島にしがみつく。
「どうして欲しい?」
田島は相変わらずゆっくりと動き続ける。

「意地悪…。」
「意地悪なんかしないよ。篠岡のして欲しい通りにする。
言って?どうして欲しいのか。」
また田島はじっと千代を見ている。
千代のおねだりを引き出そうとしているのか、ゆっくり、ゆっくり、焦らすように動く。
132タジチヨ:2007/07/26(木) 21:11:45 ID:C5ahhWcy
「は…。う、ぅ。」
じれったさに耐え切れず、千代は手で顔を隠して囁いた。
「奥まで、入れて。もっと擦って…。」
その言葉を受けて、田島は一気に動きを早めた。
奥まで思い切り突き入れると、千代の声が一際大きく、甘くなる。
「あっ。あん!たじ、まくん、きもちぃ…!」
「オレも…。きもち、いっ。」

腰を打つ音が大きくなると、千代の声は逆に小さく掠れていった。
2人の触れ合った肌が、汗で滑り出す。
「篠岡、ごめん。オレ、イキそうだ。」
田島がしぼり出すような声で言った。
「う、んっ、来て。あっ、私、」

ベッドがガタガタと揺れて、千代の体も激しく揺さぶられる。
「わ、わたし、も、イッちゃう、よぉ…!」
「ダメだ!ごめん、イク!」

引き抜いたペニスから、精液が勢いよく飛び散った。
腹に、胸に、顔に、髪の毛に。
未だ痺れるような快感を残して、収縮する膣内。
その動きに合わせて、千代の体がピクンと震える。
千代は、肌に押し当てられたまま、律動を続ける田島の分身が、
大人しくなっていくのをじっと感じていた。
133タジチヨ:2007/07/26(木) 21:13:06 ID:C5ahhWcy
胸の上で、はぁはぁと息をつく田島の頭を撫でる。
汗で濡れた体の重みまで愛しく思う。
窓の外は、いつの間にか暗くなっていた。

「結局またこんなことしちゃって…。テスト勉強って言ったのに。」
「え?」
顔を上げた田島の頬っぺたを、ぎゅっと引っ張る。
「痛ーい。何すんだよぉ。」
田島は抗議の目を向けた。全く、大人なのか子供なのか。
ため息をつく千代の頬を、今度は田島がムニ、と引っ張った。

「なーなー、いい点取ったら、またご褒美くれる?」
田島は目を輝かせて千代を見た。
キラキラの瞳に、思わず笑いがこみ上げる。

ほんとにもう、この人って…。
「バカ…。」

可愛いんだから!
134タジチヨ:2007/07/26(木) 21:13:50 ID:C5ahhWcy
終わり。
どうしようもないバカップルになってしまった…。
やってた科目は数学あたりで。
135名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 21:20:55 ID:Iq/n7mrG
不覚にもタジチヨに萌えた(´Д`)
何なのこの人!?に盛大に吹いたwwwww
田島が突然真面目になるといいなあニヤニヤ
136名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 21:23:41 ID:c9SubCZE
田島可愛すぎ(*´д`*)
137名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 21:55:27 ID:SaAMQRut
うわああああなんなんだよなんなのこの子たち!!可愛すぎるよ!!!
田島ええ男やー。原作でも付き合っちゃえばいいんだ!と思うくらい良かった

>>134さん、あんた罪な人だよ…最高でした!GJ!
138タジチヨ:2007/07/26(木) 21:57:54 ID:C5ahhWcy
なんとなし思いついた後日談。


テストが返却された日、田島と千代は、昇降口で花井、水谷、栄口に会った。
腹減ったから、マック行こうぜ!
田島の案で、5人は駅前のマクドナルドへ向かう。
人数は少ないが、久々に部員達と集まって話すのは楽しい。
話はもちろんテストのことに。

「え、田島、赤点ないの?」
「ないよ!それどころか。」
田島がバッグの中から、答案を出す。
「げっ!」
3人は息を飲んだ。
「ナニコレ…。」
「94点、88点て…。あ、これも。」
「お前、いったいどんな手を。」
「篠岡に教えてもらったー!」

3人がいっせいに千代を見る。
「すげーな、篠岡。お前、教師とか向いてんじゃないの?」
「あは、いや…。」
どんな方法を使ったかは、決して言えない…。

「オレさー、篠岡が教えてくれれば、いっくらでもいい点取れそうだよ!
今から期末が楽しみだもんね!
とりあえず今日は、ご褒美にチンコ舐めてもらうんだ!」
言い終わらないうちに、千代が悲鳴をあげて、田島に飛び掛った。

…そりゃ、頑張れるはずだよな〜。
花井達はそれぞれに、心の中で呟いた。


今度こそ終わり。
おつきあいありがとうございました!
139名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 21:59:34 ID:ClS1c9gs
田島、神過ぎる…
GJ!
140名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:00:16 ID:c9SubCZE
オチまでwwwww
>>134
あんたネ申だよ…
141名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:01:53 ID:JZbY+Nuc
さすが我らが田島神wwww
羞恥心なんか屁でもねぇぜwwww
142名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:03:19 ID:oPLC7Pxi
なんだこの可愛いバカップルは すげーニヤニヤしたよGJ!
143名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:04:44 ID:oPLC7Pxi
書いてるうちにオチがwww田島www
144名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:15:03 ID:NqRGLyGL
134さんGJ!
違和感なくタジチヨ楽しめました!!
145名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:19:55 ID:SaAMQRut
>>138
爆笑wwww
146名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:52:55 ID:bZN/Zi5H
>>134氏も田島も神だww
GJです!!!

全裸にしてやるぜ!に吹いたよwww
147名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 23:05:15 ID:qLdt9nvp
>>タジチヨいいよいいよ〜www
田島がめちゃ可愛いw
148名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 23:06:15 ID:Cfvj1mL5
田島がアホすぎるw
GJ!
149名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 00:25:46 ID:jOx3lYWp
GJ!!
イケメンは何お願いしてもおk通るな・・・
150名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 01:35:45 ID:Hx9BORUO
GJ!!
しのーか可愛いよ
田島はアホ可愛いよ
151名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 12:28:33 ID:Csfp+6qD
後日談最高wwwwwww
しのーか、がんばれwwwwwwwwww
152タジチヨ:2007/07/27(金) 20:21:18 ID:rJKNgRW5
うおー、たくさんのレスありがとうございます。
誉められて伸びそうだ!

ところでみなさんは、いったいどういうお話が好きですか?
参考までに、教えていただきたいなーと思いまして。
153名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 21:13:49 ID:LwIWC0fr
>>152
雑食なので、職人さん方が投下して下さるならほのぼのでも鬼畜でも
(仝Д仝)<うまそおっいただきます!!
154名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 21:30:14 ID:gZgl3del
>>152
またラブラブものが読みたいです
155名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 00:08:45 ID:VyhjjUgM
ちなみに聞くけどさ
今までのお話で、一番面白かったのってどれ?
156名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 00:10:03 ID:45ET97F/
>>155
そういうのはスレが荒れる元になるから、やめれ。
157名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 02:26:33 ID:1FvVQxCW
>>152
アニメにルリも出てきたし阿部や田島もいいけれど
そろそろレンレンが読みたい今日この頃
158名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 16:43:28 ID:tCbL6Yt6
モモカンのエロ同人誌、やっと読めたぜ!
159152:2007/07/28(土) 20:45:39 ID:cVZzfUlE
こんばんは。
連投になって申し訳ないですが、ラブラブ持って来ました。
ちなみにレンレンじゃないです。
すんません…。

「2人は2年生で、夏から付き合い始めた」
という自分設定で、カノルリです。
つーか、前スレのカノルリの続きです。
話は繋がってないので、よかったらどぞ。
タジチヨよりちょい甘めにしたつもり。
160カノルリ:2007/07/28(土) 20:47:25 ID:cVZzfUlE
「まだ、痛い…?」
叶の部屋のベッドの上で、裸のルリが小さく首を振る。
「ちょっとだけ…。最初に比べたら、全然痛くないよ。」

初めてセックスしてから2ヶ月。
今日で3回目になるが、依然ルリは体を強張らせていた。
途中まではかなりいい感じだったのに。
叶の愛撫に、花芯はたくさんの蜜を湛えて応えた。
額に浮いた汗や、ピンと張った足先なども、間違いなく快感の証しなのだろうが。
叶に組み敷かれ、いざ挿入となると、どうにもルリが硬く緊張してしまう。

もちろんルリは叶を拒まない。
華奢な体で懸命に痛みに耐え、叶を受け入れる。
叶は気持ち良さの中にも、どうしてもルリを可哀想に思う気持ちと、
身勝手な自分への怒りが湧いてしまう。

「ごめんな。」
頬にキスをすると、ルリが微笑む。
「叶は?気持ちいい?」
「メチャクチャ気持ちいいよ。こんなにお前が痛がってんのに、
それでもやりたくなっちゃうくらい…。ほんと、鬼でごめん。」

「大好き。」
そう言って、ルリは叶の前髪をかきあげる。
「ね、叶の好きなように動いて。私は叶の気持ちいい顔が見たい。」
ゆっくりと動きを再開すると、ルリの表情が一瞬歪む。
やっぱ、痛いんじゃん。オレも、お前の気持ちいい顔が見たいよ。
切なくて、気持ちよくて。複雑な感情を抱えたまま、叶は目を閉じて果てた。
161カノルリ:2007/07/28(土) 20:48:11 ID:cVZzfUlE
「え、まじすか。」

「そうなの。ルリ熱出ちゃってね。今日はお休みなの。」
朝、玄関を出たところで、ちょうど新聞を取りに来たルリの母に会った。
ルリが昨日から熱を出しているという。
「風邪…とか?」
「うーん。風邪って感じじゃないみたいだけど。」

具合わりぃんだ…。
2階のルリの部屋を見上げる。様子が気になる…、が。
「ほら、修ちゃん、遅刻するよ。行っといで!」
「あ、行ってきます!」
ルリの母に送り出されて、叶は駆け出した。

『お前、熱出して休んだんだって?大丈夫かよ?』
学校からメールをする。返事が来たのは昼休みだった。

『大丈夫だよ。寝てれば治る。』
『練習終わったら寄るよ。なんか買ってってやろうか?』
『わーい。アイスが欲しい。』

なんとなく元気そうな内容にホッとしたが、早く会いたくて仕方ない。
練習が終わると、大急ぎでシャワーを浴び、走り出す。
コンビニでアイスを買って、ルリの家に着いたのは9時半だった。
162カノルリ:2007/07/28(土) 20:49:03 ID:cVZzfUlE
ルリの母に通され部屋に入ると、ベッドにちょこんと座ったルリがいる。
起きてられるくらいなのか。安心して息をつく。
「ほいお見舞い。どうしたんだよ、大丈夫か?」
「なんだろ。熱出ただけなの。」

ふと、ルリの髪が濡れてることに気づく。
汗…にしちゃ濡れすぎだ。
「お前、風呂入ったろ?寝てなきゃダメじゃんか。」
叶がルリを睨む。
「だってぇ。汗かいて気持ち悪かったんだもん。…叶、来るってゆーしさ。」

叶はドレッサーに置いてあるドライヤーを持って来て、ベッドに腰掛ける。
「ほら、こっち来い。」
そう言うと、ルリを膝の中に抱くように座らせ、髪に温かい風を当てる。
「ふふ。気持ちいーい。美容院みたい。」
ルリは笑う。
のんきなやつ。でも元気そうで良かった。

細くてふわふわの髪はあっという間に乾いた。
ブラシでとかしてやると、部屋の照明が反射して、艶やかな光の輪が映る。
叶がルリの頭にチュッとキスをすると、ルリが驚いて振り向く。
目は熱のせいか潤んでいて、なんだかへんに色っぽい。
後ろから抱きすくめて、唇を奪う。
抱きしめた体も、重なった唇も、いつもより熱かった。
163カノルリ:2007/07/28(土) 20:50:12 ID:cVZzfUlE
「んん…。」
舌を入れると、小さく開いたルリの唇から、甘い声が漏れる。
その声は、叶の下半身を刺激した。
「あ…。」
ルリが目を見開く。
やべ…。勃っちゃった…。
ルリの小さくて丸い尻に、大きくなったペニスが押し付けられた。

「ごめん…。」
叶が気まずそうに下を向く。
「お前、熱あってたいへんなのに、オレやらしいことばっか…。
まじでヤんなる…。ごめん。」
ルリの大きな目にじっと見られてることに気づき、叶は目を伏せた。

「叶は…。」
ルリの声に叶が目線を戻すと、相変わらず大きな目が見つめている。

「叶は私が好きだから、こうなるんだよね?
好きだから、私を欲しいって思ってくれてるんでしょう?
私も叶が好き。
だから、私を求めてくれるのは、嬉しいし、私だって叶と抱き合いたい、よ。」
熱で赤い頬を、さらに赤く染め、ルリは呟く。
叶はルリを思い切り抱きしめた。
164カノルリ:2007/07/28(土) 20:50:55 ID:cVZzfUlE
後ろからパジャマの裾に手を入れて胸に触れる。
どこもかしこも熱い。
「お前、けっこう熱ありそうだよ。やめる?」
叶は優しく肌を撫でながら言う。

ちょっとずるい言い方だな、と思う。
ルリが拒まないのをわかった上で、相手思いやったふりをしてる。
オレって、ヤナヤツだな…。少しだけ、自己嫌悪に陥る。
服から手を抜こうとした時、ルリが小さく呟いた。

「やめちゃ、や…。」
ルリは振り返り、肩越しに叶を見つめた。
叶は目を見開いてルリを見返す。

いつものルリなら言わないだろう言葉は、熱に浮かされたためかもしれない。
それでも、その甘い響きは、叶の心と体を強く揺さぶった。
「じゃ、やめない。途中でヤダって言っても、絶対やめてやんないから。」
「言わないもん。」
ルリは目を閉じた。
165カノルリ:2007/07/28(土) 20:54:16 ID:cVZzfUlE
乳首を摘み、指で擦りながら、耳に唇を押し当て囁く。
「気持ちいい…?」
叶の腕に添えられた、ルリの指に力が入る。
「なぁ、言えよ。」
重ねて言うと、聞き取れないくらいの声で答える。
「きもちぃ…。」

右手をそっと下ろし、下着の中に手を入れる。
「濡れてる。」
「もう、そういうこと言わないでって…。」
割れ目を撫でると、トロトロの粘液が溢れ出した。
「うっわ、すげ…。」
指を動かすと、布越しにもはっきりとわかるほど水音がする。

「やらしーなぁ…。」
濡れた指が小さな突起に触れると、ルリの体がピクッと跳ねる。
押しつぶすように撫でると、カタく膨らんできた。
「…あっ。」
今まで抑えていた声が漏れる。
「コレ、気持ちいいんだ?」
「う、ん…。」
素直に答えるルリが、可愛くて仕方ない。

クリトリスを執拗に擦り続けると、ルリの体がぶるぶると震え出した。
ぎゅっと閉じた太腿が汗で湿ってくる。
「や、なん、か…。」
ルリの全身に力が入り、叶の腕を掴んだ指が食い込む。
「イキそう…?」
ルリは首を横に振る。
「わかんない…。あ、わかんな、いっ。」
叶の腕の中で、ルリの体がビクビクと痙攣する。
熱い体はより熱くなり、ルリはくたっと力を失った。
166カノルリ:2007/07/28(土) 20:57:25 ID:cVZzfUlE
横たえたルリのパジャマのズボンと下着を一緒に脱がす。
秘裂を探ると、ぱっくりと口を開け、叶の指を簡単に飲み込んでいく。
「はぁ…っ。」
ルリが身をよじる。
視界に飛び込むダイレクトな刺激に、張り詰めた股間が痛くなった。
叶は服を脱ごうとしてはたと気づく。
あ、コンドームがない…。
 
どうしようかと考えていると、半裸のルリが起き上がる。
「どうしたの…?」
はだけたパジャマのシャツから、小さな胸の膨らみが覗く。
下は裸で、今まで散々弄ったところから、透明の雫が垂れている。
扇情的な眺めだった。

「ごめん、今ゴムがない。」
おあずけかぁ。叶はふっと小さく息を吐く。
「ないと、ダメ?」
「いや、ダメって…、ダメだろ?」
予想外の返事に、叶は驚いてルリを見た。
「でも、私、叶としたい…。
私はいつも叶となら、赤ちゃんできてもいいと思ってしてるけど…、叶はいや?」
「え。」

普段ならこんなこと言うわけない。これも熱のせいなんだろうか。
ルリの気持ちの強さに少しだけ怖さを感じる。
でもそれ以上に嬉しくてたまらなかった。
「いやなわけないだろ?オレだってそうだよ。」
叶はルリを強く抱きしめてキスをした。
167カノルリ:2007/07/28(土) 21:01:31 ID:cVZzfUlE
ゆっくりと挿入すると、いつもと全く違った感触に包まれる。
「うわ、やべ、メチャクチャ気持ちいい…。」
「ほんと?うれし…。」
気を抜くと、一瞬でイッてしまいそうなほどの気持ちよさ。
色々とどうでもいいことを考えて、気を紛らわすが、効果なんてあるわけない。
ルリの小さな喘ぎが、耳をくすぐる。

「修悟ぉ…。」
不意打ちで呼ばれた名前に、意識は一気にルリに集中する。
熱のためか、やたらと熱いルリの膣内。
やわやわと優しく締め付けてくるそれに、射精感はぐっと高まった。
「ルリ、ごめん。オレ、早くもイキそう…。」
叶の顔を伝った汗が、ルリの胸に落ちる。
「ヤダぁ…。まだ、イッちゃ、ダメ…。」

「えっ…。」
ルリは泣きそうな顔で叶を見る。
「まだ、イッちゃ、や…。もっとして…。」
初めての言葉に、叶は背筋がゾクゾクと痺れた。
激しく腰を打ち付けると、ルリの唇から蕩けそうな甘い声が漏れる。
「修、悟。あっ…。きもち、ぃ…。」
「オレ、も、気持ちいいよ…。」

耳に響くルリの声が徐々に大きくなっていく。
もっと聞いていたいが、いくら大きいこの家でもこれじゃ誰かに聞こえてしまう。
深くキスをすると、ルリから舌を絡めてきた。
腰を突き上げると、くぐもった喘ぎが漏れる。

「も、限界。イクよ。」
叶は乱れた息で、ルリの耳元に囁いた。

「…中に。」
ルリは上気した顔で言う。
「中に、出して…。」
「ルリ…。」

蕩けそうな快感に、叶は目を瞑る。
「あっ…。」
「う、イク…。」
一番奥まで突き上げて、そのまま思い切り放出する。
熱い精液が、ルリの子宮口を激しく叩いた。
168カノルリ:2007/07/28(土) 21:05:18 ID:cVZzfUlE
「あ、生理きた。」
拭ったティッシュに精液と血が滲む。
「なんだ、だから熱出たのかな。残念、これじゃ赤ちゃん出来ないね。」

ちょっとだけ安心して、叶の肩の力が抜けたのを、ルリは見逃さなかった。
「あ、ホッとしてるぅ。」
ルリが叶の顔を覗き込んで笑う。
「そんなことねーよ。」

まぁ、ホッとしたのはほんとかも知れないけど、でも。
子供なんか出来てなくたって、オレはお前とずっと一緒にいたいよ。
そう言おうとして振り向くと、ナプキンをカサカサと取り出すルリと目が合う。
「あっち向いててよぅ。」
叶は怒られて、慌ててくるりと背を向けた。

疲れたのか、薬が効いて来たのか。
着替えを終えてベッドに横になると、ルリはすぐに寝息をたて始めた。
熱が上がってしまっただろうか?
叶は汗で額に張り付いたルリの前髪を拭う。

子供みてぇ。叶は笑った。
ふと見ると、ガラスのテーブルの上には、来た時のままのコンビニのビニール袋がある。
夢中になっている間に、アイスは溶けてしまった。

あーあ…。
叶は苦笑いをすると、ルリの額にキスをして、立ち上がる。
もう1回、コンビニ行って来っかな。

眠るルリの顔を見つめたあと、叶は静かにドアを閉めた。
169カノルリ:2007/07/28(土) 21:06:09 ID:cVZzfUlE
オワリ。
優しい叶たんは、寝てるルリの為に、またアイスを買いに行くのです。
セックスの時だけ甘い2人でした。
170名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 21:08:23 ID:+56q4DLr
>>169 萌えた〜!!GJGJ!
ラブラブっぷりがイイ!
171名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 21:09:37 ID:FEvAzLx7
>>169
GJ!!!
ふたりのあまりの可愛さに脱力した
172名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 21:28:06 ID:JHIZj/S2
あめええええええええええええええええええ
やべ〜〜〜〜〜〜萌えた
かのたん優しいよかのたん
ルリかわいいよルリ

この二人は本誌でからんでくれないのか。
幼馴染で家が向い隣なんて王道すぎじゃないか。
173名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 21:56:02 ID:gYypZgUR
あまあまGJ!
174名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 22:27:26 ID:Aeko8gvY
カノルリGJ!甘可愛いなぁw
・・・でも、10代とかだと生理中でも子供できる可能性があるとか何処かで聞いた事あるなぁ・・・
175名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 22:34:00 ID:XlLviQqc
10代に限らず、生理中でも妊娠の可能性はある。
「安全日」なんて存在しないんだよ。
女の体は環境にも感情にも過剰に反応する。
薬剤でコントロールしない限り、排卵はいつ起こるかわからないんだよ。
176名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 22:41:16 ID:hLXXyAtr
セーフセックスは基本のキホンですよ
つーか税金使ってでも近藤さんを無料配布にするべき
177カノルリ:2007/07/28(土) 22:44:21 ID:cVZzfUlE
レスありがとうございます。

>>174 >>175 >>176
ごめん、そこは深く突っ込まないで…。
ただ流れで中出しさせたかっただけだから。
でも高校生だし、という葛藤の結果、この辺ならまぁ…と。
こう言っちゃうと、身もフタもないですが。
いい加減な作りで申し訳ない…。
178名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 23:07:46 ID:WdsCxylQ
>>177
GJです!!!
あまあまラブラブに萌えました(*´Д`)
179名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 23:11:22 ID:JHIZj/S2
ちょ、エロパロスレで中田氏だのなんだのって考える方がアホらしいぞ。
それ言ったら初めてで濡れるとか感じるとかありえんし。
そこら辺は暗黙の了解だよ。

勿論現実はきちんとだけど。
180名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 23:14:09 ID:sgR3JMPu
まあリアルだと生ダメ!絶対!ってとこだがフィクションだしな。
妄想の中じゃ生中だろうと生アナルだろうとバッチコーイだぜw
181名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 00:14:22 ID:ie/JyTn2
爆弾投下します。
>>67-89 の続編ですが、前フリからして異様に長い。
被弾にご注意ください。

カプなし エロパートは一応ハナチヨ
182秋のころ 前フリ:2007/07/29(日) 00:15:23 ID:ie/JyTn2

夏大終わった後は、3年生の練習参加は自由だった。
実質的には引退だったが、先日まで野球漬けでずっと突っ走ってきていて
急に勉強にやる気のベクトルが向く訳もなく。
練習のメインは2年1年に変わっていたが、
3年はほぼ全員練習に参加していた。

新チームのエースとなるべき2年生が、投球練習しているのを
少し離れた所でモモカンと花井が眺めていた。

「やっぱりコントロールは三橋くんに負けるわね。」
「それは、仕方ないんでは。三橋と比べたらカワイソウっすよ。」

「ねえ、花井くん。」
「ハイ?」
「引退したら、千代ちゃんと付き合うの?」
「いぃ!?え!?・・・なっ!?」
突然のモモカンの爆弾に、全くの不意をつかれ花井は
取り乱し、うろたえた。
「予約、されてるんでしょ?」
「はあ!?な、っなんでそれ知って・・!?ええ!?」

一年の冬、篠岡に告白されたが、お互い部活に集中ようという結論になり、
「引退まで恋愛は無し」のため「花井を予約」した篠岡との密約を、
一体、なぜ、どうやって、モモカンは知ったのだろう。
それは、花井と、篠岡と、多分阿部、の3人しか知らないはずだ。
同時に、その時にされた篠岡の腰砕けになるキスを思い出し、
花井の顔は紅く変化した。

「ってかまあ、千代ちゃんに聞いたんだけどね。」
モモカンは花井を見上げ、ニヤっとする。
「うううう・・しのおかのやつ・・・・。」
よりによって、モモカンにばらすなんて。
「あらっ!私が無理やり聞きだしたんだから、
千代ちゃんを責めちゃダメよ?」

アレから一年半。篠岡がまだ自分を好きでいるのか・・・。
確認はしていない。
183秋のころ 前フリ:2007/07/29(日) 00:16:32 ID:ie/JyTn2

「千代ちゃんのこと、好きなの?」
「可愛いと思ってます・・ケド。」
「なーにー?煮え切らない態度だね〜。花井くん、野球やりすぎて
思春期どっかに忘れたの?それとも今から思春期なの?」
「なっ!?は、はあ!?」
かなりひどいモモカンのからかいに、花井は怒ればいいのか
悲しめばいいのか、わからなかった。
「千代ちゃんの告白を待ってたら、ダメだよ?
あんまり、オンナに恥かかせるんじゃないよ?」
モモカンのまっすぐな目線に花井はたじろぎ、思わず目をそらす。
モモカンはひとつちいさなため息をついた。

「花井主将の下では部内恋愛禁止でやってたけど、
私は正直どっちでもよかったんだけどね〜。
新主将にはその方針引き継がないようにさせようかな。」
「は、はあ。」
モモカンの真意がわからず、花井は中途半端に相槌をうつ。
「皆が青春逃しちゃったら、カワイソウだしね。
花井くんみたいに、18歳になっても、オンナの心一つわからないんじゃ
お先真っ暗でしょ。」
「な!?ちょっとカントク!それってあまりにも・・・言いすぎですよ・・・。」

反論しようと声を荒げるが、言い終わらないうちに尻すぼみになる。
確かに自分は篠岡の気持ちにも気づかず、高校入っても誰とも付き合ったこともなく。
お世辞にもオンナの扱いに長けてるとはいえない。
「ははは、ゴメンゴメン。とにかく、千代ちゃんきっと待ってるよ?
しっかり決めなさいよ!キャプテン!」
花井が篠岡と付き合うことは、モモカンによって決められたようだ。
去っていくモモカンの背中を眺めながら、
篠岡と付き合うのは、きっと正しいことで、自分が動かなければいけないのだと
花井は決心した。
184秋のころ 前フリ:2007/07/29(日) 00:17:32 ID:ie/JyTn2

篠岡も練習に顔を出していて、
部室で後輩のマネジのために、データ整理と
引継ぎノートをまとめていた。

ふいに部室のドアが開いて、反射的にそちらに顔を向けると、
そこには花井がいた。

「よ、よう、篠岡。」
「花井くん。もう帰るの?着替えるんだったら私ちょっと出てるよ。」
慌てて机を片付けて、部室を空けるために立ち上がると
花井はそんな篠岡を制す。
「いや、いいんだ。篠岡、その・・話が、あるんだ。」
「話?何?」
再び椅子に座る篠岡の机越しに椅子を引っ張り、目の前に座る。

「あ、あのなあ・・篠岡。」

花井の顔はなんだか赤く、視線が泳いでいる。
そういえば、久しぶりに花井と二人きりでいることに気づき、
篠岡も顔を赤らめる。

「部活も・・・もう、引退だし・・その・・・おれと
付き合ってくれないか?」

一年半前の冬の夜。
今と同じ部室で。
花井を好きだと泣いた篠岡。
好きでいることを許した花井。

二人の間の時間が、あの時まで戻ったように。
篠岡の、封印していた感情が涙とともに一気にあふれ出す。
「いぃ!?ちょ・・篠岡・・泣くなよ。」
両手で顔を覆い、泣き出してしまった篠岡を前に
花井は途方にくれる。
「うれしい・・・ありがとう。花井くん。」
好きでいることを、やめなくてよかった。
この1年半、好きな気持ちを無理やり胸の奥に眠らせて
ただ、マネジの仕事に専念してきた。
もう、起こして・・・いいんだ。

「いや・・・その・・・。こっちこそありがとう。
ずっとマネジ続けてくれて。ホント助かったよ。
待たせて・・・悪かったな。」

その時の篠岡にもう少し冷静さがあれば、
花井の言葉の違和感に、もしかしたら気がついたかもしれない。
しかし、あふれ出た気持ちに手一杯で、
そこまで意識は回らなかった。

花井は、篠岡を、好きだとは言わなかったことに・・・・・。
185秋のころ 前フリ:2007/07/29(日) 00:18:54 ID:ie/JyTn2

夏休み最後に行われた3年生を送る会の後、
3年生だけが集まったところで、花井は報告をした。

「あ〜。そのだな。皆に言っときたいことがある。」
「なんだ?花井改まって。」
「皆ありがとう!良くついて来てくれた!とでも言う気か〜?」
「うわっ!さむ!」
「うへぇ〜・・。それ勘弁して欲しいぜ。」
「茶化すな!お前ら!〜ったく・・・・。」

花井の顔はすでに赤く、一つ大きく息を吸い、吐いた。
その隣にごく自然に、篠岡が立っていて。

「おれと篠岡、付き合うことになったから。」

水を打ったような静寂がしばし場を包んだ後、みなの一斉に声を上げた。

「「「「「「はあああああ!?」」」」」」

「い、いつの間に!?」
「なんだ?花井。解禁したとたん行動は早いな。」
「ええ?篠岡花井の事好きだったの?」
「それとも花井が篠岡好きだったのか!?」
「油断ならねえ奴だな〜。」
皆、口々に言いたいことを言い合ってる中、
突如、田島が大声を出した。

「何でだよ!!」

皆、しんとして田島を見つめる。
「ダメだ!篠岡!花井はダメだ!!」
子供が駄々をこねるように、田島は篠岡に向かってわめきだした。
「花井はだめだ!篠岡!また、泣いちゃうぞ!?」
篠岡は困った顔をして、田島を見ていた。
「おいおい、田島、落ち着けよ。」
「これからの二人に水を差すなよ。」
沖と泉が田島を抑えにかかる。
186秋のころ 前フリ:2007/07/29(日) 00:20:12 ID:ie/JyTn2

その時、栄口はそっと、阿部の様子を伺っていた。
相変わらず、篠岡を見る目には感情が篭っていなくて。
栄口は阿部はまだ篠岡を好きなことを確信した。
阿部は、篠岡を見るときだけ、何の表情も浮かんでいないことに
きっと本人も気づいていないのだろう。
他の連中や、他の女を見るときには何かしらの感情があるのに。
篠岡を見るときだけ、一切の感情を消す。
それに気付いているのは恐らく栄口だけだろうが。
栄口は阿部のそっと後ろに回された手をふと見た。
すこし、震えていた。
栄口は心の底から阿部に同情した。
一年の冬に起きたことを、当事者以外で知っているのは栄口一人だけ。
栄口の心情としては、篠岡には阿部を選んでもらいたかったようだ。

「篠岡!花井ならオレにしておけって!」
田島の発言に、花井は心底びっくりした。
田島も篠岡を好きだったとは。
もしかして、他の連中も篠岡を狙っていたのだろうか。

その中から、なんで篠岡は、オレがいいんだろうか・・・?

おもむろに田島に歩み寄り、一発ゲンコツを落とす。
「こらっ!失礼だな田島!!篠岡を泣かせたりしねえよ。」
田島は沖と泉に押さえられていたが、ギロリと花井を睨む。
「いや、お前は篠岡を泣かすよ。お前はダメだ。」
その冷たい双眸と口調に花井は怯み、言葉を失う。

「その辺にしておけ、田島。」
阿部が二人の前にでてきて、田島を諌める。
一つため息をつくと花井と篠岡を見やった。
「花井、篠岡、取り合えず田島は抑えておくから先帰れよ。
二人で、帰りたいだろ?」

「おお、悪いな。阿部。」
「う、うん。じゃあ、みんな、本当、お疲れ様でした。」

「お疲れ〜。」
「お幸せに〜。」
「お、お幸せ、に。」

好き好きに言葉をかけ、去っていく二人を見送る。
花井の高い身長と、篠岡の低い背。
「おいおい、なんかお似合いだな〜。」
水谷がのほほんと感想を漏らした。
黙りこくっていた田島に阿部は一瞥をくれる。
「くやしいなら、篠岡を奪えばいいんじゃないか?田島。」
田島はきょとんと、阿部を見上げる。
阿部の発言にびびったのは周りのほうだった。
「ちょっちょっと阿部!なに煽ってんだ。」
「幸せな二人に刺客送るようなことやめろよ。」
水谷と巣山が慌てて阿部に注意する。

「うん。奪う。」

しかし、田島のスイッチは入ってしまったようだ。
187秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:21:36 ID:ie/JyTn2

花井と篠岡が付き合い始めてから
よく校内で二人でいるのを見かけるようになっていた。
お昼は二人で食べて。
放課後は二人で図書室で勉強して。
二人で帰る。
野球部の元キャプテンと、元マネージャーという組み合わせに
周りは好感をもって見守っているようだった。
田島が二人でいる所、必ず邪魔しに行っているのも
小さな子供がやきもちを妬いているようで、
可愛い行動だと受け止められていた。

二人で帰る帰り道、別れる手前の公園で
花井は周りを確認してから
大きな体を屈めて篠岡にキスをする。
自分の真上から降ってくるようなその唇を
篠岡は精一杯背伸びして受け止める。
触れて、軽くついばんで、離れる。

「じゃ、また明日な。」
「うん。また明日ね。」

花井と別れた後、一人自転車をこぎながら、
篠岡は軽くため息をついた。

付き合い始めてから、花井はずっと篠岡の傍にいてくれる。
昼も、放課後も、土日はずっと図書館で。
お互い受験生だから、勉強するのは当たり前のことだけど。
でも、どこか。
未だに二人の間はキャプテンとマネージャーのようで。
色めいたことは、帰り、別れ際にくれるキスのみ。
それだけが、二人は恋人同士なのだという確認で。
いつも二人でいるとやってくる田島は
「早く、花井と別れて、オレと付き合おうぜ。」
といつも言うが、花井は軽くゲンコツをくらわすだけで。
188秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:22:43 ID:ie/JyTn2

信号でとまったときに、ケイタイを確認する。
新着メールは0件。
阿部にメールを送っても、何も返してくれなくなった。
一年の時に、世話になって以来、ずっとメールの
やり取りをしてきたのに、花井と付き合うときになった時の
『おめでとう。よかったな。』と阿部らしいメールを最後に、
何一つ返ってこなくなった。

そういえば、もしかして阿部くんは私を好きなのかもしれないと
思ったことがあったっけ・・・。
一年の冬。どうしようもなく辛くなった時に、立ち直るきっかけを
くれたのは阿部だ。その優しさを少し勘違いしたが、
それからも何もなく、ただ、親切にしてくれただけだと思っていた。


ある日の放課後、図書室の席が見つからず、
近くのファストフードにでも行こうかと、花井と二人で校門に向かっていたら
モモカンに出会った。

「あら、千代ちゃん、花井くん。久しぶりだね。」
「ち、ちわっす!」
「こ、こんにちは。」

「ふ〜ん。」
モモカンは花井と篠岡をじろじろと交互に眺めたあと、ニコっと笑った。
「青春だね。いいね!」
良く意味はわからなかったが、取り合えずからかわれた事だけはわかって、
二人で顔を赤くする。
「二人でどっかいくの?」
「は、はい。勉強しにですけど。」
おずおずと篠岡が答えた。
「そうだね〜!受験生だもんね。がんばって!」
にっこり篠岡に笑いかけると、モモカンは花井に真面目な顔を向ける。
「千代ちゃん傷つけたら、許さないからね?」
「わ、わかってますよ!まったく、俺って信用ねえな〜・・・。」
「じゃ、またね。千代ちゃん。」
「は、はい。さようなら。」
去っていくモモカンを何の気なしに二人で見送って。
ふと、篠岡は花井に目線を向けて、どきっとした。
花井はモモカンの後姿を、ずっと目で追っていて。
その目に、どこか違和感を覚えた。
妙な胸騒ぎが起きるのを感じ、
違和感の正体を必死に探ろうとした。
189秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:23:46 ID:ie/JyTn2

毎日、判を押したような行動。
一緒にお昼を食べて、勉強して、帰り道でキスして。
田島の乱入を軽くかわして。
二人の距離は、いつも同じで。
目が合えば、にっこり微笑んで。
でもその目に、色めいたものはなくて。
田島が自分を見る目のほうが、強い意志を感じてドキッとする。
花井が自分を見る目はどこか・・・違う・・?
花井がカントクを見送る目は、どこか田島が自分を見る目のようで・・・。

「は、花井くん!」
自分が今考えたことを振り切るように花井を呼んだ。
「おお?どうした?急に大声出して。」
「あ、あのね?今日、花井くんの家で勉強しない?
あ、あたしあんまりお金・・持ってなくて。
そ、それに、花井くんの部屋、見てみたいし。」

この不安は、二人の仲がなにも進展していないからだ。
篠岡はそう思った。


「お、おい、篠岡!?」
花井の部屋に入るなり、花井の背中にぎゅっと抱きつく。
それにびっくりして振り返ろうとした花井が
脚をもつれさせてバランスを崩し、ベットに倒れこんだ。
それを追いかけるように、篠岡もベットに倒れこむ。

ベットに仰向けになってる花井に
覆いかぶさる篠岡。
状況にびっくりして高潮した花井が、
慌てて篠岡を押しのけようとするが
篠岡はそれを許さず、無理やり自分の唇を花井の唇に被せた。
硬直して、動かなくなる花井。
それをいいことに、自ら舌を差し入れ、花井の口内に侵入する。
翻弄され、篠岡に言いようにされる花井の理性は飛びかけたが、
ぎりぎり引き止め、篠岡を引き剥がした。
「ちょ、ちょっと・・まてっ・・・しのおか・・・?」
肩で息をしながら、高潮した顔で篠岡を見ると、
篠岡は泣きそうな顔で、花井を見ていた。
「私達・・・付き合ってるよね・・?」
なぜ、篠岡が、そんな泣きそうな目で自分を見ているのわからず。
なぜ、そんな質問をしてくるのか、わからず。
「急に、ど・・どうした?篠岡?」
困ったように篠岡を見る花井の目は、やはり色めいたものは浮かんでいなくて。

そして、不意に、篠岡は気付いた。

花井に、好きだと言われたことは、一度もないことに。
190秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:24:49 ID:ie/JyTn2

篠岡の胸に絶望が広がる。
花井は、自分を好きではないのかもしれない。

「花井くん・・・私のこと、好き?」
「ええ!?し、しのおか?急に、一体どうしたんだ?」

質問に、すぐに答えようとしない、花井に。
指先がすうっと冷え、体中の力が抜けていく。
花井は、自分のことを、好きではないかもしれない。
泣き叫んで自分を好きだといわせたい気持ちに駆られたが、
ぐっと我慢して、動かない手足を必死で動かし、ベットから降りる。
「私、帰るね!」
「お、おい、篠岡!?」
部屋を出て行こうとする篠岡を、追いかけようとしたが、
手が滑って頭から床に落ちた。
うずくまってる間に、
玄関から篠岡が出て行く気配がして、追いかけることをあきらめた。
191秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:25:47 ID:ie/JyTn2

花井の家を飛び出して、闇雲に自転車を漕いでいた篠岡は
気がつくといつも花井とキスをする公園にきていた。
自転車を止め、ベンチに座り、先ほどの出来事を思い返す。
「あれ〜。篠岡じゃん。どうしたの?」
聞きなれた声に振り向くと、栄口が公園に入ってくるところだった。
「今日は?花井と一緒じゃないの?」
「栄口くん。あ、いや、さっきまで一緒だったんだけど・・・。」
曇った表情の篠岡に、栄口は何かを感じ取る。
「あれ・・?ひょっとして・・ケンカでもしちゃったの?めずらしいね。」
「え?い、いや、ケンカしたわけじゃないけど・・・。どうなんだろう。
急に出てきちゃったから、もしかしたら怒ってるかもしれないけど。」
「花井が篠岡に怒るわけないよ。大丈夫。」
「そ、そうかな・・・・・。」
「どうしたの?何か、暗いよ?あ、何か飲む?オレ、買ってくるよ。」
「ええ?い、いいよ。栄口くん。」
篠岡の返事を聞かずに、栄口は近くの自販機まで走っていった。
適当に選んで、ボタンを押しながら、
篠岡から見えなく角度でこっそりケータイを取り出し、
すばやくメールを打ち、送信する。
その後、篠岡のベンチまで戻る。
「お茶でよかった?」
「う、うん。何でも。ありがとう。」
「篠岡はさ。大学、どこ受けんの〜?」
「え、いや、まだはっきりとは決まってないけど。
センター試験は受けようと思ってる。栄口くんは?」
「まだ、そんなすぐには決まんないよね。オレも決まってないよ。
毎日勉強する習慣なかったから、毎日取り合えず机向かってるカンジ。」
「ずっと、部活してたもんね。」
栄口と話していると、先ほどまでの暗い気持ちが、ウソのように穏やかになっていく。
もらったお茶の封を開け、取り合えず一口飲むと、
気持ちのよい冷たさが、喉を過ぎていった。
「花井と・・うまくいってないの?」
突然の質問に、篠岡はぐっと息が詰まる。
目線をさまよわせ、慌てて言い返す。
「う、うまくいってるよ。ホント。毎日会ってるし・・・一緒に勉強してる。」
花井は自分を好きではないかもしれないことは、
誰にも悟られたくなかった。
平静を保とうとするが、目じりに涙が浮かんでくる。
それをきずかれたくなく、目線は下に向け、顔を隠した。
「ふーん・・・・・。」
栄口が、自分をじっと見ているのを感じた。
今顔を上げると、涙がにじんでいるのが、ばれるだろう。
顔は上げれない。
ふと、栄口がベンチから立ち上がり、歩いていく気配がしたが、
ペットボトルを捨てに行ったのだと思い、顔は上げなかった。
やがて戻ってくる足音がして、どっかりベンチに腰かける。
その雑な座り方に、なにか栄口らしくない気がしたが、
やはり、顔を上げる気にはならなかった。

「篠岡、一体何があったんだ?」

その声は、栄口のものではなく。
思わず顔を上げると、隣に座っていたのは阿部だった。
192秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:26:54 ID:ie/JyTn2

「あ、阿部くん・・・・どうして?」

阿部は小さくチッと舌打ちをして、
「栄口に呼び出された。」
そう、答えた。
周りを見ると栄口の姿はもうどこにもなく、
阿部を呼びつけて、さっさと帰ったようだ。
栄口が、なぜ阿部を呼んだのかは、篠岡にはわからなかったが。

「何で、泣いてるんだ?花井に振られたのか?」
阿部の直球に、篠岡はカッとして反論する。
「な、泣いてないよ!振られてないよ!」
阿部は深くため息をついた。
「ま、いーけど。だったら、こんな所で一人でいんなよ。
花井のとこ、行けば?」
投げやりな阿部の発言に、なぜか胸がチクンと痛む。
「あ、ねえ、阿部くん。最近、なんでメール返してくれないの?」
ずっと疑問に思ってたことを聞いてみる。
阿部はあきれたように篠岡を見て、またため息をついた。
「お前なあ。フツー彼氏以外のオトコと頻繁にメールのやり取りなんて
しないだろうが。篠岡、もうオレに用事以外のメール打ってくるなよ。
ま、返事も返してないんだし、フツー気づくと思うけどな。」
「そ、そうか・・・そうだよね。」
当たり前といえば当たり前の阿部の言葉に、また、胸が痛む。

そのまま、沈黙が二人の間に流れる。
「・・・篠岡。」
背もたれによっかかっていた体を起こし、
阿部は篠岡の目をまっすぐ見つめる。
その目には、何の感情も浮かんでいないが、どこか強さを感じ、
篠岡は少しうろたえた。
「花井の、目を、ちゃんと見ろよ?」
「え?ど、どういうこと?」
「そんだけ。暗くなる前に帰れ。途中まで送ってってやるから。」
そう言い捨てて阿部は立ち上がり、篠岡を促す。
その後は、篠岡が意味を聞こうとしても、すべてはぐらかされて終わった。
193秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:27:51 ID:ie/JyTn2

篠岡が急に出て行った部屋では、花井が一人、途方にくれていた。
篠岡の急な激しいキスと、急な質問に、
全くどうすればいいのかわからなかった。
自分の口の中で、暴れたいだけ暴れた篠岡の行動に
そういえば一年の時も言い様にやられたんだよな・・・と思い返した。
なかなか進展しようとしない、自分の付き合い方に業を煮やしたのだろうか。
篠岡はずっと、待っていたのだろうか。
自分が、次の行動を起こすことを。

モモカンに篠岡との事を報告したときのこと思い返す。

「ふ〜ん。ばっちり決めたんだね。花井くん。やるじゃない。」
「い、いや。そりゃ、自分もオトコ・・・ですから。」
「一つ心配なんだけどね、花井くん。あなた千代ちゃんのことちゃんと好きなの?」
「えええ?それを聞くんですか!?そ、そりゃ・・好きだと・・・思います。」
「んんん〜。な〜んかこう、違和感があるのよね〜・・・。」
モモカンは花井の前に仁王立ちになり、ジロっと花井を見上げる。
「花井くん。」
「ハッハイ!」
「千代ちゃんを傷つけたら許さないからね。心も、身体もだからね?」
「はっはい!ちゃんと、幸せにします。」

身体を傷つけるなというのは、単純にセックスをしてはいけないのだと
思い込んでいたが、
もしかして、そのことは篠岡の心を傷つけていたのだろうか?
「はあっ・・・よくわかんねえ・・・・。」
のろのろとケータイを取り出し、篠岡にメールを打つ。
『何か、傷つけていたのなら、謝る。ゴメン。』

篠岡のメールの返事は夜遅くに返ってきた。
『私も、急にヘンなこといって、ごめんなさい。』
花井はそのメールを見て、ほっとした。
194秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:29:23 ID:ie/JyTn2

翌日、二人はいつもと同じように二人でお昼を食べていた。
そこへ、いつものように田島が邪魔をしにくる。
「しのーか!もうそろそろ花井に飽きたか?」
「お前なぁ、毎日毎日、ほんと良く飽きないよな。」
うんざりしたように花井がパンを食べながら、田島を非難する。
篠岡も、田島に笑顔を見せる。
「うん、全然飽きてないよ。」
その篠岡の笑顔を見て、田島の顔が硬直した。

「だから、言っただろ。しのーか。」

声のトーンを下げて、低く、冷たく田島が言い放つ。

「花井じゃ、また泣くハメになるって、オレ、言っただろ。」

「おい、田島。いきなり何言い出すんだ。失礼だろ!」
「うるさい。花井。お前じゃダメなんだよ。
お前はしのーか傷つけるって、オレ、最初に言ったじゃねえか。
案の定、傷つけやがって。」
花井は、昨日の出来事を思い出して、ぐっと言葉に詰まる。
何かを言おうとして、何も言えなくなり、篠岡を見る。
篠岡はすっかりうつむいて、二人に顔を見せないようにしていた。
篠岡は田島のカンのよさに、ただびっくりして。
昨日の出来事をまざまざと思い出してしまって。
昨日の違和感と、不安を思い出して、涙をこらえるのが精一杯だった。
「ええ?おい、篠岡?」
「ご、ゴメン、私、ちょっとトイレ行ってくるね。」
顔を上げないまま手早く弁当箱を包み、二人の返事も聞かずに駆け出す。
花井は唖然としたまま篠岡を見送った後、
ふと視線を感じ田島を見ると、田島は底冷えする目で花井を睨みつけていた。
「お前、篠岡のこと、ちゃんと好きなのかよ?」
「なっ!?なんで、田島にそんなこと聞かれなきゃいけねーんだ!?」
「篠岡のこと、ちゃんと好きなら、アイツあんな顔しねえだろ!」
「あんな顔って。そりゃちょっと昨日揉めた・・かもしれないが、
今日は至って普通だっただろう?」
「はああ!?お前の目、腐ってんのか?
泣くの我慢してる顔だったじゃねーか!」
花井は言い返す台詞もなく、ただ、困り果てて田島を見る。
花井には篠岡の表情の差は全くわからない。
「なんで、田島は篠岡の違いがわかるんだよ・・・・。」
「だったら、しおーか。オレにくれよ。お前よりかはしのーか泣かせねえからよ。」
「いやいやいやいや、それはないから。
やるやらないって、それこそ篠岡に悪いだろ!?」
そういって、田島を追い払う。
田島はまだブツブツ言っていたが、かまわず教室に帰ることにした。
どうせ、昼休みも終わりで、篠岡もココには戻ってこないだろうから。

篠岡が、何かを不安に感じているなら、その不安を取り除いてやりたい。
それは、二人の仲を進展させてやれば、いいのだろうか・・・。
花井はそう思い立ったが、モモカンの言葉が知らず花井を縛る。
心と、身体を傷つけたら、許さないから。
花井は大きくため息をついた。
決断は、できなかった。
195秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:30:20 ID:ie/JyTn2

それから程なく、新チームの形がほぼまとまったという事で、
3年生対新チームの紅白戦が行われることになった。
久しぶりにグランドに集まる3年生と篠岡。
ボールの感触や土の匂いは懐かしく、妙にはしゃがせる。
試合は3年生の勝ちで終わったが、
花井は、モモカンと何か話し込んでいて。
篠岡も、花井の気がすむまで付き合うことにした。
なんとなはしに、話し込む花井とモモカンを見つめる。
なんだか花井のテンションが、高いように見える。
モモカンの言動に、いちいちリアクションを起こし、
言い様にからかわれているようだ。
花井がモモカンを見る目に違和感を持ったのはいつのことだろうか。
『花井の、目をよく見ろよ。篠岡。』
いつか、阿部に言われた言葉を思い出し、そっと二人にばれないように
近づいてみることにした。

声が聞こえるか聞こえないかぎりぎりのところまで近づいて
花井の顔をじっと見る。

花井の表情はくるくると変わり、赤くなったり、青くなったり。
キョドったり、抗議したり。
でも、花井の目線はモモカンから外れることは一度もなかった。
花井の態度は、自分と接するときと比べて、明らかに違う。
花井のモモカンを見つめる目は自分を見るときと比べて
あんな目は見たことが・・・・なかった。

目の前が真っ暗になったようになり、思わずへたり込む。
そこに阿部が通りかかった。
「どうした?篠岡。具合悪いのか?」
「う、ううん、平気。」
花井とモモカンを見やると、こちらには気づいていないようだ。
そっとその場を離れると、阿部もついてきた。
二人から大分離れたところで、阿部を振り返る。
「ねえ、阿部くん。この前、花井くんの目を見ろっていったの
・・・・どういう意味?」
軽く眉を上げ、意外そうに篠岡を見る。
「別に?言葉どおりだけど?」
「阿部くん・・・。もしかして、知ってたの・・・?」
篠岡がついさっき気づいた絶望に。
阿部は最初から気付いていたのだろうか?
「何のことか、わからねえけど。オレは何も知らねえよ。」
相変わらず、阿部が篠岡を見つめる目には何の感情もない。
「篠岡。」
絶望が広がる篠岡の顔を見て、阿部はそっと自分の手を篠岡の頭に載せた。
「オレは、もう慰めてやれねえからな。お前は、花井の彼女だ。
自分だけの力で解決するしかないんだ。だから・・・がんばれ。」
篠岡は、阿部はすべてに気付いていることを、確信した。
196秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:31:26 ID:ie/JyTn2

花井は、篠岡を好きではない。
花井は、恐らくモモカンに惚れている。
本人は、それに気づいていない。

でも、花井が自分と付き合っている理由は?
花井が、これから篠岡を好きになる可能性は?
阿部は、それも知っているのだろうか?
問い詰めたいと思ったが、阿部はきっと答えを言わないだろう。
自分で確かめるしかないのだ。

そして、それは、終わりを意味する。

花井くんと・・・別れる?
この3年、ずっと花井を想って来た。
皆を纏めて、ぐいぐい引っ張っていく花井に
頼もしさを感じ、強い憧れを抱いて。
花井を好きになってはいけないのだと決まった時には
花井を見るだけで、胸が締め付けられて。
部活を引退して、花井から告白してくれて。
付き合ってからの花井は、いつも優しかった。
なかなか手を出してこない花井に、多少のもどかしさは
感じていたが、自分を大事にしてくれているのだと
無理やり思い込んでいた。

「花井くん・・・・・。」

そっと、篠岡はつぶやいた。
阿部は、そんな篠岡を無表情で眺めていた。
197秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:32:22 ID:ie/JyTn2

決心はつかないまま、それでも日々は過ぎていく。
ある日の帰り道、ふいに花井は口を開いた。
「今日、オレん家、ちょっと寄らねえ?」
それを意味することに篠岡は気がついたが、
花井が自分を好きになってくれるなら、と
うなずく。

ベットに腰かけて、花井がゆっくり唇を篠岡の唇に押し付ける。
花井の手がゆっくり肩を回り、ぎゅっと抱き寄せる。
花井の広い肩に、すっぽり収まってしまう篠岡の小さい肩。
花井の舌が篠岡の唇を割り開き、深く篠岡を味わう。
遠慮がちに、花井の手が篠岡の胸に置かれ、おずおずと揉む。
ぞくりとする快感が篠岡の背を駆け抜け、思わず声を漏らす。
「あ・・・・。」
花井が困ったような、照れたような、戸惑ったような顔をして、
そっと篠岡にもたれかかる。
それに押されるように、篠岡はベットに仰向けに倒れた。
真っ赤な顔の花井が、そのまま篠岡にのしかかり、再び唇を合わせる。
花井が余りにも困ったような手つきで篠岡のブラウスのボタンを
はずしていくので、篠岡は自らボタンをはずしていく。
全開になって、白い下着を前にしても、まだ花井は困ったような顔を
しているので、篠岡は背中を反らし、自らホックをはずす。
「わ・・・悪い・・・。」
心底すまなさそうな顔で、花井が謝ってくるものだから
思わず篠岡は笑ってしまった。
「ふふ、花井くん。おかしい。」
「し・・・仕方ないだろ。笑ってくれるな・・・。」
花井の手がそっとブラを押し上げると、眩しいくらい白い、小ぶりな乳房が
現れた。乳房の頂点の突起に、花井はおずおずと顔を近づけ、口に含んだ。
「はっ・・・・・・。」
直接的な刺激に、篠岡は思わず声を出す。
花井の手がもう片方の胸を揉み、舌で転がされ、押し潰され、吸い上げられる。
そのぎこちない花井の愛撫に、篠岡は、どうしようもない悲しさに襲われた。
花井は生まれて初めて触れる女性の胸に、ただ夢中になっていた。
脳裏には、先日モモカンから言われた一言が響き渡る。
「一番大事なことは、千代ちゃんを泣かせたらいけないってことだよ?」
その一言で、篠岡が望むなら、抱こうという結論を花井は出したのだった。
耳には、先ほどから、篠岡の感じる声が聞こえてきている。
正直自分のテクには全く自信がない。ソレはそうだ。経験がないんだから。
聞こえていた篠岡の声が、急に激しい嗚咽に変わった。
びっくりして顔を上げて篠岡を見ると。

篠岡は、泣いていた。
198秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:33:38 ID:ie/JyTn2

大きな目から、涙が次々とこぼれ、激しく嗚咽を漏らす。

「し、篠岡!?え!?な、何で泣いて・・・!?」

「は、花井くん・・・どうして・・・どうして・・・。」
両手で顔を覆って、しゃくりあげて泣く篠岡を前に、花井は途方にくれる。

「どうして、私を好きになってくれないのぉ!?」

搾り出すような篠岡のその悲壮な声が。
花井の心の奥底まで突き刺さり、自分の気持ちを自覚する。
花井は、その時初めて、篠岡を好きではなかったことき気づいた。
同時に、自分がしでかしたことに、罪悪感が沸き起こる。
「し、篠岡・・・・・。その・・・・・。」
「ふ、ふぐっ・・・え・・・ふっ・・・ふうう・・。」
あられもない格好のまま、花井のベットで仰向けになったまま
しゃくりあげながら泣く篠岡に、花井はかける言葉が見つからず。
自分がしてしまったことをただ責め、途方にくれた。

泣きつかれた篠岡が、意識をふと回りに向けると、
いつの間にか自分にはシーツがかかっていて。
花井の姿を探すと、ベットを背もたれにして、うつむいていた。
「は、花井くん・・・。」
身体を起こして、花井を呼ぶと、花井ははっと振り返った後、
真っ赤になって慌てて向こうを向いてしまった。
「し、篠岡。あの・・・服。」
その言葉に、自分がシャツを全部はだけたままだったことに気づいて、
慌てて身支度を整える。

花井がいつの間にか持ってきていたのか、
コップに入ったお茶を篠岡に差し出す。
「あ、ありがとう。」
ゆっくり口に含むと、ストンと胃まで落ちていくのがわかり、
妙に落ち着いた。
花井が、心底困った顔で、篠岡の前に座る。
「し、篠岡。その・・・・・。」
「花井くん。・・・いいの。」
「いや。篠岡・・・。悪かった。オレ、篠岡を傷つけた。」
自分に対して怒っているのか、篠岡と目を合わせず、謝罪を口にする。
おおきくため息を一つつき、頭を抱える。
「田島の言ってたことは、本当だったな。
オレは篠岡を傷つけて、泣かせた。・・・悪い。」
自分の行動を悔いて、ただ謝罪を繰り返す花井に、
篠岡は、妙にすっきりしている自分に、驚いていた。
199秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:35:10 ID:ie/JyTn2

「ねえ、花井くん。どうして私と付き合おうと思ったの?」

花井は、はっと顔を上げて篠岡を見る。
篠岡はとてもきれいな表情で、ただ微笑んでいた。
「待たせてた・・・から。あと、モモカンに・・・
篠岡を待たせるなっていわれた・・・・から。」
一つ一つ、自分の心を確認するように、花井は思考を搾り出す。
「そっか・・・・。カントクに言われたからなんだ。」
篠岡は、すべてを解ったような、すっきりした顔で花井を見る。
「カントクのことが、好きなんだね。花井くん。」
篠岡の発言に、花井は驚愕する。
「はっ!?はああっ!? えぇっ・・・!?」
「最初っから私は失恋してたんだね・・・。」
「え!?いやっ・・それは・・・多分違う。」
全く自信がなさそうに、花井は否定する。
「篠岡のことは、可愛いと思ってた。一年の時にコクってくれて
うれしかったのは本当だ。あの時も・・・いや、今もか・・。
恋愛が、何かわかってなかった・・・。」
花井は、頭を抱えて、途方にくれる。
「ただ・・・妹のように思ってたっぽいカンジかなあ・・・。」
よくわかんねーけど、と花井は続ける。

花井の発言に、あまり傷ついていない自分に。
自分自身に違和感を覚える。
『妹』のように篠岡を可愛いと思っていた。
ならば篠岡は花井を『兄』のように憧れていたのだろうか。

好きになってくれない花井に絶望したが、
先ほど自分の身体に触れた花井の手に、感動はなかった。
好きな人に触れられたら、それだけでしびれる感覚が
当然あるものだと思っていたのに。
何故、自分がそんな疑問を持ったのか。
200秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:36:39 ID:ie/JyTn2

ふと、一年の冬のことを思い出す。
花井を好きだと気付いて、辛くてどうしようもなかった時に、
花井だと思えと、篠岡に触れた、阿部の手。
どこを触れられても、なぞられても。
それだけで甘い感覚に襲われていた。
それは、篠岡は花井に触れられてることを想像しているからだと思っていた。
しかし、実際花井に触れられても、甘い痺れはちっとも起きなかった。

自分自身の思考に、はっとする。
阿部に触れられていたから・・・?

