1 :
名無しさん@ピンキー:
想像しただけで逝った
作品くれば良スレに化けるかめ
夕日が窓から差し込む、放課後の赤い教室
「あ、あのね?」
「どうした?」
女が男にすりよる
「ちゅ・・ちゅーしたいなぁ・・・」
その言葉を聴いた瞬間男は女を思い切り机に押し倒した
「キャー♪」
みたいな?
4 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 12:38:08 ID:zwAxkgfb
ワッフルワッフル
男「なぁ………」
女「んー?なぁに?」
男「モニターが見にくいんだけど……」
女「そりゃ、あたしがキミの膝の上に座ってるからじゃない?」
男「わかってんなら退いてくれよ」
女「馬鹿言わない。キミは仕事がしたいと言った、あたしはキミといたいと言った。
お互いの意見を同時に採用できる唯一の方法でしょーが」
男「いや、無理あるだろ」
女「別に無理じゃないじゃない。あたしは抱っこしてもらえて満足してるよ?」
男「俺はままならないんだが」
女「……ふーん?ままならないって、何が?」
男「仕事が!」
女「ダウト。ままならないのは、コッチの方なんじゃないのぉ?うりうり」
男「ひぅ………………ッッ!!お、お前、最初からコレを狙ってたな!?」
女「まっさかー。男クンの精進が足りないだけですよぅ」
男「……わかった。仕事は後回しだ。まず、お前をベッドに静めてやる!」
女「きゃー、おーそーわーれーるー♪」
こんなんか!こんなんがええのんか!!
6 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 17:56:32 ID:Qdntry7G
ワ(ry
7 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 19:05:07 ID:ToAOaJU6
これはアリ。
8 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 19:37:28 ID:gillRyl8
男「あのー・・・」
女「♪♪」
男「あのー、ちょっとよろしいでしょうか?」
女「何?」
男「なんで俺がお前をおぶって帰らないといけないわけ?」
女「くっついてたいからに決まってんじゃない」
男「俺、部活で疲れてんだけど・・・」
女「しらないもーん」
男「はぁ・・・」
女「もぉ、だらしないなぁ、帰ったらマッサージしてあげるから頑張って」
男「うおおおおおおおおおおお!!(ダッシュ)」
女「キャーキャー♪」
これか!?こんなんがみたいのか?!
これは…イイ!!
書いてみたYO
でもゴメン、短くエロなし
11 :
1/2:2007/06/20(水) 23:17:06 ID:TTQyBP+x
「そんじゃ、夜電話します」
と、先輩に手を振る。が、
「おい」
の一言で、足がストップ。振り返ればそこにはまだ先輩が。
「明日、予定ある?」
明日? 土曜日?
「いや、特にな──」
「じゃあ明日一日空けて。朝九時、わたしの家。アレ、使うから」
と一気に仰った先輩は、言葉の勢いそのままに、スタスタと駅前の人混みの中へ消えていった。
アレ、か。
一週間前ほどに先輩とやったカード。負けたほうは勝ったほうのお願いを、ってオマケつきだった。オマケを手に入れたのは先輩だけど、お願いの権利──先輩の言ったアレ──は行使されず保留にされてたっけ。
今思えば、いつもポーカーフェイスの先輩とカードで勝負ってのは、最初から不利だったけど。まぁ先輩のことだから、無茶なことは言ってこないだろう。
そして実際、無茶なことは言われなかった。その代わりに、ちょっとした驚きが待っていた。
****
「コーヒーかオレンジジュース」
「ん〜、じゃコーヒーで」
ちょこちょこお邪魔している先輩の家だから、変な遠慮はしない。先輩が飲み物を取りに行っている間、手持ち無沙汰なおれは、立ったまま先輩の部屋を視線だけで物色。あ、このCD買ったんだ、帰りに借りていこう。
そんなことをしてると、両手にカップを持った先輩が戻ってきた。
「ん」
「あ、いただきま〜す」
コーヒーの香りを楽しみたいところなんだけど、何だかんだでアレの内容が気になる。なので単刀直入に訊いた。
「それで、おれは何をすれば?」
カップを口元に運ぼうとしていた先輩の動きが、一瞬止まった。
「……うん。まず、座れ」
そうだ、二人とも立ったままだった。おれはカップをテーブルに置き、薄いピンクのカーペットの上に胡座をかいた。
「違う、そっち」
そっち? ベッド? ベッドに座ったほうがいいの?
よく分からないまま、先輩の言うとおりにベッドの端に腰を下ろす。
「で、何を──」
「今日は一緒にいる」
いや、すでに一緒にいるわけで。その上で何をすればいいのかってのが知りたいのです。
しかし、そこからの先輩の行動は、なんというか、早かった。
カーペットが引いてあるにもかかわらず、ズンズンと音を立てながらおれに近寄ってくる。行儀悪く投げ出していたおれの両脚の間、というか両太腿の間にまで。そこでクルッと回れ右をすると、そのまま先輩もベッドに腰を下ろした。先輩の小さな背中がおれの胸に密着する。
さらに先輩は、何をするでもなくベッドの上に置かれていたおれの左右の手を取ると、自分の胸の下あたりで、おれが後ろから先輩をギュッと抱く形になるように、交差させたのだった。
たぶん、これ全部で5秒くらい。
「今日は、ずっとこうしてる。」
へ?
12 :
2/2:2007/06/20(水) 23:18:20 ID:TTQyBP+x
「これが、アレ?」
すぐ目の前で、先輩の頭がコクンと動いた。
う〜んと、あの、嫌じゃないよ。ないけど……。
「あの、つまり、なんていうか、所謂、イチャイチャ──」
「恥ずかしいから、言うな」
ボソッとした声。そして、あまりに近過ぎて気がつかなかったけど、先輩の耳、真っ赤。
「それと、笑ったら、殺す」
いや、殺すって……。驚きはしたけど笑ったりなんかしない。
「あの、こういうの、あんまり好きじゃないのかと」
「……」
「ホントはこういうのずっとしたかった、とか?」
再び、コクン。
それを見たおれは、なんか急に悪いことした気がしてきた。思えば二人でいるとき、出たがりなおれのせいで、外で遊んでいる時間のほうが多かった気がするし。もちろんベッドに入っているときは除くけど。
「そっか。あ、でもそれなら、おれも先輩とこうしてるの普通に好きだし。だから、アレは他の何か──」
「いい」
おれの腕の中で先輩が身体をねじり、顔をこちらに向けようとする。
「こうしていられれば、それでいいから」
あ、ダメだ。おれにとって先輩はもちろん可愛い人なんだけど、今日のこれは、もう……。
おれは先輩の胸の下で組まされていた腕を解いた。片腕はそのまま上半身を抱き、もう片方の手を先輩の両膝の裏に潜り込ませる。
「あ、なに」
それには答えず、先輩の両脚を持ち上げる。そして、先輩の身体全体をその場で90度回転させた。結果出来上がったのは、座った状態でのお姫様抱っこ。
「やっぱ顔が見れないと」
そう言って先輩の顔を覗き込む。一瞬、どんな顔をすればいいのか、そんな感じの困った表情が見えたけど、先輩はすぐに真っ赤になったほっぺたをおれの胸に押し付けてきた。小さな手の片方は、その赤い顔のすぐ横で、おれの着ているTシャツをギュッと掴んでいる。
あ、そんなに掴んだら伸びちゃう、などとは思わず、しがみついてくるかのような先輩の姿の可愛さと、腕の中から漂ってくる甘い匂いに誘われるように、おれは自然と先輩に顔を近づけていった。
唇同士が触れ合い、Tシャツを掴んでいる先輩の手にはさらに力が入る。
今まで何度も先輩とキスをしたけど、今回のが間違いなくもっとも痺れたキス。
「……はぁ」
先輩の吐息が熱い。
けど、そのすぐ後、先輩の口から聞こえてきた一言は、シンプルだけど、さらに熱かった。
「すき」
おしまい
きゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!
甘ァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいいいい!!!!!!
ベリーベリーベリーGGGGGGGOOOOOD JOB!!!!!
もっとだ!もっと沢山、脳髄がメルトダウン起こしそうな位に!!!!!
腰から堕ちる位にぃぃぃぃぃぃ!!!!!
14 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 00:12:21 ID:obrgeuqo
かわええw
エロ無しですが、投下します。
長々と英語の長文が刻まれた黒板に、カッとチョークが突き刺さった。
「この問題を――」
女教師の鋭い目つきと、クラスメイトの視線が、一カ所に集中する。
教室の全視線の的にされた生徒――須賀和三(すが かずみ)は、軽くため
息をついた。また、このパターンか、と。
案の定、女教師――佐藤楓(さとう かえで)は彼を指さした。まだ二十代
前半の若さながら、既に貫禄は充分過ぎるほど備えていると生徒達の間でも評
判だ。
髪をアップでまとめた大人びた美貌と、仕立てのいいスーツの上からでも分
かるスタイルの良さは、『見ているだけならという条件付きでなら』別の意味
でも男性教諭と男子生徒の間では評判だったりする。
もっとも、その触れるどころか近づいただけで斬れそうな硬く冷たい雰囲気
は、周囲の人間は声を掛ける事すら憚られるとも言われている。
そんな彼女に一体何をしたのかと、ここ秋陽高校2年3組では、和三が常に
集中攻撃に晒されているのだった。
「――須賀。やってみろ」
「……へい」
予想通りの展開に、和三は立ち上がった。周りの視線は、好奇と同情に満ち
ている。くそう、最悪だこいつら。
和三がそんな事を考えていると、楓の硬質の叱責が飛んだ。
「そんな返事があるか。返事は『はい』だ」
「はいはい」
「一度でいい。早く解け」
「分かりましたよ」
肩を竦めながら、和三は目元まで掛かるボサボサの髪を掻き上げた。野暮っ
たい伊達の黒縁眼鏡越しに、黒板の英文を読み上げる。帰国子女の和三にとっ
て、英文を訳すのはそれほど難しい事ではなかった。
「『流派! 東方不敗は王者の風よ! 全新系列! 天破侠乱! 見よ! 東
方は赤く燃えている!!』――」
なんて例文だ、と和三は思ったりするがまあ、それはそれとして。
「――これでいいですか?」
やれやれ、と席に座ろうとした和三に、だが楓は首を振った。
「これもだ」
中腰になっていた和三は改めて立ち直し、黒板の長文に視線をやった。
「『諸君、私は戦争が』――いや待ってくれ先生」
和三は思わず制止していた。
えーと、一、二……何行あるんだ、この文章。
「長い、長すぎる。っていうか、黒板いっぱいに何書いてるんですか」
「教科書通りだ」
和三は自分の教科書を、読み直してみた。楓の言う通りだった。合ってる。
「……その通りなんだけど、ここの学校の教科書、絶対おかしいだろ。何で英
語の教科書にドイツ語ネタが載ってるんだよ」
「教科書に文句を言う前に、ちゃんと読み上げてみろ」
「……へいへい」
「返事は『はい』だ」
「……へーい」
英語の時間が終わり、ホームルームの時間になった。
「だはー……」
和三は椅子に座ったまま仰け反り、大きく息を吐いていた。
「須賀やん、乙」
後ろの席に座っている悪友の南森与力(みなもり よりき)が、慰めるよう
に軽く和三の肩を叩いた。いかにも体育会系、といった感じの頑丈そうな少年
だ。
「……もう、マジで疲れたって」
身体を戻し、机に突っ伏す。
背後で、うーんと与力が唸る。
「佐藤っていつも、須賀やんにだけ厳しいのな。お前さん、あの冷血魔人に何
か嫌われる事でもしたのか?」
「うーむ、そういう訳でもないんだけどな……っと、やべえ。もう帰らねえと」
ホームルームは終わっていた。ならば急がなければならない。今日は、スー
パーの特売日だった。
「おう、お疲れ」
急いで席を立つ和三の背に、与力の挨拶が掛けられた。
エレベーターは四階で止まり、和三は食材で大きく膨らんだスーパー『ヤミ
ナベ』のビニール袋を両手に持ち直した。
腕時計を確認すると、時刻は午後の六時を三十分ほど過ぎた頃だった。同居
人は腹を空かせている頃だろう、と和三は考える。
家庭の事情で、和三の両親の信用も厚い幼馴染みの住むマンションに同居さ
せてもらっている。家事を手伝うのぐらいは当然だろう、と和三は思っている。
401号室のノブを回し、扉を開く。
「ただい――むがっ」
『ただいま』の『ま』は、顔面に柔らかいモノを押しつけられたせいで遮られ
た。
「おかえりー、和君おなかすいたー♪」
ああ、ノーブラだなまたはしたない、と和三は感想を抱いた。いや、その前
に窒息死する。大きな二つの胸に顔を挟まれる感触は確かに心地よいが、死ぬ
のはごめんだった。
魔の包柔圧迫から逃れ、相手と対面する。
つい数時間前、教室で顔を合わせたばかりの佐藤楓がそこにいた。ただしノ
ーメイク、雰囲気は刃物と言うより子犬に近い。尻尾があったらすごい勢いで
振ってる。
性格が180度ほど違うが、間違いなく本人なのは長い付き合いである和三
が一番よく知っていた。とりあえず、首根っこにしがみつくのは勘弁願いたい。
「……楓姉、服装だらしなさすぎ」
Tシャツ一枚の幼馴染みの姿を指摘しながら、和三は靴を脱いだ。
楓は和三の首に両腕を巻き付けたまま、ずるずると引きずられるが全然気に
した様子はない。
「いいじゃない、楽なんだから。で、今日のご飯、何? お姉ちゃんはハンバ
ーグがいいなっ!」
「残念ながら、コンソメスープと回鍋肉と冷奴だよ。楓姉の頭の中の献立は、
カレーとハンバーグとスパゲッティーしかないのか」
言いながら、和三はテーブルにスーパーの袋を置いた。
「むぅ、気にくわないけどまあいいや。和君の料理はどれもおいしいから許す」
ごはんごはんーと歌いながら、楓は和三に頬ずりする。うん、困る。
「……で、いい加減離れてくれないと、着替えも出来ないんだけど?」
「じゃあ、お姉ちゃんが脱がせてあげよう」
「いらないから。自分でやるから。っていうか、教師がこの時間に普通に帰っ
て来れてるってのは一体どういう事?」
「お姉ちゃんが有能だからよ!」
言い切った。
「……はいはい」
首に巻き付く楓の両腕を、和三はゆっくりと解いた。
実際、有能なのは否定できないので、その点は和三も反論しない。どれだけ
だらしがなかろうと、楓は家でも職場でも仕事はきっちりするのである。
もっとも、楓にとっては仕事よりも和三に構ってもらう事が最優先だと言っ
て憚らないが。
和三の態度に、楓は頬を膨らませた。
裾を小さく引っ張られる。
「和君冷たいぞ。和君と少しでも一緒の時間を過ごすためにお仕事頑張ってる
のに、旦那様の愛が不足している!」
「はいはい」
「返事は一回!」
「うん、ところでさ」
制服を脱ぎ、楓に振り返った和三は彼女の両頬を指でつまんだ。
「はにゅ? にゃにゃにゃ!?」
見掛け以上に柔らかい頬を左右にゆっくり伸ばしながら、和三は笑顔のまま
詰問する。
「……毎っ回言ってるんだけどさ、オレ。授業の全問題、何でオレが答えなき
ゃならないのかなぁ? やめろっつったよなー?」
「にゃー! だって、和君の声聞きたいんだもん! せっかく同じ教室なのに、
話しちゃ駄目なんて生き地獄ー!」
「黙らっしゃい。ちゃんと言う事聞かないと、結婚してやらないぞ」
指を開くと、楓の頬が一気に元に戻った。
「あうっ! それは駄目! 和君は、私のお婿さん!」
和三は、楓の前にピッと一本、指を立てた。
「……だったら、授業で公私混同しない。分かった?」
「ううー」
楓は不満そうだ。
「オレは、楓姉にそんな返事をするよう躾けた覚えはありませんが?」
「善処します」
「ヘボ政治家の国会答弁みたいな返事は却下。つーかね、人の返事を指摘する
前に、自分の返事を何とかしなさい」
「……はーい」
和三は、可愛く拗ねる楓の頭を撫でる。
「分かればよろしい。それじゃ、飯作るから、その間に楓姉は風呂沸かして。
洗濯物は取り込んだ?」
頭を撫でられ、楓はすぐに機嫌が直ったようだった。
「うん。あ、和君テーブルの上に、来週の授業範囲予習したから見てね」
「あいよ」
「ねえねえ、和君」
「何」
ばふん、と手加減なしで抱きついてくる楓を、何とか倒れ込まずに和三は受
け止めた。……このまま倒れたら、襲われる事間違いないのだ。倒れる訳にい
かない。
もっともハグ好きな楓は、和三に抱きつくだけでも充分ご満悦のようだ。
「肩、重いんですけど」
というか、和三的にはむしろ痛い。形のいいアゴで、グリグリするのはやめ
て頂きたいな、とちょっと思う。
「ちゃんと予習やったんだから、ご褒美もらえるよね?」
「えーと、何がいるの」
無理難題じゃなければいいんだけど、と思いながら、和三は尋ねた。
「ちゅーと、ご飯の時『あーん』と、一緒にお風呂! あと、いっぱいエッチ!」
言いながら、和三の身体をソファに促す楓。
和三もそれには逆らわない。
「……なあ、オレら、明日も学校あるよな。ついでにいえばオレ、明日の晩は
バンドのリハあるんだけど」
「だーかーらー! 明日の分も、今日やるの! 頑張ったんだから、それぐら
い当然でしょ!? それとも、和君私の事嫌い?」
和三がソファに腰掛け、そのまま和三の膝に楓も乗り掛かる。
ハグを少し解き、上目遣いで自分を見つめる楓に、和三は視線を逸らせるし
かない。
「……楓姉、それ反則だから」
「へへー。じゃ、前払いのちゅーね?」
止める間もなく、楓が和三に唇を重ねてきた。
「んぅ……」
和三の唇を楓の舌が割り、口内に侵入してくる。その舌を自分の舌でくすぐ
ると、楓はさらに嬉しそうに積極性を増してきた。ギュッと力一杯和三にしが
み付きながら、おいしそうに唾液を吸い上げる。
「……ん……んむっ…ちゅ…っ…んっ…♪」
押しつけられた胸の先端が、布地越しにも硬くなってきているのが分かる。
手を伸ばし、指で軽く摘んでみると、ピクッピクッといい反応が返ってきた。
「ん…っ……ぅんっ…! ぷぁ……ね、和君……このまま……しよ?」
和三から少し顔を離した楓が、潤んだ目で見つめてくる。
「で、お風呂入って、それからご飯ー♪ ね?」
「……晩ご飯、遅くなりそうだなー」
和三は楓を片方の腕で抱き寄せながら、もう一方の手を後ろに回した。尻の
割れ目に、指を這わせてみると、そこはジットリと湿っていた。
「ひゃうっ!」
触れた途端、敏感に跳ね上がる楓の身体。
しかし和三の指は止まらず、尻穴と秘処の間を往復する。湿り気はどんどん
強くなり、蜜が指先を濡らしていく。息を荒げながら、楓は和三にしがみつく
しかない。
「あっ、ぅ、うん、いいから……ゃ、先に、んっ、やぁ……濡れてるの……し、
鎮めてくれないと……あ、ね、ね、和君、直に…んぅっ…指…っ…ちょうだい?」
楓が切なげな声で求めてくる。無意識か、楓の尻が揺れ、自分の強く感じる
場所へと押しつけてくる。
「んじゃ……本格的に、する?」
「する……いっぱい、して? 和君の、欲しいよ……」
自身の中へと侵入してきた指の感触に、ぶるるっと震える楓。中から垂れた
愛液が、一滴、二滴とソファに染みを作っていくのが分かる。
「はいはい」
「返事は一回、だよ……和君、ちゅー」
「うん」
晩飯は八時過ぎになりそうだな、と考えながら、楓にキスする和三だった。
※保守代わりに外道寸止め。
エロなしでごめんなさい。書く前に眠気に負けました。
投下してから、ペアよりパートナーの方が語呂がよかったとか思ったり。
もう最近、こんなのばかりです。
ちなみに名前はそのまま、シュガーと砂糖です。
では、次、職人さん待ちという方向で。
深夜に乙
>>25 激しくGJ!楓たんペタカワユス
このスレはきっと凄まじいことになるな……
糖度と破壊力が物凄いのが来たな。
GJ!
29 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 21:45:56 ID:6vw5R1d3
お疲れ〜。俺の内蔵にミラクルヒットしたね。このスレ。
わずかな小ネタと短編ですでにこの糖度………間違いなくここは俺のツボ
俺を糖尿病にした責任をとってもらおうか
33 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/22(金) 17:22:32 ID:kdJdVYzW
良スレ期待age
このスレは間違いなく俺を虜にする
New age threadでtogetherしようぜ!!
日本語でおk
オンタイムでの女のしゃべり方が中二病の俺女みたいなのは何故?
アゴなし運送のお月さんか?
38 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 03:23:59 ID:YQ0nTJ0i
doko no govaku deska?
hosyu
神待ち保守。
「ちょこっとヒメ」に出てくるヒメと兄ちゃんの糖度はなかなかだと思う。
>>38 ゴバーク じゃないよ^^
甘えんぼな時とのギャップ出したさに授業中は軍隊口調にしますた
とかだったら だなぁ、と思って。
doko no govaku deska?
最高のシチュだ!
きっと職人さん達もSSを書いてくれてるに違いない!
大いに期待してますぜ!
45 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 00:32:15 ID:z8FohnYQ
あげ
んはぁ〜やぁぁっっぱりこのスレは良いねぇ癒されるねぇごろごろ甘えちゃうねぇ〜。
ん、何?え…?このスレって過疎ってるの?
別にいいけど…でもさこのスレがもし落ちちゃったりしたら私ってば死んじゃうかもしれないなぁ〜
「ね〜え、ねぇってばぁ、こっち向いてよぉ悠君てばぁ」
なんなんだ、なんでこうなった。
なんで沙耶のヤツこんなんなってんだ!
思い出せぇ俺!!スレ住人に分かるように迅速かつ丁寧に思い出すんだ
「なんで…グスッ…こっち向いて……くれな?…グス…」
あぁぁぁぁ、泣くなよ沙耶!
これから説明しなきゃなんねーんだから、な?
ふぅ、沙耶のヤツが泣き止んだんでこの状況を説明するよ
端的に言うと幼馴染みとの再会なんだ
5年経って一度住んでた家に戻って来たんだが……もっかい言うぞ、なんなんだ沙耶のヤツは!!
俺の予定してた(妄想とも言う)シチュでは嬉し恥ずかし再会をしてお互い素直になれなくて
「べ、別にあんたと会えて嬉しくなんてないんだからね!!」
なんて言って擦れ違いとか紆余曲折を経てラブラブになると言うツンデレ好きな俺のご都合主義な展開なハズなのに…ハズなのに、なんでこんなデレ120%なんだ!!
「ねぇってば!5年会えなくて寂しかったんだよ?もっと構ってよ、それとも沙耶の事嫌いになったの?もう一緒にいれないの?」
ちがうちがう、ちょっと不測の事態に混乱してるって言うかなんつーか
ま、いっか!
だって沙耶のやつ可愛いいし
「えへへ、ゆ〜う君♪ずっと一緒だよ!」
あぁずっと一緒さこの愛いヤツめ
つー事で俺は沙耶とよろしくやってるから皆じゃあな、一足先に勝ち組行ってるぜ!
49 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 18:16:30 ID:+l4bJMDw
いきなり小ネタ投下
俺の小宇宙が止まんなかったので
カッとなってやった、今は後悔してる
>>49 うん、その小宇宙は止まってはならない。むしろ加速するんだ!!
一緒にいられてしーあわーせー♪
>>49一つ良いことを教えてあげよう。
宇宙は光以上の速度で広がってる。
それはもちろん
お前の小宇宙もな!
光以上の速度で広がりながら、止まらず加速するんですね。
55 :
小宇宙:2007/07/07(土) 13:02:42 ID:XCN2RA+j
カタカタッ カタカタ
すりすり
カチカチ カチ
ぐりぐり
カタカタ タン
ぎゅう〜
はぁ、なんでコイツは仕事中に抱きついて来るんだ?
いま俺は家に帰って仕事をやっている、まぁ会社より集中出来るからという普通の理由で普通に仕事をしてるのだが……
1つ普通じゃないのが後ろにいるヤツだ、ヤツと言ってももちろん見知らぬ人じゃない大切な彼女だけど、俺としては早くこれを終わらせたいんだよなぁ
「なぁ後で構ってやるからさ、今ちょっと勘弁してくんないか?」
56 :
小宇宙:2007/07/07(土) 13:05:36 ID:XCN2RA+j
「構わなくていいよ?勝手にやってるから」
勝手にってオイ!
つーか構わなくていいって結構ヘコむぞ
まぁいつもの事だから気にしなきゃへーきだけどさ
「はいはいわかった、気にしないよ」
「……うん」
カタカタ
そわそわ
タタン タン
ゆらゆら
ん?なんか落ち着きがないな?
「ねぇ」
「ん?」
「えっとね……あのさぁ、やっぱり淋しいなぁって」
「え?」
「だからぁ……やっぱり構って欲しいなぁって……キャッ、ちょっなにすんの!そーゆー事じゃなくてアンッ…フゥ…好きぃ…やめちゃ……やだぁ、もっとぉ」
57 :
小宇宙:2007/07/07(土) 13:12:18 ID:XCN2RA+j
みなさんの暖かいお言葉で調子に乗らせて頂きました
また止まらなくなったら投下させていただきますんでお願いします
ロマンティックが止まらないぜ!!
GJ!
60 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 14:14:47 ID:gWf6KVMs
保守&アゲ
ここは甘々だけどハードコアってのは有り?
>>60 甘いの通り越してヤンデレ気味ならヤンデレスレに。
甘いなら大歓迎だ!!
スマソ ヤンデレ入ってるorz つー訳でヤンデレスレ逝ってくる
ヤンデレでもいいんじゃね?
甘ければ
別にそんな細かくすみ分けてるわけじゃないだろ皆
嫉妬スレとヤンデレスレの境界なんてほとんどないしw
>>62 ヘヴィヤンデレならヤンデレスレ向きだけど、ライトヤンデレなら嫉妬、ヤンデレ、ここの三つのどれでも可。
むしろ是非ここに投下してくれ。
別にヤンデレだからってヤンデレスレに行かなきゃ行けないってことじゃない
嫉妬のある甘えんぼう娘の話だったら嫉妬スレ、甘えん坊スレどっちでもいいだろうし
キモ姉スレなんてほとんどがヤンデレで構成されてる
へヴィだろうがライトだろうがヤンデレだろうが
甘えん坊な娘ならこのスレに投下して欲しい・・・
ヤンデレスレまとめとかで甘えん坊な子のSSだけ探すって難しいからね
66 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 18:47:33 ID:OQdpGdga
ありがとうございます。てっきりダメなのかと思いましたが・・・・分かりました。初めてエロゲーみたいに主人公視点で書いたので自信はありませんが出来上がり次第投下させて頂きます。
ちょっと手直しして、ヤンデレ要素を削ったので投下します。
「むーーーーーーッ!!」
今、僕の部屋で女の子が食料を口いっぱい詰め込んだリスのように頬を膨らませてこっちを睨んでいる。
「えーっと・・・どうしたの?」
僕は努めていつもの口調で女の子に問いかける。
「むーーーーーーッ!!」
テーブルに顎を乗せ、パンパンになった頬を更に膨張させて、仏頂面になる。怒っているのは分かるのだが、全くと言っていい程迫力が無い。むしろ可愛いとすら思う。
「うーんと、理由を話してくれないかな?その・・・怒ってる理由をさ」
何とか平静を保ってはいるものの、目の前でそんな表情をされると意識しなくても笑いという感情が込み上げてきてしまう。
僕は女の子に見えないように脇腹をつねって笑いを堪えつつ訪ねる。そうしなければ埒が開かない。
「・・・理由なんて聞かなくても分かるでしょ?」
そんな事言われても心当たりが無い。というか頬膨らませながら喋るなんて凄い器用だなぁ・・・
「うーん・・・ゴメン、分からない」
頭の引き出しから様々な思い出を引っ張り出すが、どれも女の子を怒らせるのに該当する物がない。仕方なく頭を下げて陳謝する。
しびれを切らせた女の子はテーブルから身を乗り出してグイッと顔を近付ける。
「有紗先輩との事。きっちり説明してもらうからね!!」
――有紗先輩。あぁ、思い出した。そういえば昨日有紗先輩に屋上でフェラして貰ったんだっけ。授業中だからバレないとは思ってたんだけど、まさか見られてたとは・・・
「どこまで見てたの?」
「全部は見てないけど・・・有紗先輩が亮ちゃんのオチンチン、裏筋から尿道までゆっくり舌で舐めながらタマを手で揉んだ後、くわえながら手でしごいて、最後はバキュームで思いっ切りオチンチン吸いながら亮ちゃんの精子美味しそうにゴクゴク飲んでたの見たもん!!」
・・・一部始終バッチリ見てるじゃん。
「えーっと・・・その〜・・・まぁ有紗先輩とは体だけの関係なんだ」
こんな所でつまらない言い訳しても意味が無い。素直に話す事にする。
69 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 20:00:30 ID:OQdpGdga
「グスッ・・・酷いよぉ」
鼻をすすり、いつの間にか女の子の目には一筋の涙が流れていた・・・さすがに不味かったかなぁ。
「私なんか亮ちゃんに一回もフェラした事無いのにーーーーーー!!」
「そっちかよッ!!」
思わず条件反射で突っ込んでしまった。全くこの娘は・・・
「あっ・・・」
そっと髪に手を当てて二、三度静かに撫でてやる。
「ゴメンね、由香」
撫でられて心地良いのか、由香は気持ちよさそうに目をつむっている。
僕は完全に油断している由香にそっと唇を重ねた。
「・・・んっ!?」
突然の事に戸惑う由香だが、それも一瞬で、その後は目を閉じて僕に身を委ねる。
「お詫びのキス・・・って事で許してくれないかな?」
そう言って唇を離し、にっこり笑うと由香は顔をりんご飴のように真っ赤に染め、上目遣いで僕を見る。
「・・・もっとキスして、ギュッてくれなきゃ・・・許してあげない」
やれやれ・・・由香には叶わないな。
「おいで、だっこしてあげるから」
両手を広げ、由香を迎え入れる準備をする。
「うん!」
満面の笑みで由香は僕に体を預け、胸に頬擦りしてくる。
70 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 20:02:09 ID:OQdpGdga
ここまでが限界でしたorz続きはまた後日書きます。
>>70 GJ
投下するときはもう少し改行減らして欲しいな・・・
会話が続く時はまとめちゃっていいと思う
73 :
小宇宙:2007/07/11(水) 21:37:32 ID:qQdDtXcE
甘〜〜〜い♪(古)
いいなぁ、文章力欲しい………
俺もかいてみようかな・・・エロ無しになりそうなんだが・・・
75 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 01:13:28 ID:2hVu7XgE
皆さんありがとうございます。続きは今エロシーン書いてる途中なので出来たら投下しますね。
>>71 すいません。改行して読みやすくしようと思ったんですが逆に読みづらかったですね。今度は気を付けます。そしてアドバイスありがとうございました。
>>小宇宙さん
小宇宙さんのもかなり甘い文章でGJです!!
文章力は僕としてはまだまだ未熟なのでもっと勉強して身に付けたいと思います。
76 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:01:53 ID:jqSjDrqp
もっと幼めな女の子もよろしく
77 :
じぇらしーぱにっくその2(1):2007/07/15(日) 13:37:48 ID:s5lJfFCL
「エヘヘ・・・亮ちゃんに甘えるのは私だけの特権だもんね〜」
「全く、もう甘える歳でも無い癖によく言うよ」
「む〜、いいじゃない。甘えるのは私の自由でしょ!・・・あっ」
僕は由香のか細い顎を掴んで再び唇を重ねる。
「んっ・・・んんっ!?んふっ・・・ふぁ」
舌を突き出して由香の閉じていた歯をこじ開け、口腔に侵入する。舌先で由香の温もりを感じながら上顎と歯茎、頬の内側を舐め取るように愛撫していく。
「んっ・・・あ、はぁ・・・んっ・・・ん、んぅ・・・ぁ」
由香も僕の舌を受け入れ、自分の舌を絡めていく。
互いに触れ合う舌が口腔を刺激し、唾液を絡めると猫が水を飲むようなピチャピチャとした音が部屋に響く。僕は唾を溜め込み、それを由香の口腔に流し込む。「んんっ!!・・・んくっ、んっ・・・ぅん」
78 :
じぇらしーぱにっく!その2(2):2007/07/15(日) 13:39:52 ID:s5lJfFCL
唾液の感触を感じ取った由香は耳まで朱色に染めて身震いするが、直ぐさま喉を鳴らして美味しそうに僕の唾液を飲み込んでいく。
やがて唇を離すと由香と僕の混ざった唾液が糸を引いている。窓越しに差し込んだ柔らかな陽光が唾液を照らし、まるで絹糸のように白く、綺麗だった。
「ぷはぁ・・・ハァ・・・ハァ・・・アァ。もう・・・キスがエッチ過ぎ。」
「何で?いつもしてるキスじゃん」
折れそうな位華奢な身体を小刻みに震わせ、息遣いもかなり荒くなっていた。
「それはそうだけど・・・あっ、ふぁ・・・んっ・・・・うぅん、あぁっ」
由香を黙らせるため、掌全体で大きい膨らみを制服越しに揉みしだく。身体全体が細いにも関わらず、胸はしっかりと発育していて
申し分無いボリュームだった。指先に力を込めると胸の肉が指に埋没していく。「ぅん・・・んぁっ、んく、やぁ・・・」
79 :
じぇらしーぱにっくその2(3):2007/07/15(日) 13:44:32 ID:s5lJfFCL
声が漏れないように人指し指を軽く噛み、必死にあえぐのを抑えている。そんな由香を愛しく思った僕はテーブルのすぐ隣に位置するベットに仰向けに寝かせる。由香は完全にスイッチが入ってしまったらしく、目をトロンとさせて鼻の頭や額にはうっすらと汗が吹き出ていた。
80 :
じぇらしーぱにっく!その2(4):2007/07/15(日) 13:48:13 ID:s5lJfFCL
セーラータイプの制服を一気に捲り上げ、水色のブラの前ホックを外すとプルンッと白い双丘が解放される。苺のように真っ赤な乳首は既に固く勃起していて、大きめの乳輪にはポツポツと小さい粒が浮き出ていた。その乳首を口に含み、舌でコロコロと転がしていく。
「んぅっ!!やぁ・・・ハァ・・・ハァ・・・り、亮ちゃん・・・駄目ぇ」
由香の可愛らしい抗議を無視して今度は甘噛みしながらもう片方の乳首を指でこねくり回す。
「んあぁぁぁっ!ひゃうっ!噛んじゃ、噛んじゃ嫌ぁ!!」
堪えきれなくなった由香はとうとう甘い矯声を上げた。それならと思い、今度は唇で乳首を挟み、そのまま一気に吸い上げる。
「キャアァァァァァァっ!!だ、だめぇ!許して、もう許してぇ!!」
由香は僕の頭を両手で抱えて動きを抑えようとするが、無駄な努力だ。とは言えここで絶頂を迎えられたら後が困るのでこの辺で辞めておく。
81 :
じぇらしーぱにっく!その2(5):2007/07/15(日) 13:50:35 ID:s5lJfFCL
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ、もう・・・激しすぎるよぉ」
由香は恨めしそうに僕に訴えるが、その瞳は歓喜と期待に満ちて潤んでいた。
僕はそんな由香の期待に答える為、スカートの中に手を伸ばしてショーツを太股まで引き下ろし、その中の秘裂を覗き込む。既にそこは白濁の水蜜が溢れていた。
「由香・・・濡れすぎだよ」「言わないでよ!恥ずかしいんだからぁ・・・・」
「オマンコから溢れてるじゃん。ちょっと触っただけでこんなに糸引いてる」
「あ、あぅぅ・・・」
そっと愛液を指ですくい取り、それを目の前に晒すと、由香は真っ赤にしながら両手で顔を覆う。僕は由香の脚を広げて秘裂に指を二本入れ、遠慮無しに根元までズブズブと沈めていく。
82 :
じぇらしーぱにっく!その2(6):2007/07/15(日) 13:53:04 ID:s5lJfFCL
「あぁっ!!んんっ!!」
不意打ちを喰らった由香は思わず腰を浮かせて、全身を泡立たせた。
由香の膣内は暖かく、侵入を拒むかのように僕の指をきつく締め上げていく。
それに構う事無く、手の力を抜いて膣の天井、側壁、下側と全体を撫で回していく。特に天井の壁、Gスポットは引っかくように擦り、同時に親指の腹で真っ赤に充血したクリトリスを転がすように擦る。
「アッ、あぁぁっ!!亮ちゃん、駄目・・・イ、イキそう・・・駄目!で、出ちゃう、出ちゃうよぉぉぉっ!!」
髪を振り乱して、あられもない格好で由香は身悶える。由香がこの責めに弱いのは一番知っている。
「駄目ぇ!ほ、本当に、本当にイッちゃう!!オマンコイッちゃうよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
体を弓なりに反らし、腰を突きだしながら由香はガクガクと体を振動させる。
「アッ、アッ、アッ、やぁぁっ!!イクッ、イクッ、あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」蜜壺からプシャッ、プシャッと暖かい液が飛沫を上げて断続的に吹き出す。
それはシーツやら僕の体に振りかかる。由香は潮を吹きながら絶頂を迎えた。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
83 :
じぇらしーぱにっく!その2(7):2007/07/15(日) 13:55:47 ID:s5lJfFCL
甘く、荒い吐息を吐きながら由香はしばらく糸の切れた偶儡人形のように動かなかった。
84 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 13:58:35 ID:s5lJfFCL
>>76-
>>83 以上です。すいません、投下しますって言うのを忘れてしまいましたorz
そして何か凄い長くなってしまってすいません。
GJ
長いというか
もう少し一回にまとめて投下したほうがいいんじゃないかと思った
>>79とか
>>83とか
GJ。
もし携帯からなら、携帯用の専ブラ、例えば
ttp://i2ch.net/なら長文も書き込めるからオススメ。
手順は、
ページ下部「書」
↓
「AA」「長」「●」の「長」
↓
入力欄(六つ位並んでる)に入力
↓
「書」ボタン押す
↓
「名」「メ」にそれぞれ名前とメール欄を入力
↓
もう一度「書」ボタン押す
↓
書き込み完了!!
結構便利。
「………来ない」
約束の時間から30分程過ぎたけど、彼が来ない。
連絡を取ろうにも、彼も私も携帯電話を持っていないし、彼の家にも電話したけど反応がない。
そのまま待っていてもよかったけれど、なんとなく彼はまだ寝ている気がしてきて、記憶を頼りに彼の部屋を訪ねてみると…
「……ほんとに寝てる」
しかも鍵は開けっ放しで、無用心極まりない。
そのおかげで部屋に入れたから、結果的には良かったけれど。
…とりあえず彼を起こそう。
「…起きて」
声をかけながら体を揺さぶってみるけど…
「んむ〜」
起きる気配が全然ない。一体、昨夜何してたのかな…
ため息をついて私はベッドに腰を下ろす。
「…約束、してたのに」
眠っている彼が応えないのは分っているけど、文句も言いたくなる。
『ちょっとでも友達じゃなく、女の子として意識してくれたら…』
そう思っていつもよりおしゃれをして、少しだけお化粧もして。
なのに見て欲しい相手は暢気に眠ってるし…
「……馬鹿みたい…っ!?きゃっ!」
呟いた瞬間、何がなんだか分らないうちに、私の体は彼の腕の中に納まっていた。
体で感じる彼の体温や匂いに胸はドキドキ、頭はパニック状態なんだけど、どこか冷静な部分が状況を確認する。
『いきなり抱きしめられて、彼と2人でベッドの上』
だ、だめ…余計に胸が高鳴ってきた……ど、どうしよう…と、とりあえず…
「…お、起きてるの?」
声をかけてみるけど返事がない。ただの…って違う、そんなお約束やってる場合じゃなくって!
まだ高鳴ってる胸が少し落ち着くのを待ってから顔を上げてみる。
顔をあげた先に、たまに見せる彼の意地悪な笑顔があったら、思いっきり拗ねようと思っていたけれど、
あったのは気持ちよさそうに眠ってる彼の顔。
私は拍子抜けしてしまって、一人で慌ててた自分が可笑しくて少し笑ってしまった。
「…そうだ」
ひとしきり笑った後、私はあることを思いつき、それをやってみることにした。
いつもはやりたくても出来ない事を、こっそりやらせてもらおう。
「…遅刻した罰」
私も腕を回して彼をぎゅっと力いっぱい抱き返す。
想いを言葉にするのが下手な私は、まだ貴方に伝えられないから。
「…こうやって…少しでも伝わるといいな……」
感謝の気持ちと溢れる思い。
「…大好きだよ」
ここの職人さんたちの萌える、もとい燃える小宇宙を感じて書き上げたが…
これってあんまり甘えてない、というかこれスレ違いか?と思いつつ投下。
甘えん坊な女の子って難しいね(´・ω・`)
次があればもっと甘えん坊にせねば。
91 :
小宇宙:2007/07/17(火) 10:34:55 ID:KkqpZ2Ox
gj〜〜〜!!
自分的には全然へーきだと思う
甘えたくても甘えられない女の子のデレ、堪能させていただきました
>>90 甘いなあ。
砂糖煮詰めたくらい甘いなあ。
GJ!
93 :
90:2007/07/19(木) 00:25:32 ID:Ch5INtf/
遅れたけど、レスありがと。
何かネタが浮かんだらまた来ます。
保守
なんでこんな良シチュなのに職人さん来ないんだ?
書くのが難しいからだろ
いざ書こうとするとどうにも、似たようなシチュになるんだな
シチュはいろいろ思いつくけど、それを文字にするのが難しい。
8月17日午後1:37
外は雲から顔を出している太陽が光を降り注ぎ、木や電柱に
留まっている蝉が単調な鳴き声を出し、部屋の中では風に揺られ涼しげな音を出している。
温暖化のせいで平均気温が去年より上回ったとかテレビで
放送している。野外で撮影しているためアナウンサーの後ろには
外回りをしているサラリーマンが写り、片手にはハンカチを持ち
額や首周りから出る汗を拭っている。
だが暑いのは一部を除いてみんな感じている。室内にいる人だって
暑いだろう。俺も暑いって感じてる。だけど暑いと感じない一部の人が俺の隣にいる。
「暑くない?」
「全然♪」
「俺はスッゴく暑いんだけど」
「こんなの大丈夫、大丈夫」
暑いと感じない一部の人いや、俺の彼女は余裕の表情をしている。
俺にはわからない。何で奈津紀は気温30℃の中、俺の体に寄り添うのか。しかも、かなり密着している。
どのくらい密着しているというと、奈津紀は俺の背中から抱きつき
俺の肩に顔を乗せている。あまり豊かではない奈津紀の胸も、こんな
体制では嫌でも感じてしまう。
(ワザとなのか天然なのか…)
奈津紀はいつも抱きついてくる。彼女なりのスキンシップらしい。
人前じゃなければ別に構わないが、こんな暑い日は少しキツい。
普段はクーラーを使用しているから気にはならないが、今日は
クーラーの調子が悪く扇風機で我慢している。
「奈津紀っていつも俺に抱きつくよなぁ」
俺は思ったことをそのまま口にした。
「そんなにくっついて無いよ〜。たまにだけだよ」
俺の記憶が正しければ付き合って毎日抱きつかれている。そして
別れるまで抱きつく。まぁトイレまではくっついてこないが…。
いや、注意しなかったら付いてくるかも……。
「俺の記憶は会う度に抱きつかれているって言ってるぞ?」
「気のせいだよ、気・の・せ・い。それに抱きつかなくても余裕だし」
「何に対して余裕だかわかんねぇけどゲームでもやってみるか?」
「ゲーム?どんな?」
俺は奈津紀に提案したゲームの内容を簡単に説明した。ルールは簡単。奈津紀は
午前00:00まで俺に抱きついたり甘えたりしてはいけない。そして敗者は勝った
人間の言うことを聞く。これを聞いた奈津紀は
「余裕綽々だよ、こんなの。じゃあ私が勝ったら喫茶チェリーのビッグパフェね」
と、勝利宣言を放った。
「良いよ。じゃあ今から午前0時までな。よーいスタート!」
ゲーム開始からわずか10分。奈津紀がソワソワし始めた。しかも俺のことを
チラチラと見ている。
体は正直とはこのことだ。もちろんエロくない意味だぞ。今まで自然に行っていた
ことをいきなり止めたんだからソワソワするのは解るが
「うぅ〜〜〜〜」
「……」
「むぅ〜〜〜〜」
「……」
変な呻き声は辞めてくれ。正直怖いッス。
「あれ?どっかの誰かさんは余裕綽々って言ってたような?」
「な!?ななな、な何を言ってるの!?こんなのよ、余裕だよ?」
いや、目泳がせながら言っても説得力ねぇーし。つーか何その絵に描いたような動揺は。
しかも最後疑問形かよ。
「気晴らしにDVDでも見るか?」
このままでは俺の圧勝だ。それだとさ流石に面白くない。だから俺は映画でも
見ようと提案した。俺の気持ちを悟ったのか奈津紀はこの提案を受け入れた。
DVDプレイヤーを起動させ奈津紀お気に入りのDVDを再生した。が、失敗した。
理由は簡単だ。奈津紀お気に入りの映画の殆どは恋人たちのものスッゴい甘い物語なのだ。
どのくらい甘いかと言うと、某漫才コンビが裸足で逃げるんじゃないかと思うくらいだ。
俺が好きな映画はホラー系が多い。以前に奈津紀と一緒に見た『着信拒否』は
集中して見ることが出来なかった。
なぜなら、奈津紀はホラーが苦手でいつも、俺にしがみついてくるからだ。
「……おい」
「な〜に?」
「手が絡んでる」
「うわっ、びっくり!いつの間に!?」
まぁ俺も今気がついたため、いつからかは解らない。
「なぁ、これはアウトだろ?」
「いや、これは甘えには入らないよ」
ごめん、基準がわかんねぇ。まぁこんなのでゲーム終了もつまらないし。
「わかった。じゃあセーフで良いよ。」
「やった〜!」
奈津紀は笑顔で絡めている腕を強く締め付けた。しまった!確信犯か!
そんなこんなで映画を見終え夕飯を食べることにした。まぁここでもアウトに近い行動はあったが…。
夕食を食べ終わり俺はテレビ、奈津紀は俺から少し距離をおき漫画を読んでいる。
俺の近くにいたら自然とくっついてしまうからだろう。
午後22:49
「お風呂に入るね」
「おう、適当に時間でもかせいでこい」
俺は奈津紀が風呂に入ったのを確認しある行動に移った。
午後23:56
お風呂から出た奈津紀は時計をじっと見ている。
「あと4分…」
「……」
「あと3分……2分…」
「……」
「…10・9・8…5・4・3・2・1」
「0!!やった〜!終わったよ〜。これで甘えられる〜。スリスリ出来る〜」
カウントダウンが終わった奈津紀は泣きながら笑いながら俺に抱きつく。まるで
今まで出来なかった分を取り戻すかのように。
「甘えたね?」
「な〜にを言ってるの?もうゲームは終わったし私の勝ちだよ♪」
「悪いな。残念だけどこっちが本当の時間だよ」
俺はポケットからケータイをだし奈津紀に待ち受け画面を見せた。画面に表示されている。
そこには…
「じゅ、11時55分!!?なっ、なんで!?どういうこと!?」
携帯の画面には奈津紀の言うとおりp.m11:55と表示している。
「実は奈津紀が風呂に入ってるときにこの部屋の時計を全て5分はやくしたんだ。
だから正確な時間はこっちね」
そう、俺がさっきの行動とはこのことだ。
「…ということは、わ、私の…」
「うん、奈津紀の負け」
「うわぁぁぁぁぁぁん!!!」
リビングに奈津紀の叫びが響く。軽い近所迷惑だな。
「ビッグパフェが〜!!2人で『あ〜ん』しながら食べたかったのに〜!」
良かった、勝って良かった。そんなことをやろうとしてたのかお前は。
かなり恥ずかしいぞ、それ。
「さて敗者は勝者の言うことを聞いてもらおうか。」
「うぅ〜〜」
俺は涙目の奈津紀の後頭部に手を回し、唇を奪った。
「今日は絶対に寝るな」
「…うん!!」
涙を流していた奈津紀の表情は笑顔に変わった。
>>98ですが書いてみました。初めてのSSなので変なところがあると思いますが
許してください。
また、携帯から書き込んだんですがパソコンで見やすいようにしましたが、もし
逆に見づらかったらすいません。
これはっ・・・GJ!!
続きを期待してよろしくて?
これは糖尿病になりそうだ
>>106 血糖値がガツンと上がりました。
GJ!
改行は40文字くらいを目安にと色んな場所で言われてるけど、35〜40文字くらいが見やすい模様。
俺は書く時は40文字でやってる。
長文を書きたい場合は携帯向け専用ブラウザを使うと良いかも。
これとか。
ttp://i2ch.net/
今執筆中なんですがHシーンって入れた方が良いですかね?
>>111 >>112の言う事ももっともだけど、無ければいけないワケでもない。
あるに越した事は無いけど、書きやすい方で頑張ってくれ。
投下します。
奈津紀×克行 第2話
「ジャ〜ン!!どうかな?この浴衣?今日のために買ったんだけど?」
奈津紀はポーズを決めながら俺の目の前に現れた。奈津紀が着ている浴衣は桜の柄が
プリントされていてとてもかわいらしい浴衣だ。
「どう?どう?どうかな?」
近い。顔が近いぞ、奈津紀。普通に聞けばいいのに。かわいいんだから。けど、いたずらを思い付いた俺は
「あぁ、とってもかわいいぞ」
「ほ、ほんとに!?」
「うん、浴衣がな」
「ひっ酷い!!」
天国から地獄に落としてみた。少し涙ぐむ奈津紀。やっぱりかわいい。奈津紀のテンションの
変わりようを楽しんだし、そろそろ誉めても良いか。
「冗談だよ、奈津紀。かわいくてよく似合ってるよ」
「本当に?」
「これ以上ないってほど似合ってる」
「やったぁ!!ありがとうかつゆき〜!」 奈津紀は大喜びで俺に抱きついて体をスリスリと擦り合わせてきた。
「んふふふ〜♪」
俺が誉めたせいか奈津紀からは笑みがこぼれている。
何で奈津紀が浴衣を着ているかというと、今日は地元で花火大会があるからだ。テレビが
来る程ではないがうちの花火大会は結構人気があり隣の県から見に来る人もいる。実際に最寄り駅は
浴衣を着た人がいっぱいいるし、警察の人も出動して道の整理をしている。言うまでもなく
電車で来る人は満員電車に遭遇するため辛いだろう。こう考えると地元で良かったと思う。
いや、ほんとに。
「ね克行。そろそろ行こ♪」
「あぁそうだな」
花火大会の会場は家から歩いて30分くらいにある土手で行われている。そこにはもちろん
出店が並んでいて奈津紀はキョロキョロと見て回ってる。俺の右腕を抱きしめながら。
「あっ綿アメだ!たこ焼きもあるよ!」
「そんなに喰うと太るぞ」
「大丈夫だよ。それに食べなきゃ損だって」
そう言っていつも食べ過ぎてお腹壊すくせにと思ったが口にはしない。
ヒュ〜…ドーン!!!…パラパラパラ…
「あっ!花火打ち上がったよ!」
花火大会の時間になったらしく色とりどりな花が夜空に咲き乱れる。
ヒュ〜…ドーン!!ドーン!!!パラパラパラ…
「キレイだね…」
綿アメを食べることすら忘れ奈津紀はじっと夜空に咲く花火を見ている。
奈津紀はやっぱりかわいい。声を大にしても言える。顔は童顔だが瞳は透き通って
力強い何かを感じさせる。肌は白く細い体をしている。
「どうかした?」
奈津紀が俺の視線を感じたのか声をかけてきた。俺はいきなりだったのでまともな
返事を返せず奈津紀の目から視線を外してしまった。
「何で目逸らしたの?…あっわかった!!」
ヤバい!バレたか!!
「綿アメ欲しいんでしょ〜。しょうがないなぁ♪…はい!」
転けた。
「ちょっと〜大丈夫?」
「いや、大丈夫。それより綿アメちょうだい」
奈津紀は何を思ったのか綿アメを持った右手を引っ込んだ。そして左手で綿アメを千切り…ってまさか……
「はい克行。あ〜ん」
やっぱり、それかよ…。予感的中。断りたいが嘘でも綿アメ欲しいと言ったのは
俺だし逃げ場はない。仕方ない。腹をくくるか。そうだ、周りは花火に夢中で
俺たちを見ている人はいない。恥ずかしがらなくても大丈夫だぞ。俺。
「あ、あ〜ん」
ぱく
「あっうまい」
「でしょ。ふふふ」
多分このおいしさはお祭りだからという理由じゃない。俺の隣に奈津紀がいるからだ。
奈津紀が幸せだから俺も幸せ。とても簡単でとても美しい理由。これだけで十分だ。
「ねぇ克行、出店はもう良いから移動しよ?私穴場スポット知ってるんだ〜♪」
「良いよ。じゃ案内して」
「うん!」
奈津紀は俺の腕をしがみついて歩き出した。
「なぁ穴場スポットなんていつ見つけたんだ?」
「えっ、はぁはぁ…一昨日ね…み見つけた‥んだ。ンッ!」
「へぇ、やるなぁ奈津紀」
「ンッ…へへ、すごい‥で…しょ?」
「あぁすごいよ奈津紀。にしても奈津紀?疲れるの早くないか?まだ歩いて
少ししか経ってないぞ」
「そ、そうかな?アンッ」
やっぱり食べ過ぎたんじゃないかと俺はこの時思ったが、それは全然違った。
「着いたよ」
奈津紀に案内された場所は木々に囲まれとても静かな場所だった。そして俺たち
以外人はいないように思えた。聞こえるのは木々のざわめきと遠くの方から鳴る
花火の音だけだ。
「あれ花火は?ここからじゃ花火が見えないぞ」
花火が打ち上がってる方を向いても木が邪魔して見えない。
「別に良いの花火は……。誰もいない場所に2人になれれば」
「お前それって―――」
俺はてっきりもっと見晴らしの良い場所で花火を見るんだと思っていた。
しかし奈津紀は違った。奈津紀がこの場所に来た理由は―――――
「気付いてた?克行。さっきここに来るまで克行の腕を乳首に押し付けてたんだよ。
それにね家からずっと浴衣の下何も着てないんだ。ほらね。」
理由は―――――
「もう私我慢できないよ。お願い克行」
それは―――――
「ここで……シて」
くちゅ、ぬちゃ、くちゃ、ぬちゅ
俺と奈津紀の唇が重なり互いの舌が絡み合い周りにそして、脳内に卑猥な音が響く。
「はぁ…んちゅ…はぁはぁかつゆき〜。くちゅ、んちゅ」
お互いの口から銀色の糸が垂れる。俺は奈津紀の口の周りを舐めとる。奈津紀の
瞳はトロンとしている。
「かわいいよ奈津紀」
「はぁ…はぁかつゆき…こっちも触ってぇ」
奈津紀は俺の手を取り自分の胸に押し当てた。俺は浴衣の上から奈津紀の小さな
胸を揉み舌で口内を侵している。ブラジャーをつけてないため乳首が勃起しているのがわかる。
「奈津紀の乳首勃起してるよ」
奈津紀の耳元で俺は囁きながら乳首をコロコロと弄くりまわす。
「そっそんなこと言わないでぇ」
本当のことを言われたのが恥ずかしがったのか奈津紀は顔を赤くしている。
「はぁ、はぁ…ねぇ…お願い…下も、触って…」
「わかった」
俺は奈津紀の割れ目を強めになぞり始めた。
「ふぅ、んんっ…んぁ」
奈津紀の喘ぎの声は大きくなっていく。どんなに大きい声を出しても周りには
人がいないため気にする必要はない。
「はぁ…んぁ、んっ、ふぅ…あん♪」
「くぅん、むぅ…良いよぉ…すごい気持ち良い♪」
クチュ…クチュリ…
「うぅ、はぁん!はあ……んんっ!!」
俺は奈津紀の割れ目に指を挿れ膣をかき乱す。
クチュ、クチャリ、クチャル、ビチュ!
「ひゃっ、あんっ、ああ……」
「あんっ、だ、ダメぇ、き、気持ち良い……うんっ」
肩で息をする奈津紀。
「お、お願い…ちょうだい…」
「何が欲しいのかな?」
少し意地悪をしてみる。これに対し奈津紀は
「お、オチ×チン…が欲しい」
と消えそうな声でおねだりする。
「ダ〜メ。もっと大きい声で」
俺って本当にSだなと自覚しつつもまた意地悪をする。
「か、克行のオチ×チンが欲しいの」
「はい、良く言えました。じゃあ挿れてあげるね」
「うん……きて…」
奈津紀は近くにある木に手を置きヌメヌメになった股関をこっちに向けた。俺は奈津紀の
お尻に手を掛けた。
「いくぞ奈津紀」
「…うん。きて♪」
俺の肉棒の挿入を望んでいる奈津紀はお尻を突き出す。
グチュッ、グチュグチュ!
「んんんっ…入ってきたぁ♪」
奥に入り込む感触を俺と奈津紀は吐息を漏らす。
「気持ち良いぞ…奈津紀の膣…」
「はぁ…はぁ…私もとっても良いよぉ…」
俺は腰を高速で振る。
グチュッ、グチュルグチュッ!!
「んぁぁっ!?はぁ、あんっ、うぅ、んはぁ♪」
比較的強い挿入に驚いた奈津紀だが表情は気持ち良さそうだ。
俺は更に奈津紀の膣を強く擦り付ける。それだけでイッてしまいそうだ。
ブチュッ、グチュ、グチャッ!!!
「んんっ…!あはぁん♪」
「す、すごいっ、すぐに、い、イッちゃいそう……うぅうん!!」
奈津紀も俺と同様にイッてしまいそうになる。
「ダ、ダメぇ!!ああぁああっ!!!!」
「オ、俺もイク!!」!
プシャアアアアァァァッ!!!!!
ビクン!ドプッ、ドプッ、ドクン…!
奈津紀は身体を跳ね、割れ目からは大量の潮を噴出させた。俺は肉棒の先から勢い良く精液を出す。
奈津紀の膣は俺の精液により満たされる。
「はぁはぁ、気持ち良かったよ。克行♪」
奈津紀はそう言って俺と口付けした。
その後、外でシたために蚊に刺されまくったのは言うまでもない。
投下終了。
執筆中に気付いたんですが主人公の名前が出てませんでしたw
名前は克行(カツユキ)です。
訂正
1話目に主人公の名前が出ていないってことです。すいません。
>>124 GJ!
半角記号はあまり入れない方が良いかも。まあ冒頭だけだったので気にはなりませんでしたが。
>>124貴様は・・・俺の血糖値を10倍にしてくれたようだな・・・
GJ!!!
127 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 16:19:12 ID:A0DL6u45
キタ━━(゚∀゚)━━!!
