サムライうさぎでエロパロ

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1名無しさん@ピンキー
立てた
2名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 20:43:30 ID:I1Iitkp8
2get
とりあえず志野と伍助の初夜を求む
3名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 21:00:28 ID:xRItNxc/
良い作品だと思うけど、週刊少年ジャンプには向いてない気がする
4名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 22:16:39 ID:2oiH0xad
もうかよ!はええよ!
だが誰かがやってくれると信じていたでござる!
早速2話より早く書かせていただきたい。
5名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 22:21:40 ID:8cnJ+iF6
セラムソかと思った漏れは三十路。
6浅野どーん!:2007/03/09(金) 00:08:28 ID:wmK93UB0
導入部分を書いてみた
初夜が風呂場って俺特殊な趣味持ち過ぎだろ常識的に考えて
7ふしぎなひと1/10:2007/03/09(金) 00:10:19 ID:wmK93UB0

 あたしのなまえは志乃といいます。
 物を作るのが得意です。
 好きなものはがんばってるもの。
 ……うさぎとか。

 「まだ起きてたのか」
 「納期が早まっちゃったからー」
 「……風邪をひいてはいかん、切り上げて床につけ」
 「ひと段落したら寝るから大丈夫だよ」
 そんなこと言って、自分こそ汗でびしょびしょじゃないのさ。明日だって早いくせに。
 「――――苦労をかけるな」
 「なにが?」
 「……いや。早く休めよ」
 それだけ言って、障子が閉まった。
 へんなの。いっつも吊りあがってる眉毛がへにょへにょじゃん。
 持ってた作りかけのウサギに目をやると、行灯の加減で泣いているように見えた。
 「……もっと眉毛をぶっとくかいたら強そうに見えるかな?」
 筆を持って勢いよく墨を伸ばす。
 「ああっ!」
 含ませすぎたのか、まだ下地がよく乾いていなかったのか、黒い線が見る見る間に滲んで綺麗に塗れた朱色の目が閉じてしまった。
 「ううー…………………………ううん……これはこれで新しいんじゃない?」
 片目だけ黒いのも格好がつかないので、もう片方の目にも墨をのせてみた。
 「おおー!」
 大きな目の縁取りをきれいに整えて、朱で目張りを入れたらずいぶん見栄えのする新作が出来上がった。
 「これ新しいじゃん!いいよこれ!かっこいい!」
 瓢箪から駒、不幸中の幸い、犬も歩けば棒にあたる。いろんなことわざが浮かんできて、何だか嬉しくなってきてしまった。体中にゾクゾクと血が走る。
 「……うふふふふ」
8ふしぎなひと2/10:2007/03/09(金) 00:10:57 ID:wmK93UB0
 オレは名を伍助という。
 年は15。一応妻帯者で、家督を継いでる。
 好きなものは剣術。
 苦手なものは世渡り。

 「……いや。早く休めよ」
 それだけ言って、障子を閉め、風呂場へ向かった。
 出来る限り早くその場から離れたかったからだ。
 武家の娘がこんなに夜遅くまで内職だと?なぜだ?答えは簡単、オレに甲斐性がないせいだ。
 自分の嫁に家計で不自由をさせるなんて事は、いち主人として非常に面白くないし、何より不憫で申し訳ない。だがオレは自分が器用な男でない事は十分知っているので、たった一つの特技を磨くことが一番の早道なのだと信じ、鍛錬の日々だ。
 オレには責任がある。
 嫁の仕事を全うする彼女に報いるため、オレは主人の仕事を全うしなければならない。
 主人の仕事とは、家人によい飯を食わせ、よい着物を着せ、寒い日は暖かく、暑い日は涼しく暮らさせることだ。人に笑われず、人を羨ましく思わせず、心穏やかに日々を暮らさせることだ。
 そのために、オレは立派にならなくてはな。
 もう志乃が泣かなくていいように。
 志乃がいつも笑っていられるように。
 それが夫であるオレの責任。妻に貰ったオレの義務。
 「……っくしょ!」
 まだ春先に汗まみれでは自分が風邪を引く。明日だって早いのだ、さっさと湯浴みして床に就くとしよう。
 風呂桶にはまだ湯が残っていて(晩に素振りをするオレを気遣ってか、志乃は朝に風呂掃除をする)、手桶で湯をかぶる。だいぶ温度は下がっているので掛かり湯で気分爽快とはいかないが、まだ十分暖かい。
 「ちょっと浸かってくか」
 たぷん、と闇色の湯が揺れて、後は静かになる。
 窓の格子から差し込む丸い月が、たわんでは伸び、霞んでは現れた。じっと目を閉じると、とたとたとたとた、と足音が近付いてくるのが聞こえた気がして。
 「……厠か?」
 独り言を呟いた時、板戸が思いっきり元気よく開いた。
9名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 00:12:01 ID:BxWmjBwu
大奥奉公→逢引き→剃毛プレイ→殿にバレちゃう!→のり→斬。
悲劇・のまげ姉さんの一生である
10名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 01:35:23 ID:1XfOkokY
>>9
ワロスwwwwwwwwwwwwwwwww
11名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 13:01:58 ID:ApBnmEZo
続き町ほす
12名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 15:05:11 ID:AI7soFTi
すげーなーもうスレ立ってて話書いてんのかよ
がんばれ保守
13名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 16:10:11 ID:J+19vQzn
立つだろうと思ってたがやっぱり立ったかw
14名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 17:07:35 ID:oA0Tn3L+
志野が伍助の上司にレイプされて、伍助がその上司を隠し剣鬼の爪で暗殺するSSください
15浅野どーん!:2007/03/09(金) 19:15:25 ID:wmK93UB0
>14
スゲー読みTEEEEEEEEEEE

10レスじゃ収まりませんでした許してつかぁさい。
16ふしぎなひと3/11:2007/03/09(金) 19:17:10 ID:wmK93UB0

 「見て!新作!かっこいいでしょ!」
 「ギャー!」
 掲げる新作のお面を見ようともせずに風呂桶の中に沈み込むので、アタシは暗闇の板の間から一歩踏み出す。冷たく滑るすのこに足を取られないよう、慎重に。
 「し…し、志乃かっ!?」
 「ほら見てってば!」
 「わっバカ入ってくるな!オレがどこに居るのか解ってんのか!?」
 ばちゃばちゃ湯が跳ねる音がする。ばかね、お風呂に来てるアタシがなんで居場所わかんないのよ。
 「お風呂でしょ、ね、それより……あ、暗くて見にくいね、窓の方に持ってく」
 「まっまてっ!ちょっ……ちょ、ちょっとこら志乃!!」
 そんなに暴れたらせっかくの新作に水玉が出来ちゃうじゃない。アタシは袖で覆うようにしてお面を守りながら月の光で黄色と黒の格子柄になってる人の顔の前へ踏み出る。
 「ほらほらほ…っ………うわっ!」
 やだ、なんか踏んだ。なんかぬるっとするもの。ぬか袋かな、なんて思う間に重心が狂っていく。
 「……いっ!」
 おなかを支点にして世界が回る。あっと思ったときは上半身が真っ暗なぬるま湯に突っ込んでいた。細かな泡が顔中にぶつかる。
 「新作!!」
 慌てて顔を風呂桶から引っ張り出して、持ってたはずの左手を……
 「……はれ?」
 「――――――――志乃、もうちょっと周りを見て行動出来んのか」
 髪をびしょぬれにして片手を高々と上げ、もう片手はアタシの首根っこを掴んで、格子柄の怒り顔が静かに言った。
 「……ごめんなさーい」
 アタシはと言えば、抱えられながら見ている高々と持ち上げられたお面がちゃんと裏を向いていて、やっぱ武道をやってる人の瞬発力は違うもんだなぁと感心していた。
 「……む。…………で、なんだ。」
 「見て、新作。出来たてホヤホヤなの」
 指差して視線を誘導させてもこの人の身体はびくともしないのがスゴイ。胸にぺったり張り付いてる自分のほっぺたの方がずっと動いている。
 「今度のうさぎは水玉模様なのか?」
17ふしぎなひと4/11:2007/03/09(金) 19:17:52 ID:wmK93UB0

 「……いっ!」
 まるで時間がゆっくりと過ぎて行くようだ。そう、極限まで集中した試合のときのように。命令を出すより早く、手足が咄嗟に身構える。左手に掲げられた面、それから志乃の身体を支えなければ。
 ばしゃん、と跳ね返る湯が思いっきり顔に掛かるのに、目をしっかり開けていられるのは修練の賜物か。
 「新作!!」
 しばらく風呂桶の中をごぼごぼやってた志乃が大慌てで頭を湯から引き抜いて大声を上げた。もう夜も更けたというのにやかましい奴だ。
 「――――――――志乃、もうちょっと周りを見て行動出来んのか」
 眉を下げてすまなさそうに謝る志乃の身体の力がふっと抜けた。よっぽどこの面が重要と見える。
 ……が、素っ裸の男の腰にしがみついて安楽にする娘はいかがなものか。オレはお前の兄上じゃないんだぞ。一応、まだ形ばかりの夫なんだぞ、わかってんのかおい。
 等と言えるべくも無い。ええい邪よ去れぃ!
 「……水玉もなかなかカッコいいね」
 志乃が月の光の中で微笑みながらよいしょと身体を起こす。体重と体温が離れてゆくのが、ひどく惜しい気がした。
 「なに、乾かせば元通りに」
 後から考えるとオレはずいぶん間の抜けたことをした。何故風呂の格子に立てかけて乾かそうとしたのか。どう考えても湿気だらけのこんな場所に置いてて乾くわけがない。
 オレは面を取ろうと伸び上がる風呂桶の外に身体がある志乃の手に届かないような、天井近くの格子窓に面を立てかけた。当然、無理な体勢で背伸びをした志乃はまた重心が狂う。
 「わっわっ……わっ!」
 じょぼん。今度はオレが身体を全く支えてないもんだから、身体ごと風呂桶に突っ込んだ。……こいつ、もしかすると運動神経ないんじゃないか?
 「…………。」
 「………………」
 無言で湯から立ち上がる志乃の目は座っていて、掛ける言葉もない。
 「ぶ」
 ……ぶ?
 「ぶははははははは!!」
 きょとんとするオレを尻目に、志乃が声を立てて笑った。その姿があんまり愉快そうなので、オレもなんだか可笑しくなってきた。
18ふしぎなひと5/11:2007/03/09(金) 19:18:26 ID:wmK93UB0

 「ふ…はははははは!」
 「あははは〜」
 「寝巻きがびしょびしょじゃないか」
 「そっちこそ、髪ぐちゃぐちゃ」
 お互いの格好を指差して笑いながら、湯が減って狭い風呂桶の中でぼんやり月を見上げた。お月様はまん丸と言うにはほんの少しだけ欠けていて、アタシはこれから細ってゆく十六夜に思いをはせる。
 「……志乃よ」
 「…………なに?」
 「――――――――いや、なんでもない」
 「ふうん?」
 湯が少し冷めてしまった。早く上がらなくちゃ風邪を引いちゃう。家人の体調管理は奥の仕事だし、早く上がらなくちゃ。何より明日も早いんだし……
 そこまでわかっちゃ居るのに、動けないのはなんで?
 背中がぬくい。胸まで浸かってる残り湯よりも温度は低いはずなのに。
 「ねぇ?」
 「…………なんだ」
 「なんかおしりのあたり、へんなかんじ」
 言った途端にすごい咳き込む声が聞こえて、それはそれは盛大に咳き込み始めて、ごほんごほんと見るからに無理からの咳を続ける。
 「だっ……!だったらさっさと退かんか!」
 なんか急に怒り出した。別にヘンなこと言った覚えないんだけどな。
 「だってここぬくいんだもん。まだ居てもいいでしょ?」
 眉を思いっきり下げて訊ねると、これまた思いっきり渋い顔をして小さく短く好きにしろ、と言ってぷいっとそっぽを向いた。またまた、自分だってぬくくていい塩梅なくせに素直じゃないんだから。
 湯からもう湯気は上がっていない。そろそろ湯に浸かってない場所が冷えてきた。濡れた寝巻がずっしり重くて、ぽたぽた髪から滴る水が冷たい。
 なのに、ここで見上げる月が綺麗で、背中と指先がぼんやり暖かで……とても立ち上がれない。
 「……志乃よ」
 「なに」
 「お前、身体が冷えとる」
19ふしぎなひと6/11:2007/03/09(金) 19:19:08 ID:wmK93UB0

 言った自分が恥ずかしかった。恥ずかしいあまりに暖めてやろうかと問うのも忘れた。
 「ひょえぇ……」
 間の抜けた引きつり声が擦れながら消えて、それ以上は何も聞こえない。
 抱きしめた肩は小さく冷たかった。華奢で危なげで、少し力を入れ間違えたら抱き潰してしまわんかと心配になるほど、どちびのオレより小さい。
 「……ぬくかろう」
 「――――――――うん」
 強張っていた身体からゆっくり力が抜けて、ついに頭までくたりとオレの鎖骨に預けた。
 ……まずい。まずいまずいまずいまずい。
 椿油のにおいが微かにする志乃の髪の香りにぞくぞくする。力を込められないのに全力でぎゅっと抱きしめたくなる。ど、ど、どうになかっちまう!誰か、誰かオレを殴ってくれ!!
 「あー……し、志乃、さん」
 「ん?」
 「オレも、い、一応男なんでな。あまりその、なんだ、信用し過ぎて貰っては……その、困る」
 「……なにが?」
 「だからっ……このまま居ると、オレが危険だということだ!」
 「……どういうこと?」
 ええいこの鈍感女め!なぜそんな曇りの無い目でオレを見る!まるでオレが罪人みたいな気になってくるではないか!どっちかっつーとお前が悪いんだぞ!俺もそれ相応に悪いけど!
 「――――我々の関係はなんだ」
 「めおと。」
 「では夫婦の一番の仕事はなんだかわかるか」
 「……ああ。」
 「まだお前をろくに食わしてやることも出来んのに具合が良くないのはわかるな」
 「兄上に教わったよ。めおとの一番の仕事は仲睦まじく暮らす事だって」
 ……うう、確かに間違っちゃいねーけどよ。
 げんなりするオレの手がふっと持ち上げられて、眉をひそめながら視線を動かしたら、その手が志乃のあごの辺りの頬に巻き込まれていた。ふわふわで温かい、首とあごの間に。
 「ぼろぼろのこの手、いつか触りたかった」
 囁かれた言葉に顔が紅く染まったのが自分でもわかった。背筋がざわめく。
20ふしぎなひと7/11:2007/03/09(金) 19:20:11 ID:wmK93UB0

 「……し…っ…の」
 帰るが握り締められたみたいな声。きょときょと落ち着きの無い目。ドキドキうるさい手。
 「かお、触ってもいい?」
 訊ねても返事が返ってこないので、そのまま手を伸ばした。同じように、頬とあごの辺りに触れる。
 「……っ!」
 ……へんなの。強い人なのにぎゅって目を閉じてさ、子供みたい。……かわいい。
 滑る指と手のひらに薄く力を込めるたびに、ひくひく蠢くまつ毛と瞼がふしぎだった。アタシも触られたらこうなっちゃうのかな。……それってどんな感じなんだろう。
 「ね……かお、触って」
 言って、しばらくしてから恐る恐るといった風にザラザラでささくれ立った固い手がアタシの頬を滑った。滑って、首から肩に、襟の中から背中へ落ちていく。寝巻きを湯の中へ溶かしながら。
 「…………ひゃー……」
 「オレも、触りたかった……触りたかったよ、志乃を」
 「……んっ」
 湯が舞い上がる。ぬかるむような音。金色のお月様、真っ黒のうさぎのお面。巻き込まれる身体。
 恥かしいのにやな感じがしない。不思議な感じ、ヘンな感じ、懐かしい感じ、初めての感じ。
 首から肩にかけて、熱いものが何か滑った。声が出ない。身体が言うことをきかない。
 「冷たいの、志乃の身体」
 その声に夢うつつからようやく正気に返って、倣うようにうなじ辺りを舐めてみる。
 「……旦那さまの、味がするね」
 言ってみてから違和感がした。そういえばこの人を呼ぶ時、旦那さま、なんて久しぶりに言った気がする。だって一番最初そんな風にまだ呼ばれる資格がない、なんて言ってたから。
 「〜〜〜っ志乃、そんな風に言うな、そんな風に言われるとだな、言われると……」
 機嫌を損ねたに違いない。身体がぎゅっと緊張して苦しいくらいに腕に力が込められた。
 「止まらんようになる」
 寝巻の帯が無理矢理引っ張られて、その上水を吸っているからきっと方結びになってるんだ。そんで、そんで、そんで……
 其処まで考えたのは覚えてる。それ以上はよく分からない。
 両肩がまろび出ている。黒い髪が目の前に広がってる。途切れ千切れの忙しない吐息が聞こえた。
21ふしぎなひと8/11:2007/03/09(金) 19:20:46 ID:wmK93UB0

 「あっ、あっあっ……!」
 最悪だ。最低だ。切腹ものだ。我ながら到底サムライの所業とはおもえん。
 「んっんあぁ……あっぁあっ……あ!」
 頭のどっかで冷静なオレがオレを哂う。なのに嘲笑されているオレはこれを正しい事だという。
 「っく……ぅ……いっ……あっ!」
 最初はどこかで話に聞いたか、見ただか、口吸いなんてのをしようとしただけなんだ。多分オレの中に居る全部のオレが嘘だというだろうけどホントなんだ。紅も差さないのに赤く輝くあの口を……いや。
 なのに今やってんのはどうだ、濡れた着物で身動き取れない志乃の身体に口をつけている。あらゆる場所をだらしなく滴る涎をそのままに、嘗め回っている。
 「あぅぅぅ……な、んか、へん、れすよぅ……」
 舌ったらずの蕩けたのん気な悲鳴が、ますますオレの頭をどうにかする。
 「嫌なら止めるが」
 この大うそつきめ。我が事ながら虫唾が走る。赤い顔をして息も絶え絶えに震える志乃が、オレに嫌だと言わないことは誰あろうオレが一番よく知っている。最悪だ。最低だ。
 罪悪感で一杯なのに、指や手や舌、それから手ぬぐいの下でいう事をきかないうるさ方は思う存分で、更にオレは情けない。……なのになんでやめないんだ。
 襦袢だろうか、腰巻だろうか。湯の中で絡んでたゆたう布を掻き分けて、おっかなびっくり手を伸ばす。自分でも何をしているのかよく分からないが、もじもじと柔らかな曲線の動くそこに何があるのか確かめてみたかった。
 「あっ!?」
 腕がぎゅっと掴まれたような感覚がして、志乃の身体が強張った。驚かしてしまったのか、目がかっと見開かれて、口も開きっぱなしだ。
 「い、痛かったか?」
 濡れた髪が肩にぴしぴしと何度か当たった。どうやら首を振ったらしい。
 「やめるか」
 今度は肩に髪は当たらなかったが、押えられている鎖骨の辺りに横振りの振動があった。
 「……では、少し力を抜け。そのままでは、その、動きにくい」
 太ももの戒めが解かれて、ひくひく薄く痙攣する小さな志乃の指や瞼を見ながら、オレはとんでもないことをしているような気がしてきた。耐える女の身体をいいように弄繰り回すなんて、外道かオレは。
 「いたくしないで」
22ふしぎなひと9/11:2007/03/09(金) 19:22:21 ID:wmK93UB0

 息が出来ない。背中とかおなかとか、腰とか足の裏とか、とにかく身体中のどこもかしこもゾクゾクしてて、走り回る血潮の速さが目の裏で分かる気がする。
 ビリビリする、触られてるどこもかしこもが。痛いくらい熱い。苦しいくらい、胸が躍る。
 指が、アタシの、何処とも分からない所で蠢いている。耳の側で喘ぐ声で、息で、肌が灼け焦げそう!
 「立てるか?」
 帯を支えられてアタシは湯船から立ち上がる。指はまだ埋まっているのか、ジンジンと疼く。
 「……きもち、い。痛くない……」
 恥かしい、舌が回らない。涎が出ちゃう、みっともない。
 「…………足を、上げられるか」
 急いでるみたいな声。右足を風呂おけの縁に掛けさせて……なんて格好させるの。
 「――――――や、だ……見え、る」
 「少し、痛くするかもしれん」
 それだけ言って、大股開きのあられもないアタシの足の間に、身体を押し込んだ。それから――――――
 「うぅ……あぁっ!?」
 痛い、痛い、痛いなんてもんじゃない。ひどい衝撃、引き裂かれるみたい!
 「やだやだやだやだやだぁ!なに、なに!?何なの!?」
 「むぅ……それは、我慢できんか?」
 「無理無理無理無理!ぜったいむり!」
 何てこと言うのさ、こんなの無理に決まってんじゃん!死んじゃうよ!
 涙目になって抗議をしようとしたアタシの目に飛び込んできたのは、ぶっとい眉毛が情けなく下がってへにょへにょになってる……そんな顔だったもんだから。
 「……むり、だけど……けど……ぉ……」
 もっと優しくしてくれるなら我慢してあげてもいいけど、と。何故だか言ってしまった。……ううん、ナゾだわ……
 「や、優しくか……ど、どうすれば痛くないかのぅ」
 「ゆっくりするとか、押し付けてるのをもっと小さくするとかは?」
 「……小さくというのは出来んが、ゆっくりというのはやってみよう。他に何かあるか」
 ……他にったって……そもそもそんな不浄に不浄を無理矢理差し込まなくてもいーじゃん……と思ったけど、言ったら更に眉が下がりそうな気がしたので、気を紛らわせるものを所望した。
 「手を、握ってて」
23ふしぎなひと10/11:2007/03/09(金) 19:23:08 ID:wmK93UB0
10
 ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり……
 気は急くのに頭にぐるぐる回る春先の蛙のような「ゆっくり」の大合唱。一物を支えて、志乃の足を開かせながら、それから、壁に手を付いて……頭の中がぐるぐるぐるぐる、気持ち悪い。
 上手くやらなくては、痛がらせないように、ゆっくり……目の前が白黒に点滅しているような気がして気がどうにかなりそうだと思ったとき、ぎゅっと右手が握り締められた。小さな手を握り返すと、もう一度、ぎゅっと。
 ――――――大丈夫だ、上手くやる、見ていろ。
 深呼吸をして、深呼吸をさせて、じっくりじっくり差し込んだ。
 「うぅ……うぁ…うぅ……!」
 顔を上げるといつの間に持っていたのか、口には絞った手ぬぐいが噛まれていて、掴まれている右手は力の限り握り締められていて、その痛みの幾らかでもいいからオレに宿ればいいのにと思った。
 「……すまん、やめよう。不公平……」
 腰を引こうとするオレの背中に残った右手で細い爪を立てて、思いっきり引き寄せられる。
 「うううぅ……はいった……?」

 水面に手ぬぐいが落ちる音が聞こえた後の事はよく分からない。
 ナニをどうしたのか、それからどうしたのか。
 全く覚えてない。
 朝目が覚めると自分の寝床に居て、いつにも増してひどい寝癖の頭を掻いていた。寝巻も着て褌も締めている。
 「……なんつー夢だ……」
 どんよりしながら腹立ち紛れに布団を跳ね上げ、手水を使いに部屋を出た。桶にはいつも通りちゃんと新しい水が張られていて、側に乾いた手ぬぐいも畳まれて置いてある。
 便所に行って手と顔を洗い、さて口でもゆすごうかと周りを見渡して、口に含んだばかりの水を吹き出した。
 「……な、な、なっ!」
 朝日に輝く水玉模様のでかい目をした個性的なうさぎの面。
 「あ、おはよ。ご飯もうちょっとで炊き上がるから待ってて」
 それを被って風呂掃除に勤しむ志乃。
 オレは持ってた手ぬぐいが落ちたのにも気が付かなかった。
24ふしぎなひと11/11:2007/03/09(金) 19:24:08 ID:wmK93UB0
11
 「ほんとに覚えてないの?血が出て、すまんすまんって言いながら舐めてた事も?」
 あ、お箸落とした。
 「じゃあさ、お返しにアタシが舐めてあげたのは?」
 あ、味噌汁吹いた。
 「……志乃よ……朝っぱらから、なんというか、この話はよくない……」
 ……こりゃ思い出したな……。布巾を手渡して、アタシはその通りに話すのを止めた。
 黙々と食べてるから、寒い寒いって喚くアタシを一緒の布団に入れてくれて、そのまま寝込んじゃったのも黙っていよう。今日の蕪の煮付けは自信作だもん、吹かれちゃたまらない。
 「今日は道場行くの遅れちゃったねー」
 「む……今日は少し遅くなる。」
 「そうだね、朝の分取り返さなくちゃ」
 「……時に志乃よ。」
 「はい?」
 「――――――その面、気に入ってるのか?」
 じっとあたしの頭に引っ掛かっている水玉模様のうさぎのお面を指差して、今日は元気一杯、いつもみたいにびっとしている眉毛が尋ねた。
 「唯一の証人だからね」
 あ、こけた。
 「おもしろいねー旦那さまー」
 「面白くない!……つーか、旦那さまと呼ぶなと言っているだろう」
 「……じゃあ、なんて呼ぼう?」
 あたしが尋ねると、ぶっとい眉をひそめて長い長い思案顔。
 「……………………あ、あなた?……とか……」
 「はーい。わかりました、あなたー!」
 ようやく決まった呼び方をあたしが元気よく呼ぶと、渋い顔をして咳払いをして、うむ、と返事をした。
 「どうしたのあなた、顔が赤いよ」
 「あっ赤くないっ!」
 ……赤くないったって、顔、赤いじゃん……
 びしっと言い放ったのを突っ込む気になれず、それからは黙ってごはんを食べた。
 しかめっ面の“あなた”って、ふしぎだけど――――――かわいいひとだね。
25名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 19:56:48 ID:h5wGltFp
「はーははははははははは!ええんか?ここがええんか?」

「あーっちゃう!ど、童貞ちゃうわ!」
26名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 00:36:30 ID:Faq0DcYd
GJ。最高だアンタ。
27名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 03:57:07 ID:fpeTYu9z
ここで前田慶次登場
28名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 08:48:22 ID:WhfUaC3r
>>24
良かった。なんかほのぼのした。
29名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 15:30:15 ID:pNdRN599
GJー!!激萌えさせてもらいやしたぜ!!
30名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 22:17:36 ID:T/TSuL3U
本誌に無駄なエロは既に溢れているので
志乃のエロスは一話の川くらいで十分だから!
あとバトルナシでな!>編集部
31名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 22:56:22 ID:9Sl4ANgS
活劇はあってもいいが必殺技の応酬だけは勘弁だ。
時代小説ばりにリアルリアリティ寄りで心理描写中心とか……
32名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 00:15:04 ID:DMZHGYyR
>>1ちょwww志乃スレの住人かwww
33名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 11:00:38 ID:g966/EH0
サムライうさぎエロパロ難しい
伍助と志乃のやきもきするもじもじいちゃいちゃでおk
d
34名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 19:31:47 ID:m635UC9x
鬼畜系のネタなら思いつくんだが……ダメカナ?
35名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 21:16:10 ID:oWvo48tC
前フリ入れときゃ大丈夫かも
漫画の設定的に暗めの話も
普通にやれそうな所が良いと思ったり
36我ながらなんだこりゃ:2007/03/11(日) 23:24:46 ID:N7lfjFBk
もう初体験を済ませてだいぶ経った頃って設定で。


伍助「志乃……」
志乃「あん、まだお日様高いよ」
伍助「う、すまぬ、志乃が嫌なら……」
志乃「えへへ、別にいーよ、ご飯までしばらくあるし。気もちよくしてちょーだい」
伍助「志乃っ、志乃っ!」
志乃「んっ、やっ、ああっ、またおっぱいばっかり……そんなに好き? ぜんぜんおっきくないよ?」
伍助「ああ、好きだ。志乃の体は、胸も、腹も、全部好きだ。ここも……」
志乃「ふあっ、んんっ、そんなに優しくされたら……ああっ、あっ!」
伍助「もう挿れてもいいか、志乃。オレ、もう我慢できない」
志乃「大丈夫、来て……ああっ、あっ、一気に奥まで……!」
伍助「くぅっ……はぁ、はぁ、く……相変わらず、なんてすごい……腰が、勝手に動いてしまう!」
志乃「あっ、あっ、ダメ、あたしもう……!」
伍助「一緒にイこう、志乃、俺ももう、限界に……!」






二人「ぬふぅ」

伍助「志乃、そろそろ子を作って兄上殿を安堵させてやってはいかがかな」
志乃「あたしとあなた二人で相手をする子ね」
伍助「ワハハ」
志乃「ワハハハ」
37名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 00:28:39 ID:RJ0YvhZr
>>36
妙にシュールだなオイw



夫婦そろって別々な奴に寝取られる話キボン。
鬼畜なら。

今週の扉みたらうさぎ姦もアリかと思った
38名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 03:58:26 ID:n26wFIZg
>>36
サムライうさぐルイ か…


溜まっているが、志乃に手を出せずにいる伍助が、思わずチュパるわけですな?
39名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 21:33:52 ID:+Q88NmYP
それを見て見ぬふりをする情が
独身鳶職人たちにも存在したわけだな
40名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 21:51:20 ID:j9dZBFRv
吹いた。

お前らが純愛より変態の方が好きなのは理解した
間を取って純愛変態路線でお楽しみください
41名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 20:24:00 ID:zU/uKkCx
保守
42妻を拒めない:2007/03/13(火) 21:30:43 ID:WGjCCHqB
「毎晩求めてくる志乃さんに頑張って応えるんだけど
さすがにこう連日連夜では頭が愉快になってしまう
っていうか身体が持たない(睡眠時間的な意味で)
ってんであんまりしたくない説教をする伍助さん。
しかし慣れない説教なので志乃さんに上手く伝わらなくて
白昼堂々なし崩し的に押し倒される伍助さん。
それでも健気に一生懸命頑張ってたら気絶しちゃって
志乃さんに介抱される伍助さんが毎晩求める理由を聞いたら
夫婦らしいことをしたかったんだけどコレしか思い浮かばなかったとかいわれて
激しく胸キュンの伍助さん。」

とかいう話(っていうか伍助さん)を思いついたので早速死んでいいですか。
43名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 21:46:18 ID:qGfyyZGh
>>42
どうぞ。

じゃ、俺はそのあとに鬼畜系NTRで。しかも両方。でいく。
44名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 23:02:04 ID:YCt1y0rc
もっとプラトニックに変態な伍助を誰か書いてくれまいか
志乃がお風呂の時に辛抱たまらず
脱いであった志乃の着物に手を掛けて「いかん!いかん!」と思いながらも
顔に近づけてスーハースーハーとか

どう見てもこれ書いてる俺が変態ですありがとうございました
45名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 23:17:43 ID:ja/SXT6Q
あんな年頃の若者がいつまでも我慢できるわけもなく。
46名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 00:23:21 ID:eLf4DOxW
志乃の着物でオナヌーしてると志乃に見つかって結局二人でしっぽりと
47名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 01:16:39 ID:fePG2/fh
>>44
縁側で干してる志乃の布団でもスーハーしてしまい自己嫌悪に陥る伍助を妄想した自分もどうみても変態です
本当にありがとうございました。
48名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 02:49:46 ID:wmwSXVlv
>>44>>47
そんな変態共と共感している俺もどう見ても変態です。
本当にありがとうございました。
49名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 03:02:32 ID:YH3Mr4v2
>>44
いやそこはムフッだろうと思ってしまう
俺はどう見ても古い変態です。
本当にありがとうございました
50名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 09:19:17 ID:zgc3x4Vm
仕事が速いな
51名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 11:08:59 ID:fvzYKTHC
やっぱうさぎ姦で。
52名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 14:04:07 ID:Xtx4hzIw
仕事の速さにage
53名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 14:04:29 ID:iqMgbzBB
内職の裁縫を慣れない手付きで手伝う伍助が針で指を刺す
その血の出た伍助の指を志乃が口に含んで唾で消毒

どう考えてもありがちです。本当にありがとうございました。
54名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 17:05:44 ID:5ubcLVw5
>>53
そのネタいただき!
55名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 07:45:42 ID:Sh3s+Dhj
指を「はむっ」ってして股間を押さえながら手当てをするんですね!
56名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 14:36:27 ID:o9DWLmIN
ほしゅ
57名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 01:09:25 ID:xJc6eeMM
バレスレと伍助スレから拾ってきた。裏三羽

転んで食材を全部ぶちまけたという志乃。お気に入りの仮面も割れている。
しかし実はレイプされ、口封じのために斬られそうになったところを逃げ出してきた。
伍助は有名な道場(名前忘れた)でそれを知り、ブチギレて師範に飛び掛かるも、逆に門下生に返り打ちに遭い、レイプ緊縛輪姦されてしまうのであった。
自由に出来ないのと屈辱をはらすため、あの道場を超える道場を誓うのであった。


どっとはらい。
58名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 18:05:23 ID:Nt82690j
保守
59弥生のうさぎ:2007/03/21(水) 20:55:29 ID:JKoYDVGQ
この二人は初めて書いたので、エロはまだ遠かった。
今後精進する。


弥生の空は薄雲の彼方、途方もなく高くて泣き出しそうになるほど綺麗だった。
「ひゃあっ」
時刻はまだ早いが夕餉の食材を買いに行った帰り道、一瞬強い風が吹き抜けていって呑気に
鼻歌を歌っていた志乃の着物の裾を揺らした。
「春先は風が強いなあ」
さして不快げでもなく、空を見上げた目はあくまで丸く澄んでいる。
陰りのない、少女の目。
だが、志乃はこれでも暦とした人妻であった。
いまだ夫となった伍助は朴念仁そのもので手も触れないときているので、弥生の空のように一
切の穢れを知らないままでいる。だが、まあそれでもいいかと思っていた。
どのみち、いずれ捧げる時が来るのだしと日々呑気に構えて家事と内職に精を出すのが日課
になっていた。
この間、夫婦になったばかりの二人だ。お互いにゆっくりと絆を深めていければそれが何よりの
こと。そのうちに少しずつ夫婦らしくなるだろう。
それでいいのではないか。
そう考えて、志乃は抱えていた大根をよいしょと抱き直す。
「全部煮物にしよっかな。それとも半分残して切干に…」
ふんふんと再び鼻歌を歌いながら、可憐な乙女妻は頭に面妖なうさぎ面をつけた姿で軽やかに
そぞろ歩いていく。
その姿は、傍目にも楽しげだった。

「志乃か?」
後ろから、最近ようやく聞き慣れてきた声がした。夫の伍助だった。
「あ、ごっちん。おかえりー」
剣術道場を開いたばかりの伍助は、このところ毎日のように出歩いては道場の宣伝をしている
ようだ。これといって理念のない道場なのでまだ弟子も少ないが、そういう頑張りを見せるとこ
ろが志乃は大好きだった。男女間の感情とは多少違うのかも知れないが。
「夕餉は大根か」
「うん、ごっちん好きだよね。何でも言って。あたし頑張る」
「そうだなあ、では…」
志乃が年齢的に子供なら、伍助も似たり寄ったりだ。夫婦というよりはまるで兄妹のような風情
に時折通りすがる通行人がふふと微笑む。
「夕刻になるとまだ冷えるのでな。熱々の風呂吹きがいいな」
「うん、分かった。美味しいの作るね」
特別何があった訳でもない日のこと。ただ肩を並べて家路につく二人の姿は、一人一人ではと
ても生きていけない寂しがりのうさぎに重なっていた。



終わり
60名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 22:29:25 ID:0kgJUeSe
おおーいいなぁ
ふんわかしててかわいらしい。

ようし負けないぞー
61名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 08:12:40 ID:OR+K/ks8
いいわコレ
62もものはな:2007/03/22(木) 20:55:01 ID:+npPSibH
 うめ、もも、さくら
 はるのはな
 ちる、ちる、みちる
 はるのひび
 「……イカン……意識が飛んでしまった」
 捕まれてる腕に絡んでる指の先には、桜貝のように小さく薄い爪が並んでいる。
 近頃志乃…オレの妻だが…は昼間よく寝る。
 別に夜寝る暇が無いとかそーゆーのではない。
 夜遅くまで内職(我が家の名誉の為に言うが別に生活に困窮しているわけじゃないぞ)していて、訳あって徹夜作業を続けたのが尾を引いているのだ。
 「――――。」
 暖かな手だ。世辞にも綺麗な手とは言い辛いが、良い手とは言える。
 家での躾けがよほど良かったのだろう、家の始末も行き届いていて、とても茶や花を嗜んで精一杯という武家の娘とは思えないほど良く働く。
 庭に甘く香る桃の花を啄ばみながら、鶯が鳴きもせず小枝に止まっている。
 障子を開け放してももう冷たい風は吹き込まない。
 代わりにそよぐ春の薫りに包まれ、うららかな日に差されながらじっと目を閉じた。
 妻の寝息と、妻の手。
 ……おかしい、顔が熱い。何故だ。
 ひざ掛けを早く掛けてやらねば風邪を引くというのに、この掴まれた腕を振り払いたくないという欲求が勝って動けない。
 薄く力が入っている小さな手に握られているというだけなのに、何だこの満足感は。なんだこの多幸感は。例えるなら生まれたばかりの赤子に指をぎゅっと握られるあの感じを想像してもらえればいい。
 腰を砕く甘い香り。背筋を蕩かす暖かな日差し。思考を止める妻の寝息。
 「……うぅ……」
 手を引っ込めたら起きるだろうか。それとも気付かずそのまま眠っているだろうか。
 ここが家の中でよかった。もしも往来なら、オレは完全に寝息を立てる娘に悪させんとする無粋な好色男で……いや、家の中でも、十分にそうか。
 こめかみの辺りがビリビリ泡立っている。握られている腕が熱くて、針でも突き立てられている様だ。
 名を呼んでみたい、と何故か思った。呼んで起こしたいのか、と問えば否。
 では何故と問うても答えは無い。
 短いたった二文字の名前を舌に載せる。起こさないように囁くように。
 「……志乃」
63もものはな:2007/03/22(木) 20:55:51 ID:+npPSibH
 腰の辺りがぞわぞわそそけ立つ感じがして、それが一体何なのか掴みあぐねている。なのにその名を呼んで得られる快感に抗う事が出来ない。まるで甘い菓子のような魔性の誘惑。
 「志乃」
 よせてはかえす波の如く強く弱く繰り返す世迷い言。熱に浮かされた童が母を呼ぶように。
 「……志乃」
 思わず手にぐっと力が入る。居ても立ってもいられなくなってきた。障子も開け放した昼日向に何を考えている。……不埒な。
 だがこの名の響きなんと甘美なことか。唇に乗せるたびにジーンと頭の隅が痺れてまともに物が考えられなくなってくる。あの白く柔らかそうなふくらはぎは如何様な感触なのか……
 「――――――呼んだ?」
 フラフラと吸い寄せられるように志乃の寝乱れた裾元に吸い寄せられながら高鳴っていた心の臓が、確かに止まる。
 「っ……!?」
 ついさっきまで艶めかしいうなじと襟足をこちらに向けてぐぅぐぅ寝ていた筈の志乃が、ぼんやりした顔でオレの顔を覗き込んでいる。不覚、起きた事にも気付かず妄想に耽っていたのか。
 「っ……………い…いや、構わん……寝ていて、いい。……寝て、なさい」
 顔が染まるのがわかる。声が裏返ってみっともない。しどろもどろに混乱する頭がその場を何とか取り繕おうと手足に命令するので、顔を渋く歪めて言葉を濁すしかなかった。
 「そう?」
 素直にパタンと起こした頭を寝かせ、また目を閉じた志乃は恥かしくて逃げ出そうとつま先を立てたオレの手を取り、言った。
 「ごっちん……あったかくてきもちーよ……」
 それ以上は寝息に変わった何も言わない志乃に、オレはすっかり腰が抜けたようになって手を振り払う気力も失せ、掴まれた腕を支点にへたりと座り込んでしまった。

 それからオレ達が目を覚ますのは夕暮れ近くになってからで、当然夕餉の支度もしてなかったので二人で蕎麦を食べ、帰りは手をつないで桃の花の咲き乱れる川べりを通って帰ることにした。
 「アタシ桃の花ってすき」
 「……香りがか?」
 「ううん、木も葉っぱも全部。なんか幸せな感じがするから。あと桃の実おいしーしね」
 言われてふと昼間の光景が頭を過ぎり、つい力んで繋いだ手に力を込めてしまった。
 「オ、オレも……そう思う」
 たったそれだけを言うのに顔が熱くなる。生まれて初めて宵闇に感謝の意を述べたいと思った。
 それでも志乃は桃の花のようにほころんだ笑顔でオレの手を握り返して笑ったのがなんだか心の底から嬉しくて恥かしくて、歩調を気付かれないように緩めて、黙って歩いた。
64浅野どーん!:2007/03/22(木) 21:00:39 ID:+npPSibH
純愛変態路線とは真に難しいものよの……
65秘密 一:2007/03/23(金) 01:50:19 ID:tYCsJWCl
ちょっと夜這いさせてみた。未遂だけど。


何やらごちゃごちゃとした夢でも見たようだ。
不意に目覚めてがばっと起きてもまだ外は闇夜だ。
「…ふう」
今後の生活のことなど、色々と不安を感じているのだろう。たまに疲れているにも関わらず寝つ
けなかったり眠りが浅かったりして、こんな風に目覚めることがある。
とは言いながらも、まだ世も明けてないのに股間の一物はさながら富士の山の様相だ。
やはり、溜まっているものはこちらもあるようだ。
仕方のないことだ、男というものは。
そう一人ごちながらやむなく一人寝の寝床の中でそろりと手を伸ばして慰むものの、自らのそ
んな姿がやたらと滑稽に思えて苦笑うしかない。
「一体何をやっているのだ、オレは」
浅ましいやら、滑稽やらでくつくつ笑う表情は歪み出す。
この一つ屋根の下には妻と呼ぶ女もいるというのに、あたらこのよう一人寝を気取ってこのよう
な時刻にこっそりと段平を握っているのは馬鹿げているにも程がある。
とはいえ、その妻というのが曲者なのだ。
志乃という名の、この間娶ったばかりの伍助の妻は武家の娘とは到底思えぬほどに天衣無縫
で自由な女だったのだ。無論、出自は痩せても枯れても武家。それなりの婦道はきちんと心得
ていると見えて家事全般は完璧にこなしているので、文句を言う気は毛頭ない。
ただ、月に跳ねたり波に遊んだりするうさぎのようで一瞬たりとも目が離せないのだ。簡単に下
卑た男特有の劣情などで汚せない気がして、いつも手が引く、
こういう感情を何というのかはまだ分からない。多分世にある男女間のものとも違っているのだ
ろう。
そう考えたところで、急に別室にいる妻の顔が見たくなった。
はて、これは果たして夜這いというのか否か。
そんなくだらぬ考えが頭をもたげたが、ただ顔を見たいだけだからと打ち消して枕元の傍らにあ
った火打石と紙屑を取り上げた。
手馴れたもので、すぐに燃え上がる火がすかさず行灯の蝋燭に移される。
66秘密 二:2007/03/23(金) 01:51:36 ID:tYCsJWCl
古い屋敷なので、廊下を歩けばぎしぎしと軋む。
志乃が眠る部屋はそれほど遠くないのだが、若干やましい考えあっての行動ゆえについつい
歩も鈍る。
なるべく音をたてずに障子戸を開けると、日中は何かとくるくる立ち働いているせいかぐっすり
と良く寝込んでいる。蝋燭を立てた燭台を近付けると、涎を垂らしながら気持ち良さそうにすうす
うと寝息をたててている。
やましい考えがあったことなど忘れ、幼児のような寝顔に見入っているうちにもぞもぞと志乃が
身じろぎをした。人の気配に気付いたかと警戒していたのだが、気楽なものだ。
「うー…ごっちんー…」
不意に名前を呼ばれて、伍助はだらだらと脂汗を流して焦るばかりだった。なのに。
「鼻の頭にごはんつぶー」
眠りながらそんなことを言い放ち、けらけらと笑う。
「何の夢を見ているやら、人騒がせな」
寝ている時でも昼間と同じ様子の志乃に、何故だか気が緩んでしまった。やはり伍助にはまだ
どうすることも出来ない相手なのだ。
今はそれでいいのかも知れない。
少なくとも志乃の夢の中の情景には伍助がいて、しかも二人で楽しく食事でもしている。志乃
もまた、伍助を夫として見ているということなのだから、急いで無体なことなどする必要は今の
ところ少しもない。
二人なりの関係は、まだ始まったばかりなのだ。
いつまでもここにいる訳にもいかず、また何となく眠くなって、伍助はすごすごと自室に引き下が
ることにした。

早朝。
再び股間が富士の山になっていた伍助は、朝餉の支度を済ませた志乃がいつものように起こし
に来る声を聞いて大層慌てふためいたことは言うまでもない。



終わり
67名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 02:37:54 ID:7PwpwHMJ
なかなかウフフですね。よいわ〜。
68名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 06:31:22 ID:6Wu37tRC
乙ー


野暮な物言いだが、伍助視点なので『伍助の妻』って表現はナシな。
69名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 08:06:32 ID:E2hpW8MS
それほど違和感は感じなかったが、確かにな。
まあ、伍助視点+αという感じなので許容範囲だ。
70朧月夜 一:2007/03/25(日) 01:16:58 ID:o2feAtN3
エロを目論んだものの、風呂場を入れただけになった。


春の月は気紛れだ。
顔を出したと思えばすぐに雲間に隠れてしまう。
「そろそろ桜も咲くかなあ」
深夜、入浴ついでに風呂場の窓から真っ黒な夜空を見上げている志乃は、所在なげにぱしゃん
と水音をたてた。
今日も一日立ち働いていたので何となく疲れたなあと思い至ったが、このぐらいは快いものだ。
日常の、炊事掃除家庭内の雑事をこなすのは別に何の苦でもない。元々実家も武家とはいえ
大した石高もないときているので、必然的に身の回りのことは自分でするのが当然という気風
になっていた。
むしろ、夫の伍助と二人だけの今の生活はかなり気楽と言っていい。
何しろ世話も面倒も二人分で済むのだ。
「あー…月だあ」
窓からは、ほんのわずかに月の姿が見え隠れしている。昨夜はぱきんと折れそうに細くて綺麗
な三日月だったから、今宵も同じような姿をしているのだろう。ただ、相変わらず朧で見えないの
だが。
その時のこと。
廊下の床板が軋む音が聞こえてきた。今日は早々と寝付いた伍助が厠にでも起き出してきた
のだろう。風呂場の戸口で尋ねる声。
「志乃、何をしておる」
「んー、お風呂だよ。こんな時間になったけどねー」
「湯はぬるくないのか?風邪をひくぞ」
「平気平気ー、アタシ体温高いし」
実際、ぬるい湯は眠くなりそうなほど気持ちが良かったのだ。本音を言えばもっと温かい方が良
かったかなとも思ったけれど。
と。
外の焚き口の辺りに何やらごそごそと人の気配がした。しきりに石を打つ音がする。
「え、何。ごっちん」
71朧月夜 二:2007/03/25(日) 01:18:05 ID:o2feAtN3
窓に身を乗り出せば、伍助は焚き口に伏せたまま細い枝に火を移しているところだった。
「ちと焚いてやるぞ。そのままでは寒かろう」
「そんなの大丈夫なのにー」
「馬鹿を言え」
伍助は顔を上げることなく、決して志乃と目を合わせることもしないで黙々と風呂焚きの作業を
こなしていく。その甲斐あって冷めかけていた湯は次第に温んでくる。わざわざこんな時間に、
手間のかかることをさせてしまったと思いながらも志乃はその心尽くしに甘えることにした。
「…ありがと、ごっちん。あったかいよ」
「そうか」
「うん、嬉しいよ」
薪一本か二本分、風呂の湯を温め直すには充分なものだけれど、それ以上に志乃の心はほか
ほかと温くなっていた。
やっぱりこの人に嫁いで良かった、兄の言うことを聞いて正しかったのだと思えるだけで満足だ
った。
「あ、月がはっきり見えた。ほらー」
何となく照れ隠しで真っ黒な夜空を指せば、窓の外の伍助も同時に見上げたようで感嘆の声を
上げる。
「ほう、今宵は朧月か」
「そうだよ、月はいつ見ても飽きないよね」
「そうだな」
窓を隔てて朧な月を見上げる二人の距離は、今宵もそれ以上に近付くことはない。けれど。日々
は確実に境界を融かしていく。
春はあやかし。



終わり
72名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 11:54:12 ID:W82Rfmhq
いいね。実にいい。
エロとかなくてもぜんぜんいいよ!
73みえない うさぎ:2007/03/27(火) 02:47:56 ID:W/Lf98XZ
流れ叩き切って、思いっきり黒い話を書いてみました。鬼畜なのキライなひとには危険です。注意して下さい。


ぱしんっ、と乾いた音が閉め切られた部屋に響いた。
「アンっ!」
「ほうれ、腰の動きが鈍くなったぞ。もっとしっかり動け」
言いながら、下になっている男が、もう一度、上に乗っている女の尻たぶを平手で打った。続けて、ゆっさゆっさと無造作に身を揺する。
「あああああぁぁぁん! やっ、ダメっ! わ、わかりました・・・」
すすり上げながら、女も、男に合わせるように、くねくねと腰の動きを早めた。
ぐっちょぐっちょ、と肉と肉が粘液越しにもつれ合う淫靡な音が早まり、食いしばった歯の間から、押さえ切れないあえぎ声が漏れる。
望まぬ快楽に歪む女の顔を見上げながら、男が笑う。
「今のお前の顔、亭主が見たらどう思うかな?」
びくんっ、と女の身体が止まる。
「や、めて・・・」
「やめて? もっとしての間違いじゃないのかあ?」
「やめてっ、動かな、い、でっ!」
男の腹に手で突っ張って、湧き上がる快感を必死に抑える。
「お前が今何をしてるか、ホラ、言ってみろ」
「そっ、そんなの、言える、わけっ、な、あああ、ああああんんっ!!」
男が大きく突き上げると、女は堪らず崩れて男の胸に顔を伏せた。
「おら、こう言ってみな」
男が耳元でささやく。女は悔しげに唇を噛んだ。意を決して、ふっと息をつく。
「・・・あたし・・・宇田川志乃は・・・越後屋の若旦那さまに・・・抱かれて、気持ちよく・・・なっ・・・て、まっ、すっ。・・・とても、しあわせ、で・・・す」
涙声で、志乃は言われたとおりの台詞を口にした。
大丈夫。気にしなくていい、こんなのただの言葉。お芝居の台詞。あたしの本心なんかじゃない。
そう思った。思おうとした。
きゅうっと下腹の奥が震えるように縮んだ。ただの言葉だけのはずなのに。
「お? 軽く、イったか?」
「イってなんか、ないっ・・・ンンッ」
無理やり唇が合わせられる。口中を丁寧になぶられて、志乃の瞳がとろん、と澱む。
「お前も大分素直になったなあ。最初の頃なんざ、何やったって動かねえ、マグロみたいな女だったってーのによぉ。今じゃ、ホレ、こんなに食いついて、おれのを離そうともしねえ」
「やめ、て・・・」
越後屋は下卑た笑いを浮かべ、がばっと身体を起こし、体位を変えた。志乃の小柄な身体を布団に転がし、背後から抱きかかえるような、犬がつがうような体勢になる。
「そろそろ、お前の大事な亭主が帰ってくる頃だな。よしっ、その前に思いっきりイかせてやるぞ」
「ま、待って! ま、あ、あ、あ、や、やだやだっ、やだあ、や、ああぁぁぁ・・・」
後ろから越後屋に激しく突かれ、志乃は脱力して布団に顔を伏した。
「ごっちん・・・ゴメンね・・・」


この先続けたら、もっと歯がゆくて暗くなりそうです。
需要あるのかな・・・。
74名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 02:49:20 ID:W/Lf98XZ
しまった。さがれさがれ。
75名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 03:16:13 ID:QdBMcXlR
なんという欝展開


だが、俺は嫌いじゃない
76名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 10:19:47 ID:FzEgFn8H
素敵だ
77名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 08:49:21 ID:ODtBv0cF
なんというNTR…
だが大好物だ
7873:2007/03/28(水) 14:18:57 ID:MNVCHuyk
好評いただいたみたいなので、帰宅したら続き投下しますねー。
79名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 23:10:11 ID:6ehbCbnc
陵辱、NTRらしいのでバク転で回避。
80みえない うさぎ2:2007/03/29(木) 00:30:51 ID:TXBltFEZ
(こんな暗い話書いてるけど、本編の明るい二人が好きです)



 発 端 1

(あれ・・・?)
あたしは何故か天井を見てた。見覚えないぞ?
(ここ、どこ?)
記憶をたどってみる。
(たしか、お面を越後屋さんに納めに来て・・・そだそだ、暑かったろう、って旦那さんに奥の間に通されて、お茶ご馳走になったんだっけ.
そのまま寝ちゃったのか。イケナイイケナイ)
と、あれれ? 起きらんない?
ていうか、縛られてる?! なんで?!
あたしは文字通り、大の字になってた。手首足首をきつくぎゅうっと引っ張られて、狭い座敷の四隅まで縄が伸びてる。
半分バンザイしてるみたいな格好。
とても一人じゃ動けないよ! えええぇぇ、なんで? 何があったの?
見回せば、殺風景な部屋だった。畳敷きで、家具らしい家具は何にもない。
とにかく、このままじゃ何も出来ない。助け呼ばなきゃ。
「あのー、すいませーん! 誰かいませんかー?」
結構大きい声出したのに、ヘンに声が響かない感じがした。あ、この部屋窓もない。
嫌な予感がする。
「お、気がついたかい」
ほどなくして、部屋にひとつしかない襖がガラリと開いて、笑顔の男がやってきた。
どこか、ねずみみたいな雰囲気のあるニヤケ顔。
知ってる、この越後屋の若旦那さんだ。
「あ、若旦那さん。これ、ほどいてください。動けないんですよ」
「そうだろうねぇ。志乃さん」
嫌な笑い方だなあ。
「そうしてるんだから」
若旦那が、あたしの足首にかかった縄を、指先でぴんっ、とはねた。
・・・危ない。
あたしはこの期に及んで、ようやく自分の置かれた立場を理解した。これは・・・まずい。
「・・・ほどいてください!」
あたしは精一杯の気迫を込めて、若旦那の顔を睨み付けた。
「大声だすよ!」
「出せばいいじゃないか。どうせ聞こえない」
喉を鳴らすような、ヤな笑い声だった。
81みえない うさぎ3:2007/03/29(木) 00:31:38 ID:TXBltFEZ
「こないで!!」
あたしはメチャクチャに手足をバタつかせた。けど、縄がギシギシと軋むだけで、全然外れそうにない!
「暴れたって無駄だよ。ほら、裾が捲くれてきてるじゃないか」
「さわんないで!」
まだごっちんにだって触ってもらってないんだから!!
露わになったあたしの太ももに、ぺたりと手を乗せてきた!
あまりの嫌悪感に背筋に震えが走った。
「やめてってば! あたし、結婚してるんだからね!」
「ああ、知ってるとも。でも、そんなの関係ないじゃないか」
関係ない、って!!
あたしはこの男が何を言ってるのか分からなかった。
「前々から、目をつけてたんだよ。色々女を囲ったことはあるけど、お前みたいなのはいなくてねえ」
「ななにいってるのよ! やーめーてーってばあ!」
わめくあたしに、若旦那は覆いかぶさるように近づいてきた。
笑顔だけど、目が笑ってないよ! 生臭い息が顔にかかる。
怖いよ・・・ヤダ、こないでよ・・・。
「ほら、この生きの良い事が気に入ったんだよ。私の女になりなよ」
ぺろり、とおでこが舐められた。
・・・思わず涙が出た。
「それ以上やったら・・・奉行所に訴えてやるからね! 早くはなしてっ!!」
絶対、負けるもんか! 
けど・・・若旦那は面白そうに笑って、するりとあたしの着物の胸元から手を滑り込ませた。もぞもぞ動いてるぅ!
「訴えるってことは、へええ、全部お上に伝えるのかい?」
「そうだよっ! だから・・・」あうっ!
「乳首をこうコリコリって摘まれた、こんな風に脱がされてどこをどんなに弄られた、って・・・お前の亭主にも、教えるんだよねぇ?」
・・・・・・! 
やだ・・・こんなのごっちんに絶対に知られたくないよ!
「だったらいいじゃないか。宇田川・・・伍助だっけ? お前の亭主、今度道場を建て直すんだって? 何かと金も必要だろ?」
あたしの胸から手を離さずに、若旦那は続けた。
「お前の持ち込んでくる、ヘンテコなお面。今度からは倍の値段で買ってやるからさあ。いいだろ?」
いつのまに帯を緩めたのか、あたしの着物はすでに半分以上はだけた状態になっていた。
こンの・・・!
「やーだああ! はーなしてえ!!! こんなのヤダヤダああああぁぁ!!」
「・・・うるさいなあ。もうあきらめろ」
「これ以上したら、舌噛むからねっ!!」
若旦那は、ぴたっと動きを止めた。思案している雰囲気だ。
「いいだろう。じゃあ、こうしようじゃないか」
ゆっくり身を離していく。やたっ。
「これから一時の間、お前が求めない限り、お前の身体には指一本触らない。だが、求めたときは・・・お前は私の女になるんだよ。いいね?」
いいわけがない。
けど、そんなの絶対求めるわけ、ない。
「・・・いいよ。約束だかんね」
「ああ、約束だとも」
若旦那はにやりとうなずくと、部屋から出て行った。
82名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 22:23:35 ID:2rhE/E6F
若旦那貴様あぁぁ!!!
83名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 00:11:10 ID:e7OphJzf
若旦那wwwwwwww
84名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 01:04:51 ID:R5SNIV8g
テラ策士w
85名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 02:13:40 ID:eL45zcv8
神作品待ちの間に春本ネタで一発。


「ごっちん、寝間を掃除してたら箪笥の隙間にこんなの挟まってたの見つけたんだけど」
とある日の夕餉の刻に、伍助は一番見られてはない相手に例の春本の存在を知られてしまっ
たことで、柄にもなく焦りまくってしまった。どう見てもまだ子供のような志乃には絶対に知られ
たくなかったというのに。
「…ぶはっ!!」
味噌汁を拭いて盛大にむせる伍助を面白そうに眺めて、当の志乃は平然としたものだ。主菜の
煮付けを噛み下しながらも器用に言葉を繋ぐ。
「これ、兄様が押し付けたんだよね。アタシ見たことあるもん」
「みみみ見たことがあるって」
「春本とか、枕絵の類って嫁入り前の娘だったら嗜みの一つとして見せられるもんなんだよ。分
かんなかった?」
「あ、そうなのか…?」
そういう話はどこかで聞いたことがある。だが、伍助には兄がいたきりで女の姉妹はいなかった
ので、あくまでも感覚として身近ではなかった。しかし、あんなものを婦道教育にとは随分だと
も思ったが、二の句も告げない。
箱膳にことんと茶碗を置くと、志乃はにっこりと笑った。
「うん。だからアタシ、何があっても旦那様のごっちんに精一杯尽くすつもりでいるんだからね」
「そ、うか」
「女って、そういうもんでしょ」
ぱたん。
箸が揃えて置かれると、全く思いがけないことに志乃がいざり寄ってきた。
「志乃?」
「ごっちん、アタシは子供だと思ってんでしょ。だから手出ししないんでしょ?」
まるで猫の仔のようにじりじりと距離を詰めてくる志乃に、伍助は逃れることも出来ずにただ固ま
っているだけだった。


悪いがこれで終わりだ。
86みえない うさぎ4:2007/03/30(金) 03:04:27 ID:CIF57ZWY
戻った時には手に何か抱えてた。ガラスでできたヘンな道具と・・・香炉?
「この道具の砂が全部下に落ちるまでが、時間だからね。じゃあ、数えるよ」
あたしから見える場所に、砂の入った道具がとん、と置かれた。
サラサラサラと粒の小さい砂が落ちていっているのが見える。

・・・なかなか進まないなあ・・・。
ちょっとたった頃、あたしは自分が汗をかいてることに気づいた。
あれ? そんなに暑いとは思わないけど・・・。
ほんのり、あまぁいニオイ。なにコレ?
「おや、暑いのかな?」「近づかないでってばー」
ヘンだ。なんかアタマがぼーっとしてる。
「そんなに汗をかいて、暑かろうに。拭いてあげよう」
ふくらはぎの辺りに、さあっと布の触れる感触があった。
「さわらないって言ったじゃない!」
「大丈夫だよ、直接さわってないから。指一本触らないって約束だったろ?」
「そんな・・・」「約束、だろう?」
そうかな、・・・そうだったかな? じかにさわられたんじゃないし、いいのかな?

ふ、と記憶が途切れた。

まだ、砂、だいぶ残ってるなあ・・・。
「ンっ・・・」
布の感触が、足をあがってきた。汗を拭いてもらったのに、なんか余計しっとりしてる気がする。なんでだろ?

「拭くのに邪魔だから、帯も緩めるよ。いいね?」
「あ・・・うん」

ジャマだもん、しょうがないよね。それにしても、なんでこんなにあついんだろ。

しゅるり、となれたてつきで、おびがとかれた。ふう、ちょっとすずしい。
「おやおや、こんな所まで汗かいてるよ。仕方ないね」
あたしのむねのたにまが、みずをあびたみたいに、すごいあせかいてた。やだ、はやくふいてほしい。

ちょっと・・・なにか、おかしい・・・。なにか、ヘン・・・

「アンッ・・・」
ちょっとめを、つぶってたみたい。まだすな、はんぶんくらい。みたら、わかだんな、あたしのむねちゅうちゅうすってる。
「なに、するの、よ、うっ」
「ほら、手じゃさわってないからね。口じゃ触ったって言わないだろ? 約束約束」
あ、そっかあ。やくそくなら、いいのかな? いいの? ・・・んんっ、ああ、くるくるなめられてる・・・ン。

また、きおくが とん だ。
87みえない うさぎ5:2007/03/30(金) 03:07:09 ID:CIF57ZWY
「いい香りだろう? 南蛮渡来の逸品だからね」
「うん・・・すっごくイイ・・・」

「・・・ねえ、まだ、まだすな、おちてない?」
「ああ、まだだねぇ」

「アン、ああっん、もっと、しっかり・・・」
「もう布巾じゃ拭ききれないから、手で拭こうか?」
「うん・・・それでいいからぁ」

あ、たし、いま なんて いった?

「・・・ふあああぁぁぁん!!」
あたしは自分の出した声で、目を開けた。あたし、泣いてた。身体をみると、にやけながらあたしのアソコを覗いてる若旦那の顔があった。
なんで? なんであたし着物脱いでるの?!
「お、ちょっと戻ったかい?」と、あたしの股間に指を這わせた。しびれるような甘い感覚があがってきた。
「あああぁぁぁ、アンっ!」頭がヘンになりそうな快感だった。
「なん、で! やく、そく・・・」
「なあに言ってる、お前がいい、って言ったんじゃないか」
「そ、そんな、の・・・!」あたしはある事に気づいて、ばっと砂の道具を見た。もう少しで全部落ちる!
「も、う、終わり! おしまいっ、おしまいだか、ら、ねっ! ホラ、ホラみて」
若旦那は顔を上げた。で、っも、指だけはくちゅくちゅ、って動かし、て・・・。
「あ、そうかい。じゃあ、こうしなきゃね」
と、手をのばして、ほとんどおちた砂の道具をさかさまに回し、た。
「あ!!」
「ほら、まだ終わってないからね。さあ、続きを楽しもうじゃないか」
「え、あ、う、っそ、そん、なの、ダメ! インチキ ダぁ・・・メ・・・」
あたしのアソコから、ゆびがはげしくでいりしてた。

あたしのからだは いきが、できないくらい、わかだんな ちょっとしたゆび うごき で おもしろい はね た。
 
びくん!

「それじゃあ、入れるからね」
「いやあ・・・」
におい、あせ、きもちいい、うごけない、ぐちょぐちょのおと、あつい、きもちいい、きもちいい、もうなにもかんがえらんない。
あたしは、うすぐらいてんじょうみながら、”大好きなひと”のかおをおもいだそうとがんばった。

ごめん・・・ごっちん・・・あたし、もうだめ・・・。

ごめんね・・・。


88名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 19:55:13 ID:iHySyw3P
GJ!!!!!!!!!
89名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 20:46:52 ID:kLjXC/Kf
GJ!
ナイス!!!
90みえない うさぎ6:2007/04/02(月) 02:29:20 ID:7z9W67fw
夕 闇

ちゃぷん・・・。
薄暗い風呂場で、志乃は湯船に鼻まで沈めた。
どうやって帰宅したのか、覚えてなかった。
どうなっちゃったんだろう・・・あたし。
ただ、あの部屋でのことは、悪夢の中の出来事のようにぼんやりと、しかし、しっかりと覚えていた。
香と手拭いに含まれていたという媚薬のこと。
自分でも聞いた事のなかった、自分自身の、激しい嬌声のこと。
全く好きでない男を受け入れ、あまつさえ懇願してしまったこと。
上にのしかかる男の背に手を這わせ、夢中になって唾液をすすったこと・・・。

伍助に話せるはずなどなかった。話したくもなかった。
聞いたら、絶対に、あたしよりも怒るに違いない。きっとカタキを討つ、と越後屋に殴りこむだろう。あの男も斬ってくれるかもしれない。
・・・けれど、あの男を斬ろうとも、絶対に前の二人に戻ることは出来ないだろう。志乃はそう思った。
ごっちんに知られるのは、絶対にやだよう。
・・・あたしが、なんとかするんだ!
ざばっ、と志乃は湯から立ち上がった。小ぶりの乳房に、まだ肉付きの薄い腰つき。少女から大人の女になりつつある、可憐な裸身だった。
だが、その手足首にはうっすらと縄の痕が残り、胸元やふとももにかけては、所々キスマークで赤く充血していた。
そして、その秘所から小ぶりな尻にかけて、白い肌とは対照的な、黒い革製の紐のような道具が付けられていた。
股間から左右に伸びて、腰骨の上辺りをくるりと巻いて絡み付いている。
これが若旦那・・・越後屋喜兵衛のおみやげだった。
身じろぎした志乃の顔が、身体の奥から湧き上がる感覚に歪んだ。眉間に皺がより、ぎゅっと唇をかむ。
喜兵衛の、コレをいれる時のさも嬉しそうな顔を思い出した。

幾度か志乃の中に精を放った後、喜兵衛はごそごそと何かを持ってきた。
「やあぁ・・・」
志乃は、秘所に押し付けられた物の圧力に、反射的に声を上げた。
「見えるかい? この張型。これは特別にこしらえた品でね、ココに彫られた溝、これのおかげで入れられた女の動きにあわせて動くんだよ」
黒光りする張型の先端で、ぐにぐにと志乃のクリトリスを刺激する。
「あ、は、ああ、ああああン! イイっ、それ、イイぃやあ!」
動かせない四肢の代わりに両手のひらをぎゅうっと握って、志乃は荒い息を吐いた。
「これにも、たーっぷり塗って、っと・・・」
「や、ああ、あ、ふ、っふ、それ! ダメぇ! もう、それ、やだあぁ! あ、ったまおかしくなっちゃうぅう!」
ずるりり、とつい先ほどまで男を知らなかった膣の中に、媚薬まみれの張型がゆっくりと埋め込まれる。
「どうだい、気持ちいいだろう」
「ん〜〜〜〜〜〜!! っは、あ、あ、あ、ああ、ふ、っふ、ふぅ〜、ふぅ〜・・・」
突然与えられた強烈な刺激に、志乃は窒息しそうなほど深い呼吸を繰り返した。形のいい胸がぷるぷる大きく踊る。
「あ、ああ、あっは、はぁ、はぁ、はっああああああ・・・!!」
志乃は堪えきれずに、今日だけで何度達したか分からない絶頂に、再び達した。

これを外したかったら、またおいで。
それが、喜兵衛が別れ際に言った言葉だった。
深く埋め込まれた張型は、鋼線入りの革紐部分は、どんなに引っ張っても指一本入る隙間さえ開かなかった。
また、強引に引っ張っていると、それだけで張型が暴れてて達してしまいそうになった。
どうやら背中側にある鍵を開けなければ、どうやっても開かないようだった。
「明日、絶対に、外させてやる・・・!」
志乃は湯桶片手に冷水を浴びて、奥歯を噛み締めた。ぴしゃっと頬を張る。
「負けるもんか!」
91名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 07:02:09 ID:YaTGOA8v
超GJ!!

