☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第二十話☆

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1nananshi
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.エロは無くても大丈夫です。
2.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に確認又は注意書きをお願いします。
3.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。

『マナー』
【書き手】
1.他の書き手がSSを投下している最中またはその直後に投下するのは避け
  ましょう。ある程度レスがつくのを待ってから自分の作品を投下しましょう。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れるか、 「1/10」「2/10」
  …「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
5.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  あと投稿前に「投稿していい」と聞いたほうが安全です。

【読み手 & 全員】
1.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。

リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 02:05:22 ID:3B4tgR2D
『リンク』

【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第十九話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182661996/

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSSスレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1182002145/
【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/
【参考資料】
・Nanoha Wiki
 http://nanoha.julynet.jp/
・アリサだもんっ!
 ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
(キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)
3名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 02:43:10 ID:0OpIqyX7
まだ前スレ100KBくらいあるだろ
438 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/06/30(土) 10:16:04 ID:rWfNH8R5
>>3
まあまあ、保守しておきましょうよ。
今の勢いなら1週間ぐらいで100KB埋まりそうですし。
5名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 10:38:59 ID:HNN+Z/ko
717 名前: 681 [sage] 投稿日: 2007/06/27(水) 00:29:20 ID:dRxBhYmQ
>>715さん、そこまでいきますか。たしかに極論空気嫁なんですが。

でも、>>716さんの言うように、作品と感想で伸びるならともかく、
マナーで揉めて伸びるのはムダだと思うから、多少おせっかいぐらいがちょうどいいかなって思うし、
あと、一目見ただけでどうすればいいか分かるガイドラインがあったほうが楽って面もあると思うんですよ。
だからそれには同意しかねます。

でも確かにマナー書き手1はいらないかもしれない、と思うようになりました。
常識で考えてリロード忘れでないうかぎり、他人の投下中に投下するのは○○○としかいいようがないですし。
どれだけ空けるかは職人が空気読んで決めてもらうほうがいいかなって思うようになりました。

でも個人的で勝手な意見としては、感想レスは短いって性質を使って、短い書き込みで作品と作品の切れ目を認識してるんで、
これからは右脳でなく左脳で判断しないといけないのはつらいなって面がありますが。
今は問題になればもまた加えればいいかと思っています。
第二十話の>>1さん、今のところ、とりあえずこれでスレたてお願いします。



 魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。


リンクは>>2
6名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 18:01:25 ID:TB+27x6u
スレ立てGJ!
7名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 19:16:14 ID:ACK40AfK
あと1,2日でみんなこっちに移って来るかもな。
8名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 22:15:46 ID:ebI9kyHP
気がついたら次スレが立ってる。
乙!
9名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 23:02:45 ID:r/43rFB7
スレ立て乙

書き込み前の更新を推奨する旨をロカルーの共通事項に入れて
読み手の4と書き手の1を削除すれば良いと思う。
10名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 23:17:06 ID:ObSLJTrI
>>9
リロード推奨はルールってよりマナーの範疇かと
11名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 00:13:58 ID:8yGZl1eS
しかしまあ、ほんの一週間かそこらでスレ移行たぁ、
18→19の間が二週間だから、何というか皆さん全力全開ですなw

19の残存も残り僅か……
さて皆さん、カートリッジの補充は充分か?
12名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 00:23:35 ID:/V6ceFgk
新OPを楽しみに全裸待機中w
13176 ◆iJ.78YNgfE :2007/07/02(月) 02:51:27 ID:1jPl8Fw3
魔法少女リリカルなのはSTEP

第11話 b part

「えっとそれでジュエルシードっていうものを今まで集めてて」
 夜も九時を過ぎ、子供はそろそろ寝る時間へと入っていく。
 もう子供ではない俺は縁側に腰掛け緑茶をすすり一息ついていた。いつもなら俺一人か美由希と一緒か。たまには父さんだったり母さんだったりするのだが……。
 だが今夜隣にいるのはその誰でもない。
「それで今はみんなでジュエルシードを集めてるの」
 聞くだけなら良くできたおとぎ話か空想小説に思ってしまうだろう。
 子供の想像力は突飛で、だけど大人の忘れてしまったことを思い出させてくれるような懐かしい感じになる。
「信じられない……と言いたいがこの目が証人だからな」
 あの夜のことを夢と思えるなら思いたいのだが生憎あそこまで巻き込まれてしまえば忘れることなんて出来るわけがない。
「あうぅ……巻き込んじゃってごめんなさい」
 がくりと肩を落とすなのはに思わず苦笑してしまう。
 なにか失敗してしょんぼりするというのは我が家の末娘にはとても新鮮なものだ。
(……昔から一人で抱え込む癖があるからな)
 確かに人様に迷惑をかけないということは大事なことだ。だけどそんな素振りを押し込めて元気を装うのだけは止めて欲しい。
 去年のあの時も、この前も、自分でうまく誤魔化してると思っていてもあれだけ覇気がなければ周りにはバレバレだ。
「もう気にしてないさ。忍も無事だったし仲直りも出来たしな。終わりよければ全て良しってやつだ」
 激励代わりに頭をくしゃくしゃと撫でてやる。
「あと取りあえず父さんたちには黙っていたほうが良いか? 話すなら俺もいろいろフォローしてやれるが」
「できれば秘密のままが良いかな……。やっぱり危ないことだから心配かけたくないし」
「確かに危ないな。俺も忍に一発もらった身だし」
 深くはなかったが左肩を切り裂かれたのは事実なのだ。
 ただ幸いだったのは魔法のおかげでその日のうちに傷は塞がったことか。
「あの子には感謝しないとな」
「ユーノくん?」
「ああ。出来ればこれからの稽古の時も軟膏代わりに欲しいくらいさ」
 まったく自然治癒って言葉が馬鹿馬鹿しくなる。
「じゃあユーノくんにもそう言っておくね。でもだからって無理しちゃ駄目だよ」
「そういうなのはもな」
「わたしは大丈夫」
「ならもう父さんや母さんにはあんな姿見せるなよ」
 やはりこれが本題だ。
 俺の言葉に振り返るなのはの表情は少し驚きを含んでいた。
14176 ◆iJ.78YNgfE :2007/07/02(月) 02:52:10 ID:1jPl8Fw3

「……わたしそんなに元気なかった?」
「ああ、と言っておく。アリサたちにだって感づかれてただろ?」
 返事にはしない代わりになのはは恥ずかしそうに頷いた。
「……思いっきり怒られちゃった」 
 そんな言葉の後に再び顔を上げれば苦笑い一つ。俺と目を合わせて、そして今度は懐かしむように空を仰ぐ。
 どうやら相当堪えた出来事としてなのはの中には刻み付けられてるみたいだ。
「確かに今までは話せないことだったことも知れない。……けどもう違うだろ? これからは何かあったら相談しろ、愚痴だって聞いてやる」
「……うん」
「なのは一人じゃないんだ。頑張るだけならいいが、一人で頑張りすぎるのは駄目だ。見せられるほうが辛いことだってあるんだからな」
 誰かに頼らず一人で答えを見つけ出そうとする姿勢は確かに立派なものだ。
 だけどそれに意固地になって何がんでも一人を貫こうとするのは正直いただけない。そういう時は手痛いしっぺ返しを食らうのがお約束だ。
「俺も父さんに追いつこうと稽古で無茶して膝壊しかけたこともあったからな。父さんにも言われたよ」
「なんて言ったの?」
「お前はお前だけのものじゃない。お前のことを思ってる人達に心配かけてまでやることに意味は無いって」
 父さんの教訓というかこれは自分へのあてつけでもあるんだろうと今は思う。
 昔の仕事で大怪我して母さんはもちろん俺たちにも大きな心配をかけているからこそ、もう二度としないための父さんなりの約束なんだろう。
「……いいのかな?」
「ん?」
「いっぱい他の人に頼っても」
「なのははまだまだ子供なんだ。まず背伸びする前に甘えろ。今甘えないでいつ甘えるんだ?」
 言って今度は少し強めに頭を撫でてやった。撫でるというよりは押さえつけるように少々強引なのだが。
「えへへ……」 
 それでもなのはには心地よいらしい。時折、声を漏らしながら俺の手の感触を楽しんでいる。
「あらあら……ずいぶん仲いいわね」
 ――と、いきなり声がしたと思えば庭にふわりと降り立つ人影。
 長髪をなびかせこちらに向き直ったのは意外と言うか予想通りと言うべきか。他の誰でもない俺のの恋人だった。
「やっほー、こんばんわ恭也」
「こんな夜に何しに来たんだ? というか不法侵入だぞ」
「いいじゃない細かいことは気にしない」
 ここが玄関だといわんばかりにこちらへ歩いてくる忍。どうやってここまで来たのか分かってしまえる辺り、俺も相当この非日常を受け入れているようで。
「いいのか? その力使っても」
「というか使わないといけないのよ。定期的に変身してガス抜きしないと健康に悪いみたいだからね」
 そう言われると確かに少しは息抜きしないと駄目だろうな。
15176 ◆iJ.78YNgfE :2007/07/02(月) 02:53:08 ID:1jPl8Fw3

「体が追いつくまでの辛抱だってエイミィには言われてるんだけどね。あんまり便利なものじゃないわよね」
 少し辟易ってな具合にお手上げしてみせる。そうして俺の隣にお構い無しに腰掛けた。
「でもいつでも一緒にいられるのと引き換えならね」
「おいおい、ノエルを心配させるなよ」
「残念、ちゃ〜んと許可は取ってあるから」
 肩にもたれながら猫撫で声でじゃれ付く。というかこれじゃほんとに猫そのものだ。
「はぁ……ならしょうがないか」
 まったく用意周到と言うべきなのかちゃっかり者と言うべきなのか……。
 いろんな意味で頭を抱えたい気分だ。
「えと……もしかしてわたしお邪魔?」
 俺と忍の顔を見比べながらおずおずとなのはが聞いてくる。そういえば今夜はなのはが隣にいるわけだから――。
「夜更かしはまだお前には早いからな」
「いいんじゃないの? まだ子供が寝る時間じゃないでしょ」
「お前の家とは違うんだ」
 いつの間にやら俺の腕に絡みついて顔を寄せて甘えてくる忍にさっそく予感的中といったところか。
「えっと……それじゃあお兄ちゃん、忍さん、おやすみなさい」
 ぺこっとお辞儀してなのはは足早に縁側から離れていった。なのはもなのはで気を使ってくれたというか、これからのことを予想してなのか。
「なぁに? もしかしてそんなに二人きりになりたかったとか?」
「そういうわけじゃない。これ以上は子供には刺激が強すぎるだろう……」 
「最近の子って意外にませてるわよ」
「うちの妹はウブなんだ」
 そうして何を思ったのか俺の膝へと寝転がりさらに甘えてくる忍である。
 悪戯っぽく笑いながら俺を見上げて、まるでこっちの様子を楽しんでいるようだ。
(むしろ楽しんでいるんだろうな……)
「恭也もウブだもんね」
「ああそうだよ。甘いのはあんまり好きじゃないんだ」
 砂糖とかそういうレベルではなく水飴を頭からぶっ掛けられるような気分になる。
 忍も忍でよくもここまで自分をはっちゃけられるのか。一種の才能として受け取っておこう。
「じゃあもっと一緒にいたげる」
「今のままで十分だろ」
「残念ながら足りませーん。今回のこともあるんだしもっと四六時中いないとね」
「……勘弁してくれ」
 きっと忍のことだ。もう頭の中には俺ととことんまで一緒にいるための計画が立てられているのだろう。
 ため息でも吐きたいのだが忍の手前、絶対弄られる材料にされるので我慢。
「じゃあ今夜は恭也の部屋に止まっていこうかなぁ?」
「…………はぁ」
 無理だった。
 ……前向きに捉えよう。今回の事件のおかげで俺たちの絆はより強く深まったと。
「勘弁してくれ……それだけは」
「じゃあ私の家にさらっちゃおうかな」
「それも……勘弁してくれ、頼むから」
 だからってここまで甘くされては……。

 ……やはりその……参った。

* * *
16176 ◆iJ.78YNgfE :2007/07/02(月) 02:53:50 ID:1jPl8Fw3

 ベッドの上で丸くなりながらまどろみついでに僕は考えていた。
 頭に浮かんでくるのはもっぱら今回の事件のことだ。僕らが今まで経験したことの無かった初めてのケース。
 確かに無事解決したことに変わりは無いけど、僕は内心手放しで喜べるような気分ではなかった。
(今日はもう寝ようかな……)
 せめて夢の中だけでもほっと一息つきたい。
 僕はいっそう体を丸めて瞼を下ろそうとして
「ユーノくんただいま!」
 ドアの開く音となのはの元気な声にまた上げることになった。
「恭也さんと話してきたの?」
「うん、いろいろあったけど丸く収まってよかったよ」
 ベッドに腰掛けて軽く伸びをしてなのはが無邪気に笑った。
「ほんとになのはの言う通りいろいろあったもんね」
 本当に、今回はいろんなことがたくさん起きすぎた。
 どれもがイレギュラーな要素ばかりで、おまけにそれが重なって。下手すれば収拾がつかない可能性だってあったわけで。
「でも本当に全部丸く収まったわけじゃないよね」
 忍さんは偶発的に覚醒してしまった魔法資質をこれから制御していかなきゃいけない。L・ジュエルのせいとはいえ彼女を魔法の世界に引きずりこんでしまったことに変わりは無い。
 そしてなのはたちの秘密が身近な人たちに知れ渡ってしまったこと。なのはのお兄さんやすずかの家のメイドさん。リンディさんも頭抱えてたな。
「僕がもう少し頑張ってれば恭也さんたちにはなのはたちの秘密はばれることは無かったはずなのに」
「封時結界のこと?」
「あれが破られたせいで結果的にみんなにばれたんだしね」
 確かに忍さんの抗魔法能力のせいもある。だけど結界の維持くらいならどうにかなったはずだと今は思ってる。
「ストラグルバインドだって破壊されたんだ。もっと僕に力があれば……」
 思い返せば最近の僕は何一つ役にたってない気がする。
 攻撃はしょうがないとしても得意な防御や援護魔法ですら別に僕がいなくても大丈夫な感じだし。
「なんだかアリサの言う通りマネージャーとして裏方に回ってたほうがいいかも」
「きゅ、急になに言い出すのユーノくん」
「だってそうじゃないか。アリサが近距離でなのはが遠距離。防御と補助はすずかが担当すれば」
 この三人は偶然にも得意分野がきっちりと分かれている。バランスよくまとまっているおかげでどの席も埋まってる。
17176 ◆iJ.78YNgfE :2007/07/02(月) 02:54:31 ID:1jPl8Fw3

 席が無いということ。それは僕の居場所が無いことだ。
 そうなってくると当然戦闘ではお払い箱だ。それに足手まといにでもなったらそれこそ示しがつかない。
「みんな力をつけてるし、なんだか僕がいる意味がないっていうか……」
 最善を考えるなら身を引くことも立派な選択肢の一つだ。
 下手に口を出してチームプレーを乱すなんてしたくないし……。
 僕が言い出したストラグルバインドでの拘束。あの時は自分でも自信のあった作戦だったけど結果はあの様。
 逆にみんなを窮地に追い込んで、もしかしたらもっといい方法があったかもしれないのに。
「そのほうがなのはもいいと思うよね」
「ユーノくん……」
「ごめん、愚痴だよねこれ……。夜も遅いしもう寝よう」
 口早に締めくくって体をバスケットに横たえた。ついでになのはと目を合わせないように体を丸めて。
 自分のふがいなさを口に出すと余計に情けなくなるな……ほんとに。
「……じゃあ電気消すよ?」
「うん、今日はなのはにお願いするよ」
 いつもは僕が消してたけど今夜だけはそんな気分じゃなかった。
 頭の中にあるのは早く寝たいの一言だ。
「おやすみ、なのは」
 とにかく今日を終わらせよう。
 悩んでしょうがないなら寝てしまえ。
「うん、おやすみ……」
 目を閉じればなのはの足音。規則的なリズムが耳に響く。
 ドア横のスイッチに向かってなのはは歩いているのだろう。頭の中にはそんな情景が映し出される。
 後は部屋が闇に包まれるのを待つだけだ。そうすれば否応にも睡魔が僕の体を明日に誘ってくれる。
 そう思ってその瞬間を今か今かと待っていると――
「――でもその前に!」
 足音が止まる。
 何事かと思って僕が薄目を開けようとした矢先、
「キュゥウ!? 」
 なにかにむんずと胴体を締めあげられて情けない鳴き声が口から先に飛び出した。
「な、え、えっ!?」
 何事かと目を開ければ視界一杯になのはの顔。
 あまりの近さに身を捩ろうとして気づく自分の状態。
「な、なのは!?」 
 一瞬の内になのはの両手が僕の体を鷲掴みにしていたわけで。
「ユーノくん!」
 ぐいっと持ち上げられてさらに僕の顔はなのはの顔へと近づかされる。
 既に両足は地に着いていない。宙ぶらりんで僕はなのはの成すがまま。
 眉を寄せて口を曲げて、どう見ても怒っている顔でなのはは僕を見つめている。あまりの迫力に僕は目を逸らしたい気分だった。
18176 ◆iJ.78YNgfE :2007/07/02(月) 02:55:13 ID:1jPl8Fw3

「なに……なのは」
「何でそんなこと言うの?」
「だ、だって……本当のことだし」
 なのはの声はいつもより少し低くて怒気をはらんでいることをありありと感じさせる。
「違う……ユーノくん全然分かってないよ」
 そう思えば今度は急に覇気の無くなった声になった。
 顔も心なしか悲しそうに変わる。
「確かにユーノくんの言う通りかもしれないよ。でもユーノくんがいなきゃ駄目なの」
「えっ?」
「どんな悪いほうに転がっても今回の事件が解決できたのはユーノくんのおかげなんだよ」
「でも僕は――」
 やったことは結果的に足を引っ張るばかりの無様なものばかりだ。
 挙句に恭也さんたちまで知らなくていいことを知らせてしまった。
「わたしたちだけじゃ駄目だったんだよ」
 僕の言葉をなのは早口で遮った。
「忍さんが元に戻りたいって願わなかったら多分わたしたちだけじゃ封印できなかった思う」
 静かに語り始めるなのは。
 徐々に僕の体を掴んでいる手から力が抜けていくのがわかる。
「忍さんにはお兄ちゃんやノエルさんが必要で、みんなが来てくれたから忍さんは元に戻りたいって思えた。これは絶対だよ」
「…………」
「みんなを呼んでくれたのはユーノくんなんだよ」
 それは結果論だ。
 僕が自らの意思で彼らをあの場所に引き込んだわけじゃない。偶発的な自体が重なってそうなっただけのこと。
「偶然でもいいの……ユーノくんがいてくれたから」
「そんなので僕がみんなといていい理由にならないよ」
 首を振ってなのはの言葉を否定した。
 その偶然がいつも事態を好転へと導いてくれるなんて絶対ありえない。
「じゃあ魔法の先生も止めるつもり?」
「そ、それとこれとは話が別だよ」
 流石にそこまで放棄していい理由にはならない。
 魔法の世界へ巻き込んでしまった責任は最後まできっちり取らなきゃいけないのは当然だ。
19176 ◆iJ.78YNgfE :2007/07/02(月) 02:55:55 ID:1jPl8Fw3

「それじゃあこれからも一緒だよ」
「魔法を教えることだけなら別に戦うときも一緒にいる必要は」
「ふぅん……もうユーノくんわたしだけの先生じゃないのに? 二人とも怒っちゃうよ」
「二人……?」
 一体誰かと思う前に良く知った二人が頭の中に浮かんだ。
「アリサ……すずか……」
 ああ、そういえば僕はあの二人の先生でもあった。
「そうだよ、ユーノくん。職務怠慢はいけないんだよ」
 悪戯っぽく笑いながらなのははそっと僕をバスケットに下ろした。
 今度は覗き込むように、僕を上から見つめる。
 その顔はどこか穏やかで、さっきまで怒ったり落ち込んだりしたのが嘘のように思えた。
「戦うときだって教えてくれなきゃ。わたしだって、アリサちゃんやすずかちゃんなんて魔法少女になったばかりなんだから」
 なのはの言うことは一理あるものばかりで、まるで僕の退路を断っていくようだ。
 でも――。
「なのはは」
「なに?」
「なんでそこまで僕のことを気にしてくれるの?」
「そんなの簡単なことだよ」
 すぐになのはは答えた。そこに躊躇なんてものは一切無い。
「分け合いたいから」
 言いながらなのは両手を伸ばした。
 そっと僕の頭を包み込むように、と思ったら、
「嬉しいこと悲しいこと、なんでもかんでも全部分け合いたいの!」
「ふぇ!?」
 頬を摘まれぐいっと横へと思いっきり引っ張られた。
「悩んで難しい顔しないで笑おうユーノくん」
「いひゃいっへば、なひょはー!」
20176 ◆iJ.78YNgfE :2007/07/02(月) 02:56:54 ID:1jPl8Fw3

「じゃあ笑ってくれる?」
「わひゃう! わひゃうから!」
 観念するしかなかった。流石にフェレット姿では人間にはどうあがいても勝ち目は無い。
 特になのはじゃすき放題されるのは目に見えているわけで。
「うう、いくら何でも酷いよなのはー」
 頬をさすりながら抗議の眼差しをなのはへ向ける。
「ごめんね。でもユーノくんには笑っていて欲しかったから」
 ちょっと舌を出しながらなのはははにかみ駆け出した。
 一瞬の間の後、パチッと音が聞こえ部屋は真っ暗になる。ようやくこの部屋にも夜が訪れたみたいだ。
「大好きな人たちの笑顔を守るのも魔法少女のお仕事だからね」
 暗闇の中でなのはが嬉しそうに声を弾ませた。
「明日はみんなにも聞いてみよう。ユーノくんが――ふぁ……どれだけ大事かを」
「なのは……」
「えへへ、ちょっと夜更かししすぎちゃったみたい。早く寝ないとね」
「……そうだね、おやすみ」
「おやすみなさいユーノくん」
 今日最後のなのはの言葉。今日を越えて明日へ旅立つ言葉。
(なんだか……馬鹿だな、僕って)
 さっきの言葉を反芻しながら自分を顧みる。
 僕に出来ることは戦いのサポートだったり魔法の先生だったりもするけど、
(僕も守ることなんだ)
 一番大事で、本当にやるべきことは大好きな人の笑顔を守ること。なのはと変わらないこと。
 守りあうこと。僕はなのはの笑顔を守りたい。
 いろいろあってすっかり忘れてたけど僕の願いはそれだったじゃないか。
 自分の居場所が無いなんてそんなの都合のいい言い訳。居場所ってのは与えられるんじゃなくて自分で作らなきゃいけないものなんだ。
(一度や二度の失敗でくよくよなんてしてられない。次で頑張ればいい)
 いつしか僕の心の中に浮かんでいたもやはすっかり無くなっていた。
 これもなのはのおかげだ。
(これだけはなのはが先生だな)
 なのはの言葉は魔法。
 誰かの悩みも悲しみも、みんな吹き飛ばしてくれるとびっきりの魔法だ。
(きっと明日は騒がしくなりそうだ)
 密かな期待を胸に秘めながら僕も夜に身を委ねていった。

 明日はどんな魔法をなのはは見せてくれるのだろう。
 
21176 ◆iJ.78YNgfE :2007/07/02(月) 03:06:39 ID:1jPl8Fw3

すいません、一体最後に投下したのいつだったかすら覚えてないくらい間の開いた投下です。
最近は職人も沢山増えて様々な作品がどんどん投下されて。
どれもこれもGJですよ。

話は変わりますが、これだけ書き手が増えれば投下スピードが遅い上、エロもないただの容量圧迫な
長編ばかり投下中な私はこのスレに適さないだろうと思いここから離れようと思いました。

そういうわけで以前の作品なども加筆修正したいこともありましてこちらでほそぼそと続けていこうと
思った次第です。

ttp://koko176.blog111.fc2.com/

まだ作ったばかりで右も左も分からない所ですがお暇があったら覗いてやってください。

新スレの容量無駄に使ってほんとすいません。
では、みなさんこれからもよき作品が生み出せるよう頑張ってください。ノシ
22380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/02(月) 03:22:17 ID:WM+aIOke
リンディEND書いてるものです。
こっちで投下します。駄目だったらうpろだ使います。
    注意書き
・CPはリンディXユーノです
・ちょっとだけエロがあります
・最後に脇役キャラとしてオリジナルのキャラ(*1)が出ます。
 (*1・メインキャラにはなりません、話の補助をするのに出ます)
以上です。駄目な方は飛ばして下さい。
23380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/02(月) 03:33:28 ID:WM+aIOke
また書きこめません…呪われてるのかな……
いいうpろだを紹介して下さい…
24名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 06:20:42 ID:qe/wVeev
書き込みできるのに投下できない…
行数制限超えてるのでは?
2518スレ308:2007/07/02(月) 09:00:28 ID:xCiOMxi+
専ブラから容量警告が出なかったので投下してしまった……
反省して以後気をつけます。
しかも最後のレスが自分のレスアンカーミスったレスとか、泣けてきます。

>>21,22
職人に敬礼!
乙であります。
26名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 09:21:58 ID:hnaQIty7
さて、初書き込み。
ユーノ×フェイト話の一話(?)が書き終わった。

簡単に説明すると
・エロなし
・コンセプトは「もしユーノが地球に適応できてたら」
・基本は無印本編準拠 よってPT事件終了まではダイジェスト(一話)

もう少し時間おいてから書き込んだほうがいいらしいのかな?
というわけで2話作成に入ります。
期待はするな。以上
27380:2007/07/02(月) 10:54:19 ID:Xpml+wFW
携帯からの書き込みですまん…

>>24
俺も行数かと思い減らしたが無理でした…
クッキーに問題有るのかな?
28名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 11:24:58 ID:FbecGzlZ
>>27
空白改行が多過ぎるとダメとかいうのを聞いたことがある気がする
具体的な内容についてはわからないけど
29380:2007/07/02(月) 11:29:42 ID:Xpml+wFW
>>28
空白改行が多いと駄目なのか…
修正して試してみますね。ありがとうです。
30名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 16:16:59 ID:K4cUuGTk
フェエリやはやエリでお風呂とかエロくなりそうだなぁ…
31名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 17:41:24 ID:F0r6P2Y+
SS01以来、エリオと一緒に入浴するのが癖になったキャロとか。
32名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 18:35:54 ID:8xh69/Re
六課の落日まだかぁぁあ!!
33246:2007/07/02(月) 20:19:56 ID:wfeIocPa
本編14話に悶絶していた246です。皆様感想ありがとうございます。

続きかけたので投下します。

エロ

なのは×フェイト(微妙かなぁ……)

34246:2007/07/02(月) 20:20:53 ID:wfeIocPa
「はぁっ、はぁっ……着替えなきゃ……」

 いつも通り、なのはと別れキャロは汚れた服を着替えに本来の自室へ向かった。
 まだ挿入感のある股をすり合わせ、這うようにして部屋に入る。
 使役竜以外、無人のはずの室内に微かに聞こえる寝息。今日、エリオはなのはの
所にはきていなかった。
 事前にそれを知っていたキャロは驚く事無く、服を脱ぎ新しい寝間着に袖を通す。

「……」

 寝返りをうったのだろう。微かにエリオが動く気配を感じながら、彼の寝顔を覗き
込んだ。

「エリオ君、寝てるのかな?」

 囁く声に返したのは、気持ちよさそうな寝息だけ。
 連日、なのは達に半ば強引に性欲処理として使われている彼に訪れた、久方ぶりの
休息。
 久しぶりに真っ直ぐ見た彼の顔に微笑み、キャロは時間を忘れエリオを見続けた。
 見れば、微かに目の下には隈がある。なのはが訓練を休めと言わないからだろう。
微かにそれに憤りながら、彼の目元をなぞる様に指を這わした。

「ん……」
「きゃっ、お、起こしちゃったかな」

 どうやらその心配はなさそうだと、キャロが安堵の息を吐く。目元に触れていた指
を、彼の唇に触れさせる。それを今度は自分の唇へ持って行き、目を細めた。
 だが、それでは足らない。内心の動揺を隠しながら、少しずつ彼の唇へ近づけてい
く。
 ゆっくりゆっくりと、息を止めてエリオの唇に自分の唇を重ね合わせた。

「キス……しちゃった」

 初めてのキスはなのはだった。不意の本当に、予想なんかしていなかったファース
トキス。驚きと悲しみと不快感しかしなかった。
 けれど今度は、心が温まるようなそんな感じ。
 唇を離し、余韻に浸る。指でなぞり、彼の感触を思い出す。
 トクンと心臓が脈を打つ。落ち着いていた呼吸が荒いものになる。
 導かれるように彼に跨り、ボタンを外した。
 本当に疲れていたのだろう。キャロに乗られてなお、エリオはやや苦しそうにしなが
らも熟睡だ。
 呼吸に合わせ膨らむ胸に比例して、キャロの欲望も膨らんでいく。
 首筋を舐め舌を這わせて、彼の小さな乳首を擽る。軽く甘噛みし、エリオの顔に赤
みが差し込む。
 起きたらどうしようと、不安が募る。
 嫌われたらどうしようと、恐怖が増していく。
 それら全てをどこかへ置いて、キャロはエリオの体に絡みつく。
 これは、自分を満たすだけの自慰行動。彼へものを握るのはまだ先だ。

「んっ、ふぁっ、えりお、君……んん!」

 しばらくの間、キャロはエリオの隣で喘ぎ続けた。
 その夜は、久しぶりに暖かかった。
35246:2007/07/02(月) 20:21:51 ID:wfeIocPa
魔法少女リリカルなのはStrikerS
―受け継がれるもの―
(6)

「ふあっ、はぁっ、んんっ!」
「だーめ、声だしちゃ」

 喘ぎ、熱い吐息を零すフェイトの口に指を入れ、音が漏れないようにする。
 フェイトがそれに噛み付き、微かになのはの顔が歪んだが、可愛い抵抗だと微笑ん
だ。
 時間は日が落ち、局員達が業務を終え、体を休めている時間。だが、隊長達にとって
はたまった仕事を片付ける、日々変わる事のない業務の最中。
 場所は室内ではなく、通路の隅。人が通らない無人の死角。だが、いつ人が来ても
おかしくない、今も人が見ているのではと思ってしまう公共の場。
 つまりは、仕事中のプライベートルームではない場所でフェイトはなのはに突然襲
われたと言うことに他ならない。

「や、やめてっ、こんなの誰かに、はぁっ、見られたらっ!」

 フェイトが、背後から抱きついたなのはを離そうと抵抗するが、軽く陰核を弾かれ
小さな声を上げて腰を落とした。
 なのはは、耐え切れず膝の上に乗ったフェイトの、赤みの差している首筋に息を吹き
かけ、制服のボタンを外していく。
 既にスカートはたくし上げられ、パンティは膝下までずり下げられていた。上もブ
ラジャーを残すだけ。なのはが荒々しくそれをフェイトのブラジャーを外し、締め付
けから開放された乳房が大きく揺れた。

「不安なんだ? 不安って想像しないと出てこないものだよね……フェイトちゃんは誰かに見られたらって、誰かに見られるのを想像してるんだ?」

 声には、少なくない興奮が混ざっていた。
 フェイトと同じように見られることを想像しているのか、それともいつもと違う状
況、そこでフェイトを辱めることに興奮を覚えたのか。
 フェイトが違うと頭を振りながら抵抗するのを見ながら、自分もスカートをたくし
上げパンティを下げ、腰を強くフェイトの太ももにこすりつけた。

「はぁっ、ふぇ、フェイトちゃんがいけないんだよっ、エリオを休ませようなんて言
うからっ」

 ふらふらのエリオを見かねての提案に、なのはは渋々頷いた。代わりに目の前でフェイトに動けなくなるまで一人でさせたのはいいが、なのはは何も出来ず、泣く泣く朝を迎
えてしまった。

「もうっ、んんっ、げ、限界なのっ、練習中もっ、デスクワークもっ、それしか考えられなかったのっ……だからいいでしょっ?」

 切羽詰ったなのはの反応にもフェイトは耳を貸さず、羞恥に泣きそうになりながら
震える声で講義した。

「だ、だったら部屋行こうっ? 部屋だったらっ、好きなことしていいからっ!
そ、そうだっ、はぁっ、エリオッ、エリオにしてもらおうっ!?」
「今はエリオのことなんかいいのっ」
「は、あぁっ!」
36246:2007/07/02(月) 20:22:44 ID:wfeIocPa
 苛立った声と共に、なのはがフェイトの膣に指を差し入れた。喘ぎ声と共に脱力し
たフェイトを抱きかかえながら、なのはが息を整えフェイトの胸を優しく揉んだ。

「フェイトちゃん最初は可愛かったのになぁ、エリオの前で一人でさせたり、エリオの
咥えながらとか、おもらしとかさせたりとか……今じゃ、フェイトちゃんが自分からするから
なぁ……」
「そ、それは、なのはが……!」

 なのはがそうさせた、そう叫ぶのを塞ぐように口を塞ぎ舌を絡めた。唾液をおくり、
強引に飲ませていく。
 まるでそれがの体の自由を奪うかのように、フェイトの瞳から次第に普段の光が消
え、残ったのは羞恥心と被虐の喜び。

「あのね、抵抗するのを屈服させるのがいいの。初めから素直にされたらそれはそれ
でいいけど、フェイトちゃんが堕ちる姿が見れないのは寂しいんだよー」

 抵抗が少なくなったフェイトに口端を上げ、なのはが愛撫を再開させる。

「ほら、腰が動き出したよ? もっとして欲しい?」
「い……やぁ……」

 フェイトも微かに身じろぎをするが、それすらもなのはにもっとして欲しいと言う
欲求の表れでしかなかった。
 あふれ出した蜜を指に絡め、わざとあわ立てるようにかき混ぜた。
 いやらしい水音にフェイトが顔を染め、なのはの視線から逃げるように顔を背ける。

「はぁっ、ん、あっ、な、なのはぁっ……!」
「ん? もっとして欲しい? 私もフェイトちゃん見てたら興奮しちゃうよ……」
「部屋で……しよっ? は、ふっ、私が……もっとしてあげるからっ……んんっ! 
エリオなんかっ、あんっ……いなくてっいいからっ……」
「もぅ、まだそんなこと言ってるの?」

 ここでするのと、なのはが更に指を激しく動かしフェイトを悶絶させる。乳首を抓
り、講義と共に喘ぐ声を塞ぐようにキスを繰り返した。

「はぁっ、はぁっ、ふぇいとちゃん……体はこんなにして欲しいって言ってるのにっ
お口だけだよ? お口以外……乳首もおまんこも、腕だって私のこと掴んで離さない
し、正直になったほうがいいよ?」
「ひゃっ……やめぇ、ふあっ、はぁっ、なのはっ、なのはぁっ……!」

 愛液が垂れる太ももを軽く撫でる。それだけでフェイトの体が硬直する。その隙に、
 なのはがフェイトを壁におしつけた。

「凄い……こんなヒクヒク動いてるよ?」

 なのはが膝立ちになり、フェイトの陰唇に口をつける。左手はフェイトの陰唇を割
り開き、右手は自分の陰核をこねる様に刺激した。

「ん、あぁっ、お風呂っ、お風呂入ってないのぉ! 口はっ、はぁっ!」
「うん、フェイトちゃんの匂い……ねぇ、でもそんなに大きな声出していいのかなぁ?」
 今更だけどとなのはが笑う中、フェイトが慌てたように両手で口を押さえ、自分の
喘ぎとめようと躍起になる。
 可愛いなぁと、なのはがフェイトの蜜をすすり、音を立ててしゃぶりつく。

「ふぁっ、んんっ……はぁっ、んん!」
「そうそう、声しちゃ駄目だよ。こんな事してるってはやてちゃんが知ったら今度こそ怒っちゃうから」
37246:2007/07/02(月) 20:23:41 ID:wfeIocPa
 じゃあやめて、そう言おうとしても、口から出そうになるのは自分が感じている証。
 できるのは口を塞ぐことと、なのはの愛撫に腰を動かして気持ちいいと報せることだ
け。
 フェイトから大量に溢れる愛液と、なのはが興奮に垂らす愛液が混ざり水溜りとな
っている。
 水溜りはピチャピチャと二人が流すもので広がっていき、彼女達のいる空間が周り
から切り離されたように異様なものへと変わっていた。

「ん……あっ、ひゃっ、なのっなのはっ、駄目っそれはっ……!」

 張りのある尻を揉み、ゆっくりとアナルへ中指を挿れていく。膣は舌でかき混ぜら
れ、アナルは緩急をつけてピストンを繰り返される。
 幾度となくフェイトは体をビクつかせ、バランスを失いそうになるが、その度なの
はが全身でそれを押さえ、フェイトを立たせた状態のままで維持し続ける。
 甘い蜜と、後ろの締め付けに心地よさを感じながら、決して達することのないよう
に緩急をつけて愛撫する。

「イきたいんでしょ? 正直に言ったほうがいいよ、言うまで止めてあげないから…
…それとも、このままのほうがいいのかな?」

 フェイトも、なのはの決して満足しきれない愛撫に、無意識に腰を押し付けていた。
 既に体はなのはの愛撫に委ねている。残るは、欠片ほどの理性とこの状況の羞恥心。

「あ、誰か来た」
「……っ!?」

 呟く言葉は、フェイトの理性と抵抗の力を取り戻すもの。そして、フェイトの羞恥心
と快感をそれ以上に引き上げるもの。
 途端締め付けをきつくしたアナルの感触と溢れ出た蜜の味に酔いしれながら、心に
もない謝罪を口にする。

「ふふ……やっぱり見られたいのかなぁ、このままずっとしてあげようか?」
「い、いやぁっ……このままなんてっ、もっと……」
「もっと、何?」

 慌てて口をかみ締めるフェイト。あと少しと、内心笑いながら少しだけフェイトへ
の刺激を弱めながらフェイトの反応をうかがった。

「そういえばエリオを休ませて良かったよ……今日はキャロも訓練に出てきてくれたし
……面白いことも出来そうだし……」
「きゃ、キャロまでっ、駄目だよっ……ふあっ!」

 いづれ分かることと、なのはは何も言わなかった。舌で陰核を転がし、同時にアナ
ルへ指を深く突っ込む。
 フェイトが目を見開き、あっさりと考えていたことを忘れさせるほど強い刺激を送
り続ける。
 フェイトが達する瞬間それをやめ、息を整えさせるように弱い愛撫を繰り返した。

「なのはぁっ、苦しいのぉっ、はぁっ……もういやなのぉ……」
「イヤ? イヤならお願いしなきゃ、イかせてって……もっとしてほしいって」

 考えることなんかできるはずがなかった。既に限界まで焦らされている。
 口を開き、なのはの手に頭を添えて懇願した。
38246:2007/07/02(月) 20:25:06 ID:wfeIocPa
「お願い……苦しいの……イけなくて辛いの、アナルもおまんこもクリトリス
も、して欲しいって言ってるのっ」

 イかせてください、そう呟き腰を押し付け力を抜いた。
 頷き、陰核に歯を立てる。腸壁を刺激するように指を折り曲げながら、滲み出して
いる腸液が卑猥な音を立てていく。
 飛び散った腸液と空気の漏れる音に、フェイトが羞恥の声をあげ、なのはが陰核を
刺激していた歯を少しずらした。

「ひあぁぁぁぁっ!!!」

 背を仰け反らせた勢いでバランスを崩し、その場に崩れ落ちるフェイトをなのはが
咄嗟に抱きとめた。

「今度は、もっと人が来そうな所でしようか?」
「……」

 仕事の時間はとっくに過ぎている。これからは、何も気にする事無く気持ちよくな
れる。
 そう、ぼんやりとした頭で考え、なのはにもたれかかりながら小さく頷いた。

「もっと、人のいるところ……恥ずかしいこと、したい……」
「うん、とりあえず手早くやろう」

 なのはがフェイトの服を整える事無く手を引いた。フェイトも、抵抗せずになのは
の後についていく。

「次、一回したらお風呂入ろうか?」
「……お風呂? 一緒に?」
「うん、洗いっこしよ。洗いながらもう一回して沢山気持ちよくさせてあげるから」
「うん……なのはといっぱいする……」

 局員と一人すれ違った。
 にっこり微笑むなのはに、真っ赤になりながら走り去る女性局員。
 何度もこちらを振り返りながら、今見たものが信じられないような表情で姿を消し
た。

「お風呂の後ね、お部屋でみんなでして……明日はお休みだから……何度でも、倒れるまでイかせてあげるから」
「みんな……?」
「うん、みんな……それはお風呂のあとのお楽しみ」

 考える事無く頷いた。
 なのはが気持ちよくしてくれるならそれでいいと、それだけを考えて。
 楽しそうに明日の予定を話すなのはに、微笑みながら頷いていく。

「デートして、久しぶりに玩具買いにいって……楽しみだね」
「うん、玩具……欲しいものがあるの」

 会話しながら後ろを振り返れば、何人もの男性局員が咄嗟に姿を隠すのが見えた。

「ここ……この影でしよっか?」
「ここ、人来るのかな?」
「来ると思うよ? 今も何人も見たし」
39246:2007/07/02(月) 20:26:14 ID:wfeIocPa
 俯いたフェイトをそっと抱きかかえる。見えない程度に物陰に隠れ、キスをした。

「ふあっ、なのはぁ、なのはぁ……」

 零れた唾液を舌で舐め取り、喉を鳴らす。
 夜はこれからだ。
 終わらない夜。何もかもが終わる夜。
 そして、新しい何かが始まる夜が訪れる。


* * *


「きゃ、キャロッ何で……?」

 戸惑うエリオを、強引にその場に引き連れた。

「何でって、ずっと言ってたよ? 私ね、エリオ君と一緒にお風呂はいりたいなぁって」
 時間は訓練が終わった直後。なのはがフェイトを捕まえる少し前。
 訓練の後になのはに言われた一言、それだけを考えキャロはエリオの手を引いた。

「キャロッ! あんた何考えてるのよ!? ここ開けなさい!」

 男性用シャワー室。キャロとエリオ、二人が今いる場所に、強引に押し入ろうとす
るのはキャロとエリオがここに入るのを見たスバルとティアナ。

「こんなの駄目だよ。ね? ティアさんもあんなに怒ってるから」
「何言ってるの? エリオ君だって毎日怒られるようなことしてるよ?」

 気まずそうに黙り込んだエリオに微笑み、フリードリヒを扉のほうへと向かわせる。
 命じたのはただ一つ。

「フリード、二人が入ってきたら邪魔してね……何してもいいから」
「キャロッ」

 キャロの様子が何かおかしい。それは、初めてなのは達と寝た朝に分かっていた
こと。
 冷たい瞳は、普段彼女が持っている優しさを分からなくさせるほどに暗いもの。
 見つめられ、ゆっくり頬をなぞられる感触は、あの人に見下ろされた時と同じよう
な支配感。

「エリオ君、服脱ごう?」
「……駄目だって、こんなの……」

 朝キャロを見たとき、何もしなかったことを初めて悔いた。謝って、なのは達の部屋に行かないと一言言えば良かったのかも知れない。
 だがその後悔は遅すぎて、なのはとキャロが楽しそうに話しているのを見て分かっ
てしまった。
40246:2007/07/02(月) 20:27:11 ID:wfeIocPa
「はい、上脱いでね」

 手を上げさせられ、強引に汚れたシャツを脱がされた。
 ズボンのベルトを外され、有無を言う前に膝下まで下げられる。

「どうしたのかな、エリオ君の……もう、こんなになってるよ?」
「キャロ……やめて……」

 張り詰めたエリオのそこは、キャロに見つめられた瞬間膨張した。
 触れられた瞬間、達しそうになるくらいビクリと震えた。

「可愛い……朝も凄かったけど……不思議だなぁ、何でこうなってるんだろう?」

 その口調も、上目使いなのに見下ろされたような圧迫感も、全てにエリオは反応した
 真っ赤になり、キャロから逃げようとするエリオをキャロが力を込めて抱きしめる。

「逃げちゃ駄目だよ? なのはさんに怒られちゃうよ?」

 腰を擦り付けられ耳元で息を吹きかけられ、声を上げたエリオの唇に自分の唇を押し付ける。
 舌を吸われ唾液を送られ、口内を犯される。
 その刺激は、初めて体験したものと同じもの。
 電撃魔法を失敗した時のような痺れと、何もかも考えられなくなる毒の味。

「エリオ君は、私と一緒に体を洗いっこするの。エリオ君の体綺麗にしてってなのはさんに頼まれたたんだぁ」

 嬉しそうに微笑み、微かに頬を赤くしたキャロの表情にようやく分からなかった何
かを掴んだ。
 自分に向けたその微笑が。
 自分を見つめるその視線が。
 自分の耳に吹きかけられる熱い吐息が。

「だから、エリオ君もおとなしく私の言うこと聞いてね?」

 少女のすべてがなのはと同じ、嗜虐に塗れたものだった。
 そして頷いた少年は、すべてが被虐に興奮する彼女と何も変わることのないもの
だった。
 キャロが汚れたパンツに手をかけた――――。
41246:2007/07/02(月) 20:28:56 ID:wfeIocPa
今回は以上です。ありがとうございました。

直前にお風呂の話題が入る中、怖い気がしますが、

次回はなのは×フェイト、キャロ×エリオのらぶらぶ洗いっこです



42sage:2007/07/02(月) 20:53:08 ID:mTJpqbfz
>次回はなのは×フェイト、キャロ×エリオのらぶらぶ洗いっこです
嘘だッ!!

6課の落日と受け継がれるものがここではぶっちぎりで黒いですなw
246さんはこのまま突き進んでください、何処までも付いていきますんで

コミカル分はターンAさんの淫獣に期待してますw
43名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 20:55:13 ID:mTJpqbfz
古典的な間違い死ねよ俺orz
44名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 21:18:14 ID:WpqVyY8z
>>42
そいやあの淫獣、ヴィヴィオも喰うんかなw
45名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 21:32:06 ID:uBFsy96/
>>44
正に自家発電
究極のオナニー
46名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 21:53:29 ID:nip6VaWm
ど〜でも良いけど、あの淫獣さりげなく13話でヴィヴィオの人形の中に紛れてるぞ
47名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 22:02:03 ID:CfhUEzb1
ユーノ×ヴィヴィオか。節操なさすぎだぜ淫獣。
48名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 22:08:14 ID:f/7IwjLc
>節操なさすぎだぜ淫獣
だてに淫獣の称号を名乗ってないぜw
49名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 22:15:01 ID:QfC8u5IH
246さんのなのはさんは相変わらずド鬼畜でいいなぁ〜w
フェイトの主従っぷりもまたv次回作期待してます!
506課の落日:2007/07/02(月) 22:44:06 ID:dCQEmzMc
こんばんは〜。
23時当たりに『6課の落日』を投下します〜。
51名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 22:48:01 ID:Ttg79qlh
おおっ!ついに6六課の落日が!
待ってました!!!!!
526課の落日:2007/07/02(月) 23:03:49 ID:dCQEmzMc
これより投下します。
本編の前に注意事項です。

・はやて&リィンU陵辱ものです(カリムもチョイ役で登場)
・今回も救いがありません
・今回もティアナが黒いです

以上のシチュエーションが嫌な場合はスルーしてください。
536課の落日〜end of dream begin of nightmare その1:2007/07/02(月) 23:05:29 ID:dCQEmzMc
「フォワード部隊との通信・・・・・途絶。」

シャーリーの報告に指揮所は重い空気に包まれた。

(完敗やな・・・・・)


はやては前から6課設立に反対していた人間が何らかのアクションを起こすことを予測していた。
そのために様々な人脈を利用し相手の出方を伺っていた。
だが、その相手の出方を全く掴むことができなかった。
はやてサイドに裏切り者、ティアナ・ランスターの存在があったからである。
ティアナは6課の情報を相手側に流していた。
これにより6課の情報はだだ漏れになり、その結果相手方の動きを完全には捉えることが出来ず今回のクーデターを許す結果となった。


「通信回線、オープンチャンネルで開いて・・・・・」
「りょ、了解!!」

はやての指示にシャーリーは通信回線を開く。

「八神部隊長、どうぞ・・・・・」
「こちら、機動6課課長兼部隊長八神はやて2等陸佐です。
我が隊は現時刻を持って投降します。
よって戦闘の停止を願います。」
『了解した。
これより指定するポイントへ集合しそこで投降せよ、以上。』
「八神部隊長・・・・・」
「みんな・・・・ごめんな。」

はやてはただ謝る事しか出来なかった。


それは、夢の終わり・・・・・
そして、新たな悪夢の始まり・・・・・
546課の落日〜end of dream begin of nightmare その1:2007/07/02(月) 23:07:18 ID:dCQEmzMc
「う・・・・ううん。」

殺風景な部屋の中ではやては目を覚ます。

(いつの間に寝てもうたんか・・・・・)

彼女がここに収容されてどれほど立ったかは分からない。
ただ分かることはここから脱出する手段が自分にはないということだった。
両腕は手錠がされておりその手錠は鎖でつながれている。
当然デバイスは没収されリミッターも極限に掛けられおり魔法が使えない一般人と殆ど変わらない状態。
部屋にも強力なAMF(アンチ・マギリング・フィールド)が掛けられている徹底ぶりである。

(頼みの綱はカリムやナカジマ三佐の部隊やな・・・・・)

だが彼女は知らない。
カリムは既に囚われており、ゲンヤの部隊は既にクーデター軍に一網打尽にされギンガもまた囚われの身になっていることを・・・・・

「みんなは大丈夫なんやろか・・・・・?」

その呟きに応える応えるように扉が開く音がする。
入ってきたのはティアナだった。

「気分はいかがかしら、八神はやて?」

ティアナは嫌みったらしい笑みを見せる。

「・・・・・最悪や。」
「あら、随分な言い様ね。
せっかく元部下が見舞いに来たのに・・・・・」
「裏切りもんの癖によく言えたもんやな。」
「この状況でその言葉が出せるなんてね・・・・・」
「ダテに修羅場を乗り越えてないからな。」

はやては気丈にティアナは睨み返す。

「でもその強気もそこまでよ・・・・・」

ティアナは不敵な笑みを浮かべる。

「どういう意味・・・・・」

はやてはその言葉を言い切ることが出来なかった。

「・・っ、っくぅ!?な、なんやこれ?」

突如はやての下腹部が熱を持ち始めたからだ。

「どうやら向こうは始まっているみたいね・・・・・」
「なにを・・・・したんやっ!!」

熱に焼かれながらはやてはティアナを睨み付ける。

「ちょっとあなたの相棒に細工をしただけよ。」
「相棒・・・・ま、まさか!?」
「連れてってあげるわ。
今、あの子がどうなってるかを・・・・・」

ティアナは不気味な笑みを浮かべた。
556課の落日〜end of dream begin of nightmare その3:2007/07/02(月) 23:10:20 ID:dCQEmzMc
「いやぁっ、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

空色の髪の少女、リィンフォースUは別室で男たちに蹂躙されていた。
幼い秘腔は男の剛棒が貫いており、出し入れのたびにリィンは悲鳴を上げる。

「くぅっ、いい締め付けだぜ。
本当にこいつデバイスか?」
「うあぁぁあぁああぁあっ、あうっ、はあっ、あああああああああっ!?」

男は腰を振る速度を上げ、リィンの嬌声のトーンが上がる。

「やべっ、でる・・・・・」

男は肉棒を彼女の奥深くに突きつけそこで精を吐き出した。

「ああああぁぁぁああああああぁああ!!
あつい、あつぃぃぃぃぃ!!」

リィンはあまりの熱さに絶叫を上げた。

「ああ・・・・・あぅ・・・・」

涙で霞む視界に移ったものそれは呆然と座り込んでいるはやての姿だった・・・・・


薄暗い廊下を二人の足音が鎖の音と混じって響いた。

「ふぅっ・・・・・くぅぅぅぅっ」

はやてはティアナに引かれながらも下腹部を襲う熱に必死に耐えていた。

「さぁ、着いたわよ。」
「リィン・・・・・」

リィンは何らかの細工を受けた・・・・・・
恐らくリンクレベルを精神だけでなく肉体レベルにまで引き上げたのだろう。
つまりリィンが感じていることははやてにフィードバックされてくる状態になっている。
そして下腹部、正確には膣内から発生する熱にはやてはリィンが何をされているかある程度の想像ができた。
それでもはやては彼女の無事を信じたかった。
だがその願いはティアナが扉を開いた瞬間に打ち砕かれた・・・・・
566課の落日〜end of dream begin of nightmare その4:2007/07/02(月) 23:11:00 ID:dCQEmzMc
「あああっ、うぁぅっ、あああああああああ!!」

人間サイズになっているリィンが男に蹂躙されていたのだから・・・・
そして・・・・

「ああああぁぁぁああああああぁああ!!
あつい、あつぃぃぃぃぃ!!」

膣内に精を受けリィンが絶叫する。
それと同時に

「・・・・・っ!!
くぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅ!?」

はやての膣内の熱が急激に上がりはやては思わず座り込んでしまう。
そしてその熱の暴走にはやては唇をかみ締めて堪えた。

「あら、どうかしたんですか?
もしかしてリィンの痴態に感じちゃってます?」
「・・・・!?
あんたが勝手にあたしとリィンの感覚つないだからやろうが!!」
「ふふ、この状況でまだそんな台詞がはけるんですね・・・・・」

激昂するはやてにティアナは冷笑する。

「さて、次は俺の番だな・・・・・」

一方、リィンは次の男に犯されそうになっていた。

「やめてぇ!!」

はやては思わず叫ぶ。
男たちははやてのほうを向いた。

「やるんならあたしをやって!!
それ以上この子に手をださんといて!!」
「何だよ、何が悲しくてあんたの頼み聞かなきゃらなねーんだよ?」

男ははやての懇願に冷笑する。

「お願い・・・・お願いやから・・・・・」

はやては涙ながらに懇願する。
576課の落日〜end of dream begin of nightmare その5:2007/07/02(月) 23:13:18 ID:dCQEmzMc
「いいわよ・・・・」
「ランスター秘書官!?」

ティアナの言葉に男たちはどよめく。

「部下だった昔のよしみよ・・・・・」
「ちっ・・・・・」

男たちはリィンからはなれはやてに群がった。

「何だこいつ、もう濡れてるじゃねーか。」

男の言葉の言うとおりはやての秘腔は愛液が溢れていた。

「これなら今入れても問題なさそうだな・・・・・」

一人の男が肉棒をはやての秘腔に押し当てる。

(・・・・・よし、リンクカットできた。)

はやてはこれから起こる感覚がリィンに伝わらないようにリンクをカットした。

「それじゃ、いきますか!!」

男は勢いよく肉棒を挿入する。
そして途中で何かが破れた音がした。
それと同時に、

「あぐっ、ぐぅあああああああああ!!」

はやては絶叫を上げた。
はやての秘腔からは純潔の証だった血が流れていた。

「あら、意外ねぇ。
てっきり6課設立のときに上層部に股を開いてたと思ったけど。」
「へへ、ラッキーだぜ。
まさか初もんだったなんてなぁ。」

男は出し入れを開始する。

「ぐっ、ううううぅううぅっ、くうぅぅううぅうう!!」

はやては唇をかみ締めながらリィンのいるほうに緯線を向けた。

(・・・・・えっ?)

「ああ・・・・・ふぇあぅああ・・・・・あああ。」

はやてが見たもの、それは自分の秘腔を指でいじくり回すリィンの姿だった。

(どうして、リンク切ったはずなのに?)
「リンクを切ってくると思ってね・・・・・こっちのほうでハッキングして再接続させてもらったわ。」
「なっ!!」

ティアナの手際のよさにはやては絶句する。
586課の落日〜end of dream begin of nightmare その6:2007/07/02(月) 23:15:30 ID:dCQEmzMc
「おや、どうしたのかな?」

他の男がリィンのほうへいく。

「だ、だめぇ・・・あぅぅぅあああ!!」

はやてはとめようとするが男は肉棒をつきこみ黙らせる。

「リィンのあそこが熱いんです・・・・・」
「気持ちよくなりたいかい?」
「はい、リィンいっぱい気持ちよくなりたいです・・・・・」

リィンの言葉を聞いて男は肉棒をリィンの秘腔に近づける。

「やめて・・・・・やめてぇぇぇぇぇ!!
ティアナ、約束が・・・・・」
「私があんたなんかの約束を守ると思ったの?」
「!?」

ティアナの冷酷な言葉にはやては愕然となった。

「そ、そんな・・・・・」

そして男の肉棒がリィンの秘腔に飲み込まれた。

「あああああああああっ!?」
「ひぃいあああぁぁああああっ!?」

二人は快楽を示す嬌声をあげた。
肉体レベルにまでリンクされた影響でお互いの快楽は共鳴し二人にすざましいほどの快楽が襲い掛かった。

「あああっ、ひぃぃやぁぁああああっ、あああああああ!!」
「へへ、初めての癖しやがってなんて声で鳴きやがるんだ。」
「こっちもすげぇよ、主従揃ってエロいぜ、本当によぉ!!」
「ふぁぁぁっ、あああっ、もっと、もっとリィンをきもちよくしてくださいぃぃぃ!!」
596課の落日〜end of dream begin of nightmare その7:2007/07/02(月) 23:16:05 ID:dCQEmzMc
すざましい快楽に幼いリィンの精神はいとも容易く崩壊する。。
一方のはやても想像を絶する快楽に思考が少しずつ薄れてきていた。
そして、快楽から来る締め付けに男たちは既に限界を迎えつつあった。

「やば、もう限界だ。」
「俺もだ・・・・・孕むほど出してやるぜ!!」
「やぁああぁあ、いやぁぁぁぁぁぁぁ!?」

中に出される恐怖にはやては悲鳴を上げる。

「ぐう、うおおおおおぉぉおお!!」
「いやぁあああ、でてるっ、いやぁあふああああああああああああ!!」

子宮に熱を感じはやては絶頂を迎える。
それに呼応するように。

「いくぅっ、いっちゃいますぅぅぅぅぅぅううぅ!!」
「ぐぅおっ、出る!?」
「ふぁああ、あついっ、あついいいいいぃぃぃぃいいぃいい!?」

リィンも絶頂を迎え男の精を奥に受ける。
その結果快楽が共鳴し更なる絶頂が二人に襲いいかかる。

「ひぅぅう、な、なんひゃ・・・・あひゃぁぁぁああああああ!!」
「おひゃひくなるぅぅうう、ひぃん、おひゃひくなりまふぅううぅぅうううう!!」

二人は強化された快楽に遂には意識を失った。

「何だよ、気絶しちまったじゃねーかよ。」
「問題ないわ・・・・・またつきこめば目を覚ますわ。」
「そうか、それじゃあ、第2ラウンドといきますかな・・・・」

順番を待っていた次の男がそれぞれの獲物に組み伏す。

「それじゃあ、後はあなたたちの好きにしなさい。」

ティアナは部屋を後にした。
606課の落日〜end of dream begin of nightmare その8:2007/07/02(月) 23:16:44 ID:dCQEmzMc
ああ、あっ、あああ、ふあぁあああ。」

寝室で一人の金髪の女性、カリムが男の上にまたがり腰を振っていた。


カリムもたはクーデター軍に囚われなのはたち同様に局員たちの性欲処理にまわされた。
そしてその相手は管理局の局長でそのまま彼専属の性欲処理係にされてしまった。


「フフフフフフ、ベルカの女の膣はなかなかのものだな・・・・・」

男は彼女腰を掴み激しく突きこむ。

「ああ、ひぁああああ、あっ、あっ、ああああああああああああ!?」

その男の激しい突きこみにカリムは絶頂に達する。
男はそのまま彼女の膣に精液を流し込む。

「あああああっ、ああ・・・・・はぁ、はぁ・・・・・」

膣の熱を感じ体を震わせた後、男のほうに倒れ伏した。
その瞳は既に生気を失っておりかつて母性に溢れた聖王騎士の面影は完全になくなっていた。
そこに通信のコールが入る。

「・・・・・・私だ。」

ウィンドウが開き一人の男が映し出される。

「おや、局長。
どうやら取り込み中でしたかな?」
「構わん。
連絡をしてきたということは『アレ』の準備は出来たということか、Dr.スカリエッティ?」
「ええ、後は実戦データが取れればいつでも量産体制に入れますよ。」
「なら実戦テストの相手は私が選んでおこう、詳細は後で送る。」
「分かりました・・・・・」

そこで通信が切れた。

(ティアナ・ランスター・・・・・そろそろご退場願おうか。)

邪悪な笑みを浮かべ局長は再び腰を動かしカリムの膣を蹂躙し始めた。


・・・・・To Be Continued
61後書き:2007/07/02(月) 23:19:09 ID:dCQEmzMc
というわけではやて&リィン(+カリム)パートでした。
最後の被害者のティアナさんには今まで以上に酷い目にあってもらう予定です。

・・・・・にしても陵辱物は書いてて精神的に疲れるのは何故だ?
62名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 23:20:45 ID:LwgVtJnB
GJ
ティアナは王道の捨て駒フラグですかw
63名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 23:27:17 ID:XlPILBEd
>>61
そりゃあーた、きっと陵辱物よりも純愛やギャグを無意識のうちに望んでいるのでは?
それはともかく投下乙&GJした、いいぞもっとやr(フレスベルグ!

とりあえず、エリオやヴァイス他野郎連中が全く出てこないのは幸せなのか不幸なのか……どっちなんでしょうね?
そして風の人の最後にwktk
64名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 00:06:16 ID:lmUOtn8r
12話見たら
ナンバーズに犯されるエリオが思い浮かんだ
65名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 00:09:28 ID:E3cIazKN
>>63
とりあえず、エリオやヴァイス他野郎連中が全く出てこないのは幸せなのか不幸なのか……どっちなんでしょうね?
まあ、一話ですでに男全員死亡と徹底していますし出てきようがないのではw

ティアナさんが捨て駒にされるのはお約束ですなw
お約束を貫いて絶望してもらいたいです(ぉ

今回のGJ!はやてもリンも絶望のうちに終わりましたな
ジュネーブ条約はこの世界にはないのですかいw

次回作にもwktkしておきますので頑張ってください
66名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 00:47:33 ID:DoQsf4wZ
>>65
ジュネーブ条約は、ほら。
この世界、そもそもジュネーブが無いしw
67名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 00:56:02 ID:S0XD1t8X
246氏
6課の落日氏

なんとご馳走が続いてるんだ!
68名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 01:06:52 ID:iw+XQdf1
>>65
>ジュネーブ条約はこの世界にはないのですかい

他所の次元世界にそこの許可なく勝手に乗り込むのがデフォの世界にそんな人道的な条約なんて…。
まあ、トルデシリャス条約ならあるんじゃないかとw

トルデシリャス条約
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%A3%E3%82%B9%E6%9D%A1%E7%B4%84
69名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 01:10:00 ID:oN5zNbz+
俺は思った…
エリオは年上に攻められてその真価を発揮すると……
70名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 01:53:57 ID:jjgFsvaw
フェイト×エリオまだ−?
71名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 03:30:48 ID:GRa9Xi8W
フェイ×エリよりエリ×フェイの方がいいです
でもどうせならなのはさんハーレムとか見てみたいです

フェイト、ティアナ、スバル、ヴィヴィオを自室で侍らせて悦に入るなのはさんがなのはさんがががっががっがっががGAGGAGAGAGAGGGGGGGG
72380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/03(火) 04:23:46 ID:AKh2CMeJ
親父のPC借りて書きこ中〜
これでも駄目だったら、一話と二話纏めてロダにあげます。
迷惑かもしれませんが、ごめんなさい。
内容に期待するなよ??