「花井くん・・・私も・・間違っていたかも。」

花井がえ?っと篠岡を見る。
「花井くん。私たち、これで別れるよね・・?」
花井がうっとなった表情で顔を青ざめる。
「そ・・そうだな・・。コレで、別れるなぁ・・。」
「私たち、お互いバカだったね。」
「ええ!?いや、オレがバカで、篠岡は悪くねえよ。オレがあほすぎたんだ。」
「花井くん。私も、もしかして花井くんのこと、好きじゃなかったかもしれない。」
「いぃっ!?そうなのか!?」
ほっとすればいいのかがっかりすればいいのか迷ったような顔で
結局途方にくれてため息をつく花井。
「はああ。オレら。なんだったんだろうな?」
201秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:38:25 ID:ie/JyTn2

篠岡は花井の手をそっと両手で包む。
その行動に花井はちょっとどぎまぎする。
「花井くん。カントクに告白するべきだよ。」
「なっ!?えええええ!?ム、ムリだ!」
「私も、本当に好きな人に、きちんと言うから。」
篠岡の台詞に、花井は真面目な顔になる。
「そ、そうか。」

「今まで、ありがとう。花井くん。」
「いや、こちらこそ、ありがとうな。そんで、悪かった。篠岡。」
「それは、お互い様だよ。」
にっこり笑いかける篠岡に、花井は決意の篭った顔でうなづく。

花井と笑顔で別れ、送るとといった花井を断り、
篠岡は一人自転車を漕ぐ。
信号で止まった時にケータイを引っ張り出し、
見知った番号をコールする。
数コール鳴ったが、留守電に切り替わってしまった。
そういえば、電話にもでないといっていたことを思い出し、
慌ててメールを打つ。

『話があるの。今から行きます。』

送信ボタンを押したところで、信号が青に変わった。

篠岡は阿部の家を目指して、ペダルを漕いでいく。


---終わる---
202秋のころ 本編:2007/07/29(日) 00:40:42 ID:ie/JyTn2
いや、ホント長くてスンマセンorz

ちなみにどうでもいいことですが前の話と今回の話
BGMはアンインストールでした。
いや、ホント、本来明るいらーぜを暗くしてサーセンorz
203名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 00:41:42 ID:036HodIQ
な、なんと…!!
アベチヨキタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─!!
が、来た所で終わったw

ヤバイ涙出ました。
すんごい良かったです。
そうか、そういうオチだったのか…
マジGJGJGJ!GODJOB!
204名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 00:44:42 ID:036HodIQ
あと阿部マジ切ないよ阿部。
でも良かったな、阿部。
205名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 00:45:28 ID:cTa+x3xY
やっべぇ、アベチヨですか!
これの続きはいつ…!
待ち切れなーい!
206名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 00:50:57 ID:VDxy5YCT
>>202
すげー!あなたは神だ!!
是非続きを…
207名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 00:54:13 ID:iahD9NIk
なんつーか、阿部不憫だ…
208名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 00:54:24 ID:ioAGsd2R
うーん。最初にageてる時点でどうなんだろうって思うわ。てか、ウザイ。
「オレの書いたSSを読め」
って見えるからな。

繰り返す。こういうのはウザイ。
age投下は嫌われる。よく覚えといてくれ。
209名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 00:54:52 ID:K7sI1Ibl
GJGJ!!!!!
花モモキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
阿部チヨもイイ・・・
続き楽しみすぐる
210名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 00:59:16 ID:ie/JyTn2
>>208 申し訳ないorz書き込みのときにはちゃんとsageって入れてたのに
ボタン押したら理由はわからないけどageになっちゃってました。
真っ青になりましたとも。ええ。
00時丁度ぐらいに書き込んじゃったからでしょうか。
良くわかりません。
211名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:02:21 ID:036HodIQ
>>208
根拠もないのにいきなりそれはないだろーよ…
全編ageてんじゃないんだから。
212名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:03:00 ID:cTa+x3xY
>>208
この人いつもsageてるよ
たまたまじゃね?
213名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:04:15 ID:9qLCQI8D
ハナチヨ・゜・(つД`)・゜・
214名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:10:44 ID:18OK3moj
まさかラストが阿部千代・花モモになるとは思わなかった
阿部が切ないな 可能ならば続編が読みたいです

どうでもいいが名前欄変わっててびっくりした 選挙行こう
215名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:11:22 ID:2cvAy+2d
失恋もので別カップリング移行なら書いておいてほしかったかも
216名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:12:21 ID:036HodIQ
>>214
言われて気が付いた!
もう先週、期日前投票済みなんだぜ
217名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:39:33 ID:kXqMC6GR
BGMアンインストールだった事に納得した
しかし栄口空気読みすぎだろ・・・何者だw
218名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:45:12 ID:T1ATClwM
同じくアベチヨキタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─!!
GJすぐる。ageは偶然のようなので気にしないでいいのでは。
別カプだったけど、とても面白かったのでずっと読んでました。
阿部がずっと辛い立ち位置だったから、二人で幸せになれるといいなぁ。
花井も頑張れww
219名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 02:46:02 ID:KhWtSPzu
GJ!夢中になって読みました。
切なく甘酸っぱい系いいなぁ!
220名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 10:37:03 ID:0477xwIS
やったぁ!
アベチヨありがとう!
栄口GJ!
田島は「阿部なら大丈夫だな!」って
言ってくれるだろうか?
それともやっぱりちょろちょろ邪魔しに行くのかw
221名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 12:14:47 ID:sw4jQgrl
よかったな阿部!続きを…続きを…!

しかし最終的に一番不憫なのは田島だw
222名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:08:58 ID:ie/JyTn2
選挙行ってきました。
>>67-89 >>182-201 の、さらに続編です。
カプは アベチヨ ハナモモ (←やっとはっきり書ける)
エロパートはアベチヨのみです。

気に入らない人はスルーヨロシク。
223エピローグ:2007/07/29(日) 14:10:01 ID:ie/JyTn2

「あ、阿部くん。電話だよ。」

三橋の声に阿部が顔を向けると、横に置いたケータイが
震えていた。
ディスプレイに浮かぶのは、篠岡の名前。
気にせず、机の上のノートに目を戻す。
「で、ないの?」
「いーんだ。それより三橋、勉強しろよ。
せっかくオレが教えてやってんだからな。次のテストには
合格ライン乗せていけよ?」
「う、は、ハイ!」

最近三橋の勉強を見てやっていた。
部活引退して、急に勉強に熱心になるわけでもないので、
まずは赤点ぎりぎりの三橋の頭を復習するがてら
なんとかするかと、ほぼ毎日一緒に勉強していた。
ケータイの震えが止まって、着信は切れたようだ。
するとすぐ、今度はメールの着信を知らせて、震える。
何気なくケータイを取り、メールを読んだ阿部の目が
驚きに見開かれた。

「悪い。三橋、急に用事ができた。今日は帰ってくれるか?」
「えっ!?あ。うん。いつも、ゴメン、ね。」
「いいから、続きは明日見てやるから。」

とろとろとトロイ三橋の片づけを手伝ってやり、
すぐさま追い出す。
帰っていく三橋を見送り、ふうっとため息を一つつくと
三橋が帰っていったのは逆の方向から
けたたましくペダル漕ぐ音とともに、
暴走自転車がやってきて、阿部の目の前でキイっと音を立ててとまった。
「は、はあっあ、阿部くんっ、はあ、こ、こんばんは。」
それは、篠岡だった。
その、いかにも全力で漕いできましたという篠岡の様子に
思わずぷっと噴き出す。
「な、何だよ、篠岡。汗びっしょりだぜ。」

息も絶え絶えの篠岡をまずは部屋に招きいれ、
タオルと水を差し出してやる。
喉を鳴らしながら水を飲み干す篠岡に、自分の分の水を差し出してやる。
それも、篠岡は一気に飲み干した。
そうしてやっと、一息をつく。
「おかわり、いるか?」
「ううん、もういいよ。ありがとう。」
空のコップをそっと机の上に戻し、もらったタオルで
取り合えず額の汗をぬぐう。
224エピローグ:2007/07/29(日) 14:10:46 ID:ie/JyTn2

「で、どうした?急に。話って何?」
阿部の言葉に、篠岡は少し居住まいを正し、まっすぐ阿部を見る。
阿部はテーブルに肘をついて、篠岡を斜め見る。
「私、花井くんと、別れてきたの。」
阿部はびっくりしたように目を見開き、口をぽかんと開けた。
「は!?そらまた。急だな。」
「うん。私と花井くん。どっちも馬鹿だったの。」
「へぇ?」
「花井くん、私のこと、好きでもなんでもなかったの。
あ、でもこれ、阿部くんも気づいていたよね。
でもね、私もそうだったの。私も、花井くんのこと
好きってワケじゃなかったみたいなの。」
そこで篠岡は一旦目を伏せて、一つ小さく深呼吸をしてから
阿部を見据え、言葉を続けた。

「私、阿部くんのことが好きだと思う。」

阿部の目はさらに見開き、口はさらに丸くなる。
絶句したままの阿部は、やがてテーブルに置いていた手をゆっくり持ち上げると、
そっと篠岡のほうに、伸ばす。
その手は少し、震えていた。

阿部の手がゆっくり伸びてくるのを、篠岡はじっと身じろぎせず
阿部の目を見つめながら、待っていた。
阿部の手が篠岡の髪に触れたとたん、弾けたように篠岡を抱きしめる。
強く阿部の胸に顔を押し付けられ、一瞬息が詰まるが
何とか顔を動かし、気道を確保した。
しかし、さらにぎゅうっと抱きしめるの力は強くなり、
今度こそ、息ができなくなった。
「あ、阿部くん・・・苦しい。」
「わ、悪い。」
阿部はぱっと篠岡を放す。
開放されて、深呼吸を繰り返す篠岡の、今度は両頬にそっと手を添える。
「今の、本当か?篠岡。」
至近距離から覗き込んでくる阿倍の目を篠岡はしっかりと受け止める。
「うん。私、阿部くんが好きっ」
言い終わらないうちに、阿部の唇が篠岡の唇を塞ぐ。
「んっ・・。」
強引に篠岡の唇から侵入し、必死で篠岡の舌を捜し求め、
捕まえて、貪る。
勢いに押されて篠岡が後ろにのけぞるが、阿部はそれを追いかけ離さない。
篠岡の背中がベットにもたれて、倒れこむのがとまると、阿部は器用に
口付けたまま、篠岡を救い上げ、ベットの上に軽々と篠岡を乗せた。
篠岡が現状を知る暇を与えず、そのまま篠岡にのしかかり、
改めて深く篠岡の口を味わう。
225エピローグ:2007/07/29(日) 14:11:51 ID:ie/JyTn2

「ん・・・んんっ・・・。」
密着したからだから伝わる阿部の激しい思いに、篠岡はただ翻弄されていた。
激しく自分を求める阿部に、感動すら覚えて、恍惚に浸る。
服の上から激しく胸を揉まれ、ブラ越しのためワイヤーが当たって痛いとか
そんなことを思う暇もなく、ただ、阿部の激情を受け止めることに必死になっていた。
しかし、阿部の手がシャツの下にもぐった瞬間、我に返った。
「だっダメ!!ダメ!!阿部くん!」
阿部の手を必死に抑え、懇願する。
「なんで?」
「だって。私、すっごく汗かいて・・・その・・。
あ、あの、また、今度にしない?」
阿部はムッとした顔で、篠岡の顔の横に手を置き、
目を覗き込む。
「イヤだ。」
「えっ・・そんな、あの・・阿部くん。なんか違うよ?」
そんなはっきりとした感情を顔に浮かべている阿部を
見るのも初めてで。
反論は聞きたくないとばかりに、再び篠岡の唇を塞ぐ。
「んっ・・・あっ・・・。」
唇を軽く甘噛みし、舌を篠岡の口内に侵入させ、舌を絡めとる。
少し、篠岡の力が抜けた隙に、阿部は手をシャツの中に侵入させる。
篠岡の肌はまだ汗ばんでいて、確かにオンナなら気にすることかもしれない。
しかし阿部はもう、自分が待てるとは思わなかった。
226エピローグ:2007/07/29(日) 14:12:56 ID:ie/JyTn2

手を抜き取り、ブラウスのボタンをはずしていく。
今日、家族が出かけていることを、心底感謝しながら。
ボタンをはずし終わって、まじまじと篠岡の肌を眺める。
1年、いや、1年半ぶりだろうか・・・?
篠岡の背に手を回すと、そっと篠岡は自ら背を反らす。
その行動を、少し意外に思い、阿部はふと手を止めた。
「な・・・なに?」
「いや・・・。なぁ、花井とどこまでいった?」
唐突な阿部の、答えづらい質問に、篠岡は顔を赤くする。
「え!?そ、それは・・・その。最後までは・・・いってない。」
「ふーん。じゃあどこまで?」
そういいながら、そっと篠岡の乳房に手を置く。
「こうやって触られた?」
阿部の手からじんと甘い痺れが広がる。
「う、うん。触られた・・・。」
「じゃ、こうやって舐められた?」
そういいながら、顔を近づけて、ペロリと突起を舐める。
ゾクリとする快感が、走りぬける。
いや、さっき、まさにソコ舐められましたけど。
いつ触られたかは、口が裂けてもいえないと篠岡は本能で理解した。
「な、舐められた・・・。」
「じゃあ、こっちは?」
そういって、阿部は急に篠岡の脚の間に手を差し入れ、
下着の上から秘所に指を走らせる。
「はあっ・・・。いや、ソコは触られて・・ない。」
阿部は心底うれしそうに、ニヤっと笑った。
篠岡の胸を軽く揉みしだきながら、篠岡の耳元、首筋、鎖骨と
キスを振らせていく。
篠岡のせっかく汗が引きかけた肌が、再び汗ばんでいく。
「篠岡。」
「な・・何?阿部くん。」
「篠岡。」
「う、うん。」
「オレを、見てるか?」
阿部に与えられる快感に翻弄されていたら、不意に尋ねられたことに
少し正気に戻る。
阿部の両頬にそっと手を置き、まっすぐ目を見つめる。
「阿部くんを、見てる。ずっと見てるよ。」
阿部はきゅっと篠岡の手を握ると、優しく微笑んだ。
「目は開けておけよ?ずっとオレを見ていろ。」
「う、うん。」
阿部も、いつの間にか上半身裸で。
ぎゅっと抱きしめられると、直に阿部の広い胸を感じ、じんとなる。
いつの間にかスカートは剥ぎ取られていて、下着一枚になっている。
その上から執拗になぞられ、思わず目を閉じて快感をこらえようとする。
「目を、開けろ。篠岡。」
阿部は篠岡が目を閉じることを許さない。
227エピローグ:2007/07/29(日) 14:13:34 ID:ie/JyTn2

不意に阿部が篠岡から離れ、ベットから降り、机の引き出しをあさりだす。
おもむろに取り出したソレを見て、篠岡は真っ青になった。
「え!?ちょ・・ちょっと。阿部くん?」
「何だ?」
「えっ・・・と、あの、最後まで・・するの?」
「今更何言ってんだ。篠岡。」
「だ・・だって・・その。いつもはっていうか。その一年の時は・・・。」
篠岡が言わんとすることがわかって、阿部は納得した。
と、同時に爆笑しだした。
「はははっ。篠岡。お前・・くはっはははっ。」
お腹を抱えて笑ったまま、ベットまで戻ってきて、腰かける。
「あのなあ、篠岡。この際だからいうけどな。
オレはここ2年、いや、1年半か?お前にお預け食らってたんだぜ?それなのに
お前はまだお預け食らわせて、自分だけ気持ちヨクなりたいのか?」
阿部の発言に、篠岡は混乱する。
「え!?えええええ!?」
身を起こした篠岡を、そっと抱き寄せ、髪に顔をうずめる。
「オレはな、他のオトコに夢中のオンナを抱くエムっ気はないんだ。
まあ、我慢するのはちょっと辛かったが、プライドが許さないからな。
でも、その篠岡が、今、オレを好きだといって、
こんな格好でオレのベットにいるんだぜ?それでもおれに待てっていうのか?」
阿部の言葉に、顔中が赤くなる。
混乱して、思考がまとまらないうちに、至近距離から阿部に目を覗き込まれる。
その目は今まで一度も見たことない感情溢れる目で。
とても、優しく篠岡を見ていた。
「好きだ。篠岡。」
目もくらむ幸せを、篠岡は感じた。
228エピローグ:2007/07/29(日) 14:14:15 ID:ie/JyTn2

下着も取って、何も身に着けてない状態の篠岡の中心に
阿部は指を深く埋めていく。
ゆっくり出入りを繰りかえし、こねくり回す。
その指の動きにあわせて、篠岡の喘ぎ声が阿部の耳を打つ。
指を2本に増やしたとき、引きつった声が篠岡の口から漏れたが、
ゆっくり十分に時間をかけると、するすると入るようになった。
阿部の与える刺激に翻弄されるしかない篠岡は
不意に阿部の手が離れたのを感じて、身を少し起こして阿部を見ると。
丁度、引き出しから出したソレをつけ終わったところだった。
今から自分の身に起きることを思い、篠岡は身を硬くする。

阿部の手が、篠岡の脚を大きく開ける。
篠岡は恐怖にますます身を硬くする。
阿部は、こわばった表情の篠岡を見ると、ふっと微笑んだ。
顔をそっと、篠岡の秘所に近づけると、チロリと一舐めした後、
粒を唇ではさむようにして舌で刺激を与える。
「ひやっ・・・・。あっ・・あああん!」
舌で刺激を与えながらも、指をゆっくり差し込む。
「んんんっ・・・。あああ。あべ・・くん。」
篠岡の身体からこわばりは完全に抜け、秘所もトロトロに蜜が溢れている。
阿部は顔を上げ、篠岡の顔の顔の横に手をつき、真正面から見つめる。
そのままゆっくり、自身を篠岡に埋めようとする。
先ほどとは、まるで違う大きさの異物の侵入に、篠岡は痛みを覚えて
目をつむる。
「篠岡、目を開けろ。」
阿部は篠岡が少しでも目を閉じることを許さない。
少し、進んでは、ゆっくり下がり、またゆっくり侵入する。
痛みをこらえながら、篠岡は阿部を見上げる。
阿部はずっと、篠岡を見つめていて。
「篠岡、名前、呼んで。」
「あ、阿部くん。」
「・・・・千代。下の名前で、呼んで。」
「え・・・。えと・・・た、隆也。」
そういった時の、阿部の表情を、篠岡は一生忘れないだろう。
阿部は、あまり感情を出さない人だと思っていた。
いつも、篠岡に接するときは、表情がなくて。でも優しくて。
阿部は、目尻に涙を浮かべながら、優しく微笑んでいた。
篠岡は思わず手を伸ばして、目尻の涙をぬぐう。
「阿部く・・ん。」
「隆也。」
「えと、隆也くん・・。何で泣いてるの?」
阿部はその篠岡の手をぎゅっと握る。
「オレを、見てるよな?」
阿部がぐっと深く侵入し、篠岡はまた痛みをこらえるようにぎゅっと目を瞑る。
「目ぇ、開けろ。オレを見ろ。」
「お前に、今、触れてるのは、オレだ。」
阿部が少し進んで、ゆっくり下がる。
ほんの少しだが、擦られる感覚に、篠岡は身体にゾクリと快感が走るのが解った。
「あっ・・・・。」
思わずもれ出る声に、思わず手で口を塞ぐ。
阿部はその手をそっと掴み、広げて、篠岡の両手をベットに縫い付ける。
優しい目で篠岡を見つめ、篠岡も阿部を見つめたままで、
ぐっと深く侵入した。
「あっ・・・ああああああ・・ん。」
篠岡の唇を塞ぎ、篠岡の声を吸収する。
篠岡の息が整うのを見届けた後、ゆっくりと揺らし始めた。
229エピローグ:2007/07/29(日) 14:14:48 ID:ie/JyTn2

最初にあった鋭い痛みは、鈍い痛みに変わっていて、
変わりに、むずむずする快感が篠岡の身体を駆け巡る。
「んはっ・・ああ・・・ああん・・。」
耳元でずっと篠岡の名前を囁き続ける阿部に
求められることの至福の幸せを知る。
「千代・・・千代・・・。」
「あ・・た、隆也・・・。」
囁く阿部に答えるように、篠岡も名前を呼ぶ。
ふいに、阿部が篠岡にしがみつくようにぎゅっと頭を抱えたので
篠岡も必死に阿倍の首に手を回し、しがみつく。
その時ひときわ強く腰を打ち付けられ、篠岡は阿部が果てたことを知った。

「悪い・・。ちゃんとイけたか?」
「えええ!?えっと・・・うん。多分。」
終わった後、謝る阿部に篠岡はあやふやに答える。
「何だよ?それ。自分で解らないのか?」
「えっと。うん。昔阿部くんにしてもらった時のような感じは
なかったんだけど、なんかすっごく気持ちよかった・・から。
イった・・・のかな。うん。」
阿部が篠岡の肩を抱き寄せ、ちゅっと頬にキスを落とす。
「ま、これからいくらでも、気持ちよくさせてやるよ。」
その言葉に、篠岡は耳まで真っ赤になった。
230エピローグ:2007/07/29(日) 14:15:24 ID:ie/JyTn2


花井は去っていく篠岡を見送った後、
自転車を引っ張り出し、学校に向かって漕ぎ出した。
今なら、まだ練習中だろう。
篠岡と約束したことを実行するなら、きっと今日しかない。
寝て、起きてしまったら、もう言えなくなるような気がして。

「か、カントク!」

急に呼ばれてモモカンが振り返ると、
花井が息も絶え絶えで自分を呼んでいた。

「どうしたの?花井くん。」
「ちょっと。話があるんすけど・・。いいすか?」
息を整えながら、モモカンに時間をくれるように懇願すると、
怪訝な顔をしながらも、モモカンは花井に近寄った。

グラウンドから、少し離れたところで二人向き合う。
「何?まだ練習あるから、手短にね。」

「あ、あの、お、オレ・・・・。」
顔を真っ赤にしたまま視線を彷徨わせ、なかなか話そうとしない
花井に、モモカンはちょっとイラっとなる。
「何!?」
花井は一旦息をぐっと詰め、歯を少しかみ締めた後、
まっすぐモモカンを見つめる。

「オレ!カントクが好きです!」
231エピローグ:2007/07/29(日) 14:16:09 ID:ie/JyTn2

いい終わった満足感に浸ろうとするまもなく、
モモカンの手が花井の頭をがっちり掴んだ。
そのままぎりぎり締め付ける。
「い、いた!!いたたあああ!!!」
「千代ちゃんはどうしたあああああ!!」
「ちょっ!!カントク!話、いってえええ!聞いてくださ痛えええ!」

モモカンそこでぱっと手を離して花井を睨みつける。
「千代ちゃんとは?」
「わ・・・別れました・・・。」
「傷つけたの!?」
底冷えする双眸で花井を睨み上げるモモカン。
「えっと・・・・ハイ。スンマセン。」
再びモモカンの手が花井の頭を捕らえようとしたが、
花井は今度はその手を掴み返した。
「ちょっとは・・・落ち着いて、話、聞いてくださいよ・・。」
頭を握ろうとするモモカンとソレを抑える花井との間に攻防が起きる。

手を引っ込めて、モモカンは一つ大きなため息をつくと、
花井に話を促した。

花井と篠岡との間に、起こったことをたどたどと説明する。

「そんで・・・篠岡にオレが好きなのはモモカンだって指摘されて・・・
そんで、告白してこいって・・言われました。」

モモカンは実に深いため息をついた。
「まあ、千代ちゃんのことはいいとして、相手は・・多分阿部くんだろうしねぇ。」
「えええええ!?何で!?そ、そーなんスか!?え、阿部!?」
「ほんっと、花井くんってダメねえ。部員のことな〜んにもわかってないのね?」
「う、ううう。」
花井は否定できず、言葉に詰まる。

「じゃ、じゃあ!オレがカントク好きなことも分かってんたんですか!?」
「いや。それはさすがに分からなかったけど。
花井くんが誰かに恋してるような気配まったくなかったしねえ?」
「う・・じゃ・・じゃああの・・返事は?」
「何が?」
「さっきの・・オレの・・その。」

モモカンはそこで、弾けたように笑い出した。
「でっきるわけないじゃない!」
花井は愕然と、モモカンを見つめる。
232エピローグ:2007/07/29(日) 14:16:41 ID:ie/JyTn2

モモカンは両手を腰に置き、じっと花井を見据えた。
「あなたは野球部員で、高校生で、私は野球部のカントクよ?
花井くんだって、ソレがどういうことか、わかるでしょ?」

その言葉に花井はムッとする。
「オレ、真剣なんですけど。それは認めてもらえないんスか?」
「現時点では、無理ね。」
モモカンの返答に花井はショックを受ける。
「そうね、私を好きでいても、いいわよ?」
その、どこかで聞いたことのある台詞に花井はハッとなった。
「でも、今はダメ。そうねえ。千代ちゃんを一年半待たせたんだから、
あなたも待ってみたら?取り合えず、二十歳になるまでは
もう二度と、私にソレを言っちゃだめ。
待ちきれず、他の子を好きになったとしても、私は全く関知しない。
いい?」

一年の時、自分のエゴで部内恋愛禁止を決めて、
篠岡を知らず傷つけ、追い詰めていた。
引退まで待ってくれという花井の言葉を信じて、篠岡は待って。
部にマネジとして貢献してくれた。
なら、オレもモモカンの言うとおり、
取り合えず二十歳になるまでは待つべきなんだろう。

「わ、わかりました。オレ。絶対あきらめませんから!!」
花井の決意の篭った返答に、モモカンは明るく笑い返す。
「ははっ。期待せず待ってるよ。」
233エピローグ:2007/07/29(日) 14:17:35 ID:ie/JyTn2

次の日、西浦高校に大ニュースが駆け抜けた。

元野球部キャプテン花井の彼女の、元マネジの篠岡が、
昨日は花井と一緒に帰っていったのに、
今日は朝から元野球部の阿部と手をつないで登校したからだ。
しかも、篠岡のクラスまで送る間も、ずっとだ。
手を繋いだまま、校内を練り歩いていたらしい。

「何!?」
「ほ、ホントか!?」
「ガゼじゃねえよな!?」
「マジで!?」
「一体何が起きたんだ・・・?」

元野球部3年生の間に、衝撃が走り抜ける。
昼休み、二人の姿を探して、校内を大捜索する元野球部の姿があった。
「食堂にはいねえ!」
泉が皆に報告する。
「中庭にもいねえぞ!」
今度は巣山の報告だ。
「いた!屋上だよ!」
西広の報告に、一同は屋上を目指した。

花井を除く全員が、屋上に到着した時、
当事者である阿部と篠岡は、のんびりお昼を食べていた。
「あ・・・みんな・・・・。」
篠岡がびっくりして、わらわらと出てきた野球部の登場にびっくりする。
「何だ?お前ら。邪魔だ。どっかいけ。」
パンを持った左手で、皆を追い払う仕草をする阿部。

その堂々とした阿部の態度に、一同は言葉を失い愕然とする。
いや、一番後ろに立っていた栄口だけは、にこにこうなずきながら
涙をぬぐう仕草をしつつ、阿部に向かって親指を立てていた。

その栄口の姿を視界にとらえて、阿部は思わず舌打ちをする。
234エピローグ:2007/07/29(日) 14:18:19 ID:ie/JyTn2

「どういうことだー?なあ?阿部、しのーか?」
田島が口火を切って二人を問い詰めた。
皆は田島が篠岡を狙っていたことを思い出し、修羅場を想像しぞっとする。
「別に。篠岡は花井と別れて、オレと付き合うことになったってことだ。
悪いな。田島。」
「えええ?ずりーぞ。阿部。それって抜け駆けだろ?ヒキョーだ。ヒキョーだ。」

沖が真っ青な顔をして、皆に注意を呼びかける。
「ね、ねぇ・・・なんかあの二人、ご飯食べてるのに手をつないでない?」
その言葉に、皆が二人の手を確認すると、一斉にうっとなってげんなりした。

篠岡は真っ赤になって手を振り解こうとしているが、阿部がしっかり握って
離さない。

篠岡の右手は箸を持って膝の上の弁当を食べている。
篠岡の左手はしっかり阿部の右手とつながっていて。
阿部の左手はパンを掴んでいた。

「ダメだ。こりゃ。」
泉が心底げんなりしたように発言する。
「ツッこむ気も失せるぜ・・・。」
水谷もしょんぼりする。
「昨日の今日で、何でこの二人がバカップルになってんだ?」
巣山がもっともな疑問を口にする。
「阿部が話してくれると思う?」
西広が誰ともなしに質問する。
「そういえば、花井は?」
栄口のもっともな質問に。
「は、花井くんは・・一人でメシ食べる、って・・。」
三橋が一生懸命答える。

「篠岡。阿部に飽きたら、いつでもオレに言えよ?」
田島がにししと篠岡に笑いかける。
「アホ、飽きさせねえよ。花井と違って篠岡泣かせたりしないから
田島、あきらめろよ。」
「にしし、わかった。取り合えず、あきらめてやるよ。
でも隙があったら、すぐに取ってやるからな! 阿部!」

阿部が、実に不敵ににやっと笑い、田島を見やる。

「できるもんなら、やってみろよ。ま、無駄だけどな。」

その阿部の、今まで見たことの無い、実に幸せそうな笑顔に
一同はこれ以上の追求をあきらめた。



---終わり---
235エピローグ:2007/07/29(日) 14:21:21 ID:ie/JyTn2
いやもうほんっと長々とスミマセン。
連載風にはしないと誓ったばかりなのにコレ・・・。
しかし萌えをこうやって形にできてすっきりです。

読んでくださった皆様。
感想下さった皆様本当にありがとうございます。
生きる糧でございます。

萌えつきた〜w
236名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:33:11 ID:JZRXa63+
連載お疲れ様!GJですたww
アベチヨ幸せになって本当に嬉しくなった。
そして2年待たすモモカンもGJ!w
237名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:41:41 ID:cTa+x3xY
阿部よかったね阿部。・゜・(つД`)・゜・。
「オレを見てろ」超エローイ!
花井はこれから大変だな
告白して頭握られちゃう奴いねーよww
あーおもしろかった
次回作も期待してます!
238名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:43:35 ID:036HodIQ
今度こそアベチヨキタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─!!
マジで泣いてしまった…塩水止まらねえわ
阿部、本当に良かった!!!マジで良かったな…

最初の目閉じてろと、今回の目開けてろの対比に泣いた。
もうずっとバカップル化してくれ
マジで職人GJGJGJ!
自分もアベチヨ書いてたけどなんかもう萌えつきたw
239名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:44:11 ID:74tzrESV
チヨちゃんの花井→阿部へのシフト・チェンジが
日本代表の倍ぐらい早くてワロタけど、GJ。

できれば、二十歳になった花井とモモカンの話とか
読みたいです、神よ。
240名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:47:12 ID:PRKnRT5O
GJGJGJ〜〜〜!!
ホント面白かったです!!
ラブラブで終わってホッとしました〜。
千代にコクられた後の阿部の描写がすごい好きw
241名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:50:54 ID:cTa+x3xY
>>238
そんなこと言わず、書いて!
読みたいよ!
242名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 16:03:21 ID:y6HyRzCy
これから校内での千代ちゃんの評判が少し心配だが
花井含め野球部のみんなが和やかムードで守ってくれるだろう。
それにしても守られていた千代ちゃんの純潔に心底嬉しそうだった阿部にワロタw
ほんとによかったなバカップル!
243名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 16:28:32 ID:T1ATClwM
幸せアベチヨキタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─!!
感情を押し殺して自分もチヨちゃんも守ってきた阿部が、
やっと素直に彼らしくチヨちゃんを愛せるようになって良かった。

ありがとう神!GJGJ!GOD&GOODJOB!!
花モモもホッとしたぁ。田島は陰の仕事人でFA?w 
244名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 18:02:35 ID:KhWtSPzu
GJ!!!萌えをありがとう!
じわっときちゃう阿部が可愛かったw
バカップルぶりとか野球部大パニックとか、
読んでて本当に楽しかったです。
245名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 18:57:01 ID:9Jx2eGsM
グッジョブ!最初の作品読んだときから、阿部と繋がって欲しいなぁ、と思ってたんだ。
246名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 21:01:50 ID:EKms2W12
田島が咬ませ犬にすらなってなかったなorz
ただの騒がせ屋で終わってしまって残念。
247名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 21:14:39 ID:ioAGsd2R
うーん。微妙だな。

つまり住人はこのスレで人気カプのアベチヨならなんでもいいってわけか。
248名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 21:18:00 ID:036HodIQ
>>247
あなた新参ですか?
このスレでは自分の好みは言うべきじゃないと何度言われりゃわかんの?
カプがいやならスルーすれば言いだけの話。
職人さんもスルーしてくれって書いてるだろうに…
249名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 21:38:48 ID:Boi5ZETX
GJ!
影の仕事人な栄口にワロタ。
250名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 21:59:09 ID:3pudMk8d
職人さんお疲れ様でした!!
GJGJ!!

うわーもうこのバカップル、どうにかしちゃって!!
251名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:08:25 ID:ioAGsd2R
前スレでも思ったけど特定の職人だと否定的な感想がつくと速攻で擁護レスがつくんだよね。
今回も自分が>>208で発言したら即ついてた。
>>247で発言しても速攻で擁護がついたと。
これって自演ってやつじゃないの?
前々から思っていたんだけどさ。
252名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:11:57 ID:2QY9OnsW
だから荒れるからそのネタは(ry
253名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:13:36 ID:A5OxBh0J
単純に空気嫁ない奴を諭してるだけだろ。
君こそ、特定の職人にケチつけていないか?
254名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:16:28 ID:2cvAy+2d
便所の落書きとしては素直な意見だけ行っていけばいいと思うんだが
そこを他の意見に絡もうとするからおかしくなるんじゃないかどっちも
255名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:26:26 ID:cTa+x3xY
>>251
気にいらなきゃスルーでいいじゃん
君が納得いかんでも、それが好きな人もいるんだしさ
その逆もあるだろうし
できればたくさんの作品を読みたいと思ってるから、こういうので職人さんが投下しづらくなる方がやだよ
マターリ行こうよ
256名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:26:29 ID:fgr3TZMW
職人GJ
結婚してください
257名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 22:26:57 ID:T1ATClwM
>>oAGsd2R
偶然ageただけでウザイ呼ばわりで、
今度は擁護だ自演だの何なんだ。
みんな感想言ってるだけで、一人浮いてるのわかんねぇのか。
せっかく良い話読めて気分よかったのに最悪だ。
 


以後スルーする。みんなスマン。
258名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:30:06 ID:xXNNvnXY
アベチヨいいわー。激萌。
何気に部活以外でも三橋のお世話してる阿部ワロタ
259名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:30:45 ID:036HodIQ
>>251
このスレでやめろと言われてる発言しといてよく自演とか言えるなぁ…
不思議で仕方ない。
とりあえず18歳未満のガキはくんな
260名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:33:21 ID:A5OxBh0J
ぴんく板は21禁じゃなかった?
261名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:33:49 ID:AwXucY+n
いい加減絡むのも大概な。
262名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:34:21 ID:AwXucY+n
>>260
最近18禁になったって別スレでみたような。
263名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 22:37:06 ID:kXqMC6GR
モモカンいいよモモカン
GJ!
264名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:04:50 ID:0477xwISO
不思議なレスが紛れているが…否定的な感想は荒れる元だから、
わざわざ「気に入らなければスルー」って
テンプレに書いてあるんだけどなぁ…

単に別カプを推奨したいだけなら、
自分で神作品を書いて皆をそっちに目覚めさせろ。
スレは賑わって目的も達成、万々歳じゃないか。

神降臨、ありがとう!萌えた!!
265名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:26:29 ID:Lz3aO2Nn
こっそり小ネタ投下します。
カプなしエロなし意味なし
266名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:27:46 ID:IU0YGOYc
このスレにテンプレなくないか
あと賞賛しないとダメってルールが2ちゃんにない以上は、
批判はゼロにならないと思う
それこそ気に入らない意見は流すべきだと思うんだが
喧嘩が始まったらそこから雰囲気悪くなるからな
書いた方だって褒めてくれる人もいること、見てればよく解るよ
267名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:28:06 ID:Lz3aO2Nn

花井達はめでたく全員2年生に進級することができた。
新入生への部活動紹介まで後数日。
モモカンから全員へある一つの課題が渡される。

『原稿用紙一枚分の部活動紹介を書くこと』


--花井の紹介文--

昨年は新設部にもかかわらず、
公式戦ではいい成績を残せた。
上に上がるためにはまだまだ人材が必要。
目標は甲子園。
新入部員求む。

--巣山の紹介文--

練習はきついが充実しており、
メントレも行われているので
試合でも落ち着いて臨める。
たった一つの勝利で
練習の辛さは吹き飛ぶ。
一緒に野球しましょう。


--西広の紹介文--

野球初心者でも大丈夫。
先輩が優しく指導します。
2年にも初心者がいるし。
心配はありません。
やる気だけで十分。
入部待ってます。


--沖の紹介文--

野球が好きなら、
多少弱気でも問題ない。
精神面は多少は鍛えることができる。
まとまったチームで
プレイすることはやりがいがある。
入部求む。


--栄口の紹介文--

野球が好きなら気兼ねせずにどうぞ。
実力は練習次第でつきます。
精神面も鍛えれます。
勝利の味はたまりません。
一緒に野球しましょう。
268名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:30:03 ID:Lz3aO2Nn
--泉の紹介文--

グラウンドは広く、いい状態。
練習はハードだけど、楽しい。
はやくグランドに、行きたくなる。
おにぎりは、うまい。
熱意ある奴、求む。

--水谷の紹介文--

実力次第ではレギュラーもありえます。
多分レフトなんて、狙い目。
一緒に野球しましょう。


--阿部の紹介文--

主張しない投手求む。
控え捕手求む。
長打力の野手求む。
出塁率の高い野手求む。
守備力高い野手求む。
とにかく質の高い奴求む。


--三橋の紹介文--

投手はいりません。
打ってくれる人
入ってください。


--田島の紹介文--

4番は譲らねえ!
カントクのオッパイはデカイぞ!
きっとIカップ!!


モモカンは無言で阿部と三橋と田島の紹介文を
手に取ると、ビリビリと破り捨てた。
ふと、なぜかもう一枚あることに気がついた。


--浜田の紹介文--

応援団に入りませんか?
チアガールも求む!
メインの応援は野球部ですが
他の部の応援も行います。
男子は冬服学ラン着用できっついですが
間近でチアガの太もも見れます。
役得。


これもビリっと破り捨てた。

---終わる---
269名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:35:16 ID:IU0YGOYc
投下前に割り込んですまんかった

三橋と田島ワロタwwwwwwなんという本音
応援団いいよ応援団
あと水谷いい先輩になりそうだな
篠岡のも見てみたい
270名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:37:30 ID:8GM0/eJh
固い文章だなと思ったらクソレから吹いた
三橋は競うって言ったんだから頑張れよw
271名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:37:55 ID:V6CErFAK
GJです! みんならしさが出てていい!
破られた3人は本音書きすぎw つか水谷ww
272名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:39:34 ID:P3L0xTVo
ラスト4人のどうしようもなさに吹いた
全員の性格が出てて上手いなあ
水谷がんばれ
273名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:43:33 ID:dMhQ24bR
水谷ww
がんばれよwwww
274名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:48:07 ID:W6g6TpMm
バッテリーの二人が部活勧誘したら来年も10人体制確定だなww
275名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:53:44 ID:1E4+Khe+
ダークなの投下いたします。
鬼畜っぽいというかホラーな感じかも?
西浦野球部黒いです。シガポに至っては真っ黒です。
エロはあるけど今回は薄目。
苦手な方は全力でスルーお願いいたします。
276特別練習1/10:2007/07/30(月) 00:54:45 ID:1E4+Khe+
 スポーツドリンクの入ったタンクを抱えながら、篠岡は野球部のベンチに戻った。その耳に、
みんなを指導するモモカン――百枝監督の声が届く。
「水谷くん、今の獲れたよ! 落下地点しっかり見て。もう一本!!」
 はいっとグラウンドの向こうから大きな声が響く。それに重なるようにして、澄んだ金属音が響いて、
白球が青空に飛んでいった。篠岡が密かにうらやむスタイル抜群の肢体がぐんっと伸びて、
三つ編みにした長い髪が踊る。
 篠岡は、バットを握った凛々しいその姿にしばし見とれた。
(ノック、自由自在だもん。すごいなあ〜)
 篠岡も何度かこっそりチャレンジしてみたことがあるのだが、憎たらしいぐらいボールは
思うようには飛ばなかった。
 高校時代、軟式野球部のマネージャーだった百枝は、打撃投手やノッカーも務めていたという。
今でも、その実力は選手たちに劣らない。
(私も、ノックとかできるようになったら、もうちょっと役に立てるのになあ)
 今現在でも、部員の世話やデータ収集などで十分以上に役に立っているのだが、篠岡自身は
まだまだ足りないという気分でいっぱいだった。
 特に、アルバイトの給料や貯金をつぎ込み、自分のすべてを野球部に捧げているかのような
百枝を見るにつけ、その想いは強くなる。
「次、ライト行くよー!」
 百枝がバットをライトに向ける。花井がはいっと大きな声で答えるのをきっかけに、篠岡は
仕事に戻ろうとした。いつまでもぼうっとしててはいけない。
277特別練習2/10:2007/07/30(月) 00:55:17 ID:1E4+Khe+
 視線の端に、ボールを取ろうと振り返った百枝が、ふっと息をつくのが映った。
(あれ?)
 妙に疲れたような、珍しいその仕草に、思わずまた視線を戻してしまう。
(監督、ちょっと顔色悪い?)
 ノックを繰り返す百枝の顔色が、いつもより白く見える。そのくせ、なんだかいつもより、
汗を一杯かいているような気もする。
 張りのある声や、きびきびした動作はいつもと変わりないけれど……。
(光線の加減かな?)
「篠岡、どうした?」
 かけられた声に顔を向ければ、そこには野球部の顧問、志賀剛司がいた。数学の教師で、
野球にはあまり詳しくないのだが、講習会などによく通ってさまざまな野球理論を勉強しているらしい。
話が回りくどいのが難点だが、部員たちに独特のメンタルトレーニングを教えてくれる真面目で
優しい先生だ。
「あ、の……」
 篠岡はチラリと百枝を見る。目の錯覚かも知れない。あまり騒ぎ立てて大事になっても
いけないけど……。ちょっと逡巡して、それから思い切って口を開く。間違っているのなら、
それでもいい。でも、もしも本当に具合が悪かったら?
「監督の顔色が、あまりよくないように見えて……。体調、悪いのかなって」
「監督が?」
 志賀がバッターボックスの百枝に視線を向ける。
278特別練習3/10:2007/07/30(月) 00:55:55 ID:1E4+Khe+
「あの、気のせいかも知れないですけど……」
「いや、確かに。あれだけ運動してるにしては、頬の赤みも少ないね。ふ、む……」
 志賀は右手で顎を撫でた。
「疲れ、かな。ここのところ毎日、特別練習だし……」
 小さく呟かれた言葉に、え、と篠岡が反応する。
「特別練習?」
「うん、そう。ほら、日が短くなってきて、放課後の練習時間がとれなくなってきたでしょう。
だから、夜に道場を借りて練習してるんだ」
 篠岡は目を見張った。そんなことをしてるなんて知らなかった。自分は、野球部のマネージャーなのに。
疎外感に胸が痛む。その篠岡の感情を見透かしたかのように、ごめんねと志賀は謝った。
「篠岡は十分サポートしてくれてるよ。ただ、女の子をあまり遅くまでこき使っちゃいけないかなって」
「そんな! 夏の間は、もっと遅くなることもありましたし……」
「それはそうなんだけどね……。うちの人も心配するでしょう」
「私にも手伝わせてください。大丈夫です。家族は私が野球部のマネージャーをすること、
応援してくれてますから」
 篠岡は必死に言い募った。顎を撫でながらしばらく考え込んだ志賀は、やがてにこりと頷いた。
「よし、手伝ってもらおうか」
 篠岡の顔が輝く。
「ありがとうございます!」
「お礼を言うのはこっちだよ。正直、監督に負担をかけすぎてるかなと思っていたんだ。
篠岡が手伝ってくれるのなら、とても助かるよ」
「後かたづけが終わったら、道場に行けばいいですか?」
「うん。――ああ、篠岡」
 顎を撫でていた手を持ち上げて、眼鏡の位置を直しながら、志賀が言った。
「監督には内緒にしておこう。みんなにも。それで驚かせてやろうよ」
 だから、みんなが道場に行ってから、30分ぐらいしたらおいでとウインクをする。
279特別練習4/10:2007/07/30(月) 00:56:20 ID:1E4+Khe+
 志賀の珍しい茶目っ気に、篠岡は明るい笑顔で頷いた。――その眼鏡の奥の、欲情を帯びた
光には気づかずに。


「そろそろ、かな」
 腕時計を見ながら、篠岡はペンをテーブルに置いた。データ整理のために広げていた資料を
手早く片づけて、道場へと向かう。
 すでに秋の陽は落ちきっていて、人気のなくなった学校はしんと鎮まっている。
 慣れ親しんだはずの場所が、なんだか急によそよそしくなってしまったように感じて、
篠岡は足を速めた。
(……あれ?)
 体育館の角を曲がると、道場が見えてくる。だが、灯りが点いているはずのその建物は、
真っ暗なままだった。
(私、間違えた?)
 道場じゃなくて、体育館だったとか……とキョロキョロ周囲を見回していると、道場の前で
志賀が手を振っているのが見えた。
280特別練習5/10:2007/07/30(月) 00:56:47 ID:1E4+Khe+
「篠岡、こっこっち」
 潜めた声で、篠岡を呼ぶ。それにつられて、篠岡の声も小さくなってしまう。
「志賀先生、みんなは……?」
「中にいるよ」
 にこにこ笑って、志賀が引き戸に手を掛ける。おいでおいでと手招きされて、篠岡は小走りに
引き戸の前に立った。
「……っ……ぁ……」
(……?)
 戸の向こうから漏れ聞こえてくる声に首を傾げる。ミーティングでもしているのだろうか。
それにしてはいやにせっぱ詰まっているような声だ。
 そんなことを思っていると、志賀が思い切り引き戸を開けた。背中をドンと突き飛ばされる。
(え?)
 何が起こったのかわからなかった。転倒を避けようとたたらを踏んだけれど、踏ん張りきれずに、
結局道場の中に転がり込んでしまう。
 篠岡の後ろで、ぴしゃりと戸が閉められる。
281特別練習6/10:2007/07/30(月) 00:57:15 ID:1E4+Khe+
(な、に……?)
 本能的な恐怖で体がすくむ。夜といえ月明かりがあった外とは違って、道場の中は真っ暗闇だった。
 バカみたいだ。いくら暗くたって、後ろにいるのは志賀先生で、道場の中には監督や他の
みんなもいるはずで。
「う、ぁ、ああ、も、もう……ああああっ」
「モモカン、ダメだよ。ほら休まないで」
「なあ、早くしろよ。待ちきれねーよ」
 暗闇の向こうから、みんなの声が聞こえる。でも、それは……いつも聞いていた声とは
まったく違っていた。
(なん、なの……?)
 暗闇に目を凝らす。ようやく慣れてきた目に映ったのは。
 ――白い体。まといつく何本もの手。長い髪が畳の上に散らばって。
「ひっ」
 ぐいと体を起こされて、均整のとれた美しい体が仰け反る。突き出された豊かな胸に、
クセ毛の頭がしゃぶりつく。
 なに……?
 これは、なに……?
 目の前の光景が理解できない。いや、理解することを、頭が、気持ちが、拒否している。
 下から突き上げられて、長い髪が踊る。――太陽の下でノックしていたときとは違う、
淫らな動きで。
282特別練習7/10:2007/07/30(月) 00:57:47 ID:1E4+Khe+
「あ、あ、や、ああっあ、う、んぁっ、お、あああああああああああああ」
 獣じみた声を上げて、百枝が体を震わせる。――そう、それは百枝監督だった。ただし、
篠岡の知らない顔をした。
 いつもの凛とした表情は消え失せて、情欲に瞳は潤み、喘ぐ唇の端からはだらしなく涎が
垂れている。何本もの男たちの手を受け入れて、揉みくちゃにされて、苦しそうで、なのに
男たちにしがみついて悦んでいる……女の、顔。
 そして、百枝にまとわりつくのは……西浦高校の、野球部の仲間たちだった。
 百枝の腰を下から支えて、激しく突き上げているのはキャプテンの花井。顔を真っ赤にして
百枝の胸にしゃぶりついているのは気弱で大人しいエースの三橋。
「あっあっ、いや、そこはぁ!」
「嘘だね。モモカン、こっちも好きなくせに〜」
 無邪気な顔で笑って、四番の田島が背後から百枝を抱きしめる。百枝の白く形のいい尻の間に
田島のものが埋めこまれていく。
(うそ、だ……)
 ぺったりと座り込んだまま、篠岡は震える肩を抱きしめた。
(こんなの、嘘、だよね……?)
「……っ!」
 篠岡はびくりと肩を振るわせる。
 背後から篠岡の肩を掴む、男の手。自分の後ろにいた人物のことを思い出して、篠岡は息を呑む。
283特別練習8/10:2007/07/30(月) 00:58:21 ID:1E4+Khe+
恐い。振り向けない。
「あ……ぁ……」
 ガタガタ震え出す篠岡には構わずに、男――志賀は篠岡の後ろにしゃがみ込み、右肩あたりに
顔を突きだし、ゆったりとした声を出す。
「いつもああなんだよ。百枝監督はひとりなんだから、加減しなさいと言っているんだけどね。
まあ、若いから我慢が効かないのは仕方ないけれど……」
 この声を、恐いと思ったことなんかなかったのに。なのに、今は震えが止まらない。
「でも、篠岡が加わってくれるなら、監督の負担はだいぶ減る。本当にありがとう」
「……こ、こんな……な、んで……」
 震える喉からは、まともな言葉が出てきてくれない。けれども、志賀は篠岡の言いたいことが
わかったようで、くっと喉の奥で笑った。
「男にはね、どうしようもない衝動があるんだよ。スポーツで発散できるなんていうけれどね、
実際は難しい。彼らみたいな思春期の少年は、特にね」
 百枝監督は女性だから、その辺の機微はわからなかったみたいだけど……くくくっと、志賀は
喉の奥でまた笑う。
284特別練習9/10:2007/07/30(月) 00:59:07 ID:1E4+Khe+
「無理矢理に抑えつけて、不祥事でも起こされてしまうよりは、こんな風に解き放ってあげる方が
いいんだ。練習を真面目にやったご褒美ってことにすれば、モチベーションもあがるしね」
「か、んとく、は……」
「監督は喜んで協力してくれたよ。最初はちょっと、戸惑っていたみたいだけどね。……大丈夫。
恐いことではないんだよ。全然、恐いことではないんだ。きっと篠岡も好きになれるよ」
「う゛ぁ゛っ、ああああ、んんっ……あ、ああああああああああああああ!」
 ふたたび獣の声を上げて、百枝が大きく仰け反った。ぶるぶると震えていた体が、やがて
くたりと力を失う。
「げ、まっじー。モモカン気を失っちゃった」
「えー、オレ、まだやってないのに!」
「だから手加減しろっつったろ」
「……あれ、篠岡?」
 百枝を取り囲む輪の中の、一番外側にいた少年が篠岡に気が付いた。――水谷だ。反射的に
後ずさろうとしたけれど、志賀がガッチリと肩を掴んでいて、動けない。
「はい、みんな注目!」
 志賀が声を張り上げる。暗闇の向こうから、男たちの視線が自分に突き刺さるのを、篠岡は
感じていた。
285特別練習10/10:2007/07/30(月) 00:59:30 ID:1E4+Khe+
「今日から、篠岡も協力してくれることになったよ」
「シガポ、まじ!?」
「やったー!」
 歓声をあげるその声は、休憩の時に食べるおにぎりの具が豪華だったときと変わらない。なのに
……いや、だからこそ恐い。恐くて震えが止まらない。
「……あ、あ……あ……」
 水谷と沖がこちらに駆け寄ってくる。思わず篠岡は身を縮めた。
「ストーップ!」
 志賀が片手を前に突き出す。
「焦ってはダメだよ。篠岡はきっと初めてだからね。優しくしてあげないと」
「大丈夫大丈夫」
 調子よく笑いながら、水谷がにじり寄ってくる。
「オレら、ずいぶん上達したっしょ?」
「モモカンだって、最初は抵抗してたけど、そのうちいい声で鳴くようになっちゃって」
 水谷が、沖が、他のみんなが、近寄ってくる。恐い。恐い。
「………っ」
 手が。手が伸びる。
 何人もの、男の手が。篠岡に向かって。
「……や……」
 悲鳴を上げたいのに声が出ない。引きつる喉から出るのは微かな音ばかりで。
 手が伸びて。篠岡のジャージにかかって。
 そして。
286特別練習:2007/07/30(月) 01:03:12 ID:1E4+Khe+
変な終わり方ですが、これで終わりです。
読んでいただいた方、ありがとうございました。

篠岡に迫ってくるヤツら全裸なんだよなと考えると、
それはそれで間抜けだなと思ったり。
287名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 01:05:56 ID:NvAT4r8N
GJGJ!怖いよおおお
ちょっとした恐怖ですね。

全裸の西浦勢に想像してワロタww
288名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 01:07:37 ID:dMhQ24bR
うおい!すごい話だ!
最近ほのぼのしてたから、こういうの新鮮でいいよいいよ
この後の展開が気になっちゃうよGJ!
289名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 01:53:50 ID:opcfHxk4
>>286
おまいさん最後の一言さえなけりゃ普通にダーク系の良作で終われた物をw
290名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 02:05:58 ID:2fFTyAsx
>>286
うん、一度はこういうのも見たかった! GJ!
篠岡貫通までやってくれたら更に神!
291名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 12:34:03 ID:/3pqlRBg
遅ればせながらコミック全巻揃えますた。
4巻で青春が始まりそうで始まらなかった三橋篠岡イイ!!
スレの上の方で出てきた、お母さんいない栄口くんとモモカンの歳の差カポーもハァハァ
292名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 14:16:05 ID:1Xf4DfMF
栄口「モモカンは俺の母になってくれるかも知れなかった女性だ」

こうですか?
293名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 14:49:40 ID:CU2qgvox
>>291
それいいな!
栄口がモモカンに告白して、モモカンも栄口が好きなんだけど、
立場上受け入れることはできないから
「栄口くんは私の中にお母さんを見出そうとしてるだけよ」って言っちゃうとか?
294名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:42:24 ID:NvAT4r8N
こんばんは。前スレの長編アベチヨの者ですが投下します。
CPは篠岡→阿部っぽいです。長いです。
甘くないです。
篠岡も阿部もちょっと痛いです。
幸せじゃないとダメな方はスルーお願いします。
295名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:43:08 ID:NvAT4r8N
「ね、あべくん、しよーよ?」


しよーよ。
じゃないだろ、と阿部は声に出すつもりだったが
喉が枯れて思うように声が出ず、心の中で突っ込みを入れた。
そんな阿部の様子に気づかないのか
目の前にいる篠岡は制服のボタンをプチプチと外していく。
ブラウスから覗かせる淡い色のブラジャーに、阿部の理性が崩れていく。

「私、阿部君の事ずっと…」

目の前で下着姿になった篠岡の肌の白さと、女性特有の丸みのある身体。
反比例するように真っ赤な顔。
しなやかな白い躯体とのアンバランスさに、阿部は目が離せない。

「ずっと…」

ずっと…?その先は?
296名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:43:53 ID:NvAT4r8N

ピピピ…ピピピ…
無機質な音が部屋に響き渡り、新しい朝を知らせてくる。
阿部は寝ぼけながらそれを止めた。

「…なんつう夢…」

とんでもない夢を見てしまった。
昨日の練習はいつも以上に厳しくて、辛かった。
家に帰ったら晩御飯をたらふく食べて、風呂に入って即ベッドに入った。
ドロドロに疲れた身体では自慰をする体力も気力もなく、
寝る前に何かを考える時間もなく、ましてや夢を見る余裕なんてなかったはずだ。
なのに。
こんなことなら、昨日の夜オナっときゃ良かったと後悔した。
夢精くらい青春まっさかりの高校生なら誰だってするだろう。
田島なんか毎日してそうだ。いや、あいつは自慰で十分か…。
クッと笑って、すぐに俺、人のこと言えねー…と考えを改めた。
腹の辺りにある、特有の感触に眉が寄る。



なんだって篠岡なんだよ。
297名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:44:51 ID:NvAT4r8N

あいつは野球部のマネージャーで、
同じクラスメイトで、ただの友達だ。
俺達の為に一生懸命なあいつを、そういう目で見たことはない。
好きとか嫌いとかじゃなくて、そういう対象であいつを見たくない。
今日も朝からあいつと顔合わせるのに俺最低だな、
と阿部は1人ごちた。

こんな自分は最低だと思いながらも、
あそこで起きなきゃ篠岡の身体見られたよな、
と考えてしまった自分にまた、自嘲した。
複雑な胸中を整理する時間はないようだ。
朝練の時間はすぐそこまで来ていた。
鬱屈な気分を振り切るように、阿部は素早く支度をし、階下に足を運んだ。
298名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:45:38 ID:NvAT4r8N

遅刻したくない、と思っている日に限って寝坊してしまう。
宿題を忘れてしまい授業で当たりたくない、と思うと当てられる。
会いたくないと思っている人に程、よく会う。
一生の内にこういった経験が何度かあると思う。
阿部は今まさにその状況下にいた。

「おはよー、阿部君!」

シャーと軽快に自転車を漕ぎながら声を掛ける篠岡と遭遇した阿部は、
それはもう驚いた。
何で今日に限って、登校中に会うんだよ!
だいたい篠岡って俺達と違って少し遅れてくるはずだろ。
2列になって自転車を漕ぎながら、
今日は暑いねーと呑気に話を投げてくる篠岡にため息をつきたくなる。

「お前今日なんでこんな早いの?」
「早く目が覚めちゃって。
 どうせだから、グラウンドの草取りでもしようかなあって」
299名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:46:20 ID:NvAT4r8N

実に頭が下がる発言だ、と阿部は思った。
ニコニコと笑いながら言うから気がつかないが、
マネジの仕事は半端なく重労働だ。

篠岡がいなきゃスムーズに水分補給も出来ない。
飯も食べられない。
データだって自分達でまとめなきゃいけない。
阿部はそんな篠岡の行動に敬意を払っている。
だからこそ朝のあの事件を後悔したのだ。

「まあ、無理すんなよ」
「あはは、大丈夫大丈夫!皆頑張ってるからね。
 阿部君、やっぱり優しいね」
「はあ?」
「でも、そういう所が、好きなんだけど」
「…っ!」
「なんてね。じゃ、私更衣室こっちだから行くね!またねー」

あまりに自然すぎる告白に足が止まった。
300名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:47:23 ID:NvAT4r8N
篠岡からの告白は、初めてではない。
一週間前、阿部は篠岡に告白をされていた。

その日は練習後たまたま二人でスコアの片付けをしていた。
1人でやるからいいよと断る篠岡にいいから遠慮するなと制した。
暗い部室で黙々と作業をしながら、
時々今日の投球や打撃や守備練習について会話が弾んでいった。
阿部は、篠岡とはあまり野球部以外で話す事がなかったが、
部活について、野球のデータについて話すのは楽しいと素直に感じた。
会話が盛り上がり、落ち着いて静寂が訪れたその時。

それは突然だった。


『…私ね、阿部君が好き』
301名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:48:04 ID:NvAT4r8N

言われた直後、驚きや感動もなく、は?と口から出た。
篠岡は慌ててごめん、言いたくなっちゃってと返した。
顔を赤くして、胸の前で手を振っている。
篠岡の事は、マネジとしては尊敬していた。
クラス内で、男が篠岡って可愛いよなと噂しているのも知ってる。
それでも阿部は興味がなかった。
興味がないと言うよりは、恋愛がらみで部内の雰囲気を悪くさせない為に
無意識で意識しないようにしていたのかもしれない。

『…わりいけど、俺今は野球しかねえから』

自分でも冷たいと思った。
だが不器用な自分にはこれ以上上手く断る事が出来なかった。
そんな阿部の答えにも篠岡は笑って答える。

『うん、わかってるよ。野球する阿部君が好きだから』

そこで会話は途切れ、遅いし帰ろうと言う事になった。
その日は別々に帰った。
送るよ、と言った阿部の親切心に
篠岡は嬉しいけど今はそういうのも辛いから、
ごめんね、ありがとうと断った。
たったそれだけ。
勿論多少の動揺したが、その突然の告白はそこで一つの終わりを迎えたはずだった。

それが、今日の夢によって改めて意識せざるを得なくなってしまった。
フった相手に対してああいう夢見るってどうよ。
俺、意識してんのか?篠岡の事を…。
チ、と舌打ちをして自転車置き場へと急いだ。
これ以上は考えないようにしよう、そう誓って。
302名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:48:48 ID:NvAT4r8N
「阿部さあ、篠岡となんかあったのか?」
突然振られた話題に、阿部は飲み物を噴出した。
「うわあ!阿部キタネー」
ゴホゴホと下を向いて咽ながら、阿部は水谷を軽く睨んだ。

「…ッうる、せェぞクソレフト」
「なんだよー!その名前で呼ぶなよ!」
「うっせえ」
「あーほら、やめろよ阿部も水谷も」
花井は怯える水谷にフォローをいれつつ、阿部を制した。

「お前のせいだろうが、花井」
「んだよ、おまえらなんかおかしいじゃん。
 いや、篠岡じゃねーな。お前がおかしい」
「なんでだよ」
ギっと花井を睨む。

「今日だって朝練にも力入ってねーし、打撃練習でも全然当たらねーし。
 しまいにゃモモカンに握られてただろ」
「なんでそれと篠岡が関係あんだよ」
「お前がモモカンに怒られてた時に、篠岡が私のせいかなって
 つぶやいてたぞ。俺聞こえちまった」
「そーだよ、それに阿部、なんか篠岡に冷たいし!」
「はあ!?」
「さっき篠岡が気にしてたぞ。
 データ渡した時もそっけなかったし、
 飲み物渡した時もお礼も言わなかったじゃん!」

お前ら、どんだけ観察してんだよ、キモチワリイな…。
友人の観察眼に背筋が凍った。
303名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:49:29 ID:NvAT4r8N

フと周りを見回したが篠岡はどこかに行っているのか、クラス内にはいなかった。
この会話聞かれたらマズイよなぁと思いながら、いない事にほっとする。
標準より大きいサイズの弁当を広げ、オカズをつまむ。
モグモグと咀嚼して、飲み物で喉を潤すと頭の中が冷静になっていくのを感じた。


「別に何もねーって。ちっと体調悪かっただけだ。
 篠岡となんかあるわけないだろ」
「それならちゃんと篠岡に軽く謝っておけよ。
 手伝ってもらって礼も言えないなんて情けねーぞ。
 今日練習後にでも言えよ」
「わかってるよ」
「あー篠岡かわいそう!阿部みたいな奴に冷たくされて
 それでもマネジ業頑張ってくれてさ。俺がマネジだったら阿部にはドリンクやんねー!」
「お前がマネジなんてキモチワルイんだよ!
 あとオレみたいなは余計なんだよ!クソレフト!」
304名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:50:25 ID:NvAT4r8N

阿部はバシっと小気味良い音を鳴らして、水谷の頭をはたいた。
いってええ!と騒ぎ立てる水谷に軽くため息を吐き、
横目で後ろのドアを見やると、篠岡がこちらを見ながら立っているのが視界に入った。
その力に吸い寄せられるように、顔全体がドアに向かった。
篠岡は何かを伺うように、大きな瞳を見開き、阿部の目を見据えていた。
目が合い、すぐに反らす。露骨だったと少し後悔した。

そのすぐ後に、篠岡は阿部の机の横を通り過ぎ
阿部の斜め前の自分の席に座り、携帯をいじりだした。
前に座っているのに、篠岡には後ろに目が付いていて、
自分を見つめているような気がした。
篠岡が視界に入ると静まらない鼓動。自意識過剰なのか。
これは何なんだと自問自答するが、ただただ脈拍が速くなるばかりだった。

花井にも水谷にも、まさか篠岡に告白されたなどと言えない。
ましてや、篠岡でエロい夢見てしまって冷静でいられないなんて
相談をしたら間違いなく変態扱いされるだろう。
花井辺りには最低だな、と冷たい目線を向けられそうだ。
水谷は、他の奴に話しそうだ。絶対ダメだダメだ。
この1週間は篠岡と対峙しても平静を保てたのに。
今日の夢の所為だと阿部は心の中で舌打ちをした。
305名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:51:07 ID:NvAT4r8N

その日の放課後、阿部は練習前に篠岡に声を掛け、
練習後に自分達のクラス、つまり7組の教室に来るように言った。
部室で話しても良かったが、他の連中に邪魔されそうだったのでやめた。

練習後、真っ先に制服に着替え、仲間達に挨拶もそこそこ
阿部は誰よりも早く部室を出た。
仲間には急用があると嘘をついた。
7組の教室へと足を走らせる。
走りながら、俺は何を言うつもりなんだろう、と阿部は考えた。
そっけない態度でごめん?
告白はなかった事にしてくれ?
でも気になって仕方ない?