どこまでも策士な若旦那www
92名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 05:23:16 ID:e5idqPrL
なんか志乃可哀想…
93名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 18:13:39 ID:aoRkdo8R
伍助×志乃が読みたい…。職人の方お願いします。
94花霞:2007/04/04(水) 00:19:28 ID:Nhk+Z5jX
はいよ。
即効で書いてみた。
時節ネタの桜も入れてみたが、相変わらずエロがなー…。


ゆるりゆるりと時は過ぎていく。
この間までまだ蕾が硬かった桜も、一輪二輪と花開けば連鎖のように一斉に周囲の景色を桜色
に染め上げる。全く見事な春模様だった。
そして、満開となった花は潔く盛大に散りゆく。
「はー、綺麗だねー、ごっちん」
今日はたまたま所要で近隣の親戚宅に出かけていた伍助と志乃の夫婦は、帰途の途中の川
辺で今まさに幹を震わせて花びらを降らせんとする桜の巨木に目を留めていた。桜とは不思議
なものだ。一年のほとんどの季節は一体何の木なのか分からないほどだというのに、この時期
だけが狂おしいほどに華やかだ。
「空まで桜色だよ、すごいね。綺麗だね」
「…うむ、そ、そうだな」
いつまでも巨木の側で立ち止まったまま動かない志乃に痺れを切らすでもなく、伍助は空返事
をしていた。
花などに見とれるとは男子たるもの不甲斐ない、とは別に思わないのだが、今が盛りの花より
も、それを見上げてうっとりとしている志乃の姿の方にこそよほど目を引かれていたのだ。なるほ
ど花は女の魂を奪う魔物らしい。
だが、これほど美しい魔物ならば魂を奪われても本望、と女ならば思うだろう。
その時、不意に風が吹いた。
淡い花びらがぱあっと周囲に舞い上がる。同時に志乃が弾かれるように天に向かって両手を突
き出した。
「あー…散っちゃうよおっ…」
「志乃!」
思わず、伍助は桜に連れて行かれそうな志乃を後ろから抱き留めていた。一瞬、本当に目の前
からいなくなってしまうような気がしたのだ。なのに、肝心の志乃は小首を傾けたまま、まだ幼
い表情で目を見張っているだけだ。
まだこの熱の塊のようにもどかしい気持ちを言い表せる言葉を、伍助も知らない。
「…ごっちん?」
「すまん、志乃」
「もう、びっくりしたあ」
「だから、すまんと言ってる」
言いながらもまだ腕を緩めない伍助に何を思ったか、くすくす笑いが続く。
「桜、綺麗だね」
「…ああ、そうだな」
「アタシ、どこにも行かないからね。ごっちんの側がいいんだもん」
「……そうか」
何となくだが、今の気持ちは伝わっているのではないかと思った。くすくす笑いをしながらも志乃
は腕を振り解こうという気すらないらしい。
今こうしている二人を誰かが見たらと思うと、伍助の方が耳まで赤くなるほどだ。
しかし、どこにも行かないという志乃の言葉は純粋に嬉しかった。
桜よ、お前がどれほどの魔物であろうとも志乃は決して渡しはしないぞ。
改めて、そう決意した。
夫婦というよりは睦まじい子供たちのような微笑ましい二人の姿が、散り急ぐ桜の花びらに掻き
消されて夢幻のように紛れていく。



終わり
95白うさ:2007/04/04(水) 02:06:00 ID:HUB3M+PT
がんばって書きますよってに。
半分くらい出来てるので、明日にはなんとかうpするつもりであります。
96白うさ:2007/04/05(木) 00:44:49 ID:SV3ZzC1r
「ただいま帰ったぞー」
家門をくぐりながら、伍助は声を上げた。
玄関に腰を下ろして草鞋を脱ぎながら、伍助は少し不審そうな顔で背後を振り返った。
いつもなら、この声をきっかけにして、どどどどど、と廊下を走ってくる足音が聞こえてくるはずである。
(「ごっちんおかえり〜」「これ、武家の妻女ともあろうものがはしたない」とまでのやりとりが1セット)
「志乃、おらぬのかー?」
ちょっと不満そうに、伍助は居間へ向かった。人の気配がする。
「志乃ー、いるのなら返事くら・・・おわっ」
志乃は横になって自分の腕を枕にして、すーすー寝息をたてていた。その手元には、原因であろう酒瓶が握られていた。
伍助の目が釘付けになったのは、そのはだけた着物の裾・・・部屋の隅の明かりに照らされて、露わになった真っ白な太もも、だった。
ごくり、と唾を飲み込み、片手で自分に目隠ししながら伍助はわざとらしく咳払いした。
「これ。これ、志乃。起きぬか」
ゆさゆさと志乃の肩を揺する。志乃のほんのり温かい体温を手のひらに感じて、伍助は少し動揺した。
「・・・ん。あ、ごっちん、おっかえり〜」
語尾にハートマークでも付きそうな勢いで、志乃はがばっと伍助に抱きついた。硬直する伍助。
「ま、待て。志乃、起きろ」
「起きてるよぉ〜。うふふ〜」
ぎゅう、っと更にしがみつく。ふわっと梅の匂いがした。伍助、一瞬ぼうっとする。
「飲んでおるな」
「ウン! おとなりにもらったの〜。うーめしゅ〜」
志乃は徳利を傾けて口に含んだ。こくり、と白い喉元がゆっくりとおいしそうに嚥下する。伍助、見惚れ、ぶるぶると首を振る。
「し、志乃、そこに座りなさい。武家の妻女ともあろうものが・・・」
「えへへ、ごっちんにも、おすそわけしたげる〜」
再び徳利に直接口をつけて、志乃は伍助にがばっとキスをした。伍助、目を白黒。
口中に送り込まれてきた梅酒を飲み込んで、伍助はなんとか志乃から身を離した。
「あははー、おいしかった〜?」
「・・・・・・」伍助はあせって口をぬぐい、何と言うべきか悩んだ。
「ねぇねぇ、ごっちん。あたしたちってさー、夫婦だよねぇ?」
機先を制したのは志乃だった。
「う、うむ。何を今さら・・・」
「だったらさあ、なんで、あたしに手ぇ出してこないのよう」
言いながら、志乃は胸元を強調するようにしなを作った。残念ながらあまり色気のある様ではないが、伍助には十分だった。
「そ、それはだな、オレ達にはまだ早いし、やっぱり少年誌の限か・・・」
「スキあり〜!」
しどろもどろで答えていた伍助は、突然猫のように飛び掛ってきた志乃にばたん、と押し倒された。
「ななにをする!」
「えへへ、あたしの方から手、出しちゃうねぇ」
伍助に覆いかぶさりながら、ぎゅうぎゅうと胸を押し付ける。伍助、顔真っ赤。

さて。

この後の選択です。

A:暴走志乃ねーさんパワー全開! 伍助の抵抗なんぞ、無駄無駄無駄ァ! いくとこまで一気にいっちゃうからねー!

B:逆ギレ伍助の逆襲! ええい、もはや容赦ならぬぞ! こうして、こうして、こうしてくれる!

の2パターン、どっちに進もうかな?
97名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:51:07 ID:sxbPlYKc
>>96
B希望(*'Д`)
続き期待してる。
98名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 03:14:20 ID:ioROy3v6
途中までA、そののちB希望。
99名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 11:13:28 ID:5qlPpjaA
>>96
正直両方読みたいんだぜ。
だがここは98に同意。
100名無しさん@ピンキー :2007/04/05(木) 23:54:08 ID:TYNjPPlm
>>98
頭いいな!
迷わずB、と思ったが、98に同意する。
101白うさ:2007/04/06(金) 02:44:15 ID:MEfn3RbQ
とりあえず、前半戦。


「まてまて、まて! 志乃、待てと言うに!」
「ヤダ、まーたなーいもーん」
志乃は逃げ腰の伍助に密着したまま、いかにも嬉しそうに笑った。
「ごっちんが悪いんだからねー」
「オレの何がわるかったと・・・」
「ごっちんはさー、道場のこととかー、剣術のこととかー、やる事いーっぱいあるかも知れないけど・・・」
言いながら、志乃は伍助の着物の胸元から手を差し込んだ。こちょこちょと乳首をいじる。
「おふゥ」
予想だにしない刺激に伍助は思わず呻いた。
「あたし、結婚してからずーっと、いつ来てくれるのかなーって待ってたんだからー」
「ちょ、ちょっとまて、志乃。まずはその手を止め、ひゃ!」
ヘンな声が出た。志乃は一瞬戸惑って目を瞬かせたが、すぐに今まで以上に嬉しそうな表情になった。
「なぁに、ココ? ココがが気持ちいいのかなーっ」
片手で伍助の帯を緩め、すすすすっ、と志乃の手が、伍助の意外と筋肉質な胸板から腹部へと滑っていく。
「うああ、ふっ、や、やめろ・・・」
「ごっちん、かーわいーいー♪」
くすくす含み笑いしながら、志乃は伍助の細い首筋に吸い付いた。
「し、志乃。よせ、やめぇ・・・ふああ」
伍助は全身の力が抜けつつも、逆に身体の一点にものすごい血が集まっていくのを感じた。
「どう? どう? 気持ちいー? ごっちん、どう・・」
志乃の動きが止まった。下っていった手が、伍助の身体の、ある一点に到達したためだった。
これって・・・こんなに熱くなるの? それに・・・ここって・・・ホネないはずよね?
志乃は急に押し黙って、そちらへ目を向けた。
むふーっ、むふーっ、と荒い呼吸音が静かな部屋に響いた。
伍助の鼻息だった。
「あれ・・・ごっちん・・・?」
「・・・志乃」
あ、やばい。伍助の表情を見て、志乃はちょっと酔いが覚めた。
伍助は志乃の背中に手を回して、ごろんと回転した。床の上で、二人の体勢が入れ替わる。
「あ、あれ? えへ、ごっちん、ちょっと待って」
「志乃。悪いが・・・もはや歯止めは効かぬぞ」
伍助は、強引に志乃に唇を重ねた。
突然の展開に、思わず目を見開いた志乃だった。
102白うさ:2007/04/06(金) 02:46:23 ID:MEfn3RbQ
ご意見感謝です。でもって、とりあえず、前半戦。



「まてまて、まて! 志乃、待てと言うに!」
「ヤダ、まーたなーいもーん」
志乃は逃げ腰の伍助に密着したまま、いかにも嬉しそうに笑った。
「ごっちんが悪いんだからねー」
「オレの何がわるかったと・・・」
「ごっちんはさー、道場のこととかー、剣術のこととかー、やる事いーっぱいあるかも知れないけど・・・」
言いながら、志乃は伍助の着物の胸元から手を差し込んだ。こちょこちょと乳首をいじる。
「おふゥ」
予想だにしない刺激に伍助は思わず呻いた。
「あたし、結婚してからずーっと、いつ来てくれるのかなーって待ってたんだからー」
「ちょ、ちょっとまて、志乃。まずはその手を止め、ひゃ!」
ヘンな声が出た。志乃は一瞬戸惑って目を瞬かせたが、すぐに今まで以上に嬉しそうな表情になった。
「なぁに、ココ? ココがが気持ちいいのかなーっ」
片手で伍助の帯を緩め、すすすすっ、と志乃の手が、伍助の意外と筋肉質な胸板から腹部へと滑っていく。
「うああ、ふっ、や、やめろ・・・」
「ごっちん、かーわいーいー♪」
くすくす含み笑いしながら、志乃は伍助の細い首筋に吸い付いた。
「し、志乃。よせ、やめぇ・・・ふああ」
伍助は全身の力が抜けつつも、逆に身体の一点にものすごい血が集まっていくのを感じた。
「どう? どう? 気持ちいー? ごっちん、どう・・」
志乃の動きが止まった。下っていった手が、伍助の身体の、ある一点に到達したためだった。
これって・・・こんなに熱くなるの? それに・・・ここって・・・ホネないはずよね?
志乃は急に押し黙って、そちらへ目を向けた。
むふーっ、むふーっ、と荒い呼吸音が静かな部屋に響いた。
伍助の鼻息だった。
「あれ・・・ごっちん・・・?」
「・・・志乃」
あ、やばい。伍助の表情を見て、志乃はちょっと酔いが覚めた。
伍助は志乃の背中に手を回して、ごろんと回転した。床の上で、二人の体勢が入れ替わる。
「あ、あれ? えへ、ごっちん、ちょっと待って」
「志乃。悪いが・・・もはや歯止めは効かぬぞ」
伍助は、強引に志乃に唇を重ねた。
突然の変貌に、思わず目を見開いた志乃だった。
103白うさ:2007/04/06(金) 11:49:42 ID:oCJ3LCZe
うわ、二重カキコミになってるし。ごめんなさい。
104名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 15:26:40 ID:JCCav0J/
GJ!!!!!!!!!続き楽しみにしてます。
105名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 17:06:30 ID:imWyZpgN
GJGJGJ!!!
なんつーかこの夫婦セットで可愛いな。モエス。
後半戦テラ期待してます。
106白うさ:2007/04/07(土) 04:42:27 ID:jhXaCFuo
「「・・・・・・・・・ぷはっ」」
離れた二人の唇の間を、唾液の透明な糸が引いた。しばし、荒い息を吐きながらじっと見詰め合う。
「必死」と「怯え」。対照的な顔だった。
やおら伍助が動いた。志乃の襟元に強引に手を差し入れながら、もう一度深く、深く唇を奪う。
「んっ・・・んん・・・」
志乃の艶かしいくぐもった声に、伍助ますますヒートアップ。
がばっと着物をはだけさせ、小ぶりな乳房を露出させる。
「ひゃあ!」
慌てて胸を隠す志乃の両手を、伍助が片手でそれぞれ掴んだ。ぐいい、と左右に開いていく。
「あ・・・あ・・やだ」
伍助は真剣な表情で、初めて見る妻の裸身を凝視した。
行灯の橙色の明かりに照らされる白磁の肌。そして、ふっくらとしたふたつの曲線。そして、その頂点にある可愛らしいピンク色のぽっち。
伍助はその乳房の間に顔を埋めた。
やわらかい・・・。
かつてない感触に遭遇し、伍助は思わずぐりぐり、とその間に顔を振った。
手首から手を離し、両手でゆっくりと、確かめるように乳房を揉みしだいた。伍助、大感動。
手のひらの中央に、ちょっと硬いモノを感じる。
たってる・・・。
伍助は、勃起した乳首を、大事な宝石を愛でるように指先で摘んだ。
「あっ・・・ああっ・・・」
志乃が呻くような声を上げた。
伍助は構わず、今度は乳首を口に含んだ。唇で、歯で、舌で、刺激を与える。空いている胸も、餅のようにこね回す。
何かの熱に浮かされたように、伍助は夢中で志乃の身体をむさぼった。

・・・そんな伍助が、志乃の様子に変化に気づいたのは、志乃の胸が唾液でべとべとになった頃だった。
伍助が顔を上げると、志乃は手で顔を覆っていた。しゃくり上げている。
「・・・志乃?」
「・・・ごっちん・・・今日のごっちん、怖いよぅ・・・」
伍助は身を起こすと、慌てて志乃から離れた。泣いてる志乃を見て、ぎゅっと拳を握り、ごくりと喉を鳴らす。
ぼくっ、ずだだっ、と二回鈍い音がした。
「志乃っ、すまぬ! 許してくれっ!」
涙を拭きながら志乃が顔をあげると、頬を腫らした伍助が土下座していた。先ほどの音は、自分で自分を殴って転んだものらしい。
「泣かせるつもりなぞなかったのだ! ただ、その、オレは、志乃が好きで、勢いあまって・・・」
伍助は床板に額をこすりつけた。
「本当にすまない! もう二度とこんな事はせぬから・・・」
「ダメ」
「え・・・?」
伍助が顔を上げると、志乃が鼻をすすりながら見つめていた。
「ごっちん、こっちきて。はやくー」
「む、うむ?」よく理解できない伍助だったが、立ち上がると恐る恐る志乃に近づいていった。
「ね、だっこして」
「何?」
「いいから、はやくー」
伍助は訳もわからないまま、志乃を抱きかかるためしゃがみこんだ。その耳に。
「ごっちん・・・お布団のあるとこで・・・続き、してっ」
107名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 19:05:05 ID:SuTRfoab
>>106
お布団!お布団!!(AA略
原作っぽい二人のリアクションがいい。続きお待ちしてます。
108散花 一:2007/04/08(日) 23:10:32 ID:VS81VHGb
お布団展開待ちの間に投下。


季節は変わる。
人も変わる。
それが時というもの。
一段と澄み切った晴天の空を仰いで、伍助はふうと溜息をついた。
「今日はやたらと暑いな」
二つの墓周りの草むしりが一段落したこともあり、額に浮いた汗を拭いながら立ち上がる。
このところ何かと忙しかったのにかまけて、碌に父親と兄の墓参りすらしていなかったのだ。以前
なら月命日の他にも何かと理由をつけて参っていたにも関わらず。
だが、年に一度のそれぞれの命日、月命日を欠かさなければそれでいいのではないかと最近は
思い始めている。
子として弟としての義理を果たすのは、やり過ぎても意味がないと。
無論、そう考えるようになったのは家督を継いでから迎えた妻、志乃の受け売りによるものでもあ
る。元々が伍助の概念になかったことだけに最初は戸惑ったのだが、その方が気分が楽になると
感じて以来、すっかり感化されてしまった。
以前勤めていた職場の先輩の薦めで妻にしたとはいえ、志乃はかなり良く出来た女だったことも
感化に拍車をかけている。やや苦しい家計の為に手内職をさせているのは少々心苦しいところも
あるのだが、当人は一向に苦にすることなく精を出している。
その内職の結果によるうさぎ面の意匠そのものには、かなり疑問があるとしても。

むしった草を片付けると、二つの墓に水をかけて丁寧に汚れを落とした。
この墓石の下には父親と、兄が眠っている。
武家の人間として生まれた以上は事あらば避けられぬ道とはいえ、些細な事情で命を落とした二
人への哀惜の念は当然ある。それが武士道というのならばどこかがおかしいのではないかと今で
は思うこともある。
だが、過ぎた今となっては詮無いことだ。
「ごっちん!」
「ぅひゃぁっ!」
何とはなしに思索している途中、突然、頬に冷たいものを押しつけられて思わず叫んだ。見れば
後ほど来る筈だった志乃が濡れ手拭いを手にしてにこにこと笑っている。
109散花 二:2007/04/08(日) 23:11:43 ID:VS81VHGb
「びっくりした?」
「ああ…まあな」
「そういえば、一緒にお参りしたことってなかったよね」
南無、と二つ並んだ墓石に軽く会釈をするなり、志乃は道すがら摘んだと思われる片手一杯の
蓮華を供える。渡された濡れ手拭いがひんやりと冷たくて気持ち良かった。顔と首筋を拭くと少
しずつ気分が落ち着いてくる。
「折が良かったな。先刻墓掃除も終わったので後は祈るだけだ」
「うん、そうだね。挨拶も兼ねてきちんとしとかないとね」
普段の調子よりはややしとやかな声がした。やはりそれなりの心持ちでいるのだろう。
二人並んで手を合わせていると、今こうしているのが夢のように思えた。父親と兄をほぼ立て続
けに亡くした時はこの世に神も仏もあるものかと捨て鉢な気持ちにもなっていたけれど、良いこと
はやはりきちんと巡り来たのだから。
そんなことを考えていると、不意につるりとしたものが閉じられた瞼を擦ってきた。
「ごっちんの泣き虫」
驚いて目を開くと、指先を差し出していた志乃が子供のように笑っていた。
「む、べ、別に泣いてなど」
「いいんだよ、泣いても」
「ん?」
「こういう時は泣いたって誰も咎めたりしないよ。だって血縁なら当たり前のことじゃん」
涙を拭った指が濡れて光っていた。そのまま志乃はまるで母親のように柔らかく伍助を抱き締め
てくる。
「し、志乃…やめぬか」
もし誰かに見られたら体裁が悪い。この期に及んでもまだそんなことをかんがえてじたばたする
伍助など、今の志乃には赤子同然だった。
「今までいっぱい悲しいことがあったんだよね、ごっちん」
「う…」
「アタシの前でなら、泣いても全然構わないんだからね」
空が大層高く思える。
実の母親にすら言われたことのない言葉に、堰を切ったように涙が零れる。もう止まりそうになか
った。
花が咲き、花が散り、時は流れる。
失ったものは大きいけれど、それ以上に今日は夫婦としての絆をより深める日となった。



終わり
110名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:24:53 ID:BiFm8YFD
早く来いー。
111名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:48:25 ID:Hs+7+1ED
>>108-109
ほのぼのしつつ泣けるとは…GJ!
112名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 07:46:26 ID:0JBckabJ
タイトルからしてエロいなと思ったのに……w
113白うさ:2007/04/09(月) 12:39:01 ID:gmFg7NtB
ご支援ありがとうございます!
適当にお茶濁して、後日談に逃げようかと思ってましたw
が、ここは一つ、たっぷり濃厚なのに書き直してガンバリマス!!
今夜中に投下!
・・・できるかな?
114名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 13:03:46 ID:oh2eAwB7
>>113
wktk
115白うさ:2007/04/10(火) 01:55:42 ID:Q/YtEJur
布団の上で、正座の体勢のまま、伍助は背後の動きに全神経を集中していた。
しゅるりり、と衣擦れの音がする。やけに自分の心臓の音がうるさかった。
「・・・いいよ、こっち向いて」
伍助は緊張の面持ちで、ギリギリと身体の向きを変えた。
障子越しの月光が、その美しいシルエットをはっきり映し出していた。
志乃がくすりと笑った。「どうしたの、ごっちん?」
伍助はとっさに何も言えなかった。口の中がカラカラだった。
「・・・・・・キレイだ」心底、そう思った。
「もう。ごっちんも脱いでよ。あたしだけじゃ恥ずかしいじゃない」
志乃が照れたように言った。伍助は慌てて立ち上がって、帯に手をかけた。
「あまり・・・見つめられると脱ぎにくいのだが」
「えー。いいじゃない。減るモンじゃないし」
自分の時は後ろを向かせといてそれはないだろう、と思いつつも、伍助は志乃に背を向けると、意を決して一気に脱いだ。
「脱いだぞ」
ぶっきらぼうに言って振り向くと、志乃は正座をして三つ指をついていた。
「ふつつかものですが、よろしくお願いします」
伍助も慌てて正座をして平伏した。
「こ、こちらこそ、よろしくお願いするっ」
しばし、ふたりして平伏。
・・・・・・。
「・・・このお布団、ごっちんの匂いがするね」
じっと畏まっていた伍助の背に、そっと志乃の手が置かれた。
伍助ははっと顔を上げた。
志乃の笑顔がすぐ間近だった。楽しげな、でもどこか緊張した表情だった。
その指が、伍助の頬に触れた。先ほど伍助が自分で殴った場所だった。
「痛そう・・・」
「大した傷ではない」
「ごっちん、よく見たらいっぱいケガしてるね・・・」
「・・・大体が昔の傷だ」
「これからも・・・ケガしちゃうよね」
「・・・それが、オレの道だからな」
志乃は、ふっと息をついた。薄く微笑んだように見えた。
「サムライ、だものね」
ぎゅうっと志乃は伍助に抱きついた。
「じゃあさ、あたしがごっちんのケガ治したげる」
ペロ、と腫れた頬を舐める。
伍助は痛みではない、何ともつかないむずがゆい感覚が背筋を走ったのを感じた。
「ずうーっと一緒に、ね」
志乃が甘い息を吐いた。
伍助は答える代わりに唇を重ね、ゆっくりと、布団の上に倒れこんだ。


まずはここまで、です。
116名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 21:21:21 ID:8v9+u4bV
GJ!
初々しくて可愛いな〜。続き正座して待ってます!
117名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 22:02:23 ID:toPJsbJu
お互い平伏可愛すぎるw
続きwktkして待ってます。「たっぷり濃厚」にも期待。この話好きだ。
118名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 00:46:26 ID:AUx64nSH
みえないの人来てよぅ(´・ω・`)
119名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 01:31:10 ID:XlLP+fbM
白うさ氏もみえないの人も、続き楽しみにしてる。
120白うさ:2007/04/11(水) 17:03:36 ID:NHCYifWC
二人はどちらからともなく、互いに舌を絡めていった。
「・・・んん・・・んっ」
「あ・・・は・・・」
伍助は唇を離すとじっくりと舌を這わせていった。
志乃の顎のラインから首筋、鎖骨のくぼみを経て、胸まで達した。
今度はゆっくりと、質感を確かめるように揉みしだく。
「っは・・・あ・・・ん・・・っん」
志乃が呼吸を荒げた。
「志乃・・・すごくキレイだ・・・」
それ以外の台詞が思い浮かばなかった。ついばむように乳首を口に含み、ころころと舌で転がす。
「んっ、ふ・・・うふ・・・ごっちん・・・赤ちゃんみたいだよ」
さわさわと志乃が伍助の頭を撫でる。伍助、ちょっとむっとする。
「かーわい・・・あっ!」
志乃の声のトーンが一段跳ねた。伍助がそっと志乃の内腿に手を進めたためだった。
伍助、そのまま身をずらして志乃の下半身に移動する。
「やっ・・・あ、ちょっと、待って待って!」
志乃は慌てて腿に力を込めた。
「・・・待つのか?」
おあずけを食った犬みたいな表情。志乃は自然と顔がほころぶのを感じた。
「・・・やっぱいい。待たないで・・・」
伍助は大仰に頷くと、そうっと、まるで氷の結晶に触れるように、そうっと志乃の秘所に指を触れた。
薄い陰毛のさわさわした感触を掻き分けると、そこはしっとりと湿っていた。
ふっくりとした恥丘に、ピンク色の中身がちろっと出ている。
伍助は今まで見た春本の知識をフル回転した。
割れ目を挟んだ両岸の柔肉に指をかけ、割り拡げる。女体の奥から湧き上がるフェロモンに、伍助は脳が痺れるような感覚に襲われた。
「そんなに開いちゃ・・・ダメ。恥ずかしいよ・・・」
志乃は、身をよじった。伍助は指を這わせ、引っ張り、擦り、ゆっくり愛撫する。
「あっ・・・ふああ・・それっ・・・アン・・・いい」
「気持ちいい、のか?」伍助が恐る恐る訊ねた。
「やっ・・・んもう・・・あっ! そ、んなこと、聞かな、い、でよぉ」
志乃は、普段はおしっこを「出す」だけのところなのに、今は「入れる」ところである、という意識が先にたっていることに自分で驚いていた。
伍助は指を恐る恐るスリットに埋めた。志乃はびくん、と身を震えさせた。
まるで口中のような、とろりと濡れた温かな粘膜が絡み付いてきた。
「あ、あ、ああ、い、イイのっ・・・ごっちん・・・」
「志乃・・・」
伍助は上体を起こすと、真白い月光に照らされる妻の姿を改めて見つめた。
いとおしかった。ただ、いとおしかった。
「あっ・・・」
志乃は不意に声を上げた。足指に温かな感触があった。
「そんなトコ・・・舐めちゃダメぇ・・・」
伍助は構わず、志乃の足の指全てを丹念に舐め上げた。
「くすぐったいよぉ」志乃がクスクス笑った。
「志乃、お前の身体の全てが・・・知りたいのだ」
志乃のふくらはぎに強く吸い付きながら、伍助は答えた。
「待って・・・。ごっちん、コッチきて・・・」
そう言って、志乃は伍助のペニスに手を伸ばした。伍助は目を丸くした。
「あたしも・・・したげるから」


たぶん、後1〜2回です。よろしくお付き合い願います〜。

121白黒うさ:2007/04/11(水) 17:05:32 ID:NHCYifWC
J( 'ー`)し ごめんね。カーチャンからだひとつしかないから、ごめんね。両方がんばるからね
122名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 18:34:18 ID:XlLP+fbM
ちょwwwwwww同じ人wwwwwwwwwwwww
いやおみそれしましたorz
どっちも続き楽しみにしてます。

>>120
愛に溢れた交情がいいなあ…足舐めエロス(;´Д`)ハァハァ
123名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:02:45 ID:AUx64nSH
え、お…同じ人なの!?



あなたが大好きです(´・ω・`)
124白うさ:2007/04/13(金) 02:43:08 ID:0Ax2Gauv
伍助は身を硬くして、志乃の柔らかな手のひらを受け入れた。
「へええ・・・こんな形なんだぁ・・・」
志乃は勃起したペニスの棒部分をむぎゅ、と握った。触れられた瞬間、伍助は、ふあぁ、と震える息を吐いた。
「あ、ごめ・・・痛かった?」
「い、や、なんでもない」
志乃は伍助の顔を上目遣いで見つめた。何かムリしてるっぽいな、と面白く思った。
手の内にある肉棒に目をやった。太さは志乃の指三本くらい。長さは中指の倍程度か。

すごいなあ、こんなに硬くて、熱いなんて・・・。

志乃はゆっくりと指を動かした。途端、伍助が顔を歪めた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「んー? どーしたのー? 待ってほしいー?」
立場逆転。
志乃は手を前後に動かしながら、イタズラっぽく訊ねた。
伍助悶絶。
志乃の指先はただ乱暴に動くだけだが、他人に触れられた事のない部分を、しかも愛する妻に刺激されていると思うだけで十分強烈だった。
「ま、待つのだ・・・」伍助が呻いた。
志乃は指先が、何かねちょねちょするのに気づいた。
「それ以上されると、出てしまいそうだ・・・」
伍助のペニスの先端から、透明な液体が出ていた。
「男のひとでも濡れるんだ・・・」
志乃は感慨深げに言うと、先走り液の付いた指をぱくっとくわえた。
「あ・・・」
「えへへ、ごっちんの味がするね」
志乃が、にぱっと笑った。その顔を見た伍助、胸が高鳴る。
「志乃・・・その・・・そろそろ・・・」
伍助が語尾を濁らせて、察して欲しそうに言った。
志乃は伍助が何を言いたいのか分かっていたが、あえて伍助の言葉を待った。ただ、じっと見つめている。
伍助は妻の表情を見て、意を決した。
「オレと・・・ひとつに、なろう」
「・・・・・・うん」
志乃は、やや緊張した面持ちで、一度深く頷いた。
125名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 23:05:09 ID:DUV7PuTt
続き期待age〜
126白うさ:2007/04/15(日) 23:44:57 ID:QJhlKGVX
横たわる志乃の身体に、伍助は覆いかぶさった。
濡れた秘所に、伍助は自身の先端をあてがう。
「・・・ちがうよー、もうちょっと下」
「ここか?」
「バ、バカぁ。下すぎ! そこはおしり・・・」志乃が恥ずかしそうに言った。
「す、すまぬ!」
志乃は手を伸ばした。伍助の熱くたぎったペニスの場所を移動させる。
「こ・こ」
横を向きながら、志乃は恥ずかしそうに言った。伍助は慌てて頷いた。
「・・・初めてのとき、女はかなり痛いと聞くが、大丈夫か?」
「ガマンするっ。・・・けど、やさしくしてね」
口をきゅっと結んで、志乃は伍助の耳元で小さく言った。
「・・・いいよ、入ってきて」
「うむ」
伍助は真剣な表情で、腰をゆっくり沈めていった。
「っあ、あ、は、あーーーーーっ!」
志乃は予想以上の痛さに、伍助の背に必死にしがみついて耐えた。
「はっ、はっ、はっ、は、ああ、あはぁぁ・・・」
「志乃、大丈夫か?!」
「だ、い、じょぶ・・・ぜんっ、ぜん平気」
呼吸を荒げながらも、にぱっと明るい笑顔。
「・・・ごっちんの、だから、痛くなんか、ないよ」
だが、目尻にうっすら涙が浮かんでいるのが見て取れた。
「でも、ちょっと、だけ、動かないでね」
ふーっ、ふーっ、と息を整えながら志乃が言った。
伍助は伍助の方で結構いっぱいいっぱいだった。
その頭の中は様々な感情に入り乱れていた。
志乃と一緒になれた幸福感。志乃の痛そうな顔をみた罪悪感。ねっとりとした肉襞に包み込まれたペニスの快感。
この狂おしいまでの愛おしさを、これ以上どう伝えれば良いのだろう。わからない。
伍助は志乃の背に手を回すと、そのまま抱き起こしてぎゅっと抱きしめた。
「ふ? え、なに?」
「志乃・・・好きだっ!」
志乃の胸に顔を埋めて、伍助は目を閉じて言った。
「・・・ふっふふ・・・ごっちん、初めて言ってくれた」
「・・・そう、だったか?」
志乃を見上げる伍助。
「いいよ・・・動いても・・・」
促されて、伍助は腰に力を込めて動き始めた。
「あっ・・・はっ、はん、あはぁっ、あん、あんっ・・・や、ひぃ、ん・・・」
まだ痛みはあったが、それよりも精神的な充足感が強かった。
「いっ、いた、い、けどぉ・・・いい・・・きもっち、いいっ、のぉ・・・」
「志乃っ、志乃っ!」
二人は見つめあうと、深く唇を重ねた。
もっと一緒になろうとするように、必死に腰を合わせる。
「ごっちん、好きっ! 好きっ! 大好きっ!」
「オレも、志乃がっ、大好きっ、だっ!」
二人は競うように、悲鳴のような叫びを上げて絶頂に達した。
127白うさ:2007/04/15(日) 23:45:42 ID:QJhlKGVX
 次 日 談

翌朝。
伍助は寝坊したふりをして、布団から出なかった。
正確には、出られなかった、である。
昨夜の記憶が、まざまざと蘇える。
思い出すだけで顔から火が出そうだった。
アリエナイ・・・あれは、有り得ないだろう・・・。
どんな顔で志乃に会えばいいのか、分からなかった。
「おっはよーっ! ごっちん、朝だよーっ!」
ばっさーっ、と布団が勢いよく引き剥がされた。
朝日をバックに志乃が立っていた。
「む、おはよ・・・」
小声で返す。
「どしたのー、元気ないよー?」
何と言うべきか言葉を選んでいると、ごはんできてるからね、と志乃は去っていった。
伍助は布団を片付けながら、昨夜のことは夢だったのだろうか? と思った。

お膳の前に座り、よそってもらったご飯を見て、伍助はちょっと硬直した。
「赤飯・・・」
「そ。大事な記念日になるもんね」
志乃は伍助の顔を下から覗き込むように言った。
「いいでしょ。あたしたち、ふたりの、最初の日♪」
「う、うむ」
伍助は動じてない風を装って、食事を始めた。
あまり大きくはないが、それでも皿には尾頭付きの立派な鯛が乗っていた。
「ね、ごっちん・・・」
「うむ?」
「今夜もしよーね」
伍助は危うく口中の食べ物を吹き出すところだった。
「志乃・・・昼間っからそんな話を」
「いいじゃない。それともぉ・・・今から、しちゃう?」
イタズラっぽく笑う。伍助は吹いた。
「あー、もう。きったなーい」
口中の残った食べ物を一気にお茶で流し込んで、伍助は言った。
「し、志乃。なんということを・・・!」
「ごっちん、真っ赤だ。かーわいー」
志乃は飛び上がって笑い転げた。伍助は憮然とした表情で腕を組んだ。


・・・そんな日常の光景の中をフェードアウト。


おしまい。


128白うさ:2007/04/15(日) 23:49:49 ID:QJhlKGVX
長らくお待たせしました。

つぎは、黒くなる・・・かも。

もしかしたら、白うさ上級編、かも・・・。

またよろしければ書き込ませてください。
129名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 23:59:28 ID:DUV7PuTt
素晴らすぃ!激しくGJです。
お疲れさまでした、次作も期待しとります
130名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 04:23:28 ID:aImmkQdS
>>128 お疲れさんでしたぁ!!
初々しい二人の初夜を(*´∀`*) ←こんな感じでおいしく読ませていただきやした!

次は黒かも、ですか……
黒うさは読んだ後鬱になるのだけれど、そうとわかっていても読まずにいられない麻薬ですorz
何にしろ、次の投下も首を長くしてお待ちしとります!
131名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 00:59:43 ID:7pFhqHDU
GJGJ!
イニシアチブとられっぱなしの伍助が原作を髣髴とさせるwwww
132名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 01:22:22 ID:En90w4CV
最強に萌えた。GJ白うさ氏。

やっぱりサムライは本編でも創作でもほのぼのしていてほしい派。
鬼畜にこんなに罪悪感を抱く作品は初めてだw
133名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 07:17:16 ID:R6T3XpwN
期待保守
134名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 12:26:57 ID:OdrBIJvf
だれかエロイラストも描いてくれ
135名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 01:16:20 ID:w0j8oR1k
志乃は×1だそうだ。何かネタに出来るかも
136名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 21:03:24 ID:mGcyfN5S
137名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 00:44:32 ID:qVNCAsbz
>>136 ありがたく頂戴いたしましたっ!!!
138名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 23:53:55 ID:41IcqfWs
鬱エロもありかと思った
139名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 00:33:37 ID:FuJSNpNP
バツイチってことは、もしや非処女?
140名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 07:27:44 ID:s19FlM0o
無いことは無さそうだな
141名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 15:26:37 ID:r7wG8pS2
あげ
142名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 23:06:58 ID:SYqk0hJl
正直もうそろそろ投下希望
143名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 23:51:38 ID:nKA9GjRU
書きたいが本編の展開上様子見
144冷たい夜に 0/2:2007/04/29(日) 11:32:55 ID:r34UUaM/
月曜祝日につき土曜日発売で嬉しかったんですが
考えてみたら次号は5月14日までオアズケって、かなりの焦らしプレイと気付きました。
昨日発売の本誌のせいで妄想がよぎってしまって、後で矛盾が出てもイイじゃんと
色んなものをぶっち切って書いていました。
志乃の泣き顔が余りに可愛らしかったのが悪いのです。

桐之進の悪夢に怯えながら、伍助の帰りを待ち枕を濡らす志乃のコネタ。
エロシーンは回想で薄く、かなり弱い描写ですが陵辱表現も出てきます。
145冷たい夜に 1/2:2007/04/29(日) 11:33:35 ID:r34UUaM/

 アタシはずっと、毎日、毎日、夜が来るのが怖かった。
 それは夜じゃなくても来る事はあったけれど、やっぱり一番、夜が多くて、だから今も夜は苦手。
 特に一人の夜は、本当に怖くて、辛くて、悲しくて、どうしようもない位、勝手に涙が溢れてしまうのだ。
 深夜、シンとした寝床に一人になると、あの人の怒号が勝手に耳に蘇ってくる。
 押さえつけてくる手の感触だとか、のしかかってくる身体の重みだとか、
そして、準備の整っていないアタシを貫きにくるアレの痛さだとか、色んな事が頭をグチャグチャにして、
叫びたいくらい胸が苦しかった。
 だけど、今は平気。
 ごっちんは、恥かしがって一緒に寝てくれないけど、夜中に目が覚めても、
近くに聞こえるごっちんの寝息がアタシを安心させてくれるから。

 でも、ごっちんは、今夜も帰ってこなかった。
146冷たい夜に 2/2:2007/04/29(日) 11:34:10 ID:r34UUaM/

「ごっちん…、助けてよぉ……」
 夜、一人は嫌い。
 色んな事を思い出すから、怖くて嫌い。
 嫌な夢を見て、目を覚ましても、シンとした家の中、アタシは一人だ。
 途端に、無理矢理にアタシの肩を掴む、あの手の感触が蘇る。
 布団にアタシを投げると、必要な所だけ着物を捲り上げ、彼は自分の好きなようにアタシを陵辱した。
 ややを生す場所だけじゃなくて、手や口や不浄のための窄まりも、あの人の感触が染み付いている。
 そういえば、ごっちんと夫婦になって、もうそれなりになるのに、ごっちんと閨を共にしたのは
まだ数えられるほどの回数だ。それにごっちんは初夜の日以来、一緒に朝までいてくれた事がない。
 だけど、ごっちんとの、どの房事を思い出しても、彼は凄く、凄く、本当に凄く優しかった。
 アタシを壊れ物みたいに、慎重に丁重に敷布団の上に寝かせる。そうした後で、まるで失敗したら、
死んじゃうんじゃないかって位に真剣な顔で、優しく着物を脱がせてくれるのだ。
 でも、全部脱がせておいて、寒いだろうと布団をかけてくれる。アタシの肌が見たいから、
脱がすという訳じゃないらしいのが、何とも不思議だ。そんなごっちんは、慌てて時々失敗しながら、
何とか自分も全裸になって、布団の中におずおずといった感じで入ってくる。
 で、布団の中でゴソゴソと、なるべくアタシを痛がらせないようにと気を遣うのだ。
 少しくらい、乱暴にされたって、アタシは平気なのに。
 ごっちんの指は、『慣らさねば、女子は痛いと聞いたので…』と、柔らかく陰唇に触れてくる。
 布団の中で、重くならないようにと懸命に腕をついてアタシにのしかからないようにしていた、ごっちん。
「布団をかけてても、くっついてないと、風が入って寒いよ?」
 そう言って手を伸ばして、ごっちんを抱きしめたら、顔を真っ赤にして、口をパクパクさせてたっけ。
 密着した胸は、凄く熱くて、アタシとするのに興奮しているんだと思ったら、急にアタシまで熱くなった。
 思っていたよりも、ごっちんの身体は筋肉があって、抱きしめられると男の人なんだなあって思わせる腕をしている。
 手を重ねれば、アタシよりも大きな手のひらがギュッと握り返してくれて、
それだけでアタシは胸が切なくて泣きそうになった。
「もう、大丈夫だよ…だから……」
 延々と焦らすように優しく撫でられた陰唇がジクジクと貫かれるのを待っている。
 ねだれと命令された訳でもないに、自分からして欲しいとごっちんに願った。
「…志乃。済まぬが、少しだけ我慢してくれな」
 グッとごっちんの摩羅がアタシの中に押し入ってくる。
 久々だから、凄く、大きく感じるのかと思ったけど、3回目の時に、ごっちんの方が大きいのだと分かった。
 ごっちんの摩羅に指で触れて気付いた大きさの違い。
 身体の大きい人の手や足が大きいように、身体の大きい人がソコも大きいのかと思っていたので、
ごっちんとあの人の大きさが見た目と逆なのに気付いた時、少しおかしかった。

「……本当に、ごっちん、早く帰ってきてよぉ…」
 怖い以上に、何だか切なくて、アタシはフラフラとごっちんの居ない寝間へと向かう。
 いつ、ごっちんが帰ってきてもイイように拵えた寝床は、主の居ない今、夜の静けさの中で冷え切っていた。
 バフッと音を立てて布団に倒れこめば、ごっちんの匂いで身体が包まれる。
 だけど、ココにごっちんはいなかった。
 布団は本当に芯から冷たくて、アタシの身体の熱が奪われていくばかり。
 アタシに熱を与え返してくれるごっちんがいなかった。
「寂しいよぉ…」
 枕に顔を埋め、ごっちんを思い描く。
 ごっちんはアタシと離れて、少しでも寂しいと思ってくれているだろうか。
 アタシはごっちんが戻ってきてくれないのが寂しくて、寂しくて、涙が勝手に溢れてきて、
せめて旦那様が、この十分の、いや千分の一でもイイから、アタシを想っていてくれたらイイのにと願った。
147名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 11:34:46 ID:r34UUaM/
以上、お粗末さまでした。

ところで、現在、摂津と志乃の兄妹の話を書いてるんですが、手元に20と21、22・23号の3冊しかなくて
志乃が兄を何と呼ぶのか分かりません。
現在、こちらもエロ描写薄めですが、もう少し濃くして投下しようと思っています。
どなたか、心優しい方、俺に志乃が兄を何と呼んでいたか教えてください。
148名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 13:55:20 ID:JHYrFrfp
gj!
149名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 14:05:03 ID:nrigSn9c
GJ!
志乃切ないなぁ(´・ω・`)
兄貴の呼び方は俺もわからねぇやごめん
150白うさ:2007/04/29(日) 18:49:08 ID:DelDWiRd
自分も本誌展開待ちだったんですが、今夜にでも投下したいと思います。
志乃の泣き顔があまりに印象的だったので、今回も白くなりそうです。
151名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 23:24:19 ID:x3ajgV2y
ごっちん萌えな18ですが
エロパロとゆうものを初めて目にしました
なんなんですかココは素晴らしすぎますよ
152名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 23:35:36 ID:0Mo4ZaA2
>>151
18というのは年齢の事か?
だったら君にはまだ早い。
もう一年経ったらまた来なさい。
153名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 23:41:48 ID:odAzHfHd
みえない投下が遅れている
焦らしプレイかっ!
くそっ!やられた!
154名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 00:04:56 ID:0KSUqzuR
>>151
21歳以下は入ってくんな
学生ならこんな所見てオナニーしてないで青春やリアル恋愛を楽しめよ
155名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 00:05:39 ID:KlHKcXDG
一年か……
156名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 08:32:59 ID:Ul/Yct06
白うささん来てないのか…何とも残念

>>154
今のエロパロは21禁じゃなくて18禁だよ
去年のいつだったか忘れたが改定されて、板TOPも18禁に変わってる
現在のPINKちゃんねるは少しだけ21禁が残ってるけど、何処も大抵18禁だからね
157白うさ:2007/04/30(月) 09:34:09 ID:zb6xCZGE
時刻は早朝。
日も昇っていない薄暗い閉め切られた部屋で、もぞもぞ布団が動いた。
「・・・ごっちん、おはよー」
隣の布団に呼びかける。
返事の代わりに小さなイビキが聞こえた。まだ完全に寝入っているようだ。
志乃はそーっと身を起こすと、布団から抜け出した。
ごそごそ・・・。
ぱくっ。
「・・・う? ん・・・んん?? ・・・うおあーーっ!!」
伍助は叫び声をあげて、大慌てで掛け布団を引き剥がした。
そこには、己のペニスにしゃぶりついた愛妻の姿があった。
「ごっちん、おっはよ〜」
口を離してパタパタ手を振る。
「志乃、何をやっている!?」
「んー、とね。おはようのあいさつ、かな? あは」
「・・・食いちぎられる夢を見た」
「えへへ、ゴメンね・・・でも、ホラ。カッチカチになってきたよ」
ペニスの棒部分を手慣れた調子で擦りあげながら、志乃が明るく言った。
伍助はなるべく快感を表さないようにしたが、自然鼻息が荒くなった。
「しかしだな、こんな朝っぱらから、このようなことをするのは・・・」
「えー? ダメなのー?」
志乃は不満げに声を上げた。
そのまま先端にそっと口付けし、肉竿に舌を絡め鈴口から裏筋をゆっくりと舐め上げる。
「や・・・あ・・・ダメじゃない・・・」
たちまちうっとりした表情になった伍助を見て、志乃は嬉しそうに笑った。
「いつイってもいいからねぇ」
そう言って、志乃は愛おしそうに目を細めると夢中でしゃぶりついた。
吸い上げて、舌を這わせ、亀頭部分の敏感な場所を丹念に刺激する。志乃の歯の欠けたところが当たることもあったが、それさえもアクセントとなり快感の度合いを急速に高めていった。
時々「うっ・・・」と小さく声をあげていた伍助だったが、次第に我慢の限界が近づいていた。
「し、志乃! オレはもう・・・!」
志乃は伍助の様子を見て、ますますペースを上げた。
「いいよぉ」口に伍助自身を含んだまま、志乃が短く言った。
その声の振動がトドメになったのか、伍助は思いっきり志乃の口中に精液を放った。
どくん、どくどく・・・。
二度、三度と蠕動して射精を繰り返す伍助のペニスから口を離さず、志乃は全て受け止めた。
「志乃、大丈夫か!?」
「んん・・・んくっ。・・・んぅ」
喉に絡む白濁液を嚥下し、志乃は満足そうな表情を浮かべた。
「ごっちん、ごちそうさまでしたー♪」
「あんなもの、美味くなかろうに」
「知らないの? ごっちんのはオイシイんだよ」
指先に付いた粘液を舐め取りながら、志乃が言った。
「それじゃ、アタシ朝ごはん作ってくるね! ごっちんは寝てていいよ」
バタバタ慌ただしく寝具を片付けると、志乃はそのまま部屋を出て行った。
後にぽつんと残された伍助は、もそもそと掛け布団を直して再び横になった。
天井をじっと見つめる。見知った天井の木目が、志乃の顔に見えてくる。

・・・ああ、オレは世界一の幸せ者だ。

そう思いながら、伍助は再び眠りの中へと落ちていった。

158白うさ:2007/04/30(月) 09:55:22 ID:zb6xCZGE
うPする前に寝てました。ごめんなさいw
本番抜きで、軽く明るくにしてみました。
やっぱり、こう、ほわほわした日常が合ってますね、この作品て。


て、言ったそばから、黒いネタ考え付いたので次回は黒く行きます。

先行公開4行編

「あれ? 志乃さん、どうしたんっスか?」
「も・・・ダメ・・・ふたりとも、もうやめて・・・」
「まだまだこれからじゃあないっスか。休んでちゃダメっスよ」
「・・・・・・」

こんな感じで。
159名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 12:50:21 ID:zziCFQMy
うはwww 朝の(上の口と下の口の)ラブキッスktkrwww

………ところで白うさ&黒うさの人、私の中で勝手にオセロさんと呼ばせて貰っとります。
160名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 13:28:23 ID:Y0hFX69E
白うさ&黒うささん、いいですねー。
可愛いくてエロなのは理想。
私も何度か職人として投下したことがあるけど、まだエロには到達出来て
ないのがもどかしい。
二人ともほのぼの可愛いから、ついまったりしたものを書いてしまう。
161名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 23:07:00 ID:pOPLq+3k
5:名無しさんの次レスにご期待下さい :2007/04/30(月) 16:07:18 ID:OUrEa28H0
                       __
   /´`\              / `ヽ
   i {::ヽヽ            / ,r::、  }
   |  i i !           / /:::::/ /
   |  i i  !          / / /  /
    ヽ i i |         / / /  /
    ヽ i i i   _ ...... _  / / /  /
     ヽ ヽi レ'´    ``  ! ノ /
      〉-‐          ヽ ,く
     /                ヽ 
    /                  i
    i       \    /      i
    |    =・=\ii/=・=    |
  、  {                   .,}-‐
ー-、``ト、._     ,-‐  ‐-、   _,.-‐'/_,.-‐
   ``ト‐-`ニ=‐-/、   u  _,.ヽ-'´_,-‐'/_,.-‐'´
  ̄ ̄ ヽ──-ト、   } -‐ノ ̄-‐'/
      \   ゝ、__.人__.ノ   /
        ヘ        _,..-‐'
162名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 23:10:50 ID:yeYPryvx
                      __
   /´`\              / `ヽ
   i {::ヽヽ            / ,r::、  }
   |  i i !           / /:::::/ /
   |  i i  !          / / /  /
    ヽ i i |         / / /  /
    ヽ i i i   _ ...... _  / / /  /
     ヽ ヽi レ'´    ``  ! ノ /
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ー-、``ト、._     ,-‐  ‐-、   _,.-‐'/_,.-‐
   ``ト‐-`ニ=‐-/、   u  _,.ヽ-'´_,-‐'/_,.-‐'´
  ̄ ̄ ヽ──-ト、   } -‐ノ ̄-‐'/
      \   ゝ、__.人__.ノ   /
        ヘ        _,..-‐'

163名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 11:14:51 ID:7HBla37S
>>161-162
ワロタけど自重しろwww
164みえない うさぎ7(黒うさ):2007/05/03(木) 17:52:38 ID:mfqF3qWv
翌 日

「と、いうことでな、道場を建て直してもらう事となったのだ」
伍助は嬉しそうに箸を動かしながらそう言った。
「やはり男同士、ハラを割って話せば分かってもらえた。さすが、一本筋の通った男衆だのう」
「よかったねっ、ごっちんの夢にまた一歩近づいたってわけだねっ」
うむうむと大人びた頷き顔の伍助を見て、志乃はぎこちなく微笑んだ。
「・・・志乃、何か顔色がおかしいぞ? 大丈夫か?」
「あ、うん! ダイジョブだよっ」
やや頬を上気させつつもガッツポーズをとる愛妻を見て、伍助は小さく頷いた。

「では、くれぐれも無理はせぬようにな」
「うん! いってらっしゃーい!」
それから程なくして、伍助は道場の普請を確かめるために家を出ていった。
大げさに手を振って伍助を見送った志乃は、その姿が角を曲がったの確認すると、ゆっくりと屋敷内に戻った。
ふうぅぅ、と長いため息を吐く。
がくがくと、膝が砕けそうになるのを柱に掴まって堪える。
歩を進める度にグリグリ動き、手の届かない身奥から快感の波となって押し寄せてくる。
小さな身体に埋めこまれた張り型は、一夜明けて、猛毒にも似た威力を発揮していた。
「う・・・う、ふっ・・・んっ・・・んん・・・」
玄関の土間口で、志乃は半身を預けるよう廊下に倒れこんだ。
内股同士が自然と擦り合わせる。顔を廊下に埋めるような体勢のまま、腰が左右に動く。
「こんなコト・・・してちゃ、ダ・・・メ・・・。急がな・・・きゃ・・・」
自分に言い聞かせるように呟くが、伍助の前で無理に抑えていた反動か、身体が思うように動かない。
床板に、着物ごしに乳首が擦れて熱くしこり、きゅうぅん、と甘い痺れに似た感覚が全身を駆け巡る。

そーだ。いっそ、このまま一度イっておいた方がいいかもしれないなあ・・・。

目を閉じていると、そんな考えが思い浮かんだ。指先がしらずしらず、着物の裾に進みそうになる。

先ほどの、伍助の心配そうな顔が、頭をよぎった。

志乃は目を見開いた。
「ダメ・・・!」
志乃は大きく息を吸い込み、なるべく身を揺すらぬようゆっくりと立ち上がった。
そのまま、廊下に寄りかかりながら自室へ向かい、出掛ける支度を始めたのだった。


とりあえず、途中まで。
次回は、たぶん近いうちにうpれると思います。
題名「翻 弄」。

先行公開分は、忘れてくださいw
165名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 18:17:31 ID:C26TD3H6
wktk
166名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 18:47:30 ID:4E0YKEHu
欲望に負けそうになりながら頑張る志乃がイイ
先が楽しみだ
167名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 12:14:06 ID:k8ZfaL49
GWなんで、何か投下出来るかも。
エロくしたい、出来れば。
168遊女(ゆめ)の夜が 0/6:2007/05/04(金) 13:24:30 ID:rgHfSzhB

投下予告が来てる所にスイマセン。先に投下させてもらいたいと思います。

>>145-146の続きというか流れを汲んだ話ですが、読んでなくても問題ない作りになっています。

志乃が兄の摂津正雪を呼ぶ呼び方が結局分からなかったので、今回は兄上にしておく事にしました。
時代的にはしっくりする気がしますが、何だか志乃に合わない気もしますので、各自、脳内変換願います。
何かもしかしたら志乃独特のあだ名が兄にもあって、それが後々に分かったりするかもしれませんが、
元々、22・23号の志乃の泣き顔から勝手に妄想を膨らませて書いた話ですので
多少のズレについては、ご了承下さい。

今回の話は摂津の回想による兄妹の近親相姦です。
摂津×志乃ですが、志乃はDVのフラッシュバックによる心神喪失状態に陥っています。
要は精神的に追い詰められて相手を見誤った上でのエロ描写となっています。
こういった感じの鬱エロの苦手な方は、どうかスルーをお願いいたします。
169遊女(ゆめ)の夜が 1/6:2007/05/04(金) 13:25:27 ID:rgHfSzhB

 道場の屋根から飛び降り伍助と別れた後、オレは夜道を一人歩きながら、ふーっと溜め息を吐いた。
 この溜め息は、妹に今も泣き暮らすほどの扱いをした元義弟の事や、
妹への愛ゆえに暴走してくれそうな現在の義弟の事が問題なのではない。
自分自身の妹との間に起こった間違いを思い出して、オレは己に溜め息を吐いたのだ。
 駆け込み寺から家へと戻った当初、志乃はずっと泣き暮らしていた。
 オレに心配をかけまいと隠れて泣いていたようだが、幾ら隠した所で泣き腫らした目を見過ごせるほど、
オレは愚鈍な人間じゃない。
 何より、志乃が隠し切れない夜泣きは尋常ではなく、オレはその夜泣きを何度も欲望のままに抑え付けた。
 志乃の夜泣きをなだめるのではなく、オレはただ、あの夜泣きに煽られるまま、志乃を犯した。
 兄妹でありながら、弱っている志乃に乱暴を働いたオレは、多分、桐之進よりも何百倍も悪人に違いない。
 志乃の夜泣きは、桐之進の迫った閨の激しさを思わせる壮絶なものだった。
 何度も赦しを請いながら、懸命に雄に尽くそうとする。
 初めて志乃の夜泣きを目にした時は桐之進への怒りが煮えたぎったが、志乃を抱いた後では、
奴を責める正当性がオレには無い気がして、何も出来ない己が歯痒がった。
 今も夜になるたびに、志乃の幻影を見る事がある。
 特に家の寝床に一人でいると、『桐之進様、どうか御赦し下さい』と繰り返し、
泣きながらすがりついてくる志乃が見えてしまう。
 手酷く躾られ覚えこまされたに違いない手や口を使った奉仕は、
未だ幼い妹に不釣合いなほど磨かれた技術だった。遊女のごとき巧みさで雄をためらいもなく飲み込み、
焦点の合わない怯えた目でこちらの様子を窺いながら尽くしてくる。
 夜の暗闇の中で、あの屋敷と自分の家、桐之進とオレを見分けられなくなった志乃が、
泣きながら尺八をしようとした時、オレは志乃から逃げるように離れ、言葉で説得しようとした。
 ここはお前の慣れ親しんだ家で、自分は兄なのだと、何度も言い聞かせたが、夜の怖さに混乱した志乃は、
朝が来るまで泣き通しで治まらない。
 光が差して、ようやくちゃんと周囲が見えるようになって、志乃はプツリと糸が切れたように眠り込み、
そして起きた後はまた、オレの前で涙を見せぬように昼を過ごしていた。
170遊女(ゆめ)の夜が 2/6:2007/05/04(金) 13:26:28 ID:rgHfSzhB

 妹に対して言い訳はしたくないが、あの夜、志乃に迫られて逃げずに応じたのは、
連日の志乃の夜泣きに付き合って寝不足だった事も一理ある。志乃が心配で
茶屋どころか自分で抜く暇もなく、溜まっていたせいもあった。
「抱いて下さい、桐之進様」
 とても準備が整っているとは思えない、潤みの足りない秘所を自分から割り開き、志乃が震えながらねだる。
 その夜オレは、志乃が咥え込もうとする前から怒張していて、ソレに気付いた志乃が、
オレの欲望を鎮める為にすべき事として考えた結果が、それだった。
 浴衣をたくしあげた四つんばいで、後ろに両手を伸ばして陰唇を割り開く姿。
 土手はまだ幼子のようにスベスベとした女陰なのに、膣は陰唇を拡げるだけで穴をパックリと開き、
肛門も使い込まれ少しめくれあがるような形をしていた。
 誘うようにひくつく2つの穴に、吸い寄せられるように舌を伸ばす。
「き、桐之進さ、まぁ…あぁ…やぁ…気持ち、気持ちいいです」
 無理矢理に拡げられ陵辱された秘穴が不憫で、傷口を舐めるような気持ちでオレは舌を当てたはずだった。
 しかし、舐めるほどに濡れてほどけ始める女陰が、オレを狂わせる。
「んぅ…桐之、進…様、そのようになされては、先に気を遣ってしまい…ます。どうか、御赦し下さい…」
 志乃が上擦った声で絶頂を拒む。おそらく、先にイくのを禁じられていたのだろう。
 だからといって、あの男の事、自分がイッた後に志乃を慰めなどしなかったに違いない。
 散々に陵辱され、快楽を得るのも許されず、それでは志乃が夜を怖がるのも当然だ。
「先にイケばイイ」
 溢れ出してきた蜜を舌にのせ、味わう。妹の味はまだ女が薄いが悪くなかった。
 その蜜と唾液を混ぜたヌルヌルを陰核にまぶすように舌をまわせば、ピンと硬く勃ち上がる。
「でも…ひぁ…ダメ…これ以上は、本当にお止め下さい」
 唾と愛液で濡れるしこった陰核を指でくすぐり、懸命に今も陰唇を割り開く志乃の指を舐めれば、
甘く切なげな声が耳に響いた。
「イイから、イケって」
 陰唇に爪を立てながらも絶頂を堪えようとする志乃を、快楽に引きずり込むため膣穴に舌を押し込む。
 潤み緩んでいた膣が、舌を挿し入れてほどなく、キュウゥゥッと独特の締め付けをみせた。
「…桐之進様、ごめんなさい、ごめんなさい…先に…先に気を…」
 泣きながら先に達した非礼を詫び、それでも志乃は指を離さず女陰を曝しつづける。
 普通、女ってのはイッてしまうと力が抜けて、さっきまで当り前にしていた事が突然、出来なくなったりするもんだ。
 それなのに志乃はイッても気を抜かず、こちらに注意を向けたままである。
 どれだけ手酷く扱われたのか、それを思うと頭はガンガンと、胸は苦しく、はらわたは煮え繰り返った。
171遊女(ゆめ)の夜が 3/6:2007/05/04(金) 13:26:59 ID:rgHfSzhB
「桐之進様、どうぞ、志乃を罰して下さい。主よりも先に気を遣るなど、志乃は罰されて当然です。
どうぞ、桐之進様の思う通りになさって下さいませ」
 オレの怒りの矛先が自分に向いていると思ったのか、志乃は震えながら頭を伏せ、
ずっと離さなかった指を畳につき、罰を願う。
「志乃、やめろ。もう、十分だ。そんな事はイイから…」
 志乃の頭を上げさせようと指先を軽く肩に乗せ、言葉を掛けた。
「申し訳ありませんでした…口の使い方を忘れておりました。桐之進様、失礼いたします」
 志乃の前で、畳に膝をついたのが間違いだったのかもしれない。
妹の指がオレの浴衣の合わせの中に入り込み、下穿きを撫でた。すぐに頭まで股間の方へ潜り込み、
木綿の上から竿の形を確かめるように舌が舐め上げてくる。
 口は言葉を紡ぐよりも、舐るための舌を使えというのが、桐之進が志乃に教え込んだ事らしい。
 既に先走りの露で汚れていた晒し木綿が、瞬く間に志乃の唾液でぬめっていった。
 布地の上から怒張を一通り舐め尽し、志乃のか細い指がオレの雄を外気へと曝すべく褌へとあてられる。
 逃げるならばこの隙を逃せばもう、次は無いと分かっていたのに、オレの中の欲望が勝り、
妹にされるがまま、六尺から摩羅を解き放った。
 股間を覆っていた布が取りされられてもオレの怒張は天を仰ぎ続け、硬度を緩めることは無い。
 もはや精を放つ以外に、この昂ぶりが収まる方法は無かった。
「志乃…」
 自分から浴衣の合わせをまくりあげ、志乃が陽根にしゃぶりつくのを見下ろす。
 妹の尺八は今までに手合わせしたどの女よりも巧みで、そして、どの女よりも苦渋に満ちた表情をしていた。
 喉奥に触れるほど深く咥え込み、口腔にある舌が裏筋を刺激する。志乃はえずく事もせず唇をすぼめているが、
その目は怯えながらこちらを見上げ、静かに涙を流していた。
 昼間に見せる明るい笑顔からは想像もつかない静かな泣き顔で、嫌がりながらも至妙な舌捌きで男を扱う。
 この舌の蠢きが妹でなく、茶屋の女郎であればオレはとっくに気を遣っていただろう。
だが、どうしても妹の泣き姿相手に精を吐けるほど、外道にはなり切れないようだった。
「だからって萎えもしねぇんだから、既に外道か」
 オレは一人ごち、志乃の額に手をあてて尺八を止める。
 舌先と鈴口の間に卑猥な糸が幾筋も伸び、ふっと夜の闇の中へと紛れた。
 行灯の薄明かりの中で妹を見下ろせば、少したわんだ浴衣の胸元から薄い膨らみが見てとれる。
少し目線を上にずらせば、志乃が何か粗相でもしたのだろうかと、震えながら不安げな目でオレを見つめていた。
 男女の情を交わすには、妹はオレには近すぎる。女達に振舞うような安っぽい愛を囁くには、
余りにも愛しい相手だった。
 オレは志乃に掛けるべき言葉を見つけられずに、肩を掴んでなるべく優しく後ろに引き倒す。
 足を掴んで深山での結合をしようとしたが、正座をしたまま後ろに倒れた志乃のふくらはぎは
尻の下に敷かれていた。
 後ろに倒れた事で浴衣ははだけ、滑らかなどてと濡れた女陰が突き出されるように見えている。
 女に千鳥の体位がキツイのは承知しているが、蕩けた秘裂は本当に蠱惑的で目が逸らせず、
そのまま覆いかぶさった。
172遊女(ゆめ)の夜が 4/6:2007/05/04(金) 13:27:30 ID:rgHfSzhB
 挿入を察して志乃が少しだけ腿を開き、雄を受け入れる。
 男を咥え込んできた形を見せていた膣口とは思えぬほど、入り口から内の肉襞まで
柔らかくオレを締め上げてくる。
 未通女相手かと錯覚しそうなほどキツさを感じる膣を押し進み、肉棒を深くまで挿し入れれば、
最奥の壁を先端に感じた。
「桐之進、様…」
 志乃があまやかな声で元夫を呼ぶ。手をこちらに向かって伸ばしかけたが、
キュッと拳を握り締めて思いとどまると、畳の目や縁を掴むようにして
これから始まる揺さぶりにに耐えようとしていた。
「すぐに済むから、我慢してくれな」
 妹の身体の筋は柔らかいが、この不自然な体位には負荷が多いだろう。
オレは志乃の腰のくびれに手を掛けると、自らの腰を動かして快楽を貪った。
 オレが腰を振り始めると、志乃は膣を犯しながら腿に擦れる男根の為に足を柔らかく閉じ合わせて、
よりこちらが刺激を受けやすいように調節を加えてくる。
 たった1年離れていただけなのに、小さな妹の肉体には雄を悦ばせる術が詰め込まれていた。
 志乃は感じているのか、それとも辛いのか、ガリガリと畳を掻きながら、しとどに女陰を潤ませる。
 乾いた肉のぶつかり合う音がいつしか互いの汗で湿った肉のぶつかり合いとなり、
淫液の絡んだ結合が発する下卑た音は寝間の外まで聞こえそうなほど大きくなっていた。
「…あぁっ…ダメ、です…桐之進様…そのように、なされては、アタシ、また……ひぁっ…」
 挿し込みの角度を少し変えると、サオに擦れるように志乃の淫核が上下に動く。
その刺激に志乃が高い声を上げ、主人より二度も先に達する訳にいかないと首を振って絶頂を拒んだ。
 気を遣るのを拒もうとしていても、女陰全体がヒクつき、膣は快感を求めうねっている。
 ここに更なる刺激を加えれば、志乃は悦楽を拒みきれずに気を遣るに違いなかった。
「イケ、志乃。オレも、もう…」
 最後の前に奥まで摩羅を挿し入れ、精を放つ寸前に引き抜く。
 流石に妹にオレのややを産ませる訳にはいかないので、子種が畳に零れるのを覚悟で
志乃の膣から抜き出した。
「桐之進様…」
 気を遣りきるためにオレが己の竿に手扱きを加えようとした時、
今にも絶頂に達しようとしていた志乃が身体を起こし、咥え込む。
「志乃…っ」
 強く吸われ、離れる間もなく、妹の口内に全てを出しきってしまった。
 志乃はゴクリと喉を鳴らしながら、指先で少しだけ自らの女陰を掻き、絶頂の震えを見せる。
 泣き腫らした目からは枯れる事なく涙が溢れているというのに、それでもオレを悦ばせる為、
男根を清めようと舌を動かしていた。
173遊女(ゆめ)の夜が 5/6:2007/05/04(金) 13:28:23 ID:5pwcfTsM

 オレを清め終えると、志乃が三つ指をついて深々と頭を下げた。
「今宵も、ありがとうございました。舐めていただいたのは初めてでしたので、嬉しかったです」
 小刻みに震えながら志乃が犯してもらった礼を述べ、寝間を出ていく。
「…志乃」
 あれだけ閨の技術に長けさせておいて、桐之進自体は志乃に舌を当てる事すらしてなかったようだ。
 障子を音もなく閉め、自らの寝間へ戻っていく志乃を追おうと、部屋を出て数歩。
妹はパタリと廊下に倒れていた。
 何か無理が祟ったのかと様子を窺えば、泣き濡れた顔のまま既に寝息を立てている。
 小さな身体で男の欲望に応えるのは、余程、大変なのだろう。
 何より、あのような精神的負荷の中、迫られるものであれば…。

