☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第十九話☆

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1名無しさん@ピンキー
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.エロは無くても大丈夫です。
2.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に確認又は注意書きをお願いします。
3.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。

『マナー』
【書き手】
1.他の書き手がSSを投下している最中またはその直後に投下するのは避け
  ましょう。ある程度レスがつくのを待ってから自分の作品を投下しましょう。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れるか、 「1/10」「2/10」
  …「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
5.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  あと投稿前に「投稿していい」と聞いたほうが安全です。

【読み手 & 全員】
1.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。

リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 14:15:07 ID:aDsIDt3l
『リンク』

【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第十八話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1181475489/

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSSスレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182002145/
【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/
【参考資料】
・Nanoha Wiki
 http://nanoha.julynet.jp/
・アリサだもんっ!
 ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
(キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)
3名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 14:18:38 ID:ZmMnH/dD
>>1
乙。
4名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 14:20:33 ID:nyKdXIlQ
>>1
5名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 14:59:16 ID:EBGHecDb
乙!
6名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 15:05:01 ID:Ws8kHehV
>>1
ウチに来て赤毛の少年を[検閲済み]していいぞ!
7246:2007/06/24(日) 15:18:26 ID:I4Ur2u0r
乙であります

毎度感想をありがとうございます246です

いつの間にか、新たなスレが立っていて少しびっくり。ん〜早い

前回の続きを投下します

エリオ君のストラーダ、活躍してると嬉しいなと

では。
8246:2007/06/24(日) 15:19:23 ID:I4Ur2u0r
もう、何もかも分からなくなりそうだった。
 鋭い刺激に顔をしかめ唇に触れる。
 いつの間にか唇を噛み切っていた。流れた血が顎を伝い、涙と共に落ちていく。

 ――――どうでも良かった。

 「はぁっ、んあぁ! なのはぁっ! なのはぁぁっ!!」

 大切な人に跨り、だらしなく涎を垂らしながら腰を振り続けている人。

 ――――吐き気がした。

 「ふあぁっ、く、あぁっ! あぁぁっ!!」

 そんな彼女に同じように腰を打ちつけ、叫び涙を流して喘ぐ大切な人。

 ――――ただ、悲しかった。

 少女は涙を流して考える。
 いつまでも帰ってこない彼が心配になって。
 いつまでも襲い続ける不安に耐え切れなくなって。
 寝間着のまま、隊舎の外まで探しに来てて。
 何故気づかなかったんだろう。彼が何処に向かっていたのか。
 何故忘れていたのだろう。あの時の痛みを。

「っ……」

 思い出した痛みに顔をしかめ、今度は膝を屈した。
 知らないはずが無かった。あの痛みを。
 知っているはずだった。あの時感じた不安を。
 あれはそう、自分を見ているようだったんだ。

 ――――あ、あのなのはさん!

 ――――どうしたの? 何か相談かな?

 頬を撫でられた感触を思い出す。
 バインドで拘束されたときの絶望を思い出す。

「どうして……っ!」

 少女が怒りか、それとも彼をこのままにしておくことしか出来ない自分の無力さに
か。地面に力いっぱい拳を叩きつけ、理不尽な全てを呪った。
 あの時は、彼女しかいなかった。
 あの人は知らなかった。彼も知らなかった。知って欲しくもなかった。
 知っているのは自分と彼女。
 涙を流しながら俯いていた顔を上げる。窓越しに、どうしようもない殺意を抑えず
睨み付けた。

「……っ!」

9名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 15:19:31 ID:DTzWBWfq
前スレ668さんへ
ttp://stage6.divx.com/
ちとサイズがでかいが一話一本で入ってるしなにより画質高い。確か全部揃うはず。
直接見るよりダウンロードしてからのがいいのとコーデックか対応プレーヤー必要だけどおすすめ。
ちなみに自分はGomPlayer使ってます。

遅れましたが>>1乙です!
10246:2007/06/24(日) 15:20:43 ID:I4Ur2u0r
 いつから気づいていたのか。初めから気づいていたのか。
 それとも、そもそもこうなることを確信していたのか。

『どうしたの、混ざりたい? いいよ私は。久しぶりにキャロのこと気持ちよくしてあげるよ?』

 分かるのは、少女を見つめ嗤っている悪魔だけ。
 少女が知っているのは、忘れようとした過去の痛み。
 あの、悪魔の笑みが向けられた時の圧迫感も、あの瞳に魅入られた後の快楽も。
 一度は自分に向けられたもの。

 ――――はぁっ、気持ちいいです! もっとっ、もっと欲しいです!

 少女が苦悶の声を上げる。
 体が、疼いた――――。

魔法少女リリカルなのは
―受け継がれるもの―
(4)



「ん、はぁっ! あぁっ! いいよぉぉっ! 気持ちいよぉぉっ!!」

 それは、まるで貪るような動きだった。
 エリオを押し倒して跨り、フェイトはただひたすらエリオの肉棒を味わっていた。
 フェイトの愛液とエリオの精液。二つが混ざり合ったぐちゃぐちゃという音が、抑
える事無く響き渡る。
 フェイトの喘ぎ声は更に激しく。
 エリオの泣き声は、そのどれよりも激しかった。

「あぁっ、はぁっ、はぁっ! イキます! イッちゃますぅぅぅ、あぁぁぁ!!!」
「そうだよっ! ちゃんとイクって言うんだよっ! 私もなのはに教えられたんだか
らぁぁ!!」

 何度目か分からないほどの、精液がフェイトの子宮に放出された。
 フェイトは更に甲高い声をあげながら、それでも腰を動かすのを止めはしない。
 何度も何度も、抜かずにエリオの白濁を受け続けるフェイトの膣口から、精液があ
ふれ出し、彼女の腰を動きをより淫らなものへと変えていく。

「はぁっ、フェイトちゃんのとエリオの精液……」

 あふれ出たものを舐めるのはなのはの役目だ。フェイトの尻に顔を押し付け、彼女
とエリオ、2人のあふれ出したものを舐め続ける。
 舐め終わり存分に味わった後は、全てをフェイトに与えていく。

「はぁっ、なのはのキスもぉぉ! エリオのザーメンもぉぉ!! すごい美味しい
よぉぉ!!」

 既に少年の精の貯蔵は、当の昔に限界を超えている。それでも尚、叫びと共に大量
の精液を放出できるのはなのはの魔法。
 たとえ精が尽きようとも、たとえそそり立つものが萎えようとも、捕食者達は許し
はしない。
 少年の役目は、2人に精を分け与えること。泣きながら、2人に己の肉棒を差し出
すことだけだから。
11246:2007/06/24(日) 15:21:37 ID:I4Ur2u0r
「またっ! く、あぁぁっ、いくぅぅぅっぅぅぅ!!! あぁぁぁっ!!」

 大量の精液がフェイトに放出され、エリオは幾度となく教えられたとおりに、フ
ェイトの腰に己を突き出した。
 フェイトの尻を掴み、腰を打ち付ける様は誰が見ても陵辱される者と変わらない。
 だが、強引に貪られることも、強引に魔法をかけられる事も、少年の心に苦痛を与
えるものではない。
 その涙ですら、少年が悦んでいる証だった。

「なのはぁっ、なのはぁっ! もっと欲しいのぉ!! 止めないでぇぇ!!」

 なのはに精液を口移しされ、白い糸を引いて離れたなのはの口に、フェイトは再び
求めるように吸い付いた。

「うんいっぱいあげる! キスもエリオのザーメンもっ! 全部フェイトちゃんに上げるからぁ!!」

 なのはがエリオの顔面に跨り、腰を押し付ける。
 フェイトのものに比べれば、なのはの汚れは微々たるものだ。彼女が垂らしている
のは、フェイトが乱れる姿に興奮する己の蜜だけ。

「エリオォ! 舐めて! 舐めなさい! ちゃんと私のことも気持ちよくしてぇぇ!!」
 そのまま、息が出来ない苦しさに呻くエリオの顔面に蜜をこすり付ける。エリオの事などお構いなしに、顔の上で激しく腰を動かした。
 エリオに跨り共に腰を振る二人は、そのまま顔を押し付けあって、淫らに舌を絡ま
せる。

「はぁっ、ふぁっ! エリオ足りない! もっとベロベロなめるのぉ! フェイトちゃんで教えたでしょっ!」

 なのはの要求に、エリオはこたえる余裕などありはしない。
 既に腰は別の生き物として生きている。いや、その腰に命などなく、彼女達を
悦ばせる道具へと成り果てた。
 道具に疲れなど必要なく、無限に精液を吐き出し続けるため造られたそれは、休む
事無く動き続ける。
 だが腰は別のものでも、その体は命のあるもの。
 息をまったく吸えない苦しさで、頭が真っ白になっていく。それでも、なのはが乱
れられるのは、フェイトの姿と酸素を求めでもがき続けるエリオの苦しさ故。

「ひゃうっ! はぁっ、もっと、もっとっ、もっとぉぉぉ!!!!」

 腰を思い切り跳ね上げたことで、エリオの肉棒が久方ぶりにフェイトから開放され
た。そこに現れたのは、これまでの放出が嘘のような雄雄しい肉棒。
 だが、それは少年のもの。何処までも硬度を保とうと、その姿が少年の域を出るこ
とは不可能だ。
 年相応の、もしくはそれよりもやや大きいだけのものが暴れるホースのように白濁
を放出する。
 精液噴水が、乱れる二人を白く染めた。
 息が出来ない、少年の目の前も白く染まった。

「はぁ、はぁ……」

 時が止まった。獣のような息を吐きながら、いつまでたっても仕事を再開させない
腰を見下ろす。

「……起きなさい」

 苛立たしげにそれを踏みつけ、なのはが踏み潰すように足を捻った。容赦なく、与
えられた役割をこなす事すらしない、肉棒に罰を与える。
12246:2007/06/24(日) 15:22:26 ID:I4Ur2u0r
「エリオォ……なのはが怒っちゃうよ? ちゃんと起きて。また、私に精液頂戴」

 なのはの蜜が塗りたくられたエリオの顔を、ペロペロと可愛く舐める。その姿は、
まるで子猫そのもの。だが、その心は精液を望む淫乱な雌のもの。
 エリオが苦悶の声を上げた。それは無論フェイトの刺激からではなく。

「ほらエリオ、このまま、少しずつ力込めちゃうよ?」

 そう、嗜虐の笑みを浮かべたなのはからの激痛だった。


 荒々しく、下着を破り取った。
 何も考えず、それだけを考えて指を出し入れした。


「はぁっ、くぅっ……」

 少年の苦しげな、だがどこか心地よさそうな声がした。
 彼の肉棒に、肉食獣の舌が押し付けられていた。

「えりお、気持ちいいよね?」

 吸い付き、フェイトが亀頭を舐めしゃぶる。鈴口を舐め、溢れ出たエリオの蜜を飲
み込んだ。
 そのすぐ近くでは、なのはの興奮しきった熱い吐息。
 
「エリオの、可愛いい。小さくて、色も変わらない……どう? お尻の穴舐められる
のは」

 エリオの足を両肩に置き足を抱え、上半身だけを床につけさせたような格好で、なのははエリオの尻を左右に広げた。
 舌で穴の周辺をくすぐり、奥まで差し込んでいく。
 フェイトはその間、震え続ける肉棒を咥えながら、足りないとばかりに滾る己に指
を突っ込む。

「あっ、いやっ、イヤだ! そんな所っ、止めてください!」
「駄目……エリオのここ、ひくひくして、気持ちいいんでしょ?」
「おちんちんも、こんなに暴れて……なのはに舐められるの気持ちいいって言ってる
よ?」
「あぁっ……!」

 声と共に白濁を吐き出し、待ち構えていたようにフェイトが顔で受け止めた。
 はぁっ、熱い息を吐きながら口にたまった白濁を飲み込み、顔で受けたものの感触
を手で確かめた。

「こんなにベトベト、顔もおっぱいも……」
「本当だ……んん……エリオの精液、フェイトちゃんの汗もかな?」
13246:2007/06/24(日) 15:23:12 ID:I4Ur2u0r
差し出された胸に舌を這わせた。フェイトが自分の胸を揉みしだくのに合わせ舌を
動かす。エリオが、更に激しく声をあげた。

「あっ、あぁっ!」
「どう、奥まで入ってる? ちゃんと私の指の感触味わってるかな?」

 指を根元まで突っ込み振るわせた。折り曲げた指に、エリオの肉棒が跳ね上がる。
それに気を良くし、なのはは更に指を捻っていった。


 後ろの穴も前の穴も、両方に指を突っ込んだ。
 突き出した舌が震え、興奮しながら何度も何度も彼の名前を呼んだ。


 指を抜くと、そこには以前よりも僅かばかり広がったエリオの穴。
 フェイトが傷を癒すように、舌で舐めていく。そのじんわりと広がる感触に、エリ
オが背中に無視を這わせたように体を震わせた。

「はぁっ、んっ……」

 開放されたエリオが再び味わうのは、肉を噛み千切られる感触だ。
 フェイトが、エリオの亀頭を入り口に擦りつけながら抑えられずに尻を振った。

「なのはもぉ、久しぶりにしてぇ……」

 背後からはなのはのつや声。フェイトが尻を広げて、期待のまなざしを送り続ける。

「ん、フェイトちゃん……もっとお尻広げてね」

 現れたのは、エリオのよりも数倍の大きさを持つ剛直だ。毎晩フェイトに数々のプ
レイを楽しんでいるなのはが、このような便利な魔法に手を出さないはずが無い。
 どす黒く、もはや人のものとは思えない邪悪さを持ったなのはの剛直に、フェイト
が期待のまなざしと共に唾を飲み込む。
 なのはが剛直を擦り上げながら、フェイトアナルに亀頭を埋める。

「はぐぅっっ! 来たぁ! 来たよぉ! なのはのっ、なのはのっ、太いのぉ!」

 削岩機を飲みんでいくフェイトのアナル。収縮を繰り返し、穴の周りを盛り上げな
がら亀頭のカリがフェイトの腸壁に刺激を与えた。

「はぁっ、はぁっ、全部入ったよ!? こんなに太いのにっ、フェイトちゃんのお尻が全部飲み込んだんだからね!?」
「だってっ私の体はなのはのだから! お尻もぉ! おまんこもっ! なのはが全部
っ、気持ちよくしてくれたからぁぁ!!」

 なのはの剛直を締め付けるフェイトの括約筋。その便意の様な苦しさにフェイト
が喘ぎ、エリオの肉棒を締め付けた。

「あぐぅ!!」

 共に目を見開いたフェイトとエリオを見下ろす、場の支配者が激しくピストンを開
始した。

「ほらほらっ! 二人とも腰が動いてないよっ! フェイトちゃんもっエリオ
もっ、もっと腰を振らなきゃ……駄目っ!!」
「ひゃっぁ! あぁっ、なのはのがっ、凄いのぉぉぉ!! 私のアナルっ! 私の汚
いところっ、なのはに犯されてるのぉぉぉ!!!」
14246:2007/06/24(日) 15:24:38 ID:I4Ur2u0r
腸の粘膜を擦られ、それでもフェイトが両の槍を貪るように腰を動かす。蜜が湯水
の様にあふれ出し、腸壁からはもっと犯されたいと腸液が染み出した。
 エリオの腰もまた動き出す。狂いそうな快楽が、ピストン人形のスイッチを叩きつ
ける。
 二人分の体重が乗っているののも関わらず、叫びを上げながら腰を動かしたピスト
ン人形が、瞬く間にフェイトの子宮に白濁を吐き出した。

「はぁっ! はぁっ! イクッイクッイッちゃうよぉっぉっぉぉっぉ!!!」

 子宮への刺激に、フェイトの体が痙攣するようにビクリと震えた。
 フェイトのアナルがなのはの剛直を締め付けた。なのはが、フェイトの最奥に腰を
打ち付け己の欲望でフェイトを汚す。

「またっ! なのはぁぁぁ!!! 動かないでっ、またイッちゃう! ん、あぁっ、いくぅぅぅっぅぅ!!」
「まだまだっ! こんなもんじゃっ、ないからね! 変態のフェイトちゃんはっ、
こんなんじゃ足りないでしょっ!?」

 休む暇など誰にもない。この支配者は、まだ全てを汚してない。
 フェイトのアナルがそれに応えるようにに脈動を再開させる。
 なのはが罵るようにフェイトを攻める中、涎を撒き散らし喘ぐフェイトが、エリオ
の肉棒に刺激を与えた。


 少女が薄い胸を揉みしだく。固く尖った乳首を抓って捻る。
 足りないとばかりに、陰核に爪を立てた。


「ひゃうっ! あぁっ、またイク! また、い、あぁぁぁぁ!!」

 フェイトが、狂ったように腰を振り続ける。何度も潮を吹き出して、イキつづける。
 ドロドロに抱き合って、ドロドロに犯し、犯され、犯しあい、3人がよがりあう。

「もっと突いてぇぇっ、エリオっ動くのぉぉぉ!! もっと私を気持ちよくさせてぇぇ
ぇ!! 」

 もう何も見えない暗い瞳が、涙を溢れさせていく。喜悦の涙を浮かべ、何もかもが
どうでも良くなる。
 フェイトが望むことは何もない。
 なのはにアナルを犯され続け、体の中がなのはのものに変わっていく。
 エリオに肉棒を貪り続け、精液を飲み込んでいく。
 もう、それでいい。
 人の語らいも、理性も、使命も何もない。
 あるとすれば、二つだけ。
 なのはに犯されることと、エリオを犯すこと。それだけだ。

「はぁっ! フェイトさんっ、フェイトさんっ、フェイトさん!!」

 少年は唯ひたすらに貪られる。
 腰を動かし続け、精液を吐き出し続け、壊れ続ける。
 精液と二人の愛液と、汗と涎を混ぜあって、ぐちゃぐちゃという音がエリオの鼓膜
を震わせる。
 支配者と奴隷と、2人に使われる玩具となって、それが死にそうなほど気持ちよか
った。
15246:2007/06/24(日) 15:25:42 ID:I4Ur2u0r
「んっ、はぁっ、ふぇ、フェイトちゃんっ!、もっともっとっもっともっともっとぉぉぉぉぉ!!」

 この場で一番壊れた支配者が、フェイトの胸を鷲づかみしに、腸壁を擦って叫び続
ける。
 フェイトの胸と肉感のいい尻が揉みくちゃにされ、形を変えながら、淫らな涎を垂
らす様に更に腰を動きを加速させた。
 イキ続けるのは、フェイトを汚すのと変わらない。フェイトを汚し続け、腰を動か
す様は獣のよう。
 既に理性などありはしない。そんなものは、フェイトを犯すのに必要ない。
 既に感情などありはしない。そんなものは、フェイトへの愛情で一杯だ。

「あぁっ、精液っ! 私のザーメンでっ、フェイトちゃんを汚すのぉぉ!! そ
れで一杯フェイトちゃんをっ、イカせて! もっともっと、あぁっ、何もかもっ! 私のものなのぉぉぉ!!」

 なのはの激しいピストンに、フェイトのアナルがめくれていく。ピンク色のフェイ
トがなのはの前に顔を覗かせた。
 我慢できずに剛直を引き抜き、フェイトのアナルにしゃぶりつく。激しいキスを、
ピンク色のフェイトに送り続け、自分の精液とフェイトの腸液を吸い続ける。

「なのはぁぁっ汚い!! 舐めないでぇぇぇ!!」
「汚いのっ、フェイトちゃんの汚いのっ!! もっと見せてもっと舐めさせて、いっぱいいっぱい私に頂戴ぃぃぃぃぃぃ!!」

 目の前には、自分の精液に吐き出し続けるフェイトのアナル。
 その下には、エリオの肉棒に食らいつくフェイトの膣。
 フェイトの尻に顔を埋め、音を立ててしゃぶりつく。
 フェイトがエリオの精液を、飲み込みきれずに漏らしていく。
 エリオが叫びをあげながら、フェイトの中でイキ続ける。
 壊れた獣達が、一人の少年を壊し続ける。
 もう何もかも。
 すべてが、おかしくなっていた。
16246:2007/06/24(日) 15:26:56 ID:I4Ur2u0r
 * * *


「はぁっ、あ、んっ! エリオ君……気持ちいいよぉぉぉ!!」

 いつの間にか部屋に戻っていた。
 扉を閉めることも忘れ、それを手に取った。
 己のデバイスに、強引にそれを解放させた。
 普段から少女の魔力を受けているそれは、さして抵抗することもなく少女の望む形へと姿変える。
 何度も何度もただ貪った。何度も何度も頭の中で想像していた。
 何度も何度もあの二人に混じって、少年のものを貪り続けた。
 たとえ、その場にいなくても。
 少女がいたと思えば、見えていなかっただけでそこに少女はいたのだろう。
 もう、何もかも。
 すべてが、おかしくなりそうだった。




 その日は、なのはさんとフェイトさんに抱かれながら眠りについた。
 次の日、僕となのはさんは初めて訓練に遅刻した。
 なのはさんを起こしにきたんだろう、みんなが絶句しながら裸の僕達を見ていた。
 その中にキャロがいて、みんながキャロから僕達を遠ざけるように慌てていた。
 その時に一瞬見たキャロの目が、忘れられない。
 全然違うのに、あんな一日中泣きはらしたような目だったのに。それでも、何かを伝えようとしていた。
 それが僕には、何だかは分からなかった。


 ――――ごめんなさい。 


 ただ、その目が酷く冷たそうに見えて。
 昨日の夜、なのはさんに見られたときのような感じになって。
 もっとその目で見て欲しいと、そう思った。



今回は以上です。ありがとうございました

次回から、キャロ修行編が始まるかもです

17名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 15:37:50 ID:DTzWBWfq
>>16
GJ! 3Pたまりません。キャロの動向が気になります。次回作も楽しみにしてます。
それと、割り込み大変申し訳ありませんでした。以後気をつけます。
1818スレ308:2007/06/24(日) 15:44:55 ID:ejUDZUId
>>16
GJ!
投下しようと思ったけど少し待ちますね。
19名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 16:10:42 ID:Ws8kHehV
>>16
ああ、遂にエンゲージ……しかも最悪の形で
鬱ってレベルじゃねーぞ!

ちゃんとフォローが入るんだよね、ね?お願いだからそうだと言ってよバーニィ!
20224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/06/24(日) 16:44:42 ID:EBGHecDb
>>16
スバラシイ!
実にスバラシイ!

>なのはさんを起こしにきたんだろう、みんなが絶句しながら裸の僕達を見ていた。
スバルとティアナの反応が気になる!

最後エリオとキャロがどうなるのか、どう収まるのかワクテカしてます。

>>19
ラストは小説版であって欲しいと思う。
あの、僅か数行のセリフでどれほどうれし涙をながしたことか!
21y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 17:32:35 ID:aDsIDt3l
こんちは今回の>>1です
 Mary Sueテスト(オリジナルキャラ使用者チェック必須)
 ttp://iwatam-server.dyndns.org/column/marysue/index.html
こちらの事忘れてました、申し訳ありません
テンプレ追加は次スレから入れるかどうかご検討下さい


>>16
乙です、なのはさんマジ外道w
>>18
じゃあその次まで待ちますね〜
22名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 17:46:45 ID:bu7N5Jqf
>>16
激しいなwwwwwwwwwGJ!
234の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/24(日) 17:50:57 ID:aZY/ab+I
 こんばんわ。4の422です。
 2週間で新スレとは早いを通り越してるな、以前のラッシュ時より凄くね?w

 と、前スレでUSBメモリ紛失とか言ってたんですが、正確には「盗難」だったわけでして…
 USBメモリも大問題だったんですが、なにより自分の名前記入済みの「婚姻届」ごと、
鞄を丸ごと盗まれてしまってたわけでして…
 で、なんとか見つかりました。落し物として届けられてましたですよ。
 財布の中身は無くなってましたが…カード類を速攻止めてたんで被害は最小限で済んだ
みたいで、まぁ、一安心。
(警察曰く。婚姻届見て多少犯人にも後ろめたさが出て届けたんじゃないか、とのことでした)

 …は、私事なんでまぁ、おいといて。
 とりあえずもう1人、の続きであります。
 後半どぎつくはしょった感があるかと思いますが、さすがに挙式1週間前、もう見直し
とかしてる時間なんかありゃしません。次回補完ってことにw
 かなりの乱文になってるかもしれませんがご容赦を、次の投下がいつになるか全く見当
がつかないので orz
24名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 17:51:38 ID:sLmjdZkX
>>23
よかったな!
254の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/24(日) 17:52:41 ID:aZY/ab+I
 ってー、何、投下の順番待ち?!
 うわ…えーと……じゃぁ…今日明日くらいは無理なのか…了解……
26名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 18:00:11 ID:4zd588IY
上の作品にある程度レスついたらいいんじゃないでしょうか。
スレの勢い的に、行列が出来そうなイメージがあるのですが。
27魔法少女リリカルなのはWing's 2章 前編 1/3:2007/06/24(日) 18:04:15 ID:ejUDZUId
そんなわけで投下します。
今までUPロダ使ってましたが、スレに載せても問題無いっぽかったので初の試みですが……。
前話無いと解りにくい話かもしれませんが、欲しい方はレスして頂ければまたロダに上げる予定です。

2章

「へえ、珍しく二人とも揃ってると思ったら仕事で同じ場所になったんだ?」
 黄金色の長髪に左右の上部を結った少女、アリサ・バニングスが一緒に下校中のフェイトとなのはに話しかけた。
「うん、1年近く一緒にお仕事してなかったから楽しみなの」
「そうだね、1年ぶりだもんね」
 問われた2人も、喜びを隠せない様子で返答する。
「あらあら、なのはちゃんもフェイトちゃんも相変わらず仲良しさんだね」
 そこへ紫色の長髪にヘアバンドを着けた少女、月村すずかが嬉しそうな少女2人と一緒に笑みを絶やさず声をかけた。
「うんうん、いつもよりフェイトちゃんと一緒にいられるからホント嬉しいよ」
「うん、私も……あ、なのは。もう行かないと時間になるよ」
 フェイトが現地時刻を確認したらしく、なのはの手を引き駆け足の用意を始める。
「ええ!? もうそんな時間? ごめんね、アリサちゃん、すずかちゃん。またねー」
 フェイトに手を引かれ、慌ただしくなのはも走り去っていった。
「ホント最近忙しいのねあの2人は……」
 アリサは少々不機嫌そうな口調であったが、去って行った2人を笑顔で優しく見送っていた。
「アリサちゃん、あれ……」
 不意にすずかがアリサの制服の裾を掴み、ツインテールの少女2人を見送った場所とは別の場所を指さした。
「あれって……」
 アリサがすずかに指摘された遊具が集まっている場所を見ると、2人の間にしばらく沈黙が続いた。
 後頭部の付け根辺りで長めの髪を大きなリボンで束ねている1人の少女が、ブランコを短い髪の少女とポニーテールの2人の少女を交互に追いかけていた。
 短髪の少女の方がジャングルジムの編み目を華麗に抜け、ポニーテールの少女に何かを投げると、お下げの少女は何かを受け取った少女へと追いかける相手を変更する。
「いじめ……だよね。あっ、アリサちゃん!」
 すずかが隣にいたはずのアリサに返答を求めたが、当人は既にいじめの現場へ足を踏み出していた。
「止めなさいよ!」
 すずかがアリサへ追いついた時には、すでにその声が現場付近にいた全員に響き渡った。
28魔法少女リリカルなのはWing's 2章 前編 2/3:2007/06/24(日) 18:05:42 ID:ejUDZUId
「あなた誰? 別にあんた達とは関係ないでしょ? ほっといてよ!」
 虫の居所が悪い様子でアリサへ返答したのは短髪の少女の方。
「そうよそうよ、こんな貧乏人なんてこの学園に居ない方が良いのよ。ほーら、悔しかったら取ってごらんなさいよ、この貧乏人」
 続いて人を見下した態度で、お下げの少女をからかいながら返答したのはポニーテールの少女。
「あなた達……」
 その様子を見て、アリサには1つの光景が思い浮かんだ。
 4年前……自分がすずかのヘアバンドを取り上げてなのはに叩かれた時の光景を。
「あ……アリサちゃん!?」
 あの時と違って相手が静止を聞かなかった。
 その地点でアリサのやるべき事は決まっていた。
 すずかの静止が終わる前に乾いた音が付近に響いた。
「痛い? でも大事な物を取られた人の心はもっともっと痛いんだよ?」
 アリサがポニーテールの少女へ張り手を入れていた。
 そう、あの時自分がなのはにされた事と同じように……。
「な、何様のつもりよ! こんな物が欲しいならくれてやるわよ。後で覚えてなさい!」
 張り手を受けた当人は泣き喚き、短髪の少女が泣いている少女からいじめに使っていた物を取り出し、アリサに投げつける。
「良いわよ。いつでも来なさい」
 泣いている相方をなだめながら捨て台詞を残しつつ退散する相手に、アリサは自身満々に見送った。
「はい、これ」
 アリサが受け取った物は、2本の細いチェーンに青緑色をした宝石が2個括り付けられている腕用のリングだった。
 それをそのままお下げの少女へ手渡した。
29魔法少女リリカルなのはWing's 2章 前編 3/3:2007/06/24(日) 18:08:04 ID:ejUDZUId
「あ……ありがとう」
 予期せぬ事態にしばらく硬直状態だった少女がようやく動き出す。
「でも、もう私に関わらないで」
 しかしその少女の表情は暗いままで、目線はずっと地面へ向けられていた。
「はあっ!? 何よ、そのいかにも【自分は不幸だから構わないで下さい】って雰囲気は? そんなんだからいじめられるのよ!」
 今度はアリサがお下げの少女を虐めかねない雰囲気だ。
「だって……あいつらの言ってた事……本当、だもん……」
 語尾を弱め、今にも泣き出しそうな声色で答える。
「アリサちゃんも落ち着いて」
 ついに見かねたのか、すずかが割って入った
「あー、もう良いわよ! 先に車の中で待ってるから、後はすずかに任せたわ」
 振り返った後ろ姿からでも解るほど苛立ちを隠せない様子で、アリサが校門へと歩き出した。
「ごめんね。アリサは真っ直ぐな子だから、ああ見えても心配してるだけだから気を悪くしないでね」
「あ、はい……」
 優しく語りかけるすずかに、泣きそうなお下げの少女は更にとまどっている。
「あなたの気持ちは良く解るよ。いじめられてる子を助けた人がいじめられっ子になっちゃうって心配してるんだよね?」
 言葉を出すのもつらいらしく、首をそっと縦に振り、動いたお下げと一緒に少女が答える。
「答えてくれてありがとう。でも、私達はそれぐらいの事じゃ全然平気。だから、あなたが良ければお友達にしてくれないかな?」
 かつてこの小学校に入ってから誰1人として言ってくれなかった言葉。
 それが今、この場で叶おうとしている。
 だが、少女には願いだった友達を作る事よりもやるべき事があった。
 その為、その感謝をただ涙を流す事でしか表せなかった。
「あり……がとう。でも……答えはもう少し……待って……欲しい」
 涙をこぼさないよう制服の袖で拭いつつ、嗚咽が混じりそうな途切れ途切れの口調ですずかにそう言った。
「解ったよ。明日もここを通るから、良かったらお話だけでも聞かせてね」
 すずかは去り際でも涙を堪えている少女を心配しつつ、校門から姿が見えなくなるまで時々振り返りつつ笑顔で手を振っていた。

こんな感じで前編終了です。
次は再び戦闘シーンの予定なのでお楽しみにお待ち下さい。
30名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 18:09:30 ID:8muqnL/d
盛り上がってるとこちょいとごめんなすって
いえね、凌辱はお断りいれるのに本番シーンはお断りなしでいい
ってちとおかしくないですかね?ええ
31名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 18:10:07 ID:hznollrm
>>29
乙!

最近流れが速くていいねー
遅ればせながら>>1
32名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 18:18:13 ID:5QPMXiat
>>27
ロダだと保管庫に収録されないんじゃない?
毎回ロダに上げる訳にいかないし、そのための保管庫だから。

>>30
いや、ここ、エロパロ板だし。
3318スレ308:2007/06/24(日) 18:45:50 ID:ejUDZUId
>>32
最初、今書いてる物を投下しようとしたら
荒れる可能性があるからロダでやってくれって話になりまして
今に至る次第であります。
保管庫に登録されしだい追記で入れておきますかね……。
34224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/06/24(日) 20:54:03 ID:EBGHecDb
……この世界には“あるかでぃあ”なる職人にとっての理想郷なるものがありましてね……

『 ttp://mai-net.ath.cx/bbs/ss_t_bbs/tree.php?bbs=toraha 』


いえ、たいしたことではないんですが……、
35名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 21:10:22 ID:u1ckqn4g
>>23
まず他のなによりも婚姻届が戻ってきてよかったよかった。
投下を待ってるぞ。
36名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 21:19:02 ID:Al5U2yDz
>>23
色々と肝心なものが無事で何よりでした。
投下、楽しみにしてます。
あと、たまにはクロなのなエロの方も(ry

クロなのって甘ラブはそれなりに見かけるのにイチャつきの割に
その先のエロは意外に無いですからねえ…
37名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 21:28:12 ID:b+2qvi9H
凌辱とか輪姦とか二次元だけど人としての在り方をブチ壊すようなものを見るて気分が悪くなるのは私だけ?
38名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 21:30:52 ID:CyWx6hPV
>>37
だからこそ読む前の注意事項に目を通すのが重要なわけで。
39名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 21:36:58 ID:MmdJUJ9D
>>37
俺もそうだが、長いこと二次元に浸かっているうちに慣れてきてもうた。
そのうち反転して好きになってしまう可能性もあるかもしれん。
40y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:49:07 ID:aDsIDt3l
>>27
GJ、最初の奴から見させていただいてます

それじゃ次の人居るみたいだし投下します
・エロあり、ユーノ×ヴィータ
・基本ロリ

41y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:50:07 ID:aDsIDt3l
ユーノの君の華麗な性活 〜淫獣と呼ばれた男〜




―ヴィータ―シーン1 ―6課食堂―



「…つーわけでさーシグナムの奴…、って…聞いてるかリイン?…なーそもそもオイ
 珍しいじゃねーか…お前、なんでそのサイズなんだ?」
幸せそうな顔でチューチューとアイスフロートサイダーを吸っていたリインが

 ハイです?と不思議そうに顔を上げた

「…だからよ、お前…そのサイズだとエネルギーの消費効率が悪いとか言ってたじゃねーかよ…
 いつもはメシとかちょっとしか食べきれないとか言ってさ…チビサイズで…ムグムグ…」
ハム、もぐもぐ…ホットケーキの切れ端をフォークで突き刺して頬張りながらヴィータが続ける

仲良しヴォルケン、チビっ子二人組みのお昼時のいつもの光景だった
 少し二人共食事を取るのが遅かったため食堂に居る人もまばらだ
 周りの席には誰も居なかった

えへへ〜
 ニコニコした少女サイズのリインが、薄いブルーのピラピラした服で
 機嫌良くパタパタとサンダルの足を振りながらスプーンでアイスをすくった

「…ハイ、それがもぅ…リインもびっくりしたです、えっと…ですね
 確かに…いつもは確かに小さい姿の方が動き回るのとか何かと便利なんですけど…」
 言いながらクリクリとスプーンでアイスをほじる

「…やっぱり私も…たまにはこのサイズで着たい服もあったし…やりたい事もあったですよ
 こんなこととかあんな事とか他にもいっぱい…いっぱいです」

ハム…
 ご機嫌でスプーンを口に運ぶ、美味しいですぅ〜♪ 
フリフリと身をよじるリイン
 確かにどこぞの小学生が紛れ込んでるようにしか見えない
「フーンそっか」と
蜂蜜シロップのチューブを取るとヴィータも続ける

「…だからよ、…ムグ、でも、問題はそこじゃなくてさ、お前特にはやてに迷惑かけたく無いって
 ホラあたしらも…ング…こうやってメシ食って別からエネルギー取ってるわけだろ
 …だからよ
 エネルギー消費が前より激しくなったら…ハム…
 はやての魔力吸っちまうんじゃないかってな…モグモグ…思ったワケでさ…」

せっせと新しい蜂蜜をこんがり焼けたパンケーキの生地に広げるヴィータ
 こちらは訓練着のまま、フォークとナイフで格闘している

(…ヴィータちゃんもエネルギーとか…それだけが目的には見えないですけど…)
 ヴィータの前には手もついてないプリンアラモードが美味しそうに揺れていた
 もちろんヴィータの注文したものだ

こないだなんか―
「お、食えないのか?じゃ、オレが食っておいてやるよ」
 と上に載ってたイチゴをひょいとつまんで口に運んだヴァイス陸曹が
 どうなったのか言うまでも無いですよね
端的に言うとヴァイスさんが壁のオブジェになったです
 
42y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:50:47 ID:aDsIDt3l
クスっと笑ったリインがペロっとスプーンのクリームを舐めて答えた

「だからですね、それが予想外だったですよ…
 まさかあんな形で魔力供給を受ける事ができるなんて
 リインも全然、知らなかったです…
 リンカーコアが…ムグ…魔力保持者の…ペロペロ…」

チュー    ―サイダーを吸う小さな唇
あんな形ぃ? ―怪訝な顔の赤毛の少女

あぅあ…リインが口を押さえた
「…あ、しまったです!?
 …こ、これみんなには…まだナイショって言われてたですよ
 あ…ユーノさんに怒られちゃうです…
 あ、あの…ヴィータちゃん、これは…別に6課の他の人に迷惑が掛かるような事じゃないですよ…

 ちょっとした…その…局員の…だからそのぉ…
 じゃなくて、ええとぉ…局員扱いですが…体調調整の副産物と言うか…」

はわぁと、なぜか赤くなったリインフォースUが
 また、しまったですぅ、と口を押さえる

…って言うかモロバレじゃねぇか…相変わらず嘘のつけない奴だなリインは
 …まぁそこが可愛いんだけどよ、しかし…ユーノって…アレか?
 なのはのとこのペットの…

フェレットもどきが、ぽややんとヴィータの頭に浮かんだ
…魔力供給?アレが?ん、どういうこった?

咥えたフォークをピコピコ動かしヴィータがジーっと見つめた

「あっ…あの…ヴィータちゃん」

 おずっとリインがヴィータに話しかけた
 ニヤっととヴィータが笑った

「面白そうじゃねぇか!はやてやみんなには黙っててやるからよ、あたしにも教えろよ詳しく、それ!」
43y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:51:32 ID:aDsIDt3l
―ヴィータ― シーン2・ユーノ宅


「…と言うワケなんです…」
耳元ですまなさそうにそう告げるリインフォースU

帰宅したユーノここのところ恒例になっていたイベント
…正確には企画、立案ユーノ…の
お帰りなさいです〜そう言って首に抱きついたエプロン少女リインに
「ただいまぁ〜」とボク

[※はやてが隊長業のため一番遅く帰宅する事が多いのに目をつけたユーノが
ちゃっかり長年の夢を、…つまるところリインに『出張サービス』でお願いしてたのであった]

「今日も可愛いねリイン…ちゅっちゅ」
「あん…やだぁ…です、こんなトコで…」

 その後はお風呂にしますですか?それとも…リインを食べちゃうですか?
 と言ってもらって、言わせて…それから…それから…

それがナゼ?
 今日のプレイに期待に夢膨らませ帰宅したニヤ顔が氷ついていた

 ユーノは玄関で靴を脱ぎかけたまま息を飲んでその人物を見つめていた
 彼の最も苦手とする部類の人種…その最たる

(ヴィ、ヴィヴィ…ヴィータ…ちゃん…な、なな、なんでここに!?)
(だ、だから今リインが説明したですう〜)
衝撃で何も耳に入って無かった…

「おぅ!邪魔してんぜ」
普段着のヴィータがニッコニコして答えた
 腰に手を当て片手にオレンジジュースを持って飲んでる
アレ…ボクが冷蔵庫に入れといたやつだよな…すっかり自分のものにしてる
 何も気づかないフリをしてネクタイを解きながらユーノは背中に冷や汗を流した

「や、やぁ…いらっしゃい」
 ぎこちなくスーツ姿で手を挙げぎこちない笑顔をで応えるユーノ
 綺麗な顔に嫌な汗がダラダラと流れてきた

(うぅ…やっぱりボクこの子苦手だ…)

「あ、あの…じゃあ…と、とりあえず、居間にでも…」
 ユーノは招かざる客を誘った
「…あー、気を使わなくていいぞ、おかまいなくってヤツだ…」
 ウンウンと小さな手をパタパタと振る赤毛の少女
ユーノが履くべきスリッパを履いている

ハイハイ解りました、すでにウチの中は把握してそうですか…と呟きながらユーノはトホホと
 靴下のまま、その髑髏マークの薄いシャツとミニスカートのその小さな背を押した

うう…、夕食までにリインちゃんと…
 コスプレHしようと思ってたのに…
カバンの中の…わざわざ二駅前で降りて買ってきた
白スク水着が無駄になるのか…

 
44y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:52:16 ID:aDsIDt3l
 ユーノはかなりガッカリしていた
その、やる気まんまんだった股間のたぎりをどうしようかと
 虚ろな視線を彷徨わせていた、疲れが吹き飛ぶはずが、余計疲れて…
後ろから心底済まなさそうな顔のリインがおずおずと付いてくる
 (うう…リインはちゃんとナイショにしてたですよ…)

その様子を見て
がっくりとうな垂れるユーノ、どうだかなぁ…この子嘘つくの下手なんだよな…
自分の事を棚に上げて、ふと
押してる赤毛の少女を上からのぞいた
(おッ!?)

ヴィータのシャツの隙間から薄い胸がチラリと見えた、先ちょのピンクも少し…
ノーブラ…



あ、いや…当たり前か…(○歳だし…)
ん?と振り返ったヴィータから

ハッと我に返った
い、いや待てよ…こ、こうして見ると結構この子もこう…
白く細い首筋と赤毛の境目あたりからうなじを見て
ゴクリと喉が鳴った
ユーノ・スクライア 19歳―本人は未だ至ってノーマルのつもりだった









「それで、どうやって魔力供給受けてんだ?リインは?お前んとこ
 どっかの遺跡で秘法とか何とかでも発見したのか?」

ベッドに座ったヴィータが物珍しそうに部屋をキョロキョロと眺めている
 居間にも本棚いっぱいの本、本、本
 と言うよりも壁が全部本だ

流石に無限書庫の司書だけはあるってか…
 ヴィータは少し眼下の男を見直していた
 細かい事が嫌いなヴィータは、口には出さないがバックスのメカニックや
 本を読むと言う面倒な作業ができるやつには一目置いていた
 はやてのデバイスが本なのも少しその感情に影響されてたかもしれない

「あ、…あぁいや…その…」
 もごもごと言いながら床に正座したユーノは
そんなヴィータの思いとは裏腹に
 ヴィータの見えそうで見えない太ももの付け根
…フリフリしてる白い足のスカートとの境目あたりの事のみに全神経を集中していた

 流石にリインがジト目でその様子を眺めている
ここ最近の付き合いでユーノの様々なプレイにつきあっていたので
 ユーノの考えている事がだんだん解るようになってきていた彼女だった、頬を膨らませて
(ぶーです、、また何かHな事考えてるですよ…)
とフンです、とそっぽを向いた

45y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:53:09 ID:aDsIDt3l
(縞々…生ニーソ…、ぱ、パンツは…白…お……、いいな…かなりこれもイイ…)
 おもわずぐぐっと姿勢が低位置からの視点を確保しようと前屈みになりそうになる
何してやがんだコイツは?
 不可解なユーノの挙動を見て不審そうな目のヴィータは考えていた

「ハァ…えっと…あのですね、実はヴィータちゃん…
 魔力の事ですけどリインがですね、ユーノさんがユニゾ…」
溜め息を一つついて、こうなったらもういいですよね?と
 代わって説明しようとしたリインの口をユーノが慌てて押さえた

 ムグ、ムググー!?

「んぁ…?ユニ?なんだリイン?」

「な、なな…何でも無いよ、この方法は…えっとあの…ヴィータちゃんにはその…
 痛…あ、いや、もとい危険かもで…その、体も子供だし…まだ早いと思うからさ…」

真っ正直にありのままを話そうとするリインの口を押さえたままユーノが言った
 リインがムームー…と
 パタパタと手を振って抗議している

早い?何だと子供だと!?コイツまであたしを子供扱いすんのか!?
 タイムリーな事に、ここのとこその手の内容の話が…
ヴォルケン内部の女性同士の会話にはあったようだ

『うふふふ…、ヴィータちゃんはまだ知らなくていい事なのよ…きっと…』
白衣の姿に明後日の方向を見て余裕の表情でそう言うシャマルの顔が思い浮かんだ
『フ…まぁヴィータは何と言っても、…まだ子供だ仕方あるまい』
澄ましたシグナムの顔、あぁ!そういや昨日も!シグナムの奴、あたしがアニメ見てたら幼稚とか何とか!?

カチンときたヴィータが即座に返した
「くっ…バカにすんな!リインにできて…あたしに出来ねーワケねーだろ!
 あたしだって普段から魔力供給受けてりゃ何かと体調いいし
 活動に便利なんだ、…そうすりゃミスも減るし…イロイロと…さぁ!さっさと教えろ!」

え?どうしても?
 ムグームー!
ああ、コックリと、蒼い目で至極真剣な顔で頷くヴィータ
間の抜けた顔でリインの口を押さえていたユーノがパっと手を放した

もうっ!いきなりヒドイですぅ!
真っ赤な顔でぽかぽかとユーノの胸を叩くリイン

すでにユーノの頭から周囲の雑音が消えていた
メガネをクイっと直すと
ユーノの明晰な頭の中の一部分ででカチャカチャと淫獣脳が稼動させていた
この辺の瞬時にして妄想を働かせる集中力は一流のプロゴルファー並みである
どう考えても優秀な頭脳の無駄使い、最近領域がどんどん広がっていた

(えーと…えーと、つまりどういう事だ?
 …ああまで言われたら…断るのも悪い…んだよね?やっぱり
 …何より本人の為らしい…そう、ここが重要だ…あくまで、ヴィータちゃんの為だ
  ボクの気持ちは後回しにしよう、そうしよう…

46y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:53:49 ID:aDsIDt3l
それに…こうして見るとヴィータちゃん…性格はともかく、あの未成熟な感じがまた
 …あ、ああ、いや、そうじゃないコホン!
 これはHじゃなくて、そう…エネルギー供給なんだ!
…そういやリインちゃんもお肌がツルツルとか喜んでた…うん…むしろ犠牲はボク…)

じっとヴィータの整った顔を見る
「ん?」と見返すヴィータ

(あ!そうか、そうだ!それにヴィータちゃんもリインちゃんと同じで人間じゃないから
 …絶対妊娠とかしないはず…となれば…全部生で中…いやいやいや!)

ユーノの目線に何か嫌な気配を感じてヴィータが軽く身を引いた
な、何だ今の異様な気配は…?
と思ったら今度はユーノが頭を抱えてフルフルと頭を振っている
何なんだコイツは?

(ちが、違うぞ!…断じて違う!、ボクは普段も…避妊とかの事もちゃんと考えて…きたるべきなのはの時の…
 いやそれは、考えなくてもいいかこの際…
 あーっ…えーっとそうじゃない!、…何だっけ…?

 つまり、…そうか、ヴィータちゃんが体調万全ならなのはの役にも立つんだ
  …引いてはこれは6課のためで…
 これは決してボクの…私利私欲では…

最後の辺はブツブツと声に出して何かつぶやきながら、ユーノは彼なりに真剣な顔で思案していた
 避妊云々と言うよりも、それ以前にリイン、ヴィータ両名は見た目二人共○歳以下で
 …そっちの方が世間的には問題アリであることは明白だが
そんな下半身ににブレーキがかかるようなネガティブな事が思考を妨げるようでは
 淫獣などと呼ばれる資格は無いのだ

隣では同じように正座したリインが?またHな事何か考えてるですか
と怪訝そうに微動だにしないユーノの顔を見ている


うーん、うーん、それなら白スク…フツーのは2着あったけど
ああ、いや待てよ…どうせならヴィータちゃんも名前入りプレートででやりたいし…
リインちゃんのしか用意してないな…じゃあアレは今度で、
ならいっそ縄…、いやいやアレもやりたかったな…皮も…
ユーノの脳が結論を出しつつあった

チーン

「よ、よし!じゃ、じゃぁ…やるよ!」

(ご期待にそえようじゃないか)
ユーノは力強く拳を握りスックと立ち上がった

「お、おぅ!頼むぜ・・?」
多少その勢いにたじろいで見上げたヴィータがビクっとなった
あ、やっぱりヤルんですね? と言うリインが
溜息をつきつつも、どこか楽しそうにいそいそと準備を始めていた
47y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:54:31 ID:aDsIDt3l
―ヴィータ― シーン2・ユーノ宅・寝室



「……おい で、…なんであたしが目隠しされてんだ…?」

 居間から寝室へ運ばれた、ベッドの上
 レザー製のアイマスクをされたヴィータの頬を汗が一筋伝った
 空調は快適だから精神的な不安によって、だ
「あ、ハイハイ…お口も塞ぎますね…ここをこうしてパチっと…ハイ完成!」
 ユーノが手馴れた感じでボールギャグをヴィータの口に咬ませた

「ちょ、ちょっと待てオイ、おま、ムグー!ムー…!!」
 ンぐん”ー!んっんっ!
後ろ手にこれまた両手をレザーの黒いバンドを鎖で繋がれたヴィータが首を振り振りしている
 しかし拘束はビクともせず、口枷から少量の唾液が散った

「ユーノさんいきなり酷いですぅ♪」
体操服、上が白で下が赤…要するに由緒正しいブルマー姿のリインが小道具の入った
 箱をんしょと抱え
うんうん良いねぇと、頷いているユーノの傍らに立って居る
 大きいお兄ちゃんの教育の賜物だ
性格も微妙に変わってきたよねリインちゃん

「ハハハ、リインちゃんも解ってきたね、あ…そのブルマー姿も…とーっても可愛いよ」
 ユーノはよしよしとリインの頭を撫でた
「ふみゅぅ〜…リイン撫でられるの大好きですぅ〜…」
 リインがユーノに寄り添って頬をスリスリする、まるで猫だ
ちゅっちゅとキスをする二人、すっかり当初の目的を忘れユーノに懐いていたリインであった

「もが〜もま”!んんん!んあむむま”!」
「何て言ってるの?」
「…えっと…ヴィータちゃん…リイン、ヴィータちゃんが何言ってるのか解んないです…?」
 リインが困ったように頭を傾げた

『何やってんだリイン!これ外せぇ!』
「ああ!解ったです、そうです、念話で話せば良かったですね
 …さっすがヴィータちゃん賢いです…
 えっとですね、
痛いのは最初だけで、すぐ気持ちよくなりますからガンバッてです!ガッツです!ファイトですよ!」

両手でガッツポーズのリインが
 真面目な顔で初体験の仲間を励ました
「も”が〜」
 話が噛みあってねーだろ!
 とヴィータがブンブンと首を振った


 …何かヴォルケンズ同士で意思の疎通があったみたいだけど…
 「続けていいの?」
 ベッドの上でバタバタしてるヴィータを見てユーノが尋ねた

 「ハイです♪ドンと来いですベルカの騎士は逃げも隠れもしないです」
 リインフォースUがにっこりと応えた
 『言ってねぇええ!!』
48y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:55:18 ID:aDsIDt3l
「OK…   
 じゃ任せて、…ヴィータちゃんすぐに気持ちよくしてあげるから
 …じゃ、えっと…早速…」

ユーノはギシギシとベッドに上がりヴィータの後ろにまわりこむと
気配を感じて後ろを見ようとしたヴィータのシャツをたくし上げた
 もがっ!?

ヴィータが呻く
 ほとんど隆起していない胸を素早く露出させ
 ゲームのコントローラーを操るように親指でクリクリ転がした

「ん”っ!ふぅッ…」
ヴィータがいきなり敏感なところを刺激させて頬を紅潮させた
 もがー!っんっ…んー!ん”ー…
「声殺さなくていいからね…ヴィータちゃん…
 ここ完全防音だから…いくら叫んでも隣には何も聞こえないよ…」
右に転がし左にこねり、指先を精密に動かしながら
首筋をチロチロ舐めてユーノはどことなく犯罪の香りのする言葉をヴィータの耳元に囁いた

(て、てめ後で覚えてやがれ…)
フッ・フッ…フゥッ…
 細かい息遣いで紅潮したヴィータの体がピクピクと反応している

「リインちゃんには下の方をお願いしようかな♪」
「ハイ、ラジャーですぅ♪」
するするとヴィータのアニマルプリントのパンツがリインに脱がされる
 ヴィータは足をよじったが、ランラン♪と楽しそうにズリ降ろされてていく

「あ、そうそう、リインちゃん服は全部脱がせちゃダメだよ、パンティは…足首にかけといて
 それから、えっと…スカートは脱がせていいけど、絶対にニーソは脱がしちゃダメだよ?」
 
「えっ?どうしてですか?」
 ピタリと手を止めたリインが不思議そうに尋ね返す

「え・それはえっと…うーんそっか…そこまではまだ解らないか
 …えっとねリインちゃん…それが男の美学なの、いろんなスジの人の…」
「…えっと…はいです、何だか解らないですけど了解しましたです」

よく解らないが素直にユーノ指示に従って
 リインはんしょんしょとふくらはぎからパンツをずらすと
 律儀にヴィータの足首にパンツを残し
次の作業に取り掛かっていた

「うんうん…やっぱり裸にニーソは基本だよなぁ…それにリインちゃんは素直で…
 ホントにいい子だ…ヴィータちゃんのここもすぐに素直にしてあげるね…ペロペロ」
満足そうにユーノは頷いて舌を動かした
 んん”!!っ
万歳させられて、脇の下を舐められたヴィータが声を漏らした

弄られ続けた乳首は小さく尖って
 ユーノの指の腹で軽く撫でられるたびに
 細かく体が反応した
んっ…んっ…んんっ…んぅ”…


とビクリと腰が跳ねた
「んあ”っ!?」
「設置完了ですぅ!」
リインが顔を上げた
49名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 21:55:46 ID:yrdhRH5w
>37
そういうのが嫌なら黙ってNG指定して華麗にスルー汁。

リアルなら犯人死刑に汁、だがフィクションだから気にしないし、
むしろリアルでは決してやってはいけない行為だから可能なわけで。
テレビだって殺人事件やレイプのドラマを平気で流している。
フィクション(作り物)で泣いたり怒ったりと感情を揺り動かされるのは
書き手の巧さもあるが読み手の人間形成として全うだと思っておけ。
フィクションに感情移入しすぎるのも危険だが常識範囲ならむしろ正常。
50y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:55:59 ID:aDsIDt3l
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ

細かく振動するピンクローターがヴィータの割れ目にテープで貼り付けられていた
 んう”ううう!!うう!
『あう”!あ”っあ”何だこれぇ!!?…』

イヤイヤするように首を振るヴィータ
「あ、あーっ、ダメですよぅヴィータちゃん暴れちゃ外れちゃうですよ!?」
 リインが慌てて未知の感覚から暴れて逃れようとする足を押さえようとする
んぐーんぐぐー!

「ストラグル・バインド!…」
素早く印を結んだユーノが手をひらめかせると
 ビシイ!
瞬時に左右の空間から現れた輝く緑の数本のチェーンがヴィータの両足を拘束して
 巻き取るようにじりじりと左右にその股開かせた

「わぁ…!さっすがユーノさんスゴイです、無詠唱で発動まで早すぎですぅ」
驚いた体操服姿のリインが素直に感心している、実際鮮やかな手並みだった
 確かにこの狭い空間で超高速展開、cm単位でチェーンを操る技術…そうは居ない使い手だ

「い、いやぁエヘヘヘ…、これでもサポート系だけならちょっと自信あってね…
 攻撃の方はさっぱりだけどね…だけど拘束力だけならSランクかも…」
ヴィータの乳首をいじりながら照れるユーノ
 「もがぁーー!!」
『馬鹿な事ばっか上達させてんじゃねぇえー!(泣)』

『あう”!あっあああ”…やっうああ…これ…あっ…感じすぎちまう…ちょリイン!ふぁああ』
 ヴィータがローターの刺激にギャグボールに体を震わせ
 塞がれた口と、念話で叫んだ

「ヴィータちゃん、もっと気持ちよくなれるように、お手伝いしますね」
ペロペロとロータに刺激される秘所に小さな舌を差し入れ、小さな突起を刺激するリイン
 んぅっ!
(ば、馬鹿余計な…)

「こっちも」
ボールギャグを外すユーノ
『やぅ!あああっ…はぁっ…あっ…おま…やめっあっリインっ…んぶっ!』
何か言おうとしたヴィータの頭が両手で固定され
 口にユーノの怒張したモノが突っ込まれた

ゆっくりと腰を前後させるユーノ
 「あっああ…いいよヴィータちゃん唇の感触が
 …ちっちゃな舌が…あっ口の天井に亀頭がこすれて気持ちいい
 …あ、奥まで飲み込もうとした方が返って楽だよヴィータちゃん…」
ユーノが腰を震わせ
 ズルズルと引き抜いたものを思い切り喉の奥まで突っ込む

「んぐっう!……っんっんんっ…ぶっひゃぶっ…んっんっむぅっんんん…」
 ユーノはじっくりと腰を動かしヴィータの口を犯した

ぴちゃぴちゃとリインがヴィータの秘所を舐めている
 ここのところユーノに毎日仕込まれていたのでかなり的確な刺激をヴィータに送っていた
(こ、こんな…リインがこんなに上手いなんて…あっ…)

後ろ手に縛られたまま上下から責められたヴィータが唾液を喉に垂らしながら苦しげに喘いだ
(か、体が…熱い…や、ヤバイ…)
ヴィータの体の芯から快楽の感覚が広がりつつあった
51y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:56:43 ID:aDsIDt3l
男根を引き抜くとユーノはヴィータの唇を吸った
 んぐうぅうう…ヴィータが顔を顰める
 侵入してくる舌をヴィータは拒めなかった
 舌を絡められ、唾液を流しこまれる

「ぷぁっ…はっ…あっ…」
固くなった乳首まで吸われて
「やっ…んぁっああぁ…ダメっ…だぁ…」
  口中で転がされ、軽く噛まれると体に電気が走ったような衝撃が抜けた

『はっ…あっ…ああxx…あっ…』
『ヴィータちゃん気持ちいいですか?』
無意識に飛ばした念話をリインが拾っていた

『り、リイン…な、とにかくこの目隠し外してくれよ…何か怖くて…』
『大丈夫です…もっともっと…体の反応に素直になるです
目隠ししたのは意識を集中して感度を上げるためです…ってユーノさんが言ってました
 ユーノさんに任せて…そうした方がリインも魔力の吸収率が良かったです』
『も、もっとだって……?』

これ以上どうなるって…
 ビクッとヴィータの体が反応した
体の奥でリンカーコアが脈動したような気がした
「な、なんだ?…」
見えない視界に不安げなヴィータがつぶやいた

ようやく頃合いよしと思ったユーノが前にまわっていた
 傍らのリインが両手でユーノの怒張したものを愛しげに掲げて
 裏スジに舌をチロチロ這わせている

ぷるぷるとした亀頭が小さな舌に舐めまわされて揺れている
「うっ…く…もういいよ…ありがとうリインちゃん…それ以上されると出ちゃうから…」
「あん…」
それでも名残惜しげに舌を伸ばすリインの顔を引き離すと

ピッとヴィータの秘所を責めるローターを剥ぎ取って
 ユーノがピクピク静かに震える閉じた花弁に亀頭をそえた
 「え…?」
状況を飲み込めないヴィータがそれでもわけの解らない怖さに身をよじって腰を引こうとした
 くちゅっ
何か股間にあたったと思ったら、突如熱い熱の塊ががヴィータの中に侵入してきた
「 ひっい”??!」

腰が反って浮きそうになるのをがっしりと手が…ユーノが支えて逃がさないようにしている
ぬ”ぬ”ううう……ぅそのままヴィータの柔らかで狭い膣がユーノの怒張したものに貫かれた
「うあっ…あっあああああ!!」

ズっ…!!!…ぷぷぷぷ…
 (はぐぅ…あっ…はぁ…あ…あああ)
奥まで太いので一気に貫かれてヴィータは息を漏らした
(あ、ぐ…そんな、し、子宮にまで届いてる…っ)
腕が後ろ手に縛られたままなのでもろに逃げ場がなく、腰を動かすしかなかった
 それが腰に力を加えて捻ることになり元からの狭さと相まって
 きゅぅううううっ…ものすごい締まりがユーノのものをつつんだ

「うっうぁああっ…て、しっ…しまっ…締まるうぅううう」
ユーノも熱く狭い肉壁の痛いくらいの締まりに呻いた

52y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:57:26 ID:aDsIDt3l
「はぁっ…はっ…はっ…、だ、ダメ…ぬ、抜いて…、む、無理だ…あぅ!」
  細かく息を継いでヴィータが黒いアイマスクの下から一筋涙を流した
ユーノはヴィータの懇願に一切耳を貸さず
 押し入れたものをゆっくり引き抜いていった

ぬ”ぬ”ぬ”ぬ”ぬ”ぬ”
「あっあああ…」
ドチュっ!
「うぁん!」

また一気に根元まで突きこむ


「だ、ダメっ…だめだ…だ…やめ…ぅああ!」
組み伏せられ、目を塞がれ、腕の自由も効かない、細い骨格の少女が悲鳴を上げた
 その弱弱しい姿に、普段の勝気な彼女の姿とのギャップを感じて
 ユーノの秘められた嗜虐芯に火がついていた

ぬぼっ…どちゅっ…ずりゅっ…ごりっ…ぷちゅ…

 湿った音が間断なく肉と肉の間に満ちる
怒張したものが強引に押し込まれては中のピンクの肉壁を引きずっるように引き抜かれ
 何度もその動作を繰り返す
ヴィータの口が大きく開いて舌が伸びた、肺から息を絞り尽くし、声にならない叫びを上げる
『ひっぃいいいいっ!!あああぁあああ!!』
 頭の中だけに自分の悲鳴が響く

ベッドが大きくギシギシと揺れてヴィータの小さな体に中に収まりきらない
 欲望に軋んだ、ユーノの腰が激しくピストン運動していた
細くしなやかな少女の縞々ニーソの間で、見た目より締まっているユーノのお尻が
 ガンガンと少女の狭い膣内へ中へ突入しようとせわしなく蠢いていた

傍らでリインフォースUが熱い息を吐いてその光景に見とれていた
 知らず、興奮に頬が紅潮していた
(あ、…あのヴィータちゃんが…す、すごぃです…ユーノさんも夢中になって獣みたいで…)
無意識に未だにほとんど開かれていない
 線のような秘所に指を差し込んで、リインはくちゅくちゅとそこをこねていた

「で、出るよ、射す!ヴィータの小学生のマンコに精子ぶっかけるよ…出る射すよヴィータ…」
激しいピストン運動を続けていたユーノが叫んだ
「え”?やっあっああああ…やめ…」

どくっどぷっどくっ
 熱いザーメンを直接子宮口に押し付けられたペニスから流し込まれ
ヴィータが絶叫した
「ふぁああぅううっ…あっああ!!!」
「はっあ…出たぁ…」
 きゅっきゅっ…快感にユーノの睾丸が締まった

ヴィータの膣もまた本人の意思とは関係無く別の生き物のようにユーノのものを締め上げて
白濁した精子を絞り取っていく
「やっ…はっ…はっああっ…はぁ…はぁ…はぁ……熱ぃ…よぅ……あっ!」
「うっくぁ…し、締まる…ヴィータちゃんのがボクのチンポ絞ってるよ…」

ユーノはがっしりとヴィータの細い肩をつかんだ
 びくびくと体を痙攣させ
 拘束された腕でこぶしをぶるぶると震わせて握ったヴィータの中で
 ユーノの先端がヴィータの子宮をぐりぐりと押し付けて
 精液を少しでも奥に送ろうとするかのように蠢いていた
ハァハァ…息をつく二人
53y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:58:48 ID:aDsIDt3l
無意識にユーノの背に手をまわしていたヴィータがギョッとした
 再び自分の中でムクムクと固くなってきたものに声を上げた
「お、おいお前…まだ…、やっあぁ…」

「何をっ…まだまだ…これからだからね、ヴィータの…まんこ、ボクの精子で一杯にするから…」
 そう言いながら腰をグラインドさせ
 ヴィータの締まったお腹をさわさわと撫でるユーノ

「ひゃぅ!…ば、馬鹿…そんなとこ撫でるな…やっあっ…ちょ、ちょっと
 …もうあたしの中一杯だって…
 やっ…ま、まって…まってくれ…今、…そんな…そんな事されたらあたしは、今敏感に…
  …されたら…か、感じすぎてっ…いっやぁ…あぅううううう”!!」

再びズンズンと腰の動きをヴィータの中に叩き込むユーノ
ズニュっ…ズプン…ズッチュズッチュと湿った音が響く
『やっああぁ!やぁあああ!!!」
ヴィータの足の枷はいつの間にか外されていた、その足がつま先まで力が入り
 必死にユーノの腰に絡みつく
そのか細い締め付けにユーノの腰の動きも加速する

この夜、初めての絶頂に敏感になった体をすぐさま突きまくられて
 ヴィータは汗ばんだ体を本能的に捻っていた
「やぁ…やっだめ…あっ…あぅ…」
怖いような快感が体中をつつんでいた、だが足は男の体から離れるの不安を拒否していた
 自分の中の相反する感覚にヴィータは狼狽していた

「や、やめて!…ほ、ホントに…こ、怖いっ…こわいんだよぅ!むぐぅ!…」
「そ、…その割にはこんな必死に足まで絡めて…チンポ咥えて離さないくせに…ヴィータはHな子だ!」
「ち、ちがっ…んぅ!」

唇が重ねられ、口を塞がれてまた舌を絡められた
片手で強く腰を引き付けられ、より結合を深くされる
もう片方の手は乳首を摘んでこねている
ずちっ…ずっ…
「はぁうっううううう……っ!」

またヴィータは、自分の中にドクドクと大量の精子が叩きつけられるのを感じた
蒼い目が大きく目が見開かれ、背が反りそうになる
「あっ…はっ……!!!」
ユーノの腰にまわされた足がぴくぴくと痙攣していた

2回目の射精…しかし子宮をぐりぐりと押し上げてくるユーノのものは未だ衰える気配もない
体の中心を犯されている…そんな恐怖がヴィータを包んでいた
(う…そ…まだ?なのかよ?)
「や、やめっ…ほんとにもうダメ!…壊れるっ…壊れちまうよ…あたしっあっあああ!」

半泣きの表情で必死なヴィータが懇願する
「あっ…あのね……人にっ…はっ…頼む時はお願いしますだろ…ホントにこの子は…
 こう言うんだ……お願いしますユーノお兄ちゃん…お兄ちゃんお願いっ!てそう言え!」
ユーノが腰をガンガン使いながら答えた

「あっはっ…ごめんなさぃ!もっもぅ!許して…許して下さい!お兄ちゃん、お兄ちゃぁあああんん!!」
必死で激しい動きに振り落とされないようにヴィータが抱きついて叫ぶ

「…っダメだ!罰として…飲めヴィータ!ボクの精子を!舌を出せ!舌で受けろ!」

ズボっとペニスを引き抜くとユーノはヴィータの髪をつかんで乱暴にヴィータの口に突っ込んだ
あぐぁ!!ふぐっぐぅううん!…

54y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 21:59:36 ID:aDsIDt3l
「くっうぅう…」
呻くとユーノは引き抜いて濃いヨーグルトのような3発目をヴィータ舌の上に出した
「絶対にこぼすなよ、…僕のザーメンを味わって飲むんだ…はぁ…はぁ…」
あ、…うぅ…ちゅ…んぅ…ごくっ…ごく…

おさげの髪の毛をつかんだままユーノはヴィータが素直に自分の精子を飲み干すのを眺めていた
ああ”っ…信じられない…あの小生意気な赤毛の悪魔が…ボクのチンポ汁飲んでる…
ゾクゾクした快感をユーノは背すじに感じていた

脇であまりのユーノの迫力に見入っていたリインがようやく声をかけた

「あ、あの…ユーノさん…何かキャラが変わってるです…ヴィータちゃんホントに今大変そうだし…」
 恐々と小さく笑ったリインが話しかけた
ヴィータの顔にペニスを塗りたくるユーノが
  ハッと我に返り、パッと手を離した
 もぶっ!ヴィータがベッドに顔から落ちた

「あ、…ご、ごめんごめん、…つい夢中になっちゃって
 え……えっと…じゃ、次はリインちゃんと言う事で…
大丈夫ヴィータちゃん?、少し休んでててね…じゃ順番と言う事で」

あははと頭を掻くユーノ、傍らのリインの手を引くと
 素早く自分の下に組み敷いた

キャッと言いながら
 リインが恥ずかしそうな中にも
 嬉しそうな顔をしている

こ、この男…まだやる気かぁ…それにしてもリインもこんなヤツだったっけ…?

