魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その4

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1名無しさん@ピンキー
魔法・超能力・催眠術・超科学・妖術などといった非現実的能力を使ってイタズラや陵辱をする、
そういったシチュエーションに萌えるスレです。
SSの投下は一次・二次を問わず大歓迎。

(過去スレ)
魔法・超能力でエロ妄想
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083837007/
魔法・超能力でエロ妄想 その2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093667653/
魔法・超能力でエロ妄想 その3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145518730/

(これまでに投下されたSSの保管場所)
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/
2名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 21:13:27 ID:s/EYZbaP
呪文と頭は使いよう。
3名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 21:16:35 ID:CnKs8zp9
なんか次スレが立ってないようなので立ててみました。
小説書けないけどごめんなさい。
4名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 22:23:00 ID:CnKs8zp9
……やっぱり小説とか用意してから立てるべきだったかな(´・ω・`)
5名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 00:25:12 ID:UQ47GQ54
バスケの試合中にブラとか取れるのがいい!!
6名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 00:50:32 ID:XHSsMM/Z
何かしないと即死するな……
えーと……念力でスカートめくりしてみたい。
7名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 14:26:56 ID:O3GYHC7X
チンカラホイ!でしずかちゃんのスカートがめくれるよ!
8名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 17:38:44 ID:H7dF4JiL
つ超能力学園Z
9名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 18:37:50 ID:SKsHk4FR
あの映画のせいで初めてキャリー見たとき噴いた
10名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 20:54:36 ID:XHSsMM/Z
前スレが沈んでどれくらい経つのかな……
作家さんが来ることを期待してage
11名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 15:37:03 ID:XpgFAxLr
>>8
こういうジャンルの小説とか映画って他に何かある?
12名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 23:05:12 ID:XpgFAxLr
ある日、目が醒めたら超能力が使えるようになっていた。
「夢じゃ、ないよな……」
一人で呟きながらベッドの上で身を起こす。
試しに、100万円出ろ、と念じてみる。
ぽん。手の中には新札の一万円札の束が握られていた。
数える気にはならないが、多分100枚くらいあるだろう。
消えろ、と念じてみる。
ぽん。手の中にあった札束は幻のように消えた。
頬を思いっきりつねってみた。痛い。
うん、夢じゃない。

そんなことを考えながらぼんやりしていると、部屋のドアの外で声がした。
「お兄ちゃん、まだ寝てるのー?早く起きないと学校に遅れるよー?」
ドアが開き、今年で3年生になる妹の沙耶が部屋に入ってくる。上下ともまだパジャマ姿だ。
「沙耶、入る前はノックをしろといつも言ってるだろ?」
「いーじゃん別に。もしかして、この前エッチな本読んでるところ見られたの、気にしてるの?
別に気にしなくていいのに、私だってもう大人なんだし」
こいつ……小さい頃は素直で可愛かったのに、最近マセガキになってきた気がする。
そんなことを考えながら、沙耶のパジャマが透けて見えろ、と念じてみた。
「な、なによ」
俺の視線を感じていぶかしげに詰問してくる沙耶に対して
「……大人は、うさぎパンツなんて履かないだろ」
ボソリと呟くと、沙耶は一瞬で真っ赤になる。
「なっ……て、適当なこと言わないでよ。そんな子供っぽいの履くわけないでしょ!」
「ふーん、本当かな?」
軽く念じると、沙耶のパジャマのズボンがするりと脱げて床に落ちた。
「……え?」
うさぎパンツが丸見えのまま何が起こったのか一瞬理解できずに立ち尽くしていた沙耶だったが、
やがて自分に何が起きたのかを知ると、パンツを両手で隠して悲鳴をあげた。
「いやあああ!」
避ける暇も無く、沙耶の拳が顔面にヒットする。一瞬で気が遠くなる。
「お兄ちゃんのバカー!」
薄れ行く意識の中、沙耶が急いでパジャマを元通りに履きなおし、
泣きながら部屋を飛び出していったのが見えた。

「痛たたた……本気で殴りやがった」
沙耶が立ち去った後、しばらくして意識を取り戻した俺はなんとか起き上がった。
「しかし、おかげで力の扱い方もだいたい分かってきた」
時計を見る。8時か……学校に行くなら、そろそろ準備しないと間に合わない。
俺は制服に袖を通しながらこの力のことを考えた。
せっかく手に入れた力だ……たっぷりと楽しまないとな。
13名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 23:12:09 ID:XpgFAxLr
なんか、このまま放っておくと即死しそうな気配だったから、
頑張ってSS書いてみた。
うはwwwwwクオリティヒクスwwwwwww
……orz

えーっと……超能力手に入れた理由とか人物設定とか続きとか全然考えてません。
ごめんなさい、精進します……。
ダメなところとか欲しいシチュエーションとか聞かせていただけたら嬉しいです。
14名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 23:21:28 ID:x0bkDzlR
>>13
このままライトにイタズラ程度のエッチを続けて下さい。

クラスのボーイッシュな女の子のパンツのゴムを切って、一日ノーパンで過ごさせるとか。
15名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 16:26:42 ID:PoB7NzeA
エスパー魔美で夜中トイレに起きたくないからと膀胱のおしっこだけを男の膀胱にテレポートさせるエピソードがあったな
あれを逆の立場にして授業中にしてみるとか
で後ろからニヤニヤ鑑賞する
16名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 20:33:10 ID:TGcpOn5s
男じゃなくて修学旅行か何かで同宿の
女友達じゃなかったっけ?うろ覚えだけど
魔美たんの尿が俺のちむぽから…のままでも
相当にくるなあ
17名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 18:39:24 ID:3TQupiEX
保守兼アイディア書き込み

主人公の能力は相手に恐怖症を植え付けるもの。
ヒロインにお尻の穴でやることに対する恐怖を植えつける。
でも、ヒロインのお尻触ったり、穴に指突っ込んだりして、
彼女が恐怖で震えてる所を見ながら、じんわりアナルを犯していく。
18名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 22:09:39 ID:3UH1uqlS
アナル弄られるのに恐怖や嫌悪があるのは普通じゃないか、冷静に考えると

「水を飲む」とか「キーボードを打つ」とか、ごく当たり前の行為が
人前でオナニーするぐらい羞恥でエロいという錯覚を植えつけて日常生活させるとか
19名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 23:49:56 ID:de+U4Lyg
>>18
あっそっちの方が面白そう。
他人が水飲んでるのを見て真っ赤になるとか

……ちと電波系のネタを2レスほど使わせていただきます。
20魔法少女:2007/03/16(金) 23:50:38 ID:de+U4Lyg
ビン底メガネで、超ガリベン。生真面目すぎて彼氏だって出来やしない。
さらに髪の毛で目を隠してるから、私はあんまり人と話す機会がない。
何時も図書館で勉強してて、誰とも付き合えない私が変わるきっかけになったのは、
ある日、魔法の本を手に入れてからだ。

一通り、魔法を独学で学習した私は、憧れのあの人を手に入れるための準備を開始した。
鏡の前に立って呪文を唱える。魔道書が舞って私の裸体に張り付き服となり、髪飾りになり、
そして一匹の雌を作り出した。魔法を使う一匹の雌。彼の体を狙う一匹のメスに。

まず、最初に行く所がある。先輩に時々モーションをかけてるあの女にちょっと催眠術をかけておこう。
すっと私の体は空を舞ってアイツの部屋にこそりとお邪魔して魔法をかけといた。
うん、これで大丈夫、先輩から声をかけられない限り、もうこいつは先輩の事に気づけない。
……男共から、貢いだ物を売っておやつにしてるらしい……なんとなくむかついたが、
とりあえず、個人の自由と言う事で許しとこう。

彼の部屋に入ってそっと魔法をかける。結界を張ってあるので、しばらくは大丈夫だ。
『欲望増幅(性欲Ver)』彼の体がゆっくりと、動き出す。
「どうぞ、この体は貴方だけの物よ」
彼が思い切って舌を口の中に入れてくる。絡めあうような舌。
それだけではない。強く抱きしめてきている。私を求めているのだ。
彼は私の頭を押さえつけると、そのまま後ろから犯し始めた。
「こういうの好き?」
「ああ……」
うわ言のように答える彼。まあ良い彼の好きなようにさせてやろう。夜は長いから……ね。
21魔法少女:2007/03/16(金) 23:51:32 ID:de+U4Lyg
次の日の朝
「ふみゅー」
腰が立たなくなってた。ビン底メガネをかけてゆっくりと歩き出す。
「積極的だったなー。精液苦かったし」
嬉しそうに笑いながら私は軽く立ち上がろうとした。

彼の部屋
「……夜の間にあんな夢を見るとは……あの子俺の事嫌いになった…
 ってなんで夢の中の女の子に嫌われなきゃいけないんだよ」
そう突っ込んで黙り込む。
「あの子に知られたら、絶対嫌われるな……」
そう言ってビン底メガネの上に髪の毛で目を隠してる女の子を思い浮かべた。

学校
「おはよう」
「おはよう」
そして、今日も一日が始まる……
22名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 19:28:21 ID:L7kztcuN
いい!眼鏡ちゃんが別段いつもの容姿と
変わってなさげなとこが俺ツボ
眼鏡さんを妙に意識してしまい避ける彼
→振り向かせようとさらに魔法を…→
なループの予感が!
23名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 00:14:58 ID:5hB3+leH
なんか今にも落ちそうだな
24名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 01:07:38 ID:4fvoaunA
ならば妄想を投下するのだ!
25名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 07:28:22 ID:Zbej1ABl
では2つばっかし

凄まじいく強い超能力少女。
相手の男は超能力を消してしまう超能力者。
自慢の超能力が使われずレイプ。

価値観の変わる色眼鏡

某○望先生に出てきたメガネのバージョン違い。
キスや体をベタベタするのは『恋人同士』なら普通の事。
でも食事や洗濯は逆にこそこそしてしまうようになる色眼鏡。
26名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 12:02:04 ID:Cf9UwsEj
「くやしい…超能力さえ使えればこんな奴らにっ…(ビクビクッ)」
「よかったじゃないですか超能力のせいにできて」
27名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 17:49:06 ID:ffts6Ou3
「んんんんんんんんんっ!!!!」
「はははは!!もっと体が敏感になるように魔法をかけてあげますよ!!」
(耐えなきゃ…!!今は耐えるしか…!!)
28名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 09:13:46 ID:R1ETOE6I
超能力を用いて、女性専用車に乗っている人全員を裸にするのもいいかもな。
次の停車駅まで5分以上ある状態で、パニックしつつも、どうしようも出来ない状態に追い込む。
29名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 12:21:02 ID:pss7bIEU
>>25
前半の方のネタで
見た物を破壊してしまう魔眼使いの少女と、何故か魔眼が効かない少年
というネタを考えた
まあスパロボの某キャラの「我に断てぬ物無し!」を聞いて
「私に壊せないモノなんか一つしか無い!」っていう決め台詞を考えただけなんだが
30名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 12:16:31 ID:p9BRdpIO
>>29
つまり斬鉄剣VSこんにゃくか。
31短編:2007/03/31(土) 07:09:46 ID:+Njdc5gR
妄想+1レスねたです

私は怪しいお店で怪しい薬を買った。なんでも強力な媚薬らしい。
最初から自分で使うほどバカじゃない。あの内気そうな子にこっそり飲ませてみる。

効果はすぐに出てきた。彼女が急にある男子生徒に告白したのだ。
それだけでない。彼女の周りに友達が出来始めた。
性格も変わり始めた。内気そうな子だったが、彼の為に編み物をしたり、
勉強を教え始めたのだ。ちょっと気になって、二人が学校を出た後追いかけてみると、
信じられない物を見た。彼女と彼がやっているのだ。
「はぁはぁ……」
小さな胸を彼にこすりつけ、それだけでは飽き足らず、
彼の全身を絶え間無く舐めている彼女。彼はそんな彼女の下になりながら、
彼女のお尻に指を入れている。
そっと引き返すと、私は残った媚薬を一気に飲み込んだ。

私は今取っても幸せだ。数名の男が私に貢いでくれるようになった。
穴という穴においしいジュースを渡しながら喜んで金を渡してくれる。
私が他の男と付き合っても文句を言わないそんな彼氏達が私に出来たのだ。
私は今日も路地裏に行く。おいしいジュースを全身に浴びるために。
32名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 11:48:38 ID:JTyaS6Ov
33名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 01:52:08 ID:16YORiYB
内気な少年が担任教師を魔法で調教、みたいな話が書きたいな。
くそ・・・俺に文才があれば・・・
34名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 02:14:53 ID:ZxQNnrAk
透明になる能力を持った女の子が、裸になって街中を歩くという妄想をしつつage
35名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 04:22:16 ID:aSFRDruE
ついでにオナニーもするんだよな?
36名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 20:18:43 ID:aQ7vi/R+
透明になる能力を持ったと思い込まされた女の子が、
裸になって街中を歩くという妄想というのはダメ?
37名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 20:23:05 ID:aSFRDruE
>>36
周りの反応ですぐ気づくだろw
38名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:36:53 ID:qWSVj04U
広範囲の魔法または超能力で裸でいるのが普通、という世界になってしまい、
一人だけ正気のままの女の子が恥ずかしがりながら
・・・・・どっかで見たな
39名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:42:57 ID:1R3AGQhU
身体測定のアレかな?
40名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:59:14 ID:wamZAslQ
みかにハラスメントでは?
41名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 10:31:00 ID:x52fYxAQ
>>30
俺の斬鉄剣、お前のこんにゃくに入れ(ry
42名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 14:29:10 ID:HG1qWwRw
透明人間の女の子とか。
43名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 14:30:06 ID:HG1qWwRw
ぐほ
書き込み押してもーた

透明人間の女の子にぶっかけるとどうなるのか、と思ったんだ。
44名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 22:40:48 ID:SP4yWD5O
書こうと思ってたネタ。上手く纏まらず断念。

ヒロインは触った相手の過去が覗ける超能力者。
主人公と合うたびに、その能力を使って主人公の過去を調べ上げようとする。
疎ましく思った主人公、ヒロインの写真を使ってオナニー&写真にキス。
何も知らないヒロイン主人公の過去を見る。→自分の写真を利用してオナニーの場面を見てしまう。
ヒロイン、一気に引きこもりに。主人公流石に責任感じてヒロインところに。
ヒロイン実は主人公に恋してました。他の人に主人公取られたら嫌だからずっと確かめてました。
ヒロイン、今までの事謝るが、主人公は許さないでそのままHに突入……。

とか考えていた。

>>43
かかった精液も透明になるんじゃ?でも匂いは消えない。
45名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 00:11:01 ID:5+i3Y62M
>>43
かかったところだけ透明化が解けて見えるようになる。

気づいた少女は小さく悲鳴をあげ、あわてて肌にからみついた精液をすくいとり
なすりつける場所を探してまわりを見回すが、適当なものが見当たらない。
せっぱつまった少女は、ギュッと眉根を寄せ、身体をこまかく震わせながら、
思い切って精液にまみれた指を口に含む。
何度も、何度も、精液をすくいとっては、舐めとり、コクンと飲み下していく。
46名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 08:22:50 ID:w8QXjFO+
飲んだら今度は内部が…

それは見えないお約束ですよね、うん
47名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 13:03:44 ID:WBWT/HCF
保守
48名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 20:09:43 ID:y1Xk0lrI
あげ
49名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 15:28:21 ID:MUxIp66e
透明になる能力を得た少年が女子トイレの個室で待ち伏せ
入ってきたおにゃのこが下着を下ろす瞬間に秘所をこっそりとなであげ…

うーん、妄想はあるんだがorz
50名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 03:09:58 ID:h0HgR9Sj
 
51名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 06:06:38 ID:NJ8ke0tj
昔あった香りで人を殺す超能力をパクって、
かおりが媚薬になる超能力とか妄想してみた。
女にとっては甘い香りがするだけでその気になるのだから、
自発的になったと思い込むとか。
52名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 15:10:40 ID:IU4SZTR7
香りが媚薬…それなんて寄生スレ作品w
53名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 16:42:56 ID:oy3aQh6O
結構昔からあるネタだよな。
54名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 14:11:58 ID:Gnz7d5pL
魔法age
55名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 21:20:47 ID:cDy3/bnY
ここにいる住人さんが作品を投下する一歩を踏む勇気、それが本当の魔法なんですよ
56名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 16:40:11 ID:U7lfehKP
>>55に期待!
57名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 04:52:55 ID:hRftZZj0
あれ?復活してたんだ
ネタがあればなんか書きたいとこですが…
58名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 21:52:09 ID:08sWZqcp
魔法の指先!魔法の指先!
59名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 01:29:52 ID:U38M3YhI
「やればできる」は魔法の合い言葉
60名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 01:55:55 ID:yjq6hZTU
受胎率上昇の呪文!
61名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 08:02:09 ID:u2xm6xJb
なんかネタが投下されないので共通オープニングみたいなの作ってみました。
ついでに、エロ少なめ、オチ弱い本編も。

とある町のとある場所、一人の店員がきりもみするお店がある。
その店員が売るものは只の道具じゃない。魔法の道具や凄い力を秘めた道具だ。
客が欲しそうな道具を、手に入るだけの値段で売るのだ。
とある客は、未来を見る道具を手に入れて自殺した。
とある客は、過去を見る道具を手に入れて大金を手に入れた。
とある客は、最強の肉体を手に入れ、チャンピオンとなった。
とある客は…………

そして、また一人、そこに客が入る。
62名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 08:05:36 ID:u2xm6xJb
↑すいませんこれが共通オープニングです。使いたい人だけどうぞ……。

本編はここから。

「あーらあの子、また弁当二つ持ってきてねえ……」
「あれだけ食べて太らないなんて、一種の才能よねえ……」
「可愛いんだろうけど、あの性格じゃあ、彼氏なんて出来ないよねえ……」
そんなひそひそ声が、クラスの中から聞こえる。
私は、それに反抗する事ができない。だって事実だから。
前髪で目は何時も隠れてるし、クラスメイトだって話しかけてこない。
好きな人が出来たって、話しかけることも出来ないから、恋人も出来ない。

そんな悶々とした気持ちを持ちながら、町を歩いているとふと小さなお店を見つけた。
「こんな所にお店あったっけ?」
そっと中を覗いてみる。
「なんだろう?色々あるけど、何のお店かな……」
さらに開いて覗いてみる。
とんとんと急に背中を叩かれた。
「あわわわっわわわわわわ、ゴメンナサイ!何のお店か興味があって!そのけっしてやましい気持ちは!」
慌てたせいで、足を滑らせてそのままずっこけて、スカートの中をあっぴろげてしまった……。
63名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 08:07:09 ID:u2xm6xJb
「どうぞ、しばらく見てて下さい。」
店員さんはそう言うと、私を置いて店の中に入っていった。
「……はあ……色々あるなあ……」
気落ちしたまま見てみると、色々な装飾品や、本やパソコンそしてなにやらあやしそうなもの一式が揃ってた。
その中で、私の目を引いたのは、白金の台に紫色の宝石が乗っている髪飾りだった。
「えーと、これ幾らですか?」
私は恐る恐る店員さんに聞いてみた。
「1万円になります。」
ちょっぴり高い………貯めていた小遣い使えば何とか買えるかな?あっでもうーん。
他のも見てみたが、どうもしっくり来ない。
「あっ、迷ってるようでしたら、一回家に帰って決められてはどうですか?」
店員さんがそう言ってくれたので、私はそれに従う事にした。

「はー、結局買っちゃったか」
ひとまずこつこつ貯めてたお金で買って出してみると、意外と似合うような感じがした。
『聞こえるか小娘』
そう、女性の声が私の頭の中に響いた。
「はっ?はい??」
回りを見渡す。誰もいない。
『ふふふふふふふ、驚くな。私はこの髪飾りについている霊だ』
「は???」
『この髪飾りはな?『悪女の髪飾り』と言って、幾つかの超能力が使えるようになる髪飾りじゃよ。
 まあ、論より証拠じゃ。』
その声が響いた瞬間に、私の髪が突如として切り裂かれる。
「えっあっあのっ!」
前髪が急に切れて、私の顔を隠す物が無くなってしまう。
『ふふふ、初々しいな……まあ髪型などこの髪飾りの力を使えば幾らでも変えられるぞ。』
ほれほれと私の髪が元に戻ったり変わったり……。
『後は、他の人に『お願い』が出来るようになるのう……
 但しあまりにも不利益になるお願いはできんし、
 記憶が消えるわけではないからのう……まあ使い次第じゃ。
 それと、最後の能力じゃが……『呪殺』の能力がある。』
「呪殺……って相手を殺す能力ですか?」
『それも可能じゃが……本質は相手の体を変質させることにある。只相手の体の一部……髪の毛や精液でも構わんが必要じゃがな……』
そう言って、髪飾りの霊は私に語りかけてくる。だったら……この能力を使って……。
64名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 08:09:52 ID:u2xm6xJb
「あの、お弁当、余分に作っちゃったから………一緒に食べていただけませんか?」
そう言って、彼に話しかける。うん、ようやく話せた。
「良いけど……」
うふふふふふふふふふふふ……計画通り。

はあはあと狭い部屋の中で彼が喘いでいる。私の『お願い』で指一本動かせずに私に体を洗われているのだ。
ねえ、こんなに腫れあがって、これを他の女性に入れるなんてそんな馬鹿な事しないわよね。
「はっはい………」
よろしい、だったら私がもっと気持ちよくしてあげる。だから私を洗って……。

彼と付き合い始めて10年の月日が流れた。彼と結婚して幸せな毎日を送って……。
彼の邪魔にしかならない人はこっそりと排除して、彼に寄生しようとする泥棒猫は『お願い』で去ってもらって……。
気がついたら、私は会社の重役婦人になっていた。子供もできて幸せな日々を送っている。

ふと、私は彼と子供を送り出して、ことことと家事を始めた。
ちょっとしないといけない事があるので、なるべく速めに行う。

「あの……奥さん…なんであんなつまらない男と付き合ってるんです?」
そう言って、とある男がそう言って私に言い寄ってくる。いわゆる浮気と言う奴だ。
とは言っても向こうが一方的に言い寄ってきてるだけ。
「私の良人をそう言わないで下さい。そんな子と言う人大嫌いです。私は彼を愛してますし、彼が何時も私を向くように努力しています。………。」
そう言って、精神的に重圧を仕掛けていく。そして最後に一言、こう『お願い』するのだ。
「私と貴方がここで喋った事は、全て忘れてください。」
これは彼にとっては不利益になることではない。そして私を二度と口説かないように幾つかの『お願い』をした。

「……『悪女の髪飾り』って名前負けしてるじゃないのかしら?」
私はそう言って、部屋の外を見る。そこには髪飾りの霊がいた。
「何を言っている。お前は凄まじい悪女じゃよ」

ここまでです。清楚な悪女って萌えませんか?
65名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 08:31:56 ID:w0kp48sz
GJ、他の能力も書いてほしかったかも
66名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 09:44:19 ID:v3QmLcw4

エロ抜きで普通の読み物として楽しめたGJ
67名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 11:13:10 ID:+Qnaobla
>一人の店員がきりもみするお店がある

これに吹いた。どんな店だwww
68名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 11:25:37 ID:XXwL8C1N
>>67
多分お客さんが来なくて暇なんだよ。
69名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 15:02:32 ID:d7g+xiT9
超絶悶絶きりもみ大旋風
70名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 03:08:13 ID:nxu+fn7p
そもそも店長(ry
7161:2007/05/24(木) 21:58:12 ID:2BMY8+YN
>>65-67
感想ありがとうございます。

誤字脱字については、
>一人の店員がきりもみするお店がある
『一人の店員が運営している』にすれば良かったですね。

店長がいないことについては……まあ魔法のお店ですし。

暇が出来たらもう一作書いてみようと思います……今度こそエロで!
72魔法技師:2007/05/28(月) 20:48:08 ID:V/XY9efn
こっそりと投下。
61氏の設定でいつか書いてみたいけど
今回は関係なし。勢いで書いた短編です。
73魔法技師:2007/05/28(月) 20:48:48 ID:V/XY9efn


ああ、これは夢か。

魔法士、魔法技師のエリートとしての名声と賞賛を受けた日々。
妹も良く懐いた幼馴染との恋の日々。
上を一緒に目指す親友との切磋琢磨の日々。

浮かんでは消えていく。

ありもしない噂を流され、無実の罪を問われたあの日。
名声は悪名に。賞賛は罵倒に。
もう俺には価値がないと去っていった恋をしていたはずの人。
落ち目のやつには興味がないとばかりに去っていった親友たち。

ようするに俺には見る目がなかったって話だ。子供だった。
殆ど全てのものを失ったが、それはいい。
残ったものは少しだけ。


がたんっ!!ばたっ!!
ベッドから落ちて俺は目が覚めた。
目の前には赤い髪を腰まで伸ばした無表情な少女がいる。
端正な顔立ち、引き締まった肉食動物を思わせる綺麗な肢体。
顔は美人というよりはかわいいという感じだろうか。妹のベルだ。

「あったた。朝か。もう少し優しく起こしてくれよ。」
「………(ぶんぶん)」(起きないから。)
首を横に振る。俺が作ってやった魔法のボードには、起きないから。と表示されている。
妹はしゃべることが出来ない。俺は手話が出来るし、雰囲気で大体のことを察することが
できるのだが、日常生活を楽にするために意識したことを表示することが出来る
魔法のアイテムを作ったのだ。それをずっと首に下げている。
起きたばかりでぼーっとしていると、ベルの腕が首に絡みついてくる。そして…
「…んっ!………ううっ!」
「……………」(おはようのキス)
口を離すと口の間を銀の橋ができる。き、気持ちい…いやだめだめしっかりしろ俺。
完全に目が覚めたので、とりあえずズボンに手を伸ばしているこのちょっと
やばい妹の頭にチョップを食らわす。

「ズボン脱がそうとするな。それと舌いれるのは兄妹じゃだめっていってるだろ!」
俺の貞操はいつまで守ることができるのだろうか。

魔法技師…それは、魔法回路を利用したアイテムを作るものの名称で
日用品から軍需物資にいたるまで作成する技術を持つもののことである。
また、修理や調整も行う。俺こと、カイ・リスターもそんな技術者の一人だ。
ハイランド魔法帝国では割とポピュラーな職でもある。
魔法のつかえない一般人にも扱えるため利便性があるのだ。
74魔法技師:2007/05/28(月) 20:49:42 ID:V/XY9efn
とある事情で行き倒れていた俺達は、下町の宿屋兼酒場「真珠亭」のおやっさんに
拾われて二階に住み着いている。ただで置いてもらうのもなんなので、
妹はウェイトレスを、俺は魔法技師としておやっさんから仕事を紹介してもらい、
生計を立てている。
部屋は二つにしてくれるっていってたんだが、妹が強行に反対したせいで
一部屋だ。とある事件以降甘えが酷くなってきていて困る。
いい年だしさっさと男見つけて自立して欲しい。

「おう、カイ!おはよう。あんま妹さんに手をかけさせてるんじゃねえよ!」
豪快に笑うおやっさん。

「そういうなって。これも兄妹のコミュニケーションなんだ。」
「…………(こくこく)」(寝顔かわいいです)
「相変わらず仲いいなあ、お前さんたちは。そうだ、今日は特別な客が来る。
 今溜まっている修理や調整は待ってもらえるように連絡をいれてあるから、
 そちらを優先してくれ。おう、早速お出ましだ。」
入ってきたのは金髪縦ロール美女。下町宿屋のTPOに思いっきり反した
派手で豪華なドレスの格好をした変な貴族。数少ない昔から続いている悪友のシルビアだ。
こいつとは昔から悪口を言い合った記憶しかないが何故か今でも付き合いがある。

「あーいかわらず、貧乏くさいですわね。すっかり貧乏が顔にまで染み付いちゃって。
わたくしは悲しいわね。ま、カイは貧乏くさいけどおじさまの料理はいつも
最高ですわ。ああ、おはようございます。ベルもおはよう。」
「あんがとよ。シルビアちゃん。」
「何で挨拶が最後なんだよ。この変態貴族。態々いやみを言いに来たわけでもないだろ。」
「……………」(何しにきたの雌狐。お兄様に馴れ馴れしくしないで。)
「そ、そんなに睨まないでよ。ベル。つまみ食いくらいいいで…ああ、嘘嘘!
 依頼よい・ら・い。ちょっと事情があって信用できる人にお願いしたいの。ベルにも。」
「……………」(次笑えない冗談言ったら泥棒猫殺し一号の餌食。)
俺に頼まないといけないということは普通の技師ではだめなのだ。ということは…

「変な問題があるわけだ。ベルにもってことは危険もあるわけだな。」
「ええ。女の子の相手もしてもらうから…ベルをほっとくとわたくしに危険があるの。
 とにかく依頼料は弾むからお願いね。」
「……………」(賢明。)
わけがわからなかったが、俺は引き受けることにした。
この金髪縦ロールは口は悪いがいいやつなのだ。


「相変わらずでっかい家だなあ。」
変態貴族シルビアことシルビア・フォン・シュタインベルグはシュタインベルグ侯爵家の
一人娘で信じがたいことだがやんごとない身分のご令嬢であり、
その家は圧倒的で家というよりは城というほうがしっくりくる佇まいである。
まあ、どんなに偉くとも敬語なんか使わんが。

「わたくしが作ったわけではありませんわ。世襲なんて自慢にもならない。」
というのが、彼女の口癖であり、やることなすこと貴族の一般からは外れている。

「お前も学院やめたのか。剣と政治、折角トップだったってのに。」
「……………」(お兄様…)
「あそこは顔合わせただけで殴りたくなるやつが多すぎましたからね。いい男もいないし、
 知識は詰め込んだし後は実践だけでいいわ。せいせいする。」
「……………」(お兄様はだめだからね!)
「はいはい。ついたわ。そこの離れの2階。ついてきて。」
 どうやらこの離れは使用人の住んでいる場所のようだ。皆シルビアを見るなり
端によって頭を下げている。そこに嫌々って雰囲気はなく、本当の敬意が感じられる。
75魔法技師:2007/05/28(月) 20:50:31 ID:V/XY9efn
「入るわよ。イリス。」
二階のその部屋に入ると、ベッドに横たわっている少女がいた。

「え、あ、し、シルビア様!こんな姿で申し訳ありません。こちらから向かいますのに!」
イリスと呼ばれたおかっぱ頭の15.6歳の少女は真っ赤になって恐縮している。
会話から察するに使用人らしい。

「馬鹿いってんじゃないの。仕事中の怪我は軍人が怪我するのと同じ、名誉の負傷なのよ。
 それにこの屋敷の子供は皆わたくしの兄弟も同然。遠慮なんていらないわ。」
俺はこいつのこういうとこは気に入っている。口には出さないが。

「俺の仕事はその足か。」
「ひとつはね。ちょっと事故で足に酷い怪我を負ってしまって。すぐに動けるように
 なるように魔法技師にオーダーメイドしたんだけど、上手く動かないみたいでね。」
俺はイリスにベッドに腰掛けてもらうと、魔法補助義足の左足のチェックを始めた。

「イリスっていったっけ。俺は魔法技師のカイだ。足治ったら俺とデートし…ぐはっ!」
「……………」(お・に・い・さ・ま)
「くすくす…ごめんなさい。私はシルビア様のものですから。」
「やれやれ。シルビア…お前偽者つかまされたな。これは外は上手くごまかしているが
 市販品、安物だ。調整もしていないからこれじゃ動くわけもないな。どういうこった。」
「やっぱり…か。有名な人に頼んだんだけど…最近連絡も取れなくなっておかしいとは
 思っていたのよ。調べて見ると同じような被害も増えてるみたい。」
気づいてはいたのか。しかし、おかしい。有名どころのやつならそんなことする必要も
ないし、侯爵家を謀ろうなどということは考えないはずだ。

「それで俺たちか。ようはそいつらを見つけ出して制裁を加えろってことか。」
「人員が必要ならわたくしから出すわ。そのときは言って。」
「了解だ。俺とベルだけでいける程度ならいいんだがな。」
「……………」(余裕。)
「まあ、まずは義足の調整だな。二時間もあればできると思う。退屈だけど我慢しろよ?
 ベルは散歩でもしてろ。」
「……………(こくり)」
シルビアはベルが出て行ったのを確認し、

「さて、じゃあ退屈しのぎ…可愛いわたくしのイリス?脱ぎなさい。」


調整を終えた後、俺とベルはシルビアの依頼した魔法技師のアトリエに足を運んでいた。
「……………」(お疲れですねお兄様。それにやな匂いが体から。)
「んんん!俺はなんでもないぞっ!さあて、なんかいいもの見つかればいいんだがなあ。」
「……………」(人の気配はない。地下室、隠し扉はない。)
「お前さんがいうんならそうだろうな。」
「……………」(血の気配はある。一ヶ月以内)
「なるほど。よくわかるなー。そんなの。」
「……………」(お兄様のためだから。)
「へいへい。残っている魔法のアイテムを見るに、あんなガセを掴ませるような
 レベルじゃない。丁寧な仕事をしている。さっすがシルビア。見る目あるねー。
そー考えると考えられるのは…。」
「……………」(殺してすり代わった。)
「そんなとこか。荒稼ぎしてばっくれるつもりなんだろうな。あんまもたもたしてると
 姿を眩ませて、見つかんなくなっちまう。いい方法はないか?」
「……………」(ないことはない。)
「きかせろよ。」
「……………」(ご褒美。)
無表情で頬を差し出すベル。全くこいつは…と思いつつ頬にキスすると少しだけ
ほほを赤らめて手話を使って説明を始めた。
76魔法技師:2007/05/28(月) 20:51:23 ID:V/XY9efn
「おいシルビア。釣りをするぞ。餌よこせ。」
俺はトンボ帰りでシルビアのところに戻るとベルの作戦を説明した。

「またこれは金の使いそうな作戦ね。ま、いいか。うちの名前じゃ怪しまれるから
 親戚の子爵辺りにでも名前を借りるわ。高値の報酬で魔法技師の依頼をだして、
 相手を釣る…。本人の確認は近所の者を雇うこと、通常の変装はベルが、魔法の
変装はカイが見破る。間違って本物がきた場合は口封じの迷惑料を渡す。
…早めに当たりを引くことを祈るわ。ほんと。」
「ま、代金分は犯人から回収すりゃいいさ。」
「……………」(シルビアふぁいと。)

こうして始まった巨大資本によるローラー作戦はあっさり三日後に終了を向かえた。
まったく恐ろしいぜ、金と権力の力は。

「…で、偽者を拷問してアジトは確認したわ。敵の人数は8名。魔法士が1名、
 スカウトが1名、戦士が5名、剣士が1名ってとこみたいね。ああ、偽者は
 もう処分しといたから。」
こいつの恐ろしいところは優秀な上に敵には全く情け容赦のないところだ。
馬鹿な犯罪組織だ。敵に回す相手を完璧に間違ってやがる。
とりあえず、周辺諸国はこいつが男に生まれなかったことを泣いて感謝するべきだ。

「……………」(それじゃ、お兄様。)
「ああ、魔法技師なめてるやつは叩きのめさないとな。シルビアは部下と一緒に
 包囲を頼む。逃がすわけにはいかないからな。突入は二人でする。万一にも味方に
 死人を出したくない。」
「……………」(らぶらぶでーとですね。)
馬鹿なことを考えてる妹にチョップを食らわると、俺は戦闘の準備を始めた。

そこはスラムにある一軒家だった。既に周辺にはシルビアの部下たちが逃がさないように
包囲をしている。背後から大きい音を立てて貰って陽動を行い、俺たちがその隙に
侵入して中の者たちを制圧するという作戦を立てた。後は開始を待つばかりである。

「……………」(久々に泥棒猫殺し一号の出番)
ベルが嬉しそうに擦っている木刀は俺が設計、製作した魔法の木刀である。
魔法のボードの要領で意識したことを木刀で話すことができるように作ったのだが、
何処をどう間違ったのか妖しい失敗作になった代物だ。できれば使わないで欲しい。
やはり遊び心で木刀にしたのがまずかったのか。禁制品より危険だ。

俺の武器は魔法そのもの。魔法消去の手袋を片手にはめ、片手で魔法の印を作る。

どん!!!と裏手で大きな音があがる。

それと同時にベルが正面のドアを二秒でピッキングする。
「相変わらずだが…なんでそんな手早いんだ。」
「……………」(恋の必須スキルです。)
そんな恋は正直いやだ。
77魔法技師:2007/05/28(月) 20:52:34 ID:V/XY9efn
狭い家で大きな部屋はひとつしかない。そこへ向かう。
「氷は剣となりて貫く」
片手で印を結び背後からの音に驚いて出てきた戦士の一人の両足を魔法で縫い付け、
「……………」(邪魔。)
ベルも相手の顎を正確に砕き行動不能にする。俺には剣筋が全く見えない。
こいつだけは怒らせないでおこう。

大きな部屋に入ると残りの敵が固まっていた。
配置から考えてボスはおっさんの魔法士。いかつい剣士がそん次か。

「ベル。ボス以外は任せた。さて、氷は剣となりて敵を貫く!」
「……………」(了解。)

殺すつもりで放った魔法はあっさりと消去される。腕はそこそこか…。
俺とおっさんは決め手がないまま膠着する。長い詠唱すれば一撃だが、
家の耐久が持つか不安だ。ベルは1対4で優勢に戦っている。こっちは
平気だろう。終わるまで持久戦に持ち込むのも悪くない。
そう考えたとき相手の手元が光った。頬から血が流れるのを感じる。

「禁制品。軍の魔銃か。てめー、でかい組織が裏にあるな。」

おっさんの顔がゆがんだ笑みを浮かべる。勝利を確信した顔だ。
だが、その笑みは長くは続かなかった。俺も強烈な恐怖に体をすくませた。


フフフ…ウウウウウ…クスクスクスクスクスクスススススス…フフフ…
フフフフフフフフフ…アハハハハハ…クスクスクスクス…フフフフ…


「な、なんだこの不気味な声は!」

おっさんが声をあげる。不快な機械音…人間でないものの不自然な声が部屋に響く。
この馬鹿!俺の血を見て、木刀発動させやがったな!


フフフフフ…オニイサマ…オニイサマ…オニイサマ…アイシテマスアイシテマス
アイシテマス…コロシタイクライニタベタイクライニメチャクチャニシタイ…
カラダガアツイ…ホテッテ…フフ…オニイサマガホシイ…アハハ…オニイサマ…
コロス…オニイサマノチ…イジメタヤツ…コロスコロスコロスコロス!!!


あかん、もうとまらないな。これが欠陥。精神のリミッターがはずれ、
敵と認識するものを全て倒すまでとまらない。
次の瞬間、おれと対峙している魔銃を持ったボスの頭部から胸までが半分に
分かれる。胸元にはベルが振り下ろした木刀が埋まっている。
グロい…トラウマになりそうだ。


クスクス…クスクス…フフ…


部屋が静まり返る。この惨状をまだ十代後半にしか見えない少女が作ったとは
思えないのだろう。ベルは返り血で服も肌も髪と同じ赤に染まっている。
埋まった死体をそのまま持ち上げ、生きている敵に投げつける。

「く、くるなっ化け物!!」

 せいぜい地獄では達者にしておくれと俺は祈った。
 しまった、俺何の役にも立ってない。
78魔法技師:2007/05/28(月) 20:53:17 ID:V/XY9efn

詐欺組織を妹がミンチにした後、俺は強引に木刀の機能を停止させた。
そして魔法で水を召喚して血を洗い流し背中にベルを背負う。
この機能は使った後の処理が大変だ。
頭がいたい…。
とりあえず、生き残りをシルビアに引渡し禁制品を持っていたことを報告。
背中にベルを乗せたまま宿屋への帰途についた。

そして今、俺はベルを風呂に入れている。
あの副作用は人間離れした行動ができる反面、身体に負担がかかる。
一日は通常生活にも支障が出るほど疲労をしてしまう。
しかし、ほっとくわけにもいかない。血のにおいは消さなきゃいけないし、
食事はしなきゃいけない。トイレもいかなきゃいけない。
妹とはいえ、もう18歳。健全な兄としては拷問のような仕事である。

「……………」(前も洗って。)
「お前…恥ずかしくないのか。てかちょっとは恥らえ!」

妹の綺麗な赤く長い髪を梳きながら叫ぶ。妹は相変わらずの無表情だ。
くびれた腰、そこそこボリュームのある胸。あんまり見てると変な気分になりそうで困る。
なるべく意識を外してリクエスト通り前も洗う。

「…………っ」(気持ちいいもっと触って)

見ない知らない見ない知らない…なんか反応しているが俺は気づいていないんだ。

「……………」(お兄様の意地悪)

そして夜。副作用によって体が火照っていても眠れるように睡眠薬を飲ませ、
ご褒美にと頼まれたので妹の横で寝ることにした。

「……………ごそごそ」(お兄様いけない人)
「すーすぅー」
「……………ちゅっ…っ……っ」(中途半端でとめるから…)
「んんっ!ううううっ!なんで起きてるんだ!」
「……………」(睡眠薬は砂糖の塊と入れ替えた)
「服もいつのまに!ああ胸が気持ちい…じゃなく、上にのる…むぐっ!」
「……………」(副作用違う。火照るのはお兄様のせい。)
「や、やめろ…兄妹だぞ。俺たちは。」

妹の端正な顔が俺の顔の上にある。いつも通りの無表情だが顔は赤面し、
目は欲情に燃えている。甘いものをなめるように顔を舐める。

「……………ぺろっ」(お兄様以外の人に恋はできない。私嫌い?)
「嫌いとかそんなんじゃなくてだな。お前のためには…」
「……………」(私のため…女にしてください。)
「後悔しないな?」
「……………(こくん)」

俺の理性は飛び、力強く抱きしめる。
禁忌を犯すことに対する後悔よりも妹に対する愛しさのほうが遥かに
上回っていた。初めてこちらから奪うように激しくキスをする。

「ベル…。」
「……………」(幸せ。夢見たい。)
「体勢を変えるぞ。お前まだ体あんまり動かないだろう。俺に任せろ。ちゃんと気持ちよくしてやる。」

上に乗っているベルと体勢を入れ替え、今度は体の下にいる彼女に優しくキスをする。
その晩は夜遅くまで二人はお互いを貪っていた。
79魔法技師:2007/05/28(月) 20:55:35 ID:V/XY9efn
エピローグ

あれから一ヶ月が経った。
「……………ちゅ」(おはよ)
「ん…………朝か。おはようベル。」
「………………」(おじさんがもうすぐシルビアが来るって)

眠い目を擦りながら着替えて一階に下りると、見慣れたドレスの金髪縦ロールが
優雅に朝食を食べていた。
「よう。変態貴族。今日は何の用事だ。」
「……………」(シルビア久しぶり)

俺たちを見つけるとシルビアは朝食の手を止め、こちらを向いて、
「変態って称号はもうカイに返しますわ。だってイケナイ一線越えちゃったでしょ?」
「まてまてまてっ!何を根拠に!」
慌てる俺に軽く頷き、ベルにフォークを向けて

「強いて言うなら…ベルの余裕かな。いつも近寄るな!って感じなのに。それに
 女っぽくなったしね。幸せオーラが…やっぱり恋する女はいいね。ね、ベル。」
「……………」(幸せ。でも夜はケダモノ。)
「いや、まあ、いいだろ!で、実際何しにきたんだ。」
「んー。事後報告と礼。報酬はおじ様から受け取ってね。まず、詐欺組織のことだけど、
 裏には魔法武器の密売組織があったわ。内偵で敵対貴族との関係を見つけたから、
 そこから思いっきりごり押してこちらの立場を強化してあげた。大もうけね。」
「そうか。よかったな。で、足の調子は?」
「……………」(大丈夫でしょう?)
「うん。足は問題ないわね。でも…」
シルビアはにやりと笑った。何かいやな予感がする。

「二人とも妊娠したから。まだ一ヶ月だけど。」
「…………は?」
「やっぱ腕いいわねー。カイは。以前不妊で悩んでる人のために使った薬。よく効くわー。
 あの時のカイってばほんと素直でかわいかったわね。」
「………………」(お・に・い・さ・ま?)
いかん。俺殺されるかもしれん。俺に殺気を向けつつベルはシルビアに泥棒猫殺し二号
(投げナイフ)を投げつける。シルビアはそれを額の前で二本の指で掴む。

「いやその、なんだ。その…調整中に暇だからってこいつらいきなり目の前でレズプレイ
 始めやがって、あの頃溜まってたからそのつい…調整が終わってから…二人の
処女一緒にもらってくれとか我慢が…お前まさか確信犯か!」
「後継者問題も一安心です。うんうん。きっと優秀な子に育つわ。わたくしは政略結婚
 でプレゼントされてくるようなもやしには興味がないですからね。責任とか言わない。
ベル。カイは貴女のもの。取ったりしないから安心して。それに考えても見て。
子供がカイに似れば、ちっこいカイが二人も貴女に懐くのよ。想像してみなさい。」

想像してるらしい。無表情だけど俺にはわかる。幸せそうだ。
「……………」(シルビア今回は許す。でもお兄様はおしおき)
「たすけてくれー!!!」
「……………」(浮気厳禁。)

「やれやれ。ほんとに仲がいいですわねー。あの兄妹は。あ、おじさまおかわり。」
80魔法技師:2007/05/28(月) 20:57:18 ID:V/XY9efn
そして、投稿中盤くらいでスレの趣旨と違うことに気づいた。
首つってきます;
81名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 23:15:12 ID:bq6GwD+2
>>80
GJ!
エロ主人公の性格が壷りました
スレチなのがちと残念だが続編に魔法とかでやるシーン入れれば大丈夫だとオモ






釣ってくるってことはどこかの魔法組織を潰しに行くんだよね?
82名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 23:33:51 ID:9dgefZSW
魔法ってファンタジーの魔法かよと思ってたら最後に自覚してたみたいなのでスルー
83名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 09:14:45 ID:vnGgiwsz
まぁ過去ログ見ればファンタジーネタも結構あるんだけどな
スレタイが微妙に制約かけてる気がしてならない
84魔法技師:2007/05/29(火) 17:47:27 ID:Q2iFGTJE
空気を読んでスレに添ったSSを書いたので投稿。
前回の続き(?)