 不憫な妹を思えば、オレは応えるべきじゃないのだ。そう、何度思っても、
快感すら禁じられていた志乃を思うと、少しでも感じて欲しくて、様々な事をオレはその後もやってしまった。
 そうして、身体を重ねた回数を数えるのもバカらしい状態になった頃の事。尽くしてこようとする志乃の身体を、
ギュッと抱きしめた。
 考えてみれば、寝間を訪ねてくる志乃を抱きしめたのは、それが初めての事だった。
 日常、志乃を背負う事もあれば抱き上げる事もあったのに。交合の最中、抱きしめたのはそれが最初だった。
「兄、上…?」
 オレの腕の中で、志乃が戸惑った顔を見せる。
「志乃…お前」
 夜の閨の中だけの志乃でなく、いつもの妹の姿がそこにあった。
「桐之進様が何で兄上に替わっているの…?」
 混乱した表情で、俺の顔をしげしげと志乃が見つめてくる。
「それは…えーと、そりゃぁ…」
 何と説明しようか、それとも言い訳しようかと、未だ繋がったままの態勢で志乃から抜く事も忘れて
しどろもどろになった。いつもならツラツラと出てくる軽口や嘘も、この時ばかりは何も浮かばない。
「まあ、いいや。アタシ、眠いから寝るね。おやすみ、兄上」
 だがオレが焦っている内に、志乃は何事もなかったようにそのまま寝入ってしまった。
それは、いつものような笑顔を浮かべた安らかな寝顔。
 オレは未だ熱の冷めない男根を志乃の中から引き抜き、正気に戻ったらしい妹に布団をかけてやった。
「そういやオレは、志乃を突き放してばかりいたんだなぁ……」
 寝間で縋ってきた志乃を抱きしめれば、それだけで最初から、こんな事にはならなかったのかもしれない。
 怯える志乃に怯えて、オレが逃げた結果、事態はややこしくなったのだ。
 次の朝、目覚めた志乃は昨夜の事など何も覚えていない様子で、何故オレの部屋で寝ていたのかを
悩んでいた。しばらく考えた末、厠に起きた時に間違えたのだろうと勝手に納得していた。
174遊女(ゆめ)の夜が 6/6:2007/05/04(金) 13:28:55 ID:5pwcfTsM

 あれ以来、志乃はオレの寝間を訪ねなくなり、夜泣きも、独り寝の中で静かに涙を流すだけとなった。
 志乃の悲しみや辛さを癒すには、温もりが必要に違いない。
 それは夫にはなれない兄のオレが、志乃に与えるにはいかないものだ。だから、せめてイイ奴を捜そうと、
オレは今度は何度となく相手の素行を調べ、慎重に事を運んだ。
「まさか、伍助ちゃんが、あそこまで志乃に惚れてくれるとはねぇ…」
 伍助に縁談を持ち掛けた時は、色事に疎そうなコイツの事、抱いたところで志乃が生娘かどうかなど分かるまい。
それに、バカ正直で実直なコイツは世情に疎いがゆえに出戻りも知らず、妹を幸せにしようと尽くしてくれるだろう。
 そんな打算的な思いが少なからずあって志乃を託したのだが、今は本当にアイツを選んで良かったと思う。
 裕福かどうか、出世しそうかどうかなど関係ない。
 志乃が終生笑って暮らせるような、心安泰になれるのは、もう多分、今となっては
あの男の隣でしか、なしえないのだ。
 だって志乃は、あんなにも毎日楽しそうにしている。ほんの三日、伍助が家を空けただけで、
あれほど悲しみ落ち込んで、本当に好き合ってくれているのだ。
 そんなふうに二人の夫婦としての仲は、今後、末永く幸せに違いないと思っていたのに、
桐之進と伍助が関わったのは本当に運が悪かったと思う。
 志乃にあれ以上の苦労を味わわせぬよう、伍助に真実を少しだけ話したが、やはり、衝撃は大きかったようだ。
 周りから伝え聞く今日の伍助の失態は、志乃相手に今頃、何をのたまわっているか分かったもんじゃ無い。
 少し様子見をしようかと義弟の家に向かう途中、一心不乱に駆け抜けようとする伍助を見つけた。
 必死の形相の奴のマゲを掴み、行く手を阻む。
 伍助の言葉とただならぬ様子に、志乃がまた泣かされたのだと察しがついた。
 オレは妹と義弟の幸せを願って、元義弟相手に剣を振るう覚悟を決める。
 そう、妹を不幸せにした代償を取り立てるのに、時効はないのだ。
 例え己の身に何か不都合が生じようとも、妹の不幸せの償いに、丁度イイじゃないか。
 オレは、そう心の中で考えながら、義弟へ加勢の意を表した。
175名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 13:29:27 ID:5pwcfTsM
四十八手の中でも名称としてはマニアックな体位を登場させましたが
もし、イマイチ体位が想像し辛い場合は深山も千鳥も四十八手でググれば、
どういう状態のものか、解説や絵がヒットすると思います。
その際、深山と深山本手はどちらも同じものですが
千鳥(女性が足を折りたたんだ正常位)の方は、
千鳥の曲(フェラ)、浜千鳥(開脚正常位)、〆込み千鳥(女性上位)とは
全くの別物である事をお伝えしておきます。

それでは、以上、お粗末さまでした。
176名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 02:14:52 ID:d7/ADzqF
よくもここまでのステキ妄想を……
愛しちゃっていいですか?
177名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 07:51:01 ID:c8inX/QP
GJ!!!!
ラブラブも好きだがこういうのも大好物だ!
178籠の鳥 :2007/05/05(土) 12:41:02 ID:BAZN0ZU6

騒動は何とか治まった、ように思う。
志乃の前夫だった松山のことはあれからお互いに問わず語らずのままだ。それでいいのだと
思う。志乃もあたら口に出せることではなかろう。
あのように辛い目に遭ったとしたら、尚更のことだ。
日々は特に何事もなく過ぎている。志乃の様子も別段変わりがない。だが、その心中を推し
量るとどうしてやれば更に良いものかとただ思案するばかりだ。
思案。
便利な言葉だと、若輩の自らが情けなくなった。
ふむ、と伍助は今日も思案に暮れながら日の落ちた縁側で、雨戸も閉めないまま茫洋と佇ん
でいる。見上げれば、今宵は見事な満月だった。
「欠けざることのなしと思えば…か」
幼い頃に聞きかじった逸話を思い出しながら、ぼんやりと口にする。
志乃は、この家に嫁いできて満月のように幸せでいるだろうか。今は一番考えたくないことを
唐突に心の表面に押し上げてしまった。
「ごっちん」
そんな時、元気な志乃の声がした。
「そろそろ冷える時間だよー、風邪ひいちゃう」
愛くるしい顔でにこにこ笑いながら、志乃は盆を手にして歩み寄ってくる。
「ここでいいんなら…はい、お茶。お菓子もあるよ」
「お、済まんな」
ことりと置かれた湯呑み茶碗と、小皿に乗せられた鳥型の干菓子が三つ。その色形には見覚
えがあった。
「志乃、これは」
「ああ。お昼にね、義母様が来たの。ごっちんのこと色々教えたげたら喜んでたよー」
「そ、そうか」
何となく気まずくなって、干菓子を一つ口に運ぶ。この菓子は母親が好んでよく買っていたもの
だから、きっと来訪したのだとは察していたが、まさかそれほど心配させていたとは。
いかんなあ、と溜息が漏れる。
やはりオレは何においてもまだ中途半端なのだと。
179籠の鳥 二:2007/05/05(土) 12:42:14 ID:BAZN0ZU6
「ごっちん」
突然、静やかな様子で正座をした志乃が声を潜める。
「アタシ、ごっちんにとっていい妻かなあ。正直わかんないの」
「な…っ」
あまりの言葉に、伍助は思考が停止しかけた。確かに志乃の兄、摂津に引き合わされた当初
はお互いに顔も素性も知らぬ同士だ。断る理由も特にないので娶った後も、何となく違和感が
あったのは否定しない。
だが、今では何よりもかけがえのない存在になっている。これほどに愛らしく、健気に尽くして
くれる妻など他にいないだろうとさえ思えるほどだ。
「そんな訳がなかろう、志乃。馬鹿なことを言うな」
「うん、でも」
「オレは志乃が大事だぞ、お主をわずかも傷つける者があれば許さぬ」
瞬間、ちらりと松山の顔が頭を掠め、志乃に気取られないように最良の言葉を選ぶのに苦労す
る羽目になった。
「…ありがと…」
はらりと、志乃は無理をして浮かべた笑顔に涙を落とした。
ああ、まだ志乃の幸せは完全なる満月に至っていない。まだ守りきれてもいないのだ。と伍助
痛感するしかない。
胸が苦しくて、咄嗟に腕を伸ばして抱き寄せた。
「あ…」
「志乃よ」
華奢でありながら、ふわりと柔らかい身体はひどく抱き心地が良かった。どうして初夜にすらこ
れを味わっていなかったのかと後悔するほどに。しかし、これで決心がついた。
「何も案ずるな、不安にもなるな。志乃の全てはオレが受け止めてやろう」
「…ごっちん」
逆らうこともなく、わずかに震えながら腕の中にすっぽりと収まっている志乃が痛々しいほどに
健気だった。それで可愛い妻の気持ちが休まるならば、今宵が全ての始まりなのだと腹をくく
った。
ぴったりと身を寄せたまま動かない二人の傍らで、茶は徐々に冷めていく。
180名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 12:45:50 ID:BAZN0ZU6
あ。
説明も書かないうちに投下した。
一応これは、志乃の前夫の松山に関する騒ぎが収まった後の話として多少エスパー
して書いてる。原作はまだ進行形なので違ってしまう可能性もあるけど、今の勢い
のままに書いてみた。
今後のこともあるので、弁解しておく。

とりあえず、今のところはここまで書いた。
続きは夜にでも書けたらいいな。エロくしたい。
181黒うさ:2007/05/05(土) 16:39:48 ID:dvfrRRw/
じゃあ、自分も投下します。
要注意:真っ黒です。

182みえない うさぎ8(黒うさ):2007/05/05(土) 16:41:20 ID:dvfrRRw/
翻 弄 1

越後屋はさも嬉しそうな笑顔で志乃を出迎えた。
志乃の通された部屋は、こないだと同じ、土蔵を改築した窓のない座敷だった。
「案外早かったねぇ」
「どうでもいいから、早くアレ抜いて!」
「おや、気に入ってもらえなかったかい? 気持ちよかったろ? 何回達した?」
「ふざけないで!」
志乃は精一杯の迫力を込めて、ニヤケ顔を睨みつけた。
懐中には短刀を忍ばせてある。
実際に刺す気など毛頭なかったが、いざとなれば見せ付けて脅すつもりだった。
「やれやれ、分かったよ。仕方がないねぇ」
越後屋はのそっと立ち上がると、部屋の隅に置いていた縄を手に取った。
「な、なにする気よ!」身構える志乃。
「張り型を抜く準備だよ。結構複雑な構造なのでね、しっかり立っててもらわなきゃ抜けないんだよ」
言いながら、越後屋は縄を解いて天井の梁に引っ掛けた。パラリと降りてきた縄の先端は、鉄製の丸いワッカが二つ付いていた。
「さ、そこに立って。その輪に手を通して、しっかり縄を握るんだ」
志乃は胡散臭そうに天井から垂れた縄を眺めた。
「まあ、私としては、そのまま帰ってもらってもいいんだけどね」
思いっきり嘘っぽいのは分かってるけど、他に方法がない。付けたまま帰る・・・考えるだけでもおぞましかった。
志乃はぶるぶるっと身震いし、意を決した。
「約束、だからね!」
「ああ、約束は守るとも。商売は信用第一だからね」
越後屋は低い笑い声を上げた。耳に障る声だ、と思った。
「これでっ、いいのっ!?」
すっぽりと輪に手を通して、志乃は怒鳴るように言った。
「ああ、いいともさ」越後屋は縄尻を取って、ぐいい、と器用に部屋の隅の鉤に引っ張って固定した。志乃の両手が引き上げられる。
「ちょ、ちょっと!」
「安心おし。ちゃんと張り型は外したげるから」
越後屋は志乃の背後に回ると、帯を緩めて着物の裾を大胆にたくし上げた。真っ白の尻に這う黒い革紐のコントラストが外気に晒される。
「待って! そんな・・・」
志乃は慌てて止めようとしたが、手が抜けなかった。入れるときは余裕があると思ったのに、吊り上げられた途端にしっかり固定されていた。
「暴れると危ないよ。じっとしておいで」
越後屋は諭すように言って、志乃の尻たぶをゆっくりと撫で回した。
「はっ・・・ああぁ・・・ん・・・」
意図せずして、口から愉悦の声が漏れた。
「ほぅら、やっぱりイイ感じに茹で上がってるじゃないか」
「どうして?! ・・・これ手が・・・はずれな・・・い?」
「しっかり掴んでおきなよ。さあ、外したげるからね」
志乃の困惑を無視して、越後屋は懐から小さな鍵を取り出した。
183みえない うさぎ9(黒うさ):2007/05/05(土) 16:56:58 ID:dvfrRRw/
翻 弄 2

志乃の背面の腰骨辺りにある、Y字型の中心の錠前に差し込む。
かちり、と音がして、革紐の拘束が緩んだ。
越後屋はそのまま腰の周囲を巻いた革紐をくるりと外した。
体内の張り型がわずかに出て行った感触があり、志乃は思わず小さく息を吐いた。
「はあぁ、ぁ・・・」
「さあ、いきんで」
「え・・・?」
志乃は思わず振り返った。
「いきむんだよ。出さなくていいのかい?」
「そんな・・・こんな途中で・・・。やあ、ン・・・!」
越後屋の手が再び志乃の左右の尻たぶに伸びてきた。
ぐにぐに、肌の張りを楽しむように揉みしだく。
「いつまでもこんな可愛いお尻を突き出されてると、私も気が変わってしまいそうだよ」
「や、あっ、あっ、ま、ってぇ・・・だ、っめ・・・わかった、からっ」
志乃は切れ切れになりながら、体内の異物を出そうと必死で下腹に力を込めた。
「ふぅ、ん、んん・・・」
ぬちゃ、ずるずる・・・。
越後屋が嬉しそうに見つめる中、畳に愛液を垂らしつつ、志乃の身体の奥から黒々とした木製男性器が抜け出してきた。
「おぉ、だんだん出てきたよ」
「んんんん・・・はっ・・・ふ、ン・・・ん・・・」
「よーしよし、もうちょっとだよ・・・っと!」
「あ、っは、あああああぁぁぁ!!」
志乃の絶叫が狭い室内に響いた。
半ばまで抜けていた張り型を、越後屋が片手で軽く突き戻したのだった。
志乃は一瞬で達した。
ぼたぼたぼた、と畳の上に更に大量の愛液が滴り落ち、腰がかくん、と落ちた。
「どうだい? 抜ける寸前に押し込まれるのって、すっごく気持ち良かっただろ?」
志乃の足元にしゃがみこんだ越後屋は、ぬっちょぬっちょ、と粘っこい音を立てる張り型を上下に動かした。
「いっやあぁぁ・・! あっ、あっ、あっ、あっ・・・ダメ・・・やだっ、やだやだあぁぁ・・・」
「志乃は、ここの奥のところを突かれるのが、好きなんだよねえ」
越後屋は片手で志乃の陰芯を摘みながら、張り型の先をへその下をつつく角度を変えた。
「ちがっ、アタシはっ、は、好きなんか、じゃ・・・っ、ひうっ、んっ、ふんっ、んぁう!」
志乃は糸で弾かれた人形のように天井を見上げた。越後屋の手の動きがますますヒートアップする。
「ああっ・・・うああ、んん! もう、ヤぁだ、あ、あっ、あっ、あっ、あーっ! も、うっ、ダっメええぇ!」
すすり上げるような泣き声を上げ、顔中を涙とよだれだらけにして、志乃は外聞も構わず叫んだ。

ぴたり、と越後屋が手を止めた。
「え・・・?」
はあぁ、と熱の篭もった吐息とともに、志乃は怪訝そうな表情を浮かべて越後屋を見た。
「志乃、イきたいのかい?」
越後屋が、さも面白そうに訊ねた。
志乃は唇を噛んだ。
「気持ち良く、なりたいだろ?」
志乃は答えず、はっはっ、と荒くなった息を整え、大きく息を吸った。
「だあれが! アンタなんかに! イかしてもらいたいなんて! 思うもんかぁっ!」
越後屋は目を瞬かせて、驚いた様子だった。
「アタシを抱いていいのはごっちんだけなの!!はやく、アタシを離してぇ・・やあ、あ、あぁっ、あっ! はっああああぁぁぁぁ・・・!!」
越後屋の手が再び動いた。
すでに絶頂寸前まで高められていた水位は、わずかな刺激で一気に溢れた。
「・・・面白い。その強情っ面がいつまで持つか、試してみようじゃないか」
そんな越後屋の呟きを聞きながら、志乃の意識は押し寄せる快楽の波に飲まれて途切れた。
184黒うさ:2007/05/05(土) 17:08:39 ID:dvfrRRw/
こんなんなりました。
このまま調教ルートに突入ですね。

A じっくり室内調教編
 (だれが、お前のご主人様か、教えてやるよ)

B こってり屋外調教編
 (ヤダ・・・ごっちんに見えちゃうよぉ!)

どっち行きましょう・・・。

あ、やっぱり、黒いのはヤダ!て人のために、仕事人置いときますね。
つC「藤枝梅安」出撃
185名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 17:13:42 ID:T33oKmtf
Aで。
186名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 19:56:58 ID:A4W8IlAR
そろそろ越後屋がムカついてきたからCで
187名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 20:07:15 ID:M/G3873c
ごっちんも絡めて欲しいんでBで!!
188名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:14:40 ID:KqUKId6N
C希望。
189名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 10:43:35 ID:803rZpRR
Aで責め責めのあと、あと一歩で陥落ってところでCに移行希望。
190名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 12:59:18 ID:DAbH/CdN
A→Cへ
191189:2007/05/06(日) 13:30:49 ID:803rZpRR
>>190 同士よ…!
192名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 16:19:16 ID:LUm+w/R5
あれ、ジャンプは明日は休みだっけ
193名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 17:31:04 ID:nRaEF2pQ
>>192
合併号だったからな。
良いところで終わらせてくれたモンだよ、福島さん。
194名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 11:41:05 ID:8Uu3wkVv
A希望
195名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 13:51:35 ID:rXm9xoBk
つーか梅安かよw
いや、池波正太郎にありそうな話の筋ではあるが。C。
196黒うさ:2007/05/07(月) 15:16:30 ID:lEa9myO2
らw ごめんなさい。
Cは元々5行くらいで終えるつもりの冗談だったんです><

「みえないうさぎ0」ってして、
「だれだ、おまえは!?」
「アンタ・・・だいぶ悪い事をしてるね」
「げえぇ、お前は藤枝梅安!」
「地獄で後悔しな!」
「アッー!」

でもって、みえないうさぎ1以降は、越後屋の死に際の夢、て事に逃げようかとw
やっぱり本編に出てないキャラこれ以上増やすの良くないし。

でも、A→Cラインを望む方がいっぱいいらっしゃるみたいなので、189さんをベースに組み立てさせていただきます。

もうしばらくお待ちくださいませ・・・。

197名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 15:22:05 ID:eKz40Wch
>>196
>「アッー!」
じゃ越後屋が掘られてるみたいですよ旦那w
続き楽しみにしてます。
1981/10:2007/05/07(月) 18:50:59 ID:9czAU3Vy
 物書きの仕事は休暇を賜った。道場のほうも定休日である。
 食料の蓄えは十分ある。生活品もまだ買出しに行く必要はない。
 よって今日は外出せず、家でのんびりする事に決めた。
 仕事のことも道場のことも忘れ、たまには我が家で一日中くつろいでみたかったのだ。
「ごっちーん!!」
「む!?」
 だがそれも志乃が居るからには叶わぬ夢で、穏やかな時の流れは正午を境に停止した。
 元気に廊下を駆ける音と元気にオレの名を呼ぶ声が近づいてくる。
 志乃はオレの居る部屋の前で急停止すると、「うわっとと」とか言いながらつんのめった。
「わぶっ!」
 そして元気な轟音が響いた。木製の床に自慢のおでこを打ち付けたのだ。
「……大丈夫か?」
「へーきへーき!」
 志乃の額は思いのほか頑丈だった。
「よいしょ」
 着物をパンパンと払い、いつもの笑顔でオレに視線を送る。
「あのさ、ごっちん。今日は一日お仕事ないんだよね?」
「う、うむ」
「あーやっぱり。それでね、ひとつオネガイがあるんだけど……」
「オネガイ?」
 赤みを帯びた額を摩りながら、ねだるような目で擦り寄ってくる。
 当人に色目を使っている気はないのだろうが、見様によってはなるほど艶やかであった。
(はて。オネガイとは一体……いや、そんな事よりも顔が近い…)


1992/10:2007/05/07(月) 18:51:33 ID:9czAU3Vy
 “オネガイ”とは単なる内職の手伝いの事だった。
 明朝問屋が来るのだが、それまでにどうしても間に合いそうもないのだと言う。
 それを聞いた俺は仕方なく了解し、こうして志乃と向かい合っている。
「ごめんねー。でもよかった、ごっちんの仕事がお休みで」
 休みなどではない、この日を安息に過ごすために自ら休暇を申し出たのだ。
 それが、このままだと志乃のために丸一日潰す事になるかも知れぬ。
 傍らに用意された山のような綿と布が皮肉にもそれを物語っている。
(まさか、あれを全部枕にしろというのか……!?)
 内職の内容は、布を袋にして中に綿を入れ、さらにそれを括って俵型に縫合すること。
 要するに括り枕を作ることだ。いつも寝ている枕と似た物を作ればよい、そう思えば簡単な気もした。
 いや、しかし。
「……志乃よ。まさかそれは、う…うさぎではあるまいな?」
「そう、うさぎ! かわいいでしょ。あたしも一度こんな枕で寝てみたいなぁ」
 そんな形をした枕を問屋に渡してしまってよいものか。
「こう、耳の部分に頭を埋めると、すっごく気持ち良さそうじゃない!?」
「そうか? 上下逆さまにして使ったほうが良さそうな気もするが」
「えーっ! うさぎの頭を逆さにするだなんて、ごっちん変だよ変!」
(お主に言われとうないわ)
2003/10:2007/05/07(月) 18:52:40 ID:9czAU3Vy
「む」
 糸を通した穴と穴の間の布が破れ、その部分が大きくほつれてしまった。
「……いかんせん裁縫は経験がないもので、なかなか上手くゆかぬな」
「最初は誰だってそうだよ。お面のときだってそうだったでしょ」
 そう言えば、最初は木を彫るという作業自体に大変手間取った記憶がある。
「そういうものなのか」
「そんなもんそんなもん」
 にかーっと笑う志乃の得意の笑顔が、この時はいつもより眩しく見えた。
 屈託のない志乃の笑顔を見ていたら、安息を奪われた事の憂いの念もどこかへ行ってしまったのだ。
(……ふむ)
 先程オレは志乃のために一日を潰すと言ったか。撤回しよう。
 多少気恥ずかしい面もあるが、嫁と並んで日がな一日を過ごすというのは中々に良いものだ。
(これはこれでのんびりした一日なのかも知れぬな)

「……痛っ」
 突如、左手薬指に痛みを覚えた。間抜けなことに、何かの弾みで縫針を指に刺してしまったようだ。
「ごっちん大丈夫!?」
 大仰に心配する志乃。先ほどのお主の転倒よりは明らかに軽傷だぞ。
「なんという事はないぞ、ちょいとしくじっただけだ」
「なんて事なくないよ! 血! 血が出てるじゃん!」
 そりゃ針で指を刺せば血も出よう。
「案ずるでない。この程度、放っておけば自然に止ま……」
 言い切る前に志乃が寄ってきたと思ったら――
「あむ」
 いつの間にか負傷した指をくわえられていた。
2014/10:2007/05/07(月) 18:53:28 ID:9czAU3Vy
(なっ!?)
「んむ」
(な、な、な……!)
「ん〜っ」
(なまあたたかいッ……!)
「って、志乃!? 何を……」
「んぷ。…何って、ひょうどく」
 志乃が喋れば舌が動くわけで、オレの指は柔らかくて湿った物体に蹂躙された。
(志乃の口の中に、オレの指が、は、入ってる)
 うーむ……志乃は単にオレの事を心配してこうしてくれているだけなのだが、心のどこかで妙な考えを抱いてしまっている自分が後ろめたい。
 それにしても鼓動が速い。加えて顔が異様に熱い。きっと今のオレの頬は志乃の額と同じくらい赤いはずだ。
 幸いにも志乃は目を瞑りながら消毒行為に没頭している。顔を上げる気配もない。
 こんな顔を見られた日には、オレの夫としての面目が……。
「ちゅぱっ。……ふぅ、これで安心だね!」
「わわわわっ!!」
 突然開放された薬指。志乃の唾液で濡れそぼっていて、そこだけ風が冷たく感じた。
 志乃は舌なめずりをすると、俯くオレの顔を上目遣いで覗いてきた。
「あれ、どしたの? 後ろなんか向いちゃって」
「あ…な…何か居るっ!! オレの後ろに気配を感じるのだっ!」
「なんも居ないよー? 変なごっちん」
(だーかーらお主にだけはッ!)
 とはいえオレの言い逃れは相変わらず拙くて、今回は志乃もついに信じなかった。
 恥ずかしさとくやしさで涙が出そうである。

2025/10:2007/05/07(月) 18:54:03 ID:9czAU3Vy
「じゃ、あたし包帯持ってくるね!」
「たかがこの程度の怪我で包帯とは大袈裟すぎぬか?」
「いーのいーの!」
 とたた、と廊下を駆けていく。
 志乃が駆け出した事で風が起こり、その風がオレの左手薬指をくすぐった。
 志乃の唾液はまだ乾いておらず、風を冷たく感じさせるほどには濡れていた。
(志乃が、この指を舐めたのか……)
 ……ひどく後ろめたい事を思いついてしまった。
 “匂いを嗅いだり、味を確かめたりしてみたい”
(変態かオレは……)
 体面にこだわるつもりなどないが、なんというか道徳的に許されるべき行為じゃない気がするのだ。
 だが、今この部屋にはオレ一人しかいない。
(いや、しかし。それを実行するのはやはり憚られる……ん?)
 知らず知らずのうちに濡れた薬指が顔の前まで来ていた。
(いかん! オレは何をしようとしているのだ!?)
 ぺろり。
 結局理性はうまく働かず、オレはその指を舐めたようである。味は……よくわからない。
 ただ、なぜだろう。それだけの事なのに凄く興奮してしまっている自分が居る。
 いっそ同じようにくわえてしまうのはどうだろうか。
(これはもしかすると、間接的な接吻と言えまいか……?)
 余計な思考がオレをますます興奮させてしまい、その指をくわえようとしたところで
「おまたせー! 包帯見っけたよ!」
「のわぁぁぁ!!」
 心臓がうさぎのように跳ね上がった。
2036/10:2007/05/07(月) 18:54:37 ID:9czAU3Vy
「むー? 今度はどしたん?」
「いや、志乃が急に飛び出してきたのでびっくりしてだな……」
「あーそっか、前もそんな事あったよね。ごめんねっ」
「あ、謝らなくとも良いのだぞ! 志乃は何も悪くない!」
 今回に限って悪いのはオレだ。
「そう? 良かったぁ。…はい、じゃあ指出してちょーだい」
「あ、うむ」
 もはや少々血が滲む程度でしかない薬指を差し出すと、志乃は笑顔で包帯を取り出した。
「くるくる〜」
 塩一粒分の傷口に対し、ぶっとい包帯が豪快に巻かれてゆく。
「はいできあがり!」
 最後に端をキュッと結び、俵のような薬指が出来上がった。

2047/10:2007/05/07(月) 18:55:14 ID:9czAU3Vy
 今にも日が沈もうとしている。南向きの部屋は真っ赤に染まっていた。
 オレの休日がいよいよ終わりを告げようとしているわけだが、内職の方はまだ半分も終わっていなかった。
 志乃はえらく頑張っている。オレはと言うと、俵状の薬指が邪魔なせいか、まるで志乃の役に立てていない。
(この調子で明朝まで間に合うのだろうか……?)
 気を取り直して裁縫を続けるが、やはり薬指が伸びきりだと上手いこと布と針を操れない。
「志乃。巻いてもらっておいてなんだが、このままでは枕の出来に支障を来す。包帯を外してしまってもよいか?」
「ん、そだね。もう血も止まってるだろうから外していーよ」
 包帯を外してみるとやはり血は止まっていた。傷口なんてその存在すら怪しいものだ。
「……ごっちん、その指は大切にしてね? 結婚指輪がはめられなくなっちゃう」
(む…結婚指輪?) 
 少々真剣な物言いになったかと思えば、志乃の口から聞き馴れぬ言葉がこぼれた。
「指輪って、あの銀製の? 結婚指輪などというものがあるのか」
「新婚さんの間で流行ってるらしいよ。なんかねぇ、お互いの左手薬指に付けて愛を誓うんだって」
「愛を……?」
 ――“愛”か。そのようなものが、一体オレと志乃の間には成り立っているのだろうか。
 未だ別々の床で眠る仲なのだ。オレたちは、単なる形だけの夫婦なのではなかろうか。
「あたしたちもいつか立派な結婚指輪を付けるんだから、その指だけは大事にしておいてね?」
「し、承知した」
 志乃はあくまでも結婚指輪を付けるつもりらしい。
(つまりは、オレとの愛を誓おうとしている……?)

2058/10:2007/05/07(月) 18:55:50 ID:9czAU3Vy
 はたして本当にそうなのだろうか。志乃の口から本当の事を聞きたい。
 オレの思い込みかも知れない――そういった消極的な思考がオレの顔を熱くさせる。
 しかし、明るさを失いつつある空がオレの羞恥心を暗闇に紛れさせてくれた。
「…なぁ志乃よ」
「なーに?」
「お、お主は、オレを……オレの事を、愛してくれているか?」
 おそらく陽が射していれば恥ずかしくて言えなかったであろう言葉。しかし今は闇がオレを守ってくれている。
「ふぇ? どったの急に?」
「いやだから、志乃はちゃんとオレを愛しているのかと……」
「またまたぁ。あたし達は夫婦でしょ? 愛してるに決まってるじゃん!」
「ちゃ、茶化さないでもらいたい」
「むぅー……」
 志乃は困ったように眉を寄せ、唇を突き出してオレから目を逸らした。
 その素振りは、オレには恥じらっているように見えた。
(志乃にも恥じらいというものがあったのか……)
 志乃は俯きながら小さな声で言葉を紡ぎ出す。
「茶化してなんかないんだけどなぁ……」
 続けて志乃は言う。
「あたしはね…ごっちんの事、愛してるよ。本当だよ」

2069/10:2007/05/07(月) 18:56:29 ID:9czAU3Vy
 日が沈んだ。真っ赤な空が全き闇に変わるのも時間の問題だろう。
 実際、窓辺に座る志乃の半分は紅く染まり、もう半分は闇に熔けている。
 その珍しく真剣な顔も、赤と黒の対比がより印象深いものへと昇華させていた。
「ごっちんは…どうなの?」
「む……」
 当り前だろう、オレも志乃を愛している。
 そうでなければ出世しようだとか道場を作ろうなどとは考えもしなかっただろうし、第一今のオレは志乃あってのオレである。
 志乃がいなければ、オレの考えがこれ程まで変わる事は無かったであろう。
 愛せない訳がないのだ。
「あ、愛しているに決まっておろう」
 …言った。オレは言ったぞ。
「……うん、そうだよねっ!」
 志乃の笑顔には見慣れていたが、涙の浮かんだ目がいつも以上にそれを際立たせていた。
 お互い見つめあったまま、針と布を持つ手が止まっている。
 こんなにもふたりが感慨深くなってしまった日には、もう〆切に間に合わせる事など不可能だろうな。
 だからといってこれからふたりの関係に何か変化が起きるわけでもない。
 きっと今のふたりには口頭で互いの愛を確かめられただけで十分なのだ。
「あーもーどうしよ。好きだよごっちん。大好きだよ」
「あ、う、もちろんオレもだが…その、やっぱり口にするのは恥ずかしいものだな」
「ごっちんの照れ屋さん」
「む……反論はできぬ」
 まあ、でも。もうこれで照れ隠しをする必要は無くなったわけだ。
 これからは思う存分志乃の言動やら行動やらに照れる事ができる。
「さてと。あたしロウソク取ってくる!」
「うむ」
 気付けば部屋を闇が飲み尽くさんとしていた。
 部屋の燭台にロウソクを立てねば互いの顔すら確認できなくなってしまうのだ。
 それは、今のふたりにとって致命的な問題と言える。
 もう闇は必要ないのだ。
20710/10:2007/05/07(月) 18:57:08 ID:9czAU3Vy
 志乃の持ってきたロウソクに小さな炎が灯った。
「点いた点いた! あっかるーい!」
「むぉ!?」
 灯ってから気付いた。いつの間にやらオレと志乃はこんなにも近く寄り添っていた。
「わっ、ごっちんが目の前にいる!」
「す、すまぬ。暗くてよく見えなかったもので…っ」
「待ってごっちん!」
 オレは反射的にすぐさま距離を置こうとしたが、志乃の小さな両手がオレを掴んで引き止めた。
「離れる必要なんかないでしょ?」
「それも…そうだな」
 掴まれた腕から志乃の体温を感じる。
 そういえば、こうして互いに触れ合う事なんて今までほとんど無かったんだな。夫婦なのに。
「ごっちん」
「む?」
 志乃は顔を赤らめながらも、決心したような顔でオレを見つめていた。
「てりゃ!」
「はぷっ!?」
 そして突然の接吻。
 いつも見ていた薄桃色の唇は、想像以上に柔らかかった。
(志乃が…こんなにも近くに……)
 驚きで瞑っていた目を開いてみると、目と鼻の先に志乃の愛らしい顔がある事実を痛感し、かつ興奮した。
「んふぅ……」
 志乃のかオレのかわからない鼻息の音が聞こえる。
 お互い口からは呼吸が出来ず、そのくせ心臓が速いもんだから自然と鼻息が荒くなるのだ。
「んむっ…ちゅぷ」
 とりあえずオレは全神経を唇と舌に集中させた。
 先刻わからなかった志乃の唾液の味は、今になってようやくその甘さを思い知った。

208名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 18:58:04 ID:9czAU3Vy
ネタ提供>>53氏 Thanks!

文章なのに漫画・サムライうさぎ風に仕上げてみた。
ちなみに結婚指輪なんていう概念がこの時代にあったかは未詳だそうな(指輪は存在したらしい)。
接吻という言葉なんか幕末に誕生したらしいし……フィクションって便利。

そして長い夜は続くのです。
209名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 01:07:49 ID:01ir0Kfw
>>208 ほのぼのトキメキモードで終わるのかと思いきや、夜の夫婦生活にまで続くのか!
期待させてもらおうか。

んで>>196 黒うささんも期待して待ってマッスル。
ああ、A→Cをリクして良かった…!
210籠の鳥 三:2007/05/10(木) 01:25:38 ID:QYsz7m8n
地味に続いてる。
書けたのでひっそり投下。


夕間暮れの時刻のことだ、空が次第に暗くなっていく。
空気が冷えていく気配を感じて、志乃が身じろいだ。
「夜になったね、ごっちん」
「そうだな」
「…アタシ、そろそろ御飯作らなきゃ」
「うん、そうだな」
「あの、離して欲しいな、とか…」
こんなに密着したことは今までなかっだけに、戸惑っているのだろう。それは伍助も全く同じこ
とだ。
「志乃」
「んー?」
暗がりで見上げる大きな瞳が磨いた石のようにきらきらしていた。
「今宵、契ろうか」
なるべく動揺させないように抑えたつもりの声は、情けないことに震えている。触れることすら
出来ないまま膨らんだ志乃への気持ちだけが先行している意識はあるのだが、悲しいかな経
験のない若輩であることが冷静さを失わせていく。
「…」
「嫌、か?」
ここで拒否をされでもしたら、と思うと余計に腕の力が強まる。口にしてしまったことでもう後戻
りが出来なくなってしまったことに気付いた。
「嫌、じゃあ…ないよ」
そんな気持ちに気付いているのかどうか、志乃は一語一句をゆっくりと選ぶように言の葉を唇
に乗せる。
「嫌な訳ないじゃん…ごっちんのバカ…」
211名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 01:34:37 ID:QYsz7m8n
気力が尽きそうなので、不本意だけどこれで終わる。
次を書く時はきっちり完結したい。
212名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 10:35:01 ID:9VKqjLAy
文章が綺麗で、しっとりした雰囲気が素敵…!

213名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 02:15:12 ID:EQCLhTFJ
こいつはステッキーですな!次回にwktk
214名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 19:15:52 ID:0LyjiZJC
>>197->>207
職人GJ。次回もがんばってくれ
215籠の鳥 四:2007/05/14(月) 02:19:15 ID:BP37opf6
ぼう、と幽やかに鳴る炎の音。
部屋の隅で、蝋燭の炎が風もないのに妖しく揺らいでいた。
まるで煮え切らない腹の中を見透かされているようだ、と並んで二組敷かれた布団の上でしみ
じみと伍助は考えていた。
夫婦なのだからいずれは契るつもりだったのだが、まさか今夜いきなりとは…先刻、咄嗟に口
に出したことを思い返す度に伍助は顔から火が噴出しそうだった。
初夜に何もなかったのは、たまたまのこと。
恋情も何もなく顔も知らぬまま一緒になった相手といきなり、というのは何となく気が引けたの
もあったし、例の志乃のあまりにも切なげな泣き顔が更にそんな気持ちに拍車をかけた。それ
以来手も出せないままだったのだが、さすがにそれではいけない気がしていた矢先の志乃の
前夫騒動だ。
幸い、志乃の兄である摂津のお陰もあって何とか収まったものの、志乃自身の心はまだ救わ
れていない。きっとそれが出来るのは今の自分なのだろうなあ、と急に責任感めいたものが湧
き上がる。
再び、蝋燭の炎がぼうと鳴った。
合わせるようにすう、と寝室の引き戸が開かれる。今夜の伍助の目にはあまりにもしどけない
夜着姿の志乃だった。
「あー、いいお湯だった。気持ち良かったよー」
「…そうか」
「あ、先に布団を敷いてくれたんだね、ありがと」
「ん、む。まあ…オレが先に風呂に入ったからな」
「うん、嬉しいー」
ぽすん、と布団の上に身を投げ出した志乃のあまりにも子供っぽく愛らしい様子に思わず笑み
が漏れる。
「志乃」
「…はにゃー…」
「志乃よ」
いっそ、このままでもいい。ふとそう思った途端にころりと布団の上で寝返りを打った志乃が急
に真顔になった。
「…ごっちん、アタシ本当の奥さんになりたいよ」
216籠の鳥 五:2007/05/14(月) 02:20:40 ID:BP37opf6
「えっ」
「ごっちんも、そう思ったんだよね」
ころんころんと布団の上で転がる度、夜着の襟元がはだける。裾が乱れる。正直、目のやり場
がなかった。密かにちらちらと盗み見しつつ、天晴れな気概を見せている志乃の意気に応えよ
うと言葉を継ぐ。
「あ、まあな。だから先刻そう言ったのだ…」
「うん」
安堵したような笑みがこの上なく柔らかく、可愛らしい。
夫婦となってから日は浅いが、これほどまでに志乃が愛しいと思ったことはなかった。辛いだけ
の思い出しかない過去はどうあれ、今はもう伍助の妻となったのだ。ここで因果は全て断ち切
ってしまおうか。
『契ろう』と口にした時にはそれほど思いも巡らせていなかったことが、今になってぐるぐると頭
の中を駆け回っている。
「志乃」
無意識に手を伸ばして壊れてしまいそうなほど柔らかな身体を抱き締めていた。薄い夜着越し
の確かな体温が心地良くてくらりと目眩がした。
「嘘偽りは言わないぞ、お主が心底大事だ」
「…うん」
見上げる瞳が、潤んでいるように揺れている。
217名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 02:21:49 ID:BP37opf6
ごめん。
精一杯やってここまでだった。
次回こそは…orz
218黒うさ:2007/05/15(火) 22:25:04 ID:dVE349xG
長らくお待たせしました。
続き、いきます。
きつい内容が多いので、要注意を。


219みえない うさぎ10(黒うさ):2007/05/15(火) 22:26:05 ID:dVE349xG
崩 壊

それから。
志乃にとって地獄のような快楽に包まれた日々が続いた。
伍助を送り出した後、駕篭で越後屋まで迎えられ、日が暮れるまでたっぷりと弄られた。
家に戻される際には、必ず例の黒い淫具を身体の中深くに押し込まれた。
別れ際には「体面を重んじる武士の妻が、あろうことか商人と密通しているなどという噂が広まったらどうなるだろうねえ」と、皮肉たっぷりの台詞を言い含められても、志乃はただぎゅっと奥歯を噛みしめて耐え忍ぶだけだった。
そんな二重生活が毎日のように続き、越後屋による調教は日々エスカレートしていった。

口腔に越後屋の肉棒を押し込まれ、小一時間も奉仕することを強制された。

時には、排泄器官でしかない箇所を指で穿られ、無理やり肉棒を埋め込まれたこともあった。

縄でダルマのような体勢にぎっちりと縛られ、その秘所に媚薬たっぷりの張り型を埋め込まれ、志乃が狂ったように泣き叫ぶまで床に転がされていたこともあった。

柱に縛り付けられ、乳首の先端と陰核部にリングを付けられ、面白半分で引っ張りまわされたこともあった。

「・・・というわけで、七菜村という所に行かねばならぬのだ。しばらく帰れぬと思う」
夕餉の最中に伍助がそう言うのを、志乃はやや呆けた様子で聞いていた。
「え・・・そうなの?」
「すまぬ。せっかくのまともな弟子の頼みなのでな。なるべく早めに帰れるようにするからな」
頭を下げる伍助に、志乃はぱちんと手を打った。
「それじゃ、出掛ける用意をしなくっちゃねー!」
と、明るい声で言って立ち上がると、とたたっと廊下に走り出た。
「そんなに急いで支度せずとも良かろうに?」
「いーからいーから」
伍助から見えない位置まで来ると、志乃は歩みを遅くして立ち止まった。
(アタシ・・・今、一瞬、喜ばなかった・・・?)
荒々しく濁った快楽の波。越後屋の下卑た顔が近づき、全身を汚されつくす暗い快感。
無理やり作った笑顔の目尻から、一粒の涙がこぼれた。
「もう・・・もうヤダよ・・・。ごっちん、助けて・・・」
220みえない うさぎ11(黒うさ):2007/05/15(火) 22:27:16 ID:dVE349xG
崩 壊 2

「ほら、腕を後ろに組んでごらん」
「・・・・・・」
志乃は言われるまま両腕を後ろに回した。越後屋は慣れた手つきでその両手首を縛り上げると、ぐいっと縄尻を引っ張った。
志乃が身にまとう物は、既に何ひとつなかった。乳房を強調するように上下を走った縄を別にすれば、だが。
越後屋が嬉しそうにツンと尖った乳首を摘んだ。
「ああっ・・・ン」志乃が鼻にかかった声が上げた。
「何を期待してるんだい? ん?」
「そん、っなコト・・・ないモン」
越後屋はひとしきり志乃の柔肌を楽しむと、黒い布切れを取り出した。
「それ、は・・・?」
「今日はコレを使ってみようか」
布切れを帯にして、志乃の頭に回して目隠しにする。
「ふ、ああぁんっ?!」
「目隠しされると、感覚が敏感になるだろ?」
突然秘所に与えられた刺激に、志乃は身をくねらせて悶えた。志乃の秘孔に指をめりこませ、柔肉を撫でさするように上下させる。
「い、やあああ、あ、あ、っはぁンっ、んぅ・・・やめてぇ・・・」
「今日からしばらく、旦那が帰って来ないんだって?」
志乃は、はっと息を呑んだ。
「ど、して・・・それを・・・ンンーっ!」
唇を奪われ、押し入ってきた舌で口中をくまなく味わわれる。
「あんなヘンな三流道場の事くらい、すぐに調べられるさ。さあ、帰ってくるまで何日か、たっぷりと楽しもうじゃないか」
嘲りの口調で越後屋が言う。
「・・・ヘンな三流道場なんかじゃ、ないっ! ごっちんの、大事な、道場なんだ、から」
息を切らしながら、志乃が言った。
越後屋は驚いた表情で志乃の様子をしげしげと見つめた。
「まだ、そんな口が聞けるのかい・・・いいだろう、もう一度あの薬を使ってやろう」
越後屋が離れて行くのを感じて、志乃は身を強張らせた。
「ダメ・・・あれだけは、やめて・・・アタシがアタシじゃなくなっちゃうよぉ!」
涙声で志乃が訴えた。
しばしの時を置いて、べちゃ、と冷たい粘液が志乃の腹部に塗りこまれた。志乃は短く悲鳴を上げた。
「またせたね。さあ、これで、誰がお前の本当の主人か、思い出せるかな」
腹部から両乳房へ、垂れ落ちるどろっとした液体を志乃の股間に丹念に塗りこんだ。
221みえない うさぎ12(黒うさ):2007/05/15(火) 22:28:11 ID:dVE349xG
崩 壊 3

「きゃ、や、あ、あは、あっ、あっ、あっ、い、や、ああっは、ふ、ふうっ、ふうぅぅ〜〜」
「どうだ? 気持ちいいか? ん?」
「い、い、いい、や、っはあ、あァン、あっ、やああぁぁン」
「私は、気持ちいいかどうか、聞いてるんだよ?」
粘液に濡れた指で志乃の秘部を弄りながら、越後屋が訊ねた。
「あ、う、うん、キモチ、イイっ、イイよぉ〜! イイですぅ!」
越後屋は満足げに笑うと、己の肉棒を露出した。しごきながら志乃の口元に差し出す。
「ホラ志乃。くわえるんだ」
「あ・・・むぅ・・・ン」
無理やり咥えさせられた肉棒に、志乃は半ば反射的に、仕込まれた通りに舌を這わせた。
稚拙な舌の動きだが、越後屋の興奮の度合いを高めていくには十分だった。
「よし、もういい」
志乃の肩を突いて仰向けに押し倒すと、越後屋は志乃の両足をがばっと大きく開いた。
「ヤぁだ・・・」
薬の効果か、志乃の全身はぬらぬらと濡れ光り上気して真っ赤になっていた。
その秘所の赤い秘肉はすっかり充血して、媚薬とも愛液ともつかないものでしとどに溢れていた。
「いれてやるぞ・・・」
「あ・・・んっ・・・や、ああああぁぁっ!!」
この数日間で、越後屋を受け入れることにすっかり慣れてしまった志乃の膣は、入れられるや否や肉棒をきつく包み込んだ。
「ほぅら、こんなに美味そうに、私のを咥え込んで離そうとしないよ」
「や、あっ、あっ、ああっん、言、わない、でぇぇ!」
越後屋が腰を動かしながら続ける。
「志乃、どうだい? いいのか?」
「い、やぁ。・・・やっ、あっ、あっ、あっ」
「嫌ならやめとこうかい?」
「ヤ! い、やぁ・・・おねがいぃ・・・」
志乃は一瞬だけ言葉に詰まった。
「つづけて・・・くださ、い・・・」
越後屋は志乃の乳首を口に含みながら鼻で笑うと、ぐいぐい腰を動かした。
「あっ、あっ、あっ、はっ、やぁん・・・そこ、そこがいいのぉ! もっと、もっと奥に! きてぇぇ!」
感じるところをゴリゴリと刺激され、志乃は何度も甘い嬌声を上げて悶えた。
越後屋は志乃の膣の収縮を楽しみながら、次第に腰の速度を落としていった。
「・・・ぁ、あ、え・・・?」
「志乃、私の囲われ者になりなよ」
「え・・・?」
「今の旦那・・・宇田川伍助、だっけか?」
「ごっちん・・・?」
「別れちまいなよ」
耳元で越後屋が言った。言って、腰を一突き、志乃の一番深いところを刺激した。
「あっ、ああああっっっ!!!」
「ほら、気持ちいいだろ? 私のところに来れば、ずーっと気持ちいいことを続けてあげるから」
ゆっくりと、一突き一突き腰を打ちつけながら、越後屋は笑いながら言った。
「う、うう、・・・」
志乃はうめき声を上げた。
「うう、うー・・・ヤ、ダよぉ・・・」
「うん? なんだって?」
「アタシ・・・ごっちんと別れるの、ゼッタイにヤダよおぉ!!」
どこに余力があったのか、と思えるほどの声だった。
「もう、ヤだああぁぁ。助けてえぇ! ごっちん、助けてよぉぉ!!」
完全に快楽からではない、悲痛な叫びだった。

その時。

越後屋の背後で、扉が開いた。
222黒うさ:2007/05/15(火) 22:34:32 ID:dVE349xG
そんなわけで、次回以降の題名だけおいときますね。

「伍 助」そして、「夫婦(めおと)」です。

近日うpできると良いんだけど・・・。

ガンバリマス!
223名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 23:57:11 ID:8NNl/RW2
ブラックさんに一番乗りGJを捧ぐ!!!


快楽漬けにされながらも互助を想って泣き叫ぶ志乃にゾクゾクしました。
(それも最終的に救いがあると思うからこその萌えなのですが)

今後の展開&結末に、溢れんばかりの期待を寄せつつ腰巻き一枚でお待ちいたしております!!
224名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 23:59:56 ID:8NNl/RW2
………主人公の名を間違えてどうする orz

互助、でなく伍助でした
225名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 00:04:00 ID:lpUOdJgu
黒うさ氏も籠の鳥氏もGJ!!どっちも続きが気になって仕方ない。
226名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 17:40:38 ID:dN78wH73
保守
227名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 10:42:55 ID:Yxog/iZv
ほ〜〜〜〜〜〜〜しゅ〜〜〜〜〜〜〜!!
228名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 12:14:36 ID:Sz2Oq2Ly
保守
229籠の鳥 六:2007/05/28(月) 02:18:33 ID:LXW6QlE3
続きを書いたので、投下。


遠くで拍子木の鳴る音が聞こえる。
それ以外の物音もなく、本当に静かな宵だ。
己の不甲斐なさで事を仕損じていた初夜はまさに今夜をおいて他にない。
ぴったり並べて敷かれた布団の上で、二人はぎこちなく寄り添っている。
「んー…」
初めて触れた志乃の唇はひどく柔らかかった。
指先でよりも唇で直に感じる感触や温みが徐々に現実のものとして温かく浸透していくにつれ、
子うさぎのように大人しく目を閉じている志乃をもっと確かめたい、感じたい欲求が膨れ上がって
いく。
薄い夜着越しの体温が抱き寄せる腕に伝わってきて、もう心臓が高鳴るあまりどうにかなってし
まいそうだった。
「志乃」
「…んー、なあに」
啄ばむばかりの口接の後、おずおずと瞼を開いた志乃は先程とは見違えてしまうほど艶めいて
見えた。見も知らぬ可憐な花があたかも内面から開花する如くに。
宝物でも掻き抱くように、腕が震えた。
「…志乃よ、大事にするぞ。一生な」
やっとのことで喉の奥からそう搾り出すと、大きく見開いた志乃の目から涙が零れ落ちた。
「うん…うん、アタシごっちんとずっと一緒にいる。きっと大事にしてね」
言うなり、折れそうなほど細い腕で縋りついてきたのでうっかり倒れそうになってしまった。何と
か無事に遣り過ごしてしまってから、華奢な身体を包む夜着の紐を解く。
光源といえば蝋燭の灯りしかない室内にも関わらず、見たことのない肌の白さが伍助の目には
痛々しいほどに眩しい。
意識もせず、ごくりと喉が鳴った。
「触るぞ」
「…うん、いいよ」
最初から伍助の為だけに生まれたとしか思えない可憐な乙女妻は、はだけられた襟元を密か
に恥ずかしがりながらも全てを委ねようとしている。その思いを嬉しいと思えるのも、やはり惚れ
込んでいるからなのだろう。
230籠の鳥 七:2007/05/28(月) 02:19:51 ID:LXW6QlE3
「志乃」
「うん」
「志乃」
「ごっちん…いっぱい可愛がってね」
震える指先が未熟ながらも女の形をした乳房に触れる。幼女のように薄く小さいのに、ここも驚
くほど柔らかかった。ふわりふわりとした感触に思わず乱暴に撫で回し、握り込んでしまう。
「ぁ…痛いよぉ…」
「あ、済まんな」
昼間のお天道の下ではうさぎのように無邪気な志乃の声音が、微妙に変化していた。謝りなが
らもそんな変わりようすら嬉しく、伍助は目と手の感触で最愛の妻を愛おしんでいた。
「志乃…横にならんか」
「うん、なるー」
愛撫に頬を染めたまま、志乃は素直に布団に横たわった。再び心臓が高鳴る。
「…志乃」
「あぁんんっ…」
堪らなかった。今はもう志乃が可愛くて、愛おしくて頭が一杯だった。こうして何もかもを委ねら
れたことで、これまで押さえつけていたものが一気に噴出してしまう。手で触れるだけだった乳
房の滑らかさを唇で、舌で堪能し始める。その間も、両手は休むことなくしきりに柔らかさを楽し
んでいた。
「あ、ぁあ…ごっちん、おかしくなりそう…」
気持ちがいいのか、志乃は甘い声を上げて喘ぎ出していた。夜着はすっかり乱れて綺麗な線を
描く身体はほぼ剥き出しになっている。
しばし夢中で乳房の感触を味わっていた伍助は、不意に尻に当たったのが志乃の腿だと気付い
てふと我に返る。
もう志乃は分からなくなっているかも知れないが、剥き出しの両脚は伍助を挟み込む形になって
いる。そんな姿があまりにも淫らで美しく、とうに硬く張り詰めきっていた股間の一物が痛いほど
存在を訴え始めていた。
ごくり、と唾を飲み込んで伍助はそのまま身体をずらすと、力なく開かれた脚の間に無言のまま
顔を埋めた。
231籠の鳥 八:2007/05/28(月) 02:20:56 ID:LXW6QlE3
「やぁ…」
恥ずかしさに小さく呻いた志乃が、喉を反らせた。
どこもかしこも柔らかくて手触りのいい志乃の身体の中で、ここが一番柔らかく、薄く、壊れてし
まいそうに思えた。まさかここに何もしないままいきなり猛りきったものを突っ込む訳にはいかな
い。宥めるように、ほぐすように丹念に幾枚もの花弁で閉じられた女陰に舌を這わせ、徐々に慣
らしていく。伍助には何の経験も知識もなかったが、とにかくそうすれば事が容易になると思って
のことだ。
そうしているうちに、内部からぬめるものが滲み出してくる。ああ、これが濡れるというものかと心
密かに感激しながらちらりと志乃を見遣れば、感じ入るあまり夜着の端を噛んで必死に漏れる声
を殺していた。その風情がいかにも婀娜な女のようで、股間の一物は更に硬度を増す。
口元を濡らしながら顔を上げた伍助と、志乃の視線がかち合った。
「…志乃」
「ごっちん…」
「最初に言ったように、大事にするぞ」
「うん、ありがとう…」
愛らしい妻はまた涙ぐんだのか、すん、と鼻が鳴る。
「もうお主を決して泣かせん。オレは志乃を守りきれる夫になるぞ」
「…ん、うん…」
涙に濡れながら微笑む顔が、素晴らしく美しかった。すべすべとした頬を一度軽く撫でると、先
程まで舌で愛撫していた女陰に限界まで硬く熱く張り詰めた一物の先端をぐっと強引に擦りつ
けた。ぬらぬらとしたものが絡みついて一物を濡らしていく。
「うぁん…」
あまりの感覚に、また志乃の喉が綺麗に反った。ひくんと乳房が揺れる。
「志乃ぉ…」
この女はオレだけのものだ。
そんな思いで一杯になって、これまでの気遣いもすっかり忘れた伍助は柔らかな女陰に剛直を
いきなり突き立てた。
「あぁんんっ!」
「志乃、志乃ぉ…」
完全にくしゃくしゃになった布団の上で、ようやく結ばれた幼い夫婦が夢中で睦み合う。
志乃の膣内は熱くてとろとろになっていた。それがひどく心地良くて、配慮を忘れた伍助は腰を
使って奥の奥まで突き続けた。これほど愛する妻と睦むのが良いものだと知っていたら、小難し
いことを色々考えなければ良かったと思うほどにそれは魅惑に満ちていた。
もう、何も考えられない。
232籠の鳥 九:2007/05/28(月) 02:21:53 ID:LXW6QlE3
蝋燭の炎が、ぼうと鳴っていた。
室内の淫気を察してでもいるのだろうか。
幼い夫婦は結ばれた喜びに溢れながら一緒の高みを目指そうとしていた。指を絡め、舌を絡め
てどこも決して離れることのないように繋がり合っている。
「志乃、志乃…オレは離さんぞ、お主を」
「うん、離さ、ないで!アタシ」
愛らしい唇が、ふるりと震えていた。
「アタシを、ごっちんの中に閉じ込めてぇっ!」
その瞬間に、志乃を隅々までも犯す一物は欲望を吐き出して果てた。高まりきっていた志乃も
その刺激で達したようだった。

しばらく抱き合ったまま息を整えていた二人は、我に帰るなりいきなり吹き出してしまった。
「…ぷっ」
「…はは、はははっ」
「おっかしーい。ごっちん、すっごい真剣なんだもん」
「わ、笑うな。オレの気持ちはなあ…」
少しの間笑い合った後、志乃はそうっと寄り添ってきた。
「…嬉しかったよ。アタシを本当に大事にしてくれたし」
「志乃」
「アタシ、ごっちんの籠の中に一生いるね」
「あ、ああ…そのつもりだ。お主はオレの妻だからな」
「うん…」
それきり、黙り込んだまま二人は眠り込むまでの時を静かに過ごしていく。

籠の鳥。
言葉の意味としてはそう良いものではない。
だが、年若くして望まぬまま悲しい目に遭った志乃にとっては、ようやく心の平穏を感じることの
出来る生活の中で得ようとしている価値観だ。
それならば、是非もなくひたすら守っていこう。
伍助の意思は単純にそう決まっていた。
233籠の鳥 十:2007/05/28(月) 02:22:45 ID:LXW6QlE3
二人の穏やかな生活は、事もなく続いていく。
昨日から今日、そして明日へと。

「ごっちん、朝だよー」
朝餉が出来たらしく、元気な声で志乃は伍助がまだ寝入っている部屋まで呼びに来た。あれか
らというもの、毎晩のように睦んでいるせいか朝は眠くて仕方ない。
正直、志乃の体力が羨ましいほどだ。
「ぅあー…」
「なーに、まだ眠い?」
布団の中でもぞもぞ身体を動かす伍助を眺めて、志乃はからっと笑った。今日という日もいつも
のように穏やかに幸せに続いていくのだろう。



終わり
234名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 00:42:33 ID:Xj3v7V8y
GJ!,このほんわか具合がたまらんです。
235皐月晴天:2007/06/01(金) 01:20:49 ID:EE9t57c4
とりあえず、原作寄りで書いてみた。
ごっちん療養中のほのぼの。

「ごっちん、お待たせー」
のどかな上天気が気持ちいい日の昼餉の時刻。
いつもの元気な声と共に、粥の膳を運んでくる愛くるしい妻、志乃が何か悪戯でも企んででもいる
ようにふふっと含み笑いをして部屋に入って来た。
「お腹空いたでしょ」
「あ、ああ…まあな」
背中に怪我をして以来、伍助は日頃の骨休みも兼ねて屋敷で療養を続けていた。
もちろん、世話焼き好きな志乃は普段以上に献身的に尽くしてくれている。至れり尽くせりで痒い
ところに手が届く文句なしの快適な生活だというのに、何となく居心地が悪いような気がしている
のは伍助の律儀さゆえだろうか。
それとも単に、することもなく時を噛み潰しているだけなのがもどかしいのだろうか.
まあ何にしても今は志乃や周囲に甘えていればいいかと思い直して、にこにこと膳を据える志乃
に目を遣った。
「今朝ねー、裏の家から卵を貰ったんだよ。だから、ちょっと御馳走」
言いながら自慢そうに土鍋の蓋を取ると、中にはいつもの白い粥ではなくほんのり黄色い雑炊が
ほかほかと美味そうな湯気をたてていた。志乃の作る食事はどれも絶品だったが、これもまた見
ているだけで腹が鳴るほどだ。
「ごっちん、今のうちにしっかり身体治さなきゃいけないもんね。この卵雑炊、頑張って美味しく作
ったからいっぱい食べて」
手際良く飯椀によそう姿にはいつも見蕩れている。武家の娘であるにも関わらず、家事を厭わな
かったことを伺える動作の無駄のなさだ。
「あー…まだちょっと熱いかもね。アタシ吹いてあげる」
「え、えええっ!?」
「ごっちん、傷の治りが遅くなるよ。言うこと聞いて」
思わずうろたえかけたのだが、志乃は有無を言わさず笑顔で威圧してきた。
こうして志乃が側にいて尽くしてくれるのは嬉しいのだが、正直夢のようなのだが、こんなに何で
もかんでも思い通りになってしまうのはやはり少し怖い気がしていた。何もかも満たされてしまう
と、ある日全部がぱっと消えてしまうように感じていたから。
そんな伍助の気も知らず、志乃は無邪気に箸の上の卵雑炊にふーふーと息を吹きかけていた。
「そろそろいいかなー、はい、ごっちん」
一箸分の雑炊に鳥の雛のようにぱくんと食いつくと、卵の味がふわっと口の中に広がった。
「美味しい?」
「ああ…美味いぞ」
「良かったー」
一本抜けた歯の顔で、志乃は心の底から嬉しそうに笑った。それがいつも以上に素晴らしく可愛
らしい表情だったので、伍助はそれまで何やらぐだぐだとつまらない原因で悩んでいたことなどす
っかり忘れてしまった。
志乃がいればそれでいい。
志乃がいれば何もかも思い通りになったとしても、当たり前のことになる。
ようやくそれに気付いて見上げた空は、すっきりと青くて綺麗だった。

その後すぐに千代吉がマロを伴って山ほどのなな菜を見舞いに持って来た為、また一騒動あった
のだが、それはまた別の物語。

終わり
236名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 11:40:04 ID:xH9q6vxB
すげぇ…癒されました
GJ!
237半分この夫婦 一:2007/06/03(日) 02:28:02 ID:S4QUuvmI
休みなので、こんなの思いついて書いてみた。


道場を休みにした日の午後のこと。
特別することもなく、伍助はぶらぶらと門前町を歩いていた。
休みにしたのはただ何となくのことだ。最近根を詰めているなと自分でも思っていたので少々気
を緩めてもいいかと思っただけのこと。
珍しく、傍らに志乃はいない。
『お散歩、アタシも一緒に行くねー。支度するから先に行ってて』
いつものように午前中は朝早くから道場の隅々を磨き上げていた志乃は、午後になってもまめま
めしく屋敷の掃除を続けている。額に汗の粒を光らせて律儀に手を動かしたままそう言われれば、
無理に誘うことも出来なかった。
だが、いつも歩く道筋は大体決まっている。
そのうちに追いついてきてくれるだろうと期待しながら、伍助は母親に放っておかれた子供のよう
に頼りない表情でそぞろ歩く。
通りはいつも賑やかだ。
様々な人間たちがそれぞれの事情を抱えて行き交う。
「…ほう」
ふと、伍助の目が小間物屋の店先で止まった。
目を引くように綺麗に飾られていたのは女物の櫛やかんざしで、女であればつい手に取ってしま
いたくなるほどにどれもこれも美しく凝った意匠だ。
「お侍様、いかがでしょうか」
伍助の姿を認めたらしく店の者らしき男が、腰低く寄って来る。
「うむ、そうだな…」
特に華やかな娘用らしい花かんざしをうっかり手に取ってしまっていた伍助は、どこか気まずい心
持ちで言葉を濁した。
そういえば志乃には今までこれといって何も買い与えてはいなかった。日頃から欲もなく不満も一
切口にしないだけに、一体何をしてやればいいのかさっぱり分からない。
一緒にいられればそれでいい。
それは本気だが、何か形になるものがあればいい。
最近は、そんなことも考えていた。だからこそ、かんざしに目が行ったのだろう。
これを志乃があの緑の黒髪に挿したら、さぞかし映えて愛らしかろうと。
238半分この夫婦 二:2007/06/03(日) 02:29:20 ID:S4QUuvmI
「お侍様」
急かすような声が、夢想を現実に返す。
「済まんな。こういうものは妻がここにおらんとさっぱり分からん」
「ごっちーん!」
この時、絶妙とも言える間合いで志乃が駆け寄って来た。その姿は子うさぎのように無邪気で愛
らしい。
「志乃、あまり急ぐと転ぶぞ」
「えへへー、いっぱい探したよ」
慌てて声をかける伍助にも、この妻はいとも気楽なものだ。
持ち合わせは給金を貰ったばかりということでそれなりにあるものの、適当に言い繕って小間物
屋から離れるつもりだっただけにすっかりあてが外れてしまった。まだかんざしを持ったままの手
が所在無い。
店の男は志乃の姿に低い腰を一層低くして揉み手をする。
「お侍様、こちらがお内儀様で」
「…うむ」
「ではよろしいではございませんか。どうぞ挿して御覧になってみては。可愛らしいお内儀様には
きっとお似合いになると思いますが」
「えー、ごめんね。アタシいらない」
「え?」
伍助と男が同時に言葉を返した。
志乃は恥ずかしそうに笑いながら、伍助が持っていた花かんざしをそうっと外して棚に戻した。
「ほら、アタシこの通りだし。綺麗なかんざしはまだ早いよ」
「でもお内儀様」
「ごめんね、でも欲しくなったらこのお店に来るね。きっと」
「志乃…」
「じゃあ、お散歩の続きしよっか。ごっちん」
まだ何か言いたそうな男を放って、志乃はさっさと伍助の袖を引いてその場を離れた。何もかも全
く鮮やかなもので、ぐずぐずしていた伍助はすっかり呆気に取られてしまっていた。
239半分この夫婦 三:2007/06/03(日) 02:30:23 ID:S4QUuvmI
「ねー、ごっちん」
肩を並べて歩く道すがら、志乃は小首を傾げて尋ねてきた。
「さっき、アタシにあのかんざしを買ってくれるつもりだった?」
「あ、ああ…女ならああいったものは誰でも欲しがるものだろう。だから見ていた。それだけだ」
「んー…アタシには似合わないよ」
ちょっと拗ねたような声を出して、志乃は伍助の肩口に額を寄せた。そしてとある一点を指す。
「ごっちん、あれ一つ買って」
まっすぐ指した指の先にあったものは饅頭屋の店先で湯気をたてているせいろだった。
言われた通りに蒸したてでまだ熱い饅頭を一つだけ買って与えると、志乃は物も言わずに二つに
割って片割れを差し出してくる。
「はい、ごっちんの分」
「…うん」
「お饅頭は、やっぱり熱々が美味しいよねー」
「…そうだな」
まるで狐にでもつままれたような気分だ。
こんなに愛らしい妻は、身を飾る美しい櫛やかんざしに目もくれず、子供のように飴玉や饅頭を欲
しがる。それが志乃らしいと言えるのだが。
それでもにこにこしながら半分の饅頭を頬張る横顔を眺めていると、何に価値を感じていても別に
構わないという気分になってくるから不思議だ。
だが、いつかは一番似合うかんざしを選んでやろうと伍助は心を決めた。今よりも大人になって少
し淑やかになった志乃に美しいかんざしはより映えるに違いないのだから。
その姿を夢想して、伍助はうっかり一人でにやついてしまっていた。

人気が途切れた辺りで手を握ってから、逸る気持ちが抑えられなくて路地裏に誘い込んだ。志乃
も大人しく従う。
別に誰に見られても構わないが、志乃のあのしどけない姿を晒したくはない。ならば屋敷に戻って
からでもと一瞬思ったのだが、今ここでどうしても睦み合いたかった。
そんな思いが伝わったのだろうか。
「…ごっちんの助平」
物影で立ったまま着物を乱されながらも、蕩けた声で志乃は妖艶に微笑む。剥き出されて薄紅色
に染まった可愛い乳房を夢中で揉みながら、珊瑚色にぬらめく唇を伍助は狂おしいほどに貪って
いた。
240半分この夫婦 四:2007/06/03(日) 02:31:30 ID:S4QUuvmI
何もかも、どの形も志乃を形作っているものであれば全てが愛しい。初めてこの華奢な妻の身を
掻き抱いた夜からずっと、伍助の中には言葉にすることも憚られるほどの熱く、激しく、決して消え
ることのない劣情が宿ったのだ。
志乃は最初から伍助の為に生まれて添い遂げる運命だった。今はそう思っている。そんな何より
も大事で愛しい妻をこうして求めるのは、ごく当然のことに思えた。髪から漂う椿油の匂いにすら、
妖しい欲が掻きたてられる。
「志乃、志乃…もっと欲しい…」
「…ん、うん…いっぱいして、ごっちん…」
もはや、どこにいるのかすら分からなくなった法悦の中、快楽の先で手繰るように力を失っている
志乃の身体を強く抱き締めた。志乃も細い腕で必死に縋ってくる。