ビクビクする体をベッドに横たえたままヴィータは荒い息をついていた
 トロトロと膣から熱い精液が流れるのを感じる
そ、それにしても…ペロリと口に残った精液を舐める
 あたしは…いつ
この目隠しと腕の拘束を解いてもらえるんだろう?
「あ”っやっあああ!…そんなっ!ユーノさん…いきなり激しいですぅ!」
「こいつめっ!この可愛い子めっブルマ姿のリインのマンコ!マンコ!ちっちゃい子最高!」

すぐ隣で激しい責めに喘ぐリインの声を聞きながら
 上気した頬をシーツにあて、ハァ…とヴィータは白熱した頭で考えていた
『あぁリインもアホになるぜこりゃ…ってわぁあああ!!』

ヴィータは心の中で叫んだが、とっさに声が出なかった

「やっぱりヴィータちゃんも一緒に楽しもうよ」
「え…!?な、何が!?」
 ユーノはヴィータとリインをよいしょと重ねると
二人の秘所と秘所をピッタリ重ねて、間にペニスを突っ込んでゆっくり腰を使った

「うぁっあああ…これ気持ちいぃい…Wスマタ…予想以上に…うっく…
 ふたりのが柔らかくって…あっ…ぷにぷにして…擦れて、吸いついてきて…いっぺんに楽しめる…」
夢中で二人の娘の嬌声…、片方は悲鳴混じりだったかもしれないが
 …にせっせとピストン運動を加えるユーノだった

「「やぁっあっあぅ…擦れてっあっ固いのが擦れてるのぉっ!!!!」」

二人の声がハモる、ああもう最高!気持ちいい!幸せだぁああ!!
 ユーノはご満悦だった
「よーしじゃあ二人ともこっち見て、はーいホラ、舌出して舌、ーほら〜顔射!!!」
ユーノはドピュ!ドピュと二人の口を開けた顔に白濁した液を射精した
55y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 22:00:18 ID:aDsIDt3l
―ヴィータ― シーン4・ユーノ宅寝室 顛末


「あ、あの…体とか大丈夫…かな…ヴィータ…ちゃん…怒ってる…?」
床に正座したユーノが恐る恐る赤毛の少女に尋ねた
しゃっしゃっと
借りたクシで不機嫌そうに髪を梳かしてヴィータは丁寧に髪を編みこんでいた
髪についた精液でガビガビになったのを流してきたのだった

「…あーそうだな…、どっかの誰かさんが…あーいや…
 お兄ちゃんか、だったか?

 …目隠し、腕拘束のまま、1時間以上…遠慮なく突きまくってくれたおかげで
 まーだ…頭がクラクラするよ…股はひりひりするし…腕と足に力がうまく入んねぇかな…」
ベッドに座り壁に向いたままヴィータは素っ気無い表情と声で応えた

 「そ、そう…ですか…そう…やっぱり…あははぁ…」

 語尾が小さくなりながらユーノの体もしおしおと小さく丸くなった
 リインのような純情従順な女の子しか知らなかったので
 こういう反応をされるととたんに地に戻るユーノだった

「え…えと、あのぉ…魔力の方はどうですか?ヴィータちゃん…ユニゾンとかリインと違うのかって…」
リインがユーノを何とかフォローしようと親友に声をかけた

チラッとリインを見ると髪を梳かしながらヴィータは続けた
「あのな…リインこれは融合じゃねぇ…セックスだ、そこの馬鹿に何吹き込まれたのか知らねーけどよ」
「せっくすですか?でもリイン達はは人間じゃないですけど…」

不思議そうにとリインが尋ね返す
 だからそれはあたしら基準じゃなくてこいつの……ヴィータが答えようとする
「えっ…!?ヴィータちゃんはじゃぁ経験あったの?」
 ユーノがショックを受けている
(何考えてやがんだコイツは普通あるわけ無いだろあたしの年で……)
なんか勝手に解釈して無念そうな顔してるユーノを眺めて
 ヴィータは呆れながらも説明を続けた

「あのさ…あたしはごく最近、はやてと共に生まれたリインと違って
 闇の書と共に長い時間起動してたんだぜ…そりゃ長い事活動してりゃ…
 蓄積されるデータはイロイロあるさ…

  シグナムやシャマル…ザフィーラだってそうさ…人生経験とは少し違うかもしれねけど…
 ま、もっとも記録としての記憶だから、体の実感としては、はやての元で起動した時点で
 また、まっさらなんだけどな…」

あ、じゃあやっぱり処…、そう言いかけるユーノ
ザクッ
ヴィータは、もってたクシを投げつけた、狙いたがわずユーノの額に刺さった
転げ回るユーノ

ふん、少しは乙女の痛みを思い知れ、エロ動物めとヴィータは思った

 ふとヴィータは
体内に巡る魔力の流れにもう一度意識を集中してみた
「……………………」
(ん…やっぱ確かなのか…)
「どうしたですかヴィータちゃん?やっぱり…何か変ですか?」
 リインが真面目な顔のヴィータに不安げに尋ねる
自分が思ってた事が間違いと指摘されて、ヴィータの、もしやの体の変調を心配してるようだ
 ヴィータは小さく笑った
56y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 22:01:23 ID:aDsIDt3l
「…いや変じゃねーよ、逆だ、確かにリインの言う通り魔力が体に満ちてる…
 代謝機能もアップしてるみてーだな…
リンカーコアが生まれたばっかみたいに、うん…絶好調だ…こいつは…恐らく…」
 (そいつの生まれ持った、特殊能力に属するもんだな…)

「ほ、ホントですか…よかったです…リインだけかと思ったですよ」

 それを見てやっとヴィータが髪を編み終わって振り立ち上がろうとした
 一応身に着けていたものは元に戻したが
 動こうとして膣から熱いものが少し太ももに垂れて赤毛の少女の顔顔が赤くなった

「…おい、お前、小動物!そこのテイッシュ取れ、すぐにだ」
「は、ハイ」
頭から血を流したユーノが召使よろしくティッシュの箱を持って飛んできた
 ったく…コイツがさっきまで自分を犯してたなんて信じらえねぇ…
えっと…あたしとリインに…ええと1、2……一人各、5回…で計10発だと…?
 精液の処理をしながらヴィータは呆れた

ケロっとした顔でアハハと愛想笑いを浮べているユーノ
 (底無しかよコイツは…ウチのアイツとは違う意味でバケモンだ…)
我がトコの隊長を思い出してタラリと細い首に汗が流れた

他人に魔力供給できる能力か…
 シャマルでも魔力そのものは即座に回復はできねぇ…自分のを削って
強制的に体力や魔力に変換して対象相手に合わせてに与えるんだが
 規格が合わなきゃ…めちゃくちゃ効率悪いし消費もでかい…一日に何度もできるもんじゃない
…だがコイツのは…
精力…いや欲望にリンクしてやがんのか?底が見えねぇ…

「ま、いーや、あたしもまぁ…久々でそこそこ、気持ちよかったから許してやるよ…
 はやてにも黙っておいてやらぁ…寛大なヴィータ様に感謝しやがれ、…と
 ま、もっとも
想像するだに恐ろしいからな…はやてにホントのとこ知られたらうちの家がどうなるかと思うと…
…オイわかってんだろ、そこのフェレットもどき…」

「え、あ、ハイ…それはもちろん…って?…ていうか知ってたっけ…ヴィータちゃん…ボクの事?」

「あのな、お前の事は…なの」
と言いかけてハッとした
あ、なのはがしょっちゅうコイツの事話してるのは黙っとこう…このエロ生物め
少しは仕返ししてやんねーとな、そう思ったヴィータだった
まぁこの事がなのはにバレたら…アレ?あたしもヤバイのか??
うーん??
腕組して考えるヴィータだった


「ま、とりあえず、これからは昼飯と買い物に財布はいらねーな、明日から
 毎日6課の近くの美味しそうな店は全部回って見ようぜリイン♪」

へ?という顔の二人

「あたしも…前から欲しかったヌイグルミとか、それ系のお店とかあんだ、な、リインも何か買えよ
  せっかくその形態維持できる魔力の補給源が見つかったんだからさ…可愛いの買おうぜあたしもつきあうよ
 うちはホラ…エンゲル係数高いし…
はやてにも無駄使いするなって言われてたけどさ…自分の金じゃなきゃ家計にも響かねーだろ」

「え、…でもリインはお金持ってないですよ…はやてちゃんのデバイスだし…」
「バッカだなぁ…そこにいるだろ、無限クレジットカードが…司書長様がよ…」
 くりっと指さした
57y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 22:02:10 ID:aDsIDt3l
え、ボク?ユーノが自分を指差してギクっとなった
「で、ででも明日はボク、急ぎの仕事があって、それに毎日なんていくらなんでもそんなムチャな…」
え、エライ事を言い出したぞこの子…とユーノの顔に焦りが浮かんだ

と、とにかく…ここは被害を最小限に…押さえよう…えっとえっと…
 そう考えていたユーのだったが
赤毛の少女の行動力は少なくともユーノの予想を超えていた

「あーもしもしはやて?、あーあたし、え?何?どこに居るかだって?」

うああ”!!
 ユーノは声にならない絶叫を上げて、いつの間にかプライバシー保護の為
音声のみになっている通信機器の前に座り込んでいるヴィータの前に突進してその口を押さえた

 スイマセンこの通り…orz
ペコペコと土下座して許しを請う
<何ー?どしたのヴィータ?>
 はやての声が小さく聞こえてユーノの顔から血の気が引いた

受話器の口を押さえていたヴィータが、ふふんと目だけ動かして笑うと
自分の口を塞いでいるユーノの手をどけて話を続けた

「あー何?帰りに豚肉のミンチだな?あと…ーあーハイハイ、…あと?え、あぁザフィーラの餌ね
 ああそう、うん、だからここは…そ、非通知なんだよ、うん、うん
 …うん、そうまだ6課の中だよ、秘密保持の為にそうなってただろ?…ん、
じゃ先にリインと帰ってるから…」

カチャン、クラシックスタイルの音を立てて
SOUND ONLYのパネルが消えた

「じゃ明日からお昼とオヤツはヨロシクな、あ、あとヌイグルミも、な、お兄ちゃん♪」
ニタリとヴィータは笑った
良い暇潰しの相手を見つけた時の猫みたいだ


うぅ…やっぱりこの子は苦手だ
ぜーぜーと肩で息をして…ユーノは思った
完全に首根っこを押さえられてしまった、ネズミかボクは…

 いや…コレ…





援助交際って言うんじゃないかな…

いやむしろストレートに強請り…う、…ボクの薔薇色ライフが
あぁもうバカバカ、ボクのバカ!
どうしてあの時ヴィータちゃんともやりたいなんて思ったんだろう…
こ、…これからどうなるんだろう…ボク

不安な中でも
うーん、でも3Pは魅力だなぁ…まぁいいか、終った事は仕方ないか…なんとかなるさ
そう考えるユーノだった


この男、やっぱり懲りると言う言葉を知らない

58y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/24(日) 22:08:32 ID:aDsIDt3l
てなとこで2章 ヴィータ編まで終わりました お楽しみ頂けたら幸いです

タイトルようやく決定 『ユーノの君の華麗な性活 』 …なんの意味もありません響きだけですハイ

さあって、主人公は看板負けしてるしあとはキャロだけです、やる事も○○○で○○○専用に決定してるし後は書くだけ…
むしろ仕置き編が…こ、こは何語とぞ…とまぁユーノ君だけにコミカルに書けたらいいなぁ…一応こっちも基本方針は決定
まぁ単純な話だしw
最近書く人多くて見るの楽しいです

ではではまた多分来週
59名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 22:10:52 ID:0QSoT1dx
一番槍GJ
淫獣だなぁ
60名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 22:12:26 ID:kCk4lmrs
>>16
GJ!
最高だ。もっとやれ。
61名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 22:34:07 ID:FInDEvkm
ターンA氏、GJ!
ヴィータの怒りももっともだww
62名無しさん@ファンキー:2007/06/24(日) 22:54:50 ID:vGZbuYwK
さすがターンA氏だ。
というかユーノの脳があまりにもゆだりすぎだwwww
無限書庫で怪しげな魔術書でも見つけてやばげな狂気にでも憑かれたかw
某ゲームの某赤貧探偵みたく魔道書ロリのせいで変な方向に目覚めたかw
63名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 23:25:41 ID:lQolYr7u
>>58
寺乙

ターンA氏のユーノはコミカルパートのユーノ君全力全開フルドライブなのが最高です。
64名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 23:27:54 ID:e7/NKmxc
>>62
赤貧探偵は正義の味方だし…
某番組であるヒーロー言ってたな…
「6000円じゃ地球は守れない!」と…orz
ターン殿GJです!ユーノ&リンディでも書いて見ようかなW
65名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 23:53:11 ID:rCzyQb+i
コミカルにやろうと思えば幾らでもコミカルに(淫獣的に)
シリアスにしようと思えば幾らでもシリアスに(396さんのよーに)
出来る子ユーノ。
男キャラでバトル系・少年系はエリオで書いてるが頭脳系はユーノで書いてるなあ。
66名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 00:00:03 ID:sEf0PKgh
>>65
女子と一緒に露天風呂に入ったり
お手をする芸で歓心を得たり
焼き芋に間違えられて食べられたり

これはユーノにしか出来ない芸当だからなあ。
67名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 00:25:13 ID:C3gxs1fL
うおっ!?新スレが立ってる!早っ!
遅かれながら、>>1乙です!&ターンA氏GJです!淫獣最高でした!続き投下wktkしながら待ってます!
6818スレ308:2007/06/25(月) 00:37:40 ID:SDySw5kK
>>58
GJ!
非常に長い投下お疲れ様っした。
ギャグ分補給で大満足です。
69名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 00:48:18 ID:Ekbeykpm
ターン氏乙です。
楽しませてもらいました。

一つ気になることがあるんですが、なのレンジャーって完結してましたっけ?ちょっとそれが気になりまして。すみません。
70名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 02:28:33 ID:29Obm9TG
ターンA氏GJ!
しかしアレだな、今回の淫獣は前作の鬼畜王エリオの時よりも
何故か無性にムカつくなw
まあ、この何か妙にムカつく鬼畜さがタマランのだけどw
次回が来るのを全裸で待ってるぜ!
71Mr.P:2007/06/25(月) 05:23:28 ID:2cu7SsWc
ターンA氏の淫獣のだめっぷりがたまりませんw
このままズルズルといけるところまで落ちていけw
そしてヴィータかわいいよヴィータ。

作品投下します。
前回はエリキャロ二人称覗きでしたが、今回は節操なくフェイト×エリオで姉ショタです。
エロあり。
72フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:24:48 ID:2cu7SsWc
 慰労をかねた六課の飲み会で、フェイトが飲んでいたワインにエリオは興味を示した。
 さすがに舌が合わずに渋さに顔をしかめていたが、オレンジジュースと混ぜてみたりと
いろいろ工夫した結果エリオが飲めるような代物ができた。
 酔っているエリオは普段なら言わないわがままをフェイトに言った。
 わがままといっても無茶なものではない。
フェイトが子供のころの話をしていたら、そのころの映像を見たいとダダをこねた程度だ

 負担と思われたくないのかをかけたくないのか、普段は自分にはお願いをしないエリオ
である。聞かない理由もないので、フェイトはエリオを連れて自室へと移動した。
 アルバム代わりに保存してある映像をエリオに見せてやる。
 エリオは大喜びだった。
 11歳のころの自分を見て、かわいいと褒めてくれている。
 自分は自分であるので褒められるのはうれしいのだが、微妙な気分にフェイトはなりつ
つあった。
「ね。今の私はかわいくないかな」
「え?」
 画面に釘付けだったエリオはきょとんとした顔でフェイトの顔を見返した。
「エリオにとっては同じくらいの年齢の方がかわいく見えるのかなって聞いたんだ」
「それは……」
 アルコールでうっすらと赤らんでいたエリオの顔がさらに赤くなる。
 フェイトは言葉を選んでいるエリオをそわそわと待っていた。
 今までエリオから容姿について言われたことはない。年頃の少年は人の容姿を褒めるこ
とは照れから難しいと聞きおよび、ならしょうがないと思っていたが物足りなかった。
 回している映像は運動会のときのものである。11歳のころの自分は画面の中、50メート
ル走を駆けていた。エリオはその子を絶賛している。
 もしもとありえない世界を夢想してみた。11歳の自分が六課のフォーワードに配属され
、エリオと一緒の隊になるのだ。きっとキャロとのように、手を繋いだりしつつ一緒に戦
うことになっていたに違いない。
 今の自分は一段上の位置から、エリオを教え導き見守っている。すぐ隣という、そこま
で近い距離に立つことはできない。
 自分だからこそ、遠慮なく嫉妬心が向かってしまうのを止められない。
 普段なら直接聞いたりはしなかっただろう。自分もやはり酔っているのだろうかと、深
夜になり若干の眠気を帯びてきていた頭で考える。
「フェイトさんは……」
 落ち着きなく、エリオは部屋のあちこちに目線を逸らす。
「綺麗ですよ、すごく」
 指先は緊張からは軽くカーペットをつかんでいた。
 フェイトは純粋に嬉しかった。普段から容姿について褒められることは少なくないが、
かわいがっているエリオから言われるのは印象がまったく違う。普段言わないエリオだか
らこそ、なおさら印象に残る一言だった。
73フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:25:31 ID:2cu7SsWc
 恥ずかしそうに言ってくれたのも実にいい。もっと困らせたいとフェイトは思ってしま
った。
「なら、11歳の私と今の私。どっちがエリオは好きかな」
「え……」
 はたしてエリオはどんな表情を浮かべるのだろうか。
 エリオの瞳を覗き込むと、視線をさまよわせ動揺しているのが見て取れた。
 ごまかしや一時しのぎでなく、一生懸命きちんと返事をしようと考えている。
 駆け引きのない、エリオの素直さがフェイトには愛しく感じられた。
「僕はフェイトさんに助けてもらって、育ててもらって、大きくなりました。だから、ず
っとそばにいてくれた今のフェイトさんの方が好きです」
「そっか……。今の私の方が好きなんだ」
 エリオの言葉はフェイトの今までの保護者ぶりが認めらたようで嬉しかった。感慨深く
言葉をかみ締めて、忘れないように胸に刻む。
「もちろん、昔のフェイトさんも好きですよっ。キャロと同じみたいにいいパートナーと
してやって……」
 エリオは様子から地雷を踏んだと勘違いしたのか、わたわたと言葉を続ける。
 些細なことでも、自分の機嫌を損なわないように気を使ってきている。きっとそれは自
分への好意ゆえなのだろう。
 フェイトはくすりと笑うと、エリオを抱きしめることで口をふさいだ。フェイトとエリ
オではフェイトの方が随分と身長は高い。抱きしめると、エリオは顔を胸へとうずめるこ
とになる。
 フェイトは体の下でもごもごと動くエリオがこそばゆかった。エリオの吐く熱い吐息が
服の繊維に染み渡って、奥の肌まで届く。肌が火照り熱を帯びる。
「ぷはっ。突然何をするんですか、フェイトさん」
「エリオが嬉しいこと言ってくれたから、ね。抱きしめてあげたくなったんだ。エリオだ
ってこういうの嫌いじゃないよね」
「……僕はもうそんなに子供じゃないですよ」
 少し拗ねた声でそう言った。
 フェイトはエリオがもっとずっと小さかったとき、よく抱きついてきていたエリオのこ
とを思い出す。あのころのエリオもかわいくて、そして今よりもちょっぴり素直だった。
遠慮なく母性を求めて抱きついてきていたものだった。
 今は恥ずかしいのか、抱きしめられて嬉しいだろうに逃れようともぞもぞしている。
 自分から離れようとしているのが、なんとなく面白くない。フェイトは暴れるエリオを
押さえ込もうとした。
 やりすぎて勢いのままに、ぐらりとエリオもろとも床に倒れこもうとしてしまう。
「おっとっと、エリオ大丈夫?」
 エリオは本気で抵抗しているわけではない。体格と体術で勝っているフェイトが押さえ
込むことは難しいことではない。
 計算違いだったのはエリオの抵抗が予想よりも弱かったことと、フェイト自身酔ってい
たことだった。二つの要因が重なりバランスを崩して押し倒してしまった。
 後頭部から床に叩きつけられようとするエリオ。フェイトは床にエリオが頭をぶつけな
いように、咄嗟に手を差し込み下敷きにして衝撃を和らげる。危ないところだったがフォ
ローは間に合った。
「僕は助けてくれたから大丈夫です。あの、フェイトさんは大丈夫ですか」
「うん、私は大丈夫だよ。ごめんね、怖い目にあわせちゃった」
 フェイトは全身に入っていた力を抜く。
 無事を確かめるようにぎゅっと抱きしめる腕に力をこめた。
74フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:26:16 ID:2cu7SsWc
「あの、大丈夫ってわかったことですし、どいてもらえませんか」
 フェイトはエリオに覆いかぶさる形になっている。服越しにエリオの体温を感じていた

 華奢なしなやかさの中に、筋張った男らしい筋肉の片鱗を感じさせる少年らしい体躯が
フェイトの腕の内にあった。
 アルコールのせいか、元々そうなのか。フェイトにとってエリオの体温は高く感じた。
「六課に入ってから、こうやって触れ合う機会もなかったし、もうちょっとこうしていた
いかな」
「フェイトさん、ちょっと!ちょっと待ってください。僕だってそんなにもう、子供って
わけじゃ……」
 エリオの嫌がる素振りが、フェイトには可愛いらしい。
 思わずエリオの頬に頬ずりまでしてしまう。エリオの肌は若さにあふれ、桃のように瑞
々しくやわらかかった。女性である自分が羨ましくなってしまうくらいのものだ。
「ふわっ! ……んぅ……く、くすぐったいですよ! は、早くどいてくださいっ」
「そんなに嫌がらなくてもいいじゃない。昔は喜んでくれたのにな」
 エリオは両手でフェイトの胸を押しのけようとする。六課の日々の訓練で鍛えているだ
けあって、もしエリオが本気ならばフェイトも本腰をいれなければいけないだろう。
 エリオはフェイトの体の感触に照れているのか、全力ではない。
 本気で嫌がってるわけではないし、フェイトにまだまだどける気はなかった。
 もし本気で抵抗されてもエリオが立ち上がれないように、踏ん張ろうとしているエリオ
の足を払いのけた。エリオの股に自分の足を挟むことで立てなくする。
「お願いです! お願いですから、どけてくださいっ!」
 エリオの抵抗の質が変わった。本気で暴れだしたのだ。
 フェイトは驚くも、すでに有利な体勢に移っていたので反射的に押さえ込んでしまう。
 すると、ふとももに違和感があるのを感じた。なにか硬いものが当たっている。
 フェイトは疑問に思い、空いている手を伸ばした。
「あうぅっ」
 フェイトがなんであるかはっきりわかったのは手で触れて、エリオが嬌声を上げてから
だった。声変わりを迎えていないエリオが少女のような声を上げる。
 フェイトの悪戯心に火がついていった。
 エリオの半ズボンのテントを摘むように摩りながら、まじめな顔を作ってエリオへと向
ける。本局でも名の通った優秀な執務官としての顔だ。
「エリオ、ここどうしちゃったのかな。腫れているみたいだよ?」
 フェイトは布越しにエリオの物を確かめる。最近と言わず、もうずっと一緒に無防備に
お風呂に入ってくれない。この下は今はどこまで成長しているのだろうか。フェイトは指
で感じる情報を元に想像を膨らませる。
「ほら、服の上からでも形がわかるくらいに膨らんじゃってる」
 自分は何を言っているのだろう。誰に何をやっているのだろう。
 普段の自分ならこんなことはしないはずだ。
 頭の片隅が疑問を抱くが、アルコールのせいだろうと切り捨てる。
 エリオはぎゅっと目を閉じて、未知の感覚に耐えていた。
 フェイトの手は、逃れようと動き続けるエリオのふくらみを離そうとしない。触覚のみ
で形を確かめるように、執拗に弄り続ける。
 自分の手とエリオの体を阻む衣類の存在がフェイトには邪魔に感じられた。
 もっとエリオを触りたい。
 心臓はどくどくと鼓動を早め、押し出された血は脳へ送られている。
 血の中には先ほど飲んだワインのアルコールが大量に含まれているはずだ。アルコール
が自分の脳を焼きおかしくしているのだ。
75フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:28:14 ID:2cu7SsWc
「ここはどうしてこうなってるのかな」
 羞恥に頬を染めて、エリオは必死にあげそうになる声を抑えている。ぎゅっと目を閉じ
ていた。
 エリオを誑かす自分という構図に、背徳感を源とするゾクゾクとした感覚が背筋を走る

 エリオもどうにかして自分と似たようなものを感じさせられないだろうか。そんな願い
をこめ、ゆっくりと吐息を吹きかけながら囁いた。
 フェイトの願いが通ったのか、押しのけようとしていたエリオの手の力が抜けた。距離
が縮まる。
「ね、エリオ。私に教えて」
 耳元でもう一度熱く囁いて、フェイトは顔を覗き込む。
 エリオの股間を弄る手の動きをやさしいものへと変えて、エリオに休憩と口を開く余裕
を与える。
 見られている気配を感じたのだろう。エリオは目を開いた。覗き込んでいたフェイトと
目がばっちり合う。
「ごめんなさい……。言えません」
 あからさまに視線を逸らす。真っ赤になって、一滴だけ言葉を漏らした。
「ふぅん」
 エリオの返事が、フェイトの嗜虐心をさらに煽る。
 今、フェイトはエリオの羞恥に震え、開発されて惚けるところが見たくてしょうがなか
った。
 じっとりと張り付くような視線をエリオへと送る。無言で通そうとするエリオは罰が悪
そうに身じろぎした。
「エリオが答えられないなら、私が代わりに答えよっか。……エリオは、私で、ドキドキ
しちゃったんだよね」
「っ。ご、ごめんなさい」
 韻を強調して、一言ずつ区切りながらエリオに事実を突きつけた。
 エリオはフェイトに軽蔑されると思ったのだろう。六課には女性が多いせいか、エリオ
が性的なことに罪悪感を覚えるように覚えこんでいる節がある。
「いいよ。謝らなくても。……でも、やっぱりそうだったんだね。興奮してくれたんだ」
 男の子として成長していっているんだな、とフェイトとしてはむしろ感慨深いものがあ
る。
 自分に女性として反応してくれるのは嬉しい。
「キャロって無防備だよね。エリオはそんなキャロを見て反応しちゃったりするのかな」
「そんな。キャロは大切なパートナーですよ。そんな目で見たりしません!」
 フェイトの目から見れば、キャロのエリオへの好意は一目瞭然である。
 エリオは異性として見ることはないと断言した。
 可愛そうだと思ってしまうフェイトである。
76フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:28:59 ID:2cu7SsWc
「本当にエリオはキャロにおちんちん、おっきくしちゃったりしないの。だったらなんで
私に対してこんなになっちゃうの」
 エリオの意識が会話に向いている隙を狙って、ベルトとボタンの止め具を外した。する
りと隙間に手をすべりこませる。一瞬の早業だった。 
「うわわっ、フェイトさん、そんなところ触っちゃダメですよ。汚いです!」
「エリオのなら汚くないよ。それにさっきお風呂入ってたでしょ」
 エリオの性器に直に触れる。充血して膨張し、表面の皮はぷにぷにとした不思議な感触
だ。
 待ち焦がれた布越しでは感じられなかった、硬さと柔らかさを肌に感じる。水の中で長
く泳いでいて、やっと息継ぎができたような気分だった。
「ついでだし、ちゃんと洗っているか見てあげる」
「そんなこと、しなくていいですよ! ちゃんと洗えてますってば」
「本当にそうかな」
 エリオの固くなったのをこねくり回しながら、ファスナーを下ろす。
 尻に腕を回して、一気にズボンを下ろした。
 ぶるんと、エリオのそそり立つペニスが開放されて跳びだした。小さいながらも天に向
かってまっすぐ伸びている。
「ふふ、エリオのおちんちん、元気になってるね」
「見ないでください。恥ずかしいですよぉ……」
 消え入りそうな声と共に、エリオは逃げ出そうともがくが無駄である。
 フェイトはまじまじとエリオの性器を観察する。こうして見るのは久々だった。
 全体的に体が大きくなったのに比例して大きくなってはいるが、形状はあまり変わって
いない。勃起状態でも先端は皮を被ったままだ。ここが剥けるのはもうちょっと大きくな
ってからだろう。成長が楽しみだ。
「逃げちゃダメだからね」
 拘束を緩めて、フェイトはもっと弄りやすい姿勢に移ることにした。エリオの背中から
抱きつき、腕を回す。
 密着できてエリオの体温と感触が楽しめるし、エリオのモノを両手で触ることができる

 難点はエリオがその気になればすぐ逃げ出せることだろうが、もうその心配はない。
 エリオの顔を見てみる。未知の感触も慣れ受け取る余裕ができてきたのか、頬は快楽に
ゆるんでいた。股間から競りあがってくる情報を享受している。
 フェイトはエリオがこんな顔をしているところをはじめて見た。
 エリオ自身浮かべるのは初めてなのではないだろうか。
 純粋なエリオに色事の知識を植え付けていく。まるで新雪を踏みしめるようだ。
 フェイトはもっとエリオと触れ合いたくなった。ぴったりと肌と肌で体温を共有したい

アルコールのせいで変に体が火照る。エリオにこの熱を伝えたい。
「叱るわけじゃないから、そんなに身構えなくていいよ。異性に対して興味を持つのは当
たり前のことだから」
 今でこそエリオは何も知らない無垢な子供だ。
 年月は少年を男性へと変えていく。やがては自然に自分の知らないところで色事に関し
ても知識を身につけていくのだろう。
 自分が知らないところで、エリオが男になっていくのは嫌だった。
 フェイトは立ち上がった。自分のシャツの裾に手をかけ、たくし上げ一気に脱ぎ捨てる

「だから。そんなエリオに私が教えてあげる」
 シャツを脱いだら、次はスカートのホックを外す。重力に従い、すとんと落ちた。
 熱を帯びていた肌が外気に触れ、気持ちのいい開放感に包まれる。
77フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:31:34 ID:2cu7SsWc
「フェイトさん、何を―――」
 エリオは身を起こして目を丸くしていた。視線はフェイトのストリップショーに釘付け
だ。
 フェイトはブラジャーの紐に手をかけたところで、貫くように凝視されているのを肌に
感じた。
 子供だと思っていたら、目線だけは立派に男の物で背筋にゾクリと来るものがあった。
 ちらりとエリオに視線を向けると、エリオは慌てて目線を逸らした。
 そのしぐさは年相応に子供らしくて、ギャップにくすりと笑ってしまう。
「見て、いいよ」
 エリオがおそるおそると自分の方を振り向く。
 女性に性的な興味を抱くことは悪いことだという認識はやはり強い。
 フェイトは完全に視線が戻るタイミングで留め金を外した。肩を回して、胸を覆ってい
た下着を地面に落とす。
「エリオ、見てる? これが私の胸。さっき触れていて、エリオがどきどきしちゃった中
身だよ」
 ごくりと生唾を飲む音が聞こえた。許可を得たエリオは遠慮することなく、瞬きなどす
る余裕もなく見つめている。
 外気で奪われた以上の熱がフェイトの肌に湧き上がる。己の乳首がぴんと硬くなってい
るのが見て取れた。
「ね、触ってみて。女性の体について知るのも勉強のうちだよ」
 エリオとキャロは小さなころから魔導士として活動していて、一般的な教養としての教
育をあまり受けていない。これはエリオに対する教育なのだと、自分に残った羞恥心に戯
言を言い聞かせる。
 エリオはおっかなびっくりと手を伸ばす。支えなどなくても形を保つ、フェイトの張り
のある乳房に触れた。
「やわらかい……。やわらかいです、フェイトさん」
 エリオの中で何か発見があったようだ。目をきらきらさせて感動している。
 壊れ物を扱うような繊細な動きだった。
「エリオがちっちゃいころは遠慮なく触っていたんだよ。懐かしくないかな」
 あのころは楽しそうに無邪気なままこねくり回していたものだった。
 成長した腕力で乱暴に触られたらどうしようかと思ったが、そんなことはないようなの
で安心して身を任せられる。
「言われてみれば、そんなことをしていたような気もします」
「んんっ……」
 過去のことを思い出したのか、エリオの触り方がだんだんと大胆になっていく。思わず
上げそうになってしまった声を噛み殺した。教えているという立場である以上、自分がイ
ニチアチブを取るべきだ。簡単に声をあげるわけにはいかない。
「フェイトさんのここ、硬くなっているや……。もしかして、僕のと同じ様なものなんで
すか?」
 エリオは感じやすい部位を重点的に攻撃する。
 感触を確かめるように全体を触っていたのが、乳首をつまむような動きへと変化する。
 動きはまさに先ほど、フェイトがエリオをいぢめていたときの物と同じものだった。先
ほどのフェイトの動きを真似しているのである。
「や、やめて、エリオっ。そこはぁ……んっ……だめっ!」
「僕がそう言っても、フェイトさん止めてくれませんでしたよね」
 やられたら、やり返される。フェイトはまさにその身で言葉をかみしめていた。
78フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:33:01 ID:2cu7SsWc
 このままではエリオに主導権を奪われてしまう。
 フェイトは手を伸ばして、エリオのシャツを握った。
「こういう時はね、エリオも脱がなきゃいけないんだよ」
「そうなんですか?」
「そ。女の子だけ脱がすとか鬼畜のすることだからね」
 エリオは戸惑いながらも、動きをとめてシャツを脱ぎだす。明かされるエリオの裸にフ
ェイトは血が騒ぎ出した。興奮するのが抑えきれない。
「脱ぎましたけど……」
 足首で引っかかっていたズボンとブリーフもなんだかんだで落ちて、エリオは生まれた
ままの姿になった。手は恥ずかしいのか、股間を隠すように股間を覆っている。
 フェイトは脱がせるという行動の選択の正しさを知った。エリオは一泊置くことによっ
て落ち着き、先ほどのように胸を攻めてこようとしない。チラリズムという言葉を想起せ
ずにはいられないエリオの裸も堪能することができる。
 これで安心して、『教育』を続けられるというものである。
「ね、自分の体と女の人の体、どう違うか確かめてみて」
 フェイトは包み込むように、エリオを抱きしめた。最初のころのように胸で窒息させる
ようなことにはさせない。手を添えて、顔を横へ向かせてから抱きついた。
 手は頬から、首筋へ。鎖骨へと下ろしていく。少年らしい細い体についているしなやか
な筋肉を堪能する。
 うっすらと浮き出る肋骨をなぞり、背に手を回す。
「フェイトさん……」
 静かな時間が流れる。とくんとくん。高まっている自分の心臓の音が耳元で聞こえるよ
うだ。
 エリオも手を回して、くっつくように抱きついている。
 ここで収まったら、綺麗に収まるだろうに。フェイトの中の理性的な部分は愚痴った。
 自分の体はまだ熱を持っているし、エリオの性器も元気いっぱいだ。ここで踏みとどま
ることはできそうにない。
「続き。……するね?」
「え?」
 展開が理解できないという顔をしているエリオを無視して、再びそそり立っている物に
手を伸ばす。
 胸を触り、裸で抱きしめられる状況を経て、それはさらに大きくなっていた。小さいエ
リオの性器はがかわいそうなくらい張り詰めている。
 せっかくここまで服を脱がせたのだ。最後の『一枚』まで脱がさなければいけない。
「ここはちゃんときれいにしてるのかな?」
 フェイトが頭に思い浮かべるのは昔リンディと風呂に入ったときの記憶だった。クロノ
を育てた一人の母として、色々なことをレクチャーされたものである。
 その教えられたことの一つ、少年の性器の洗い方である。未成熟な男性性器は陰茎に皮
を被っており、汚れが溜まりやすいことを教えられていた。皮に守られているところは敏
感であり、もし洗ってやるときは直接シャワーをかけるのではなく、お湯につけるように
して洗えと言われた。
 エリオが小さいころは、リンディに教えられたとおりに刺激を与えないように注意して
洗ってあげたものである。
 今もエリオが自分でちゃんと洗えているか、保護者として確認しないといけない。
79フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:34:02 ID:2cu7SsWc
 這わせるように動かしている手のままに、皮を剥こうとして思いとどまる。リンディに
言われたとおり、男の子のその部分は敏感なのだ。エリオを痛がらせてしまい、泣かせて
しまったこともあった。そのような轍は二度踏まない。
「ちょっと待っていてね」
「何を……」
 フェイトは自分の人差し指と中指を口に含んだ。小鳥が餌を摘むように、ちゅっちゅと
吸い付いて指の全体を湿らした。
 舌で口の中に溜まった唾液をすくい指に絡める。口から出したときには、指はしとどに
濡れている。唇と指の間に銀色の橋ができた。
 フェイトは唾液に包まれた指でエリオの陰茎に触れ、皮を剥いた。唾液がローションの
役割を果たし、エリオのカリ首への刺激を和らげる。
 剥いた後はつぶさに見つめて観察する。
「ん。ちゃんと綺麗にしてるみたいだね。感心感心」
「フェイトさんに言われたことはちゃんと守りますよ。そんなにッ……見ないでください
っ」
「だめ。エリオの成長を確認させて。えっちなおつゆも漏らしていたみたいだし、どこま
で成長したのかな」
 アルコールのせいか、頭がくらくらする。頭の中にあるブレーキは完全に壊れていた。
 エリオの性器を弄ぶ手は、唾液で湿らせる前にも水気を感じていた。
「なんのことっ……くぅ……ですか。僕、漏らしてなんかいませんよ」
 話している間も弄ぶフェイトの指は止まらない。潤滑油を得て、より滑らかに、さなが
ら独自の意思を持つ生物のようにエリオの股間を這う。
 エリオの精通はもう迎えてしまったのか。無性に気にかかった。
 唾液で湿らす前に、ちゃんと確認すればよかったと後悔する。
 返事から考えるにまだのようだが、あの湿りがカウパーだとすれば射精できるように体
自体はできているように思う。
「そっか。エリオの言うことを信じるよ」
 フェイトはエリオの物を弄る手の動きを止めた。
 突然に快楽の供給が止められ、エリオはフェイトを見上げる。物欲しそうな表情を浮か
べていた。今のフェイトに対して、無防備すぎる表情だ。
「心配しなくても大丈夫だよ。ちゃんと気持ちいいことは続けてあげる」
 フェイトは狙った獲物は逃さない肉食獣の笑みを浮かべた。
 四速歩行の動物のように一気にエリオに踊りかかる。エリオを押し倒し、腕で押さえ込
む。
 背を丸め、その牙はエリオの膨張している物を狙っていた。
「フェイトさん、何をやるつもりですか?!」
 組み敷かれたエリオが仰天した声をあげる。
 フェイトは自己主張している性器をぱっくりと口に銜え込んでしまっていた。エリオの
持つ常識によれば不潔な行為だ。
 尊敬するフェイトがそんなことをするなんて思いもよらないし、どうしてそんなことを
しているのかも理解不能に違いない。
 フェイトにとって、エリオの反応は織り込み済みである。意に介さず、フェラチオを続
けることにした。
「フェイトさんの舌が絡みついてきて……。も、もう、やめてくださいよ。そんなところ
、汚いですってばぁっ」
 フェイトは自分の口で綺麗にしてあげるつもりで、カリの部分を重点的になぞる。陰茎
は充血しているが、皮には関係ない。皮のふわふわとした感触を楽しみながら、隙間に舌
を滑り込ませ張り詰めている亀頭を撫でるように舐める。
80フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:34:53 ID:2cu7SsWc
 エリオはこの期に及んで、快楽を感じる自分を隠そうとしているようだった。声や体で
反応してしまうのを必死で押さえ込もうとしている。
 フェイトはびくびくと痙攣するエリオにいじらしさを感じてしまった。
 エリオの先端から、生臭い雄の匂いがする粘液が漏れ出しているのを口の中で感じる。
味は舌でねぶるほどに濃くなっていく。
 自分の体もそれにあわせて、発情していくのを押さえられない。
 口が塞がれたまま運動しているとはいえ、興奮で呼吸の感覚が早くなってしまう。
 タイミングを逸してしまって脱ぐことがなかった下半身を覆う下着が、汗ではないもの
によってじっとりと湿っている。

 意識までがぼんやりしてきた。保護者でもなんでもないただの年上の女であるフェイト
・T・ハラオウンと、性に目覚めつつある少年エリオ・モンディアル。二人だけが世界に
存在する幻想に捕らわれる。
 エリオというアルコールが全身に駆け回っている。もう他の事は考えられない。
「フェイトさん!!! お願いですっ……。この続きは後でしてくれてかまいません。今
は止めてくださいっっっ」
 なされるがままに快楽を享受していたエリオが突然暴れだした。
 切羽詰って様子で、またしても必死にフェイトをどかそうとしている。
 いい感じに興奮していたのにと、フェイトは上目で舌では刺激を加えつつエリオを見上
げる。
「漏らしちゃいそうなんです。もう、今すぐにでも! お願いですからどいてくださいっ
っ!」
 涙目でエリオは訴えていた。もう本当に『漏らす』のはすぐなのだ。
 エリオの一言にフェイトの中で爆発するように情愛の炎が燃え上がった。
 今の発言で確信する。
 エリオはまだ精通は来ていなかったのだ。そしてこれからするのだ。
 フェイトは自分の四肢を魔力で強化する。これでエリオがどれだけ抵抗しても、自分を
跳ね除けることはできまい。
 エリオの精通を逃すつもりはなかった。
 根元に唇でしっかり密着し、ストローの要領で吸い上げる。
 その際、切り札として取っておいた鈴口を舌先でなぞりあげるという技を披露した。
「うぁあああああ、退けてくださいってば、フェイトさあぁぁぁんっっ!」
 フェイトの本気にエリオは容易く決壊した。
 がくがくと腰を振るわせつつ、生まれて初めての精液を放出する。
「ぐっ?! げっほ、ごっほ、ふうふぅ……」
 エリオの突然の爆発に対応できなかったフェイトは対応し切れなかった。
 なにせこのスキルは雑誌で仕入れ、いつかのためにほとんど独学で訓練したものであっ
たりする。実戦経験は薄く、咄嗟の自体には反応できない。
 喉で精液を受け止めてしまい、気管を塞がれてしまう。フェイトは思わず口から離して
しまい、第二射、第三射を顔面で受け止めることになった。
 フェイトは気管に入った精液を吐き出し、荒く息をついた。顔は白い粘液で汚され、半
開きになった唇の端からも零れ落ちている。
81フェイト×エリオ:2007/06/25(月) 05:36:41 ID:2cu7SsWc
 ごとりと、何かが床に落ちる音がした。フェイトの拘束から逃れようと、上半身を起こ
していたエリオが重力に引かれるままに床に頭を打ち付けた音だった。
「エリオ……、どうしたの?」
 顔を自分が出したもので汚した自分を見て、エリオはどう思うか。純粋に汚いと思うか
もしれない。嫌われるのは嫌だった。
 フェイトはそれでも心配だったので、先に顔を拭いたほうがいいという考えを振り切っ
てエリオの顔を覗き込んだ。
「気絶してる……」
 拍子抜けした。
 誰にともなく、フェイトはつぶやいた。つぶやくしかなかった。
 どうやら逝った反動で気を失ってしまったらしい。それほど気持ちよかったのかと誇ら
しく思うが、この自分の発情した体はどうすればいいと言うのか。
 エリオの精液の匂いに包まれ、体の火照りはさらに高まっていた。乳首はずっと硬くな
って立ったままだし、ショーツもぐっしょりと濡れて股間に張り付いている。
「シャワー浴びて寝よう……」
 だがエリオが寝てしまっている以上、どうしようもない。
 自分で慰めようかと考えて、いい加減に夜も遅いことに気がつく。それにエリオを裸で
放置していたら、風邪を引いてしまうかもしれない。
 エリオは仰向けで横たわっている。エリオのやわらかそうな太ももを見ていると、むら
むらとわきあがってくるものがあるがフェイトは自制した。
 フェイトは部屋に備え付けのウェットティッシュを数枚取り出し自分の顔をぬぐい、自
分の唾液と精液に濡れたエリオの性器を丹念に拭き取ってやる。
 みるみるしぼんでいくエリオの物を観察できたのは役得だった。
 フェイトは抱き上げて、自分のベッドにエリオを寝かせた。風邪を引かないように、肩
口まで布団をかぶせて上げる。
 シャワーを浴びに行こうとして、一度エリオに振り返った。
「今日の記念にっと。これくらいはいいよね……」
 たった今被せた布団をめくると、その首筋に唇を落とした。
 ちゅっと吸い上げて鬱血痕を残す。
 自分の作ったキスマークを見て、エリオの寝顔を次に見て、フェイトは満足げに微笑ん
だ。
「じゃあね。ちょっとシャワー浴びてくるよ。今晩はいい夢を見てくれると嬉しいな」
 願わくば、その夢に自分が出てくればいい。
 フェイトは服を拾って着替えると部屋を後にした。
82名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 05:36:58 ID:mM4seZwN
支援
83Mr.P:2007/06/25(月) 05:39:05 ID:2cu7SsWc
以上です。
お付き合い、ありがとうございます。
長文失礼しました。
84名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 05:42:54 ID:dkvXheQ9
>>83
ありゃりゃ???どっかで読んだような…。もしかしてオジ婚のひとでつか?
ともかくこんな早朝から投下乙です〜。これはいい眠気覚まし
85y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/25(月) 07:00:20 ID:WADS98Hu
>>69
あ、なのレンジャー続けます、ハイ、ユーノ終ったらまた書くつもりです
と言うか少し書いたところで止まってます、ただあと何話やるか決めかねたので止まっただけです

>>83
これいいな〜wて言うか少年の性器の洗い方って…リンディさん何教えてるんだw
細かいとこまで気が配られてる文章見ると、何かこう…あぁ!正直言うと悔しいですね
GJ!次回作期待してます
86224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/06/25(月) 07:39:12 ID:GyuGLV3O
>>83
コレは良いwwww
ほのぼのとしつつも精通Ktkr!
GJ!!!


……それにしてもおかしい、エロに入る前になぜ戦闘シーン&過去回想ネタを考えてしまうんだ?

己が書いてるのは短編!
ラヴラヴでエロエロな短編なのだッ!
と思いつつ、
ふと気付けば長編構成になってたっつ〜ことってありませんか?
orz
87ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:13:13 ID:OxoXW65h
うっわぁ…
ターンA氏やMr.P氏の後で心苦しい…
皆様エロいよエロ過ぎるよ!


キャラスレでエリはや5分が成立してたので
思いついたやつです。

19歳を少女と呼べない輩は石化されてしまえ。
ジャンルはエリはや!
ここ重要です。エリはや!


前はエリオ君の階級間違えてたので訂正。
以前挫折したエロにも挑戦。
初めてエロパロと胸を張って言えます!
無駄に長くなったので駄目な人はどうぞスルーを。

ではでは。
88ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:13:55 ID:OxoXW65h
機動六課部隊長執務室。
現在、この部屋には部屋の主である八神はやてとエリオ・モンディアル三等陸士がいた。
「まぁエリオ君もお年頃やからねぇ…こんなんに興味があるのは解るけど…」
そう呟くはやての執務机の上には一冊の青年誌が置かれていた。
彼のパートナーにキャロ・ル・ルシエという少女がいる。
彼女はこの少年に好意を寄せていて、ポイントを稼ごうと
少年の部屋をこっそり掃除しようとしたのは良いがこの本を発見。
その場で大声を上げてしまい、事が公になってしまったのだ。
「まぁ別に悪い事やないんやけど、まだエリオ君は10歳やろ?
 法を守る者としては処罰せんと駄目やねん。堪忍してな?」
一応フォローを入れてみるものの、エリオの顔は青ざめたままだ。
何しろエロ本が見つかって処罰である。
まともな感性を持つ少年なら軽く自殺しかねない。
とはいえ、これは明確な違法行為なのだから罰則を与えざるを得ない。
就労年齢の早いミッドチルダでは地球で18禁に該当するものも15禁となるが、
それでもエリオの年齢はそれに達していない。
「ハイ…覚悟してます…」
頷くエリオ。先程からずっと俯いたままだ。その表情は非情に険しい。
(あかんなぁ…このままじゃ訓練や実働にも影響でそうやし、
 何か気分転換させてあげんと)
「そういや、コレどうやって手に入れたん?エリオ君が買ったわけやないやろ?
 もしかしたら誰かに無理矢理渡されたんと違う?」
エリオが挙動不審になる。やはり誰かが彼に渡したのだろう。
エリオの生活範囲は機動六課隊舎内だけでコレを手に入れられる場所はない。
また彼の性格上このようなものを喜んで受け取るとは思えないし、
これを無理矢理渡しそうなおせっかいな人物も存在する。
「隊長命令や。正直に答えんとあかんよ?」
「…………ヴァイス陸曹です………」
「やっぱりなぁ…あ、大丈夫やで?別に何もせんから」
嘘だ。あとでこっそりフェイトに伝えておくつもりである。
きっとあの過保護な雷神は充分な天罰を与えてくれるだろう。
しかし
(あかん、話題の選択失敗した…ますます凹んどるなぁ…)
生真面目な少年は共犯者の名前を言ってしまった事に更なる責任を感じてしまったらしく
ますます縮こまっている。
「えっと…あ、そういやコレ結局見たん?」
「え!あの!その!えっと…」
エリオの顔が一気に真っ赤になる。どうやら中身は見たようだ。
はやてはオヤジな笑みを浮かべ、更に質問する。
「エリオ君もやっぱり男の子やなぁ?で、どんなんが好みなん?」
そう言いながら本を開き、パラパラとページをめくっていく。
中身は『ケダモノYの潜入盗撮記録!』や『今月のオススメAV』など。
『特集!機動○課の乱れた実態』というのに目をひかれたので
そのページを開いてみると機動六課の面々のアイコラだった。
はやてはヴァイスの天罰の内容に石化と炎と殴打と砲撃を加える。
と、はやてのページをめくる手が止まった。
89ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:15:06 ID:OxoXW65h
自分のアイコラ画像のページである。
自分のアイコラ画像というだけでかなりのショックであるが、
そこに液体がかかって乾燥した跡があるのだ。
そのページの裏のページを確認してもそこには広告しか無かった。
どうやら自分の画像に何らかの液体がかかったのは疑いが無いようだ。
「はやてさん!あの!……」
エリオが必死に弁解しようと口を開いたが後が続かない。
つまりアレが飛んじゃってアレらしい。はやては笑った。
「あかんよ?こんな事しちゃ」
その言葉にエリオの表情が一気に急変する。
その表情から焦りが無くなり、俯く。そしてその口から言葉が漏れた。
「……何…………ですか…」
「うん?今何て言うたん?」
エリオの視線がはやてに直撃する。その頬は少し赤いが表情は真面目そのものだ。
「……何でいけないんですか!?」
エリオが叫ぶ。ただ単にいきなり大きな声を出された事にはやては驚いた。
エリオの言葉は止まらない。
「僕はまだ子供ですけど!でもっ!
 ――――――はやてさんを好きになっちゃいけないんですかっ!?」
今度こそはやての思考が止まった。
エリオの言葉は止まらない。
「子供のたわ言と思われるかもしれませんけど!
 でも僕は僕なりに何日も考えて!
 でもやっぱりはやてさんの事が大好きで!
 だから―――だからっ!はやてさんの事を愛してるんです!」
言い切った。顔を真っ赤に染め、肩で呼吸をしている。
エリオの言葉は途中から意味不明だ。だがそれだからこそ必死さが伺えた。
はやての思考が動き始める。必死に断る理由を探した。
「……えっと…あのな?エリオ君の気持ちは嬉しいんやけど…
 でもな?私は機動六課の隊長さんで、エリオ君はそこの新人さんや。
 今色々と目ぇつけられてるし、余計なスキャンダルとかあんまり欲しぃないんよ」
機動六課という大きなものを盾にした卑怯な答えだとわかっていたが
これならエリオも退いてくれると確信していた。
エリオは若干10歳の新人で、それが部隊長かつエースのはやてと付き合うとなると
六課を疎ましく思っている輩に対しては恰好のスキャンダルだ。
エリオは年齢こそ若いが他人や組織の事情というものをキチンと判断出来る。
「…僕じゃ、不釣り合いって事ですか…」
一気にエリオが大人しくなった。彼も自身の未熟さは痛感している。
どうやら解ってくれたようだとはやてはホッと胸を撫で下ろした。
「でも…それは僕がはやてさんに釣り合うようになればいいだけの事ですよね?」
しかし少年は諦めなかった。はやてを真っ直ぐに見据える。
その瞳はとても真摯で、はやては言葉に詰まった。
「…えっとな?いや、あのな?これはそんな簡単な問」
はやてのしどろもどろの言葉を遮る。
「今は無理って解ってます。
 だから…何年後になるかは解りませんけど、
 でもいつか必ず、僕はまた同じ言葉を言いに来ます。
 その時は…真面目に考えてください」
エリオの言葉にはやては返す言葉を持たなかった。
そのまましばし見つめ合う二人。
エリオの頬は変わらず真っ赤だがその瞳は揺るぎはしなかった。
はやては視線を逸らせず、かといってエリオの目を直視出来ず、
エリオの耳や口、髪などをただ眺めていた。
「…もう退出してよろしいでしょうか、八神部隊長」
「―――ひぇっ!?あっ!ううん!ええよっ!?」
90ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:16:07 ID:OxoXW65h
夢を見る。それはありえない未来。
そこでの自分は本当に何の変哲もない女の子で
大好きな黒髪の彼の胸に抱きついて
頬を寄せて彼の心音を聞いて
彼に抱きしめられて身が溶けるような幸せを感じて
目を閉じて彼の唇を貪り、それだけで濡れてしまって
目を開くとそこには――――

「うわあああああああああああああああっ!」
はやては飛び起きた。心拍数が尋常ではない。嫌な汗が背中を走る。
(あかん、あかんて!流石にこれはあかんっ!)
先程の夢が思い出される。
目を開いた先にあったのは…黒髪ではなく赤い髪の青年の笑顔だったのだ。
(何でなん!?昼間にあんな事あったから!?)
「…んみゅ〜…マイスター、どうしたですかぁ〜…」
横で寝ていたリィンUも起こしてしまったのだろう、目をこすりながら声を掛けてきた。
なのはもフェイトも今日は外泊だったのは不幸中の幸いである。
「…ごめんなぁ、リィン。ちょっと嫌な夢見てしもうてなぁ…」
リィンがふらふらとこちらに飛んでくる。
「こわい夢をみたのですかぁ?リィンがなでなでしてあげるですよぉ」
そう言って小さな手ではやての頭を撫で始める。
「うん、もう大丈夫や。やからリィンももう寝てええで?」
「………リィンもだいじょぶなのですぅ…
 それよりもマイスターが心配なのですぅ〜…」
しかしその飛行はフラフラと安定せず、今にも墜落しそうだ。
はやてはリィンをそっと抱え、ベッドに戻してあげた。
股間に違和感を感じる。あの夢を見る度に濡らしてしまう自分に少し悩んだ。
(…あとで下着変えんといけんね…)
結局その日はそれから一睡も出来なかった。


定期報告会。
二週間に一度、機動六課の主要メンバーで各部署の状況を報告しあう場所だ。
ロングアーチの報告が終わって次はスターズ、ライトニング分隊の報告だ。
教導官であるなのはが立ち上がり、フォワード陣の訓練状況などを説明する。
「みんな順調、この分なら予定よりもはやく次の段階に進めそうだよ?
 エリオ君はもうシグナムとの個人戦の訓練始めたしね」
エリオの話題にはやての心音が跳ね上がった。
それに伴い体も動いてしまったので見とがめたシグナムが声をかけてくる。
「主はやて、どうかされたのですか?」
「えっ!?いや、エリオ君この前あんな事あったから訓練に影響出てへんかなぁて思てな?」
「いえ、むしろあんな事があったせいか以前よりも張り切っていますよ?
 最近の成長具合はエリオが一番いいです」
シグナムの言葉に異論を挟む人物が二人。
「ティアも頑張ってるよ?」
「スバルだって負けちゃいねぇよ!」
その様子にはやては笑った。どうにか平静を装う事に成功する。
「はいはい、みんな親馬鹿さんやねぇ〜。なのはちゃん、以上で状況報告終わりかな?
 ちょうどお昼時やし、このままみんなでご飯にせぇへん?」

91ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:17:06 ID:OxoXW65h
機動六課隊舎食堂。
お昼時という事もあってすでに食堂の席はほとんど埋まっていた。
そこにはフォワード4人の姿もあった。
四人は大きな皿に盛ってあるチャーハンを分け合いながら食べている。
スバルが自分のを大盛りにする傍らでキャロがエリオの分をよそっていた。
その光景はとても微笑ましく、お似合いのカップルとしか表現出来ない。
(そうや、エリオ君にはキャロがおんねん)
その事実をを再確認した所で、エリオと目が合った。無邪気に笑って手を振ってくる。
その様子は以前と何の代わりも無く、あの事がまるで無かったかのようだった。

夢を見る。それは辛かった記憶。
少女に初めて好きな人が出来た頃の話。
それは少女と少女の家族を守ってくれたくれた人だった。
真面目で、鈍感で、解りにくい優しさを持った人だった。
少女はその人がとてもとても大好きで、
何か事あるごとにその人に会いに行っていた。
でもある日知ってしまった。
自分が会いに行く事でその人が後ろ指をさされている事を。
優しいその人は気にしないようにと何度も何度も言ってくれたけれど
その人の未来の邪魔になるのが嫌で、
その人の所に行く回数はどんどん減ってしまって
そのうち、その人は自身の一番大事な人を決めてしまって
それは自分ではなくて

目を覚ます。
あたりを見渡すとそこは機動六課部隊長執務室だ。どうやら書類仕事中に寝てしまったらしい。
と、そこで気付く。書類によだれ以外に別の液体がついているのだ。
はやてはそこで始めて自分が泣いている事に気がついた。
(そんな事もあったなぁ…)
随分昔の記憶だ。少なくともはやて本人はほとんど忘れていた。
今思えば、夢に出る架空の恋人が黒髪になのは地球に住んでいた事より
この初恋が影響しているのかもしれない。
(そうや…自分がそばにおったらエリオ君に迷惑かける。
 私とエリオ君の間には何にもなかったんや…)
そう自分に言い聞かせるが、胸に痛みが走る。
この痛みが思い出してしまった初恋のせいなのか、
それとも今直面している問題のせいなのか、はやてには判断できなかった。

エリオの成長が著しい。機動六課の色々な所でそれを聞くようになった。
フェイトの高速機動や回避技術、守りの技術を教わり、
シグナムから防御を突破する方法や近接戦闘技術など、攻めの技術を教わっているのだ。
高速機動で接近し、プロテクションなどの防御を貫いて相手のデバイスを破壊する。
このかなり反則気味な戦術を行える力を、エリオは蓄えようとしていた。
(高速機動で霍乱・接近、距離を一瞬で0に出来て、
 確実に相手の防御を貫けるようになったら…陸戦A、下手するとAAやなぁ…)
まだ当分先の話だ。しかし決してありえない話ではない。
それは充分な戦力であり、近接戦闘なら自分を遥かに凌駕する力だ。
それは自分と釣り合った実力とは呼べないだろうか?
そうなった時、エリオは自分の部屋に来るのだろうか。自分はどう答えるのだろうか。
(―――ってちゃうやろっ!?そもそもありえへんのや!私とエリオ君なんてっ!)
しかし想像は止まらない。
その頃エリオはもう自分よりも背が高くなってたりするのだろうか。
それともまだ自分の方が背が高いのだろうか。何年後だろう?五年?十年?
「―――ちゃうっ!ちゃうねんっ!私は…そんな…」
もうぐちゃぐちゃだ。はやてには自分がどうしたいか解らない。
「私はいろんな人に助けて貰って…ここにおるんや。
 せやからいろんな人を助けたい…私はもう充分助けてもらったんや…せやから…
 せやから…」
一枚の書類がはやての目にとまった。
92ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:18:55 ID:OxoXW65h

「異動?僕にですか?」
訓練の合間の休憩中、エリオにフェイトから渡された書類はそんな内容だ。
「うん。機動三課のフォワードの前衛が個人の事情でやめちゃってね?
 それで補充の要員を募集してるんだって。
 そこでは一等陸士になるから栄転なんだけど…エリオ、受ける気ない?」
勿論エリオには迷う理由などなかった。確信を持って首を横に振る。
「ありません。まだまだフェイト隊長やシグナム副隊長に教えてもらう事が
 沢山ありますからそんなトコロに行ってる場合じゃないですよ。
 それに、僕はまだまだ未熟ですから行っても足を引っ張るだけですし」
そう建前をフェイトに告げ、一番大事な本当の理由は
フェイトには聞こえないように口の中で呟く。
「…何よりここでやらなければいけない事がありますし…」
その呟きには気付かないフェイトが何気なく言った一言。
「うん、そういうと思ってた。はやてにも断っておくね?」
エリオの思考が止まる。
「―――は、はやてさ…八神部隊長が…?」
「うん、そうだよ?…エリオ、どうしたの?顔が真っ赤だよ?熱でもあるの?」
エリオの様子が変わった。顔は紅潮し、表情は何かに耐えるような厳しいものに変わる。
「いえ違い――いえ、そうです。何か熱っぽいのでちょっと医務室に行ってきますっ!」
そう言ってエリオは駆け出した。
向かう先は―――


機動六課部隊長執務室。
いつも通りにはやては書類に目を通し、そしてサインを書き込んでいく。
部屋の中には紙とペンの立てる音しか存在しない。
ドアがいきなり開かれ、ある人物が入ってきた。
訓練服のエリオだ。
「え、エリオ君っ!?まだ訓練中の」
「何でですかっ!?」
はやての当然の抗議を遮ってエリオの叫びが響く。
顔に浮かんでいるのは明確な怒りの表情。
はやては頭のどこかでこんな顔も出来たのかと感心している自分に気付いた。
だが今はそんな時ではない。
出来るだけ平静を装い、書類に視線を戻した。
「―――服務規程違反や。はよ訓練にもど」
「何で異動の話なんてよこしたんですかっ!?」
また遮られる。エリオは止まらない。
視線が上がり、エリオと目が合った。捕らえられる。
「僕が疎ましいのならそう言ってください。異動でも何でもします。
 何なら管理局をやめたっていいっ!
 でも、僕の気持ちを知ってるのにっ!何でこんな事が出来るんですかっ!」
はやてはエリオの視線から逃れられない。右手のペンを落とす。
「………嫌いならそう言ってください」
搾り出すようなエリオの言葉。
ここだ。ここで決めないと流される。
はやてはそう直感した。
唇が震える。エリオの視線は受け止められないので俯く。
「…私は…エリオ君のこ、ことが…きら…いや…」
自分は言えた。ちゃんとこの言葉を言えた。
少し声が震えたが確かに言えたのだ。
だが―――――
93ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:20:06 ID:OxoXW65h
エリオは距離を詰めてくる。執務机の横に回り、椅子に座った自分を見下ろす。
「…エ、エリオ君?エリ」
エリオの顔が降ってきた。思考が止まる。
耳に何故か液体が立てる音が響いた。そこで初めて唇が奪われたと気付く。
既にエリオの舌ははやての口内に侵入し、はやての舌を弄んでいる。
歯の裏側を舐められ、背筋に電撃が走った。だが離れない。
必死に鼻で呼吸をし、エリオの舌の暴力を受け入れ続ける。
吸われ、舐められ、しゃぶられ、ようやく開放された。
エリオと目を合わせる。少年の瞳には涙がたまり、今にも溢れそうだ。
「……そんな…そんな泣きそうな顔で…
 そんな事言われても信じられるワケないじゃないですか…!」
声は大きくなかったが、その言葉は耳に響いた。
またエリオの顔が降ってくる。はやては何故か目を閉じていた。
暗闇の中で、はやての感覚は口内だけに集中していく。
舌の裏側を舐め上げられる。下唇、上唇の順番で吸われる。
口の端からこぼれた唾液を舐めとられ、
おずおずと差し出した舌を徹底的に吸われ、しゃぶられ尽くす。
その全てがはやてのからだに痺れを与え、思考力を奪っていった。
「んっ…はぁ…」
エリオがはやてを開放する。二人の口の間に唾液の糸がかかり、切れた。
はやては思考がまとまらない。ただエリオが自分を見つめている事だけは理解した。
「スイマセン。今から三分後に貴方を犯します。
 嫌ならここから出て行ってください。
 大声でも念話でも何でもいいですから人を呼んでください」
エリオはそういってはやてを見つめる。
はやては席を立とうとし、そして足に力が入らない事に気がついた。
静寂の時間が過ぎる。
「二分経過しました。そうですね…ちょっとコレお借りしますね」
そういって執務室に備え付けの通信器具を操った。
通信画面に出るのはシャーリーだ。
「あれ?八神部隊長?どうかしたんですか?」
シャーリーが突然の通信に驚いた声を上げる。
「部隊長?ぶたいちょ〜?どうかしたんですか〜?」
ここでシャーリーに声をかければエリオは逃げるのだろう。
そのエリオの意図は理解出来た。
そしてはやては――――
94ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:20:58 ID:OxoXW65h
また唇を奪われる。そして手でシャツのボタンを外されていく。
上着は既に床の上だ。
先程からずっとエリオの行動をはやては受け入れ続けていた。
執務椅子に座ったまま、キスされ、脱がされていく。
ブラはフロントホックだったので簡単に外された。
すでに上半身を隠すものは何もない。
またキスをされた。水音と荒い鼻息だけが執務室に響く。
既にはやての目の焦点はぼやけている。
はやては今まで自分は不感症だと信じていた。
シャーリーに胸をもまれてもくすぐったいだけで変な気分に全くならなかったからだ。
だが…
(…知らんかった…私、キスに滅茶苦茶弱いんや…)
もやがかかった頭でも全身のスイッチが入ってしまっている事が理解出来た。
乳首は痛い程に勃起し、大事なところは充分に湿っている。
だがエリオはまだキスしかしない。
と、エリオの唇が降りてきた。今度は首筋を丹念に舐め上げる。
「……んっ…んんっ…んはぁっ…」
首筋を這い上がる舌の動きにあわせ、脳天を電撃が貫いていった。
そしてエリオの指が胸に迫った。
最初はそっと触れられた。むず痒さに耐え切れなくなる。
その忍耐の限界ギリギリの所で、いきなり乳首をつままれた。
「―――はぁっ!」
背筋が跳ねる。その度に椅子の背から軋む音がする。
はやては疑問に思う。何故彼はこんなに自分の状態を知っているのか。
と、そこで初めてエリオの瞳が自分の顔を捉えている事に気がついた。
(――い、今私どんな顔してるん!?)
理性と血流が顔に戻ってくる。
エリオはそれを察したのだろう、笑いながら告げた。
「今、すごくやらしい顔してますよ?」
そしてまた乳首をすりあげる。
「ひゃっ!エ、エリオ君っ!?」
エリオは胸にしゃぶりつく。しかし視線はけっしてはやての顔から外さない。
エリオからの念話が届く。
(はやてさん、可愛いですよ)
羞恥心はもう許容範囲を軽く超えた。
「ひゃやてひゃん、ひゃやいいでひゅよ」
乳首を吸われながら言われた。
言葉を発する際の息遣いや唇の動きも乳首で全て快感に変換される。
また背筋が大きく跳ねた。椅子の背が軋む。
そしてエリオの唇がまた下がる。
臍を舌でほじられた。
「んぅっ!そ、そんな汚いとこなめんとい――ひゃんっ!」
存分にされた。
だが…肝心の場所はまだ全く触れられていない。
特に臍などはその場所に近かったから余計に我慢を強いられた。
エリオが一度立ち上がり、また唇を奪う。
今度は胸に指を這わせながら、だ。
「…んぅっ!…んっ!…んん…んはぁ…」
開放された。エリオがすこし笑う。
実はまだ続けて欲しくて舌を伸ばした事に気付かれたのだろう。
もう一度、今度は唇が触れるだけのキスをした。
95ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:22:09 ID:OxoXW65h
「はやてさん…立って?」
そう催促されて、はやては足に力を込める。
椅子から腰を浮かし…そのまま腰は床に落ちた。
「…はやてさん?…もしかして腰抜けちゃったんですか…?」
羞恥心から俯いて黙り込むしかなかった。
顎を指で掴まれ、上を向かされる。何度目か解らない口づけ。
そしてそのままゆっくりと押し倒された。
スカートは上にずらされ腹巻のようになっている。
「すいません…ストッキング破りますね?」
エリオはそう告げるとおもむろにストッキングを裂いた。
下着をずらし、指を入れようとしてエリオは気付く。
はやてもエリオの言わんとする事に気付き、声を上げる。
「はやてさん…その…」
「言わんでええっ!言わんでええからっ!」
「その…準備万端ですね…」
言われた。死にたい。せめて穴が入ったら入りたい。
(あ、今から穴に入られるんか…)
羞恥心が限界を超え、頭がおかしくなったようだ。無駄な事ばかり考えた。
「じゃぁ…行きます…」
そっと足を押し広げられ、エリオのそれがはやてのそこにあてがわれた。

受け入れる痛みにはやてが顔をしかめる。
エリオはそこで一旦止まった。
「大丈夫ですか?その…止めましょうか?」
「ええよ…このまま、このまま来てぇ…!」
そう言ってエリオを抱きしめる。
エリオは訓練服で砂まみれで
(…男の子の匂いがする…!)
はやては鼻腔をさす匂いに酔いしれた。
体はゆっくりと、だが確実に押し広げられていく。
そして…最後まで開かれた。
「その…動きますね?」
「…ええよ…」
ゆっくり抜かれていった。体の内側をすられる感触にはやては身悶える。
「…んぁ…」
今度はまた押し広げられていく。息が詰まる。
「…ひんっ!」
その連続。エリオはゆっくりとその往復運動を繰り返す。
「…んんっ!…エリオ君…はっ…あの――ひゃんっ!あのな?
 もっ――ひっ…もっと…好き勝手に動い――あんっ!…ええよ?」
「でも、まだこれでいいですよ」
そういってエリオはそのペースを維持し続ける。
きっと彼ははやての表情で全てを解っているのだろう。
だが腰の動きのペースは依然変わらない。
ここではやてもようやくエリオの意思が何となく掴めた。
ようは、彼女に言わせたいのだ。
ゆっくりと体の内側をすられ、また押し広げられていく。
時折、一番奥をつつかれる。
これを…もし強くされたら自分はどうなるのか、はやてには解らない。
だからその答えを教えてもらう為に、言った。
96ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:23:32 ID:OxoXW65h


「…あのな…?…お願いやから…もっと…強くして…?」


そう言って目を閉じる。
きっと笑っているであろうエリオの顔を見るのが嫌だったからだ。
まず来たのは唇。舌で開かされ、また口内を蹂躙される。
そしてエリオの腰の動きが再開される。今度は乱暴で、強引で、力強い動き。
口から漏れる声が止められない。体が勝手に跳ねる。
意識がどんどん追い詰められ――――



はやての世界は白に染め上げられた。



はやてが目を覚ました頃には既に日は暮れていた。
服は…エリオが着せてくれたのだろう、ところどころ歪な所があった。
今回はなし崩し的にこうなってしまった。
しかし
(私らの関係って…結局何なんやろ…?)
結局はやてはエリオに気持ちを伝えていないし、エリオも約束を果たしていない。
あの少年の事だ。きっとあの約束をいつか果たそうとするのだろう。
(……そうやなぁ…じゃ、もう少し待とか…)
いつかは知らないが待たされる事には変わりない。
おあずけを喰らって待たされたのだ。
きっと受け入れても誰も文句を言わないだろう。そう、考える事が出来た。

少女八神はやては少しだけ我が侭になった。
97ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/25(月) 08:24:53 ID:OxoXW65h
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

ナゲェ!ゴメンナサイ!
今度からもっと纏めるようにします!
あと肝心のトコが実用性無くてスンマソン!