注意書きは>>22でご確認を…
73380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/03(火) 04:25:28 ID:AKh2CMeJ
(1)
ここはとあるマンションの一室、二十歳位の青年は頭を抱えて悩んでいた。
「……ど〜してこんな事になったんだろ………」
青年はため息をついて横を見る。青年の横には髪の長い美しい女性が眠っていた。
その女性の髪の色はエメラルドグリーン、よく手入れがされているらしく輝きがあった。
顔は整っていて何故か幼さを感じるものもあった。
青年はその女性の顔に見覚えがある。むしろ大変お世話になった方だ。
「なんで僕の横にリンディさんが寝てるの……」
青年は昨日の事を思い出そうとするが思い出せない。しかたなく状況を整理することにした。
「今の状況は…裸の僕の横でリンディさんが寝ている……裸?」
青年は自分の体を見る。何も身に着けていないようだ。恐る恐る青年は自分の下半身を触る。
普段はあるはずの下着の感触がまったく無い。思考が停止する…
(マジで…!?僕が全裸なだけかも…)
そう己に言い聞かせリンディさんの方の布団も捲る。抵抗はあるが確認のためだと言い聞かす。
布団を捲るとやはり全裸だった。仰向けで眠っているからか、胸が隠れていない。
シグナムの胸に匹敵する胸がそこにはあった。見ちゃいけないと思いつつもこの年頃になると
どうも気になってしょうがない…ばれない程度に見ることにした。
(うわぁ…柔らかそう……)
そう思っているうちに手は胸に近づいていく。駄目だと!と思った時にはすでに触っていた。
柔らかい感触が手から脳に伝わる。思考が回らなくなる。その柔らかさをさらに堪能したくなったのか
指に力が入る。少しずつではあるが確実に胸の揉んで行く。
リンディの体が微かに震える。どうやら感じているようだ。
しかし青年は気づかない、そのまま胸を揉み続ける。少し時間が経つと、胸の刺激で乳首が硬くなるのが
分かった。その硬くなった乳首を指で上下に弾き、押し潰したその時…
74380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/03(火) 04:26:15 ID:AKh2CMeJ
(2)
「んっ……んんっ…!」
リンディが目を覚ましたようだ。ばれたら大変なことになると思いその場を離れる。
「ふぁ〜…お早う御座います。ユーノ君♪」
「あっお早う御座います…」
どうやらばれてない様だ、ほっとするが心が痛んだ。
「よく眠れましたか?」
「大丈夫みたいです。でもちょっと頭が痛いかも…」
「それは大変!いま頭痛薬をとって来ますね」
そう言うとリンディは起き上がり、部屋を歩き回る。ユーノはその姿じゃいろいろヤバイと感じた
慌ててリンディに伝えた。
「わぁ!!歩き回るのはいいですが、服を着てください!!!」
裸の女性が部屋を歩き回るのは彼女のいないユーノにとっては刺激的すぎた。
しかしリンディはサラリととんでもない事を言った。
「私の裸なんて昨晩しっかり見てたじゃないですか♪」
どうやら気分が良い様だ。声が弾んでいる。しかし思考がそこで止まる。
「えっ…?昨晩……?」
悪い予感がする。こういう時の悪い予感は的中する。でも…出来れば考えたくなかった…
「そうですよ。昨晩激しく愛し合ったじゃないですか〜♪ほ〜らっ!!」
そう言ってリンディがユーノに近づく、ユーノの前でリンディは胸を少しだけ隠しながら、
左胸の上を指差した。そこには赤い痣のような物があたった。
「えっと…これは………?」
知っている、でも聞かずにはいれなかった…出来れば嘘であって欲しかったから…
「知らないんですか?キスマークですよ。キスマーク♪此処だけじゃなくて首筋にもあるんですよ」
と言って首筋を見せる。同じマークがある。ユーノは恐る恐る聞いた。
「これ…僕が……?」
「昨晩の事覚えてないみたいね…初めてだったし仕方ないか…ええそうよ。
 ユーノ君の首筋に私が付けたマークがありますよ」
そう言って鏡を僕に渡す。鏡を見ると左の首筋にあった。正面にありスーツでも着ないと隠せない
所に残されていた。
まったく記憶が無い、記憶が無い以上は聞くしかない、恥ずかしいが聞くことにした。
「昨晩の…僕ってどんな感じでしたか……」
「昨晩は…初めてとは思えないほどのテクニックで攻めるときは攻めて、甘えるときはとことん甘えるわね」
昨日の状況を顔を赤らめながらも嬉しそうに話す。
会話を聞いて自分の血の気が引くのを感じた。変な汗が出る、心の臓がバクバク言ってる。
「私が限界なのに、無視してガンガン攻めるところが素敵でしたわ♪」
僕って鬼畜じゃないか…自己嫌悪してとさらな追い討ち攻撃が待っていた。
「甘えるときは赤ん坊のように甘えるわ。昨晩はずっと胸を吸って遊んでたわ♪」
キャーとか言いながらリンディは顔を赤くしながら、体をくねらせ悶える。
ユーノは完全に固まって真っ白になっていた…
(僕って鬼畜と言うより……純粋の変態だ!!!!!!!!!!!!)
ユーノの中で何かが壊れた
「Nooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
75380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/03(火) 04:27:41 ID:AKh2CMeJ
(3)
とうとう精神が壊れた。自分がこんなにも怒変態だったとは思わなかったようだ…
「ユーノ君気にしないで!どんなあなたでも私は平気よ?だからこれからも宜しくお願いするわ♪」
「えっ?」
リンディがそう言うとユーノの唇を塞いだ。一瞬のどんな状態だか分からなかったユーノだが
その柔らかい唇の感触に身を任せることにした。
唇が離れるとお互いに黙ってしまった。しばらくするとユーノの携帯が鳴る。
「あっ!すいません…」
一応断りを入れてから電話に出る。どうやら無限書庫からのようだ。
「はい。あっ!クロウ?どうした…今から行く!!」
そう言って電話を切るとユーノは急いで着替え始める。
「リンディさん!大変です遅刻しちゃった!!!」
そう叫ぶと急いで着替え、マンションを出た。
後ろでリンディさんが何か言ってるがそれどころではない。
何か大変な事態だが後で考えることにして、今は職場に向かった。
〜〜〜無限書庫・司書長室〜〜〜
遅刻しながらもどうにか職場にたどり着いたユーノ。息を整え仕事の準備をしていると突然ドアが叩かれた。
「は〜い、開いてますよ」
「どうも・・・」
入ってきたのは二十歳位の男性だ。男性はユーノに近づき話しかけた。
「ユーノが遅刻とは珍しいこともあるもんだな」
「ははは…色々あってね……おはようクロウ」
「あぁ、おはようさん」
ユーノはクロウに挨拶をした。
クロウ、無限書庫の司書でユーノの数少ない友人。大学中退で就職を探しているところをスカウトされた。
最初のころは硬い感じだったが、今はユーノにタメで話せるほどの仲だ。
「クックック…二時間の遅刻とは……昨晩は大変お楽しみだったみたいだな」
嫌らしい笑いかをしながら本題を切り出してきた。いきなり核心を点かれ焦るユーノ。
「なっ!いや…その……何と言うか……」
「まっ!若いんだしその位やっても問題ねーだろ」
「しかし……」
76380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/03(火) 04:28:19 ID:AKh2CMeJ
(4)
どこか歯切れの悪いユーノにクロウは問い詰めようとした時、外部アクセスの端末が鳴る。
「んっ?誰だろ…」
「愛しの彼女様からだろ」
と笑いながら話すクロウ。クロウの彼女と言う単語の対して浮かんだ女性は、
なのはではなくリンディだった。最初は疑問に浮かんだが今朝の事があったから、
浮かんだのかも知れないとそう考えることにした。
考えているうちにクロウが扉の前に立っていた。
「はいは〜い。今開けますよっと…いらっしゃ〜ぃ……」
扉を開けた瞬間クロウは固まった。予想外の人物がそこにはいた。
ユーノはクロウの体格で見えにくいが、そこに誰がいるのかは分かっていた。
「えっと…ちょっと失礼します」
そう言いクロウを避け中に入る、緑の髪の女性リンディ。ユーノに近づき、優しい笑みで話し始めた。
「はい、ユーノ君。持って来たんだかちゃんと食べて下さいね?」
と言いながら小さな小包をユーノに手渡す。
「これってまさか…」
「ええそうよ。貴方の為に作った愛妻弁当よ♪」
弁当でも『愛妻』かよ!と心で突っ込みながら固まるユーノ。『愛妻』の響きに凍りつくクロウ。
「残したらイヤですよ…?」
と小声で呟いて走り去ってゆくリンディ。司書長室に重い空気が流れる。
先に動いたのはクロウだ。
「OK…OKだ司書長。何があったのか……おにいさんに詳しく教えなさい」
そう言うとクロウは来客用のソファーに腰を掛ける。ユーノはクロウに昨晩のから今朝にかけてを話した。
今朝起きたら隣にいた事、すでに一線を越えてしまった事、昨日の記憶が無い事とすべてを話した。
全てを話すとユーノは立ち上がりクロウに珈琲を淹れる。
「話を聞くと昨日の情報が無いのか……俺の分かる範囲でなら話そうか?」
「お願いします…」
「でも…聞くからにはもしかすると覚悟が必要だぞ……大丈夫か?」
そこまで念を押される。しかし聞かないことには状況が分からない…聞く事にした。
「大丈夫ですお願いします」
全てがここから始まる・・・
77380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/03(火) 04:33:59 ID:AKh2CMeJ
ごめん…sage忘れてた………
えっと…書き込めました!!!!何故に???
オンボロPCだから色々ろ駄目か……

2話は早ければ今日の昼か深夜にでも…
78若野盆地竹村竹子029:2007/07/03(火) 05:49:23 ID:+LJl8KdU
続き
苺の両手が、みずほの両乳房からスカートのある腰部分へと降りて
いった。左手の方はみずほのヘソ部分を右腰の方へと押さえており、
逃げられない事を暗に諭す為だ、そうして無抵抗なみずほを自分の
好きな様にこれから弄る事が出来る事に、苺は満面の笑みを浮かべて
いた。最も、みずほからは見えなかったが。
右手でみずほのベージュのセミロングスカートのファスナー部分を
“ジャー”と下げ、ボタンも外すとスカートは呆気なく下へと降りて
いった。呆気無さ過ぎてつまらなかった。
苺『さてと、先生のオ・マ・ン・コ・・・。ふふふふ』
みずほ『ヤメテ、言わないで』
ワザと性器の矮称を露骨に口にし、言葉責めを仕掛ける苺。
後ろから前へと場所を変えると、先生の乳房が露わになった上半身と
共に、ベージュのパンティーストッキングにどうやら白の パンティー
が目に映る。
苺『さてと、先生のオマンコ・・・多分乳首のあの色から見ても
薄桃色ね。楽しみ。ふふふふ。』
みずほ『ああっ、言わないでっ。恥ずかしい。』
苺は膝立ちになり、ベージュのパンティーストッキングに手をかけた。
左腰部分を右手、右腰部分を左手で、ワザと焦らす様に少しずつ
ゆっくりと下げていった。それと同時にみずほの白のパンティーが
上から少しずつ見えていった。
苺『わぁ、先生ったら生徒に男女問わず誰にでもオッパイ見せる割には
清純なの履いてる。意外。ふふふ』
みずほ『わっ、私は淫らな女じゃ・・・。イヤ、見ないで』
ベージュのパンティーストッキングを同じく焦らすように右足・左足と
脱がし終えると、苺は暫し眺めていたが、みずほのパンティー布地縁と、
左足内腿の股関節との間を、右手人差し指で“下から上、上から下”
へと優しく撫で回す。
苺『ふふふふ、感じてる?先生?』
みずほ『ああっ』
今まで“焦らされる”と言うことが無かったみずほにとって、苺からの
愛撫は“同性から受ける恥ずかしいながらも、今までカラダが求めて
いた未知の愛撫”だった。確かに“女のカラダは女が良く知っている”
と言う言葉通りだ。豊満なプロポーションをしてるが故に、そう言った
プレイを桂はして来ず“胸とオマンコ弄りと挿入のみで”苺からの
“焦らされ弄ばれる”愛撫を知り、みずほは“SEXの奥深さ”を知った。
ある意味不幸であった。

79名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 06:01:36 ID:S0XD1t8X
>>77
ふうむ
第一話だけならドタバタコメディで済みそうなんだが、はたして……
80名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 07:31:25 ID:a+aZ8jWO
スバル・ティア・キャロ・エリオの4人で麻雀をしてカモられるエリオ
身ぐるみ剥がされ女三人に汚される

そんなシチュ希望
81名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 09:11:45 ID:g/Fu6xjl
>>78
こりゃどっからの誤爆だ?w
82名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 09:14:23 ID:efSQAI24
>>61
待望のはやてキター!!6課の落日GJ!
最近のタイダルウェイブな投下の流れについて行けてない俺ではあるが
落日は読ませてもらった!
次でとうとう最後らしいがギン姉はどうなのかな?
どっちにしても楽しみにしてやすぜ。
83名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 09:17:22 ID:RwKyTLlX
>>81
おねティだろ
84ユーノマニア:2007/07/03(火) 13:52:05 ID:nt6IuxyM
>>26のものですがそろそろ初投下に挑戦。
人生初小説なんで色々容赦。
アニメのユーノ分のなさに絶望した男のパッションをみよ!

タイトル 『魔法少女ネガティブフェイト』
・ユーノ×フェイトもの
・エロなし
・一話は本編準拠のためダイジェスト
・ニ話は半年後になりますがA´sとは別物
85魔法少女ネガティブフェイト:2007/07/03(火) 13:53:21 ID:nt6IuxyM
「やっと3つ、苦労はしたけどそれでも3つ集めることが出来た…」
深夜の街、ひときわ高いビルの屋上に赤く輝く宝玉を眺める少年がいた。
「まだ先は長いけど、うん。これなら、いけるかもしれない」
決意を新たに、手にした宝玉――レイジングハートを握り締め、夜の空に飛び出していく。


僕と金色の髪をした少女はお互いに向き合う。
彼女が誰なのか、とか何故コレを集めてるか、なんてわからないけど、
「僕はきっと君に勝てないし、君が既に回収したジュエルシードを奪うことも出来ないし、と思う。
だから、僕は…そう、僕を君に協力させてほしい」
少女は静かな表情に猜疑の色がはしる。
「手は間に合ってるし、信用できない。だから――」
「レイジングハート、交渉が決裂した、と判断したら『キミの内部にあるモノごと自爆するんだ』」
「ッ!!」


「いや、ちょ、ちょっとまって!お風呂まで一緒って!!」
うろたえた声をだすユーノ(と言う名前らしい。偽名かもしれないけどたぶん本名)
いくら協力関係を結んだからといって、信頼できるどうかは別問題だ。
依然として彼のデバイスに封印されているジュエルシード。それを奪うまでは逃がすわけにはいかない。
「お風呂はいってる時逃げられると困るから…」
「逃げない!逃げません!ああもう、アルフ!何とか言って!」
ソファーでごろごろしてたアルフは急に話を振られて、
「あーめんどくさいねぇ。風呂ぐらいちゃちゃッと入ればいいじゃないか」
とユーノをがっちり確保し、浴室へと連れて行く。
なんでそんなに嫌がってるのだろうか…宗教上の理由かなにか?


ジュエルシード蒐集はおおむね順調。
僕が探索を担当し、見つけたジュエルシードをフェイトとアルフで封印。
やはりまだ信用されてないのだろう、封印には手を貸すことも許されない。
レイジングハートに封印された3つのジュエルシード。今も変わらず手札はコレだけ。
最後には彼女の集めたジュエルシードを奪取し、安全な保管場所に収めなければいけないのだが…
「正直、手詰まりのような気がするなぁ…」
戦闘で勝てる相手ではなく、常に身につけられているバルディッシュを奪うのも難しい。
時空管理局に頼る、と言うのも手の一つではあるが接触をする時間など与えられないだろう。
「ユーノ、もうちょっと詰めてくれないと入れない」
「あ、じゃああたしそろそろ出るよ。二人はのんびりしてな」
なにせ一人でシリアスに考え込む時間すらないのだ。
というかわりと『一緒にお風呂』に馴染んでしまった事に自己嫌悪してたりする。


「本当に…どういうつもりなんだろう…ユーノ」
既に回収したジュエルシードは半数以上。ペースもアルフと二人だけで探していた時よりずっと早い。
しかしそれ故に不安にもなる。ユーノは何を考えて、自分たちと行動をともにしているのか、と。
「いいんじゃないのかい?あたしは結構好きだぞ。料理も上手だしな。少なくともあの女よりは、ね」
アルフ、と小さくたしなめる。このコは母さんのことが嫌いのようで、それが少し悲しい。
「ま、変な気起こしたら返り討ちにしてやればいいのさ、フェイトのほうが断然強いんだからさ」
「うん…でも、そんなこと、しないで済めばいいな」
なんだかんだいって、初めて出来た友達(とは少し違うかもしれないけれど)だし、
ちょっとづつだけどお互いのことが解ってきている気もする。
「フェイト〜、アルフ〜、晩御飯できたから手を洗っておいで〜」
本当に、そんなことにならなければいい。
86魔法少女ネガティブフェイト:2007/07/03(火) 13:55:02 ID:nt6IuxyM
「フェイト?!こんなぼろぼろになって一体何が?!母親のところに顔を出すだけだって…」
そういって出かけていったフェイトのあんまりな姿に、気が動転する。
「大丈夫、いつもの事、だから」
さらに問いかけを重ねようとしたが、フェイトの言葉と表情がそれを出来なくする。
アルフもフェイトに肩を貸したまま沈黙をまもっている。
部外者といえばどこまでも部外者ではある僕だけど、此処に至りようやくその異常性に気付いた。
こんな小さな女の子が、あんな病的といえるほど必死になって、さらにこんな危険な代物を追い続ける。
なにか事情がある、ぐらいは解っていた。しかし、この状況は何だ?
彼女から聞かされた「母さん」と言う言葉の響きは間違いなく愛情のソレだったはず。
ああ、いつか彼女から隙をついて全てのジュエルシードを奪い取ろう、といってる僕が考えることじゃない。
そのはずなのに。

ついに全部のジュエルシードが揃った。
場所は海。海中に沈んでいたジュエルシードを魔力で無理やり起動させ、後はいつもどおり。
全部揃ったらどうしよう、ってずっと考えていた。
母さんは喜んでくれるだろうかとか、コレをどんな風に使うんだろうとか。
あくまで協力者のユーノは、どうするんだろう、とか。
でも、そんな考え全て吹き飛ばすかのような来訪者。
時空管理局執務官、と彼は名乗った。
今まで上手く管理局の監視をすり抜けてきたが、流石に今回はばれてしまった様だ。
「もう一度いう、手荒な真似はしたくない。おとなしくそいつをこちらに渡してもらいたい」
魔力量は勝っている、けど技量という点で圧倒的に負けていることは何度か打ち合っただけで理解できた。
相手は一人、彼さえ倒せれば、と思うのだがそれが難しい。
どうにもならない、と諦めが頭をよぎり始めた時、すぐ傍にユーノがいることに気付いた。
彼は自分のデバイスを私に渡し、小さく囁いた。
「フェイト、キミがお母さんと仲良くできることを願ってる」
その言葉の意味を理解する前に、ユーノは管理局の人間を結界に巻き込み即座に結界ごと長距離転送を行った。
私は、しばらくその場から動くことが出来なかった。

「君は自分が何をしたか、判っているのか!」
管理局の次元空間航行艦船『アースラ』に連行された僕にされたのはまず説教だった。
そして互いの情報交換。
今まで知りたいと願っていた真実を、僕は知る事になった。
「プレシア・テスタロッサの娘が死んでる…?もう何年も前に?!」
管理局に残されている情報は、知っている情報と随分食い違う。
考えられる可能性をピックアップ、荒唐無稽なものや矛盾、齟齬のあるものを省いていく。
フェイトの年齢、フェイトの行動、フェイトに刻まれていた虐待の痕、アルフから聞かされていた決意。
「そんな、いやまさか、でも…」
最悪の想像。もしコレが当たっていたら、僕のしたことは…フェイトやアルフは!
いや、考えるのは後だ。
心からの笑顔が見たいと思ったんだ。彼女の顔を曇らせるものは、この手で払おうと決めたんだ。
そのためなら他の全てを裏切ってでも。
「リンディ艦長、クロノ執務官!お願いがあります」
どこに行けばいいのかは判っている。
レイジングハートが彼女の――フェイトの元へと導いてくれる。

「ようやく全てのジュエルシードが揃ったわ…フェイト、よくやってくれたわね。お礼に――
―――本当のことを教えてあげましょう
母さんはそう言った。
そして全てを語り終えた母さんは最後に
「貴女はもう用済み。さようなら」
母さんの背中が見えなくなってからも、私はそこを動くことが出来なかった。
世界が真っ白になっていく。心の中が空っぽになっていく。
涙さえ流れなくて、でも立っている事も出来なくて。
最後の最後にユーノが抱きかかえてくれる夢を見た。
そんなはずないのに、暖かさまで感じるほど、リアルな夢。
「ユーノ…」
夢の中の彼に呼びかける。彼はもう大丈夫、といって私をさらに強く抱きしめてくれる。
真っ白な世界で、空っぽな心で、ただ彼の温もりだけ感じながら、私は意識を失った。
87魔法少女ネガティブフェイト:2007/07/03(火) 13:57:13 ID:nt6IuxyM

「で、これからどうするつもりなんだ」
厳しい顔で詰問してくるクロノ。
ジュエルシードを巡る事件は終了。割と最悪な結末で、だが。
アルフの腕のなかで死んだように眠るフェイトを見て、フェイトを抱え暗い表情ながらも少し笑顔を浮かべるアルフを見る。
「うん、とりあえず逃げようかなって」
凄い顔を浮かべるクロノ。マジギレ5秒前といったところか。
たぶん、フェイトが落ち着くまでまだまだ時間がかかるだろう。
自惚れ、って訳じゃないけど、それまで僕は彼女の傍にいなければいけないと思う。
「だから、今捕まって裁判とかかけられて離れ離れになるのは、ちょっと…」
実際どう転ぶかが全くわからないのだ。フェイトも僕も、割と事情が複雑だし。
「いや、まぁ、解らないでもないが…いや、残念ながらそれを許しては法と言うものがだなぁ…」
「まぁ、いいんじゃないかしら」
と、今まで話を聞いていながらも沈黙を保っていたリンディ・ハラオウン艦長が。
「ユーノくんはジュエルシード発掘の責任者としてジュエルシードが散らばったと思しき第97管理外世界に赴き
個人的にジュエルシード蒐集を行った。管理局に報告なし、と言う問題はあるけど罪と言うほどのものじゃないわ。
フェイトさんは…そう、ミッド出身と思われるがデータ等一切なく不幸にも次元を渡ってしまっていた孤児。
そこをユーノくんに発見され保護される。アルフさんは言わずもがな、ね」
「プレシア・テスタロッサとは何の関係もない、と?」
「ええ、何かおかしい所があるかしら?」
飄々と言ってのける艦長さん。突っ込みどころ満載だと思うんだけどなぁ…
「ついでにゆーとさっきの次元震でアースラに残ってた記録映像全部ぶっ飛んじゃいましたー」
てへっ、と誤魔化す様に笑うオペレーターのエイミィさん。
額に手を当て葛藤を重ねていたクロノ執務官がこちらを向く。
「はぁ…と、言うことらしいが、これからどうする?アースラは修理のためしばらくこの座標から動けないが…」
これは、見逃してくれるということなんだろうか?
「あの、でもいいんでしょうか?コレって結構問題あるんじゃ?」
「何を言ってるのか解らないな。行く当てがないならしばらくアースラの部屋を用意させよう。相応の仕事はしてもらうが」
もう誤魔化す方向で決定らしい。こちらとしても都合がいいといえばその通りなんだけど…
しかし行き先…確か
「此処からそう遠くない、個人転送できる次元で僕の部族が遺跡発掘の作業してるはずです」
アルフに「いいよね?」と聞くと「あたしらも行っていいんなら」と肯定の意を示す。
「そうか。じゃあ何か困ったことがあったら管理局を頼るといい。というか頼れ。個人で動こうとするな」
なんだかんだでいい人なんだよなぁ、この人。年上だけど、いい友人になれるような気もする。

ともあれこれで僕もフェイトは自由の身だ。いつか償いをしなくちゃいけないけど、今はただ喜ぼう。
いまだ眠るフェイトの頬に手を伸ばす。そこには確かに生命を感じさせる熱があった。
88第一話終了:2007/07/03(火) 14:01:28 ID:nt6IuxyM
あとがき
しまった、名前のところに話数入れるの忘れた。

ぶっちゃけユーノはもっと目立ってもいいはずなんだとおもう。
そんな想いが皆に伝わりますように。
89380:2007/07/03(火) 14:08:10 ID:A5cfims7
携帯書き込みですまん
>>88氏GJです!
ユーノ派の私としては確かにもっと目立って欲しい所です。
誰のお陰で魔法使いなれたかサッパリだ…
TVは後半入ったが、これ以上出番無かったマジ切れしそう…

ssの続きは深夜になりそうです…
90名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 14:49:31 ID:eAuIYKhI
ダイジェストしなくても良いのにと思った。
ここ以外のSSは見てないがメジャーなネタだから飛ばしたのかな?
91名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 17:35:00 ID:l01kNfQO
>>88
GJって言うかこれ難しい話ですねぇ
この流れだとフェイト管理局に入れないし、はやて達とも接点無くなっちゃいますね
どんな展開になるのか期待
92名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 18:15:13 ID:EF5iB155
>>41
なのはもキャロもステキ過ぎる。GJ!
93名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 20:33:49 ID:Mo9j/azX
前スレの>>397 404 405で話の出てたなのはSSランキング。期間が短縮されて7/7締め切りみたいですね。
スレの作品で残ってるのが、
4の422氏 Chrrylight
7スレ76氏 A's COMBAT
446氏 ラブレター(仮題)
の3つ。
自サイトでの作品ですが、640氏の「nocturne」も残ってますか。

足切りで何作品か消えましたね、さらなる足切りもあるようなので、スレ住人として応援していきませんか?
1ID1回しばり、ってのがきついとこですが。
94名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 21:07:02 ID:qfvCReYm
>>88
GJ!!
ユノフェ好きな俺のツボを直撃だぜ!! 続きを楽しみに待ってます!!
95y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/03(火) 22:55:26 ID:l01kNfQO
深夜まで空いてるぽいので

『ユーノの君の華麗な性活 』 〜淫獣と呼ばれた男〜最終章 キャロ
の第一パート落とさせて頂きます
思ったより長くなりそうなのでちょこちょこと投下する事に…

・内容、あんまり無い
・エロあり、今回少しだけ 
・看板に偽りあり、キャロまで届かなかったorz

96y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/03(火) 22:56:36 ID:l01kNfQO
「メガうまー!」
「おいしぃですぅ〜♪」

小奇麗で明るい店内、タウン情報誌ベスト10探索、の何件目か
こぼれるような満面の笑顔で己の頭の位置までの高さを誇る小山のような
お店のスペシャル・DX・チョコレートパフェをパックパクと頬張るヴィータ
頬にチョコが少し付いてるが、まったく気にする様子もない
腰に銀のチェーン、太めの縞の黒白ニーソ、ミニスカートにサイケなマーク入りTシャツ黒紐タイ
スカルのマーク入り将校帽子まで決めている

その隣では胸に大きなリボン付きの真っ白なワンピースに、赤い靴
黒の可愛い伊達メガネを付けた一見文学少女風のリインフォースが
抹茶パフェをそろそろと削っては上品に口に運んでいる、当然のように人間サイズだ
こちらも甘さの桃源郷の只中に滞在中のようで、うっとりとした表情、実に幸せそうだ

「ハハ…いや…喜んでもらえて良かったよ」
ズッとブラックのコーヒーをすすってユーノは言った
毎度の事ながらヴィータの食べる勢いに
あの小さな体のどこにあの巨大な容量が収まるんだろうとユーノは考えていたが…
ひょいと手を伸ばしてヴィータの鼻の頭についてるチョコクリームを指でぬぐって口に入れた

「ヴィータちゃんも可愛いとこあるね」
ぺろっと舐めて、にっこり微笑む

不意打ちに顔を赤らめるヴィータ、照れ隠しするように
傍らのトロピカルミックスジュースDXを
取るとふん!とちゅちゅーと一気に吸い上げる、それでも容量の半分も減らないが…
スプーンを咥えたリインがヴィータとこちらを見比べている




あれから1週間…
ユーノは眼前の赤髪と青髪の二人の美少女…を眺めながら考えていた

『じゃっ、えっとな…アタシはあれとそれと…あっそれそれ、うん、店員さん
    そのおっきなうさぎっぽいヤツね…あ、そっちのも金のも可愛いな…えっとあとそっちも…』
 あっちを指差し、こっちのアクセサリーを見ては忙しく品定めをするヴィータ
『えっ…えっと…リインは別に…』
 少女バージョンで立ったまま、もじもじとするリイン
『ハハ…いーよ、じゃ店員さん、この子に似合いそうなの見て下さい』

『ハイ、あら、まぁ…本当に可愛いらしいお嬢様方ですね…羨ましいわ
 お嬢ちゃん…優しいパパで良かったですね〜』
 パ、パパ?ボクが?…いや…まぁ、普通そうか、そう見られるよね…
 気弱そうな表情で頭を掻くボク
 まぁ良い人に見られるのは馴れてる本人はあまり好きじゃないんだけどこの評価…

『んー…?パパっつーかな、ぷっw……そうだな〜…ある意味パパかもな〜…w』
 鏡の前で選んだTシャツを胸に当て、くるくると動きながら
 悪戯したそうなヴィータが鏡の中の自分と相談するようにニヤニヤしてる
『ちょっ!ちょっとヴィータちゃん何を!?…あ、あ…あ、いえ!
             …この子達…えっと兄の子供でボクが今日面倒見て…』

97y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/03(火) 22:57:34 ID:l01kNfQO
 「?」という顔の店員の手前、慌てて答えるボク
『あら、スイマセン…いやだわ、どうりでお若いお父さんだと思いましたわ』
 クスリと笑うおばちゃん店員、他意はなさそうだ
 …確かに黙っていればユーノは人畜無害な文学青年にしか見えない

 『あ、アハハ…』
 『くっく…w』
『どーしたですか?、あ、えと…ユーノさん、あのぉ…こ、これ…なんか、どうでしょう?』
 おずおずと店員さんに勧められたパステルカラーのフリフリの洋服を差し出すリインフォースU
『あ、ああ!ああとっても似合うよリインちゃん、もうバッチリ、
               …すいません、それと、あ、そっちの子のも全部下さい…』
 実際二人共お世辞抜きで可愛かったが…
連日こんな感じでショッピングに引き回されるユーノだった



まぁ…
カチャッ、とコーヒーカップを置いて思った
(思ったほど酷い事にならなくて良かったなぁ…)
何より、それなりにボクも楽しかったし、ユーノは心の中で独りごちた
正直ホッとしていた
(考えて見れば女の子二人連れてデート…これはこれで両手に花、ボクの人生初の快挙じゃないか…)

ヴィータちゃんとリインちゃんにほぼ毎日付き合って
ショッピングだグルメだと遊びまわってみたものの
ユーノが身構えて心配してたほど、その要求はユーノの負担にはなっていなかった

二人共ユーノには幸いな事に、ダイヤだ、指輪だとか貴金属には丸で興味を示さなく
 車だフランス料理だワインだとその方向性も無かった

もっぱら可愛いお洋服に小さなアクセサリー
…あとはせいぜいタウン情報誌に乗ってる美味しいと評判のお店で昼食
 甘いお食事…うん、考えてみれば当然か…この歳なら
その要求レベルは、一応ある程度の社会的に地位のある大人のユーノには大したものではなかった

(いやいや…やっぱり…何だかんだ言っても、二人共まだ子供なんだなぁ…)
元気良くパクパクとアイスを頬張るヴィータと、そろそろと端からお行儀良くスプーンを運ぶリイン
対照的な二人を見ているとユーノは自然にニヘラ〜と頬が緩んだ

 弾けるような快活でエネルギーの塊のようなヴィータに引っ張りまわされるのは当初戸惑ったが
それでも最近多少ははこちらに好意を持ってくれてきたみたいで
  時折見せるそのツンデレぽい反応も
 そのギャップがユーノにはたまらなく、はなかなか胸がときめくものがあったし
おしとやかで従順、ユーノに子犬のように全面的にユーノに依存してくるリインは妹のように可愛かった
 可愛がる方法は少し世間の妹に対するものとはズレてはいたが…

「さて…と、じゃ今日はヴィータちゃんは午後からはスターズの指導なんだよね?」
ん、と手を止めてヴィータは応えた
「…うん、まーな」
「リインは今日ははやてちゃんから仕事も空いたからお外で遊んでくるよう言われてるです」
にっこにことリイン
 相変わらずはやてちゃんはリインには甘いらしい
「そっか〜じゃあこれからどっか遊びに行こうかリインちゃん♪」
「ハイです、了解です!」

元気よく応える
今度はリインの頬に抹茶アイスがついてるに気が付いたので
ユーノは顔を近づけペロっと舐めた
輝くような笑顔を赤くして恥ずかしそうに俯くリインフォース
いやいやボクもやるようになってきたもんだ、チラリと赤毛の少女の方を見やる
98y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/03(火) 22:58:22 ID:l01kNfQO
何となく面白くなさそうなジト目でこちらを見るヴィータ、こちらの視線に気が付いたのか
 そっぽを向いて板チョコをパキっと齧った
「…お前一応司書長なんだろ…仕事とかしなくていいのかよ、
               まー、誘ってるのはアタシらだけどさ…」
…アタシも訓練の後は一応時間とか空いてるけどよ…少し赤くなり小さくブツブツと呟く
 ああっいいなぁ…こー言う光景、ヴィータちゃんの反応も可愛い…

実の所ユーノの抱えている仕事は彼個人の能力に負ったものが多く、たまの急ぎの仕事以外は
 自宅で処理しても間に合い、自由だった、立場上、時間の融通は割りと利いたのだ
よって、大いにお昼遊び、夜遅くまで仕事をする、これが最近のユーノの生活パターンになっていた

で、お昼大いに遊ぶ…
想像するだに楽しい、これからの[デートプラン]に心躍らせるユーノだった
即ち―リインちゃん連れてラブホ直行…本能直結のその計画…
リインはおろか本人も初めての体験
 (ああ、ワクワクするなぁ!メガネっ子のリインちゃん)
「?」と白とグリーンのクリームを口に運びながらユーノを見つめる黒ブチメガネのリインフォース
自ら施したコーディネィトに心よりも先に股間の方がムズムズ踊ってきたユーノであった

(まーたコイツはろくでもない事考えてやがるな、
   どこに遊びに行くつもりなのやら… ま、大体の察しはつくけどよ…)
ポッキーを咥えて頭の後ろで腕を組むとヴィータはクッションにもたれた
 ユーノの「エヘへ」と笑う締まりの無い顔を眺めて言った

「…あんまリインに無茶させんなよな…、リインは嘘下手なんだからはやてにいつバレるか…」
 しょうがなさそうにヴィータがポッキーを振りながら忠告する
「もちろんですとも!」
ユーノは力強く請け負った、何をどうすれば無茶になるのかはこの男は特に考えていない

「楽しみですぅ〜」
「ボクもだよリインちゃん〜」
無邪気な笑顔のリインと、邪まな思考に鼻の下を伸ばして笑顔のユーノ
「………」
アホらしくなってきたのでヴィータは食べる方に集中する事にした
(まったくリインもこんな男のどこがいーんだか…)

ぽりっ…
ポッキーを齧った
99y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/03(火) 22:59:19 ID:l01kNfQO
ヴィータ更衣室―


「あっ…はっ…やっ…あっ…くっ…」

人気の無い資料室に密やかな声と湿った音が小さく響いていた
にゅっぷにゅっぷと
机にうつ伏せにさせられたヴィータの小さなお尻に
後ろから抱えたユーノの固いペニスが出たり入ったりしている
ズボンがずりおろされて訓練用のTシャツだけの姿だ
しっかりとユーノの両手がヴィータの柔らかなお尻に食い込んで机に押し付けている

「うーん、いいなぁ、訓練直後のヴィータちゃん…一度でいいから訓練着のままで一度ヤリたかったんだ…
  この日焼けしたスベスベした熱い肌に…うっ…やっぱり、すごく締まるや、こうキュッて…」

うー…、と気持ちよさに体を押し付けて更に深く腰をヴィータのお尻に密着させる
あっあっ…ヴィータの声が切なげになる
首を伸ばしてぺろりとヴィータの細い首筋を舐めた
「ひゃん!?」
ヴィータの背すじがビクリと跳ねた

「…あ、やっぱりしょっぱいなぁ…いや、うん
  むせ返るような汗の匂いがなんて言うかもう…あ、なんかまた…」
「ちょ…こ、この変態…、お前…やっ…あっ…だから…
       そ、そんな、お、押し付けちゃ…アタシのが…あっ…奥の…」

膣の中のユーノのものがググッと力強くなり、自分の奥の子宮を押し上げてくるのを感じて
ヴィータの頬が紅潮し、思わず太股に力が入った
うぁ…っ
絶妙な締め付けにユーノが呻く
小さな膣内がユーノものに絡み付いてぴったりと吸いついてくるようだ

「あっ…だってこの中が動いて…、あっダメ…ボ、ボクもう出そう
      …お、奥に出すからね…受けて!…ヴィータちゃん」
「え?あっ…ちょっ、おまえ …やっぁ…」
ヴィータが思わず後ろを見そうになり、次いで目と手をぎゅっと閉じる
自分の中のユーノのものが一瞬膨張するのを感じた
(来るっ…!)
びゅくっびゅびゅー…

訓練後の少しけだるい体の最奥にユーノのペニスが密着させられたまま熱い塊が
幼い子宮にぶつかってくるのをヴィータは感じて体がビクビクと痺れた
「や………ぁ……はぁっ…あっ…あぁ…んっ…あっ…熱…ぃはっ……んっ…ぅ…」

霞んだ目に切なげに小さな喘ぎを吐き出す可愛い唇にユーノの唇が重ねられ
舌が侵入してきて小さな舌に絡まった
んっ…んぅ…んんっ…むっ…はっ…
二人はお互いの甘い唾液を味わって熱い息を吐いた


100y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/03(火) 23:00:27 ID:l01kNfQO
「…ったく、お前リインと…そのさんざんヤッてたんだろ…何でこんなに早くこっちに来るんだよ…」

赤くなった顔をユーノから窓へ背けてヴィータは思い切り良く訓練着を脱ぎ捨てていた
一糸纏わぬ後ろ姿に伸ばした細い腕からタオルで拭いている
性格上もう羞恥心とかは感じなくて良いと割り切ってるらしい
ここ一週間でユーノもヴィータのその子供っぽいところが解ってきていた

軽く日に焼けた細くしなやかなその肢体は外見上、少女の白さと柔らかさを持ちながら
なぜか不思議と鋼のような芯の強さをユーノに感じさせた
細い肩からすんなりとした腰、小さな形の良いヒップ、張りのある太股…
完成された機能美の極地を見る思いでユーノは思わずその芸術的な体のラインに見とれた


「はぁ…」
「ん?何だよ?」
振り向いたヴィータがタオルで首筋をごしごし拭きながら怪訝な表情をした、ティッシュに手を伸ばし
バカみたいにポケーとした顔をしたユーノを見つめる

「…いや、ヴィータちゃんって…やっぱり綺麗な体してるなぁ…って」
顎に手を当てて
しげしげとまたタオルで辛うじて大事なラインだけ隠されたヴィータの裸身を下から上まで
感心したように見つめた、小さな胸のピンクの突起が片方だけ見えていた

ボッと爆発したようにヴィータの顔が髪よりも赤くなった
反射的に小さなタオルを胸に抱え込んで背を丸めた
「バッ…バババ、バッカ…今更何だよ!…本当にバカじゃねーのかお前!?…あの…えと…」

慌ててクマのラブリーなプリントされた小さな布地を引き上げてヴィータは言葉をつなぐ
「じゃなくてホラ…」
り、リインはどうしたんだよ?
服を着ながら赤い顔でヴィータは言った

「あ、うん…リインちゃんとは…」
そりゃもう、たっぷりヤリました

 とは言わずに胡坐を掻いたユーノは頭の中で
少女モードのリインちゃんとの楽しいお昼の一時の事を思い出していた


(えっと…今日は、何と言ってもボクも初めてのラブホテルだったしなー
ボクも実際中に入ったのは初めてだったし…ドキドキしたなぁ…
窓口がコンピューター制御なのは助かったけど、いやぁおばちゃんとかだったらどうしようかと

 ん、でも中に入ったら、リインちゃんもミラー張りの部屋とか回るベッドとか綺麗なお部屋ですーっ…て
 喜んでくれたし良かったかな? あ、変と言えば変な形をしたイスとか…
うーん?あれ結局使い方よく解らなかったな…今度勉強しておこう

最初はメガネっ子のリインちゃんに「先輩」って言ってもらって、学園プレイでしょ
 えーとえーと、それからどうしたっけ?、ああ、
それから一緒にシャワー浴びて二人して泡まみれになって、キャッキャって

…ぬるぬるですべすべの中にもなだらかな隆起が何とも言えず気持ち良くなって
…ウン、ボクの息子とか…
それで思わずそのままお風呂のマットの上で2回戦
でその後ベッドにリインちゃんをお姫様だっこで抱えていって…)

優秀な記憶力をフルに活用して[今日の出来事]をリプレイするユーのだった
そのだらしなくニヤけた顔を見てヴィータは
あーやっぱもぅ…いいから…、ハーとと諦め気味の溜息をついた
(それでその後アタシのとこに直行して来たのか…何てヤツだ…もぉ…色んな意味で…)
101y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/03(火) 23:01:09 ID:l01kNfQO
「アハハ、ヴィータちゃんひょっとして焼きもち焼いてるとか?」
軽口を叩くユーノのサラサラヘアーにグラーフアイゼンが飛んできた
ゴンと言う鈍い音に、「……!!!」頭を抱えたユーノが悶絶して転げまわった


「…っアタシは!…訓練の疲れとか抜くのに…
  その…お前の能力が便利だから使ってやってるだけだ!変な勘違いするんじゃねーぞ!」
元の訓練着を身に着けたヴィータが難しい顔で腕を組んでそう言った、頬が赤い

「…じゃ、…じゃあ、そー言う事で…
  アタシはシャワー浴びて帰るから、今日はもうリインもそっち行かないからな…
  はやて今日早く帰ってくるって言ってたし…もーアタシも帰るから
   お前も帰る時はあんまり人目につくなよ…さっさと帰れよな、なのはとか見つかったら面倒だからさ…」

そう言い放つとヴィータは、床に落ちたグラーフアイゼンを拾って待機状態に戻すと
首に巻いて、赤い頬でフンと言うと部屋から出て行った、心持ち急ぎ足で

一人部屋に残されたユーノは胡坐を組んで頭を撫でていた
「あたたた…うーん…やれやれ…

 ヴィータちゃんの『ツン』の部分もかなりキツイなぁ…」
頭のコブをさすりながらもユーノは「いやでもそれだかこそ『デレ』の部分が何とも…」
とそれでも一人しばらく床に座りニヤニヤと楽しげに独語していた

しばらく時間が経つと、流石に立ち上がりお尻をパンパンと叩いて一つ溜息をつく
「しょーがないや、今日はもう帰ろっか…、ん?いや…まてよ、どうせ来たんだから久々に…」

数分後
カチャリとドアが開くと下から小さな生き物がテクテクと歩いて出てきた
「いやぁ…久々だなぁこの姿も…」
感慨深げにそう呟くと
ユーノはコキコキとそのフェレットもどきの首を動かした
タタッと軽い足取りで『6課隊員宿舎』の方へ向かった

(なのはやはやてに見つからなきゃ何とかなるだろ)
そう考えながらユーノは久々の下からの視界に軽い体を躍らせた
19歳になってもこの姿は全然変わらない、いやー開放感!体が軽いや!

今の時間なら食堂とか…いやひょっとしてシャワー室に偶然迷い込んだりしてw
いやーそういや、なのはの下の子達も可愛い子揃ってたなぁ〜
ヒャッホー!

開放感にそう叫びそうになるユーノだった

続く
102y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/03(火) 23:02:54 ID:l01kNfQO
次回でキャロ…その後仕置パート…になるはず…はず
なんかキャロのとこが伸びたら長くなるかも
ではでは〜
103名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 23:12:03 ID:AsA/wj9S
ターンA氏GJ!
ユーノマジでヒャッホー自重wwwww
あとなのレンジャーの続きも待ってます!
104名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 23:16:03 ID:7Wi2V2r8
>>102
いやあ、GJですよ。
なのはさんことはもうどうでもいいんですねユーノくんww
キャロで打ち止めとは言わずにティアナとかオペ子ズとかにも手を出し続けて欲しいです。

ヴィヴィオは地雷だから気をつけるんだぞユーノ!
105名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 23:16:16 ID:0zgQwyo8
GJ
ヒャッホーwwwwwww死ね淫獣wwww
106名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 23:17:33 ID:LzPTDb/b
GJww
それにしてもこのユーノ、ダメダメである
今まで見てきた二次ユーノの中でもぶっちぎりでこれはひどいww
鬼畜王より酷い末路が待ってそうな駄目っぷりだw
107名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 23:21:40 ID:062U6U0V
ユーノテラバカスwwwwww
ターンA氏GJ!
さて、このダメフェレットの行く末はいかに!
108名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 23:56:43 ID:nukckh8M
本編でも淫獣は(アイキャッチだが)ヴィヴィオと一緒にいたしもう時間の問題かとw
109名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 00:23:48 ID:7p+Ozahp
ターンA氏超GJ!
ヴィータ可愛いよヴィータ
それにしてもユーノアホスwwwwww
110名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 00:40:27 ID:ffjB6IWZ
ヒャッホー!っておまwwwwwwww
ヴィータのツンデレマジ最高ですご馳走様です

ユーノ先生キャロだけでなくヴィヴィオm

な『少し、頭冷やそうか』
111名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 00:54:16 ID:hRsJOFBd
この淫獣は本当に最低だー!(褒め言葉)
ロリコンとしては羨ましいけど
112名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 01:15:03 ID:9MrvucqZ
ちょユーノ自重www
辿り着くのは男子更衣室って落ちだったりしてねw
113名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 01:32:26 ID:9Fm8FI23
>>112
そしてエリオを……アッー!
114名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 02:09:11 ID:tLv4Zo8p
いっそのことユーノ、お前が教育してやれ!

エリオとキャロに性教育をなw!



あとヒャッホー自重wwwww
115名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 05:17:43 ID:GVBCHq3X
誰とは言わんが
いちいち「書き込めない」報告うざい
お前の日記帳かよ
116名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 05:50:03 ID:FKjLk4m6
>>115
カルシウムをもっと摂れ。
117名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 05:57:02 ID:GVBCHq3X
>>116
書き込めない報告擁護か?
なら俺もここを日記帳化してもいいってことだよな
書く側ではなく
うざいと思う方がカルシウム足りないのが原因だってことだものな
118ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:32:45 ID:dlmlGOLw
何だこのヒャッホー祭りWWWWW
とはいえターンA氏GJ!ヴィータ可愛すぎだろ常考

空気を読めずに投下します。

この無理設定で書いていいかどうか
七日七晩悩んだ私に神がお告げを下さった…

「嘘でいーじゃん!妄想なんだしっ!」

というワケでツッコミ無用!
突っ走りますのでお付き合いして頂けると有り難いです!

今回のジャンルはエリフェイです。エロ無し!

偉大な先達が既に名作を作っているので
需要が無いかもしれませんがとりあえず自己満足の為に。

ではでは。 
119ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:33:25 ID:dlmlGOLw
ミッドチルダ郊外の再開発区域。
古いビルが立ち並び、民間人の侵入は許可されていない。
朝、そこで原因不明の爆発があった。これだけならただの事件で済んだのだが
爆発地点付近からロストロギアの反応も検出されたのである。
捜査指揮としてフェイトが、その補佐としてキャロとエリオが現場に赴いたのであった。
とは言ってもエリオとキャロに出来る事など無く、ただの現場見学と成り果てた。
二人仲良く爆発跡を興味深く覗き込んでいる。
それを微笑みながら眺めていたフェイトの視界の端に何かが入り込んできた。
ビルの合間からこちらを伺う人影。
こちらが気付いたのを察したのだろう。その人物がビルの陰へと消えた。
「待ちなさい!!」
フェイトは駆け出す。
その様子に気付いたエリオが、ツーテンポ遅れてキャロも駆け出した。
ビルの合間からその人影が空へと飛び上がる。
「バルディッシュ!!」
『stand by』
フェイトも防護服を装着し、空へ飛び立つ。
「市街地での飛行魔法無断使用は禁じられています!今すぐ降下してください!」
警告をするが、人影に応じる様子は無い。
と、そこでいきなり人影がフェイトの方向へ向いた。その手から青い光が放たれる。
大した魔力は篭っていない。
『protection』
フェイトの意を汲み、バルディッシュがプロテクションを張った。
人影が放った放った光はプロテクションへとぶつかり――――
すり抜けた。
「えっ!?」
そのままその光弾はフェイトに突き刺さる。

まず最初に目に入ったのは青い空。
見た事の無い景色。そして全身に走る痛み。
意思に反して意識が手の中からすり抜けていく。
最後に見たのは、自分に向かってくる
燃えるような赤い色。

エリオが見たのは光が突き刺さる光景、それと落下するフェイトであった。
一瞬自分が見たものが信じられなかったが、気を取り直す。
駆けながら防護服を装着し、己が槍の名前を叫んだ。
「ストラーダ!」
『sonic move』
発動した魔法で強化された移動力に任せてビルの合間を三角飛びで駆け昇る!
空中でフェイトをしっかりと受け止めた。
しかし受け止めた感覚にエリオは違和感を感じる。やけに腕の中が軽い。
そのままビルの屋上へと着地する。
「――――フェイトさんっ!!大丈……………フェイトさん?」
「………誰……?」
そう言って気を失うフェイト。
その言葉にも驚かされたが、それ以上に目の前の光景にエリオは驚愕した。
それもその筈だ。
フェイトは……………縮んでいたのだ。
120ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:34:14 ID:dlmlGOLw
機動六課医務室。
緊急事態という事でなのはを除いた隊長格が全員集合していた。フォワード陣は自室で待機だ。
ベッドの上では9歳のフェイトが眠っている。
「シャマルさん、フェイトちゃんは大丈夫なのっ!?」
医務室に駆け込んだなのはは開口一番そう叫んだ。
「バイタルは9歳位の少女の正常値を示しています。データ上は何の問題もありません。
 それに…」
「そっから先は私が説明しよか」
はやてが割って入る。
「どうやらそーゆー心配は全く無さそうなんや。シャーリー、ウィンドウ出してくれるか?」
全員に見える位置に大きなウィンドウが表示された。
「現場の人の証言や反応、フェイトちゃんの状態をみる限り…
 フェイトちゃんに使われたのはほぼこれって思うて間違うない。ロストロギアNo.1111789。
 同じものが何個か既に発見されて本局に保管されとるわ」
そこに写ったのは何の変哲も無い青い透明な玉である。
「これは衝突した物体の時間を吸収する効果があるんや」
曖昧な言い回しにヴィータが質問する。
「はやてぇ、時間を吸収ってどーゆー事なんだ?」
「そーやねぇ…例えば…ヴィータが好きなアイスがあるな?
 冷蔵庫の外に出して一時間たったらアイスはドロドロに溶けるやろ?
 コレをそのアイスにぶつけて一時間時間を吸収したら
 アイスは一時間前の凍っとる状態に戻るんや。
 他にも賞味期限切れの肉やちょっと悪なってしもうた野菜に」
「はやてちゃんはやてちゃん、話逸れてますよ?」
「あ、堪忍な?つまりフェイトちゃんはこれで10年近く時間を吸われて9歳の頃に戻ったんやね。
 やから健康上は全く問題無いんよ。むしろ若い分体調良くなっとるんと違うやろか?」
はやての説明になのはは胸を撫で下ろした。
「…ぅ……………ん……」
微かな呻き声。全員の視線がフェイトに集まる。
「フェイトちゃんっ!?大丈夫っ!?」
なのはの呼びかけにフェイトの目が開いた。しかしキョロキョロとするばかりである。
「…フェイトちゃん?なのはだよ?」
「……………なのは…?」
「記憶が混乱しとるんとちゃうやろか?フェイトちゃん?
 ここは時空管理き」
「時空管理局っ!?」
フェイトの意識が一気に覚醒する。ベッドから飛び起きた。
バルディッシュを手に取り、扉へと駆け出す。
「フェイトちゃ――――」
「邪魔っ!」
立ちはだかろうとしたなのはをフェイトは思い切り突き飛ばした。
そのまま扉を抜け、窓を探す。見つけたのでそれを割って外に出た。
「バルディッシュ!」
『sir,please wait a minute』
自分に忠実な筈のバルディッシュが自分に従わない。この事実にフェイトの焦りは激化する。
「バルディッシュっ!?」
『please hear what she says,sir』
「もういいっ!」
独力のみで飛行魔法を発動し、空に飛び立つ。
(……とにかく身を隠す場所を探さなきゃ…)
少女はひとり、夜の空へと旅立った。
121ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:35:05 ID:dlmlGOLw
主人の異変にバルディッシュは悩む。どうやら主は友人達の話を聞く気が無いらしい。
唯一話を聞いてくれそうなアルフは遥か彼方の異次元で絶賛子育て中である。
他に主が話を聞いてくれそうな相手を必死で探した。
そしてこの戦斧は一人の少年に白羽の矢を立てる。

医務室ではフェイトに突き飛ばされたなのはが半放心状態で硬直していた。
「……フェイトちゃん…何で……」
「何や私達の事全くわかってなかったみたいやし…」
意気消沈する二人。
「あっ!」
突然声を上げたシャマルに全員の視線が集まった。
「よく考えれば当たり前の話なんですけど…体が10年前に戻ったのなら
 頭の中身も10年前に戻ってるんじゃないでしょうか…?」
全員が息を呑む。今までフェイトが無事という事だけに気をとられて
ロストロギアの性質まで思考が回ってなかったのだ。
「それなら…もしかして…?」
「フェイトちゃんは私らと知り合う前のフェイトちゃんに戻ってしもうたかもしれへんの?」
なのはとはやての指摘に、シャマルは頷いた。
「先程の反応を見る限り…その可能性が高いと思います」

この推測は情報の漏洩と混乱を避ける為にフォワード陣や一部の人間だけに伝えられた。
フェイトの反応を見失ったので明日から極秘裏に捜索が開始される旨もである。
「フェイトさん…」
母であり姉である人物の一大事だ。エリオは心配でしょうがなかった。
と、ストラーダに通信が入る。通信の中身は座標データだ。
「これ…バルディッシュから?」


エリオの部屋に残された書置きにはこう記されていた。
『フェイトさんの場所が解ったので行ってきます。
 どうやらバルディッシュが僕一人で来いと言ってるので
 一人で行きます。
 上手く説得出来たらフェイトさんと帰るのでその時に叱って下さい』
122ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:37:01 ID:dlmlGOLw
何とか廃ビルに侵入し今夜の宿を確保したフェイトは混乱していた。
バルディッシュはずっと「彼女達の話を聞いてくれ」の一点張り。
更にアルフに念話を繋ごうとしたが何故か繋がらないのだ。
(…寒い…)
あの医務室から飛び出した服装のままだ。夜風が肌にしみる。
とはいえ時空管理局からは何とか逃げ出したのだ。安堵が身を包んだ。
体は空腹と疲労を訴えている。フェイトの意識は闇に落ちていった。

誰かの足音でフェイトの意識が一気に覚醒する。
硬い床に寝ていたせいで気分は優れないし体のあちこちが痛い。
(行くよ、バルディッシュ)
そう小声で声を掛けるがバルディッシュは機動すらしない。
(バルディッシュ…?バルディッシュっ!?)
『I'm here』
あまつさえ音声でこちらの居場所をバラそうとしている。
もうバルディッシュには頼れない。そう感じたフェイトは自分の力だけで何とかしようとする。
扉が開く。
「フェイトさーんっ!フェイトさーんっ!
 ここにいるんですよねーっ!出てきてくれませんかーっ!」
声が響いた。
(知らない声…?でも最近聞いたような…そうだ!あの子!)
落下する自分を助けてくれた少年だ。
「あの!信用出来ないかもしれませんけどー!
 僕はフェイトさんの味方ですから出てきてくれませんかー!」
とはいえそう簡単には信用出来ない。フェイトはそのまま息を潜めようとし、
『erio, sir is here』
バルディッシュが電子音声でフェイトの場所をバラした。
(バルディッシュっ!?)
『please trust me,sir.he is your companion』
そうやりとりしている間に強い光がフェイトを捕らえた。少年の持っている懐中電灯である。
「そんなトコロにいたんですか。
 ………あ、そうか。僕、エリオ・モンディアルって言います」
「エリオ?」
そう反芻したフェイトのお腹から盛大に音がなった。
「……」
「……」
一瞬時間が止まり、
「ッ」
「〜〜〜〜」
エリオが笑い、フェイトが顔を真っ赤にする。
そのままエリオはフェイトに近づき、座った。懐中電灯を手元を照らせる場所に置く。
123ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:38:15 ID:dlmlGOLw
「まずはご飯にしましょうか?といってもほとんどお店しまってたんで
 パンと飲み物しか買えなかったんですけど…」
そういって背負ったリュックの中身を漁りだす。フェイトは何をそこから取り出すのか警戒したが、
取り出された物体はパンにしか見えない。フェイトの胃がまた自己主張をする。
『sir, he is your companion. please trust him』
バルディッシュも彼を信用するように催促してくる。
「えっと…そうだ!これならどうです?」
そう言って少年はパンを齧る。そのまま咀嚼し、飲み込んだ。
「ホラ?大丈夫ですよ?」
差し出されるパン。フェイトは渋々受け取ったが、パンを見ていると否応無く唾液が出てきた。
しょうがないので齧る。
「ホラ、飲み物もフェイトさんの好きな紅茶選んできましたし」
紙パックの紅茶を渡される。仕方なくそちらも飲む。
「食べながらでいいから聞いてくださいね?」
エリオが語るのはフェイトを包んでいる状況。
フェイトが時空管理局局員である事。自分達の上司である事。
ロストロギアのせいで10年若返ってしまい、この状況である事。
と、そこでフェイトは自分の一番大事な人について聞いてない事に気付いた。
「…10年後っ!?母さんはっ!?」
エリオの中ではフェイトの母親はリンディ・ハラオウンである。だからこう答えた。
「フェイトさんのお母さんですか?お元気ですよ?この前も会いに行きましたし」
胸を撫で下ろすフェイト。
「信用出来ませんか?なら、明日はミッドチルダを回ってみますか?
 今のフェイトさんが知ってる世界の10年後の世界って事が解ると思うんですが…」
そのエリオの提案にフェイトは渋々頷いた。

(この子の言う事を全部信用するのなら…私…母さんと仲直り出来たのかな…?)
エリオはフェイトと反対側の部屋の隅で寝ている。
フェイトはそれを油断無く睨んでいたが、暫くして馬鹿らしくなってきた。
完全にエリオは寝ている。時折苦しそうに寝返りをうつ程度で怪しい行動は全く無い。
と言う事はこの少年は自分の味方と考えていいのだろうか?
そうならば何で自分の味方をしてくれるのだろうか?
(……明日…聞いてみようか…?)
その思考を最後にフェイトは意識を手放した。


誰かのくしゃみの音でエリオは目を覚ました。
とは言ってもこの場にはエリオとフェイトしかいない。
そういえばフェイトの服装は随分寒そうだった事を思い出す。
フェイトに目をやると彼女は壁にもたれて座って眠っていた。
時折、寒そうに震えている。
(……恥ずかしいけど…でも…)
エリオはそっと彼女に近づいた。
124ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:39:16 ID:dlmlGOLw
身を包むのは優しくて暖かい感覚。
(……何で…?)
鈍った思考で疑問に思う。明らかに寝る前に感じていた壁の感触ではなかったからだ。
うっすらと目を開く。そこにあったのは月明かりに映える赤い髪と少年の横顔。
彼に背中から抱かれている事は理解出来た。
逃げ出すべきかとも考えたが、鈍った思考は単にその暖かさの継続を望む。
そうしてフェイトはまた意識を手放した。


窓からさす光にエリオは目を覚ました。
(…気付かれなかったかな…?)
腕の中のフェイトを見るが、どうやらまだ起きていないようだ。
硬い壁にもたれていたせいで首が痛いが、
それよりも今はこの状態からどうやって逃げ出すかが問題である。
そっと身を離そうとし…フェイトの指がエリオの服を摘んでいる事に気が付いた。
その指を優しく解くが、またエリオの服を摘む。三回繰り返して諦めた。
「…フェイトさん?フェイトさん?起きてくれませんか?」
軽く肩をゆする。フェイトの目が何度か瞬き、ぼんやりとだが焦点を結んできた。
「おはようございます、フェイトさん」
「…え…えり…」
「エリオです。朝になりましたし、街に出てみませんか?」
「………うん…」
エリオは横においてあったリュックを引き寄せ、その中から服を取り出した。
「これ、僕の服です。これで良かったら着替えませんか?」
本当は明日までこの逃亡が長引いた時の為の服だったがフェイトは今医務室の寝巻きである。
この恰好のままで街の中を歩かせるわけには行かない。
「…うん」
頷くとフェイトは立ち上がっておもむろに服を脱ぎだした。
「うわわわわわわ!ふぇ、フェイトさんっ!?」
エリオのただならない叫びにフェイトが止まった。
上着を脱ごうとしたところで止まっている為、白いおへそは丸見え。
もう少し上には――――と、そこでエリオは自分の全理性を動員して視線を床に落とす。
(見てない!見てない!僕は何も見てない!)
そう、そこには桜色のふたつの
(何も見てないからっ!)
「僕は外で待ってるんでっ!着替え終わったら呼んでくださいっ!」
そう叫ぶと疾風の速さで部屋の外に出て行った。
その様子をフェイトはキョトンとした表情で見送った。
125ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:40:15 ID:dlmlGOLw
まずは靴と帽子をエリオが買ってきた。
帽子は男の子の服装をしているフェイトが変な目で見られないように長い髪を隠すためである。
髪をまとめて帽子の中にいれると、ちょっとダボダボな服を着た少年フェイトが完成した。
その後、二人で街を回った。どうやら本当に10年後らしい事はフェイトにも理解出来た。
二人で昼食のハンバーガーを買い、公園で食べる。費用は勿論全部エリオ持ちだ。
「母さんに…会えないかな?」
「厳しいんじゃないでしょうか…?
 本局勤めでお忙しいですし、今すぐってワケには行かないと思います。
 それに会うんだったら時空管理局に戻る事になるんですけど、戻りますか?」
「ううん、邪魔になりそうならいい」
(仲直り出来たんだから…それでいいや)
生来引っ込み思案の彼女である。母親の邪魔になるかもしれないと聞いてすぐに諦めた。
と、そこで昨日の疑問を思い出す。
「何で…エリオはここまでしてくれるの?」
その質問にエリオはきょとんとした。
「何でって…だって僕とフェイトさんの仲ですし」
「私とエリオは仲が良いの?」
「少なくとも僕はフェイトさんが大好きです」
そこで彼女は疑問に思った。9歳の彼女にとってエリオは年上である。
年下の相手に「さん」をつけるというのは親密な関係なんだろうか?
当然のことではあるが、彼女は不安なのだった。
バルディッシュは言う事を聞いてくれず、アルフとも連絡が取れない。
親しい相手が誰もいないのだ。でもこの少年は自分と親しいと言ってくれる。
ならば、もっと親密だという証が欲しい。
「………フェイトって呼んでくれないかな?」
消え入りそうな声。言った後でフェイトは激しく後悔し、顔を真っ赤にしてしまう。
「えっ!?でも呼び捨ては…」
そこまで言った時点でエリオは気付いた。少女の肩が落胆にどんどん小さくなっている事に。
少なくとも今はフェイトの笑顔が目標だ。エリオは覚悟を決めた。
「………フェ、フェフェ、フェイト…でいいかな?」
パッとフェイトの表情が華やぐ。エリオは慣れない呼び方に真っ赤になった。

その後も二人で街を回った。歩きつかれたので公園のベンチに座る。
「ここで待ってて下さい。飲み物買って来ますね?」
そう言って駆け出すエリオを見送った。
一人の時間が出来る。
(あれ?私何で管理局に行きたくないんだろう?)
母親も管理局にいる。どうやら少年の言っている事は全部本当のようだ。
(あれ…?何で…?)
日差しとそよ風が気持ちいい。
126ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:41:05 ID:dlmlGOLw
気付いたら規則正しいリズムで揺られていた。
目の前には赤い髪が見える。どうやら寝てしまって、エリオにおんぶされているようだ。
まどろむ意識の中で彼の首筋に鼻を押し当て、匂いを嗅ぐ。
(もうちょっと…このまま…)

フェイトを背負い、エリオは歩く。
二人とも少年の服装なので待ち行く人には仲のいい兄弟だと思われたのだが
エリオにそれを知る術は無く、非情に緊張しながら寝泊りした廃ビルまで辿り着いた。
(明日、一度管理局に戻るように言ってみないと…)
階段を登り、扉を開けて




吹き飛ばされた。廊下を滑る。
「ん〜ふ〜ふ〜ふ〜ふ〜…探しましたよォ?」
一緒に飛ばされたフェイトが立ち上がろうとし
「駄目ですゥ!商品は大人しくしていないとォ〜」
バインドをかけられた。更にケージも追加される。
「そこでぇ大人しくしておいてくださいねェ?」
エリオが声のする方に目を向けると、そこには一人の男が立っていた。
その男は紺色の防護服を纏い、左手には何故か鎖を下げていた。右手には深緑色のデバイス。
目つきは何故か爬虫類を連想させた。
「ん〜ふ〜ふ〜…少々探すのに骨が折れましたぁ…」
エリオは壁に手をつき、ヨロヨロと立ち上がる。思い切り撃たれた脇腹が痛む。
「ぐ…貴方は…?」
男が立ち上がったエリオに気付き、慇懃無礼に礼をする。
「あァ、自己紹介が遅れましたァ…ワタクシ、しがない商人でございます」
顔を上げ、視線があう。エリオの背筋に怖気が走った。
防護服を装着し、ストラーダを構える。
解る。魔力量やフェイトにかけたバインドからこの男の実力は自分の遥か先にあると。
「……………時空管理局古代遺物管理部機動六課所属、エリオ・モンディアルです。
 危険魔法無断使用の現行犯で貴方を逮捕します」
そこで一旦言葉を切る。
「貴方には弁護士を雇う権利と黙秘する権利があり」
「おやァ?かかって来ないのですかぁ?無理ですよねぇ?
 調べてますよ?エリオ・モンディアル。貴方Bランクですもンねェ?
 AAランクのワタクシに正面から挑む程馬鹿ではない…と?」
見透かされていた。背中に嫌な汗が流れる。だが続ける。
「何故こんな事を?」
「応援が来るまで10分?15分?まァいいでス。今気分が非常にイイ!ので付き合いましょう。
 数年前まで競売の仕切りなどをやらせて頂いていたのですがねェ?
 そこの執務官殿に主催していた競売を潰されまして…
 哀れなワタクシは失意のドン底!そこに以前の御得意様からァ声がかかったのですよォ?
 あの商品を手に入れれば資金援助をして下さる…と」
そういってケージ内のフェイトを指差す。
「ワタクシにべもなくその話に飛びつきました!
 でも相手はオーバーSの執務官殿。ワタクシ風情が叶う相手ではございませン。
 そこでコレ!今回の目玉商品!」
127ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:41:42 ID:dlmlGOLw
そう言って青い透明な玉を取り出した。ロストロギアだ。
「コレで気絶したところを攫おうと思っていたのですが…
 いやはや、キミに見事に邪魔されましてねェ?
 さァ…何分稼げました?あと何分待てばお仲間がいらっしゃるんですかァ?」
そう言ってスフィアを展開する。35個の魔弾が宙に出現した。
「それまで生きていられるとイイですねェ?」
魔弾が放たれる。
狭い廊下だ。回避運動をしようにもスペースが全く無い。
「―――がぁっ!!!」
ほぼ全弾喰らって吹き飛ばされた。また廊下を滑り壁に叩きつけられる。
「ホラホラ?囚われのお姫様を助けなきゃ?そんなザマじゃ騎士失格ですよォ?」
いくつかが防護服を貫通した。右足、左脇腹からの出血が酷い。
だが…少年は立ち上がる。
「えぇ……ホントに騎士失格だと思いますよ……」



「お姫様任せなんて…情けないにも程がある……!!!」


何かが割れる音が響く。男が慌てて振り向くとそこには黒い防護服を纏った少女が立っていた。
「なァっ!?こんな短時間でワタクシのバインドをォ!?」
そこへ突っ込んでくるのは勿論槍騎士見習いの少年だ。
「おおぉぉぉっ!!!」
『speer angrif!』
「はンっ!甘いィ!」
だが男もAAランクの魔導師である。エリオの突撃をシールドで完璧に受け止めた。
諦めない。
「ストラーダぁっ!」
騎士見習いが吼え
『explosion!』
槍が答えた。
ストラーダの勢いが増す。だが盾は貫けない。
と、そこで男は気付いた。
槍の横に槍を掴んでいる筈の少年が……いない。
エリオはシールドの横に跳び込んでいたのだ。その手には男の左手に繋がる鎖。
魔力変換資質『電気』。
その才能を存分に生かし―――――――――電撃を叩き込んだ。
「あががががががががが」
「フェイト!今だっ!」
幼き雷神が振りかぶる。
「サンダぁあああああっ!スマッシャぁぁああああっ!!!」
128ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:42:43 ID:dlmlGOLw
魔力ダメージで失神した男の懐を弄り、件のロストロギアを取り出した。
「コレに触れれば元通りなんだけど…」
「そんな事よりっ!早く手当てしないとっ!」
フェイトの心配はもっともである。エリオはボロボロであり出血も酷い。
「いや、僕は大丈夫だから…」
「大丈夫じゃないっ!」
緊張状態で痛覚が麻痺したエリオは自分の深刻さを理解出来ていないが、
かなりやばい状態なのだ。
「僕は…大丈夫だ…」
そこまで言って崩れ落ちる。少年の意識は闇に落ちていった。




機動六課医務室。
少年はベッドにくくりつけられている。
横には19歳のフェイトの姿があった。ウサギに切ったリンゴを差し出す。
その表情は満面の笑みである。
「はい、あーん♪」
「いや、だからそれ恥ずかしいから遠慮します!」
「あーん♪」
「いや、だからその!」
「あーん♪」
「実は怒ってるんですねっ!?」
「うん、そう♪エリオはいっつも無茶するから、おしおき」
少年はがっくりと肩を落とし、そのリンゴを齧った。
「もう勘弁してください…フェイトさん…」
顔を真っ赤にして少年は呻く。フェイトはそれを見て、本当の笑顔を浮かべた。


「……フェイトで…いいよ?」
しかしその呟きは彼の耳には届かない。
129ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/04(水) 06:44:03 ID:dlmlGOLw
あぁぁ!うちのエリオきゅん弱い!
いつまでたっても強いエリオきゅんが書けない!
あと随分間抜けな敵だなオイ!