飴玉も饅頭も美味しいものは半分にして、二人で喜ぶ。
そんな可愛い妻である志乃を愛おしまずにはいられない。



終わり
241名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 10:48:56 ID:QYeHq6Sa
うはぁ…
可愛くてたまらんのにしっとりと甘い。
幸せなエロごちです。GJ!!
242237:2007/06/06(水) 01:11:07 ID:fOr5yAHi
白&黒うさぎさん待ちのつもりでつらつら自分なりに書いてるんだけど、
なんか今絶好調に色々なネタが浮かぶ。
待ちの姿勢でこのままもうちょっと待機していた方がいいか。
それとも、連投になるけど書き次第投下するか今のところ迷ってる。
243名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 10:28:26 ID:xbopXLOP
>>242
どっちでもいんじゃね?
期待されてるかっつったら微妙なトコだし
244名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 23:18:12 ID:fOr5yAHi
OK。それではwktkしながら待ってます。
245名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 01:41:24 ID:nm8zFjuz
連投とかは特に気にしない。
よっぽど極端に人を選ぶ趣向のが続くのだったらあれだけど。
>>237みたいな夫婦ほのぼのなら問題ないのでは、というか読みたいので
投下して頂けたらうれしい。

246名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 00:22:06 ID:h4/IYgbZ
保守
247名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 01:25:36 ID:qF4Gu2w8
>>245
了承です。
このままエロありだったりなしだったりしながら、ほのぼのまったりな
うさぎ夫婦を書いていきたいです。
では投下。
248野の花小花 一:2007/06/11(月) 01:26:43 ID:qF4Gu2w8
うららかな日差し溢れる初夏の昼下がり。
伍助の勤めは今日休みということで、先刻まで一緒に夕餉の食材を買いに行っていた。
戻って来てからもまだ支度をする夕方までは時間もあることだしと、散歩がてらに二人はぷらり
と道場近くにある川に立ち寄っていた。
最近特に暑くなっているので、何となく涼しげな水辺を見たくなったのもある。
やはり街中よりは吹く風が心地良くて、わずかに浮いていた汗がすうっと引いていく。
「わー、気持ちいいね」
それに今は野辺の名もない花が盛りで、ひとつひとつはとても小さいけれど、とても健気で可愛
いから志乃にとっては眺めているだけでも楽しくて仕方がなかった。
「いっぱい咲いてるねー、きれーい」
「…うむ、そうだな…」
側に誰もいないこともあって子供のように手を繋いでいるのだが、やはりどこか気恥ずかしいの
か伍助の言葉は素っ気ない。だが、いつものことだと志乃は気にもしていない。
「今日は安いお芋たくさん買ったから、煮っころがしにするね。それと、さやえんどうのお味噌汁。
ごっちん、大好きだもんね」
「ああ…」
「もう、ごっちんたらあ」
そんな相変わらずの頑なな態度がおかしくて、ぷっと吹き出してしまった。繋いだ手は緊張して
いるのか少し汗ばんでいる。
ああ、本当にこの人と出会って良かったと今は心から思っていた。こんな風に毎日ささやかな暮
らしの中でかけがえのない幸せを感じながら過ごせるのであれば、この手は決して離したくはな
かった。

『野の花小花、お嫁に行った。果報者だあれ』
まだほんの幼い頃、実家の近所の友達と拙い手遊びをしながらそんなことを歌って笑い合った覚
えがある。女の子なら誰でも大人になったら必ず一番大切な人と出会って、幸せになるのだと思
っていた。
最初に嫁いだ時もそのつもりでいて、夫の暴言暴挙に一年我慢した挙句耐えられなくなった。男
性とはみんな妻にはあんな風に豹変するものだと思っていた。
だからもう二度と結婚なんてするものかと決めていたのに、今こうして手を繋いでいて心から欲し
かったものを全部くれた二度目の夫にこそ、志乃の本当の運命は定められていたのだろう。
249野の花小花 二:2007/06/11(月) 01:27:36 ID:qF4Gu2w8
『野の花小花、お嫁に行った。果報者だあれ』
どんな花も綺麗と言ってくれる人はいるし、いつかみんな幸せになる。回り道はしたけれど、全て
が今の幸せに繋がっていると思えば何もかもが嬉しい。
『果報者だあれ』
それはきっと。
「ごっちん!」
「ぅわわっ!」
突然何かに弾かれたように抱き着いたせいで、勢いで二人とも倒れそうになった。柔らかな黒土
の地面はそう痛くはなさそうだけれど、これではまるで本当に子供だ。
「いきなり何だ、志乃」
何が起こったのか分からない顔をしている伍助は、それでも握った手を離そうとはせずに真っ赤
になって恥ずか
しそうに横を向いたままだ。
「んーん、何でもないっ」
ぶんっと握った手を振って、志乃はいつものように元気に笑い返した。これでいい、二人はこのま
まで。何事も起こらない毎日が実は一番幸せであることを志乃は知っている。そして、何も知らず
とも伍助はそんな暮らしを共に送ってくれる。
さりげない野の花のような幸せがあれば、それでいい。
多少ぎこちないながらも仲睦まじい様子の年若い二人を、一面に咲き誇る野辺の花々がひっそ
りと祝福していた。



終わり
250名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 11:46:47 ID:TVWW+kqu
ここは「エロ」パロだという事をくれぐれも忘れないで欲しいけどな
251名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 11:57:56 ID:QE9R1yQM
いやでもこういうのも大好きだ

>>248
和みました GJ!
252名無しさん@ピンキー:2007/06/12(火) 00:23:34 ID:L/9bhaDS
エロありも書いてみた。
253悪戯 一:2007/06/12(火) 00:25:44 ID:L/9bhaDS
とある水無月の日のこと。
日当たりのいい縁側で、手足を投げ出して志乃が気持ち良さそうに寝こけていた。
からりと乾いた洗濯物を取り込んで畳んでいる最中に、急に眠気に襲われたのだろう。一枚の手
拭いを握ったまま大口を開けて涎を垂らしている。
勤めから戻ってすぐ、寝室でそんなしどけない志乃の姿を見た伍助は思わず声を喉奥に押し込ん
でしまった。
全く、無防備にも程がある。幸いにも室内だからいいようなものの、こんな姿を簡単に晒されては
こちらの身が持たない。
「志乃、こら志乃…」
手の甲で軽く頬を叩いてみても、よほどぐっすり寝入っているのか目覚める気配もない。かといっ
て、わざわざ手荒にして起こすのも気が引けてそのまま座り込んでしまうしかなかった。
「この時期なら風邪もひかぬだろうが、困ったものだ」
伍助の困惑も知らず、大層楽しい夢でも見ているのか志乃は時折けらけらと笑いながら寝返りを
打つ。その度に着物の裾から覗く内腿がひどく白く映った。
これほど目の毒があろうか。
日が落ちるまでの暫しの辛抱と男の気概で堪える真似をしてみても一度意識をしたら最後、勝手
に反応するのが哀しいかな下半身というものだ。
「少しだけだぞ、これだけだからな」
大胆にめくれた裾から剥き出しになった腿を恐る恐る撫でてみると、細いのに肉感を感じさせる柔
らかさと温みが手のひらへと伝わってくる。それに、普段隠れている箇所なだけにひどく滑らかだ
った。
夜の褥の中で触れているのとはまた別の感覚が堪らない。心の臓がたちまちにして激しく動悸を
打つ。
「志乃…」
このように浅ましい真似をしている間は目覚めないでくれと願う伍助の思いを知るように、依然とし
て志乃は寝入ったままだ。顔を近付けて寝息を伺ってみても穏やかなままだ。それでようやくわず
かばかりの平静さを取り戻す。
ごくりと唾を飲み込んでから、裾をまくり上げ、襟元も出来うる限りくつろげてみた。震える手で赤
い腰巻を取り去ってしまうと、着物はただ帯一本だけで纏わりついているだけの布切れに過ぎな
くなっていた。
あまりの扇情的な姿に、かあっと頬が染まるのが分かる。
254悪戯 二:2007/06/12(火) 00:26:36 ID:L/9bhaDS
志乃の寝姿につい欲情してこのような真似をしたことすら信じられないほどだが、もうこうなっては
身の内から突き上げるものに従うしかない。男とはそういうものだ。
「志乃、すまんな」
我慢出来ずに腕の中に掻き抱きつつ、片手の指に唾液をたっぷりとまぶしていく。このまま欲情
に目が眩んでしまっては、さすがに志乃に気の毒だと思ったのだ。
こんな時であっても、出来るだけ丁寧にしたい。優しくしたいと逸る心を抑えつけて今日はまだ触
れぬままでいた可憐な花の如き女陰に濡れた指を差し込んでいく。
「ン…」
さすがに、直に感じる感触は夢の中でも届くようだ。無邪気に寝こけていた志乃は指が膣内で蠢
くにつれて頬を染め、女そのものの艶めく表情を纏っていった。
「志乃、いいのか」
「は、ぁぁんっ…」
むやみに動いていた指が、感じる一点ともいうべき箇所を突く毎に何ともなまめかしい声が可愛ら
しい唇から漏れる。伍助自身性に関しては何の技巧も持ち合わせてはいないが、拙い技でも志
乃が反応を返してくることが嬉しくて仕方ない。
指先にぬるりと纏わりつくものが余計に情動を煽る。
まだ幼い志乃の身体が伍助の熱に追い上げられるようにほんのりと染まり、淡く汗を刷いて肌の
匂いが一層強まる。これまで身近には母親以外の女性がいなかった伍助にとっては、その嗅ぎ
慣れぬ香すらもひどく馨しく思えた。
何度も、何度も突き上げる指の動きに合わせるようにして、もう一方の片手ははだけられた襟元
から覗く乳房を揉み、柔らかな肌の感触を楽しんでいく。
「…志、乃っ…」
愛しい女をこうして感じることで、触ってもいない股間の一物は極限まで昂ぶっていた。
「志乃、志乃ぉ…」
「…んー…」
夢中で掻き抱く腕の中で、眠りの中にいた志乃の瞼はゆっくりと開いた。
「…なあーに、ごっちん」
「あ、い、いや…」
この状況だ。てっきり咎められるかとばかり思っていたのに、瞬時に察した志乃はますます頬を鮮
やかに染めて細い腕を回してきた。まっすぐに見上げてくるきらきらした瞳があまりにも綺麗で、思
わず口篭もる。
「すまん、志乃。つい…」
「アタシ、いいよ。ごっちんだもん」
「いい、のか?」
「…ん、いっぱい、して…」
255悪戯 三:2007/06/12(火) 00:28:17 ID:L/9bhaDS
いつもなら闇の中で微笑む妖艶な顔が、そのままこうして真昼の光の中にあった。
ずくずくと一物が収まるべき濡れそぼった膣を求めて疼いている。堪らなくなってもどかしく蕩かさ
れた女陰に突き立てるなり、志乃の真っ白な喉が綺麗に反った。
「あああんっ!」
「志、志乃っ…」
思わず奥まで突き入れると、一物を包み込む柔らかな内壁がぎゅうっと扇情するように悩ましく収
縮した。このままでは、ろくに内部の素晴らしき感覚を楽しまぬ間に達してしまうかも知れないが、
それでも構わなかった。今こうして感じていることが全てなのだから。
それに。
「いっぱい、いっぱいして…何度もして、ごっちんっ…」
しきりに甘い声を零して誘う女がいる。それ以上に、この機を得たことでより深く激しい快感を求め
出した伍助自身がいるのだ。
ほんの軽い悪戯から始まった、この戯れは終わる気配もなかった。

同じ頃、屋敷の玄関で佇む影二つ。
「なんか放っておかれたみたいっスねー」
諦めたような声を発しているのは、上がりで座り込んだまま頬杖をついている千代吉だった。もう
一人は子猫のようにちょこんと隅にいるマロ。
実は伍助と落ち合ってここに来たのだが、肝心の伍助が茶でもどうだと奥に入ったままさっぱり出
て来る気配もない。そのうちに何やら怪しい声が漏れてきて小半時この状態だ。
「まあ、夫婦和合は平和の基本っスから」
とっくに忘れられているにも関わらず、千代吉は呟きながらもうんうんと頷いた。



終わり
256名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 20:08:00 ID:qSM11+eD
保守
257名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 02:57:05 ID:BXD8q0Vn
レベルたけぇよwwww
258名無しさん@ピンキー:2007/06/22(金) 03:20:46 ID:zaF7yqdQ
保守
259名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 01:08:08 ID:n5gHDrSR
過疎ってるわりに神が多いなここ。
260名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 23:21:29 ID:8ewnLvkn
ほす
261名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 00:04:36 ID:ZQfbEWir
このスレの神作品を見て、単行本購入を決意しました
262名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:13:44 ID:UwKb/uhA
単行本買ったー
村長……
263文月夜麗(ふづきよのうらら):2007/07/08(日) 23:02:26 ID:xWQlWC6P
コミックス第一巻発行記念で、ほのぼの書いてみた。


梅雨最中の時期にも関わらず、この数日は実にのどかな晴天が続いている。
お陰で夜半の月も綺麗に見えた。
このところは暑気払いも兼ね、半分ほど雨戸を開けたまま寝ることも多くなっているせいで夜の
中途に目覚めても、それなりに真っ暗闇ではないのは有難い。何しろ、夜の暗さというものは根
源的な恐怖を誘うものなのだ。
子供の頃であればの話、だった。

「んー…」
ごく近くで、魂を蕩かすほどの甘い声が響く。
とろんとした浅い眠りの中にいた伍助の意識は、一気に表舞台に引き上げられた。
気がつけば、開いた雨戸の隙間から煌々たる月の光。昨夜は半月だったから今宵は下弦の月
と言うべき様相であろうと思われた。
澄んだ青い光が夫婦の寝間にまで差し込んでいる無粋は、まあ許せるだろう。滅多に見ること
の出来ない志乃がここにいるのだから。
ごくり、と唾を飲み込んだ。志乃は数刻前に睦んだ時のまま、何も知らずにしっかりと伍助の首
に華奢な腕を回している。真昼時の疲れを見せることもなく元気に駈けずり回っている志乃から
は想像も出来ない、あえかで艶かしい姿にやっと収めたばかりの淫心が再び起き上がりかけて
いた。
「志乃」
淫らがましい気分ではあるが、志乃がいつも精一杯立ち働いているのは良く知っているからこ
そ、無理に起こす気にもなれずにただ囁く。
「志乃、お主がいればそれでいいのだ、オレは」
「ん」
まるで返事でもするように、眠りの中にいる志乃はむずがるように声を上げて更にしっかりと抱
きついてきた。まるで人形のように艶やかな頬を撫でると、わずかに笑むのが愛らしい。そのま
ま、すりすりと鼻面を寄せて快い髪の香、肌の香を嗅ぎ続けるうちに再び眠気が戻ってくる。
縁あって出会った誰よりも大切な妻。
本当の夫婦になるまでには少し時間がかかったが、今は何があっても志乃がいつも幸せに笑
って過ごせるようにしたいと心から思っている。その為にも、一日でも早く強く大きな器を持った
男になる必要があった。
「そうすれば、お主ももっと笑ってくれるだろう、志乃」
鼻先を擦り合わせるようにして囁く先で、愛しい女は相変わらず涎を垂らしてだらしなく寝こけ
ていた。
今この時の全ては文月の半月が見せた綺麗な夢、それでいい。



終わり
264名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 01:24:07 ID:UUvoFrxJ
しっとりしていいね。
本番だけがエロじゃないんだよなぁ。
265名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 23:38:17 ID:RQMze91w
あるかなーと思って検索したらやっぱりあった……!
しかもこんな神の乱舞するスレとは。至福〜
266台風渦中 一:2007/07/15(日) 01:58:28 ID:hoWvzgLZ
この時期としてはやや早い台風が、江戸にも襲来しようとしていた。
伍助は普段の勤めも休んで、普段色々とかまけてないがしろにしている屋敷のにわか修繕に
励んでいる。何しろ、古い屋敷のことだ。下手をすればあっと言う間に屋根瓦を全部持って行か
れかねない。
そうならないようにと、日常で心に留まっていた箇所を思い出しては補修に勤めている伍助の
姿を見遣って、志乃はくすっと笑った。
幸せなんて、こうしていつでもささやかに側にあるもの。

「…これで何とか大丈夫になったぞ、志乃」
丸一日かけて、外壁や屋根瓦の据わり、そして梁の具合等を見ながら作業していた伍助がよう
やく戻ってきた。妙に凝り性な伍助のことだ。用意した昼食もそこそこに屋根に上っていたほど
だったので、さすがにぐうぐうと腹を鳴らしている。
ずぶ濡れでかなり寒そうだったので、用意していた着替えと手拭いを渡していつものように笑っ
て見せた。
「お疲れ様ー、お腹へったよね。さあ、いっぱい食べて」
頑張っていたせいもあって、早めに戻ってくるのは分かっていた。手際良く並べられた膳を畳の
上に座り込んでいる伍助の前に置くと、急に神妙な表情になって見上げてくる。
「なあーに?」
「ん、む…いや」
「ごっちんは今日ずっと頑張ってたもん。アタシだってごっちんの為に頑張りたかった。それだけ
だよ」
食材はどれもありあわせだ。
この台風の中、わざわざ御用聞きも尋ねては来ないし、外出は危険だからと伍助に止められて
いる。だが、まだそれなりには揃っていたから何とか形になる料理に仕上がっていた。
267台風渦中 二:2007/07/15(日) 01:59:35 ID:hoWvzgLZ
二人が膳を囲んでいる間も、外ではひっきりなしに風が鳴り雨が叩きつけていた。
「雨、すごいね」
「うむ、台風だからな」
「ごっちんが屋敷を守ってくれたんだもんね。今夜は安心して寝られるよ」
「…そ、そうか」
若干早めの夕餉だったが、何となくいつもより楽しい気分だ。それは台風という日常にないもの
があるせいだろうか。
「ねー、ごっちん」
飯椀を膳にかたりと置くと、志乃は何もかもを台風のせいにして伍助に擦り寄った。
「な、何だ、志乃」
「今夜は早く寝ようよ。ごっちんも疲れてるだろうしね」
「…いや、それほど疲れてなど」
明らかに緊張しているのか、今まで勢い良く掻き込んでいた椀を取り落としそうなほど硬直して
いる。とうに夫婦になってもそうなのかと、微笑ましいほどだ。
「アタシが一緒にいたいんだもん、いいよね」
「む…」
きっと伍助は拒否もしないまま、今夜はこうして一緒に過ごすことになるのだろう。ある程度分
かりきっていることとはいえ、そんな分かりやすさは志乃にとっての安心材料になっていた。
これも、台風というもののの成せる技だろうか。
「…志乃よ」
意を決したように、もどかしげに肩が抱き寄せられた。



終わり

たまたま台風が来てたんで、思いついた。
268名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 22:52:08 ID:pAJyxFQI
ぐぐぐGJ!!!!!!
志乃が可愛すぐる!よかったら続きもきぼん
269名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 02:35:13 ID:MC9fG7/c
揚げ足で済まんが台風は昔は野分(のわき)と言ったらしいっす。
それはともかくGJですた。
270266:2007/07/20(金) 03:08:41 ID:4ruJYMCo
野分か。
聞いたことはあるかな、つい台風と書いて済まんかった。
ただ続きはないんだ。

今度の休みにでも何か書けたらと思ってる。
271名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 19:23:26 ID:UhwUP4eX
おまけうさぎの池掃除が終わってそのまま夫婦の営みとかもありですか?
272名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 00:10:53 ID:igMf5WB6
>271
残念ながら大ありです。
273名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 01:47:31 ID:eFJzSeWj
春本について何かあるかと思ってたけど、結局これといった展開もなかった
ので妄想逞しくして書いてみた。
274春本悋気始末譚 一:2007/07/22(日) 01:50:03 ID:eFJzSeWj
梅雨最中にも関わらず、朝から珍しく晴天の日。
この際だからと、志乃は一日中張り切って屋敷中を掃除していた。
ここ最近、雨降りが長らく続いていたこともあって、なかなか細かい箇所まで手が回らないと零し
ていたのだ。だからこそ今日はまさに掃除日和なのだろう。
まめまめしく立ち働く志乃は、本当に生き生きとしている。

「今帰った」
特に何も疑問に感じることなく、いつものように勤めから戻ってきた伍助は迎えに出た志乃の様
子がいつもと少々違っていることを察した。
「ごっちん、おかえりー」
相変わらず愛らしい妻だ、決して怒っている訳ではない。ただ、どこか物言いたげな風情を残し
ている。
伍助自身、別段身に覚えもないのでその態度には何か引っ掛かるものを感じたのだが、これと
いって問うことも出来ないのがもどかしかった。
「…掃除は終わったのか」
「うん、さっきね」
「では、まだ日も高いことだし一緒に散歩にでも出るか」
「うん…」
やはり何かを言いたげに口篭っている。普段の志乃ではない。まさか一人でいる間に何か大変
なことが、とつい動揺してしまう。
「志乃?お主具合でも悪いのか」
「んーん、そうじゃない」
どうやら杞憂のようだった。
「では何だ」
「あのね…」
言葉を継ぐことなく、志乃は居間の茶箪笥の上に乗せていたらしい一冊の本を持って来る。それ
は以前伍助が志乃の兄、摂津に貰った春本だった。興味本位で一度ちらりと眺めただけで、何
となく捨てる気にもなれずに寝間の箪笥の隙間に押し込んだまま忘れていたものだ。
「お掃除してたら、これ、見つけた…」
「ぅあっ」
あまりの驚きで、思わず変な声が出る。
275春本悋気始末譚 二:2007/07/22(日) 01:51:13 ID:eFJzSeWj
「ごっちん、こんなの持ってたんだ…」
「違、違うぞ、それは…」
根が嘘をつけないだけに、要領の良いことを言うことも出来ず、まさか摂津の名を出すことも出来
ず、伍助は必要以上に慌てに慌てた。
めくるめくばかりの悩ましい男女の交歓図など、筆も下ろさぬまま鬱々としていた頃の伍助なら
ともかくも、今は特に興味もなく見る必要もないと思っている。この日が落ちさえすれば、ようやく
互いの味に馴染み始めた志乃と存分に睦むことが出来るのだ。只の図絵など今更何の用があ
ろうか。とはいえ、未練たらしく隠し持ってしたことについては弁解の余地もない。
あわあわとふためいている伍助を前に、春本を抱き締めた志乃は真っ赤な顔をしてぽつんと呟
いた。
「うん、分かってる」
「え?」
「これ、おにいちゃんに貰ったんだよね…こんなのいっぱい持ってたから分かる…でも、隠してて
欲しくなかったな」
「…志乃」
胸が痛くなった。これではまるで志乃との睦み合いにでも不満があって、このように扇情的な本
を忍ばせていたようではないか。少なくとも誤解だけはされたくなかった。
これだけ尽くしてくれる志乃に何の不満もあろう筈がない。
「済まん、志乃。つい言うことが出来ずにいたのだ。他意はない、それは分かってくれ」
一気に言葉を吐き出してしまうと、志乃は相変わらず真っ赤な顔をしながらも少しだけ拗ねたよ
うな表情になった。
「…だって」
ばさりと春本が畳に落ちる。
「ちょっと悔しかったんだもん、アタシじゃ足りなかったかなって」
「だから、それは済まんと」
「ごっちんの、バカあ!」
まるで子供のように聞き分けのない顔で、拗ねてしまった志乃は両手の拳でぽくぽくと伍助の
胸を叩いてくる。やはり少しも痛くないのだが、それだけに傷ついているのが分かって辛い。こう
なっては宥めようもなく、ただ困りきるしかなかった。
276春本悋気始末譚 三:2007/07/22(日) 01:52:19 ID:eFJzSeWj
「や、だから済まん、志乃」
「バカバカバカああっ!!」
「うお、志乃よっ…」
志乃が勢い良く飛び込んできたせいで、体勢が崩れて立て直す間もなく畳に折り重なるように
して倒れ込んでしまった。
「…ごっちん」
「志、志乃…悪いが退いてくれんか」
まだ日は高い。なのにこのままでは変な気になりそうで、伍助は必死に淫気を押し留めようとし
ていた。なのに、ぴったりと志乃が抱き着いたままなのでどうすることも出来ない。
「やだ」
「聞き分けのないことを…」
「だって、ごっちんが悪いんだからね。あんなもの持ってるし」
「そ、それは仕方なかろう」
あまりにも間近で見つめられて、後ろめたくて目を逸らしながらもごもごと言葉を継いでいると急
に志乃が口調を変えた。
「この際だから、苛めちゃおっかなー」
「えっ」
「うん、苛めちゃおっ」
赤い顔をしたまま、志乃は人の悪い笑みを浮かべて伍助の着物の上からするすると身体を撫で
始めた。
「お、おい、志乃…悪い冗談はやめんか」
「んーん、やめたげないもんっ」
夕刻に近いとはいえ、夏の日はまだ高い。このようなところを誰かに見られでもしたら大層困ると
一瞬思ったのだが、わざわざ他人の屋敷に無断で入り込む輩がいる訳もない。春本が志乃の不
興を買ったのなら、今はしたいようにさせてやるかと腹を括るしかなかった。
まさに、まな板の上の鯉という有様だ。
途端。
目を閉じてすぐに、首筋に柔らかな感触を感じた。猫でもじゃれているように舐めたり、吸ったり
しているのだがくすぐったくて仕方がない。
277春本悋気始末譚 四:2007/07/22(日) 01:53:47 ID:eFJzSeWj
つい耐え切れずに声が漏れる。
「志乃っ…」
「ごっちん、暴れちゃやだよ」
「…うむ、分かった」
妙に楽しそうな志乃の声色は、まるで遊んででもいるようだ。勢いがついたのか、さっきから身
体を撫でていた手が襟元から入り込んできて肌身に直接触れてくる。
「…うっ」
悪くはないが、どうもこの感じは何とも落ち着かない。普段志乃にしている手管をそっくりそのま
まなぞられているのだ。何もかも全く同じ通りに、舐め回して跡をつけながら志乃は下へ下へと
攻めを移していく。
遂には、袴の紐が解かれて下帯まで緩められてしまった。ただ気が済むまで戯れるだけでさす
がにそこまではしないと高を括っていたのだが、見込みは思い切り甘かったようだ。
「志乃、それはいかん、いかんぞ…」
慌てて起き上がろうとして、意外なほどの強い力で止められる。
「えー、何で?アタシのしたいようにさせてくれるんでしょ、だったら…」
やや落ちた日が差す室内で楽しげに笑う志乃は、夜と同じように妖艶な表情をしていた。闇夜の
褥での伍助がそうであるように、肌身に触れることで欲情を催しているのだろう。これほどあから
さまに志乃が自らの欲を表したことなどなかっただけに、その妖しい変貌が伍助の背筋をぞくり
と震わせた。
「あ」
すかさず、まだ勃ちきっていない一物を緩めた下帯の中から取り出した志乃はその勘の良さで
伍助の変化にも気付いたようだ。
「なんか、触ったらここ元気になったよ」
「…そ、そうか…」
「やっぱ、ここが一番正直かもねー」
からかうように笑いながらも、ぺろっと舌舐めずりをした愛らしい唇がようやく芯の通ったようにぴ
んと反り返った一物を、そのまま飴棒でも舐めるように深く咥え込んだ。
「志、乃、よせっ…」
未知の快感に、耐えているつもりだった伍助は思わず声を上げた。まだお互いに色々と知り初
めたばかりだ。何もかも手探りで至らないことばかりとはいえ、さすがに志乃にはまだそんなこと
など教えてもいない。だとすれば起因は一つだ。
「うぁっ…志乃、そればかりは、よせと言うにっ…」
「やだ」
念入りに舐めていたものから一旦口を外すと、どこか拗ねているような口調で志乃は口を尖らせ
た。
278春本悋気始末譚 五:2007/07/22(日) 01:55:06 ID:eFJzSeWj
「あの本に、ちゃんと描いてあったもん。男の人にこうしてるとこ。本じゃなくて、アタシにいっぱい
感じて欲しいんだもん」
どうやら志乃は、こともあろうにどんな本かと春本の中身を見たらしい。だが乙女妻が見るには過
ぎるほど刺激的な図絵ばかりだ。伍助でさえあまりの艶っぽい内容に目が眩んだほどだ。どれほ
ど衝撃があったのか推して知るしかない。
要は隠し持っていた春本に志乃なりの悋気を感じていたということなのだろう。
他愛無いと言えばそれまでだが、それでこのような行動に出る可愛らしさにまた目が眩みそうに
なった。
「そ、うか…それは済まなかったな」
「んーん、いいよ、もう。だからね」
「何だ」
「いっぱいしよっ」
先程よりはかなり立派に勃った一物を両手で撫で回し、あむっと再び口に含んだ志乃は技巧す
ら知らないままただひたすら奉仕を続けていた。肉茎を舐め上げ、先走りをたらたらと零す先端
をちゅうちゅうと吸うように口付けてられて、伍助はたちまちのうちに追い上げられていった。
技巧の拙さなど関係ない、志乃がわざわざそれをしているだけでも感じるのだ。
あまりの刺激に、限界がもう来ようとしていた。
「志乃、志乃っ…いかん、出るぞっ…」
さすがにそればかりは、と咄嗟に身を離そうとして再度止められた。
「じゃあ、もういいよね」
顔を上げた志乃はこれまでとは全く異なる顔をしていた。悪巧みが成功した様子の子供と婀娜
な女の魔性の表情が眼差しに交錯して、つい見入ってしまうほどだった。婀娜な女が微笑みな
がら着物の裾をたくし上げ、まだ一度も触れていない秘花の如く色付いた女陰を晒す。
驚いたことに、そこはもう腿まで淫らな滴りを零すほどに濡れきっていた。
「ごっちんのが収まるのは、ここだよ」
指でぬらぬらとした女陰を開いた志乃は、なまめかしく笑った。それが当然ででもあるようにため
らいなく限界を迎えようとしている一物の上に腰を落とすと、感極まったような声が愛らしい唇か
ら漏れた。男の上に馬乗りになるなど初めての体勢だ、上手くいかなくても当然だと伍助は声を
かける。
「あぁ…」
「志乃、辛かったら止すのだぞ」
「ぁ…平気、んぁぁ…上手く、いき、そうっ…」
何度かもじもじと腰を動かして、何とか奥まで繋がったようだ。思わず安堵の溜息が可愛い妻の
喉から漏れ出る。
279春本悋気始末譚 六:2007/07/22(日) 01:56:43 ID:eFJzSeWj
「あ…はぁ…」
「志乃」
名を呼ばれて、ひたすら目を閉じていた志乃の瞼がゆっくりと開かれた。
「…ごっちん、熱いよ…気持ちいい…」
「志乃の中も熱いぞ」
「すご、おかしくなりそ…」
真っ赤な顔をしながら、志乃は夢うつつのように必死で腰を振って自らの身体を探り出した。それ
に伴っていつもはきっちりと着付けている襟元が崩れ、真っ白な柔肌が次第にあらわになってい
く。これほど扇情的な光景はない。
「志乃、志乃。堪らんぞっ…」
妖しく腰を振る志乃に刺激されて、伍助も一緒になって動き出した。繋がる箇所が擦れ合うごと
にぬるぬる、ぐちょぐちょといやらしい音をたててこれ以上ないほど歓喜している。
もっとこの素晴らしい快感を感じていたかったが一物はもう限界だっただけに、そろそろ本当に終
わりが来そうだった。
「志乃、いくぞっ…」
強く細腰を掴んで下から突き上げると、鳴くように高く細い声が上がった。
「うん、うんんっ…来て、いっぱい出してぇ…」
すっかりはだけられた着物の襟元から、まだ芯のある青い果実のような可憐な乳房が零れ出し
て動きに合わせるように揺れていた。
「志、乃ぉっ…」
待ちに待ったものが、思いきり志乃の膣内へと放出されていく。ぎりぎりまでの緊張していた全
てのものが一気に弛緩して、すぐには何も考えられないほどだった。
「ぁ、あぁ…んっ…」
乳房を薄紅に染め上げて、幾度か震えながら志乃もまた達したようだった。瞬時にして内壁が激
しく締めあげられたことでそれと察した伍助がふるっと震える乳房を握ると、それもまた感じるの
か一層びくびくと互いの粘膜が密着した部分が痙攣した。
「やぁあ…本当におかしくなるぅぅ…」
「なれば良かろう、一緒にな、志乃っ」
「やぁっ…」
勢いに火がつしいてしまったのは伍助のほうも同様だったようだ。しどけない様子で喘ぐ志乃が
あまりにも扇情的で、まだまだ感じ続けていたかった。抱き上げて体勢を入れ替えると、畳に髪
を擦り付けるようにして一瞬志乃が目に涙を溜めたまま拗ねる。
「ごっちんの、バカ…」
それもまた可愛くて、繋がったままだったのをいいことに再びやわやわと絡んでくる内部を思い
きり突き上げ始めた。
280春本悋気始末譚 七:2007/07/22(日) 01:58:01 ID:eFJzSeWj
「あぁあ…ごっちん、気持ちいいよおっ…」
腰を使う度、柔らかな内部で留まっていた二人分の愛液と精液が交じり合ってどろどろと零れ出
る。それもまたとてつもなくいやらしくて、また欲情を催した。
「志乃、可愛いぞ…」
「ん…ごっちん、もっと、もっとおおっ…」
深く抱き締められている志乃は見たこともないほど、幸せそうに微笑んでいた。
ようやく遅い西日が差し込もうとしている時刻の室内、何もかも忘れて睦み合っている二人にとっ
ては些細なことなどもうどうでも良くなっていた。

二人がすっかり満足して気が済む頃、外は薄暗がりが広がっていた。
夏の宵とはいえ、つい羽目を外してしまったようだ。
「志乃」
「あー、お腹空いたねー」
機嫌の直った志乃は、相変わらずの様子で畳から起き上がった。
「すっかり遅くなっちゃった、御飯作ろっか」
「いや、無理にとは言わんぞ。蕎麦でも食いに出るか」
「あ、いいねそれ。賛成」
伍助の提案にすっかり乗り気で着物の乱れを直す志乃は、まるで小さな娘のようだった。
会話だけなら単にずぼらな妻のようだが、普段の志乃は実に伍助や周囲に対して痛々しいほど
に気を遣う気性なのだ。だが、それに甘えていては志乃の負担が増えるばかりだ。たまにこれ
ぐらいは気を抜く時があってもいいだろう。
ごそごそと着物と袴を直しながらも、、伍助は改めて夫かくあるべしの心構えを強くした。
「じゃ、行こっか」
もう春本のことなどすっかり忘れて、志乃は薄青い宵闇の中で無邪気に笑っていた。



終わり
281名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 10:34:40 ID:eFJzSeWj
>>271
頭の中でイメージをもうちょっと膨らませてみる。
そのうち書けるかも。
282名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 18:22:23 ID:DIMT7XGI
>>274
うは、志乃上位GJ!エロ可愛くて良いねー
283名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 00:03:06 ID:cnkHddIk
オマエらのエロさに感化され、本屋3軒はしごして
ついにサムライうさぎ1巻を手に入れたぞ

職人様方、ごちそうさまです
284名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 01:08:35 ID:qRT9283C
一巻入手おめ。
ごっちんと志乃夫婦はラブラブでいいぞー。
285名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 03:55:38 ID:mlAFSDVs
主人公が15歳で既婚って、かなりイレギュラーな漫画だよなあ。
しかもラブコメではなくて、安易にバトル一直線にならない(このあたりはグレー)。
286名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 20:05:44 ID:tWmg4hIO
神大杉(;´Д`)

保管庫ある?
287名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 00:57:58 ID:4N+AX9kO
>>286
ログ読めよ阿呆。
288名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 23:50:58 ID:McXou9ea
ほしゅ
289名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 01:20:45 ID:u4fcflOc
おまいら、最近暑いな。
だからこんなの書いてみた。
290涼夏宴 一:2007/07/30(月) 01:21:49 ID:u4fcflOc
長い梅雨も明けて、いよいよ盛夏という季節。
毎年のことながら、うだるような暑さは正直堪らないものがある。
「暑いなあ…」
勤めから戻る途中にあまりの暑さで何度も物陰で足を止めて涼みながら、伍助はまだ随分と高
い位置にある天道を恨めしく眺めるばかりだ。
それでもあの可愛い妻はこんな日でもきっと変わりない。相変わらずくるくると自分で仕事を見つ
けては、素早くこなしているのだろうと思えば自然と足も進む。
今では、志乃の生きる姿勢そのものが伍助の支えになっていたのだ。
「今帰った」
「ごっちん、お帰りー」
家中を掃除していたらしい志乃が、玄関先での伍助の声を聞いて奥から飛び出してきた。手に
は真っ黒になった雑巾。相変わらずどんなことをしていても本当に楽しそうだ。
今日は特に、にこにことしていてその笑顔にうっかり引きつけられそうになった。
「お…志乃」
「えへへー、今日はいいものがあるよ」
「いいもの、か…?」
「うん、いいものっ♪」
勿体をつけるように、額に大粒の玉の汗をかきながら志乃はにかっと笑った。

風呂場に入って冷たい手拭いで汗をかいた身体を拭うだけで、随分楽になった。全く水分の一
滴まで蒸発してしまうような暑さは耐え難いものがある。
着替えて一息ついていると、そろそろ支度も終わったかと悪戯っぽい笑みを浮かべた志乃が顔
を覗かせる。
「ごっちん、暑い中お疲れ様ー」
「…うむ」
「さ、居間に行こっ」
まるで月を見ているうさぎのように元気な志乃にぐいぐいと腕を引っ張られて、訳が分からないま
ま伍助は居間へと誘われた。
「志、志乃…あまり急ぐな」
「んー、ふふふっ」
楽しい秘密を抱えているように、志乃の足取りはとても軽やかだった。
291涼夏宴 二:2007/07/30(月) 01:22:44 ID:u4fcflOc
「志乃、一体何…」
言いかけて、思わず口を閉じた。
居間にあったものは、長年使い慣れた皿とその上にでんと乗っかった見事な瓜。
それらが二つ、並んで涼しげに揃い踏みをしている。
「午前中にね、表の通りに瓜売りが来てたんで買ったの。美味しそうだったからごっちんも喜んで
くれると思ったし。今までずっと井戸端で冷やしてたから冷たいよ」
「ほう、瓜…か」
ごくりと喉が鳴った。
この暑さで身体中が限界まで干上がっていたので、思う存分水菓子でも食らいたいと思ってい
たところだ。志乃が良く気のつく妻だということは今までのことで分かりきっていたとはいえ、ここ
でそんな嬉しい気遣いをみせられては心底参るばかりだ。
「済まんな、志乃」
「んーん、どう致しまして」
褒められて満更でもないのか、志乃の頬はほんのりと赤かった。

子供のように縁側に並んで座る若い夫婦は、まるで季節外れの雛人形だ。
良く冷えた瓜はかぶりつけば、一口ごとに快く喉を通って胃の腑に収まっていく。それに熟しきっ
てるのか蕩けるように甘い。やや青臭い匂いまでが夏の風情で、伍助もすっかりさっきまでの暑
さを忘れてしまった。
「美味いな」
「うん、甘くて美味しいねー、ごっちん」
本日の一番手柄を立てた志乃は、自慢げにまた大口を開けて笑った。一般的なしとやかさとは
程遠いが、これはこれで志乃らしくて可愛らしいと思えるのは当然惚れている証拠なのだろう。
惚れた相手とこうして並んで冷えた瓜を食んでいるのは最上の幸せに違いない。
折々に何度も確認しているが、今日もまたそんなことを考えて伍助は感慨に浸っていた。
「ごっちん」
無防備になっている間に、志乃が無邪気な子うさぎのようにじゃれついてくる。どうやら先に瓜を
食べ終わったようだ。
「やだ、指が瓜の汁でべたべたー」
「そっ、お主も同じではないか」
「アタシはいいんだもん、もう全部舐めちゃった。ごっちんの指も舐めたげよっか」
そんな、とんでもないことを言ってくる。
292涼夏宴 三:2007/07/30(月) 01:23:55 ID:u4fcflOc
時々、こんな風に志乃の言動は突拍子がなくなるのだ。それがまた途方もなく愛らしくて良いの
だが、最近は閨の手数を重ねる度に言動の端々に艶めいたものを感じるのはきっと気のせいで
はないだろう。
可愛い妻は、確実に女の婀娜を身に着けていっている。そんな変化が眩いほどだ。そう感じて、
伍助は思わず口篭る。
「何を…言うのだ」
「ほらぁ、汁が手首まで垂れてる。着物汚れちゃうよ。拭くものもないしさ」
「やめろ、志乃…こら」
ぺろり。
手首に熱い舌の感触を感じて、反射的にそれまで意識しないでいるつもりだった一物に瞬時に
して血が滾る。
「あまーい、瓜はやっぱ美味しいよねー」
「志乃、オレは瓜だけでは足らなくなったぞ」
「えっ」
もう堪らず、それだけ宣言すると伍助はぐいっと志乃を抱き上げて空け広げていた奥の間に入る
なり、ぴしゃりと襖を閉めてしまった。
こんな可愛い妻が側にいては、褥を共にする刻を待ちきれなかったのだ。



終わり


ごっちん…気持ちはすげー分かるぞ。
293名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 01:49:00 ID:vRq6KSCJ
自分の作品に自分で同意とか・・・まあGJ
294名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 02:04:41 ID:RYYJuW5b
>>292
ただでさえ暑いのを更に暑苦しくしやがってw
なぜその後を書かんのだ!?
GJ!!
295名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 20:10:22 ID:RFv7SRub
瓜売りが瓜売りにきてとかいう早口言葉があったな
296名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 23:54:56 ID:u4fcflOc
瓜売りが瓜売りに来て瓜売れ残り売り売り帰る瓜売りの声

だよな。
昔よくやった。
297名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 01:35:33 ID:qEwPaxYn
初めて聞いたw
298名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 21:16:57 ID:GCvMmdxV
よくやったって何者なんだよw 演劇部か
299名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:35:17 ID:ljy6xKql
演劇部じゃなくても、仲間内で流行ったとかじゃない?
300名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:57:25 ID:CKVbu8LL
300♪
301朝の御馳走:2007/08/04(土) 15:50:50 ID:jK3FxtQ7
暑いので、こんなの書いた。


真夏の朝は、朝とは思えないほどに暑い。
まるでだらだらと身体中が溶けてしまいそうなほどだ。
「では、行って来るぞ」
その日も変わらず、伍助は律儀に支度をして勤めに出掛けようとしていた。この時期でも同じ時間
に起床、洗顔、朝餉と変わりなくこなすのは習慣もあるし、何より生真面目過ぎると人に言われる
性格にもよる。
まあ、それも仕方なかろう。今更変えられぬと玄関先まで出た頃。
「ごっちん、忘れ物」
後ろから志乃が声をかけてきた。
「む?忘れた物など別に」
「こーれ♪」
振り返るなり、抱き着かれて唇に柔らかい感触。
「……ぅぐ」
一体何が起こったのか分からなかったのは一瞬のこと。すぐに茹蛸のように真っ赤な顔になってじ
たばたと慌てる羽目になった。
「ごっちん、今日も暑いから気合い入れたの。お勤め頑張ってね」
わずかに顔を離した志乃は、魂を蕩かしそうなほど可愛らしく笑っている。
「…う、うむ。では行って来るぞ」
「うん、行ってらっしゃーい」
元気に手を振る志乃に見送られて、伍助はまだ赤い顔を隠すことも出来ずに照れ隠し代わりにわ
ざとむっつり顔をしながら、勤め先までの道を急ぎ足になるしかなかった。

確かに気合は入ったのだが、やはり今日も浅野殿に「どーん!!」されたことは言うまでもない。



終わり
302名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 11:21:30 ID:+PP57rPg
可愛いなぁ和むなぁ
303名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 18:41:57 ID:ppQIGa40
和み系でホワホワした気分になるのもいいんだけど・・・
そろそろ、嫌がるのをネチネチ嬲るような話も欲しくなってきたぞう。

と、ココロの闇の部分が囁いてます。

どなたか、そっち系統も・・・!
304名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 00:01:55 ID:ei3AZGpW
休みにならないと書けないので、すぐに全部とはいかないけど
少しならネタもあるから前フリとして何か書けるかも。
305傷跡 一:2007/08/06(月) 01:27:50 ID:C64R7EXF
土曜日のセカジューで、脳は過去の記憶を編集する機能があると言っていた。
そこから発想。


軒先に吊るした風鈴が、ちりんと涼やかに鳴った。
「…ふうっ」
雨戸を一枚分余計に開けた後、夜風があまりにも心地良くて伍助は思わず感嘆のような声を漏
らす。
さすがにこの時期は雨戸を閉め切ったまま睦んでいると蒸し暑くて困る。そんな伍助の様子がお
かしいのか、寝床に寝そべっている志乃はくすくすと笑っている。
「ごっちん、子供みたーい」
「む…暑いから仕方なかろう。志乃もそうではないか」
「アタシ?んー…」
志乃はどうした訳かしばらく考え事をするように小首を傾げた後、奇妙なことを言ってのけた。
「そういえば暑いかも。なんか良く分かんなかったけど」
だが、伍助は志乃のことならばいつものことだと流した。志乃の方でもそれ以上考えることもない
ようで、ころころと寝床に転がっている。
「ねー、ごっちん。涼しくなったことだし、も一回しよっ」
「…う、うむ。そうだな」
わざと不承不承、という面持ちを繕って愛妻の待つ寝床に歩を進める伍助はほとんど何も知らな
い。今はこうして幸せそうにしている愛らしく志乃にどんな壮絶な過去があったのかを。だが、既
に過ぎ去ったことでしかない。新たに記憶に刻む必要もない。
現在の生活に満たされきっているせいで、当の志乃ですらもう忘れかけている出来事だ。人は
そうして嫌なことを少しずつ忘れていく。
新たな日々を生きていく為に。
306傷跡 二:2007/08/06(月) 01:28:41 ID:C64R7EXF
松山家に嫁入りして以来一年このかた、ぱたりと便りの絶えていた妹志乃が駆け込み寺に逃げ
込んだという知らせが摂津正雪の許に突如として届いたのは春まだ淡い頃。
長年慈しんできた可愛い妹がてっきり幸せに暮らしているものと思い込んでいたので、訳も分か
らぬままに鎌倉の寺に出向いてみれば、初老ながらも品のある庵主が案内をしながらもふっと
俯く。
「このようにお若い方は当方でも初めてですので」
「…そうでしょうね」
「志乃さん、お兄様がおいでになりましたよ」
案内された部屋の隅で、志乃はぼんやりと視線を宙に泳がせていた。まるで魂が抜けた人形の
ようで、これがあの溌剌とした妹かと思わざるを得ない。一体、一年の間に何があったのか。
「志乃」
薄暗い室内で声をかけると、志乃は茫洋とした表情から一転、怖いものでも目の前に現れたよう
に目玉が零れ落ちそうなほど目を見張った。
身に着けている着物こそ婚家を伺わせる金糸縫い取りの豪華なものだが、それだけに不憫さが
いや増す。
「お、にいちゃん」
「松山家で何があった、志乃」
「お願い、何も言わないで。みんなアタシが悪いの。我慢が足りなくて浅はかで何もかも投げちゃ
ったアタシが悪いの。まっつんはアタシを武家の妻としてふさわしいようにしようと…」
まるで出来の悪いからくり人形のように、以前なら決して言わなかったことをうわ言のように繰り
返す志乃は確かにどこかが壊れていた。恐らくまともな結婚生活ではなかったのだとそんなこと
でも思い知らされる。
「でも嫌だから逃げて来たんだろ」
同じことばかりを繰り返す志乃の言葉を切るようにそれだけ言うと、何かの糸がぷつりと切れたよ
うに志乃がわあっと泣き出した。
「アタシ嫌、こんなアタシは嫌ああ…」
錯乱しながらも泣き続ける志乃の背中をさすっていると、部屋の入り口で佇んでいた庵主がいざ
り寄って来た。
307傷跡 三:2007/08/06(月) 01:30:29 ID:C64R7EXF
「摂津様、御相談がございます」
「…何でしょうか」
「当方では縁切り希望の女人には尼となって頂き、三年間の修行をさせる決まりになっておりま
すが…この御様子から致しますに志乃さんはあまりにも年若く不憫に思います。どう致しましょう
か、決まりに従って髪は下ろしますか?それとも例外として摂津家預かりと処理した上でお返し
致しますか?」
この寺に例外などというものがあるとは思わなかったが、縁を切りたがる女たちの事情も様々に
ある以上、柔軟に対応することも必要なのかも知れない。
「それではお言葉に甘えまして、志乃は連れ帰ることにします。縁切りの始末の方は何卒よろし
くお願いします」
摂津の言葉に、庵主は何故かほっとしたような顔になった。
「ええ、ええ。それはもちろんきちんと切らせましょう。それが当方の役目ですから」
二人がそんな遣り取りをしている間も、志乃はずっと堰を切ったように泣き続けていた。



続く


前フリなんで、エロが入れられなかった…。
これから本番なんだが。
308名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 11:19:58 ID:kD15APRA
本番をお待ちしております。
309名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 09:35:58 ID:X45mFW3q
保守
310傷跡 四:2007/08/13(月) 21:54:07 ID:6rbo3JUL
うちの会社、夏休みが一日しかないんだ。
なのでまた途中までしか書けなかった。
頑張ってエロはちょっと入れた。


志乃の最初の夫、松山桐之進は高禄の身にも関わらず身分に拘ることのない優しい男だった。
それは人前でだけの顔で、本性は全く別だったのだが。
襖の内側、二人きりになった途端に凄まじいばかりの豹変をする性質と知ったのは不幸にも初夜
の閨だった。
和やかな雰囲気の婚礼がそろそろ終わる頃、酒の入った松山は軽やかに笑いながら手を差し伸
べてきた。
「さあ、志乃。慣れぬことばかりで疲れただろう。休むとするか」
「え…でも」
「構うことはない。頃合に引き上げるのも良かろうて」
確かに、飲める訳でもないのに既に酒宴と化している場にいつまでもいても仕方がない。そう思い
直して肩を抱かれるままに寝間に向かうまでは志乃は幸せだった。松山のような男に見初められ
たことを誇りにも思っていた。

後ろ手で寝間の襖を閉めた松山は、にやりと笑ったような気がした。
「…ふん、くだらねーな。何が婚礼だ」
頭をがりがりと掻きながら吐き捨てるように呟く口が歪む。
「志乃、お前は俺がわざわざ見初めてやったんだからな。一生感謝しろ」
これまでの気さくな物腰から一転した乱暴な態度に、最初は何を言われているのか分からず言葉
を返すことが出来なかった。そんな志乃に苛ついたのか、松山は畳に座り込んでいる志乃の髪を
掴んでぐいっと引き上げる。
「い、たっ…」
突然の仕打ちに痛みも忘れて身が竦む、心が萎縮する。
「御主人様の話ぐらいちゃんと聞け」
「ひぇ…で、もっ…」
「お前の意見なんざ聞く必要ねーんだよ!」
ばさりと投げ出された床の上で、志乃はただ子うさぎのように視線を不安げに彷徨わせては震え
ているしか出来なかった。
婚礼を済ませたこともある。身分の差もある。今更ここを逃げられないと、どんどん考えが追い詰
められていった。
311傷跡 五:2007/08/13(月) 21:55:05 ID:6rbo3JUL
「まさか逃げようなんて考えてねーよな」
「そんな…アタシそんな…」
「そうだよな、お前の兄貴はどう頑張っても一生うだつの上がらん奴だ。この上、身内のお前が浅
はかな考えから面倒を起こして、せっかくのお勤めに無用な支障なぞ来たさせたくはないよなあ、
志乃よう」
小動物を死ぬまで嬲り抜く獣のようにぎらぎらした目で、松山は志乃の着物に手をかけた。その
癖、残酷な口調はやたらと嬉しそうだ。
「ひっ…」
無意識に逃れようとするのを咎めるように、後ろから抱き寄せる腕がきつく締まる。情など欠片も
感じられない力の強さにどうすることも出来ない。
「許して、許してえっ…」
嬲るように耳を噛み、襟元を割って乳房を握りながら、囁く声はあくまでもぞっとするほど冷たい。
「勘違いをするな。『お許し下さい』と言え。ま、当然許す気もないがな」
耳を舐めるような笑いがねっとりと響く。
「やぁぁ…」
「せっかくの縁だ、仲良くしようじゃないか。志乃」
その時だけ、声はひどく優しくなった。
貧しくとも、人の悪意に晒されたことのない志乃にとっては何がどうなっているのか、一体どちらが
夫の本質なのか全く分からなくなっていた。
「じゃあ、脚を開け」
「…えっ」
「御主人様の言うことが聞けないのか、脚を開け。さっさとしないと斬り捨てるぞ」
これっぽっちも優しくない言葉が、志乃の心をざくりと刺した。少しでも逆らえば、きっとこの男はわ
ずかもためらうことなく斬るに違いない。そう思うと、ただ言うなりになるしか今の志乃には選択肢
がない。元より、松山は志乃のそういう立場を十分に分かっていたのだろう。
「早くしろ」
「…はい」
言われるまま、恐怖と羞恥を堪えて開いた脚を更に無理やり限界まで広げられて、声すらも出なく
なった。松山はそんな志乃の様子を眺めて面白そうににやにやと笑いながら、部屋の隅から何か
を取り出した。
「いいものをくれてやろうか、志乃」
志乃には分からなかったが、それは男女が戯れごとに使う張形だった。
312傷跡 六:2007/08/13(月) 21:56:24 ID:6rbo3JUL
「生娘は大して具合が良くないからな。せいぜいこれでたっぷりと慣らしてやる」
「ひゃっ…」
そこで初めて、その異物で貫かれるのだと察して恐怖が爆発した。なのに足掻くことすらも出来な
い。夫である松山の手に握られている大きなそれは、ぬらぬらと忌まわしく濡れて光っていた。恐
らくは女体に良ろしきと言われる随喜でも巻きつけてあるのだろう。
「さあ、志乃」
「いや、やだあぁ…」
「違うだろう志乃、そこは『どうぞ御存分にお楽しみ下さい、桐之進様』だ。忘れるな。さあ言え」
「ふ、ふぇ…」
床の上で脚を開いたまま、志乃はただもう訳が分からずに涙を零していた。だが、それで松山が
引き下がる筈もない。
「言え」
「ぁ、あ…ど、どうぞごぞんぶんにお、おたのしみください…きりの、しんさま」
必死になって切れ切れに言った言葉に返すように、ようやく機嫌を直したらしい松山が触りも慣ら
しもしていない女陰にぐりっと冷たい張形を押し付けた。
「う…」
「どうだ、いいだろう志乃…しばらくはこれで楽しませてやる」
巻きつけられた随喜のぬめりのせいか、誰にも触れられていない志乃のとばりは呆気なく破られ
て傍若無人なまでに突き入れられる。労わりのない行為は、切れて血の滲む内部以上に怯える
心を散々に切り裂く。
「やあぁ…痛いよおっ…」
弱い粘膜を強引に擦り上げる張形の感触はおぞましかった。何もかも忘れて泣きじゃくり、叫ぶ志
乃の耳元で、それでも残酷な声がたちまちのうちに即死させる毒のように吹き込まれた。
「お前に拒否する権利はねーよ。『これほどまでにされて嬉しく思います』と言え」
この恐ろしい夫に対して嫌だなどと、決して言えなかった。教え込まれるままに、志乃は壊れたか
らくり人形のようにぎこちなく鸚鵡返しをする。
「あぁ…うれしく、おもいますきりのしんさま…」
「そうだ、それでいい。お前はそうやって一生言うなりになってりゃいいんだ」
何でも思う存分いたぶれる玩具を手に入れた、とばかりに嬉しそうに高笑いする松山が心底恐ろ
しかった。決して逆らえないと自ら心に枷をかけてしまったことすら気付かず、ただ志乃はおぞまし
い道具に犯されるばかりだった。
しかし、志乃の本当の地獄はまだ始まったばかりだった。


続く
313名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 17:41:22 ID:yf1cTr+I
314名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 18:07:55 ID:qTpxktJF
がんばれ。続き待ってる!
315名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 19:27:36 ID:36SkNNqy
GJ!!イイヨイイヨー
自分的にはもっとヴァイオレンスでもいいw

今週の遊女シチュハァハァ
316名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 02:08:10 ID:1j5QU8Lu
>>198
どの職人かは知らないがこの作品がエロパロぽくて一番好きだ
表現力かなり高いなぁと思ったらまだ少しだけ拙い部分があったりとか

「続きます」と書いてはいるが、続きはまだなのかな・・・
317名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 08:53:31 ID:KiZbjeiQ
>>316
同意やわ
なんつーか志乃とごっちんのキャラをうまくつかめてるというか
セリフ・独白がサムライうさぎぽいというか
ごめん自分でも何言ってるかわかんないけどでも好き
職人さん見てたら続き投下おね
318名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 03:19:22 ID:PweZWizr
hosyu age
319名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 22:15:30 ID:bqZKRWOU
ほしゅ
320名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 00:32:33 ID:ECIINkbh
保守手伝い
321名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 23:20:12 ID:YYLeeV/y
癒し系のスレですね♪
322名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 23:25:11 ID:0QdUnchp
禿同。
>>310>>198の続きを待ち続けてる。
323名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 12:16:06 ID:cI9ZN50a
あの新キャラのツンデレ+幼女+男口調って
324名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 12:53:05 ID:eKLgkUIQ
10歳くらいならどうとでもできるのだが、あそこまでガチ幼女だといろいろ気が引けます、個人的にですが
325湯船:2007/09/11(火) 03:28:31 ID:mj1tmPQ9
しばらく投下されていないのでいきます。初挑戦です。

「ふー・・・・。」
 湯船に浸かりながら一日の疲れを吐き出すように伍助はため息を吐き、
今日も疲れたな、と今日の出来事を思い返した。
暖かい湯の中にいると嫌な事も忘れられる。しかし、一つだけ気にかかる
事があった。 志乃のことである。
松山の一件から以前よりも志乃と伍助の間の距離は縮まったかもしれない。
だが伍助には未だ志乃と距離を置いているような感覚があった。
一般的な夫婦とは程遠い・・・伍助がそう考える理由はやはり夫婦の契りを
交わしていないからだろうか。
 無理にそんなことを強要すれば志乃は自分を見損なってしまうかもしれな
い。それだけは嫌だった。かといってこのまま何もしなければ本当の夫婦に
はなれない・・。そんなことを考えていると、立ち込める湯気の中で伍助は
フッと寝てしまった。
「・・・・・・む」
 伍助はハッと目を醒ました。いかんいかん・・つい湯の温もりの気持ちよ
さに包まれて寝入ってしまった、と伍助が自らの頬を叩いた時だった。
 ガラリ。
 風呂場の戸が開けられた。伍助は思わず湯船の中に頭を引っ込めてしまった。
志乃が手拭い一つで風呂場に入って来たのだ。
どうして志乃が風呂に・・・?いやそれよりもこのままでは大変な事に・・・。
伍助は混乱し、焦った。しかし時既に遅し。伍助はあっけなく志乃に見つかった。
「ごっちん? 何してるの?」
 思わず体を手拭いで隠す志乃。驚いているのは志乃の方だった。
「し、し、志乃こそ・・。俺はさっきから風呂に入っていたのは知っていたであ
ろう?」 湯船から頭だけ出して伍助が言った。
「さっきってごっちん・・・。もうずうっとお風呂入ってるよ。てっきりあたし
もう上がったのかと・・。」 その時伍助は初めて気付いた。とんでもなく長く湯船に浸かり続けていたという
ことに・・・。自分の不注意で志乃に迷惑をかけた・・。そう思うと急に申し訳な
い気持ちが志乃に対してこみ上げてきた。 「すまぬ!」
 脇目もふらず伍助が風呂場から出て行こうとすると、
「あ・・待ってごっちん!」
 志乃が伍助の肩を掴んで引きとめようとした。すると、志乃はすのこの上で足が滑り、
バランスを崩してしまった。
「わ、わわ・・・」 ざぶーん。志乃はしりもちをつくことは何とか回避したが、そのまま湯船に突っ込ん
でしまった。 「志乃!」
 伍助が慌てて駆け寄った。
「だいじょーぶだよ・・・ごっちん。」
 志乃が湯船から顔を出した。伍助はホッと胸をなでおろした。しかし伍助はさっき、ま
での状況を思い出した。
「あ・・・その・・。」
 伍助が何か言い出す前にそれを志乃が制した。
「ごっちんも一緒に入ろうよ。」
「志乃!・・それは・・。」
「良いよ。体見られたって。二人で入る方があったかいよ、ね?」
 ここで出て行けば後々気まずい。伍助はそう判断した。だが・・・二人で湯船に浸かる
のもかなり気まずい・・・。
伍助はおそるおそる志乃のいる湯船に身を沈めた。伍助はガチガチどころではなかった。
そしてさっき志乃の言った事を思い返してみた。良く考えると、志乃は俺を後々気まずく
ならないよう気遣ってくれたのではないか?だから一緒に風呂に入ろうと・・。
 ますます自分の無力感と、苦労をかけていることへの責任感で伍助の頭はいっぱいにな
った。
「志乃・・・・・すまぬ・・・毎日苦労ばかりかけて・・・。」
「ごっちん、あたし気にしてないよ。当たり前のこと・・・してるだけ。」
伍助はふと左にいる志乃を見た。綺麗な肌・・・わずかに見える胸のふくらみ・・・湯に濡
れた髪・・・伍助は心から志乃を美しいと思った。伍助の一物はそれに正直に反応した。
むくむくと大きくなっていく一物。伍助はそんなところを見られてはたまらないので必死で
抑えようとした。だが、抵抗空しく伍助の一物は今や天を仰いでいる。
326湯船2:2007/09/11(火) 03:30:02 ID:mj1tmPQ9
「ねえ・・・ごっちん。」
 志乃に見えないよう一物と格闘していた伍助が慌てて答える。
「な、何だ志乃」
「あたしごっちん・・の・・」
「その・・・・何ていうのかな・・・」
「えっと・・・ね・・・その」

「ほんと・・のっ・・・ほんとのお嫁さんに・・・なりたぃな・・・なんて」

 伍助は呆然としていた。言い切った志乃は顔を赤らめている。伍助はまさか志乃がその事を
言い出すとは思わなかった。それだけに自分が今まで言い出せなかったことに情けなさを感じた。
今ここで拒めば志乃に恥をかかせることになる。そう思った伍助は志乃にこういった。

「志乃・・・すのこの上に横になってくれ」
 志乃は言われた通りに湯船から上がりすのこの上に横になった。
327湯船3:2007/09/11(火) 03:31:07 ID:mj1tmPQ9
伍助も上がってすのこの上で寝ている志乃に覆いかぶさった。
「し、志乃・・・本当に良いのか?」
 声は上ずっていた。
「うん・・・あたしの体はごっちんのだよ・・。」
 志乃の顔に恥じらいの色が浮かんだ。伍助はこうなってはもう止まらなかった。
志乃の胸に手を当て、ゆっくりと触る。少し弾力のある乳首をつまんだり、なめたりする。
「あっ・・・。」
伍助のその動きは段々と早くなった。胸だけだが、志乃はため息の様な声を漏らしている。
「はあっ・・・・・あっ・・。」
「ごっちん・・気持ちいい・・」
「志乃・・・四つんばいになってくれぬか・・」
「うん・・・わかった」
 志乃は伍助のほうにお尻を向けて四つんばいの格好になった。
「もうすこし上げて」
 見事に志乃の秘部を伍助に見えるよう晒す形になった。
「ごっちん・・これでいい?」
 志乃が不安そうに後ろを見る。
「あっ・・ふぁあん・・ごっちん・・・そんな所・・あっ・・やぁ・・。」
伍助が志乃の晒された秘部に唇を当て、舌で味わう。
「うっ・・・・あん。あああっ!」
伍助は舐めると同時、志乃の奥の土手を刺激した。
「あっあっあっはあん!」
指を使い志乃の膣を快感で満たした。
「ごっちん・・・ああっ・・・ああっ・・」
味わった事の無い快感に身をよじらせる志乃。
「志乃そろそろ良いか?」
「・・・?」
328湯船4:2007/09/11(火) 03:31:49 ID:mj1tmPQ9
「痛いと思うが、我慢してくれ・・・」
伍助は志乃を仰向けに戻すと自分の一物を志乃の秘部へあてがった。
起伏の良いお尻を掴み、一気に挿入した。
「痛いっ!!あ・・・あああッ!!!!」
志乃は挿入の痛みに涙を流していた。
「志乃・・・すまぬ・・やはりやめようか・・・。」
その時、志乃が伍助の腕を掴んだ。
「やめないで・・・あたし、ガマンする・・。」
ぐっとこらえるその表情に伍助は申し訳なくなった。しばらくすると、志乃も痛みに
慣れたようだった。
「志乃、動くぞ」
「うん・・・!」
志乃は微笑んでいた。伍助が腰を使って動く。
「んっんっんっ・・・・」
動きにあわせて志乃の喘ぎ声も早くなっていく。
「志乃!!」
「ごっちん・・・もっともっと!」
すのこが揺れる。
「志乃、いくぞ!」
伍助は精を放った・・・。
「ごっちん!ああっああっああああっ!!」


 初めての交わりの後、志乃はぐっすりと眠っていた。
伍助はその寝顔を眺めながら、「夫婦」になった喜びをかみしめていた。


終 わ り
329名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 22:28:44 ID:YCoH+xnN
gj
330名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 23:21:23 ID:mj1tmPQ9
あざっす
331名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:29:15 ID:EYkwCE+G
BJ
332名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 12:24:22 ID:J4JUpyPX
まえまえから思ってたが、摂津殿はグゥレイトゥ! とかいいそうな感じするなぁ
333名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 23:13:17 ID:0AajyEu2
世界観崩壊するけどなw
334名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 17:15:19 ID:NVlpIKPh
hosyu
335名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:51:13 ID:TBS7l1a5
>>332
借金だけは多いぜ!!
336名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 13:38:57 ID:h5hec+Lo
保守
337名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 22:28:18 ID:rGMAqxsa
子作り期待ほしゅ
338名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 16:32:34 ID:oAWaSRVY
休日に何するんだろ wktk
339共寝せむ 1:2007/09/26(水) 01:43:50 ID:SQqxFjx8
本編で夫婦仲が進展してしまわないうちに。エロはかなり薄めです。


浅い眠りの中で寝返りを打つと、ぼんやりと目が覚めた。
行燈の灯りがまだ煌々としているところをみると、まだ夜はそれほど更けてないらしい。
寝ぼけ眼をこすりながら、ふと隣の布団を見やれば、まだ起きていたらしい志乃と目が合った。
なんとなく微笑みかけると、志乃が満面の笑顔を返してくれるものだからたまらなく愛おしく
なってしまう。
なにか話しかけてみたくなったが、言葉が浮かばない。
志乃が忍び泣きをしていた頃の名残か、各々の床に就き「おやすみ」を交わした後は、
お互いに押し黙ってしまう。
そんなふうに普段は寝床で干渉し合わないものだから、見つめ合うことも初めてで、
視線の逸らし方すらわからない。
「……」
そっと、手を伸ばしてみる。
二人の布団の距離は畳一枚分。
届くわけがない。
そもそも、何ゆえ手を伸ばしたりしてしまったのか。
まァいいか…。
眠気のせいか、思考がはっきりしない。
自分の行為の意味もわからないまま、うとうとと再びまどろみそうになったとき、ふと、
指先に感触があった。
向こうから志乃も手を伸ばし、伍助の指に触ったのだった。
しめたとばかりに握り返すと、志乃の口元から欠けた歯が覗いた。
手の冷たい女子は心が温かいとはいったもので、志乃も例外ではないと伍助は心の
中でうなずいた。
とはいえ、冷え性を患うのは、家事に内職と自分のために尽くしてくれているせいだろうと
思い当たると申し訳がなく、そのささくれ立った手を労わるように撫で、指を絡めた。
そんな様子をじっと見つめる志乃が、与えられた温もりに満悦して微笑む。
繋がれた手をくいっと引き寄せると、志乃は促されるように、立ち膝のような四つんばいの
ような格好で器用に伍助の布団に滑り込んで来た。
340共寝せむ 2:2007/09/26(水) 01:44:48 ID:SQqxFjx8
「えへへへへ」
志乃が体を預けた反動で、一瞬ぽふっと膨れ上がった伍助の布団が陽だまりのにおいを
吐き出した。
きっと今日も昼間に志乃が干してくれていたのだろう。
仕事や道場で家を開けている間の、離れて過ごす志乃の様子が、こういった痕跡によって
うかがい知れることを、伍助はうれしく思った。
枕がなくては辛いだろうと差し出した腕にちょこんと頭を乗せ、左半身を下にして伍助の方を
向くように横になった志乃は、はにかんだような笑い声を上げた。
思えば、二人で一つ布団に入るなど、初めてのことである。
今まで、そうしてみたいと心密かに願いながらも実行に至れなかったのはひとえに伍助の
奥手さゆえなのだが、このときばかりは極度の眠気が照れ臭さより勝ってしまっているらしい。
こんなに近くにいて、いつもなら昂るはずの動悸も、一向にその気配がない。
そうしてる間にも、いつのまにか伍助の手のひらは志乃の太腿の上を行ったり来たりしている。
な、なにをやっているのだ…。
ふいに我に返り焦った矢先から、まァいいか…と思考を眠気に遮断され、抗う力も失せてしまう。
そうしてそのまま、うつらうつらと舟をこぎだしてしまった。