うちのエリオきゅんは
きっと舌でさくらんぼをチョウチョ結びどころか
東京タワー作れます。
しかし何でこんなにアレがうめぇんだ…。

近代ベルカ式「Fire Head Hawk」
指が高速で振動&神経に電流流して脳天直撃セガサターン。
そんな阿呆な魔法を使わせようか悩んだのは秘密。
98名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 09:24:15 ID:8iMBIACx
なんてGJなんだ…
ここ最近の大量投下はうれしい限り
俺にも書くスピードがあればいいんだが
ちまちま書いてるんで、出来次第投下するぜ
99名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 10:50:06 ID:fFh6Hnq+
>>97
エロい!
はやエリに目覚めたかもしれない…
続きを期待しております
100Mr.P:2007/06/25(月) 14:27:13 ID:2cu7SsWc
感想どもです。ありがとうございます。

>>84
 やっぱ即効でばれましたか……。
 はい、オジ婚書いてますよ。
 Pなサイトの中の人です。

>>85
 おちんちんという響きには夢がつまっていると思います。
 子供のものは保護者が気をつけないと病気の原因になるらしいですよ。
 と、リンディさんの正しさを主張してみる。
 ユーノののもですが、なのレンジャー楽しみにしてますよ!
101名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 15:26:37 ID:B4dg36dK
すげぇ…超GJ
エロオエロ過ぎるよエロオ
102224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/06/25(月) 18:01:34 ID:XO6HsQpg
その才能に嫉妬したw!
103名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 18:19:18 ID:OxoXW65h
>>Mr.P様
本物!?うっわぁ!
いつも楽しく読ませて貰ってます!

104名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 19:21:52 ID:WADS98Hu
>>97
エリはやキター!!!
はやて大好き人間めっさ嬉しいです、エロッス
エリオすごいよ、3分後に犯すとか10歳ブースト掛かり過ぎだよw
て言うかヴァイスの立ち位置って誰が書いてもこうなるんだw
105さくら(っ´▽`)っ ・・・ :2007/06/25(月) 19:43:07 ID:C3gxs1fL
超GJです!!!!!!
はやてスキーとして、かなり嬉しスです!
続き投下待ってます!

その才能がマジ羨ましすぎw
106名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 20:03:30 ID:WogllK6o
いやぁ…
三期に入ってから、フェエリとはやエリが俺の中でのツートップになってしまったよ…
やはり姉ショタは最高ということか
107名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 20:32:42 ID:6MbFTi7L
エリルーな私は異端ですか?
108名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 20:35:10 ID:75t9eKhF
>>107
ナカーマ
109名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 20:49:43 ID:7ZAkjjEs
ヴァイスは総じて扱いがひどいな〜

ティアナと一緒にバイクいじったり、
ティアナとツーリング行ったり
ティアナをタンデムシートに乗せたり
ティアナと(ry
というMOUSOUが最近とまらないんだけど



ヴァイティアってなにかやっちゃいけないオーラでもだしてんのかな?
110名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 20:51:39 ID:g5JXLSjh
キャラ的に掘り下げにく…ゲフンゲフン
111名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 21:01:14 ID:aWQ9SX3F
ヴァイスの時代が来るのは、ヘリパイ転向の理由判明後だろうな・・・
112名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 21:16:22 ID:pRlJW6ZU
だが一度で良いから見てみたい。


ティアナの上に乗っかったり
ティアナを上に乗っけたりするウ゛ァイス陸曹を。
そしてティアナの兄の墓前で「その内、アンタの事を『お義兄さん』と呼ぶようになるかもな」
などと抜かすのを。
113名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 21:54:44 ID:Wz//GCBs
グリフィスとシャーリーの話なんかも読んでみたい。
シャーリーがキャロに「……ということがあったのよ」と、ノロケと教育を兼ねて語る感じで。
114名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 21:56:00 ID:oiJ0D9EP
>>112

もはやイメージは
ツンデレティアナに余裕綽々と付き合うヴァイス兄さん
で固まってしまった!

休日、ヴァイスの用事に“付き合ってあげる”ティアナ。
通りかかった美人に見とれるヴァイスのこめかみに、魔力充填済みなクロスミラージュを当てるティアナ。
ヴァイスの実家で、両親兄弟姉妹他グランセニック一族から熱烈な歓迎を受けて戸惑うティアナ。

こんな妄想が次から次に溢れてしまう!
どうしてくれるッッ!!
115名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 21:57:21 ID:id/7R4II
>>83
Mr.P氏 GJ!
だけど、フェイトは自分のベッドにエリオを寝かせているのに、このまま引き下がっちゃうんですか?

一旦は引いたけど、体の火照りを抑えられなくて・・・
そんな続きを希望します。
116名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 22:33:13 ID:G1ZG4re+
でもヴァイスの彼女はヘリじゃないのか?
117名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 22:35:57 ID:aR09ZUUQ
>>116
ヘリに嫉妬するティアナという素敵妄想が沸いた
118名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 22:37:58 ID:iGYaD0+T
ストームレイダー『おはようございます、戦闘行動を開始します。』
119名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 22:39:45 ID:aWQ9SX3F
>>117
その揚句ヘリごとクロスミラージュに撃ち落とされるヴァイス

なんて電波を受信した俺は末期
120名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 22:42:37 ID:6J5o7RfH
>>118
どこのナイトライダーだよwwww
121名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 22:43:37 ID:FjqoXIcr
AIDAじゃね?
122名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 22:44:25 ID:iGYaD0+T
独立型戦闘支援ユニットと嫉妬といえば…ねぇ。
123名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 22:54:18 ID:G1ZG4re+
>>118
「動けえええーー!!」

しかしとある動画でディンゴはゲボ子という罠
124名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 23:05:06 ID:rldQ44rM
>>109
>ティアナと一緒にバイクいじったり
こんな電波を受信!



「「ヴァイス陸曹」」

スバルとティアナは、訓練の合間に、ヴァイスに先日借りたバイクを返しに来た。

「お、戻ってきたか。この前はどうだった?」
「楽しかったです!どうもありがとうございました」
「そうかそうか。まぁ途中で任務が入っちまったのは残念だったがな」
「えへへ…まぁ、しょうがないですよ」

素直に感想を述べるスバル。

「ティアナはどうだったよ?俺のバイク」
「…………」

ティアナは何も答えない。

「ちょっとティア!失礼だよ!何か言わないと!」

スバルに促され、やっとティアナが口を開く。

「ヴァイス陸曹…このマシン、セッティングは貴方が?」
「当然よ。一時期は給料の8割つぎ込んでたわ」
「はぁ…それにしちゃ…イマイチですね」

「んなっ!!!」
「ふぇ!?」

ティアナのドッキリ発言に明らかにむっとするヴァイスと、予想外の反応に驚きの色を隠せないスバル。

「なんていうか…先ずサスかな。峠攻めるにはちょっと硬すぎです。もうちょっとバネレート下げた方が公道向けセッティングですよ」

その発言に、むっとしたヴァイスが逆にニヤリ。

「お、分かってんじゃねーか。好きだったヨシヨシのパーツが欠品になっちまってよ。しょうがねーからムラムラ製のレースサス付けてんだ」
「ムラムラ?私はオーレンス製のキットをお勧めしますよ、調整範囲多いし」
「ばっか、オーレンスなんて高級品使っちゃあ面白くねー訳よ。どれだけローコストに仕上げられるか…それが男のロマン!!」
「えーと…あの…お2人さーん…」

わいわいわい。バイク談義に花を咲かせる2人と、一人置いてかれたスバル。

「これ…やっぱり中まで手、入ってます?」
「当然よ!ポート磨いたら劇的に調子よくなったぜ」
「ポートですか…私は暇が無くてエンジンの中まではいじらなかったなぁ」
「お?意外と簡単だぜ?まずはヘッドのオーバーホールからやってみりゃいいさ」



「おーい、ティアー、午後の訓練始まっちゃうよー…ダメダコリャ」

おわり。
125名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 23:10:31 ID:75t9eKhF
よし。おれはこれからエリルーをかくぜ!
宣言しないとめげそうだから宣言した!
126名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 23:12:27 ID:G1ZG4re+
>>125
頑張れ
出来なければエリオの代わりに貴様の尻をいただく
127名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 23:31:09 ID:U46I1qGU
>>124
GJ
いいと思うんだけどな、ティアとヴァイス
まだヴァイスのキャラが掴みきれない人も多いのかもしれん
128名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 23:38:13 ID:G1ZG4re+
キャラがつかめないというより、評価する機会を待ってる、とも・・・
なにより魔術師を止めた経緯が気になるな、補完されなくてもSSとか・・・

>>124
それだと恋愛より友情関係とかの方が優先しそうだなぁ・・・
129さばかん:2007/06/25(月) 23:46:32 ID:+7HiUKX0
みなさんお久しぶりです。
今回も懲りずに投下させていただきます。
エロなしのギャグものです
130さばかん つかいまなのなのは:2007/06/25(月) 23:47:25 ID:+7HiUKX0
 忙しい毎日ももうすぐ終わろうとしていた。
 闇の書のページ蒐集も順調に進み、残りのページもみたされようとしている。
 みんな顔には出さなかったけれど、疲れている。
 少ししか力添えしていない私でさえ疲れているんだからシグナム達はもっとつかれているだろう。
 なので、今日はみんなでお休みです。
「おおー広いなはやて!早く遊ぼうぜ」
 ヴィータがそう言って車椅子を押してくれる。地面が舗装されていないので、がたがたと車椅子が揺れるけれど、ちっとも不安じゃない。みんなの優しさが、私の確かな足だった。
「ヴィータちゃん待って!私も行くー」
 すずかちゃんもヴィータの後について行く。
 今日は八神家+すずかちゃんで自然公園へ遊びに来ています。シャマルと一緒に弁当をつくったり、ザフィーラの犬モードでもちゃんと入場できる所を探したりと、久方ぶりに心地よい疲れを味わった。
「はやてちゃん達、とっても楽しそうね」
 ふふふと笑うシャマルの横にいたシグナムも柔らかい笑みを浮かべ、縞模様のレジャーシートを敷いた。
「ああ、本当に楽しそうだな…よいしょ」
 シートにボフンと座り、その横にシャマルも座るとまたくすくす笑い出した。
「よいしょって…ババ臭いよシグナム」
「…ほっとけ」
 少し顔が赤くなり、シャマルから視線を逸らすと私達の方を見た。
 私は、すずかちゃんとヴィータに背を向け、
「みんないくよー。ぼ・う・さ・ん・が・へ・を・こ・い・た!」
 後ろを振り向くと、すずかちゃんが良く分からないといった表情でこちらを向いた。
「坊さんが屁をこいたって…何?」
「え?何ってすずかちゃん、言い終わったら動きを止める遊びやん」
 ああ成るほどという顔ですずかちゃんは言った。
「ああ。はやてちゃんの住んでいた場所では坊さんが屁をこいたなんだね。
私達の地方では『だるまさんがころんだ』だよ」
「そっちではちゃうんや!は〜成るほどね、よっしゃ。そっちでやってみるよ」
 再び元の場所に戻った二人をヴィータは訳わかんねぇという顔で見ていた。
「いくよ〜だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ!!!」
 振り向くとそこには硬直した二人が。少し間抜けな光景だと思う。
「だーるーまーさーんーがころんだ!!!」
「タッチ!!!」
 ヴィータがタッチをして、すずかちゃんもヴィータも逃げ出した。
「ストップ!!!」
 二人は止まった。…そして私も止まった。
「…はやてちゃん?」
「はやて?」
 暫くの沈黙が不味い空気を生む。
131さばかん つかいまなのなのは2:2007/06/25(月) 23:48:27 ID:+7HiUKX0
「この後って…どうすればよかったかなぁ?」
「いや、知っててやってたんじゃないのかよ、はやて」
 ヴィータの呆れ顔の後ろにいるすずかちゃんはう〜んと考えている。
「確かに…この後って何をするんだっけ?」
 再び沈黙が流れようとしたが、
「じゃあ、勝手に考えればいいんじゃないか?」
 ヴィータナイスアイディーア!!!
「「それだ!!!」」
 私は少し考えて、ヴィータに近寄ると、
「は、はやて…?」
 ヴィータの髪と頬に優しく触れた。
「ヴィータはカワエエなぁ…髪も綺麗やし、体だってこんなに細い」
 腰に手を回して4本の指でピアノを弾くように優しく触れた。
「はやて…くすぐったいよ」
「ヴィータ、好き」
 その言葉で空気が一変する。
「ははははははは、はやて!!!!!!!!!」
 顔を真っ赤にしながらも呼吸を整えて、答えた。
「わ、私も…好きだ」
「「ブーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」」
 魔法瓶に入っていたお茶を飲んでいたシグナムとシャマルがそれをホースの如くぶちまける。
「ま、まままままままま待って下さいある、」
「よっしゃ。私の勝ちやー」
「え?」
 何なのかよく分からないヴィータ。
「名付けて告白ゲーム。大成功!!!」
「なっ、はやてーーーーーーーーーーーーー!!!!」
 怒って、はやての車椅子を素早く押してどこかへ走っていった。
「待ってよヴィータちゃ〜ん」
 その姿を見て、シグナムは思わず言っていた。
「だるまさんが転んだの意味は…なんかあったのか?」
「その遊び自体転んじゃった…とか」
 ……………………
「「はははははははははは」」
「いや、つまらんぞ」
 シグナムが冷静な顔で答えた。

「さてと、私達も何かして遊ぼうか」
「いーやった〜☆」
 シャマルのテンションに驚いたシグナムだったがまぁいい。
「昨日、主の家を探っていたら面白そうな物が出てきてな」
 シグナムは大きなリュックから、折りたたみ式の机を出し、そこに、四角い
何かをバラした。
「これ、麻雀牌?面白そうね」
「だろ?こんな綺麗な青空の下、麻雀。最高じゃないか、しかもタコスまで買ってきてるじぇい」
「シグナム、何のまね?」
 じゃらじゃらと牌を混ぜる二人の手に違う手が加わった。
「俺も混ぜてくれ」
 久しぶりに見たザフィーラの人間の姿だった。
「構わんが、その騎士甲冑、目立たないか?」
「問題ない。見ている人はコスプレだと思ってくれるだろう」
「いや、いいのか人として」
132さばかん つかいまなのなのは3:2007/06/25(月) 23:49:50 ID:+7HiUKX0
 じゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃら。
「所で、麻雀ってどうやってやるんだ?」
 シグナムが二人に尋ねる。
「え?知らないわよ私」
「我も知らん」
 ………………
「し、シグナム!!!貴女ルールも知らない癖にこんな大荷物持ってきたの?私も運ぶの少し手伝ったのよ。それが全て徒労だったなんて!!!!!!!!」
 シャマルは怒ってソッポを向く。
「あ、ああああ。済まなかったーーーーーーーーーーーー!!!!」
 シグナムは土下座をして謝る。
「こんな事になったのは誰のせい?」
「私の、他力本願のせいです」
「今夜…してくれる?」
「何をだー!!!」
 シャマルが凄みをきかせる。
「し・て・く・れ・る・の?」
「…はい、ごめんなさい」
「じゃあ、よろしい!」
 シャマルの顔が笑顔に戻り、シグナムは一安心した。
「カカア天下だな、シグナム」
「保健所が近くにあるが、行っとく?」
 ザフィーラは顔を下げ、そのまま黙った。
 こほんとシャマルが咳払いをして。リュックからマイクを取り出す。
「じゃ〜ん!ジャパネットたかたのカラオケマイクで〜す」
「シャマル、花見じゃないんだぞ」
「いいじゃない、いいじゃない。デュエット用に2本買っちゃった」
 シグナムの意見を無視してマイクのスイッチを押す。
 マイクに音源があるのか、そこから音が流れる。
「もし、あしたーがー晴れ〜ならばー♪」
 シャマルが一曲歌い終わると、マイクの音源が勝手に拍手をした。
 シグナムは拍手の強要だと思いつつもザフィーラと拍手した。
「さて、次はシグナムに歌ってもらおうかしら」
 シャマルが勝手に曲を入れて私に渡す。
「いや、私はあんまりここの国の曲は知らないぞ」
「他の国の曲もあるけど?」
「訂正する。曲自体あんまり知らない」
「大丈夫よ。シグナムが前、熱唱してた歌だから」
 シグナムは仕方が無げにマイクを手に取り、
「8時丁度のーあずさ2号でー私は私は、貴方から、旅立ち〜ます〜♪」
 大熱唱だった。
「次はデュエットよー」
「寂しさに負けた♪」
 とシャマル。
「いいえ、世間に負けたーのよー♪」
 シグナムも何時の間にかカラオケに嵌っていた。
 ある程度の曲を歌い終わり、シグナムのマイクをザフィーラが奪った。
「古い曲ばかりというのも良くない。ここは一つ、少し前だが流行った曲でも歌うか」
 カラオケのボタンを押すのと同時にベースとドラムの軽快な音が聴こえた。
 二人はこの曲が何なのか直ぐに分かった。
 ザフィーラは腰を振りつつ、ノリノリで歌いだしを待った。
「♪乾いた、心で…ってアレ?」
 二人の姿は無かった。
 ザフィーラは眼球が乾くほど泣いたという。
133さばかん つかいまなのなのは4:2007/06/25(月) 23:50:45 ID:+7HiUKX0
 その二人と言えば、普通に散歩をしていた。
「ただ歩くというのもいいな」
 とシグナム。
「そうね…ザフィーラのゴッドなんちゃらを聴くよりはね」
「それをいったらおしまいだ」
 シャマルがザフィーラから離れる時に持ってきた弁当箱を取り出す。
「はい、おにぎり」
「すまないな、シャマル」
 シグナムは美味しそうにオニギリを頬張る。
「んぐんぐ…美味い。この入ってる具は?」
「それはオカカね」
 シグナムは顔を青ざめる。
「いや、お母さんを食べては駄目だろ。人として、大人として」
「オ・カ・カ」
「あ、ああ。オカカか」
 シグナムはてへへと腕を頭の後ろにやる。
「それはボケですか〜?」
「聞き間違いだ!」
 シャマルはシグナムの体に寄りかかり、
「ふふ、そういう事にしといてあげる」
 シグナムは照れながら、シャマルの手を繋いだ。
 暫く二人は無言で名も知らない花を眺め、看板にある名前を見て、かわった
名前だねとか綺麗な花だねとか色々話した。
「こんな時間が、ずっと続けばいいのにね」
 シャマルがふと口にする。
「なんだ突然」
 シャマルの方へ向くと、寂しそうな横顔が見えた。
「私達がやってる事は間違いなく悪い事。悪い事はそう長くは続かないと思うから」
 だんまりをきめこもうかと思ったシグナムだったが、シャマルの哀しげな顔には勝てなかった。
「お前の思っている事は恐らく正しい。けど、シャマルも知ってるだろ、この世で一番
強いものを」
「でも…」
「でもじゃない」
 シャマルをゆっくりと抱きしめる。
「幸福の果てはここではない。やっと見えた光…まだ抱きしめてもいない」
「……」
「剣は、柄を持った人間しか救えないんだ。だが、それでもいい」
 シグナムは腕に力を込めて、シャマルの暖かさに埋まった。
 昼の青空は、容赦なく二人の姿を照らした。

「ちくすぉ〜絶対見つけてやるからな〜」
 ヴィータは近くに隠れている私達から遠ざかる。
「はやてちゃんかくれんぼ上手いねー」
 関心するすずかちゃんに思わず得意気になる。
「かくれんぼの基本はこんな分かり易い所には絶対隠れないだろうという場所に
隠れると見つかりにくいんや」
「へ〜」
「そして、隠れる場所を一つに決めない」
 すずかちゃんは笑顔になり、私の乗る車椅子を動かす。
「ということは…」
「れっつごー」
 私達は自然公園の森の中に隠れる。
「ここなら見つからないよ」
「うん…そうだね」
 私はすずかちゃんの方へ振り向くと、そこには何故か彼女はいなくって。
 再び正面を向いたら彼女はいた…だが、振り向くのと同時にお腹に妙な感触が
あった。とても硬く、熱い、鉄。
 それは…ナイフだった。
つづく☆ 
134224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/06/26(火) 02:09:33 ID:W7smsmMD
ほのぼのOK!!
135二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/06/26(火) 09:25:05 ID:03MdICNm
とあるスレに勢いで書き込んだら、なんだか膨らんでしまったお話を投下します。
エロなし、ギャグなし、女なしです。
136名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 09:26:50 ID:gZiBeZSl
女なしktkr
137名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 09:28:15 ID:03MdICNm
レジアス・ゲイズ准将は今回のミッションを説明していた。
「このミッションは本局、陸上部隊、航空隊の合同ミッションだ。それぞれの特性を活かした働きを期待している」
綿密な捜査によって違法研究をしている魔道師の根城を突き止めたのだ。
作戦目的は犯人一味の掃討。
無論、戦闘が予想される以上、一般市民と局員の無事は最優先事項だ。
「以上!解散後、各員は所定の場所にて待機する事!犯人が暴走する恐れがあるので、防衛意識を強く持つ事!」
レジアスの説明を受け、各員は自分の持ち場へと散っていく。
この作戦は合同ミッションのパイロットケースだ。
各部隊のメンツも絡んでいるのだろうが、レジアスにとっては犯人を抑えられるのであれば
「准将!今度のミッション、必ず成功して見せます!」
任務への熱意を瞳に宿らせ、1人の青年がレジアスに語りかける。
執務官を目指す彼はエリートとしての王道を進んでいた。
「大尉か。うむ、期待しているがくれぐれも無理はせぬようにな。この作戦は誰一人として欠けては『成らぬ』のだ」
「はい!『一粒の砂で大地は成っている』ですよね?」
いつものレジアスの口癖を先回りして彼は言う。
畑は違えど、平和と秩序を誰よりも愛する彼をレジアスは気に入っていた。

作戦は犯人一味との全面戦闘となった。
作戦区画内の一般人は全員避難済みである以上、戦闘のプロである管理局が優勢に事を運んでいた。
オペレーターが制圧率と損害状況、取り押さえた犯人のリストアップをする中、戦場より入電があった。
「現場より、報告入ります!原因不明の爆発により部隊は散開っ!統制が取れません!」
堅く前線を守っていた部隊の後方で中規模の爆発があったのだ。
時限式の魔法か物理的な爆弾かは不明だが、後方支援部隊は散り散りになってしまった。
「前線は現状維持!うろたえてはならぬ!狙い撃ちにされるぞ!後方部隊の安全確保と戦闘不能者の救出急げ!」
全体通信でレジアスが指示を下す。
「陣形復元45%・・・・いけますっ!」
レジアスの迅速な指示に士気は盛り返し、戦況は徐々に管理局へと傾いていた。
そこに部隊員からの入電が通る。
「ザッ・・・・ザー・・・将・・・ブツッ・・・こちら・・・です・・・強襲の・・・・人物を・・・追い・・・」
それは航空隊の彼であった。
偶然にも謎の爆発の近くで重症を免れた彼は不意打ちのグループこそ犯人一味のトップと睨み、それを追おうとしていた。
「よせっ!追うな!我々の任務は『護る』事だ!現場を立て直せ!」
独走とも言える判断にレジアスが叱責を飛ばす。
単独での追走はバクチに等しい行為だ。
「・・平凡な自分を・・・・て・・・りがとうござい・・・・・ザザーッ・・・・・」
以降、彼の通信は途絶え、こちらからの呼びかけに答えることはなかった。

「いけませんっ!准将!ここは危険ですっ!下がってください!」
司令部が定位置となったレジアスが幾年ぶりかの魔道甲冑を纏う。
「えぇい、どけぇっ!あそこに血を流し、命を削り戦う同胞が居るのだ!」
腕の一振りで止めに入った局員が数名壁へと吹き飛ばされる。
「くっ!誰か!准将をおとめしろ!」
瞬間、レジアスをバインドが締め上げる。
万が一にも旗頭を失ってはいけないのだ。
「HA☆NA☆SE!何故だ・・・何故私の指示に従わぬ!?」
怒号と共にレジアスは気を吐き、バインドを引きちぎる。
「准将が指揮を執らずに、誰が動けるというのですか!」
後方より、女性の悲痛な叫びが響く。
燃え盛る炎の前でレジアスが吼えた。
138名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 09:29:32 ID:03MdICNm
後日、勇猛果敢に犯人を追った未来ある職員の奮闘もむなしく、犯人は取り逃した。
彼に目をかけていたレジアス・ゲイズ准将の落胆は酷いものだった。
何より、彼の奮闘を「局員失格」「役立たず」と叱責した椅子に座るだけの上層部が許せなかった。
知らないのだ。知らずに椅子に座っているのだ。
一滴の血を惜しみ、千滴の汗を流す我々を海の連中や本局は知らないのだ。
あの青年がどれほどの決意で犯人を追ったのか知らないのだ。
知らないから、「自分の部隊から出した人間が功績を立てることが出来なかった事」だけで彼を蔑む事が出来るのだ。
一部のエリートによってこの組織は腐っていく。
ならば私が座ろう。
痛みを知らない者に代わり、私があの椅子に座ろう。


平凡な一介将校だったはずの、私、レジアス・ゲイズに訪れた突然の悲劇。
心に刻まれたのは悲しみの記憶。手をかけたのは権力への扉。
出会いが 導く偶然が、今、静かに動き始めて…立ち向かっていく日々に、俯かないように…
魔法中将ジェネラルレジアス、はじまります。
139二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/06/26(火) 09:30:34 ID:03MdICNm
おしまいです。
ごめんね。
お父さん、投下なれてないから許してね。
140名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 09:33:59 ID:x+sgE4a+
一行目の吹いたぜ。レジアス伝説始まったな。
141名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 10:17:57 ID:/D12WYBW
>>139
すごく真面目そうだと思って目を通したら…

>HA☆NA☆SE!

思わずくすっとした!
142名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 10:33:01 ID:Ue+F+dAm
>>139
>腕の一振りで止めに入った局員が数名壁へと吹き飛ばされる。
>怒号と共にレジアスは気を吐き、バインドを引きちぎる。
どれだけ強いんだよ

トリップから察するにラストはレジ×エリだな
執務官志望のその航空隊員、どう見てもランスターです
本当にありがとうございました
143名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 10:56:30 ID:qyQBwvbW
魔法中将www
何となく六課に対してはツンデレな気がする
14438 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/26(火) 12:38:33 ID:kj9NFDpS
何だこのdでもない投下量はw

んじゃあ便乗しますかねw
14538 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/26(火) 12:40:10 ID:kj9NFDpS
act.3 もう君しか見えないから

「なのはさん、しっかり掴まっててくださいね!」
「……ごめんね、お願い」
「いえ! ……行くよ! マッハキャリバー!」
『ヤー!』

なのはを背中に乗せて、スバルは走り出す。なのはを、無事に無限書庫まで送り届けるために。



「……あのな、なのはちゃんを護衛する言うても、実際になのはを連れて行くのはスバルだけや」
「……へ? わ、私ですか?」

急に話を振られ、スバルは慌てる。
そんなスバルに、はやては頷くと、言った。

「なのはは有名人やからな。普通に行ったらすぐばれると思うねん。
 ……だから、出来るだけ急ぐ必要があるんやけど……、まさか、本局の廊下を飛んで行く訳にもいかんやろ?」

飛んでいくには狭いしな、とはやてが付け加え、スバルは少しひきつった笑みを浮かべながら、言った。

「……まさか……マッハキャリバーで滑って行け、と……?」
「その通りや。多分建物内ではそれが飛んでいくよりも早いやろうしな」

出来のいい部下持っとると助かるわーと言ってのけるはやてに、スバルは抗議の声を上げた。

「ま、待ってください! 本局内滑って行けって……ばれたらどうするんですか!」
「大丈夫や。……ティアナがおるさかいな」
「わ、私ですか!?」

責任放棄とも取れるはやての発言に、ティアナは飛び上がった。

「ティアナは幻覚魔法が使えるやろ? スバルがなのはちゃんを連れて行ってる間、ティアナが幻覚作っておけば充分ごまかせるで」
「あ、そっか!」
「ち、ちょっと待ちなさい、スバル! あれがどれだけ魔力食うか、アンタ知ってるでしょ!?」

はやての説明に簡単に納得したスバルに、ティアナは怒りの声を上げる。が、

「頑張ってね!」

そう満面の笑みでスバルに言われ、ティアナはがっくりと肩を落とした。
14638 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/26(火) 12:41:31 ID:kj9NFDpS
「どいてどいてどいてーっ!」

慌てて局員が飛び退く中を、スバルは爆走する。

「ち、ちょっ、スバル! 前!」
「っ! マッハキャリバー!」
『ウイングロード』
「バンク作れば……行ける!」

曲がり角もウイングロードでバンクを作る事によって無理矢理曲がり切り、スバルはとてつもないスピードで無限書庫前まで辿り着いた。

「あ……ありがとね、スバル」
「いえ、頑張ってくださいね!」

わざと名前を言わずにスバルはなのはを激励し、その場から走り去って行く。
なのはは深呼吸を一つすると、無限書庫の中に足を踏み入れた。



「……あれ? なのは?」

書庫に入った瞬間、気配を感じて振り向いたユーノと目が合い、なのははあう、と硬直する。
そんななのはにユーノは首を傾げ、なのはに話しかけた。

「久しぶりだね、なのは。……どうかしたの?」
「え、えっと、ちょっとお話が……」
「お話? ……立ち話もなんだし……僕の部屋に行かない?」

そう言うと、ユーノはなのはを連れて司書長室に入り、それを目撃した司書達は、ひそひそと話し出す。

「……え? 驚きとか何も無し?」
「昔から高町さんと仲がいいらしいから、知ってたんじゃない?」
14738 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/26(火) 12:42:16 ID:kj9NFDpS
「……ふえ!?」

知らなかった。

話を全て聞かされ、目をまん丸にして驚くユーノ。

「え? な、なのはがクビって……じ、じゃあなんでここに!?」
「ユーノ君に会いたかったから……じゃ、駄目かな?」

そう言って頬を赤くしながらにゃはは、と笑うなのは。
そんななのはにユーノは赤くなって何故かのけぞり……、

「きゃわっ!?」

いきなりなのはを思いっきり抱き締め、なのはは真っ赤になった。

「ゆ、ゆ、ゆ……、ゆーのくん!?」

真っ赤になったままなのはは手をわたわたと動かすが、ユーノは離れようとしない。
と、ユーノがなのはの耳元で何かを囁き、なのははゆでだこになると、脱力したようにくたくたとその場にしゃがみ込んだ。
それは、なのはが一番言って欲しかった言葉で、なのはが一番言いたかった言葉で。

「は、反則だよ……」

そう蚊の鳴くような声で言い、なのはは自身を抱き締めたまましゃがみこんだユーノにしがみ付いた。

「好きな人にそんな事言われて……嬉しくない人なんか……いないもん……」
「……だったら、もう一回言ってあげる」

そうユーノは言うと、赤くなって俯いているなのはの顔を上げて、もう一度、言葉を重ねた。

「……大好きだよ、なのは」

そう言って、ユーノはなのはに唇を重ねた……。
14838 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/26(火) 12:43:00 ID:kj9NFDpS
いちゃこらいちゃこらしているユーノとなのはを、司書長室のドアの陰から覗き込む武装局員が二人。

「……なあ、お前。この空気の中踏み込んで、高町元一等空尉を連れ出せるか……?」
「……無茶言うな。バインドで簀巻きにされて放り出されるのが関の山だぞ」
「……つうか入りたくないな、あの空気の中」
「……同感だ」

見ているだけで砂糖を吐きそうな空間の中に入り込む勇気が出ず、部屋の入り口で立ち尽くす武装局員。
二人が中を窺うために僅かに開けた扉の隙間から、二人の会話がだだ漏れになっていて。

「ねえ、ユーノ君……もっと、ぎゅってして?」
「いいよ。……こう?」
「えへへー……」

漂う甘い空気に当てられて、仕事を放り出したり、自分にそんな相手がいない事に気付き、涙ぐむ司書が出だして。

「……帰るか?」
「……そうだな」

完全に馬鹿らしくなった武装局員達は、適当に報告は誤魔化そうと決めてその場を離れた。

「ユーノくん〜♪」
「ふふふ……」

まさかバカップルぶりで武装局員を撃退したとは露知らず、
ユーノとなのはは、今まで知らず知らずの内にお互いに我慢していた物を発散するかのように、思う存分いちゃついていた。
こてん、とユーノの肩に頭を乗せ、なのはは幸せそうににこにこと笑う。

「ねえ、ユーノ君」
「何?」
「……ううん、何でも無い」

ユーノのそばにいられることが、ユーノの恋人でいられることが、これ以上なく嬉しくて。
なのははしばらくの間にこにこと笑い続けていた。
14938 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/26(火) 12:44:11 ID:kj9NFDpS
「……よし、っと!」

しばらく何かの操作をしていたユーノが顔を上げ、なのはに向かって微笑んだ。

「……出来たよ。明日からなのはは、司書長秘書だよ」
「本当!? ありがとう、ユーノ君!」

にぱー。
その擬音が一番似合う笑顔を浮かべるなのは。
そんななのはに、ユーノは一瞬くらっと眩暈を覚え、言った。

「……なのは、出来れば、今日から僕以外にその笑顔、見せないで」
「……ふえ? 何で?」

首を傾げるなのはに、ユーノは顔を近付け、言う。

「……それ、可愛すぎるから、他の人に見せたくないんだ」
「あう……」

そうユーノに言われ、なのはは真っ赤になって口篭もる。
そのまま俯き、か細い声でユーノに言った。

「そ、そんな事言うなんて……反則だよう……」
「だってなのはが可愛いから。……僕はなのはを守る権利があるよ? 恋人だからね」

だから、反則だってば。
顔の温度は限界をとっくに突破し、まともに声を出す事も出来ない。

「ずっと……、ずーっと一緒だよ? なのは」

だから、ユーノに思いっきり抱き締められてそう言われた時も、なのははただただ頷くだけだった。
15038 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/26(火) 12:47:18 ID:kj9NFDpS
「魔法少女」が終わる時、第3話終了です。

……エロが見たいって人はもう少し待っていてくださいね。
後、投げっぱなしにするつもりだった伏線が反応一番多かったのにワラタw
慌てて9話で犯人回収しましたよ、ええ。
151名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 12:55:49 ID:1EAiKrWM
中将擁護派ってちゃんといるんだな。ブログとかだと中将氏ねばっかりだからてっきり俺だけかと
152名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 13:21:37 ID:FTnuXDRp
>>145
乙&GJです。
だ・・・だだ甘っ!
何この本編の友達っぷりを忘れてしまいそうなスウィートさ。
いいぞもっとやれ。
153名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 13:51:14 ID:+6rU7G0z
>>139
GJ!!!!!
ハッキリ言おう!
まだ、レジアス中将の過去・内面はハッキリしていない。
だが、13話の秩序を守ってきた自負の吐露からこれだけは俺は言える。
中将の言葉は完全に間違ってはいない!

凶悪犯罪と真っ向から立ち向かうのに武闘派であることは必然!

今後中将は管理局のガーナム会長となるか、それともジャミトフとなるか楽しみだ


>>145
甘すぎるw
もう甘すぎてエロなんかどうでもイイ感じw
でもラヴラヴなエロあったらいいな〜
もう子育てまで行ってくれw
154名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 13:52:35 ID:PLoJltb+
>>二世代オタクさん
ちょ、最近エリオスレで見ないと思ったら、なにしてんすか?www
早く帰ってきてくださいよ。トリップが泣いてますぜ?
つか、中将SS燃えすぎるだろ。常識的に考えて
ランスターが一人で突っ走るのは兄も一緒か。
155名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 15:37:40 ID:J1RDWljm
なんなんだこのアニメとSSの波動は……
新参の…新参の俺が……
SSを書きたいと心の欲動が叫んでいる!!
ええい!今から前のシリーズのDVD借りてくるぞ!!
156名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 15:50:27 ID:lhKWycO4
熱い指揮官はトップに立つと弊害も少なくはないんだがな。
しかしまぁ、グレアム提督の例もあるし「初見がいい人だから味方」とは限らない様に
レジアスとて現在の印象が悪いから最後まで敵役、と決まった訳でもなし。
むしろ極端な現場(というか職域)第一主義で頭が固いだけの人なのかも試練
157名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 16:05:21 ID:qyQBwvbW
何だかんだ言ってても最終的に助けてくれるキャラかもしれないしな
158名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 17:07:12 ID:himm9jzR
 何かスゲェのが2つも来てる!どちらもGj!
>>139
 アツいなレジアス中将!本編でも、叩き上げの軍人として自分の仕事に
プライドを持ってる人ではあるっぽいし、実はこんな過去があったら
燃えるな!
>>145
 3話目、待ってたぜ!…甘ッ!甘いぜ畜生!ユーなの最高もっとやれw
159名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 18:09:49 ID:UpgeB/uo
おいおいこれでレジアス中将の過去が美青年だったら
レジアス始まるなw
160名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 19:20:32 ID:BTTQrjcM
あの骨格じゃ、美青年はないだろうが、存在感というか、頼りがいのある兄貴分には違いないと思った。
161名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 19:42:05 ID:lulJaZV4
>>139
ランスターっぽい「航空隊の彼」
しかし10歳そこらの妹をひとり残してまでバクチはしないかな。
実際ティアナはそれで天涯孤独になっちまってるし。ちょっとレジアス美化のために利用された感が。
162名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 19:49:32 ID:WIcpBhiO

で?
クロなのの続きはどうなったんだろうかね
まさかまだ順番待ちしてるのか?422氏は
163名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 19:50:53 ID:YGpxq0x1
色々と忙しいみたいだし、なかなかタイミング合わないんじゃない?
164名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 20:28:22 ID:uIHk5CNB
中将はペンウッド卿のような活躍をを期待している
多分時空航行艦隊の旗艦あたりに就任するが、壊滅する際に自爆して・・・
165名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 20:37:22 ID:WeBWEpzb
中将って、陸海空のどこの出身なんだ?
166名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 20:41:03 ID:YGpxq0x1
13話で陸に誇りのあるような発言してたらしいから、たぶん陸。
167名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 20:47:39 ID:pIQVrCQH
>>164
個人的には某SF戦記小説に出てきたルイ・エミール・ドゥパイユ大佐みたいなら、と書いてみる。

「八神二佐、君とはいろいろあったが、もうどうでもいい。かれらを頼むぞ。
いいな?義務を果たせ。なにがあってもかれらを見捨てるな。」
「中将!」

みたいな。
168名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 21:05:40 ID:UpgeB/uo
そんな事ばっか言ってると
スカリエッティにすっごい人造人間提供されて、その見返りに…
ぬぅ…大儀の為なら致し方無し…
てな感じに転ぶぞ、いやむしろそっちが本流だろう

レジ「だまれ小娘!貴様に何が解る!」
はやて「部下の命を犠牲にしてもですか?」
レジ「上に立つ人間とは…目的の為には部下を見捨てなければならん時もあるのだ!
    己の感傷など切り捨てねばならん」
はやて「私は誰も見捨てへん!」

これだろ
16918スレ302:2007/06/26(火) 22:02:26 ID:+zJBKHEq
ドモー。前スレのキャロぶち壊しの犯人でございます。
評価ありがとうございました。

>>109-128の流れから妄想したショート一本投下します。なんかレジアス中将始まったな的な雰囲気ですが…
前作とは一切関係ありません。

・無謀にもヴァイス×ティアナ
・ティア一人称
・朝チュン程度のエロ

ではドゾー
170名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 22:04:08 ID:gZiBeZSl
エリルー書いてんだが、出だしで無理かと思い始めた。
ルー子がどうしてレリック欲しがってるかもわかんねーし。
17118スレ302:2007/06/26(火) 22:04:33 ID:+zJBKHEq
「…んはっ!!はあっ!…あっ!!…ああっ!!!」

この人は、私を狂わせる。

「ああっ!!!…はっ、はぁ、んくっ!!…いや…だめ、だめぇ!!!!」

私の体を。
私の心を。

「はっ…ヴァイスさん、もう、私…私…ああっ!ああああああああ!!!!!」

私の…人生を。


〜ティアナの課題〜


「ティアナ、お前、最近なんか変わったな」
「へ?そうですか?」
「おう。プライベートでやっと俺に『陸曹』じゃなくて『さん』付けするようになったじゃねーか」

ヴァイスさ…陸曹は、事が終わり服を着始める私に声をかける。

「気のせいじゃないですか?ヴァイス『陸曹』。それよりちゃんとそのタバコ消してくださいよ?寝タバコなんかしたらアウトですよ」
「わかってらい。俺はそんなに間抜けキャラかよ?」
「少なくとも、みんなの中ではおちゃらけキャラではありますが」
「はん、ムードメーカーってモンを分かってないなぁ」

ベッドの中のヴァイス陸曹と他愛の無い話をしながら、部屋に備え付けの鏡の前に立つ私は、軽く汗を拭いた肌に部屋着のシャツを通す。
どうせ朝になったらシャワー浴びるし、今日は遅いから後は軽くデオドラントスプレーを吹いてとりあえず身支度完成。

「じゃあ、もう遅いですし、これで…毎日毎日勉強教えてもらってありがとうございm「おい」」
「なんですか?」

部屋を去ろうと、ドアを開けた私をヴァイス陸曹が私を呼び止める。

「勉・強・道・具。ホレ」
「あ…」

ヴァイス陸曹が指差す先には、デスクの上に上がった試験の問題集。

「『本来の目的』を忘れちゃダメだろ?」
「っっっっっっ!!!!!ちょっと忘れただけじゃないですかっ!!!!!!今度こそありがとうございm「あ、もう一つ」」

きっと今の私の顔は真っ赤に違いない。もう一回呼び止められた私は大声で返事をする。

「何ですかっっっっ!!!!!」
「…いや、なに、些細な事なんだが…今度さ、休み取れたらツーリングとかどーよ?」
「へ?」

激昂していた神経が一気に緩む。

「なんかお前とナカジマ見てたら俺も久しぶりに遠出したくなってよ。野郎一人ってのもつまんねーし、上手く合間ぬって出かけないか?」

う…それは…確かに魅力的だ。でも私はあくまで機動六課の新人フォワード。
まだまだ訓練とか自主錬とかやらなきゃいけない事がたくさんある。だから、そんな事ほいほい出来るわけが…

「…考えときます」

でも、私の口から出たのはどう考えても肯定的な返事だった。
172名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 22:07:20 ID:mOyPfjVa
>>167
そしてテロリストを巻き添えに手榴弾で自爆して果てるのか。
で、惑星軌道上では「クラウディア」が避難船団を先導するのだな?

御大、パナマの続き書いてくんねぇかな。
17318スレ302:2007/06/26(火) 22:07:37 ID:+zJBKHEq
「…うーん…五段重ねだぁ……すきすきだいすきー……むにゃむにゃ…」

部屋に帰ってくると、幸せそうな寝言をつぶやきながらスバルが眠りに落ちていた。


私とヴァイス陸曹が「こんな関係を持つ」ようになったのはつい最近のことだ。
…というか、告白したのも私だし、ヴァイス陸曹の反対をおしきって破瓜を迎えたのも私の意志だった。
なぜだろう……
はっきり言ってまだ気持ちの整理がついていないまま突っ走ってるような感じさえある。

……ヴァイス陸曹は、あまり自分の過去について多く語ってくれない。
いつもは、自身でも自覚しているように、ムードメーカーとして隊の空気を明るくしてくれる。
でも、時折見せる、何となく翳りのある表情。全てを理解して受け入れてくれるような目。
その裏が知りたくて、私はヴァイス陸曹に興味を持ち出した。
わざわざヴァイス陸曹の元へ勉強を教わりに行き出したのも、そんな感情が芽生えてからだ。
でも、恋愛のきっかけって…こんなもんでいいのかな。


明日着る訓練着を用意して、スバルを起こさないようにそっとベッドに潜り込む。


眠ろうとして目を閉じてから考える事の内容が、最近ヴァイス陸曹の事が多くなった。
前はずっっっっと訓練の反省ばかりを繰り返していたのに。
しかも、その頃より最近の方が訓練の時の調子がいいってどういうことなのか。
なんか悔しいような気がする。
…でも、最近はそんな自分もなんかいいかな、なんて思ってしまう。
よく考えてみたら、そんな浮いた話が私の周りあるなんて初めてだ。
私だってそれなりに女の子したいもの…なによ!?悪い!?うっさい!!


…なんか眠くなってきた。
明日も朝から訓練だし、ここは睡眠欲に身をゆだねようと思う。



…ヴァイスさんは、私を狂わせる。

私の、まだ経験の浅い体を。
私の、がちがちの劣等感を抱いていた心を。

私の、上ばかり見ていた人生を。


この関係の結末は分からない。
だから、少しでも答えに近づくために、私は明日もヴァイスさんの元を訪れるだろう。





……あ、休暇の申請、早めに出しとかなきゃ…



おわり。
17418スレ302:2007/06/26(火) 22:09:54 ID:+zJBKHEq
以上です。

ティアかわいいよティア。8話ではどうなるかと思ったけど…
っていうか、本当はガチエロが書きたいなぁ…なぜこんなソフトタッチにしかならんのだ!

では修行に戻ります。
175名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 22:18:42 ID:g3TkAUY2
>>174
GJ!
ティアかわいいよティア……ヴァイスもいい男
176名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 22:39:55 ID:Nt1obnjJ
>>174
甘い!GJ!
ちょっと陰のある年上の男と生真面目系の年下の少女…絵になるなぁ
177名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 22:50:54 ID:YZJtdVO6
>>174
GJ!!
そういう関係になってもキャラが変わってないのがイイ感じ
178名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 22:52:38 ID:uAKCllZ2
>>174
GJ!
しかしヴァイス死亡→ティアナ発狂フラグととれてしまう自分は明らかに何かに頭を侵されてる
179名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 22:56:07 ID:g3TkAUY2
>>178
お腹の中に子供が……的なエンドになると思う俺の頭はお花畑
180224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/06/26(火) 23:04:13 ID:q6VJ6tlq
あれ、俺が沢山いる
181名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 23:25:07 ID:PhMTpYAs
>>174
ナイス!
しかしヴァイスとティアナは意外といけるなあ。
というか、これまでリリなのに居なかった三枚目系だから、これから明かされる設定・展開如何ではシリアスやガチラブでも
かなり使えるいいキャラになるかも…ヴァイスって。
これまでカップリングに使えそうなのって、優男系のクロノとユーノ、少年ショタのエリオくらいだったし
今のところヴァイスが相手に使えそうなの、シグナムとティアナとルキノ辺り?
182名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 23:27:43 ID:Yr7bj1l/
>>181
ルキノじゃなくてアルトだろ。
183名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 23:40:07 ID:C8K3L4l5
>>181
いやいや、シャマル先生とおチビの空曹長なんかも相性いくね?
184名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 23:41:49 ID:kZOi5Udz
男イラネ
185名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 23:48:14 ID:C8K3L4l5
>>137
>幾年ぶりかの魔道甲冑を纏う
バトルジャケットでも騎士甲冑でもないところに萌えた。
戦国時代ような鎧が目に浮かんだよww
>>150
9話構成なのに3話でオチがついたような気も・・・
これから一波乱も二波乱もあるんですか(ワクテカワクテカ>>174
>>174
ヴァイス曹長が報われたSSって初めて見た気が・・GJ
186Mr.P:2007/06/26(火) 23:51:08 ID:69b1Z7Rj
>>150
 甘甘ですねー。
 >>153 の甘すぎてエロがどうでもよくなってしまうという感覚に激しく同意!
 続き楽しみにしてます。

>>174
 GJ
 なんだかんだで、ヴァイス×ティアナは始めて見ました。
 勉強道具を忘れるティアナがイイ!

>>115
 このフェエリはある短編がまずあって、それで書き始めたSSだったのです。
 私の中で続きを書くという発想がありませんでした。
 しかし指摘された通り、確かに据え膳食わぬは我らがフェイトさんじゃありませんね。

 というわけで、続きを考えてみました。
 投下します。
187Mr.P:2007/06/26(火) 23:51:57 ID:69b1Z7Rj
 エリオとの情事の後を拭い去るために、フェイトはシャワーを浴びてきた。
 身を清めちゃんと寝間着に袖を通し、ベッドに就寝した。
 だが。
「だめだ。やっぱり眠れない」
 フェイトはごそごそと布団から起き出した。
 シャワーを浴びては来たものの、体の火照りは収まる気配はなかった。
 同じベッドにエリオも寝ていることも原因だ。
 耳を済ませるまでもなく、安らかな寝息が耳に入っている。常に存在感を感じることが
出来るのだ。
 そっと手を伸ばしてみると、布越しではない暖かい素肌にぶつかった。
 風邪を引かないように布団を首元までかけており忘れかけていたのだが、エリオは衣類
を全部脱がしたままだった。その事実を思い出す。
「エリオ、そのまま寝ちゃったの?」
 すっと肌を指でなぞった。反応はなかった。
 触れた場所はわき腹だった。皮下脂肪がない薄い皮の下に硬い骨がある。
 フェイトは手のひらをエリオへと押し付けた。絶頂を迎えた後だからか、しっとりと汗
ばんでいた。
 まだ触れている面積が足りない。
 右腕をエリオへと回した。抱きつく体勢となり、より密着する。
 エリオの側面に張り付き、腕を回して抱きしめる。
 しかしフェイトにとってまだまだ十分ではなかった。
 シャワーを浴びた際、習慣で寝間着を着てしまった。エリオは生まれたままの姿だとい
うのに、自分の方に壁が出来てしまっている。
「よいしょっと」
 フェイトは躊躇することなく、寝間着を脱ぎ捨てた。エリオとの触れ合いが第一である

 それにエリオは全裸なのだ。合わせるのがマナーと、さっきエリオに自分が教えた手前
守らなければいけない。
 先ほどはタイミングを逸して、脱ぎそびれたショーツも躊躇うことなく脱いだ。手を伸
ばして、邪魔な服をベットの端から押し出す。
「これで一緒だね。えへへ」
 寝ているのをいいことに、足まで絡めてエリオの体を堪能する。脛毛のないすべすべし
た少年の足の感触が心地よい。
 自分がいい感じに茹で上がっていることを自覚した。
「んっ……。はっ、あ、あ、あ……」
 すり合わせていると、不意に敏感な部位に当たってしまい声を漏らしてしまった。
 すでにフェイトは蜜を溢れさせている。
 もう一度感じたくて、陰唇をエリオの太ももに擦りつけた。なめくじが這った後のよう
な道が残される。
「ね、エリオ、本当に寝てるの?」
 物足りない。
 快楽の面でもそうだし、エリオの困惑する顔や驚いた顔、快楽に震える顔がもっと見た
いと思った。
188フェイトがエリオをオカズに自慰行為する話:2007/06/26(火) 23:53:31 ID:69b1Z7Rj
 エリオからの返事はない。
 足への刺激でまぶたがぴくりと動いたくらいで、まるで反応はなかった。
 フェイトは満たされず、切なさを覚えた。
「あっ、あっ、くぅ。うううぅっ、気持ちいいよぉ。こんなことダメなのに……。エリオ
が起きちゃう……」
 空白を埋めるため、フェイトは空いた手で己の乳首を転がし始めた。ぴりぴりと刺激が
入る。
 もちろんエリオの太ももに、マーキングするような性器を擦りつけることも止めない。
 自分はどうしてこんなことができるのだろう。エリオがそばで寝ているのだ。
 もしエリオが目を覚ましたら、自慰行為に耽っている自分を目にすることになる。しか
もエリオ自身の体を使ってだ。
 さすがに軽蔑されるだろう。
 破滅への誘いは時に甘美さをもたらす。フェイトの背筋にゾクゾクとした稲妻が走った

 子宮がじんじんと疼く。入り口をこすられるだけの快楽では満たされず飢えている。
 フェイトはエリオを抱いていた腕を引っ込めると、蜜を溢れさせる花弁へと這わせた。
 くちゅくちゅと水音が響く。
 十分すぎるほどに濡れそぼったそこは容易く指を根元まで飲み込む。
「はぁはぁ。私、エリオが寝ている横であそこ弄っちゃってる」
 口で事実をなぞることで、フェイトは己の体に更なる熱が宿るのを自覚する。
「ごめんね、エリオ。私、変態さんだ。やっぱり軽蔑しちゃうのかな」
 エリオは眠っていて応えない。規則正しく呼吸音を漏らしているだけだ。
「それとも……こんな私に興奮してくれる?」
 先ほどエリオは自分の体に興奮し性器を膨らませ、口内愛撫を受け射精に至ったのだ。
 エリオの初めてを受け止めたことがフェイトには誇らしい。
 エリオは決して嫌がっている風ではなかった。
 こんな自分を受け入れ、肉体を貪りあうことも可能性としてはあるかもしれない。
1894の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/26(火) 23:53:59 ID:j6RH2kFN

>>24,35,36うづき
THX!
嫁(予定)には流石に婚姻届無くしかけたとは言えなかったw


では もう一人… の都築(誤字)です。

・クロス作品
・時間軸 A's直後(漫画版エピローグ直前付近)の話です。
・原作相違有り。
190フェイトがエリオをオカズに自慰行為する話:2007/06/26(火) 23:55:21 ID:69b1Z7Rj
 自分を無理やり犯すエリオを想像して、フェイトの秘所からトロリと蜜がこぼれた。
 愛液は指に絡みつき、さらに滑らかに動けるよう促してくる。
「ねぇ、こんなにドロドロになっちゃってるよ。エリオは本当に寝てるの? 準備は出来
てるんだよ?」
 愛液は太ももを伝わり、シーツへ染みを作る。
 ここまで濡れていれば、男根を飲み込むのも容易い。フェイトの性器は今か今かと異性
を待っている。
「実は起きているんじゃない? 起きてこないんなら、こんなことしちゃう……よ?」
 フェイトはのっそりと立ち上がり、エリオへと跨った。
 和式便器に跨っているような体勢だった。
 エリオの口に股間を近づける。寝息が膣の中に入ってきそうだった。
 もしエリオが目を覚ましたら、視界いっぱいにフェイトの秘所を見ることになるだろう

「エリオは寝てるんだよね。だったら、目はつぶってなきゃダメだよ」
 エリオは起きていて寝ているふりをしていると思い込むことにした。
 寝息のペースは変わらない。頭の中の冷静な部位は寝ていることを告げているが無視し
た。
 そう思うほうが体が高ぶるのだ。
 フェイトは膣の中を指でかき混ぜる。
 ついでである。いじる指もエリオのものだとさらに思い込むことにした。
「気持ちいいよ、エリオ。もっとして……っ」
 エリオの小さい指が自分の中をまさぐり、快楽を送り込んでくるのだ。興奮しないわけ
がなかった。
 触っていた様子を思い出しながら、胸もつまむように触る。乳首はつんと硬くなってい
た。
「うっ……あっ……あ、あ、あぅっ……。気持ちいいよ。ふっ、ふぅ……。エリオのおち
んちんはちょうどこのくらいだったかな」
 膣を弄る指を二本に増やす。
 エリオの陰茎と同じぐらいの太さだ。嫌がおうにも、先ほどのエリオとの痴態を思い出
してしまう。
 初めての精液を口の中で受け止めた。性欲と食欲は似ているという。雄の体液の味を思
い出し、口の中でじわりと唾液が溢れた。
 栓が壊れて完全に閉まらなくなった蛇口のように、あふれ出す愛液はとどまるところを
知らない。
「ほら、こんなに愛液漏らしちゃってる。は、はぁ、はぁ……。エリオのせいなんだから
ね」
 手が伝わり、ぽたりぽたりと落下していく。
 落ちていく先はフェイトの性器の真下、エリオの顔だった。
 自分の欲望の印がエリオを汚していく。その事実がフェイトにはたまらなかった。
「エリオ……エリオっ、いっちゃうよっっっ」
 フェイトは絶頂を迎え、ふるふると身を震わせた。
 さらに溢れた愛液がエリオを穢した。



 絶頂の直前に目を覚ましていたエリオは呆然とフェイトを見上げていた。
 イったばかりフェイトはその事実にまだ気づいていない。
191Mr.P:2007/06/26(火) 23:58:41 ID:69b1Z7Rj
 以上です。
 失礼しました。
192Mr.P:2007/06/27(水) 00:01:24 ID:RtST4btR
>>189
 待っていらしたのに、なんだか申し訳ないです。
 結婚届見つかってよかったですね。
1934の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:04:27 ID:WWtTBziF
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
Mr.Pさんごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

書き込んでる最中に投下されてるなんて思わなかったんですよぉ… 

しかもエリオのキャラがわからんから感想レスも付けれない…orz
1944の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:10:00 ID:WWtTBziF
というか、もう今日のタイミング逃すと本気で次がいつになるかわからないので…
スレルールを破るのは申し訳ありませんが、20分ほどしたら投下させてください。
ごめんなさい!
195名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 00:14:30 ID:3KIWpVoZ
>>191
わっふるわっふる!
この後の2人の反応がぜひ見たい!

>194
お待ちしてました。
っていうか結婚届…危なかったですね。
投下どうぞ!
196名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 00:31:17 ID:tmgWWdzI
やった!遂に続きが読める!!
1974の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:42:15 ID:WWtTBziF
人大杉で書き込むのが遅れた…今日はどうも不調の日らしい…
ちと不安だけど投下しまーす。



 魔法少女リリカルなのは   〜 もう一人の私へ… 〜 VOL.6


「ふわぁ、すーごい人だぁ」
 平行世界存在の高町なのはが、見覚えのある翠屋のドアを開けるや大きな喧騒。
 ごったがえすその店内は客と店員の声が飛び交っている。
 自分の知る翠屋も繁忙帯は相当な状況だが、そんな時間帯に満足に仕事を覚えていな
い自分がヘルプに入るわけにもいかず、結果、ここしばらくなのははあまり自分の店が
繁盛しているという状況を見てない。ゆえに単純に人の多さに驚愕する。

 さて、こんな状況で誰に声をかければいいのか、となのはが店内を見渡すと、ちょう
ど厨房に続くドアから桃子が顔を覗かせる。
(あ…お母さん)
「いらっしゃいま…あ、なのは。リンディさんのケーキね……っと…ごめん、ちょーっ
とだけ待っててくれるかな。あ、松っちゃーん。シュークリームあと10個追加ねー」
(あはは、私が知ってるお母さんと同じだ。でもお母さんでも私となのはさん、区別つ
かないんだ、なんだか可笑しいかも。あ、私がなのはさんの制服借りてるから、それも
あるのかな)
 来訪者がなのはだと気付くや、桃子は忙しそうに厨房に取って返す。
「忙しそうだねぇ…待ってた方がいいかなぁ、自分で取りに行った方がいいような気も
するよねぇ、バルディッシュさん」
「Yes. Nanoha」
「うん、そうだね♪」
 当然というか勝手知ったる翠屋店内。ケーキを受け取るくらいは手をわずらわせるこ
とも、となのははレジを潜り抜け、厨房に向かう。
 と、

 PiPiPiPiPi!