今回あまり戦闘描写が上手く行かなかったので反省。 

つか、あああああああ
色々とスンマセンスンマセン!
130名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 07:16:48 ID:2Ui06BJB
>>117
凄い飛躍の仕方だが、116が言いたいのはスルーしろってことだと思うぞ。もしくは、言葉を選べってことか。カリカリするな、って意味だと思うから。

まあ、本気で日記にしようと思ってるなら思いとどまった方がいいと思う。それがうざいと分かってるのに、そんな奴と同類になることないだろうし。
131名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 07:25:22 ID:oYxUKZPu
>>130
つまり 380 ◆S8MjeJa.l6 はNGにしろってことだな
132名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 07:31:57 ID:++B2liz8
>>129
GJ!9歳フェイトやっぱり可愛いよ、そのままキャロと張り合ってしまえw(オイ
なんだか母がプレシアじゃなくて「嘘ついたのね」で発展しそうなドラマ…うーん短い夢だったか

133名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 07:33:41 ID:qxL6ef2f
>y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA氏
淫獣自重wwww
ロリコンもここまで来ると世も末だwwww
つーかこの二人どういう衣装で淫獣と出かけてるんだw
あとリインUは青髪じゃなくて銀髪かと(マテ

>FTH氏
どっからつっこめばいいいやら。
時間逆行ネタで、小さくなってた記憶はそのままってパターンか。
まぁそんなことより主人公二人だけでなく、はやても含めてノリノリである。
以上w
134名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 08:34:06 ID:MehC69Gc
でも、サウンドステージのジャケットでは青髪だぜ、リィンちゃん。
135名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 08:38:22 ID:7p+Ozahp
イイヨ〜イイヨ〜フェイエリ最高―!
136名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 08:54:55 ID:K5vB2H2f
>>129
これから歳上のフェイトがエリオを想って悶々!?
137名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 09:18:20 ID:Tw1BA4tA
>>128
GJ
てか、俺も>>132みたいな展開を予想してたw
あっさり終わってちょいもったいない気するw
138名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 09:56:34 ID:9Fm8FI23
>>129
GJ!エリオかわいいよフェイト

しかしあなたの書くエリオはいかにも騎士って感じでカッコいいですなw
139名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 15:47:22 ID:tGQ1+zKI
前スレ>>511および、>>129の方
貴行のストーリーはどちらも素晴らしすぎます!
>>511でエリキャロからエリはやに宗旨替えしたと思ったら、早速フェイエリに浮気しかけてる俺
とにかくエリはや編完結GJ!!!
そして別の方もリクしてましたが、気が向いたらまたエリはやの甘〜いのをお願いします!!
140380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/04(水) 16:26:32 ID:tfkeXQqx
一応続き書いたので投下します。
NG指定なら飛ばしてくださいね。

注意書き
・リンディXユーノ
・エロ無し
・前回同様、内容補助の為にオリキャラでます。
以上かな
141380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/04(水) 16:27:13 ID:tfkeXQqx
(1)
クロウの話を聞いて数分後。一息入れるのに、クロウは珈琲入れるのに立ち上がる。
立ち上がる際ユーノの顔をちらっと見る。その表情はどこか青ざめていた。
「知ってるのは此処までだ。」
「うん……」
返事をするが元気がない。クロウはユーノにも珈琲を入れる。
ユーノの前に珈琲を置く。それを受け取りカップを掴むと中の珈琲が揺れる。
ユーノの精神が参ってるのが見て取れる。それを見てクロウは思う。
(流石に参ってるか…無理もないか、今頃本当は彼女と食事に行ってるかもしれないのにな……)
そう思いながらユーノを見つめる。
(一週間も前から計画していたのに……全部水の泡か…)
一週間前、ユーノとクロウで計画を立てていた。一週間後はなのはとユーノが出会って10年目。
その日に、10年越しの思いを告げて恋人になろうと考えていた。
一週間後の為に二人はいろいろ考えた。デートスポットや美味しいレストラン、プレゼントや告白の言葉など…
空いている時間を利用して、デートスポットを見て回ったり、レストランで食べ歩きもした。
プレゼントにも相当時間を費やした。一番の問題は告白の言葉…経験がないユーノには難題だった。
成功者でもあるクロウに聞いたり、DVDや本も参考にしたが結局は自分の気持ちをストレートに伝えることにした。
最終的には言葉だけは前日に決まった。後は当日を迎えるだけだった。それなのに……
(この様子からだと…駄目っぽいな)
そう考えているうちに、いつの間にか自分が下を向いているのに気が付く。
クロウは顔を上げてユーノを見る。ユーノの頬には透明な液体が流れていた。
「…!おい!どうした!?」
「ふぇっ?あっ…話を聞いて思い出してたら昨日の事を思い出したんだよ」
そのユーノの涙を見てクロウは確信した『駄目だった』と……
142380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/04(水) 16:27:53 ID:tfkeXQqx
(2)
クロウは立ち上がりそのまま無言で扉に向かった。
「…?どうしたの?出来ればここにいて欲しい」
「駄目だ。何時までも仕事をサボってられない。お前の分もやってやるから、今は飯を食え。
 残したら怒られんだろ?食ったら思いっきり泣け。此処には誰も近づけないでやるから」
そう言い残すとクロウは扉の奥に消えた。ユーノはその大切な友人に「ありがとう」と呟いた。
暫くすると司書長室から泣き声が聞こえ始めた。ユーノは誰もいない部屋で本気で泣き続けた。

気が付くと自分が眠っていた事に気付く、窓を見ると外は薄暗くなっていた。
時計を見ると19:00を指していた。どおりで暗い訳だ。ユーノは周りを見渡すとテーブル何かがあるに気が付いた。
それを広げるとクロウの字で伝言が書いてあった。
『今日の仕事は片付いたから、帰って休め。明日は遅刻するなよ」
とだけ書いてあった。それをテーブルの引き出しにしまうと、帰宅準備を始めた。
無限書庫を出て扉に簡易ロックする。管理局の外に出ると遠くではあるが三人の人影が見えた。
一人目は白い制服を着ており、茶色の長髪でポニーテールの女性だった。
二人目は黒い制服で、金色の長髪、太ももの辺りで髪を縛っている女性だ。
三人目は茶色の制服の子供だった。髪は短めで赤髪だった。
その三人がこっちに向かってくるのが分かった。素通りすれば良いのだが、何故か三人の前から走って逃げた。
全力でその場から逃げ出し、駅に向かった。電車に飛び乗る。この時間にしては珍しく乗った車両には誰もいなかった。
ユーノは扉の前に座り込んだ。全身から汗が出る。心臓が激しく鼓動する。息が切れる。
そして…ユーノは全てを思い出した。昨日の出来事を全て。思い出した途端声を殺して泣いた。
10分後、自宅近くの駅で降りた。そのまま何も考えずマンションに帰った。
足取りは重く頼りない。普段なら歩いて5分で着くマンションが、10分も掛かった。
自分の部屋の前に着き、扉を開けようとしたとき中に人の気配を感じた。
143380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/04(水) 16:28:40 ID:tfkeXQqx
(3)
もしかすると……あの人が居る…と思い扉を開けた。
中に居たのはユーノが心の底で居てほしかった人間だ。
「〜♪あら?お帰りなさい」
「リ…ン……ディさ…ん……」
中では晩御飯の準備をしていたリンディの姿があった。ユーノの気配に気が付くとリンディが近づいて来た。
「丁度ご飯が出来たところよ。早く食べましょ♪」
そう言いながらユーノの手を引こうとしたとき、ユーノがリンディに抱きついてきた。
「ちょっと!まだ時間が早いゎ…」
ユーノを止めようとしたその時、ユーノはリンディの胸の中で再び泣き出した。もう出ないと思っていたがまだ涙が出るようだ。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
突然泣き出したユーノに驚くリンディだったが、リンディはユーノの背中に手を回し、耳元で囁いた。
「悲しい事を思い出したのね?落ち着くまで泣きなさい。私が受け止めてあげるわ」
そう言いながらユーノの背中を優しく撫で続けた。その暖かい胸の中でユーノは泣き続けた。

一時間後、ユーノが落ち着くとリンディはユーノの顔を見つめ、ハンカチでユーノの顔を拭き始めた。
「もうっ!綺麗な顔が台無しよ?」
「ふぇっ?あっ!あ…ありがとうございます」
ユーノは顔を赤くしながらお礼を言った。リンディは「よしよし」と言いながら頭を撫でた。
リンディは立ち上がり、ユーノの手を引きながら居間に向かった。
テーブルには二人分の食事が用意されており、いつでも食べれる状態だった。
「冷めちゃってるから温めてくるわ」
鍋を持ちながら、リンディは台所に向かった。ユーノは黙って席に着いた。久しぶりの人間らしい食事に感動している。
普段はジャンクフーフドやコンビニ弁当だったからか、手の込んだ食事は何ヶ月ぶりだった。
数分後、湯気の出ている鍋を持ってリンディが姿を現した。鍋からはいい匂いがする。
144380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/04(水) 16:29:23 ID:tfkeXQqx
(4)
「此処にある食材だけで作ったから、簡単なスープとサラダ、ライスしかないけどごめんさいね」
リンディは申し訳なさそうに言った。それでも晩御飯にしては立派なものだった。
キャベツとにんじんのコンソメスープに、コーンサラダ、ふっくら炊けたライス。
ユーノはスープを飲もうとしたが、リンディに止められた。
「お行儀わるいわよ。ちゃんと頂きますをいいなさい」
と子供を叱るように言った。スプーンを置き、手を合わせ同時に「頂きます」と言った。
久しぶりの食事にユーノは夢中で食べ続けた。途中でリンディに「美味しい?」と聞かれた。
「凄く美味しいです。あっ!お弁当有難う御座いました。美味しかったですよ」
そう言うと顔を赤くしながら「やった!」と言った。
数分後、食事を終えると風呂に入るようにと進めてきた。
ユーノはそのままバスルームに向かう。体と髪を洗い湯船に浸かる。
(ふ〜…生き返る〜。ゆっくり風呂に入るのは久しぶりだな)
普段は疲れきってて、シャワーを浴び、体と髪を洗うだけだからそう感じてしまう。
(リンディさんとクロウには感謝しきれないな…)
マッタリしていると脱衣所から声が聞こえる。
「湯加減どうですか?」
「丁度良いです〜♪有難う御座います」
「それは良かったわ。着替えを置いておくわね」
伝えられると脱衣所の扉が閉まるのが聞こえた。
風呂から出て下着を着る。服が置いてあるどうやら、パジャマのようだ。
長袖長ズボンの薄いパジャマ。緑色が主で白い水玉模様が散りばめられていた。
(こんなのあったけか??)
自分では買った記憶が無い。まあいいかと思いパジャマに着替える。
脱衣所から出るとそこには、色違いではあるがお揃いのパジャマを着たリンディがいた。
ユーノに気が付くとニコニコしながら近づいて来た。
「どうですかサイズは?大き過ぎませんか?」
「丁度良いです…って、買って頂き有難う御座います。大切にします」
「ふふっ、買い揃えなきゃならい物が多かったのでまとめて買っただけですよ」
「揃えなきゃならない物ですか?」
「ええ」
そう言うとリンディは部屋を案内した。買い揃えたものを紹介していった。
食器に調理器具、洗剤に歯ブラシなど一般の生活に必要な物を紹介した。
145380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/04(水) 16:29:59 ID:tfkeXQqx
(5)
しかし此処で疑問に思う…
「えっと…何でわざわざ買い揃えるんですか?僕一人なら足りる量なのに」
確かに此処に元から置いてある量だと一人分でも十分にやって行ける。
買い揃えた量はざっと二人が生活するの必要な量だった。
「暫く此処で私も生活します。その為に買い揃えました」
「そっか。一緒に生活って…えぇぇぇぇ!?」
爆弾発言に驚きうろたえるユーノ。
「一緒にって…海鳴の自宅やエイミィさんはどうするんですか!?」
「エイミィもこっちで生活してるし、アルフさんもいるから平気よ。皆がこっちで生活するから、
 あの家には滅多に帰ってこないわ。それに…一人でいるにはあそこは広すぎるわ……」
確かに昔に行った事はある。かなり広い家だった。昔は皆で住んでいたが今はバラバラだ。
「もう一つ理由があって…今日のユーノ君の状態を見たら、余計に一緒に居たくなって。
 悲しい事を誰にも言えずに、自分に押し込んでいる姿を見て苦しくなったわ」
俯き加減で話リンディ。その言葉に心が暖かくなるユーノ。
(僕の事…心配してくれるんだ……)
リンディは言葉を続ける。
「そんな悲しみを聞いて、一緒の分け合いたいの…迷惑だって思ってるわ。
 それでも…それでも一緒に、側に居ては駄目かしら?」
告白とも聞こえる言葉に、ユーノは顔を真っ赤にしながらも答えた。
「僕も…僕も側に居てほしいです。僕で良ければお願いします」
と答えた。その答えにリンディは笑顔で「はいっ!」と答えた。

この瞬間から二人の小さな生活が始まった。何時まで続くか分からない生活が……
146380 ◆S8MjeJa.l6 :2007/07/04(水) 16:39:00 ID:tfkeXQqx
ある程度書いたからそのうちまた、投下するかも。
迷惑ならしない。

>y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA氏
鬼畜ユーノGJです。楽しんで読ませて頂いてます。
>FTH氏
ちびっ子騎士様がカコヨスwwwフェイトが可愛いよ。
戦闘パート書けていいなぁ〜。
147名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 16:41:59 ID:AT1tRRKW
ウホ
いい親友。
14838 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:04:22 ID:OsWW1llr
ガンガン新作来てますね……。
俺も仲間に入れt(ry

では、次から最終話投下します。
その後は外伝で、実は次の連載も準備してたりw
「魔法少女」が終わる時最終話、はじまります。
14938 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:05:11 ID:OsWW1llr
act,9 ETERNAL BLAZE(後編)

「じゃあアルフ……僕がいない間、任せるってみんなに伝えておいてね」
「判ってるよ、……新婚旅行の間くらい、仕事から離れなよ? ユーノ」

じゃないとなのはが拗ねるよ? とアルフが言うと、ユーノは苦笑した。

「……頑張ってね、なのは」
「ハネムーンベイビー、期待しとるで?」
「は、はやてちゃん!?」

一方、ユーノに聞こえないようになのはに囁くはやてに、なのはは真っ赤になって飛び上がった。
大慌てでユーノの所まで逃げると、ユーノは目を丸くする。

「なのは? ……どうしたの?」
「う、ううん! 何でも無いよ!」

明らかに「なんでもなく」ない表情で、誤魔化しにかかるなのは。
そんななのはに首を傾げながらも、ユーノは一瞬腕時計に目をやり、なのはに声をかける。

「なのは、時間だよ。そろそろ行かないと」
「あ、う、うん!」

あからさまに助かったという表情をするなのは。
そんななのはを、はやては獲物を逃した肉食獣の目で見詰めていて。
フェイトはそんなはやてに苦笑しながら、なのはに声をかける。

「いってらっしゃい、なのは。……楽しんできてね?」
「うん! 行って来るね!」

そうフェイトとなのはは最後に言葉を交わし、なのははユーノと共に次元航行船の搭乗口に向かう。
そんな二人を、送りに来たフェイト、はやて、アルフの三人は、手を振りながら見送った。
15038 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:07:04 ID:OsWW1llr
ユーノとなのはが乗った次元航行船が出発し、アルフが先に帰った後、はやては一瞬で仕事の顔になる。
同じく仕事の顔になったフェイトが、はやてに声をかけた。

「……行くの?」
「……そうやな。今なら絶対引っ張れるしな」
「絶対にって……何で?」

首を傾げるフェイトに、はやては珍しく吐き捨てるように言った。

「クロノ君からは、上から『高町一等空尉の解雇』を決定したとの通知が来たって報告受けたんよ。
 でもな、この前レティさ……提督と会った時、聞いて見たんよ。本当に解雇を決定したのかどうか。
 ……そしたらな、レティ提督、こう言わした。
 『本当は予備役編入で決着していたんだけど、自主退職したって報告受けたからうやむやになった』……ってな」
「それって……!」
「一応なのはちゃんに、退職届出したかどうか聞いてみたんや。……もちろん出して無かった。
 当然やな。なのはちゃんが魔力を失ってから上の通知が来るまで、ずっと隣に誰かついとったんやから。
 ……そして、な。クロノ君が通知を受けた相手、レティ提督が報告を受けた相手、……同じ人や」
「……決まり……だね」

そう怒りを堪えるようにフェイトが言うと、はやても大きく頷いた。

「機動六課の準備は整っとる。……みんなと合流して、その人を押さえに行くで。
 ……罪は、しっかり償って貰わんとな?」

そうはやてが言うと、フェイトは頷き、にっこりと笑う。

「……そうだね。
 ……それと、合流するまでの間、どうしてレティ提督を『レティさん』って呼びかけたかについても教えてね? はやて」

そうフェイトに言われ、はやては「しまった!」とばかりに口を押さえるが、時すでに遅し。
にこにこ笑うフェイトに、はやては真っ赤になった。
15138 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:08:47 ID:OsWW1llr
「……はあ……」
「ん? どないしたん?」

ヘリに乗り込んで、あたりを見回すなり深い溜息を吐いたフェイトに、はやては怪訝そうに声をかけた。

「……ううん、なんでもないよ」

そうはやてに返すと、フェイトはもう一度あたりを見回す。
正面には、エリオとキャロ。

「え、ちょっ、キャロ!」
「エリオくん……♪」

真っ赤になっているエリオに体重を預けているキャロから視線を逸らし、フェイトは少し落ち込みながら右前を見る。
そこには、ヴァイスと話し込むティアナ。

「……あの、ヴァイス陸曹」
「陸曹はいらないって言ってるだろ?」
「で、でも、任務中ですから!」
「……夜は従順なのにな……」
「な、な、な、何言ってるんですか!?」
「……ティア、『夜は従順』って何?」
「あ、アンタは知らなくていいのよ!」

明らかにやることはやってしまっている恋人同士の会話に、フェイトはさらに落ち込んで、そこからも視線を逸らす。

「……ん?」
「……」

と、今度ははやてと目が合って。
自分がはやてにもキャロにもティアナにも女として負けている事を思い知らされ、フェイトは完全に凹んだ。
そして、ギンガと顔を見合わせ、売れ残り同士、深い溜息を吐いた。
15238 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:09:39 ID:OsWW1llr
目的地にあるホテルに着き、ユーノは部屋のベッドに座って一つ伸びをする。
と、なのはが赤くなって言う。

「え、えっと……私、汗かいちゃったから、シャワー浴びて来るね!」
「あ、う、うん」

ユーノがそう答えると、なのはは何故か真っ赤になったまま風呂場に飛び込んで、ユーノは目を丸くした。

「……汗かくような事、あったかな?」



……しばらくして。
風呂場から出て来たなのはにユーノは目を剥いて、
……慌てて後ろを向いた。

「え、えっとね……その……ご、ご、ご、ごめんなさい!」

一糸纏わぬ姿のままで何故か謝るなのはに、ユーノは視線を合わせられないで俯いていると、
なのはがゆっくりと歩いて来て……、……ユーノの膝の上に乗りかかるようにして、ユーノと視線を合わせる。
その真っ赤になった表情と潤んだ瞳にユーノが釘付けになっていると、
なのはが真っ赤なまま、言い出した。

「えっと……ね、ユーノ君。私……いいよ」
「い、いいって……」
「しても……いいよ」

「何を」してもいいかはなのはの姿を見れば明らかで。
ユーノは一瞬躊躇う素振りを見せるが、耐えきれなくなったように、ゆっくりとなのはをベッドに押し倒した。

「……本当に……いいんだね?なのは」
「……うん」
15338 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:10:32 ID:OsWW1llr
ベッドに仰向けで寝かせられて、なのはは反射的に胸と秘所を手で覆い隠した。
それにユーノは苦笑して、ゆっくりとなのはの唇を自らのそれと重ね合わせた。

「ん……ん!? んっむ、むう、ん、ん!」

深い深い口付けに、思わずなのははじたばたと手をばたつかせる。
と、言う事は、当然胸と秘所は隠していない訳で。

「ん、んんんんんんん!?」

胸の先端をユーノが軽く摘むと、なのはは口を塞がれたままで叫んだ。

「んっ! んんむっ! んんん!」

そのままユーノが口を蹂躙しながら胸にやわやわと軽く刺激を送ると、なのははびくびくと身体を震わせる。
ぎゅうっと両腕でユーノを抱き締めて、なのはは迫ってくる何かに耐えようとして、
……ユーノが強く胸の先端を摘んだ瞬間、その脆い防御は一瞬にして崩れ去った。

「んんんんんんんんんんん!!!」

がくがくと身体を揺さぶって、なのはは身体を限界まで反らせたままでぶるぶると震える。
驚いたユーノが唇を離すと、しがみついていた腕が離れ、なのははぐったりとベッドに沈み込んだ。

「はあっ、はあっ、はあっ……」

荒い息をつくなのはに、ユーノはにっこりと笑って言う。

「……えっち」
「……あう……」

真っ赤になるなのはに、ユーノは続けた。

「……僕、もう我慢しないからね?」
15438 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:11:06 ID:OsWW1llr
「ふああああ!」

そう言われるなり胸の先端に吸い付かれ、なのはは身体を反らす。
決して強く吸わず、優しく優しく刺激を送るユーノに、なのはは翻弄されっぱなしになった。

「ひゃうっ! きゃあん! ふ、あ、あああ!」

ぎゅっとユーノを抱き締めて、なのはが快感を受け止めていると、

「ここは……、どうかな?」
「んあああああ!!?」

下に伸びてきた手が秘所を擦り上げ、あまりの快感に、なのはは思わず涙を浮かべた。

「ゆーの……くん……っ! そ……こ……あひゃううううっ!?」
「ここが、どうかした?」

何か言おうとしても、すぐに何も言えなくなるほどの快感に晒され、なのははびくびく震える。
そんななのはに、ユーノは手を休める事なく責め続け、なのはの中の何かが、切れた。

「ここ、そんなに、気持ちいい? なのは」
「あっ、あ、んんんっ! 気持ちいい……! 気持ち……よすぎて……変に、なっちゃう……!」
「そう? だったら、もっとしてあげるね」
「ひゃあああ!! ゆ、の、くん、だ―――っ!!!」

そうユーノが言った瞬間、ユーノの手の動きがこれまでとは比べ物にならない程速くなって。
なのはは一瞬で絶頂に追い込まれた。

「あ、あ、ああ! ああああああああぁぁぁああぁぁああああ!!!」

ぷしゃあっと潮を噴き、がくがくと身体を反らせたまま震え、
……脱力して、なのははベッドに沈み込んだ。
15538 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:12:13 ID:OsWW1llr
2回も絶頂に追いやられ、なのはは息も絶え絶えに余韻に浸る。
と、ユーノがゆっくりと、なのはを気遣うように言った。

「……ねえ、なのは。……そろそろ……いい?」
「……うん。優しく……してね……?」

そうなのはが言うと、ユーノはゆっくりとなのはに口付け、
激しい痛みとともに入ってくるユーノ自身のモノに、なのはは悲鳴を上げた。

「んーっ! んんーっ! ん……ぐ……」

全てが入り切ると、ユーノは唇を離し、なのはを心配そうに見詰める。
と、なのはは痛みを堪えながら、にっこりと微笑んだ。

「……大丈夫……私は、平気、だよ? だから……ユーノ君の好きなようにして……」
「なのは……」

その微笑みに、ユーノは一瞬泣きそうになると、ゆっくりと動き出した。
決してなのはに負担をかけないように、優しく。

「んっ! くぅんっ! う……あっ!」
「っ……くっ……」

やはり痛いのか、ユーノ自身をぎりぎりと締め付けて来るなのはに、ユーノは今にも出しそうなのを堪えながら、ゆっくりと腰を動かす。
と、だんだん慣れてきたのか、なのはは少しずつ喘ぎ声を上げ出した。

「はああ……ふああっ、ひゃう、はうう……」
「なのは……もう少し、強くするよ?」
「ふひゃ? ……ひゃうんっ!? はあう! あはあっ!」

ここぞとばかりに一気に動きを激しくすると、なのははみるみるうちに快感に飲み込まれた。

「ゆーのくん! ゆーのく……あああ! ひゃああっ! も、だ、あああ!」
「なのは……っ!」
「ひ、あ、ああう! あああああああああぁぁぁぁあああぁああ!!!」
「く、ああっ!」

最深部を突かれたなのはが達すると同時に、ユーノも自身の迸りを注ぎ込んだ。
15638 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:12:52 ID:OsWW1llr
「はあっ……はあっ……はあ……、いっ! あああん!」
「まだ、だよ、なのは」
「だめ! もう無理なの! だめだめ! らめぇ!」

しかし、出した直後にも関わらず、ユーノはなのはを突き続ける。
まだ余韻が残っている状態でそんな責めを受け、なのははもはやユーノにしがみ付く事も出来ず、シーツを握るだけ。

「やああ! いひゃあっ! ひ、ひゃ、ひゃあああん!」
「可愛い……♪」
「やら……やらあっ! 壊れる、壊れひゃうのおっ!」

絶えず細かい絶頂を迎えているのか、なのははがくがく震えるだけ。
そんななのはに、ユーノはゆっくりと囁いた。

「壊れても……いいよ。僕は、どんななのはでも好きになれる。そんな自信が、あるから」
「ひあああああっ!! ぜ、全部、全部らめえっ! おかしく、おかしくっ!」
「そんなに気持ちいいんだ……それ♪」
「うああああ! やあああああん!!!」

そう言うなり指や舌を総動員してなのはの弱点という弱点を責めながら突き続けるユーノに、なのはは意識を飛ばしかける。

「ひにゃああああっ! にゃああ! にゃーっ!」

猫のような悲鳴を上げながら、なのはは絶頂を続け、物凄い締め付けに、ユーノも何度か絶頂にやられる。
しかし、それでもユーノはなのはを責め続ける。
それは、3時間経って、なのはが気絶するまで続いた。



「ユーノ君のバカ! えっち!」
「ご、ごめん、なのは!」
「ごめんじゃないよ! 本当に死んじゃうかと思ったんだから!」

……もちろん、翌日なのはは腰が立たなくなり。
何故かけろりとしているユーノを思い切り怒ったのは言うまでも無い。

……さらに、その数ヶ月後、二人はある事を知らされるのだが、それはまた別の話である。
15738 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/04(水) 17:14:37 ID:OsWW1llr
これで、終わりです。
後はグリはやの外伝を投下すれば、全て終わりです。
突っ込みたい所は山ほどあるのでしょうが、それはできればスルーという方向でw
158名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 18:18:50 ID:ffjB6IWZ
9話到達おめでとうです!
始め全9話構成と聞いたときに途中で投げ出すと内心思ってましt(ry
内容もユーなのSSとしては文句なし、魔法の使えないなのはさんは魔王と呼ばれることもなく幸せに過ごすでしょうね

それにしてもカップル率高すぎだろ常考
グリはやだけでなく「夜は従順」なティアさんのお話や、年不相応にラブラブなエリキャロSSはないのでせうかw

スルーすべきでしょうが38氏にこれだけは言っておかないといけません(個人的に
フェイトもギンガも売れ残りじゃないやいw
サンダースマッシャー食らっても文句言えませんよホント
159名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 18:23:12 ID:ZkH3S8Jo
>>157
GJ
そういえばスバルは……?
160名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 18:35:46 ID:nAiemcD9
>>159
お前は今タブー中のタブーに触れた………
161名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 18:36:11 ID:6l0Btbmx
>>157
投下乙です。
グリはやって……エリキャロの外伝は?
162名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 19:27:31 ID:Dra8/E6Z
>>157
GJ! 九話編成を思わせない執筆速度に感服しました。
 
話にすらされないヴォルケンズが不憫w
163名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 19:40:51 ID:x2rUQQTs
>>157
投下乙!

何?フェイト、自分だけ相手がいなくて寂しいって?
馬鹿だなあ、周りを見渡せばいくらでも居るじゃないか。エリオとかヴァイスとかグリフィスとか…そう、寝取ってしまえばいいんだよ!



なんて冗談はさておき、個人的には犯人との決着も地味に気になったり
あとはエリキャロやヴァイティアの番外編とか、勿論グリはやもとても楽しみであるけれど
期待して待たせていただきますね
164名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 19:49:18 ID:qxL6ef2f
>380氏
ユノ×リンディの発想はなかったなぁ。
しかし意外と合いそうな予感。
しんみり&絆の話になりそうですな。

>38氏
最近読み飛ばしすぎてどんな話だったかと思って保管庫に行って見たけど、収録されてないッぽいorz
で自分のところに保存してるログで確認……
フェイトが哀れに感じた(´・ω・`) 退職したら孤児院設立フラグでも経ちそうだ('A`)
甘々な雰囲気も含めてGJです。
165名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 20:25:18 ID:Zo9fzhTQ
>>129
GJ!!!
エリフェイ最高ですた。
続編を期待させてもらいつつ待機
166名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 20:26:34 ID:spQTkYi8
フェイトの孤児院フラグは原作からして立ってるんじゃね?
と、話読まずにレス。
167ユーノマニア:2007/07/04(水) 21:16:23 ID:QGZH+rnH
魔法少女ネガティブフェイト 第二話
もしくは魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第一話、始まります。ひゃっほーぅ!!
注意
・ユノフェ エロなし
・設定がないためスクライア一族が完全オレ設定
・視点の変更はユーノとフェイトの交互
168魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第一話:2007/07/04(水) 21:17:38 ID:QGZH+rnH
なにか、とても悲しい夢を見ていた気がする。
目じりに残った涙の跡が不快で、乱暴に手で拭う。
まだぼやけた頭で辺りを見渡せば、同じ布団で寝ていたはずの二人はもういない。
「起こしてくれればいいのに…」
ちょっぴり薄情な家族たちに不満を漏らす。ユーノもアルフもちょっと私を甘やかしすぎだと思う。
よし、と気合を入れて背伸び一発。
布団を綺麗にたたみ、すっかり我が家と馴染んだテントの片隅に丁寧に置く。
乱暴にしいたままにしておくとちょっと口の悪いお姐さんたちに「お盛んだったのかい?」とからかわれてしまう。
最初は何のことだか判らなかったけど、所謂ソウいう事らしいとだんだん判ってきた。
ソウいう事、と具体的に想像してしまい顔から火が出そうになる。
母さん、フェイトは少し大人になりました。え?いや、まだ知ってるだけだよ!本当だよ、信じて!
脳内母さんと会話も一段落、そろそろ用意しなければ、とテントの天上部分を仰ぎ見る。
此処では時計や時間と言うものがないので太陽の位置でいまどのぐらいか、と判断しなくてはいけない。
もう此処にきて半年になる。太陽で時間を計るのもなれたもの、だ、が
「うわぁ、寝坊だぁ!」
既に早朝とはいえないぐらい。換算すると8〜9時ほど。
まずいまずいと急いで着替える。彼が褒めてくれた長い髪もこの時ばかりは煩わしい。
寝巻きからすっかり着慣れたスクライアの伝統的な部族服に着替え、長い髪は後ろで揃える。
最後に頬をぴしゃりと叩いて気合を入れる。これで準備は完了。
テントから飛び出した私が見たものは、既に朝食の後片付けに励んでいるスクライア女衆のお姐さんたちの姿だった。
「おやフェイト。随分遅いおはようだねぇ。昨夜は旦那とよっぽど激しかったと見えるねぇ」
恰幅のいいお姐さんの言葉に周りがどっと沸く。予想はしていたけど、やっぱりお姐さんはしもネタ万歳なんだね。
「そんな事ないです、本当に!わ、私もすぐ手伝います」
「まず顔洗って飯喰ってきな。こっちはそれからでいいからさ」
この時間に朝ご飯を食べるのは仕事のない子供たちばかりだ。そこに混ざって食べろ、という。
多少情けない思いをしながらもお行儀よく食べる。急いで汚い食べ方をすると子供たちが真似しちゃうかもしれないから。
加工肉と焼きたてのパンと取立ての野菜で出来た朝食をとりながら、ふと現状にいついて考える。

母さんに捨てられたあの日から、もう半年。
天涯孤独になってしまった私たちを助けてくれたのは、ただの協力者だったはずのユーノ。
往く当てのない私たちをこのスクライアの部族に連れてきてくれて、
母さんから捨てられたショックで呆然自失の日々を送っていた私をずっと護ってくれて、
少しずつ自分を取り戻し、此処になかなか馴染めない私のために色々取り持ってくれて、
なにも恩返しできていないことを気に病む私に仕事を用意してくれた。
いまの私の全部はユーノから与えられた、っていっても過言じゃないと思う。
母さん、母さんとただ盲目的に従っていたフェイト・テスタロッサはもういない。最初から、いなかったことになっている。
ただ、毎日を精一杯生きる、フェイト・スクライアがいるだけだった。
今日も一日、頑張っていこうと思います。
169魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第一話:2007/07/04(水) 21:18:51 ID:QGZH+rnH
「ユーノ!すまん、ウチの馬鹿がトラップにかかった!中型機械兵士6機稼動!」
3班の班長から報告。周囲を見れば今まで彫像然としてフロアに佇んでいた巨像が動き出していた。
「調査魔法中断、数人一組で四肢をバインドで拘束!この形状のヤツなら動力炉は胸部にあるはずです!」
魔法を応用した遺跡発掘はスクライアの基本!
「拘束が完了したら動力炉をもぎ取ってください!取り出した後も少し動けるタイプがいる事もあるからバインド緩めないように!」
指示を出しながら自分も近くの一体に取り付き、物理干渉型のバインドで胸部装甲を絡めとりひっぺがす。
鈍く青色に輝く結晶体――動力炉に向け手を伸ばし、素早く慎重にそこから繋がるコード類を切断。
完全に本体と動力炉を切り離したところでぶっこ抜く!稼動した炉は熱を持ってるのでバリアを張りながら。
炉を奪われてからも機械兵士の抵抗は続いたが、やがてその抵抗もなくなりその目の部分からは光が消えていく。
周りを見渡せば他の5機も同様に無力化されていた。胸部に張り付いた5人が嬉しげに炉を掲げる。
古代の機械兵士の炉は出力が高く、いろんなものの動力に利用されるため、意外と高値で売れる。
他に装甲や内部機関も同様に様々な方面で再利用できるため、機械兵士一体でかなりの利益が上がる。
それが5体も!部族全員が首都で一週間豪遊できるなぁ、と軽く夢想。
「お疲れ様です。3班、責任もって全ての残骸を族長のところに運んでください」
「うぃー」だの「げぇー」だののよいお返事が聞こえる。信賞必罰、連帯責任がお仕事の基本なのだ。
他の1班から5班の皆で調査魔法を再開。
遺跡内部の壁面すれすれに魔力を走らせ、そこに描かれているモノ全てを瞬時に読み取り、
必要があればデバイスに情報として保存することも可能なスクライアオリジナルスペルである。
族長いわく「管理局がのさばりだす前から我らは魔法を用いに遺跡を掘り続けてきたのじゃ」らしい。
入り口から徐々に調査範囲を広げ、はや2週間。
メインホールと思しき場所の調査もあらかた終わり、あとは古代文字の解読や壁画の解析ぐらいなのだが…
「どうした、なんか問題でもあったか?」
「問題って程でもないんだけど、ちょっと違和感あるなって」
心配してくれるロド兄さんにも満足な返事が返せない。
「なんていうか、厳重に封印処理されてる宝箱の中身がポエム日記だったような、そんな感じが」
「判り難いたとえだが、なるほど確かにな。特に重要な祭器があるわけでもなし、ましてロストロギアなんて影もありゃしねぇ」
これまで得た情報だと、ここはミッド圏の遺跡ではなく、既に滅んだ文明のもので、神殿として用いられた建造物だと推測できる。
僕たち以前に人が踏み入れた痕跡も見当たらず、ここ数百年はだれも足を踏み入れてもない感じはするのだが。
「ただの祈祷の場って印象なんだけど、機械兵士や他のトラップを思うと、どうもね」
「厳重すぎるわなぁ…解析や解読が進めばなんかわかるかも知れねぇけどよ」
だといいんだけど。
「まぁ、そろそろいい時間だし今日はこれまでかな」
遺跡の中からじゃ解らないけどもう日も落ちる頃だろう。
周囲に向け調査中断を宣言する。あまり日が暮れると集落までの道が見えなくなってしまう。
「うっし、さっさと帰って飯食おうぜ。腹へってしょうがねぇや」
背中をたたいて促す兄さんに素直に従い出口へと歩き出す。
「そういやユーノもだいぶ責任者なれてきたな。やっぱ二回目だからかね」
「あはは、そうだね。最初の時よりは上手くやれてる自信はあるかな」
一回目は酷いものだった。ちぐはぐな指示を出すわ遺跡の一部を損傷させるわ、今思い出すだけでも泣けてくる。
「ジュエルシードなんて出なけりゃ問題なく成人になれてたんだよなぁ。ツイてねぇ奴だとつくづく思ったよ」
スクライアの男児は責任のある立場で自分の仕事を成功させることで成人と認められる。
前回は色々あって成功とは認められなかったが、今回はわりと順調に事が進んでいる。
遺跡も未調査領域もあとわずか、解析データをまとめるのは得意分野であるし、問題はない。
「もうすぐ僕も大人の仲間入りかぁ。気は抜けないけど少し楽しみかな」
「つーかまだ9つで成人しなくてもいいと思うんだがなぁ。特典あるわけでもねーし、責任は負わされるようになるし」
ガキはガキらしくしてりゃーいい、とぷらぷら先に行ってしまう兄さん。
その背中を見ながら、特に目的もなく成人の儀に挑んでいたことを思い出す。
どうして成人の儀を受けたのかな、と自問しつつも
「ギリギリの歳まで成人にならなかったロド兄さんが言うと重みがあるやらないのやら」
殴られた。
170魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第一話:2007/07/04(水) 21:19:44 ID:QGZH+rnH
「はいユーノ。今日はおっきな熊が取れたんだよ」
テントがたくさん立った仮説集落の中心広場。大きな鍋を取り囲み部族の皆が集まっている。
ここの夕飯時はとても賑やかだ。
部族の女衆が全員分の食事を作り、それを取り分けて食べるのが基本だけど、朝と昼はおのおの仕事の関係で時間が合わないので
所属してる衆ごとに別々に食べるが、夜だけは皆が集まっていっせいに食べだすのだ。
私が所属している炊事や雑務など全般を行う女衆、ユーノみたいな遺跡の調査・発掘などを生業とする遺跡衆。
それとアルフが手伝ってる狩りや植物の栽培などで生活を支える狩衆。あとは子供たちやお年寄りなどのお仕事のない人たち。
決まった故郷を持たない「放浪の民」スクライアは役割をきちっと分けることで部族としての纏まりをつくっている、らしい。
各々が自分の出来ることを成す事で部族全体を生かす、と族長様は言っていた。
「あたしが倒したんだぞ!凄いだろぉ」
得意げなアルフ。帰ってきた時熊を丸ごと背負ってきた時にはびっくりしたんだけどね。
「ありがと。フェイトももうお仕事終わり?」
熊の汁がはいった器と木で出来たスプーンを渡し、私もユーノとアルフの座ってる木を削ってつくられた長椅子に腰を下ろす。
「うん。食事が終わったら後片付けしないといけないけど、それ以外は終わったかな」
いただきます、と三人で唱和。そろって食べ始める。
「ふぅ、美味しい。出汁が効いてるって言うか、味に深みがあるよね」
「ガツガツモフモフじゅるるる、ぷっはーホントこりゃ美味しいねぇ」
「アルフ、ちょっとお行儀悪いよ」
私も手伝いはしてるけど、野菜の皮を剥いたり大きな鍋を混ぜたりしてただけだったり。
「結構大雑把なつくり方なのに、味付けが絶妙だよね…やっぱりお姐さんたちは凄いな」
「今の僕たちぐらいの歳からずっとやってることだからね。経験がモノをいうのかな」
私が今まで生きてきた時間の4倍から5倍かぁ… 「あぃたっ」
遠くからスプーンが飛んできて額に当たる。
「失礼なことと言ってんじゃないよ!あたしゃまだ三十台だよ!」
く、口に出してないのに!?
隣で同じように額を押さえるユーノ。アルフは上手く避け、再びガツガツと食べ始めている。
ユーノと顔をあわせ、二人で少し笑いあい、私たちも食事を再開する。
いつか自分もここまでの味を出すことが出来るんだろうかと考え、努力しようと決意する。
そのときは一番最初にユーノに食べて欲しいと、そんなことを考えた。
171魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第一話:2007/07/04(水) 21:20:49 ID:QGZH+rnH
この時間だけはいまだ慣れることができない。
ひょっとしたら一生慣れることなんてないのかもしれない。
「どうしたの?」
怪訝な表情で尋ねてくるフェイトの顔はあまりに近く、僕は目を逸らす。
唯一の光源であるランプの赤さで、トマトの如く真っ赤な顔してるのがばれてないのが幸い。
「いや、ちょっと考え事」
彼女には男女七歳にして〜、という概念はないのだろう。
多少人より早熟な僕にとっては女の子(しかもとびっきりの!)と同じ布団、なんて平静を保てるものではない。
もともと個人用だったのであまり広いテントではなく、布団を二つも敷けるスペースなどないのだ。
僕とフェイトで狼形態に戻ったアルフを挟んむ、俗に言う川の字と言う並びだ。これ以上フェイトと接触すると僕は死ぬ。
萌え、もとい悶え死ぬ。
僕の大切な家族たちはどうもそういう所に無頓着であり、毎夜悶々とお経を唱えるのである。むにゃむにゃ。
既にすぴすぴと鼻ちょうちんを膨らませるアルフの頭を撫でる。
「そういえばユーノ。今のお仕事が終わったら大人として認められる、んだよね?」
「まだ判らないけど、このまま順調に行けば、たぶん」
「大人になると、何かいいことあるの?」
む、直球。
「重要な会合に出席を許される。仕事も重要な事を任されるようになる。あとは大人の責任とか、いろいろ」
自分で言っててあまりいいものでもない、というか割と面倒なことが増えるだけのような?
フェイトもそれを感じたのか、苦笑いで答える。
何かもうちょっとあったような…と、それに思い当たった時、自分の顔がさらに赤くなる事を自覚する。
「あ、あと…お、お嫁さんを貰える、とか」
フェイトは目を見開いて驚愕。何故か左右をくりくり見回し、掛け布団に鼻の頭まで潜ってこちらを見つめてくる。
「そ、そうなんだ…」
「そうなんだよ…あ、あはは」
「そう…」
「…うん」
不意に訪れる沈黙。そんなに長くない筈なのだが、体感時間では永遠にも感じられる。
短くも長い沈黙を破ったのはフェイトだった。
「…お、女の子は、お嫁さんにいける条件とか…ある、の、かな?」
え?と聞き返す前に
「なななななななんでもない!ごめんね忘れておやすみなさいッ!!」
電光石火の動きでランプを消すと布団に被る。
「あ、うん。おやすみなさい」
僕もその勢いに圧された様に目を閉じる。彼女の言ってた事を心中で反復する。
スクライアはわりと古い部族故の男尊女卑っぽい傾向があり、女性に成人の概念はない。
つまり仕事を終えて一人前になった僕がフェイトに愛を囁き、フェイトがそれを受け入れたなら、僕らは本当に家族に…
ぬぁああああ!いかん。これは本当にヤバイとですよ!
何がいけない、何がヤバイかには一切触れることなく、今日もまた悶々と夜は更けていくのであった。
172終了・あとがき:2007/07/04(水) 21:26:01 ID:QGZH+rnH
あー、38氏みてぇなイチャラブがかきてぇなぁ、もう!
設定から固める癖が出来てしまったようで余計なものばっかり…
ちなみに前作ダイジェストにしたのは
・無印見てれば保管できる範囲だから
・妄想の範囲を残しておく
・ぶっちゃけ2話以降が書きたかったと言う理由です。

ところでハードワークの無限書庫で10年間魔法を使い続けたユーノ先生が
10年前と変わらずランクAてどうよ?イジメか何か?
173名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 21:32:38 ID:spQTkYi8
「魔導師総合Aランクを有するが、現在は魔導師としての活動は行っていない。」(by公式キャラ紹介)
174名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 21:33:30 ID:85zOva70
戦闘スキルでランク判定するから、攻撃能力なしのユーノはランク上ではA止まりなんだ。
と妄想してみる。そしてGJ。フェイトとユーノの組み合わせ大好き。
175名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 21:41:53 ID:oINUcn0u
つか、ランクって、試験あるんだろ?
ユーノなら……受けんだろうな。ランクに意味を見出さないだろうし。
176名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 22:10:28 ID:ffjB6IWZ
スクライア一族のオリ設定が素晴らしすぎます
普通に受け入れることができました、実際スクライア一族ってこんな感じだと思えまます
このまま一族内の話を続けて欲しい反面、この二人がA'sに出てきても欲しい……

ランクに関しては司書長には必要ないからでは?
無限書庫の有用度からして十分役に立ってはいるはずですが、それが数値には見えないからわかりにくいんですよね(T_T)
位は一応提督と同じらしいですし、アニメ内では全然そう見えないのが玉に致命傷ですがorz
177名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 22:11:04 ID:TT/PCt9P
>175
魔導師ではなく歴史学者として評価されたいと願ってるから論文執筆にいそしんでるんだな。
178名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 22:15:05 ID:NWs2NV3f
>>175
ランクは魔法学院時代に取ったAのまま、その後は忙しいし面倒くさいので取ってないんだと妄想。
179名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 22:18:04 ID:QGZH+rnH
「本当はS−ぐらいあるけど忙しくてAなんだ」
なんてソフトなU−1…
180名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 22:22:56 ID:spQTkYi8
2.5ランクダウンの何処がソフトなのかと小一時間(ry
181名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 22:29:42 ID:SkATijOO
>>179
U-1ならSSSの上のMだけど面倒だからB、だろ
182名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:00:29 ID:ffjB6IWZ
ユーノがU−1である必要はありません、淫獣であればいいんですw
183名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:06:46 ID:tvqqjVAU
10年で成長したとしても、せいぜいAAまで、かなぁ。守護騎士に勝てる司書長は想像しにくい。

ところで司書長の地位が提督並って、オフィシャル?
184名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:12:08 ID:8w+ohXfL
オフィシャルじゃないと思う
でも俺は無限書庫司書長は提督相当だと思っている

理由は国立国会図書館館長は国務大臣相当だったから
(今は給与削減の為に少し格下げされた)
詳細はwikipediaみてくれ
185名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:13:59 ID:spQTkYi8
そもそも提督の地位もハッキリしてないからなぁ。
186名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:17:51 ID:QGZH+rnH
>>183
たぶんランクで勝ってても攻撃能力が低いため戦闘は勝てないと。
A´s時点で防戦一方で手加減ありだけどヴィータに打ち崩されなかったのだし
10年も経てば『勝てないけど負けもしない、でもスタミナ切れで結局負ける』ぐらいにはなれる気もする。

あと提督と同位ってのは某二次創作だったような肝。
187名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:30:19 ID:AMMY3ufe
>>185
提督は陸の将軍に相当してて、海の准将〜大将までを一緒くたにまとめた時の言い方。
クロノが後見人やらお偉いさんやらなので、この世界でも海の将官の総称と思ってよさげ。
188名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:38:02 ID:TT/PCt9P
ホテル事件での描写を見ると警護対象とされる職務ではあるみたいだな>司書長
もっとも、ありゃ二人に気を利かせたのかもしれないが。
189無刃:2007/07/04(水) 23:43:49 ID:5rBEySZr
グレアム提督の「前の闇の書の護送」回想シーンで「クライド・ハラオウン」が居たんですが

NanohaWikiによると彼の階級は時空管理局提督で、尚且つグレアムの部下だった。

つまり「グレアム提督(指揮官)>クライド・ハラオウン提督(部下)」?
190名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:46:19 ID:AMMY3ufe
グレアム中将、クライド准将と仮定してみたらどう?
191名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:49:29 ID:7DCjiya9
局が放置されていたデータベースを正常化してかつ運営してる実績は並大抵ではないはず。
おまけにたぶん開始はほぼ独力だろうしな。

ぶっちゃけ下手な提督級なんかじゃ実績負けるんじゃ?

三期では管理局が軍事系組織に描かれてるが、
そうなると軍事組織の情報系のトップは普通権力は並みじゃないはずだぞ?
しかも無限書庫は危険物なロストロギアの情報とかある場所。
求められる機密レベルもかなり高いはず。
そこの責任者にかかる義務と権利と権力なんて相当だと思う。
で、ユーノは学者も兼任なわけで。
そう考えたら本局勤めで外出もするユーノが、
独立愚連隊扱いに近い六課がカメラのメインになる第三期に出番がないのは妥当になるな。
事務的作業が多くなるお偉いさんなら多分ユーノの功績と価値判ってるんじゃないかと。
六課に居ないのは上が抑え込んでると思う、
普通の軍事組織なら手放さない優秀な人材だしな。
というか、多分代わりがいない分、かなり重宝されてると思うんだ。
今書庫の運営に支障でたら管理局全体問題になるだろうし。

まあ軍事組織を描くにしては脚本に準備不足な面が多々見られるので、
たぶんユーノの現在の背景詳細は設定されていないと思われる。
というか近未来軍事話にするならば情報・後方支援の描写と設定が不足してると思う。
部隊規模でないその上の部分な。
アクションレベルでドンパチしたいだけなら二期の延長でいいだろうに。
192名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:53:49 ID:QGZH+rnH
あと確かグレアムは一番偉かった時期は艦隊司令官と初顔合わせの時にでたような

とりあえず
A´s時
はやて<ユーノ=なのは≦フェイト<(超えられない壁)<クロノ
だったのがStS現在
なのは≦フェイト<はやて<ユーノ≦クロノ
になった、という認識でOK?
193名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:58:09 ID:spQTkYi8
二次創作の設定としては良いんじゃねーの?
194名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:03:01 ID:iBkNhRq6
追加。防衛省情報本部長は「中将」。

もし都築さんが防衛省情報本部長と同等に考えているなら、
レジアスとユーノが同クラスってことに。
ありえねぇ、准将ぐらいかな。

>>192
俺もそれでいいと思う。
195名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:05:50 ID:f26e8g/A
通常、諜報と記録は別系統だけどね。
参本でも第二部と第四部に分かれてたし。
196名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:06:44 ID:+yuHfY5t
>>192
まあその辺だろうけど、本来はユーノは軍的階級からは
切り離したほうがよさげな気もする。

てか14話のティアナとはやての差がいい例だが、どんな階級差が
あっても仲間内じゃなあなあだしな、この作品。
197名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:12:48 ID:xNFNFOdw
無限書庫は管理局の情報活動の中でも、オシント(公開情報の収集・分析)を担当してるのかな?
198名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:14:35 ID:cIkKbX3B
>>196
同意、ユーノは一応文民だからな
軍の階級で考えるとおかしくなる
大企業の社長と軍の総帥と宗教の教祖で誰が偉いかを議論するような物だ
199名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:19:30 ID:cIkKbX3B
途中投稿orz

まあ一応同じ組織に属している扱いだから権限の違いで分けられるとは思うが
無限書庫のがどう言う組織構造しているかでなんとも、
As漫画版最終話のクロノの台詞では司書の人事権(外部からの雇用含む)は持っているみたいだけど
200名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:21:31 ID:1zULrhkc
>>198
それはどうだろうか?
無限書庫は本局内の施設なのだから管理局内の明確な地位は必要だと思うけど。

考えてみると無限書庫ってあくまで膨大な数の書籍から情報を引き出すのだから
敵対組織の構成やら所在地などのリアルタイムの情報はひきだせないし、
ロストロギアなどが絡まない次元犯罪等には意外と役に立たなかったりするのか?
201224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/07/05(木) 00:25:46 ID:Hf2jcCCZ
38氏
>>172

超GJ!!!

>>195
情報部とかそういうの出てきてないな。
いつか語れるかもしれないと思いますが。

>>191
オレもそう思った。
せめてシロマサのアップルシードくらいまで設定を練って欲しかった。

質量兵器規制があるが、魔法 VS 銃火器という展開は無いだろうか?
ミサイルじゃなくてバルカン砲やマシンガンを搭載したガジェット・ドローンが出てもおかしくないと思うんだ。
特に犯罪組織なら、なおさら銃火器の類ぐらい持ってるに違いない。
中将の演説でも「銃犯罪」という単語を言っていた。

(まさか「銃弾」ではバリアジャケットに効果がないと考えてないよな>製作サイド)

おいらがスカだったら、ナンバーズには短機関銃、スタングレネードくらい持たせてあげたい。



それとも、そういうSSを書けという天啓なのですか?
202名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:29:47 ID:cIkKbX3B
>>200
199も読んでくれ、

で答えだが、金や株の動き(資金洗浄の痕跡)の記録とか、空港の乗客名簿とかが有れば十分に役に立つと思う
かなり地味な話にはなるが寧ろそういった情報整理の方がメインなんじゃね?
203名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:29:57 ID:xNFNFOdw
>>201
たしか、バリアジャケットには銃弾などの物理攻撃を防ぐ効果が有ったとおもったよ。
204名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:32:40 ID:f26e8g/A
>197
いやぁ、分析に手が回ってるかどうかも微妙な気がする。
なにしろユーノが闇の書を調べるまで半放置状態だった部署が十年でどこまで
実動状態になったものやら。収集とその整理だけで手一杯、とても中身までは……
ってな感じがするけどね。まぁ、依頼があったらそれについて調査する、という程度では。
205名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:37:25 ID:xNFNFOdw
>>204
そこらへん、どうなんだろうね。
自分は、半放置状態だった無限書庫が、ユーノが司書になることによってわずか十年で
有用なデータベースとしての活用ができるようになって、情報の分析も進んでいるってイメージだったけど。
206名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:40:38 ID:gZise77w
>>201
某サイトにクロフェでかつ銃火器VS魔法でドンパチやってるSSがあったぞ
207無刃:2007/07/05(木) 00:41:56 ID:Bn76QDjN
初投稿

日記風SSです。キャラの性格は原作寄りなのでコメディ?。

208無刃 :2007/07/05(木) 00:43:44 ID:Bn76QDjN
キャロの日記

○月3日

午後の訓練が終わった後、隊舎に戻ろうとしたら突然フリードが道端の茂みに飛び込んだの。

なんだろうと見てみれば何か小さい生き物を咥えていたの。とりあえず慌ててフリードに

生き物を放す様に言って聞かせて生き物の様子を見たらしっかり噛み跡がついて痛そうだった。

とりあえず連れて帰って手当てしなきゃ…随分抵抗したけど何とかおとなしくしてもらえた。

○月4日

昨日連れて帰って手当てした小動物はなのはさん達の世界の「フェレット」って言う動物に似てた。

今日の訓練を終えて帰宅したらまだ寝ていました。見たら随分汚れているみたいだし…お風呂で

洗ってあげよう♪…やっぱり多少暴れたけど直におとなしくなってくれた。後から入ってきた

スバルさんとティアさん達が驚いていたけど、事情を話したら納得してくれた。その後お風呂に

「フェレット?」さんと一緒に入浴して、その後でベットで抱きしめて寝ました。
209無刃:2007/07/05(木) 00:44:50 ID:Bn76QDjN
○月5日

朝の訓練前にティアさんが「フェレット?」さんのことを話題にあげ、様子を尋ねた後

「隊舎の近くで拾ったのなら誰かのペットかもしれないし一応六課で探してみるわよ?」と告げました

…そういえばその可能性を失念していました。飼い主さんが居るならばきっと心配してますよね、ちょっと反省。

○月6日

夜、隊舎で今日の訓練内容をイメージトレーニングで復習をしていたら、ドアをノックされた。返事をしたら

なのはさんが入ってきて「キャロの拾ったフェレット、実は私のなんだ。一昨日偶々連れてきてて居なくなっちゃて

探してたの」といいつつフェレット?さんを探して部屋を見渡すと、机の上でこっちを見ていたフェレットさんを

見つけて近寄り、手のひらに載せると「じゃ、帰ろうか」と言いました。やはり本来の飼い主だと安心するのか

リラックスして伸びきっていました。「じゃ、世話ありがとね、キャロ」となのはさんは帰りました。

と、何時からそこに居たのかティアさんが青ざめた顔で入ってきたので「ちょっと寂しいですけど、これで良いんですよね…」

と話し掛けたところ、ティアさんは「う、うん…」と浮かない返事をしたので聞いてみると「アンタ、感じなかったの?あの凄い殺気を…」

といい、そのまま帰ってしまいました…なんのことだろう?
210無刃:2007/07/05(木) 00:45:52 ID:Bn76QDjN
○月7日エリオ編は文才が

お昼頃、第六課から帰る途中のユーノさんを見かけた。凄くやつれててちょっと心配になった。

なのはさんはフェレットさんが無事だったのでなんだか上機嫌だった…お肌もつやつやでしたし。


○月19日

休み時間、エリオ君が何か熱心に本を読んでいるのでみてみると「ミッド式変身魔法中級〜小動物編〜」

と書いてありました。聞いてみると「ユーノさんに薦められた。使える魔法の種類が増えれば

もっと臨機応変になれると思うんだ」という返事だった…エリオ君、頑張ってるなぁ、私も負けないように頑張らないと。


終わり。
211名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:48:38 ID:hdOApsyj
>>210
ちょwww
淫獣自重しろw
エリオダメだ。そっちの道はダメだ!
212名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:52:09 ID:1zULrhkc
>やはり本来の飼い主だと安心するのか リラックスして伸びきっていました

のくだりで目にも止まらぬ高速延髄チョップ、と言う言葉が浮かんだ。
213名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:52:34 ID:6+cYoQiW
>>211
空白の12日間が気になるんだがwww
なにやったんだよ淫獣ww
214名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:52:44 ID:ORuoxSMA
淫獣wwwww
仲間増やす気かwwww
215名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:58:50 ID:hdOApsyj
>>213
お前はどうして俺にレスしてるんだww
216名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 01:10:01 ID:EKgU2e8p
何というユーノ祭りwwww
皆様GJ!

あと、無限書庫って資料室なイメージあったけど…
何かもっとスゴイとこなんですか?
217名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 01:18:07 ID:xNFNFOdw
>>216
だから、その資料室が凄いんだよ。
218名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 01:21:38 ID:QSYVhYwg
なんというユーノ漬け…ユーノ好きの私には間違いなくニヤニヤ空間。
219名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 01:26:08 ID:WeDxC3rq
多分それなりの権力は司書長には付随してるだろう。
少なくとも一部門の責任者で部下もいるんだろうし。
ただユーノはそういった権力とかには無頓着だろうから傍目には偉く見えないんだろう。
扱いもどんなに低くても佐官待遇だろうよ。

リアルタイム検索は無理だろうから多分情報部とか諜報部とかが事前に活動、
あるいは執務官やら特別捜査官とかも動いていて、
「こんな情報が入手出来たがそちらに照合するものはあるか?」
と送られてきて、その上でデータを引き出し、最終的な行動に出るんだろうと俺は思っている。
もちろんユーノなら緊急時にも24時間である程度の検索は出来そうなくらい優秀なイメージもあるが。
220名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 01:28:39 ID:1zULrhkc
つかユーノ評価してる人が結構いたことに驚き。
他の場所ではなんか軽く扱われているように感じるのに…

これが愛か。
221名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 01:33:03 ID:cIkKbX3B
情報の蓄積と活用がいかに大変かを理解している人が多いんじゃないかな、
二次創作のSS書くにも一次の情報が必要なわけだし
222名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 01:33:22 ID:+yuHfY5t
てか、ここの住人層が偏ってるだけな(ry
223名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 01:34:32 ID:f26e8g/A
なんだかんだいって、みんな淫獣が羨ましいのだw
たとえアイキャッチでなのはさんにかじられようともww
224名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 02:19:46 ID:9MkCOzsQ
>>395
エロパロ板のアレか? 確かにアレは全力全開、淫獣ここにあり! って感じで俺も好きだwww

でも同時に格好良いユーノの投下も待ってる。楽しみにしてるのがまだ投下されないんだよなぁ……。
ユーノが大怪我して、フェイトにフラグが立ったような所で終わってるから続きが激しく気になる。
225名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 02:21:59 ID:9MkCOzsQ
ギャース!! 板間違えたー!!

初めて誤爆してしまった……。すみません……。
226名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 02:23:44 ID:1zULrhkc
まぁ、流れはまさにユーノスレだしねぇ…
2276課の落日:2007/07/05(木) 02:40:37 ID:wDyKyHbN
6課の落日最終章が完成しました。
2:50あたりに投下します。
228名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 02:46:12 ID:+5ZhmeI3
寝ようと思ってたところに吉報がw
229名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 02:49:15 ID:RbJG5lsJ
なんという睡眠妨害・・・寝不足を覚悟する
2306課の落日:2007/07/05(木) 02:52:58 ID:wDyKyHbN
これより投下します。

注意点は以下の通り。

・完全に救いがありません
・触手、搾乳、腹ボテあり

以上がいやな場合はスルーしてください。
2316課の落日〜compensation for betrayal その1:2007/07/05(木) 02:54:35 ID:wDyKyHbN
とある管理局の一室・・・・・
その中では肉がぶつかり合う音に混じって水がはねる音が響いており、紫がかった青いロングヘアの女性が男たちに蹂躙されていた。

「殆ど反応しなくなっちまったぁ・・・・・」
「まぁ、でもまだ締め付けのほうは結構いいぜ?」
「そうなんだけどさ、俺としてはきゃんきゃん犬のような悲鳴を上げて欲しいんだよな。」
「そんなもんなのかね・・・・・っ、そろそろ限界だな。」
「おれもだ・・・・・!!」

男たちは挿入の速度を上げる。
男たちの肉棒は女性の二つの穴をそれぞれ蹂躙する。
だが彼女はまるで反応を示さない。
度重なる輪姦で彼女の精神は完全に崩壊してしまったからだ。
だが体のほうは快楽を求め男たちの肉棒を締め上げていた。
そして・・・・・

「で、でる!!」
「っ、うおおおおお!?」

男たちの精が彼女の膣を、腸を白く汚していった。
男たちは肉棒を抜く。
塞ぐ物がなくなったのか二つの穴から精液があふれ出した。


「いけね、そろそろ時間だ。」
「そんじゃま、仕事に戻りますか。」

男たちは身支度を整え部屋を後にした。
部屋に残っていたのはまるで捨てられたかのように倒れている女性。
その瞳は既に濁り切ったかのように光を失っており、そして壊れた玩具のように微動だにはしない。
そして彼女の下の穴からは未だに精液があふれ出していた。


彼女の名はギンガ・ナカジマ・・・・・
かつて108陸士隊に身をおく若き騎士だった・・・・・
2326課の落日〜compensation for betrayal その2:2007/07/05(木) 02:55:28 ID:wDyKyHbN
「〜♪」

家路に向かうティアナ・ランスターは機嫌がよかった。
今日は先週受けた執務官試験の結果発表の日で合格者の中にティアナの名前があった。
つまり合格したわけである。

(しかしまさかこんなに早く執務官になれるなんて思わなかったな・・・・・)

もっとも今はまだ仮のもので、正式な執務官への任官は1年近くに及ぶ研修を受けなければならないのだが。

(思えばアレがターニングポイントだったのかしらね・・・・・)


あのときの模擬戦で徹底的に叩きのめされたティアナが目を覚ましたのは翌朝のことだった。
そして目を覚ましたティアナに下されたのは当面の間の任務除外及び訓練禁止命令だった・・・・・
この決定にスバルは抗議したもののただの武装局員に過ぎない彼女に隊長クラスから出された命令を撤回するのは無理な話だった。
もっともこの命令はクロスミラージュのフルメンテと彼女のダメージを考えて、そしてしばらく頭を冷やして欲しいというなのはの願いだ

ったのだが・・・・・・


そんなある日、街へと出かけた。
訓練がないので事務業務以外の空き時間に部屋にこもっているティアナを見かねてはやてが許可の出したのだ。
そして彼女は一人の男と出会うことになる・・・・・

2336課の落日〜compensation for betrayal その3:2007/07/05(木) 02:56:46 ID:wDyKyHbN
「・・・・・ティアナ・ランスターさんですね?」

街の公園内で突如、話しかけられ思わず彼女は身構える。
声の主は壮年の男だった。

「ああ、申し訳ない私は・・・・・」

男は自分の名前を明かす。
その名前を聞いてティアナは・・・・

「申し訳ございませんでした!!」

敬礼し自分の非礼をわびた。

「そんなに改まらなくていい。
今回の私の行動は非公式だからね。
・・・・・君に大事な話がある。」
「・・・・私に、ですか?」
「ここで話すのはなんだ・・・・・場所を変えよう。」


男が連れて行った場所・・・・・・
それは裏通りになる静かなバーだった。
そこの奥の席に二人は腰掛けた。

「さて、本題に入ろうか。」

温厚だった男の顔が真剣なものになる。

「君は、機動6課に関してどう思っている?」
「・・・・・え?」

男の質問にティアナは戸惑う。

「君から見て機動6課はどのような組織に見える・・・・・っと聞いたほうがよかったかな?」

男に訂正にティアナは意味を理解する。

「・・・・・・はっきり言って異常だと思います。」
「・・・・・ほう?」

男は目を細める。

「隊長格は全員オーバーSランク、副隊長ですらニアS、ルーキーたちはどれも将来が約束されたエース候補たち・・・・・
はっきり言ってこれだけの人間がひとつの部隊に集まるのは異常だと思います。」

ティアナは思っていたことは男に話す。
2346課の落日〜compensation for betrayal その4:2007/07/05(木) 02:57:36 ID:wDyKyHbN
「なるほどな・・・・・
どうやら君はまともな思考を持った人間みたいだ。」
「・・・・・え?」

男の言葉にティアナはきょとんとする。

「確かにあの部隊は異常なのだよ。
独自行動できるエース部隊、はっきりいって聞こえはいいかもしれないがそれは非常に危険なことなのだよ。
・・・・・『強すぎる力は災いしか呼ばない』
私の持論でね、この世界はあまりにも多くの危険な力が存在する。
たとえば『ロストロギア』・・・・・これは扱いかたを間違えば多くの次元が消滅する。」
「はい、過去にも幾度かそのような事件が多々あったと聞いています。」
「それ同様に6課のように高ランク魔導師を一箇所に集めることはあまりにも危険すぎる。
・・・・・それを管理局の上層部は分かっていない。
だから私は決意した。」
「決意・・・・・?」
「クーデターを起こす・・・・・」
「!?」

男の言葉にティアナは驚く。

「本気・・・・・何ですか?」
「私は本気だ・・・・・幸い同志はかなりの数が集まった。
後はクーデターを起こすタイミングさえ誤らなければ事は成る。」

男は彼女にあるリストを渡す。
ティアナはそのリストに目を通す。

「これだけの人間が・・・・・」

ティアナは驚きを隠せなかった。
クーデターに参加する人間は管理局員の半分以上を占めていたのだから。
その中にはレジアス・ゲイツといったかなりのポストに座っている人間の名前もあった。

「そうだ、それだけ今の管理局の現状に不満を持っているのだ。
だが、ひとつ懸念事項がある。」
「・・・・・機動6課。」
「そうだ、彼女たちの存在はあまりにも危険だ。
下手をすれば彼女たちにクーデターをつぶされる可能性もある。」
「そんな、たかが一部隊でこれだけのクーデターが潰される訳が・・・・・」
「有りうるのだよ・・・・・」

ティアナの意見を男は遮るように否定する。
2356課の落日〜compensation for betrayal その5:2007/07/05(木) 02:58:23 ID:wDyKyHbN

「君は彼女たちの恐ろしさを分かっていない・・・・・」

男は携帯端末を操作しウィンドウを開く。
ウィンドウに映し出されたのは若き頃のなのはたちだった。

「そんな・・・・・」

その映像にティアナは呆然となる。
それもそのはずだ。
わずか9歳にしてSクラススキルを使いこなしているのだから。

「そして今もまだ成長している・・・・・
これがどう意味するか分かるはずだ。」
「・・・・・」
「彼女たちはその気になれば世界を滅ぼせる。」
(私はこんな化け物の下にいたの・・・・・)

男の言葉にティアナはなのはたちの恐怖した。

「だからこそ君に、このクーデターに参加して欲しいのだ。」
「6課のスパイをしろということですか・・・・・」

ティアナは複雑な表情をする。

「裏切りに対する躊躇いがあるのは無理もない。」

男はティアナの心中を察する。
そして・・・・・

「だが、このままでは君はいずれ6課から切る捨てられることになるぞ」
「どういうことですか?」
「・・・・・これを見たまえ。」

男は書類入れをティアナに渡す。
ティアナは受け取りそれをあけた。
中に一枚の指令書が入っていた。

(そ・・・・・・そんな!?)