「…ごっち、んっ…ぁ…」
咎めるような志乃の声で再び意識を取り戻したとき、伍助の手は志乃の
着物の裾から中に侵入していて、直に内腿のしなやかな感触を貪っていた。
劣情を帯び出した伍助の手つきに、志乃の小さな体はぴくりと跳ねる。
「す」
すまん!…と言おうとしたが、声にならない。
手を離そうとしても、まるで金縛りにあっているように、体がいうことをきかない。
頭や手足が目覚めても、中枢神経は未だ夢の中らしい。
いかん。よせ。よすのだ、伍助。
頭の中で必死に念じてみるものの、まるで別の生きもののように通じず、まるで自分が
二人いるような感覚さえ覚える。
志乃は抵抗こそしないものの、普段は見せないような真っ赤な顔で、伍助の腕に頭を
預けたまま俯いている。
そして、やや上目遣いで伍助を見つめる瞳は、困惑の色を纏っていた。
341共寝せむ 3:2007/09/26(水) 01:46:06 ID:SQqxFjx8
無理もない。
布団に招かれた時点で淫靡な雰囲気になだれ込むという察しがついてもいいものだし、
応じた時点で了承を得たと解釈しても不思議はないのだが、閨を重ねた間柄ならいざ知らず、
伍助と志乃は、いくら夫婦とはいえ媾合ったこともなければ抱擁も口吸いもしたことのない
清い仲なのだ。
好いた相手であるからこそ、触れられるのが嫌なわけではないし、求められたら応えよう
といった心意気は持ち合わせていたのだが、ままごとみたいな結婚生活に満足していた
志乃にとって、それはもう少し先の話だと思っていた。
導かれるまま一つ床に就いた志乃の思惑は、ただ「寄り添って眠りたい」という、実に
可愛らしいものだった。

伍助とて、なにも今すぐ志乃の体を拓くつもりなど毛頭ない。
第一、こうして同じ布団の中に志乃がいるという事実すら自分で招いた実感がないのだ。
けれども、いくら白川夜船の最中の行為とはいえ、志乃の脚を妖しく撫でまわしているのは
紛れもなく伍助自身の手である。
責められたとて、なにも言い逃れはできまい。
朴念仁な表面を取っ払ってしまえば、伍助も年相応の欲望を内々に抱く健康な男子なのであろう。
否定するつもりはないが、それにしたってやはりこの状況はまずい気がした。
夫婦なのだから、志乃をどうにかする権利は確かに自分にはあるのだろうが、自分の意に
反して体が勝手に内なる望みを叶えても、精神の悦びは感じられない。
そんなのは、志乃にも申し訳がない。
志乃に触るときは、真摯な愛情を持って臨み、どんなに大切に想っているか伝えたいのだ。
今のようなまともでない状態では、卑しい情欲しか汲み取ってもらえないであろう。
己を乗っ取らんとするおどろしき睡魔に、屈してしまうわけにはいかない。
伍助は気を踏ん張り、唇に神経を集中させた。
342共寝せむ 4:2007/09/26(水) 01:47:33 ID:SQqxFjx8
「志…、…乃…」
遠ざかる意識を手繰るように繋ぎとめ、覿面な呪文を唱えるように、妻の名前を呼ぶ。
しかし、声を搾り出すことで精魂尽きてしまったのか、力の抜けたまぶたがゆっくりと降りてゆく。
もはや自分がなにをしているかすら把握できない。
じりじりと蠢く手が奥まったところへ向かっている気がする。ふわふわしたものを梳いて
いる気がする。指先がじんわり湿っている気がする。吐息の混じった、聴いたことのない声が
聴こえる気がする。けれども、なんだかもうどうでもいい。どうでもいいわけなかろう。眠い。
眠いし、どうでもいいような気がするし、眠い。
……。
怒られたら、寝相がものすごく悪かったことにしよう…
振り絞った気力で必死に言い訳を考えながら、とうとう伍助は、忍び寄る夢現への誘いに
意識を明け渡してしまった。。
志乃よ、すまぬ…。
と、最後に伍助が心の中で詫びるや否や、「えい!」と意を決したらしい志乃が、手弱かな
腕を伍助の首にまわしてきた。
「ごっちん、好きっ!!」
閉じかけた眼を丸くし、伍助は息を飲む。
そうして引き寄せられるように志乃の薄い胸元に顔を埋めた瞬間、初めて味わうその
柔らかな心地に恍惚とする間もなく、ぎゅっと眼を閉じて頬を染めながら自らの覚悟に
動揺する志乃の鼓動の熱さを零の距離で感じる間もなく、突如として、先刻までとは比べ
ものにならないほどの強烈な、泥の如き眠気にいきなり襲われ、荒波に飲み込まれるように、
唐突に、伍助は深い深い眠りの淵に堕ちた。


(終わり)
343名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 23:42:42 ID:Bv+d7HKi
初々しすぎて悶え死にそうだ!
GJ!
344名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 18:56:08 ID:0LgATDUG
独白がごっちんぽくないがまあGJ
345名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 04:06:57 ID:BpYvKd12
それはそれで
346名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 19:56:25 ID:T9IX9/72
べつにギッコンバッタンがなくても
伍助の布団が陽だまりのにおいを 
のくだりだけでじゅうぶん官能的。
GJ!ぜひさらなる続きを!!
347339:2007/10/15(月) 01:04:28 ID:1AQzhOAO
エロ要素を含んだSSを書くのは初めてだったのですが、思いのほか反応頂けて有難いです。
連投で失礼致しますが、続きを書いてみました。自慰ネタです。
348共寝せむ 5:2007/10/15(月) 01:05:41 ID:1AQzhOAO
「…ごっちん?」
全てを捧げる決心をして身を寄せたものの、次の一手がなかなか降りてこないことに
業を煮やした志乃は、恐る恐る硬く閉じていた目を開いた。
「ぐーぐー…」
志乃の腕の中で、伍助は涎を垂らしながら規則正しい寝息を立てている。
「もしかして、寝ちゃってるの…?」
返事の代わりに、気持ちの良さそうないびきが返ってきた。
志乃は唖然とした。
「ごっちんのばかー!」
散々に翻弄された末、すっかりその気になったところで、まさか放置されようとは。
あまりの仕打ちに呆気に取られないでもなかったが、子供のような伍助の寝顔を
見ていると「続きしよー!!」などと起こす気にもなれない。
何事も無かったように寝入る伍助の姿に、内心ほっとしているのも事実だった。
なるようになれとは思いながらも、やはり初めてのことを致すのに、付け焼刃の覚悟では
心許なかった。
それにしても、と志乃は溜息を吐いた。
「…なんでこんな間合いで寝れるかなー?」
伍助の不器用さは自他共に認められているらしいが、こうまでくると逆に器用なのではないか。
或いは、もしかしたら最初から寝ていたのかもしれない。
思えば、表情は虚ろだったし、目が開いていても焦点が合っていなかった。
媾合を迫っているにしては興奮している様子もなく、要するに寝惚けていたのだろう。
そう考えれば、らしくない行動も合点がいく。
349共寝せむ 6:2007/10/15(月) 01:06:47 ID:1AQzhOAO

「おやすみ、ごっちん」
傍らの夫に倣い、自らも眠りに就こうとするものの、一度意識してしまった体がどうにも
疼いて仕方ない。
やけに落ち着かないと思ったら、脚の間に伍助の手を挟んだままなことに気がついた。
なにしろ今しがたまで志乃を弄っていた手なのだから、とんだ置き土産である。
こんな不自然な状態では眠れそうにない。
「んっ」
もぞもぞと脚を動かして、伍助の手を押し出そうと試みる。
しかし、纏わり付く着物や夜着の重みに妨げられ、なかなか思うようにいかない。
思い切って大胆に脚を摩り、腰を揺すってみれば、伍助の指先がほとを掠めた。
「ひゃぁっ…」
想定外の、えもいわれぬ感覚に身をよじらせる。
撫で上げるような柔らかな刺激だが、先程の愛撫で解けていた体には覿面だった。
思わず酔い痴れそうになったところで、志乃は邪念を払うように首を振る。
作業、作業と自分に言い聞かせ、意識では離そうとしながら、昂り始めている体が、
夫の手を感じる部分へと自ら導いていることに、まだ志乃は気づいていない。
次第に火照りだした肌に絡む無骨な男の指と、そこから続く目の前のあどけない寝顔とが
頭の中で繋がらず、軽い混乱に陥り瞳を閉じれば、視覚を失ったことにより敏感になった
触覚が、これは先刻の続きなのだと錯覚させる。
行燈の灯りが消え、あたりが薄闇に包まれたことを目蓋の裏で感じると、自分の輪郭も夜に
溶けてゆくようで、零れた声は現実感をなくしたまま宙へ揺蕩う。
快感に身を委ねながらいつしか志乃は、伍助に優しく掻き抱かれる幻の中にいた。
虚構じみた認識の狭間で、奥で生じた熱だけが意味を伴って存在している気がした。
かたちは自分のそれとたいして変わらないのに、質感は凡そ似つかない厚く暖かい指の腹で
触れたことのない蕾を探り当てたとき、律動しているのは自分の方なのだとようやく理解する。
僅かに羞恥を覚えるも、すぐさま訪れた悦楽に押し流されてしまう。
そうして当初の目的も忘れ果てた頃、一際大きな波が押し寄せるのを感じた。
「欲しい」と訴えるように、体全体が喘いでいる。
堪らず志乃は伍助の腕を掴み、強く擦りつけながら引き上げた。
「〜〜〜〜〜!!」
甘い痺れの中で、志乃は、真っ白な光が、全身に駆け巡るのを、見た。

……。
頭が、ぼーっとする。
甘美な余韻と、泳いだ後にも似た疲労感が落ち着いたところで、朧に瞬きをすれば、
なにも知らずに眠りこける伍助の姿が目に入った。
伍助は、解放された手で首筋の辺りを掻き、ごちゃごちゃと言葉にならない寝言を
零しながら寝返りを打っている。
志乃は急速に夢心地から醒め、自分の行為に後ろめたさを感じた。
腰巻の淫らな湿りが温度を失い、志乃の尻をひんやりさせた。
350共寝せむ 7:2007/10/15(月) 01:10:04 ID:1AQzhOAO

翌日、まるでいつもどおりの朝が訪れた。
志乃の方が先に起きて家事なり道場の掃除なりに取り掛かるので、目覚めを同じ布団で
迎えることもなかった。
起こしに行った際、どこか伍助の態度がぎこちない気もしたが、元から伍助はそんな感じだと
思えなくもない。
昨夜の一件には触れない方がいいのだろうかとも思ったが、あまり有耶無耶にするのも
居心地が悪く、それとなく確認してみることにした。
「ごっちん、夕べのことなんだけど…」
どう切り出したらいいかわからず、朝食に手を掛けながら、志乃は探りを入れてみる。
「や、やはり何かあったのだな!?」
「『やはり』って…」
「い、いや、実は何も覚えがないのだが…。ただ、どうにも今朝は」
伍助は眉をしかめて、言い難そうに言葉を濁す。
その頬は心なしか赤らんでいるようにも見えた。
「夢見が悪かった。というか、良かった、というか…」
「どんな夢?」
「それがよく覚えておらぬのだ…」
夕べ自分のしたことを夢だと思っているのか、それとも全く別の話として他に夢を見たのか、
曖昧すぎて言っていることがよくわからなかったが、何も覚えていないなら、わざわざ
鮮明に説明することでもあるまい、と志乃は思った。
「なんにもないよ!!ご飯食べよ!!」
「そ、そうか」
伍助はどこか納得してなさげではあったが、安堵の表情を浮かべながら味噌汁を啜った。

伍助を仕事に送り出してから、志乃は庭にたらいを引っ張り出し、水を張る。
いつもより洗濯物が少ない気もしたが、さして気にも止めずにしゃがみ込み、まずは
汚れた腰巻に手を掛ける。
いつもより念入りに洗いながら、昨夜の感覚を思い出しそうになり、かき消すように慌てて
冷たい水を跳ねさせた。
秋晴れの空はからっとして気持ち良く、正に洗濯日和だった。
日差しの眩しさに目を細めながら、ちらちらと影が行き過ぎるのを感じ、顔を上げる。
抜けるような青空を仰げば、物干しの上で、これまた念入りに洗われたらしい真っ白な
一枚の褌が、ひらひらと微風にはためいているのが見えた。


(終わり)

351名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 19:34:34 ID:jdSzXOun
やった!続きがあがってる!

349のラスト一行のように、Gの行為そのものよりもそれが終わったあとの
温度と湿り気の描写が非常に官能的で、股間以上にハートがじんじん
うずく感じです(あと腰巻き姿で丸出しのお尻というのがめちゃキュート♪)。
Thx & Vgj です!!

…失礼ですが、もしかしてプロ(作家、シナリオライターetc)の方でしょうか?
352339:2007/10/17(水) 21:05:08 ID:cSJz0H3v
丸わかりだとは思うのですが、ぼかした表現ではっきり書いてなかったので、念のため追記。
ごっちんが自分でふんどし洗ってた、っていうオチでした。

>>351
めっそうもない。素人です。
353名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 15:48:09 ID:OPNATr2I
コミックスのおまけ良いね・・・あったかい感じがする
354名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 19:55:29 ID:9CQJPQsr
キテレツのなか…あったかいナリィ
355名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 19:09:29 ID:s8N2MV5S
aga-re
356名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 02:14:02 ID:ZrV6Doe3
うわぁ、パソコンの中・・・バイナリ
357名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 19:23:55 ID:FGgZAiob
>>352
てっきり本職の方だとばかり…。失礼いたしました。
こういうロマンティックな官能小説、プロで書ける人
いないものですかねぇ…。
(志乃が、衣服・枕に残った夫の体臭にうっとりと我を忘れ
Gにふけっているところを、早じまいで帰ってきた伍助に
見られてしまいw etc…シチュは私でも思いつくんですが、
ここまで繊細な描写となると…脱帽です。)
次回作、お待ちしております。


ttp://www.eonet.ne.jp/~macoto05/
2巻の作者近影に多数ファンレター(イラストと筆跡からして
女性が多いと思われる)が紹介されていましたが、あの二人に
ニコニコだけでなく、モンモンwさせられるのは、どうも
男だけではなさそうですね。(人気よ、もっとあがれ!)
358名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 21:40:30 ID:FWgPFGTP
>>357
知らずにやっちまったんだろうが2chに個人サイトは貼らない方がいいぞ
荒らしが集まる可能性もあるし管理人の中には嫌がる人もいるからな
359名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 18:57:29 ID:OEfwlTRc
>>358
ご忠告、どうもありがとうございます。
以後気をつけます。
360名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 18:46:04 ID:qbGatbmi
ぶもー…
(ここんところ、書き込みがないのがさみしい…)
361名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 19:17:16 ID:g/gLRg+q
>>360
まあまあwktkしながら明日を待とうぜ。
362名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 00:52:30 ID:gCqChBAC
今週の展開ヤバス
363けい:2007/10/31(水) 00:29:07 ID:05X0hyjr
このスレを見て、@〜A巻買っちゃいました!!
364名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:46:40 ID:6FCY3DIT
age
365名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:36:07 ID:toh4dqyP
AGE
366名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:38:28 ID:y1Qud1DY
ここの神々に、今週の展開で月見に兄貴が乱入しなかったら?なネタをリクしてもよろしいだろうか…?
367名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:29:38 ID:uEWIRjer
ごっちん萌え♪
368名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 18:44:40 ID:8onPKYOq
>>366
ごっちんのことだから、「口吸い」のあと、鼻血を
志乃に顔射して気絶してしまいそうな感じw
369名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:30:08 ID:qTLUQON0
それはそれでイイ流れw
370名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:37:00 ID:JQpOIy/C
ガンシャ言うなwwww
371名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:47:54 ID:UoA42wBj
中々布団がぴったりとくっつかないことに業を煮やした志乃がごっちんの布団に寝ぼけた振りして入り込む
とか言うシチュを考えたりしたんだけど、案外恥じらいがあったりする志乃がそういうことはしないかなあと思ったりもして
372月と距離:2007/11/12(月) 22:05:41 ID:6Ws4k913
宇田川夫妻の月見の話です。


触れる、というよりはあまりにも深い接触だった。
縁側に置いた湯呑みに枯れ葉が落ち、まだろくに手も付けていない茶が波紋を描きながら
ゆるやかに冷めていったが、対して伍助の体は湯上りみたいに急速に上気していく。
静かな月夜だというのに、祭囃子のような心臓の音がやかましい。
ふと、果たしてこれはどちらの心音だろうと思い、なんとなく逸らしていた視線を正せば、
向かい合う妻の顔が一瞬、姿見に映った自分かと錯覚させられた。
真っ直ぐに見つめ合う志乃の頬は、結合に昂ぶる伍助の熱さを反射させたように紅く染まっている。
切なげに歪む眉、あどけなく結ばれた唇、色づいた肌はうっすら汗ばみ、剥き出しの額に
結わえた前髪のおくれ毛が幾本か貼り付いている様は、そこはかとなく艶めかしい。
志乃のこんな表情を、伍助は初めて見た。
結婚してから半年以上が過ぎて、笑い顔や泣き顔、困った顔、笑いながらの怒り顔、
様々な志乃を知ったつもりでいたが、目の前の顔は今までになく、女であった。
そうして伍助は、これまで用いてきた「妻」だの「夫」だのという言葉が、「父」や「母」、「兄」
といった認識の延長上にあったことを、今更のように自覚した。
仕方のないことにも思える。
出会ったときから、女だなどと意識する前から、志乃は妻の顔をして現れたのだ。
末永く仲睦まじく暮らしたい、という気持ちは当初から変わらぬままだが、その意味合いの
内なる変化に気づいたのも最近のこと。
今、こうして肌を合わせることに悦びを感じるのも、成り行きとはいえ夫婦と相成った妻だから
ではなく、志乃だから、なのだろう。
あふれそうな想いを伝える言葉が見つからず、代わりに力を込めれば、繋がっている部分が
水気を増した。
「…ふ……」
志乃が吐息を漏らす。
痛かったのかもしれぬ、と体の結び目を解こうとした伍助を、志乃が小さく首を振って制した。
いつもは饒舌で天真爛漫な志乃が垣間見せた、いじらしい意外な一面に、伍助の胸は高鳴る。
そして、この熱を欲しているのは自分だけではないのだという確信が、愛おしさを更に募らせた。
鼓動が重なり、体温が溶け合い、心までもが境界を無くしているというのに、自分達を唯一
隔てる体の輪郭がもどかしくて堪らない。
けれども、ちらりと横目を振れば、生成り色の障子を彩る二人の影が、まるで一つの
生きものにしか見えず、思わず伍助は赤面した。

ようやく一歩踏み出した若い夫婦を、月明かりが優しく照らしている。
きっと、そう遠くない未来、この先にある濃密で激しくも甘い愛のかたちを知る。
そんな予感を孕みながら、人一人分の間隔を空けて腰掛ける二人は、その距離を縮めようとも
せず、今はただ握り合った手のひらから互いの存在を感じるだけで、充分に幸福だった。


(終)
373名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 22:06:23 ID:6Ws4k913
摂津殿が落ちてくる直前ぐらいのイメージで。
結局、手しか繋がってないので絵的には全然エロくないのですが、ねっとり描写を目指してみました。
374名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 22:37:12 ID:md1W1eY3
ラスト4行までキスシーンかと思ってたじゃねーかよバカヤロウwwwww
手繋ぐだけでここまでエロいって何事だ?いやGJ!!
375名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 01:37:07 ID:6M8o8eLY
兄貴×薄雲が待ち遠しい
376名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 21:45:14 ID:tnG7ziRx
>>372
おべぶ!
私もいっちょ挑戦してやろうと、下書き段階まではいくのですが
才能ナシ、根ナシでとてもここまでの作品には仕上がらず、
嫉妬するのみですorz
でも、いつかなんとかしてやるーッということで…
今回もまたVGJでした!毎度のことながら多謝!

377名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 23:01:02 ID:s6oVpMkY
「いッ……痛い! 痛いよごっちん! 痛いってばぁ! 抜いてぇっ!」
「すまん志乃……! だが、この痛みに耐え切れば俺たちは晴れて」
「抜けッつッてんだろこのデコ助がァッ!!」
378混線:2007/11/18(日) 12:54:01 ID:AMWykHJu
これまでの姉弟の一線を越えて、いまこそ男女の関係を結ぶべく
意を決して妙の寝室に忍び寄り、その傍らに寄り添う新八。
「姉上って…意外と小さかったんだ…」月明かりもない一面の暗闇。
そっと寝間着に手を差し入れ、幼子のように乳房を求める。
なめらかな丘の感触に、胸が張り裂ける。指先が頂上の突起に触れたとき
その瞬間を待ちこがれていたかのように「ごっちん!」と叫んで寝返りを打ち
唇に吸い付いてくる志乃。

「???」

同刻、今日こそ真の夫婦の契りを結ぶべく、奔馬のように猛る心臓と股間に
あえぎながら寝室にのぞむ若武者伍助−>>377に続く−
379名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 19:12:18 ID:w3eSmsmO
銀魂?
380名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 12:42:01 ID:tmQLYRSF
前半銀魂…?
381名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 19:39:22 ID:MoBEZ+Fp
「このデコ助がァッ!!」 という言葉遣いから「銀魂」の
お妙さんを想像して

新八→妙 
伍助→志乃

それぞれの寝室に向かうはずが、ジャンプ内で混線してしまって
互い違いの部屋に(真っ暗闇で区別が付かず)入ってしまった…
というオチなんですが(苦笑)うーん、やっぱり上手くいかんわ。

というわけで、再降臨、お待ちしております!
382名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 21:08:46 ID:41PKyT0k
スレ違い。そういうのはこっちでやれよ。

ジャンプ系キャラ混合エロパロスレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171303045/l50
383名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 21:15:01 ID:TZZD2RgR
薄雲の少女時代かわええ
384名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 00:07:21 ID:CqcQb/e2
薄雲の水揚げネタでハァハァしようと思ったのに
妄想始めた段階で鬱になった…orz
385名無しさん@ピンキー:2007/11/29(木) 05:14:51 ID:Pn//yqmC
薄雲の初めては兄貴だったらいい
386名無しさん@ピンキー:2007/11/29(木) 20:33:54 ID:vzrucJeI
薄雲の初めては客
兄貴の初めては薄雲
そんなモヤモヤする展開がいい
387名無しさん@ピンキー:2007/11/29(木) 21:00:10 ID:1T5pzTs3
でも意外と薄雲本人はカラッとしてそうだw
「できればあんたがよかったけど、こればっかしはしょーがないもんね」
みたいに密かに想ってるくらいで。

実際あの時代の未婚女性の貞操観念って
あって無きが如しだったみたいだしな。
388名無しさん@ピンキー:2007/11/29(木) 21:49:02 ID:MwoIpawp
武家の女は襲われそうになったとき自害するために懐剣なんてのを持たされていたらしいから、
身分によって貞操観念は違うのかも。
389名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 00:23:54 ID:rEy4A0x4
武家の女は堅いんじゃなかったっけ?
390名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 00:44:53 ID:rEy4A0x4
でも、薄雲が売られたのって16〜17くらいだろうからその前に手を出してる可能性もあるかもな
391名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 21:36:50 ID:vroa1K4R
固いのは身分もあるだろうが結婚後では
392名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 22:25:02 ID:rEy4A0x4
武士は結婚前に素人に手を出したのがバレたら罪に問われるんじゃなかったっけ?
武家の娘は武家と結婚するんだから、結婚するまで処女なんじゃないの?
393名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 23:36:37 ID:lIJ2ZKi2
初投稿なのでおおめに見てやってください(^^;)
394求める者達:2007/12/01(土) 23:38:23 ID:lIJ2ZKi2
「ごっちん!!」
「む、何だ志乃?」
「あのねー」
昼飯前、小腹を空かした伍助に愛くるしい妻が寄り添う。

「口吸いってどうしてするのかなー?」
「な…!?」
薮から棒な志乃の質問に慌てふためく伍助。
「それはだな…つ…つまり…」
考えた事は無いことはないが、やはり口に出すのは恥ずかしい。

「…つ…つまり、愛し合う者が愛する故、それを確かめるというか…」
「ふぅーん」

しどろもどろになっている伍助。そんな彼をじッと見つめる志乃。伍助は次に何を発すれば分からず、沈黙が続いた。


「あ…志乃ッ…」

「えへへ、あたしお昼ごはんつくってくるから!!今日はアサリが安かったよ!!」
沈黙を断ち切るかのように志乃はふすまをシャッと閉め、台所へドタドタ走っていった。


「…ッ!!」

何故いきなり志乃がそんな事を聞くか。きっと志乃は求めていたのではないか?
志乃がオレに踏みいってくれたのに、機会を逃した自分の頼りなさでいっぱいだ。どうしてオレは遠慮してしまうのだ?夫婦なのにまだ溝があるではないか。まったく情けない。
395名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 18:44:35 ID:fn+Kspjf
ほほう、それでそれで?
396名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 19:08:06 ID:/eMsSh2i
がんばれごっちんw
ということで続き期待!!
397求める者達A:2007/12/03(月) 02:01:43 ID:HQeMYI2S
「くそっ」


昼飯ができるまで時間はある。伍助は気を紛らすために庭で竹刀の素振りを始めた。

しかし、さっきの志乃の事もあってか、竹刀を握る手にうまく力が入らない。そう言えば台所へ向かう志乃は悲しそうだったな。
ふと気付くと伍助は竹刀を振る手を完全に止め、志乃の事を思い浮かべていた。

「志乃の唇はどんな味がするのだろう…?」

ポツリと呟く。
もっと志乃の体に触れたい。…何を考えているのだオレは!?そんな卑しい事を想像していたら志乃に嫌われるかもしれないのに!!
いかんいかん、と首を振り竹刀を握り、前を睨む。しかし握った竹刀をふれなかった。

「愛し合う者達が愛する故…」

自分でそう言ったか…何をためらっているのだ伍助…!そもそも夫婦間では口吸いなどごく自然な事だ。しかしやはり志乃に嫌な風に感じられたくない。だからもし
「ごっちんのスケベ!!」
なんて言われたらおしまいだ。だがやってみなくてはどうなるか判らない。ねぼけていたなんて誤魔化せるはずはない。オレがスケベで志乃と口吸いしたかったとしか言い様がない。とにかく、頑張るのだ、伍助!!
オレは台所の障子をそっとあけた。
398名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 18:11:48 ID:T/IujcK5
前髪下ろした扉絵見て脂肪しました
399名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 23:08:05 ID:7QjWVvnp
もう!早く続きを書きなさいよ!馬鹿!
400名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 14:49:48 ID:UPNXMBfg
age
401B:2007/12/05(水) 15:43:06 ID:G74bQUWv
「あっ、ごっちん!ご飯もうすぐできるからね!!アサリのお味噌汁だよ!!」

志乃はオレを見るといつもの笑顔で味噌汁をかき混ぜながらそう言った。

「志乃…さっきの話だが…」

「ごめんね!アタシ変なこと聞いちゃったね!」

「いや…構わぬのだが…」

「どうしたの?」

味噌汁をかき混ぜる手を止める志乃。ゴクリと唾をのみ出来るだけ真面目な顔になる様努めた。

「…オレはお主の事を愛しておる。」

「うン…」

「だからオレと志乃は…た…口吸いしてもよいかと」

「うん…アタシもごっちんの事、大好きだよ!」

「!?…で…では」

「いいよ、しても早く!」

そう言って妻は此方に顔を近付け目をつむった。その頬の赤さよりも自分の顔がほてり、赤くなっていることを感じながら、妻に手を触れようとする伍助。しかしその手は震えて止まらない。

(何処に手を置けば良いのだ…?)

どうしたらいいのか伍助にはわからず、ただ時間だけが刻々と過ぎてゆく。志乃の柔らかな唇をみたり、どうしたらいいのか悩んだりしている伍助に気が付いたのか、自分がこれ以上待ちきれないのかは知らないが、志乃はいきなりつむっていた目を開いた。
402C:2007/12/05(水) 15:45:45 ID:G74bQUWv
「もう!ごっちんのバカぁ!お味噌汁が煮えちゃう…」

…ぎゅッ!!

「え…ちょッ…」

いきなり志乃が手首を掴むものだから、伍助の心臓は跳ねる様に脈打っている。

「んッ…!!」

「ん…」

あまりにもいきなり過ぎたので反射的に目を閉じてしまった。そっと目を開けるとそこには志乃の顔しか見えない程志乃と接近していた。唇から伝わる柔らかい感触。それは確実に伍助の興奮を誘っていた


「…かはッ」
「…う…む…む」

息をするのを忘れたようで息を大きく吸う志乃。

「ごっちん、ご飯持って来るから部屋で待っててね!」

伍助はまだ唇に水気が残ったまま、言われるがままに部屋で志乃を待っていた。

志乃は二つのお盆を置いてふぅ、と軽いため息をついた。

「じゃあ、食べよっか!!」

口吸いしたせいか志乃の唇はほんのり色付いていた。…志乃…本当に…

「…済まぬ、お主を抱きたい。」

「…へ?」

躊躇する前に伍助は畳に志乃を倒した。

==============

どうなる志乃!
夫婦間の行方は?
待て!次号!
(
403名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 19:30:09 ID:OocKLlAp
>>402
初々しい口吸い描写と積極的な志乃が原作っぽくてモエス!!
全裸で待機してるので、俺が風邪引かないうちに続きを頼む。
あとsageてくれ。
404名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 01:00:28 ID:+Hecx2Fr
すいません、寿司食いにいってました…
sageとは?
405名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 14:51:56 ID:v5Sq5Y2a
半年ROMれと言うべきなんだろうが、作品に免じて教えてやろう。
メール欄にアルファベット半角小文字でsageと入力すると、スレッドが無用に上の方に来るのを防げる。
スレッドが上に行かないようにメール欄にsageと入力してから書き込みする事を「sageる」という。
(ちなみにsageたからといってスレッドが下の方に下がるわけではない。上がらなくなるだけ)

今はあまり酷くないけど、それでもスレッドが上の方に来てると業者の広告書き込みや
荒らしに目を付けられる対象になりやすいんで、用心のために、無用にスレッドを上げない方がいい。
そのためのsageだ。
勿論そうしなきゃいけない義務はないけど、sageたほうが住人の心象は良くなると思う。
406名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:33:58 ID:i7QgU20/
405の溢れんばかりの優しさに全米が泣いた。
でもあんまり甘やかすのも良くないと思うぜ。
407D:2007/12/07(金) 18:20:59 ID:ZpUnW0EQ
バサッ!!

「あッ…ごっちん!?」
「志乃…すまぬ」

伍助が倒れた志乃に覆い被さろうとした時、志乃は丸い目を潤ましたので、一瞬その真面目な性格故に、罪悪感を覚えたものの、伍助にはもう止められない。
志乃の着物の襟をぐいと掴み、胸をはだけさせた。透き通るような白い肌の山なりを伍助の欲のままに揉みしだく。

「いやぁ…ッ…そんなことしちゃ…」

自分の胸を触られるなどいままで無かったもので、志乃はこの感覚を素直に受けとめれなかった。しかし、呼吸は荒く、時折漏れる声は甘く部屋に響いた。
伍助は堪えきれずに志乃の股に手を入れようとすると志乃の両手でそれを阻止された。

「ダメ…なんだよぉ?こんなコト…」

「構わぬ、オレ達は夫婦なのだ!」

「夫婦ならこんな恥ずかしいコト、してもいいの?」

「恥ずべき事は無い!オレはお主を…愛しておるのだ…」

「でも…なんか、怖いよぅ」

それだけ言い、志乃は両手を離した。着物の帯を外し、志乃を全裸にした。伍助は志乃を抱き寄せ、膣に指をまわす。

「…あぁッ」

抱きついて声を漏らす志乃。その花弁にはとろりと蜜がまとわりついた。伍助は袴を脱ぎ、伍助の一物は天を仰ぐ程血の気を纏っていた。それを志乃の秘部に当てた。

「入れるぞ…」

408E:2007/12/07(金) 18:23:48 ID:ZpUnW0EQ
志乃は何も言わずにコクリと頷いた。しかし目を潤ましていた。

(出来るだけ…志乃を痛くさせないように…ゆっくりと…)

興奮の中、伍助の心の片隅にそう思っていた。まさにゆっくりだが、思ったよりも志乃は痛くないようだ。伍助の一物が志乃に殆んど入り、その蜜で濡れた時、背中が熱くなった。

「あ…」

「う…動くぞ…」

そう言って伍助は腰を動かし始めた。
はじめは締められてそれこそ気持ちいいとは思えなかったものの、徐々に緊張が解ける様に、快感を味わえた。段々と早くなるにつれ、志乃の声が艶てくる。

「はぁ…あぁ……んッ…」

その声が誘ったのか、伍助は志乃の中に精を放った。

「う…志乃…」

志乃は肩で息をしていた。その顔に僅かに笑みが見えた。
「ごっちんのせいでお味噌汁冷めちゃたね…。」

まだ息が荒い志乃に伍助は戸惑った。

「…すまぬ、冷めた味噌汁はオレが食べよう。」

「いーよ!だってお腹減ったし、アタシも食べる!!」

そう言った志乃にはいつもの笑顔で着物を着なおした事、それは心配症の伍助を安心させた。
「このお味噌汁変な味がするねー?」

煮えて、冷めた味噌汁はとても美味しいとは言えなかった。しかしそんなに悪い味はしない。

「ごっちん、今の…明日も明後日もしようね!」

いきなりそんな事を言われたので、志乃の顔に味噌汁を噴射した伍助だった。

(終)
409名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 23:34:42 ID:mz+r2JQL
sage乙&味噌汁噴射、原作絵で想像しちまったよwGJ!!
欲を言うなら本番シーンの描写がもう少し欲しいとこだけど
キャラのやり取りが微笑ましくてニヤニヤした。
志乃の最後の台詞は反則だw

煮えたしじみ汁はマズイよなw冷えたやつは冷や飯にかけると結構旨いんだけど。
410名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 02:18:40 ID:PQqwqumi
摂津さん×薄雲
薄雲の本名これで合ってるか不安・・・



夕方の待ち合わせは、いつも花街の片隅の人気が無い場所だった。
「お待たせ!」
「おう。」
幼馴染のキヨが吉原に入れられてから、2年程が経過していた。
この頃キヨは、遊女の一歩手前の「引込」となってから、
琴や唄などの習い事に出るようになり、着物もきれいな物を着ていた。
彼女の目指す「最高位の遊女」への道を順調に歩んでいた。
その稽古の帰りにこっそり会っては、お互いの近況を語ったり、
他愛も無い話をしたりするのが、俺たちの習慣となっていた。
「やっぱ遊女の趣味ってぇのは、琴や三味線ばっかりか?
お手玉とかはもうしねぇの?」
「ん〜・・・そりゃぁ琴なんかが主だけど、
アタシは今もお手玉はするわよ?ほら。」
そう言って巾着からお手玉を二つ取り出して、
ひょいひょいと得意げに投げて見せた。
膨らんできた胸元や、丸みを帯びてきた身体、
柔らかなしぐさは大人の女がにおい始めてきている。
でもその上にちょんと乗っている顔はまだまだ幼い少女の物だ。
(やっぱまだまだガキだよな)
俺はいつしかキヨの手の上を跳ね回る二つの玉よりも、
その無邪気な横顔を見つめていた。
「ねぇ、ちゃんと見てんの?」
キヨがふくれっつらをしてこっちをにらんだ。
玉はいつの間にか四つに増えていた。
日は沈み始めて、辺りは薄暗くなってきた。
「お前、そろそろ店に帰らねぇとやばいぞ。
ほら、送ってやるから。・・・キヨ?」
「・・・・」
キヨは下を向いたまま動かなかった。
あまり店に戻るのが遅くなると、ひどい仕置きが待っているから、
いつも夕日が沈むまでにキヨを送って帰るのだが、今日は違った。
テコでも帰りたくないようだ。
「・・・もう、その名前で呼んじゃだめ。」
「え?」
「あたし、もうすぐ客取らないといけないの。」
411名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 02:20:08 ID:PQqwqumi
・・・頭を後ろから何かで殴られたような気分だった。
覚悟はしていたつもりだったが、まだまだ先のことだと思っていたこし、
なるべく考えないようにしていた。
いや、小さい頃から知っているやつが、
男に身体を開く姿なんて考えたくも無かった。
俺はどう反応すれば良いのか分からなかった。
「最高位の遊女」にまた一歩近づいたな、と喜んで見せるべき
かもしれないが、今のキヨの表情を見て言える台詞ではない。
かと言って、動揺するのもおかしい(もう充分動揺しているが)。
俺たちはお互いに恋い慕う関係ではないのだ。
すくなくともキヨはそうだろう・・・。
俺が言葉を探してもたもたしている内に、先にキヨが言った。
「もうこうして普通にあんたに会えなくなるの。」
もう会えない。次に会うときがあるとすれば、
その時は俺は客で、こいつは遊女なのだ。
「・・・ごめん、もう帰らないとね。」
キヨが帰ろうと歩を進めようとしたそのとき、
「キヨ!!」
俺はとっさにキヨの腕をつかんで、身体を近くの壁に押さえ付けた。
「ま、正雪!?やっ・・・」
切れ長の潤んだ瞳が脅えた目でこちらを見上げていたが、もう止まらなかった。
片手で細い両腕をキヨの頭上で押さえつけ、もう片方の手で襟を無理やり開くと、
白くて細い首、薄い肩がむき出しになった。
「見ないで・・・」
拒みつつ恥らう顔も含めて、俺の見たことの無い姿だった。
412名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 02:21:53 ID:PQqwqumi
「もっと見てえ・・・」
そう低くキヨの耳元で囁やくと、「はぁ・・・」と、キヨはとろりとした息を吐いた。女は耳からでも感じるらしい。俺の声に感じてくれたのだろうか。
更に襟を開くと、その華奢な身体には不釣合いなほど豊満な乳房があらわになった。ゆれる二つの白い房は、着物から解放されて、帯の上から溢れていた。
俺は片方の乳房を撫で回し、もう片方には吸い付いた。初めて触った女子の胸は、思った以上にやわらかくて、でも冷たかった。
「は・・・ぁ、あぁっ・・ん・・」
頭上からキヨの喘ぎ声と暖かい吐息がかかる。初めて味わう感触に、
初めて目にする幼馴染の身体と、初めて耳にする声。
それら全てが頭を駆け巡って、おかしくなりそうだった。
自分のこの乱暴な行動が、恋慕の情から来ているのか、
それともただの欲望からなのか、もう分からなかった。
仮に恋だったとして、その感情はいつから生じていたのだろう。
ただ確かなのは、俺はこの身体が他の見知らぬ男たちに抱かれることが
たまらなく嫌だ、ということだった。
413名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 02:23:47 ID:PQqwqumi
「あ・・・、正、雪・・・ッ」
胸を揉みしだいていた手は、下半身に伸びていた。
両太ももの間ではとろとろとした汁が溢れており、割れ目に指を触れると、
吸い込まれるようにキヨの身体の内側に入っていった。
キヨの中は乳房よりも柔らかく、熱かった。
かき回すと、キヨの喘ぎはさらに激しくなった。
更にかき回すと、きゅうぅっと締め付けられた。
「ん、ああっあっ・・・!」
絶頂を迎えたキヨの身体は倒れんばかりに激しくのけぞったため、
俺は慌てて背中に手を回して、抱きしめるようなかたちで身体を支えた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
俺の腕の中で、細い身体は息を切らしていた。切なそうに俺を見つめている。
それでもかまわず、俺は硬くなった自分の物を取り出して、
キヨの身体の入り口にあてがった。が、拒まれた。
「それだけは・・・だめ。」
身体が俺から離れた。
「あたしの突き出しの客は、もう決まっているの・・・。」
キヨを初めて抱く客はもう決まっているらしい。
今ここで俺の身体が入り込んだら、初めてでないことがきっと一発でばれる。
俺のせいでキヨの「夢」の第一歩を潰してしまう。
「・・・ごめんな。いきなりこんなこと・・・」
俺はやっと正気にもどった。と同時に、恥ずかしさと罪悪感が一気にこみあげた。
だめだ。戻ろう。いつものへらへらした俺に。
414名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 02:25:01 ID:PQqwqumi
「すっかり暗くなっちまったな。ごめん、もう帰ろ・・・ぅあっ」
キヨがいきなり俺の物をくわえた。
さっき正気に戻って萎えていたはずが、みるみるうちに蘇えっていった。
先を柔らかい舌でちろちろと舐められたかと思ったら、
次の瞬間、根元から吸われたり、ものすごい速さで
キヨの口の中を出たり入ったりした。
「こ、こんなことまで・・・仕込まれてんの・・か?」
「・・・本当にするのは・・・あんたが初めてよ」
自分の意思とは関係なく押し寄せてくる快感が、たまらなかった。
キヨの舐める速さは加速した。
「く・・・はっ・・・だめだ、それ以上やったら・・・あ・・・」
頭の中が真っ白になった。下を見ると、俺の精をキヨの口が受け止めていた。

415名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 02:26:58 ID:PQqwqumi

二人とも着物を直すと、直ぐにキヨの店に向かった。
「裏口から入って、お湯屋に行ってたって言っとくから大丈夫。」
ということで、俺はキヨを店の裏まで送った。
これが、キヨと会う最後の瞬間だ。
次に会うときは俺は客、キヨは女郎。名前すらも変わっている。
「じゃぁ、ね。」
キヨが俺に背を向けて、裏口へ入っていく。
「キヨ!」思わず呼んだ。
「なに?」キヨは振り返った。
「・・・俺と一緒に、その、逃げねぇか。」
思いがけずでた言葉だった。
それは俺の本音であり、そしてかなうことの無い願いだった。
「ふふふ、ばかね。」
言われると思った。
「でもね、アンタがあたしの初めての・・・」
「な、何だよ。”客”?」
俺は言葉を待った。
「なーいしょ!」
そう言いながらキヨは店の中へ消えていった。
「・・・何だよそれ。」
最後の瞬間、キヨは笑っていたが、瞳が潤んで見えたのは、
きっと俺の都合の良い錯覚だったんだろう。


(完)


すいません。めちゃながくなりました。

416名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 11:10:32 ID:g81OAoVD
うああああああぁぁぁあぁあ!!!!!!
GJすぎやわぁぁ(ノД`;;)
417名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 12:26:05 ID:EcVVtAr2
せ、せつねええええ!!GJ!!!
兄貴の心情がマジ泣ける。おキヨに悲壮感が無いのが本気で救いだ。
418名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 20:19:50 ID:ifY4MoQi
410-415です。
≫416
≫417
ありがとうございます。
かなり暗くなったけど、本編の二人は明るいんで、
勘弁してください(汗
419名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 04:56:02 ID:IRXVJWeq
>>410
遅くなったがGJ!!!!!!!せつなくも萌えた!!!
この2人すげー読みたかったんだ!ありがとうありがとう!
420名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 10:55:14 ID:WIr+riHY
スレ落ち
421名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 00:24:08 ID:CI0i9+uR
422名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 16:06:34 ID:0NogpGeC
410が秀逸過ぎてお腹いっぱいになっちゃった

てことでだれかジョー×サユキン頼む!
423名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 20:43:32 ID:sGfRvxF4
規制の巻き添えに合ったこともあり、空気の読めないタイミングでの投下になってしまっていたらすみません。
摂津×薄雲です。直接的な場面はありませんが寝取られ要素を含みます。
424はれの日に 1:2007/12/14(金) 20:44:37 ID:sGfRvxF4
二人の間に、確かな約束など一つもなかった。
何事も程々にしておいたほうがいい。
深みにはまって足掻いてみたところで、どうにもならないことはどうにもならない、ということは
過去の経験から痛いほど身に染みている。
本気になってしまう手前で止めておけば、手遅れにならずに済む。迷惑をかけずに済む。
傷つかずに済む。
済んでいる。うまくいっている。――きっと、これからも。


身辺の慌ただしさにも一区切りがつき、気持ち良く酔った帰り、真っすぐ屋敷に向かう気には
なれず、茶屋に寄った。
ただ独り寝の身の上を慰めるだけなのならば誰でも良かったが、気心知れた女に逢いたくなった
のは、今日が貧乏同心・摂津正雪にとって特別な日だったからだった。
この爽朗感と寂寥感を肴に、一人酒を煽るのは侘びしすぎる。 


「なにか、ございましたの?」
「んー?」
「だって、めずらしいんですもの。摂津様がキチンと揚げ代払ってこんなところまでいらっしゃる
 なんて」
「なんだよ。悪ィかよ」
女の名は、薄雲太夫。正雪の幼なじみにして、最高位の遊女である。
寝間での薄雲は、昼間のきらびやかないでたちとはうって変わって、艶めく黒髪にかんざしも
挿さず、簡素な襦袢を纏っているのみであった。
けれども、その薄い生地の赤さが、透き通るような肌の色をより一層白く儚げに見せている。
襟元から覗く鎖骨の美しさにぼんやり目を奪われながら、茶屋の他の女達にするように肩を抱く
ということもなく、正雪は適当に腰掛け、ぷかりと煙管をふかす。
「……お前さんと、二人っきりになりたかったんだよ」
「アラアラ、それが攝津様が女を口説くときの常套句ですの?」
冗談めかしたきざな台詞をさらりとかわし、薄雲は含み笑いをしながら徳利を傾けた。

薄雲の酌を受けながら、部屋の中を見渡せば、馴染み客から贈られたと思しき夜具や着物が
目に付いた。
金糸や銀糸をあしらった必要以上の豪華さが、「この女は手付きだ」と牽制しているように見える。
もちろん、貧乏侍の正雪にはそんな高価な品々など買えやしない。

425はれの日に 2:2007/12/14(金) 20:45:21 ID:sGfRvxF4
幼なじみが華々しく出世してゆく様は実に天晴れなものだった。
腐っても武家の出なだけあって、遊女と身をやつしてなお、そこはかとなく漂う気品は他の女達
とは一線を画しており、生まれ持った器量の良さも相まって、薄雲はあっという間に遊女の最高位
・太夫となった。
「やめてくださる? 煙草。においがつくと困るんだから」
「男のにおいが、か?」
「そうよ。営業妨害よ」
艶やかな所作を身に付け、口調が変わっても、薄雲は正雪には昔と同じように憎まれ口ばかり利いた。
けれども、それが彼女の甘え方だとわかるのは、正雪もお互い様だからである。
早くに両親を亡くし、親代わりの道場師範も失った正雪にとって、幼い頃から見知っている薄雲は
気を許せる数少ない相手だった。

「…ん……」
布団の上で正座している薄雲の膝の上に、正雪は頭を下ろした。
「妹が」
「はい?」
「知ってるだろ? 志乃、アイツをさ、嫁に出した。今日」
「アラアラ、それはおめでとうございました。それでお屋敷にお一人でいるのが寂しくなったってわけ」
「まァ、そういうこったな」
正雪は薄雲のやわらかな膝を枕に、行燈の灯りを淡く映した天井を仰ぎながら、今日の妹の祝言の
こと、夫の宇田川伍助のことなど、とりとめのない話をした。
薄雲は相づちを打ちながら、正雪の髪を手で梳いたりして遊んでいる。
倣うように、正雪は顔の前に垂れる薄雲の髪を指に絡めたり、三つ編みを編んでみたりする。
「イイ奴なんだよ、真面目で、実直で」
「アンタと大違いじゃない」
「悪かったな」
「志乃ちゃんも、ロクデナシの世話から解放されて、きっと清々してるわよ」
「うるせぇ」
「! ……あ」
身を起こし、じゃれるように絡んでいるうちに、正雪は四つんばいに薄雲を組み敷くかたちになった。
「……」
重みのかかった指が埋まるほど柔らかい赤い布団の上に、仰向けに倒れた薄雲の、長い黒髪が
散らばる。
鮮やかな色彩に情動をそそられ、思わず唾を飲み込んだ。
「……済まねェ」
そんなつもりじゃなかった、というふうに顔を逸らしながら起き上がる正雪の着物の袖を、薄雲が
つかんで引き止めた。

「抱いて」


426はれの日に 3:2007/12/14(金) 20:46:19 ID:sGfRvxF4
「抱いて……って、おい……」
「だって、そういうていで来たんでしょう? 払った分は元取らないと損じゃない。ただでさえ、アンタ
 貧乏なんだから」
「そりゃあ、そうだけどよ」
「だいたい、アンタがここに来て、なにもしないで帰ったことなんてないじゃないの」
「……そりゃあ、そうだけどよ」

薄雲と枕を交わしたことは、幾度かあった。
やはり、買う、というかたちで。
吉原に入った女は自由に外に出入りができない。まして、太夫ともなれば尚更のこと。
今日のように二人っきりでしみじみ話がしたくなったりしたときは、金を払って部屋に行くのが手っ取り
早いのである。
話がしたい、顔が見たいと言ったところで、そこは妙齢の男と女。
酒が入ってなしくずしに致してしまうこともあれば、今日のように損得の話で及んでしまうこともあった。
遊女は色を売ることを生業としているのだから、行為自体にそれ以上の意味はない。
言うなれば、お面屋でお面を買い、そのお面をかぶるのと同じようなもの。
それでも、幼い頃から親しんだ女と初めて体を重ねたとき、子供の頃の思い出だとか甘酸っぱい
感傷だとかがちらつき、言いようのない困惑を感じずにはいられなかった。
きっと今までどおりでなどいられないだろうと、今より若い正雪は思案を巡らせた。
が、結局、薄雲との関係も、態度も、そうなる前と後と、なにも変わらなかった。
拍子抜けしつつ、消沈しつつ、安堵しつつ、どの気持ちが勝っていたか、もう正雪は覚えていない。
ただ、やはり正雪にとって薄雲は、単なる快楽の対象にはなり得なかった。
欲望の捌け口にするだけなら、思い入れもなく割り切って媾合える女の方が、なにも考えずに
済む分よっぽど楽だった。

横たわった薄雲の首筋に舌を這わせ、体を撫でまわしながら、正雪は襦袢の帯紐を解く。
襟元を広げ、あらわになった薄雲の胸元に、誰のものとも知れぬ紅い印を見つけたとき、胸の奥が
ちくりとした。
――自分も散々他の女と寝ているというのに勝手なものだ。
忌々しいそれを隠すように手のひらで覆い、そのまま片手に少し余るほどのふくらみを揉みしだく。
そんな正雪の心情を知ってか知らずか、うっすら開いた薄雲の唇から熱い吐息が漏れた。
薄雲が、正雪の放蕩を咎めたことは、ただの一度もなかった。

427はれの日に 4:2007/12/14(金) 20:47:06 ID:sGfRvxF4
ふいに、薄雲が口を開く。
「今頃、向こうさんも新婚初夜……」
「生々しいこと言うなよ」
即効でいさめつつ、今現在の自分と薄雲の状況を伍助と志乃に置き換えた図が脳裏によぎり、
正雪は自分で自分を殴りたくなった。
実の妹の濡れ場を想像するなんて、悪趣味が過ぎる。

未だ女を知らないという伍助を、からかい半分で遊郭へ連れて行こうとしたことがあった。
先輩の誘いだというのに「つ、妻以外の女子とそういうことをする気はござらん」と一喝した伍助を、
この男ならきっと嫁を大事にしてくれるだろうと思ったのが、妹を託せた理由の一つでもある。
一方の志乃は、一度嫁ぐも夫に全く愛されず、生娘のまま出戻ってくるという数奇な、今思えば
ある意味幸福な憂き目にあった。
きっとあの夫婦は生涯、互いしか知らないのだろうと思うと、なぜだか正雪は泣きたいような
気分になった。
伍助との縁談がまとまってからの、志乃のしあわせそうな表情が思い出される。
傷ついてふさぎ込んでいた心を救われた瞬間から、志乃は伍助に恋慕の情を抱いていた。
今日の祝言で、志乃は一度めのときとは比べものにならないくらいに笑顔の花を咲かせていた。
心底、良かったと思った。
「やっぱ女は、惚れた男と一緒になるのが一番だな」
妹かわいさのあまり思考をそのまま声にしてしまった正雪に、すかさず薄雲が切り返す。
「そう思ってるんなら、さっさとアタシを身請けできるぐらいの富豪になりなさい」
「はっ。それがお前さんが客を口説くときの常套句かい」
「ウフフ」

元々が幼なじみであるせいか、睦言にしてはどうにも色気のない雰囲気になってしまったのを
懸念して、薄雲は枕元の、植物や海草の調合されたぬめる液体の入った小瓶に手を伸ばした。
そういった手練手管を客にに気づかせないことも遊女のたしなみであるのだが、これをめざとく
見つけた正雪は、薄雲の手を握ることで制した。
そうして、指先に付着していたぬめりを舐め取り、もう一方の手を薄雲の下腹部に滑らせる。
そのまま先の尖りをくすぐれば、無粋な小道具などいらなくなった。
薄暗い寝間に、濡れた息づかいがこだました。
428はれの日に 5:2007/12/14(金) 20:47:48 ID:sGfRvxF4
「あんまり、良くねェか?」
「っ……そんなこと、ないわよ……気持ちいい」
「なら、いんだけどよ……さっきから顔ばっか見てると思って」
薄雲は、他の遊女がそうするように激しく寝乱れる演技をして男を煽ることもなく、ただ静かに
正雪を受け入れていた。
そうして、恍惚と身をよじらせるときも、切ない嬌声を零すときも、双方の瞳は閉じられることなく、
正雪の顔をじっと見据えていた。不自然なくらいに。
思えば、薄雲はいつもそうしていた。
「イヤ?」
「イヤじゃねェけど……なんだか落ち着かねェ。まァ、それはそれで興奮するけどよ」
「……アンタの顔、この目に焼き付けてるの」
薄雲は両手を伸ばし、熱を持った指先で正雪の頬を包み込んだ。
「他のお客の相手をしているときは、ね」
媾合の最中だというのに、胸の中の秘密を恥じらいながら打ち明ける乙女のように、頬を染めて
薄雲は微笑む。
「目を閉じるの。そうして、こういうときのアンタの顔を目蓋の裏に思い浮かべるの。そうやって
 しのいできたの、今まで、ずっと」
先程までの軽口と違うとわかるのは、薄雲の長いまつ毛の先に、きらりと雫が宿っていたからだ。
それは薄雲が瞬きをした瞬間はらりと落ち、耳を伝って、布団に小さな染みを作った。
「これからも、ずっとよ」
それから先に続く言葉を言わせてしまわないように、言ってしまわないように、正雪は薄雲の
唇を自分のそれでふさいだ。

――薄雲を、おキヨを、自分一人のものにしたかった。
叶わないことと心の奥底にしまいこみ、ごまかし、気づかないふりをしてきた。
そんな密かな願望が、薄雲の心の内では成就していたのだ。
くすぶっていた想いを掬われたような感覚に、正雪の胸はふるえた。

けれども、惚れていることを告げてしまうわけにはいかなかった。
相思だなどと確かめ合ったところで、なにができよう。
薄雲をこの籠の中から解き放ち、家の経済をも請け負う財力など、正雪にはない。
「年季が明けたら」などと約束を交わし、正雪が女遊びを絶って薄雲に操を立てても、薄雲が
客を取り続けるということは変わらない。
たとえ正雪が「それでもいい」と許したとて、薄雲が負い目を感じないはずがない。正雪のために
苦しまないはずがない。
それならば、いっそ、このままの方がいい。
男女の情など誓っても、好い人に煩いごとを増やしてしまうだけなのならば。
429はれの日に 6:2007/12/14(金) 20:48:35 ID:sGfRvxF4
結ばれない契りの代わりに、互いの体を深く深く繋ぎ合った。
もどかしい気持ちをかき消すように、込み上げる愛しさに流されてしまわないように、正雪は
ひたすら奥を貪った。
こんなにも満たされない夜はなく、こんなにも満たされた夜もなかった。


「ほだされて、」
薄雲は御簾紙で戯れの残骸の後始末をしながら言った。
「余計なこと言っちゃったわ。気にしないで」
けだるさの残る手足を投げ出し、正雪はされるがまま薄雲の横顔を見つめていた。
「アンタはなんにも気にしないでいいの。アタシとアンタは、今までどおりでいいのよ……」
「……おお」
「さ! 明日は仕事あるんでしょ、さっさと寝ちゃいなさいよ」
そう言って、清め終えた正雪を付き離すと、薄雲は普段の勝気な表情に戻った。
いじらしさに、正雪は薄雲を後ろからそっと抱きしめた。
精一杯、「他の女にも、いつもこうしているのだ」というふうを装って。
先刻の熱の名残りが、薄い布越しに伝わった。
薄雲は、まわされた腕に手を添え、「ばか」とつぶやいた。


翌朝、茶屋を出ると、正雪は妹の嫁ぎ先である伍助の屋敷に赴いた。
新婚夫婦の邪魔をするつもりはないし、伍助のことも信頼しているが、やはりうまくいっているか
気になった。
屋敷では決して立派ではないが、なかなか手入れの行き届いていて、伍助の人柄を思わせた。
野暮とは思いつつも、塀の上から中の様子を覗き見る。
庭では、妻となった志乃がたらいに水を張り、所帯を持ったばかりの夫の着物を楽しそうに洗濯
していた。
朝焼けの光が水しぶきに反射して、志乃の笑顔も光って見えた。
――大丈夫だ。
人心地がついた思いで、くるりと踵を返しながら、なんとなく遠い昔を思った。
薄雲が吉原に入ったのは、今の志乃と同じ年頃だった。
緊張した面持ちで肌に触れ、胸を高鳴らせつつも、薄雲の慣れた仕草に一抹の寂しさと戸惑いを
感じた日、正雪は初めて女を知ったのだった。



(終)

430はれの日に 6:2007/12/14(金) 20:50:18 ID:sGfRvxF4
長々と失礼しました。
摂津殿がうさぎ道場から身を引いたように、薄雲との恋愛からも身を引いてたら、という話でした。
431名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 21:12:03 ID:rxBcq6B6
うおお!!リアルタイムでGJなんだぜ。
細やかな心理描写と、ごっちん夫婦との対比がまた泣ける。
切ないのにどこか救いがあるのは、やっぱ薄雲の台詞のお陰なんだろうか。

この二人にはどんな形でもいいから幸せになって欲しいと改めて思った。
いいもんをありがとう!!
432名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 01:01:28 ID:yHdIdZiv
GJ&乙!!!うおおせつねええええええ!!
すごくこの2人らしい関係としっとりとした描写や心情がツボでした。
いいもん読ませてもらったありがとう!
433名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 00:15:07 ID:OD9Fu24e
遅くなったけどGJ!!
せつねぇ!でもこういうの読みたかったんだ!!
434名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 22:20:40 ID:BO1kAyRx
遅ればせながらGJ!
この二人はエロ切ないな

ところで加代姉ェって何歳なんだ?
加代×千代吉萌えなんだがイマイチ情報が少なくて困る
435名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 09:35:59 ID:qmdrrZXh
15ぐらいじゃね
436名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 02:52:00 ID:1eztZP3i
>>435
俺もそう思ったけど、個人的に加代姉が大人っぽくて、伍助よりも年上であって欲しいから16
437名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 16:56:33 ID:5IzNyV2o
こっちにも来たか。保守。
438名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:13:50 ID:AUDJPsNf
あげ
439名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 21:47:28 ID:5IzNyV2o
もっかいくらいあげとくか。
440名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 21:48:00 ID:5IzNyV2o
うお上がってなかった。連投スマソ。
441名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:44:18 ID:+zu+fyEs
ほしゅ
442名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 00:41:32 ID:X6CZwIV1
あけおめッス!!
443名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 21:06:33 ID:dMLvxP8N
444名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 20:43:09 ID:5er0RM9j
当スレ住民の皆様、あけましておめでとうございます。

>>443
うぉッ、去年の夏コミに出ていたやつ、これ通販で
買おうとしていたんですよ!おかげでお金、浮きましたw
どうもありがとう!

この冬コミは同人誌(非エロも含めて)どうだったんだろう?
445名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 12:21:06 ID:GnH92mJf
通販で買おうと思っていたけど金浮いたとか…
買い手がこんなのばっかりじゃ書き手がやる気なくしても仕方ないってわからんのか
446名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 21:36:03 ID:DUWH/0uh
ここに転載されてることが作者さんに知れたら、もうサムうさ本作ってくれなくなるんだろうな。
447名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 22:35:28 ID:YEOJk0/A
とりあえず姫はじめ期待
448名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 02:22:37 ID:2n1tMXIN
(・∀・)
449名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:10:55 ID:jVOviiev
保守
450名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 20:00:21 ID:c0EkRC/4
学パロのエロ期待。
451名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 23:21:44 ID:T9SAm8Nu
スズメってどうなんだ?
ここの住人から見て
452名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 19:23:46 ID:vtjtRNSn
ツンエロ
453名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 21:04:02 ID:wTONmBLY
まだ情報不足? デレ待ちかな
454名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 04:36:05 ID:OAfqiSiN
わしのチンコは反応したぞ
455名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 12:55:05 ID:3zUQj+ba
ほしゅ
456名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 13:00:30 ID:HpTFFZks
スズメはアホの子属性か。
流された経緯次第で、輪姦→アホの子なので意味もわからず目覚める→島でも無邪気に遊びをおねだり
と俺のチンコが申しております
457名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 19:10:12 ID:/u3qUIPX
>>456
早くその妄想をテキストに起こす作業に戻るんだ!
458名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 02:27:46 ID:+ilP482F
月曜までに何か投下したいので宣言しときます
459名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 21:22:09 ID:VI8OhcG/
>>458
よっしゃあああ久々の投下!!!全裸でwktk待機してます!!

じゃあおまいらそういう事なんでそれまで処女・童貞談義でもしつつ待ってようか
460名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 01:47:48 ID:3cmLC+iH
静かに夜の帳が降りる…
461名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 00:19:47 ID:z9uPVURJ
kitai
462名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 02:26:42 ID:Qd3+XayI
ごっちん不在なので、寂しさに耐え切れずごっちんの布団の中で自慰にふける志乃とか
道場にやってきたゴロツキにマワされる志乃とか色々ネタは思いつくのだが
463名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:20:54 ID:V9YUDbEV
マロの弟と志乃ってどうだろうか
弟→志乃でちょっと強引系
弟『初めて逢った時から・・・』
志乃『ごっちんには・・・絶対ヒミツだよっっ??』

みたいな
最終的には志乃リードで事が進んでいくわけよ。
464名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:28:40 ID:9gQPB9xR
久投稿なので腕がにぶっていますが許してください(^_^;)

風呂上がり鶴屋とスズメが道場で二人でいる設定で。
465君と二人で:2008/02/09(土) 23:29:20 ID:9gQPB9xR
「どうしたのですかスズメさん…?」

このひょろんとした男…鶴屋は他人の迷惑なんて考えない。特にアタシに対してはさっきもコイツのために風呂を沸かさなければならなくなった。おかげでくたくただ。

「どうしたもこうしたもねぇよ、テメェのせいでこっちは疲れてンだよ。」
「では、僕は上がりましたし、スズメさんがはいりますか?今度は僕が火を吹いてあげますよ。」
「………!」
「どうです?入りませんか?背中流しますよ?」
「…んな!?バカ!!テメ人の裸見る気か!!」

流人といえど少女なのだ。やはり恥じらいがあるものなのだ。
つくづくそう感じた鶴屋。

「本当バカじゃねぇの?お前の入った湯なんて……!?」

彼女の言葉を遮るように自分の唇でその愛らしい唇を塞ぐ。

「失礼ですよ、馬鹿ばっかり。僕はそんなに馬鹿じゃありません、それがわかるまでやめませんよ…」

「な…ッ」

スズメさんの耳元でそう囁けば、ピクリと身じろぎをひとつさせて「誰が…」と反抗の態度を見せた。
しかし、その顔は赤く染まり、呼吸は乱れていた。
口付けだけでこんなに反応するとは…
でも、もう遅いです。貴方はもう私のモノになるのです。
466君と二人で:2008/02/09(土) 23:29:58 ID:9gQPB9xR
私はそのままスズメさんの唇を割って口の中へと舌を進めた。

「んふ……んん」

みるみる赤く染まる頬を見て私はニヤリと笑った。はじめは強く私の胸を押して抵抗していたけど、その力は段々弱々しく立っていることも出来ない程抜けていった。

「テメ…、何…した…んだ」

「ちょっとしたお薬です…罰ですよ」

「え…?」

「これからアナタにいいコトを教えてあげますよ。」

力の抜けた彼女を壁と自分の体で支えて、口付けしながら腟口までするりと指を入れる。

「!?」

そのまま、指先を入れたりして彼女の反応を見てみる。

「どうしたのですか、スズメさん?何か言いたそうですね、」

わざと普段と変わらない声で聞く。

「誰か…来ると…」

震えて話す唇。

「見られてしまう…!!……アタシの恥ずかしい所」

そう言った彼女が涙目でこっちを見上げていた。変な気持ちが込みあげてくる。

「その点なら大丈夫です。百舌鳥さんは出掛けていますし、他の人達は外で眠ってもらっています。だから二人きりで楽しめますよ」

黒笑顔で言ってみせた。

「別にそんなつもりじゃ…はぅ…!!」

腟に入れた指はツプリと音を立てて飲み込まれた。
467名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 20:06:32 ID:SCidw1bE
ちゅくり、水音を立てた秘部は快感を求めるかの様に吸い付いてきた。
奥で指を動かすと蜜が溢れてくる。

「おやおや、驚きましたね…。スズメさんがこんなに淫らな人だったとは…」

「ち…ちが」

「どっちにしろ、僕で楽しんでくれて嬉しいですよ。」

「はぁ…ん」

段々とおとなしくなっていくスズメ。それをみて鶴屋は指を止めた。

「おや、指一本では慣れてしまわれましたか。では数を増やしますか…」

「えッ…ちょっと待…!!?」

増やされた指数はスズメに大きな快感を与える。

「やめろォ!!…鶴屋…!!」

快感の衝撃に耐えきれなくなってか、鶴屋にもたれかかり抱きつくスズメ。

「頭が…アタシの頭が…おかしくなっちまう…」

その言葉が、鶴屋をさらに興奮させた。

「すみません、スズメさん。僕ももうおかしくなりそうです…」

「へ…?」

スズメの胸をはだけさせ、袴を下ろし、自分の一物を出した。

「鶴屋!?」

「本当にすみませんね、僕もう止められません。」

「やッ!?」

スズメの体は軽々鶴屋に持たれた。そして勃起した一物はスズメの中にはいってゆく。

「ひあぁうッ」

「スズメさん…」
468名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 19:51:46 ID:fOlKyc+6
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
469名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 22:01:41 ID:uqnLuRJ0
>>467
ええい続きはまだか!?
470名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 21:00:18 ID:uXf2JCt8
でもスズメとかって人殺してるんだぜ
これがなきゃ
試合負ける

バテバテのところに講武館きてピンチ
ほかはうまく逃げるがスズメ逃げれない

うさぎ道場の協力で脱出
合流できなかったから道場に居候
一連の流れの中でごっちんに少しときめく

正式に門下生になる
志乃とごっちんの取り合い
ってなってキャッキャッウフフうんごめんねいつもこんな事ばっか考えてるんだ
471名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 02:37:13 ID:24WM4zYZ
すてき
472名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 17:07:00 ID:5HIc1pUT
期待age
473名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 12:40:40 ID:eEY/3F1A
女とヤってお金が貰える♪
まさに男の夢の仕事!
出張ホストっておいしくない?
ttp://hostconfig.org/2ch/01_info.html
474名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:13:05 ID:8b9DbJJh
保守
475名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 05:49:51 ID:Wwg6/VSh

476名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 10:48:15 ID:S9EkHi6C
今週のスズメはあれは…
477名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 19:00:02 ID:hWeDiCta
マロ×スズメを書けるやつはおらんのか
478名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 19:53:57 ID:dOsH88+u
スズメなら「借りを返す」でマロに夜這いネタとか誰か書いてくれんかね。
仲間の流人に強制和姦とかでもいいが。

そして加代×ちょっちで「おねーさんが教えてあげる」ネタとかも読んでみたい。
479名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 20:45:43 ID:Ly1hVFSi
>>477
待ってろ。
今書いてるとこだから。
480名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 22:35:08 ID:dOsH88+u
>>479
マジか!?期待してる。
481名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 20:21:24 ID:1m7SeZAm
>>479頑張れ 期待している
482名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 20:35:02 ID:Fe41y20U
>>479
楽しみに待ってます!
483名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 00:02:24 ID:3HryRrp4
気がついたらこのスレも一周年たってるわけだが・・・

>>479期待してる。がんばれ
484名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 00:42:56 ID:DiKF2swp
>>467のつづきも気になるのぉ
485名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 01:37:00 ID:+PPPBYjg
保守
486名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:25:52 ID:smBXcCsk
あげ
487名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 13:42:20 ID:Rz9XE6CZ
488名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:50:13 ID:+2gGz15u
こんな刑でどうか
ttp://akm.cx/2d/src/1206276404698.jpg
489名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:32:53 ID:2WDqo0Kt
エロさを感じる前に男共も同じ目に合わされてるの想像して戦慄した
490名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 12:23:57 ID:LsqCPQzs
こんな風にされる前にうさぎ道場側の誰かがかばってくれそう。

スズメだけ。
491名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 19:43:56 ID:+oTOlLk6
既に消えてて俺涙目
492名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 02:17:45 ID:hgB6mylt
保守
493名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 00:46:33 ID:syuBh7Na
保守
494名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 17:45:27 ID:UZQXSBh6
今週志乃と千代吉の関係がちょっとアヤしく思えたのは俺だけじゃないはずだ
495名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 03:20:56 ID:EVDj5PPR
ちよ吉と志乃がイチャイチャパラダイスなところに
ごっちんが帰ってきて3Pですか
496名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 22:53:17 ID:Cju3rgCd
いや、そこに加代ねぇですよ
497名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 19:28:19 ID:qcjxZjCa
伍助×志乃見たい
498名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 01:28:39 ID:4mhv+Ixf
保守
499名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 02:37:33 ID:UVm6XsqL
保守
500名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 03:14:37 ID:4UniOlM7
保守
501名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 17:53:47 ID:b0Tlsb0K
ホsひゅ
502名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 02:05:30 ID:nmM1ELg8
保守
503SS保管人:2008/05/04(日) 23:17:31 ID:OxBSXiw/
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/


職人様、このスレに投稿されたSSを当方の保管庫に収蔵させて貰っても宜しいでしょうか?