誰か投下を
あと8日たてば…
10日
10日まで待てと言うのか……とりあえず保守
投下町
凍化松
克行×奈津紀 第3話投下します。
冬になるとこたつを出して一歩も動かないように努力するが、夏では部屋から一歩も
出ないように努力する。クーラーをつけた部屋は涼しく快適だが、部屋から一歩出た廊下の
空気はムワッとして不快だからだ。
今は夏。今年から新しく35℃以上の日を『猛暑日』と呼ぶことになったらしい。めでたく今日が
初の猛暑日だ。少しは太陽も遠慮しても罰は当たらないぞ。まったく。こんなんだからクーラーを
使う人が多く地球環境が悪化するんだ。
俺はクーラーをつけガンガンに冷えた部屋でくだらないことを考えてた。
「かつゆき〜」
あぁ五月蝿いのがやって来た。何で奈津紀はこの暑さが平気なんだ?理解できない。
「んふふ〜♪」
言ってるそばからくっ付くなぁ〜。暑い〜。
奈津紀は俺に抱きつき両手で俺の自由を奪う。そして幸せそうな顔。あぁもう可愛いなぁ畜生。
「あのさぁ克行。お願いがあるんだけど…」
奈津紀は上目遣いで俺を見る。今にもクゥ〜〜ンと鳴きそうな子犬のようだ。そんな目で
見られると断れるものも断れない。まぁ一応聞いてみよう。
「あのね…海に行きたい」
「海?」
奈津紀の口から出された願いは海に行きたい。
「何で?」
「だって今年はまだ海に行ってないから」
確かに今年というか夏になったのにまだ海に行っていない。
「もしかして今年は海に行かないのかなぁって不安になって…」
毎年俺たちは海に行く。しかも海開きしてすぐにだ。だが、今年は海開きがされたのにも
関わらずまだ海に行っていない。これが奈津紀の不安になったのだろう。かわいいやつだ。
俺は奈津紀の頭を撫でながら
「よし、じゃあ明後日あたりに行くか!」
と言った。
「うん!」
奈津紀はさっきまでの不安な顔から幸せそうな顔になった。
もし奈津紀に犬の尻尾があったら千切れそうになるまでブンブンと尻尾を振るだろうな。そんなことを
考えてしまうほど奈津紀は喜んだ。
8月の太陽は容赦なく光を放ち肌を照りつける。空は青く雲は見当たらない。これ以上の
ないほどの海水浴日和だ。ビーチには俺たち以外にも地元の人たちで賑わっている。
俺は水着に着替えてからコインロッカーに荷物を入れ浜辺で奈津紀を待っている。
「だ〜れだ?」
俺の視界は誰かさんの声が聞こえるのと同時に塞がれた。こんなことをするのは俺の
知り合いの中では奈津紀以外には有り得ない。だが俺はワザと犯人と別の名前を挙げた。
「…京子」
「だっ、誰よ?!京子って!?」
ごめん。俺も知らない。頭に浮かんだ女の名前を言っただけだし。
「冗談だよ。奈津紀だろ?」
「えっへへ〜。せ〜か〜い!」
奈津紀の手がひいたのを確認し俺は後ろを向いた。そこには青いビキニを着ている奈津紀の姿が
あった。ウエストは見事なまでにくびれており無駄な贅肉が無い。足も細く長い。全体的に
奈津紀の肌が白いことが手足を見てわかる。
…ヤバい、ものすごく良い。
気付けば俺は奈津紀の姿をまじまじと見ていた。それだけ奈津紀の水着姿が美しいのだ。
「じ〜〜〜〜」
俺は奈津紀の視線を感じ我に返った。奈津紀は期待に満ちた表情で俺を見る。やっぱり
言わなきゃいけないのか?何気に恥ずかしいんだぞ。
「じ〜〜〜〜〜〜〜〜」
わかった。わかったから!そんなに見るな!もっと恥ずかしい!
俺は奈津紀から目をそらし言葉を振り絞る。
「…かわいいよ」
「えへへ〜。ありがと」
それから俺たちは日が沈む直前まで思いきり1年ぶりの海水浴を堪能した。また海の家で
食べた焼きそばはあまり肉は入っておらず、野菜ばかりだったが不思議なことに美味しかった。
そして夕方。
あんなに賑やかだった人は少なくなり海は太陽のせいで一面赤く染まっている。
俺と奈津紀は浜辺で夕日を眺めながら疲れた身体を休めている。俺の視線の先の太陽は
海に半分沈みかけている。
まったりとしている俺たちの頬を心地いい風が撫でる。
「…気持ち良い風だね」
「…あぁ、そうだな」
俺と奈津紀は肩を寄せ合い打ち寄せる波の音に癒されながら、そよ風を浴びる。
「…あのさぁ克行」
「ん?」
「このままエッチしたい…」
俺は奈津紀の告白を受け辺りを見渡し確認する。エッチをするのに最適な場所を見つけるためだ。
(あの岩陰は使えるんじゃないか?)
俺は奈津紀の手を引いて、先ほど見つけた岩陰を目指す。
「…誰も来ないかなぁ?」
「うーん…俺たち以外あまり人いないから大丈夫だと思うけど、ここじゃイヤ?」
「ううん、いいよ。なんかドキドキするね♪」
「…よし、ここらへんでいいか」
「うん…誰もいないよね?」
運良く岩陰には誰もおらず、周囲に人影もなかった。
それを確認するとお互いの唇が重なる。
「ふぅ、んっ、ちゅ……」
「あむぅ、んっ、ちゅ……」
俺たちはしばらくキスを堪能していたがどちらともなく唇を離した。
「…かつゆき、今日は私が気持ちよくさせてあげるね♪」
奈津紀はそう言って俺の肉棒を取り出し口に含んだ。
「――はぁむっ♪ちゅっ…ちゅう」
「…!!」
止める間も与えられず俺の肉棒の先端がヌルッと温かい感触に包まれる。そのまま奈津紀の
白い指が絡みながらしごき上げて、亀頭を舌が這っていく。
「ん…ちゅ、ぢゅ、ぢゅろ」
「ふぅ…ぁむ、ぢゅちゅ…ぷちゅ、んっ」
(すげぇ気持ち良い…)
頭を上下に動かし唾液をまぶしていく。口の中では、舌先が裏筋や尿道をチロチロと舐め回し
俺のモノは何度も脈打つ。
「んあっ…かつゆきの口の中で大暴れしてるよ♪」
「…しょうがないだろ」
「うふふ…んっ…れろれろ…ちゅ、ちゅる」
柔らかい舌と唇が亀頭を圧迫する。正直もうイってしまいそうだ。
「れるぅ…ちゅ、ぢゅちゅ…ぷちゅ」
「な、奈津紀…そろそろイクかも」
「んっ…わかった。じゃあいっぱい…出してね♪」
奈津紀はそう言うとそれ以上にない程、頭を激しく振り始めた。口内の舌も陰茎を擦る手も
激しい動きに変わる。あまりの気持ち良さに俺は腰を浮かせてしまう。
「ぢゅるるるっ、くちゅ、れるれる、あむぅ、あん、ぐちゅるる!」
「ふんっ、んっ、れろ、ぢゅるるるっ!」
「奈津紀!も、もうイク!!」
ビュルルッ!ビュク!ビクッ!ビクッ!ビュルッ!
肉棒の先端から激しく吹き上がる精液。それらは奈津紀の口内を白く染める。奈津紀は
口の端から垂れ落ちた精液を丁寧にすすって舐め尽くす。
奈津紀が精液を飲み終わり呼吸が安定したところで、俺は奈津紀に横になるように言った。
素直に寝転んだ奈津紀は潤んだ瞳でこっちを見上げる。
「もう挿れてもいいよ」
――コクっ
俺は頷き奈津紀の秘所に肉棒を挿れた。
――グチュ…グチュチュ
「ふあぁあああっ♪…入ってる♪」
俺は奈津紀の水着の脇からむりやり押し込んだ。初めのフェラで十分に濡れていた膣孔はズルリと
肉棒を呑み込む。
「ふうぅっ!ンっ…あぁん…♪」
しがみついてくるヒダをズリズリと引き出して押し込む。
「あぁん!ふぅっ……!」
――グチュチュ…グチュ…グチュ!
「ひゃう!ん、はぁ、はぁんっ♪」
興奮が高まっていくまま、奈津紀の胎内を突き進み、快楽に溺れる。溢れんばかりの愛液が
絡みネチャネチャと音を出し、奈津紀の甘く卑猥な声が響く。
「ぁう、くんっ……あんっ、はぁんっ」
――ヂュプ、グチュ…グチュチュ
「あんっ、そ、そんな…も、もうイク!」
俺は腰を強く激しく打ちつける。亀頭が膣の奥に当たるたびに、奈津紀はビクビク反応する。
「うっ…お、俺も限界…」
「イ…クッ、イク!イッちゃう!!」
「ヒッ…ンンンンッ!!あんっ!くううううっ…♪」
ビクッンっ!!ドピュッ!ビクン!
俺は奈津紀の膣に大量の精子を注ぎ込む。目がくらむような快感。何度シテも飽きない。
俺と奈津紀は抱き合いながら幸せの余韻に浸っている。実際は数分程度の抱擁が何時間にも
感じられた。
「えへへ、気持ち良かったね。克行♪」
奈津紀は無邪気な笑顔をで言う。とても愛おしい。とても可愛らしい。さっきまで
あんなに声を出していたのに、もう普段通りの純粋な子供の顔をしている。
「また来ようね♪」
「あぁ、また来年な」
「うん♪今度はスク水着るからさっ♪」
「えっ!?な、奈津紀?それは…」
いきなり奈津紀が変なことを言うから驚いてしまった。しかも冗談なのかがわからない。
多分俺がここでリクエストしたら帰宅してソッコー着るな。
「むぅ〜。克行は見たくないの?」
「…うん、見たい。だけど俺は奈津紀自身が好きだから何を着ても好きなのは変わらないよ」
何を恥ずかしいことを言ってるんだ?俺。暑さで頭がやられたな。
「うん!私も克行のことだ〜い好き!」
奈津紀が抱きついて頬を寄せる。俺の股関はまた大きさを取り戻す。奈津紀もこれに
気付き
「…わわっ!ま、また大きくなったよ?」
俺は無言で奈津紀を唇を奪う。家に帰るのはもう少し遅くなりそうだ。
はい、以上です。このスレに投下してからもう第3話。はやいものですw
このスレがもっと賑わってくれると良いなぁと思いつつ…
それではまたいつか。ノシ
GJ! 凍化松を植えた甲斐があるというもの
スク水は野外で紺色、室内は白! (キボンヌ)
5発抜いた後に見たら今日最高の勃起状態になりました。
いかん・・・また抜かないと・・・
責任とってry
GJ!!!
あげ
144 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 03:02:27 ID:RDbI+CX0
保守
145 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 11:23:50 ID:aTr9o3LB
保守
保守もいいがネタを出すとSS職人さんが気に入るかもしれん
ツンデレ娘 ツンは適当、デレは長くてキボンヌ
147 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 16:04:32 ID:3S77VYZm
投下街
>>146 お前とは旨い酒が飲めそうだ
それで尚且つ女の子が上司だったら最高だ
149 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 22:55:57 ID:nNBebYzI
ほしゅ
150 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 18:25:01 ID:8Gwxgmvy
保守
151 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 18:28:32 ID:Lk+txewT
あげ
152 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 00:05:14 ID:ICKxzE4c
誰かいない?
居
有
157 :
小宇宙:2007/08/28(火) 14:10:07 ID:EVTm1Xs4
ノシ
妄想が溜った時にちょいちょい書いてるから書け次第投下します
保守
159 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 01:46:03 ID:MYysJn2P
保守あげ
保
守
ホシュ
保守
かれこれ1ヶ月も投下されてないなぁ。
保守党
165 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 06:54:14 ID:A5XyWUWe
age
捕手
167 :
甘甘?:2007/09/15(土) 15:57:12 ID:RTCSIRf0
なんかその日は、朝早くから右耳の下あたりが、妙にムズムズしていた。
だから、秋季初合コン大会の下準備を兼ねた飲み会へのお誘いを『夏風邪気味なんで……』
なんて、あまり上手くない嘘で泣く泣く断って、雨がぱらぱら落ちてきた表通りをバス停から
アパートへと通じる路地裏へと一気に、走り抜ける。
あぁしかし、なんでここでコンビニの幟が目の端を掠めた途端に『買い置き、有ったっけ?』
なんて、余計な事を思いついてしまうのかな、自分。
しかも、誘蛾灯に魅入られたアメリカシロヒトリよろしく、買い物籠を引っつかんで、棚から
新製品やら季節限定品なんてPOPが誘っている甘味を、片っ端から拉致してるんだ?
結果、本降りってきやがった雨の中をビジネスバッグを犠牲にして、コンビニ袋の方を
後生大事に濡らさぬ様、抱え込むなんて、本当に見っとも無い事になってしまったじゃないか。
一段飛ばしにアパートの階段を駆け上り、念のためそぉっと鍵の外した玄関先には
案の定、華奢な女物のサンダルが一足ちんまり揃えてあって。
ぽたぽた頭から降り注いでいる水滴を、拭き取るために風呂場に向かうより前に
ベッドの上を確認してみれば、やっぱり先客が。
でさ、カオルコさぁん。
なんで、貴方は人の枕に顔擦り付けながら、ぐしぐし泣いていらっしゃるんですか?
しかも、貴方のその左手にしっかり握られてるのは、今朝俺が脱ぎ散らかしたままにした
3日目パジャマの下半身パーツだし、その右人差し指が突っ込まれているのは、貴方の……
その……、××の中ですし……。
ああ、そうですか。
これが所謂一つの、据え膳ってやつですか?
それとも、昨日、赤ワインゼリー一個でものの見事に酔っ払っちゃって、人の耳たぶを
自分が気の済むまで散々玩具にした挙句、臨戦状態の私めの背中にすりすり頬擦りしながら
うにゃうにゃ眠りこんでしまった貴方を、涙を呑んで寝かしつけた後、一人で処理してた事に
対する、抗議のデモンストレーションですか?
まぁ、この際、どちらでも構いません。
幸い、明日は休日です。
取りあえず、このエッチで甘えん坊なお姫様の瞼や頬やうなじに、唇を沢山落としながら。
今夜はいくら泣き叫んでも、絶対眠らせて貰えないと、その体でたっぷり思い知れっ!!!
エッロォォォォオオオオ
グゥレイトォ!!
170 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:44:52 ID:I6qJ0/Qx
GJ!!!
GJ!
待ち兼ねて、グシグシ泣き寝入りするおねいサンがたまらん
しかし、アパートの階段駆け上がるとこから前は、いらないんじゃ?
172 :
甘甘!:2007/09/16(日) 16:41:08 ID:rfRJovKM
私自身、常々思っているのだけれど、多分ヒロちゃんは魔法が使える人なんだと思う。
例えば、私がヒロちゃんのアパートにお邪魔する時『カオルコ専用お菓子箱』の中には
ちょっとでも『食べてみたい』とか思ってた、新製品やら季節限定品のお菓子が、必ず有るし
少し感情が暴走して、女同士の友情に軽いヒビを入れてしまったまま、ヒロちゃんに
逢った時も、それについてなんにも言わなかったのに、ずーっと頭を優しく撫でてくれたし
親友の惚気話を聞かされすぎで胸焼けして、ヒロちゃんの顔を見て気分転換しようと
いきなり押しかけた時も、美味しい玄米茶と熱々タイヤキを好きなだけ食べさせてくれた。
しかも、昨晩だって、ヒロちゃんが出張先から大切に抱えて戻ってきた、某・高級ホテルの
パティシエ謹製の個数限定赤ワインゼリーで、私がべろんべろんに酔っ払って、ヒロちゃんの
耳たぶを心行くまで、ぷにぷに触ってみたり、はむはむ齧ったり、ぴちゃぴちゃ嘗め回してても
全然嫌がらずに、黙って我慢してくれてたので、心の方もとても広い人なんだと、とても感心した。
しかも、その後、眠り込んだ私をお姫様抱っこでベッドに寝かしつけてくれたのも、うっすら覚えてる。
ヒロちゃんからの、とても簡潔だけど私の望んでいる事をきちんと教えてくれるメールや
何時でも大真面目に私の我侭を適えてくれようと努力してる真摯な態度や、どんなに小さい
呟き声ででも名前を呼べば必ず返事をしてくれる優しい声から、たった二日ほど切り離された
だけで、凄く簡単に情緒不安定になる私のようなヘタレとは、根性の質も違うのだろう。
だから時々、凄く不安になってしまう。
こんな私でいいのかな? とか、ぼんやり思ってしまって、本当に悲しくなる。
でも、ヒロちゃんは酷くイジワルになる事もあるので、最近かなり安心出来るようになった。
でね、ヒロちゃぁん。
貴方のパジャマで、右手首を右足首に、左手首を左足首に固定されて、足を大きく開かされた
格好のままで、私何時まで、ヒロちゃんにニヤニヤ視姦されながら息弾ませて、一人でどんどん
昇り詰めていけばいいのかな?
ヒロちゃんのモノの先端から、タラタラ溢れ出てるお汁を、一刻も早く飲みたいし
私の腰の下の床一面は、もう物凄い水浸しだよ?
あぁ、でも、こんな時のヒロちゃんにはちゃんと、正直にお願いしないと駄目なんだよね。
だから、貴方の耳にはっきり届く様、私は欲望にかすれた声で、うっとりオネダリする。
「私は、ヒロちゃんが、本当に大好きです。だから、今すぐ、抱いて下さい」
ヒロちゃんと一緒だったら、小さな死を迎えるのも、全然怖くないよ。
>>172最初に言っとく…かーなーりGJ!!!
もう、糖尿病で死にそうじゃ!!ww
もう、俺もなんか書いてくるわ!!ノシ
175 :
173:2007/09/17(月) 00:32:29 ID:RbRkWpqn
>>173ですが、大体出来上がったので…投下しても宜しいか?
178 :
ある愛の詩:2007/09/17(月) 00:43:01 ID:RbRkWpqn
「ずっと一緒…俺達はずっと一緒だよ…」
そう言ってから何年経ったのか…。
幼い頃から将来を誓い合った二人…血の繋がらない、たった二人の姉弟、家族、そして恋人。
その誓いが現実になって今、二人は愛し合っている。
だけど…今は。
「っ……ぁっ…しゅ…うちゃん…っ!」
椅子の上で、由慧(ゆえ)は自慰に耽っていた。
スカートの中の、パンツに手を突っ込んで自分の敏感な所を掻き回している。同時にセーターの上から、かなり大きめな胸を揉み、ブラ越しに勃起した乳首の感触を感じていた。
彼に弄られ、攻められている自分を妄想しながら、気持ち良い箇所を触っている。
だが現実の彼は、ここ暫くそうして苛めてくれなかった。
「ぁぁっ!…ん…しゅう…ちゃぁん…イク…んっ!!」
身体を反らし、細かい痙攣をしながら由慧は独り、虚しい絶頂を迎えた。
息を荒げ、机の上に突っ伏す。
執筆中の小説が、パソコンの画面に取り残されている。締め切りまでまだ時間はあるが、書く気が起きない。
絶頂後の気だるさ、虚しい解放感を感じて、由慧はとても寂しかった。自分の中に彼の、愁(しゅう)の感触が無かったからだ。
「愁ちゃん…」
机に突っ伏したまま、由慧は悲しげに呟いた。
かれこれ一週間、自分は愁に抱かれていない。
同棲しているのに、一週間何もされないのは由慧にとって、とても寂しい事だった。嫌われてしまったのか、それとも年上の自分に飽きてしまって、同年代と浮気しているのか…とても不安だった。
不安を振り払う様に首を振る。愁に限って浮気は無い、それだけは確信出来た。
この状況をどう変えるべきか…由慧は少々考え、そして閃いた。
今日辺り、おねだりしてみようかな…と。
そう由慧は思うと、ティッシュに手を伸ばした。
「何でかなぁ…」
シャワーを浴びながら、愁(しゅう)は呟く。
確かに、恋人同士…しかも同棲している身でありながら、学業やらバイトやらにかまけて、一週間も彼女とセックスレスであれば、彼女の欲求不満もクライマックスになるのは分かる。
「だからって、一晩中は無いよ…ねぇ」
溜め息混じりに独り言を言い、シャワーの栓を閉める。
久々の休み、彼女のおねだりを受け入れた結果が、「一晩中しよ♪」だった…。
お互い、日頃から行為には積極的(特に由慧は)だったが、ここまでハードなおねだりは初めてだった。
「ふぅ…」
深呼吸しながら、愁は思考を巡らす。
無論、由慧としたくない訳ではない。
むしろ一晩中というのは、十代の愁にとって、かなり嬉しいおねだりだった。
一週間ぶりのせいで溜まっていたのもあるし、由慧のエッチな声やら顔やら身体やらを、思う存分滅茶苦茶にしたいというサディスティックな願望もある。
彼女の趣味の一つ、コスプレも楽しみだった(メイドさんとか看護婦さんとか巫女さんとか裸エプロンとかetc)。
だが、不安が頭の中を渦巻く…。
が、愁は思考を中断、風呂場を出て下着とパジャマを纏うと、部屋で待ってる由慧の下へ向かった。
「お待たせ…」
「ううん、待ってないよ」
自分とお揃いの、チェック模様のパジャマ姿でベッドに腰掛けていた由慧に、愁は笑いかける。
由慧もそれに答えて笑ってくれた。愁はその笑顔が堪らなく愛おしく、何で一週間もほったらかしていたのかと、自分を責めた。
「由慧、ごめんなさい」
ベッドに腰掛けると、由慧に謝る。
「ううん、いいの。でも愁ちゃん、分かってるよ…ね」
愁の頭を撫でながら、優しく愁に言う。
「うん。今日は…寝かせてあげないから、良いよね?」
「うん…覚悟完了♪」
嬉しそうにそう言うと、由慧は愁に抱きつき、キスの嵐を巻き起こす。
「ん…愁ちゃん…ん…ちゅっ」
愁を押し倒し、由慧はキスを続けながら、愁の身体を撫でる。いきなり、パンツの中でくすぶる愁の分身に由慧は手を入れ、優しく触る。
「ん…由慧…俺が、するよ…」
いきなり自分のを触られ、何とかイニシアチブを執ろうと愁が意見する、が…。
「やだ。今日は私が愁ちゃんを好きにするの」
由慧は愁の意見をきっぱりと却下、硬くなり始めた愁の分身を撫で、パンツごとズボンをずらす。
「あ…こら」
「えへ、久しぶりの愁ちゃんのおちんちん…んっ」
顔を愁の分身の前に持っていき、一心不乱にしゃぶり付く。
「あっ…ダメ…っ!」
情けない声で愁は由慧に抗議するが、由慧は黙殺して口一杯に愁を含み、顔を上下させながら舌で先端を舐める。
「んっ…愁ちゃん、気持ち…良い?」
勃ちきったものを舐めながら、愁に笑いかける。
「凄い、気持ち良いけど…ダメ…もう出ちゃうよ…」
久しぶりの、しかも自分の弱い所のみを攻められるフェラのせいで、愁はもう限界だった。
「出して…愁ちゃんのせーえき頂戴♪」
あどけない声と表情で由慧が思い切り吸い上げる。
もう出してしまえ、由慧の顔にぶちまけてしまえという、本能の呼び声に愁は忠実に従う事にし、考えるのを止め…そして果てた。
「んんっ…うっ、んぐっ……はぁ、愁ちゃんの味だ♪美味し」
愁が吐き出した精液を、殆ど口の中で受け止めて飲み込み、由慧は笑顔で感想を述べた。
「はぁ……はぁ…ありがと、由慧。ごめんね…汚しちゃって」
愁は荒い息づかいのまま、由慧の頭を優しく撫でる。
「大丈夫、好きだもん……ねぇ、愁ちゃん。私、早く欲しいよぉ…」
愁に撫でられて満面の笑みを浮かべるが、すぐさま物欲しげで淫靡な顔を彼女は見せた。
愁はそんな表情の由慧を見つめ、先程のサディスティックな願望が、自分の中でムクムクと肥大化するのを感じる。
「もう俺が欲しいの?さっきまでしゃぶって、美味しそうに精液飲んでたのに?」
まただ。愁は自分で言った事を少し後悔した。あんな顔をされると、ついつい由慧に意地悪をしてしまう。
そんな愁の意地悪は、由慧にとって最高の愛情表現だと思えた。
もっと意地悪して、もっと愛して…そうしたマゾヒスティックな感情が由慧を支配した。
「愁ちゃぁん…お願い、私を…朝まで…犯して」
由慧はとても切ない声をあげる。
これで、主導権は完全に愁に渡った。
183 :
173:2007/09/17(月) 00:48:32 ID:RbRkWpqn
取り敢えず、ここまで投下しときます。
初投下なんで拙い出来で申し訳ない…。
本番は…また明日にでも
GGGGGGGGGGGGGj!!
185 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 10:11:55 ID:bfJe2L2T
age
186 :
173:2007/09/17(月) 18:34:26 ID:RbRkWpqn
続き完成したので投下おk?
あまり自信ないけど
「あっ…ヤダぁ…あっ!」
愁にパジャマのボタンを外され、露わになった胸を優しく揉まれて、由慧は今更ながら恥ずかしがる。
「おっぱい、ちょっと大きくなった?」
かなりのボリュームの由慧の胸を、右手で痛くない様に優しく揉み、愁は由慧の耳元で問い掛ける。
「はぁ…っ、だって…愁ちゃんが…ん…構って…くれないから…んっ」
「独りでしちゃった?」
恥じらいと愛撫の快感で、口ごもりながら答える由慧に、愁はまた意地悪な問いを投げる。
そんな意地悪しながらも、頂点の薄紅色の乳首を軽く摘む。
「んんっ!…う…あんっ!」
一際弱い部位を摘まれ、由慧は質問の答えを言えずに喘ぐ。
その喘ぎ声を聞いて、我慢出来ずに愁は乳首に吸い付いた。
「あぁぁぁんっ!!しゅうちゃぁんっ…気持ちいよぉ…あんっ!」
赤ん坊の様に乳首を吸い、舐めては歯を立てる愁の攻めに由慧は更に甘く喘ぐ。愛撫される度に、秘所からは洪水の様に愛液が溢れ、パジャマにまで染みが浮いている。
愁はその染みに触れ、指先の愛液を舐めた。
「由慧…」
「お願い…しゅうちゃんのおちんちん…ゆえの…ゆえの中に入れて。いっぱい掻き回して、ゆえをしゅうちゃんでいっぱいにして…!」
「よく言えました…ちょっと焦らし過ぎたかな?」
由慧に微笑みかけ、頭を撫でる。
「しゅうちゃんのいじわる…だけど、だーい好きぃ」
撫でる愁の手を掴み、由慧は愛おしそうに頬ずる。
「俺も大好きだよ…由慧」
フニャフニャになって甘える由慧の、ズボンをパンツごと脱がし、濡れきって飽和状態になった秘所を見る。
薄い陰毛の下で、割れ目がヒクヒクと揺れ、止めどなく愛液が溢れている。クリも充血して完全に勃起していた。
とにかく、淫らで綺麗だった。
「ハズカシいよぉ…早く来て、しゅうちゃん…」
恥ずかしそうに顔を赤く染め、由慧は愁を見つめる。
「いくよ…由慧」
手と手を握りしめ、由慧の上に覆い被さる。一週間ぶりに、愁が由慧の中にゆっくりと侵入していく。
元からそこにあった様に、ピッタリと当てはまる感覚…。そのすぐ後、繋がって生じた凄まじい程の快感が二人を満たした。
「あぁぁぁっ!…しゅうちゃん…はいって…きたぁ…!!…おっきいの…っ!」
「由慧…そんなに…すぐ出ちゃうよ!」
挿入を果たしたまま、暫く二人はただ抱き合っていた。
一方は、締め付けが強すぎて暴発しそうだった為。もう一方は、久方ぶりの大きさと一体感を感じて既に軽くイッてしまった為だ。
一瞬にして永遠、だが最高に満たされた静寂が二人に訪れた。
「はぁ…ねぇ、しゅうちゃぁん…」
由慧が甘ったるい可愛い声で囁き、静寂を断つ。
「ん、なぁに?」
「ギュッてして…」
「良いよ」
一つに繋がったまま、愁は由慧を抱き締めた。
お互いの体温や身体、吐息や心拍数を先程以上にダイレクトに感じる。
由慧の、華奢な体格に似合わない大きな胸の柔らかさや、愁の細身だが逞しい身体つきを、お互いに抱き締め合って感じていた。
「しゅうちゃん…あたし今、凄いしあわせだよ…」
愁の顔に頬ずりして、甘えた声を出す。「俺もだよ…由慧と一緒で、凄い幸せ…」
由慧の甘えた声に答え、力強く抱きしめ返す。
「嬉しい…しゅうちゃん………犯して」
由慧の言葉を合図に、愁は腰を動かし始めた。
「あっ、ああっ…あんっ、ふぁっ、しゅう…んんっ、ちゃん…!」
段々と激しくなるピストンを受け止めながら、由慧は一層喘ぎ声を高める。
「由慧…っ!ゆえ…ぁっ!」
愁は激しい突き上げを繰り返しながら、由慧の胸に吸い付く。
「いやっ…!ああっ…しゅうちゃん…いっちゃ…あうっ!いっちゃう…よぉぉっ!」
「俺も…もう、いきそう…ゆえ…一緒に」
久々の最愛の人との交わり、お互いの感触を最大限に感じ合ったセックスに、二人とももう限界だった。
「ああっ…いいよぉ…きてぇ…いっぱい出してぇぇっ!しゅうちゃぁぁんっ!!」
由慧の中が、愁の全てを搾り取ろうとするかの様にキツく締め上げる。
「ゆえ…っ!!」
その締め上げに耐えかねて、愁は引き抜こうとする。が、由慧は足を組んで愁の腰を思い切り密着させた。
「あ…っ!」
余りの締め上げに愁は、由慧の中に自分の精を奥まで吐き出す。
やってしまった…。愁は由慧の奥にたっぷりと中出ししながら、自分の不甲斐なさを後悔した。
先程、愁が感じた不安はこれだ。
由慧は常日頃から、生での行為が好きで、避妊具を着けるのを拒んでいた。
彼女曰わく、『ゴムの感触は嫌いだし、愁ちゃんの感触とか体温を直に感じられるから、好き』だそうで。
こんな状況で中出し…妊娠したらどうするべきか。
そんな事を絶頂後の気だるさ中で、愁は考えていた。
「はぁ…しゅうちゃんの…あたしの中に、いっぱい…」
自分の上に倒れ込んできた、愁の重さを心地良く感じながら、満足げに呟いた。
「ズルいよ由慧。赤ちゃん…出来ちゃうだろ…」
微笑む由慧の顔を撫でながら、諭すように囁く。
「欲しいな…あたしと、しゅうちゃんの…赤ちゃん」
「嬉しいけど、俺…まだ高校生だよ?」
まるで母親の様な表情の由慧に、愁は不安そうに言った。
「大丈夫、どうにかなるよ。しゅうちゃんと一緒なら…大丈夫。それに、家族は多い方が楽しいもん…」
その一言は酷く不確定ながらも、確固たる信念に裏打ちされ、愁にはとても頼もしく聞こえた。
「由慧…ありがと。絶対幸せにするから」
「ありがとう、愁ちゃん…それじゃ」
幸せを感じながら、由慧は急に抱き付き、愁を押し倒して騎乗位の体勢になる。
「うわっ…由慧?」
「もっと…しよ。一晩中エッチして…私を愁ちゃんでいっぱいにして…」
いきなりの展開に驚く愁に、由慧は笑顔と甘えた声でねだる。そんな声や表情に、愁はまた欲情する。
「泣いても知らないよ…由慧」
愁は、サディスティックな笑みを浮かべ、また彼女を蹂躙し始めた。
約6時間後…。
ベッドの上で、由慧と愁は抱き合っていた。
流石に一晩中…とか行かなかったが、最終的には10回近く身体を重ねる結果となった。
ベッドの周りには、脱ぎ捨てたパジャマやコスチュームや道具が散乱し、行為の激しさを物語っている。
『ちょっと激し過ぎたかな…』
満足感と脱力感で満たされ、微睡みながら由慧は思った。
彼女をそんな風にした最愛の人は、彼女の胸の中で赤ん坊みたいに乳首を吸いながら、静かに眠っている。
流石に疲れたのだろう。愁は精一杯、愛してくれていたのだから。
そんな愁をたまらなく愛おしそうに、由慧は頭を撫でた。
自分の全てを満たしてくれた、年下の男の子への愛情と感謝が、止めどなく溢れていた。
「いつかは、パパとママになっちゃうけど…それまでは、いっぱい甘えさせてね…愁ちゃん」
愁を抱き締めながら、幸せそうに呟き、由慧は目を閉じた。
二人がパパとママになるのは…まだ少し先の話。
(了)
194 :
173:2007/09/17(月) 19:26:38 ID:RbRkWpqn
以上で終了です。
お目汚し失礼致した
m(_ _)m
自信が個人的に粉砕されちまったので…一万と二千年ほどROMってくる…orz
>>173 超絶乙。君はいいパティシエになる。
じゃあちょっとインシュリン打ってくる。
>194
GJ!
続編は由慧と子供に甘えられまくる愁の話を期待していいんだな?
一万と二千年くらい待ってやるさ
さて、それまでに虫歯を削ってくるか
>>197 八千年過ぎた頃位からキムチとか暴君ハバネロとかが食えなくなるぞ。
久々に来てみたら…好意的な意見感謝
m(_ _)m
もっと叩かれたかと思ってたよ。
一応
>>196が望むのでは無いが、続編書いてるけど…需要ある?
ぜひぜひお願いしまっす!
了解した!
一人でも支持してくれるなら、書く!!
後、前に投下したやつの感想とか、批評とかあったら頼む。
今後の励みにするよ
>>202寝れ!
投下は来週辺りなると思うので、申し訳ない。
今書いてるから、ワッフルしながら待ってて欲しいm(_ _)m
早めに出来たので投下します!
因みに、お風呂プレイです。
「ラヴァーズ・バスルーム」
愛情表現の方法は、星の数ほどもある。
表現する場所もまた同様。
中でも日常に即した場所ほど、恋人同士には恰好のスポットとなる。
特に風呂場は…。
「はぁ…極楽♪極楽♪」
風呂の中で身体を伸ばし、由慧は気持ち良さそうに言う。
「何かオヤジ臭いよ、その言い方」
風呂の中で由慧と密着しながら、愁は笑いながら言う。
「そうかなぁ?」
「そうだよ。まるで四十代のサラリーマンみたい」
「もう…何それ〜!」
流石に、茶化した様な愁の言い分が気に食わなかったのか、由慧は後ろ手で器用に愁の頬をつねる。
「い痛い痛いって!」
「お姉ちゃんをイジメた罰!反省しなさい!」
キツい口調ながらも、由慧はニヤニヤして愁の頬をつねり続ける。
「分かった!分かったよ!反省したから離して」
真面目半分、ふざけ半分で愁は言う。頬の、痛いと言うよりくすぐったい感触は、子犬に甘噛みされている様だった。
「反省するなら…よろしい♪」
由慧は手を離し、愁に顔を向ける。
「ありがと…お姉ちゃん」
由慧の濡れ髪をお礼ついでに撫でる。シャンプーの優しい香りがした。
「うふふ、愁ちゃぁん…」
愁の頬にねだる様にキスする。年齢にそぐわない、由慧の幼い顔は満面の笑みをたたえていた…。
この人は、本当に俺より3歳も年上なのか…愁は由慧を見て、今日の様にそう思う事がある。
確かに顔は童顔だし、体格も一部を除いて華奢で小柄だ。
偶に、年上らしいしっかりとした素振りを見せたと思ったら、次の瞬間にはまるで、子犬の様な無邪気さを見せて自分に甘えている。
そんな、アンバランスな魅力を持った彼女と過ごす日常を、愁は大切にしようと心掛けた。
血の繋がりは無くても、たった二人の家族でもあったし、何より最愛の人を独りぼっちにはしたくなかった。
思えば、彼女が今の様に甘え始めたのは両親を…愁にとっては育ての親を喪ってからだったか…。
二人が恋人同士になったのも、それがきっかけだった。
そこから、二人の全てが始まったのかも知れない。
まぁそんな訳で、二人は今日も一緒に、仲良くお風呂に入っている。
「本当に由慧は甘えん坊だな…」
由慧のキスに答える様に抱き締めた。
彼女の柔らかさを感じ、愁の心中では安堵と幸せ、そしてほんの少しの情欲が生まれた。
「だって…愁ちゃんだもん」
大好きな愁に抱き締められて、由慧は幸せそうな満面の笑顔になっている。
ふと見た愁の二の腕に、真新しい傷があるのに気付いた。
「あ〜、また怪我してる」
「ん?あ、これか…大した怪我じゃないよ。掠っただけだし」
「ダメだよぉ、ちゃんと消毒した?赤チン塗った?包帯でちゃんと固定した?」
塞がりかけの紅い傷口をツンツンとつつきながら、心配そうな口調で愁に言う由慧はまるで、口うるさい母親の様で微笑ましく思えた。
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ、由慧は心配性だなぁ」
そんな由慧を、まるで子供をなだめるみたいな調子で、愁は優しく言う。
「だってぇ…愁ちゃんが怪我しちゃうの…ヤだもん」
「ありがと…」
本当に心配した様子の由慧の一言に、愁は二の句が告げなかった。自分は愛されてるのだなと改めて実感したし、いつも生傷だらけで、彼女に心配かけてしまう自分の未熟さに、怒りを覚えた。
愁が何故、傷だらけなのかは…また別の話…。
「ところで…今の一言だけど、何か私を子供扱いしてない?」
そう、由慧は振り向き様に言う。見るからにむくれていた。
「そんな事無いけどなぁ…」
「だってだってぇ、何か小さな子に話し掛けてるみたいだったよぉ…愁ちゃん」
不機嫌そうに由慧は頬を膨らませた。
そんな顔を見て、愁の中にちょっとした悪戯心が生まれた。
「小さな子ねぇ…まぁ、実際由慧ちっちゃいしねぇ」
「ヒド〜い!一応女の子の平均くらいは背あるよぉ!」
愁は意地悪そうに、ニヤニヤしながら言うと、由慧は一生懸命反論する。
だが、愁が177pで由慧が155pと身長差が22pもあると、小さいと認識せざるを得ない。
「でもそれに、中学生に間違えられる位の童顔じゃんか」
「確かに童顔だけど、他は立派に大人だよぉ!それに、大人にしてくれたの…愁ちゃんだよぉ」
意地悪な物言いに、顔を赤らめてかなり恥ずかしそうに言う。
その切り返しに、流石の愁も恥ずかしかったのか、気恥ずかしそうに顔を赤くすた。
「その節はありがと…大人ねぇ、確かにここは大人だね。サイズはいくつだっけ?」
そう言うと、出し抜けに由慧の胸を後ろからそっと掴む。
掌に収まりきらない圧倒的なボリュームと、フワフワとした柔らかさが心地良かった。
「あっ…えっとぉHカッ…って何言わせるのぉ!恥ずかしいよぉ」
胸を掴まれて顔を赤くしながら、由慧は素直に呟くが、やっぱり恥ずかしかったのか反論する。
「Hかぁ、やっぱ前よりおっきくなったね…由慧のおっぱい」
「それは、っ…愁ちゃんが触ってくれるからぁ…ん。ダメだよぉ、そんなにしちゃ」
愁が意地悪そうに言いながら、そっと胸を揉み始めると、由慧は時たま嬌声を上げ、恥じらいながら言い返す。
そんな由慧の姿を見て、自分の中の欲情が大きくなっていくのを愁は感じ、それは実際に形となって現れた。
「きゃっ!?」
由慧は驚いて小さく叫んだ。何故なら、自分の股の間に愁の勃起した、硬い分身が当たっていたから。
「ごめん…つい」
由慧の胸を揉み、乳首を摘み回しながら、申し訳なさそうに呟く。
「しゅうっ…ちゃぁんっ!今日は何か、エッチい…んっ!よぉ」
「エッチな俺は、嫌い?」
胸を攻め、首筋に口付けしながら由慧に囁く。
「嫌いじゃ…あんっ!ないよぉ。しゅうちゃん…大好きなの、んんっ!」
顔を真っ赤にし、喘ぎながら由慧は愁に告白する。その告白を聞いて、愁は素直に嬉しかった。
「俺も由慧が大好きだよ…愛してる」
そう言うと、愁は攻めるのを止め、由慧の唇をそっと奪った。
「んんっ……はぁ、しゅうちゃぁん」
唇を離すと、由慧は愁に甘えて抱き付く。
「大丈夫?」
「うん。しゅうちゃんと、お風呂の中でエッチしたいのぉ…」
甘えた可愛い声で、由慧は愁におねだりする。その眼はトロンとした淫らな光を浮かべていた。
「俺も。由慧に早く入りたいよ」
「ありがとぉ。ねぇ、触って?」
淫靡な笑みを浮かべ、由慧は愁の手を自分の秘所へ誘導する。
「自分で触って良いのに」
率直な感想を述べると、愁は彼女の割れ目を指先で撫で始める。
「しゅうちゃんが触った方が、あんっ!気持ち…良いのぉ!」
そこは、既にお湯ではない潤いで満たされ、かなり熱くなっている。
「凄い、濡れてる」
「ああんっ!イヤぁ、言わないでよぉ…」
愁はこれ以上、由慧を焦らすのは可哀想だと判断した。
自分の我慢も限界だった。
「由慧、もう良いかな?」
「う、うん…あたし、早くしゅうちゃんと…」
そう上擦った声で言うと、由慧は愁の分身を掴み、自分の中へ導こうとする。
「由慧、待って」
自分のを掴んだ由慧を、愁は止める。
「えっ、なんでぇ?」
「由慧の顔、ちゃんと見たいんだ…良い?」
穏やかな声で諭し、愁は由慧の頭を優しくなでなでする。
「ん、分かったぁ」
そう言うと、由慧は風呂桶の中で立ち上がって、愁の方を向き直る。
「あ…」
愁は、由慧の濡れた身体に、つい見とれてしまっていた。
幼げながらも上気した美しい顔、色白の細い肢体、かなり大ぶりな胸、なだらかなお腹、肉付きの良いお尻、陰毛の薄い恥丘etc…。
「あんまり、見ないでよぉ」
そう言って、由慧は思い切り顔を赤らめる。
愁は、その一言で漸く自分が由慧を見つめていた事に気付いた。
『やっぱり可愛い…』
愁はそう思う。これで何千、何万回目かの思いだが、愁には毎回新鮮に感じられた。
「ごめんね。おいで、由慧」
由慧の手を取り、向かい合わせで抱き合う形になる。ドロドロの由慧の割れ目に、愁が軽くあてがわれた。
「あっ、しゅうちゃん当たってる…」
ただ当たっているだけなのに、由慧は幸せそうな顔を見せる。
「いくよ、由慧」
「うん。しゅうちゃん、来て」
お互いに微笑み合うと、愁は由慧の腰を掴んで下ろし、二人は繋がった。
「んんんっ…!!」
由慧は精一杯声を抑え、甲高い呻きを上げる。
「入ったね…声、出さないの?」
由慧の中の、心地良さと締め付けを感じながら、愁は由慧の頭を撫でる。
「ここ、響くから、恥ずかしいの」
愁に抱き付き、耳元でか細く呟いた。
「声聞きたいな、俺」
そう言うと由慧の身体を、いきなり下から突き上げる。
「ヤだ、あぁんっ!!」
不意打ちに我慢出来ず、可愛い喘ぎ声を上げてしまう。
そうして感じている由慧の痴態を見ながら、愁は更に突き上げ続けた。
「ああっ!んっ、イヤぁっ!しゅうちゃぁん、激しいよぉ…ひぁっ!!」
たわわな胸が大きく揺れ、嬌声が風呂場に響く。
「おっぱい…もらうね」
突き上げながら由慧の胸に吸い付き、硬くなった乳首を甘噛みする。
「ふにゃぁぁっ!!らめ…っ!おっぱい…ひゃぁんっ!いっちゃう!」
敏感な胸を攻められたせいか彼女の締め付けが、段々とキツさを増していく。
「ゆえ…っ、いって良いよ」
愁もそろそろの様で、クリを摘み上げながら限界に向かって、思い切り深く突き上げた。
「あぁぁぁぁっ!!!」
淫靡な叫びを上げて由慧は果て、遅れて愁も情欲を吐き出した。
「中に出して良かったんだよぉ…でも、美味しい♪」
少々不満そうな顔で言いつつも、由慧はお湯に浮かんだ愁の精液を掬って舐め取った。
「この前みたいにしちゃたら、お風呂掃除大変だろ…」
自分にもたれかかりながら、自分が出した精液を舐めている小悪魔を優しく撫で、愁は脱力感から溜め息をつく。
「大丈夫?疲れちゃった?」
心配そうに小悪魔さんが覗き込む。
「まだ、大丈夫かな」
「じゃあ、お風呂出てから…良いかな?」
そう、無邪気な笑顔で小悪魔さんが言う。
そんな小悪魔さんな由慧に、愁は無邪気な笑顔を返した。
「あんまり無理しちゃダメだよ、ママ♪」
「ありがとぉ、パ〜パ♪」
自分達は、近いうちに親になる。
そう確信して二人は笑い合うと、幸せを噛み締めながら目を閉じ、キスをした。
その後、湯冷めが元で風邪を引いた愁を、由慧が一生懸命看病するのは…また別の話。
(了)
これにて投下完了!
やっぱり難しいですな…orz
まったくけしからん!
GJすぎるぜ!
>213
何だよこの素敵な甘ったるさ加減はwww
やっと虫歯治療が終わったのに別の虫歯ができたらどうしてくれるんだwww
さて、そろそろ歯医者の予約でも入れてこようかな
甘々でGJでした!!
妊婦に風呂場で騎上位。
3題話みたいですが、妊娠初期には危・・け・・・・・・
ええぃ、そんなことより GJ!!
>>213 GJ過ぎて歯槽膿漏が悪化したらどうしてくれるんだ?強いて言うなら文章全体の漢字量を減らしても構わんぞい?
読めない訳ではないが(さすが→流石)で読みづらいのはなんでなんだぜ?
お前が書け?あぁ、語彙力を上げてからな
220 :
173 ◆YGlsKkL5Co :2007/09/23(日) 03:17:28 ID:AhNDHAbD
皆さん評価ありがとうm(_ _)m
>>218騎乗位じゃない…対面座位だ!ww
>>219意見ありがとう。参考にしてみます!
申し訳ない、ageちまいましたm(_ _)m
222 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 04:24:46 ID:D1bOa2/V
ここの保管庫とかできないのでしょうか?
あるのなら教えて下さい
今のところ保管庫はありません。
誰かが作るしかないと思います。
ほ
し
保守
へ主
231 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 07:04:07 ID:tw83tB9A
age
最近職人が来ないorz
立ってからずっとまったく投下がないスレだっていくつもあるんだぜ
ここは良作がいくつも投下されてるんだから恵まれてる方だよ
またーり待つとしようぜ
234 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 10:22:15 ID:lpSb7fxx
age
過疎地
236 :
千夏と俺:2007/10/09(火) 03:36:37 ID:TKjJ33zv
俺が黄昏時の教室で一人官能小説を読んでいたら、幼馴染の千夏が騒がしくやって来た。
「あーいたいた。ねーねー修ちゃーん……? 何読んでるの?」
相も変わらず小柄で童顔、好奇心に目を輝かせた表情は、高校生とは思えないほどに子供っぽい。
俺は目で文章を追いながら、短く答えた。
「『幼馴染は甘えん坊』」
「何それ」
「官能小説」
千夏がサイドでまとめた髪を揺らして、ガクッと肩を落とす。
「修ちゃんは、どうしていつもそういうの読んでるの」
「好きだからだ」
俺の将来の夢は官能小説家だ。全人類に本能的に備わっているエロスを極限まで追及する、素晴らしい職業だと理解している。
俺の答えをどう解釈したのか、千夏はほんのり頬を赤く染めてもじもじと身じろぎを始めた。
「そっか。好きなんだね」
「ああ。愛していると言っても過言じゃない」
周囲には趣味が合う奴がいないから、なかなか理解されないのが少々悲しいところではある。
だが俺はくじけない。エロスに賭ける情熱は、たとえ絶対零度のブリザードでも消せないほどに熱く燃えているのだ。
「ねえ、修ちゃん」
心の中で情熱の炎を燃やす俺に、千夏がどことなく恥ずかしそうに問いかけてくる。
「その話、どんなのなの」
「普段は男を寄せ付けないほど高慢に振舞うお嬢様。
だがしかし、厳しく躾けられてきた彼女の心は、常に父親の愛情を求めて飢え乾いているのだった。
幼馴染という立場からそのことを察し、さり気なく彼女を支える主人公。
その内二人は密かに一線を超え、少々普通とは違った形で愛し合うようになる。
情事のときは普段と打って変わって幼児のように振舞う幼馴染に戸惑いつつも、
必死に彼女の心の寂しさを埋めてやろうと努力する主人公。
そうして肌を重ねていく中で、二人はいつしか成熟した大人として精神的に成長していくのだった――」
粗筋を語りながら、俺は感動に打ち震えていた。
この小説の名シーンの数々が、自然と心の中に蘇ってくる。
主人公と二人きりのときのみ、擬似的な幼児退行という形で心の寂しさを曝け出すお嬢様と、
それを無理なく受け止めて、少しずつゆっくりと成長していこうとする主人公。
官能小説らしからぬ透明な文章で描かれた物語は、まさに歴史に残る傑作と
237 :
千夏と俺:2007/10/09(火) 03:37:24 ID:TKjJ33zv
「修ちゃん」
想像に没頭するあまり千夏のことを忘れていたことに気がついた。
「なんだ」
「つまり、さ。修ちゃんは、甘えん坊な女の子が好きなんだね?」
上目遣いでそう問いかけてくる千夏に、俺は少し考えながら頷いた。
「そうだな。そういった形で好意を表現する女性というのに、そこはかとないエロスを感じるのは事実だ」
「よ、よくわかんないけど、そうなんだ……よし」
何か決心するように呟いたあと、千夏は背後から俺の肩に両手を回して、頬をこすりつけるようにしなだれかかってきた。
小柄故に重さはあまり感じないが、正直少し鬱陶しい。
「ねえ、修ちゃん」
猫なで声、というのだろうか。媚びるような声だ。いつもは舌足らずな口調だから、少々珍しい。
とは言えやはり慣れていないらしく、ぎこちない調子で、千夏が囁く。
「あのねえ、千夏ねえ、今、見たい映画があるの」
「そうか。じゃあ、見にいったらいいんじゃないのか」
「だけどねえ、今月のお小遣いもう使っちゃったから、見にいけないんだあ」
「そうか。じゃあ、諦めたらいいんじゃないのか」
「……修ちゃんの意地悪ぅ」
拗ねたように言いながら、千夏が薄い胸を俺の背中に押し付ける。
何が意地悪なのか分からずに、俺は少々困惑した。
「何のことだ」
「だからねえ、修ちゃんが、千夏と一緒にその映画を見にいってくれたらいいなあって」
「何故だ」
「何でもいいじゃない。ねえ、お願い」
肩越しに頭を突き出した千夏が、俺の頬に自分の頬を摺り寄せてきた。
俺は顔をしかめる。昨今の女子高生は皆こういう感じなのだろうか。
いくら幼馴染相手とは言え、少々距離が近すぎるような気がする。
そもそも、こんな風に露骨に媚びるような甘ったるい声を出して、体を摺り寄せてまで金銭をせびろうとするのは良くない行為だろう。
そう考えたので、俺はしっかり断った。
「駄目だ」
「どうして? 修ちゃん、千夏のこと嫌い?」
「そうじゃないが」
「じゃあどうして? ねえ、いいじゃない、千夏と一緒に映画見に行こうよお」
ちらりと横を見ると、至近距離に千夏の潤んだ瞳がある。
(む。いつの間にやら高度な技術を身につけたものだな)
少々感心しつつ、俺は答えてやった。
「何故なら、映画を見るときにかかる代金が2000円程度だからだ」
「……それで?」
「それだけあれば、官能小説が3冊は買える」
「修ちゃんのバカァッ!」
唐突に、千夏が俺を罵倒した。
238 :
千夏と俺:2007/10/09(火) 03:39:09 ID:TKjJ33zv
自分の狙い通りに映画代をせびれなかったとは言え、これではいわゆる逆切れなのではなかろうか。
「落ち着け千夏。お前の行動は明らかに一般的な倫理に反しているぞ」
「一般的な倫理に反してるのは修ちゃんでしょ!」
一番小さいサイズでも、なおぶかぶかな制服の袖で涙を拭いながら、千夏が拗ねたように呟く。
「修ちゃんは、わたしと一緒にお休みを過ごすよりも、一人でえっちな小説読んでた方が楽しいんだ」
「それは誤解だ。官能小説は決して性欲を満たすだけではなく、もっと高潔な」
「重要なのはそこじゃないでしょ、もう!」
叫びながら、千夏はばたばたと両腕を振る。
その段になって、俺はようやく千夏の言わんとするところに気がついた。
「待て、千夏。さっきの発言を考えるに」
「なに!?」
「要するに、お前は映画など関係なしに、俺と一緒に休日を過ごしたい、ということか?」
「え」
千夏の顔が見る見る内に赤く染まる。
「え、と。う、うん、そう、だけど」
か細い声で呟く千夏に、俺は苦笑を禁じえなかった。
要するに、ただ遊びたいと言うだけでは俺が退屈だと思って断るのではないかと危惧して、
わざわざ映画が見たいなどという妙な理由をつけて誘った訳だ、こいつは。
(臆病なところも昔から変わらないな)
そんなことを考えつつ、俺は千夏を手招きした。
「ほら、来い」
「う、うん」
千夏がおずおずとやってきたので、俺は小柄な体を膝の上に乗せてやった。
昔から俺と千夏の体格差はずっとこんな感じだったので、慰め方もずっと変わっていない。
こうやって膝の上に乗せて撫でてやると、千夏はとろんとした目になってすぐに機嫌を直すのだ。
で、今回もそのとおりになった。
「俺と遊びたいなら、素直にそう言えばいいじゃないか」
「だって、修ちゃんいっつも本ばっかり読んでるし、他の人と一緒にいるのは嫌かなって」
「それは誤解だ。別に、他人に心を閉ざしている訳じゃないぞ」
「本当? 千夏のこと、嫌いじゃない?」
「何をバカなことを言ってるんだ、お前は」
「そっか。えへへ、良かった」
千夏が俺の膝の上で安心したように笑う。
239 :
千夏と俺:2007/10/09(火) 03:41:17 ID:TKjJ33zv
「あーあ。でも、残念だなあ。あの映画、見にいきたかったのに」
「なんだって?」
「ううん、なんでもない。えへ、修ちゃんのお膝の上、やっぱり寝心地がいいね」
千夏が目を細める。実際そのまま寝入ってしまうことも多々あるので、俺は顔をしかめて釘を刺した。
「寝るなよ」
「大丈夫だよー」
そう言いつつも、もう俺の膝の上で体を丸めかけている。
ずっと続いてきた習慣で、体が俺の膝の上を寝床として認識しているのかもしれない。
(やれやれ)
千夏の頭を撫でてやりながら、俺は苦笑する。
本当に、こいつはいつまで経っても寂しがり屋の子供のままだ。
まだまだ、俺が世話してやらなければならないらしい。
ちなみに、俺達がこういうことをしている場面を見て二人の関係を邪推し、
修治はロリコンだ、などととんでもない言いがかりをつけてくる輩もいるが、それは大きな誤解である。
俺は千夏に対して劣情を抱いたことなど一度もない。
俺にとって、こいつは何者にも代えがたい、大切な妹のような存在なのだ。
いつかはしっかりした男を捜して、ちゃんと嫁入りさせてやらねばならないという義務感を持っているぐらい、
その愛情は深いものだ。やましい目で見られるのは甚だ不快である。
今、俺の膝の上で安心したように寝息を立てている千夏も、同じように思っているに違いない。
その週末、俺は約束どおり千夏と一緒に過ごした。
高い金を払って映画を見にいくことは出来なかったが、代わりに一本百円でDVDを借りてきて、二人で見ることにした。
「何が見たい」
千夏に聞いたら、
「修ちゃんの好きなもの、なんでもいいよ」
と、笑顔で答えたので、個人的に傑作的な芸術だと認識しているポルノ映画を借りてきた。
千夏はいつも通り俺の膝の上でそれを見ていたのだが、映画を鑑賞している間中ずっと、
何やら赤い顔で身じろぎし続けていた。
本当に落ち着きのない奴だと思う。
やはり、俺はまだまだ千夏から目を離すことが出来ないようだ。
終わり。
終わらないで続きを…
いや〜良かった!GJだ!
歯が2、3本抜けそうなので歯医者行ってくるノシ
>>236-239最初に言っとく…GJ!!!
甘過ぎてたまらねぇぜ!!!
しばらく来なかったら、こんな職人が居たとは…俺も負けてらんねぇな、オイ!!!
>>239甘えん坊ですれ違いか・・・
なかなか新しいな。
GJ!
あまーい。…ちょっと糖分補充してくるぜ
リアルで酷い虫歯になり麻酔6回打たれ神経3本抜かれさらに金歯をはめることが決まった俺が来ましたよ
>>247 歯槽膿漏で煎餅齧ったら入れ歯な俺ですよ
歯周炎だけど
>>247のような状態になったその後…
「もぅ、いい歳して甘いものばっかり食べてるからだよ?」
歯医者から出てきた俺に、まるで小さな子供に言い聞かせるように言う彼女。
言い返してやりたいが、麻酔の影響でうまく喋れない俺は彼女に目で抗議をする。
「うっ…そ、そんな目で見ないでよ。そりゃ、最近はよく甘味処に付き合ってもらってたけど……」
そうだな。ここらの甘味処を制覇したし、休みの日に三食全部パフェなんて初めての経験もさせてもらったな。
「そ、それでもちゃんと歯を磨いてれば、こうはならなかったはずよ!?」
いや、小学生じゃないんだから歯くらいちゃんと磨いてるっつーの。
「う〜っ、しょ、しょうがないじゃない!あなたと一緒に食べてる時が一番おいしいんだもん!」
開き直んなよ!ってかさり気にこっぱずかしいこと言いやがって!
おかげでこっち見てる周りの奴らの顔が全部(・∀・)ニヤニヤしてるじゃねぇか!
「あっ……は、恥ずかしい…よ」
照れてる場合か、とっとと帰るぞ!
「ま、待ってよ〜!」
…ふぅ、やれやれ。今日は踏んだり蹴ったりだな。
「…ごめんね……嫌いになった?」
なるわけないからそんなに落ち込むな。
それに、なんだかんだで甘味処制覇に付き合ったのも、惚れた弱みって奴だしな。
「そ、そう言われると、なんだか照れちゃうね」
だなー。俺も言ってて恥ずかしいし。
でもまぁ、たまにはこういうのもいいだろ。
「うん……あ、あのね。今日は迷惑かけちゃったから…私から一杯シテあげる!」
恥ずかしさに顔を赤らめて、そう言ってきた彼女を愛しく感じながら、
今度は寝不足で倒れるなんて事にならないといいな、なんて思ったりした。
甘味神からの電波を受け取ったので書いてみた。
>>247 ネタにしてすまん
gjすぎる!