その指令書の内容にティアナは愕然となった。
2366課の落日〜compensation for betrayal その6:2007/07/05(木) 02:59:01 ID:wDyKyHbN

「ティアナ・ランスター・・・・・・
上記のものを、第66次元警備隊への転属を命ずる・・・・・嘘だ・・・・嘘だ、嘘だ!!」
「・・・・・残念だがこれが事実だ。」

激昂するティアナに男は冷静に応える。

「それに高町は代わりの人員を探しているそうだ・・・・・
私としてはあのティーダ・ランスターの妹をここで潰されるわけにはいかんのだ。」
「・・・・・え?」

突如出た兄の名前にティアナは驚く。

「・・・・・兄を知っているのですか?」
「彼は立派な局員だった・・・・・
もし彼が執務官になった暁には私の直属におこうと思っていたほどだ。
それだけに彼の最期はあまりにも残念だった・・・・・」
(兄さん・・・・・)

ティアナの兄、ティーダ・ランスターはある事件で殉職した。
その際当時の最高責任者は彼の死を侮辱した。
このことに彼女にいまだ深い傷跡を残している。
それ故に彼の言葉は深く染み渡った。

「君も、彼同様に執務官を目指しているそうだね。」
「・・・・・はい。」
「ならば、このクーデターの成功の暁には執務官への最短ルートに君を用意するつもりだ。」
「!?」

男のその提案・・・・・
それは裏切りに迷う今の彼女を決意させるのに十分に過ぎた。

(どうせ捨てられるんだ・・・・・だったら!!)
「分かりました、協力しましょう。」
「ああ、よろしく頼む。」

二人は握手を交わした。


だが彼女は知らない。
この命令書が精巧に偽造されたものであることを・・・・・
そして彼の巧みな話術に騙されている事を・・・・・

2376課の落日〜compensation for betrayal その7:2007/07/05(木) 03:00:15 ID:wDyKyHbN


その後彼女は6課の情報を彼らに流し始めた。
そしてクーデター当日・・・・・
敵襲の混乱にまぎれてデバイスルームにあった自分の相棒を奪還した。
その際シャーリーとヴァイスは制止しようとしたが、彼女はためらいなく引き金を引き、殺した。
そしてそのままフォワード陣の元に向かいそのまま陸上班を壊滅させた。
そしてクーデター完遂後、彼女は局長の秘書官として働くことになる。


(ここまで上手くいくとは思わなかったな・・・・・・)

局長室で男は窓から都市を見下ろしていた。

(ある意味これも天運・・・・・
時代は私を選んだということだな。)

男は不気味な笑みを浮かべる。

「そろそろ時間だな・・・・・・」

男は腕時計に目を落とし呟いた。
2386課の落日〜compensation for betrayal その8:2007/07/05(木) 03:01:00 ID:wDyKyHbN


寮への帰宅途中、彼女は妙な違和感を感じた。

(結界が張られてる・・・・・いったい誰が?)

突如張られた結界にティアナは警戒する。
その彼女の目の前に現れたのは一人のフードをかぶった人間だった。
フードで隠れているため顔は見えないが背丈はティアナと同じくらい・・・・・いや、全く同じだった。

「あなたは・・・・・」

言い終わらないうちにフードの人間はデバイスを展開ティアナに向ける。

「・・・・・っ!?」

ティアナはサイドステップでその場から飛びなく。
彼女のほうをオレンジ色の光弾がかすめる。

「えっ!?」

ティアナが驚いたのは光弾などではない。
そのフードの人間が構えているデバイスだった。

(クロス・・・・・ミラージュ?
同型か!!)

その人間は構えているデバイスはティアナのクロスミラージュと瓜二つだった。
一瞬戸惑ったが彼女は相棒を起動させバリアジャケットを展開する。

「局員の魔法攻撃・・・・・軽犯罪ではすまないわよ!!」

ティアナは警告するがフードの人間は再び発砲する。

「っ!?」

ティアナはそれをかわし発砲。
もちろん非殺傷設定の魔力弾。
だがそれをフードの人間は容易く撃ち落す。
そして呟く。

「クロスファイヤ・・・・・」

自分と同じ年の女の子の声とともに彼女の周囲に無数のオレンジ色の光弾が形成される。

(・・・・・私と同じ!?)

自分と同じ魔法に驚愕しながらもティアナは同じくオレンジ色の光弾を形成していく。

「「シューーーーート!!」」

二人の掛け声とともに二人は爆炎に包まれた。
そして爆炎が晴れる。

「つぅっ・・・・・」
「・・・・・」

バリアジャケットが損壊したティアナに対し謎の少女は全くの無傷だった。
2396課の落日〜compensation for betrayal その9:2007/07/05(木) 03:01:46 ID:wDyKyHbN

(強い・・・・・射撃戦で撃ち負けた。)

射撃に絶対的に自信のあったティアナは相手の強さに戦慄した。
少女は再び大量の光弾を展開する。

(撃ち合いじゃ不利・・・・・なら!!)

ティアナは少女に向かって突撃する。
少女は光弾を射出する。
ティアナはその迫り来る光弾を撃ち落しながら彼女に迫る。
そして、

「一撃必殺!!」

右手のクロスミラージュから光刃を展開する。
ティアナの意図に気付いた彼女は直ぐに回避行動に移るがそれよりも彼女の光刃のほうが早かった。
非殺傷設定の光刃は彼女を切り裂きそのまま気絶するはずだった・・・・・

「え!?」

突然彼女が霧のように消えた。

(幻術!?)

ティアナは直ぐに体勢を立て直し周囲を警戒する。

『上です!!』

相棒からの警告にティアナは上を向く。
視線の先にはティアナ目掛けて降下してきたいた。

「このぉっ!!」

ティアナはありったけの光弾を形成し少女に叩き付けた。
少女は爆炎に包まれた。
だがその爆炎から落ちてきたのは一枚の少女が羽織っていたフードが付いたローブだった。

「え!?」

予想外の事態にティアナは戸惑う。
だがこれか彼女にとって致命的な隙になった。
銃声が響きその直後、彼女に激痛が襲う。

(・・・・・直撃!?)

彼女は銃声がした方向に視線を向ける。

「え・・・・・・嘘・・・・・」

彼女の視界を捕らえたもの。
それは自分と全く同じ顔の少女だった。
少女は立て続けに引き金を引く。
放たれた光弾は次々とティアナに直撃する。
バリアジャケットの上着は弾け飛び彼女の相棒も撃ちぬかれ砕け散った。
そして、彼女の意識は闇に沈んだ。
2406課の落日〜compensation for betrayal その10:2007/07/05(木) 03:03:08 ID:wDyKyHbN


「実戦テストは上々みたいですね・・・・・」

局長室でスカリエッティは不敵な笑みを浮かべる。

「なかなか素晴らしい出来だ。
流石はドクターと呼ばれるだけのことはある。」
「これはお褒め頂き光栄です。
しかし局長は人が悪いですね。
まさかオリジナルと戦わせるとは・・・・・冷や汗物でしたよ。」

スカリエッティは苦笑する。

「君が作った作品を信頼した。
ただそれだけだ・・・・・」
「それはどうも。
私はこれからデーターの検証を行いますのでこれで失礼させていただきます。」

スカリエッティは部屋を後にしようとする。
そして部屋を出る直前、

「あ、忘れるところでした。
例の『あれ』は既に部屋に運んでありますので・・・・・」

そう言ってスカリエッティは局長室から退出した。
2416課の落日〜compensation for betrayal その11:2007/07/05(木) 03:03:47 ID:wDyKyHbN

「つ・・・・・うううううん。」

ティアナは意識を取り戻す。

(生きてる!?)

今の自分の状況を確認する。

「えっ・・・・・何これ!?」

服装はバリアジャケットのアンダーしか残っておらず、自分の両腕は得体の知れない何かに拘束されていた。
そして部屋には大量の触手がうごめいていた。
その触手はまるで男性器を模したような不気味なものだった。

「お目覚めかな、ランスター君。」

声のほうに視線を向ける。
視線の先にいたのは彼女の上司でもある局長だった。

「局長、助けてください!!」

ティアナは彼に助けを求める。
それに対し局長は微動だにしない。

「・・・・・局長?」

動かない局長にティアナの心は不安に満たされる。

「・・・・・ふふふふふふふ。
ご苦労だったね、ランスター君。」

突然笑い出す局長。

「・・・・・・どういうことですか?」

ティアナは恐る恐るたずねる。

「簡単なことさ、君は利用されたんだよ。
この私にね・・・・・」
「・・・・・!?
そんな・・・・・」

局長の言葉にティアナは愕然となる。

「君はとてもいい駒だった。
だがそろそろ始末したほうがいいと思ってね。」
「!?」

『始末』という言葉にティアナは震え上がる。

「真実を知れば君は私に銃を向けてくるだろうからね・・・・・」
「・・・・・え!?」
「以前君に話した高町のこと、そして兄のこと・・・・・あれはすべて嘘だ。
6課を瓦解させるためのね・・・・・」
2426課の落日〜compensation for betrayal その12:2007/07/05(木) 03:04:37 ID:wDyKyHbN

局長の言葉にティアナは驚きを隠せなかった。

(それじゃあ、私は今までこの人の言葉に・・・・・)

ティアナは自分の今までの行動に後悔した。
この男の言葉に踊らされ仲間を売ってしまったことに。

「安心したまえ、殺しはしないさ。
その代わり・・・・・」

男はパチンと指を弾く。
それと同時に彼女の周囲の触手が我先にと殺到し彼女の残ったバリアジャケットを破り去る。

「っ、い、いやああああああああああっ!!」

彼女は悲鳴を上げる。

「この触手たちの遊び相手になってもらうことにするよ・・・・・
これはある部下の失敗作でね、このまま廃棄してしまうのももったいないから有効に活躍させてもらうことにした。
この触手の形を見て分かるようにこいつは女の膣に精液を流し込むことしか能がない。
・・・・・ちなみに何を孕むかはお楽しみだ。」

男に言葉にティアナは真っ青になる。

「や、やめてください、何でもしますから、お願いです!!」

ティアナは懇願するが。

「悪いが、仲間を売る奴は信用しないたちなんだよ私は・・・・・」
「・・・・・!?
いやぁ・・・・・いやぁあああああああああ!?」

局長の冷徹な言葉にティアナは絶望の悲鳴を上げる。
それと同時に触手は彼女の両足をこじ開ける。
それと同時に極太の触手がティアナの膣に狙いを定め接近してきた。

「いやぁっ、助けて!!兄さん!!スバル!!」

ティアナは必死に抵抗するが両腕両足ともに拘束されて言う状態では何も意味を成さない。
そして触手の亀頭がティアナの秘腔に触れる。

「ひぃっ!?」

あまりの生温かさにティアナは悲鳴をあげる。
触手は侵入を果たそうとその身をティアナの秘腔に沈める。

「ひぃっ・・・・・ぎ・・・あ・・・・かっああああ!!」

内側から広げられる感覚にティアナは押し潰されたような悲鳴を上げる。
そして触手の亀頭が完全に入り込み途中でティアナの処女膜を破りに彼女の奥まで貫いた。

「あああ!?ああああああああああああ!!」

ティアナは破瓜の痛みに悲鳴を上げた。
2436課の落日〜compensation for betrayal その13:2007/07/05(木) 03:05:54 ID:wDyKyHbN

(はじめて・・・・・・わたしの・・・・・)

ティアナも一人の少女である。
その初めてはきっと誰か好きにな人にささげることになる・・・・・
だがその淡き期待は触手に陵辱されるという最悪な結末によって打ち砕かれた。
そのことに彼女はただ涙を流すしか出来なかった。
そして彼女は違和感を感じる。

(・・・・・初めてなのになんで痛くないの?)

ティアナは性交渉の経験は当然ない。
なのに彼女は痛みを感じなかった。

(何でこんなに気持ちいいの・・・・・)

逆に彼女は快楽を感じ始めていた。

「どうやら薬が効き始めたようですね。」
「・・・・・え?」
「あなたが気絶している間に媚薬を打ち込ませていただきました。
せめて初めては痛くないようにと思いましてね。
ちなみに排卵誘発剤も調合されてるんですよ。」

男はけらけらと笑う。
だが彼女はそれに応えない、いや応えることができなかった。

(何、カラダが・・・・・膣がジンジンアツイ・・・・・・)

薬が浸透してきたのか体は烈火の様に熱くなっていた。
特に膣からの熱は彼女から正常な思考を奪い去っていた。

「それでは失礼させていただきます。
・・・・・次に会うのはあなたがママになっている頃でしょうね。」

そういって局長は部屋を後にした。
それと同時にティアナの膣を貫いていた触手が激しいピストン運動を始めた。
2446課の落日〜compensation for betrayal その14:2007/07/05(木) 03:07:07 ID:wDyKyHbN

「あああああっ、いひっ、いひぃいいいぃいいいい!!」

膣から脳へと送り込まれる快楽信号にティアナは嬌声を上げる。

「ふぅううあああああ、ひああああああああああ!!」

体は快楽に従い腰を振る。

(いい・・・・きもちいいいよぉ・・・・・)

薬の影響で精神も殆ど瓦解していた。
触手はさらにピストンの速度を上げる。

「あああっ、ふひぃぃいいいあああっ!!」

触手から送られる快楽にティアナは完全におぼれていた。
そして触手が突然震えだし膨張する。
射精の前兆だった。

「ひろがるぅ・・・・ひろがってくぅぅぅぅぅ!!」

膣が拡張される感覚に体が震える。
触手は一気に子宮口まで亀頭をつきこむ。
そしてそのまま子宮に白濁した精液を流し込んだ。

「ふぁあああああ、ああああああああああああっ!!」

子宮を暴れまわる熱にティアナは絶頂を迎える。
絶頂を迎えた膣は触手を締め付け精液を搾り取った。
そして精液を出し尽くした触手はずるずるとティアナの膣から出て行く。

「あぅ、ふぁぁぁぁ!!」

引く抜かれる感触に絶頂を迎えたばかりの体は敏感に反応した。
そして彼女の秘腔からは精液が純潔の証だった血と混じってあふれ出した。
2456課の落日〜compensation for betrayal その15:2007/07/05(木) 03:08:04 ID:wDyKyHbN

(なかに・・・・だされたの・・・・・?)

媚薬が切れたのか通常の思考が戻ってくる。

(そんな・・・・・いやぁ・・・・)

ティアナの脳裏に男の言葉がフラッシュバックする。

『こいつは女の膣に精液を流し込むことしか能がない。』
『ちなみに何を孕むかはお楽しみだ。』
『媚薬を打ち込ませていただきました。』
『ちなみに排卵誘発剤も調合されてるんですよ。』

(こんなわけの分からないものを孕むの、わたし・・・・・)

あまりにも残酷な事実にティアナは泣くことしかが出来ない。
そして別の触手がまたティアナの膣に侵入した。

「やだっ!!やめてぇ!!・・・・・・いやぁぁああああああああああ!!」

彼女の地獄は終わらない。
この部屋の触手が彼女に飽きるまでは。


それは裏切りの代償・・・・・
2466課の落日〜compensation for betrayal その16:2007/07/05(木) 03:08:45 ID:wDyKyHbN

そして数ヵ月後・・・・・


「おねがい・・・・・ころして・・・・・ころしてよぉ。」

排卵誘発剤を投与されその状態で子宮に精液を浴び続けた結果、彼女の腹は大きく膨れていた。
今、彼女の腹の中には新たな命が宿っていた。
だがそれは彼女にとっては望まれない命・・・・・・
妊娠が確認された後は流石に膣を蹂躙されることはなかった。
その代わり彼女のアナルには極太の触手が突き刺さりピストン運動を続けていた。
そのピストン運動が急加速する。

「いやぁっ・・・もうおしりは、いやぁああああああああ。」

妊娠後の調教によって彼女のアナルは完全に開発されていた。
その開発されたアナルは精液を搾り出そうと触手を締め付ける。
その締め付けに触手は腸内に精液をぶちまけた。
それと同時に妊娠後少し膨らんだ胸に巻きついた触手が乳房を締め付ける。
その締め付けに彼女の乳首から母乳が勢いよく噴出した。

「ひ、ひやぁぁぁ、あああああああああああああああ!?」

腸を焼かれる快楽と搾乳される快楽が混ぜ合わさりティアナの意識はブラックアウトした。
しかし触手はそれを許さず腸内を蹂躙する。
絶頂を迎えた体はそれに反応し彼女は快楽に染まった悲鳴を上げた。

「ひぃいいいいいい、ふひぃ、ひあぁああああああああ!!」
(おねがい・・・・だれか・・・・・わたしをころして・・・・・)

2476課の落日〜compensation for betrayal その17:2007/07/05(木) 03:09:23 ID:wDyKyHbN


「攻撃目標完全に沈黙・・・・・」

そこはかつて聖王教会の総本山があった場所だった。
だが今はそこは死体と瓦礫の山と化していた。
その瓦礫の上に一人の少女の姿があった。
オレンジ色の髪をツインテールで結び、両手にはクロスミラージュが握られている。
彼女の近くには別の少女たちの姿があった。
その少女たちはどれもかつて機動6課に身を置いた魔導師だった。
だがこの少女たちは本人ではない。
彼女たちは機動6課の魔導師たちのデーターを元に作られた人造魔導師だからだ。

「総員、これより帰投します・・・・・」

白いベレー帽をかぶった騎士服の少女が呟き少女たちは転移魔法で姿を消した。


この日、聖王教会は時空管理局によって滅ぼされた。


この管理局の暴挙に次元は大いにゆれ長きに渡る暗黒時代が始まることになる・・・・・


・・・・・END
248後書き:2007/07/05(木) 03:11:58 ID:wDyKyHbN
というわけで6課の落日最終章ティアナパートでした。
とりあえず次回は純愛物を書こう・・・・・
249名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 03:17:32 ID:+5ZhmeI3
乙です^^

ティアナ><
250名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 03:18:21 ID:RbJG5lsJ
乙&GJ
よかった・・・救いはなかったけど触手なら抜ける・・・
むしろ触手ENDがハッピーじゃないかと思ってしまう自分


しかしクローン・・・
これなんてスターウォーズ?
この後クローン軍団による時空管理帝国が設立・・・
その後管理外第97世界より戦闘民族高町の末裔が旅立ry
251名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 03:19:51 ID:hdOApsyj
乙です〜

予想以上に明るいエンドでちょいとびっくり
次の純愛物にも期待させてもらいます
252名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 03:22:01 ID:UNSeY+vt
寸分違わず絶望一色しかありませんなw
ティアナも失意のうちに終わり一切救いは無し
ここでは珍しいその内容に敬意を表します

次回作は純愛ですか、やはりこれの反動でしょうか?
SS書きでない身なのでなんとも言えませんが、絶望物を書くには相当精神力を使うのでしょうか……
253名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 06:33:06 ID:1JIlVsIq
>>248
GJ!
なるほど、そんな展開…コレは黒いw
254名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 07:35:12 ID:oj4Cm23n
>>247
実はかろうじて生き残っていたエリオが老成して
なのはさんの孫娘を見つけ出してジュダイ…じゃなくて超魔法戦士に育て上げる話を想像しw
とにかくGJ!完結乙であります!

それにしてもこれでも明るいとか言う人もいてビックリ^^:
みんなスゴイなw
255名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 09:49:40 ID:I33m9M+H
オビ=ワンのポジションならユーノのほうがあってると思う。死んだって描写もないし
ルークがエリオはガチ
256名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 10:06:52 ID:07zDlLik
>>201
遅レスだが 銃犯罪じゃなくて重犯罪じゃないか?
257無刃:2007/07/05(木) 11:19:20 ID:Bn76QDjN
推論としては飽く迄「魔道師>近代兵器」が管理局世界の現状なんでしょう。

確かに法律関連も有るようですが、「法に恭順する気が無い」「一般的倫理観が欠如した」

スカリエッティの行動を見ることでもそういう傾向が伺えます。

例;

ガジェットドローン等の近代兵器は飽く迄『巡回作業』の用に地道な作業に使い

戦闘の主力は飽く迄『魔道師』ないし『魔道兵器』である。
258名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 12:29:26 ID:iFzTsoA9
>>257
SSならともかくなんで雑談までコテなの?
雑談スレ行けば
259名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 13:21:57 ID:GPp4ocmM
>>258
消し忘れかも知れんし、1回ぐらい見逃してやれ
260ユーノマニア:2007/07/05(木) 13:30:02 ID:1zULrhkc
ねがふぇい3話書いてたはずがどうしようもないものを書き上げてしまった
推敲まるでゼロ。勢いだけで書き上げた作品です

注意
・エロなんざかけねぇ!
・ヤマもオチも意味すらねぇ!
・StS15〜16話辺りを想定。まだ放送されてもないが

ユーノとフェイトを足して割るとヴィヴィオになりそうだけど無害です
261LOVELY BURST:2007/07/05(木) 13:32:07 ID:1zULrhkc
「首都郊外にガジェット反応、4…いえ5箇所、こんな同時に?!」
「レリック目当て?…いや、前みたいにウチの戦力計りに、とかも考えられるなぁ…」
ふむぅ、と指揮官席につきながら、『どちらに転がっても結果を出せる』戦術を構築するはやて。
「なんにせよ潰さないかん事には間違いあらへんし、久しぶりのスターズライトニングともにフル出動。
ザフィーラもでてもらおか。2型の航空戦力が多い所は――」
矢継ぎ早に指示を出す。最適な人材を最適な場所に送るための支持は過剰といえるぐらい緻密で丁度いい。

制作の都合上カットされるてるとしても、だ。

「部隊長、隊長たちから通信!救助要請です!」
「なんでやねんッ!!」
どんな事態になれば隊舎にいるはずの出撃前の人間から救助要請が来るのか。
「映像きます」
司令室の画面にでかでかと映し出されたソレは、まさに悪夢であった。

その響き轟雷の如く、拘束力は某司書長のバインドの非ではない。
歴戦の勇者たちや古代ベルカの騎士たち、新進気鋭のフォワード陣を単騎で戦闘行動を不能にまで追いやっているのは
「ぶぇえええええええええええええええん、ひっ、ひぐ、ぶぁあああああああああああああああああん」
ヴィヴィオのマジ泣きであった。
いつもなら聞き分けのある好い子なのだがタイミングが圧倒的に悪かった。
ガジェット反応が感知される数分前の出来事だ。
偶然揃った前線メンバー全員を相手に楽しそうに遊んでいたヴィヴィオは
ついうっかり足を滑らせデスクの角に額をぶつけ、仰け反ったところで見事にぶっ倒れ後頭部強打。
痛みで全力転がってしまい先ほど頭をぶつけたデスクの脚にに今度は小指を蹴りこんだ。
あまりに壮絶な光景にメンバー一同無言。
痛みのあまり沈黙を保っていたヴィヴィオは警報発令とともに爆雷の如く泣き声を響かせ始めた。
ママ二人の服を子供とは思えない――ある意味子供ゆえの力で握り締め、離そうとしない。
必死になだめようとする周囲の苦労も虚しく、というか目にも耳にも入らない状態なのだろう。
これがスカリエッティの罠なら恐ろしいまでに用意周到である。

この時はガチではクラナガン最後の日になってしまうかもしれない、と後にはやては語ったという。

「んな、あほな…」
正直、これはない。
とりあえずなのはとフェイトを残し、他のメンバーで迎撃に当たろうかとも思ったが
ぶっちゃけ子供の世話などしたこともないはやてにはこの状況を好転させる自信が皆無だった。
(ヴィータもリインも最初から聞き分けのええ娘らやったしなぁ…)
わりと現実逃避しかけるはやてさん(19・年齢=彼氏いない暦)。
(まぁ敵に狙われてるヴィヴィオ一人にするんは危ないし、信用できへん人間つけるんも危険や。
子供に武装した人間何人もつけて怖がらんわけないやろし、今の状況じゃ逆効果。
もしもメンバーズ相手がきても守りきれる力があるといいんやけどなぁ…
もちろんヴィヴィオが泣き止まんかったら意味ないんやけど。
完全に信用が置け、一級の防衛力があって子供の世話任せられるような人間…
なんて都合のいい人、おるわけないよなぁ…ほんまどないしよ)
わりと八方塞なはやてにルキノの無常な声が更なる変化を告げる。
「八神部隊長、来客です!高い地位の方らしく受付の子がかなり対応に困ってます!!」
「こっちは緊急事態や!終わるまで待ってもらうか用件聞いて帰しぃ!」
ぐだぐだな状況にぶち切れてらっしゃるはやてさん(19・前科持ち)。
「あ、でもお友達の方みたいですよ」
お偉いさんで、お友達。
その人物を思い浮かべる。強張ってた顔に笑顔が宿る。
「命令変更や。ふん縛ってでもにがすんやないで!」
彼こそこの混沌とした状況を納める、唯一の存在であった。
262LOVELY BURST:2007/07/05(木) 13:33:02 ID:1zULrhkc
「冷静に考えると、いきなりいっても迷惑じゃないかな…」
久々の休日。無限書庫も切羽詰った依頼はなく、学会のほうも今日は特に用事がない珍しい日。
偶然ぽっかり出来た空白の時間にふとなのは達の様子を見に行こうという考えが浮かんだ。
思い立ったが吉日、とばかりにまずは一旦海鳴に飛び翠屋で大量のケーキを購入。
なのはの家族やアルフやエイミィさんやその子供達と顔をあわせ、そのまま首都へ。
そこから電車で揺られてやっとここまでたどり着いたわけだが…
「しまったなぁ…忙しくて会えなかったらここまでの道のりとお土産全部が無駄になっちゃうよ」
いきなり行って驚かそう、と寝ぼけ頭で思ったのだが失敗だったか。
まぁ、なのはたちが働いてる場所を見れるだけでもいいかな、とポジティブに思考をシフトさせ、
機動六課来客窓口に足を運ぶ。
と、そこで気付く。わりと空気がバタバタしてる。
本気でタイミング悪かったかな…しかたない、お土産だけ置いて帰ろう。
「えっと、自分はこういうものです。、八神部隊長か高町教導官、テスタロッサ・ハラオウン執務官への取次ぎは可能でしょうか?」
「申し訳ございません、今現在少々立て込んでおりまして…」
とそこまで言って感じのよさそうな受付嬢は目を見開いた。視線の先に有るのは僕の管理局での身分証。
自分の事ながらはあまり自覚がないのだが結構偉いらしい。最近ようやく慣れてきた要人への対応に苦笑するしかない。
前にクロノに会いに行ったときも
「セールスの兄さんだと思ったら管理局でもかなり上位の地位にいるスクライア司書長じゃないか、ごきげんよう」
等とからかわれたものだ。いつか何らかの手段で報復せねば。
「失礼しました、唯今八神部隊長と通信を繋げます」
受付上の横に空間モニターが浮かび、妙に笑顔なはやての顔が映し出された。
「やぁはやて。休暇が取れたから、ちょっと様子見に来てみたんだけど、お邪魔だったかな?」
「いやいや、グッタイミンや。これはもう神のお導きに違いあらへん」
はい?
「休暇のところ申し訳ないんやけど、ちょーーーーっとお願いがあるんよ。ユーノくんなら簡単に出来ることやから、な」
妙に迫力のある言葉と笑顔に、頷く以外に道はなかった。


「ねぇティア、ガラガラって赤ちゃんあやす時に使うものじゃなかった?」
「っさい!やってみなきゃわかんないでしょうが!」
「エ、エリオくん、どうしよう、どうしたらいいのかな?」
「ど、どうっていわれても…どうしよう?」
代絶賛混乱中のフォワード陣。いままで過酷な訓練を乗り越えて来た4人だが、こんな状況は想定外だ。
周りの守護騎士達、果てには隊長たちまでかつてない泣き方を見せるヴィヴィオに戸惑っている。
場の混乱がピークに達した時、扉が開き一人の救世主がこの地に足を踏み入れた。
救世主の姿は小さなイタチのような姿をしていた。


うう、もう僕もいい年なのに…
そう思いながらもあのはやての笑顔を思い出すと…ていうと語弊がありすぎるが、間違いじゃない。
久しぶりの変身でも体が覚えていたのか違和感も特にない。
広い部屋とはいえかなりの人数が集まっていて気圧される。
しかし躊躇なくその泣き声の中心に向かっていく。今の僕はこのわけわかんない状況を打開する勇者なのだ。
昔馴染みの人たちは僕の姿を見て、驚いたり安心したり様々な反応を見せる。
なのはとフェイトのすそを掴むその小さな女の子の肩に飛び乗り、

涙を舐めとる。この味は嘘をついてる味、かどうかは判らなかった。

その行為で僕の存在に気付いた少女。ここからが勝負だ。
物珍しげに僕を見つめてくる少女の視線を感じながらそばにあったデスクの上に移動。
見るがいい、僕の全力全開!!
263LOVELY BURST:2007/07/05(木) 13:36:27 ID:1zULrhkc
両拳を頬の下に添え、首に多少角度をつけ、とどめはウインク!キュイ、と可愛らしい声も忘れずに。
これぞ必殺『近接魅了魔法ラブリーバースト』。効果は死ぬ。僕が。

顔馴染みが一斉に噴出す。そりゃもう二十歳間近の男がこんな動作をしたら噴出さずにはいられないだろう。
僕の正体を知らない新人たちは普通に可愛いとか思っているのだろうが、出来るなら見ないで欲しい。
とはいえ作戦は成功した。
少女はなのはとフェイトの服を掴んでいた手を離し、顔はすっかり興味しんしん。
とてとてと近寄ってるとふぁーとその色違いの両眼をらんらんと輝かせてこちらをのぞきこんでくる。
『皆は今のうちに出動を!ここは僕に任せて』
目の前の少女以外全員に聞こえるよう念話を飛ばす。
『あ、ありがとうユーノ…いってくるよ…くふ』
『さすがユーノくん、ここぞと言う時頼りになるね。ぷ』
念話なのに声を震わせている。そこまでか。そこまで可笑しかったか。可笑しいだろうなぁ。
笑いをこらえた表情でこっそりと部屋を出てく前線メンバー達。お前等あとでミテヤガレ。もっと凄いの見せてヤル。
自分でもちょっと間違ってると知りつつ暗い情念を燃やす。
しかし僕にはまだ仕事が残っている。
目の前の彼女をなのはたちが帰ってくるまで釘付けにしておくという任務が!
ふふ、忘れかけていたエンターテイナー魂に火がついたゼ。


その後、あまりに楽しませすぎた僕をヴィヴィオが離さなくなったという事件もあったが、
なのはがもっていたリアルスケールユーノくん人形により脱出に成功。
隊舎で晩御飯をご馳走になって帰宅した。
疲れたけど有意義な休暇だった。明日からまた頑張ろう。

後日、『もっと凄いの』をみた隊員たちが悶絶のあまり床をのた打ち回ることとなったが無害です。
264終了・あとがき:2007/07/05(木) 13:39:56 ID:1zULrhkc
最近暇な時間が多く気がつけば
なのは系情報サイトを回ったり考察サイトを見たり
二次創作サイトをみたり小説かいたりしております
こんな僕を許してください。

最近原作設定があまりに複雑で完全に引用することは不可能に近いと判断。
オリジナル(原作と言う意味で)至上主義の自分にとってわりと屈辱だったり…
265名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 13:41:52 ID:zncJDLkU
>>264
GJ!久しぶりに笑ったわwww
266名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 13:52:58 ID:o6jFxxbU
GJ!!
ホント久々にワロタwww
267名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 13:53:16 ID:JtDmF6jq
>>264
GJ!!ユーノwwwww腹痛ぇwww何だよエンターティナー魂ってw
268名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 14:27:05 ID:IDf1vcjv
>>264
GJ!!!これは笑ったwwwwww
269名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 14:34:17 ID:m0aEowQf
>両拳を頬の下に添え、首に多少角度をつけ、とどめはウインク!
二十歳近い男なのに社会的なものを除けば、人間形態でも似合いそうな見た目なのが恐ろしいな
270名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 14:38:12 ID:ybajOXew
>>264
JoJoネタ自重wwww
271名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 15:14:52 ID:BLuUGq99
>魅了魔法ラブリーバースト
YouどこのセクシーNo.2だYO!
272名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 15:37:46 ID:UelX9Tuv
淫獣でもカッコイイユーノでもないプリティユーノw 珍しいww
273名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 15:52:59 ID:KqC4EOwv
ちょwwwwwwww
ブチャラティ自重w
274名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 17:55:04 ID:oj4Cm23n
この発想は無かったわw
ヴィヴィオ×ユーノでいいのかww
(責められ方wがちがry)
275名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 18:31:04 ID:b76VQpc2
ユーノ「俺を握れ!!」
276名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 19:24:51 ID:MUUQhImE
>>275

つ 握撃
277名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 19:33:31 ID:7xLUwPLZ
>>264
エターナルフォースブリザード系ネタ自重wwww
っていうかお前が死ぬのかwww
というか元ネタ多すぎて把握できねぇwww
278名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 19:36:45 ID:qtV/VBJa
いやぁ、現在進行形で死んでます。
某落書き道場のデストロン戦士に匹敵、いやそれ以上だブーン。

誰か、こんな僕を蘇生させてくれ。
279名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 19:45:24 ID:IDf1vcjv
わからなくても面白い、元ネタがわかれば更に面白い
こういうパロが書ける人は尊敬するwwwww
280名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:04:38 ID:qtV/VBJa
そういえば、6課の落日のティアナが産み落とした新たな触手が、
母胎の怨念とか知識とかそう言ったモノの影響で高い魔法中和性を持ち、
時空管理局を乗っ取って数多の世界に分身を飛ばし、
ついには『千の仔をはらみし』シュブ・ニグラスと呼ばれる……まで考えてたっけ。

>279
うんうん。

これはもう、パロというよりプロの仕事と言っていいレベルだよね。
281名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:14:39 ID:sVFNU/0m
>>280
むしろランスYのダークランスとフェリスみたいな展開をですね
282名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:39:04 ID:XCTyaqln
で、なのははどうしてリアルスケールユーノくん人形なんか持ってるのかね?
283名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:45:24 ID:NoSWL92A
>>282
形状から察するに夜のお供じゃね?
284名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:45:30 ID:IDf1vcjv
オナニー用
愛玩用
憂さ晴らし用

あたりかね?
285名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:48:14 ID:7YPQLmv6
>憂さ晴らし用
某ネネちゃんのママの如く夜中拳を叩き込むなのはさんを想像したじゃないか、どうしてくれる。
286名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:48:47 ID:Pelq9Bdv
・射撃の的
・サンドバック

辺りも捨てがたいね?
287名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:57:11 ID:POe+sqWM
とちる生徒相手ににこにこ笑いながら
「ちょっと待ってねー」と見えないところへ行き
おもむろに人形を取り出して
何度も何度も拳をぶち込むのか
288名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:57:55 ID:72VQgob2
その辺はむしろ本人を呼んだ方が(ry
289名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 21:03:42 ID:RbJG5lsJ
愛されてるな淫獣
290名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 22:32:21 ID:Bn76QDjN
>247

む…長編お疲れ様です。

>254

反乱軍か…

こんなの考えた

研究所送りになったエリオとフリード、繰り返される実験の日々…

辛き日々の中で人体化を身に着けたフリード(姿:蒼髪・紅眼のキャロ)

エリオと一夜の契りを交わし新たな主従となりし二人は竜の力を解放し

野に解き放たれる…そして10年の時が流れる。


神聖時空管理局の圧制に全ての時空世界が飲み込まれようとした時

辺境世界において反乱の狼煙が上がる。復讐に身を焦がすリーダーの

名は「竜騎士エリオ」、そして乗騎にして伴侶「白竜フリード」。

今此処に戦乱の火蓋が切って落され…ないけど

何故か「反乱軍=竜騎士」と連想してしまった。
291名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 22:33:46 ID:HKjz+88i
>>288
ユーノ「え、じゃあ……全力全開は無しの方向でなら」
なのは「……いいの?」
ユーノ「うん、魔法の練習もしたいし、それに……」
なのは「それに?」
ユーノ「なのはの全てを受け止めてあげたいから……はは、なんてね」
なのは「ユーノ君……」

はやて「誰かー!塩撒いてくれへん塩ー!!」


ちょっとなのはさんに頭冷やさせてもらいにいって来ます……
292名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 23:24:23 ID:6+cYoQiW
>>291
あんた一人を行かせるわけにはいかねぇなぁ!!
293名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 23:28:22 ID:v54LkS/8
>>FTH氏
エリフェイに萌えてます。
エリオきゅんがかっこよくて大好きすぎます!
294名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 01:43:51 ID:livfxtad
>>290
槍兵にドラゴン。合ってはいるな。

幻想水滸伝3というゲームでドラゴン騎兵とロリとの合体技があってだねえ。
このさいエリオ、キャロ、フリードで合体技があってもいいと思うんだ。
名前は『ラブラブソニックブラストフレア』で。
295名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 01:45:27 ID:xcye15Na
>>263
何話かのアイキャッチにあったユーノ人形はそれか!
296名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 02:36:48 ID:N9dgMpgp
>>290契約の代価でエリオは喋れなくなるのか

少し前はポータルですずか祭りと思ったら、こっちはユーノ祭りとは。良い時に
見れたモノだ。
290氏に習い十六話スレ辺りにあった夜の一族設定用いて、A's終了直後の時間帯でネタを考えるてみよう。

レティ提督の買い物に付き合わされ海鳴市に来ていたユーノだが、血の本能に振回されるすずかと、これを止め様とする恭也に遭遇する。

想像以上の力に苦戦する恭也を庇うユーノだが、すずかに吸血されてしまう。結果的にすずかは治まるが、同時に夜の一族の血も完全に目覚めてしまった。

血の力に堕ちた者は殺さねばならないと言う掟に「温かい家族があるのに失わせるわけにはいかない」と、責任を感じ、協力を申し出るユーノ。

なのは達にも助力を得ようとするが、「管理局が人間の集まりである以上、なのは達には悪いが完全には信用しきれない」と、恭也達に念を押され、一先ずレティとユーノのみで黙っておく事に。

日頃からなのはや司書、局員に働き過ぎだと窘められてた事もあり、すずかの発情期に合わせて2ヶ月毎に纏まった休みを取り、
月村家を訪れる事にしたユーノ。レティは成るべく気付かれぬよう立ち回る。

本当に善意と責任感で自分に尽してくれるユーノに惹かれていくすずかだが、ある時学校で時期外れの発情期になってしまう。

駆けつけてくれたユーノに想いは強くなる一方で、二人の関係をなのはに気付かれる。

大事な『友達』は放っておけないと言うなのはに対し、ユーノを『異性』として好きだと言い、
さらに「単なる友達としてなら、ユーノが誰を好きになろうとユーノの自由だ」と告げるすずかの言葉になのはは激しく動揺する。
すずかの事を管理局に告げなかったなのはだが、これを切っ掛けにすずかとの関係は、
ユーノを中心に愛憎渦巻き、急激に変化していく。

スクールデイズアニメ化の影響と寝不足が重なったか…?
297名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 03:09:00 ID:yb3GaCy2
うーん…とらハ見てないからかな…
U-1乙とかそれ系の言葉しか浮かばない…
298名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 03:19:18 ID:UE0jUqUv
>>296
なんとなくwktk
299名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 03:20:03 ID:gJfpscvn
>290
反乱軍ネタか・・・・

妄想展開中・・・・・・


ユーノ「ここは任せて、いくんだ、エリオ。」
エリオ「そんな、相手はクローンとはいえ、なのは隊長です。あなた一人では・・・・・・」
ユーノ「行くんだ。早く」


スカルエッティ(映像)『・・・・・・・私は今、狂気と正気の間にいる』
エリオ「・・・・・・・こ、これは」
ウーノ「ジェイル・スカリエッティの遺言ともゆうべきものです 」


ゼスト「受け取れ」
エリオ「コレは・・・・・なのは隊長の?!」
ウーノ「インテリジェンスデバイス「レイジングハート・エクセリオン」それにレリック動力を搭載したもの」
ゼスト「狂気に飲まれ、世界の全てを無にせんとする、奴の正気が残した最後の良心」
ウーノ「コレをあなたに預けます・・・・・だから・・・・・・お願い、どうか・・・・・・お嬢様を・・・」


ザフィーラ「ここにいるのは、もはやお前の知っている「盾の守護獣」ではない」
エリオ「そんな」
ザフィーラ「主を失い、プログラムを書き換えられ、この魔導炉を守るただの番犬だ」


キャロ「あーエリオ君」
エリオ「キャロ?キャロなのか・・・・・・・・その身体、まさか?!」
キャロ「え?うん、そーだよ。フリードだよ。フリードとひとつになったんだよ」
エリオ「・・・・・・・・・・コレがお前の狂気か、スカルエッティ」


エリオ「こ、コレは」
ルーテシア「いや、いや、見ないで」
アギト「そんな、あのガリューの軍隊を生み出してたのは・・・・そんな」


リイン「はじめましてこんにちわ」
エリオ「リイン・・・曹長・・・・?」
リイン「私はリインフォースV(drei)壊れてしまったUを作り直して出来た、3番目の夜天の書」


エリオ「リミッター解除。モード「星薙」」
RHR「Yes, sir mode of "Starligh Zamber"」
エリオ「我が一撃は星を薙ぐ一撃なり」



・・・・・・妄想中断
なにかんがえてんだか。
300名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 04:28:13 ID:nOVKSF2f
>>294
ラブラブとか合体技とか聞くとだな。

「キャロ、仕掛けるよ!」
「え? ・・・ああ、ラブラブアタックだよねっ」
「タイミングは僕に合わせて・・・行くよ!」
「ってああ、エリオ君!? ・・・もぉ。」
「何で愛の力なの?」
「だって、二人の共同作業だよ?」
「し、知らないよ!」
「・・・エリオ君の方に撃っちゃうよ?(ブラストフレアを)」

とか考えてしまうじゃないか、どうしてくれる。
301名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 04:47:05 ID:BNgsVTD3
>>300
それやるんならまさに長距離砲撃と近距離格闘の主役がいるじゃないか

もしくは、人犬一体!で
「いくよ、アルフ!」
「フェイト!今が駆け抜けるとき!!」
302エリキャロSS 前編:2007/07/06(金) 04:55:39 ID:zb+Z4x+k
前々スレ辺りからエリキャロSSが終わらないとぼやいてた人です。
ようやく一区切りついたようなので投下させて頂きます。
ただし、前編です(ぉ

注意
・エリキャロで18禁。のはずが何故かなのフェイ含む。
・タイトルが決まってません。助けて(何
303エリキャロSS 前編:2007/07/06(金) 04:59:31 ID:zb+Z4x+k
 はあっ、はっ、あッ……

 ……何故、こんな事になってしまったのか。薄暗い部屋の片隅で、少年は考える。
「んっ、くうっ、っふ……」
 しかし、その考えに頭を巡らそうとしても、耳のすぐ側から聞こえてくる儚げな喘ぎに、平常心を乱される。
「っあっ……エリオ、くぅん……」
 名前を呼ばれただけで、息が詰まりそうになる。この状況を何とか打破しようと考える一方で、
こんな時間がいつまでも続いてくれたらいいという心すら浮かぶ。
(キャ、キャロ……)
 結論が出ないまま、エリオは彼の体にしっかりと抱き付いている少女の名を呟いた。

  *  *  *

 遡る事少し前。
 今日一日の訓練を終え、エリオは食事を済ませてから所用を片付け、自室へと戻ろうとした。
「エリオく〜ん」
 と、その時、彼は聞き覚えのある声に呼び止められた。
「あ、キャロ」
 その声は、キャロだった。キャロはエリオを見つけると、そのまま小走りでエリオに近付いてくる。
「どうしたの? 何かあった?」
「え、あ、ううん、そんな大した事じゃないの。ただ、エリオ君を見つけたから、つい……」
「え? あはは……てっきり緊急の用事があるのかと思って驚いたよ」
「ご、ごめんなさい……でも……」
「ん?」
「そ、それじゃあ……折角だし、付き合って欲しいんだけど……」
 そう言うと、キャロはポケットからハンカチを取り出した。
 細やかな刺繍が施された、高級そうなハンカチ。
「……このハンカチ」
 エリオがハンカチをまじまじと見つめる。それは、彼の良く知る人物のものだった。
「今日の訓練が終わった後に、落ちていたのを見つけたの。
 本当はすぐにでも渡そうと思ったんだけど、フェイトさん忙しそうだったから、中々出来なくて……」
 申し訳なさそうに話すキャロ。エリオはそんな彼女の肩を叩いて微笑む。
「それじゃあ、今から一緒に届けに行こうか? フェイトさんも、きっと喜ぶと思うよ」
「……うん!」
 エリオの言葉に、キャロの表情が明るくなる。
 その笑顔にエリオは安心すると、キャロを先導するようにフェイトの部屋へと足を向けた。
304エリキャロSS 前編:2007/07/06(金) 05:06:52 ID:zb+Z4x+k
  *  *  *

「失礼します」
 フェイトの部屋の前に立った二人は、ドア越しに訪問を告げる。が、しばらくしても何の返答も無かった。
「……居ないのかな?」
「でも、ロックがかかってないよ?」
 ドアを目の前に、二人は暫し考える。勝手に部屋に入るのは気が引けるが、このまま何もせずに帰

るのも勿体無い――何より、偶には訓練以外の時間でフェイト会っておきたい――という心もあった。
「ねえ、入ろうよエリオ君」
「え? でも……」
「大丈夫だよ。フェイトさんが居たらそれで良い訳だし、
 もし居なくても書き置きとか残して戻れば良いと思うし」
 キャロは一歩エリオに近付きつつ、力説する。
 エリオを見上げるキャロの瞳は力強く、その意志を否定しようなどという事は、エリオには出来なかった。
「……うん、分かったよ。それじゃあ、行こうか」
「うん!」
 大輪の花が咲いたようなキャロの笑顔に、エリオも笑顔を返した。

 二人が部屋に入ると、煌々と灯りが点いていた。広い部屋だったが、見回してもフェイトの姿を見つける事は出来ない。
「やっぱり、居ないのかなぁ……」
「奥の方に居るのかもしれないよ。あっちの方から見て行ってみようよ」
「そうだね」

 そうして二人が部屋の奥へと向かった時。
 ちょうど離れた場所に位置するバスルーム。
 出てきたのは、バスローブだけを纏った――高町なのは。
 それとほぼ同時に。
 部屋に入ってきたもう一人――フェイト。
 すぐにフェイトの姿を見つけて、駆け寄るなのは。

 キャロとエリオは、フェイトとなのはの視界から完全に死角に入っていた。
305エリキャロSS 前編:2007/07/06(金) 05:08:03 ID:zb+Z4x+k
「フェイトちゃ〜ん」
「あ、なのは。ただい――きゃっ」
 フェイトが言い終わる前に、その体に抱き付いて押し倒す。ぼふ、と鈍い音を立てて二人の体がベッドに沈んだ。
「なのは、どうしたの……? こんな、急にだなんて……」
「ん〜、何だか今日はそんな気分なの。いいでしょ? フェイトちゃん……」
「そんな、せめてお風呂に入ってから……んっ……」
 抵抗するフェイトを黙らせるように唇を塞ぐ。息を継がせる暇も無く舌を滑り込ませて、フェイトの舌を絡め取る。
 ちゅる、と音を立てて吐息ごと唾液を吸う。
「んっ……ちゅっ、ちゅる……んく……」
「はぅ、んっ……くふ……ぅ……ン――」
 なのははたっぷりと時間をかけてフェイトの口腔を舐る。
 時折フェイトがぴく、と頤を反らせ、頬を朱に染める。フェイトがなのはの唇を解放したのは、それから二、三分経った後だった。
「んふふ……ごちそうさま、フェイトちゃん……」
 口の端から垂れる銀の糸を拭い、なのはが微笑む。
 はだけたバスローブから露わになった裸体はほんのりと紅潮し、その笑みは艶かしさを湛える。
「はあ……はあっ……ああっ……あふぅっ……」
 なのはを見上げるフェイトは息も荒く、意識も朦朧としている。キスだけで、拘束魔法よりも強くベッドに縛り付けられる感覚。
 ……だから、なのはの手がフェイトの制服のボタンを外そうとしても、それを止める事が出来ない。
「でも……これだけじゃ足りない、よね?」
「……ぅ……」
 当然だ。既に下腹部に熱を感じている。――もう、濡れているのかもしれない。
 まともに返答も出来ずにいるフェイトだったが、そんな事はお構いなしと言った様子で、なのはは慣れた手つきでフェイトの制服を脱がせていった。
「フェイトちゃんの体、いつ見ても綺麗……」
「ひんっ」
 つい、となのはの指がフェイトの乳房の間をなぞる。それだけで、火照った体は否応無しに反応してしまう。
「やっ、あっ、んんっ……」
「ほら、じっとして……」
 肌の上を踊るなのはの指に翻弄されている間に、フェイトの服は全て脱がされてしまった。
 なのはもバスローブを脱ぎ捨て、フェイトの上に跨る。
「動かないでね」
 恥ずかしい部分を隠そうとしても、腕はなのはにしっかりと押さえられていて動かない。そしてまた、なのはの唇がフェイトの唇を塞いだ。
「ふぐっ……うっ、ん……ちゅ、じゅる……」
「んあ……ん、くぅっ、っ、ふうッ……」
 今度はフェイトの方からも舌を絡める。一瞬なのはが驚いたように動きを止めたが、すぐにまた舌を動かし始める。
「んんっ……ぷぁっ……フェイト、ちゃぁん……」
「は、んっ……なのはぁ……」
 二度目の深い口付けを交し合った二人。その瞳には、もう互いの姿しか映っていない。フェイトが
 なのはの頭に手を伸ばし、リボンを解く。ふわりと広がったなのはの髪が、フェイトの肌にも流れる。
 シーツの上に落ちたリボン。二人が身に付けるモノはもう何も無い。邪魔なものは何も無い。
「フェイトちゃん」
「なのは」
 もう一度、互いの名を呼ぶ。それからゆっくりと、なのははフェイトに覆い被さっていった――
306エリキャロSS 前編:2007/07/06(金) 05:13:09 ID:zb+Z4x+k
  *  *  *

(〜〜〜〜〜〜っっ!)
(キャ、キャロっ、静かにっ……!)
 大声を上げそうになるキャロの口を咄嗟に塞ぐ。が、エリオ自身ももう少しで声を上げそうになっていた。
 ――物事にはタイミングというものがある。部屋の奥まで行っていた二人は、フェイトの声が聞こえた時点ですぐに声をかければ良かったのかもしれない。
 ……だが、それよりもなのはの行動の方が早かった。だから、これはタイミング云々の問題では無く、単に運の問題だ――
 などとエリオは考えてみたが、だからと言ってこの気まずい状況が打破出来るとは到底思えない。
 今の彼には、二人の隊長が睦み会っているこの部屋の片隅で、キャロと一緒に隠れている事しか出来なかった。
(エ、エリオ君……)
(キャロ、落ち着いて……)
 念話で話しかけてくるキャロの声は弱々しい。その顔は、今にも泣き出しそうな程だった。『落ち着け』とは言うものの、エリオ自身も落ち着けている自身は無い。
 幸いにして、なのはとフェイトは行為に没頭しているので、当面気付かれるような事は無さそうだが――
(どっ、どうしよう……私達、何だか凄く居ちゃいけないみたいな……)
(あ、う、うーん……そ、その、仕方、無いよね。たまたま、と言うか何と言うか……)
(でも……フェイトさん達に悪いよね、こんなの……)
(ま、まあ、そうだけど……)
 二人は隠れる様に身を寄せ合う。いつしか、キャロはエリオにしっかりとしがみ付いていた。
(う――)
(……エリオ君? どうかした?)
(あ、い、いや……)
 エリオは、今までに無く鼓動が早まるのを感じていた。以前から何度か、キャロと居る時に胸の高鳴りを感じる事はあったのだが、今日のは特別に強く感じる。
 ……状況が状況だから、気のせいだろう。エリオはそう考える事にした。
(…………)
(――う)
 それでも、胸の鼓動はちっとも治まりそうに無かった。極限まで近付いているキャロとの距離。僅かに香る、キャロの匂い。キャロの温もり。
 普段だったら慌てて飛び退いている所だろう。が、今はそれすら出来ない。部屋の方からは、なのはとフェイトの嬌声が絶え間無く聞こえて来る。
 ――我慢出来ない。
 エリオは、名前も知らないその感情に突き動かされるように、キャロを抱く腕に力を込め、キャロと向き合って――
(エリオ……くん……)
 その様子が、おかしい事に気付いた。
(キャロ、顔が赤いけど大丈夫? ……まさか、どこか具合が悪いとか……)
 それで冷静さを取り戻したエリオは、心配そうにキャロの顔を覗き込む。普段色白の筈のキャロの頬が朱に染まり、息も荒くなっている。
 この緊張した状態で、精神的に疲れてしまったのだろうか?
 エリオはそう思った。しかし、キャロは首を横に振る。じゃあ一体、とエリオが問う前に。
「あっ」
 思わず漏れる声。視界がぐん、と反り、気付けば暗い天井を見上げていた。
「……エリオ、くん」
 すぅ、と現れ、目の前に広がるキャロの顔。本当に小さい、か細い声でエリオの名を呼ぶ。
 その、キャロの吸い込まれそうな大きな瞳に、エリオは自分の姿を見る。
(キャロ、駄目だよ声出しちゃ――)
 言いかけて、止まる。体が、止まる。ぎゅう……と柔らかく、しかし不思議と解けない――そんな力で、エリオは抱きしめられていた。
(キャ、キャロっ……!?)
 狼狽するエリオ。ただでさえエリオにとって緊迫した状況だったものが、更に加速していた。
「エリオくん……ごめんね……私、何だか、ヘンな 気分に――」
 エリオにだけ届くような小さな声。そして、よく懐いた猫のように、エリオの胸に頬をすり寄せる。
「はぁ……ん……」
 切なげな吐息が漏れる。それは、向こうから聞こえてくる隊長達の艶やかな声とよく似ていた。
(どうして……こんな……)
 普段とあまりにも違うキャロの様子。エリオはその訳を知りたかった。
「……分からない」
(え――)
「分からない……けど、フェイトさんとなのはさんの声聞いてたら、何だか頭がぼうっとしてきて、
 それで、体も熱くなってきて……でも、エリオ君とくっついたら、少しだけ治まるような気がして――」
 今にも消え入りそうな声で、キャロは話し始める。要領を得ない答えだったが、それが精一杯だとキャロの瞳が語っていた。
(でも、そんな事って……)
 しかし、それもエリオにとっては理解し難い事であった。確かに、二人の声を聞いていると何か変な気分になりそうだが――

「ごめんね、エリオ君」
307エリキャロSS 前編:2007/07/06(金) 05:15:13 ID:zb+Z4x+k
(え、何? キャ)
 本当に、小さな声。聞き取れず、聞き返そうと言いかけて、エリオの時間が停まった。
「んっ……」
 暖かいものがエリオの唇に触れる。視界がキャロの顔で埋まる。唇で感じる彼女の吐息と体温。
(――――)
「はぁっ……エリオ……くぅん……」
 触れるキャロの唇。2回、3回。
 どくどくと血液が激流のように流れる。体の奥から熱が湧き上がってくる。
 エリオには、その熱の訳も、抑え方も、解らない――

  *  *  *

「ふああぁぁあっ!!」
 しなやかな体を反らせ、フェイトが喘ぐ。なのはの手がフェイトの肌の上を滑るように動き、極上の嬌声(おと)を奏でていた。
「ふふっ……フェイトちゃん、気持ちいい?」
「ぅあっ、はっ、なのは、ぁっ……」
 そんな事は、言われるまでも無い――が、そう答える隙を、なのはは与えない。
「んっ、ちゅっ」
「っっっ!!」
 硬くなった乳首と秘芯を同時に責められる。一瞬意識が跳んだように思える。
 力が抜けて思うように動かない身体をなのはに抱きかかえられたまま、フェイトはひたすら弄られ続けた。
「ちゅぷ……んっ……フェイトちゃんのおっぱい、甘ぁい……」
「やだっ、そんな、吸わないでっ……」
「えー、嫌じゃないでしょ? こんなに濡れてるんだから、説得力無いよ?」
「それっ、はっ……だってっ……」
 なのはの細い指が、フェイトの秘裂をかき回す。ぐちゅ、と重く湿った音と共に、とろとろと溢れる蜜がなのはの指を伝ってシーツに落ちた。
「フェイトちゃん……」
「なの、はっ……ああっ……」
 陶然とした表情を浮かべるフェイト。彼女自身、気付かない内に腰を動かしてなのはの指をより深くへと導いている。
 それを知ってか、なのはも指をフェイトの一番敏感な所へと動かす。長い付き合いだ、フェイトの事はよく知っている。その肉体が、一番悦ぶ所も――
「ほら――――イッちゃえ♪」
「――はあっ、くっ、うああぁぁあぁぁぁっっっ…………!!!!」
 Gスポットと淫核を同時に刺激する。一際高い声を上げて、フェイトは達した。熱い波が迸り、頭が真っ白に染まる。
 更に畳みかけるような、なのはの口付け。肺の中の空気全てまでも奪われそうなくらいの、長く深い結合。
「はあっ――ハッ、はっ、ああっ、あ………」
 最後までなのはに身を委ねられる事の幸福感に包まれるフェイト。このまま意識をまどろませたくなってしまうが――今度は、こちらの番である。
 ゆっくりと体を起こし、なのはに触れようと手を伸ばす――が、その時、なのはが明後日の方向を見ているのに気付いた。
「……なのは、どうしたの?」
「――――」
「なのは……?」
 フェイトの質問に、なのはは答えない――が、ややあってフェイトの方に向き直った。
「フェイトちゃん、ごめんね。先客が居るみたい」
「え?」
 なのはの言葉の意味が分からず、フェイトは首を傾げる。と、なのはがおもむろに立ち上がり、部屋の隅の方へと歩いていった。
「なのは?」
 この時のフェイトには、その部屋の片隅の暗がりの中で何が起こっているのか、想像も出来なかった。
308エリキャロSS 前編:2007/07/06(金) 05:19:18 ID:zb+Z4x+k
  *  *  *

(熱い――――)
 空調が隅々まで効いた部屋だというのに、熱くて堪らない。おまけに、やたらと息苦しい。
 そんな中、いい匂いがする。とても愛しい匂いが。
 柔らかい。心地良い。いつまでも、浸っていたい――そう思える程に。

「あっ……んっ……ふゥッ……」
 エリオの唇を奪った後も、キャロは止まらなかった。もぞもぞと全身をエリオの体に擦りつけ、何度もキスを繰り返す。
「エリオ、くぅっ、ん……」
 そして、抱く腕に力を込めて彼の名を呼ぶ。キャロは突き動かされるように、その身体の熱と疼きを止める術をエリオに求めていた。
(うっ……キャ、ロっ……)
 その時、キャロの下でもがくエリオの手がお尻に触れた。
「ひんっ!?」
 その刹那、全身に電気が奔ったような感覚。だがそれは、決して嫌な感覚ではなかった。
 むしろ、もっと触って欲しい――そんな考えさえ抱いてしまう。
「……ねえ、エリオ君……」
(え、何……?)
 エリオを見つめるキャロの瞳は、蕩け始めていた。

「……触って、いいよ。私の身体――エリオ君の好きな所、どこでも――」

「っっ――――!!?」
 それはエリオにとって途轍もない衝撃。今まで必死にかけてきた、理性という名のブレーキが折れそうな代物だった。それでも、今にもキャロの体に伸びそうな手を必死に抑えて、エリオは呟く。
「……どうしてっ……キャロ、そんな事まで、言うのさ……」
 理由が知りたかった。彼女がここまでの行動に出る理由が。それさえ聞ければ、落ち着けると思っていた。
「え……そんなの、だって――」
 キャロの唇が、エリオの耳元に向かう。そして、その言葉を紡ぐ。
309エリキャロSS 前編:2007/07/06(金) 05:20:10 ID:zb+Z4x+k
「『――――』だから」

「 」
 聞いた瞬間、言葉を失った。もしかすると、今自分はとんでもなく間抜けな顔になっているじゃないだろうか。
 ――でも、その言葉を聞いた以上、もうブレーキなんて何処かに置き忘れてしまった。
「――――キャロっっ!!」
 大声は出さない。しかし絶叫しながら、エリオはキャロを強く抱きしめた。
 キャロは一瞬驚いた顔になったが、しかしすぐにエリオに身を委ねる。
「んっ……んんっ……」
 そして今度は、エリオから口付け。何度も何度も啄ばむように繰り返す。抱きしめたままキャロの体に回した手で、その小さい体をまさぐる。
「んんっ、はあっ、ああんっ、ふぁあっ」
 頬を赤らめ、ぴくぴくとキャロの身体が震える。はあぁ、と悦ぶような吐息が漏れる。その声をもっと聞きたくて、エリオは更に手を動かした。
「あっあ、はぁあ……んっ!」
 堪らず大声を上げそうになったキャロの見て、エリオは咄嗟に手を止めた。かくん、と糸の切れた操り人形のように、キャロの体がくず折れる。
(キャロ……)
(ぁ……エリオくん……どうして、止めちゃうの……)
 潤んだ瞳が、静かに抗議する。
(大声出しちゃダメだよ……フェイトさん達に気付かれちゃう)
(…………)
 エリオの答えに一瞬不満そうな顔になるキャロ。しかし、それで諦めるような彼女ではなかった。
(……じゃあ、こうする)
(え――――ンッ……)
 不意打ち気味に、キャロからのキス。そして。
「ん――ンぐ、んんっ、ちゅる……」
「っ……!? んう、う、ム――」
 ぬるり、とエリオの口腔に侵入してきたのは、キャロの舌。驚く暇も無く、エリオの口内はキャロの舌によって蹂躙されていた。
「ぐう、ん、ふむッ、うぅ――」(な、何を――)
「んくぅ……じゅるっ、ん、ふぅ、んっ……」(こうすれば、声は出ないから……)
 口内で蠢く舌の感覚に、エリオは頭の奥が痺れるような感覚に陥る。全身の力が抜け、抵抗の意志さえ奪っていく。
「っ、ぷはっ……はあ……ああ……」
 二人が唇を離すと、その間に銀の糸が掛かる。エリオの思考は霞み、視界は滲む。
(エリオくん……)
(んぐ――)
 休む間も碌に与えられず、再びキャロがエリオの唇を貪ってくる。くちゅくちゅという音が頭の中に響いてくる。
 ――なんて、いやらしい音だろう。エリオはぼんやりとそんな事を考えていた。
「ちゅっ、んんっ、くちゅ、んふッ」(エリオくん、気持ちいい?)
「ふぁ、ん、くふうっ……」(あ……う……うん……)
 エリオはキャロを為すがまま受け入れた。段々と何も考えられなくなってきて、感じるのはキャロの体温と、匂い。

 ――キャロがエリオの手を取って、自分の胸を撫でている。
 ――キャロがエリオの足を使って、股間に擦り付けている。

「んっ、くうっ、っふ……っあっ……エリオ、くぅん……」

 もっとキャロを感じていたい。
 ずっとこうしていたい。

 ――が、そんなエリオの願いは、あえなく破られる事となる。

「……うーん。これは、どういう状況だと判断すればいいのかな……?」

 光ある場所から現れた彼女は、しかし二人にとっては何に見えただろうか――?
310エリキャロSS 前編:2007/07/06(金) 05:25:20 ID:zb+Z4x+k

続く

って書き忘れました、すいません。あと長くてすいません。何度も怒られました(つД`)
本当は全部書き終わってから投下したかったのですが、長くなってしまったので分けました。
もう少し要領良く書きましょう(´・ω・`)
次は書き終えたら投下します。時間がかかるので気長にお待ち下さい(つД`)
311名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 05:28:21 ID:BNgsVTD3
GJ&乙!
続きを正座してお待ちしております、足が動かなくなる前にお願いします。

こんな時間で大丈夫ですか?
なんだか深夜、早朝の投稿が結構多いけど体調が心配だ・・・
312ある少年とある少女のごった煮な話:2007/07/06(金) 05:45:14 ID:Z3xzkTby
>>310のエリキャロSS様
直後の投下で本当にごめんなさい!



さぁて今週のある少(中略)は?