苦みばしったエロ格好いい主人公を目指していたのですが、
投下するスレを間違え、結局ただのエロいおっさんになってしまった。
85魔法技師:2007/05/29(火) 17:48:36 ID:Q2iFGTJE
 集中────一字一字、アイテムにルーンを刻み込んでいく。正確に一ミリの狂いもなく。
 魔法のアイテムを作るのに最も技術を要する作業だ。


 俺は今、金髪縦ロール貴族のシルビアから得た大量の報酬を元手に、
新しい魔法のアイテムを作成していた。
 夏真っ盛りのくそ熱い室内でも必死で集中を続けていたが、疲れたので
休憩を入れることにする。あちい…

「……………」(お兄様、何を作ってるの?)
「ふ…男のロマンだ。」
 目の前には赤い髪を腰まで伸ばした無表情な少女が目の前にいる。
 端正な顔立ち、引き締まった肉食動物を思わせる綺麗な肢体。
 顔は美人というよりはかわいいという感じだろうか。妹のベルだ。
 無表情だが分かる。ベルは疑ってるな。男のロマンを解さないやつめ。


「……………」(お昼にしましょう。)
「ああ、飯にするか。」
 一階の食堂でおやっさんに声をかけた。

「おっす、二人分、一番いい昼飯頼むぜ。」
「おー。カイか…最近はぶりがいいようだな。そんなシルビアの嬢ちゃんの
 報酬はよかったのかい?」
「普通に暮らすには五年はいける額だ。最も新しいアイテムの作成で殆ど消えたがな。」
 おうおう、ベルの顔が青くなったり赤くなったり…おいまて!木刀は反則だ!!

「……………」(お兄様何考えてるんですか!)
「おやっさんなら分かるよな?」
「何がだ?」
「未知への挑戦は男のロマンだ。漢たるもの常に探究心を持つべきだ!!」
 おやっさんは俺の肩を叩いて呆れるようにいいやがった。

「そろそろ妹に楽な生活をさせてやれ…それも男の甲斐性だろう。」
 俺はそんな無理解なおやっさんにちっちっちと指を振る。

「ふふふ…おやっさん。そんなこといってられるのも…俺の研究を知らないからだ。
 実はな……ごにょごにょごにょ。」
 妹に聞かれるわけにはいかんからな…小声だ。

「すまねえカイ。俺はお前のこと誤解してたぜ。漢だ!やはり漢は馬鹿でなくてはな。うん。」
「……………」(お兄様何を企んでいる?)
 ベルは一人蚊帳の外で、訝しげにしていた。無表情だが多分。
86魔法技師:2007/05/29(火) 17:50:19 ID:Q2iFGTJE
「カイ。注文を受けてた材料を届けに着たわよ。感謝なさい。」
 暫くしてそんなことをいいつつ訪れたのは、金髪縦ロールにドレスを着た
いかにもお嬢さまな侯爵、シルビアだった。

「おめーだからなんで侯爵が直接くるんだよ。こんな下町に。」
「気晴らしですわ。たまには馬鹿の相手しないと肩がこってね。それにおじさまの
 料理はいつも楽しみにしていますし。で、今は何を作ってますの?」
 俺はにやっと笑ってもったいぶって言った。

「内緒だ。完成したら貸してやるぜ。お前さんは使うだろうしな。」
「ふーん。何か良く分からないけど商品化は無理そうね。こんな高価な材料使うなんて。」
「調整が難しくてな。一つの効果を付加するたびに倍で難しくなるのが魔法のアイテムだ。
 今回のアイテムは十ほどの効果を組み合わせる、まさにオリジナル、まさに至高の一品だ。
 設計だけは三ヶ月かけて作っていたんだが、やっと金が出来て作成中ってわけだ。」
 腕を組んで少し考えてシルビアは微笑んだ。

「ま、面白そうではあるわね。出来たら教えて。」
「ああ、勿論だ。俺の腕が落ちてないことを教えてやるぜ。」
 ふっふっふ、お前さんも今までの仕返しにいつか実験台にしてやるぜ。


────一ヶ月経過────

「これが最後の一字だ………よっしゃああああああああああ。完成!!!」
 俺はやった。俺はやったんだ!やりとげたんだ。俺は漢だ!全世界の男よ俺を崇めよ!!!

「……………」(お兄様、お疲れ様です。)
「ああ。ありがとう。流石に疲れたぜ…。だがそれも今日で終わりだ。」
「……………」(お兄様これは…シャツ?)
「うむ。後で実験するから少し協力を頼む。」
 まずは頑丈なやつで実験だ。多少失敗しててもこいつなら死にはすまい。

「……………」(何かいやな予感がするのですが…)
 ちっ。勘のいいやつだ。だがここで引くわけにはいかん。

「まあ、晩御飯を食べよう。風呂に入って…実験はその後だ。」
「……………」(危険はないんでしょうね?)
「俺を信じろ。俺が失敗などするわけがない。完璧だ。」
 疑いの目でベルがじと眼で睨んでいるが気にしたら負けだ。俺たちは晩御飯を食べ、
風呂に入って自室へと戻った。

 自室に戻ると、早速下着とその魔法のシャツ(?)一枚になってもらい、
アイテム発動のキーワードを唱える。よしよし、ついにこの時が!!

<汝の主は我なり>

 言葉と共にシャツが光り輝きベルの体全体を覆っていく。

「……………!!!」(なになに!?)
「大丈夫だ。成功だ!!」

 十秒後、そこには黒のワンピース、フリルの付いた白いエプロンを組み合わせた
エプロンドレスに、同じく白いフリルのカチューシャをつけたベルの姿があった。
 俗にメイド服ともいうが。

「ふ……自分の才能が恐ろしいぜ。この完璧なデザインに何日を費やしたか。」
「……………」(一回死んだほうがいいのでは。)
「合言葉一つで華麗にメイドさんに変身できるのだ。ま、成功だな。さんきゅ。」
 もう一つの目的をこいつに知られるわけにはいかん。実験は残念だが今日はここまで。
 明日が楽しみだ。これはお前のためのものじゃないんだ。
87魔法技師:2007/05/29(火) 17:52:00 ID:Q2iFGTJE
 翌日、俺はベルに仕事で出かけると伝えて侯爵家へと向かった。

「よー、シルビア。傑作の魔法アイテムが出来たから持ってきたぜ。」
「その貧相なシャツですか。作者の品性が分かりますわね。」
 豪奢な金髪縦ロールにいつも強気の表情を浮かべた、現侯爵家当主は怪訝そうに呟いた。

「安全の確認はしてある。効果を見せてやるよ。」
「それじゃ、私の部屋へ行きましょうか。で、どうやって使用しますの?」
「まずは下着とそのジャツだけになってくれ。」
「………まあ、いいでしょう。後ろを向いていてくださいな。」
「おうよ。」
 ふっふっふ、この傲慢娘に天誅を加えるときは刻一刻と迫ってるぜ。
 おっと、怪しまれないように気をつけねば。

「着ましたわよ。」

<汝の主は我なり>

 キーワードを唱えると昨晩と同じようにシルビアが光で覆われていき、
黒のワンピース、フリルの付いた白いエプロンを組み合わせたエプロンドレスに、
同じく白いフリルのカチューシャ姿になる。

「これは…うちのメイド服ではありませんか?」
「ああ。お前んとこのを参考にしたからな。」
「この私に…こんな格好をさせるために…作ったんですか?だめだだめだとは
 思ってましたが、本当にだめな人ですわね。」
「まーそういうなって。本番はここからだぜ。」

<汝は我の奴隷なり>

 次のルーンを唱えると、シルビアの表情が驚きに染まった。

「か、身体が勝手に動きますわっ!……それに熱い……カイ!貴方なにを!」
「ふふん。『いけないメイド』機能だ。どんな生意気なメイドもこれを使えば
 従順なメイドに!さらに催淫魔法のおまけ付だ。これからいつも生意気な
 シルビアを従順なメイドさんに調教してやるぜ。」
「馬鹿!カイ!やめなさい!!」
 やめろといわれてやめる漢はいないぜ!はっはー!!

「これからは、ご主人様と呼べ。」
「だ、だれが…うう…ご主人…様……」
 きつめだが綺麗で端正な顔を羞恥と屈辱で真っ赤に染めて言い馴れない言葉を呟く。
 これだけでも、半年近く頑張った甲斐はあったな。だが、ここからだ。
88魔法技師:2007/05/29(火) 17:53:02 ID:Q2iFGTJE
「おい、シルビア。お仕置きをしてやるからベッドでうつむけになって尻を出せ。」
「い、いやよ…ああ…何で…体が…うう…。」
「でも、命令されて体は喜んでるぜ?」
「そ、そんなわけないで…しょ…!」
 メイド服のままベッドの上に上がり言われたとおりにするシルビア。抵抗は
出来ないらしい。やはり金はかけて正解だった。パンツを少しずらす。

「いやっていうが…体は正直みたいだぜ。何もしてないのに濡れてるじゃないか。」
「そ、それは魔法のせいで!!」
「嘘つきにはしつけが必要だよな。」
「いや!やめて!」
「やめてください、ご主人様。だろ!」
 むき出しになっている尻を数度加減しながら叩くと、大きく体を反らし
くてっとベッドに力なく崩れ落ちた。いつも強気な大貴族のシルビアがメイド服姿で
扇情的な格好をしていることに加虐心が膨れ上がる。

「尻叩かれてイクなんて…いつも高貴ぶってるがとんだ変態だな。」
「ち、違う…わ…」
「なにが違うんだ?気持ちいいんだろ。ほれ言ってみろ。気持ちいいですご主人様って。」
「そんなこという……うぁ……気持ちいいです…ご主人様…」
「おー。もうアソコがびちゃびちゃだな。」
 普段より催淫の魔法で過敏になっているそこを、いかせない程度に軽く愛撫する。
ゆっくりゆっくり焦らす。イキそうになる前に指を止め、落ち着いたら再開していく。
 メイド服のスカートとベッドのシーツに愛液が付いてじわじわと濡れていった。

「あああ、いやぁ…焦らさないで……ちゃんといかせて…」
「気持ちよくなったらお仕置きにならないからな。いかせてほしいならメイドらしく
 ちゃんとおねだりしないとな。無理やりじゃなくて自分で。」
「あ…う…ご主人様……いかせて…ください。」
「叩かれて感じる変態メイドを滅茶苦茶にいじめてくださいと言え。」
「いや!そんなこと私がいうわけ…あああ…叩かれて…感じる…うう…
 変態メイドを…滅茶苦茶にいじめてください……やだあ…」
「可愛いぞシルビア。ちゃんと言えたな。そらご褒美だ!」
「ああっ!ひぃ……んっ!!!」
 焦らしたせいで俺もかなり限界まではちきれんばかりになってたそれをシルビアに
突き入れるといきなり、膣が締め付けるようにうごめき軽く潮を吹いた。
89魔法技師:2007/05/29(火) 17:54:37 ID:Q2iFGTJE
「ご主人様より先にイクなんてまったくだめなメイドだな。」
 魔法の効果がよく効いているのか突き入れるごとにシルビアは軽く絶頂に達している。
 だが、俺は緩めない。

「怖いっ!感じ…すぎ!!…こんなのって…あっ…!」
「ほらもっと腰を振れ!ご主人様におねだりしろ!」
「はいっ!…ご主人様!!ご主人様!!!もっと!もっとついてっ!だめなメイドにもっと
 お仕置きしてくださいっ!!」
「ちゃんといえたな。よし、最後まで行くぞ。」
 十数回いかされ、最早侯爵としての威厳も何もなく、一人の快楽に酔う雌メイドとして口から
涎を垂れ流すシルビアに最後の止めを刺すべく激しく動き出した。

「ああっ…これ…すごい!くる…おっきいのがくる!!」
「く、出すぞシルビア!」
「あっ!!!いい…!!いくっ…あああああああああああああっ!!!」
 俺がシルビアの中に出すとひときわ大きく体を震わし、絶頂を迎えて失神した。


数時間後。
「で………これはうちで買い取らせていただくわ。」
「おいおい待てよ。俺の傑作の品だぞ。ご無体な。」
「いやならいいのよ?さっき味わされた屈辱…残念ながら死んでもらうわ。」
 魔法を解いて、いつもの豪奢なドレスに着替え正気に戻ったシルビアは当然のごとく
怒り狂っていた。こいつはやるといったらやる。本気で俺を殺る気だ!!

「わ、わかったよ…畜生…男のロマンが…」
 そういって、キーワードのメモを書いた紙を渡す。

「これは確かに使えるわ。こんな馬鹿なものを作る奴はほかにいないでしょうし…。
 どんなものでも使い方次第で使いようがあるものよ。」
「ほう〜例えば?」
 なんかとてつもなく嫌な予感がした。

「ふ…この私をメイド扱いして弄んでくださった、どこかのお馬鹿さんに復讐するとかね。」
「え、ちょっと待てやめろ!!」
「体術で私に叶うわけないでしょう。諦めなさい。」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!メイド服はいやだぁぁぁぁぁぁっぁぁぁやめろぉぉぉぉ!!!」
「ふふ、どんな命令を出そうかしら。やめろといってやめる馬鹿はいないのよ?」
 漢の叫びが夜の侯爵家に響き渡った。俺は男のロマンを達成し、同時に…
…同時に…男として大事なものを失った…。


 後日、この魔法のメイド服は先祖代々侯爵家の捕虜を拷問するためのアイテムに
なったとかならなかったとか。
90魔法技師:2007/05/29(火) 17:56:18 ID:Q2iFGTJE
投下終了です。
91魔法技師:2007/05/29(火) 18:36:10 ID:Q2iFGTJE
とりあえず、これはこれでまたよしw
エロイおっさん(?)書くのは意外と楽しかった。
92名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 03:08:41 ID:eleVDDIU
GJ!!
93名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 08:19:24 ID:hCmzPamS
エロオヤジバロスwwwwwwwww
でもこれはまさしくこのスレ向きだぜGJ!
94名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 16:49:55 ID:lE5/+Q7t
強制メイド化いい!
95名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 20:03:47 ID:ShqijfwX
オヤジ扱いかよw
96名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 05:11:39 ID:E4XFU1F+
ファンタジーでなら、魔法だと理解しながら和姦でつかうとかできそうだな。
97名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 23:19:50 ID:LlHge8tU
このスレってあんまり誤認系SSってないよね
98名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 00:22:33 ID:hI3VC7nN
この板でMCものを書く人じたいが少ないように思う
99名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 00:54:21 ID:qirJBOPq
というかこのスレも趣旨こそMCスレだが
スレタイにMCを匂わせる物が余りないのが原因
実際スレタイに沿ったSS書くとしたら上の魔法技師1話みたいな物の方が正しいし
いっそ催眠MCスレは別に立てたらどうだ
100名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 07:42:53 ID:7lcjptI3
過去に作られた催眠モノって短編が数本だけだしなぁ…
分離しても即死回避は厳しそうだな
101名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 01:09:14 ID:fL969sKQ
立ったみたいだな
http://sakura03.bbspink.com/eroparo/
102名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 01:10:14 ID:fL969sKQ
103名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 09:40:18 ID:oUDyRneL
失礼だが、自分で立てたってことはないよな?
104名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 02:17:59 ID:vYczAG5v
そうだとして、何か問題が?
105名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 01:06:44 ID:BEZ1doEX
hosyu
106名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 05:27:08 ID:kNH8Acpb
牧場スレにルイズ催眠ものがあったよ
107短編保守:2007/06/15(金) 07:33:38 ID:U/e+jXlM
俺は力を手に入れた。人を操れると言う能力を……。
前々から気になっていた、彼女に使う事にしよう。そしてから他の奴も操ろう。
図書館でずっと本を読んでる彼女、前髪で目が隠れてるがそれも確認してみよう。
能力を使って、図書館から人を追い出す。
そうしてから、彼女の前に座る。操らなくてもそれだけで彼女の顔が赤く染まる。
「なあ、前髪邪魔じゃないか?」
そう言って、俺は彼女に話しかける。
「だっ大丈夫です。私は……」
お前にとっては大丈夫でも、俺にとっては困る事だ。しょうがなく強い精神操作を開始する。
「目、見せてた方が良いって」
そう言って、俺は彼女にヘアピンを渡す。
「良いんですか?」
逃げようとしているが足が動かないらしい。当然だ。俺が足止めしてるんだから。
「ああ、そっちの方がきれいだって」
そう言って無理矢理渡す。

なれない手つきで彼女はヘアピンをする。
吸い込まれそうな美しい目。じっと見つめる。
恥かしげに彼女は俯こうとする。力を使って顔を会わせ続ける。
彼女の息が荒げてくる。
もはや我慢できない。このまま抱きたい。
はやる気持ちを抑えて、俺は彼女に『命令』する。
「手を後ろに回して」
「はい」
「そのまま繋いで」
「はい」
足も広げてと思ったが、そこまでさせるのは酷だろうと思い閉じたままにしておいた。
「キスはしたことは?」
「ないです」
「だったら僕が今からキスをする。思いっきり深い奴だから気絶しないように」
「はい」
俺はそう言うと彼女の瞳を見たまま思いっきりキスを開始する。
舌を口の中に押し込み、そのまま彼女の中をまさぐる。
「んんんんん〜〜〜〜〜〜」
苦しそうなそぶりを見せたので、俺はゆっくりと口を離して彼女の服をまさぐる。
薄いが柔らかい胸、体のライン、全てがパーフェクトだ。
「なあ、授業でわからない事があるから聞きたいんだけど良いか?」
「……はい」
虫の霞むような声。これでゆっくり彼女を落とせると言う物だ。
俺は笑いを押さえながら彼女をどうするかの考えを始めた。

彼女は家に帰るとバタリとベッドに倒れこむ。
自分の目は特別制だ。目を合わせた人間を魅了してしまう。
魅了された人間は、彼女の事を優先して行動してしまう。
「でも、彼を私だけの物にしたい……」

罠に落ちたのはどっち?
108名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 08:16:25 ID:KExUOrwy
Happy End
皆幸せだから誰が負けたとかはどうでもいい
109名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 08:54:39 ID:XzcEjsyr
これはうまい展開w
110名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 10:06:36 ID:Fp14/lew
素晴らしい
111名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 15:36:41 ID:NHn1RVQo
>>107
罠に堕ちたのは俺らのほうだ
…いいものを見せてもらった
お前の勝ちだ
112名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 23:02:24 ID:bcenTVMC
GJ
113名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 23:04:29 ID:zDHWyyBy
>>102のスレが重い話ばっかで萎えた
114名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 02:13:33 ID:wIPp9WLq
115名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 06:06:32 ID:+Jg3omDR
>>107
オチがGJ!!
116名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 21:13:23 ID:b6Y6WiZX
毎回連作短編にしようと思っていたけど、
長くなりそうなので今回は前後編。今回から副題つき。

魔法技師投下します。
117魔法技師と魔王様:2007/06/17(日) 21:15:10 ID:b6Y6WiZX


集中────一字一字、アイテムにルーンを刻み込んでいく。正確に一ミリの狂いもなく。
魔法のアイテムを作るのに最も技術を要する作業だ。


俺は今、金髪縦ロール貴族のシルビアから得た大量の報酬を元手に、
新しい魔法のアイテムを作成していた。

 もう既に秋が近くなり、作業も大分やりやすくなっている。メイド服の時代は終わった。
 男は一つの道で立ち往生してはいけないのだ。今回作るものは材料の調達が難しく、
恐らく旅にでなければならないだろう。シルビアに頼めばすぐなのだが…

 最近、俺の顔を見るたびに不機嫌になるためうっかり頼みごともできないのが現状だ。
「……………」(お兄様今度はなに作ってるの?)
 そういって近づいてきたのは無表情な赤髪美少女、妹のベルだ。ちなみにしゃべれないため
話したいことが表示される魔法のボードを渡している。

「前のはシルビアに取り上げられてしまったからな。今度はまじめなものを作ってる。」
「……………」
 妹は俺を疑わしげな目で見ている。ちょっとまて!そんなに偉大な兄が信用できない
とでもいうのか。兄は悲しいぞ。

「……………」(前科がありすぎるから)
 俺はがっくりと肩を落とした。
118魔法技師と魔王様:2007/06/17(日) 21:16:12 ID:b6Y6WiZX
「おう、おやっさん。腹減ったから晩御飯たのむぜ。」
 一階に下りておやっさんに手を振る。

「カイか。今日はシルビアの嬢ちゃんが来るらしいぞ。」
「げ…まさか、まだ前のこと根に持ってるのか…。」
「……なにしたんだお前。」
 おやっさんが俺を呆れたような目で見ていた。だが、あれは漢としてやらざるを
得なかったのだ。きっと男ならみんなわかってくれる。

「こんばんは、おじさま。ベル…そして、ど外道変態。」
 俺の葛藤を邪魔して店に入ってきたのは金髪縦ロールの侯爵様、シルビアだった。

「……………」(シルビア、こんばんは。)
「で、今日はなんのようだ?」
「カイを抹殺……といいたいところだけど、依頼よ。」
 冗談を話しているときとはうって変わってまじめな表情になる。シルビアは侯爵だけあって
政敵も多い。俺達へ依頼が来るとき…それは身内に裏切り者がいる場合や、シルビア自身が
動けない場合…そして…魔法が絡む場合だ。俺達は裏切らないという絶対の信頼から
来る依頼が多い。危険なものも当然にある。俺達はおやっさんに個室を貸してもらい
相談を始めた。

「カイ…禁呪…なの、今回は。」
 禁呪…なんらかの理由で技術的には可能ながらも封印された魔法…それに携われば
犯罪者として拘束される。

「禁呪か…お前が力を借りに来るってことは…バックがでかいのか。」
「誰かに孕まされて私は余り動けないからね…。」
 睨むなベル!怖いから睨むな!頼む…泣いちゃうぞお兄ちゃん。

「後ろは公爵よ…。証拠はないけどね。」
「引き受けた。ようは証拠を掴んでついでに潰せばいいんだな。」
 妹は泣きそうな目でこちらを見た。だが、これは引き受けるしかない。借りがある
からな。あの公爵様には。思い出したくもないが。

「で、どんな禁呪をやってんだ?」
「得た情報の範囲では………生命に関する実験よ。」
「生命…ってことはまた例の人造の魔王を作るとか言うあの馬鹿な…。」
「そう…。あれよ。」
「援護は?」
「できる限りのバックアップと…直接の援護は可能な限りってとこね。おおっぴらにやってしまうと
 うちとあっちで内戦になってしまうから気をつけないと。」
「わかった。絶対に潰してくる。」
119魔法技師と魔王様:2007/06/17(日) 21:17:09 ID:b6Y6WiZX
 翌日、シルビアの配下の密偵を案内役に下水を歩いていた。この国では上下水道が
市街には備わっている。下水は縦横無尽に走っており、隠密行動には悪くないのだが…

「臭い…」
「この真上辺りが施設です。私はここで待機しておけばよいのですね?」
「ああ。基本は俺たちだけでやる。ちっ、床にも魔法除去の結界が張ってあるな。」
「……………」(お兄様…どうします?)
「ちゃんと破る道具は作ってある。はしごもな。」
 俺は合言葉を唱えて伸びるはしごを使い、天井にお手製結界破りを押し付けた。
その上で土の魔法で干渉し、床を薄く削り取って人がいないか音を確認する。

「………?なんか騒がしいな。」
 施設の中は俺たちが出るまでもなく事故か事件がおきているようだった。

「チャンスだな。どさくさにまぎれてまずは資料と服を奪う。ベル、行くぞ。」
 ベルは頷いて穴を開けて侵入した俺を追いかけた。

 施設の内部は警報と慌てふためいた研究員らしきものたちで大混乱だった。
 侵入した俺達はそんな研究員を二人気絶させて服を奪った。

「ふっふっふ。知的美女の服も俺が…いた!やめろ冗談だ。ベル!」
 まあそんなこんなで、首尾よく資料だけでなく様々な魔法の道具や重要書類さえ
も回収することができた。が…あまりに、抵抗のないのに思わず首をかしげる。
 誰もいない倉庫らしき部屋で相談していた俺達はこれからどうするか決めあぐねていた。

「……………」(お兄様これだけ証拠が在れば今回は)
「うーん。何が起こったのかは確認しよう。」
「……………」(危険です。)
「わかってる。だが、ここまで手薄にするような事故だってのが気になる。」
 誰もいない倉庫らしき部屋で相談していた俺達はこれからどうするか決めあぐねていた。
 そんなときだ。


 俺たちの潜んでいた部屋に何かが飛び込んできた。
 年の頃十二、三歳…ちょっと守備範囲外だな…長い髪は漆黒に輝き、勝気そうに輝く瞳
も黒。肌は透き通るように白く背はちょっと低い。
…四、五年先にはお付き合いいただきたい美少女が全裸で立っていた。
 そして、今の状況の場違いさから考えて…。

「よう、そこの美人なお嬢さん。この騒ぎはあんたが原因か?」
「む、わらわが美人であるということは当然として、お主何故このようなところに…。」
「……………」(美人は否定しないんですね…)
 ベルが呆れながら研究員から奪い取った白衣を、女の子に掛けてあげている。
 全裸でも堂々と仁王立ちしていたが。

「俺達は馬鹿な研究をしてる馬鹿を破滅させるために来たんだ。」
「ほほぅ……では、わらわの敵とお主の敵は一致しておる。下僕として協力することを
 許してやろう。」
 とりあえず俺は無言で無意味に偉そうな黒髪の少女の頬を俺は両手で引っ張った。

「ひらひ、らりをするー」
「あほなこというからだ。俺様が推理するにこんな人の来ないところに逃げてきたと
 いうことは、お前一人じゃどうしょうもないってことだろが。」
 手を離すと生意気少女はなみだ目で上目遣いをして睨みつけてくる。ちょっと、
可愛いかも…おにいちゃん変な気になってきたぞ!
120魔法技師と魔王様:2007/06/17(日) 21:17:56 ID:b6Y6WiZX
「……………」
 ベルがジト目で見つめてきていたので…心読めるのかこいつ。とりあえず、話しを聞く。
 生意気少女は全裸に白衣一枚というちょっとそそる格好でも堂々としながら話し始めた。
 俺を睨みつけたまま。こいつは怒らせたほうが萌えるな。うん。

「馬鹿者が。わらわも本来の力が出せれば逃げたりせぬ。人間の分際で幾重にも強力な
結界を張り巡らせておったからその拘束を破壊するのに魔力が尽きたのだ。」
「ということは、お前さんは人間じゃないわけだ。」
 ふふん、と偉そうに鼻で笑って目の前の黒髪美少女は自信満々に言った。

「わらわは魔王じゃ。」
「……………」(お兄様…さっさと帰りましょう。)
「そうだな。」
 俺達は帰ることにした。

「こらこらこら!信じてないなおまえら!」
「魔王は五百年に一度、現れるんだろ。まだ二百年しか経っていない。」
 そう、世界には魔王という存在が周期的に発生する。五百年に一度恐ろしい損害を
巻き起こす、災害のような存在だ。何故周期的にしか現れないのか不明だが、過去、
ずっとそうであったらしい。軍隊でも討伐できないような代物らしいから、間違っても
目の前の偉そうな生意気少女ではないだろう。

「そもそも魔王は元人間じゃ。五百年に一度、その年で最も不幸になったものを依代と
 して魔王は前世の記憶とともに転生する。特殊な魔法装置を使われ、時を勘違い
 させられたのだろう。中途半端な目覚めだからわらわの力も中途半端なのじゃ。」
「じゃあ、もし今おまえ倒したらどうなるんだ?」
 ベルがこちらに驚きの視線を向けている。

「恐らく五百年、眠ることになる。まあそれもよかろう。わらわを殺すか?」
 俺は苦笑して首を横に振った。

「三百年後までお前の力は不安定なんだろ。なら、そいつらへの宿題にするさ。
 俺好みに成長しそうな女を殺すのは性にあわん。後聞きたいのは…他に生きてる
 実験台はいるか?」
「実験台か…お主わかっておるようじゃな。わらわが復活したときに皆不要として処分された。
 そのときには力が無くてな…。わらわの依代の少女も魔法による無限の悪夢で
魂が死んでしまった。かわいそうなことをした。」
「そうか…今回も助けられなかったか…。しかし、お前いいやつだな。」
「魔王の記憶は最悪の不幸の記憶だ。自分のようなものと思えば同情もする。」
 俺は泣きそうな目をしながらも、胸を張って威張る少女の頭を撫でた。ベルも
いつもどおりの無表情で少女を抱きしめる。

「さて、じゃあ…逃げるとするか。」
「まて、わらわはここの人間どもに仕返しがしたい。」
「……………」(どうやって?)
「わらわの魔力を回復させれば…。一撃で全て破壊してくれる。」
 自称魔王の少女がベルのほうを向くと、あっさりとベルが寝息を立てた。

「案ずるな睡眠の魔眼じゃ。力はあまり戻っておらぬが数種の魔眼も使うことはできる。
 さて、お主からはなかなか強力な魔力が感じられるが…。死なない程度に頂くことに
 しようではないか。」
 魔力を得るには複数の手段がある。こいつまさか…。ベルを連れて逃げようとも
考えたが、どうやら体が動かない。目の前の少女は、年相応ではない妖艶な笑みで俺を
見つめていた。

「麻痺の魔眼じゃ。わらわはお主が気に入った…顔も悪くない、馬鹿だが頭も悪くないし
 懐もなかなか深そうじゃ。ふふ…この体ではわらわもはじめてじゃ…光栄に思え。」
 俺は身動きもできず、床に倒れ付した。どう考えてもまな板の上の鯉だった。
121名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 21:22:56 ID:b6Y6WiZX
投下完了です。
後編早めに書き上げます。

なんとなく魂がロリ魔王を求めていた。
122名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 22:55:22 ID:Qp/nBRs/
ビバッ!ロリ魔王
123名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 23:56:19 ID:nTypt2DN
乙。それにしても、連投規制には引っかからないの?
124名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 09:50:20 ID:r9Qlsq7/
ロリまんせーっ!!

結局変態メイド服でも高額代金もらってたのねw
125名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 18:46:57 ID:B4K+wblB
そして後編。
126魔法技師と魔王様:2007/06/18(月) 18:47:44 ID:B4K+wblB


 魔力を補充するためにはいくつか手段がある。
 まずは、睡眠。これが普通の回復方法だ。
 次に、魔力補充アイテムによる回復…だが、これは費用がかかる上にあまり
高い効果を望めない。
 そして、最後に魔法で直接吸い取る方法だ。魔力をもっとも精気の集まる場所から
吸収する…。ようはあれだ。女を抱くことで相手から精気を吸収するのだ。
 この場合、魔力の強いものへと魔力は流れてしまう。

 まあ、何がいいたいかというと。
 俺は今非常にピンチだった。こ、このままではっ!

「まてこら、話し合おうぜっ!」
 唯一動く口を使って俺は何とか説得を試みるが、自称魔王の少女は黒い髪を書き上げて
勝ちきそうな瞳を光らせてにやりと笑った。

「ふふ…わらわには歴代の魔王の記憶があるのじゃ。すぐに正直になる。」
 勘違いしてる勘違いしてるっ!

「あのな…俺はお前の年齢は恋愛対象外なのだ!自慢じゃないが女は好きだが
 ロリコンじゃないんだ。三年後に出直してくれ!」
 必死だった。今まで色んな悲劇が俺を襲ったが…まさか、全く凹凸のない少女に
逆レイプされることになるとは思わなかったぜ…。目の前の魔王様(?)はいじわるそうな
目で俺を眺めている。やばい、こいつSだ。俺と一緒だ。

「ろりこん?なんじゃそれは。まあなんでもいい。嫌がられるとぜひともしたくなってきた。
責任を取ってもらわなければな。可愛い声で鳴いてくれよ?」
 魔眼で縛られて動けない俺のズボンを目の前のつり目の美少女はためらいもなく
脱がせていく。俺のモノはまだ、ぴくりとも反応していない。

「むむ、わらわが裸でいるのに…。もしや不能か?」
「だからいってるだろうが。対象外だと。」
「ふふ、まあよい。いつまでそういう強気な言葉を言えるか楽しみじゃ。こういうやつを
 屈服させるのが一番楽しい。」
 この世のものとは思えないほど端正な綺麗な顔が俺に近づいてくる。俺の唇を奪うと、
そのまま舌を進入させてくる。

ぴちゃ……ちゅ…く………

的確に俺の弱いところを責め、体が火照り始める。俺のモノが一気に反応し、
そそり立った。く…。上手い…魔王の唇が一度ゆっくりと離れ、口に銀色の橋ができた。
127魔法技師と魔王様:2007/06/18(月) 18:48:57 ID:B4K+wblB
「くっく…。キス一つでお主のものは元気になったようじゃの。まるで女子のように全身
 を震わせて感じよって…どうじゃ…わらわの下僕になる決心は付いたか?」
「だれが、なるかっ!」
「ふふ……ますます、気に入ったな。」
 ない胸を反らせて勝ち誇る魔王に俺は強気で睨み返した。だが彼女は愉快そうに
笑うだけだ。楽しい玩具を見つけたかのように。
 暫く艶かしい視線で俺のモノを眺めていたが、優美な手つきで一撫でした。
 痺れるような快感が全身を走る。

「それほど物欲しそうにせずともわらわがこれからたっぷりと可愛がってやる。」
 動けない俺には抵抗することもできない。小さい少女に弄ばれる屈辱と、
そんな少女に奉仕させる背徳感が俺を苛んだ。
 魔王の可憐な花びらのような唇が俺のモノに口付けした。小さい舌で焦らすように
ちろちろと舐める。そのたびに俺の意思とは関係なく体が撥ねる。

「お主は敏感だな…。愛い奴。」
 焦らされ、先走りで濡れてきた俺のモノを彼女は口にくわえた。

 あむ…ぴちゃ…ん…

 卑猥な音が倉庫に流れる。限界はすぐに来た。

「うっ!でるっ!!」
「くっく、どうじゃ。気持ちよかったか?」
 邪気のない、だけど挑戦的な笑顔で俺を見つめる。俺はこの場での抵抗は無駄だと判断し、
あっさりと降伏した。あくまでこの場だけだ!

「ああ、気持ちよかった。」
「ならば、次はわらわの番じゃな。ふふ…ぬしのものは美味しすぎて濡れてきたわ。」
「初めてだろ…無理するな。」
 俺は魔法を詠唱した。以前に習得したルーンを唱える。それが終わると急激に先ほどまで
余裕の表情だった彼女の表情が紅く染まっていく。

「お主…わらわになにをした。」
「ふん。俺だけじゃ不公平だろう。少し動いた指でルーンを書いて気持ちよくなる
 魔法を唱えただけだ。」
「まあよい。ではお主を頂くとするか…。」
 彼女は俺の上に乗り、モノを自分の子供のような秘所に固定すると一気に腰を下ろした。膜を感じる
間もなく、一気に奥まで突き入れられる。彼女の顔が苦痛に染まった。

「くっ……いっ…ぁぁぁぁぁぁ!」
 魔王は荒い息をつき、痛みに顔を少しゆがめながらも顔を紅く火照らせて微笑んだ。
 そして、徐々に動き始める。彼女の中は年相応に狭く、俺のモノを締め付けた。

「お、おい、無茶すんな。」
「…っ…心配…あっ…するな。……気持ちいい…か…?」
「ああ。」
 彼女は頷くとリズムよく、腰を動かし始めた。魔法が聞いているらしく、潤滑油が
次から次へと溢れその声には少しずつ艶っぽい響きが現れている。魔眼がまだ効いていて
体が自由に動かないがそれでも腰をあわせるようにぎこちなく俺も動いた。
 彼女の幼い肢体を汗の光で輝かせながら上下にうごめく。

「う…あ……気持ち…気持ちいいっ…止まらない…止まらないよっ!」
「いいぞっ…俺も気持ちいい。」
 魔王の眼の焦点が少しずつ合わなくなってきたが、腰は強く、激しく動き続ける。

「俺はもう……我慢できない!」
「わらわも一緒に…一緒にっ…いくっあああっいくっ!!!」
 最後に奥まで着いたとき、俺の上に乗っていた彼女の体が大きくそり、モノを締め上げた。
俺も、自分の分身を彼女の中に解き放った。
128魔法技師と魔王様:2007/06/18(月) 18:49:45 ID:B4K+wblB


 暫く、放心したように二人とも息を切らせていたが、やがて、魔眼を解除してくれた。
 体が自由に動くようになる。

「ああ、俺は道を踏み外してしまった…。ついにロリコンに…」
「ふむ…あの状態から魔法を掛けるとは。わらわも驚いたが気持ちよかったぞ。
 やはりそなたはわらわの奴隷に相応しい。」
 体を重ね合わせても、黒髪と勝気な瞳のその少女は全く変っていなかった。清楚と
妖艶さとを兼ね備えた笑みを浮かべている。俺は魔力をかなり奪われ、体はかなり
きつかった。

「……………」(お兄様からこの子の匂いが…)
 ベルが起きた…ちょ、その木刀を下ろして!!

「娘よ。おぬしの兄はわらわの下僕に決まった。傷つけると許さぬぞ?」
 魔王の少女がベルを睨み付けた。それもやばいよ魔王様。ベルも敵だと認識したのか
険悪な空気が流れ始める。

「……………」(お兄様、どういうことですか?)
「よし、とりあえずここから脱出するぞ。」
 俺は問題を先送りにすることにした。

「ふむ…わらわが本気を出せばぬしから奪った魔力で壊滅させることはできる。
 だが、生き埋めになってしまうな。」
「俺の仲間が、ある場所の地下で待っている。お前が壊滅させるのと同時に地下への
 穴を開けてそっから脱出する。問題ない。」
「……………」(お兄様、後で説明してもらうから。)
 俺たちは、初めに侵入した場所へと戻り、計画を実行した。

 そして俺は、この生意気な少女が本当に魔王なのだということを悟らずにはいられなかった。
 研究所はその八割が瓦礫へと変り、壊滅した。
129魔法技師と魔王様:2007/06/18(月) 18:50:52 ID:B4K+wblB

「っと、まあそういうわけでだ…シルビア。この子を保護せねばならんわけだ。」
 俺たちはおやっさんの店へと戻っていた。勿論魔王も一緒だ。彼女は今、ベルの
替えの服を着ているが…だぼだぼで不機嫌そうにシルビアの膝の上に座っている。
 シルビアは表情は真剣だが、魔王の頭を撫でてみたり、抱きしめてみたり忙しい。
 暫く無言で黙っていたが…金髪縦ロールは突如乱心した。

「か、か、かわあいいいいいいいいい!!!何この子、かわいいよかわいいわよ!!!
 うううう、持って帰りたい。美少女よ!超美少女よ!!!」
 流石の魔王も困惑して嫌がって、じたばたしている。だが、シルビアの力は
俺より遥かに強いため、抱きすくめられて拘束されている。
 魔王は結局俺たちと同じで宿に住み込むことになった。立場的にはベルと同じで
俺の助手だ。部屋も一部屋借り、俺が支払っている。

「あ、こら!人間!!わらわに気安く触るな!撫でるな!抱きしめるなっ!!!」
「で、カイ。この子なんて名前なの?」
 そーいや…自己紹介もしてなかったな。

「なんて名前なんだ?」
「わらわには名前はない。魔王とは現象でありそういうものだ。」
「だけどなあ。折角だしあったほうが。」
「そうか………ならば下僕よ、お主に任せよう。光栄に思えっ!」
 えばったその姿はシルビアの膝の上では全く威厳もなかったが、無駄に偉そうだった。

「魔王………じゃ、マオだ!」
「……………」(お兄様………あまりにも…)
 若干ベルは呆れていたが、性格の悪い金髪縦ロールは大喜びだった。

「マオっ!!まおっ!可愛すぎるわ。カイもたまにはいいことするわね。」
「ふむ…マオか…。よし、それで。大事にしよう…。ありがとう。」
 年頃の少女らしい、笑顔を俺は始めてみた気がする。その笑顔は可愛くて綺麗な
笑顔だった。いつもこーならいいのにな。

「小難しい問題はこっちに任せて…マオちゃんの歓迎パーティをしましょう。
 おじさまお酒と料理いっぱい持ってきて!!
 ああ、後…公爵の手から守るために、うちの養子で侯爵一族ってことにしとくから。」
 どれほど浮かれていてもシルビアは為政者だった。おそらく、これも施設のことも
武器にして戦っていくのだろう。そして俺にできることは…。

「よっしゃー!!俺たちの新しい同居人、マオに乾杯だ!!」
 明るく楽しく、友人たちと過ごせるように環境を作ってやることだけなのだ。絶望を
背負った魔王にも、国を背負った悪友にもひと時の休息を与えることができるように。
130名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 18:52:21 ID:B4K+wblB
投下終了です。
次書く機会があれば冒頭で作ってる物関係に
なるかもしれない。
131名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 20:00:43 ID:sSkhycOY
ロリ・ババア言葉・逆レ…
これさえあればあと100年は戦える!
投下乙でした!
132名無しさん@ピンキー:2007/06/19(火) 02:46:13 ID:6ttnaqE1
GJ
133名無しさん@ピンキー:2007/06/19(火) 11:03:50 ID:ChXR7X2r
>止まらない…止まらないよっ!
ここだけやたら少女っぽい言い方になってて萌えたw
続きを楽しみにしてますぞい
134名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 09:54:16 ID:eEzj+cfW
お出かけ前に投下。
やれたら絶対にやりかえす。
そんな変態街道を突き進む魔法技師(21)の第四作品目です。

妹が空気になりつつ…
135魔法技師のおしおき:2007/06/20(水) 09:55:32 ID:eEzj+cfW

 集中────一字一字、壁にルーンを刻み込んでいく。正確に一ミリの狂いもなく。
 魔法のアイテムを作るのに最も技術を要する作業だ。

 俺は今、二週間前拾った漆黒の長い美しい髪に勝気な同じく黒の瞳、きめ細かい白い肌を
持つ美少女の魔王──マオの部屋にルーンを昼夜問わず、刻み込んでいた。


 時は二週間前に遡る────

 俺たちが魔法施設で出会った日、俺は無理矢理襲われて人として大事なものを失った…。
 それからというものシルビアの持ってきたゴスロリ服を器用に着こなした魔王様は、

「おい、下僕。わらわのお茶もってこい!」
「おい、下僕。わらわのお菓子もってこい!」
「おい、下僕。わらわを楽しませよ!」
「おい、下僕。わらわの背中を流せ!」
 終始こんな調子である。無論、俺様言うことなど聞くはずないが喧嘩するたびに…
 いやいや、男たるもの後ろを振り返ってはいけない。
 それだけならまだいい。少しでも旗色が悪くなると、

「ベル〜わらわをこの人が苛めるよ〜えっちな目で見てくる〜怖いよ〜」
「……………」(お兄様!大人気ない)
 このとおりベルに無表情で睨まれ件の魔王様はというと、背中の後ろから嫌みったらしく
わらって舌を出していた。騙されてるっ騙されてるぞ我が妹よ!!!