言っている事が滅茶苦茶だが、どれもこれも、本当の阿部の気持ちだ。

教室のドアを開けると、まだ篠岡は来ていなかった。
早すぎたかとつぶやき、自分の机へと足を向けた。
座りなれたその席に腰を下ろし、早まる鼓動を落ち着かせる。
とりあえず、今日は謝ろう。そっけない態度で悪かったって言おう。
それ以上の事を考えても、仕方ない。
そう思い、篠岡を待つがなかなか現れない。
その内に、練習で疲れた身体に睡魔が訪れた。
我慢していたが、だんだん舟を漕ぎ始め、数分後には眠りについてしまった。
306名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:51:50 ID:NvAT4r8N

何分、何十分経ったのか。
阿部は眠りから覚醒し顔を上げた。
タレ目がよりいっそうたれている。
目の前で、あの大きな瞳がじっと顔を見ている。

「おはよ、阿部君」
「はよ…」

まだ覚醒しきらない頭で返事をしたがすぐに、違ェ!!と頭を振った。

「わりい篠岡!俺、寝てたか!?」
「うん、気持ち良さそうに寝てたよ」

くすくすと口元に手をやり、阿部君寝顔はかわいね、と言った。
窓から月の光が射し込み、篠岡の横顔を照らしている。
目尻を下げて笑うその姿は可愛いと、阿部は素直に感じた。
落ち着いたはずの鼓動がまた煩くなっていった。
307名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:52:40 ID:NvAT4r8N

「それで、話って何かな?」
篠岡は阿部の前の席に腰を降ろして、阿部の方に身体を向けた。
掌だけを阿部の机に置いている。

「あー…。今日さ、何か俺酷い態度だったじゃん。それ謝ろうと思って」
阿部は篠岡の顔をまっすぐに見ることが出来ず、
フイと軽く斜めを向きながら言った。

「あ、そんなこと?」
「そんなことって。花井も水谷も気にしてたぞ」
「え?」
「花井がお前がつぶやいてたの聞いたらしいぞ」
篠岡は、あ、聞かれてたんだと顔を赤くして俯いた。

「何か水谷にもすげえ責められるし、篠岡に謝れよって言われて」
「…阿部君、二人に言われたから私に謝ってくれたんだ…」

篠岡はそのまま俯き、周りは静寂に包まれた。
308名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:53:27 ID:NvAT4r8N

「篠岡?」
動かなくなった篠岡に訝しみ、恐る恐る声を掛けるが返事がない。

「…なんか傷、つけたか?」
「…阿部君って本当に、バカ…」
阿部は、なんだよ、と反論しようとしたが顔を上げた篠岡の瞳に
涙が溜まっていたのを見て、思わず硬直してしまった。

「な、おい、なんで泣いてんだよ」
「わかんないの!?もう、バカぁ!」
くしゃっと顔に力を入れると、溢れそうだった涙がポロっと零れた。

「ちょっ!お前…」
ひっくひっくと盛大に泣き出した篠岡に、
阿部はどうする事も出来ずに途方に暮れた。
阿部は、自分の発言で篠岡を傷つけたとは考えなかった。
思った事をそのまま口に出してしまうのは阿部の悪いクセだった。

数分経って、落ち着きを取り戻した篠岡はぽつりとつぶやく。

「…阿部君に呼び出されてちょっと期待しちゃったのに」
「はあ?」
「だってそうじゃない。告白してる相手に話があるって言われたら。
 なんだろうって思っちゃうじゃない」
「そうか、そういうもんか?」
「そうなの!阿部君は女心分かってなさすぎるよ!」
「そりゃ、悪かったよ…」

篠岡は大きな瞳でジっと睨むように見上げてくる。
その瞳には魔力があると阿部はボンヤリと思った。

「悪かった、から。もう泣くなよ、な」

そう言って、阿部は手を差し出し、
篠岡の目尻に溜まっている涙に親指で触れた。
309名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:54:10 ID:NvAT4r8N

その瞬間、周りの音が聞こえなくなった。
篠岡はじっと阿部の目を見つめ、
阿部は篠岡の瞳から目が離せなくなった。
二人の距離はわずか、顔一個分だけだ。

阿部は自分がとても恥ずかしい事をしていると気が付き、
手を離そうとしたが、篠岡の瞳に縫い止められた。
声を出したいのに、喉が焼けたように痛い。
それに、何か発したら、全てが崩れてしまうような。
そんな危うさが今の二人の間にはあった。

先に動いたのは篠岡だった。
自分の目尻と頬に触れている阿部の手に、
自分の手を重ねた。
温かくて小さな掌。マネジ業に精を出している所為か、
少しかさついている部分がある。

「…どうしてこんなこと、するの?」
「え…」
「期待しちゃうよ、阿部君…」
310名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:55:13 ID:NvAT4r8N

また篠岡の大きな瞳から涙が一筋零れた。
その液体は阿部の指を濡らした。
その生温い涙の感触に阿部は我に返った。
どう考えても、この状況は野球部員とマネジのそれじゃない。
ただのクラスメイト同士でもない。
慌てて手を引こうとした瞬間、逆に篠岡は阿部の手を勢いよく引っ張った。
バランスが崩れ、前のめりになりかけた阿部は、
目の前にある篠岡の顔に驚いて顔を背けようとした。
その瞬間、篠岡は両手で阿部の顔を包み、その唇で阿部のソレを塞いだ。


突然過ぎるその行為に、目を閉じる事を忘れていた。
身体が動かない。声を発する事も、身を捩る事も。唇を離す事も。
本当は簡単に出来るはずなのに、阿部は抵抗という単語を忘れたように
ただ篠岡の唇を受け止めた。
阿部は薄く開けた目でぼんやりと、篠岡の伏せられた瞳を見た。
長い睫と、少し苦しそうに寄せる眉、通った鼻筋。
ただ触れているだけの篠岡の唇から、彼女の気持ちが痛いほどに伝わってきた。
唇がかすかに震えているのを感じた。
その柔らかさから伝わる自分への強い愛情は、
これ以上ないくらいに溢れかえっていて、
そのままその愛情の波に溺れていくような錯覚に陥った。。
311名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:55:57 ID:NvAT4r8N

篠岡はそっと唇を離すと、自分の犯した行為に気恥ずかしさを感じたのか
そっと目を伏せた。
阿部はただただ目の前で縮こまっている篠岡を目で追った。

「…なんでこんなこと、すんの?」

先程篠岡がした質問を、阿部は繰り返した。
篠岡は目を見開いて阿部を見つめた。

「好き、だから。阿部君の事…」
「好きだからって、いきなりキスされても困るんだけど…」
阿部の発した言葉には感情がなく、
その絶対零度の態度に篠岡は少し恐怖した。
「ごめ、んなさ…」

涙を浮かべて謝る篠岡の言葉を吸い込むように、
阿部は篠岡の後頭部に手をやり、引き寄せ、思いっきり口付けた。
312名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:56:37 ID:NvAT4r8N

「…!…んんっ」

唇をぴたりと密着させて、隙間なく塞ぐ。
乱暴に舌を捻じ込み、篠岡の舌を掬い取って絡めると
苦しそうに声を上げた。
そのまま舌を引っ張り出し、吸い上げる。
上唇を甘噛みすると、篠岡の身体が震えるのを感じた。
んぅ、と時々苦しさに鼻に掛かった声をあげる。
その様子に、阿部は篠岡の唇を解放した。
篠岡の頬は赤く蒸気して、肩で息をしていた。
ハアと苦しそうにしている。
目尻は涙に濡れて、赤い唇は唾液に濡れている。

「じゃあ、俺もお前の事好きかもしれない」
「え…?」
「俺も篠岡にキスしたいと思った。
 こういう気持ちが好きって言うなら、俺も好きかも」

篠岡は心底傷ついた、と言う顔をして阿部を見た。
「それは…違うよ…阿部君は私のこと好きじゃないよ…」
313名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:57:49 ID:NvAT4r8N

泣きそうな声で、責める様な声質で阿部に反論する。
篠岡の大きな目に留まる涙は、今にも零れそうに溢れている。

「私、は!阿部君の事がずっと好きで。
 好きで好きで好きで!
 本当はずっと阿部君の事見てた。
 それでも本当は言うつもりなんかなかった。
 片思いで良かったの。
 でも、あの時阿部君と喋ってて、言いたいって思ったの…」

強烈な告白を、阿部は自分でも気持ち悪い位に冷静な気持ちで聞いていた。
 
「振られて、でも気持ち伝えたって事に満足したの。
 でも今度は阿部君とこれまでみたいに何も知らない時には
 戻れないって怖くなって…。
 この1週間、毎日辛かった」

篠岡の瞳は、もう涙を堪えようとはしなかった。
大粒の涙がポロポロと零れ、机の上に染みを作り、色を変えていく。

「でも、私が辛い以上に、阿部君も平静を保とうとしてるんだって
 気が付いて、それが私、嫌で…。
 阿部君の重荷になりたくない…っ!
 だから、だから…ごめんなさい…」
314名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:58:30 ID:NvAT4r8N

目の前で泣きながら懺悔をする篠岡へのこの気持ちはなんだろうと
阿部は考えていた。
確実に篠岡を好きではないのに、この痛い位に強烈な愛情を
愛しいと思う自分はなんなのだろう。
零れ落ちる涙が月明かりに反射して、キラキラと輝いている。

綺麗だ。

阿部は素直にそう思った。
湧き上がる感情の理由なんて知らない。
篠岡を好きかどうかもわからない。
しかし阿部は目の前の少女を確実に愛しいと思った。
それ以上の理由なんて要らない。
315名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:59:35 ID:NvAT4r8N

「ごめん」
きょとんとこちらを伺う篠岡に、阿部は何故か笑いたくなった。

「俺、お前に告白されてから、なんかいらついてたみたいだ」
「いらついて…って…」
また泣きそうな顔をして落ち込む篠岡に阿部はすぐさまにフォローをいれる。

「いや、いらつくっていうか、俺の感情を掻き乱した篠岡にやられたっていうか。
 最近の俺の中、暴風雨みたいに吹き荒れててさ」
「…それって褒めてるの?嬉しいの?迷惑なの?」
「わからねーよ。でも、全部かもしれねェ」


「お前さ、これから俺が言う事に引くなよな」
「?」
「俺さ、今日お前の夢見たんだ」
「どういう夢?」
「お前が俺に迫って、しようよっつって服脱ぎだす夢」
「…!!!!!」
316名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:00:18 ID:NvAT4r8N

ぽかーんと口を開けていた篠岡は、
意味が分かると同時に絶句して、真っ赤になった。
「な…っなに…なにそれっ!!」
「だから引くなっつったじゃん」

阿部はククっと笑った。

「どういう意味、それ…なんでそんな事私に言うの?」
「…わかんねえ。けど、お前の事意識してんのは間違いないみてえだ」

その言葉に、篠岡は曖昧に、だが一瞬嬉しそうな顔を向けた。
阿部は、その表情に満足感を覚える。
しかし、その後放たれた篠岡の一言に、夢の内容を話した事を後悔した。





「…じゃあ、本当に、しようよ」

考えてもみなかったセリフに、阿部は椅子から落ちそうになった。
「はあっ!?」
「私の事意識してくれてるなら、しよーよ。したら何か変わるかも」

何でそうなるんだ、篠岡の突拍子もない提案に頭痛がする。
阿部はキリキリと痛むこめかみを押さえた。

「お前自分が何言ってるのか分かってんの?」
「分かってるよ。私の告白が無駄じゃなかったって、
 阿部君の心を乱すくらい意識させたって、分かったよ…
 だから…」
「ちょ、篠岡」
317名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:01:10 ID:NvAT4r8N

「ね、あべくん、しよーよ?」

しよーよ。
じゃないだろ、と阿部は声に出すつもりだったが
喉が枯れて思うように声が出ず、心の中で突っ込みを入れた。
そんな阿部の様子に気づかないのか
目の前にいる篠岡は制服のボタンをプチプチと外していく。
ブラウスから覗かせる淡い色のブラジャーに、阿部の理性が崩れていく。

「私、阿部君の事ずっと…」

目の前で下着姿になった篠岡の肌の白さと、女性特有の丸みのある身体。
反比例するように真っ赤な顔。
しなやかな白い躯体とのアンバランスさに、阿部は目が離せない。

「ずっと…」

篠岡は阿部の目の前で膝立ちになると、阿部の手を取り
自分の胸に触れさせた。
触れた胸は柔らかく、そして心臓が高鳴っているのを感じた。
篠岡の目は相変わらず大きく輝いて、阿部の目をじいっと見つめている。
阿部は、この目が苦手だ、と思った。
見つめられると、どうしようもなく心を乱される。
どうなってるんだ。これじゃ本当に夢の続きじゃないか。

「ずっと好き。阿部君と、したい、よ…」
318名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:02:11 ID:NvAT4r8N

ダメだと思った。
意識しないでいようとする事は、結局意識しているのと同じ事だと。
篠岡に告白されて、嬉しくなくはなかった。
人から好意を寄せられる事は、純粋に嬉しかった。
ただこの好意を受ける事が自分の為、ひいては部員の為にならないんだと
そう自分に言い聞かせてきたんじゃないのか。
阿部は自分の「本当」が分からなくなる。
俺は…。

「お願い、嫌いにならないで…」

そう言って篠岡は、弱弱しい力で阿部に抱きついた。
そして、自分の唇を阿部の唇に押し付けた。
今度は触れるだけじゃなく、舌を侵入させる。
口内を自由に這い回る篠岡の舌を感じながら、阿部はぼんやりと思う。


嫌いなんかじゃないよ。
でもお前を好きかどうか、わからないんだ。
お前がオレを好きな位、オレはお前を好きかわからない。
319名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:02:59 ID:NvAT4r8N

阿部は篠岡の舌の追跡を振り切り、唇を離した。

「それでもいいなら…」
「え?」
「お前がオレを好きな位、オレがお前を好きかどうかがわからない。
 それでも構わないのか?それでも良いなら、お前を抱きたい」

篠岡が、大きく目を見開き阿部を見据えた。
少なくとも、自分の好意を嫌がってるんじゃない事は分かった。
でも阿部は自分を好きではない。
それでも良いの?と自問自答する。

だけど触れたい。触れたい。触れたい。
心が全て貰えなくても、繋がりが欲しい。ずっと好きだった人。

「私、は…それでも構わない。だから、して」
「…わかった」
320名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:03:40 ID:NvAT4r8N

阿部は篠岡の身体を抱え、床にそっと寝かせる。
そのまま、何か言いたげな篠岡の唇を塞ぐ。
最初は触れるだけ。そして角度を変えて深く口内に舌を侵入させる。

「んんッ…はぁ…」
篠岡が空気を求めて口を開ける。熱い息が阿部の頬に当たった。
その瞬間にまた、塞ぐ。


阿部は篠岡が発したかった言葉は何だろうと考えた。
このまま篠岡を抱いていいのだろうか。
自分の気持ちが不透明なまま、篠岡の気持ちを受け止めていいのか。

自分の本当に気がつかないまま。


しかし躊躇していると怪しまれると思った阿部は
下着の上から篠岡の胸に触れた。
321名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:04:22 ID:NvAT4r8N

「あ、ん」
小ぶりだが、白くて柔らかい胸。
篠岡の背中に手をやり、ブラジャーのホックを取る。
晒された篠岡のほっそりとした上半身。
鎖骨の辺りは薄くて、胸のラインはなだらかな丘を描く。
その胸の先端の蕾はすでに固く、主張していた。
「かわいい」
素直にそう思った。
親指と人差し指で摘んで弾くと、篠岡の口から喘ぎが漏れた。
「ん、う、やぁ」

下から持ち上げるように揉んで、乳首に舌を寄せる。
チロリと舐めあげると篠岡の身体が跳ねた。
そのまま口内に含んで転がす。
「んんッ!や、だ、阿部、くん…」
「ヤダはナシ、だろ?」
「んあ、ああ…やぁ」
執拗に口内で舐ると篠岡が喉を仰け反らせる。
目をやると、白くて細い喉元が見える。
阿部はその喉元に噛み付くようにキスをした。
322名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:05:19 ID:NvAT4r8N

そのまま喉に舌を這わせたまま、手を下に降ろして行き、
下着の上から篠岡の秘所を撫でた。
胸への愛撫の所為か、篠岡のソコはすでに蜜を湛えている。
割れ目に沿って指をなぞる。上から下から。
我慢出来ない、と言うように篠岡は太腿で阿部の手を挟んでしまった。
「どうした?」
「阿部く、ん。触って…直接して…」

熱に浮かされたように顔を真っ赤にして、瞳を潤ませて、阿部の目を射抜く。
その目で何度見つめられただろう。
その度に、心臓が破裂しそうに高鳴って、動揺させる。

阿部は篠岡の下着をするすると降ろし、膝を掴むと、足を大きく広げた。
教室は暗いが、月明かりの所為で秘所は丸見えになった。
「はず、かし…いよぉ…」

そこは濡れて光って、今にも零れそうに溢れていた。
阿部はまるで篠岡の大きな瞳のようだと思った。
何度も自分を射抜き、見つめてきたその瞳。
目の縁に涙を溜めて、零さないように我慢するその瞳。
323名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:06:04 ID:NvAT4r8N

熱く濡れた蜜壷に指を一本挿入する。
軽くつぽ、と入れて動かす。

「ああ…ッ!うあ、ん」

浅い所でくちゅくちゅと卑猥な音を立てながら出し入れをしていると、
コポと蜜が溢れた。

内腿を伝うソレを目にした阿部は、篠岡の太腿を持ち上げると
そのまま秘所に口を寄せた。
舌を突き出して、蜜を湛える割れ目の中に侵入する。

「ああぁ!いやあ、やだぁ、あべ、くん」

熱い粘膜は舐めとっても舐めとっても、湧いて来る。
音を立ててちゅう、っと吸いながら、敏感な突起に歯を立てた。
「ひゃ、あ、あ、あんあ、あ、」
そのまま貪りついて、指で突起を弄ると、篠岡は高い声をあげて達した。
324名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:06:46 ID:NvAT4r8N

ハアハアと肩で息をして、呼吸を整える篠岡を阿部は上からじいっと見つめた。
前髪は汗で張り付き、頬がピンク色をしている。
一度達した所為か、秘所からはトロトロと愛液が流れていた。

「気持ち良かったか?」
「…う、ん」
「凄い、濡れてる」
太腿を濡らす愛液を指でなぞる。
「だって、あ、阿部君に、触られてるから…あ、は、はあ…」
「…オレに?」
「うん、阿部君、だから。特別…」

オレだから…。

「あのね、女の子って、例えばレイプとかされても、本能で濡れるんだって。
 でも、本当に好きな人とした時は、身体の反応が全然違うんだよ」

なんて、友達の受け売りだけどねー、と篠岡は軽く笑った。
325名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:08:07 ID:NvAT4r8N

オレは篠岡にとって特別なのか。
そうだよな、好きだって言われたんだ…。
でもオレは?
オレの本当はどこにあるんだ。



阿部はじっと床を見つめたまま、身動き一つとらない。
篠岡はそんな阿部の様子に気づき、身体を起こした。

「阿部君…?どうしたの…?」
下を向いて動かない阿部の傍に近づき、顔を覗く。
そして阿部の顔を見た篠岡は、驚いて思わず後ろに仰け反ってしまった。


阿部は泣いていた。
326名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:08:53 ID:NvAT4r8N

「阿部君、ど、どうしたの…?」
「わりい、オレ…やっぱりお前とは出来ない」
「あべ、く…」
「ここでお前と最後までしたら、オレ、本当に最低な奴だ…」
「だって、私が良いって言ったんだもん!」
「オレがダメなんだよ!!」

篠岡は突然上がった大きな声に、ビクっと身体を振るわせた。

「自分でも最低な事言ってるってわかってる。
 でも、オレ、お前がオレを好きなみてえにお前の事、まだ、好きじゃない」
「……」
「そういうのから入る関係でも、いいのかもしれねえけど。
 たぶん、感情抜きにだって、お前の事このまま抱けると思う。
 でもオレは自分で責任が負えない事は、したくねえ、だから」

ごめん、と一言ぽつりと謝る。
327名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:09:44 ID:NvAT4r8N

篠岡は、泣きたかった。
阿部に触られた箇所を、指でなぞる。
まだ熱を持った身体は熱く、気持ちは治まらない。
だけど。阿部をここまで追い詰めたのは自分の我侭な感情だ。
大好きな人を、泣かせた。あんなに歩み寄ってくれたのに。

涙が零れそうになり、ぐっと我慢をする。
顔を上にあげてやりすごす。
制服を手繰り寄せてここに来た時と同じように、
元通りに着替えた。
すうっと深呼吸を一度。

「阿部君」
「…」
「私、阿部君を好きになって良かった」
「は、…あ?」
「阿部君はやっぱり優しいね。
 …もし阿部君が今日最後までしてたら、やめてくれなかったら。
 …私達お互いに大事な何かを失くしたかもしれないね」

だから、ありがとう。
とびっきりの笑顔を向けて阿部の目を見つめた。

「そうだな…」
阿部は目尻に溜まった涙を袖でグイっと拭った。
328名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:10:42 ID:NvAT4r8N

「本当に、私の事好きになってくれたら、今度は続き、してね?」
「本当に、好きになったら、な」
「絶対振り向かせるからね、阿部君」
「…お前さぁ、その目で見んの禁止な」

阿部は立ち上がって、言いながら横に顔を背けた。

「え?なんで??」
「…なんかお前にじっと見られると動揺する」
「…!…ねえ、それってどういう意味、阿部君?」
「しらねー」

オレの本当を理解しないまま、失くす所だった。
後悔しなくて良かった。
篠岡が後悔しなくて良かった。自分は間違っていない。

阿部は心の中で安堵した。
そして二人は見慣れた教室を後にした。
329名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:11:37 ID:NvAT4r8N
以上です。最後までやるかどうしようかかなり迷いましたが
あのままやったら安直すぎるということで寸止め。ごめんなー
と言うわけで後半に続けたい。
遅筆なので来週くらいに…時間が欲しい…学生が羨ましい(;´Д⊂)

関係ないけど、アニメ15話で阿部としのーかが手を繋いでいた件。
誰かあれでネタを…
330名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:19:12 ID:Lz3aO2Nn
>>329 全然痛くないよ!切ないよ!
切ないアベチヨ泣けるわ〜。涙もろい阿部が・・・w
続きが大変に気になるwいつまででも待ってます! GJGJ!

>関係ないけど、アニメ15話で阿部としのーかが手を繋いでいた件。
確認してくる!
331名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:19:55 ID:IU0YGOYc

切ないな。
アニメのあれは手を繋いでいた風に見えた(位置的に)んじゃないだろか
332名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:26:50 ID:XueKJ6zQ
寸止め…!
でもひどい奴じゃない阿部が良かった!
続き楽しみにしてます!!

アニメはそう見えただけだと…でも隣!!
333名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:34:47 ID:dMhQ24bR
寸止め!
しかしそのじれったさもいいGJ!
続き楽しみにしてるので、頑張って!
334名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:40:35 ID:Lz3aO2Nn
確認してきたw
静止画で見ると阿部の右手の位置は不自然だったw
明らかに篠岡の手を狙ってる?
335名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 22:33:54 ID:9gwi7XdX
>>329
超乙!GJです!
アベチヨいいよー切ないー(つД`)

>>334
狙ってるってw阿部変態すぎるww
336名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 23:50:54 ID:/3pqlRBg
アベは変態な奴だよ
337名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 00:38:02 ID:KRdkeiqf
>>286
こういうの読みたかったんだ。
続き切望!

>>329
よかったよ。乙!
338名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 20:44:53 ID:iBaaiFLY
>>286
全裸で想像したら、笑えてきたwでも夏らしくホラーで面白かったよ。

>>329
ひどい阿部も良い阿部もいいなあ。

後チラ裏だけどアニメスレのぼくらネタでミズチヨにちょっと萌えたw
339名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 21:45:13 ID:KNb/GJWP
おお振りぼくらのはヤバイ。中毒になったよ。
影響受けまくりorz
というわけでぼくらの風味の小ネタ投下します。

カプなしエロなし意味なし
340小ネタ 篠岡ハザード:2007/07/31(火) 21:46:12 ID:KNb/GJWP

その日、篠岡は最悪の体調だった。
初潮を迎えたのは何年も前のこととはいえ
未成熟な身体では不規則なのも当然のことで。
未だかつてないほどの生理痛に襲われた篠岡は
飲みなれない鎮痛剤を飲んでしまった。
慣れない身体に薬は中途半端に効き、
痛みは全く引かないのに、眠さだけがやってきて。
放課後部活の準備中にベンチにへたり込んで、眠ってしまった。


「あれ?篠岡寝ちゃってるぞ。」
水谷がいち早く気づいた。
「ホントだ。具合悪いのかな?」
泉と、沖と、巣山が篠岡に目をやる。

そして。突然4人そろって地面にへたり込んだ。
その意味不明な行動に、栄口と西広が心配する。
「どうした?なんで座り込んでんの?」
「どっか具合悪いの?」

水谷が声を震わせて答える。
「篠岡見てみ。やべえよ・・・。」
「「はあ?」」
栄口と西広が眠り込んでる篠岡に目をやる。
しばし見つめて・・・。
同じくへたり込んだ。

「お前ら何座ってサボってんだ。真面目にやれ!」
のこのこと花井と阿部が登場する。
栄口が顔を赤らめながら言い訳する。
「いやぁ。これってちょっとやばいよ。何でかわかんないけど。」
「はあ?」
へたり込んでる全員をよく見ると、地面に膝と膝をついてよつんばいだが、
脚の角度はなぜか少々内向きだ。水谷と沖はすっかり土下座状態だ。
「篠岡か?」
花井と阿部が同時に篠岡に目をやる。
ベンチに横たわっている篠岡は、どうも寝ているようだ。
脚は中途半端にベンチから落ちていて、シャツは少し捲くれあがり
眩しいくらい白い肌がさらけ出されている。
その白い肌を見た瞬間、花井の下腹部に衝撃が走る。
慌てて頭を振り、再び篠岡を見る。
341小ネタ 篠岡ハザード:2007/07/31(火) 21:47:18 ID:KNb/GJWP

顔色はすこし青ざめているようだが、頬は高潮していて。
額から一筋の汗が、篠岡の頬に沿って流れを作り、雫を落とす。
少しきゅっと寄せられた眉の下で、閉じられた目を守る長い睫毛少し震えていて。
ふっくらとピンクの唇は儚げに少し開けられ、白い歯が
かすかに唇を噛んでいる。
それは、まるで・・・快感に耐えて喘ぎ声を堪えているような・・・。

そう意識したとたん、さらに下腹部に衝撃が走り、花井もへたり込んだ。
もちろん前屈で。
「花井も、ヤベエだろ〜?」
水谷の苦しそうな問いかけに。
「・・・・・・ああ。」
花井が力なく答えた。

ほぼ横一列にへたり込んだ一同を阿部は冷たく見下ろす。
「お前ら、なっさけねえな。童貞かよ?」
「じゃあ、阿部、篠岡起こして、どっかやってくれよ。」
花井以下全員が、憎憎しげに阿部を睨む。
「チッ。しょうがねえな。」

すたすたと篠岡に近寄る阿部に、一同の目は尊敬に変わったが。
しかし、花井達からわずか1メートルの所で、阿部もへたり込む。
全員の冷たい視線が阿部の背中に突き刺さる。
「お前も童貞じゃねえか!」
342小ネタ 篠岡ハザード:2007/07/31(火) 21:48:04 ID:KNb/GJWP

「ちわっ!!って!!なんだ〜お前ら!何してんだ!」
田島の登場に、一同は神を見た。
「田島、頼む!篠岡を保健室に連れてってくれ!」
「え〜?しのーかどっか具合悪いのか〜?ってか、なんでお前ら篠岡に向かって
土下座してんの?」
田島の素朴なツッコミが皆の心に突き刺さる。

「いーから!早く!篠岡起こして連れてってくれ!」
花井の悲壮な叫びに、田島はしぶしぶと篠岡に近寄る。

物怖じせずにさくさく篠岡に近寄る田島は、後光が差してるように見える。
「おーい。しのーか。こんな所で寝るな・・・・・・よ・・・。」
ところが、起こそうと伸ばされた手は、篠岡からわずか数センチの所で止まり。
そのまま、しばし凍りつく。
「うわああああ!!クララがタったー!!」
そう叫んだと同時に、田島は駆け出してグランドを飛び出してしまった。
「アイツ・・・。よく動けるな・・・。」
タってしまったクララをもてあまして動けない皆はその田島の行動を
うらやましく感じる。

「くそっ!このままじゃ今日は練習にならねえぞ!」
花井の悔しそうなうめきに。
「なんでアレで篠岡起きないんだよ!?」
「全員で声かけるか?」
そういってふと篠岡をまた見てしまって。
全員深々とした土下座姿勢に変わってしまった。
343小ネタ 篠岡ハザード:2007/07/31(火) 21:48:51 ID:KNb/GJWP

「なんだよ。あれ・・・。」
水谷の嘆きに
「色気か?」
巣山が疑問をぶつける
「フェロモンってやつか?」
泉のぼやきに。
「なんで、あんなソソル顔して寝てんの?」
沖が同意する。
「ああいうのを、扇情的っていうのかなあ。」
西広先生の講釈に。
「ぴったりな表現だ。」
花井が賛同した。

皆が一斉にため息をつき、途方にくれかけたところに、
「み、みんな。ど、ど、どどどどうした、の?」
最後の戦士が登場した。

「みはしぃ!」
「ハ、ハイ!何!阿部、くん!」
キョドキョドと阿部に駆け寄る三橋。
「頼みがある。いいか、もうお前しかいないんだ。
お前ならできる。だってお前がんばってんだもん!
だからな、すみやかに篠岡を起こして、保健室に連れて行ってくれ。
いいか?できるな?首振るなよ!
首振る投手は嫌いなんだ!」

「う、うん!よく・・・わからないけど、
篠岡、さん連れて行けばいいんだね。オレ、やってみるよ。」

三橋が失敗したら、すべてが終わる。
そんな緊張感とともに、一同はゴクっと唾を飲んだ。
三橋が、ゆっくりと、篠岡に近づいていく。
篠岡まで、あと一歩。
ここで三橋が倒れたら・・・!?いやタったら!?
世界は消滅する。
344小ネタ 篠岡ハザード:2007/07/31(火) 21:49:42 ID:KNb/GJWP

伸ばされた手は・・・篠岡に・・・触れた!
「し、篠岡さん。保健室、いこ?」
「あ、あれ〜?私、寝ちゃってた?あはは、ゴメン。」
「保健室、いったほうが・・いいよ。送る、から。」
「ええ?う〜ん。そうだね。行った方がいいかもね。ありがとう三橋くん。」
三橋は篠岡を支えて、グラウンドを出て行った。

崩壊が免れた世界に、皆は心底ほっとしたため息をついた。
「・・・そういえば、アイツ篠岡をおかずにしないんだっけ・・・・・。」
阿部のつぶやきは、全員を納得させた。


モモカンが到着した時、グランドで皆は蹲っていて。

九九を唱えている沖。
花の受粉についておさらいしている泉。
ABCソングを歌っている水谷。
羊を数えている巣山。
スワヒリ語を練習している西広。
円周率を延々ぶつぶつ唱える阿部。
キング牧師のスピーチを朗読する花井。
平家物語の冒頭部分を暗唱している栄口。



モモカンは
なんだか皆、勉強熱心になっているわね。
と一人ごちた。


---終わり---
345小ネタ 篠岡ハザード:2007/07/31(火) 21:51:19 ID:KNb/GJWP
いや、ホント、サーセンw

実は小ネタ罰ゲーム書いたものです。
また設定流用してスマン>三橋は巨乳派。

目汚しスマソ
346名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 21:58:01 ID:9MdrG25Y
「うわああああ!!クララがタったー!!」
テラバカスwwww
笑いが止まらんw
347名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 22:06:02 ID:1PwKBqLo
アホスwwww
よくこんなん思いつくなww
GJすぎるわ
348名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 22:14:08 ID:xYfBxZGa
だめだこの野球部アホすぎる…
すげー笑ったwwwGJ
349名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 22:37:39 ID:EygqCCcw
阿部がカッコ悪いすぎる!GJ!
350名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 22:44:36 ID:5Uu5BUph
だってお前がんばってんだもん!

ワロスwww
351名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 22:49:48 ID:Rfq+rupI
スワヒリ語を練習している西広先生テラワロスw
352名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 22:52:57 ID:BT+8YD0/
ちょwwww
なんつー野球部www
テラGJ!!!
353名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 23:18:25 ID:KpaWSpol
いきなり投下します、すいません…
最近もっぱらアベチヨブームが起こってますが、ここでちょっと意外な組み合わせで書いてみました。
チヨちゃん受です。

全編シリアスで少し長くなります。
改行などおかしなところがあったらごめんなさい…。
354名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 23:22:08 ID:KpaWSpol
俺は混乱していた。
ここに来たのはついさっき。
いつものように練習が終わって仲間たちと帰っていたら、俺は部室に財布を忘れたことに気付いた。
舌打ちしつつ皆と別れ、一人部室へと戻ってきたのだけど。
いざ、ドアの前まで来たら、突然部室の中からか細い、聞きなれた女子の声がした。

(……篠岡?)

何を言ってるかわからないが、緊張した声。
何故男子部室から篠岡の声が?不審に思いつつもドアノブに手をかける。だが、その手はそこで止まった。
もう一人の声がしたのだ。男の声だ。
少し遠くて誰かわからないけれど、知っている声。
俺は思わず扉から二、三歩あとずさった。
やましい事など何もないのに、何故かドアを開けるのが憚られた。
俺はそっと裏へ回り、普段部室の中にいたら、暗くて見落としがちになる窓、そこから見つからないように覗きこんだ。

篠岡が奥の方に立っている。やっぱり緊張した顔をしてる。
手前には……
355嘘の後先:2007/07/31(火) 23:26:56 ID:KpaWSpol
「え?」

思わず声が漏れた。慌てて片手で口を塞ぐ。油断した。息を殺して窓から少し遠ざかる。が、中の様子は変わらない。
ほっとした。気付かれなかったみたいだ。

(……にしてもよ、これは……)

予想外だった。


泉が立っていた。


(…これはやはり、告白シーンなんかな)
シチュエーション的には間違いなくそうだ。
暗い部室、男と女が二人きり、神妙な雰囲気。完璧だ。
そういや帰りに泉の姿がなかった。たいして気にしていなかったが、あれは篠岡と二人きりになるためだったのか。
邪魔しては悪い、と思うが好奇心が勝る。
篠岡は所在無さそうにうつ向いていて、時折、肩を竦めて泉に不安そうな目を向ける。
はじめて見る篠岡だった。
泉の表情は見えない。

「泉くん…」

篠岡がおそるおそる口を開いた。言うのか?
「…どういう意味?よく、わかんないんだけど…」
「簡単な事だよ」
泉の声。普段と変わらない、淡白な声。
篠岡は僅かに首を傾げて、怪訝に見つめている。なんだなんだ?

「要するに」

泉の頭が揺れた。ゆっくりと、だがためらいなく篠岡に近づいていく。篠岡の緊張がこっちにまで伝わる。
窓枠に乗せた指に力が入った。
356嘘の後先:2007/07/31(火) 23:33:42 ID:KpaWSpol
「篠岡を誰にも、とられたくないんだよな」
「え」
「誰かの物になってほしくないってこと。
俺の個人的な感情を差し引いてもね。
まぁ、そのままでいてくれたらそれでいいんだけど」

……何か、ちょっと空気が違うような。
告白って、こんなもんだっけか。

篠岡も俺と同じ気持ちなのか、なんとも言えない顔をしている。
泉があと一歩の距離まで近づいてきて、篠岡は不安な顔で一歩身を引く。逃げたいのだろうか。何故?
泉を怖がってるようにも見える。
泉のやつ、いったいどんな顔して立ってんだ?

「い、泉くん」
篠岡が戸惑いながら名前を呼ぶ。
泉はためらいなく、じりじりと後退する篠岡を壁際まで追い詰める。
壁に勢いよく両手をつき、その内側に篠岡を閉じ込めた。
篠岡は怯えて、胸の前で両手を握って、ずるずると壁に背をつけたまま座り込む。
すると泉もそれに合わせて目の前にしゃがみこんだ。
篠岡に逃げ道がなくなった。
357嘘の後先:2007/07/31(火) 23:40:03 ID:KpaWSpol
ていうか、俺はここにいていいんだろうか…。
明らかに不審な雰囲気だ、間に入って、すぐにでも篠岡を助けるべきか。
でも、あの泉が篠岡に危害を加えるとは思えないんだけど…。
そう、もしこれが、あいつなりの一世一代の大告白だとしたら、ぶち壊しにしたら申し訳なさすぎるよな。

しかし、俺の中で、篠岡を見ていて、さっきからやたらと疼くものがある。
それが何か俺はとっくに知ってはいるけど、ここではあえて無視する。

泉が篠岡の片手をとった。
とっさに篠岡はそれを引こうとする。
だが鍛えられた球児の力に細い腕が勝てるはずがない。
がっちり掴んだ篠岡の部活焼けした細い手首に、泉がゆっくりと顔を近づけた。

「「!」」

篠岡が目を見開く。俺は凝視したまま固まった。

手首に、キスをした。

「ゃ……ッ」
篠岡が、目をぎゅっとつむった。
永遠に続きそうな、時間が止まったかのような一瞬。

泉の唇がそっと離れる。
篠岡の顔に驚きが広がる。

手首に、紅い痕が残っていた。
何をしたかは、すぐに判った。
「い…泉く、何……」
「それ、当分消えないと思うぜ。まぁ、消えかけたらまた付けたげるからさ」
「な、何で……」
呆然と座り込んでいる篠岡。
(恐らく)にっこりと笑って、泉は篠岡の頭を優しく撫でた。
358嘘の後先:2007/07/31(火) 23:48:36 ID:KpaWSpol
「それが、篠岡にかける呪いだ」

……?今なんつった?

「え、…のろ…?なに…?」
「だから、呪い。三年間とけないやつだから。ずっとそのままだぜ」
泉はゆっくりと立ち上がり、机の上の鞄を肩に背負う。
「じゃあ、また明日」
ドアの前で篠岡に背を向けてそう言って、そのまま、部室からあっさりと出ていった。

最後まで、表情が見えなかった。

篠岡はというと、追いかけて問い詰めることもせず、呆然とへたりこんで、去っていく泉を見送るだけだった。


(…帰ろう)

俺は思った。
今、俺が篠岡の傍に行っても、何も言ってやれない。何を言ったらいいのか分からないんだ。
むしろ、俺に今のやりとりを見られたことを知ったら、彼女はきっと酷く傷つくだろう。
だから俺にできるのは、一刻も早くここを立ち去って、全部を忘れることだ。
早く帰ろう。んで風呂入って一晩寝て、それで、全部忘れよう。
それが最善だと思った。
なのになんだか、とても後味が悪い。

鞄を抱え直し、自転車の鍵を握りしめて焦って裏手から出る。
早足で部室を横切る。

だが。

部室を通りすぎる直前、扉が開いた。

篠岡がいた。俺の真ん前、驚いて身を竦めて、俺を見上げた。

「…水谷くん…」


359嘘の後先 秘密のほんと:2007/08/01(水) 00:01:32 ID:KpaWSpol


++++++++++++++++


最初は、名前も知らない、その他大勢の中の一人。
で、俺が西浦に入って、野球部に入って、篠岡がマネジとして入って来て。
そうして出会ったことで、一歩だけ、多くの周りより近づいて。
そうやって俺らは仲良くなった。
運命とか馬鹿らしくて信じていないけど、それは奇跡的な確率だった。


誰かが名前を呼べば、すぐに元気に返事をして、相手の元までまっすぐ駆けていく。
いつも一生懸命で、ちっとも不満も漏らさない。
少しは甘えてくれてもいいのに、と誰かがこっそり呟くくらい、あいつは強くて。
そんな人が歯ぐきを見せてにっこり笑ったりすると、それはとても意味のある、本当の笑顔だという感じがした。
俺たちを心から落ち着かせる、柔らかい笑顔。
あいつはいつだって、それを俺たちにおしみなく与えてくれるんだ。

360嘘の後先 秘密のほんと:2007/08/01(水) 00:08:56 ID:PeG0tD2O

いつからだったか、きっかけはなんだったか、全く思い出せない。
ささいなことだった気がする。

ある時から、俺は篠岡を目で追うようになった。
俺の視界に篠岡が入っていれば、とにかく安心した。
いつだって、ずっとずっとずっと、純粋に見ていたかった。


……けど、しばらくは自分でもその事実に気付かなかった。気付かない方がよかった。
他人にも自分にも、秘めたままでいたかった。
それが一番よかったはずだった。

だが、周りが先に気付いた。

ある日、誰かが俺に、「水谷って、最近よく篠岡を見てるよな」と何気なく呟いたのだ。
そいつは何の思惑もなく、ただ何気ない会話の一つとして話しただけだったんだろう。
だけど、おれは言葉に詰まって、何も言い返せなかった。
ただ、心の中で何かがぱちん、とあっけなく弾けたような気がしていた。

つまり、これが決定打となってしまった。自覚してしまった。


俺は、篠岡が好きだ。


気付いてしまうと、あまりに気恥ずかしくて篠岡を見れなくなって、目を逢わせづらくなって。
近くを通られるだけでも、嬉しいのか不安なのか困るのか寂しいのか恥ずかしいのか、自分でもよく分からないモヤモヤに包まれる。
そのくせ、いざ篠岡を目の前にすると、どうしてもどうしてもさわりたくて、気が狂うほど、もういてもたってもいられなくなって、彼女の手に触れることができたらもうなんでもする、神様。
そう思った。
そう思ってしまったら苦しくて仕方がなくなった。
本当はただたださわりたくて、キスしたくて、抱きたくて、少しでも近くに行きたくてたまらなくて一方的にでもなんでも、涙がでるほどしたくて、今すぐ、篠岡とだけ、篠岡じゃなければ嫌だ。


それが恋だった。

それが恋なんだと、俺は初めて知った。


361嘘の後先:2007/08/01(水) 00:18:58 ID:PeG0tD2O
ぐだぐだと長い話ですみません…。
もっともっと書き上がってはいるのですが
余りに長いのはこのスレの主旨にそぐわないのではないのか、他の神職人様のお邪魔になるのでは、と思いまして…
できればまだアップしたいのですが、しても大丈夫かだけ教えてほしいです。
とりあえず皆様の邪魔にならないために、一気にアップせず、続きはまた明日にします。
もし長すぎておかしい、主旨にそぐわないなどのご意見がありましたら、すぐにアップを自粛致します。
このスレが大好きなので、迷惑をかけることだけは避けたいんです。
乱文申し訳ありません…。
よろしくお願いします。
362名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 00:20:44 ID:hn4IhexX
かーいーてー!
363名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 00:21:49 ID:e45fe4Ea
長さは自分は気にしないけど…
連投で荒らし判定されるかも知れないから分割投下でも良いんじゃないかな?
リアルタイムで読んでたけどGJ
続き待ってるよ
364名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 00:23:23 ID:XIleR3vk
ちょ、すんげぇ待ってんだけどww
まとめてガツンとやってくれよ!
365名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 00:24:21 ID:U3SMqhSc
長いの大いに結構!読み応えあるし。
つか泉と篠岡って無いなあと最近考えていたので面白かった!
あとモノローグは阿部だとずっと思ってた…w水谷だったのかw

なんにせよ、おもろいので続きうp
366名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 00:24:40 ID:uiz/m3jY
気になるし投下して欲しい。
ただ、篠岡が見上げた相手は阿部じゃなくて水谷?
読解力なくてスマソ。あと改行多いかも。楽しみにしてるノシ
367名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 00:26:00 ID:uiz/m3jY
リロってなかった・・水谷だったのか。アリガd。
368名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 00:32:21 ID:vf9vgjrO
>>345
久々にワラタwww
こーゆーバカっぽいノリ結構すきだ
しのーかもアレだがそれに反応しない三橋もすげぇぇ
369嘘の後先:2007/08/01(水) 00:33:45 ID:PeG0tD2O
ご意見ありがとうございます!
では、一気にアップは少し心配なので、また明日、今日と同じくらいの量でアップさせてください。
長いですが、もう少し、お付き合いください。よろしくお願いします
では。
370名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 00:48:41 ID:5IXGzOmc
いやホント意外な相手だった。
泉は思い付かなかったわー
続き気になりまくり! 楽しみにしてます!
371名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 00:50:10 ID:/622Z+SC
水谷キタ!!続きが気になるよ〜!
泉、黒いなw
372名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 01:12:59 ID:4QgA738y
続きを書くのなら、自分の言葉で綴ったものにして下さいね。
373名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 01:19:07 ID:mFH+FnNh
>>372
続きワッフルワッフルと書こうとしたんだが…まさかまたアレか?
374名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 01:36:50 ID:ir+1M5n9
>>372
kwsk
375名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 01:55:15 ID:4QgA738y
後半の水谷モノローグが、某ベストセラー作家の小説と似ている気がする。
原本は今手元にないし、どこからがパクリ認定なのかも分からないが。

正直、甘いかもしれないけど353の人物配置には惹かれるものがあったから、
今後353自身の言葉で書いてくれるなら、続きを待ちたい気持ちもほんの少しだけあるんだよね…
376375:2007/08/01(水) 02:01:13 ID:4QgA738y
ちなみにパクリ(?)元の小説は、吉本ばななの「とかげ」だと思われます。

さっきの書き込みだと、ただの言い掛かりみたいなので一応提示しておいた。

あとは、皆さんの判断にお任せします。
377375:2007/08/01(水) 02:06:22 ID:4QgA738y
申し訳ない、思い切り伏せ字なしで書いてもうた…。すみません。

さっき書いたような続きを読みたいような気持ちと、
読者をバカにされたような残念な気持ちがぐちゃぐちゃしてるよ…。

連投スマソ。
378名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 02:47:16 ID:QlA+9yD9
似てる気もするけどパクリとまでは言えないような・・・
こう言ったら失礼かもしれないが同人にありがちな感じだと自分は思ったけど。
379名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 06:37:26 ID:PeG0tD2O
おはようございます。
モノローグの件ですが、確かに、上記に明記の方の作品から少し引用させていただいています。
元々最後に引用させてもらいましたと書くつもりだったのですが、引用すること事体が駄目ですよね…すみません…
ただ、そこ以外は完全に私自身の文章です。それだけは信じていただきたいです。
やはり考えが甘かったです。
アップは自粛いたします、ご迷惑かけてすいませんでした。
380名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 07:31:49 ID:mFH+FnNh
出勤する前にPC立ち上げてみれば…本人がクロだと認めとるな…
昼休みにでも件の本を買って確かめようかと思ったが、もう必要ないか

個人的には前スレのパクリ騒動のときより性質悪いと思うわ
プロ作家の作品からは引用だとしてももってくるのはよくないよ
出版社から訴えられてもおかしくない

何よりも面白い話を落としてくれる職人さんが来てくれたと思っていたのに、それがこんなことを
するような人間だったということが残念
ID:PeG0tD2Oは今後SS落とさないでくれ

こんなにパクリが続くのなら何か次スレでテンプレでも作って明記したほうがいいかもしれんね
381名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 08:39:18 ID:CMrfXvzR
375さんが凄い
382名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 10:51:18 ID:XIleR3vk
楽しみにしてたので心から残念だ
383名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 11:41:01 ID:iCLEvIwv
あらら、面白そうだったのに残念だね。
設定がオリジナリティあるし、表現もそうすればよかったのに。
384名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 12:48:38 ID:5XQvZukS
全部書き終えた後じゃなくて、続き書く前に書いて良いか確認した時に断っておけば良かったのに。
385名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 14:19:36 ID:WNi+RVKU
引用の意味がわかってんなら最初から言うな
その後の文章が完全に自分のものだったとしてももう見苦しいだけだ

パクリは 絶 対 バ レ る んだよ
386名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 14:22:54 ID:mSW1SssI
引用ってwwww
テラバカス
引用の意味を調べるといいお
387名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 16:05:24 ID:ZTvYuRoo
しかし何かに似てる似てないの話をし始めたら
文に溢れる今の世の中、何物にも影響されてない文章なんて書けないんじゃないか?
388名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 16:14:13 ID:jfa5I1R3
作家の影響受けて文体やスタイルが似てくるのはわかる。
過剰でなければパクリとは思わない。
内容からセリフからシチュエーションまで同じならパクリ以外の何物でもない。
最後に引用だと言うつもりだった、なんてバレたから後付けしたようなもんだ。
読み手を馬鹿にしてるよ。
389名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 17:50:03 ID:ekfo0n8g
339のように、モチーフになった作品名を明記するだけでよかったのにな。

最後以外が自分の言葉だったとしても、一部をパクればパクリだよ。
歌詞なんかちょっと似ていれば問題になる。
これは読み手だけでなく、他の書き手にも失礼だ。
390名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 18:16:06 ID:/622Z+SC

しかしここはよくパクリ騒ぎ起きるな・・・orz
391名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 18:33:27 ID:4O8t4Jo4
どこかでエロだしパロディだしパクりOKだと舐めてるんじゃないかな。
読みたくてチェックしてて、時間かけて真面目に書いてくれてると思うから感想書き込んで応援してるのに。ちゃんと自分の言葉で書いてる人に失礼だし、続き読みたいと書いた人を馬鹿にしてる。
392名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 18:35:54 ID:1wYqsIUB
あれだけパクリ問題があった直後で、またこれってきついな。
これまでスレ読んでなかった人なのかもしれんが…。
引用とか、軽々しく言ってくれるな…。
面白そうと思っただけに、すごい残念だ。

正しい意味で、なにかに着想を得たような作品でも、
これからは話の最初に書いて欲しいな。
書き手は元ネタを有名なネタだと思っても、
読み手は知らない場合もあるし、
あとあとお互い嫌な気分にならないためにも。

今回のことはともかく、
これで、「〜〜に似てる気がする」みたいな見方が
変に厳しくならなきゃいいな。
なるべく多くの人が「作品を落とそう」と思える空気のスレであって欲しい。
と長々書く自分キモスですまん。
393名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 18:39:22 ID:9NlWt0/7
自分も件の小説昔読んだけど、話の主題やシチュエーションは全く違うよね。
>>360の後半部分だけ小説からいきなり切り取って持ってきた感じで、
はじめに断りさえ入れておけば「引用」で許せる範囲だったと思う。個人的には。

しかしまあ、前回の騒動の余韻もまだなんとなく残っていて、
住民がナーバスになっていることぐらい容易に想像つくだろうに
なんでまた、そんな甘い考えで投下したんだか。
394名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 19:13:58 ID:a/9dB7pJ
文章丸写しは問題あるでしょ
395ログ保管庫:2007/08/01(水) 21:43:35 ID:K2ozzRHM
ログ補完子の管理人です
8月中ごろまでは夏コミ準備で整理する暇がありません
とりあえず前スレのログをうpしておいた。
何か問題あったら教えてください
396ログ保管庫:2007/08/01(水) 21:45:24 ID:K2ozzRHM
あげてしまった!サーセン!
397名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 21:54:23 ID:Q9R7Hfpm
>>396
乙です。

しかしこうも盗作が続くとなると本当テンプレに明記する必要があるな。
今回のケースは引用と盗作の意味の区別が分かってないご様子だったが。
もとの原文を変えて丸パクコピペは引用とはいわないだろうに。
398名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:01:05 ID:jfa5I1R3
仮に引用するのならはじめに断り入れるか、一気に全投下後に付記するかどちらかだな。

他スレでパクられた事あるんだけど、ほんとにやる気なくすんだよ。
やる方は出来心かもしれないけど、やられた方はダメージ大きい。
本当にやめて欲しい。
399名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:13:17 ID:mFH+FnNh
>>396
管理人さん乙です。

結局本は買ってこなかったけど、丸々パクリでコピペだったのか…。
それなら引用ではなくてパクリだわな。

新しくうpされた過去ログ見ていて思ったんだが、前スレでのパクリ作品はアベモモ・サカチヨ・スヤチヨ
の3本でいいんだっけか?
これらはもちろん除外だよな。

真面目に書いて落としてくれる職人さんには悪いけど、これはもう疑心暗鬼だな。
こうも続くとへこむなあ…orz
400名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:22:08 ID:/622Z+SC
>>396 乙バッチー!