・続case FTH エイミィ先生の恋愛教室
・case HY after 八神家のキッチン

でお送り致します。
続き物なので興味の無い方はスルーの方向性で…。

case FTH の続きとcase HYのその後の話です。
case HYについて知らない方は前スレを参照してください。

お付き合いいただければ幸いです。


ではでは。
313ある少年とある少女のごった煮な話:2007/07/06(金) 05:46:14 ID:Z3xzkTby
〜続case FTH エイミィ先生の恋愛教室〜

溜息がまた出る。その憂いを帯びた表情に何人かの局員が視線を奪われるが
とうの本人は気付かずに廊下を歩いていく。また溜息が口をついて出た。
彼女、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは悩んでいた。
原因は解っている。彼女の被保護者である少年、エリオ・モンディアルについてだ。
最近、彼を見ているとギュッと抱きしめたくなる。
違う。正確にはギュッと抱きしめられたくなるのだ。
このふたつは似ているようで大きな差がある……と、思う。
試しに彼を一度ギュッと抱きしめて、彼を大いに照れさせたが全然満足出来なかったのだ。
こんな風になったのは……先日のロストロギアの一件からである。
(エリオ…かっこよかったなぁ…)
何度目か解らない溜息。
そう、かっこよかったのだ。一番不安な時に傍にいてくれて、支えてくれた。
彼より小さい体で彼に抱きしめられたりおんぶされたりするのは
フェイトにとって至福の時間だった。
と、廊下の先に見覚えのある赤い髪が見える。
「あ、フェイトさん。お疲れ様です!」
件の少年が自分に気付いて笑顔になる。その少年を見下ろして、答える。
「うん、エリオもお疲れ様だね。今から訓練?」
「いえ、デスクワークです。あ、キャロが待ってるんでこれで」
会釈をして駆け出すエリオ。それを手を振って笑顔で見送ったフェイトの胸にまたもやがかかる。
(『フェイトさん』…か…)
慕われている証拠だとも言える。礼儀正しい少年だからだとも言える。
(それに…『キャロが待ってるんでこれで』って…)
その言葉を聞いた時にフェイトは胸の内に何か暗いものが灯るのを感じた。
嫉妬したのだ。キャロに。
今は勤務時間内で、仕事を一緒にこなすキャロの元に行っただけだというのは頭で理解している。
だが、フェイトの心は納得してくれなかった。
(私より…キャロの方がやっぱり大事なのかな…?)
随分と短絡的な思考だ。先程の言動だけで判断出来る事ではない。
だが、彼女の思考はその一点に収束していく。
エリオとキャロ、ふたりはとても仲が良い。
お互いがお互いを気遣いあって時にギクシャクする事もあるが
それもまた微笑ましい光景のひとつにしか成り得ない。
二人の保護者として、ライトニング分隊の隊長として、歓迎すべき事だ。
胸が、痛む。

314ある少年とある少女のごった煮な話:2007/07/06(金) 05:46:54 ID:Z3xzkTby
想像はいつも自由で優しい。
もし、もしも、だ。
あの犯人がフェイトを9歳にした事で満足して逃亡したらどうなっていただろうか。
ロストロギアの内側に吸収された時間は彼女の元には戻らず、9歳のままだ。
管理局に戻っても自分は右も左も解らない。きっとオロオロするだろう。
ならば、優しいあの少年はずっと傍にいてくれるのではないだろうか?
そういえばあの頃の自分はまだ髪の毛を一人で洗えない。
だが、かといって他の人に頼めるほど気が大きくはない。
ならばきっとあの少年に頼むのだろう。そうしたらお風呂も一緒だ。
お風呂から出て、部屋に帰ろうとする彼の服の袖を掴む。
きっと自分は言葉には出来ないだろう。服を掴む、それで精一杯だ。
彼は最初は困った顔をして、少しオロオロして、でも顔を真っ赤にして
最後にはこう言ってくれるのだ。
『…その…フェイトが良かったら…なんだけど…一緒に寝ようか?』
こちらも顔を真っ赤にして、でも確かに小さく頷いて一緒に彼の部屋に向かう。
始めはベッドの端と端で寝るのだ。でも、物足りない自分は震えるふりをする。
『寒い?』
『あ…えっと…うぅん、そんな事ないよ?』
折角彼が言ってくれたのに拒否する自分に後悔。
でも彼は我慢していると思ってくれて、そっと近づいてくれる。
自分の顔は真っ赤だ。心拍数は急上昇。でも不思議と心は穏やかで
「フェイトちゃん?フェイトちゃーん?」
彼に抱きしめられたら彼の首筋に顔を埋め
「おーい、フェイトちゃーん!」
もう!今いいところなのに!彼の匂いを胸一杯にすいこ
「フェイトちゃ〜ん?お〜い!大丈夫?」

「エエエエィミィっ!?」
目の前にエイミィ・ハラオウンが居た。
「あ、やっと気付いてくれた」
「何でここにっ!?」
そう、彼女は地球の海鳴市で二人の子育てに励んでいる筈である。
「久しぶりにクラウディアが停泊するって言うからクロノ君に会いにきたんだけど…
 彼、午後まで忙しいそうだから久しぶりに皆の顔見ておこうかなって思って」
「そ、そうなんだ…」
「フェイトちゃん、今ヒマ?出来れば話相手が欲しいんだけど…」
手元のファイルに目を落とす。まぁ急ぐ仕事ではないのは確かだ。
「うん。じゃ、ロビーに行こうか?」



315ある少年とある少女のごった煮な話:2007/07/06(金) 05:47:34 ID:Z3xzkTby
エイミィの話は終始二人の子供の話に集中していた。
話す様子はとても幸せそうである。それは彼女に子供が、愛する人がいるからだ。
彼女の笑顔を、フェイトはとても眩しく思った。
「でさ、クロノ君たらナカナカ帰ってこないもんでしょ?
 この前子供に顔忘れられてね!小さい方のはクロノ君に抱かれたら
 泣き出しちゃって!クロノ君本気で落ち込んでたなぁ…」
「それは…流石に可哀想だね…」
兄の悲痛な表情が勝手に浮かんできた。
クロノ本人は予想していなかったが彼は極度の子煩悩だったのだ。
休憩時間には子供の写真を必ず一度は眺めている彼が子供に顔を忘れられたのだ。
親の心子知らずとはよくいったものである。

「そういえば、フェイトちゃんは何か浮いた話ないの?」

月明かりに映える彼の横顔。
視界一杯にうつる彼のうなじ。そこに顔を埋める自分。
彼の、声。

「…………ないよ?」
特に表情は崩さなかったと思う。
嘘だ。だけど誰にも知られるワケには行かない。今の自分は彼の保護者だ。
そもそも状況が特殊過ぎた。あれは吊り橋効果による一時の思い違いの筈である。
(多分…うぅん、きっとそう…)
それならこのまま誰にも知られず、自分にも忘れ去られてしまえばいい。
そうすれば何も起こらないのだ。

「ふ〜ん…」
エイミィがこちらを伺っている。何か変な答え方をしただろうか?
「あ、そういえば、フェイトちゃんに話した事あったっけ?
 私が管制やめた理由」
「え?結婚したからじゃないの?」
エイミィが笑う。それはとても綺麗な笑顔。
「ま、それがメインなんだけどね〜。他にも色々と思うところがあったの。
 例えば…ホラ、クロノ君ブリッジでもずっと防護服着てるじゃない?」
「うん。それがどうしたの?」
「アレってつまり『いつでも前線に出て戦う用意がある』、
 更に言えば『死ぬ覚悟は出来ている』ってワケでしょ?
 前まではそうでもなかったんだけど…
 正式に付き合い始めてからはもう見てられなくてね」
表情に少しかげりが宿る。
「…………」
「結婚してからもほとんど家にいないしね。
 今子供がいるから大丈夫だけど一時期はホントひとりがつらかったなぁ…」
エイミィがここではないどこかに視線を飛ばした。
その横顔はとても綺麗で、見ているだけでフェイトは切なくなる。
つい、口に出た。
「ねぇ…」
「うん?」
「何で…そんなに辛いのに…何でクロノの事好きなの?
 嫌にならないの?不安になってもう止めたいとか思わないの?」
それは、本当は自分への問いかけ。
辛いのに、苦しいのに、エリオを思う事を止めたくない自分がどこかにいる。
その問いかけへのエイミィの答えは、とてもシンプルだった。

「好きなのを止められるわけないじゃない?」

当然だと笑う。そんな表情が出来るエイミィが、ただ純粋に羨ましかった。
316ある少年とある少女のごった煮な話:2007/07/06(金) 05:48:09 ID:Z3xzkTby
「エイミィは…強いね」
「そうでもないよ?女の子はこんな感じだって。
 迷って、諦めようと思って、でもやっぱり好きがやめられないの」
「うぅん、違うよ。やっぱりエイミィは強いんだと思う」
(私は…それが出来ないから…)
「あ、そろそろクロノ君との待ち合わせの時間だ。話相手になってくれてありがとね?」
そう言ってエイミィが立ち上がる。玄関に向かって歩き出すのを見送った。
「あ、そうだ」
振り向き、告げる。
「好きな人の笑ってる所見たらさ、さっきの言葉がホントかどうか解ると思うよ?」

玄関を抜けて、エイミィがもう見えなくなった。
(エイミィはクロノの笑顔を見てるのかな?)
あの不器用な兄がそうそう笑うとは思えない。それとも彼女の前では特別なんだろうか。
少し、羨ましい。胸に棘が刺さる。

「フェイトさんっ!大丈夫ですかっ!?」
聞きなれた声。でもその声が少々慌てていた。
「大丈夫って…エリオ、そんなに慌ててどうしたの?」
視線をずらすとそこに赤い髪の少年が居た。
「いえ、今凄く辛そうな顔してたんで…前にあんな事ありましたし…」
その瞳が不安に揺れる。安心させる為に彼の頭に手を載せ、優しく撫でた。
「私は大丈夫。エリオも心配してくれてありがとう」
そう言うと、エリオははにかんで

笑ったのだ。

フェイトの時間が止まる。

(………ホントだ………)
この笑顔だけじゃ嫌だ。もっと、もっと色んな笑顔が見たい。
もっともっと色んな表情が、エリオが見てみたい。
この笑顔だけじゃ……足りない……全然足りないのだ。
止められるワケが無い。

エリオを抱きしめる。当然少年は耳まで真っ赤にして騒ぎ出した。
「ふぇ、フェイトさんっ!?何でこうなるんですかっ!?」
「――――エリオ?」
「は、はいぃっ!?」
「好きだよ?」
「僕もフェイトさんが大好きですからっ!?離してくれませんかっ!?」
「駄目♪」


フェイトはその時、
万人を魅了する極上の笑顔を浮かべていた。
317ある少年とある少女のごった煮な話:2007/07/06(金) 05:48:47 ID:Z3xzkTby
〜case HY after 八神家のキッチン〜

八神家キッチン。
正確には八神はやて准将の自室に特別に作らせたキッチンである。
色々な方面から抗議があったが色々な手段を使って黙らせてまでつくった珠玉の一品。
火の出力、冷蔵庫の規模、機能性、どれをとってもそこらのレストラン顔負け。
週に一度は必ずここで料理を作って皆に振舞うというのが
八神家の掟のひとつであり、はやての数多いストレス解消の手段のひとつだ。
彼女が全力全開で作る料理は家族に非常に好評であったのだが…
ここ数回は不満の声もあがっている。
曰く
『何と言うか…確かに美味しいのですが…画竜点睛に欠くというか…』
曰く
『もちろんうめーよ?でも…ギガうまじゃなくてメガうまくらい…
 いやもちろんうめーんだけどさ!』
曰く
『はやてちゃんらしくないっていうか…少し粗が目立つと思います』
曰く
『私はドッグフードなんで知りませんが』
それは彼女の料理で舌を鍛えられてきた四人だからこそ気付く些細な、しかし決定的な差。

原因は解りきっていた。現在自分の前で正座している不肖の助手のせいである。
「えっと…僕は何で正座させられているんでしょうか…?」
「エリオ君、自分の胸に手をあててよう考えてみぃ」
叱られムードに落ち込みながら考え込むエリオにキュンとなるが我慢して、
お玉をエリオに突きつけ、叱る。
「つまみ食いしすぎや!」
つまみ食いといっても料理以外のものを、である。
料理を手伝ってくれるのはいいが、その合間に頬にキスしたり耳を甘噛みしたり
何かあるたびにはやてに触れてくるのだ。
煮込みなどしようものならキスから始まって料理そっちのけになる事もしばしば。
スキンシップが一回や二回なら何ともないが回数が重なるとはやても盛り上がってしまう。
熱でうかされた頭で家族を唸らせる料理など出来る筈も無く、失敗してしまうのだ。
「今日は絶対につまみ食い禁止や!もししたらもう料理手伝わさせんよ!」
「はい…わかりました…」
きっと犬耳がはえていたらペタンと折れる、そんな感じで返事をするエリオに
(厳しゅう言い過ぎたかな…?)
と少し後悔した。
318ある少年とある少女のごった煮な話:2007/07/06(金) 05:49:22 ID:Z3xzkTby
料理はつつがなく進む。進んでいる。進んでいるのだが…
(………………………………)
チラと横目でエリオの方を確認する。
一人で練習しているとも聞いたが、その手元に淀みは無い。
あっという間に大根が細切りにされた。次の一本に取り掛かる。
エリオはこの細い体のどこに入るのかと思うほどの大食漢だから材料も多くなる。
それはいい。それはいいのだ。だが。
エリオがこちらの視線に気付いた。
「あ、コレ終わったら次何しましょうか?」
「えっ!?あ、あぁ…ゴマすりつぶしてもらえん?」
「はい!」
嬉しそうに返事をするエリオ。
そのお尻あたりにブンブンと振り回される尻尾が見えたりするが気のせいだろう。
手元に意識を戻し、魚を捌いていく。
(炊き込みご飯、魚の汁物、チキン南蛮、ほうれん草のおひたし、
 あとは自家製豆腐の冷奴と…汁物だけじゃ使いきれへんから焼き物か何か作ろか)
メニューを頭の中に思い描き、料理に集中する。
(………………………………)
しばらく料理がつつがなく進行する。ふと、エリオの包丁のたてる音が止まった。
かわりに足音が聞こえる。……エリオが背後に立った。
手が止まる。ギュッと体が縮こまる。
エリオの上半身がスッと近づき―――――――




「上、失礼しますね?」
そう言って上の戸棚を開け、すり鉢を取っていった。
体は硬直したままだ。
視線はエリオに注がれる。
「?…あ、顔に何かついてます?」
「えっ!?い、いや、もう切り終わったんかと思うて」
「ハイ。あ、ゴマすり終わったら何しましょうか?」
「えっと…あ、暫く手伝ってもらうことあらへんから座って待っててな?」
「ハイ…」
しっぽがしゅんと垂れ下がるのが見える気がするがきっと錯覚だ。
暫く、ゴマをする音が響いていたがやがてそれも止まる。
それが終わるとエリオはリビングのテーブルに座ってこちらに視線を注ぎ始めた。
(………………………………)
鯛は捌き終わった。チキン南蛮の仕込みも既に終わっている。
あとは揚げてたれを絡めるだけだ。
(あ、ほうれん草切ってなかったなぁ)
随分と自分らしくないミスだ。ほうれん草を野菜室から取り出し、洗う。
色が変わらないように塩水でゆで、絞る。
(………エリオ君、どこ見とるんやろ…)
そういえば以前はやての後姿のおしりが好きだと言っていた。
包丁を取り出し、適当な長さに切る。
(今も…おしり見られとるんやろか…)
そう思うと急に恥ずかしくなってきた。落ち着かなくなって足をすり合わせる。
(…やぁ…濡れとる…)
「―――――あっ!」
左のひとさし指を切った。徐々に赤い血が滲んでいく。
「大丈夫ですかっ!?」
彼が飛んできた。はやての手をとり、指を咥える。傷口をそっとなめられて吸われた。
「んっ」
指から甘い痺れが広がる。
(血がとまるまでじっとしててくださいね?)
エリオからの念話。彼の暖かくて湿った口内の感触が続く。
しばしの沈黙。エリオはそれから全く動こうとしない。
319ある少年とある少女のごった煮な話:2007/07/06(金) 05:50:02 ID:Z3xzkTby
はやては、我慢できずに指を押し込んだ。指の根元まで彼の口内に収まる。
(はやてさん?)
ギリギリまで引き抜いた。彼の唇で指をすられる感覚。
今度はもう一度突き入れる。止まらない。彼の口内で指を往復させた。
「んっ…ふ…ぁ…ふぁ…」
口から声が漏れた。と、突然彼がむせる。どうやら指を深く入れすぎたようだ。
「はやてさん?何で指動かすんですか」
彼の抗議の視線。
「あはは、ゴメンな?ちょっとくすぐったくてな?」
「……まぁいいですけど。絆創膏とってきますね」
そういってエリオは奥のほうへと消えていった。


そっと、人差し指を舐める。微かに彼の味が残っている……気がする。


彼が戻ってきた。
見上げるとそこには彼の顔、唇がある。喉がなった。
記憶の中の彼の唾液の味が勝手に思い出される。


「指出してくだ―――――んゥっ!?」
気が付くと彼の唇を貪っていた。
彼の味が記憶と全く変わらなかった事に安堵を覚える。
「んくっ……は、はやてさんっ!?」
「料理なら大丈夫や…このままやと時間あまるから…ちょっとだけ…な…?」





シグナム、シャマル、ザフィーラ、ヴィータの四人は
同じエレベータに乗っていた。勿論四人の行き先ははやての部屋である。
「しかし偶然とは恐ろしいものだな。四人とも同じエレベータとは」
「今日はなんだろーなっ!はやての料理はどれもギガうまだけど
 アタシはハンバーグとか肉がいいなっ!」
ヴィータが興奮を抑えきれずに騒いでいると目的の階についた。
エレベータのドアが開き、はやての部屋へと向かう四人。
と、はやての部屋のドアがいきなり開いた。中からはやてとエリオが出てくる。

「今日は皆で外に食べに行こか!」

「――何でっ!?」
突然の方針変更にヴィータが抗議の声をあげるがはやては耳を貸さない。
「さぁ!ついてこん子は置いてくよ!」
「主はやて、シャワーでも浴びられたのですか?髪が生乾きのような…」
「とにかく行こか!楽しみやねエリオ君!」
「そそそそうですねっ!」
ザフィーラが鼻をきかせる。
「主…変な匂いが部屋の中から…?…イカ…ですか?」
「そそそそうや!イカの干物焼いとったら匂いが篭って料理どころじゃなくなったんよ!
 じゃ、行こか!ヴィータの好きなハンバーグがあるお店にしよな!」
シャマルはすぐに何かに気付いて念話を飛ばしてくる。
(はやてちゃん…後で詳しく聞かせてくださいね♪)


八神家+一人の食卓は今日も騒々しい。 
320ある少年とある少女のごった煮な話:2007/07/06(金) 05:59:08 ID:Zrq5spfE
お付きあい頂き、ありがとうございました。

FTHの方なんですが、リンディ提督に会いに行くバージョンも
今書いてるので満足するものが出来たら投下します。

>>310 エリキャロ様
重ねがさね申し上げますが
本当にすみませんでした。
あとエロい!その才能に嫉妬!
321名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 06:49:44 ID:acUk72wE
朝からGJですよ
や、昨夜早く寝た甲斐があった(寝落ちしたとも言うが)
322224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/07/06(金) 07:36:37 ID:tEpN4agy
>>310 エリキャロの御代!

その才能に全米が嫉妬W!
いや、上手いです。
喘ぎ声だけでオレの股間の22口径がはちきれんばかり!
これは拷問ですか?

同じエリキャロを目指すものにとって、貴方は目標となりました。
つか、超えるべき壁w
なんであんなにエロイのが書けるんだwwwwwwwww



昔エロパロのエロイ職人がこう言った。

『嬌声、喘ぎ声だけで読み手をイカせれば一流であると!』
まだまだ完成には遠い……orz
323名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 09:00:53 ID:77IkxgSb
いくよキャロ。四つん這いになって!
こ、こう?
挿入合体!!!
あぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ
なのはさん、これでぶっ飛ばしてあげますよ
324名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 10:43:05 ID:CqQGWJQa
>>310
なのフェ分だけ読んだ。GJ!

>>322
「嬌声、喘ぎ声」は流し読みしているのが、申し訳なくなってくる言葉だな。
325名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 10:52:18 ID:Z0UNOxcr
>>320
フェイエリいいですね…
このまま10歳と19歳で一線を!?
そしてはやエリであのロストロギアを使えば、10歳と26歳で色々出来るということですね!?
326名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 15:09:33 ID:YfUjAfzx
>>320
俺の望んでいた続編がついに
エリはや超GJ!!!!!!!!!
そして作者様ありがとう!
エリフェイも最高!

>>310
このエリキャロはえろすぎる
GJ!
327名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 20:20:22 ID:0Z8uAz7S
とりあえず、エリオスキーな俺にとっては現在このスレが桃源郷になっている件について(;゚∀゚)=3
>>310>>320共にギガGJです!
328無刃:2007/07/06(金) 21:55:46 ID:VHBYfq0b
小ネタ投下

続いてるかもしれませんが、二代目ではありません。

日記なのに背景音が聞こえるかもしれませんが気にしないでください。

329無刃:2007/07/06(金) 21:57:53 ID:VHBYfq0b
とある某研究所の廊下に、何故か段ボール箱が落ちていた…

そして何やら物音が箱の中から聞こえる。

「こちらユーノ・スネークライア、研究所に無事潜入、これよりミッションを

開始す・・・」次の瞬間、潜伏場所が光にさらされ、それを成した人物と目が合った

(な、何故見付かった!?なのはの世界の伝説のスパイを参考にしたのに…)


ルーテシアの日記

□月11日

今日、ちょっとした用事でスカリエッティの研究所に来たら

何故か廊下の真ん中に紙製の箱が落ちていた。中から物音がするので箱を持ち上げて

見たら変な生き物がいた…胴長のねずみ?と、思ってたら逃げ出したので反射的に

捕獲して観察してみた…結構可愛いかも。暴れるので軽く絞めた…やり過ぎたかな?

その後でスカリエッティに聞いてみたら「知らないなぁ…ちょっと実験してみていいかい?」 

と言い返してきたので、流石に可哀想だと感じたので断り、用意された部屋に持って帰った。
330無刃:2007/07/06(金) 22:00:14 ID:VHBYfq0b
□月15日

明日には研究所を去るのだけど、此処数日この生き物で色々と遊んでいるうちに気に入った。

持って帰ろうと思って、逃げないように呪縛しようとしたら、先に何かの術式が掛かっていた

みたいで上手く掛からなかった。儀式魔法を用意して、解呪してみる事にする。


□月16日

思い出したくない

…………………(泣

…アレはナンバーズのお姉ちゃん達に引き渡して持って入って貰ったし…

悪い夢でも見たと思って帰って寝よ…早く忘れたい。


「ちょ、ズボンぬがさないで、あ、そこは…アッー!!」


何も聞こえない…聞こえないの。転送式構築…展開…転送。

331無刃:2007/07/06(金) 22:01:41 ID:VHBYfq0b
後日、ミッド中央新聞の小記事より抜粋

「□月27日未明、同月10日から行方不明と為っていたユーノ・スクライア司書長が

郊外の森で倒れているところを近所の女の子が見つけ親が管理局へ通報しました。

意識を取り戻したユーノ博士は行方不明中の事を黙して語らず、事件の背後関係等

捜査は難航しております。尚、行方不明中どのような目にあっていたのか不明ですが

入院中、ベッドで「もうでない、もうでない…」と魘されていたようです…」





逞しいお姉さん達は好きですか?
332名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 22:09:13 ID:ivhPctbM
大好きですwwwwwwwwww
333名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 22:27:35 ID:PQRW85LL
これは、
他のナンバーズも居ますがユーノ×セインですか。
新しい。GJです。
334名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 23:04:27 ID:dHOxc0r+
どう見ても全員にヤられてます。
本当にありがとうございました。


この淫獣めw
335名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 23:44:20 ID:9CSDzJH+
性欲を持て余してるー!?
336名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 00:59:28 ID:yom0mq3m
逞しいお姉さん達も好きだが、淫獣なら彼女らを(性的に)屈服させてしまうような気がしないでもない。

337名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 01:33:03 ID:2UcV1tGR
その時の淫獣のモードさ。
鬼畜モードなら屈服させ、ヘタレモードなら屈服させられペットにされる。

鬼畜淫獣みてぇ・・・・・・
338名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 01:35:41 ID:4ZSUdms/
波状攻撃されたら流石の淫獣も落ちるんじゃないかな、と思う。
339名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 01:44:40 ID:grwqUGRK
>>338
特殊方面に深化改良をしたチェーンバインドが12姉妹を襲います。
340名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 01:45:21 ID:8TziNd/D
触手攻めか
341名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 01:51:55 ID:4ZSUdms/
>>339
12姉妹でコヨーテの方想像しちゃったよ。
342CRR:2007/07/07(土) 01:57:22 ID:piBRQbvy
ドモー。
18スレ302改め、これからはCRRと名乗らせていただきます。

2時までに他の作者さんの投下がなければ、さくっと書いたものを投下します
343CRR:2007/07/07(土) 02:01:23 ID:piBRQbvy
18スレ302改め、CRRでございます。

PCがネットに繋がらない状況が一週間続き、今日やっと開放されたので
うれしくなってこんな物を書いてみました。

・「きゃろろ(ry」の続き
・ライトニングが暴走中
・無駄に数行微エロ描写あり。気にするほどではないとは思いますが一応念のため

ではドゾー
344CRR:2007/07/07(土) 02:03:37 ID:piBRQbvy
朝日が昇り始めたミッドチルダのある朝。
もちろん機動六課宿舎にも太陽の光がこれから降り注ごうとしている。

そんな宿舎の中の廊下を歩いているのは、機動六課ライトニング分隊長、フェイト・T・ハラオウンであった。
コツコツ足音を立ててとある部屋に向かっている。

フェイトが歩みを止めた部屋の前には『エリオ・モンディアル』と名前が書いてある。
フェイトはポケットからある端末を取り出す。
オートロックの入力キー部分を馴れた手つきで引っぺがし、端末の配線を割り込ませる。

実はこの端末、義姉であるエイミィ・ハラオウンの物であった。
かつて、管理局の技術スタッフのマリエル・アテンザがエイミィに頼まれ制作した暗号解析マシンである。
高度な解析能力を備えたこれを使い、エイミィはアースラ勤務時代に現夫・クロノに夜這いをかけまくった実績を持つ。

ロックが解除され、パネルがそれを示すように青く光る。

「うん、OK…うふふふふふふふふふ、エリオ、エリオ、エリオ…」

すでにヤバい表情のフェイト。
実は週に3回ほど、こうやってエリオの部屋に侵入して、エリオの寝顔を写真に収めたり、使用済みティッシュの数を数えたりと
やりたい放題をするのが最近のフェイトの楽しみとなっている。

「エ〜リオ〜♪私の可愛いエ〜リオ〜♪」

口から涎をたらしながらフェイトはエリオの部屋に侵入する。

「!!!!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!!!!」


先客がいた。

頭から手ぬぐいを被り、鼻の下で結ぶという典型的コソ泥スタイルでエリオの下着を物色していたのは、
機動六課ライトニング分隊副隊長であり、ヴォルケンリッターの烈火の将、シグナムだった。
先に侵入して内側からロックをかけていたらしい。

しばしの沈黙。その後。

「“シグナム”ゥ…あんまチョーシこいてっと“ひき肉”にするよ…?」
「教えてやるよ?“テスタロッサ”ァ…ナゼ剣士の“私”が“守護騎士ヴォルケンリッター”の将なのかを…?」

!?

その日、新人フォワード陣の朝練は、訓練区画がライトニング分隊の隊長VS副隊長の模擬戦に使われたため急遽中止になった。




きゃろろろろろろ 〜史上最強の愛憎劇〜



345CRR:2007/07/07(土) 02:05:53 ID:piBRQbvy
「ティア、フェイト隊長とシグナム副隊長、なんでいきなり模擬戦なんかやりだしたんだと思う?」
「さぁね。デバイスのチェックがてらとかそんなんじゃないの?ヴィータ副隊長曰く、あの2人『バトルマニア』らしいから」

思わぬ休暇で、フォワード陣はゆっくりと朝食を取っていた。

「ところで…」

スバルが話題を変える。

「キャロ、頭…まだ直らないの?」
「えーっと…もう少ししたら、美容院とかに行ってきますから、それまでは…」
「うん、その方がいいよ…ちょっとその頭はいただけないなー…」

スバルがそういうのも無理は無い。
キャロの頭は、この前のフェイトのサンダーレイジO.D.Jのおかげで、見事なアフロヘアーになっていた。

(ちっ…なんてこったい…まさか伏兵が潜んでいるとは…)

スバルに愛想笑いをするキャロは、一方でマルチタスクで現在のエリオ撃墜計画の修正案を高速で練り上げていた。

上司であるシグナム。
フェイトの知り合いという事もあり、エリオを小さいころから知っている人物の一人である。
立ち振る舞い、言動、地位、どう見てもオールドミスまっしぐらです本当にありがとうございましたと舐めくさっていたが、
実は大きなメロンおっぱいの下に熱きパトスが煮えたぎっていたらしい。
ちなみに今日のシグナムの特攻(ぶっこみ)は諜報員S3g…ゲフンゲフン、フリードの報告で知った。

(ああ……今ほどデスノートが欲しいと思ったことはないよ!!!)

ちなみに死因はどう書くのやら。




346CRR:2007/07/07(土) 02:07:59 ID:piBRQbvy
3日後。辺りはすっかり暗い。


『四郎…いいの?こんながさつなお姉ちゃんで…』
『…何度も言ってるだろ?俺は虎ねぇ以外の女と付き合う気なんてないよ』
『……四郎…四郎!!お姉ちゃんは…嬉しいよぅ』
『虎ねぇ……』


「…………………ふぅ」

シグナムは読んでいた漫画を閉じ、大きく息を吐く。
ちなみに読んでいたのは「姉ショタアンソロジーVol.2」。
巻頭カラーの、ポニーテールの剣道少女と赤髪の少年というカップリングの話だった。

「……ふっ、なんてことだ……私にも、こんなに女々しい部分があるとはな…」

シグナムはいつもこの漫画に自分とエリオの姿を投影していた。

『エリオ…いいのか?こんな私と付き合うなんて…』
『…何度も言ってるじゃないですか。僕はシグナムさん一筋ですよ』
『……エリオ…エリオ!!ありがとう…』
『シグナムさん……』

こんな感じ。
そして今日も、パンツの中に手が伸びる。

「んっ……くっ……はっ…ぁ……ん……」

先日もテスタロッサとは相打ち。エリオを思う気持ちでは誰よりも負けないはずなのに……

「あっ……いっ……っん……」

自分の体を、この手で今しているように思う存分蹂躙されたい……そんな思いで一杯だった。

「ぃっ……くぅ………んんんんっっ!!!!!」

エリオに抱かれる妄想をしながら、シグナムは果てた。
余韻にしばらく浸っていたシグナム。

(いかん………もう、自分の感情が抑えられない……)

と、ある決意をして、軽く身支度をしてから部屋を出た。
行く先は、もちろんエリオの部屋。




347CRR:2007/07/07(土) 02:10:17 ID:piBRQbvy
エリオの部屋の前には、先客がいた。
金色の長髪。
間違いない。彼女とはかれこれ10年の付き合いだ。

「………テスタロッサ…」

フェイトは、寝巻姿でエリオの部屋の前に立っていた。
手にはマリー印の解析マシンと、一冊の本。

「……いつかは……お前と決着をつけなければならない時が来ると思っていたが……」

首からぶら下げた待機モードのレヴァンティンを握る。

「私の行く道を(性的な意味で)遮るのなら……いまここd「待ってくださいシグナム!!」」

シグナムの叫びをフェイトが遮り、手にしていた一冊の本をシグナムに見せる。

「これは……昨日発売の『姉ショタアンソロジーVOL.3』……」
「そうです……で、ちょっとこの46ページを見てください」

ペラペラとページをめくったそこには、2人の義姉に弄ばれるショタっ子が。

「………お前は……3Pでもいいというのか!?」
「……シグナムの気持ちは痛いほど分かります……私も気持ちは同じだから。そんな私たちが、どちらかしか幸せになれないなんて辛すぎる。
 もし……シグナムがそれでよければ、2人で同じ道を歩みたい……どうですか?」
「テスタロッサ……お前……」

死闘をくぐり抜けてきた2人だからこそ分かり合える気持ち。
シグナムとフェイトは、どちらとも無く抱き合った。

……エリオ個人の意思はガン無視だが。

「さぁ、今の時間ならエリオは部屋に確実にいますから…」

マリー印の解析マシンは絶好調。難なくオートロックを解除した。

「では………いきます!」
「ああ……!」

ドアを開けた先には、

「「…………いない!?」」

窓が開けられ、カーテンが風ではためいていた。

「「ちぃっ!?逃げられた!?」」

そりゃあ、ドアの前で話していれば話も筒抜けだった。

348CRR:2007/07/07(土) 02:12:25 ID:piBRQbvy
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…………」

膝を抱えて隊舎の片隅、不安で震えているエリオ。
女を「知る」のが怖くて扉を開けてきたのはいいものの、相手は二人ともリミッター付きでも自分より上。

「このままじゃいつか見つかっちゃう……キャロ……は信頼度0%だし、どうしよう……」

ガクガクブルブルなエリオ。
しかしその怯え顔がショタ属性のお姉さんを全機撃墜してしまいそうなくらいラブリーだから困る。

『どうしたマスター!!辛気臭ぇ面(ツラ)してよぉ!!』

そんな弱気なエリオに口を出したのは、彼の相棒。

「ストラーダぁ……」

腕時計の形をした相棒に、弱気な返事を返すエリオ。

「そんなこと言ったって……」

空の上には、獲物を狙う鷹のように転回する黒い死神と烈火の将。

「エリオー!!!!エリオはいねがぁ―――――!!!」
「くけーっけっけっけっけ!!!!!!」

………えーと、人間?

「あんな、リミッターなしならSランクな化け物二人に敵うわけないよ……僕はB+だし……」
『バカヤロウ!そんな道理、蹴っ飛ばしちまえよ!!!』

ストラーダは勝手に通常フォルムに変形。ご丁寧にカートリッジも一発。

『大丈夫だ。お前のスピードはだれにも負けねぇ!お前のとりえはスピードだろ?奴らが気づく前に一発かましたれよ!』
「でも………そんな自信なんて僕には無いよ………」
『いいかマスター、自分を信じるな!俺を信じろ!お前を信じた俺を信じろ!』
「何だよそれ………」

エリオが日曜朝のアニメを見るのを自粛しようと考えていた矢先、

「ピキーン!!!」
「やべぇ!!!!!」

空中のフェイトと目が合った。

このままだとヤられる……ナニを見て喜ばれる……(他の女の味を)分からないまま(性春が)終わる……
そんなのは…………

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

ストラーダを構え、エリオが叫ぶ。

「チクショオオオオ!くらえフェイトさん!新必殺音速スピーアアングリフ――――――――ッ!!!!!!!!」
『Speerangriff!!!!!!』

349CRR:2007/07/07(土) 02:16:14 ID:piBRQbvy
「残念、それは私が10年前に通った道だ……」

フェイトによってバインドをかけられているエリオ。

確かにスピードは道理を蹴っ飛ばして奇跡的にフェイトを上回っていたエリオだが、
フェイトがあらかじめ空中に仕掛けておいたディレイドバインドの餌食になってしまったのだ。

「はは、この絶望に打ちひしがれている表情のエリオもまた可愛いものだな…」
「いい趣味してますね、シグナム……私もそう思います……」

バリアジャケットをわざとパージするフェイトとシグナム。
普段は隠れて見えない、扇情的な姿でエリオに迫る。

「くっ………こんな年増たちに……くやしいっ………!!」
「あれ?ならなんでオカズが『姉ショタアンソロジー』だったの?」
「ヴァイス陸曹からもらったから……ですが……」

ちなみにヴァイスもシグナムと同じ作品で抜いたとか。やはりシグナム狙いか?

「ふふふ……あのミスター死亡フラグめ………今回ばかりは不問にしてやる」

普段も類似の事件を起こしているのか、シグナムがさも知ってるかのように話す。

「何てったってこれからエリオきゅんをいただけるのだからなぁぁぁぁ!!!!」
「シグナムっ!!!私も!!わたしもぉぉぉぉ!!!!」

完全に黄色い救急車のお世話になりそうなハイテンションで、2人はその場でエリオのバリアジャケットに手を掛け、


「お待ちなさいっっ!!!!!」


「「何奴っ!!!」」

六課の隊舎の頂上に、月明かりを背にした幼女(と、チビ竜)が立っていた。
手にはやっぱり一冊の本。

「『フリードリヒ』と『姉ショタアンソロジー』を生贄に、『ヴォルテール』を召還っ!!!!!!」

四角い魔法陣から、黒くておっきな竜が現れた!!

「はーっはっはっはぁ!!!エリオ君のチェリーをもぎ取られるくらいなら、こうしてやるぅ!!!」

ヴォルテールはすっかり暴走。六課の隊舎をフルボッコにしだした。

「YAHOOOOOOOOOOOOO!!!!!!粉砕!!玉砕!!大喝采ー!!!!!」

イカれたキャロを見て、エリオとフェイトとシグナムは口を揃えて言った。

「「「ちょwwwwwwねーよwwwwwwww」」」



350CRR:2007/07/07(土) 02:18:33 ID:piBRQbvy
一面の火の海。
瓦礫の山。

その光景を前に、膝から崩れ落ちる少女。

「私の……私たちの……夢の部隊が……」

八神はやては、今にも闇の書の意思として覚醒しそうな目でそんな台詞をつぶやいた。

「はやてちゃん……そんな悲しい顔しないでください……生きていれば何度でもやり直せますですよっ!!!」

血の涙を流しかねないはやてを、必死で慰めるリインフォースU。

「あかんよリイン……わたし……もう……疲れたわ……」
「はやてちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

「部隊長!」

元・六課の前でミュージカルを繰り広げていたはやてとリインに駆け寄るシャリオ・フィニーノ。
手にはある写真を持っていた。

「これを見てください!」
「なんやの…………………っっっっ!!!これは!?」
「ね!?使えますよね!?」

虚ろなはやての瞳に光が戻った。そして、にやりと微笑んで、

「でかしたわシャーリー………これをエサにゆすりをかけて………本部から再建用の特別予算つけてもらおか……」

シャーリーの持っていた写真。
それは、高級SMクラブで女王様に踏みつけられている、レジアス・ゲイズ中将の隠し撮り画像だった。






後日。

「Lord Cartridge」

ミッドチルダ郊外の青空の下、電子音声の後に爆発音が6発。
レイジングハートの矛先には、ライトニング分隊の4人がまとめてバインドされていた。

「4人とも………少し、いや、沢山……頭、冷やそうか………」

今回の騒動の罰として、4人は仲良くピンクの光に包まれた………






「何で僕までぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!」

女運に恵まれない少年の断末魔は、ミッドの青い空に吸い込まれていった。



おわり。
351CRR:2007/07/07(土) 02:21:05 ID:piBRQbvy
以上です。
前作並みの勢いがあるかどうか心配でなりません。
あとエリオのランク間違ってたorz
B+→Bですね。

さて、いま人生初のエロ作品を制作中なのですが、
なぜかこっぱずかしくて超遅筆に……
ちくしょう!そんな羞恥心を蹴っ飛ばしたい!

では!
352名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 02:23:48 ID:grwqUGRK
>>351
なんか一部が表示されないと思ったら「フルボッ コ」がNG登録されていた。
353名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 02:27:00 ID:jGKY1Ktn
CRR様GJ!
やっぱエリオは受けだよなぁwwwww
354名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 02:33:24 ID:tNvSQy4d
>>351
乙彼&GJです!いやいや勢いはありますよキャロの暴走っぷりや『姉ショタ』アンソロジーとか
やはりキャロと海○社長ネタは切り離せないのでしょうか、なのはさんの○王ネタとならんで……
エリオの三代目エロ名襲来はならずww(
355名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 02:59:47 ID:V1iCmZ27
>>351
ライトニングはもうダメだwwww
356名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 03:45:02 ID:7g0MGONz
>>351
GJ!
そのまま受け入れてハーレムエンドに…性格的に無理か。
357名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 06:10:25 ID:M8er6IZ0
>>351
ちょwwww朝から笑わかすなwwwww
壊れたライトニングの女達、脅えまくるエリオ、腹黒はやて、ちゃっかりシャーリー、そして仕置き人なのは様
全部GJだ!
358ユーノマニア:2007/07/07(土) 09:11:05 ID:8jJprrpV
か、書けない…ネガフェイの続きが書けない…
やはりラブリー大絶賛で満足&プレッシャーが原因?

とりあえず皆が抱く期待をぶち砕くラブリーの続きでも書いてみた
作品のベクトルが150度くらい変わったけど気にしない
注意
・ロリコンのけがない人には苦痛かもよ
・エロなし
・なのはさん=過激派は使い安すぎて困る
・ヴィヴィオさんの口調がわかりません。てきとー

りりかるまじかるきるぜむおーる
359ユーノマニア:2007/07/07(土) 09:11:36 ID:8jJprrpV
「ねぇなのはままー、ゆーのくんうごかないー」
本日3度目のその言葉に、私は即答することが出来なかった。
「ユーノくん疲れちゃってるからもうちょっと待ってあげようね」
は一度目の時に既に使っている。
「うーん、ヴィヴィオがもっといい子にしてれば動いてくれるかもしれないね」
はニ度目の時に。
確かにヴィヴィオはいい子にしていた。
洗濯物を畳むのを手伝ったり、部屋のお掃除をしたり。いいこいいこ、と撫でてあげたりもした。
下心満載であっても、お手伝いする子はいい子なのだ。
最近の子供は要求をするだけして自分が代償を払うということを知らない。
しつこく要求をしていればいつかは相手が折れるだろう、と見越しているのだ。
そんな子供に我慢ばかりを押し付け、相手の要求を一切呑まない親もまた最低だ。
条件を出してそれを子供が達成するとさらに条件を出す親を子供が信頼してくれるか、と問えば答えはNOだ。
いい子にしていたヴィヴィオには、ユーノくんを動かしてみせる、ということで答えなくては、
私に彼女の親としての資格などはありはしないだろう。

かといって彼も忙しい身。そうほいほい呼び出していいということはないだろう。
どうしようか、と私が悩んでいると肩がたたかれた。
振り返ってみればそこには十年来の幼馴染にして頼れる相棒のフェイトちゃんがいた。
「なのは、私に任せて」
と自信げな顔でヴィヴィオに近づき、ユーノくん(人形)を受け取る。
どうするというのだろう?ユーノくん人形に魔力を込め、ソレに干渉することで動かすつもりだろうか?
まさか擬似生命を与えるなどと言う高ランク魔法を?!
両手でユーノくん(人形)を胸元に掲げ、目を閉じ集中に入るフェイトちゃん。
数度深呼吸をして呼吸を整えている。
「こんなこともあろうかと、昨日から練習してたんだ」
最後に大きく息を吐き出し、カッと目を見開く!
そのとき私は恐ろしい光景を目にした。
豊満に実った胸元を暴れるように駆け上がるユーノくん(人形)。
その長い髪に隠されたうなじに暴れながら進入するユーノくん(人形)。
そして腰に、脇に、恐ろしい勢いでフェイトちゃんの身体を蹂躙するユーノくん(人形)

まさかのマギー審司ネタだった。

「…」
「……」
どう?と言わんばかりに顔を輝かせるフェイトちゃん。
ひたすら無言の私とヴィヴィオ。
「とりあえず今日の夜の訓練はヴィータちゃんに任せて、本局までユーノくんに会いにいこっか」
「わーい」
「ガン無視ッ?!」
フェイトちゃんはもう紙幣偽造でフジテレビ警察に逮捕されてるといいの。
360LOVELY BURST EX:2007/07/07(土) 09:12:48 ID:8jJprrpV
「ゆーのくーーーーーん」
無重力状態の無限書庫。
入り口から見える範囲にいたユーノくんに向かい一直線にすっ飛んでくヴィヴィオ。
あんな元気になってと喜ぶべきか、
なんで人型――もとい元の姿をしているユーノくんがわかったのだろう?と突っ込むべきか。
「あれ、ヴィヴィオ、それになのはも。どうしてここに」
と跳んで来たヴィヴィオを優しく抱きとめながら私達に気付くユーノくん(本物)。
私の名前よりヴィヴィオを先に呼んだことについて後でゆっくり話し合わなくてはいけないだろう。
「ヴィヴィオがユーノくんに会いたい、って。私も会いたかったしね」
「そっかー、僕も会いたかったよ、ヴィヴィオ」
ふぅん、台詞の後半無視ですか。そうですか。
ヴィヴィオを抱えながら頭を撫でているユーノくんをみて、ふと私たちはどういう風に見えるんだろう、と考える。
やっぱり夫婦と子供?まだ付き合ってもないけどまぁいずれそうなる予定――
「あれ司書長。随分ちっちゃい恋人さんですね?」

砲撃誤射リストに一人追加されました。
ユーノくんと軽い挨拶をして離れていった司書さんは自分の寿命が数日になったとも知らず仕事を再開する。
「あはは、ちょっと酷い冗談だったね」
「ホントにね。彼にはあとでお説教しておかなきゃね」
大丈夫。すぐに塵も残らず消えるから。

「うんうん、こいびとじゃなくておよめさんなのにね」

ユーノくんを見る。
真っ青な顔をして首をブルンブルン振っている。
やだなぁ、なんでそんな脅えてるんだろう?傷つくなぁ。
ユーノくんの首に両手を回ししなだれかかる様に抱きつくヴィヴィオ。
子供だからと油断していた。
やはりここは教育のお時間だろう。未来のパパにそんなオンナの顔で抱きつく子供にはキツイおしおきが必要だ。
「ゆーのくん、ゆーのくん、あっちのほういこー」
見事なまでの慣性制御でユーノくんごと徐々にこちらから離れていく泥棒猫(ヴィヴィオ)。
慌てて追おうとしたところに四方から数冊の本が飛来する。
とっさに対処すれば、既に視界に二人の姿はない。
慌てて探すと一枚の紙切れを発見。
『ちょっとでーとしてきます ままはそこでまっててね びびお』
ふ、ふふふ、ぅふふふふふふ…
「上等だあんの小娘風情が…エースオブエースに喧嘩売ったらどうなるか、嫌と言うほど思い知らせてやるのッ!!」

ちなみにその咆哮を聴いていた人たちはきっちり記憶が消えるまでレイジングハートで○○りました。
変な噂が立つのは避けたいから、ね?
361終了・あとがき:2007/07/07(土) 09:15:48 ID:8jJprrpV
前のほう名前かえるのわすれちまったい
まぁいいか

短くてごめんなさい。多分続かない。
次は無理にでもネガフェ3話書き上げてくるよ!
それまでさようなら…
362名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 09:27:38 ID:w4xzlzwy
こ、このヴィヴィオ……やりおったw
363名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 09:28:27 ID:CuSuYOXW
なんでだろ・・・ヴィヴィオの後ろに割烹着を着た赤い髪の女の人が、なのはさんの後ろに長髪でツルペタな女の人の幻影が・・・
364名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 09:30:50 ID:I+urFmPp
魔王に直接対決を挑んだか・・・
数日後、レイプ目になるヴィヴィオが目に浮かぶ
365名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 10:34:01 ID:2UcV1tGR
待て。それよりも俺はユーノ君人形の

>豊満に実った胸元を暴れるように駆け上がるユーノくん(人形)。
>その長い髪に隠されたうなじに暴れながら進入するユーノくん(人形)。
>そして腰に、脇に、恐ろしい勢いでフェイトちゃんの身体を蹂躙するユーノくん(人形)

この行動が気になったわけだ。なんという淫獣エロス。
もしかしたらフェイトさんはユーノとフェレットプレイを経験済みなのでh(ry
366名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 10:34:14 ID:CuSuYOXW
>『四郎…いいの?こんながさつなお姉ちゃんで…』
>『…何度も言ってるだろ?俺は虎ねぇ以外の女と付き合う気なんてないよ』
>『……四郎…四郎!!お姉ちゃんは…嬉しいよぅ』
>『虎ねぇ……』
今読み返してて気付いたけどコレ、ネタ元は某Fateの主夫とタイガー道場の師匠か
367名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 10:49:20 ID:t0FvZhwF
>>320
まじで甘い。
そして最高だ!GJ!
エリはやのこの甘をもっと見てみてえ

そしてフェイエリの続きも期待
368名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 11:27:28 ID:zlxe7UdN
ネガティブフェイト…次回は多分「ヴォルケンリッター襲撃になるんだろうと思うけど

救援に来るのが都合上クロノにならないといいなぁ・・・
369名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 13:36:17 ID:KH8EIAFb
>きゃろろろr(ry
GJ!
それにしても、シモン自重しろwwwww(ストラーダの声=シモン)
370名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 14:52:21 ID:8TziNd/D
ホントなのはの男キャラは総受けだぜー!
ふーはー
371名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 16:02:14 ID:U6Nl995+
>>371
ロッサは攻めだとおもうのは俺だけだろうか。
37238 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/07(土) 16:18:49 ID:2e/WYn55
最終話書き終わった、さあ外伝だ。

……と、思ったが、さっき第9話見直してみたら……

ラストシーン書き忘れてるじゃねえかorz
ちょっと書き足して、再投下しますね。
多分明日になるかと。
3736課の落日:2007/07/07(土) 16:48:56 ID:UgXdasSI
>>250-254
感想ありがとうございます〜

>>290
>>299
6課の落日の後日談か・・・・・
エリオを主役にするとしてヒロインはルーテシアとシャッハしか思いつかない・・・・・

とりあえず新作があがりました。
17:00ごろに投下します。
内容はエリオ×ティアのエロ無しほのぼの物です。
3746課の落日:2007/07/07(土) 17:03:41 ID:UgXdasSI
sage忘れた(滝汗)!?
ごめんなさい!!

というわけで投下します。

・エリオ×ティアナ
・ほのぼの物
・今回はエロ無し
・5話構成を予定

以上の事柄が嫌な場合はスルーしてください。
375雷光幻影 プロローグ『フラグ?』その1:2007/07/07(土) 17:06:02 ID:UgXdasSI
「ん〜。」

シャワーから出た後の火照った体に6課隊舎の涼しい空調が心地良かった。
スバルたちより一足早くシャワールームを後にしたティアナはロビーへと向かう。

「・・・・・?」

そのロビーには先客がいた。
キャロと同い年(正確には2ヶ月年上だが)赤い髪の少年、エリオがソファーで座ったまま眠っていた。

(無理もないか・・・・・)

訓練も新たに段階に入りその内容もかなり厳しいものになってきていた。
それぞれのデバイスの新モードに対応した訓練。
それを生かすための模擬戦。
ルーキーたちには過酷な、だけど的確な訓練。
16歳の自分がかなりきつく感じている。
だから10歳のこの小さな体がどれだけの負担になっているのかは想像は付いた。

「ほら、起きなさい。
こんなところで寝たら風邪引くわよ。」

ティアナはエリオをゆすって起こそうとする。
が、当のエリオはまるで反応を示さない。
完全に爆睡状態に入っていた。

(仕方ないか、みんなが来るまで一緒に・・・・・)

そう思いティアナはエリオの隣に腰掛けた。
一方のエリオはそれに気付かずに寝息を立てていてた。
376雷光幻影 プロローグ『フラグ?』その2:2007/07/07(土) 17:06:46 ID:UgXdasSI


なんとなく横からティアナはエリオの顔を覗き込む。
戦場ではストラーダを携え切り込む勇猛果敢な小さな騎士。
だが今は年相応の一人の男の子の表情だった。
ふとティアナは思う。

(どうしてこの子はこの道を選んだんだろう・・・・・)

魔導師、また騎士として管理局に入る。
それは戦場に出る可能性もあり命を落とすことを覚悟しなければならない。
ティアナもそれを少しずつではあるが理解してきている。
そして自分には目標がある。
唯一の家族だった兄の無念を晴らしたい・・・・・そのためにも執務官になる。
そして兄のようにたいせつなものを守れる人になりたい。
そのために今自分はここにいる・・・・・
なら彼は・・・・・?
フェイトへの恩返し?
それとも他に何か理由があるのだろうか。

「う・・・・・う〜ん。」
「・・・・・あ。」

エリオの声にティアナは現実に戻される。

(目が覚めたのかな?)

だが、その直後エリオはティアナのほうに倒れこんできた。

「え?」

突然の事態にティアナは反応できない。
エリオはそのまま倒れこみ頭がティアナの太ももの上に着地、いわゆる膝枕の状態になった。

「なぁ!?」

あまりの事態にティアナの顔が真っ赤に染まる。
相手がスバルだったら間違いなく蹴りをかましているところだったが、相手がエリオである以上乱暴にするわけには行かなかった。
一方エリオはというとそのまま寝息を立てて絶賛爆睡中だった。

(全く・・・・・しょうがないわね。)

はじめは少々パニックになっていたティアナだったがエリオの寝顔を見て少し落ち着きを取り戻す。

(しばらくこのままでいさせるか・・・・・)

そう思っているうちにティアナにも眠気が襲ってくる。

(そういえばエリオの寝顔って結構可愛いかも・・・・・)

そしてそのまままどろみに落ちて行った・・・・・


この時のことがティアナにとっての初恋のフラグになったりならなかったりすることは今は彼女は知る由もない・・・・・


ちなみにこの光景、監視カメラを通して部隊長にばっちり見られておりこれをネタにからかわれる事になる。


・・・・・To Be Continued
377後書き:2007/07/07(土) 17:08:29 ID:UgXdasSI
短いプロローグでした〜。
とりあえずこのプロローグを除いた5話構成を予定。
ラストあたりはエロを入れてく予定です。
378名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 17:18:17 ID:LaDnVY7/
>>377
ティアナ救済エンド北!!!
次回の投下を御待ちしております!
379名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 17:58:53 ID:7g0MGONz
>>377
なんという新ジャンル…これはwktkせざるを得ない…
380名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 18:39:17 ID:Csa9YNfy
>>377
今更ながら落日終読んだー!
スレスレでギン姉も出たしとってもGJ!でした
次はギャップ展開で楽しみなところでもあります。

にしても読み追いつかんな・・・保管庫が1スレ程度までこないかな〜?
保管庫管理している方マジ多謝ですぞーb。
381名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 20:34:02 ID:yvWB70OG
秘めた想いを抑えきれなくなって、エリオを襲ってしまうフェイトやはやてとかいいよね…
382名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 21:45:39 ID:zlxe7UdN
>>374

ヒロインがルーテシア…

研究所から脱出したものの、繰り返された実験の積み重ねによりエリオの体は

ボロボロであった。もはや日常生活すら危ういエリオは、復讐を諦めなかった。

ルーテシアはその信念に応え、自らの召喚虫をエリオに移殖する。そして

エリオはバッタの改造人間として・・・仮面ラ○ダー?



そういやこっちでようやく14話見れたんですが…序盤の訓練帰りの「ストラーダ第二形態」

についての会話を「股間のストラーダ」に脳内変換すると、ヤバイ会話に…

383363氏の元ねた某型月どーじん読経験者:2007/07/07(土) 21:53:30 ID:xdg5Nfro
>>359>>360
>>363
ドゴゥ!!(砲撃)
ヴィ×2「あまいよ〜(はぁと) うしろががらあき」
白悪「なっ!? (撃たれたのは)スバル!? 何時の間に?」
ヴィ×2「だめだよなのはママ。かんけいないひとまきこんじゃ(くすくす)」
白悪「くっ…いよいよやる気なのヴィヴィオ・・」
なんてなるのか
384名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 22:07:14 ID:jGKY1Ktn
>>382
つまり「第二形態=フルボッキ状態」で
エリオきゅんは膨張率がすんげぇって事でFA?
385名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 22:07:18 ID:ta5rNDTN
>>377
部隊長にどうからかわれるのかも面白そう
期待して次回をお待ちしています
386名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 00:25:11 ID:xSNCU1eo
>>377
密かにティア×エリオを望んでいた私には極上の美酒だ。
GJ!
387y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/08(日) 00:57:33 ID:qlGs7kzk
>>377
ティア×エリオは未開発地域ですね、先越されちゃったw
5話構成は大変そうですねぇ〜頑張って下さい


ちょっとだけ更新、淫獣の話

・エロ無し…微エロ?
・またキャロまで届きませんd…
388y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/08(日) 00:58:18 ID:qlGs7kzk
『ユーノの君の華麗な性活 』 〜淫獣と呼ばれた男〜最終章 

―八神家―


「なぁシグナムちょっといいか?…」
「ム…何だ、チャンネルなら変えんぞ、私が先だった」

八神家夕飯時にはもう少し、はやての帰宅を待つ時間帯

二人の騎士がTVを見ながら
頬杖をついて、気のなさそうに画面を見つめる赤毛の騎士―ヴィータと
腕を組んで、真剣な表情で画面に見入っているピンクの髪の将―シグナムが会話していた

「いや、いーよ、別にそれはいーんだ」
軽く目を閉じてヴィータがテーブルのせんべいに手を伸ばした
「ほぉ、いつもならアニメがどうのこうのとギャーギャー言ってたのが…いいのか?」

視線を画面から離さずにシグナムが応じる
心無しかここ一週間ほど、最近のヴィータは少し行動が変だ…妙に余裕があると言うか
今までは、例えばこの時間帯シグナムに何かと突っかかってきていたのが影をひそめていた

不気味な気もしたが、まぁいい…以前が子供過ぎただけだ、うむ
何よりチャンネル争いをしないで済むのは助かる…とそうシグナムは考えていた

そして、ただいま現在の関心事 TV番組―必殺仕事人、主演の主水こと藤田まことに注意を戻す
ううむ…やはり藤田どのの演技は渋い…ご満悦で頷く烈火の将だった

チラリとそのシグナムの表情を眺めた
「ああ、それよりさ、なぁ?シグナムってこういう男がいいのか?
  …タイプって言うか…おっさん…いや、年上趣味みたいな?ウチだとスバルのおやじみたいなタイプ…」
 尋ねながら、せんべいを齧るヴィータ
 怪訝そうな目付きでシグナムがヴィータを見つめた
「…何を言ってるのか良く解らんが?まぁ…軽薄で軟弱な昨今の若い連中よりは、その、まぁ…
 ゲンヤどののような人生の深みを感じさせるような方の方が…男として魅力があったりする事も否定はできないか?」
「フーン…」

…?
カリカリとヴィータがセンベイを齧る音がTVの音声の合間に響く
気を取り直して番組に戻ろうとしたシグナム

「…じゃあさ、ヴァイスとかはどうなんだ?何かあったりしないのか?」
ヴィータがサラッと尋ねる

「なっ…」
突然の問いに驚いてシグナムはヴィータの方に向き直った
「なぜそうなる!?」
思わず顔が赤くなる
「あ、アイツは…その…部下と言うか、ええと…あーんん!
            なんと言うか…その弟分みたいなものだ…」

ゴニョゴニョと呟くようにTV画面を見ながら応えるシグナム
ゴホン!と咳払いをしてキッと画面を見つめる
先程ほど内容に集中できないようだ、なんとなくリモコンを取ってカチカチと音声を上げようとする
ヴィータが、ありゃ?と言う感じで失敗したなーっと言う顔になった
ずずっとお茶を啜った

389y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/08(日) 00:58:59 ID:qlGs7kzk
「あ…いぁ…違ったか質問の仕方…、えっとさ…アタシが言いたかったのは…うーん?シグナムはさー
 今まで…経験が無いとか言うワケないよなその歳とナリで?その男の…というか男と女の?
…あー、何て言うかせっくすの…」
平静な調子でぶっ飛んだ質問をするヴィータ

なっなっ…再びヴィータに向き直ったシグナムが赤い顔でとっさに質問に答えられなくて
リモコンを握ったまま、肩をぷるぷる震わせた
わ、私はベルカの騎士で主に仕える…!ぃ、いやじゃなくてぇ!ヴィ、ヴィータぁ何の質問を!…
慌てふためく背後から柔らかい感じの女性の声が近づいてきた

「何何〜?何のお話してるの二人共〜?」
食事の準備を終えたシャマルがニコニコとエプロンをたたみながらいそいそと居間に入ってきた
んっ、とソファーにもたれたまま、くるりと首をまわしてヴィータ
体ごとばっと向き直るシグナム
「な、何でも無い!ヴぃ、ヴィータが突然、変な事を言い出すから…」
あたふたと応えるシグナムの声を遮るようにヴィータがシャマルに話しかけた

「あーいや、そうだ、シャマルの方がこの手の話しは良く解りそうだ、ちょうどいいや!
 …なぁ、シャマルは過去にせっくすとかすると体が楽になった経験あるか?」

ええ!?
シャマルがビックリした顔に手を当てた
薄く頬を染めた
「せっくすっ…てヴィータちゃん…?」
おま、な、なぁ…ッ!?
ヴィータの隣ではシグナムが絶句している

「いや、…アタシも…その、気になったから少し人間のその手の歴史文献とか調べてみたんだ…
 アタシはその…ホラ、この体だしその手の経験がほとんど無かったからさ、そう言うこと全然でさ…シグナムやシャマルなら
同じ覚えがあるのかな?ってさ …で、さ
 オリエンタルな方面では結構その手の話は人間にもあって…房中術って…あ、これ、はやてにはナイショだぜ?」

妙に真面目な顔で尋ねるヴィータに
流石に赤い顔でシャマルが困ったようにシグナムに視線を送ったが
烈火の将は戦場では決して見せないギョっとしたような顔で
耳まで真っ赤な頭をブンブンと左右に振りうろたえているだけだった

「…えっとぉ……ちょっと、いきなりでビックリしゃちゃったけど…
                               …ね、ヴィータちゃん?」
唇に指を当ててウーンと考えたシャマルがクスっと笑った
少し玄関の方を見る、ザフィーラは今玄関で、もうすぐ帰る、はやてを待って寝そべっているはずだ
 はやてちゃんも、もう少し帰宅には30分ぐらい時間があるかな…

さっと向き直ると嬉しそうな表情でこそこそと二人の座るソファーに回り込む
シャマルは固まっているシグナムと
むー?と見上げるヴィータの間によいしょと腰を降ろした

「…でもちょっと面白そう…私のそのぉ…経験…その…女の子の秘密を話すのはいいけど…
 …その前に、もちろんヴィータちゃんのお話は先に聞かせてもらえるんでしょ?」
 もはやワクワクした表情になってシャマルは小さな声でヴィータに話しかけた
 そう言えば最近ヴィータちゃん服装とか挙動とかおかしかったな急にオシャレしだしたみたいだったし
男の子できたのかしら…そうシャマルは考えていた

「ん…まぁ…そ、そりゃ、一応始めから言わないと…アタシも確認もできないしさ…」
 初めて自分の言う事が恥ずかしくなってきたようでヴィータが下を向いて顔を赤くした

反対側で腰を浮かせかけたシグナムが逃げ出すタイミングを逸していた
その服の裾をしっかりとシャマルの手が押さえていた

玄関でザフィーラが小さな欠伸をして、また丸くなった
390y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/08(日) 01:00:11 ID:qlGs7kzk
淫獣3章―宿舎内―



いざ往かん約束の花園へ!!

ランラランララン♪
飛ぶようにスルスルと踊るように足取りも軽く颯爽と走り抜ける小動物
言うまでも無く本編の主人公、ユーノ・スクライアであった

ピタリと止まると左右に首を振りクンクンと鼻を鳴らす
はぅぁ〜…何かこの殺風景な廊下も、愛らしい、このアイドルたる
ボクと…穢れ無い純真無垢の少女達とのこれからの愛のスキンシップの…邂逅を思うと
大きく深呼吸する
香しい匂いがしてくるような気がするから不思議だ…

…何かこう長い間、あるべき自分の人生を見失っていたような気さえする…
ああ今までの10年は灰色だったなぁ…
来る日も来る日もコツコツと無限書庫の中で調べ物していた暗い青春の日々…
思わずジーンとして目頭が熱くなってくる
小さな指をグッと握る19歳、無限書庫司書長だった

「アハハ〜それでねティア」
と、その時すぐ目の前の廊下の角から声と共に短めの青い髪のボーイッシュな少女と
ハイハイと応える、オレンジの髪の少女が声と共に姿を現してきた

(ザッツ発見!)
ビシっと心の中でターゲットを確認したユーノは、幸せ一杯の表情で駆け出していた
「キュキュキュキュキュ〜♪」

「わぁ?何この子」
「わっ…、何これ?リス?…どこから入って来たのかしら?、あっ…ちょっとスバル
  いきなり抱き上げたりして、噛んだら危ないじゃない、汚いかも…」
「だーい丈夫だよティア、ホラ、平気平気、こんなに人懐こいし
          あっ…こーら大人しくして…ウン!毛並みも綺麗だよ」

いきなり足元をくるくると回ってまとわりついてきた小動物に驚いた二人だったが
すぐに動物好きなスバルが嬉しそうに屈んで抱き上げて、その背中を撫でていた
おっかなびっくりでティアナも興味深そうにのぞきこんでいる

「キャハハ、もうっくすぐったいってば!」
(お、おおおっお〜!!素晴らしい!グレイト!!
     …この若さで何と言う、…こ、このけしからんボリューム感…ハァハァ)
訓練着の薄いシャツの上からグリグリと顔を押し付けてスバルの胸に埋まり
 日の丸マークのホッペにホクホクとご満悦のユーノであった
(い、いきなり乳首とか甘噛んじゃ流石にまずいか…?)
ドキドキしながらユーノがゴクリと唾を飲み込み、そのスバルの豊かな胸と腕の間でそう考えていると

「ちょっ…、これ少し人に馴れすぎじゃない?誰かロングアーチの人の飼ってる奴かもよ?…」
そう言いながらもティアナも恐る恐る手を出してきた
(隙ありィィ!)
すかさず首を回してスリスリとその手に頬擦りするフェレットもどき

391y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/08(日) 01:01:33 ID:qlGs7kzk
あら?と少し嬉しそうな顔をしたティアナの表情を見逃さずにキラーンと目を光らせると
スルスルとその手を伝わって
あっと言う間にティアナの肩まで駆けていた
(秘技ナウシ○走り!)

「きゃっ、ちょっと、あっアハハ!やだwやめてったら、こ、コラ!潜り込まないの!」
慌てて笑いながら長細い体を?んで止めようとするティアナ
ティアナのTシャツの首口から頭を突っ込んだ小動物がバタバタともがきながら中への侵入を試ていた
(※ナウシ○にそんなシーンはありません)

「あっだめっ!、ちょっとースバル何とかしてよー」
「アハハ、やんちゃな子だねーこの子、あ、なのはさんだ、なのはさーん!ちょっときてくださーい!」
可笑しそうに笑いながら、やれやれとティアナに近づこうとしたスバルが廊下の彼方を見て声を上げた
ティアナのシャツの中に体の半分まで突入して
ブラに鼻先を突っ込み、フンフンと鼻を鳴らしていたいたユーノの体がビクウ!と跳ねた

キュ!?キュキュキュキュ〜!!!
「あっこら!」
大慌てで首をシャツから抜くとユーノは体をブンブンと振って暴れ、ティアナの両手から脱出した
脱兎のごとく、スバルの向いた方と逆方向に駆け去った、この間2秒ほど
あっけに取られる二人


あら?
なのは、とあと二人
小さな赤みがかったブロンドに緑と紅のオッドアイの女の子―ヴィヴィオがなのはに手を引かれ
その横にやや小柄な、前髪をバッテンに止めた部隊長はやてが一緒に歩いていた

向こうもスバルとティアナに気が付いて、カツカツと歩み寄ると声をかけてきた
「お疲れさま〜、なんや二人共、まだシャワー浴びてないん?」
「う”〜」
「どうしたの、こんなとこで立ち止まって?」
「…あ、それがですね、なのはさん」
「ハイ!ちょっと変わった動物が…今、居たんですけど、…その、逃げられちゃって」
しまったぁー、と後頭部に手を当てて掻くティアナ
動物?顔を見合す、なのはとはやて
その下でウサギのぬいぐるみをしっかりと抱えたヴィヴィオがなのはの腰にしがみついている

数分後
しばしの情報交換の後、なのはが一つ首をかしげた
何かそのスバル達の言う動物の特徴に覚えがある気がしたのだ
「まさか…ねぇ?」
困ったように苦笑を浮べてはやてを見る
「うーん…そやねぇ…」
はやても両腕を組んで考えている

「知ってるんですか?」
とティアナ
知ってると言うか…
思わずまた顔を見合わせる二人

ヴィヴィオが会話に置いてけぼりにされているのに
不安そうな表情でなのはの顔を見上げた
「…あ、ごめん、ごめんね、さ、ヴィヴィオ、私達は食堂で晩御飯食べようね」
それに気が付いたなのはがヴィヴィオの頭を撫でて声をかけた
「ウン!」
パァっと表情を明るくしてヴィヴィオが返事をしてなのはに抱きついた

392y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/08(日) 01:02:16 ID:qlGs7kzk
はやてちゃん、となのはが表情を送る
ん、と頷くはやて
「…ま、アレや、多分私らの思い過ごしとは思うけど、昔似たような事があってね
 まぁその
 事件と言うほどのモンでもないんやけど、万が一それがアレやったらアレやから…」

ウーンと腕を組んで考える
「… 私はもう帰るけど、なのはちゃんとフェイト隊長は今晩こっちやから…
 またその子見つけたらどっちかに必ず知らせてや、とりあえず、そーいう事で」

と、はやて
「…何か問題でもあるんですか、その動物?」
「…ん、まぁ、万が一、それがアレやったら何かしらの問題はあるかもね」
はやてが思わず苦笑してなのはを見た
なのはも苦笑して笑い返した、ずっと昔の事を思い出していた

あの頃はまだ二人共ほんの子供だったな
(そう言えばフェイトちゃんと3人で、女湯に紛れ込んだユーノ君を攻撃魔法で追いかけ回したっけw)

何だかよく解らないなりに、クスクス笑い合う二人の上司を見て、こちらも二人顔を見合わせて
ハーイと返事をするスバルとティアナだった





とめどなく続く
393y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/08(日) 01:04:50 ID:qlGs7kzk
そんなワケでちっとも話が進みませんorz
オチが決まってるのにナゼだー?
書けなくても意地でも書きますが…うーん早く終らせたい
ではではまた
394名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 01:08:56 ID:rRLAWJL/
>393
司書長、少しは懲りてー!?

実は、うちでテンを飼っています。
噛まれたら痛いです。


……何処を噛むのやら……
3956課の落日:2007/07/08(日) 01:20:14 ID:yWn6285J
>>393
破滅のカウントダウンがスタートしましたな。
果たして彼は生き残れる・・・・・のは無理か?
396名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 01:26:54 ID:a8ezmLBR
>>393
これは…嵐の前の静けさ?
続きを全裸正座でお待ち申しておりまする。
397名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 01:39:26 ID:Wz+gLkP8
>>393
フェイトやエリオはその時何をしてるんだろうか…
398名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 01:43:24 ID:GKa30a16
>>393
なんか、なのフェイはやてにリンチを受ける可愛いそうな闇の書の闇さんの姿が
ユーノくんにオーバーラップするのは気のせいですよね・・・

GJ、つかなんとか生き残ってほしいぞ。
399名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 02:31:14 ID:87xR0com
SS投票、結果出たな。
400296投稿者:2007/07/08(日) 02:58:19 ID:wHU++YLk
>>297
>>298
案ずるな我もとらハは銘しか知らぬ(ォ
ただ、
吸血鬼と聞くとどうしても型月の白き姫君を
知らない所でユーノと親密度を増しているすずかを
連想してしまってな…。そうなってくるとどうしても白い悪魔が争奪戦に持ち込むのだ
401名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 04:08:58 ID:1I6aKKI3
>>400
一応2ヶ月に一回〜は発情期の周期だな。A´S直後とか色々考えると血が欲しくなる時期とかに置き換えても良いが。どうもフェイトとすずかは狂愛が似合う。
今でもクロなのとか結構好きだが、やっぱアリサとすずかだけはユーノが圧倒的にしっくりくるなあ。
402224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/07/08(日) 04:18:45 ID:6g2aWhue
GJ!!!!!!!!!!!!
きたぜ伊藤家末裔・勇作の出番だ!