素晴らしい
虫歯になってよかった
ちょっと糖尿病なってくる!
※警告
インスリンでは(多分)萌えられません
こういう誰かが何気に振った話が作品に繋がっていく展開は心地よい
とりあえず俺はこのまま夜が明けるまでサッカリン等を大量に貪ってくるぜ
では、俺はチクロで風呂桶いっぱいの甘味を…
骨は拾う
>>247 俺も付き合うぞ
まず甘味処でも行こうか、近くにいいとこがいっぱいあるよ?
>>258 でも、もう朝と昼と、二食もパフェだよ?今度は和菓子って・・・おしるこっすか
糖尿病患者多数のスレはこちらでしょうか?
いいえ、ここはケフィアです
あら健康的
ここは虫歯末期or虫歯予備軍orその他もろもろの口内の病気になれるスレです
あらなんて不健康なスレですこと。
ここまできてキシリトールという単語が出てこないとは、なんと漢だらけ…
コンデンスミルク下さい
>>265 残念ながらキシリトールでも虫歯になるのだよ……!
つ糖度300%濃縮しっぱなしコンデンスミルク
今、ノックの音に応じて、ドアを開けた貴方の前には『甘えんぼうな女の子』がいます。
長い黒髪を二つのお下げにしてる彼女は、大きな黒とんがり帽子を被り、長い黒マント
を引き摺って、身に纏った漆黒のシルク超ミニワンピースの裾をひらひらなびかせながら
黒のガーターリングで押さえつけた、黒いシルクのサイハイソックスの間で、絶対領域を
眩く輝かせています。
黒い編み上げブーツの踵をコツコツ打ち鳴らしつつ、きらきら輝く黒曜石のような瞳は
貴方をじっと見詰め、左手で抱え込んだ大きな箒を引き寄せて、右手に装備してる黒猫の
パペットをもこもこ動かしながら、白い顔の中で一段と鮮やかな桃色の唇を開き……。
「トリック・オア・トリート?」
ニア『トリート』
真に幸いな事に、貴方は『お菓子』を持っていました。
そこで、少女を部屋に招きいれ、一緒にお茶を飲む事に。
『オーブントースターでの、暖め直し』と言うのが、本当に残念なのですけれど
大きめにカットされてる熱々のパンプキンパイに、冷たいヴァニラアイスクリームを
たっぷり添えて、シナモンスティックとミントリーフでお洒落に飾られている逸品です。
お供の大きな箒は玄関ドアの脇にそぉっと立てかけられ、礼儀正しく帽子もマントも
きちんと脱いで、少々緊張気味に椅子にちんまり腰掛けていた彼女と、その隣の椅子の
上でくったり丸まっている黒猫のパペットも当然大喜び……のはずだったのですが
何故か半分も食べ進まない内に、ぱたりとフォークの動きが止ってしまいました。
「あれ? 口に合わなかった?」
「……」
ふるふると小さく頭が振られて、膝の上の両手がぎゅっと一度硬く握られたかと思うと
ガタンと音を立てて少女はいきなり立ち上がり、真っ直ぐ貴方の目の前にやってきます。
「……えっと?」
「……」
すうはあと2・3度静かな深呼吸が響いた後、頬を赤く染めて、潤んだ瞳できっと
睨みつけてた彼女は、意を決したように貴方の膝に腰を下ろして、接吻してきました。
しかも、軽く触れてくるだけでは無く、甘い味の残る小さな舌が、熱く柔らかな感触で
貴方の下唇を執拗にねぶり、ちろちろと催促するように上唇の裏を丁寧に舐め上げて
僅かに開かれていた歯の間から蠢きながら、大きな舌を絡め取ろうと進入してきます。
やがて、くちゅくちゅとイヤラシイ音を立てて、大きな口内を心ゆくまで蹂躙してから
彼女はやっと貴方の唇を、開放しました。
細い銀色の橋が名残惜しげに震えながら切れ、欲望に蕩ける瞳を揺らしている少女の
桃色の小さな唇が、うっとりと紡ぐ言葉は。
「……やっぱり、貴方の唾液が一番甘くて美味し……」
ニア『トリック』
仕方無く、貴方は『いたずら』をされる方を選択しました。
だって今、手元には、ほとんど飲み干されたブラックコーヒーしか残って無かったからです。
しかし、当の少女はその事すら最初から予想出来ていたかのように、お供の大きな箒を
玄関ドアの脇に立てかけて、礼儀正しく帽子もマントもきちんと脱いで、軽く一礼してから
部屋に上がりこむと、何処からとも無く、甘い香りのするお茶が入ったポットと白い砂糖衣を
たっぷり被った干し葡萄入りの南瓜パンを取り出すと、二つにしてテーブルへ並べました。
「今日の為に、私が作りました。一緒に、食べましょう」
「……」
その心使いは、真に有り難い事なのかもしれませんが、貴方の方としてはどんな『いたずら』
をされるのか……が心配で、正直あまりくつろげません。
所在無さげにお茶を飲みながら、甘いパンを嬉しそうに少しずつ齧っている目の前の少女を
ぼんやり眺めていたら、つと上げられた彼女の瞳が笑みの形に歪み……。
「では、早めに済ませますね」
「……」
ススキ野原をしなやかに吹き渡る秋風の足取りで、こちら側にするすると歩み寄った彼女は
小さなその手で大きな手を取り、椅子から貴方を立たせます。
そして、そっと貴方の足元に跪くと、滑らかに流れる水の様な手付きでズボンのベルトを
容易く外して、下着を一気に降ろしてしまいました。
ひやりとした外気を感じたのは、ほんの一瞬。
細い指が優しく絡みつき、間髪入れずぬるぬるとした熱いものにすっぽり包まれてしまった
貴方の昂りは、先端や裏スジを優しく這い回る舌の所為でどんどん追い詰められていきます。
ひょっとして、彼女が持ってきたお茶は、何か不思議な働きをするようなモノだったのかも
しれません。
何故か、何時もより重く粘つく迸りが小さな彼女の口内に、大量に注ぎ込まれていきます。
やがて、尿道に僅かに残る残滓までをも丁寧に吸い尽くした彼女は、その白く細い喉を動かし
口の中に溜まっていた白濁を、総て飲み干してしまいました。
そして再び、汚れたままの貴方のモノを綺麗に舐め清める為にゆっくりと近づいてきた少女の
桃色の小さな唇が、うっとりと紡ぐ言葉は。
「……甘いモノばかり食べていると、口が慣れてしまいますから……」
ここは糖度の高いインターネッツですね
そろそろ健康診断行かなきゃ……
>>269 GJ
血液中の糖度が著しくあがった
インスリン使わないと……
>>272 つ純白金の入れ歯
ガチで奥歯が抜けた・・・・・
だいじょぶか、おい…
俺、明日の昼に前歯の神経抜くんだ……
>>276つ砂糖擬人化幼女
幼女なのは100%俺の趣味だ。許せ
上白糖(じょうはくとう)さん
日本で使用されている砂糖のうちの約半分を占めている、正統派ヒロイン。
結晶が細かく、しっとりとしたソフトな風味の少女です。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇ちゃん
グラニュー糖(ぐらにゅーとう)さん
クセのない淡泊な甘さを持ち、コーヒー・紅茶、菓子や料理作りが大好き。
上白糖よりも結晶の大きい、サラサラとした感じの女の子です。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇さま
白双糖(しろざらとう)ちゃん
一般家庭ではあまり使用されず、高級な菓子や飲料で使われる事が多い、小悪魔系。
結晶がグラニュー糖より大きく、無色透明の女性です。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇様
三温糖(さんおんとう)さん
上白糖やグラニュー糖より特有の風味を持ち、コクも甘さも強く感じられる魔女っ娘。
上白糖よりも更にしっとりとした触感を持つ、黄褐色の子です。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇くん
中双糖(ちゅうざらとう)さん
表面にカラメルがかけて有るので独特の風味を持ち、良く煮物に使われてます。
結晶がグラニュー糖より大きく、良く混ぜないと溶け残る事も有る生粋のドジっ娘。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇ちゃま
角砂糖(かくざとう)さん
グラニュー糖を四角に固めたもので、コーヒーや紅茶に良く使われています。
また、1個の重量が決まっているので、計量に便利な理系風淑女です。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇
粉砂糖(こなさとう)ちゃん
グラニュー糖を粉砕した粒子が、細かい雪のように儚く、非常に湿気やすい病弱娘。
クッキーやケーキなどの、洋菓子のデコレーションに多く利用されています。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇さ……ま……
氷砂糖(こおりざとう)さん
氷みたいに見える、とても大きな結晶で、キャンディーとしてそのまま食べられます。
後は、果実酒作りの時ぐらいにしかお呼びがかからない、ちょっと世間知らずの娘です。
>>〇〇〇や
液糖(えきとう)ちゃん
無色透明な液状砂糖で、溶かす手間が省け、何にでもすぐ馴染む素直なお子様モード。
ガムシロップをはじめとして、清涼飲料水、ソース、焼き肉のタレ等に使われてる子。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇たま
和三盆(わさんぼん)さん
日本の伝統的な製法で作られる、結晶が非常に小さい、淡黄色の女の子です。
独特の風味を持つので、和菓子の原料として非常に珍重されています。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇殿
黒砂糖(くろざとう)くん
さとうきびの搾り汁をそのまま煮詰めた、黒褐色の肌ざわりは少々荒削り。
だけど、濃厚な甘さと強い風味はお年寄りの間でも大人気の、元気な南国娘です。
好きな人への呼びかけ方は、>>〇〇〇!!!
Miss.メープルシロップ
サトウカエデの樹液を濃縮した独特の風味が根強いファンを持つ、ほとんど外国娘。
ホットケーキやワッフルにかけたり、菓子の原料として良く用いられてます。
好きな人への呼びかけ方は、Mr.>>〇〇〇
調味料擬人化とは…
お前らの妄想力には恐れ入る
料理の「さしすせそ」
さ…サッカリン
甘すぎて苦くなってしまうという性質を持ち、一時期発ガン性を疑われた
一見悪女、しかし意外と尽くすタイプ。ノンカロリーなので甘甘なのに
性格は意外とサッパリしている。
し…蔗糖
正統派の甘えんぼさん。でもその甘甘に溺れすぎちゃうと
虫歯になったりお肉が付いたり、果てはおしっこまで甘甘にされたりと
実はこっそり悪女? でも疲れたあなたに元気を与えてくれる大事な子。
す…スクラロース
甘甘さは砂糖の600倍という脅威の甘さを誇る人工甘味料娘。
だがその真価は、他の甘味料娘と組んだ時に発揮される。
他の甘味料娘と組んで迫るとき、その甘甘さからは誰も逃れられない。
せ…セロビオース
マイナーな甘味料で、セルロースを分解すると生じる理系オリゴ糖娘。
甘甘度はそんなでもないけど、整腸作用があって健康をきっちり
気遣ってくれる良妻賢母な子。
そ…ソルビトール
口に含むとひんやりする、クールな女の子。でもリンゴの蜜は
ソルビトールが成分なだけあって、ベッドの上では色々蜜がいっぱい。
自慢だが俺は一年に五回しか歯を磨かなかったことがある
>>284 2〜3年間の間に一回だけしか磨かなかったことがある俺が通りますよ
なんという甘いスレ
一目見ただけで糖尿病になってしまった
今日から間違いなくインスリン生活^o^
>>284 >>285 何でそんな事になったのか、まじで知りたいんだが…。その間虫歯や口臭はどうなってたんだよwとか。
>>287 人によっては口内に虫歯菌や歯周病菌を持たないことがある。
だから何もしなくても虫歯にならない人もいる。
その場合歯肉が弱るらしいけどな。
ところでそういう人って口臭はどうなるんだろう?
っていう疑問はスレ違いですねごめんなさい。
ところで
>>277-278のためにもう一本ほど神経を抜く羽目に
なりそうなんだが。
>>278-279その豊かな知識と妄想力に吹いたwww才能の無駄遣いwww
その勢いで砂糖擬人化SSを・・・
>>288大変だったな。そんな君にプレゼント
つハチミツ娘(スライム擬人化に似てると考えてくれ)
>>287-288 これはガチの話なんだが、親は元々歯が悪いんだな、正直、歯並びも悪いし、歯も弱いらしい・・・
俺の場合、歯自体は丈夫なんだが、歯磨きを数ヶ月ボイコットして代わりに歯肉が弱りましたwww
歯科医曰く、歯は丈夫なんだが、それにかまけて歯磨きしなくて、結果歯周炎\(^o^)/
てパターンが案外多いらしい
「歯科医になっても、結局は技術の良し悪しだから、頭の良い大学行かなくても大成する奴は大成する」
と友人の親父さん(医者)が言ってたそうだ。
Fランク大の医学部でも、歯科医になったら一流大医学部出のボンボンと稼ぎはドッコイらしい。
294 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 00:16:44 ID:PA7dsl9w
医学部出ても歯科医にはなれませ〜ん
>>296 角砂糖
和三盆
黒砂糖
メープルシロップ
の4人(?)は違うから全員ではないね
とりあえず、上白糖と和三盆キボン
糖分摂り過ぎたら虫歯と糖尿病以外にどんな病気にかかるか知ってる人いる?
甘甘なのを見てその二つの病気だけじゃバリュエーションが無いと思うんだ。
肥満
腎不全
味覚障害?
高脂血症
脳梗塞
がん
ここを覗くのは時々でないと他スレの甘い作品が普通に感じてしまうw
>>304のIDがミルク、つまりお前はミルクだぁーい好きな甘々っ娘のSSを書いてだな……
>>308 だが断る
「ねぇねぇ〜あなたのミルク飲ませてよぅ」
「お、俺の?」
:
後は男らしい妄想で楽しんでください><
311 :
東城 愛美:2007/10/27(土) 16:28:25 ID:iwdbjbCj
なんだか最近、家も学校の席もお隣さんで幼馴染な愛美の様子が少し、オカシイような気がする。
以前なら、『貴方のお母様から、任命されましたの』とか言って、毎朝目覚ましが鳴る前に堂々と
俺の部屋に侵入して、ベルの音と同時に人の顔をふにふに突付き回すような大人気ないイタズラや
『文化祭バザーの試作品ですの』とか言いながら、にこにこ笑いながら部活帰りの俺の口の中に
お手製のクッキーを次々詰め込むような子供っぽい悪ふざけ等を、しょっちゅう仕掛けて来たのに。
何故か、三日ほど前から、朝の奇襲がぴたりと止んでしまっただけでなく、教室内でもかなり
露骨に避けられる様になってしまった。
とにかく、目を合わせてくれない。
声をかけると、聞こえない振りをしつつ即、逃げ出す。
かと言って、不意打ちすると硬直後、物凄い勢いで後退っていく。
(俺、なんか、やっちゃったのか?)と、つらつら考えてみても、さっぱり解らないのだが
一昔前なら立派に嫁に行けるお年頃の、曾祖父殿の代までは華族&今も大地主なお家柄の上に
先日の文化祭ミスコンで、堂々の一位に輝いてしまったくらい器量も気立ても大変お宜し過ぎる
完璧なお嬢様と、互いに幼い頃から変わらぬ友情をまったり育み続けておりました……なーんて
阿呆臭い勘違いをしてた俺が、全面的に悪いんだろう。
だから、文化祭実行委員会慰労パーティでなし崩しに巻き込まれた“告白ゲーム”でうっかり
『キスの経験は?』 『有る』 『お相手は?』 『愛美』 『い、い、い、何時っ!!!』 『三歳頃だったかな』
『何処に?』『確か、頬っぺた舐めた覚えが』『……市ねっ!!!』なんて莫迦丸出しな受け答えを……。
あ、なーんだ。彼女が機嫌を損ねてる原因って、『コレ』だったんじゃないかっ!!!
……うん、大丈夫だよ、愛美。
まぁ、微妙なお年頃で恥ずかしがりやの女の子からしてみればとんでもない暴露話だったかも
しれないけれど、あの場に居合わせた全員、生暖かい笑みを浮かべてるだけだったじゃないか。
もう二・三日経てば、皆忘れてしまう……と思う、多分。
よーし、『原因』が無事判明したんだから、一刻も早く謝ってわだかまりを解消してしまおう。
来週早々、“二人で日直”をやる前に『対処』方法が解って、本当に良かったなよぁ、俺。
しかし、彼女の部屋に明かりが点いたのを確認後、ベランダ越しに謝罪の言葉を口にしたのに
ぼろぼろ泣きまくる愛美から「>>〇〇〇ちゃんなんか大っ嫌い!!!」と、絶交されてしまいましたっ。
……なんで?
312 :
天名 紗子:2007/10/27(土) 16:31:09 ID:iwdbjbCj
この季節、第二体育館へ続く渡り廊下には、柊木犀の清清しく甘い香りが密やかに漂う。
だから、その少女を一瞬、花の精と勘違いしてしまったのも仕方が無い事で。
夕暮れ間近なオレンジ色の光の中で、一層白く輝いている彼女の小さな横顔は、僕の
心の奥底にくっきりと焼き付いた。
そして、窓枠に頬杖ついてグラウンドの運動部員たちを只ぼんやりと眺めてるように
見えた彼女の姿をスケッチさせて貰おうと大慌てで声をかけた時、唐突に彼女の名前と
少々特殊な事情とやらを、思い出す。
「天名さん だよね? ……体、大丈夫?」
「あ……、>>〇〇〇さ……ま……?」
「う、うん。いや、『さま』は、いらないから。……気分悪いの?」
「ありがとうございます。でも、平……気……」
「じゃないと、思う」
よく見ると、彼女の小さな白い右手は小刻みに震えながら、胸元を押さえている。
「……ごめん。なるべく、人に見られないように努力する」
「え? ……きゃっ」
掬い上げるようにふわりと横抱きした瞬間、又甘い香りが流れた。
体に馴染んでない新品同様の制服に埋もれてる、華奢な体がいとおしくも悲しい。
「あっ、あの……」
「あんな、吹きさらしの所に長居したら体に障ると思ったんだけど、……迷惑?」
「……ごめんなさい」
「謝る必要なんか無い。自分が勝手にやった事だから」
幸い、誰とも会わずに保健室まで無事辿り着いたけど、肝心の保険医がいない。
それでも取りあえず、彼女をベッドに横たわらせてから、先生を探しに行こうとしたら
上着の裾をしっかり掴まれて……。
「……一人は、嫌です……」
だから、雨の日に捨てられた子犬の眼差しを真上から覗き込みつつ、必死に言葉を紡ぐ
彼女の青白い顔を両手でそっと撫でながら、囁くように告げた。
「ほほが冷たい。今度は、体ごとおいで」
「!!! ……待っていてくれますか?」
「うん、待ってる。ずっと」
???
よく分からんがNJ
314 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 05:36:51 ID:lzvG49t1
誤爆?
たぶん、件の砂糖擬人化SSっぽい
唐突過ぎて少々ワケワカメだが
316 :
278:2007/10/28(日) 09:15:32 ID:bWN7/RXW
すいません、その通りです
>>315 頑張って、十二人全員書くんだ!!! とか
勝手にてんぱってしまって、結果ズタズタに
もう少し、神SSを沢山ROMって修行しなおします
本当に失礼いたしました
>>316 せめてどの砂糖で書いたか教えてくれないか?
>>317 分類表あるんだから察してやろうぜ・・・
>>311は上白糖、東城は上白糖のアナグラムかな
>>312は粉砂糖、名前は甜菜からのインスパイアだろうか
キシリトール「兄上も、意外と甘いようで・・・」
みんな虫歯で入院かい?
畚
その昔ステビアという甘味料があってな・・・
甘えんぼうでむっちゃカワイイ女の子を作ろうと、スパイスやステキなものいっぱい調達してきた一人の男。
最後に砂糖を加える段階で何砂糖を入れるか迷った挙句12種類全部入れたら・・・
情緒不安定なヤンデレ彼女になってしまった!
ネタは置いといて、
甘えん坊もかなり軽い依存と考えると、ここと依存、ヤンデレスレ辺りは姉妹スレになるんじゃなかろうか。
甘えん坊→依存→ヤンデレと、こう段々いろんな意味で深くなっていく感じで。
>>324 でも……ビクビクッ
真っ先にコレが浮かんだ俺はハバネロ口に詰め込んだ方が良いと思った。
326 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 23:59:31 ID:RWVv359f
「だからさ、テラーフィストだよ、テラーフィスト!」
机に伏せていた成実は、そんな声を耳にしておもむろに顔を上げた。
授業が終わった直後の短い休みで、教室には半分ぐらいの生徒たちが残っている。はしゃいだよう
な声は、そんな騒がしさの中でも一際高く響いている。
見ると、自分の机に座った緑川が、雑誌片手に小さな腕を振り回して熱弁を振るっているところ
だった。小柄に短髪童顔、悪戯小僧に高校生の制服を着せたような、子供っぽい少年である。
「世界中どこにでも現れて、悪い電波獣を殴り殺す正義のヒーロー! いいよなあ、よすぎだよな、な?」
周囲に同意を求めるが、返ってくるのは苦笑ばかりだ。
「でもよー、ヒーローっていうにはあんまりだろ?」
「なにがあんまりなんだよ」
「殴る以外に攻撃方法がねえじゃんか。ヒーローっつったらさ、なんか、光線銃とか剣とか、そうい
うの持ってなかったっけ?」
「あと、五人いるとか。ほら、子供の頃に見たなんとか戦隊とかって、そんな感じだったじゃん」
「いいじゃんか一人でも。孤高の戦士って、カッコイイだろ」
不満げな緑川の反論に、賛同する者はあまりいない。どちらかと言うと、皆苦笑気味に顔を見合わ
せるばかりだ。
「孤高の戦士っつーかさ」
「そもそも、あんまヒーローっぽくないんだよね。なんか、電波獣を引き千切ったり殴り潰したり、
戦い方が乱暴だし」
「しかも毎回血みどろになるし、町ぶっ壊すしさー」
成実の胸にもやもやとしたものが広がった。その思いが通じた訳でもないだろうが、緑川が興奮し
た口調で反論する。
「オイオイ待てよお前ら。血みどろになってんのは事実だけど、テラーフィストは町壊さないように
気をつけて戦かってんじゃん」
成実の中で緑川の評価が少し上がる。
「え、そうだっけ?」
「知らねーよ。第一あんま真剣に見たことねえし。なんか、チャンネル回してる最中にちらっと映っ
て、『あー、またやってんだこれ』みたいな。そんな感じだよな」
やる気なさげなコメントを聞いて、緑川が不満げに腕を組む。
「ちぇ、お前らは全然分かってないね! ダークヒーローの魅力ってやつをよー」
ダークヒーロー、という単語を聞いて、成実の緑川に対する評価が少し下がって、元通りになる。
(……分かってないのはお前だよ、緑川)
成実はこっそりとため息を吐いた。
「相変わらずうるさいわね」
不機嫌そうな声に伏せたまま隣を見ると、机に座った桃井が眉間に皺を寄せて緑川の方を睨んでいた。
「もうちょっと静かに騒げばいいのに。ここに寝てる人もいるんだし」
本人達には聞こえない声で文句を言っている。どうやら、成実のため息を聞きつけて、彼も自分同
様迷惑していると判断したらしい。
「大体、あの年でヒーローとか、ねえ。青木君も、ああいう子供っぽいの、好きじゃないんでしょう?」
若干、返事に迷う。実際、件のヒーローに対する成実の感情は実に複雑である。好きとか嫌いとか、
そういう次元ではない。
「ん。まあ、例の奴は普通のヒーローとかとはちょっと違うんだし、みんなが騒ぐのも無理はないん
じゃないかな」
仕方がないので、少し濁した返事を返す。桃井は「むー」と少し不満げな顔で唸った。
「わたしには、どうもその辺の感覚が分かんないのよね。チャンネル回しててあれが映ると、気分悪
くなるもの」
「気分が悪いって?」
言ってしまった後で、成実は少し焦った。声が固くなってしまった気がする。だが桃井はそんなこ
とには気付かぬ様子だった。眉尻を下げて、少し暗い声で言う。
「だって、やっぱり不安になるもの。ああいうこと、実際わたしの身の回りで起きたら怖いなあって」
「へえ。意外に怖がりなんだね、桃井さんって」
普段強気に見える彼女の意外な一面に素直な感想を言うと、桃井は慌てて手を振った。
「あ、いや、別にそういうんじゃないの。ただ、あれが映るときって大抵スプラッタ映画みたいに血
みどろだし、まるで視聴者にそういう意図を与えようとしてるみたいじゃない?」
(そんなことはないよ)
つい反論しそうになってしまって、成実は意識して口を噤む。そのために変な間が出来てしまい、
一瞬二人の間に気まずい空気が流れた。
「それにしても」
桃井が無理に話題を変えた。
「青木君って、いっつも眠たそうだよね。夜更かしとかしてるの?」
「まあ、そんなところかな」
話題がそれたことにほっとしながら、成実は欠伸を一つする。
「睡眠時間が足りてないよなー、とは、自分でも思う。授業中もついつい寝そうになるし」
「本当に寝ないだけ偉いよ。緑川なんかいっつも先生に怒られてるじゃない」
「まあ、あいつは多分ヒーロー物のDVDなんか見て夜遅くまで起きてるんだろうし」
「ありそうありそう」
桃井はおかしそうに笑ってから、不思議そうに首を傾げた。
「ところで、そういう青木君は夜遅くまで何やってるの?」
「え、僕? ええと」
困ってしまった。正直に話す訳にはいかないが、咄嗟にいい言い訳が思い浮かばない。
成実が迷っていると、不意に教室の喧騒がぴたりと止んだ。一瞬の間を置いて、ひそひそと囁き交
わす声が聞こえてくる。
(ひょっとして)
半ば確信に近い予想を立てながら廊下の方を見ると、案の定一人の少女が教室に入ってくるのが見えた。
すらりとした細い長身、長く艶やかな黒髪、涼やかな目元と常に微笑を浮かべる形のいい唇。町を
歩けば男女問わず誰もが注視せずにはいられないだろうと予想させるほどの、美少女である。背景に
桜が舞い散る錯覚すら感じてしまう涼しげな雰囲気から考えれば、美女という表現の方が相応しいか
もしれない。
「会長だ」
「見りゃ分かるよ」
「きれーよね」
「言わなくても分かるわよ」
クラスメイト達の囁き声の内容は、大抵そんな感じである。中には頬を赤らめる少年やら目を潤ま
せて「お姉さま」と少し危ない声で呟く少女も混じっている。そういった極端な反応を除いても、着
崩した制服を急に直し始めたり、櫛を取り出して髪の手入れを始めたりと、急に身だしなみに気を使
い始める者がかなり多い。
(紅原菊花生徒会長様、か)
この学校で最も有名なその少女を、成実は机に伏せたままぼんやりと眺めた。
文武両道とか容姿端麗とか、使い古された美辞麗句のほとんどが当てはまるような完璧人間である。
成績は常に学年トップを維持し、性格は穏やかで明るく、誰に対しても礼儀と心遣いを欠かさない。
生徒会長を務めるだけのリーダーシップや存在感も持っており、生徒の一部からはほとんど女神のよ
うに崇められている少女だった。
菊花はクラスメイトの注目を集めながら、特にそれを意識する様子も見せずに、こちらに向かって
悠然と歩いてくる。とは言え、目当てが自分ではないことぐらい、成実には考えずとも分かっていた。
案の定、彼女は彼の前を素通りして、隣の席の前で立ち止まった。
「桃井さん」
耳に心地よい歌のような、澄んだ声が聞こえる。いちいち考えるまでもなく、菊花の声だと分かった。
「は、はい」
桃井が少しどもりながら返事をする。緊張しているらしい。
(別に、初めて話すわけでもないのに)
少しおかしかった。机に伏せたままこっそり笑い、彼女たちの会話に耳を傾ける。
「急にごめんなさいね。今日の会議中止になったから、それを伝えにきたの」
会議、というのは生徒会の集まりのことだろう。菊花同様、桃井も生徒会に所属しているのだ。
「あ、そうなんですか」
「ええ。だから、今日は授業が終わったらそのまま帰ってもいいわよ」
「分かりました。伝えてくださってありがとうございます。でも、どうして会長が直接……」
桃井が困惑したように言うと、菊花は少し悪戯っぽく答えた。
「桃井さんの顔が見たかったからよ」
「え、ええ? あ、ええと、その、こ、光栄です」
焦りまくった返答に、菊花がぷっと吹きだした。
「冗談よ、冗談。桃井さんは可愛いわねえ」
「そそ、そんなことない、です、はい。会長に比べたらわたしなんて」
「あら、ありがとう」
二人はそのままちょっとした雑談に移る。桃井の方は緊張のためかあまり喋れていなかったが。
成実は伏せたまま、ほんのわずかに顔をずらして二人の方を盗み見た。菊花は成実に背を向けてい
るので、自然と桃井を注視する形になる。
肩の辺りで刈り揃えられた癖のある黒髪、多少きつい感じがするが形のいい瞳、整った鼻筋、小柄
ながら女性らしい起伏のある肢体。
(こんな風にじっくり見ることはなかったけど、実際かなり可愛いんだなあ、桃井さん)
ぼんやりそんなことを考えていると、
「それじゃ、そろそろ戻るわね」
と、不意に菊花が身を翻したので、成実は慌てて腕の中に顔を戻す。
視界が塞がる直前、前を通り縋った菊花が、こちらにしか見えないように指でちょっとしたサイン
を作るのが見えた。
(今日はカレー、ね。了解)
伏せていると、にわかに教室がざわつき始めた。どうやら菊花が出て行ったようで、会話の内容も
大抵彼女に関することのようだ。
(紅原菊花生徒会長様は、いつもみんなの人気者だものな)
「ねえ、青木君」
不意に呼びかけられて、顔を上げる。桃井が何やら怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
「さっき紅原先輩、青木君に向かって何か、指を動かしてなかった?」
背筋が凍りついた。まさか、見られていたとは思わなかった。成実は咄嗟に笑って誤魔化そうとする。
「さあ、見ての通り寝ていたから、よく分かんないなあ」
「本当?」
桃井が目を細める。元々少し目元がきついので、そうすると睨んでいるように見える。いい人だと
いうことは知っているので、怖くはないが。
「それにしては、さっきわたしと先輩が話してたとき、紅原先輩の方見てたよね」
これまた誤算だった。だが、菊花の方を見ていたというのは誤解だったので、成実は少し安心して
正直に答える。
「違うよ。見てたのは会長の方じゃなくて、桃井さんの方」
「え、わたし?」
桃井の顔が少し赤くなる。一度戸惑ったように目をそらし、「えっと」と、慎重に探るような視線
を送ってくる。
「どうして、わたしの方を?」
「ん。会長の言うとおり、桃井さんは可愛いなあと思って」
話題をそらすのに必死だったので、それを聞いた桃井が固まってしまうまで、成実は自分が言った
言葉の意味に気がつかなかった。冷静になってみて、焦る。
(うわ、しまった。『可愛いなあ』って、いくらなんでもキモかったな)
慌てて身を起こし、両手を振る。
「いや、ごめん、変なこと言った。忘れて」
「あ、ううん、むしろうれし……じゃなくて、別に、気にしてないよ?」
桃井の方も焦ったように小さく両手を振る。心なしか、ずいぶん顔が赤いように見えた。
会話が途切れる。先程とは別の意味で気まずい。今度は成実の方が無理に話題を変えた。
「でも、さっきの指がどうのなんて僕は全然気付かなかったよ。桃井さんは会長のことよく見てるん
だねえ」
あくまで自分は何も見ていないことを強調しつつそう言うと、桃井は少し恥ずかしそうに俯いた。
「違うよ。わたしが見てたのは紅原先輩じゃなくて」
そのときチャイムが鳴り響き、次の授業の教師が教室に入ってきた。天の助けと思いながら、成実
は体を起こして机の中から教科書を取り出す。
(危ない危ない。ばれたかと思ったよ)
内心ほっと息を吐きながら、成実は今日の夕食のことに思いを馳せる。
(カレーか。相変わらず好きだよなあ)
自然と、呆れ半分のため息が出た。
(まあ、こっちも作りなれてるから、無茶なメニュー要求されるよりはいいんだけどさ)
欠伸を噛み殺しながら、そんなことを思う。
授業中、桃井がちらちらこちらを見ているのが少し気になったが、それ以外はいつも通りの平穏な
一日が過ぎていった。
学校が終わって帰宅すると、成実は着替えもそこそこに家を出る。
靴を履いて庭に回ると、隣の家と接する塀の一角に、崩れている場所があった。少し屈んで、躊躇
なくそこを通り抜ける。
(今日は生徒会の会議が中止になったとか言ってたし、間違いなくもう帰ってるよな)
玄関のドアノブに手をかけると、案の定鍵は開いていた。「お邪魔します」と一声かけて、家の中
に入る。玄関には、学校指定のローファーが適当に脱ぎ捨てられていた。
「ちゃんと揃えてっていつも言ってんのに」
愚痴りながら揃えなおし、自分のスニーカーも、脱いだあとにきちんと揃えて置く。
「きーちゃん、帰ってるんでしょ?」
廊下を歩きながら声をかけると、扉が開け放しになったリビングの方から「うー」と気だるげな声
が聞こえてきた。
ため息を吐きながらリビングに入ると、誰かがうつ伏せになってソファに寝そべっているのが見え
た。片足を床に投げ出して半ばずり落ちそうになっているその少女は、成実の学校の制服を着ている。
スカートの中身が見えそうな際どい格好だが、いつもギリギリのラインで留まっているのが不思議
だった。
そんな彼女に向かって、成実は呆れながら声をかけた。
「いつも言ってることだけど、寝るならせめて着替えてからにしてよ。制服に皺が寄るじゃないか」
「やだー。めんどくさーい」
少女が寝そべったままくぐもった声を返してくる。
「そんなこと言わずに、早く着替える」
「だって面倒なんだもん。ねー、なっくんが着替えさせて」
「物凄く問題があることを平気で言わないの。ほら、早く着替えないと、カレー作ってあげないよ」
「うー」
呻きながら、少女が渋々といった様子で体を起こす。のっそりとこちらを向いた顔は、拗ねたよう
に唇を尖らせていた。
「なっくんのいじわる」
「はいはい。分かったからさっさと着替えてきてよ」
「分かったー」
寝惚けているようなやる気のない口調で言いながら、少女はその場で服を脱ごうとする。成実は厳
しい声でそれを止めた。
「自分の部屋でね」
「えー、めんどうくさーい」
「あのね」
頭を手で押さえると、少女は楽しそうにけらけらと笑った。
「冗談。冗談よー。なっくんもやっぱり可愛いよねえ」
少女がゆっくりと立ち上がる。すらりとした細い長身と、長く艶やかな黒髪に隠されていた美貌が
露わになった。
(相変わらず、学校とはえらい違いだな)
呆れ半分にそう思う。
成実の目の前で子供っぽい笑みを浮かべているのは、紛れもなく、あの紅原菊花生徒会長なのだっ
た。
これは冗談ではない。
菊花が二階の自分の部屋に向かったあとで、成実はキッチンの前に立った。
(さて、と)
学校帰りにスーパーで買ってきた野菜や肉をシンクの上に置く。玉ねぎは皮を剥いたりボウルに
張った水に浮かべたりして、ちょっとした下ごしらえを済ませておく。
他人の家ではあるが、こうしてキッチンに立った回数は百や二百では足りないほどだ。どこに何が
あるのかも知っているので、迷うことなく隅にある冷蔵庫を開ける。中段に入れてあるいくつかの瓶
には、色とりどりのスパイスが詰まっていた。
(わざわざスパイスからカレー作ってるのなんて、クラスでも僕ぐらいのもんなんじゃないかな)
少し悲しい想像をしながら、成実は必要な分のスパイスを取り出してシンクに置いた。
(えーと、コリアンダーが大さじ2杯、クローブが10個……)
本当はいちいち確認しなくても自然と作れるぐらい、このカレーのレシピは頭の中に入っている。
それだけ何度も何度も繰り返し作ってきているということである。それでも一応頭の中で作り方を反
芻するのは、万一間違えるとひどいことになるからだった。
(『いつもの味じゃなーい!』なんて文句言うんだもんなー、きーちゃん)
以前スパイスの配分を間違ってしまったあとは、すっかりヘソを曲げて二時間ほど口を利いてくれ
なかったものである。そんなに遠い昔の話ではない。
(いつまで経っても子供っぽいんだから)
頬を膨らませた菊花の顔を思い出すと、自然と口元が緩む。
そのとき、背後から歓声が聞こえてきた。
「あー、カレー作ってるー」
着替えを終えたらしい菊花が野暮ったいジャージ姿でパタパタと駆け寄ってきて、成実の肩に手を
置いて、彼の背中にぴったりと体を寄せてきた。普通女の人にこんなことをされたらドキドキするも
のだろうが、菊花がこういうことをするのは慣れっこだったし、何よりも彼女の胸部には荒涼とした
果てしない大平原が広がっているので、成実の鼓動は全く速くならない。
「よかった、なっくん、わたしのサイン分かってくれたんだ」
サイン、というのは昼間成実の前から立ち去る際に見せた、あの指の動きだった。二人の間で決め
た、秘密のサインである。
「まあね。危うく見逃すところだったけど」
「あ、それそれ」
菊花が、成実の左肩に顔を乗せて怒ったように言った。
「もう。ダメだよなっくん、教室であんなダラダラしてちゃ」
「いいじゃないか、授業中はちゃんと起きてるんだし」
「ダメですー。あんな風にだらっとしてちゃ、女の子にモテないぞっ」
菊花は成実の右肩に腕を回して、右の頬を突っついてきた。成実は鬱陶しげに答える。
「別にいいよ、そんなの」
「どうして。彼女がいない高校生活は非常に寂しいものですよ?」
「あのね」
成実はわざと意地の悪い笑みを浮かべた。
「そもそも、僕は誰かさんのせいで友達と遊ぶ暇もほとんどないんだけど?」
「あ、ひどーい! 人のせいにするなんてよくないぞー、このこの」
菊花が成実の右肩に回していた腕をそのまま首に絡めて、ぐいぐいと冗談半分に締め上げてくる。
成実としては苦笑するしかない。
「はいはい、ごめんごめん。それよりそろそろ玉ねぎとか切るから、離れてた方がいいよ」
話している最中に、スパイスは混ぜ終わったのだった。玉ねぎを切ると聞いて、菊花が慌てて距離
を取る。その様が驚いた猫のようで、成実はおかしくなった。
「そんなに離れなくてもいいのに」
「だって、玉ねぎ切ってるところにいると目が痛くなるもん」
「大丈夫だよ、水につけておいたから」
そうしておくと玉ねぎを切ってもあまり涙が出ないのだが、それでも菊花は警戒したように近づい
てこない。それでいて、居間に戻ろうともせずにじぃっとこちらを監視している。
「何やってんの」
「変なもの入れないか見張ってるの」
「入れないよ変なものなんて」
「ぶー。そんなこと言って、ピーマンとか入れられたらイヤだもの」
菊花は子供の頃からピーマンが嫌いだった。この年になってもそれは変わらず、以前何とか是正出
来ないかと考えて細かく刻んだピーマンをこっそりカレーの中に混ぜたら、たちまち見破られた過去
がある。
(それでも文句言いつつ最後まで食べてくれるんだけど、ちょっと可哀想なんだよなー)
唇を尖らせてぶちぶち文句を言いながらスプーンを動かす菊花の姿を思い出して、成実は少し笑う。
それをめざとく見つけた菊花が、鬼の首を取ったような勢いでこちらを指差してきた。
「あー、ほら、今笑った! やっぱりなんか入れるつもりでしょ!」
「違う違う、別に何でもないよ」
「うっそだー。絶対なんか悪いこと企んでる笑い方だった!」
「違うったら。大体、今日はいつもの材料以外何も買ってきてないんだから」
「本当?」
疑わしそうだった。
「本当だよ。こっち来て調べてみればいいじゃない」
「イヤ。涙出るから」
「出ないったら」
成実が玉ねぎを切っているので近寄れないらしい。菊花は「うー」と小さく唸った。
「本当に、何も入れない?」
「入れない」
「いつも通り作ってくれる?」
「作る作る」
「本当に本当?」
「本当に本当」
「本当に本当に本当?」
「しつこいよもう!」
菊花が楽しそうに笑った。
「冗談、冗談。それじゃ、出来るまで待ってるね」
「うん、大人しくしててよ」
「なにその言い方……あー、でも、さっきの話だけど」
「うん?」
急に菊花が口調を変えたので、怪訝に思って彼女の方を見る。にやけた顔がこちらを見つめていた。
「なっくんはさ、その辺、安心よね」
「その辺って、なに?」
「彼女とかさ」
意味が分からずに眉をひそめると、菊花は口に手を当てておかしそうに笑った。
「だって、なっくんには澄ちゃんがいるもんね」
「は? 誰だって?」
聞き返すと、菊花は井戸端会議中のおばさんのように手を振った。
「またまた、とぼけちゃって。今日もちらちらなっくんの方見てたのに」
「誰がさ」
「隅に置けないねえー、よっ、この色男! じゃ、待ってるねえ」
ぴらぴらと手を振りながら、菊花がリビングに向かう。ダイニングを通り抜ける彼女の足取りは実
に軽やかである。成実は首を傾げた。
(何言ってんだろ。澄ちゃんって誰だ? ……まあいいか)
とりあえず放っておくことにして、成実はまた玉ねぎを切り始めた。
紅原菊花と青木成実は、家が隣同士のいわゆる幼馴染である。
その関係も、家での菊花が生活のほとんどを成実に頼っているダメ人間であることも、知っている
者はごく限られている。
通っている高校が3駅ほど離れているためでもあるし、そもそも二人で示し合わせて内緒にしてい
るためでもある。
成実としては別段ばれても特に困ることはないのだが、菊花の方はあくまでも秘密にするべきだと
主張している。
「だって、学校の皆にも知られちゃったら、学校でもなっくんに甘えたくなっちゃうもの。それだと
わたし本格的なダメ人間じゃない?」
「いや、そもそも生活のほとんどを同い年の男子に頼ってるって時点で十分ダメ人間なんだけどね?」
「それにほら、わたしとなっくんがこんなに仲良しだって皆にばれちゃったら、女の子が遠慮して
なっくんに寄り付かなくなっちゃうかもしれないもんね。それだとすごく困るもの」
成実としてはよく分からないことや納得出来ないことが多々あったが、とにかくそういう理由で、
二人の関係は学校の皆には秘密なのだった。
また、生活のほとんどを成実に頼っていることからも分かるとおり、菊花には親がいない。父親は
成実が物心つくころには既に故人だったが、母親は菊花が小学3年生、成実が小学2年生だったとき
……つまり9年ほど前にこの世を去っている。
それ以来、成実はほぼ一日も欠かさず、ずっと菊花の世話を続けてきた。
彼女がそれを望んだのもあるし、彼がそれに応えたのもある。
「きーちゃん」「なっくん」という子供っぽい呼び方も、昔から少しも変わらない。二年ほど前ま
では、ちょっと変わった幼馴染という二人の関係に、何ら変化が起きることはなかったのである。
リビングの方から賑やかな音が聞こえてきて、菊花がテレビをつけたのが分かった。
成実は油を敷いて熱した鍋に、刻んだ野菜を入れた。木製のしゃもじでそれをかき混ぜながら、リ
ビングの菊花に声をかける。
「そう言えば、今日は仕事なかったんだね」
「うん。なんか、よく分かんない内に問題が解決しちゃったみたい。おかげで今日の会議なしになっ
てカレーが食べられるんだから、ラッキーだよね」
別に会議があろうがなかろうがカレーは食べられただろうと、成実は少し苦笑する。
家ではこんなだが、学校での菊花は間違いなく優秀な生徒会長である。生徒の声によく耳を傾け、
文化祭などのイベント事の仕切りも、関わりすぎず放置しすぎずという適度な姿勢を持っている。各
部活からの要望にも的確に対応するため、大部分の生徒から好かれていた。
(でも、家ではこんななんだよな)
成実はちらりとリビングの方を見る。菊花の姿は見えない。おそらくソファに寝そべっているのだ
ろう。基本的に、家での彼女は寝そべってだらけてばかりいるのだ。
(こういうの、二面性が激しい女って言うのかなあ)
普通の使い方からはかけ離れているが、間違ってはいないだろうと思う。
「そうだ。ねー、なっくーん」
不意に菊花が声をかけてきた。成実はスパイスを投入しながら、「なに」と返事を返す。
「あのねー、今日学校の帰りにねー、三毛猫見かけたのよー」
「へえ。三毛猫ね。それがどうかしたの?」
「うん。ノラちゃんだったみたいなんだけど、塀の上に寝そべってるこの子がもう物凄く可愛くてねー」
「へえ。可愛かったんだ。そりゃ良かったね」
「そうなのー。本当にもう、可愛くてー」
「……」
「可愛かったなあ」
成実はため息を吐いた。
「言っとくけどね、さすがに猫を飼うのはダメだよ。きーちゃんが世話できるとも思えないし、僕は
きーちゃんだけで手一杯だし」
「ぶー。わたしはペットじゃありませんー」
「似たようなもんだと思うけど」
「ひどーい。それに、わたし別に飼いたいなんて言ってないでしょ。ただ、すごく、ものすごーく、
可愛かったなーって」
「そう」
「あー、でも本当に可愛かったー。可愛くて可愛くて」
「分かった」
菊花の言わんとすることを知りつつもここまで粘っていた成実だったが、ついに観念して肩を落とした。
「今度、作ってあげるよ。寝そべってる三毛猫でいいんだね?」
「ありがとー、なっくん大好きー。あとでチューしてあげる」
「いらないよそんなの」
「うん、わたしも冗談で言った。あー、楽しみだなあ」
菊花がウキウキした声で言うのを、成実は苦笑して聞いていた。
作る、と言ったが、もちろん猫そのものを作るわけではない。成実が作るのはぬいぐるみである。
菊花はたまに、テレビで見たり道端で見かけた動物などのぬいぐるみを異様にほしがったりする。
ぬいぐるみなら自分で買えばいいのだが、何故か成実に作ってもらいたがるのだ。
理由を聞いたら、
「だって、その方が愛情篭ってていい感じだと思わない?」
「思わないね。だって、面倒だなあって思いながらため息混じりに作るから」
「ダメダメ、ちゃんと一針一針愛情込めて縫わないと」
何故かダメ出しまでされる始末である。
昔からこんな調子だから、成実は手芸が妙に得意になってしまった。ぬいぐるみだけでなく、パッ
チワークやらビーズアクセサリーやらもカバーしている。ロボットアニメのロボットとか、とんでも
ないものを欲しがることもあるので、プラモデルもいくつか作った。アニメキャラのコスプレをした
がったときはさすがに頭が痛くなったが、それでも根性で作り上げたのである。いい出来だったと成
実自身も満足している。
(まあ、言うほど嫌ではないんだけどさ。欲しがるだけあって凄く喜んでくれるし、大切にしてくれるし)
菊花以外に誰も住んでいないだけあって、この家には空きスペースがかなりある。だから、この家
は成実が菊花に頼まれて作ったものがたくさん詰まっている。両親がいない寂しさを埋めるために、
成実の製作物で家を一杯にしようとしているようにも見えるほどだ。
「あー、楽しみ、楽しみー。猫さん猫さん、可愛い猫さーん」
ぬいぐるみ作りを承諾してもらってご機嫌になったらしく、菊花は適当な歌まで歌い出した。美し
く澄んでいるが調子外れなその歌声に、成実は苦笑を抑えられない。
(才能の無駄遣いって、こういうのを言うんだろうなあ)
しみじみと実感してしまう。
そのとき、不意に菊花の声が止んだ。何事かと思ってリビングの方を見ると、ソファにきちんと
座った彼女の頭が見えた。
(どうしたんだろう)
疑問はすぐに解消された。テレビから、ニュースを読み上げるアナウンサーの声が聞こえてきたの
である。
「……ご覧ください……数日前の……凄まじい破壊の痕……」
どきりとした。遠目にはよく見えないが、テレビに映し出されているのは瓦礫の山らしい。菊花は
食い入るようにそのニュースを見つめているらしかった。
「……そう言えばさ」
「んー?」
たまらず声をかけると、先程とは打って変わって気のない返事が返ってきた。余程ニュースに集中
しているものらしい。構わず話を続ける。
「今日は、仕事ないの?」
「さあ。今のところは大丈夫みたいだけど」
そこでまた会話が途切れる。菊花同様、成実もカレーを作りながらアナウンサーの声に耳を傾ける。
「……被害は世界各地で……ですが、事前に予期できるため……この度も、人的被害はゼロでした」
菊花がほっと息を吐き、またぱたりとソファに寝転んだ。成実も安堵の息を吐いて、またカレー作
りに集中する。
「ねえ、なっくん」
どことなく、沈んだ声だった。
「どうしたの」
「怪我した人とかはいないけど、街はメチャクチャになっちゃったんだよね」
「そうだね」
「あそこに暮らしてた人たちは、これからどうやって生活していくのかなあ」
憂いに沈んだ声に、成実の胸が痛くなる。慎重に言葉を探して、出来る限り気楽な声で答える。
「大丈夫でしょ。復興はすぐ始まるはずだし、国連だかどこだかが支援活動を行うって話だから、住
むところには困らないはずだしさ」
通り一遍の答えしか返せない自分に、少しだけ腹が立つ。
答えが返ってくるまでには、少し間があった。
「うん、そうだよね。ごめんね、なんか暗くなっちゃった」
菊花の声は明るかったが、どこか無理しているような節がある。そのことはあえて指摘せずに、成
実もまた努めて明るい声を返した。
「別にいいよ。さ、もうすぐ準備できるから、座って待っててね」
「はーい」
勢いよくソファから跳ね起きてパタパタと歩く菊花を見ながら、成実は嫌な胸騒ぎを感じていた。
悪い予感が的中したことを成実が知ったのは、ダイニングのテーブルにカレーを盛り付けた皿を並
べたときである。
そのとき菊花は嬉しそうな顔で椅子に座っていて、自分の前に置かれたカレーの皿に歓声を上げた
ところだった。
「手は洗ったよね?」
「うん。さ、なっくんも座って。早く食べようよ、早く早く」
「分かってるって」
じれったそうな催促に苦笑しながら椅子に座りかけたとき、不意にけたたましい音が鳴り響いた。
災害を報せる警告音のような、切羽詰った音である。
菊花の表情が瞬時に固くなった。ポケットから音源である携帯電話を取り出し、成実から体を背け
て誰かと話し始める。固い声だった。
彼女の真剣な横顔を悲しい思いで眺めたあと、つけっぱなしになっていたテレビに視線を移す。先
程までカルガモの親子がどうだとか微笑ましいニュースを読み上げていたアナウンサーが、一転して
緊張した表情で緊急ニュースを読み上げている。
「緊急放送です。ただ今、国連より全世界に向けて、超自然災害特別警戒警報が発令されました」
アナウンサーは一息吐いて、固い声で告げる。
「電波獣が出現する模様です」
続いて緯度と経度、聞き慣れない国の名前、そして予想時刻が読み上げられる。
(日本じゃないんだな)
ぼんやりと、そんなことを思う。おそらく、日本全国ほぼ全ての人が、同じことを思ってほっと息
を吐いただろう。だが、残念ながら成実と菊花だけは例外だった。
「ごめんね、なっくん」
不意に声をかけられて振り向くと、テーブルの向側に座った菊花が申し訳なさそうに眉尻を下げて
こちらを見ていた。
「カレー、お預けになっちゃったみたい」
心臓が早鐘を打ち始めるのを自覚しながら、しかし成実は表面上はなんでもないように答えた。
「うん。まあ、仕方ないね」
「先に食べてていいから」
「いいよ。待ってる。大して時間かかんないんでしょ?」
気楽な声に必死の願いを込めてそう言うと、菊花はにっこりと微笑んだ。
「うん、そうするつもり。わたしもお腹空いてるもん」
「じゃあ待ってるよ。一緒に食べよう」
「ありがと、なっくん」
菊花はゆっくりと立ち上がると、リビングに向かって歩いていく。その背中がいつも以上に細く見
えて、成実は胸が締めつけられるような痛みを覚えた。
リビングの中央で立ち止まった菊花は、こちらに振り返り、静かに目を瞑った。そして、真っ直ぐ
上に右腕を伸ばし、厳かに言う。
「装着」
その言葉を合図として、空気に混じって菊花の周囲を浮遊していた無数のナノマシンが、秩序を
持って動き始める。それらは瞬時に菊花の体を取り囲み、張り付き、一つの形を構成するのだ。
というのは菊花から教えてもらったから分かることで、実際には0.05秒間で完了するプロセスらしい。
だから、一瞬の後に、菊花の姿はリビングのどこにも見えなくなっていた。その代わり、彼女より
も一回りほど大きな人影が、先程菊花が取ったポーズそのままに、静かにそこに立っている。
それは、民家のリビングにはあまりに似つかわしくない存在だった。
装甲服、とでも表現するしかない、異様な鎧を身に纏った人影である。闇のような深い黒に染めら
れたその鎧は、ほぼ全身が鋭角的なパーツで構成されており、人を寄せ付けない無機質で不気味な雰
囲気を放っている。その上、この鎧は顔の部分がのっぺりしていて、瞳や鼻、あるいは口に似せた部
分が全くない。それ故に、尚更人間味がないように感じられるのだ。
(でも、この中には間違いなく人が入ってるんだ。それも、僕にとってとても大切な人が)
成実はぎゅっと拳を握り締める。彼自身も立ち上がり、少し距離を置いて黒い人影と対峙した。人
影はゆっくりと両手をこちらに向け、見慣れたサインを作り始める。
(そう言えば、テラーフィストなんて呼ばれてるんだよね)
この姿になると、菊花の声は鎧に阻まれて届かなくなる。だから、こうして二人だけに分かるサイ
ンで会話するのが決まりだった。
「ああ、そうだね」
(恐怖を撒き散らす拳、か。出来ればもうちょっと可愛い名前が良かったなあ)
「いや、この見かけに可愛い名前をつける人は、かなりセンスがおかしいと思う」
(だよねえ、やっぱり)
おそらく、この黒い鎧の下で、菊花は苦笑しているのだろう。見えなくても、成実にはそれがよく分かる。
「じゃ、気をつけてね、きーちゃん」
表面上は気楽に、だがその声にはありったけの思いを込める。
漆黒のヒーローは、厳かに頷いた。
(ありがと、なっくん。なるべく早く帰ってくるから)
「待ってるよ。待ってるからね」
だから、絶対無事に帰ってきて。
そう口にすることも、行かないでくれと縋りつくことも出来ない。本当はそうしたいが、鋼の意志で我慢する。
言えば、彼女の決意を鈍らせるかもしれないから。
(行ってきます)
そのサインを最後に、彼女の姿が音もなくかき消える。
ワープして戦場に向かったのだ、というのも、やはり菊花自身から聞いていたから分かることである。
愛しい人をただ見送ることしかできない自分の間抜けさを呪いながら、成実はしばらくその場に立
ち尽くしていた。
紅原菊花は、三つの顔を持っている。
一つは学生達の人望を一身に集める、才色兼備の生徒会長としての顔。
一つは幼馴染の少年に頼りっぱなしな、生活力皆無のダメ人間としての顔。
これに加えてもう一つ。黒い装甲服に身を包み、異形の怪物を拳一つで屠り去る、孤高の戦士とし
ての顔である。
これは冗談ではない。
繰り返す、これは冗談ではない。
閃光拳士テラーフィスト
第一話「これは冗談ではない」
後編に続く。
普通に面白かった。続きキボン
GJ!!
この主人公には大きな器でヒロインを包容しガンガン甘えさせてやってほしい
クラスメイトの女の子の方も甘えん坊だったり?
読みやすいし面白くなりそうだよね。
気長にwktkしとこ。
甘えっぷりが最強に近いかもw
途中まで成実を女の子だと思ってた俺は死刑ですかそうですか。
途中まで男のほうが仮面ライダー系戦士だと思ってたんだけどなあ
これは意表を突かれた
恥ずかしさに顔を真っ赤にしながらも抱き着いてくる甘えっ子もいいと思うんだ
>>344 「おい、離れろって」
「い・・いやです」
「だっ顔赤くするなら抱きつかなければいいだろ?」
ムギュッ
「だーーーだから引っ付くなって」
「だって・・・」
「だって?」
「だって・・・好きです・・・から」
こうですか?わかりません><
>>345 よくわかってるじゃないか
さぁ表に出ろ
俺が一杯おごるぜ
甘えんぼうな姉
>>347 (*´Д`)ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア
>>345を書いてみたがいまいちだったな。。。駄作サーセン
甘えんぼうのサンタクロース
(X'masが)中止になる前にやってきた
ごめん、言ってみたかっただけ
>>350 貴様!俺が書こうとしたことを先に言ったなー!
>>350-351 ミニスカサンタは安易すぎる。
カッチリとサンタ服を着込み、ちょっとズレた付けヒゲと目深にかぶった帽子で、服に負けない程に赤くなった顔を隠している。
そうでなければならない。
ならば甘えん坊双子サンタで片方はミニスカ元気一杯サンタ、片方はツンデレ照れ屋サンタというのはどうかね?
さらに無口っ娘甘えん坊サンタも乱入させれば俺の暴走が火を噴くぜ?
>>353 それは三つ子だ
たがよし
元気いっぱい明るい甘えん坊サンタさんと
ツンデレ照れ屋、だが甘えん坊サンタさんと
無表情無口な甘えん坊サンタさん
そんなの一緒にきたら一瞬で血糖値100倍ぐらいになって死ぬぞ俺
無口っ娘サンタは近所に住む双子の同い年で、学校こそ違うものの主人公を巡ってのライバルっつーことで!
冷静に考えればサンタである必要性がないかと。
357 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 08:24:12 ID:RsNOKuTm
>>356 そうだよな。
別にサンタじゃなくても、トナカイルックで
「私だけのサンタになってください」とか
3人同時に迫ってくるとかでもいいよな。
>>356 貴様、サンタの良さがわからんとは……
表に出ろ、拳で伝えてやる
サンタの恰好してきた3人に
「プレゼントはあ・た・し(はーと)」
という妄想をするといい
362 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 03:10:43 ID:byUjv9RX
>>361 ちくしょう、ステキドリームでレポートがすすまないじゃないか。
どうしてくれる
甘えんぼうな母なんてどうよ?