 真横から突如なのはに襲い掛かる音。
 それが電話の音だと気付くのになのはは数瞬を要した。
(あ…電話の音…違うんだ)
 やっぱりここは違う世界…となのはが思う間にも、電話は自己主張を続ける。
「え…えと、えと…」
 なのはが見渡すが、手すきのウェイトレスはいない模様。
 その間にもベルの呼び出し回数はカウントされるばかり。
(い、いいのかなぁ…どうしよう…でもみんな忙しそうだし…ダメだったらしばらくお
待ちくださいって言って誤魔化しちゃえばいいよね…)
 意を決したなのはは、ちょっと伸びをして受話器を掴み取る。
「お待たせしまして申し訳ありません。翠屋でございます」
『あ、翠屋さんですか、ケーキの注文お願いしたいんですけど、いいですか?』
「あ、はい、えっと…しばらくお待ち下さい」
 もしかしたら自分の知るお店とは形態が違うかも、とさすがに助けを求めようとした
なのはだが、不意に電話機の脇にあるラミネート加工された1枚の紙に目が止まる。
1984の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:43:40 ID:WWtTBziF

 ○月××日付け 注文向けケーキ一覧

(今日の日付の最新版…これの通りなら間違いないはずっ!)
「お、お待たせしました。えっと、ケーキの数や大きさや種類はお決まりでしょうか?」
『えーっと、この前そちらで春の新作ケーキっていうのを買ったんですけど、あれって
まだありますでしょうか?期間とか過ぎてます?」
 カラープリンターで印刷されたケーキを一品一品追いかけていたなのはの指が目標物
を探し当てる。
(えーっと、春…ケーキ……っと、これだ、CherryLight。…明後日までだ)
「ありがとうございます、春の新作の販売期間は明後日までになっております」
『あ、ちょうどよかった。明後日なんですけど、それの5号のやつを1つお願いしたいん
ですが』
「はい、今確認いたしますので、しばらくお待ち下さい」
 ぴ、と電話を保留し、なのはは厨房に駆け込む。
「春ケーキの5号を明後日お願いします、って注文来てまーす。大丈夫ですかー?」
「春ケーキ?えーっと、ちょっと待ってねー……」
 桃子の声とばさばさと紙をめくる音がなのはの耳に聞こえてくる、予約票なりを確認
しているのだろうか。
「ん、大丈夫よー、お客様のお名前と電話番号控えるの忘れないでねー」
「あっ、はーい」
 忙しさゆえ、桃子の方もまさか対応しているのがなのはだとは思わなかったらしい。
ごく普通の母親の対応に、なのははもう一人の自分に感嘆する。
(なのはさんってこういうこと普通にやってるんだ……私と1つしか違わないのに凄い
なぁ…)
 軽い勘違いに後押しされ、なのはは元気よく返事を返すと、レジにとって返した。
「…あれ?…今の…なのは?」
 ひょこっと顔を覗かせた桃子は対応者を確認しようとしたが、なのはは既に走り去っ
た後、
「まさ…か、ね。まだ…あの娘には注文は早いわよねぇ、あはは」
「店長ー、シュークリームあがりまーす」
「あー、はいはいはいー」
 呼ばれた声に、桃子は軽く頭を振ってそっちの思考を追いやるとオーブンに向かって
歩を進めた。

 レジ前に戻ったなのはは受話器を掴み上げ、保留ボタンを押そうとして、脇にある
「注文受付」と書かれた伝票に気付く。
(あ、これに書けばいいんだね)
 ペンと伝票を手に改めて受話器に向かうなのは。
(えっと、お名前と、住所と、ケーキの種類と数と…日付…それから時間…だね、うん)
 ペンを持った手を伝票の各項目に走らせ、再確認。ケーキの種類の欄に「CherryLight」
と書き入れる。
 ちょっと高鳴る胸にペンごと手を当て、深呼吸2発。
(よしっ!)
「お、おまたせしました。予約できますのでお名前からお教え願えますでしょうか?」
「あ、よかったー。えと田村といいます……
1994の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:44:25 ID:WWtTBziF

 ・・・・・

「はい、では確かに。毎度、ありがとうございましたー。
…ふぅ…にゃはは、緊張したよぉー」
 受話器を置いたなのはは気持ち高揚した顔でバルディッシュに賛同を求める。
「So wonderful. Ms.Nanoha」
「えへへ、ありがと、バルディッシュさん。さぁ、自分の用事済まさないとねー」
「Yes」
 厨房へ、となのはが伝票を掴み取ったところで、声。

「あぁ、なのはが電話とってくれたのか。ありがとう」
「えっ?」

 後ろから掛けられた声に、振り向くなのはの視界に翠屋のエプロンが写る。
 なのはの記憶の中の「翠屋のエプロンを付けた人」、の誰より大きなその身体。
 こんな大きい人、お店にいたかな、と考えつつ、視線は自然と上を向く。

 左手にケーキの箱を持ったその人物は、空いた手でなのはの手に握られた伝票をそっ
と取る。
「あぁ、注文だったのか。なのはは偉いなぁ、もうそんなことまで覚えてくれたのかぁ。
あ、これリンディさんに注文いただいたケーキ。落とさないようにね」

 記憶に、ない、声。

 そして記憶のほんの片隅…小さく小さく…写真の中でだけ残るその…顔…。

 もしも…の中で…思い描いた…その…相手…

「うん、ちゃんと出来てる。すごいぞなのは。お父さんも鼻が高いっ、はっはっは」
 言ってぽん、となのはに頭に乗せられる大きな掌。

 かっ、と大きくなのはの目が見開かれる。

「あ…ぁ……ぁ………」

 小さく震えだすなのはの身体。

「ん?どうした、なのは?」
「…ぉ……」
「ん?」
「……お…父………さん?」
「お父さんの顔になにか付いてるか?」
「!!!」

 目の前の人物と、知らぬ父とがイコールで繋がる。

「あっ!!お、おい、なのは!!ケーキ!!」
「すいませーん、お会計いいですかぁ」
「あっ、は、はい。すいません、ただいま…」
 客に呼び止められた士郎は、伝票を預かりながら、なのはが逃げるように駆け出して
いったドアを横目でちらりと伺うことしかできなかった。
2004の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:45:43 ID:WWtTBziF

 〜  〜  〜  〜

「Ms.Nanoha! Nanoha!!」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
「Stop!Please calm down!Please!Nanoha!!」
 バルディッシュの声も耳に届かない。翠屋を飛び出したなのはは駆け続け、目に入った
路地裏に飛び込み、しゃがみ込む。
「はぁっ、はぁっ、は、ぁっ………」
 痛いほどに高鳴る鼓動は決して急に駆け出したためだけではない。
(お父さん…お父さん…お父さんっ!……)
「What's the matter!Nanoha」(何があったのですか!)
「…バル…ディッシュ…さん…」
「Yes」
 なのははそっと胸のポケットからバルディッシュを取り出すと、両手の手の平で包み
込むように、それを胸元に持ってくる。
「さっきの…人……私の…ううん…なのはさんの…」
「So what?He is your father. Mr.Shiro-Takamati」
              (どうしました?彼はあなたの父親。高町士郎氏ですよ)
「っ!!…うっ…うぐっ…うわぁあああああああぁぁぁぁん!!!!!」
「Nanoha?!」
 号泣。
 ぐしゃりと潰れた顔から、涙の粒がいくつもいくつも、彼の、バルディッシュの上に
注がれる。
 路地裏とはえ、顔を横に向ければなのはの姿は大通りから丸見え、声などは筒抜けで
あるにもかかわらず、お構い無しになのはは泣いた。
「Nanoha……」
 バルディッシュは困惑するばかり。どう言葉をかけてよいかわからず沈黙する彼に、
助け舟が訪れる。
『バルディッシュ、聞こえる?』
「!Yes」
『連絡するタイミング掴めなくてごめん。いい、よく聞いて。なのちゃんのお父さんは
もう亡くなってるの。お父さんに会ったことがなかったのよ、なのちゃんは!』
「!? No kidding!」
 バルディッシュに人の形があればこの場で彼女を抱きしめ、あらん限りの謝罪をした
であろう。彼女を連れ出した自らの行動をバルディッシュは激しく悔いた。

『もういいから、なのちゃん連れて帰ってきて!転移魔法いけるね?』
「Y…Yes!」
 まずは結界を、と術式を組み上げかけたバルディッシュに、(正確にはしゃがみ込む
なのはに向けて)大通りから声がかかる。
「ちょ、ちょっと!なのは!なにこんなとこで泣いてるの!」
「ど、どうしたのなのはちゃん!」
 駆け寄る影が2つ。
「Ms! Help me. Please!」
 泣きはらすなのはの手中に金色の輝きを2人は見つける。
「あれ?確か…バルディッシュ…だよね?フェイトちゃんの」
「Yes」
「なんでなのはと一緒に居るのよ?フェイトはどしたの?なんでなのはが泣いてるのよ?」
「?!!?」
 泣きはらすなのはの身体が「その声」にびくりと震える。
2014の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:47:01 ID:WWtTBziF
「I will explain reason later.
 To the place where a person does not stand out with her」
           (理由は後で。彼女をどこか人目に付かない所へお願いします)
「な、なんなのよ、もう。ほら、なのはも泣き止みなさいってば」
 言ってアリサはなのはの肩を揺する。
「……」
 泣きはらした目で、なのはは声の方へと振り向く。
 視界を妨げる涙を、ごしごしと制服の袖で擦ると、「彼女」の姿を己に取り込む。

「……あ……ぁ……」
「ん?何?」

 なのはの記憶の中で少しの昔。
 自分に様々を教えてくれた、
 触れることはできなかったけれども、自分を優しく包んでくれた、
 もう二度と会うことの叶わぬはずだった少女に……

 ぶわっと、新たに双眸からこぼれ落ちくる涙を気にも留めず。

 なのはは思いっきりアリサに抱きついた。

「アリサちゃぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!!!!!」

「うわっ!!ち、ちょっ!!なのはっ!!」
「アリサちゃん、アリサぢゃん…ア…ジザ…うわああああぁぁぁぁぁあぁん!!!!」
「ちょー、こ、こらっ、なのはっ!お、落ち着きなさいってば、こ、こらっ、落ち着けー」
 いやだ、と言わんばかりになのははさらに強くアリサにしがみつき。泣き続ける。
「と、とりあえずアリサちゃん、もっと奥に行こう、み、みんな見てるよ」
「そっ、そうね、ほ、ほら、なのは、こっち来なさい、ちょっ!ちゃんと歩いてってばー」
 ずるずると、泣き続けるなのはを文字通り引きずって、アリサとすずか(とバルディッ
シュ)は人目を避け、路地の奥へと入り込んだ。


 〜  〜  〜  〜


「え、なに、じゃぁこのなのはは別の世界のなのは、っての?」
「Yes」
 路地裏の奥に陣取った3人と1機。なのはは未だアリサの胸で泣き続けている。
「どこから見てもなのはちゃんにしか見えないけど…」
 バルディッシュから一通りの説明を受けた2人だが、合点のいかぬ様子で顔を見合わ
せる。
「まぁ、その、このなのはは別のなのはってのは、まぁ、いいけど…いや、よくはない
けどさ…なんで私見て泣いてるのよ、ていうかこの状況なんなの?」
 アリサは自分の胸でぐすぐすと泣き続ける親友…いや、親友と同じ顔をした別人を、
これ、と指差す。
「Sorry. I don't understand」
「あー、もう、なのは!あんたもいいかげん泣きやn……っ!!!」
2024の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:47:57 ID:WWtTBziF

 突如。

 びくっと大きく身体を震わせ、アリサが大きく仰け反る。
「アリサちゃん?」
 驚いてすずかがアリサを覗き込むも、そのアリサの瞳は虚空をさ迷い、半開きの口の
まま、身体は固まったように動かない。
「アリサちゃん?…アリサちゃんってば!!」
 すずかが慌てて体を揺するもまったく反応しない。
 いや…

 その開かれた口元が時折わずかに動いている。
 小さく何かを呟いている。

「?…アリサ…ちゃん?……」
 すずかがアリサの口元に耳を寄せると。それでもなお小さな小さな、切れ切れの呟き
が聞こえる。

「…そ……な…も…わた……だ……
 ……うん…そ………ね…そ…か……
 う……りが…と……うん……あな……し……だも……ね
 …い……よ…す…だ…なら……た…の…らだ……して…げ…
 ……ら…な…はの……と……のむ……」

「ア…アリサちゃんまで…変になっちゃった…ど、どうしよう…だ、誰かに…」
 誰か助けを、とすずかが携帯電話を取り出そうとしたその時、アリサの頭ががくんと
元の位置に戻る。
「っ!…ア…アリサ…ちゃん…だ、大丈…夫?」
 アリサはゆっくりとすずかに振り向くと。にこりと微笑む。
「あなたがすずかね?」
「へっ?」
「あ、ううん、こっちのこと、なんでもないわ」
 意味不明なことを呟くと、アリサは未だ自分の胸の内のなのはに視線を戻し、その頭
をそっと撫で、優しく一言。


「また…逢えたわね…なのは」


「っ!?」
 びくっとなのはは一瞬にして泣き止み、あわてて顔を上げる。
 頭を撫でる手を止め、アリサは一番の笑顔をなのはに贈る。
「あ…ア…リサ…ちゃ…ん…?」

 コクリ、と笑顔のまま、アリサは頷く。
 それを見たなのははまたしても瞬時に涙を溢れ出させ、アリサの胸にくず折れる。
「アリサちゃぁぁーーーーーん!!!」
 よしよし、と、今一度なのはを撫で付けると、アリサはなのはの肩を取り、その顔を
自分に向けさせる。
「うぐっ…アリサ…ちゃん……」
「ほら、せっかく逢えたのに泣いてちゃ話もできないでしょ。時間ないんだから」
2034の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:48:56 ID:WWtTBziF
「え…時間?」
 答えたのは蚊帳の外だったすずか。
「あ、ごめんねすずか。あなたとも話したかっただけど、そうもいかないみたい」
 すずかに向けてウィンク一つ。アリサはなのはに視線を戻す。
「え、えと…」
 話が見えない。すずかにも、そしてなのはにも。
「なのはもごめんね。あんなさよならになると思ってなかったから」
「アリサちゃん…」
「あの時からちょっとはおっきくなったみたいだけど、相変わらず泣き虫ね」
 アリサは小さく微笑むと、コツンとなのはの頭を小突く。
「うぐっ…だって…だって…アリサちゃんが…」
 またじわり、と双眸が潤みかけるなのはに、アリサはよしよしとその頭を撫でる。
「ああ、ごめんごめん、泣かないで。んー、でもまぁ、いい男見つけたみたいだし、私
もちょっとは安心したかな」
「へっ?いい男って?」
 疑問形のなのはに、アリサはにやっと笑って、ぴた、と指をなのはの眼前に突き付ける。
「クロノってやつのことよ。まったく、私だって男の子と付き合ったことなかったって
のにさ。なのはがそーんなおませさんだとは思わなかったわ」
 がばっとアリサの腕を振り解き、なのはは2歩後ずさりながらぶんぶんと腕を振る。
「ククっ、クロノくんはそんなんじゃないよっ!ととっ、友達だよっ!友…達」
「ほんとに〜?じゃぁ私がもらっちゃおーっと」
「だ!だめっ!クロノくんは私…の…っ!!」

 アリサに全てを言わせず、なのははがばっとアリサに取り付くと、ぶんぶんと頭を振っ
て反抗を示す。
 意地悪そうににやーっと笑うアリサの顔は、なのはがよく知るところのアリサの顔。

「『私の』、何なのか……くっ!」
 なのはをからかうアリサの表情が急に険しいものになる。
「「アリサちゃん?!」」
 ややつらそうな表情を笑顔で誤魔化し、アリサは自分に駆け寄らんばかりの2人の肩
に手を置いた。
「んっ、ごめんごめん2人とも、さすがにそろそろ限界かな、いくら自分でもやっぱり
生身の身体ってのはちょっときついわね。ま、そもそも違う世界で存在を維持してるの
事態が無茶なんだけどね」
「え…」
「えと…」
 なのはには半分ほど、すずかにはほとんど全く意図がつかめない。
「ね、なのは、最後に約束してくれない?」
「えっ?」
「いつか……」
「いつか?」
「生まれ変わったら、きっとまたなのはの前に現れるから、その時は…」
「……」

「また…友達になってく……」

 最後まで言葉を続けることができず、アリサの身体は大きく仰け反る。
「「アリサちゃん?!」」
 アリサが元の体勢に戻るのを待って、二人は恐る恐る話しかける。
2044の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:51:24 ID:WWtTBziF
「「…あ、あの…アリサ…ちゃん?…」」
「あー、時間切れかー、残念」
「時間…」
「切れ…?」

 アリサはふっ、と一つ息を吐くと、なのはに向き直る。
「んっと、改めて自己紹介、かな。私はアリサ・バニングス。残念だけどあなたが知っ
てるアリサ・ローウェルじゃないわ」
「ローウェル?」
 すずかは会話に残されまいと必死だ。
「え、えと、えと、アリサちゃん…が…えと、えと…」
「あっちの世界のあたしが教えてくれたわ、あなたのこと、色々。
 あなた達みたいに名前まで同じ完全な同一体じゃなくて…んーとどう言えばいいかな。
まぁ、同一可能性体ではあるけど、可能性の道があなたほど同じじゃなかった、ってこ
とになるのかな」
「…え、えと、話がマクロすぎてよくわかりません…」
「えっと、そもそも何もわかりません…」
 きょとんとする2人に、まいったな、私も完全に理解してるわけじゃないのよね、と
アリサは苦笑する。
「すずかにはあとで説明するわ。ま、なのは、いいんじゃないかな、あなたの知ってる
アリサ・ローウェルのもう1人、ってことで。多分だけどね。
 で、ローウェルなあたしからの伝言。また今度も友達になってね、だってさ」

 うやむやにされた気はしたが、その口調も容姿も自分の知るアリサと寸分たがわない。
 なのはは一瞬だけ複雑な表情はしたものの。
「うん、わかった。アリサちゃん」
 にっこりと笑顔で頷いた。

 〜 〜 〜 〜

「へー、それじゃなのはちゃんの世界にはアリサちゃんは居たけど私やファリンは居な
かったんだ。お姉ちゃんやノエルは居るのに」
 3人で並んで歩く。もちろんなのはの胸のポケットにはバルディッシュ。
 状況を説明し、落ち着いたなのは(とすずか)を見計らって、バルディッシュはこの
まま任務続行と、エイミィに連絡を入れ、3人で翠屋に向かうこととあいなった。
「はい、あんまり…アリサちゃんとはお話とか出来なかったんですけど…」
「あ、ご、ごめんね、そんなつもりじゃ…」
「いっ、いえ、気にしないでください、すずかさん」
「あー、もう、そこ!暗くなるな暗く!出会いの数だけ別れはあるのよ!今の新しい出
会いをまず喜びなさいっ!!」
 ばんばんとアリサは2人の背中をはたく…というか叩くというか…ずいぶん力が篭っ
いるように見受けられる。
 叩かれた当人達は、いたた、と背中をさすりながら、わずかに歩を緩める。

「(…ね、ねぇ、なのはちゃんの知ってるアリサちゃんも…こんな感じだった?)」
「(…本筋は…同じでした…有無を言わせぬ口調とか…)」

 やっぱり、と顔を見合わせ、あははと笑う2人に数m先からアリサの声が飛ぶ。
2054の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:52:51 ID:WWtTBziF
「そこー、なにちんたら歩いてるの!お店着くの夜になっちゃうわよ!早くなさい!」
「はいはーい」
「今行きまーす」
 走り寄る2人に、アリサは腰に手を当て仁王立ち。
「早くなさいよ。特になのは。あんたケーキ受け取らなきゃいけないんだから。さっさ
とする。もう!」

 アリサの言葉になのははぎくりと、せっかく早めた歩を完全に止めてしまう。

「なのは?」
「どうしたの?なのはちゃん」
 なのははうつむき、完全にその動きを止める。

「あの…やっぱり私……お父さんに会うの…怖いです…だから…ごめんなさい…アリサ
ちゃんとすずかさんで…その…」
 2人には、伝えてある。自分がつい今さっき。「初めて」父に出会ったことを。
「あ…そうか…えっと…アリサちゃん。2人で行って…っ!?」
 そうだね、といった表情ですずかはアリサに向き直ると、そこにはすずかが見た事も
ない仏頂面のアリサが居た。

「ちょっとなのは!」
「っ!?」
 アリサはなのはの肩を引っ掴むと無理矢理その背筋を起こす。
「あんた。私の言ったことまだ理解してなかったのっ?」
「ふえっ?」
 目を白黒させるなのはの顔面に、びしっとアリサは己の指を突きつける。
「あんたにとって私は誰?」
「えっ?えっ??えっ??」
 何何?と慌てふためくなのはに、ふっ、とアリサは表情を和らげる。

「あんた、自分で気付いてる?すずかのこと「すずかさん」って呼んでるの。で、私の
こと「アリサちゃん」って呼んでるの」
「えっ…あっ…」
 隣ですずかも、あ、と今気付いた風にしている。
「それって、私とあんたの知ってるアリサのこと同じだ、って見てくれてるからよね?
違う?」

 そう、前に自分で言ったはず、こちら側のなのはは自分だ、と、
 あの時は確かに今のような意味合いで言ったのでは、ない。でも今…アリサと逢った
今なら…

 こちら側のなのはの家族は自分の家族の存在であり、

 当然、こちら側のなのはの父は…

「…行きましょ、なのは。娘が父親に合うのに遠慮なんかいらないのよ」
「…あ…」
2064の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:56:09 ID:WWtTBziF
 アリサはなのはに手を差し伸べる。私が付いているから、と。
 横からすずかもやってくる。
「なのはちゃん…まだ、私…なのはちゃんのこと全部理解してないと思うし、無責任な
こと言えないんだけど……うん…多分、アリサちゃん、なのはちゃんのこと助けてくれ
てると思う」
 すずかはなのはの左手を取ると言葉を続ける。
「私も…その、一緒について行くくらいしかできないけど…行こう?なのはちゃん」

 ゆっくりと、なのはの空いた右手が差し出されたアリサの手に近づく。
 そのゆっくりとした動作に痺れを切らしたアリサは、物腰途中のなのはの手をがっし
と掴む。

「さ、行くわよ!」

 なのはの知る、有無を言わせぬ「笑顔」の「彼女」の口調に、

「うんっ!」
 なのはは涙交じりながらも、大きく、そして笑顔で頷いた。

 〜 〜 〜 〜

「クロノくーん、通信設備OKだよー。そっち手伝う?」

 第97管理外世界駐屯地。ひたらく言えばフェイト達ハラオウン家の地球での住居。
 闇の書事件の終結から数ヶ月。一般宅の佇まいを見せていたこの家も、あれよという
間にかつての本部の装いを取り戻していた(見た目の問題ではなく)。

「こっちももう終わりそうだから大丈夫だ。それよりチェックも兼ねて、出かけたなの
は達の様子でも確認してくれ。君の好きな覗き見任務を命ずる」
「引っかかる言い方だけど、まぁ、聞かなかったことにしてあげるよー」
 ピピ、と中空に数枚の画面を展開させ、エイミィはバルディッシュにサーチをかける。
「んー…システムオールグリーンっと、サーチシステム起動……サーチ…対象……に、
バルディッシュ…っと。ほい行けー」
 掛け声と共にキーを叩いたエイミィの前に更に数枚のスクリーンが展開される。中央
の大きな画面にはなのはを含む3人の姿が映し出された。
「ん、良好良好」
 うんうんと頷くエイミィに後ろから声がかかる。
「エイミィさん、なのは…どうですか?」
 ん、とエイミィが振り向くと、平行世界存在のクロノが遠慮がちにエイミィの後ろか
らモニターを覗き込んでいた。
「あー、クロくん、あっちの方はもういいの?」
「ええ、もう終わるから、クロノさんがなのはの様子を見てきてくれ、って」
「そかそか。ん、どうやらなのちゃんも落ち着いたみたいだね。あ、ちょうど翠屋再びっ
てとこだ」
 画面の中の3人はドアを開け、翠屋の中に入っていく。
 エイミィの手がコンソールを走り、画面が翠屋の店内を映し出す。
 なのはが最初に入った時と違い、席にいくつか空きも見られる。繁忙期はどうやら過
ぎているようだった。

 レジに立っていた士郎がなのは達に気付き、ケーキを取り出してなのはに手渡そうと
している。
 画面で見ても解るほどになのはがびくりと震え、アリサの後ろに逃げるように隠れた。
 エイミィの手が再び動き、店内の音声を拾う。
2074の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:57:22 ID:WWtTBziF

「あ、あはは、なんでもないんです、皆でケーキ取りに行く約束だったのになはが先に
行っただけで、その、私達を慌てて迎えに来たみたいで、って…ほら、なのは」
 咄嗟にフォローを入れるアリサの影からなのははおっかなびっくり半分だけ顔を出す。
「え、えと…あの…」
「どうしたんだ?なのは。どっか悪いのか?」
「あ…あの…えっと…だ、大丈夫で……じゃなくて、その…だ、大丈夫…」
 士郎の前に進み出たはいいが、まともにその顔が見れないなのはは受け答えもしどろ
もどろ。
「そうか?ならいいけど…はい、ケーキ。ちゃんと持てるか?」
 うつむいたなのはの視界にケーキの箱が差し出される。
 その箱をそっと両手で掴むと、なのははゆっくりと顔を上げる。
 そしてぴたりと合わさる視線、瞼が熱くなるのを感じ、なのははぎゅっと目をつぶり、
顔を伏せる。
 あわてて横の二人が手を差し伸べようとするが、なのははそれより早く再び顔を上げ
る。
 2人の、そして…士郎すらもよく知る笑顔がそこにはあった。

「ありがとう、お父さん!」

 3人が何かする間もなく、なのははくるりと踵を返し、出口のドアへと向かう。
 と、2、3歩進んだところで首だけ振り返る。
「アリサちゃん、すずかさん、どうしたんで…どうしたの?早く行こうよ」
「あ…」
「う、うん…え、えと、それじゃ、失礼します」
「車に気を付けるんだよ、3人共ー」

 言い終わらぬうちに、ドアベルの音を響かせ、なのはは店の外へ。
「な、なのはちゃん、待って!」
「あ、ありがとうございました。失礼しますー」
 急いで後を追う2人に改めて気をつけて、と手を振る士郎。かすかなひっかかりを感
じつつも、自分を呼ぶ桃子の声に振り向き、厨房へとその姿を消した。

「なのっ!……」
「なのはちゃ……」
 アリサとすずかがドアをくぐると、目の前になのはの姿。
 店に背を向け、行き交う車と人にぼんやりと視線を這わせている。
 2人がその前に回りこもうとする前に、なのはは踵を返し、ハラオウン亭へ続く道へ
と向き直る。
「「あ……」」
 そのまま2人に何か言うでもなく、すたすたとなのはは歩を進める。
 どうしよう、と顔を見合わせたアリサとすずかだが、留まるわけにはいかず、慌てて
なのはの後を追う。
 すぐに追いつくも、声をかけ辛いその雰囲気に、微妙に半歩後ろに陣取る2人。

 ほんの数分。沈黙の行進が続いた後、変化の音。

 ぽとん。と。

 何かがなのはの持つケーキの箱に落ちる、音。
 雑踏の喧騒の中にあって、なのはの少し後ろを歩く2人には、その小さな音がはっき
りと聞き取れる。
2084の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 00:59:03 ID:WWtTBziF
 顔を見合わせた2人は揃って頷き、なのはを両側から囲み、そっとなのはを路地へと
引き込む。奇しくも先ほど3人が出会った路地へと。
 そして同じ場所で3人は佇む。

 すずかはうつむいて微動だにしないなのはが持つケーキの箱にそっと手を触れる。
「…なのはちゃん…ケーキ。預かるよ」
 コクリと頷いたなのはから、すずかは涙の雫の痕が1滴残るケーキの箱を受け取る。
 そのまま流れるようにアリサは、やや顔を伏ているなのはを自分に引き寄せる。
 促されるまま、自分に抱きかかえられる少女に、アリサも目を閉じ、少しトーンを落
とした声で一言。
「…ちょっとだけなら…いいわよ……」
 その言葉に、なのははアリサの服をぎゅうと握りこむ。

 しばし、沈黙。

 そして…

「うわぁああぁぁあぁぁあぁぁーー!お父さぁぁぁああああぁぁぁーーーーーー!!」

 〜 〜 〜 〜

「なのはの傍に行ってやるかい?」
「今なら特別に転移装置の使用許可を出すわよ、クロノさん」
 モニタを見つめるクロノ・ハーヴェイに、ハラオウン親子が声をかける。
 エイミィとアルフが両側からクロノの肩に手を置く。
「…いえ…僕が行く必要は……なのはなら大丈夫です…それに…」
「それに?」
 問いかけるもう一人の自分にわずかに視線を向けかけるが、向こうのクロノはまたす
ぐにモニターと向かい合う。
「あんななのはの傍にいたら…それこそ…」
「それこそ?」
「……いえ…なんでも…ありません……大丈夫だと思います。その、アリサさんも居る
ようですから…」
 首を振りながらその申し出を断るクロノ。
「何言ってんだよ!よく知らないけど、あんたあっちのなのはのこと好きなんだろう?
行ってやりゃいいじゃないか」
 言葉を濁すクロノにアルフがばしんと背中を叩く。
 クロノはたたらを踏むも、踏みとどまり、アルフには答えず、モニターの向こうにい
るなのはに視線を向け続けた。
「アルフ。クロくんなんだか色々難しいみたいだよ。ま、ここは当人の意思を尊重する
ことにしようよ」
「…そ、そうかい?難しいことはあたしゃよく解らないんだけど…まぁ…」

《クロノは何か知ってるの?》
《それほど詳しくは…どうしても一歩踏み込めない事情がある、ということくらいしか》
《そう…》
 聞かれぬよう念話するハラオウン親子も言葉をかけれず、揃ってモニターを見続ける
に留まった。

(…なのは……)
2094の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:03:05 ID:WWtTBziF
 〜 〜 〜 〜

「ただいま戻りましたーー!」
「「お邪魔しま〜〜すっ!!」」

「アリサちゃああああああああああああああああああああああんっ!!」
「すずかぁぁぁぁあああぁぁぁぁああああああああああああぁぁっ!!」
「「「うわああっっ!!」」」

 20分後。
 つい先ほどの……は、まるで嘘だったかのような笑顔で帰宅した3人(主にアリサと
すずかの2名)を待ち構えていたのは、なのはとフェイトの悲痛な叫びであった。

「アリサちゃん!国語がアースラで闇の書さんでクリスマスイブでカートリッジロード
で締め切りが明後日なのーーーーーーーっ!!!」
「すずかぁぁぁっ!!エイミィとアルフが宿題でザンバーでドライブイグニッションで
ノートが真っ白なのーーーーーーーーーっ!!!」

「…はやややゃ……」

 竜巻のごとく風が吹き抜け、わけのわからない奇声を発した2人にアリサとすずかは
問答無用で拉致され、ケーキの箱を持ったあちらのなのはが、ぽつんと1人状況を理解
できず、玄関に取り残さた。
「なのは、お帰り」
「おかえりー、なのちゃん」
 唖然とするなのはに、エイミィと、彼女が知る側のクロノとが苦笑しながら顔を出す。
「あ、クロノくんにエイミィさん、ただいまです…えと…一体何があったのでしょうか…」
「あはは、あの2人まだ宿題がテンパってるみたいでさ」
「はぁ…そ、そうでしたか…」
「あ、ケーキ重くないかい?預かるよ」
 未だ思考の追いつかないなのはにクロノが手を伸ばしてくる。
 なのははぱっと明るい表情になると、はい、とケーキを差し出した。
「ありがと、クロノくん。一緒にキッチン持って行こ♪」
「うん」
 どんなケーキかな、あ、私も見てないや、などとほんわかした会話がエイミィの脇を
すり抜け、リビングの方へと向かっていった。
 知らず彼女からくすりとした笑みが漏れる。
「ちびっ子カップルかぁー、なんとも見てて微笑ましいねぇ、いやはや」
2104の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:04:19 ID:WWtTBziF
「エイミィ、今のなのはさん達だったのかしら?」
 ひょこっとリンディが顔を覗かせる。
「あ、艦長。ええ、今ケーキをキッチンに。アリサちゃんとすずかちゃんは宿題組にに
拉致されましたけど」
「そう。…なのはさん、大丈夫そうだった?」
「ん、問題ないと思います。ちゃんと笑ってました。作り笑いには見えませんでしたし」
 腕組みしたリンディはゆっくりと一つうなずく。
「強い子…なのね」
 わずかに真剣になったリンディの表情に、エイミィの顔からも笑いが消える。
「クロくんのおかげ…だけでもないんでしょうね…なのはちゃんも結構寂しい頃があっ
たみたいですけど、今は全然そんなそぶりもないですし…」
「高町なのは、という少女の強さ、といったところかしらね」
「そう…思います」
「たった9才の女の子が、初めて自分の父親に逢った状況を受け入れている…すごいわね…」
「……です、ね……私達に…何かしてあげられないんでしょうか?…」」
 エイミィの言葉に、リンディはキッチンに視線を移そうとしたが、壁に遮られ、代わ
りに天井を見上げる。
「…わからないわ…それをすることがはたして正しいことなのか…それを判断する権限
が私達にあるのかすら…」
 そのまま天井に言葉を投げかけるリンディ。声の先がまるで自分かのように。
「…艦長…」
「それに、本題はそこじゃないわ」
「え?」
 リンディはエイミィに向き直る。
「彼らにとっての最善は、元の世界に帰ること。ここでの一時の休息ではないわ」
「あ…」
 なぜ忘れてたか、とばかりにエイミィは唖然と口を開ける。
「忘れて…ました…なんだか2人とも前から私達と一緒に居たみたいな気がして…」
 思い出したといわんばかりの口調にリンディは表情を崩す。
「ん、実は私も。最も、2人とも根本的にはクロノとなのはさんなんだから、当然と言
えば当然かしらね」
「そうですね。それに…」
「それに?」
 笑みの戻った顔でエイミィはリンディに告げる。
「最善、ではないかもしれないですけど。ここでの休息は、クロくんとなのちゃんには
いい方に働きますよ、きっと」
「…ええ、その通りね。ふふっ、エイミィも言うようになったわね」
「じゃぁ、本部設営も一段落しましたし、夜のパーティの準備、ですかね」
「ん、そうね。そろそろはやてさん達も来る頃…」

「ごめんくださ〜い。八神はやてと愉快な一行。お呼ばれに参上しましたー」
2114の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:05:41 ID:WWtTBziF
 ガチャリとドアが開くや景気のいい声が響く。
「おやま、ずいぶんとナイスタイミングで…」
「ほんとね…」
「…あれ?反応薄いですね、なんやお邪魔しましたですか?」
 車椅子から投げかけられる声にリンディとエイミィは顔を見合わせ笑みをこぼす。
「いえいえ、なんでもないわ。いらっしゃい。はやてさん」
「いらっしゃい、はやてちゃん。シグナム達も」
「そですかー、よかったー。あ、これ、今日うちでやろ思てたお鍋の材料です。使って
やって下さい」
 はやての言葉に後ろに控えたシグナムとザフィーラがスーパーの袋を差し出す。
「あら、気を使ってもらって悪いわね。遠慮なく使わせてもらうわ」
「お招き感謝致します。リンディ提督」
「主共々のお誘い。身に余ります、提督」
 頭を垂れるシグナムとザフィーラに、あなた達はあいかわらずね、とリンディは笑う。

「やぁ、はやてか、いらっしゃい」
「あー、クロノくん、お招きありがとうです」
 玄関口の騒動を聞きつけたクロノが顔を出し、相手がはやてと見るや車椅子に近づく。
「車椅子のタイヤを拭くよ。シャマル、はやてを頼めるか?」
「あ、助かりますクロノさん。はやてちゃん、ちょっと失礼しますね」
「ん、ありがとなー、クロノくんにシャマル。あ、ヴィータはクロノくん手伝ってくれ
るか?」
「ん、わかったー」
 ひょいとシャマルは手馴れた様子ではやてを抱きかかえ、残された車椅子をクロノと
ヴィータに託す。
「クロノ、雑巾どこだ、雑巾」
 車椅子に取り付いたヴィータが早速はやての役に立とうとクロノを急かす。
「靴箱の中だが、手が汚れるから僕がやるよ。君は車椅子を支えててくれ」
「あいよー」
 靴箱の扉に手をかけたクロノだったが、今だ玄関先にたたずむ一行を思い出し、いけ
ないとばかりに振り返る。
「君達は先に中に入っててくれ。いつまでも玄関先じゃ申し訳ない」
「あ、そうか、ごめんごめん、みんな入って入って」
 慌ててエイミィがリンディと塞いでいた玄関先を空ける。
「んじゃぁお邪魔しますー。あたしも後でお料理手伝いますんで」
「では失礼いたします」
 どやどやと靴を脱ぐ一行。クロノとヴィータは脇に寄り、車椅子と格闘を始める。
「じゃ、ヴィータ、こっちから拭くから支えてくれ」
「おっけー、こんくらい傾ければいいか?」

 〜 〜 〜 〜

「おー、確かに玄関におったはずのクロノくんがおるわー」
「「え?」」
 シャマルに抱かれ、リビングに顔を見せたはやてが開口一番、キッチンに居る2人に
声をかける。
「あはは、堪忍やー、いきなりは失礼やったな。えーと、もう1人のなのはちゃんにク
ロノくんやね?八神はやていいます。よろしゅーに」
「お二人とも、さっきはどうも」
「あ、シャマルさ…ん…」
2124の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:07:12 ID:WWtTBziF
 向こうのなのはが来訪者に気付き、駆け寄…ろうとして、シャマルに抱かれ、先ほど
自分とクロノを呼んだ人物に気付く。
「あ…えーっと」
「もしかして…八神…はやてさん、でしょうか?」
 なのはの後についで、クロノがやってくる。
「そですー、八神はやて、言います。って、自己紹介したやんかー。あっちのクロノくん
はボケ役なんかー」
 抱かれながら突っ込むという難しい技を披露するはやて。
「「あ…」」
「おろ、あんまおもろなかったかー、あたしもまだ修行が足らへんなー、堪忍やー」
 その返答を割合無視し、向こうのクロノとなのはは顔を見合わせ、同時に「彼女」の
名前を発する。

「「…レンちゃん(さん)??」」

「……いや、待ってーな、誰なん、それ…」
 見知らぬ名前で呼ばれたはやては目をしばたかせる。
「似て…はない…けど…」
「雰囲気は…あるね…レンさんの可能性の人、になるのかな…」
「あーあーあれかー、あたしに似た人がそっちの世界にもおるねんな」
 一応の説明は受けていたはやて。にも増して、流石にそういう方面の洞察力が鋭い。
「あ、ああああ、す、すいません、ご挨拶せずにごめんなさい、た、高町なのはです、
えと、そのなのはさん、あ、その、こちらのなのはさんと同じと申しますか、別人と申
しますか、あの、その」
「おー、その混乱っぷり、なのはちゃんのイメージあんなー、さすが同じ人やー」
「あややや、お、お恥ずかしい限りです…」
「クロノ・ハーヴェイです。なのは共々、よろしくお願いします。はやてさん」
 ふしゅるー、と小さくなるなのはの肩に手を置き、クロノも自己紹介。
「あ、クロノJr君やね、よろしくです」
「はい、こちらこ………え、あの…いえ、別にクロノさんの息子ではありませんので…」
「おお、そのナチュラルな間の取り方。鍛えればええ突っ込み役になりそうや、むむむ、
ボケも突っ込みもこなすとは、ライバルの誕生かもしれへんなー」

「…こ、こっちのレンさんは…」
「な、なかなかに手ごわい人…みたいだね、クロノくん」
 揃って肩をすくめる主導権握られっぱなしの2人であった。

 〜 〜 〜 〜

「…えーっと、それで…あの…私はなんで今ここに居るのでしょうか………」

 と、1人。高町亭の前にたたずむのは向こうの世界のなのは。
 辺りを見渡してももう宵の口。大通りから1本入った立地のため、人影もない。
「Don't worry. I'm your bodyguard」
「…えっと…う、うん、バルディッシュさんが一緒なのは非常に心強いのでありますが…」
2134の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:07:57 ID:WWtTBziF
 おかしい、そもそもの始まりは何だったろうか、となのはは記憶を探る。

 クロノくんとケーキを前に談義をしていた、うん、間違いない。
 その後はやてさんがやってきた。うん、これも間違いない。
 その後憔悴したなのはさんとフェイトさんが、アリサちゃんとすずかさんに支えられ
て皆の前に姿を現した。大丈夫だよー、えへへー、やっとメドがついたよー、あははー
と、土気色の顔で笑う2人は、さながら生ける屍状態ですごく怖かった。
 そのあと皆さんが私とクロノくんの歓迎パーティを開いてくれた。うん、あのはやて
さんが作ってくれたチゲ鍋、すっごく美味しかったからこれも間違いない。

 そのあとみんなでケーキを食べながら…えーっと…えーと…

 その時に…はやてさんが確か………

 〜 〜 〜 〜

「なぁ、なのはちゃん。あんな、気分悪せんといて聞いて欲しいんやけどな」
「え?はい…」
 コップに1/3ほど残っているオレンジジュースを手の中で弄びながら、はやては対面
に位置するなのはに声をかける。
 よく通ったその声に、また不安を抱かせる冒頭部分に、両手に持った鳥のモモ揚げを
片方づつ貪っていたアルフ以外の視線が集まる。
 はやては注がれる視線を無視し、コップの中身を一気に飲み干すし、がこんとテーブル
に。叩きつけるほどの勢いで。
「あんなー、せっかくこっちの世界に来たんやさかいな、むこうで叶わへんかったこと、
ちーっとだけでも叶えてもばちはあたらへん、思うんよ」
「叶わなかった…事…ですか?」
「せや」
 気持ち真面目な顔つきで、なのはの目をじっと見つめるはやて。
「お父さんのことや」
「!?」
 なのはの身体がはたで見てわかるほど硬直する。
「はやてちゃん!それは!!」
「ダメよ!はやて!」
 「あの」現場に立ち会ったアリサとすずかから当然のように制止の声がかかる。が、
はやてはそれを手で制する。
「わかってる。あたし酷い事言うてるかもしれん。でもな…」
 一旦言葉を区切り、目を閉じ、言葉を選ぶと、はやてはなのはの両肩に手を置く。
「あたしにも…お父さんがおらへん悲しみは…少しはわかってるつもりやさかい…」
「はやて…さん…」
 はやての境遇がどうなのかはなのはには知るよしもなかったが、その言葉で、ある程
度の状況を察することくらいはなのはにもできた。
「なのはちゃん。一晩だけでもええ、お父さんに甘えたい思わへんか?今なら…それが
できるんやで?」
「……」
 なのはは、…答えない。答えられないと言った方が正しいのか。
2144の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:09:14 ID:WWtTBziF

 昼間の一件で父を父と認識することはできた。だが、アリサの言葉には反してしまう
が、あれはやはり「なのは」の父なのだ、平行世界の言葉どおり、どこまでいってもそ
れは変わらない。自分の父では…ないのだ。
「あの人は自分ではない「高町なのは」のお父さん。そう思てるやろ?なのはちゃん」
「?!」
 見透かされた考えに、なのはは驚きはやてと視線を合わせる。
「あんな、なのはちゃん。ちょぉ、言い方難しいんやけどな。あの人は確かになのはちゃん
の父親やないかもしれへんけどな、それでも「高町士郎さん」という人には変わりないん
やで?間違いなく「なのはちゃん」の父親なんやで?「本当」のお父さんやないかもし
れへんどな、道が違えば「本当」やった人なんやで?」
「……」
 それでもなのはは答えない、いや、やはり答えられない。
 見かねてアリサが間に入る。
「はやて…気持ちはわかるけど…やっぱり無理よ。第一どうやってなのはのお父さんに
説明するの?そもそも説明しちゃったら向こうは「この」なのはのこと他人、って認識
しちゃうのよ?それじゃ意味ないじゃない」
 その言葉にはやてはふふふ、と不気味に笑う。

「ちゃーんと考えてあるて、とびっきりのええ方法があるで」
「とびっきり?何よ、それ」
 不気味な笑いから一転、いたずらっ娘の表情で皆の前ではやては高らかに宣言する。

「なのはちゃんをこっちのなのはちゃんの家にお泊りさせるんや!」


  〜〜 To Be Continue 〜〜  〜 もう一人の私へ… 〜 VOL.7
2154の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:11:36 ID:WWtTBziF

 前スレ>>203で…

>そろそろクロなの来ないかなーと待ってたり。
>もう1人の(ryかCLか

 CLがCherryLightの略だと気付くのに数秒を要しましたw
 あと……もう1人〜って「クロなの」の範疇と見られてるんですね…
 本当は違う人がメインの話なんだけど…まぁ…いいか…書き始めてから1年以上経ってる
けどほとんど活躍してない人だから……

 ではまた次回。いつ投下できるかわかりませんが、その時までー。

 追記
 繰り返しになりますが、Mr.Pさん、割り込み申し訳ありませんでした。

216名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 01:14:16 ID:tmgWWdzI
ぐわー!また続きがとても気になるところで〜!!

新婚生活を十分に堪能されてから、もしお忘れでなければまたいつか続きをお願いします。
217名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 01:19:28 ID:dRxBhYmQ
乙です。

>>194
そのルールは18スレの討論の結果、わざわざルールに書く必要はない、
「前の作品からどれだけ空けるは職人が空気読んで決めてください」
に変わったので(そのハズ……)削除する方向になりました。
ルール破ったこと自体はあまり気にしなくていいですよ。
ルールに縛られて投下なかなかできなかったみたいで、すみません。

それで、そんなこと言いながら、こんなこと言うのは自分でもなんだとは思いますが、
それならば礼儀としてMr.Pさんに一応謝っておいたほうが。

極論「投稿できない」と「直前の投稿に失礼だ」揉めてたと思うので。



うわ、それなら

1.他の書き手がSSを投下しているその直後に投下するのは避けましょう。
  ある程度レスがつくのを待ってから自分の作品を投下しましょう。
  どうしても直後に投下したい場合は、直前の書き手に謝ってから投下してください。

の方がよかったかも。まあいいですよね、なくても。
218名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 01:23:47 ID:3KIWpVoZ
>>215
お疲れ様でした!
リアルタイム更新が初なんでwktkしてました。
お幸せに!
219さくら(っ´▽`)っ ・・・ :2007/06/27(水) 01:27:08 ID:2Kgb+wKM
乙です!
初のリアルタイムGJ!!

お幸せに!!!
2204の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:33:30 ID:WWtTBziF
>>217さん(及びMr.Pさん)
 あー、えーと…
 それはつまり>>193>>215のは謝罪になってない…という…こと…ですか…
 そう言われると、その、193のはちょっとふざけている…というか謝罪とし
ては失礼だったかもしれません、申し訳ありません。

 っつか、それはそれとして、レス早いよ、皆さんw >即効レスの方々感謝です。



 …んで…まぁ、このまま寝てしまおうかと思ってたんですが、どうせならって
ことで、ついでにもう1本投下しときます。

 ・フェイト×なのは
 ・微百合
 ・StSを見てないため、(おそらく)相当な原作相違があります。
2214の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:36:09 ID:WWtTBziF

「じゃぁフェイトちゃん、また明日ねー」
「うん、また明日。なのは」
 いつもの放課後、いつもの別れ、聖祥からの距離は私の家の方が近い。だからいつも
分かれるのは私の家の前。
 これが普通の友達だったらお別れを言ったその後は、私はマンションの中に、なのは
は家路へと着くだけ。
 でも私達はそうしない。2人で見つめ合って、そして…

 なのははきょろきょろと辺りを見渡し…あ、横断歩道を渡ってる人がいる。あの人が
見えなくなるまでちょっとお預け…かな…。

 なのはもその人に気付き、2人顔を見合わせてちょっと苦笑い。
 そのまま2人。ちょっとあっちを向いたりこっちを向いたり、顔を見合わせたり。
 知らない人が遠くから見れば、多分ただの友達の会話に見え…てると…思う…多分。

 …横断歩道を渡っていた人が曲がり角を曲がってその姿が見えなくなる。
 念のため、と、なのはは今一度周囲を見渡し、誰も居ないことを確認し…
 ただでさえ近い2人の距離を、さらに1歩、私に向かって歩み寄る。
 鞄を持たない右手で、そっと私の左肩に手を置いて…

 ちゅ、と触れるだけの優しいキスを私にくれる。

 顔を離してえへへ、と笑うなのはに、今度は私からやっぱり軽いキス。

 外だから、残念だけどここまで、私はこのあとアースラへ行かないといけないから、
なのはを部屋へ呼ぶことも出来ない。

「じゃ、じゃぁ…また…明日…だね、フェイトちゃん。お仕事…がんばって」
 握った右手で小さく私にエールをくれるなのは。
「…うん…ありがと、なのは。また…明日…」

 2歩、3歩、なのはは私の顔を見たまま後ずさり、くるっと振り向くと小走りに駆け
出す。途中何度か振り返って手を振ってくれる。私はそれに合わせて手を振る。
 なのはの姿が見えなくなるまで、私はそこに立ったまま、なのはを見送った。
 いつもの…ように。


   魔法少女リリカルなのは  〜 My White Angel 〜


 コツ、コツ、と階段を登る自分の靴音を聞きながら、いつものように、自分の部屋の
前までたどり着く。ドアに鍵を差し込む。
「はぁ……」
 やっぱりいつものようにため息が出た。

 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜
2224の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:36:52 ID:WWtTBziF
 私−フェイト・T・ハラオウン−が、親友である彼女、−高町なのは−に想いのたけ
を打ち明けたのは1年ほど前。

 女の子が女の子を好きになるなんて間違ってる。
 それは十分理解してた…つもりだった。

 私は子供の頃、人と触れる機会が少なかったから、最初に深く深く関わった…私を受
け止めてくれたなのはに、ちょっと特別深い友情を感じていただけ。
 …長い間そう…思っていた…。

 きっかけは、夕食を終え、お風呂にも入って、ホットミルクを飲みながらぼんやりと
見ていたTV番組。
 「性同一性症候群」と銘打たれたタイトル。単語の意味は知らなかった。でもTVの
キャスターの人が教えてくれた。
 −心と身体の性別が一致していない人− だと。
 身体に電気が走った。

「好きな、人が、居たんです、ずっと。5年来の親友で…ふざけたりして抱きしめたり
するとものすごく安心したり、気持ちよかったりしたんですよ…最初の頃は同性愛かな、
って思ってたんですけど…そのうち……欲しくなったんです。
 彼女との子供が。
 その時、気付いたんです、ああ、私男になりたかったんだ、って…」

 TVの中で顔と声を隠してインタビューを受ける女の人の声を聞きながら、私は気付
かないうちに…泣いてた。
 この人の苦しみが私にもわかるから、っていう切なさと、
 私だけじゃなかったんだ、っていうある種の喜び。
 女性が女性を好きになることが…ありえる。そのことに、単純に私は突き動かされた。
 「 自分だけじゃない 」その思いに動かされて、
 その日のうちに、

 私はなのはに告白した。

 「なのはのこと…好き…」って。

 魔法の自主練習を終え、お風呂に入って今まさにベッドに入らんかとしていたなのは
の元に私は駆けつけた。
 突然の来訪 −玄関から入るのがためらわれたから飛行魔法で窓から入った− と、
そして突然の告白をした私を…なのはは優しく抱きしめてくれた。

「…嬉しい…フェイトちゃん…」
「なの…は…」

 肯定を示す返事と抱擁に、私は目を見開く。
 断られるものだと…思っていた、「ありがとう、フェイトちゃん、でも……ごめんね」
それが私の予想していた答えだったから。
 嬉しさのあまり涙が溢れ……

「…でも、ちょっと残念…」

 溢れかけていた涙が急に引っ込む。
 残念?…それは…やっぱり……
2234の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:38:48 ID:WWtTBziF
 …そうだよね、私たち、女の子同士だもんね、それが…当然の反応だよね…。

「……告白するのは私から、って、決めてたんだけどなぁ、フェイトちゃん、そういう
の恥ずかしがって言ってくれない、って勝手に思ってたから…だから、ちょっと残念」

 え?と、思わずなのはから身を離し、なのはの顔を真正面から見つめる。

「えと、な、なのは。あ、あの…それって…」

 赤らんだ頬で、なのはの顔が……まっすぐ私に近づいてくる。

「…私も、フェイトちゃんのこと…好き……ううん…」

 「愛してる」という形に動いた唇が……まっすぐ私に近づいてくる。

 唇に触れる暖かさがキスだとわかるまで、私は数秒の時間を要した。
 そして…夢にまで見たなのはとのキスは、軽いミントの味だった。

 呆然となのはのキスを受け、唇が離れてもまだそんな状態だった私に、なのははくすっ
と微笑む。
「ファーストキスは…ミルクの味…ふふっ、フェイトちゃん牛乳飲んだ?」
「あ…う…うん…」
 なのはの…ミントの味は…多分…歯を磨いた後…だからかな…

「これからは、牛乳飲んだらフェイトちゃんのこと思い出しちゃう、かな?」
「わっ!私は毎日歯を磨いたらなのはとのキスのこと思い出しちゃう!」
 思わず早口で私は叫んでしまう。なのはは「え?」と一瞬小首をかしげたが、すぐに、
「あ、そうか、私さっき歯を磨いたからだね」
 にっこりと私に微笑んでくれる。心が溶けそうなくらい温かい微笑みで。

「う、うん……あ、あの…なのは…」
「なぁに?」
「あの…その…も、もうい……ち……」

 もう一度。
 呆然としすぎて柔らかくて暖かいとしかわからなかったなのはの唇の感触。
 もう一度。ちゃんと感じたい。なのはを…

 でもその言葉が出てきてくれない。
 恥ずかしい?
 怖い?
 よく…わからない…。

 うつむき気味にもじもじするしかできない私に、それを察したなのはは、私の頬にそっ
と手を触れてくる。
 その感触に顔を上げると、

 目の前に、なのはの顔。
2244の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:39:38 ID:WWtTBziF
 いつも、見てきた。

 ずっと、見てた。

 大好きな。

 大好きななのはの顔が。

 いま、文字通り、目の前に、ある。

 きゅぅん、と胸が締め付けられ、息苦しさと、切なさと、愛おしさに。

 私はそっと目を閉じた。 

 気持ち突き出した唇に…なのはの顔が私にゆっくり近づいてくる感覚…

 そして………伝わる暖かさ。

 先ほどと寸分たがわぬその感触を、今度こそ深く深く刻みつけようとした刹那。
 私の唇になのはの唇以外の、唇よりもっともっと暖かくて柔らかい物が触れる。

 それがなのはの舌だと認識するとほぼ同時に、それは私の唇を割って口の中に潜り込ん
できた。
 反射的にそれに舌を絡めると、なのはの舌は嬉しそうに私の口の中で踊る。なのはの
舌で口の中を愛撫される度、お腹の下辺りから熱が生まれてくる。熱はさらなる熱を呼
び、それがどんどん下の方へと降りてくる。
 完全に股間に到達した熱は行き場を無くし、むず痒さを呼び、私はなのはに口の中を
攻められながら、ままならぬもどかしさに太ももを擦り合わせた。

「ああっ!!なっ!なのはっ!!!」

 なのはの攻めに耐えられなくなった私は、喘ぎ声と共になのはから顔を離し、その反
動でもって、なのはのすぐ後ろにあったベッドに彼女を押し倒した。

「なの……っ!」

 なのは、と叫ぼうとした私の口をなのはの人差し指が塞ぐ。
 その指をなのはは自分の唇に当て、しー、とジェスチャーする。

「みんなに聞こえちゃうよ、フェイトちゃん」
「あ……ご、ごめんなさい…」

 そう、ここはなのはの家、壁一枚隔てればなのはの家族が居る。
 夜中に大声なんか出したりしたら、当然…気付かれる。
 そうなったら…いくら私達が仲が良いってなのはの家族は知ってるとしても…夜中に、
ベッドで2人倒れこんでいるところを見られたたりしたら…

 そんな思いに私は顔を青くする。
 私はいい、皆になんて思われようと、どんなに蔑まれようと。
 なのはが受け入れてくれたこの想いだけで十分なのだから。

 でも、そのせいでなのはまで…そんなことになったら…私は……私は……
2254の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:40:32 ID:WWtTBziF
 うろたえる私に、なのははひょいと顔を上げて不意打ちのキスをしてくる。
 驚く私に笑顔をくれると、なのははベッドサイドに手を伸ばし「彼女」を手に取った。

「レイジングハート。消音と不可視と認識排除の結界、お願いできる?」
「All right. My Master」

 キィン、と、軽い耳鳴りがして、なのはの部屋に結界が張られる。
 消音と不可視と認識排除。この3つの結界を合わせれば、私たちがこの部屋でどんな
に音を立てても外には聞こえないし、万が一ドアを開けられても外からは見えない。さ
らに認識排除効果により、この部屋に近づいた人は無意識にこの部屋には誰もいないと
錯覚してしまう。つまりドアを開けられることすら、まずないはず。

「ごめんね、こんなことに結界使っちゃって」
「No probrem. Good luck. My Master」
 なのははありがとう、とレイジングハートにキスをして、彼女をまた元の位置に戻す
と、改めて私に視線を向けた。

「これで…大丈夫だよ、フェイトちゃん」
「…なのは…どうして?…」

 私の問いになのはは苦笑するような表情を見せる。

「フェイトちゃん…私のこと好きって言ってくれたんじゃないの?」
「す、好き!好きだよ!私なのはが好き。誰よりも好き。なのはの居ない世界なんて考
えられない!」
「じゃぁ私の気持ちには気付いてくれてなかったの?」
「え…?」

 なのはの……気持ち?…

「私だって、ずっとフェイトちゃんと一緒に居たいって思ってたんだよ。それは友達と
してじゃなくて…」
 なのはは私の頭に手を回し、私を引き寄せる。
 吸い寄せられるかのように私となのはの唇が重なった。

「フェイトちゃんが…1人の人間として好きだから…愛してたから…」
「なのは…」

 私の顔を押し戻すようにしてキスを終えたなのはは、触れ合うほどの至近距離から愛
を伝えてくれた。
 知らず、私の目から涙がこぼれ、なのはの頬に落ちる。

「フェイトちゃんが好きだよ、フェイトちゃんが私のこと好きなくら……ううん、きっ
とそれ以上に、私、フェイトちゃんが好きだよ」
「なのは…なのはぁ…」

 涙が、止まらない…涙の粒は次の涙を呼び、後から後からなのはの顔の上に跡を作る。

「フェイトちゃん、変だよ。私たち両思いになれたんだよ?どうして泣くのかなぁ」
 小さな笑みでなのはは私の髪を撫でてくれる。まるで赤子をあやすように。
「ぇぐっ…ごめっ……だっ…て……ひっく…うれしっ…くてっ…怖くっ、て……ごめんっ、
なさっ、なのはぁ……」
2264の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:41:24 ID:WWtTBziF
 嗚咽に邪魔されながら、やっとやっと言葉を出す私の頭を、なのははそっと両手で抱
き、その胸に抱え込む。
 なのはの胸に埋もれながら、なのはの柔らかさと温もりを私は泣きながら感じ取る。

「…うん、私の方こそごめんね。大好きだよ、フェイトちゃん。いっぱいいっぱい泣い
ていいよ。今日だけで一生分泣いちゃってもいいよ。ずっとこうやっててあげるから。
フェイトちゃんの気の済むまでそばに居てあげる…だから…」
 私の頭を撫で付けるなのはの掌が心地良い。言葉が温かい。
 でもそれでも私の閉じた瞳からは涙があふれ続け、なのはのパジャマを濡らしていく。
「…だから…泣いた後でいい。フェイトちゃんの笑った顔、見せて。私、笑ってるフェ
イトちゃんが、一番……好き…」

 その言葉に、瞳が一層熱を持った。
 なのはに抱かれながら、

 心の中で、ごめんね、と愛してる、を繰り返しながら、

 私は声を上げて……泣いた。

 〜 〜 〜 〜

 どれほどの後か、
 今思えば泣く必要なんて全然なかったのに…というか、そもそもなんで私泣いてたん
だろう、と思えるようになった頃。
 不意に頬に感じられた冷たさ。
 それが私の流した涙だと気付いて、私はそぉっとなのはの胸から顔を上げた。

 待っていたのはなのはの微笑み。その眩しさは、聖母か…それとも天使か…

「…いっぱい…泣いちゃったね、フェイトちゃん…」
「ごめん…なのは…」
「うふふ、パジャマがフェイトちゃんの涙でびしょびしょだよ」
「あっ!」

 がば、と身を起こした私はなのはの胸元に視線を落とす。
 ピンク色のパジャマに大きく色の濃い部分。

「ごっ、ごめんなさい、あっ、あのっ!わ、私っ!そんなつもりじゃなくてっ!」
 どうしよう、洗ってちゃんと綺麗にしないと、などと微妙に場違いな思考を働かせる
私に、なのははくすくすと笑う。
「気にしないで、洗えばいいだけだから」
「!?じ、じゃぁ、私が洗うから!す、すぐ脱いで!」
「え?」
「あっ…」

 どういう混乱ぶりか、自分が思っていたと同じになのはの口から出た、「洗えば」の
言葉に、私は手はなのはの襟元に伸び、その上着のボタンを外そうとしていた。

「え…えっと…フェイト…ちゃん?…」
 私の顔と、自分の胸元に伸びた私の手に交互に視線を走らせ、なのはは言葉を濁す。
「あのっ…ち…違っ…そそっ、そういう…意味じゃ…」
2274の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:42:49 ID:WWtTBziF
 真意はどうあれ、私がやろうとしている行為は、服を「脱がせる」行為そのもの。
 すぐに手をどけなくては、と、思いながら。
 震える私の手はそこから動くことを拒否していた。
(な、何で?わ、私、なのはの服……私っ…なのは…と……)

「…フェイトちゃん…」
「っ?!」

 邪と言っても否定できない考えを見透かされたかと、なのはの言葉に鼓動を飛び上が
らせる。
 でも、なのはの顔は怒っている顔ではなかった。
 むしろ目を閉じていた。

 そしてその整った唇から言葉が生まれる。

「…いいよ…フェイトちゃんになら…」

 ゆっくりと閉じた眼が開く…

「…私を…あげる…」

 …白い天使は、羽の代わりに両手を広げ、私を迎え入れてくれた。


 〜 〜 〜 〜


 シーツが身体に擦れる衣擦れの音。
 ちゅく、ぴちゅ、と小さな水音。
 ぎしぎしと揺れるベッドの音。
 私と、なのはが…お互いから引き出す…喘ぎ声。

 なのはの部屋の中には、それらが混ざり合って不揃いなハーモニーを奏でていた。

「はっ!うぅんっ!!!あはぁぁぁぁぁぁあっ!!!!!!!!!」
 そして時折、
 どちらかが、時には2人同時に達する、一際甲高い声。

 あれから何時間経ったか。いや、もしかしたら1時間も経っていないかもしれない。
2284の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:43:43 ID:WWtTBziF
 時刻を確認するすべがないわけではなかったが、そんなことに数秒とはいえ時間をと
られるくらいなら、私は目の前の天使の姿を見ていたかった。触れ合いたかった。

 熱く疼く股間が、触れ合う部位から伝わる温もりが、私になのはを求めさせる。
 目の前の天使を己が物とすべく。ひたすらになのはを求めた。

 なのはの胸も秘唇も、顔も手足も不浄の菊門さえも、なのはの全てを私は貪った。
 そして同じように、なのはに貪り返された。
 私の手で、指で、舌で、白い天使を幾度となく天へと昇らせ、
 その代わりに、その天使に私は何度も同じ高みに昇りつめさせられる。

 幾度2人で昇りつめたか。互いの両手両足を使ってももはや数え切れないだろう。
 繰り返しすぎた絶頂は、私となのはから動くためのエネルギーを毟り取っていく。
 それでも2人共、お互いを求めるのを止めなかった。止めたくなかった。体力が尽き
れば、お互いのデバイス、レイジングハートとバルディッシュに回復魔法をかけさせる
ことまでした。

 そして幾度目かの絶頂の後、
 互いが互いの股間に顔を埋め、
 2人同時に性器の頂にたたずむ愛の粒を舌で弾き、
 2人同時に絶頂を迎え、
 2人の身体が溶けて一つに混ざり合う幻覚まで見るに至った私に、
 バルディッシュは回復魔法を行使するのを止めた。
 レイジングハートはなのはを回復することを止めた。

「バル…ディッシュ……どう…して…魔法…を…はや……く……」
 指1本動かす事の出来ない私は、必死に視線と言葉だけをバルディッシュに向ける。
 そしてなのはも同じ。
「レイジングハート……おね…が…い……まだ…もっと…フェイトちゃんと……」

「Master. It is already a limit」(もう限界です)
「Sir. Please take a rest」(休んでください)
「…バル…ディッシュ…」
「…レイジング…ハート…」
 彼らが私達の言葉を拒絶するなど、今までただの一度としてなかった。 
 それをあえて2機とも、そうした。
 おそらく彼らの言うことは本当なのであろう。
 魔法とて万能ではない。彼らに回復してもらうたび、身体の芯に残る僅かな重さは消
えず、慢性的に残って…いや、徐々にその範囲を広めていた。
「First of all. I am Healing to be able to move」(とりあえず動けるようには回復します)
「Therefore Please take a rest today」(だから今日はもうお休み下さい)

「いやっ!!!」

 相棒達の戒めに大きく拒否を示し、もう動けないはずのなのはは、残った最後の力で
必死に上半身を起こし、彼らに手を伸ばす。
「お願…い…レイジングハート…やっと…やっとフェイト…ちゃんと…一緒に…なれた
のに…や…だ…もっと…フェイトちゃんと…一緒に…居た……あぅっ!」
 がくん、となのはの身体が崩れ、ベッドに落ちる。もう…なのはには自分の上半身を
支える力すらも残っていないのだろう。
2294の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:44:30 ID:WWtTBziF
 それでも必死にレイジングハートに手を伸ばそうとするなのはに、私も残る力全てで
なのはの側に這いずる。
「バルディッシュ…お願い…レイジングハートも…ま…だ…終わりたく…ない…なのは
と……」

 私達の哀願に、バルディッシュとレイジングハートは静かにコアを光らせるのみ。
 ただその光がデバイス同士の無線情報伝達であることは、疲弊しきった私となのはに
はわかりようもなかった。
 身じろぎすら困難な中、私は必死の思い出で腕だけで体勢を入れ替え、なのはと同じ
様にバルディッシュとレイジングハートに向け、手を伸ばす。
 が、恐らくは貧血だろうか、突如押し寄せためまいに目の前が暗転、なのはと同じよ
うに私も崩れ落ちる。
「フェイトちゃ…うぐっ……」
 崩れる私に手を差し伸べようと、なのはは振り返るが、それだけで自らも力を失い、
私達はベッドに無防備に裸身を晒してしまう。

 せめて、
 せめて落ちるなら、最後になのはを触れたい、と。
 隣にいる「はず」のなのはに向け、必死に見えぬ視界で手を伸ばす。
 鉛のような腕を渾身の力で動かすと、思いのほかすぐになのはの体温が触れる。
 残る力で手を握り締めると、その手に同じように握り返される感触。

 触れたかったのは…私だけではなかった…

「なの…は…」
「フェイ…ト…ちゃん…」

 …もう…いい、と、
 最後に互いの名を呼び、暗闇に身をゆだねようとしたその時、
 思いがけず私達に声がかかった。

「…It is the last in this」(ではこれで最後です…)
「…Please employ us」(私達をお使い下さい)

 疑問を言葉にする前に、身体に暖かいものが流れ込んでくる。

 これは…回復魔法?