 後日、マオに俺たちの序列についてどう考えてるのか聞いてみた。
わらわ>シルビア>ベル>宿屋のおっちゃん>>>>>超えられない壁>>下僕
 ………この腐れ魔王がっ!いつかお仕置きしてやるぜ!
俺は公爵にも侯爵にも喧嘩を売った男だ。魔王とだって喧嘩してやるぜ!
 背中の上でご満悦の黒髪生意気美少女に心の中で中指を立てながら俺は復讐を誓った。
 魔法技師はやられっぱなしではおわらないぜ。

 二週間後、俺に復讐のチャンスがやってきた。シルビアから手紙が来たのだ!
 この前、魔法施設潜入の仕事料として材料の提供を求めたのだがそれが届いたらしく、
忙しいので引き取りに着て欲しいというものだった。
 俺はこれを機会に外を見てこいとそこそこの金額を持たせてマオをベルに護衛させて
シルビアのところへとお使いに出した。シルビアへは二週間くらい世話をしてやってくれと
手紙を書いておいた。やつはマオを気に入ってるから喜んで留めるだろう。

「ふん、下僕にしては気の効いたことをするな。ベル、よろしく頼む。」
「……………」(お兄様、いってきますね。)
 ふっふっふ、喜んでられるのも今のうちだ。俺は一発殴られ三発殴り返さなかった
ことはないのだから。こら、子供相手に大人気ないとか言うなっ!
136魔法技師のおしおき:2007/06/20(水) 09:57:17 ID:eEzj+cfW

 そして、現在に至る。マオの部屋に入った俺は突貫で魔法封じのルーンを壁に床に天井に
刻み続けている。そう、俺の勝てない理由の一つに絶対的な魔力の差がある。これを封じねば
勝ち目はない。さすがに中途な覚醒とはいえ魔王なだけあって施設破壊以来魔力の補充を
行っていなくても、絶対的に人間では勝てないのだ。
 その上、歴代魔王の中に武術に長けたものが居たらしく力は普通の少女なのに簡単に
組み伏せられるのである。なんとかせねば…ということで、今回作っているアイテムの出番である。

 さらに二週間のときが流れ、ベルとマオが材料を持って帰ってきた。それから
さらに一ヶ月の忍耐と屈従のときが流れ、ついにそのときはやってきた。

「ふ…ふふ……ふはははははっはははあはははは!」
「……………っ!!!」(お兄様だいじょうぶ?)
「完成したぞ。完成したぞ…。ついに理論だけしか研究者の中では完成しなかったものが!!」
 隣で昼寝していた赤髪の妹…ベルは少し好奇心を持ったような眼で俺に聞いてきた。

「……………」(何この縄の切れ端…)
「複合魔方陣。通常ルーン───────(一時間半)───────という、素晴らしい
ものだ。わかったかっておい、ベル!寝るな!!」
「……………」(zzz)
 秋も深まるこの季節、今日はやけに日差しが妙に暖かかった。


 夕食後、俺とマオは彼女の部屋にいた。服の中には俺の努力の結晶が入っている。
 マオはいつもどおり、勝気な目で俺を見つめている。

「なんじゃ?ついにわらわの下僕と認める気になったか?」
「ふん、お子ちゃまが悪いことしたらお仕置きするのが大人の責任なのだ。今日こそ
 おしりぺんぺんしてやる。」
 魔王ができるものかと不敵に笑う。俺もようやく仕返しができることへの喜びで
爽やかな笑みがこぼれた。決して邪悪ではない…と思う。
137魔法技師のおしおき:2007/06/20(水) 09:58:07 ID:eEzj+cfW

 俺たちは同時に動いた。マオの美しい髪が靡き一瞬で俺との間合いを詰めて拳を放ったが
大雑把なその一撃を簡単にかわした。驚いたかっ。今日のために体術は本気を
出さなかったのだ。深慮遠謀という奴だなっ。せこいとか言うな!
 攻撃をかわされたマオは俺の体術のレベルを把握し、魔法戦へと切り替えようとする。

<汝術使うことあたわず!>

「な、何!貴様っ!!」
 今日のための準備その一だ。キーワードを唱えると部屋中から淡い光が漏れ、
マオの魔力を封じ込める。

「やるな、下僕の分際で…ふふ…面白い。それでこそわらわの下僕に相応しい。だが、
 この程度でわらわを封じれると思うな。」
 黒を基調とした大きなフリルの付いたゴスロリ服を着た魔王は部屋中に張り巡らされた
結界の中でも余裕の態度を崩さなかった。俺は初めてこちらから接近戦を挑んだ。
 手には新兵器がある…。緊張で手に汗が…。幾度となく突きを放つが見切られ簡単に
かわされる。相手のカウンターの蹴りを後ろに飛んでかわしながら俺はわざとらしく
ならないように「それ」を投げた。
 「それ」が魔王の手に掴まれる。

「ふ…これが主の切り札か。じゃがそれもわらわのもの。お主は下僕になる運命じゃ。
 おとなしく降参するなら痛くはせん。」
「げっ!しまった!やばいっ!!」
 俺は内心高笑いを上げながらもばれないようにルーンを唱える。魔王は獲物をいたぶる
猫のような目でそんな俺を眺めている…が、ここまでだ!!

<拘束せよ!!!>

 俺の最後のルーンの言葉と共に縄の切れ端が全方向に一気に広がり、ゴスロリ生意気魔王を
完全に拘束した。首にかけた二つに束ねた縄を股間から背中に回し、正面の縄を開く
ように固定する。その際に胸のあたりに六角形を作る。さらには手首を固定し、足が
M字型に開くように縄で縛り上げられた。名づけて亀甲縛り改…この形に調整するのに
一週間余計にかかってしまった。

「こんなもの簡単に……何!切れん。わらわの魔力が……封じられている?」
 焦るマオに俺は不適に笑って言った。
138魔法技師のおしおき:2007/06/20(水) 10:00:46 ID:eEzj+cfW

「人間様なめんじゃない。時間と条件さえあえば俺に勝てる奴はそういねえ。
 その縄は何重にも魔法封じの結界を束ね合わせてしかも、縛ったときに立体型の
 魔方陣になるように作ってある。本来のお前ならそれでも強引に切れるかもしれんが
 今の結界で弱ったマオには確実に無理だな。さて、お仕置きしてやるぞ。」
「こ、こら下僕!へ、変態鬼畜っなんでこんな縛り方なんだ!卑怯だぞ!!」
「喧嘩に卑怯もなにもないっ!ついでに悪い子には体に教えさせるのが一番だ。」
 防音の魔法も掛けているため、隣で寝てもらってるベルに声が漏れる心配もない。
 俺は目の前でその豪華な服の華奢な体を亀甲縛りにされた彼女をお姫様抱っこし、
ベッドの上に上げた。縄からはみ出た服がなんともいえない。
 何からするかは既に決めていた。ふっふっふ…

「あ、や、やめろっ!きゃははははっ!やめ…きゃはははっ!!!」
「こちょこちょこちょ〜大笑い地獄だっ!」
 俺はマオが動けないのをいいことにくすぐりまくった。制止の声も聞かず、ひたすら
続ける。彼女はそれでも俺を罵るのをやめなかったので手を止めた。
 マオは俺を少しだけ涙を悔しそうににじませた眼でそれでも綺麗な目で俺を睨んでいた。
 そんな縛られた彼女の上に体重がかからないように気をつけてかぶさる。彼女は
少しとまどったように眼を泳がせ、

「な、今度は何をする気だっ!この下ぼ…んんっ…ちゅ…じゅる…!」
「ふぅ……ちゃんと、俺を名前で呼べるように気持ちのいいお仕置き。」
 優しく深くキスをすると顔を紅く染めながらそっぽを向いて、

「ふんっ!何をされてもわらわは負けはせぬ。」
「この間は魔眼でやられっぱなしだったからな。魔力は封じてあるし、今日は反対に
 俺が気持ちよくしてやる。」
 縛られていて脱がせにくい複雑な服をなんとか胸元だけはだける。
 もう一度軽く左手を頭に回して少し髪の毛の柔らかい感触を撫でて感じながら
キスをし、右手で微かに膨らんでいる柔らかな胸を愛撫しながら乳首を少しつまんだ。
 マオは色っぽい声をあげ体がびくっと震えて感じているのを確認し、唇を離して
半妖精のようにすこしだけ尖った形のいい耳を甘噛みする。
139魔法技師のおしおき:2007/06/20(水) 10:01:42 ID:eEzj+cfW

「ぁ…っ…………ぃゃ…」
「随分気持ちよさそうだな。」
「ぁ…わらわは…別に…気持ち…よくなんかない。」
 言葉と違う不安に戸惑う初々しい表情に、強すぎるために攻められることが少なく、
あまり優しくされることに耐性が無いことがわかり、俺は嬉しくなった。
 唇は耳から首筋へとゆっくりと下っていき、必死に顔を真っ赤に上気させながら
眼を瞑って耐えるマオを横目に唇は乳首に到達した。舌で乳首を転がすように愛撫し、
手は太ももから股間へと這わせた。

「っ!!!!〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
 凄い反応だった。秘所に触れた途端、縛られて動けないせいで体全体で撥ねた。
 眼をあわせられず、上を向いて息を細かく吐きながらそれでもマオは声をあげずに
耐えていた。時間を掛ければ…そう思わないでもなかったが…俺は悪魔の囁きを選んだ。
 俺は下着の上から感じる部分を探し出し、そこを重点的に責めながら耳元で言った。

「マオ…我慢できなくても仕方ないんだ…。この前の魔法がかかっているんだ…。」
「……魔法のっ……せい……っ?」
「そうだ。だから声がでてもマオのせいじゃない。」
 耳元で話しながら軽く耳を噛んだ。同時にちゅく…と、水音を少し立てるように
強めに押した。

「っぁ〜〜っ〜〜〜ああっ!!
 ついに黒髪の少女は我慢できずに声をあげて軽くイった。荒く息をする彼女の
頬に手をふれる。彼女は真っ赤な顔で上目遣いでう〜っと俺を睨んだ。

「わらわは、お、お前に気持ちよくされたわけじゃないっ!魔法の、そう魔法のせいなんだから!」
「そうか、まだお仕置きが足りないようだな。」
「えっいや!ま、まて…あっそんなとこっ舐め…」
 全部を聞かずに下着をずらし、全く生えていないそこに頭をつけて先ほど指で確認した
秘所の弱い部分を舐めて責め始め、殆ど縦筋の少女らしいそこを割って執拗に舐めた。
口に愛液の味が広がり、女を俺は感じていた。

「や、やめてっ…いやっ、そんなとこっ…舐めるなんてっ……気持ち……!」
「…お前のここ…綺麗だぞ。気持ちいいか?」
「……よくない…っ……あっ!!!」
 抵抗しようにもM字型に魔法の縄で縛られた足は動かせず、なすがままに俺に
嬲られている。

「じゅ、ずずずずっじゅる」
「もういやあ…吸わないでっあっ…〜〜〜〜いくっ!!!!」
 止めとばかりに皮をむいて剥きでた豆に軽く歯をあて、舐めるとぷしゃっと顔に
生ぬるい愛液を俺に浴びせた。魔王の顔を見ると、それでも勝気な表情は崩さず
少し弱くなりながらも負けるものかとばかりに見つめていた。
140魔法技師のおしおき:2007/06/20(水) 10:03:11 ID:eEzj+cfW

「降参するか?」
「だ、誰がっあんたなんかに!」
「じゃ、お仕置き続行だな。」
 今度は指を入れた。初めは一本の指の出し入れをゆっくりと始める。

「ぁ……」
 二回目が達したばかりで敏感になっているのか、軽く入れているだけでも体が
びくびくと震える。マオの中は狭い、あまりやりすぎると痛みのほうが強くなるので
二本で止めることにし、ゆっくりと出し入れしつつ反対の手でクリトリスを弄った。

「聞こえるか…指を入れるたびにするマオのやらしい音が。」
「わ、わらわは……っ…感じてなど…そう、お前の…魔法のせいだっ……っ…卑怯だぞ!」
「気持ちはいいんだな。そうだよな、こんなにぐちゃぐちゃだもんな。」
「馬鹿っ!いうなあ!」
 口で羞恥心を煽りつつ、俺はどんどん指のスピードを上げていく。中の気持ちのいい場所も
完全に把握し、そこを重点的に激しく攻め立てた。高い水の音が部屋に響く。

「ああっ…気持ちいいっ…もっと…ああ…いやっ駄目っ…やめてやめてやめて!」
「どうした?気持ちいいならやめなくていいんじゃないか?」
 なんとなく原因はわかっていた。さっきから快感とは違う震えを感じていたからだ。
 縛られているため動けないがそれでも逃れようともがく。もちろんそれを許さずに
俺は指のスピードをさらに上げた。

「いやあ!ごめんなさい!!全部謝るからっ謝るからっやめてええええっ!」
「すまん、聞こえないな。ちょっと耳が遠くなった。」
「だめええええええっ!!!」
 懇願に耳を貸さず激しく両手で責め続けた。そうすると激しく痙攣した後、
 ぷしゃ〜〜〜〜と、潮ではない黄色い水が放物線をかいて垂れ流された。マオは
羞恥で泣きながら呻いた。

「う……うう、全部…魔法のせい…」
「俺は魔法なんてかけてない。全部嘘だ。感じて声をあげたのも気持ちいいって
 いったのも、謝ったのもおもらししたのも、ちゃんとマオだ。」
 暫く呆然と俺を彼女は見ていたが、やがて、徐々に涙目になり感情が暴走したように
泣き始めた。さすがに俺もうろたえる。ちょっとちょっと?

「う…えぐ…うわああああん!ひどい、ひどい!!いじわるいじわるいじわるっ!!!」
「おい、わかったお仕置きはもうやめるから…な、泣くなっ」
「大体、わらわは悪くないのにっ!わらわも構って欲しいのにいっつもいっつも、
 ベルばっかり構って!!寂しいのに隣から毎日仲良くしてる音が聞こえてくるんだ!!
 少しくらい仕返ししたって悪くないだろぉっ!うわああ〜〜馬鹿馬鹿馬鹿!!」
「そ、そうか…。」
 あれは甘えてたのか…。

「甘えたいならわかりやすく甘えろ。お前は可愛い。邪険にしない。今後もっと
 俺も気をつけるから……な?」
「うん……」
 俺はマオの柔らかくてさらさらとした黒髪を撫でながら優しくキスをした。
 彼女は俺に嬉しそうに笑った。
141魔法技師のおしおき:2007/06/20(水) 10:04:31 ID:eEzj+cfW

「お前も……わらわに…その…していいぞ…」
「いいのか?」
「うん………最後の以外わらわに優しくしてくれたし……」
「じゃあ、せめて…名前で呼んでくれよ。下僕じゃなくて。俺は誰の下にも付かないんだ。
 公爵だろうと侯爵だろうと皇帝だろうと魔王だろうと…。なれるのは友達だけだ。」
「わかった。わらわも…すまなかった。」
 いい加減、俺も限界だったのですぐに挿入した。二度目のそこはかなり濡れているのに
未だに狭く、押し返すような抵抗がある。俺はあまり大きくない胸を愛撫しつつ、負担を
かけないようにゆっくりと動き始めた。

「あっ……わらわに入ってくる……カイのが……。」
「痛くないか?」
「大丈夫。動いて。」
 本当に表情に痛みが出ていないことを確認し、俺は激しく動いた。今回は、愛撫で
気持ちのいい場所はわかっているのでそこを擦るように気をつけた。

「んあっ!!カイ…カイ………気持ちいいよっ………」
 マオの顔が勝気で小生意気な少女から魅惑し快楽に溺れる美しい女の顔に変っていく。
 それを見ながら俺の興奮も否応なく高まっていった。

「もっと!…わらわをもっと突いて!カイ……好きっ…大好きっ!!」
 限界が近づいてきていた。マオの反応も近いことを察した俺はラストスパートを
かけ、マオのちいさいあそこを壊す勢いで突いた。

「カイ凄い!……いい……すごいっ……もうだめっ…いく!…カイも一緒にっ!!」
「ああ。俺ももう…」
「いや……気持ちよすぎて…何も考えられない…っあっいく〜〜〜〜〜〜〜あ〜っ!!!」
 最後に一突きして俺は精液をマオの中に出した。びくんびくんと俺のモノが中で震えるたびに
マオも小さく痙攣する。
 縄の魔法を解くと、力尽きたようにぐったりとベッドに横たわる。
 俺はマオを抱きしめて口付けした。彼女は花びらのような笑顔でくすくすと笑った。

「酷いお仕置きじゃった。ほんとに滅茶苦茶な男だ。」
「マオが可愛いから調子に乗ってしまった。」
「〜〜〜っばかっ!」
 ぽかぽかと胸倉を叩くマオに俺は微笑んだ。

「酷いことしてごめんなさい。素直じゃなくて…ごめんなさい。」
「俺も悪かった。これで…仲直りでいいか?」
「そうだな…後は…今日はわらわと一緒に寝てくれ。」
「了解だ。お姫様。」
 俺はマオの髪を優しく撫でて腕枕をしてあげて眠った。
142魔法技師のおしおき:2007/06/20(水) 10:05:11 ID:eEzj+cfW

 翌日、朝食にはシルビアも来ていた。魔法施設事件にようやく蹴りがついたらしい。
 だいぶ自分に有利に進めたらしく来たとき、彼女は随分機嫌がよかった。だが今は…

「ふんふんふん〜♪おい、カイ!口をあけろ。わらわが食べさせてやろう♪」
 俺の膝の上にはシルビアから送られた青を基調としたゴスロリ服を完璧に着こなした魔王様が
ここは自分の玉座だといわんがばかりに鎮座していた。そして、ベル向けられる殺意の視線。
シルビアからは説明を求める怪訝そうな視線。

「さて、カイ……これはどういうことですの?」
 そういったのは金髪縦ロールの侯爵、シルビアだ。彼女はまるで犯罪者を見るような
目つきで俺と魔王の微笑ましい食事風景を眺めている。

「……………」(お兄様?)
 無表情でこちらを睨みつけているのは赤髪に、豹を思わせるようなしなやかな肢体を
持った少女。妹のベルだ。背後に本当に豹が見える。

「これはだな。話し合いの結果、下僕じゃなくて友達になることにきまってだな…。」
「うむ、カイがわらわを思いっきり可愛がってくれたのじゃ。上手かったぞ。
 何度もイカされてしまった。」
 空気が凍った。
 と、おじさんは後日語った。

「……………」(お兄様…覚悟はよろしいですか…)
「カイ……貴方……こんな年端のいかない美少女を……ずるいわよ!」
「勘弁してくれベル…。シルビア…お前それはどうなんだ。」
「そうカイを責めるな…こやつはいい男だ。仕方がない。はじめは下僕にしようと思ったが
 気が変った。カイをわらわの伴侶としようじゃないか。ほら、むちゅー」
 そういって、ご機嫌な笑顔のマオは膝の上で体の向きを変え俺にキスをした。
 俺の寿命は………間近に迫っていた。

143名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 10:10:13 ID:zUDsdmTk
gj
144名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 10:12:14 ID:eEzj+cfW
投下終了です。
145名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 10:26:04 ID:VgjCoKDp
グッド・・・
146名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 10:40:16 ID:2SInayWm
GJ
あんたラノベ書けるよ
147名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 18:48:08 ID:EINy5Q6a
もうグッドエンドなのかバッドエンドなのかw
ってかマオのキャラがおいしすぎるって…

こんなに読んでてハマる作家は久しぶりだぜ
148名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 21:04:02 ID:y1OVFeOi
マオたんがかわいすぎる件
149名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 00:24:01 ID:ur5PGE21
マオと言われるとクレアァァァァァァァを思い出すが
何、気にすることはない
150名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 18:24:50 ID:PFQfpj7w
魔法技師、第五弾投下します。
今回は前後編です。

そろそろスレが落ちそうですね。
それまで頑張ろう…。
151魔法技師の賢者様入門:2007/06/21(木) 18:26:28 ID:PFQfpj7w


「おっちゃんっ!この秘薬500にしてくんないか?」
「困るよ〜カイ。あんたはいつも気前よく買ってくれるがそいつは1000するんだ。」
「じゃ、こっちの魔石も買うからさ〜。まけてくれよ〜。」
「わかったわかったよ!だが、その魔石とあわせて1100だ。これ以上まからん!!」
「しゃあねえな。じゃそれで。」
 前回の魔法アイテム作成で道具を作るのに必要な秘薬を使い切った俺は、ベルがシルビア
の護衛として出かけ、マオはその魔王としての習性(?)からか宿屋周りのスラムの悪党どもを
手下にするのに忙しいらしく、俺は一人で買出しに来ていた。値切りも成功しほくほくだったのだが…
そんなときだ。

「ち、近づかないで下さいぃ〜〜」
 声がした方向を向くと、路地裏でくすんだ帽子をかぶった金髪の汚れた華奢な少年が
三人のごつい男に絡まれていた。
 まあ、男なら自力で何とかしろと俺は通り過ぎようとしたが、

「そ、そこの格好いいお兄さん、お願いですから助けてください!!」
「格好いいっ!!!………しょうがないなあ。」
 なかなか見る目のある少年を俺は助けることにした。正直な奴だ。

「おい、やめとけ。この辺の奴なら俺を知らないわけないだろう。」
「「「ぐる…ウウウウウウウウウウウ…」」」
 自慢じゃないが俺はこの辺りでは顔が利く…が、どうも変だ。この男たちは…

「ヤクか?」
 理性が残っていないらしい。操られてるのか…当身をあてても気絶せず、逆に暴れられて
俺は壁に叩きつけられた。

「ごふっ……こいつらなんだ…」
「お兄さんっ!!!」
「心配すんな。格好いい俺様がこんな三下に負けるわけないだろうが。」
 にやりと笑って詠唱を始める…眠りの魔法だ。三人には微弱ながら魔力の波動を感じた。
 時間さえあればそれもぬけて元に戻るだろう。俺は三人を順番に眠らせると助けた
少年に向き直った。彼は憧れの視線で俺を見つめて礼儀正しく頭を下げた。俺は軽く
もう大丈夫だと頭をぽんぽんと叩く。
152魔法技師の賢者様入門:2007/06/21(木) 18:27:15 ID:PFQfpj7w

「おい、坊主。あんなとこに行くと危ないぞ。」
「助けていただき有難うございます。急に襲われて…。」
「なんか変だったな。こいつら。」
「僕が声をかけたら急に………お兄さんはなんともなりませんね。」
 不思議そうに言う少年。

「俺は特別だからな。格好いい男はあんなふうには理性を失わないんだ。」
 脳裏にシルビアが嘘付けっ!!と叫ぶ映像が浮かんだが無視する。

「まあなんだ、なんでこんなとこに。ここはスラムだぞ。お前さんいいとこの出だろ?」
 少年は汚い身なりながらも丁寧な礼儀と仕草を持っていた。この辺に住むものとは明らかに違う。

「その迷い込んでしまって……フォン・シュタインベルグ伯爵……という方を探しているんです。」
「シュタインベルグ……シルビアか。いいぞ、会わせてやる。」
「え、伯爵をご存知なんですか!?」
 少年は驚きと尊敬の視線を向けて叫んだ。俺がもし嘘言ってても信じそうだなこの子。

「この強さ……僕の魔力が効かない……そして、魔法の上手さ……貴族との人脈……まさか賢者様っ!!!」
「賢者?なんじゃそら。シュタインベルグは侯爵だ。まあ、親戚かなんかだろ。
ほらこい…夜あいつは遊びに来るからその前に風呂はいっとけ。」
 俺は少年の帽子の上から頭をぐりぐりやると、荷物を持って宿への道を再び歩き出した。

「け、賢者様!なんですかこれは!?」
 どうにも厄介な奴を拾ったようだ。おやっさんに風呂を借り、入るようにいったのだが
どこまでも世間知らずなのか、少年はシャワーの存在すら知らないらしい。仕方ないので俺が
風呂に入れることにした。なんか構ってやりたくなる少年だ。
153魔法技師の賢者様入門:2007/06/21(木) 18:28:10 ID:PFQfpj7w

「しょうがねえな。今日は一緒に入ってやる。」
「え、でも…賢者様…」
「ほら、さっさとしろ。使い方も教えてやる。」
「わ、わかりました。先入っていてください!すぐ行きますっ!」
 シャワーを少し浴び、湯船に使っていると少年が入ってきた。

「お前…なんで胸までバスタオルで覆ってるんだ?」
「えっ…だって…。」
「まあいい、そこ座れ。シャワーは蛇口を開けば水が出るようになってる。」
「へー便利ですねー。」
 俺は小さい椅子に少年を座らせると髪用の洗剤を頭につけて洗ってやった。
 彼はくすぐったそうに身を少し竦める。

「帽子かぶってたから判らなかったが…お前、髪長いな。それに……綺麗な色だな。」
「そ、そうですか?」
 髪の毛をわしゃわしゃと後ろから洗ってやり、洗い残しのないように丁寧に仕上げていく。
 くすんだ色は完全に落ち、残ったのは一本一本まるで一流の職人によって作られたかのように
美しく、光り輝く金色の髪だった。男にしとくの勿体無いな…。

「じゃ、次は体だな。そのタオル取れ。」
「ええええっ!賢者様!僕一人で洗えますよっ!!!」
 俺は少し笑って恥ずかしがってる少年に言った。

「うちは、女ばっかだからなあ。たまには弟みたいな奴に構ってやりたかったんだ。」
「で、でも…」
「いいから取れっ!男同士で恥ずかしがることないだろっ!!」
 ばっ!と少年のタオルを強引に取り上げた。女のような真っ白な肌に…………
少し膨らんだ胸…………下は…………ついてないっ!!!!」

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
 少年…もとい、少女は全身を真っ赤に染めて俯いていた。
154魔法技師の賢者様入門:2007/06/21(木) 18:29:00 ID:PFQfpj7w

 風呂から上がった彼女にサイズ的にあいそうなマオの白を貴重としたゴスロリ服を着せると、
そこには美しい流れるような金色の髪、澄み切った湖のような水色の瞳、庇護欲を誘う
弱気そうな態度……どこからどうみてもお姫様な少女がいた。

「事情を聞きたいな。俺はカイ。カイ・リスターだ。」
「えっと…僕は…その…まだ名前がないんです…。」
 なんかこんな話前にもしたような…。俺は脳裏に浮かぶ勝気な黒髪美少女を浮かべていた。

「名前がない?」
「えっと…笑わないでくださいね……僕……勇者なんです。」
 俺はこめかみを押さえた。最近、超常現象に好かれているんだろうか…。嘘を言っている
ようにも思えないし、タイミングがよすぎる。しかし、なんでお姫様っぽい目の前の少女は
一人称が僕なんだ…。ギャップが…。

「じゃあ、君の事はユウって呼ぶことにする。いいかな?」
「はいっ!賢者様!!」
 マオのときと同じように、名前を付けてあげると彼女は清らかに微笑んだ…何故だろう…
俺にはこの子の笑顔がまぶしすぎるぜ。

「で、賢者様ってなんだ?」
「あ、はい、順を追って説明しますね。」
 説明の内容は大まかにこんな感じだった。勇者は魔王が生まれると発生し、十年間
勇者として戦い、魔王を倒すか死ぬか任期を終えると人間となる。記憶は次の勇者へと
受け継がれていく。今回は何故か五百年経っていないにも拘らず復活してしまった。

「しかし、さすが賢者様。僕の説明を聞いても全然動じないなんて。」
 美しい金髪の少女はまるで少年のような口調で尊敬のまなざしを俺に向ける。
155魔法技師の賢者様入門:2007/06/21(木) 18:29:54 ID:PFQfpj7w

「で、それで?」
「えっとですね…歴代の勇者は魔王を倒すと時の権力者に酷い目にあわされてきたんですよ。」
「そりゃそうだろうな。」
 わからなくもない。権力者にとっては自分を脅かすものは全て敵だ。魔王を倒し、人望と
名声を極めた勇者など邪魔なだけだろう。

「で、僕の先代の勇者は一緒に戦った賢者様と恋仲だったので隣国……今のこの国に逃げたんです。
 魔王に一族を殺されていた老シュタインベルグ伯爵は彼らを喜んで迎え入れて養子にし
ました。ここで勇者としての記憶は無くなってますが…。賢者様がいなければ、
 また、不幸は繰り返されていたに違いないんです!!」
 要するにあれか…シルビアは勇者と賢者の子孫ってことか。あの剣術の天才、ベルと
並ぶ剣の腕前と俺に少し劣る程度の魔力、剃刀のように切れる頭は……。

「そこまでは、理解した。で、なんで俺が賢者なんだ?」
「それは…。魔法力といい僕を助けてくれた格好いいところといい優しいところといい
…そのあの…素敵だったから……ごめんなさい……勝手なこといって…ご迷惑ですよね。」
 白いゴスロリ服を着こなした金色のお姫様は紅くなって俯いて搾り出すように呟いた。
 俺は素直には喜べなかった……マオが中途で復活し、十代前半の容姿だったように
この少女も同じくらいだったから……ようは、年齢射程圏外だった。泣くぞ。
 だけど、俺はおくびにも出さずに少し微笑んでこの可愛い少女の頭を撫でた。
156魔法技師の賢者様入門:2007/06/21(木) 18:31:01 ID:PFQfpj7w
「ふむ……そういうことでしたの。」
 早めに晩御飯を食べにこちらに来ていた金髪縦ロール貴族、シルビアは金髪美少女…
ユウから聞いた説明を俺から聞き、そう独白した。
 ユウは水色の綺麗な瞳に困惑の色を浮かべながら、シルビアの膝の上で彼女に抱きしめ
られている。

「しかし、マオといいユウといい………なんで、こんなに可愛いのっ!!」
「にゃぁ〜〜胸触らないで!いや、僕を放してくださいぃぃぃぃ!」
「ふふ、大丈夫ですわ。痛くしないから♪」
「ぼ、僕は賢者様のものなんです〜〜〜」
「カイのセンスはいいわね。やっぱこの子には白が似合うわ。」
「話し聞いてくださいよぉ…」
 もはや、ユウは半泣きだった。ほんの少しシルビアにも似た彼女は抱きしめられていると、
年の離れた仲の良い姉妹にも見える。だが、微笑ましい光景は長くは続かなかった。

「カイっ!!!今帰ったぞっ!!!」
 勢いよく宿の扉が開き、美しい黒髪に生気に溢れた勝気な黒い瞳の12.3歳の少女が
飛び込んできた。マオは中に入るとまっすぐ俺に向かってきて首に手を回して抱きついた。
 俺はそんな彼女の頭をやさしく撫でた。

「ただいま。わらわは寂しかったぞ〜。ほら、ただいまのキスだっ!!」
 軽く触れ合うようなキスをかわし、マオは俺の隣の席に座った。シルビアの膝の上に
いた勇者の美少女は拘束から抜け出して、驚いたようにマオを見た。

「なっ!!!!貴女は魔王っ!!!!」
「むっ、その汚らわしい雰囲気は……貴様!勇者かっ!!!!」
 犬猿の仲より仲が悪そうな二人の出会いに苦笑しつつ、なんとか取り持つために俺は
動き出した。今日も長い一日になりそうだった。

157名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 18:31:56 ID:PFQfpj7w
投下終了です。後半もなるべく早めに。
158名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 20:10:48 ID:1q1h64ie
またロリキター!毎度乙です!
159名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 21:13:49 ID:288rhihi
GJだからスレ落ちるとか言わないでw
160名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 21:17:47 ID:UbjGyXKA
カイ入れ食い杉ww。
ともあれ期待!
161名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 23:03:22 ID:ur5PGE21
狂戦士、ツンツン、わらわ、僕っ子
これほどドツボな作品はなかった
褒めて遣わすぞ!カイ殿
162名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 23:23:12 ID:MjywH0B9
妹も含めて、ろりぃ3連星の結成だな。
163名無しさん@ピンキー:2007/06/22(金) 17:41:28 ID:7cOfSVC2
>>157
お前になら、墓まで持ってく予定だった俺のアナル処女を捧げても後悔しない
164名無しさん@ピンキー:2007/06/22(金) 21:43:24 ID:e0aSR8Vo
魔法技師、後編投下します。

たまに絵が描けたらいいのに…
とか思ってます。

今回は空気な妹ですが次書く機会があれば
主役にしたいです。ちなみに妹18歳。
165名無しさん@ピンキー:2007/06/22(金) 21:45:01 ID:e0aSR8Vo


 シルビアは公爵主催のパーティに参加するため、再びベルを護衛として伴って出かけて
いった。止めてからいって欲しかったのは秘密だ。

 宿のほかの客に被害を出すわけにもいかないので、少し前に全力でマオと戦うために
思いっきり強化した彼女の部屋に移動し、俺を挟んで黒いゴスロリ服の美少女と白いゴスロリ服の
美少女はにらみ合っていた。

「勇者…貴様は毎度毎度わらわの邪魔をしよって…」
「魔王の野望はぼ、僕が止めるんだからねっ!」
「お前ら仲良く出来ないのか?」
 全くかみ合っていない二人の会話に苦笑しつつ、俺は司会進行をすることにし、

「まずだ、ユウ。お前の目的はなんだ?」
「世界制服を目論む魔王を倒して世界を平和にすることです!」
「じゃあ、マオお前の目的は?」
 マオは珍しく少し考えていたが、やがて自信満々に胸を張り高らかに宣言した。

「ふふん、世界制服など下らぬことはせぬ。カイを伴侶にして我が友たちと面白おかしく
 過ごすのがわらわの崇高な目的じゃ。」
 可愛いことをいうマオの頭を撫でると、猫のように目を細め気持ちよさそうな表情になる。
 そんなマオをユウはむーっと少し膨れてみていた。そして、

「だめです。賢者様はこれから僕と一緒にいるんですからっ。」
「ふん、今日会ったばかりの貴様に何がわかる。わらわとカイはお互い知らぬところは無い
 男と女の仲じゃ。お子様な貴様の入る隙間などどこにもないわ。」
「お子様は貴女もでしょっ。ぼ、僕だって……それくらいできますっえいっ!」
 油断した。気がついたら綺麗な水色の瞳が目の前にあり、柔らかい唇の感触が
数瞬遅れて頭に認識された。金髪の美少女は真っ赤になりながらマオを勝ち誇ったように
見つめている。

「勇者〜〜貴様〜〜〜!」
 まずい、マオの魔力が…暴走する…。

<汝ら術使うあたわず!!>

「カイ…止めてくれるな。」
「だめだ。それよりマオ…彼女は俺を賢者だといっている。が、俺はそんな柄じゃない。
 お前から見た賢者はどんな奴なんだ。本当に俺に似てるのか?」
 マオは先代の記憶を思い出し、憎憎しげに言葉を吐き出した。
166魔法技師の賢者様入門:2007/06/22(金) 21:46:48 ID:e0aSR8Vo


「前回は奴一人に負けた。わらわは人間の統治や戦略戦術を研究し、順調にことを
 進めていたんだ。勇者の特殊能力の<カリスマ>も上手く使いこなせなければ、烏合の衆
 だからな。あの賢者はそれを最大限に利用し、効果的に扱い、戦力で勝るわらわの軍を
 打ち破っていった。時には謀略で仲の悪い将を自滅させられ…そして、最後の戦いでは
 わらわと戦う前に、兵力の半数をわらわに『殺させるため』に戦わせた。あやつは、
 それでも顔色一つ変えず…魔物よりよっぽどたちの悪い人でなしであったわ。」
 俺はマオのほうを向いていたせいで反応できなかった…。ユウが人間業とは思えない
強さの攻撃をマオに加えていた。不意を撃たれたマオは対応できずに気を失い、ユウは
彼女に止めを刺そうとして……そこでなんとか割り込めた。
 ユウは水色の瞳に冷然たる殺意を込め見下ろしている。

「賢者様…そこをお退きください。」
「断る。マオを殺すつもりなら…俺は全力で君に敵対する。」
「何故です。彼女は魔王ですよ?」
「友達だからだ。俺は友人を守るためなら国だろうが世界だろうが戦うんだ。」
 彼女は少しだけ表情を緩めて微笑んだ。

「やはり似てますね…。先代を助けるために自分を傷つけていったあの方に。中途半端な
 復活で上手く制御の出来ないカリスマが効かなかったとき、もしやと思ったのですが…
 だけど、僕はやらないと。それが僕の使命だから…僕はそれしか存在意義がないから。」
 目の前の美しい少女は悲しそうに笑い、殺気を噴出した。俺は懐に入れている魔法の
薬の瓶に手を当てる。

「意義なんて作ればいいんだ。大体、お前のはマオへの八つ当たりだろう。羨ましいんだろう?
 一人は寂しいんだろう。俺が一緒にいてやるから馬鹿なことはするな。」
「…賢者様ありがとう…でも、僕…ごめんなさい。」
「ちっ、聞き分けの無い子供にはお仕置きだ!」
 俺は美しい金色の髪の少女を強引に抱き寄せて無理矢理唇を合わせ、舌を中に入れた。
 暫くは驚いて抵抗していたが腕の中でユウの力がゆっくりと抜けていく。

「やめる気になったか?やめないならもっと酷いことするぞ?」
「や、やめません…。」
「意地っ張りめ!」
 俺は魔法の薬の入った瓶の蓋をあけて口に含み、もう一度唇を奪った。俺の舌を通じて
薬品が雪のように白いユウの喉を通り過ぎていく。

「んむ〜〜む〜〜〜っ!……ごほっ……ぼ、僕に何をっ!」
「これで最後だ。馬鹿な八つ当たりはやめるんだ。」
「僕は…やめないっ。やめたら何にもなくなっちゃう…賢者様も魔王に取られちゃう…
 目的も何もなくなる…僕は…いやだ!絶対いや!!」
 俺は黙って強く抱きしめると暴れて叫ぶその唇を三度塞ぎ、そのままベッドにその華奢な身体を
押し倒した。金色の美しい長い髪がベッドに広がり水色の瞳が困惑に揺れる。
167魔法技師の賢者様入門:2007/06/22(金) 21:48:53 ID:e0aSR8Vo


「け、賢者様……何を……。」
「これからユウを俺のモノにする。」
「え、え……?」
 俺は可能な限り冷たい声を意識して、耳元で囁く。


「ユウを犯す。」


 俺の囁きを聞いて、ユウの身体が緊張で強張った。水色の瞳が困惑から怯えの色に変る。
 記憶が受け継がれる以上、そういう記憶もあるのだろうが無理矢理されたことはないのだろう。
 それに今の身体では初めてのはずだ。

「俺はユウの賢者じゃない。君が殺そうとする限り今はマオの味方だ。」
 話しながらも俺は彼女の腕や脚に弱体化のルーンを施していく。

「どんな犠牲を払っても誰が傷ついても俺はマオを守る。君だって例外じゃない…
 貴族だろうが勇者だろうが…。」
「そ、そんな…。」
 彼女は信じられないようなものを見るような顔で、少し涙を流しながら呻いた。
 俺はそんな彼女の涙を指で拭いて少し優しめの口調で、

「だけど、ユウがマオを許してあげられるなら俺はユウも同じように全力で守ってやる。
 一緒にいてやる。まだ、あいつは何も悪いことをしていないし…許してやれないか?」
 ユウは暫く黙って考え込んでいたが、やがて口を開いた。

「うん…。僕…マオが悪いことするまでは…我慢する…。」
「よし、いい子だ。えらいぞ。」
 安堵の息を俺は漏らした。マオを守るためとはいえ、正直あまり手荒なことを幼い
少女にしたくは無かった。そんな俺を、水色の瞳がじっと見つめている。

「約束だ。俺が絶対に守ってやる。」
「ね……カイは賢者様じゃないんだね。」
「そんな堅そうな人間に見えるか?」
「違うけど…少し似てる。ね…カイは否定してたら…本当にしてた?」
 彼女は真剣な表情で、俺の目を心中を全て覗こうかというように見ている。俺は
正直に頷いた。

「ああ。さっき飲ませたのはそのための秘薬だ。刺激を与えれば、身体が火照って
 どうしようもなくなる。最悪、俺の言うことを絶対拒めないように奴隷にするつもりだった。
 それも今から解呪してやる。少しま…」
 最後まで言い終えることなく、俺の首に手を回したユウによって口を塞がれた。さらさら
した綺麗に光る前髪が俺の顔にかかる。少し離した彼女の顔は…笑顔だった。
168魔法技師の賢者様入門:2007/06/22(金) 21:50:36 ID:e0aSR8Vo


「僕…マオが羨ましい。僕……魔王かどうか置いておいてもあの子には負けたくない。
 初めてで…いつもより身体が小さくて…怖いけど…。僕はちょっと怖くて…でも、真剣に守って
 くれるお兄さんをマオより大事にしたい。主人と奴隷でも…繋がる絆が欲しい。」
「そんなことしなくても、俺はお前を守るよ。身体は大事にしろ。」
「違う!僕は……僕はお兄さんが好きに…なっちゃったから…だから…僕をお兄さんの…
お兄さんのものにして欲しいの。」
 ユウはその整った美しい顔で眼を潤ませて必死に訴えていた。縋るように…。
 俺は拒まずに優しく彼女を抱き寄せ軽く唇をかわす。最近どうも流されやすく
なった気がする…。なんだか嬉しそうな小さな少女に微妙な罪悪感を覚えながら、脱がしにくい
服をゆっくりと脱がした。