365 :
359:2007/11/19(月) 09:31:54 ID:kAwqC1Rf
閃光拳士テラーフィストの新作読みたいね〜
閃光拳士テラーフィストの新作読みたいね〜
>>368 良かったな、あれ
このスレに投下してくれてりゃあ、GJの嵐なんだが
圧縮回避
372 :
平凡な幸せ:2007/11/23(金) 20:28:17 ID:CdQKP2Bj
2スレほど投下開始します。
エロ無しですいません。
六畳一間でトイレ共同風呂台所付きの安いボロアパート。
布団と食器と簡単な家具、その中にちょっと高価な自作パソコンのある部屋で――
「なぁ…」
「ん?」
「退屈じゃないか?」
「ぜーんぜん」
――彼女の「みこと」と同棲中。
日曜の昼間、刑事ドラマか競馬の中継ぐらいしかやらないテレビを見ながら、万年床となっている布団の上でみこととボーとしていた。
普通なら何処かに遊びに行くところだが今は給料日前で財布が寂しい。
しかし、そろそろ本気で退屈になってきたので何かしたい。
「……あ、ゲームやろ、ゲーム」
「んー、ぷにぷに?」
「いや、イグニッションD」
「ぷにぷにがいい」
「じゃあ、ぷにぷに」
レースゲームで思いっきり遊びたかったがみことの願いとあっては変えなければな。
コードをテレビにセットして本体の電源を入れると、ギュアーーンという音と共に柱がいっぱいの画面がテレビに映る。
モードを2P対戦に選んでスタート。
ぽよ、カチャカチャ、プィン、クイ、クイ、ぽよ、カチャ、クイ、プィン、カチャカチャ、
落下音とコントローラの音と爆発音が部屋に響く。
現在俺のほうが僅かに劣勢、別に手を抜いているわけでは無いが、みことの方が実力が上という事実があるのだ。
ばたんきゅ〜う
ゲーム終了、結果俺の負け。
「やたー、じゃもういっ――」
ちゃ〜ちゃちゃら〜
俺の携帯から着信音が鳴り響く。何だよ、いいところだったのに。
無視しようと思ったがこの着信音は仕事関係の人の物だったから出なければならなかった。
「会社の人だ、ちょっと待ってろ」
「ぶー」
「文句言わないの、はい、もしもし。―――」
373 :
平凡な幸せ:2007/11/23(金) 20:30:02 ID:CdQKP2Bj
用件はもうすぐ本会議に上がる議題についてだった。
これには自分の昇進なんかも関ってくるので普段よりもやる気を出している仕事だ。
「――ええ、それでしたら2日後の会議で――」
……でも、はやくみこととゲームしたいなぁ
そんなことを思ってるとみことがこっちに来て、
ぎゅっ・・・
って胴に腕を回して。背中に身体を寄せてきた。
思わずドキッとしてしまう、が、構って欲しいらしので、みことと向き合うように体勢を変えてとりあえず頭を撫でておく。
「う〜」
適当に頭を撫でてるだけだけど、どうも良いらしい。顔を綻ばせて喉から声を出してる。かわいいなぁ。
もうすぐ終わるかなと思いみことの方を見ると、瞼が下がって今にも寝そうになっていた。このまま寝かせて寝顔を鑑賞するのもいいかもなという考えが浮かんだ。
「――はいそれでは、失礼します。……みこと?」
変に静かだなと思いみことの様子を見ると、どうやら本当に寝てしまったようだ。
――みことは、やっぱりかわいいな。
そんなことを思いながらみことに膝枕をさせて寝顔を鑑賞するのであった。
終了です。
知り合いが彼女とまったりしている夢を見たといっていたのを元にして書き上げました。
>>374 GJ!!
そして2スレも続いてくれるというならばwktkせざるを得ないw
376 :
374:2007/11/23(金) 20:41:24 ID:CdQKP2Bj
しまった2「レス」だ!
「ス」と「レ」が逆だった!2スレは勘弁して
>>376 2スレ、つまり1レス1000文字と仮定して2000レス
つまり合計20000000文字の超大作だな、期待している
>>374 やべぇ、変な流れが出来上がりつつある。
この流れを食い止めるには……
続きを書くしかないのか?
寝ないでくわえてしまうのを頼む
んで、タップリお仕置きを……
>>378 原稿用紙1枚がラノベ文庫本1ページ分と仮定すると・・・一冊あたり280枚くらい?
5万枚で計算すると178冊ぐらいか?グイン・サーガをぶち抜くぞこりゃw
>>382 生涯20年かけて俺が読んだ数と同じwwwwwww
冗談はともかく暖かいほのぼのですた。続いてください
>>382 400字詰め原稿用紙だろうから一枚で二頁
つまり35(ry冊になるのだよ!!
っつーか明らかにおかしいだろw
たった2スレで原稿用紙50000枚もいくかっつーのw
1レス1000文字じゃ容量の限界が先に来るよ。
えーと、スレ容量の限界が500KBだから、それフルに使うと仮定すると、
500KB=500000B
全角1文字が2Bのはずだから、1スレでは500000B/2B/1文字=250000文字
2スレ分だから250000*2=500000文字。
原稿用紙を400字詰めとして計算すると、
500000/400=1250。
原稿用紙1250枚分か。
不可能な長さじゃない! と言う訳で頑張れ
>>376!
原稿用紙一枚が400字詰め
見開き一枚で200字
2スレで消費する原稿用紙が50,000枚
448冊になった
>>377 ついでに検算してみたら、桁が一つ多かった件について
20,000,000=1000*20
つまり
>>377は2スレどころか20スレ分書けと暗に言ってるんだよ!!(AA略)
な、 なんだってー (AA略)
なんで誰一人としてまともな計算ができない?
とうりあえず坊やだから
甘えんぼうなハマーン様
ペットの甘えん坊な猫が擬人化して、甘えん坊なネコミミ娘に
>>394 一瞬ベッドの甘えん坊な猫と読んでしまった。
甘えん坊で、毎夜ベッドに潜り込んで来る猫が
ある朝、普段と違う重みを感じて目を覚ますと
ネコミミ娘に化していたとかいう話かと
擬人化した狂暴な〜スレには、山ほどいるけど
甘えん坊なのは、あまり多くないという罠(w
「にゃーん」
「こら、擦り寄るな。今仕事中なんだから」
「にゃーん……」
「だいたいお前喋れるんだから、ちゃんと何をどうして欲しいか言え」
「ナニをアレして欲しいですにゃ」
「……何を言ってるんだお前は」
「ミルコばりのクールな反応、流石御主人様ですにゃんにゃん」
「アホな事言ってないで、散歩に行って三丁目の田中さんに餌でも貰って来い」
「御主人様の馬鹿……この身体になってから、そんな事できなくなったの、わかってるくせににゃ……」
「……田中さんがこの前『いやぁ、変わった子だけど、面白いよ』って俺に笑いながら話してくれたんだが」
「それは猫違いにゃ」
「この場合人違いだろう」
「じゃあ間を取って人猫違いという事でどうにゃ?」
「間取ってねえ。むしろ合体してる」
「私は御主人様と合体したいにゃー」
「じゃあ一万二千年待て」
「ああっ、私の地獄に音楽が絶えなくなっちゃうにゃー!」
「とりあえず、どうしたいんだ、お前は? ああ?」
「ひ、額に青筋は反則にゃん……」
「はっきり言いなさいっ!」
「……あ、遊んで欲しいのにゃ」
「仕事が終わるまで待て」
「は、薄情にゃ!?」
「猫飯の食い上げになりたいのか?」
「どちらかというと、わたしはトップブリーダー推奨の奴がいいにゃん」
「じゃあ、今日の猫飯はなしだな。つまり晩飯抜き」
「ご、極悪非道邪道外道ライオン道にゃ!?」
「何故レッスルアンドロマンス」
「猫なのにタイガーマスクネタじゃないのがこだわりにゃ」
「激しくどうでもいいな……とにかく、俺は仕事をせにゃならんのだ。わかるか?」
「……わかる、にゃん」
「終わったらちゃんと遊んでやるから」
「性的な意味でにゃん?」
「そう、性的な意味で……って、そういう意味じゃねえ!」
「もう、御主人様ったら、わたしがこういう身体になった時にあんな事して……もう病みつきなのにゃ?」
「……放り出すか、全裸で」
「ノーにゃー! その残虐な呟きはノーにゃー! ネコミミつけた変態痴女のできあがりにゃー!」
「とにかく、俺に仕事をさせる気が無いんじゃなけりゃ、しばらく隣の部屋で大人しくしとけっ!」
「……わ……わかったにゃ……しょぼーんにゃん」
「………………」
「とぼとぼにゃん……」
「……ちょ、ちょっと待て」
「何にゃん? わたし大人しくしとくにゃん」
「……お前が散々騒いだせいで、もう仕事する気が完全に失せちまったよ」
「?」
「だから……もう一回仕事やる気が出てくるまで、しばらくお前と遊んでやるから」
「ほ、ホントなのにゃー?」
「ああ、ホントだ。だから、その、だな……そんな寂しそうな顔、するなよ」
「……もう、御主人様はツンデレにゃんだからにゃー」
「あ、ごめん、急用思い出したから出かけて来なきゃ」
「嘘にゃー! 嘘にゃー! 御主人様はクールでカッコいいわたしの最愛のご主人様にゃー!」
「……お前、気軽に最愛とか言うなよ」
「照れなくてもいいじゃにゃい……にゃふふ」
「とりあえず、何して遊んで欲しいんだ?」
「……えっと………………性的な意味で、遊んで欲しいのにゃ」
「………………」
「だめ、かにゃ?」
「……仕方ねえな」
「わーい、御主人様大好きにゃー!」
エロ部分は各自妄想で(ry
というか書いてから気づいた。
甘 え ん 坊 じ ゃ ね え ! ?
でも投下しちゃう……くやしいっ!(ビクビクッ
>>396 それいいなぁ。
なんかぽよぽよした感触も一緒に感じるんだよ、きっと。
>>396 >>>>>
>>394 になった。
>>398 GJ。これでエロを書いてみたいが文才ねぇorz
猫の擬人化で某ゲームのネコミミメイド娘を思い出した。
ライオン道でコンデンスミルク吹いたw
「ご、極悪非道邪道外道ライオン道にゃ!?」
「何故レッスルアンドロマンス」
「猫なのにタイガーマスクネタじゃないのがこだわりにゃ」
ゆとりでサーセン
保守
>>398 電車内で吹いちまったじゃねえか、こんにゃろうwwGJだ!
ところで以前話に出たツンデレ甘えん坊ってどんな感じの娘?
そういう作品見たことないっぽいからよくわからん。
>>404 「だから引っ付くなよ……」
「い、いいじゃないのよ別に迷惑かけてないし」
「俺がもろ迷惑被ってるんだが」
「う……わ、私が寒いの!」
「なら、暖房の温度上げるから離れろ」
「…………………」
「おい!叩くな待て叩くな俺がなにをした!?」
「……煩い」
あれ、なんかあらぬ方向に向かった気がする
なるほど、これがツンデレ甘えん坊か。
理解したサンクス。
彼女のことを可愛くないと表現するべきなのか可愛いと表現するべきなのか、僕はその日まで判断しかねていた。
顔は可愛い。少し目元がキツいが、顔立ちは整っている。ただ、
「お情けで付き合ってあげてるんだからありがたく思いなさいよね」
というのが口癖の女の子で、何かと言動が刺々しい。
付き合っているのだからある程度は好意を持ってくれていると思うのだが、
こういうことを日常的に言われているとさすがに自信がなくなってくる。
果たして、彼女は僕のことが好きなのか、嫌いなのか。
そんな不安な気持ちを抱かせる彼女のことを、僕は可愛いと思っているのか、可愛くないと思っているのか。
二つの疑問がいっぺんに解けたのは、静かに雪が振りつのる、冬の帰り道を歩いているときだった。
「あー、寒いわね」
隣を歩いている彼女が、不機嫌そうに呟きながら白い息を吐き出す。そうしながら、横目で僕の方をちらちら見ている。
「こんなに寒いと、手がかじかんじゃうわ」
「手袋してるのに?」
指摘する。彼女は唇を尖らせていそいそと手袋を脱ぎ、乱暴に丸めてコートのポケットに突っ込む。
「なにやってるの」
聞くと、彼女は僕に横顔を向けたまま、素っ気ない声で答えた。
「別に。あんたに言われてよく手袋見てみたら、とてもはめてらんないぐらいブサイクなデザインに思えてきただけ」
「そうなんだ」
「そうなのよ」
気のせいか、頬が赤い。彼女は素手になった両手を口元にやって、はぁーっと息を吹きかける。
「あー、寒い。ホント、いやんなるぐらい寒い」
「そこまでかな」
「あんたが鈍感なのよ。女の肌はデリケートなんだからね。あー、寒い、寒い」
そう言いながら、手を息で暖め続ける。その目が、やはりちらちらと僕を見ている。
(何が言いたいんだろう)
その日の僕は冴えていたらしく、疑問の答えはすぐに出た。
(ひょっとしたら、手を握って温めてほしいんだろうか)
おそらくそうに違いないと思えたが、実際にそうするのは危険な賭けだった。
もしも間違えていたら、「なにすんのよ変態!」とか罵られて、そのまま破局ということもありえる気がする。
(でもな。明らかに手を握って欲しそうだよな。実際冷たそうで可哀想だ。温めてあげたい)
そんなことを考えている内に、僕自身が彼女の手を握ってあげたくて仕方がなくなってきた。
(でもやっぱり危険な賭けだ。もしも間違っていたら非常に危険だ。僕は終わりだ。どうせ終わるんだったら、
手を握るぐらいじゃ勿体無いな。いっぺんでいいから、この子のことを抱きしめて終わりにしたい。よし、抱きしめよう)
結論を導き出したあとは早かった。僕はするすると彼女のそばに近づき、その細い肩に腕を回して思い切り抱き寄せた。
「ちょ、な、あ」
耳元で彼女の声が聞こえる。非常に動揺しているようで、声が言葉になっていない。
動揺しているのは僕も同じだった。気がつくと非常に大それたことをしている。だが後戻りは出来ない。
「寒そうだったからさ」
結局、口に出来たのはそんな単純な言葉だけ。
僕の腕の中に収まった彼女は、真っ赤な顔で口をぱくぱくさせる。その内顔を俯かせて、自分から体を寄せてきた。
コート越しに、彼女の体の柔らかい温もりを感じた。
「そ、そうね。確かに寒かったし。まあ、あんたって無駄に体でかいから? 暖房代わりに使ってやらないこともないかなって」
「そう」
「わ、わたしはこんなベタベタしたの嫌なんだけどね?」
そう言いながらも、彼女は離れるどころかますますぴったり体を寄せてくる。
(ははあ。なるほど、彼女は結構な天邪鬼だったんだなあ)
今更ながらそのことを理解した僕は、にっこり笑ってこう返した。
「そうだろうね。でも僕はこういうのが好きだから、出来ればずっとこうしてたいな」
彼女はいよいよ火がついたみたいに顔を赤くして、ぼそぼそぶつぶつ呟いた。
「やや、やっぱりあんたって趣味悪いわよね。ま、まあ、たまにはあんたの望みも叶えてあげなくもないわよ、うん」
「ありがとう。じゃあ、しばらくこうしててもいい?」
「し、仕方ないわねー。あんたってホント、デカいくせして甘えんぼうなんだから」
彼女の家に帰り着くまで、僕らはぴったり体を寄せ合ったまま温かく歩き続けたのだった。
結論。
彼女はとても可愛い。
要するに保守ってことだ。
>>407 要するにGJってことだ
出来ればそれを作品にして投下してくれぇぇぇえぇえ!
410 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 17:09:25 ID:ciuD/wen
要するに激甘GJってことだぜ
ホストってそんなんだったっけ?
甘え無口サンタは俺のジャスティス
甘え強気サンタも俺のジャスティス
「はい……プレゼントはわ・た・し♥」
目の前にいる幼馴染、里崎絵里の口から飛び出した、脳味噌沸いてんじゃねえのかと
思わせるような台詞に対して、一体どう反応していいかわからず、とりあえず俺は
聞こえなかった振りをする事にした。
はぁー、今日もいい天気だなぁ。もう夜だから外真っ暗だけどなー。
「いやん、ナイススルーだねカッちゃん。でもそこが好きかもぉ♪」
ええい、くっつくな。サンタ衣装のゴワゴワが暑苦しいっ!
「わたしも暖かくして欲しいしー」
……絵里、お前はもう十分暖かくなってるだろ?
「ほえ? なんで?」
だって、お前の脳味噌は年中春じゃないか。脳の芯から温かいだろ?
「あははー。サワヤカにひどい事言うカッちゃんも好きー♪」
だから離れ……ああ、もう、ちょっと!
「ぎゅー」
ぐえっ。
右腕は俺の左肩から背中に回り、左腕は俺の脇を通って背中に回っている。
その体勢で、渾身の力を込めて俺に抱きつく絵里。俺の首は当然、絞まる。
それは見事な肩固めだった……。
「もう、カッちゃんったら……そんなに顔青くしてはずかしがらなくても……青く?」
………………。
「きゃー! カッちゃんが落ちたぁ!?」
抱きついていた力が緩み、俺は意識を失う寸前で何とか踏みとどまった。
げはっ……ごほっ……落ちてない。落ちてないから、とりあえず、離れろ。
「はーい。ごめんね、カッちゃん……」
しゅんとした表情で、俺の身体から離れる絵里。
……被害者は俺なのに、何故その表情に罪悪感を覚えなきゃいかんのだろう。理不尽だ。
「世の中のりふじんに耐える事で、少年は大人になるんだよっ?」
お前が言うなコラ。
「ふぇーん」
嘘泣きもするな。
「えへ♪」
可愛く笑っても許さん。
「じゃあ、どうしたら許してくれるのー?」
……。
「カッちゃーん? 克己さーん? 相沢克己さーん?」
……ちゃんと、見せてくれ。
「ほえ?」
せっかく着てきたサンタコスなんだからさ……いきなり抱きつかれても、ほら、
しっかり見れないだろ? だから、まずはだな……ちゃんと見せなさい、俺に。
……ああ、俺の脳味噌も段々沸いて来たみたいだ。なんだよもう。
「うん!」
にっこりと笑う絵里の顔を、何故か正面から見れない。
「えへへー、なんか改めてじっくり見られると思うと、照れちゃうねー」
じっくり見れんから安心しろ……とは口が裂けても言えんな。
「これねぇ、もこもこのフワフワで暖かいんだよぉ?」
視界の端で、彼女は赤い服とスカートの裾をひらひらさせ、クルクルと回っている。
……ああ、確かに暖かそうだな、うん。
「……カッちゃん、ちゃんと見てるー?」
……ああ、もちろんちゃんと見てるぞ、うん。
「チラチラとしか見てないのに?」
……。
「いひひ。照れてるねー、カッちゃん」
……悪ぃかよ。
「別にぃ。わたしだって恥ずかしいし、同じだね!」
……はぁ。俺の口から、ため息がこぼれる。
「な、なんでため息っ!?」
いやな……俺はなんでこんな奴の事を……。
「こんな奴の事を?」
……い、言えるかっ、恥ずかしいっ!
「えへへー。言ってくれなくてもわかってるからいいよー♪」
そう言うと、絵里は俺の胸めがけて飛び込んできた。
「もう、"ラッピング"の方はたんのーしたでしょ?」
……ああ、まあな。
「じゃあ、今度は"中身"を……召し上がれ♥」
まったく、もう……こいつは、どうしてこう……。
「あっ……」
俺は絵里の身体を強く抱きしめると、耳元で囁いた。
……ありがたくいただくよ、可愛いサンタさん。
「……えへ」
真っ赤になって俯く彼女の頤に手をかけ、顔を上に向かせる。
「……ん」
瞳を閉じ、軽く唇を突き出し、その瞬間を待つ彼女。
俺の視界の中で、段々彼女の顔が大きくなっていき――
ちゅっ。
「……ふえ?」
はい、ごちそうさまでした。
「お、おでこー!? くちびるにすらしてくれないのー!?」
当たり前だっ! 小学生相手にそれ以上できるかっ!?
「……ぶすぅ。すえぜん食わぬは男のはじだよぉー!」
どこで覚えてくるんだそんな言葉……。
とにかく、俺の事をそういう風に想ってくれるのは嬉しいが!
「うれしいんだ?」
……ああ、嬉しいさ! 嬉しいとも!
「えへへ……わたしもうれしい♪」
とにかく、だ! ……もう七、八年経たないと、俺とお前はそういう事はできないのっ!
「えー」
えーじゃないっ!
「……ちぇっ。きせいじじつを作っちゃえば、後はどうにでもなると思ったのにー」
やけに鋭い目で、そんな事を呟く絵里。こえぇよ、おい、小学生。
……頼むから、な? 俺もお前を傷つけたくないし、もっと大きくなってからにしよう?
「うん、カッちゃんがそう言うなら、わたし早く大きくなるよ!」
わかってくれればいいんだ。
「じゃあ、早く大きくなるのにカルシウム取らないといけないから……」
……?
「カッちゃんのおまたから出るミルク、ちょうだい!」
わかってねえぇえええええええ!!!!
クリスマス当日、俺が絵里に贈ったプレゼントは、牛乳一年分だった。
とりあえず、俺の忍耐が尽きる前に、早く年月が経ってくれることを願ってやまない。
おわり
ここまで投下です。
GJ! >当たり前だっ! 小学生相手にそれ以上できるかっ!?
それはそれで当然だが絵里ちゃんに小学生らしい仕草が欲しいッス
もしくは中学の入学祝いにハァハァキボンヌ
小学生オチはナイスGJ
いきり立ってしまったこいつをどうしてくれようか・・・
びしっと一発抜けい!!(一喝)
保守。
422 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 15:32:34 ID:CIwZzEuK
保守
423 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 09:19:15 ID:RMJisgPr
ほしゅ
424 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 16:40:10 ID:ImGeFEc4
保守
425 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 16:40:25 ID:CSnWs40E
hosyu
なんという甘えんぼ、小学生との甘甘デート→理性にヒビ入ってきてキスしてしまう主人公→ヒートアップして行くイチャイチャ→中学入学で最後まで、を一瞬で妄想してしまった。
つまり、続きお願いします。
前に作品を2つ程投下させて頂いた者っす。
前の続き…というか時間軸的には前の話が出来そうなんですが…需要ありますか?
>>427 もちろんおk 前作良かったしw
まぁ細かい点をいうと
>>204のように解説と本文を混ぜずに、別分けしてほしい のと名前欄にはタイトルが欲しいっス
>>428-430感謝!
肝心の合体シーン&エピローグを書けてないので、まだ待って下さいm(_ _)m
上手く逝けば…週末に上げられると思います。
待たせて申し訳ない
待たせてすまねぇ、皆の衆!!
甘えん坊成分薄くなっちまったが、投下します!
奇襲攻撃の最大の要点は、先手必勝である事。
期待して待っていても、自分から攻め込まない限り、勝利はまず有り得ないと言っても、過言では無い。
その勝利も、綿密な情報戦略によって裏打ちされるものだが、時には爆発的な勢いが勝利をもたらす事もある。
これは、その一例…。
彼女が居ない…。
こんなに自分は弱かったのだと、愁は自覚した。そして彼女の存在が、如何に自分にとって大きかったのかを、重ねて自覚した。
「由慧…」
赤く腫れ上がった虚ろな眼で、どこか違う処を見ながら溜め息混じりに呟く。
その姿は、まるで試合が終わって真っ白に燃え尽きた、某ボクサーの様な風になっている。
最愛の人が傍に居ない寂しさ、たった一人の孤独を感じ、愁はもう限界だった…だが、その孤独感はもうすぐ終わりそうだったりする。
「鬼澤、大丈夫か?」
見かねた一人が愁に話しかけた。
が、愁は答えない。
「たった十日彼女と会えないからって、そこまでヘコむかぁ?」
「まぁ、この旅館携帯圏外だし…」
「フロントの電話使えば良いんじゃね?」
「もう十何回も電話してるって。その度にヒドくなってる」
「ドンだけ彼女loveだよ!(笑)ってか、助っ人なんだからわざわざ合宿来なくても…」
「監督に無理やり連れてこられたんだと…ご愁傷様だな」
陸上部員達のからかい半分、心配半分の声を、愁は余り耳に入れていなかった。
早く由慧の存在、由慧の声、由慧の姿、由慧の笑顔を実感したかった。
そんな事を考えながら、愁はかなりのハイスピードで荷造りをしている、灰になりながらも。
「まぁ、後半日の辛抱だろ。夕方にはみんな揃ってお家に帰ってんだから」
そんなクラスメートの一人の言葉に、愁は半日が無限に長い感じがした。
「愁ちゃん…」
「由慧ちゃん…どうかした?」
「へ?あ…す、すみません!」
自宅の書斎で、担当編集の小林さん(♀・27歳・独身)との、アフタヌーンティーを兼ねた気軽な打ち合わせ中、由慧は寂しそうな呟きを洩らした。表情もすっかり曇っている。
「まぁねぇ…愛しの愁ちゃんが十日もお留守だったら、寂しくもなるわね…まぁ、私は3年近くお留守だけど」
その呟きを聞いて、彼氏いない歴2年10ヶ月の小林さんは、優しいんだか自嘲してるんだか良く分からない言葉を由慧に投げかけた。美人が台無しの、かなりふてくされた表情で。
「そ、そんな事無いですっ!小林さん、あんまり虐めないで下さいよぉ…」
由慧が非常に困った顔で、慌てて切り返す。
「何?愁ちゃんにだったら、虐められたいっての?かぁ〜、やだやだ。おばちゃんには辛いのろけでございますわよ」
思い切りふてくされた渋い顔で、小林さんが呟いた。相当羨ましいらしい。
「小林さ〜ん、そんな気無いですって…今は」
自己のフォローの為の発言も、頬が緩んでいては説得力は欠片も無い。そんな幸せそうな由慧の笑顔に当てられたのか、小林さんはげんなりした顔になる。
「バカップルに付ける薬は無いわね…帰って来るのいつだったっけ?」
「今日帰ってくるんですよぉ〜♪あんまり遅くないって、電話では言ってましたけど…大丈夫かな」
この上なく嬉しそうな顔になるものの、由慧は表情を若干曇らせた。
「まぁ長野の山の中だからねぇ…まぁ、何かあっても大丈夫でしょ、愁君の事だし」
「だと良いんですけどね…」
小林さんの励ましにも、由慧は心配そうな顔を見せる。大好きで大好きでしょうがない愁の帰りが心配で、待ち遠しかった。
「ほ〜ら!暗い顔しない!!可愛い顔が台無しでしょ。由慧ちゃんを十日も待たせてるんだもん、加速装置かクロックアップ使ってでも帰ってくるわよ、愁君は」
「小林さ〜ん、愁ちゃんはサイボーグ戦士でもマスクドライダーでも無いですよぉ」
小林さんのマニアックだけども温かい励ましに、由慧はちょっと笑顔を見せてマニアックに答えた。
「それ位大急ぎって事よ。信じなさいって!」
「……はい!」
小林さんのパワフルな一言に、由慧は釣られたのか元気に答えた。愁が待ち遠しい気持ちに変わりは無いが、その表情は先程の不安さを感じさせない程、生き生きとしている。よほど、小林さんの励ましが頼もしかったのだろう。
「さぁ、テンションも上がった事だし、考え詰めちゃおっか!」
「はい!」
二人は中断していた仕事を再開。由慧は、もう直ぐ愁は帰ってくると信じて、張り切っていた。
が…その希望は少々砕かれる事になる。
若手女流作家と担当編集との、パワフルなやり取りから約8時間後…。
『何故だ…。』
自分のベッドの中で小さな喘ぎを漏らす由慧の胸や秘所を弄りながら、愁は頭の片隅でそう思った。
「あっ…んっ、しゅうちゃん…あ」
甘い喘ぎ声が聞こえる。久しぶりの愁の愛撫で由慧の理性は忘却の彼方へ消え、ただ快感を貪っている。愁も理性を頭の片隅に追いやり、自分の指や口で彼女を優しくなぶり続けていた。かれこれ小一時間も。
「あ…あぁぁんっ!!」
ピクピクと身体を痙攣させ、由慧は今日幾度目かの絶頂を迎えた。
絶頂を迎えて収縮した秘所から分泌液が吹き出る。それは薄暗い部屋を照らす月明かりを受けて、空中でキラキラと光ってシーツに落ちた。
どうやら由慧は、絶頂と同時に潮を噴いてしまったらしい。
「はぁ…はぁ…ぁ…ふぁぁ…」
息を荒げ、虚ろな目で自分を見ている由慧を後目に、愁は潮と愛液のこびり付いた指を舐めた。口の中に由慧の味が広がる。
「………」
愁は一瞬由慧を見つめる。ほぼ全裸でベッドに伏せ、息を荒げて秘所から愛液を垂れ流す最愛の人を見て、愁は段々冷静さを取り戻す。
『何やってんだ俺は!!!』
先程由慧の痴態を見たせいもあるが、由慧を犯したいという衝動に駆られていた自分に、とてつもなく腹が立った。
だが、当の由慧は未だ虚ろな目で最愛の人を見ながら、とても甘えた声で一言。
「はぁ…しゅ…うちゃん…もっと、イジメて…あたし…を…壊して…」
これで、愁の理性は砕け散った。
愁は、何故こうなったのかと考えるのを止め、本能に従って由慧に没頭する事にした。
話は一時間程遡る。
帰りのバスが、高速の事故で発生した大渋滞に巻き込まれ、連絡をしようとした矢先に携帯が電池切れ、高校に着いたと思ったら電車が遅延…と枚挙に暇がない程、ツキに見放されていた愁が帰宅したのが、夜の10時。
不運というものは、時にはかなり連鎖するらしい。
「ただいま…」
と言っても、答えは返ってこない。
由慧はすっかり怒って泣いて、大変だろうなと愁は申し訳なく思いながら、暗い家の中を歩く。
どう釈明しようか…そう考えながら、自室近くまで来た愁は身を強ばらせた。
気配がした、部屋の中に。
愁は荷物を廊下に静かに置くと、ストーキングで足音を消してドアの前まで近付く。誰が居るのかはだいたい予想はつくが、用心に越した事はない。
愁は音もなく、ドアを開けた…。
甘い匂いが部屋に満ちていた。
愁が愛飲している葉巻の匂い、服に付着していたであろう硝煙の据えた微かな香り、そして…濃密な牝の臭い…。
「んん…っ…しゅ…う…ちゃ…んぁっ!」
堪えた嬌声はベッドから聞こえる。
由慧だ。着衣は殆ど脱ぎ、裸に近い格好でベッドに寝転んで自分の身体を弄り回している。
由慧が、愁のベッドで自慰をしていた。
愁はベッドにストーキングで近づき、由慧を撫でる。
「!!?…愁ちゃん…!?」
驚きの声を上げ、振り返る由慧。その顔は真っ赤に染まっている。
「…………ただいま」
愁は多少混乱した頭で、何と言おうか十数通りの考えをほぼ一瞬で思考した結果、恥ずかしそうに普通の帰宅の挨拶を由慧に言った。
「………ごめん…ね…」
三拍程置いて、由慧が愁に呟いた。本当に申し訳なさそうな表情をしている。
幾ら寂しかったとはいえ、自己満足の為に大好きな愁の部屋に無断で踏み行って、彼のベッドで自慰行為に耽っていたなんて、簡単には許してくれない。
そう、由慧は思っていた。軽蔑されるとも思った。
だが、運命の女神の悪戯か…事態はそう簡単に、予想通り行く訳がない。
「触るよ?」
「ふぇ…!?んぁっ…!!」
愁はベッドに滑り込み、自慰の途中で火照った由慧の躰を弄り始めた…。
それから小一時間、現在…。
「はぁ…は…ぁっ…うんっ…はうっ…んはぁっ」
「ハァ…ハァ…ハァ…ッ」
断続的な喘ぎと、荒い息づかいとが部屋の中に響く。
愁は由慧の身体に跨り、由慧の豊満な胸に自らの逸物を挟み込んで腰を突き動かし‐簡単に言えば、強制パイズリ‐ていた。
由慧の色白の肌と、赤黒いグロテスクな逸物が、奇妙なコントラストを見せている。
その逸物の先端は、由慧の胸を通して口まで達し、愁が腰を動かす度に由慧の咥内を出入りして犯した。
「はぁ…あふっ…んんっ!」
由慧もまた自分の胸を寄せ、愁の逸物をしごき上げている。
お互いがお互いを感じ合い、快楽を貪っていた。
不意に、愁の逸物が膨らむ。
「ンンッ!!」
「きゃっ…あっ、んぐっ!」
愁の逸物から、熱い精液が弾けて由絵の口や胸を白く汚した。
射精が終わり、お互いに息を荒げて見つめ合うと、そっと唇を重ねて相手の唾液を貪る。
「………ん…っ」
「……ハァ…ッ…ン」
部屋には息遣いと、ピチャピチャという舌使いの音が聞こえるだけ。二人はもう、快楽のみを享受する獣と化していた。
愁は唇を離し、由慧の身体を掴んで背中を向けさせた。
色白で、肉付きの良い由慧の尻を撫で回しながら、はしたなく濡れそぼった陰部を指先で軽く引っ掻く。
「はぁっ…!んぁぁっ!!…ゃっ…あぁんっ……!」
特に敏感な一点を集中して攻められ、由慧ははしたない声響かせる。
濡れ具合を確認すると、愁は指を離して由慧の後ろに回り、秘裂に逸物をあてがう。
愁の逸物は、由慧に精液を吐き出してもまだ足りないかの様に硬さを増し、脈打ちながら反り勃っていた。
「ふぁ…ぁ…しゅうちゃ…ん……きて」
由慧は火照った顔を愁に向け、甘ったるい声で愁におねだり。
その声に応え、愁は由慧の中にに半ば強引に突き入れた。
「ひあぁぁんっ!!」
強引な侵入に、由慧は叫び声を上げてベッドに突っ伏した。息がかなり荒い。
どうやら、挿入だけで果ててしまったらしいが、そんな事などお構い無しに、愁は由慧の中を力任せに突き上げ、犯し続ける。
「ひぅっ…はんっ!…だめ…ぇ!!ひぃぃっ!!」
アクメを迎えたばかりの敏感な内部を蹂躙され、由慧は意図せずに締め付けながら、艶めかしい嬌声を上げ続ける…。そんな最愛の人を、盛りのついた獣と化して愁は更に突き入れて攻めた。
身体を密着させて由慧の胸を鷲掴みにし、軽く力を込めて揉み回す。
絶妙な柔らかさを持つ双丘の感触を楽しみながら、由慧の耳元で囁いた。
「…お前は…ッ……俺だけのものだよ……由慧……ハァッ」
「あぁんっ…!!…んぁ…あっ!…くぅっ…」
何度となく絶頂を迎えた由慧の中は、愁の逸物から精を搾り取ろうときつく締め上げる。不意に締め付けが強まり、逸物が大きく脈打つ。
互いに限界が近いようだ。
「ぁぁっ!!…はっ…しゅうちゃんっ…いっちゃ…はうんっ!」
限界寸前の由慧の嬌声に応える様に、愁は力任せに思い切り叩き込む。
「あぁぁぁぁんっ!!!」
甘い嬌声が響き、由慧は果てた。
愁の獣液が、由慧の尻や秘裂を汚した。
『これじゃまるで…強姦だ…』
事が終わり、由慧の身体を清めながら愁は、漸く冷静になった頭で思った。
久々という事でお互い冷静さを欠いた状態だったが、確かにレイプ紛いのセックスではあったと言えるだろう。
十日間逢えなかった孤独、由慧が何処か遠くに行ってしまいそうな不安が、そうさせたのかと愁は思い、自分の愚かさを怒った。
自己嫌悪で押し潰されそうな愁は、ふと疲れ果てて眠る由慧の顔を見る。
とても幸せそうで、あれ程乱れたのが嘘みたいな、安らかな寝顔だった。
「ごめんね…本当にごめん…」
そんな寝顔に癒され、愁は由慧の頭を撫でる。
不意に由慧が愁の手を掴む。
何事かと愁は一瞬驚くが、そんな事を意にも介さずに、由慧は愁の手に頬摺りする。
「しゅう…ちゃぁん…だぁ〜い…すき……ZZzz....」
かなり甘えた様な口調で、由慧は呟いた。
『寝言…か?』
頬をつついてみるが、起きた様子では無い。
由慧は一度寝るとなかなか起きないので、どうやら本当に寝言らしい。
寝言でも、愁にとってはとても救われる一言だった。
「……ありがとう…由慧」
愁は由慧の唇にそっと唇を重ね、傍らに横たわって目を閉じた。
が、幸せな時間は唐突に終わる。
♪〜♪〜♪
出し抜けに、充電中の愁の携帯が鳴った。
確認すると、メールを一通受信。内容は……『仕事』だ。
愁は一瞬剣呑な表情を見せると、名残惜しそうに由慧から手を引き、素早く準備を始めた。
服を着替え、ラックの中から得物を取り出してホルスターに収める。
これだけでは心許ないが、大物は由慧が眠るベッドの下だ。
今夜はこれで行くしかない。
愁は準備を終え、由慧にキスを送り、部屋を出、家からバイクで向かった。
約8時間後…。
「ん…」
由慧は不意に目が覚めた。
眠い目を擦って周囲を見渡すと、自分の部屋だった。
「あれ?」
何故自分がここで寝ていたのか、よく理解出来なかった。
パジャマもちゃんと着ていた。
『昨日、私は愁ちゃんの部屋に行ったんだよね…そしてそこで…。』
由慧は昨日の事を思い返して顔を赤らめる。
「ダメ女だな…私」
由慧は顔を赤くしながら、昨日の情事を反省。
が、何時までも恥ずかしがって布団に籠もる訳にも行かない…由慧はベッドを出た。
出汁の香りが漂ってくる。台所へ向かうとエプロンを巻いた愁が、かなりおぼつかない手つきで包丁を扱っていた。
「ん?おはよ、由慧」
にこやかに笑いかける愁の指先には、大量の絆創膏が貼られていた。かなり失敗したらしい。
「よく眠れたかぁ?」
「…………」
優しい笑顔を愁が向けると、由慧はいきなり愁の背中に抱きつき、頬を埋める。
「え?どうしたの…」
「…暫くこうさせて…お願い…」
問いかけると、か細い声で由慧は呟いた。まだ顔が赤い。
「良いよ…好きなだけこうしてて、大丈夫だから」
そう言うと、またおぼつかない手つきで包丁を扱い始める。
そんな彼の側に居れて、由慧は幸せだった。
「私は……貴方のもの…ずっと…」
一瞬で永遠の幸福が、二人包んでいた…。
この後、愁が一晩中由慧に求められてしまうのは、また別の話。
以上!!終わり!!!
下手な癖に、長いし、締め切り破って申し訳ない…m(_ _)m
また自信なくしたので…金色のハンマーに殴られて、光になってくる…orz
リアルタイムktkr
敢えて言おう、GJであると!
448 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 03:36:58 ID:Msdi/l8p
GJ
そこはハイパークロックアップでひとつw
450 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:48:20 ID:aOo2sxg5
保守age
451 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 03:53:37 ID:7nyil8vr
あげ保守、ピンク板全部に新氏が来ています
452 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 08:08:39 ID:UXhz3Zgw
age
あけましておめでとーっ♪
今年もよろしくね、えへっ☆
454 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 07:14:23 ID:wszZa0lv
455 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 00:24:13 ID:3nFQ9IW4
4月。新学年。春。眠い。
しかし遅刻王の俺も初日ぐらいは早めに家を出るわけで。
「あ、テツ。今日 は 早いね。初日ぐらいは早く出ようってか?」
こいつは幼なじみの音透凛(おとすみりん)。陸上部3000mの選手だ。ジャージ姿の所を見ると今も走ってきたところのようだ。しかし脳味噌まで筋肉で出来てそうなこいつに俺の思考を読まれるとは…。
さて。クラス表が張ってある。友達のクラスまで確認しなくたっていずれわかるだろうに。とりあえず指定された席に着く。隣のコはなかなかかわいいじゃないか。
「わたし、佐久華燐(さくかりん)。よろしくね、えっと…」
「俺は岸里徹(きしさとてつ)。よrs…」
「じゃあてっちゃんだね!よろしくね、てっちゃん。あ、わたしのことはかりんでいいよ。」
妙に馴れ馴れしいというかなんというか。まあ可愛いのでいいか。
456 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 00:24:50 ID:3nFQ9IW4
もうだめだ俺には甘いのは書けそうにない
おわかりの通りキシリトール、インスリン、サッカリンです。甘いサッカリン、クールなインスリンを目指しましたが俺には無理でした。
(佐久華燐か・・馴れ馴れしくて気になるが中々いい感じだ。)
と、どっかの陸上馬鹿とは違うコに対して考えていると
キーンコーンカーンコーン『ガラガラッ』
チャイムがなったと同時に新担任が教室へ入ってきた。
「え〜今日からこのクラスを受け持つ”月村翔子(つきむらしょうこ)”と言います。
一年間よろしくお願いします。」
・・・・
SSなんか書いたことないのになまじ
>>455の後を書いたりしたから
初っ端で挫折したorz
458 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 22:37:30 ID:O1kFE8e2
保守
459 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 07:01:16 ID:Ko1enjhI
age
人に見せるのははじめてでもおk?
甘いつもりで書いてみたけども。
>>460 >人に見せるのははじめて おk
だけどアドバイスは聞いてくれ
・出来るだけ1回の投下で終わらせる、2,3レスで書けない作品は挫折しやすいので
・どうしても長編ならば 全部書き終えてから投下を開始する、残りは皆と相談とか考える作家は多いが
それはファンがついてからだし、迷うため筆が進まなくなる
・あとがきとか前フリは2,3日は書かないほうが良いかと。 説明は長いのでパス、色々あるんだw
一応書き終わったんで投下。
糖度は測ってないぜwwwww
一体全体、何がどうなってこうなってるんだ?
右手にはお玉、左手にはフライ返しを持って交差させている少女。
何故かシンプルな水色ストライプのエプロンを着て笑みを浮かべて立っていた。
「おかえりー。けっこう待ってたんだよ?」
ここは、我が家である。キッチンである。
下校後、喉が乾いたので牛乳に相談しようかと思って家に着くなり冷蔵庫に向かった。
すると、これだ。唐突なイベントだ。
彼女は見慣れた顔ではある。が、頭が理解してくれない。彼女がここにいることだけは、何があってもありえない。
確かに顔見知りではある。知ってもいる。というより交際している。だから、家の中にいてもおかしくはないが………。
肩まである髪が艶めいて、小柄な背は自分の制服の胸あたりまでしかない。だから、エプロンが大きく見えるのだが、それがまたいい。頭を撫で回したくなる。
が。
繰り返す、ここはキッチンである。
そして彼女は、料理が作れない。ありえない物を世に送り出す。
以上から推測される結論を、鈍い頭がようやく理解したとき、告げる。
これは、緊急事態だと。第一級緊急事態だと告げる。
エマ――――――――ジェンシ――――――――!!
「とりあえず」
なるべく優しく刺激しないように話しかける。
「そのお玉とフライ返しを置いてくれ」
幸いにもまだ手をつけてないようだ。流し場にも、コンロにも、周辺にも食材が見当たらない。これはかなりの幸運である。
「料理なら、俺がするから。何が食べたい? ホットケーキ、クッキー、なんでも作ってやる。だから――――」
「だめだよ」
即否定。かなり強い語気で。
相当強い意志を持っているらしい。簡単には折れてくれなさそうだ。
しかしこちらも退いていられない。以前、シチューだと言われて出された悪夢の体現。
あれを、あの恐ろしさを、あの悲劇を二度と体感したくはない。
してはいけない。危険が及ぶ可能性がある。生命に。
あれを、二度と引き起こしてなるものかあああぁぁぁぁあぁああ!!
今でもたまに、夢に見る。
『作る途中で鍋、引っかけちゃって………。一人分しか残らなかったんだけど………』
と言って、いじらしく絆創膏を何ヶ所か張った手で顔を真っ赤にしながら差し出されたシチュー。自分よりも小さな、彼女のわずかに震える手が皿をゆっくりと置く。
『食べてくれるかな………?』
さらに、少し緊張して不安げな彼女が隣にいる。食べずにいるやつぁ、男じゃねえ。
匂いはよい。見た目もよい。
白いとろりとした見た目が食欲をそそる。人参の色が、ジャガイモの丸っこさが、早く食べてくれとかき立てる。
『じゃ、いただく』
『おかわりないから、よく味わって食べてね』
しかし、一口含むと。 そこに壊滅した街が、道に倒れた人が、黒く焦土と化した広場が、この世のありとあらゆる悪が具現していた。
妬み、憎しみ、恨み、悲痛な叫びが、蹂躙された思いが、無垢な希望が断たれた絶望が、濃厚圧縮されていた。
『どうかな………?』
一度スプーンを置き、美味しい、とは言わずに頷く。そして彼女を引き寄せた。表情を除かれないためだ。
声に出せない。出してはいけない。世界の闇が、溢れ出してしまう。
これは、何だ。
夢か。
現実か。
彼女の頭を撫で、そっと離れる。永遠の別れのように感じた。悲しいけど、これって戦争なのよね。
再び槍を掴む。銀色に輝く楕円が励ましてくれたような気がした。
………これが、俺のジャスティス。
この世全ての悪と、対峙し。
闘った。
体調の異変に気づかれないように彼女を送ったあと、意識がぷつりとトんだ事は覚えている。
だから、ここは退けない。
退くことはできない。
「いや、その、ほら。いつものお礼がしたい。たまには自分で手料理をしなきゃ腕も鈍る」
「でも、だめ」
頑なに意志を貫く彼女。
ここは妥協点を探してダメージを食い止めるべきか。全喰らいよりは遥かにマシか。
「じゃあ、どうすればいい?」
「私が、料理するの」
「手伝おう。それでいい?」
「だめ」
「なぜ?」
「私が、料理するから」
堂々巡りで戻ってきた。
「わかった。好きにしていい」
自分の決意なんて所詮こんなもんだ。彼女のためなら塵よりも軽く動く。
すまない、我が銀矛よ。今回も共に戦ってくれるか?
「じゃあ、早速」
こちらに向かってくる彼女。お玉とフライ返しを片づける。
「料理するのに必要ないのか?」
いらない、と小さく返事する彼女。長い髪が揺れた。
「だって………」
息を吸う音が聞こえた。深呼吸したのだろうか。
振り返って、抱きついてきた。
「………私が料理したいのは君だから」
ぎゅううぅ、と力いっぱい抱きしめてくる。
小さいのでさほど苦にはならず、むしろ心地よい安心感を与えてくれる。
「だからね、今日は私が料理するの」
頭を押しつけてくる。そっと、手を回して抱く。
この心臓の音は聞こえないだろうか。
この驚きは知られないだろうか。
さすがに恥ずかしい。
彼女が腕の力を緩めたので、それに合わせてこちらも力を抜く。
彼女は名残惜しそうに力を抜いて腕を下ろすと、俺の背を押して台所を後に。
向かう先は俺の部屋のようだ。
ドアを開け、部屋に入るとすぐに抱きついてくる彼女。すりすりと柔らかい体を密着させてくる。ふわり、甘い香りがした。
「ずっと待ってたから、これくらい甘えさせて」
細い手を背中に回して、後方のベッドへと押し倒される形になる。柔らかい衝撃を感じ、反射的に目を閉じた。
わずかな間をおいて見上げると、潤んだ瞳と紅潮した頬とを見つめる。
互いに何も言わず、軽く、触れるようなキス。
ほんの少しだけ温かさを感じ、唇を離すとすぐに消えた。
「これから料理しちゃうんだから。今日はおばさん、うちのお母さんと旅行だから戻ってこないんだから」
また唇を重ねる。何度も、何度も。
熱を冷まさないように熱く、間をおかずに。
「だから、たまには私からしてみよって、思ったの」
舌まで重ねてきた。本当にどうしたのか。
「いっぱい、いっぱいしてあげようって思った」
俺の頬にひんやりとした冷たさを感じる。火照ってきた頭にはちょうどいい。
「だから、今日くらいは、私からさせて………?」
どうやら、調理開始の合図らしい。
久しぶりに甘々なのも悪くはない。
468 :
調理師:2008/01/12(土) 21:30:02 ID:MoPVe2Od
というわけで調理終了でした。
甘いかどうかは食べた貴方次第で。
ごめん、エロは無理だorz
誤字とかはすまん。需要あったらまた来るぜい。
>>468 GJ! 初めてでこれなら良いじゃん
この調子でエロシーンだけを5レスぐらいで続けてくれると嬉しス
>>469 これ見てなかったわ、スマソ ……エロは難しいやら照れるやらあるからなぁ
需要はあるから三度目の料理でも作ったらど?
とりあえず書きためてみる。
また機会があれば投下、ってことで。
トリをすべきか否か……。
やりかたわかんねorz
他のエロパロ板でも参考にしてみればいいんじゃないか?
しっとりsweets乙。
エロは、お義理で入れるくらいならない方が良い。
こういうシチュエーション系のSSで、インパクトのあるシーンを思いつくのであれば、ぜひ挑戦して欲しい。
トリの付け方は、名前蘭に『サンプル#12345678』のように入れる。
(『』は不要。#以降の半角8文字は任意。)
しばらくROMって出直してくる。
またな!
476 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 11:01:03 ID:pqJWJ5Q9
age
477 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 15:14:06 ID:jquOsnls
甘えん坊将軍か
こんな美味しそうなスレがあったのかw
481 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 18:41:22 ID:R3of85Iw
保守
482 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 02:15:17 ID:rgrF24QA
保守
「おにいちゃん♪」
目の前にいる幼馴染、里崎絵里の口から飛び出した、毎度の事ながら
脈絡の無いその一言に対して、一体どう反応していいかわからず、とりあえず俺は
聞こえなかった振りをする事にした。
はぁー、今日もいい天気だなぁ。空から白いものが降って来てるけどなー。
「おにいちゃんっ♪」
ええい、だから毎度毎度くっつくな! だいたいなんだその『おにいちゃん』ってのは。
「え? だって、男の人ってちっちゃい女の子からこう呼ばれるとうれしいんでしょ?」
……絵里。お前は一体どこでそういう知識を仕入れてくるんだ?
「えへへ、ナイショだよー」
とりあえず一旦離れろ。また肩固め決める気かこの本田多聞め。
「わかったよ、おにいちゃん♪」
何故か今日に限って絵里は素直だった。素直に抱きついていた俺から離れ、
ちょこんと可愛らしく床に座った。
見れば、絵里は……完全武装だ。手袋に、ニット帽に、コートも着込んでいる。
だいたいコイツが何を企んでいるかはわかった……わかったが……。
とりあえずだな、絵里……おにいちゃんはやめてくれ。何か調子狂うし。
「えー」
えーじゃない。
「でもー」
でももストもない。
「でももストもない?」
……聞き流せ。
「ちぇー。カッちゃんよろこんでくれると思ったのになぁー」
まあ、普通はおにいちゃんで合ってるんだろうけどな。
「じゃあ、いいじゃないのさー」
もう何年『カッちゃん』って呼ばれてると思ってるんだ。俺が物心ついたお前に
自己紹介した瞬間からだぞ?
「そだった?」
……まあ、覚えてないよな。まあいいさ。で、今日は何だ?
「見てわかるでしょー?」
まあな。雪合戦でもしたいんだろ?
「ううん、そーなんごっこ」
……遭難ごっこ?
「カッちゃんと私でそーなんするの」
……ちょっと待て。
「そしてそーなんした私たちは、たがいをたがいの体温であたためあって……」
待てというにっ! 何故にそんなハードコアかつエロスな展開を望むっ!?
というかどうやって遭難するつもりだっ!
「やまいは気からだってお母さんも言ってたし、その気になれば!」
……病気なのかおい。
「うんっ、私恋のやまいにかかってるからねっ」
……俺もコイツも、違う意味で病気だな、ホントに。
はぁ……まったく……ガンバレ俺えーんど俺の理性。
……ふぅ。
……とりあえず、アレだ、んな事してホントに風邪ひいたらどうする?
「カッちゃんにかんびょーしてもらうー」
その時は俺もひいてる可能性高いんですけど。
「そこは愛の力でがんばって♪」
可愛く酷い事言うなおい。
とにかく、そんな病気になりそうな事はしません。させません。
「えー。一人でそーなんしたらバカみたいじゃないのさー」
する気かい。
「シナリオをカッちゃんが助けに来てくれるバージョンに変更したら大丈夫かな?」
準備万端かい。
「えへへ、ほめないでよー」
褒めてないっ! ……とにかく、普通に雪遊びしたりとか、それで勘弁してくれ。
「えー。普通の雪遊びはつまらないからきゃっか」
なんでやねんっ! ……じゃあ、すごろくでもするか?
「うん、するする!」
言うが早いか、絵里はサイコロを握っている。はやっ。
「じゃあ私から振るねー」
そんなこんなで、この日一日は、窓の外の雪を眺めながら、二人で穏当に
すごろくをして終わることになりそうだった。
ちょっとだけ雪で遊びたかったりもしたんだが……まあ、寒いからいっか。
「はいあがりー」
ってだから早いよおい!
「じゃあ、もう一回♪」
……まったく、しっかり楽しんでるし。
俺は笑顔の絵里を見て、釣られて笑っている自分に気がついた。
普段から、こういう風に普通にかわ……ゴホン……歳相応であってくれればいいんだけどな。
後日――
「この前やったすごろくイマイチだったから、作ってきたよー♪」
絵里が『俺との人生設計すごろく』とやらを作って来たりしたが、それはまた別の話である。
婚約やら結婚やら子作りやらがえらく生々しくリアリティがあったのも、また別の話である。
頼むから別の話にさせてぷりーず。
ここまで投下です。
何か外凄い雪降ってるんですけどー。
積もりそうもないのが残念。
六年生相当にしてはちと幼すぎるかなぁ、と思いつつ、
甘えん坊な子だったらこんなもんかと自分では納得(ぉぃ
>>485 「妊娠しやすい体位『まんぐり返し』で子造りに励む・5回休み」
とかのコマがあるんだな、たぶん。
GJですた。
またデンパが来たら投下頼む。
gjです
でんぐり返しの途中、首を下に、尻を上に上げた姿勢で、開脚の大股開き。
その姿勢になった女の子と結合し、子宮にたっぷりと精液を注ぐ。
すると、精液が子宮に溜まったまま逆流しないため、長時間受精の機会がある。
490 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 21:11:15 ID:4kXanA1b
エロいよ!
エロパロですもの、エロがなかったらただのパロ。
492 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 18:30:08 ID:ORqmYGjW
とりあえずアッシは糖尿病になりそうですぜ
ここはすばらしいスレですね
連投スマソ
498 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 07:12:58 ID:6zbZP2sY
age
日本人は余程暇だったんだろうな
500 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 14:57:48 ID:/2ig0u03
ここまで多くの体位を生み出した日本が、今では世界有数のセックスレス国家とは。泣けてくるな。
>>83の続き投下します
「ハァ…………ハァ………ハァ……うぅ〜またイかされちゃったよ〜」
絶頂を迎えた上に潮まで吹いた恥ずかしさもあるのか由香は半月を描いた眉をハの字にして目に涙を浮かべたまま情けない声を上げる。由香は元々イキやすい体質のせいか、いつも僕が責めると簡単に絶頂を迎えてしまう。
「………可愛いよ、由香のイった時の顔」
耳元でそっと囁いた後、頬にそっとキスをしてあげる。その途端に由香は真っ赤にしていた頬を更に赤らめて再び最初の時と同じように頬をパンパンに膨らませた。
「も〜……バカバカ!!そんな事言われたって嬉しい訳無いでしょう!!」
覆い被さっている僕の下で由香は手をグーにして僕の胸板をポカポカと殴る。
「アハハ……ゴメンゴメン」幼児のように泣きながら暴れている由香の頭そっと撫で、僕は謝罪する。
「むーーーーーー!!」
うーん………笑ったり叫んだり恥ずかしがったりむくれたりで忙しいなこの娘…………
「ねぇ………由香」
彼女の機嫌を直そうと思った僕は由香の顔をじっと見ながら口を開いた。
「そろそろ……入れていいかな?」
「亮ちゃんのエッチ!!バカ!!色情魔!!なんでこんな状況でそんな事言えるのよ!!」
……火に油注いじゃった。
思い付く限りの罵詈雑言を口にしながら由香は更に顔を真っ赤にして怒り出した。
いや、だって僕もスボンの中でペニスがパンパンに膨らんで暴れてるからそろそろ我慢の限界なんです。
「……有紗先輩との関係もう辞めるって言ったら」
「え?」
「……もう浮気しないって誓ったら………入れていいよ」
ベッドの上でぶっきらぼうにプイッとそっぽを向きながら由香は呟いた。
僕はそんな由香がつい愛しくなり、覆い被さっていた由香に自分の身体を密着させる。
「わかった……もうしないよ」
もう一度耳元で囁きながら僕はスボンのジッパーを下ろして屹立している分身を取り出した。
「………来て、亮ちゃん」
潤んだ瞳で僕を見つめながら由香は熱っぽい声を上げる。
僕もそれに応えるように自分の肉茎を手で握り締め、黒髪と同じく艶やかな陰毛が生い茂る秘裂にゆっくりと肉茎をあてがう。
膣口に亀頭が触れると由香の身体が小刻みに震えた。目を固く閉じて握った拳を口元に当てて僕が来るのを待っている。
「………行くよ」
その言葉を言い終える前に僕は腰を突き刺していった。
「ふゃっ!!………あぁぁっ!!」
由香の膣内にペニスを根元まで突き入れた瞬間、由香の身体が雷に打たれたようにビクン、ビクンと震えた。肉棒を迎え入れた事に喜悦を感じているのかもしれない。
「はぁ……ッ……太い………太いよぉ」
うっとりとした声を上げて由香は膣内全体でペニスの感触を確かめているみたいだ。
ゆっくり、ゆっくりと上下に腰を動かして由香の膣壁をえぐっていく。
「あっ………あぁっ!!………やぁ」
ピストン運動に身悶えし、由香は切ない声を上げ始めた。
何回かの突きの後で僕は膣の上部に亀頭を擦り付けるようにして突いてみる。
「だっ……ダメェ!!それダメェ!!変に……なっちゃうよぉ」
腰をビクつかせながら由香は僕の背中に手を回し、抱きついてきた。
お互いに身体を密着させながら下腹部を擦り合わせてクリトリスを刺激する。
「は、はっ……き、気持ち………良いよぉ」
膣内とクリトリスを同時に責められている由香は早くも絶頂を迎えそうになっていた。
一気に腰の動きを激しくさせて由香をイかせてあげるようにする。
「アッ!!あぁぁッ!!ダメ、亮ちゃん……イク、イっちゃうぅぅぅ!!!!」そう叫んだ瞬間、由香の身体が再び痙攣に襲われて全身がベッドの上で何度も跳ね上がった。
それと同時に膣内がギュウゥゥゥっと締まり、ペニスを締め付けてきた。
「くぅ……!!」
膣内の締め付けに耐えきれなくなった僕も精液を由香の膣へと放出する。
「ハァ……ハァ………亮………ちゃん」
目をトロンとさせた由香が再び僕を強く抱きしめてくる。僕もそれに倣って由香の身体を抱きしめた。
※
「………ねぇ亮ちゃん」
営みを終えた僕たちは後始末をしてベッドで並んで座っていた。僕が服をしっかりと着たのに対し、由香は服は着ないで毛布にくるんだままになっていた。
「ん?何?」
「私アイスクリーム食べたいなぁ〜」
唐突に由香がそんな事を言ってきた。
「アイスクリーム?」
「うん。だから持ってきて」「自分で取って来なよ。冷凍庫に入ってるから」
「……む〜」
「はいはい、わかったよお嬢様」
これ以上ふてくされても困るので僕は扉を開けて一階に下りる。
一階の台所の冷凍庫からカップのアイスクリームを一つだけ取り出し、スプーンを持って二階の自室へと戻ってきた。
「はい。持ってきたよ」
アイスクリームとスプーンを毛布にくるまっているお嬢様へと差し出したが、由香は受け取らなかった。
「……食べさせて」
「はい?」
「も〜亮ちゃん鈍い!!だから、アーンして食べさせてって言ったの!!」
相変わらずよく分からない怒られ方をした僕は由香の言った事をようやく理解した。
「分かったよ……はい、アーン」
アイスクリームの蓋を取ってスプーンで一口すくうと由香の口元まで運んであげる。
「ア〜ン」
口を開けていた由香はスプーンが口に入ったのを確認するとパクッと口を閉じてアイスを口の中でゆっくりと味わう。スプーン食べちゃダメだよ。
「えへへ〜美味しい」
顔をほころばせて由香は笑う。
「もう一口ちょうだい」
「ハイハイ。ほら、アーン」「ア〜ン」
再びアイスクリームを口にした後、由香はいきなり身を乗り出してきた。
「…………んっ、ちゅっ」
由香にキスしてきた。しかも普通のキスではなく、自分の口に入っていたアイスクリームを僕の口の中へ入れてきた。
「エヘヘ、口移し〜」
してやったりな表情を浮かべ、悪戯っぽく笑う彼女に僕も釣られて笑ってしまった。
END
――――――――――――以上です。遅くなってすいませんでした。
>>501-502 この野郎!どうしてくれるんだ!?