 回復しきれないふらつきを押さえ、私となのはは起き上がり、ベッドサイドの「彼ら」
を手に取る。

「バルディッシュ……」
「レイジングハート……」

「Use us. My master」
「Use us. Sir」

 もやのかかる頭にはバルディッシュとレイジングハートの言葉の真意が掴めない。
 首を捻る私だったが、その横で、なのははレイジングハートをしっかりと握り締め…
 手の平越しに、一筋の涙を彼女の上に落としていた。
「…ありがとう…レイジングハート…あなたに出会えて本当によかった…」
2304の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:45:48 ID:WWtTBziF
「…なのは?」
 疑問を投げかける私に、なのはは振り向き、不意打ちのキス。
 驚く私をえい、とばかりにベッドに押し倒す。
「ひゃっ!」

「フェイトちゃん…」
「なのは…何…が?」
 見上げるなのはの顔には、泣き笑いの表情。
「レイジングハートと…バルディッシュが…私達の代わりになってくれるんだって…」
「代わり?」
「そう…ううん、代わりじゃないね、私自身だね。レイジングハート」
「Yes. My master」
「え、えと…なのは…ごめん、言ってる意味が…」
 それには答えず、私を組み敷いたまま、なのははレイジングハートを起動させる。
 なのは同様に見慣れたはずのそれがいやに眩しく私には写る。
「私とレイジングハートは一心同体…言い換えれば私の半身も同じ…フェイトちゃんと
バルディッシュだってそうだよね?」
「…Yes. We are one in body and mind」(私達は一心同体です)

 バルディッシュの返答に…ほんの少し躊躇みたいなものがあったのは…気のせいだろ
うか?迷い・・・というか、遠慮みたいなものが…

「…フェイトちゃんも……だけど…その…わ、私も…フェイトちゃんの…は、初めてを
も、もらえない…から……だ、だから…」

 気付く。
 なのはが、レイジングハートが、そしてバルディッシュが何を言いたいか…何をした
いのかを…

 真っ赤な顔で、顔を伏せがちに話すなのはの言葉を私は遮る。

「バルディッシュ…アサルト・モード、起動(ドライブ)…」
「Yes sir」

「フェイトちゃん…」
 これほど…バルディッシュを重いと感じ取ったことはなかった。
 初めて彼を手に取った時の重さは忘れない。でも今の重さは全然違う。
 重量ではない、言うならば…心の重さ…

 バルディッシュもレイジングハートも、使い手とデバイスという枠を超え。文字通り、
今、私達と一体化しようとしている。
 だからこそ、これからの行為が許される。
 女同士である私となのはが結ばれるための、数少ない…いや今のところ他にの方法は
見当たらない。つまり唯一無二の策…

 ぎゅぅと、私の半身を握る手に力を込め、なのはの下で、私はそっと、

 足を開く。

「うん…なのはに…なのはとレイジングハートに私を…あげる…だから…
 なのはを…私に…私とバルディッシュに、頂戴…」


  〜〜 To Be Continue 〜〜
2314の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/27(水) 01:50:00 ID:WWtTBziF

 前編終了。後編も同ボリュームくらいで。
(今日中に書き上げられるかと思ったけど無理だったので orz )

 挙式まであと4…もとい3日。その後新婚旅行でオーストラリアへ6泊7日。
 無論その後は今までと同じ(SS書きとしての)生活は望めるくもないので…
 次はほんとにいつになるだろうかw
232名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 01:53:15 ID:dRxBhYmQ
そんなに深刻にならないで…。
直後に投下すると、前の作品に感想レスが付きづらいから問題って話で、
直前の投稿者が許してくれたら、原則他の人間はどうこういう筋合いがないから。

Mr.Pさんは気にしてないと思うけど、
4の422 ◆h7y.ES/oZIさんは礼儀のある人だから、
もし謝るなら、
ルール破ったってことを全体に謝るより、
直後に投下したことをMr.Pさんに謝った方がいいよってことだったんですが。
ごめんなさい。


>>231
勝てないよ…。才能うらやましすぎです。GJです。

楽しんできてください。
233名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 02:00:56 ID:8klsXr+z
>>186
Mr.P氏 GJ!
自分のリクエストに応えてくださり、ありがとうございます。

続きを期待させるヒキですね。 
この後、エリオはどうなっちゃうんだろう?
続きを待ってます!
234名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 04:04:45 ID:4qWeYhHh
>>215
いやまあ、別の人がメインでもやっぱりなのちゃんクロくんは和みますしw
今回のも最終話とか思い出すと行きたくても行けないクロノの気持ちとかが…
次も楽しみにしてます。

しかし、レンですねえこのはやてさん。
235名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 04:49:51 ID:IT3SoqWY
はじめて「もう一人のなのは」を読んだ

泣いた!
泣いてしまった!
くそ〜寝なきゃいけないのに寝れねえwww
236名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 06:33:17 ID:oWstbQ/I
>>186
超GJ!まだ続きがありそうなヨカーン!
237名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 08:17:57 ID:hp7yXKCT
なのフェイキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
後編も期待
238名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 08:18:59 ID:cO4j1cLW
>4の422氏
もう一人の私の新作(゚∀゚)キター
最近微妙なパロばかりで、見る作品が固定されつつある自分には朗報。
いや、単に自分には作品が増えすぎて読み飛ばし気味なだけなんだが('A`)
なのフェはさらっと読みました。

フラッシュメモリの一件やら結婚やら忙しい中乙ですー
23938 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:42:25 ID:ovF1cYfc
コンスタントに感想来てるのが凄く嬉しい俺。
昔書いてた所じゃあ、過疎すぎてなかなか反応がorz

>>152>>153>>158
……どうやら俺の味覚はリンディ提督並らしいw
俺の中では甘さ控えめで書いてるのに……w

では、第4話始まります。(微エロ注)
24038 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:43:13 ID:ovF1cYfc
act.4 海での出来事

「……海水浴?」
「うん、『機動六課のみんなで海水浴に行くんやけど、なのはちゃんもどないや?』ってはやてちゃんから誘われたんだ」

そう言うなのはに、ユーノは優しい微笑みを浮かべ、言った。

「……いいね。僕に気がねしないで、行って来ればいいよ」
「うん! ……ユーノ君も、一緒にね!」
「……は?」

思わず固まったユーノに、なのはは少し怒ったような表情を浮かべて、言った。

「……ユーノ君、最近ほとんど休んでないでしょ!? ……私、労働組合の人に怒られたんだからね!?」

腰に手を置き、頬を膨らませてユーノを睨むなのは。

「え、えっと……」
「とにかく、ユーノ君は休まなきゃ駄目! ……ユーノ君が身体壊しちゃったら、私、嫌だもん……」
「……わ、判ったよ……」

元々なのはに弱いユーノがこんな可愛らしい「お願い」に抵抗出来る訳も無く。
押し切られたユーノが頷くと、なのはは表情をぱああっ、と明るくさせて、ユーノに飛び付いた。

「うわっ、と!」

なのはを慌てて抱き留めながら、ユーノは恋人に弱い自分自身に苦笑していた。



はやてが自分の部屋で書類を片付けていると、なのはから電話がかかってきた。

『あ、はやてちゃん? ユーノ君も行けるって!』
「そっか、判ったわ。……じゃ、思いっきり可愛い格好して、ユーノくんを悩殺せんとな!」
『え、えええ!?』

電話越しに顔を真っ赤にするなのはが想像出来て、はやてはくすくす笑う。

「……冗談や。あ、水着はこっちで用意するさかい、無理して買いに行かんでええよ?」
『そう? じゃあ、お願いするね。……はい、判りました! ……ごめん、お仕事入っちゃったから……』
「ん。ほなな〜♪」

電話を切った後、はやては明らかに何かをたくらんでいる笑みを浮かべた。

「ちゃーんと、見繕うさかいな。……『可愛い』水着を」
24138 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:44:05 ID:ovF1cYfc
「な……、な……、な……、何これーっ!?」

更衣室に響いたのはなのはの悲鳴。
なのはが手に持っている水着を見て、はやてを除く一同も引き攣った表情で水着を見つめていて。

「何言うとんねん。ただの水着やないか」

そう事も無げに言ってのけるはやてに、なのはは真っ赤になって怒鳴りつけた。

「こ、こんな恥ずかしいの着れないよ!」
「でもうち、他には私の水着しか持って来とらんで?
 私の水着やと、なのはちゃんとサイズ合わんやろ?」
「……はやてー、それって、はやてが言ったらただの自虐にしか聞こえねーぞ?」
「……何か言うたか? ヴィータ?」
「い、痛い痛い! 何も、何も言ってねえよ!」

余計な事を言ったヴィータにアイアンクローをかましつつ、はやてはじっとなのはを見つめる。
なのはは視線を合わせ切れず、助けを求めて周りを見回すが、
代わりにあの水着を着るのはどうしても嫌なのか、全員から視線を逸らされる。
なのはが半泣きになっていると、その肩をがしっとはやてに掴まれる。

「さ、着替えよか、なのはちゃん♪」
「え、えっと……絶対?」
「絶対、や♪」

なのはのどんな反論も許さないとばかりに、はやてはなのはを追い詰める。

「フェ、フェイトちゃん! 何か言ってよ!」
「……私もあれは嫌だから……ごめんね?」

フェイトからも突き放され、なのははがっくりと肩を落とした。
24238 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:45:20 ID:ovF1cYfc
「あの……ユーノさんって、なのはさんと何処でお知り合いになられたんですか?」
「え? ……僕となのははね……」

女性陣を待つ間の暇潰し、のようにユーノに聞いたエリオ。
そんなエリオに、ユーノは自分がなのはと出会ってから今までの事を残らず話してやり、最後に言った。

「なのはは、僕にとって、一番なんだ。……全ての」

そう言って少し恥ずかしそうに笑うユーノに、エリオはうわあ、と感嘆の声を上げる。
全てを賭けてでも守りたい人がいる。
その「守りたい人」を幼い気持ちながらも自覚しつつあるエリオにとって、ユーノは尊敬すべき存在になっていた。
と、その時、急にユーノがエリオに聞いた。

「エリオには、そう言う人って、いる?」
「え!? あ、えっと、その……」
「ああ、ごめん。ちょっとエリオには早かったかな?」

混乱するエリオに、ユーノはまだ「守りたい人」が決まってないものだと思ったが、実際は違っていた。
エリオが混乱した、その理由。
それは、とっさに思い浮かべた人の姿が、自分が守りたいと思っていたはずの人の姿とは違ったから。
……ユーノのその言葉に最初に思い浮かべたのは、金色の優しい人では無く、桃色のお友達だったから。

「何で……キャロなんだろ……」

そう呟き、エリオは考え込み……、……ある事に気付いた。
普通、「全てを賭けてでも守りたい人」と「好きな人」は同じだという事に。
……つまり、エリオが好きなのはキャロと言う事になり。

「―――っ!」

いきなり自覚していなかった恋心を思い知らされ、思わずエリオは真っ赤になる。
と、ユーノが少し伸びをし、言った。

「に、しても……みんな、遅いね」
「……え、ええ。そう……ですね」

幸いにも真っ赤になった事に気付いていなかったユーノに、エリオはほっとして答える。
と、

「二人とも、ごめんな? 随分遅うなって」

後ろからはやての声が聞こえ、二人は背後を振り向いた。
24338 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:48:11 ID:ovF1cYfc
と、そこには思い思いの水着を着た女性陣が立っていて。
振り向いた瞬間に、偶然キャロと目が合ってしまったエリオは、真っ赤になって硬直する。

「エリオ君? どうか、したんですか?」
「え、あ、いや、何でも無いよ!」
「そう、ですか……。……あの、これ、似合ってます?」
「う、うん。か、可愛いと思うよ」
「ありがとうございます!」

そういってにこにこ笑うキャロに、赤くなり続けるエリオ。
そんな微笑ましいやりとりを続ける二人に微笑みを送って、ユーノはきょときょとと視線を巡らせる。
と、フェイトの後ろに隠れる見慣れたサイドテールを見付けて、ユーノは声をかけた。

「どうしたの? なのは」

その瞬間、びくっとサイドテールが揺れ、まるで観念したかのようにゆっくりとなのはがフェイトの後ろから姿を現して……、

「……へ?」

ユーノは固まった。
無理も無かった。
全身真っ赤になっているなのはの身体を覆っているのは、紐を通してある3枚の貝殻で。
特にあまり大きいとはいえない胸の貝殻では、なのはの胸は隠し切れず。
僅かに先端を隠すのみで、残りの部分は隠せていない。

「……え……と……」
「―――っ!」

ユーノが硬直していると、何かが限界に達したのか、なのはは後ろを向いてしゃがみ込んだ。
……ところで、なのはの身体を隠しているのは、『3枚』の貝殻で。
つまり、後ろからは丸見えで。なのはの背中とお尻をまともに見て、ユーノはオーバーヒートしてその場にぶっ倒れた。
24438 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:49:16 ID:ovF1cYfc
「ユーノ君……、大丈夫?」

しばらくして、その声にユーノが目を覚ますと、ビーチパラソルの下で、貝殻水着のままのなのはに膝枕されている自分に気付いた。

「……うわ!?」

ユーノは慌てて飛び起きようとする。
……顔の上に覆い被さるように自分を覗き込んでいるなのはに気付いた時には、すでに遅く。
額と顎に二つの硬い何かが当たったと思うと、次の瞬間には顔全面を柔らかい何かが覆い尽し。
慌てて顎に手をやろうとするユーノ。
……普通、胸の形にぴったり合う貝殻などある訳が無く、正面からは隠れているが、そこ以外には結構素肌との間に隙間が開いていた。
偶然その隙間の中にユーノの手は滑り込み、指先が先端の突起を弾く。

「ひゃあんっ!?」

思わずそんな声を上げた後、なのはは我に返り、

「き……、きゃーっ!」

ユーノの手を貝殻の中からどけると悲鳴を上げてユーノを突き飛ばし、ユーノは頭をバッグの角にぶつけ、再び意識を闇の中に沈めた。
ばくばくと激しく脈打つ胸を押さえ、なのはは真っ赤になる。
……まあ、異性から顔を胸に埋められ、あまつさえ胸(しかも先端)を触られたら当然と言えるが。

「……あうう……」

真っ赤になったままどぎまぎするなのはに、焦ったようなスバルの声がかかる。

「あ、なのはさん! 危ないですよ!」
「へ?」

なのはが顔を上げると、その瞬間飛んできたビーチボールがなのはの額に直撃した。

「あー! ご、ごめんなさい、なのはさん!」
「この馬鹿力! 飛ばしすぎよ!」

慌てて駆け寄ってきたスバルとティアナに苦笑しながらビーチボールを返して、なのははユーノの隣に寝転がった。
24538 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:49:59 ID:ovF1cYfc
「……ねえ、はやて。エリオとキャロ、知らない?」

ビーチバレー中に、はやてにそう声をかけてきたフェイトに、はやては辺りを見まわし……、首を傾げた。

「私達の所には来とらんみたいやけど……」
「そう……。何処行ったのかな?」
「ストラーダとケリュケイオンは持たせとるんやろ? やったら、別に心配いらんと思うで?」

そう言うはやてだが、フェイトは浮かない表情のまま。

「……しかたないなー……。リイン!」
「なんですか? はやてちゃん」
「悪いんやけど、エリオとキャロが何処におるか、調べてくれん?」
「はいです!」

はやてがそう頼むと、駆け寄ってきたリインフォースは、遊ぶために取っていた人間形態からいつもの形態に戻る。
そして、ビーチパラソルの所に飛んで行き……、
……すぐに戻って来た。何故かその表情は真っ赤で。

「どないした? リイン」
「お、お取り込み中でした……」

真っ赤なままでそう言うリインフォースにはやては首を傾げ、ビーチパラソルの方へ向かい、
……真っ赤になってすぐに戻って来た。

「……はやて?」
「主、どうかされましたか?」

フェイトとシグナムが不思議そうに聞くと、はやては真っ赤になったままビーチパラソルの方を指差し、言った。

「……自分で見てくれへん? 私の口からは……言えんわ……」

その答えに首を傾げ、フェイトとシグナムがビーチパラソルの方に行こうとすると、
不思議に思ったヴィータ、スバル、ティアナの3人も付いて行く。
……そして、すぐに5人とも真っ赤になって戻って来た。
24638 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:53:18 ID:ovF1cYfc
ほとんど口を開く事も出来ず、7人が7人とも真っ赤になって立ち尽くしていると、

「……あれ? どうかしたんですか?」

疲れ果てたように眠っているキャロを背負ったエリオが歩いてきた。

「あ、エリオ……。何処行ってたの?」

そうフェイトが聞くと、何故だかエリオは慌て出す。

「え!? あ、その、キャロが、遊ぼうって、その……」
「キャロと一緒に遊んでたの?」
「は、はい!」

真っ赤になってこくこく頷くエリオ。
どう考えても怪しさ満点なのだが、もうすでに一杯一杯になっているフェイト達は気付かなく、気付けなく。
エリオの背中で幸せそうに眠るキャロをスバルは見つめて、首を傾げた。

「……あれ?」
「どうしたのよ? スバル」
「……いや、何だか……キャロの匂いが違うような気が……」
「……エリオの匂いが混じってるだけでしょ? ずっとエリオが背負ってるんだから」

そうティアナが言うと、スバルはそれもそっか、と笑った。
……硬直しているエリオには気付かず。

「……あ、あの! 何でこんな所で固まってるんですか? 休むんならビーチパラソルの所で休めばいいのに」

何とか話を変えようとエリオが言うと、何故だか全員が固まる。
そして、顔を赤くしたティアナが言った。

「……自分で見れば、判るわ」
「? ……はい」

そう言うとエリオはキャロを背負ったままでビーチパラソルの所へ向かい、
……そして、それを見た。
24738 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:55:21 ID:ovF1cYfc
ユーノの身体を抱き枕代わりにして熟睡しているなのは。
寝ている間にずれたのか、貝殻が胸の上に上がっていて、しかもその胸に、これまた熟睡しているユーノが顔を埋めている。
ユーノの左手はなのはの背中を抱え込み、右手は無意識のうちになのはの背中を撫でている。
しかもユーノの手が背中を撫でるたびに、なのはの身体はぴくぴく小刻みに震えていて。

寝ている事を除けば何処からどう見てもラブシーンの真っ最中にしか見えない二人に、
エリオも真っ赤になって7人がいた場所に駆け戻った。

「……判ったでしょ? エリオ」
「……とてもよく」



なのはとユーノが起きるのを待っている時、はやてが誰に言うともなしに話し始める。

「……なのはちゃんを解雇した犯人……判ったで」
「「「「「「「!!?」」」」」」」

まだ寝ているキャロを除く全員が目を剥くと、はやては悔しそうに続ける。

「……でもな、まだ、決定的な証拠が無いねん。やから、今は引っ張れん。
 ……でも、絶対に証拠見付けて、きっちり償ってもらうわ」

そう言ったはやてに、フェイトは頷き、口を開く。

「……そうだね」
「きっちり落とし前って奴、付けてやろうぜ、はやて!」
「……出来れば斬りたい所だがな……」

それに続けてヴィータとシグナムも言い。はやては大きく頷いた。

「そうやね。……でもシグナム、本当に斬っちゃあかんで?」
「……判っています、主はやて」



そんな会話があった事は露知らず、なのはとユーノはずっと熟睡していた
24838 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/27(水) 11:57:51 ID:ovF1cYfc
終わりです。

……ラスト「。」コピーしそこねたorz
後エリキャロ自重w
249名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 12:02:06 ID:lduvdom2
きっ貴様ぁ!!また性懲りも無く激甘だと!!
糖尿病にするつもりか!!
イカン、ハナヂガ、ボダボダ、デテオル ・・・

GJGJGJ
フルボッコがそう遠くはなさそうですね・・・乙
250名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 12:23:12 ID:SkclXHWr
>>248
リンディ茶より甘いなのユー分、いつもながらGJでした。

…というかエロオ、なにやってやがるwww
251名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 12:23:32 ID:mrfFWqKX
>>97
超GJ!!!!!
前々からエリはやに目をつけていたのですが誰も興味なさそうで落ち込んできたところに97氏の登場!
しかも内容が素晴らし過ぎる!!!
できればさらに数年先の話で超甘の続編も見てみたいのですが・・・また何か妄想が浮べば是非お願いします!!!
252名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 13:07:48 ID:pELfql/Y
>>191
このままだと二人は朝まで合体だな!
抜か八だな!!
253名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 16:45:03 ID:ORc5iN9b
>>231
百合のエロはオマケだと思ってたけど、そんなこと無かったぜ
レイハとバルとの絆の描写が良かったです。
GJ!
254Mr.P:2007/06/27(水) 17:10:56 ID:RtST4btR
>>215
割り込み気にしてないですよ。
どうぞお気になさらず。

>>195 >>233 >>236 >>252
最後の二行は投下中に思いついて追記しただけでしたり。
まだ続きは思いついておりません。
今書いてるクロフェ不倫物できたら考えてみます。
あくまで本番なしというのも浪漫ではないかと思う今日この頃。

>>248
甘くて歯が腐れ落ちそうw
エリオとキャロが何やってたか補完してくれると信じてます!
255名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 17:13:00 ID:4qWeYhHh
クロフェ不倫モノ…13話も放送されていってる頃ですし丁度投下時ですねw
256名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 17:28:12 ID:i+m87TKj
最近、百合も悪くないと思ってたんだが、やはりこの体にはなのユー分が良く合う!
なじむぞぉ、じつになじむぞぉ!!!
というわけで、>>248さんGJでした。
257名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 19:22:44 ID:cFrY9Uib
>>256
同意。
最高にハイってやつだ!

>>248
職人様、職人様。
なのユー、そしてエリキャロ。ついでにティアヴァイスのハァハァもお願いします。
いっそのこと受精妊娠出産まで突き抜けて欲しい!
25838 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/06/27(水) 19:54:22 ID:ovF1cYfc
>>254
もちろん本編終了させた後、外伝1でやる気ですよ!

>>257
もう最終話のエロシーン以外は書いてるからなあ……。
ティアヴァイスは無理だが、代わりにグリはやで勘弁してくださいorz
……いや、フェイトを凹ますためにどうにか……なるか……?
259名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 20:48:14 ID:otlBWgE7
ヴェロッサ×はやてとか書いてみたいが
やつはヴェイス以上にキャラが見えてこない上に
まったく需要がなさそうなのが問題だ
260二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/06/27(水) 21:52:34 ID:dcdELHFZ
レジ様SS落とします
えろなし、ギャグなし、女なし
261二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/06/27(水) 21:56:39 ID:dcdELHFZ
男の大剣が上段より落とされる。
幾十万と振られた剣筋には一切のブレはない。
初速の時点でほぼ最高速に達した剣先は振り下ろしきる寸前にピタリと止まる。
大地を蹴る脚が大柄な体躯を一気に前へと運び、前進の運動エネルギーを乗せ剣が突き出される。
「ふっ!・・・はぁっ!・・・・せぁっ!」
一心に剣を振るう彼の気発に空気が震える。
彼しかいなかった訓練施設に新たな影が現れる。
「やぁ、レジアス。今朝も訓練かい?」
「おはようございます。グレアム先輩」
姿勢をただし、ドアの方へと敬礼するレジアス。
「あぁ、続けていいぞ。研修の為、本局に来ているというのに、この上に自主トレーニングか・・・熱心だな」
「自分は頭の良い上官方と違い、現地で戦うのが仕事ですから」
言いながら元の型稽古に戻るレジアスを細めでグレアムが見つめる。
「よし、私が相手をしよう。1人でやるより効率も良いだろうしな」
この申し出をレジアスは二つ返事で受け取り、本局内訓練施設にて二人が対峙した。
グレアムは空中に幾つもの機雷を作り、空間を支配する。
生成の暇を与えぬようにとレジアスが一気に間を詰める。
グレアムは決して有利とは言えないインファイトでありながら、レジアスの猛攻をかわし続けた。
静と動のキレイな使い分けがされた型から、動きは変化を見せる。
振り下ろされた剣の勢いを殺さずに円運動させ・・・・
「ほっ・・・連撃かっ!?・・しかしっ・・・それは読まれるぞ!」
回避を続けていたグレアムが角度を調整し、剣をバリアーで弾こうとした瞬間っ
「爆ぜろ!」
バリアとの刹那の接触にレジアスは魔力を解放した。

2.やっぱりグレアム悪い子!悪い子!
「しかし、あれにはやられたな。つい弾きたくなる心理を逆に読まれていたわけだ」
「本当にやりあってたら、あの技を出す前に自分は先輩に倒されていましたよ」
「これだけの訓練をつんでいる事・・・本局の人間も分かっているはずなんだろうがな・・・」
しかし、それは所詮文面の上での知識にすぎず、真の理解には程遠い事をグレアムも理解していた。
レジアスを始めとする戦闘部隊への評価は芳しくない。
やはり、現地で戦う物は駒なのだろう・・・無論、レジアスも自分が駒である事に異論はなかった。
「自分は偉くなる為に剣を握ったわけじゃありませんよ。この組織の歯車として立派に回る事が目標です」
「君ほどの大きな歯車はそうもいまい・・・・では、ここでな」
レジアスと別れ、グレアムが割り当てられた部屋に戻ると、二匹の使い魔がグレアムを迎えた。
「また、あの男と一緒だったの?汗臭いよ?」
「愚か男だよ。民を守れば『良くなる』と思っているのだ」
うんざりした口調でグレアムがソファに座る。
「可愛そうです」
グレアムの使い魔が言葉だけの哀憐を口にする。
「評価者が既に腐っているからな。この組織は・・ははは」
そう言いながら、グレアムは本局に提出する資料をまとめはじめた。
内容は巡航戦艦による次元単位の監視システム、これが採用されれば大量の一般職員が不要となる。
表向きは軍事費の縮小となるこのプランは無知な一般人に受け入れられるだろう。
権力の象徴たる軍艦[オモチャ]を作る大義名分をとれる上層部はこれを承諾するだろう。
「全く、腐った組織だよ」

(1/2)
262二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/06/27(水) 21:58:39 ID:dcdELHFZ
その日、レジアス・ゲイズは中将に昇進した。
一般の叩き上げからの就任は異例といっても良い。
あの日、本局からの勅命で地上部隊が大幅減員されて、どれくらい経っただろうか?
本局での任命式を経て、職舎へと帰還した頃にはミッドチルダは深夜であった。
「レジアス中将!」
今後のスケジュールをまとめるために立ち寄ったオペレーションルームには首都防衛隊の全員がレジアスを待ちかねていた。
「おめでとうございます!中将!」
まるで自らの昇進の様に各員の顔には喜悦に染まっていた。
「中将殿!ついにやりましたな!」
全員がグラスを手にし、全員がレジアスのコマンダーシートを囲む。
自分の育てた信頼できる部下・・いや、仲間に涙がこぼれそうになった。
本局からの無茶な要求を満たしつつ、絶えぬ侮蔑に拳を握り締めてきた日々・・・
「・・・・うつけめ・・・・こうも祝されては・・・・今夜は仕事が出来ないではないか・・・」
中将を証しするバッヂを胸に、レジアス・ゲイズがグラスを高く掲げた。

それは、平凡な一介将校だったはずの私、レジアス・ゲイズの志した、小さな決意。
受け取ったのは、軽蔑と屈辱。手にしたのは最高の仲間。
胸の勲章など飾りに過ぎない。共に大地を守るこの仲間こそ、この数十年の成果。
魔法中将ジェネラルレジアス、はじまります。

(2/2)
263名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 22:08:47 ID:wQo1akWB
レジアス中将、はじまりすぎw
GJです!
264二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/06/27(水) 22:12:03 ID:dcdELHFZ
コメントくれた人にお礼とレスします。

>>143
レジ様がデレるのは今年小学三年生になる一人娘だけです

>>151
いっぱい居ますよ。
レジ様スレも立ってます。
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1182779992/

>>153
レジ様の立ち居地が完全な叩かれ役か分からないので、やっぱり過去の話ばかりになっちゃいますね。

>>154
エリオスレにはちゃんと行ってますよ。
コテコテなのもうざいので普通に書き込んでいます。

>>158
経験を詰んで落ち着くタイプじゃなくて、老いて益々盛んって感じのイメージですね。

>2.やっぱりグレアム悪い子!悪い子!
ごめんなさい。あらすじ書いた後、消すのここだけ忘れてました。
また書き込もうと思います。
265名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 01:28:13 ID:oz1I/n1t
SS書きの人に需要あるのかわかりませんが、長らく在庫が枯渇していた
メガミ文庫の「魔法少女リリカルなのは」が増刷したらしく、
amazonやJBOOKSなどで在庫有りの状態になってました。

スレ違いかもしれませんけど、一応報告。
266名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 01:38:48 ID:jtuLw6qc
この前ブクオフで105円で買えたのもそれが影響かな。
漫画版StSは見つからないけど。A'sは見かけまくるのに。

アニメ半分しか見てないけどSS書けるかなぁ・・・・
無印1,2話、10〜最終 A's 1話〜13話 StS1.3.8.9話位しか見てないんだけど。ストーリーは大まかになら知ってる。
267名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 01:55:34 ID:snfTbG+y
>>266
取り敢えずキャラ呼称と最低限の正確把握はすること。あまりに乖離してると(ギャグ設定は除く)えらい突っ込まれる
ギャグならストーリーは大まかでもいいが、使いたい設定に関してはなのはwikiとかで確認することをお奨めする。
前フェイトがなのはをちゃん付けしてる同人誌みて一瞬で萎えた
268名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 01:57:27 ID:GpFtp2zS
>>266
ブックオフじゃあStsの漫画は見つからないんじゃまいか。
まだ出たばっかだし。普通に書店で買うかamazonや7&Yに頼まないと。

アニメもこれまた中途半端に視聴してるなw
書けないことはないと思うけど、>>2のリンクの参考資料は見といたほうがいいかも
269名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 02:03:11 ID:PA1apPC+
>>265
昨日届いたのが第8刷だったよ。
270名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 02:07:34 ID:saKbd8fo
>>266
逆に考えるんだ
「A'sのSSなら完璧に書ける」と考えるんだ

>>267
>フェイトがなのはをちゃん付けしてる同人誌
そいつぁ…萎えるなぁ…
はやての一人称が「うち」なくらいならまだ許せるが…
271名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 02:12:33 ID:PA1apPC+
>>267
>>270
シグナムがなのはを呼ぶ場合の「高町」が気になってしようがありません。
272名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 02:44:36 ID:JHv56eev
>271
「スクライア」と呼ばないだけいいじゃないかw
273名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 03:10:51 ID:i2/lJGbq
>>二世代オタク
若レジアス、カッコ良すぎる
脳内では20前半くらいを想定した
そして、グレアム悪すぎwwww
時間経過をもう少し詳しく書いてくれた方が読みやすいな
274名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 03:20:18 ID:aci5f085
>>266
中途半端にしか見てないんなら無理してSS書く必要ないんじゃねぇの?
275続・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/28(木) 05:38:12 ID:Xw3LswiX
だ、誰もいませんよね?
なら今のうちにこっそり投下。

レスありがとうございます。
やっぱり励みになりますね!

さて、一応続き物なんで
前のが駄目だった人はどうぞスルーしてください。

先に断っておきますが
私はキスフェチではございません。
ただ話の流れ的にこうなってしまっただけで…

13話見てはやてさんの自己犠牲っぷりに腹が立ったので
少女はやてちゃんが幸せになるまで続けます。
この子は誰かがブン殴るくらいして
目を覚まさせてあげないと一生自分の幸せに無頓着な感じがしたので。
しばしお付き合いくだされば幸いです。

言葉は難しいねってお話。

ではでは。
276続・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/28(木) 05:39:44 ID:Xw3LswiX
夢を見る。それはいつか来るかも知れない未来。
そこでは自分はもう少し偉くなっていて
寝室では彼がまだ寝ていて
いつかみたいに自分はキッチンで家族の為に朝ご飯を作って。
リィンはまだ寝ている。朝の静寂に響くのは心地よい料理の音。
味噌をとかし、沸騰する前に火を止める。
油を引いたフライパンにベーコンを敷き、生卵をふたつ割りいれた。
彼は完熟が好きだから水を入れてふたをして少し長めに放置。
と、そこで管理局の制服に身を包んだ彼がリビングにやって来た。
切る時間が無くて伸ばしている赤い髪は後ろでまとめられている。
「はやてさん、何か手伝う事ありませんか?」
「あとはもう並べるだけやから座っといてな?」
「じゃ、ご飯よそっておきますね?」
いつものやりとり。ベーコンエッグの横には昨日の残りのポテトサラダ。
味噌汁を汁椀につぎ、最後にネギをのせて完成だ。
「いただきます」
「いただきます」
二人の食卓。答えは解り切ってる筈なのに彼が口をつけるのを見て、聞く。
「どや?おいしいかな?」
「はい。今日のは特に」
ちょっとすねてみる。
「いつも同じ言葉やからありがたみがないなぁ…」
彼は苦笑いしながら返す。
「でも本当にそう思いますし」
いつものやりとり。そうして二人の食卓は進む。
「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
彼が歯を磨きに行ってそれから玄関に向かう。玄関で向き合う二人。
背は随分前に抜かされた。近い距離で向き合うと少し首が疲れる。でも嫌な感覚ではない。
「次に帰って来れるんはいつになりそう?」
「多分…三週間くらい先だと思います」
そんなに長いなんて聞いてない。もちろん抗議だ。
「三週間っ!?そんなにかかんのっ!?」
「…えっと…すいません…」
頬をかき、謝る彼。こんな仕草はいつまでも子供っぽい。
彼の首に両手をまわし、ちょっとだけぶら下がる。
「はやてさん?えっと…離してくれないと間に合わないんですが…」
彼の困った顔。正直反則的に可愛いと思う。
「車で50分やんなぁ?やったら走れば10分あれば間に合うよな?」
「でも市街地での魔法使用は禁止されてますし…」
「私を誰やと思っとるん?ちゃんと許可申請しとくから」
そこで一旦言葉を切る。鏡で練習した必殺の上目遣い。
「………駄目…?」
「…………五分です」
彼の言葉。
「本気で走れば五分で行けます。申請、お願いしますね?」
そう告げた彼の顔が降ってきて―――

277続・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/28(木) 05:41:19 ID:Xw3LswiX
ここは機動六課隊舎内、エース三人の寝室。
フェイトとなのはには最近ひとつの共通した悩み事がある。はやての寝相だ。
「はやてちゃん、今日もだね…」
「うん、今日は枕相手だったから助かったけど」
二人の視線の先には――枕相手に熱烈なキスを繰り返すはやてがいた。
ついばむようなバードキスを何度も繰り返しては時折舌をだして少し舐める。
勿論はやて本人はまだ夢の中である。
「この前はフェイトちゃん災難だったよね」
「目を覚ましたらはやてにキスされてて…ホントにビックリした」
「しかもはやてちゃんは全然自覚が無いから困りものだよね」
そう、はやてはこの寝相の記憶が全くないのだ。都合のいいことにどんな夢かも覚えていない。
ただ
「すごい楽しそうだから起こすの悪い気がするし」
「まだ時間あるから起こすのはやめとこうか」
はやての顔一杯に『し〜あ〜わ〜せ〜』と書いてあるのだ。
フェイトやなのはでなくとも起こすのに二の足を踏むだろう。
「でも…どんな夢見てるかくらいは教えてほしいよね?」
「うん、それは思うね…」



機動六課隊舎内の廊下。
朝食をとり、朝の訓練へと向かうエリオの足はとてつもなく重かった。
顔色も蒼白で、体をずりずりと引きずるその様はゾンビにしか見えない。
それもその筈だ。
(……強姦…だよね…どう考えても…)
先日、上司であり想い人である八神はやてとしてしまった。
それ自体はとても素晴らしい事であり、思い出したら唇の端がついつい上に向き…
無理矢理という事実を思い出して落ち込む、この繰り返しだ。
(あれから全く顔合わせてないし…避けられてるんだろうなぁ…)
実は単に仕事が忙しくて会えていないだけなのだが今のエリオにその発想は無い。
ヴォルケンリッターにでも打ち明けようものなら彼らが飛んできて
自分など10秒で血祭りに上げられる筈である。
(ってことはシグナムさん達にも打ち明けてないんだ…普通言えないか…)
何度も何度も己の行動を悔やんだ。今日も今日とて彼の気分は最低だった。
278続・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/28(木) 05:42:30 ID:Xw3LswiX
今日も今日とて彼女、八神はやての気分は最高だった。鼻歌交じりに仕事も進む。
最近どうも夢見がいいらしく、どんなにストレスが溜まっても一度寝ればスッキリしているのだ。
生憎夢の内容は全く思い出せないのだがそれがどれだけ楽しい夢だったかは覚えている。
いつもは憂鬱な書類仕事でさえ脇目もふらずに片付けられた。
優雅にお茶を一杯飲む。
「んん〜…最近何か調子えぇなぁ〜」
「マイスタぁ〜…終わったのなら手伝ってくれると嬉しいのです…」
横ではリィンフォースUが書類と格闘しながら呻いている。
「あかんよ?リィン。それはあくまでリィンのお仕事や。
 リィンが任されたんやからキチンと責任持ってやらんとな?」
「うぅ〜…最近マイスターは一人だけご機嫌でうらやましいのです…」
リィンがぼやいていると、オフィスのドアが開いた。シグナムが入ってくる。
「主はやて、シグナムです。今お時間よろしいでしょうか?」」
「えぇよ?またサインなん?」
「休憩中でしたか?急ぐものではないので後でもよろしいですが…」
「構わへんよ?今やるのも後でやるのも同じや」
そういって書類を受け取り、目を通す。
「ホントに最近は機嫌がよろしいですね。何かあったのですか?」
「そうです!リィンもさっきそれを言ってたのですよっ!」
書類仕事にうんざりしていたリィンがここぞとばかりに会話の波に乗ってくる。
が、はやてはリィンの現実逃避を妨げた。
「おしゃべりはそれ片付けてからな?でも…まぁ確かに調子がええのは事実や」
ここ最近あった事を思い出す。やはりあれだろう。エリオの告白と一度だけの情事。
告白は嬉しかったがその後色々悩んで、でもやっぱり受け入れようと決めた。
そのきっかけはあのエリオの怒りとその後に起こった事だ。
特にあのキスが最高だった。キスから後はよく覚えていないだけとも言えるが。
ついつい顔が緩んでしまう。機嫌がいいと口も滑る。
「まぁ、私から言えるのは女の子なら男の子とキスしとかんとなって事ぐらいやなぁ…」
「男の子…ですか?」
「そうや?シグナムも一度してみたらええねん」
シグナムの顔が一気に染め上がった。
「い、いえ私はそんな!女である前にベルカの騎士ですしっ!」
「駄目やで、シグナム。どんな事も試してみんと。
 それとも烈火の将はキスくらいで逃げだすんか?」
シグナムが言葉につまる。
「あぁ、冗談やからそんなに真に受けんといて。でも、何事も経験しといた方がええとは思うわ」
そう言って書類をシグナムに返す。
「キスですかっ!?どんな感じなのですかっ!?リィンもしてみたいのですっ!」
書類から顔を上げ、リィンが喚きだす。微笑むはやて。
「リィンにはちょっとまだ早いなぁ…ホラ、仕事まだ終わってないやろ?続きや続き」



機動六課隊舎の廊下。書類を受け取って辞したシグナムは悩んでいた。
「男の子とキス…か。エリオくらいしか相手がいないが…」
それはほんのささいなすれ違い。
はやては「女の子」つまり女性を指す言葉の対として「男の子」つまり男性の意味で使った。
しかしシグナムは「男の子=少年」と解釈してしまったのである。
(主は経験しておくべきだと言っておられたし…一応聞くだけ聞いてみるか)


訓練を終え、シャワーを浴びて自室へと向かうエリオの目に映ったのは
とても厳しい顔をしたシグナムだった。心の中で覚悟を決める。
(…とうとう…か。短かったけど…最後にはやてさんに会いたかったなぁ…)
「僕にお話があるんですよね?」
「あ、あぁ。その…ここでは何だからエリオの部屋にでも入れてくれないか?」
279続・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/28(木) 05:43:33 ID:Xw3LswiX
エリオの部屋。
部屋に備え付けのデスクの椅子をシグナムに進め、エリオは立ったままだ。
先程からシグナムは深刻な顔で押し黙っている。
エリオは深呼吸をし、覚悟を決め、切り出した。
「話というのははやてさんに関係する事ですか?」
烈火の将は押し黙ったままだ。エリオはそれを肯定と受け取る。
「僕なら覚悟は出来てます…だから、遠慮しないでください」
シグナムがようやく顔を上げた。視線がぶつかる。
「そうか…なら…」
これが最後の瞬間になるだろうとエリオはスッと目を閉じた。
「私と…その…き、キスを…してくれないか?」


キスか。キス。新手の処刑法だろうか。
「……………………………は?キス…ですか?」
目を開くとそこには二つ名の如く顔を染め上げたシグナムがうろたえていた。
「あ、あぁ…キスだ。主がエリオとしておけというのでな…」
「キスって…あの…口付けの事ですか?」
「あ、あぁ。それだ」
どうやら自分が想像しているものとシグナムが言わんとしているものは同じらしい。
エリオはますます混乱した。
「決闘ではなくて?」
「…何故そこで決闘が出てくる?シャマルが言うほど私は戦狂いではない」
エリオは悩む。
(何でシグナムさんとキス!?しかもはやてさんの命令!?)
激しく悩んだエリオにある考えが浮かんだ。
(自分は付き合えないからシグナムさんをあてがう?
 違うっ!絶対にそんな事する人じゃないっ!
 でも、なら、何で―――)
肝心の事を聞くのを忘れていた。
「あの…最近はやてさん落ち込んでたり暗くなったりしてませんでしたか?」
「いや、最近はすこぶる上機嫌だが…」
エリオは己の間違いを悟る。
(良かったぁ…嫌われて…ないのかな…?でも、それじゃ…何で…?)
その時、彼の脳裏に自分がはやてにしたたった一度きりの情事が思い出された。
「その…練習って事ですか…?」
「練習?…そうだな。経験を積み、高みに近づくという点ではその通りだ」
(つまり、はやてさんは僕のキスが下手だと感じて…
 シグナムさんを練習台に上手くなれって事かな?)
覚悟を決め、シグナムの正面に立つ。
「わかりました。そういう事なら…でもシグナムさんはいいんですか?」
「あぁ、私なら覚悟は既に出来ている」
「なら…始めます…」


280続・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/28(木) 05:44:36 ID:Xw3LswiX
シグナムは目も唇も堅く結んでいる。顔は真っ赤で誰が見ても緊張していると判断するだろう。
ならまずはその緊張を取るのが先決だ。
エリオは優しく、口付けた。
唇ではなく、彼女の額にである。
そしてまぶた、鼻の頭、耳、首筋、とにかくいたるところに口付けを繰り返した。
時折、優しくついばむ。
そして初めて唇に口付けた。そっと触れるだけのもの。
すぐ別の場所への口付けに移る。
くすぐったいのだろう、唇が触れるたびにシグナムの眉が動いた。
少し調子にのって時々舌を出して軽く舐めてみる。
「…んっ…ふっ…」
どうも耳と首筋がお気に入りのようだ。そこに重点的に唇を落とした。
シグナムが抗議の声を上げる。
「ま、待てっ!こ、これはキスなのか?」
「…キスだと思いますけど…」
いいえ違います明らかにペッティングです。
「そ、そうか…成程…奥深いものなのだな…」
「じゃ、行きますよ?」
シグナムの顔を両手で挟む。先程の努力の甲斐もなくまた目と唇を硬く結んでいた。
なのでエリオはちょっとした裏技を使う。
それは顔を挟んだ両手のひとさし指で、耳のすじを軽く撫でる事。
「っ!ひゃ―――んぅっ!?」
驚いて声を上げた隙に無理矢理舌を割りいれる。
ここからは単純だ。
反射的にこちらの舌を追い出そうとするシグナムの舌を絡めとり、撫ぜる。
耳を弄る指は止めない。
「…んっ!?…んっ…んっ…んぁっ…んぅっ!?」
徐々に抵抗が弱まってきたので一度唇を離す。シグナムの唇はだらしなく半開きだ。
口付け、上唇を吸う。次は下唇。
「…ぁっ…っ…」
そして舌でこじあけてから唇を押し付ける。硬い歯の感触。
歯茎をなぶってからまた舌へと標的を移した。念話を飛ばす。
(舌を動かしてもらえますか?)
(し、舌か?こ…こうだろうか…?)
縮こまっていた舌を伸ばしてきたので捕らえ、吸った。
「―――んんんぅっ!?」
感触に驚いてシグナムが顔を背けた。しばらく部屋に響くのは彼女の荒い息の音だけとなる。
ある程度落ち着いたのを見計らって声をかけた。
「どうでしたか?」
シグナムがエリオの方を向く。頬はまだ赤く、その目は少し潤んでいた。
「……何というか…すごかった…」
こくこくと頷く。しかしエリオは思う。
(これだけではやてさんが満足するのかな…?もっと色んな技を覚えないと…)
「もしよければ…これからも練習相手になっていただけますか?」
「また…か?…そうだな…私でよければ相手になろう」
「ありがとうございますっ!」

かくして二人の奇妙な訓練は繰り返される事となる。

一方その頃。
八神はやてのオフィス。
「でもよ、キスって口と口ぶつけるだけだろ?」
「ヴィータは解ってへんなぁ…あのな?」
はやてはヴィータ相手にキスの良さを切々と語っていた。
281続・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/28(木) 05:47:11 ID:Xw3LswiX
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。

アッハッハ。自分の脳みそが信じられません。何だこのポンコツ。
でもエリはや。ここは揺るぎません。
もう一話だけ続きます。
もう書きあがってるんでまた誰もいない時にこっそり落とします。
その時もお付き合い頂ければ嬉しいです。
282名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 05:51:28 ID:XMuSe5Oo
>>281
リアルタイムktkr!!!
何だかみんな天然だけど
そんなキャラがたくさん出てくるこの話が大好きです
283名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 06:03:39 ID:oZx34zzC
>>281
GJ
みんな天然過ぎるw
しかし、はやてが夢の内容を覚えたまま起きたら凄いことになりそうで面白い
284名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 06:35:17 ID:qFT3YiGb
>>281
朝からキターwこれいい!
やっぱキスに特化してませんかwwシグナムと三角関係になりそうな予感
285名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 07:07:21 ID:kRJBpkv9
>>281
GJ
シグナムさんとはちゃんと精算できるのかなぁ?
しかし、キス特化ネタ、先を越されたかー……どうすっかなぁ……
286名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 07:51:29 ID:aVEVDkXi
>>281 乙様です。
はやて夢見は良すぎだけど寝ながらキスすんなw
懸念はシグナムとの現場見られたら三角関係になりそうなだと言うところか・・・・頑張れエリオ

>>267、268 266だが
キャラ関係はきっちり把握してるつもり。
まぁアニメに関しては無印とA'sだけは全て見ておくことにするよ

>>274 まぁそうなんだけど。
なんというか創作意欲がMAXすぎて書いてみようかななんて思った訳だ
287名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 10:01:57 ID:G44pFBEq
最近、このスレ豊作すぎるだろ
>>264
中将の戦闘シーンもっと詳しく
あと目から汁が出た

>>281
ドキドキ感がたまりません
エリオきゅんとちゅっちゅしたいよ
288名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 11:19:18 ID:eQclYSsu
>>281
GJ!!!
エリはや最高だ!!!
そして続きが気になりまくる!!

>>Mr.P
GJ!!
続きが気になって仕方がない!
展開がえろすぎる
289エリオ×スバル:2007/06/28(木) 12:05:31 ID:x+w8hMTJ
まだ見たことがなかったので、エリオ×スバルを自給してみました。
エリオとスバルがもしもくっついたら、な話で数年後。
登場キャラは二人のみで、エロなしです。
趣味でない人はスルーしてください。
290エリ×スバ?(1/5):2007/06/28(木) 12:06:54 ID:x+w8hMTJ
「エ〜リオっ、お疲れ様!」

「はい、スバルさん!」

 本日の戦闘任務を楽に、とはいかなくても、危なげなく終わらせた前線コンビは無事に帰還。
 どちらからともなく片手を挙げて、ハイタッチ──
 と言うには少し高さが足りないけど──が交わされる。
 パンッ、といい音をさせた手と手を握り合って、魔導師と騎士の二人は笑い会った。


『ある日ある時その後のお話』


「ね、エリオ。今回の作戦、なかなかいい感じだったよね」

「はい、技の選択とか、タイミングもばっちりでしたし」

 報告書の提出も無事終えて、宛がわれている部屋へと戻っての一時。
 瞬く間に過ぎていったような六課での日々から、早数年。
 揃って救助隊志願、ということで、経験積みがてらあちらこちらの部隊を渡り歩くことになった
 二人は、なんだかんだで結構なお手柄を上げていた。
 ここまで来るのに事件と人間模様の紆余曲折が多少あったりしたものの。
 恋人兼パートナー兼ストライカーにはまだ少し、届かない。
 近代ベルカ式使いの魔導騎士コンビとして、目下精進中、なのである。

「スバルさん、なんだかご機嫌ですね」

「ん〜、ちょっとね。今日は特にキッチリ決められたし、それに使った技も、だったし」

「?」

「ほら、最後の連携で使ったの」

「…ああ、そうでした」

291エリ×スバ?(2/5):2007/06/28(木) 12:08:02 ID:x+w8hMTJ
 ストライク・ドライバー。
 もう随分とバリエーションの増えた連携技、アサルトコンビネーションの最初の一つ。

「エリオとフォワードになって初めて実戦で使ったやつだったからさ。
 思い出したらなんだか懐かしくなっちゃって」

「そうでしたね…」

 スバルにとっては二つ目の、エリオにとっては初めての職場となった機動六課。
 設立されて間もない頃にあった出張任務、ロストロギア探索で初めて使った、所謂、合体攻撃。

「あの頃はエリオとこんなことになるなんて、全然思ってなかったんだけどね」

「それは、僕もです。今だから言えますけど、
 配属されたばかりの頃は周りのみんなの顔を覚えるだけで精一杯でしたし」

「あ〜、それはあたしもかも。なのはさんしか見えてなかったような気がするし」

 昔、と言うほどでもないけど、それは随分と前のこと。
 ロストロギア・レリックを巡る事件で集まったメンバーは皆、もうそれぞれ自分の道を歩いていて。
 偶然に出会った多くの人たちの中の二人が、今は隣り合って歩いている。

「会ったばっかりの頃はエリオもずっとちっちゃかったんだけどなぁ」

「それはそうですよ。…成長期なんですし」

 何気に気にしている話題に触れられて、エリオの言葉が鈍る。
 あの頃と比べれば大分伸びたとはいえ、エリオの背丈はスバルにはまだちょっと届かない。
 一日の長の壁は以外に厚く、かつマッハキャリバーの補助(上底)は優秀だった。
 体格差によるコンビネーション不良は解消されたものの、あの頃から見上げていた背中には
 いまだに届けないのが現状であり──同時にそれが小さなコンプレックスにもなっていたりもする。
292エリ×スバ?(3/5):2007/06/28(木) 12:09:03 ID:x+w8hMTJ
「せめて、もう少し上背があったらいいんですけど」

「エリオはもっと背が伸びたほうがいい?」

「そういうわけじゃないですけど、せめて、もう少しは」

 スバルさんと同じくらいには欲しいです、という本音は飲み込む。
 追い越したいわけじゃないけど、せめて隣に並ぶ程度は望みたい。

「でも、今でも十分伸びてると思うけど。まだこれからなんだしさ」

「スバルさんは…その、僕の背は高かったりするほうがいいですか?」

「ん〜、どうだろ。ちっちゃかったころのエリオも可愛かったし。
 あ、でも、背が高いのもストラーダ構えた時とかに、いい感じかも」

 なんだかミーハーな答えが返ってくる。
 割と本音を混ぜた質問をあっさり流されたような気がしないでもない。
 ていうか、つまりその答えは──

「…それってスバルさん的にはどっちでもいいってことですか?」

「え? ぇえっ!? あ、えと。いや、そういうんじゃなくってね。あたし的には──」

「…冗談です」

 くすっ、と小さく喉を鳴らして、エリオは降参のポーズで笑みを浮かべる。
 ちょっとした反撃のつもりが、結構な不意打ちになったらしい。
 意外なからかいに、スバルは数秒間、かつてのパートナーが見たら頭痛を訴えそうな呆け顔を
 見せていたが、それでも立ち直るなり、今度は膨れっ面を作って現パートナーへと食って掛かった。

「もうエリオ! そんな意地悪なこと言うの禁止っ!!」

「あはは、すいません、スバルさん。…って、あれ? あたたたたっ、ご、ごめんなさい!
 スバルさん、痛い、痛いです!」

「や〜だよ。悪戯っ子は離してあげないの」

「そ、そんなぁ」
293エリ×スバ?(4/5):2007/06/28(木) 12:09:49 ID:x+w8hMTJ
 全身を的確、かつ容赦なくホールドされて情けない声を上げるエリオ。
 スバルもそんな反応が気に入ったのか、両手、両足、頭まで使って完全固定モードに入る。
 ちょっとした出来心のつもりが、随分と高くついたらしい。
 むぎゅ、とか音を立てて潰れかけるエリオの耳元で、拗ねたようにスバルが囁く。

「だって…エリオってば普段は素直で真面目一筋〜な感じなのに、時々スッゴイ意地悪するし」

「ス、スバルさん…」

「しかも、いっくら言っても敬語もさん付けも直らないし」

「ぅ…」

「そ・れ・に・フェイトさんともキャロとも、いまだにとっても仲良しさんだし〜」

「それはっ…」

 違います! と叫びかけて、いつの間にか至近距離にあったスバルの顔に声が止まる。
 じっと覗き込んでくる、昔と変わらない大きな瞳。
 意趣返しのつもりなのか、それとも本心を引き出せて満足したのか。
 なんとなく、な以心伝心。
 それでも、何か言おうと口を開きかけて、

「ぁ…スバル、んっ……」

「ん、ぅ……さん、はいらないの…」

 名前を呼び捨てにしたまま、口で塞がれる。
 入り込んでくる異物感に、間近で聞こえる水音と、吐息。
 ほとんど零に近い距離の中で、どちらからともなく、瞳を閉じあった。
294エリ×スバ?(5/5):2007/06/28(木) 12:10:49 ID:x+w8hMTJ
「…いいよ、エリオ。そのまんまで」

 少しの間があった後で、そう呟いたスバルの声が聞こえた。

「え…?」

「ちょっと意地悪言っちゃったけど、エリオはあたしと一緒にいてくれてるから。
 だから、いいの。そのままでいてくれて」

「…はい」

 ごめん、とも、スバル、とも返さずに、ただ口づけを返す。
 かなわないなぁ、とそう思う。
 気持ちよさそうに細められる瞳は、いつも見ていて、見てくれている人のもので。
 だから、今の精一杯の想いを伝える。

(…大好きです、スバルさん)

 まだ、胸を張って名前を呼べてはいないけれど。
 でも、いつか、ううん。きっとすぐに。
 もう少しだけ、背が伸びたなら。
 貴女と並んで立てるようになったら、その時は。

「エ〜リオ、ふふっ、大好き!」

「僕も大好きです、スバルさん」

「うん♪」

 だから、それまでを、その時を、そしてその後も。

 ずっと一緒に、僕と歩いてくれますか──?
295エリ×スバ:2007/06/28(木) 12:12:59 ID:x+w8hMTJ
以上です。
マイナーな上、軽めのお話ですが。
何かありましたら〜。
296名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 12:14:29 ID:qhgS2ZG3
>>295
リアルタイムキター
いいよいいよ、もっとやれ!
297名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 12:27:13 ID:Aek5NJ4K
これはいい姉ショタ!
自然な二人がグッドです。
29838 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/28(木) 12:34:19 ID:ekc0e7BZ
さて、第5話、始まります。

本編下書き終了して気分いいw
軽く入れる程度ならティアヴァイスも入れられたし……。
29938 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/28(木) 12:35:15 ID:ekc0e7BZ
act.5 クリスマス・セレナーデ

「……ねえ、なのは。クリスマスの休みの日、なのはの世界に行かない?」
「うん、いいよ。……でも、どうして?」

そう首を傾げて聞くなのはに、ユーノは微笑んで言う。

「……久しぶりに……なのはの世界に、行ってみたいんだ」
「ふーん……」

まだ何か聞きたそうななのはだったが、司書に呼ばれ、司書長室を出た。
一人司書長室に残されたユーノは椅子の背もたれにもたれかかり、呟いた。

「クリスマス……、その時に、きっと……」



「お待たせ、ユーノ君!」
「ううん、そんなに待ってないよ」

慌てたように駆け寄ってくるなのはに、ユーノは笑いながら答える。
純白のセーターに薄い緑のハーフコートを羽織り、白のフレアスカートを合わせているなのはの耳元にユーノは唇を寄せ、囁いた。

「きれいだよ、なのは」
「あ……」

ぽん。
そんな音がしたと同時に、なのはの顔は一瞬にして真っ赤に染まった。

「あ……あう……あうう……」
「……大丈夫?」

真っ赤になってまともに口も利けないなのはに、ユーノがそう声をかけると、なのはは真っ赤になったままこくこくと頷く。
そんななのはに、ユーノは言った。

「……行こっか?」

そして差し出されてきたユーノの手を、なのはは取った。
30038 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/28(木) 12:36:06 ID:ekc0e7BZ
……そんな二人をこそこそと見守る影が二つ。

「ロングアーチ1、ライトニング1、目標視認、や」
『……こちらライトニング2。スターズ2と共に、目標の前方に回った』
「……ん、バレんようにな?」
『……承知』
「よし! いー返事や!」

そう言って満足そうににっこり笑うはやてに、フェイトが口を開く。

「いいのかな……、これ、覗きって言わない?」

そう心配そうに言うフェイトに、はやては笑う。

「……何でや? 私達は『ユーノ・スクライア無限書庫司書長の護衛』って任務を行ってるんやで?
 デートの邪魔せんように護衛するには、これしかないやないか」
「……それは……、そうだけど……」

まだ何か言おうとするフェイトだったが、その時なのはとユーノが歩き出し、話が掻き消されてしまった。

「……動いたで!」
『スターズ3と4、前に付きます!』
「前にはヴィータとシグナムがおる、スバルとティアナはレフトや! エリオ、キャロ! ライトに付いて!」
『こちらライトニング3、了解!』

念話で細かく指示を送り、機動六課のメンバーを展開させるはやて。

「うちらは後ろから……行くで? フェイトちゃん」
「判ってるよ……なのはとユーノは、絶対に守るから」
30138 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/28(木) 12:36:50 ID:ekc0e7BZ
……そして、夕方。

「……なんで、デートの監視でこれだけ疲れるんだろうね……」
「……そやな……」

何処かぐったりとしているフェイトとはやて。

「……正直、帰りたいかな……」
「あかんで……、護衛対象放り出すわけにもいかんやろ……」

そう力無く答えるはやてに、フェイトはげんなりしながら呟いた。

「天然バカップルって……怖いね……」

その言葉に、はやては全力で頷いた。



昼食時。

「えへへ……久しぶりだよね、ユーノ君とこっちでお食事するのって」
「そう言えば、そうだね」

昼食を取りながら、なのはとユーノは楽しげに話し合う。

「そう言えば……、どうして今日はこっちに来たいって言ったの?」
「あ、えっと、それは……、……今日中に言うって事で、いい?」
「? ……うん」

そう言って首を傾げるなのはに、ユーノは苦笑する。
と、なのはが顔をユーノの頬に近付け、頬に合ったご飯粒を舐め取る。

「……んむ……、付いてたよ? ユーノ君」
「あ、ありがと、なのは」

そのまま何事も無かったかのように話を続けるなのはとユーノ。
しかし、機動六課は、「そういうこと」に一番免疫の無いシグナムがぶっ倒れ、ヴィータとリインフォースは真っ赤になって監視を放棄し、
エリオは何故か頬にご飯粒を付け出したキャロを止めるのに、ティアナは完全に落ち込んでいるスバルを宥めるのにそれぞれ必死で。
これは使い物にならないと判断し、はやてがみんなを帰すのに、それほど時間はかからなかった。
30238 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/28(木) 12:37:52 ID:ekc0e7BZ
「……ねえ、はやて。ユーノ、森の中行くみたいだね?」
「森の中て……クリスマスなんやさかい、もう少しいい所いっぱいあると思うんやけど……」

森に入っていく二人の後を追いかけながら、はやてとフェイトは首を傾げる。
……しかし、もしもその場にアリサとすずかがいたら、気付いていただろう。
この森で、この森の奥で、ユーノとなのはが出会ったと言う事に……



「……確か、ここだったよね」

そう言って足を止めるユーノに、なのはは不思議そうな表情を向けて、ふとあたりを見回して、呟いた。

「にゃ? ……ここって……」
「うん。……僕と、なのはが初めて出会った場所」

そう言って空を見上げるユーノに、なのははきょとん、としてユーノを見つめる。

「……もう、10年になるんだね、僕となのはが出会ってから」
「そう、だね……」
「……それも、全部、始まりはこの場所から」
「にゃはは、そうだね」

そう言ってなのはが笑うと、ユーノは急に真剣な表情になって、なのはに言った。

「ねえ、なのは」
「はにゃ?」
「……僕は……僕はね、なのはと今まで一緒にいて、春からは恋人同士になれて、とても幸せだった」
「……ユーノ……君……?」

気になる言い方をするユーノに、なのはは不安になってきゅ、とユーノの服の袖を握る。
と、ユーノはそれを優しく振り払って、なのはの左手を握り、言う。

「……ねえ、なのは。……目、閉じてくれるかな?」
「う……うん……」

ユーノの言葉に、なのはは少し不安そうにしながらも瞳を閉じ、
……左手の薬指に何かが通される感覚がして、なのはは飛び上がった。

「にゃ!?」

慌てて目を開けるなのはの瞳から視線を逸らさず、ユーノは言う。
言おうと決めていた言葉、今日伝えようと決めていた、言葉を……。
30338 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/28(木) 12:38:41 ID:ekc0e7BZ
「僕は、今までなのはの友達として……、恋人として、ずっとなのはの傍にいた。……でも、まだ、足りないんだ。
 ……もっと、なのはの近くにいてもいい? ……一日中そばにいて、一緒に暮らして。
 なのはの友達じゃなく、恋人じゃなく、……家族になってもいいですか?」
「……ぁ……ぅ……」

真っ赤っかになるなのはに、ユーノは言う。

「……スクライア一族の結婚のしきたりに、こういうのがあるんだ。求婚相手に、指輪を通す、求婚が。
 ……なのは。……嫌なら、僕が通した指輪を抜いて。
 ……もし、いいなら……指輪に、口付けて」

そう言われ、なのはが指輪を見ると、それは、シルバーリングにピンクパールとエメラルドが一つずつ寄り添うように飾られているもので。
なのはは真っ赤になったまま手を口元に持って行き……エメラルドに、唇を触れさせた。

「……なのは……」
「……え、えっと……こ、これから、よろしく、お願いします……」

手を降ろし、真っ赤になって俯いてそう言うなのはを、ユーノは思いっきり抱き締めて、



「おめでとうなー♪ なのはちゃん、ユーノ君」
「おめでとう、なのは」

……突然現れたはやてとフェイトに、二人とも飛び上がった。
30438 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/28(木) 12:39:53 ID:ekc0e7BZ
「に、にゃああああああ!?」
「は、は、は……はやて!? な、何で……」

慌てふためくユーノとなのはに、はやては爆笑するのを必死で堪えながら言う。

「……ど、どないしても何も……護衛任務、やさかいな。
 朝からずっとなのはちゃんとユーノ君の護衛しとったんやで?」

そう言うはやてに、フェイトが追い討ちをかける。

「……ねえ、なのは、ユーノ」
「にゃ!?」
「な、何!?」
「……出来れば、人前ではあんなにいちゃつかないで欲しいな……」

そう言われ、真っ赤になるユーノとなのはに、はやてはさらに追い討ちをかけた。

「そやなー……。シグナムはぶっ倒れるし、ヴィータやリインも真っ赤っかや。
 キャロはエリオになのはの真似してもらおとするし、……そう言えばスバルも落ち込んどったな」
「あうう……」

にやにや笑いながら言うはやてに、真っ赤になりっぱなしななのは。
一方、フェイトはユーノに心配そうに話しかける。

「でも、ユーノ。気をつけた方がいいよ? なのはのお兄さんとお姉さん、シグナムが認める剣の使い手らしいし……」
「……知ってるよ。なのはと一緒に暮らしてた事、あるから……」

下手したら木刀でぼこぼこに殴られる可能性すらある事に、ユーノは今更ながら青褪める。
しかも、美由紀にはぼこぼこに出来る理由がある。
しかし、結婚の挨拶は避けられない事で。

「あ、あはは……」

ユーノは乾いた笑い声を上げた。
30538 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/28(木) 12:41:25 ID:ekc0e7BZ
これで終わりです。

……何故勝手に動くんだキャロよorz
キャラが勝手に動いたのは初めてです。
一応言っておきます。護衛任務はリアルですよw
306名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 13:02:47 ID:Aek5NJ4K
もう少し間を開けてから投下した方が……
307名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 13:15:19 ID:zX1qOTYK
>>305
次も楽しみにしてます。GJ
私はインスリンよく出る子みたいなのでもっともーっと甘くしてほしいです。
結婚式とか9話とか。

>>306
感想レスついてるし、充分じゃないかと…。
30838 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/28(木) 14:24:26 ID:ekc0e7BZ
>>306
今週逃がすと、次に投稿出来るのが来週末になる可能性が高いんですorz
309名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 14:49:52 ID:0kePlC3G
>>305
甘い、甘すぎますよ……歴代の職人中でもトップクラスですよ。
思い出の場所にてとらハ1のペアリングネタを思い出させる告白なんて最高。
次回に期待!

>しかも、美由紀にはぼこぼこに出来る理由がある。
一瞬何のことかと思いましたが、思い当たる節が海鳴温泉での一件しかないw 
エリオも似たような事やりましたが、あちらは(善意の)強制連行の意味合いも強かったし……
まあ忍と共々笑って許しそうですが。アリサは激怒したでしょうけど。
310名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 15:20:40 ID:0vOpyBO8
とりあえず、ユーノは当時9歳だから年齢差考慮すればきっと許してくれるさ。

アリサ激怒。後のアリサフラグである。
311名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 16:05:55 ID:0LR7nOj8
>>310
私の裸見た責任はきっちりとってもらうんだから!
少し頬を染めながらそんなこというアリサが頭に浮かんだ
312名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 16:33:47 ID:ecFgtKS/
>>311
どこの真相の姫さまだよwwww
313名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 16:48:59 ID:CxU9jG6r
むしろ虚無の使い手かうるちゃい討ち手だな。
・・・四文字思い出せねぇorz

そういや、19歳なのはもそうだが19歳アリサも中の人の新しい面が見えて興味深かったな・・・
314名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 17:10:47 ID:wTFoqpHh
僅か一日でこんなにも良作が連続投下されるとは!

>>281
シグエリオwww
キスシーンがすばらしいw
三角関係クル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ ???