さあいけ地獄の釜が開いたぜw!!!!!
403仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:37:19 ID:a8ezmLBR
皆グレンラガン見てる筈だ!
だ、誰もいませんよね?
今のうちに!

新番組に影響されて勢いのまま書いてみる一発ネタ。
オリ設定注意というか
オリ設定しかございません!

それでもどうか許して頂ける心の広い方は
しばらくお付き合い頂けると嬉しいです。
ジャンルはフェイエリ。

ではでは。
404仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:38:08 ID:a8ezmLBR
少年は許せない悪を知った。
涙を流すものがいることも知った。
一番大切な人が狙われていることも知った。
そして少年は―――――



「ホラ、エリオ起きて?仕事に遅れちゃうよ?」
鳥達のさえずる声が耳に心地よい朝、フェイトはベッドに眠るひとりの少年を揺すっていた。
エリオ・T・ハラオウン。若干16歳の彼女の夫である。
背は少し追い抜かれたので昔の様に親子や姉弟ではなくキチンと恋人や
夫婦として見られるようになったのが彼女にとって結構嬉しい事だった。
「……すみません…あと五分…」
そして彼女の最大の悩み事は…彼のこの寝起きの悪さだ。
呟くエリオは布団を被りなおし、また寝込んでしまう。
「あと五分じゃないのっ!昨日もそう言って少し遅れて怒られたんだよね!」
気合一発、布団を一気に引っ張った。だが彼は布団を離さない。
流石は元フォワードだ、布団を掴む握力にはなかなかのものがある。
このままではまた遅刻してしまう…
(…こうなったら…)
少し恥ずかしいがしょうがない。彼女の持てる最大にして最後の手段に出た。
そっとエリオの横顔に顔を近づけ、その頬に唇を落とす。
一秒。二秒。三秒。
「うわわわわわっ!!!フェフェ、フェ、フェイトさんっ!?」
こうかはバツグンだ!エリオは顔を一気に真っ赤に染め上げ、ベッドから転げ落ちた。
「起きた?なら着替えて朝ごはんだよ?」
そう言って小走りで二人の寝室を出るフェイトの頬も真っ赤だ。
いつまでも新婚気分が抜けない二人であった。


「エリオ君にも困ったものですね」
そう言って苦笑いするリンディ・ハラオウンはこう見えても二人の孫を持つ
れっきとしたおばあさんである。本人に言うとスゴイ笑顔で訂正を求められるが。
いつも通り緑茶に大量に砂糖を投下するという見ている方が胸焼けしそうな
食後のお茶を楽しんでいる。
「うん、前はこんな事なかったんだけどね…」
そういうフェイトの顔は晴れない。そう、五年前の彼はここまで寝起きが悪くなかったのだ。
五年前に任務中の事故で失踪し、一年間行方不明になった。
発見したクロノから聞いた話では転送魔法の暴走で管理外の次元世界に飛ばされ、
そこで一年を過したらしい。時空管理局では比較的多いケースだ。
彼が行方不明になったという現実は彼女にある気持ちを気付かせたのである。
彼への恋心だ。
その後、彼は無事発見され、現在このような関係へと落ち着いた。
転送事故から発見出来ただけでも奇跡といえるが…
何らかの後遺症が残っているかもしれないというのはフェイトの心に暗い影を落とす。
「でも、最近は新しいお仕事にも慣れて頑張ってるんでしょう?」
「どうなんだろ?また居眠りで怒られてないかなぁ…?」
「朝ご飯ってもう出来てます?」
件の人物がリビングに入ってくる。制服姿は凛々しいの一言に尽きる。
最近仕事の関係で視力が落ちてきて作った眼鏡も彼の容貌に落ち着きを添えていた。
が、現実は非常である。
「もう私達はお先に頂きました」
「あはは…すみません…」
リンディに嫌味を言われ、頬をかくしかないエリオ。
勿論ハラオウン家に彼の権力など無いに等しい。
エリオが席に着き、フェイトがスープとトーストを持ってくる。
「あの…今日は僕が運転しましょうか?」
『当然』
見事にハモったリンディとフェイトはまさに実の親子顔負けのシンクロ具合であった。
405仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:39:52 ID:a8ezmLBR
ミッドチルダ郊外の住宅地にある高級マンションを出発したハラオウン家の車は
恐ろしいスピードで高速道路を駆け抜けて時空管理局へと向かう。
法廷速度は超えているが、エリオの寝坊をフォローするためである。
「執務官がこんな事していいのかな…?」
「執務官や提督が遅刻するワケには行きませんから」
「…ホントにすいません…」
いつものやりとり。
しかし今日はバックミラーに写るフェイトの挙動が怪しい。
何故かソワソワしているのだ。
「フェイトさん、どうかしたんですか?」
「えっ?あ、その…あのね?」
(…?あ、そっか…もうそういう時期なんだ…)
言いよどむフェイトにエリオは彼女の言いたい事を察したが敢えて促す。
「何ですか?遠慮なく言って下さい」
「あの…そのね?エリオがもし嫌でなければなんだけど…
 ホラ、またAランクへの昇格試験があるから…」
「遠慮しておきます。もう四回も落ちましたしね」
いつもどおりの笑顔でフェイトの要求を突っぱねる。
ココ最近でようやく習得した高等技術だ。
フェイトの肩が小さくなる事に少々の罪悪感を覚えた。
エリオは以前の機動六課の他のフォワード陣と違い、Aランク昇格試験に四回落ちたのだ。
本人曰く『才能の限界を感じた』という事で
今では時空管理局の経理部という完全なバックスの部署に勤めている。
「でも!エリオなら今度は大丈」
「これ以上落ちてフェイトさんや義兄さんに恥をかかせるワケにはいきませんから。
 あ、ホラ着きましたよ?」


時空管理局経理部第七経理課
組織が大きくなるとそれに伴って資金の流れも大きくなる。
経理部は第三十二経理課まであり、それぞれがフル稼働して
ようやく時空管理局という組織が運営出来るのだ。
現在エリオは端末を操作してある船の先月の収支報告書の監査をしている。
(…コレは…義兄さんに知らせないと…)
閲覧した事がバレないように細工をして、端末を閉じた。
(…うっわぁ…目、疲れてるなぁ…)
眼鏡を外し、まぶたの上から目を押さえてマッサージ。ついでに目薬をさす。
そういえば出勤から二時間休憩らしい休憩を取ってなかった。そっと目を閉じる。



『もう立てないのか?このサンプルは使えんな…別のサンプ』
まだ…まだやれます……!
だから…だからあの人には――――
406仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:41:44 ID:a8ezmLBR
「貴様また居眠りか!」
振り落とされる拳骨。上がる悲鳴。第七経理課のいつもの風景だ。
「エリオ!この前いっといたあのレポートはどうした!」
「っつぅ〜〜〜…ハイ!出来てます!もう課長のデスクに送ってる筈ですが!」
「む…なら次はコレだ!今日の午後の間にしあげとけ!」

「課長、本気でエリオの事目の敵にしてるな…ありゃ流石にかわいそうだ」
「アレ?お前知らねぇの?課長がエリオ嫌ってる理由」
「ん?何か理由あるのか?アイツ確かに居眠りは多いけど
 仕事は早いしイイ奴だぞ?ちょっと酒付き合い悪いけどな」
「……お前はアイツの嫁さん知らないからそんな事言えるんだよ…
 何と!去年の『時空管理局恋人にしたい女性ランキング』第二位!
 かのフェイト・T・ハラオウン執務官であらせられるぞ?」
「…それがどうした?」
「…それがどうしただと…!てめぇ!何人の独身野郎が血の涙を流し……
 …あぁそうか、そういや去年のランキングでお前リィンさんに投票してやがったな…」
「わかってねぇなぁ…人は誰しも老いるんだ…その何とかさんもいつしかババァだ。
 だがな…彼女は永遠の美少女だぞ?エターナル・ロリータだぞ?
 あぁ!素晴らしきかな我らが女神!
 我ら『祝福の風を見守る会』の組織票で!今年もランキング一位の栄光を捧げます!」

その時、課長のデスクの通信端末が光った。それに気付いた局員が課長に声を掛ける。
「課長!通信入ってますよ?」
「電話?こんな昼休み直前に通信入れるなんてどこの常識知ら―――
 ハイィッ!大変申し訳ありませんでしたぁっ!はい!はい!
 弟さんですね?今すぐ代わります!」
通信相手の画像を見て赤から青へと歩行者信号の様に一気に顔色を変化させる課長。
その様子だけでエリオはその通信相手が誰だか解った。
「ホラ、エリオお前だお前」
そうしてエリオの端末にうつる顔はエリオの予想通り、
彼の義兄であるクロノ・ハラオウン提督である。
「職場に直接掛けてこないで下さいっていつも言ってるじゃないですか…」
「すまないな。だが急ぎの用だ。今晩は行けるか?」
「―――はい」
407仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:43:06 ID:a8ezmLBR
ミッドチルダ郊外にある管理局局員の共同墓地。
何万という墓が規則正しく並ぶそこに、その建物はある。
今では誰も信じるもののいない神を祭った古い教会だ。
もう何十年も掃除されていないのか、埃がセンチ単位で詰まっているそこに五つの人影があった。
クロノ・ハラオウン、エイミィ・ハラオウン、ユーノ・スクライア、
ヴァイス・グランセニック、そしてエリオ・T・ハラオウンである。
「これが…今回の目標だ」
そう言って三枚の写真が五人の中心に置かれた。全員の視線がそこに集中する。
「フォーデン運輸の社長とカルタス・アルトラパン執務官、そして…カムリ・アリオン提督だ。
 フォーデン運輸があるものを商品として扱っているのをこの二人が黙認していたんだ。
 勿論、それなりに見返りを受け取ってな」
クロノのぼかした言い方にヴァイスが当然の事を問う。
「あるものってのは?」
「……………獣人だ。
 管理外の次元世界の原住民を誘拐して好事家や研究所に売っていたらしい」
ヴァイスが唾を吐く。ユーノが眉をひそめる。
そしてエリオの表情が……………変わる。暗い闇とその底に熱く黒い何かを湛えたものへと。
「今回は」
そのエリオが口を開いた。
恐らく、一生フェイトには聞かされる事の無い、彼らしからぬ声。
「今回はあいつら絡みじゃないんですか?」
「あぁ。調べつくしたがあいつらとの関連性は無い」
「そうですか」
エリオの表情は変わらない。
「プランはエイミィから受け取ってくれ。では、解散だ」



ヴァイスが立ち去り、エイミィとエリオが立ち去った。
教会に残されたのはクロノとユーノの二人だけだ。
先程のエリオの表情を思い出し、思わずクロノは呟いた。
「僕は…間違っているのかもな…」
「間違ってるさ」
即座に返された辛辣な言葉。そのあまりの物言いにクロノは苦笑いしか出てこない。
「誰かを殺して得る結果なんて間違ってるに決まってる。
 それは君が否定してきた犠牲の上に成り立つ世界だよ?」
「もっと他に言い方があるだろう…流石にそこまで言われると決意が鈍る」
「なら、もっと偉くなれよクロノ・ハラオウン。
 誰かの涙を正しく止められるように。
 君が目指したのはそこなんだろう?」
そんな事を言われたら拳を握るしかない。前を見るしかない。
「そうだな…今はこれしか出来ないが…いつか…」
「君はそれでいいよ。じゃ、僕も行くね?」
ユーノも教会の扉を開け、出て行った。クロノだけがそこに取り残される。
「あぁ…いつかだが…必ず…必ずだ!」
408仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:45:50 ID:a8ezmLBR
フォーデン運輸。ここ数年で急成長した運輸会社だ。勿論その急成長には理由がある。
数々の禁制品の密輸だ。
特に三年前に始めた獣人の人身売買が大当たりした。
権力者の中には特殊な性癖を持つものも多く、
それらの趣向を満足させて色々と便宜をはかってもらえた。
更にはより人間に近いサンプルとして数々の研究所がこぞって売ってくれといってくるのだ。
こちらは単価は低いが数を必要とする。総合的な儲けではこちらの方が上だ。
故に…今、会社は順風満帆で、社長は笑いが止まらなかった。
取り巻きが扉を開く。目の前には自分専用の高級車。


「ストームレイダー、データ頼む」
『ok』
ストームレイダーのAIを移した携帯端末がデータを伝えてくる。
湿度、風速、風向、ターゲットとの距離、その他の細々としたデータだ。
それらが全てヴァイスの中で感覚として消化されていく。
旧時代の質量兵器、スナイパーライフルを構えた。
魔法とは違って質量兵器は色々な制限を受ける。
こと狙撃においては重力加速度、空気抵抗、全てが狙いを狂わせる。
スコープを覗いて撃てばそこに当たるという単純な世界ではなく、
様々な要因を組み合わせ、繊細な計算を行った上でようやく成功するのだ。
が、彼は何事にも適当な男だ。
本人に言わせればこの狙撃だって適当に狙えばあたるとの事。
そんな適当な彼だが、しかし許せないものも確かに存在した。
彼の怒りが込められるのはただの、しかし必殺の銃弾。
息を止め、筋肉のブレを無くす。
「死ね糞野郎」
その呟きが届く前に標的の頭が砕け散った。




ユーノ・スクライアは学者である。
今は無限図書館の司書長などをしているが彼の本質は研究者なのだ。
だから、どんな手段を使っても何かを求めるという意思は理解していたつもりだった。
だが違ったのだ。理解出来ないものも確かに存在した。
ある研究所で進められているという研究プランが『突然変異体』についてのものだった事、
そしてその研究サンプルのひとつに『高町なのは』が存在した事。
サンプルとして扱う?誰を?『なのは』を?あの『なのは』を?
許せるワケが無かった。許すつもりなど無かった。
その研究を叩き潰す。だが彼だけでは無理だ。
その研究所がどこにあるかも解らず、誰が関わっているかも解らない。
だから、クロノに協力し始めた。

彼の目的はひとつだけだ。
なのはを守ること。
彼女に救われた命だ。彼女の為ならいくらでも汚れられる。
泥を被ってもそれが何だって言うんだ。
彼女が笑えるならそれでいい。

409仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:47:49 ID:a8ezmLBR
結界を張る。管理局に気付かれないように彼の持てる最高の隠蔽技術を駆使した。
目標が異変に気付くが、もう遅い。
「チェーンバインド」
呟きと共に彼の足元から緑の鎖が伸び、真下にいる目標の首に絡みつく。
「カルタス・アルトパラン執務官ですね?」
問うが、答えは返ってこない。
当然だ。
彼の足は既に地についておらず、その全体重が首にかかっているのだから。
「すいませんがあと少し我慢して下さい。それで全部終わりですから」
微笑むユーノ。
それはもう長い間なのはをまっすぐ見ていない自分への嘲りの笑いだった。





それは6年前から始まった事件。
そして5年前に表面化し、4年前に表向きは解決した事件。
6年前、それはスカリエッティが関わった一連のレリック事件だ。
彼の発言でフェイトとエリオがプロジェクトFATEの成功例だと知られたのだ。
勿論、即座に情報統制をしいたが…時空管理局の上層部のものは例外だった。
そして、5年前にある事件が起こる。
転送事故を装ったエリオ誘拐事件。
そこでエリオは一年の地獄を味わう事になる。
4年前、クロノ率いる一団が研究所を襲撃しエリオを救出したが
研究者は誰一人として捕まえられなかった。
あまりに動きを察知され過ぎている。
だから少年は―――――

(フェイトちゃんと仲良くしてる?)
(仲の良さには自信があるつもりなんですけど…)
カムリ・アリオンの邸宅に潜入しながらの会話。
最初の頃は緊張で何も喋れなかったが今では念話で世間話も出来る。
随分遠くに来てしまった事にエリオが自虐の笑みを浮かべた。
(うぅ〜ん…でも最近悩んでたよ?あんまりしてくれないって)
(フェイトさん、ああ見えて激しいですから。毎日なんてもちませんよ)
(あはは。実は好きそうだよね、フェイトちゃん)
(それに、今悩んでるのは別の事だと思いますよ?
 例えば…僕が未だにBランクでオーバーSランクの自分とは釣り合わないとか)
(…………………………)
(エィミィさん?)
(今言った事、絶対にフェイトちゃんに言わないでよ?
 あの子、そんな冗談とかまず通じないから本気で泣くからね?
 ホラ、セキュリティのコントロール奪ったからいけるよ)
410仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:50:20 ID:a8ezmLBR
寝室の扉が開く。
その異常事態にカムリ・アリオンの意識は一気に覚醒した。
いくら昔の理想を忘れたからと言って経験までが彼の体から消え去るわけではない。
歴戦の魔導師である彼は枕元に置いてある待機状態のデバイスを取り、立ち上がった。
「カムリ・アリオン提督ですね?」
声がした方に目をやるとそこには闇夜の中でも赤と解る燃える様な色があった。
「君は…誰かね?こんな夜中に訪問とは随分無作法だと思うのだが」
「貴方に払う敬意を生憎持ち合わせていないもので」
「全く…最近の若者は」
待機状態を解除し
「けしから」
デバイスを向
『sonic move』
けた先には既に誰もいなかった。
背中の中央に感触。
「ん」
「動かないで。この写真を見てください。誰か解りますか?」
肩の後ろから伸びる手につままれている一枚の写真。
そこで初めてカムリは自分が背後をとられた事に気付いた。
「…………この写真は?」
背中を流れる冷や汗を感じながら写真を見ると、そこには微笑む一組の男女が写っている。
だが、彼の記憶にはその男性も女性も無かった。
「流石に動じませんか。でもこの写真の人物は…解って…欲しかった……!」
『Thunder Impluse』
心臓へと流れる電流。鼓動が止まる。
「―――――がっ…ぐっ…ぁ」
「その男性が貴方の不正を告発しようとして消された局員で、傍らの女性は恋人だそうです。
 せめて…意識を失うその時までは懺悔に費やして下さい」
もがく。苦しい。この男は何を言ってるんだ。
カムリの意識はそのまま闇へと落ちていく。

(…そういえば…あの男…ブリッジの端で…いつも…)
411仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:52:43 ID:a8ezmLBR
夜の高速道路を一台の車が走る。勿論法定速度は守っている。
運転席にエイミィ。そして助手席には眠るエリオがいた。
(この子もこの年で色々背負っちゃって…)
エリオは一年間ある研究所で研究対象として様々な実験をされた。
人工のリンカーコアの完成体であるエリオのリンカーコアを観察する為に
様々な投薬と模擬戦闘が繰り返されたのだ。
ボロボロになったエリオは一度絶望に自我を放棄しようとした。
それを察知した研究者の一人が、ある一言をエリオに告げる。

『お前が駄目なら別のサンプルを取ってくるしかないな。
 そうだな…あの金髪のお人形さんなんてどうだ?』

エリオの目に火がまた灯る。
彼は、フェイトを守る為に彼に出来るたったひとつの抵抗を開始した。
それは研究者を満足させるデータを出し続ける事。
研究者達の望む理想的なモルモットとして実験に協力し続ける事だった。
課せられたノルマは過酷で、たった一年、それだけの期間で
エリオのリンカーコアは一時期手の施し様が無いほどに磨り減った。
現在もその実験の影響は残っている。
日常の行動でもリンカーコアが磨り減り、その回復に多くの睡眠時間を必要とする。
魔法など使用したならばこの様に一時的に昏睡状態まで追い込まれてしまうのだ。
だが彼はこれを続ける。
あの研究を指示したものが管理局にいるのは間違いない。
ならば、そいつを突き止め、追い詰め、叩き潰すまで彼は続けるだけだ。
そうしなければフェイトを守れないのだから。

規則正しい寝息を立てるエリオを見て、エイミィは思う。
止めたって止まらないのだろう。この男の子は。
だからこう呟いた。
「頑張れ、男の子」



412名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 08:53:15 ID:leojFSWd
>>399
主催サイトの住民層のせいとは言え、なのフェ分の少なさに凹んだ
413仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:54:45 ID:a8ezmLBR
マンションの部屋まで辿り着いた。
もうすっかり夜は明けていて結果的に朝帰りとなってしまった。
(怒ってるんだろうなぁ…)
鍵を開けて、ドアノブを引っ張り、気付く。
(チェーンかけられてる!)
しかも…チェーンのせいで僅かにしか開かない扉の隙間から見えてはいけないものが見えた。
見覚えのある艶やかな金髪である。
(いる!)
「あの…フェイトさん…?」
「…………どこ行ってたの?」
きっと自分は死神の呼び声でもここまではビビらない、そう思える程ビビれた。
「えっと…同僚の皆に誘われて…おさ」
「エリオの同僚には全員連絡とってます」
退路も塞がれた。いや、まだひとつあった。
「じつは義兄さんに誘われて!」
「またクロノなのっ!?」
(よし!怒りの矛先が逸れた!……あとすみません義兄さん)
心の中で最大級の感謝を捧げる。
「義兄さんの誘いですから断れなくて…僕も泣く泣くついていったんですよ…
 ホラ、その証拠にお酒全然飲んでませんし!匂ってもらえれば解りますよ!」
その言葉に沈黙が続く。
エリオは胃が締め付けられるのを感じた。
いや、胃どころではない。今なら小腸くらい余裕で吐けそうだ。
突然、扉が閉められた。エリオの鼓動が止まる。
が、金属音が響いた。チェーンを外す音だ。
扉が開く。
エリオは感激のあまり泣きそうだ。というか一筋涙が流れ落ちた。
「検査します」
フェイトが両手を開いている。どうやらハグしろという意思表示だ。
当然エリオに拒否の意思は無い。フェイトを抱きしめた。
フェイトがエリオの首筋に鼻を押し当て、匂いを堪能している。
「…どうですかフェイト捜査官。お酒は感知出来ましたか?」
「まだわかりません。今日は一日中検査に費やすので有給を取りなさい」
「一日中ですかっ!?」
「何か弁明が?」
「いえ、ありません………」


ちなみにリンディ提督はこうなると解っていたので早朝に出勤したそうです。
414仕事人エリオ:2007/07/08(日) 08:57:33 ID:a8ezmLBR
ここまでお付き合い頂き
本当に有り難う御座いましたっ!

ついカッとなってやった。後悔はスイマセン。
ザフィーラが野良犬の振りして近づいて首を噛み切るってのもやりたかったなぁ…。

エリオきゅん昼行灯の理由づけが楽しかったので
最近書いてなかった燃エリオ分補給の為に書いてみましたが…。

すいませんすいません。
415名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 09:58:00 ID:fhzAL6Tm
GJ!!
これは続きを書くのですか?
書くのなら期待してます!!
416名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 10:08:25 ID:zOrLJcDN
>>412
マナー悪いね
417名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 11:08:42 ID:87xR0com
まあリロードはこまめにね。

しかしあの結果、住民層を考慮してもトップ10から特定カプものを
抜き出したら何となく傾向が見えてくるような気もする。
1位の解釈はちょっと困るがな。
418名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 11:09:13 ID:1KMK6DCg
GJ
これは…少々胸糞だな。
復讐劇に期待。
419名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 11:36:43 ID:pL/gYpde
>>414
GJ。続きをキボン

>>412
SS投下中に書くとは…。チラシの裏にでも書いとけ。
420名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 11:38:37 ID:pL/gYpde
ごめん。ageちゃった。
なのはさんのSLBの的になってくる。
421名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 11:55:50 ID:D9hb7eNw
なのはが研究サンプルってことは……もうすでに亡くなってるってこと?
もしそうなら欝で死ぬorz
422名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 12:07:47 ID:/x1jwVOh
>>419-420
イライラしてる子ってsage忘れ多いね
迷惑だから書き込まないほうがいいよ

これはわざとageね
42338 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/07/08(日) 12:09:47 ID:uPRqEm9h
第9話のラスト部分、投下しますね。

……そして、三年後。

「機動六課、出動や!」

機動六課課長、コードネーム『ロングアーチ0』はやて・Y・ロウランの声と共に、機動六課の空気が戦闘モードへと変わる。

「ライトニング小隊から出撃してください!」
『……了解! ライトニング01、フェイト・T・ハラオウン、行きます!』
『ライトニング02、シグナム……参る!』
『ライトニング03、エリオ・モンディアル!』
『ライトニング04、キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ!』
『『行きます!!』』
「よーし……次はスターズや!」

そうはやてが叫ぶと、また新たな声が響く。

『スターズ02、ヴィータだ! 行くぞ!』
『スターズ03、スバル・ナカジマ!』
『スターズ04、ティアナ・ランスター!』
『『行きます!』』

計7つの声が響いた後、また別の声が、響いた。

『ヴァイス君、そろそろ、身、固めたら?』
『……いえ、ティアナがあいつと同じ年になるまでは、と思ってるんで』

その会話に苦笑しながらも、はやてはその声の主に声をかける。

「そろそろ行ってくれんかー? 今日の主役が行かんと、始まらんでー?」
『あ、はーい! ……スターズ01、なのは・T・スクライア! 行きます!』



ヘリのハッチを蹴り、自由落下しながら、なのはは首にかかった戦友に声をかける。

「……また、お願いね? レイジングハート」
『オールライト』

すうっと息を大きく吸い込み、なのはは「大空のエースオブエース」復活の声を上げる。

「レイジングハート・エクセリオン! セーット……アーップ!!!」
424名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 12:15:40 ID:BFNjDgZp
>>418
>>421
作者です。曖昧な表現で誤解を与えてしまい、すいません。
なのははフェイトと同じく陰ながら狙われてるだけです。
クロノの一団が研究所を襲撃した時に研究計画書が見付かっただけでして。
425名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 12:22:39 ID:Ouvxoyr9
「T」をナチュラルにテスタロッサと読んでしまった件
426名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 12:32:32 ID:wfsWN2jC
>>425
なのは・テスタロッサ・スクライアってどんだけ複雑なwwwwww

>>423
なるほど…順調にグリフィスははやてゲットしましたか。
まぁロウラン家に挨拶に行ってたみたいだしなぁww
お疲れ様でした!
ただ……なのはの魔力復活イベントも見てみたいなぁなんて
427名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 12:58:35 ID:JrOeQv6R
アニメ14話、フェイトの「なのはとヴィヴィオの後見人」発言が

「貴方だけになのはを独占させない!」という風に聞こえたのは

私だけでしょうか?
428名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 13:23:07 ID:fc5/aR7R
a
429名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 13:42:32 ID:leojFSWd
>>427
私には、「これで名実共に私となのはは(ry」って聞こえた。
430名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 13:52:59 ID:D9hb7eNw
>>393
なんという傍若無人な振る舞い、まちがいなくユーノは制裁されるしかないw
431エリキャロSS 中編:2007/07/08(日) 15:51:04 ID:4w5OQRX8
>>309からの続きです。
本当は前後編で終わらせたかったのですが、何か長くなりそうだったので
短い中編を入れて区切りを良くする事にしました(´・ω・`)

一応少しエロ有り(なのフェイ)です。
432エリキャロSS 中編:2007/07/08(日) 15:52:45 ID:4w5OQRX8
  *  *  *

「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
 広い部屋を、四人分の沈黙が支配する。誰もがこの状況をどう受け止めればよいのか、考えあぐねている。
「…………あの」
 そんな中、一番に口を開いたのはエリオだった。
「……その、フェイトさん。なのはさん。すみませんでした。……決して、勝手に部屋に入って覗いていた、訳では無いのですが」
 震えそうになる声を抑えるように、静かに語るエリオ。キャロはその手をそっと握ると、なのはと向き合った。
「エ、エリオ君は悪くないんです。私の用事に付き合って貰っただけで、その…………――――あんな事してたのも、私が、」
 必死に訴えるその瞳は、いまにも泣き出しそうな程だった。
「――そうだね。部屋のロックを外したままにしてたのは私だから、見られちゃったのはしょうがない……ね? フェイトちゃん」
 なのはは二人の言葉に頷くと、自分の後ろで隠れるようしてに二人を見ているフェイトに同意を求めた。
「う、うん……」
「フェイトちゃん……いい加減に諦めたら? 今更、もう全部見られちゃってるんだし」
「……ぅ……」
 フェイトにとって、なのはとの行為を、よりにもよってエリオとキャロに見られたという事が、かなりのショックだったようだ。
 二人の顔をまともに見る事が出来ずに、俯いてしまう。
「そんな……二人には、まだこういう事は早いと思ってたのに……でも二人ともそういうのに興味が出てくる年頃なのかしら……ああでもやっぱり……」
 何やら呟きながら落ち込むフェイトを見て、なのはも思わず苦笑いする。
 対するエリオとキャロは、判決の時を待つかのような不安そうな表情で、しかし身じろぎせずに隊長の言葉を待っていた。
「……まあ、二人とも悪気があった訳じゃないだろうし、今回は偶然の事故って事にするけど。今度からは、ちゃんと分かる所で待っててくれると嬉しいかな?」
「は……はい」
「す、すみませんでした……」
 なのはの提案を、二人は粛々と受け止める。少し甘い処置かとも思ったが、二人の性格からして、この事は誰にも言わないだろうという判断からだった。
 フェイトも、不安そうな表情をしながらも、その提案を承諾した。
 これで、この『事故』は終わりだ。
 残ったのは、今夜の事は絶対に口外しないという4人の秘密。それと――

「それじゃあフェイトちゃん、『続き』――しよっか?」
「……えっ」

 悪魔のような、提案だった。
433エリキャロSS 中編:2007/07/08(日) 15:57:02 ID:4w5OQRX8
  *  *  *

「〜〜〜〜っ……! だ、めっ……止め、て、なの、は、あぁっ……!」
 拘束魔法に両手を囚われたフェイトが、涙ながらに訴える。が、なのははそんな言葉などお構い無し、とばかりにフェイトの体を弄る。
 エリオとキャロが居る目の前でのこの行為は、フェイトにとって耐えられないくらいの恥ずかしさだった。
「駄目、じゃないの。こういう時は保護者が責任を持って、体を張って正しい性知識を教えてあげなきゃ。後で困らないように、ね?」
「責任は、分かるけどっ……別に、体を張る必要はっ……んんっ!」
 抗議の声もどこ吹く風。なのはの手は止まらない。ついさっき達したばかりの身体を責められ、フェイトは敏感に反応してしまう。
「あくぅっ……!!」
 そして、なのは以外にも二人の視線を痛い程に感じる。エリオとキャロは、この異常な状況にも関わらず、止めようとはしなかった。
「やだっ、見ないでぇっ……エリオ……キャロ……!」
 ……二人は、初めて知った快楽を中断させられている。その身体の奥では、芽生えてしまった情欲の火が燻ぶっていた。
 その二人の前で乱れる声と姿を見せているという事。エリオとキャロは、フェイトの艶姿にすっかり魅入られていた。
(……すごい。フェイトさんの体が、あんなに綺麗だったなんて――)
 思い出すのは、エリオがもっと幼かった頃、フェイトと一緒にお風呂に入った記憶。その時に見た彼女の裸とさして変わっていない筈なのに、全く別のものに見える。
 その体に抱かれたら、どんなに心地良いだろう。
(でも――)
 エリオは、フェイトとそんな関係にはならないという予感があった。何故なら――
「……ねえ、エリオ君」
 不意に、隣に座っていたキャロが口を開く。……見れば、いつの間にかしっかりとエリオの腕に自分の腕を絡ませていて。
「やっぱり――フェイトさんの方が、いい?」
 その言葉に、エリオは少しだけ苦笑いをすると、キャロの頭を優しく撫でる。
「大丈夫。確かにフェイトさんはとても綺麗だけど――フェイトさんとキャロは違う」

 自分の隣には、彼女が居るから。いつだって、隣に居てくれる、彼女が――

「だから、改めて言うよ。ありがとう――――僕も、『大好き』だよ、キャロ」

 少年は、あの時少女に言われた事を思い出し、その返事をようやくする事が出来た。そして、今度は自分からキャロを抱き寄せ――口付ける。
「エリオ、く、ン――」
「キャロ……」
 二人は、自分にとって大事なものを見つける事が出来た。いつも近くに在ったから気付くのが遅れたけれど、これからは――
 
 なのはもフェイトを弄る手を止めて、二人の姿をじっと見つめている。フェイトも一緒に見るが、その瞳に元気は無い。
(……フェイトちゃん)
(なのは……)
(やっぱり、寂しい――のかな)

 フェイトにとって、二人は我が子の様な存在でもある。いずれは自分の下を離れて立派に一人立ちをするだろう。
 そう考えてはいたが、今の二人の新しい関係は、想像も出来なかった。
 その瞬間に、フェイトは二人の姿が急に遠ざかるのを感じた。
 ――子離れ、出来てないのかな。
 そう、自分で思った。
434エリキャロSS 中編:2007/07/08(日) 15:58:09 ID:4w5OQRX8
(……うん。二人の事は祝福すべきだけど――急に大人になっちゃって、私の方が置き去りにされたみたい)
 俯くフェイト。なのははその細い体を後ろから優しく抱きしめる。
(……大丈夫。大丈夫だよ、フェイトちゃん)
(なのは……?)
(あの二人なら、どんなに遠くに行ってもフェイトちゃんの事を忘れたりなんかしない。
 それに、フェイトちゃんには私が居る。私はフェイトちゃんを絶対に一人になんかしない。絶対に)
 フェイトちゃんは、私の大切な人だから。
 なのはの言葉に、胸が熱くなる。
(ありがとう……なのは。大丈夫――私は、二人が幸せになってくれるのなら寂しくなんかないわ)
(……うん)
 触れ合う肌から、互いの体温を感じる。そのまま二人は、柔らかな口付けを交わした。
「エリオ」
 フェイトがエリオを呼ぶ。キャロから唇を離し、こちらを向いたエリオの目を、フェイトはしっかりと見る。
「キャロを、大切にしてね。『騎士』なら、大事な人を何が何でも護り抜く――エリオなら、きっと出来るわ」
「――はい、フェイトさん」
 エリオの力強い瞳に、フェイトは安堵の笑みを浮かべる。そして次に、キャロを見る。
「キャロ、エリオを支えてあげてね。戦う騎士に、安息は必要だから」
「はい。私もエリオ君の事、護りたいですから」
 二人からの、これ以上無い答え。子供達の言葉に、胸が熱くなる。
「決まりだね。フェイトちゃん」
 ぱさ、とフェイトの体に何かが掛けられる。振り向くと、バスローブを羽織るなのはの姿。
「お邪魔虫さんはここで退散。後は若い二人に任せて……なーんて、ね?」
 くすりと笑うなのは。
「……うん。私達は、別の部屋で……ね」
 なのはの言わんとする事を理解したフェイトは、渡されたバスローブを羽織る。
「寮母さんには言っておくから、部屋は好きに使っていいよ。それじゃあ二人共……ごゆっくり」
 なのはとフェイトは立ち上がり、部屋を後にしようとする。
「――フェイトさん!」
 その後姿に、エリオが叫ぶ。
「あの、その、上手く言えないんですけど――――ありがとうございました!!」
「わ、私も…………ありがとうございます!!」
 キャロも叫ぶ。その言葉には、二人の想いが沢山詰まっていた。
「私も――ありがとう」
 その言葉に、笑顔で応える。フェイトはドアが閉まるまで、二人の姿を目に焼き付けていった――

 なのはとフェイトが居なくなり、その広い部屋には二人だけが残った。もう何も、二人を邪魔するものは無いのだ。
「あ……」
 と、何かを思い出したようにキャロが声を上げる。
「結局、ハンカチを渡しそびれちゃったね」
「あ。……あ、そうだったね。はは……」
 当初の本来の目的をすっかり忘れてしまっていた二人は、苦笑いする。

 だが、今はもういい。二人きりになったのだ。止まる事は無い。

「――キャロ」
 笑いを止めて、少女の名を呼ぶ。
「エリオ君」
 少女も、少年の名を呼び返す。
 エリオの手が伸ばされ、キャロの体を抱き寄せる。
「キャロ……」
「エリオく、ん……」
 優しい口付けを交わす。夜はまだ長い。二人きりの時間は、これから始まるのだ――
435エリキャロSS 中編:2007/07/08(日) 16:02:12 ID:4w5OQRX8

  続く


gdgdな展開でサーセン
後編は現在製作中なので今度こそ時間が掛かる予定……
ずっとエロのターン! な内容のはずでストラーダのカートリッジは充分用意しておいて下さい(´・ω・`)
436名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 16:13:20 ID:K9v/OLuc
エリキャロ!エリキャロ!
GJ!
カートリッジ用意しつつ全裸で待機
やっぱりこの二人のカプは最高です
437224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/07/08(日) 17:03:33 ID:UJo+dlkx
うおォン!
俺はまるで人間エリキャロ発電機だ(謎


まじでエロくてラヴくて感謝!
なのはさん、管理局の魔魔全開で、エリオとキャロの未熟で青い果実を(ry

後編楽しみにしてます。
438 ◆Ev9yni6HFA :2007/07/08(日) 23:28:41 ID:GpLZxNqq
二世代オタクさんに触発されて中将SSを投下してみる
エロなし、女なし、山なし、落ちなし、意味なし
殆どモノローグの中将祭り
439 ◆Ev9yni6HFA :2007/07/08(日) 23:31:48 ID:GpLZxNqq
時空管理局地上本部。その中の一室に彼はいた。
年齢ゆえか腹が自己主張を始めているが、がっしりとした体格と立派な口髭、猛禽類のような目は歴戦の戦士を彷彿とさせる。
レジアス・ゲイズ。それが彼の名であり、実質的な地上部隊最高責任者の名である。
「ふむ」
頬杖を突きながらレジアスは副官から渡された資料に目を通す。
それは前回までの予算会議で話し合われていた予算案である。
「……」
彼の目が細まる。
『海』や『空』、そして彼が属する『陸』。
資料の上では『陸』に最大の予算が割り当てられている。
だが、それは単に『陸』の人員が多いだけで個別に見れば『海』や『空』が優遇されているのは明らかである。
次元を行き交い事件を解決する『海』や空を駆け犯罪者を検挙する『空』に比べて『陸』が地味で華やかさに欠ける面があるのは事実かもしれない。
しかし土にまみれ、血を流して地上の平和を守ってきたのは自分達なのだ。
自分達の仕事が評価されていない気がして、レジアスは苛々を募らせる。

尤も、正確に言えば、優遇されているのは空戦が可能な魔導師である。
建前上、陸士と空士は相互に協力しあい上下関係はない、とされている。
しかし、それが建前である事は管理局員全体の暗黙の了解である。
飛行技術が先天的な資質に依存する以上、陸=落ちこぼれ、空=エリートの構図になるのは避けられないのだ。
空士の中には非戦時下でありながら十年で佐官に昇進する者もいる。
一応、訓練次第では飛行技術の習得も不可能ではない。
だが、全員に訓練を施すのは時間的にも予算的にも現実的ではない。
一部に限定するにしても、その選定基準が問題になるだろう。
結果、空士と陸士の格差は広がったままである。

彼も才能に恵まれず、弛まない努力の末に現在の地位にいる。
その道のりは平たんではなかった。
寝る間も惜しんで勉学に励み、たまの休みには他の世界に赴き見聞を広める。管理局安定のために政治家や企業家とも親しくもした。
出世を嫉まれ嫌がらせや空士からの蔑みを受けた事もある。
それだけの労力を支払って現在の地位にいる。
だが、自分と同期の高ランク魔導師。
その男は(こういう言い方は好かないが)自分より切磋琢磨に励んではいなかった。
にもかかわらず、執務官、提督を歴任し現在の地位も上級大将である。

彼自身も能力至上主義が完全な間違いだと思っている訳ではない。
有能な者が評価されるのは当然だし、それが各々のモチベーションに繋がる。

だが、管理局の現状を座視する事は出来ない。

先天的な才能だけで何年にも渡って積み重ねられた努力が捩じ伏せられ、才能で全てが決まってしまう、選民思想を体現しているともいえる歪な組織体系。
一人のレアスキル持ちや高ランク魔導師に途方もない権力と同時に重責を押し付ける本局上層部。
配属された時点で出世コースから外れている部下達。

管理局改革。

それが中将として、地上部隊のトップとしての自分が部下達に出来る最良の事だと彼は信じている。
そんな彼の目下の目標は兵器運用の強化である。
誰が使用しても同じ威力を発揮する兵器は彼にとって理想的ともいえる。
運用法の確立や管理体制、発注先等の問題は山積みだが、自分の要請が通れば非魔導師も前線に立つ事が可能になり格差、人員不足の解消も望めるだろう。

「中将、間もなく予算会議の時間です」
「分かった」
レジアス・ゲイズ。
彼の戦いは始まったばかりである。
440名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 23:39:44 ID:tqyppvcq
一番槍GJ!
中将ガンガレ!
441名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 23:41:20 ID:D9hb7eNw
中将はやっぱり味がでるな、他と毛色が違いすぎるw
442名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 00:28:35 ID:yd/8DvmZ
>>439
この中将さんの独特の風味はなかなか面白いけど、
>誰が使用しても同じ威力を発揮する兵器
ってのはつまり、14話の歴史のお勉強で言うところの、ミッドの前世紀の観念なんだろうなぁ。

さてさて、このおっさんは今後どういう扱いをされるのやら。
443名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 00:46:16 ID:/xx8JoyS
質量兵器復活を目指すならなんで対AMF予算を棄却するのかという謎が解明されると信じたい。

あと、十年で佐官は平時でも皆無じゃない、というか上級指揮官養成課程(昔の陸大とか今の統幕学校とか)
に合格すれば大体は十年くらいで少佐や三佐になれる。まぁ管理局に統幕学校があるかどうかはさておき、
「指揮官コース」「指揮官研修」という言葉は出てくるからあの世界も似たようなものだとは思うんだが。
444名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 00:55:14 ID:+hRScKa7
オサーンカッコヨス(´・ω・`)
445名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 06:12:37 ID:AG75dE2S
能力無し代表でゲンヤパパなんかが中将に思想的に対抗してくれんかな
天才的な女性を奥さんにした普通の人ってそういやなのは世界に少ないね
446224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/07/09(月) 09:21:01 ID:fAhsdW51
中将キタコレ!
マジでアニメの展開気になるw

ところで、管理外世界、それも紛争地帯に派遣された時空管理局員の苦悩とかってどなたかSS書かれましたか?
『時空管理局の改革』で思考すると、どうしてもその辺がネックになると思うのです。
で、以下思考研究としてパラパラと書いてみた。
447224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/07/09(月) 09:30:25 ID:fAhsdW51
 機動六課司令室モニターに、長刀を抱えて椅子に座った男の姿が映し出される。
 司令室にいる全員の眼が釘付けになる。
 このクーデター騒ぎの首謀者だ。

「なますて〜。六課のお嬢ちゃん&お坊ちゃん達元気かな?んー顔色良くないねー。俺の陽動とに引っ掛かってよく眠れなかったかな?八神の嬢ちゃん、気をつけたほうが良いよ〜。“そうなるように心理的ショックを与える人種が世の中にはいるからな”」

 丸縁サングラスをつけた髭面の男が、ニヤニヤしながら言い放つ。

「さて、今諸君らが疑問に思っている事にお答えしましょう。管理局でそれなりの地位についてる私が、何故このようなことを起こしたのか……」

 男が語る途中で、六課の長、八神はやてが怒りを込めて言う。

「こんな……こんなことをして、無事に済むと思ってはるんですか?内乱罪は原則永久冬眠、良くて終身刑」
「死人になに言っても無駄だよ。この前訓練に付き合ったとき言ったじゃん。「死人に語る口なし、聞く耳なし」って。俺たちには恥も名誉も関係ない。なんてたって“もう死んでるんだからな”。
 でも俺は語るよ。いまこうして語らなければ、お嬢ちゃんたちは、絶対に“本気”にならないからね〜。
 さて話をもどすが、管理局に働いてる中で、とくに管理外世界「地球」出身の“エース・オブ・エース”高町の嬢ちゃんに聞きたいんだが……ミッドチルダに住んでいてどうよ?」

 突然話を振られた高町なのはが困惑する。
 司令室にはスターズ分隊、ライトニング分隊の元新人達、全員集まっている。
 全員がなのはに視線を寄せる。

「どうと言われましても、仰ることの意味がわかりません!」
「快適だろってことさ。完璧に制御された快適な気候。ほぼ満たされた快適な衣食住。
 ……管理外世界ではそうそうありつけないね。特に日本とか先進国以外ではなおさら。
 なにが言いたいかっていうと、管理世界と管理外世界の関係は『地球』における先進国と発展途上国のソレに非情に酷似しているっていうことだ」

 ハッと息を飲む、八神はやて、フェイト・T・ハラオウン、高町なのは。

「貧困、飢餓、そして民族主義やらなにやら巡っての果てしない武力紛争……俺たち『機動一課』が投入されるのは、そういう危険地帯だ。
 国交を結んでないから孤立無援での作戦。周り全てが潜在的敵という戦場の中での、ロストロギア回収ミッション。
 独裁国家軍事中枢部への強行突入なんざザラ。
 そして眼に焼き付けるのは過酷、苛烈、熾烈、無惨、凄惨、悲惨……その言葉が全て空しくなるほどの人間の狂気の沙汰。
 機動一課にどうして女性職員が一人も居ないと考えた事はないかい?
 答えは単純。耐え切れないのさ。
 戦場に留まって、そこに居る人たちを助けようとしてMIA(戦闘中行方不明)になるのは両手両足の指じゃ数え切れん。
 まともで心優しい人間が、管理世界では存在しない、いや存在しない事になっている戦場を味わって、一度沸いた疑問の行きつく先は……」

 モニターの先の壮年の男は狙ったように言葉を止め、頬を引きつらせ歯をむき出しにして、とても楽しそうに言った。

「私たちはこの世界を見捨てたのではないか?ってね♪
 これは管理外世界を認識してる“海”じゃあ暗黙の了解になってる。
 “海”の入隊適正試験と定期検査で心理テストが絶対必須なのはこういう事情があるのさ。
 医学的に心理面でその事実に耐えるのは並大抵じゃない。
 当然さ。管理外世界は大抵魔法使いが居ない。ということは、質量兵器が盛んな世界。
 これじゃあ文化面で質量兵器規制をしてる管理世界とは絶対に馴染めない。
 魔力ランクにもよるが、ある程度の障壁を貼れるなら、大抵の質量兵器は無効化できる。
 質量兵器しか戦う術を持たない世界の住人にとって、それはどう写る?
 憧れか?羨望のまなざしか?
 違うね。恐怖だよ。そして生まれるのは憎悪と敵愾心。
 歴史的事実、管理世界の人間と管理外世界の人間の接触は不幸な結果がほとんどだ。
 高町の嬢ちゃんのケースは偶然を通り過ぎた奇跡だぜ。
 ついでに言うと、時空管理局の存在がバレたせいで、惑星規模で戦争が起きた管理外世界もあるんだぜ
 もっとも、それはスキャンダルに発展しかねないから、どの文献からも抹消されてるがね。
 便利なもんだなぁ。世界が隔絶してるっていうのは。
 世界を行き来できるのは俺たち管理世界だから、無視を決め込めばそれは、存在しないことになるからね〜」
448224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/07/09(月) 09:48:23 ID:fAhsdW51

 押し黙る機動六課の姿を見て、男はますます愉しそうにしゃべる。

 かつて六課に「遊びに来た」陽気さそのままだが、その笑顔には無邪気な邪悪さを孕んでいた。
 ソレを見たキャロ・ル・ルシエに突然嘔吐感が襲い、口に手を当ててしゃがみこむ。
 隣に居たエリオ・モンディアルとシャマルが、キャロの傍らで心配そうに声をかける。
 涙を流してえづきながらキャロが大丈夫ですと言う。

「んん〜〜♪
 お子様の情操教育には少しばかり強烈過ぎたかな?
 ああ、テスタロッサ・ハラオウンの嬢ちゃん、そんなに睨むなよ。
 保護者なら、“こういう事態”を想定して、絶対に実戦部隊につかせるべきじゃなかったよな?俺の言う事、間違ってる?
 良いねえ〜。みんなのその眼差し。怒りがこもっている。
 でもまだダメだね。殺意が無い。憎しみが無い。それじゃあ必要な時に殺せない。
 そう、任務のためなら重傷を負った戦友を殺すぐらいにならないと、とてもとても……。
 そんなかじゃ一番マトモなのはザフィーラ、君ぐらいだな。
 一番期待してたんだぜ。ザフィーラ、お前が主から独立して俺たちを導いてくれるのを!
 ザフィーラ、お前があの時、機動一課の長になってくれれば、あるいは……。
 あとは管理局全体で見ると……ゲイズ中将ぐらいかな?
 彼の改善路線も悪くは無かったんだけどな〜。
 ま〜ゲイズ中将には、ホントにホンント悪いんだけどこの騒ぎを起こすのに利用させてもらった。
 ゴホンッなんか脱線してしまった。
 話を元に戻す。……なんだたっけ?そうだ、死人の話だったな。
 そういう不介入を原則に、戦場にばっかり駆りだされると、だ。どうなると思う?
 “死ぬ”のさ。目の前でどんなに凄まじい悲劇が進行形で起きていても、作戦を遂行し、なおかつ生き残るために冷徹にならなければならない。
 自分を殺すのさ。でなければ殺される……。彼らを見捨てて目的を達成しなければ、ロストロギアでもっとひどい事が起きるからな。
 戦闘の究極は殺人。戦いの行き着く先は命の奪い合い。って俺このあいだ教えなかったっけ?
 そして管理局発足から五十数年。俺たち愉快で楽しい機動一課は、その実死人の集会場みたいなもんになっちまった。
 それについてはどうこう言わない。重要なのは、俺たち以外の部隊が戦場のなんたるかを理解していない事だ。
 これじゃあイロイロとマズイんでな。もしも、俺たちみたいな敵が現れたら管理局はどうするのか心配になったから、予行演習をかねて蜂起したわけだわ」

 あっさりと言い切った。
 まるで突然新しい遊びを思いついた子供のように。
 モニターを見つめる六課の面々は怒りに震えていた。

 それだけに、そのためだけに、こんな事を起こしたのか!

「ふ……フザケンナ!テメーらが起こした騒ぎで本局施設はメチャクチャ!テメーらがばら撒いたウィルスのせいで船もほとんど航行不可能!他の部隊も」
「死人出してないからいーじゃん」

 ブチ切れたヴィータを、たった一言でアッサリと止めた。
 まるで鼻をほじるよーに言った一言にとんでもないドスがかかっている。
 モニターから溢れる凄まじい圧迫感。
 これが最も古く創設され、最も多くのロストロギア事件を解決した機動一課を務める長の本性なのか。

「しっかし、カリムの嬢ちゃんの予言があまりにもそのまんまだったんで笑いを堪えるのに苦労したわ。
 ま、予定通り管理局システムは殆ど潰し終えた。
 新しい管理局を創るにせよなんにせよ、俺たちを殺さなければ“何もできないように”しておいた。
 間違っても非殺傷設定なんかするんじゃないぜ。
 48時間以内に俺たち機動一課隊員全ての脳波・心拍を停止させないと、地上本局が火災で済まなくなるようにしておいたからな。
 ……殺す殺される。このもっとも基本的なことを俺たちの命を使って教育してあげよう。得がたい経験だ。
 罪悪感に悩む必要は無いぜ。なんてたって俺たちは殺されてもいいようなスッゲー悪者で、しかももう死んでるからな。
 諸君には選択の機会を与えよう。トラウマを作りたくなかったら別に来なくてもいいぜ?
 あと、追伸。
 スカの坊やも良く働いてくれたよ。感謝の念を込めて、あの子にはなるべく苦しませておいたからね♪
 チャオ」

 それだけ言って映像は一方的に
449224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/07/09(月) 09:54:43 ID:fAhsdW51
 映像は一方的に切れた。
 
 で、終了。
 スレ汚し、お眼汚しスマソ。
 こういう話キライだったらみなかったことにして、脳内削除してください。
  

 当然機動一課なんてアリジナル設定で、しゃべりまくった一課長もオリキャラだけどな。
 一部を除いて、どいつもこいつも表層人格は社交的で素晴らしい局員だというせっていだけどな。

 ホント、StSは手の加えがいがあって楽しめるぜフーハハハ。 
450名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 10:09:08 ID:Y8fIHCrW
…毒電波受信中…

「はやてに恋する余りつい嫌がらせしちゃうツンデレ中年・レジアス・ゲイズ中将」
451コピペなのは変換:2007/07/09(月) 10:17:46 ID:qx16BLLh
フェイトちゃんから、ドライブに行かないとお誘いが掛かってきたので
しばらくドライブにも行っていないので行くことにして、
朝フェイトちゃんの車の前に着き携帯で着いたことを知らせると、
フェイトちゃんが小走りに車に近づいてきていつものカワイイ笑顔で

「おはよう」
「おはよう。待った」
「少し用意するのに時間がかかったから」
「お化粧に時間掛かったの」

少し声がうわずった感じで
「違うの、後で教えてあげる」
「また、1人でやっていたのと違うの」
「違うけど似たようなこと」

私は、それを聞いてからこの子ホント好き者なのねと思いながら目的地は海が
とても素敵な灯台がある場所私も何回か行ったところでイヤ
なことがあったり、モヤモヤしたことがあればそこにいて海を眺めているだけ
でイヤなことが忘れられる所なので楽しみです。

それにしても、フェイトちゃんは何を用意していたのだろうと考えていたらフェイトちゃんが私の腕
に手を回してきて調度カップルがよく手を回すような感じで回してきたので、
「どうしたの、淋しかったの」
「ううん、違うのなのはにこうやってみたかったの」
「ねぇ、何の準備をしていたの」
「まだダメ」
「意地悪するのね」
フェイトちゃんは黙って私の方に寄りかかってきてなんだか楽しんでいるような感じでし
た。運転している途中時々フェイトちゃんを見ていると腰を時々動かしているのがわかり
ました。もう、エッチモードに入っているのかしらと思ったのですが、マン
ションに行って思いっきりかわいがってあげればいいかなと思っていると、目
的の灯台があるところに着いたので、灯台の横にある駐車場に車を入れて私は
車から降りると缶コーヒを買いに自動販売機に行き缶コーヒを2つ買ってくる
間に帰ってくるとフェイトちゃんも車から降りて遠くを走る船を見てとても横顔が絵にな
ると思いながら車に近づいて、フェイトちゃんにコーヒを渡すと

「ありがとうございます」
「何を見ていたの、船?」
「そうね、船、どこに行くのかしらと思って見ていたの」
そして、車の中に乗り込んで缶コーヒをあけて一口飲んで
「そろそろ、教えてくれない」
「う〜ん、これ」

恥ずかしそうに黒い小さい箱を私に渡したのですが、よく見ているとボタンが
付いていて何かのリモコンのような感じがして
「これ、何かのリモコン?」

少し恥ずかしそうに小さい声で
「ローターの」
「ローター???」
452名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 10:18:17 ID:qx16BLLh
少し考えて、まさか
「えええっ」
「これで、なのはにスイッチを入れて欲しいの、なのはにコントロールさ
れているかと思うと・・・、何時いれらるかと思うたまらないのもう・・・」
と腰を少しくねらしていたのを見て

「まさか、もう入れているの」
「うん、入れているの、なのはスイッチ・・・」
「これね」
と言ってスイッチを押すと、フェイトちゃんは腰をくねらして私にしがみついてきて
「うふっ、もうイクゥ」
と言って私の腕に思いっきり掴んで来たので
「切っていい」
「もう、少しなのお願いまだ切らないで」

でも、私はスイッチを押してスイッチを切ってしまい、フェイトちゃんはもう大変私の腕
を掴んだまま、調度子供がだだをこねるような感じで
「お願い早く入れて、早く」
と言って叫んできたので、私はスイッチを入れてあげてフェイトちゃんのスカートの中に
手を入れてフェイトちゃんのクリトリスを愛撫してあげようかと思ったら下はパンストだ
けで、あそこはナプキンをしてあって準備万端してありました。

フェイトちゃんは、私の行為を察知したのか少し腰を浮かしてパンストを脱ぎやすくして
くれたのですが、車の助手席からやるのでやりずらかったのですが、何とか触
れるくらいまでずらすと、ナプキンは凄く重くなっていたので凄い量を吸って
いたのでしょうね、フェイトちゃんのクリトリスも大きくなっていてこんなに堅くなるん
だと思うくらいになっていて、指で挟んで揺すってあげるとフェイトちゃんはもう半狂乱
になって

「もうイクゥ、もうイクゥ」と言って
私にしがみついて、凄い力でしがみついてきたので、私は跡が残らないかと心
配になるくらいの力でした。そして、フェイトちゃんは最後を迎えてたのか急に力が抜け
て運転席に横たわり、荒い息をしていて満足な顔していました。私はスイッチ

を切ってフェイトちゃんの唇に優しくキスをしてあげ手は自然とフェイトちゃんの割れ目の方に行っ
てなでてみるとぬるぬるしていて少し下のアヌスまで手を持っていくとそこま
で濡れていて少しアヌスの周りを優しくなでていると

「今度ここも可愛がって」
私は少しためらいとビックリしたのが交差した顔していたのかフェイトちゃんが少し笑い
ながら私を見て
453名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 10:18:49 ID:qx16BLLh
「そんなにビックリしないで、ここって案外感じるの」
「ここが感じるのは知っているよ、それにここは知っているの」
「え〜、誰に教えてもらったの。アリサ?それとも他の人」

私は、小さい声で、「アリサに」
「アリサが昔、私があれの日に出来ないときに、してあげたの」
フェイトちゃんはやっと身支度を始めて、あそこからローターを引き抜いてティッシュで
それを綺麗に拭いてフェイトちゃんのバックの中にしまい、私はリモコンを渡そうとする
とフェイトちゃんは目で持っていてとした目をしていたので私は自分のバックの中にしま
い。

「最初から、アリサのバイブを受け入れたんですか」
「そうね、最初は69でアリサに舐められたときなの、最初は汚いから止めて
と言ったけど、アリサは惚れた女モノだから汚いと思ったこともないしなのはの
すべては私のモノにしたいって言われて、嬉しくなって・・・」

「ごさそうさま、いいな私もそんな人これから現れないかしら」
「大丈夫よ、私がいるよ」

「私は、結婚するときフェイトちゃんに一緒に死んでくれるときいた事があるの。
私はフェイトちゃんと死んでいいと思っていたから、そしたらフェイトちゃんもなのは
となら良いと言ってくれたから、一緒になったの」

「今度は、お尻を攻めてあげるから」
フェイトちゃんは私に抱きついてきて耳元で
「やさしく、してね」と言ってフェイトちゃんがキスをしてきて私もこれに応えて激しく
ディップキスをしてあげました。
多分、この子のすべてを知ってしまうようです。

多分、近い内にお尻を攻めてしまうことになる様です。
454名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 11:00:21 ID:zZz9Sx6N
あまりの酷さにワロタ
小学生はエロパロ書くなよ…
455名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 11:16:03 ID:65Xkh8vv
これはSS?それとも長い妄想?SSなら、投下終了したなり始めますなりいったほうがwikiにまとまるときにわかりやすいかと。
456名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 11:30:48 ID:Mr+dYSQB
>>449
総統代行乙


フェイト「狂ってるよ、貴方達は」
なのは「OKOK、いいよいつ何時でも皆殺してあげる事にするよ」
はやて「なのはちゃん、ティアナ、撃て」

カリム「八神はやて部隊長、ならびに機動六課の皆さん・・・全員をここに連れてきなさい」
457名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 12:05:56 ID:Mr+dYSQB
しかし、実際一課〜五課って何やってんだろうか?

六課がレリック問題特捜とすると残りの五種類の課がミッドからの異世界干渉を何から何までやってんだろうか?
それともミッドに置いての六課だから本局行くと三十六課とかあるんだろうか

それと、次元世界 って言い方すると多次元に渡って世界をカバーしてるみたいなイメージあるけど
四次元とかあるんだろうか、あるとしたらそこに突入できるような人員がいるんだろうか?
異次元星人ヤプー・・・いや、やめよ

ついでに次元航行中の空間に他世界から魔法以外の技術で、艦船や航空機が入ってくるんだろうか?
ヤ○トとか真・ドラ○ンとかグラ○ゾンとか縮地中の瀬田宗○郎とか宇宙○命ボートとかタイム○シンとか
他にもミッドチルダは環境とか地球とかなり似てる様だけど、宇宙や他の星があるって事ならその世界の異星人とはコンタクト取ったりしてるのかねぇww
本局クーデターよりマーズ・ア○ックの方が先でしたなんて洒落にならんわww
ゲイズ、ケツに旗立てられるぞwww
458名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 13:17:38 ID:/FF29tzO
>>457
コミックやSSから推測すると、六課設立は表向きはレリック捜査、
実際は首都(管理局)防衛するためと言ってたから、本部は
ミッドチルダにあるとしても、外の世界を飛び回る任務の
方が多いんじゃないか?

あと、SS01ではアリサやすずかが現地協力員として敷地を
提供してたから、一定レベル以上の文明がある場合は、
原住民や原住組織とコンタクトを取ることもあるんじゃないかと。
459名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 13:28:52 ID:KRrCQPo2
>>458
管理外世界の住人と接触するのって、どの程度の権限でできるのか気になるな。
無印だとアースラがなのは達と接触したけど、あれは原住民としてというよりは魔導師としてのなのはに接触した風だし。
リンディ達が海鳴に住んだのも任務の必要性からで。まあ、その後も住んでるみたいだからアレだけど。

すずか達とのあれは、個人的なコネ、のような気が。許可は取ったんだろうけども。
460名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 13:58:30 ID:RZT2mluK
>459
なんか、公安9課のプライベートなセーフハウスとか、
鬼平配下の密偵達とか、
ヒルシャーの『オトモダチ』のマリオとか、
そういう人達を思い出した。



中将が昔派遣された管理外世界で出会った女ガンマン。
互いの目的の一致によるビジネスライクな共闘が、何時しか……

そして、今はもう会う事も無いが、彼の机の引き出しには彼女の銃が隠され……
461名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 15:23:27 ID:8khzREZ5
アリサ父も台詞こそないがA's終了後の大お花見会に「最初から」参加してるからなぁ。
存外、アリサ父(ひょっとしてすずか父も)はあの時点で既に管理局について知らされていた可能性も。
462名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 15:51:16 ID:+Uhpgdk5
ここが何のスレかわかってる?
まさか自分達が結果の出る有益な話をしてるとでも思ってるのか?
スレ的に無駄以外の何物でもないことになぜ気付かない?