504名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 00:59:52 ID:iTHYEIWx
>>503
職人ではありませんが、ここの職人様方の作品がもし保管されたら嬉しいです。
職人様方のお返事をお待ちしてます。
505SS保管人:2008/05/08(木) 02:19:46 ID:4rM6KlM8
問題無さそうなので「ジャンプ系コミックの部屋」の3号室に収蔵させて貰いました。

2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/

506名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 00:36:37 ID:TVnawbwS
>>505
乙です。

摂津×薄雲、投下します。遊女と客といった感じで、あっさりめです。
507夢一夜 1:2008/05/09(金) 00:37:33 ID:TVnawbwS
夕刻だというのに、大門をくぐった先は、女を買い求める客や冷やかしの男達で溢れ返り、昼間の
ような賑やかさだった。
表で客を待つ仲の町張りの遊女は薄闇に彩を添え、見世清掻の三味線の音色はやかましくも
耳に心地良い。
自然な色気と、さっぱりとした気風の良さが、いかにも通な江戸人の通う場所といった感じで、
足を踏み入れた瞬間から、好きな街だと思った。
正雪は興味津々に花街の雑踏をかき分け、大通りに面してずらりと立ち並ぶ茶屋の、聞き知って
いた一軒を探した。

数刻前、なんとなしに正雪は賭場へ赴いた。
思いがけず大勝ちしたので、ぱーっと飲みに行く算段をしていたところ、同じように丁半で儲けた
連中の「吉原へ揚がろうぜ」とはしゃぐ声が耳に入った。
――吉原、か。
正雪は、しばし逡巡した。
吉原には、会えなくなって久しい、幼なじみがいた。
こちらから出向かなければどうにもならない以上、再会は自分次第であった。
――向こうの反応なんざ、それこそ博打みたく構えていればいいのかもしれねェな。
いずれ、と思いながらも、なんとなく行きそびれていた正雪であったが、突如膨れ上がった財布の
重みが、踏ん切りのつかなかった心を後押しした。

茶屋に入り、中の者に既知の源氏名を尋ねると、あれよあれよという間に登楼の運びとなってしまった。
ちょっと顔を出すだけのつもりだったが、だからといって引き止めてわざわざ訂正するのは粋じゃない。
幸い懐には余裕があるからいいか、と張り見世の華やかな遊女達を格子越しに眺めながら、
正雪は促されるま梯子段を上がった。
それにしても、と正雪は辺りを見渡した。
掛け行燈の灯りに照らされた廊下は煌々と赤めき、高く結い上げた髪に開いた胸元の眩しい遊女と、
いかにも遊び慣れたどこぞの若旦那といった風情の男が、色めいた会話をしながら連れ立って歩いている


代わる代わる影を映す障子の向こうからは、どんちゃん騒ぎの音と声とが聴こえる。
唄の文句は花や空などさして意味のないようでいて、穿った解釈を試みれば、卑猥な内容の暗喩であっ

た。
――噂には聞いてたが、派手な場所だな、コリャ。
正雪は、いつか見た、すすけた武家屋敷のひび割れた壁や、蜘蛛の巣の張ったおひつを思い浮かべた。
そして、かつてそこに暮らしていた女子のことを思った。

「あら、色男のお侍様だこと」
「ごめんなさいね、薄雲は今、贔屓客の挨拶に出ておりますの。今しばらくお待ち下さいまし」
「お前さん方みたいな美人達と酒が飲めるんだから、待たされるのもイイもんだな」
「まぁ、お上手」
正雪は二階の座敷に通され、敵娼が来るまでの間、酒肴のもてなしを受けた。
幕臣の侍がこういった場に訪れることは珍しく、まして器量も調子も良い男なのだから、遊女達にも
ちやほやされた。
酌をしてくれた女達相手に小噺の花を咲かせ、「また来て下さるなら、お酒のお代はよろしくてよ」と
有難い話が持ち上がるまでに打ち解けた頃、障子が開いた。
畳の上に、ぽすっと音を立て、見覚えのあるお手玉が二つ三つ転げ落ちる。
持ち主の女は、正雪に気づくなり一瞬「あっ」と目を丸くしたものの、即座に媚を含んだ艶っぽい
笑顔を作った。

「アラアラ、驚きましたわ。摂津様じゃございませんか」

508夢一夜 2:2008/05/09(金) 00:38:31 ID:TVnawbwS
「初めてですの?」
「ん?」
「吉原」
「まァな」
「じゃ、普段は深川の岡場所あたりで遊んでらっしゃるのね」
正雪は答えずに、勧められた茶を啜りながら、なにげなく薄雲の部屋を眺めてみた。
ちょっとした料理屋でも見かけないような、鮮やかな色使いの襖が目を引いた。
床の間には花が活けてあり、花鳥画の掛け軸が掛けてある。
袋に入れて立て掛けた琴や、源氏絵巻の屏風の他に、箪笥や鏡台など生活道具の一切が
揃えてあり、今の薄雲の暮らしぶりがうかがえた。
一見裕福そうに見えるが、全て見世からの借金であつらえてあることを思えば、なんとも言えなかった。

茶器の乗った盆には長煙管が置いてあり、手に取ってみると妙にしっくり馴染んだ。
「お前が呑むのか?」
「嗜みとして教えられたけど、どうしても苦手だわ」
薄雲は正雪の手から煙管を受け取り、唇にあててみせた。
「だからあたくしは、かたちだけ」
流れるような黒髪に映える鼈甲のかんざし、螺鈿の櫛、優雅に着付けた着物、前結びの帯、
肌理の細やかな肌に白粉をはたき、紅の差した唇に煙管をくわえた薄雲の姿は、どこからどう
見ても一端の遊女であった。
「なかなかサマになってるじゃねェか」
「それはどうも。あなたこそ、ちゃんとお侍さんに見えますわ。生活は大丈夫ですの?」
「バカにすんなよ。まァ、碌は低いけど、きょうだい二人食えるぐらいはなんとか……」
言いかけて正雪は、はっとして口ごもった。
「……済まねェ」

薄雲は五人兄弟の末っ子である。
武士は世襲制であり、嫡男が家督を継ぐ。
町人や農民ならば、跡継ぎでない次男以下の兄弟は、他へ奉公に出たり、職人に弟子入りすれば
よいが、体面を重んじる武家ではそうはいかない。
養子のあてもなく、自力で役職に付くこともできなければ、部屋住み、即ち稼ぎのない厄介ものの
居候となってしまうのである。
当然、分家もできない下級武士の家で子沢山では苦しく、末っ子で女子である薄雲が口減らしの
ために女衒に売られたことは、よんどころない事情であった。
せめて兄弟が少なかったら、薄雲が苦界に身を沈めることはなかったかもしれず、やはり
やりきれない思いがした。
と、同時に、自分には妹一人しかいないことが、正雪は心底ありがたくなるのであった。
509夢一夜 3:2008/05/09(金) 00:39:25 ID:TVnawbwS
「いてっ」
眼を伏せて次の言葉を探す正雪に、薄雲はお手玉を一つ投げつけた。
正雪が顔を上げると、薄雲がしてやったりとばかりに、にんまり笑っていた。
「なに辛気くさい顔してるの。今更そんな気ィ遣わなくて結構よ。アタシは家族が好きだし、こうして
 役に立てるのがうれしいんだから」
薄雲は打ち掛けの袖を得意げに持ち上げ、続けた。
「それに、ここに来れなかったら、こんな上等な着物一生着れなかったでしょう? アタシはアタシで
 うまくやってるの。同情なんてされたくないわよ」
虚勢でもなんでもなく、芯からの言葉であることは、薄雲の自信に満ちた表情から見てとるまでも
なく、長年の付き合いからわかった。
「そうだったな」
相変わらず大したタマだ、と正雪は安堵の息をついた。

名前や身なりが変わっても、薄雲の気概は全く変わっていなかった。
むしろ、遊女らしい張りを備え、婀娜っぽい魅力を増したように思える。
幼い頃から親しんでいた薄雲が、境遇の変わった今でも元気にしているか、ずっと気懸かりだった。
これまで訪ねるのに二の足を踏んでいたのは、金銭的な理由の他に、武家の女から遊女という
全く違う身柄への転身によって薄雲が人変わりしていたら、という不安が隅にあったからなのだが、
杞憂に過ぎなかったことが、正雪はうれしかった。

「なんとかきょうだい二人食べられるぐらいなのに、こんなところで散財して良いのかしら? アタシ、
 意外と高くつくのよ」
「いんだよ、振って沸いた金なんだし、もともと無いようなもんだからな」
「だったら、志乃ちゃんに着物の一つでも買ってあげなさいよ」
「なんだよ、来たらダメだったのか?」
「そんなこと言ってないじゃない。……うれしいわよ、会えて」
薄雲は少し間をおいた後、やや上目遣いに流し目をくれた。
「お、おう……。どうした? やけに素直じゃねェか」
「嘘でも気を引く言葉の一つも吐けないと、太夫になんかなれないでしょ」
一転して、薄雲は両手で口元を覆い、くすくす笑った。
「てめ……」
だまされたことに表向きは腹を立てながら、正雪は内心、不思議な安らぎを感じていた。
すっかり昔の調子で語らううちに、行燈の残り油も少なくなっていった。
510夢一夜 4:2008/05/09(金) 00:40:19 ID:TVnawbwS
「ねぇ、アンタ本当はなにしに来たの?」
薄雲はあくびをしながら、打ち掛けを脱いで衣桁に掛け、かんざしを外した。
「なにって……、ちょっと様子見に来ただけだよ。なんだかよくわかんねェうちに乗せられて部屋
 まで通されちまったけどよ」
それでも、気がねなく軽口を叩き合うにつれ、やはりこうして二人っきりで話すことができてよかった、
と正雪は思い直していた。
先の座敷で同席したところで、人目のある手前、薄雲は他人行儀な振る舞いをしていたのだろうし、
懐かしい感慨になど浸れなかったかもしれない。
「そうよね、変だと思ったのよ」
「あ? なにがだよ」
問いながら、ちらりと薄雲の視線の先をたどると、屏風の向こうに、三段重ねの紅い布団に箱枕の
二つ並んでいるのが見えた。
遊女屋に揚がる、ということの本来の意味を今更のようにあらためて理解し、正雪は即答した。
「無ェだろ。オレとお前だぜ?」

今日の今日まで、正雪は女を買ったことがなかった。
ただ、それは単に機会や金がなかっただけのことであって、女の肌が欲しくなったら買う、という
意識は当たり前のように正雪の中にもあった。
身分に関係なく、世間一般の男としてそれが普通の感覚であったし、いずれは自分もそうして筆を
卸すのだろうと思っていた。
だからといって、なにもその相手が薄雲でなくてよかった。
確かに成り行き上、買うというかたちにはなってしまったものの、正雪にとって薄雲は、男心を
満たしてくれる遊女である前に、共に育った幼なじみであった。
そして、薄雲にとっての自分も同じであると、酒の相手をしてくれた他の遊女達の態度とは全く違う
不躾な物言いから、感じ取っていた。

「どっちでもいいけど、布団、一つしかないのよ」
言いながら、薄雲はするすると小袖を脱いで長襦袢一枚になり、すっかり寝支度を整えていた。


夜四つ(午後十時)ともなれば吉原の大門も閉じ、帰ることもできず、仕方なく床に就いた。
道場で会っていた頃には隣で昼寝をしたこともあるし、今更二人で枕を並べたところで、窮屈という
他は、どうということもない。
なかなか寝つけないのは、寝慣れたウチのせんべい布団と違って、やけにふかふかしているうえに、
三枚も重ねてえらい高さになっているせいで落ち着かないからだ。
――そもそも、重ねているのをばらせば、一枚に悠々と寝られるんじゃねェか? 
ひとりごちて悶々としているうちに、正雪は背中越しに聴こえる規則正しい寝息が憎らしくなった。
鼻でもつまんでやろうかと、悪戯を仕掛ける少年の面持ちで、正雪は薄雲の方に寝返りを打った。
511夢一夜 5:2008/05/09(金) 00:41:14 ID:TVnawbwS
「!」
正雪は動転した。
子供の頃と変わらないあどけない寝顔の下にあった、子供の頃とは確実に変わっていたものが、
正雪の目を釘付けにした。
「……」
薄雲の肌蹴た襟元から、ふっくらとした胸のまるみがのぞいていた。
咄嗟に罪悪感を覚えたが、それは正雪の目を捉えて離さなかった。
寝息に合わせてふるりと揺れるふくらみは、汁気をたっぷり含んだ果実を思わせた。
思わず息を飲み込んだ。
引き寄せられるようにじりじりと手を伸ばし、指先でそっと突いてみる。
――やわらかい。
壊れそうなほどやわらかいのに、吸いつくような弾力で指に寄り添い、押し戻ってくる。
そのまま先端の薄い樺色に触れると、薄雲のからだが跳ねた。
「んっ」
目を覚ました薄雲は、状況を確認するように、二、三度瞬きをした。
「え? ああ……」
「わ、悪かった、つい魔が差し……」
正雪が弁解し終わらないうちに、薄雲の腕が伸びてきて、ずり下がった袖口から、ほど良く肉の
ついた二の腕までもがあらわになった。
平手が飛ぶかと思い、反射的にぎゅっと閉じた目蓋の裏に、大胆に露出された腕の内側の、淡雪の
色が焼きついてい、正雪は思わぬ動悸を覚えた。

危惧していた衝撃は、ついに訪れなかった。
薄雲は、するりと正雪の懐に滑り込んできた。
薄雲が着物の内側に焚きしめていたらしい、麝香の香が近く匂った。
恐る恐る目を開けると、薄雲の頭が目下にあり、鼻先を掠める黒髪が、息をする度に揺れた。
密着して押し潰された薄雲の胸乳が、呼吸に合わせて僅かに上下し、その度に擦れる天辺の蕾が、
正雪の胸板をくすぐった。
薄雲は正雪の首筋のあたりに顔を埋めたまま、なにも言わず、なにもしなかった。
沈黙の中、互いの押し殺した吐息が生温かい感触を伴って響く。
瞬きをする薄雲のまつ毛の先端が、羽根のような微量な力で正雪の素肌を撫でる。
むず痒い刺激を受ける度、鳥肌の立つような熱気が全身を駆け抜け、やがてそれは自我の預かり
知らぬところで独立したかたちを作った。
急かすように速まる鼓動が、思考の隙を与えないほどにうるさくからだ全体に共鳴する。
全身が、脈打っているようだった。
「……ちくしょう」

なんに対しての憤りなのか、正雪は自分でもわからなかった。
512夢一夜 6:2008/05/09(金) 00:42:12 ID:TVnawbwS
正雪は体勢を入れ換え、薄雲を仰向けに寝かせた。
薄雲が抵抗しないのを確認する間もなく、緋色の長襦袢の裾を割り、二布を捲くり上げる。
剥き出しになった脚に手を掛け、折り曲げながら開けば、立ち込める女の匂いに、正雪の頭は
痺れたようになった。
瑞々しく張った内腿は眩しいほどに白く、陶器が肉になったようななめらかな手触りがした。
蠱惑的な二本の付け根には、朝露を宿した露草の花が咲いているようだった。
正雪が女のそれを見るのは、初めてではなかった。
ずっと昔、年の離れた妹のを、風呂や、おしめを換える際に、目にしたことがある。
しかし、目の前にあるそれは、見てくれこそ記憶のものと同じようでも、成熟しつつある女の妖しさに
満ちており、谷間にぬらめく雫も、晒し木綿を濡らした赤子の小水とは違う性質のものであった。

正雪は、開いた脚の間に割り入り、下帯を外した。
読み漁っていた春本や好色本で、閨の首尾は凡そ心得ていたつもりだったが、いざ本番となると、
そう滞りなくゆくものではなかった。
思いのほか手間取りまごついていると、そぞろに薄雲が腰を捩じらせて、結合へと導いた。
開き、添え、端的に動く細指の、爪紅の色が、いやに鮮やかに映った。

ちくしょう、と今度は心の中でつぶやいた。
自らの意思で行為に及んでいるはずが、そうなるように仕向けられているような、本能ゆえの淫心を
見透かされ、泳がされつつ手玉に取られているような、妙な苛立たしさを覚え、正雪は薄雲の方に
顔を向けることすら憚られた。
そんな複雑な心地も、纏わりつくやわらかな快感に包み込まれた瞬間、煙のように立ち消えた。
もう、なにもかもがどうでもよくなってしまうほど、それは圧倒的だった。
ひたすら夢中で貪った。

溺れるような陶酔の中で正雪は唐突に、そういえば子供の頃、自分達は将来夫婦になるのだろうと、
漠然と考えていたことを思い出した。
はっきりとした恋心を抱いていたわけではない。
自分みたいな下級武士じゃ良家の娘との縁談は有り得ないし、身分や家柄から考えておキヨが
オレの嫁になるんだろう、武士の結婚なんてそんなもんだし仕方ねェな、などと勝手に妥協し、
一人で納得していたのだった。
男と女の摂理などなにも知らなかった頃の戯言であるし、薄雲の身売りが決まり、行く末の相容れない
ことがわかってくるにつれ、自然に忘れていった未来絵図であったけれども。
――もしも、薄雲が武家の娘として真っ当な道を歩めていたなら、今頃は二人で所帯を持って
いたんだろうか。
そしたらまさに今頃、ここじゃなくて自分の屋敷でこれをしていたんだろう。
人生ってのはわからねェもんだな、と正雪は込み上げる可笑しさに哀切な色を重ねた。
513夢一夜 7:2008/05/09(金) 00:42:58 ID:TVnawbwS
喘ぎに交じり、ふいに名前を呼ばれた気がして、正雪は定まってなかった視線を移した。
薄雲の顔をうかがうのは、これが始まってから初めてであった。
が、薄雲は淡く汗をかいて肌に湿り気を帯びてい、途切れ途切れに嗚咽を零す唇の他は、額から
貼り付いている黒髪に隠されていた。
払いのければ、潤んだ黒目がちの瞳と、緩いハの字形に整った眉のひくひくと歪むのが見えた。
それでも、正雪と視線が合わさった瞬間、薄雲は口角を持ち上げ、健気に微笑のかたちを作った。
――ぞくりとした。
こんな状況に似つかわしくないほど、愛くるしく感じられたのは、紅の剥げかけた唇が、少女の頃を
思わせたからかもしれない。
かろうじてこびりついていた色が血痕――清らかさを失ったときの痕跡に見え、正雪は指の腹で
薄雲の唇を拭った。
はずみで口内に滑り込んだ指を、薄雲はやわらかく咥え、付着した紅を舐め取り、爪の生え際から
関節の皺、指の付け根へと、舌を這わせた。
少女から娼妓へと一変した薄雲の顔を直視するゆとりは、既に正雪にはなかった。

「お、キヨ……っ…」
終わりの気配が込み上げ、思わず呻きを漏らす正雪の口から、薄雲のまことの名前が零れ出た。
間合いを計っていたらしい薄雲の脚が宙に浮き、正雪の腰を抱いた。
ぐいと引き寄せられるままに奥深くまでいざなわれ、挿し込んだ、というより、飲み込まれたともいう
べきその甘美な刺激に、正雪がいよいよ意識を手放さんとする間際、巾着袋の紐を引いたような
締め付けの感触と、一際悩ましい薄雲の声に包まれた。
「ん、ああっ……!」

どこかの部屋で酒宴でも開いているのか、三味線の音色と幇間の唄う声が、遠く聴こえた。

昏々と白濁した意識の狭間で、ふと疑問が浮かび、正雪は口を開いた。
「ややこが出来たりはしねェのか?」
言いながら、間抜けなことを聞いたものだと正雪は自分でも苦笑した。
そんな根本的な対策が、なされてないわけがない。
「お客さんがそんなこと心配するのは野暮っていうのよ」
「……客か、違いねェ」
ふてくされた笑いを浮かべ、正雪はごろりと薄雲に背を向けた。
虚脱感と倦怠感とが押し寄せ、頭がうまく回らなかった。
だから、薄雲が、客との交合で達してはならないという禁忌を犯してしまった動揺を悟られまいと、
必死に気丈な声色を作ってみせていたことに、気づかなかった。
猛烈な眠気に襲われて、正雪は目蓋を閉じていた。
だから、薄雲が、初めて味わった悦びの余韻に戸惑いながら、のぼせたように緩んでしまう表情を
見られまいと襦袢の袂で顔を覆っていたことにも、気づけなかった。
無性に疲れていた。
今しがたの出来ごとが、ずいぶん長い間のことのようにも、あっという間のことのようにも思えた。
まどろみのなかで、薄雲のすすり泣く声が聴こえたような気がしたが、目を開けられなかった。

514夢一夜 8:2008/05/09(金) 00:43:48 ID:TVnawbwS
翌朝、正雪は目を覚ますなり、がばっと身を起こし、頭を抱え込んだ。
――いや、あの状況でああならない男はいねェだろ。あれは仕方ねェ。
必死に正当化してみたところで、一時の欲望に押し流されてしまった自分が情けないことに変わり
なく、拒むことなく応えた薄雲を恨みたいような感謝したいような、わけのわからぬ感情が入り乱れ、
しばらく顔が上げられなかった。
身の置きどころがない思いに途方に暮れながら、なぜか後悔の念がないのは、けだるい甘さの
名残りに、未だ酔っているせいかもしれなかった。

伏せた顔を覆った指のすき間から自分の胴体が目に入り、半脱ぎに乱れたまま眠ったはずが、
床に就く前と同じ格好だということに気がついた。
念のため下の方を探ると、そちらもしっかり身に付けていた。
事態をうまく飲みい込めないまま、とりあえず布団から出ようとして、隣で寝ていたはずの薄雲の
姿が見当たらないことに、どこかほっとした。
相見えたところで、どんな顔をすればいいかわからない。
まずは、謝ろうか。それとも、と正雪は思った。
――めんどくせェ。この隙に帰っちまうか……。
差し当たり袴を穿こうと、辺りを漁っていたところで、突然、布団を囲っていた屏風が畳まれた。
「アラアラ、もう起きたの?」
「お、おう……」
物音から起床を察し、屏風の陰から顔を出した薄雲の手に、正雪の袴が握られてあった。

「裾がほつれてたから繕ってるの。もう少し待ってて」
正雪の狼狽をよそに、薄雲は二人の間にまるでなにごともなかったような素振りで、裁縫を続けた。
正雪は困惑した。
――夕べのあれは、夢だったんだろうか。
記憶をめぐらせば、からだの方々に残る生々しい感触がまざまざとよみがえり、身悶えしそうになった。
それに比べて、同じ夜を過ごしたはずの薄雲の顔のなんと涼しげなことか。
しょうばいなんだからそういうもんか、と正雪は確かにこの目見た、着物の下に隠されていた肌の
色や、ほっそりとしたくびれと腰から太股にかけてのゆたかな肉付きを打ち消すように、薄雲が
縫いものをする様子を見遣った。
器用に針と糸を扱う様は、さすが貧乏育ちといった見事さで、玉結びの終えた縫い目に唇を寄せ、
余り糸を糸切り歯で噛み切る仕草は、所帯じみつつもほんのりした色香があった。
「はい、できたわ」
「……あんがとよ」
「それにしてもアンタ、昔からずっと同じ着物着てるのね」
「ほっとけよ」
――やっぱり、夢だ。
繕い終えた袴に足を通しながら、正雪は思い直した。
もともと、廓なんていうところは、男が夢を見に来る場所なのだ。
515夢一夜 9:2008/05/09(金) 00:44:50 ID:TVnawbwS
一方で、女にとっては現実だった。
好き好んで淫蕩の世界に身を落とす女などここにはおらず、一見きらびやかな衣装や装飾品は、
ただ貧しい家に生まれついたという不運と、親に売られた身を男に売るという因果な身過ぎの
立て方とへの、せめてもの慰めのように思えた。
己の不遇さを嘆くことなく、しなやかに受け入れ、どうせなら一番になろうという当座の希望を胸に
生きる薄雲の心意気は小気味良かった。
が、その生業に自分も一枚噛んでしまうと、金銭を介せば知った顔にまで身をひさいでしまえる
ほどの見上げた玄人根性に感服すると共に、その割り切ったたくましさに打ちひしがれる思いがした。
正雪は、なにか大切なものを喪失したような気がしていたが、なんの根拠もなく、こんな気分も
じきに慣れるのだろうと思った。

「また来るぜ」
普段の調子の良さと、その気があろうがなかろうが別れ際にはこう言うのが粋でいなせな男だろう
という見栄から、正雪はうそぶいた。
「アンタそんなお金ないでしょ」
「ひでェな。それが後朝で言う台詞かよ」
冗談めいたやり取りの後、薄雲は見世を後にしようとする正雪の袖をつかみ、蛇の目傘を差し出した。
「……こんなところまで来なくていいわよ。でも、これは返しに来て。その時はお酒ぐらいおごるから」

――そんなに降ってねェじゃねェか。
外は傘など差さずに済むような、音もなくしっとり肌を湿らすだけの小糠雨だった。
つまり薄雲は、また会いに来るきっかけを作ってよこしたのだ、と正雪は思った。
相変わらず自分の心の内を見通したような薄雲の機転が、悔しくもありがたかった。
朝の吉原は夜とはまた違った趣があり、ぼんやり眺めながら歩いた。
心は感傷に浸る一方で、からだの方は、覚えた女の味に早くも疼きだしており、そう遠くないうちに
色街に繰り出して一夜妻を求める自分の姿は、想像に難くなかった。
雨というほどもない雨はまもなくあがり、濡れてもいない傘が手に余った。
大門のところで、夕べ座敷で酌をしてくれた遊女が、あの後に枕を交わしたらしい客を見送って
いる姿が見えた。
帰れない日々へ手を振るように、見返り柳が揺れた。

家路に向かう道すがら、正雪は煙管屋で煙管を一本買った。
初めて吸った煙草の味は苦かったが、じきに慣れるだろうと思った。


(終)
516名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 00:48:48 ID:TVnawbwS
以上です。薄雲さんのツンデレ具合が難しい…。
冗長になってしまうと思ったので、床入りは三回目の登楼から等のしきたりは無視しました。
最初の方、明らかに改行失敗してしまっている箇所がありますが、詰めて読んで下さるとありがたいです。
517名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 21:07:04 ID:hUcNFJ0a
GJです この二人好きにはたまらん
518夢一夜 9・修正:2008/05/10(土) 21:11:36 ID:sZEfe8Cu
下から9行目
心は感傷に浸る一方で、→ 心は失恋の痛みに似た感傷に浸る一方で、

投下後に見苦しくてすみません。読んで下さった方ありがとうございました。
519名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 22:00:07 ID:BDhpED18
GJ以外の言葉が出てこない。
なんかもう息苦しくなるほどGJだ。
520名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 16:45:11 ID:W/PWsEJq
GJいいすぎてごはん食べられなくなっちゃった
521名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:23:29 ID:JkyH4AJl
★総一郎
522名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 23:53:11 ID:SMJaq3j5
523名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 21:22:12 ID:R9MnBxBZ
IDがSMじゃないか…
524うっほい:2008/06/04(水) 19:23:26 ID:CX1Kj9hb
>>478
わかったぜ


書いてやるよ
525うっほい:2008/06/04(水) 19:28:18 ID:CX1Kj9hb
まずは千代吉+加代で


「加代姉、飲みすぎっスよ!」
「うぁ〜??へーキ、へーキ!まだまだこれからだってぇの〜」
ドロ酔いの加代がふらふらしながら言う。
ここは酒蔵。
もちろん、なな菜酒の保管をしている酒蔵だ。




時間ないからこのへんで。
また後日書く。
526名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 19:48:23 ID:i3xLwWGI

待ってるぜ!
527うっほい:2008/06/05(木) 16:45:38 ID:gPsfPHEI
「おっ!?」
加代が小石につまづいたようだ。
「加代姉、危ないっス!!」
千代吉は加代を抱きかかえ、ほっとしたように一息つく。
「!!」
「はー…。よかったっス…ん!?」
ふにふにするものが千代吉の手にあたっている。
「うわぁぁ!!加代姉ごめんなさいっスぅ!」
千代吉は高速で後ずさりした。
千代吉の手にあたっていたものは…、察しのとおり加代の胸だ。
「………。千代ボー…。」
「お、怒ってるっスか!!?本当にごめんなさいっス!ごめんなさいっス!ごめ「そっかぁ…。千代ボーもまだ12だもんねェ」
平謝りしている千代吉の言葉をさえぎって、加代は続ける。

「いーよ。それより千代ボー、あたしが勉強教えてあげる・・・」
「え??」
528うっほい:2008/06/05(木) 17:02:35 ID:gPsfPHEI
「なんの教科っスか?」
千代吉は加代が勉強を教えてくれるというので、わくわくしている。
「んー…。しいて言えば保健体育かなぁ」
「保健体育?」
「そ!千代ボー、あたしのいうとおりにしてねェ…」
「は、ハイっス!」 
「じゃあ、まず…。」
加代が耳打ちで千代吉に言う。
「ええっ!?それって…!」
「いいから!じゃ、やりなさい!」
加代は巫女装束を腰まで脱ぎ、豊満な胸を千代吉に見せ付けた。
「う…。わかったっス」
千代吉は加代の手を握り、自分の顔を胸へと持っていった。
そして、乳首を口に含んだ。
「…んぁっ!!」
「い、いたかったっスか加代姉!」
「だ…大丈夫。続けて…。」
そういわれると千代吉は安心し、加代の右胸を両手でやさしく掴んで再び乳首を口に含みんだ。
そして、乳首を下でころがしたり、ときどき吸い付いたりした。
「ぅ…。あ…。」
加代の息があがってきた。
きれいな声がいやらしくなり、握っている手に力を入れる。
「ち…、千代ボー、そろそろ別のことにうつりましょう。」
「ハイっス…」
加代の乳首の周りには赤い跡が残っている。
「今度は…。あたしがいいことしてあげる」
「??」
「えいっ!!」
加代はいきおいよく千代吉の袴(はかま)を脱がし、千代吉は一瞬にして赤面した。
「うわぁ!なにするっスか加代姉!」
「かくしちゃだーめ!」
加代は自分の股間を隠そうとする千代吉の手を押さえつけ、にんまり笑った。


529うっほい:2008/06/05(木) 17:29:28 ID:gPsfPHEI
そして次の瞬間、加代は千代吉の一物を加えた。
「…ぁあぁぁあああぁ!!」
千代吉は絶叫した。
「まだくわえただけじゃない!オーゲサよ千代ボー!」
「だっ…って…ぁ…!やめ…加…代姉…」
ぴちゃ、ぴちゅ…。
いやらしい音がたつ。
「やっぱまだ子供ねェ千代ボーは…」
千代吉は両手で顔を覆い、喘いでいる。
「なん…か…オレ…変っス…。どんどん体が…!ひあぁ!!」
加代は千代吉の一物を甘噛みし、ひいたり押したりを繰り返している。いわゆる『激しいフェラ』だ。
「だめっス!離れてくださいっス!なんか…なんか出るっス!」
千代吉の顔は涙でぬれている。
「そんなの…あたしが嫌がるわけないじゃない」
加代は千代吉の一物を胸にはさみ、谷間をよせた。
「うわあああああああああああ!!!!!」
ビシューー!!
千代吉の精液は加代の胸、口、頬などへ一気にかかった。
「ん…。出た出た…」
「はぁ…はぁ…。」
千代吉はへなへなと座り込み、地面に手をついた。
「オレ…、かっこわるいっス…。加代姉にあんなところ見られたうえ、胸吸うとか…。サイテーの男っス…」
「はい!よくできましたァ!」
加代は千代吉の頭を抱きしめ、よしよししている。
「じゃ、よくできたごほうび…ね!」



530うっほい:2008/06/05(木) 17:54:12 ID:gPsfPHEI
「この中にいれちゃっていーわよ!」
「え…」
加代は全裸になり、大股を開いた。
「か…加代姉!だめっス!そんなことするなんて…」
「ごほうびだっていってんでしょ!早くしなさい!」
「…わかったっス」
千代吉はいそいそと着物を脱ぎ、仰向けにねころがっている加代の上に乗った。
「…覚悟はいいっスか?加代姉」
「ばっちりおっけー」
「じゃ、いれるっス」
千代吉は加代の性器に自分の一物をおしこみ、瞳をとじた。
「ぅッ…!!痛…」
「い、痛ければやめるっス!」
「大丈夫…。もっとおくまでいれて…」
「ハイッス」
千代吉は締め付けられる一物に快感を覚え、激しくピストンを繰り返した。
「ぁンっ!!ちょっ…!ストップ!ストップ!激しすぎ…!うぁっ!ひん!」
「大丈夫っていったの、加代姉ッスよ」
「あ!ぅ!ひっ!あっぁ!そ、そうだけどっ…!ゃん!うぁ!」
ピストンされるたびに加代の体は大きく揺れ、胸もぷるんと揺れる。
「あっ!出るッス!急いで抜い…」
「だめっ!抜かないで!」
「で、でもそんなことしたら加代姉あかちゃんができちゃうッスよ!?」
「いいのぉ!!中で出してェェ!!」
「「あぁぁぁあああぁぁああああああああああああ!!!!!!!」」
二人は同時に叫び、気絶した。










千代吉の額につめたいものがのる。
それと同時に、千代吉はガバッと起き上がった。
服は着せられてある。
「あ!起きた起きた!」
「…加代姉?オレ今まで寝て…あああ!!!!」
千代吉は思い出した。そう。先ほどのことを。
「加代姉!ごめんなさいッス!オレが…!オレのせいであかちゃんできるかも…!」
「あはは!いーんだって!もーちょっと寝てなさい!」
加代は千代吉の背中をパーンとたたき、千代吉は背中の痛さにもがき苦しんだ。
「もし赤ちゃんができたとしてもね、千代ボーとあたしの赤ちゃんだもん!大事に育てるわよ!」
加代はあははと笑い、千代吉は加代につられて笑った。

〜END〜
どうだった?
これでよかったか?
531うっほい:2008/06/05(木) 18:00:52 ID:gPsfPHEI
ごめん。マロとスズメはむずすぎてかけない…。
そのかわり俺の大大大大大大好きなほなみん+ふうさんを…。

532名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 18:43:25 ID:HPYSR0Ck
>>530

GJ!
うまいねぇ
ちゃんと想像ができた
533うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/07(土) 19:22:08 ID:6tIlMFac
>>532
そうかなぁ?
ちょっとエロシーンが短かったり極端だったりと、いろいろ失敗したんだが…。
まぁ、満足してもらえたんならよかった^^
534うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/08(日) 13:08:47 ID:Db3tep/o
うーん…。
ちょっとかわいそうなかんじの小説になるかも・・・。
風間と穂波です。




「…キミたちは?」
ボクは鞘に手をあてた。
「おいおい…。まさか忘れたの?オレたちのこと!」
「白馬道場だよ!」
「あ、そうか。で、何のよう?」
「何のようじゃねーよ」
男がボクの腕を掴んだ。

「このあいだのかりをかえしにきたんだよっ!」
そして、ボクの頬を殴った。(パーで。
「ぁう!!」
「お前らのせいでオレたち面目丸つぶれなんだよ!ああ!?」
30人か20人はいる男たちの中の背の高い男が、ボクの頭を持ち上げ、刀を手に取った。
「……!!!!」
怖い。
こんな感情久しぶりだ。
「おらぁ!!」
男はボクの羽織を刀で破り、腕をきりつけた。
「あぁぁっ!」
ボクは腕のいたみに耐え切れず、叫んだ。





535うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/08(日) 15:13:45 ID:Db3tep/o
「女みてぇだなぁ、オメェ…」
「うぐ…ぅ…」
ボクの腕からは血が流れている。
「じゃ、やっちまおうか」
「へ」
536うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/08(日) 17:00:50 ID:Db3tep/o
そういうとメガネの男(以下、メガネ君)は、ボクの破れた羽織をすごい勢いで脱がせた。
「!!」
「じっとしてろよ!」
「ちょっ…!?ひゃぁ!!」
背の高い男がボクの頭をパッと話したので、ボクは地面に倒れこんだ。
それと同時に着物がはだけた。

なぜかいきなりメガネ君がボクのうえにおおいかぶさってきた。
「うっ!?な…!おも…」
「黙ってやがれ」
「あっ…え!?」
ボクはメガネ君に着物を脱がされた。(袴は無事)
「はなっ…してよぉ!」
必死で抵抗した。つもりだ。
だがメガネ君はボクの言葉をおもいっきりスルーする。
「じゃ、オレがやっちゃうぜ?文句はねぇな?」
「ま、お前がこいつを見つけたんだからな…。好きにしろ」
「ぃよし!」
ボクは二人の男によって身動きを封じられる。

これはまずい。

「じゃ、いきますか!」
537うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/12(木) 17:19:32 ID:8dlnHVIb
うわあああああああああああああ!!!
「脱がした」が何個もある!
スルーしてくれ!
538名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 18:37:41 ID:WJ1wn7yB
これからも頑張ってね
539うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/13(金) 17:10:01 ID:ik085lxt
「あんまり酷くすんなよ」
「わかってるって。大声出されたら困るしな」
ボクはもう泣きそうだった。
でもここで泣いても、こいつらの興奮を誘うだけだ。
「っ…!!!?」
メガネ君がボクに無理矢理口吸いする。
「んぅ…!む…」
今でいうディープキスだ。
気持ち悪い…!
ボクは精一杯の抵抗で、メガネ君の舌を噛んだ。
『ガリッ』という音とともに、血の味が口に広がる。
「ぐっ!?あ!!」
メガネ君は口を押さえ、転げまわった。
「てっ!!てめぇ!!」
「落ち着け親友!後は俺たちがやっとくからさ!な!?早く医者に行けよ!」
骨ばった男が、メガネ君をなだめる。
「わかった!」
メガネ君は泣きながら走り出した。
やりすぎちゃったかな…


540うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/16(月) 17:58:56 ID:R9daZkjs
「うまいこといったぜ」
背の高い男がニヤリと笑う。
「ああ。俺たちがあいつのかわりにこいつで遊べるなぁ」
「覚悟しろよ…名前なんてんだ?」
「………」
ボクは押し黙ったままだった。
そりゃそうだろう。
こっちは襲われかけたんだから。
「…仲間がどうなってもいいのか?」
師範と呼ばれている男が言った。
なんて奴だ!
「…!穂波!穂波多助!」
「ホナミ…。お前…どうやら風間が好きらしいな」
「!!???」
ボクはおもわず目を見開いた。
「このこと風間がしったらどうおもうかなぁ」
「やっ…やだ!」
「同性愛者なんて相手にするか?もしかしたら引くかもしれねぇし…」
ボクは青ざめた。
「いやっ!いやだ!」
「なんだその口調は?『お願いします言わないでください』だろぉ?」
「…!!」
ボクの瞳から涙がこぼれた。
「おねが…い…します…いわ……ないで…くださ…い…」
ボクは泣きながら言う。
「おーし、いい子だ」
師範の男がボクの顎をくいっと持ち上げた。

541名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 12:42:06 ID:TtyKOAtQ
今週のを読んだら良成×スズメとか浮かんだ
リハビリがてら書いてみるわ
542うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/17(火) 17:18:06 ID:g1kR4AmQ
>>541
応援してる
ガンガレ

うちのほなみんはふうさんの事がすきという設定で…
543うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/17(火) 17:44:31 ID:g1kR4AmQ
「んっ…ふ…」
また口吸いだ。
嫌だ。嫌で嫌でたまらない。
だけど、こんどは抵抗もできない。
脅されている。
「んぁ…ぅ…」
頭がほわほわしてきた…。
「ん…ふ」
口を離された。
安心したような怖いような不思議な気持ちだ。
「はぁ…はぁ…」
「んー…悪くはないけどちょっと未熟か?」
何を言っているんだ…?
「こうすれば興奮するだろ」
師範の男がボクの胸を触った。
「あっ!ちょっ…!」
544名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 17:58:28 ID:0JPOI4/S
皆あえて突っ込まなかったんだろうが言わせてくれ

もう少し落ち着いて、書きためた上で推敲してきてくれ
というか普通エロパロでは801はなしな筈では?せめて注意書きくらいしろよ
545名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 20:35:28 ID:R3kyfVPd
彼の名前「うっほい」は「ウホッ」と「イイ」が混ざったものだと推測
546うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/18(水) 18:37:08 ID:805npgxB
ちがうよ。
このあいだ兄貴が机に小指ぶつけて「うっほいっっ!」ってわめいてたからつけた。

ルート選択
A、風間登場。エロなしでハッピーエンドルート。
B、風間登場。男同士なんて気にしないぜ!エロルート。

どれだ。
547うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/18(水) 19:02:34 ID:805npgxB
追加
C、風間登場せず。穂波は白馬道場に襲われて、バッドエンド。
548名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 20:56:00 ID:uTfRxlN/
D、基地外うっほいが投下を止めて俺達ハッピーエンド
に一票
549名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 23:24:11 ID:QFAn1d08
Dに一票ノシ

投下自体が悪いわけではもちろんない
だけど注意書きなしで801だわあまりに下手だわで痛々しすぎる
550名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 00:06:57 ID:Ewpx6DNd
俺もDに一票
IDが805で微妙すぎワロタW
少なくとも年齢とスレの常識を学んでから来い
551名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 01:29:29 ID:AQbzELpM
初め誰も突っ込まないから不安になってた
ていうか、穂波=ショタで、ショタならオッケーって事なのか?
でもあいつけっこうムキムキだったしショタじゃないよな…と悩んでたw

ていうか注意書きあれば801いいの?
懐深いな
552名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 01:47:00 ID:a5uLOzn5
注意書きあっても801は勘弁してくれ
553名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 07:54:22 ID:IvYtVy1D
この漫画の男はみんな筋肉質。
801は801でちゃんと専用スレあるのでね
554うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/19(木) 18:21:53 ID:wupn8TjM
…書いても信じてもらえないかもしれませんが

801は妹です。

俺のHNのままかいてました。

「言い訳」とか「うそだ」とか言われても仕方がないかもしれませんが、本当の話です。

妹が友人と合作で書いてたらしいのです。

よくもまぁこんなもんリア友とかけるなとは思いますが本当です。

俺がパソ禁(電気代節約のため)してたときに書いて投稿していたっぽいです。

皆さん本当にすんませんでした。



555名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 18:32:22 ID:vOnvuRK/
はいはいバロスバロスww
556名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 18:48:33 ID:gEulUg7a
百歩譲って妹の仕業であろうと、sageもろくに出来ないお前も同罪、よって死ね
557うっほい ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/19(木) 18:53:59 ID:wupn8TjM
すまん
さげわすれてた
今後気をつける
558たかし(元うっほい) ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/19(木) 19:16:44 ID:wupn8TjM
なんかこのHNのままだと俺がやったわけじゃないのに罪悪感わくので俺の本名つかう
559名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 19:26:58 ID:JepKeDdh
レスの繋がり的に自演乙としか言えんわ
まだ加代姉で止めればよかったものを
560たかし(元うっほい) ◆l2iGuWAbUQ :2008/06/20(金) 18:18:21 ID:LV9lxH7e
自己じゃないって
まあそう思われてもおかしくないか…
加代姉で止めてたけど勝手にかかれたんだよ801
腹立つ
561名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 18:41:51 ID:soUsqdTO
書き込めば書き込むほどうざさが増すのわかってる?妹が書いたとかどうでもいいんだよ
これ以上非難されたくなかったらさっさとトリ外してロム専にでもなっとけ
562名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 04:13:40 ID:4eOnBTUO
保守
563名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 02:48:53 ID:MHvH3qSr
保守
564名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 18:31:48 ID:u/UA1H/K
保守
565台詞組み合わせてエロ伍志乃:2008/06/29(日) 08:57:28 ID:oe0nY49i
さてテスト投下。

※実際に漫画で使用されている台詞を組み合わせてます。
でも句読点は違うとこあるかも。そこは見逃して下さい;

「オレは今夜志乃と…がんばる!!最早迷いはないのでな…」
「うん!!つくろー!!えへへ!!早く夜にならないかな!」
566名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 11:15:45 ID:thb3wRiS
>>565
うわぁ…
すげぇ!
567名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 14:39:09 ID:R5UuCJOK
鬼才あらわるwwwww
568台詞(ry:2008/06/29(日) 21:47:27 ID:oe0nY49i
>>566 >>567 どうもですw
では本番投下
※エロ妄想力を存分に働かせてご覧ください
なお、エロ妄想力無しではさっぱりワケが分かりませんw

◆◆1
「ごっちん早く早く!」
「う…スマン志乃よ…鼻血が止まらん…待ってくれ…」
「大丈夫?ごっちん…よーし…」
「ちょ…待て志乃っ!!なでるのはよせ!!う、あっ…!!」
「…ごっちん、イイ?」

ぎゅ!

「うっ!!」
「あ…ごめんね…なんか気持ちよさそーだったから」
「いや…そちらがその気であれば…」

ガバッ!!

「わっ!!」
「安心しろ…すぐ終わる」
「ホントに??」
「うむ、兄や父から手ほどきは受けている」
「うーん…でも、あたしやるよ!!」
「え?!志乃…何を…え…ちょっ…」
「じっとしててねごっちん!!」
569台詞(ry:2008/06/29(日) 21:57:40 ID:oe0nY49i
◆◆2
「志乃?!」
「んー、こんな感じだと思うんだけどなー…えいっ」
「う…」

ぐっ!!

「あっ…あ!!なんか、入ってるよ…!!」
「だ、大丈夫か?」
「だいじょぶ〜じゃないかも…ん…!!」
「…くっ」
「ううう…痛いよごっちん…ごめんね…やっぱ…もう…ヤダ…」
「………」
「ごっちん??」
「…浅かったか…」

ぐいっ

「え…ごっちん??どしたの急に…」
「まだ終わってはおらぬ」
570名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:37:11 ID:rIsfw+Fl
これはすごい
571名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:41:42 ID:nIsGu+Po
>>568-569

神すぎます。
尊敬していいですか><
妄想できてしまうから怖い(
572565:2008/07/01(火) 00:54:49 ID:d8ReJjEw
>>570>>571 感謝至極。

書こうとしたらミス発見したのでまた明日;
申し訳ない
573名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 17:59:43 ID:QsOt1fCR
すげぇw神だw
574名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 19:02:45 ID:8OzRutim
korehasugoi
575名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 19:54:24 ID:PurNoPxd
久々に神キタ-!!
これぞ新たなエロパターン……!
576台詞(ry:2008/07/01(火) 20:16:04 ID:d8ReJjEw
>>573-575 恐悦至極。
正直「小説じゃねぇww」とか言われると思ってましたよ。


◆◆3
ぐっ!!

「ひっ!!あ、あっ!!」
「今度はしっかり…貫いてやる…」
「ダメー!!あっ…ごっち…」
「志乃…そんな顔をするな…」
「ごっちんの…バカー!!あ、あ、ヤダ…」
「大丈夫…大丈夫だ…オレはお主の信ずる…お主の夫なのだから…」
「…」
「…よいか」
「…うん…わかった…」
「ゆくぞ」

ぐぐ…

「あ…う…ごっちん…痛いよ…」
「結婚してから初めてのことだ…ムリもない…」
「あ、あ…ん…わ!!血が出てるよ!!」
「案ずるな志乃…う…熱い…イケるかもしれん」

「…うん…手ェつかまってていい?」
「うむ…構わぬぞ」



「あ、あっ…ふあぁ!!」
「志乃…志乃っ!!」
「あ、んー!!…あ、ううう!!」
「もう少し辛抱してくれ…もう少しだ…」
「う、あっ…きて!!ごっちん!!」
「志、乃っ!!!」

ドバ!!どくどくどくどく

「……ハァ…ハァ…」
「…はっ…はっ…」

「志乃…大丈夫か」
「うん…えへへ…幸せだね…」
「…うむ…」

577名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 20:18:10 ID:d8ReJjEw
◆◆
「ねーごっちん」
「む??」
「だ〜いすき!!」
「う、うむ…オレももちろん…同じ気持ちだ…」
「えへへへ!!!…しよっか!」
「また?!」
「迷惑??」
「いや…」

いざ二回戦へ…

◆◆ お し ま い ◆◆
578名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 20:20:51 ID:NU6Nxpv6
ぬふぁーん!
579台詞(ryの人:2008/07/01(火) 20:22:15 ID:d8ReJjEw
読んでくれた方々、ありがとうございました。
580名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 21:16:45 ID:yfwhMpNy
すげえ
マジすげえ
581名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 14:14:48 ID:YbAa7lfb
スズメは鰐淵邸にこもっているのが退屈で散歩しに抜け出しました
するといきなり後ろから殴られ気絶してしまいました

犯人はもちろんブラコンめがね
582小ネタ:2008/07/03(木) 14:41:46 ID:YbAa7lfb
ブチッ!グチュゥ・・・ジュブジュブゥ・・・・

良成「ほらほら!!ここは兄上様にささげるつもりだったんだろぉ!ざまぁねえなぁ!!」
スズメ「なぁっ・・なんでこんなこと・・・」
583名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 18:34:48 ID:LDOs3QER
>>582
うわぁ…
りょー君鬼だ…
でも本当にやりかねそう…
乙!
でも俺はこーゆーネタ好きだ!
584名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 20:16:28 ID:T3mnCN5x
「ははは、そらっ、雀なら雀らしくもっと可愛く鳴きなよ。やっぱり、兄上様はお前みたいな売女には勿体無さ過ぎるなぁ。
それに残念だけど、兄上様の初めては僕のものなんだ」
585名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 20:41:35 ID:WZ8bsjNQ
すげえww
586名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:02:17 ID:lKb7yPNW
今日は警備がすくねぇな・・・。
スズメが離れ小屋から首を出すと左右を見渡す。
いつもは部屋の前に警備が数人ほど獲物を持ってスズメを監視しているのだが。
うさぎ道場との試合の後、流人は一人残らず打ち首―――下手をすればさらし首だったのだが、鰐淵の指示によりスズメ達の首はまだつながっている。
不意に、首筋がむずがゆくなる。
命を捨てる覚悟はあったのだが、こうして不自由ながらも生きていると生への執着は強くなってしまう。
モズクや鶴屋、ウズラ、鳳も生きているらしいが、モズクは流人と大々的に公表してしまったので罰は逃れられないだろう。
不意に、胸が痛くなる。
モズクは大切な仲間だ。
また大切な人を失うのは嫌だ。
陰鬱な思考に悩むスズメの頭にちらりと浮かんだのは、黒髪の侍。
『女子であろうと懸命に戦う者を笑うとは何事だッ!!!』
無愛想な顔から見せた激昂の表情。
あんなお侍が守ってくれていたら。
アスカも―――。
不意に、涙がこぼれそうになる。
こんな自分は似合わないな、と目じりを拭うと身だしなみを整えた。
白い着物の上に上等な赤い羽織を着込むと、もう一度あたりを確認する。
ちょっと外で遊べんじゃん。
少しばかり陽の光を浴びても悪くないだろう。
挙動不審ぎみにそっと外に出ると、壁を伝って出口を目指す。
誰もいねぇ。
すげぇ、あたいついてんじゃん。
浮き足で入り口の門を開けて顔を出した瞬間だった。
風を切る音が聞こえて首筋に衝撃が走る。
「ぁっ」
反射的に声が出てしまい、前につんのめる。
その後、顎に何か堅い棒状のものが当たって視界が回り、暗くなった。
587次からエロ:2008/07/03(木) 21:02:43 ID:lKb7yPNW
起きると、うすらぼんやりとした景色が目に入った。
緑が多い。
森だろうか。
口に違和感、塞がらない。
猿轡をされているらしい。
見つかっちまったのかな。
流人時代を思い出させるような仕打ちに、そんな想像をした。
体も縛られているらしい。
やべぇ。
自嘲気味に頭の中でつぶやく。
体をねじって仰向けになると、侍が目に入った。
長物を持っていて、後ろに一言、二言告げるとさがっていく。
腹筋で何とか上半身を起こすと、見事に腕と上半身を縛られていた。
講武館の清木でも出てくるのかと前を持ち前の切れ目で睨んでいると、現れたのは眼鏡をかけた身なりのいい青年だった。
やさしそうな顔でニコニコと近づいてきて猿轡をはずしてくれた。
警戒をし続けるスズメの前に中屈みになり、笑顔を見せる。
「はじめまして、といっても僕はあなたを見たことがあるんですけどね」
「・・・」
「本間 良成です」
良成が前髪を上げると、マロと同じ眉毛が現れる。
「あなたと戦った本間 魯山の弟です」
魯山の名が出て不意に顔が赤くなってしまった。
「あんた、あのお侍の弟なら・・・」
頬に痛みが走る。
スズメは呆気にとられて勢いよく横に倒れた。
「口に気をつけてください」
良成が能面のような顔になる。
人を見下した顔。
ああ、これは。
―――あたいの嫌いな侍だ。
588名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:24:55 ID:lKb7yPNW
「見てましたよ、兄上の前でまるで生娘のように振舞うあなたの無邪気さ」
もう一度頬を叩かれる。
「汚らわしい流人が」
また、叩かれる。
「汚い淫女が」
―――叩かれる。
やっと、侍を信じられたかもしれないのに。
やっと、恋を知ったかもしれないのに。
運命は、いじわるだ。
涙を流しながらも、悔しくて睨みつける。
良成が眉をひそめた。
「その目つき、兄上にも見せてあげたいですよ」
「・・・っ・・・っ」
嗚咽をかみ殺しながら、マロのことを思った。
きっと、助けてくれる。
懸命に戦えば、きっとあのお侍は。
そんなスズメを見て良成は笑った。
『女子であろうと懸命に戦う者を笑うとは何事だッ!!!』
そんな言葉を欺くように。
「たった五両の賄賂であなたを放した警備にも感謝しないとねっ!」
上半身をぎちぎちに縛られ、唯一自由のきくスズメの両足を掴み、開く。
「〜っ」
白い着物が乱れ、陰部があらわになる。
まだ毛も生えそろっていないスズメの陰部を見て良成は鼻で笑った。
女を捨てたつもりのスズメでも、この仕打ちに涙がこぼれる。
「やめろよぉ・・・」
もがいても両足を固定され、覗かれている。
「汚してやる」
良成がスズメの体に水を浴びせる。
薄手の白い着物からスズメの桃色の突起があらわになった。
良成が力強く突起を掴む。
「やめろ、いたい、痛い!」
その刺激の後、優しく未発達な胸をさするようにさわられる。
先ほどとの違いに、体が思わず反応してしまった。
「・・・んっ」
声を出してしまい、下唇をかむ。
悔しい。
良成の顔が近づいてきて、舌が口を犯してくる。
「ぁん・・・んぅ」
生暖かいぬめりのある舌を受け入れてしまう。
そのまま舌は耳を噛み、首筋を伝う。
体がつんのめり、背筋がくすぐられる様な快感に体を震わせた。
「やめぇ・・・ろよぉ・・・」
自分でもわかる。
濡れてしまっているのだ。
絶えず良成はスズメの胸をこすり、耳の穴に舌を突っ込む。
「うぅ・・・ぁ・・・」
良成が体を離し、また両足を広げさせる。
「みんなぁ・・・みんぅなぁ・・・」
蜜を出している女陰は、開いてこそいないが、少し赤みを帯びていた。
589名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:44:00 ID:lKb7yPNW
良成が服を脱ぐ。
これから起きるだろう行動に、スズメは震えた。
快感なのか、恐ろしいのか。
スズメの女陰に良成の男性器がこすられる。
「ぅん・・・やめろ・・・」
指で女陰を広げられ、その快感は羞恥と共に大きくなる。
狭い入り口に男性器がぐい、ぐいと推し進められた。
「ぁ・・・ぁぁぁ」
下唇を血が出るほどに噛み、目を強くつぶる。
異物感。
『何度』味わっても不快なもの。
「やっぱり・・・生娘じゃない」
予想が当たったと笑う。
半分ほど入った男性器を奥に入れるため、スズメに腰をたたきつけた。
「ひぅっ・・・」
スズメの女陰はぬめって暖かい。
良成にとっては少し窮屈だったが、強引に腰を動かした。
少しざらつく陰内を男性器が往復すると、だんだん熱を帯びてくる。
あまり腰を引くと抜けてしまいそうだ。
引くたびに入り口は半分閉じられ、入れるときにまた開通する。
そうして男性器の全体に刺激を与える。
「もう・・・ゆるしてくれよ・・・忘れる・・・」
「何を?」
腰をうねらせる様にして入り口を広げた。
指で女陰の入り口の少し上の粘膜をいじった。
「ぁぁぁ・・・もう・・・魯山のことは・・・」
「魯山様だろう」
粘膜の奥にしこりが感じられ、そこを指でつねる。
「忘れる・・・!魯山様のことは・・・」
良成が男性器を抜くと、スズメをうつぶせにする。
「もう一度言うんだ」
「魯山様のことは・・・忘れます」
「いいだろう」
「ぐぅっ・・・ぅぅ・・・」
悔し涙を地面にたらしているスズメの尻の割れ目を指で広げる。
人差し指を唾でぬらすと、後ろの穴に突っ込み、動かした。
「やめっ・・・そこは」
「流人は口八丁と言うからな」
590名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:55:25 ID:lKb7yPNW
スズメの粘液で十分にぬれている男性器を後ろの穴にゆっくりと入れる。
すずめが苦しそうにふぅー、ふぅーと息を荒げていた。
呼吸のたびに伸縮する穴にじょじょに男性器を納めた。
「奥まで入ってるじゃないか」
口をパクパクと開いているスズメを介せずに乱暴に男性器を出し入れした。
先ほどのように恥辱感を味あわせるためではない。
一種の拷問だった。
両手を縛られ、体を反らせることしかできないスズメは、びくびくと体を動かしている。
「まるで魚だな・・・そういえば君は兄上を魚屋とも言ったよね」
良成が仰向けになり、スズメを上に立たせる。
「動け」
空ろになった目で息を整えているスズメに命令をする。
一向に動かないスズメに、一度腰を打ち上げた。
「うぁっ!」
無言の脅迫に、スズメが歯を食いしばりながら腰を下ろす。
空いた手で女陰をほぐした。
スズメは本当に生娘のように泣きじゃくりながら腰を動かしている。
熱い、吸い付くような快感が、上下しつづけ、良成にも限界が訪れる。
スズメの腰を掴み、強引におろすと、上下ではなく、左右に動かして男性器を刺激する。
「ほら、本間家の種子だ、喜ぶんだね」
そして、再度突き上げると良成の男性器から熱のこもった白濁液が飛ぶように発される。
スズメは何度か痙攣して受け止めると、体の力を抜いた。
良成が水で自らの下半身を流すと、豆絞りでふき取り、元通りの着衣に着替えた。

591おわり:2008/07/03(木) 22:01:19 ID:lKb7yPNW
悔しかった。
犯されたこと、汚されたこと。
頭の片隅でぼんやりと黒い髪の侍が浮かぶ。
『女子であろ―――』
あれ?
『女子であろう―笑うとは―!!!』
あたいやべぇ。
「何にも、思い出せねぇ」
穢れたままの体を横に転がし、うずくまる。
否定しても、否定しても。
思い出さないようにしても。
『女子であろうと懸命に戦う者を笑うとは何事だッ!!!』
「忘れろなんて、できねぇよぉ・・・」
汚されることなんて、犯されることなんて、流人のころにあった。
だから我慢できる。
だけど。
「裏切られんのが一番・・・嫌いなんだよ・・・」
涙でぼやける視界。
その端に、黒い、影が、あるような気がした。
592名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 22:02:33 ID:lKb7yPNW
ごめんね、なんか鬼畜系で。
なんかりょー君=鬼だから。
593名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 22:12:35 ID:WZ8bsjNQ
594小ネタ:2008/07/04(金) 07:36:02 ID:mv/nYefd
おれの変な妄想をこんなすごいのにしてくれてありがとう
595名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 18:51:41 ID:Ctsn2CMR
スズメの初SSがこんな鬼畜とは…
いやはやGJ!
596名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:55:32 ID:HrkiDpup
食事の席、俺は沢庵を齧っていた。
味もわからぬ。
今日は志乃に話さなくてはいけないことがあるのだが、糸口をつかめない。
「ごっちん、大丈夫?ずっと沢庵ばっかり食べてるよ?」
「あ、ああ」
「もしかしてほかのおかず美味しくなかった?」
志乃は心配そうに作った料理を眺めている。
アジの煮付け、山菜のてんぷら、山出汁の味噌汁。
どれもいつもどおり、美味いのだが。
「いや、美味い」
アジの煮付けを一切れ、箸で切って口に入れた。
美味いぞ、と見せるように一噛みした瞬間、骨が口に刺さった。
思わず、体が跳ね、口を押さえた。
「ごっちん大丈夫?」
志乃が近づいて肩を触ってくる。
俺は痛みをこらえて志乃の手を握った。
「今夜、おぬしと・・・」
「今夜、なにしたいの?」
「寝たい」
597名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:56:03 ID:HrkiDpup
これまでの経路を言おう。
いつもどおり道場に向かった時だった。
道場ではなぜか摂津殿しかいなく、一人タバコをふかしていた。
後でわかったことだが。
穂波殿は城の用事、風間殿は何もしていないのに岡っ引きに捕まり、千代吉は村の仕事、マロは祖父にぼこぼこにされ養生しているらしかった。
「おはよう摂津殿」
「よお、五助ちゃん」
紫煙を噴出すと、摂津殿が懐から本を取り出し、こちらに投げてきた。
本が足元に落ちる。
「まあ、読んでみな」
くだらない本かと思い、見てみるとやはりくだらなかった。
「春本・・・摂津殿!」
「なあ五助ちゃん」
「なんだ」
「おたく、女に興味がないのかい?」
「べっべつに女子が好きなのと春本を買うのとは話が別だろう!だいたい、摂津殿は・・・」
「その調子だと、志乃と夫婦の夜も過ごしてねえな」
思いもしない言葉に顔が赤くなる。
「そんなこと関係ないであにょ・・あろう!」
悪びれも無くタバコをふかす。
「志乃は思ってるんじゃねぇか?五助ちゃんが自分を女として見てくれてないとかよ」
「そんなことはない!」
「じゃあ、具体的に夫婦らしいことしたか?接吻とかよ」
俺と、志乃が・・・。
「とにかく俺達夫婦のことは何もいわないでもらいたい!」
ごまかす為に竹刀を持つ俺をみて摂津殿はいつの間にか姿を消してしまった。
その後、一人でいたせいで考え込んでしまい、俺と志乃の発展の無さを思い出してしまった。
もしかしたら、志乃も、そう思っているかもしれない。
結局。家の掃除をして気を紛らわしていたのだが、今夜、志乃の反応を見てみようと思ったのだ。
598名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:56:28 ID:HrkiDpup
志乃は俺の言葉に大きな丸い目をきょとんとさせていた。
そして。
「いつも一緒の部屋に寝てるじゃん」
どうも意味を取り違えたらしい。
「いや、そうではない、今夜、その、夫婦の契りをしたい」
自分で言って恥ずかしくなる。
「うん!いーよ」
しかし志乃は即座に合意してくれたのだった。
599名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:56:49 ID:HrkiDpup
「いかん」
志乃が台所の片付けをしている間、寝室で待っていたのだが。
心臓が張り裂けそうだ。
今夜、俺は志乃と。
布団にもぐってしまう。
暗い布団の中で丸くなって想像を打ち消す。
「ごっちーん」
布団の上から衝撃を受ける。
どうやら志乃が飛び込んできたらしい。
「ごっちん」
布団をはがされ、顔を覗かれてしまった。
「なんで泣いてんの?」
「その・・・あのだな、俺は・・・初めてなんだ」
本当に泣いて道場に走って逃げたい。
男としてこんな辱めを受けたのは初めてだった。
摂津殿だったら美味く女子を先導できるだろうに。
春本を本当に読むべきだったか。
「じゃあアタシに任せて」
志乃が布団を引っ張って二人で同じ布団につつまり、視界が暗くなる。
ただ、志乃がひどく近くにいるということは気配でわかった。
「ごっちん・・・」
返事をしようと、口を開いた瞬間、何かが唇に当たった。
やわらかくて湿っている。
「へへ・・・」
吐息が鼻にかかった。
もしかして、今のは志乃の・・・。
暗闇でよかったと思う、今の俺はだるまよりも赤い顔をしているからだ。
着物をはだけさせられ、股間に手を添えられる。
褌の布を隔てて志乃のやわらかい手がなでる様に触っているのがわかる。
初めて、他人から自分のものを触られ、羞恥と快感ですぐきつくなった。
「ごっちん、もう元気だね」
志乃の少し荒くなった呼吸が布団の暗闇から聞こえる。
手が褌の紐を解くと、今度はじかに俺のものを触られた。
なでるように裏側を触られると、今度は握るように根元を掴まれた。
「くっ」
志乃の暖かい手が、今は少しひやりとした感触に感じた。
「ごっちん、やっぱり男の子だね」
両手で包み込むようにされると、上下にさすられる。
ものの皮が動き、中の芯が疼くように気持ちよくなる。
「どう?」
「志乃・・・」
名前を呼ぶだけで精一杯だった。
暗闇の中、志乃が淫らに俺のものを握っている。
それだけで、もう。
最初はゆっくりだったのだが、志乃が徐々に速度を上げてきた。
だんだん分泌されたものの液でくちゅう、と音を立てる。
「気持ちいい?ごっちん」
はだけた胸に志乃の吐息がかかる。
淫靡で、無邪気な声だった。
袋を片手で握られ、もう片方で上下にさすられる。
とうとう我慢できず、志乃の手の中に精を放ってしまった。

予想以上の快感に体がだるくなり、視界がさらに暗くなってくる。
「ごっちん、すごい量」
志乃の楽しそうな声と吐息を感じながら、意識を失ってしまった。
600名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:57:27 ID:HrkiDpup
目が覚めると、朝だった。
ぼーっとして周りを見渡すと、隣の布団で志乃が寝ている。
昨日のことがいまいち思い出せなく、少し思考すると、頭に鮮烈に志乃が浮かんだ。
布団を跳ね上げ、服を確認する。
ぴったり綺麗に着ている。
褌は・・・身につけていた。
夢だったか。
おそらく、摂津殿のあの話の影響であろう。
よだれをたらして寝ている志乃を起こす。
「もう朝だぞ、朝食の用意を・・・」
志乃は「ん」と声を出すと上半身を起こし、大きく伸びをした。
昨日の夢を思い出し、志乃の顔が見れない。
「どうしたのごっちん?」
「なんでもない!あれだ、腹が減っているせいだ」
「おなかすいたんだ、昨日は疲れたもんね」
「ああ、そうだ、昨日は大変だったからな」
そう、屋敷の掃除もしたし、道場も磨いたのだからな。
志乃が障子を開けて太陽の明かりを部屋に入れる。
「じゃあご飯の用意するから」
「うむ」
一度背を向けると、今度はまた振り返って笑顔になった。
「また、しようね」
「え?」
601名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 20:58:03 ID:HrkiDpup
おわり、志乃はアレだ、多分、あれ
602名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 22:51:29 ID:9bS+TkDy
>>592
乙!
スズメかわいいな
さすがりょーくん
603名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 10:48:36 ID:Pf0xQMRI
淫靡で無邪気!
いいねえ
604名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 14:13:01 ID:Uj4rYEjW
>>596
巧い!
巧いゆえに誤字が気になってしまう…
605名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 20:41:26 ID:NHNMPBQj
今週最高です
606名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:20:23 ID:cH0eD7O8
今週の夫婦可愛すぎ
607名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:50:10 ID:n3dzLkn5
くっついていい?