>>295
エリオスバルとはまた貴重なw
本編でもスバルに相応しい殿方が早く出ると良いな〜

>>308
GJ!!!
甘すぎて、は、鼻血が吹きそうw
そして、ついに神の手から離れ暴走するか、キャロよ!
護衛といえばザフィーラはどうした!と思ったが、アルフに捕まってるかwww
315名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 18:52:12 ID:sMKkLbbZ
>>295
 GJ!エリスバ(むしろスバエリ?)とは珍しいモノを見た。基本エリキャロ派の
スバエリ姉弟的な俺だが、たまにはこういうのも良いものだな。飾らない感じが
良い。
>>305
 …もはや何を語るまでもない。甘々ユーなのGJ!…ところで、ヴィータのコールサインって
『スターズ2』のままなんだな。解雇はともかくとして、一応フォワードを退いたなら暫定でも
繰り上がってるかと思ったが。コレは…フラグ?
316名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 20:20:25 ID:eMiXbeix
>>313
『炎髪灼眼の討ち手』かな?以下甜菜
ttp://www.uploda.org/uporg878940.png.html
317246:2007/06/28(木) 21:15:22 ID:LL6YVSwK
前回ご感想ありがとうございます246です

不快になられた方ごめんなさい……頭冷やしましたorz

続きが書けたので投下します

エロ

なのは×キャロです

ではでは。
318名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 21:16:15 ID:LL6YVSwK
初めて出あったとき胸を触られたことよりも、彼が身を挺して助けてくれた事に驚
いていた。
 少女の驚きは、彼の上に乗っている事に気づかないほど。気づいたのは六課へ向か
うシグナムの車の中。
 真っ赤になって俯いて、エリオの声に頷くことしかできなかった。
 ごめんと真っ赤になりながら謝っている彼が、不思議と笑みが沸いてきたのを覚え
ている。

 ――――ごめんなさい。

 初めて彼のことを好きだと気づいたのは、初めての任務。彼が列車から投げ出され
た時。
 何も考えられず、胸が張り裂けそうになっていてもたっても居られず彼を助けよう
と飛び込んだ。

 ――――ごめんなさい。

 初めて、想いを打ち明けようと思ったのは任務で一緒に銭湯に入った時。勇気を出
して、何が何でも強引に彼の隣にいたかった。
 彼と話して、お互い薄い布一枚だったことよりも、誰も隣にいない。自分と彼二人
だけの時間が嬉しかった。嬉しくて、想いを打ち明けることが怖くなった。
 もし、迷惑だったらどうしよう。もし、避けられたらどうしようと、悪いことしか
考えられなかった。

 ――――ごめんなさい。

 彼のことが忘れられなくて、それでも怖くて相談した。フェイトの一番の親友。フ
ェイトが一番大切に思っている人。彼女なら、何か力になってくれると思っていた。
 
「え、と、なのはさん……ユーノ先生と知り合いで……フェイトさん……そういうの聞かなくて……」
「ん? キャロ落ち着いて。ゆっくり話して。ちゃんと聞いてるから」
「わ、私……エリオ君のことが……好きで……」

 口に初めて出した彼への気持ち。初めて形になった彼への思い。
 それが、ぐちゃぐちゃになって、壊れて消えた。

 ――――ごめんなさい。

 壊れて消えたものは戻らなくて。泣いても泣いてもなくなっていくだけで。
 それでも、彼に貰った暖かさだけは消えなくて。

 ――――ごめんなさい。

 夜、彼が心配になって探しに行って。そこで、何もかも分からなくなって。
 朝、彼の姿を見て。
 涙は流れなかったけれど、あの時の彼の姿が忘れられなくて。

 ――――ごめんなさい。

 ごめんなさい。そう、心で呟いた。何度も何度も、それだけを視線に込めて。
 助けてあげられなくて、ごめんなさい。
 ひどいことをしてごめんなさい。

319246:2007/06/28(木) 21:17:09 ID:LL6YVSwK
「好きになって、ごめんなさい……」

 謝るのは、これから何をするか分からないから。
 もう、残ったのは彼がくれた思い出だけ。
 ぬくもりもなくなって。
 彼を守りたいという気持ちもなくなって。
 それでも、この気持ちは変わらない。
 どんなことをしても、たとえ傷つけてでも彼のことを愛したい。
 もう、それ以外何もいらない。

 魔法少女リリカルなのはStrikerS
  ―受け継がれるもの―
(5)


「ただいまー」

 食事のかえり、スバルとティアナが暗い部屋に帰りの報を口にする。それは、さして
奇異なものではなくごく普通の習慣のようなものだった。
 だが、彼女達が報せたのは無人の部屋では決してない。
 部屋の隅で丸まり、毛布を被っている一人の少女。

「ったく、電気ぐらいつけなさい」
「そうだよー、暗い部屋なんかに居ても元気にならないよ」

 長い時間、暗い部屋に居たのだろう。突然の明かりに、キャロが眩しさを感じ身を
竦めた。
 明かりに慣れ、この部屋の住人が帰ったことに気づくと小さく微笑む。

「おかえりなさい……すいません、少し寝てました」
「そ、寝てたらないいいけど」

 そう口にしたティアナは、キャロが眠っていないであろう事に内でため息を吐く。
 目の下に浮いた薄暗い隈は、彼女の白い肌に目だって辛い。
 スバルもそのことには気づいている。何も言わず、場を盛り上げようと明るく笑う。
 エリオがなのは達の部屋にいるのを発見して、今日で丁度一週間。そのことは、部
隊長のはやてにまで話が飛んだ。だが、それで変わったのはなのはとフェイトの給料
だけだ。
 キャロが、フェイトに辛く当たり始めた。
 なのはが、普段の訓練でも冷たくなった。
 フェイトが、今まで以上になのはに甘え始めた。
 大きく変わっていなくても、小さいところで大切なものが変わっていた。キャロが
スバルたちの部屋にいるのもそれが理由。今日もエリオはなのはたちの部屋。キャロ
を一人にしないようにと部屋に招きいれたのは、五日前。
 食事も睡眠もろくに取らず、訓練に出るキャロをとめたのは六日前。

「……ねぇ、キャロ。何でそんなに訓練に出たいの? またなのはさん……苛められる
よ?」

 それでも、キャロは頑なに訓練だけは出ようと無理をした。耐え切れなくなったス
バルがそう零したのはつい先日の事。

「訓練に出なかったら……六課に居られないですから。私にとって、六課は大切な家
族なんです。それは……誰がどうであっても変わらないんです。スバルさんもティア
さんも、エリオ君も……他のみんなもそうなんです」
320246:2007/06/28(木) 21:18:26 ID:LL6YVSwK
 その後思わず、なのはとフェイトの名前を口にした事に後悔した。
 長い沈黙と、俯いた表情。
 結局、キャロは答えてはくれなくて、ただ悲しそうに笑うのが見ていられなかった。

「もう寝よっか」

 その笑顔を振り払うように、スバルがベッドに飛び込んだ。ティアナも続けてベッ
ドに入り目を閉じる。

「キャロおいで」

 布団の端を持ち上げ、目で招く。
 だが、キャロは小さく礼を言うと、

「すいません、少しお散歩してきます」

 そう言い残し静止を振り切って部屋を出た。
 静まりきった部屋に、二人分のため息が重なって消えていく。

「やめて、暗くなるわ」
「ティアこそ……さっきからため息ばっか」
「そうね……これじゃあ、忘れたいのか違うのか分からないわ」

 何も出来ないのかなと、スバルが零す。それは、力のない自分を嘆いているので
はなく、どんなに力があってもキャロの心には届かないゆえ。
 ティアナは無言で布団をかぶり、スバルと同じく唇を噛んだ。

「寝ましょ、こんなんじゃあの子が帰って来れないわ」
「……うんでも、毎日夜遅く何やってるんだろうね」

 知らないわとティアナが呟き、会話は終わった。
 スバルが目を閉じ、ごめんと呟く。


 * * *


「ん、はぁっ……」

 甘く、艶のある声を出しながらなのはが自らの子宮に流れた精液の余韻に浸った。
 彼女のしたには何度も注ぎ、疲れ果てているエリオの泣き顔。

「泣かないの、男の子でしょ。私泣かせるのは好きだけど、泣き止ますのは嫌いだ
からね? フェイトちゃんならいくらでもいいけど」
「……すいません」

 涙の浮いた目元を舌で舐め、なのはが微笑む。
 二人の横には先ほどまで乱れ、精根尽き果てたように横になっているフェイトの精
液だらけの赤い顔。
 子宮から流れ出た精液の感触となのはとエリオの交わりを見て蜜を零して小さく呻い
た。

321246:2007/06/28(木) 21:19:34 ID:LL6YVSwK
「今日はもうやめよ? エリオも毎日大変だよ……なのはもう許してあげて」
「何言ってるの? さっきまであんなにエリオに跨ってたのに」
「それは……」

 口ごもるフェイトになのはが微笑み、キスを送った。
 舌を絡め、互いの唾液を交換しながら最後の締めくくりとなる長い口付け。

「フェイトちゃんはもう休んでいいよ。私はちょっと出かけてくるから」
「うん……そのまま……?」

 フェイトが見上げた先には、なのはがエリオの精液を体中に固まらせたまま袖を通
すなのはの姿。

「シャワー浴びたほうがいいよ。そんなんじゃ誰にも会えないよ」

 そうフェイトが言っても、なのはは楽しげに首を振るだけだった。
 部屋を出る瞬間、なのはは視線を向けず口を開く。

「どうせまたすぐ汚れるんだし、シャワーはその後」
「……毎晩、誰に会ってるの?」
「気になる?」

 微かに、なのはがからかうように問いかける。振り向いたその眼差しに、フェイト
が体を小さく竦め首を振る。
 その反応が以外だったのか、なのはは目を丸くしてフェイトの元へ足を進めた。

「どうしたの?」
「……なのは、私に言いたくないこと?」
「そうだね、秘密にしたいことかな。ずっとね、目をかけてたんだぁ。ちょっと
時間はかかったけど、やっと予定通り」

 なのはに秘密にされるのは、気分が悪かった。普段何をされても隠し事だけはしな
かったはずなのにと、目で訴える。

「心配しないで、私の一番はフェイトちゃんだよ……フェイトちゃんが心配してるようなことじゃないから」

 フェイトにそう言い残し、部屋を後にした。隊舎を出て、空を仰ぐ。
 エリオの精液に、不快感を感じながらいつもの場所で彼女を待った。

「ん……早く来てくれないかな、ちょっと辛い」

 落ち着きなく股をすり合わせ、火照った体に小さく呻く。
 不意に視線を向けた先には、朽ち果てた犬小屋。その中では青い毛色をした大きな
犬が濁った瞳を空に向けたまま舌を垂らしていた。
 その様子になのはが顔をしかめ、目を背けた。

「かわいそう……はやてちゃんもどうにかしてあげればいいのに……」

 そう、あまり心の篭ってない事を口にしながら、視線をそこに向け口端を吊り上
げた。
322246:2007/06/28(木) 21:20:24 ID:LL6YVSwK
「遅かったね、待ちくたびれたよ」
「すいません……」

 なのはの姿に気まずそうに、目を背け少女が呟く。

「今日も……したんですか……?」
「したよ、沢山ね。エリオとフェイトちゃんといつも通り3人で」

 既になのはは荒い息をかくさず、少女の体を撫で回してした。

「今日は、一人でしたの?」

 目の前の少女が小さく頷く。顔を真っ赤に染めたその様子に、なのはが可愛いねと、
耳を噛んだ。
 少女――――キャロがなのはの元へ向かったのは、あれから二日後。

「そろそろ来ると思ってたんだ……もう耐えられないでしょ?」
「……エリオ君のことしか考えられなくて……何度一人でしても駄目で……」

 うなされたように語るキャロに耳元で囁きかけた。

「夜、エリオの精液欲しかったらおいで……待ってるから」
「……」
「あの夜から、ずっと一人でしてたんでしょ? 分かるよ……キャロ、最近すごいエッ
チな匂いがするもん」

 それから毎晩、キャロはなのはの前で体を晒した。
 そして今日も変わらず、行われること。
 何も言わず、キャロはなのはの目の前で服を脱ぐ。震える指で、寝間着のボタンを
外し、キャミソールを脱ぎパンティを両手で下にずり下げる。

「すごい、もうびしょびしょだよ」
「……言わないで……ください」

 星の光を反射させ、キャロの溢れた蜜が糸を引いていた。顔を真っ赤にさせながら、
なのはの視線から逃げるように俯き、興奮に荒くなった息を吐く。
 おいでとなのはが手を広げると、キャロが何も言わずになのはを押し倒し寝間着を
剥いで舌を這わせた。

「エリオ君の……」
 
 エリオの精液を見た瞬間、既に羞恥は頭から消えていた。ただエリオの残り香と
精液だけに心を燃やし己を濡らす。
 なのはの口についたものにしゃぶりつき、なのはと舌を絡ませ味わった。なのはの
唾液とエリオの精液を飲み込んで、キャロが熱の篭った息を吐く。
 なのはに覆いかぶさったまま左手でなのはを掴み、右手はなのはの体に付着したエリ
オの精液を乗せている。そのままキャロは右手で、毛の生えていないツルツルの丘に
指を這わせ割れ目をなぞり、エリオと自分を混ぜていく。

「キャロ、美味しい?」
「はい……美味しいです……エリオ君の、凄い喉に絡んで……もっと欲しい……」

 殆ど食べないのは、エリオの精液を味わいたいから。寝ないのは、エリオに抱かれ
て眠りたいから。
 それ以外の全てが、どうでも良くなっていた。今、エリオが残したものを舐めとり、
自分の中をエリオのもので満たされること以外考えない。

「はぁっ、んくっ……エリオ君の入ってる……」
323246:2007/06/28(木) 21:21:20 ID:LL6YVSwK
 幼い膣にゆっくりと自分の指を挿れていく。キャロのそこはちいさな指をたやすく飲
み込みながら、それでも決して離すまいと飲み込んだ端から締め付けた。
 ぐちゅぐちゅとなのはの目の前で、指を出し入れする。溢れた蜜がなのはの太もも
に零れ、そのまま地面へ消えていく。

「私も気持ちよくしないと駄目だよ」
「はい……ごめんなさい……」

 なのはの体にキスを雨を降らしていった。首筋を舐め鎖骨の窪みに舌を這わせ、尖
った乳首に吸い付いた。

「んっ……もっと、強くしてもいいよ……」

 音を立ててしゃぶりつき、時折鋭く噛みながらキャロがなのはに奉仕する。
 なのはが空いていた手で、キャロの背中に指を這わせた。

「ひゃうっ」

 背骨をゆっくりと、なぞるように蠢くなのはの指。それにゾクゾクと体を震わせな
がらキャロがなのはの乳房に噛み付いた。

「んっ……気持ちいい……よ……」
「はぁっ、んんっ……ふあっ……!」

 キャロに乳首を甘噛みされながら、なのはが熱い吐息に乗せて呟いた。

「舌もっ、そろそろして欲しいなっ」
「は、はい……」

 なのはから体を離し、なのはが開いた足の間に口をつける。陰毛に絡みついたもの
を舐めとり、割った陰唇から溢れたものに歓喜の呟きを零した。

「すごい……こんな、まだトロトロで……」
「辛かったんだよ、これこのままにしておくの」
「あ、ありがとうございます……」

 ごくりと唾を飲み込み、震える舌を伸ばしていく。鼻先に感じる強い匂いに酔いそ
うになり、舌先についたものに目を潤ませた。
 
「っ……あっ、はぁっ……ひゃうっ!」
「エリオ君の……エリオ君の……エリオ君の……」

 悶えるなのはを押さえつけ、エリオの名前を連呼しながら、音をたてて喉を潤す。
 自らを慰める指は更に激しさを増し、キャロは興奮に潮を吹きながらも指を突っ込む。
「んんっ……!」

 なのはも軽く達したようだ。ピュルッと飛び出たものを飲み込み、怪しく笑う。

「なのはさんのも、エリオ君のと混ざって凄い美味しい」

 少女に似つかわしくない妖艶な笑みを張り付かせたまま、なのはに呟く。

「なのはさんの……あの時みたいに奥まで、欲しいです」
「うん……じゃあ、お尻こっち向けて。自分で広げてお願いするんだよ。教えたで
しょ?」
324246:2007/06/28(木) 21:23:19 ID:LL6YVSwK
 今までの復習だよと、なのはが返すとキャロは高々となのはに晒し濡れた陰唇をそ
の手で広げた。

「お願いします……私のおまんこに、なのはさんの大きいの子宮の奥まで突っ込んでください」

 よく出来ました、というと同時フェイトのときと同じように魔法で作った剛直を一
気に突き刺す。

「あぁっ……!」

 少女の小さな体には余りにも凄惨に見える剛直に、キャロが悲鳴と共に目を見開い
た。パクパクと呼吸が出来なくなったように口を開けながら、なのはの蹂躙に身を任
せ腰を動かす。

「はぁっ、ああっ……太いっ、太いですぅぅっ!」
「もっと腰動かしてっ、もっと締め付けてっ、そんなんじゃ全然気持ちよくない
よっ!
「は、はいっ! こ、こうですかっ!? ん、はぁぁっ! あぁぁっ!」

 抜けるぎりぎりまで戻し、子宮を突き破る勢いで膣を擦るなのはにキャロが合わせ
腰を動かす。その姿は、既に快楽に溺れきった女の姿。
 涎を垂らしただ一心不乱に、己を突く衝撃に酔いしれて背を仰け反らせた。

「はぁっ! あ、んっ……エリオ、君っ……エリオ君……!」

 想像の中で何度も彼に犯されて、何度も彼のものを飲み込んで、何度も彼のことを
犯したい。
 何度も突かれ、何度も咥え、全てを彼に捧げたい。
 星空の元、寂しい心を紛らわすように、少女を一心不乱に溺れていった。



今回は以上です。ありがとうございました

予想外に可愛そうにあったキャロを助けてあげようとなのはさんにお願いしつつ

皆様に欝だと言われるとやる気が沸きます。

でも、今回外道分も鬱もすくないかなぁ……
325名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 21:41:36 ID:2XNEBQXo
エロ! キャロエロッ!
いい感じに退廃した雰囲気がたまりません。
ああ……でも、個人的にキャロのはじめてはエリオがよかった……欝
326名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 21:49:03 ID:eMiXbeix
なんか、こう……疲れた感じといえばいいのか、なんか気だるげな雰囲気が文章のあちこちから感じられて……鬱、なのかなあ、これ
やっぱりイチャラブ推奨派にはこれはちと辛い……けど、きっとこの後に救いがあると信じて……!



ああ、でもHパートはおいしくいただきました。それとこれとは話が別ですからwwwww
327名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 21:52:10 ID:Ns243ogv
なんでこんなになのはさんは黒いのが似合うんだw
俺もなのはさんに虐められたい・・・・・・・・
328名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 21:54:11 ID:y6Bhc+v3
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
この雰囲気たまらん。
次回も楽しみにしています。
329名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 22:29:19 ID:N+ClHk9X
ザッフィーの哀れさに涙・・・
330名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 22:31:55 ID:web++Nn9
むしろザフィーラにナニがあったか気になるw
331y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/29(金) 00:49:05 ID:Tff0UOUz
ユーノの前に少し書いたリリカル戦隊のちょい話し投下

エロ無し

リリカル戦隊なのレンジャー 第2.5話 〜嵐の公演日〜幕間劇  


はじまり〜ぱふぱふ〜・・
332y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/29(金) 00:49:46 ID:Tff0UOUz
「私が呼んだ時は必ずいて欲しいよ♪
遠いようで近くでっぇ〜待ってる Na Na Na な〜♪」

楽屋の中、二人の少女が本番に向けてくつろいでいた
ご機嫌な感じでキャロが空間に浮いたモニターを延々とリピートして見ている
画面の中では少年A事エリオが噴煙の中、なのピンクに救われて脱出する場面だ
ふいに至近で起きた爆発に二人がもつれて倒れる
ふと目を開けると鼻先に二人の瞳が見つめあっていた
ハッとして見詰め合う二人

『ご、ごめん…なの…ピンクさん…』
『少年Aさん…』
見つめ合う二人…カメラが二人の表情をアップにして映し出す
キャー!
ピンクの頭がふりふりして、手を伸ばすと宙に浮いたパネルを押した、キャプター画面に戻り再生ボタンを押す
さっきからこれの繰り返しだ
見てる限りでも20回以上同じところろリピートしてる


「ま、別にいいけどね…」
フンフンと鼻歌を歌いながら、こちらもティアナ、ご機嫌でパックのオレンジジュースを手に取った
今日は待ちに待った、なのレンジャー公演日であった…と言っても一番待ってたのは現司令官の人だけであって
6課の面々ではない、とりわけティアナではなかった、彼女がご機嫌なのは別の理由からだった

「ぷはー!あーおいしい!」
クシャっと潰してくずかごに放る、手首の返し、指先の伸び、完璧…
コン、コンと壁に当たって机に跳ね返りくずかごに収まる

ナイスコントロール!、あはは絶好調、この位置からなら3点よね!
海南でもレギュラーでやっていけるよ、自分で褒める
彼女のご機嫌のワケは昨日の公演打ち合わせ会議の時に遡る






「…で、やな、…そこでババーンとみんなで登場して、派手にスモーク炊いてやな…」
監督の腕章を付けて、前で、きめポーズは中央で私がこう!、で、なのはちゃんとフェイトちゃんが左右で…
身振り手振りで黒板を前に熱弁を振るっているのはもちろんはやてだ
キュッキュッと黒板を消すとまたせっせと何か書き込んでいる

前の席から
あい変わらずにこにこしてるのはシャマルさん、その横に表情の読めない人間形態のザフィーラさんがむっつり腕を組み
理由は良く解らないがいつもより機嫌がよさそうな赤とピンクの隊長二人がうむうむ、うんうんと頷く
いつもどうり、普通なのが、なのはさんとスバル、相変わらず世界がどう変わろうとペースが乱れそうにない

幸せの脳内物質が出っ放し状態デフォになりつつあるキャロが腕に寄りかかり
寄りかかられた方のぐったりと疲れたようなエリオ
以下ピクリともしない私とフェイトさんが机に突っ伏している…と言う光景だった

あ、グリフィス補佐はいつもどうりのポーカーフェイスでにこやかにはやて隊長の横にはべってる
この人も最近サイボーグじゃないかと思うぐらい疲れてるところを見たことが無い
役どころの敵方の軍師…中国風の服に変なうちわみたいなものを口元に当てている、この人も怪しいなぁ…

333y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/29(金) 00:50:31 ID:Tff0UOUz
「じゃあリインはいつもどうり、お歌を歌えばいいですね?」
モス○〜や○スラ〜、軽くリインが歌いだす
「あはは、リインまんまは流石にヤヴァイで〜、
 うん、シャーリー達がちゃあんとバックアップしてくれるから舞台でもバッチリ立体映像の双子モードでいけるで」
「ハイですリインも頑張るですぅ〜」
上機嫌なはやてさんが妖精コスのリイン空曹長に説明しているを私はボーっと聞いていた

…そっか舞台でも…
リイン空曹長二人なんだ…6課の技術力は流石に凄いや…無駄な分野まで…、そっか…
フェイクは…立体映像で…二人…立体映像…映像…映像…えぃぞ…

「ああああああああああ!!!!!」
私はガバッと起き上がった

となりに突っ伏したフェイトさんの執務官のマントに包まれた肩がビクっとした、他のみんなもこっちを向いた
今までピクリともしなかった私が突然大声上げたからみんなビックリしてる
もちろんいい感じでスピーチしてたはやて隊長も同じだ
え何?みたいな感じでコッチ見てる
そりゃ自分で言うのも何だけど
今まで打ち上げられた死体か解体前のマグロみたいだったもんね私…
ゾンビが急に元気になって起き上がったみたいだと思う
そりゃ驚く

「な、…何?どしたんティアナ?」
いい調子で喋ってたはやてが、毒気を抜かれた感じで
ぷるぷると自分を指しているのを見つている、つまりあたしの指だ
「りっ…立体映像って…じゃあ私の…20人…幻影魔術は…今までいったい…」

あ”…
と言ったまま、「えーと…」と口のあたりに人差し指を当てて押し黙る司令官と、その他面々
思い思いに顔を見合わせ視線を交わす
中にはあーあ、という赤い頭や、え、何?という天然な人、やっと気が付いたのかと首を振るシグナムさんとか…

「…で、…で、まぁ…そのアレやな…それでトリの部分なんやけど…」
数瞬の沈黙の後、はやて隊長は何とか事態をスルーで、すっとぼけようと試みたらしい、…が
「はやて隊長!!!!!」
イスから立ち上がり、つかつかと歩みよった私ははやて隊長に詰め寄った
普段の私なら信じられない、渡しだって信じられない私の迫力に、はやて隊長も圧倒されていた
うん、我ながら怖いもの無しだ、本能が行け!と叫んでいた

あ、…いや、それは…あれ…やな…その…何と言うか…
ごにょごにょとはやてが黒板の方に視線を泳がして何か言っている
「…こっちを向いて下さい…」
「あ、あのみんな…私…ちょ…ちょっと乙女の事情で…お花摘みに…ひっ…」
廊下に退避しようとするはやて、いつの間にか回り込んだティアナが腕を組んで目の前に立っていた
クロスミラージュが接近戦用の刃を光らせていた

「あ、あはは…ティアナ、オプティックハイド…上手ぁなったね…さっすが次代の6課を背負って立つ
 …いやでも…ちょっと刃物は…そのティアナさん…」
その辺で言葉が切れる

圧倒的な怒気が普段の立場関係を逆転させていた
はやてには見えた、ティアナのオレンジの髪が怒髪天を突く感じに…心象的に…
無意識にずりずりと後ずさりして部屋の中に戻ってくる
「い…いや…ちょい待ち…ティアナおちついて …その忘れてたワケでは無いんや…あの…」

慌てて両手を前で広げてノーノーと言う感じではやては室内の左右に視線を走らせ助けを求めたが
この場でははやてが一番偉いのだ、誰もが視線を外した
一番偉い人が怒られてる以上誰からも助け舟は入らなかった
334名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 00:51:32 ID:qqSCG5ZF
>>305
GJだとは思うんだけれども、
三点リーダー(……)をもっと減らしたほうがスッキリするんじゃないかと思ったり思わなかったり。
半分以下に減らしても面白さは損なわれないし、文章の見た目が締まって良いと思いますよ。
偉そうなこと言ってスミマセン。
335y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/29(金) 00:51:32 ID:Tff0UOUz
それ以前にとばっちりを食いたく無い面々が思い思いの方向を見つめている
な、なんちゅー白状な連中や…私だけ悪いのとちゃうのに…
そ知らぬ顔でお茶をすすっているシャマルなどを特に見て、はやては思った

「説明して下さい!!!…って言うか私の20人役も…全部リインさんみたいに…
次からCGにして下さい、全部です!できるはずです
やって下さい…すぐにです!、今っ!すぐ!明日の公演からTVのやつまで全部!!!」

「ちょ…ちょいティアナ…いきなりそんな…一応…あの私が監督…いや、上司なんやから…
いや、その…ほら、CGには無い手書きの良さっていうかー…
…そんなんもあるでしょ?……昔からのあったかい作画はやっぱり手作りによるものでそこは…いえ…
ティアナのファンの皆さんは特に目が肥えてらっしゃるオタ…もといこゆい方ばっかやし
…監督としてはその辺のコアでディープな意見も余さず拾ったり拾わなかったりで…そういう方々は
必死で頑張っているティアナの姿が大人気で…いや…その…
ホラそういう大人の事情の兼ね合いも…」

バン!
ティアナが机を叩いたので思わず全員がビクっとなった
あの、なのはさんまで目をパチクリさせている、マジ怒りだ、
静まり帰った会議室で、スバルがうっわー…と言う顔でこっちを見てる
無反応なのはザフィーラさんぐらいだ

「ホ、ホラ…みんなビックリしてるし、ね、ティアナ…もう…そんな怖い顔して、まるで私がティアナの事
面白半分に苛めてたみたいやん…そんな白雪姫やあるまいし…」
混乱のためシンデレラと白雪姫を混同したはやてが弁解を試みる
なははは…と笑いかけたはやてに、静かな迫力を湛えたティアナが答えた

「…知ってますか八神隊長…おふざけが過ぎた継母さんは…
罰ゲームで、焼けた鉄の靴を履かされて
 愉快なランダバを…死ぬまで踊らされた話とかあったりするそうですよ…」

人差し指を合わせてくりくりと弄ったはやてが精一杯可愛らしい表情を作った

「…い、いややなティアナそんな…アダルティーな、大人の童話って言うか、まだお外も明るいのに…
 …や、…まぁその…何…いくらCGがのっぺりして味が無いちゅーても…

やっぱ人材を大事にせな…うんアカンよね、 あ…わ、私も映像に係る人間として
…日本のアニメーター…じゃなくて…労働環境の改善は娯楽コンテンツ保持のために
上はよーっく…考えなあかん時が来てるんやと、…、ほ、ホラ…わたしも思ってたところなん!
………そ、そう…、今連絡してティアナの分もシャーリー達に作らせるから…」
慌てて携帯を取り出してピッと短縮ダイヤルを押すはやて

シャーリーシャーリー、こちら監督、はやてや!お仕事追加や!
えー何ですかーはやてさぁん…今ロングアーチ…徹夜で…
ご注文の…破けやすい戦闘員のコス…ホラ、ティアナさんの新バージョンのセクシーポロリ服、仕上げしてるんですけど…

な、何バカな事言うてるん!あんなんジョークやジョーク!それより3D作画の…
ええー!?なんで…
あわてふためいたはやてがティアナの顔色を伺いながら携帯に向かって指示を飛ばしている
シャーリーも気の毒に…いや今まで黙ってたんだから同罪だ、ティアナはそう思った

慌てふためく上司の様子を冷ややかな視線でティアナは見つめていたが
心の中では喝采を叫んでいた
(やったあああ!…あ、あたしは…ついに、ついに…正当な労働環境を勝ち取ったのよ!)





336y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/29(金) 00:52:14 ID:Tff0UOUz
と言うわけだった
回想終わり


再び控え室
パイプイスに組んだ足をぷらぷらさせながらティアナは鼻歌交じりに台本を読んでいた

「あー…一人だけの役、それだけでもう天国みたいね…
しかも今回からは…
もうイーイー言わなくていいと思うと…また…格別だわこりゃ…」
ちょっと今までの苦労を思い出してホロリとしてしまうティアナだった


『ま、まぁ…じゃあ視聴者さまと来訪されたお客さまのためのTV版先駆けのサプライズと言う事で…』
予定には無かったが急遽ティアナも特別製造されたエリート兵が自我に目覚めて造反…
と言うことで晴れてなのレンジャー側に配置されたティアナだった
流石にはやても多少悪かったと思ってるらしい

しかし…嬉しいには違い無いが、これで造反する敵役はシグナム、ヴィータ、私とこれで3人になった
流石にこれは…と生来のツッコミ癖を刺激されてティアナが尋ねた
「あの…でもいいんでしょうか?これで正義の味方の方、8人に増えちゃいますけど…なのレンジャー、5人シリーズなのに…」
考えてみればこれで、ほとんど6課はエリオを除けば女性全員なのレンジャー側だ、シャマルさんとか裏方除けば

「…ああーそれは最初から織り込み済みやから問題あらへんの…あと一人足して最終的に9人になるから…
 ホラ、○クラ大戦にもあるやろ?正規メンバーと二次メンバーみたいなもんで…」

「…いぇ…流石にそれは…」
さすがにスレスレの話題のようなのでティアナは質問はその辺で止めた
「まぁ敵さんの幹部も10人追加するからちょうどバランスは取れるようになってん」
…いやもういいです、ホント、ヤヴァイので
 (ま、いっか)
ティアナは深く追求するのは止めた

「はやく公演が始まるらないかな〜」
今回は正義の味方側なのだ、初めて本番が楽しいものに思えてきたティアナだった
その向こうでまたキャロがキャーと声を上げていた






「では間違い無いんだな…?」
「ハイ…確かな情報です…」
白衣の男に知的な女性の声が応える
「よろしい…では試作型ガジェット…陸戦3型改…投入してくれたまえ…いいデータが取れそうだ」
「はい、すでに配置は完了しております」
くっくっく…低く男は笑った
「うかれているがいい…今はまだ…な…」




リリカル戦隊なのレンジャー 第2.5話 〜嵐の公演日〜幕間劇  おわり
337y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/06/29(金) 00:54:32 ID:Tff0UOUz
今回ここまで…、というかこのシリーズ何人付いてきてくれてるんだろう…謎…
同人誌の予告版見たいな事やってますが…薄い内容も同じ…
ではではノシ
338名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 01:11:50 ID:zSI0HL9I
ビィビィオにおっぱいせがまれる、なのはとかキボンヌ。
んで、困り果てて助け舟求めたら実技で授乳の仕方をなのはに教えこもうとするフェイトとかキボンヌ。
んで、その様子を見てニヤニヤしながらヤジ入れるはやてとかキボンヌ。
339名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 01:29:20 ID:ZHnTOpAu
>>337
待ってる奴ならここにいますよ!GJ!
鬼畜王や淫獣のエロさもいいけど
こういうギャグテイストもやっぱりいいなぁ…
340名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 01:31:52 ID:VBrh70Ak
ターンA氏乙

やっぱ俺は結構なのレンジャー好きだわ。キャラの動きがイイ。

続きを楽しみに待ってます。
341名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 03:06:27 ID:a1wLEPwZ
こんな展開もいいなあw
3424の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 03:25:11 ID:b6ZNklD3
>>232
こういう話題を蒸し返すのは非常に申し訳ないのですが…

> 直後に投下したことをMr.Pさんに謝った方がいいよってことだったんですが。
すいませんでした。盛大に意味を取り違えていました。
直後投下より割込み投下の方が問題ありと自分で判断してしまって…
自分だったら「レスなし」より「ぶった切られ」の方が嫌だったもので…
>>194でそれを一言言わないといけませんでしたね、軽率でした。
Mr.Pさん、改めて直後投下及び割込みの件、申し訳ありませんでした。
343名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 03:41:48 ID:1J1qcSzr
4の422氏、律儀な人だなw
直後投下の件は、事情があったんだから、そんなに恐縮しなくてもおkだと思うよ

あ、結婚オメ〜!お幸せに!
344結・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/29(金) 05:34:44 ID:sALZMtDG
4の422さん結婚おめでとうございます!

あとスバエリとか新ジャンルが増えていくので
エリオスキーとしてはホント嬉しいです。

だ、誰もいませんよね?では今のうちに。
続き物なので興味の無い方はどうぞスルーを。

さて、少々長くなってしまったのですが
今まで付き合って下さった方は
是非もう少しお付き合い下さい。

あとパソコン打ちしたんで
出来ればパソコンで読んで頂けるとうれしいです。

ではでは。
345結・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/29(金) 05:35:23 ID:sALZMtDG
機動六課隊舎食堂。
久々のヴォルケンリッター4人とはやてとリィンUの勢ぞろい、
早い話が完全版八神家の食卓だった。
「あ〜、でも食堂のメシもうめぇけどはやての作ったご飯にゃ負けるな」
ヴィータがランチセットを片付けながらぼやく。
はやて大好きの彼女に言わせればどんな高級レストランの食事も
はやての料理の足元にも及ばないらしい。
勿論ヴィータの贔屓目を抜いても食堂の料理より美味しい事は事実である。
「そういえばしばらく料理してへんなぁ…
 今度皆で有給とって旅行しよか?コテージやったら料理作れるし」
一応口にしてはみるものの、それが現実にならない事をはやては知っている。
ヴォルケンリッターもはやてもリィンUでさえも機動六課の要職についている。
これらのメンバーが一度に休暇を取ると機動六課はまず麻痺してしまうだろう。
はやての雰囲気のかげりを察して、シャマルが別の話題を振る。
「そういえば、この前健康診断でフォワードの皆の体見たんですけど…
 すごかったですよ?ホラ、健康的なエロスっていうか」
はやて親父モードスイッチON!
「ほほぉ…そりゃ部隊長として聞き逃せへんなぁ?
 ちなみに成長具合はどんな感じやったん?」
シャマルの目が光る。はやてが笑う。爽やかな食事風景に妖気が漂い始めた。
「スバルちゃんがまた2cm大きくなってましたし…
 ティアちゃんは大きさは変わってませんけどウェストが引き締まってきましたから
 くびれがとんでもない事に!」
「それは今度一緒にお風呂入って確かめんとあかんね…」
ヴィータもシグナムも呆れ顔でいつもの二人の暴走を眺めている。
ザフィーラはテーブルの下で最初から我関せずを貫いていた。
「キャロちゃんはまだまだこれからって感じですね」
「私が成長に貢献してあげんとな!」
そういって指をわきわきさせるはやては
女性でなかったら確実に監獄送りになりそうな表情を浮かべた。
「で、エリオ君なんですけどね?」
その瞬間はやての親父モードスイッチがOFFになり、先程の表情が消える。
代わりに浮かんでくるのは純粋な興味と好奇心。
それを確認したシャマルはこと細かに解説し始めた。
「基本的に細身で表面はうすい脂肪に覆われてるから固そうには見えないんですけどね?
 まだまだ子供ですから柔らかいんですけど、力いれるとすごいんですよ。
 触るとしっかり筋肉のすじがわかってこれぞ男の子って感じですねぇ…
 ホントはあまり体が出来上がってないのに筋肉をつけると骨の成長を妨げるんですけど、
 あの筋肉の付き方なら問題ないです。
 成長期はまだですけどどんどん伸びていくんじゃないですか?」
346結・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/29(金) 05:36:07 ID:sALZMtDG
シャマルの言葉を一言一句聞き逃さまいとするはやては
手元に紙があればメモをとりそうな勢いである。シグナムへシャマルの念話が飛ぶ。
(ホラ、シグナムも!何かエリオ君の話題とかないの?)
(エリオの話題か?何故だ?)
(いいから早く!)
シャマルの意図がわからないがとりあえず指示に従った。
「そ、そういえば今日もエリオと個人戦を想定した訓練をしたのですが…」
「ど、どんな感じやったんっ!?」
はやてがすごい勢いで食いついた。その剣幕に流石にシグナムも少しひるむ。
「あ、主?…そうですね、彼はよくやっていると思います。
 まだまだ未熟ですが諦めが悪いので、何度転がされても立ち上がってきますし」
「でもさ〜、アイツいつまでたってもシールドの強度はあがんねぇんだよな。
 アタシが軽く叩いたぐらいでぶっこわれるしさ」
割り込んできたヴィータの言葉にはやての表情が曇った。どうやら面白くないらしい。
その様子にシグナムも何かを感じ取ったのでシャマルに念話を飛ばす。
(シャマル…もしかして主はやては…)
(あれ?気付いてなかったの?…多分、はやてちゃんはエリオ君に恋してるわ)
(成程な。どうりであの様子なワケだ)
(あ、コレはヴィータちゃんやリィンには秘密ね?
 あの子達、暴走しかねないから。
 ねぇ、シグナム…今度は…今度こそは上手くいって欲しいと思わない?)
(そうだな…ちょうど用事があるし、私からエリオの気持ちを確認してみようか)
(私から見た感じだと両想いの筈なんだけど…お願い出来る?)
念話でやりとりをしながら自分の前にある料理を片付けていく。
ふとシグナムが視線を横にやるともう既にはやてはいつもの微笑を浮かべていた。
シグナムははやてのこの表情があまり好きではない。
そしてこの表情は入院していた時によく浮かべていて、
一時期減ったが機動六課を設立しようとしてからまた増えてきた。
先程までのゆたかな表情のはやてを思い起こし、自分に何が出来るかを考えた。
347結・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/29(金) 05:37:36 ID:sALZMtDG
エリオの部屋。
週に二度、シグナムはエリオの部屋に通っている。
シグナムはキスを通じて人間として成長するため、
エリオははやての為にキスの技術を上達させるためと
随分ちぐはぐな関係だったがもう三週間になる。
いつも通り、エリオが椅子を勧めるとシグナムは座り、こう切り出してきた。
「エリオ、今好きな人はいるか?」
その質問に確信をもってエリオはこう答えた。
「はい。はやてさんです」
その切り返しにシグナムは笑う。
「……随分と簡単に答えたな…その様子だともう告白したのか?」
「…あれ?はやてさんから聞かされてないんですか?」
「…?どういう事だ?」
エリオは今まであった事を喋る。
告白したが釣り合わない事を理由に断られた事。でもやっぱり諦めきれない事。
現在釣り合う男になる為に色々と努力している最中だという事。
そして…一度無理矢理してしまった事。
全てを聞いた後、シグナムは立ち上がった。
「歯を食いしばれ」
食いしばる前に来た右ストレート。エリオが壁に叩きつけられる。
「主はやてとお前の力量の差を考えると、お前のいう無理矢理とは
 違うと思うが…一応、な」
そういってシグナムはひらひらと右手を振る。
エリオも自分の頬を撫でながら笑った。シグナムが言葉を続ける。
「実の所…感謝している。
 方法の是非は横においておくとして、お前は主の意思に沿ってくれたからな。
 ………主はやてが我らと初めて出会った時に何と言ったか知っているか?
 『主なら面倒をみないといけない』そういって衣食住を提供してくれたのだ。
 気付いたら夜天の書の主となり、贖罪の為に管理局に勤め、
 その異能と才能から危険な場所に何度も立たされ、それでもそれを受け入れている。
 たった一人の少女が…だぞ?」
そう言ってシグナムは解いた拳をもう一度握り締めた。
「主のその姿勢を強さと呼ぶ者もいる。だが…私はむしろ歪みだと思っている。
 主の中には自分というものが欠けている気がしてな…」
吼える。
「……いつもいつもいつも!我らの為!六課の為!管理局の為!世界の為!
 そんなものの為に自分を犠牲にして!」
「シグナムさん…あの…」
「……すまないな…少し取り乱した。
 我らヴォルケンリッターは主の前に立つ事は出来る。
 だが主の傍に立ち、支える事は叶わないのだ。もし…お前にその覚悟があるのなら」
頼む。そう言おうとしたシグナムの言葉を遮ってエリオが告げる。
「もし、僕でいいのなら…はやてさんが僕を選んでくれるのなら…
 幾らでも支えますよ」
頼まれたからじゃない。ただ、自身が望んだからそこに立ちたい。その意思を秘めた言葉。
「そうか」
「そうです」
そう言って二人で笑う。ひとしきり笑ったあと、エリオはこう切り出した。
「……あの…練習の件なんですけど…」
「あぁ、どうした?」
「やめませんか?いくら練習とはいえはやてさん以外にキスするのって
 裏切りに思えてきたんで…」
「お前がそういうのなら仕方ないな」
こうしてふたりの奇妙な練習会は無くなったが
結局最後まで二人は自分の思い違いに気付かなかった。
348結・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/29(金) 05:38:28 ID:sALZMtDG
ここで終われば何も起こらなかったのだが…そうはならなかった。

壁に耳あり障子に目あり。
よりによってこの最後の訪問を終え、
エリオの部屋から出てくるシグナムを見た隊員がいたのだ。
人の口に戸は立てられない。
「エリオの部屋からシグナムが出てきた」
この事実は、それまでの三週間に夜の廊下を歩くシグナムが度々目撃されていた事も手伝って
人の口から口へと伝わるにつれ、
そこに人の下世話な思い込みが足されていった。
リィンUの耳に届く頃には
「エリオとシグナムが付き合っていて
 毎夜毎夜シグナムがエリオの部屋に通っている」
とまで歪曲された。
そしてそれはそのままはやてへと伝わる事になる。

「マイスターっ!大変なのですっ!大スキャンダルなのですよっ!」
資料を揃えに行ったリィンが大声をあげてはやてのオフィスに駆け込んできた。
「リィン、どうしたん?そんなに慌てて」
「マイスター!大事件なのですっ!」
リィンは得意げに、自分が聞いた事を語る。
「エリオ君とシグナムがお付き合いしているそーなのですよっ!」
はやての時間が止まる。リィンは何を言っているのだろう?
「それも毎晩毎晩部屋に通うほどの仲なのだそーですっ!」
思考は止まったままだ。かろうじて言葉を反射的に返す。
「……そ、そーなん?」
「あ〜!もしかして信用していませんねっ!
 リィンの情報網は正確なのですよ〜っ!」
リィンが憤慨して叫んでいるところにヴィータがやって来た。
「ハヤテぇ、コレにサインしてくれねーか?」
「あ、ヴィータちゃん!知ってますかっ!?
 エリオ君とシグナムがお付き合いしているそうなのですっ!」
はやてにとって不幸な事に、聞いた相手がまた最悪だったのだ。
「あー、それ。
 最近妙に仲いいから聞いてみたら付き合ってるって言われたよ」
正確には
『最近シグナムとエリオの仲がいいよなと隊員に聞いたら
 付き合ってるらしいですよと言われた』であるが、その意味ははやてには伝わらない。
『最近仲がいいなとシグナムやエリオに聞いたら付き合ってると言われた』と解釈したのだ。
信頼する二人が同じ事を告げてきたのだ。はやての中ではそれが紛れもない真実と化す。
「…あれ?はやて?顔色悪ぃぞ?」
「ホントーですっ!真っ青なのですよっ!医務室に行くですかっ!?」
二人に指摘されて、ようやくはやては現実に引き戻される。
「あ、あはは。最近頑張りすぎとったから疲れ溜まってもうたんかなぁ?」
そう言って笑う。
349結・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/29(金) 05:39:28 ID:sALZMtDG
何故なのだろう。
彼はいつか必ず来ると言ったのに。
何故。よりによって大切な家族と。
何故。何故。何故。

その日、結局はやての仕事は全く進まなかった。
食事を取る気も起こらず、寝室へと向かう。
(ちゃう…ホントはシグナムに会いとうなかったんや…)
今会ってしまうと何を言い出すか解らない。
シグナムは大切な家族だ。エリオも大切な同僚だ。
二人が付き合い始めたというのなら自分はそれを喜ばねばならない。
ここで自分が喚いても関係が悪化するだけだ。
最悪、ずっとギスギスした関係になってしまうかも知れない。
少女にとってそれはとても恐ろしい事だった。
自分の意思で、他人を傷付ける事。
自分の我が侭で、周りに迷惑をかける事。はやてが何よりも嫌がる事だ。
ずっとずっと我慢してきたのだ。
誰も傷つけないように、誰かの為になるように。
それは少女がずっとずっと…それこそ物心ついた時から貫いてきた生き方。

ベッドに沈むと、案外簡単に眠りは訪れた。

夢を見る。
いつも通りに彼は笑って、抱きしめて、そっと口付けをして。
それを横から見ている自分。
では彼の腕の中には誰がいる?彼女の大切な家族だ。
大切な二人が幸せそうだ。
彼女にとってとても嬉しい事なのだ。
だから夢の中で彼女は笑った。
そして大事な家族に告げる。
「エリオ君と仲ような?」
その言葉に二人が笑う。笑いあって抱きしめあって口づけしあう。
大切な二人がとてもとても幸せそうだ。
彼女にとってとてもとても嬉しい事なのだ。
それは、彼女にとって、とても、とても嬉しい事なのだ。

アラームが鳴り、はやての意識が覚醒する。横ではフェイトやなのはが身じろぎしていた。
頬に指をあてる。そこに涙の感触はない。
(大丈夫や。私は大丈夫)
そう、思う。
350結・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/29(金) 05:40:32 ID:sALZMtDG
機動六課隊舎内、八神はやてのオフィス。
いつものように書類仕事。目を通し、サインをする。いつも通りに出来ている。
リィンは今日はシャーリーの所で検査だ。
と、シグナムがオフィスに入ってくる。
「主はやて、今よろしいでしょうか?前の出動の件についてなんですが…」
シグナムははやての大切な家族だ。
大丈夫。いつも通り。そう思い、笑う。
立ち上がってシグナムの傍へ歩いていく。
彼女の背を軽く叩いてこう言えばいい。

エリオ君と仲ような?

そうすれば、自分は彼女を応援出来る。
そうすればもう、彼の声は彼女のものだ。彼の眼差しは彼女のものだ。
彼の唇は彼女のものだ。彼の全ては、彼は、彼女のものだ。

シグナムの横に立つ。右手を振り上げる。
大丈夫。いつも通り。笑っている。明るい声で。
振り下ろす。

その手は、思ったより軽い手ごたえで彼女の背を捕らえた。

用意していた言葉。それをいうだけだ。

エリオ君と仲ような?



「…と…らん…といて…」

あれ?



「――――とらんといてよぉ…私から…エリオ君をとらんといてぇっ…!」
351結・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/29(金) 05:42:33 ID:sALZMtDG
―――溢れた思いと涙は止まらない。
「――――お願いやからぁっ!エリオ君だけはっ…エリオ君だけはあかんねんっ…」


膝から崩れ落ちる。何も見えない。全てが歪んで崩れていく。
「エリオ君はとらんといてぇっ!お願いやからっ!
 エリオ君だけはとったらあかんねんっ!」
いきなり抱きしめられた。逃げ出そうともがく。
「いややっ!いややねんっ!エリオ君だけはだめやねんっ!」
顔を手で挟まれた。上を向かされる。もがく。
「いや―――」
懐かしい感触。夢の中で何度も求めた感触がそこにあった。
ただ、その感触を味わう。柔らかくて、暖かい感触。
彼の――――――唇。
「落ち着きましたか?」
彼の声。
「シグナムさんから念話で呼び出されて、急いで走ってきたんですけど…」
彼の眼差し。
彼の全てが、彼がはやての前にあった。
「……え…りお…く…ん…?」

「僕は…はやてさんのものですよ?絶対に誰にも取られたりしませんから」
彼の唇が振ってくる。だから、はやては目を閉じた。












夢を見る。
そこでは彼女は今より少しだけ偉くなっていた。
オフィスのドアが開かれる。彼だ。
「七年間もかかっちゃいましたけど…でも、ようやく言う事が出来ます」
もう背はとっくの昔に抜かれていて、近くで向き合うと首が少し疲れる。
「――――僕は、はやてさんを愛しています」
彼の首に腕を回し、少しだけぶら下がる。
言葉なんてもどかしい。だから唇を押し付けた。


それは、夢にまで見た現実の出来事。
352名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 05:56:05 ID:OOADB42m
GJ。はやエリはよいものですね。

ところで、
>「やめませんか?いくら練習とはいえはやてさん以外にキスするのって
> 裏切りに思えてきたんで…」

「それとこれとは話が別だ」と練習会が発展してゆくお話は・・・
353結・ある少年とある少女の話 case HY:2007/06/29(金) 05:59:26 ID:MkRJyTUv
連続投稿規制喰らったので携帯から。

ここまでお付き合い頂き
本当にありがとうございました!

勝手に暴走はやてちゃんな話。
個人的に女の子はこれくらい我が儘でもいいと思います。

あと26歳なはやてちゃんに「オバサン」などの感想を得た方
この両の拳で相手になるので屋上へいらっしゃい。

これで終わりですが、ここはエロパロ板。
この二人のジョージも書いてみようと思います。

その時にはまたお付きあい頂ければ幸いです。
354名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 06:50:23 ID:e9CtgjA2
>>334
偉そうなことを言う前に投稿中の割り込みやめようね
355名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 09:30:43 ID:GWM/GmMQ
>>337
 待ってましたよ、GJ! 
 ティアナがまたはやての罠に引っかかるのを見てみたいと感じてしまうのは私だけじゃないはず。
 あとエリキャロはいいものですね。


>>353
 はやてが超かわいいですけど。ど!
 恋する女の子がゆえのわがままは世界の宝です。
 綺麗な終わり方ですね、GJ
 しかし一番印象に残ったのはシグナムが殴るシーン。
 エリオとの男らしいやり取りがツボです。
356名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 09:32:51 ID:l4wp5dm0
>>353
GJ! はやて可愛いよ、可愛いよはやてw
357名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 09:53:10 ID:Yp+wdJoW
>>353
めちゃGJ!!!!!!!!!!!
あなたのせいでもう完全にエリはやにはまってしまいましたよ(褒め言葉)
エリはやのジョージをぜひに!!!
その時は砂糖をはかせていただきますw
358名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 12:07:32 ID:gdEvBITL
エリオだったら案外4年くらいではやてを迎えにいけそうだと思った俺だ。
359名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 12:26:54 ID:IsUtOKbK
>>358
14歳つったら中二か。それぐらいの歳って、もうガキじゃないって背伸びするわ、
怖いもの知らずで自己中で甘ちゃんで、人生の中で一番おバカな時期じゃね?
まー、なのは世界の住人は異常なほど精神年齢と倫理観が発達してるのが多いけどなwww
360名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 12:30:21 ID:qRupvrd5
ぶっちゃけエリキャロはネギ先生くらい子供らしい所が見たい…
同じ10歳でもネギ先生の方が好きだな…
361名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 13:06:48 ID:Mv+G2qS/
ぶっちゃけ今まではやてはいらない子だと思ってたけど
それが間違いだと認識させられた GJ !!!!!!!!!
36238 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/29(金) 13:38:10 ID:9YzwIbSe
このごろ毎日投下してますね……。
今回は多少ギャグテイスト入れてみます。

>>309
いや、笑って許したらギャグに持って行けないのでw
36338 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/29(金) 13:39:12 ID:9YzwIbSe
act.6 『シアワセ』ということ

「ね、ねえ、お父さん、お母さん?」

久しぶりになのはがユーノを連れて帰って来て、久しぶりに家族水入らずでクリスマスを過ごしている最中。
何故かどもりながら口を開くなのはに、桃子は首を傾げた。

「どうしたの?なのは」
「え……えっとね? その……」

真っ赤になってまともに喋る事も出来ないなのは。
と、フェレットモードのユーノと遊んでいた美由紀がユーノを使って腹話術の真似事をしようとして、
……なのはの指に光る物を見付け、ユーノを取り落とした。

「……ね、ねえ、なのは? ……な、なーんでそんな所に指輪なんかつけてるのかなあ?」
「に、にゃう……」

指輪を右手で隠すようにして、なのははもうすでに真っ赤だった顔をさらに赤くした。そんななのはに、士郎は口を開く。

「……別に隠す事は無いぞ? その事くらい、なのはが家に帰ってきた時から気付いてたからな」
「はにゃ!?」

飛び上がったなのはに、桃子は微笑を浮かべながら言う。

「……でも、結婚したんなら、せめて連絡ぐらいは欲しかったな……」
「確かにな……」

完全に勘違いしている士郎と桃子に、なのはは真っ赤になって立ち上がり、両手をぶんぶん振り回して必死に否定する。

「え、あ、ち、違うの! あの、えっと、け、結婚は、したいけど、その、プ、プロポーズされたの、ついさっきだから!」
「さ、さっき!?」

しっちゃかめっちゃかななのはの言葉を何とか聞き取った美由紀は飛び上がった。
思わず隣にいた忍と顔を見合わせ、そして、なのはを問い詰めた。

「だ、誰よその相手って! と、言うか、何でその子連れて来なかったのよ!」
「つ、連れて来てるよ!?」

そのなのはの言葉に、高町家+忍の5人の目線がユーノに集中した。
36438 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/29(金) 13:40:06 ID:9YzwIbSe
「……まさか……な」
「そ、そうだよね。幾らなんでも人がフェレットに変身する訳が無いよね!」

しかし、なのはが出掛けるまでいなくて、帰って来たらいた生物は、ユーノ以外にはいなくて。
それでも何とか自分の、いや、この世界の常識にしがみ付こうとする恭也と美由紀。
しかし。

「……すいません。あるんです、それが」

ユーノからフェレットモードのまま声を掛けられて、完全に硬直した。
部屋の空気が凍り付く中、ユーノは魔法陣を展開し、人間に戻った。
そして、この状況に停止している士郎と桃子に、ユーノは頭を下げる。

「……えっと……この姿では、はじめまして。
 時空管理局無限書庫司書長、ユーノ・スクライアと言います」
「え……あ……はあ……」
「ご、ご丁寧に、どうも……」

さすがにショックが抜け切らないのか、気の抜けた返事をする士郎と桃子。
と、急に忍と美由紀が踏まれた猫のような悲鳴を同時に上げ、真っ赤になった。

「……どうした?」

そう恭也が聞くと、忍が真っ赤になったまま答えた。

「じ、十年前に……この子と一緒に……温泉入っちゃった……」
「……ユーノ、だったな。……ちょっと来い」
「わわわ!?」
「お、お兄ちゃん!」

忍の話を聞くなりユーノを引っ張って道場の方に向かう恭也を、なのはは慌てて止める。
一瞬恭也となのはは睨み合い、……やがて、根負けしたかのようにユーノを離したのは恭也の方で。
思わず溜息をついてユーノが視線を戻すと、ようやく立ち直った士郎と目が合った。
36538 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/29(金) 13:41:25 ID:9YzwIbSe
「あ……」

僅かに気圧されるユーノに、士郎は微笑みを浮かべて、聞く。

「ユーノ……いや、スクライア君と呼んでおこうか。
 ……君は、本当になのはと結婚したいと思っているのかい?」
「……当たり前です。
 ……僕は、10年前から、なのはのことが好きだったんです」
「にゃあ!?」

そのユーノの言葉に飛び上がるなのは。
そんななのはには構わず、ユーノは言葉を続ける。

「……けれど、最近……なのはが魔力を失うまで。なのはは僕のことを友達として見てたんです。
 でも、僕は、それでいいって思ってました。友達でもいい。僕がなのはのことを好きだって言う事を隠せば、ずっと友達でいられるって」
「……随分と後ろ向きな考え方だけど……本当にそれで良かったの?」

そう桃子が聞くと、ユーノは頷いた。

「その時の僕は、それで良かったんです。
 ……相手が僕じゃなくてもいい。なのはが幸せなら、それでいいって。
 ……出来れば、その相手が僕だったらいいな、とは思っていましたけれど」

そう言って苦笑するユーノに、厳しい表情のままで恭也が問い詰める。

「……自分が幸せにする、とは考えなかったのか?」
「僕が、なのはと出会ったからなのはは戦いに巻き込まれたんです。
 ……それに、僕はなのはを守れる程強く無かった。
 そんな僕が、どんな顔をして「幸せにする」なんて言えばいいんですか?」

そう言いながら、ユーノはぽろぽろと涙を零して。
と、なのはが急にユーノを抱き締めて、ゆっくりと言った。
36638 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/29(金) 13:42:12 ID:9YzwIbSe
「……でも、みんなに会えた」
「……え……?」
「フェイトちゃんや、はやてちゃん。ヴィータちゃんに、シグナムさん。
 ……ううん、それだけじゃない。私は、たくさんの人と出会えて、お友達になれた。
 ……それに、ユーノ君とも、出会えた。……大好きな人と、出会えた。
 だから、私は幸せなの。……ユーノ君といるから、幸せなの」

ユーノの胸に顔を埋めて、そう言うなのはに、ユーノは思わずぎゅっとなのはを抱き締めようとして、

「……仲が良いのはいいんだけど、いちゃつくんならもう少し周りを見てよね」

美由紀の声に二人とも飛び上がり、大慌てで離れた。
と、士郎がユーノの肩に手を置き、言った。

「……娘を、任せたよ」
「ふえ?」
「と、父さん!」

呆気に取られるユーノ。
恭也が叫ぶが、士郎は取り合わない。

「スクライア君がなのはをとても大切に思っている事は、恭也にだって判っただろう?
 ……なのはもスクライア君とがいいんだろうし、なのはの意思を止める気は無いよ」
「なのはだってもう大人だし、なのはが決めた相手なら間違いは無いわよ。
 それに、ユーノ君も10年間ずっと想い続けてくれてたんだから、大丈夫よ」

そう桃子が言うと、恭也は黙り込む。
と、美由紀がユーノの首根っこを掴んだ。

「……さて! ハッピーエンドに終わった所で、ちょーっと話があるのよね。……忍ー! 忍もあるでしょ?」
「ええ、あるわね」

そう言うと、二人でずるずるとユーノを道場に引きずって行き、残されたなのはは引きつった笑みを浮かべた。
36738 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/29(金) 13:43:04 ID:9YzwIbSe
「……いたた……」
「だ、大丈夫? ユーノ君」

目に見えてぼろぼろなユーノに、なのはは心配そうに声をかける。
道場にあった木刀で美由紀と忍にぼこぼこにされて、ユーノは傷だらけだった。

「……大丈夫だよ。自業自得だし」

そう言って苦笑するユーノに、なのはも苦笑した。

「にゃはは……、そうだね……」
「アリサやすずかにも僕の正体が判った時にそれ以上の事されたし、最初から覚悟はしてたよ」

そうしみじみと、何処か恐怖が感じられる口調で言うユーノ。
そう、以前アリサとすずかに正体を教えた時、

『……乙女の肌見た罪……重いわよ……?』
『そうだね、生半可な罰じゃね……』

と、異常なほど怖い笑みを浮かべたアリサとすずかに、もはや拷問に近い攻撃を受けた事があった。
アリサは直接金属バットで殴り続け、すずかはにこにこ笑いながら明らかに改造してあるスタンガンを押し付け続け。
なのはが止めるのがもう少し遅かったら、絶対に死んでいた。

「……うあ」

その事を思い出してしまい、青褪めるユーノを、何故か膨れたなのはが抱き締めた。

「なのは……!?」
「……私達……もうすぐ、結婚出来るんだね……」

そう嬉しそうな声音で言うなのはを、ユーノは驚いて受けとめていたが、すぐに満面の笑みに変わる。
そのまま二人はしばらくの間抱き締めあっていた……。
36838 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/29(金) 13:48:26 ID:9YzwIbSe
終わりです。
次回は結婚式、行きますよ!