へこむよへこみすぎるよorz
投下するのにもすっごい神経使ってたのにorz
401名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:28:11 ID:Q9R7Hfpm
>>398
自分は丸パクはないが、投下したSSの続きを書かれたことがあるw
どうも結末に納得がいかなかったらしい。
全員が納得するなんてありえないとは分かっちゃいるが、
いざ変えられると結構萎える。

>>399
サカチヨって結局怪しかったっけ?
まあ文の感じから例の人っぽかったが。
402名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:52:02 ID:jfa5I1R3
>401
私は文体、テーマ、コンセプトをそのままパクられた。
しかも、私のすぐ後にそれを投下。
そいつにも腹立ったが、GJしてる読み手にも幻滅したよ。
へらへらパロディ書いてたやつが、いきなり散文調のシリアスな一人称文、
しかも直前投下のSSと思い切り単語もかぶってるやつを落とす。
どういう神経なんだろうと思う。
しばらくはかなり落ち込んだよ。
自分がすごく気に入っていたSSなだけになおさら。

今でも氏ねと思う。
思い出すに腹煮えくりかえる。
403名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:00:45 ID:XIleR3vk
このスレで?
404名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:01:55 ID:mSW1SssI
>GJしてる読み手にも幻滅したよ。

これはちょっと・・・
本人が言わなきゃ、文体変えたのかもとか、新しい切り口なのかもとか、
いろいろ可能性を想像してしまうジャマイカ
405名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:11:53 ID:/622Z+SC
>>402 他スレで?だよね?
406名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:18:27 ID:AadkjQOl
さくっと流そうぜ。
他スレのことまで言い出すなよ。
407名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:21:03 ID:jfa5I1R3
いや、ほかのスレ。


>本人が言わなきゃ、文体変えたのかもとか、新しい切り口なのかもとか、
どう読んでも似すぎていたけどね。
当時は大人なスレで、疑わしきは……みたいな感じだったから
もしかしてと思っても誰も言わなかったんだと思う。
私も何も言及しなかったし。
知り合いの何人かは「あれはどう考えてもパクリ」だと。

その後、そいつはほかのパクリも発覚し、「そういえばあれもだ」となって結局追い出された。
408名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:25:44 ID:jfa5I1R3
ごめん。
どんなに嫌なものか知って欲しかっただけ。
たかがパロディだけどさ。
創作には違いないからさ。
409名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:28:27 ID:XIleR3vk
パクられたのは、その話がおもしろかったからだよ。
読み手にも失望しちゃう気持ちはわからんでもないが、
他スレの過去話は忘れて、また書いてよ。
410名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:31:28 ID:/622Z+SC
パクリはちゃんと発覚して追い出されたんだね。ヨカッタ。
うん。パクリは絶対ばれるもんだよ。
過去は忘れて、ココでマターリいこうよ。
411名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:32:25 ID:oUqkS2UL
関係ない話すんな
412名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:36:56 ID:XIleR3vk
ごめん
413名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:44:41 ID:/622Z+SC
ごめんorz
414名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:03:25 ID:Zk2iZB+y
では空気を変えるために小ネタ投下してもいいですか?

カプなしエロなし意味なしなんだが。

気に入らない人はスルーヨロシク。
415小ネタ 合宿のとある日:2007/08/02(木) 00:04:39 ID:Zk2iZB+y
合宿に入って数日。
それは全くの偶然で、
世界は可能性に満ち溢れていることを象徴するような出来事だった。
合宿所にはモモカンもおらず、シガポもおらず、篠岡もいない。
うら若き少年たちしかいない、
すべてが開放されるようなその空間で、
清らかな天使たちはあるものを見つけてしまった。

「おーい!これすっげーぞ!!」
田島が大声で叫びながら、一同がマッタリしていた部屋に乱入する。
「どうした?田島?」
後のキャプテンとなる花井が、面倒見のよさを発揮する。
田島が手に持っているものに、一同の視線が集中した。

それは。

いわゆるタコ足と呼ばれる洗濯物を効率よく干す道具の一つで。

それには。

色とりどりの女性物の下着が、所狭しと干されていた。
416小ネタ 合宿のとある日:2007/08/02(木) 00:05:29 ID:Zk2iZB+y

「いいいい!?」
「うわああああ!!」
「ひえええええ!」
「どっから持ってきたんだ!田島!!」
「にしし、部屋の隅に干してあった。」

全員、にじり寄って観察する。
「これ、ブ、ブラジャーだよなあ?」
「ねーちゃん、こんなの持ってるよ。」
「ちょ、ちょっと待て!こ、コレは!!」
おもむろに、水谷が一つのブラジャーを手に取る。
真っ赤で、さらに総レースで縁取りされていて、カップがかなりデカイ。
姉がいる沖も水谷も、ココまでのものは見たことがない。
「こ、これ、モモカンの・・・だよね?」
「だ、だと思う・・・。」
その時、ブバっという何かが噴出する音が響いた。
慌てて振り返ると、三橋が鼻血を噴水のように飛ばしていた。
「あ、ああ!三橋!落ち着いて!」
西広が慌てて介抱するために三橋を外に連れ出す。
二人、脱落。
417小ネタ 合宿のとある日:2007/08/02(木) 00:06:17 ID:Zk2iZB+y

「こんなにデカイと、ちょっと引くなあ。」
阿部のポツリとつぶやいた言葉に、田島が反応する。
「阿部は貧乳派か!?じゃあこっちはどうだ!?」
さくっと手に取ったブラを阿部に見せる。
真っ白なブラに、可愛らしくレースが施された、やや小ぶりのブラジャー。
おそらく、篠岡の。
ブッ!!俯いて顔を覆う手の隙間から、赤い筋がダラダラたれる。
阿部も出て行った。
また、一人。

「おお!!これっていわゆるヒモパンじゃね!?」
女性の下着に慣れているらしい水谷と沖がまじまじと観察を続ける。
「どっちのだ!?」
「ちょっと待って・・・。」
水谷がそのヒモパンを手に取り、びっと開いて何かを想像する。
「このでかさ・・・・モモカンだ。」
バシュッ!っと音がして、花井と巣山の手が真っ赤に染まる。
また、二人、消えた。

「じゃあ、これは篠岡かな?」
ピンク色の小さな下着を沖が手にとって開いた。
いわゆるお尻の部分に、可愛らしいダックスフンドがプリントされている。
プッ!ププッ!!小さな音が響き、栄口と泉が鼻を押さえて俯いていた。
さらに、二人。
418小ネタ 合宿のとある日:2007/08/02(木) 00:07:06 ID:Zk2iZB+y

残りはどうやら女の下着を見慣れているらしい田島、沖、水谷の3人。
「なあ、なんでお前ら平気なの?」
「いや、だってオレの部屋ベランダあって、ねーちゃんの下着もがんがん干されるもん。」
「オレもそんな感じ。」
「それにしても、モモカンでっけーな。ねーちゃんの何倍あるだろ?」
「っつーか、この対比、すごくない?篠岡のとモモカンの並べると壮観なんだけど。」
「ん〜。巨乳派か片手にスッポリ派かで対立しそうだね。」

ガラガラガラガラ!!
勢いよく引かれた扉に、3人はビクっと振り返る。
鬼の形相で仁王立ちしているモモカンがそこには、いた。


「ぎゃああああああああああ!!」
最後まで立っていた3人の勇者達の断絶魔が
合宿所の空に消えていった・・・。


---終わり---
419小ネタ 合宿のとある日:2007/08/02(木) 00:08:37 ID:Zk2iZB+y
いや、ホント、サーセンw
420名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:09:12 ID:C0PPNjmx
GJ!
田島が勇者すぎる・・・まさに西浦のスター

421名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:10:41 ID:wLspzWUP
今日もアホだww
422名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:12:21 ID:eLWEt2BQ
胸のすくアホっぷり(褒め言葉)
GJ!!
423名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:13:22 ID:CwYg/m+e
やっぱり駄目だこの野球部アホすぎる
しかし栄口も姉ちゃんいるのに免疫なかったのか
ムッツリだからか そうか
424名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:14:16 ID:wLspzWUP
阿部が一番変態っぽく見える。
425名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:16:52 ID:UO6GdMKF
しのーかは間違いなくAだと思うんだ
426名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:22:37 ID:gSBFw5cx
あほうどもwwww
最高です
427名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:26:35 ID:HMjACpSG
おかずハケーン
428名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:28:10 ID:C4KPY2ah
吹いたwww
だが下着位で純情な奴等だww

>>425
だが制服とかジャージとか着てたらBでもCでもあんなもんだぞ
429名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:35:56 ID:hJ63nHrr
GJすぐるww
「清らかな天使」のフレーズで早くも吹いたww
そして白いAカップブラと鼻血阿部でアベチヨ妄想できた自分は勝ち組。
430名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:39:22 ID:dXCKrT3k
漫画のカバー外したらいろいろ描いてんの知らないやつ多いな。

篠岡ハァハァ
431名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:48:21 ID:CwYg/m+e
清らかな天使たちの嗜好分析
三橋:巨乳派
阿部:貧乳派
花井と巣山:デカ尻派
栄口と泉:小尻派

すいません
432名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:54:56 ID:i+HjygVl
>>430
マジか!!知らんかったよありがとう
433名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:56:23 ID:mLne+7EP
>>428
いやいや待て待て
もしかしたらこの天使達は下着じゃなく、下着を見て浮かんだ己の妄想に鼻血だったのかもしれん
そう考えると純情なんてとんでもないw
434名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 02:30:58 ID:B1MIZBib
レンルリ投下します。
アニメのルリ登場に萌えが止まらずとんでもなくベタなものを書いてしまいました…
時間軸は2年生の春。
視点がルリ→三橋→ルリと変わります。
とにかくベタな話なんで苦手な人はスルーよろしくです。
435レンルリ:2007/08/02(木) 02:35:55 ID:B1MIZBib
携帯のモニタを確認すると時刻は午後11時丁度だった。
この時間ならもう家に帰っているはず。
ルリは今ではほとんど使わない短縮の1番を呼び出す。
「ルリ?」
携帯をいじっていたのか廉はすぐに出た。
あいさつができないのは相変わらず。でもそれすらも微笑ましい。
ルリはこの頼りない従兄をほとんど弟のように思っている。
「レンレン、誕生日おめでとう。」
「うお、あ、りがと」
はずむ声にルリも嬉しくなる。
「最近、調子どう?部活楽しい?」
「いい、よ!今日…皆がお祝いしてくれた」
「皆って野球部の人達?」
「うん、篠岡さんがケーキ作ってくれて…それ皆で、食べて」
「…篠岡さんてマネージャーだよね?」
部員の誕生日にわざわざ手作り?
マネージャーってそこまでするものなの?
そんなルリの訝しく思う気持ちに廉は追い討ちをかけた。
「うん。やさしくって、料理上手なんだよ、おにぎりとか」
どことなく誇らしげな声がなんだか憎たらしく感じる。
優しいのは皆に?それとも廉には特別?
廉は「篠岡さん」のことが好きなの?
次々とルリの心に疑問が沸き起こる。
でもなぜかその問いを口にすることはできず。
突如心のなかにわいたモヤモヤを振り切りたくてルリは息せき切って言った。
「ね、レンレン、今度の土曜日練習見にいっていい?」
「え?でも遠くない?」廉の言葉にちょっと傷つく。
「…遠くないわよ。同じ関東だもん」
「いいけど、終わるの遅いよ?」
「その日はレンレンちに泊めてよ」
「わかった、よ。でも皆の前でレンレンて言うなよ」
いつものように念をおす廉におかしくなってルリは思わず噴き出した。
436レンルリ:2007/08/02(木) 02:36:42 ID:B1MIZBib
こんなところは全然変わってないのに。
電話を切って、ソファにもたれながらルリはクッションをぎゅっと抱きしめる。
女の子にケーキを作ってもらう廉。
誕生日に仲間とお祝いをする廉。
すべてルリの知らない廉だった。
私だって一緒に住んでたらケーキでもなんでも作ってあげる。
今まで廉に優しくするのは私の役目だったのに。
もう廉は私がいなくてもどうってことないのかもしれない。
そこまで考えてルリは自己嫌悪にかられた。
本当は廉のために喜んであげなきゃいけないのに、子どもじみた独占欲に取りつかれている。
それに廉はそんな子じゃない。人の自分に対する優しさを忘れてしまったりしない。
きっと廉に会っていつもの彼を見ればこんな気持ち忘れられる。
「親離れより子離れのほうがむずかしいってホントだったんだ」
ルリはそうつぶやいてむりやり自分を納得させた。
437レンルリ:2007/08/02(木) 02:37:31 ID:B1MIZBib
土曜日。
教えられた道を歩いていくとグラウンドの入り口のところで女の子が出迎えてくれた。
「三橋ルリさん?」
「あ、そうです、けど」
「やっぱり。三橋くんにそっくりだからすぐわかったよ」
にこにこと笑っていうその子は丸い大きな目が愛らしい。
「練習、日陰のほうで見るよね?ここだとやけちゃうから」
「ありがとう。あの、もしかして篠岡さん?」
「え?私のこと知ってるの?」
「うん、廉に聞いたの。優しくて料理が上手って」
それを聞いて篠岡は嬉しそうに笑った。
「三橋くんは優しいから。三橋くんにかかると誰でも良い人になっちゃうんだよね」
「あの、廉はどうですか?その、クラスとかで」
三星でのことを知っている篠岡はすぐにルリの意図を察して安心させるように微笑んだ。
「三橋くん、学内では結構有名なんだよ。去年1年だけでいいとこまでいったから。ファンの女の子とかもいるの」
「ええ?レンレンに!?」
驚きの余りついレンレンと言ってしまった。
でも信じられない。あの廉に、ファン?
「本当だよ〜。投げてるときと普段とのギャップがいいって。ほら、三橋くんは見た目もいかにも運動部って感じじゃないから。そういうの好きな子多いみたい」
「え、と篠岡さんは?」
思わず聞いてしまってからルリは顔を赤らめた。
初対面の人に聞いてよいことではない。
「私?私はマネジだから。仲間って感じでそういうのはないよ」
どうやらそれは本当らしかった。
篠岡の言葉に安心した自分を発見してルリは居心地悪く思った。
そんなルリの様子を見て、篠岡が問いかける。
「もしかしてルリさんと三橋くん付き合ってるの?」
「ええ!?ち、違うよ。レンレンは弟みたいなものだから」
自分でもびっくりするほど上ずった声が出た。
438レンルリ:2007/08/02(木) 02:38:08 ID:B1MIZBib
篠岡が仕事があるからと行ってしまうと、ルリはどこかほっとして地面に腰を下ろした。
篠岡が案内してくれた場所からは投球練習をする廉の姿がよく見える。
投げるときにだけ見せる真剣な表情。
その手から繰り出される硬球の寸分違わないコントロールは相変わらず。でも身長が伸びたせいか、前よりだいぶ球威がついたようだ。
時々、捕手と言葉を交わして球種を確認したり、横で練習している投手に請われて投げ方を教えてあげているようだった。
まるで知らない人みたいで、せっかく会いにきたのにさびしい気持ちになる。
なんであのとき意地になって練習を見に行くなんて言ってしまったんだろう。
ルリは自分の気持ちがよくわからなかった。
439レンルリ:2007/08/02(木) 02:40:44 ID:B1MIZBib
初めて会った時から廉のことは好きだった。
周りの男の子とは全然違う素直さで、傷つきやすくて、好きなことにはまっすぐ。
中学に入ってからは部でもめたらしく仲の良かった叶ともよそよそしくなったけれど、私にだけはいつだって言いたいことを言ってくれた。それが信頼されている証のようで嬉しかった。いつだって守ってあげたかった。
でも廉は誰にも相談せず、一人で決めて家を出て行った。
それから私の知らないたくさんの出来事があって、今の廉がいる。
野球部のエースで、良い仲間に囲まれて、女の子のファンまでいる廉。
思えば当たり前なのだ。
だって廉はいつだってすごくがんばってて、でもそのことを決してひけらかしたりしない。
どんなに辛い時でも人を責めたりしない。
ルリ以外の誰かが廉の魅力を見出すのはいつかは訪れるはずのことだったんだろう。
ましてや廉は自分で出ていって新しい居場所を見つけたのだ。
「もう弟なんて言えないなあ…」
ルリはぽつりとつぶやいた。
440レンルリ:2007/08/02(木) 02:42:32 ID:B1MIZBib
廉が弟じゃないのなら。
そして私が廉の姉じゃないのなら。
廉は私の何なんだろう。廉にとっての私は…?
友達というのとは違うし。
そりゃもちろん従兄妹なんだろうけど。
でもそんなのつまらない。ただの従兄妹同士でしかないなんて。
「ルリ!」
呼びかけられてルリははじかれたように顔を上げた。いつの間にか随分長い間地面とにらめっこしていたのだ。
「レンレン?え?練習は?」
考えていることがばれたわけではないのに少しどもってしまう。
「休憩だよ。見てるのも飽きただろ?そろそろ暗くなるから、帰ったほうがいい、よ?」
「うん、そ、だね…」
廉が手を伸ばしてきたのでルリはその手をとった。
ルリのそれよりもずっと大きな手。
その手の厚みにドキドキする。
もう廉にとって姉としての私が必要じゃなくても、私は廉のそばにいたい。
その気持ちに名前をつけることはためらわれて、ルリはそっとスカートの埃を払った。
441レンルリ:2007/08/02(木) 02:44:40 ID:B1MIZBib
ルリが監督に挨拶して帰ってしまうと、部員たちはルリの話題で盛り上がった。
「久しぶりに見たけど三橋の従妹、やっぱ可愛いよな〜」
「一緒に暮らしてたんだろ?いいなあ三橋」
「でも胸ちっさくね?」
「巨乳ならいいってもんでもねーだろ、監督見てみろよ」
「おまえとそっくりなのにふつうに可愛いよな、血って不思議」
「阿部、おまえ失礼だって」
「ほんとのことじゃんか」
おにぎりを頬張りながらそんなふうに話していると、篠岡が牛乳を注ぎながら聞いてきた。「ルリさん、練習見るためだけに群馬から来たの?」
「う…たぶん、そう、だと思う」
「そうかあ、本当に仲良いんだね。私、二人は付き合ってるのかと思っちゃった」
篠岡の言葉に廉は盛大に牛乳を噴いた。
「うわっ、三橋っ、汚ねーよ!」
「動揺しすぎだろ…おまえあの子のこと好きなのか?」
「ちっ、ちが…」むせながら反論するがどうにも説得力がない。
「だいじょぶだぞ、三橋!従兄妹は結婚できっからな、ゲンミツに!」
「そうかあ、三橋が…今日あの子泊まってくんだろ?チャンスじゃん」
「だ、だから、ちがっ…」
「おい、おまえちゃんとゴムつけろよ、不祥事はカンベンだからな」
皆廉をからかって楽しんでいるのだが廉だけがそのことに気付いていない。
「でも、ルリさん、三橋くんのこと好きそうに見えたよ〜?」
篠岡までもが参戦してくると、もはや廉になす術はなかった。
442レンルリ:2007/08/02(木) 02:45:54 ID:B1MIZBib
「マジで!?」
「うん、私が三橋くんのこと好きなのか気にしてたもん」
「おお!脈ありぽいな」
「いいな〜、明日ちゃんと報告しろよ〜?」
皆がはしゃいで盛り上がる中で、廉はこっそりため息をついた。
ルリが廉を、なんてそんなことあるわけがないのだ。
小さい時からルリには世話になりっぱなしで、何よりルリはあの三星時代を知っているのだから、廉には情けない印象しかないだろう。
それにルリには廉の姉を自任しているところがあって、到底男として認められている気がしない。廉が格好悪いところを見られたくなくて試合に来るなと言っても、何よ、レンレンのくせに、と一蹴されてきたのだ。
廉から見てもルリは可愛かったし、勝気で面倒見の良い性格は魅力的だ。
ルリに認められたい気持ちはある。けれど、それは出来の良い姉に対する思慕のようなもので、恋愛感情に結びつくようなものだとは廉自身思っていなかった。
443レンルリ:2007/08/02(木) 02:46:36 ID:B1MIZBib
皆に散々激励され、保健体育の授業で配られたコンドームの差し入れを受け、疲弊した気持ちで帰宅すると、玄関で廉を出迎えたのはルリだった。
「あ、あれ?おかあさんは?」
「おばさん、職場でトラブルがあったって呼び出されて行ったよ。えと、8時頃かな?帰りは夜中になるかもって。ご飯食べよう。あっためるから」
「ルリ、食べてないの?」
「久しぶりだから一緒に食べようと思って待ってたの。支度するからシャワー浴びてくれば?」
「うん、あり、がと」
てことはこの家に二人きりか…
皆にあおられたせいで変に意識してしまっている自分に気付いて、廉は恥ずかしくなった。絶対にルリには知られたくない。
ルリが自分を待っていてくれたのは素直に嬉しかったので、変なことは考えずに食事に集中しようと思った。
444レンルリ:2007/08/02(木) 02:47:42 ID:B1MIZBib
久しぶりにルリと囲む食卓は楽しかった。中学時代は避けていた三星の野球部仲間の話も今はわだかまりなく話せる。ルリも最近では叶と仲が良いらしく、叶の話を聞けたのも良かった。
食事が終わって、廉が部屋でくつろいでいると、部屋のドアが控えめにノックされた。ルリだ。
部屋に入ってきたルリは、寝間着のかわりらしいゆったりしたワンピースを着ている。風呂に入ったらしく長い髪を頭の上でまとめていた。
廉は成長した従妹の姿にドキリとしたが、つとめて平静に振舞った。
「ど、どうしたの?」
「レンレン、私どこで寝ればいい?」
「あ、えっと、前はここが客間だったんだけど…今はないからお母さんの部屋で寝る?お父さんはずっと群馬だから」
「前はここが客間だったの?」
「そ、だよ。今はオレの部屋」
「じゃあ、私、ここで寝ようかな、この部屋広いし下に布団敷けば寝られるよね?」
「えええええ!?だ、だめだよ!」
「どうしてよ?」
「どうしてって…だ、だめに決まってるだろ!」
廉はルリの言葉に混乱した。しかし、どうしてこうもルリは堂々としているのだろうか?自分のほうがおかしいのか?いや!そんなことはないはずだ。
「何よ、レンレンのくせに」
「レ、レンレンって言うなよ!」
論点がずれている、と思ったが、咄嗟にうまい言葉が出てくるほど回転の早い頭ではない。
「どうしてレンレンって言っちゃだめなの?レンレンはレンレンじゃない!」
なんだかルリの様子がおかしい。
強い口調とは裏腹に表情がやけに自信なさげなのだ。
こんなルリを見るのははじめてのことで、廉はどうしてよいのかわからなかった。
とりあえず、廉は黙った。何か言うとルリが泣いてしまいそうな気がしたのだ。
445レンルリ:2007/08/02(木) 02:48:28 ID:B1MIZBib
廉が黙っていると、ルリはどんどん部屋の中に入ってきて廉が雑誌を読んでいたベッドの上に腰掛けた。
「相変わらず、ベッドの上もボールだらけなのね」
そう言う口調はさっきよりも落ち着いている。廉は少しほっとする。
「それ野球の雑誌?」
ルリは廉が読んでいた雑誌を引き寄せると、ベッドの上に腹ばいになって雑誌をめくりはじめた。
「ル、ルリっ」
廉は動揺した。ワンピースのデザインのせいで、ルリが肘をつくと、胸元があらわになってその淡いふくらみが見えるのだ。この角度だと水色のブラジャーのフリルまでがはっきり見えてしまう。
さっきまで意識していなかった、白い首筋や華奢な鎖骨までが急にやけに艶かしく目に迫ってきて、廉は自分の体が異変を起こしつつあることを悟って慌てた。急いで枕を引き寄せて抱え込み、自分の下半身がルリの視界に入らないようにガードする。
「なに?」
ルリは何も気付いていなさそうに廉を見上げる。廉は言ってしまったら自分が見たこともばれて怒られる、と思い、ぐっと言葉に詰まった。
「な、なんでもない」
そう言ってしまってからふと廉は思った。なんだかルリは無防備すぎる気がする。従兄である自分の前だからかもしれないが、近所に住んでいる叶の前でもこんなことをしていたら大変だ。
「あ、あのルリっ」
「何よ?」
「い、いつもこんななの?」
「こんなって何が?」
「ふ、服とか」
「?これは部屋着だから外では着ないわよ」
「じゃ、じゃあ叶くんが来たときとかは?」
「家に叶が来たときってこと?着てることもあるよ。あいつ遅い時間でも平気でリューのとこ来るから」
「だ、だめだよ!」
ルリは廉をじっと見つめた。
ルリと視線を合わせると自然と胸元も目に入ってしまうので廉は焦って視線を外す。周辺視野を鍛えすぎたせいか目だけを見るということができない。
「何がだめなの?」
「男の前でそんな薄着、だめ、だよ!あ、あと、その格好もだめっ!」
「なんで?」
「なんでって…」
ここまで言ってもわからないなどということがあるだろうか。廉は途方に暮れそうになる。今だって相当に恥ずかしいのだ。
446レンルリ:2007/08/02(木) 02:49:19 ID:B1MIZBib
「大丈夫だよ、レンレン、叶とかの前でこんな格好しないから。今はレンレンと二人だからだもん」
全然、大丈夫じゃない。そのうえ、さりげなく男と思っていないかのような発言をされて廉は軽くショックを受ける。
「大丈夫じゃ、ないよ。オレの前でもだめ、だよ」
「なんでよ?」
「だから、わ、わかるだろ…」
そう言うと廉はうつむいてしまった。ここから逃げ出したかったが、立ち上がったら体の状態を悟られてしまいそうで動くこともできない。
ルリは体勢を維持したまま廉のほうににじり寄ってきて下から廉を見上げた。
「レンレン、私にドキドキしてるの?」
廉は羞恥と動揺で真っ赤になった。
ほとんどやけくそ気味に声を張り上げる。
「してるよ!だから、ちょ、ちょっとあっちにいって…」
言い終わらないうちにルリが廉の手をとった。
「いや。だってこのままじゃ不公平だもん。私だけドキドキしてるのなんて耐えられない」
ルリはそう言うと廉の手をぎゅっと握ったままベッドに突っ伏して顔を隠してしまった。
見るとルリの首筋は真っ赤になっている。
447レンルリ:2007/08/02(木) 02:50:21 ID:B1MIZBib
ど、どどど、どういうことだ…?
私だけドキドキしてるのなんて耐えられない
ルリの言葉が廉の脳裏をものすごい速さで駆け巡る。
握り締められた手からルリの熱が伝わってきて、これがまぎれもない現実であることを知らせているのに、廉は状況を受け入れられないでいた。受け入れてはいけないような気がしたのだ。
ふと篠岡の言葉がフラッシュバックする。
ルリさん、三橋くんのこと好きそうに見えたよ〜?
廉は頭を振ってその言葉を振り払おうとした。
ルリがオレを、なんてあるわけがない…
で、でも、じゃあルリは何にドキドキしてるんだろ?
廉が一人でおろおろしていると、急にルリががばっと上半身をはねあげた。
「何か言ってよっ!恥ずかしいじゃない!」
そういう顔は真っ赤で、大きな目の淵にはうっすら涙がたまっていた。
「ルリッ!?な、なんで泣いて…」
「泣いてないわよ!」
「うっ、うそ、」
「泣いてないってば…」
ルリが廉の肩に顔を押し付けたせいで語尾はほとんど聞き取れなかった。
448レンルリ:2007/08/02(木) 02:51:23 ID:B1MIZBib
廉はしがみつかれて、ルリの肩が自分のそれよりもずいぶんと小さく頼りないものであることに気付いた。ルリの肩はほんの少し震えていた。
廉はためらいがちにそっとその肩に手をかける。
「ルリ」
「なによ」
「あ、あの、泣いて、いいよ」
経験上、泣きたいときにそれを我慢するのはひどく辛いということを知っていた。だって、それは泣く資格がないか、あるいは泣く場所がないということだから。
ルリにはそんな辛さを味わってほしくなかった。
「私、さいしょから泣いてないもの」
そう言いながらもルリのしがみつく力は強くなる。
廉はルリの背中に手を寄せてなでた。
「廉、」
急に名前を呼ばれてどきりとする。
「な、なに?」
「私こわい。廉が…遠いんだもの」
「と、遠いって…?」
「廉がいなくなっちゃうような気がしたの」
「いなく、ならないよ…いつでも、いる」
廉は思った。
辛かった三星での3年間。
ルリがいつでもそばにいてくれた。
だから自分もずっとルリのそばにいる。少なくともこんなふうにルリが自分を求めたときには。
廉はルリの背に回した手に力を込めた。
「…また、練習見に来ていい?」
「うん」
「また、電話していい?」
「うん」
「これからもレンレンって呼んでいい?」
「…うん」
ルリがはじかれたように顔をあげる。
「やめろって言わないの?」
「…言わない、よ」
なぜだか廉はそう呼ばれてもいい、と思った。今のルリが発すると、同じ言葉でもまったく違うように聞こえた。
「じゃあレンレンって呼ぶ。後からいやがっても変えてあげないから」
そう言ってルリはふわりと微笑んだ。
それは廉が見たこともないような儚げな笑顔だった。
449レンルリ:2007/08/02(木) 02:51:59 ID:B1MIZBib
「…っっ」
いけない。なんというか、やけにルリのことが可愛く見える。
その微笑みは廉に急に現状を思い起こさせた。
さっきまでルリが泣いたことで動転して忘れていたが、今廉とルリは枕一つをはさんでほとんど抱き合うような格好になっている。しかもここはベッドの上だ。この上なくそれっぽいシチュエーションではないか。
「レンレン」
「ななな、な、なにっ?」
「…顔、真っ赤だよ?それに肩、痛いよ」
「あっ、ご、ご、ごめ…」
「あやまらなくてもいいけど」
ルリはくすりと笑って伸び上がると廉の目をじっと見つめた。
「レンレン、学校に好きな子いる?」
「えっ、い、い、いない、よ!」
「…篠岡さんは?女の子から見ても可愛いかったよ、すごく」
「あ、可愛い、けどっ」
けど、ルリのほうが可愛いよ。
そう言いかけて廉は絶句した。
野球部のエースとして注目されるようになり声をかけてくれる女子がいなかったわけじゃない。けれど心が動かなかったのは、無意識のうちにルリと比べていたからだと気付いてしまったのだ。
「あの、ルリっ」
「なあに?」
「オレ、ルリが好きだっ、だ、だから、ルリが一番可愛い、よ!」
450レンルリ:2007/08/02(木) 02:52:47 ID:B1MIZBib
ルリは一瞬ぽかんとして廉を見つめると、その肩にぎゅっとしがみついて耳元に唇を寄せた。
「レンレン、…今の本当?」
「ほんとう、だよ」
「じゃあ私も本当のこと、言うね。私、レンレンを他の子にとられたくない」
耳元で囁きかけられて、体が震えた。
廉はぎゅっと目をつぶって背筋をはいのぼる感覚に耐えた。
「レンレン」
「な、何?」
声が震えてしまう。
「この枕じゃまだよ。どかしていい?」
「だ、だめっ!!」
ルリが枕をどかそうすとするのを、咄嗟に叫んで食い止める。ルリは不満そうに廉をにらんだ。
「どうして?」
「ううっ、これ、な、ないと、困る…」
「…私は困らないもん。レンレンともっとくっつきたいよ…レンレンはちがうの?」
潤んだ大きな瞳にじっと見つめられて廉は慌てた。
「ち、ちがっ、な、ないと我慢できない、からっ!」
つい本音を暴露してしまって、廉は焦って口元を覆った。
451レンルリ:2007/08/02(木) 02:53:27 ID:B1MIZBib
「…我慢って何?」
「ええ、と、キ、キ、キスとかっ」
したくなる…と廉は消え入りそうな声で言った。
本当はそれ以上のこともしたいのだが、とりあえずそれは黙っておく。
「…じゃあすれば?したいならすればいいじゃない」
「ええ!?い、い、いいの!?」
「だって、またずっと会えないじゃない…」
ルリはキスしてもいい、とは言わなかった。けれど伏せた目の長いまつ毛は震えていて、それに気付いたときには、廉はルリの細い肩を夢中で引き寄せていた。
「…んっ」
ルリの唇からやわらかい吐息がもれる。なぜだかルリがとても弱々しく思えて、廉はルリの手を攫もうとした。そうしてルリを繋ぎとめておかないと、このまま消え去ってしまいそうに思えた。
けれど、廉がその手に辿り着くより早く、ルリの両腕が廉の首にまわされ、その体から急激に力が抜けていった。
廉はルリの重みを支えきれず、二人してそのままベッドに倒れこむ。
「…レンレン、あたまいたいよ…外して」
ルリがぼんやりと廉を見上げながら言う。
廉はルリの髪をまとめていた髪留めを外した。長い艶やかな黒髪が白いシーツの上に散って、ルリの肌の白さが際立つ。
二人の視線が一瞬交錯すると、ルリは目をふせた。
廉はルリの顔の横に両手をついて、さっきよりもゆっくりとルリに口付けた。
452レンルリ:2007/08/02(木) 02:54:22 ID:B1MIZBib
触れ合わせたところから、電流のような感覚が走る。ルリの唇のやわらかさに陶然となる一方で、その唇をめちゃくちゃに食い荒らしてしまいたい、とも思った。
何度も角度を変えて口づけると、ルリは酸素を欲して小さく息をついた。
見開かれた大きな目には涙の膜が張られていて、びっしりと生えた長いまつげが濡れて光っている。わずかに開かれた赤い唇から、小さな舌が動くのが見えた。
「レ…」
強い衝動を感じて、ルリの唇に自らの舌を割り入れる。ルリの声は深い口付けに簡単に飲み込まれた。
単に唇を触れ合わせたときとは違う強い快楽に、廉はめまいを覚えた。
濡れたやわらかい舌に自らの舌を絡ませると、ルリは怯えたように舌を引こうとする。そのときのざらりとした感覚の強烈さに、腰の辺りに熱が集まってくるのがわかった。
たまらずにルリの胸に手をはわせ、下着の高くなっている部分をそろりと撫でる。
「やっ…」
廉の手で敏感なところを触られて、ルリはため息をもらした。
と、同時に自分の声にぎょっとして、キッと廉の顔をにらんだ。
「ちょっと、変な触り方しないでよ!」
「へ、変なさわりかた…って」
「今みたいなの!だめだから!」
「え、で、でも…」
顔を真っ赤にして肩をはずませているルリを見下ろす。潤んだ目にいつものような迫力はない。
「何よ!?」
「き、気持ちよくなかった?」
「!」
「気持ち、い、よね?」
「う、うるさい!レンレンのくせにっ…」
その瞬間、廉は自分の中に、今まで感じたことのない荒々しい感情が湧き起こるのを感じた。
453レンルリ:2007/08/02(木) 02:55:27 ID:B1MIZBib
ルリの両手に自らのそれを絡ませると、強い力でベッドに押し付ける。
抵抗する暇を与えず閉じられた足の間に膝を割り入れ、そのやわらかい肢体に体を押し付けながら、乱暴にルリの唇を貪った。
突然のことに呆然として肩を弾ませるルリを見下ろす。
「廉って呼べよ」
「さっ…」
「今だけで、いいから…そう、呼んで…」
廉が投球時にしか見せないような真剣な表情をルリに向けるのははじめてで。
ルリの体の芯にぞくりと震えが走った。
454レンルリ:2007/08/02(木) 02:56:16 ID:B1MIZBib
ルリの返事を待たずワンピースの裾から手を差し入れると、廉は胸があらわになるところまでそれをまくりあげた。
滑らかな太ももの皮膚に手を滑らせながら、ブラジャーの隙間から舌を差し入れて乳首を舐めあげる。ルリの胸は小さく、下着を脱がせなくても簡単に舌が届いた。
「んんっ、」
ルリが身をよじって快感を逃そうとする。
「ルリ、可愛い」
廉はそのままルリの足の間に手を伸ばした。ショーツの上からすっと撫で上げると、そこはすでにたっぷりと蜜を湛えていた。
「っ!…廉っ、やめっ」
「やめ、ない」
「レッ、ああっ!」
閉じようとする膝を両手で押し開いて、廉はショーツの上からその部分に舌をはわせた。ルリの体液と廉の唾液が混じり合って、淡い色のショーツの上から、ルリの秘所が透けて見える。廉は、温かく湿ってヒクヒクとうごめくその中に自身を沈めることを思って体を震わせた。
だが、ショーツを引き下げようと手をかけたとき、ルリが必死の声で「いやッ!」と叫んだ。
はっとなってルリを見上げるとルリは泣いていた。
「ごっ、ごめ、…オレっ」
廉は慌ててルリを抱きしめる。
「…ばかっ、こんなのレンレンじゃない…」
ぼろぼろと涙をこぼしながらも、自分にしがみついてくるルリがあまりにいじらしくて、廉はもう一度「ごめん」と謝った。
「私は…すごく恥ずかしかった、し!こわかったの!初めてなのに…」
ルリが言葉を口にするたびに大粒の涙がこぼれて、廉は一生懸命涙をぬぐい続けた。
455レンルリ:2007/08/02(木) 02:58:16 ID:B1MIZBib
しばらくするとルリは平静を取り戻し、少し恥ずかしそうにふふっと笑った。
「なんかびっくりしちゃった。レンレン、あんなことどこで覚えたのよ」
「ええっ!?べ、べ、べ、べつにそんな」
廉は責められていると感じて慌てたが、そうではない証拠にルリは甘い声で言った。
「ほんとにびっくりしちゃった…自分の体じゃないみたいだった」
その声は本当に、聞いたこともないような甘さで。
廉はたまらずルリを抱きしめる。
「レンレン」
「なあに?」
「私たちはずっと一緒なんだから…色々なことが変わるのはもっとゆっくりでいいよね?」
ルリの言葉を残念に思わないわけじゃなかった。
けれど、それ以上にルリがこの先を考えていることが嬉しくて、廉は微笑して頷いた。
456レンルリ:2007/08/02(木) 02:59:38 ID:B1MIZBib
結局その夜は(主に廉の事情で)別々に眠って、今二人は西浦高校に向かう道を歩いていた。
たったの一晩で二人の関係は大きく変わってしまった。
けれど、それはこの朝の空気のように新鮮で素敵だ、とルリは思った。
グラウンドの入り口までたどりつくと、廉が名残惜しげにルリを見つめる。
「私はこのまま帰るけど、練習がんばってね」
「…うん」
「レンレン、今年の夏大が終わったら…二人で那須の別荘に行こうよ」
廉はすぐさまその意味を察したらしく、顔を赤くして頷いた。
昨日とは別人みたい、とルリはおかしくなる。
「約束ね」
そう言うとルリは伸び上がって、廉の頬に口付けた。
そのとき。
「うわっ!三橋のヤツ、チューしてんぞ!」
田島の声がグラウンド中に響きわたり、「ええ!」「マジで!?」などとすでに集まっていた部員たちが騒ぎ出した。
「う、おっ!れ、練習!」
廉が駆け出して行く。
その背に精一杯の声で呼びかけた。
「レンレン!またね!」
廉が振り向いて手を振るのが見える。
レンレンって言うな、というお決まりの文句が聞かれなかったことに満足して、ルリは来た道を引き返した。
457レンルリ:2007/08/02(木) 03:03:51 ID:B1MIZBib
終わりです。
別荘のくだりは完全捏造設定です。
あれだけの豪邸に住んでるんだから別荘くらい持ってるかな〜と。
もっとエロくしたかったけど三橋の気弱さとルリの純情さ(いや、妄想だけど)で難しかった…
長々とレス消費申し訳ありません。
458名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 03:05:12 ID:NkNSH6go
激しくGJ!!!リアルタイムで読んでました
ルリ可愛かったし、気弱な三橋が時折見せる男らしさも萌えた!
459名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 06:08:55 ID:rgN8lRU9
GJ!
460名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 09:31:13 ID:gSBFw5cx
うわあ〜、読み耽ってしまったよ
ルリの可愛さと三橋の優しさに感動した
続き読みたいなあ
461名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 11:13:37 ID:dxkDOc9j
職人さんGJ!
男らしさを垣間見せる三橋が良かったです。
462名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 13:24:33 ID:VLOHm3iW
>>457
GJGJ!!!!!!!!!
レンレンルリルリのコンビ大好きなんでうれしかった!
「レンレンのくせに〜」は悶える。
463名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 19:25:06 ID:RYMjWEPe
乙。ただ、もうちょっと三橋らしい口調もみたかったなぁ。
けど、ルリはカワイイかった。
464名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 19:34:54 ID:IQtV/Hm6
そういえばさ
このおお振りスレに出入りしている職人さんたちは
コテハン名乗ったり、トリップ使わないのはなんでなんだろうな?
465名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 20:38:48 ID:Zk2iZB+y
>>457 レンルリ可愛いww激萌えw
アニメに登場したルリ確かにすっげー可愛かったwwGJ!

>>464 確かに誰も使ってないね。
スレの性質だと思ってたけど、
ここまで騒ぎ起きるなら使ったほうがいいのかも?
466名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 21:27:21 ID:L+X2BAF7
>>457
乙です。久々のレンルリで嬉しかった!
是非別荘の続きを!
467名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 22:18:22 ID:hxNyuF/Z
>>646
他スレではコテ名乗ってる自己主張激しい人が多いから…
正直あんまりコテなくてもいいと思っている…
個人サイトじゃなくて匿名掲示板って区別がわかるならコテトリはあるといい
468名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 22:40:15 ID:rgN8lRU9
自分は別スレに投下してるんだけどやっぱ酉無いと不便
過去に小ネタ以外の投下だと叩きがあったり騙りや追い出しがあったスレ常駐だから
付ける事に慣れちゃってるってのもあるけど騙りが一番怖いし初回から付けた
469名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 22:52:59 ID:Zk2iZB+y
名無しで投下に慣れちゃってるんだけど。
考えたら投下するたびに本人表明&設定流用報告してるから
トリつけたほうが、もしかして楽?
470名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 23:03:20 ID:C4KPY2ah
付けたきゃ付けりゃいいんでは。
自分も投下人の1人ですが、あまりの出来の悪さに
またこいつかと思われるのが恐ろしくてとてもじゃないが無理w
471名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 23:12:57 ID:zZmtqNnK
コテトリは面倒だからつけん主義。
他スレでもつけてないしな。
騙りが発生しても自己責任で対処する覚悟で。
472名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 23:26:40 ID:3FbdCUNF
流れぶった切ってしまうが、モモカンは今23くらいだったよな?
つまり8年前に西浦に入学。

……当時7歳の田島が畑でじーちゃんの手伝いをしている時、
西浦のグラウンドで男顔負けの働きをしてのけるモモカンを見て
自分でも理解できない胸の高鳴りを感じる。

とか、そういう妄想が唐突に閃いた。
473名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 00:39:31 ID:3g8zrru7
さらにぶったぎって申し訳ないが、>>339>> 340の言ってるおお振りぼくらのってなに?
アニメスレ探したけどわかんなかった。
474名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 00:44:46 ID:ZlWW+bQ/
>>473 ぼくらのっていうアニメがあって。
>>339はニコ動のおお振りアンインストールMADのことです。
知らない人は知らないよね。ゴメン。
閲覧には注意と覚悟が必要かと。
475名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 00:53:10 ID:3g8zrru7
>>474
ありがとう!
注意と覚悟…よくわかんないけど見てみる
476名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 00:59:24 ID:6bRDy3h7
>>472
萌えた。書いてくれ・・・
477名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 02:07:16 ID:wPulUO01
>>470
固くなるのは欲のでてきた証拠だぜ。
おまえにとっちゃ、いい傾向なんだ。
そのプレッシャー受け入れろよ!
478名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 02:36:13 ID:3yQEJpL5
阿部さん乙
479名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 02:51:28 ID:LIe4fy6/
>>472
やべー萌えた。
小さい田島がマネジ時代のモモカンに憧れてたりとかしたら萌えるな。
480名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 03:31:35 ID:t8SwJYLE
>>472
スポーツだったら一通り、なんでも造作なくこなせたんだろう田島は、
7歳当時、野球もなんとなくやっていたんだけど。
モモカンが男子部員にまじっても遜色ない、
それどころか技術的には頭抜けて上手いのを見て、
「あの女の人すげえ上手ぇ!」
「一番楽しそうに野球してんなぁ」
「つか、野球ってそんなおもしろいもんだっけ?」
みたいに、モモカンによって野球に本格覚醒してたりすると、なお萌える。
481名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 12:17:34 ID:zhIocmqP
そして初オナもモモカン。
482名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 19:37:44 ID:BtoPFSOT
これからSS投稿します。

今回は『ヤサシイワタシ』から西村澄緒をゲストキャラとして登場させました。
ハマちゃんとカップリングします。
作品の都合上、「ヤサワタ」のネタばれ、ハマちゃんの設定のネタばれが多分に含まれますので注意してください。
483浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:38:58 ID:BtoPFSOT
『サヨナラ、だい好きな人』



「ハ ハ ハマ…ちゃん、  ちょっと… いいか…な?」
「あん?」
いつもの休み時間、オレが机に伏して惰眠をむさぼっていると、三橋からたのみごとをされた。
「プ プリント  その… お 女の子に わ わたして ほしいん…だ」
「だめだぞ〜、みはし〜。そうやって自分の嫌なことを人に任せようとするのは。ははは」
いわれると顔を赤くしてキョドキョドする。
「ま、いいよ。逆にありがたいかもね。オレが仲良くなれるチャンスかもしれねー」
口をひし形にして高速に顔を縦に振り続けている三橋からプリントを受け取ると、机で一人、ぽつんとすわっている彼女のところまでいってきた。
「はい。これ。三橋からのラブレターね」
「え?」
「ハ ハマチャン!?」

西村澄緒さん。高校一年生。同級生。オレにはイッコ下になる。美人。
この人が同じクラスの人間としゃべっているところを見たことがない。
飯を食うのも一人、家に帰るのも一人。友達をつくらないのだろうか?
「どーもね、クラスの女子に聞いてみても、誰も知らないらしいんだ」
「知らないって、なんじゃそりゃ?」
泉に西村さんのことをたずねてみても、要領を得ない答えが返ってきた。
「つまり、俺らのころの中学の同期じゃ、あのコはみたことがない、ってことよ」
「ていうことは、県外のひと…」

その日からオレは、授業中に西村さんのことが気になりだしていた。
絹糸のような光沢をもつ長く黒い髪。いつもうつむきがちな顔は、幼さを残していても、目はな立ちがはっきりとしてきている。
カレシは……いないんだろうな。彼女の方から誰にも話しかけないから。
484浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:39:52 ID:BtoPFSOT
きっかけは偶然だった。でも、これは案外、オレの方が望んでこうなったことかもしれない。
下校時間、自転車に乗り込んで、帰り道をいそいでいた。
坂道を下っていると、あの長髪がみえた。
「西村さん、西村さんってば」
2回ほど名前を呼ぶと、ようやく振り返ってくれた。
「ごめんなさい。…私のことじゃ、ないとおもってた」
「帰る方向、一緒だね」

それからオレと西村さんは、一緒に下校する仲になった。
そう、彼女はひとりでいたかったんじゃない。ただ、仲良くするきっかけがなかっただけだったんだ。
いったん打ち解けた後の彼女は、やはりおしゃべりの大好きな女の子だった。
「ね、浜田くん」
「ハマちゃんでいいよ。みんなそう呼んでるし」
「ふふっ。ハマちゃん!」
「は〜い」
笑った横顔はなんともいえず、かわいさであふれていた。

オレがアルバイトをしていることを話すと、スミオはくいついてきた。
「ね、ハマちゃんもやってるバイトって、私もできる?私もアルバイトしたいの」
「あ、ああ…」
つーわけで、店長に頼んで、一緒に働くことを許可してもらった。
オレとしては、スミオと一緒にいれられる時間がさらに増えて、願ったりかなったりだった。

もうここまで読んでくれればわかるはず。
オレはスミオに一目惚れして、なんとか彼女にできないか、とそんなことをずっと思ってきた。
そして、スミオの側にいる男は、誰よりもオレだった。
オレはスミオに恋をしていた。
485浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:40:53 ID:BtoPFSOT
仕事が終わり、夜遅くなったので、自転車にのせて家まで送っていった。
スミオの家は、古びた木造アパートに一人で住んでいた。
はっきり言って、女の子ひとりで住むような環境じゃない。
「びっくりした?」
「…ああ」
「理由…話さなきゃ、いけないよね」
「いいよ」
「え?」
「なにか事情があるんでしょ?だったら、スミオがいいと思うまで話さないでいいよ」
スミオは意外に思ったらしく、オレの顔を見るままとぼけた表情を続けていた。
「はなし聞いたからといって、オレがスミオとの付きあい止めることなんてありえねーし。聞かなくても別にしこりに残らない。オレは待てるよ」
「ハマちゃん…」
オレははじめてスミオに手を握ってもらえた。ほそくて、小さくて、ひんやりした指だった。
「あがっていって」

一人暮らしの女性の家にあがるのは初めてだった。女の子の部屋に入ったのも初めてだった。
4畳しかない畳の部屋で、窓にあるカーテン以外にこの部屋を特徴付けるものがなかった。
テレビもない。冷蔵庫もない。普通の一人暮らしをする家ならあるはずの家電製品が、この部屋にはなかった。
「ずっと…コンビニで済ましていたから。冷蔵庫、買ってなかったの」
スミオの顔をみると、お茶もだせない環境に恥ずかしがっているようだった。
「いやいやいや!いいって。引っ越してきたばかりなんだろ?なんなら、欲しいものあったら、オレ探してくるよ」

オレが部屋の真ん中で座りだすと、スミオもオレの隣に座ってよりかかってきた。
「ほんとは…夜がさみしかった」
天井にある蛍光灯のあかりで照らされたスミオの顔を見てドキリとした。
上目遣いで、目に涙をためて。

いいのかな。オレ、このまま行っちゃっていいのかな?
チャンスだよな?相手から誘ってもらって家に入れてくれたし。部屋に誰もいないし。
バイト終わった後で汗ふいてないけど、ちょっと臭うかな?
でも、スミオはいいって言ってる気がする。
だから、オレはスミオの肩をそっと抱きしめると、こっちに近づけて、そして、口づけをした。
486浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:41:47 ID:BtoPFSOT
キスをしたのははじめてだった。
スミオの唇は小さくて柔らかい。してる最中はずっと興奮してて、相手の息遣いまで聞き漏らさなかった。
「んふぅ…」
くちゅっ、ちゅぴ、ちゅる、唇と唇が触れ合っていやらしい音をたてる。お互い、もっと興奮してくると、むさぼるようにキスをせがみあった。
スミオの手がオレの背中へと伸び、体を預けるようになった。
すると、オレの口の中に異物が入ってくる。
オレは自分の口の中で、スミオの舌をいじくってやる。表と裏をなめまわすように。はぎ取るように。

舌と舌が繋がって、オレも我慢の限界を超えてしまった。
オレはスミオの着ている服のボタンに手をかけた。
「まって」
あわてて顔を離すと、スミオは胸をガードしだした。
「…ゴメンナサイ。まだ、心の準備が」
「ああ…、ごめん」
そうだ。オレもつい夢中になっちまって、スミオのことを思いやることを忘れていた。
そうだよな。色々と準備もあるんだろう。
「わたし…おかしいよね。誘っておいて、キス以上はいやなんて」
「スミオって、キス上手だよね」
言われてみるみる顔が真っ赤になっていった。
「バカッ!」

その日はスミオの部屋に泊まっていった。誓って言うがキス以上のやましいことはしていない。
電気消して座ってよりそって、他愛もない話をダラダラとして。そのまま二人とも寝落ちした。
翌日の朝、コンビニに行って朝飯を買うと、部屋で食べて、昼まですごした。
「オレ、今日野球部手伝う約束してるんだ」
「ハマちゃん、野球部に入らないの?」
「オレは応援する専門。はは」
そういって玄関で靴をはくと、じゃぁ、といって別れた。

ここまでは順調なくらいオレたちはうまくいっていた。オレもスミオとつきあえることができて幸せだった。
でも、じつはそうじゃなかったんだ。スミオはオレが知らないところで無理していた。
スミオのためならなんでもする覚悟はあった。オレは男だからと、心構えはしていたつもりだ。
でも、じつは何をどうすることもできない、ただの子供なんだとすぐに思い知らされることになった。
487浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:42:39 ID:BtoPFSOT
部屋から出ようとノブに手をかけようとすると、ドアをノックする音がした。
スミオが返事をすると、代わりにドアを開けてやった。
扉の前にいた人は、オレよりも背が高い、大学生風な男だった。
「ヒロくん…」
この人を見たときから、オレは不安になっていった。なんだか、ここから一気に転落していくんじゃないかって、そう不安になる。

「あの…、高校のお友達。ハマちゃん」
「は、浜田っす」
「いとこの芹生弘隆です」
「どうしてここが…」
聞いちゃいけない話だったようで、オレは二人にあいさつをすると早足で立ち去った。
なんだろう、この焦燥感。はやく逃げ去りたいんだけど、行ったら失ってしまうこの矛盾。
もう一度いとこの人を振り返ってみる。その人は、少し憂いを抱えているような目をしていた。

翌日、スミオの方から事情を話してくれた。
ふたりきりで話を聞くため、スミオの部屋にお邪魔して聞いた。
「私ね、ヒロくんを追いかけてこっちに来たんだ」
スミオは思ったとおり、埼玉の人じゃなかった。ずっと遠いところからやって来た。
「西浦を選んだのも、ヒロくんの大学が近かったし。私が高校卒業して、大人になったら会いに行こうっておもっていたの。でも、できるわけなかった。ヒロくんには好きな人がいるし。私なんか眼中なかった」
否定も肯定もできないまま話は続いた。
「ヒロくんにね、家に帰れっていわれたの」

「どうしてここが…」
「お母さんから連絡が来たよ。住まいは近くだからよろしく頼むって」
「そう…」
「気まずかったからオレに知らせなかった?」
「……うん。言いだせにくかった」
「学校は地元に行くとばかり思っていた」
「…ごめんなさい」
「ここにはひとり?」
「……はい」
「澄緒ちゃんは帰ったほうがいい」
488浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:43:40 ID:BtoPFSOT
地元を飛び出して、あてもなく一人で生きる。それも自分の好きな男のために。
会いにいくのではなく、ただ近くにいたいだけ。
そんな気持ちを思いはかるには、どうすればいいんだろう?
「ワタシ、ハマちゃんにヒドイことしているよね…」
オレは本気でスミオのことを好きになっていた。でも、スミオの本当に好きな人というのは、あの弘隆さん。
「悪い女だよね…。嫌いになるよね…」
「スミオは地元に帰るつもりなの?」
質問に答えるのに、ずいぶんと時間がかかった。
「まだわからない」
「そっか…」
「ワタシ、向こうにもワタシの居場所がないの」

その日の夜は、ずっと考え事をしていた。
スミオのためになること。どうやったらスミオの問題をといてやれるのか。
わからん。わかんねぇ。
オレがスミオにしてあげられることなんて、はっきり言ってまったくなかった。
「一緒に住んでみたら?」
そう考えてもみた。だけど、許されるわけなかった。見つかったら不純異性行為で退学。
くやしい。本気で自分に腹が立つのははじめてだ。
何がつきあってるだよ。何が一緒にいられて幸せだよ。
今までのオレは、あいつのために何かしているつもりでも、何もできてなかったじゃねぇか。
ムカついて何度も枕に八つ当たりした。

翌日、考えて続けても結論が出ない。オレには打つ手が尽きていた。
だが、昨日の段階である考えを浮かんでいたことを思い出した。
それは完全に人任せをすることになり、オレがスミオのためにしてあげられることは、もう、できなくなるだろう。
あらためてスミオの後姿をながめる。
最近はだいぶクラスにうちとけることができたようで、自分の方から積極的に友だちをつくるようになっていった。
そうだよ。やっぱりスミオも西浦に居たいんだよ。自分の居たい場所をつくりたいんだよ。
オレの腹は決まった。
489浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:45:07 ID:BtoPFSOT
昼休みになると、学校を抜け出した。
「おい!?午後の授業は!?」
「泉!オレは突然、風邪と赤痢と腸チフスにかかったから、病院に行ってくるって先生に伝えといてくれ」
「……風邪で十分だろ」