 金色の川の上に浮かんでいる無垢な少女の肌は、白く一つのシミも無い。胸が少女らしい
なだらかな曲線を描いており、この年代特有の愛らしさに満ちている。
 誰にも触れられることのなかったその身体は、これから起こることの興奮で微かにピンク色に
染まっており、俺は左手でユウの頭の下に手を入れると少しあげて、薔薇色の唇にキスをした。
 先ほどとは異なる、奪うのではなく快感を与えるキス───貪るのではなく慣れていない
ユウをリードしていく。口の中を確かめるように舌で探索していった。

「ん…ぴちゃ……あっ…んんっ!!」
「ユウ…キスでイったな。薬が効いたか。」
「はぁ……はぁ……僕、頭が真っ白になっちゃった…お兄さんのキス凄い…。」
「契約のキスだ。これからユウは俺だけのものだ。」
「うん…僕はカイ様のもの…」
 陶然とした表情で目の前の美少女は呟き、微笑む。俺は彼女の幼い肢体をゆっくりと
唇で味わいながら、彼女を覆っている下着を剥ぎ取った。唇がふれるたびに彼女は
身体を細かく震わせながらも感じているのが恥ずかしいのか、顔を手で覆っている。
 身体は快楽をちゃんと感じることが出来ているらしく、幼い胸にちょこんと乗った
乳首が自己主張するように立っていた。

「いや……僕…恥ずかしい……」
「……やめようか?」
「え…?」
「無理矢理って俺の主義じゃないんだ。続けるならちゃんと言ってもらわないと。」
 あえて判ってて俺はいじわるそうに笑った。ユウは泣きそうになりながらも俺に
必死にしがみつき鈴のなるような綺麗な声で、

「お、お願いします。もっと…僕を…きちんとカイ様のものにしてください…。」
 い、いかん…頭がくらっときた。
 全力で襲い掛かってしまいそうなのをかろうじで堪え、胸を口で乳首を転がすように
愛撫しながら、少しだけ金色に茂った場所を越えたところにある秘所に触れる。

「っ〜感じ…すぎ……っ!」
 白い身体がそれだけで電気が走ったように撥ねた。それを気にせずに軽い愛撫を続け、
誰にも汚されていない身体を宣言どおり自分のものとするため、印を付けていく。
 ユウの身体は時々痙攣し、息も荒く体温が上がって汗が珠になってその滑らかな
肌を滑っていった。
169魔法技師の賢者様入門:2007/06/22(金) 21:51:37 ID:e0aSR8Vo


「ユウ、判るか?お前に印を付けていってるのが。」
「うん……それに……自分の身体じゃないみたいにふわふわして…。」
「何回イったかわかんないな。ご主人様を差し置いて…ユウはエッチだな。」
 からかうように言うとユウは不安そうに顔を俯け、涙目になる。

「ご、ごめんなさい…僕…カイ様はエッチな子は嫌い…?」
「俺のためにエッチになる子は好きだ。」
 耳元で囁き、そのまま耳を軽く噛んだ。そして蕩けるようなユウの唇に軽く口をつけ、
俺は囁いた。

「ユウ……そろそろ……いや…ユウ、おねだりしてみろ。」
「え、うう…僕…恥ずかしいよ…。」
「お前は俺のモノだ。俺のために…言ってくれ。」
「はい…う…えっと……カイ様のを…僕に…その…入れてください…〜〜〜っ!!」
「可愛いぞ…ユウ。本当に…。」
 真っ赤になって顔を手で覆うユウの大事な場所に、俺は自分のものをあてがった。
 付けただけでぬるっとした感触がし、身体がぴくっと反応する。綺麗な割れ目のそこを
俺はユウの脚を大きく広げて開き、入り口に比して大きい俺のモノをゆっくりと入れる。
 濡れてはいたが明らかに狭いそこを俺は強引に押し進み、やがてあたった薄い粘膜
の前で一度止めた。

「カイ様、僕…僕っ…この格好…こんな格好カイ様に見せるの…恥ずかしい!」
「ユウ…。もっとお前の恥ずかしいところ見せてくれ。…今からお前を俺のモノにする。
 後悔しないな?」
「はい…カイ様…僕の初めて…貰ってください。」
 その言葉を聴くと、俺は一度軽く柔らかい金色の髪を撫で膜を破ってモノを奥まで
押し込んだ。同時に、大きく身体が震え膣が収縮する。

「〜〜〜いいっ〜〜〜っ!!!」
「入ったぞ痛くないか?」
「い、痛かったけど…それより僕気持ちよくて…嬉しくて…カイ様のものになったんだって。」
「ああ、これからもっと俺に染めるから…覚悟しろよ。」
「はいっ!」
 白いシーツに処女の証の血がついていた…だが、それほど痛みを感じていないようで
労わりながらゆっくりと出し入れしていると、徐々に甘い声が混じってきていた。

「カイ様…もっと……」
「もっと…なんだ?」
「あの………もっと激しく……突いてもらって……」
「わかった。」
 恥ずかしがりながら、欲情に水色の瞳を燃えさせた眼を向けられ狭いそこを手加減無く
蹂躙した。激しい動きに汗が飛び散る。

「あああっいい!気持ちいいですっ…僕…僕…っこんなの…!」
「可愛いぞユウ。もっと感じろ!恥ずかしがるな!」
「うああカイ様!カイ様……気持ちいい僕、もう、僕…だめっいくぅぅぅぅぅぅ!!」
 がくがくと金色の美少女の腰が痙攣し、俺のモノを締め上げる…だが、俺はまだ
イっておらず、余裕があった。俺は入れたままユウの体をうつ向けにする。
170魔法技師の賢者様入門:2007/06/22(金) 21:52:36 ID:e0aSR8Vo


「ユウ……俺はまだイってない。まだいけるな?」
「はい…ご主人様……僕で……気持ちよくなってくださっひぐっ!」
 答えを待つまでもなく、後ろから犬のように俺は突いた。少女に対する労わりはもうなく、
ひたすら獣のように未発達の少女を味わう。そして、片手でわずかに膨らんだ胸を愛撫し、
もう片方の手の指をかわいいお尻の穴に入れた。

「ひやっ!!そ、そこはっ!!いや!!」
「いったろ。俺のモノにするって…。お尻でも感じてるな、ユウ。」
「そ、それはカイ様がっ…あん…僕を……っ激しく突くから…ひっ!」
「ほら…いくぞ…。」
「僕も…僕もまた……また来るっ!!いや…怖い…おかしくなる…!」
「おかしくなれ。心配するな。」
「うあっ!気持ちいい…いいよ…っ…ひやっ!僕、もうだめっ…うあ…お尻も…
 お尻も気持ちいいっ!!……ああ〜〜〜〜っ僕もう…あういくっ!!!!!」
「くっ!」
 俺が後ろから最後に一突きし、体内に注ぎ込むのと同時にユウは大きく身体を
振るわせた。ユウを正面に向くように向けなおし、二人荒く息をつく。

「カイ……わらわを放っておいて勇者と戯れか?」
 一度目の射精を終えたとき、声をかけてきたのは隣に寝かせておいたマオだった。
 俺は彼女の首に軽く手を回し、

「必要なことだったんだ。ユウはもうお前を狙わない。お前と仲良くすると約束した。」
「む…じゃが…わらわとて、目の前で浮気をされると…嫌じゃ。」
 マオは不機嫌そうに頬を膨らませ、顔を紅くしてそっぽをむいた。俺はそんな彼女に
軽くキスをし、自分の胸に引っ張り込んだ。
171魔法技師の賢者様入門:2007/06/22(金) 21:55:07 ID:e0aSR8Vo


「マオも…ユウと仲直りしろ。俺はもう少しユウを可愛がるから…、マオも彼女が気持ちよく
 なるように、手伝ってやってくれ。お前は俺より上手いからな。」
 マオは汗を流し薄い胸を上下させ、荒い息をまだ吐いて幸せそうに呆けているユウを見て、にやりと笑い、

「確かに……にっくき敵じゃが今の姿を見てると……可愛がってやってもいいな。」
「マオはいい子だ。お前もたっぷり可愛がってやるからな。」
 彼女が嬉しそうに笑うのを確認し、俺はユウに正常位でもう一度入れた。俺が
彼女の足を掴んで豆を弄りながら突き、マオはその邪魔にならないようユウの胸を
愛撫し始めた。マオの小さな可愛い舌は俺がそうしたように、身体の気持ちのいい場所を
嘗め回し、ユウはあまりの快楽で痙攣し暴れまわった。

「ふふ…勇者よ……ぬしも可愛いところがあるな…。わらわがたっぷりと可愛がってやろう。
 光栄に思えよ。」
「えっいやあっ!!何これっ!!うあああああっいやっイクっ止まらないっ!マオやめて!」
「いい声じゃ。愛しいな…。こんな可愛い奴殺すのはわらわには出来ぬな。」
「仲直りできたな…。」
 マオの口はユウの唇にもつけられた。黒い美少女と白い美少女の舌が絡み合い、
漆黒と金色が混ざり合って幻想的で扇情的な光景を作り出す。清楚な金色の美少女は
舌が絡み合っている間も連続で痙攣を起こし、快楽に溺れていた。

「ふああっ!いくっ!……あう…僕……とまらないっ!」
「よし…そろそろ行くぞ!」
「ああっ!……くっ…〜〜〜〜〜〜〜〜あああああああああああっ!!!!」
 最後に絡み合うような抵抗を受けながら奥まで突いて射精し、ユウも繋がってる
場所から潮を吹いて盛大に絶頂に上り詰めた。

「はぁ…はぁ……これで僕は…カイ様のもの…ですね。」
「ああ。ユウは俺のモノだ。マオ……奉仕だけじゃ不満だろう。お前が満足するまで
 たっぷり可愛がってあげるからな。」
「うん。こいつよりわらわを愛してくれよ。カイ…大好き。」
「俺も大好きだよ。マオ。」
「じゃあ、次はご主人様…僕がマオを手伝いますね。」
 俺がマオに深く口付けし、愛撫を始めるとユウはマオの下半身の愛撫を始めた。
マオとユウの仲直りは二人が快楽で失神するまで続けられた。
172魔法技師の賢者様入門:2007/06/22(金) 21:55:59 ID:e0aSR8Vo


 翌朝、俺は昼にようやく目を覚ましシャワーを浴びて食堂に下りると俺のいつもの
席の右にマオが、左にユウが座っていた。ベルは先日、切り札を使用したらしくまだ
眠っているらしい。護衛については考えないとな…。

「カイ、遅いぞっ!」
「カイ様、おはようございます…もう昼ですが…。」
 赤いゴスロリ服を着た黒い美少女…マオは怒ってるような声で、青いゴスロリ服を着た
金色の美少女…ユウは丁寧にお姫様のように頭を下げ…二人とも笑顔で俺のほうを向いた。

「おはよう…マオ、ユウ。ユウの魔法制御用アイテムを作ってたら遅くなっちまってな。」
「僕のために…ありがとうございます。ご主人様。」
 その声に反応したのは、ベルを送ってきた金髪縦ロールの侯爵、シルビアだった。
 怪訝そうな表情で俺に向き、

「カイ…二人が仲良くなったようでいいことだけど…ご主人様ってなんですの?」
「いやその……なんだ。俺がユウと仲良くなってマオと仲直りしてもらったんだ。」
 俺の必死の弁解をぶち壊しにするかのように金色の美少女が透き通るような笑顔で言った。

「僕…カイ様の奴隷にしてもらったんです!!」
「うむ、わらわとユウとカイで非常に楽しいときを過ごした。あれほど気持ちがよかったのは
 わらわの記憶にも殆ど存在しない。イった回数も両手までは数えたのだが。」

食堂の空気が凍った。
と、おじさんは後に語った。

 シルビアは青筋を立てながら猛烈に怒っていた。俺が見る限り、メイド服でからかった
とき並みの怒りっぷりだ…やばい…っ!!

「カイ……貴方……こんな年端も行かない少女を!し、しかも…三人でなんてっ!」
「お、落ち着け落ち着け…な?」
「何で私を呼ばないのよ…あんたばっかり美少女独占してずるいわ。ずるいずるい!!!」
「そんな理由かよっ!」
 俺は呆れてため息をつき、ほぼ徹夜で作成した魔法封じの指輪をユウに手渡した。

「ユウ。これをつけていればお前の特殊能力の暴走は抑えられる。マオもそうだが、お前ら
 才能がありすぎて通常の制御が甘いみたいだから学んでもらおうと思うが…いいか?」
 そんな俺の珍しい真面目な意見は誰も聞いていなかった。ユウの眼がきらきら輝き、
マオが恨みがましく俺を見つめ、シルビアはそれを面白そうに眺めている。
 魔法封じの指輪をユウは……左手の薬指に嵌めた。

「ありがとうございます。カイ様。僕これ…大事にするね?」
「こらユウっ!ずるいぞ。カイ、わらわも欲しいっ!!」
 シルビアの馬鹿笑いが宿に響き、金色の髪に水色の瞳を持った美少女は幸せそうに笑った。
 新しい仲間が増え、俺たちの日常生活はさらに賑やかになりそうだ。
173名無しさん@ピンキー:2007/06/22(金) 21:58:33 ID:e0aSR8Vo
今回は手軽な魔法のお薬で…投下終了。
勘違いにはじまり、方向性が狂って迷走してますがぼちぼち頑張ります。
174名無しさん@ピンキー:2007/06/22(金) 22:56:42 ID:T3vvO28H
GJです。

>ちなみに妹18歳。
「このゲームに出てくる女の子はみーんな18歳以上だよ、お兄ちゃん♪」
こうですか、わかりません!
175名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 01:59:34 ID:MWBDHpYz
>>173
ゴスでロリで3Pとか、お前はケンシロウばりに俺のツボを突いてくる奴だな








ちょっとティッシュ探してくるわ
176名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 04:12:19 ID:EK5b+4hL
  ( ;´Д`)もう我慢できん 
 Σ⊂彡_,,..i'"':
     |\`、: i'、
     \\`_',..-i
       \|_,..-┘

  ( *´ω`)ムシャムシャ 
  つi'"':
   `、:_i'
177名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 04:15:31 ID:enseGBFw
食ってどうするw
178名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 20:40:19 ID:s0Ibv19Y
>>176
和んだ。(*´∀`*)
179名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 01:45:07 ID:J9JnVNtr
懐かしいAAでレスもらえる>>176とすばらしい文才をお持ちの>>173に嫉妬
180名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 10:14:14 ID:aZ0hWfNe
魔法技師投下。番外編その1。
宿屋に居つく前、学生だった頃のお話。
没落前…みんな若くて青いです。

今回はスレに合わず、エロも無いけどご容赦を。
次回は普通です。たぶん。
181魔法技師番外 剣を振るうその訳は:2007/06/24(日) 10:16:06 ID:aZ0hWfNe
 沸きあがる歓声────張り詰めた空気────

 ハイランド魔法帝国、国立学園剣術大会決勝戦。
 私───ベル・リスターは戦慄するほどの強敵と剣を交えていた。

 向かい合うだけで、私の紅い髪の毛から汗が落ちるのが判る。それほどの圧力を
目の前の少し年上の女性は持っているのだ。

 両手剣に軽い革鎧を中心とした軽装、長い金髪を無造作に後ろに縛った怜悧な視線を持った美女…
 噂だけは聞いていた。万能の天才───シルビア・フォン・シュタインベルグ侯爵。

「はあっ!!!」
「……………っ!!」
 立会いで判っていたが、打ち合って確信した。
 この人は天才だ…だけど、それだけじゃない。この強さは過酷な修練の果てに得たものだ。

 最終的に、徒手格闘を使うことになるまでの激戦にもつれ込み…私は彼女の勝利への
執念に押し切られて───負けた。

「……………」(貴女いい腕を持っていた。)
 彼女は試合が終わったあと握手を求め、怪我でぼろぼろの身体でいたずらっぽく
笑い手話でそういった。
 私は驚きながらも何とか返した。

「……………」(貴女は私が出会った人の中で最強でした。)
 これが生涯の親友、シルビアとの出会いだった。
182魔法技師番外 剣を振るうその訳は:2007/06/24(日) 10:17:36 ID:aZ0hWfNe


「私は貴女のお兄さんを調べていたの。それで貴女のことも知っていたのだけど…。
 まさか、ここまで強いとは思わなかったわ。」
「……………」(しかし、負けました。技術は五分だと思ったのですが)
 私の兄、カイは優秀な魔道技術科の学生だ。侯爵ともなれば手持ちの研究所なども
持っているはずなので納得し、疑問に思ったことを聞くことにした。

「はっきり言うわね。でも、私もそう思った。実力が五分なら………」
 彼女は暫く考え、こう続けた。

「後は気合の差かもね。私は何より勝利を重んじているの。貴女は大事なものがあるかしら?」
「……………」(あります。…今回負けたのも納得しました。侯爵様、感謝します。)
 彼女は朗らかに笑っていった。

「私のことはシルビアって呼んで。私も貴女をベルって呼ぶわ。」
 私は頷き、この人を信用することにした。
 貴族であり、様々なものに囚われているであろうこの人の笑みは…常に自由であろうとする
兄の笑みに似ていたから。


183魔法技師番外 剣を振るうその訳は:2007/06/24(日) 10:18:43 ID:aZ0hWfNe


「ベル、おかえり。決勝は残念だったな。」
 学園に通うために借りている狭い部屋に戻ると兄は私の好きなプリンを作ってくれて
いたらしく、紅茶と一緒に持ってきてくれた。

 私と兄は本当に血が繋がっているんだろうか───その疑問は常に私にとって大きな
誘惑だった。髪の色が違うのだ…私は赤だがカイは茶色…両親が貴族の身勝手のせいで死んだため
真相は誰にもわからない。
 両親が死んだ後、私たちは貧しいながら支えあって───いや、話すことの出来ない私を
兄が一方的に支えて生きてきた。苦労しているはずなのに兄は全然そんなそぶりを見せず、
魔道技術科において優秀な成績を収めている。
 そんな兄を私は妹ではなく─────女として愛してしまっていた。

「プリンおいしいか?」
「……………(こく)」
 嬉しそうな兄に私は頷いた。兄は器用なので料理も上手い…戦時の料理なら私も出来るのだけど。
 兄は私の表情から好みを全て把握している…らしい。

「……………」(対戦相手がお兄様に興味があるらしい。)
「おおっ!!!ついに俺にも春が〜〜あてっ!」
「……………」(違う、魔法技師として)
 手話でそういうと兄はわざとらしいくらいに大きく落胆し、

「シルビア・フォン・シュタインベルグ侯爵か…美人なのに色気がねーこったなぁ。」
「……………」(悪い人ではなさそうだった。手話できるみたいでびっくりした。)
「ふーん。面白そうだな。だけど、俺は貴族あんま好きじゃないからなぁ。何考えて
 いるのかさっぱりわからん。」
「……………」(そう。)
「俺は独立して、お金に困らない程度に稼いで…ベルがお嫁にいけるように出来ればそれでいい。」
「……………」(好きな人なんていないから、結婚なんて出来ないよ。)
 それは嘘だ…。目の前にいる人を好きになってしまった私は、兄の好意を踏みにじって
いるのかもしれない…そんな罪悪感を感じていた。


184魔法技師番外 剣を振るうその訳は:2007/06/24(日) 10:19:41 ID:aZ0hWfNe


 私はそれからも何度もシルビアと顔をあわせた。兄と同じで籍は大学に置いてあるが、
昔に一度卒業をしているらしい。
 彼女にも色々な打算はあるだろうけど、それでも私はさばさばとした性格の彼女を
気に入り、一緒に行動することが多く親密になっていった。
 だけど、仲がよくなればなるほど彼女は私と距離を取ろうとした。身分違いだから
───そういう理由ではないことは察したが理由はわからないでいた。

「ベル………ごめん、あまり私に近づかないほうがいい…」
 男性のように飾り気のないシンプルな服装に、それでも隠しきれない高貴な雰囲気を
持った彼女は時々、そういって私を突き放した。

 私は悩みながらも兄ならこういうときどうしただろう───そう考えると答えは簡単。
 兄なら自分にどのような不利益があろうとも、友人と思った人とは付き合うだろう…と。
 彼女は話せない私と対等に話してくれた数少ない人だ。理由はそれだけでいい。

 そして、ある日の夕暮れ…
「ベル……勘違いしないで。貴女のような平民が私のような貴族に馴れ馴れしく話しかけないで。」
 彼女は嘘が下手だ───何故そこまでして、泣きそうな顔をして人を拒絶するのだろう。
 シルビアは…誰でも受け入れられる…自然体が似合う性格のはずなのに…。

 ─────殺気!
 彼女が去っていった方角から、それは感じられた。
 私は迷わずシルビアを追いかける。

 そこには、剣を抜いたシルビアと……黒装束の男が二人……対峙していた。

「ベルっ!あんたどうして………」
「……………」(友達を助けるのに理由不要。)
「あんた、馬鹿ね…」
 私は黒装束の一人に剣を抜き、向き合う。力量はこちらが上。ただし、相手の手の内
がわからないので油断は出来ない…。

「見られたからには…お前も死ね。」
「……………」
 相手の手が動き、光る刃が迫る。同時に剣を抜き切りかかってきた。投擲された
ナイフをかわし、相手の斬撃を紙一重で交わして同時に上段から斜めに相手を
容赦なく切り落とした。目の前の黒装束が血と臓物を撒き散らして倒れる。

 一人を片付けた私はもう一人に向き直る。そして見たのは、足をやられながらなんとか
凌いでいるシルビアの姿だった。私を確認するともう一人の男は、シルビアへの攻めの手を止め、
私のほうへ向いた。

「おー嬢ちゃん…やるねえ。あいつを躊躇無く短時間で殺るなんて。侯爵様はてんでなってないぜ。
 殺気もねえし、ま、所詮人を斬った事の無いぼんぼんの剣術だ。」
「……………」(シルビア、私に任せて。)
「無視は酷いだろ。赤髪のお嬢ちゃん。」
 私は目の前の恐らく自分以上の技量を持つであろう強敵に剣を向けた。
185魔法技師番外 剣を振るうその訳は:2007/06/24(日) 10:22:59 ID:aZ0hWfNe


「……………」
「俺の目的は、そこの侯爵様だ。お前さんじゃない。見逃せば命は助けるぜ?」
 自分の持てる最大の速度で接近し、もう一人の黒装束に切りかかる。

「ちっ、仕方が無いか。契約外の仕事だな…」
 それも難なくかわし、反りのある片手剣で相手は切りかかる。
 近い間合いは不利……
 そう判断した私は一度距離を取った。だが、相手はそれを許さず防戦一方になる。
 そして相手は迷いのある私の苦し紛れの上段の斬りを見逃さなかった…。

「まだまだ甘いな、お嬢さん…十年ほど修練が足りん。」
 相手の黒装束は先ほどまで何も手にしていなかったもう片方の手に剣を持ち、私の剣の根元の
部分で交差させて剣を受け、私の持ち手を蹴り上げた。静かな夜の学園の中庭に、
剣の落ちる重い音が響く。
 諦めの気持ちが私に広がっていく…。

「ベルっ!私を置いて早く逃げなさいっ!!」
 それを押しとめたのはシルビアの必死な声だった。かつて、彼女は私に勝ったとき言った。
 大事なものがあれば人は強くなれる…。シルビアは勝利だった。私は?
 黒装束の追撃をかろうじでかわしながら、私は思う。私が強くなろうと思ったのは…
 護るため。大好きで愛している兄を……友人を……護るための力を身につけるため。
 ならば…迷うことはない。私は兄が使うことを禁じた木刀を握った。

「お嬢さん、いい加減諦めて死んでくれないか?時間が無いんだ。」
「……………」(死ぬのは貴方。)
 心で念じ、口を動かす。声はでないけど、ルーンは声を必要とはしない…。

<開放せよ!!>

クス………意識が………飲まれ………堪える………全てではなく……クス………
意識を制御し……クスクス……人を護るだけの……力を……。

「な、なんだこの不気味な声は……くっ死ね!!」
 先ほどまで圧倒的な速さを誇っていた黒装束の剣がスローに見える。相手から焦りを
感じ、余裕が消える。私の攻撃もかわされ、そこにあった木が代わりに真っ二つになった。

「ば、化け物……」
「……クス…クス…フフフ……」
 人を殺すことに抵抗はない。狂っているのかもしれない…だが、大事な人を護るために、
その人にたとえ嫌われようとも…私は躊躇はしない。

 次の私の攻撃は、木刀で目の前の黒装束を受けようとした剣ごと二つに断ち割った。


186魔法技師番外 剣を振るうその訳は:2007/06/24(日) 10:23:40 ID:aZ0hWfNe


「ベル…貴女……」
 私は全身の力を使い果たして倒れていた。兄が使うなといった理由…それは危険だからだ。
 脳は安全な範囲でしか、筋力を使わせない…それを外すこの剣は身体に大きな負担をかけるのだ。
 そして……過ぎた力は回りに恐怖をもたらす。

静かに時が過ぎる…。

「貴女本当に────馬鹿ね。」
 シルビアは魔法で自分の傷を治療しながら、私を思いっきり抱きしめた。強いはずの
彼女は泣いていた…。

「……………」(貴女ほどではありません。シルビア。)
 私は努力して、普段から無表情といわれている顔になんとか笑顔を浮かべた……
浮かべれたと思う。

「私の近くにいればこんなことが日常茶飯事になるわ。だから、離れたほうがいい。」
 ほんとに、この侯爵様はどこまで馬鹿なんだろう…。

「……………」(私は友人は絶対に護ります。そしてそのことで後悔はしません。)
 シルビアが勝利に執着するように────私は人を護るとき、強くなれるのだと思う。
 彼女は──吹っ切ったように微笑んだ。

「判ったわ。改めてよろしく……私の友人、ベル・リスター。しかし、どうやったら貴女みたいに
損な馬鹿になれるのかしらね。」
「……………」(きっと私の兄のせいです。それより立てないので起こしてください。)
「貴女のお兄さんにはますます興味が沸くわね。」
 そういって微笑み、彼女は二度目の握手───私を起こすために私の手を取った。


187魔法技師番外 剣を振るうその訳は:2007/06/24(日) 10:24:34 ID:aZ0hWfNe


 そして、時が流れ────とある宿屋にて。

「ごめんね、ベル。また無理させてしまって…。」
「……………」(気にすること無い。シルビア。)
 私は現在、住処になっている宿の兄の共通の部屋で寝込んでいた。シルビアの護衛…
明らかな敵、公爵主催のパーティの帰りでの刺客との戦闘はまさに死闘だった。他の
護衛の殆どが死に絶え、私は切り札を使ったのだ。お陰で護りきれたが…。

「……………」(貴女も貴女の子供も死なせはしない。)
「ありがとう…。貴女には苦労かけるわね。」
「……………」(苦労じゃない。やりたくてやってるから。)
 シルビアはタオルを濡らして、私の身体を拭いてくれた。傷を癒しながら、丁寧に
拭いていく。傷だらけの私の身体を労わるように。

「ベルの体は綺麗よね…。カイには勿体無いから私にくれない?」
「……………」(それだけはお断り。)
 少し笑えた。彼女は本気で私の身体を綺麗だという…兄もそうだけど…。

「まあ、あいつ浮気してるみたいだから代わりに殴っておいてあげるわ。」
「……………」(お願い。)
「カイも何か考えているみたいだけどね。ベルに余り無茶させたくないみたいだから…
 マオとかを利用しようと考えているみたい。まあ、気に入ってるのは本当だと思うけど。」
 兄は…私を大事にしてくれる。だけど、シルビアの考えているような利用とは少し違う
と私は思う。彼女たちも友人として付き合っていこうと考えているのだろう。
 それくらいは理解できる。

 だけど…兄に愛されたあのときから私は少し独占欲が強くなってしまった。どんな理由だろうと
他の女を抱くことを簡単に許すことは出来ない。

 シルビアに身体を拭いてもらいながら……身体が癒えたらあの浮気性の兄を
お仕置きしようと私は心に決めた。


188名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 10:26:26 ID:aZ0hWfNe
投下終了です。ロリコンビに押され気味の二人を。

多分次はえろいので箸休めに。
189名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 11:49:16 ID:+qpcbf3s
箸休めで興奮させるとは何事だっ!
190名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 03:00:53 ID:6zZsTg9N
>>188の皮を被った神がいるスレはここですか?
191名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 17:31:39 ID:vVvT8p2L
自分が書きたいものを読むには
書かないと読めないことに気づいた。

魔法技師の第六弾投下。
連続でベルが主役。書き分けのために少し
語り口を変えてみた。
192魔法技師への愛の囁き:2007/06/25(月) 17:34:09 ID:vVvT8p2L


「……………」(なんじゃこらぁぁぁぁ!)
 私の叫び(?)が、文字板に表示されました。いつも無表情といわれていた私の顔は
自分で考えていたよりも端正な顔に豊かに感情を表現して驚いています。

「お兄様、これはいったい…」
 想像よりも太い声を出して私は目の前の自分…ベル・リスターに問いかけました。
 何故こんなことになったのか。時は三十分前に遡ります。


「ベル、それはなんだ?」
 兄は私の持っているペアリングを指差していいました。前回の仕事料として、お金と
シルビアの部屋に飾ってあったこれを頂いたのです。彼女は気に入ったなら上げると
快くくださいました。芸術品としても美しいものできめ細かい装飾が施されています。

「……………」(お兄様と一緒につけたくて。)
「結構な年代モノだな…すごい装飾だ。」
「……………」(シルビアから貰ったの。)
 私は自分に一つ腕輪を嵌めて、兄の手を掴んでもう一つの腕輪を嵌めました。お揃い♪と
喜んでいたそんなときでした。

ぴかっ!!!!!

 と、腕輪が大きく輝き気がついたらとんでもない状態になっていたのです。


 とりあえず、私は鏡を見ました。
 そこには茶色い髪の精悍な……私の愛する兄の姿があったので、どうやら、私と兄の
身体が入れ替わったみたいです。

「……………」(なんてこった…早く戻さないと。)
「声が出るってこんな感じなんですね。それに何か自分の身体と違うって変な感じ。」
「……………」(ついてないと…不安だ。)
 私の姿をした兄はどうやら困惑しているようです。腕輪を外そうとしたので…
なんとなく、私はそれを止めてしまいました。

「……………」(ベル?)
「私、お兄様を愛しています。好きです…声に出して言いたかったんです…。」
 私の姿をした兄は、にっこりと微笑みました。本来の私には……できない表情です。
 男の方なら惹かれるのではないでしょうか…私も変な気分になってきました。なんだか
下半身に血が集まっているのを感じます。自分に欲情してるんでしょうか。

193魔法技師への愛の囁き:2007/06/25(月) 17:35:18 ID:vVvT8p2L


「……………」(ベルの気持ちはいつでも伝わってるから。)
「お兄様……私はお兄様にもっといろいろなことを知って欲しい。」
 私はそういうと、今の自分の固い身体で元の柔らかい自分の身体を抱きしめました。
 そこそこある胸が自分の胸板に当たります。

「……………」(ちょとベルさん?)
「お兄様に教えていただいた…女の気持ちよさ…お兄様にも教えてあげますね?」
「……………」(いやぁぁぁぁぁぁぁ!)
 じたばた暴れる兄を力づくでベッドに押し倒し、上から動けないように固めて
唇を合わせ、舌をいれます。キスはそれほど変らないのですが、感じ方が違うのか
いつもより私は余裕がありました。兄は力が抜けた少し火照った顔で私を見つめています。

「カイ様〜〜〜本読んで〜〜〜!」
 服を脱がそうとしたそのとき、白いゴスロリ服を着た金髪の美少女…ユウが部屋に入ってきました。
 少し焦りましたが兄の口調を思い出します。

「ユウ。ゆっくり読んでやるから…また後でな。」
「あ…え?…あ…僕…邪魔してごめんなさい。」
「……………」(ユウ!!かむばぁあぁっぁぁぁっぁっく!!)
 いい子のユウは空気をよんであっさりと去っていきました。マオじゃなくてよかった。

「お兄様……すぐ気持ちよくして差し上げますから。お兄様が可愛いからいけないんですよ?」
「……………」(まてまてまて!!落ち着けっ!)
 私は服を脱がしていき……下着一枚にしました。不安に揺れる女の子な兄の瞳……少し傷跡の
ある肌にいつも兄がそうするように、傷跡をなぞる様に舌で一つ一つ舐めていきます。
 嫌がる兄も素敵です。

「……………っ!」(べ、ベル…やめてくれっ!)
 滑らかな肌の体温が少しずつ上がり、舐めるたびにぴくっと震えるように反応します。
 兄にすっかり開発されてしまった身体は感度がよく全身がすごく敏感です。私は兄が
してきたことをそのまま兄にすることにしました。

194魔法技師への愛の囁き:2007/06/25(月) 17:36:12 ID:vVvT8p2L


「ふふ……」
 全身をゆっくりと味わうように舌を這わせながら、形のいい双丘に手を這わせます。
 自分の身体ですから弱い場所も…。乳首を軽くつまむと、私の顔が艶かしい快楽で
歪みました。普通なら絶対感じることの出来ない慣れない快楽で、兄はもう荒い息を
吐いていました。まだまだこれからなのに…。
 私は最後の下着を脱がせると、一番感じるそこに手をいれました。

「〜〜〜〜〜っ!!」(うわぁぁぁぁっ!)
「気持ちいいでしょう。お兄様に教えていただいたんですよ?」
 恥ずかしそうに睨んでくる自分をあっさりと無視しつつ、私は愛撫を再開しました。
ちゃんと感じているのか十分に濡れています。私は、兄によって剃られた本来毛が生えている
そこに頭をつけて舌で舐めることにします。自分のをこういう形で見る機会はなかったのですが…
それでも気持ちのいい場所はわかります。
 私はアソコの肉を左右に割って舐めはじめました。兄はもう抵抗する気力もないのか時々
身体を震わせてなすがままになってます。

「……っ……!!」(な、なんだこれ!頭が真っ白にっ!)
 兄のものとなった自分のひざががくがく痙攣しています。身体はピンク色に火照り、
無駄な贅肉のないしなやかで柔らかな身体が何度も撥ねてます。

「お兄様…イキそうなんですね…。女の子の気持ちよさ…味わってください。」
 止めとばかりにクリトリスに軽く歯を当てると、自分の身体は大きく反ってぷしゃっと
軽く愛液を私の…今は兄になっている私の顔にかけました。兄は火照った身体に珠のような
汗をたくさん流しながら大きく息を吐いていました。

「女の…絶頂はどうでした?」
「……………」(も、もう無理…頭真っ白でなにがなんだか…)
「ふふっ…お兄様、いつもお兄様はここからだっていうんですよ。だから私も…ね?」
「……………」(べ、ベル!もう許してっ!!)
 怯えて焦るお兄様を強く抱きしめ唇を塞いで強引に押し付けると、指を痙攣する秘所に
入れました。唇を離すと、逃げようとするお兄様の足を身体で固めて、両手で秘所に
刺激を与えます。

195魔法技師への愛の囁き:2007/06/25(月) 17:37:55 ID:vVvT8p2L


「…〜〜っ……」(くうっ!あああっ)
「お兄様の今の顔……最高に可愛いです……自分の顔だけどやっぱりお兄様を感じます。」
 泣きそうになりながら、感じ、声を出したくとも出せない兄は荒い息を吐きながら抵抗
しようとしますが快楽で力が入らないらしく、私は気にせず、クリトリスと私の中の
気持ちのいい場所を指で擦るように責め続けました。

「………っ!!」(あああ、また来るっ何だこれっもれる!)
「ふふ…気持ちよさそうですね。潮吹き……お兄様大好きですよね。イってくださいっ。」
「……………」(うああ、また頭がっ白くっ!)
 再び大きく身体が痙攣したと思うと、秘所から透明の液を大量に噴出して兄はベッドに
力なくぐったりと横たわりました。もう息も絶え絶えです。

「いつもこんなに気持ちいいんです。だから幸せです。もっとしてあげますね。」
「……………」(も、もうだめ…無理……)
「これからですよ。お兄様……お兄様の太くて硬いものを入れていただいたときが一番
 気持ちがいいんです。」
「……………」(ま、まさかっ!!)
「さっきから、入りたいって……大変なんです。お兄様の気持ち、少しわかりますね。
 お兄様のはじめて…私が貰いますね。」
 泣きそうな顔になりながら逃げようとする身体を捕まえ、両手で足を開くと濡れて受け入れる
体勢が整ったそこに、躊躇なく奥まで一気に突きこみました。

「〜〜〜っ!!!」
「入りました。お兄様、気持ちよくて…中がじんじんするでしょう?」
 男の身体の本能なんでしょうか。私は全然違う身体にもかかわらず、身体の動かし方を
知っていました。気持ちのいいところはわかっているので、そこをひっかけるように
激しく突きこみます。

「はぁっ!…すごい、お兄様っ!気持ちいいねこれっ。はまりそうっ!!」
「…………っ!」(か、身体に異物がっ!なのに…うあ…っ!)
 勝手に動く腰を本能に任せて動かしつつ、兄の顔…自分の顔を見ると、すごくえっちな
顔…おちんちんを欲しがる雌の顔になっていました。普段私こんな顔してるんですね…。
 私は一度止め身体を返して後ろから突きこむ体制に入れ替えて、バックから突きこむ
ようにしました。後ろからだとあたる場所が違ってまた気持ちいいのです。

「…〜〜〜〜っ!!」
 もう、兄は快楽に溺れて思考が働いていないようでした。私も限界です…犬のように
後ろから突いていた私は快楽で蕩けそうに柔らかくなった身体をしっかりと支え、今まで以上に
激しく突きました。

「…〜〜っ!!!っ!!」(また、また来るっ!一番大きいのがっ!)
「ああ、気持ちいい!きもちいいっ!!出そうっ男の人のイクの気持ちいいっ!出るっ!!」
「〜〜〜〜〜っ!!!!」(ああああああっ!!)
 最後に一番奥まで突いて、本来自分の身体である子宮に兄の精子を注ぎ込みました。
いつも中で出しているのですが、中にだされたとき、兄が身体に広がっていくのを感じ、
幸せな気分になるのです。
 体中を痙攣させている反応のなくなった兄を私は抱きしめました。

196魔法技師への愛の囁き:2007/06/25(月) 17:38:57 ID:vVvT8p2L


「ふぅ〜〜酷い目にあった。陵辱される女の気持ちがわかった。」
 行為が終わった後、腕輪を外した私はいつも通り女として行為の余韻に浸っていました。
 この余韻は男としての快楽を味わった後でもやっぱり女としてのほうが幸せを感じます。

「……………」(お兄様かわいかったです。)
「ううううう、記憶を封印したい…。女の快楽はやばいな。」
「……………」(男の人のもすごかった。お兄様はもっとえっちなことしてるんですよ?)
 兄は腕輪を調べ、巧妙に隠されていたルーンをようやく見つけて苦笑いしていました。

「身体を入れ替える腕輪か……片方はずすと効果がないから合意がないと使えないだろうが
 なかなかえげつないアイテムだな。研究すると面白いかもしれない。」
「……………」(昔から家にあったっていってた。)
「ユウが何か知ってるかもしれないな。今度聞いて見るか。」
 兄は魔法技師としての真剣な顔でいいました。いつもの優しい顔や、えっちのときの
顔も好きだけど、この真剣な顔は一番格好いいです。

「……………」(シルビアには感謝してます。)
「ん?」
「……………」(声に出して愛しているっていえたから。)
「馬鹿たれ。声は聞こえなくてもちゃんと聞こえてる。」
 兄は笑顔で私の頭を撫でました。もう…いつも子ども扱いなんだから。

「……………」(たまには男と女交代しようね?)
「絶対いやだ。」
 兄は憮然とした顔でいいました。そんな子供っぽいふくれ面をみて、私は幸せを感じて…
なんとか頑張って愛している兄に向かって微笑みました。

197名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 17:40:49 ID:vVvT8p2L
投下終了です。
次は多分ダークでシリアスな感じに。
198名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 18:42:54 ID:T+pAaZFH
カイ可愛いよカイ
199名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 20:46:43 ID:T+pAaZFH
保管庫ないんすか?
200名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 22:06:33 ID:6zZsTg9N
GJ
GJなんだが・・・




キャンタマとアヌスがキュッてなった(´・ω・)
201名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 23:32:41 ID:A0uZoKvH
>>197
貴様、俺がTS属性持ちだと知っててのGJかっ!?
その内またこの手のを頼む。
202名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 23:45:07 ID:yVgRdQNy
203名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 03:00:49 ID:JsPn95dz
204名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 07:15:24 ID:Nat90SLQ
イイ
205名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 16:27:04 ID:9rDZNXmj
登場するキャラに、片っ端から、ハアハアするなあ。
まるで、こっちが魔法にかけられてるようだぜ。
206名無しさん@ピンキー ◆x/Dvsm4nBI :2007/06/27(水) 09:46:38 ID:f7L8N92T
202にかなり感謝しつつ魔法技師七回目投下します。
宣言どおりちょっとダーク。
一応前後編。
207魔法技師と貴族の娘:2007/06/27(水) 09:48:36 ID:f7L8N92T


 空は青く雲ひとつ無い───快晴のある日、俺はベルとマオを引き連れて、街の大通り
を歩いていた。辺りからは商店や露店の客引きの声が響き、大勢の人が集まって街は
活気に満ちている。
 俺達は今日、近くに迫ったシルビアの誕生日のプレゼントを探すために表通りに出ていた。
 くじで負けたユウはシルビアの護衛として城に詰めている。

「なぁカイ。わらわはその誕生日とやらをよく知らんのだが…。何で祝うんだ?」
 道行く人を例外なく振りかえらせる、薄水色のゴスロリ服を着た黒髪の美少女は不思議そうに
俺に質問してきた。

「……………」(生まれてきたことに感謝するため)
 俺が答える前に赤い髪にしなやかな身体を持つ、軽装の少女、妹のベルが無表情で考えたことが
文字になる板をマオに見せた。

「わらわは……うわあっ!」
 マオは暗い表情に一瞬なったが、俺はヘッドロックして髪の毛をぐしゃぐしゃかき回して
最後まで言わせない。言いたいことはわかっていたが…彼女は魔王だから誕生した日は…。
 俺は努めて笑顔で言った。

「マオの誕生日は俺と出会った日だ。来年盛大に祝ってやるから覚悟しておけ。」
「あ、こらっ!やめろっ…カイ!ぷっ、こしょばい!!……あっ!あれはなんだっ……おおっ!」
 明るい顔に戻り大道芸や音楽…手品…それまで見たことのなかったものに年相応の
表情で喜ぶマオを俺とベルは微笑ましく眺めていた。


208魔法技師と貴族の娘:2007/06/27(水) 09:49:17 ID:f7L8N92T


 シルビアに渡すプレゼントを購入し、三人で昼食を取ってゆっくり街を見物しながら
歩いていた俺たちだったが、はしゃいでいたマオが急に真剣な顔をして立ち止まった。

「魔力の収縮───遠い…」
「どうした。マオ?」
「カイ、狙撃だ。一番高い建物…遠距離からの氷の儀式魔術、相当準備されたものだ。」
「狙いは俺たちか?」
 マオは少し考え、首を横に振ってこちらへと走ってくる馬車を指差した。豪華なその
馬車は飛び出た人を轢きかけて止まっている。

「防ぐか。結界を張る、マオ…サポートを頼む。」
「安心しろ。わらわが絶対護ってやる。」
「……………」(二人とも気をつけて。)
 喧騒の中俺達は馬車に向かって走り、射線に立つ。そして、防御のためのルーンを編んでいく。
馬車に乗っていた銀髪のおそらく貴族の女性は不思議そうにそんな俺とマオを見ていた。

<我、氷を禁じ蒸気と為す!>

 対氷の術を完成させ、ルーンにマオが魔力を上乗せさせる。完成と同時に氷の槍は
結界に激突した。

ずだんっ!!!