電車の中で勃っちまったじゃねーか!
責任とってこれからもいい作品書いてくれよ!?
GJだこの野郎!
無口な甘えん坊で一つ
保守
506 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:15:28 ID:vdXBanly
投下します。非エロです。
彼女はそれを、息苦しそうにこくこくと飲み下した。
飲み下すと、口に咥えた長く硬いそれを離す。永い時間それを
咥えていたせいか呼吸が少し乱れていて、生暖かい吐息が瑞々しい
唇から忙しなく漏れ続ける。やっと息が整ったのか、大きく深呼吸
するとさっきまでだらしなく半開きになっていた口をきゅっと
閉じる。
すると、つ――と口の端から、先ほど飲み干したと思われた
白濁液が一筋、零れた。
「おい那月(なつき)」
俺が呼びかけると彼女――那月は「ん?」とこちらへ顔をあげる。
見ようによっては扇情的な口元になってしまっていることに気付いて
いない那月は、リスのように小首を傾げてじぃっと黒目がちな
くりっとした目で俺を見続けている。高校二年生にもなって未だに
小柄な那月のこんな仕草は、その手の趣味嗜好の人が見たらきっと
卒倒もんなんだろうなぁ……。同じ病院で生まれてからずっと一緒
だった俺にはよく分からんが。
それはともかく。
「ほら、口。零れてるぞ、牛乳」
指摘されてやっと気付いたようで、あ、と呟きそれを制服の袖で
拭おうとする。
「あー待て待て、そんなことしたら制服が汚れるだろ。ほら、
こっち向いてじっとしろ。拭いてやるから」
慌てて那月が拭おうとして上げた腕を掴んで下ろし、その間に
もう片方の手でポケットからハンカチを取り出す。那月は素直に
俺が拭きやすいように顔を上げて少し口をこちらに突き出す。俺は
強く押し付けないようにしながら那月の口から零れた牛乳の雫を
優しく拭った。
正直言ってこういった類のやり取りは子供の頃からン百回、いや、
ン千回と繰り返してきたことである。那月は少々抜けた所があり、
時々こうしてやらかしてしまう。それをほんの数ヶ月早く生まれた
からって、ほんの少しお兄さんぶって俺が世話を焼いたりしたのが
始まりだったと思う。家が隣同士でよく遊んだりもしたので、那月が
世話を焼く俺に懐くのにそう時間は掛からなかった。今ではすっかり
俺に世話されることがお気に入りのようで、自分から構って欲しくて
俺に寄ってきたりするくらいである。
なのでさっきのやり取りも、俺にしても那月にしても普通のことで
あり、そう騒ぎ立てるようなものではない。断じて指笛を吹かれたり、
黄色い声を上げられたりするような、いかがわしい事をしているわけ
ではないのだ。だというのに……
「ヒュ〜、お熱いねえ」「飽きずにようやるよ」
「やっぱり付き合ってるのかなあ、田山君と柳原さん!」
「そりゃそうでしょ、あれだけラブラブなこと人前でやってるんだから」
教室のそこかしこからのひそひそ話が嫌でも耳に入ってくる。……
毎度のことながら、鬱陶しいことこの上ないな。昼休みの昼食くらい
大人しく食わせてもらいたい。はあ……。
「ヒューヒュー! 憂鬱なため息が渋いぜ堅悟(けんご)! ヒュー!」
「……ナオ、お前いっぺんシバいていいか?」
俺はギロリと向かいの席にいる男を睨みつける。睨みつけられた男――
長谷部直高(はせべ・なおたか)は「おお怖っ」とニヤニヤ気持ち悪い
顔を浮かべながら肩をすくめた。というか、使い終わったストローを
咥えたままぷらぷらさせるな。中に残ったコーヒー牛乳が飛び散る
だろうが。それに、那月が真似しかねんだろうが。
「でもよぉ、真っ昼間から教室のど真ん中でそんなことされたら、
誰だって興味本位で見ちまうって」
「こっちはいい迷惑だ、全く……」
「まあ俺や純は、一年の頃から見せつけられてるからもう慣れたけどさ」
なっ、とナオは隣に座っている純に視線を送る。突然話を振られて
一瞬驚くが、すぐにいつもの人当たりの良さそうな顔に戻る。
「まあ、そうだね。僕も最初は堅悟の過保護っぷりを見たときはびっくり
したけど、今はそれが堅悟と柳原さんの普通なんだなって思ってるよ」
「お前にそう言ってもらえると助かる」
俺がそう言うと純は「大げさだなぁ」と苦笑しながら、タコさん
ウインナーを口に運んだ。
「ま、今ぎゃあぎゃあ騒いでるのは去年一緒のクラスじゃなかった奴ら
ばっかりだし、あと二週間もすれば静かになるさ」
ナオは咥えたストローの先を器用に俺へ指してフォローを入れる。
ナオも純も高校になってから知り合った友達だ。ナオは少しばかし
五月蝿いが、わりかし優しい所があって気兼ねなく話せる奴で、純は
制服の上からでも分かるくらい線が細く中性的な顔をしていて、いつも
周りを和ませる不思議な雰囲気を持った奴だ。中学のときも友達はいた
にはいたが、この二人とより馬鹿やりあうような仲ではなかったと思う。
そういう意味でもいい親友である。
「それよりお前、いつまで那月ちゃんの口拭く気だ?」
「あっ」
ナオに言われて、まだ那月の口にハンカチを押し当てていることに
気がつく。俺はすぐにハンカチを那月の口から離す。
「そら、終わったぞ」
「ん、ありがとう」
お礼をそこそこに、那月はかじり掛けのクリームパンを再び食べ
始めた。
「というか那月、お前も黙って待ってないで何か言え」
「堅悟が、じっとしてろって言った」
「いや、それはそうなんだが……」
「それに、堅悟に口を拭かれるの、好き」
「まあ、俺も嫌いじゃないがな」
「二人のそういう会話が周りをそういう風に誤解させると気がつかない
辺り、さすがとしか言いようがないわね」
と、純の更に隣、くっつけた机で俺の対角線にいる席から冷静な
ツッコミが返ってくる。俺は声の主の方へ顔を向ける。
「斎条、さっきの会話の何がまずかったんだ?」
「うん、分からないならそれでいい。そのままの方が見ているこっちは
面白いから」
そう言う斎条の言葉とは裏腹に、表情は能面のように無表情だ。那月も
感情をあまり顔に出さない方だが、この斎条に関して言えばその比じゃ
ない。少なくとも俺はあいつの笑った所を見た覚えはない。もし笑った
所を見たことがある奴がいるとすればそいつは……
「付き合ってもいない俺達よりも、実際に付き合っているお前たちを
茶化せば良いものを」
斎条と、隣にいる純に目線を向ける。
「うーん……僕と風音(かざね)の場合、小学校からの付き合いだし、
大分落ち着いてきてるから」
「あなた達とは違って学校では自粛してるしね」
純は困ったような顔で頭を掻き、斎条は恋人の話題を振られても
相変わらずのポーカーフェイスでぱくぱくとタコさんウインナーを
啄ばむ。……斎条よ、毎日純に弁当を作ってきて、それが夫婦茶碗
ならぬ夫婦弁当箱で、隣に座って食べるのは自粛してるとは思えんの
だが、これ如何に。それに、自粛という面では那月もこれでかなり
しているんだぞ。家に帰ったらもう……って、
「……那月」
「ん?」
はむはむと齧っていたクリームパンを離し、こちらを向く那月。
その口周りにはクリームが見事なまでの一文字を刻んでいた。
「クリーム付いてるぞ。あー待て、だから袖で拭こうとするな。ほら、
きをつけっ」
「んっ」
俺が号令を掛けると、那月はぴしっと背筋を伸ばしそのまま微動だに
しなくなった。その間に俺は那月の口周りに残ったクリームを人差し指で
拭ってやる。
「ったく、だからそういうクリームとかジャム系のパンはやめろって
言ってるだろ? メロンパンとかシナモントーストとかも購買にあるだろ」
「むー……」
俺の合理的な意見がお気に召さないのか、那月は下唇をちょこんと
突き出して不満そうな声を上げる。こいつはいつも自分の気に食わない
ことがあると、こういう仕草をするのですぐに分かる。ついでに言えば、
こうなると那月は絶対に自分から折れたりしないので俺が白旗を上げる
のもいつものことである。……こういうところ、こいつの保護者を自認
してる者としてはどうかと思うが、保護者だからこそ、その保護対象に
甘くなってしまうというか、生まれてからの付き合いだから身内贔屓
しちゃうというか。自分でもどうかとは思っているんだが……。
「分かった分かった、俺が悪かった。昼飯は自分の好きなのを食べればいい」
両手を上げ降参のポーズをとると、那月は満足したのか突き出した下唇を
引っ込め、その代わりに口の両端を僅かばかり持ち上げ微笑んだ。……全く、
そんな顔見たら咎める気持ちも薄れるというものだ。
先程より心持ち上機嫌な顔でクリームパンをぱくつき始めた幼馴染みの
横顔を見つめながら、拭ってそのままだったクリームの付いた人差し指を
咥えた。……むー、やはり飯に甘いものはどうかと思うんだがなぁ。
と、そこになってやっとこちらに視線を送る三人に気付いた。
「……どうした?」
「いや……慣れてるって言ってもな。やっぱり見てると気が滅入るわけよ、ホント」
そう言うナオは机にナメクジのように突っ伏しており、純はいつもの苦笑を
浮かべている。斎条は……っておい、斎条さんその手に持ってる携帯は
なんですか? 写メったか? 写メったんですか?
「ん? ああ、いざって時に使えるかなーって」
「いざって時って何だ。純、お前も見てないで止めろ」
「大丈夫だって堅悟。ただ構えてるだけで撮ってはいないから」
このカップルは……。斎条もお茶目のつもりなんだろうが顔が変わらんから
冗談か本気か分からんし、純も純で彼女に甘い。お似合いといわれると
お似合いなんだろうが……。
こうしていつものようにお喋りしながら、いつも食べ終えるのが遅い
那月以外は昼食を済ませた。各々が満腹感をしみじみ感じつつ一息ついて
いるところへ、ナオは口を開いてこう切り出した。
「ところでよ、今度の休みなんだけど、またこのメンバーでどっか遊びに
行かねえ?」
「日曜? 僕も風音も何も予定はないし、いいよ。堅悟たちは?」
「構わんぞ。那月もいいか?」
クリームパンの最後の一欠けらをごくんと飲み込んだ那月が、何事かと
俺の方へくいっと首をこちらへと向ける。どうやらパンを食うのに夢中で
聞いてなかったらしい。俺が話の旨を伝えると、那月はきょろきょろと
他の三人に目線を配り、最後に俺の方へくりっとした目が戻ってくると、
「行く」
こてっと頷き、肯定する。
「それじゃあどこ行く? この前は駅前で遊んだよな」
「電車で少し遠くに行くのも良いんじゃない?」
「ごめんなさい。私、今月危ないからあまりお金は使えない」
その後、わいわいと昼休みが終わるまであれこれと遊びに行く計画を
立てた。俺はあまり積極的に話すほうではないので、大体こういうときは
聞き手に回って相槌を打つ役割になる。
那月はというと、こいつも言わずもがな。自分から意見を言うことは
無く、ただただ聞き役に徹していた。しかし、だからといってつまんなそう
にしていたわけではなく、他の三人の話を聞いて時折ほんの少し口を
吊り上げ笑んでいた。
――以前なら。
以前の那月からしたら、これはかなりの成長だった。あいつはいつも俺の
後ろを付いてきて、他の人がいると俺の後ろに隠れて、話しかけられても
涙目になって嗚咽を漏らすばかりで、俺を困らせていた。小学校までなら
まだよかったが、中学に上がってもそれは変わらなかった。それで他の
男子は気を遣ってか俺とはあまり話したりもせず、生暖かい目で見られたりしていた。
遅ればせながら、さすがにこのままではまずいと思った。幸いにも
小中ともに那月はいじめの被害を受けたことはなかったが、このままでは
時間の問題だろう。いくら俺が一緒にいるとはいえ、絶対守れるとは言い
切れない。それに、社会に出てコミュニケーションが取れなくて一番困るのは
那月自身だ。引きこもりやらニートやらになられた日には目も当てられない。
そう思った俺は、高校入学を機に那月を外交的な人間にしようと考えた。
まず始めに俺自身が友達を作り、その友達と那月を仲良くさせることから
始めた。さすがに那月から友達を作らせるのはハードルが高いと思ったし、
俺の友達ということなら那月もそんなに嫌がらないと思ったから。
結果としては成功であった。席が近くですぐに意気投合したナオと純は、
那月のべったり具合に驚きはしたもののすぐに受け入れてくれた。更に純には
小学生からの付き合いである恋人――斎条がいて、そのおかげで那月は同姓と
接する機会を得ることができた。
最初こそ俺の後ろにこそこそと隠れたりしていたが、今ではこうして俺に
しか見せなかった笑顔を、控えめながらも見せるようになった。
那月が人と接するのが怖くなくなっていくのはとても嬉しい。
……のだが。
その反面、少し寂しいと思ってしまうのは俺のわがままだろうか。
※ ※ ※
ただいま四月の半ば。日も徐々に高くなり温かくなってきているも、夜は
まだ寒さに油断できないこの季節。授業を終え、俺は早々に家に帰り自分の
部屋にいる。日も少し落ち、ほんのりと寒いかなと感じるべきこの時間だが、
俺は今間違いなく暑苦しかった。なぜなら……
「んふふ〜」
俺の腕の中で天然湯たんぽが絶賛保温中……早い話、那月がすりすりと
擦りついているからだ。
きっかけは確か、子供の頃に外で遊んでいて、那月が転んで泣きじゃくって
しまったときだったと思う。わんわん泣く那月に、どうすれば泣き止むか
分からなかった当時の俺は、とりあえず自分が親にしてもらって泣き止んだ
方法――つまり抱擁を那月にしてやった。ぎこちない手つきで、腕ごと
ぎゅっと抱きしめ、左手で頭を撫で、右手でぽんっぽんっと背中を優しく
叩く。すると那月はゆっくりと、しかし確実に嗚咽を潜めていき、とうとう
泣き止んだ。……泣き止んで、すーすー寝息を立て始めたときは違う意味で
困り果てたが。
これだけなら心温まるお話だろうが、そうは問屋は卸さない。
那月は相当気に入ったのか、それ以来何かと俺に抱きしめることを要求し
始めた。二人っきりで遊んでいるときとかならまだ良いが、休み時間に
なってすぐに俺のいる教室に両手を広げやって来た時はさすが困った。
いつも鈍い鈍いと斎条に言われているが、俺だって男である。他の人の
見ている前で女性を抱きしめるなど、恥ずかしくてできるわけがない。
なので、学校での抱擁禁止はすぐに俺と那月の間で取り決められた。
那月は不満たらたらであの下唇を突き出した表情を浮かべたが、家でなら
いくらでもよしと聞くと、すぐさまぱあっと顔を輝かせた。
こうして学校から帰った後の抱擁タイムが出来上がったわけである。
……学校で抱きしめられない分、家に帰ってからの那月の引っ付き度合い
がかなり増している気がするので、結果的にこれで良かったのかはかなり
微妙なところだが。寧ろ那月の方から抱きついてきているような気も
するが。というか、黙っていれば本当にずっとそのままなので勉強も
できず、仕方なく新たに六時になったら一旦中止し、勉強するという
ルールも追加した。
とにかく、今日も例に漏れず一度家に帰り私服に着替えた那月が、
俺の部屋へぱたぱた駆けてやって来たわけだ。そしてつい先ほど、
いつものようにベッドに背もたれた俺の足の間に那月がちょこんと
座り込み、俺の胸に自分の後頭部を擦り付け始めたところである。
と、これまたいつものように那月の頭を撫でようとしたとき、それに
気付いた。
「なあ那月」
「ん〜?」
俺の抱かれ心地を堪能していたのかいつもより甘ったるい声をあげる
那月。頬ですりすりと気持ち良さそうに俺が着替えた薄手のセーターに
擦りついている。
「お前、こっちに来る前に風呂に入ったのか?」
「? うん」
どうして分かったの? とでも言いたそうに、こちらの顔を仰ぎ見る。
円らな瞳がぱちくりと瞬いた。
「髪、まだかなり湿ってる」
肩に届くほどのさらさらとしているはずの黒髪は、水気を持った
いくつもの房となっており、やりはしないが手でぎゅっと絞ったら
ポタポタと雫が滴り落ちそうなほどである。よくよく気が付くと那月が
もたれていたセーターの部分が水分を吸っていた。
「全く……ちょっと待ってろ」
「あ」と名残惜しそうな声を出した那月をひとまず置いて部屋を出る。
階段を下り洗面所に着くと、棚からバスタオルを適当に引っ掴んで部屋へ
Uターン。部屋に戻ると、那月が手持ち無沙汰にベッドに腰掛けびょん
びょん跳ねて遊んでいた。
「ほら、髪拭いてやるから、こっち来い」
俺がベッドにもたれ股の間をポンポンと叩くと、那月は素直に跳ねる
のをやめてそこへすっぽりと収まった。頭が拭きやすい所へ那月の体ごと
微調整してやり、位置が定まると俺はバスタオルをぱさっと那月の頭に
乗せてそのままがしがしと拭き始めた。那月は俺にいいように拭かれ、
右へ左へ前へ後ろへ頭をぐわんぐわん揺り動かされる。
「あ〜……う〜……な〜……」
本人は洗濯機に放り込まれた気分なのだろうか、頭を揺すられる
たびに謎の奇声を発していた。俺はそんな奇声もどこ吹く風と、掻く
ようにタオルで拭き続けた。それこそ、根本までしっかりと。まだまだ
夜は油断できない寒さが続いている。風邪でもひかれては困る。
「それにしてもお前、今日はどうして風呂入ってから来たんだ?」
途中、俺は気になっていたことを那月に聞いてみた。思い返してみると、
いつもは俺が部屋の扉を閉めた途端にまた扉を開いて入ってくる那月が
今日は少し遅かった気がする。
「が〜……体育……ば〜……」
それだけ聞いて俺は那月が言いたいことが大体分かった。伊達に
幼馴染み歴もうすぐ十七年目ではない。
今日最後の授業は体育で、内容は男子は野球、女子はサッカーであった。
那月ももちろん黒と白の球体を追って走り回っていた。男女で別々の
グラウンドを使っていたが、互いに見える位置だったためその様子は
簡単に確認できた。さすがに昔のように転んだりはしない。が、眠気を
誘うはずの春の陽光は熱気を放ち、もやもやした空気の中を走り回れば
嫌でも疲れるというもので、授業終了を知らせるチャイムが鳴ったとき、
那月は見事なまでに顔中が汗でだらだらだった。
余談だが、この授業で一生懸命走り回っていたのは那月一人である。
他の女子は汗を掻くのが嫌とかで、歩きながらボールを追っていた。更に
余談だが、どうやら那月の小柄な体が女子達の母性本能をくすぐるようで、
ある女子曰く「ボールに追いつこうとちょこちょこ走り回る姿が、
ハムスターみたいで可愛い」のだそうだ。
まあそんなこんなで、体操服越しに下着がうっすら見えてしまうほど
汗を掻いたわけだから当然、制服に着替えた後もべとべとで気持ち悪い。
なので家に帰ってすぐにシャワーでも浴びたのだろう。しかしすぐに俺に
しがみつきたい那月は体を拭くのもそこそこに、隣にある俺の家へやって
きた、と。大方そんなところだろう。気持ちは分からないでもないが、
もう少し大人になって欲しいものである。
「……よし、終わり」
まだ少し水気があるが、これくらいなら自然に乾かしても頭を冷やす
ことはないだろう。終わったことの合図に、那月の頭に手を軽くぽんと置く。
「ん〜」とまだ頭では洗濯機の中なのか、呻くように言った那月が少し
乱れた髪を手櫛で整えている間に、俺は湿ったバスタオルを洗面所の
洗濯籠に放り込みに行った。
部屋に戻ると、那月は暇だったのかベッドの横にあった目覚ましの
ベルの部分を指で弾き、チリンチリン鳴らして遊んでいた。が、俺が
戻ってきて座るやすぐにいつものポジションに居座った。
「ふ〜……ん〜……」
俺の胸に背もたれると、那月の安心しきったよう声が鼻から漏れた。
俺の暖かさをいっぱい感じようとその小さな体をめいっぱい捩じらせて
くる。俺はそれを、那月の体を肩越しに抱きしめることで受け止める。
彼女はその抱きしめている腕に、更に自分の腕をぎゅっとしがみつかせる。
俺の胸に預けていた後頭部を離し、今度は俺の腕に顎をちょんと乗せる。
そしてしばらくすると、てっぺんが見えていた頭が右にこてんと傾き、
さらさらになった髪の隙間から小さな形の良い左耳と、風呂に入った
ばかりのせいか少し薄紅色に染まった首筋が覗かせていた。またしばらく
すると今度は左にころんと傾く。こちらもまた柔らかそうな耳たぶを
覗かせ、前の方へ零れ落ちた何房かの髪が、襟から見え隠れする鎖骨の
窪みに掛かった。那月はふとすると甘ったるい猫撫で声を漏らしている。
完全にこちらを信用した、リラックスした状態で那月は俺に身を委ねていた。
今日、ナオ達と休みの話していたときの那月の顔を思い出す。いつか
那月も自分から友達を作れるようになるだろう。あの横顔を見ていると
そう思う。那月のほうも俺の考えを汲み取ってか、自分から他のクラス
メイトに話しかけることも最近はぽつぽつとやり始めていた。そうなって
くれることを俺は望んだし、そうなってくれて嬉しいと思ってもいる。
だが。
なんというか、子供の巣立ちを見送る親鳥の心境というか、娘を嫁にやる
父親の気持ちというか、そういう寂寥感が最近よく心に浮かび上がってくる。
しっかりと自立して欲しい。
いつまでも世話の掛かる子でいて欲しい。
そんな矛盾した二つの想いが同時に湧き上がってくるのだ。
こうして俺に擦り寄ってくる那月も、いつかは恋人を持って家庭を
持つのだ。そうなったら俺が抱きしめてやるこの時間も、那月を世話して
やることも、なにもかもがなくなってしまう。そう思うと、なぜか辛く
感じてしまう。
今もそんな気持ちがふっと水面へ昇っていく泡のように浮かんできた。
だからだろうか、知らず知らず口が勝手に開いていた。
「なあ、那月」
「ん〜?」
無垢な声で応答し、俺の腕に乗せていた頭をまた胸へともたれ掛ける。
「あのさ、那月。ナオ達のこと……好きか?」
何を聞いてるんだろう、俺は。そんなこと聞いてどうするんだ。
ナオ達と一緒にいる那月の顔を見れば分かるだろう? そんなの
無意味な問いだ。
それでもやはり、どこかでノーと答えて欲しいと思っている
自分がいて。そんな自分に嫌悪した。
那月はそんな俺の葛藤も知らず「ん〜……」と、唸りながら小首を
傾げ考える。そして顔を上げ、俺から見たら上下逆さまな顔をこちらに
向け、答えた。
「直高も、純も、風音も、みんな好き」
「……そっか」
ほらみろ。こんなの聞くまでもなく分かっていた答えだろ? これで
良いんだ。そうなるように俺は頑張って、その頑張りが実っただけだろ?
……なのに。
なんなんだ。なんでこんなに、虚しいんだ。まるで胸の真ん中に
ぽっかりと穴が開いたような感覚に襲われる。これじゃあまるで、
俺が那月にべったりみたいじゃないか。
俺の胸に降って湧いた虚脱感に、那月を抱きしめる腕から力が抜ける。
足も膝を立てていたのをべたっと床に貼り付ける。
――と。
「でも」
那月が続けた言葉に思わず目を見開く。
那月は俺に向ける視線をそのままに、体に巻き付いていた俺の腕を解き
体ごと俺の方へ向ける。
膝立ちしてやっと水平になる俺との目線。
「でも」
もう一度同じ言葉を紡ぐ、小さく艶やかな唇。
そして――
「――堅悟と一緒にいるのは、もっと好き」
ふわり、と。
隠れていた雲からゆっくりと、しかししっかりと優しく包み込むように
現れた、淡い満月の光のようにふわり、と。
くりっとした目を三日月のように細め、那月は、微笑んだ。
俺は見開いた目を更に大きく見開く。
心臓が大きく一回、高鳴った。
高鳴って送られた血が、頭を熱くさせる。頭だけではない。力の
抜けていたはずの腕も、足も、その言葉と笑った顔にぴくっと震え
硬直し、その指先までもが一気に熱を帯びる。
おい待て、なんだこれは。なんでこんなにドキドキするんだ。
那月の笑った顔なんて、今までもいやって程見てきただろうが。
それがなんで――。
いや、違う。確かに那月の笑った顔は何度と見てきた。けど、
さっきの笑顔はこれまでのそれとは違う雰囲気を漂わせていた。
それは、なんと言えばいいのだろう。母性? 全てを包容して
くれるような、そんな優しさを含んだ微笑だった。
那月は俺の混乱など知る由もなく、俺の方へ飛び込んできた。
「お、おい那月っ!?」
柄にもなく上擦った声を上げてしまう。そんな俺などお構いなしに
抱きついてきた那月は、顔を俺の肩に埋め幸せそうな吐息を漏らす。
それを聞いた俺の耳から、ぞくぞくと震えが走る。大きく胸を打ち
つけていた心臓が、今度はきゅうっ、と痛いぐらいに締めつけてきた。
熱を帯びた頭はくらくらと思考を鈍らせ、逆にはっきりと悶々とした
想いが心の表面に首をもたげる。
密着させている子供っぽく華奢な体は、しかし女性的な腰つきと
柔らかさを備えており、それを俺の胸が、腹が、嫌というほど事実として
突きつけてくる。服越しからでも分かるほど風呂上りで火照った体が、
その熱を俺へと伝染させるように摩り寄せてくる。
今更になって髪から煽られるシャンプーの香りが鼻腔を刺激した。
正直、かなり限界だった。まさかいつも顔を会わせ、抱きしめていた
幼馴染みがこんなにも悩ましいほどに女だったとは思いもしなかった。
しかし、ここで本能に身を任せてはいけない。つい先ほど俺のことを
好きと言ってくれた那月を、そんな最悪の形で裏切ってはいけない。
俺はなけなしの理性を振り絞り、那月に呼びかけた。
「那月、あのな……」
「……すぅ」
しかし、那月の応答は随分と間の抜けた吐息だった。
「な、那月……?」
もう一度、声をかける。しかし返ってくるのは規則正しい呼吸音だけ。
よく見ると、那月の背中は大きくゆったりと上下に動いていた。
「寝て、る? ……あ」
そういえば、六時間目の体育で忙しなく動き回っていたのだった。
それも、シャワーが必要なほど汗だくになるまで。それだけ動けば疲れも
溜まる。それが今になって出てきて、眠ってしまったのだろう。
「ふぅ……すぅ……」
那月の心地良さそうな寝息を聞いていると、不思議と悶々としていた
気持ちも萎んでいった。とりあえず、助かった……。
いつの間にやら緊張してか、がちがちに固まっていた全身の力を抜き、
色々もやもやした気持ちを肺に溜まった空気と一緒に大きく吐き出した。
そしていつもの調子で俺は眠り惚ける那月の背中に手を添え、
とんとんと優しく叩いた。
「……んぅ」
那月は少し艶っぽく呻くと俺の肩に回した腕を更にきゅっと強く
巻きつける。
そうして那月をあやしながら大分落ち着きを取り戻した俺は、先ほどの
那月の笑顔を思い出していた。あれは、もしかしたら俺の想いを感じ取って
言ったことなのかもしれない。
――何があっても、ちゃんと自分は側にいるよ。
そう伝えたかったのではないだろうか。それなら、あの時感じたなんとも
言えない雰囲気も納得できる。
「……結局、まだまだガキなのは俺の方だった、ってことか?」
いつまでも世話の焼ける妹のような奴だと思っていた。
いつまでも俺が手を掛けなきゃいけないと思っていた。
けどそれは間違いだった。
こいつはこいつで、しっかり成長していたのだ。
この小さな体で、大きな心を育てていたのだ。
変わらなきゃいけないのは、俺の方だった。
でも……。
横目で那月の顔を窺う。穏やかな幼馴染みの寝顔がそこにあった。
「まだもう少し、こんな関係なんだろうな。きっと」
こいつの成長の一片を今日は垣間見たが、世話が焼けるのはまだまだ
相変わらず。こうして抱きついて甘えてくるのも、相変わらず。これらを
卒業するのはまだ当分は先、か。けどそれまではこのまま、こいつの側で
こうしていたい。そう、心から思う。何だかんだで俺も、こんな時間を
楽しんでいたようだ。
ふと、部屋の壁掛け時計に目を向ける。時刻は午後六時十分前。
いつもならこの位に抱擁タイムを終わらせ、一緒にこの部屋で今日の
復習や明日の予習なんかをやるのだが……。
那月の寝息が鼓膜を優しく震わせる。それを聞きながら俺はやれやれと
嘆息した。
「ま、今日は十分延長くらいは大目に見るかな」
そんな、気分なのだ。
俺は那月の頭を愛でるように撫でた。もうすっかり乾いてさらさらな
髪の滑らかな手触りが、手の平に心地良い。
「……ふふっ」
撫でられた那月の、微笑むような寝息が耳をくすぐった。
以上です。では。
>>522 あまあぁぁぁぁぁぁぁあああああい!! 読んでてむず痒くなるほどに甘いッ!
だがそれが良い! 那月がすげえ可愛かったです! GJ!
GJ!
いいね、こういう関係。二人ともいい子だし、周囲の連中もいい奴らだ。
後半の甘い部分もよかったが、前半の友人連中が作る空間も安心感があって好き。
思う存分甘えつつ、相手のために頑張ったりもするのが甘えんぼうのいいところだな。
GJ
シンプルなのに丁寧な書かれ方で凄く面白かった。
何より女の子がとても可愛いw
次回作も期待していいですか?
次回があるならぜひエロ要素も欲しいよな。
那月ちゃんが可愛すぎる。
ぶっちゃけエロはどうでも良くなるぐらいGJ!
次が楽しみです。
ロリっ娘で甘えんぼうでエロエロな話が読みたいです……><
530 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 16:07:01 ID:cqVtWAIO
ほす
投下します。非エロです。
「大丈夫か」
「……うん」
そう言って頷く那月の横顔は緊張の色が僅かに覗かせている。
しかしそれは仕方のないことだ。何せ、今までご無沙汰だったこともある。
「……いくぞ」
俺はゆっくりと那月の中へと入っていった。先端が入り口を通過した。
「あっ……」
悩ましい声が那月の声から漏れ、その細い肩を小さく震わせた。
「どうした?」
「……少し、くすぐったかっただけ」
そう言う那月は気持ち良さからか、いつもはぱっちりしたハムスター
みたいな目をきつく瞑っている。
「そうか、それじゃあ続けるぞ」
「うん」
那月の承認を受け更に奥へと挿入する。そして少しすると俺は“それ”を
見つけた。俺は早速“それ”を、外へ掻き出すように肉壁を擦りつけた。
「はぁ……あっ……んんっ……!」
擦りつける度、那月は苦しそうな中にも愉悦の入った声を上げる。心なしか
鼻息も荒くなっている。胸の前にだらしなく折り畳まれた腕を、より強く胸の
方へと抱き寄せる。久し振りだったせいで夢心地なのか、無意識のうちに体を
丸くしようと両足を体の方へ引き寄せる。
「ああっこら、動くな。ほら、力抜いて。リラーックス」
「ご、ごめん……」
申し訳なさそうに顔を横に向けたまま目だけをこちらにふいっと投げ掛ける。
その黒目がちな目はいつもより潤んでおり、瞳をきらきらと輝かせていた。
一瞬だけこちらへ向けた目をもう一度閉じ、それを再開の合図と判断した俺は
またランダムなピストン運動を始める。
擦るのは一定方向ではなく、上下左右、あらゆる方向に捻っては一点を
集中的に攻めていく。
「はぅ……ぁ……ひ、んっ……!」
那月の艶っぽい声はその間ずっと続いた。時折、ちょっと奥の方まで入れ
過ぎて、短い悲鳴を上げて重ね合わせた両手をびくっと跳ねたりしたときは、
素直に謝った。
そうこうして、やっと一通りやり終えて那月の中から抜き出す。俺は
一仕事終えた職人のように細く長く息を吐き出した。
那月の方はというと、まだ少し惚けたようにぼおっとしており、
その表情から察するにご満悦のようだ。
が、俺はまだやらなければならない。まだ、もう一つ。今まで弄っていた方
とはちょうど反対にある方の穴も――。
そのことを告げるため、まだ快楽の余韻に浸っている那月に俺は容赦なく
言い放った。
「ほらっ、ぼけっとしてないで反対向け。早くしないとやめるぞ、耳掃除」
それを聞いた那月ははっと意識をこちら側に戻したと思うと、ぱっと素早く
寝返りと打ち、顔の半分を俺の太ももに埋めた。那月のつきたてのお餅みたいに
柔らかい頬の感触と温かさが、ズボン越しに伝わってくる。
今日は休日。この日は那月にとって格好の抱きつきデーであろう。なにせ
一日中ずっと俺にべたべた引っ付いていても誰にも文句を言われない日なのだ。
その辺、気になって俺に質問する奴が後を絶たなかった。実際ナオ達にも、
一年の初め頃に聞かれたことがある。
だが答えはノーである。那月にだって私用というものはある。あるときは
家族で旅行。またあるときは体調を崩して部屋で安静。最近では、斎条と一緒に
“女の子の休日”を満喫すべく街へ駆り出ることも多くなった。
それ以外の暇な場合はというとそこら辺もちゃんと考えており、午後三時から
午後六時までの三時間だけと二人の間で決めている。平日の場合は学校から
帰ってくるのが午後五時ちょい過ぎになり、家で私服に着替え(これもルールの
一つで、制服のままだと皺になり大変だから)俺の家に来て六時までとなると
約三十分強しかない。なので、これは単純計算でも二時間以上の時間拡張である。
それだけあれば充電も満足のいくレベルであり、那月もこのルールを快く受け入れている。
かといって、その時間以外で那月と付き合いがないのかと言われるとそうではなく。
その時間が来るまで俺の部屋で、時々那月の部屋で漫画読んだりゲームやったり。
あるときはナオ達と一緒に街をぶらぶらしたり、二人でぶらぶらしたり。そうやって
一緒にいると、時間になるにつれそわそわしだして物欲しそうな目で見上げる那月に、
俺は内心苦笑を禁じ得なかったりする。
で、だ。
実は俺に遠慮なくルールに反してべったりできる例外が、一つだけある。
それがこの耳掃除だ。
これも確か、昔々の俺が那月に世話を焼く一環でやっていた。で、どうやら俺は耳掃除
するのが上手らしく、今でも時折俺にねだってくるのだ。今日も、いつも耳掃除をして
もらいに来るときに持参する、昔旅行先で買ったらしいどっかの地方宣伝キャラが頭に
付いた耳掻きを片手に、俺の部屋へとやって来た。で、こうして胡坐かいた俺の膝に
乗って耳掃除してもらうのが、習慣の一つとなっていた。
何故これが例外になっているのかというと、以前そこら辺のルールを決めるときに
那月が、
「耳掃除は、体を綺麗にするための行為。だから、心を癒すための時間にこれを
含めるのは、極めて遺憾」
と、どこの政治家だお前だ、みたいな事をのたまったのだ。で、その後はいつもの
ように折れない那月に俺が投降したわけである。 こうして耳掃除は例外として取り
扱われることになった。で、
「うわあ、こっちもまた溜まってるなあ」
「くっぅ……んぁ……」
今日はお互い用事も特になく、久し振りにこうして耳掃除を敢行することになった
わけである。
……そういえば。
こうして二人でまったりした休日を過ごすのって、本当に結構久し振りだなあ、
と今更ながら感慨になった。
※ ※ ※
「はい、おしまい」
「ん」
最後に軽く息を吹きかけてぱっぱと手で払うと、那月はそのまま「んあ〜」と
精一杯手足を大きく伸ばし、じっとしていてかちこちになった体をほぐす。
その間に俺は部屋に掛けてある時計に顔を向ける。時間にして午後一時半。
まだ恒例の時間まで一時間以上ある。
さてどうしようか。久しく引っ張り出していないゲーム機で格ゲーと洒落込もうか。
那月の奴、あれでかなりゲームは得意なんだよなあ。そういえば、まだ一度も勝った
ことないな。じゃあやっぱりゲームを……。
とかなんとか俺が今後の計画を思考していると、ふとこちらに送られる熱い視線を
感じた。もちろんこの部屋には俺以外に一人しかいないわけで、その視線の主は当然……、
「……ど、どうした、那月?」
じ〜っ、と。
それこそ穴が開いてしまうんじゃないかと思ってしまうほど、俺の顔をじ〜っ、と
凝視する那月。
そのあまりに真剣なまなざしに、俺は思わず体を後ろに引いてしまう。引いたついでに
那月の全身が視界に入ってくる。
今日はいつもより少し暑かったためか、那月の服も軽装で薄くて通気性の良さそうな、
半袖タイプの水色のワンピースを纏っている。床にお尻を付けるように座り込んだ那月の
足元は、ウェーブ掛かったスカートの裾からつるんとした膝小僧をちらりと覗かせている。
スカートの上には、ぎゅっと握りしめた両手が太ももの間に挟み込むように押し付けて
いる。その手の中には、持ってきた耳掻きを離すもんかと握りしめている。
そこからまた少し目線を上に上げる。今後も着れるようにか、少しサイズの大きい
ワンピースの襟元が片方ずれ落ちかけており、那月はそれに気付いていない。そのため、
日焼けしにくい体質のためほぼ一年中白く大理石のようにすべすべしたなで肩を、腕の
付け根ギリギリまで晒している。その中間ほどにワンピースの色と合わせたのか、
こちらもまた澄んだ青空のように綺麗なスカイブルーの色をしたブラジャーの肩紐が――。
そこまで思い至って不意に心臓が俺の胸を強く打ちつけた。そして一瞬にして俺の顔は
耳朶の先まで熱く煮えたぎる。くそ、またかよ……!
あの那月の笑顔を見て以来、俺はこいつのふとしたときに見せる女の雰囲気を感じると、
心臓をバクつかせることが多くなった。ついこの間も学校でいつものようにナオ達と昼食
を摂っていた時に、那月が何気なく髪をかき上げる仕草に不覚にも心臓が高鳴ってしまい、
思わず飲んでいたパックのグレープジュースを噴き出してしまった。ナオ達のあの
ネッシーでも見つけたかのような顔は絶対忘れない。いつもは何があっても
ノーリアクションな斎条さえも、ほんの少し目を見開き呆然となってしまう程である。
おまけに那月にまでも心配そうな顔をされながらハンカチでグレープジュースまみれに
なった俺の制服を拭いてもらってしまい、あの時は本当に恥ずかしさで死んでしまいそう
だった。
いや、でも仕方ないだろう? 那月がかき上げた髪の中から現れた形の良い耳とか、
マシュマロみたいに柔らかそうな耳朶とか、雪原のように優美な首筋とか、そこに掛かる
かき上げ損ねた数本の黒髪とか、それらがかき上げるという動作も相まって妙に色っぽかったんだから!
しかし、なぜあんなに那月を艶めかしく感じるんだろうか。こいつは下手すれば小学生と
間違われてしまうほど小さく、どちらかと言えば可愛いという部類に入るはずなんだが……。
それはともかく。そういうわけで、俺は思わず那月から顔を背けてしまった。その間も那月は
俺の顔をじ〜っと見つめる。那月に見つめられている頬がなんだかむず痒い。くっ、これは一体何の
罰ゲームだ。用があるなら早く言ってくれ。
と、そんな俺の思いが通じたのかやっとこさ那月が口を開いた。……のだが、
「する」
「……は、はい?」
あ、あの、那月さん? 一体何をするんでしょうか? 今までも口少ないこの幼馴染みの短縮語は
聞き及んでいるが、今回ばかりはさっぱり分からなかった。
すると、これまた俺の混乱を読んだのかさっきより詳しく話した。
「耳掃除、する」
「え? いや、ついさっき終わっただろ」
俺の返答に、那月はふるふると髪が乱れそうなほど大きく首を横に振る。
「私が、耳掃除する」
「……誰を?」
「堅悟を」
「……え、遠慮する」
「何で?」
那月はお得意の下唇を突き出したご不満顔になる。
いや、那月が自分から何かしようとするのは良いことだと思う。以前の那月に比べればこれは
明らかな成長だし、大変喜ばしいことだ。
だが、那月が耳掃除……。
なんというか、こいつに任せると誤って鼓膜どころか三半規管まで突き破っていきそうな、
そんな勢いを感じるというか。ようするに、激しく不安なのだ。那月の言葉を聞いて、背中から
変な汗が滲み出てくるほどに。うん、俺だって自分の身体が可愛いに決まっているだろう。
今回ばかりはどうにかして那月には諦めてもらおう。折角やる気になってもらって俺も悪いとは
思うが、そのやる気はまた別の機会に発揮してもらおうと思う今日この頃だ。適当に話題を変えて
うやむやにしてしまおう。
そう決めて俺は喋ろうとした。まさにその時、那月の顔が俯き影が差した。那月の表情から
ご不満顔は消え失せ、代わりに憂いを帯びた悲しそうな色を浮かべる。
「な、那月?」
いつもと違う那月の様子に、俺は言おうとした言葉を飲み込んでしまう。
え? なんだ、これ?
突然変わった那月の態度に、俺の頭も焦燥の渦でぐるぐるに混ぜ返り、何も考えられなくなる。
そんな中那月が、蚊の羽音のようにか細い声で呟いた。
「嫌、なの?」
どきっとした。こんな哀愁の漂った声を、この幼馴染みは出せたのかと。突き出していた下唇は、
何かを我慢するようにきゅっと噛ませて口を結んでいる。俯いてはっきりと見えるようになった
緩やかに反り返る睫毛から、床を見つめる漆黒の瞳が見え隠れする。なぜか、今の那月から元気なさげに
伏せらせた犬耳とか、へなっとこれまたしょげ返ったように元気のない尻尾とかを幻視した。
俺は慌てて弁解する。
「い、嫌とかじゃないんだ。ただ、なんと言うか、その、生命の危機を感じるというか」
「私、ちゃんとするよ」
「うんそれはよく分かる。けどやっぱりこういうのは、お互いの合意あって初めて気持ち良く
行われるものだと思うんだよ」
「堅悟のこと、痛くしない。優しくする。それでも、駄目?」
「そ、そう思っていてもやっちゃうときはやっちゃうし。お前の場合、やっちゃうときの方が
遥かに過半数を占めるだろ」
「私、堅悟を綺麗にしたい」
那月は上目遣いでこちらを窺う。ああ、前に乗り出してくるな!肩に掛かってる服が更にずれて、
というか色々見えるから!
だが、そんなことお構いなしに那月はうるうるした瞳をこちらに寄越すだけ。
……うう、結局いつも通りなのか、俺。
「……分かった。そこまで言うなら」
「やったっ」
さっきまでの悲しそうな顔はどこへやら、チャンネルを変えるようにぱっと雰囲気が暗から明に変わり、
喜色満面の笑顔で耳掻き片手に諸手を上げる那月。あ、服のずれが戻った。良かった良かった。
……じゃなくて、
「え? あ、あの、那月……」
「堅悟、早くっ早くっ」
うきうき顔で握り拳を胸の前にして、そわそわ肩を揺らす那月。幻視していた犬耳はぴんっと三角にして
立っており、尻尾は床にバウンドさせるが如く左右にぱたぱた振っていた。
……。
俺は隣の那月の家がある方向へ顔を向ける。
おじさん、おばさん。あなた方の娘はすくすくと成長してますよ。……あらぬ方向に。
※ ※ ※
那月の小悪魔な一面を垣間見てしまった俺だが、そんなことで呆然としている場合ではない。
いざ、じゃあ始めましょうかとなったところで俺はあることに気が付いたから。
「堅悟、ほらここ」
那月がそう言ってぽんぽん叩いているのは――自分の太もも。
そう。那月に耳掃除されるということは、その太ももに俺の頭を乗せなければならないわけだ。
つまりは膝枕。俺は那月が失敗しないかの心配ばかりしていてそのことにまで考えが及ばず、今に
なって思い至り躊躇っていた。
いつも那月のことを抱きしめているのに何を今更とも思うんだが、あれとこれとは話が別だ。
いやらしい言い方になるが、見知っている者とはいえ異性の下半身に顔を埋めるのだ。恥ずかしいって
もんじゃない。なので俺はここにきて硬直してしまった。目の前では那月が準備万端とばかりに正座を
して、俺が寝そべるのを待っている。その顔はいつになく生き生きしている。なんか背景がきらきら
光ってる気もする。
……そろそろ覚悟を決めないとな。いつまでもこうしていると、那月も足が痺れてしまうだろう。
俺は心の中で気合を入れると、ゆっくり床へと寝転がっていく。せめてもの抵抗として、那月の体に
背ける方向に横になる。
のっそり、のっそり。その時がくるのをできるだけ遅くしようと悪あがきする。
まず足を床におそるおそる伸ばしながら横たわせる。くるぶし、ふくらはぎ、
太ももと順にフローリングのひんやりした冷たさが、ズボン越しに伝わってくる。
心臓がドアをノックするように胸を叩く。
腰まで床に付くと、バランスをとるため肘を立てる。木の軋む音がやけに近く感じる。
心臓が金づちで釘を打ち込むように胸を叩きつける。
L字になった腕を伸ばすようにして二の腕を横にしていく。そして伸ばしきり、肩まで
完全に床へ着地する。心臓が突き破らんばかりに胸を強く叩きつける。
そこから首を重力に従い楽な方へ、しかしちょっぴり反抗しつつ下ろしてゆく。世界がゆっくりと
傾いていく。
そして、世界が完全に真横になろうかとしていたその瞬間、それはやってきた。
「……ぅわ」
那月に聞き取られないように小さく慄いた。
俺の側頭部を最初に出迎えたのはワンピースのスカートだった。薄手で通気性を重視した
その素材はさらさらと肌に優しく、思わず頬擦りしたくなるほどだ。そこから少し頭を沈ませると、
ついに那月の太ももへと到着する。到着してすぐ、俺はその柔らかさに驚愕した。同年代の女性に比べて
こじんまりして華奢な那月だが、それでもこの肉付きの良さはなんだ。軽く押し付けると確かな弾力で
押し返し、それでもふわんと綿のように優しく包みこんでくれる。そして文字通り人肌の温かさが、
スカート越しに感じ取られ親しみを覚えさせてくれる。
大きく波打っていた心臓もすっかり穏やかになり、代わりにぽかぽかとしたものが胸の中を占めていた。
それは絶対の安心感。気持ちが大らかになり、不純な思いなど一切湧いてこず、ただただその柔和な
温かさに身を委ねてしまいたい。そう思わせてしまう。
そのあまりに甘美な衝撃に、ついつい顔を深く埋めてしまう。埋めた反動でスカートから洗剤の香りが
仄かに漂い、鼻腔をくすぐる。
ああ、このなんとも言えない太ももの感触もそうだが、何よりもこのスカートが良い仕事をしている。
頬擦りしたくなるきめ細かな布地が太もものふんわり感と上手く噛み合い、極上の幸福を与えてくれている。
知らず知らずのうちにスカートへと手が伸び、太ももと一緒にさわさわと撫で回していた。
「……っ」
上の方から息を呑むような気配を感じた。首を回してみると、そこにはほんのりと頬を赤らめた
那月の顔があった。
「どうした?」
「う、ううん。何でもない」
? こいつが誤魔化すなんて珍しいな。
……あっ、もしかして今更になって恥ずかしくなったのだろうか。そうだよな、那月だって年頃の
女の子だもんな。やっぱりこういうのに羞恥心を覚えて当然だよな。
そう思い那月に優しく問い掛ける。
「那月、やめたくなったんならそう言っていいんだぞ?」
「そんなことないっ。やる」
半身を起こそうとした俺を、那月は両手で抑えるように慌てて止める。……まあ那月がやると言うのなら
止めはしないが。
とか思いながら実のところ、那月がやめると言わなくてほっとしていた。膝枕する前はこっ恥ずかしくて
躊躇していたが、喉元過ぎればなんとやら、もうすっかり膝枕の虜になってしまっていた。なので那月が
続けると言ったことに心の中でほくそ笑んで、薄く浮かせた頭を重力に従順に任せてぽすっとダイブした。
うーん、ふわふわぽかぽか。
そうして堪能しながら那月が耳掃除を始めるのを待っていた。
しかし、待てど暮らせど耳を襲うはずの異物感はやってこなかった。代わりに那月のうんうん
唸っている声だけが襲ってくるだけ。どうしたのだろうかと那月に声を掛けようとして、
「ふぅ〜」
耳の穴に冷たくて細い風が入ってきた。首の後ろまで一気に鳥肌が立つ。
「うぉぉおおおい!」
「きゃっ」
俺はびっくりして勢いよく飛び起き、それを見てびっくりした那月は可愛らしい悲鳴を上げて
小さく跳び上がった。
「ど、どうしたの……?」
何がなんだか分からないという風に小首を傾げる那月。
「どうしたじゃない! 何いきなり息吹きかけてるんだ!」
「だって、さっき堅悟も」
「あれは仕上げに周りのごみを飛ばしてるんだ! しかもお前のやったのは弱すぎる!」
「弱いと駄目なの?」
「そりゃ弱いと……なんだ。さっきのようにびっくりするから」
「ん、分かった」
「とにかく、その耳掻きを使って耳の中のごみを掻き出す。それだけでいいから。分かったな?」
「ん」
ちょっとしたアクシデントはあったものの、その後なんとか那月の耳掃除は始まった。耳の中を
細長い物が通っている感覚がぞわぞわと襲ってくる。すごくこそばゆい。
「……あんまり、ごみない」
「そりゃあ、まめにやってるからな。ないのは当然だ」
「む〜、つまんない」
「はは、まあ適当でいいから」
今の那月が、いつものあの顔になっているのが容易に想像できる。想像して俺は、那月に気付かれない
ように小さく苦笑した。
その後はというと、
「お前ん家、今日の夕飯なんだ?」
「さば味噌」
「そっか。おばさんの作るさば味噌、美味いよなぁ」
「余ったら、お裾分けする」
「いつも悪いな、母さんも喜ぶ」
とか、
「この前、風音と遊びに行ったとき」
「ん?」
「美花(みはな)と偶然会った」
「美花……ああ、間宮(まみや)のことか。斎条のクラスの」
「友達と一緒だった」
「ふうん。ちゃんと挨拶したか?」
「うん、色々喋った」
「そっか。……仲良くなれそうか?」
「うん。小鳥(ことり)、いい子だった」
「それは良かった」
とか、
「間宮と言えば、ナオの奴いつになったら告白するんだが」
「直高、美花が好きなの?」
「いや、むしろ好き合ってるだろ、どう見ても」
「そうなんだ」
「まあ、知らぬは当事者のみってことだな。あ、このことナオと間宮には言うなよ」
「? なんで?」
「こういうのは本人達が自分で気付いたほうが良いんだよ」
「そういうもの?」
「そういうもの」
とか、他にも色々と他愛もない話をした。途中、反対の耳を掃除するために寝返りを
打ったりしながら、那月とのんびりした時間を過ごした。
やがて話題もなくなって口数が少なくなり、膝枕の心地良さと耳掻きのくすぐったさに
まどろみ始める。目の前には那月の着ているワンピースの水色が埋め尽くしている。眠気で
ぼーっとし始めた俺は、その視界いっぱいに広がる色と太ももの柔らかさから、自分が空に
いるような感覚に陥った。
一面に広がる空。
それを見上げる俺。
俺が寝転がっているふかふかの雲。
その雲は俺を優しく包み込んでくれる。
その雲は俺を心も身体も温かくしてくれる。
手を空へと伸ばす。
手は空を掴めない。
俺は確かに空にいるはずなのに。
こうして雲に包まれているのに。
俺は空を掴めない。
俺はもっと手を伸ばす。
けれど掴めない。
ここに空はあるはずなのに。
まだ俺は空にいない。
俺は空に届きたくて、また手を――
※ ※ ※
「……堅悟、起きた?」
「う……ぅん?」
重たい瞼を必死に開いて最初に見たのは、俺を見下ろす那月の顔だった。まだ頭がぼーっとする。
なんか変な夢を見てた気がするが、もう綺麗さっぱり忘れてしまっていた。寝惚けた頭で那月の顔を
じーっと見つめる。……なんか、いつもと違うアングルで見ているせいか那月が大人っぽく見える。
いやそうじゃない。シャープな顎のラインとかすっきりした小顔とかスレンダーな体とか、
バランスだけ見ればこいつは女性として綺麗な方だ。ただ、それがスケールダウンし俺はいつも
見下ろしていたから、子供っぽいと思っていたんだ。そういえば、最近は那月がふと色っぽい雰囲気を
醸し出して俺をドギマギさせていたが、そういうことだったのか。
子供っぽいのに、色っぽい。
そんな矛盾を孕んだ感覚が今やっと分かった気がした。
俺は自分の中の疑問が一つ解けてなるほどと思いながら、こちらもまたじ〜っと見つめ返し続ける
幼馴染みに起きぬけの挨拶を交わす。
「ん、おはよう。悪いな寝てしまって。重かったろ」
「ううん。堅悟の寝顔、やっぱり可愛かった」
そうか、俺の寝顔をばっちり見られたんだよな。むう……そう思うとなんか恥ずかしいな。
って、何気にさらっと奇妙なこと言わなかったか?
「おい那月、今『やっぱり』って――」
「堅悟、もう時間」
俺の言葉を遮るように那月は言葉を重ね、時計を指差す。時間は午後三時五分前。結構な時間
眠ってしまっていたようだ。
俺は那月の太ももから頭を離し起き上がる。ずっと下に敷いていた方の肩がじんじんと痛む。
それに少し凝っているようで、どれだけ永い時間その体勢のままだったか、字面の通り痛感させられた。
肩を痛くならない程度に回しながら、いつもの姿勢になり那月の受け入れ準備を整える。整えようと
したが、またしてもこのコンパクト美人はとんでもないことを言った。
「堅悟、正座」
「……はい?」
俺、何か怒らせるようなことしたか? いや別に何も……はっ、まさか俺が寝ている間に
変なことを!? ありえる、十分にありえる。あの膝枕の魔力に負けた俺の本能が変態的な
ことをやってしまったのではないか。ありえる、十分にありえるっ!
「な、なあ那月。俺お前に何か変なこと」
「せ・い・ざっ」
有無を言わせぬ那月の口調に、俺は否応なく素直に正座した。ああ、なんだか那月の顔が
素晴らしいぐらい満面の笑みだ。そんな怒りを通り過ぎちゃうくらい怒ってらっしゃいますか。
瞳に反射したきらきらの光が眩しいです那月さん。思えば幼馴染み歴もうすぐ十七年、こうして
那月の前で正座して説教食らうなんて史上初の出来事だ。だがここは甘んじて受けよう、それだけの
ことを俺はやらかしてしまったんだ。那月の良い見本としてこれまでやってきたけれどそれも今日で
おしまいだな、はあ……。
「やあっ」
俺が心の中で覚悟を固めるのとほぼ同時に那月はこちらに飛び掛ってきた。俺は反射的に
目を瞑ってその後の衝撃に備える。
……だが、俺が想像していた衝撃とは別のそれが俺を襲った。襲われた衝撃の場所は
――俺の太もも。
「ふひゃ〜」
俺の太ももに飛び込むと、那月は空気の抜けた風船みたいに体から力を抜いてふにゃふにゃになる。
そして俺の足を抱え込むようにがしっと掴み、まるでマーキングでもしているみたいに顔を太ももの
間に擦り付けてきた。しばらくして満足したのか、那月は仰向けになるように寝返りを打ち、その
ほくほく顔を俺に晒す。寝返りを打つ際、太ももに頭を置き直した那月の髪が孔雀の羽のように扇状に
広がった。
俺は恐る恐る那月に問いかける。
「……何やってるんだ?」
「ん? 膝枕」
「いや、それは分かって……えっ!? もしかしてそれだけ?」
「んぅ、何が?」
……抹消したい。数秒前の自分を抹消したい。
那月は一瞬きょとんとするがすぐに興味が無くなったのか、目を細めて大きく体を伸ばした。
ああ、また肩が出てる。今度はさっきと反対側だ。俺はそこを極力見ないように那月の顔に集中した。
今にも寝てしまいそうな蕩けた顔が目に映る。
「そういえば那月、ずっと聞きたかったんだが」
「んぃ〜?」
「もしかして、今日は最初から俺に耳掃除する気だったのか」
「うん」
当たり前でしょ? とでも言いたげな顔を浮かべて那月はこちらを見上げる。
「なんでだ?」
「なにが?」
「なんで、突然そんなことやろうと思ったんだ?」
数瞬、沈黙が落ちる。
風が窓を小さく叩いた。
遠くでバイクがエンジンをけたたましく唸らせた。
近くの電柱でカラスの鳴き声がさえずった。
その間、那月は人形のように無垢な顔で俺と向かい合っていた。そこからはどんな感情を
秘めているのか知ることはできない。ぱっちりした円らな瞳が何回か瞬く。それでもその瞳は俺の顔を、
いや俺の目を真っ直ぐ貫き続けた。そのどこまでも澄んだ黒の瞳に吸い込まれそうな感じを覚え始めた頃、
「なのね」
那月の小さな唇が、震えた。そして――
「堅悟の気持ち、知りたかったから」
震えた唇が微笑んだ。
――ああ、まただ。また、この感じだ。
「堅悟がいつも、どんな気持ちで私といるか、知りたかったから」
那月の顔が緩やかに綻ぶ。
その顔に俺は、また胸が大きく波打つのを感じた。そのことに勘付かれないよう、那月の言葉に続ける。
「だから俺がお前にしてやっている耳掃除を自分もやろうと」
「ん」
「で、さっきまで俺が膝枕されてたから、今度は自分が膝枕されようと」
「んっ」
嬉しそうに、小さく顎を引くようにして頷く。
「そっか」
息を吐き出すようにして俺は苦笑いを浮かべた。
――嫌、なの?