自転車に乗り、帰る方向と逆に向きをかえて飛ばした。目的地は、弘隆さんのいる大学。
「君は…ともだちの」
「浜田っス。あの、お話があります」

大学の近くのファミレスに連れて行ってもらうと、窓際の席に向かい合って座った。
「スミオ…ちゃん、あの、弘隆さんと一緒に住まわせてあげられませんか?」
オレの突拍子もない言葉に面を食らったようで、弘隆さんはしばらく無言でいた。
「スミオちゃんは春までずっと教室で一人ぼっちだったんです。でも、ようやく最近になって、女の友だちもできたようで。今、スミオを西浦から去らすのは可哀想なんです。だから…、隆弘さん、スミオの面倒をみて欲しいんです」
オレは腹の中にたまっていたモノを、勢いよく吐き出した。
頼んでくれたコーヒーが口をつけずにそのまま冷めていく。

「できない」
「なぜです?従兄妹なんで…」
「あの子はオレの部屋に来たとき、体を求めてきたことがあった」
聞こえないふりをしたかった。だけど、体に力が入らなくなる。今度はオレがしゃべらなくなる番だった。
「そのときは断ったよ。俺には澄緒ちゃんを受け入れることはしない」
それはイトコだからだろうか。目で質問してみた。
「いろいろと理由はあるんだが、……やはり、俺自身が受け入れられる余裕がないからかな」

「それに、君がいる」
「は?」
「俺なんかよりも、ずっとたのもしいよ」
「オレは…ダメなんです。まだ子供だし、力にもなってあげられない」
「実家にかえるよう勧めたけど、最後に決めるのは澄緒ちゃんだよ。君はできるかぎりのことをしてきたんじゃない?」
490浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:46:18 ID:BtoPFSOT
コーヒーのお礼をいったあと、弘隆さんの彼女のことが気になったのでたずねてみた。
「あの人は……まるで翼を持っている人で。高く飛びたがっているんだけど、地面に体をうちつけているばかり。俺は飛べなくてもいいって伝えるんだ。でも、本人は翼をはばたかせることしか頭になくて……そんな人だった」
よく意味がわからなかったけれど、この人も好きな人と離ればなれになっているのはわかった。
窓の外をながめている目が、いっそう憂いを濃くしていた。

弘隆さんと別れると、足はスミオのアパートへと向いていた。
スミオが帰ってくるまで、玄関の前で待つことにした。
「ハマちゃん…」
スミオが帰ってくると、部屋に入れてもらった。扉を閉めて靴を脱ぐと、背中から抱きしめた。
「…ワタシ、どうすればいい?ハマちゃんに何をしたら許してもらえるの?」
「そうじゃないんだ。スミオ。これはオレのわがままなんだ」

そのままスミオの耳に、首筋に、うなじに、ほほに、したあごに愛撫をつくした。
スミオは本当に初めてのようで、まだ気持ちいいとくすぐったいの差がよくわかっていないようだった。
耳とか攻められると嫌がる。しかし、続けても拒絶をしない。
口でスミオを感じている最中、俺の手は、スミオの着ている服をとりはずしにかかった。
「ひっ」
ブラウスのボタンをはずしていくと、硬い声がもれる。だが、今回はスミオの方から拒否の言葉がなかった。
緊張のせいだろう、肩に力が入っていて、手も震えている。
「いくよ」
「う…ん」
相手の覚悟をうながし、背中のブラジャーのホックをはずし、一気に下着をはがした。
小ぶりでまだ発育していない乳房が、先っぽだけツンとしていた。
オレはそこめがけて餓鬼のようにむしゃぶりだした。

オレも着ている服をすべて脱ぎだす。その間に、スミオは押入れにしまった布団をとりだすと、畳の上にひいた。
男の体は未知だったようで、少し引いていたかもしれない。
だけど、オレはもう後に退かない。スミオを布団に寝かすと、下の下着まではがした。
491浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:47:14 ID:BtoPFSOT
「ぐすっ」
きっと恥ずかしさが極まって泣いてしまったんだろう。でも、オレは止めたくなかった。
舌で女陰を濡らしていき、皮にうもれた突起に触れる。そうすると、電気が流れたように体をビクッとさせた。
その部分だけ他とは違う反応を示したので、舌を使って重点的にせめてやった。
「あっ……あぅ……くはっ……はあん!」

敷布団のシーツが濡れている。オレのよだれじゃない。スミオが感じてくれている証だった。
オレは姿勢を直して硬くなったナニをスミオの中に挿入れようとした。
「そこ……じゃないよ」
「あれ…?」
オレが戸惑っていると、スミオの手がオレ自身をつかんで、自分で穴に挿入した。
「おねがい……ゆっくり」
「うん。大切にする」
正常位の体制で腰をゆっくりとおろしていった。

ナニの先っぽでぶつかるものを感じると、体重をかけながら膜に穴をあけた。
「いい……痛っ」
悲鳴が上がって体が硬直する。ナニが体の中に深々と刺さると、スミオの緊張が解けるまで待つことにした。

顔の表情を確認する。眉間のしわがなくなり、口のひきつりもなく、おだやかになっていった。
オレはスミオの膣内で小刻みに動いていった。
「ハ…マ…チャン……」
腰を動かすたびに、スミオの口からあえぎ声がもれ出し始めた。
オレは動くのをやめない。動くのをやめない。
スミオもオレの首にしがみついてくる。涙もずっと流れっぱなしだ。
限界がくるまで夢中になって腰を動かし、最後には腹の上に向かって射精していた。
492浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:48:38 ID:BtoPFSOT
全身が熱い。汗だらけでくたくただ。
けど、心の中の虚無感。ぬくもりにふれているけど、頭の中は冷静でがらんどうだった。
さびしかった。終わりにしたくなかった。
「ハマちゃん…おねがい聞いてもらってもいいかな?」
「ああ。何でも言ってよ」
「腕まくら、して欲しい」
「ちょっと待ってて」
オレはわざわざ立ち上がると、スミオの反対側へと移り、左腕を下にして枕をつくってあげた。
「右ひじだと、長くできそうにないんだ。こっちなら大丈夫」
「腕、ケガしているの?」
「うん。大したことじゃないけど、野球でヒジやっちゃってね」
そういうと、スミオはオレの右腕を手にとって、ヒジの内側に口づけをしてくれた。

「本当はね、こっちに来る理由なんてなんでも良かったの」
腕まくらをしたまま寝屋話をつづける。
「お母さんのところから離れたかった。本当は親を愛したいのに、どうやって表現していいのかわからなかったから」
泣くのを堪えているように、目をしきりにパチパチさせている。
「ワタシって人に好かれる自信がなくて。嫌われたくないって思うほど、わからなくなる」
「スミオ。好きだよ」
「…っ!!」
「また泣く」
「だって、だって、ワタシって、好きって思われること、慣れてないんだもん」
「……帰るつもり?」
「わかんないよう……」
「オレは、ここに残って欲しい」
「えっ?」
「スミオが居なくなるなんて嫌だ」
自分の好きな人と離れてしまうなんて、本当に辛いことだ。だから、オレは今、精一杯スミオの体を抱きしめて離さなかった。
493浜田×澄緒:2007/08/03(金) 19:50:32 ID:BtoPFSOT
結論を言うと、スミオは西浦に残ってくれた。
「お母さんにもお願いした。ヒロくんにも改めてここに居たいって伝えたの。それならそれでいいって言ってくれた。だから、ワタシもハマちゃんの側にいたい」

この日、オレとスミオは野球部のグランドに一緒にむかった。
西浦野球部に新しい仲間を紹介するためだった。
「あ、あ…あの……、今日から一緒にチアガール…をやらせていただきます、西村澄緒です。よろしくおねがいします」
スミオは長い髪をポニーテールにして、深々とみんなにむかってお辞儀をした。
ここにいる全員から、大歓迎の意味の拍手で受け入れられた。

練習が終わると、自転車にスミオを乗せて走り出した。
「ねぇ、大学まで行こう」
例の大学の校門までとばしてこぐ。すっかり暗くなっているので、あたりに人影はない。
「昼間じゃなくてよかったの?」
「うん、いいの。挨拶に来ただけだから」
そういうと、スミオの右手は、オレの左手をにぎってつぶやいた。

「さよなら……」



494名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 20:33:48 ID:wv2TADXy
>>472
それイイ!!
麦藁帽子に白シャツの子タジがフェンスに貼り付いて興奮してる図が浮かんだ
「ジーチャン!!スッゲー!!」
「しっかり草抜けよー」
イイ!!!!
495名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 20:46:54 ID:ghtV4hQ4
>>493
乙です。浜ちゃん馬鹿かっこいいよくていいなw
496名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 01:29:10 ID:un+X1Xq6
>>493 GJ!
途中まで浜田切ないよ。幸せになってよかったよかったw
497名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 06:50:32 ID:un+X1Xq6
小ネタ投下します。
カプなしエロなし意味なし

498小ネタ ももえばくだん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/04(土) 06:51:25 ID:un+X1Xq6
モモカンは少し焦っていた。
最近急に体重が増え、筋肉もついた上に胸のサイズもあがってしまった。
要はユニフォームがとてもキツクなってしまったのだ。
買い換えの必要性はヒシヒシと感じてはいるが予算=給料日はまだ先だ。
よってキツイユニフォームのまま練習にでるはめになってしまっていた。

一方、野球部員にとっては災難で。
いかにもキツキツでぴったり体に張り付いたユニフォームでノックされても、
活をいれられていても、集中するのすら難しい。
必然的に練習中やたら止まって手を握りあったり、
誰かを無理矢理サードにたたせたり、リラックスに励むようになった。
モモカンからは練習に身が入ってないようにしか見えないのも
仕方のないことで。

当然、モモカンの雷が落ちる。

「一体、みんなどうしたの!? 何で集中してないの?」

アナタのせいですよ…。
心の嘆きは声には出せない。
ベンチの前で仁王立ちしているモモカンを囲んで
黙りコクって顔をあげない部員にモモカンはますます怒りを募らせる。
おおきく息を吸い込んで、さあ怒鳴ろうとした時、
田島が突然声を上げた。
499小ネタ ももえばくだん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/04(土) 06:52:20 ID:un+X1Xq6

「いってぇ!?」

田島は何か、小さいものを手に持っている。
ボタンだ。
どこからか飛んできたらしい。
「田島くん!そっそれ・・・あれっ!?」
モモカンの叫びに全員がモモカンに目を向ける。

ブチブチブチーン!

モモカンのユニフォームの前身ごろのボタンがすべて弾け飛んだ。

人は、ものすごい集中力を発揮すると、すべてがスローモーションのように見えるという。
モモカンの前身ごろがはじけ飛んだという事実に、一点集中。
必死で前を押さえようとする腕の動きがゆっくりと見えて。
モモカンの一瞬見開かれた目が恥ずかしそうにゆがみ、顔がゆっくり赤く染まり、
目が潤んでいくその様が。
黒のインナーを着てるとはいえはっきりとわかる豊かな胸を、
隠そうと動いたモモカンの腕が下からぎゅっと押しあげ、くにゃりとゆがむ。


現実に引き戻したのは、不気味な効果音。


三橋、西広、沖、田島が鼻からおびただしい血を撒き散らしながら吹っ飛び、
俯いて倒れる。少し腰は浮いている。
致命傷の被弾をかろうじて耐えた残りのメンバーは
即死を免れたことを心底感謝しながら
意識を必死に手繰り寄せ、冷静に戻ろうとする。

「わあ!? ボタン飛んじゃった!?」

光の速さは音より早いという。
視覚にくっきり刻まれたモモカンのリアクションの後に、声が聞こえてきた。
500小ネタ ももえばくだん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/04(土) 06:53:07 ID:un+X1Xq6

そして、そこに第2派の攻撃がはじまる。


あわてて前身ごろを抑えながら、モモカンは思わず後ろを向いた。
そこまでは普通のスピードだったが、それ以降は再び音がのろく響く。

バ・・・リ・・・バ・・・リ・・・バ・・・リ・・・!!


今度は動きが完全に止まってしまったような世界の中で、
モモカンのユニフォームの、お尻の縫い目が裂けていくのが
コマ送りのように、部員の目にいやおうナシに焼き付けられる。
避けた縫い目から覗く、真っ白な下着。
縁取りに豪華なレースが施されているのまではっきり視認できて。


現実に引き戻したのは、やはり耳障りな効果音。


休む間を与えない連続波状攻撃に、汁を噴き出しながら、次々と吹っ飛ぶ。
ピクリとも動けず、死屍累々の屍を築いた。

全滅。

いや、一人、吹っ飛んでいない者がいた。
ベンチにへたり込んだモモカンをちらりと見てから篠岡の姿を探す。

「おーい、篠岡ぁ。なんかデッカイタオル持ってきてくれ〜。
なーんか、カントクの服破れてさー。」
「あ、ハーイ!」

阿部の頼みに、篠岡が遠くから返事した。



---終わる---
501小ネタ ももえばくだん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/04(土) 06:54:25 ID:un+X1Xq6
いや、ほんと、サーセンw
試験的にトリつけてみました。
502名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 07:55:53 ID:NTHopQ71
おっぱいがおっぱいだー
503名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 08:11:57 ID:zXPeDR7y
微乳派阿部オソロシスw
休日出勤の朝に和んだぜー
504名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 10:45:56 ID:MIMHtli+
阿部テラ微乳派ww
505名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 10:58:28 ID:d5laNePo
微乳派ワロタww
506名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 11:03:55 ID:gv7/xs2K
水まきの手間が省けてしのーかもさぞやお喜びのことと存じます
GJ!
507名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 11:06:48 ID:lJnRBp/e
球児の鼻血で染まる真っ赤なグラウンドなんて嫌です><
508名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 11:49:59 ID:1rBLim3I
阿部wwwwww
おっぱいwwwwww
509名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 17:24:15 ID:un+X1Xq6
今ハナモモを書いていますが、
>47の職人さんのハナモモ作品の『二十歳の花井』という設定が被ってしまって。
書き出すことすら悩んだけど、萌えは止まらなくって。
違うシチュでハナモモ書こうとしてもなんか無理でorz

職人さんの許可が頂ければ投下したいのですがいいでしょうか?
510名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 19:10:13 ID:G8Q8z9tk
そこまで神経質にならなくてもいいのでは?
話自体は別物なんでしょ?
読みたいので投下して
511名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 20:10:51 ID:iBsLJTAL
>>501
阿部はどこまで行っても阿部だなwww
微乳派爆笑ww
512名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 20:38:36 ID:6icOxdQt
阿部チヨは公認だろ!!
513名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 20:43:34 ID:N2EOpnya
公認は荒れる元だよ
514名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 21:10:22 ID:7mSyWvd+
恋愛描写避けてる漫画だと思うな
だから公認はないんじゃないか、どれでも
515名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 21:17:07 ID:iBsLJTAL
>>512
アベチヨ好きだが、公認でもないのに公認とか言うと
荒れるし厨扱いされるんでやめて頂きたいな

8巻以降見たけど、本当に恋愛関係なさそうだよね
516名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 21:37:55 ID:oHxAKTSH
恋愛関係が無いのが逆に妄想しやすいし
そこがいいとこだと思うけどな。

そしてその妄想を補う為にここがある。
517名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 21:39:41 ID:S1EWiMxg
「篠岡のパンツ見えないのそんなにヤなわけ?」
「…え…う ううんそれは、あ ヤだけど……
 ヤだけど いいんだ。オレがノゾキ……してても、見えないのがキモチイイ……」
「ふーん」
(このノゾキが中学時代では通ってたんだもんなァ。そらキモチワルイ世界だよな)

ルリはレンレンがいても無防備だったと思うよ。
518名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 21:44:11 ID:AkkJyH1z
ルリとレンレン隙だ(*´ー`*)
ほのぼのがいい
519名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 21:44:26 ID:G8Q8z9tk
なんじゃそらww
520名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 22:42:16 ID:7mSyWvd+
レンレンの前に風呂上がり下着姿で出てきて平気で飲み物をさがすルリ
521名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 23:02:38 ID:lKYg2s2P
>>516
まあな。自分は全部の組み合わせでもいけるわw
かえって公認なんかになったらつまらないし、色々荒れそう。

公式公認の大河と鈴音も好きだが、榛名を交えた三角関係
想像しても萌える。
522名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 23:21:17 ID:iBsLJTAL
うむ。
公式発表されたら本命CPで妄想できねえじゃねーか…orz
スキマ産業続けたいんで頼むよひぐち

榛名はまだ鈴音好きなんだろうか。好きならそれはそれで萌えるニヤニヤ
523名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 02:24:51 ID:nc19blxw
>>510 ありがとう。必要以上に神経質になってるよorz
出来上がったら投下します。

公認はないほうがいいよね。
篠岡の本命想像するだけでニヤニヤする。
524名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 03:39:37 ID:oOMIIqtN
今晩のおかずは篠岡の先輩で
525名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 05:33:06 ID:3cRZ45Zc
(んー…緊張してるかぁ〜? 「固くなるな」って言う方が、難しい局面だもんねぇ〜。
立派なもん持ってるったって、まだまだ中身は子供ってトコかぁ。…よ〜し! そういう事なら…)

ほらソッチ、もっと腰を前に突き出す! 射精そうなんでしょ〜? 亀頭が、ビクビクって
小さく上下に震えてるよ〜? だったらっ、溜めてた分を全部吐き出す! 半端に射精したって、
「気持ちいい」って、ナンないんだよっ、心も、体も! 射精そうになったら、どんどん
射精してくれても構わないからね! 私も、めいっぱい口を開けてるから、上手に精子を飛ばして
来るんだよっ! 

っ、あーそれと、「舌の上に乗せるイメージ」で射精すれば、綺麗にかけれるからねっ。
そ〜ら、わかったら出した出した! 射精は、待ってちゃくれないよー!

 あっ…ぶぷ…ぷぁっ…、ぷふぅ…

み〜んな上手いね〜。汁男優の素質あるよっ、絶対! あんまり上手に射精してくれる
モンだから…ほら注目してー…。口の中から溢れた精子が、胸の谷間で溜まって、
まるで池みたいになってる! すっごい量だよっ、こんなの初めてかも知れない! 
他にもー…っひゃあ〜、鎖骨にまで〜っ!? みんな上出来だわぁ〜! でも大事なのは、
量よりも「粘り気」だよ! 
例えばねぇ…ほらっ、この辺りをよ〜く見てみて〜…。アゴと鎖骨の間に、精子の橋が
出来てるでしょ? この画が一番、「映える」んだよぉ〜!
っ、あぁーっ、偵察用のカメラでも回しておくんだったかぁ〜! うんっ、間違いなく売れるわっ! 売るしかない!
526名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 05:37:59 ID:3cRZ45Zc
 ゾクゾクゾクッ!

 (ああー! みんなの精子が混ざってて…堪らなく美味しい! ホンと、イヤらしい
味になっちゃってぇ! どれも濃厚だから、口の中で「紐」みたいになって、舌や歯茎と
絡まり合ってる!)

ん? 私が精子を美味しそうにすすってる姿、普通じゃないって?
「精子は飲み物じゃない」って意見ねっ。よく聞くけど…でもね〜、ちゃんとした根拠も
あるんだよ? 「精子を飲むと肌にいい」っていう話し、あれ、ホンとなんだから!
もちろん、直接、肌に塗り込んでもね! それに、「毛穴から若い精子が潜り込んで来る」
と想像するたびにぃ、こうー…ゾクゾクゥっって、して来ちゃうのよね〜!
ほーら…こうやってぇ、アゴの先からぶら下がったまま垂れて来た精子の紐を、両方の胸で混ぜ合わせて…

 ずずっ、ずじゅるずずっ! ずずずず〜っ! チュル! ゴクリ…ゴクリ…ゴクリ……げぷぅっ

っはあぁ〜! 美味しいナンてどころじゃないわぁっ! やっぱ、「若さ」って最高だわ!
喉に絡まって食道を降りて行かない「濃さ」が、お店のお客と違う所よね〜! いいっ? 
野球も精子も、「粘り」が重要だよー!
忘れないで、しっかり憶えておくんだよ? それから、また明日もたくさん射精せるよう、
きっちり溜め込んでおく事! 夢精なんかしたら承知しないよっ? もしも寝たまま
射精しちゃおうモノならぁ…精子の染み込んだパンツ、持って来させるからねっ!
各自、復習したら解散!

 (…あ、ゼリーみたいな精子をパンツの生地から吸い上げるのも、オツな味わい方かもだわ〜!
明日に期待ねー!)

 これ、お気に入り↑
527名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 09:59:52 ID:oU68+iZt
ももえばくだんワロス
どんだけデカいんだw
528名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 14:23:34 ID:gwtnCaHY
>>525 526
モモカンスレのコピペ
529名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 14:53:23 ID:nc19blxw
今から投下します。
>>67-89 >>182-201 >>223-234 の続編に当たります。
カプはハナモモ (アベチヨ前提)
エロパート ハナモモ

二十歳になった花井とモモカンのお話です。
530がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 14:54:12 ID:nc19blxw

5月。
花井は久しぶりに球場を訪れた。

観客席に出ると、自分を呼ぶ声が聞こえた。
振り返ると篠岡が自分を呼んでいて、隣には阿部がいた。
「うっす。久しぶりだな。」
阿部が相変わらずの冷めた目で花井を眺める。
「久しぶりだな。元気か?」
そう声をかけながら、二人のところまで上っていくと。
二人のしっかり繋がれた手が目に入った。
相変わらずのバカップルぶりに、花井は少々げんなりする。
久しぶりに会う篠岡は、最後に会った時よりも、数段オンナらしくなっていて
少しだけ見たことのある、篠岡の服の下を思い出して、思わず顔を赤らめる。
途端、何かを察したのか篠岡の前に阿部がずいっとでてきて、
冷たい目で花井を睨みつける。
心を読まれたような気がして、花井は冷や汗を流した。
531がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 14:54:53 ID:nc19blxw

「ふ、二人とも、ずいぶん早いな。」
「私たち、第一試合の最初から見てたの。」
「相変わらず、高校野球好きだな〜、篠岡。」
やがて、第一試合の終了を告げる音が鳴った。
「他の連中は来るのか?」
阿部の問いかけに。
「これる奴は来ると思うぜ。ま、誰が来るかまではわからん。連絡はしたがな。」
「チッ。全員集めろよ。OB会会長だろ。」
「勝手に押し付けやがったくせに、無茶言うなよ。」
高校を卒業したと同時に結成されたOB会の、会長に花井は就任した。
花井の気持ちを知ってる皆が、無理やり押し付けたに近い。
「感謝しろよ。みんな一応応援してるんだからな。」
阿部のイヤミに、げんなりする。
「一応は余計だろ。ったく。」
「んで?コクったのかよ?モモカンに。」
花井は絶句して阿部を見つめ、あきらめたように頭を抱えてうなだれた。
「何だ。振られたのか。」
「振られてねーよ!!その・・・コクってないんだ。」
「はああああ!?何だそれ?カッコワルイな。」
心底バカにしたような阿部の嘲りに、花井はいっそ泣きたくなった。

3年の秋、少しの期間花井は篠岡と付き合って。
お互い好き合っていなかったことに気づき別れた。
篠岡は、本当は阿部のことが好きで。
花井は、百枝のことが好きだった。

まもなく阿部と篠岡は付き合いだして。
花井は百枝に勢いで告白したものの、二十歳まで待つように言い渡された。

そして、花井は今年、二十歳になった。
532がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 14:55:33 ID:nc19blxw

「お、出てきたぜ。」
3人の後輩である西浦高校野球部が試合前練習に駆け出してくる。
その中に百枝の姿をみつけ、花井は少しどきっとする。
百枝は確か今年、27歳になったはずだ。
その年の差に、改めてため息が出る。

やがて次々と、卒業生が試合観戦に駆けつける。
「おーす。久しぶりぃ。お〜浜田が作った横断幕まだ使われてんだな〜。」
泉は顔を出すなり、横断幕の文字が変わってないことに素直に喜んだ。
「あの学ランも、受け継がれているみたいだぜ。」
阿部の指摘に、泉は心底感心する。
「いやあ。こうしてみると、浜田ってスゴかったんだな〜。」
「こ、今度っ!会った・・・トキ。」
「お〜そうだな。今度会ったとき、教えてやろうな。」
泉と三橋と田島は、浜田と交流があるらしい。
全員集まったところで、試合開始のサイレンが鳴った。

初戦をめでたく突破した西浦ナインに、花井ら卒業生からご褒美のアイスが進呈された。
アイスにかぶりつく野球部員を見ながら、百枝がお礼を言う。
「みんな、来てくれたんだね。差し入れありがとう。」
自分たちが高校生だった頃と、何一つかわらない百枝に花井達は懐かしさを覚える。
「カントクも変わらず元気そうッスね。」
「相変わらずきっつい練習してんスか?」
「楽しかったけどな!」
皆で百枝を囲み、好き好きに話しかける。
ひと時の同窓会を楽しんだ。
533がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 14:56:14 ID:nc19blxw

百枝以下西浦ナインが学校に戻って行った後、
今度は花井が皆に囲まれるハメになった。
全員、花井が百枝を好きなことを知っていて。
約束までも周知の事実で。
逃げ場はないと花井は覚悟した。

「んで?なんでコクんねーの?」
篠岡の手を握りっぱなしの阿部が、冷たく花井に言い放つ。
「ちょっと。阿部くん。」
篠岡が小声でたしなめるが、阿部は一向に気にしない。
「何のためにお前にOB会会長やらせてると思ってんだ?」
泉がさらに突っ込む。
「花井はもう二十歳なったんだろ〜?遠慮はいらないんじゃないの?」
栄口の柔らかな追求に。
「まだコクってないなんて、ダッセー!」
田島がトドメをさした。
「うるせえな!お前ら!ほっとけ!」
花井はキれて抗議するが、皆はニヤニヤして花井を見つめ、誰も耳は貸さない。
「お前が早くなんとかならないと、阿部と篠岡は落ちつかねーだろ。」
巣山の指摘に、恥ずかしさと表現できない悔しさで、
花井は顔を赤くしたり青くしたり、落ち着きなくそわそわする。
「それが・・・なあ。」
花井はふかぶかとため息をついた。

「なんだ?改めて年の差気にしてんのか?」
阿部のツッコミに花井は顔を上げた。
「はああああ?そんなの今更じゃねーか!?」
「うっわ。ダッセェ。」
口々に非難され、花井は途方にくれた。
阿部の指摘は、まさに核心を突いていたからだ。
534がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 14:56:54 ID:nc19blxw

見るからにしゅんとなってしまった花井に、みんなは地雷を踏んでしまったことを悟る。
慌てたように、一人一人解散しだし、最後に残ったのは阿部と篠岡だった。
「花井くん。花井くんは、まだ好きなんでしょ?カントクのこと・・・。」
篠岡の優しい言葉に、花井は顔を上げる。
「・・・・ああ。」
篠岡と阿部に隠しても仕方がない。
「あの頃はわからなかったが、今ならあの時、
モモカンが拒否した理由が解る。ホントになにもわかってないガキだった。
二十歳になるまで待たせたモモカンは正しいとしか言いようがない。」
「ふうん?そんで、あきらめんの?」
阿部の冷たい言葉が花井に突き刺さる。
「ちょっと。阿部くん!」
篠岡が阿部を非難するが、阿部はさらに続けた。
「思うとおりに行動しろよ?オレと篠岡はまだ未成年だけど、お前はもう成人だからな。
自分の好きに行動していいんだぜ?全部自分の責任だろ?」
そういい捨てて、阿部はつないだ手を引いて篠岡を促し帰ろうとすると
篠岡は慌てて花井に声をかける。
「あ、あのね。花井くん。私・・・思うんだけど。
きっとカントク・・・まってるよ?がんばって。」
去っていく二人を眺めながら、花井は一人途方にくれる。

篠岡と付き合っていた時、あまりにも自分はガキだった。
変な正義感や義務感だけが先走って、篠岡を傷つけた。
その時、百枝が好きだと自覚したが、今は、現実の前にその感情が霞む。
535がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 14:57:35 ID:nc19blxw

年の差7つ。
百枝は27歳だ。

『期待せず、待ってるよ。』

2年前の返答が、痛みとともに浮かび上がる。
彼氏がいないとも限らない。
胸に浮かび上がるもやもやした感情を、どう片付ければいいのかわからず
花井は深いため息をつき、傍のベンチにへたり込んだ。

長い片思いの末、篠岡を手に入れた阿部を心底うらやましく感じる。
と、同時にその意思の強さに尊敬を抱く。
一年のあの時も、篠岡と篠岡が付き合う前も、
付き合っていた時も、阿部の気持ちに全く気づかなかった。
篠岡と付き合いだしてからの阿部のバカップルぶりは、
暴走していて怖かったが、
逆に、アレだけの想いを、どうやって抑えていたんだろうか。
自分は二十歳になって、もう枷はないのに、行動に移せるとは思えない。
今の自分があの時に戻ったら多分・・・告白はしないんじゃないだろうか。
モモカンを思う気持ちに嘘はないが、現実が重い。

ケータイの着メロが響き渡り、何気にケータイの画面を開くと表示は『モモカン』
花井は一瞬うっとなったが、おずおずと出た。
「あ、花井くん?百枝だけど。久しぶりに会ったし、
皆まだ一緒でしょ?ご飯でも食べに行かない?」
「あ、いえ、もう解散・・・したんですけど。」
「ええ?みんなだって久しぶりに会っただろうに。随分淡白ね〜。」
それは、自分を気遣って帰って行ったとは、いえない。
「いや、はは、皆、用事があったらしくて。」
「ふうん。ま、いいや。じゃあ花井くんも用事あるの?」
会話の流れに少しどきっとする。
「い、いや。オレは、ないっス。暇です。あ、あの!!」
「ん?」
「お、オレは、暇なんで!そのっ。オレと、じゃあ、メシ行きませんか!?」
精一杯の勇気を振り絞って、花井は百枝とあうチャンスを生かそうとする。
「・・・・そうね。いいよ。行こうか。」
適当な時間と場所を約束して、電話を切る。
百枝と二人であっても、自分がどう行動するのか、
決断はできていないが、百枝とは会いたかった。
536がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 14:58:16 ID:nc19blxw

「お待たせ。まったかな?」
待ち合わせ場所に現れたモモカンに、花井は目を見張る。
黒く長い髪をアップにまとめ、白のカーディガンの下には黒のキャミが覗き、
胸元には存在を主張するくっきりとした谷間。
淡い黄色のロングスカートに、華奢なサンダル。
モモカンは立ち尽くす花井を下からずずいっと見上げた後、ニコっと笑う。
「花井くん、ホントあんまり変わんないね〜。髪型も変わってないし、余計そう見えるのかな。」
花井の目線から、モモカンを見下ろすと、その胸の谷間はあまりにもはっきり見えすぎて
思わず目をそらす。
「カ、カントクも変わらないッスね。なんかむしろ若返ってませんか?」
「ははは、ありがと。そういえば、花井くんももうハタチなんだよね。じゃあ、今日は飲もっか!」
さらりと言ってのけたモモカンに、花井は約束を覚えているのかとドキッとする。
「さぁ、いこいこ!」
明るい調子で花井の手を引き、歩き出す。


百枝と久しぶりに話すのは本当に楽しくて。
楽しければ楽しい分、かわした約束が重く花井にのしかかる。
自分は一体百枝とどうなりたいのか?
はっきり決断できない自分に嫌気が差し、がむしゃらに杯を重ねた。
「だ、大丈夫?花井くん。飲みすぎじゃない?」
「だ、大丈夫です!カントク!今日は飲みましょう!!」
初めて飲む酒は花井の意識を飛ばした。
537がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 15:02:39 ID:nc19blxw

花井が目を覚ましたとき、天井はどうも見慣れなくて。
顔を起こして周りを見渡し、ドキッとした。
明らかに、自分の部屋では、ない。
自分の姿をはっと見下ろすと、タンクトップ姿で、
シャツ着ていない。下は、穿いていた。周りを見渡すと、
部屋は妙に広く、ベッドも妙に広い。テレビも最新式の大型ハイビジョンで。
後ろを振り返ると、ベットサイドの棚に乗っているのはティッシュボックスと
何かの小さい袋。
いかにも・・・・・な部屋。

慌てて意識を失う前を回想する。
確か、百枝と二人で飲んでて、楽しくて、辛くて、飲みすぎて。
それからのことは覚えていない。
その時、浴室と思われるドアが開いて、百枝が姿を現す。
「あら、花井くん。起きた?」
ホテル備え付けであろうバスローブに身を包んでいた。
「いいいいいいい!?」
花井は真っ青になって絶叫した。

言葉を失いあわあわしている花井を尻目に、
百枝は冷蔵庫から一本ビールを取り、おもむろにあおる。
「プハー! ったく、花井くんたら無茶するんだから。」
その言葉に、ますます花井は色を失くす。
「カッカントク!!そ、その!オレ!も、もしかして!?」
自覚ないままにイタしてしまったのかと恐怖する。
「まったく。飲めないのに無理して。私の服に吐いたの覚えてないでしょ?」
イタしてなかったことに少しほっとしたが、別の意味でさらに青くなる。
「あ・・え・・あ・・・。」
もはや言葉にならない。
「ココまで運ぶの大変だったのよ?花井くん大きいし、ま、日ごろ鍛えてるから
何てことなかったけどね。しかし、担いでるときに吐いちゃってね〜。
まいったまいった。あ、花井くんのシャツにもかかったから、洗っておいたよ。」
「う・・・す、スミマセン。」
その言葉以外、口に出来ない。
538がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 15:03:11 ID:nc19blxw

すると、ここは、やはりホテルなんだろうか。
いわゆる、ラブホ。
その思考に到って花井は今度は赤くなる。
「ホイ。花井くんはもうこっちにしときなさい。」
そんな声とともに、水のペットボトルが投げられた。
そういえば喉がからからなことに気づき、一気にあおる。
水が胃に落ちていく感覚が染み渡り、少し冷静になる。
ベッドの端に腰かけたモモカンはビールをあおりながらテレビのリモコンをいじり出した。
大きな画面に、その日のニュース映像が映し出される。
こんないかにもな部屋で、二人きりで。
酒の醜態をさらしまくって恥はすでに掻き尽したのに。
花井は、まだ、答えを出せないでいた。

百枝のことは好きだ。
しかし、気持ちを伝えていいのかわからない。
18歳のときのように、感情だけでは突っ走れない。
篠岡の後押しがなければ、あの時だって告白しなかったに違いない。
中途半端に年齢だけ大人になった自分が、バカみたいで。
いかに自分が優等生思考であるのか、歯がゆく思う。

しばし、テレビに見入る。
539がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 15:03:43 ID:nc19blxw

やがて、百枝が立ち上がり、浴室に行って、戻ってきた。
「ダメだわ。私の服、全然乾きそうにない。私はこのままここに泊まって帰るから
花井くんは、シャツはまだ乾いてないけど、そのままでも帰れるんなら帰ったら?」
モモカンの口調は、いつもと同じなのに、どこか棘があって。
花井はハッと百枝を見た。
いつもと変わらない笑顔。しかし、どこか硬い気がする。
昼間の篠岡の言葉が不意に脳裏にひらめく。
『カントク、きっと待ってるよ。』
もしかして、本当に待っていてくれたのだろうか。

「あ、あの・・・カントク・・・。」
「何?」
そう思うと、どこか張り付いた笑顔のように見えて。
花井は指先から熱が一気に引いていくような、激しい後悔に襲われた。

歳の差が、何だ。
現実が、何だ。
自分の気持ちがあって、モモカンの気持ちがあれば、
それで、いいじゃないか。
阿部も言っていたじゃないか。
オレは、もうオトナだ。
自分で責任を取れるんだ。

花井は、自分の気持ちが急速に固まっていくのを自覚した。

「あ、あの!!カントク!!い、いや・・・百枝・・さん。」
モモカンは目をぱちくりさせて、花井を見つめる。
「何?あらたまっちゃって。」
ベッドに座りっぱなしだった花井は、慌てて起き上がり、モモカンの前に立つ。

「百枝さん。その・・・・オ、オレと・・・・・。」

真っ赤になって百枝を見下ろす花井を、百枝はすこし目を見張って見つめる。


「オレと!!結婚してください!!」
540がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 15:04:14 ID:nc19blxw

しばしの静寂。


静寂を破ったのは百枝の大爆笑。
「あはははははははは!!!」
身をよじってお腹を抱えるように悶え、ベッドに倒れこんでもまだ笑い続けている。
一世一代の大告白を爆笑で流された花井は、
実に居た堪れないようで、顔を赤くしたり青くしたり、泣きそうになっていた。
「あの・・・・オレ。真剣なんですけど。」
振り絞るように、抗議する。

「あっは。ゴメンゴメン!っでも!ププ!あはははは!ゴメッ!!止まんない!」
花井はすっかりあきらめて、諦観の笑みを浮かべながらモモカンが落ち着くのを待つことにした。
「は、花井くんってほんと真面目よね〜。」
涙を拭きながら、百枝が花井を見る。
「はは、まあ。そうッスね。」
「い、いやいや。けなしてないよ?ほ、褒めてるよ?」
そういいながらも笑っているので、バカにされているようにしか聞こえない。
「そうか、でも。うん。花井くんはきちんと言ってくれたんだから、私もきちんとしないとね。」
ベッドに寝転がっていた姿勢から、身をおこしてベッドの端に腰かける。
花井を手招きし、手をきゅっと握る。
どぎまぎしながら百枝を見下ろす花井を、じっと見つめて。

「私ね、本当は、期待して、待ってた。花井くんのこと、好きよ。」

花井は、今まで自分が悩んでいたことが心底バカらしくなった。
実に無駄な時間を過ごしていたのだと、後悔する。
早く、行動を起こしていればよかった。と。
自分を見上げて、微笑む百枝。
その目は潤んで、頬も少し高潮していて。
壮絶にきれいだった。
ふらふらと引き寄せられるように、無意識に花井は身を屈め、
百枝にキスをした。
541がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 15:04:46 ID:nc19blxw

口付けたままそっと百枝を押し倒し、花井もベッドに乗りあがる。
百枝の手は花井の首に絡みつき、自ら招き、花井を誘う。
完全にベッドに乗りあがった後、百枝の頭を撫でながら、
そっと舌で唇を割り、百枝に侵入する。
密着した身体に伝わる百枝の豊満な胸。
熟した実を思わせる腰つきをゆっくり撫でさする。
「・・・ふ・・・む・・。」
積極的に求めてくる百枝の舌をあやすように絡めながら
花井は手をそっと百枝の胸に置いた。
片手では収まらないそのでかさに、感慨深いものを感じる。
何度、この胸に触れることを想像しただろう。
願ってはいたけれど、まさか本当にこの腕の中に百枝を抱く日が来るとは
花井自身も信じていなかった。
恐る恐る、揉み上げる。
「あ・・。ねえ、花井くん。もっと力いれて揉んで?」
「え?その・・・痛くないスか?」
百枝はフフっと微笑んで、続けた。
「さすがにココまでおっきいとね。軽く触られただけじゃくすぐったいだけなのよね。
強く揉んでも大丈夫だから、しっかり揉んで頂戴。」
全く持って、恐れ入る。
花井は百枝のお望みどおり、ぐっと力を込めて揉み上げた。
ローブをはだけ、反対側の胸の突起を口に含んで、舌で押し潰して、軽く噛む。
「は・・ああん。」
百枝がのけぞって喘ぐのを視界に捕らえ、もっとよがせたくなりさらに力を込める。
「ん・・・・んん・・・。」
顔を押し付けた百枝の胸から、心地のよい石鹸のにおいが立ち込める。
花井は、はっと顔を上げ、動きを止めた。
「あ。オレ!オレも・・・シャワー・・・浴びたほうがいいっスよね?」
いっそ場を白けさせるその花井の発言に、またもや百枝は爆笑する。
「あッあはははは!!そうね、ちょっと汗臭いかもね。ははっ。浴びてくる?」
自分はもしかして気まずいことをいったのだろうかと、花井は不安に思う。
「えっ・・・・と。その・・・。」
「ホラホラ、浴びるならさっさと浴びる!」
「うっ・・ハ、ハイ!」
542がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 15:05:24 ID:nc19blxw

慌ててベッドから飛び降り、浴室に駆け込む。
軽くタンクトップを嗅ぐと酒のにおいとかすかに吐しゃ物のにおいがした。
雰囲気をぶち壊した自分の発言を少々後悔しながらも、服を脱ぎ捨て栓をひねる。
熱いお湯を頭から浴びながら、じわじわと実感が襲ってくるのを自覚した。
ホテルで、モモカンと、エッチする。
深々とため息をついた。
この後、未知の領域が待っている。
花井の経験値はあまりに低く、百枝を満足させる自信なんて、ない。
少し逡巡して、覚悟を決めた後、タオルだけを腰に巻いて浴室から出ると。
百枝はアダルトビデオを観賞していた。
画面に広がる男女の痴態に、思わず顔を赤くする。
「なっ・・・・何見てるんスか・・・。」
「んん?社会勉強だよ。こういうときしか見れないもんね。」
おそるおそる百枝の隣に横たわり、取り敢えず一緒に画面を眺める。
脚を大きく開いた女性が、男性に指を激しく突っ込まれ、喘いでいる。
花井は途方にくれて、ちょっと泣きたくなった。
いや、そんなことではいけないと、
自分を奮い立たせ、リモコンを奪い、テレビを消した。
そして、百枝をじっと見つめる。
百枝も花井をじっと見ていて。

「その・・・ずっと・・好きでした。」
自然と、口から漏れた。
百枝はニッコリ笑って。
「私も、捨てたモンじゃないわね。私も、好きよ。」

その言葉に後押されるように、花井の手はごく自然に百枝を引き寄せ、唇を重ねた。
舌で強引に割りいり、百枝の舌を絡みとり、嬲り、吸い上げる。
自分の口内に引き入れ甘く噛んでまた侵入する。
片手では到底収まりきらない乳房をかなり力を込めて揉み上げ、突起を潰す。
「・・っはあっ!・・・。」
百枝が快感で首筋をそらせ、唇が離れてしまったので、
変わりに首筋に吸い付き、鎖骨まで唇で舐める。
「・・・んんっ・・・。」
そのまま乳房まで降りて行き、ツンとたったピンクの先端を口に含む。
かなりの力を込めて揉んでいるので、少し心配になってそっと百枝の様子を伺うと、
目をぎゅっと閉じたまま快感に耐えているようだった。
その表情に背筋がゾクリとし、さらに行為に没頭する。
成熟した百枝の身体は、どこを触っても艶かしく。
腰からのラインを撫でると、手に吸い付くようで。
いっそう花井を夢中にさせる。
543がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 15:05:55 ID:nc19blxw

そっと、百枝の中心に触れると、すでにしっとり濡れていて。
花井は少し自信を持って、確かな手つきで刺激を与えだした。
「ああ!!あああん!」
一番敏感なところへの直接の刺激はやはり感じるらしく、
さっきまでと比較にならないほどの喘ぎを見せ始めた。
花井は、自身が痛いくらい張り詰めているのを必死で我慢して。
百枝の身体に夢中になりながらも、タイミングを掴みかねていた。
ふと、百枝の腕がベットサイドのテーブルに伸びる。
自然な手つきで、百枝はゴムの封を切り、中身を取り出す。
「ね、つけてあげるよ。」
「いぇ!?は、はあ・・・。スミマセン。」
自分でつけようかと思ったが、慣れてないので、任せることにした。
「先端に、空気が入っちゃダメだからね。」
そういって、百枝はゴムの先端の出っ張りを指でつまんだ。
そのまま、そっとゴムを花井のものに近づける。
「・・・んっ!!」
百枝の手が触れた瞬間、思わず花井は腰を引きそうになったが、
ぐっとこらえてそのまま待つ。
ゆっくりかぶせて、下まで引っ張る。
そのたびにゾクゾクしたが、根性で堪えた。
伏せていた目だけを上げて、百枝は花井を見上げる。
「・・・きて?」
快感のせいか、頬を赤らめて潤んだ目で見つめる百枝を
とても愛しく感じた。
「その・・前に、ちゃんとじっくり・・・見たいんスけど。」
百枝の返答を聞かず、脚を強引に手で割り開く。
生まれてはじめてみる、女性の秘めた部分。
吸い寄せられるように顔を近づけ、舌で触れる。
「ひゃっあああん。」
理性はすでになく、ただ、むちゃくちゃに舐めまわす。
差し入れを繰り返し、粒を唇ではさみ、こねる。
耳にとどく百枝の嬌声はますます激しくなり、それに後押されるように
刺激をさらに与える。
「あっ・・あああん。ね。ちょっと・・・まって!」
不意に百枝の手が花井の頭を掴み、動きを止める。
「ね。来て?」
花井はもう何も考えられずに、いわれたとおりに自分のものを埋めようとした。
「もうちょっと・・・上。」
入り口がわからず、彷徨う花井に、百枝はそっと誘導する。
「ソコよ・・・。」
ゆっくり推し進める。引っかかる感じがしたが、気にせずぐっと押し込むと、
吸い込まれるようにするっと入った。
途端、強烈な快感が花井を襲う。
544がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 15:06:27 ID:nc19blxw

理性を吹き飛ばすほどの熱さ。
自分のモノが溶けてしまうんじゃなかろうかという刺激。
何も考えられなくなり、ただ、激しく腰を打ち付ける。
「ああ!あああん!!・・・はぁ!!」
百枝の嬌声がどこか遠くで聞こえるような感覚で。
やがて、弾けた。


力が抜けて、そのまま百枝にもたれかかる。
そんな花井を百枝はぎゅっと抱きしめた。
やがて、のろのろと自身を引き抜く。
「あ・・・スミマセン・・なんかオレ、・・・オレだけ・・・。」
心底すまなさそうな表情で、花井を恐る恐る百枝を見る。
百枝は、満面の笑みで、花井を見つめる。
「花井くん。オンナはね。好きな人と抱き合ってるだけで、満足するものよ。
謝る必要なんて、ないよ。」
この人には、一生かなわない。
花井はそう思った。


次の日の朝、無断外泊した理由を、親になんと説明しようかと考えながら、
しかししっかりと百枝の手を握ったまま、ホテルの下に降りると。

そこにはいかにもお泊りしていました
という風情の、阿部と篠岡がいた。

お互いの存在を認めて、硬直する。

いち早く動いたのは百枝で。

「未成年がこんなところでなにやってるの!!?」
二人の頭を握ってぎりぎりと締めあげる。
「いってえええええええ!!」
「い!いやあああああああ!!」

悶絶する阿部と篠岡を見ながら
花井は
一生かなわなくて、いいや。

そう思った。


---終わり---
545がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 15:07:02 ID:nc19blxw
いや、ほんっと、花井をヘタレにしてゴメン。

気に入らない人はスルーヨロシク
目汚しスマソ
546名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 15:13:45 ID:USS6Zktm
乙バッチ!
花井がかわいくて良いです
547名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 15:14:26 ID:+abQQ4xe
>>545
超GJ!!!!!
花井良かったな花井〜〜この二人は本誌でもいい感じに成れば良いのになあ
そしてアベチヨ派の自分にはたまらねえ二人のバカップリぶりに
はげ萌えたわぁ
この二人のお泊り編が読みたいww

職人さんの連載すげえ好きだよ!
548名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 15:15:30 ID:2x8AB9c6
うおー 良かったな花井!
>>535で篠岡の付き合ってる相手おかしくなってんぞww
549名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 15:23:44 ID:bS7i6MYe
>>545
GJ!
550がんばれ花井くん ◆VYxLrFLZyg :2007/08/05(日) 17:35:34 ID:nc19blxw
>>548 うわー!!orz
も、ほんと。スミマセンorz
脳内修正よろしくお願いします。
551名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 22:08:46 ID:HgWwmOVD
今読み終わった。GJ!!!
オチの自力金剛輪
552名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 22:11:24 ID:HgWwmOVD
自力金剛輪ワラタ、と書こうとしたのに……
553名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 22:58:11 ID:NhJr4+Qr
>>545さん乙バッチー!!
大好きなSSだったので続きが読めて幸せです!
554名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 23:05:47 ID:Fq4zhGK9
GJ!花井を応援しながら読んだよ。
しかし、年の差7歳か。ペタジーニに比べたらましだが、大きいよなぁ。
555名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 00:02:08 ID:Eyt4q7vy
大丈夫大丈夫。女の方が長生きなんだから丁度いいくらいだ。
一生かなわないまま仲良く年とっていってほしい。

それにしても色々すっとばしていきなりプロポーズの花井がらしくてGJでした。
556アベ→モモ(阿部side):2007/08/06(月) 00:04:27 ID:HizeN3zg
人気カプ続きの中、流れを読まず投下します。
アベ→モモです。駄目な方は回れ右にてスマヌ。
前置きが無駄に長く、エロは生温く。
普通モモカンがSっぽいんでしょうが、コレは阿部君がS?ですので、苦手な方はスルーお願いします。





オレ達の夏が、終わった―――――



マスクを空高く放り投げた阿部は、太陽の照りつけるマウンドで呆然と佇む三橋に駆け寄り、その細い身体に抱きついた。
間をおかず田島が飛びかかり雄叫びをあげる。
栄口や巣山が、花井が、ベンチの控えが次々と飛び付き、その歓喜の輪は直ぐに大きくなった。



高校野球選手権、初優勝――――



西浦高校側のスタンドと球場全体からの地響きの様な拍手と歓声に、マウンドで抱き合う彼等の頬は涙に濡れていた。

阿部は泣き笑いの顔で、この三年間何度も何度も繰り返し癖となってしまった仕草―――彼等の、誰よりも信頼できる指揮官の姿を探した。
きっとマネージャーや先生と抱き合って喜んでいるだろうと予想しつつ送った視線は、一瞬で絡みとられる事となる。



ベンチ前の手すりを両手で掴んだまま、彼女は、



―――――ただ泣いていた。



557アベ→モモ(阿部side):2007/08/06(月) 00:08:28 ID:HizeN3zg
閉会式と表彰式にインタビュー、宿舎へ戻って祝勝会。父母会、学校関係者への挨拶。
阿部のメールボックスには次から次へと送られてきた親戚友人知人ライバル達の祝いの言葉で一杯だ。
それは仲間達も同様らしく、マスコミのインタビューが一段落したこともあり、皆それぞれ、祝いの言葉をくれた友人へ返信するのに忙しい。
間もなく放送される甲子園総集編を心待ちにしてテレビの前にかじりついている者もいる。

阿部は、高揚した気持ちを落ち着かせようと、宿舎の縁側に下りた。さやさやと吹く風が心地よい。
視界の端に、縁側に腰掛けぼんやりと庭を眺める百枝の背中が映った。

「―――どしたんスか。もうじき放送始まりますよ」
「あぁ、阿部君か」

百枝は、気配に気付かなかった己に苦笑しつつ、チラリと阿部に視線を送ったが、それは直ぐに庭へと戻された。
月明かりに浮かぶ草花と百枝の横顔に、阿部の心臓が高鳴る。

「いやぁ、みっともない姿を見せちゃったな………って思ってね」

歓喜に沸く阪神甲子園球場―――その中心のマウンドで、ベンチに視線を向けたままの阿部につられて皆が見たものは、自分達を見つめたまま声もなく涙を流す監督の姿だった。
阿部はその儚い姿にただただ見とれていたが、田島が真っ先に『カントク!』と叫び駆け出し、皆も先を競ってそれを追った。
『かっけーだろ!?褒めて褒めて!』
満面の笑みと共に頭を差し出す田島に彼女の手が伸ばされ、優しくしっかりと髪を掻き回す。
溢れる涙を拭おうともせず『良くやったね』と。
そんな百枝に『オレも』『ボクも』と頭を差し出し喜ぶシーンは何度もテレビで流され、この三年間で有名になっていた彼女の名を、更に全国に広めるものとなっていた。

「そういや初めてっスね、監督が泣いたのって」
「………言うんじゃないの、後悔してんだから」

わざとおどけて言った軽口に、軽く睨んで返してくる百枝の頬は、ほんのりと染まっている。
阿部は、その年相応の表情をじっと見つめた。

558アベ→モモ(阿部side):2007/08/06(月) 00:13:38 ID:HizeN3zg
創部一年目は県大会決勝戦敗退。
二年目は甲子園初出場。
彼女はそのどちらでも、決して涙も弱音も見せなかった。
常に『みんなはまだまだ伸びる!一緒にがんばりましょう!』と強気に引っ張ってきた、オレ達の監督。

そして創部三年目にしての甲子園制覇―――公立の新設チーム、しかも率いるのが若い美人女性監督ともなれば、話題にならない方がどうかしている。

「もう、三年生とはお別れなのかと思ったら、ちょっと寂しくなっちゃってね」
百枝の言葉に、数々の思い出が脳裏をよぎっていた阿部は我にかえる。



―――そうしてあらためて、今まで野球に必死で考えもしなかった『彼女との別れ』がすぐそこにある事に気付き、愕然とした。



この三年間、監督と捕手として常に繋がってきた意思と視線。
キャッチャーマスクをかぶって心底大切なエースをリードする時に、稀に訪れる迷いや不安―――そんな時ベンチを見ると、必ず彼女の視線と絡み合う。
時には頷き、時にはその整った顔や豊満な胸元に彼女の指先が複雑に行き交い、阿部へ誰よりも信頼できる指示を出すのだ。

彼女と出会っていなければ、自分達はきっと今、ここにはいない。



その考えに至った瞬間、阿部の全身を震えが襲った。



「さ、そろそろ戻ろっか」
部屋の中から一際大きな声が響く。いよいよ甲子園総集編が始まるらしい。
縁側からは、皆がテレビの前に押し合いへし合いしている背中が見える。

立ち上がった百枝の洗いたての髪が目の前で揺れ―――――阿部は、それを無意識に引っ張る。
「ちょ………」
重力引力に逆らえず傾ぐ身体を受け止め、阿部は躊躇いもなく、その唇を掠めとった。

「…………オレ、わりぃけどまだまだ監督から卒業する気、ないっスから」

約五センチの至近距離から視線を外さず、真っ直ぐに彼女を射抜く。
頼りになる仲間達に三年間、『威張ってる』だの『コワい』だのと言われ続けた折り紙付きの視線で。

呆けたままの百枝の身体を引っ張り、一瞬だけ抱きしめる。
耳元で『今晩行きますから』と囁いたあと、反論を許さぬ勢いで立ち上がった。勿論、百枝の腕を掴んだまま。

室内から田島の呼ぶ声と、甲子園総集編のテーマ曲が聞こえる。

阿部は殊更明るい口調で、百枝を連れて皆の輪の中へ入って行った。



559アベ→モモ(百枝side):2007/08/06(月) 00:21:13 ID:HizeN3zg
百枝は扉を閉めると、背を預けて深々と嘆息した。

まさに怒涛の一日だったといえる。
地区予選から始まった今夏大会、我らが西浦高校が全出場校の内、最も長く闘い、更に頂点に上り詰めたのだ。
至福の喜びと共に舞い込んできた取材の数々には、流石の百枝も音を上げそうになった。
しかしこの溜め息は、そのせいだけではなかった。



『…………オレ、わりぃけどまだまだ監督から卒業する気、ないっスから』



百枝が、主将花井・四番田島と共に頼りにしてきた、捕手阿部の先程の発言が原因だ。
あんな子供に動揺した自分も自分だが、冗談にしてもタチが悪い。

考えても仕方がない。
百枝は軽く首を振り、これ以上の思考を放棄することにした。
持参した寝間着に着替えようと、ボストンの中からシャツと短パンを取り出す。
ブラを外すと途端に解放感に包まれ、今度は安堵の吐息を洩らした。
今日はきっと、この上なく良い夢が見られるだろう――――愛する教え子達がマウンドで歓喜に震えた瞬間を。

百枝が就寝準備を整え目覚ましをセットした瞬間、枕元以外の電気が全て消えた。
驚き振り返ると、戸口の暗がりに人影が見えて更に心音が速くなる。
「だ…だれ?」
その声は、自分自身驚くほど震え、か細いものだった。
「―――オレ、『今晩行く』って言ってましたよね」
「え……」
嫌という程に、聞き慣れた声。
一歩一歩近づいて来る信頼する教え子の姿を、百枝はベッドの上で座り込んだまま半ば呆然と見上げる。
阿部の足は、ベッドの脇で止まった。
「鍵もかけずに、ベッドの上でその格好。誘ってるって思っていいんですよね」
意味を汲み取れず阿部の視線を追うと、それは自らの胸元へ――――百枝はソレに気付くと瞬時に胸元を隠した。
顔が紅く染まっていくのがわかる。
先程ブラを外した事を完全に失念していた。
胸を押さえる自らの手の平に伝わる感触は柔らかく、そして胸の中心はTシャツ越しに暗闇でも分かる程に主張しはじめていた。
それでも敢えて強気な口調を装い、百枝は口を開く。
「……冗談よね?だって今まで全然そんな気配―――」
そう…これっぽっちもなかったはずだ、と百枝はあらためて確信する。
彼はこの三年間、ひたすら大事なエースに尽くしてきた。
その過保護ぶりは自分が一番良く知っている。
それに比べて私は『ただの監督』。
揺るぎない信頼は得ている自信はあるが、それ以外の何の感情も無かったはずなのに。
560アベ→モモ(百枝side):2007/08/06(月) 00:26:09 ID:HizeN3zg
「オレって馬鹿だったんですよね」
「………?」
「失うかもって瞬間まで、それが手に届く場所にあることが当然だって思ってましたから」
百枝にとって意味の捉えられない台詞と共に、身体が傾いだ。
阿部は軽く自分を押しただけだ。
なのに自分がいつの間にか天井を見上げている事に驚愕する。
「オレ、監督を失う気、ないんです。いつも振り向いたら監督がいて。それが当然で。―――三橋達とは卒業しても野球はできる。でも監督は、これからはオレじゃあなく、オレの替わりのヤツを見ていくんでしょ」
微かな明かりに照らされた阿部の表情が、泣き出しそうに歪んだのが百枝にもわかった。

「だから、せめてオレのモノになって下さい、監督」

口付けようとする阿部に、百枝はようやく我にかえった。

(――――駄目!絶対駄目だ!今日、夏大会終了と同時に引退したからといって、彼は一生、可愛い部員の一人なんだから――――――!!)