>>315
……まあ、一応。
でも、どっちかって言うと「スターズ1はなのはの場所だから、あたしが入る訳には行かねーよ」ですかね。

>>334
「……」多用は癖に近いですから……。
外伝1(グリフィス×はやての可能性大)では少な目にして書いてみます。(もう本編は完成してるので)
369名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 14:33:24 ID:ovYxC5hN
GJ
それとユーノ乙

三点リーダ多用自体はあまり気にすることはないとおもうのですが。
それよりも全部2つの方が少し違和感が。

………
とかもつかってあげてください。間の長さは違うはずなんで。
370名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 14:55:27 ID:OOADB42m
>>368
GJです。
アリサもひどいがすずかも凄いなあww
371名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 15:06:55 ID:gNtPF9V9
>>368
GJ! 続きも楽しみにしてる。
 
>>369
三点リーダは二つ同時が原則だから、間の違いの表現に使うなら
……
…………
だろ。
372名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 16:50:57 ID:JSjvr8t8
>>368
ナイス甘王道カップル!
でも普通プロポーズ時に渡すのって婚約指輪(右手薬指)じゃないのかと思ったり・・
左手薬指って結婚指輪では?教会とかで式の最中にはめ合う、みたいな
いや、結婚式のシーンで困らないかなーと思って。
37338 ◆oE6WQcfHkk :2007/06/29(金) 17:02:53 ID:9YzwIbSe
>>371
何故か…………には違和感が……。
長めの間空ける時には大体「〜……、……〜」って使いますね。

>>372
しょうがないでしょうプロポーズした事なんか無いんだからw
それに、結婚式って言っても披露宴ですし。
374名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 18:34:59 ID:LR6ys+Zv
>>371
それはあくまで縦書き紙媒体における見映えのために規律づけられたものだよ。
少なくともネットにはそんな「原則」はない。

問題にするべきは>>369が言ってるように「読者が違和感を覚えた」ことの方であって
二つ同時を 守らなきゃいけないor守らなくてもよい の方じゃないでしょ。
375名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 19:18:17 ID:Z39qGaOw
>>369 >>374
読者がケチつけるような部類の問題じゃないと思うけどなー。
「違和感を覚えた」からって……文法上明らかにおかしいとかそういった事例じゃないんだし
難癖つけているようにしか見えない。

個人的には>>369みたいな意見が出てくることのほうがビックリだぜ。


>>368
GJw 忍に美由紀、当時は9歳の子供だったんだから許してやれよw
376名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 19:37:34 ID:nWikmGlp
あれ?
ASドラマCD時点でユーノの正体って知られてなかったっけ?
377名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 20:15:26 ID:VS/uGxUo
>>376
アリサとすずかに知られていたのは確実だけど、高町家にたいしてはどうだったっけ。
378名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 20:16:49 ID:p9Lg2GgT
>>376
確かにA'sSS03で美由紀がもう正体知ってるような事言ってるけどそのくらいの設定の見逃しは許容範囲だろ
379名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 20:37:21 ID:Tff0UOUz
そーゆう時系列微妙なとこは避けて通るしかないのかなぁ…とドラマCDも小説もノータッチな人が言ってみる
380名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 21:06:20 ID:qRupvrd5
ユーノのリンディEND書いてるけど…
見たい人いる?シリアスつーか…ダークよりかもしれんが…
381名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 21:41:05 ID:ZHnTOpAu
斬新過ぎて見てみたい。
怖いもの見たさって奴かな…
3824の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:42:14 ID:b6ZNklD3

 ま…間に合った…らしいw
 独身最後の日の貴重な2時間をSS書きに費やすとは…
 何やってるんだろう、俺は orz

 えー、というわけで、フェイト×なのは(あれ?なのは×フェイトか?)、
 My White Angel後編です。
 時間空いてるから投下OKですよね?ね?(^^;)

 前回同様
 ・百合
 ・StSを見ていないため、(おそらく)相当な原作相違があります。
 に加え、
 ・フェイトにこちらで意図した重大な原作相違があります。フェイト派の方はスルー
 した方がいいかもしれません。

 を加えさせていただきます。
3834の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:44:21 ID:b6ZNklD3


   魔法少女リリカルなのは  〜 My White Angel 〜  後編


 〜 〜 〜 〜

 くちゅり、くちゅり、と
 私はなのはの股間を、なのはは私の股間を、互いの半身で攻めたてる。
 とろけるだけとろけた性器から、それでもまだ枯れる事を知らぬ愛液がこぷこぷと湧
き出、レイジングハートとバルディッシュに纏わり尽いて滑り光る。
「あんっ!はっ!な、なのはっ!も、もう、私っ!!」
「わたっ、しもっ!!ああんっ!!フェイトっ、ちゃっ!んんんっ!!」
 ちゅぽ、と、お互いの中にわずかに入り込んでいた半身を同時に抜き取り、なのはと
私は喘ぐ。
 初めては痛い、と聞いている。だから気遣うつもりで、先に私になのはを入れて、と
言ったのだが…

「フェイトちゃんずるいっ!私より先にロストバージンするつもりなんだっ!
 私フェイトちゃんと一緒がいいのっ!!一緒じゃないとだめぇっ!!」
 …本気で怒られた……

 というわけで、二人一緒にということで落ち着き、ようやくその瞬間を迎えようとし
ている。
「えと…じゃぁ、なのは……い…入れても……」
 なのはの下になり、バルディッシュを右手に、空いた左手で、なのはの秘唇をそぉっ
と割り開く。
「う…ん…私も…入れる、ね?」
 自分の股間から、なのはの声。その左手にはレイジングハートが握られ、そして……
私がしたのと同じように、なのはの右手が私の秘唇を割る。
「…うん…私、なのはに、あげたい……それから…なのはが…欲しい」
「私も……これで…本当に恋人同士になれるね、私達…」
「うん……」

 なのはの大事な所が目の前いっぱいに拡がって、なのはの匂いで辺り一面押し潰され
そうで…
 もう、考えられるのはなのはが欲しくて、ただそれだけで…
 なのはの愛液で滑るバルディッシュを握りなおし、その柄尻をなのはの入り口に押し
当てる。
 同時に私の股間にレイジングハートが押し当てられる感触。

「バルディッシュ…私の代わりに…お願い…するね…」
「Yes sir」
「レイジングハート…」
「I'm grad I could help」(お役に立てて光栄です)

 ブツン、っと音が、そんな音などするはずもないのだが、目の前と、自分の、2つの
ものが、確かに弾けた音が、耳に届いた。

「あぅぐああああぁぁっっっっ!!!!」
「ひっぎぃいいいぃぃっっっっ!!!!」

 その手に持つバルディッシュに確かな感触が伝わったと同時に、凄まじい痛みが股間
を襲う。
3844の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:47:12 ID:b6ZNklD3
 魔法でのダメージとは根本が異なる…
 防御の効かない身体の内側の、最も敏感たる部分に裂傷を伴う刺激を受けたのだから。
 最初の一声は止める事ができなかった。でもこれはなのはと一つになれた痛み。それ
を思えば、と唇を噛んでその痛みに耐える。


「なの…は……」
「フェイト…ちゃん……い…一緒に…なれたね…これで…私、フェイトちゃんの…もの
…だよね…」
 流れるなのはの涙に合わせるかのように、レイジングハートとバルディッシュに、2人
の初めての証が伝う。
「…嬉…しい…やっと…やっとフェイトちゃんと……」
「なのは…私も、すごく嬉しい…この痛みすら、なのはとの証だと思えば…」
「うん…でも…やっぱり痛いだけじゃイヤだよね…」
「んふっ!うぁぁぁっっ!!」
 つい、となのはが、レイジングハートに纏わりつく私の処女の証を避けるように、そ
の私の秘唇の上部に位置するクリトリスを親指の腹でなぞり上げる。
「ああっ!フェイトちゃん!!すっ!すごいっ!!フェイトちゃんがレイジングハート
を締め上げてるのがわかるっ!わっ、私にも感じるっ!!ああっ!これがフェイトちゃん
の膣(なか)なんだねっ!!あったかいっ!!フェイトちゃんあったかいよ!!」

 私とアルフ、その間で使われる、主と使い魔の間での精神の共有リンク。
 それを応用して、2人のデバイスそれぞれと私達をリンクさせた。
 デバイスとの精神リンク…こんな前例、聞いたことも、考えたことすらなかった。
 機械と人体とがそもそも刺激を共有できるはずなどない。
 でも…成功した。
 今の、私達2人…いや、4人 −いや、やはり2人と言ったほうが相応しいのか− の
絆がそれを成功たらしめたのだろうか。

「レイジングハートがっ!!レイジングハートが気持ちいいって言ってる!!フェイト
ちゃんのあったかいのを私に伝えてくれてるっ!すごぉぃっ!フェイトちゃんっ、のっ!
すごいよぉっ!!!」

 今、レイジングハートとバルディッシュは、自分を胎内で握りこむ私から受けた刺激
を私達の脳へとフィードバックしている。
 女性である私達にいわゆる男根たる器官はない。が、彼らはその刺激を擬似的に変換
し、未知なる器官の感覚を私達に送り込んでくる。

 耐え難い痛みの部分の付近。そのやや前部、本来なら何もない空間の「何か」を強く
強く握り込む感覚。
 それは破格の熱と快感を私に伝える。そして同じようになのはにも。
 目の前に迫るなのはの、私に貫かれたなのはの下腹部がびくびくと震えている。
 痛みと快楽とを同時に受け、知らず痙攣している。

 私と…同じように。

「なのはもっ!なのはもあったかい!!バルディッシュを…バルディッシュと私を握っ
てるっ!!熱いっ!!なのはの中、熱いよっ!!!!!!」
「フェイトちゃんごめんなさいっ!!わたっ、しっ!!がっ、我慢できなっ!んんっ!!」
「うぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
3854の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:48:34 ID:b6ZNklD3
 言うなり、
 なのはがその手に持つレイジングハートで私の秘唇を突き始める。
「やっ!!!なっ!!!なのはっ!!!いたっ、痛いっ!!!!痛いのぉっ!!!!!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!でもっ!ああっ!!うっ、動
かす度っ、にっ!フェイトちゃんがっ!!!ああぁっ!!!しめっ、締め付けっ!!!
うぁぁっ!!きっ、気持ちいぃぃぃっっっ!!!!」
 裂けた傷がさらに広がる痛みが私を襲う。
 その血をも潤滑油としてなのはは私の中をえぐる。
 大きく、時に小さく、ぐりぐりと私の中に突き入れ、抜き出し、
 突き入れたレイジングハートの先端が私の奥を、子を成す命の器官の入り口を攻める。
「なのはっ!!ダメぇっっ!!許しっ!やめっ!! ひああぁぁぁぁっ!!!」
 止めて、と言いかけた私の言葉は突如快楽の声に変わる。
 そしてなのはの口からは悲鳴が。
「ひぃっ!!うあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」

 バルディッシュが、私の手の中で、私を助けるかのごとく、自らその身を震わせ始めた。
 そしてその身をなのはの中に潜り込ませ、その奥底。なのはの子宮口にバイブレーション
を送る。

「ああああああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!!ひぃぅあぁぁぁっっっ!!!!」
「ああああああっ!!!なのはっ!!!あっ、ああああっ!!きっ!きつっ、いっ!!」

 子宮の奥底の震えが、突き抜ける快楽が、なのはの膣を激しく収縮させる。
 その刺激はバルディッシュを通して私の頭の中に入り込み、なのはに、レイジングハー
トに貫かれる痛みを、あっさり快楽へと転化させる。

「いやぁぁぁっ!!なのはっ!!なのはっ!!なのはなのはなのはなのは!!!!!!
気持ちいいっ!!なのはの中っ!!!すごく気持ちいいっ!!!いやぁ!変になるっ!!
なのはの中に吸い込まれるぅぅぅぅっ!!!!!!ああっ!!あああああぁぁっ!!!」
「あああああああっ!!フェイトちゃんがっ!!私をまた締め付けてるぅっっ!!!!
すごぉぃっ!!!フェイトちゃんのすごぉぃっ!!熱くてすごぃっ!!溶けちゃうっ!!
私もレイジングハートも溶けちゃうよぉっ!!!」

 いつの間にか、なのはと同じように、私はバルディッシュをなのはの中に激しく突き
入れていた。
 バルディッシュと同じように、レイジングハートはその身を震わせ、私の身体の奥の
奥に快楽を叩き込んでいた。

 いつしか、いや、とうの昔に痛みは消え、あるのはただお互いの身体の中の熱さと、
そして快楽のみ。
 もはや無意識のうちに、私は震えるバルディッシュをなのはの中に激しく出し入れし、
なのはに震えるレイジングハートを激しく突きこまれる。
3864の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:49:42 ID:b6ZNklD3

 視覚は互いの愛液で滑り光るお互いの秘唇だけを映しこみ、
 聴覚は互いの艶声のみを取り込み、
 嗅覚は互いの秘部からの色濃い匂いに埋め尽くされ、
 味覚は互いの秘唇から溢れる愛液以外を感じ取るのを止め、
 触覚は触れ合う肌の暖かさ以外の温度を排除し、

 お互いが、お互い以外の全てを排除し、
 私達は、
 一つになり、
 白い白い頂へと……

 〜 〜 〜 〜

 それから…約1年。

 私達は何をするにも一緒だった。所属の異なる管理局での仕事以外はほぼ一緒だった
と言っていいだろう。
 学校でもずっと一緒、家でもほぼ毎日必ずどちらかがどちらかの家に訪問し、寝食を
共にした。
 時にふざけ合い、時に親身に話し、そしてほぼ毎夜、私達は求め合った。
 お互いの身体を、お互いの心を。

 つきあいの長いアリサとすずか、それにはやてにはあの夜の次の日にいきなり、

「何かあったでしょ、あんた達!」
「いつもの近づきたいけど近づけない「遠慮の距離」が無くなってるよ!」
「あたし達の目は誤魔化せへんで、さぁ、何があったか言ぃや!」
 …いとも簡単に見抜かれてしまった。

 でもそれ以外の周囲の人達には、私となのはの関係を公にしていない。管理局の人達
にも、互いの家族にすらも…
 だってそれは…やっぱり…道に反する行為だから…
 なのはを愛している気持ちは揺るがない。たとえ何が、どんなことがあったとしても。

 …でも……

 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 カチャン、と鍵を回すとロックの外れる音。それに合わせて、
「はぁ……」
 またも、深い、ため息。

 ドアノブを掴み、ドアを開ける。目の前に広がる玄関の光景。
 靴を脱ぎ、リビングへ。
 リビングのテーブルの上には書き置きが1枚。
 それを取ろうと手を伸ばすより前に、大きく書かれた文字が目に入る。

「今日はユーノの手伝いで無限書庫に行ってるよー   アルフ」
3874の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:51:48 ID:b6ZNklD3

 アルフは…ユーノのところか…
 出かける前に念話でもすればいいのに、最近のアルフはそうしない。
「ほんのちょっとでも、フェイトの負担になりたくないじゃないか」
 そう言って最近は精神リンクを切っていることも多い。
 寂しくない、といえば嘘になるけど…でもアルフはアルフで楽しそうにやってるし、
それにアルフは私となのはの事を知っている。アルフなりに気を使ってくれている結果
だということだろうか。

 …時々は…話を聞いてほしい時も……あるんだけどな……

 伸ばしかけた手を引っ込め、ふと視線を上げると、テレビの上に置かれた写真立てが
目に入る。
 ちょっと前まで、そこには少し古い写真が入っていた。
 私が母さん…あの頃はまだリンディさん、って呼んでたっけ…の正式に養子になって、
この家にやってきて少ししてから。
 はやてと出会うきっかけになった、闇の書事件が終わって少しした頃、みんなで撮っ
た写真だ。
 母さんと、クロノと、私とアルフがその中で笑ってた。
 でも今の写真は、その中に新たな1人が加わっている。

 − エイミィ −

 止めろとでも言いたげな顔のクロノの腕に自分の腕を絡め、Vサインを作りながら、
とても幸せそうに笑ってる。
 もうすぐ結婚する2人の姿を私は見つめる。

 …エイミィと…クロノ…
 エイミィは女の人…そしてクロノは男…

 …なのはのことは好きだ。許されるなら、このままずっと、なのはと一緒の時間を過
ごしたい。一緒に起きたり、一緒にご飯食べたり、一緒にお風呂入ったり、一緒にTV
見て笑ったり、一緒に寝たり、そんななんでもないような普通の時間をなのはと一緒に
過ごしたい。
 それは結婚した夫婦ならごくごくあたりまえのこと。愛し合う者同士は、結婚して新
たな家庭や絆を作っていく。
 望めるなら私はなのはとそうなりたい。

 でも、なのはの世界…ううん、ミッドチルダでも同姓婚は認められていない。

 結婚して、家庭という名の新しい世界を作れるのは男と女。異性の間でのみ与えられ
た特権…。

 私も…なのはも…女…。

 …ここ最近の溜息の理由が頭をもたげてくる。

 《 いつまで…私はなのはと一緒に居られるのだろうか?… 》
3884の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:52:45 ID:b6ZNklD3
 同姓間の恋が認められない以上、私となのはもいつかは終わりが来る。
 はたしてそれは…もしかしたら明日かもしれない。
 なのはとの愛を確かめ合う度、肌を重ねる度、なのはには決して言えないその不安は、
私を押し潰さんと、日々胸の中で大きくなっていく。

 …やっと通じ合えたのに…どうしてこんなに心が苦しいんだろう…
 …どうして私は男じゃなかったんだろう…

 考えても考えても答えの出ない不安の塊。

「…なのは…」

 いっそのこと好きにならなければよかったと考えた途端。不安は涙へとその姿を変え、
足元のカーペットにぽつんと黒い染みを作った……

 〜 〜 〜 〜

「フェイト・T・ハラオウン。入りま…」
「ロッサ、前にも言ったろ、戦艦の駐留部隊に飛べない人間をよこしてどうしようって
言うんだ、君は」
 アースラのブリッジに入った私を出迎えたのは、珍しいクロノのちょっと苛立った声
と、憮然とした表情だった。
「あ、フェイトちゃん。お疲れさ…じゃない、今出勤だっけか、あはは」
「おはよ、エイミィ。クロノ…どうしたの?」
 本来なら艦長であるクロノに挨拶してから執務官席に付くのが常套だけど、今日はま
ずエイミィに歩み寄る。

『嫌な事言ってるのは承知の上だよ。でもまぁ、僕としても全ての艦に連絡取って確認
しないといけないんだよ。全艦長全て、君が今言ったのと同じような受け答えをしまし
た、って局の上の方に報告するためにね。
 ま、社交辞令だと思ってくれたまえよ。答えの分かりきった事を確認しなきゃならな
い僕だってけっこう辛いんだよ?これが』

 あの2人…私が覚えてる限り随分仲良かったはずなのに…ヴェロッサの前でクロノが
あんな顔するなんて、初めて見たかも…。

「艦隊駐留部隊に飛行魔法を持ってない陸士からの人間を入れる入れない、って話みた
いだよ」
「え、あの話ってそんなことになってたの?」

 最近。
 時空管理局には入隊希望者が結構多いらしい。
 それ自体はもちろんいいことだし、来る者を拒んでたら組織が成り立たない。でも魔
力資質というのは人により大きく差がある。
 強い魔力を持った人というのは当たり前だけど結構まれで、最近入隊してくる人達は
総じて魔力があまり大きくない人が多いらしい。
 もちろん、局員が増えるということはそれだけ戦闘要員が増えるのは当たり前で、実
際、私やなのはが局に入った頃に比べたら、部隊の数だけ言えば、その数は3倍にもなっ
ている。
 数だけで烏合の集かと言われればとんでもない、魔力値の大きさは確かに戦闘を左右
する重要な要素ではあるが、全てではない。
3894の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:53:27 ID:b6ZNklD3
 戦術である程度の魔力の差を埋める事は十分可能だし、はやての魔法や、シグナム・
ヴィータのデバイスを素に確立された近代ベルカ式と呼ばれる魔法形態及びデバイス。
 簡易ながら、もちろんデバイスにはカートリッジシステムが組み込まれ、魔力不足を
補うと共に、威力も旧来のミッド式と比べて遜色ない。
 管理局にも新しい風が吹き始めるかと、一様に期待は高まった。

 でもここで一つ問題が発生した。
 私やなのはを含め、クロノ、はやて、シグナム始めヴォルケンリッター達、ユーノや
アルフ、ひいてはアースラの駐留部隊に至るまで、私の知りうる「魔法を使える人達」
がごくごく普通、基本とも思えるように扱っていた一つの魔法。
 それが新規入局の隊員達にはほとんど備わっていなかった。さらに使えないなら覚え
れば、と思ったが、なんとそれも叶わなかった魔法がある。

 飛行魔法、である。

 空を飛ぶ魔法。私がリニスに教わった魔法の中でもごく初期の魔法にあたる。なのは
もかなり早い時期に飛べるようになったと言っていたし、ヴォルケンリッターのみんな
も覚える間でもなく、最初から飛べたという。
 だから飛行魔法というのはむしろ魔法の初歩だ、と私は長い間思っていた。
 実際、隊員が増加し始める前の管理局の魔道師で、飛行魔法が扱えない者など皆無に
等しかったのだから。

 私の考えを文字通り否定するように、ここ数年の新規入隊者で飛行魔法が扱える者は
全体の3割にすぎず、結果、時空管理局はやむなく部隊編成を大きく3部隊に分けるこ
とにした。

 はやて達の所属する、地上での任務を主とする「陸戦部隊」。
 アースラ等の戦艦を基とした、−艦−にあやかった「航行部隊」。
 そしてなのはの所属する、空戦を主体とした「航空部隊」。

 当然ながら空を飛べない魔道師は陸に配属されることになる。
 現在、時空管理局の陸海空の部隊比率は空隊を1とすると、5:2:1の状況だった。

 上層部の中には部隊間の格差が広がりすぎるのを危惧して、状況を改善しようとする
動きがある、とは聞いていたが…まさか飛べない人間を艦隊部隊に配属しようなんて…

「なにかしらの飛行サポートデバイスが開発中、とは言ってたみたいだけど、それでも
自力で飛べないとなると…色々問題だと思うんだけどねぇ」
「…そうだね、戦闘中に他人のことまで気遣える余裕なんてそうないだろうし…」
 そうだよね、と2人顔を見合す間にクロノの話も佳境を迎える。

「わかった。とりあえず今日の巡航は他の艦隊に任せる。確認を取るまでもなく、海の
総意は「No」だとこちらから直訴する。すぐにそっちへ行くから待っててくれ」
『助かるよ、やっぱり君に最初に話して正解だった』
「いっておくが貸しだからな」
『もちろん。今度一家まとめてディナーに招待するよ。勿論、美しい婚約者もご招待だ』
 言ってろ、とクロノは通信機の前で鼻を鳴らす。
『じゃ、待ってる。1時間後で?』
「ああ、了解した」
3904の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:54:37 ID:b6ZNklD3

 ぶつ、と通信機のスイッチを切ってクロノはふぅ、と息を吐く。
 エイミィに視線を送ろうとして一緒にいる私にも気づく。
「すまない、エイミィ、フェイト。そういうわけで今日の巡航は中止だ、各隊に連絡し
ておいてくれ」
「りょーかいっ。んじゃ今日は遅くなるね、きっと」
「ああ…その…すまない。埋め合わせはきっとするから」
「ふふっ、期待せずに待ってますよ」
 クロノの言葉に、さしたる落胆もなさそうに、エイミィは通信パネルを展開させる。

 私が同じ立場だったら…きっと目に見えるくらい落胆して…相手を……なのはを心配
させちゃうんだろうな……すごいな…エイミィは…なんだか大人の女性って感じ……

「フェイトもすまない。少しエイミィを手伝ってくれれば、今日はもう上がっていい」
「うん、わかった。クロ…艦長も無理をせずに」
 ありがとう、と手を上げると、クロノは艦長席を立つ。
「じゃぁ、すまないが行ってくる」
「いってらっしゃい、あっと、クロノくん。わかってると思うけど」
「ん?」
 言葉に引っ張られるように、歩きかけたクロノはつんのめる。
「3倍返しだからね」
「……いってくる…」

 前言…少しだけ撤回…。

 〜 〜 〜 〜

「エイミィ、今日も家に来るの?」
「お邪魔じゃなければそうしますよー。早くリンディ提督の料理の味をマスターしない
とねー」
 艦での仕事にキリを付け、私とエイミィは転送ポートへと向かう。

 最近。ほぼ毎日のようにエイミィは家に来る。というか既にクロノの部屋にはベッド
が2つ置いてある状況だ。
「そっか、うん、私も手伝うよ」
「それは心強いですなぁ。かわいい義妹に手伝ってもらえるなんてあたしゃ幸せ者だよ。
そのうちお礼するからね」
「ふふっ、いいよ、そんなの。2人が楽しそうだと私も嬉しいし」
「そう?じゃぁ、何か困ったことがあったらすーぐ私に言いなさい。クロノくんなんか
よりよーっぽど頼りになるから」
 どん、と胸を叩き、エイミィは仰け反る。
「あ……」

 一瞬、頭をよぎるなのはの笑顔。

 でも…それを口にするわけにはいかない…
 …それは…どう考えても答えの無い物なのだから。

「ん?どしたの?」
「えっ?あっ、う、ううん、な、何でも…ない…」
 そう?とまだ何か言いたげなエイミィから逃げるように、私はたどり着いた転送ポー
トに行き先を設定する。
3914の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:55:33 ID:b6ZNklD3
「行こう、エイミィ」
「あー、ああ、う、うん、そうだね」

 一瞬の浮遊感の後、視界が遮られ、次の瞬間には見慣れた我が家の風景。

「じゃぁ、着替えてくるね」
 そう言って自室へと駆け出そうとした私を声が止める
「フェイトちゃん…」
「ん?」
 振り向いた私が見たのは、射すくめるようなエイミィの視線……いや、エイミィが私
をそんな目で見るなんて…ないとは思うけど…
 なぜかその視線が怖くて、私は知らず身震いする。

「…ごめん、クロノくんにはフェイトちゃんが話してくれるまで、あんまり干渉しない
ように、って言われてたんだけどね…」
「?」
「…私じゃ頼りにならないかな?」
「えっ?」

 主語が欠落したエイミィの物言いに私は首を捻る。

「私でいいなら聞くよ?フェイトちゃん、何か心配事でもあるんでしょ?」
「え…そんな…別に…そん…」

「…なのはちゃんとのことで」
「っ!?!?」

 どん、と、後ずさった私は壁に止められる。

 …今…エイミィは…確かに…呼んだ…なのはの…名前を…
 エイミィは…気付いてる!?…私となのはの事…を…
 あの視線は…そういう…事?…

「ごっ、ごめん、そんなつもりじゃないんだよ。ただ…最近フェイトちゃん溜息ばっか
りついてるから、なのはちゃんとうまくいってないのかな、って勝手に思っただけなの、
ち、違ってたらいいんだよ。ま、まぁ、あはは、フェイトちゃんとなのはちゃんが喧嘩
なんかするわけないか、あはははは、ごめんごめん、忘れ…」
「違うのっ!!!なのはは悪くないのっ!!!私が勝手になのはの事を好きになっただ
けで!違うの!!悪いのは私なのっ!!!なのはは関係ないのっ!!!」
 エイミィの言葉途中で私はエイミィにすがりつき、必死に弁解する。
3924の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:56:18 ID:b6ZNklD3

 いつか…は、思いのほか早くにやって来た…
 前から決めていた通り、事が公になったとき、罰を受けるのは私だけでいい。
 私が勝手になのはを好きになって、なのはは優しいから私の我がままを聞いてくれて
ただけで、私達はそんな仲じゃない。勝手に私が一方通行な想いをなのはに強いてただ
け…そう、それでいい。

「…私が悪いの…だから…お願いエイミィ、なのはには…なのはには何もしないで…私
が全部…全部悪いんだかっ、?!………」

 必死にエイミィに訴えかける私の頭にぽすんと、掌の感触。
 驚きエイミィを見上げると、エイミィはそのままよしよしと私の頭を撫でてくれる。

「…いいんだよ、フェイトちゃん。嘘付かなくても」
「う、嘘じゃないよ!なのはとはなんでもないんだから!!」
「…なんでもないなら…そんな悲しそうな顔で、涙まで流したりしないよ、フェイトちゃん」

 はっと気が付くと、確かに私の頬には涙の感覚。
 あわててそれを擦り上げるも…もう…遅い…

「それに…クロノくんも、リンディ提督も…私も…みんな知ってるから。なのはちゃん
とフェイトちゃんのこと…」
「?!」
「あー、驚かなくていい、驚かなくていいから」
 ばっとエイミィから離れ、その拍子にまたしても壁に背中を打ちつける私をエイミィ
はまぁまぁ、と諭す。
「1年くらい前、からだよね?急になのはちゃんが泊まりにくることが増えたし、フェ
イトちゃんがなのはちゃんの家に行くこと多くなったし。普段だって必要以上にべった
りだし、それに…駄目だよ、毎回毎回あんな大っぴらに消音結界なんか張ってたら、魔
法の使えない私にだって何かしてるってわかっちゃうよ」

 ぼっ、と私の頬に血が上る感覚。きっと相当真っ赤な顔がエイミィの前に晒されてい
ることだろう。
 でも、エイミィの顔も…赤い……エイミィの頭の中で、私となのはが……

「そそそ…そん…そん…な…こと…」
「あー、あぁ、ま、まぁ、なんだ、それはまぁ、いいとして…」
 咳払いで言葉を濁すと、エイミィは頭をほんの少しだけ下げ、私と目線を合わせる。
「だから、何か悩んでるなら、聞いてあげるよ?…その反応だと、ケンカしたとか、そ
ういう些細な問題じゃないんでしょ?」
「……」

 信じて…いいのか…わからない…それに…
 …どのみち言っても答えは…出ない……
 でも私の口から出たのは「何でもない」ではなく…

「…なのは…が…好き……」

 助け、を、求めていたのだろうか…

 …底の見えない沼地に足を踏み入れてしまった人間が、目の前に現れた、1本の細い
細い糸に、無駄と知りつつすがろうとするように…

 私はエイミィという名の糸に一筋の光を求めた。

「…フェイトちゃん…」
 私の名を呼んだエイミィに、がば、とすがりつく、そのまま壁にエイミィを押し付け、
内の溜まり込んでいたものを私は一気に吐き出す。
3934の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:57:33 ID:b6ZNklD3
「なのはが好き…好きなの…ダメだって解ってても抑えられないの、なのはと一緒に…
なのはと一緒に居たいの!好きって言いたい!愛してるって言いたい!ずっとずっと、
ずっとずっといつまでもいつまでも一緒に居たいの!!!
 どうして?!どうして私にはそれができないの?!なのはを好きになるのがそんなに
いけないことなの!!
 どうして女だといけないの!私なのはが好きなんだよ!!なのはだって私のこと好き
だって言ってくれたんだよ!!どうして?どうして一緒にいちゃいけないの?!
 私なのはのためだったら何だってできるんだよ?ほんとだよ、何でもするよ!死んだっ
ていいんだよ!なのはがそれを望むならっ!!!」

 ずず…と、瞳から落ちる涙に合わせ、私はその場に崩れ落ちる。エイミィの肩を掴ん
でいた手も、それに合わせずるずるとエイミィの腕を滑る。
 エイミィにその手を掴まれ、膝を付いた私は、流れる涙をぬぐうこともできず、ただ、
泣いた…
「フェイトちゃん…」
 そのまま、2人はどう動くこともできず、私は泣き、エイミィ下を向いては小さく私
の名前を呼ぶことしか…できなかった…

 どれほど…後か…
 数分?数十分?
 私はエイミィの手を解き、残る涙を服の裾でぬぐう。
 それでも立ち上がることはできず、見下ろすエイミィの視線を背中に感じながら、
 ぽつ、と私の口から言葉が漏れる。

「…どうして…私…女なのかな…」

「…誰かに…何か言われたの?女同士だから、とか」 
 私はエイミィの問いにふるふると首を振る。
「…そうじゃない…けど…女の子同士じゃ…一緒に居られない、から…」
「…そう…だね…」

 エイミィには…悪いけど…やっぱり…

「…いくらフェイトちゃんがなのはちゃんのこと好きでも…」

 …これは誰に話しても…

「……そんな簡単に…男になる決心なんか付かないよね…」

 …どうにかなる問題じゃ…




     っ?!




「ちょっと待って!!!」
3944の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:58:29 ID:b6ZNklD3
「うひゃっ!!」
 思わず上げた大声と、いきなり跳ね飛んだ私に、エイミィが驚き後ずさ…れず、壁に
邪魔されへばり付く。
「あ…ご、ごめんなさい…」
「そ、そんな大声出さなくても聞こえるよ、フェイトちゃん」
「ご、ごめんなさ…そ、そうじゃなくて!!エ、エイミィ今なんて言ったの?!」
「え?」
「だ、だから!わ、私が男に…って…」
「え?だからフェイトちゃんがなのはちゃんの事好きでも、男にまでなる決心はつかな
いのかな、って」

 どかん、と頭をハンマーで殴られたような衝撃が走る…

 ゆっくり、と伸ばした手で、エイミィの両肩をがっしと掴む。
「お……」
「お?」

「男になれるの?!私?!?!」
 迫力に押され、逃げようとするも私に両肩を掴まれ、それのできぬエイミィは、頭だ
けを私から遠ざけながら口を開く。
「い、いや…男になれるっていうか…ど、同性愛は認められてないけど、性転換魔法で
性別を変えての婚姻とかは認められてるでしょ?」
「性転換?!な、何それっ?!」
「え?知らないの!?フェイトちゃん?!」
 私同様にエイミィの驚きの声が上がる。私は新たな魔法の存在に、エイミィはなにゆ
えその知識が私から抜け落ちているかのことに。
「し、知らないよ!そんな魔法!!」
「へ、変化の魔法の応用だよ。そりゃ未来永劫ってわけにはいかないらしいけど、定期
的に魔法をかけ続ければいいだけの話だし」
 お互いがお互いにくってかかる。意思の疎通などあったものではない。
「だ、だってそんなこと誰も教えてくれて…リ、リニスだって結婚できるのは男の人と
女の人だって…」
 私の脳裏にかつてのリニスが教えてくれた言葉が蘇る。

 〜 〜 〜 〜

「結婚?」
「そう、愛し合う男性と女性が生涯を共にする、という誓いです。人はこれをもってし
て過去から現在までの時を作り上げていったのです。愛し合う男女は子を成し、新たな
る命を創造し、そしてその子がまたパートナーとめぐり合い、新たな命を作っていく。
人の歴史はこうやって作られていったのですよ」
「……それは…母さんも?」
「そう、プレシアもまた、愛の名の下に、フェイト、あなたを授かったのですよ。あな
たが今ここに居るのも、ひとえにプレシアの愛のおかげなんです」

 〜 〜 〜 〜

 言ってない!リニスだってそんなこと一言も言ってなかったっ!!!

「だからそれで合ってるよ、異性間でしか結婚は認められてないんだから。多分リニス
さんは教えられなかったんじゃない?あ、いや…普通に考えたらそういうイレギュラー
は教えないものじゃないのかな。同姓同士は性転換すれば結婚できる、なんて事。
 んー、その、応用知識っていうか裏技って言うか…暗黙の了解みたいなもの?じゃな
いのかな」
3954の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 21:59:26 ID:b6ZNklD3
「そ…そんな…」

 じゃ…じゃぁ…私が今まで…悩んでたのは……一体…

「別に、性転換自体は悪いことじゃないよ?ミッドの婚姻者の0.5%は「元」同姓同士
なんだから」
 どがぁん、と今一度ハンマーが。エイミィの言葉に私は再び打ちのめされる。
「そ、それって…えと…0.5%だから…に、200組に1組が…」
「そういう計算になるねぇ……フェイトちゃんは未成年で、なおかつなのはちゃんって
いう相手の存在があるから…えーと、確か…相手、それから双方の親の承諾、それから
3名以上の保証人が居れば、16になれば法的に性転換できるよ。あ、年齢的にはもう
すぐクリアだね」
 承諾、と年齢…はともかく、場違いにも聞こえる単語の一つを私は聞き返す。
「ほ、保証人、って…何?」
「あ、えーっと、確か…んーっと、この場合だと、フェイトちゃんが男になることに…
んーっと、簡単に言うと賛成してくれる人、みたいな感じかな?
 フェイトちゃんが性を変えることによって、確かにフェイトちゃんにもなのはちゃん
にも有益です、みたいな事を証明してくれる人のこと」
「そ…それだけ…で?…」

 それまでだった。
 身体中から力という力が音を立てて抜け落ちる。
 もはや立つことすら叶わず、文字通り私はその場にがらがらと崩れ落ちる。
「うわっ!!フェイトちゃんっ!!」

 遠くなる意識の中、何か叫んでるエイミィの声ももはや聞き取れない。

(なのは…喜んでくれるかな……喜んでくれると…いいな…)

 眼前に近づいてくる床にすらなのはの顔が写る。
 その唇に触れ合うように、私は満足げな顔で、とても満ち足りた顔で、
 床に倒れこんだ。

 〜 〜 〜 〜

「しっかしまぁ…フェイトも思い切ったわよねぇ…」
「アリサちゃん、もう20回目だよ、それ」
「わかってるわよぉ、でも言わないとやってられないじゃないのよ」
 歩きながら、何度も何度も同じ台詞を繰り返すアリサに、すずかと一緒に苦笑する。
「アリサやすずかに相談しなかったのは、悪いと思ってる…でも…2人で決めたから」
「あー、はぃはぃ、ごちそうさまです、ごちそうさまです。
 ………まったく…そんな裏技があるんなら私だってなのはと…」

 …聞こえてるよ、アリサ…
3964の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 22:02:09 ID:b6ZNklD3
「ごめんね、アリサ。抜け駆けかもしれなかったけど…でも…対等な立場だったとして
も…アリサにも…他の誰にも負けない自信、あるから」
「うっ、くっ…い、言うじゃない、フェイト…」
「なのはを一番愛してる自信、あるから……あ…でも……」
「何よ?」
 横でくすくすと笑う「彼女」にちら、と目を向ける。
「なのはを取られない自信はあるけど……多分、そのレースにアリサは参加できないと
思うな」
「は?何よそれ?」
「何でもないよ、アリサちゃん、さ、それより着いたよ」
 代わりに言葉を続けたすずかがアリサの腕を引っ張る。
「ちょ、な、何よそれ、ちゃんと言いなさいよ、ちょ、引っ張らないで教えなさいよ、
すずかー」
 何でもない、何でもないと連呼しながら、すずかはアリサの手を取り、彼女をドアの
前へと引っ張る。
 ぶつぶつと言いながらも、アリサはひときわ大きなドアの前に立つと、中央を避け、
左側に移動し、ノブに手を掛ける。
 すずかも同じように右側に陣取り、ノブを握った。
 ドアの前に立つ左右の友人に一度づつ視線を送り、改めてドアに視線を向ける。
 こくり、と頷くと、彼女達はその手に力を込めた。

 ぎっ、と少し重い音を立ててドアが開かれ、光が降り注ぐ。

 白い白い、白い光の中、純白の衣装を身に纏い、白い花束を掲げ持ち、
 口紅と、半身と呼べる首元の「彼女」の2つの赤さをきらめかせ、

 椅子に座っていた天使は、こちらの姿を確認すると、隣に立つはやての手を借りて、
ゆっくりと立ち上がった。

 1歩1歩、歩を進め、天使の前に立つ。

「…もう…フェイトちゃん、って呼べないね…」

「そうだね…なのはは、私、いや……

 僕のものだから」

「…はい……あなた…」


 鳴り始めたチャペルの下、そっと差し出した手に、白い天使の手が重ねられた…


   魔法少女リリカルなのは  〜 My White Angel 〜  Fin

3974の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/06/29(金) 22:11:21 ID:b6ZNklD3
 フェイト男性化です。フェイト派の方々が見ていないことを祈ります…

 StSを見れてないので、せめても、と星空のSpicaを買いにいったら「愛 am BEST」を
合わせて買っていたのがもう一ヶ月程前。大塚愛かわいいよ大塚愛w
 「星空のSpica」と「さくらんぼ」と「プラネタリウム」と「カルビ」をリピートさせ
ながらこのSSを書き始めたのがはるか昔のようです。

 当初の方向性とはずいぶんかけ離れましたが…
 百合は描写が難しいですね…無理矢理一人称にも挑戦しましたし…

 あと某所でなのはSSの投票ランキングやってるんですね…
 …保管庫内の作品もいくつか…自分のが入ってるのにどえらい驚きましたがw
 自分の一押しの「ラブレター」も入ってたので投票しようとしたらエラー吐きやがった………

 ああ、ていうかもう時間ない。これでしばらくここ離れます。
 またいつかそのうちに、お会いできたら…
 それまで、なーんとなく覚えててくれたら、幸いです。

 書きかけの「もう一人の私へ…」はいつか必ず終わらせますので…
398名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 22:21:27 ID:WPPGbiYa
>>397 マジGJ なのフェイ最高。
 フェイト派だがあくまでも性転換 '魔法' なんでセフセフ これがモノホンの性転換なら待ったかけるけど。
 超えられない壁の乗り越え方みたいな感じの話で良かったです

 以前自分も二人の結婚話書いた事あるのですが、その時はミッドチルダでは
 ・同性婚有り
 ・満14歳以上
 にしてそこらへんの問題はスルーしてましたなぁ・・・・
399名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 22:26:50 ID:ZHnTOpAu
>>397
明日は挙式だというのになんという執念…
すばらしかった!!!GJ!!!

いつ帰ってきても、俺らはあなたの作品を歓迎する!
400名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 23:27:21 ID:7xZ/2pCj
>>397
なのはとフェイトが結婚するなら何でも良いですよ。GJ!

>>398
その設定、絶対読んだことあるのに、何処のか思い出せないorz
401名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 23:35:05 ID:sALZMtDG
>>4の422様
結婚寸前ですら
合間を見つけて書き込む貴方に漢の生き様を見た!
超GJ!
402名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 23:49:21 ID:s1Y39Wgl
>>397
まさか自伝ではあるまいなw(ぉ
403名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 23:54:57 ID:JEKrniLL
結婚直前だというのにまったく恐ろしい人だ
404名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 00:42:38 ID:e9ZGOiNK
>>397
設定違いってミッドじゃ同姓婚は認められてるって事なんですかね…?
とにかく面白かったですギガGJ!
某所のなのはSS投票ランキング…?マジどこですか…(ッ…て聞いちゃまずいのかなw)
あ、ご結婚おめでとうございます、おっと、でも新婚のろけはここで書いちゃダメですよY談スレなんだからw
405名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 00:46:11 ID:OqjxCzC5
>>404
なのはポータル行けばすぐ分かる。
406名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 00:55:18 ID:e9ZGOiNK
>>405
ホントだ、即レスdです、マジありがとう
407名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 00:58:06 ID:mmE2sA71
これだけは言わせてくれ

マジGJ!!
408名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 01:15:26 ID:3B4tgR2D
>>405横からだがサンクス。
つか「三次創作」ってなんだ?
409名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 01:27:11 ID:OqjxCzC5
二次創作の二次創作
410名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 01:27:32 ID:lK22J5R5
>>408
二次創作の設定を元にした創作……だったはず
本人じゃなくて他人が書いた場合の名称だったと思うが
411名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 01:27:35 ID:dtuSVImO
2次創作で使ったオリキャラメイン(orオンリー)で作った話のことじゃね?
リーヴォさんの「夜天の誓い」→「風の系譜」→「エレナとナイツ」みたいな。
412名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 01:34:24 ID:3B4tgR2D
>>409-411
エロパロスレの住民の俺が言うのもなんだが業の深い世界だなあ・・・
413名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 01:36:35 ID:k+X5iTab
まあある意味リリカルなのはも二次創作といえなくもないんだから、その辺は広げ安い気がしないでもない
414名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 01:47:35 ID:R7dMJrpc
いつの間にやらもう400kb越え…
最近の加速ぶりはすさまじいものがあるな
415380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/06/30(土) 01:51:20 ID:pHZMol6/
リンディEND書いてるものです。
ダーク系にすると甘いナノユーをぶっ壊しかも知れないので、
保留にしました。
一応書き終わったので投下します。
    注意書き
・CPはリンディXユーノです
・ちょっとだけエロがあります
・最後に脇役キャラとしてオリジナルのキャラ(*1)が出ます。
 (*1・メインキャラにはなりません、話の補助をするのに出ます)
以上です。駄目な方は飛ばして下さい。

416380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/06/30(土) 01:59:10 ID:pHZMol6/
書き込めない…
417名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 02:13:44 ID:sN76uOef
>>416
どうした?規制でも食らったか?
まさか1レスの分量が多いとかそういう初歩的なものじゃないだろうしなあ
418名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 02:15:07 ID:3B4tgR2D
ああ、サイズの問題かと思って新スレ立てたのは早とちりでしたか(´・ω・`)

☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第二十話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1183136648/
419名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 02:20:13 ID:R7dMJrpc
>>418
500kbまでおkなんだぜ?
というか早とちりの上に、テンプレが最新のものじゃないな
前スレも最後まで見てようよ
420名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 04:27:01 ID:BjHGJ45l
>>4の422様
何から言えばいいのやら・・・
まずはGJ!ディ・モールト・ベネ!
独身最後の時間すらSSに捧げたその行動に敬意を表する!!
フェイなの好きな自分にはクリティカルヒットでございますぞ御館様ァ!
ありがとうございました!!

それと、早漏乙・・・400k台で次スレは流石に早すぎだろ・・・
421名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 05:21:13 ID:I4QJQ4Sx
>>369
SS乞食なのに偉そうですね
42238 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/06/30(土) 10:02:33 ID:rWfNH8R5
文句系はスルーの方向でいいんですか?

>>376
orz
ドラマCDとか今まで一回も買った事が無いんですが……orz(STSのは買おうとしたが、売ってなかったorz)

とりあえず、結婚披露宴、開会です。
42338 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/06/30(土) 10:03:37 ID:rWfNH8R5
act.7 エイプリル・ブライド

「……うわあ……」

なのはを見て、控え室に入って来たリインフォースは、感動したような溜息を吐いた。
ボディラインを必要以上に隠さないようにした純白のウエディングドレスが良く似合っていて。
いつもはサイドテールに纏めてある髪を、そのままストレートに後ろに流す。それだけで印象ががらりと変わって。

「凄いです! 凄くきれいですよ、なのはさん!」
「にゃはは……そ、そう?」

はしゃぎ回るリインフォースに、なのはは照れたように笑う。
と、ウエディングドレスの調整をしていたシャマルもにっこりと笑った。

「大丈夫、自信持って、……凄く綺麗よ?」
「は、はい!」

そう励ますようにシャマルが言うと、なのははようやくいつもの笑みを取り戻した。
と、そこにフェイトとはやてが入ってきて、二人とも目を丸くした。


「……うわ……」
「……はー、化けたなー……」

感心したように言うはやてに、なのはは頬を膨らませる。

「化けたって何……?」

そんななのはに、はやては言い返す。

「なのはちゃん、いつもそんなにおしゃれも化粧もせんやないか」
「あう……」

言葉に詰まるなのはに、フェイトがフォローする。

「でも、いいよ。今きれいなんだから」
42438 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/06/30(土) 10:05:32 ID:rWfNH8R5
一方、新郎の控え室では、ユーノが部屋の中をぐるぐる歩き回っていた。

「……少しは落ち着け、フェレットもどき」
「そ、そうですよ、落ち着いてください、ユーノさん」

付き添いでいたクロノとエリオが声をかけるが、ユーノは全く落ち着けず。

「クロノだってエイミィさんとの結婚式の時、同じ事してたじゃないか!」
「なっ!?」

逆切れされたユーノに怒鳴られて、図星を突かれたクロノは顔を真っ赤にした。

「う、うるさい! その事はお前には関係無いだろう!」
「その言葉、そっくりそのままクロノにお返しするよ!」

たちまちヒートアップする二人の口論を、エリオはおろおろと慌てながら見つめる。

「あ、あの……そろそろ止めた方が……」
「10年間も告白出来ずに向こうが告白するまでうじうじうじうじしていたヘタレには言われたくないな!」
「うるさいよ! そういうクロノだって昔っからずっとエイミィに押されっぱなしの癖に!」

エリオの声を完全に無視して喧嘩を続けるクロノとユーノ。
その内容のあまりの情け無さに、エリオは聞いていないふりを貫く事にした。
しばらくして、控え室のドアがノックされ、エリオはこれ幸いと、ドアに駆け寄った。

「あ、は、はい!」

ドアをノックした係員と少し話をして、エリオはまだ喧嘩を続けている二人の方に向き直ると、叫んだ。

「……あの! そろそろ、だそうです!」
42538 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/06/30(土) 10:06:48 ID:rWfNH8R5
「エイミィ!」
「美由紀! 久しぶり!」

エイミィと美由紀が旧交を温め合う中、桃子はリンディと談笑していた。

「ええ……そうなんです。あの人ったら、もう凄い緊張してて……」
「ふふふ……それは当然ですよ。自分の娘の晴れ舞台なんですから……」

そう言って笑うリンディに、桃子も微笑した。
と、はやてとフェイト、クロノとエリオが戻って来る。

「あ、クロノー、こっちこっち!」
「もしかして、その人が?」
「そ! 私の主人!」

そう言ってクロノに抱き付くエイミィに、クロノは飛び上がった。

「お、おい、エイミィ!? す、少しは周りを考えて……!」
「いーじゃない♪」

仲良くじゃれあうクロノとエイミィを見ながら、フェイトは深い溜息をつく。
と、それを見たはやてが、からかうようににやつき、声をかけた。

「どないしたん? ……ひょっとして、嫉妬か?」
「……ううん……」

が、返って来た答えが期待していたものではなく、しかもその声が奇妙な程沈んでいて。
はやては首を傾げ、フェイトに聞いた。

「……本当にどないしたんや?」
「……うん。エイミィは年上だし、負けて当然、なんだけど……。
 ……なのはに、女として物凄い差付けられちゃったなあって……」
「……言わんといて」

やぶへびやった、と呟いて、はやては頭を抱えた。
42638 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/06/30(土) 10:08:05 ID:rWfNH8R5
しばらくして、立ち直ったはやては、フェイトと一緒にマイクの前に立つ。
そして、静まり返った会場の中、はやてとフェイトの声が響いた。

「大変長らくお待たせいたしました。これより、高町なのはとユーノ・スクライアの結婚披露宴を開式いたします」
「そ、それでは、新郎新婦の、入場です!」

場慣れしたようなはやての声と、硬いフェイトの声。そして満場の拍手の中、なのはとユーノが入場してくる。
さすがに緊張した表情で、なのはとユーノは歩みを進める。
それを、スバルははしゃぎながら見ていた。

「わー……、凄い綺麗だね、なのはさん! ねぇティア、ティアもそう思うよね!?」
「スバル、うるさい。もう少し静かにしなさいよ、恥ずかしい」

そうティアナが釘を刺すと、スバルはむくれた。

「何で私が喜んじゃいけないのさ〜……」
「別に喜ぶなとは言ってないでしょ? ただ、スバルの喜び方がうるさすぎるから、もう少し静かに喜びなさいって言ってるの。
 ……そんな事も判らないの?」
「何ですってー!」
「……何よ」

2,3秒睨み合っていた二人だったが、すぐにティアナが目を逸らす。

「……やめた。
 こんなおめでたい席で馬鹿とケンカする程馬鹿な事も無いわね」
「う〜……」

馬鹿呼ばわりされたスバルは膨れたが、ケンカを吹っかけるような事もせず、視線をなのはに戻した。

「確かにこんな席を……無茶苦茶にしたくないよね……」

そう呟いたスバル。そんな言葉が自然と口を突いて出る程、なのはとユーノは幸せそうだった。
42738 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/06/30(土) 10:08:59 ID:rWfNH8R5
「……ふー……」

結婚式が終わり、ぐったりと力尽きているはやてとフェイト。
そこに、やってきたアリサとすずかが声をかけた。

「お疲れ!」
「お疲れ様」

そう言うアリサとすずかに、はやては片手を上げて答える。
その疲労困憊を絵に描いたような姿に、アリサは苦笑した。

「どうしたのよ。そんなに疲れた?」
「当たり前や……。管理局の偉いさん、揃い踏みしとったんやで……」
「……それは……疲れそうだね……」

こっちの世界で言えば社長や役員が勢揃いしている前で司会をしているようなもので。
確かに気疲れもするだろう、とすずかが思っていると、潰れたままのフェイトが口を開いた。

「……でも……なのはが一番最初だなんてね……」
「……まあね。あの鈍感を絵に描いて色を塗ったようななのはに負けるなんてね……」
「……はやてもグリフィスがいるし、私が一番遅くなるのかな……」

そのフェイトの言葉に、はやては飛び上がった。

「ち、ち、ちょおっ! な、何でグリフィス君がそこで出てくんねん!」
「だって、付き合ってるんでしょ?」
「ち、ちゃう! お、お友達やお友達!」

慌てふためくはやて。それはフェイトの言葉が真実です、と大声で叫んでいるようなもので。
アリサとすずかはぽかんと顔を見合わせていたが、やがて二人ともにやついた。

「……へー……そんなに仲いいんだ」
「私達も聞きたいな、そのグリフィスって人の話」
「……あうう……」

からかいに参加してきたアリサとすずかに、はやては真っ赤になった。
42838 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/06/30(土) 10:14:56 ID:rWfNH8R5
何故ユノなの結婚披露宴なのにグリはやの方が強くなったのかは俺にも分からn(ry
そしてカレカノ系でユーノとクロノに喧嘩させようとしたらどうしてもヘタレ合戦になる件w

>>415
甘いなのユー? と思ったが、考えて見れば今ユノなの書いてるの俺しかいないしw
別にダークで行ってもいいですよ。多分、ダークと甘いのを交互に入れて行けば、ダークさと甘さが増すと思いますからw

エロは? エロはー? と思っている人は、後2話なんで本気で待っていてください。
……でも俺、エロ書くの苦手なんだよなあ……。
429名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 13:03:35 ID:5glUzhF2
よし!
GJ!!!!

ふむグリフィスか……。
はやてにはヴェロッサもお似合いと思う。
甘ければどっちでもOK!!1

名前が同じという事でグリフィスには、
はやてをベルセルク13巻のごとく羽交い絞めにして和姦してもらいたい。
430名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 13:34:32 ID:QhaI3q5n
>>426
 GJ!幸せ一杯で良い事だ!はやての相手は…さて、グリフィスはシャーリーと幼馴染み設定が
あるがそれっぽい描写は無いし、ロッサは本編の流れを見るとちゃんと六課の味方のようだ。
ゲンヤへの感情は個人的に「父親への憧れ」なので、やはり上の二人のどちらかが候補かな。
 …それにしても、フェイトに釣り合う男っておらんなぁ…良い子なのに良い人がいない。
エリキャロにすら負けるのかオイ…orz
431名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 14:01:42 ID:R1y6Qh5j
>>430
スカr
432名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 14:21:47 ID:TG2zQKDe
ショートショート。既出ネタだったらゴメン。
なのはの相手は誰でもOK.適当に想像して。



訓練学校入隊時の話。

「そうね……貴方なら魔力保有量も戦闘技術も十分だから、3ヶ月の短期プログラムで大丈夫でしょうね」
「3ヶ月……ですか」

 なのはは顔を曇らせた。3ヶ月。
 訓練学校に入ることを決めた時から、今の居場所を離れる事は覚悟していたし、3ヶ月と言う期間は学校としては異様なまでに短い。
 だが、それでも3ヶ月と言う期間、誰よりも会いたい人に会えないというのは、寂しくも思うのだった。
 そんななのはの表情の変化を読み取ったのか、コラードは口元を緩めて優しく微笑んだ。

「それが嫌なら、一応、1ヶ月の超短期プログラムもあるけれど……」
「ほ、本当ですか!?」

 それが本当なら、当然そちらを選びたい。少しでも早く、逢いたい人がいるのだから。
 コラードは優しく微笑んだまま頷いた。









「ただし魔法は尻から出るけれど」
「みっちり3ヶ月コースでお願いします」








ありがちなネタでスマン。グルグル読んでたら不意にやりたくなった。後悔はしていない。
なのはのSTBが尻から出るところを見てみたい人、挙手。
433名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 15:34:24 ID:KVLeT/EM
>>246
すげーwww
昼間のなのはさんは優しい教官殿だけど
夜のなのはさんは性を貪る絶対的な捕食者か

ユーノと付き合っていないのは魔法で出した太いやつで
ユーノの後ろをやってしまったからかもしれないw
434名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 16:18:28 ID:r90Y8Xg7
>>295
エリ×スバいいよ、正直言って萌えちゃったよ。
エロありの続きをリクさせていただきます!
また気がむけばぜひとも!!

>>353
はやてもエリオも幸せになったこの未来・・・5回以上読み直させてもらいました・・・
それからまたちょっと後の話で二人の子供ができて〜という話も見てみたいです
435名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:14:31 ID:zpu10v2y
>>434
子供が出来たらはやてちゃんヤバイで…
えるだ〜・ごっどという名のロリコン神と一緒になってしまう。
436596:2007/06/30(土) 18:45:41 ID:IK8LG5x1
>>428
GJ!!
やはりユーなのは良い物だ……
ところで名字変更についてはもう考えてらっしゃるのでしょうか?
スクライアは部族名だったと思うので、なのはの名前を挿げ替えるよりユーノ・高町かユーノ・S・高町辺りの方が名前としてはしっくり来るような……
あと、はやてにはグリフィスですか。わたしゃどっちかってとロッサの方が……
いやまあ個人的な意見なので無視してくださって結構です。偉そうな事言ってすいません(汗
437436:2007/06/30(土) 18:46:27 ID:IK8LG5x1
ぐあ、名前変更忘れてたorz
438名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 19:10:00 ID:4n6qhlL8
>>436
なのは・T・スクライアとか、ユーノ・T・スクライアとかを見たことがある。
Tはタカマチ。
439名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 19:24:20 ID:7SPDPKWC
>>436
突っ込みどころ満載だな

カップリングの押し付け乙。
言い訳ウザイ。
無視しろって言うなら最初っから言うな。
苗字考えてるのかなんてのに至っては
余計なお世話通り越して自分は他人より
物考えてるって考えが透けて見える。
大体偉そうな事言ってすいませんて言う時点で
上から目線で見たってことじゃないか。
440436:2007/06/30(土) 20:38:06 ID:IK8LG5x1
>>439
押しつけとかそうゆうつもりじゃなかったんですが、確かにそうとられても仕方ない書き方でした
すいませんでした、ROMに戻ります
441名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 20:57:24 ID:iBAbXyPO
オリキャラが名前だけでも出る場合って注意書きするんでしたっけ?
それともどこかのあぷろだ借りてそこにうpでしたっけ?

初歩的な質問ですみません
442名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 20:59:58 ID:e9ZGOiNK
オレ設定、オリキャラありぐらいの注意書きでOKじゃないかと
443名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 21:12:38 ID:+26abiMA
「俺様度」の度合いがどのくらいかも必要かな。
444名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 21:15:16 ID:xQ4UczqZ
そこでメアリースーtest
445名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 21:19:36 ID:iBAbXyPO
>>442
>>443

どうもです。
とりあえず注意書きして投稿することにします。
例のテストやってみたかぎり20点行かなかったので大丈夫かなと思います。


注意店
*フェイトの見合い話。
*ギャグテイスト?
*ユーなの・ロッはや・エリキャロ描写ちょっとだけありです
446フェイトのお見合いの話:2007/06/30(土) 21:22:50 ID:iBAbXyPO
仕事を終えてのティータイム。忙しい6課のトリプルエースの憩いの時間。
今日はフェイトの部屋でゆっくりしてから、久しぶりに3人で寝る予定だったのだが、
フェイトの発言によってそれどころではなくなってしまった……



「「はい?」」
「いや、その、だから〜、お見合いをしてみようかなって、思ったんだけど……」
フェイトの言葉になのはとはやては唖然として口をポカンと開けたままで、
やっと発せた言葉とそれに対するフェイトの回答がそれだった。
「あ〜、まずいくつか質問があるんやけど……ええよな?」
「うん」
軽くなのはとアイコンタクトで相談してはやてはそう切り出した。
なのはも同じ考えのようで、はやてのとなりでうんうんと頷いている。
「まず何で、いきなりお見合いをしようと思ったん?」
「えと、話せば長いんだけど……実はね……」



フェイトの話をまとめるとこういうことだった。
ユーノ、なのは、ヴィヴィオの3人を見てやっぱり子供には父親も必要なんだなと感じた。
稀にエリオとキャロが街などで家族をうらやましそうな目で見ていることがある。
これはあまり重要ではない(とフェイトは言っていたが)なのはにはユーノ、
はやてにはヴェロッサという恋人がいるのにわたしだけいないのはちょっとさびしい。

「ち、ちがうんよ!?本当にちがうんよ!?別にわたしとロッサはそういう関係じゃないんよ!?」
「あ〜、やっぱりわたしたちって3人でいると親子に見えちゃうんだ〜」
テンパりまくっているはやてと、緩みまくった顔でうれしそうに言うなのはを軽くスルーしてフェイトは話を続ける。
「そういうわけで、お母さんに相談してみたらOKもらえたから一応報告しておこうかなって思ったんだ。
まだ相手も日取りもわからないから詳しいことはわかってから。わかり次第あとで有給の申請しておくから。はやて、そのときはお願い。」
「でも、どういう人が来るんだろうね?リンディさんの審査が入るんだからよっぽどいい人じゃないとお見合いまでこれないよね。」
「とりあえず私の要望としては、執務官の仕事に対して一定の理解をしてくれるひとで、
エリオやキャロも含めた子供たちともうまくやっていけそうな人、っていったんだけど。」
「う、う〜ん」
フェイトのその言葉をきいてはやては苦い顔をして頭を抱える。
その様子になのはとフェイトは首をかしげ「?」マークを頭の上に出している。
「フェイトちゃん、言い方アレやけどそれ『こぶ付けのキャリアウーマンを許容してくれる人』ってことになるで?」
「「ッハ」」
自分の出した要望がかなり難しいこととわかったフェイトと、自分の幸せよりも子供の幸せを考えてお見合いを考えるあたり、
どこまでも(若干19歳にして)親馬鹿な親友になのはとはやては頭を抱えた。
447フェイトのお見合いの話/2:2007/06/30(土) 21:24:46 ID:iBAbXyPO
1週間後・フェイトの部屋
いくつかのお見合い写真と簡単なプロフィールが送られてきた。
「管理局のお母さんの知り合い、こっちはお兄ちゃんの知り合いか。それに聖王教会の騎士……カリムさんの知り合いかな?」
「さ、さすがにすごい肩書きの人ばっかりだね。」
「まあフェイトちゃんやしな。リンディ・ハラオウン提督の娘でクロノ・ハラオウン提督の義妹ともなるとこういうのがくるって。」
真剣にお見合い写真とプロフィールに目を通していくフェイトの隣でなのはとはやてがなんとも微妙な顔でそれを見ている。
なにせ出世が約束された人物ばかりなのだ。あらためて自分の親友の取り巻く環境のすごさがわかる。
一応これらの人々ならばフェイトの上げた『こぶ付けのキャリアウーマンを許容してくれる人』であるだろうが、
ここまでくると子供たちが『父親』と接する機会がなくて今と大してかわらない状況になってしまう。
「う〜〜〜〜〜〜ん。」
かれこれお見合い写真とプロフィールとにらめっこすること3時間、どうもフェイトの理想像からは外れている人ばかりらしい。
「フェ、フェイトちゃん?ちょっと休憩入れたらどうかな?」
「うん、そうする。」
普段余りない休暇で普段の仕事よりも疲れることをしている。
お見合いは会う前からとても疲れるものなんだなとフェイトはしみじみ思った。
「いい人いないの?」
「う〜ん……『いい人』には違いないだろうけど、どっちかって言うとわたしには『いいお父さん』のがいいのかも。」
この年にしてなんてことを言ってるんだ、この子は
はやてはお茶を入れながら後ろで伸びているフェイトにツッコミをいれた。
「……ん?『いいお父さん』?」
「「ん?」」
お茶を入れながらふと思い出したようにはやてがつぶやいた。
「いやな、フェイトちゃんみたいに、孤児になった子を自分の保護下においてるって人がおったな〜思うて。」
「へ〜、管理局の人?」
「はやては6課の部隊長だし、局内のつながりは一番広いかもね。」
「とりあえずこっちから連絡して適当にプロフィールと写真今度もってくるわ〜。」
「おねがい~」
そんなこんなでフェイトはもう少しだけお見合い相手の写真などをみて寝た。
448フェイトのお見合いの話/3:2007/06/30(土) 21:27:43 ID:iBAbXyPO
再び一週間後・はやての部屋
「エーリッヒ・カウンタック・マクラーレン三等陸佐。22歳。まー、あとの細かいことは書類のほうに目ぇ通してな〜。」
「ありがとう。へー、特定災害対策救援部隊の人なんだ。」
はやてがデクスの中から出した封筒の中には先日言っていた人物の写真と大まかなプロフィールの書かれた書類が入っていた。
「そそ、そこで孤児になってしもうた子とかを保護してる。部隊での詳しい役職とか役割はようわからんかったけど、とりあえず『陸の守護神』ってよばれてるんやて。」
「……なんていうかとっても堅そうなイメージだけは伝わってくるね」
なのはがフェイトの横から写真をのぞきこみながら言った。
強面というほどではないが、なかなか迫力のあるその容姿とその異名でそんなイメージを持ってしまう。
「なのはちゃんの『大空のエースオブエース』に対抗して周りが言い出したんやて。」
本人は迷惑がっとったけどと付け足してはやては笑った。
そんなふたりの隣でフェイトはかなり真剣に写真と書類に目を通していた。
そしてたっぷり10分後
「うん、決めた。この人とお見合いしてみる。」
「「え!?」」
思いのほか早く決まったお見合い相手になのはとはやては驚きの声を上げた。
「経歴みてみると、この人も孤児だったみたいだし、孤児院を自分でやってるくらいだから、あの子達のこと邪険に扱うってこともないだろうし。」
「そ、それはそうやろうけど。」
「で、でもいいのフェイトちゃん?こんな10分ちょっとで相手決めちゃって。」
「お母さんにも言われたんだけど、とりあえず特に問題が見当たらなければ受けて見なさいって言われたんだ。だから受けてみるよ。
はやて、悪いんだけど先方さんにも連絡して都合のいい日取りとか場所とか伝えてくれる?あと悪いんだけど、それにあわせてわたしの有給もだしてくれない?」
「あ、う、うん、わかった。やっとく。ってこの場合わたしが仲人やからわたしもでなあかんやん!!」
いろいろ仕事が一気に来て微妙にテンパるはやて。
「それじゃあ、わたしエリオとキャロにそのこと伝えに言ってくるから、悪いけど後のことよろしくね。」
「了解やー。」
そういって部屋から出て行ったフェイトを見届けた二人は大きくため息をついた。
「フェイトちゃんって、結構思い切りいいね。」
「どうやろ?リンディさんの一言で思い切ってみただけっていうだけかもしれんし。」
「う~ん、まあ、そのあたりは今回は良いほうにいきそうな気がするけど……そういえば向こうの仲人さんってだれになるのかな?」
「え?え〜っと……その……」
「?」
「……ロッサなんよ」
「……あー」
「し、しかたないやん!?聖王教会の孤児院でカリムとロッサの知り合いなんやから!!」
「別に?相手の仲人がアコースさんだってことにはなんの問題も感じてないよ?ただね……」
「ただ?」
「フェイトちゃんのお見合いのあとはやてちゃんもお見合いモードになりそうだな〜って思っただけだから。」
「な、なのはちゃ〜ん。それくらい堪忍してや〜〜〜〜」
「はやてちゃん、やる気満々なの……」
449フェイトのお見合いの話/4:2007/06/30(土) 21:29:33 ID:iBAbXyPO
「というわけで、お見合いすることになりました。」
「「は、はい……」」
事前に一応の話は聞いていたものの、やはり改めて聞かされると緊張度というか複雑な気分というか
そういうものがグッと増大されて不安になってくる、フォワード年少組。
「大丈夫だよ。お見合いしてすぐに結婚っていうことは……たぶんないと思うし、
結婚とか祖言う話になる前にみんなに紹介してから決めるから。」
「「は、はい!」」
やっぱり、緊張と不安でイッパイイッパイのフォワード年少組。
そんな二人を見てちょっとだけ苦笑いを浮かべる
「あ、あの!ひとつだけ聞いてもいいですか?」
緊張の所為か普段よりもかなり大きな声でキャロが言った。
「なにかな?」
「フェイトさんは……その、わたしたちの、保護下に置かれた子供たちのことを
主に考えてお見合いを考えてるようですけど、ほんとうにそれでいいんですか!?」
「……そうだね、確かに前の説明だとわたしがあなたたちのためだけを考えて、お見合いをすることにしたみたいだけど……。」
キャロの質問はかなりあせっている所為かずいぶんとはしょった質問だがフェイトにはちゃんと意味が伝わったようだった。
「もう、そう言える歳じゃないかもしれないけど、わたしも一応『女の子』なんだよ?そこを、せめてキャロにはわかってほしいかな。」
「……はい。」
キャロがなんとなくではあるあるが、納得した返事した後にフェイトは、それに、言葉を続けた。
「『息子』と『娘』に『彼氏』と『彼女』がいるのに、わたしにいないのはちょっと嫉妬しちゃうしね。」
いたずらっぽくそう続けたフェイトの言葉でエリオとキャロは真っ赤になってそれ以上何も言うことができなかった。



「さて、準備はええよな?」
「う、うん。一応できる限りのおめかしはした……と思ってるから。」
振袖、長いブロンドをあげてまとめた姿でフェイトはもじもじしながら意を決してそう言った。
「そんな緊張せんでもいいとおもうで?元がええんやから、そこまでめかしこむ必要もないし。」
「こ、こういうのは気持ちの問題だと思うんだよ!」
全体的なバランスでは6課の中でもトップクラスなのに経験の浅さからこういうことに、
疎い親友に軽く苦笑いを浮かべながら、はやてはゆっくりと扉を開けた。
扉の先には緑の髪の見慣れた男性と初めて見る大柄の男性がいて、フェイトは少し戸惑っていたけど
「すみません、少し遅れました。機動6課部隊長・八神はやてです。そしてこっちが。」
「こ、こんにちは。管理局本局執務官・機動6課所属のフェイト・T・ハラオウンです。」
はやてにつられて、やはりかなり緊張はしていたけど自己紹介をすることができた。
「いえいえ、まだ約束の時間までは20分ほどありますからお構いなく。申し遅れました、
時空管理局本局査察官・ヴェロッサ・アコースです。そして」
「は、は、はじめまして! 特定災害対策救援部隊・エーリッヒ・カウンタック・マクラーレン三等陸佐でありますす!!」
本人も相手もかなり緊張していて、仲人たちが苦笑いを浮かべていたけど……。
幸せへの道はここがスタートラインかもしれない。
450フェイトのお見合いの話の作者:2007/06/30(土) 21:34:02 ID:iBAbXyPO
以上です。

フェイトの相手が見当たらないので書いてみました。
フェイトの場合自分のことよりも、むしろエリオやキャロたちの
子供たちのことを最優先で考えそうだな〜、と思ったらこうなりました。

オリキャラをでしゃばらせるのは嫌われるようなので
名前と捏造した部隊と経歴だけにしました。
これでもまだ不快に感じられた方、ごめんなさいです。

最後に。自分は、
ランボルギーニ・カウンタックとマクラレーン・メルセデスが大好きです。
451名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 21:37:55 ID:e9ZGOiNK
>>450
ななな何ぃー!?ここで終わりだとぉ!?続きを見たいような見たくないような…
(途中から破談してしまえ破談してまえ…と思ってたのはいい作品って事ですよね、なんか負けたorz)
いやそれはともかく超GJ!エロイ話よりドキドキしましたよw
452名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 21:39:23 ID:WROdGbeB
>>450
ちょ、いいところで切りやがってー!この後どうなるんだ(#゚Д゚)クラァ!
読んだ限りでは、相手のマクラーレン三佐の無骨ぶりは結構好感もてるな。
続き期待してる。
453名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 22:05:49 ID:q8nhxQ9Q
フェイトママにはちゃらちゃらした男は似合わん気がするので、このオリキャラはGJ。

でも…若干19歳ワロタwww
454名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 22:54:43 ID:W6oia8eV
うーん続きが非常に気になりますな。恋愛に不慣れなフェイトが可愛らしい。
自分もこのオリキャラには好感持てる。
455380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/06/30(土) 22:55:08 ID:pHZMol6/
昨日は駄目だったから今から投下します。
内容は>>415を見て確認してください。
456380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/06/30(土) 23:07:00 ID:pHZMol6/
HTTP 500 - 内部サーバー エラー
って出て書き込めないんだけどどうしたらいい??
457名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 23:19:34 ID:OqjxCzC5
フェイトの相手は既に居るだろう。常識的に考えて。
458名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 23:33:16 ID:fwNeU0wx
>>456時間を置いても一回
459名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 23:47:55 ID:e1/0x2z5
3期これだけキャラがいるのにオリキャラをだす
意味がわからん・・・
正直StS見たことあるのか?って思う
460名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 23:49:47 ID:3B4tgR2D
>>457
なのはさんとエリオきゅんとシグナム姐さんは駄目だぞ。
461名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 23:50:31 ID:BjHGJ45l
お眼鏡にかなう属性のキャラがいなかったんだろ
とりあえず、最後まで待ってみる俺ガイル

それはそうと、男装ってのはこのスレ的にどうよ?
変身魔法があるから必要ないか?
462名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 23:50:34 ID:KXni3M4F
いやだって男いねーじゃん。見事なまでに女所帯。
463名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 00:03:27 ID:WROdGbeB
>>461
スレの総意は知らねど、俺としちゃおk <男装
面白いなら何でもおk
464名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 00:05:30 ID:8QMnKEYl
フェイトの相手として考えられるのは……なのは、クロノ、エリオ、(ユーノ?)ってところか?
ことごとく禁断系だなw
465名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 00:09:55 ID:lJ6CsLJG
しかし難しいわ、六課の制服は上半身ほとんどかわんねーし・・・
執務官服・・・手に入れる伝手が無いわ、フェイトならもしかして・・・
聖王教会・・・?アレ男女関係NEEEEEEEE

管理局制服・・・いけるか・・・?
466名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 00:10:44 ID:imXVRL15
ヴァイスはティアナ、グリフィスはシャーリー、ヴェロッサははやてがそれぞれ持ってきそうだからな。

……頼れる父親なら……ゲンヤ?
467名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 00:13:41 ID:3HHT+hLD
ここでスカリエッチィですよ
468名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 00:16:45 ID:2mD9iJEC
なのはクローンの共同研究ですね。分かりました。
469名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 00:19:23 ID:lJ6CsLJG
フェイトは家庭に恵まれん・・・
なんだかエリオとキャロを見送って、なのはと一緒にヴィヴィオの世話してたらいつの間にか壮年という嫌に現実的な・・・
幸せにしてやれるの、なのはさんしかいないじゃねーか!
470450:2007/07/01(日) 00:19:27 ID:J75/gfUc
>>451 >>452 >>453 >>454
感想どうもです。続きは実は考えてなかったり。
オリキャラが好きといってくれたのはうれしかったです。

>>457
すみません。百合はだめなのです。
ついでにフェイエリもだめなのです。
フェイエリはなんというか親子みたいだし、エリオにはキャロじゃね?って感じがするので

>>459
一応StSは全部見てるのですが、↑の理由により仕方がなく。
オリキャラ出した時点で批判はされるであろうとことは予測してました。
にもかかわらず出して投稿して叩かれたことに関しては返す言葉もございません。
ほかにも書き込みされていなくて不快に感じられた方がいらしたら、
この場をかりて謝罪しておきます。すみませんでした。



たぶん、続きは気が向いたら書くと思います。
もしかしたら自サイト作ってそっちに乗せるかもしれませんが。
感想・意見くれた方、本当にありがとうございました。
では、名無しにもどります。
471名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 00:49:48 ID:oW7dHiLs
>>459
要らんことはを言わんでいい……
オリキャラを出す理由なんて、いい意味でも悪い意味でも、少し考えれば分かるだろうに……
StSを本当に見てるなら、尚更。
今更遅いけどさ。
472380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/01(日) 01:00:34 ID:endVOVLb
時間を空けてみたので投下してみます。
これでも駄目だったら、二・三日後の朝に試してみます。
内容は>>415で確認して下さい。
473名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 01:11:23 ID:9+NZWV7J
「えっちなのはいけないと思います!」どうして「なのは」でヒットしたのかと思ったら・・・
474名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 01:12:30 ID:IZT35hM9
>>466
バッキャアルゥ!!ゲンヤさんははやて!絶対はやてだって!
ていうかもうはやてにはゲンヤさんしかいないって!
475名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 01:13:06 ID:lJ6CsLJG
>>474
落ち着け、奴は、子持ちだ
476名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 01:17:08 ID:RllbtYsh
>>475
でも嫁さんもうとっくに死んでるし。十年以上前じゃね?
個人的にはありだな。何よりネタとして面白い。
477380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/01(日) 01:17:57 ID:endVOVLb
駄目だ書き込めない…
478名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 01:22:29 ID:GVDQoHQ5
>>477
朝でも無理なら新スレ使ってみても良いと思いますよ。
その場合は新スレにもう一度注意書き書くのお忘なく。
479名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 01:25:41 ID:lJ6CsLJG
背景ゼンマイ畑wwってか手すりwwww
せめてモノ江とモノ子にしてウボァと手すりキュッキュは個別パートに回そうぜ
星空は思いっきりウボァ・ワールドでwww
480名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 01:26:29 ID:lJ6CsLJG
すまん・・・誤爆・・・何やってんだ俺・・・
481名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 01:28:17 ID:0Sh9QsZQ
何だゴバークか。
素でおかしい人かと思ったw
482名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 01:51:53 ID:KwXjBwGQ
>>474
はやてがスバルに「お義母さんって呼んで」みたいなことを言うSSをどっかで読んだんだが、どこだったかな〜
しかし、ゲンヤ×はやて派が俺以外にもいたようで安心したぜ
483名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 02:00:02 ID:HiyjbTt9
恋愛事情シリーズのやつじゃね?
484名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 02:01:59 ID:rTWNaepH
>>482
スバル気まずすぎじゃね?
485名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 02:10:43 ID:BnKKtHvq
ゲンはやは俺も一押しなんだぜ
それにヴォルケンズの反応も楽しそうだ
486名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 02:13:12 ID:imXVRL15
フェイトの相手ねぇ。
死んだと思ってたら実はオレンジの実験材料にされていたティアナの兄でどうよ?
487名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 02:17:38 ID:lJ6CsLJG
同性縛りをかけると本当にカップル率が激減する罠
488名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 02:18:03 ID:8lUkP3k+
>>486
スカっち本人だな、フェイトさんの相方
489名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 02:23:23 ID:HHwsdzu5
>>445
まずはGJ!