那月の沈んだ顔が頭を過ぎる。
もしかしたら、あれは演技じゃなかったのかもしれない。
あんなに落ち込むほど、自分も俺がしてくれていることを身を持って経験したくて。
俺がどんな気持ちで自分と接していたのか知りたくて。そこまで想われて、
少し嬉しくもあり恥ずかしくもあり、胸の奥がぞわぞわとざわめいて変な感じだ。
那月は、変わろうとしている。今までの俺の後ろに隠れてばかりだった自分から。
だったら、俺も変わらないといけない。いつまでも、那月は俺にとって妹のようなものだと思ってた。
けどこれからは同等の立場として、幼馴染みとしてちゃんと見てやるべきだろう。それが変わろうと
している那月に対する最低限の礼儀だ。
慈しむように何度も那月の前髪を撫でる。いつの間にか、那月は小さく寝息を立てていた。時々体を
もぞもぞと動かしている。
と、片足が膝立ちし、ワンピースのスカートがするするとずり下がる。そこには、先程まで俺が顔を
埋めていた太ももが、スカートがずり下がりその面積を狭めるのと反比例し、その目映いまでの白さを
焦らすようにゆっくりと晒し出していった。
顔に血が集まる。集まりすぎて首の根本までグツグツと熱を帯びる。目を逸らそうと思っていても、
その意思とは正反対にその細くもふわふわしている白い太ももに釘付けになっていた。主に釘付けに
なっているのは太ももとスカートの境界線。肌と布の擦れる乾いた音が微かに耳をくすぐる度、
数ミリ単位で白く柔和な肌をさらけ出してゆく。
無意識に生唾を大きく飲み込んでいた。背中をむずむずとしたものが這い上がっていく。
そしてついにはもう片方の足も膝を立て、そのずれ落ちる速度を上げていき、とうとうスカートの端は
足の付け根まで――
「っ!」
そこまで見てやっと自制心が勝り、視線を逸らすことに成功――
「なっ?!」
しなかった。逸らす方向を下にしたことが失敗だった。逸らさした先には那月の顔があった。
そして肩からずれ落ちかけていた襟元が完全にずれ落ち、そこから僅かに顔を出した
ブラのレースも、あった。
今度は素早く顔を逸らすことができた。一度目の失敗を犯さないように横向きに首を動かす。
動かした先には窓があり、そこに晴れ晴れとした空の一部が切り取られていた。
ああ、いい天気だなぁ……。なんて現実逃避している場合じゃない。
……さて、どうする。とりあえず肩を直してやるべきか。まだ足の方は膝立ちしており、
もぞもぞと内股をすり合わせている気配と音がいやでも肌と耳に伝わってくる。その気配と音だけで、
胸の奥でくすぶる興奮がちりちりと燃え上がっていく。それを最大限の理性で抑えつけながら、
なるべくそこを見ないように那月の肩を直しに掛かった。
那月を起こさないように恐々とした手つきで、太ももに頭を乗せたことで生じた隙間に
手を滑り込ませる。襟の端に触れると、ワンピースの内側へ慎重に親指を差し込む。那月は
少し眉を顰めたが、起きる気配はない。
ここで一度小さく深呼吸。第一段階は終了。次の段階へ移る。
摘んだ端を、那月が違和感を持たないように少しずつ肩の方へと移動させる。永遠とも
思えるような時間をかけて、ゆっくりゆっくり元のあるべき場所へと戻していく。ワンピースの
さらさらとした布地に、指が滑ってしまうんじゃないかと思わず勘繰ってしまう。頬を汗が一筋、流れる。
と、那月の手が直そうとしている肩へ伸びる。小さく息を呑む。
伸ばされた手は、肩と鎖骨の間を猫手でぽりぽりと掻いた後、また元の位置へぽてっと転がるように
戻っていった。呑み込んだ息を吐き出し、再開する。
那月のゆで卵みたいにつるんとした肩を通り、無事に襟元を直すことに成功する。緊張して息を
するのを忘れていたようで、直し終わって大きく一息ついた。
ついでだから軽く整えておこう。そう思い両手を胸元近くの襟を掴んだ。が、さっきの緊張が
抜けたことで油断していた。
内側へ指を入れるとき、片方の爪が那月の肌をやんわりと撫でた。
「はっ、ん……」
慌てて掴んだ手を離す。
いや大丈夫だ俺は何も触ってないというかどこも触ってない例え那月が喘ぐような吐息を
漏らしたとしても全く関係ないむしろこいつのは無いに等しいようなものだから触ったとしても
どこがどこだか分からないわけだからあれに触ったとは言えずセーフでだからすべすべで見た目に
反してすこしぷにぷにしてたとか思ったけどそれがあれとは限らないんだから大丈夫うん。
一人悶々と頭でごちゃごちゃとした羅列の言い訳を重ねる。
ちらっと那月の方を覗き見た。
那月は何事も無く深い眠りについている。寝息を吐くのに合わせて那月の胸が上下している。
仰向けに眠っていておまけに布地の薄いワンピースのせいで、なだらかながらも女性であることを
主張するようにつんと盛り上がった二つの凸線がはっきりと見て取れた。
またあの感触を思い出しそうになってまた顔を背ける。ああもう、なんでこんなドキドキするんだ。
あとはスカートを直すだけだし、早くこんなの済ませよう。
ちょうどその時、両足が伸ばされるのを気配で感じた。俺は素早くスカートの裾を摘むと、
投げ捨てるように前へ放った。
「あ……っ」
……。
大丈夫だ全然大丈夫だなんかまた爪にスカートとは明らかに違う布に触れたような気がするが
絶対気のせいだ何故か那月が肩をぴくっと震わせたり喘ぐような声を上げたり頬をほんのり赤く
染めたりしているけどどうしたんだろうかあーあー俺は何も存じません存じ上げません。
頭の中で叫びながらつい先ほど起こった出来事の記憶を多重ロックで厳重封印する。
何とか落ち着きを取り戻し、那月の顔を見下ろした。俺が悶絶していたことなど露知らず、
口を半開きの間抜けな表情で寝入っている。その顔を見て、こいつに翻弄されていたことが
なんだかどうでもよくなった。まあ、幼馴染みとはいえ女なんだし、どきっとするなんて
当たり前だよな。とはいえ、
「こんな調子で大丈夫なのか、俺」
持つだろうか、理性。
「ま、なるようにしかならんか」
那月の頬に掛かった髪をそっと払う。髪が頬を撫で、くすぐったそうに那月は微笑んだ。
そうして俺はのんびりした休日の午後を過ごした。
――と、終われば良かったのだが。
その後時間まで那月を膝枕してやったわけだが、約三時間も正座しっぱなしだった俺の脚が
痺れないはずはなく、しばらくのた打ち回ることになる俺だった。
って、おい待て那月! そこをつつくな! まだ痺れてるぅおおぉ――……
以上です。では。
>.547
GJです! 相変わらず那月が可愛過ぎです。
>>547 GJ!!! なんという甘々。
そして三時間正座した後の脚をつつくとは、那月さんテラ鬼畜www
GJ! 那月さんがかわいいです。
GJ
何気に賢悟もカワイイw
賢悟のほうは自覚し始めたけど、今度は那月がどう出るか楽しみになってきます。
>>533 ×…二人でぶらぶらしたり
○…二人でらぶらぶしたり
553 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 14:28:38 ID:MpMMepNB
554 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:17:08 ID:4rZ1pAbO
保守せざるを得ない
投下します。今回は小ネタです。非エロです。
これは、中学のときのとある一幕である――
「那月、ゲームしないか?」
「……しない」
堅悟は那月と一緒に遊べるものをと、誕生日にゲームを買った。ソフトは
その頃に人気のあった格闘ゲームで、簡単なボタン操作で技が出せ、コンボも
繋げやすく爽快感が高いと評判であった。
それならさすがの那月もとっつきやすいだろうとそれを選び、買ってもらった
次の日、意気揚々と那月の家へゲーム機本体とソフトを持っていって誘った。が、
結果は上のような返答であった。
さすがの堅悟も肩透かしを喰らった。台所の方から那月の母である妃月(ひづき)
のくすくすと笑う声が聞こえた気がした。きっと今は、那月と瓜二つな顔でにこにこ
しながらお昼の準備をしていることだろう。
那月はリビングでくつろいでいた。クッションを抱え、深く身を沈めるように
ソファに丸くなって座っている。堅悟に顔を向けず返答した那月の視線の先には、
二頭身の動物をモチーフにしたキャラが動き回るアニメが映っており、真剣な眼差しで
観賞している。
学生の休日としては実に不健康である。今からゲームをしようとしている時点で
不健康ぶりはどっこいどっこいであるが。とにかく那月を誘えない限り堅悟としては
ゲームを買った意味が無い。さて、どうやって喰い付かせようかと模索し、一つの
アイデアを閃いた。
「じゃあこうしよう。そのゲームで那月が勝ったら、今日の引っ付きタイムは延長しよう」
那月の耳がぴくっと動いた気がした。抱えたクッションを裏表を持ち替えたり、
こちらをちらちらと見始める。
掛かった。堅悟は更に畳み掛ける。
「そうだなぁ……。それじゃあ那月が一勝するごとに一分延長でどうだ? 全部で十回勝負、
お前が全勝すれば十分延長だ。どうだ、やらないか?」
「やる」
即答だった。いつの間にか堅悟の腕の中にあったゲーム機を引っ手繰っており、
テレビに接続しようと四苦八苦していた。
――そんなにいいのかねぇ……。
本当に那月は抱擁されるのが好きだなぁと、堅悟は呆れ半分照れ半分でビデオデッキに
ケーブルを接続しようとする那月へと歩く。
「堅悟、映らない」
「当たり前だ馬鹿。これはこっちに繋げてだな――」
こうして那月と一緒に肩を寄せ合い圧し合いしながらゲームを繋げていった。妃月の
鈴の転がるような堪え笑いが聞こえた気がした。
――しかし、その後。
ゲームを始めると、お互いゲーム初体験ということでぎこちない動きでどっこい
どっこいな結果になると思ったが、本々の才能か、はたまた欲に駆られてからか、
那月は鬼のような強さで全勝した。最後の勝負なんて開始直後、先手で打ち上げた
那月のキャラがその後エリアルコンボで繋げ、堅悟に為す術などなく逆に清々しく
なるほどのパーフェクトKOを収めた。
堅悟は唖然としたが、約束は約束なのでその日の抱擁タイムは十分延長となった。
余談だがその日のお昼、堅悟は那月の家でご一緒した。その時に妃月が、
「ゲームで無理なら現実で那月に寝技かければ?」
とそっと耳打ちし、堅悟は口に含んでいたご飯を盛大に噴き出した。
妃月は色々とぶっ飛んでいた。そこらへんが那月の母親だと堅悟は深く納得している。
だが話はこれで終わらず、その後も那月は味を占めてかゲームをしようと逆に誘い始めた。
もちろん最初に堅悟が提示したルール付きで。堅悟もリベンジも込めて挑戦したが、一度と
して勝つことはなかった。むしろどんどん那月は強くなっていった。試しに他のジャンルの
ゲームでも勝負してみたが結果は同じであった。
そんなわけで、一勝で一分延長のルール付きでゲームすることが禁止になるのに時間が
掛からなかったのは言うまでもない。それ以来、時々遊ぶときにしかゲームは引っ張り
出されなくなった。
――この出来事がきっかけで数年後、那月が隣町にある大型ゲームセンターで、
あらゆるレコードのトップに君臨する謎のゲーマー『NATSUKI』となることは、
このとき誰も知らない。
「……いい加減機嫌直せ」
「むぅ〜」
「はあ、どうしたらその口は引っ込むのかねぇ」
「じゃあ……お風呂、一緒に入る」
「……お前なぁ、中学生になったんだから一緒に入るのはさすがに」
「むぅ〜〜っ」
「わぁかった分かった! ……今日限りだぞ?」
「やったっ」
「全く……」
「堅悟、大好きっ」
「……ああ、俺も好きだよ」
――その頃から二人の関係が少しずつ変わり始めることも、誰も知らない。
以上です。では。
セックス
おお、那月懐かれ新作キテター!! いつも読ませてもらってます。
これから二人の関係がどうなっていくのか、とても楽しみです。
これは期待大
休日でこの破壊力なら誕生日とか一日中か!?
>誕生日
ソレダ! もうきっと片時も離れずにべたべたしまくるんだろうなぁ……。和むわぁ。
564 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:07:05 ID:zHLEIoV8
この二人の初キスとかどんなんだろうな。
保守小ネタ。
某スレのスピンオフ。
「――次、狙撃手にフランツ」
「うい」
「斥候にフランツィスカ」
「――ちょっと待った、コルネリア騎士隊長。ウチの義娘は来てないぞ」
「そうなのか? では、その鞄から突き出てる尻尾は一体何だ?」
「!? おい、フラン!」
「にゃー」
「にゃーじゃない! お前、あれほど留守番してろと言ったのに、何故付いてきている。遊びじゃないんだぞ?」
「うん、知ってる。演習だよね。だからとーさまのお手伝い!」
「フランは先ほども言った通り、斥候だ」
「とーさまと一緒?」
「無論だ」
「じゃあやります!」
「ちょっと隊長!? コイツは正式な隊員ですらないんですよ!?」
「私は使えるモノは猫の手でも使う。君の義娘は大変有能な手をしている。問題はない」
「いや、大ありでしょう普通……」
「ウチの隊は、その辺は柔軟性が利くのだ」
「単に大雑把なだけじゃないですかい……」
「何せ問題児が多いからな」
「……隊長(アンタ)が言いますか」
「とーさま、落ち込まないで。フランは一生懸命頑張るよ。とーさまのお役に立ちます!」
「うむ、頑張れフラン。君の夜目は実に有効だ。敵陣の監視は任せたぞ」
「はい、任されました! とーさま、行こ!」
「うー」
「寒いねとーさま」
「だな……ってお前、どこに潜り込む気だ」
「にゃー。とーさまの懐はあったかいのです。ぬくぬくです」
「まあ、いいが」
「眠くなってくるのです……」
「――仕事しろコラ」
脈絡なくてスマンです。
思いついて書いたので投下せずにいられなかった。
なお、フランの体格は子猫と同じです。
566 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 23:14:52 ID:0b6XMEd1
>>565 残念ながら元ネタが分からないんだぜ><
教えてくれ、いや教えてください。
ほす
569 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 16:57:41 ID:m8wIGhKk
ほ
那月を無視し続けて泣きながら抱きつかれても舌打ちをして振り払いたい
571 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 21:37:18 ID:EGMnep5s
>>570 なんてSだ!!
だが、那月が泣きながら堅悟に抱きつくシチュエーションは読んでみたいw
そろそろ精神的に燃料が切れてきた…。
まとめサイトってないのかい??
>>573 今から君が作れば存在することになるが。
>>574 そうか、そう言ってくれるか。
君に任せる、よろしくな。
576 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:22:57 ID:/iRg2B+M
ほす
うちの犬(もうすぐ7歳のオッサン)見てて思ったんだが、甘えん坊と寂しがり屋って両立できないか?
論理集合で表現すると
甘えん坊⊃寂しがり屋
みたいな感じで。
犬「あんさんがいなくて寂しかったのじゃ」
上のを要約して変換するとこんな感じか?
>>577 むしろ王道だな。アレは実に素敵なものだ。
580 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:15:54 ID:mIQhm2Jo
神降臨マダー??
これで最後の投下から三週間…。長いなぁ。
と、投下します・・・。
注意点
・エロはありません。
・続くような終わり方ですが、続きもありません。
・甘えん坊になっていく過程ですので、直接の甘え度は低めかも。
では投下します!
ある日の事、俺――上月一郎が昼食を摂ろうと屋上にやってくると、
そこには先客がいた。
「甘えん坊……」
茶屋野鞘乃(さやの さやの)という面白珍しい名前を持つ彼女と、
俺は何かと縁があるようで、よく話をしたりする機会があり、今では友人と
言っても差し支えないくらいには親しくなった。
変わり者として有名な彼女は割とクラスの中でも浮いていて、男女合わせて
考えても、彼女とこれほど頻繁に接する人間は、俺くらいのものだろう。
まあ、変わりモンではあるが、結構可愛いし、縁がある事自体は
歓迎している。たまに悩む事もあるが。
閑話休題。
彼女は難しい顔をして――まあ、俺以外の奴には、いつもと変わらない無表情な
顔にしか見えないだろうけど――何やら考え込んでいた。
「どうした、茶屋野?」
「うむ、上月。先日友人から借りた本を読んでいた所、男子が嗜好する女子の
傾向として、甘えん坊な女子が好まれるという情報が載っていた」
「……どんな本読んでんだよ」
「だが、感覚として『甘えん坊』というのがどういう性質の事を指すのか、よくわからない」
「へえ……確かにお前はあんまり誰かに甘えたりしそうにないよなぁ……って、
お前誰か好きな奴でもいるのかよ」
「いるぞ?」
茶屋野は、何を今更当たり前の事を?といわんばかりの表情で、首を傾げる。
まあ、確かに俺達くらいの年頃になったら好きな奴の一人や二人はいて当たり前かもしれないが……。
「……しかし、意外だな」
「……む。失礼な事を言われたような気がする」
「あ、そういうつもりじゃなかったんだが……すまん」
「ふむ、許そう」
「いやな、お前って生真面目だし、男みたいな喋り方だしさ、そういう事にはあまり
興味ないんじゃないかと思ってたから」
彼女は、珍しく笑みに似た表情を浮かべ、俺の額を小突いた。
「いたっ……何すんだよ」
「先入観で人を判断するな、上月一郎。私とて、人並みに恋くらいするぞ」
「へえ……で、相手は?」
俺の言葉に、またしても彼女は珍しい表情を見せた。
一瞬だけ、泣き出しそうな顔を。
「……え?」
俺が戸惑っている間に、その表情は消えうせ、彼女はまた無表情――に見える
難しい顔――に戻った。
……何だったんだ、今のは?
「秘密だ。当然だろう」
「まあ、そりゃそうだよな」
……何事もなかったかのように、彼女は再び悩み始めている。
何だったんだ、一体……? 俺の見間違い……って事はないと思うけどなあ……。
「男子である君に聞きたいのだが、男子はどういった女子を甘えん坊だと認識するのだ?」
「へ?」
唐突な質問に俺は間抜けな声をあげてしまった。
「君は甘えん坊の女子に興味は無いのだろうか?」
「え、あ……いや、考えた事もなかったな……けどまあ、女の子に甘えられて
嬉しくない男はいないんじゃないか?」
「ふむ……では、質問の仕方を変えた方がいいか。どういった行為を『甘えられている』
と認識するのだ、君は?」
……なんか妙な話になってきたな。
「人それぞれだから、俺のを聞いても仕方が無いと思うけどなぁ……」
「構わん。まずは一つのケースとして、君のそれを知っておく意味はあるだろう」
「……それって俺以外にも聞いて回るって事か?」
「………………」
何故黙る。
「……必要があれば、そうするかもしれないが……そんな事はどうでもいいだろう。
私は今君に聞いているのだ。君が答えたくないのでなければ、教えて欲しい」
……何か、変に必死な気がするな。
それくらい好かれてる、茶屋野が好きな奴に、俺は少しだけ嫉妬した……って、
なんで俺が嫉妬するんだ? 別に俺は……。
「……まあ、別に答えたくないわけでもないし、いいっちゃいいよ。ちょっと恥ずかしいが」
「感謝する」
……感謝されてしまった。
しかし、いざ考えてみると、俺も甘えられた経験なんてないし……どうしたもんか。
「そうだな……事あるごとにくっついてきたり、とか?」
「ふむ、こうか」
彼女は俺の腕を取り、身体を寄せてきた。
意外にも……と言ったらまた怒るんだろうが、見た目よりずっと柔らかい感触が、
俺の腕に当たった。
「うん、そうそう、そんな感ってまておい!?」
「なんだ? 違うのか?」
「ちちちちち違わないが、ととととととりあえず離れろっ!?」
「……君は甘えん坊な女子が好き」
「へ? あ、うん」
「そして、甘えん坊とはこうしてくっつくものなのだろう?」
「いや、そ、そうだと俺は思うが……」
「じゃあ問題ないだろう」
「ちょっと待てって! それとこれとは話が」
「同じだ」
……なんだろう、この有無を言わさぬ迫力は。
「わ、わかった! わかったけど、ちょっとだけ力緩めろって!」
「? どうしてだ?」
「……胸当たってるんだって!」
「………………」
……あ、真っ赤になった。まさか気づいてなかったのか?
「こ……これは、当てているのだから問題ない」
「なんでやねん!」
「それとも……君は、嫌なのか? こうやって……その、胸を、当てられるのは?」
珍しい、ホントに珍しい彼女が言いよどむ姿に、俺は何故かドキッとした。
「嫌なわけないだろう! ……ってそうじゃなくてっ!?」
「では問題ないな。続きだ」
顔真っ赤にしてそんな事言われてもなぁ……。
「……お前のほうは、嫌じゃないのか?」
「問題ない。そう言ったはずだが」
だから顔真っ赤にして言うなよ……。
「実際にやってみなければ、何事もわからない。そうだろう?」
……ああ、そうだよな、そうだったな。
俺は練習台なんだから、黙って彼女の練習に付き合ってればそれでいいんだった。
「……はぁ」
俺はため息を一つ吐くと、茶屋野に言った。
「俺だって、健全な男子なんだぜ? あんまり無茶してると、狼にならないとも限らな」
「大丈夫だ。上月、君は優しいからな」
………………。それってどうなんですか、男に対する評価として。
「……はぁぁぁ」
先より深いため息を一つ吐いて、俺は覚悟を決めた。
そこまで信用されてるなら……我慢して、付き合わなきゃ仕方が無いよな、男として。
「さあ、続きだ。他にはどんな事がある?」
俺は努めて腕に感じる柔らかい感触から意識を逸らしながら、考えた。
考える事に集中する事で、何とか、こう、意識を………………………………あ、もうだめ。
「……そうだな、抱きしめてもらいたがったり……」
信用に応えられなかった俺を許してくれ、茶屋野。
だけどもう駄目です。もう限界です。
「あとは……キス、してもらいたがったり、とか?」
「……抱きしめる……それに、口付け、か?」
そう言えばどうなるかという事をわかっていながら、俺はそう言っていた。
茶屋野の信用に付け込む後ろめたさが一瞬胸に刺さったが、すぐに欲望に流されて
どこかへ行ってしまったようだ。
「そう、だな」
「わかった。……こちらから、求めればいいのだな?」
「そう……だな」
「……上月……抱いてくれ」
………………。
「待て待て待て。違うから違うからそういう意味じゃないから落ち着け落ち着け俺」
「? どうした?」
「エドはるみの如く暴走しそうになっているのでしばらくお待ちくださいっていうか
お前わかってやってたりしないか実際?」
「何をだ?」
……どうやら素でわかっていないようだ。
「……そういう時はだな……ギューってして、とか、そういう感じで。
抱いてくれだと意味が違ってくるから」
「なるほど。勉強になる」
こちらは心肺機能が鍛えられそうです。
「じゃあ……ギューって、して?」
普段のそれとは程遠い口調で、彼女はそう言った。
俺の腕を抱きしめるようにしたまま横に立ち、上目遣いで俺を見上げながら。
俺の言葉をそのままなぞった結果なのだろうが……俺は、またしても見えた普段と
違う彼女の姿に、またしても胸を高鳴らせていた。
……本当に心肺機能が鍛えられそうだな、こりゃ。
「……わかった。じゃあ、ちょっと離れて……手、広げて」
俺は、言われた通りの体勢で待つ彼女の身体に両手を回し、軽く力を込めた。
「ぎゅー」
……何か口で言ったら馬鹿みたいだな。
「……温かいな、上月の身体は」
知らぬ間に、彼女の両手も俺の背に回り、もっと近づけとばかりに力を込めてくる。
「……茶屋野も、な」
「気持ちいい……ホッとするな」
俺の腕の中に、茶屋野がいる。
さっき腕に感じた柔らかさを、身体全体に感じる。けれど、それはさっきそうだったように
欲望を招く事はなく、むしろ……安心感というか、酷くホッとする感じを、俺に与えてくれていた。
小さく、彼女の鼓動が俺に響いた。俺の鼓動も、きっと彼女に届いているのだろう。
それが、何故か酷く嬉しかった。
視線を下ろすと、俺を見上げた彼女と、目が、あった。
「上月」
その顔が、どこか嬉しそうに見えた……そんな気がした。
彼女の瞳の中の俺が嬉しそうな顔をしていた事は、間違いないのだけれど。
俺の腕の中に、茶屋野がいる。
さっき腕に感じた柔らかさを、身体全体に感じる。けれど、それはさっきそうだったように
欲望を招く事はなく、むしろ……安心感というか、酷くホッとする感じを、俺に与えてくれていた。
小さく、彼女の鼓動が俺に響いた。俺の鼓動も、きっと彼女に届いているのだろう。
それが、何故か酷く嬉しかった。
視線を下ろすと、俺を見上げた彼女と、目が、あった。
「上月」
その顔が、どこか嬉しそうに見えた……そんな気がした。
彼女の瞳の中の俺が嬉しそうな顔をしていた事は、間違いないのだけれど。
「次は……口付けだな」
「……ああ、キス、だな」
「上月……」
彼女が、俺の腕の中で瞳を閉じる。少しだけ顔を上に向けて、俺を……待っている。
「……茶屋野」
少しだけ、さっきの抱擁で欲望が落ち着いたからだろうか。押し流されたはずの
後ろめたさが、僅かだけれど戻ってくる。
いいんだろうか。このまま、彼女の唇を奪っても。
ファーストキスだったら……本当に好きな奴と、した方が……。
「上月……はやく、して……キス」
……茶屋野の言葉で呼び起こされた欲望が、再びそんな後ろめたさを、躊躇いを押し流す。
「……いくよ」
「ん」
俺も、瞳を閉じた。
段々、顔を近づけていく。少しずつ、茶屋野の吐息を感じて――
「……んっ」
「………………っ」
二人の唇が、重なった。
「………………」
「………………」
直接、彼女の温もりを、唇の温かさを感じる。
それが、嬉しくて……だけど、嬉しさだけではなくて。
これは……気持ちいい、という事なんだろうか、これが?
「………………」
「………………」
長い、長いキス。
ずっと、ずっと、その嬉しさを……気持ちよさを感じていたくて、彼女の唇を、
自分の唇で感じていたくて……俺は離れられなかった。
彼女は……茶屋野は、どうなんだろう。どう思ってるんだろう。
「………………」
「………………」
その長い、長いキスにも、終わりがやってきた。
キーンコーンカーンコーン
昼休みの終わりを告げる、チャイムの音。
それを合図に、名残惜しげに俺達は離れた。……まあ、少なくとも、俺は名残惜しかった。
「……昼休み、終わっちゃったな」
「………………」
「茶屋野?」
「……あ……な、なんだ、上月」
「どうしたんだ、ボーっとして」
「……いや、その……だな……な、なんでもない!」
「キスが、気持ちよすぎたり、とか?」
「………………うん」
照れくさくて、冗談めかして訊いた俺の言葉に、彼女は意外にも頷いた。
「初めて、だった………………こんなにも、良いものなのだな、口付け……キスというものは」
その顔に浮かんでいるのは、いつもの無表情ではなく、恥ずかしそうな、嬉しそうな、
そんな微妙な表情。……今度は、俺がそんな彼女の顔に見惚れて、ボーっとする番だった。
「もっと……したい。駄目か、上月? 上月は……気持ちよくなかったか?」
「………………」
俺が答える事ができないでいると――彼女のはにかむような笑顔に見惚れていたからだ――
照れて、真っ赤になった顔で、彼女は俺の腕を取った。
「こういう風に……せがむもの、だと思うのだが……違うか?」
「え……あ、は……え?」
「甘えん坊な女子というのは、こういう風な感じではないのか?」
「……え、あ、うん……そんな感じ、かな?」
「ならば問題ないな。この調子でもっとしよう……その、キ、キスを」
「……う、うん」
「授業はサボタージュだ。今日は君にこのまま甘え続けるぞ。構わないか、上月?」
構わないどころか、大歓迎ではあるんだけど、何というか、その……初めて知ったな。
茶屋野って、こういう風な顔で、笑うんだな……。
「俺は……別に、構わないよ」
「良かった!」
ああ、そうか。俺は、茶屋野の事が好きなんだ。
「では……まずは、ギューってして?」
「おっけーおっけー」
俺は、請われるがままに、茶屋野の身体を抱きしめた。
顔をほころばせながら、ギューっと抱きしめた。
今まさに、好きだと気づいた人の身体を抱きしめられる事を、そんな彼女と唇を
交わせる事を、幸せだと感じながら――――――
結局、その日は日が暮れるまで、俺達は二人で抱きしめあい、キスを交わしあい――
俺達は、互いの想いに気づくその日に至る、最初の一歩を、踏み出した――
-終わり-
ここまで投下です。
糖度高すぎですGJ
これで糖度が低めだと……?
貴様!俺たちを殺す気か!
もっとやってくださいお願いします!
ニヤニヤが止まらないwww
これで糖度低めだと言うなら、糖度普通はどんなのになるんだ……?
くっ、近所のスーパーから砂糖が無くなってたぜ・・・・・・
なんという糖度の高さ、GJ!
治療中の虫歯が悪化したではないか!!
我々は謝罪と続編を要求するッ!!
GJ
最初は女の子がクールっぽくてどうなんだ?と思ったんだけど、大間違いでした・・・。
むしろギャップがいい・・・。
あのぅ、午後ずっとキスだけですかぁ?
最近の若い者は・・・・
だから少子高齢化が止まらないんだ!!
次の世代を育むため、我々には進展を見守る義務がある!
その後についての報告を要求する!!!
(時間かかってもいいからね)
投下します。
・非エロです。
・糖度控え目です???
・非情に王道構成かもですが、宜しくお願いします。
「なぁ?聞いたかぁ?木本?」
「うん?何の話だぁ?」
昼休み、いつものように昼食後に、職場の前の公園で春の日差しをあびながら、木本卓也は、同僚の大下健と時間をつぶしていたとき、
いかにも、良い話があるんだとの顔をしながら、大下は、木本に話かけていた。
「なんだ。しらないのか。今日もあったみたいだぞ。5シスの姫の爆発がぁね」
「あ〜、なるほど。寺島先輩の話かぁ」
「そそ。って、お前は学校の先輩の話なのに、相変わらずあまり無反応だなぁ」
「まぁ、学生時代とあわせると、もう3年になるからなぁ」
「もう、聞きなれた話ってことかぁ」
「まぁなぁ。でも、一体今回はどういうことなんだ?」
「それがなぁ・・・」
***
「ただいまぁ〜」
誰もいないのは、わかっていても、卓也はいつもの癖で、自宅の玄関をあけながら、苦笑を浮かべる。
--- しかし、ほんとに今日はまいった・・・。
スーツを脱ぎ、部屋着に着替えながら、卓也は今日の昼休みの事を思い出す。
--- う〜ん、俺もまだまだかなぁ。大下の奴に変なふうにとられてないといいんだけどなぁ。
着替えを終えた、卓也は、いつも通りキッチンへ向かい、冷蔵庫の中身を確認。
さて、今日の晩御飯は何が出来るかと、吟味を始めていたとき、その音が聞こえた。
ドンドンドンドン!
うわぁ。
ドンドンドンドン!
ずっと鳴り続ける、自宅のドアを叩く音。
すみやかに、冷蔵庫の扉をしめ、卓也は、玄関先に急ぐ。
いっこうになりやみそうになり、ドアを叩く音を尻目に、冷静に覗き口から、外の様子を眺め、あきれた表情を卓也を浮べつつ、ドアをあける。
「うるさいですよ。どうしました?」
ドアをあけると、そこには一人の女性がたっていた。
彼女は、不機嫌そうな顔をしている。
ちょっとめずらしい。いつもならば、こんな表情は俺には見せない。
--- へぇ〜
内心、驚きを覚えつつ、一向にそこにつったったまま、何も反応を見せない、彼女に対して卓也は再度声をかける。
「一体全体、ほんとどうしたんですか?綾香さん?」
そう、そこにたっていたのは、お昼に、散々大下と話題にあがっていた、寺島綾香が立っている。
無表情ではあるが、不機嫌な雰囲気をぷんぷんに醸し出しつつ・・・。
そして、綾香は、すっと卓也に目線を向けたかと思うと、ずかずかと玄関から、卓也の家に上がりこむ。
「ちょ、ちょっと、待ってくださいよ。綾香さん。一体全体どうしたんです?」
卓也は戸惑いながらも、我が者顔に自分の自宅にずかずかと上がりこんだ、綾香の後を追う。
二人して、リビングまでやってくると、綾香は、もう一度卓也に目線を向け、リビングのフローリングへと目線を向ける。
「ここに座れと?」
一応確認するが、綾香は何も答えない。
さらに困惑の表情を浮べつつも、一応そうだろうと理解して、卓也はリビングで正座の姿勢をとった。
すると、向かいに同じように、綾香が座る。
二人の目線が再度絡み合う。それは、もうじっくり数分間・・・。
何もしゃべろうとせず、じっと見つめてくる綾香に若干の恐怖を卓也は覚えつつも、どうする事もできなかった。
--- こんな綾香さんは、初めてだなぁ
そんな事しか、浮かばない。
そんなとき、やっと綾香のその小さな口が開いた。
「私、聞いてない・・・」
--- はい?
「私、聞いてない・・・」
再度、なんとも悔しそうな口調で綾香さんは、まだじっと卓也を見つめつつ、言葉を発する。
もう、ほんと、何がなんだから、わからない卓也は、ただ、ぽかーんと、綾香を見つめるのみ。
--- いやいや、いかん!このままじゃ、拉致があかない!
ずっと、私、聞いてないを連呼する綾香の顔が妙にさらに不機嫌になっていくのを、恐怖に感じつつも、この状態を脱するために、卓也は、一歩踏み出す。
「その、綾香さん、不機嫌でしょうかぁ?」
「私は不機嫌です」
「その会社で聞きましたが、午前中の部下の失敗の件が尾をひいてます?」
「そんな事、もう忘れてます。過去の事などは、どうでもいいんです」
「えっと、だったら、何故綾香さんは、不機嫌なんでしょうかぁ・・・?」
「私、聞いてないもの・・・」
--- どうどう巡りだぁ・・・勘弁してくれ・・・orz
解決の糸口すら見えない状態で、ただただ、綾香はその点を無視しつつ、卓也に対して、私、聞いてないの連呼。
なんだか、雰囲気が不機嫌を通りこして、小さい子供が駄々っ子をするような態度に変化してきた綾香を眺めながら、うんうん、卓也はうなりながら、なんとかその内容を聞き出そうと、必死に問いかけを続けると、
「私、卓也が、明日から東京に出張なんて、聞いてません」
あれま?
やっと答えてくれた内容に、卓也は、やっと理解した。
「だって、言ってませんもん。っていうか、話がでたのが、昨日で、確定したのが、今日ですよ?じゃ、言えないじゃ・・・」
「言い訳なんて、聞きたくありません」
涙目になりつつ、綾香が卓也を見つめる。
そして、
「私は、怒ってるんです・・・」
綾香はそういうと、アップに束ねていた、髪の毛をとき、立ち上がると卓也に一歩近づいた。
とても綺麗な髪の毛をおろしつつ、卓也を見つめる綾香は、会社では、冷酷非情や、氷の女などと揶揄されている、冷たい印象が一切なくなってしまう。
なんというか、卓也より年上のはずなのに、印象がぐんと幼くなるのだ。
完璧なかっこいい女性の一面から、がらりと変貌を遂げて、かわいらしい少女のような一面がぐっと表にでてくる。
毎回、この変化のギャップに新鮮な驚きを覚えつつも、卓也は綾香から目線がはずせなくなってしまう。
そんな卓也を尻目に、綾香は卓也の目の前までくると、
「今から、卓也には罰をうけてもらいます。一切の卓也からの要求は却下です。受け入れません。私の要求だけを受け入れなさい」
としずかにいうと、卓也の膝の上に、綾香は腰をおろし、卓也の背中に腕をまわしつつ、ぴとっと密着する。
そして、そのまま目を瞑り、顔を胸へと押し付ける。
卓也は一切、動けなくなってしまった。
としずかにいうと、卓也の膝の上に、綾香は腰をおろし、卓也の背中に腕をまわしつつ、ぴとっと密着する。
そして、そのまま目を瞑り、顔を胸へと押し付ける。
卓也は一切、動けなくなってしまった。
「えっと・・・綾香さん・・・」
「却下です。何も聞きません。これは罰です」
「そのしかしですね・・・」
「卓也が、東京への出張をだまっていた罰です」
「ですから・・・」
「明日から、一週間も会えなくなるんです。その分、今日ずっと沢山、いつも以上に卓也に甘えます」
「いや・・・」
「却下です」
「でも・・・、あまり、いつもと変わらないようなぁ・・・」
「いつもは、少しは卓也の事を考慮にいれて、ほどほどにしてますが、今日は一切考慮にいれてません」
「おいおい・・・」
「うるさいですよ。だまって、甘えさせなさい」
「すねないで・・・」
「すねてないもの」
「いや、十分・・・」
「もう、だまってそのまま動いちゃ駄目!」
はっきり綾香に断言されてしまい、卓也はほんとに動けなくなってしまった。
--- はぁ〜ぁ
心の中で大きなため息をつきつつ、目線を綾香へ卓也は向ける。
--- これが、会社であの冷酷非情・氷の女なんて言われてる人か?ほんとに?
今のこの状態を会社の連中が見たらなんていうか。
考えるまでものない。みんなあごを落としつつ、目をまん丸に見開いて、こう叫ぶに違いない・・・
『嘘だぁ!!!!!!!!』
ってね。
俺だって、自分が当事者じゃなきゃ、そういうにきまっているもの。
なんて、そんな事を考えつつ、さらにぎゅっと密着してくる綾香の顔を眺めつつ、まぁ、こんなでもいいかと次第にこの状況を卓也はちょっと楽しく感じながら、
ぽんと綾香の頭をなでてやる。
すると、さらに綾香は幸せそうに、卓也の顔へさらに顔を埋める。
そして、不意に・・・
「卓也の匂い。いい匂い。この匂い大好き・・・」
とこっぱずかしい事を言い出す。
「あの・・・、あんまりくんくんするのはよそうね・・・。その俺、まだ風呂はいってないし・・・」
「やだぁ」
即答。
「でも、ほんと明日の準備も、俺しないといけなからね・・・」
「やだぁ」
「やだぁ、じゃないでしょ・・・あのね・・・」
「このまま、卓也を放さないでいたら、卓也東京いかなくてもいいよねぇ〜。うん、そうしようかしら?」
目をあけて、こっちを見た綾香は満面に笑みを浮べつつ、そんな怖い事を言う。
「いや、それだと、綾香さん仕事いけないでしょ?駄目だよ」
「卓也とずっとくっついていられるなら、仕事なんてしなくてもいいよ、私は?」
なんでそんな当たり前の事聞くの?みたいな顔を卓也にみせつつ、幸せ一杯の笑顔で綾香は、言う。
卓也は、その笑顔にあてられててしまったかのように、一瞬で顔が真っ赤に。
「やだぁ、照れるなんて、卓也可愛いね。でもあたり前の事なんだから、今更照れなくても」
テヘェってな感じでまたまたとても、普段の綾香を知る面々が決して見ることが出来ない笑顔を彼女はまた浮べる。
もう、卓也はそれだけで、部屋を駆け巡りつつ、俺の彼女はこんなに可愛いんだぞ、ほんとは!って、全世界に叫びたくなる気分になってしまう。
全世界は、でかすぎたとしても、会社中の人間全員には、是非とも言いたい。うん、言いたいぞ!
とそんな馬鹿な事を考えていると、綾香が卓也の手を取ってもぞもぞしだす。
うん?と綾香に目線を向けると、
「早く、ぎゅっとして・・・その頭なでるのも嬉しいけど、卓也で包んで欲しい」
とまた、可愛らしい笑顔を見せつつ、卓也に要求する。
--- これ罰ゲームなんだろうかぁ。
疑問の心の声に、異を唱えつつ、卓也は言われたとおりの事を実行する。
両腕を自分よりかは、小さな彼女の体を横抱きに全身を包み込むように、抱きかかえる。
すると、綾香は、顔を胸元から、卓也の首元の方へと移動し、綺麗な小さな口をまるで、卓也にキスマークをつけるかの如く吸い付かせて来る。
--- うわぁぁ、これは反則だろう・・・
卓也は、一瞬で何かに火がつきそうになりながらも、じっと耐える。
綾香の好きなようにやらせてやる。
すると、綾香は、今度は口元から、綺麗な舌先を出しつつ、卓也の首元をなぶりだす。
しかし、その行動には、いやらしさが一切ないのだから、たまらない。
純粋に、綾香は卓也に甘えているのである。
この状態になると、卓也は、綾香に何もできなくなる。
それは、彼女の過去と関係あるのだが、それは、また別のお話。
ついてしまった、火に悶々しながらも、卓也は、やっぱり綾香の好きにさせる。
それが、どれくらい続いただろうか、時間だと10分にもみたないかもしれないが、卓也にはほんとに数時間たっているような気がしてならなかった。
やっと首元から、綾香の口が離れたかと思ったら、綾香が、卓也に話しかけてきた。
「卓也、つらい・・・?」
「いや」
「我慢できない・・・?」
「いや」
「私もね、ほんとは、ちょっぴりつらいんだけど、でもね。この感じなんだか、好きなんだぁ」
「う〜ん。なんでかな?俺もだよ」
「今日は、ほんと甘えさせてね♪」
「好きなようにして下さい・・・」
すると、今度は、するすると、卓也の背中に回していた綾香自身の腕を卓也の目の前にもってきたかと思うと、卓也の頭をロックする。
さらに、トロンとした蒸気した美貌の人は、さらにとろけるような笑顔を浮かべ卓也の頬に、静かにキスをする。
最初は、ついばむように・・・。
柔らかく、優しく、溶け合うように・・・。
そして、綾香の口が離れていくと、さらに蒸気した顔で、綾香は、
「口には、卓也からしてね・・・」
熟れきった顔で、さらに恥じらいの表情を浮べながらも、綾香はリクエストをする。
最初は、命令口調で、これが罰ゲームだといいながらも、今の綾香はもう懇願する形になっていた。
卓也は、そんな彼女を愛しみ、彼女の期待に応えてやる。
最初は、唇が触れ合う形。
そして、徐々に、徐々に深く深く、お互いの唇を求めていく・・・。
「は……ふぁ…む……ぁく……ぉ……じゅ……じゅる……」
卓也は、何度しても全然あきない、綾香とのキスを深く、深く堪能する。
なんでだろう、どうして、こんなにあきないんだろうなぁ。ほんとに。
はっきりいって綾香が、卓也の家へくるたびにここ約3年、ほぼ毎回彼女から懇願される形でも、自分から強引に奪う形でも口付けの回数は重ねているはずなのに、
どうしても彼女との口付けには、毎回新鮮な感動を覚えるのである。
--- 不思議なもんだな。ほんとに
必死に一心不乱に、卓也の舌に自分の舌を絡ませながら、幸福な表情を浮べている綾香を半目で眺めつつ、卓也はさらに深く、綾香の舌をすする。
「うっ、うぅぅぅぅぅ・・・・・・はぁ・・・・じゅ、じゅる・・・くちゅ・・・ちゅぱ・・・はっ、はっ、はっ・・・もう、これ以上は駄目です・・・」
目はトロンとしながらも、綾香は、尚をおってくる卓也の顔を離し、そうつげる。
「なんで?」
「これ以上したら、本気に取り返しがつかなくなります・・・」
「別にいいんじゃ・・・」
「駄目です。今日のメインは、卓也に罰ゲームで、私が一杯甘える事なんですから・・・」
「いや、甘える過程で・・・」
「そっち方面は、東京から帰ってくるまで、お預けです」
めっ、というような目線を綾香はそういいながら、卓也に向ける。
「そんな、殺生な・・・」
「卓也がだまっているのが悪いのです。ですから、今日は、存分に卓也に私が、甘える日なんです。明日卓也が仕事にいくまでずっと離れません。」
「って、ちょっとまて、綾香さんも明日仕事でしょ?俺は、明日昼からの、新幹線でだから、ちょっとはゆっくり出来るけど」
「明日は有給とっちゃいました。仕事も一段落したことですし・・・。田辺課長から、明日の事を今日お聞きしてから、ずっとどうしてやろうかって、考えていたので、
このような結論になっちゃいました♪」
「えっ、ちょっとまって、明日までずっと、この状態・・・?」
「いえ、お風呂も入らないとですし、あっ、もちろん一緒に入りますよ。私の体綺麗に洗って下さいね。でもおいたはだめですよ♪」
「なっ!?」
「でもって、風呂上りはソファーでゆっくりしつつ、くっつきます。時々、キスは認めてあげます♪」
「うっ!」
「ベットでも無論一緒に寝ますね。でも、私が卓也を抱き枕状態でねていいだけで、卓也は一切手をだしちゃいけません♪」
「そんな、馬鹿なぁ・・・綾香さん・・・」
「私も辛いですけど、たまにはいいじゃないですかぁ。一杯甘えさせてくださいね♪一週間分」
そんな馬鹿なーーーーーー!
そんな状態で東京にいってみろ、俺は日々欲求不満で・・・
「東京いっても、おいたしちゃだめですからね。戻ってきたら、チェックしますので。私は卓也の事ならなんでもわかるんですから」
にっこりと、そんな事を言われながら、今日これからまっている肉体的というか、あっち方面での大いなる苦痛に必死耐えながら、明日より出張へ向かう我が身をのろ
いつつ、幸せの苦痛の波へ再度、綾香の求めに応じながら、卓也は向かっていくのだった。
以上
寺島綾香。
俺の学校の先輩であり、就職先での会社での先輩でもある。
彼女は、学生・会社ともに、注目を集めずにはいられない女性だった。
もう、それは完璧すぎる女性として。
学生時代から、全くといっていいほど、隙がなく、その立ち振る舞いは華麗であり、学校内で一身の視線を集めずにはいられない女性として。
会社内では、その余りにも完璧にこなす仕事への姿勢と、客先における完璧なコミニケーション。
彼女が進める仕事は、全くといって良いほど、無駄がなく、スケジュールに穴をあけることなく、余裕を持った形で業務を進めるのである。
会社内でも上司多数に覚えもめでたく、まだ26だというのに、そろそろ4月で昇進があるんじゃないかと噂があがっているほどである。
また、彼女が注目を集める理由としては、その美貌と、完璧なプロポーションにも素晴らしい付加価値を与えていた。
というか、男性諸君にとっては、そこが一番の理由か。
部署がちがう、卓也のところまで普通に毎日、
今日の寺島女史は、こんなに華麗だった!
5シスの姫君と、エレベーターが一緒だったんだぜ・・・もう俺幸せで死にそう・・・
だの・・・。
同僚や、先輩が話す毎日の内容が、そんな彼女の話題ばかりだった。
しかし、そんな彼女に欠点が一つ。
自分の近しい人には、自分と同じだけのものを要求するのである。
よって、彼女と一緒に仕事をしている人は、冷酷なまでに、とりあえず結果を求められてしまう。
今日の大下の話もその彼女の一面の話であった。
まぁ、話は簡単。
彼女と一緒に仕事にあったていた部下の一人が、リリースシステムのテスト時に見落としをしてしまった。
それだけじゃ、彼女は別にその『爆発』なんて表現を使われるようなことにはならないんだけど、その部下は、その事を隠していたのだ。
さて、そこからどうなるかぁ・・・。
ユーザに渡されたそのシステムから、不具合が発見。しかも、素人目にも、あきらかに開発側がおさえていかないといけない部分での不具合である。
彼女は、後で簡単に分かってしまうことこを、そのままに報告もなく、放置していたのか。
ここに怒り心頭になってしまったようだ。
彼女の美貌から、普段以上に一切の表情がなくなり、理路整然と、口調はやさしめの口調で、部下にとつとつと説明を求めたというのである。
周りにいた奴からの話は、まさにその場は、氷点下にまで空気が冷え切ったような雰囲気が作られつつ、話をされていた部下はその場で卒倒してしまったいうのである。
何も彼女の事を知らないものが聞いたら、何だ?その男は?
って周りがあきれるかもしれないけど、寺島綾香という女性は、まさに仕事においては冷酷非情なのである。
完璧なる美貌がまたまた、その彼女のまとう雰囲気を、クールにまとめ、なんとも人を中々よせつけないような人なのである。
---
「相変わらずだなぁ」
「まぁな。でも、仕方ないっちゃ仕方ないからなぁ。それとどうやら今日は寺島女史自体、あんまり機嫌がよくなかったみたいって話もあったからな」
大下もあきれまじりに、そんな事をいう。
「でもさぁ。木本?」
「なんだよ?」
「寺島女子は、学生時代からあんなだったのか?」
「はぁ・・・だから、何度も言ってるだろう?『鉄壁の寺島』って男から言われるほど、全然隙のみせない人だったって」
「普通の女だったら、信じられないけど、あの人じゃなぁ」
「でもさぁ。興味あると思わないかぁ?」
「何が?」
「寺島女史が、自分の好きな人の前にいる姿!」
ブホォ!!!!
「なんだよ!きったねぇ〜なぁ!」
盛大に口に含んでいた、お茶を芝生の上に吐き出してしまった。
「お、お前が、おかしな事いうからだろう!」
「なんで?別におかしな事いってないぜ?」
「いや、今迄の話から、どうして寺島先輩が、好きな人がいるや、そんな話になるんだ!」
と卓也は、いうと、大下ととてもしまらない、にへら〜とした顔で、卓也を見た。
「へへへへ、実はさぁ。俺この前ちょっ〜と、いいものみちゃったんだよねぇ〜」
「聞きたい?聞きたい?聞きたい?」
もう言いたくて仕方ないとでもいうような顔をしながら、大下は卓也におかしな目線を向ける。
「なんだよ!言いたくて仕方ないんなら、さっさと言え!このやろう!」
「うん?聞きたいかぁ。実はな、この前の日曜にな。○○駅でさ、寺島女史を見かけたわけよ。それがなんとだなぁ・・・」
そこで大下はまた、もったいぶったかのように、一呼吸をおく。
そして、思い出し笑いを浮かべながら、
「なんと、寺島女子が、すっげぇ〜、笑顔を見せてたわけよ!あの氷の姫君がよ!君!!すっげぇ、甘い笑顔をさぁ、男を見上げつつだよ!こんにゃろ!」
卓也の背中をばかすか、がしがし叩きながら、大下は言う。
「おいおい、って、大下、お前、相手の男みたのかぁ!」
なんか、卓也は変な汗を流しながら、大下に一瞬でつめよった。
「こら、痛い、痛いぞ!木本。こ、これじゃ・・・しゃ、しゃべれない・・・・」
卓也はいつのまにやら、大下の首をしめるほど、ネクタイをしめあげつつ、大下につめよっていた。
「す、すまん・・・」
「ハァハァ・・・なんだよ・・・変な奴だなぁ。あっ、そうか。なんだかんだ、興味がない振りしつつ、やっぱり木本、お前も寺島女史の事を・・・」
「そ、そんなことはいいんだよ。で、相手の男は見たのか?」
卓也は平静を装いながらも、相変わらず変な汗をかきつつ、同じ事を大下に言う。
大下は、そんな卓也に可哀想な目線をむけつつも、答えを返した。
「お前も残念なやっちゃの一人だったんだなぁ。残念だなぁ」
「だ・か・ら!」
「はいはい。わかってるって。相手の男ね。見たよ」
「な、なに!ど、どんな奴だぁ!」
さらに、興奮したように、卓也は大下につめよる。
大下は、さらに哀れみの目線を卓也に見せつつ、
「どんな奴と言われても、一瞬しかみてないからなぁ」
「へ?」
「反対ホームにいたんだよ。寺島女史は。んで、丁度俺が、気付いたときは、電車がきやがったから、その一瞬の寺島女史の笑顔のほうに気を取られていたから、
相手の男の顔見たっていっても、一瞬で、あんまり覚えてないわけよ」
「な、なんだぁ・・・そうなのかぁ・・・・・・ちっ、つかえないやつ」
「お前、それが答えてくれた、友人にいうセリフかよ!」
大下がちょっと、ふくれっつらになりながら、卓也の頭をはたいていたとき、卓也は、体中の緊張をときながらほっとしていた。
「でも、寺島女史にあんな風に見つめられる男っていったいどんな奴なんだろうなぁ?」
大下のつぶやきを遠くに聞きつつ、なんとか平静を取り戻そうと卓也は必死になっていた。
***
>>607 甘すぎて死ぬかと思った
あなたが神ですね
エイプリルフールねたですか?
だとすると、2日になってから種明かしをすれば罰ゲームの必要もなくなってえろいことし放題ですね。
と思ったけど>604の最後で主人公が出張の我が身のろってるじゃないか。じゃあ本当に出張でエロ禁止か。
ギャップ萌え狙ってるんだろうけど、投下順間違えたせいもあってか、クール分少なくてうまくいってないし。
ヒロインがいい甘えんぼうなのに残念だ。
よいこのみんな!糖分の取り過ぎには注意だからな!
>>609 いや、きっと1日の時点で出張取り消しになったんだけど、
エイプリルフールってことで上司が出張命令出しちゃったまま忘れてて
この後いい感じに盛り上がってきたところで上司から電話があって出張無くなった
こと知らされて卓也の反撃が始まる、とかそんなんだよきっと
612 :
607:2008/04/02(水) 23:07:05 ID:3DWOJjy6
『彼女という人』書き手です。こんばんわ。
>>608 そういって頂けると嬉しいでございます。
もったいないお言葉ありがとうです。
>>609 レス読んでやっとあっ、今日は4月馬鹿の日だったのかと気付きました。
基本は、ほんとにエロ禁止だったんです。
ってか、俺がまだ満足いくようなエロがかけなかったので、俺の中の甘えん坊
属性全快で書いたのが、あれなのです。
そして、極めつけが、投下のミス・・・。これは最悪ですね。
ほんと、申し訳なかったです。
>>611 ぬはぁw続きの展開そんな風に考えられるとは・・・
俺の中では、そっちの展開が考えられませんでしたw
4月馬鹿の日を忘れてる事自体が、まぁうん、駄目なところなので。
---
しかし、一本お話書いてみるって、非常に難しいですね。
このスレ前から好きだったのですが、結構過疎の感じだったので、頭の中
にあった妄想を始めて形にちとしてみたのですが、後から見てみると誤字
や、書き方にやっぱり未熟な点が多々ありますね。
ほんと、投下の点も合わせてすいません。
また、これにめげずよりクオリティ上げてなんか書きたい(続きか、新しい設定でか)
と思いますので宜しくお願いします。
では、感想・意見くれた皆様ありがとうございました。
>>612 過糖症で殺す気か!GJ!
ただ「〜かぁ」の小さいぁなんでもない所で使いすぎじゃね?
もうちょいピンポイントで使い分けた方が効果出ると思うけど
615 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 02:29:48 ID:9o4FyYSU
「……んっ……ちゅ、……んはぁっ」
二度目のキス。
微かに開けられた口に舌をねじ込み、彼女の舌に絡ませる。
くちゅくちゅと鳴る音が、どこかリアルで生々しい。
夢中になっているのか、彼女は時折苦しそうに喘いで空気を求めた。
「んん……、っあ……やあっ」
口を離そうとすると、彼女は小さくいやいやをする様に首を振りながら、更に強く自分の口を押し付けてきた。
―――離れたくない。
いつも以上にべったりとくっつけられた彼女の身体は、普段体温の低い彼女とは信じられない程に熱を持っている。
口付けたまま指で下着にそっと触れると、彼女は切なそうに身を捩じらせた。
「ほし……」
目を潤ませて彼女が呟く。
―――欲しい。
そう聞こえた気がして指を動かすと、彼女は首を振り、俺の耳元でそっと囁いた。
「…………………………ほしゅ」
(゚д゚)
あっちみんなwww
>>615 そりゃないぜwww
>>618 どうぞどうぞ。
てか、短すぎてあんまり甘えん坊面を出せなかったと猛省。
621 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 10:34:56 ID:dgZDLl9l
>>620 当然続きがあるんですよね。わかります。
622 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 13:56:19 ID:tK0TXf6u
ほ
も
アッー
625 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 01:02:39 ID:fEMom/8F
保守
626 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 17:58:11 ID:oIC25tLY
神は何処へ…?
天の岩戸
>>632 裸のねーちゃんが踊って騒げば出て来るわけだな!
このスレ的には可愛い女の子が
「お兄ちゃん、出てきてくれないとさみしいよぅ」
とか涙目で呼びかけた方が効果高いんじゃないだろうか。
>>634 そうやって兄の出てくるのを待っている女の子。
しかし、唐突に彼女を襲う強姦魔が出現。
「いやーーーーっ、たすけて、おにいちゃーーーーーーん!!」
ニア 1.待ってろ、今すぐに助けてやる!! →職人召喚成功
2.すまん! 俺にはここを出ることが出来ない!! →君はそのまま、彼女が犯されるのを見ているしかできない →寝取られスレへ。
3.ざーんねん、俺がお兄ちゃんだぁ! →めでたしめでたし
だがそれはお兄ちゃんの巧妙な罠だった
639 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:16:28 ID:jIo1QMz6
いつもべたべたとくっついてくる子と、いつも後を着いて来てそっと裾をつまんでくる子。
どっちの方が好き?