百枝は咄嗟に身体を反転させ、胸元を隠した。
絶対に動くもんかと身を縮める。



――――後から思い返せば、百枝は阿部の告白に動揺していたのだ。彼女の腕力や握力なら、逃げる算段などいくらでもあったはずなのに――――



ベッドに固くうつ伏せている百枝の耳に、衣擦れの音が届いた。
(ちょっと……まさか脱いでる――――!?)
確認しようと顔をあげようとした瞬間、背後から覆い被さられ、耳元に熱い吐息と『くちゅ』という湿った音が響いた。
「……ふあっ」
思わず声を洩らした百枝に、阿部は耳元から口を離さずに言葉を綴る。
「賭けをしましょう」
「はっ…あぅっ……か、賭け……?」
「ええ。今から……そうですね、五分。オレがする事に、声を上げずにいられたら。オレはこのまま帰ります」
「五分……?そんな賭けにのる理由がないわね……あっ、やぁっ、阿部君、本当にやめなさい!今なら」
「冗談で済むって?残念ながら本気なんです。どうします?賭けにのります?それとも叫んで助けを呼びますか?」
阿部は百枝が決して人を呼ばない事を知っていて、こんな提案をするのだ。
百枝はその違えようのない事実に唇を噛んだ。

561アベ→モモ(百枝side):2007/08/06(月) 00:32:12 ID:HizeN3zg
百枝は暫しの躊躇いの後、『ほんの五分ならば耐えられる』と判断し、やむなく頷いた。
これでも人より堪え性はある。伊達に人生経験も積んでないのだ。
こんな子供に何をされたところで自我は保てると、百枝は過信していた。
「了解。では今から五分スね。ちなみに、オレのする事に抵抗は無しですから」
「なっ……!」
「はい、スタート」
合図と同時に、ベッドへうつ伏せた状態の百枝の耳を、再び阿部の舌が音をたてて舐め始めた。
(あっ………!)
ぴちゃぴちゃと鼓膜に直に響く音と、ざらつく生温い舌の感触。
百枝の身体が小刻みに震え、必死に自らの親指を噛んで声を堪える。
同時に背中を指先で上下になぞられ、やがてシャツが捲りあげられた。
押し潰された胸が横から見えているのだが、それを気遣う余裕は、今の百枝にはない。
ただ、息を吐く瞬間に刺激を与えられると声が洩れそうなので、必死に唇を噛み、タイミングを見計らい呼吸をするしかなかった。

(ふっ……あっ……!あ、あと、三分………!!)

教え子に与えられる目眩のするような刺激に、瞳には涙が滲み視界が揺らぐ。
なんとか顔をあげて時計に目をやった瞬間、阿部に背中を一気に舐めあげられ、思わず身体が浮いた。
同時に、うつ伏せでガードしていた胸元に手を差し込み滑らされ、吐息が熱くなる。
唇が舌が、腰からチロチロ這い上がり、首筋、耳元、そして耳を丹念に音をたてて舐め、また背中を滑り下りる。
無言でそれを繰り返されつつ、左手は百枝の左胸の先端をコリコリと刺激している。
(やっああんっ……)
次第に百枝の腰がもぞもぞと動き始めた。
その仕草に気付いた阿部は、殊更ゆっくりと内腿に手を伸ばした。

決して直には触らず、短パンの隙間へ潜り込んだ指先は、足のつけねと下着のラインを撫でた後、また太腿へと戻る。
何度か繰り返されるその度に、百枝は足をきゅっと閉じていた。
しかし次第に力が抜け、その足が少しずつ開かれてくる。
(あっ…そこ……)
だが阿部の指先は下着のラインから先には進まず、焦らす様に優しく触れて同じ所で引き返していく。
(ああ…お願い……)
再び阿部の指先が短パンの隙間へ差し入れられた時、百枝の足が無意識に開いた。
阿部はニヤリと笑って、呟く。

「あと、一分」

562アベ→モモ(百枝side):2007/08/06(月) 00:44:25 ID:HizeN3zg
百枝の意識は、試合と取材の疲れと混乱と快感でぐるぐる回っていた。

(あと、五十秒、四十秒………)

最早、阿部の指先の動きに合わせて動く自らの腰にも気付いていない。
快感を得たいのか、逃れたいのか、一体どうしてほしいのか、百枝にはもうわからなかった。
だが、『声を出してはいけない』という最後の理性だけは残っていた。今はただ、それに縋った。

「十秒」

阿部の声に、百枝は完全に息を止めた。
あと十秒。息などどうとでもなる。

そんな百枝を見て、阿部は一度身を起こした。
口元には歪んだ笑み。
身体を、百枝の秘部が見える位置まで下げる。
途端目に飛び込む、しっとりと濡れて透けている白レースの下着。
阿部はそこに手を伸ばしながら、百枝の片足を折り曲げ、顔近くに寄せた。
その滑らかなふくらはぎに口付け、噛み付き痕をつける。
その唇でカウントダウンを刻みながら、一気に百枝の濡れて役に立たなくなった下着の脇から指先を差し込み、一番敏感な部分を掠める様に撫であげた。
快感に反応してビクビク震える百枝の身体。残り三秒、まだ耐えられる――――!

『終わった』と百枝が感じた、その瞬間。

阿部は、眼前にある百枝の足の指を、たっぷりと唾液を口に含んで舐めあげた。

「あ―――――!!アアあ!!!」

目を見開き、百枝が叫ぶ。
信じられないという表情で身を起こし、未だ足の指を口に含み舐める阿部に必死に手を伸ばして制止しようとする。
「やっ…!あっ!やめて汚いから……ああっいやあああっ!はぁんっ!」
全身を駆け巡るこそばゆい様な感覚に、百枝は我を忘れて足を退こうとする。
唇をようやく離した阿部が、にっこりと微笑んだ。
「監督は、これが好きなんスね――――すっげ、いい声」
百枝が咄嗟に口を押さえるが、もう遅い。
愛撫を続けていた右手指先を抜き取り、百枝と視線を絡めたまま、濡れて光っている人差し指を見せつける様にゆっくりと舐める。
「あ…………」
その喘ぐ様な声と、抵抗する気の失せた女の姿に、阿部は口角を持ち上げた。
視線を逸らさず、捲りあげられて完璧に露になっている胸と、下着越しにヒクヒクと誘っている秘部に、阿部はその指先を伸ばした――――――



――――オレ達の夏は、これから始まるんだ――――





終わりです。
大変ぬるくても、エロのつもりですみません。

563名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 00:51:03 ID:KR/Jri+d
寸止めぇー!!! 阿部エロすぎるw
ヤバイ ドS阿部かっこいい!どこまでもGJ!
つ、続きはないのですか
564名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 00:59:17 ID:2JgRvm6Q
ハナモモもアベ→モモもテラGJ!!!!
モモカン祭りだな!!
565名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 01:05:28 ID:gEcW2YKf
GJ−!!
だけど当然続きがあると思って新着チェックした時の悲しみと言ったら(;´Д⊂)
寸止めイクナイ!

ところでこのスレ、エロパロスレの中で勢いが5番目だぞ
初期を思うとすげ〜感慨深いよ
566名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 01:17:59 ID:HizeN3zg
>>563
寸止めぇー!!!>ちょごめん、盛大に夜中に吹いたw

他の方もありがとうございます。
アベモモ投下にちと不安があり、寸止めwで完了しました。
続き出来た時には投下させていただきます。
生温いですがorz

ではおやすみなさいノシ
567名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 01:45:42 ID:kNKhx2Av
>>565
一番はどこだ!!
568名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 02:23:09 ID:ZOUmgWa5
>>565
いや、前スレから続くパクリ騒動の影響がでかいだろうから素直に喜べないよ。
569名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 02:29:43 ID:YsRqlj4h
大体このスレはこのスレなんだから他のスレと比較せんでもいい
570名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 04:52:22 ID:c4klkigY
寸止め らめえぇぇえっ!!!1!!ハァハァ

アベモモいーよ大好きだよ!!ずっと神降臨お待ちしておりました…
ヌルくなんかないしドS阿部カッコ良いし泣くモモカン可愛くて、
クララが立ったクララが立った状態
(By小ネタ氏の田島)
でした。
ぜひ続きを…!お待ちしております。全裸(ry
571名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 06:21:23 ID:6gn75WG9
あああ阿部エローい!GJGJ!
寸止めなのにこのエロさはすごい
続き期待してます!もちろん全裸で
572名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 18:10:11 ID:/eVYnjAd
むしろ優勝シーンに泣いた!
573名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 18:11:05 ID:rSBEuxps
保管庫の人オダチヨの他にもいろいろ抜けてるから追加お願いします。
ご苦労様です。
574名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 18:25:56 ID:ZOUmgWa5
>>573
それって前スレのやつだよね?
保管庫の管理人さんは今月の中旬ぐらいまで忙しいらしいから、更新はそれまで無理らしい。
代わりにログでも読んで待つんだ。
575名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 18:29:08 ID:KR/Jri+d
>>573 更新は8月下旬になる模様。>>395

昨日夏祭りに行ったら浴衣っ娘がいっぱいいて萌えた。
そして小ネタ妄想した。

エロなし、カプなし
576小ネタ 浴衣篠岡× ◆VYxLrFLZyg :2007/08/06(月) 18:30:10 ID:KR/Jri+d
地元の夏祭りに、出かけることになった。

自分の部屋の姿見の前で一生懸命着付けに挑戦するが
どうもうまくできない。

裾をあわせてくるっと中帯で止めても、
いつの間にかずれてしまって。

ため息をついて、もう一度、襟を合わせるところからはじめた。
首もとの襟を両手でつまみ、するすると手を滑らせる。
腰の位置から少し過ぎたところでまっすぐ高さをあわせて引っ張り、
足元の裾の位置をぴったりにあわせる。
踝ぐらい、少しだけ上にする。
皺にならないように右側をまず引っ張りながら身体に巻き込む。
ずれない様にしっかり抑えて、今度は左側を巻き込む。
ここまでは、うまくいった。
しかし、そっと手を離して中帯を持った瞬間、ずれてしまった。

篠岡は、泣きたくなって、手を止めた。

待ち合わせまでもう時間がない。
母親は出かけてしまっていて、手伝ってもらえない。

もうそろそろ家を出ないと、間に合わないかもしれない。

でも、
どうしても。
浴衣を着たかった。
577小ネタ 浴衣篠岡× ◆VYxLrFLZyg :2007/08/06(月) 18:31:33 ID:KR/Jri+d
学校は私服だけど、いつも制服を着ているし、
部活ではジャージだ。
普段着ですら、見せたことはほとんどない。

今日の誘ってもらえた夏祭りで、
このお気に入りの浴衣を着て
いつもと違う自分を見せたかった。

赤い朝顔が施された紺地の浴衣に、黄色の帯を締める。
皆に、可愛いといってもらえた格好だ。
そうして、意識してもらいたかった。

仲間からもう一歩進んだ関係になりたかった。

しかし、もう、家を出ないと間に合わない。
せっかく誘ってもらえたのに、遅刻なんて出来ない。

悲しくって一人涙を浮かべていたら、
母親が帰ってきた音がした。

弾けたように、涙を拭く。

「おかあさーん!浴衣着るの手伝って!今すぐ!」


待ち合わせ場所まで、早足で向かう。
走ってしまったら、せっかくの着付けがずれてしまう。
しかし、待ち合わせ時間はもうとっくに過ぎていて。

怒っているだろうか。

篠岡はそんな不安に襲われる。


やっと、待ち合わせ場所の神社が見えた時。

手を振りながら自分に向かって微笑む彼がいた。


---終わり---
578名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 18:34:44 ID:BIjIUxBl
>>577
かわいい。
イイヨイイヨー
579名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 19:59:53 ID:oDcRw2V+
>>566
不安がることはなし。
この板はエロこそ秩序なので続き待ってますw
580小ネタ 浴衣篠岡×西広の場合 ◆VYxLrFLZyg :2007/08/06(月) 20:24:26 ID:KR/Jri+d
西広も浴衣姿で。
駆け寄る篠岡に優しく微笑んでいた。

「ご、ごめんね。お、遅れちゃった。」
篠岡の謝罪に。
「ううん。オレも今来たとこ。全然待ってないよ。」
おそらく時間どおりに来ていただろうに、
篠岡を気遣って優しい嘘をつく。
その優しさに篠岡は胸があったかくなる。
「浴衣、すごく似合ってる。可愛いね。」
さらりと褒める西広に篠岡は真っ赤になった。
「西広くんも…よく似合ってる。…かっこいいよ。」
「ありがとう。じゃあ、行こっか。」
少しはにかみながら西広は微笑んで、篠岡を促した。

神社の参道は夜店であふれかえっていて。
二人でヨーヨーすくいや、金魚すくい。
たこ焼きを食べたり綿菓子を買ったり。
ひと時の時間を楽しむ。
581小ネタ 浴衣篠岡×西広の場合 ◆VYxLrFLZyg :2007/08/06(月) 20:25:10 ID:KR/Jri+d
「あ、あれ、皆がいるよ。」
西広の言葉に、篠岡が目を向けると、西浦野球部の面々がいた。
幸い、まだ向こうはこっちに気づいていない。
「合流する?今日の篠岡可愛いから、皆にも見せてやろうか?」
ゴク自然に褒める西広に、篠岡は顔を赤らめるが
慌てて西広を引き止める。
「あ・・あの・・・。今日は、その・・・ふ、二人でまわりたいんだけ・・ど。」
精一杯の勇気を込めて、西広に訴える。
西広も言葉の意味を理解した途端、顔を赤らめた。
「そ、そう?じゃ、見つからないようにあっちいこうか。」
そっと、その場を離れようとした時に、
西広は手を篠岡に向けた。
きょとんとする篠岡に。
「はぐれちゃうと困るから。手、つながない?」
顔を真っ赤にしながらそう続けた西広に。
「うん。」
篠岡も顔を赤くして、そっと手を差し出す。

西広は篠岡の手をぎゅっと繋いで。

皆に見つからないように、そっと逆の方向へ向かった。


---終わり---
582小ネタ 浴衣篠岡×西広の場合 ◆VYxLrFLZyg :2007/08/06(月) 20:26:11 ID:KR/Jri+d
連投スミマセン。エロなくてスンマセン。
なんか西広先生が降りてきて萌えがとまりませんでしたorz

目汚しスマソ
583名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 20:37:25 ID:YsRqlj4h
まさかの先生
GJすぎる
584名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 20:41:15 ID:6gn75WG9
あ、甘酸っぺぇ〜GJ!西広先生いいなぁwwなんか和む
585名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 20:44:04 ID:iYK1kdrs
女の子に自然に優しくできる先生かっこいいよ
GJです!
586名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 21:29:01 ID:HizeN3zg
始めを読んで、『誰だよ羨ましい相手は!』と一人ツッコミ



帰宅、今続き見た



先生かい!!(喜

マネジ愛い愛いしすぎて超GJです!
587名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 21:30:33 ID:L+UOgzQS
どうしても浴衣が着たかったしのーかが可愛すぎる
イタズラしたくなるw
588名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 21:44:28 ID:A047VcfJ
先生キタキタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
神ありがとう
589名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 21:55:48 ID:d3PGCcON
先生にも篠岡にも禿萌えたよ…(*´Д`)
590名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 22:02:38 ID:oDcRw2V+
先生とは!
密かに先生ファンなのでとても萌えたw
591名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 22:23:39 ID:eO8ob0BE
禿萌えた!!!!1
西チヨは大本命なので死ぬほど嬉しいぜ
592名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 22:24:15 ID:nnd0K2P0
うはあーーー!ゴロゴロころがっちまう!GJ!
593小ネタ 浴衣篠岡×巣山の場合 ◆VYxLrFLZyg :2007/08/06(月) 23:19:52 ID:KR/Jri+d
「ご、ごめん。待った?巣山くん。」
「ん?いや。」
駆け寄ってきて、俯いて息を整えながら謝る篠岡をまじまじと見て、
少しだけ頬を染めて巣山は目をそらした。

「じゃ、いくか。」
その声に篠岡は顔を上げると、
巣山はもう進行方向を向いていて。
浴衣姿になんの反応も示さない巣山に
篠岡は少し残念に思う。

せっかく着てきたのにな。

頭を振って楽しむことに専念しようとする。
「どうした?篠岡。」
「ううん。なんでもない。何か食べる?」
「そうだな。ちょっと腹減ってるから食っていいか?」
参道に並ぶ出店を片っ端から制覇する勢いで
焼きそば、たこ焼き、焼き鳥と攻めていく。
「す、巣山くん。まだ食べるの?」
「え?ダ、ダメか?」
今まさにイカ焼きを購入しようとしてた巣山は
ちょっと焦ったように戸惑った。
そんな巣山をみて、篠岡は思わず笑った。
「ははは。いいよ。私は今日ちょっとキツイから
それは巣山くん、全部食べてね。」
「お、おう。」
イカ焼きを頬張りながら、巣山は篠岡をじっと見つめる。
「な、何?」
「いや、浴衣って、キツイのか?篠岡いつももっと食べるだろ?」
篠岡は思わずため息をついた。
せっかくの浴衣攻撃は、巣山には全く通じない。
一体どうすればいいんだろう。
594小ネタ 浴衣篠岡×巣山の場合 ◆VYxLrFLZyg :2007/08/06(月) 23:20:55 ID:KR/Jri+d
その時、巣山が急に後ろを振り向いて、様子を伺った後、
おもむろに篠岡の腕を引いて身を隠すように参道から外れた。
「ど、どうしたの!?」
「し、静かに。」
そっと、木の陰から参道の様子を伺うと、西浦野球部員たちが歩いてきた。
「あ、みんなだ。」
「し、黙って。」
皆が過ぎていくのを待った後、巣山はほうっとため息をついた。
みんなに、私といるとこ、見られたくないのかな。
篠岡は少し悲しくなって、目に涙が浮かびそうになる。
「ええ?し、篠岡、どうした?」
様子が変わってしまった篠岡に、巣山は焦った。
「皆に、私といるとこ見られるの・・・いや?」
巣山は思わず顔を赤らめて、慌てて否定する。
「い、いや。違うぞ!む、むしろ逆で。」
巣山は顔を真っ赤なのを隠すように、手で口を覆う。
「・・・・浴衣の篠岡、見せるのもったいなくて・・・。」
搾り出すように、巣山は答えた。
その言葉に、篠岡は顔を赤くする。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
そのまま、沈黙が続いて。
「い、いくか。」
気を取り直して続けた巣山に。
「うん。ね、シャツの裾、掴んでてもいい?はぐれたら、困るし。」
篠岡が精一杯の希望を伝えると。
「普通、こっちだろ。」
巣山がニコっと笑って手を差し出した。

そのまま手を繋いで、
あたりを伺いながら、夜店めぐりに戻った。

---終わり---
595小ネタ 浴衣篠岡×巣山の場合 ◆VYxLrFLZyg :2007/08/06(月) 23:23:43 ID:KR/Jri+d
スマン。連投マジスマンorz
妄想巣山降りてきてしまいましたorz
萌えがとまりません。

目汚しスマソ。

西広先生の人気にはびっくりしたw
596名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 23:24:48 ID:gEcW2YKf
巣山にハゲ萌えたwwwwwwww
職人は罪な奴だよ
597名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 23:30:26 ID:6gn75WG9
はわわ巣山ー!
西広先生イイ!とか言ってたけど、巣山にも萌えちまったい
どうなってんだ…たまらん
598名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 01:08:37 ID:UkyysCdg
これは沖の登坂を期待してもいい流れなのですか?
599レン×ルリ:2007/08/07(火) 01:24:30 ID:M7kOPQLG
すいません初めてこういうもの書くのでお手柔らかにお願いします







とても気持ちのいい春の日のこと廉とルリはちょっと郊外にある公園にピクニックに来ていた。
手を繋ぎ合い散歩をしたり広場でキャッチボールをして楽しく過ごしていた・・
ここまではよかったここまでは普通のカップルだった・・・
ちょうど正午をまわったあたりで「ぐぅぅぅぅぅぅ・・・」廉のお腹が盛大に唸りを上げた。
「レンレンお腹すいた〜?」
「う・・うん・・」廉は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして返事をした。
「うふふ・・・じゃあ、お昼にしよっか・・どこか木陰のベンチはないかなぁ・・・」
あたりを見回すルリ、公園の真ん中にある大きな木に目が止まった
ちょうどよく木の下にベンチが何個か設置されていた。
「だれかいるみたいだけど・・・いいよねレンレン?」
「う、うん・・・」
先客がいるようだったがまだベンチは余っていたのでそこにすることにした。
「ようし!じゃあ私ひとっ走り行って席とってくるよ!レンレンは荷物よろしく!」
言うが否やルリはダッシュでベンチまで走って行った。
「ま、まってよ〜・・・」
荷物をもって廉はベンチに急いだ。
「とうちゃ〜く!って・・・あれ?あなたたちは・・・」
「どうしたんだろうルリは・・・」
先にベンチに着いたルリはなぜか先客の前で突っ立っている。
廉は疑問に思いながらも近づいて行った。
「ルリ〜、どうした・・のっ!!」
廉はようやくベンチに到着してルリがなぜ突っ立ってるかようやくわかった。
600名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 02:05:53 ID:BcUR/cgT
なんて清純な浴衣カップルなんだ!萌えーーー!
先生+浴衣って書生のようなイメージになりそうだな
601名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 02:14:35 ID:BcUR/cgT
あわわわ、どんだけリロードしてなかったんだ自分orzほんとスンマセンスンマセン
そんな私が言うのも何ですが、レンルリの職人さんもしかして書いたそばから投稿してる?
メモ帳なんかに一度書き上げてからコピペしてドカドカと投下するのをおすすめしますよー
続きに期待してます!
602名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 02:15:36 ID:PWvuoUAs
>>576
おお、なんて愛らしくもほのぼの。西広も巣山もよいなあ。
ところで、中帯ってなんでしょうか?伊達締めの別名称?
603名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 02:16:34 ID:PWvuoUAs
>>599
続き待ってます……
604名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 02:17:05 ID:zMCnRf4Q
> 先生+浴衣って書生のようなイメージになりそうだな
『さよなら西広先生』
605名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 02:28:21 ID:BcUR/cgT
>604
そういやさっきソレ見てたよ!そのイメージが残ってたのか…
あの先生スマイルもかなり罪だw スレチスマソ
606小ネタ  :2007/08/07(火) 06:40:25 ID:1P2NCXSc
>>576 す、スミマセン。この場合中帯=腰紐です。
ちゃんとググらんからこんなハメに・・・orz

マイナーカプに皆さんありがとうございます。

沖ならきっと甚平姿で登場するんじゃないだろうか。
そしてきっと手をつなげないかも。弱気だから
「篠岡可愛い可愛い可愛い!」と心の中だけで叫んで終わってそう。

607名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 06:41:22 ID:1P2NCXSc
レンルリ続きお待ちしてますw

先客は一体誰なのですか〜!
腹ペコレンカワユス。
608名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 12:10:56 ID:aDtsVgeB
>>606
甚平沖ktkr!是非!!

レンルリも続き待ってますー!
609名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 13:17:41 ID:+XIaGC19
甚平もいいな!
クソレも甚平っぽい。
阿部とか花井は浴衣っぽいなー
610小ネタ 浴衣篠岡×沖 ◆VYxLrFLZyg :2007/08/07(火) 18:43:11 ID:1P2NCXSc
沖は振っていた手を止めて、篠岡をぽかんと見ていた。
「お、遅れちゃってゴメンね。あ、甚平。似合うね。」
涼しげな甚平の格好で篠岡を待っていた沖は
篠岡の浴衣姿を見て、顔を赤くする。
「い、いや、待ってないよ。全然。」
「ほんとに?よかった。」
笑顔で沖を見上げる篠岡を見て、沖はよりいっそう顔を赤くする。
「し、篠岡も・・・・浴衣似合ってる・・・。」
篠岡は満面の笑みになった。
「ありがとう。」

「はい、コレあげる。」
沖は射的でぬいぐるみを取り、篠岡にプレゼントする。
「わあ。ありがとう。」
その笑顔にまた顔が赤くなって、慌てて目をそらす。
そらした視線の先に、野球部員たちの姿を見つけて。
「う、うわ!みんなも来てる!」
「え!?どこどこ!?」
「い、いや、ちょっと、逃げよう!」
恥ずかしさから沖は無意識に篠岡の手を取って、逆方向へ進んでいった。
歩きながら自分が篠岡の手を握っている事実に気づいてびっくりするが
がんばって離さずにいよう、とひそかに誓った。

---終わり---

こうですか?わかりません。
611名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 18:46:18 ID:UkyysCdg
>>610
やべー、沖がかっこいい…
612名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 19:41:16 ID:CvAdVJT9
先生も巣山も沖も全部いいな 和んだ
613名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 20:09:52 ID:BcUR/cgT
なんてお方だ…
キャラに愛が溢れてるからどんなCPでも萌えられるよ
614名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 20:14:56 ID:rvdByV2x
>>610
最高です
615名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 21:45:10 ID:f53RkGDJ
エロナシです。
改行おかしかったらすみません。
616プール:2007/08/07(火) 21:46:24 ID:f53RkGDJ
「阿部〜、プール行こうぜっ!」
音楽室に向かう廊下で、田島が大声で呼び止めた。
その後ろには、キョドりながらも阿部を見つけて嬉しそうな三橋がいて、
小さく「あ、阿部くん」とつぶやく。
「毎日部活で、行く暇あるかよ」
「明日、ミーティングだけだし、室内プールなら遅くまでやってんだぜ」
「なんのための休息日だと思ってんだ」
「三橋は行くってよ。な?」
「う、ひ」
阿部の視線を感じて、三橋はビクビクと頷く。
三橋が行くなら心配だからオレもついて行くか、などと阿部が考えていると、
やはり次の教室に向かう途中の篠岡がクラスの女子と一緒に通りかかった。
すかさず、田島が声をかける。
「しのーか!みんなでプール行こうぜっ」
篠岡が立ち止まり、困ったような表情になった。
「私はいいよ」
「なーんでー?ヤロウばっかで行ってもムサイしさー」
「行きたくないの」
「あ、今週セーリ?じゃあ来週にするからさ!」
おいコラ田島、直球ど真ん中にも程がある!
無言で阿部が田島をひっぱたく。
しのーか先行くね、とクラスメイトは引きつりながら去って行った。
617プール:2007/08/07(火) 21:47:18 ID:f53RkGDJ
「来週でも、再来週でも絶対行かない」
篠岡は頑なに固辞する。全く空気を読まない田島は、「なぁんでー」と
しつこく聞いていたが、そのうち「あ、栄口も声かけよ」と言い出した。
「阿部、花井たちにも言っといて!あとしのーかの説得よろしくなっ」
そういい残して、三橋を促して1組に向かう。
こんだけ空気悪くした挙句に暗い顔したマネジと2人きりにして、
一体オレにどーしろと?
阿部は田島を呪いつつ、隣の篠岡に声をかけた。
「ま、気にすんなよ。田島は悪気がないただのバカだから」
「別に、田島くんに怒った訳じゃないよ」
「じゃあ何?」
それから篠岡はうつむいたまま少し黙り込んで、言いにくそうに口を開いた。
「……男の子って、やっぱり胸が大きい方が良いよね?」
日頃モモカンに接している野球部員の前では、篠岡は水着になる勇気が
ないのだ。
いくら阿部でも、ここは胸のサイズが控えめな篠岡が、否定の言葉を
期待していることくらいは判る。
「そんなの、人それぞれだろ」
「じゃあ、阿部くんは?」
ふいに、真剣な表情で篠岡が阿部を見上げた。
618プール:2007/08/07(火) 21:48:13 ID:f53RkGDJ
「オレ?」
「だって、監督ってメロンとか……ううん、バレーボールとか
サッカーボールくらいあるかも。女の私が見ても凄く魅力的で、
羨ましい」
阿部は脳内にあの豊満なバストを思い浮かべ、慌てて打ち消した。
モモカンは規格外だっつーの。確かに、目のやり場にこまることは
あるが、それは男の本能だから仕方ない、と言って通じるか判らない。
とにかく、反論しないとダメだと自分に言い聞かせる。
「いや、オレは小さい方が……」
それまで泣きそうだった篠岡の表情が、少し柔らかくなった。
「本当?」
阿部は緊張していた。
篠岡がこれだけオレの反応を気にしてるってことはつまり……?
今まで、身近にモモカンという大人の女性がいたせいか、少し篠岡は
子供っぽいと思ってたけど。
「ホントホント。むしろ、野球部員だから、野球サイズで十分…」
興奮のあまり、もはや何が言いたいのかわからない。
バカかオレは!とオノレに突っ込みを入れ、同時に地雷を踏んだのでは、
と慌てて考える。
619プール:2007/08/07(火) 21:50:14 ID:f53RkGDJ
アレ?野球だって結構ボール大きいよな?
手に馴染んだボールのサイズを再現してみる。
ユビ短い投手はフォーク投げれねーし……。
半円にしたって、篠岡じゃ足りないんじゃないか?
ってことは、フォローになってない?
手をにぎにぎしながら考える。三橋がいたらボール出させるのに。
「あ、阿部くんの、ヘンタイ……」
篠岡は完全に引いていた。阿部の手つきを見て、教科書で胸を隠す。
「えっ?ボールだよ、コレ」
「そんな人だと思わなかった……」
涙目の篠岡が怯えながら離れようとする。
「アレ?阿部、先に行って席取っとくんじゃなかったのー?」
間の悪い事に、水谷と花井がやってきた。すぐに篠岡の異変に気づく。
「篠岡?もしかして泣いてるの?」
「何言ったんだ阿部、説明しろ」
説明したら、余計に篠岡が傷つくだろーが。
花井と水谷の責める声を遠くで聞きながら、阿部はどこで間違えたんだろうと
考えていた。
620プール:2007/08/07(火) 21:51:45 ID:f53RkGDJ
終わりです。
アベチヨにならなかった……
621名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 21:54:52 ID:1P2NCXSc
盛大に吹いたww阿部w
手つきヤバイよwwなんつう墓穴w
十分アベチヨ萌えできましたw GJ!
622名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 22:18:35 ID:0dljxLpH
阿部wwwwwwwww
充分アベチヨです
GJでした(*´д`*)ハァハァハァ
623名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 22:22:24 ID:80BGUR3y
ものすごいGJ!
腹抱えて笑いました。
なんて可愛い2人なんだww
624名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 22:27:32 ID:7bRDdrHj
>野球サイズで十分…

ここで盛大に吹いたwwww
アベチヨになりそうでならなかったが萌えたw
625名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 22:44:26 ID:M9RrQ6Bt
アベチヨキタ!GJ!!
そして阿部はボールを掴むたびにマネジを思い出すと。
626名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 23:15:11 ID:f53RkGDJ
感想ありがとうございます。
ちゃんとした(?)アベチヨを読むのが好きなのですが、
自分には無理でした。どなたかぜひ〜。

>そして阿部はボールを掴むたびにマネジを思い出すと。
想像してしまいましたw
「プール」、行ってないのにヘンですね。すみません。
627名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 23:46:31 ID:Hrfq+AJR
半円てw
しのーか可哀想
628名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 23:48:08 ID:80BGUR3y
究極の甘酸っぱい萌え&アホ可愛いストーリーのあとに、
バカップルがイチャイチャエロエロしてるだけなのを投下です。
3度目のタジチヨ(しつこい)になりますので、「飽きたよ!」という方は、
申し訳ありませんがスルーでお願いします。
629タジチヨ:2007/08/07(火) 23:49:28 ID:80BGUR3y
「あ、田島先輩だー!」
昼食を終えて、中庭でくつろいでいたところに大きな声が響く。
田島が振り返った。つられて千代も振り返る。
2年生だろうか?可愛らしい女の子が2人、駆け寄ってくる。
「誰?」
「さぁ…。最近よく話し掛けられるんだよなー。」

彼女達は、明るく「こんにちはー!」と言って、隣に座った。
千代もペコリと会釈する。
「ねーねー、先輩、体育祭の時、チアガールやるんでしょ?」
「え、なんで知ってんの?」
田島が驚いたように尋ねると、2人の女の子は、くすくすと笑いながら言う。
「田島先輩のことなら、なんでも知ってるんですー。
ね、先輩、絶対一緒に写真撮ってね!」

背が高いわけでもない。これといって美形というわけでもない。
それなのに、田島はなぜかもてる。
1年の頃は上級生に、そして3年になった今は下級生に。
片想いをしていた千代は、散々やきもきさせられた。
付き合うようになった今でも、それはさほど変わらないように思える。
630タジチヨ:2007/08/07(火) 23:50:34 ID:80BGUR3y
千代はスカートの埃を払って立ち上がった。
「私、お茶買ってくるね。田島くんもなんか飲む?」
「え、じゃあオレも行く。」
田島が立ち上がろうとすると、女の子達が騒ぎ出す。
「えー、もう行っちゃうんですかぁ?もうちょっとお話したーい!」
素直に好意をぶつけて来る彼女達に、少しだけ苛ついた。

私、心狭いなぁ。彼女のくせに…。
千代は自分に言い聞かせ、笑顔を作る。
「せっかくだから、少しお話してなよ。何買って来る?」
「…じゃあコーラ。」
「OK!」
背を向けて歩き出すと、また女の子の声が聞こえる。
「田島先輩、あの人が彼女ですかぁ?」
「そうだよ。」
ためらいなく答えたその声に、千代は思わず顔が綻んだ。

校舎に入って、自販機でジュースを買う。
取り出し口からジュースを出して振り向くと、こちらに向かってくる田島が見える。
1人だけだ。
「どうしたの?あの子達は?」
「逃げてきた。うるさくてかなわねーよ。」
「かわいそ。」
「だってオレは、あいつらじゃなくて篠岡と一緒にいたいんだよ。」
喜んでしまった自分は、性格が悪いだろうか。
にやける顔を隠して歩き出す。
631タジチヨ:2007/08/07(火) 23:51:35 ID:80BGUR3y
「せっかくいい天気だったのになー。」
校舎の中は確かに、ひんやりとしていて薄暗い。
眩しい太陽の下から戻ってきただけに、よりいっそう暗く感じる。
「あ、じゃあ篠岡、こっち!」
田島は急に千代の手を引いて走り出す。
「え、ちょっ、どこ行くの?」

校舎の突き当たりを右に折れると、扉が見えた。
あたりを伺って、その重い扉をそっと開ける。ついた先は、非常階段だった。
「ここなら誰も来ない。」

階段の高めの壁から、外はほとんど見えないが、昼間の太陽が真上から
降り注ぎ、ぽかぽかと暖かい。
「穴場だろ。」
田島は笑った。踊場から1段目に並んで腰掛ける。

「なんか、眠くなるなぁ。」
昼食をたらふく食べて、眠そうな田島が欠伸をして目を擦る。
「教室戻って、少し寝たら?」
千代が言うと、「ここでいい。」と、田島は千代の膝に寝転がった。
膝の上に頭の重みを感じて、くすぐったいような気分になる。
短い髪を撫でると、田島は気持ちよさそうに目を細めた。
猫みたい…。
秋の優しい日差しの中、まどろむ2人。
幸せだなぁ…。
632タジチヨ:2007/08/07(火) 23:53:16 ID:80BGUR3y
田島の頭を撫でていると、千代もなんだか眠くなる。
少しだけウトウトし始めた千代が、急にビクッと体を震わせた。
「なっ、なに、ビックリしたぁ。」
田島の手が千代の膝を割って、内腿に触れたのだ。
「なんかチンコ勃った。」

なんとも田島らしい唐突さに、千代は目を丸くする。
「もー、そういうこと言っちゃダメって言ってるでしょ。」
膝の上で、千代を見上げている田島の頬をつねる。
田島はがばっと起き上がると、千代の両肩を掴んで笑った。
「やりたくなっちゃった。やらせて?」

千代はさらに目を丸くし、しどろもどろになる。
「え、だ、だって、学校だよ?ヤバイって…。」
「大丈夫、オレここで人に会ったことねーし。」
「そ、そういう…。」
ことじゃ…。言いかけて、重なった田島の唇で言葉が遮られる。
田島の舌が入り込むと、ほのかにコーラの甘い味がした。
633タジチヨ:2007/08/07(火) 23:54:07 ID:80BGUR3y
慌てて立ち上がり、逃げようとする千代の体を、田島は捉まえて抱きしめた。
「篠岡、いー匂い。」
髪に埋め込まれた鼻先が、耳に当たってくすぐったい。
立ったまま壁に押し付けられ、千代が逃げ場を失うと、
田島はベストの上から胸に触れる。

「もー、ダメって…。」
言っても無駄なことは、自分が1番良く知ってる。
結局いつも言うなりになってしまう。多分、自分がそうなりたいと思っているのだ。
田島の指先に少しだけ力が入ると、千代の小さな胸が歪に形を変えた。
スカートからシャツを引っ張り出して、中に手を入れた田島を、
千代は緩い力でやんわりと制す。
田島の手は全く気にせず、服の中を自由に動き回った。

ブラジャーの肩紐をずらして、すくい出すように柔らかい膨らみをを揉みしだくと、
千代は小さく喘いだ。
「ほんと、節操ないんだからぁ…。」
「自分だって、そうじゃん。」
その通りかも…。柔らかい快感に身を任せ、千代は考えるのをやめた。
634タジチヨ:2007/08/07(火) 23:54:44 ID:80BGUR3y
「こうやって、スカート持っててよ。」
捲り上げた布を、千代の手に掴ませる。
「や、やだよぅ、こんなの。」
「いいから。」
自分でスカートを捲らされ、立っている千代の足元に、田島が膝をついて座る。
「え、やだ、うそ。」
少し開いた脚の途中、太腿あたりまでショーツを下げると、田島はそこに口を付けた。

「やっ…。」
明るい日の光の下、こんなところを舐められてしまうなんて…。
普通ならありえない状況に、思わずよろけて壁にもたれかかる。
恥ずかしさに目を瞑っても、ぴちゃぴちゃと水音が耳に響いて、
羞恥から逃れることができない。
途切れることなく送り込まれる刺激に、足の力が抜けていくのがわかった。

膝が折れそうになった千代を、田島の腕が支える。
「大丈夫か?」
千代はもう、ただ頷くだけだった。
足を少し閉じると、途中で引っかかっていたショーツが、するっと足首まで落ちる。
「これ、取っちゃおうよ。」
千代は言われるままに、ショーツから片足を抜いた。
635タジチヨ:2007/08/07(火) 23:55:22 ID:80BGUR3y
田島は千代の肩を掴むと、くるりと壁の方に向かせる。
後ろから腰を引き寄せると、熱く潤んだ部分に強張りを押し当て、一気に貫いた。
「あん…っ。」
千代の喘ぎに、田島が耳元で囁く。
「コラ、聞こえちゃうぞ。しー…。」
千代は自分の指をきゅっと噛んで、声を押し殺す。
自分の呼吸がいやらしく耳に響いてまとわりつくようだ。
気持ちいい…。

「篠岡にキスしたい。こっち向いて。」
呼ばれて体を捻るようにして後ろを見ると、田島の顔が視界に入る。
気持ちよくて、切ない顔。私だけが知ってる、田島くんの可愛い顔…。
さっきの子達は知らないんだ。
そう思うと、浅ましいけれど優越感を感じ、ゾクゾクした。

「…抜けちゃった。」
無理な体勢で抜けてしまったペニスを、今度は正面から挿入する。
片足をひょいと抱えられ、不安定な体勢に、千代は田島にしがみついた。
奥の奥まで突き刺さるようで、苦しくて、気持ちいい。
「はぁ…っ、んん…。」
「篠岡、気持ちいい?」
「は、気持ち、いいっ。」
636タジチヨ:2007/08/07(火) 23:56:52 ID:80BGUR3y
「んー…。」
田島が千代の唇を舐めると、千代も舌を出して応えた。
千代の舌を追って、田島が食むようにキスをする。
食べられちゃいそう…。全部、食べられたいな。

下から体が浮き上がりそうなほど突かれ、貪るような激しいキスを受けて、
千代は頭が真っ白になる。
「田島くぅん…。わたし…。」
「イキそう…?」
千代は答える代わりに、田島の背中に回した手に力を込めた。
「あ、オレもイキそ。」
田島の動きが徐々に早まっていく。

「ふあ…っ。」
ぬるん、と抜き出したペニスから、千代の両足の間、壁に向けて白濁した
液体が放たれた。
「う〜…。」
田島の吐き出すような息が耳をくすぐる。
千代はしがみついたシャツ越しに、田島の熱を感じた。
637タジチヨ:2007/08/07(火) 23:58:04 ID:80BGUR3y
「うおー、すんげー出た!」
コンクリートの階段にこぼれた精液を、田島が靴でグリグリと擦る。
千代はそこにペットボトルのお茶をかけて流した。
「もうやだ、恥ずかしくて死にそう…。」
溜息を付いた千代の顔を、田島が覗き込む。
「なんだよー、気持ちよがってたくせにぃ。」
「もー、うるさい。」
またしても田島のペースに巻き込まれてしまった。

田島は千代をじぃっと見て言う。
「興奮しなかった?」
「バ、バカ。誰かに見られたらどうすんの。それどころじゃなかったもん。」
千代が慌てて、ドン、と田島の胸をどつく。
そんな千代の嘘なんて、田島にはお見通しなのだろう。
目を逸らした千代を、笑いながら見つめてるのがわかる。
でも、心まで見透かされた感じも、ちょっとだけ気持ちいい。

「じゃあさ、今度は誰にも見つからない場所で、死ぬほど可愛がってやるよ。」
田島が千代の髪を、ぐしゃぐしゃと撫でる。
「…ほんとバカ。」
千代は小さく呟くと、乱れた髪を直すフリをして顔を隠した。
今日よりもっと、可愛がられちゃう…?
心臓がどきんと高鳴る。
真っ赤になった千代の頬にキスをして、田島はニッと笑った。
638タジチヨ:2007/08/07(火) 23:59:16 ID:80BGUR3y
終わり。
しつこい上、爽やかじゃなくてすいませんww
今度こそ、この2人は終わらせますのでご勘弁を…。
639レン×ルリ:2007/08/07(火) 23:59:37 ID:M7kOPQLG
そこにはなんと西浦高校野球部のお母さん篠岡と廉の恋女房阿部がいた。
「あ、あああ安部君、なんでこんなとこに・・・」
「おぅ!三橋俺らはピクニックに来てたんだ。」
「そ、そうなんだ・・・」
「なんだ〜私たちと一緒じゃない。」
「俺らはこれから昼飯なんだけど・・三橋達はもう食べた?」
「うぅん、これから食べるとこなの。」
「じゃあ三橋君たちも一緒に食べない?」
「え!・・・い、いいいいや二人の邪魔しちゃ悪いし・・・」
「え〜なんで〜?いいじゃない人数多いほうが楽しいよ?」
「そうだぞ三橋、一緒に食べようぜ!」
「あ〜じゃあ、お言葉に甘えさせてもうらおうかな。」
「!!!!」顔が引きつる廉・・・
「どうしたのよ、レンレンなんか嫌そうじゃない?」
「そ、そそそんなことないよ・・・嫌じゃないよ!」
(それにしては、顔がおかしいな三橋のやつ・・・)
「じゃあベンチじゃなくて地面にシート敷いてたべましょ?」
「千代、俺らシート持ってきてたっけ?」
「ううん、タカ君がイラネーって言ったから持ってきてないよ?」
「あ、私たち持ってきてるから、出すね。」
「え、でも小さいやつだろ?」
「ううん、レンレンてお昼食べるといつも寝ちゃうから腕を伸ばしても十分なくらい大きいの用意してきたんだ。」
そう言ってルリが出したシートは4人でも十分余るくらい大きいシートだった。
バカでかいシートにお弁当を広げて丸くなって食べることにした4人・・・
(はぁ・・・結局阿部君達と食べることになっちゃった・・・ルリが暴走しなければいいなぁ・・・)
「レンレンどうかしたの?」
「な、なななんでもないっよ!」口がひし形になる廉・・・
(だから顔おかしいって・・・)
「まぁ、食べようぜ!もう腹ペコペコだ。」
「じゃあ開けるね〜。」
「お、うまそう!卵焼きもあるな、千代の卵焼きうまいんだよなぁ。」
「へぇ〜、篠岡さん料理上手ねぇ。」
「そんなことないよ〜。」
「じゃあ私もあけるね〜」
「わぁ三橋さんそのミニハンバーグおいしそう〜」
「今日は気合入れて作ったからね味は保証するわ!」
「じゃあ真ん中に集めて皆でつつきましょ。」
「三橋・・あれやるぞ。」
「や、やっぱりやるんだ?」
「うまそう!」
「う、うまそう!」
「「「「うまそう!」」」」
「「「「いただきま〜す!」」」」
一斉に食べ始める4人・・男2人は一心不乱に食べ・・
女2人はこれどうやってつくったの〜?など料理の話をしながら食べている・・・
640レン×ルリ:2007/08/08(水) 00:00:51 ID:M7kOPQLG
「あっ!タカ君ご飯粒ついてるよ。」
篠岡は阿部の頬についた米粒を手にとり自分で食べた・・・
「お、あんがと。」
「あ、これおいしいよ?」
「へぇ、どれどれ。」
「はい、あ〜ん。」
「んぁ」むぐむぐと咀嚼していく阿部。
「お〜うまいなこれ。」
「でしょ〜。」
ご飯を食べながらイチャつく2人・・・
「レンレン!」
ビクゥ!!!盛大に廉の肩がビクついた。
「な、なに・・・?」
「私たちも負けてられないわよ!」
「はい!レンレン、あ〜ん・・・」
(あぁぁぁぁ・・・はじまっちゃったよ・・・こうなるともう止められないんだよね・・・)
「あ、あ〜ん・・・」ぱくりとハンバーグを口に入れもぐもぐと噛みしめる。
「どう?おいしい?」
「う、うんおいしいよ!」
「よかった〜じゃあはい次はこれ。」
あ〜んとまた廉の口に近付けるルリ・・・
「じ、自分でたべられるよぅ・・・」
「だ〜め!レンレンすぐご飯こぼすじゃない。」
「うぅうう・・・」
「ふふ・・三橋君たちもラブラブだね。」
「そうだなぁ・・・」
と微笑ましく思っていた矢先だった・・・
「ほら今度はこっち・・・」といってルリは卵焼きを口にくわえて廉に近づけた。
「ひゃい、あ〜ん・・・」
「ルリ・・・恥ずかしいよぅ・・・」
「ら〜め!」ん〜・・・と口を近づけていく
「むぐぅ・・」
廉は無理やりルリに口移しで卵焼きを食べさせられた
阿部と篠岡はその光景を見て凍りついた
641レン×ルリ:2007/08/08(水) 00:02:23 ID:wHvjOEPo
すいません続きはまだ書き途中ですorz
642名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:07:02 ID:o93MK2/L
>>638
タジチヨGJ!
実にほほえましいですなあ

>>639
とりあえずsageようぜ。
あとある程度書き終えてから投下しよう。
643名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:11:15 ID:DBPIQYYy
>>638
GJ!二人とも可愛いなあ!
644名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:14:35 ID:Ke9jqHH9
>>638 GGJJJ!タジチヨバカップルぶり最高!
も、ホント 田島がらしくてイイ!学校ってwww
終わりなんて寂しいですよ!もっと読みたい!

>>641 レンルリお待ちしておりました。
投下前に更新ボタンを押したほうがいいですよ。
タイミングギリギリすぎではないかと・・・。

なんというか、投下が被ると結構へこむものですよorz
645名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:18:59 ID:5BRwLAUh
>>638
あーーもう!!!悶えてしまったよ
あなたのタジチヨ最高だ!!
最後だなんて…
646名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:24:44 ID:TcgKHu2e
>>638
靴でぐりぐり…なんてリアルw

タジチヨGJです!飽きない!そしてカワユスwハアハア
647名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:51:22 ID:TcgKHu2e
連投になってスマソ
純愛〜神作品な流れを読まず、投下させていただきます。
作中に名前は出てきませんが、和さん(桐青)×モモ(のつもり)です。アベモモ前提。

マイナーすぎカップリング
生温いエロは始めの一瞬のみ
年齢不祥むしろリーマン(捏造満載)

以上、駄目な方はスルー必須でお願いします。

あと、改行変ならすみません。

では↓


648和×モモ(アベモモ前提):2007/08/08(水) 00:55:25 ID:TcgKHu2e

――――この出会いを、『運命』と言うのだろうか――――



「ふっ…!ああっあッ!!」



無意識に逃げようとする腰を引き寄せ、
オレは硬くなった自身を更に奥までねじこむ。
途端に上がる嬌声と、弾む乳房。
室内に響く、身体を打ち付ける激しい音。
女の身体から絶え間なく溢れる蜜を掬い、
繋がりの上にある小さな膨らみに擦りつける。
それだけで女は上半身を震わせて喘ぎ、
シーツの上に通常とは違う愛液の染みを作った。


視覚と聴覚からの、目の眩むような刺激に、
オレの方が先に限界を迎えそうになる。


片手を腰から離し胸の先端を引っ掻くと、
女も限界が近いのかますます甘い吐息を零す。
「ぁあっ……、はっ、手、を……」
「…どうした…?」
「お願い、あぅ、んっ!手を繋い…でぇ!あ、イク、あ、あ、あぁ!」
そのささやかな懇願に、オレは女の両手を掴み、
ベッドに縛りつける様に組み敷く。
艶やかな髪が白いシーツ上に広がった。
より密着した身体、押し潰された乳房。
角度が変わったことで更なる刺激を感じたのか、
女は目を見開き、オレの手を握りしめ、何かを叫ぶ。
限界だ。耳元に口付けながら、オレは腰を打ち付けた。
「―――――くうっ!いけ、よっ!」
「や、
「―――――くうっ!いけ、よっ!」
「や、ああああぁ――――――!!!」
同時に最奥が収縮し、オレは堪えきれず、果てた。





薄暗い中ぼんやりと天井を見上げると、
そこには蛍光塗料で描かれた星空。
ごてごてと飾りたてた室内に相応しいといえるが、
オレには全くもって似合わない。
少女趣味なのはこういうホテルの定番とはいえ、
いつ来ても落ち着かないのは何故だろう。


室内に響くのは、微かな水音のみ。
オレは、シャワーを浴びている女に思いを巡らせた。


見知らぬ女――――変な女だった。


出会いは偶然。

出向先での慣れない営業と上司の失敗の尻拭い。
昔から陰に日向に努力を重ねてきたが、
それを苦痛と思った事はない。
そんな自分にとってすら、理不尽に思える日々。

オレは、嫌になるほど眩い日差しの中、
鬱鬱とした気持ちで街を歩いていた。
『きゃっ…』
『うわっ』
出会い頭にぶつかり、お互い尻餅をついてしまう。
内心苛々としつつも、前を見ていなかったのは自分だ。
慌てて立ち上がり、未だ座り込んだままの女の手をとった。
『大丈夫ですか?すみません、考え事を…』
言葉は途中で途切れた。
オレの手をとった女が立ち上がらず、
その手をじっと見つめたまま動かなかったから。
『………あの………………?』
『あなた野球、好き?』
訝しげに問いかけたオレに、女はぽつりと呟いた。


650和×モモ(アベモモ前提):2007/08/08(水) 01:09:15 ID:TcgKHu2e
正直、驚いた。
オレは小中高・大学・社会人と野球を続けてきて、
捕手として甲子園に出場した事もある。
プロも視野に入れていたが、肝心な高三で初戦敗退。
進学した大学三年生時には肩を故障し、
タイミングを逃したまま社会人野球へと進んだ。


――――そう、先月までは。


本社からあっさりと告げられた『休部』の知らせ。
『黒字になれば再開するから』との担当者の言葉を、
チームメイトの誰もが信じなかった。
そう、事実上の『廃部』だ。
野球選手として入社したオレに残されていた選択肢は、
退社か、一営業員としての出向だった。
オレの様にチームに未練があったり、
新しい行き先の当てのない奴等は皆、
会社に残って方々に散って行った。


オレは、この街に、飛ばされてきたのだ。


そんな不幸なオレの手を掴んだ女は、
ようやく立ち上がった。
見かけによらず凄い力でオレの腕を引っ張り歩き出す。
『ちょっ…』
『あなた、その顔だとどうせ昼から仕事サボるつもりだったでしょ!』
女の根拠のない断言に、しかし内心ギクリとする。
………日常や未来、何もかもにオレは疲れ果てていた。

女が急に立ち止まり、くるりと振り返る。
『凄く奇遇よね、私もなのよ』
にっこりと首を傾けた拍子に、長い髪がさらりと揺れる。


………その女の微笑と強い視線に、妙な既視感を覚えた。
まるで、一度会っているかの様な、不思議な感覚―――――


そしてオレは、正面からその表情を見て、
女がとてつもなく迫力のある美人だということに、
ようやく気付いたのだった。





651和×モモ(アベモモ前提):2007/08/08(水) 01:12:01 ID:TcgKHu2e

ゆっくりと煙草に火を点ける。
これも、野球から離れたここ一ヶ月で覚えた事だ。
未だ美味いモノとは思えないが、ただなんとなく口にしている。
浴室のシャワー音が止み、途端に静寂が広がった。
それが何とはなしに嫌で、オレはBGMがわりにテレビをつける。


途端に映ったのは、今や全国的に有名になった二人の男だった。
ほんの少しだが、オレも関わりを持った事がある。
カワイイ奴等だった。
もう十年近くも昔の話だから、記憶も曖昧だが。
この番組は、どうやら地元プロ野球球団の若手対談特集らしい。
いわゆるローカル番組だ。
テレビに映るこの二人は、若くして不動のサードと、正捕手。
高卒と大卒の違いはあれど、高校時代の元チームメイト同士。
突出したキャラや顔立ちで、その球団でもダントツの人気選手だ。
オレは興味を引かれてテレビの音量を上げた。


『では、次の質問です。
お二人の、野球を語る上で外せない人物の名前を教えて下さい』

ある程度年月の経った選手に聞く質問じゃあないだろ、
オレは二人に同情しつつ苦笑する。
だが画面の二人は、その使い古された質問に、
むしろ嬉しそうに答えた。

『んなの決まってるよなー』
『ああ』
『そりゃもー、高校ん時の監督!ゲンミツに!』
『だからお前、いい加減“厳密”の使い方覚えろって………
けど、そうっスね。家族や、今まで支え指導して下さった方々にも感謝してますが、
高校の時の監督は別格でした』
『監督いなかったら、ヤなキャッチャーだったもんなー』
『……うるせ、お前こそ、その身長で今みたいなパワーつかなかっただろ。
ゲ・ン・ミ・ツ・に』
『ぐわっヒデー!しかもあのプロテイン攻撃思い出した!
やっぱ性格ワリーよなー女ファンも騙されてるよなー!』

まだまだガキっぽさの抜けないやり取りが続き、
司会者の『では当時の映像を……』という言葉で画面が切り替わった。





―――――オレは、持っていた煙草を落とした。





652和×モモ:2007/08/08(水) 01:24:42 ID:TcgKHu2e
勿論慌てて拾ったが、視線は画面から動かない。

ああ、オレは、どうして忘れていたんだろう!

全体的に痩せて。
顔つきも頬もあの時とは変わってるけど。

それでも変わらない強い眼差しがあったのに!

画面上には、彼等の高校時代の映像。
懐かしの甲子園。
灼熱のグラウンド、流れる汗と涙、熱い声援、声援、声援!
マウンドで抱き合い、先を競ってベンチへ駆ける球児達。



そして、涙を流しながら、一人一人、
『良くやったね』と頭を撫でる、
オレも見惚れた事のある、
女性の、監督―――――



『辛いことも、今でもたくさんあります。
けど、そんな時はあの三年間を思い出します、必ず』
画面中の端正な顔立ちの正捕手は、カメラを見つめて口を開く。

『………忘れたことなんて、一度もないです』



「………アンタ、こんなところで、オレとこんなことしてていいんスか」
オレは画面から視線を外さないまま、
いつの間にやら現れた背後の気配に問いかける。
身についた習性か、無意識に目上に対する言葉遣いになっていた。
だが彼女は、その変化にさして気にした風もなく。
「………いいのよ」
とだけ呟いた。

オレは、彼女の方を振り返らない。
彼女がシャワーを終えたら、もう一度抱こうと思っていた。
肌は手に吸い付く様に滑らかで。
このゴツい手にも収まりきらない程の乳房。
細い腰、感度の良い身体。
ナカに入れた途端に訪れた、背筋の震える感覚。
何もかもが極上品だった。
ここ一ヶ月の不幸続きの中で得た解放感だったから尚更。
だけど。

背後で、衣擦れの音が聞こえる。
ガラステーブルに何かを置く音がして。

「――――楽しかったわ、ありがとう」

パタン、とドアの閉まる、静かな音。


オレは一人、取り残された。
653和×モモ(アベモモ前提):2007/08/08(水) 01:26:37 ID:TcgKHu2e

なんだ、この気持ちは。
言葉に出来ない、切なさに似た、何か。


ゆっくりとテーブルを振り返ると、
数枚の紙幣の上に置かれた小箱に気付く。
そっと手に取り開くと、白い手袋と、黒とブルーのリストバンド。
「………誰にあげるつもりだったんスか」
いや、多分、本当はわかってる。
この色は、あの男のトレードマークだったはずだ。


オレはその手袋を握り締めた。手に馴染む、捕手用のモノ。


『あなた野球、好き?』

『お願い、手を繋いで』


オレの手を握ったあの女は、きっと気付いただろう。
キャッチャー特有の手の平に。
だけど、固かった指先が、柔らかくなりつつあることに。


「ちくしょう……」


無性に、チームメイトに会いたかった。

故郷へ、帰りたい。

諦めたく、ない。

このまま野球を諦めて、たまるか!



オレは最低限の身支度を整え、荷物を次々と鞄に放り込む。
ソファに放りっぱなしの背広とネクタイを引っ掴み、
扉へ向かいかけ。
ふと思いつき、踵を返す。
一旦は鞄に仕舞った手袋とリストバンド、
胸ポケットに入れた煙草とライターを、
未だトークを繰り広げる画面上の男のツラに向かって叩きつける。



後はもう、振り返らなかった。



――――やっぱり、今日は、『幸運』が訪れたのかもしれない――――




654和×モモ(アベモモ前提):2007/08/08(水) 01:30:29 ID:TcgKHu2e
終わりです。

もう、gdgdで
改行規制ってなにさ!!
orz

起きている方がいらっしゃいましたら、
じゃんじゃん投下で埋めて下さいorz

ちなみに途中の優勝シーンは、>>556-557です。

本当に投下失礼しました(逃走

655名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 01:31:34 ID:Uh6eo55I
リアルタイムで乙です
和さんせつねー('A`)
GJでした
656名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 01:36:45 ID:DBPIQYYy
切なさがいいねーぇ!GJ!
657名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 06:15:26 ID:Ke9jqHH9
うはああ!! 和さああん!
アベモモの続きが和モモっすか!
マイナーカプも萌えまする。 GJ!
658名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 10:04:13 ID:8WOHpkms
エロシーンがもぉ、匂い立つような大人のエロスでGJですた!!!