 激しい音と共に発生した衝撃を防ぎきれず、俺は馬車に叩きつけられたが相手の魔法も
なんとか完全に消滅し、安堵の息を吐いた。

「相手は逃げたな……相変わらずいい腕じゃ。さすがだ、カイ。」
 勝気そうな目に安堵の表情を浮かべ、マオは駆け寄ってきた。

「……………」(あの貴族を狙ったようですね。)
 ベルの視線の先には、流れるような銀色の髪に金色の瞳、おっとりとした優しそうな
雰囲気を持つ…ベルと同年代の女性がいた。彼女を助けた俺たちを、護衛らしい男たちが
取り囲んだ。剣を抜こうとするベルや、怒って噛み付こうとするマオを俺は押しとどめる。

209魔法技師と貴族の娘:2007/06/27(水) 09:50:04 ID:f7L8N92T


「貴様ら、何者だ!!」
「お前らの恩人だ。主人が死んだら護衛は首だろうからな。それに命の恩人を暴力で
問いただそうとするのが貴族の礼儀か?」
「おやめなさい。」
 銀色の女性が静かだがよく通る声で自らの護衛たちを下がらせ、美しい柔らかな微笑を浮かべて
頭を下げた。見ているだけで温かくなる…そんな笑顔だった。

「失礼いたしました。助けていただきありがとうございます。」
「別にたいした労じゃないから礼はいい。ここへは侯爵の?」
「よくご存知ですね。それほどの魔法の腕でしたら…ひょっとして貴方も参加されるのですか?」
「ああ、俺達は個人的な友人なんだ。」
 美しい銀色の髪の女性は金の瞳を輝かせ、軽く手を叩き嬉しそうに喜んだ。
 俺の後ろでは何故かベルとマオが俺の太ももをひねりあげている。正直痛い。

「では、また後でお会いできますねっ!お礼もしたいのでお名前をお聞かせ願えませんか?」
「カイ・リスターだ。」
 聴きたくない言葉…というものが世にはある。俺たち三人にとって、その名前は……
彼女の無垢な笑顔とは裏腹にこの世でもっとも忌わしいものに違いが無かった。

「私は…セシリア・フォン・ヴァストルです。」
 ヴァストル───それは、俺たち兄妹を地獄に叩き落とし、マオを狂った実験で生み出した
公爵の姓だった。

「すまない、俺達は急ぐのでこれで。」
「え、え?……はい、また後ほどゆっくりとお話しましょう。」
 困惑するベルとマオの手を引き、俺達は歩き出した。いつまでも話していては自分が殺意を
抱いてしまわないか、助けたことを後悔しないか……自信がなかったから。


210魔法技師と貴族の娘:2007/06/27(水) 09:51:10 ID:f7L8N92T


 シルビアの誕生パーティには多数の貴族や名士が集まり、皇帝も短時間ながら彼女の
ために足を運ぶという。こうして考えるとやはり、シルビアは大貴族だということを
改めて実感する……態度を変える気はさらさらないが。

 俺とベルは動きやすい男性用の執事服を着て護衛に当たることにし、女官に大人気の
ユウとマオは騒ぎ立てる女官たちに辟易しながら、ユウは白のドレス、マオは黒いドレスを
着せられて軽く化粧されていた。その二人の美少女の姿は正反対の印象ながら妖精のように
愛らしく、パーティの参加者に可愛がられていた。
 主催のシルビアもいつものお馬鹿な縦ロールではなく、ストレートの金髪を丁寧に透いて
流し、鋭い美貌が美しいドレスと相まって自然に客たちの視線を集めている。

 歓談するシルビアの近くにベルと張っていると、見覚えのある銀色の髪の女性が彼女に
近づき、儀礼的な挨拶を交わしていた。

「ご無沙汰しております…シュタインベルグ侯爵。心よりお祝い申し上げます。」
「これはヴァストル公爵のご令嬢。ご足労頂ありがとうございます。本日は楽しんでください。」
 挨拶が終わると女性はこちらを向いた。違和感───確かに、昼に会った女性に見えるが…。

「お初にお目にかかります。カイ・リスター様ですね。一流の魔法技師としてのご高名は
 伺っております。」
 その挨拶で俺は決定的に判った。確かに、彼女は瓜二つといっていいほど昼の女性に
似ていた。瞳の色も同じ、だが………明らかに眼が違った。そう、いくつもの修羅場を
超えた強い眼。昼の女性は普通の人だった。彼女なら一度会ったことでもあるし、何も
考えずにこれほど回りくどい挨拶はしないだろう。

「カイ・リスターです。美しいご令嬢に名前を覚えていただいていたとは光栄です。」
 俺は古い騎士がするように手を取ってその甲にキスをした。彼女が去ったのを確認し、
シルビアを呼び止め、注意を促す。
211魔法技師と貴族の娘:2007/06/27(水) 09:52:08 ID:f7L8N92T


「シルビア……公爵の令嬢は偽者だ。そっくりだが、違う。」
「……その理由は?」
「成り行きで昼に暗殺者から助けた。そのときに顔を見ている。本物はおそらく
 世間知らずっぽいお姫様だ。」
 ふむ…と、シルビアは考え込む。思考と計算が凄い速度で行われているんだろう。

「可能性としては影武者を出して私の令嬢暗殺を警戒しているか、誰かの暗殺か…」
「本人が城下まで来てるのに、わざわざ影武者を連れてくる意味があるか?」
「ない…とも言い切れない。パーティが終わったあと本物をそのまま隠して、私に
 誘拐の罪を押し付けるとか…。暗殺とすれば、狙いは私か陛下。他の人たちも警戒を
 お願いしたいわね。」
「令嬢が暗殺したらまずくないか?」
「多分、私が公爵を落としいれようとしたーとか言うんでしょうね。杜撰というか、
 手段を選ばなくなってる…昔と違って、勢力がほぼ五分まで迫っているから。まぁ、
 どんな手を使ってきても今回は大丈夫と思うけど。」
「わかった、俺たちで警戒しとく。暗殺だった場合、止めるとして本物は?」
「出来れば確保して欲しい。上手くいけば侯爵家の対処能力を見せて、さらに、公爵に
 形式的にでも多くの貴族の前で恩を売ることが出来るから。」
「じゃ、尋問用のアレ準備しててくれ。後、部下も二十人ほど。」
「了解。……ま、ほどほどにね。」
「そうするよ。ハッピーバースデイ、シルビア。」
 ベルやマオ、ユウに同じことを説明し再び警戒に当たった。マオやユウは盛大な料理に
齧り付くように若さから来る食欲を満たしていた…俺はちょっとだけ心配になった。


 四十台の壮年の男…背の高く威厳と風格を持つ男…平民の俺が皇帝を拝むことに
なるとはね…。俺は皇帝を暗殺しようとした偽の公爵令嬢を取り押さえながらそんな
場違いなことを考えていた。

「私の手の者が公爵のご令嬢が偽者であることは見抜いておりました。確証が無いのと、
 目的がわからず泳がせていたのですが、まさか陛下に身を危険に晒させるとは…無能な身で
 ございますが、謀られた汚名と屈辱を晴らすためにもせめてこの件の解決はお任せください。」
 シルビアが的確に指示を与えていく。予め、外には誰も出さないよう命じており、
他の協力者を逃がさないように護衛などは全て捕らえた。俺はロープで相手の腕を後ろ手に縛り上げ、
防音の聞く、尋問用の部屋へと連行した。


212魔法技師と貴族の娘:2007/06/27(水) 09:53:02 ID:f7L8N92T


「さて、あんたには洗いざらい話してもらわないといけないんだが…。」
 目の前の公爵の令嬢にそっくりな女性は、女官たちに手持ちの武器を全て没収されて
こちらから渡されたシャツと下着だけの姿にされていた。彼女は、憎憎しげに俺を
睨みつける。そこには、本物に感じた温かさなどはかけらも無く、辛い生き方を
歩んだものだけが持つ恨みだけがあり、整った顔立ちをしているだけに余計に凄惨さを
醸し出していた。俺はそれを音を記録するアイテムを手で弄び覚めた目で見ていた。

「出来れば素直に話してもらいたい。」
「話すと思っているの?」
「俺の名前を知っていたな。俺の噂は聞いてるか?俺は敵には容赦はしない。」
「………」
「第一シルビアに喧嘩を売る馬鹿はあいつくらいしかいないからな。」
「拷問しても無駄よ。子供の頃から暴力も性的なものでも全て耐える訓練を受けている。」
「さて、それは好都合。簡単に気絶してもらっては困るからな。」

<汝は我の奴隷なり>

 白いシャツにルーンが浮かび上がり、強い魔力が暗殺者の女性を覆っていく。焦ったのか
女性は舌を噛み切ろうとしたが、

「自殺するな!」
 俺の命令に逆らえず、その動きを止めた。

「おまえ……何をした……」
 暗殺者は相手の言葉に従ってしまった自分の身体の変化に困惑しながら、少し顔を紅潮させ
俺をにらみつけた。

「俺は一流の魔法技師らしいな。それは俺の傑作だ…。催淫魔法もかかっているから
 身体が熱いだろう。それを着たものは命令に逆らえなくなる。逆らおうとすれば…
 まあ、それはお楽しみか。時間が惜しいから出来れば素直に吐いて欲しいんだが。」
 返事は簡潔だった。

「下種が…。誰が話すものか。」
「お前の目的、雇い主、本物の居場所…全て話せ。嘘はつくな。」
「………ぐっ………」
 全身から汗を流し、顔を快楽からくる苦痛に歪めながら俺からの命令を銀色の髪の
暗殺者は耐え切った。それだけで、身体全体で息をつき股間からは蜜が溢れている。
 それでも、強気な眼で俺を睨み付けた。

213魔法技師と貴族の娘:2007/06/27(水) 09:54:26 ID:f7L8N92T


「拒否すれば、催淫魔法の効果が強くなる…我慢すると狂うぞ?」
「……狂えば情報を引き出せまい。」
「お前の目的、雇い主、本物の居場所…全て話せ。」
「…〜〜っ!!やあっ!いやあああくううううう!!」
 全身が性感帯になったかのように全身を痙攣させながら、彼女は暴れまわった。
 それでも話すことを拒否し、全身を火照らせ、涎と涙を流しながらも抵抗している。
そこには初めの冷然とした鋭い容貌は欠片もなく必死で欲情を抑える姿だけがあった。

「話す気になったか?」
「…私は……何も……話さない…。」
「ではやり方を変えよう…話したくなったら話してくれ。命令だ…絶対イクな。」
「えっ……?」
 俺は愛液でべたべたの下着を脱がせると、強度の催淫の魔法を受けて快楽のために
ひくひくと蠢くアソコに指を突っ込んだ。

「〜〜〜っい!!」
 暗殺者の身体が撥ねる。通常より遥かに過敏なそこを俺は相手の体を考えず、
刺激する。同時に立っている乳首をコリっとつまんだ。

「いやっ!イクっ……いいっ…っえ…うう…イケないっ!あうぅぅぅぅ!!」
 後ろ手に縛られた身体を痙攣させ、彼女のそこは俺を締め付けたが…快楽を感じつつも
俺の命令によって絶頂の寸前で止まってしまう。

「目的を話せ。」
「いやっ!ああああああ、やめて!!まって!あっああああ!!」
 拒否することが前提の俺の命令。それを拒絶しようとする彼女の意思はさらに催淫の
効果を高めていく。
 既に、触れただけで身体を震わせるようになった。そんな彼女にさらにクリトリスを摘み
愛撫を重ねていく。

「だめええええっ!いやあああ!イクっ!イクっ!!!イカせてえええぇ!!!」
 もはや、恥も外聞も無く暗殺者ははしたない言葉を大声で叫んでいた。銀色の髪を
振り乱し、冷徹な表情は痴女のそれとなり、金色の瞳には強さの代わりに情欲に燃えていた。
 俺は一度指から手を抜いて、両手でそれぞれの足を持つと股間に足を当てた。足にぬらっと
した水気がつき、足を置いただけの衝撃でも敏感に反応する。

「うぅぁぁ……な、何を………」
「これはちょっとした子供の頃の思い出さ。楽しいお遊び。本来は男同士にするものだがね。
 もし、死んでしまっても俺だけを恨めよ?」
 そして、俺はゆっくりと脚を動かしだした。

214魔法技師と貴族の娘:2007/06/27(水) 09:56:29 ID:f7L8N92T

「うぁ………」
 両手をがっしり持って股間の足をずどどどどどどっと軽快に振動を伝えるように
どんどん動かす足のスピードを速めていく。

「ぎゃぁぁぁぁあぁっ!!やああああああああああぃぃぃぃぁぁぁっ!!!」
「どうだ、気持ちいいか?」
 容赦なく、蹴るように。彼女は指だけでしていたときよりも遥かに全身を反応
させて暴れまわっている。絶頂の寸前までいっているのにいけない…その地獄を味わいながら、
止めることも出来ずにされている。俺は何も聞かず、三十分それを続けた。

「やあああっ!!!いくっ!!!あああああぎゃあああイケっイケないっ!!!ぎゃああ!!
 いやあああもう許してえええええええっうううう壊れるっだめええいかせてええ!!!!!!!」

 これ以上は精神崩壊の危険もある。潮を吹きながら転げまわろうとする彼女をしっかりと
押さえ込んみながらも刺激を緩め、俺は助け舟を出すことにした。

「あああああ、イケないっ〜〜んあああああ、イキそうなのにっうああ!だめええええええ!!」
「お前の護衛としてきた奴らは全部吐いた。お前が話しても話さなくても同じだ。だから、
 無理することは無い。」
「えっ!!うあ!!も、もう我慢しなくてっうひゃあああぁぁひぃーーーっ!!」
「ああ。お前だけが我慢することは無いんだ。話したらイカせてやる。」
 嘘だ。他の奴は何も知らなかった。快楽で頭が焼ききれそうになっている暗殺者も
正常なら絶対に判っただろう。

「全部!!全部話すからっ!!!イカせて!!いや、またくるっ!うう!イケない…
 イケないよおぉ!!うああああぁっぁあぁぁぁきゃああああ!!!」
「よし、お前の目的、雇い主、本物のいる場所を話せ。」
 そして────彼女は陥落した。

「よし、命令だ。イっていいぞ!」
「あっ!!ひぃあぁぁぁぁぁぁぁあ、いくっイケるっ!!あああああああっいくぅぅぅーーーーーっ!!!」
 冷徹な憎しみの目で俺を見ていた銀色の髪の美しい暗殺者は口をあけたまま涙と涎にまみれて、最後の
絶頂による開放感に我慢できずに失禁して失神した。
 俺は外で待機させておいた女官に牢に入れ、シャツを回収して置くように命令すると、
シルビアに報告し本物の公爵の令嬢を確保するために動き始めた。

 中の惨状を見た女官たちは俺のテクニックについての色んな噂を流し、たまに熱い眼で
見られるようになったが…真実は誰も知らない。
215名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 09:58:44 ID:f7L8N92T
投下終了です。後半も早めに。
216名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 19:28:04 ID:8uDFLVYS
筆が速いっすね
GJ!
217名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 21:27:11 ID:x8BJOGVg
>>12の続きです。

「よっ!」
 げしっ!
 朝から威勢のいい声とともに、後頭部に軽い痛みが走る。
「ほらほらー、ノロノロ歩いてると遅れるぞー!」
 笑いながら振り返り、アハハッと笑うショートカットのスポーティな少女。
 クラスメイトの宮口和美だ。運動神経抜群の、今で言うボーイッシュって奴だな。
 男女分け隔てなく付き合うコイツは、クラスでも男そこのけの元気娘だ。
「どした? 何か考え事?」
「あ、いや、なんでも……」
「変なヤツだなぁ。なんか変なコトでも考えてんじゃないのかぁ?」
 俺の顔を覗き込み、ニマッと笑う宮口。
 ……そういえば、コイツの女らしいところって見たことないな。
 正直言って顔は可愛い。表情が豊かなのがさらに可愛さをそそる。
 ただあまりにも快活すぎて、女子というのをほとんど皆に意識させない。
 しかし。コイツだって年頃の女のはずだ。
 俺はにわかに、宮口和美の快活の仮面の奥の女を見てみたくなった。
 女を女らしくさせるには方法はひとつ。そして今の俺にはそれができる。
(……透けて見えろ)
 そう念じると、宮口のセーラー服がみるみる透けていき、下着が徐々にあらわれてくる。
(うわ……マジかよ)
 俺の先を歩く宮口のスカートを透かせたその先に見えたのは、白地にピンクの花柄パンティ。

(うわぁ、イメージに合わねー、合わなさ過ぎるー)
「ん? どうした鈴木。あたしの背中になんかついてるか?」
「あ、いや、別に何も……」
「変なヤツ」
 呆れ顔でさっさと行ってしまう宮口。その背中、というか制服の奥の花柄パンティを見て思う。
(あの宮口があんなパンツ履いてるとはな。これはぜひ皆にも教えてやらないと)

 どうやって宮口に恥をかかせるか。笑いを堪えながら学校へ向かった。

218名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 21:45:15 ID:TunMnAoN
>>217
おお、GJ!
219名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 04:13:55 ID:RFo6qEaN
>>215
GJ!!!GJ!!!
筆の速さに感嘆の嵐っス。
今回の話ではただの流れだけど皇帝の御前で皇帝助ける活躍見せてるね。
この皇帝、娘の皇女様とかいないかな?
220名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 04:18:39 ID:fwAr9McF
>>219
人が書こうとしている話の先を勝手に予測してレスするのは邪道
観客は黙って見てるべし
あと日本語でおk
221名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 04:19:51 ID:fwAr9McF
この板でスレをageるのは死罪に値する
吊ってくる
222名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 08:39:27 ID:V1R7oJM0
どんまいw
223名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 09:43:05 ID:hk426NIP
>>199
>>1を参照
224名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 15:40:52 ID:pmSRmYpz
久しぶりに様子見に来たらこれは神wwwwwwww
これからは定期的に見に来るよ
225名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 17:44:11 ID:tkcTI6E5
投稿します。第七話後編。
エロは無いです。
主役は侯爵様。
226魔法技師と貴族の娘:2007/06/28(木) 17:45:23 ID:tkcTI6E5


「お怪我がなくて何よりです。セシリア嬢。」
「助けていただき、ありがとうございます。シルビアお姉様。」
 皇帝の暗殺未遂から三時間…事件は解決していた。ユウを私の護衛へと残し、
カイ、ベル、マオの三人で敵を全て生かして拘束…セシリアを回収して片づけを残る部下に任せて
帰還。満足のできる手際だった。カイは完璧な貴族の儀礼で皇帝やその他貴族と接して
事件の解決を報告し、皇帝を護ったことと併せて領地こそないが爵位を与えられた。
 気に入られたのだろう……それとも、皇帝が私とカイを引き離すための工作を始めたか…
いずれにしても無駄なことだ。大人しく爵位を受けたのは私のためだろう。正確には
子供のため。血統だけを重視する馬鹿共と戦いやすいようにしてくれた…そういう男だ。

 今までの様々な戦いで相手の優秀な人材は殆ど降伏するか戦死させた。
 今回も全てが解決し…犯人は誰も言わないが皆気づいている…日和見主義の者たちも私の
勢力についた。公爵の無謀を悟り、こちらは私が出産で動けない間もカイがいるということを
印象付けたのだ。今まで裏に隠れていた彼を表に引き出してしまった…友人としては
失格かもしれない。しかし、ここまで着たからには…
──────公爵家の滅びはもう遠い話ではないだろう。


227魔法技師と貴族の娘:2007/06/28(木) 17:46:17 ID:tkcTI6E5


 そして今、私の部屋にはセシリア・フォン・ヴァストル。公爵家の銀の華と謳われた
美しい女性が訪れていた。彼女を助ける…あの三人にとってどれほど酷なことだったか。

「何か私に御用がおありとお見受けしましたが。」
「あの方のことをお聞きしたいのです。」
 家族でありながら、身内がしていることに気づいていないのだろう。この年若い娘は
公爵にとって最大の敵であるはずの私に対していつも、尊敬と善意と好意の視線を崩さない。

「聞かぬほうがよろしいかと。知るべきではないことを知るのは不幸なことです。」
「一度目お会いしたときのあの方は、優しく温かい人物に思えました。何の縁も無い私を
 身を挺して護ってくださいました。」
「最初の暗殺……ですね。結局今回の事件とは別件であったようですが。」
「ですが、二度目助けていただいたときのあの人の目は…他に見たことのない眼でした。」
「カイが貴女に向ける感情は炎…貴女のような蝶が近づけば一瞬で燃え尽きるでしょう。
 悪いことは言わないからお忘れなさい。」
 この人のいいお嬢さんに聞かせることではないだろうと私は思う。

「お姉様、お願いします。」
「知ってどうするの。貴女とカイじゃ身分が違うのよ?」
「それでも、あの方とお姉様は対等の友人だと伺っています。」
「ええ友人よ。だからこそ、好奇心だけで教えるわけにはいかないの。」
「好奇心だけではないです…。あの方は言っていました。近いうちに誰より自分を
 恨むようになるから礼は不要…と。私は自分の知らぬうちに恨まれるようなことを
 しているのです。本来優しいはずの人をあそこまで変えるくらいに。」
「そうね…。でも、心配しなくてもセシリア…貴女の責任じゃないわ。」
「知りたいんです…あの人のことを…。」
 私は溜息をついた。見覚えのある眼だ…夢を見て恋する少女の目…。これからこの少女を
私は徹底的に不幸にしてしまうのだろう。
 私にもこんな眼をしている時代もあったわ…。

「判ったわ。教えてあげる…。だけどね、セシリア…悲恋の物語の主人公以上に
 カイを想うことは貴女にとって不幸な事なのよ。」
「え……」
「いい機会だからもう一人聞かせるわ。呼ぶから少し待ってね?」
 私は鈴を鳴らして使用人を呼び、人を呼びに行かせた。
228魔法技師と貴族の娘:2007/06/28(木) 17:47:27 ID:tkcTI6E5


 暫くすると目的の人物が入ってくる。金色の髪に美しい水色の瞳…そして、私の先祖でも
あるらしい美しい金髪の美少女…ユウだ。

「僕を呼びましたか。シルビア。」
「ええ、カイの昔のことを話そうと思うの。ひょっとしたら聞いてしまうと、カイと一緒に
 いれなくなるかもしれないけど…聞く?」
 私はしゃがんで、背の低いユウの顔を覗き込んで問いかけた。

「聞きます。」
 ユウは迷い無く頷いた。

「マオは知っても一緒にいることを選んでいるわ。あの子も過酷な道を歩いているから
 でしょうけど…貴女もそう力まないでね。」
 そして、私は二人のほうを向いて私が調べ上げた昔話を始めた。

「カイは幼少の頃は公爵の領内で猟師を生業とする両親の元で普通に育っていた。だけど、
 両親は…殺されたの。たまたま、親戚の一家と一緒に森で遊んでいたらしいわ。そんなとこに
 貴族が狩りに来たの。彼らはカイ達を見つけるや人間狩りと称して狩り始めた。カイは
 親戚の娘だった幼いベルを連れて必死で逃げた…逃げ切れたのは彼らだけで残りは全滅。
 ベルはそれ以来しゃべれなくなった。」
「じゃあ、ベルは…。」
「本当の妹じゃない。カイが言うまでいっちゃ駄目よ。ベルは知らないんだから。」
 ここまで話して、既にセシリアの顔色は真っ青になっていた。私が何を言わんとしているか
判っているのだろう。世間知らずだけど頭の悪い娘じゃない。

「逃げ切った、カイはベルを家まで連れて帰った……そのときには犯罪者の汚名を着せられて
 家を燃やされていたの。彼は殺されるのを恐れて隣の領土まで逃げた…凄いわよね。
 子供なのに…運も良かったんでしょうけど。それをやったのが、前公爵…
 ゲイリー・フォン・ヴァストル。セシリアの父親よ。」
「そ、そんな…お父様が……それじゃ恨まれても……。」
 ユウは、崩れそうになっている彼女を支えて悲しそうに眼を曇らせている。

「彼は前向きな強い人間よ。逃げ込んだ場所で人のいい貴族付き魔法技師に拾われた二人は、
 そこの貴族の女の子の護衛と遊び役として、それから勉学のライバルとして忠実に優秀に勤めたわ。
 彼はそんな状況でも養われるのを良しとせず、魔法技師の手伝いをして報酬を貰って
 ベルと二人で生きた。女の子も凄くいい子でカイの心の傷を癒していったわ。ベルも
 よく懐いて、自然二人は恋仲になって帝国の最高学府である帝国大学で一緒に学んでいた。
 私もそのときに会ったわ。可愛い娘だった。もうあれから五年にもなるのね…。」
 そうして、自分も一緒に通っていた頃を思い出していた…楽しくて…希望に満ちていて…
そして無力さを思い知った日々…。

229魔法技師と貴族の娘:2007/06/28(木) 17:48:50 ID:tkcTI6E5


「でも僕…その人に会ったことないし話を聞いたことも無いですよ…。」
「そりゃそうよ。死んでしまったのだもの。」
 びくっとセシリアは震えた。嫌な予感がするのだろう…そしてそれは当たっている。

「カイは優秀だった…魔法技師として…そう天才といっていいかもしれない。彼は自然に、
復讐なんて考えず慎ましく生きようと考えていたけど目立ちすぎたのね。
 当時、大学に通っていた…私の婚約者でもあったセシリアの兄、ライルの眼に止まってしまった。
 彼はライルを恨まずちゃんと礼儀を持って自分がしたいことを伝えて誘いを断った。」
 少し話を切る…そして、眼を瞑り…自らの友人でもあった聡明な女性に護れなかったことを謝罪する。
 無力を…諦めていた頃の自分への決別の出来事…長い長い戦いへ繋がる初めの敗北。

「平民のカイが断ったことでライルは激怒した。人と金を使って私を除く全ての友人にカイを
 裏切らせ、裏切らない数少ない者を殺し、カイを助けた貴族に圧力をかけてカイの愛する人を
 強引に奪い、カイへの人質にして……さらに動けないカイの前で輪姦しようとしたのよ。
 彼女は利用されるのを良しとせずにカイが捨てた剣を隙を見て拾って自殺した。
 私はそのときあまりに無力で…ベルを助けて、カイを死地から逃がすので精一杯だった。
 あいつは私を恨んでも当然なのに、壊れそうな精神で言ったのは愛する人への謝罪と
 ベルを助けた私への礼だったわ。そして、あいつも私も悟ったのよ。甘ければ生きていけないし、
 強くならなければ大事な人を護れないって。私は婚約破棄した後、あらゆる事をした。
 何人も殺したし、敵は徹底的に破滅させた。カイも同じ。己の手を血に汚した…そして、
 五年の歳月をかけて…みんな何度も死に掛けて…対抗できる力を持った。セシリア
 ……公爵家は滅ぶの。ヴァストルの家名を私は後世に残すつもりは無いわ。徹底的に滅ぼす。
 彼の友人として…私は貴女の最大の敵なのよ。」
 セシリアの顔は死人のように血の気が引いて真っ白になっていた。彼女は関わってない、
責任も無い。好意すら持っている。だけど、それでも敵だ。私と友人の。

「ユウ。貴女はどうする。私や彼は正義になんて程遠いのだけど。」
「カイ様は…それだけのことがあっても…やさしい人です。人間じゃない僕やマオも
 温かく迎えてくれています。僕は……例え愛してもらえなくてもカイ様といます。
 そして、あの人を護ります。聞かせてくれてありがとう。シルビア。」
「貴女もいい子ね。カイが完全に堕ちてしまわない様にちゃんとみてあげてね。」
「勿論です。でも大丈夫と思います。」
 セシリアのほうを向いた。顔に手を当てて泣いている…普通の女性の彼女にとって
今の話は酷だろう。自分が生活してきたことの裏にどれ程の出来事があるのか…。不幸に
されたのはカイだけじゃないのだから。なまじ頭がいいだけにそれが判るのだろう。
230魔法技師と貴族の娘:2007/06/28(木) 17:49:55 ID:tkcTI6E5


「後悔してる?」
「辛いですけど……後悔は……していません。一つ質問していいですかお姉様。」
「どうぞ。」
「お腹の子供は……」
「カイの子よ。私は大貴族の貴女の兄より平民のカイを選んだの。ま、今度爵位貰うみたいだけど、
 あいつは変らないでしょうね。本当のあいつはあんな夕べのような堅苦しい男じゃない。
 下品で気さくでおもしろいやつなのよ。」
「でも、どうして…」
「公爵へのあてつけでもあるけど………馬鹿でがさつで教養も節操も無い最低の奴だけど…
 惚れた男の子供を生みたいのは女として当然じゃない?」
 私はいたずらっぽく二人に微笑みかけた。私は友人、親友として以上に彼を愛してしまった。
だけど、カイの本当に好きな人を護れなかった私には愛される資格は無い。それは、無力
だった私への罰であり…侯爵として、帝国の筆頭貴族として…多くの人を率いる私の運命なのだから。
 だけど、私は子供を生む。カイが婚約者でもあった公爵なんかよりよっぽどいい男だと
彼に身体で証明してあげるために。そして、彼を愛してしまった私のたった一つの我侭のために。

 私は力なく去っていくセシリアを見送りつつ、大泣きするユウを優しく抱きしめてあげた。
 セシリアがこれからどうするのかは判らない…それは彼女が決めることだろう。願わくば
彼女は不幸になることがないよう……私は祈ることしかできなかった。


231魔法技師と貴族の娘:2007/06/28(木) 17:51:35 ID:tkcTI6E5


 数日後、後の処理を全て片付けてカイ達の暮らす「真珠亭」へと私は足を運んでいた。
 ここは貴族としてでなく、友人としてみんなと会える大事な場所だ。

「お、来たな。縦ロールお化け。」
「あら、狼が革を被ったような変態が何かしゃべってますわ。」
 学生の頃から続く軽口を叩き、微笑みながらいつもの席に座る。

「よう、シルビアの嬢ちゃん誕生日だったんだってな。今日は腕を振るわせてもらったぜ。」
「え…おじさま、ありがとうございます。」
 出てきたのは豪勢な料理。ここの料理は見た目はともかく、味は凄くいい。そして、
果実酒も配られ、私にだけジュースが渡される。

「じゃ、改めて…シルビアの二十…ごほっ、ごほっ歳の誕生日を祝いましてー。」
「馬鹿!人聞きの悪い言い方しないで!まだ二十二よっ!」
 必死になって止める私に周囲から笑いが起こった。しかし……ここの常連客にとっても
私は馴染みの人間になってしまった。
 そんな中、可愛い服を着たユウから袋が渡された。店中から拍手が沸き起こる。

「これ、僕たちみんなからです。シルビア。」
「これは…ペンダント?」
 袋を開けるとシンプルなミスリル銀のペンダントが入っていた。

「ベルが選んだものに、わらわとカイとユウの三人でルーンを刻んで魔力を込めた。
 お主と子供の身を護るだろう…実用的じゃな。それに…案ずるな。お主が動けない間は
 わらわたちが必ず護ってやる。遠慮はするな。腹黒いこともカイに任せておけばいい。」
「……………(こくこく)」
「そうですよ〜僕たちに出来ることは何でもしますから。」
 いつも得意げなマオが無い胸を反らして自慢げに説明し、ベルが笑って頷いている。
 ユウはにこにこと微笑んでいた。

「腕利き魔法技師と魔王と勇者の合作…世界でたった一つの逸品ね。有難う。」
 私は心から礼を言った。ボロボロになった精神に活力が与えられる…また、明日から
戦っていける。

「んじゃ改めて、我らが悪友シルビアの二十二歳の誕生日に。乾杯っ!!」
 全てのテーブルでカチャっと軽い音が鳴り杯が合わされる。色んなものを失ったけど、
色んなものを得て私たちは生きている。カイのような思いをする人が少しでも減らせるよ
うに…色んなものを助け、或いは踏みにじりながら…。

 私たちは友人たちと楽しみながら日々生きている。今度は失わないと誓って。

232名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 17:57:41 ID:tkcTI6E5
投下終了です。
掲示板で見ると少し反省点も;

次もぼちぼち頑張ります。
233名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 18:14:29 ID:HZYAoc36
初リアル遭遇!!!
GJ!!
これからの話しが気になるー
234名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 18:22:02 ID:Ixg3WnCl
シルビアがいい女すぎて泣けた
235名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 21:58:27 ID:/WGs5kGR
>>217のつづき

「あ……おはよう」
「お。おはよう」
 なんとか始業前に教室につけた俺に、隣の女子が挨拶してくれる。
 田中陽子。セミロングで身体の線の細い女子。
 はにかみ気味に向けてくれるその笑顔同様、控えめでおとなしめなヤツだ。
 けど暗いってわけでもなく、思いやりのある優しいヤツだと思う。
 宮口とは違うそのおとなしめな可愛さが、宮口とはまた違う嗜虐心をそそられる。 
(透けて見えろ)
 俺が念じると、田中のスカートがみるみるうちに透けてくる。
 透けてきた先に見えたものは、コイツらしいといえばらしい純白のパンティ。
 綿無地に赤のワンポイントリボンが清楚な田中らしくて情欲がそそられる。
「……? どうしたの?」
「あ、いや、なんでも」
「そう……」
 不思議そうに首を傾げる田中をよそに、携帯を取り出しメール確認を装ってみる。

「校内での携帯持ち込みは禁止!」
 その瞬間、携帯がひったくられる。
「校則で決まったでしょ? 決まった以上はちゃんと守りなさいよ」 
「……副会長」
 腕を組んで、眼鏡越しの視線を俺に向けるのは、横にいる田中より背の高い女子。
 三つ編み眼鏡にセーラー服という、真面目を絵に描いたような生徒会副会長。
「あとね。副会長って呼ぶのもやめて。私には酒井裕美って名前があるの」
「はいはい。わかりましたよ、ユミちゃん」  
「馴れ馴れしく名前で呼ばないで! それに私の名前はヒロミ! ユミじゃない!」
(ったく、口うるさいヤツだなまったく)
「何か言った?」
「あ、いや」
「とにかく携帯電話は没収します。
 後で職員室行って返してもらいなさい。……たっぷりとお説教つきでね」

「やーい、怒られた」
「……うるせーな」
 しょげてる俺に宮口がニタニタしながら声をかけてくる。
「まあ裕美は裕美なりに必死なんだよ。大目に見てやってよ」
 ポンポンと人の肩を叩く宮口。慰めているつもりなんだろう。
 だけどな。こっちは超能力を手に入れて、女子の痴態をたっぷり拝ませてもらうつもりだったんだ。
 もちろん携帯にも全て記憶してな。
 それをアイツ、酒井裕美が全て台無しにしてくれやがって……

 あえて酒井のパンティは透視しないでやった。
 アイツには、その程度の辱めで済ませてなどやるものか。
 目には目を。歯には歯を。携帯電話には携帯電話だ。見てろよ酒井裕美。
 そして酒井をかばった宮口和美。元々の発端の田中陽子。
 お前ら三人、今日は恥ずかしさに啜り泣かせてやるからな……
236名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 22:21:39 ID:Ixg3WnCl
wktk支援
マジで続きが気になる
237名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 22:40:25 ID:uPZ2om68
>>235
GJ、続きを楽しみにしてます。
238名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 22:58:47 ID:lhK9LN3K
>>232
何かもう、抜けるとか抜けないとか、そんな問題じゃない。
感動した。
239名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 03:01:25 ID:BYVe5uB0
>>235のつづき
長いので分割で

そういえば、1時間目は体育だったな……丁度いい。
まずは挨拶代わりにちょっとした悪戯でもしてやるか。

ホームルームが終わると、ぞろぞろと男子が体操服を持って教室から出て行く。
うちの学校にはプール以外に更衣室が無く、着替えは女子はこの教室で、
そして男子は隣にある空き教室で行うことになっている。
大抵の場合、男子はすぐに着替え終わって授業が始まるまで廊下でだべっているが、
女子はいつまでも教室の中から出てこない。
今日もその例に漏れず、俺を含む男子はほとんど着替え終わって廊下に出てきているのに、
女子は教室の中で何をしているのか、カーテンをぴったりと閉ざしたまま一人として出てこない。
昨日までの俺なら、このカーテンが透けて教室の中が見えることを妄想したものだが……今日からは違う。
(透けろ)
もう何度となく使ってきたおかげで、透視はお手の物である。
あっという間に、目の前には女子たちの禁断の花園の光景が広がる。
未だに制服姿の奴もいれば、既に体操服に着替え終わっている奴もいる。
しかし、大部分は回りの奴と談笑しながらゆっくり着替えているようで、ほとんどはブラとパンツのどちらか、
もしくは両方を晒している。
(俺に覗かれているとも知らずに仲良くお喋りか……知らぬが仏ってやつだなぁ)
などと考えながら教室の中をぐるりと見回す。

しかし……中の音が聞こえないというのはいまいち臨場感に欠けるな。
いや待てよ……透視ができるんだったら、超能力で教室の中の音も拾えるんじゃないか?
そう思って耳に意識を集中させると、だんだん教室の壁を隔てた会話が聞こえてきた。
「カスミちゃんって、胸おっきいよね、ちょっと羨ましいな……」
「え……?そ、そうかな?」
「うん……だって私、全然ないもん。このまま大人になっちゃったら、どうしよう……」
「そんなことないって……成長期はこれからなんだから、胸くらいユリだっていくらでも大きくなるよ。」
「本当?私の胸もこんな風におっきくてふにふにになるの?」
「ひゃぁっ!?ちょ、ちょっと、触らないでよー!」
……おーおー、男子の前では決してしないような会話までバッチリ聞こえるぜ。
それにしても、意外と女子って同性の前では大胆なんだな……。

くくく、周りの男子ども、羨ましいだろう。お前らがいくら妄想しても決して見ることのできない光景を、
俺は廊下にいながらじっくりと観察できるんだぜ。
本来なら独り占めしてもいいんだが、特別大サービスだ、お前たちにも少しおすそ分けしてやる。
240名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 03:04:05 ID:BYVe5uB0
えーと、酒井はと……残念、既に着替え終わっていたか。
まあいい……お前は後回しだ、別の機会にたっぷりと恥をかかせてやるよ。
その前に宮口だ……ああいう生意気な奴は、たまには男子の目の保養になってもらうことにしよう。
宮口の姿を探すと……教室の扉の近くで、周りの女子と血液型占いについて花を咲かせていた。
上半身は体操服だが、下半身は下着だけという中途半端な格好だ。
(まあ、そっちの方が好都合だ……その姿、廊下の奴らにたっぷりとお披露目させてやるよ)
宮口がハーフパンツを鞄から出して、右足を通そうと足を上げる……その瞬間を狙って、「力」を発動させる。
(今だ!)
念じると、誰かに背中を押されたかのように、ぐらりと宮口の体が前に倒れかける。
「え!?う、うわ……ちょっと、押さないでよ!」
突然のことに戸惑いながらも、流石スポーツ少女というべきか、左足一本でケンケンしながら倒れないようになんとか踏ん張る宮口。
ちなみにハーフパンツは両手に持って右の足首に通した状態である。
(なかなかのバランス感覚だな……もっとも、それが身を滅ぼすことになるんだがな。)
体勢を立て直す暇を与えず、どん、どんとタイミングよく宮口の背中を念動力で押してやる。
「こ、こら、誰よ、ふざけてるのは……」
ケンケンしながら慌てて後ろに声を掛ける宮口だが、当然そこには誰もいない。
「何言ってるの和美ちゃん?誰も押してないよ?」
不思議そうにそう答えたのは田中だ。
混乱しつつ宮口が再び前に視線を向けると、目の前には……教室の扉があった。
「うわ、ぶつかるっ……!」
自分が顔面から扉に突っ込む姿を思い描いたのか、思わず目を閉じかける宮口。
だが、幸か不幸か、恐れていた事態は起こらなかった。
誰も手を触れていないはずの扉が、まるで自動ドアのようにガラガラと開いていったからである。
「え……?」
事態を把握する前に、宮口の体は廊下へと弾き出され……そのままつんのめるようにしてバランスを崩す。
「ぐふっ」と間抜けな声を出し、宮口はお尻を突き上げるような格好で廊下の真ん中にうつ伏せに倒れていた。
当然、可愛い花柄のパンツを男子の前で丸出しにしながら。

「……」「……」
騒がしかった教室と廊下の時間が、一瞬で止まる。
そりゃそうだろう。なんたっていきなり教室から宮口が片足跳びで飛び出して、
パンツ丸見えどころかめくれた体操服からブラチラまでさせながら、廊下に突っ伏しているんだから。
誰もが目の前の光景に呆然としている中、一番最初に動き出したのは、宮口だった。
「……うわああああああ!」
大和撫子とは程遠い悲鳴を上げて飛び起き、真っ赤な顔で素早くハーフパンツを履く。
反応のスピードも、スポーツ少女ならではといったところか。
だがそれでも、男子たちが今の光景を目に焼き付けるのには充分な時間だった。
そのまま逃げ込むように教室に戻ろうとする宮口だったが……非情にもその瞬間に授業のチャイムが鳴る。
チャイムを聞いて次々と女子が教室を出て校庭に向かう中、宮口は教室に戻るわけにもいかずに、
田中に男子の視線から庇ってもらいながら他の女子と共に校庭に向かうことしかできなかった。
男子も、さりげなく宮口の周りを取り囲むようにして、時折チラチラとそちらを見ながら移動を始める。
良かったな宮口、これでお前は今日からクラスの人気者だ。

さてと、あとは田中陽子と酒井裕美か。
言っておくが、お前らはこの程度じゃ済まさないからな……首を洗って待ってろよ。
241名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 12:08:31 ID:fcZ7aRDn
GJGJ
242名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 13:29:26 ID:aGv+4T7+
宮口の恥じらいっぷりが最高です。
男勝りのボーイッシュ少女も、花柄のパンツ大公開じゃ、
恥ずかしくて男子と目も合わせられないんでしょうねぇ。

クラスの男子のさりげない意地悪っぷりもいいです。
女子の羞恥をみんなでじわじわなぶる。
超能力少年のみならず、男子たちの活躍にも期待です。
243名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 22:00:51 ID:BYVe5uB0
>>235
携帯電話を利用して恥ずかしい目に遭わせる、というシチュエーションに惹かれたので、
できたら続きを投下していただけたら嬉しいです。
どんなことをするつもりなのかちょっと思いつかないしw
244名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:38:49 ID:q7ZBAS7K
投下します。魔法技師八回目。
ちょい長め。
245名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:41:01 ID:gNKKN6OO
wktk
246魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 17:41:13 ID:q7ZBAS7K


 私は夜空を見上げていた。今宵は満月──月が美しいと思ったのははじめてのことだ。
 そんな自分に苦笑する。目的もなく、単に夜空を見上げる日が来るなんて思っても見なかった。