考察してーなら他いけや!
463名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 19:02:33 ID:277U/bQm
全部メインディッシュだとお腹がもたれるのだよ少年。
注文した料理を待つ時に短期になっちゃだめさ。
464名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 19:11:04 ID:39pcvweK
>>320
はやて編甘い、甘すぎる(褒め言葉)
結局はやてさん、いちゃつくんですか!! 個人的に素敵過ぎます!
フェイト編の続きも楽しみにしております

>>435
GJ!!
エリキャロのラブ度が最高潮!
後編に期待してます
465名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 20:16:24 ID:yyYtRWSn

_________
||  _ノ   /ヽ/l,,/l,,、 ヽ\___________┏┯━━━┯┯┓
|| _)   /,;;,/ レ"////,;||     |  P  T  T  |   ┃ミゞ`ヾ  ゞ i l,|'┃
|| )  /   \__,    |l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ┠ヾ゙'‐-ニン_、-=''´┨
|| __/ニ   ─‐     .|l    〓〓〓〓〓〓〓   ┃ト-、、,__,_゙/_,、-‐l┃
||├'      ─-    ||__ 〓〓〓〓     _ ┠ト|,,`゚'//i`''‐,|'_┃
|| l_____  ll|||ll    | |l ▲ l 〓〓       l ▼ l ┃゙l`!` ヽレ、_ ゙!`┨
|| `'`´l`´`´| l|||l   |リ || ̄ ̄ 〓     141.85  ̄ ┃ '!li、'',ニニ、y′ ┃
||  ∠二二|  ,、 /レ′ ||  ________   ┃\ ゙'ミ'‐-‐'ソli/┃
||  ┌┴─┘`' ∨   .||__________ ┃  \ ヾ,,''´   ┨
||   ̄ ̄l         .||    | MEMORY │   ┃ \   l /  /┃
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄┗━━┷━━━┛

スネーク「ヴォルケンリッターが一人、ザフィーラか。
         性欲をもてあます」

    ザフィーラ「!!」
466名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 20:27:34 ID:bIegUnlQ
>>465
オタコン「スネーク・・・ 犬を犯さないんで欲しいんだ。」
467名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 21:08:51 ID:E1TRR73k
>>457
3次元+時間1次元の住人(うちら)は、4以上の次元+時間による次元を認識することは不可能。
理論上存在している可能性について論じ、理解することは可能。
468名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 21:32:30 ID:hn4OFlvr
>457
ロストロギア担当部門の一課から六課なのを忘れてはいけない。
だから「何から何まで」の範囲は自ずとロストロギア関連に限定される。
469名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 22:39:36 ID:InxULKCm
何時から此所は考察スレになったの?
SSが来ないなら黙って待つのも必要だと思うよ?
47018スレ308:2007/07/09(月) 22:41:02 ID:lqxXUL7m
1週間ぶりに投下します。
いわゆるオリキャラ入れたA's後のエロ無しの続編ですが、
色々つっこみ貰えると嬉しいです。
471魔法少女リリカルなのはWing's 2章 後編:2007/07/09(月) 22:42:25 ID:lqxXUL7m
「なるほど、それで今回も逃げられた訳か」
 アースラの電算席で、先ほどの闘いの様子が映し出されたモニターを見ながらクロノが頷く。
「ごめんなさい。私が油断してなのはを……」
「違うよ、わたしがフェイトちゃんを守ってあげられなかったから……」
「もう良い。2人とも自分の責任にする必要はない」
 互いに責任の取り合いをしていたなのはとフェイトを制する。
「それに、今回の映像を見て1つはっきりとした事がある」
 映像リピートさせつつ2人を見るクロノ。
「ジャミング付きの遠距離狙撃、幻術、誘導弾、更に広範囲魔法。これほどの魔法を同時にかつ短時間で行使するのは、並大抵の魔導師じゃ演算力の限界でデバイスがオーバーヒートするか術士が持たない」
「それを使ってきたって事は……」
 解説中に何かを閃いたフェイトが口を挟む。
「ああ、君達でも数時間は魔法を使えなくなるレベルの行使だ。たとえ並列演算でそれが可能だとしてもタダじゃ済まないし、それだけ本気って事はこの戦術に対処出来れば打開策が見えてくる」
「あの子の魔法自体は威力も低くて何とか出来そうだと思うんだけど、戦いにくい魔法を使ってくるんだよね」
 なのはも悔しそうにモニターを見つめていた。
「だから言っただろう。君達とは別のタイプの魔導師で非常にやりにくい相手だって」
「そうだね。だから私達もあの子を捕まえる為の連携訓練を考えてるんだけど……」
「うん。フェイトちゃんと連携の練習をして、今度こそあの子を止めて話し合いたいな……わたし達の事恨んでたみたいだし、何とか解って貰えないかな」
 戦った相手の言葉を思い出し、なのはの表情が曇る。
 あなた達のせいで苦しんでる人がいる、と。
 人から憎まれるという事に慣れていないのだろうか、そのことを思い出すたびいつもの明るい表情が薄れていく。
「大丈夫だよなのは。はやてや私も、なのはが頑張ってくれたから今こうして元気にやっていけるんだから」
 うつむいていたなのはの両手を握り、互いの胸元まで持ち上げ励ますフェイト。
「フェイトちゃん……」
「だから自信を持って……はのはならやれる。私も手伝うから」
 そのまま優しくなのはを抱き留めた。
「ありがとう……フェイトちゃんが友達で本当に良かったよ」
 なのはもそれに答える形でフェイトの背中へ腕を回す。
「私もだよ、なのは」
 その様子は、まるで不安がる子供をあやしている親子の様な光景であった。

「……話し中の所悪いが、とりあえずジャミングの対策が先決だ。マリーに話はしてあるから、君達のデバイスをメンテナンスついでに1日ほど預けてやって欲しい」
「あ、うん。解ったよ」
「解ったよ」
 クロノの咳払いに2人が我を取り戻した。
「それと、あの子が集めている魔力物質の正体が大まかだけど解った」
 目で合図をするとエイミィが端末を操作し、画面を切り替える。
「魔力事故の後、自然拡散せずに残留してる魔力片と言えば一番解りやすい代物だな」
「えっ? でもそれって……」
 今度はなのはが、画面を見せならが説明するクロノへ疑問を投げかけるが、それを遮るように続きを話し出した。
「本来ならば自然に消えて行く物だし、ロストロギアクラスの残留するほど強力な物であれば管理局の方できちんと回収はしている」
「じゃあ、どうして今頃になってそんな物が?」
 フェイトが疑問に思うのはもっともだ。
 本来であればその世界に存在しないはずの物を発生させた場合、人工による特殊な魔力でも無い限り自然の作用によって消えるはずである。
「ユーノの情報によると、悪意あるプログラムによって発生した魔力の場合、破片になってもその性質を残したまま残留する場合があるらしい。今回の場合だと、闇の書事件で発生した感染プログラムの一部だろうな」
 現在では無限書庫の司書長をしているユーノ・スクライア。
 そちらからの情報であれば間違いのない情報であるが、いかせん無限書庫自体が未整理書物の山なので確実な情報を完全に引き出す為には相当な時間がかかる為、現在解っている情報も全てではないのだろう。
472魔法少女リリカルなのはWing's 2章 後編:2007/07/09(月) 22:43:55 ID:lqxXUL7m
「あの感染プログラムの破片なら、破壊と増殖を繰り返す危ない破片……で良いのかな?」
「大体合ってるが、どうやら破壊活動に関する能力は失われて、付近の魔力を吸収し続けて一定量集まったら表に浮かび上がる特殊な魔力片になってる様だ」
「管理局でも潜伏してる間に見つけられないなら、かなり面倒な物って事かな?」
 本来であれば、そのような危険な魔力片は管理局がすぐに確認して安全な場所に保護するはずである。
「そこが結構厄介なんだ。常に移動しながら検索妨害の魔力を出しつつ、定期的に周波数を変える奴でね。検索して見つけた場所にすぐに向かっても既にそこから移動してるんだ」
「だから魔力を集めきって浮かび上がる時じゃないと、確実な場所は解らないんだよね?」
「ああ。魔力を集め終えると、役目を終えたかの様に今までとは打って変わってかなり強力な剥き出しの魔力を晒して浮かび上がる」
 それが理由であった。
 管理局でも確実に見つける術がない魔力片。
 その条件に関しては相手もほぼ同じ時期に現れていたので、これ以上精密にする事は不可能なのだろう。
 ロストロギアほどでは無いと言う話だが、これはこれで厄介な特殊能力を持った物質だという事になる。
「でも、どうしてあの子がそんな物を集めてるかだよね」
 最後にフェイトが出したのは、一番不明瞭な疑問点であった。
「その辺りの情報はユーノ待ちだな。とりあえず今はこの魔力片を管理局側で保護する事を優先で訓練に励んで欲しい」
 やはり無限書庫での情報整理が追いついていないようで、その答えは出ないままであった。
「それじゃあ、デバイスをマリーさんに預けてイメージトレーニングでもしようか? フェイトちゃん」
「うん、そうだね。新しい連携のバリエーションを考えないとね」
 負けが続いていても、2人は決して投げ出さずに相手へ立ち向かう事と説得する為の決意を改めた。
「それじゃあ行ってくるよ。クロノ、エイミィ」
 艦橋の2人に挨拶を交わし、そのまま立ち去っていった。



 上は見渡すたび黒に近い紫色の雲。
 下を見れば星達の様に煌めく街の夜景。
 時はすっかり夜になり、空から病院の屋上へ舞い降りる人影が一つ。
 みずほの姿であった。
「っ! みずほっ!」
 着地後の様子を確認すらせず、屋上の柵に止まっていた白鳩の使い魔アイシスが姿を人の形に変え、そのまま着地後によろめくみずほを抱き押さえた。
「あれっ? ちょっと……無理……しすぎたかな」
「一体何をやってきたんですか?」
 アイシスは力の入らない口調で話すみずほに対して明らかに怒っている様子だ。
「ええとね……ジャミング付きの狙撃に、幻術を入れながら潜水して、誘導弾を打って……」
「もう良いです! その地点で無茶をしすぎです。シルフィードも何でこんな事させたんですか!?」
《Sorry Friend》
 待機状態のブレスレットになっていたシルフィードも反省の意を表す。
 アイシスは怒ってはいたが、みずほをそのまま自分の膝枕へ寝かせる。
 きっと、心配だったのだろう。
 1年近くの間魔法を教え、家事を共にした大事な娘のような存在でもあり、生徒でもある1人の少女。
 その子が闘いに行って、おぼつかない足取りで戻ってきたのであれば心配するのは必然だろう。
「とりあえずこのままじゃしばらく起きれないから、先に種をアイシスに渡しておくね」
 みずほがブレスレットの待機状態にしたシルフィードを寝た状態のままアイシスに手渡した。
「確かに受け取りました。それにしても、それほどまでに魔法を駆使しないと無理だと言う相手だったんですね……」
《Yes Friend》
「そうなると、不意打ちが通用しない次からが正念場ですね」
 深いため息と共にアイシスが囁いた。
473魔法少女リリカルなのはWing's 2章 後編:2007/07/09(月) 22:44:35 ID:lqxXUL7m
「そう言う事になるね……でも大丈夫だよ。シルフィードもそう言ってくれたしね」
 まだめまいが収まらないのか、みずほは目を閉じたままその手でアイシスの頬を撫でていた。
「みずほもシルフィードも無茶だけはしないでくださいね。最悪の場合、種は取れなくてもまだ数はありますから」
 自らの頬に当てられた手を手で重ね、優しくみずほをあやしていた。
「でも……沢山集めたらお姉ちゃん以外の人も助けれるんだよね?」
「ええ、ですがあなた達が万全であってこその物ですよ……だから約束してください」
「うん、解った……無茶は控えるよ。それにしても、アイシスって私の使い魔じゃないのにずいぶんと心配してくれるんだね」
 互いに合わせた手を戻し、そのままアイシスの膝枕に預かるみずほ。
「そう言う契約ですが、今ではみずほ達と居る事が楽しいんですよ」
 憂いを含んだ顔つきでみずほを見つめていた。
「今更なんだけど……契約の内容、ちょっと気になるな。良かったら教えてよ」
 答えようとしたアイシスの口が一瞬止まるが、すぐに声は発せられた。
「あなたの教育と家事のお手伝い……契約終了はあなたが死んだ時か、私達の元から離れる時ですね」
 前者はみずほも予測していた内容であった。
 だが、不意に後者の契約終了の内容まで伝えたのは彼女なりの覚悟だったのだろう。
 しかし、それを知ったみずほは予測と違って笑顔だった。
「じゃあアイシスはずっと私達と一緒だね。変な終了条件じゃなくて良かったよ」
「ですが、いつかは皆成長して卒業する物です……私の役目はその時までですから」
 今度はみずほが打って変わって拗ねた顔つきでアイシスを見つめる。
「嫌だよ。私が卒業してアイシスがいなくなっちゃうなら絶対卒業しないから」
 そして両手でアイシスの両頬を掴んでいた。
「もう……本当に言う事を聞かない駄々っ子ですね、みずほは」
 だが、アイシスは笑っていた。
 我が儘を通してでも自分を必要としてくれている。
 それがたまらなく嬉しかったのだろう。
「そうだね、それでアイシスが居てくれるならずっとそうするよ」
 改めて互いの絆を確認し合う2人はとても幸せそうだった。
47418スレ308:2007/07/09(月) 22:47:59 ID:lqxXUL7m
以上で2章終了です。
次の章は戦闘までしばらく間が空きそうなので、
読むのに飽きない要素を探すのに必死だったり。
475名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 01:22:28 ID:S4+q/2AC
>>474
一番槍 GJ
476名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 01:23:02 ID:lVeWBVLE
二番茶GJ
477名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 07:41:09 ID:sh9y/61g
>351
 GJ!
 ウルトラハイテンションでショタ萌えなシグシグとフェイトがいい!
 相変わらずネタ満載ですね

>374
 ティアエリとは新感覚ですねGJ!
 ティアナがエリオにツンデレとか考えるとご飯三杯いけます。
 フェイトさんが嫉妬してティアナに軽く意地悪とかしてくれたら個人的にすごくご褒美。

>435
 こんなエリキャロを待っていた!
 高ぶる気持ちのまま、全裸待機させていただきます。
 ドライブイグニッション!
478名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 07:42:11 ID:sh9y/61g
リンクしくった・・・
479名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 07:58:50 ID:CXz2W2ep
>>450
>つい嫌がらせしちゃうツンデレ中年・レジアス・ゲイズ中将
それなら相手はリンディさんがいいなあw
管理局嫌いは、昔クロノ父にリンディさん取られたからとかでw
480名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 08:50:50 ID:dxSthbHO
>>462
その程度のこと書き込むのに改行まで使ってうざい
481名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 15:19:53 ID:V2x/11t3
>>377
ツンデレティアとエリオきゅんのペア!
こいつは萌えます
次回を楽しみにしております

>>ターンA氏
氏にも淫獣ユーノが終わったら、ぜひティアエリを書いてもらいたいです・・・

最近ティアエリへの愛が止まりません
482名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 20:53:10 ID:sxeuxbG9
スバエリとかギンエリを考えてる私は異端ですかそうですか…

スバルとギン姉かわいいと思う人すくないのかな(´・ω・`)しょぼーん
483名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 21:00:47 ID:VB1Qf3m3
ギン姉とスバルは良いと思うが、
何故エリオと絡めるのかが分からない俺が居る。
484名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 21:05:24 ID:VBLKOyYq
>>482
いや、いいと思いますよ
ギンエリは是非見てみたい
485名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 21:15:53 ID:8MPap2kN
スバギンやスバティアを最近見てないなぁ。
486名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 21:38:05 ID:2ROg47rh
15話のフォワード+ギン姉 vs. 隊長陣の模擬戦は本編でやって欲しかったな
幕間劇8話の人とか15話の補完書いてくれないかなぁ…。
487名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 23:00:14 ID:mtQ5xMg6
スバエリもギンエリもいいな。
スバエリだと、男友達同士っぽくて時々恋人同士みたいな?(笑
488名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 23:12:21 ID:sh9y/61g
>>487
 俺がいる……。
 ふざけた勢いで、そのままじゃれあいになって、そして甘えだすんだな。
489名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 23:22:02 ID:RyPdjmyU
だがちょっと待ってくれ

ギンスバの姉妹百合を忘れてないか?



しかしホント、フェイトといい姉妹といい、彼氏候補が原作に登場しなくて困るw
永遠に候補者が出ないと思えてしかたがない。

それと最近、ゼストとシグナムがくっつきそうな気がする。
なんかもうね、雰囲気が似合うというかなんというか、組んだらバカップルが誕生しそうな、そんな感じがする。
490名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 23:22:23 ID:OCdOPLgk
むぐぐ……。ユーギンやユースバを妄想している俺は少数派ということか……。

ユーノとギンガは、無限書庫の司書長とその利用者ってことで無理矢理接点を作ることは出来そうな気がする。
スバルとは……やはり師匠と弟子のような感じで。「せーんせー。せんせせんせせーんーせーえー。」とじゃれつく
スバルなんかも妄想できそうだが。中の人ネタで。

でもやっぱり無理矢理な感じは否めないなぁ……。悲しいけど……。
491名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 23:29:06 ID:VB1Qf3m3
>>490
なんか、そこまで来ると尊敬に値するような気がする。
15話でギンフェイを諦め掛けている俺はまだまだだな。
492名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 00:13:40 ID:moZKE8zC
ギンスバもいいけど、ギンフェイが見たい俺がいる・・・
もちろんギンガが攻めでフェイトが受けね
493名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 00:22:45 ID:6BNjrmJm
おおむね、なのははユーフェイはやで共有、
エリオはフォーワード三人とフェイトやシグナムで共有、

シャマルは俺の嫁。
494名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 00:40:29 ID:Qi6bby+d
15話観るまでギンガは一等陸士だと勘違いしてました。
陸曹?→ってか、ヴァイスと同じ階級じゃね?→それなら……→ギンガ×ヴァイス
こんな妄想が浮かんだ自分はなんという短絡思考orz
スバルを大切に思うギンガと、
ティアナを見守るヴァイスとかいい組み合わせかもしれんと思ってしまったんだ。
495名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 01:00:10 ID:mWwaB8xR
エリオ君がキャロのことを大事に思っているだけに手を出せないとか
はやてとフェイトとなのはに相談したとしたら…

はやてから話を聞いたのか
リィンに任せるですよ♪ってノリノリなツヴァイ曹長とか
保護者として処理してあげなきゃいけないなと
照れつつも健気に致してあげるフェイトママとか
エリオ君の様子を見て
次第に気が気じゃなくなるキャロとか
皆の様子を見てニヤニヤするはやてとか
…とにかく、おもしろいことになりそうな予感がw
496CRR:2007/07/11(水) 01:26:04 ID:UNEp9dgE
ショート投下、いきます

というかエロいの書いてて、幕間を暇つぶしに書いてたらこっちの方が筆が進む罠。
で、こんなのできました。

・ヴァイス×ティアナ(前スレに書いた奴の続き)
・ヴァイス一人称
・エロなし
・(設定が)足りないものは妄想で補うんだ!!

ではドゾー
497CRR:2007/07/11(水) 01:28:21 ID:UNEp9dgE
広いホールの中、パイプイスの海。

その中に、黒いスーツの俺がいた。
いわゆる喪服って奴だ。

目の前には、一人の幼い少女。

オレンジ色の長髪はいわゆるツインテールでまとめられ、黒いワンピースを着ている。
抱きかかえているのは、唯一の肉親である兄の遺影。

それを抱きかかえる手には、兄の形見らしい、銃型のデバイスを模したおもちゃが握られていた。




〜努力の少女〜




「……これから、どうすんだ?」

俺は少女に尋ねる。

「……施設に預けられるのは…決まってるから。それに、もう少ししたら士官学校の受験対策もやるし」

少女は、10歳程にしては冷静に、しかし悲しみを隠し切れない様子で、自分の行く道を答えた。

「そうか………お前の夢はエリート管理局員、って訳か。」
「…………ん………」

なぜか煮え切らない返事を俺に返す。

「………兄さんの夢は、執務官になることだった。だから、私も最後は……」

時空管理局の執務官。
エリートの空戦魔導士でさえ、何回も試験に挑まなければいけないような超難関コース。
ハラオウン家でもあるまいし、こいつはそんな夢をこの年で見ているのか。

「………いいのか?本当に」
「………え?何が……」
「執務官志望なら、それこそ血反吐を吐くほど勉強して…それから実績もなくちゃダメだ。
 その前に、お前飛べるのか?もしかしたらそこから始めなくちゃならんかもしれねぇぞ。
 そうなれば、これから10年も15年も、もしかしたらそれ以上、自分の人生を費やさなけりゃやってられない、そんな世界だぞ?
 …………お前に、そんな覚悟があるのか?」


俺はそこまで言い終え、少女を見ると、


……少女は涙を流していた。
498CRR:2007/07/11(水) 01:30:31 ID:UNEp9dgE

「それでも…っ!……それでも、私はやらなくちゃダメなんですっ……!!」

道のりの辛さを改めて実感したからか。
自分をムリヤリ奮い立たせるかのように、しゃくり上げながら少女は言葉を紡ぐ。

「兄さんは…兄さんは役立たずなんかじゃないっ………!!
 私が、それをみんなに知らしめなきゃいけないんです!!じゃなきゃ、兄さんが、兄さんが………
 うっ…ひぐっ……!!!うぁぁぁ―――――!!!!!」

そこまで喋ると、堤防が決壊したかのように、少女は大声で泣き出した。

たった一人の肉親。
その生き様を最後の最後で否定された事を知った少女の心の傷。
………俺には計り知れない。



ならば、せめて。



「………………………っぅ?」

俺は少女を抱きしめる。

「………それが、お前の人生なら、俺は………お前をずっと見守ってやる。
 お前の代わりはできねぇが……お前の夢の手伝いくらいなら出来る。
  だから、一人で抱え込まなくてもいいんだ…」


たかが10歳の小娘に何を言ってるのか自分でも分からなくなってくるが、とにかく思いのたけを少女へと告げた。



どれくらい時間がたったのか。

少女のしゃくり上げが治まる。
俺はゆっくりと少女から手を離す。

……すると、少女は、俺に銃を差し出してきた。
それはは、さっきまでのおもちゃの銃ではなく、最新鋭のミッドチルダ式銃型デバイス。
二対になっている、片方を差し出してくる。

「………ホントに……私の夢……手伝ってくれる?『ヴァイスさん』………」

当然、答えは一つ。

「……おぅ!当ったり前だろ?『ティアナ』……」

少女が差し出したデバイスを、俺は受け取り――――――







―――――――目が覚めた。
499CRR:2007/07/11(水) 01:33:10 ID:UNEp9dgE

「ん……何だ………こりゃ…」

見渡せば、いつもの機動六課の寮の、俺の部屋のベッドの上だった。
隣には、すやすやと寝息を立てる16歳の少女。

「お前か?こんな夢を見せやがったのは」

ベッドの鞍に置いておいたはずの彼女のデバイス『クロスミラージュ』が俺の手の中にあった。
カード型の待機モードを取るこいつは、俺の質問には答えない。
……というか、いくら幻術系に特化したデバイスでも、『人に夢を見せる』機能なんてあるわけねぇし。

「お前に心配されなくても……俺は大丈夫だ」

答を返さないデバイスに独り言をかけながら、
何となく起き上がり、デスクの上のタバコをとる。


ティアナ・ランスター。
六課メンバーの発表の時、その名前を聞いて一発で「アイツ」の妹だと解った。
これも、何かの因果なんだろうか。


窓を開け、外を向いてタバコに火をつける。
取り留めのない思考を起きたての頭にいくつか浮かべながら、紫煙をくゆらせる。


ティーダ・ランスターの件は、相当有名だった。
所属の違う俺の耳にも入ってきたくらいだからな。
事件の詳細も、そして………周りの評価も。まぁ、俺が八神家とつるむ機会が多かったせいもあるが……
その背景を知っているからこそ、ティアナの無茶を止めたくもあり、
……夢として応援したくもあり。


「ん…兄さん……」

……ティアナは、兄の夢でも見ているんだろう。


正直、ティアナの告白を受け入れるかどうか……相当迷った。
年の差も理由の一つだが、何より俺がティアナの事をずっと支えてやれるのか。
俺も……いい大人だし、そういうことも視野に入れないといけないわけで。
でもまぁ、こういうことは理屈じゃねぇと思うし。
最後は自分の気持ちに素直になった結果、こういう関係を持つようになった。

500CRR:2007/07/11(水) 01:35:26 ID:UNEp9dgE
窓の外はまだ暗い。新人どもの朝練開始まであと3時間ってトコか。
と、その時、

「………んぅ……おはよう……ございます……」

まだ眠たそうな目をこすりながら、ティアナが体を起こした。

「よっ、まだ眠ぃんじゃねぇのか?」
「いや……もう大丈夫ですから……それに、朝ベッドにいなかったらスバルが慌てますし……」

寝ぼけ眼でティアナは身支度を整える。
……うん、なんつーか……やっぱいいな…どれ夜明けまでにもう一発……

「ん?どうかしましたか?ヴァイスさん」
「え!?いや!?何でもねぇよ!?」

……ゲフン!うん!いかんな!ここで体力をこれ以上消耗するのは!訓練的に良くねぇ!

「………まぁいいですけど…では、これで」
「おう、気ぃつけてな」

勉強道具を詰めたバッグを提げたティアナが、部屋を出る前に振り返る。


「……今日も、訓練がんばってきますから。……応援してくれます?」


俺に向かって微笑むティアナ。
夢の中の少女のような翳りは、もうコイツには無い。


「おぅ!当ったり前だろ?ティアナ」

俺は、ティアナに夢の中と同じ台詞を返す。





夜明けまであと少し。
もう目が覚めちまったし、今日はこのまま朝を迎えよう。
それまで考えるのは、ティアナの事。

……機動六課。
兄の背中をずっと追いかけてきた少女には、願ってもない出世のチャンス。
ここでの日々がティアナの人生に大きな影響を与える事は間違いないだろう。

『努力の天才』の未来はどうなるのか。
俺が一緒に見届けてやるか。



おわり。
501CRR:2007/07/11(水) 01:38:08 ID:UNEp9dgE
以上です。
ティーダとヴァイスの関連はあまり無いものと仮定しました。

ヴァイスがだんだん俺の中でカコイイ兄貴に。
そしてティアかわいいよティア。
これから導き出される答えは……!

ではこれで!
502名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 01:38:31 ID:TG5AHEGU
500
乙!
幕間も良かった。
続きに期待してる。GJ!
503名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 02:48:38 ID:b3U9uu1G
>>501
GJ!
あぁ、ダメだ。もう、ティヴァしか考えられない
504名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 03:03:31 ID:JtWdZhH5
>>501
GJ!

さあ、次は目覚める前にやっていた『本番』だ!!
505名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 03:14:04 ID:1xLciI3m
エリオ×ギンガでも書いてみようかなぁ、エロなしで
506名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 04:00:58 ID:yYe4y//i
>>501
GJ!兄貴カッコヨス

>>505
期待してます。ガンガレ
507続々・ある少年とある少女の話 case FTH :2007/07/11(水) 05:06:02 ID:t/xinVPU
誰もいませんよね?今のうちに!

続きものですので
駄目な方はスルーして下さい。

リンディ提督に会いに行くバージョン書こうとして
挫折してゆだった脳みそで書いてるので
大分アレな感じですが
それでもお付き合い頂けると嬉しいです。

ではでは。
508続々・ある少年とある少女の話 case FTH :2007/07/11(水) 05:06:51 ID:t/xinVPU
訓練終了後、キャロとフェイトの二人は仲良くシャワーを浴びていた。
本来なら個人用のスペースに別れるところだが
キャロが髪をひとりで洗えないのでひとつの区切りに二人が一緒に入っている。
フェイトがまず自分の頭を洗い終わった所であった。
(うわっ…すごいなぁ…)
間近でそれを見ていたキャロはそう思う。
泡が胸の谷間をすべり落ちていく光景はまだ少女のキャロにとっても充分扇情的だった。
改めてフェイトの肢体を眺める。張りのある肌を玉となった水がすべり落ちている。
艶やかな金の髪は今は濡れて光を放ちはしないがその繊細さは充分に感じられた。
ツン!と擬音が聞こえるくらいに上を向いた乳房。
それは一見固そうに見えるが実はとても柔らかい事をキャロは知っている。
そして胸から脇腹にいたる曲線美はそこらの彫像などでは全く敵わない
見事な黄金率を再現していた。
赤ちゃんのおしりを桃みたいといってかぶりつく人がいると聞いた事があるが
キャロは今ならその心境が理解できる。かぶりつきたくなるおしりは存在する。
だって今目の前にあるのだから。
ふともも、にのうで、ふくらはぎ、鎖骨、くるぶし、
そんな何気ない所でさえ全て『女』の『色気』を感じさせる。
どこぞの吸血鬼なら執事を賞賛する程の完全な女性の姿が目の前にあった。
(…私は…)
見下ろす。ふたつの突起と足が見えた。ちょっと膝を折りそうになるが何とか耐える。
「ハイ、キャロの番だよ?」
そういってシャンプーを適量手に取るフェイト。
キャロはきゅっと目を瞑ってフェイトに任せた。
優しく髪を洗われる感触はいくら少しのこそばゆさもあるがしかし至福の時でもある。
暫く泡の音だけがシャワー室を支配した。
「…………ねぇ、キャロ?」
「はい」
「キャロはエリオの事好きかな?」
いきなりの質問にキャロの心臓が跳ね上がる。
「すっ好きっ!?」
「それとも嫌い?」
「いえっ!あの……………………………………………その、格好いいと思います」
か細い声だが確かに言えた。顔はお湯で温まっている事もあるが
主にそれ以外の理由で桜色に染まっている。
「そっか…」
シャワーから水が降り注いできた。
キャロは目を一層固く閉じ、いつまでたっても慣れない時間に体を強張らせる。
手串で髪をすいて泡を洗い落としながら、フェイトが告げる。
「私もね?エリオの事が好きなんだ。
 キャロと同じ意味で。……ううん、もしかしたらもっと深い意味で」
シャワーが終わった。
「だからね…勝負!エリオに選んでもらえるよう私は頑張るから
 ………覚悟してね?」
それだけ告げてシャワー室を出て行くフェイト。
キャロはシャワーが終わった事に軽く身震いをする。
そういえばシャワー中にフェイトが何か言ってた事を思い出した。
回想する。
『私もね?エリオの事が好きなんだ。
 キャロと同じ意味で。……ううん、もしかしたらもっと深い意味で』
『だからね…勝負!エリオに選んでもらえるよう私は頑張るから
 ……覚悟してね?』
シャワー室に少女の悲鳴が響き渡った。
509続々・ある少年とある少女の話 case FTH :2007/07/11(水) 05:09:39 ID:t/xinVPU
機動六課隊舎食堂。
美味しそうなスープが目の前で湯気を上げるなか、キャロは絶望していた。
先程の言葉を反芻する。
最初は聞き間違いかと思い、着替え中に確認したら同じ言葉を言われた。
頬をつねってみる。全く望んでないが痛みを感じた。つまり夢でもない。
口から出るのは溜息ばかり。
戦況は絶望的だ。何しろ、相手はあのフェイトなのだ。
女性としての外見的魅力は言わずもがな、
更に性格も素晴らしい事も嫌という程理解している。
横のテーブルでヴィヴィオやなのはと食事をしているフェイトをちらりと見てみる。
あぁ、横顔も美しい。むしろ360°全方位から見ても美しく見えない角度が存在しない。
フェイトがモデルならばどんなヘタレカメラマンでも素晴らしい写真集が作れる、
そんな次元の美人なのだ。
街を一緒に歩いている時に人々が思わず振り返っていて誇らしくなった美貌が
今はただただ恨めしい。
今度はちらりとエリオを確認する。少年は目の前のチキンライスと格闘中だ。
唇をケチャップで汚す様が微笑ましいが、
キャロは彼が時々ひどく大人びた表情を見せる事も知っている。
必死な表情で何度か抱きとめてもらった事もある。
色んな彼を見てきた。だが…それで満足出来るわけではない。
むしろ、彼の違う一面を見れば見るほどその思いは強くなった。
諦められるか?答えはNOだ。
(…………負けない……!)
もう一度思う。戦況は絶望的だ。だが勝機は決して0ではない。
ならば挑むだけだ。そこに譲れないものがあるのだから。

ティアナとの会話がひと段落したスバルが次の話題を探す。
と、脳裏に閃くものがあったのでそれを素直に口に出した。
「あ、そーいえばさぁ、エリオのタイプってどんな子?」
咀嚼しかけのチキンライスが宙を舞う。勿論エリオが噴きだしたものだ。
咄嗟に横を向いたので誰にも命中はしなったが。
「うわっ!汚いわねぇっ!」
ティアナの当然の抗議は無視され、エリオが叫ぶ。
「と、突然何なんですかっ!?タイプってっ!?」
視線を戻すとそこにはいやらしい笑みを浮かべたスバル。
「いや、これだけ女の人に囲まれてるとエリオくらいでも
 色々あったりするんだろーかなーと思って
例えば…私達の中じゃ一番誰が好き?」
ニヤニヤ、そんな擬音が聞こえるような笑み。
(しまったっ!)
気付くと、ティアナも同じ笑みを浮かべてこちらを伺っているし、
先程盛大に噴き出したせいで食堂はシンと静まり返っている。
助けを求めてあたりを見回すと何故かキャロとフェイトがエリオをガン見していた。
唯一ヴィヴィオだけがニコニコと目の前の料理を征服し続けている。
510続々・ある少年とある少女の話 case FTH :2007/07/11(水) 05:11:42 ID:t/xinVPU
四面楚歌、絶対絶命。
どうやら答えざるを得ない状況に立たされた事を少年は悟った。
いや、まだだ。自分には相棒がいた。小声で打開策を求める。
(ストラーダっ!)
『主よ。騎士たるもの、窮地に頼るのは己の力のみでなければなりません』
(いや!もっともらしい事言ってるけどこの状況は!)
『幸運を』
(あぁ!逃げたなコンチクショウ!)
相棒にも逃げられた。
セカンドモードを使い出してから随分つれなくなったなと思う。
それともコレが本性なのだろうか?
少年はまだ10歳である。
ませている事が多い女の子ならまだしも、男の子だ。
本来なら同性の友人らと遊ぶのが何より楽しい年代であり、
彼も恋愛などにはまだ全く興味が無かった。
だが、既に食堂全体がエリオの回答を待ち望んでいる。
この空気を無視できる程少年の神経は太くなかった。
とにかく少年はこの場を納める為に身近な相手から検討を始める。
(フェイトさんって答えたら…いや、駄目だ!マザコン認定されるのがオチだ!
キャロ…これも使えない…からかわれる事にはかわりないし第一キャロに迷惑がかかる。
…他の人は…もっと駄目か。からかわれるだけならいいけど
真面目にとられてフラれたら精神的にイタすぎる……!)
エリオは考える。静寂が重圧となって彼の両の肩にのしかかった。
その時。彼に天使が囁く。
(いた!ひとりだけ!誰が聞いても冗談だって解る相手が!)


「ヴィヴィオですよ」
食堂の空気が一気にしらける。
あーもー何だよつまんないわねーとか無責任な発言が
あちこちで飛び交ったがエリオは気にしない。
と、そこでいきなり重いものが落ちる音がふたつ食堂内に響いた。
「キャロっ!?どうしたのっ!?」
「フェイトちゃんっ!?」
エリオが音の発生源に目をやるとそこにはスープの皿に顔面を叩き込んだキャロがいた。
隣のテーブルではくしくもフェイトが全く同じ姿勢で硬直している。
エリオとなのはがスープ皿からキャロとフェイトの顔を引き上げた。
「………ホントに……?」
キャロが濁った瞳でエリオを見て呟くが、エリオはキャロの顔を紙で拭く事に必死である。
フェイトのスープ皿は既に空になっていたのでそちらのテーブルでは
同じような光景は繰り広げられなかった。
ようやく自分の名前があがった事に気付き、
ヴィヴィオがスプーンを口から離してなのはに視線を向ける。
「フェイトちゃん?大丈夫っ?…あ、ヴィヴィオ、どうしたの?」
「あのね。さっきなんでなまえよばれたの?」
「エリオがヴィヴィオの事好きなんだって」
それを聞いてヴィヴィオがエリオの方を向く。
口の周りに色々つけた状態でともすれば汚いとも見えるが
彼女の容姿のおかげで全てが愛嬌に変わっている。
エリオとヴィヴィオの視線があった。
ヴィヴィオは考える。エリオは最近よく遊んでくれている相手だ。
優しいし、本を読んでくれるし、だっこしてくれる。
それらを思い返して、ヴィヴィオは満面の笑みを浮かべ、告げる。

「おにいちゃん、だいすきー!」
エリオもその笑みにはにかみながら微笑み返す。
その光景はとても暖かいものであり――――――

食堂内にまた音がふたつ響き渡った。
511続々・ある少年とある少女の話 case FTH :2007/07/11(水) 05:13:17 ID:t/xinVPU
少女はベッドで考える。
食堂での件は確かにショックだった。
だが、考えてみれば同時に大きなヒントでもあったのだ。
正攻法で言っても勝ち目は無い。
フェイトにあって自分にないもの、それを最大限に利用する。
「おにいちゃん」
そうつぶやき、意識を手放す。今夜はいい夢が見られそうだ。



次の日の朝の訓練。
キャロが何かを言いたそうにしているのを察したエリオは声をかける。
「キャロ、どうしたの?」
どう切り出そうと迷っていたが獲物の方からのこのこやって来た。
キャロはその事態に思わずガッツポーズをしそうになるがぐっとこらえ、
少しふしめがちにして儚げなイメージを演出する。
「あっ!?え、エリオ君!?…あのね?そのね?
 私…結構長い間ひとりで暮らしてたから…ヴィヴィオを見てうらやましかったの…
 何か、家族っていいなぁって思って」
「うん、僕も…それはわかるよ…」
かかった。餌に食いついた。
「それでね?それで…エリオ君がいやならいいんだけど…
 私達って保護者がフェイトさんで家族みたいなものでしょ?
 だから…だから……今度から『お兄ちゃん』って呼んでいいかなっ!?」
伏し目がちだった目を上げ、エリオの目を正面から見据える。
両手は胸の前で拳をつくり必死さをアピール。
完璧な仕事ぶりだ。キャロは後で自分にご褒美のケーキをあげようと決めた。
エリオの頬が桜色に染まる。恥ずかしいのだろう。
だが、彼がとても優しい事をキャロは知っている。
彼の天秤は自分の羞恥心と誰かの想いをかけた場合、必ず―――
「う、うん…キャロがいいなら……」
誰かの想いに傾くのだ。
卑怯だとは解っていた。だが、それ以上に嬉しかった。
顔を真っ赤に染める程恥ずかしいのにそれでもキャロの意思を尊重してくれたのだから。
「ありがとう!『お兄ちゃん』!」
そう叫んで抱きつく。エリオは反射的に抱きとめた。
「うわっ!?キャロっ!?流石にこれは…」
エリオが照れから離れようとし、

「―――キャロ?何してるのかな?」

空気が凍る。少なくともエリオは固まった。
いつものフェイトの声だ。だが、そこにこめられているものがいつもと違う。
既に数回戦場に立っている若き騎士見習いはそれが何か知っていた。
(……殺気?……フェイトさんが?)
「あ、フェイトさん!おはようございます!」
キャロがフェイトに挨拶をする。エリオの腕の中で。
「おはよう、キャロ。で、それは?」
「?…それって何ですか?」
小首を傾げるキャロ。だがフェイトは確信していた。
キャロがこちらの意図を完全に把握した上で無視している事を。
「な・ん・で!エリオに抱きついてるのかな?」
エリオの手前、笑顔は崩さないよう努力した。
エリオはその笑顔の裏に隠された真意に気付いてマジビビリしてるので
全く無駄な努力であったが。
「何でって…エリオは私の『お兄ちゃん』ですから♪」
満面の笑み。
フェイトは愕然とする。
午前の訓練で、キャロがエリオの手を離す事は一度も無かった。
512続々・ある少年とある少女の話 case FTH :2007/07/11(水) 05:16:52 ID:t/xinVPU
機動六課隊舎廊下。
フェイトは自室に向かいながら先程の光景を反芻する。
エリオに抱きつくキャロ。エリオも満更ではない様子だった。
だが、所詮は妹としての関係だ。
自分とクロノの関係を思い出す。

『…お兄ちゃん』
『フェ、フェイト!?』

『……あのね…私ひとりで髪洗えないから洗ってくれないかな?』
『フェイトっ!?いや…僕は男で…フェイトは女の子だから…』
『…お兄ちゃん…駄目?』
『ハハハしょうがないな』

『あれ?クロノ、こんな夜遅くにどうしたの?』
『……フェイト…僕は…僕はっ!』
『駄目だよクロノっ!?私達家族なんだよっ!?駄目っ!お兄ちゃ――――』

非常にまずい気がしてきた。
対抗策を必死に探す。

『エリオ…お兄ちゃんって呼んでいいかな?』
『は?』
『お兄ちゃん♪』
『(急いで医務室に通信を繋ぎ)シャマルさん大変ですっ!フェイトさんが錯乱してますっ!』

駄目だ。明らかに頭がおかしい人にしか思われない。
何しろ自分の方が9歳も年上なのだ。
(―――待って!…そう…私が年上なのがいけないんだ…)
きびすを返し、ある場所へと向かう。
廊下に響くのはフェイトの靴が立てる音のみ。
フェイトは思う。
自分がある程度容姿が整っている事は知っている。
自身が大恋愛結婚だったリンディ提督がすべて断ってくれているが、
お見合い話が年に三十件以上申し込まれているらしいのだ。
いくらにぶくてもそれなりに自分の魅力には気付いている。
だが、駄目だ。
はやてに『ええチチしとんな〜ぐへへへへへへ』と揉みしだかれた胸も
なのはに『本当に綺麗だね…』と褒められた長い金の髪もある。
だが、エリオには届かないのだ。
類まれなる魔法の才能も、執務官という地位も、
自分がもてる魅力というものを全て束ねても…
足りないのだ。
エリオを振り向かせるには。
思う。

(私に足りないもの…それは!
 ロリ分ペド度かわいげ儚さ妹属性従順さ!)

そして何より
(――――――――若さが足りない!!!)
513続々・ある少年とある少女の話 case FTH :2007/07/11(水) 05:19:48 ID:t/xinVPU
そしてフェイトはある部屋の前にたどりついた。
そこは保管庫。件のロストロギアが保管されている。
「フェイトちゃん…あかんよ…」
ドアの開閉パネルに手を伸ばした矢先に響く声。
振り向くとそこにははやてがいた。
「フェイトちゃんが何考えとるんか解ってるつもりや。
 せやけどそれはしたらあかんよ」
冷静…というか冷たい声だ。フェイトは思わず叫ぶ。
「はやてにはわからない!
 相手が年上だからちゃんと可愛い女の子って見られてるはやてには!」
はやては冷静にフェイトの瞳を見続けていた。
そこからフェイトが本気だという事も悟った。
暫く押し黙り…口を開く。決定的な言葉を。
「……ならフェイトちゃんには私の気持ちがわかるん?」
告げる。

「ゲンヤさんのがもうあんまり固うならへんのを悩んでる
 私の気持ちが解るっていうんっ!?」

今度はフェイトが押し黙った。何がとは聞かない。ナニに決まっている。
「それは………」
かける言葉が全く思い浮かばない。実際のところかなり深刻な問題だ。
はやてが動く。胸のペンダントを握り込んでフェイトに対して身構えた。
「でも…それさえあれば何とかなるかも知れへんのよ…
 だから…それは私のもんや!」
フェイトもバルディッシュを取り出す。
「私だって…私だってこれがないと…!」




「二人とも…ちょっと頭冷やそっか?」
廊下を桃色の光の柱が突き抜けた。
514続々・ある少年とある少女の話 case FTH :2007/07/11(水) 05:21:34 ID:t/xinVPU
機動六課隊舎医務室。
目を覚ましたフェイトが最初に目にした光景は
自分を心配そうに覗き込むエリオの顔だった。
「フェイトさん!…よかったぁ…貧血で倒れたってシャマルさんから連絡があって…」
「……エリオ…」
久しぶりの撃墜に体が重い。起き上がろうとは思わなかった。
「今日は一日中安静にしておくように、だそうです。
 それで、僕が看護を任されたので何かあったら何でも言って下さいね?」
(………シャマル………ありがとう!!!)

隣のベッドに眠るはやての枕元には
『シャマル印の特濃!1000倍マカビンビンXXX』が置かれていたそうです。
515続々・ある少年とある少女の話 case FTH:2007/07/11(水) 05:32:33 ID:/4s0kacL
ここまでお付きあい頂きホントにすみませんでした。
何だよコレ…。

仕事人エリオなんですが
一発ネタのつもりだったんでプロット全く考えてませんでした。
とりあえずFTHを終わらせてから続き書くか考えます。


>>501
CRR様GJ!
いいなぁバイティア!
仕事人エリオの続きをもし書くなら
エリフェイ、ユーなの、バイティアの三本柱に決定しました!
516名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 05:55:30 ID:3hCyLZGu
>>515
GJ!
ナニを復活させるために使おうとするとは,やるなはやて。

そしてフェイト暴走WWW
517名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 06:37:47 ID:IWdNiJPI
>>515

フェイトママ…w
512のラスト数行がすごく面白かった。GJ!

あと、エリオ君…その冗談はちょっと恋する乙女相手にはきついよwww
518名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 07:26:14 ID:yYe4y//i
>>515
GJ!
ヤバいwwwニヤニヤ(・∀・)が止まらん
519名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 07:36:27 ID:bH9WWHur
色々ニヤニヤさせてもらいました。
GJ!

仕事人の方ですが、急かすつもりはないですけど、
それとなく期待させてもらいます。
520Mr.P:2007/07/11(水) 07:54:58 ID:NJzOdGWl
>>515
超GJ!
ヴィヴィオと応えるエリオの頭のキレがなんとも。
そこでフェイトママと応えて、フェイトルートに突入する話が見たいです。
後、フェイトとクロノの間に何があったか問い詰めたい。
しかもはやて×ゲンヤですか。
ゲンヤさん、もう年なんですね。涙が止まりません……。

自分の妄想世界と合致しまくって、すごい面白かったです。
521名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 08:10:32 ID:oy9UCS12
>>515
あえて言おう……スク●イド好きでしょ?
522名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 09:41:08 ID:uf7EUK2t
>>515
フェイトにだって歳上の魅力というキャロには無い大きな武器があるというのに…
それに気が付くんだ、フェイト!
エリオと一緒にお風呂に入って隅々まで洗ってあげるとかは歳上の特権だ!!
523名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 09:58:03 ID:lVC/iNwo
>>515
面白すぎて、読んでてニヤニヤが止まらないwwwww
524名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 11:22:39 ID:H75jkUbV
>>515
GJ。
すっかりなのはさんはツッコミと状況の収拾役になってるなーw
暴走しそうな感じがしないからだろうか。

後シャマル先生…そんなあからさまなモノ置くとまたなのはさんの仕事が増えるってw
525ユーノマニア:2007/07/11(水) 12:51:01 ID:RcbJ9bmb
だいぶ難産だったネガフェイ3話、もとい

魔法少女ネガティブフェイト Y´s 2話
はじまりますか?

今回は、ちょっとやヴぁい。いろんな方面で。
526魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第二話:2007/07/11(水) 12:51:55 ID:RcbJ9bmb
「僕がエイミィと結婚した理由、ユーノ、君に解るか?」
「え?好きあって、とかじゃないの?」
「甘い。母さんのお茶より甘すぎる。まぁそれもないとは言わないが。いいか、ヒントは本編における出番の差だ」
「確かに僕よりクロノのほうが圧倒的に出番が多いけど…それと何の関係が」
「ヒントその2だ。このリリカルなのは、と言う作品は恋愛要素の排斥を積極的に行ってる節がある」
「それって逆効果なんじゃ…いや、まてよ…!」
「気付いたようだな。そう、モブとまでは言わないが出番がないキャラとくっつく事による効果は
この作品においては絶大なモノだと断言しよう」
「確かに本編ではエイミィとクロノの結婚についてはとりたてて目立たず、
サウンドステージやコミックスなどの媒体を通すことで発表し、本編における恋愛要素排斥になんら影響を与えない…」
「そう、そして騎士カリムとの会話では妻がいることを仄めかしメイン女性陣、特に主役格の三人に対して
恋愛対象にならないことを暗に示した。この意味、判らないでも有るまい」
「男が出てくれば恋愛と結びつけずにはいられない視聴者でも安心してなのはたちに萌えることが出来る、か」
「そこで君の場合を考えてみよう。容姿は多少男らしさにかけるが整った顔立ち。戦闘能力には欠けるが
補助と特殊な魔法に特化し、デバイスの等の調整も可能な多彩なスキル。
情報を一手に集める職も使い所が多い設定だ。しかもそれまで手付かずだった無限書庫を利用可能にしたという功績は大きい。
正確は真面目で温厚、しかも責任感に溢れ時には命令違反も厭わない強い信念ももっている。
淫獣化がネックとはいえそれすらも長所の一つとして数えてもいいだろう。しかも三人娘とは同年齢で10年来の幼馴染。
リリカルなのはが少女向けなら見せ場も有ったろう。
しかしコレはおっきなお友達向け!モテ男なぞ塵芥と同レベルなのだと知るがいい!」
「そ、そんな…そんなことって…」
「お前がこれから取れる手段はあまりに少ない、たまにでるゲストとして微妙に痕跡を残すか、
出番のないキャラとくっつき本編で相応の出番を得るか、だ。
勿論君と結ばれたキャラは本編での出番は絶望的になるだろう。まぁ悪い言い方をすれば生贄といったところか。最低だな」
「クロノの棚上げ技術は次元一だよ!」
「そう褒めるな。リリカルなのはシリーズは女性が沢山いるから選り取りみどりじゃないか。
アリサやすずか、美由希さんにメイドさんたち、なんならうちの母さんなんてどうだ。
まぁ、僕のお勧めではアリサか。ツンデレは王道だし、なにより風呂場で大事なトコを握られてぴくぴくした関係だろう?」
「今のは僕が聞いてきた中で最低の台詞だ!でも首から胴体にかけては確かにとても大事な部位だよね!」
「とりあえずそれは置いておくとして、
さぁ選べ。このまま『1期』のマスコット(淫獣)と言われ続けるか、
『シリーズ全編』に渡って活躍する希少な男キャラとして僕を双璧をなすか、決めるのは君自身だ」
「ぼ、僕は…僕はぁああああああああああああああああああああああああああ!!!」
527魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第二話:2007/07/11(水) 12:53:37 ID:RcbJ9bmb
「うわああああああああああああああああああああああああああああああ」
寝床から跳ね起きる。息は荒く、なかなか落ち着かない。
酷く悲しく、どうしようもない夢を見ていた気がする。夢の内容は覚えていない。
「ぅ…どうかしたのかいユーノ。朝っぱらから大声出して」
「あ、ごめん。起こしちゃったかな」
布団から抜け出し大きな欠伸をかます紅い体毛をした狼、アルフ。
「いや、いつもこのぐらいの時間に起きるしね。丁度いい目覚まし代わりさ」
狩り衆の朝は早いらしい。朝食に使う食料を用意する役目があるからだ。
「ウチのご主人様を起こすにはちょいとばかり音が足りなかったみたいだけどね」
「すぅ……むにゅ……んぅ………すぅ」
結構大きな声を出したつもりなんだけど、あいかわらずフェイトは寝つきがいい、と言えばいいんだろうか?
「もうちょっと寝かせてやっておやりよ。慣れない生活で疲れてるのさ」
「そのつもり。さて、川で顔を洗ってこようかな。アルフも来る?」
「あたしゃもうちょっとこのコの寝顔でも拝んでるよ。もぅ可愛くてしょうがないのさ、最近のこの娘の寝顔」
人型に変身し、膝を布団と頭の間に差し込みフェイトの髪をなでるアルフ。
「昔のフェイトと来たら寝てる時も泣き面で、もう見てられなかったものさ」
優しくなで続けるアルフの言葉には万感の想いが込められていたように思う。
二人の姿はあんまりにも綺麗で、憶えてない程古い記憶と結びつき鼻の頭が熱くなってきた。
今はもういない、記憶の中にすらない母親は、たぶん、こうして僕の頭を撫でていてくれたんだろう。
溢れてきた涙を見られるのが恥ずかしくて僕は川へと急いだ。

冷たい水でさっぱりした後、偶然遺跡衆4班班長であるカイン兄さん(48歳)と出会った。
挨拶を済ませた後、当然のように今調査中の遺跡のことについての意見交換に移る。
「あとニ、三日もすればあそこは調査完了だろうな。構造上これ以上の隠し部屋があるとは思えない」
「そうですね…地下へ続く道もありそうにないですし…やっぱりただの神殿だったんでしょうか」
地下施設が貯蔵庫を除けば1個もない、と言うのは珍しくはあるが、まぁ、許容範囲だろう。
「結論としてこの遺跡はアーキスの祈祷神殿と見ていいんでしょうか?」
「ああ、この次元はアーキスの支配領域だしな。機械兵士も戦争時代の名残だろう」
そうなるとあまり面白みのない仕事だった。
宗教色の強いアーキス文明では神殿なぞ珍しくもないし、特に目新しい事柄が発見できたわけでもない。
機械兵士と言う収入がなければ赤字だったとも思う。部族全体の生活は自給自足ではあるが、それでもお金はかかるのだ。
「あまり不満を顔に出すな。リーダーのそういった表情は周りの人間に伝播するからな」
はっとして表情を引き締める。まだ終わったわけではないのだ。
「そうだ、最後まで気合を持って事に当たれ。油断や慢心は自分のみならず周囲にも被害を及ぼすからな」
そういって厳しい顔をしていたカイン兄さんは僕の頭に手を載せ乱暴に動かす。
「まぁ、お前ならそう失敗も起こさないだろう。終わればお前も俺たちの仲間だ。長老たちからも文句は出ないだろう」
普段人を褒めたりしないカイン兄さんがこんなことを言うなんて…
その期待は裏切らないようにしないと、と一層気合を入れる僕だった。
528魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第二話:2007/07/11(水) 12:56:10 ID:RcbJ9bmb
汚れを残さないよう力をいれ、しかし生地を傷めぬよう優しく。のんびりやればと生地が縮む、ゆえに素早く。
でこぼこした板をたらいに乗せ、その上で服を動かし的確に汚れを落とす。
魔力で力や持久力を高めてる私は他の人たちより素早くこなす事が出来、このときばかりは重宝がられている。
自分の家庭の分を終わらせて、他の家庭の分の手伝いに写る。
(ふふ、自分の家庭、だって…)
胸の辺りがキュウと締め付けられる。昨日の夜あんな会話したから変に意識してしまっている。
照れ隠しにひたすら選択を続ける。洗濯板を眺め、がしゅがしゅ、がしゅがしゅ。
(ユーノはおっきい方が好きそうだな…お母さんいないとそうなる傾向があるっていうし、アルフのたまに見てるし)
何がとは言わない。まだまだこれからなのだ。がしゅがしゅ。
雑念よ、穢れとともに落ちよとばかりに洗濯に励んでいると、遠くのほうで何がが崩落するような音が聞こえた。
数秒続いたソレは時間とともに収まり、やがて何も聞こえなくなった。
いやな胸騒ぎがした。
音の聞こえた方向にはたしか遺跡があった筈だ。この時間なら遺跡班のユーノもいるはずだ。
最悪の想像を振り払い、遺跡のほうへと向かい走りだした。
529魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第二話:2007/07/11(水) 12:56:39 ID:RcbJ9bmb
辿りついた私が見たものは瓦礫の山。いまだ土煙を上げているソコは確かに遺跡のあった場所だった。
呆然と崩れ去った遺跡を見つめる私に声がかけられた。
「おぉい、ここは危ないぞ。はやく集落にもどるんだ」
確かユーノと同じ班にいたロドさん、だったと思う。
「あ、あの…皆無事だったん、ですよね?」
見れば沢山の人が固まって遺跡を観察している。だいたい遺跡衆の人数ぐらいはいるだろう。
安心して胸を撫でおろ――
「いや、ユーノが中に残された」
「………え?」
だって、なかって、あんな、え、うそ、そんな、あれ、くずれて、なか?
「な、んで…」
「―――」
ロドさんが何か言っている。なぜか耳に届かない。
あの瓦礫の山の中に?こうして見ているだけじゃ全貌すら見えない大きな遺跡なんだよ?
それが、ユーノを……?
駄目だ。駄目だ。駄目だ。
血が凍る。身体も凍る。呼吸が出来ない。指先がガタガタ震える。
まるで母さんから捨てられたときみたいに。
一個だけ違ったのは、頭が空っぽにならず、最悪の絵が脳裏をちらつく。
ユーノが、あの瓦礫に潰されていた。
「っアッ!」
凍った身体に力を入れる。噛み合わない歯の根も強引に打ち付ける。
「バルディッシュッ!!」
『yes,sir』
目標は瓦礫全部!一撃で全部吹き飛ばすッ!
「って、フェイト!何やってんだお前」
「ちょ、皆この娘とめろぉーーーーー!!」
遺跡衆の人たちがバインドで私を取り押さえる。
「離して、離し、離せぇええええええええええええッ!!」
だって、速く助けなきゃ、ユーノが死んじゃう。いなくなっちゃう!
駄目。本当にそれだけは駄目なんだ。私はもう、ユーノがいなくちゃ生きていけないんだ!
「っから落ち着けって!お前ユーノごと吹っ飛ばすつもりかよ!」
「でも、だって、速くしなきゃユーノが」
「ああ、だからお前、エリアサーチで生体反応探れ。反応無いとこ俺たちで瓦礫どかしてくから」
首をがくがく振る。もうユーノを助ける以外に考える余裕はなく、支持に従い魔方陣を展開する。
いない。ここにもいない。こっちにもいない。もっと奥には…いない。さらに奥…
「そんな…嘘」
何処にもいない。人間と思われる反応が一個もない。それって…し
「嘘だ!!見落としただけだ!もっとよく探せば!」
何度やっても結果は変わらなかった。虫やネズミなどの小さい生物の反応は拾えるのに、ただ探している反応だけみつからない。
だって、ユーノが助けてくれて新しい私になって、その私の傍にずっといてくれて…
「嫌だ、嫌だよ…独りにしないで…」
いや、そんなことどうだっていい。好きなのだ、彼のことが。誰よりも、何よりも。
だから死んで欲しくない、生きていて欲しい、隣にいて欲しい、笑ってて欲しい、笑いかけて欲しい、寄り添って欲しい。
知らぬ間に、随分欲張りになってた。でも、ユーノがいなくちゃ、何一つ叶わないんだよ?
「ユーノ…ユーノぉ!!」
「ぇ、呼んだ?」

………はぃ?
530魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第二話:2007/07/11(水) 12:57:14 ID:RcbJ9bmb
いつの間にか私の隣には、胴長のネズミがいた。
不思議そうに私の顔を見上げる彼の瞳は見慣れた翠色で…
「ゆ、ゆーの?」
「うん、あれ?心配かけちゃった?ごめんね」
ぺこり、と謝るその表情は見知った仕草で。
「ほ、ほんとに?ほんとにユーノ?」
「あれ?この姿見たことなかった?スクライア秘伝のトランスフォームでね、使用時は魔力と怪我の回復が速くなって、
しかも使える魔法は変わらず気絶状態や睡眠でも解けない優れものでわぷっ」
「ユーノッ!!」
思いっきり抱きしめる。
無事だった。元気だった。怪我もしてない。おまけに可愛くなってる。
「よかった…ほんとうに、よかったぁ…」
ぼろぼろと涙がこぼれる。立っていられなくてそのまま腰を下ろす。
「あ、そんな心配してくれたんだ…ありがとう。本当にごめんね?」
申し訳なさそうな顔をしてるユーノ。その顔をこちらに近づけ、
ぺろり、と私の涙を舐めとる。
「……」
絵的には何の問題もないけど、心情的にはこう、ちょっとアレだ。
涙を舐めて拭うって…新婚夫婦だってせめて指どまりじゃないのかな?
先ほどまで涙で濡れていた顔は、火が付くくらい真っ赤になった。
そういえばさっき自分はとんでもないことを自覚した気がする。多分、いろんなものが私の中で芽生えた、と思う。
今のままの心地よい関係よりも、先に進みたがってるのがその証拠。
「ね、ユーノ。元の姿に戻って」
「え?あ、うん。解った」
軽く眼を閉じ、魔法が発動される。ユーノの姿が光の線に変わり、だんだん大きくなって、人の型を成す。
その眼が開かれる前に

軽く、その口を啄ばんだ。
二度、三度と親鳥が雛に餌を与えるように。

柔らかい。暖かい。――きもちいい。
いつまでもして居たかったが、そういえば、思い出すことが一つ。
確か遺跡衆の人たち、いたよね?そう思いその方向を見ると…
凄いいい笑顔を浮かべたいい大人たち。綺麗な歯をしてるのがよくわかる。
そして示し合わせたように全員が一斉に親指を立てて拳を突き出してくる。
意味するところは一つ。
『よくやった』
私はユーノから顔を離し、皆に向かい親指を突き出す。
さらに深くなる皆の笑顔。私はきっと鼻息荒く自慢げな顔をしてるだろう。
そう、私はやり遂げたのだ。恥ずかしくはあるが、しかしそれを超えた達成感。
「じゃ、ユーノ。今日は腕によりをかけてご飯作るから、楽しみにしてて」
「ぁ…う、うん…うぁ……ぁああああああああああああああぉおおおおおおおおおおおおおおおおおっ?!」
理解を超えた事態に叫び声を上げるユーノに背を向け走り出す。
自然と笑いがこみ上げてくる。
なんだか自分じゃないみたい。あんなこと人前で堂々と出来るなんて。
この気持ちを自覚した私は、前の私では想像もできないぐらい大胆なのだ。
531魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第二話:2007/07/11(水) 12:58:02 ID:RcbJ9bmb
「ぁわ、あわわわわ」
フェイトが走り去った後、僕はまだ混乱から抜け出せないでいた。
い、今のは、まさか、接吻?!
「ふりぃよ、接吻て。キスとかちゅ〜とか言いようがあるだろうが」
蹲る僕を蹴飛ばすロド兄さん。
「いや、大人しい子と思っていたが、存外やるものだな」
「やっぱあれっすね。死んじゃったんじゃないかとか思った反動とかそんなトコじゃないんすかねぇ?」
「吊橋効果、は違うか。なんていうんだろうな?ショック療法?」
「それにしてもウチでも一番若い夫婦の誕生だな。新記録更新おめでとうってか」
「まだユーノが成人してませんから、まだまだ解りませんよ。遺跡もこんなになっちゃいましたし」
兄さんたちは勝手な言葉を並べていく。人事扱いならまだ判るがこの人たちはそんな大人しい性格をしていない。
こっちの意見も聞かず話は結婚生活の後や子供ができた時の対処などにどんどん移る。
やばい、話を止めないといつの間にか予想もできないことが決定しそうだ。
「あ、そういえばユーノ。お前どうやって出てきた?」
「そういえば後ろから出てきたな。転送魔法つかったならすぐわかるし…」
そう、それだよ、それなんだよ!
「皆が脱出した後、ちょっとヘンな崩れ方をしてる床を見つけてね、トラップかも、と思ったら地下への通路で――」
話を上手くごまかせた僕は今までの経緯を話す。
話しながらも思い馳せるのはさっきの、フェイトのことだ。
まさかあんなことをしてくるとは。ああ、嫌なんて事はありえない。純粋に驚いただけだ。
吃驚もしたが、その後の彼女のあの顔。
清清しいまでのその表情は、いままでフェイトが見せたことのない顔だった。
今までも綺麗な子だ、とは思っていたが、あの笑顔はちょっと反則だ。
あんなことをされてあの顔を見たら、そのままの関係なんて、
家族としての関係なんて、もう保てるはずがない。

思えば、僕はずっと前から彼女のあんな表情が見たかったのだ。あの一点の曇りもない笑顔を。
前はそこが終着で、目標だったのに、それが叶ったとたんにその先をまた望んだ。
どうしよう。このまま彼女を好きになっていったら、いずれ彼女無しでは生きられなくなってしまうかも…
それとももう手遅れだったりするのだろうか?
532魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第二話:2007/07/11(水) 12:58:57 ID:RcbJ9bmb
昨日と同じように同じ布団に入っている。
違うのはアルフがいないことと、私とユーノの気持ちだろう。
アルフは晩ご飯時の私達の様子に何を察したのか、今日は外で寝ると告げテントを出て行ってしまった。
もうランプの光じゃ誤魔化せないほど顔が赤い二人。眼も碌に合わせられない。
掛け布団の下で結ばれている手を意識する。どちらが言い出すでもなく、繋がれた手。
お互い遠慮がちに結ばれていた手が、やがて彼のほうから強く握られる。
「フェイト。僕は、君と一生を共にしたい」
ストレートすぎる言葉。今までのユーノからは想像も出来ないその言葉。
「わたしも」
返す言葉なんて決まってる。強く手を握り返し、
「わたしも、ユーノと結婚して、夫婦になって、子供を作って…一緒にこれからを生きたい」
そう、ずっと一緒に。
「まだ僕ら子供だから、結婚は出来ないけど、今伝えておきたかったんだ」
その真剣な瞳を見入ってしまう。嘘や冗談なんかじゃない、本当の本気。
「誰にも取られたくない。何処にも行かせたくない」
「うん」
「なんか、上手く言葉にできないけど、そう思った。だから、その気持ちが伝えたくなった」
そっか……やっぱり、繋がってる。ユーノの思いは、そのまま私の思いだ。
「遺跡は崩落で未発見の地下が見つかって、調査に2ヶ月ぐらいはまたかかるだろうって」
「じゃあ、成人の儀式は継続?」
「うん。だから2ヵ月後、調査が終われば感謝祭だ。そこで、もう一度君にこの思いを告げる」
「うん。その時、もう一度その思いに答えるよ」
もう、私達に距離はなかった。繋がった手は二人の身体に挟まれ、お互いの顔は額がたまにぶつかるほど。
キスしない理由なんて、なかった。
533魔法少女ネガティブフェイト Y´s 第二話:2007/07/11(水) 12:59:33 ID:RcbJ9bmb
ユーノが深い眠りに入った頃、私は目を覚ます。もう毎日の日課なので特に意識しなくても起きてしまう。
昨日までは寝ているユーノの顔を眺めたり撫でたり、
アルフを寝ぼけた振りして移動させて私アルフユーノの順番をアルフ私ユーノに変えてみたり、
一度外に出てお花摘みを済ませたあと「寝るとこを間違えちゃった」とユーノの隣に寝付くこともあった。
しかし今日からはもうそんなせせこましいことをする必要はない。
婚約。そんな言葉を浮かべ布団をバンバンたたきたくなる衝動に駆られる。でも我慢。
隣にいる彼の温もりに名残惜しさを覚えつつ、布団から抜け出る。
寝巻きのまま寒さ避けの上着をまとい、テントから出て目的の場所へと向かう。
深く暗い森にぽっかり明いた広場。月明かりに照らされて、静かに佇む紅毛の狼がいた。
「やぁフェイト。今日も月が綺麗だねぇ」
「うん。ありがとうアルフ。気を使ってもらっちゃって」
頼れる使い魔。可愛いお姉さん。もう一人の私。
「フェイトの為なら、さ。結果は聞くまでもなさそうかな」
「うん、ユーノと、ずっと一緒って約束したよ」
そうかい、と大きな口の端が嬉しげにゆがむ。
「でも、そうなるとあたしはお役御免かねぇ」
なんでもないことのように。なんでもない口調で。
「ユーノは、どうしようもならなかったあたし達を救ってくれた。いい奴だよ、ホントにさ」
遠くを、月を見上げてアルフは続ける。
「あたしは、なにもできなかった。でも、あいつはフェイトにくれた。ちょっと、妬けるよ」
「アルフ」
「ユーノがいればフェイトを護ってくれる。安心だ。スクライアの皆だって優しい人たちばっかだしさ。
戦闘がなければあたしはフェイトのお荷物だしね。もう、あたしは――」
首の辺りをキュッと抱きすくめる。
「ケヒッ」
あ、力加減間違えた。ちょっと腕を緩める。
「アルフと私はずっと一緒だよ。ユーノと一緒になっても。子供が生まれても。
おじいちゃんおばあちゃんになっても。死ぬまで一緒。だって、家族だから」
「ゲホッゲホッ…でも、あたしもう、フェイトに何もしてやれないし…」
「そんなことない。絶対。傍に居てくれるだけで嬉しい。今だってこうしてるだけでもあったかだ。
でも、アルフがそれでも満足できないなら、スクライアの人たちや、これから産まれてくる私達の子供のために――」
「フェ、フェイト?!まさかもうそんな進んだ関係に!?」
「ちち、違うよ!まだ綺麗な身体のまま!そういうのは結婚してからだってユーノが!」
ああ、話が逸れた。えと、何処まで話したかな?
「ああ、なんか色々考えてたのが馬鹿馬鹿しくなってきたよ。もう帰ろうか」
「アルフ…」
「まだまだ二人とも危なっかしいしさ、やっぱこのあたしが面倒見てやらないと駄目だね!」
「うん!」
二人で暗い森を抜けて、ユーノの居るテントまで戻る。二人で一緒に見る月は殊更綺麗だった。

「あ、今日からアルフ私ユーノの並びだからね、寝るとこ」
「あんまり人目気にせずいちゃいちゃすんのは勘弁しておくれよ」
あはは、確約は出来ない、かな?
534終了・あとがき:2007/07/11(水) 13:02:52 ID:RcbJ9bmb
はい、ちょっと長めでしたー。
ははは、みんなの評価が怖い作品へと仕上がってもうた。
説明不足が多いような気もするけど自分じゃ何回読み直しても判らないから怖い。
客観的に見る能力が欲しいなぁ…
たぶん次かその次でラスト、かも。

と言うことで自分はターンA氏の淫獣ユーノを応援しています。
わくわくがとまらねぇ!
535名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 14:28:20 ID:vZyPW7DO
>>515
フェイエリの続きキター
今回も素晴らしく萌えました
GJ!! フェイトママンww
エリオきゅんがんばれw

>>487
スバエリとギンエリは俺も期待している。希望を捨てるな!

>>505
お待ちしとる。ガンバレ!
536名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 15:14:03 ID:kqgKjd6F
>>515
おっきくたっていいじゃない、むしろ大きいほうがいいよ!

>>534
夢の中のクロノマジ自重しろwwww
そしてユノフェイ甘甘ごちですw

にしても二作品に分けても良かった気がしなくもない……かな?
537名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 16:13:39 ID:HVThJlcx
てかアニメ化前の前科が前科だからクロノが言うとことさらヤベェw
538名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 16:55:35 ID:+sWw/S/y
>537
この時のクロノはパロメディアでの仮面(知人の遺品)を被ってたな、絶対にww
539名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 17:23:21 ID:dpZU4mEg
>>534
ネガフェイ第二話、お待ちしておりました!!
冒頭のクロノとの会話には笑わせてもらい
本編のユーノとフェイトは一分の隙も無いほどの甘甘っぷりで言うこと無しッスwww
540名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 20:24:30 ID:cQWf9W4b
>>534
夢の中のクロノやりたい放題w
なんかこのスレだとクロノはギャグ担当が多い気がするぜ
そして本編で砂糖吐いた
541名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 20:54:33 ID:3hXyOzMw
>>534
GJ!!夢の中のクロノにワロタw
542名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 21:00:19 ID:DIQ0vpZU
>>526
大丈夫だユーノ!クロノがそうやって外れたからこそカップリングネタのメインは君のものだ!
確かにショタで少年なエリオも凄いが大人キャラだからできる事多いし。いや正直
あと、半端に出て来られるよりいっそ殆ど出ない方が捏造設定・妄想し易いんだよね…
現時点でもユーノってなのは中心に2期までキャラの大体、あと師弟ネタでスバルと組めるから…
543名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 21:06:42 ID:EoscZvbG
カプネタではユーノかエリオが大半だな。
カプに拘らないなら中将なんていう新たなジャンルまで出てきたし。
544名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 21:35:41 ID:WPb+Ptp2
正直、ユーノは使いやすいキャラだよな。
個人的にはどの女性ともくっつけても、角が立たないと思う。
545名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 21:54:21 ID:0mTdu1hA
まあ、「男」に限れば一番使いやすいだろうな
546名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 22:26:52 ID:HfxUl0T2
その使いやすさ故に本編じゃ活躍しないんだろうな、ユーノは・・・
547名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 22:35:14 ID:PTFCdVQK
まぁ百合やってたほうが客受けいいしな・・・
548名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 23:26:25 ID:RcbJ9bmb
一部の客に、だとも思うけど

百合をホモ同様受け入れられない自分としては
最近の本編の百合満載な流れにちょっと辟易…
せめて燃えだけに特化してくれればなぁ
549名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 23:27:58 ID:Li8uLsGU
というか男が目立たないしな・・・・フェイトやらスバルやらが目立ってるから
百合が多めなのは、主人公女、ヒロイン女というこのアニメ1期の立場上ある意味仕方ないのかも。
550名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 23:35:13 ID:0mTdu1hA
>>548
いや、百合もホモだろ。
551名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 23:36:20 ID:tbF0vAZa
百合の意味を間違えてるのか、ホモの意味を間違えてるのか・・・

多分後者だろうが
552名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 23:38:04 ID:HfxUl0T2
う〜ん・・・
なのは本編を百合云々で文句言うのは、マリみてを百合だから駄目っていうのと一緒で、
作品の方向性がその人と合って無いんじゃないかな。

それに、いくらなのは本編が百合だといっても、そういう雰囲気を匂わせているだけで
ガチレズというわけじゃないからいいと思うんだけどなぁ。
553名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 00:13:38 ID:sB82yo7B
言うなれば、百合風味って感じかな?
物凄く仲がいいけど、肉体関係を持っているわけじゃないし。
はやてやスバルが胸を揉んだりするけど、そういったお約束は昔からあるしね。
5546課の落日:2007/07/12(木) 00:29:23 ID:A17WkYX5
こんばんは〜
雷光幻影第1話が完成しました。
0:40ごろに問題がなければ投下します。
555名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 00:34:33 ID:HhNhWvds
何を言ってるんだ>553
19にもなって同じベッドで日々寝てるんだぞ?
何も無いと考えるほうが気持ち悪いわ!
556名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 00:37:28 ID:UD1w+4X4
>>554
全裸にマントで舞っています。
557名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 00:38:32 ID:wzs0GFgF
そろそろ本スレかキャラスレ行こうぜ
5586課の落日:2007/07/12(木) 00:42:59 ID:A17WkYX5
それでは投下します〜
その前に注意点です。

・エロなし
・エリオ×ティアナ
・やや短め

以上が嫌な場合はスルーしてください。
559雷光幻影 第1話『すれ違い』 その1:2007/07/12(木) 00:45:21 ID:A17WkYX5
「はぁ・・・・・」

朝の涼しい空気の中、正面玄関前でエリオはため息をつく。

(昨日はなんだか寝惚けてたとはいえ大変なことをしちゃっとよなぁ・・・・・)

昨夜、シャワーを浴びてロビーで他のメンバーを待っているうちに今までの疲れが出たのかソファーでそのまま寝てしまい、おまけにその次にあがってきたティアナに倒れこんでしまった。
その結果膝枕の体勢になってしまったのである。
そして目を覚ましてみれば目の前にはティアナの寝顔がありエリオは軽いパニックに陥ってしまった。
さらにタイミングの悪いことに他のフォワードメンバーが来てしまい一騒動が起きた。
さらにこの様子は監視カメラを通してはやてにばっちり見られからかわれた。
そして現在に至るわけである。

「はぁ・・・・・」

エリオは再びため息をつく。
思い出すのは太腿の柔らかい感覚と甘いシャンプーの香り、そして彼女の寝顔。

(ティアナさんの寝顔、なんだか可愛かったな・・・・・って、何考えてるんだ僕は!?)