この話のアベモモもどーなってるのか気になるところですが、
他の職人さんでも「〇年後」系の話が読んでみたいのは私だけですか…?
659名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 10:29:59 ID:KCDUfZpG
阿部と田島がプロで同じチーム!
カメラに向かっての告白がヨカッタです!
和さん好きなんで頑張って欲しい
660タジチヨ:2007/08/08(水) 12:05:16 ID:r+dr79DK
>>642>>646
ありがとうございます!
いい加減しつこいかなと思ってたんですけど、読んでもらえて良かった。

彼らは付き合ってるのが前提なので、あとはひたすらセックスする以外
ネタがないんですw
自分の中で田島は神、千代ちゃんは天使なので(性的な意味でも)
このまま行っちゃうと、とんでもないことになりそうです。

しばらくは、書き散らしてほったらかしになってる、他カプで頑張ってみます!
ダメだったら開き直って、書きやすいタジチヨに戻って来るかもw

>>654
和×モモ、スバラシー!
前の阿部モモの続きが、めちゃくちゃ気になってたので感動です!
しかし、空白の数年間がより気になってきました。
これは続きがあると思っていいんですよね?期待!
長文失礼しました!
661名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 16:32:40 ID:h9o5yG2b
野球拳とか?
662名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 18:01:29 ID:TcgKHu2e
>>655-660
レスありがとうございました!切なくてスマソ。
本誌未読なので現在大活躍?の和さんとイメージ違ってたらorz

そして、前回の投稿…携帯からだったんですが、
いつも小説書く通りに書いてたので、
後日パソから見てあまりの読みづらさにぶっ飛びました!
思わず抹消したくなりました、ホント!
にもかかわらず、優しくGJ下さった方々、

もう、その優しさに泣けた。惚れた。


改行って大切なんだね。今後精進します。
663名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 18:14:28 ID:Ke9jqHH9
小ネタ投下します。
カプなしエロなし意味なし
664小ネタ マネジ ◆VYxLrFLZyg :2007/08/08(水) 18:15:11 ID:Ke9jqHH9

「なんと、マネジ希望者が10人を超えた。」

2年生に進級した春。
新入生を迎えるためのミーティングの最中、
花井は大ニュースを発表した。

ちなみに、部員だけの闇ミーティングである。

「すっげ〜な!オレら大人気じゃんか!」
心底うれしそうな田島の反応に、
「なんか、ミーハーっぽくてヤな感じだな。」
泉が水を差す。
「確かに。ソイツら真剣にマネジやりたいのか?
オトコ漁りが目的なんじゃねーの?」
阿部が同意する。
「なんで、お前らそんなに冷たいんだよ!?
素直な心で受け入れてやろーぜ!?」
水谷の優しい心根に。
「いや、でもマネジは10人もいらないよね。」
西広が冷静に諭す。
「選手より多いマネジ軍団なんてしゃれにならないな。」
巣山が率直な感想を漏らし。
「でもさ〜。どうやって絞る?」
栄口が核心をついた。
「選ぶ基準はどうすんのさ?」
沖が疑問を口にした。

「そ〜だな・・・。公平にいくんなら抽選か?」
花井の正義感溢れる提案に。
「却下。」「やめとけ。」
阿部と泉が反対する。
665小ネタ マネジ ◆VYxLrFLZyg :2007/08/08(水) 18:15:43 ID:Ke9jqHH9


「オレと花井で面接すりゃいいんじゃね?」
阿部がさらりと提案すると
「う!!、あっ!・・・・く・・・め。」
三橋が意味不明な声を上げた。

「おお、なんだよ。三橋。」
久しぶりに三橋が自己主張を始めたので、阿部はびっくりして。
三橋は声を上げたものの、すでに泣いていて、それ以上は言葉にならないようだ。

「なんか、阿部が面接したら、胸の小さい子だけになっちゃうっていってるぞ。」
田島のすばらしい翻訳機能に。

一同はブッと噴き出した。

ゆらりと立ち上がった阿部は怒りのオーラが立ち上っていて。
一同は心の中で南無阿弥陀仏を唱え続ける。

「お前なあ!巨乳派のお前とはとことん意見が合わないだろうがな!
この際だから言っておく!おれは微乳派じゃねえ!
美乳派だ!!
色と、形が重要なんだ!」

「「「「「切れるポイントそこかよ!?」」」」」

全員の突っ込みが入るがお構いナシだ。
666小ネタ マネジ ◆VYxLrFLZyg :2007/08/08(水) 18:16:20 ID:Ke9jqHH9

「なんか、阿部って一歩間違えるとこれ、ロリコンじゃね?」
水谷の命知らずのツッコミに。

突然、西広が飲んでいたコーヒー缶を握りつぶした。
部室に響く異音に皆がぎょっとする。
潰した缶もそのままに、滴り落ちるコーヒーもそのままに
西広はゆっくりと微笑んだまま阿部を見る。

「ロリコンってこの世から消えて欲しいんだよね。
阿部ってロリコンなの・・・?」

西広スマイルで話しているが、目の奥の光は冷たい。
阿部が慌てて弁明する。
「あほか!水谷!何言ってんだ!洗濯板に興味はねえよ!
ピンクなのがいいんだよ!」

さらに墓穴を掘った。

泉がニヤニヤ笑いながら悪乗りする。
「チクビがピンクなオンナなんて、いねーぜ。アニキが言ってた。」
リアルな発言に、阿部はぎょっとなって。
「おお!兄ちゃんがいってたけど、オンナって妊娠するとチクビ黒くなるんだって!」
さらに田島が追い討ちをかけた。

そのときの阿部は、この世の終わりを見たような表情で。
それは絶望という表現しかあり得なかった。

「うわああああああ!!」
「お、おい!どこいくんだよ!阿部!」
泣きながら部室を飛び出していった阿部を
花井は引きとめようとするが、かなわず。
667小ネタ マネジ ◆VYxLrFLZyg :2007/08/08(水) 18:17:00 ID:Ke9jqHH9
「お前らなぁ、ちょっとは真面目にやれ。」
深くため息をついてみんなの反省を促した。

「野球好きな子がいいんじゃない?」
栄口が軌道修正に協力したが。
「でも、やっぱり可愛い子がいい。」
水谷が控えめに水を差す。

「どんな子がきてんだ!?写真とかないのか!?」
田島が目をきらきらさせて質問するが
「あほ。あるかんなもん。」
花井がジト目で睨みつける。

「お!おにぎり!!」
三橋の突然の発言に。
「そうだな、おにぎりうまい奴がいいよな!三橋!」
田島が翻訳機能つきで同調する。

「そうだな〜・・・。問題は優先順位だよな。」
花井のうめきに。
「優先順位?」
沖が当然の反応を示す。

「いや、だからさ。マネジとしての力を優先すんのか。
野球の知識を優先すんのか。顔と性格を優先すんのか。」

「公私混同しない性格っつうのが優先じゃねえ?」
泉がもっともな事をいう。
「そ〜だね。知識や実力はなんとでもなるけど、性格は無理だもんね。」
栄口の常識的な発言に。
「でも!やっぱり可愛い子がいいよ〜!」
水谷が最後の足掻きを見せる。

「で、誰が面接官になるよ?」

泉の提案で、一触即発の空気に変わった。
668小ネタ マネジ ◆VYxLrFLZyg :2007/08/08(水) 18:17:33 ID:Ke9jqHH9

なんだかんだいいながらも、
みな、自分好みの可愛い子がいいに決まっている。
花井が面接官になるのは当然としても
阿部はすでに脱落。
副主将の栄口が参加できるとなっても
あと、一人ぐらいならいいだろう。

その一人に滑り込み、自分好みの可愛いマネジを獲得できるか!?

三橋なら胸のでかさだけで選ぶだろうし。
巣山はデカ尻、泉は小尻。
沖、水谷、田島は顔だけで選んで性格マズイの掴みそう。
西広は読めない。

「公平に・・・・じゃんけんするか?」

ゴクっと生唾を飲み込む音が静かな部室に響き渡り、


図ったように同時に皆、腕を振り上げた。

**************

「マネジ希望者?ああそんなの、私と千代ちゃんでもう
面接して、決めたよ。」

さらりと伝えたモモカンに、
敗者はほっと胸をなでおろし、
勝者は滂沱の涙を流したという・・・・・。


---終わり---
669小ネタ マネジ ◆VYxLrFLZyg :2007/08/08(水) 18:18:04 ID:Ke9jqHH9
いや、ホント、サーセンorz
目汚しスマソorz
670名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 18:20:37 ID:RUKc7y+J
>>669
阿部はひどい奴だよ
乙!
671名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 18:22:04 ID:Uh6eo55I
いやいやGJ!
阿部の拘りにワロタwwwww
672名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 19:06:22 ID:TcgKHu2e
>>669
モモカン最強w

そして阿部どこまでも阿部www

面白いGJ!
673名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 20:16:39 ID:zfD+1ubh
阿部は間違っていない
674名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 20:45:27 ID:pCYQGTS3
微乳派アベwwwwww
675名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 21:14:23 ID:ePqJ0/ct
ていうか自分の好みに精一杯で
千代ちゃんに面接させるという普通の考えに至らないうらーぜ一同にワラタw
676名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 21:16:36 ID:nh7Yl43h
おおーいっぱい上がってる。
>>628
飽きてない飽きてない飽きてない!
でも他カプも見てみたいなw

>>654
切ない話もいいなあ。何年後とかの話好きだー!

>>664
西広先生koeeeeee!
さすが年の離れた妹を持つ兄。

マネジで思い出したが、本誌ではチアガールとかも出てるんだっけ。
単行本派だがちょっとアフタ読んでみるか。
677名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 21:26:44 ID:5BRwLAUh
>>669
よくそんなに次々面白いネタが出てくるなぁ。すごい。
西広先生最高!www
みんなのあほさ加減がリアルでいいw
678小ネタ:2007/08/08(水) 21:31:46 ID:Ke9jqHH9
皆さんありがとうw

自分も8巻以降先月のアフタまで話知らないので
チアガは顔しかわからないw
早く9巻出ないかな〜・・・。
679名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 21:35:32 ID:o93MK2/L
小ネタGJ!阿部は本当にネタにしやすい奴だなw

チアガはかわええが名前がないんだよなー
680名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 21:38:29 ID:5dZHp/UP
西広先生のキレっぷりからして、みんなのわからない所で
妹を付け狙うロリコンと戦ってるんだろうな。もしも阿部が
このままロリコンに走ったらマジギレだな。
681名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 23:26:04 ID:Ke9jqHH9
実は西広先生はキレたら怖そうとか
腹黒いんじゃないかとか
あの笑顔の裏には何が隠されてるんだ・・?
とか思ってるorz 終わっとる 末期だ。
682名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 23:48:02 ID:DBPIQYYy
GJ!!

>「なんか、阿部が面接したら、胸の小さい子だけになっちゃうっていってるぞ。」
で吹いたww
ブラック西広先生、妹に何があったんだw
683名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 00:01:14 ID:112x2olK
大きさなんて飾りです、エロい人にはそれがわからんのです!
684名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 02:01:53 ID:krxueJB+
先生こええええええええ
だがそこがいい
685303 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:10:57 ID:S8THXhR8
お早うございます。303です。前スレではお世話になりました。
一つ書いたので投下にやってきました。
三橋と千代の話です。
それでは投下作業に入ります。


他の職人さんの真似ですが、トリップ導入してみました。
686エースと同級マネジ1 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:11:59 ID:S8THXhR8
 高校二年生の夏――。
 七月も下旬となり関東地方でも梅雨は明けて雲ひとつない綺麗な青空を見せてくれていた。
 去年、初出場の新設校ながらベスト4まで残った西浦は今年も大方の予想を覆して快進撃
を続けていた。
 そして、オレは埼玉大会の決勝戦のマウンドに立っていた。対戦相手はオレが憧れている
榛名さん擁する武蔵野第一高校。
 お互い踏ん張って息詰まる投手戦を続けていたが六回表に均衡が破れた。六番に入った
水谷君のタイムリーで待望の先制点がもたらされた。
 これ以降は武蔵野バッテリーもより厳しい攻めをするようになって、試合に動きはなく
1対0のまま九回表まで終えていた。

 ――この回、あと三人打ち取れば甲子園にいける

 今日は三十五℃を越える記録的な猛暑日となった。午後一時にプレイボールの掛かったこの
試合も一時間半が経過し、一番暑さがきつい時間帯となっていた。マウンド上の体感温度は
気温の倍以上になるらしい。
 この殺人的な炎天下と連投に次ぐ連投で正直なところ体は重い。大会の序盤こそ花井君や
沖君にリリーフを仰いで楽をさせてもらっていたけど、三回戦以降は一人で投げ抜いてきた。
体力的にも精神的にもつらい。
 でもオレが頑張るしかない。
 マウンド上で一息入れるために自分たちのベンチへと目を向ける。無意識のうちに篠岡さん
のことを探していた。彼女は二列目のベンチに座ってスコアブックを膝に置き、両手を握って
祈るようにしている。
 ほんの少しだけ気が休まった気がする。
 彼女のためにも――交わした約束を果たすためにも負けられない。
 「三橋!」
 阿部君から声が掛けられ、投げられてきたボールを受け取る。

 ――とにかく、あと三人。力を尽くそう

 いつも通りに阿部君のサインを確認して頷く。オレはおおきく振りかぶっていった。
687エースと同級マネジ2 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:14:12 ID:S8THXhR8
 九回裏、後攻の武蔵野の攻撃。マウンド上ではオレを中心に輪が出来上がっていた。
 「あいつは敬遠して満塁策でいく」
 「敬遠? 今日の榛名さんは三橋に全然タイミングあってないじゃん」
 阿部君の作戦にグラブで口元を隠した栄口君が疑問をぶつける。
 「あいつはこういう一打サヨナラとかチャンスの場面だとスゲー勝負強くなるんだよ。
 シニアで登板しないときは代打で出てよく試合を決めてた。普段は荒っぽい適当な
 バッティングのくせにな。ったく、目立ちたがりのイヤなやつだよ」
 不機嫌さを隠す気はまったくないみたいだった。

 うちは土壇場で追いつかれてしまっていた。二十五人目となるバッターがレフトに
フライを打ち上げて、それを目で追いながらあとアウト二つだと思っていた。
 が、水谷君が目測を誤って大きく後逸してしまい、記録はツーベースヒット。
これでノーアウト二塁となってしまった。次の打者に送りバントを狙われ焦ったオレは
阿部君の指示を聞かず三塁へと送ったが間に合わず、ノーアウト一三塁となってしまった。
 別に水谷君のプレーに気落ちしたわけじゃない。逆にしっかりと投げて相手を封じて
ミスをカバーしようとさえ考えた。
 だけど、どこかで緊張の糸が切れ掛かっていたらしく、状況は悪化の一途をたどる
ばかりだった。
 センター前にタイムリーを許し、とうとう失点して同点となってしまった。
 このあと送りバントを決められてワンアウト二三塁――。ピンチは未だに続いていた。

 「おい、阿部。いつまでもレフト睨んでるなって。こっちの一点は水谷のタイムリー
 なんだからさ」
 「……ちっ」
 「まあ、別にいいんじゃね? どっちにしろ一本出たらサヨナラだし、それなら満塁のほうが
 守りやすいよ」
 「三橋ー。なに死にそうな顔してるんだよ。振り出しに戻っただけじゃん」
 「そうそう。決勝戦なんだぜ? そんな簡単に終わるわけがないって」
 集まった皆が皆、オレが気落ちしていると思って気を使って明るい声で励ましてくれている。
 「モモカンはなんて言ってた?」
 「バントをする気はさらさらないみたいだし、左と勝負するより次の右打者でなんとか
 しましょうって」
 ベンチから伝令としてきた西広君から作戦を確認。監督の意向と一致したということで
そのまま満塁策が採用されることになった。
688エースと同級マネジ3 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:15:12 ID:S8THXhR8
「いいか。榛名を敬遠したあとは、内野は前進守備でなにがあってもホーム優先だ。スクイズも
 あるだろうから何球かは様子を見る。田島と沖はチャージかけんの忘れんなよ。外野にも前に
 来させてバックホーム態勢のサインを出しとく」
 真剣な表情で一様に頷く。
 「――これを切り抜けたらさ、次はクリンナップからだろ? 三番の阿部はダメだと思うけど、
 オレが何が何でもヒット打つからさ。で、ゲンミツに盗塁を決める。次の花井は今日二安打で、
 前の打席はツーベース打ってっから点入るよ。花井がダメでもその次は水谷だろ。ミスを
 取り返そうって気合入ってるはずだから、なんとかなるよ」
 「おい。待て、田島。なんでオレはダメなのが決定してんだよ……?」
 凡退すると決め付けられて阿部君は怒っているみたいだ。それもかなり。あまり荒っぽい
声を出すと少し後ろで控えている球審の人に注意されるから声を抑えているけど、それでも
かなり怖い。
 「だって阿部はさ、三打席で三振二つとボテボテのピッチャーゴロじゃん。タイミング全然
 あってねーし」
 「くっ……そりゃオレんときはあいつが力いっぱいで投げてきてっから……。とにかく、次は
 打つよ……ってなに笑ってんだよ」
 「……あっ。ごめん。いや、うちはこういうバカやってるほうがらしいなって思ってさ。
 だろ、沖?」
 「だな。なんか緊張抜けてきたし」
 沖君の言葉に巣山君も笑顔で頷いていた。それで皆にも笑顔が広がっていく。オレもぎこちない
けど笑っていた。
 「ん、三橋。どうしたんだよ?」
 「あっ、ほら……いつものやらないと」
 栄口君がグラブをぽんと叩く。よかった。わかってもらえたみたいだ。
 「そうだよ。サードランナー見ておかないと」
 皆で三塁ベースにいるランナーをじーっと見る。いつものことだけど、ランナーの人はなんのことか
わからないみたいで首を傾げていた。
 「おっし。さっきした打ち合わせ通りにいくからな。気合入れろよ!」
 円陣を組んで気合を入れるとそれぞれの守備位置へと戻っていく。阿部君のサインを受け取った
外野の三人とも目が合って軽く手を振った。三人とも帽子のつばをきゅっと握って返してくれた。
 
 ――大丈夫。きっと皆がやってくれる
689エースと同級マネジ4 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:16:24 ID:S8THXhR8
 球審の野太い声でプレーが再開され、立ち上がった阿部君に軽くボールを四球投げて敬遠して
一塁を埋めてワンアウト満塁とする。
 点を取られたときはどうしようとマイナス思考に囚われてしまっていた。でも、さっきのタイムで
皆と話せていい具合に緊張が抜けた。
 次のバッターを迎える。サインは一球ストレートを外す。打ち合わせ通りだ。スクイズ警戒のために
様子を見なければならない。しっかりとひとつ頷いてセットに入り足を上げていき投球モーションへと
入った。
 
 ――指に掛かりすぎてる?

 腕に滴っていた汗がつたっていき指先の微妙なリリースの感覚がいつもと違っていた。
 そう気づいたときにはすでに遅く、放たれたボールは止まることはない。狙っていたはずの阿部君の
ミットからは大きくそれていった。途中で気づいた阿部君は飛びつこうとしてくれたけど、ボールを
捕球できなかった。
 「ランナー、走った!」
 弾かれたようにマウンドの傾斜を駆け下りてホームベースへと走る。送球されてきたボールを受け取って
スライディングで突入してきたランナーへと懸命に腕を伸ばしてタッチを試みる。
 オレもランナーも緊張した面持ちで球審を見上げる。緊張した一瞬に球場全体が静まり返っていた。
 「……セーフ!」
 無情にも両腕は水平に広げられていた。
 
 九回裏の土壇場での見事なサヨナラ勝利。ベンチから飛び出してきた武蔵野の選手たちによって
呆然としているオレの周りでは歓喜の輪が広がっていた。

 ――あっ、離れなきゃ

 場違いなため、ふらふらと立ち上がってその場から離れる。
 「ちっくしょう……っ!」
 阿部君が蹲ってグラウンドに激しく手を叩きつけていた。いや、阿部君だけじゃない。田島君も栄口君も
……外野手の皆も膝から崩れ落ちていた。

 このあと、ベンチから出てきた一年生たちに助けられて整列してゲームセットの宣告を受けた。勝った
武蔵野の校歌をベンチの前でぼんやりと耳に入っていくのを感じる。最初から最後まで声援を送ってくれた
スタンドの応援団に挨拶して、表彰式へと臨んだ。
 準優勝の銀メダルを首に下げて選手控え室へと戻る。
 泣くのを我慢していたスタメンの皆から涙が零れ落ちていく。ベンチ入りしていた一年生たちも
泣いていた。スタンドで懸命に応援してくれた学校の皆も泣いている人が多いみたいだった。
 マネージャーの篠岡さんも始めは自分まで泣いてはいけないと思っていたみたいで、気丈に振舞っていた。
 でも、すすり泣きが続くロッカー内ではもたなかった。
 手にしていたタオルを目元にあてて溢れてきた涙を拭っていた。
 
 ――オレのせいで、オレのワイルドピッチで負けちゃったんだ

 そのことを認識――やっと受け止めることができて、両目からは涙が止め処なく落ちていった。

 あとほんの少しで手が届きかけた甲子園。
 こうして、二年生の夏はオレのサヨナラ暴投で幕を閉じてしまった。
690エースと同級マネジ5 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:17:12 ID:S8THXhR8
 うちのエースである三橋君とよく話すようになったのは、一年生の夏の大会が終わってからのことだった。

 一年の夏大を一人で投げ続けた三橋君の蓄積した疲労を考慮して、彼はしばらくの間、投球禁止
となっていた。それでも三橋君は投げたがった。
 もっといい投手になるために練習するしかないって聞かなかった。
 そこでうまく説き伏せたのは相棒の阿部君だった。
 「三橋。おまえはもっと速い球投げたいんだろ?」
 「う、うん」
 「だからな。そのために走るんだよ。投球練習の代わりにな。この機会に走り込んで下半身を
 作り直すんだ。球速を上げるにはこういう地道な努力が大事なんだよ。
 それにスタミナもつくしな」
 「地道、努力……」
 「肩の回復と同時に力をつけられる。花井も沖もまだ公式戦で投げさせるのはきつい。だから、
 秋季大会でもおまえに頑張ってもらわなくちゃならねえ。
 おまえの力が絶対に必要だからこそ言ってるんだ。わかるよな?」
 「う、うん。わかった。オレ、走るよ!」
 阿部君の説得に三橋君はとても感動しているようだった。目が輝いている。阿部君は三橋君の扱い
というか、操縦がしっかりと板についたなーと思わず笑ってしまっていた。
 「――篠岡!」
 突然声を掛けられて焦る。笑っていたのがばれちゃったかなと身を硬くしていた。
 「は、はい。なに、阿部君?」
 「三橋に本格的なロードワークを取り組ませることにしたんだけどさ」
 「うん」
 「あいつさ、ぼーっとしてるとこあるだろ? だから一人で行かせっと事故にでもあうかも
 しれねーだろ。悪いけど、チャリでついていってやってくんねーかな」
 素直に心配だからって言えばいいのに吹き出してしまいそうだった。
691エースと同級マネジ6 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:18:03 ID:S8THXhR8
 その日からは、すでに夏休みに入っていたということもあったし、三橋君の走り込みについていく
ことがマネジの仕事に増えた。
 学校から出て河川敷を目指して大きな橋までのコース。片道五キロで往復十キロとなる距離を
始めのころ三橋君は相当な時間を費やしていた。この真夏の暑さと陸上部のようなランニング量のため
それも無理ないことだと思っていた。
 息も絶え絶えになってしまうけど、それでも不平不満は一切口にせずに少しずつタイムを
縮めていった。

 私は帽子をかぶって自転車で後ろからついていく。時折、頑張れーと応援したり、ペースが落ちてるよー
と厳しいことを言うなりして叱咤激励してついていく。
 折り返し地点となる橋の手前につくと堤防の土手に並んで座って休憩。自転車のかごに積んできた
保冷バッグから用意してきたスポーツドリンクを手渡して、二人揃って水分補給する。
 八月の炎天下でのハードなランニングなので、三橋君の発汗量は毎回すごいことになっている。タオルも
いいけど、冷たいおしぼりだともっと喜んでもらえるんじゃないかなって考えた。
 そこで三日目からは保冷バッグにそれも詰めていって、彼に勧めたらぎこちないながらも喜んでくれた。

 八月も半ばを過ぎて、天気予報の女の人は暑さも峠を越しましたって言っていたけど、それでも
暑いものは暑かった。
 「今日も暑いね」
 「う、うん」
 いつものように三橋君についてきた私は先に座っていた彼の隣に腰を下ろして、持ってきたものを手渡す。
 最初はなにを話していいかわからなくて、お互い黙っていることが多かった。だけど、これでは
いけないと考えて私から積極的に話しかけるようになっていた。
 その成果なのか、他の部員の皆と話すときのように三橋君は接してくれるようになった。
 野球部の大切な仲間なんだから、少しでも仲良くなりたいと思っていた。他の皆とはわりと普通に
話せるようになっていたけど、三橋君に限ってはなかなかうまくいかなかった。
 でも、このロードワークを通してようやく仲良くなれたようで嬉しかった。
 「篠岡、さんは……どうしてうちに入ろう……って、思った、の?」
 「えっ」
 驚きを隠せなかった。今までは私が話題を振って三橋君がそれに答えてくれるという形だった。
彼のほうから何かを聞いてきてくれるというのは初めてだったからだ。
 「あっ、いや、ごめん……っ」
 「あっ、ううん。こっちこそごめんね。いきなりでちょっとびっくりしちゃった。えーっと、
 なんでうちに来たかだったよね?」
 私たちがいる堤防の下はグラウンドとなっていて、少年野球の小学生たちが一生懸命に白球を
追いかけていた。頭を整理するため、その様子を眺める。
 「えっとね、ちょっと長くなるけど……いいかな?」
 了承をもらって話を始める。さて、どこから話せばいいのかな。
692エースと同級マネジ7 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:19:01 ID:S8THXhR8
 「うちのお父さんね、高校球児だったの。でも当時は弱かったみたいで、とても甲子園を狙えるなんて
 レベルじゃなかったんだって。ところがね、私が小学校に上がる前だったかな。
 お父さんの母校が甲子園出場を決めたの」
 指導者に教えてもらいながら、小さな子供たちがぎこちない動きで素振りを繰り返していく。その様子を
見て昔のことを思い出していた。
 「お父さん、めちゃくちゃ喜んだの。OBの人たちが応援ツアーを企画してね。うちのお父さんも
 それに申し込んで応援に行くことになったの。でも、お父さんは一人じゃ寂しかったらしくて、
 私がお供でついていくことになったんだ。
 埼玉から甲子園のある西宮までバスで行ったんだよ」
 「甲子園に、行ったことが、ある……んだ?」
 「うん。そのころはまだ小さくて野球のことはよくわからなかった。でも、甲子園球場の
 アルプススタンドに入るとね……ものすごく興奮した」
 「…………」
 「甲子園球場は小さかった私にはとても大きく見えたの。こっちも相手の学校もアルプスは
 ぎっしりで、在校生だけでなくて大人の人たちもいっぱいだったな。
 ブラスバンドの演奏や、雲一つない青空の下で綺麗なグラウンドを駆け回る選手の人たちを
 見てると、野球のことよくわかってなかったくせに興奮しちゃって、
 学校からもらったメガホンを握り締めてキャーキャー騒いでた」
 手に持っていたスポーツドリンクのボトルを口に持っていって喉を潤す。暑さのせいもあるけど、
当時のことを思い出して興奮してしまい、喉がカラカラだった。
 「結局、初戦で負けちゃったんだけど、私はそれで高校野球が大好きになったの。小学校に入ってからは
 少年野球に入れるまで待って入団して卒業まで頑張ったんだよ。
 ……お母さんは女の子なのにっていつも心配してたけど」
 ちょっと舌を出しておどけてみせると三橋君は微笑んでくれていた。
 「中学では野球部に入れてもらえなくて、仕方なくソフトボール部に入ったの。三年になって進路を
 決めるときにね。近所に西浦に通っているお姉さんがいて、西浦に来年から野球部ができるよって
 聞いて決めたんだ」
 「……?」
 「ほら、私たちが野球部の第一期生でしょ?」
 「う、うん」
 「自分たちが野球部の歴史を作っていくって燃えない? 乏しい練習設備や限られた人数や少ない
 練習時間とか……そういった逆境のなかでも頑張って少しでも上を目指していくって
 カッコよくない?」
 にっこりと笑顔を浮かべて彼を見つめる。三橋君は汗を拭って頷いてくる。
 「雑草魂って言ってたプロ野球選手がいたでしょ」
 「うん」
 「その人もいろいろ苦労したそうだけど、そういうハンディキャップを乗り越えて甲子園に行けたら
 最高だろうなーって思って、西浦を受験したんだよ。
 もし行けなくても、三年間を頑張ったって充実した毎日を送れたなって最後に思えれば、
 それだけでもいいし」
 もっとも、私はマネジだからあくまでも裏方役だけどねって付け加えるのも忘れない。
 隣にいる三橋君がぽつりと呟いてくる。
693エースと同級マネジ8 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:19:56 ID:S8THXhR8
 「――行こう、ね。甲子園」
 「うん。うちは一年生しかいない新設校だけど、今年の夏は初めての大会なのにベスト4に入れた。
 これからも皆で練習頑張れば、甲子園もきっと行けるよ」
 「オレ、まだまだダメピーだけど頑張る、よっ」
 三橋君のセリフにがくっとしてしまう。うちが好成績を残すことができたのは、投手である三橋君が
一人で――それも身を削るようにして投げ抜いてくれたからに他ならないのに。
 もっと自信をもってくれればいいのにと思う。
 「ううん。投げている三橋君はとってもカッコいいんだから。学校の女の子たちからも人気すごいよ。
 一年から三年生まで分け隔てなくね。私も一生懸命になって投げている三橋君のことベンチから
 見ていてカッコいいって思ってた。
 ひたむきに頑張るところが大好きだよ」
 最後の言葉を言った瞬間、場がビキッと凍ったような錯覚を受けていた。ほんの近くの橋では交通の要所
ということもあって通る車の数はすごいし、すぐ下では小学生たちが野球に励んでいる。
 だが、それらの騒音や喧騒は不思議と耳に入ってこなかった。
 顔を暑さのせいではなくて、明らかに別のことで真っ赤にしている彼を確かめて背中に冷たい汗が
流れていく。
 「あのっ、違うの! 大好きって付き合ってほしいなとかそんなんじゃなくてっ! でも、三橋君のことは
 かなり好きなほうだし……」

 ――あー、なに言っているんだろ。私って

 否定したいのか、それともそうではないのか。自分でも何を言っているかわからなかった。
 「篠岡さん」
 「はっ、はい」
 「甲子園、絶対行こうね。それとこれからも宜しくお願いします」
 いつものようにどもらずに、爽やかな笑顔で右手を差し出されていた。その手を握った瞬間、胸がドキッと
する。私は言葉もなくただ一回だけ頷いていた。
 「休憩、長すぎちゃった……ね。帰ろう?」
 私と手を繋いだまま三橋君は立ち上がっていく。そのため、自然と私も立ち上がることになって。改めて
三橋君の顔を見る。とても日に焼けていて、とても精悍な――男の子なんだって印象を強く受けた。

 帰り道――。
 いつもと同じようにして走る三橋君の後ろからついていく。胸に抱いた感情に戸惑っていること以外は、
いつもとまったく同じことだった。
694エースと同級マネジ9 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:20:49 ID:S8THXhR8
 西浦高校硬式野球部の二度目の夏は県大会準優勝で幕を閉じた。最後の――九回裏の幕切れで
誰もが涙を流した。スタメンで出ていた同級生の皆も、ベンチから一緒に応援していた控えの皆も、
スタンドで声をからして熱心に応援してくれた父母会の方々や、学校の一般生徒の人たちも。
 私も泣いてしまった。マネジが泣いちゃダメだって思って、頑張って我慢していた。だけど、
一生懸命に努力してきた皆が悲嘆にくれる姿を見ていると――去年の夏から密かに想いを寄せるようになり
意識するようになった三橋君の打ちひしがれた様を目にすると、こらえ切れなかった。

 あの敗戦からすぐに私たちは動き出した。去年のベスト4がフロックではないということを
実証するとともに、いけると確信を得ることができた。
 そのため、監督の指導も今まで以上に熱が入り、二年生・一年生問わずに練習にのめり込んでいった。
 特に、水谷君の気合の入れようは周囲の皆を驚かせていた。どちらかというと今まで面倒くさがり
だった彼は、率先して練習に励んで積極的に声も出して皆を盛り上げていった。彼なりに思うところが
あったみたいだ。

 ただ、一つだけ引っかかていることがあった。
 エースの三橋君にここしばらくのところ、微妙に変化が生じてきているように感じる。他の皆の前
ではなんら変わっていないように振舞っている。だけど、心ここにあらずというか、どこか覇気が
ないように感じられてならなかった。薄くなってきた以前の自信なさげなところが、再び色濃く
なってきたというか。
 直接の敗因は三橋君のワイルドピッチ。確かにどんな慰めの言葉を掛けようとこの事実は変わる
ことはない。責任を痛感する気持ちも理解できる。
 だが、それではいけない。うちは既に秋を目指して動き出した。エースである三橋君は絶対に
必要だ。

 ――私になにかできることはないか
 
 一年前から始めたロードワークについていきながら、彼の背中を見続けているなかでそのことを
考え続けていた。
695エースと同級マネジ10 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:21:47 ID:S8THXhR8
 夏休みということで午前から午後までたっぷりと練習は増やされていた。そんななかで全てを終えて
帰宅すると、日も暮れてもう夜が近くなっている。
 お風呂とご飯を済ませて部屋に戻ると携帯がチカチカと光っていた。ぱかっと開いて確かめる。
メールではなくて電話だったらしい。
 相手は中学のころからの親友で今でも同じクラスの子だ。グラウンドにて昼休みなどに一人でせっせと
作業しているときに、アイスなどを差し入れてくれる優しい人柄をした友人。
 『おーす。千代、元気してるー?』
 「うん。もちろん。毎日充実してるしね……」
 ベッドに腰掛けて電話を返すとすぐに出てくれた。そのままなんでもない話をしていく。
 『……そういえばさ、彼は元気?』
 「彼って?」
 『またまたー。なに言ってんのよ。愛しのダーリンに決まってるでしょ。三橋君よ』
 「だ、だーりんって……私は別に……」
 動揺を隠せなくてしどろもどろになってしまう。
 『んー? 学校でもメールでも電話でも必ず話題に出してくるくせに、今更なに言ってるのかなー?』
 「……うっ」
 返す言葉がなくて詰まってしまう。確かによく話していたけど、そんなに話していたのかな。
 『ほら、県大会の決勝戦で負けちゃって以来、どこか元気がないように見えるって言ってたじゃん。
 その後どうなのかなってね』
 一人で考えて半ば煮詰まっていたことだ。第三者に相談してみればなにかヒントになるようなことが
あるかもしれない。そう考えて友人へと詳しく説明していった。
 
 『――千代さ、三橋君を遊びにでも誘ってみたらどう?』
 「…………」
 予想の範囲外だった回答を提示されてなにも言い返せなかった。
 『そういうときって気分転換が一番だと思うよ。朝も早くから夕方まで野球漬けの毎日なんでしょ?
 そりゃ息も詰まるって。リフレッシュしなきゃ』
 「で、でも遊びに行くって……それってデートっていうか」
 『うまくいけば三橋君もゲットできて悩みも解決。一石二鳥じゃん。そう固く考えることないよ。
 なにも一回遊んだだけで彼氏彼女の関係になるわけでもないしさ』
 「そうかな……」
 かなりの魅力的なプランだ。三橋君も私も気分転換できて、私は更に彼に近づくこともできる。
でも、これでいいんだろうか。
 『野球部も少しぐらいなら休みはあるんでしょ? それを使って誘っちゃいなよ。あとから
 後悔することになっても知らないよ?』
 「後悔って?」
696エースと同級マネジ11 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:22:47 ID:S8THXhR8
 『三橋君の人気って去年の活躍以来うなぎ上りでしょ。もたもたしていると他の女に
 盗られちゃうかもよ』
 去年から彼の優しい人柄に触れるようになって惹かれているのは事実だった。
 頭に三橋君へと私以外の女が寄り添っている様子を想像してみる。
 堪らなく嫌な光景だった。
 『部活に励むのもいいけどさ、それだけって暗い、暗いよー。もっと高校生らしく恋愛でもして
 楽しまないと。一度っきりの高校生活なんだよ? なにも行動を起こさずに後悔しちゃう
 ぐらいだったら、思い切ってぶち当たっとけって』
 「…………」
 どちらかといえばこういうことには臆病で慎重な私でも、こうまで煽られるとその気になって
しまう。
 『千代は十分に可愛いんだからさ、ちょっと誘惑しちゃえば落ちるって。それに三橋君も千代に
 気があるみたいだよ』
 初耳のことだった。
 「……そうなの?」
 『三橋君と同じクラスに友達がいるんだけどね。ほら、田島君も一緒のクラスでしょ』
 うちの野球部の頼れる四番打者である田島君。彼と三橋君は一年ころから同じクラスだ。
 『一学期に田島君が三橋君に好きな子はいないのかって聞いたんだって。田島君ってさ、
 声大きいでしょ? だから丸聞こえだったみたいでね。クラスのなかにも三橋君のことを狙ってる
 子が結構いるらしくて皆で聞き耳を立てていたらしいの』
 『適当に名前を挙げていってね、じゃあしのーかかよって聞いたら、三橋君耳まで真っ赤にして
 俯いちゃった……』
 「ちょ、それってホントなの……っ!?」
 『千代ー……。興奮するのはわかるけど、必死すぎだよ。耳が痛いって』
 結構大きな声――どちらかといえば叫び声に近かったと思う。ごめんと短く謝る。
 『しのーかってあんたのことでしょ?』
 「ねえ、それってホントにホントなの?」
 『もちろんだよ。カワイイ千代にうそなんかついたりしないって。だからさ、どこか遊びに行って
 いい雰囲気になれば高確率でゲットできるよ?』
 友人からもたらされた話にうそはないと思う。でも、やっぱり慎重にならざるを得ないというか。
私はそういったデートはしたことがないし、男子と当然ながら付き合った経験もない。
 ちょっと……いや、かなりしり込みしてしまう。
697エースと同級マネジ11 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:23:23 ID:S8THXhR8
 『見える……見えるわ』
 「? なにが?」
 『更にモテモテになって彼女を作った三橋君を諦めなきゃいけなくなって、涙にくれる千代の姿が』
 「…………」
 改めて考え直してみる。ここは思い切って積極的に勇気を出すところなのかもしれない。
 「でも、女の子から誘うのって変に思われないかな……」
 『おっ、その気になった? 自信持ってガツンといきなさい。千代はマネージャーやってて、他の女
 よりもアドバンテージがあるんだから。
 三橋君は大人しいでしょ。だから待ってるだけじゃなにも起こらないからね。ここはあんたが
 積極的にいきなさい』
 
 三橋君をリフレッシュさせるという大義名分の下、私は行動を起こすこととした。正直に言えば
彼ともっと仲良くなりたいという気持ちのほうが大きいけど……。
 友人から熱心なレクチャーを受けて細かい計画を練っていく。
 三橋君には二人きりになれる時間――ロードワークの休憩のときに誘った。これなら誰からも邪魔は
入らないし、親しげに話しても不思議に思われることもない。
 少し驚かれたけど了承してもらえた。大丈夫。きっと成功するとは思っていたけど、OKしてもらえて
ほっとした。それと、勇気を出してよかったとも思った。
 
 事は上手く運ぶはずだった。
698303 ◆LwDk2dQb92 :2007/08/09(木) 05:29:05 ID:S8THXhR8
これで今回の投下は終了です。
一回で投下するには量が微妙だったので切ることにしました。
続きは出張明けの一週間後を目処に来ます。

いつもは余計なことは極力書かないようにしているのですが、一つだけ。
前回の投下で改行の指摘をいただきました。
それで、上手い方法はないかと探していたのですが、40文字前後で改行するとよいと聞きまして、
そのようにしてみました。
あと、これは前回からですけど、行の始まるときは段落を設けるようにしています。

恐らくは、これで若干は見やすくなった……はずです。

それでは、失礼します。
699名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 05:57:25 ID:/a2rOI8B
続き楽しみにしてる
GJ
700名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 07:28:29 ID:OgUgCNvd
GJ!
続きは一週間後ですか!
楽しみに待ってます
701名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 10:59:00 ID:xGWQqOwS
大作投下乙!
wktkして待ってます

出張行ってらっせい
702SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/09(木) 13:48:31 ID:nNoGB+W1
ハナモモ投下します。まだエロ無し。とりあえず長い導入部だけです。
微妙にモモカンの年齢バレがあるので注意してください。
703SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/09(木) 13:50:38 ID:nNoGB+W1
花井は最近、7と言う数字を考える。
(俺が生まれた時、モモカンは小2で。おれが中学校入学の時モモカンはハタチ・・・)

7と言う字は2人の年の差で、ずっと埋まらない。

(おれがもう少し早く生まれてたらなぁ・・・・。あ、でもそれだと出会わないか)

がしがしと頭を掻きながらノートに『7』という数字を書いてため息を付く。
自分は多分凄くモモカンが好きなんだろうな。と思っていた。
いつからこんな気持ちになったんだろう。

―最初は、監督が女ってありえねーって思って。
 けど、監督はどんな男の監督よりも立派で。
 俺達の事考えてくれてるってわかって。
 なんて素晴らしい人なんだろうって思ったんだよなぁ・・・。


それが、いつの日からだろう。あの笑顔に心臓が反応するようになったのは。
704SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/09(木) 13:53:20 ID:nNoGB+W1
・・・・心なしか、最近練習も辛く感じてきた。

キャプテンとしての自分、野球選手としての自分、16歳の自分。
全部がモモカンの前では上手く行かない。
練習のたびにモモカンと会える。嬉しい。
けど、この想いは実ることなんてこのままじゃ絶対無い。
そう想うと野球の面白さが解らなくなってくる。



「花井、モモカンがミーティングの事で話あるって。」
阿部が練習後に花井に告げた。心臓がドクっと鳴る。
「・・・・・・・え?」
「なんか、花井だけに言いたいらしくてさ、あと10分後に此処来るって。人払いもかねて俺等先帰るからな」
阿部はそう言って部員の着替えを促し、みんなを引き連れて帰って行く。
「あ、ああ・・・。」
花井はやっとその一言だけ阿部に返しみんなのうしろ姿を見送る。

皆の足音が遠くなると共に自分の心臓の音が大きくなっていくのがわかる。
きっと話とは次の試合の事だろう。明日のミーティングで言う話を先にするんだ。
けれど、モモカンと2人きりってのが大問題なのだ。

(ヤバイ、顔見れねーぞ?!)

しかし帰るわけにも行かない。頭がグルグルしてる内ついにモモカンがやってきた。

「入ってもいい?」
「あ、ハイ。」
705SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/09(木) 13:56:50 ID:nNoGB+W1
部室のドアが開きモモカンが入ってきた。花井はなるべく顔を見ないよう体を斜めにする。

「ゴメンネ。練習後に残ってもらって」
「いえ・・・は、話って何すか?」

モモカンはキビキビとこちらへ進んでくる。

「・・・・・最近、なんかあった?」
「・・・・・・え?」
「・・・・・花井君、最近練習に身が入ってないなって思って」

いつものモモカンより優しげな声に花井はびっくりした。

「あ、いやね。悩みを別に話せって訳じゃないのよ?ただ練習になにか不満でもあるのかなって思って・・・。」
「いや・・・その・・・」
「花井君キャプテンだし、他の皆がやりずらさを感じてるなら改善したいなって思って」
「・・・・・・・・」
「最近、私の事避けてるでしょう?」
「!!!」
「だから、部員と私の板ばさみになってるのかなって思って・・・・・・私の指導方法イヤ?」


「そんなことは!!!」
花井は顔を上げる
「・・・・・・・無いッス」
でもモモカンの顔を直視できず目は泳ぐ
「皆は・・・か、監督をちゃんと信頼してますよ・・・!」
「・・・そう」
ニコっと百枝は微笑んだ。
「は、はい・・・」
「じゃあ、花井君は?」
「え?」


百枝は花井の手を握った。
「花井君は私の事信用してる・・・・?」
「・・・・・・・・っ」
花井の目をじっと見つめる。花井は頭が真っ白になった。
「知ってるんだから。私から逃げてる事」
「・・・・・・っ・・・・・・・・・」
「私、女だからって監督業務で出来ない事なんて無いつもりだよ?」
706SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/09(木) 13:58:29 ID:nNoGB+W1

真っ白な頭の中に一気に気持ちが湧き上がる。
好きだ。貴女が好きだ。
叶う事なんてないって知ってるけど。

「ちゃんと私の目を見なよ!」


もう一度百枝はぐっと花井の手を握る。百枝の手は暖かく、花井は涙が溢れた。
(今すぐここから逃げなきゃダメだ。じゃなきゃ気持ちが隠せない。)
けれど、逃げる方法なんてない。百枝の手の暖かさが花井の心をあふれ出させる。

「・・・・・・・俺、無理何すよ」
「・・・・どうして?」
「・・・・・俺、監督の事女としか思えないんです」
「・・・・・・・」
「俺、監督が好きなんっすよ!!!」
「・・・・っ?!」

ほぼ絶叫に近い声で花井は叫ぶ。百枝は呆然とした。


「7歳も下だけど!!監督と選手だけど!!どうしようもないくらい好きなんです!!!」

(やべ・・・格好わりぃ・・・)
涙が滲み出てくる。零れ出るな!と思った。
「・・・・・それで・・・今まで目をそらしてたの・・・?」
百枝は花井の顔を覗き込む。花井の唇はかみ締められて小刻みに震えていた。
目には今にも零れ出そうな涙が蓄えられている。
707SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/09(木) 14:02:47 ID:nNoGB+W1


愛おしいな。と百枝は思った。



二人はお互いに立つ力をなくしその場に座り込む。
「・・・・・スイマセン。こんな事言って。俺、部活辞めますから・・・。」
握られていない腕で花井は涙を拭いた。
「だから監督は・・・監督してください」

百枝は花井の言葉を聞いて体中がしびれた。


「ダメ!辞めちゃダメ!」
百枝は必死に花井の手を掴む。今度は両手共だ。
じりじりと花井に近づく。花井は壁に追い込まれた。

「私の前から居なくなるなんて言わないで!!!!!・・・・・花井君。私を置いていかないで。私の目の前から消えていかないでよ。」

『部を辞めないで』じゃなく『私のそばに居て』
百枝は、その瞬間。初めて花井を選手としてではなく一個人としてみていることに気付いた。

「監督・・・」
百枝は花井を抱きしめる。
「そうよ・・・・。私今気付いた。花井君が好き・・・。」
百枝のみつあみが花井の耳に触れた。柔らかな胸が自分の体に密着する。
「こんなに頑張ってる人を、嫌いな訳無いじゃない・・・・。」
ずっと私を好きな事隠して、野球して、キャプテンして。
花井はそれでも頑張ってたんだ。百枝もその花井が大好きだった。

百枝は心の中でそうなんだ。そうだったんだ。と花井を好きだったという事実をかみ締める。
花井の手が百枝の背に回った。お互いの心臓が爆発しそうなくらい脈打つ。
708SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/09(木) 14:05:12 ID:nNoGB+W1


お互いの顔を見つめあう。ゆっくりと長い時間キスをした。
今までのすれ違いなんてこのキスで溶かせば良い。そう思えた。
何度も何度もお互いの唇を味わう。

「・・・監督」
「・・・なぁに?」
「俺、7個下ですけど。いいですか?」
「・・・まぁ、法律的には問題だわねぇw」
「やっぱり・・・・」
「でも、花井君が成人したら関係無いわよ。まぁそれまでもつかだけど」

「どーいう意味ですか?」
「色々な意味よw」
「・・・頑張ります。」
「それより、野球できそうなの?」
「はい!なんか言ったらスッキリしました。明日からまた練習頑張ります!」
「よし!それでこそキャプテン!」


百枝はニコっと笑って花井を抱きしめた。
709SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/09(木) 14:08:17 ID:nNoGB+W1


「なぁなぁ阿部!花井とモモカンどうなったかなぁ〜」
水谷が騒ぎ立てる。西浦メンバーは公園で寄り道をしていた。
「ん?・・・・・・まぁ大丈夫じゃねーの。花井だし。」
「俺、明日から部内がギクシャクしたら嫌だなぁ〜」
栄口が胃をさする。
「大丈夫だって。フラれても、実っても花井とモモカンは割り切れるよ。」
阿部は涼しい顔でスポーツドリンクを飲んでいる。
実は今回の呼び出しは阿部の作戦なのであった。

「大体、ギクシャク具合なら今までの方が酷いだろ。あのクソキャプテン、練習も空回りだし良い加減迷惑だ・・・。あ、おい三橋!」
「う、うぉ?!」
「ブランコ飛び降りるなよ!怪我するからな!」
「う、うん・・!」
三橋は、田島としようとしていた事を阿部に見透かされキョドっている。
「まぁ、確かに俺的にも花井とモモカンは仲良くあって欲しいな」
「水谷も阿部につくのかよ〜。はぁ、俺はおなかが痛い・・・。」
栄口は大きなため息を付いてお腹をさすった。


実は今回の事を西浦メンバー全員が知っていると花井が気付くのはまた別のお話。
710SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/09(木) 14:11:21 ID:nNoGB+W1
とりあえずここまでです。長文駄文失礼しました。
通し番号忘れちゃってるよ・・・(゜◇゜;)アワワワワ
皆様に受け入れられればエロ部も投稿したいです。
711名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 14:19:50 ID:cULep46a
GJ!!
エロ部待ってます。全裸で。
712名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 14:22:34 ID:i5Kdi1Db
GJ!
阿部がなかなかの策士ですな!是非続きを!
バレてないと信じて皆に隠し通してくれる2人を希望。
そしてモロバレな花井に期待w
713名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 16:36:08 ID:FlLs0fms
で、このあと年の差七才を実感して苦しむ花井が見ることができるのかな?
714名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 21:01:07 ID:S/R8BxKL
今日もいっぱい投下されてる。
しかも続き二つ。GJ!どっちの組み合わせ好きだ。
715名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 21:20:43 ID:dzcexi4A
おお!最近いっぱい投下されてて嬉しいな〜。
ミハチヨもハナモモも、どっちの続きも楽しみだ!
期待してます。
716名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 21:34:44 ID:xGWQqOwS
GGGGGGJ!
モモカンも花井も、キャラつかんでるなぁ
クソレフトに次ぐクソキャプ…阿部大王w
続き楽しみに待ってます
717名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 22:09:11 ID:RVZsQtpQ
しかし、ここは投下早いな。
全スレで一番早いなじゃねえのか?
718名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 23:34:28 ID:ud3P7ilB
・優しいカーちゃん
・ちょっと前まで同居してた同い年の従兄弟
・美人で巨乳の女監督
・可愛いマネージャー
・何気に同級生の女子にはウケがいい

何気に三橋は勝ち組要素タップリなのに浮いた話が全然ねぇのな
719名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 00:02:44 ID:7lAA9lMr
やっと友達が出来てきたような子に浮いた話って…
720SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/10(金) 15:22:47 ID:d+iGoZE8
皆様に受け入れられたようで嬉しいので調子こいて続き投下します。
ハナモモ続きです。また長いです。
途中から入れるのもアレなので通し番号無しですがご容赦ください。
721SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/10(金) 15:24:58 ID:d+iGoZE8
ここは部活前の部室。例の事件から1ヵ月後たった。
「だ〜か〜ら〜!!!」
花井の悲痛な叫び声が響いている。
「そんなんじゃねぇっつーの!」
「何嘘付いてんだよ〜。教えろよー」
花井に喰ってかかっているのは田島だ。花井の袖を握って話さない。
「モモカンとヤったのかよー。」
「だーっ!!!何でかい声で言ってるんだアホっ!!!」
慌てて田島の口を塞ぐ
「あなヴぉ;mふ@・・・・」
「俺達なんも無いんだって!」
花井は声を潜めて田島に耳打ちをしたが男子部員全員は耳がダンボ状態なので筒抜けだ。
三橋ですら顔を真っ赤にして聞き耳を立てている。
皆はとっても花井とモモカンに興味があるお年頃なのだ。

・・・正確には花井とモモカンのすることにだけれど。
722SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/10(金) 15:27:00 ID:d+iGoZE8
「・・・ぷは!嘘だ!阿部が言ってたぜ!『花井の野郎、今度は幸せすぎて地面に足が付いてないぞ。うちのクソキャプテンは本当に桃の缶詰が好きだなーククク
』って!!」
「なっ・・・阿部!」
「あ、いや。俺は別に・・・」
「桃の缶詰ってモモカンの事だろー?花井おしえろよー」
「お前、まさか・・・?」
「・・・・お前が授業中に『7』じゃなく『花井まりあ』って書くのを良く見るけど?プフッ」
阿部は思い出したらしく花井に背を向け肩を震わす。
「っ!!!????」
「えーっ!!!」
栄口、西広が噴き出す。水谷と泉にいたっては花井を指差し腹を抱えてヒィヒィ笑っている。
「花井キモーーーーーーー!!!」
「う、うるせーーーー!!何見てんだよ!!!」
「・・・花井ってそういうキャラだったのか」
巣山は少し引いている。
「まぁ、人間の隠れた部分は誰にでもあるから・・・。」
西広が花井をさりげなく擁護した。
「おー!花井とモモカン結婚するのか!?いつ!?いつ!?」
「お、おめ、でとぅ・・・!」
田島と三橋は目をキラキラさせて喜ぶ

「とにかく!!!!!!!!皆聞いてくれ!!!!!!」

花井はロッカーを力強く叩いた。
723SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/10(金) 15:30:12 ID:d+iGoZE8
静まり返る部室


「・・・・・・俺、モモカンと卒業するまではなんもしねーから。」
「・・・・え?」
「何もしない!皆に迷惑かけないから!けじめつける!!!」
「・・・・・・えーーーーーーーーっ!」
突然の禁欲宣言に一同騒然。

「じゃ、俺先に言ってるわ」
花井は着替えてさっさと出て行ってしまった。
「・・・花井、一人で何練習するつもりだ?」
「栄口、フォロー行っとけ」
「お、おう」
栄口は花井の後を追って行く
「なぁ。本当に花井モモカンとなんもしねーのかな?」
田島はやはり興味があるようだ。
「それは無い」
と阿部。ニヤリと笑っている。
「・・・全く、告白した癖にけじめつけるとは笑えるぜ。実際守り通せたらアイツを一生尊敬してやるよ。」
俺の手の内にかかったんだからな。そう言いかねんばかりの笑みである。

部員達は思った。彼女が出来ても阿部には隠そうと。
724SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/10(金) 15:36:30 ID:d+iGoZE8
しかし阿部の予想とは裏腹に花井は3年間耐え続けた。
キス以上の事はしたいけど、その後が怖い。
もし、野球が出来なくなったら。
モモカンが西浦から去ってしまったら。
皆も、モモカンも、俺も悲しむ。
だからキスするときだって学校なんかじゃ絶対しなかった。
モモカンの家とか。バイクで遠出した海とか。

(思いは通じてるんだ。1日の半分以上は一緒にいれる。)
時々不安になるときはこの言葉を心の中で復唱する。
花井は百枝の事を女性として好きな半分、監督として尊敬してるところもあった。
百枝も特には何も言ってこなかった。


(この野球部で高校生活を続けたい)
このメンバーでずっと居たい。誰も欠けて欲しくない。

そうして、花井が高校を卒業した夜。
夜遅く百枝の携帯が鳴った
「・・・今近くに来てるんっすけど・・・出てこれますか?」
「あ、そうなの?じゃあうちにおいで。お風呂上りだけど」
百枝の家に上がりこんだ花井は少し酔っ払っていた。
「おーおー。いいのか未成年。」
「・・・送別会あったんで・・・。」
「あらぁ。じゃぁ冷たい麦茶持って来るわね。」
百枝は部屋着なのか黒いボタンシャツのワンピースを着ている。風呂上りなのかタオルを肩にかけ髪が少し濡れていた。
「はい。」
「・・・どうも」
花井は一気に飲み干し百枝の目を見た。
26歳の百枝。相変わらず美人である。
花井はと言えば少し大人びてもうほとんど社会人顔である。
相変わらず、坊主なのには変わりがないが。
725SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/10(金) 15:39:09 ID:d+iGoZE8
「・・・俺卒業しました」
「・・・うん。よく頑張ったね。」
「もう、卒業生です」
「そうだね。」
「もう大学・・・だから・・・・」
花井は百枝の唇に触れる
「・・・いいっすか?」
百枝は頬を上気させて花井を見つめる
「いいよ。」
花井は百枝にキスをする。今まで味わえなかったその柔らかな唇、舌。
百枝は絶妙なタイミングで花井の舌を吸う。
んっという声が漏れ、部屋にちゅっちゅっといやらしい音が響く。
(柔らけぇ・・・)
花井はぼーっとしそうな頭を落ち着かせゆっくりと百枝の服のボタンをはずし、百枝の胸に触れる。
(うぉ、こっちもすげぇ柔らけぇー・・・)
ふわふわと柔らかな反面弾力もある。その表面についている小さな突起の表面を花井は指でなぞった
「ぁ。」
百枝がキスをやめ小さく声を上げる。
花井は胸に顔をうずめた。
「あっ、」
優しく突起を噛む。もう片方の手も同じく突起を抓っている。
いっぺんに抓りあげると百枝の甘い悲鳴が聞こえる。
(・・あんま、ビデオみたく声って出ないんだな。)
興奮と緊張で頭がぐるぐるする自分と冷静な自分がいる。
節目がちなモモカンの顔は最高にエロイとも思った。
726SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/10(金) 15:43:22 ID:d+iGoZE8
右腕でスカートをたくし上げ、パンツの布地ごしに触れてみる。
ツルツルとした肌触りの向こう側はすでに湿っており、押すとくちゅっと音がした。
「は・・・っ。」
指を布越しに上下する度モモカンはふるふると息をする。
「我慢しないでもっと息してくださいよ。」
「はぁっ・・・ぁ。」
百枝は花井に肩を回し耳をそっと舐める。
「何か・・・花井君だから感じちゃうのよ」
花井はその声にぞくりとした。
花井はその布を取り払いじかに指を滑り込ませる。
「あぁっ。」
ちゅくちゅくと鳴り響くいやらしい蜜の音。
蜜を湛えた指で硬い小さな粒を擦ると百枝は初めて大きな声を出した。
指を差し入れると蜜があふれ出す。
「もう駄目、我慢できない・・・。花井く・・んも。ね?」
「あ・・・ハイ。」
既に大きくなっている花井のソレを百枝は優しく口に含む。
「あ、ヤバイっすよ。」
もうすでに爆発しそうだ。
「うふふ。じゃあ、つけてあげる」
にっこり微笑んでゴムをかぶせる。花井は百枝の手に導かれ、中に入った。
(うぁ〜。何かあったけーよ。つーかすごい締まる・・・。)
これも肉体労働のバイトの所為かな?とちょっと感動していると絨毯の上に居る百枝と目が合う。
ゆっくりと突き上げる度、百枝の髪も胸も揺れた。
「んんっ・・・・」
「あぁぅ・・・もう駄目・・」

今のモモカンは、ただの百枝まりあで。俺はただの花井梓で。
7歳の年の差なんて今ここで埋めてしまえる。

気持ちよすぎて腰が勝手に早く突き上げて行く。。
「・・まりあ。」
「・・・あ、ずさ・・っ。」
百枝は花井に触れたくて手を伸ばす。
その表情を見たらもう限界だった。
ぎゅっと百枝の中が締まる
「くっ!」
花井は百枝の中に果てた。
727SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/10(金) 15:46:00 ID:d+iGoZE8

「あ〜っ。幸せ!」
百枝は花井にべったり抱きついて頭を撫で回している。
「もうこんな言い男が傍にいるなんて!」
いつもの百枝のテンションだ。
「う〜なんだか尻にしかれそなんすけどー。」
「そんなことしないよぉ〜!うん、絶対しない!」
ニヒヒヒと豪快に笑った後
「・・・7年間と3年間。待ってて良かった!」と微笑んだ。
「待たせてスイマセン」
「辛かったけど・・・いいのよ。そういう義理堅い所も良いんだから!」

花井はまたこの笑顔でもう一回いけると思った。


ちなみに、卒業式を過ぎても大学へ入学するまでは高校生なのであながち阿部の推理は間違っていないようだ。
728名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 16:41:23 ID:oJqGtR8Z
おお!ハナモモキテルー!gjだよほんとgj
でも最後の・・・7年間と3年間。待ってて良かった!の7年間ってなーに?
729名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 18:06:26 ID:VOGVdlsK
>>728
多分年の差のことかと思われ。
730名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 19:35:15 ID:SoFmcm50
>>720
GJ!!!!!
律儀な花井のらしさに燃え
モモカンのエロさに萌えたよ
あざーす!!!!