 私は、公爵家の娘であるセシリア・フォン・ヴァストルの影として雇われた。貴族としての
立ち居振る舞いから暗殺技術、諜報技術、ありとあらゆることを仕込まれ…最後は皇帝を
暗殺するという名目で成功しても失敗しても死ぬしかない任務を負わされた。

 そして、あっさり失敗した。不意を突かれたとはいえ何も出来なかった。耐える訓練も
役に立たず大恥をかかされて情報を全て奪われ、何も為しえず私は死ぬはずだった。
 カイ・リスター……奴はシュタインベルグ侯爵と共に私が捕らえられた牢に現れ、いった。
 情けないことに私は奴の目を見ただけで本能から恐怖を感じ身体が震えるのを止める
ことができなかった。元いた組織でもこんな眼をした男はいない。

「他の者は全て、皇帝暗殺未遂の重犯罪人として全て処刑した。だが、お前には生か死か
 選ばせようと思う。」
 私は精一杯の虚勢を張って奴を睨み付けた。

「何故、私だけに取引を持ちかける。」
「俺は強気な女が大好きなんだ。」
 奴はおちゃらけて笑いながら私に言った。

「ふざけるなっ!!!」
「冗談だ。そう怒るな。生を選ぶならこっちのシルビアに忠誠を尽くせ。馬鹿公爵よりは
 いい扱いをすることを保障しよう。それから…」
「それから…?」
「シルビアに忠誠を尽くす限り、いつ俺を暗殺しようとしても構わない。」
 奴の言葉には嘘を感じることは出来なかった。カイ・リスターは本気だ。自分を殺してもいいから
侯爵に仕えろと…。侯爵を見た。確かに彼女は同じ女性として尊敬できる。だが、

「裏切って侯爵を害するとは思わないのか?」
「そこまでの義理は公爵にあるまい。なら裏切られるシルビアが悪い。」
「……役立たずの私をどうする気だ。」
「君への尋問内容を聞かしたら同じ女性としてシルビアに許せないと怒られてな。まぁ、
 なんだ、若い身空で死を急ぐこともあるまい。」
 私は侯爵を一度見て、カイ・リスターに向き直った。

「わかった。侯爵に仕えよう。だが、貴様は殺して恥を注ぐっ!!!」
「おっけー。契約成立だな。髪の色は染めるぞ。そのままはまずいからな。」
 殺意をむけてもやつはへらへらしながら、受け流していた。


247魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 17:43:55 ID:q7ZBAS7K


 侯爵からの初めの任務は私の所属していた組織への手紙の配達だった。組織が裏切った
私を許すはずはない…。やはり、死ぬのかと私は考えていた。

 だが、組織の長は手紙を読むと私へ組織からの除名を言い渡した。ただそれだけだった。
 長は苦い声で敵にする相手を間違えたと呟いた。私を生かしたことには何かしら、
意味があったのだろう。侯爵は情けで生かすほど甘い人間ではないはずだ。

 それからは、カイに戦いを挑んだ。背後から襲い…落とし穴に落ちた。彼は笑いながら
私の頭を撫でた。あるときは、高いところから弓で狙った。だが、それを放つ前に魔法で
弦を切られて終わった。あるときは正面から挑んだが逃げているだけに思った奴は、ルーンを
地面に作って罠を張り、私を拘束した。奴は私の頬にキスをして去っていった。

 遊ばれている…。任務のためではなく、殺すために殺す…影としての人生が終わり、
全ての目的がなくなったとき手に入れた初めの目的は、全く上手くいくことはなかった。
 そして、命を狙われながらあいつは私を殺さない。

「こんばんは、お姉さん。」
 ふと横をみると、私の隣に貴族の着るような可愛い服を着た美しい少女が座っていた。
 ここはスラム……市街地が近いとはいえこんな少女が一人で来るような場所ではない。
しかもここは、屋根の上だ。月の光を浴びた少女の現実感の薄い美しさに私は暫く呆然と
見つめていた。そう、幻想的な──物語の一ページのような…金色の少しだけウェーブの
かかった髪は夜風で揺れ、光を跳ね返していた。
 彼女は持っていたものを私に差し出した。お茶とお菓子だ。

「カイ様が暗殺者のお姉さんが着てるから僕にもっていってやれって。」
 少女に敵意は感じない。私も……何もする気が起きなかった。黙って受け取る。

「貴女は何者?」
「僕はユウって名前だよ。お姉さんは?」
 金色の髪の少女は水色の瞳に穏やかなものを浮かべて私に聞いてきた。

「私には…名前がないの。」
「そうなんだ。僕と一緒だね。最近まで僕もなかったから。」
 くすくすと少女が笑う。幸せそうに。

「貴女はあの恐ろしい男といて平気なの?」
「カイ様は優しいよ。」
 耳を疑いたくなった。優しい人間が何故あそこまで非情になれるのか。

「冗談をいってはいけないわ。あいつは酷い男よ。」
「ううん。冗談じゃないよ。あの人は友達のために身を犠牲に出来る人なんだ。現に、
 お姉さんはシルビアのとこでちゃんとお仕事してるでしょ?」
 確かにカイの命を狙いながら侯爵に逆らおうと思ったことはない。美しい少女は
当然とばかりに、私を諭そうとする。

248魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 17:48:55 ID:q7ZBAS7K


「だけど、許せないわ。」
「どうして?」
「あいつは私に……酷いことしたのよ。個人的な恨み。」
「何をしたの?」
 少女は私に純真に微笑みながら問いかけてくる。

「性的な暴行よ。意味はわかる?」
「えっちなことだね。」
「貴女は女として許せるの?」
 何を言っているんだろうか。私は…。こんな少女に…。

「カイ様がそれをしたことは……必要だったんじゃないかな。不必要に人を痛めて
 喜ぶような人じゃないから。」
「貴女はカイ・リスターが好きなのね。」
「うん、僕大好きだよ。」
 判っている…あそこで情報が出なければ侯爵家はあそこまで優位には進めれなかっただろう。
 あいつは情報を得るために、自分の手を汚しただけだ。現に暗殺のときはあいつはからかう
ことはあっても私に手を出そうとはしなかった。怪我もさせなかった。

「お姉さんはえっちなこと嫌い?」
 水色の瞳に純粋な疑問を浮かべて、少女は私に聞いてきた。

「嫌い。いままでのこと思い出しただけでも怖気がするわ。」
「悲しいね。お姉さんは…愛されたことないんだね。一人は辛くない?寂しくない?」
「今まで…任務だけで生きてきたから判らないわね。」
 私のために少女は涙を流していた。なんだかわからないけど、私の中の何かがすっと
溶けていったように感じた。

「貴女が泣くようなことじゃないでしょう。少なくとも今は寂しくないわ。ユウがいるから。」
「うん…お姉さんも人を愛せるようになるといいね。」
「何で?」
「愛される優しいえっちは凄く幸せで気持ちいいんだよ?」
 少女は年齢に見合わない不思議な表情で微笑んだ。やっぱり、カイは殺したほうがいいかも
しれない。こんな少女を手に掛けるなんて。だけど、あんまりな言い様に私は笑ってしまった。

「楽しかった。今日は帰るわ。ありがとう…ユウ。」
「さようなら。お姉さん…名前がないんだったらアサさんって呼ぼうかな。」
「何それ…またね。」
 その月の綺麗な夜、私は襲撃をかけずに帰った。心が少し温かかった。


249魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 17:49:39 ID:q7ZBAS7K


 翌日、私は変装してカイ・リスターが根城にしている「真珠亭」に来ていた。食堂には
カイを初め、ユウや黒い髪の美少女、妹達がわいわいと騒ぎながら食事している…それを
みて、何故か私の胸に鈍い痛みが走った。

 気づいている様子は無い。私は刃を取り出しゆっくりと奴の背後に近づき…、
そして、後頭部を殴られた。

「ばか者。わしの店で流血沙汰は禁止だ。」
 そんな渋い声が最後に聞こえ、私の意識は途絶えた。

 目を覚ますと見慣れぬ部屋のベッドで私は寝ていた。

「こ、ここは…。」
「俺の部屋だ。悪いが武器は回収した。頭は痛まないか?」
 目の前には私が命を狙っていた張本人がいた。なんとか記憶をたどっていく…。

「カイ・リスター。私は弱い…民間人に負けた。とんだ無能だ。」
「おっちゃんはお陰で女性陣から女の頭叩くなんて何事だって吊るし上げられてる。
 ま、落ち込みなさんな。」
「暗殺者を何故責めない。私を殺さない。」
「決まってる。お前がシルビアの味方だからだ。」
 さも当然というようにカイは言った。

「お前にとっては敵じゃないのか。私はお前を殺すつもりだぞ。」
「だって俺、お前に恨みないし。お前はあるだろうけど。」
「と、当然だ。あんなことをされて…」
 顔に血が集まるのが判る。思い出したくないのにあの恥ずかしい出来事を思い出してしまう。

「お前には恨まれてるのは判ってる。だけど、お前がシルビアの味方である限りは可能な
 限り俺もお前を護ってやる。殺されそうになってもな。」
 やな笑いだ。全てを見透かしたような…それでいて邪気のない少年のような目。恨んでる
はずなのに言葉に胸が温かくなる。

「お前を見てると何もかも馬鹿馬鹿しくなるな。私に魔法でもかけたか?」
「恋の魔法ならいつでもかけるぜ?それより、お前名前なんていうんだ?」
 あまり似合わない気障な台詞に失笑が漏れそうになる。なんとか我慢しつつ、私は
ユウに言ったのと同じことをいった。

「私には名前が無い。影とか番号でずっと呼ばれてきた。」
「名前が無いと不便だな。暗殺者…そうだ。アサシン…アサって呼ぼう。」
 私は思わずぽかんとしてそれを聞いた。我慢できない笑いがこみあげた。

「………くっくっく…ふふふ…あはははははははっそっか。なるほど。よく判ってる!!」
 そんな私をカイは怪訝そうに見ている。

「な、何がそんなにおかしいんだっ!」
「ぷ、くく…昨日ユウが……名前ないって言ったら……同じこといったから……!」
「ああくそっ!ユウの奴っ余計なことを!……でも、やっと笑ったからいいか。そうしてる方が
 うん、可愛い。そのほうがいい。」
 私は、彼を殺そうとしているはずなのに…彼のペースにはまってた。おかしくて笑いが
止まらなかった。こんなのずるい。可愛いとかいうなんてずるい。

「お前はずるいな。カイ。笑わせすぎだ。絶対変な魔法使っただろう。」
「俺は二枚目のはずなんだがな…。」
「ぷっくくく…やめてくれ、お腹が…痛い…。」
 私はたっぷり五分ほど、笑い転げた。こんなに笑ったのは生まれて初めてだった。

250魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 17:53:40 ID:q7ZBAS7K


「気は済んだか?」
「私は…判らない。何も……お前を殺そうとしない限り目的も無い…何も無い。」
「……そうか。」
「でも、私では殺すことも出来ないし、迷ってしまった。何も無いのが怖い。」
 私はなんで……目の前の憎いはずの男にこんなことを話しているのだろう。

「判った。アサの不安がなくなるように俺がとっておきの魔法を使ってあげよう。こっちを
 向いて、俺の眼を見て力を抜いて…。」
「………何をするんだ?」
 彼は私に力を抜くように指示し、深呼吸するように促した。彼の眼は穏やかで吸い込まれる
ようで、自分が彼の眼に取り込まれているようなそんな気がしてくる。

「魔法さ。さ、力を抜いて…俺が三つ数えて手を叩くと君はとても素直な気持ちになる。
 そして、全部言いたいことを言った後は生きる活力が沸いて来るんだ。」
 引き込まれるような彼の眼を見ていると……気持ちが落ち着いてきて……

「いいか、いくぞ?」
「それは洗脳じゃないのか?」
「洗脳とは少し違う。お前の本当に望んでいることを…不安をましにする…その程度だ。
 後はお前の力で切り開くんだ。魔法で何でも解決できるほど甘くない。力を貸すだけだ。」
「わかった。頼む。」
「それじゃ行くぞ、俺の目をよく見るんだ。…3.2.1…はいっ!!!」

「君は生きていたいか?」
「生きたい。」
 口が勝手に動く。それも悪い気分じゃない。

「一人は寂しいか?」
「寂しい。」
「俺たちが羨ましかったか?」
「温かくて羨ましかった。」
「お前の出会いはこれからだ。幸せになるのも楽しくなるのもこれからだ。生きてそれを掴め。」
「うん。」
「他に何かして欲しいことはあるか?」
「一度……優しく愛されてみたい。」
「………次、逆に数えて手を叩くと君はすっきりとした気分で目覚める。1.2.3…はいっ!!」
 はっと、目が覚めた。記憶はある…。

「気分はどうだ?」
「変な感じだ。重荷がなくなった感じ。不安だけど不快じゃない。」
 目の前には優しく笑っている彼の顔があった。悪い気分じゃない。不安はなくなったわけ
ではないけど、前向きに生きていける気がした。これからは楽しい出来事が待っているのだ。
 よく考えれば昨日も今日も結構楽しい。こんな日々なら悪くない。

251魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 17:54:23 ID:q7ZBAS7K


「最後のはちときついな。」
 と、彼は苦笑した。そんな困った彼の顔を見て、なんとなく、ユウが言ったことが本当
か確かめてみたくなった。

「一度、私を抱きしめてみてくれないか?」
「は?わかった。」
 私は座っていたベッドから立ち上がり、彼にもたれかかってみた。彼は私を包み込むように
優しく抱きしめてくれた。大事なものを扱うように。とく…とく…と心臓の音が聞こえる。
何故か安心できた。

「ふむ、ユウがいったとおり悪くないな。」
「なんかいったのか?」
「女同士の秘密だ。カイ・リスター。頼みがある。」
「言ってみろ。」
「私に魅了の魔術を掛けて…女を愛するように抱いてみてくれないか。嫌じゃなければだが。」
 もっとも必要ないだろうけど…。憎いはずのこの男がどうにも憎みきれない。凄惨な人生を
送り非情なはずなのにどこか甘い。冷酷なのに優しい。自分が絶対勝てない強い男。
だけど、惚れたと認めるのは微かに残った矜持が許さない。
 カイ・リスターは困りながらも頷いた。

「この女好きめ。」
「こんないい女に抱いてくれって言われて抱かない奴は男じゃない。」
 蕩かすような笑顔。ほんとにやなやつだ。彼はルーンらしきものを唱え、抱きしめる
力を強くして私の唇に口付けた。優しいキス…それだけで、私の身体から力が抜けて
身体が熱く火照り、カイの顔しか見えなくなった。魔法がかかったのだろう。

「何か変な感じ…いつも嫌なのに、嫌じゃない…」
「お前が俺のことを好きで、俺もお前が好きだからだ。」
「ほんと?」
 彼はその返事を唇を塞ぎ、私の口を舌であけて中に入れることで答えた。彼の舌が
私の口の中で絡み合う。そして、私の身体をゆっくりとベッドに寝かせた。下から
見上げるカイの顔は結構整っていて…見ていると胸がドキドキする。
 心臓が早くなっているのが判る…私は緊張してる…期待してる…。

「ひゃっ!」
 ぼーっとしていたせいか、カイに急に頭を撫でられて変な声を出してしまった。
 彼は私の顔を見て何かに安心したように息をつき、軽く唇を合わせた。

「脱がすぞ。」
「うん…」
 なんでだろう。顔がまともに見れない。嫌な感じじゃないのに…。自分がセシリアが
たまには話をしていた物語の少女の気持ちがわかった。
 あの時は馬鹿にしてたけど…。好きな人に大事にされるのがこれほど幸せだなんて
思わなかった。例え偽りだとしても…。

252魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 17:56:34 ID:q7ZBAS7K


 カイは慣れているのか、私はあっという間に裸にされた。同じように裸になった彼が
私を抱きしめる。彼の体温が直接私に伝わり、それだけで快感と…それ以上に、私の心に
幸せを感じさせてくれる。

「なんか不思議な感じ。恥ずかしいけど悪くない。」
「恥ずかしがってもいいし、声を出してもいいから…ありのままに…な。」
 彼はそういうと私にキスをし身体に指を這わせていく。その行為にいつも怖気を感じていた
けど今日はそういうこともなく、彼の指が与えてくれる快感にのめり込んでいた。カイは尋問の
時のような、相手のことを考えないやり方ではなく私が丁度気持ちがいいと感じる程度の
強さに押さえている。

「う…んっ……カイ……気持ちいいよ……。」
「これからもっとよくなる。」
 これ以上?信じられない…。
 だけど、その言葉に偽り無く…私の欲しいところに舌や指が動き、時には不意を突かれて
自分でも思いもしないところで感じていた。私の胸の鼓動はどんどん高まり、目の前の男を
貪欲に自分から欲しているのが自覚できた。

「……カイ…もっと気持ちよく……。ああっ!」
 強い刺激がきた。彼の指が私の秘所に触れたのだ。頭が一瞬白く染まるほどの快感が
走る。彼の指はそこで踊るように動き、焦らし、攻めて私を翻弄した。

「怖い……気持ちよくて…幸せだけど怖い……。」
 裏の世界で生きてきた自分にとって始めて感じる幸せに…私は溺れていた。彼は愛撫を
続けながらも優しく、甘える私を子供をあやす様に抱きしめ額をつけて囁く。

「大丈夫。怖くないから。俺に任せて。」
 自信に溢れる彼の言葉を聴くと安心していく。恐怖しか感じなかった彼の瞳は自分を護る
強さを秘めた瞳に変った。少女のように震える私に何度も何度も大丈夫と繰り返し、優しく
私を扱う。なんだか、ユウが好きな理由がわかる気がした。これが彼の本質なのかもしれない。
 身体が熱くなり…私は受け入れることが出来る体勢が整っていることを理解していた。
いつもなら苦痛しか感じない行為がどんな風になるのか…期待と不安で心臓が激しく鳴っている。

253魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 17:58:02 ID:q7ZBAS7K


「……入れるぞ。」
「はい…お願いします…ふぅ……あぁっ………。」
 ずぶずぶと自分の中にカイのものが入ってくる。異物感───だけど違う。自分の
隙間が埋まるような───嬉しさと喜び。好きな人と一つになった感触。私は何故か
涙を流していた。労わるように見ている彼の首に手を回して自分の身体を彼に押し付けるように
くっつけた。このまま何もかも一つになりたい気分だった。

「あん………胸がどきどきして…幸せで…いろんな気持ちが混ざって…。感じるよ。カイ…」
 彼はキスをし舌を入れ体を動かし始めた。彼の固くて太いものが中で暴れ、なのに
私の気持ちのいい場所を正確に刺激する。

「ぁ……ぅ………いい……気持ちいい………気持ちいいよぉ……」
 意識せずとも快感で声が漏れ、自分の声とは思えない欲情した声を聞いてさらに
快感を感じ高まっていく。身体はどうしようもなく熱くなり、腰は気持ちよさを求めて
勝手にうごめき、快楽を貪った。頭が痺れ、全身が痙攣する…永遠に感じていたいけど
限界は近そうだった。

「カイっ!…あんっ……そろそろ…イキそう……お願い…愛してるって言って…」
「今はお前だけを愛してる。最後は一緒にな。」
 彼は最後に荒々しく突き始めた。耐えられないほどの刺激を受け、頭から思考が消え、
繋がってる部分に意識が集中する。

「あ、ありがとっ…うぁ…もうだめ…いくっ……ぁぁぁっ!!!」
 そして、最後に彼は私の中に精を放った。私は荒い息をつく。中にカイのそれが広がる
感触はいとおしく、感動的なものだった。犯されているという感覚は微塵も無く、ただ
愛された幸せだけがそこにはあった。
 カイは私を優しく抱きしめて囁いた。

「魔法はもう少し続く。このまま寝るから魔法が解けたら…シルビアのとこに帰るといい。」
「ありがとう。カイ…こないだのは今日ので水に流してあげる…でも、あんまり女を泣かす
 ようなら…改めて殺してやる。」
「うはー。まずい約束しちまったなあ。」
 私は行為の疲れもあって、彼の大きい身体に抱きしめられてその体温を感じながら
眠った。起きたとき、彼は眠っていたので起こさないようにそっと起きてシャワーを借り
身体を洗ってから城へと帰還した。

254魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 18:01:10 ID:q7ZBAS7K


 数日後、私は主人であるシュタインベルグ侯爵の私室へと呼ばれた。これは始めての
ことだ。私は緊張しながら入室した。
 侯爵は、部屋の中で月夜の晩に出会った金髪の美少女の髪の毛を梳かしてあげていた。

「侯爵。お呼びですか?……え、ユウ!!……あ…失礼しました。」
「本当だわ。ユウの言ったとおり。貴女いい顔になったわね。」
 自分では判らないがそうなんだろうか。

「カイへの復讐はもういいの?最近行っていないみたいだけど。」
「ええ。あの女の敵にはいつか制裁を加えたいですが、今のところ殺したいとは思いません。」
 そう…。と、侯爵は梳かしていた手を止めた。何故か背中に冷や汗が流れる。

「あいつに抱かれたのね。」
「うっ!!あ、いやその…。」
 そんなとき、黙っていたユウが口を挟んだ。

「アサちゃん、僕の言った通り優しいエッチは気持ちよかったでしょ?」
「え…う…はい…」
 私はいたずらっぽく笑う自分の胸くらいの身長の幼い少女に情けなくも混乱させられていた。

「折角拾った命ですし、これからは楽しく生きていこうかと…。あいつを見てるとそう思いました。」
「そう…よかったわ。私は死にたがりの部下なんていらないからね。私の部下は任務も
 大事だけど命を一番大事にしてもらうわ。失敗してもいいとは言わないけど、生きていれば
 元は取れるからね。失敗しても私やカイがフォローしてあげるから安心なさい。」
 侯爵はそういって微笑んだ。

「暫く貴女には女官と働いてもらう。その後は貴族相手の諜報・護衛を頼むことになる。
 貴族としての訓練を受けてる貴女の能力は遊ばせないわ。危険だけどお願いね。」
「望むところです…喜んでお引き受けします。勿論死にはしませんよ。」
 私は自信を持ってそう答えた。今は何も目的は無いけどそのうち見つかると思う。それまで
任務を受けながら気楽に生きるのも悪くなさそうだ。

「その、アサちゃんってカイが付けたの?」
「侯爵様…何故それを。」
 私は苦々しい表情で言った。

「あの馬鹿ネーミングセンスないからね。私が付けてあげるわ。そうね………。
 ミリアム。これから貴女はミリアム・アサね。大事な友人の名前あげるんだから
 勝手に死んだら許さないから。」
 ミリアム……悪くないかもしれない。私は頷いて侯爵様に頭を下げた。部下を大事に
する方だとは聞いていたが……この人の下で働くのは楽しそうだ。

255魔法技師 優しい魔法:2007/06/30(土) 18:02:41 ID:q7ZBAS7K


「ところで、いくつか質問してよろしいでしょうか。」
「いいわよ。」
「何故、ユウがここに…。」
 確かにスラムよりはここのほうが似合っているが…。

「それは僕がシルビアとお友達だからだよ。ミリアムお姉ちゃん。」
「この子は見た目と違って強いの。私は今激しく動けないから護衛にね。」
「は、はぁ…」
 綺麗な服を着た、幻想的な少女はあまり強そうには見えないが…そういうことも
あるんだろうと自分を納得させた。

「もう一つ、カイ・リスターが本当に私に殺されるとは思わなかったのですか?」
 私のその質問に侯爵様はくすくすと笑っていた。

「無理よ。技量は貴女が多分上…だけど、あいつは悪賢いからね。貴女の視野を狭めて
 自分だけを狙うようにして、そこから罠に引っ掛けていたのよ。」
 確かに、私は……勝てる気がしなかった。

「それに……最悪あいつの妹とマオとユウが護るから。その必要はないと思っていたけど。
 あいつにはなんでもありの戦闘なら私でも勝てない。圧倒的にあいつより強い
 ユウもマオもベルも…負けてる。だから、信じてた。命を賭けた甲斐はあったようね…
 貴女の顔を見ていると。」
「不思議な男でした。味方なら心強い。少々スケベですが。」
 命を狙う私を味方だから護ると本気で言い切ったあの男の顔を思い浮かべて私は微笑み、
自分もそれくらい言えるような強い人間になろうと心に決め、一礼して侯爵の私室を辞した。

 さてなにから始めようか────自由になった私は未来へ明るい希望を持って歩き出した。

256名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 18:03:27 ID:q7ZBAS7K
投下終了です。
257名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 18:04:10 ID:ETukXyIb
乙+GJ
258名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 18:20:27 ID:WIDatrMf
>>256
GJ!!
この恋の魔法は効き目が思いっきりながそうですww
259名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 21:55:21 ID:+3gTHqqD
>>256
恥ずかしすぎて身悶えした。
この馬鹿野郎。(*´∀`*)
260名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 11:05:47 ID:fS5T1mWX
毎度毎度エロシーンの入れ方が神すぎる…
魔法を使ったエロなのに魔法ありきのエロじゃないのがすごい

って何えらそーなこと言ってんだ俺orz
261名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 14:03:14 ID:ct6O0NF6
つまり「愛だよ愛」ってことだな(違)
262名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 21:44:59 ID:04xW0uFG
つまり「エロだよエロ」ってことだな(違



わないんじゃないかな)
263名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 01:05:18 ID:Ng8FXKlQ
スレ復活してたのに今更気付いた。えがったえがった
264名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 01:12:18 ID:olriI050
>>263
どうだい、景気付けに一本投下してみては?
265名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 01:50:23 ID:Ng8FXKlQ
そんなのさらっと用意できるほど才能溢れてないヨ・・・
まあ頑張ってはみる。と思う。
266名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 15:28:37 ID:RDMwBs96
魔法技師シリーズの中の人の投下の早さに全俺が泣いた
267名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 18:35:42 ID:+rYMQ1QT
アクセスの禁止を受けているため、代行の方に投稿してもらいます。
解除の様子を見てこの先どうするか考えます。
268魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:36:15 ID:+rYMQ1QT


 涼しい風が気持ちのいい朝、俺は椅子に座って鼻歌交じりで自分で作った玩具の
数々に大雑把なルーンを掘っている。あまり集中のいらない作業だ。
 ベルはシルビアの護衛についているため不在。久々の一人の時間を俺は楽しんでいた。

「これで五つ目か。俺も半年もしない間に父親とは…。実感沸かないな。」
 先ほどまで作っていたものを机の上に置き、俺は窓から外をぼんやりと眺めた。

「カイ様〜何やってるんですか?」
 そんな時、青いゴスロリ服を着たウェーブのかかった金色の髪に水色の瞳の十代前半に
見える美少女…ユウが部屋に入ってきた。今日はマオと出かけていたはずなんだが…。

「お前だけか?マオと一緒じゃなかったのか?」
「マオちゃんがアジトとかいってる場所に行ったんだけどちょっと怖くて…。」
「んー、お前らまだ喧嘩してるのか?だめだぞ。」
 ユウは困惑した表情で、舌足らずに必死に説明した。

「違うの。そこの大きい男の人たちがね。マオちゃんを姐御!とか呼んで平伏するの。僕にまで
 同じように呼ぶから……それでね、マオちゃんの言うこと聞いた人は頭撫でられるの。
 そしたら大きい男の人が涙を流して喜ぶの。姐さんのためなら命でもっ!とか………怖かった。」
「……………怖いな。」
 その光景を想像し、少し寒気がした。なにやってんだあいつは…。

「それで、カイ様何してるんです?」
「子供用のおもちゃを作っていたんだ。触ってみな。」
 興味津々な顔でおもちゃを見ているユウに先ほど作った鳥のおもちゃを触るよう勧めた。
269魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:37:13 ID:+rYMQ1QT


「ひゃあ!は、羽が動きましたっ!」
「手を離してみな。」
「あ、止まった。」
「簡単なおもちゃだ。触れた場所から少しだけ魔力を吸収して羽を動かす。」
「他のも触っていいですか?」
 嬉しそうに色んなおもちゃに触れるユウ。触ると穴からもぐらが出てくるおもちゃや
動く馬車のおもちゃを手にして喜んでいた。こんなささやかな生活が本来俺が目指して
いたものだった。二人で穏やかに慎ましく幸せに────

「カイ様!カイ様!聞いてます!?」
「ああ、ん。なんだ?」
「カイ様、お子さんたちの名前考えているんですか?」
「なんで知ってるんだ…。」
「僕、シルビアに聞いたんです。楽しみですね。」
 後悔しても戻らない。俺とベル、シルビアと…愛した人。四人で生きていた時には。

「どうかしましたか?カイ様。いきなり笑って。」
「いや、俺と顔を合わせれば喧嘩をしてたシルビアが俺の子供を生むってことを、友人が
 知ったらどう思うだろうと思ってな。」
 ユウはちょっとだけ考えて少年のように快活に楽しそうに笑っていった。

「カイ様の友達なら───からかって大笑いしてから祝福してくれるんじゃないですか?」
 俺はユウの頭をくしゃくしゃ撫でて笑顔でいった。

「そうだな。俺もそう思う。」
 復讐は悲しいことだと教えてくれた愛した人に、心の中で復讐に生きていることの謝罪と
それだけじゃなく今は幸せであることを報告し、改めて前に進んでくことを誓った。
 ユウはにこやかな顔でシリアスに浸っていた雰囲気をぶち壊しにする一言を続ける。
270魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:37:46 ID:+rYMQ1QT

「また、カイ様がえっちなアイテムを作っているんだと思ってました。」
「ほー。それは俺に対する挑戦と受け取った!」
「ええええ!!」
「ふっふっふ、今日の夜は覚悟しとけよ。ユウ。」
 自滅して泣きそうになってるユウを見ながら、どんなアイテムを作ろうか俺は必死に
頭をめぐらせていた。


 その夜食事が終わった後、俺は前に作った魔法のロープと新しく作ったアイテムとを
もってユウと一緒に入浴していた。

「カイ様〜僕お風呂一緒に入るの恥ずかしいよ。」
 と、ユウは俺の身体の上に座って湯船につかりながらその白い肌を真っ赤に紅潮させている。
 俺はそんな少女の薄い胸を軽くいじって反応を楽しみながら、

「ユウは恥ずかしがってるのも可愛いからなぁ。」
「むー。カイ様のいじわる……ゃ…ぁ……もう、えっちなんだから。カイ様…結局何を
 作ったんですか?」
「おもちゃ。最近はこればっかり作ってたからな。そのノウハウを生かしてみた。」
「右手に魔力の絶縁の印を使ってますね…あ…きゃ……」
 俺はユウをお姫様抱っこで抱きかかえて湯船からあがり、備え付けられている
椅子に座り、膝の上にユウを乗せた。

<魔力を封ぜよ>

 魔法の縄をキーワードを使い発動させる。前回のような亀甲縛りではなく、手首と
身体に少しだけ巻きついただけの全く身体を拘束するのに意味のないように、魔法の縄は伸びていく。
271魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:38:24 ID:+rYMQ1QT

「な、何これっ!」
「魔法封じの縄だ。前にいたずらするマオをお仕置きするために作ったもの。」
「ええっすごい!マオちゃんの魔力封じれるんですかっ!で、でもそれじゃ僕には手も足も…」
 お湯で火照っている身体を俺に抱きしめられているユウの水色の瞳が微かに不安に揺れる。
 ユウは魔力はマオほどじゃないので雁字搦めにする必要はない。その分身体能力が
強いのだが…なんとかなるだろう。しかし、ユウの不安そうな泣きそうな顔は…
なんかいぢめたくなる。
 そして、俺は今回のメインディッシュを取り出した。製作日数一日の傑作っ!

「な、なにその丸くて太い棒みたいなの…。」
「おもちゃさ…。大人のおもちゃ。触れると動く、朝見たのと同じ。」
「大人の…?」
「そう、すぐわかる。」
 俺はそう宣言すると、その太い棒の先をユウの胸に軽く押し付けた。ユウの身体から
漏れる微かな魔力を吸収し、棒は細かく振動を始めた。

「きゃぅ…何っ!……ぁ……ぇ……棒が離れても……間隔をあけて痺れるのが残ってる…ぅぅ。」
「動くだけじゃ芸が無いからな。不定期の間隔で幻痛の魔法…五秒以上つけた場所には不定期
 で、押し付けた感触が蘇るようにしてみたんだ。」
「え、そ、そんな…」
 抗議を受け付けずしっかりと逃がさないよう彼女の裸身を片手で抱きしめて、ユウの身体で
感じる場所にそれを押し付けていく。

「ぃゃぁ……きゃんっ……痺れるよぉ……うぁ……僕…怖いっ!」
 全身を襲う快楽を伴う振動にユウが泣きそうな声をあげる。俺は小声で大丈夫と声をかけつつ
その太い棒を一番感じるそこにあてがった。
272魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:38:59 ID:+rYMQ1QT

「ゃぁぁっ…そこはだめぇ……ぁぁぁっん!!」
 秘所に接触した軽い振動だけで、ユウは甘い声を漏らし幻痛の魔法で全身を責められ
痙攣させていた。俺はじらしながら太もも、足の裏など感じるところ…感じるところに
押し付けていった。

「カイ様っ!やめてっ!体中舐められてるみたいっ…やぁん……ぁぁ…」
「まだ身体の外側だけだぞ。」
「うう、もうだめです……僕をいじめないで…お嫌いですか…僕…」
「馬鹿だな。ユウが好きだから…可愛いからだよ。もっと可愛い顔を見せてくれ。」
 俺はそういって、ユウの内部にその太い棒を入れた。

「やあああっ!!暴れる!!中で暴れるっ……ぁ…やぁ…いや、体が…感じ…っ!!」
 ユウは中に入れた時点で既に限界に近そうだった。だが、それでも中に不定期にユウを
責める幻痛を植えつけていく。ユウにしてみれば全身の外と内に細かい激しい振動を与えられて
いる感覚だろう。一通り中も植えつけ終えると俺はその太い棒を抜き、クリトリスを
中心に細かく震える棒で愛撫し始めた。

「いやああぁぁっ怖い…怖いっ!!あうううっいや、いっ!!!」
 一瞬ユウの声がつまり、白い肢体が硬直して反り痙攣する。

「ぁぁっ…うぁっ…だめっ止まらないっやだぁ中が暴れてっ外も……やっ…ううっ!!!!」
 間隔をあけずにまた激しく痙攣する。無限に続く本来無いはずの幻の痛み…この場合は
激しい振動がイっても止まらずに彼女を攻め立てる。

「ゃぁ……カイ様お願いっ…止めてっ止めてっ!!僕、僕おかしくなるっ!!」
 何度も腰を浮かし蜜を垂れ流して痙攣し、しかし、俺に身体を拘束されて動けず強制的
に幼い身体は快楽を与えられて徐々に眼に力が無くなっていく。

「ぁっ!またくる…やあああっ漏れちゃうよっいやあああっ!」
「いいぞ!ユウの可愛い恥ずかしい顔見せてくれ!」
 俺は道具から手を離すとクリトリスをつまみあげた。
273魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:39:34 ID:+rYMQ1QT

「いや…僕…僕もう…我慢…」
「我慢しなくていい、ここは風呂場だしな。」
「うぁ…ああああ!!また中がっ外があばれっ…も、もう…あああっ!!!」
 チョロチョロ…と控えめで可愛い音を立てて後ろから抱きかかえている俺の脚に熱い液体が
かけられた。その間も激しく内部からも外部からも感じているようでおしっこを漏らし
ながら絶頂を何度も続けていた。俺は魔法の縄を解き、かけられた呪文を解呪した。

「………うう…っ……ひぐっ………お漏らししちゃった…ひぐっ…」
「わ、悪かった…な?」
「怖かった…怖かった…僕…カイ様なんて大嫌い…」
 俺の膝の上に座っているユウは不機嫌に泣いていた。ちょっと調子に乗りすぎたようだ。
 優しく腕を回して水色の瞳を濡らして泣いている彼女を抱きしめる。

「ごめん、ユウ…可愛すぎていじわるしたくなっちゃったんだ。どうしたら許してくれる?」
「うう…カイ様…嫌いです……」
 俺は彼女の小さい身体をこちらに向けて座りなおさせ正面から彼女に向いて、軽くキスをした。

「お詫びにユウのためになんでもする。」
「ほんと……?」
「ああ、男に二言は無い。」
「じゃあ……今度のお休み、一緒にデートしてください。二人っきり。」
「お安い御用だ。お姫様。それだけか?」
 ユウは涙にぬれる眼で、でも精一杯に明るく笑って俺に言った。
274魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:40:08 ID:+rYMQ1QT

「僕もカイ様の子供生みたいです。勇者は時間がたてば人間になるから…。」
「そっか…。じゃ、俺長生きしないとな。」
「うん、絶対死んじゃだめだからね。」
「勇者でも生めるかもしれないし…頑張ってみるか。入れるぞ。」
「カイ様はしたいだけでしょっ!もう…えっちなんだから……。」
 そのまま軽い身体を少し持ち上げて腰を上げると、自分のそそり立っているものを
ユウの秘所に突き上げた。何度もイったせいで敏感になっているのか、ユウの顔が
すぐに快楽に歪む。甘い声をだし、妖艶な雰囲気を感じさせるユウの唇を塞ぎ、腰を動かす。

「……ちゅむ…じゅる………ぁ………これ…奥まで来る……」
 ユウは力が抜けそうになる身体を支えるため、俺の首に手を回して必死にしがみつき、
柔らかい金色の髪と身体の感触を味わいながら突き続けた。

「ぁ…っ…カイ様……やっぱり変なアイテムより……カイ様のほうがいいです…」
「ほんと、お前可愛いな。」
 俺はユウの囁きに笑顔で答え、身体に精を注ぐために激しく動く。

「んぁ…ああっ気持ちいい…カイ様っ!僕またっ……っ!」
「俺もいくっ……いくぞ。一緒にっ」
「はいっ!カイ様すきです……好きですっ!中で…僕の中にいっぱいだしてぇっ!!」
「俺も好きだっ!くっ」
「いくっ……ぁっ………いくぅっ!!!」
 約束どおり、中に出すと彼女も同時に膣を収縮させて俺のモノから精を最後まで吸い取った。

「はぁ………カイ様…僕もう…動けません。」
「ちゃんと洗って運んでやるよ。」
 結局、洗いながらムラムラしてしまった俺は続けて二発やってしまい、体力の限界
が来ていた、金色の美少女は俺の腕の中で眠ってしまった。少し反省。
275魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:40:42 ID:+rYMQ1QT

 翌日、結局俺の部屋で寝かせてしまったユウを起こして先に食堂に下りるとマオが不機嫌な
様子で座っていた。今日はサスペンダー付の半ズボンにシャツという少年っぽいスタイルだ。
俺はいつも通りマオの隣に座ったのだが…。

「カイ。ユウが昨日部屋に戻ってこなかった。」
「あー、それはだな。ユウが俺の部屋に遊びに来て寝ちゃってだな。」
 必死に言い訳をしていたそのとき、ユウも食堂に入ってきた。そして…いつもの席じゃなく
何故か俺の膝の上に座った。今日はユウも少年っぽいシンプルなファッションだ。

「僕もこれ一度やってみたかったんだよね。カイ、ほらっあーん。」
「こら、ユウ!それはわらわの席じゃっ!!」
「いつも、マオちゃんばっかり〜。昨日、カイ様が僕にも子供生ませてくれるって
 約束したから僕も恋人なんだよ。だからこれくらいいいでしょう。」
 マオがこちらを向いた。勝気な瞳には久々にそれだけで人を殺しかねない殺気が宿っている。
276魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:41:19 ID:+rYMQ1QT

「どういうことじゃ?」
「えーっと…その…だな。ちょっと昨日いじめすぎてその代わりに約束を…。」
「苛めたくなる気持ちはわかるが…カイ……そなたには……お仕置きが必要なようじゃな。」
 殺気をむき出し、俺ににじみよるマオ。背中から冷や汗が流れる…。

「いいでしょう。マオちゃんもみんなで仲良くしようよ。」
 まさに、天使の笑顔でいうユウ。俺はにじりよってきたマオの顔を捕まえると…
顔を引き寄せてキスをした。

「んっんーーーー!こ、こらカイわらわは誤魔化されないぞっ!!」
 怒りが霧散して顔を真っ赤にしながら暴れるマオも可愛いなと思いつつ、小声で呟く。

「今度マオの言うこともなんでも一つ聞くから。」
「む………しょうがない今回だけは許してやろう……その約束、絶対だぞ絶対だぞ!?」
 はいはいと、彼女を宥めながら俺は食事を再開する。

「おい、カイ。」
「なんだおっちゃん。」
「お前の恋愛関係に口を出す気はないが─────そのうち刺されるぞ。」
 真珠亭は今日も平和だった。
277魔法技師と子供の玩具:2007/07/03(火) 18:41:52 ID:+rYMQ1QT
投下終了です。
278名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 19:24:39 ID:2I2S7JFC
GJ!!!
ハレームっぷりが最高過ぎるw
確かにこれは刺されても可笑しくないなw
しかしアクセス規制ですか、投下の早さが逆に仇になるなんて(涙)
この作品を読むのは凄く楽しみなのにw
279名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 19:51:51 ID:2aKGvKFc
いつもながらGJ!!
規制とはなんと悲しい報せか。・゚・(ノД`)・゚・。
280名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 20:36:18 ID:SPmVznUE
大人のおもちゃGJ!!
ユウのロリっぷりに萌えた
つかマオは普段いったい何をやってるんだwww
281名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 00:15:23 ID:qs7RSPdX
>>267
GJだが…えぇぇぇぇぇぇぇぇぇorz
282名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 19:13:30 ID:eVid2nNL
GJ!
毎度毎度ものすごいクォリティに感嘆することしきりです。

ところで、このスレって一次作品、二次作品両方とも受け付けているけど、
魔法とか超能力とかを特定の原作から持ってきたオリジナルって、アリかな?
例を出すというか、そのまんまなんだけど『ジョジョの奇妙な冒険』から能力だけ持ってきて、
キャラやシチュはオリジナルっていうヤツなんだが。
283名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 22:39:53 ID:+Dfju2pV
>>282
全然オッケー!
284名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 11:23:34 ID:eqsfn17N
オチは丈太郎にフルボッコですか(違
285名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 12:50:46 ID:pu3IiJ05
>>284
主人公の名前は承太郎だ!
丈太郎でも丞太郎でもない!
286名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 14:43:27 ID:Y1eW2JfZ
ん?Q太郎ではなかったか?w
287名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 18:37:02 ID:EqgxXWpZ
それは花見沢
288名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 22:30:51 ID:FNuby8v3
>>239-240のつづき

「はぁ、はぁ……」
「ふぅ、ふぅ……」
俺の周りにも男女問わず息を荒げている。
そう、今日の体育はマラソンなのだ。
校舎を出て決まったコースを5週する。1週約1kmだから5周はかなりつらい。
でもまあ1、2時間の2時間体育なので、どんなに遅いヤツでも周回はできる。
そして、早く終わったヤツは、それだけ余った時間遊んでられるので、
運動神経いいヤツ、っていうか速いヤツにはそんなに苦じゃない。
……そう。いつもならコイツも苦もないうちの一人だったのだが……

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
マラソンでの疲れと、クラスの男子相手にパンツとブラを見せてしまった宮口和美は
取り囲む男子の視姦攻撃から逃れるべく、必死にコースを疾走していた。
そこはさすがスポーツ万能なだけあって、マラソンであろうとそこらの男子には負けはしない。
健康的で豊満な胸元や尻回りを、まるで俺がやるように透かして見ようとする男子の視線。
“服を透かすような視線”という比喩があるが、
実際男子達にしてみれば、さっきのハプニングで宮口のパンツとブラを目の当たりにしているのだ。
それだけに男子達の視線はよりリアルさを増し、宮口の女を辱めるのだ。
(……ちくしょうっ……)
男子の視線に耐えられず、懸命に引き離すように突っ走る宮口。
疾走の甲斐あって、宮内についていける男子は、ほんの2人ほどになった。
その2人も、たった2人で同級生の女子をいやらしい眼で見るのに後ろめたさを感じ
見るなとばかりにキッと睨んだ宮口の視線に気圧されて、彼女から離れていく。

だけど宮口。お前はなんにもわかっていない。
このマラソンが、周回制だということが、どういう結果を呼び起こすのか。
校外だからうるさい先生もいない。
まずは罠を作らなきゃな。宮口をさらに辱める罠を。
そして、餌に使う女子は……くくく……
289名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 22:36:40 ID:i3e7Nq3y
おお、GJ!
宮口に襲い掛かる更なる恥辱wktk
290名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 22:54:20 ID:MvYb+jZy
>>288のつづき

息せき切って疾走する宮口。
男子達のいやらしい視線を振り切り、卓越した運動神経の全てを使うかのように走り続ける。
とにかく早く走り終えたい。走り終えてとにかく逃げ出したい。
そんな恥ずかしい思いを込めながら走る宮口の脚がにわかに止まる。
そう。今日のマラソンは周回制だから、早く走ればどうしても周回遅れの男子にぶつかる。
当然今日の注目度一番の宮口和美は、周回遅れの男子達の視姦のマト……
にされる間もなく、一気に周回遅れを突き放す。
男子達が泡食って追いすがろうとするが、突き放される一方。
次の男子グループに対しても、一気に追いつき、視姦する間もなく一気に突き放す。

(さすが宮口だな。男顔負けの気迫と運動神経。惚れ惚れするね。
そこらの男じゃ、とてもあいつには追いつけない。
そりゃ宮口より足の速い男はいるけど、数が少ないから、睨まれたらビビるんだよな)
情けないと思いつつ、脳内映像の宮口に視線を移す。
今俺が使っている能力は、念視と似たような超能力だ。
目をつむり念じることによって、どこのどんな映像も見ることが出来る。
当然目をつむったまま突っ立ってたのでは変な奴なので、
コース脇に隠れて念視で宮口を追っているというわけだ。
宮口を大勢の男子の視線に晒して恥じらわせるには、ともかく宮口を止めねばならない。
止まらない宮口を止める方法。そのための罠。それに必要なエサ。
もう俺の頭の中には全てのプランが出来ていた。まさしく一石二鳥というべきプランが。

宮口からもう少し前方に念視を移動させる。
このあたりになるともうどちらかといえば上位。まあ中の上といえるだろう。女子にしては。
その、どちらかといえば上位の女子、田中陽子が懸命に走っていた。
息せき切って走る彼女の顔は赤い。彼女もまた、5人ほどの男子に囲まれていたからだ。
下位グループはまだしも、上位グループになってくると、女子とて友達とつるまずに走る。
そんな彼女を、中−下位の男子グループが取り囲んで、視姦のエジキにしていたのである。
汗で透けた体操服の奥から見える白いブラジャーが、取り囲む男子の視線に晒される。
ときおり少しだけ彼女の前に出て、チラチラと胸元を覗き込む男子もいる。
元々おとなしい田中は、顔を赤らめるのみで唇を噛み締めうつむきながら耐えて走っている。
(さてと、野郎達にも目の保養をさせてやるか)
俺はさらに強く念じる。念視に透視を足さなくてもいいほどに、田中の背中は汗で透けてる。
ということは、ブラのホックが丸見えということで……
(……外れろ)

291名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 22:55:47 ID:MvYb+jZy
「あ……」
一方、淫らな念動力を施された田中陽子。
背中のホックの外れる音と、ブラがずりあがっていく感覚が、妙にはっきり知覚できた。
けれど、自分がなにをされたかということに気がついたのは、小ぶりな乳房が震えたときだった。
「――〜〜っっっ!!?」
田中は悲鳴すらあげられず両腕で胸をかばってうずくまってしまった。
ホックを外されてブラがずり上がり、丸見えになった田中の小ぶりな乳房。
運の良かった男子には一瞬見えたであろう。濡れた体操服に透かされた桃色の乳首が。
(……っ……っ……ど、どうして……っ?)
なんでそうなったかまったくわからないままに、地に這い蹲るように胸を庇いうずくまる田中。
おおお〜っという歓声とともに、近くの男子達がワラワラと集まってくる。
背中丸見え〜とあからさまに言う奴もいれば、大丈夫〜なんて心にもないことをニヤケていう奴もいる。
両胸をかき抱くようにうずくまる田中を横から覗き込んで、乳首が見えないかなんてやってる奴もいる。
(……ぅ……ぅぅっ……)
さっき自分が庇った宮口と同じような目に遭わされている田中。今にも泣き出しそうに震えている。
あそこで宮口を庇った、おとなしいけど優しいという田中の性格が、男子達の嗜虐心に火をつける。
宮内の件で、男子達の嗜虐心はただでさえ膨らんでいるときに、だ。
パシャ!