昨夜のことを思い出しつい表情が緩みそうになるが、頭を振って気を引き締めようとする。
しかし、彼の頭からそう簡単には彼女の寝顔が消えることはなかった。

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

エリオは両頬を何度も叩いて気合を入れた。

(煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散!!)


エリオ・モンデリアル、10歳・・・・・
煩悩を断ち切るには彼はまだ若過ぎた・・・・・
560雷光幻影 第1話『すれ違い』 その2:2007/07/12(木) 00:47:11 ID:A17WkYX5


一方ティアナはというと・・・・・

「いっぺん死んでこぉぉぉぉぉぉぉぉい!!」
「もぴゅらっ!?」

某蛇使いのような怒声と某女子寮管理人のような悲鳴がティアナたちの部屋に響く。

「う〜、酷いよティア〜。」
「うっさい!!アンタねぇ、毎朝毎朝人の胸揉んで起こすのやめなさいよね!!」

アッパーカットを食らった顎をさすっているスバルを尻目に訓練用の服にティアナは着替える。

「それじゃ、あたし先に行くからスバルも遅れないようにしなさいよ!!」

そして手早く着替えを終えたティアナは相棒を持って部屋を後にしようとする。

「まってよ〜、ティア〜。」

スバルの慌てる声が聞こえたがティアナは無視することにした。


「ふぅ・・・・・」

いつもの集合場所へ向かうティアナが思い出すのは昨夜のことだった。

(どうしちゃったんだろうな、あたし。)

相手は6つも年下の少年。
そして部隊の同僚。
そうとしか思っていなかった。
が、昨夜の騒動以降、彼女の頭の中はエリオのことばかりになっていた。
おかげでその夜はまともに眠ることが出来なかった。
もっとも眠気のほうはスバルのセクハラのおかげで見事に吹っ飛んではいたが。
561雷光幻影 第1話『すれ違い』 その3:2007/07/12(木) 00:47:53 ID:A17WkYX5


そしていつもの集合場所である隊舎の正面玄関前に到着する。
そこには既にエリオの姿があった。
それを確認しティアナは戸惑うが。

(落ち着きなさい!!いつも通り・・・・・いつも通りにすればいいんだから!!)

深呼吸をしてエリオに声をかけようとするが、

「「・・・・・あっ」」

エリオと目が合う。

「・・・・・・っ!!」

それに対しティアナは思わず目を背けてしまった。

(って、何やってんのよあたしは!!)

思わず自分の行動に突っ込む。

「あ・・・・あのティアナさん。」

エリオが声をかける。
その声はなんだが裏返っていた。
ティアナはエリオのほうに向き返すが。

「・・・・・・!?」

彼の真っ赤になった表情につられティアナの表情も赤くなる。

(くぅっ、しっかりしなさいよ!!ティアナ・ランスター!!)
(落ち着かなきゃ・・・・・そうだ素数を数えるんだ!!・・・・・1・・・・・3・・・・・5・・・・・7・・・・・・)

それぞれ冷静をつとめようとするが、かえってさらに混乱する。
そこへ、

「エリオく〜ん。」
「ティア〜。」
「「うわひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

残りのルーキーたちがやってきて二人は飛び上がった。

「エリオ君?」
「ティア?」

二人の驚きっぷりにきょとんとする。

「ああ、おはようキャロ!!それじゃあ揃ったし訓練所にいこうか!!」
「そ、そうね!!なのはさんを待たせるわけにはいかないし!!」
「えっ、ちょっとティア!?」
「え・・・・・エリオ君!!」

二人に引きずられスバルとキャロは混乱するばかりだった。

562雷光幻影 第1話『すれ違い』 その4:2007/07/12(木) 00:48:43 ID:A17WkYX5


そして夜・・・・・

「はぁ・・・・・」

女子寮の玄関前でティアナはため息をついた。


その日の訓練は散々だった。
訓練内容はパートナーを変えての模擬戦。
そのときのティアナのパートナーがよりにもよってエリオだった。
訓練中はお互い意識しすぎたためか連携が全く持って機能しなかった。
幸い撃墜判定は出なかったものの、かなり被弾してしまいなのはにも厳しい注意を受けた。


「エリオ・モンデリアルか・・・・・」

今でも彼のことを思い出すとなぜが顔が熱くなる。
それを振り切るように頭を振る。

(いけない、明日は本当にしっかりしなくちゃ・・・・・)


ティアナ・ランスター16歳・・・・・
それが恋という感情であることに気付くのはまだ先の話・・・・・


「そないなことがあったんか・・・・・」

なのはの報告を聞きはやてはモニターに目を向ける。
モニターにはエリオとティアナの模擬戦の様子が映し出されていた。
それぞれ単騎で目標を撃破するのには殆ど問題はなかった。
問題はいざ連携というときに二人の動きが鈍ってしまうシケースが多々あった。
そのためがジェットにそこを付かれ被弾してしまうという悪循環に陥ってしまっていた。

(まぁこの二人の様子を見る彼にこれは『恋』やな・・・・・)

隊長格3人のなはではやては恋愛に関しては最も鋭いといえる。
なぜなら彼女は3人の仲で唯一の恋愛経験者だからである。
ちなみにまだ片思いではあるが・・・・・


「はっきり言ってこのままじゃ同じことに繰り返しになってしまうと思うんだ・・・・・どうすればいいと思う?」

教え子の突然の不調になのはははやてに助けを求める。

(ん〜・・・・・昨日のこともあるしここははやてさんが一肌脱ぎますか。)
「まぁこういう場合はな・・・・・・」

それに対しはやてが出した結論は・・・・・


「荒治療しかあらへんやろ。」


・・・・・To Be Continued
563後書き:2007/07/12(木) 00:53:41 ID:A17WkYX5
というわけで第1話でした。
さてはやての荒治療とは果たして何か・・・・・?
564名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 01:23:04 ID:m1E5sIWe
さて、もう残り容量が50kb強な訳だが。
565名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 01:28:05 ID:1Nzb9Euv
荒治療かあ……ここでエロイことしか思いつかない俺は負け組か?
566名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 01:29:41 ID:Wudp4JZ7
>>563
GJでした!
エリ×ティアの関係がこれからどうなるのか暖かく見守っていきたいな。

>>565
心配ない。俺もだ
567名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 01:55:23 ID:V88FrDeo
なんか最近ティアナ物多いね
568名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 02:09:52 ID:Fu/vMw0D
GJです
次はもちろんエロありですよね!!!!!
569名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 05:54:12 ID:tFODctg5
荒治療じゃなくて荒療治じゃないか?
570名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 09:11:52 ID:FqvYjAFY
エリオ・モンデ「リ」アルって…
また厨がアニメ見たことないのに
SS書き始めたか…
571名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 10:34:53 ID:T7shaN+d
>>570
ただのタイプミスだろ…常考
572名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 10:40:04 ID:JAhD8ZaX
ディをdeliって打ったんだろ、dhiタイプに慣れないとよくやるよな
573名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 10:45:16 ID:1+PJP+WM
GJ,投下乙です。珍しい組み合わせだなー

どうも某元ネタの原作者も勘違いしてるくさいんですが、
素数ってのはその数の約数が1とその数字自体の『2つ』あるものを指すわけであって
1は素数とは呼ばれないと思った…ついでに2抜けてますぜ。
や、動揺してる描写なんかなーとも思うけど。
574名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 12:08:10 ID:a2bS5rLu
フツーに動揺して間違えてるエリオきゅんに萌えてたわw

つか元ネタあったのか
5756課の落日:2007/07/12(木) 12:09:26 ID:A17WkYX5
ぎゃー!?
モンデ『リ』アルじゃなくてモンディアルだったー
ご指摘ありがとうございます。

・・・・・ちょっとストラーダに穴あきチーズにされに逝きます・・・・・

ちなみに素数のほうは完全にネタです。
576名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 14:39:55 ID:VaU367R+
〜脳内神の御告げが下りました〜

「ゲンヤ・ナカジマと中睦まじいはやてに嫉妬する『ゲンヤ・ラヴ』なレジアスゲイツ中将」


軍事組織的体育会系組織を舞台にしているのに同性愛臭が薄いのは不思議ではあるな。
577名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 16:46:37 ID:WdvMAuz2
>同性愛臭が薄い
ひょっとしてそれはギャグで(ry

っても芳しき百合の香りしかないけどな
578名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 17:15:43 ID:dt6c2Ts6
まっがーれとクロノは?
姉弟そろって不倫に使える稀有な素材だぜ、教会姉弟。

>>574
元ネタ>ジョジョのプッチ神父
579名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 17:55:19 ID:nqiOvt6e
>>562
>「荒治療しかあらへんやろ。」
荒治療? 荒療治では?
でも、穏やかな手法を選ぶはやてさんというのが
想像できないんだw
580名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 17:59:53 ID:qLUK9jzs
>579
ここに、荒くない療治があr
581名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 18:16:44 ID:gCB/RjNY
>>578
エイミィがマッガーレに食われちゃうん
582名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 18:37:18 ID:tKTYiazf
アコース×ティアナってやっぱ考える人少ないのかしら?
583名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 18:45:36 ID:0u7kvDn3
正直、ヴェロッサは胡散臭すぎて
『実は敵でした』としか思えないのでCP考えられない…。
584名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 19:04:13 ID:SVaP1n9A
空気も流れも読まずに

エリオ×ストラーダの続きマダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
585名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 19:42:07 ID:iTy1xrMC
>>563
エリティアの続きキター
ツンデレかわいいよつんでれ
そしてエリオ、男を見せろ!
次回が楽しみでたまらん。
586名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 20:01:15 ID:ZM2C6g2E
587名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 21:18:43 ID:zkm1wLVb
ナンバーズの9番(ノーヴェ)とエリオの関係がイロイロ考えられているけど…
実際のとこ、ど〜だろね?
それはさておき連中の簡単な解説見つけたのでなんかの資料にしてくれ。

ttp://shabernack.orz.hm/lyrical/rh/gebo2667.jpg
588二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/07/12(木) 21:22:42 ID:eqbzlh7g
レジアス中将のお話投下します
エロなしです
589二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/07/12(木) 21:23:26 ID:eqbzlh7g
レジアス・ゲイズは久しぶりに自宅で朝食をとっていた。
「パパ、今日ね?運動会なの。お仕事忙しい?」
レジアスの愛娘が恐る恐る口を開く。
もっと早く伝えたかった・・・が、レジアスの仕事が立て込み、話はおろか会う事さえ難しかったのだ。
「今日か・・・よし、なんとか顔を出そう。その代わり、頑張って一位になるんだぞ?」
来て欲しいとさえ言わない控えめな娘からの期待に応えたい。
レジアスは仕事のスケジュールを練りながら空いている時間を探し、言った。
「ほんと!?わーい、パパ大好きっ」
少女は目を輝かせて身を乗り出した。
「あらあら、良かったわねぇ」
柔らかく微笑む妻がレジアスにお茶を差し出す。
「ほら、まだご飯が残っているぞ。全部食べなさい」

運動会のプログラムは順調に進んでいた。
「ね、ね?お父さんって首都を守ってる偉い人なんだよね?」
少女に話しかけるクラスの友人にとっても、首都防衛隊は憧れのヒーローなのだ。
「うんっ、今日は来てくれるって!」
「ほんとに!?あとで会わせてね?」
なにやらテレビで難しい話をしていた有名人に会う事が出来る。
それだけでクラスは盛り上がる。
「うんっ、いいよ。自慢のパパだもん」
少女は誇らしく胸を張った。
次は徒競走だ。

「む・・・こんな時間か・・しかし、期限が今日のモノも残っているな・・・」
チラチラと時計を気にしながらレジアスが仕事を進める。
やっつけ仕事で終わらせる事など彼の誇りが許さないが、やはり娘との約束が気になる。
「・・・・・中将、緊急のお仕事です」
そこに、秘書であるオーリスが最悪の用件を伝えに来た。
「な、なんだと・・・後に出来ないのか?」
これからの出動では娘の運動会にはまず間に合わないだろう。
いや、出動がなくても怪しいものだ。
「今すぐお願いします。これも民の平安の為です。移動の準備を・・・」
オーリスは揺ぎ無い視線でレジアスを見据えた。
「そ、そうか・・わかった・・・・」

「パパ、遅いな・・・まだかな・・・私、ちゃんと一位になったよ?なんでパパ、こないの?」
自分が約束を守ったのだから、父も来るだろう。
徒競走の順位とレジアスのスケジュールに関連性などないが、少女は信じて疑わない。
「今日もお忙しいんでしょうね。泣かないで?」
「でもっ・・・えぐっ・・パパ・・・来てくれるって・・・う・・うぅ・・・」
遂には涙が滲み始めてしまう。
「大丈夫よ。パパ、きっと来てくれるわ。それに・・・」
母は娘の頭を撫でながら言う。
「そ・・それに?」
「パパは皆を守る正義の味方なんだから、約束を破ったりしないわ」

1/3
590名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 21:24:35 ID:eqbzlh7g
一方、レジアスとオーリスはミッドチルダの首都高速を移動中だった。
「・・・随分走るな?今日は出来るだけ早く帰りたいのだが・・・・」
地上本部からどんどん遠ざかっていく様子にレジアスが不安げに言う。
「ご容赦ください。なにぶん急な要請であったので・・・」
必要最低限の返答をし、オーリスがハンドルを切る。
「う・・む・・・しかし、オーリス君・・・ちょっとスピード・・・出しすぎじゃないか?」
実際、緊急出動とは言え法廷速度を軽く超えた速度で走っている。
「いえ、このスピードでは間に合わないかもしれません」
目前の黒いテスタロッサを軽くあしらうようにオーバーテイクする。
「すげぇ!なんだ、あの車!あのヘアピン、120オーバーで抜けてったぜ!?」
後方を走る車から驚嘆の声が漏れる。
何故か首都高速に連続ヘアピンがあり、それを難なく高速で処理する。
「現地の隊員はどうしたんだ?並の事件なら問題なく処理できるだろう」
「残念ながら、他の隊員では手も足も出ないでしょう」
淡々と現場でのレジアスの必要性を説明するオーリス。
「そうか・・しかし、私個人の力に頼るようでは、防衛隊もまだまだだな・・・」
「うぉぉ!?シフトダウンからの立ち上がりが段違いだ!絶対ヤバいイジり方してるぜ!あの車!」
囃し立てるギャラリーとドライバーをよそにオーリスは愛車を飛ばした。

運動会も終盤に差し掛かっていた。
「最後は親子共同リレーです。出場選手はゲートに集まってください」
メインイベントのアナウンスが入るも少女の顔色は浮かない。
「ね・・・大丈夫?お父さん、来てないんだよね?」
心配そうに少女の様子を伺うクラスメイトに自分に言い聞かせるように言う。
「く・・来るもん!パパ、来るもん・・・・」
担任教師もその様子を見て一時しのぎの案を考える。
「じゃあ、ゲイズはリレーの順番を後ろのクラスメイトと交代してもらえ・・・ギリギリまで待ってみよう」
「・・・はぃ」
うつむきながら少女は入場ゲートへと向かった。

現場にかけつけたオーリスとレジアスは車を降りると
「お急ぎください。今なら間に合います。誰一人悲しまずにすみます」
オーリスがマップを表示させレジアスの進路を誘導する。
「よし、辺りの安全確認を頼むぞ!くれぐれも民間被害の出ないように!」
事件を解決し、本部へ戻り仕事を終わらせ、それから娘のもとへ急ぐ。
なんだ、簡単な算数ではないか。
レジアスは髭口に笑みを湛えながら走った。

「仕方ない・・・ゲイズはそのまま走り続けてゴールしなさい」
ついにアンカーの一人前まで順番を繰り下げたが現れない父に少女は最後まで走るとの指示を受けた。
「はっ・・はっ・・・はっ・・・」
人数調整の為に多くの距離を走る生徒ももちろん居る。
少女はアンカーとのバトン中継点を通り過ぎ、そのままゴールへ・・・・・・向かわなかった。
「ゲ、ゲイズ!?どうした!?怪我でもしたのか?」
運営本部で中継映像を見ていた担任教師が音声をバトンの中継地点に繋げる。
「パパ・・・きっと来ます・・・」
他のチームが次々とバトンリレーするなか、少女は立ち止まり何の保証もない父の到着を待った。
「なにしてるんだよ!」
「早く走れ!」
他のクラスメイトから文句が飛ぶ。
勝ちを見過ごしてまで少女のワガママを通せるはずがない。
「パパは正義の味方だから、絶対来るの!」
まるで理屈の通っていない叫びに一同が言葉を失う。
父から受け継いだカリスマだろうか?
その声に対し、来るわけない・・・などと誰も心に浮かばなかった。

2/3
591二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/07/12(木) 21:25:49 ID:eqbzlh7g
オーリスがレジアスの進路を確認しながらマップを更新する。
「はい、その先を右に曲がってください。そこに現地協力員が待機しています」
「現地協力員だと!?民間人を危険に晒したのか!?」
「安全な地点であることは確認が取れています。そこで物資の補給を受けてください」
「物資?どう言う事だ!?」
角を右に曲がった先に待っていたのは・・・・
「パパ!」
涙を目に溜めた少女が叫びに近い声で呼びかけた。
「なっ・・・こ、これは!?」
「さぁ、中将、お急ぎください。最後尾からぶち抜くのが最高にカッコ良い勝ち方です」
「パパ、早く!」
「・・・・よしっ!任せなさい!」
バトンを受け取るとレジアスは今まで以上のスピードで駆け出した。
正義の味方に負けは許されない。

「ふぅ・・・若干の遅刻ですが・・・良しとしましょう」
バトンリレーの確認を取り一息つくオーリスに1人の女性が近づく。
「助かりましたァ♪」
「通報に感謝します。お気になさらずに・・・これも人々の笑顔を守るという仕事ですので」
敬礼を返すオーリスに女性が微笑む。
「いつも、貴方のような人があの人の近くに居てくれると頼もしいですわぁ」
「恐縮です」
「・・・・余計な真似すんなよ?このメス猫」
「これほど嫉妬深い奥様では中将が職場に逃げるお気持ちもお察します」
「何か仰いましたか?」
「いえ、別に・・・」
「・・・ほほ・・・おほほほほ」
「ふふふふふ・・・・」

「パパっ!パパ!」
逆転優勝の立役者に娘がかけよる。
「ど・・・どぉだ・・・パパは・・・・・強い・・だろぅ?」
肩を上下させるレジアスに娘が容赦ないタックルに近い勢いで抱きつく。
「ぐほっ・・・こ、これくらい・・・軽い・・・軽い」
「来てくれた!パパ、来てくれた!」
少女はレジアスに抱きつきながら、満面の笑みで母に呼びかける。
「ほらね?言った通りだったでしょう?」
誰よりも夫の苦労を知る賢妻がタオルをレジアスに差し出す。
「お・・・ママ・・・ありがとう・・・で、でもちゃんと1人でゴールするのも良かったんじゃないか?」
「まぁまぁ、良いじゃないですか。こうして逆転優勝できたんですし」
「う〜む・・・チームで優勝を目指す以上はやはり・・・・・・いや、良く待っていてくれた」
目を輝かせてしがみつく娘にレジアスは苦笑し、頭を撫でた。
「んにぃ・・・あ、そうだ。クラスの皆がパパに会いたいって!」
その後、レジアスはクラス中の親子に挨拶回りをすることとなってしまった。

レジアス・ゲイズの世論支持率が若干上がったが、運動会の件とは無関係だとレジアスは信じたかった。
「り、リレーで逆転した事と私の防衛思想の正しさは無関係だ!」
「パパ、政治は人気取りの勝負なの。カッコ良い所見せるとそれだけで主張が正当化されるの」

「ほら、ぶつぶつ言ってないで罰金払ってくださいね。え?あなた防衛隊の人?だめですよっ。ルールは守ってくれないと」
「はい」
警官に駐車違反のお説教を食らいながらオーリスは空を見上げる。
「誰一人、悲しまないというのは・・・難しいものです」

「ちょっ・・・止めてください!オレのチューニングのせいじゃなっ・・うひゃぉ!?」
同時刻、死亡フラグ臭のするヘリパイロットが金髪の死神に八つ当たりされていた。

3/3
592二世代オタク ◆mYeRiOJf9Y :2007/07/12(木) 21:27:41 ID:eqbzlh7g
おしまい。
書き込んだ後ですけど、オリジナルキャラ出てました。ごめんなさい。
本編での中将の位置づけが確定してないので、本編SSは難しいです。
593名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 21:31:45 ID:VaU367R+
9番(ノーヴェ)とエリオの関係…考えられるとすれば

1、コピー1号と2号程度の関係

2、培養の過程で分裂した一卵性双生児のような物

3、親(母体)と子の関係

4、実はノーヴェがオリジナル(TOA風?)

5、エリオ(年齢詐称)の隠し子
594名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 22:02:28 ID:zqnwPUWh
むしろノーヴェとスバルの関係が気になる。
中の人つながりだけとは思えん……

まぁ個人的に気になるのはクアットロの方なのだが。
機械を組み込んでる体だというのに眼鏡っ娘というのがたまらん。
それともあの眼鏡は伊達眼鏡なのだろうか。
595名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 22:06:49 ID:m1E5sIWe
>>592
最後でワラタ
596名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 22:10:18 ID:VuL5aI9f
>>593-594
どうせアニメが進めば明らかになるような話題なんかわざわざここでやることもないだろうに。
597名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 22:14:59 ID:VaU367R+
妄想するのが楽しい
598y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/12(木) 22:44:38 ID:hYfj4nFV
残り埋め兼ねてユーノの話、ラスト前投下させて頂きます
・エロ無いです、次でがっつり頑張ります、次こそラスト
599y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/12(木) 22:45:30 ID:hYfj4nFV
淫獣3章―宿舎内― その2




「もう…もう…エ、…エリオ君のバカぁッーーー!!!ふぇええええん…」
「キャ、キャロこそ、どうしてボクの話しを聞いてくれないんだ!」

タタタタタタタ…
あるか無いかの小さな足音が人気の無い宿舎の中を走り抜ける
(ん?)


ユーノはキュッと足を止め
小さな耳をクリッと動かし首を巡らせた

無事危険領域から脱出してチョロチョロと宿舎内を駆け回っていたところだった
(…はー…ヤバイヤバイ、やばかった!…
               …まさかあんなに早くなのは達に出くわすとは…)
くわばらくわばら…ナンマイダブナンマイダブ…そう呟きながら走り抜け…

声が聞こえた方を見た
ちょうど通りかかった薄暗い通路の奥側のドアが開いて中から少し光が漏れていた
細く高い、やや低く大きい、切れ切れの細い男女の言い争うような声
…はそこから聞こえてきたようだった

(…痴話ケンカ…にしてはやけに幼い感じだな…)

ユーノは興味を引かれて光の漏れる部屋にそろりと向かった
ドアの前に立ち視線を上げると表のプレートには
『【エリオ・モンディアル】& 【キャロ・ル・ルシエ】』とあった
首を伸ばしてその隙間からそっと中を覗き込んだ

「…だ、だからっ…ボクにとってフェイトさんって言うのは恩人だし…その憧れって言うか…
  だ、だってしょうがないじゃないか!あんなに綺麗な人なんだから…その…
   す、…少しぐらいはボクだって、その…えと、よ、横顔とか…見とれちゃう事だって…」

「…だ、だからって、わ、わたしだって、もちろんフェイトさんは大事な人だし…
             お姉さんみたいな…大好きだけど…でもエリオ君の…エリオ君のは…!
  フェイトさんを見る目は…な、何か違うよ!横顔だけじゃないよ…今日だって
                …い、いやらしいもん…絶対胸とかお尻とか見てたし…」

半泣きの涙を貯めたキャロが赤い顔をプイと逸らして語尾が消えそうな声で言った
「おしっ!?」
今度は一気に顔の赤くなったエリオが手振りを混じえ猛然と異議を唱える

「だっ!…い、いぁ、胸…ち、違うよ!なんて事を!?…ひ、酷いよキャロ
   ボ 、ボクはそんな目でフェイトさんを見た事なんか…な、無いよ!い、一度も無いよ!
  そ、…そんな事…そんな胸なんて…」

多少、目を泳がせ口ごもる赤毛の少年、思い当たるふしが無いでも無い…ようだ
(そりゃまぁ、仕方ないよねぇ…)
知り合いの最近とみにエロくなった肢体を思い浮かべ
(ウンウン解る、解るぞ少年)
とユーノが腕組みをして頷き目を細めた
なのはを巡ってある意味敵対関係にあったユーノとフェイトだが
フェイトの体の魅力については何も異議の無いユーノだった

600y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/12(木) 22:46:11 ID:hYfj4nFV
「そ、そうだ!…キャ…キャロのボクを見る目がいやらしいんだ!
        そんないやらしい目でボクとフェイトさんを見てたんだ!信じられないよ!」
 突然エリオが引きつったように叫んだ

え?と言われた方も信じられないと言う目でキャロが目を見開いてエリオを見つめた
 見つめられた方が、しまったと言う表情でギクリとして一瞬気まずい沈黙が流れた…
それを誤魔かすようにエリオの声がより一層居丈高になり声が高圧的に高くなった
 「そ、そうだよ!キャロが変に勘ぐりすぎなんだ!」

「そんな…そんなのってないよ、今日だって…わたし、わたしエリオ君の事だけを見て
 一生懸命、話しかけてたのに…それなのに、エリオ君はわたしの言う事なんか上の空で
 …フェイトさんやスバルさん達の方ばっかり気にして…
 その上みんなの体の、う、上から下までジロジロ見て…
 シャツの…その、胸の辺りとかとか…、め、目つきがいやらしかったもん!」

「だから違うってば!」
「違わないよ!エリオ君のエッチ!」

キャキャーギャーギャーと言い合う男女の幼い声に混じり
「うわ!」とか「ちょっと!」とか男の子の方の声だけも聞こえ始めたり
どうやら少女の方が実力行使に出て、手当たり次第に物を投げ始めたようだ
キュー…という声も漏れる

(ふーん…ほほぅ…なるほどねぇ…フェイトのとこのねぇ…)

キラーンとドアの端を持ち、目を光らかせたフェレットもどき
(てことは、そのうち…)
サササと手前の廊下の角までさがると彫像の影からじっと部屋の様子を見守った

バン!しばらくすると
ドアが乱暴に開けられて赤毛の少年が飛び出てきた
部屋の中を指差して叫んだ

「も、もう知るもんか!、…キャロの解らず屋!
    ボクはもう今日は他のところで寝るから!…うばッ!」

その顔面に枕がヒットしてクラクラした所へ、何やら幼生のドラゴンらしき子が
ぶつけられた、両者とも渦巻き状に目を回してしりもちをついて座り込んだ

そこへ次々に消しゴムやらペン立てなどが嵐のように投げつけられ
たまらずエリオはストラーダを起動して身を丸めた、フリードもその足元でキューと鳴き身を丸めている
激昂…と言うよりパニック状態の主人に近寄れないようだ

その状態でなお、何か一言二言抗議の声を小さく上げるとエリオは
「…っ…い、行こうフリード、お前ならボクの言う事解ってくれるよな?な?ボク達は仲間だ」
そう言うとキュウ?という白い物体の首を小脇に抱えた
その後ろ頭にパカン!とまた何かぶつかる、筆箱?あ痛!?と空いた手で頭をカバーするエリオ

慌てて赤毛の少年はドアを半ば閉じて傍から避難した
どうしようかとしばし、キョロキョロと左右に首を巡らせて
「…と、とりあえずロビーか食堂に行けば…多分スバルさん達が…」
やがて歩き去って行った

ブツブツと言うその声と足音、キューと言う鳴き声がが遠ざかると
ユーノはトテトテと廊下の暗がりから歩み出て
二人と一匹から一人に住人に減った明かりの方へ向かった

601y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/12(木) 22:46:58 ID:hYfj4nFV

中からシクシクと低く泣き声が聞こえる
チョロリとドアの隙間から中へ侵入すると
安いが物の良さそうなカーペットの上を足音も無く進む
山吹色の小物体

しげしげと部屋の中を眺めた
(ふーん…)
部屋の半分が少し女の子っぽく質素な中にも精一杯の可愛らしさを表現しているようだ
もう半分は…まぁ機能的と言うか面白みの無いと言うか…ヒーローぽいポスターの一つも無く
 普通の男の子よりかなり簡素な飾り気の無い、多分エリオの側か

首を巡らせる、簡素造りのベッドが二つと机が二つ
そしてその片方のややふわふわした感じのベッドの方の上にピンクの髪の少女が訓練着のままで
ぐすぐす言いながら枕を抱えて顔を伏せ、うつ伏せになっていた
「…う…うぇ…え、…エリオ君のバカぁ…ヒクっ…ぅ…うぅ…」


ふ、と溜息をつくと小動物は肩をすくめクスっと笑った
(あーあーエリオ君とやらも若いなぁ…キャロちゃんかぁ…可愛そうに…)
女の子の扱いが解ってないなぁ…ヤレヤレと首を振る
自分となのはの事は完全に棚に上げてそう考える19歳司書長であった

フフフ…ここは一つ、やっぱり経験豊かなこのボクが…
悩める年若いカップルの
…アフターフォローをしてあげるべきだろう
腰に手を当て考える淫獣であった
ちなみに彼の今までの人生でまともに付き合ったと言える女性は二人
リインとヴィータ、共に推定年齢10最以下である

…そう、その、決して…ボクはこんな小さな子にエロい事とか…ゴニョゴニョ…
ブツブツとベッドの脇で呟く

(…ま、この子達はフェイトや…なのはの部下らしいから…
 うん、こんな状態だとなのは達も困るだろうしなぁ…ボクも一応ここの職員っていうか
 お客扱いだけど、関係者で大人だし、第一なのはの…将来的なパートナーであるボクとしては…
  こういうのは見過しちゃまずいよなぁ…責任ある地位にあるものとして…)

ウムと頷く

 (…傷心の少女を人知れず慰め、影ながらその辺の隊員の細々した悩み事をサポートする…
   うん!我ながらカッコいいじゃないか…たとえバレ…いやいや何かしら伝わっても
 そう言うことなら…なのはやはやてにも感謝されるに違いない…ハズだ…)

誰に向かって言っているのか、おそらくは主に己の良心となのはへの言い訳を
10数秒ほど小さな脳でエロエロ…もといイロイロ考えると、どうやら本人の良心は一応の納得したようで

その獣の目を細めて手…肉キュウ付きの小さな前足をポムと叩き三角の小さな頭を頷かせた
サポート範囲から自然に少年エリオがハブられているのは今更言うまでも無い事だった
そこまでサポートすると別の話に発展してしまうので物語的にも当然であった


ぴょんと体重の無い者のように足取り軽くベッドへ駆け上がった
スルリとピンクの髪の間に体を寄せると、ペロリと小さな舌でキャロの頬を舐めた
少し塩味がした

602y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/12(木) 22:48:15 ID:hYfj4nFV
「きゃっ!?…え?何?…この子…?」
驚いてキャロは枕を抱えたまま、がばっと身を起こした、涙の跡が残る赤い眼、頬と
少し乱れた柔らかなピンクの髪
それでも彼女の愛らしさを失われていなかった
キャロの目がパチパチと、しばし悲しみを忘れたかのように
目前の物体を見つめ、興味深そうに視線をしげしげと注いだ

(何だろう?この子…柔らかそうな毛並み…)

キャロの注目を浴びたユーノは俄然やる気になって往年の演技を開始する事にした
(思い出せボクの体よ、お前はできる、できるはずだ…思い出せ、あの青春の日々の事を…)
10年前に散々練習し、アリサ達やフェイト相手に散々研鑽を積み
 何度もその芸で己が窮地の身を救ったその技を…

愛嬌たっぷりの仕草でクリっと頭を捻ると
「きゅ?」
と一声可愛らしく鳴いた 

「…え?」
とキャロは言うと
少し当惑した表情から小さく微笑んで片手を伸ばして小さな体を撫でた
ユーノは気持ち良さそうに体を寄せると
ぴょんと跳ねて訓練着の前にしがみつきペロペロとキャロの顔や口を舐めまわした
「え?ちょっと…キャッ、やだ、アハっくすぐったいよ…」
その攻撃にたまらず笑顔になってしまったキャロがくすぐったそうに身を捩り枕を落として
ベッドに転がって縺れ合った






「…でね、エリオ君がね……それで…」
ようやく言葉が途切れた

黙り込んでふさふさした毛並みの頭を撫でるとキャロは
フェレット=ユーノを
きゅっと胸に抱きこんだ
少女のシャツから漂う訓練の名残のどこか甘酸っぱい匂いにフェレットの鼻がクンクンと動いた
デレっとしたその表情にキャロは気づく様子も無い

「…やっぱりわたしが…魅力無いのが…駄目なのかな…」
「……」

ユーノはもぞもぞと少女の拘束から抜け出ると
横たわるキャロの顔の前に立つと、クルリと頭を回して言った
「そんな事無いよ、キャロはとっても魅力的だよ、ボクが保障するとも」

パチクリとキャロの目が見開かれた

ええええええええ〜!?

驚くキャロの前でユーノはチッチと指を振った


603y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/12(木) 22:49:13 ID:hYfj4nFV
八神家その2



「…んでさ、あたしも半信半疑って言うか、ほとんど信じられなかったんだけど
 ホントに回復してんだよこれが」

ソファーに足を組んだヴィータが指を立ててニヤニヤとどこか自慢気に説明をしていた
ユーノの特殊能力…即ち
ぶっちゃけ、Hすると相手の魔力を回復させる能力の事を


「…まぁ〜…それがホントなら、わ、私も一度お願いしようかしら…ここのところ
 その…ご無沙汰だし…え、や、違うわ、わ、私も回復を担当する者として興味あるから…」
やだもぅ!
と両手を桜色の頬に当ててフリフリしてるシャマル

その隣でシグナムが顔を赤くしてうつむいている、その服の端がしっかりとシャマルに
握られていて、烈火の将の逃走は不可能となっていた

「シグナムはどうなんだよ?、こういうの覚えあるか?今まで」
「え…?ぇえ!?…あ、あぁ…うむ…そ、その…まぁ何だ…概ねそんな感じではないのか…」

ハ?とヴィータ
あらやだー可愛いわシグナム…という顔のシャマルがワクワクしている

まったく、何を言って…
そう目を閉じてヴィータがH話の続きを再開しようとした時後ろから声がかかった
「あ、あのぉ…ただいまです…」
「あらリインちゃんおかえ…」

「リ、リイン帰ってきてくれた……ぁ…」

ヴィータの左右で後ろを見た笑顔のシャマルとホッとしたようなシグナムの顔が息を飲んで固まった

一人気がつかないヴィータがなおも興に乗って話を続ける
「…でさ、ユーノの奴アタシとリインの中に5回も出しやがったのに、まーた
 コスチューム替えたらビンビンなんだぜ、二人とも中開いて見せてって…
  それでまた延長…アイツベッドじゃ性格変わるんだよな、あっはっは」

「…ふーんそんなにスゴイんか?」
「ああ、そりゃもう、アイツさ、女みたいな顔だろ?、でもすっげぇ変態ぽい腰使いで…え?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
振り向いたヴィータの真後ろに腕を組んで仁王立ちの夜天の主が立っていた
なぜか完全BJに身をつつみ、シュベルトクロイツまで抱えている
その前に小さな体をさらに小さく縮めたリインフォースUが顔を赤くして宙に浮いていた

「は…はやて…さん…」
顔に縦線が入って息を飲むヴィータ

「…なーんや、ここんとこウチとこ家の中に知らん間に変な服がぎょーさんこと増えてるとおもたら…
  ほーぅ…そう言う事やったん…最近の子はやるなぁ…そーか、そぉーか…
    …あの○○野郎…(はやてのイメージ保持の為自粛)…と…それはそうと…ヴィータだけならともかく
 そぉかあ…リインまで…あの…」

プルプルと両肩が震えている
その横でリインが「…はぅぅ」と両手を合わせて、どうしようと言う顔で
青ざめたヴィータの顔と下を向いてブツブツ呟くはやての顔をキョロキョロと見ている
どうしようったって…と言う顔でヴィータもリインを見つめ返す
604y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/12(木) 22:50:23 ID:hYfj4nFV
後ろにはザフィーラが一応のそのそと付いてきていたようだったが
はやてのギラリと鋭い視線の一瞥を受けると、ビクっとして
クルリと向きを変え玄関に戻り隅でパタリと耳をたたみ丸くなった

「あ、あぁ!、そうそう!…あの私、ちょっと台所お方付けしなくちゃ、じゃ、じゃあまた後で…」
そそくさと立ち上がったシャマルが「やだもぅ…こんな時間…」とパタパタとキッチンへ避難していく
え”?
「お、おお!そうだ、私も…!テスタロッサに頼まれてたフォーメーションのプラン書類にまとめないと…」
シグナムもそれに続いて慌てて立ち上がる
ゴン!
ピンクの髪の将はテーブルに膝をぶつけたが痛みに構わず顔をしかめたまま
ヒョコヒョコと早足で災厄の爆心地から遠ざかって行った
な”?

戦友二人の素早い撤退にヴィータは呆気に取られ、リインはオロオロと左右を見た
部屋に残された3人、少しの時間、沈黙が流れた




そしてヴィータは主の怒りに直面する事となった
「二人共今すぐそこに座りぃ!!私は二人をこんな子に育てた覚えは無いで!!!!」

「はっ…はぃい!」
「は…ハイですぅ!」

ソファーと空中から弾かれたように二人が床に正座した
天災に対して抗うほど愚かな二人では無かった
今にもはやてが何やら超呪文でも唱えそうな勢いだったので二人共表情は大マジだった
家の中だけは広域破壊魔法だけは勘弁して欲しかった


この後
ヴィータとリインは
二人してはやての
激怒、大説教タイム→超お尻ペンペン、二人まとめて泣くまで→主大泣き、を味わい

時を経て

再び大激怒に転じたはやてが
携帯を握り潰さんばかりに力を込めて何やら知り合いを呼び出して話したり
ピッピと番号を替えて出た相手に怒鳴ったりして指示を出したりしながら

凄い勢いで玄関のドアから夜空へ飛び出して行ったのが30分ほど後の事だった
飛行許可とか言う言葉など頭に微塵も浮かんでさえない様子の主を
床にへばったまま成す術も無く見送ったヴィータ達だった



居間にシクシクと座りこんで泣くリインと
アタタ…と突き出したお尻をさすっているヴィータが残された
額に二人とも主お手製の即席『反省中』とマジックで書かれた紙が
セロテープで懐かしの中国版ゾンビ、キョンシーの御札よろしく貼られている

605名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 22:53:20 ID:GpuCiC1N
支援
606y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2007/07/12(木) 22:54:14 ID:hYfj4nFV
「いってって…はやてのやつガチ本気で…いってぇ
       …お尻倍くらい脹れてんじゃねぇのかコレ…うーちちち…」
「痛いですぅ…お尻がまっかですぅ…」

涙目の二人が顔を見合わす

「…と、とりあえずユーノの奴に連絡だけは入れといてやるか…今のはやて…
   マジでシャレになんねー…あのバカもし見つかったら…」

「ユ、ユーノさん殺されちゃうですよぉ…そしたら、はやてちゃんが逮捕されちゃうです
    …6課のみんなが困るですよ…みんなに全部知られちゃうし…はやてちゃん頭に血が…」

「…だ、だよな…くそ…あたた…なんでアタシがあんな奴のためにこんな…」

ヨロヨロとグラーフアイゼンに寄りかかって立ち上がると
健気に電話に向かうヴィータだった

「くそ…出ねぇ…どこほっつき歩いてんだあのバカ…」






ラストへ続く

長くなっちゃいましたが次で終わりです、お付き合い下さってる方々ありがとうございます
いろいろ励みなってます
次こそはエロいの頑張るぞーおー、あ、せっかくエリティアのご指名受けたので書いてみます
ニッチなとこばっかやる人間なので甘々なのはあんまり期待できませんが…
607名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:00:07 ID:GpuCiC1N
淫獣…強く生きろよ。
608名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:02:39 ID:mTkKFjxh
淫獣、おまえはもう一生分の女運を使い果たしたんだ。
これ以降、図書館で資料を相手に寂しい一生を送るんだな、おとなしく。

…………はやてのおしおきから生きて戻れたら、だが。
609名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:04:22 ID:qLUK9jzs
>606
あー、えーと、
逃げてー!だか逃げてぇだかわかんねぇ。
610名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:06:15 ID:0u7kvDn3
>>606
淫獣…無茶しやがって…(既に追悼ムード)
611名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:10:50 ID:lJF2rxWH
さらば淫獣。君の事は忘れない……

あとキャロにげてぇぇぇええええ。
612名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:12:21 ID:1+PJP+WM
>>606
…まぁ、なんつーか、骨は拾ってやるって気分だなぁ。
魔王と雷神と夜天の王敵に回して五体満足でいられればド級の幸運だよなぁw
613名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:12:56 ID:4ZwAoPOH
ユーノ…骨は拾っといてやるよ……
最も、凍らされたりしたらそれも叶わないわけだが……
614名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:14:34 ID:Q//TiJhy
淫獣……麻酔無しで去勢手術かな?
615名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:19:26 ID:9F6fMdVX
>>614
(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク
616名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:20:08 ID:VaU367R+
>>608

ユーノは発掘した某魔道書から出てきた「ロリ古本娘」を見つけて一生愉しく暮らしましたとさ。
617名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:27:42 ID:UD1w+4X4
>>606
乙でやんす。

>「…まぁ〜…それがホントなら、わ、私も一度お願いしようかしら…
シャマル自重しろwww
>その隣でシグナムが顔を赤くしてうつむいている
これこそシグナムだ!
>…あの○○野郎…(はやてのイメージ保持の為自粛)…と…それはそうと…ヴィータだけならともかく
ともかくwww

ラストも期待して待ってます。
キャロのエロが入ってればユーノはどうなってもいいかな、とも。
618名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:31:24 ID:CI7KZRXN
エリフリに萌えた
619名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:31:57 ID:SVaP1n9A
無駄かとは思いつつもキャロだけは、キャロだけはユーノの毒牙から逃げられないかと願っている
…が、エロパロ的には無理なんだろうなあ…チクショウ、ユーノめ('A`)
6206課の落日:2007/07/12(木) 23:50:40 ID:A17WkYX5
>>606
淫獣・・・・・
とりあえず一言『生きろ』。
たぶん無理だろうけど。

>>619
『6課の落日』を書いた私が言えた口ではないけどここでのキャロって結構酷い目にあってるな・・・・・・
まぁ、某フェイト声の妖精姫と比べればまだましなほうかもしれないが・・・・・
621名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:54:36 ID:MN4QM9Sv
>>606
なんというユーノ。これは南無といわざるを得ない。



ついでに。
フェイトのお見合いの作者ですが。続きができました。
残り容量的に次にまわしたほうが良いのでしょうか?
ワードで10P弱くらいの文量です。
622名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:01:22 ID:VRoh7yIw
次にまわした方が無難だと思うが。
623名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:09:20 ID:wMsdSG1m
>>620
女主人公で落とそうとすると、スカリエッティに邪魔されるあの人ですね。
624名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:09:58 ID:ygVfjoa/
>>620
某エイミィ声のお嬢との扱いの差に俺は泣いた。
625名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:11:38 ID:3QvVMKvD
そろそろ容量が気になるな。
というか2週間で1スレ消費か……活発だなぁ
626名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:17:46 ID:n2ukQFLR
>>620
落日の犠牲キャラ全員分のフルコースを喰らいまくってるあの人ですな。
627名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:39:05 ID:9VUKRObF
スレ立ての時ってサブジェクトの欄には何いれればいいの?
>>1のガイドラインをコピペしたら
サブジェクトが長すぎるって出るんだが
628名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:45:08 ID:4rZPcqQo
>>621
無難というなら、適当なうpろだに上げるほうが無難とオモ。
オリ×フェイトって荒れそうだし。
629名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:46:51 ID:hBRJn8pv
スレ立てためしてくる
>>1>>5のほうでいいんだよな
630名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:47:49 ID:3QvVMKvD
それでおk。ヨロシク
631名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:55:26 ID:hBRJn8pv
立ててきた。スレタイのスレ番は短くするために、漢数字からアラビア数字に直したのであしからず。

☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第21話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1184255330/
632名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:59:22 ID:ahlWVYnM
>>631
633名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 01:11:08 ID:9VUKRObF
>>631
乙ー!
634名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 01:16:14 ID:bUeeNn+g
>>621
まぁ、オリがでしゃばらないなら次スレでいいと思う
てかお願いしたいぐらいだ
635名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 01:20:32 ID:RVlwto8i
>>622 >>628 >>634
ご意見どうもです。

どうしたらいんだろう
今回はかなりでしゃばっているので、かなり問題です。
10P弱中4P分くらいは余裕ででてます。
バトルものじゃないので「オリキャラによる俺TUEEEE!!!」はないですが。
636名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 01:22:02 ID:o+r0hxnh
投下して埋めちゃうってのもアリじゃないか?
637いつのかの450@見合い:2007/07/13(金) 01:27:19 ID:RVlwto8i
>>636
ソレダ!!

というわけで投下してみます。
容量オーバーとかで引っかかったらリリろだにあげることにします。

NGワード
オリキャラ
オリ×フェイト
『酒豪』なのは

今回はオリキャラがかなりでしゃばっているので注意が必要をお願いします。

1:30くらいになったら投下してみます
めて顔を合わしたお見合いから2ヶ月。本人たちの奥手さから3.4回目くらいまでは、はやてとヴェロッサが同伴しての顔合わせだった。ふつう仲人が同伴するのなんてどんなに多くても2回目までである。まあ、フェイトらしいといえばらしいのかもしれないが。
ともあれ、2ヶ月の間に進展はあり、交際が始まった。二人とも忙しい仕事についているので頻繁に会うことはできないが、それなりにうまくやっているようである。



「はい、じゃあ今日の訓練はここまで。お疲れ様でした。」
「「「「お疲れ様でした!!」」」」
なのはの号令とともにティアナたちが挨拶をして彼女たちの一日が終わった。
軽く、ストレッチをしながら軽口を交わしていると、ヴィヴィオがザフィーラに乗って二人のママを迎えにきた。
そしてそこからみんなで隊舎に戻る途中、なのはがはやてに食事を誘おうと回線をつなごうとする。が
「……つながらないね?」
「うん、どうしたんだろう?」
なのは達が首をかしげているとやっと、
『なんだか顔が紅潮して、微妙に着崩れたスーツ』のはやて部隊長が現れた。
そういえば、今日は定期ナントカというやつでアコース査察官が来ていたことをなのは達は思い出した。
「ご、ごめんな。ちょと手が離せんとこやったんよ……」
「「ふぅ〜ん……?」」
もうそんなバレバレの言い訳をしているはやてに『例の流し目』で言葉を返す隊長二人。
「はやてちゃん、そんなに顔を真っ赤にしないとできないようなことしてたんだ?」「うっ」
「はやて、そんなに息が上がるようなことしてたんだ?」「ううっ」
「はやて、服が着崩れるようなことしてたのか?」「ううぅ……」
わかってていじめるスターズ隊長・副隊長&ライトニング隊長。
ちなみにシグナムはフォワード陣(withデカフリード)+ギンガ+ザフィーラに押さえ込まれいる。
「とりあえず……メシ食いにいこーぜ、はやて。」
「わたし達『も』シャワー浴びてからいくからゆっくりでいいよ〜。」
「は、はい〜……。」
真っ赤になって崩れ落ちながら返事をするはやて。きっとこの後で散々弄られるのであろうが、自業自得です。
そのやり取りが終わってから再び、みんなで隊舎に戻っている途中で、今度はフェイトが口を開いた。
「あ、ごめんね。今日はわたしこの後ちょっと用事があるから。」
「用事?……ああ、朝言ってたことだね?」
「うん。どうせ明日はスターズもライトニングも休暇とってあるし……」
隊長二人が話している後ろで、シグナムが声をかけた
「テスタロッサ、どこかいくのか?」
「うん。デートだよ。」
その言葉にライトニング3名は固まってしまった。
「すみません、わざわざ迎えに来てもらって。」
「いえいえ、誘ったのは俺ですから。」
笑いながら車を走らせるマクラーレン三佐。ちなみに愛称はエリック。
エリックもフェイトは普段着よりも少しめかしこんだ服を着ている。
が、エリックはいかにも着慣れていないという雰囲気を醸し出している。
「誘ってくれたのはうれしいですけど、慣れないんなら別に普段着でもよかったんですよ?」
「いえ、そういうわけにも……。こういうのは最低限のマナーだとロッサにも言われましたから。」
まだ多少他人行儀なところがあるものの苦笑いを浮かべながら話す二人は、どこからどうみても『恋人同士』のソレだった。



そして1時間たたないうちに、少しだけ街から外れた洋食店にやってきた。
「いらっしゃ〜い……お?エリックじゃないか。」
「久しぶっす、親父さん。」
出迎えてくれたのは白髪の混じった髪の気の良さそうな男性だった。
「お、エリックもそんな美人を連れてるような年になったか。」
ニコニコと笑みを浮かべながら二人の前に水ーを持ってきて男性は言った。
エリックは苦笑いを浮かべ頬を指で掻きながら短く、まあと返した。
「せっかくだから今日は店にある最高の食材使ってワシのオススメを作ってやるさね。もちろんワインもつけてな。」
そういいながら厨房に入っていく男性。
「ちょ、親父さん!今日俺車なんすけど!?」
「なーに、ワシが運転して帰ってやるさね。」
ご機嫌の親父さんだった。
もう何を言っても無駄だと判断したエリックは正面に座っているフェイトに向きあって顔を崩した。
「すみません、前から強引なんですよ。」
「いえ、いいと思いますよ。なんだか『力強くて優しいお父さん』って感じの人ですね。」
「ですね。よくガキのころに世話してくれたり、メシ食わせてくれたりしてくれたんですよ。」
フェイトが笑いながらエリックの話に耳を傾けていると、先の親父さんよりも少し若いくらいの女性がワインとグラスを持ってきた。
「はい、これはうちからのサービスね。」
「お袋さん……ってこれ親父さん秘蔵の57年物じゃないすか!?」
「息子同然の子が彼女連れてきてるんだから、それくらいしなきゃうちの名折れよ?」
彼女といわれて頬を染めるフェイト。とても3人の子持ち(?)とは思えない。といっても恋愛経験などないのだから仕方ない……
いや、いくらなんでもこの年でこの反応はないかもしれないが。
何はともあれ、二人とも好意に甘えることにした。
「それじゃあ……何に乾杯しましょうか?」
「そうですね……それじゃ、エリックさんが無事に任務から帰ってきたことに。」
「じゃあ、俺はフェイトさんが抱えてる事件の早期解決とフェイトさんの無事を願って。」
「「乾杯」」
少しだけグラスを相手の方に傾け、言葉と目で乾杯をした。

そのころの機動6課

「ふ〜ん?わたしたちが仕事してる間、八神部隊長は彼氏とお楽しみ中だったんだ〜?ふ〜ん?」
もはや何度目となるかわからないこのやり取りを、某所で『冥王』と呼ばれている例の目つきではやてをイジる……
いやもはや、イジメている高町なのは教導官、19歳。彼氏は無限書庫の司書長なのでなかなか休みが取れない。
ちなみにその脇には一升瓶が1本、座っているイスの下には10本くらいにビール瓶が転がっている。
さらに現在進行形でビール瓶は増え続けている。
「も、もう堪忍して……わたしが悪かった。」
「ううん。別にわたしはそのことを責めてるんじゃないんだよ?ただね……」
言葉を切って、ジョッキにいっぱい入っていたビールを一気に飲み干すなのはさん。その姿はどうみてもオヤジです、
ありg(ry。そしてドンとジョッキをテーブルにおいて言葉を続けた。
「なんでわたしはなかなかユーノ君とイチャつけないの!?ティアナにはヴァイスさん!シャーリィにはグリフィス君!
この二人は同じ部隊だから『そういうタイミング』が多くたってなんとも……思わないこともないけど、なんとも思わないよ!!
けどなんで!?なんでフェイトちゃんとマクラーレン三佐とか、はやてちゃんとアコース査察官とか結構……
ううん!かなり忙しいのにちゃんと会ってイチャつける機会があるのになんでわたしにはそういう機会どころか、そういうフラグすらないの!?
なに!?20スレが半分ユーノスレになったせい!?それでなんでわたしがこんな思いしなくちゃならないの!?」
かなりアレな話をしつつはやてを責める(?)なのは一等空尉。メタ発言は控えて欲しいものである。
ちなみにこれはもはや「はやてイジり」ではなく「ただの愚痴」である。
「そ、そんなことわたしに言われても……ユーノ君となのはちゃんの休暇とるタイミングが合わないからとしk」
「だったらほかにも教導官の資格持ってる人増やしてよ!!わたしとヴィータちゃんだけだから休み取りにくいんだよ!!たぶん!きっと!!あー!!もう!!」
そう言って(叫んで?)テーブルにうつ伏せるなのは。しばらくすると寝息が聞こえてきた。
「…………ふぅううううううううううう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
大きなため息とともにずり落ちそうになるほどへたり込むはやて。
「おつかれさま、はやて。」
「自業自得もあるけど災難だったな〜、はやて」
ヴェロッサとヴィータが近づいてきて声をかけた。
シグナムは向こうでつぶれていて、シャマルはその看病をしている。
ちなみにシグナムはヴェロッサどころか、ヴィータに酔いが回る前につぶれてしまった。
その近くではヴァイスとティアナやグリフィスとシャーリィ、エリオとキャロなどがイチャついていたり、
ナカジマ姉妹が哀愁を漂わせながら自棄酒を飲んでいますが、無害です。(明日は休暇なので。)
「あ〜、もう。確かにわたしが悪かったかも知れんけど、ここまでやることないやん……日本酒4合とビール5本とかきつすぎるちゅーねん。」
「ごめんね、はやて。」
かなり気持ち悪そうに天井を見上げていると、額によく冷えたタオルがかけられた。
びっくりして振り返ってみると先ほどまで話題に出ていたユーノがそこにいた。
「「んな!?」」
「やー、ユーノ博士。久しぶり〜。珍しいね?」
「うん、新人達が全員いいレベルまで育ったから、有給使って遊びにきたんだ。」
驚くはやてとヴィータを他所に話を弾ませるヴェロッサとユーノ。そしてなのはの隣に行き、
なのはをやさしく抱き上げた。所謂お姫様抱っこで。
「みんなと飲みたいって気持ちもあるけど、こんな状態のなのは放っておくわけにも行かないからね。
ザフィーラ。悪いけどヴィヴィオもつれてなのはの部屋まで案内してくれない?」
ザフィーラは頷いてからすでに眠りに落ちていた、ヴィヴィオを背に乗せなのはの部屋に向かっていった。
「それじゃあ、あとで。二人を部屋まで送ったら戻ってくるよ。」
そういうとユーノはザフィーラの後についていった。
しかし、ザフィーラ。最近保育犬がかなり板についてきたのは、決して作者の気のせいではないはずだ。
「とりあえず、はい。」
「ありがと〜。」
そういって、レモン水をはやてにわたすロッサ。はやてもそれを受け取りちびちびと飲む。
「ん〜、寝る前にもう一回、と行きたかったけど無理そうだね。」
「う〜、ごめんな。」
冷タオルで顔を拭きながら謝るはやてにロッサは笑いながら頭をなでた。
「いいよ、別に。はやての健康が一番だからね。」
「うん、ありがと。あ〜、でも今日は、その、『する』のは無理やけど。一緒に寝てくれへん?」
恥ずかしそうにタオルで目の下まで隠して、上目遣いでそう言ってくるはやて。
これで『お願い』をされて断れる男がいるだろうか。いや、いない。
というわけで、はやてはロッサがそのことを了解するとロッサに身をあずけて寝てしまった。

「んー、そういやヴォルケンズってザフィーラ以外恋人いね〜な。」
アイスとワインというなかなか通な組み合わせで引き続きシャマルと飲んでいるヴィータがそう切り出した。
「そうね〜。相手もいないし、はやてちゃんの守護騎士だし……そういえば子供って作れるのかしら?」
「ん〜、どうなんだろ。ザフィーラとアルフで様子見か〜。」
「そうね〜。まあ、はやてちゃんの恋路とわたしたちに良い出会いを願って〜」
「かんぱーい」
シグナムが唸っている隣で二人の騎士は今日何度目になるか分からない乾杯をした。

一方、こっちはライトニングお子様組み。
「えりおく〜ん、なんだかあつい〜。」
「キャ、キャロ!分かったから!!とりあえず服着て!!それから熱いなら僕に引っ付かないで!!」
「ふぇ〜……えりおくんわたしのこときらいなんだぁ……そうだよね……わたしえりおくんの足引っ張ってばっかりのお荷物だし、
こんな子に言い寄られて頼られても迷惑だよね……ぐすん。」
「ち、違うって!!キャロのことは好きだし、キャロはお荷物じゃないし、迷惑じゃないし、頼られるのはむしろうれしいことだから!!」
「えりおくん……」
「でも、ここはみんなが見てるから。服着て。」
「うん、部屋にいこ〜。」
「ああ!キャロあぶないよ!!暑いかも知れないけどちゃんと服着て僕に掴まって。」
やっていることはどう見てもオトナです。ついでに酒も入っているようです。本当に、ありg(ry

「そうだな〜。明日あたり街の方行ってみるか?」
「いいんですか?せっかく休暇なのにわたしの用事に付き合ってもらうのも……」
「おいおい、休暇を彼女と一緒に過ごそうっていうのに文句言う男がどこにいる?それとも、ティアナは俺と一緒に出かけるのは不服か?」
「い、いえ!そんなこと!むしろうれしいです!!」
こっちはこっちでティアナとヴァイスがいちゃついていた。
「んじゃ決まりな。どのサイズにするんだ?やっぱナナハンくらいか?」
「いえ、ちゃんと自分の持つのは久々なので400くらいにしようかと思ってます。」
「あいよ。とりあえず明日は俺とタンデムな。」
「はい!」
タンデムと聞いて満面の笑みを浮かべるティアナさん。がんばれ!本編での扱いが不遇でもきっとみんな君を応援してくれている!!

「ねー、ギン姉ー?」
「なぁに、スバルー?」
星空を見上げながらナカジマ姉妹は中央におつまみが乗ったお皿を挟んで隣り合って座っていた。
「なんでわたしたち主要キャラなのに相手がいないのかなー?」
「なんでだろうねー。」
「しかもわたしは3期の(一応)主人公のはずなのになんでマスコットはおろか、男性キャラがあてられないのかなー?」
「なんでだろうねー。」
「エリオの可能性は早々にキャロにつぶされちゃうし、ティアナとの百合フラグもなんかヴァイス陸曹につぶされそうだし。」
「姉妹百合フラグっていう神様の陰謀かなー?」
「それだけは勘弁してほしいねー。」
「そうだねー。」
とても悲しい話をしつつ、チューハイを煽るナカジマ姉妹だった。
そのころのフェイト。
「くぅー。」
「っと、親父さん、お袋さん。本当にありがとうございます。」
フェイトを抱きかかえてエリックは車から降りた。
当のフェイトはその腕の中で気持ち良さそうに寝ている。
「なーに、気にすんな。息子に手を貸してやるのは親として当然さね。」
「そうそう。もっと気楽に私たちを頼ってちょうだいね。」
「……ありがとう、オヤジ、オフクロ。」
エリックがそういうと、夫婦はエリックの車を駐車場において、お袋さんが乗ってきた自分たちの車で戻っていった。
それを見送ってから、エリックは自分の部屋に戻っていった。

「プリム〜、ただいま〜」
「おとーさん、おかえり〜……。うわぁ!おさけくさい〜。」
エリックが自分の部屋に帰ってくると小さな女の子が出迎えてくれた。
見たところ、キャロよりも少しだけ年下、8、9歳といったところだろう。
「んー?そのおねえちゃんだれー?」
「ああ、お父さんの大事な人だよ。」
知り合いとかお友達とか言わないところがやり手なエリックさんだった。
「お父さんの大事な人ー?う〜〜〜ん、恋人〜?」
「まあ、そうだね。」
そして、なかなか鋭いプリムだった。
「悪いんだけど、お父さんの部屋にフェイトさん……ああ、このお姉ちゃんの名前ね。フェイトお姉ちゃん。
で、お父さんの部屋にフェイトさん寝てもらうから、布団の準備と、フェイトさんの着替えを任せられるかな?」
「なんでプリムがやるのー?」
「まだお父さんとフェイトさんはそこまで仲良しじゃないからだよ。」
「よくわかんないけど、わかったー!」
そういうとプリムは奥の部屋に駆け込んで行った。エリックもフェイトも抱えたままその後をついていった。


「おとーさん、お姉ちゃんのおきがえすんだよ〜。」
「ああ、ありがとう、プリム。」
部屋から出てきて、駆け寄ってきたプリムの頭をやさしくなでてエリックは言った。
「お父さんはお風呂に入ってくるから、先に寝てなさい。」
「はーい。あ、プリムお姉ちゃんと一緒に寝たいんだけど、いいかな?」
少し不安な、だが、精一杯の勇気を出している。そんなことが良く分かる瞳でプリムはエリックを見上げた。
エリックにしてみれば、かなり意外なことだったが、その目を見れば断るわけにも行かない。もとより断る気など一切ないが。
普段、あまり自分に対して何も言ってきてくれない『娘』が、直接的には自分に対してではないことだが、
『お願い』をしてくれたのだ。それだけでもうれしいことだった。
「いいよ。ただし、お姉ちゃんの迷惑にならないようにね?」
「うん!」
めいいっぱいの笑みを浮かべて、プリムはフェイトが寝ている。部屋に戻っていった。
「……やっぱり、『母親』ってのは必要なのかね。特にあの年頃の子には。」
プリムが入って行った扉を見て、エリックはそうつぶやいた。
「アルコール抜くために風呂はいるつもりだったのに、結構抜けちまった。……ゆっくり考えながら、風呂に浸かるか。」
そう言ってエリックは浴室に入っていった。
「んー……んぅ?」
目が覚めると見慣れない天井だった。外を見ると日が上がっていた。
体を起こして周りを見渡すとやっぱり見慣れない部屋で、見慣れない物がたくさんあった。
「えーっと……ここはどこ?いまは何時?今日は……休暇か。」
『ここはマクラーレン三佐の自宅で、8時10分です。Sir。』
枕元においてあったバルディッシュがそう答える。
そういえば昨日、予想以上においしい料理とお酒が出てきて少し飲みすぎてしまった気がする。ついでに途中から記憶がない。
『飲みすぎで眠られたので、マクラーレン三佐がご自宅に泊めてくれました。ここまではあの店のご主人と奥方が送ってきてくれました。』
「あ、ありがとう、バルディッシュ。もういいから。」
バルディッシュのおかげでいろいろ思い出してきた。といっても寝るまでだが。
迷惑をかけてしまった。自分は決して酒に強いほうではないのだから控えるべきだった、と後悔しても始まらない。
「とりあえず、おきよう。」
「あー、お姉ちゃんおはよー。」
ベッドから降りると同時に部屋の扉が開いき、小さな女の子が入ってきた。
「え?あ、おはよう……?」
「おとーさん!お姉ちゃんおきたー!」
フェイトがあっけに取られているのもお構いないに、扉の外に向かってしゃべる女の子。
「じゃあ、フェイトさんに着替え渡してリビングに出てきてもらってー。」
「はーい。」
その声がエリックのものだと分かって、落ち着いたような、さらにパニックになったような良く分からないフェイトに、プリムは着替えを差し出した。
「お洗濯はできなかったけど、ちゃんとアイロンはかけておいたよー。」
「あ、ありがとう。えっと」
「わたし、プリム!プリメーラ・ルル・マクラーレン!」
元気いっぱいに自己紹介するプリムに緊張をほぐされたのか、フェイトも笑みを浮かべて事項紹介をすることにした。
「わたしはフェイト。フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。フェイトでいいよ。」
「うん!フェイトお姉ちゃん!」
そう言ってニコニコ笑うプリムにいつの間にかフェイトも笑っていた。
着替えが済んでプリムが先行してリビングに向かう。その先にはテーブルに並べられた朝ご飯とエプロン姿のエリックがいた。
「おとーさん!お姉ちゃんきたよー。」
「はい、ご苦労様、プリム。」
腰に抱きつきながら報告するプリムに優しい笑みを浮かべて頭をなでる。
それから目をフェイトにむけて、プリムに向けるものとは少しだけ違うやさしい笑みを浮かべて朝の言葉をかけた。
「おはようございます。フェイトさん。」
「はい。おはようございます、エリックさん。」
同じように朝の挨拶で返すフェイト。いつも親友や同僚、エリオやキャロたちと同じ朝の挨拶のはずだった。
だけどフェイトにはなぜか久しく忘れていた、家族のそれを良く似た不思議な感じがした。
ただ、家族のそれを感じると同時に今まで感じたことのない、うれしいような気恥ずかしいような不思議な気持ちも一緒だったけれど。
「おとーさん、お姉ちゃん、朝ご飯食べよー。」
「ああ、そうだね。ちょっと待って。あとちょっとで目玉焼きができるから。」
「あ、わたしも手伝います。」
そういってエリックと一緒に厨房に立つフェイト。
「すみません、飲み物の準備してくれますか?」
「はい、コーヒーでいいですか?」
「あ、プリムみるくー!」
フェイトが感じた不思議な感覚。それは母と一緒にいたとき、まだエリオやキャロの世話を自分がほとんどしていたときのものに良く似ていた。
ただ、少しだけの頬の熱さと、胸の鼓動の早さと、いっぱい胸のぬくもりだけが違っていた。
家族というのは、やはり必要なものだと。フェイトはそのとき改めて感じた。