>>728
7年早く産まれた分を、待ってて良かったって事だろうな
731SEVEN(ハナモモ) ◆tJL0Ad5PoA :2007/08/10(金) 20:57:07 ID:d+iGoZE8
以上でハナモモ終了です。ありがとうございました。
ずっと脳内にあった話を吐き出せてスッキリしました。
初めてパロ書いたけどw

>>728
そうです。先に生まれてきた7年間の年数の事です。
そこら辺もモモカンに説明させればよかった・・・orz
732名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:13:39 ID:lIynQprk
朝から思いつき話投下します。
山なし意味なしエロなしです。
駄目な人はスルーよろしく。

そして始めに謝っておく。千代ちゃんスマン。

では↓

733パニック!:2007/08/11(土) 08:15:58 ID:lIynQprk

「かゆい…」

「は?」

「チンコかぃいいいぃ―――――!」



「「「はああああぁぁぁぁぁ!?」」」



今日も一日お疲れさま、明日もみんなで頑張ろう。
そんな標語がぴったりの西浦高校野球部部室内に、田島悠一郎の絶叫が響いた。
尚もしつこく『我慢ゲンカイー痒い痒いー!』と身悶えしている。

チームメイト達は一斉に声の主を振り返り。次にお互いの顔を見合わせた。
ズザッ!!という効果音付きで部室の隅に移動する。以心伝心一心同体。
あっという間に綺麗な円陣が完成した。みんなナゼか正座だ。

花井が眉間を押さえながら唸る。
(おいおいおい、今日一日妙な動きしてると思ったけど、まさか……)
泉と栄口が、顔を見合わせた。
(ついに病気かよ)
(うつされた…?)
二人の言葉に水谷は息を呑む。
(お、大人の階段登っちゃったってコトかよぉ!)
(バカかありえねーよ。おーかた一人でヤリすぎたんだろ)
阿部のジト目付き断言。
しかし三橋がおどおどと、そして決して視線をあわさず疑問を投げかける。
(で、でも、そ、れっだと、痛くなるん、じゃ…?)


八人の賢者達(((…………三橋、やっぱ、そーゆーコト、知ってたんだな……)))


妙な空気が部室内に流れた。
734パニック!:2007/08/11(土) 08:17:54 ID:lIynQprk
コホン、と阿部が一つ咳払いをした。真面目くさった表情で、円陣を見回す。
(相手は田島だ。どうせ『秘薬』とか『硬度100%』とか『ゲット・ザ・快感』とか
怪しげなキャッチフレーズに騙されて通販で買った塗り薬でも大量に塗っちまったんだろ)
(阿部ヒデェ…)
(しかもなんだよその具体的な推測は)
栄口と泉の小声ツッコミは、幸い阿部の耳には届かなかったようだ。
花井が、主将になってから何度吐き出したかわからない程の溜め息を、今回も深々と吐く。
手で『しっしっ』という仕草と共に、半ば投げやりに言った。
(もう誰か、田島に直接聞きに行ってくれ)
(よし、じゃあクソレ決定。今日もエラーしたからな。行け、行って男になってこい)
(わー水谷良かったねー阿部様のご指名だー)←栄口超棒読み
(でた!阿部大王…!)
(や、もう将軍でいいよ……水谷、諦めて行って来い。大丈夫、相手は田島だから。
何も考えず自分からペラペラ話すよ)
(栄口〜沖ぃ〜泉ぃぃ〜)
チームメイト達の妙な後押しが嬉しいのか悲しいのか薄情なのか分からない水谷は、
半泣きになりながらカオス空間へとにじり寄って行った。


「あ、あのさ、田島。一体どしたの?」
「う〜ん、昨日オレ頑張りすぎてさ!オトコのメイヨにかけてってヤツ?
んで昨日からチンコ痒いのなんのって!」
「へーそうなんだー大変だねーあははははぁぁぁ」←フェードアウト


ハレー彗星もビックリ!といった高速ターンを披露しつつ戻ってきた水谷を迎えて、
円陣討論会は再開される。
(やはり阿部の読みは正しかったか……男の名誉…通販恐るべし)
腕を組みしみじみ呟いた花井。阿部も無言で得意気に頷く。だがしかし、
(いや、あの言い方は女絡みともとれるね)
と冷静な判断をした泉に、水谷がまたもや涙目で叫ぶ。
(やっぱ大人の階段!!?)
(だから違うっつーの!……先越されてたまっかよ(ボソリ))
(あ、べくん、何か、言った?)
(うっいや別に)


そこにノックの音が聞こえ、続けて扉が控え目に開かれた。


735パニック!:2007/08/11(土) 08:26:31 ID:lIynQprk

「えっと、着替え終わった?」
「おお、しのーか、どったの?」
「あの…」
もう三橋並みの挙動不審さでキョロキョロ目を泳がせる千代。
「あ、田島君!」
目的の人物を見つけると、千代はコソコソと円陣とは逆の部室隅へと引っ張って行く。
「あれ?どったのしのーか(←空気読まず大声)」
「あ、あのね、だ、大丈夫?」

(((!)))

「ごめんね、私のせいで……」

(((!!)))

「しかも、そんなトコ……(←赤面)」

(((!!!)))

「あのね、これ、夕方病院に行ってね、お薬もらってきたの!凄い効くって有名なの!
つけてみて!じゃあ、帰るね!お先にっ」

(((!!!!!)))

顔を真っ赤に染めたマネジが、風のように去って行った。
暫し呆然とする、哀れな男達。


水谷が真っ先に我に返った。
(あ、あ、あ、相手しのーか!?しのーかと大人の階段!!?)
沖が絶望の表情を浮かべ
(ウソだろ!ウソだと言ってくれええええ!)
と床をのたうちまわれば、西広先生からは黒いコスモが。
(涙って…涙ってホントにショックな時は出ないんだね……ふふ、ふ、ふふふふふふ)
ここで泉がとんでもない事に気付いた。
(ちょっとまてよ。てことは篠岡が……)


全員固まる。


八人の賢者達+一人の気弱な村人(((病気持ち―――――!!?)))


水谷絶叫!
(ふにゃあヤメテ!せめて伏せ字に!)
(病●持ち?)
(意味ワカンネーよ!)
強すぎる衝撃のせいか変に冷静な巣山に、泉からソッコーのツッコミが入った。
沖が、隣で口から魂を吐きだしている三橋に気付いて涙目になりながら揺さぶる。
(うわぁ!三橋!気を確かにもって!)
………ちなみに阿部将軍は、扉を見つめたまま呆然自失中だ。

そこへ今度はノックも無しに扉が開く。

736パニック!:2007/08/11(土) 08:28:56 ID:lIynQprk

「みんな着替え終わった?入るよー!あ、田島君!千代ちゃんから聞いたよ?
災難だったけど、ま、これも勲章だと思ってさ」
バシンっと田島の背を叩き、ニヤリと笑う。
「よくやったよ!カッコイイ!」
よしよし、と頭を撫でたモモカンは、これまた風のように去っていった。


円陣軍団は顔面蒼白!発狂したかの様に頭を掻きむしる。
(((勲章!?))))
(((勲章かよ!))))
(え、あ、アレっ、て、名誉、な事なの?し、知らなかった…)
(三橋だまされんな!男の沽券にかかわる超不名誉だよ!なぁ栄口!)
(そらそーよ泉!セービョーなんて女に知られたらフツーに登校拒否になるほど不名誉!
……しかし女二人に知られても平気な顔とは……さすが田島!)


「かいいー塗っちゃえー」


最早全員総意↓
(((塗ってる!)))

(((しかも塗ってる!!)))

(((マジ塗ってるよ!!)))

(((うわぁ真っ赤!)))

(((あ、ああなるんだ…大人の階段こえぇえええええ!)))

(三橋お前は見るな―――って、あ、あれ?アレって…)

泉が何かに気付き、恐る恐る尋ねる。

「なあ田島、それって●●皮膚科の『万能ムシササレMAX-NEO』じゃねえ?
おふくろがなんでも治るからって有難がって持ってるけど…そんなんでいいわけ?
あぁいう病気って色々種類あんだろ?ちゃんと専門のトコで診てもらったら?」
「は?病気?」
田島がきょとんとした表情になる。
花井も、田島の方を直視はせずに、同じく問いかける。
「違うのか?せ、せ、せーびょー、じゃ……」
「セービョー?なんだよソレー!違うよ!」

「「「へ?」」」

呆けた表情の九人に、『イヤーソレがさー』と田島がアッケラカンと話し始めた。

737パニック!:2007/08/11(土) 08:30:21 ID:lIynQprk

「昨日の午後練休みの時にさ、家にいてもヒマだからグラウンドに行ったらさー。
しのーかが一人で草刈りしてんだよ。オレ、隣でしゃべりながら見てたんだー。
したら変なバケツがあってさ。水入ってたから、しのーかが『えーい』って倒したら!
ボウフラの住処で、しっかもホトンド成虫してて、襲ってきやがったの!」


…………………


「しのーかはオレ必死に頑張ってガードしたんだけどさ、そりゃもーヒーロー並みに!
けどオレの短パンやトランクスの中にわらわら入ってきてもー大変でー」



………………
………………



「しのーかパニックになっちゃってズボンの上からバンバン叩いてくるからチンコ痛てーし、
今度はチンコの感触に絶叫して泣きまくるしー。とりあえずしのーか抱えて逃げてさ、
スグにじーちゃん呼んで畑用の殺虫剤グラウンドに撒いてもらったけどさ!そんでさー…、
あれ?みんな帰んの?ちょっと待って、も少しで塗り終わるから……
おーいちょっと待てってばー置いてくなよー!」



おわる。



738名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:34:36 ID:lIynQprk
朝からホントスマンかった、しかし後悔はしていないw

ちなみに、ピーが大量の成虫ボウフラに攻撃された結果どうなるのかは、全て想像です。
自分は成虫ボウフラが黒光りするヤツの次に嫌いなんで、
田島と同じ目にあったら発狂する自信がある。
ン百匹の成虫ボウフラ……ぎゃああああ!

おそまつでした。

739名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:35:55 ID:to4ZYdky
さすが田島神!俺達にできない事を平然とやってのける!
そこに痺れる憧れるゥゥゥゥ!
740名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:37:01 ID:tGJa+zik
朝から笑わせてもらいましたw
賢者+村人ワロスw
741名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 09:04:51 ID:GvVu4Cnb
病●持ち
伏せ字にしてどうするww
朝からバカスww
742名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 09:17:14 ID:ag2f7WFA
GJ!!! バカスdeワロスwwwww
俺がしのーかなら、絶対これをきっかけに田島に落ちるぜ
743名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 10:59:48 ID:KIHu8B2p
GJwwwwwww
馬鹿ほど可愛い子は無いというがこれはwww
744名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 17:56:43 ID:czlCUthT
見てて痒そうになったwGJ
745名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 18:19:15 ID:lIynQprk
皆さんありがとうございます!
千代ちゃんゴメンほんとゴメンと思いながら書いてたw
しかし実際書いて思う。
小ネタ神はマジネ申。ネタも多人数会話表現もスゲーよ!


>>742
千代は部屋に駆け込み、熱くなった頬を押さえた。
決して大きくはない身体全体で、襲いかかる敵から守ってくれた。
そして。手に残る柔らかい感触。初めて触ったオトコの部分。
「田島君……」
千代は真っ赤な頬を、その手の平で包んだ。

……みたいな?他に思いつかないw

746名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 19:49:45 ID:ej8KbAT5
エロもカップリングもなく、マネジにメロメロな7組です。
合わない方はスルーでお願いします。
7477組:2007/08/11(土) 19:50:55 ID:ej8KbAT5
男子の授業は早めに終わり、更衣室に向かう途中だった。
「おー、女子ソフトやってるぜ!」
水谷がグラウンドを指差す。
女子の授業はソフトボールで、体操服姿の女子がグローブを持って
散らばっているのが見えた。
「うわ、あんなボール球、手ぇ出すか!」
バットを構える生徒を見て花井がうめき、その横で不機嫌な顔で
阿部がつぶやく。
「投手が悪すぎる」
「なあ、阿部のリードで挽回出来ねえの?」
「捕るよりオレが投げた方が早い」
「うはっ。いえてる〜!」
「ここは一応、控え投手のオレが!」
眺めながら好き勝手を言うのは楽しい。
「あ、次篠岡が打つぞ!」
打席にマネジの篠岡が立つ。彼女は、中学時代はソフト部で遊撃手だった。
マネジの時にはありえない好戦的な目で、ピッチャーを見据える。
1人だけ、他の生徒とはまるで立ち振る舞いが違い目を引いた。
昔取った杵柄。快音が響き、篠岡は楽々どシロウトの甘い球を
長打に持って行った。
「せーぇのっ!」
見とれる阿部と花井に、水谷が音頭を取る。
「しのーか!ナイバッチィー!!!!」
日頃のお返しとばかりに、3人は思いっきり声を張り上げた。
篠岡は声援に気づいて、キョロキョロと周りを見回す。
フェンス越しの野球部員を見つけると、恥ずかしそうに手を振った。
「マネジにしとくの勿体ねー」
「水谷の代わりに打席立たせてーな」
「阿部、聞こえてるよーん」
どれだけ野球が好きでも、篠岡は女だから甲子園を目指す資格がない。
篠岡は自発的にマネジになったので、罪悪感を持つ必要はないのだが。
「なあ、昼休みちょっと押してもいいか?」
考え込んでいた花井が提案した。
「はあ?」
7487組:2007/08/11(土) 19:52:12 ID:ej8KbAT5
試合終了の挨拶が済み、女子生徒たちは道具をダンボールに放り込んでいく。
まず、体育教師に「片付けは責任持ってやりますので」と花井が断ってから、
3人同時にグラウンドに踏み込んだ。
阿部は捕手の生徒に声を掛けキャッチャーミットを手にし、花井はバットを
手にし、水谷は片付けられようとしていたサードベースを足で抑えこむ。
「どうしたの、みんな」
篠岡が怪訝な表情でたずねる。他の女子もいきなり侵入してきた男子に
とまどっている。
花井が篠岡に声をかける。
「篠岡、中学時代のポジションどこだった?」
「ショート、だけど……」
「じゃ、そのへん立って」
「ええっ?」
花井の言っている意味が判らず、篠岡は阿部に助けを求める。
「2アウト満塁。取ったらバックホームな!」
キャッチャーミットをパシンと鳴らして阿部が不敵に笑う。
「オレがサードランナーだからなー」
塁を踏みながら水谷がわめく。
ボールとバットを手にした花井の、「時間ないから1球だけ。守備につけ」
という言葉に、ようやく篠岡は自分がやるべきことを悟った。
昔馴染んだ自分の定位置に掛けて行く。
「よし来い!」
思わず、笑みがこぼれた。
みんなと、ソフトボールだけど……一緒にプレーが出来るなんて。
面白がる7、8組の女子のヤジの中、花井がまさにドンピシャというフライを
上げた。
篠岡のグラブがボールをしっかり挟み込む。それを確認して水谷が塁を蹴った。
狙うは阿部のミットだ。力いっぱいボールを投げる。
ボールはバウンドして阿部のミットに届き、すかさず走りこんできた水谷を
刺した。
歓声が上がる。
「アーウトォー!」
「しのーか凄ぉい!」
7497組:2007/08/11(土) 19:53:34 ID:ej8KbAT5
男子の野球部員をアウトにするという快挙に、女子は大喜びだ。
「花井くんが動かなくても取れるトコに上げてくれたからだよ」
篠岡は照れながらホームに駆け寄る。
「それに、阿部くんだから思いっきり投げられたの」
「いい送球だったよ。花井の代わりは無理でも、こいつの代役は出来るな」
阿部はそう答えて、ちらりと水谷を見る。
「そ、それだけはご勘弁を〜」
情けない声を出す水谷に笑いがおこる。
もちろん、水谷が本気を出してないことは篠岡には判っている。
この学校で、このクラスで私って本当に幸せモノだ。
今以上にマネジを頑張ろう、と篠岡は心に誓った。

「おもしろかったなー」
倉庫の鍵を受け取り、道具一式を抱えた3人の顔は晴れ晴れとしていた。
「花井の計画、ナイスなー」
「ウチのクラスにはメンツ揃ってたから思いついたんだ」
「9組も部員、3人だぜ」
阿部が三橋と田島、泉の3人を思い浮かべながら言うと、
花井が首を振った。
「正捕手がいないと成り立たねーんだ。あと、適度に抜けた水谷」
「ハイハイ、どーせオレは笑い担当ですよー」
「確かに、三橋に手加減を期待するのはギャンブルだな」
うなづきながら、阿部は「この3人だから出来たのかも」と思った。
それは花井や水谷も同じで、どこか誇らしげだ。
倉庫に入り、道具を置く。それで用事は終った。
「出たら先生に鍵を返してくるから、先に更衣室行ってろ」
そう花井が言い、さて戻るか、と3人で出口に向かおうとしたその時。
ドアの向こうから、女子生徒たちの活きの良い声が聞こえてきた。
7507組:2007/08/11(土) 19:55:08 ID:ej8KbAT5
「いやー、野球部ってなにげにイイ男揃いだよねー」
聞き覚えのある、我が7組の女子だ。
3人の動きが止まり、思わず聞き耳を立てる。
「今日気づいたの?ウチの野球部は、日本一カッコイイんだよ!」
この声は篠岡だ。
「阿部っていつも無愛想だけど、最後の笑顔可愛いかったぁー」
「私は花井くんだな。好青年、長身、顔だちも整ってるし」
思わず顔が緩む阿部と花井。水谷が面白がって、2人をくすぐって
声を出させようと手を伸ばす。と、
「なんと言っても、水谷だよね」
予期せず自分の名前を呼ばれ、ギクリとする水谷を、他の2人が注目する。
「絶対、ソンしてるよ!」
「そうそう。阿部や花井がアレだから気づきにくいけど、キャラ変えれば
十分イケメンで通るのに惜しい!」
「でも1番、話しやすいよね」
赤面する水谷に、花井と阿部が小声で「水谷が?マジかよー」「シュミ悪ぃ」
などとからかう。
「阿部くんは、ピッチャーの三橋くんに凄く優しいよ。花井くんは主将なの。
いつも1番声出して頑張ってるんだよ。水谷くんは、時々仕事手伝ってくれたり、
気遣ってくれるし、みんな、凄く良い人たちなんだよー。野球やってる時は
200倍くらいカッコイイの」
まるで自分が褒められたかのように答える篠岡は、本当に嬉しそうだ。
見えなくても、その幸せそうな表情が思い浮かぶ。
「……200パーセント、の間違いだよな?」
「チ。どんだけ伸び代広いんだよ」
「あはっ。オレら野球やってて良かったなぁ〜」
憎まれ口を叩きながらも、彼女がマネジである幸せをかみ締める面々。
思いつきだったけど、あの笑顔が見られて良かった。
他のクラスの連中には悪いけど、これも7組の特権だよな。
出て行くタイミングを逃したこともあり、ゆるゆると床に座りつつ
「ぜってー甲子園連れて行こうな」と改めて意志の確認をするのだった。
7517組:2007/08/11(土) 19:56:44 ID:ej8KbAT5
「で?しのーかのタイプってどれよ?」
おお。マネジのいない時に、部員の間で何度も話題になるネタだ。
ナイスな質問をありがとう!
3人は顔を見合わせそわそわと会話に耳を傾ける。
「みんなカッコイイから。他のクラスにも、凄ーいピッチャーとか
4番とかみんな……」
「ソレも聞き飽きた。さ、白状しなさい!」
「同じ中学の阿部が怪しい」「主将とマネジが1番美しいわよ」
「水谷と良く話してるんじゃない?」と次々に問い詰められて、
篠岡はしどろもどろになった。
「私は、野球が好きな人なら、それだけで条件クリアというか…」
短い沈黙が出来た。1人の生徒の顔から笑みが消え、固い口調になる。
「しのーか、あんた男子に人気あるんだから、もっと欲持ちなよね」
「よ、欲って?」
「しのーかは視野狭すぎ。他の部とか上級生とか、選択肢いっくら
でもあるのに勿体無いわ!」
「うん。しっかりモノのマネジなのに、自分のことは抜けてるよ。
アタシ、しのーかには落ち着いた大人な人が良いと思う」
水谷は、雲行きが怪しい方向に向かっているのを感じた。
この流れだと、会話の行く先の予想はつく。
「とにかく、他のクラスは知らないけど、グラウンドに乱入して
あんな子供っぽいことやっちゃう、ウチの連中は大却下!」
「そうそう、ガキだよねー」
「ガキ」の一言に阿部はショックを受け、発案者の花井は
うなだれている。水谷は1人でウケていた。
ガキでごめんなー。
主将と副主将込みで、ノリノリでやっちゃったもんな、オレら。
あ、2人ともまだ落ち込んでる。花井と阿部は打たれ慣れてないから、
こういう時弱いんだよなぁ、オレと違って。
7527組:2007/08/11(土) 19:58:11 ID:ej8KbAT5
篠岡は、「そのギャップが良いのに」「野球知らない人は…」
などと抵抗していたが、他の生徒の方がヒートアップしてきた。
「ますます、あんな野球バカ連中にしのーかを渡すのは許せなく
なってきた。断固阻止するからね!」
「何言ってるのー。みんな別に私のことなんて何とも…」
「んな訳ないでしょぉ!」
篠岡を取り囲んだ生徒たちが口々に叫ぶ。
「連中の顔見た?」
「揃ってしのーかにメロメロなのに、気づかないあんたも
相当なおバカ!」
「そ、そうなのー?」
うわ。クリティカルヒット。さすが女はちゃんと見てるな!
確かにオレら、アホっぽかったかもなー。あはは。
水谷もダメージはあるが、仲間を観察しながらどこか他人事の
ように受け止めていた。
笑い出しそうな自分とは対照的に、頭を抱えたり、引きつったり、
余裕がない阿部と花井を見るのは楽しい。
「しのーか、心配だから好きな人で来たら、必ず私らに相談しなよ。
どんな男か見極めてあげるから」
「うん、ありがとー。その時はよろしくね」
篠岡は完全に丸め込まれて答える。
その後、「しのーかを7組の野球バカから護る会」が結成され、
しだいに会話の声が遠のいていった。
すっかり毒気を抜かれた3人は、のろのろと立ち上がった。
「さてと、さっさと着替えて教室戻るか」
花井が力なく言う。その隣で、阿部がブツブツ呟く。
「顔に出てるって……イヤイヤ、高校球児舐めんなよ。酒、煙草、
女の『不祥事』に繋がる誘惑に近寄る訳ねーだろーが」
「うんうん、そうだよな」
7537組:2007/08/11(土) 20:00:11 ID:ej8KbAT5
水谷は、負け惜しみにしか聞こえないそれに苦笑いする。
……オレはこの3人で篠岡を喜ばせることが出来て、嬉しかったん
だけど、花井と阿部はそうじゃないのかな。
「ああ言われてったけどよ、オレはしのーかとソフト出来て
楽しかったよ。お前らはどう?」
水谷の言葉に、花井と阿部は顔を見合わせる。
「面白かった」
「ああ」
いつのまにか、妙な連帯感が生まれていた。
うん、後悔はしていない。
彼らはガキのような笑顔で、体育倉庫を後にした。


終わりです。
水谷って結構良い男だと思うんですが……。
754名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 20:05:24 ID:GvVu4Cnb
GJ!かわいらしーww
爽やかだな、7組
水谷は絶対もててると思う
755名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 20:20:26 ID:lIynQprk
うわぁこーゆーの好き!
しのーかカワユスw嬉しかっただろうね!

ホント野球部は可愛くていいオトコ揃いだよ!GJです!

756名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 22:54:58 ID:QimP9ZrD
おお、ナイスレフトな水谷が!GJ!
実際水谷は大人な奴だと思うなぁ。気配り上手だし
757in桐青 前置き:2007/08/11(土) 23:26:38 ID:ko34+gpI
思い付いたので勢いで書いてみました。
利央×千代ベースの桐青ギャグ(エロ無し)です。千代ちゃんは名前だけで出番はありません。
更に睡魔と戦いながらなので、読みづらい所が多分にあります。すみません。
758in桐青 1:2007/08/11(土) 23:28:42 ID:ko34+gpI
どうやら利央に彼女がいるらしい。

という情報が真柴よりもたらされたある日、食い付かずにはいられない先輩方は当然のように、昼休み、利央を屋上へ連れだした。

「利央、お前が西浦のマネージャーと付き合っていると、情報が流れているんだが」
真顔で利央に詰め寄る島崎。山ノ井は笑顔で、河合は苦笑いでそれを見守っている。
「準さ〜ん、このお兄さん怖いっす〜」
と高瀬に助けを求めたが、
「利央、素直に吐いた方が身の為だ」
高瀬は救いの手を差し延べてはくれず、それどころかそう言うと同時に大爆笑した。
「ひっでえ!だいたい、付き合うつっても週1会うのがやっとなのに、何かあるわけないっしょ!?」
半ばヤケになった利央が叫んだ。
島崎はゆっくりと後退り、仲間とボソボソ喋る。
「聞いたか?」
「うわぁ、純愛」
山ノ井が心を込めずに呟く。
「まあまだ学生だし」
河合がとりなす。
「手ぐらい握れよな」
島崎がしみじみと言った。
「仕方ないっすよ、利央の奴はヘタレだから」
「って準さん聞こえてますから!ばっちし聞こえてるから!ヘタレってなんすか!」
利央の声を一切無視し、
「あー、ヘタレだねえ」
「ま、利央だしな」
759in桐青 2:2007/08/11(土) 23:31:32 ID:ko34+gpI
「ヘタレだったっけか、そう言えば」
「有名っすよね、利央のヘタレ振りは」
「そうか、とうとう他高にまでヘタレ振りが広まったか」
先輩方は『利央はヘタレ』と結論付けた。

「だから何でヘタレなの!?」
「だってさあ、利央の場合」
山ノ井が利央を指差し、
「『私を抱きしめて』って言われたら、ずーっとそのままで、次に繋がる行為はしなさそうだから」
淡々と宣告した。
「…………はああ!?」
「山ちゃんよ、それは、そんな美味しい状況でキスすら出来ねえって事か?」
島崎が笑いながら問うた。
「性行為まで持ち込めないんじゃない?」
結構直球だね、山サン…。
利央の目に涙が浮かんだ。
高瀬が「つまり」と呟いた。
「据え膳食えねえ、と」
「『食えない』んじゃなくて、『食わない』んじゃないか?いろいろ考えすぎて」
河合の発言に一堂は一瞬声をあげたが、よくよく考えればフォローになってない事に気付いた。
『いろいろ考えすぎて何も出来なきゃヘタレだろ』と心の中で突っ込む。
「…利央が彼女にフェラさせるって、想像出来るか?」
島崎が皆に問う。
「利央が女を押し倒す事自体想像出来ねえ」
高瀬が口許を手で覆った。
760in桐青 3:2007/08/11(土) 23:33:14 ID:ko34+gpI
「入れる前に暴発してそうだね」
何故か楽しそうに山ノ井が呟く。
「…あんたら、俺の彼女の話、聞きに来たんじゃ…」

「「「利央イジると面白いから」」」

三人にそう言われて、更に落ち込む利央の肩を、河合は万感の思いを込めて優しく叩いたのだった。

761in桐青:2007/08/11(土) 23:36:36 ID:ko34+gpI
なんかもういろいろすみません!
やらかしてしまいましたが、何故か満足しています。
762名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 23:37:11 ID:KIHu8B2p
弄られ役wwww
GJでした(*´д`*)ハァハァハァ
7637組:2007/08/11(土) 23:57:35 ID:ej8KbAT5
涙目の利央可愛いw モテそうなのにヘタレw

>>747-753を書いたモノですが、2アウト満塁って何だ。
1アウトじゃないとフライ捕った時点で終わりだと思ってて、
直ってなかったです。がくり。他にも間違えてたらすみません。
764名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 01:47:59 ID:LOxU8zq6
>>761
ちょーぐっじょーぶ!!
思わず『山さんって誰だ』と単行本読み返したよw
楽しめマシタ!
765名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 02:48:24 ID:XQv1W8Jt
7組かわええw
また書いてのぉ〜ノシ
766名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 04:30:44 ID:P1B77Xlo
GJ!桐青楽しそうだ

最近ほのぼのしてんね
かわいらしいのも好きだが、そろそろエロいの読みたい
誰かすげーの頼む
767名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 10:13:54 ID:BD/Onf+d
田島が「しのーかーアイスくいたいよー」で
阿部が「自分で買えっ」だったから、もし篠岡が
9組だったら保母さん状態だったかもなと妄想
768名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 16:54:37 ID:6yhJyhgN
おお振りでエロいのはなんか嫌だな…。
ま、スルーするが。
ほのぼのもっと投下してくれ
769名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 16:59:15 ID:j6QcJs6v
>>768
しっかりして、ここ、エロパロ板ですよ。
770名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 18:45:03 ID:LOxU8zq6
>>768-769
ワロタw
771名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 19:05:14 ID:kVp8+dqb
>>768
夏だから意識朦朧しているんだな。
自分もさっき甲子園から帰ってきたから頭痛いわ。
772名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 19:06:06 ID:EfkYzX6S
>>768
マジで何でココにいるんだwwww

つかここの人は何も言わないけど、
他スレだとエロなし話は投下するなってスレもあるくらいだから
あんまりエロ関係ない話ばかりだと…とも思ってたりする。
自分はどっちもいける派だからいいんだけど。
773名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 20:05:59 ID:iCrP5Q4m
エロパロってことでエロが基本というかあって当然だからな
>>772も言ってるけど、そういうスレもあるわけだし、もうちっと考えてほしいなーと思うところもある
あくまでも エロ を入れたパロディだから

話は変わるが、テンプレを改造というか作り直さないか?そろそろスレの残り容量も
心許なくなってきたことだし、次スレに移る前にさ
いろいろ細かいところまで練ったほうがいいかと思う
今スレでもパクリが出たわけで、これに関することも明記したほうがいいんでないかなと
774名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 20:06:10 ID:gBspi9qu
エロ分が足りないと思います!
流石におなごの数が少ないから作るの難しいんだろうが
775名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 20:22:19 ID:LOxU8zq6
まぁ、ドSエロを書いてると、もうなんだか居たたまれなくなって、
たまにピュアもんを見て安らぐ部分もある訳だがw
一応自分は、ネタ系でもエロはなくとも下ネタは入れる様にしている。

>>773
ここのテンプレって簡潔だよねwなのに基本マターリとしてるのは不思議。
パクリ…ンな恥知らずな真似フツーはやらかさないからなぁ。
テンプレは、常連さん達の考えに任せます。
776名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 20:22:38 ID:DDMZ3+k+
抜けるエロが少ないよね。

他のエロパロスレみたいに
さすがに触手だすわけにもいかんしなぁ。
777名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 20:35:47 ID:IOnbJzJm
>>774
女キャラ少ないけど千代ちゃんの万能性は凄いと思うw
西浦までもか利央までいける
778名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 20:47:41 ID:iCrP5Q4m
言い出した人間が何も出さないというのはおかしいから、いくつか挙げとく

・マターリエロエロでやっていこう。
・荒らしはスルーしよう。相手をすると余計に付け上がる。
・職人さんの投下も読み手の感想or雑談も基本的にsage進行で(メール欄に半角でsageと書く)。
・自分が気に食わないカプやシチュが来たらスルーせよ。
 自分が嫌いでも他の人は必ずしもそうではないということを考えて自重すること。
 18歳以上ならできるよね?
・SS投下は大歓迎。でも、パクリ作品はお断り。
 悪いことをすれば必ずバレます。良心があるのなら、そんなこと(パクリ)はしないでね。

とりあえず思いつくままに挙げてみた
皆も意見出してくれるとありがたい 
779名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 20:55:34 ID:IaoN339Z
>>776
>触手
なんとなく田島のチンコが百分裂してしのーかにイタズラするイメージが浮かんだ
780名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 21:01:37 ID:LOxU8zq6
>>778
充分じゃない?
sage方法は書いてた方が親切だねー。
自分達は必要ないけど、いつぞやのレンルリさん、
sage方が判らないんじゃあないかとずっと思ってた。

他の方々の反応も待ってみたらよろしいかと。独断ではね。

>>779
想像した………orz


781名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 21:02:25 ID:AEzrUtJE
簡潔な方がよいので
・基本的にsage進行
・荒らし、苦手な組み合わせなどは見ない振りかぶって
・パクリ厳禁
782名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 21:11:19 ID:JuPhiD1n
>>778
長々しいと俺みたいなアホは全部読むのしんどいから短くしてみた
あと2、3スレ目のテンプレ微妙に混ぜてみた

・基本sage進行(メール欄に半角でsage)
・気に入らないカプやシチュ及び荒らしには爽やかにスルーで対応
・パクリ作品駄目絶対
・マターリエロエロやっていきましょう
783名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 21:13:17 ID:JuPhiD1n
なんかかぶった すまん
784名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 21:19:16 ID:88PY4D+S
あまりルールみたいな感じで厳しくいくと、
自由がなくなってくるからそれぐらいで・・・

>>779
想像・・・・orz
785名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 21:20:45 ID:JuPhiD1n
>>781でいいと思う
786名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 22:03:10 ID:P1B77Xlo
自由度が低くなって、投下が減ったら困るので、あんまり厳しくなくていい
>>782がいい
マターリエロエロ、これ大事
787名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 22:11:57 ID:LOxU8zq6
>>782
あ、これイイね。
簡潔でもキツイ言い方じゃあないし。
788名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 22:59:13 ID:z/n4/b0G
>777
モモカンだって西浦から和さんまでいけるじゃないか!
しのーかに負けてないぜ
789名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 01:03:40 ID:u4YBvj9n
遅ればせながら、7組みもリオチヨもGJ!!
このスレはエロもほのぼのもギャグもレベル高い
790名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 07:50:20 ID:SBTdcKO+
確かに千代ちゃんとモモカンは誰とでもカップリング可能だww
まずは千代ちゃんで行けるとこまで書いてみるかな。
どこまで書けるだろうか…。
791名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 12:41:07 ID:0JoUUNre
たしかにエロないと物足りない気がするけど、エロナシが投下しにくくなってスレが止まる方が心配
ほのぼのも好きなのは携帯に落としてニヤニヤして楽しんでるので待ってます
792名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 13:34:57 ID:EFCXwFsE
>>791
エロなしというか、エロ要素(シモ系でもいい!)がない
まったくの日常話は正直ここでやられても困るが。
それがどれだけ面白くっても、それは自分のHPでやれって話で。
一応ここはエロパロだから
793名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 15:32:12 ID:ZXRlZEwF
「エロナシです」と先に書けば大丈夫だと甘えて投下してしまいました。
本当にその通りだと思います。
すみませんでした……
794名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 15:56:00 ID:j32E9oix
>>793
ちょwもちつけ!

>>792
まぁ、そうなんだけど、エロ全くないピュア話の割合って、
今のところそんなには多くないし。
最近たまたまエロ少なめ路線だった訳で。
だからエロエロが投下されだすと、気にならなくなるよ!

そういえばさ、おお振りで、
エロパロじゃなくフツーの話投下する場所ってあったっけ?
無いからってのもあるんじゃない?
795名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 16:09:38 ID:GRofkWTS
だが板違いを許容してたらきりがないぞ
そしたら腐女子系でもおkってことにならないか?極端な話だが
エロ、シモ含む話なんかはここでいいんだと思うが本当に純愛だけならエロパロ板でやる意味がない
796名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 16:22:33 ID:j32E9oix
なんでこんな話の流れになったかといえば、
>>768のエロパロ板にも関わらずちょっぴり愉快な書き込みがあったからな訳でw

みんなが『ここはエロパロだー』って認識してたら、自然と減るよ。
『厳しくはしたくない』って人もいるみたいだし、たまにならスルーできるっしょ?

数字は問題外だとは思うけどw

ま、基本エロパロってコトで。

どなたか神の投下をお待ちしてます
797名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 17:35:40 ID:PpqYTj4l
「マ、マネジだから知ってるんだよ。勘違いしないでよね!」

と書くとツンデレになるこの不思議。
798名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 21:54:37 ID:L0bdGM83
ツンデレマネジワロタ
おお振りの女の子ではルリがツンデレ属性になるのかな
799名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 21:57:34 ID:EFCXwFsE
叶もルリもツンデレ属性。
ツンデレカップルだなw萌えるな
800名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 22:33:02 ID:0zRZGyb3
チアガールと浜ちゃん ってのはないのか。

大会で敗退の後、泣きながら家路につく浜ちゃんの後をついていくチア

「先輩に『ついて行ったらソッコー犯られる』って言われてんだろ。」

「でも団長さん一人に出来ませんよぉ」 みたいな展開で
801名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 01:03:33 ID:aceuf2PH
チアガか〜。単行本派にはまだ妄想しずらいな。
おおふりでエロエロを書こうと思ってもなかなか難しい。
沖がすっげーテクの持ち主で篠岡やモモカンを鳴かせるとか無理orz
ここんとこ小ネタばっか投下して正直すまんかった。次はエロがんがる
802名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 01:07:00 ID:CoqaIxMB
>>801
別に下ネタ系なら小ネタもいいと思うよ。

チアガ、名前がないからどうにも絡ませづらい。
ああでも浜田と絡ませるのはちょっといいかもw
803名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 02:11:43 ID:ydl2J72o
すいません投下します
篠岡凌辱ものです嫌いな方はスルーを・・・
ちょいとマニアックかも・・・
804篠岡凌辱:2007/08/14(火) 02:15:03 ID:ydl2J72o
「はぁ・・・はぁ・・・くっ!しっ・・のか」
どぷっ!どぷっ!と勢いよく男根から粘液を顔面に発射する。
しかし、篠岡は安らかに寝息を立てている。
「くぅっ!・・・はぁ!はぁ!・・・」
一回で出たとは思えないほどに篠岡の顔は白濁に汚れていく・・・
「クククッ!よく眠っているな、やはりあの薬はよく効くようだ。」
部活が終わり皆が帰った後に篠岡を部室に呼び出し裏ルートで手に入れた睡眠薬入りのお茶を飲ませた
「お前が悪いんだ!お前が・・・俺に振り向いてくれないから!」
篠岡の顔を覗き込む・・・
自分の粘液で好きな女の顔を汚した事に興奮して男根がまたそそり立つ・・・
「今度は足でイカセテもらおうか・・・」
篠岡のハイソックスを剥ぎ取り指の間に自分の男根を挟む・・
「おぉぉお・・気持ちいいよ篠岡・・・これじゃまたすぐ出ちゃうよ・・・」
と言った瞬間にまた勢いよくドピュドピュっと足を汚していく・・
・・・30分後・・・
805篠岡凌辱:2007/08/14(火) 02:16:10 ID:ydl2J72o
服はそのままで篠岡の顔にはマウスストッパー、手足には拘束器具がつけられていた・・
「もうそろそろ、起きるころだな・・・」
「ん・・・んぁ・・・」
「フフ・・起きたか。」
「!!!んーーーー!」
「ククク・・起きることも喋ることもできないだろ?わざわざちゃんとした道具屋に買いに行ったんだぜ?」
「んーー!んーーー!」
涙目になりながら必死に何かを訴えようとする篠岡・・
「もごもごうるさいなぁ!」
マウスストッパーの栓を外しその中に男根を挿入する・・
「!!!!」
「ふぁ・・・篠岡ぁ・・・気持ちいいよぉ・・・」
ズポズポと勢いを増して口の中を蹂躙していく
「あぁぁぁぁぁぁ!イク!イクよ!」
口の中で動きが止まりなかに白濁液を流しこんでいく・・
ドプッ!ドプッ!今までに何回も出したのに底を知らないのかこれまた大量に出していく。
ズルリと口から男根を抜くとマウスストッパーがついているので口の中が丸見えになった
口の中は白濁液でいっぱいになっていてこぼれんばかりだ
「大変だ!こぼさないように栓をしてっ・・と!ちゃんと全部飲むんだよ?じゃないとこれは外さないからね」
涙を流しながら篠岡は嚥下していく
「んっ!・・ん〜!・・・んぐぅ!・・」
「どれどれ・・ちゃんと飲めたかな?」
パカッっと栓を外し中を見る。
「フフフちゃんと全部飲んだみたいだね。じゃあ・・・ご褒美だ!」
といってまたもや口の中に男根を挿入
驚愕した顔で受け入れるしかない篠岡
泣きながらされるがままに凌辱されもう一度口の中へ射精される
「ふふイッパイでただろ?でも今度は飲んじゃだめだよ?俺がいいって言うまで舌でかき回しておくんだよ?」
もう抵抗する気力もないのか力なく頷く篠岡
「じゃあちょっと外出してくるからちゃんとやっておくんだよ」
じゃあねといって外へ出ていく
(・・・君、なんで・・なんでこんなこと・・・)
助けも呼べず動くことすらできない状態で嘆きながら涙を流す篠岡・・・・


806篠岡凌辱:2007/08/14(火) 02:16:54 ID:ydl2J72o
「ってのはドーヨ?」
「田島・・・お前って意外と鬼畜なんだな・・・」
部活が終わったあとの部室で自分の妄想について語っている田島に引いている野球部員・・・
「だってよー昨日そういうエロ本読んだんだも〜ん」
「こんなこと篠岡に聞かれたらどーすんだよ」
ガタリと外で物音が聞こえた
「!!!!」
田島が飛び出し辺りを見回すと篠岡が青い顔をして部室の前でへたり込んでいた
「篠岡今の聞いたの・・・?」
返事をすることすらできない篠岡に対してニヤリといつもの田島らしからぬ微笑をする。
「なぁ・・・今さ部室で面白いことやろうと思うんだ・・・篠岡もヤローぜ?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」と夜の学校に叫び声が響いた・・・
807篠岡凌辱:2007/08/14(火) 02:17:59 ID:ydl2J72o
やっちまいました・・・すいません・・・orz
808名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 02:24:00 ID:aceuf2PH
相手誰だ!?って思ったらオチに吹いたww
田島ww妄想実行する気かwwなんつう鬼畜w
こういうのもイイ! GJ!!
809名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 02:26:53 ID:CoqaIxMB
正直田島の妄想で良かったと安堵したwwwそしてワロタ
GJGJ!
810名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 05:08:30 ID:XVOBrI8f
おはようございます!
そしてGJ!エロいよエロいよー

田島、なんてマニアック系で抜いてるんだw
しかし足でイクって!初めて聞ーたw
ンなのあるんだwww
811名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 05:13:43 ID:eVSYsy8a
>しかし足でイクって!初めて聞ーたw
>ンなのあるんだwww

そうか作者がマネジに下ネタばっかと言われた時はこんな気持ちだったのか
汚れちまったんだなぁ俺
812名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 08:12:09 ID:UCwIMOoY
GJ!田島の妄想鬼畜すぐるww
つか笑ってたけど、田島やっちゃうの!?やっちゃうの!?

>>810-811の流れにも吹いた
大丈夫、>>811は汚れてなんかいないさ!ww
813名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 08:20:28 ID:2sBscm8P
田島…!
恐ろしい子…!!
814名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 11:58:04 ID:/JDEz6Cr
足コキはニーソ萌えなどの方のは馴染み深いよ。

ところで、「篠岡」の部分をモモカンやルリに変えれば、全ての組み合わせが可能だ。
815名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 12:40:30 ID:FRAiQYOm
そうだよハイソックスは脱がせちゃだめだよ田島
816名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 13:45:37 ID:5WRG6AyC
タジチヨいきます。
817タジチヨ:2007/08/14(火) 13:47:33 ID:5WRG6AyC
「しのーか、おっぱい触らして」
「えっ!?」

田島と篠岡は付き合い始めて一ヶ月。
篠岡が田島の部屋に来たのは今日が二度目だ。
篠岡自身、全く何もないとは思っていなかった。
しかしこうも直球ど真ん中の台詞を言われては
どう返事をしていいのかわからない。
「はいどうぞ」と、胸を出すわけにもいかないし
彼氏と彼女の関係なのだから断る理由もない。

篠岡が返事に困っていると、田島が口を開いた。
「ダメならいーよ。しのーかの嫌がることしたくないし。
そだ!宿題教えてくんない?数学ってさ、しのーかの
クラスのが進んでんじゃん?」
田島はまくし立てる様に喋ると、机の上に教科書やノートを並べ始めた。
「明日当たるんだよなー」と苦笑いしながら教科書をペラペラとめくる。
田島らしくない行動に篠岡は余計どうしていいのかわからなくなる。
818タジチヨ:2007/08/14(火) 13:48:53 ID:5WRG6AyC
「しのーか」
ほんの少しだけ低い声で名前を呼ばれ、篠岡は反射的に顔を上げた。
「ホント、嫌がることはしない。おっぱい触りたいのも
ホントだけど我慢する。だから怒んないで」
返事がないことを怒っていると思ったのか、田島の顔は叱られた子供の様だ。
篠岡は少し近付いて、田島のシャツの裾をきゅっと掴んだ。
「怒ってないよ。どう返事すればいいのかわかんないだけなの。
田島くんがストレート過ぎるから…」
怒っていないとわかって田島は安心したのか
にっこりと笑って、シャツの裾を掴む篠岡の手をとった。
「しのーかはオレに触られるの嫌?」
「嫌じゃ、ないよ」
「嫌じゃないってことは、好きってことだよな」
田島は篠岡の手を引き、そのまま抱き寄せると、耳元で囁いた。
「ね、しのーか。おっぱい触らして。嫌ならオレのこと突き放して」
「そんなこと」
(できるはずない…)
819タジチヨ:2007/08/14(火) 13:50:25 ID:5WRG6AyC
篠岡はぎゅうっと田島に抱き着くと、か細い声で呟いた。
「いいよ」
田島は篠岡の肩を掴んで自分から引きはがし、じっと篠岡の顔を見つめる。
「ホント?いーの?」
篠岡は真っ赤になりながら頷いた。
田島の顔がキラッキラの笑顔になる。
「でっでも恥ずかしいから、服脱がないでもいい…よね?」
「へ?」
そう言うと篠岡はスカートからシャツの裾を出し
背中に手を回してブラジャーのホックを外した。
(えぇぇええ?服の上から触らしてもらうだけでよかったのに!!
な、な、生チチ触っていいってことー!?)
田島の目が物凄く期待に満ちていて、篠岡はますます顔を赤くする。
「あ、あのね、田島くん…」
「はいっ!」
「ガッカリさせちゃうと思うから先に言っておきたいんだけど」
「なに?」
「私、の胸、ちっちゃい、からね」
篠岡は真っ赤になって視線を逸らした。
820タジチヨ:2007/08/14(火) 13:51:47 ID:5WRG6AyC
「しのーか、すげーかわいー」
田島は篠岡を自分の膝の上に抱き抱えると、左手を腰に回して篠岡の体を支え
右手をシャツの裾から侵入させた。
篠岡の肌の感触を確かめる様にして田島の右手はするすると動いて行く。
田島の手が胸に到達し、少し遠慮がちに動く。
「すっげ、やわらけー」
柔らかさを確かめる様にふにふにと胸を揉んでいた手が突然止まったかと思うと
キュッと乳首を指で挟まれ、篠岡は思わず声を上げた。
「あっ」
「きもちいーの?すげー乳首立ってる」
「だって…田島くんが…触るから…」
するりと田島の手がシャツから出て行き、篠岡は恥ずかしくて俯いていた顔を上げた。
「田島くん…?」
「しのーか」
ちゅ、ちゅ、と啄むようなキス。
「ごめん。嫌だったらマジ突き放して。しのーか、かわいすぎる。反則だ!我慢できねー!!」
「え?きゃっ!」
一瞬体が浮いたかと思ったら、篠岡は田島に押し倒されていた。
821タジチヨ:2007/08/14(火) 13:53:22 ID:5WRG6AyC
田島の手によりシャツがブラジャーごとずり上げられ、篠岡の胸があらわになった。
「やっ、恥ずかし…」
反射的に胸を隠そうとした篠岡の腕を田島が掴み、それを阻止する。
「やぁっ」
恥ずかしくて涙目になる篠岡に優しくキスをすると、田島は両手で胸を揉み始めた。
「んんっ」
「しのーか、声もすげーかわいー」
「は、はずかしっ…」
「いただきまーす!」
「え?」
ぱくりと田島が左の胸に吸い付いた。
「あっ!」
ちゅうちゅうと赤ん坊の様に乳首を吸い上げる。
右の胸はムニムニと揉まれっぱなしだ。
「あ、やっ……んっ!」
ちゅぽんっと口が離れ、吸い上げるのをやめたかと思ったら
舌が乳輪をなぞるように動き始めた。何度かそれを繰り返し
乳首をペロリと舐め上げると、フッと息を吹き掛けられた。
一瞬の冷たい感触が篠岡を襲い、声が出る。
「あっ」
「次はこっち」
楽しそうな声でそう言うと、田島は今までしゃぶりついていた
左の胸をムニムニと揉み始め、ぱくりと右の胸に吸い付いた。
先程左の胸にしたのと同じ様に右の胸にも舌で刺激を与える。
乳輪をなぞる様に舌が動き、やがてちゅうっと乳首に吸い付いた。
822タジチヨ:2007/08/14(火) 13:54:44 ID:5WRG6AyC
舌の先で乳首を突くようにしたり、転がすようにしたり、田島の舌が器用に動く。
「んんっ…あっ」
「あーもー、しのーかマジたまんねー」
田島はちゅ、ちゅ、と篠岡の顔中にキスをしながら、両手で胸をふにふにと軽く揉んでいる。
時折指で挟むようにして乳首を摘み、その刺激に「んっ」と
篠岡が反応するのを見ては「かわいー」「たまんねー」と感想を口にする。
一方篠岡は、恥ずかしさと気持ち良さでいっぱいいっぱいだ。
「しのーか」
胸を揉む手が止まり、田島が名前を呼んだ。
篠岡が恐る恐る目を開くと、田島はすごく気持ち良さそうな顔をしていた。
「すっげーきもちいー。しのーかは?」
篠岡の胸に手を置いたまま、田島はにっこりと笑った。
その笑顔に見取れていた篠岡だったが、ふっと我に返った。
(や、やだ。すごく恥ずかしい!!)
篠岡は自分の胸に置かれたままの田島の手をどけると、もの凄い勢いで起き上がった。
そして、ささっと服の乱れを整え胸を隠し涙目で田島を睨み付けた。
823タジチヨ:2007/08/14(火) 13:56:07 ID:5WRG6AyC
「田島くんのバカ!服脱がないって言ったのに…」
「だってしのーかがかわいすぎるんだもん」
「う…」
「つーかチンコたっちった」
そう言いながら田島は立ち上がり、部屋を出て行こうとする。
「田島くん?」
「抜いてくる。しのーかは服、ちゃんとしといて。そのまんまだとまた襲っちまう」
田島がフラフラと部屋を出ていくと、篠岡は服を直し始めた。
(あ、あれって、あれ、だよね?あんな風に大きくなるんだ…。
それに抜いてくるって、その、そうゆうことで…
ってやだ!私ったら何考えてんの!?)


おわり
824名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 13:57:31 ID:CoqaIxMB
かわえええww
GJGJ−!
825タジチヨ:2007/08/14(火) 13:57:37 ID:5WRG6AyC
お粗末さまでした。
中途半端なとこで終わっちゃってすみません。
田島はきっと「付き合って半年はやっちゃいけない」とか
謎の誓いを立てているんだと思います。
826名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 14:11:12 ID:UCwIMOoY
うわあああああGJ!!禿萌えた…
なんだこいつらの可愛さは
田島の最後の男らしさに脱帽
続き読みてぇ〜!
827名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 14:11:56 ID:azq+upMQ
なんか田島らしいwwwww
GJ(*´д`*)ハァハァハァ
828名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 15:45:59 ID:/EAzPxji
>謎の誓い
ほんとにそういうことやりそうだ田島w
829名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 20:16:25 ID:7dwRF+uB
>>825
謎の誓いww兄ちゃん辺りに吹き込まれてそうだ>付き合ってから半年は何もしてはいけない
830名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 21:59:06 ID:j0a+idlS
もう容量ぎりぎりだから新スレ立ててくるが、いいか?
831名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 22:16:11 ID:j0a+idlS
新スレ立ててきた

【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ5球目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187097023/l50
832名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 22:17:59 ID:CoqaIxMB
乙バッチー
小ネタ投下しようと思ってたんだけどあっちにしますね。
833名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 22:18:42 ID:j0a+idlS
あと、テンプレの注意事項は>>782が賛成されていたみたいだから
そうしといた
834名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 23:48:37 ID:XVOBrI8f
新スレ果てしなく乙ですー

テンプレもスッキリ簡潔で良いと思われ。
感謝!

あと、タジチヨGJ!
誓いいいねぇ!エロだけどピュアだよw
835名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 20:51:00 ID:ea4QoIAy
Ah boy meets you girl or boy meets ウメ
836:2007/08/15(水) 23:14:35 ID:J/53HGE5
いつの日か思い出すのだろう
このスレのことを
837名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 00:35:07 ID:XgKcpJQL
ドラマチックチック 止められそうにない 止めたいと思わない
いま、スレがあって神がいる風景 それだけで夏いね
838名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 01:28:18 ID:EfREbxax
永遠(とわ)に続きそうで 一瞬の 1000ゲット
839ルリ凌辱:2007/08/16(木) 03:03:25 ID:QKfCvocY
前は篠岡凌辱かいたので
今度はルリver書いてみました
いろいろ書いてたらちょっと長くなってしまいました
てか・・・前と同じような内容なんでおもろくないかも・・orz
840ルリ凌辱:2007/08/16(木) 03:04:38 ID:QKfCvocY
「ルリ今度西浦こない?」
「えっ!急にどうしたの?」
「練習試合があるんだ。だから・・応援に来ないかってこと・・・」
「いいの?いつもは来るなって言うくせに・・・」
「ルリに来てほしいんだ!」
「!!・・・うんわかった・・絶対にいくね!」
「うれしいよ・・ありがとう」
「ううん・・私だってうれしいよ!」
じゃあと言って携帯を切る、ルリは携帯を抱きしめながらドキドキする心臓を必死に抑えようとした・・・
「あのレンレンが私を必要としてくれるなんて・・・ようし!こうなったら頑張って応援しよっ!」
841ルリ凌辱
・・・4日後の日曜日・・・
西浦高校にて練習試合が行われた、見事に廉は完封し勝利した・・
その日の部活は終了しグランド整備も完了道具を片づけていたらルリが寄ってきた
「レンレン、カッコよかったよ・・・」
「そう?ありがとう・・」
「今日は来てよかった、誘ってくれてありがとね」
「また、来てくれると嬉しいよ」
「うん!また来るよ!」
「あ・・着替えるからちょっと待ってて、一緒に帰ろうよ」
「うん、わかった待ってる。」
〜30分後〜
「レンレン遅いなぁ・・どうしたんだろ」
ピピッと携帯を操作し廉に連絡を取る
「もしもし?レンレンどうしたの?なにかあったの?」
「ちょっと部室でゴタゴタがあって・・できれば部室まで来てほしいんだけど・・・」
「?・・まぁいいけどさ・・・」
「じゃ、待ってるよ・・」
「???なんか・・・いつものレンレンと雰囲気が違うなぁ・・」
練習試合のことで電話があった時から実は感じていた違和感・・
「レンレンがこんなに自己主張することなんてなかった、いつもオドオドしてたのに・・・
西浦に来て性格が変わったのかな?」
まぁいいか、とルリは疑問は拭えなかったが部室へ急ぐことにした・・
「ここかぁ・・」
野球部部室に到着したルリ、部室からは何も音は聞こえてこないシンと静まりかえっていた。
「なんだろゴタゴタがあったって言ってたけど・・・」
ドアノブに手をかけガチャリと重いドアを開けた・・
「失礼しま〜す・・」
中に入ろうとした瞬間後ろから抱きつかれ何か布を顔に当てられた。
「え・・・あぅ・・・」
ドサッ・・気を失いその場に倒れてしまう・・・
「まったく・・単純だなルリは・・」