ビクッ!田中の肢体がショックで跳ね上がるように震えた。
ついに悪ノリここに極まったか、携帯電話で田中の痴態を撮りだす奴まで現れた。
一人が始めると、他の奴らまで携帯で田中の恥ずかしい姿を撮りまくる。
無残にホックが外れたブラ。スケスケ丸見えの細く白い背中。
隠してはいるものの垣間見える横乳。唇を震わせ耳や首まで染めている田中陽子の泣き顔。
「……やめて…っ……、……やめて、ください……」
啜り泣きの涙声でか細く訴える田中。しかし悪ノリ放題の男子達は止まらない。

「も……もうヤダ……誰か、助けて…ぇ……」

292名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 00:01:05 ID:bNE2H4zg
GJGJ
293名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 01:31:35 ID:/z0NHDAr
なんかエロの入り具合と文章の言い回しがすげぇいいよ(´д`)

俺は文章書けないから詳しいことは分からないんだがすげぇいいんだよ・・・
294名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 14:22:40 ID:uXA/rgqB
そっちで来たかー。
続けて宮口をターゲットにするかと思ってたよ。
こうなると酒井も含めて全員まとめてって言うのも期待が膨らむw
295名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 03:01:24 ID:yXY+SeuL
ほしゅ
296名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 21:14:32 ID:VZY8XE4T
>>291のつづき

その時だった。
「ちょっとあんたたち、陽子に何してんだよ!」
いやらしい目で田中を視姦している男子たちの後ろから凛とした声が飛ぶ。
見るまでもない。宮口和美が追いついたのだ。
しかし、これこそがまさに俺の狙いだった。
(親友の身を心配して足を止めてしまう優しさが災いしたな……くくく、飛んで火にいる夏の虫って奴だ)

「あ……和美ちゃん、ひっく……」
聞き慣れた親友の声に、田中陽子は泣きながらふらふらと駆け寄って抱きつく。
「大丈夫、陽子? 一体何があったの?」
視線は男子の方を睨みながらも、宮口は優しく田中に尋ねる。
「ありがと、和美ちゃん……ぐすっ、分からないの、急に、ブラが外れちゃって……」
嗚咽を上げながら、小声で宮口に恥ずかしいいきさつを告白する田中。
だが、その告白は宮口だけでなく、近くにいる男子たちにも聞こえてしまっていた。

「へー、そうだったのか。田中の奴、ブラが外れちゃったんだってさ」「様子がおかしいと思ってたらそういうことだったのか」
「ブラがねぇ……田中って胸でかいもんなー」「なんなら、俺が付け直すの手伝ってやろうか?」
わざとらしく囃し立てる男子たち。無神経な言葉の暴力に田中は居た堪れなくなったのか、涙を流しながら黙って俯いてしまう。
その田中の様子に、宮口は殺しかねないほどの迫力で男子を睨みつける。
「ふざけないでよ!これ以上陽子に何かしたら、ただじゃおかないからね!」
だが、男子たちにはあまり堪えていないようだ。
「えー、そんなこといわれてもなぁ」「俺ら、田中のことを心配してただけだし……」「だよなぁ、むしろ感謝して欲しいくらいだよ」
口々に、白々しい言葉を取り繕う。宮口の拳は怒りに震えていた。

「このっ……!」
殴りかかろうと身構える宮口だったが、ここは田中を守るほうを優先すべきだと思い直したのか、
田中に向き直って心配そうに話し掛ける。
「陽子、歩ける?保健室に行って、休ませてもらいな。先生には私から言っておくから」
「ひっく……ありがと、和美ちゃん……」
田中は力なく頷くと、胸を抑えながらふらふらと保健室に向かう。
「お、田中、俺が保健室まで付き添ってやろうか?」「それより、俺の手でその胸を抑えておいてやるよ」
数人の男子が追いかけようとするが、宮口が遮る。
「あんたたちね!いやらしい目で陽子を追いかけないで、真面目に走りなさいよ!」
「うーん、でもなぁ」「やっぱり田中も一人で保健室に行くのは心細いだろうし……」
遠ざかっていく田中の背中にちらちらと名残惜しそうに視線を送る男子たち。
その様子に、宮口は苛立たしそうに声を荒げる。
「っ……いい加減にしなさい!人の話を聞くときは、こっちを見なさいよね!」

(くくく……そんなに自分の方を見て欲しいんだったら、俺が手伝ってやるよ。)
俺は、宮口のハーフパンツに意識を集中させる。
(脱げろ)
「え……?」
不意に、太股を何かが滑り落ちる感覚と共に、下半身が妙な涼しさに包まれる。
そして、鬱陶しそうに自分の方を見ていた男子の表情が驚きに変わり、視線が股間の方へと集中していく。
その感覚に宮口は、自分の身に何が起こったのかを想像してしまう。
(う、嘘……まさか……ありえない、わよ……そんなこと……)
宮口は、嫌な想像を振り払うかのように、恐る恐る、足元へと視線を落とした。
……自分の足首に絡まっていたのは、見覚えのあるハーフパンツだった。
そして、本来ならばそれに守られているべき可愛い花柄のパンツは、まるで自らの存在を男子たちにアピールするかのように、
完全に外気に晒されていた。
297名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 21:24:41 ID:Lf7IvrQw
キター!全力で支援!
298名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 21:37:06 ID:VZY8XE4T
ごめん、中途半端なところで切れてるけど、慌てて投稿したからまだ続き書けてない\(^o^)/
299名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 23:41:56 ID:s0QMJUix
宮口の悲鳴wktk
田中のハーフパンツもキボンヌ
300名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 03:07:16 ID:vry5bHNT
>>296のつづき

「……いやああああああ!?」
一瞬の静寂の後、宮口の悲鳴があたりにこだまする。
真っ赤になって両手でパンツを隠し、地面にしゃがみこむ。だが宮口の小さな手ではパンツの全てを隠し切ることは出来ず、
ところどころからピンクの生地が覗いている。
「な、なんで? どうなってるのよ!?」
一度ならず二度までも自分の身に降りかかる理不尽な災難に、軽く錯乱する宮口。
思わぬ幸運に男子たちはいやらしい笑みを浮かべながら宮口のパンツをたっぷりと堪能していた。

「こ、この、見るなぁ……」
宮口は必死にハーフパンツを穿きなおしながら訴える。
心なしか弱気になっているが、それでも気丈に男子を睨みつけるているあたり、まだ心は折れていない。
「えー……だって宮口が『こっちを見ろ』って言ったんだろー?」「そうそう。せっかく見てやったのに、ありがとうの一言もないんだもんな」
「大体その花柄のパンツだって、宮口が勝手に見せたんだろ?」「着替えのときと言い今回と言い、露出狂なんじゃないか?」
……俺が言うのもなんだが、こいつらかなり調子に乗ってないか?
とはいえ、男子の心無い言葉は宮口に結構ダメージを与えているようだ。
「う……うるさいっ! 私はもう行くから、勝手にお喋りしてろ!」
僅かに目を潤ませながら、ゆっくりと立ち上がる宮口。
どうやら、走ってこの場から離れれば、足の速さで男子たちの視線から逃げ切れると判断したらしい。
確かに、宮口の脚力とスタミナを考えれば、その判断は正しい……もっとも、俺が邪魔をしなければの話だけどな。
宮口はコースの方に向き直り、スタンディングスタートの構えを取ると、颯爽と駆け出し……

(脱げろ)
……そのまま前のめりに転んだかと思うと、一歩も進むことなくうつ伏せで地面に倒れこんだ。
呆気に取られる男子たちの目に映ったのは、無様に地面にキスをしている宮口と……
先ほどと同じようにその足首に絡みついているハーフパンツ。
お尻を男子に向けるような格好なので、可愛い花柄のパンツは当然丸見えである。
「痛っ……たぁ……っ! 誰よ、足引っ掛けたのは……!」
本人は何が起こったのか未だに理解していないのか、男子を非難する言葉を浴びせながら立ち上がろうとする。
しかし、全身が痺れてうまく動くことも出来ず、四つんばいになって呼吸を整えるのがやっとのようだ。
「おいおい宮口……そんな格好で、もしかして誘ってるのか?」
「はは……でも、そんな色気のないパンツじゃ、小学生も誘惑できないんじゃないか?」
「いくら俺たちに見て欲しいからって、やりすぎだろ……」「履きなおすの、俺が手伝ってやろうか?」

「あんたたち、何を言って……え?」
囃し立てる男子の言葉に口答えをしようとし、ふと下半身の違和感に気付いた。
今日一日で既に2度も味わっている感覚である……宮口は、見るまでもなくその正体に気づいた。
「やあああああ! 見るなってば、変態……!」
必死に叫びながら、なんとか起き上がってハーフパンツを穿き直そうともがくが、手足が痺れているため、
起き上がろうとしても再び転んでしまい、足を大きく開いた格好で尻餅をついてしまう。
今度は正面から恥丘の部分を見せつける大サービスである。

「きゃぁ!? い、いや……お願い、見ないでよぉ……」
ふーん、こいつもだいぶ女っぽい声を出すようになったな。
「今度はM字開脚かよ、どっちが変態だか……」
「どうせ見せてくれるんだったら、もっと大人っぽい奴を履いてくれよ、花柄なんかじゃなくてさぁ」
一方男子の方は相変わらず聞く耳持たずという感じだ。
結局、再びハーフパンツを穿きなおし、男子にパンツを見せびらかすような格好から解放されるのに30秒近くも掛かってしまった。
301名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 03:10:20 ID:vry5bHNT
「ぅ……く、っ……!」
流石の宮口も、これだけの辱めを受けて相当堪えているようだな。
屈辱に息を荒げながら体操服をハーフパンツの中に突っ込もうとした宮口は、ハーフパンツが妙に緩いことに気付いたようだ。
腰のゴムが切れている。というか、俺がさっき超能力で切ったのだ。
「え……そんなぁ……なんでこんなことばっかり……!」
涙声で混乱する宮口の様子に、周りの男子も何が起こったのか気付いたようだ。
「あれ?もしかして、ハーフパンツのゴムでも切れたのか?」「あーあ、ちゃんとダイエットしないからこうなるんだよ」
「ほらほら、早く走らないと、授業が終わるまでに完走できないんじゃないか?」
「なんなら俺がハーフパンツを支えて、一緒に走ってやろうかー?」
……4人目のお前、さっきから似たような台詞ばっかり喋ってないか?

「っ……余計なお世話よ! ついて来ないで!」
涙目になりながら、片手でハーフパンツを支えたままの格好で走り出す宮口。
しかしその状態では普段のスピードの半分も出すことができず、あっという間に男子に周りを囲まれてしまう。
かといって手を離すと、再びハーフパンツがずり落ちてしまう。
着替えのときとは違って、自分を庇ってくれる田中はもういない。
結局、宮口には男子たちに視姦されながら恥辱のランニングを続けるしか選択肢は無かった。
「もう、いやぁ……お願い、どこかに行って……!」
「そんなこと言われても、走るコースは決まってるしなぁ。」「どんなペースで走っても俺らの自由だしなー」
「それより宮口、ハーフパンツの隙間からピンクのパンツが見えてるぞ?」「きっとわざと見せてるんじゃねーの?」
泣きながら走る宮口と容赦なく言葉責めを続ける男子を眺めながら、俺は次にどうすべきか考えていた。

このまま宮口の後を追いかける(といっても念視だが)か?
それとも、保健室の方に向かった田中を追いかけるか?
もしくは酒井裕美の様子を見に行くか?
302名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 03:36:08 ID:EO7ky43X
宮口!
303名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 06:55:57 ID:m6A1iUUp
GJGJGJ!
俊足宮口をついに視姦恥獄の檻の中に閉じ込めましたね。
ついに泣き出した宮口にトドメを刺さない手はないでしょう。

手がふさがった宮口のブラを外して、濡れて透けた体操服に乳房を浮かび上がらせる!
304名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 16:01:54 ID:TL7g1aBj
ここはやっぱり作者のやりたいやつを書くべきだな
305名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 22:20:00 ID:hKgdnG9J
主人公の自作自演でちょいと宮口とラヴィな展開に
306名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 12:47:07 ID:7pybXfaQ
宮口にはもはや抑止力はないんだから
田中のほうがお気に入りの男子はそっちのほうに行ってるかもね。
恥ずかしい目にあわされて混乱している上に、胸を押さえながらだから、
追いつく気になれば楽勝で追いつくはず。
307名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 19:18:13 ID:5cjiEv2e
主人公も言ってるが、努力してるのは主人公なのに
ただ乗りでいい気になってるその他男子がうざいなー

主人公良いとこ取りでスカッとする展開希望
308名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 19:34:02 ID:gUVcBz8C
ならばお仕置きとして今度は男子をひん剥いて(ry
309名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 20:20:16 ID:kg7vLsBZ
アベさん・・・
310名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:08:47 ID:k6v8ET9h
うん、ちょっと周りの男子ウザ過ぎ。

やっぱ主人公が独占して欲しい。
311名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:28:43 ID:7pybXfaQ
まあ主人公は主人公で女子を辱める為に明らかに男子を利用してるし。
このへんはお互い様。
つーか圧倒的なイニシアチブを握ってるのは主人公だし
彼の指先三寸でどうにでもなるんだから、主人公割り食ってるとは思ってない。
312名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 09:37:08 ID:jDyLs6zg
勢いで書いてみたチラシの裏程度でエロのみ、オチなしなんだけど投下していいだろうか?
313名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 09:43:21 ID:pSDzuCiF
いいんじゃない?
314名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 09:45:22 ID:smoASep5
許可など無用ッ!
315furniture:2007/07/15(日) 09:47:55 ID:jDyLs6zg
1/2

 少女がいた。
 まだあどけなさの残る顔は蕩け、頬は赤く上気し、瞳は恍惚を灯している。
 両肘、両膝をついていた。四つんばい。よく躾けられた犬と同じような体勢で。
 うなだれた少女の首筋には黒い首輪。中央のフックには短い鎖が繋がれ、重力のなすがまま垂れている。
 身に着けるものはほとんどない。膝までを覆う白いハイソックスと、大切な御主人様からいただいた首輪だけ。
 まだ発育途上の白い裸身を晒し、膨らみかけの乳房が呼吸と共に上下する。
 犬と呼ぶにふさわしい格好で。
 犬と呼ぶにふさわしい姿勢で。
 少女は、押し殺したあえぎを漏らす。

「気のせいかな……?」

 彼女の上で。
 御主人様が、つぶやく。
 つぶやいたのはまだ若い男。とはいえ彼女ほどではない。
 男との関係は、初めて会ったときは学校の先輩と後輩だった。それが今は、全く別の関係になっている。
 所有物。
 奴隷ではなく、ペットでもない。オモチャと表現するのが最も近い。
 彼女の身体も、心も。つま先から髪の毛の1本に至るまで主のモノだった。

「椅子が何か言った気がしたんだけど」

 少女は応えない。
 椅子、といった。
 それが今の少女の役割で、存在意義。
 生まれたままの姿で首輪をつけ、犬のように四つんばいになった少女の上に、少女の所有者が座っている。
 教科書とノートを広げ、彼は静かに勉強していた。
 少女は黙ったまま、椅子として這う。
 男を上に乗せたまま、静かに待つ。

「ふー。終わったぁ」

 男がペンを放る。ひとつ伸びをしてから、椅子に手を置いた。
 そこはちょうど、少女のお尻にあたる場所。
 無骨な男の手が、まろやかなふくらみを撫でる。
 少女がぴくりと背を反らす。

316名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 09:50:03 ID:jDyLs6zg
2/2

「っ……はっ……」

 蜜が溢れる。
 御主人様の手で撫でていただいているから。
 御主人様に使っていただいていると、実感できるから。
 手がゆっくりと少女をなぶる。尻たぶの柔らかさを堪能するようにこね回し、戯れに不浄の部分を指で突く。
 それだけで、少女は感じていた。
 おかしくなりそうなほどに。
 溢れた蜜が太股をつたい、垂れる。
 愛液が幾筋もの小さな流れをつくり、
 椅子は喋らない。
 椅子は動かない。
 歯を食いしばり、自然に漏れるあえぎ声を殺す。身体から抜けようとする力を必死にとどめ、震えそうな手足を押し留める。
 彼女は所有物なのだから、御主人様の命令がないかぎり動いてはならない。

「新しい椅子は居心地がいいな。勉強がはかどる」

 存外のお褒めの言葉に、少女の心が沸き立つ。胸の辺りを締め付けるような、甘い疼きが走る。

「っ……」

 また――
 太股の間から、新しい蜜が垂れてしまう。
 男がく、く、と楽しそうに笑った。
 左手が、少女から離れる。
 彼女を虐める、暖かなぬくもりが消えた。
 安堵と寂寥。二つの相反した感情にさいなまれながら、椅子になった少女は何も言わない。何も反応しない。
 ただ、ゆっくりと息を吐く。音を立てぬように。
 快楽の波を、子宮のうずきを収めるために。
 男が手を振り上げた。

「ご褒美だ、薫」

 勢いよく、手を振り下ろす。
 乾いた音が響き、少女の桃尻が赤く腫れ上がる。
 肌を刺すような鋭い痛みに少女は甲高い悲鳴をあげた。

「はぁぁぁっ!」

 蜜が湧き出す。 
 叩かれ、痛みを認識するたびに、達してしまう。
 そういう身体に、作り変えられてしまった。
 少女は分かっている。頭だけではなく身体が、子宮が知っている。
 自分は誰のモノで、誰に使われるべきなのかを。
 誰が、自分の所有物であるのかを。
317312:2007/07/15(日) 09:53:25 ID:jDyLs6zg
以上です。sage忘れスマソ。

反響があるようならこれからちょっとずつ補完していくか、どこかのサイトにUPする予定です。
今後の要望や文章添削があると嬉しいです。

超能力や催眠術を使う表現はないのですが、そこは脳内補完の方向で(マテ
通常ではあり得ない非日常の描写ということでこちらに投下させていただきました。
318名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 10:18:34 ID:smoASep5
濃密にエロティックだな。出来ればストーリーがらみでも読みたい所。
気長に頑張って欲しいという他はまああんまり無いかな。
319名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 11:01:45 ID:wq0VzWKf
>通常ではあり得ない非日常の描写
この点の今後に期待(;´Д`)ハァハァ
320名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 13:51:21 ID:MxbWbwPk
さて、職人の皆様に触発されて投下をもくろむ私の登場ですよ
一応ネタは考えてみたんですが、いきなり超能力者の方の設定やシチュとかなりかぶってる部分が多いんですよね
勿論差異は出すつもりですが…投下して大丈夫だろうか
321名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 13:55:29 ID:/H21P5OC
>>320
大丈夫ですよ、というか是非。
322とある少年の超能力な日々(1/4):2007/07/15(日) 14:27:04 ID:MxbWbwPk
高校二年
中肉中背、顔は可もなく不可もなく
運動神経学業成績は並
普通と平凡に判を押したような少年、それが彼、修地大輔(しゅうちだいすけ)だった
いつもと変わらない平凡な日々を彼はおくっていた
いきなり空から天使が降ってくることも異世界に召喚されてしまうことも勿論ない平和な日々
勿論それが悪いとは言わない、人間平和が一番だからだ
だが、そんな彼の日々はある日を境に劇的に変化することになる
そう、彼は非日常の能力…つまり超能力を手に入れてしまったのだから

それは雨の日だった
下校時、運悪く傘を持っていなかった大輔は雨宿りをするべくある店の軒先に避難した
その店は客の一人もいない、それどころか店主の姿すら見えないがらんとした店だった
なんとも陰気臭い…それが大輔の第一印象だった
「おや、当店に御用ですかな?」
「っ!?」
「おっとこれは失礼、驚かせてしまいましたかな?」
いきなり背後から聞こえてきた声にビビる大輔
慌てて振り返るとそこには一人の老人がいた
人の良さそうな眼鏡をかけた白髪の老人は大輔をじっと見つめていた
「…いえ、俺は雨宿りをさせてもらっているだけです」
「おや、そうなのかい?」
「はい…あの、ここってなんのお店なんですか?」
好奇心を刺激された大輔は質問をぶつけてみた
店内は薄暗く、陳列されている商品はよく見えないが、どの商品も見覚えのないものばかりだったのだ

「ホッホッホ…ここはお客様の望むものを売る店なんじゃ」
「望むもの…?」
「ホッホッホ、そうじゃ、驚かせてしまったお詫びがまだじゃったの。侘び代わりといってはなんじゃが、これをお譲りしよう…」
す、と差し出された小瓶を見て大輔は戸惑った
小瓶の中身は液体、だがその色は緑ととても怪しさ爆発な色だったからだ
当然断ろうとする大輔、だが
「これは飲んだ者に超能力を身につけさせる薬での…どんな能力が身につくかは飲んだ者次第じゃが」
「超…能力?」
「左様」
ゆっくりと頷く老人に対し、大輔はごくりと唾を飲んだ
超能力
普通に考えれば胡散臭いことこの上ない話だ
だが、大輔はそれを信じていた
老人の迫力に押されていたということもあるが、彼はむっつりスケベである
年がら年中想像の中の女の子を辱めてはニヤけている彼にとって、超能力という言葉は非常に魅力的だったのだ
透視、念動力、遠視、瞬間移動、透明化…どの能力も一青少年としては憧れだった
323とある少年の超能力な日々(2/4):2007/07/15(日) 14:28:20 ID:MxbWbwPk
「どうしたのかの?」
「あの…いいんですか? あなたの話が本当なら、その、これってとても貴重なものなんじゃ…」
「ホッホッホ、物を扱うものにとっての一番の喜びはその物を一番必要としているお客に使ってもらうこと。
 そういう意味ではお前さんほどこの薬にあう者はおらんよ」
にかりと笑う老人の表情は好々爺そのものといった風体で、大輔は思わず笑ってしまう
自分の思考を読まれてしまったかのような老人の台詞だったが、大輔は不思議と不快を覚えなかったのだ
「じゃあ、遠慮なく頂きます」
「どうぞ」
ごくっと一気に薬を飲み干す大輔
飲み下されたその液体は喉を通ってあっという間に大輔の身体へと吸収されていく
瞬間、大輔の身体にカッと熱が広がった

「…なんか、身体が熱いんだけど」
「ホホホ、すぐにおさまるて。それよりも、どんな能力が身についたのか試してみたらどうかな?」
「どうやって?」
「何、集中して能力を意識すればよい。あとはお前さんの脳が勝手に教えてくれるだろうよ」
「わかりました…むんっ」
言われたとおり意識を集中する大輔
すると、店の中におかれていた壷が一人でに宙に浮き始めるではないか
「ホッホッホ、これは驚いた」
「これは…念動力…サイコキネシス?」
「そのようじゃの」
「お、おおお…すっげーっ!!」
興奮してはしゃぐ大輔
壷は勢いよく宙を旋回していた

数分後、一通り壷を動かした大輔は老人に深々と頭を下げていた
「ありがとう、爺さん!」
「喜んでもらえたようで何よりじゃて」
「今度はちゃんと客としてくるよ!」
「楽しみにまっとるよ」
ぶんぶんと手を振ってかけていく大輔を老人はニコニコと見送った
だが、大輔がこの店を訪れることは二度となかった
何故ならば、大輔が帰宅した頃には店の姿は忽然とその場所から消えていたのだから
324とある少年の超能力な日々(3/4):2007/07/15(日) 14:29:38 ID:MxbWbwPk
「ふむふむ…どうやら重さや形状に関わらずこの力は有効みたいだな」
帰宅した大輔は早速手に入れた念動力の実験をしていた
超能力に憧れていた大輔だったが、最もお気に入りの能力が念動力だったのだ
何せ念動力はその応用性と便利さは他の能力と一線を画する
特にその使い道がエロ方面ならば一際だ
それだけに大輔の歓喜と探究心は大きなものだった
何ができるかできないか、どれくらいの時間使い続けることができるのか
大輔は好奇心の赴くまま小一時間能力の調査を行うのだった

「お兄ちゃーん! お風呂空いたよー!」
「ん、ああ今行くー!」
調査が一段落したちょうどその時、リビングから妹の声を聞いた大輔はよいしょと立ち上がった
空いた風呂に入るべくリビングに向かう大輔

「…お前なあ、少しは恥じらいってものを持てよ」
「いいじゃないちゃんとタオルは巻いてるんだから」
手を腰に当て、牛乳を一気飲みしている少女に大輔は呆れた声を漏らした
少女の名は愛菜、大輔の妹である
「ったく年頃の女の子ともあろうものが…」
ぶつぶつ言いながらも大輔の視線は愛菜を向く
大輔の一つ下、高校一年生になる妹の発育は存外に良い
きゅっとくびれた腰にぷりっと突き出たお尻
そしてCカップ以上はあるであろう胸
裸でなくてもその魅力的な身体はタオル一枚ではとても隠しきれていない
ごく、と大輔は唾を飲み込んだ

(そうだ…ちょっと悪戯してやるか)
妹の身体に少し欲情してしまった大輔は身についたばかりの能力の行使を決意する
これは羞恥心のない妹へのしつけなのだ
そう自分を正当化した大輔は妹の身体を包むタオルへと視線を向ける
狙いはタオルの結び目だ
325とある少年の超能力な日々(4/4):2007/07/15(日) 14:31:28 ID:MxbWbwPk
「んくっんくっ…ああ、おいしい〜」
兄の邪な企みにまるで気がつくことなく愛菜は牛乳を飲み続ける
こくこくと牛乳を通す喉の動きに合わせて胸が僅かに上下する
と、胸の中央で結ばれていたタオルの合わせ目に変化が起きた
しゅる…と僅かではあるが結びが緩んだのだ

(よし…!)
大輔は念動力の成功に心の中でガッツポーズをとった
能力を持ってすればタオルを一気に剥ぎ取ることも可能だが、それでは情緒がない
少しずつ堤防が決壊していくようなそんなスリル感が彼は大好きだったのだ
「何、お兄ちゃんじろじろ私のほうを見て…牛乳欲しいの?」
視線を誤解した愛菜が呆れたような顔で大輔へと近づく
だがその瞬間、ゆっくりとほどけていたタオルが限界を迎えた

「え…?」
愛菜はその瞬間を呆然と見つめていた
しゅるしゅると自分の身体から滑り落ちていくタオル
それは彼女にとってスローモーションのようにゆっくりとした時間だった
パサ…と床にタオルが落ち終わる
「え…あ…?」
愛菜はまず自分の一糸纏わぬ身体を見下ろす
そして次に目の前にいる兄を
「……!!!」
ボ、と状況を理解した愛菜は顔を真っ赤にし
そしてタオルをかきあわせるように拾い、しゃがみ込むと同時に―――叫んだ

「きゃああああああああーっ!!」
326名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 14:33:06 ID:MxbWbwPk
続く
一応本番はなしのライトエロ系のシチュを展開させていく予定
327名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 14:55:30 ID:iy5Gpiyz
>>326
>本番はなしのライトエロ系
俺は一人になろうともこの姿勢を断固指示する!
328名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 14:56:10 ID:iy5Gpiyz
×→指示
〇→支持
329名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 14:58:10 ID:/H21P5OC
GJ
裸を晒して悲鳴を上げる妹が可愛いです。
主人公の身内は超能力の最初の実験台になる宿命なのか。
330名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 16:25:11 ID:p3052vXO
これは萌えるw

文章の終わりに。がほしいと思ったりするのは俺だけかな
331名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 22:25:42 ID:BQCoVtjA
句点あったほうがいいね。なんか落ち着かないw
332名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 14:06:44 ID:lfoMVlcI
333名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 19:47:36 ID:jtXBVS4G
>>332
業者書き込み or 誤爆のようだね
334名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 19:48:26 ID:Zl4Jl2Fc
業者ダヨ
335名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 08:22:48 ID:arCVju1j
2chに短縮URL貼るのは業者だけだろ…常識的に考えて…
336とある少年の超能力な日々(1/5):2007/07/17(火) 11:24:15 ID:MfWGV43k
「愛菜、おはよう」
「えあっ!? お、おはようお兄ちゃん…」
翌朝、昨夜のタオル落下事件から初めて顔をあわせる兄妹。
しかし、大輔に挨拶を返す愛菜はわかりやすく挙動不審だった。
大輔の顔を見た瞬間あからさまに狼狽し、きょろきょろと視線をさまよわせ、目をあわせようとしない。
「どうしたんだ、愛菜?」
その原因が昨日の事件にあることは百も承知の大輔。
だが、それでも彼は意地悪く尋ねた。
ぶっちゃけていえば、妹の反応を楽しみたかったからだ。

「ど、どうしたってその…そ、そうだ朝ごはんできてるよ! 早く食べようっ!」
答えに窮した愛菜は誤魔化すように大輔の手を引っ張りテーブルへと連れて行く。
「おい、引っ張るなよ…」
口では批難しているが、大輔の表情はまるで愛菜を責めるものではなかった。
予想通り。いや、期待通りのリアクションを愛菜がとってくれたからだ。

「いただきます」
「いただきますっと」
修地家は現在両親が共に出張中なので家の住人は大輔と愛菜だけだった。
二人だけの味気ない食卓。
だが、今日はその様子が異なっている。
向かい合う二人の片方は食事をしながらも視線を正面から外さず、もう片方は必死にその視線から逃れようとしているのだ。
(むくく…照れてる照れてる。いやあ、あの愛菜がなぁ)
視線をそらすべく落ち着きのない動作を繰り返す愛菜に大輔は軽い感動を覚えていた。
高校に入学し、思春期はとうに過ぎているというのに今まで妹ではなく弟のような態度で自分に臨んできた愛菜。
だがそれは昨日で終わった。
今の愛菜は男を意識した一人の女の子なのだ。
そしてそれをもたらしたのはひょんなことから手に入れた超能力。
大輔の頭の中は正にビバ! 超能力だった。
337とある少年の超能力な日々(2/5):2007/07/17(火) 11:25:32 ID:MfWGV43k
「…お兄ちゃん」
「なんだ?」
「その…ジロジロ見ないでよ。落ち着かないじゃない」
ついに視線の圧力に耐えかねたのか、愛菜は観念したように大輔と目を合わせるとそう言った。
無論、大輔がそんな命令を聞くはずがない。
「何しおらしいこと言ってるんだお前? 昨日までは『何、私に惚れちゃった?』とか俺をからかってたのに」
「だって…その…」
流石に昨日のことを自らの口から出すのは恥ずかしいのか愛菜の口がもごもごと動く。
と同時に両手の人差し指がくるくると胸の前で回され始める。
愛菜が困った時に始める癖だった。
「お、癖が出たな」
「な、何よ。癖なんだからいいじゃない…それとも子供っぽいって笑うの?」
「いやいや、そんなことは言わんぞ。お前が子供じゃないっていうのはちゃーんとわかってるからな」
すべすべとして弾力のありそうな肌にくびれた腰。
そして成長を続ける大きく膨らんだおっぱいに陰を作り始めた処女部。
昨夜見た魅力的な肢体を思い出しながら大輔は仰々しく首を振った。
そう、あんなものを見せられて妹を子供だといえるはずがない。

「え、あ……な…え…?」
予想外の兄の言葉に呆然とする愛菜。
だが、その言葉の意味を理解し始めると徐々に首から上が朱に染まり始める。
そして、それが頂点に達した時、愛菜は爆発した。
「お、お兄ちゃんのバカッ!! ごちそうさまっ! 私先に行くからっ!!」
バン! とテーブルに両手を叩きつけてそう叫んだ愛菜は片付けもそこそこに大輔の視界から姿を消す。
残された大輔はやれやれ…と困ったねのジェスチャーを取りつつもセクハラ成功にニヤつくのだった。
338とある少年の超能力な日々(3/5):2007/07/17(火) 11:26:56 ID:MfWGV43k
「おはよっ、大輔くん!」
愛菜の分まで片づけを行い、家を出た大輔の後から声がかかる。
バン、と叩かれた背中の痛みに顔を顰めつつ大輔は面倒くさそうに振り向いた。
「なになに、朝から辛気臭い顔しちゃってー。そんなんじゃあいつまでたっても彼女ができないよー?」
「うるさい、余計なお世話だ…文乃」

うるさいのが来た、と大輔は憂鬱そうにその少女を見つめた。
少女の名は比内文乃(ひないふみの)
大輔と同い年の幼馴染である。
「なにさー愛想がないなぁ。あ、ボタンが外れてる。ちょっとかがんで!」
「へいへい」
かがむ、というよりはしゃがみ込むといった動作で大輔は身を沈める。
文乃はチビだ。
そして体型に見合った貧乳である。
一つ年下の愛菜よりも頭一つ半分低いその身長はもはや文乃のトレードマークといっても良い。
顔こそそこらのアイドルにも負けないレベルの美少女っぷりなのだが、いかんせん背の低さゆえにアイドルというよりチャイドル。
それが大輔の幼馴染の比内文乃という少女だった。
と、大輔が脳内ヒロイン紹介を終えたその時。
文乃は邪念を感じとったのかボタンのすぐ傍にあった大輔のネクタイを掴み、そして下に引っ張った。
「ぐえええええ!? おまっ、しまっ、絞まってる!?」
「絞めてるもの」
「俺が何をしたっ!?」
「何かバカにされた気がした!」
ぷんすかという擬音がピッタリな様子で憤慨する文乃。
そーいうところがガキなんだよ、と大輔は薄れゆく意識の中で毒づいた。
339とある少年の超能力な日々(4/5):2007/07/17(火) 11:28:07 ID:MfWGV43k
「…げほっ、げほっ、あー苦しかった」
「ふん、おねーさんをバカにしたバツ!」
「このアマ…」
ジト目で先を歩く文乃を大輔は(自業自得ではあるが)睨みつける。
文乃はその身長のせいでよく中学生、悪ければ小学生に間違われる。
そのせいか、彼女はとにかく大人ぶりたがるのだ。
特に大輔にはそれが顕著で、たった一ヶ月先に生まれただけという理由でお姉さん気取りをし続けている有様だった。
勿論第三者から見ればどう見ても立場は逆なのだが。

(誰がお姉さんだ誰が)
文乃の背中に文句を投げかける大輔。
だが、賢明にも心の声は口には出さない。
何故なら報復が怖いから。
(…ん? 待てよ?)
しかしふと大輔は気ついた。
そうだ、自分には念動力があるではないか!
(くっくっくっく…)
途端に自信を取り戻し、邪悪な表情になる大輔。
非常に小者臭全開だが、今の彼は魔王の気分だった。

「おーい、あんまりとろとろ歩いてると追いてっちゃうよ?」
「うっさい、先にいきたけりゃ行けばいいだろ」
「む…ならお言葉に甘えてっ!」
買い言葉に売り言葉。
大輔の拒絶に憤慨した文乃はくるりと反転するとダッシュをするべく足を踏み込んだ。
だが、それこそが大輔が狙っていた瞬間。

(こけろ)
大輔の念によって文乃の足が見えない何かに絡め取られる。
がくん、と急に崩れた身体に文乃は慌てる。
けんけんでなんとかこけまいとするが、大輔は容赦しなかった。
次の瞬間、軽く背を押されたかのように文乃の身体が地面へと投げ出される。
目の前に迫る地面に目を瞑る文乃。
だが、その瞬間大輔は念動力を発動させ文乃の身体を優しく着地させた。
340とある少年の超能力な日々(5/5):2007/07/17(火) 11:30:04 ID:MfWGV43k
ぺたん。
まるで自分の胸のような擬音と共に文乃は倒れこんだ。
痛みのない身体に不思議がる文乃。
だが、その意識はすぐさま周囲に向けられた。
何故か周囲の通行人の視線が自分に集まっていたからだ。
(な、何?)
確かに公共の道でいきなりコケれば注目は集まるだろう。
しかし今感じている視線はそういった視線ではない。
ふと、文乃はお尻の辺りにチリチリと焼け付くような感覚を覚えた。
(なんだろう?)
その感覚が気になった文乃はうつぶせに倒れたまま振り返り、そして固まった。

制服のスカートが見事にまくれていたのである。

「っきゃああああーっ!?」
バッ!
慌てて後ろ手でお尻を隠す。
だが、彼女の小さな手では当然全てを隠すことなどできない。
指の間からチラチラと覗く色は黒。
少しでも大人っぽくと身につけていた下着が公衆の面前でさらされた瞬間だった。

「…く、黒っておい…ぶははっ!」
滑稽なほど慌てた仕草でお尻を隠そうとする文乃を見て大輔は爆笑していた。
さっさと立ち上がってスカートを直せばいいというのに、そこに気がつかないほど混乱している幼馴染を眺めるのは快感だった。
勿論、スカートを大きく捲り上げたのは事故でもなんでもなく大輔の仕業である。
「しっかしアイツ背と胸はちっちゃいのに尻は意外とでかいな」
笑いながらも大輔の目はキッチリと文乃のお尻とパンツととらえている。
子供のような体型にそぐわぬ桃尻と黒の下着というアンバランスさはよく見ればそれなりにエロかった。

「さて、いつまでもこうして見ていたいが、そういうわけにもいかないか」
動けば動くほど状況を悪化させている幼馴染を見て流石に気の毒になった大輔は手を貸すべく文乃の元へ駆け寄った。
(うお…)
近くで見ると一段と文乃のヒップは迫力を増していた。
下着の黒と肌の白のコントラストが大輔の目を釘付けにする。
文乃は混乱のためか大輔に気づいていない。
大輔はやれやれ…と溜息をつきながらスカートをそっと元の位置に戻し、文乃を持ち上げる。
なお、戻す瞬間にこっそり文乃のお尻をなでたのは彼だけの秘密だった。
341名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 11:31:00 ID:h81yD3NR
リアルタイム乙
妹の癖がてっきりオナニーかと思って興奮しちまったぜ
342名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 11:32:21 ID:MfWGV43k
続く
要望があったので句点をつけるようにしてみた
キャラを立てることを重視して肝心の超能力エロが少ないのは反省点
徐々にレベルをあげていきたいと思います
343名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 11:42:12 ID:rhzd7KRq
>自分の胸のような擬音
うはwwwテラヒドスww
344名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 11:46:17 ID:qSaCahg5
GJ!
文乃をちゃんと怪我しないように受け止めてあげる辺り紳士を感じた。
345名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 18:55:15 ID:t5wkn5bP
ぺたん萌え
346名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 19:55:19 ID:arCVju1j
ぺったんぺったんつるぺったん
347名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 21:47:25 ID:6V51cB3B
つるぺたってゆうな〜
348名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 21:59:03 ID:t5wkn5bP
洗濯板
349名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 02:36:50 ID:pJO91tV1
古きよき少年漫画の感じがしていいな
逆に新鮮に見えるよ
350名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 12:54:02 ID:UGETSZPF
校内で真菜にイタズラしてやってください
351とある少年の超能力な日々(1/5):2007/07/18(水) 23:02:59 ID:vgb8VRkc
(…ぷぷっ、こっち見てるこっち見てる)
学校に到着し、席に座った大輔はちらちらと自分を気にするような視線に気がつきほくそ笑んだ。
既に視線の犯人はわかっている。
文乃だ。
尻を触ったことまではバレていないようだったが、大輔はコケた彼女を助け起こす手伝いをしている。
つまり、あのパンツ大公開を間違いなく見ているのだ。
いや、実際は見ているどころか、状況を作り出した犯人ですらあるのだが。
(しかしバレバレだっての、そんなに恥ずかしかったのか?)
しきりに自分のほうを窺ってくる幼馴染にやや辟易しながらも大輔は内心でニヤニヤと笑い続ける。
こちらが視線を向けるたびにビクッと視線をそらす仕草が非常に滑稽だった。

(さーて、ノートノート)
授業開始から数分。
大輔は必死にノートに書き込みをしていた。
ここだけ見れば真面目な学生そのものだが、書き込んでいることは黒板の内容でも教師の説明でもない。
では何を書いているのか?
それは自分の超能力についてだった。
別に物忘れが激しいわけではないが、大輔は基本的に几帳面な性格である。
自分の力の詳細や思いついた使い道などを細かく書き記すノートを作るという作業は彼にとっては当たり前のことだった。

(うーむ、しかし問題はターゲットだよな…)
鉛筆を鼻に乗せながら大輔はうなった。
超能力で女の子にえっちなイタズラをするといえば男のロマンだが、だからこそその相手は重要である。
現時点ではまだ見ず知らずの女性にイタズラを働くというのはいささか心苦しい。
かといって顔見知りだとそれはそれで気がとがめるものがある。
既に愛菜と文乃に力を使っているが、それは妹と幼馴染という身近さが心の罪悪感を軽減していただけなのだ。
(力を使っても気がとがめない奴…)
脳内の女の子データを検索する大輔。
だが、一人目の女の子の顔が浮かぼうとしたその瞬間、彼の頭にごつんと鈍い衝撃が走った。

「ふげっ!?」
「こら、修地君! ぼーっとしない!」
自分を叱る声に大輔はようやく事態を把握した。
目の前の女教師が自分をこづいたのだ。
途端に笑いに包まれる教室。
352とある少年の超能力な日々(2/5):2007/07/18(水) 23:05:03 ID:vgb8VRkc
(うぐっ…)
注目されることに慣れていない大輔は恥ずかしさに身を縮こまらせた。
見れば、文乃までこちらを指差して笑っているではないか。
(あ、あの女…!)
大輔は自分の心に暗い衝動が湧き上がるのを感じた。
それを向ける対象はもちろん自分を叱った女教師である。
女教師、名前は東雲夏樹(しののめなつき)というのだが、彼女は今年採用されたばかりの新任教師だった。
名前に反して、よく言えばクール、悪く言えば無表情な彼女は生徒受けがあまり芳しくない。
何故ならば、彼女は教師一年目のせいか無駄な方向でやる気に満ち溢れているからだ。
授業内容はやたら細かく、宿題は多い。
私語や居眠りなどには厳しく、その対応も今のように生徒をさらしものにするような手段をとる。
顔立ちはかなりの美人なので男子にはそれなりに人気があるのだが、その性格ゆえに観賞用としての人気しかない女性だった。
(見てろ…)

都合よく見つかったターゲットに喜びを隠せない大輔は静かにタイミングをはかる。
東雲はうつむき黙った大輔に反省の色を見たのか満足気に教壇へと戻っていく。
「さて、中断はここまでにして続きですが…」
チョークを持ち、黒板へと目を向ける東雲。
完全にクラス全員に背を向ける形になったその瞬間、大輔は念動力をスタートさせた。
狙いは東雲の膝上まであるタイトのスカートの留めボタンだった。
(くらえ!)