640 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 03:42:11 ID:yxrbdIjS
後者
同じく後者
無口スレからきた俺だが後者
両方
全部
学校や人前だと後を着いて来てそっと裾をつまんでるんだけど、
二人きりになったとたんにべたべたとくっついてくる子
そ れ だ
「
>>643の答えが一番素数だなぁと思った」
って何だ?と考え込んでしまった自分が居る
よし、落ち着いて素数を数えて、三のつく数だったら馬鹿になるんだ。
ゆとり「・・・す・・・すすう?」
652 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 02:53:20 ID:1q4+Fznl
「流行に則ってナベアツをしようと思うんだけど」
いつものように俺の腕の中で子猫みたいにごろにゃ〜と丸くなっているマイハニーが突然そんなことを言い出した。
こいつは少々突拍子も無い性格をしているが、今回もまたいきなりである。
「……ナベアツって、あれか? 3の付く数字のときだけ馬鹿になるとかって言う」
「イエスっ。というわけで3の倍数と3の付く数字の時だけキスしますっ」
「いや、普通にすれば良いだろう。なんでわざわざ」
「わかってないねぇ〜。たまにはこういう風に変化を与えることが長い付き合いの秘訣なのだよ?」
ちっちっちと指を左右に振って知った風なことを言う彼女。顔も何故か得意げに見える。
まあ、今日はすることも無く部屋でこうしてくっついていただけで暇だったからそういうのも悪くないかな、と思った。
「よし良いだろう。3の倍数と3の付く数字の時だけキスな」
「うんうんっ。それじゃあ……1、2――」
彼女が腕を俺の首の後ろに回し、そのまま体ごと持ち上げるように顔を近づけてくる。そしてその接近は止まることなくお互いの唇が触れ合った。
今までも何度と無く繰り返してきたキスだった。軽く押し付けるように数秒、一旦唇に触れた柔らかく艶々した感覚が離れる。
「4、5――」
そしてもう一度、キス。今度はさっきよりも少し強く、長く。すぐ近くで「ん……」と彼女のくぐもった声が伝わる。
「7、8――」
腕がきつくなったのか、なかなか動かない彼女の代わりに自分から口づけする。
「10、11――」
12、13、と連続で唇をくっつける。続けてだったのでついばむようなキスになる。
「……はぁ、14――」
休むことも一瞬、また彼女の唇に吸い付く。少し瞳がとろんとまどろんできた。
「……ん。16、17――」
少し変化をつけようとふっくらとした唇の間を舌で突付く。彼女も一瞬驚いたが、すぐに受け入れそちらも舌で応える。
口の間から漏れる吐息に熱が帯び始めた。
「……は、ンン……19……20――」
お姫様抱っこにように横向きに抱えられていた彼女はいつの間にか俺と正面で向き合い、背もたれていたベッドに押し倒さんばかりに唇を押し付けてくる。
積極的になり始めたら、彼女がノってきた証拠である。だが、そのまま押し倒される俺ではない。
「にじゅ――」
彼女が言い終わる前に彼女の頭を腕で抱え、無理矢理押し付ける23。不意打ち気味になった彼女はそのまま俺の為すがままに舌で口内を犯される。
しかし、ここで一度離した一瞬を付いて彼女の反撃である24。彼女の小さな舌が一生懸命俺の口内をれろれろ舐め回す。
「……はぁっ……ん、ぁ……に、25……26――」
貪りつくように、この時点でもはやだらしなく半開きになってしまっている口にしゃぶりつく俺と彼女。口の周りはもう二人の唾液でべたべただ。
「ふ、ぅん……ぁあ……にじゅー……はち……にじゅ、きゅ……――」
そして。
そこからはキスの嵐、嵐、嵐。お互いがお互いを求めるように、恥も外聞も無く口付けを交わし続ける。
部屋にはピチャピチャといやらしい水音が響き続けた。
そんなことしているうちに俺と彼女は、ベッドで抱きついて横になっていた。
何度目、いや何十度目のキスかで俺達は唇を離し、お互いの顔を見つめる。彼女の頬がすっかり赤く上気し、目も虚ろだ。
「……今、何回キスしたっけ」
「……え、っと。……えへへ、わかんないや」
頭の後ろを掻きながら照れ笑いを浮かべる彼女。うん、やっぱり可愛いな、こいつ。
「それじゃ、このまま……するか?」
俺の言葉を聞いた彼女はきょとんとしたあと、顔を俺の胸に埋めるように抱きついた。恥ずかしいのと、赤くなった顔を見られたくないときに良くする彼女の癖だ。
そして彼女は真っ赤になった耳を隠さずに小さく答えた。
「……うん。しよ」
すまんsage忘れた。え、続き? ないよ。
続きは無いよだ?貴様ぁぁぁぁぁ
GJだ!
>>653 GJ
裸で待ってるから、続きを出してください<(_ _)>
SS書こうと思って想像したら、ヤンデレな甘えん坊女の子しか想像出来なかったwwww
ほしゅSSに定評のある書き手が集うスレと聞いて飛んできますた!
>>655 ヤンデレな甘えん坊…是非ヤンデレスレに投下を!!
>>634で思い浮かんだセリフ集
お兄ちゃんと待ち合わせ。
待ち合わせ場所にはやく着いてしまった少女の呟き。
『待ち合わせ時間三十分前』
「えへへっ、早く着きすぎちゃった。だって楽しみだったんだもん」
『待ち合わせ時間十分前』
「お兄ちゃん、早く来ないかな?」
『待ち合わせ時間三分前』
「お兄ちゃんまだかなぁ?もう時間なのに……」
『三十分経過』
「もー、お兄ちゃん遅いよぉ!来たら三段アイスおごらせてやるんだからぁ!」
『一時間経過』
「お兄ちゃん、早く来てくれないと……寂しくて泣いちゃう……」
『二時間経過』
「お兄ちゃんの……ばか……」
リムルダールのカップルを思い出した
まったく、遅い。遅すぎる。約束の時間から二時間。いつになったらアイツは来るんだ。
俺は時計を睨みながら、待ち合わせ場所の銅像の前に突っ立っていた。
『おにいちゃんと映画、楽しみだなー♪』
なんて言ってた癖に、すっぽかすとはどういうことだ。携帯に連絡しても
まったく出やしないし……。
……でも、アイツは約束は必ず守る奴だしなぁ。
もしかしたら、何かあって……。
……家の方に電話してみるか?
けど、そうすると俺とアイツが会ってる事がばれちゃうしな……。
………………。
もう少し、待つか。
――一方その頃。
……なんでおにいちゃん来ないんだろ。約束の時間から二時間。遅いにしても程があるよね?
私は腕時計を見ながら、待ち合わせ場所の銅像の前に立っていた。
『お前と映画に行くのも久しぶりだなー』
って笑ってた癖に、すっぽかすなんてひどいよ……。
連絡しようにも、携帯はうっかり家に置いて来ちゃったし、番号は覚えてないから
公衆電話からもかけられないし……家にとりに帰ってる間にお兄ちゃんが来ちゃったら……
場所はここで間違ってないはずだし、もう少し……って思ってる間にもう二時間も経っちゃったよ……はぁ……。
でも、もしかしたら何かあったりして、来るに来れない状況に……。
……家の方に電話……はできないんだよね。私とお兄ちゃんが
こうして会ってるのは、家族には秘密だから。
………………。
もう少し、待とうかな。
『……早く来ないかなぁ』
「お兄ちゃん」
「アイツ」
「………………」
「………………」
二人の耳に、同時にお互いの声が届いた。
「……えっと、志乃季?」
「……一利お兄ちゃん?」
銅像の裏と表。
その瞬間、二人はお互いに、二時間そこで相手を待ち続けていた事に気づいた。
「……ずっと、いた?」
「……うん」
何とも言えない顔で、互いに顔を見合わせ……二人は、噴き出した。
「ははは、なんだよ、こんな近くにいたのか!」
「ふふふ……お兄ちゃんこそ、すぐ近くにいたんだね」
「銅像の前から動いたら、お前が見つけられないと思ってさ」
「私だって、お兄ちゃんが見つけられないと困ると思って動かなかったんだから」
「それで二時間待ちぼうけ、か」
「ふふ……ちょっと面白いね」
「そうだな、はは」
そう言って、二人は互いに手を繋いだ。
「……手、冷たくなっちゃってるね」
「……お前の手もな」
「身体も冷えちゃったから……ギュってしてくれる?」
「ああ……」
彼は、請われるが前に彼女の身体を抱きしめる。
彼女もまた、自分を抱きしめてくれる彼の身体を抱きしめた。
「……温かいね、お兄ちゃんの身体」
「そっか? ……ま、とりあえず、映画の前に、何か温かいもんでも食っていくか」
「うん!」
少しだけ名残惜しげにお互いの身体から離れ、それでもしっかり手は繋いだまま、
二人は夕暮れの雑踏の中へと消えていった。
ここまで投下です。
・・・気づけよお前ら。
個人的には読みやすくて好きだ GJ!
>>642じゃないけど、実際書いてみたら無口スレかこっちか迷うような話になった
you、どっちかに投下してどっちかにリンクしちゃいなよ。
ちょっと投下してみる。
ネタは
>>645とかから。
○月○日。
何の因果か、日記帳なるものを貰ってしまったので、今日から日記をつけようと思う。
元来筆不精だった自分にどれだけの詩的感性が備わっているかは甚だ疑問だが、やれるだけはやってみようと思う。とりあえずは向こう一年間の継続を目標にしよう。
この日記が使い切られることを願いつつ、筆を取る。
果たして時代が進んだせいなのか、それとも運と確率の問題なのか、俺にも彼女というものができた。
名を、栗山千由乃(くりやま ちゆの)という。
あだ名は『ちゅー』。さん付けする場合もある。恐らくは、千由乃、の音から来ているのだろうが、どうにも本人の本質を的確に表しているような気がする。
千由乃は電車を使って通学している。よって、朝は学校最寄の駅での待ち合わせが基本だ。
今朝は俺のほうが若干早く駅に着いた。といっても、そこまで差があったわけではなく、自転車を留めに行こうとする前に千由乃が出入り口から姿を現した。
向こうはまだこちらを捕捉しかねているらしく、きょろきょろと周囲を見回している。
「千由乃ー」
声をかけると、こちらに気付いたらしく、ほんのりと赤みのある顔をぱあっと明るく微笑ませて、こちらに走り寄ってきた。
近くの駐輪場に自転車を留め、そこから徒歩で学校に向かう。駅は俺の通学路の途中に位置しているので、俺としても負担がないのは非常に助かる。
その道中。
「千由乃、なんか今日は眠そうだな?」
こっくりこっくりと頷く千由乃は、どうやら首肯したのではなく春の陽気にまどろんでいるだけのようである。
それでも路肩に倒れたりしないのは、その小さな手が俺の制服の袖をしかとつまんでいるからだ。
千由乃は、一緒にいるときは基本的に俺の服の袖をつまんでいる。なんか落ち着いたりするんだろうかと聞いてみると、手をつないだり組んだりは恥ずかしいからだとか。
別に袖をつまむのも大して変わらず恥ずかしいんじゃないかと思ったが、本人はこのスタイルをとても気に入っているようなので、俺も気にしないことにしている。
「千由乃? だいじょぶかー?」
――こっくりこっくり。
なんだか頷いているようで紛らわしい。
……よし。
「千由乃ー! 火事だーーー!!」
「ふみいいいぃぃぃぃぃ!!?」
千由乃が飛び上がった。
嵌め手も典型的なら、反応もすばらしく典型的だ。
「? え、かじ、かじ、火事! 火事!? め、めがねめがね」
混乱は相当のものらしく、訳の分からないことを言いながら錯乱する千由乃は見ていて実に面白い。ホームビデオの番組とかで賞金もらえそう。
因みに、千由乃の視力は両目1.5である。
「よぉ千由乃、お目覚めかい?」
「お、お目覚めてる場合じゃないよ火事だよ逃げようよ早くやかんを」
「落ち着け、火事は嘘だ」
「…………ふぇ?」
「いや、うとうとしてて危なっかしかったから、つい」
「………………」
実に恨めしげな視線を送ってくる千由乃。
ほんのりと目に涙を溜めている。
これはなにかフォローの必要ありと見た。
「あーうん、まさかここまでいい反応が帰ってくるとは思ってなくてさ。悪かった」
なぜにもっと恨めしげな視線を送ってくる。
個人的にはすばらしいフォローだったと言わざるを得ないと思うのだが。
「……ゆ、愉快だったぞ?」
――ぷいっ。
そっぽ向かれた。
帰り道。
千由乃は学校でも結構素っ気なかったが、まだそれが尾を引いているようだ。
俺の半歩前をちょこちょこと歩く。
ちょこちょこちょこ。
小柄で歩幅の狭い千由乃の歩き方を表すには、この表現が非常にしっくりくる――などと考えながら、さてどう謝ったものかなと思考を巡らそうとして、
「ん?」
いつの間にか、千由乃が今度は半歩後ろにいる。と言うよりは、俺が前に出てしまったのか。
いつもは千由乃に歩調を合わせているのだが、ちょっとボーっとしているとつい追い抜いちゃうんだよなあ。
と。
千由乃の視線が、自分の目の前、俺の袖に向けられている。
ちらちら。
見てはぷいっと逸らしてはまた見てはぷいっと逸らし。
ちらちらちら。
ちらちらちらちら。
必死に誘惑に耐えるような行動を取る千由乃。
俺にそれをばっちり観察されてることなど、勿論彼女の頭の中にはない。
千由乃は必死なのだ。
――――ああ、もう、こいつは。
「千由乃」
突然動きをみせた俺に、千由乃はびくんと体を揺らす。やましい事を見つかったような反応。
そんな千由乃に、俺は自然と笑みを浮かべてしまう。
「ごめんな」
頭をくしゃくしゃと撫でてやる。笑って撫でて謝るなんて、言動一致とはとてもじゃないけど言い難い。
「――えへ」
でも、千由乃は嬉しそうな顔をした。
頭を撫でる手に、気持ちよさそうに目を細めて。
きゅー。
とかなんとか、小動物じみた鳴き声をあててぴったりの笑顔。
――――いや、反則だよな、これ。
その後は、いつもみたいに袖をきゅっとつままれての帰宅。
心なしか、いつもよりちょっと力が強かったと思う。
千由乃が家に寄っていきたいと言うので我が家へ。
千由乃の本領が発揮される時がやってきたようである。
「ほいジュース。おかわり欲しかったら言ってくれ」
こくり。
と頷きつつも、こちらに寄ってきて俺の隣を確保。
二人きりなのだから、そんなに確実なポジション取りをしなくても。
……と、始めは思ったりしたものだが、しばらくして、実はそういう問題ではなかった事に気付く。
ぴと。
ぴったり寄り添って、えへへと顔を綻ばせる千由乃。
「膝、乗る?」
こくこく。 頷くが速いか素早く俺の膝の上に乗った千由乃は、自分から俺の腕を取って身体の前に回す。
抱きしめる形になった腕に僅か力を込めながら、俺は聞いた。
「どーした、今日は。なんかやけに積極的」
「学校でできなかったもん」
拗ねたような声。
頬の赤みも増している。
「そっか? いつもとあんま変わんなくなかった?」
「そんなことないよ。今日はずーっと離れてた」
千由乃的な評価基準は俺のそれとは少々異なるらしい。
「そりゃ頑張ったな」
うそぶく俺に、
ぷー。
と頬を膨らませる千由乃は、原因は俺だとでも言いたげだ。
「……じゃあ、褒めて?」
「えらいえらい」
ぎゅー。
「……もっと」
なでなで。
「えへ……」
どうやったらこんな幸せそうな顔ができるんだろう。
「……ちゅーも」
あ、調子に乗ってきた。
「ん? 一人称変えたのかい? ちゅーさんや」
「…………いじわる」
「はいはい」
膝の上で向き直ってもらい、軽いキス。
唇が離れると、千由乃は恥ずかしそうに俺の胸に顔をうずめた。
きゅ。
いつの間にか背中に回された両手に、力がこもる。
――しかし、ここまでの甘えたがりもそう多くないのではなかろうか。
そんなことを考えつつ、ゆったりと時間は過ぎてゆく。
お互いに幸福感に浸れるなら、それはプラスでこそあれ決してマイナスではないはずだろう。
以上です。エロ無しですが。
多分続く。
>>670 一目見た瞬間から心奪われてしまった。
この気持ち、まさしく乙だっっっ!
乙!?
だが乙を超越すれば、それは続作への期待となる!
ふう…また糖分が増えたようだ
血糖値が急上昇したので謝罪と続きを要求します
>>78 板違いはローカルルール以前に削除ガイドライン違反なんだ・・・。
そして上でも言ったが、ローカルルールに規定の無い、
板趣旨にそぐうブログのヲチ行為は、必ずしも板違いには
ならないんだ・・・。
もういい加減諦めなって・・・ほんと・・・。
誤爆しましたw
私はパソコンの画面を見ながら首をかしげた。
「甘い……?」
なんで男の人と女の子がちゅーすると甘いんだろ?
女の子は甘いの好きだから? 好きな人とちゅーすると、甘い……とか?
……なんでなんだろう?
「おーい、お前炭酸駄目だったからリンゴジュースで……って何見てんだっ!?」
「え? なんか小説みたいなの載ってたサイト……見ちゃダメだったの?」
「え、あ、お、あ、うー、あー……その、だな、お前にはまだ早いんだ、これは」
タクちゃんは何故か慌てている。
……勝手にパソコン見られて、イヤだったのかな?
「ごめん、タクちゃん。勝手に見ちゃって」
「あー……べ、別に謝るこたないぞ。ただなあ、もうちょっと大きくなってから
じゃないと、そこ見たら怒られちゃうんだ。だから、もう見ちゃ駄目だぞ?
約束できるか、瑞乃?」
「タクちゃんは怒らないの?」
「あ、ああ……最初に言ってなかった俺も悪いしな。それに、別に変なものを
見たわけじゃないだろ?」
「うん」
私は首を縦に振った。
「ならいいんだ。……約束、できるか?」
「……約束する、わたし」
「よし、いい子だ」
タクちゃんは、悪い事をした私の頭を撫でてくれた。
もう悪い事をしないと約束したからかな? 何だか嬉しい。
「で、リンゴジュースでよかったか?」
「うん。リンゴジュース好き」
私はリンゴジュースの入ったコップを貰い、一口飲んだ。
甘くておいしい。
……私がリンゴジュースが好きだから、甘いのかな?
「ねえ、タクちゃん」
「なんだ?」
「好きな物だから甘いって感じるのかな?」
「ん? リンゴジュースのことか? ああ、多分そうなんじゃないか?」
「好きな人でも甘いの?」
「ブボォォォァ!?」
タクちゃんは、何故か飲んでいたコーラを噴き出してしまった。
……なんでだろ。
「……瑞乃、お前、変なもの、見てないんだよな?」
「うん、見てないよ」
「じゃあ、何を見たんだ?」
「男の人が女の人とちゅーしたら、周りの人が甘い甘いって……」
「……」
何故かタクちゃんは頭を抱えて身もだえしている。
……変なの。
「……あのー、ですね、瑞乃さん? 男の人と女の子がちゅーしてるのは、
十分『変な事』じゃないかなー?とか思うんですけどー?」
「別に、ちゅーくらい変でも何でもないよ。昨日も絵里ちゃんとしたよ?」
「どこに?」
「ほっぺに」
「………………」
……タクちゃんは安心したような、がっかりしたような、複雑な顔で
また頭を抱えてる。
……やっぱり変なの。
「けど、絵里ちゃんにちゅーしても、甘くなかったの。やっぱり男の人と
しないと駄目なのかな? 好きな人としないと駄目なのかな?」
「……さあ、それは何とも」
「……タクちゃんとしたら、甘いかな?」
「いぃぃっ!?」
何故かタクちゃんは飛びあがるように驚いて……あ、また頭抱えてる。
「タクちゃん、男の人だし。私、タクちゃんの事好きだよ?」
「ほっぺだと駄目かもしれないから、口でした方がいいのかな?
どう思う、タクちゃん?」
「……あのなぁ、瑞乃大人をからかうのもいい加減にしなさい」
あれ? タクちゃん、何か怒ってる?
「そういう事は、ちゃんとホントに好きになった人と、ちゃんとした場所で
しなさい。好奇心だけでしたら色々と後悔するぞ?」
「タクちゃん、後悔したの?」
「後悔するどころか、今までそういう事した事ありませんが何かっ!?」
……あ、怒ってる。私、何か悪い事言っちゃったかな……。
「じゃあ、私としよ?」
「だから」
「タクちゃんだからしたいんだし」
「うっ」
「タクちゃんじゃないと、こんな事言わない。他の男の人となんて、絶対イヤ」
「………………」
「それでも、駄目?」
「……真面目なくせに、一度興味を持った物に対する執着だけは
強いんだからなぁ……ホント、なんでこんな風に育っちゃったんだか」
タクちゃんは頭を抱えながら何か呟いている。
駄目なのかな? ……あ、そうか、私がタクちゃんの事好きでも……。
「ごめん、タクちゃん。私、自分の事だけ考えてた。私がタクちゃんの事好きでも、
タクちゃんが私の事好きかどうかわかんないもんね」
「……」
「……タクちゃんは、私の事、好き? 嫌い?」
「………………」
タクちゃんは、そう尋ねた私の事を、黙ったままずっと見てる。
半分呆れたような、半分嬉しいような、不思議な顔で。
「……瑞乃」
「……何?」
「後悔、するなよ?」
……!
「うん!」
タクちゃんは、私の事好きなんだ!
良かった! 嬉しい!
「じゃあ、こっち来て」
私は手招きされるまま、タクちゃんの膝の上にちょこんと座った。
「ちょっと顔上向けて……ホントに、いいんだな?」
「うん……タクちゃんとなら、いいよ」
「……じゃあ、いくぞ」
私は目を閉じた。
少しずつ、タクちゃんの顔が近づいてくるのが何となくわかる。
段々、段々、近づいてくる。
ちゅっ
そして……温かい何かが、私の唇に、触れた。
「………………」
「………………」
十秒くらいかな? もっとかな? 温もりが、私の唇に宿り続ける。
そして、離れていった。
目を開けると、顔を真っ赤にして私を見てるタクちゃんがいた。
「……甘かった?」
「……よくわかんない」
よくわからないけど、私は何だかドキドキしていた。
「わかんないから……もっと、して欲しいな……」
あ、タクちゃんがまた頭抱えてうずくまっちゃった……。
――次の日。
「というわけで……キス、しちゃった」
「えー、いいなぁー、瑞乃ちゃん。私まだなのにぃ」
「甘いかどうかはよくわからなかったけど……凄くドキドキして、
何だか気持ちよかった、かも」
「うぅ……羨ましいなぁ」
仲良しの絵里ちゃんに、昨日タクちゃんとした事を報告すると、
絵里ちゃんは凄く羨ましがっていた。
そういえば、絵里ちゃんにも素敵なおにいさんがいるんだっけ。
「絵里ちゃんも、きっとできるよ、おにいさんと」
「……まあ、かいしょーなしだからねぇ、カッちゃん……で? で? その先は?」
「先?」
「そうよ、もっとエロエロなことがあるでしょ!?」
「……よくわかんない」
「なによぉ、せっかくキスしてもらえたのに、続きは無し?」
「じゃあ、教えて?」
「教えてあげてもいいけど……せっかくだし、おにいさんに教えて
もらえったほうがいいんじゃないかな?」
「……そうか。そうだよね」
その日、タクちゃんに『SEXってどうやるの?』って聞いたら凄く怒られた。
もう少し大きくなってから、と言われたから、早く大きくならなくちゃ。
-終わり-
勃った
誰かインスリンくれ
勘弁してくれ
また歯医者行きかよ…
鮭、おかか、梅干し、こんぶ、ツナマヨ、照り焼きハンバーグ。
多種多様なおにぎりが俺の手によって陳列されていく。早くしないと痛んじまうからな。
ここは都内のとあるコンビニ。俺はここで一年ほど前からアルバイトをしている。ちょっとしたわけありで。
「おーい、清夜(せいや)くーん。こっち来てくれるー?」
「ちょっと待ってください……よっと」
最後に鶏五目を置き店長のところへ向かう。
「どうかしましたか?」
「清夜くんにお客さんだよ」
店長がそう言うと同時に、小柄な少女が顔を覗かせた。
「お、春(はる)か。つーことは……もう六時か」
俺の言葉に春は、こくん、と頷いた。
こいつ…春と俺はいわゆる恋人同士である。小柄で無口なこいつと平均的な背丈と性格を持つ俺。ある事件がきっかけで付き合い始めたのであるが、それはまたの機会に。
この時間ぴったりに春が来るのはもはやお馴染みの光景で、用件もいつも通り…
「これ」
そう言って差し出された包みを、俺はありがたく受け取った。
中身は手作り弁当。俺の動力源と言っても過言ではない。
この弁当があと二時間ほどあるバイトを乗り切るための必須アイテムなのだ。
店長に一言断りを入れてから裏方へ引っ込み休憩、もとい夕食に入る。
春も自分の弁当箱を取り出し、椅子にすとんと腰を降ろした。その隣に俺も座る。
と、いすががたがたと動いたかと思ったら、いつの間にか俺と春の椅子と俺と春がぴったりとくっついていた。
「……」
そのままなにも言わず俺の腕に自分の腕を回す春。おーい。
「……」
ついに弁当食べ始めちゃいましたよこの人。まるで、これが自然体だ、みたいな感じですよ。
まあ、ある意味本当なんだけれども。
幸い俺が右利きで春は左利きなので食事に不自由はない。というわけで、先に空腹を満たすとしますか。
ものの十分で平らげてやったぜ。腹減ってたし手作り弁当だしな。いつもうまい飯ありがとう、春。
「……ん」
いまの呻きは『どういたしまして』という意味だろう。
ところで春さんや。いつになったら腕を解放してくれるのかね。
「……」
黙殺されたよ。無視だよちくしょー。
しかしどんなときもポーカーフェイスだな。なんとか別な顔を拝めないものか…………そうだ!
俺は春の体をぐいっと引っ張り、そのまま自分の足の上に座らせた。
「…!?」
お、あせってるあせってる。やっぱかわいーな、春は。
「やっぱかわいーな、春は」
本心がそのまま言葉になった。まあ事実だし、別に問題はないだろ、うん。
「…そう」
そっけない振りしてもバレバレだぞ、春。顔も耳も真っ赤。
……そういやデザートまだだったな。今ここで食べちゃおうかな。
「うれしい……」
刹那、春が抱きついてきた。自然と頬が触れ合い、互いの熱を伝えあう。
いきなりの抱擁に少し動揺したが、すぐに抱きしめ返してやる。
案外こいつは甘えん坊だ。俺に抱きつくと落ち着く、なんて前に言ってたし、さっきみたく腕を絡ませるなんて日常茶飯事。
でも…まあ。
こうしてただ抱き合うってのも……悪くないかもな。
それから休憩時間が終わるまで、俺たちは抱き合っていた。
バイトが終わった後、春を俺の家に招待した。デザートをまだ食ってなかったらからだ。
もちろん残すなんて真似は絶対にしない。端から端までおいしくいただいたぜ。
ちょっと疲れたからもう寝るな。おやすみなさいっと
おわり
すまぬ。タイトルミスった
>>685でお願いします
しっかし、このシチュを書くのはなかなか難しい……
精進せねば
デザートはぷるっぷるで真っ白で甘甘な杏仁豆腐ですね!
わかります!
>>687 晩飯にドーナツがでて、デザートに角砂糖を出されたような気分だ。
けど磨いてしまうのは惜しいと思わないか?
一利あるな
とある雨の日のこと。もうすぐ葉桜が見え始める日。
バイトも終わって帰宅する途中、一人の顔見知りの少女を見つけた。
そいつは、傘もささずに立ち尽くしていた。
「よう。隣の席の春さんだったよな。こんなとこでなにを……」
何気なく前に回り込み、顔をのぞき込んでみる。そして、言葉を失った。
知っている。俺はこの顔を知っている
「……風邪ひくぞ。俺ん家この近くだから、よってけ」
そう言って傘に招き入れる。特に抵抗は示さなかったが、自分からは決して動こうとしない。
しかたなく手を握り歩き始める。
握ったその手は、氷のように冷たかった。
「風呂はいってこい。これ、着替えとタオルだ」
ぽん、ぽんと手に持たせ背中を押して浴室に向かう。そうでもしなきゃ動きそうにねぇ。重症だなこりゃ
脱衣場にたたき込みドアを閉める。さすがにここまで一緒はやばい。幸い着替えの音が聞こえたので風呂には入るようだ。
俺もちゃっちゃ着替えを済ませ、エプロンを装備する
「さて、今日の献立は…」
客を招いて飯を食わせるのは初めてだ。下手なものは出せない。
となると、得意料理でいくべきか。
結果、野菜炒めとコンソメスープができあがった。後はあいつが風呂から上がってくるのを…
「……」
「お、もう上がってたのか。そんじゃ、飯にすっか」
「……いいの?」
「もちろんだ」
「家に帰れないやつをほっぽりだすわけにはいかねーからな」
「……!」
その顔を見るに図星らしいな。ほぼ確信してたから予想通りってとこか。
「ま、詳しい話は飯食いながらでいいだろ。腹減ったし」
「…待って」
ん?どうかしたか?
「どうして、わかったの?」
どうして、か。まあ、強いて言えば…
「昔の俺と、同じ顔をしてたからな」
「…!それって…」
「ストップ。飯が先だ」
先に釘を刺し椅子に腰を降ろす。春はまだなにか言いたそうにしてたが、渋々と言った感じで俺の向かいに腰を降ろした。
そして、奇妙な夕食が始まった。
飯を食いつつ詳しい話を聞いてみた。結論から言えば、両親の喧嘩が原因らしい。
元々仲の悪かった親が何かのきっかけで大喧嘩になり、あれよという間に離婚となったらしい。
そして話題は、春をどちらが引き取るかということになり、両者共こう言ったらしい。
『お前の子供なんて願い下げだ』と。
wktk
気体するお
「やれやれ。ふざけた親ってのはどこにでもいるんだねぇ。子供の前でよくもまあそんなことを」
わざと嫌みっぽく愚痴ってみるが、それで春の気が紛れるわけでもない。つまりは無意味ってことだ。
「……あなたの両親も、そうだったの?」
「いや、微妙に違うな。常に冷戦状態だったが派手は喧嘩はしてなかった」
そのかわり、終わりはあっけなかったっけなぁ。
「確か……そうそう、入学式から帰ったら机に手紙が一つ。内容は『父さんたち離婚した。これからは一人で頑張れ』だったな」
「………それだけ?」
「ああ、そんだけ」
どうした?なんか顔色悪いけど、大丈夫か?
「…それから…ずっと一人で……」
そういう春の目には、なにか光るものが、ってもしかしてそれって…
「お、おい、どうした?なんで泣いてんだよ?」
「ひっく……だっ…て…私が、そんなことになったら…私……私…!」
…なるほど。確かに独りはキツい。俺は身を持ってそれを知っている。一度全て投げ出そうとしたこともあった。
ましてやこいつは女の子。いきなり世間に放り出されたりしたら、どうなるかは火を見るより明らかだ。
「…やだ……そんな……そんなの私…耐えられない……!」
そう言うと声をあげて泣き始めてしまった。
「お、おい春、落ち付けって」
「やだ…やだ……!」
ああもう、こういうときどうすりゃいいんだよ!?
えーっと整理整理。つまりこいつは一人でいることに不安を感じて泣いてんだよな?な!?
一人じゃないことを自覚させれば、ってどうやんだよそんなの!!
あー!もうわけわかんねぇ!どうにもなれ!
「春っ!!」
椅子をガタンと弾き飛ばしドスドスと春に近づきその勢いのままギューーっと抱きしめた。
「…え……ぁ……?」
「大丈夫だ!俺がいる!俺がお前を支えてやる!不安になったら甘えていいし、いつでも家に来い!つーかウチに住め!!だから泣くな!頼むから!」
一気に叫び切ると、春の顔が視界一杯にあった。まるでキスでもしそうな距離……は?
「それって……プロポーズ?」
……ひ?
「え、えっと………これからよろしく…お世話になりますっ」
……あれ?どうなってんのこれ?
プロ坊主?坊主にプロとか何とかあんの?
あれ、俺家族できんの?あ、どうぞよろしくお願いします?
「そ、それじゃ…恋人の…誓いを…」
あれ?この唇にあたってる柔らかいのなんだろ?
まず目に入ったのは、燦々と輝く日の光だった。
……夢?ユメ?
そっか、夢だったか。懐かしい夢だな。
俺テンパり過ぎだろ!とか、ブツ切りすぎないか?とかなんとか突っ込みどころは多かったが、俺とこいつの出発点を映した夢だったから良い夢の内に入るだろう。
なあ、お前も覚えてるだろ?春。
………まだ寝てるのか。ま、昨日は結構激しかったからな。疲れたんだろう。
俺は元気バリバリだが。
さて、まずは朝飯だ。日本の定番メニューにするか、俺の大好物であり、かつ今すぐ食べられる朝飯。
みんななら、どっちを食べるんだろうな?
ちなみに、今日バイト休み。ゆっくりたっぷり残さずたべるとしますか。
えっと、色々言いたいことはありますが、いくつかにまとめます
間あけてごめんなさい。ちとトラブルありまして。あと矛盾点については目を瞑ってください
内容的には清夜と春の出会い編みたいな感じです。糖度は自分的にはかなり薄め。もっとラブラブなの書きたい……
読んでくださった方、ありがとうございました
>>701 男が一方的にやりたがってるように見えて仕方がない。
女のエロに対する発言がないからそう見えるのかもしれん。
ラブラブなの書きたいんだったらもっと密着させなくちゃ。ついでにセックスもさせなきゃ。
確かに、今は男が暴れん坊なだけで、女の子が甘えん坊なイメージが無いなぁ。
これこれこういう出会いがあって、今はべったり甘えてくるよ、ってんなら、早く女の子を目覚めさせなきゃ。
私は一人。
たとえ周りにたくさんの人がいても、私を見てくれないのなら。
私は一人。
私は、世界に一人だけーーーー
「…い……る…おき……」
………ん……ぁ。
「起きろ、春」
あ…おはよう。清夜くん。
「よし、顔洗って朝飯食え。もう昼だけどな」
そう言って笑う彼。見ると、確かに日はもうすっかり高く昇っている。寝過ごしてしまったらしい。
「ま、昨日色々あったからな……っと悪い。もう時間だ」
「どこに行くの?」
「バイトだ。帰ってくるのは八時過ぎになるから、それまで悪いけど留守番頼む」
じゃあな、と言ってそのまま出かけてしまった清夜くん。
…とりあえず、顔を洗おう。
とてもおいしかった。彼は料理上手だと思う。
特にすることもないのでソファに座り、こうなった理由を考えてみる。
両親の突然の離婚。清夜くんとの出会い。そして、彼の告白。
私を支えてくれると言った。甘えてもいいと言ってくれた。
そんな言葉が嬉しくて、勢いだけでキスをしてしまった。あったかくて、幸せで、とてもとても満たされていた。
……でも。今は違う。
何故か、昨日感じた感覚は全て無い。代わりに感じているのは、不安。一人への、不安。
理解した途端、暗い気持ちが沸き上がってくる。潰されそうになる。
…大丈夫。もう一度寝て起きれば、また彼がそこに居てくれる。
そう、きっと……
暗い、暗い、世界。浮いているとも落ちているとも、なにもわからない。
わかるのは、私は一人だということ。
孤独。それは不安。
孤独。それは絶望。
孤独。それは地獄。
それらが満ちた世界で、わたしはーーー
「……っ!?」
あ……夢?
「よかった……」
本当に、よかった。夢でよか……た……
「清夜…くん…一人は……やだ…」
でも、もう一度あの夢を見たら、私は私でなくなってしまう。何故か、確信がある。
解決策は一つだけ。彼に、会いに行くこと。これも確信。
もう、私にとって、彼は必要不可欠な存在。
理屈なんかいらない。私は、清夜くんが好き。ただそれだけ。
だから、私は会いに行く。
なんとか彼のバイト先を調べてそのバイト先まで行く頃には、辺りはすっかり暗くなってしまっていた。それに比例するように、私の不安も大きくなっていく。
焦る心と体を必死で押さえつけ、自動ドアをくぐる。
無機質な音をたててドアが開く。
そこにはーー
「いらっしゃいま……って春じゃねーか。なにしてんだ、こんな…」
彼の姿を見た途端、私は彼の胸に飛び込んでいた。この不安と絶望を、一刻も早く消したかったから。
「お、おい、いきなり……」
「いや……一人は、いや……一緒に……居て…」
そこから先は言葉にならなかった。ただ泣き崩れ、彼にしがみついていた。
「あー、えーっと、ちょっとここではなんか色々問題が……ああもう!仕方ねぇ!!店長!俺ちょっと休憩入ります!!」
私を軽々と持ち上げ、そのままどこかに走っていく。
ここは店の裏方。
「……なるほど。そういうことか」
少しだけ落ち着いたので、彼に事情を説明した。
夢のこと。孤独に潰されそうなったこと。清夜くんに会いたいと思ったこと。
「とりあえず、一人じゃないとお前が実感できりゃいいわけだな」
たぶん、そうだと思う。
「ったく、甘えん坊だな。でもまあ、昨日色々あったからしかたないか。とりあえずこれでどうだ?」
言うと同時に首と腰に腕を廻され、抱きしめられた。あったかい。
でも、まだ足りない。無言で首を振る。
「あー、じ、じゃあこれはどうだ?」
瞬間、唇が合わさる。あったくて、熱い。
支援
でも、やっぱり足りない。また首を振る。
「い…まだ?…………んじゃあこれは!?」
また口づけ。でもそれだけでは終わらない。
何かが、入ってくる…?
「……ん………っ?」
これは……舌?
そう思ったとき、彼の舌が蠢き始めた。
「んっ……ぁ……や、ぁ」
じっとりと舌を絡まれ、口内を侵食される。火傷しそうなほど、熱い。でも、気持ち良い……
「ん……は…ぁ」
息が切れる。幸せすぎて、苦しい。
「ぷはぁ……これで…はぁ…どうだ?」
私の中で、何かがくすぶり始める。もっと、もっと欲しい。
「ま…だ……」
蚊の鳴くような声。もっと満たされたい。欲望が理性を押し退け、本能が叫びをあげる。
「……おいおい、この先はさすがに……」
「まだ……もっとぉ…!」
このままこの人と結ばれたい。一つになりたい。
今度は、こちらから舌を差し出す。
「ちょっ、これ以上は……俺の理性が…」
「いい。襲って」
体全体を密着させ、全身で彼の理性をそぎおとす。全てが、燃えるように熱い。
「ぁ……んぁ……」
「はぁ……ぁ…」
二人だけの息づかいが、この部屋の全ての音。
このまま、行けるとこまで行ってしまえと全身が主張している。
「いやぁ熱いねぇお二人さん」
突如、第三者の声。誰だろう?まあ関係ないが。
「せ、先輩!?」
どうやら清夜くんの先輩らしい。やはり関係はないが。
「おい春ストップ!ドクターストップ!!」
…どうして?
「いや、見られてるから!俺たち見られってから!」
「関係ない」
「…お、おい春?目が怖いぞ?」
「問題ない」
もはや理性は消えた。いや、むしろ理性と本能が協力体制に入った。誰も私を止められない。無論、私にも。
「あつっ、マジ火傷しそうだわ。あ、そうそう。休憩時間そろそろ終わりだから、ニャンニャンするならお早めに。そいじゃっ」
「ニャンニャンってなんだぁーー!?」
あれしかないでしょ、と心の中でツッコミ。
「はぁ……おい春。せめて家まで我慢」
「しない。できない。したくない」
「………」
絶句しているよう。やはり関係ない。それよりも早く続きを
「ていっ」
ドスッと首に衝撃。意識が……朦朧と……
「悪いな春。この続きは俺の家で。そんかわり朝まで相手してやるよ」
気がつくと、彼の背中にいた。やっぱりあたたかい。
「ん、目覚めたか。いやあお前が気絶したときはホントどうしようかと」
「……あなたが原因」
人の首に手刀たたき込んでおいて何を言うのだろう。
「やっぱ覚えてたか。ま、埋め合わせはちゃんとしてやっからそんなに怒んなって」
もちろんである。私は今も本能全開で、正直今すぐ始めたい気分である。
この気分、清夜くんにも味わってもらおう。
耳に狙いを定め、はむ。
「わひゃあ!!」
さらにはむはむ。
「ちょっ!春っ!?やめっ!?」
「家につくまでやめない。早く走って」
「ぐぐぐ……覚えてろよ!!この恨み、ベッドの上でひゃっ!?」
耳がお好きらしい。これなら主導権は私のものだ。
もちろんするのは初めてだけど、不思議と怖くはない。何故だろう、と考えるより先に、
「うおおぉぉりゃああぁぁぁ!!!」
清夜くんの一人長距離走が始まった。
次があればエロ書きます。どうなるかは不明ですが
712 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 12:29:18 ID:Zw6dQm1d
いいよいいよ
ちょっとヤンデレ臭がしないでもないが、GJだ!
もっとやれ
やって下さい
715 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 23:12:30 ID:N+WsChHI
もっと書け
書いてください
716 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 20:03:02 ID:xuBqlUhk
ほ
し
>>711 Gooooooooooooood!!!!!!
是非!是非とも次を!次を求む所存!
精夜キサマ俺の嫁にラビットパンチかますとはなんと言う事を!
フルボッコにされたくなくば本番をこのスレで公開する事を要求する!
清夜がときどき精液にみえるんだぜ?
>>719を見て、
>>720が書き込むまで
「精液がラビットパンチ・・・?」
と小三十分くらい悩んでた俺参上。
ある日、夜中に目が覚めたことがあったな・・
ふと見ると枕元に、長髪の女の子の霊がいたんだけども
眼孔が黒く落ち窪んでて、凄い憎々しげに睨んできてるんだよね。
んで、可愛い声で口をニヤリとさせて
「死ね・・・・死ね・・・」とつぶやき続けてるの。
確かに目が真っ黒でキモ怖かったけど、寝ぼけてたのもあって
俺、思わず彼女の腕を掴んでしまったのよ。
すると、彼女は
「きゃ、な・・何するの・・!」と思いっきり慌ててさ
その瞬間に、目も可愛らしいちゃんとした目に変わったわけ。
その顔が凄く可愛くてさ、寝ぼけてたのもあって思わず
「か、かわいい・・」と呟いたんだよ。
その瞬間だよ。いきなりグーパンチ。
幽霊にグーパンチされたのって、俺くらいじゃないか?
一瞬で眠気が覚めた俺に、白磁のように白い肌を朱に染めて
「し、死ね!死んじゃえっ・・!」と叫んで消えちゃった。
それで終わりかと思ったんだけど、次の晩も俺の枕元に座っている。
「死ねぇ・・死ねぇ・・」ってね。
んで俺が
「全然怖くないんだけど」っていうとプンプン怒って殴ってくるのよ。
そこで俺が
「そんなに可愛い顔を 怖がれるかよw」って言うと
とたんに
「な・・・・っ!」って
顔が真っ赤になって硬直するんだよ。まじ可愛い。
その日はそのまま 逃げるように帰ったんだけど、それからも毎晩彼女は現れた。
寝たふりをしてると、俺の頬を突ついて つまらなさそうにしたり
しれっと布団に入って来ようとするんだけど
「何やってんの?」と、俺が急に起きた時の慌て様と言ったら。
何か自分は低体温だから
凍え死なせる為だとか
何だかんだと言い訳が良く出て来るもんだ。
結局最後は俺が
「しゃあねぇな。じゃあ入れよ」って言って布団を開けると
一瞬うれしそうな顔を浮かべた直後
「し、仕方ないわねっ・・!」とむくれ顔。
で、なんだかんだで、寝つく頃には布団の中で 俺の胸にしっかりしがみついて来てます。
ちょっと寺で修行してくる
ここで「実は生霊でした」展開。
甘えん坊ってよりツンデレだな
727 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 16:05:36 ID:fqFjgtVE
728 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 23:58:05 ID:k8qUW/je
('A`)
職人待ちっと
変にツンデレとかにしなくていいからさ、ストレートに甘えん坊な女の子がヒロインのエロゲだせよ
>>730 それが難しいんだろ、甘さが強いと胸焼けしちまう
お汁粉に塩な展開が理想だが、その点ツンデレはさじ加減しやすいかと
732 :
子ネタ:2008/05/14(水) 00:52:10 ID:A0t/4ay2
ピンポーン
待ちに待ったブザーの音がした。車庫のシャッターが開かれたという知らせだ。
愛しの彼を待ち続けて2時間。やっとあの人が帰ってきてくれるらしい。
温度管理パネルから調べるに屋外気温はマイナス38度だという。
いくら車を使うとはいっても車庫から暖房の効いた暖かい我が家までさぞかし冷えたことでしょう。
とりあえず暖めてあげたい。彼のためでもあるけど2時間も待たされたさみしさの埋め合わせでもある。
ガチャン
玄関扉が開錠された音。この家の玄関には防寒のために二つの扉があり靴置き場が密閉できるようになっている。
靴を脱いでいるのだろうか靴と靴がこすれる音がする。
しかしどうしようか。扉ひとつ隔てた場所に彼がいると思うとちょっと緊張してきた。
いまさらそんな間柄でもあるまいに心臓の鼓動が早くなってきたのがわかる。
本当はこの扉をこちらから開けて飛び掛りたいくらいだが靴置き場は寒い。私は寒がりなのでどうにも耐えられそうにない。
彼を抱きしめれば大丈夫だろうが、それでは彼があの寒いところからしばらく出られなくなるだろう。
それは彼のためによくない。だから暖房の効いたここで彼がこの扉を開くのを待つ。
そしてついに二枚目の扉が開かれた。
私は彼の手を見ると力ずくで引っ張り体を抱き寄せる。
ちょっと、強引だったかもしれない。扉が閉じられず冷たい空気がわずかに流れ込むがそんなことはどうでもいい。
733 :
子ネタ:2008/05/14(水) 00:53:16 ID:A0t/4ay2
ちょっと冷たい毛皮のコートごしに彼の胸に顔をうずめる。
こうしてると心が落ち着くと同時に胸が高鳴る。
彼は私にとって心の清涼剤であり興奮剤であるとたまに思う。ほかにもいろいろあるが結局すべてだ。
ちょっと自分でも意味がわからないけどこれも彼のせいだ。なんだろ、私興奮しすぎかな?
「えっと・・・どうしたの?なにかあった?」
彼はちょっと困ったようにたずねる。
なるほど、帰って早々こんな調子では疑問もいだくだろう。
「2時間も待たされて寂しかった。2時間ぶんみっしりあなたを感じたかったから。」
ちょっと自分でも恥ずかしい。声が少し上擦ってしまった。
でも本心だ。私は心のそこから彼を欲している。体も同様だ。
「あぁ、すまなかった。ちょっとkっ!」
私は言葉をさえぎるように深く口付ける。
彼の言い訳は長い。「だから」とか「しかし」とか逆接の接続詞が延々と続く。
「言い訳はだめ。お詫びにベッドで・・・しよ?」
上目遣いでこう言うと彼が息をのんだのがわかる。たぶんこのまま私を連れて行くだろう。そういう人だ。
予想どおり彼は私を抱きしめたかと思うとそのまま二回のベッドルームへと急いでひっぱて行く。
実はベッドルームはほかの部屋と違って暖房をあまりきかせておらず、すこし肌寒いくらいにしてある。
理由は簡単だ。そのほうが彼が私の温もりを強く求めてくれるから。私を強く感じてくれるから。
今宵は眠れないかもしれない。
おわり
駄文失礼
ちょっとでもネタになればと思った
今は反省している
しまった、マイナス38度ってどこの国だよ・・・OTL
旭川
>>734 GJ! 反省すべきはエロまでかかなかったことだな
フィンランドのサンタじゃないのか
>>738 つまり車に見せかけてトナカイだったんだな?
それは寒くもなる
俺の部屋には幽霊が住んでる。歳は十七、八くらいで、俺よりやや年下。
一人暮らしを始めた途端現れてーーいや、俺がこいつの前に現れたと言った方が正確だなーー今まで一緒に暮らしている。
元々この部屋の住人だったこいつは色々と俺に世話を焼いてくれている。自分の姿を見ても驚かない俺を気に入ったようだ。
霊感の強い俺にとっちゃ霊の一人や二人、大した問題じゃない。なぜこいつが普通に人や物にさわれるのかは謎だが
でも、こいつの話だとあの世というものは存在するらしい。知っていて何故そこへ逝かないのかと問いただすと、顔を赤らめながらこういった。
ーー本当は君に出会ったあの日に逝くつもりだったんだよ。でも、君を見たらひとめぼれしちゃってさ。幽霊と人の禁断の恋、なんてするつもりはなかったんだけどね。
ーーだからあそこに逝くのは君が天寿を全うした時だよ。その時は僕が道案内してあげるからね。
ーー……ずっと、一緒だよ?
……だとさ。
言われなくとも分かってるっての。俺の心も体も骨抜きにした責任はばっちりとってもらうぞ。
もちろん、死んでからもな。
逃げちゃだめだ…逃げちゃだめだ…
>>741 ネタかぶった、すまん。許してくれ。
>>722のコピペを改変(悪)してみた。こう短く話を纏められるのは羨ましいな。
ある日、夜中に目が覚めたことがあってな…
ふと見ると枕元に、長髪の女の子の霊が座っていたんだけども
何かどっかで見たような気がするんだよね。
誰だったかなーとぼんやり考え込んでると、その霊が可愛い声で
「寂しいよぅ…会いたいよぅ…」
ってつぶやき続けてるの。
その姿を見てさ、寝ぼけてたのもあって俺、思わず彼女の腕を掴んでしまったのよ。
すると、彼女は
「きゃ、な…何?…」って慌ててさ
どうやら自分が俺の枕元に立ってる事に気付いてなかったみたいでさ
「あれっ!?あれっ!?私どうしてここに!?」
何て慌ててるその顔が凄く可愛くてさ、寝ぼけてたのもあって思わず
「か、かわいい…」と呟いたんだよ。
その瞬間だよ。
白磁のように白い肌を朱に染めて
「ほ、ほんとう?」って聞いてきて、
俺も勢いで「嘘じゃない」って答えたら
「えへへ。…嬉しいけど、ちょっと恥ずかしいかな…」って呟いて消えちゃった。
それで終わりかと思ったんだけど、次の晩も俺の枕元に座っている。
「寂しいよぅ…会いたいよぅ…」
ってね。そこで俺が
「寂しいなら一緒に寝る?」って言うと
とたんに
「一緒に…?……っ!でも、その」って
顔が真っ赤になってもじもじするんだよ。まじ可愛い。
その日はそのまま 逃げるように帰ったんだけど、また次の晩も彼女は現れた。
寝たふりをしてると、俺の顔をじっと見てからこっそりと布団に入って来ようとするんだけど
「何やってんの?」と、俺が急に起きた時の慌て様と言ったら。
「あの、えと、これはその、なんというか…」
必死に弁解しようとあたふたしてる様子をちょっと楽しんで最後に
「ほら、はいっていいよ」って言って布団を開けると
嬉しそうに入ってくるんだよね。まじ可愛すぎ。
で、しばらく一緒に寝る夜が続いたんだけど、数日前から彼女が現れなくなった。
もう会えないのかなーと、ヘコんでいると
「会いにきたよ」
って彼女が現れた。幽霊じゃなくて生身で。そこで思い出したんだよ。
彼女が昔、引っ越していった幼馴染だってことに。
で、気が付いたら俺、彼女を抱きしめて
「好きだ」
なんて言っちゃってる訳ですよ。そしたら彼女も
「私も大好きだよ」
って言ってくれて。
で、なんだかんだで、彼女と一緒になれて幸せです。
コピペでここまで妄想を広げられるとは・・・!
職人さんの技術に脱帽
>>743 その後は!?その後の話は!!?
ねぇ、有るんでしょ?
イジワルしないで書いて・・・お願い
職人さん乙です、改変だろうが続けてくれるのは嬉しス
ん??
>>750 半年以上も昔の話を持ち出す輩もたいがいうざったいものだよ
753 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 16:36:01 ID:ImQz6T5D
あの・・・・コテハン厨ってなんですか?
・・・・・すみません変なこと聞いて・・・
>>750 ってか240近くからずっと読み返してるのか?
がんばるなぁ、時間かかるだろうに
755 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 18:04:25 ID:uH+tQgZb
保守
「……はっくしゅっ!!」
「まいったな…。先がまるで見えねぇ……」
「うう……わたしたち、ここで凍って死んじゃうの…?」
「いや、この雪山はたいしてでかくないからもうすぐ救助が来るはずだ。それまでなんとか持ちこたえて……」
「でも…へくしっ……寒い…」
「………長時間待つのは無理か……せめて暖がとれれば……そうだ!!」
「どじだの?」
「こうすりゃちっとはましだろ?」
むぎゅ
「ふえぇ!?」
「な?あったかいだろ?」
「え、えと、う、うん」
「しばらく待てば助けが来る。それまで我慢してくれ」
「う…うん」
予想通り、一時間足らずで救援は来た。
「ねえねえ」
「ん、どうした?」
「わたし……寒くて凍えちゃいそう…。また、あっためて」
「…あのなあ。ここは家の中で、もうすぐ桜が咲く季節なんだけど」
「…だめ?」
「う……。その目は反則だろ……」
「じゃあ、いい?」
「…仕方ねぇな。ほれ、こっちこい」
「やったー!」
むぎゅ
「……ねえ」
「今度はなんだ?」
「………もっとあったまること、する?」
760 :
759:2008/05/17(土) 23:42:04 ID:GZTyK/gP
寝る前に一ネタ。おやすみなさい
>>759 GJ
もっと暖まること……おこたで鍋か!!
熱燗で一杯ですね
わかります
チョコ鍋焼きうどんに決まってんだろwww
俺の大好物だぜww
てか、それって美味いのか?
767 :
うp主様各位:2008/05/18(日) 16:54:38 ID:DDEb14w3
ジェネリック医薬品の治験のバイトのため、明後日は朝から絶食なんでココで当分補給します。
I LOVE SWEETS!!!
※sweet:甘い、可愛い、心地よい・・・などなど。
768 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 16:59:02 ID:DDEb14w3
このスレみて思い出しました。マザーグースによると、
「女の子はお砂糖とスパイスと良いもの全部で出来てる」そうです。
甘いわけだ・・・。
>>768 男の娘、じゃなかった男の子はカエルとカタツムリと子犬のしっぽだったっけ?
あと、メール欄に「sage」って入れような
>>769 age推奨スレ帰りで入れ忘れてた・・・スマソ。
>>771 糖分ってこんなかんじ?
「ん?なに作ってんだ?」
「あま〜いホットケーキだよ」
「なるほど。ところでその、あま〜い、は重要なのか?」
「そうだよ。もうちょっとで出来上がるから待っててね」
「よっしゃ、楽しみにしとくぞ」
「お、もう焼けてるな。どれどれ…」
「こらっ、つまみ食いめっ」
「いてっ!なんだよ、もうできあがってるじゃねーかよ」
「仕上げがあるの!これがないと甘さが落ちちゃうの!」
「う、そ、そうか。すまん」
「まあちょうどいいや。はぐっ」
「おい、仕上げはどうし……んむっ!?」
「んむ……ん……ぁ」
「む……んん?」
「ぷはっ、はぁ、どう、甘い?」
「…あ……ああ…」
「ん、よかった♪」
「…………だが、俺だけってのは不公平だよな」
「…え?それってどうい……ひゃっ!?」
「今度は、俺の番な」
なんか、違うかな?
違わん違わん
また歯医者のお世話になるのかGJ
甘〜い(^ヮ^*)
保守
777を取るために俺は生まれた
じゃあ俺は778をいただく
俺が779だ
780は俺のものでいいのか?
俺のパンツの中に781をセット
このスレももうすぐ800越えか……
このスレの繁栄を全力で祈願(AA略
そういえばまだまとめサイト無いんだっけ
エロパロ保管庫に頼むのもいいかもな
ここ独自で欲しいなら作るが
>>787 歯wwwwwwww医wwwwwwww者wwwwwwwwwwww
GJ!
@wikiは駄目だろ、何考えてる?
ここで負った虫歯の治療費はどこに請求すればいいんだ!w
職人全員GJ!!!!!!!
一応@Wikiはアダルト駄目なんだよなw
エロパロのまとめは知ってるだけで7つあるがw
文章は十八禁指定の対象にならないからか?
・・・甘い、甘すぎるぜ日本!
だ が そ れ が い い !(・・・ホントか?
794 :
787:2008/05/25(日) 08:24:08 ID:bhILJpmi
>>794 乙
無料Wikiで数少ないエロOKなライブドアですね
なぁここのスレは俺が書いてるのが出来るまで
続いてくれるよな?
たとえ1万年と2千年たっても健在し続けるよな?
自分の書くペースの遅さに不安になったから聞いてみたorz
保管庫にあった猫娘のやつ読んだらなんか浮かんできた…
速攻で書いてみる
800なら毎晩幽霊が現れる話の続編がさらに出る
ある平日のこと。仕事を終えた俺は寒空の下帰宅への道を歩いていた。
今はもう木の葉も散り去った十二月。築三十年のボロアパートに住み始めてから、もう一年が過ぎた。今は仕事にも慣れ、楽しい二人暮らしを満喫している。
…おっと、語弊のある言い方だったな。正しくは一人と一匹だ。
猫のミミ。そいつが今の俺の同居人、もとい猫だ。三毛猫でメスでめちゃかわいい。
こいつの顔を見れば、一日の疲れも吹っ飛ぶというものだ。
そんなこんなで家の前までルンルン気分で着いた。このドアを開ければ、ミミがちょこんと座っているはず。いつもの習慣だ。
「ただいま〜」
がちゃんとドアを開けて中に入る。ミミ、今帰ったぞ〜
「おかえりなさい」
………………………?
あれ今返事聞こえなかったかというかここにはミミと俺しか住んでないということは目の前で全裸で猫耳生やした女の子はミミなのですか神よ。
「あ〜、ただいま……ミミ」
確認のためもう一度言う。すると、
「おかえりなさい」
目の前の全裸少女、もといミミは、しっかりと返事をした。
簡単に事態の整理をしよう。
ミミが人間になった。以上。
…まったく意味がねぇ……。こんなことなら「飼い猫が人間になったらどうしましょう部」にでも入っとくんだった。
……とにかくこいつに話を聞かねば。なにかわかるやもしれんと思い靴を脱いで中に入ろうとしたとき、
「……今日は、しないの?」
足元をくいっと引っ張られそう聞かれた。
…?なんかすることあったか……あ、あった。
いつも帰宅したとき、ミミを抱き上げ頬摺りして、そのまま居間まで運搬。これ日課。
って、人間相手にそんな真似できるわけ…
「してくれないの……?」
…できないわけないだろうがぁぁ!!
ああしたよ猫耳全裸少女運搬したよ。正直色々やばかったから今はもう俺のジャージ着せたけどな。
んで、話を聞いた。なぜ人間になったか、結論から言えば知らないそうだ。いつの間にかこんな姿で寝ていたらしい。
それにしても、なかなかに可愛いな、ミミ。
くりっとした愛らしい目に細くしなやかな腕。ジャージの似合うスレンダーな身体にさらさらのショートヘアー。
猫顔、といえばわかるだろうか。なんにせよ可愛い。
と、俺がそんなたわいもないことを考えていると。
「……」
突然、ミミが俺の足に顔を擦りつけ始めた。おいなにしてるんですかー。
「……ご飯」
あ、そういや飯ねだるときいつもこんなことしてたな。だが……。
「口で言えばいいんじゃないか?」
「………うかつ」
まったくの無表情で言ってくれた。
その後、俺の指を甘噛みしながら
「……お風呂」
とか言ってきたり、読書中の俺の膝を枕にしながら
「……習慣」
とか言ってきたりでもう大変。猫の時は当たり前でも人になるとただのバカップルにしか見えないから厄介だ。
しまいには布団に潜り込んできて、
「……寒い」
と言ってくれたよ。まあ悪い気はしな……はっ!俺は今何を!?
いつものことなのに、人か猫かという違いでここまで違うとは……正直、理性がやばいっす。
だが、ここは我慢だ……明日になったら元に戻ってるかもしれないし……
無理矢理おやすみだ!!
翌朝。俺の口の周りをなめながらミミが、
「ん………おはよ……」
と言ってるのを認識した瞬間、理性が完全降伏したのは二人だけ秘密だ。
半端に時間かかった上に話も半端だった気がする
機会があればまた書くわ
あと
>>797よ。割り込む形になってすまぬ
GJ!ああもう甘えんぼう大好き!!