「ダメ」って言ってみたい…!そんな俺はドS
608名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 08:47:27 ID:u/xvsezX
うさうさ♪
609名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 02:16:20 ID:04VdUHQa
連載終了のお知らせ
610名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 02:34:01 ID:+1MDb98J
>>609

職人がいる限りいつまでも続く。
はずだと信じたい…!
611名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 02:03:25 ID:bJvi7TM2
終わるかと思って焦った…とりあえず来週はあるみたいだけど。
でも心配だ…!

今週の2人かわいすぎてダメだ。
ここ見てるせいで妄想が押さえられん。
612名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 15:51:23 ID:hNpauO9N
え、終わりじゃないの?
613名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 20:37:39 ID:PcJIbwyi
連載は終了、赤マルに特別編…では?
614名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 06:56:30 ID:QyNJX0Iy
\(^o^)/
615名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 11:42:14 ID:a9xcNex7
 投下



「あ、風さんいらっしゃい!どうしたの??」
散歩の途中、ふらっと伍っさんの住む屋敷に立ち寄ると、
お志乃が洗濯物を干している最中だった。
「いや、特に用は無ぇんだが、伍っさんはいるかい?」
「ごっちん今日はねぇ、お城に行ってるからいないんだ。夕方ならいるよ!」
「あぁ、そうか。いや、散歩の途中ちょっとよってみただけだからよ。」
俺はなぜかお志乃と話す時は目が合わせられない。
お志乃は女の中で唯一、俺を初対面から怖がらずに接してくれた。
以来、俺はお志乃に会うのがなんとなく楽しみになった。
だが一度目を合わすと、ヤバイ感情がこみ上げてくる。
だからその度自分に言い聞かせる。
(オイオイ、お志乃は伍っさんの嫁さんなんだぜ・・・!)
「よし。お昼ごはんの準備しよー!」
お志乃は洗濯物をいつの間にか終えていた。
「あ、て、手伝うぜ!」
「えへへ、ありがとう。良かったらお昼ごはん食べて行きなよ!」
お志乃の手料理は何回か食べたことがあるが、どれも美味かった。
伍っさんが心底うらやましいと思った。
「おお。じゃ、ありがたくそうさせて貰うぜ。」

俺が煮物用の大根を洗い、それをお志乃が切っていく。
「それにしても大根、大量だナァ。」
「安かったから沢山買っといたんだ。煮物にしたら長持ちするしねッ。」
お志乃が得意満面の笑みを浮かべる。
その顔を見るだけでどうにかなりそうだった。
(ヤベェヤベェ)
雑念を払うため、俺はせっせと大根洗いに集中した。
616名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 11:46:09 ID:q3cUohQm
>>615
ガンガレ
続き楽しみだ
617名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 12:17:17 ID:a9xcNex7
それにしても、お志乃とこうして台所に立っているのは異様だ。
俺がもしお志乃を嫁にもらっていたなら、こんな感じかもしれない。
俺が家に帰ったら、お志乃が欠けた歯を覗かせながら出迎えて、
温かくて美味い料理が待っている。
・・・だが現実に俺を待ってるのは誰もいないボロイ長屋だ。
(不公平じゃ無ぇか。)
俺は大根を洗う手を止めた。
「?風さん?きゃっ!!」
お志乃の両腕を掴むと、そのまま壁に体を押し付けた。
「ふ、風さん?どうしたの?」
お志乃は俺を見上げて震えている。
ああ、俺を初めて見るときの女たちと同じ目だ。
だがかまわず俺は自分の口でお志乃の口を塞いだ。が、
「んん・・・!イヤッ!!」
すぐに口を離された。
「な、なんでこんなことするの・・・!?」
「俺が嫌いか?」
「き、嫌いじゃないけど・・・」
「じゃぁ良いじゃねェか。」
「や、やだ!あ、あたしはごっちんの・・・お嫁さんなんだよ!?」
「うるせえ!!!不公平なんだよ!!!」
 ギュッ
腕を掴む手に少し力を入れただけで、お志乃の細くて白い腕はすぐに力の行き場を無くした。
そしてそのまま土間に押し倒した。
「やだ!やだぁ!」
抵抗されるが、この身長差だ。
俺が覆いかぶさると、いくら暴れようがお志乃には成すすべは無い。
お志乃の白い首に顔を近づけ、鼻で愛撫し、
まだ熟しきっていない胸を左手でもみしだいて、
そして普通なら旦那以外は誰も触れることのできない下半身の部分に、右手で触れた。
618名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 12:42:43 ID:a9xcNex7
「や・・だ」
お志乃も暴れるだけ無駄と分かったのか、暴れるのを辞め、成されるがままになった。
俺は更に調子づいて、右手中指を割れ目に押し込んだ。
「ひぁっ!お願・・・そこだけはやめてぇ!!」
お志乃が体をのけぞらせる。眼には涙が浮かんでいる。
だが俺はかまわず指で膣内をかきまわす。
「やぁぁぁああ!!だ、ダメぇ・・・!」
声とは裏腹に、膣内はどんどん濡れていく。
ぐちょぐちょという音までしだした。
俺は指をもう一本加えて、かき回す速度を更に加速した。
音も更に大きくなっていく。
「ん!あっ・・!!やめてやめて!!もう・・・あぁッ!!」
急に指が締め付けられた感覚がしたが、それでもかき回すと、
プシュッ
と、お志乃の下半身は割れ目から透明な液体を勢いよく出して、
ぐったりと力を抜いた。
お志乃の両足を開かせて、ぬらぬらと液を垂らす桃色の部分をさらけ出させる。
もはや抵抗する力も無い。する気すら無い。
俺ははちきれんばかりにそそり立った男根を、そのままお志乃の体の中心に向かって挿入した。
619名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 13:04:10 ID:a9xcNex7
バキョッ

「風さん?どうしたの?」
はっと我に返った。
お志乃が包丁を片手に不思議そうな眼で俺を見つめる。
俺の右手の中で、大根がつぶれていた。
「あはは!風さん力入れすぎだよ〜」
「うおおおおおおお!!!お志乃!!スマンスマンスマン!!!!」
俺としたことが、こともあろうにお志乃を相手に酷い妄想をしてしまった。
もうお志乃にも、伍っさんにも合わす顔が無ぇ。
「お、お志乃・・・その包丁で俺をたたっ斬ってくれ・・・」
「ふ、風さん!?気にしないで!!大根ならまだあるから!!!」
お志乃はまったく気づいていない。そりゃそうだ。
だがこのままココにお志乃といたら、マジにやっちまいそうだ。
「お志乃、悪いが用事を思い出したんで、いとまするぜ!!」
「え、風さーん!!?」
俺は潰れた大根を握り締めたまま、宇田川家を飛び出した。
「あれ、風間様。どうしたッスか?今から師範の家に行く所なんスけど。
風間様も一緒にいきませんか?」
お千代とマロだ。
「い、いや、遠慮しとく。・・・あ、あとこれ、お志乃に返しといてくれ。」
潰れた大根を2人に渡して、俺は走り出した。
「風間様ーー!!??」

腹ペコで長屋に着くと、お志乃の手料理を食い逃したことを後悔した。

<完>





620名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 13:04:42 ID:a9xcNex7
お粗末でした。ホント
反省はしている。
621名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 18:51:28 ID:3WZJq/6e
GJ!!
このロリコン反蔵めWW
622名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 23:05:33 ID:5AdyHA02
>>620
笑ったw超GJ
罪悪感に苛む反蔵にもえたwww
623名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 00:21:55 ID:eBX7YoVr
GJだったぜb
あっさり目で読みやすかった。

まさかの妄想オチwww
さすが犯蔵。 
いいロリだwww

次回も期待してる!
624名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 14:09:06 ID:nZXcIWdS
S(スーパー)GJ!
おまい才能あるw
つぶれた大根渡されても困るw
読みやすかったぜb

625名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 20:44:23 ID:U/WUz42c
空きよめなくて悪いけど保守るね。

626名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 21:12:14 ID:7Cq+JYjV
お前アンチなの?
627名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 23:17:36 ID:U/WUz42c
>>626

NO。
ただdat落ちすると見れなくなるから保守してしまった。
すまない。
628名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 23:38:29 ID:JLSH/X+h
赤マルが出るまでに子作りを……
629名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 00:03:59 ID:4enDC5d9
>>627
万が一dat落ちしても保管庫(>503)があるぜ
今のうちにブクマしとくのだ

保守も大事だけどな乙
そう言うときは適当な話題を振るのだ
630名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 00:19:09 ID:Zx+4IQWK
つか1日位書き込みなくても落ちないだろ
631名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:01:53 ID:R37PwniJ
ほなみんママが可愛すぐる。
とても16歳の子供がいるとは思えん。髪型がほなみんと同じだから後妻じゃなくて実母だろうし。
ひょっとしてすげー幼な妻だったのかなとかハァハァ。

しかしママが可愛いから余計ほなみん女の子説の夢が捨てきれない…!
男だって分かってるけどさorz
632名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:54:36 ID:tQEfG6S/
>>629

サンクス。
ブクマしておいた。
ただお気に入りのスレがdat行きしてたから過敏になってた。
これからは気をつけるよ。 

>>630
よく考えればそうだったよ。
これからは自重する。

>>631
ほなみんはイイよね。
自分も妄想に入り浸っていたり。
633名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 02:18:04 ID:08hBBoTm
ほなみんママ一回でもいいからちゃんと顔見せて欲しかった
634名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 11:11:00 ID:6/kNlQAf
この流れは
ほなみんママのSSの流れか!?
635名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 20:21:18 ID:vLrilF/Q
空気を読まずに志乃との会話中伍助との夜の生活に関して探りを入れまくる策士な義母上を夢想した。
未だ同じ部屋で寝てるだけだなどとうっかり打ち明けてしまおうものならそれはもう大先輩としてあんなアドバイスこんなアドバイス…
636名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 20:49:40 ID:5MXbx+Yp
一所懸命に伍助の精液を搾り取る志乃なんてイヤぁぁぁぁぁ
637名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 13:53:14 ID:i7jEqn4F
あの黒髪さんってお母さんだったのか。
お姉ちゃんかと思ってた…
638名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 11:22:16 ID:anQToXCP
赤マルの予告に
二人に待望の…
とあるが子供か?
639名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 19:23:10 ID:/WF8ZipG
つまり俺達は六十六羽の最後の白ゴマに無限大の妄想をぎっちり詰め込んで待ってればいいんだな!

これで普通に試合なんかしてたら泣くわ…
640名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 14:35:21 ID:Y4ns3Jvp
最終回でしのが留守番だったのは、
「お主一人の身体ではないのだから・・・」
ってことか?
641名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 15:42:52 ID:Rwq/l/74
鼻血噴いちまうだろーがW
642名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 21:22:58 ID:M2jRiCyB
>>640
間 違 い 無 い
643名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 13:47:18 ID:jKT4kivA
成長したごっちんと志乃が見れるのかなぁ
644名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 14:43:57 ID:IDmBjZ4q
見たいような
見たくないような
645名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 21:27:56 ID:xgmAfYXG
母上に孫の顔見せるために頑張ったのか→「ごっちん、赤ちゃん作るよ!」
イチャイチャしてて自然にできちゃったのか→「ごっちん、赤ちゃんできちゃったよ!」
646名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 00:27:05 ID:unHGczjk
志乃はずっと兄貴と2人だったから家族というものに憧れを持っているかもしれんね
→養いきれるか不安になるくらい子沢山
…はないか、いくらなんでも。まあごっちん頑張れ。超頑張れ。
647名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 09:06:00 ID:bsal6wgz
志乃が子うさぎ拾ってきて「ごっちんの子供だよ♪」なんて言わねーかなー・・言わねーなー・・
648名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 13:13:59 ID:gnnrjrsx
>>647
それいいな、ロリ嫁志乃が人間の赤ちゃん生むよりはずっといい。
649名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 16:15:10 ID:jfsWb5wf
空気読まずにサユキンは子供できないかなーと言ってみる
お楽しみ用布団でハアハアしてるんだろ?
650名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 23:15:54 ID:ehwjT+Vq
あーあいつら出来婚しそうだなwwwww<サユキン

子作りな流れで摂津兄貴と薄雲の子はさぞかし美形だろうなーなんて思ったけど
薄雲ってやっぱ職業柄子供は作れない体なんだろーなorz
651名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 01:35:50 ID:5NneDG+I
なんだろとりあえず
薄雲の稼ぎが良くて良かったと思う
身請の話ともなれば兄貴の稼ぎじゃ無理だしなwww
652名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 22:28:39 ID:x94NPXbC
言える……!
今なら言える……!

マロとスズメの間に子供できないかなー。
……できないよなー…。
わかってるよ、言ってみただけさ…。
653名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 00:16:04 ID:rhOnukHK
りょーくん憤死フラグwwwwwww
しかしマロは初期からずいぶんと縮んだな…最早しゃちほこの構えすらできそうにない頭身ですよ!?
654名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 13:49:17 ID:q7BPdj3I
>>653
マロは伸びる
たたただ伸びる

マロとの間に子が出来たらスズメ大出世
そしてりょーくんと舅嫁戦争が始まる
655名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 13:51:13 ID:lQQCpa+f
>>652
そんな事になったらりょーくんがスズメをぐちゃぐちゃに惨殺した後でマロと無理心中しちゃう
656名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 07:39:43 ID:Mva2qs+M
ないすぼおと展開ですね、わかります。
マロってやっぱドリルちんちんなの?のびるの?まわるの?(wktk
657名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 00:23:25 ID:L0LWdp5Y
この流れで一度も出てない千代吉
年齢が年齢だけど
658名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 01:36:18 ID:3iKjA7hJ
>>657

流石にまだ思春期じゃないからだろうか…
実際年で11だし(12は数え年)

イクのかがアヤしいな……
そういう面を考えると職人方もレベルの高い部類に入るんじゃないか?
難易度的には

伍志乃系<<<摂薄系<<千代加代系<<<<<<<<<【越えられない壁】<<<<<<<<<<マロ系

漏れの独断だからほかにもあったら言ってほしい。
659名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 21:35:43 ID:OJ+nysPv
ちよっちの初物を頂いちゃうの?
660名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 23:34:42 ID:LicT7QoG
加代姉に筆おろししてもらう千代坊と聞いて走ってきました
661名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 23:41:59 ID:3iKjA7hJ
同志が多くてよかった。

うん、千代吉スレの絵もかなり(ry
自分もエロは自信がない;
662名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:57:57 ID:zSFK3/YJ
保守
663名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 11:28:23 ID:e8vQkUc/
学園マロ美×りょーくん書きたいなぁ
でも小説ヘタだから自信ねぇ
しかもマロ美とか喘ぐのかもわかんねぇよどうしよう
664名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 21:34:18 ID:BtC2M5AK
マジレスすると幼稚園児でもイクよ
ティムポからは何も出ないけど。
665名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 18:08:00 ID:nQjicgJA
快感は得られるということか
666名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 21:36:49 ID:WoJ1XK4k
幼児は生殖ではなく快感のみを貪るってか

なんかエロい
667名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 15:05:54 ID:XjKsgj2q
つまりキクでもエロができると
668名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 20:15:31 ID:xCV9s0AG
でもキクちゃん小さいから挿入は難しそうだね
その点でいくとマロ美には挿入不可
669名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 21:37:18 ID:Uy+Mgbl1
マロがキクに挿入か
670名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 18:55:48 ID:jdOWK0oR
赤マル…
671名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 21:58:03 ID:gP/zrUq0
赤マルの2人のエロパロを……!
672名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 12:11:48 ID:Yn8vaMuw
>>671
同意
……最近投下がないな
673名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:43:08 ID:+Q/upe9+
今日はなな菜村の七年に一度の大豊作の日。
千代吉が勇んで村に向かう。
もしかしたら黄金のなな菜が取れるかも知れない。
子供のころに一度採ったものは摂津に上げてしまったので、少し寂しい気持ちもあったの

だ。
今度は、絶対に加代姉にあげるつもりだ。
もとより、なな菜村には黄金のなな菜を人にあげると幸せになれるという伝承もあ

った。
加代姉はクソまずいって言ってたけど、もらってくれるかもしれない。
なな菜村につくと、急いで身支度をして、収穫所まで向かった。
「うわー!スゲーっす!」
目の前には大量のなな菜。
他人の目から見たら、ただたんに芝刈りをしていないから雑草が伸び放題なだけだが。
「あらー千代ぼー」
いつもどおりに酒臭く加代姉が近づいてきた。
「ただいまっす!」
「どうしたのー急いだ様子で」
「だって、今日は大収穫の日っすよ!これだけなな菜があればななな丸も酒もいっぱい作

れるっす!」
喜んだ様子の千代吉を見ると、加代はうーんと少し苦い顔をしたが、すぐに笑顔を作った


「そーだねー、千代ぼーはあっちのなな菜を酒蔵に運んで」
「はいっす!」
674名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:44:06 ID:+Q/upe9+
七菜鍬を取り出すと、土ごとなな菜を掘り返した。
周りでは大人たちが褌姿で作業をしていた。
ほかの男に黄金のなな菜を採られたら大変っす。
清人のもとで練習した千代吉は土の柔らかさ、質などがわかるので次々になな菜の山を積

み上げていく。
それを選別し、水で洗い、酒蔵に持っていった。
「加代姉ー」
前が見えなくなるほどのなな菜の山を笊に載せて酒蔵に入る。
酒蔵の中では、加代が真剣な顔でなな菜を水に浸していた。
「これはどうすればいいんすかー」
よろよろと周りを見渡すと、んーと返事が返ってきた。
「そこらへんに置いといて」
そこらへんと言われても、足元どころか前も見えないのだ、足で空いた場所を探している

と、足元の桶に躓いて転んでしまった。
「うわぁっ!」
なな菜を大量に散乱させ、発酵させているなな菜酒の樽に突っ込む。
「ちょっと千代ぼー!どうしたの」
「おぼれる!おぼれるっす!」
発酵途中の強烈な酒の匂い、さらに口に入ってくる強烈な苦味。
「ほら、つかまって」
加代が手を伸ばしてくれて、その手を握る。
なんとか樽から出ると、四つんばいになり咳をした。
「まったく、もう!」
「すまねーっす」
怒った様でも加代は心配してくれているようで、酒蔵の発酵用の藁の場所に寝させてもら

った。
675名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:44:54 ID:+Q/upe9+
寝ていても酒蔵なので、酒の匂いが鼻に届いてくる。
多少飲んでしまった酒と、その匂いだけで千代吉は意識がもうろうとしていた。
「千代ぼー?」
目の前には加代の顔が。
「どうしたっすか?」
「なんだ、起きてたの、大体作業は終わったから、私も休憩」
隣にとすん、と人の気配が伝わってくる。
「ん」
顔に置いた布をはずすと、加代が徳利で酒を飲んでいた。
これだけの匂いの中、まだ酒を飲んで大丈夫なんすかね。
酒のせいで顔が少し紅葉色に染まり、喉が淫猥にごくりとなる。
ふと、加代が両腕を思い切り天に伸ばすと、巫女装束の隙間から桜色の突起が見えた。
千代吉は目をそらそうとしたが、始めてみる異性の匂いに、釘付けになってしまう。
「加代姉、見えてるっす」
ぼーっとしたまま加代に言うと、加代は酔っ払っているのか、手を扇のようにぱたぱたと

させた。
「何言ってんの、前はお風呂も一緒だったじゃない」
この一言で、千代吉の心に火がついた。
676名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:45:52 ID:+Q/upe9+
加代を押し倒す。
酒が入って息を荒げている千代吉の顔を見て、加代が不安そうな顔をした。
「どうしたのよ、千代ぼー」
「オレだって、もう男っす」
加代の両腕を強く掴み顔を近づける。
「ちょっと、もう、冗談はやめてよ」
「いつまで、オレは加代姉にとって千代ぼーなんすか?」
真摯な声に、加代が冗談ではないと気づいた。
「だって、千代ぼーは千代ぼーじゃない」
その言葉に、千代吉が手を離す。
力を入れすぎたせいか、加代が腕をさすっていた。
「・・・」
「変よ、千代ぼー」
「師範が、言ってたっす」
千代吉がぐっと涙を溜める。
「自分は志乃さんに認めてもらうためにって、道場開いたって」
心が支離滅裂で、枷が外れてしまったようだった。
「オレは加代姉を守ろうって、強くなろうって!だけど・・・オレは子供の千代ぼーのま

まなんすか・・・?」
涙が溢れ出す。
「オレじゃ・・・守っても頼りないっすか・・・?」
もう涙は止められず、鼻水を垂らしながら泣きじゃくる。
なんて見苦しいのだろう。
だけど、一度泣いてしまうと止められなかった。
ふっと、青臭い匂いが鼻につく。
目の前には真っ白な布があった。
その奥に、体温があり、鼓動を感じる。
「・・・っ・・・っ加代姉・・・」
嗚咽をしながら加代に包まれる。
「そんな心配してたんだね」
「だって・・・」
「強いよ、千代ぼーは。だって、ほら」
加代が千代吉の手をそっと握り、自分の胸に置いた。
「さっき押し倒されたときから、こんなにどきどきしてるもん」
「・・・っ・・・すまねーっす」
「ごめんね、いつまでも千代ぼーを子供扱いして」
「いいっす、どうせオレは子供っす・・・」
「千代ぼー、ううん、千代吉」
「なんすか」
「そう思うなら、私のこと、加代姉じゃなくて加代って呼んで」
「・・・加代?」
「そう、今から私と千代吉は一人の男と女」
不意に、加代の手が千代吉の陰部に触れた。
「加代姉・・・酔ってるんすか?」
さっきまでの酔いが吹っ飛んでいく、今度は、甘い吐息に酔わされそうだった。
「加代って呼んで、それに、千代吉とだったら・・・したい」
677名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:47:07 ID:+Q/upe9+
「ほら、千代吉、飲んで」
全裸の加代が正座をし、股の部分にななな酒を注ぐ。
意識が朦朧とするのは、酒のせいか、性への興奮のせいか。
千代吉が股に顔を近づけると、一口、また一口とついばむように飲む。
酒の流れが快感なのか、加代は時折体を震わせていた。
全部飲み干すと、加代が千代吉の頭を押さえつける。
「だーめ、中のも全部飲んで」
顔を陰部に押し付けられ、加代の女陰に接吻する。
「ん・・・」
ゆっくりと舐めると、酒とは違う、粘りのある液体が口についた。
それを必死に舐めると、加代は耐えられないように正座を崩し、足を開いた。
その姿が官能的で、思わず息が荒れてしまう。
「今度は千代吉の、ね?」
神官の服の下を脱がされると、加代が男根に手を這わせる。
それだけで千代吉の男根は隆々と背を伸ばしてしまった。
加代が顔を近づけると、先端に熱い息が伝わってくる。
「加代姉・・・なにするっすか」
すると、加代が男根に爪を立てた。
「いてーっす!」
「加代って呼ばなきゃだめ」
今度は爪を立てた場所を丹念に舐めたくる。
仰け反ってしまうような快感にどうすればいいのかわからない。
まるで別の部分になってしまったかのように腰から先が熱い。
加代が啄ばむような舐め方から、しゃぶるように口に入れる。
もう、限界だった。
一瞬、男根の感覚が無くなると、加代の口の中に精を出していた。
驚いたように眼を開くと、すぐに尿道をすするようにしゃぶりだす。
最後の一滴まで逃さないと口をすぼめると、唇だけで締めながら先端まで顔を移動させた


「加代・・・すげーっす、なんか、びくって」
「ほんと、いつのまにか男の子になっちゃって」
放心に近い千代吉を横にさせると、佳代が上に乗る。
「なにするんすか?」
「ここにいれるの」
678名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:47:52 ID:+Q/upe9+
女陰を開くと、勢いの衰えない千代吉の男根に入り口を当てた。
「ん・・・」
だが、なかなか入らない。
「どうしたんすか」
「初めてだから・・・まだよくわからないの」
だが、一度狭い入り口に先端が当たると、手で固定しながら千代吉のものを中に招いた。
狭い。
そして熱い。
他人の中に自分のものが入っているなんて。
不思議な感覚だった。
先端から裏側まで、包まれるように締められる。
加代は、荒い息をしながら下唇を噛んでいた。
「痛いんすか?」
「うん、でも、もうすこしすれば」
しばらく、荒い息で二人で繋がったままにしていると、加代が動き出す。
ぬめりのある液が男根を舐めるように刺激し、皮をこするように締める。
「ん・・・あぁ」
どちらが先に嬌声を上げたのだろう。
加代がゆっくりと腰を上げると、男根に吸い付いている女陰が眼に入った。
本能が刺激されるような光景に、千代吉はもどかしさすら感じた。
何度か腰を上下すると、慣れてきたのか、加代が体重をかけるようになってきた。
「加代ね・・・加代、いいっすか?」
「うん・・・」
繋がったまま加代を押し倒し、四つんばいにさせる。
腰に手をやると、思い切り自分の腰を押し付けた。
「んぁっ!」
かぶさる様に上体を前に出すと、加代の胸をもむ。
その間にも腰を叩きつけるように何度も何度も押し付けた。
まるで、犬みたいっす。
ふと、そんな考えが浮かんだ。
二人でもつれるように倒れると、加代の片足を上げさせ、後ろから中に入れる。
口で接吻をしていると、だんだんと二回目の射精感がこみ上げてきた。
「加代・・・もう」
「じゃあ、もっと、突き上げて・・・んっ」
腰の動きを早めると、更に男根が反りあがるようだった。
「加代!」
ひときわ強く突き上げると、精を放つ。
腰を動かし、周りの肉壁に押し付けると、脱力感が身を包んだ。
679名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:49:05 ID:+Q/upe9+
「ほんと、大人になっちゃって」
ことが終わると二人で裸なのが妙に恥ずかしくなり、藁で体を隠している。
千代吉も、先ほどのことが強烈に焼きついてしまったので下を向いていた。
ふと、今の状況を打開するものがあることに気がついた。
「あ、加代にあげるものがあるっす!」
先ほど着ていた神官の服からなな菜を取り出した。
ただのなな菜ではない。
黄金のなな菜だった。
「あげるっす!」
得意げに差し出した千代吉に加代が笑う。
そっと包むようにしてそのなな菜を受け取った。
加代がため息をつきながらつぶやく。
「やっぱり、まだ千代ぼーかもね」
「なんでっすか!?」
「さぁね」
そっと、黙らせるように千代吉の額に接吻をした。
680名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:08:17 ID:+Q/upe9+
マロがうさぎ道場に行く少し前のお話。

マロが屋敷を見渡す。
みょーんと首を伸ばすが、誰も見当たらなかった。
とっとっとーと走って屋敷を逃げ出すと、蕎麦屋に向かった。
どうも家の料理は合わない。
もっと礼儀も無しにお腹いっぱいに食べたいというものだ。
「てん・・・」
「天蕎麦一丁!」
なれたもので、短いマロの言葉でもわかってくれている。
金を渡すと、蕎麦を味わう。
これでもっとゆっくり食べれたら、と少し悲しいが、まあ蕎麦が美味しいのでいいだろう。
「あー、また来てる」
その声に振り向くと、年に会わず簪をつけた少女が立っていた。
数日前から話しかけてくる不思議な少女だった。
遊女の娘らしいが、とりわけ色気もない。
「本間家の人がいいの?」
ずずーと蕎麦をすすりながら少女を眺めた。
「あー、感じ悪いんだ」
蕎麦屋にもう一度金を出す。
「とろ・・・」
「とろろ蕎麦一丁!」
差し出される一杯の蕎麦。
無言でそれを突き出すマロ。
むにゅーんと伸びてくる蕎麦を少女は受け取った。
「くれんの?」
こくりと頷く。
少女ははれ、と不思議そうな顔をしたが、すぐに蕎麦を啜りだした。
681名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:10:06 ID:+Q/upe9+
この少女と出合ったのは六日前。
目の前で男に殴られているのを見た時だった。
何事かと男を成敗すると、少女がその男は父親だと言った。
複雑な事情がありそうなので去ろうとすると、名前を教えろと言われ、本名を名乗った。
大抵はこれで相手が畏怖するなりして、そそくさと逃げていく。
それだけ、本間家の家柄は重いものだった。
だが、少女は満面の笑みで言った。
「本間家なんだ、すごいね!」
すごいね。
そんな率直なことをいった人物なんていただろうか。
さっきまで自分を殴っていた男に肩を貸すと、長屋に戻っていく。
「あたしはハナってんだ、今度、お礼させてもらうよ」
そういって、なぜか外に出るたびに出会うことが多くなった。

蕎麦を食べ終えると、二人で歩く。
マロはもちろん、少女も何も喋らなかった。
ただ、出店の簪を眺めたり、マロが釣りをしたり。
そして、本間家の使いがマロを回収する。
そんな一日が続く。
682名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:18:21 ID:+Q/upe9+
相変わらず説法も耳にせず、外に出ると、悠々自適に歩き回る。
「またやってるわよ・・・」
ひそひそと話す女中の声に耳を傾けてみると、聞き覚えのある言葉が出てきた。
ハナという名前。
人の噂話が濃くなるほうに歩いていくと、なにやら大声が聞こえてきた。
酔っ払いの怒号が響く。
声の方に向かうと、ハナが髪の毛を引っ張られ、殴られていた。
止めるものは誰もいない。
さすがに父親に暴行を加えるわけにも行かず、煙幕を懐から出すと放り投げた。
あっというまに白い煙が立ち上り、視界が悪くなる。
男がわめき散らしていたが、その隙にハナの手を掴んで裏路地に逃げ出した。

神社の境内に座り込むと、ハナは息を荒げている。
マロはいつもどおりの能面でぼーっと空を見ていた。
「あんた息してないんじゃない?」
何があったかと顔で催促しようとハナを見つめる。
うっ、とばつの悪そうな顔をした後、ぽつりと話はじめた。

あたしんちあんまりお金ないからさ、もう遊郭に行くのは決まってるんだ。
だけど親父は年が行くまで待てない、酒が無いって。
それで家に客連れ込もうとするんだけど、岡っ引きに捕まるのやだからいっつも断ってんの。
ま、そのたびに殴られるんだけどさ。

大体、こんな話だろうか。
不運な境遇に少し心が動いたが、本間家を動かせるほどの大事でもない。
人生において大きいが、他人から見れば小事ということになってしまう。
「でも、ま!遊郭に行けばご飯は食べられるみたいだし、いいかなって」
よっ、とハナが立ち上がると、着物をはたく。
「助けてくれたお礼に、遊郭にきたらあたしが遊んであげるからさ」
色気も無く、首筋を見せてくるがマロはボーっと見ているだけだった。
「んじゃ、戻って親父に殴られてくるよ」
マロが止める間も無く、去っていってしまった。
マロは思う、なぜ本間家と肩書きを持っていながらあんな少女一人救えないのかと。
その日は、珍しく自分の足で屋敷に帰った。
683名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:43:09 ID:+Q/upe9+
雨の日、字の勉強やら稽古やらを抜け出し、部屋で外を眺める。
すると、雨の中、門を開けられずぽつんと立っている影があった。
傘をさしてその影の下へ急ぐ。
やはり、その人物はハナだった。
「・・・した」
どうした、と問うてみると、凍えているのだろうか、ハナは小さく震えていた。
「親父から逃げてきた」
下を向いていた顔を上げると、頬に大きなあざがある。
どうやら思い切り顔を殴られたらしい。
手を握ると、空き小屋の中に入れた。
「ごめん、いきなり来て」
マロが首を振る。
「今度は、ホントに殺されると思って、親父が刀出したんだよ、足を切れば逃げられない

って」
泣いているハナの隣に座る。
そっと手を包むと、ハナは氷のように冷たかった。
すると、突然ハナがマロを押し倒す。
「ねえ、しよ?」
「・・・!?」
「いいでしょ、本間家に迷惑かけないから」
だが、所詮は女、マロが力を入れると、押し倒す体制から逃げた。
「・・・だめ」
そういうことをしては駄目だ、と告げたのだが。
「そうだよね・・・あたし遊女になるんだもんね、お金もちのお侍様なんかが相手してら

んないよね・・・」
体を引きずるように近づいてくる。
「・・・ちがう」
「違わないよ!だって最初助けてくれて名前教えてくれたとき、運が巡ってきたと思った

もん、助けてもらったのに、お抱えの遊女になれればなんて・・・」
「・・・」
「だめかなぁ?生きるために必死になるのって、いけないのかな・・・」
ハナの吐息が近づいてくる。
684名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:44:01 ID:+Q/upe9+
不意に、マロの腰をまさぐり、男根を取り出した。
それを口に含む。
不器用で、痛いほどに握り、ただ口で愛撫する。
技量もなにもない、ただの押し付けだった。
それでも懸命に舐められ、口の中のマロの男根は大きくなっていた。
「・・・っ!」
マロが精を吐き出すと、ハナはむせるように精液を吐き出した。
喉に引っかかるのか、ひどく咳き込んでいた。
コップに雨水を入れると、差し出す。
ハナは受け取ると、飲み干した。
「駄目だぁ・・・あたし、遊女にもなれないかな・・・」
「・・・」
「あたし、帰る」
帰る場所なんてあるのだろうか。
外はまだ大降りの雨が続いている。
傘を差し出すと、門まで送っていった。
マロは口を開かなかった。
いつものように無口だからではなく、この少女に何をしてやったらいいのかがわからなか

った。
「じゃあね、もう会えないかも」
「・・・売る・・・」
懐から出した丹塗りの印籠を取り出した。
もしもどうしようもなく困ったならコレを売ってどうにかしろ。
そう言ったつもりだったが、ハナには理解できただろうか。
ハナは眼を細めて笑顔を作った。
眼の端にたまっていた涙が一粒、こぼれた。
「ありがとう、貰っておく。きっと売らないけどね」
それを袖に収めると、雨の中、去っていってしまった。
685名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:44:31 ID:+Q/upe9+
それ以来、ハナを見たことは無い。
摂津殿に短く聞いたこともあったが言葉を理解してくれないのでやめた。
五助師範に聞いても知らぬと言われた。
願わくば、まだ諦めずに月まで跳ぼうとしていてほしい。
いつか枷を契り、自由に飛べるまで。
私・・・マロが知っている、一羽のウサギなのだから。
686名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:46:22 ID:+Q/upe9+
つーわけでおしまい。
寝ます。
千代吉編はともかくマロは二次創作入ってるけど、適応女性がいないんでご勘弁。
687名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 02:00:14 ID:CjUK4xm2
乙です!!

まさかの千代攻めとは…!
加代もいい!
最終的に同じぐらいのバランスになりましたがwww

マロも良くてGJです!!
688名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 17:35:06 ID:87BQF5Fz
久々の投下でGJ!
マロええ話だよ
689名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 19:17:30 ID:AMNqCEpx
な、なんておいしい二本立て…あなたが神か!!

加代姉エロ可愛いよ加代姉
マロ話もオリキャラに無理矢理感が無くて素直に読めたんだぜ。
690名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 21:41:05 ID:cw+kvJ1Q
ええ話や……
691名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 20:51:41 ID:VIp9uyDS
勿体無い!!
過疎スレに2連投とはマジ勿体無い!!

つうか千代加代もマロも良すぎる 超GJ
千代吉の子供っぽい所とかマロの良く分からん所とか違和感ないし

エロパロなのになんでこんなに和むのだろう…
692名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 14:59:48 ID:QnW94FtY
ハゲた伍助がのちょげる話はまだですかな?
693名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 17:28:20 ID:wGkhtwzI
ここの住人はどのカップリングが好きなの?
694名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 18:32:46 ID:ZHl1S1qz
上に挙げてる奴
695名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 20:48:07 ID:UdaGg88q
ゴ×シ
696なななな:2008/08/22(金) 20:50:35 ID:wGkhtwzI
「借りた金はきっちり返せよな」
そう言いながら伍っさんのところにたまに現れる娘がいる。名はキクというらしい。伍っさんも摂っあんもあの娘には頭が上がらないようだがどうも気になる。
気になったらどうしようもない性分なものでキクが道場から出ていくのをたまたま見かけたので追いかけることにしてみた。
「穂波、悪いが用事を思い出したから先に帰るな」
「帰るって…風間くん、今日の稽古はまだ始まってもいない…」
697なななな:2008/08/22(金) 20:56:04 ID:wGkhtwzI
ちょいと跡をつけてみれば商人の長屋にたどり着いた。つまるところ金貸しだ。
金に困っている訳ではないので安易に足を踏み入れる所ではないのは知っているが…。
「ウチの店に何か用か?」
長いこと店の前に居座っていたらしい。不審に思った店主が出てきやがった。眼鏡の奥からは怪しいといったオーラが出されているのがはっきりわかる。
「…お父…」
店の中から顔だけを出してこっちを見ているキクがいた。
698なななな:2008/08/22(金) 21:05:59 ID:wGkhtwzI
「客か?それとも同人を呼ぶかどっちだ?」
この風貌のせいで同人にしょっぴかれるのは慣れているが全く自慢にはならない。それにキクの前で恥は晒したくない。となれば客となるしかないだろう。
「客?なら早く言え。で、何を質物にするんだ」
そこまでは考えていなかった。とりあえず何かあるかと探ってみると、お志乃から貰ったお面が出てきた。
「そんなお面なら一両にしかならねぇよ」
一文か。
お志乃を取るかキクを取るか。
悩んだ挙げ句お面を渡し一両を受け取った。
これで金の催促にキクが長屋に来てくれると思えば安いものだ。
明日からが楽しみだ。
699なななな:2008/08/22(金) 21:08:09 ID:wGkhtwzI
初書撃沈。
伍志を書こうとしてネタが思い付かずロリ蔵に走った。
キクか志乃を迷うロリ…という事で。
700名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 21:18:40 ID:UdaGg88q
一両ってスゴイな
701名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 21:54:20 ID:8jycOll8
一両wwww超大金wwwww
702名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 23:06:06 ID:O2KCwt0o
あと同人じゃなくて同心な
703名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 00:17:11 ID:ZL4ip7jg
うさぎ道場が講武舘との試合に負けて二年。
五助は姿を消し、他の門下生も去っていった後、志乃は遊郭へと売り飛ばされた。
最初は恐怖だった、涙もした。
だが、知らぬ男に抱かれる悦びも知った。
愛する夫のために鍋を握った手は快楽を与えるために。
愛した男のために送った笑顔は淫猥に。
ウサギの面の変わりに白粉を。
志乃は、籠に入れられたウサギになった。
704名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 00:17:41 ID:ZL4ip7jg
「志乃、お客だよ」
障子の隙間から月を眺めながらキセルをふかしていると、指名をされたらしく、名前を呼ばれる。
「はいはい」
肩を露出した、だらしのない着物を引きずりながら客間に向かう。
そこでは胡坐をかいて酒を飲んでいる男がいた。
助平らしい、色好きな目が見て取れる。
志乃は愛想よく笑顔をすると、徳利を取り、酒を注いだ。
ふと、男の脇に目をやると、脇差が隣に置いてある。
侍。
志乃の顔に一瞬、陰りがでた。
「刀が珍しいかい?」
男がいやな笑いを作りながらぽんぽんと、隣に来いと合図をした。
志乃が肩を寄せると、男が着物の間から手を差し込み、胸を揉んでくる。
「あ・・・」
気持ちがよさそうに振舞うと、男は志乃の首筋に唇を当てた。
そのまま押し倒され、首筋を舐められる。
「ねえ、殿様?」
殿様、男を立てる一言。
こう言われれば、浪人でも少しばかり金が多く取れた。
705名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 00:18:41 ID:ZL4ip7jg
「なんだ?」
「志乃って呼んで」
「へへ・・・気持いいか?志乃」
志乃、そう言われるだけで股が濡れるように熱くなる。
男の手を掴むと自ら陰部に近づけさせる。
「もうこんなか、とんだ淫女だな」
帯を乱暴にはずされ、やや未発達な体があらわになる。
「志乃」
男が女陰に唇をつける。
『志乃』
ごっちん。
一緒に蕎麦を食べた、楽しかった。
男がわきの下を舐め、胸の突起をつねる。
「へへ・・志乃」
「殿様ぁ・・・」
『志乃』
一緒に月見をした、初めて手を握ってくれた。
男が手を強く握る。
着物の股を開き、褌から一物を取り出した。
「入れるぜ?」
「早くぅ・・・」
男のモノが入れられると、背筋が伸びるのような快感が走る。
そのまま上下にこすられると、肉壁がこすられ、じれったい。
技術を見せ付けるつもりなのか、腰を円のように回すと、膣内をこすられる。
敏感な部分がかき回されるような感覚に、男を抱きしめた。
何度、抱かれた男に五助を見ただろう。
いくら客が来ようが志乃の寂しさが埋められることはなかった。
男の腰使いが荒くなる。
志乃は両足を男の腰に回すと、男の耳たぶを舐めた。
「もっと強く抱いて!志乃って呼んで!」
「おう!志乃!志乃!」
男がいっそう腰を早くすると、がくりと覆いかぶさってくる。
膣の中に異物感。
粘りのある液体が流し込まれた。
706名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 00:19:29 ID:ZL4ip7jg
船の上で、二人が寄り添う。
「ねえ、ごっちん、どこまで行くの?」
「わからぬ、俺達は月にはいけぬのかもしれん」
「でも、ごっちん、ほら」
志乃が指をさした場所には、月が映りこんだ海だった。
「月があんなに近くにあるよ」
「志乃・・・」
接吻をした。
いままでのなによりも熱い唇。
「それでは、月まで行くとするか」
「うん!」
二人が月に飛び込む。
誰もいぬ海の沖で、ぽちゃん、と音が響いた。
707名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 00:20:12 ID:ZL4ip7jg
「ぁぁ・・・」
しばらく息を荒げていた男が志乃から一物を抜くと、着物を正す。
志乃はちり紙で股を拭いた。
男は無言で部屋から出て行った。
これだけ抱かれているのに、どうして寒いんだろうね、ごっちん。
こんなに人がいるのに、どうして寂しいんだろうね、ごっちん。
―――ごっちん。
突然、先ほどの男の叫び声が聞こえた。
そして女性の叫び声、何か走り去るような大きな足音。
怒号、絶叫、板が折れる音。
何事かと、着物を胸にはおり、部屋の隅に移動する。
すると、先ほど男が出て行った入り口が乱暴に開かれた。
そこには。
そこいたのは。
無精髭を生やし、髪は乱れ、返り血を浴び、血のついた刀を持った最愛の人物。
「志乃・・・」
声が出ない。
嬉しいのか、悲しいのか、叫びたいのか。
だが、志乃から出た言葉は、そのどれにも反していた。
「おかえり、ごっちん」
708名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 00:21:34 ID:ZL4ip7jg
投稿ミスった、ごめんorz
>>703
>>704
>>705
>>707
>>706
の順番に読んでください。
709名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 00:28:31 ID:ZL4ip7jg
つかダークでソマソ
710名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 01:09:45 ID:2s3S37kp
赤マル読んだけど、本当に子どもだったんだな。
てか子育て話じゃ無かったのか
711名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 17:17:48 ID:fkOKLG6V
>>703
ダークなのも好きなんだGJ!
その分涙が出てくるのは何故なんだろう…
712名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 20:32:04 ID:K7ctvhzl
ボテ腹セックルとか産後セックルとかそういうのはありですか?
713名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 00:26:10 ID:UaQDgjd1
712
個人的にはアリだ。待ってる。
714名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 00:22:57 ID:VjjZ0iQ2
あえて言う
マサツネ×ミツキが読みたい
715満月1:2008/08/27(水) 17:24:18 ID:mD7tj8xe
とある日の宇田川邸。自室で本を読んで時間を潰そうとするも一行も読み終わらないうちに本を置いて部屋をウロウロと歩き回る屋敷の主。その主の様子を見て義兄が煙草を吐き出す。
「まぁまぁ落ち着けよ。志乃だって本でも読んで待っててって言ってたろ?」
しょうがないと呟きながら懐から春本を出すと畳の上に置きこれでも読めと勧める。
「せ…摂津殿…。今このような時に不謹慎であるぞ」
「不謹慎ってもな…。伍助ちゃんだって今更だろ」
とにかくと言って本をしまわせると外を眺めた。外は陽が半分ほど既に沈みかけていて薄暗くなっている。
716満月2:2008/08/27(水) 18:14:29 ID:mD7tj8xe
それからどれだけの時間が過ぎたのかはわからない。
伍助が妻の部屋に行こうとするもお湯を運んでいた下働きの下女に咎められ、すごすごと元の部屋に戻ると義兄は壁に寄りかかって寝ていた。
「呑気なものだ…志乃の一大事だというのに…」
あまりに気持ちよく寝ているため刀を手に取ると屋敷中に響く鳴き声が聞こえてきた。
「む…。この声は…」
この際、義兄に構ってなどいられない。刀を放り出して妻の部屋に走った。
襖を勢いよく開ける。
「…志乃っ!」
「あ、ごっちんー。産まれたよー」
老齢の産婆が近づいてくる。
「おめでとうございます。元気な姫でございます」
「ごめんね、男の子じゃなくて」
「そのようなことはないぞ」
慌てて否定する。下女によって真新しい着物にくるまれた女の子を抱きしめる。
「名前どうしよっか?」
まだ横になったままの妻が話しかけてくる。休んでいてもいいと言うが大丈夫と突っぱねられた。
「うむ…そうだな…」
考えて窓の隙間から空を見つめる。陽はすっかり沈み漆黒の闇が広がっていた。その闇にぽっかり浮かぶ満月。
「…ミツキと言うのはどうだろうか…」
「うん。そうだね。ミツキも月に行けるといいね」
娘が月に行けるかはまた未来の話。




717名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 18:19:21 ID:mD7tj8xe
乱筆スマソ
下女は宇田川家の下女ではなく産婆の手伝いだ。
また修行しなおす…エロにならなかったし
718名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 22:19:49 ID:FJlMRPrm
>>717
ほのぼのしてよいかと
719名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 00:03:41 ID:nvWeGR4K
満月<ミツキ>
720名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 01:07:03 ID:N3oBW4mQ
満月いまうす
721名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 23:22:21 ID:lmJgExBN
>>591の続き。
かなりダーク。
というか書いてて自分がいやになりました。
でも好きな人は呼んでね(はあと
722名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 23:23:00 ID:lmJgExBN
スズメが良成に捕らわれてから何日がたっただろう。
小屋に入れられ、昼夜の判断もつかない毎日が続く。
今日も、またスズメを求めた客が小屋から入ってきた。
侍でもない、町人の男達がスズメに近寄った。
隣では良成が縄を持っている。
スズメは口に竹を咥えさせられ、両手を後ろに縛られ、足を屈折させた、不自然な体制をとらされ続けていた。
一糸も纏わぬ姿で、女性器を差し出すような格好のスズメに、町人達は最初は戸惑っていたものの、すぐに興奮したようだ。
卑下た笑いを浮かべると、スズメの体を触るなり、顔を眺めたりしている。
良成がスズメの口の竹を外す。
「さあ、お客様になんて言うんだ?」
「ぁ・・・」
口から涎がたらたらと落ちる。
長時間咥えさせられたので、顎が言うことを聞かないのだ。
答えられないスズメに、良性が杖で尻を叩く。
「ぁっ!」
ようやくスズメが眼をしぱしぱとさせ、ぎこちない笑顔を作った。
「汚くて・・・淫女のスズメを・・・皆様で叱ってください・・・」
空ろな眼のスズメに、男達が一物を取り出す。
良成が縄を離すと、倒れるようにスズメが床に手を着いた。
「どうぞ・・・」
スズメが自ら陰部を手で開くと、男が一物を挿入する。
もうスズメに快楽などの感覚はない。
「なんでぇ、マグロかい」
「きいてねぇぞ、金返せ」
ムッと毒づく町人を見て、良成はため息をついた。
「ご安心を」
杖でスズメの手を叩く。
すると、痛みのせいなのか、スズメの隠された性なのか、女陰部が締まる。
「こいつぁ面白い」
男がスズメの尻を叩きながら何度も腰を動かした。
「あは・・・あはは」
何を思ったのか、スズメが笑う。
もう何も考えていない、気の狂った笑いだった。
723名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 23:24:00 ID:lmJgExBN
良成がそろそろ使い物にならなくなったスズメを眺めた。
ここまでする気も無かったが、まあいいだろう。
ことが終わった後も、何かに笑い続けるスズメを前に刀を取り出した。

―――見世物小屋。
そこには『怪奇!達磨女!』と看板が立てられている。
「いらっしゃいいらっしゃい、世にも珍しい生きる達磨だ!どうだい旦那も見ていきませんか―――」
724名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 23:58:33 ID:lmJgExBN
最近は猛暑が続く。
太陽は月に取って代わられぬようにと熱烈に自分の熱さを押し付けてくる。
「ただいま帰った」
いつも通り道場から帰ると、珍しく志乃の出迎えが無い。
庭かと思い、覗いてみるがいない。
ふと、水音がしたのでそちらに向かう。
どうやら風呂場にいるようだ。
「志乃?いるのか」
「あーごっちーん」
ドアを隔てた志乃の元気な声。
「今帰った」
「今日お庭掃除してたから、汚れちゃってー、ちょっと待っててね」
ぽちゃん、と音がする。
ふと、足元に布が引っかかった。
どうやら志乃の着物らしい。
思えば、この扉の向こうには裸の志乃がいるのだ。
胸が高鳴り、滴る汗をついつい手の布で拭く。
ふと、その布が志乃の着物だと気がついた。
いつも、志乃の体に張るように纏われている布。
今日も庭掃除で汗をかいたのだろう。
その布を鼻元に近づけて、匂いをかぐ。
不覚にも、自分の物が隆々としてくるのがわかった。
「ごっちーん、あがるからちょっとあっちいってー」
「あ、うむ」
すぐにその場から移動すると、手にはまだ志乃の着物を持ったままだった。
先ほどまでしていた自分のことが恥ずかしくなり、すぐに洗物の中に放り投げた。
725名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 00:00:00 ID:7JSMpeIQ
次の日。
道場が休みで家に居るのだが、志乃が買い物に出かけてしまった。
久しぶりの休日に二人で居られないのは少し寂しい。
縁側に居てもじりじりと日照りが体を暑くさせた。
志乃もこの暑さでは大変だろう。
少しは家事の手伝いでもすれば、負担が減り、一緒に居られるかもしれない。
そう思った俺は布団を干そうと寝室に入った。
ふと、志乃の布団が眼に入る。
いつも志乃はこの布団に寝ているのだ。
頭で非常識だと考えるよりも先に、志乃の枕に顔をつけていた。
荒くなる息と脈動。
布団を抱きしめるように体を押し付ける。
股間に血が上っていくのがわかる。
匂いをかぎ、物を布団にじかに押し付けた。
コレが、志乃の匂い。
甘い。
どこか草の香りも混じっていた。
やがて、精を放ってしまう。
脱力感と興奮に息を乱しながら余韻に浸っていた。
しばらくそうしていて、まずいことに気がついた。
布団を汚してしまい、乾かしても匂いと跡が残るかもしれない。
急いで布団を二つ物干し竿に吊るす。
えいやっと水をぶちまけた。
そして根本的に何も解決していないことに気がつく。
どうしたものか。
突然、雨が降ってきた。
いや、それはおかしいだろう。
ここは素直に転んで水をこぼしたとい事にしておこう。
「ただいまーごっちーん」
志乃が帰ってくると、二つの濡れた布団を見て不思議そうな顔をした。
「あれ、布団どうしたの?」
「そのだな、水をかけてしまったのだ」
「そうなんだ、じゃあ寝るときどうする?」
あ、と口から声が出る。
なんと自分は浅はかなのだろう。
「あ、お客さん用の布団があるから一緒に寝よ?」
「い、一緒にか?」
「嫌?」
布団を放すだけであの騒ぎになったのだ、ここで嫌とは言えぬ。
「わかった、そうしよう」
きっと、俺が変なのもこの暑さのせいだ。
そうに決まっている。
726名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 00:00:36 ID:lmJgExBN
夜になり、志乃がすやすやと隣で眠っている。
俺は暑さで眠れそうに無い。
不意に、志乃がこちらに寄りかかってきた。
首筋が近くなり、匂いをかいでしまう。
布団よりもはるかに濃厚で、少し汗の匂いがする。
もう、我慢が出来ない。
寝ている志乃を押し倒し、息を荒くしながら体をまさぐった。
首筋から匂いをかぎ、舌で肌を舐める。
「志乃・・・」
「・・・」
返事が返ってこない。
「寝ているのだな・・・?」
確認をすると、唇で口を塞ぎ、志乃の手で自分の物を愛撫する。
いつもよりも少しひんやりとした志乃の手は柔らかく、それだけで達しそうになった。
だが、志乃の股を開かせ、口をつける。
「ああ、志乃」
何度も舐めたくると、蜜が溢れてきた。
志乃は目を瞑って何も言わない。
「志乃・・・挿れるぞ」
狭い肉壁に思い切り自分の物を挿入した。
志乃は一度ビクンと体を跳ねらせたが、何も言わなかった。
自分よがりに腰を何度も叩きつける。
「志乃・・・志乃・・・」
飴を舐めるように志乃を味わい、腰を打ち付ける。
抜こうとすれば名残惜しげに吸い付いてくる志乃の膣を何度も味わっていると、不意に限界が訪れた。
「志乃!」
志乃の膣内で俺の物が震える。
最後の一滴まで注ぐと、自分の物を取り出した。
こぽりと白濁の液が志乃の閉じた女性器から流れた。
あわててそれをちり紙でふき取ると、志乃の衣類も整えてやる。
そして、今度は涼しくなり眠りに浸るのだった。
727名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 00:01:07 ID:7JSMpeIQ
朝起きると、志乃はまだ寝ている。
俺もそろそろ朝食を食べて道場に行かねばならぬのだが。
「志乃・・・」
声をかけても起きない。
思わず、喉が鳴る。
「まだ寝ているのだな?」
くーくーと胸が上下している。
暑い・・・。
俺はまた布団にもぐった。
外では夏の熱い日ざしが続いている。
それから連日、俺は道場に遅刻を続けることになった。
728名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 00:02:41 ID:7JSMpeIQ
>>44
>>47
>>48
の妄想いただきました。
729名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 01:11:42 ID:L1Rba1GV
ごっちんと志乃が達磨を見る話なのかと思った。違った。安心した。
730名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 15:35:33 ID:BWDxj6PZ
>>723から話が繋がってないように見えるんだけど…
これで終わり?
731名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 17:07:45 ID:6442gGLy
二話なんだろ
732名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 19:48:15 ID:osATItv7
あ、ID見たら同じ人の連投だったのか。
話と話の間には一言注釈入れといてくれるとわかりやすかったかな。
でも鬼畜りょーくんGJ。
733名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 22:54:04 ID:AP8FrEyf
2作ともオチに余韻があって落語のような味わいがあるねGJ
734名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:33:45 ID:7ILaVYK7
ミツキとマサツネにチャレンジしてみるノシ
735名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 23:29:13 ID:6SANxTAy
投下します。伍助×志乃、白コマ妄想の初もの
736白日 1:2008/09/02(火) 23:30:04 ID:6SANxTAy
「くっついていい?」

 初めて求めた触れ合いに頷いてくれた顔が優しくて、飛び込んだからだを包んでくれた腕が温かくて、
――このひとのお嫁さんになれてよかった、志乃は心の底から満ち足りて破顔した。
 心中を覆っていた暗雲の晴れ上がった清々しさに、夫の胸へ全身を預けたまま深く息を吸い込めば、
最近になって一段と濃くなってきた男の体臭に交じり、しょうゆの甘じょっぱい匂いが鼻腔をかすめた。
 目蓋を開けば、今日は自分が立てなかったかまどから、白い湯気のほわほわ立ち上がっているのが
見える。嗅覚と視覚との刺激に、生理的欲求を思い出した志乃のからだは素直に反応した。
――ぐううぅ…。
「えへへ。お腹すいたね」

「美味しい!!」
「そうか、それは良かった」
 二人でお膳を並べて、少し遅い朝餉を摂った。伍助の母と同居して以来、二人向かい合っての
食事は久方ぶりであった。志乃はどこか吹っ切れたような笑顔で出来たての八杯豆腐を頬張っている。
 伍助の料理の味付けは、知らず、妻である志乃より長年馴染んだ彼の母親のそれを踏襲していた。
が、既に志乃は別段気にするでもなかった。空腹より先に心が満たされ、志乃のわだかまりは融けきっていた。
「そーいえば、おかーさんは?」
「母上は医者に出掛けた。朝餉は夕べの残り飯を雑炊にして一人で済ませたようだ」
 起きがけに顔を合わせた、と付け加えながら、伍助はわずかに赤みの差した顔を隠すように白飯を
かき込んだ。珍しく志乃が寝過ごしたことについて、下世話な憶測を働かせた母に「孫の顔が楽しみ
だわ」とからかわれたことが頭を過ぎった。
 尤も、以前の伍助ならばその手の冗談は真っ赤になってはぐらかすしか反しようがなかったが、
今朝は「うむ」と軽く受け流せた。夫婦という事実をあらためて受け止められるようになった今、この先
二人が子を生すということは、ごく自然な成りゆきのように思えた。たとえば自分に父と母の在ることに
ついて、疑問を抱いたり下衆な連想をしたりしないように。

「ごちそーさま! ごはんが美味しいと幸せだね!!」 
 二人分のお膳を片付ける志乃の後ろ姿に、昨日までの痛々しさはない。再び抱きしめたい衝動に
駆られながら、ならば慣れない自分より志乃の作るごはんの食べられる晩の方が更に幸せに違いない
と、伍助は早くも夕餉に思いを馳せた。
737白日 2:2008/09/02(火) 23:30:56 ID:6SANxTAy
 道場での稽古はしばらく個々に任せてい、城勤めも今日は非番であったから、伍助は日がな一日
屋敷で過ごすことにした。差し当たり妻の内職を手伝おうと、連れ立って寝所を兼ねた志乃の部屋へ赴いた。
 起き抜けに慌てて飛び出したままであったから、部屋には未だ志乃の夜具が延べられてあった。
見れば志乃も未だ寝間着のままである。志乃の、ここ最近の疲労と気苦労とを思い、伍助は一つ提案をした。
「今日はオレが面を作ろう。お主はそのままゆっくり休むがよい」
 伍助は志乃の手を引き、肩を押してやや強引に夜具へ促した。
「ダ、ダメだよ、ごっちんこそ……まだケガ治ってないでしょ? 寝てなきゃ!」
 座り込んだ志乃が、伍助の袷の袂を引く。
「いや、ケガは大分良くなった。動かぬと体もなまるしな」
 伍助はかぶりを振り、志乃の肩から背に手を滑らせた。
「でも、お面作っててケガしたら大変だよ」
 志乃の手もまた伍助の腕に伸び、引き寄せられるように伍助は夜具の上に膝をついた。
「そんなヘマはせぬ」
「ほんと?」
「心配症なのだな、志乃は」
 伍助は志乃の髪を手櫛で梳くように頭を撫でた。それが心地良くて、もっと、とせがむように見上げた
志乃の視線の先に、ふわりと微笑んだ伍助の顔があった。今日、何度も見せた表情。普段は険のある
眉間のゆるんだ、すごく、安心する顔。

「ごっちん」
「む?」
「あ、あのねぇ……えーと、……」
 言いかけて、志乃はなにを言わんとしていたのかわからなくなった。思えば、さっきから会話が上滑り
している。言葉より、求めているものと与えたいものとが、まるで他にあるように。

 伍助もまた、なにかを言いかけようと口を開いては言葉を失い、間を繋ぐように志乃の頭を撫でた。
指先に絡んだ髪に首筋をくすぐられ、志乃は肩をすくめた。
 ふと志乃の中に悪戯心が芽生え、お返しをしようと伍助の頭に両手を伸ばしかけた。が、目的地に
届く前に、この男が髪に触れられるのをひどく嫌がることに思い当たった。宙に浮いた手の行き着く先に
しばし迷った末、そのまま伍助の首にまわした。

 目測を誤ったのは、いつのまにか身長差が開いていたからだった。
――あれ? ごっちんってこんなに遠かったっけ?
 想定していたよりも背伸びした反動で、志乃は重心の釣り合いを崩した、……伍助を巻き添えに。
「志、乃っ?……」
「わっ!!」
 触れ合ったまま二人、夜具の上に倒れ込んだ。
738白日 3:2008/09/02(火) 23:31:47 ID:6SANxTAy
 天井の木目が、顔に見える。少し上に二つ面長の染みがあって、まるでうさぎみたい。なんで
今まで気づかなかったんだろ? あー、夜寝てるときも朝起きるときも暗くてちゃんと見えないからだ。
そーいえばごっちんと結婚してから病気もしてないし、お日さまの出てるときにこの部屋で寝っころがった
ことってなかったなぁ。
 耳元で荒い息遣いを感じながら、志乃はぼんやりしていた。
 全身に覆い被さった重みと、首筋に吸い付く感触。茶みがかった黒髪が視界の隅で揺れている。
薄手の寝間着越しに、なだらかな隆起の上を無骨な指が行ったり来たりしている。裾から剥き出しに
なった両ふくらはぎの間で毛脛がざらつく。素肌に熱い吐息のかかる度、からだの奥がせつなく疼く。
 志乃は初めて呼び覚まされる感覚に身を委ねながら、ただ、ぽかんと仰向けに寝そべっていた。
長い間そこに有りながら今になってようやく天井の模様に気づいたように、ずっと寝食を共にしてきた
夫にこんな一面のあることも初めて知った。その新鮮な驚きは、好いた相手をもっと知りたいという、
ごく純真な好奇心へと繋がった。

 伍助は依然どこか浮かされたようになっていた。
 肌蹴た衿元から差し込まれた手が、薄いふくらみを捉え、真ん中で主張しはじめた蕾に擦れる。瞬間、
志乃の全身を甘い痺れが走り抜けた。
「ひゃあんっ……!!」
 上ずった声をあげ、志乃の体がびくんと跳ねた。

 志乃の、これまで聞いたことのない声色に、伍助ははたと我に返った。あらためて状況を認識し、
遅れて顔が赤くなる。
 やがて、伍助は無言で半身を起こした。
「……」
「……ごっちん?」
 志乃のきょとんとした目が、離れてゆく夫のからだを追う。
「す、すまぬ。ちょ…調子に乗り過ぎた」
 伍助は、志乃の寝間着の衿をかき合わせながら詫びた。
 志乃が自分を拒まないことはわかっている。そもそも志乃は人を気遣うあまりに意に介さぬことまで
受け入れ耐えてしまう性質なのだ。そのことは寝床の件でつくづく思い知ったばかりであるというのに。
第一、このような明るいうちから不埒な気を起こすなど、オレはうつけ者かと、伍助は省みて眉間に
皺を寄せる。不可抗力で訪れた好機とはいえ、どうにも一方的であった。
「さ、さて、面を作るとするか」
「……すまなくないよ」
 腰を下ろしたまま身支度を整え、くるりと翻った伍助の背に、志乃の声がかかる。
 志乃は上体を起こし、伍助の袷の後身頃をそっと掴んで引き止めた。
「あたし、ごっちんと……もっと仲良しになれたら、うれしい」
「志乃……」
「えへへへ」
 振り向いて言葉につまる伍助を、志乃の少しはにかんだ笑顔が迎え入れた。欠けた歯ののぞく口元が、
上弦の弧を描いて艶めいていた。
739名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 23:32:19 ID:BWOvj4im
そうはいかんざき
740白日 4:2008/09/02(火) 23:32:31 ID:6SANxTAy
――しゅるり。
 志乃の髪を結わえていた布紐の端が引かれ、解けた髪がはらりと舞い降りた。うなじに感じる
こそばゆさに志乃は思わずぎゅっと目を閉じる。再び目を開くと、伍助の顔が驚くほど近くにあった。
伍助は志乃の前髪をかき上げ、額に唇を押し当てた。それから、月見の晩のときのように両手で志乃の
手を取り、目配せをして、やがて、口を吸った。

 安閑とした午であった。閉ざした障子の向こう、陽だまりの庭ではいつものように猫が集まっているのか、
にゃあにゃあと鳴き声が漏れ聴こえた。
――終わったらごはんあげなきゃ。と、思いつけば、これから起こらんとしていることになまなまとした
現実感が湧いてき、志乃は急に恥ずかしくなった。

 再び横たえられたとき、先刻にはなかった覚悟のようなものが、無意識に志乃のからだをこわばらせた。
「案ずるな」
 察してそう諭す伍助の声も、志乃の頬に触れる手もふるえていた。それが妙におかしくて愛おしくて、
志乃は胸がきゅうんとつまるようだった。
「うん」
「いやだったら言うのだぞ」
「ん…」
 不器用に、それでいていたわりのこもった手つきで、伍助は志乃の肌をなぞってゆく。細い肩を撫で、
控えめなふくらみを包み込み、なめらかな腹に滑り出る。志乃が恥じらいながらも甘い声を漏らし始めた
頃、安堵したように、ぎこちなかった所作にも情欲の色が滲んできた。
 いつしか志乃の膝小僧が自ずから持ち上がってい、寝間着の裾が割れていた。太股に纏わりつく
二布をわずかに捲り上げ、伍助は開かれた脚の間にからだを割り込ませた。そうして、くつろげた志乃の
胸元に顔を埋めた。
「あ……」
 志乃の脳裏に、今朝方の食卓が思い浮かんでいだ。はふはふと湯気の纏った八丁豆腐。息を呑む
ように静かに口先で啜り入れ、舌を絡め、ゆっくりと味わった、壊さないように、崩れないように。唇に舌に
ありったけの、優しい力で。
 唾液に濡れた胸がほんのり色づき、ため息まで染まりそうなほど上気していた。
741白日 5:2008/09/02(火) 23:33:44 ID:6SANxTAy
 まもなく伍助の手は下肢に伸びた。赤い二布の中に忍び込んだ手が、膝に添い、内腿を攻め、若草の
繁りに到達する。自分でもそう触れたことのない場所を弄られ、ひくひくと志乃の腰が浮いた。
 するうち二布の紐が解かれ、湿り気を帯びた箇所が外気にさらされた。まじまじとそこを見つめる夫の
視線がたまらず、志乃は羞恥に染まった頬を枕に擦りつけながら思わず声をあげた。
「や……」
「――すまぬ」
 伍助はどこがどうなっているかを把握するように懇ろに這わせていた手を、即座に止めた。伍助は
経験がないからこそ慎重で、乏しい知識なりに、志乃がつらくならないようしきりに配慮しているつもりで
あった。が、返ってそれが志乃を焦らすことになっているとは気づいていない。
「あ、ううん……い、いやじゃ、ない、よ……」
「そ、そうか」
 消え入りそうな声で志乃が続きを乞う。躊躇いがちに行為が再開され、ひとしきり懐柔された後、
あふれ出たもので濡れそぼった伍助の指が、志乃の内部に沈められていった。

「あ、あ、あ、い、いい…っやあん…ん、ああ…っ…」
 ゆるゆると蠢く指に頭の中までかき乱され、志乃は右へ左へと頭を振った。いつとなく寝間着は、腕を
通した袖口と緩んだ帯とで、かろうじて着衣しているといったほどに着崩れていた。
 はあはあと息を乱しながら志乃がなにげなく辺りを見遣ると、虚ろな視界に、伍助の愛刀の立てかけて
あるのが映った。近々戦いに挑まんとする男の魂ともいうべき一振りと、その猛々しさを内包しつつ
外身には繊細な蒔絵の施された鞘。何故だか強烈に目を奪われ、ふたがれている場所が疼いた。
正体のわからぬ情動に喘ぎながら気が遠くなりかけたとき、志乃の中からとぷりと指が引き抜かれた。
「志乃よ」
 伍助は真剣な、それでいて幼子をあやすときのような声調で、妻の名前を呼んだ。
 志乃は憂慮に眉を歪めながら、それでも口元に微笑みを湛えて、返事の代わりにうなずいた。
 衣擦れの音がして、畳の上に、六尺の晒し布が抛られた。
「あ、――――」
 貫かれる衝撃に、息が止まる。しがみついた腕に力を込め、志乃は知らず伍助の肌に爪を立てた。

 その後は、なにがどうなったのか、無我夢中に過ぎた。
 身を引き裂かされるような痛みと、あまやかな陶酔とが交互に押し寄せ、志乃は泣き浸りながら
身悶えた。眩暈の中で淡い虹彩の粒々の揺らめくのが見え、触れようと夢うつつのうちに片手を伸ばす。
幻に向かって宙を掻いた左手は、思いがけず夫に握られた。忘我の彼方から呼び戻され、濡れた瞳を
うっすら開けば、天井のうさぎが伍助越しに見え隠れした。