作品内で一切の固有名詞を出さない、というやりかたはどうでしょうかw

そう、理想とすべきは、
y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA氏のヴィータ陵辱物の敵のように!
490名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 02:26:51 ID:lJ6CsLJG
むしろスカをさっくり殺ってプロジェクトFを採用
自分好みの男ぐらい作っちゃうだろ、後見人の力を借りて
491名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 03:11:24 ID:jTNmV79j
フェイトの相手はユーノだろうなぁというユノフェ派の俺が通りますよ。
492名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 03:18:30 ID:D1F+Gy+u
>フェイトの相手はユーノだろうなぁというユノフェ派の俺が通りますよ。
寡黙なカップルになりそうだなー。アリとは思うが
フェイトのぽけぽけさん部分を鑑みるに、なのはが好きユーノも好き。
で、なのはとユーノは好きあってるからよし、3人で幸せになろー
くらいは考え付きかねない。OK過ぎるが
493名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 03:47:11 ID:6xbmQYXd
A's時点ならともかく、StS見る限りそこまで寡黙とも思えんが。
一人だと無茶しがちなユーノに世話を焼くブレーキ役のフェイト、って感じのSSどっかで見たが俺は特に違和感感じなかった。
494名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 04:22:26 ID:HHwsdzu5
フェイトの相手は誰なのか!!
ついでにスバルの相手も誰になるんだろう!?

ホント、この二人だけポッカリ穴が開いちゃってるんですねw
誰なんだろw
でそんなことに悶々と考えているうちにある男性が浮かび上がってきた!
その名は レジアス中将 !

今後超展開が起きて、レジアス中将が実は悪い人ではなく、真剣に秩序を守る事に悩んでいる漢ということが証明がなされれば、
希 望 が 生 ま れ る !!

でもそのまえに中将は既婚なんであろうか?
(以下突発で考えた、レジアス中将が何故既婚なのか中将自身に語ってもらった、という設定で。当然全部オレの脳内レジアスさ)

「私にとって、今この着ている管理局制服は“死に装束”であると自負している!
 つまり、いつ死ぬかもしれない身と覚悟しているため、私は家族を持たないようにしている。
 管理局陸上警備隊は時に、己よりも遙に魔力ランクが上回っている者を相手にしなければならない時がある!
 もしも、相手が己より強いと判っているなら、当然後退し、援軍の到着を待つべきであろう。
 それは正しい判断だ!!
 しかし、しかしだ!
 その者がもし危険なロストロギアで、多くの市民達が暮らす都市に狙いを定めていたとしたら?
 自らに残された手はなんだ!?
 援軍が到着するまでロストロギアが今にも発動してしまうかもしれない!
 ひょっとしたら今にもロストロギアが都市に向け牙を出すかもしれない!!
 もしも、不幸にもそんな状況になってしまったとしたら!?
 ならば、勝てないから逃げるしかないのか!?
 だが、もしも、命を賭けて相手に戦いを挑み、一分でも一秒でもロストオギアの起動を遅らせることができるなら!
 それは勝利だ!!
 スマン。たとえ話が長くなってしまった。
 つまり……
 いつか死ぬかもしれない身では、自分を愛してくれた人を哀しむことを防ぐ事ができない!!
 私の喜びが唯一あるとしたら……どこかにいるかもしれない、会ったことのない家族が幸せに暮せていることを信じていることだ。
 ……この考え歪んでいるとも自覚している。しかし、才無き者が命を守るためには己の命を削るほどの覚悟が必要だということを忘れないで欲しい!
 その時が来た時、私は胸を張り部下に死地に行くよう命ずるだろう!
 そして時が来れば、私もまた死地に行くだろう!
 守るために必要と判断できれば、私は躊躇無く行う!!
 どちらにせよ我が身は、首都防衛隊代表になったときに既に地獄行きが決定である!!
 こんな既に死人となることに覚悟を決めた男に、救いは無用!
 
 守ることと救うことは違うのだ!
 我々は、守るためなら時として、大を救うために小を切り捨てる非情も行う!
 救うならば、我々が守った人たちこそ救ってほしい 」
495名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 04:29:26 ID:fQOzzCag
>>494
中将、はじまったなw
496名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 04:30:27 ID:0Sh9QsZQ
>>494
何かあつくるしいぞ、この中将・・・・・
497名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 04:33:52 ID:fQOzzCag
465
すまん、sageわすれた
498494:2007/07/01(日) 04:34:21 ID:HHwsdzu5
間違った

× レジアス中将が何故既婚なのか

○ レジアス中将が何故独り身なのか

>>495
>>496
感謝!
そういえば原作には暑苦しいキャラっていなかったよなw
レジアスがうまく表現されれば、原作でも一味違った展開になる事必須!
499名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 05:15:55 ID:lJ6CsLJG
まぁフラグバキバキぶち折ってきたなのはだからな
前半でのイメージを払拭するような活躍をする かも しれん

故ティアナ兄を罵ったのはレジアスという噂が流れてるがそこら辺はどう思う?
500名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 05:16:23 ID:SVyhw3Kc
>>353
GJ!
エリオかこいいよエリオ!
はやてかわいいよはやて!
501ある少年とある少女?の話 case HY:2007/07/01(日) 05:31:44 ID:yD0v+atj
スンマセン。誰もいないってワケじゃないでしょうが
投下させていただきます。

エリはやジョージ。
年齢は17歳と26歳。
続き物なんで以前のを受け付けなかった方は
どうぞスルーしてください。

まぁ常識的に考えたらそうなるよなって話。

ではでは。
502ある少年とある少女?の話 case HY:2007/07/01(日) 05:32:27 ID:yD0v+atj
唇が離れる。はやてがそっと目を開くとそこにはきょとんと目を見開いたエリオの顔。
「これが私の答えや」
そう笑って告げるとエリオの顔に変化が起きた。
まずは色。赤みが増していく。そして表情。どんどん歪んでいった。
「―――――はやてさんっ!」
その叫びとともに力強く抱きしめられた。抱きしめる力が強すぎてちょっと…いやかなり痛い。
「………私はそんなに抱きしめんでも逃げたりせんよ?」
「……もう少しこうさせて下さい……」
エリオの腕は緩まない。しょうがないのではやてはこのベアハッグから抜け出す事を諦めた。
と、そこである事に気付く。エリオの肩が小刻みに震えているのだ。
横を向いてもエリオの耳が見えるだけで表情は伺えない。
「泣いとるん?」
「………………」
エリオの沈黙を肯定と受け取る。はやてはまるで子供をあやすように
エリオの背を一定のリズムで叩き始めた。
「エリオ君…頑張っとったもんね?いろんな人から話聞いとるよ?
 私を早く迎えに来ようとしてくれとったんやね?……7年間ずっと」
それは17歳の少年にとってはとてもとても長い年月。
訓練による過労で倒れたり、仲間を助けて大怪我したり、功を焦って大失敗したり、
幾千の努力と失敗を積み重ね、陸戦AAAランクに登り詰めた。
『槍騎士』『駆ける稲妻』その二つ名で呼ばれる彼は既に歴戦の騎士なのだ。
だが、はやての前で震えているエリオはひとりの少年だった。
「………ありがとな?……ずっと追いかけてくれて…」
とうとう声が漏れ始めた。はやてはその子供をあやし続ける。

エリオの震えが収まった。だが腕の力は未だに緩められない。
そこではやては現状を打破するひとつの切り札を持ち出した。
「エリオ君…ひとついいこと教えてあげよっか?」
エリオの耳に出来るだけ口を近づけ、囁く。
「実はな?……今はこの部屋には誰もいない事になっとるんよ。
 私は午前中で仕事終えて自分の部屋に帰っとる筈なんや」
それはつまりはやてのオフィスに誰も来ないという事。
また、仮にも管理局の重鎮のオフィスだ。防音などのセキュリティは完璧である。
エリオがいきなり身を離し、少し充血した目ではやての顔を見つめる。
「えっと…それは…」
はやては戸惑う少年に艶やかに微笑んだ。
「エリオ君は…えっちなお姉さんは嫌い?」
「……はやてさんを嫌いになれるわけないじゃないですか?」
「つまりエリオ君の中じゃ私はえっちなお姉さんなワケやな?
 エリオ君は今までそのお姉さんにどんな事したかったん?
 今日は…それ、全部してええんよ?」
その答えとして唇が降って来る。受け入れた。
503ある少年とある少女?の話 case HY:2007/07/01(日) 05:33:19 ID:yD0v+atj
舌を絡めあう。七年ぶりの感覚に七年前よりもっと酔いしれている自分に気付く。
想像で何度も思い描いた感触よりも現実のそれはずっと過激だった。
「…ん……んぁ…ぃ…んっんんっ!ん〜〜っ!」
重ね合わせた唇の端から唾液と声が漏れる。と、そこでもうひとつの感覚に気付く。
エリオがはやてのしりに右手を伸ばしていたのだ。
タイトスカートをまくりあげ、下着の上から鷲づかみにしてきた。
左腕ははやての背中を押さえ、退路を塞いでいる。
こうなるとはやてに抵抗の手段はないし、また抵抗の意思も無かった。
ただひたすらにエリオの行為を受け入れ続ける。
唇がようやく離れた。
「んぁっ…んんっ」
目を閉じて唇をつきだし、キスのおねだり。もう一度エリオの唇が重ねあわされる。
エリオの右手は更に下へ伸び、そして下着の上からそこを押さえた。
「―――ひゃんっ!」
はやての脊髄を電流が駆け巡り、思い切り身をそらす。
膝から力が抜け、倒れそうになるがエリオに支えられた。
「大丈夫ですか?」
「…あはは、ちょっと危ないからあそこまで運んでくれんかなぁ?」
そうはやてが指差す先にははやての執務机があった。
お姫様だっこで抱えあげ、はやてを机の上に座らせる。


「エリオ君はおしりが好きなん?」
「…えっと…はやてさんの後ろ姿とか見てたら柔らかそうだなって思って…」
はやては制服の上着を脱ぎ、シャツのボタンを上からふたつだけ外す。
「……柔らかいところなら…ここにもあるんよ?」
エリオの舌がはやての首筋を舐めあげた。手はシャツのボタンを外していく。
「…はっ…んっ…はんっ!」
シャツのボタンが全て外され、はだけられる。しかしそこにあるべきものがひとつかけていた。
ブラジャーだ。エリオの視線に気付いたはやては言葉を紡ぐ。
「あぁ、これな?エリオ君あんまり経験ないからブラのホックの外し方わからへんやろ?
 フロントホックはあんまり可愛いのなかったからいっその事つけん方がええかなって思って」
つまるところ今日の朝からずっとそういう事を期待して、考え抜いた結果という事。
はやてがエリオから目を逸らし、続ける。
「やらしいって思うやろ?でもな?……エリオ君が悪いんやで?
 少しぐらいお手つきしてもええのに……
 律儀に約束守ってあれから一度もしてくれへんかったやろ?
 七年やで?…………ずっとずっと不安やったんよ…?」
七年間。それははやてにとっても長い年月。
エリオの夢を見て火照った体を持て余したり、
エリオに会える機会がある度に勝負下着を選び抜いたり、
そのうち期待する事自体が辛くなって、でもやっぱり選ぶのを止められなかったり、
エリオが諦めて他の誰かを好きにならないかと怯えたり、
映画の中の恋人達を見てはエリオと自分に重ねたり、
そうやってすごした七年ぶりの、やっと訪れた機会。
エリオのランク昇格の報告を聞いたときにはまず素直に喜んだが、
次の瞬間にはエリオの訪問に期待した。
エリオから面会の申請があった時にはエリオの言葉に期待し、
その後に訪れる筈の出来事の為に色々な準備を整えた。
七年間も待ったのだ。もう一分一秒も余計には待てなかった。
どこかへ移動する時間が惜しかった。早く彼の存在を確かめたかった。
504ある少年とある少女?の話 case HY:2007/07/01(日) 05:34:02 ID:yD0v+atj
エリオははやての想いの長さと深さを知った。
その想いに報いるのは決して謝罪などではない事も。
左手ははやての右の乳房に、右手ははやてのそこに、そして唇は左の乳房に添えられる。
撫で、触れ、舌を押しあてる。
「んん…ぁ…は……ぁ」
揉み、撫で、舐める。
「あっ…んひぃっ!…はぁ…きゃんっ!」
摘み、指を挿し込み、吸う。
「あぁっ!んぁっ!ひっ!はぁんっ!あっあっあっ――――ひゃぅんっ!」
ひときわ大きく背筋が跳ねた。視界が一瞬ブレる。軽く達してしまったらしい。
腰が軽く痙攣している。
「…ぁっ…ぁ…ぁ…はぁ…」
落ち着いたのを見計らってエリオはまたそれを再開する。
「ひゃぁっ!?え、エリ―――んんぅっ!っんんっ!」
一度達した体は敏感だ。またすぐに達そうとする体を指を噛むことで押さえる。
だがその我慢はエリオのお気に召さなかったようだ。
「駄目ですよ、そんな事しちゃ」
そういって口にあてた右手を押さえ、体を支えていた左手とあわせて
後ろ手にし、バインドで封じる。
「え、エリオ君っ!?」
「もっとはやてさんの声、聞かせて下さい」
エリオの動きが再開される。
はやてはもう鳴く事とすぐに来る瞬間を覚悟する事しか出来ない。
その瞬間が来た。
腰が跳ね、背筋が伸びる。
口は酸素を求める金魚のように開閉し、言葉は出なかった。
力が抜け、崩れ落ちる。体を支えようにも腕は封じられているため
そのまま机の上に倒れた。
「……ぁぁ……ぁ…ん…」
そのまま余韻に浸ろうとするが、駄目だった。
はやての体は満足していない。
いくら気持ちよかろうと所詮指なのだ。
七年間待っていたエリオのそれではない。だからはやては求めた。
「…もう充分やから…指はもうええから…エリオ君の…いれて…?」
505ある少年とある少女?の話 case HY:2007/07/01(日) 05:34:49 ID:yD0v+atj
手が痛くならないようにとうつぶせにされた。
下着をずりおろされるのが感覚で解る。
そしてエリオのそれがはやてのそこにあてがわれた。
訪れるその時に期待を馳せる筈だったが―――はやてが感じたのは違和感だった。
(―――あれ?)
その違和感の正体はエリオが侵入してきた時に解った。
太いのだ。
徐々に侵入してくるその巨大な塊は記憶に残っているエリオのそれとは明らかに違っていた。
「え、エリ――――」
声を上げようにもその存在感に言葉を奪われる。
自分のそこが埋められていく感触にただただはやては恐怖した。
怖い。
一番奥へとそれの先端が当たった。だがそれは止まらなかった。
一番奥を押しつぶし、まだ更に奥へと行こうとする。
「―――無理っ!もう無理やっ!?」
そう叫ぶとそれは止まって、今度は徐々に後ろへと下がっていった。
しかしそれもはやてを追い詰める事にしかならない。
体の中をすられるのではなく、体の内側が引きずり出される感覚。
口から漏れる声はほとんど悲鳴だ。
またそれが押し入ってくる。
内側を抉られ、内臓を突き上げられた。また悲鳴が口から漏れる。
その往復運動のスピードが増す。
はやての恐怖はゆきだるま式に増加していく。
怖い怖い怖い。
意識が遠ざかりそうになってその恐怖感は絶望へと変わった。
(後ろにいるのは本当にエリオ君なん?こんなん私は知らへん!)
嫌だ。
達したくない。
これは自分が思い描いていたものではない。
だが…はやての体ははやての意思を裏切って
たやすく達してしまった。
はやての視界が白に染め上げられる。
506ある少年とある少女?の話 case HY:2007/07/01(日) 05:36:03 ID:yD0v+atj
涙が流れた。
声が漏れる。
「…いややぁ…こんなの嫌や…エリオ君とちゃう…」
「……はやてさん…?」
手のバインドが解かれた。あおむけにされ、エリオとはやてが向かいあう。
「…いややぁ…怖いぃ…」
そこには確かにエリオがいた。
抱きしめられる。
「……何が怖かったんですか…?」
エリオの声に安心して子供のように泣きじゃくった。
一通り泣き終えて、ようやく言葉が出てくる。
「…ひっ…あのな…?…エリオ君がおらんねん…」
はやての支離滅裂な言葉にエリオは戸惑ったが、腕の力は緩めない。
はやての耳を甘噛みして囁く。
「僕はちゃんとここにいますよ?」
「…そうや…やからエリオ君がいるって事…感じさせて?」
はやての言葉にエリオはまずキスで答えた。
そして左手ははやてのそこに、右手は乳房にあてがわれる。
数分間の愛撫ではやてのそこは一度失った熱と湿り気を充分に取り戻していた。
そして、エリオのそれがあてがわれる。
はやては一瞬その感覚に恐怖した。
感覚が先程のものと全く同じだったからだ。記憶にあるエリオのそれとは全く違う。
だが、見上げるとそこにはエリオの顔があった。
はやての恐怖心が風化し、消え去る。
侵入してくる。
暴力的な存在感がはやてを突き上げるが、先程までの恐怖はもうない。
それがエリオのものだと確信出来たからだ。

よく考えれば当然の話である。
エリオはこの七年間で身長は大きく伸び、体の各パーツも当然大きくなっている。
勿論男性自身もだ。
しかしはやては七年前に既に成熟した女性の体であり、それから成長はしていない。
感じ方が違うのは至極当たり前の話。

そしてはやてはそれを受け入れた。
体の内側を引きずり出される感覚も、
内側を抉られ、内臓を突き上げられる感覚も、全てが純粋な快感へと変わっていく。
一番奥を押しつぶされた。悦びに鳴き叫ぶ。
意識は遠のくがエリオに抱きしめられる。
空を飛ぶような感覚。
既に足元はおぼつかないし天井はぐるぐる回っている。
今のはやてにとって確かなもの、
それは腕の中の熱いエリオの体と
(―――――私の中の――エリオ君―――)
一番奥に熱い何かが叩きつけられた。
はやては湧き上がる衝動に身を委ね、
一際大きく鳴いて果てた―――

507ある少年とある少女?の話 case HY:2007/07/01(日) 05:36:54 ID:yD0v+atj
エリオの荒い息の音にはやての意識が引き戻された。
はやての中ではエリオがまだ固く自己主張している。
「はやてさん…」
「エリオ君…」
「泣きたい時には呼んで下さい。今の僕ならきっと支えてみせますから」
その言葉が嬉しくて涙が出てきた。抱きしめる。
「あと、たまには…何もかも忘れて下さい。
 忘れて、ひとりの女の子に戻って下さい」
エリオのずっと言いたかった言葉。
そもそも彼女に憧れたのは全てを背負って立つその背中にだった。
全てをつつみこむその笑みにだった。
だがたまに見せる雰囲気のかげりがひとりの女の子でしかないという事を感じさせた。
それに気付いた時、彼の中で憧れは恋に変わっていたのだ。
いつか、この人を守ってあげたい。そう想い七年間突っ走った。
今、その人がこの腕の中にいる。
「なら…今からもう一回忘れさせて…?…な…?」
エリオには断る理由など何ひとつない。
508ある少年とある少女?の話 case HY:2007/07/01(日) 05:37:49 ID:yD0v+atj
二人のそれぞれの七年間と
変わったものと変わらないもの。
変わったものは主にエリオきゅんのチン長です。



ウチのエリオきゅんの股間のストラーダは
10歳→通常ストラーダ
17歳→5話の斬艦刀
くらいの戦闘力の差があります。

つか気づけ自分!
10歳の時点で一番奥まで届くって
明らかに設定ミスだろう!

ついでに持ってけ小ネタ集!
509ある少年とある少女?の小ネタな話 case HY:2007/07/01(日) 05:38:53 ID:yD0v+atj
「エリオ君?私はこう思うんよ。私も2○才や。でもエリオ君はまだ17才。
 いつエリオ君が他の若い子に目移りするかわからへんねん」
「……冗談でも怒りますよ?」
(あ、本気で怒っとる。こーゆートコはまだまだ子供で可愛いなぁ♪)
「その言葉は嬉しいんやけど私も色々と不安やねん。
 そこで、や!いろんな私になる事でエリオ君を常に楽しませていこうっちゅーのが
 今回の企画や!」
「ならいいですけど…いろんなはやてさんって何ですか?」
「えっと…エイミィさんが教えてくれたんやけど『属性』ってのがあるんやって。
 この台本通りに行動すればその『属性』ってのがつくらしいんやけど…
 何か色々と複雑そうなんよ。エイミィさん真顔で
 『旦那に妹属性と不幸属性と金髪属性がなくてマジ助かった』て力説してたし」
「それなら試してみましょうか?僕もいろんなはやてさんには興味ありますし」


『ツン』
「エリオ君なんか大っ嫌いやっ!」
「……………orz」
「…え、演技やんっ!そないに本気で落ち込まんでも…」

『デレ』
「えへへ、エリオくぅ〜ん…♪」
「…普段とあまり変わりませんよ?」
「そうなん?」

『妹』
(とてとてと歩いて行きエリオに抱きついて上目遣いで)
「お兄ちゃん♪」
「うっ!……その…」
「どうや?」
「…黙秘権を行使します…」(正直、26歳でコレはないです…)

『猫耳』
「ただのコスプレじゃないですか?それ」
「まぁそないな事言わんと…(招き猫ポーズで)にゃん♪」
「…………」(コレは…アリというかむしろ…イイ!)

『メイド』
「どうや?関西弁のメイドってのもなかなか新鮮やないやろか?
 ご主人様はどう思うん?」
「ますますただのコスプレですけど…その服持って帰りませんか?」
「ふぅ〜ん…何に使う気なんかなぁ?
 エッチなご主人様もつと御奉仕が大変やなぁ♪」

『スク水、チアコス、CA、チャイナドレス、執事服etc』
「とりあえず全部持って帰りますけど構いませんねっ!?」
「え、エリオ君?キャラ変わっとるよ?」
510ある少年とある少女?の小ネタな話 case HY:2007/07/01(日) 05:39:41 ID:yD0v+atj
『ヤン』
「お、また台詞のみや。
 エリオ君…知っとった?私はずっとエリオ君の事見てたんよ?
 やからな?エリオ君も私の事見てなあかんねん。
 だって私が見とんのにエリオ君が私見てくれないなんて不公平やん?
 やか――んゥっ!?」

<暫くお待ち下さい>

「…ぁっ……んっ…」

<暫くお待ち下さい>

(水音と衣擦れの音)

<暫(ry

「――んっ…んァ…はっ…ぁ…き、急にど、どないしたん?」
「あの…嬉しかったんでつい…」
「…もう一度やりなおしやっ!」
「台詞ですか?それとも…キスの方ですか?」



『女王様』
「あの…ボンデージはよく似合ってますけど…
 このバインドは外してもらえませんか?あと服返して下さい」
「あかんよ。それに…エリオ君も準備出来とるやん?
 エリオ君にMなトコあるなんて知らんかったなぁ。
 でも…ホントにコレすごいなぁ…」
「……くっ…はやてさんっ!」
「エリオ君はこんな凶悪なのを私に好き勝手につっこんどったんやなぁ…
 そんな酷い事してたエリオ君にはたっぷりおしおきせなあか…
 ってアレ?何でバインド外れとるん?」
「近代ベルカ式では必須技術ですから」
「なんでそんなニコニコ笑ってるん?」
「実は僕も色々と我慢の限界なんで。あと今日はバックでたっぷり好き勝手しますね」
「ひどっ!?私がバック嫌いっての知っとんのにっ!?」
「おしおきですから」

結局、泣いて鳴いて必死にお願いしておねだりして最後の一回だけ正常位だったそうです。
511ある少年とある少女?の小ネタな話 case HY:2007/07/01(日) 05:41:41 ID:yD0v+atj
ついカッとなってやった。
反省はしていない。
もしエリオきゅんが白髪属性に目覚めたら
リィンも一緒にメロメロにされるのでしょう。

誰だコレっつーくらいに
うちのエリオきゅんマジ外道。

一応コレで完結とさせて頂きます。
今までありがとう御座いました。

また何か投下したときにお付き合いくだされば嬉しく思います。

ではでは。
512名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 05:45:39 ID:6iYWuXlI
>>511
GJ!!
寝ようと思ったらリアル投下に遭遇して読みふけってしまったw

このシリーズも完結かぁ…後日談とか、結婚後の甘甘生活とかも読みだいかも

とにかく乙でした。
513名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 05:54:40 ID:lJ6CsLJG
やりやがった・・・やりやがったでこの御方!!アンタほんとにおっとこ前や・・・!
Stsの隠しアイドルエリオきゅんを外道にしやがって・・・ああ!もう!幸せそうだなはやてが・・・
エリ×キャロ派の俺の魂に大ダメージ!!陥落しますた!

そして小ネタ
和服はその他でお持ち帰りですかあああああ!!!!???
浴衣とか巫女のはやてをお召上がり頂きたかった・・・

それと一つ、こんな朝早くて大丈夫ですか・・・?

いつか来る次なる投下もお待ちしております、お疲れ様でした
514名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 05:58:08 ID:Mh12apiU
>>511
朝起きたらちょうど遭遇、完結おつかれです!
はやてスキーの自分としては、エリオははやての相手の中では一番許せる方だな〜w
多分エリオは少年だけに中立性が高くて真っ直ぐだから自己も投影しやすいですねぇ
子供が出来たらヴィータやシグナム達ヴォルケンズの反応が楽しそう、案外ザフィーラとか頼りになったりw
大変GJでした、次回作をお待ちしてます〜
51538 ◆oE6WQcfHkk :2007/07/01(日) 09:27:41 ID:pSsBeLXK
名前……ですか。
「なのは・T・スクライア」と「ユーノ・T・スクライア」ですかね。

そして今グリはやの外伝書いてるんですが……グリフィスの性格が掴めNEEEEEE!!!
普通に別人になると思いますw
51638 ◆oE6WQcfHkk :2007/07/01(日) 09:28:33 ID:pSsBeLXK
act,8 ETERNAL BLAZE(前編)

「おやすみ、ユーノ君」
「……うん、おやすみ、なのは」

ダブルベッドの上ですやすや眠るなのはを隣に、ユーノは頭を抱えた。

「……なのはが『こういうこと』に関しては子供だって事は知ってたけど……、こんなに、なのか……」



「……それ……、本当、なのかい?」

その翌日、ユーノに相談事があると呼び出されたアルフが聞いた「相談事」に、アルフは呆然とした。
もはや驚きを通り越して呆れに近い衝撃を受け、あんぐりと口を真円に開ける。
それも当然で。

「……もう二ヶ月は経ってるよね? それなのに『まだ』ってどういう事なんだい?」
「……なのはがね……、多分『そういうこと』自体を良く知らないんだと思う」

遮音結界は張ってあるのだが、一応小さめの声で、直接は言わなかったが、呆れ果てた口調までは隠す事が出来ず。
それに答えるユーノの声も、何処か疲れ果てていて。

「……さすがに生殺しはきついかい?」
「……当然だろ。僕だって男なんだから」

きっと何回か押し倒しそうになったんだろうね、とアルフは苦笑し、言った。

「……フェイトにも話すけど、構わないかい?」
「……元々、フェイトやはやてにどう言えばいいかが判らなくて、アルフを呼んだんだ。
 アルフが言ってくれるんなら、お願いしてもいいかな?」
「ああ、構わないよ」

そう言ってユーノと別れ、機動六課のオフィスに向かいながら、アルフは溜息をつく。

「全く……ユーノもやっかいな子と結婚したもんだねえ……」
51738 ◆oE6WQcfHkk :2007/07/01(日) 09:29:14 ID:pSsBeLXK
「どうしたの? アルフ。急に呼び出したりして」
「私も聞きたいわ、何か用なん?」

そうフェイトとはやてが聞くと、アルフは大きな溜息を吐き、口を開く。

「……ちょっと、ユーノからとんでもない事聞いちゃってさ……」
「とんでもない事……?」
「何があったんや?」

首を傾げるフェイトとはやてに、アルフは爆弾を投げ込んだ。

「なのはとユーノ……「まだ」らしいんだよ」
「まだ……って……」
「……まさか」

唖然とした表情ではやてとフェイトが呟くと、アルフはげんなりとした表情で言った。

「そう、そのまさか」
「そのまさかて……もう結婚してから二ヶ月も経っとるんやで!?」
「ちょっと……それは……」

呆れ果てるはやてとフェイト。
と、急にはやては俯いてぷるぷる震え、やがて顔を上げる。
その表情は怒りに震えていて。

「ちょーっと、なのはちゃんに言わなきゃいかん事、出来たな……」
「……そうだね……」

そう言うと、二人はふっふっふ……と、揃って不気味な笑みを浮かべた。

「そ、それじゃあ、任せたよ!」

あまりの気味の悪さにアルフはその場を逃げ出して。
二人の奇妙な笑い合いは、呼ばれたなのはが来るまで続いた。
51838 ◆oE6WQcfHkk :2007/07/01(日) 09:30:44 ID:pSsBeLXK
「どうしたの? フェイトちゃん、はやてちゃん」

そう言いながら、突然呼び出されたなのはは首を傾げる。
そんななのはに、はやては腰に手をやって、なのはに詰め寄った。

「……は、はやてちゃん……? 怖いよ……?」
「怖くて当然や……、怒っとる、さかいな」

そう言うなり力一杯なのはの頬を引っ張るなのはに、なのはは悲鳴を上げた。

「ひ、ひひゃいひひゃい! ふぁひゃふぇふぁん、ひひゃい!」

じたばたじたばた暴れるなのはに、フェイトは冷たく言い放つ。

「……自業自得、だよ。ユーノが可哀相すぎるよ」
「そうやな。幾ら何でも二ヶ月も生殺しは、きつすぎると思うで」
「……あう!」

ぱちん、と音を立ててはやてが手を離すと、なのはは涙目になって蹲る。
真っ赤になった頬をなのはが押さえていると、フェイトが少し赤くなりながら言った。

「……なのは、……その……。何で、ユーノに……、『して』あげないの?」
「……はにゃ? 何を?」

完全に判っていないなのはに、はやては頭痛を堪えるように頭を抱えた。

「……やっぱりか……」
「なのは、今度ユーノに謝らないと……」

完全に頭を抱えているはやてとフェイトに、なのはは首を傾げ続ける。
もしマンガだったら頭の上に山ほどクエスチョンマークが浮かんでいる状態のなのはに、はやては告げた。

「いーか? なのはちゃん……」
51938 ◆oE6WQcfHkk :2007/07/01(日) 09:31:30 ID:pSsBeLXK
「……あうう……」

はやてから全てを聞かされ、なのはは真っ赤になってその場にへたり込む。

「……どうしよう……どうしよう……」
「……『して』あげるしかないんじゃないかな?」

パニックになるなのはに、フェイトはさすがに恥ずかしいのか、微かに赤くなって答える。
と、はやてが指を振りながら割って入った。

「甘いで、フェイトちゃん。それじゃあお詫びにはならん。
 ……それよりな……」

そこではやては声を低め、なのはに囁きかけ……、
なのはは飛び上がった。

「に、に、にゃあああああ!?」
「は、はやて……ちょっと、それは……」
「そんな反応せんでくれんか……、私も恥ずかしいんやから……」

言った本人であるはやてや、実行する訳でもないフェイトですら顔を赤らめているのだから、実行するなのはの表情は言うまでもなく。

「……ど、どうしても、それ、……しなくちゃいけない……?」

真っ赤になったままなのはは聞くが、

「うちはユーノ君にお詫びするためにはこれくらいは必要かな? と思ったんや。
 そこまでやらんでもいいとなのはちゃんが思うのならやらんでもいいで。
 ……まあ、私なら多分やるけど」

そうはやてに言い返されると、何も言えなくなってしまった。
そんななのはに、はやてはとどめを刺す。

「大体な、普通結婚して二ヶ月も経っとるんなら、もう5回ぐらいはしとっても全然おかしくないんや。
 それなのに、まだ1回もしとらんって、夫婦失格やで?」

そのはやての言葉に、なのはは衝撃を受けたようによろめき、覚束ない足取りで課長室から逃げ出した。
52038 ◆oE6WQcfHkk :2007/07/01(日) 09:33:13 ID:pSsBeLXK
「……さて、なのはちゃんはどないするかな?」

なのはが逃げた後、はやては一人にやつく。
と、フェイトもそれに答えるように口を開いた。

「……これで、ユーノも安心するよね」
「うーん……、ずっとお預けやったさかい、自分を止めきれなくなるかも知れんな……」

そう真剣に予測するはやてに、フェイトは首を傾げて聞いた。

「……そういえば……、どうしてそんなに詳しいの? はやて」
「ああ、それはな。……ほら、私昔ほとんど歩けんかったやろ? やから小説ばっかり読みよったんや。
 ……大体がそこからの受け売りやな」

そう答えるはやてに、フェイトは残念そうに呟く。

「……なんだ。てっきりはやての経験から言ってるんだと思ってた」

そのフェイトの言葉に、はやては座っていた椅子ごと引っ繰り返った。

「なっ、なっ、なん……っ……」

口をぱくぱく開閉させて、はやては真っ赤になる。
そんなはやてに、フェイトはとどめとばかりに爆弾を投げ込んだ。

「この前……一週間ぐらい前かな? 私、用があったから朝早くにはやての所に行ったんだ」
「!!?」

完全に石のようになるはやてに、フェイトは続ける。

「……そしたら、びっくりしたよ。ちょうどはやての部屋から」
「わーわーわー!!!」

真っ赤になったまま大声で叫ぶはやて。
そんなはやてを見て、フェイトはとても楽しそうに笑って、言った。

「……いつもはやてがなのはをからかう時に言ってる台詞、言うね。
 ……『さー、きりきり吐いてもらおか♪』」
52138 ◆oE6WQcfHkk :2007/07/01(日) 09:35:42 ID:pSsBeLXK
終わりです。
なのは=鈍感の俺方程式で書いたらこんな事にw

次回が最終回+エロですが、下手したら来週は土曜ぐらいしか来れないかもorz
522名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 09:55:49 ID:w6EOAVoI
GJ
ちょっとはやてさんwwww
5236課の落日:2007/07/01(日) 10:15:54 ID:m4FeCgS6
>>511
ぐはっ!!
なんて破壊力だ。
とにかくGJです!!

>>521
ラストがんばってください。

『6課の落日』方ですがはやて&リィンパートがとりあえず完成しました。
が、純愛ラッシュのこの状況で救いのない陵辱ものはどうかと思うので投下は明日以降にしようかと思います。
524名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 10:23:47 ID:fnUtMZAD
>499
罵った内容が
「バカが、こんなつまらない相手に命を賭けやがってお前は執務官失格だ」
と涙を流しながら言っていて。
ティアナからはその涙が見えなかったという話のような気がする。
525名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 10:27:23 ID:C7CW3A/9
>>511
GJ!  
エイミィバロスwww  なに心配してんだw
526名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 11:01:01 ID:1ITiRc6+
朝からGJですな〜。

最近の投下祭りにちょっと考えてたのを投下しようとしたら・・・
今、空港ネタはやばい気がしてきた・・・
527名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 11:46:41 ID:qqIEFWpm
乙。
前スレのSSの影響からか、なのはは男女の知識まったくないって印象が抜けないw
528名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 12:48:20 ID:Zo09+kfb
しかしたってから1週間で使い切りかよ。消費ペースすさまじすぎ。
529名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 12:55:51 ID:2NC94oUs
電波が飛んできたんで、思いつき一発ネタを投下してみる。
530思いつきAS:2007/07/01(日) 12:57:14 ID:2NC94oUs

 シグナム、と相手は名乗った。
 フェイト・テスタロッサは息を吐く。強い。正直に、そう思う。
 遠くを見れば、赤毛の少女とユーノ、アルフと青い獣の戦いが続いている。
 3対3。
 数の上では対等。しかし、ユーノは戦闘に向いているとは思えないし、自分も終始押されている。
 だが、希望もある。クロノや管理局の人たちが、今必死でこの防壁を破ろうとしているはずだ。相手が何者かは知らないが、管理局の本隊と一戦を交えるほど馬鹿ではあるまい。
 呼吸を整える。
 赤毛の騎士を正面に見据える。速さも力も技術も向こうが上だ。
 だが、ここで退いたら、彼女はなのはを狙うだろう。
 それだけは、させない。
  時間稼ぎは承知の上で、フェイトはシグナムに向かっていく。

 そんな様子を、彼は静かに眺めていた。

「カートリッジ、ロード」
 シグナムが静かに告げた。
 鈍い排莢音。正面に構える騎士の魔力が爆発的に高まり、踏み込む姿勢のまま、相手の姿が消えた。
「ッ!」
 蓄積された戦いの感が、フェイトを前に押し出させた。同時に、風切り音。剣戟の音だと理解するよりも早く、体は本能に従って身を捻っている。180度反転した視界の中、赤毛の騎士がすぐ目の前にいる。
「バルデッシュ!」
『Yes、sir』
 ランサーを発動。サイズはあえて起動しない。近接戦で押し負けることが分かっている以上、下手に攻めるのは危険。
「シュート!」
 計三発。シグナムの正面から、悪くない精度の魔力弾が発射される。
「無駄だっ!」
 直進してくる魔力弾を、シグナムは避けようとも思わなかった。レヴァンティンを構え、ランサーの一発目と二発目を鎧で弾き飛ばし、正面から飛来する三発目を弾こうとしたその瞬間、目の前が光に覆われた。
 閃光。
「っ!」
 時間稼ぎの小細工。稼いだ時間は一秒にも満たない。
 だが、それで充分。
「撃ち抜け、轟雷っ!」
 バルデッシュに魔力が篭る。速度を優先しているため威力はいつもの7割程度。だが、この距離、このタイミングなら――!
「サンダースマッシャーっ!」
531名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 12:58:02 ID:2NC94oUs
 刹那のタイミング。自らを撃ち抜かんとする雷光を前にして、シグナムは冷静だった。
 告げる。
「レヴァンティンっ!」
『Jawohl』
 甲冑が出現する。魔力で覆われたその甲冑を、雷光が穿っていく。
 目が正常に戻るまであと五秒は掛かる。その間に、フェイト・テスタロッサは次の手を考え、行動してくるだろう。その場合、この五秒は致命的な時間となる。
 だが、それだけだ。
 目が見えない程度で、ベルカの騎士を止められると思うのであれば、
「甘い、と言っておこう。テスタロッサ」
「――っ!」
 相手の動揺が、空気越しに伝わる。
 完全とはいえない。だが、防ぎきった。戦闘に支障はない。
 視界が元に戻るまで、あと4秒。
 踏み込む。目などに頼らなくとも、感覚が、皮膚が、相手の位置を正確に教えてくれている。
 3秒。
 近い。振れば切れる位置にいると確信し、躊躇無く、振った。
 2秒。
 鋼鉄を、デバイスを切り裂く感覚が剣を通して伝わる。もはや、抵抗できまい。
 1秒。
 逆袈裟に振る。ほんの少しだけ力を緩め、剣の腹で叩こうとしたのはシグナムという人の優しさからだろう。
 0秒。
 金属音が、鳴り響いた。

「……何?」
 ゆっくりと、目を見開く。
 まず、道に転がる壊れたデバイスが目に付く。コアを半分ほど引き裂かれ、それでも原型を留めているのはデバイス本来の強さだ。良いデバイスだ、シグナムは一瞬、そう思う。
 そして。
 正面。テスタロッサを守るようにして、少年が立っている。
 それは比喩ではない。少年の足元には薄青く光る道が出来ている。バルデッシュと呼ばれていたデバイスも、腰を抜かしたように動けないテスタロッサも、その道の上にいた。
 レヴァンティンは、その少年の持つデバイスに止められている。
 静かに、シグナムは聞いた。
「何者だ?」
 返す言葉には、ほんの少し、戸惑いがあった。
「……時空管理局、機動六課、ライトニング分隊所属」
 そこで、少年はこちらを見据えて、言った。
「エリオ・モンディアル三等陸士、です」
 敬語になってしまったのは、いつもの癖だろう、とキャロは思った。
532名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 12:59:46 ID:2NC94oUs
ageてしまった。すまん。

19歳と10歳はまずいんじゃねーの、と思い、10歳と9歳ならOKじゃん、と思ったんだが。
どーなんだろ、これ?
533名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 13:04:42 ID:HiyjbTt9
一発ネタとしては十分面白いと思った
こんだけ改変してると長編にするなら設定・事情説明がめんどくさそう?

エリオからショタ要素がなくなるのが個人的にはつらいなw

534思いつきAS:2007/07/01(日) 13:20:14 ID:2NC94oUs
長編にするつもりはないんだが、設定としてはエリオ君はStSのエリオ君っす。
こう、ロストロギアという便利アイテムがあるんで、四人とも過去に来てしまって、
ティアナに、手を出すなー、と言われてたのに飛び出しちゃったエリオ君、という。
535名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 13:25:37 ID:YASHTIr3
>>532
エリキャロinA'sというのも新鮮でイイね

現代だと優しい上官であるヴォルケンリッターとの対立とか、
まだこの頃は自虐癖が抜けきってないフェイトさんとの触れ合いとか

設定については・・・某古典サンデー漫画みたいにエリオの雷変換属性が暴走してタイムリープとか
怪しげな列車で10年ほど前に来てみましたとかで流すというのも・・・
536名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 14:13:58 ID:2mD9iJEC
フェイトとシグナムのデートを邪魔するエリオ君に見えた
537名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 15:29:58 ID:ACK40AfK
確かにこれはこれで面白そうだが、あの頃ヴォルケン達にはリミッターなんてかかってなかったしすぐ負けるような、今でさえ勝てないのに…。

でも機動六課に入って2,3年経った時にこっちに飛ばされたのなら勝機は…
538名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 15:48:13 ID:kw4UeyVz
そうするとエリオがクロノくらいの年齢になっちまうぜw
539名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 16:17:10 ID:jHGy6vmV
クロノみたいに大人の都合が無いエリオは歳相応に育っちゃいそうだしなあ…
540名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 16:54:16 ID:3/vsacnK
なんだかんだいってるうちにもう479KB。
進行早いなぁ。
541名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 17:01:34 ID:9PbQsKld
>>477
380 ◆S8MjeJa.l6 さん、ユーノ×リンディとても楽しみです。
次スレでもいいのでぜひ投稿してください。
(本音はすぐ読みたいですがw)
542名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 19:51:40 ID:11vQA6nm
ご存じのとおり次スレはもう立ってます。

☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第二十話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1183136648/l50
543名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 21:50:31 ID:CxNTrEdi
第十八話も落ちきってないのに……
544名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 22:00:09 ID:E9WGbazx
めでたいことです
545名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 22:57:39 ID:iz5tZ1W2
>>531
ルーテシアにキャロと一緒に吹っ飛ばされた時と位置関係が逆になるだけであろう事を想像して泣けた
そしてフェイトとシグナムから無茶するなと言われそうでさらに泣けた
546450:2007/07/01(日) 23:39:40 ID:J75/gfUc
F1の放送まで暇だったので書いてみた。
一応>>446の続き?

オリキャラは出てきませんが話の内容は
>>446を引き継いでいるのでご注意を。

すごい短いけどなのは放送までの皆さんの暇つぶしになれば幸い
547450:2007/07/01(日) 23:41:17 ID:J75/gfUc
「あの〜、なのはさん?エリオ?キャロ?」
「なんで私たちこんなことしてるんですか?」
スバルとティアナが術式を展開して遠見魔法の準備をしているなのはたちにたずねた。
ここはフェイトがお見合いしているタワーの正面のタワー。
のフェイトがお見合いをしている様子がよく見える部屋。
そこにどういうわけかフェイトを除いたスターズ・ライトニングのチームメンバーが勢ぞろいしていた。
「なにって……見てわかるでしょ?偵察任務の練習だよ。」
部屋の窓から遠見魔法を使ってフェイトたちの様子チェックしながらなのはが答える。
エリオとキャロもその映像に食い入りながらもうんうんと、力強くうなずく。
「いえ、あの予定表では今日はスターズとライトニングの部隊での模擬線の予定じゃ……」
「だから、フェイトちゃんがお見合いで出れないから急遽予定を変更して、のぞk……偵察の練習に変えたんだよ。」
明らかにさっき覗きって言いそうになったスターズ隊長。その様子をみてスターズ隊員がため息をつく。
ちなみにやっぱりエリオとキャロは、なのはの魔法によって映し出された映像を食い入るように見ている。
「……でもよ〜、エリオとキャロはまあ分かるとして、何でなのはがそんなに躍起になってんだ?」
やる気なさげに(実際やる気皆無なのだが)ヴィータがたずねる。スバルとティアナもうんうんと頷き、なのはに回答を求めた。
「親友のお見合い相手だよ?気にならないわけがないじゃない。ただでさえ、フェイトちゃんはフクザツな事情なんだから。」
確かにフェイトの過去はフクザツだ。だが、なのはがその程度のことで仕事をほっぽりだして覗きなどするだろうか。
別に後で本人から聞いても遅くはない。とヴィータたちが考えていると、なのはがぼそっとつぶやいた。
「それにフェイトちゃんもはやてちゃんも、いちゃついてるのに、わたしだけ一人仕事してるっていうのはなんか癪なの。
ユーノくんは学会が近いから休みとれなかったし……。」
なのはの独り言がはっきり聞こえてしまったスターズは、もうなんていうか、やるせなさでいっぱいだった。
「……そういや、なんでシグナムまで乗り気なんだよ?」
ぶっちゃけ何もしたくないし、しゃべりたくもない気分だが、かなり気になる部分だったのでヴィータはそう聞いた。
シグナムもやっぱり映し出された映像を凝視していて、そこから目をそらさずにヴィータの質問に答えた。
「ライバルが恋にうつつをぬかして、相手にならなくなっては困るのでな。
相手の見極めながら、あとでちょっかい……試練を与えてみるつもりだ。」
いったい何様だよお前ら。なのはを除いたスターズはみな同じことを思った。
「ついでに、あの緑のが必要以上に主に手を出さぬように監視する。主は結構流されるタイプだからな。
そうなった場合、わたしが頃合を見て止めねばならん。」
そういったシグナムをヴィータはあきれた目で見ながらため息をついた。
『なんていうか、シグナムも過保護だよな……。つーかシグナムはアコースのこと嫌いすぎだろ。
はやてが選んだ相手なんだからそれでいいじゃねえか。それにアコースはいいやつだぞ。あったらアイスくれるし。』
『あ、いや、ヴィータ副隊長。アコース査察官がいい人いうのは分かりますけど……』
『なんでその例がアイスだけなんですが?』
「よし、そろそろ音声つなげようか。レイジングハート、バルディッシュにお願いして音声あなたに送ってもらって。」
『Yes! Master!!』
デバイスまで協力しているのをみて、念波で微妙な気分で微妙なやり取りをしていたスターズは
さらに微妙な気分になって本日何度目か分からないため息をついた。


548450:2007/07/01(日) 23:48:12 ID:J75/gfUc
以上です。

まさか1レスしかないとは自分でもビックリ。
どうやったらこの話をオリキャラ出さずに
うまくまとめれるか考え中。
549名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 00:27:23 ID:wABWi8jj
>>548
続きキタ━━━━(。A。≡(。A。≡。A。)≡。A。)━━━━!!!!!!!!!!
GJですよ、非常にGJです!
なのはの独り言ワロタw
550名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 00:28:56 ID:wABWi8jj
>>548
あ、あのオリキャラなら出してもいいと思いますよ。
注意書きさえつければ、見る見ないはその人の自由だし
551名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 00:30:09 ID:LwgVtJnB
>>548
wkwk
これは期待せざるをえない
552名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 00:30:26 ID:/V6ceFgk
正直、一発ネタをダラダラ考えながら続けるよりはサクッとオチつけて終わらせた方がいい気もするが。
オリキャラ×フェイトじゃ長引けば長引くほどオリキャラがメリー・スー化していくだろうし。
553450:2007/07/02(月) 01:17:25 ID:ivp60Yqj
>>549 >>551
感想どうもです。自分の話を楽しんでくれる人がいるというのは自身になります。
がんばって続き書いてみます。

>>552
ご指摘どうもありがとうございます。
道筋ちゃんとたててもう3.4話で終わらせれるような話を組みたいと思います。




38氏を目標にしてがんばります。
554名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 01:24:09 ID:Ig1gTiBG
>>548
なんか同人誌で見たことあるような展開…
だけどGJ!wktkして待ってます!
55518スレ308:2007/07/02(月) 01:42:47 ID:tWAjvSGu
お久しぶりです。
色々書いてる内に中味が膨れ上がってしまいここまで時間がかかってしまいました。
少々長くなってますのでご了承下さい。

※いっぺんに書きましたので誤字脱字多いかも。
 その他ツッコミ所ありましたらご指摘下さい。
 修正は無論、後の投下の参考にさせて貰いますので。
556魔法少女リリカルなのはWing's 2章 中編 1/4:2007/07/02(月) 01:44:38 ID:tWAjvSGu
 すずかとアリサに助けられ、再開の約束をした少女はそのまま帰路へ就かず、向かった先は海鳴大学病院だった。
「お姉ちゃん、調子はどう?」
 病院の一室で少女が姉のお見舞いをしていた。
「ブレスレットを返した朝から調子が良いわよ、みずほ。それにしてもずいぶんと嬉しそうね?」
「うん、それがね……」
 みずほはいじめられっ子から助けてくれた人に出会った経緯を話し始めた。
 しかし、なのはと戦った事や自分が魔導師である事は今まで一切告げていない。
 そもそも、みずほが魔導師になるきっかけは姉が病床に伏せたのが原因なのだから……。

「君は姉さんを救いたいと思うかい?」
 それは1年近く前の出来事であった。
 頻発する謎の壊滅事件に、次々と人が倒れた原因不明の病気。
 みずほの姉もその病気にかかってしまい、極度の衰弱状態から一向に治癒する気配が無かった。
 そんな時に現れたのが、他界した両親の血縁の者と名乗り出る男であった。
 姉を病室に残し、屋上でその会話を聞いたみずほは迷う事なく首を縦に振った。
「やはりそうだろうね。でも、君の姉さんを救うためには悪い事をしなくちゃいけないんだ。それでも君はやるかい?」
 悪いことをしてはいけない。それは死んだ両親や姉からも、みずほの幼心にしっかりと刻み込まれていた。
「悪い事の度合いにもよるけど……それでお姉ちゃんが助かるなら私なんでもする!」
 だが、少女の決心は固かった。
 唯一の肉親を失いたくない気持ちが人一倍強いが為の選択であった。
「解った。それでは君にこれを渡しておこう。私はあまりこちらに顔を出せないので、今後はこいつから話を通す」
 男はみずほに青緑色をした宝石が括り付けられている2対のブレスレットを手渡し、近くの柵にとまっている1羽の純白の鳩を指し示した。
 これがみずほが魔導師になった経緯である。

「で、その人達とはお友達になれたの?」
 姉がみずほに素朴な疑問を投げかけた。
「ううん、まだ答えてないんだ。お姉ちゃんを元気にする方が大事だから……」
 少々後ろめたい様子でしどろもどろな返答をした。
 姉が大事だとは言え、みずほにとっては願っても無い夢が叶おうとしているのだから。
「それはありがたい事だけど、私はみずほも幸せになって欲しいかな」
 困った顔でみずほを見つめていた。
 妹をここまで苦労させているのは姉自身が理解している事でもあり、出来る限りその苦労をさせる訳にはいかない思っていた。
「でも、お姉ちゃん……」
「それにね。みずほにお友達が出来たら私も会ってみたいな」
 いつものように妹の頭を撫でながら優しく微笑んでいた。
「お姉ちゃんがそう言うなら……お友達になってみるよ」
「それが良いわ。そうそう、お友達は2人居たのよね?」
 そう言うと姉は背を向け、小さな物入れの引き出しから何かを取り出している。
「はい、これ。本当はみずほのおまじないの時に代わりになると思って作ったんだけど、丁度2組で良かったわ」
 そこから取り出したのは、みずほのデバイス象った紐製の手作りのブレスレットだった。
「お姉ちゃん、これ……」
 宝石もガラス玉を丁寧に編み込んで繋いでおり、紐の部分は女の子向けに可愛い編み模様が施されていた。
「お詫びにその子達に渡しなさい。助けて貰ったのにお礼を言わなくてごめんなさいって言うのも忘れずにね?」
「うん、解ったよ。明日も会えたらちゃんと言ってくるね」

 姉との会話絵を終え、みずほは病院の屋上へのドアを開けると、そこに居た柵に止まっている1羽の白い鳩の傍へ歩み寄る。
「アイシス。種の様子はどう?」
 みずほは鳩にそう呼びかけた。
「今日の夕方以降に発生しそうなのが1つ。後は数日以内に発生しそうなのが多数と言った所ですね」
 アイシスと呼ばれた白鳩は、その場で翼を羽ばたかせながら女性特有の声音でみずほに答えた。
 一般的には使い魔と呼ばれている生命体であり、主と魔術的な契約を結び主従の関係を誓う者の事である。
 アイシスの主はみずほではなく別の者であるが、みずほの戦術訓練や姉の変わりに家事を1年近くこなしてくれているので、こちらは主従の関係ではなく家族に近い関係が生まれていた。
「じゃあ、今日も回収任務だね。シルフィードの予想だと9割以上でもう1人の子も来るみたいだから、今回は結構厳しいと思うけど」
《Don't worry Mam》
「そうですよ、みずほ。もう私でもデバイスを持ったあなたには勝てないんですから。今までの通り、相手を上手く利用すれば絶対に回収できますよ」
557魔法少女リリカルなのはWing's 2章 中編 2/4:2007/07/02(月) 01:45:59 ID:tWAjvSGu
 アイシスがみずほに授けたのは、デバイスの並列演算を応用した空間戦術の概論であった。
 すべての行動において無駄を無くし、自分の持てる戦力だけではなく相手も上手く利用して闘いを切り抜ける空間戦術。
 ただし、あまりにも大量の情報が交差する為、並列演算システムを無駄無く活用するためには類稀なる資質が必要であったが、既にアイシスの主がみずほにその資質がある事を見抜いていたらしく、デバイスを使いこなせるという点では合格であった。
 後はデバイスのシミュレーターとアイシスの助言と指導をこなし、魔法を覚えて戦闘に慣れる事だけであった。
 そして1年も経たない内にデバイスを使いこなし、みずほは師のアイシスすら敵わないほどの戦術を操る魔導師になっていた。
「そうだね……私、頑張るよ」
 みずほがシルフィードの待機型であるブレスレットを軽く動かすと、両端に核のある杖に形を変える。
《Ready to set》
続いてみずほも光に包まれ、防護服を身に纏う。
「行こう、シルフィード。これからが本番だよ」
《Yes Mam》
「それじゃあ行ってくるね。アイシス」
「はい、気を付けてくださいね」
 最後に挨拶を交わし、デバイスと共にまもなく夜へと移り変わりゆく空へ飛び出した。

「ここら辺で良いんだよね? フェイトちゃん」
 辺りに何もない事を確認しつつ、海上の空でフェイトに確認と取るなのは。
「うん、ここで間違いないはずだよ」
 2人は既に種の出現予定場所で待機していた。
 みずほが収集している種と呼ばれる魔力物質。
 その詳細は定かではないが、危険な代物の可能性がある以上管理局で保護するべきであり、身元の解らない魔導師に渡すわけにはいかない物であった。
「あの子が来たら、お互いカバーする形で戦えば良いんだよね?」
「うんうん、訓練通り近接戦闘はフェイトちゃんにお任せするよ」
 つまりこう言う作戦だ。
 なのはが距離を詰められたらフェイトが近接攻撃で援護をし、フェイトが射撃で牽制されたらなのはが援護射撃で打ち落とす。
 互いの短所を補い合うもっとも効率的な戦術だろう。
《Caution locked on》
 それらしき気配もせず、黙視できる範囲に何も居ない所でレイジングハードが警告を告げた。
「えっ! どこどこ!?」
《Sorry not found》
 付近を見渡すが、状況は一向に変化がなかった。
「この距離からロックしてくるなんて……」
《Diffencer》
 誰よりも反応が早かったのは、フェイトのデバイスであるバルディッシュであった。
 フェイトの正面に魔法陣の防御壁が展開されると、そこへ研ぎ澄まされた衝撃波がやってきた。
「くっ!」
 遙か遠くの雲に小さな穴を空け、そこから発射された高圧縮の空気砲。
 なのはを上回る射程から発射された空気砲は予想以上に威力があり、防御壁で受け止めたフェイトはそのまま弾き飛ばされた。
「フェイトちゃん!」
「大丈夫、はじき飛ばされただけ。威力はたいしたこと無いよ」
《Sir》
 あまり言葉を発しないバルディッシュがフェイトへ報告を告げる。
「どうしたの? バルディッシュ」
《Jamming my system》
「大丈夫? すぐ治せそう?」
 フェイトは一瞬表情を強張らせたが、すぐに優しい表情へ戻しバルディッシュの様態を気遣った。
《Need 2minutes》
「解った。その間は自分で詠唱するね」
「フェイトちゃん! 来たよ!」
 二人の真上から奇襲を仕掛けてきたのはフェイトに空気砲を打った当人、みずほの姿だった。
「このっ!」
 まずはフェイトが迎撃に迎え撃つ。
 デバイスによる魔法の詠唱省略不可能な以上、詠唱が間に合わなくとも相手に近接戦闘を挑む他無かった。
 互いの距離が凄まじい速度で縮んで行き、クロスレンジの間合いに差し掛かった。
「!? しまった、幻術!」
 フェイトが迎撃するはずだった相手は、まるで雲とすれ違うかのようにすり抜けた。
「なのは! 下っ!」
 今度は海面下より相手が現れた。
558魔法少女リリカルなのはWing's 2章 中編 3/4:2007/07/02(月) 01:48:04 ID:tWAjvSGu
 この状況で海面から不意打ちを仕掛けるには、海中を進行しないとまず簡単に発見されてしまう。
 そう考えれば幻術を駆使する相手である以上、まずこちらも幻影である可能性が高い。
 だが、どちらにせよフェイトがなのはのフォローに間に合う距離ではない事を熟知した上での足掻きとも取れる叫びであった。
「とりあえず、幻影相手でもいつでも動ける出来る数なら大丈夫だよね」
《Accel Shooter》
 そう読んで、なのはは少なめに誘導弾を発射する。
 ……しかし、それが仇となった。
《Homing Blast》
 相手もデバイスをかざし、誘導弾を発射した。
「嘘っ!? まさかこっちが……」
 互いの誘導弾が相殺し合う中、海中から奇襲を仕掛けたみずほがなのはへ急接近する。
《Protection》
「させないっ!」
《Twin Dugger form》
 レイジングハートがフォローに入るが、そのタイミングを見逃すはずが無く、みずほはデバイスのシルフィードを左右それぞれの手に構える形に分割と変化を行い、逆手持ちの刃を発生させた。
 はのはが防御壁を張る前に2対の刃がレイジングハートを捕らえ、
《Interrupt》
 デバイスごとなのはを衝撃波で吹き飛ばした。
「これぐらいなんかで……」
《Master》
 なのはもフェイトと同じく全くダメージを受けていないが、レイジングハートが報告を開始する。
「え、レイジングハートももしかして……」
《Yes Jamming my system too》
 レイジングハートも事実上戦闘不能にされてしまった。
「そっちの方は直接当てたから強力だよ。数時間は治らないと思って」
 ここで初めてみずほが2人に口を開いた。
「なんでこんな事するの? 私達は戦いたくない、お話すればきっと解ってくれるよ。だからお願い、あなたのお名前だけでも聞かせて! 私の名前は……」
「そんなの必要無い!」
 それに応答したなのはの言葉を、大声で一蹴した。
「1年近く前に起きた2件の謎の壊滅事件……」
 僅かな間の沈黙を破り、みずほが再び口を開く。
 その言葉を聞いてなのはとフェイトは凍り付いた。
「あれって……あなた達が原因だったんでしょ?」
 口調には憎しみがこもっていた。
 その事件を知っているのはもちろん、被害者になった者の代弁であるかのように。
「確かに私達はあの事件に関わったよ、でも……」
 実際なのは達は十分に事件の解決に貢献した。
 だから感謝はされても文句は言われない、そんな立場で無ければおかしい。
「でも仕方なかった? そう言うつもりなんだよね? だったら私がやってる事も仕方ないんだよ」
 だが、目の前にいる少女はそれを全て否定している。
「えっ? それってどう言う事?」
「私はあなた達のせいで苦しんでる人を助けたいだけ。私だって戦いたくない、だからもうほっといて!」
 とある人が原因で他人を不幸に巻き込むと言う事が、彼女にとっては許せない事なのであろう。
 たとえその人の行った行動が最善だとしても、みずほの結論から言うと被害者が出た地点でその人は罪人だと言う事だ。
《Homing Blast》
 続いてみずほが先制して誘導弾を発射した。
 デバイスが機能不全であると言う事は魔法の行使に詠唱と言う概念が必要となり、その時間を取らねば魔法を発動する事が出来ない。
「くっ! このっ!」
「デバイスが使えないと、こんなに大変なんだね」
 その為、2人は魔法を詠唱する時間すら与えられず、四方八方から遅い来る衝撃波を発する無色の誘導弾を、防御壁を駆使しつつ避ける事で精一杯であった。
《Storm District》
 更にみずほが魔法を発動すると、みずほと2人を境に巨大な竜巻が発生した。
「閉じこめさせて貰ったよ。デバイス無しだとそう簡単に抜け出せないし、自然消滅を待ってもかなり時間がかかるよ」
 そう言い残し、相手の元から飛び去って行った。
559魔法少女リリカルなのはWing's 2章 中編 4/4:2007/07/02(月) 01:48:58 ID:tWAjvSGu
《Recovery》
 みずほが飛び去って間もなく、レイジングハートより先にバルディッシュの状態が回復した。
「解ったよ。早速だけどこの竜巻を吹き飛ばす」
 状況は相変わらず竜巻の中に閉じこめられたままであり、この状況を打破する為にフェイトはバルディッシュと共に魔法の準備に入った。
《Yes Sir》
 フェイトが目の前に魔法陣を垂直に発生させる。
《Thunder Sumasher》
 バルディッシュの魔法宣言と同時に、フェイトの右腕が雷に包まれた。
「サンダー……」
 そのまま右手を出現させた魔法陣へたたき込む。
「スマッシャー!」
 盛大な轟音とおびただしい量の光が暴風の壁に叩き付けられ、嵐と雷は共に爆散した。
「流石だね、フェイトちゃん」
「うん……あ、バルディッシュ。魔力物資の反応は?」
《Not found》
 フェイトも予想していたのか、表情を変えずに芳しくない結果をあっさりと受け入れた。
 発生予定場所で相手と交戦、その後相手が姿を眩ませた後に魔力反応が無いという事は、やはり結果としては既に取られたと考えるべきだ。
「フェイトちゃん、まだ諦めないで探してみよう。あの子がまだ見つけてないかもしれないし、レイジングハートはまだ復旧中だけど私の探索魔法とフェイトちゃんとバルディッシュで探せば先に見つけれるかもしれないよ」
 それでも諦めまいと、フェイトを励ますなのは。
「そうだね、もう少し探してみようか」
 仲の良い2人の魔導師もみずほが向かった地点へと飛び立った。
56018スレ308:2007/07/02(月) 01:52:41 ID:tWAjvSGu
以上です。
行間もほとんど空いて無くて密集して読みにくいかもしれませんがご了承下さい。

オリキャラはこれ以上出してもしょうがないのでこれで打ち止めにして終わらせます。
名前は既に1キャラ出していますが、もう1人のキャラもトヨタの新車から取る予定です。

とは言え、またオリキャラ勝たせちゃってるんで読んで不快になったらごめんなさい。
561名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 03:17:31 ID:/V6ceFgk
>560
心配ない。タイトルをNG指定してるから。
562名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 03:24:24 ID:D3PWb+oB
>>560


埋めついでにチラ裏。エリキャロSSの落とし所が見つからず既に24kb突破。
早く書き終わらせたいです(;´Д`)
563名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 04:11:03 ID:1hRg2N40
>>548
おお!続きが見れるとわ!
オリキャラ出てきても構わないので、是非続編希望。
564名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 05:02:39 ID:qe/wVeev
>>560
GJなのはらしい、いい味出てる、後半にも期待してます
565名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 07:27:34 ID:VjfaLKGF
悪夢みちまった。

フェイトの見合い写真に中将閣下のプロフィールが混じってただなんて。
56618スレ308
>>560
了解、タイトルは忘れずに記載しておきます。
あと、良ければその理由も書いてくれたらうれしいかな。
と言っても前レス見て察しろと言うのであればすいませんorz

>>560
がんがれ!

>>564
応援ありがとうございます。
もうちっとまともな文書けるように精進しますんで、
生暖かく見守っててください。