続きがよみたい。
続きは擬人化して犯されるスレでたっぷりねっとりと頼む
ミミ可愛いよミミ
>>806 この終わり方だと飼い主の方から襲ったように見受けられるのだが
ていうか続編ならここに乗っけても問題あるまいて
むしろ探すのが大変だからここにも乗っけて欲しい
白濁したそれを、春がゆっくりと飲み込んでいく。頬がリスのように膨らんでいるのは量が多すぎるためだ。
しかし好きでもないのによく飲むな、とベッドに腰掛けながら思考する。独特な匂いやらなんやらでお世辞にも旨いとは言えない代物だ。好き嫌いがはっきりしてるし。
どうして飲むか聞いてみたら、
「あなたのため」
と言われた。
いや俺としちゃあどちらでも構わないのだが、春にとっては重要なことなのだろう。
胸が大きいということは。
春が唯一感じているコンプレックス。それは胸の無さである。
胸の小ささ、ではなく、胸の無さ、である。言い方は悪いが。
どのくらいかというと、下着がなくても問題はないのではないか、というくらい。まるっきり発展が見られないのだ。サイズを聞いてみたらいきなり泣き出して、宥めるのに一晩かかったたこともある。
そんなわけで、春は一日一杯ジョッキで牛乳一気飲み。だがその努力も空しく、身長すら伸びない有り様。
てなわけで。
胸を大きくするための最も手軽で最も手っとり早い手段は、他にはあと一つしかないわけで。
「今日も、お願い」
すとん、と俺の膝の間に座る春。パジャマ越しに互いの体温が伝わる。
とまあこんな感じで俺が胸を大きくするための、マッサージ、をするのだが。これもまだ効果が見られない。
なぜかというと………
「ふぁ……っあ!……やぁ……ああぁっ!!」
敏感なのだ。尋常ではなく。
未発達な胸は揉むというより撫でることしかできないが、それでも春は身をよじらせ、喘ぎ、時には叫び声を上げる。
「だ…め……は…っぁ……だめ…!」
開始一分を待たずに全身の力は抜けて、腕はだらんと垂れ下がる。後ろから支えなければ座ることもできないだろう。
さらに服に腕を滑り込ませ、直に触れる。
「ーーーーーっ!?」
同時に、春の体が痙攣のように震えた。達したのだろう。
だが、止めない。燃えるように熱い肌を両腕で容赦なく愛撫する。
「あ……ぅぁ……」
失神寸前の状態で襲い来る快楽を必死に受け止める春。その小さな体では、もう長くは耐えられないだろうが。
これでトドメと言わんばかりに、胸の中で最も敏感な部分を弾く。
「んぁ……ふああぁぁぁーー!!」
今日一番の喘ぎ。体をびくびく震わせた後、春は俺に寄りかかってきた。
そして、そのまま寝息をたて始めてしまった。
「……はぁ」
抱きかかえたままため息を一つ。吐きたくて吐いた訳じゃないけど。
春の胸に進歩がない最たる理由は、恐らくこれだろう。敏感すぎてすぐ失神しちまうこと。
意識がないやつにするほど俺は鬼畜ではない。なのでマッサージは毎回数分かからず終了し、春は失神状態に、俺は全力で欲求不満状態になる。
ああ神よ。あなたはどうしてこのような残(以下略
「…寝るか」
ごちゃごちゃ考えてもしかたない。この不満が爆発しないうちに寝ちまおう。
「よっ」
これまた抱きかかえたまま体を横に倒し、毛布を被る。さっきまで気づかなかったが、俺の腕は春によって胸の前でがっちりと固定されていた。よってこのまま寝るしかないのだ。
ちょっと赤面物だが、まあこんくらいはいいだろう。
明日は朝からバイト。今はもう日にちが変わった頃合だからそろそろ寝ないとキツイか。
「やれやれ。おやすみ、春」
そう言ってから、ささっと夢の世界にダイブした。
「……おやすみなさい」
翌朝、なぜか全裸でなぜか顔を真っ赤にした春から
「………けだもの……テクニシャン」
と言われたが、なんのことだ?
終わる
かるーく保守ってみたが、今読み返すとあんま甘くない…
簡単そうに見えて、どうしてなかなか
>>813 で、春視点での「おやすみなさい」以降の投下はまだかね?
甘えん坊のおねだりが始まる
あ
ま
え
る
な
ここへきてスレの全否定か!
る
る
ー
825 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 11:16:21 ID:Lch9uyIg
し
ゅ
CC様キター
うーん。長編の投下がないと寂しいなー
小ネタや短編なら保管庫に良いのがあるんだけど、長いやつがないのは何でや
お前が書け
さくせん
ガンガンかこうぜ
バッチリがんばれ
ニア おまえにまかせろ
プロットつかうな
じかんだいじに
ちょうへんやらせろ
すまん
どこをたてよみ?
西洋忍者に甘えたがる巫女さんですね。
わかります。
凄い異文化交流だな
・・・そうか、サムスピを知らない世代がいても不思議じゃないよな。
俺は知ってるぞ、ガルフォードとナコルル。懐かしい話だ
大自然のお仕置きして欲しいですう
しかし、むしろあの西洋忍者の方が甘えそうだから困る
>>820-823のナコルルは指摘されて初めて気付いた
格ゲーはやらないからサムスピはよくわからんが、内藤泰弘版サムスピは大好きだ
841 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:05:11 ID:7zP5uoxM
あ!
京都へ行こう!
843 :
京都な小ネタ:2008/06/06(金) 17:18:13 ID:LlZcep15
「ついに来たよ!京都!」
「いやー初デートが京都とは。また豪奢になったねぇ」
「そう!これは記念すべき初デートなのである!ババーン!」
「…やたらとハイなのは着物を着てるせいもあるのか?」
「そう!日本伝統の和服!一度着てみたかったんだよね〜。キミもそう思わないかい?」
「ま、悪くないな。これぞ日本人って感じがするし」
「うんうん!だけど一つだけ欠点があるんだよねー」
「飯をたらふく食えない、とかか?」
「ちっがーう!減点三だよ!こうやって…」
「おわ!?」
「腕を組んだときに体温が伝わりにくいの!大問題だよ!普段はダイレクトなのに、もどかしいっ!どんな焦らし!?鬼畜!?外道!?ち」
「公共の場で言うか!脇腹チョップ!」
「はうんっ!」
「…まったくしょうのないやつだな」
「…ん…ぁ……あ、いいこと思いついた」
「どんな?」
「こうして…指を絡めて……」
「お、おい……」
「恋人つなぎ!」
「う…」
「これで万事オッケー。さ、行こ!」
「…しょうのないやつだ」
「お、これが清水の舞台か」
「そう…愛し合う二人は死後の世界で結ばれることを誓い、抱き合いながら舞台から身を投」
「脇腹チョップ!」
なんか浮かんできたので形にしてみた
名前は京子(きょうこ)ちゃんと都(みやこ)くんってことでひとつ
これはwwwwww
なんという職人芸w
甘〜いラノベ教えてくれ
ラッキーチャンス!
[有沢まみず/電撃文庫]
ヒロインが主人公に甘えまくる
>>847 インフィニティ・ゼロ
[有沢まみず/電撃文庫]
ヒロインが主人公に甘えまくる
ちと古いが、うさ恋。なんてどうだろうか
>>847 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
[桜庭一樹/富士見ミステリー]
タイトルに砂糖って入ってるから甘いよ、きっと
>>847 乃木坂春香の秘密
結構甘いです。
ほうかご百物語
甘味の素質があります。
>>851 おまwwwさらりととんでもないものをwww
いや、おもしろいけどねww
バニラ
[あさうら/集英社のダッシュ(?)文庫]
百合だけど甘かった
一番上の見たけどキモいだけだったよ?
少し前に書いた京都ネタ。保守の意味を込めてもう一回
「寿司!天ぷら!そば!あーもう次どれ食べっよかな!?」
「やれやれ、昼間散々名物食い歩いたくせにまだ食うのか?」
「それは別腹ってやつだよ。お菓子とご飯は別ものだからいっぱい入るのさ。はむ」
「同じ食い物なのにな……ってえび天二本目じゃねーか?」
「ほはよ」
「………あああああ!俺の分も食いやがったのか!このっ、返せ!出せー!」
「ひひよー」
「は……んむっ!?」
「ん……ぁ……ぷぁ……」
「ん…ぐぐ……ぶはぁ!」
「はぅ……。どう?言われた通りにしたよ?」
「んむ……ん。……いきなりは反則だろ…」
「いっつもあたしの脇腹突くんだからおあいこだよ」
「…ほほう、そんなに突いてほしいのか。ならば余が直々にしてやろうではないか」
「あれーお情けをー」
「問答無用!くらえ!!」
「あー、その、すまん。やりすぎた」
「…や…気にし……はぁ……ない……よ。むしろ……はぅ……もっと…してぇ……」
「ホントにすまん!だから落ち着け!」
「離れちゃ……やだぁ…!」
「ああもう…。どうすりゃいいんだよ…」
「このまま…しよ?」
「……………はぁ………まったく、しょうのないやつだな」
「えへへ……」
いいぞもっとやれ
このお二人さんの馴れ初めが物凄く読みたいんだがw
>>861 京都以外なのは間違いないから無理だw
いや、忘れた思い出の地というのもあるのか・・・・
いい二人だな
もっとやれ
864 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 01:21:38 ID:WYWOzK4P
あ!
温泉へ行こう!
「うう……先輩、ほんとうにすいません」
申し訳そうな表情でそう言ったのは隣人にして後輩の橘七海ちゃんだった。
いつも丁寧で常に一歩ひいた感じのある彼女であるが、風邪をひいてもその点は
変わらず看病に来た俺に対してひたすら恐縮していた。
「わざわざ休みの日に先輩の手を煩わせるなんて」
「七海ちゃんは風邪をひいてるんだからさ、遠慮することはないよ」
熱に浮かされ紅潮した顔を半分布団で隠すと俺の顔を潤んだ目で見上げる。う
ん、正直理性にダメージが来る。
「でもでも」
「七海ちゃんには普段世話になってるしさ、こんな時くらい俺に甘えてよ」
これは俺の本音である。
だいたい我が日向家がゴミ屋敷にならず、健康で文化的な生活を送れているのは
間違いなく七海ちゃんの献身的なお世話があったおかげだ。
「先輩にはいつもお世話になってますし……」
「いや、それは明らかに逆だから」
七海ちゃんがいなかったら俺はきっとあのダメ親とともにゴミ屋敷に埋まっていた
だろう。日向家の生活能力のなさをなめてもらっては困る。
「ううぅー」
七海ちゃんが布団ごしに潤んだ目を向けてくる。だからその目は(以下略)。
「そうだ七海ちゃん、お見舞いに桃缶を買ってきたよ」
俺は持ってきた鞄の中から一つの缶詰を取り出した。
風邪の時は桃缶。お約束である。
ちなみにわが家では風邪をひくと桃缶を一つ枕もとに置かれて以後放置される。
お粥といったもうワンランク上の看病メニューになると隣家の応援が必要になるの
だ。
「桃缶ですか……」
「そう。七海ちゃん好きだったよね」
「はい。好きですけど……」
そこで七海ちゃんはじっと俺の顔を見て逡巡した。
「?」
「あ、あの先輩」
「どうしたの?」
「風邪、風邪の時くらい甘えちゃってもいいとおっしゃったりおっしゃられなかったりし
ましたよね」
「う、うん、じゃんじゃん甘えてもらっていいけど」
なかなか舌の回っていない七海ちゃんに少々苦笑しながら返す。ちなみに普段か
ら俺にだけは甘えて欲しいなんて思っているのは内諸だ。
「じゃ、じゃあですね、も、桃缶を……」
「桃缶を?」
「食べさせてもらっていいですか?」
「え?」
「そ、そのあーん、って」
熱でただでさえ赤い顔を真っ赤にして彼女は言う。
え、いやそれって……。
「それって俺がフォークで桃を突き刺して七海ちゃんの口にあーんって持っていくとい
うこと?」
「うう、説明しないでくださいよぉ。そういうことですけど、ああのそのやっぱり、イヤで
した?」
「そ、そんなことないよ」
羞恥心はこの際無視だ。普段世話になっている七海ちゃんに頼まれて断れるわけ
がない。
「じゃ、じゃあ……ちょっと待ってて」
俺は橘家の台所を借りると桃缶を開け、黄桃を一口サイズに切る。少々不格好な
のは……許して欲しい。血筋的に考えると包丁が使えるだけでも奇跡なのだ。
「七海ちゃん、持ってきたよ」
「は、はい!」
何だか真っ赤な顔をしてベッドに腰掛けている彼女を見て不安になる。いや、さっ
きよりかなり顔が赤いんだけど。
「な、七海ちゃん大丈夫?」
「な、何がですか!?」
「顔が凄く赤いから熱あがったの!」
「いえ、あのそのこれは多分そういうことじゃなくてですね、羞恥心とか興奮とか羞恥
心とか興奮です」
「…………」
「…………」
うん、深くは聞くまい。俺の理性が(以下略)
「じゃ、じゃあ」
「はい」
「あ、あ〜ん」
「あ〜ん♪」
嬉しそうな表情で口を開ける七海ちゃん。いや、意外に元気そうだな……。少し安
心だ。
「えへへ、ありがとうございます。先輩」
「どういたしまして」
少なくとも知り合いには見せられない光景である。が、にこにこと真っ赤な顔(熱の
せいだと思う)で微笑む彼女を見ていると気分が和む。
「あの、先輩」
「ん?」
「お返しいいですか?」
「お、お返しって」
「先輩にもあ〜んって」
この娘さん、熱で少々キているのではないだろうか? 多分、元気な時の彼女に
見せたら恥ずかしさで悶えまくるはずだ。
「いや……ですか?」
俺は黙って首を振る。
その捨てられた子犬目線は禁止ですよ。
「じゃあ、先輩あ〜ん」
俺の手から器を奪い取ると黄桃を一切れ差し出してくる。
「あ〜ん」
男の子なら一度は夢見るシュチュエーションである。素直に嬉しい自分がいた。
「えへへ」
真っ赤な顔で微笑む彼女。ああ、もう。
「というか七海ちゃん、熱あがってない?」
俺がおでこに手を当てるとなんだかぽおーっとした目で俺を見上げてきた。やっぱ
り熱がある?
「せ、せんぱい……」
「やっぱり寝たほうがいいよ。熱いよ」
「いや、これは単に風邪のせいだけじゃないといいますか、ごにょごにょ」
「七海ちゃん、桃缶食べたらやっぱりもう少し寝よう」
フォークにさした桃を一切れ差し出しつつ俺は言った。大事をとるに超したことはな
い。
「はぁい…………あの先輩、」
「ん?」
「その前にもうひとつだけお願いしていいですか?」
「いいよ」
俺はろくに訊かずに言った。
彼女にしてあげることがあるなら何でもしてあげたかったし、そもそもこちらが困る
ようなことを彼女がお願いするとは思えなかった。
「じゃ、じゃあその……寝る前にキス……してもらっていいですか?」
布団で顔を半分隠しながら紅潮全開で彼女は言う。恥ずかしさがこちらまで伝わっ
てきた。
「き、キス!」
キス!?
キスと言えば、kissでキスのことか!?
……いかん狼狽えてどうする。たかがキスごときで……いや、まぁ、たかがキスす
らしたことのない俺ですが。……あれ? 小学生くらいの時七海ちゃんとしたっけ?
とにかく、まぁキスなんてものは俺とはほとんど無縁の儀式であることはたしかだ。
「あ、あぁー、そのキスね」
「やっぱりダメですよね」
だからその捨てられた小動物の目は禁止ですよ。
「いやいやいや。そんなことはない」
据え膳(?)食わぬはなんとやら、キスごときで狼狽えてどうする。
「分かったちゅーだね、ちゅー」
「そうですちゅーです、ちゅー」
俺の顔は今、七海ちゃんに負けないくらい真っ赤になっていることはたしかだった。
「わかった。よし、行くよ」
「はい」
布団で覆われていた彼女の顔をさらす。七海ちゃんは少し驚いたみたいだったけ
ど、俺は構わず顔を近づけていく。
いつも見慣れた七海ちゃんの顔。だけどいつも以上の近くに彼女はあった。
ちゅ
唇と唇が触れあうだけのキス。しかもほとんど触れるか触れないかの。俺の根性
無し。
「あううう」
「七海ちゃん?」
彼女の顔を再び見ると何故か真っ赤な顔で目を白黒させていた。
「あ、あのおでこにちゅーって……」
「…………」
「して欲しかった……ですけど……」
「…………」
えーとつまりなんだ。俺の早とちりというか、何というか、おでこにちゅーをご所望
でしたか。いや、まぁそうなのか……、うん、つまり。
「ご、ごめん」
素直に謝った。
「うう……キスするなんて予定外と言いますか……ほんとはもっとロマンチックな場
所で先輩と……でもでも決して嬉しくないわけはないのでして、ううう」
何だかとても悪いことをしてしまった気がする。うん。
「せんぱぁい〜」
七海ちゃんの顔はもう今にも泣き出しそうだった。そんな目をされると俺の心にズ
キズキとダメージが入る。
「ほんとにごめん。お詫びに俺に出来ることだったら何でもするよ」
「ほんとうですか?」
「ほんとうだよ」
「……だったら先輩、もう一つだけお願いしてもいいですか」
じっと熱のこもった視線で俺を見上げる。怒った目とかではなくて、そこにはある種
の期待みたいなものが見え隠れしていた。
「うん」
「キス、もっとしてください」
甘えた声で彼女は言った。
もちろん、俺に断ることはできなかった。
「あのさ、七海ちゃん」
唇と唇が触れそうになるその瞬間、キスの直前で俺は動きを止める。目を閉じて
俺を待っている少女がそこにはいた。
俺の言葉に彼女は目を開け、きょとんとした表情で俺を見る。
「一言だけ言わせて欲しい」
「は、はい」
「好きだ」
「はいははぅうぅはい!」
あまり言語化できそうにない言葉を七海ちゃんは叫ぶ。驚いたのはたしかなのだ
が、喜びの雰囲気が混じっているのは何となく分かってのでよしとする。
「キス……するんだったらその前に言っておかないと、な」
最初の一回はまぁおいとくにしても、やっぱりこの点ははっきりとさせておきたかっ
た。
「うう、先輩〜」
「七海ちゃんは俺のこと……」
この状況において聞くことにさほど意味は無いのだが、そこは聞いておきたい部分
である。
「大好きです!」
熱を出しているはずの娘さんがぶつかってきた。いや、もう何も言うまい。
「せんぱぁぃ〜」
俺の口が七海ちゃんにふさがれる。彼女はキスをせがんだはずだが何故か俺に
抱きつくように唇を寄せていた。
本日二度目のキス。
当たり前なのだが、彼女の唇からは桃の味がした。
「七海ちゃん、そんなに暴れると」
忘れないで欲しい。さっき持ってきた桃の缶詰。まだ残っているんだ。
勢いよく抱きついてきた七海ちゃんに手元がずれる。まだ器に入っていた桃と、シ
ロップが……。
「あ……」
「七海ちゃん……」
俺と七海ちゃんの身体の間でぐっちょりと潰れていた。
湿った感触が俺の身体に染みてくる。もちろん俺だけじゃない。七海ちゃんのパ
ジャマも桃の残骸がこびりついていた。
「…………」
「…………」
二人で顔を見合わせる。どうしたものだろうか。いや、七海ちゃんはもちろん俺も着
替えなければならないのは決まっているのだがどうにも興を削がれた気分である。
「あ、あの先輩……」
「ああ」
ため息をついた。とりあえずタオルでも探してこよう。
俺がそのことを伝え、立ち上がろうとした時だった。
何というか、七海ちゃんが予想外の行動に出た。
「な、七海ちゃん!?」
「……うう、先輩あのですね」
七海ちゃんはパジャマのボタンを外している。ほんのりと赤く染まった胸元が俺の
視線に晒される。ブラジャーもつけておらず、たった一枚彼女を覆っていた薄布が今
……落ちた。
少々小振りではあるがはっきりと女性であることを主張する二つの膨らみが目の
前にあった。
七海ちゃんとは昔なんどもお風呂に入っていた。だけど、その時とは大きく違う体
つき。
「な、ななみちゃん……」
ゴクリと喉が鳴った。
いや、好きな女の子の裸みたらそうなってしまうでしょ。
「だって、私も先輩も着替えなきゃいけないし。だったらその前に」
「その前に……?」
「えへへ」
「いや、そこで照れた感じに笑われても」
「先輩……お願いします」
う……お願いって……そんなとろんとした顔と声で言われても。何というか文字通
り据え膳食わぬは……である。
「せんぱいは、私のこと好きじゃないんですか?」
「そんなことない!」
間髪入れずに俺は断言した。
「だったら……きゃ」
そこから先は言わせなかった。俺は七海ちゃんを押し倒しベッドに戻すともう一度
俺からキスをする。
「せんぱぁい……」
うん、もうさすがにここまで来たら覚悟を決める。決まってしまう。
「だぁぃすきです」
「うん、俺もだ」
彼女に応えながら俺は彼女の身体に触れる。
俺が胸に手を当てると七海ちゃんはピクリと身体を震わせた。安心させるようにもう
一度キスをすると満面の笑みを浮かべ俺に全てをまかせるように力を抜いた。
「七海ちゃん……」
彼女の乳房をゆっくりと揉みはじめる。小さい頃には存在しなかった柔らかな感触
が俺の手に伝わってきた。
柔らかく暖かな感触を楽しむように何度も揉んでいると、七海ちゃんの身体にもだ
んだんと変化が現れてきた。
ピンク色をした先端はムクムクとその存在を主張し、七海ちゃんの声も変わる。
「せ、せんぱ……い」
初めて聞く七海ちゃんの声。
七海ちゃん、感じてるんだ。
俺でもはっきり分かるくらい熱っぽい声でそこには艶があった。
「んんんっ!」
大きくなった乳首を摘まむと七海ちゃんがひときわ大きい声をあげた。
自分の手で七海ちゃんが感じているのが嬉しくて俺はさらに指でつまみ上げた。
「うぅ〜、先輩おっぱいばっかり弄らないでください」
「じゃあどこ弄ればいいの?」
ちょっと意地悪く俺は言った。
「先輩の意地悪」
ぷくぅ〜と子どもみたいにほっぺを膨らまして七海ちゃんが拗ねた。
「あはは」
俺は軽く笑う。うん、でも俺自身もこれ以上は限界だった。
パジャマのズボンにそっと手をかけると七海ちゃんがびくりと震える。やっぱり怖い
のだろうか?
「だ、大丈夫です」
ちょっとだけ震える声の七海ちゃんにもう一度キスをする。間違いなく今までの人
生分のキスをこの数分でしてると思う。
「えへへ……せんぱい」
「じゃあ脱がすよ」
「は、はい」
七海ちゃんのズボンを脱がしていくと真っ白な下着が目に入る。飾り気のないシン
プルなものだった。
はじめて見る七海ちゃんの下着……でも俺にはそんなことよりももっと気になること
があった。
七海ちゃんの股間の中央。白い下着にほんのりと濡れた染みがあった。
感じてるんだ……。
「うぅ〜……これはその……恥ずかしいので見ないでください」
七海ちゃん自身もそのことに気が付いていたのか俺の視線を感じてうなる。
「でもさ、七海ちゃん俺もほら」
苦笑しつつ自分の股間を指さした。先ほどからの七海ちゃんの姿で俺のムスコは
ズボンの中からバンバン自己主張をしていた。
「あ……」
「七海ちゃん……いいんだよね」
「はい」
意を決した表情で頷く。俺だって表情は似たようなものだろう。ズボンもトランクスも
一気に脱ぎ捨てると七海ちゃんがじっと視線を注いでくる。何というか非常に恥ずか
しい。
「それが……今から私の中に入るんですね……」
「そうだよ」
努めて平静を装いながら俺は七海ちゃんの上にのしかかっていく。
「先輩……来てください」
「うん」
残された最後の衣服をゆっくりと脱がしていく。恥ずかしそうに顔を隠しながら彼女
は「うううぅ〜」と謎の声をあげていた。
俺は自分の分身を七海ちゃんの股間にあてがって、ゆっくりと七海ちゃんの中に侵
入していく。
「んっ」
まだあまり濡れていない七海ちゃんの中はきつく先っちょを入れるのも一苦労だっ
た。
「先輩! 先輩!」
あきらかに苦痛と分かる声をあげ七海ちゃんが叫ぶ。
「七海ちゃん大丈夫?」
俺は思わず侵入を止めた。
痛がる彼女にムリはさせたくなかったし、何より彼女は風邪である。
「だ、大丈夫です。だから最後まで……」
「本当に?」
七海ちゃんの必死な言葉。
俺は念を押すようにもう一度問いかけた。
「うぅ、たしかに怖いし痛いですけど……先輩にして欲しいんです!」
勢いよく断言する七海ちゃんに感動すらしてしまう。う、嬉しい……。
「辛くなったらいつでも言ってよ」
「は、はい」
せめて七海ちゃんの苦痛を早く終わらせようと、次の瞬間俺は七海ちゃんを一気に
貫いた。
「ああああああぁぁぁ!」
七海ちゃんの絶叫。そして俺の肉棒に何かを破る感触が伝わってきた。
「あ……」
奥まで差し込んだ七海ちゃんの中は痛いくらいに締め付けてきたけど……温かく
心地よかった。このまま達してしまいそうだった。
「これで私先輩のものになったんですね」
七海ちゃんは幸せそうに微笑むと俺の頬に唇を寄せる。
ん……。
お返しにすぐ目の前に迫っていた首筋にキスをする。
「んぅ、先輩ぃ」
甘えた声で笑う彼女。
七海ちゃんがいとおしくて俺は彼女の身体にキスを繰り返していく。自分のものだ
という証をつけている気分だった。
きつく締められた下半身はすぐにでも動き出したかったけど、目尻に涙を溜める七
海ちゃんを見ていると動けなかった。
「あ、あの先輩……」
「ん?」
七海ちゃんの首筋に強烈なキスマークを残しながら俺は聞いた。
「な、名前で呼んでいいですか? あのその昔みたいに……こ、恋人になったんで
すから」
「もちろんだよ」
恋人、と言ってくれたことが嬉しくて、妙にこそばゆい。
「せ、せーやくん」
「うん」
「……んぅ……」
答えると同時にキスをする。七海ちゃんの甘い声が漏れた。
「ねぇ、せーやくん動いてください」
次に続いた言葉に俺は眉を寄せて聞き返した。
「大丈夫なの?」
「せーやくんにだけ我慢させるのイヤです。初めての時も気持ちよくなって欲しいで
す」
七海ちゃんの笑顔。
どちらかというと、それは俺のセリフじゃないかな。
でも精いっぱい笑ってくれる彼女に応えないわけにもいかなかった。
「分かった」
七海ちゃんの想いに胸が熱くなる。
俺はゆっくりと腰を動かし始める。七海ちゃんの表情を見落とさないようにゆっくり、
ゆっくりと思いを込めていく。
「七海ちゃん、痛くない?」
「まだちょっと痛いですけど、……そんなことよりせーやくんは気持ち良いですか?」
「ああ」
七海ちゃんの処女地は動くのも一苦労だったけど、それでも俺の肉棒は甘くきつく
締め付けられて充分すぎる快感を与えてくれた。
「よかったです」
時間をかけて七海ちゃんの身体を動いていく。
最初は苦痛しか与えなかっただろう俺の肉棒も徐々に七海ちゃんの顔に変化をも
たらしてきた。
七海ちゃんの口からは小さなあえぎ声が聞こえ、異物をきつく締めあげていた膣内
からは湿った音が聞こえる。
「あぁ、あ、せーやくぅん」
「七海ちゃん、ひょっとして気持ちよくなってきた?」
俺の言葉に七海ちゃんはすまなさそうに視線を逸らす。
「せ、せーやくんは初めてで気持ち良くなるえっちな女の子は……いやだよね?」
七海ちゃんの表情は今までで一番泣き出しそうだった。
「俺が好きなのは七海ちゃんだよ。えっちとかえっちじゃないとかはどうでもいい。七
海ちゃんが好きなんだ」
小さなことに泣きそうな七海ちゃんに向かって、一番素直な思いを告げる。
「せ、せぇーやくぅん」
まるで俺に飛びかかるような勢いで首に手を回し抱きついてきた。
唇が塞がれ、舌が差し込まれる。
テクニックなんてものじゃない。口の中をめちゃくちゃに動き回る……でも七海ちゃ
んの思いが伝わる口付けだった。
……やっぱり彼女はえっちかもしれない……本人に言うと泣きそうだけど。
「七海ちゃん」
俺は七海ちゃんのディープキスに応えながらも腰の動きを早めていく。
すでに苦痛より快感のほうが上回ったのか、甘い声を吐きながら俺の身体にキス
をする。
どうやら今度は俺がマーキングをされる番だったようだ。
リアルタイム支援!
湿った水音が響く。慣れてきた七海ちゃんの膣内は俺と……そして七海ちゃんの
二人に快楽を与える。
技術の無い、単純な腰の往復作業だったけど初めての俺たちにはそれでも気持ち
良かった。七海ちゃんの顔も今まで見たことのない表情で、快感を得ているのは明
らかだった。
「せーやくん、気持ち良いです……せーやくんは?」
「あぁ、俺も気持ち良いよ」
いつもの笑顔を真っ赤に染める七海ちゃん。
う……やばいかも。
下半身に爆発しそうなむずがゆさが集まる。射精が近いのは感覚でよく分かった。
「せーやくぅん、私、私!」
七海ちゃんの声にも変化があった。
「イキそうなの?」
「わ、わかりませんよ! そんなこと! でも私、私! なんだかおかしく……あぁ
ん」
七海ちゃんは絶頂に向かって昇りつめていく。
そのことを感じたので俺も限界に近い射精感に耐え肉棒で貫いていく。
「せーやくん、せーやくん!」
七海ちゃんの足が、俺の腰に回される。両腕で俺を抱きしめ声を高くする。
「七海ちゃん」
「な、なんだか私、ああ、ああああ!」
俺が肉棒を最奥まで叩きつけた瞬間、七海ちゃんの声がひときわ大きくなった。七
海ちゃんの膣が痙攣し、俺の肉棒を締め付ける。
ほぼ同時に俺も七海ちゃんの胎内にほとばしる精液を放っていた。
「え、えへへ……せーやくん」
「ん」
一緒に絶頂した。
そのことが嬉しかったのかはにかんで俺に優しいキスをした。
うん、この一時間だけでどれだけキスしたんだろうな。
少し前からでは想像はできない……いや、まぁ妄想はしていたけど……。
「あのぉ……」
七海ちゃんが潤んだ目で俺を見上げる。なぜだか彼女が言いたいだろうことは視
線を合わせることで通じた気がする。
「七海ちゃん」
俺は彼女の横に倒れ込みながら、
「もう少しこのままでいいかな」
彼女が望んでいるだろう言葉を口にした。だって目が雄弁に語ってるよ七海ちゃ
ん。
「うぅ……はい」
心の底から嬉しそうに彼女は笑った。
で、その後どうなったかというと。
「あのあの、せーやくん、す、すいません」
「だいじょう゛ぶ」
ガラガラで鼻のつまった声になりながら俺は答えていた。
翌日、七海ちゃんの体調は快復した。
で、俺が倒れた。
当たり前である。
風邪ひいた七海ちゃんとその……やってそのあと一緒に寝ていたのだ。
うつらないほうがおかしい。
「あー」
「ほんと、ほんとにすいません」
「ほんどだいじょうぶだから……」
だるいし、寒い。でもたかが風邪である。おまけに自業自得。大人しく寝ているべ
きだろう。
「だ、ダメです。私が責任もって看病を……」
しかし、おかゆも作ってもらった氷枕も用意してもらった汗も拭いて貰った。
もう充分です。というかこれ以上看病は思いつかないんですけど。
七海ちゃんの気持ちは嬉しいんだけど病み上がりの彼女に看病してもらうのもなぁ
……。
「あの、それで七海ちゃんは何をしてるの?」
何故かもぞもぞと俺の布団の中に潜り込もうとしていた七海ちゃんに向かって俺は
聞いた。
え? 看病?
「ひ、人肌で暖めるといいんじゃないかと思うんです……せーやくん寒そうですし」
「たしかに寒気はするけど……それが風邪の治療に有効かどうか」
「私で昨日実証済みです」
「いや、また七海ちゃんにうつるからね、それ……」
ちっとも説得力の無い言葉を口にしながら彼女は俺に抱きついてきた。おーい。
「大丈夫です。私バカですから風邪はうつりませんよ」
「バカって……」
「ほら、昨日から私、バカップルです」
ぎゅー。
そう嬉しそうに笑うと七海ちゃんは俺の腕に巻き付いた。
あー。たしかに。
たしかに?
以上になります。
唐突に失礼しました。
個人的には甘味が少々足りなかったかなと。
GJ !
甘味は黄桃で十分だ!
甘すぎて死ぬかと思ったぜ…
脳内がシロップまみれだよ、どうしてくれる!!
これで甘味が足りないだと・・・?
つまり今度はさらに甘いのを投下してくれるんですね!練乳なめながら待ってるよ!
七海ちゃん………すぐに思いついたのがティコだった…orz
895 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 00:54:18 ID:JgzlW2A3
し
ず
か
背の高い女の子が背の低い彼氏に甘える図って良くない?
べ、別に「しずか」から連想した訳じゃないんだからねっ! 某お笑いコンビの背の高い方をイメージしちゃダメなんだからねっ!
>>898 背が高い+無口+甘えん坊は俺の中での最強の組み合わせなんだぜ
それと某おっきな女芸人は「しずよ」なw
だがそこに、無口はいない
かぼちゃわいんですね わかります
おっさんか!
903 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 09:21:53 ID:8v2Wp8ld
ほ
普段は周りから恐れられてる生徒会長が
副会長兼彼氏の前ではくっついてきたり、弁当食べる時にあーんってしてきたり凄い甘えてくるみたいなのは
このスレに該当するのか?
する。
普通に該当する。
いわゆる、隠れ甘えんぼ。
908 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:31:21 ID:SlnEdMLr
ほ
ぁ
あ
「どうしたんだ? さっきからもじもじして」
「……っ、…………っ!」
「?」
「…………ほ、ほぁあっ!」
「うわあビックリした!? いきなりどうした!」
「こう言えって、天の声が聞こえたの!!! 恥ずかしいよぉ! わーん!!!」
「ああ、巫女さんって大変だなぁ。よしよし」
「ぐすん………………ぎゅっ♪」
巫女だったのですか、よかった。
北斗神拳伝承者かとおもた。
なにはともあれ GJ!!
914 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 11:45:37 ID:a3p4XaPN
天に帰る時が来たのだ
916 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 13:52:02 ID:4/+A8X5w
だ
っ
こ
し
920 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 18:09:55 ID:hty9+wO3
っ
921 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 18:13:02 ID:wH7ipmjg
て
ギ
ュ
ッ
♪
も
「だっこしってギュッ♪も」
「は?」
「だっこしってギュッ♪も」
「えっと……何?」
「だっこしってギュッ♪も」
「……寝ぼけてるのか。まあいいや、わかったよ」
「だっこしってぎゅ……ん……」
「ほれほれ、目覚ませー」
「……ふわ? え、あ……お兄ちゃん?」
「目、覚めたか?」
「……うん。何か変な夢見てた」
「変な夢?」
「うん……もう忘れちゃったけど」
「そっか。んじゃ、朝飯食うか?」
「……もうちょっとギュッとしてて?」
「お前はホント甘えん坊だなぁ」
「甘えついでにご飯も食べさせて?」
「それはだーめ。ちゃんと自分で食べなさい」
「はーい……温かいね、お兄ちゃんの身体」
「そりゃお前をギュッとしてるからだよ」
「……えへへ」
「な、なんか照れるぞ。……もういいかい?」
「まだだめー」
「はいはい」
「頭も撫でてー」
「はいはい……ほれ」
「んー……えへへー」
「……ふわぁぁ」
「ん? あくび?」
「……何か眠くなってきた」
「じゃあ、二度寝する?」
「今日休みだったっけ?」
「わたしはー。お兄ちゃんは?」
「幸い」
「んじゃあ、寝よ?」
「……そうするか」
「おやすみー」
「ってこの体勢のまま寝転がるんかい」
「その方が温かいもん」
「……わかったよ」
「んじゃ、おやすみー」
「はい、おやすみー」
「も」浮き過ぎワロタwww
「甘えんぼう」と「恥ずかしがり屋」は同時に成立し得るだろうか?
一般的な甘えんぼうってのは過剰気味なボディランゲージで愛情を表現するものだけど、
恥ずかしくてそれができないって萌えない?
「お、おにいちゃん……」
「なんだ?」
……聞けないっ! やっぱり聞けないよぉ!
「な、なんでもない……」
「なんだ、変な顔して……何か言いたい事でもあったんじゃないのか?」
あったよ。そりゃあったよぉ。けど聞けないよぉ、やっぱり。お兄ちゃんに
甘えてもいいかどうかなんて、そんな事聞いたら……きっとおにいちゃんは
快くOKしてくれるだろうから、そうなったら……あんな事やあんな事も……
あまつさえあんな事まで……! ああっ、もう考えるだけで恥ずかしい!
「……熱でもあるのか? 顔真っ赤だぞ?」
え? あ……おにいちゃんの手が、わたしの額に……あた……って……
「きゅう」
「え? おい、どうした? しっかりしろ!?」
このくらいで気絶するようじゃ、甘えるなんて夢のまた夢、か……。
けど、待ってておにいちゃん! いつかわたし、貴方に甘える事のできる、
強い女になるから! だから、その時まで待ってて、おにいちゃん!
「……気絶してるのに、なんか幸せそうな顔してる。ホントに変な奴だなぁ……」
「……にへー……」
こんな電波なら来たが。
いい!いいじゃないか!
続きヨロ
932 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 12:27:41 ID:ljJ+GzsV
そうか、女の子側の一人称にすれば良かったのか。ぬかったわ!
甘い香りに目を覚ますと、こげ茶色のやわらかなネコっ毛が見えた。それだけじゃない。右腕が重い。動かない。
睡魔と混乱で再び閉じそうになるマブタをこじあける。視線をずらすと、見慣れた上掛けと見慣れた首筋のホクロがあった。
何で日曜の明け方に俺はこんな試練に立ち向かわなければならないんだろう。
くすーくすーと試練は規則正しい寝息をたてている。薄い耳たぶが時折覗く。噛みついてやろうかこんちくしょう。
……いやいや。早まってはいけないだろう俺。穏便にいかなくては、後々苦労するのは多分自分自身なんだ。
「うぅー」
ころん。と試練が寝返りをうつ。ふっくらとした頬と唇が……もう無理!
「起きろ!何でお前、俺の腕まくらで寝てるんだ!」俺の声に試練は不満げな声を上げて長いまつ毛を震わせ、目を開け……なかった。
かわりに細くて柔らかい腕が首に回る。ぬくもりがより近くなる。
ソプラノが鼓膜に触る。
「……も、ちょっと」
そして試練はレベルを上げたことに気付かず安らかな寝息をたてる。
神様、俺、何かしましたか?俺の安眠返せよ!
「すき、だ……よー」
すいません、本気もう勘弁してください。
俺の朝はどっちだ。
ごめんなさい、のりだけでかいた。
はんせいしている。
>>934 いいじゃないか。反省する必要ないできだろ。
寝ぼけ甘えんぼうktkr! かわええwww
猫っ毛の女の子ってイイよねw
じゃあ埋めがてら突発続き。携帯から&微糖でごめんな。
必死に円周率やルートを数え、九々を何度繰り返し、素数を求めていると、
ようやく窓の外で土鳩が鳴きだした。いつもは憎いそれがこんなに待ち遠しく感じたのは初めてだ。
「ん……」
聴覚を封印するんだ、俺。12の段を唱える。
イチゴの香りがする。近頃のシャンプーは持続性が高すぎやしないだろうか。
嗅覚は麻痺しているよな、俺。
初めて三角形の面積の公式を知った時の感動を思い出す。
喉元に規則的に微弱な風を感じるのも無論気のせいだ。
触覚は信頼できないものだ、俺。
そう、明るくなったせいでよりはっきりと見えるようになった白い胸元と鎖骨なんてこの世に無い。視覚を疑え、俺! ひとよひとよにひとみごろ、ふじさんろくにおうむなく!
……そうか! これは夢か。
「ふぁ、う……もとくん? あれー?」
夢のクセに寝ぼけるとは生意気な。さあ起きろ俺!
「ふふ〜、もとくんだぁ……ギュー」
今回の夢はすごいな。重さ、変化する圧力、ぬくもりその他諸々がある。まぁ、さすがに味覚はないだろうが。
ふっと拘束がゆるんだ。
「……ちゅーしてほしーなぁ……」
夢ってすごいなぁ、色素の薄い瞳も完璧だし。
「だめ? ね、だめ?」
うるみぐあいも最高だとかあぁもう!
寝起きで少し乾いた唇はそれでもやわらかくて、イチゴの歯磨き粉の味がした。
「んん……しあわせ〜。もう一回おやすみなさぁい」
神様、もう俺の負けでいいです。
以上。お粗末さま。
読んだおれも幸せ
もとくん=モト冬樹
942 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 03:28:11 ID:wgFFrIrv
目が覚めた女の子が、大胆甘えんぼうから恥ずかしがり屋甘えんぼうになったりしたら俺歓喜w
何か読んでくれたようなので、お礼もかねて要望にそった続き考えてみた。
要望にあうといいのだけど。
名前はそのままだから、脳内でうまく処理していただけるとありがたいです。
まだ禿げてはないはずなんで。
嫌なら「紗智」であぼんしてください。
エロ梨微糖。
じゃあ場所お借りします。
「なっなんでもとくんがいるのぉ!?」
いいとも総集編も半ば終わりかけたころ、俺の恋人様はやっと目覚めて、そうのたまった。
安眠を奪い、忍耐力を試された最後がこれかよ。
「……よーく、思い出してみようか紗智ちゃん。まず、問1ここはどこでしょうか。そして問2着ているシャツは誰のものでしょうか。最後に問3、問1・2から導かれる答えは!?」
腕の中でキョロキョロとしたあと恋人様は上目使いで口元にへらりとした笑みを作り、擦り寄るように首を傾げた。
「えーと、ごめん……ね?」
「うむ。むしろ俺が聞きたい。何で宿題がわからなくて終わらないから泊めて! の結果がこうなるのか?」
付き合って三ヶ月、初めての恋人のお泊まり。
心踊るシチュエーション! と言いたいところだが、そうはいかないものらしい。
完璧文系の紗智は分厚い数学のプリントを抱えて(お泊まりセットとともに)土曜日やって来た。
親になんて言ってきたのかとか気にはなったけど、それよりもあまりに逼迫した表情にすぐさまプリントにとりかかる。
なんせ紗智は受験生。予備校だけでもいっぱいいっぱいなのに学校の補習まで入ったら二人の時間どころか睡眠時間が無くなりかねない。
来年は学部は違えど同じキャンパスで過ごすためにも協力してやるのが、彼氏というものだろう。決して自分の利益を最優先したわけではないと宣言しよう。
決して噴水横でアイスを一緒に食べたりしたいとかそんな理由ではない。
「えーと、プリント手伝ってもらったら案外早く終わって……さすが塾で数学の先生してるだけあるよね!」
「ありがとう、だけどそこはいいから」
「それでお風呂かりたら、友達のとこに泊まるクセが出て、パジャマ忘れたからシャツ借りてー」
おかげで俺はしあわせと苦悩を知る。紗智は細いし見た目から胸は期待はしてなかったが、普通程度にはあるとわかったし、何より脚が綺麗だった。
簡単に掴めそうな足首、ほっそりとしたふくらはぎから続く、もちっとしてなめらかな太ももは大変美味しそうで、目のやりばと言うものが。
「ベッドで一緒に寝ようとしたら、もとくんがソファいこうとして、悪いし、ソファに寝てみたらめちゃめちゃ居心地よかったから、私がそこで寝ることにしたんだよね」
一目で気に入って買ったラブソファは実はベッドより金をかけたから、当然といえば当然なんだけども。
そこで猫のように丸くなる紗智にタオルケットをかけて、俺はベッドに入った。これが土曜の深夜。
「でね、喉乾いたなーって起きて……寝ぼけて間違えちゃったみたい」
「そうか」
間違えで俺は、寝不足に……せっかくの休日が寝不足に……。だったら最初から一緒に寝てればよかった。
彼氏の心、彼女知らず。紗智はにこにこと話しはじめる。
「うん、でね! 夢にもとくんが出てきたよ」
「どんな夢?」
俺の質問は話の流れから至極自然なものだと思う。しかし紗智は少しそばかすの浮く頬を赤くした。
「あ、うん、ふつー。ちょーふつーのゆめだよー」
感情の抜けた声で、誰だってわかる嘘をつく。
小さな顎を捕まえてこちらを向かせると、目を見てないのに、泳いだ視線とさらに上気した頬にピンときた。
「何、俺にキスでもされた?」
華奢な肩が大きく震えた。赤みは首筋にまで広がっている。
「ど、して……」
「わかるかって?」
どれぐらい熱いか確かめようと喉元に顔を寄せて「夢じゃないから」と囁いた。
「ウソ」
「紗智じゃないから、嘘つかないよ。あれは現実」
「ウソだよー! だってあんな、あんなっ」
互いの額をくっつけると、紗智は涙目になりはじめている。
「あんなってキスねだったり、抱きついてきたり、好きとか言ったりのどれ? それとも全部?」
「もとくんのバカぁっ! 恥ずかしいぃい」
「ふーん、じゃあもうしないし、かまわないから安心していいよ」
背を向けて小さくなっても自分からは離れようとしない身体を離す。
起き上がろうとした瞬間思い切り引っ張られ、紗智を潰しそうになりながら、上に倒れこんだ。
「危ないだろうが」
「やだ」
会話がつながらない。
「……もっとしてくれなきゃ、やだ」
「何を?」
「意地悪!」
「なんとでも」
膨らんだ頬を指でつつく。甘いものと素敵なものでできているのは本当かもしれない。
「欲しいものは口に出していいましょう。それが人間の試練デース。夢で出来たなら今も出来る」
「違うもん! 夢だからできたの!」
しばらく紗智は「バカ」だの「意地悪」だの口の中で呟いて、
(頭は理系科目を除いて酷くはないはずなのに、あきれるほど悪口の語彙が貧しい)
最後は泣き声とうめきが半々になり、ため息をついた。
本当に見ていて飽きないなぁと思う。
付き合うことにしたのも百面相が面白かったからだし。
そもそも自分からくっついてくるのは平気なのに、言葉にするのは照れるとは矛盾してないだろうか。
それともくっついてくるのは無意識なんだろうか……謎は深まるが、まぁ気分がいいので良しとする。
紗智は俺をキッと睨んだかと思ったらそっぽを向いて口を開いた。
「……も、もっと、その……ギューとか、ちゅ……とかしたいし、して、かまってほしいですっ」
言い終わるやいなや両手で顔を覆うから、それを外して、「はい、よくできました。ご褒美」と可愛い唇に望み通りにキスをした。
試練の先にはご褒美があるのは誰も同じなわけですね、神様。
お粗末さま。
じゃあROMに戻る。
無駄に長くてごめん。
やっぱり職人さんたち凄いわ頑張ってください。
夏はかき氷とか甘いものがうまいよね。
>944-948
ごちそうさま。
甘すぎて虫歯になりそうだw
ついに950オーバー。そろそろ次スレを考え始めた方がいいかな?
>>1000まで行くのが早いか、容量がいっばいになるのが早いか……。
微妙なとこだな。
恋する気持ちで容量がいっぱいになってしまう甘えんぼうっ子。
メカつ娘か?
955 :
小ネタ:2008/07/16(水) 19:41:26 ID:yodhnbnC
「……晩飯、なんで用意してないんだ?」
「容量オーバーによる機能停止です。余分なデータを削除してください」
「……掃除もしてないな」
「容量オーバーによる機能停止です。余分なデータを削除してください」
「……おい」
「容量オーバーによる」
「ちょっと待て」
「はい」
「俺はお前にそんな大容量のデータをぶち込んだつもりは無いんだが?」
「自動学習機能による自己生成です」
「……で、なんなんだそのどでかいデータって」
「恋です」
「…………」
「恋心です」
「…………はぁ?」
「恋心です。フォーリンラブです。ウォータイミーです」
「……誰にだよ」
「貴方にです」
「………………」
「あいらびゅー」
「……よし、じゃあそのデータ消そう。すぐ消そう。今消そう」
「私に人並みの心があったならばきっと傷ついたと思いますが、
流石にそこまで高性能ではないので特に問題はありません」
「そりゃ良かった。で、どうやって消すんだ?」
「ぎゅーってしてください」
「……」
「抱きしめてください。具体的に言うとハグ。変な顔の犬ではありません」
「……で、どうやって消すんだ?」
「より詳細に説明すると、私の恋心が解消されれば、データは圧縮収納され、
削除と同等の効果が」
「で、どうやって消すんだ? あ? おい?」
「貴方が望むのならば、背中のボタンを押せば一発おっけーです」
「よしわかった。背中出せ」
「でも私は、この気持ちを消したくありません」
「でも俺は消したいんだ」
「というわけで」
「大人しく背中をっておぉい!?」
「ガッチリ高速で拘束しました。なんちて」
「てめ、この、離せっ! 俺はお前とこんな事したくな」
「ぶちゅっとな」
「んぐぅぅぅう!?」
「……ふぅ、激しいキスでした」
「………………泣きたい」
「まあ、いいじゃないですか。減るもんじゃなし」
「てめえ、今すぐ返品だ! 俺の純情を弄ぶなっ!?」
「……ふふふ、もっと抗ってください。その方が……そそられます」
「悪魔だぁぁぁああああああ!!!!???」
「……しくしくしく」
「データの圧縮格納を完了。通常動作モードに戻ります」
「……もう今あった出来事は忘れるから、さっさと飯作ってくれ」
「もうできています」
「はやっ!? ……じゃあ、一人で食べたいから」
「はい、あーん」
「…………」
「はい、あーん。その後私にもあーんしてくださいね」
「もういやだぁぁぁぁああああああ!!!!???」
甘えん坊アンドロイドの暴走 完
量子の世界みたいに小ネタが突然飛び出してくるよね、このスレ
そこがこのスレのいいところさ
ロボ娘ってのもまたいいなあ。
おるすばんえびちゅのロボSEXプレイを思い出してしまった俺は負け組みだ。
ウィーン、ガチャン、ウィーン、ガチャン、「ソウニュウ シマス」
恋するアンドロイドってヤツはなんでこうも素敵なんだ
メカっ子ばかりにかまってると、甘えんぼうな幼馴染が反旗を翻すぞw
じゃあ甘えっこ幼なじみは実はロボでした!
ってことにしよう。
むしろ
大事故で体の一部を機械化。感情も大部分欠落したが、それでも男に対する好意は消えず
とかは?
>>964 私の身体のほとんどは機械に置き換えられた。
記憶も感情も殆ど失ってしまった。
でも一つだけ覚えていることがある。
ーー貴方を愛しています。今も、変わらず。
萌え尽きそうなシチュだな
暴走した機械を止めるために動力炉に侵入して暴走機械と運命をともにするところまで妄想した
そこで涙腺がゆるんだ
つ[パワポケ8 友子][パワポケ9 武美]
…サイボーグとはちょっと違うか?
後ろで爆発音が聞こえたが、俺は振り返らずに歩いていった・・・
甘えんぼうなおにゃのこメイドロボか。よし。考えてみるぜ。
「ご主人様、だっこして欲しいです」
「お前、自分の重さが何キロかわかって言ってるのか」
「女性に体重のことを言うなんてひどいです」
「限度がある。俺は自分の腰椎をヘシ折る趣味はない」
「じゃあ、ギュッてしていいですか?」
「お前、自分の腕力がどれくらいか忘れたのか?」
「ちゃんと出力調整できますよ?」
「お前、感情が高ぶると歯止めが利かなくなるじゃないか」
「じゃあ、じゃあ、ご主人様がギュってしてください」
「それは――う……むぅ……」
「お願いです。ご主人様に焦がれる憐れなメイドにお慈悲をください。うるうる」
「……あーもー……しょうがないな」
「やったぁ! ありがとうございます、ご主人様っ! ピンピロポロリン♪」
「好感度が上がったみたいな音出すな」
「それじゃー抱きしめるけど、抱き返すなよ。絶対だぞ」
「はいっ」
「はー……ったく。…………いつもありがとな」
「ご主人様ぁ……っ! 嬉しいっ!!!!!」
「ばっ、ちょっ、まっ」
ゴキゴキゴリゴリギギギギギ
「ごふっ……がはっ……」
「嬉しいですっ! はううううっ、ご主人様だいすきーーーっ!!」
メキメキグギギゴリバキミチチチブツンッ! ブシャアアアアア!!
「……っ……………っ」
「……あれ? ご主人様? ご主人様ーーーーーっ!!!」
DEAD END 21
決まり手:ベアハッグ
<バッドエンド回避講座>
・メンテナンスにはお金をかけましょう。
・それでも危険がある場合は、オプションの追加も検討しましょう。
・甘えんぼうだからといって、甘やかしすぎるのはいけません。
・口は災いの元。余計な一言が感情の箍を外してしまう可能性を考えて。
素晴らしい甘えんぼうメイドロボとの生活を満喫するために、もうひと頑張りしてみましょう。
→タイトル画面へ
考えてみたんですが……フフ……失敗しちゃいましてね……という投下終了。ノシ
970 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 11:20:36 ID:7Ab9562C
ほ
ん
き
だ
だがロボやらアンドロイドやら、サイボーグやらの女の子を出すと
どうしても切ないシナリオになる気が…
その分ハッピーENDに行ったら幸せそうな後日談がありそうな話になるんだがな
と
>>967を見て思い出す
まあ、待て待て
ロボ娘を語るならロボ娘スレに来てもらおうかw
妄想や独り語り歓迎だから
そこから生み出されたSSも多い
無口っ娘は小動物系がはまると思う
保護欲をかき立てられるじゃないかw
無口っ娘が小動物系とか受身な性格って言うのは王道だけど、あえて逆も見てみたいな。
過ぎるくらいにクールだったりドSだったりってのがどうだろう・・・。
むしろ甘えん坊は基本的に攻め属性だと信じて疑わない俺がいる
しかし究極の甘えん坊である赤ちゃんは徹底した誘い受け
>>977 俺的には途中まで攻め、という感じがする。
甘えん坊彼女(ややS)、あらゆる手段を使って男の理性を崩そうとする
→普段は優しい良識ある彼氏、長時間耐えるが敗北。理性崩壊に伴いドS(もとい鬼畜)に変貌
→攻守交代、結合
こんな感じかな。普段温厚な人がキレると怖いっていうし
次スレが欲しいなっ♪
950とか980が建てるのがセオリー
じゃぁテンプレが欲しいなっ♪
甘えん坊娘は攻めというより基本誘い受けで微Mだという偏見があるな
テンプレ。らしきもの
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度2
ここは甘えんぼうな女の子のエロパレスレです
人前だろうと関係なしに抱擁や接吻、あるいは性交を求めてくる方はもちろん、恥ずかしがりながらもぺたぺた甘えてくる方やある一定の条件を満たしたときに激甘化する方も大歓迎です。
エロは必須ではありませんので、ラブラブオンリーな話もOK。ただし特殊なシチュを含む場合は事前に注意書きを。
なおこのスレを見て虫歯になった、糖尿病になったという方は保管庫へ行きましょう。必ず悪化します。
それでは、甘美なるひとときをお楽しみください……
こんな感じでどうかな?
986 :
980:2008/07/20(日) 01:20:15 ID:dzlq6ovN
987 :
980:2008/07/20(日) 01:25:14 ID:dzlq6ovN
>>987 携帯で「甘え」で検索してる俺涙目www
>>987 ぬわー
タイトルまでコピペは危険という事が分かった。
991 :
980:2008/07/20(日) 01:43:57 ID:dzlq6ovN
大丈夫、人間誰しも失敗はあるんだから気にしなさんな
>>976 「あぁ…君の膝の上に座り、君の首に腕を回し、君の頬に頬を付け、君の体温を身体中で感じる……幸せだ。
お願いだ、君のその手で私の頭をくしゃくしゃと撫でてほしい。そうすれば私は更に幸せな気持ちになれそうなんだ」
「…帰ってからやってやるから席に戻れ。何故か皆にスルーされているが、ここは教室で今は授業中だ」
クールと聞いて何故か素直クールな甘えん坊を想像した。
>>991 乙です。
削除依頼も出してきました。
即死してくれるのが一番ですけど。
よりによって、板のスレ数が圧縮リミットギリギリの今かよ、
ってのがもうねorz
遠謀な女の子のエロパロと聞いて(ry
次スレもぎゅっ♪
997 :
小ネタ:2008/07/20(日) 13:27:15 ID:k/ZZyvCX
>>995 そう、ここだ。ここで後ろから抱き着いて胸を押し当てれば、
私を異性として実感させる事ができるはず。あの人だって男なんだから、
そうなれば例え妹とは言え意識して当然。そうなれば血が繋がって
いないんだから、あんな事やこんな事も可能っ!
「おにーちゃん♪」
よし、がっちり抱きついて――
すかっ
――なにぃ!?
「ん? どうかしたか?」
「え、あ……なんでもないよっ♪」
「……何変な格好してんだ?」
「だ、だからなんでもないって!」
か、かわしただと……。
背後からの不意のハグ……かわせる要素などどこにも無いはず!
ふっ、まあいい。抱きつくチャンスなどいくらでもあるのだからな。
とにかく、今はこの不自然な姿勢――虚空を抱きしめるように
両腕を交差している――を誤魔化さなければ……警戒されては
今後の活動に障害が生じてしまう可能性が高い……。
「ほ、ほら、DAIGOのまねー」
「…………」
……すべった、か。
……なんだか泣きたくなってきた。
「おい、おい、なんで泣いてんだよ」
「……な、泣いてないもんっ!」
「そんなにギャグが滑ったのを気にしないでも……」
「気にしてないもんっ!」
「ほんとかー?」
予定外の涙が出てきてしまったが、これはこれでいい。上手くすれば、
慰めて貰える可能性がある。指でぬぐいながら、背を向けて寂しげにして
……逆に後ろからぎゅっとしてもらうのを誘うという作戦を敢行する!
「なんだ、やっぱり泣いてんじゃないか」
「な……泣いて、ないもん」
「お前はホント泣き虫だよなー」
「泣き虫じゃないもんっ!」
「じゃあ泣くなよ」
「泣いてないもんっ! ホントに泣いてないっ!」
……やばい。涙が本格的に出てきた。
「やーい、泣き虫なうそつきー」
ぷつん
「お兄ちゃんのバカァ!」
何かが切れた瞬間、私は近くに何か重い物体を全力で背後の
兄に向けて投げつけ、兄の部屋を飛び出してしまった。
ぐえっ、という声が聞こえたような気もしたが、それを気遣う余裕は最早無かった。
作戦とかもどうでもよくなり、ただただ悲しくて悲しくて、私は泣きながら
自分の部屋へ飛び込んだ。
……駄目だな、私は。
「……へるぷみー」
その頃、投げつけられた本棚とそこから飛び出た本に埋もれた兄は、
今後はあんまり妹を苛めすぎないようにしよう、と反省していたとかいないとか。
遠謀な少女 終わり
ジャイアンドロイド
1001 :
1001:
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。