「っ、志乃っ……!!」
 夫の切迫した声が聴こえ、胎内にほとばしりを受けた。
 尋常でない痛覚と疲労と、下腹部の違和感とに朦朧としながら、志乃はことの終わりを悟った。
 ぽたり、と志乃の頬に雫が落ちて、夫のからだが離れた。伍助はとなりに横たわっていた、志乃とは
反対の方向に顔を向けて。唐突に心細くなり、唯一繋がったままの手に力を込める。すると、そうする
のが当然であるかのようにぎゅっと握り返されて、志乃は心がひどく安らいでゆくのを感じた。
742白日 6:2008/09/02(火) 23:34:33 ID:6SANxTAy
 九ツの鐘が鳴った。
 交情の余韻も落ち着いた頃、伍助は寝返りを打って志乃に背を向けた。気づかれてはいるのだろうが、
泣き顔を妻に見られたくなかった。気取られないように眼を拭う。こういうときに男が泣いてしまうなど、と
面目ない気持ちでいると、背後から志乃が気遣った。
「ごっちんも痛かった? ごめんね……」
 志乃は、伍助の肩口に自分のつけた爪痕を見つけ、撫でさすった。
「あ、いや、そうではなくてな……」
「ごめんね。血が出てる……すぐに手当てするね!」
「それには及ばぬ、第一、オレよりもお主の方が、その……」
 伍助は振り返ってちらりと敷布の赤い染みに眼を遣り、口ごもった。上体を起こして、あたりから探った
懐紙を志乃に差し出す。
「……えへへ。なんだか恥ずかしい」

 志乃が受け取った懐紙で後始末をしている間、伍助は人心地のついた思いに浸っていた。
「……本当の夫婦になったのだな」
 それでつい感慨深くなってしまったのだ、と続けようとした台詞は、声となる前に志乃にさえぎられた。
「ごっちんは最初からあたしの本当のだんなさんだよ」
 志乃の無邪気な返答に心浮き立ちながら、志乃が妻となった相手が自分だけではないことに気づいて
はっとした。本当の、という言葉の見解の相違と意外な重さに、伍助は軽はずみな呟きを悔いた。確かに
決してこれまでも、自分達は名ばかりの夫婦というわけではなかった。
「すまぬ、志乃。オレは深く考えもせずに世迷いごとを……。つまるところ真の夫婦の定義とは」
「急にどしたの? それより、なんかのど渇いたね。お茶淹れてくるね!」
 当の志乃は含みを持たせたつもりもなかったので、辛気くさい顔で弁じかけた伍助をあっさり撥ねつけ、
立ち上がろうとして腰を上げた。途端、からだの一ヶ所に力が入らないといったふうに、くたりとなった。
「だ、大丈夫か?」
 なにか自分の首尾に至らぬところがあったのでは、と伍助は気が気でない。
「えへへ…。平気だよー。ちょっと痛かったけど……いつか赤ちゃん産むときに比べたら、たぶん全然」
「な」
 突然な話の飛躍に、伍助はどきりとした。先程のが子を宿すための行為であることはわかりきっていた
ことだが、精神の充足感と肉体の快感とが先立ち、ついぞ今は吹き飛んでいた。
「でも、あたし安産型だからお産が軽いんだって。おかーさんが言ってた!」
「は、母上がそんなことを」
 伍助は茫然とした。よもや母と妻とが自分の知らないところでそのような話をしていたとは思いも
よらなかった。武家の嫁ならば跡継ぎをせがまれるのは当然とはいえ、心に負荷となっていなければ
良いのだが。そう案じたものの、志乃の様子からするに、どうやら要らぬ心配であったようだ。男には
わからぬ女同士の世界があるのかもしれない。
「あたし、ずっとおにいちゃんと二人だったから、家族がいっぱいになったらいいなぁ」
「う、うむ…そうだな……が、がんばる……」
 なにをだ、と心の中で突っ込みながら、伍助は志乃の代わりに茶を淹れに発った。
743白日 7:2008/09/02(火) 23:35:26 ID:6SANxTAy
 寝所から台所へ、今朝来た道順を返しながら、行きと帰りで意識とからだの感覚とが変化している
ことに、伍助は妙な面映さを感じた。どこか浮き足立つ足取りに、ここでもし母上に遭遇でもしたら、
なにか感づかれてしまうのではないか、と思ったが、感づかれたところで不都合などありもしなかった。
 母のことが浮かび、伍助は志乃を思った。母となった志乃の姿など、伍助はまだ想像もつかないが、
志乃はそうでもないようであった。或いは、契りを結んで実感が湧き出したのだろうか。どちらにしろ、
初めてのことが終わって早々に子へと意識の向かうあたり、女というものの本質を見た気がした。
もしかしたら、まさに今、志乃の中でなにかが起こっているのかもしれない。
 伍助は茶を注ぐ音や湯気の匂いにすら幸福を感じ、揃いの夫婦湯呑みを二つ盆に並べると、急ぎ
足で妻の待つ部屋に戻った。

 障子を開けると、志乃はすーすーと眠りこけていた。やはり疲れていたのだな、と伍助は妻の寝顔を
眺めながら傍らに座り込み、湯呑みに口をつける。汗ばんだ額に貼りついた前髪をはらいのけ、夜着を
掛け直してやると、志乃はくるりと寝返りを打ち「んん」と寝言を言った。さっきまで嬌態を演じていたとは
思えない、いつも通りの子供のようなあどけない寝姿に、思わず口元が緩んだ。茶を半分ほど啜った
ところで、障子の向こうから「にゃー」という声が聴こえ、伍助は湯呑みを盆に置いて縁側に出た。

「よしよし、仲良く分けるのだぞ」
 庭に降り、常駐している猫に餌をやる。五十匹ほど拾ったうちのほとんどは結婚を機に義兄に引き
取られたが、今でも数匹は屋敷にいて目を和ませている。
「遅くなってすまんな」
 待ち焦がれていたようにごはんを貪る猫達の中で、とりわけ必死に食らいつく雌猫の腹が重たげに
ふくらんでいる。あっというまに皿が空になり猫が散ると、こびりついた飯粒に雀が集まってきた。あと
数刻したら、図々しく昼餉を頂きに義兄がやって来るだろう。そしたら志乃が、口では冷たくあしらい
ながらも揚々と給仕するのだ。
 普段となんら変わりない、いつも通りの光景。
 内職をする予定ではあったが、志乃と同じ部屋に居て起こしてしまうのは忍びない。療養中に、と
貸本屋に借りた馬琴の新作を読破した後、文机に向かって墨を磨ろうか。
 母と暮らし初めてから手紙をしたためる必要はなくなったが、その日にあったことを書くという習慣は
残り、伍助は日記のようなものをつけていた。御前試合以降はとりたてて大きな出来事もなく、わざわざ
書き記すまでもないような普遍的な内容ばかりになっている。
 じきに夫婦のまぐわいも、特筆すべきことでもなんでもない当たり前の日常になってゆくのだろう。それは
感傷のようでもあり、幸福のようでもあった。それならば、新しい日常の始まりという限られた時だけの、
今この瞬間この胸を満たしている、あふれんばかりの仕合わせの存在を覚えておきたいとも思った。

 さて、と立ち上がり、振り仰いだ青空に、真昼の月が浮かんでいた。夜のように煌々と光を放つことも
なく、静かな白さで下界を望むそれは、晴天の真ん中に優しい指標のように佇んでいた。
 そういえば、うさぎは昼の月に向かっても跳ねるのか、聞いたことがなかった。志乃が起きたら尋ね
みよう、と伍助は、今日の日程を一つ付け加える。きっと思いがけない答えを導いてくれるだろう志乃の、
得意げな笑顔を想像しながら、伍助は陽に暖まった縁側で欠伸をした。



(終)
744名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 23:36:16 ID:6SANxTAy
以上です。お付き合いありがとうございました。
745名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 23:42:31 ID:6SANxTAy
訂正。下から三行目の左端「尋ねて」でした。すみません。
746名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:40:20 ID:X8WAk8l0
>>735
夫婦GJ!!
晩御飯の豆腐をもっと味わって食べればよかった……
志乃の…む(ry
747名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 18:45:21 ID:MEG5M7io
なんという…なんという夫婦萌え……!優しい空気感のままの艶っぽいエロがたまらん!
二人が心から愛し合ってて幸せなんだとひしひし感じさせられる良い話だったよ…!
748名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 21:36:03 ID:ptwNBFOy
念の為揚げ
749名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 17:24:05 ID:GAbYDfVv
書きたいけどネタギレ…
750名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 20:43:43 ID:6yFFIWyd
ほなみん×ほなみんが後部間のことでめいっちゃってるときなんかに支えてあげてた女の子

妄想だが
751ミツキが家を出た理由:2008/09/10(水) 13:39:57 ID:iHOXBuZI
短いしエロはないけど投下。


あれは四年前。
蒸し暑くて、何となく寝付けない夏の夜のことだった。
喉が渇いて水でも飲みに行こうかと布団から身を起こそうとしたミツキの耳に、それまで
聞いたこともない声が聞こえてきた。
「何だろう」
十歳の時に両親と寝室を別にするようになって一年。どことなく苦しげな呻き声が気にな
って部屋を抜け出したミツキは、そこで意外なものを見た。
薄暗がりの中、障子戸の隙間から見えたものは普段見慣れている両親とは全く別の声
色で囁き合い、睦み合う二人だったのだ。
『ごっちん…』
『志乃、ここがいいのか』
『うん、いい…もっとしてぇ…』
『よし、今暫く堪えよ』
『あぁんっ…』
布団の中で腕を回して抱き合い、隙間もなくぴったりと重なる二人はもうミツキの知ってい
る両親ではなく、夜の威を借りてただの恋人同士に立ち戻ったように見えた。そこには普
段の厳しくも優しい父と大らかで温かい母の面影は全くない。ただお互いに二人だけでい
る時間を楽しんでいるだけだ。
そこにはミツキが入り込む隙など一分もない。
声も出ないまま部屋に戻って布団を被ると、眠れないままに朝を待った。朝にさえなれば、
またいつもの両親に戻ってくれると思ったからだ。
もちろん、うとうとして明け方に目を覚ませば両親はいつもと同じだった。あれはやはり夜
が得体の知れない妖術でも使ったのではないかと頬を抓ったほどだ。
その二人の妖しい声は、それからも寝付けない夜には度々聞くことになったのだが。

そして十五歳になったミツキは生まれ育った家を出た。
両親は同じ歳に結婚したと聞いていたし、甘えてずるずる居つくのも性分じゃない。何より
もあの夜の二人は大層幸せそうに見えたのが少し羨ましかったのだ。両親のように自分
の幸せを見つけられればそれでいい。
一人立ちの理由なんて、大体はそんなもの。



終わり
752名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 16:06:55 ID:fTnM+aPI
すばらしすぎる……
753名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 17:05:00 ID:Eqk5SScD
ミツキったら……かわいいなぁ
754名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 22:04:38 ID:sPvlyGPf
ミツキネタで短編投下。幼いのでエロにはならなかった。スマソ



ある晴れた昼下がり。少女は叔父の家に向けて歩いていた。往来は行き慣れた道ではあるものの届け物を持っているため足元がおぼつかない。ようやく到着すると玄関を開ける。
「まさゆきおじちゃーん」
しかし出てきたのは女性だった。
「あら、ミツキちゃん。悪いけど正雪は城のお仕事でいないのよ」
そうか、と小さく呟くと持っていた器を渡す。
「お母さんが煮物作ったから持っていきなさいって」
「あら、悪いわね。上がってお茶でも飲んでいきなさい」
くすりと笑って家に招き入れてくれる。さほど広くもない家に入ると居間に通される。お茶を入れてくるから待っていてと言われ一人になると開いていた襖の奥から井桁に掛けられ、この家に釣り合わない綺麗な着物が見えた。
「わぁーきれいー」
「気に入ったの?」
いつの間にかお茶を入れて戻って来ていたのか後ろから声が聞こえた。
「これすごいきれいだよ」
「これはね、私が太夫の頃に着ていたものよ。たまには箪笥からだしてこうやって干さないと虫に喰われちゃうわ」
「た…?なぁにそれ?」
くすくす笑いながら内緒と言うがミツキにはまだその意味がわからずに首を傾げる。
「わからなかったらお父様に聞くといいわ」
その言葉通り帰ると真っ先に道場にいる父親に駆け寄った。
「おとーさん。たゆうってなぁに?ミツキもなりたい」
その言葉に父親は酷く慌てたそうな。


おわり
755名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 02:49:01 ID:YLDw8GAV
和みますた・・・じけ
756名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 04:12:24 ID:YLDw8GAV
むおぉ・・・過去の小説読んでみたら体が熱くなって眠れぬw
みなさんじけです!
757名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 15:06:45 ID:Z6HxB6qL
うさぎのように毛むくじゃらなごっちんのちんちんを
うさぎのように可愛らしい志乃のまんまんに入れて
跳ねるうさぎのように激しく動くことうさぎのごとく
758名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:00:58 ID:2RIC/Wn0
そして一言「う…詐欺だ」
759名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 22:48:34 ID:0qQLaxOT
15歳ごっちん×ミツキとか想像したら笑ったw
760名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 11:17:14 ID:Imfm3lyG
ここは女体化や女説OK?もしOKだったらほなみんやりたいんだが…
761名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 13:30:31 ID:N1Mt4FS3
個人的に勘弁して欲しいが、どうしてもやりたいならタイトルに注意書きしてくれ
762名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 01:49:36 ID:Qx2ea3cr
ほもじゃなくて女体化や女verならいいんじゃない?
763名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 09:16:00 ID:55W7SgOk
ほな子がごっちんに一目惚れして志乃をいじめる話ですか?
764名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 10:29:21 ID:qv9o0RzX
他漫画スレでも女体化は801の範疇で板違いっていうのが多いし、専用スレでやる方が無難だと思う
765名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 11:00:06 ID:65OsGsRa
わかった ありがと
766名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 08:24:22 ID:SM4IWZti
え?ちょい待てよ…専用スレってここ?なわけないよな
767名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 11:29:06 ID:WTq7G8Ev
これか?
【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】6話目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214215459/
 女体化、男体化、男女の入れ替わり、なんでもOK!
 オリジナルも、二次創作も、歴史上の人物を扱っても、なんでもOK!
 よーするに、
 各作品スレに投下したら荒れそうなSSの避難場所だ!
768名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 15:33:46 ID:SM4IWZti
おおぉ!ありがとう!俺書いたらそっち言ってみるわ!
769名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 00:52:33 ID:0R9wj9ZQ
志乃可愛いよ志乃
770名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 08:05:08 ID:H2ngQ4m0
新作投下マダー
771名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 00:09:06 ID:XeT29Swo
過疎あげ
772名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 02:40:54 ID:VOcIA7Gp
そりゃ、燃料が尽き果てたんだから、これ以上はなあ。
773名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 15:04:25 ID:AtVN4CMF
いや、まだまだ・・・
774名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 18:14:02 ID:3lJZmYiR
妄想は無限なんよ
775名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 02:53:43 ID:mdb5XzHg
志乃の可愛さがが未だ焼き付いて離れない
776名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 11:19:30 ID:y9Nv5Yts
あと少しで最後の巻が…。
ごっちんを押し倒す志乃がはやくみたい。
777名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 06:21:06 ID:6Q4ibqGS
あれは確実に台所でやってるな
778名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 18:48:00 ID:clc00Jyy
ごっちん♪
779名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 19:39:50 ID:dasltYi/
しーの♪
780名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 21:17:34 ID:K1+nMWH2
キクちゃんがエロエロになる話はまだですかな?未来永劫ないですかね
781名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 21:40:45 ID:IulYICZI
特別編の時代なら時代なら20代半ばくらいでとてもえろえろだと思いますよ
782名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 23:50:57 ID:7mKLGvVt
幼少期のほうがいい・・・
田丸さんにイタヅラされるのが関の山かのぅ
783名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 12:25:56 ID:BsW+23dR
キク「うっ・・・ぐっ・・・い、いてぇよこの野郎!」
田丸「ふん。いつまでその横柄な態度が続くか見ものだね」
そう言うと田丸はゆっくりと腰を省略されました
784名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 07:38:40 ID:81oq0j46
当社比50%減田丸ですね、わかります






わっふるわっふる
785伍×志 byとーか:2008/11/01(土) 22:15:39 ID:Lju4/BTm
年の瀬も近付いてくると夜冷えも厳しくなってくる。戸締まりをきちんとして、冬用にと綿を打ち直しした掛布団を引っ張り出してくる。
物理的には寒さはしのげる。しかしやはり物足りない。
隣で寝ている妻の志乃の寝顔を見ながら伍助は一人葛藤していた。
とりあえずどれくらい熟睡しているのかを見るために顔を近付けてみる。
しかし気付かずに眠っていた。
これならどうだと頬に触れてみた。
だが計算外なことに伍助の手は意外と冷たかったらしく触れたことではなく冷たさに驚いて目を覚ましたようだ。
「あれ〜。ごっちんどうしたの?」
まだ半分寝ているような顔をして呟かれてしまった。
「あ…いや…すまぬ。…これはその…寝相が悪くて…」
「ダメだよ、ごっちん。ちゃんとかけて寝なきゃ…」
「…そ…そうだな…」
「……それに…私なんかに触ったらバカになっちゃうよ…」
妻はそのままぱたりと眠りに入っていった。
「……志乃?」
伍助の中に何か釈然としないものが残った。
きっとそのような難癖をつけられ松山に触れられることはなかったのだろう。たとえ同じ部屋にいたとしても、暖まりあうことはなく一人寒さを我慢していたのだ。
「……バカになどならぬ……なるならばうさぎになるのだ…」
伍助は出来るだけ布団をくっつけてまた潜り込んだ。そして手が暖かくなったのを確認すると相手の布団を探り手を握った。
「…おやすみ」

次の朝起きた志乃が機嫌が良かったのは言うまでもない。


糸冬


・・・・・・・・・・・
他のスレではエロかけるのにやっぱりサムうさだとほのぼのにしかならないよ…orz
786名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 00:11:43 ID:Bv5Qdj3Y
ひさしぶりに神が降臨されてる!
やさしいのもいいよー。志乃が幸せなのはうれしいし。
GJ!
787名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 10:22:34 ID:hreYHAMh
エロパロ&文章創作板らしいしエロじゃなくてもいい・・・のかも
788名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 21:33:20 ID:wBKdHLtM
やっぱりいいね〜こういう雰囲気
789まごころ byとーか:2008/11/02(日) 23:33:01 ID:M4KLqgAc
摂津正雪は久しぶりにふらりと茶屋にやって来た。茶屋の女の子達からは黄色い歓声が上がり奥へと連れていかれる。
「あら、またタダ飲みにいらしたの?」
外を眺めていると薄雲がやって来た。後ろにいる下働きの女性が酒を置いていく。
「相変わらずだな」
「ご冗談を。タダでやって来て私と話を出来るなどおもてなしの極みですわ」
正雪はおもてなしねぇ、と呟くと御猪口を傾ける。そして口を離した。
「……これ、水じゃないか」
薄雲は気のせいと笑った。
「水でもてなすなんて聞いたことないぞ」
「おもてなしの基本は真心ですのよ、摂津様。その水は貴方がいらっしゃらない日に女の子たちが流した涙です」
さすが太夫は言うことが違うと水を飲み干した。
薄雲は違う上客に呼ばれて別室に移動した。代わりに違う女が正雪の相手をするためにやって来た。久しく来ていなかったのでおかわりの水だけでも話が盛り上がりテンションも上がる。
「美人と飲むと水だってことを忘れるくらい旨いな」
「イヤだー摂津様ってば。文字通り太夫が汲んだ只の川の水ですわよ。」
「太夫って…薄雲がか?」
本来ならば水汲みなど入りたての下積みの行う仕事である。
「はい。太夫ったら摂津様が『アイツはお金がないのだから水を飲ませておけばいい』って言うんですよ。あ、でも汲んだ後にちゃんと沸かして上澄みをお出ししていますよ」
川水には上流より流れてきた流木の破片や泥が混じっている。それを取り除き飲めるようにするには一度釜で沸騰させたあと冷ましてから上澄みを取ると安全で刺激のない飲み水が出来上がるのだ。
「太夫は毎朝、今日こそは摂津様がいらっしゃるからとお湯を沸かしていたんですよ」
「…………」
正雪は黙って水を眺めた。貧乏侍であるからいつも上等な酒を呑むことが出来ないと言うことを薄雲は知っていたのだ。
「…………真心か…」
「何か仰いまして?」
「いや…その…酒を出せる食べ物屋でも開けば毎日酒を飲めるかなって考えてさ」
「摂津様ってば商人のようなことを」
女は笑った。士分が商の話をするなど有り得ないからだ。
だが正雪は怒ることもなくつられ笑いをして誤魔化した。


糸冬


・・・・・・・・・・・
ついに最終巻発売か…。
調子に乗ってまた訳のわからないものを書いてしまいました。すみません。薄雲好きなんです…
790名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 00:22:35 ID:KJxJnKck
ツンデレ薄雪いいな。
いい水飲ませてもらってる摂津がうらやましい。
GJ!
791名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 00:29:42 ID:+TDHssFp
いやー!いいよいいよGJ!
薄雲さんのハイレベルなツンデレに萌えた(;´Д`)
792名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 21:05:11 ID:kNs80HMO
うおおおおまいらああああああ最終巻描き下ろしは見たかあああああああああ!!

加代が一瞬赤ん坊抱いてるように見えたのは俺だけじゃないはず
793名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 09:23:34 ID:dmvcF/Zu
あの二人は未だに進展なさそうだw
あくまで姉弟で経営してる感じ
794名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 23:00:13 ID:c61QQ+Dx
未来の反蔵×今のキクちゃん
キボンヌ
795名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 18:25:57 ID:DzlpEVQD
>>793姉弟なのに体の関係はちゃんとあるんだぜ。
次の日にはふつうにあの事は忘れた方がいい関係になれると思って
姉弟として振まったりしてぎくしゃくするんだ。
お互いその時の事に触れないようにしてるくせに、
またしばらくするとエロいことしちゃうんだ。
796名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 23:36:31 ID:YgYjdsl9
>>795
なんて……エロい…………ッ! いや…むしろ…艶めかしいッッ……!!
そそるシチュエーションすぎるだろjk
797名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 02:22:45 ID:DOrn1KmF
千代吉もすっかり逞しい美男子になってるし、夜が寂しい年頃の加代姉様がほって置くわけがない
798名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 21:19:29 ID:iSI1BbqF
今更だけど、大変なことに気づいた
特別編の世界観にはエプロンが存在するんだ
ということは、あのプレイができるじゃないか!
799名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 21:22:10 ID:XKDV38r7
お、おちつけ!おちつくんだ!
だが薄手の割烹着もなかなかの逸材じゃぜ?
せっかくの時代劇……ああ!だがあのプレイの誘惑には勝てぬ!
誰か!誰かおらぬか!あの伝説のプレイを書ける者は!
800名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 21:55:12 ID:iSI1BbqF
@「なんかお尻がスースーするよ〜」恥じらう志乃
A「なんであたしがこんな格好ッ……」屈辱のミツキ
B「暑いからこれでいいわよね〜」酔った振りして誘惑モードの加代姉
801名無しさん@ピンキー:2008/11/11(火) 04:17:05 ID:EyAPGyrV
くそぅっ・・・どれを想像しても鼻血が・・・ビクビクッ
802名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 21:58:46 ID:dG7ay1X0
Aで
相手はごっちんでw
803名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 22:14:16 ID:uHcQN4+T
お、親娘プレイだと……!?
なんという罪深さ!だがそれがいい!
804名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 03:33:44 ID:5UVGEnDF
ごっちんにソレができるとは思えないんだな
・・いや、志乃に似てるから大丈夫なのかも・・・
805名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 20:20:54 ID:S1hGzsMs
今更だけど
二羽のうさぎの最後の白コマより、
最終話のごっちんと志乃の空白の一日のほうが気になってきたんだぜ
ごっちんは休日のようだが2人とも家にいない様子…気になって寝れん
806名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 09:54:57 ID:p9PvGyOY
次の日試合だから流石に一日中抱き合ってたなんてことは無いと思うが・・・
でも童貞を捨てなきゃあの清木に勝てるわけがないんだよね
807名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 13:51:49 ID:/T09SWDV
二人で連れ込み茶屋に行ったって事かなー。
どんな顔して志乃を連れてったのか気になるw
808名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 17:44:31 ID:kh/CDVfK
道場でしょ
だから二人とも早く来過ぎたのだよ
809名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 18:41:58 ID:KFHOq+l6
試合観戦に行かず留守番する志乃は確かに妻としての落ち着きというか余裕があったな
やはり前日は存分に乳繰りあったとみて間違ないみたいだな
810名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 06:41:05 ID:fF5zcSWR
まだ痛かったんだろ
そんな状態で後部姦に会ったら不快過ぐる
811名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 07:31:39 ID:dFAifF6K
何の当て字かしばらく分からなくて、
後ろの穴を襲われたら、そりゃ不快だわなwと思ってた。
812名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 00:19:59 ID:kgeZGJed
後部姦ならすでに四巻でごっちんにやられてるじゃないか
813名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 15:02:35 ID:bd9W9osS
「大丈夫か?」
「う、うん・・・」
814名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 22:27:04 ID:2cyH95RI
「んっ・・・・・・や、やっぱちょっとイタいかも・・・」
「す、すまん・・・」


815名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 20:39:30 ID:9Ywp1ZaP
保守
816名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 22:10:44 ID:DJa20jcQ
清木その他大勢の前でそんなことやったら斬られても仕方が無いわw
817名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 12:13:26 ID:cl4wmYxf
「俺は・・・なぜ切られねばならぬのだ・・・?」
818名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 02:57:49 ID:I86qQxvo
華屋加四郎が病で床に伏せてから二年。
すでに金貸し、算盤の生徒達も減り続けている。
それも当然だ、サムライ達が世から姿を消してからは堅気な商売が増え続けている。
ハイカラな衣装に輸入物の酒。
もはや上を恐れずに自由に仕事を選べる時代に金が足りない者はそう多くない。
キクは考えていた。
もう、米もねぇ・・・。
子供のころ、生米をかじっていた事を思い出した。
思えば、あれだけでも儲かってたって事か。
苦心する加四郎の姿が脳裏に浮かんだ。
「おい・・・キク」
荒い呼吸をしながら加四郎が布団から上体を起こした。
「お父!なんでおきんだよ!」
「もう・・・長くねぇかもしれねぇからな・・・」
ぜぇ、と言葉の間に唾液が喉を通らないような、雑音が混じる。
キクにだっていつかその時が来ることくらい承知していた。
だが、あの父が。
気丈に振る舞い、誰にも臆した事のない父が弱音を吐く。
その姿こそが耐えにくい。
「そんな事言うなよ、ほら、雑炊つくっからよ」
急いで台所に向かう。
きっとお腹がすいているせいだろう。
お父がそんな弱気なはずがない。
―――オレを担いでくれた大きな背中。
―――約束してくれた時から一緒に食卓を囲んでくれた事。
いつでもオレの尊敬できるお父だった。
819名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 02:58:47 ID:I86qQxvo
「キク・・・もう米もねぇだろ」
ハッとする。
昨日の残りの米を大根と噴かして食べたのが最後だ。
自分は食べずに、加四郎にだけ与えた。
『食えねぇよ』そう告げる加四郎に、嘘をついた。
さっき宇田川の旦那にそばをおごってもらった。
だから腹いっぱいだ、お父よりもいいもん食ってんだ。
『そうか』そう言うと、熱い雑炊に咳をしながらなんとか注ぐというように食べていた。
どうしよう・・・。
米も、大根もない。
金も薬代でほとんど消えている。
「なあ、キク。オレはもう先がねぇんだ、どっかに嫁いだらどうだ?」
その言葉に背筋が凍った。
「お父、ほら、今日は権兵衛が返済の日だから夕飯くらいは・・・」
「キク!」
怒鳴り声に一瞬身が固まる。
「おめぇ、考える事から逃げんな。迫力もねぇ病人の金貸しにわざわざ大金渡しに来るか?」
そのとおりだ。
もう返済の時期が過ぎているのに訪れるのは金の無心だけ。
要するに生きているうちにかっぱらえばいいと思っている連中だ。
「実は、宇田川の旦那のアニキに嫁ぎ先を紹介してもらってんだ。おめぇは行け」
なんで?
なんでだ?
オレはお父を助けたいだけなのに。
どうしてそんなに邪険に扱うんだ。
「育ててもらった親に孝行して何がわりぃんだよ!」
「育ててやった娘を不幸にして幸せだと思うか!」
その言葉に、オレは憤った。
台所のまな板を叩き落とす。
「金だろ・・・金さえあれば・・・」
「金だけが幸せじゃねぇ、お前と過ごしてそう思ってるよ」
金かしの加四郎。
江戸では名の知れた恐ろしくキレる男が、微笑みながら告げる。
そんな笑顔に、キクは逃げ出した。
なぜ逃げたのだろう。
恐ろしかったのか?
なにが?
そうか。
一瞬、オレはお父を見捨てて、幸せになってしまおうかと思ったんだ。
820名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 02:59:19 ID:I86qQxvo
「腹減った」
酒屋の前で座り込む。
もう年頃のキクが見っとも無いが、腹に力が入らない。
加四郎の薬代、これからの稼ぎ、そして生活費。
八方詰まりだった。
頭が暗くなるのは空腹のせいだけではないだろう。
「とりあえず、権兵衛の所にでも催促しに行くか・・・」
無駄ではあろうけど、義理人情が通じるかもしれない。
すくっと、立ち上がり、腰を払った途端だった。
酒屋から罵声がとどろき、男が腰を抜かして逃げ去った。
何事かと思い、入り口を見てみると、どこかで見た男が怒鳴っている。
どこで見たのだろう。
男は一頻り叫んだので清々したのか、着物を正して満足げにあたりを見回した。
一瞬、眼が合う。
絡まれたら厄介だと思って去ろうとすると、肩を掴まれた。
「何しやがる!」
「おめぇ、うさぎ道場に顔出してた嬢じゃねぇのか?」
「あ・・・うさぎ道場の門下生か?」
「ああ、反蔵だよ、どうした、暗い面しやがって」
なんと言ったらいいのだろうか。
と、口にする前に腹の虫が鳴り響く。
「なんだ、腹減ってんのか・・・そうだな、おれぁここで用心棒やってからよ、飯くらいおごるぜ?」
うさぎ道場には比較的人格者が揃っていたが、今のこの男の仕事は明らかに堅気ではない。
「まあ、いいから入れよ」
腕をつかまれ、強引に店に座らされた。
「おい、酒と・・・適当に飯を持ってきてくれや」
半ば強引に座らされ、反蔵がキクをまじまじと見つめる。
「なんだよ」
「いやな、前に見たときはまだまだガキだったが、もう一丁前の女だなってよ」
一丁前の女・・・。
やがて料理が運ばれてくる。
実に旨そうな焼き魚の定食だった。
「食えよ」
酒をごくごくと飲みながら反蔵が遠慮するなと言う。
だが、こんなにいいものを食べていて、お父は何も食べられない。
金だ・・・金が欲しい。
「ったく、食事の時も女らしくってか、そんなのいらねぇよ」
勘違いをしているようだが、どうやら反蔵はオレを一人前の娘だと認識しているらしい。
「なあ・・・」
「なんだ?」
早くもほろ酔い加減の反蔵が徳利に酒を注ぎながら問う。
「オレ・・・買ってくれねぇか?」
821名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 02:59:50 ID:I86qQxvo
「本当に、いいんだな?」
反蔵がキセルをふかしながらたずねる。
宿屋の二階では行灯が燈色のぼんやりとした灯りだけが二人を映していた。
「どうせ、生娘じゃねぇんだ、一両、払ってくれるんだろ」
「相場にしちゃたけぇな・・・」
「オレ、いろんな奴にいいって言われるぜ」
そんなはずはない。
キクは男と肌を合わせたことは一度も無かった。
肩から着物をずらし、誘惑する。
体が小刻みに震えるのを必死に抑える。
「まあ、困ってるみてぇだしな・・・わかったよ一両だ」
反蔵がコロンと転がした金を、そっととろうとした時だった。
行灯に映された二人の影が重なる。
首筋に、唇に、反蔵が押し付けられた。
ぞっとする。
女達はこんな事を繰り返しているのだろうか。
「なあ、待てよ・・・」
キクが制する。
「一両も貰えたんだ、あんた、口淫って知ってるかい?」
822名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 03:00:23 ID:I86qQxvo
「さぁな」
小さなキクの胸に手を添え、乳首を摘む。
「んっ・・・要するにさ、口でするんだよ、気持良いぜ・・・」
「へえ、試してみるか」
キクがおずおずとそそり立つ反蔵の男根に手を添える。
脈打ち、骨でも入っているのではないかと思うほど堅かった。
男は一度だけすればもう大丈夫らしい。
口でするのは抵抗があるが、陰唇はもっと嫌だ。
ぺろ、と男根の先を舐める。
「おお」
思わない快感に反蔵が声を漏らした。
丹念に舐めたくり、何度も下エラをなぞる。
だが、一向に反蔵が果てる様子は無かった。
「おいおい、口でするなら、こうだろ」
反蔵がキクの頭を掴み、口に含ませる。
微かに塩辛いような味と、むせ返る匂い。
だが、やめるわけにはいかない。
唇をきつく締め付けると、根元まで飲み込み、先端まで吸い込むように包む。
それを幾度も繰り返す。
「なるほどな、確かにこりゃあいい」
反蔵の息が荒くなる。
男根の角度もどんどん競りあがり、震えてきた。
もう一往復しようとした途端、口の中の男根が跳ねる。
それと同時に粘っこい、青臭い白濁液が飛び出した。
暴れる男根に口を離すと、キクの顔に精液が降りかかる。
「どうだ・・・満足したか・・・」
今にも吐きそうだった。
「ああ、そろそろ前座は終わりだな」
「え?」
823名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 03:01:20 ID:I86qQxvo
肩を押さえ、キクを倒れさせる。
「なぁっ」
「一両だぜ?まさか一回だけじゃねぇよな?」
男は一度果てればそれまでじゃなかったのか?
キクの性への知識不足が完全に裏目に出た。
腰巻をたくし上げられると、反蔵が下の口に舌を這う。
「綺麗だな・・・」
生暖かい舌の感覚が、敏感な内膜を刺激する。
気持がよくないと言ったら嘘になる。
だが、嫌悪感だけは取り除けない。
「結構不感なんだな」
それはキクが生娘だから素直に快楽を求められないせいだ。
蜜も少しずつしか流れない。
「いい・・・んだよ、その代わり、膣は・・・キツイぜ」
「そうか」
なんのためらいも無く、反蔵が男根を陰唇に押し付ける。
相当女慣れしているのだろう、多少キツメの女も相手にしているらしい。
めり込む男根にキクは下唇をかんだ。
涙が溢れる。
純粋に痛みからだ。
「確かに、こいつぁいい締りだ」
生娘だと気づいていない反蔵は、激しく腰を振る。
まだ受け入れる体制になっていないキクの膣内は激しくこすられ、痛みが激しくなる。
「ああ・・・いいぞ・・」
痛みで絶え絶えになる言葉を、感じているように見せかける。
まだ発展途上の胸を反蔵がついばむ。
意外にも、隆々と突起になっていた。
興奮している事は確からしい、まるで胸から神経の塊のような乳首を弄くられ、喘ぐ。
「すげぇな・・・」
もう終わりも近いらしい、そろそろ限界なのだろう、キクの体の負担も考えず、強引に腰を振る。
がくがくとゆれるキクの体が、不意に止まった。
824名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 03:02:13 ID:I86qQxvo
膣内に何かがが流れている。
膨らむような、異物感。
小水とは違う、熱い液体。
反蔵が男根を抜いた。
「すげぇ体だな、名機ってやつか」
行灯の薄明かりのせいで失血していることは気づかれていない。
すぐに紙で股を拭くと、着物を羽織った。
一両を懐にしまう。
「なあ、キクの嬢ちゃん」
「なんだよ」
声が震えただろうか、気づかれなかっただろうか。
「ここは体売るにもその筋のやつらが仕切ってやがるんだ、なんなら安全にオレが口を利いてもいいぜ?」
「・・・考えとく」
それよりも、お父だ。
朝からほったらかしになってしまった。
だけど一両だ、すぐに米を買って、魚を買って、野菜を買って。
「なあ、お父!」
まず、最初に言おうとしたのは『ごめんな』のつもりだった。
体を売った事は絶対に口にするつもりはなかった。
だが、台所には。
叫び声が出ぬように豆絞りを口に咥え、首を包丁で切った『加四郎だったもの』だった。
「お父・・・」
意外なほど衝撃を受けていなかった。
もとより、もたないと思っていたからだろうか。
それにしても、コレほどまでに驚かないものだろか。
頭は冷静に父の死体を見つめていても、手から食材が落ちた。
「あれ?」
手に力が入らない。
ひざも震えている。
手には紙が握られていた。
『わるかった』
たったそれだけで?
そんな、オレの苦労のことだけで?
「なんで・・・なんでそんなことで死んじまうんだよぉぉぉぉぉぉ!」
天を向いて大声で叫ぶ。
涙が滝のように流れ、顔からあらゆる体液が溢れた。
声を聞いて隣の宿屋の男達が集まってくる。
わんわんと泣いているキクを遠ざけ、岡っ引きがやってきた。
825名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 03:02:50 ID:I86qQxvo
金だ。
元は金持ちだった。
だから幸せだった。
つまり、幸せは金を持っている事なんだ。
826名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 03:03:26 ID:I86qQxvo
キクが暗くなった街中で、腕を組んで壁に寄りかかっている。
一人の男が近づいた。
「二分で付き合ってくれるらしいな?」
冷酷な眼で男を見る。
「あんたは器量が悪いから三分と十朱だよ」
「三分までだ」
まあ、それなら妥協点だろう。
「いいよ、それなりの部屋くらいは用意してくれるんだろ?」
「ああ、もちろんよ。あんた、名前はなんてんだ?」
「管物の寒菊、それだけで十分だろ?」
時代が変わるまで、まだ日は長い。
歴史はあっという間でも、一日を生きていけるウサギは何匹いるだろう。
827名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 03:05:01 ID:I86qQxvo
なんかキクと反蔵があまりにも出現率が低いのでやってみた。
つかダーク?なのか陰気ですまんね。
828名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 03:06:25 ID:I86qQxvo
あとおキクちゃんがオレっ子なのでボーイズラブに見えなくも無いorz
829名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 06:14:52 ID:FCov6ziQ
うちのばーちゃんも一人称オレだったが
830名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 09:20:51 ID:AOOqNg5f
GJ!
ハンゾーものに飢えてたので見られてうれしい。
キクちゃんはかわいそうだけどエロい。ダークなのもいいな。
831名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 17:16:33 ID:4xS2c9Ty
泣けるじゃねぇかぁぁぁ!
832名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 01:08:15 ID:OGFY3A4H
うおぉいつの間にやらGJ!
反蔵の馬鹿ヤロウ!とりあえず全部お前のせいだ。゚(゚ノД`゚)゚。
833名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 01:11:12 ID:2hlp9NTi
反蔵がキクちゃんに本気になって助けてあげてほしい。
834名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 16:18:04 ID:NFCnkO7b
大人伍助×志乃。
最終巻213頁を見ながら読んで下さい。
イメージずれてたらごめん。
835うさぎの子はうさぎ 1:2008/11/30(日) 16:18:56 ID:NFCnkO7b
ミツキが家を出る日のこと。

「やはりオレが付いて行った方が良いのではないか?」
「大丈夫だって!もう……。お母さん、何とか言ってよ」
「それだけミツキのことが心配なんだよ。お父さんも」

一人そわそわしている伍助。その隣で落ち着いている志乃。
いつもは家を引っ張る大黒柱が、いざ娘のこととなると全く取り乱してしまう。
こんな時は父と母の立場が逆転する。

今回家を出るとミツキが言い出した時も、
反対一辺倒の父を抑えて母はしっかりミツキの主張を聞いてくれた。
年頃の娘の気持ちが分かるのは、やはり同じ経験をした母なのだろう。

「そんなに心配しないでよ、お父さん」
「しかし…」
父を安心させる様にミツキは話した。

「一人暮しって言っても、ここから住まいまでそんなに掛からないし。
 何時でも戻ってこれる距離だから大丈夫だよ」
「…とはいえ何時でも戻ってきたりはしないであろう?」
「そりゃそうだけど…。まあ、暫くは一人で頑張ってみるつもりです」
ミツキの言葉にも、伍助は苦い顔をする。



引越しの前日、娘が心配でならない伍助はせめて引越しを手伝おうと、
その日道場を休む準備までしていた。
直前になってそのことを母から聞かされて知り、
ミツキは大声で父親の世話になることを固辞した。

『恥ずかしいからやめてよっ!!子供じゃないんだから!!』
門下生の前で娘に叱られる、恥ずかしい道場主の姿があった。
836うさぎの子はうさぎ 2:2008/11/30(日) 16:19:38 ID:NFCnkO7b
「…そろそろ、行くね」
「あ、ちょっと待って!」
「?」
「はい、コレ」
志乃は梅干が入れてある小瓶をミツキに渡す。
昔、祖母が紀州から梅干を買い付けてくれていた。
そんなに好物ではないのだが、梅干を見ると祖母を思い出し懐かしい気持になる。
今の成長した姿を見れば、祖母はなんといってくれるだろうか。

「たまには帰ってきてね」
「いつでも待ってるからな」
「…うん。ありがと」

いざ家を出るときになって、急に両親の優しさが身にしみる。
何だかんだ言っても、いつも自分のことを考えてくれているのだと思うと、
ミツキは嬉しいようなすまないような複雑な気持ちになった。

「何なら一日出発を延ばしても…」
「だーーかーーらーー!!」
辺りに響き渡るミツキの声。


「じゃ、行ってきます!」
両親の不安を振り切るように、ミツキは元気良く屋敷を後にする。
その姿が見えなくなるまで、宇田川夫妻は娘を見送っていた。


===============================================
837うさぎの子はうさぎ 3:2008/11/30(日) 16:20:21 ID:NFCnkO7b

その日の夕食後。
お茶を書斎に持っていこうとした志乃は、縁側で物思いに耽る夫を見つけた。

「お父さんったら、どうしたの?」
「む、いや…」
声を掛ければ、いつになく張りのない返事が返ってきた。
見ると伍助の手には、一回り小さな竹刀が納まっている。

「それって、ミツキの竹刀…」
「うむ」
五歳頃から自ずと剣術をやりたいと言い出したミツキに、伍助がこしらえてあげた竹刀だった。

「ミツキが居なくなるだけで、随分と寂しくなるものだな」
「そうだね…」
徐々に普通の竹刀を扱えるようになり、そのまま使わなくなってしまったが、
これももう倉庫にしまってから随分久しい。
「これを使ってたのも、ついこないだのことだとばかり思っていたのだが…」
つくづく時間の早さを思い知らされる、と伍助は漏らす。

志乃は運んできた茶を伍助に渡した。
二人とも無言で茶を啜る。共に想うのは娘のことだ。

「でもお父さんったら心配しすぎ。ミツキも困ってたよ」
しんみりとしてしまっている伍助に、志乃は話しかける。

「だって、まだ十五だぞ?」
「もう十五だよ」
志乃は伍助を諭すように、優しく語りかけた。

「わたし達が一緒に暮らし始めたのだって、十五の時だもの」
「…それは、そうだが……」

志乃と暮らし始めたのが十五の頃だった。それから人生の半分以上を、共に過ごしてきたことになる。
同時にミツキが生まれてからもうそれだけ経つのかと、伍助は改めて感慨にふける。
838うさぎの子はうさぎ 4:2008/11/30(日) 16:21:01 ID:NFCnkO7b
二人の間に子供が出来てからは、本当に駆け足の如く時が過ぎていった。
そして十五年もの歳月は、周囲の様々な事柄を変化させていった。

千代吉やマロに兄の摂津、穂波と反蔵といったかつての門弟達は、それぞれの仕事についている。
誰より孫の誕生を喜び、幼いミツキを世話してくれた伍助の母も、今はもういない。
伍助と志乃もいつからか、娘に合わせて互いの名前を呼ばなくなっていた。

中でも一番の変化は、母親になった志乃自身だろう。
ミツキが生まれてから志乃のふるまいは、今までの天真爛漫なものから温良恭倹なものへと変化していった。
振る舞いや言葉遣いもしとやかなものとなり、少女の可愛らしさと引き換えに女性の美しさが備わっていった。
母親になるということはここまで人を変えるものなのかと、伍助は驚かされた。

やはり、こと娘のことになると、父よりも母の方がしっかりしているものなのかも知れない。
今日の見送りでも、心配する伍助をよそに、志乃は慌てる様子もなくミツキを送り出していた。

「お母さんは不安じゃないのか?」
落ち着き払っている様子の妻を見て、伍助は尋ねる。

「そんなことないけど。でも、ミツキなら大丈夫だよ」
「…どうしてそんなに平気で居られるのだ?」
志乃の確信に満ちたような態度が、伍助にはやや腑に落ちない様子だった。
「…一生懸命頑張るあの子だったら、きっと大丈夫」
そう答える志乃の声は、穏やかながらも芯の通った力強さを帯びていた。

「それに、わたしたちの子だもの」
そしてまた、志乃は付け足す。
「わたしと…ごっちんの。…ね?」

ふと自分の名前を呼ばれて、伍助は目を丸くした。
最後にその呼ばれ方をされたのはどの位前だったろうか。
驚いた様子の伍助が可笑しかったのか、悪戯っぽい微笑みを返される。
839うさぎの子はうさぎ 5:2008/11/30(日) 16:21:28 ID:NFCnkO7b
志乃は夜空へと視線を向ける。
その先には、雲一つ掛からない満月が輝いていた。

「あの子も月に向かって、頑張ってるんだよ」
温かく娘を見守る母親の姿。
自身が目指す月に近づこうと頑張って居た時の少女の姿。
その二つが重なって見えたのは、薄暗い月の光で相手がよく見えないせいだろうか。

「そうか……そうであったな」
伍助は己の心配が杞憂だったことを自覚した。
「あの子はオレ達の子だ」

伍助は志乃の肩に手をかけた。
そのまま志乃を自分の身体へと引き寄せる。
「オレと…志乃の子だ」
久方ぶりに妻の名を呼んだ。


この先ミツキの周りにも、思いがけない事や、やりきれない事など、
世間の色んな不条理が立ちふさがることだろう。
それでもこの15年間、
自分でも親馬鹿かもしれない、と思う程度には娘のことを考えてきたつもりだ。

人生を楽しく過ごすことができるように。
自分の目指すべき月を見つけられるように。
月に向かって跳ねる、うさぎになれるように。

そう育って欲しいと願いつつ、日々ミツキに接してきた。

それに自分だけではない。
志乃もまた常に、ミツキへ優しい眼差しを向けていた。
祖母もよほどミツキのことが可愛かったのだろう、最後まで孫のことを案じていた。
初期の門弟達と年に数度盃を交わす時にも、酒席にミツキをつれてゆけば、
皆我が子のように可愛がってくれた。

これまで沢山のうさぎに囲まれ愛されながら、ミツキは元気良く育ってきた。

そんな彼女であれば、きっと大丈夫だろう。
隣にいる妻の言葉に、伍助はそう思った。
840うさぎの子はうさぎ 6:2008/11/30(日) 16:22:00 ID:NFCnkO7b
月が照らす屋敷の縁側で、夫婦はしばらく座り込んでいた。
夜風の寒さが、より隣の人の体温を感じさせる。

「こうして二人になるのも、久しぶりだね」
「…うむ」
何気なく呟く志乃に、伍助がうなずく。
えへへ、と唇から欠けた歯を覗かせて、志乃が笑う。

夫婦の誓いをしたあの頃に戻ったような、屈託のない笑み。
良い笑顔だな、と伍助は思った。


仄かに香る椿油の香りが、その存在を確かめさせてくれる。
こんなに近い距離で志乃の顔を見ることもいつぶりだろうか。
久しぶりに間近でみる妻の顔は、あどけなく、それでいて美しかった。

「志乃」
「なあに?」

改めて、腕の中にいる妻の名を呼ぶ。
長らく呼ぶことの無かった、大切な人の名前を。
その響きを口にするたび、目の前にいる女性をたまらなくいとおしく感じる。

志乃が振り返ると、普段と様子が違う伍助の表情があった。
いつしか笑顔もなくなり、目の前にいる人の顔をただ見つめる。
心なしかその表情も熱っぽい。

月明かりの下で見つめあう夫婦の姿。
自然と二人の距離が縮まっていく。
「…あ……」

気が付けば、無意識に唇を重ねていた。
口付をほどき志乃を見れば、その眼差しはどこかぼんやりとしている。
そのまま志乃の背中に腕を回す。

自分の胸の中にじわりと生まれつつある相手への思慕。
この想いを身体越しに伝えられれば。
志乃を抱く腕に自然と力が入る。
841うさぎの子はうさぎ 7:2008/11/30(日) 16:22:40 ID:NFCnkO7b
優しい感触に包まれ、志乃は胸の奥から溢れ出るものを感じていた。
やがて志乃も、伍助の背中に腕を回す。

「今日…いつもと違うね」
「すまぬ。驚かせてしまったか」
「ううん…そういうわけじゃないんだけど…」

「何だか急に、抱きしめたくなってしまった」
「……」
「ミツキにばれたら、娘が家を出る日に何をしてるんだと、きっと怒られてしまうな」
伍助は自嘲気味に語った。

「…部屋に行こうか?」
伍助の衝動を拒むでもなく、志乃は言う。
予想していなかった相手からの提案に、伍助は息を呑んだ。

「きっとあの子も今日ぐらいは、許してくれるよ」
いつになく甘く聞こえる志乃の声。
伍助の頭は段々と、理性が働かなくなっていた。

「きゃっ!」

伍助は、座っている志乃を身体ごと前に抱きかかえて立ち上がった。
そのまま一直線に寝室へと向かう。
志乃は振り落とされないよう首にしがみ付く。
より互いが密着するような体勢になり、それが伍助の気持を一層逸らせた。

寝室に到着してすぐ布団の上に座り込み、二人は向かい合う。

己の鼓動が聴こえてしまうのではないかと思う程、伍助は興奮していた。
志乃の表情もまるで伍助にあてられたように上気づいている。
再び口付を交わす。
842うさぎの子はうさぎ 8:2008/11/30(日) 16:23:20 ID:NFCnkO7b
「……む、はっ……んぁ…」

唇の隙間から漏れる声が、互いの炉に薪をくべる。
水音と息遣いが、二人だけの濃密な時間を作り出す。

「ぷはぁっ……っ…はぁ…」

勢いが収まってくるのも束の間。
志乃の胸に伍助の手が重ねられる。

「…あ……」

衣服の上からやがて中へと、伍助の手が進入してくる。
志乃はなすがままにそれを受け入れる。
寝巻の前だけをはだけさせ、志乃は布団の上に横たえられた。

「…どうしたの?」
志乃に覆い被さった体勢のまま、伍助はただ志乃を一心に眺めていた。
行灯の明りに映える白い肌。控えめだが形の整った乳房。すらりと伸びた身体。
いつの間にか、女子から一人の女性へと変化を遂げていたことに気付く。

「そんなに……見ないで……。恥ずかしい…」
夫のいつになく熱い視線に堪えられず、つい言葉を漏らしてしまう。
「…オレに見られるのは嫌か?」
「そうじゃ、なくって…。なんだか、ムズムズする……」

既に二人の間には子供が居るにも関わらず、
初めて素肌をさらけ出すような気恥ずかしさを覚えてしまう。
先ほど名前を呼びあってから、二人ははかつて結婚したばかりの頃、
お互いの事ばかり考えていた頃の気持ちを想い出していた。

伍助は志乃の乳房に舌を這わせる。そして己の武骨な手で、すべらかな妻の肌に触れた。
志乃は夫の所作から感じる声を必死に抑えようとしている。
843うさぎの子はうさぎ 9:2008/11/30(日) 16:23:51 ID:NFCnkO7b
「……あっ、やあっ、…んっ!」
「……もっと、…声を聞かせてくれっ……」

「だ、って……部屋の外、に、漏れちゃ……」

「今は…オレと、志乃しか、おらぬ」
「は、あっ!!や、ひぁんっ!!」

理性の壁を突き崩され、志乃の嬌声が部屋に響いた。
夫に触れられる度、身体が理性と共に蕩けて行く。
よもや周りなど見えず、自然と大きな声を上げてしまう。

「…ごっちん……はやく……」
「もう、いいのか?」
「うん……ちょうだい………」

ねだる志乃の声。自分を抑えることが出来ないほどに、志乃は昂っていた。
伍助は己を濡れた秘所に当て、そのまま押し分けるように志乃の中へと入っていく。

「ひゃ、あ、ああっ!」
強張りが埋め込まれた途端、志乃の身体が跳ねる。


普段の落ち着きはなく、ただ貪欲に相手を求め、抽送し続ける。
互いに何を言葉にしているのか分かっていない。
意識の向こう側で、声と体温と匂いが混じり合い、相手の存在を認識する。



「…ごっ…ち…、ん…!ごっちん……!」
「し……の……っ……」
朦朧とする中、息も絶え絶えに互いの名を口にする。

程なくして、二人は達した。
伍助が志乃の中へ熱い滾りを放ち、志乃はそれを奥底で受け止めてゆく。

「は………ぁ、…あ………」
相手の脈動を感じながら、二人は暫くそのままの体勢で動かなかった。
844うさぎの子はうさぎ 10:2008/11/30(日) 16:24:16 ID:NFCnkO7b
事を終えた二人が、一つの布団に入っている。
契りの後の充足感と気だるさに包まれ眠りに落ちようとした時、
そっと聞こえてきた妻の声に伍助は呼び起こされた。
「ごっちん」
「…どうしたのだ?」
大切な人が、親しみを込めて呼んでくれる呼び名。
この言葉の響きだけで、何故こんなにも満ち足りた気持ちになるのだろう。

「…何でもない」
そう言いながらもどこか嬉しそうに、志乃は身体を寄せてくる。
その様子を見て、伍助は妻への愛しさを募らせる。

「…ミツキも、いい旦那さんに巡り会えるといいね…」
小さな声で零される志乃の言葉。伍助はどきりとした。

――オレは志乃のよき夫に成れていると、自惚れてもいいのだろうか?――

「志乃…」
返事はない。代わりにすうすうと寝息が聞こえてくる。
そのとても安らかな音と寝顔を起こさぬよう、そっと見つめる。

志乃と一つになり、伍助はふと思った。
思えばこれまでずっと、志乃に支えられてきたのだと。

志乃が笑顔を見せることのない日は一日とて無かった。
不器用だった自分は、どれだけ彼女の笑顔に助けられてきたか。
あの時摂津殿から縁談を持ち掛けられることが無ければ。
今となっては想像することすら出来ない。

「……オレは幸せ者だ」
妻の長い髪を梳きながら、伍助は独りごちる。

「あたしもだよ……」
寝ている筈の妻から声が聞こえ、伍助は慌てて腕の中を見る。
そこには目を閉じたままではあったが、優しく笑っている志乃の顔があった。



===============================================


――後日、
のちの旦那さん候補を家に連れてきたミツキと伍助との間で
一悶着が起こることになるのだが、それはまた別のお話。
845名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 16:24:36 ID:NFCnkO7b
おわり。
親子の会話が書きたかった。
あと最終巻の大人志乃とミツキ可愛すぎ。
846名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 22:10:39 ID:Sbq1v/d1
GJ!ミツキに叱られるごっちんかわええw
旦那さん候補すごく気になるぜ
847名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 23:40:48 ID:2hlp9NTi
GJ!
大人志乃色っぽいな!!
子供も大きいのに新鮮で初々しい二人に萌えた。
声を上げさせようとするごっちん、エロいなー。
848名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 23:45:40 ID:SyGd35HK
ごっちんかわいいよごっちん
849名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 23:47:47 ID:8OUdwl+c
あぁ和む!じけっス!
やっぱりこの二人はいいなぁ・・・幸せで何よりだ
850名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 16:51:19 ID:Ka4XrQf6
ところで次スレどうする?
容量が470KB超えたし
500KBになると書き込みが出来なくなるんだっけ
851名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 18:04:34 ID:nA1WQUyA
へー、知らんかった。
でも建てても書き手がいてくれるならいいけどなあ。
良作品ぞろいだしここのも誰か保管庫作ってくれるとうれしいけど。
なんだろ、ジャンプ総合みたいなスレとかはない?
あったらそっちで、のような誘導するのもいいんじゃないか。
852名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 21:21:02 ID:c5u1RglM
9割方完成している話があるので、次スレができたらそちらに投下したいです。
ちょっと長くなってしまったので、投下途中で間違って埋めてしまったら申し訳ないし、
半端に2スレにまたがるのも読みにくいと思うので。
とりあえず新スレの即死は防止できると思いますが、どうでしょうか。

補完庫>>505
853名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 21:46:57 ID:nA1WQUyA
おお。補完庫見落としてた、ありがと。
まだ書いてくれる人がいるのならぜひ次スレを。
たのしみにしてる!
854名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 02:40:37 ID:eVEgbErD
だな。次スレ欲しいな
自分もなんか投下してみたいし
855名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 20:32:44 ID:mgW3WbER
もともと、レイプもの系がすきなので
ダークな反キクにがたまらんかった。

なので、自分でも反キク萌えしたので書いてみた。
ラブっぽいのにしようとして撃沈。orz
反キクエロ無し。
8巻「その後」時間軸でキクもある程度成長済。

次スレまで持ち越すほどのものでないので埋めがてら。
このスレで収まるといいんだけどもしダメだったら次スレに。
-------------------------------------------

「お前の顔を見るのもアキたんだけどな」
キクが金の取り立てにウチに通うようなって数ヶ月。
まとまった金が入る事もあるから、その時はどんと景気よく返せるが
ものの数日でまた借りに来るため、常に借金がある状態だ。

「あっちいなー、今日は!」
日が落ちかけているとはいえ、夏の盛りで風もない。
キクは言いながら手ぬぐいで首の汗を拭う。
「月末には返すって言ったじゃねーか、わざわざ来るなよ」
「アンタそう言っていっつも月末に家空けてどっか行っちまってるだろ。
オレだってこんな汚い家、来たくねえっての。
女が寄り付かねえのも分かるよ。
まったく、ちゃんと風呂には入ってんのかい?」
言いながらキクは手ぬぐいを投げてよこした。
ふと、手ぬぐいについた汗のにおいが俺とはちがっている事に気付いた。
「…なにやってんだよ、アンタ」
856名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 20:34:00 ID:mgW3WbER
気がつくとキクの顔が目の前にあった。
くんくんと嗅ぎまわる俺を睨みつけている。
「タダでさえ暑っ苦しいのに、むさくるしい顔近付けんなって」
「香とかじゃねえよな…アレはキツくて大抵の女はあの匂いがして
嫌いなんだが、お前のは何だコレ?」
「…オレも香とかは嫌いだから何にも付けてねえよ」
「そうなのか?俺と匂いが違うから、ホラ」
俺は前をはだけてキクに嗅がせようとずいとつき出す。

キクは怒ったような困ったような顔をして俺の顔と俺の胸に目を往復させる。
「な、なんだよ、それ、嗅げってのか?」
「おう、匂ってみろよ、違うんだよ」
「アンタ…バカじゃねえの?」
そういいながらキクはすいっと顔を胸に近づけた。
「…汗臭え」
「な?お前とはちがうだろ?」
言いながら自分の胸元に顔を寄せるキクのうなじが目に入った。

白いうなじからばんだ肌がちらちら覗き、よりいっそう
甘ずっぱい匂いが立ち昇っている。

「嗅いだよ。もういいか?」
離れようとするキクの肩をつかむ。
「お前のももっと嗅がせろよ」
「…何いってんだよ」
覗きこむ俺と目を合わせないように
目をきょろきょろさせながらキクは真っ赤になっている。
首筋に顔を近づけ、すうと息を吸い込むと甘い香りが鼻をくすぐる。
うなじから耳の後ろ、耳をなぞるようにあご、首筋をたどる。
「分かんねえ…女ってのはこんな匂いがするもんなのか?」
俺のつぶやきの息が首にかかってくすぐったいのか、
キクはぐっと目をつぶってふるふると震えている。
「キク?」
真っ赤になって固まっているキクの首筋につうと汗が流れるのが見えた。
「汗が甘いのか?」
俺は反射的にその汗を舌で舐めた。
「…やっ」小さくキクが声を上げる。
「しょっぺえ。」
857名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 20:34:34 ID:mgW3WbER
キクの肩から手を離して自分の腕についた汗を舐める。
「ヘンだなあ、汗はオレと変わらねえ気がするんだけどな。
なあ、キク、なんか、匂いの付くモン食ってんのか?」
ぺろぺろと自分の腕を舐めながらキクを見ると
キクが真っ赤になって肩を震わせている。
「どうした?」
「…気が済んだのか?」
「ああ、やっぱ分からねえってのが分かった」

「そうかい…そりゃ、よかったね…オレはアンタが分かんないよっっ!!!」
キクはそばにあった志乃の作ったうさぎの面を俺に投げつけ
引き戸が壊れるほどの音を立てて飛び出していった。
声をかける間もありはしない。

「お、おい、金の取り立てはいいのかよ…」
オレは呆然と出て行ったあとを眺めていた。

おわり。
858名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 00:33:32 ID:gFoUF6Gu
GJ!だけど「埋めがてら」ってのは次スレ立てて誘導が終わってからするもんじゃないかなー
まだ余裕あるから大丈夫だったけど、心配なら何KB書いたか確認してから投下した方が安心だと思う
859名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 02:49:29 ID:FwRRxKXQ
女心を何もわかってないのが反蔵らしいっスね!
860名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 01:48:23 ID:DCmWlFJ0
自分含めまだ書きたい人がいるみたいなので立てた
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1228495642/l50
861名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 03:01:10 ID:7iN71Ck2
乙であります
862名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 14:01:00 ID:N2G7IdgE
863名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 22:19:29 ID:Ir9lr/nz
マサツネ×ミツキを書こうかと思ってるけど、
1ミツキがマサツネに丸め込まれる
2ミツキがツンデレしながらせまる
どっちのがいいかなあ?
864名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 23:51:20 ID:dsToMBSD
人に聞かず主が書きたい物書いてくれ

1は皆思い付きそうだからオレだったら2を書く
865名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 00:14:45 ID:OulnrDp8
ツンデレ!ツンデレ!(AA略

その前にこっち埋めちゃいますか
866名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 19:49:43 ID:tQ7U3jTR
伍助「うへうへ」
志乃「あんあん」
867名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 23:34:05 ID:9jTmgsZ/
ごっちん1
ごっちん2
ごっちん3
ごっちん4
ごっちん5
ごっちん6
ごっちん7
ごっちん8
ごっちん9
ごっちん10
ごっちん11
ごっちん12
ごっちん13
ごっちん14
ごっちん15
ごっちん16
ごっちん17
ごっちん18
ごっちん19
ごっちん20
ごっちん21
ごっちん22
ごっちん23
ごっちん24
ごっちん25
868名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 23:35:30 ID:9jTmgsZ/
869名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 23:36:16 ID:9jTmgsZ/
870名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 23:37:15 ID:9jTmgsZ/
871名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 23:39:41 ID:9jTmgsZ/
872名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 23:40:11 ID:9jTmgsZ/
873名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 23:41:41 ID:9jTmgsZ/
874名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 10:13:26 ID:inI3cd3b
キクちゃんて5歳だよね?
反蔵のは入るのだろうか
875名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 12:37:23 ID:OmCny6Ul
創作ならば何だってできます><
876名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 00:12:35 ID:Ax4kdgff
はいるんじゃなくて、いれるんだよ!ケツに手つっこんで奥歯ガタガタいわs
子供の細腕ならケツに手腕を入れられるかもなー
877名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 22:17:09 ID:LhtCxJTs
878名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 07:04:10 ID:o0xvdwPU
879名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 22:55:29 ID:SteR3ujs
880名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 20:16:44 ID:85Na4EOp
881名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 15:50:42 ID:w9emKAPT
882名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 20:03:26 ID:mwHFfH/a
883名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 15:15:03 ID:KK17X05u
884名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 03:01:26 ID:ZVnA1JnG
885名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 22:48:35 ID:ISHotYVY
随分長いこと書き込めなかったけど、辛うじて規制解除されたみたいなんで
投下してみる。
886うさぎのきもち 一:2009/02/07(土) 22:49:29 ID:ISHotYVY


本日も晴天なり。
元々寝付きも寝起きも大層良いミツキは、朝から上機嫌で部屋の掃除を手早く済ませてしまうと
食事もそこそこに出掛ける支度をしていた。
父親と同じように道場を開こうと一念発起して以来、街中の道場を回っては腕試しとばかりに試合
を挑むこと数十回。生意気な小娘だと思われて邪険にされることも慣れた。その中で試合に応じる
道場があれば少しでも腕を磨き、実力を知らしめることが何よりも重要なことになっていた。
これはミツキが自分で決めたことなのだから、既に世の中を変えた英雄扱いされている父親の名
前を出す訳にはいかない。
それだけを唯一の矜持にして、今日も約束を取り付けている道場に出かける予定にしていた。

「さ、これでいっか」
お天道様はもう高い。
土間の脇の桶から水を掬って一口飲むと、気合いを入れる為にぴしゃっと頬を叩いた。
「…まぶしっ」
引き戸を開けると、途端に眩しい日差しが目に飛び込んでくる。今日もいい日になりそうでわくわく
した。
「あ、おはよーミツキちゃん」
すっかり身支度を整えているミツキとは逆に、今起きたばかりのような寝惚け顔を出してきたのは
隣に住むマサツネ。父親同士には何かと因縁があったらしいが、そんなことはもう昔の話だし二人
とも知らないことだ。
887うさぎのきもち 二:2009/02/07(土) 22:50:24 ID:ISHotYVY
「おはよう、なんか昨日は遅くまでごそごそやってたみたいね、また夜なべして頼まれものでも縫っ
てたんでしょ」
「んー…急ぎ仕事でもないんだけどさ、早く終わらせたくてさ。明け方までかかってた」
「へえ、頑張ってるねー」
「で、まだ日が昇らないうちにぶらぶら散歩してる途中でそこの角の家の隠居に捕まってさ。以前
ちょっとした繕い物請け負ったことがあったんで色々話してたら小屋の鶏が産んだ卵くれた。二個
貰ったんでひとつやるよ」
と、事も無げに言うなり寝巻きの袖から卵を取り出した。突然のことにびっくりして思わず辞退した
ミツキだったが、実は卵が大好きだった。両親はミツキが生まれた頃から庭に鶏を飼っていて、そ
の卵は時々口に入るだけの御馳走だったのだ。
「え、いいよいいよ。アタシ」
「だーってさ、最近ミツキちゃんも忙しそうだし禄に飯食ってないみたいだったから気になってさ。そ
の辺の煮売りの惣菜だけじゃ力つかないぜ」
「う…」
「遠慮なんて、らしくないって」
もじもじと袖から出ている手が取られ、半ば強引に卵を握らされた。ずっと袖の中に入っていたのか
ほんのり温かい丸みが何だか嬉しくなった。
「んー…じゃあ有り難く」
「そ、ミツキちゃんはそうやっていつも元気でいればいいよ」
にかっと笑う顔が朝日に映えて眩しい。もしかしたら卵を渡す為だけに起きてきたのかと少しだけ申
し訳ない気持ちになった。



「…何かいつも励まして貰ってばっかりだね。アタシ情けないなあ」
「なに言ってんの、そんなことないって」
俯きかけていたミツキの顎がぐいっと上げられた。驚いて目を見開くとマサツネの顔が近付いてきて
唇がちょっとだけ触れた。
「今の、何?」
卵を落とさないようにしっかりと握ったまま、固まってしまったミツキは心底それがどういうものなの
か分からなかった。両親でさえしているところを見たことがない。マサツネもあまり良く理解していな
いようできょとんとした顔をしている。
「ウチの親から西洋の挨拶…って聞いた。なんかミツキちゃんにやりたくなってさ」
「あ、そ、そう…挨拶ね。ならいいや」
顔が赤くなる暇もないほど色々考えたのが馬鹿みたいで、ミツキはぶんぶんと頭を振って気持ちを
切り替えようとした。
「あー…そろそろ行かなきゃ。卵ありがとね」
「ん、そだね。行ってらっしゃい」
さっきのことが特に何でもないことのように、マサツネは軽く手を振った。やはりそう深く考えることで
もなかったのだと思うとちょっと残念だったのは、気のせいなのだろう。
「じゃ、行くね」
照れ隠しに乱暴に言い放って駆け出すと急に頬が熱くなったが、それは見られずに済んだようだ。
もしかしたらもしかして『ろみおとじゅりえっと』みたいなものかなと知識的に多少間違っていることを
考えたりもしたのだが、それもすぐにこれからの試合のことで頭が一杯になってしまった。
ミツキにとってはまだ色々と早いことが多過ぎる。



終わり
888名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 22:57:28 ID:ISHotYVY
途中の☆は気にしないでくれ。
個人的な段落の印なんで大した意味はない。
これまで何度か投下してたけど、数ヶ月規制があったんで何も出来なかったのが
もどかしいばかりだ。
889名無しさん@ピンキー
おおおGJ! ほんのり気味な作品が。
やわらかいふたりの感情がいいなあ。
マサツネもいまいち理解していないwのが憎らしくてイイw