ぷつんっ
ボタンが勢いよく宙に舞った。
それはまるでウエストの太さにボタンが耐え切れなかったかのような光景だった。
ついで、ボタンが取れたことによってファスナーがジジジとひとりでに降りていく。
すると

すとん

と東雲の下半身を覆っていたスカートがあっさりと床へと落ちた。
瞬間、教室に怒号のような歓声が響き渡る。
353とある少年の超能力な日々(3/5):2007/07/18(水) 23:06:27 ID:vgb8VRkc
「おおおおおおおおおっ!!」
「ぷっ、あははははっ!!」
「く、くまさん!?」
その光景を見たクラスの反応は三つに分かれた。
一つ目のグループはスカートが消えたことによってお目見えした東雲の下着と太ももに興奮する男子生徒たち。
二つ目のグループは女教師の肥満(?)に同情と優越を隠せない女子生徒たち。
そして三つ目のグループは、東雲のパンティの柄に驚いた者たちだった。
(く、くまっ!)
大輔は三つ目の集団に属していた。
なんと東雲のパンティのデザインは可愛いくまさんだったのである。
普段は怜悧な女教師の穿いているパンティがくまさんプリント。
これは今朝の文乃の黒下着に続き、物凄いギャップだった。

「え…何を皆さん笑って…え…?」
生徒達の反応にしばし混乱する東雲。
だが、その視線が自分の下半身に向いた瞬間、普段の冷たい表情が見事に絶対零度で凍結する。
そこにあったのは教室の生徒全員に思い切りさらされている自分のお気に入りのパンティだったのだ。
「ひっ…いやああああああっ!?」
悲鳴を上げながらもスカートを引き上げようとかがみこむ東雲。
だが、慌てていたせいかその手はまごついてしまう。
それどころか、逆にスカートに足を引っ掛けてずてん! と転げてしまう始末だ。

お尻を突き上げるように床に伏せる東雲の姿に生徒たちの歓声がヒートアップする。
特に男子生徒の熱狂は既に限界だった。
下着のデザインこそ子供っぽくて色気がないが、強調されるように突き上げられたお尻は見事なラインを描いている。
何人かは夜のおかずにしようと血走った目で瞳に映る光景を記憶しようと躍起になっているくらいだ。
「み、見ない……見てはいけません!」
かろうじて教師として矜持で命令形を保つ東雲。
しかし、誰一人としてその命令を聞くものはいない。
中にはこっそり携帯電話で撮影している者までいる。

「ううっ…の、残りの時間は自習です!」
かろうじてそう叫んだ東雲はスカートを太ももまであげたパンツ丸出し状態で教室を飛び出していく。
(こ、これは想定外の展開に…しかしこれはこれでOK!)
一人冷静に一部始終を見ていた大輔はこっそりと机の下でサムズアップをするのだった。
354とある少年の超能力な日々(4/5):2007/07/18(水) 23:08:05 ID:vgb8VRkc
そして休み時間。
教室の話題は先程の事件一色に染まっていた。
「可愛かったよね、東雲先生の下着…ぷぷっ」
「まさかあの歳でくまさんって…くすくす」
「しかしいい足だったなぁ」
「俺ケータイでとったぞ」
「お、コピってコピって!」
一様に東雲の話題を取り上げるクラスメートたち。
会話に参加していないのは大輔と文乃くらいだ。
(ま、アイツは朝自分も似たような目にあってるからな、当然か)
なんともいえない微妙な表情の幼馴染を眺めつつ、大輔は誇らしげな気持ちに浸っていた。
何せ話題を提供したのは紛れもなく自分だ。
もちろん俺がやったんだとは言い出さないが、その光景は大輔の小さな自尊心を満足させるには十分だった。

(明日の授業が楽しみだ…ぷぷっ)
大輔は明日東雲がどんな顔をして授業を行うのかワクワクしつつ、次なるターゲットを探す。
と、そこで目に留まったのは一人の女子だった。

(高見沢…)
視線の先で談笑しているのはお嬢様オーラを撒き散らしている高見沢美香だった。
高見沢美香、金持ちの家に生まれた生まれ着いてのお嬢である。
ロングの金髪をツインテールにまとめた髪に、整った顔立ち。
均整の取れたスタイルとぼんっと突き出たDはあるであろうおっぱい。
そして抜群の運動神経と学年上位の成績。
実家は金持ち容姿端麗成績優秀運動神経抜群と漢字だらけのステータスをもつ彼女は大輔にとって天敵であった。
平凡平穏平和主義と平三つを持つ大輔にちょっかいを出そうという人間はそうはいない。
例外は幼馴染の文乃くらいである。
だが、美香は文乃と並ぶ数少ない例外だった。
何が気に入らないのか、彼女はよく大輔に話しかけてくるのだ。
355とある少年の超能力な日々(5/5):2007/07/18(水) 23:09:33 ID:vgb8VRkc
「ほーっほっほっ! 相変わらず貧相な顔つきですのね!」
「全く、もう少し身だしなみを整えなさい!」
「この私が話しかけてあげているのだからもっと嬉しそうな顔をなさい!」
基本的に美香はこんな風に大輔と会話をする。
まあ、会話というよりは美香が一方的に喋っているだけなのだが。

(あいつらはツンデレ! ツンデレ! って騒いでるけど…ツンしかねーしデレを見たことねーよ)
完璧超人である美香の男子人気はかなりのものがある。
やや高飛車で短気、そして男を見下したような発言の数々と性格面ではかなりマイナスが多い彼女だが
外面がその全てを打ち消して余りあるのだ。
当然、そんな美香にしょっちゅう話しかけられている大輔は他の男子の嫉妬の的だ。
しかし、デレというリターンを得たことがない大輔からすればそれはいい迷惑でしかない。
正直、美香へ対する恨みは結構なものになっていた。

(よし…!)
大輔は次のターゲットを美香に定めた。
いつも迷惑をかけられているのだ、少しは楽しませてもらわないとやってられん!
そう理論武装した大輔にもはや恐れるものは何もない。
(外面はいいんだ、目の保養をさせてもらうぜ…)

美香に恥辱を与えるべく、策を練りだす大輔。
次の授業は体育である。
これは都合がいい…大輔はほくそ笑むのだった。
356名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 23:10:12 ID:Yn2H7a06
はうぅ、お持ち帰りぃ〜
357名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 23:11:04 ID:vgb8VRkc
続く
ヒロインがテンプレ通りのキャラばっかですが、オリジナリティのない俺にはこれが精一杯…
358名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 23:12:49 ID:Yn2H7a06
良いです良いです。
体育の時間は一体何をするのか楽しみ
359名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 23:43:42 ID:/w1NOnJu
「女教師のパンツが見える」というだけの展開を、プリントパンツネタで
ここまで盛り上げる筆力に、マイサンもスタンディングオベーションです。
360名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 01:01:20 ID:IkcXQq4n
マイサンがわんだほー!と叫んでおりますGJ。

恥辱のあまり本音が飛び出しデレを見せるお嬢に期待
361名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 02:04:28 ID:0la1LXvg
「セックスしてるからエロいでしょう?」みたいなポルノばかりの世の中に、
いや、エッチなことがエロいのだ! という真理を思い出させてくれるところがいい。
362名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 02:49:48 ID:hBxQWNCF
保守
363名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 14:51:45 ID:CHEozhmg
お嬢様のアナル視姦キボン…ってライトエロの範囲を超えるかorz
364名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 19:54:36 ID:XpCs3uI9
魔法技師の中の人は充電中かな?
息災ならいいのだが
365名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 04:25:09 ID:/gT4cYZh
保守
366とある少年の超能力な日々(1/7) :2007/07/21(土) 09:30:31 ID:9ZHjFtLf
本日の体育は体育館で行われる。
男子はバレー、女子はバスケだった。
体育館を半分ずつにしての授業なので当然の如く男女の距離は近い。
男は女子に良いところを見せようと張り切り、女子はお喋りに興じていた。

「必殺! バナナサーブ!」
「何がバナナだ、ただの緩いサーブじゃ…って曲がったぁ!?」
「わはは、どーだ!」
「すげーじゃん大輔!」
バレーの試合中、大輔は念動力を使って八面六臂の大活躍を見せていた。
レシーブではボールのスピードを緩めどんなサーブも拾い、トスでは正確無比な精度を。
サーブやスパイクでは漫画でしかありえないような必殺技を打ちまくる。
そんな彼を止めることは本職のバレー部でも無理だった。
だが悲しいかな、いかんせん女子のほとんどはお喋りに興じている。
つまり彼の活躍を見ていなかった。
休憩中の男たちも女子に目を向けっぱなしなのでバレーの観客は実質的にほぼゼロだったのである。

「なんかむなしい…」
勝利に沸く味方とタッチをかわしながら大輔はぼやいた。
目立つことは好きではないが、こういう時くらいは目立ちたい。
そう意気込んでの活躍だったというのに、観客がいないとは…
休憩に向かう大輔の背中は見事に煤けているのだった。

「さて…」
どっかと座り込んだ大輔は他の男に倣って女子のバスケへと目を向けた。
観客側になればよくわかるが、確かに男がバレーをしているところなど見ても全く面白くない。
やはり見るなら華を求めるのが人間というものなのだ。

そしてバスケを見始めて、数分。
大輔は周りの男と同じくバスケの試合に見とれていた。
別に試合そのものはハイレベルな攻防というわけではない。
バスケ部を除けば皆素人に過ぎないのだ。
だが、観客の男は大輔を含め皆試合を注視していた。
それは何故か?
女子が体操服だからである!
367とある少年の超能力な日々(2/7) :2007/07/21(土) 09:31:31 ID:9ZHjFtLf
「パス!」
「みーちゃん、止めて!」
「シュートッ!」
「ああん、外れた!」

『おおっ…』
コートを所狭しと駆け回るうら若き少女たちに男は皆感嘆した。
今は七月、夏場真っ盛りである。
そんな季節の中、体育館という密閉空間は野外を上回る気温をたたき出している。
つまり、座っているだけでも汗をかくのだ。
そんな状況でバスケという運動量の多いスポーツをすればどうなるか。
答えは明白、汗はびっしょりと流れるに決まっている。
そう…すなわちその結果、体操服が透けるのだ。

「うわ、すっげぇ…」
「ブラ線モロだぜ…」
「うわっ、色見えたよ!?」
少女たちの思わぬ艶姿に湧き上がる男ども。
無論、大輔も例外ではない。
むっつりである彼は騒ぎこそしないが、女子から目をはなすことはない。
「大輔くんっ」
と、背中に軽い衝撃が起こった。
デジャビュに振り向いた大輔の視線の先にはやはり文乃の姿。

「なんだよ、文乃」
いいところを邪魔すんな!
そう内心で叫ぶ大輔だったが、女である文乃は当然そんな大輔の気持ちには気づかない。
「隣、座るね!」
それどころか、大輔の許可すら取らずに隣に座ってくる始末だった。
女子と密着するのは大輔としても望ましいことだが、相手は文乃である。
別段密着しても嬉しい身体ではないし、正直暑苦しいだけだ。
だが、だからといってあっち行けとまでは言えない。
(…まあ、いいか)
結局結論は容認の方向に傾いた。
大輔は気づかれないように文乃へとチラリと視線をおろす。
文乃は先程まで試合をしていたのか、その体操服はぐっしょりと濡れていた。
当然、上はすけすけであり、汗で張り付いた上着はその下の身体のラインを浮かび上がらせている。
368とある少年の超能力な日々(3/7) :2007/07/21(土) 09:32:26 ID:9ZHjFtLf
(相変わらずちっちぇーなぁ)
大輔は聞かれれば撲殺されること間違いなしなことを考えた。
文乃の胸は平面といって良いレベルでぺったんである。
見ても面白くもなんともない、と大輔は更に失礼なことを思う。
(生意気にもブラまでしていやがるし)
しかしその中でも目を引くものがあった。
ブラジャーである。
今朝見たパンツとおそろいのそれの色はやはり黒。
小柄な身体を覆う白い体操着からハッキリと浮き出している黒は非常にアンバランスで艶かしかったのだ。
(これで胸があれば勃つんだがなぁ)
そう大輔が考えるほどに。

「そういえば、さっきは大活躍だったね」
「ん? ああ、まあな」
大輔が考えていることなど露知らず、文乃は無邪気に大輔に話しかける。
ほぼ観客はゼロだったはずのバレーだが、文乃は見ていたようだった。
「いつの間にあんな上手くなったの?」
「俺はやればできる男なんだよ」
「じゃあいつもそうすればいいのに……その、格好よかったし…」
「あ、なんだ?」
「なんでもない」
ごにょごにょと呟くように俯いた文乃に大輔はいぶかしむ。

(おっと、試合試合)
が、あっさりと無視することにした。
今の大輔にとってはバスケ観戦のほうが大事なのだ。

「お……」
大輔の目がすっと細まった。
コートの上に高見沢美香が立ったからである。
(ついに出てきやがったな…)
元々この体育の主目的は美香を辱めることにある。
大輔はチャンスを見逃さないとばかりに目に力を込めた。
なお、隣でそんな大輔の様子にむくれている文乃の姿はガン無視である。
369とある少年の超能力な日々(4/7) :2007/07/21(土) 09:33:10 ID:9ZHjFtLf
たぷんっ
そんな擬音が脳裏に浮かぶほどその豊かな胸を弾ませて美香が走る。
一人、二人とあっという間に守備が切り裂かれ、手から放たれたボールは綺麗な曲線を描き、ゴールネットにすぽりとおさまった。
途端に沸く歓声。
このときばかりはエロ根性全開の男どもも彼女の美技に感嘆する。
(ちっ、相変わらずの運動神経だな)
大輔はそんな中ムスッとした表情で美香を睨みつけていた。
人間というものは気に入らない人間が活躍するのを見ると不愉快になるという一例である。

「オフェンス!」
ダムダムとボールをバウンドさせながら美香が指揮をとる。
女子からはあまり好かれていない彼女だが、彼女の実力は折り紙であり、従わない手はない。
不満の表情こそすれ指示に逆らう女子は誰一人としていなかった。
だが、そんな彼女の前に一人の少女が立ちふさがる。
「紫藤だっ!」
歓声が沸く。
紫藤由貴、現役の女子バスケット部キャプテンだった。

「こりゃ見ものだな」
大輔はぽつりと呟く。
文乃はうんうんと頷きながら二人の対決から目を離さない。
運動神経抜群の素人VS現役バスケット部のキャプテン。
体育の授業にしては豪華すぎるカードだった。

「いきますわよ!」
「…!」
美香がドリブル突破を仕掛けた。
だが、由貴もそう簡単には抜かせない。
前後左右に二人の少女が激しく動く。

「すごい…!」
「ああ、すごいな」
目を輝かせて二人の攻防に見入る文乃と大輔。
だが、そのすごいの意味は二人の間では異なる。
文乃は純粋に二人の技術に感嘆し、大輔は二人の動きによって発生するお色気シーンに興奮していたのだ。
370とある少年の超能力な日々(5/7) :2007/07/21(土) 09:34:11 ID:9ZHjFtLf
(すっげぇ揺れ…)
二人が動くたびに彼女たちの胸が勢いよく弾む。
右に左にとぼよんぼよん弾けるおっぱいはそれだけで壮観だ。
更に、美香も由貴も巨乳である。
その迫力は男にとっては金を払ってでも拝みたい破壊力を秘めていた。
(高見沢はレースの白、紫藤はピンクか…)
激しい動きに二人の少女は当然汗まみれだった。
自然、体操着は透け、その下の下着が露になっていく。
しかし二人は気づかない、いや気づく余裕すらない様子で一進一退の攻防を繰り広げる。
観客は男も女子もそれぞれの理由でヒートアップし始めていた。

(おっと、見とれている場合じゃないな)
大輔は集中していつでも念動力を発動できるように身構える。
その瞬間、一際大きい歓声が大輔の耳に届いた。
美香がついに由貴を抜き去ったのだ。
「っ!」
由貴もバスケ部の意地からなのか必死にくらいつく。
しかし既に由貴をかわし終えた美香のボールに彼女の手は届かない。
むなしく伸ばされる手。
しかし…

(今だっ!)
その瞬間こそが大輔にとってのチャンスだった。
念動力によって由貴の足が見えない何かにつまずく。
といってもコートには汗が多量に滴り落ちているのでそれ事態は不幸なアクシデントにしか見えない。
だが、どちらにせよ彼女はこのままだと転倒するのは間違いなかった。

がしっ!

だがその瞬間、由貴は脅威の反射神経で転倒を防いだ。
目の前にある何かを掴んだのだ。
371とある少年の超能力な日々(6/7) :2007/07/21(土) 09:35:35 ID:9ZHjFtLf
「えっ?」
ゴールへ一直線だったはずの身体ががくんと沈むのを高見沢美香は感じ取った。
驚愕に思わず振り向く。
そして愕然とした。
なんと前のめりに倒れようとしている由貴が体操服の上着の間からショートパンツごと自分の下着を掴んでいるではないか!
「なーっ!?」
美香は焦った。
自分も巻き添えを食らってコケるからではない。
由貴の手の位置が非常にやばかったからだ。
「ちょ、ちょっとぉ!?」
ずるり、とショートパンツがその下のパンツごとずり下がり始めた。
慌てて手を後に回そうとする美香。
だが、ここで彼女は一瞬躊躇してしまう。
手を後に回せば顔面から床に突っ込んでしまうと。

「わ、わ、わ…」
しかし現実は無常である。
その迷いは致命的なロスだった。
手がふらついた瞬間、由貴の狼狽した声と共にするんっと美香のショートパンツが軽やかに主の腰から離れていく。
そして、状況は完成した。

びたん!

体育館に沈黙が訪れた。
当事者を除く全ての人間の視線が一点に集まる。
そこには、ショートパンツと下着を剥ぎ取られてお尻を丸出しにしてうつ伏せに倒れている美香と、
呆然とした表情で布二枚を手に持って座り込んでいる由貴の姿があった。
哀れなことに、美香は自らの顔も下半身も守ることができなかったのである。

(な、なんというお宝映像! これは門外不出の家宝になるな!)
大輔はあふれ出そうとする笑いと興奮を抑えるのに必死だった。
隣であわあわと混乱している文乃など眼中にはない。
何故ならば、彼は事故を起こす傍らでもう一つのミッションを遂行していたのだ。
それは今の一連の流れをおさめること。
大輔は、念動力を使うことによって物陰からこっそりと今の状況をカメラに保存していたのである。
(くそっ、もっと近づくことができれば尻の穴まで見えるんだが)
混乱の中、そんな不満まで持つことができる大輔は確かにこの瞬間大物だった。
372とある少年の超能力な日々(7/7) :2007/07/21(土) 09:36:26 ID:9ZHjFtLf
「あ、あの…」
なんとも言えない沈黙の中、最初に動いたのは由貴だった。
事故(実際は大輔による故意だが)とはいえ、級友のショートパンツと下着を脱がしてしまったのだ。
どうやって謝ろう…そんな彼女の戸惑いが伝わってくるかのような小さな声だった。

ぴくっ

天井につきあがるように大公開されていたお尻が動く。
ゆっくりと身体を起こしていく美香。
ぶつけた額は真っ赤に充血し、目は涙目だった。
女の子座りでキョロキョロと周囲を見回す。
と、その視線が由貴の手の中の布二枚をとらえる。
「……?」
下半身から感じるひんやりとした感触に美香は目をおろす。
そこには、何の柵もなく床と接触している自分のお尻があった。
「ひっ……」
そこで美香はようやく自分の状況を把握した―――下半身素っ裸。
瞬時にお嬢様の顔が羞恥に沸騰する。

「きゃっ、きゃあああああああああ!!」

光の速さで由貴から自分のショートパンツとパンティを奪い取り、慌ててそれを穿こうと足を上げる美香。
勿論周囲の視線は独占状態のままでだ。
『おおーっ!?』
おっぱいダンス→お尻丸出し→生着替え
このコンボに男たちの興奮がMAXに達した。
その視線を感じ取りつつも美香の動きは止まらない。
勿論見られているのは恥ずかしい。
だが、下半身すっぽんぽんのほうがより恥ずかしい。
(は、早く動きなさい私の手……!)
だが、混乱と羞恥に支配された状態では思うように手は動かない。
しかも股間を片手で隠しながらの作業なのだ。
それは美香にとって人生で一番長い十秒だった。
自分の着替えを見られているなど良家の子女として生まれた彼女には想像外の出来事である。
屈辱、羞恥、憤怒、その他諸々の感情をごちゃ混ぜにしながらも美香は手と足を動かし続けた。

「ふぅっ…はぁっ…はぁっ…」
キッカリ十秒後、美香のショートパンツとパンティは元の位置に収まっていた。
おそるおそるそこに近づいていく由貴。
体育館の中が修羅場の予感に緊張する。
そして―――美香は気絶した。
373名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 09:38:13 ID:9ZHjFtLf
続く。
まあち〇こいれたり自慰させたり暴力描写いれたりがなければ他は全部ライトエロだよね!
と、最終的にはどこまでエスカレートさせるか悩んでいる自分。

しまった、最初をageてしまった… _| ̄|○
374名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:17:04 ID:fdkuDwDq
いきなり尻みせ……やりやがった!
375名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 12:46:41 ID:oCIBM7QN
くそっ、もっと近づくことができれば…くそっくそっorz
376名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 14:14:07 ID:eH0poJQH
やるなあw
しかし、フラグ立ってる大輔羨ましいというべきかフラグ気付かない姿を生温くみるべきかw
377名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 17:08:35 ID:ZfvgtSsf
恐らく俺はどれだけエスカレートしてもハァハァ言いながらこのシリーズを読み続けるんだろうなあw
378名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 12:00:12 ID:zTrOYb9B
やっとこさ規制が解けたので魔法技師投下。
もうすぐ10万字。
379魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:01:25 ID:zTrOYb9B


 その少年が俺たちの住んでいる「真珠亭」に飛び込んできたのは昼食を取っていたときだった。
 お世辞にも綺麗とはいえない服装の、顔に帽子をかぶりそばかすを残した少年はドアを
開けるなり叫んだ。

「姉御っ!」
「なんじゃシン。わらわは今食事中じゃぞ。」
 長い黒髪を後ろに無造作に縛り、シンプルなシャツを着た勝気そうな目を持つ美少女の
マオは口を優雅にハンカチで拭きながらその少年に少し突き放すような調子で言った。だが、少年は
気にした風もなく続ける。

「いえ、ダンの兄貴たちが明らかに貴族っぽい女を保護したからご連絡をと。手荒いことは
 してません。姉御の命令がありますから。」
「ふむ、良い判断じゃ…褒めてやろう。」
「あ、ありがとうございますっ!」
 びしっと少年は直立して喜んでいた。俺はそんな光景を見ながら、よくこんなやつら
しつけたなぁと人事のように思っていた。

「カイ。確認に行くぞ。お主が会わないとどうするのかわからん。」
「わかった。」
 俺は頷いてマオと共に席をたった。そんな俺を少年は訝しげな目で見ている。なんだ?

「あの、姉御…この男は…?」
「わらわの伴侶じゃ。」
「ええっ!!姉御ほどのお方がこんな男にっ!!」
 失礼な子供だなあ…と思いつつも顔には出さず、さっさと案内するように俺は促した。


380魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:02:03 ID:zTrOYb9B


 アジト…というか名ばかりの廃屋に見えたその建物は、内部はわりと清潔に掃除されており、
持ち主の性格を伺わせた…マオは綺麗好きだ。
 中の一際大きな部屋に足を踏み入れると、海が割れるかのようにざああっと男たちが
左右に整列して、その奥の中央にある席にマオを促した。彼女は当然のごとく、そこに威厳を
もって席に着く。やっぱ魔王の習性か何かなのかなぁ…。ユウもなんか変なとこあるし…。
 俺は玉座(?)に座るマオの隣に立つことにした。落ち着くと、マオの前に背の高い筋肉の
かなりついた男が中央に進み出てきていた。俺も知ってる。こいつは鍛冶屋のダンだ。

「姉御、報告しやすっ!今日の早朝、店の近くでうろうろしていた貴族風の女を保護しやした。
 今はアジトの客室に置いてありますっ!」
「うむ、よくやった。近くに寄れ。」
 マオはにやりと笑って胸を張り、近づいてきた大男をしゃがませると頭を撫でた。周りから
おおっ!!!といった歓声が上がり、羨ましそうな視線が大男に集まる。彼は顔を上気させて
興奮させて下がった。

「黒猫団規則っ!!!」
「「「ひとーっつ!!仲間は家族!絶対に護れ!」」」
「「「ひとーっつ!!俺達はヤク、殺人、強姦は絶対に許さないっ!!!」」」
「「「ひとーっつ!!黒猫団はいい男!女は自力でくどけっ!!!」」」
「「「ひとーっつ!!俺達はマオ様に絶対の忠誠を誓うっ!!!」
「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」
 ユウが怖がったのも判るな…。なんだこの無意味に熱いやつらは。俺はさめた目で
こいつらを眺めていた。

「で、姉御なんでカイ・リスターが横にいるんですかい?」
「ま、まさかこの悪魔を部下にっ!!さすが姉御っ!!!
「マオ様がいれば俺達は無敵だっ!!」
 俺は一体こいつらの中でどんな噂が立っているんだろうか。確かに何人もぼこぼこにした
顔があるが…。

「ふ、皆のものよく聞け。こやつはわらわの伴侶じゃっ!」
「「「「ええええええ〜〜」」」」
 大きな喧騒と怒号。統率の取れていた室内がざわめきだす。マオは俺に座るようにいうと、

「静まれ!」
 その声で、騒ぎが一瞬で止まる。ほんと、どうやって躾けたんだろか…。考え込む俺の服を
自分の手で脱がせた。

「こやつの身体を見ろ。歴戦の勇士だ。それにこやつは平民でありながら公爵に逆らって
 逆に滅ぼさんとしている知勇兼備の男じゃ。今度は貴族になる平民の英雄だ。」
 歓声が上がる。俺やベルの身体は傷だらけだ…俺はいいがベルは女なのに…そのうち傷跡が
消えるアイテムを作ってやりたい。シルビアも俺たちよりましだが、消えない傷はいくつもある。
 自信に満ちた目で全員を見渡しマオは声をあげて演説を続ける。

「人は誰でも努力すればこやつのようになれる。お前たちも同様だ。誇りを持って自分を磨けっ!!」
 おおっ!と声が上がる。平民は貴族には絶対服従が当たり前だ。当たり前すぎて誰も疑問に
思わない。皆が諦めている…。

「「「「兄貴っ!!!俺達は絶対の忠誠を兄貴にも誓いますっ!!!」」」」
 一斉に尊敬の眼を向けられる俺。逃げたい…。ま、まあ、よしとしておこう…。

381魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:02:57 ID:zTrOYb9B
「この部屋です。」
 黒猫団名誉顧問とかいう役職を頂いた俺は、保護したという貴族のいる部屋を訪れていた。

「え…」

<汝術使うことあたわず!>

 顔を見た瞬間、俺はすぐさま彼女の魔法を封じた。部屋の中には銀色の髪の美しい女性…
セシリア・フォン・ヴァストル…公爵の妹がそこにはいた。
 不安からか憂いを帯びているがそれでもその美しさは衰えることがない。

「どうした、カイ。こやつの魔法を封じても意味はあるまい。」
 不思議そうな顔で聞くマオを無視し、俺はセシリアに近づいてペンダントを強引に奪った。

「マオの欠点は強すぎることだな。弱いものの怖さが判っていない。」
「カイ……?」
 俺はセシリアとマオを連れて外へ出て、ペンダントに細工して魔法で深い穴を掘ると
そこに投げ入れた。上からは土をかぶせる。セシリアの顔は真っ青になっていた。

<我が身を生贄に敵を滅ぼす>

 淡々とルーンを唱えると…地面を揺るがす物凄い振動が起こった。

「こういうことだ。マオ…。どんな相手でも油断はするな。お前は死なないが、仲間に
 被害が及ぶ。」
「わかった。カイ………覚えておく。すまぬな。」
 そんな俺たちを遠巻きに見ていたマオの部下はますます、尊敬の念を強くして俺を見つめていた。

「なんにせよ事情は宿で聞こう。」
 俺はそういうと紙を取り出して説明書を書いて先ほど報告した鍛冶士のダンに、俺のしていた
指輪の一つを渡した。

「そいつはその値段で売れる。全員で分けて遊んで使え。仕事料だ。」
「「「うおっ!!ありがとうございます。兄貴っ!!!」」」
 俺はそれはやめて欲しいと思ったが口には出さず、セシリアとマオを連れて宿に
戻ろうとしたのだが…。初めに宿に来たシンとかいう少年が俺を引きとめた。

「兄貴っ!俺を弟子にしてくださいっ。強くなりたいんです!」
「俺は弟子はとらん。これから忙しくなるし死ぬ危険もまだ高い。面倒みれん。」
「何でもします!死んでも後悔しないし迷惑もかけません!」
 正直困った。俺に巻き込まれればただではすまないのだが…この眼はをした奴がそんな
簡単に引き下がるとも思えない。そんな時、マオが助け舟を出した。

「シン、おぬしは本気か?」
「はい、マオ様っ!」
「何でもできるか?」
「できますっ!!」
「では、カイ。何か試験をしてやればよい。覚悟は出来ているそうだし、真面目で度胸も
 あるやつじゃ。お主の試験に耐えられるなら認めてやってくれ。」
 俺は考えていった。

「シンといったか。お前、文字の読み書きはできるか?」
「いえ………できません。」
「では、日常に困らない程度の読み書きを二週間以内に覚えれたら弟子にしてやる。
 どんな手段を使っても構わない。」
 まあ、無理だろう。普通、こういう場所の人間は一生文字を覚えずに終わるものだ。
 わざわざ茨の道を一緒に歩かせることもあるまい。

「わかりました!!」
 そんな俺の思いとは裏腹に、シン少年はやたら嬉しそうにはしゃいでいた。
382魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:03:48 ID:zTrOYb9B


 宿に戻ると俺達はそのまま、マオの部屋に入った。シルビアには公爵の妹を保護したと
連絡を入れて同時に対処案をいくつか送った。そして、今、マオとセシリアと俺の三人で
部屋のテーブルを囲んでいる。
 銀色の髪の公爵の妹は、貴族内での噂以上にに美しいが今はその表情は冴えない。

「こうやって貴女を助けるのは三度目ですね。セシリア・フォン・ヴァストル嬢。」
 服装は適当だが、俺は貴族の礼儀を持って彼女に話を振った。マオは俺の顔を見て
不安げにしているのがわかる。安心しろというように、そんなマオの頭を俺は撫でた。

「感謝しております。何度も…。本来ならば、一生かけて返さねばならぬほどの恩を貴方には
 受けております。」
「魔法で私を暗殺できるとでも……お思いでしたか?」
「これなら大丈夫と………貴方と共に…死のうと思っていました。」
「わらわのカイをっ!貴様っ!」
 怒りに震えるマオを俺は手で押さえる。銀色の少女は動揺することもなく、静かに俺を
見つめている。

「復讐を止めて頂くわけにはいきませんか?」
「私のことはご存知のようだ。それでも止めろと?」
「父や兄のしてきたことは謝罪します。」
「謝罪などされても誰も喜びはしない。」
 冷然と切って捨てる俺に彼女は言った。

「代わりに私を好きにしてもらって構いません。弄ぶのも殺すのも…」
 俺は苦笑した。上手くいってるかはわからない。狂ったように笑いたくなる衝動を
必死に押さえて冷静さを保とうとする。

「貴女は色々勘違いされているようだ。復讐をやめろ?…俺は公爵に手を出したことは
 一度だってない。手を出してくるのはいつも公爵だ。俺やベル、シルビアが何度死に掛けた?
 復讐ではなく自衛というのが正しい。ヴァストルが存在している限り俺たちには平穏は
 ない。あんた一人を玩具にしても何も変らない。意味は何もないんだ。」
 もはや言葉遣いも取り繕わず、俺は喋る。言葉は止まらない。

「五年だ。血反吐を吐きながら強い者に抗ってきた。大事な人を失い、仲間を失い、自身
 死にかけるような地獄の中、それでも抗ってきたんだ。それをお前一人犠牲になるから
 やめろと…努力を無にしろと…笑わせるな。最早形勢は動かない。ヴァストルは必ず滅ぼす。」
 彼女は震えていた。俺の顔がきっと酷いものになっているのだろう。

「ヴァストルを滅ぼし、今の貴族絶対の体制を変えていく。俺のような人間を出さないために。
 その体制を変えるためにもヴァストルは滅ぼす必要がある。必要性も実利も備わってるんだ。
 マオやユウを危険に晒したくもない。公爵家はその意味でも害しかない。」
 俺はそこまで言って黙った。これ以上は言う言葉はないし、政治的にも彼女に手を出すことは
無益有害だ。その意味では、シルビアの城にすぐ送るべきであって俺も冷静じゃなかったなと思った。
 しかし、彼女の次の一言は理性という俺の枷を弾き飛ばした。

「今の貴方を見たらミリアムさんは悲しむでしょう。駄目になったと…。」
「死ね。」
 俺は全力の魔法を叩き込もうとして─────後ろから衝撃を受けて意識を刈り取られた。

383魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:04:52 ID:zTrOYb9B

「全く世話の焼ける。お主がいったのだろう、油断するなと。安い挑発に乗りよって。らしくもない。」
 わらわは、カイを後ろからの手刀で落とすと目の前の銀髪の小娘に向き直った。

「貴女はマオさんでしたね。貴女にも私は恩があります。」
 ふんと、鼻を鳴らして目の前の小娘を睨みつける。そこにはカイと対峙していたときの
怯えた目はない。演技でもなかろうが…わらわは恐怖心を与えないのだろう。

「見事に仇で返してくれたな。暗殺、篭絡、自らを犠牲にしての政治的優位の確保か。
 カイはわらわを護るといっておるが…素直に護られる女じゃないぞ。わらわがこいつを
 護るのだ。お主が敵となるならわらわは排除をためらわん。」
 目の前の女はわらわに感情のない目を向けている。

「貴女も私を敵と見るのですか。」
「当然じゃ。わらわ自身もヴァストルの被害者じゃからな。仇といってよい。」
 小娘は流石に驚いたようだ。

「私は敵になどなりたくなかった。何度も助けてくれた恩人…魅力的な人。だけど、シルビア様の
 いうとおり、この人は確かに私だけは想ってはいけない人だった。私は貴女が羨ましい。
 私はどれだけ想ってもこの人に愛されることはない…せめてと思ったのですが。」
「これからどうするのだ?」
「私には優しいお父様とお兄様を見捨てるわけにはいきません。関係が修復できるよう
 努力するしかありません。」
「今回は不問にする。カイの意思だからな。ユウに護衛をしてもらってシルビアのところに
 送る。その後迎えが来るだろう。」
 小娘はわらわに頭を下げ、部屋から出て行こうとして一度止まり言った。

「私は…罰して欲しかった。ただこの人に殺されたかった…。」
「生憎カイやシルビアの方針は生きてればなんとかなるだそうだ。お前も生きて償う方法
 を考えろ。現にわらわのカイはそうやって生きている。」
 そして、返事を返さず去っていった。

「ミリアム………か。」
 ひょっとしたら────カイはその人しか愛せないのかもしれない。そんな不安が
わらわの心をよぎった。違うと思いつつその疑念は晴れなかった。

384魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:05:51 ID:zTrOYb9B

 ゆさゆさと身体を揺さぶられる。目をあけて周りを見る…そこは灰色に彩られてはいるが
大学時代の自分の部屋だった。大学時代………俺は………今………?

「あーっ!やっと起きたね。この寝ぼすけ〜。」
 目の前には、ブラウンの髪をショートカットにした女性が立っていた。俺の恩人の娘で
恋人…そう、恋人のミリアムだ。背も低いしとりわけ美人ってわけではない。ただ、笑顔になると
物凄く魅力的になる人だ。そして、明るくて賢い。不意に訳も泣く涙が流れた。

「あれ……俺なんで……。」
「どうしたのカイ……そいえば、さっきもうなされてたけど。昔の夢でも見た?」
「…かもな。大丈夫だよ。ミリー。」
 俺は身体を起こしてベッドに腰掛ける。なんだ…この違和感は…。

「そういえば、最近シルビアと仲いいわね。みんな怖がって近づきもしないのに。」
「ふん。あいつが突っかかってくるんだ。俺は受けて立ってるだけ!」
「ぷっ!でもやけるわー。あの子すっごい美人だし。天才だし…気があってるみたいだし〜。
 でも浮気なんてしたらぶっとばしてやるんだから。」
 拗ねたように横を向く。わざとだ…なんだろう…この違和感は。しかし、ベルもいないので
そっと後ろから抱きしめる。

「馬鹿いえ。俺の恋人はミリーだけだ。それにお前だってシルビアからかってるだろ。」
「あの子からかうと面白いんだもの。すぐむきになるし…でも、シルビアは偉ぶらないしいい奴よ。」
「だな…だけど、どんなにいい奴でも…女としては…お前だけだから。俺は…」
 俺はミリアムの口を塞いだ。何故か心の中で刺すような罪悪感が巻き起こる。彼女は
猫のような可愛らしい元気な笑顔で囁いてくれる。

「私も大好きよ。カイ。ずっと…子供の頃からライバルで友達で…恋人。」
 もう一度口を塞ぐ。今度は口を割り舌を彼女の口へと割り込ませる。そして、彼女の
腰を抱えるとベッドにゆっくりと横たわらせた。自分の意思かよくわからず…何か…
警告の声が聞こえるような…。

「ん…ふぅ………ぁ……服は……脱がせて………」
 小さい身体に合わない大きな胸を愛撫しながらゆっくりと服を脱がせていく。強烈な
までに俺の頭は愛した人への激情で焼かれそうなほど燃え上がらせられていく。同時に、
違和感も…強くなる。

385魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:06:51 ID:zTrOYb9B

「なんかミリーを抱こうと思うとドキドキするよ…」
「くすっ……いつものことじゃない。私もだよ。」
 その言葉で………俺の頭は完全に鮮明となり、全てがはっきりとした。同時に現在の
状況を全て理解する。だが、俺はそのままミリアムの服を全て脱がせ愛撫を続けた。

「あん……」
「相変わらずえっちな胸だな。誰かに揉まれてるんじゃないか?」
「馬鹿…カイだけに決まってるでしょ。」
 拳を作って結構強めに胸を殴られた。ちょい痛い…。乳首を転がすように舐め、吸い上げ
ていくと、乳首も勃起してきた。

「う、…あん…カイ赤ちゃんみたい。」
「じゃ、思う存分甘えさせてもらおう。でもほら、凄い感じてるんじゃないか。下ももう
 びしょびしょだぞ。」
「うー。カイのいじわる。そんなこといわないでよ。恥ずかしい…」
「いまさらだろ。」
 顔を見合わせて笑う。目の前にいる長い友人で幼馴染の少女に。俺は軽くキスをすると
彼女の秘所を舌で責め始めた。左右に割り見えるピンク色の部分を残す場所もなく舐め、
そのたびにぴくっと震える彼女の感触を楽しむ。彼女も負けじと、俺の下になっているに
も関わらずモノを口や手で愛撫し始めた。

「ちゅむ…ぴちゃっんあは……ぁ……駄目気持ちよすぎて集中できないっ……あっ!!」
「……イった?」
「〜〜〜〜〜〜っ馬鹿!!」
 身体を震わせて痙攣した彼女に冗談ぽく声をかけると彼女は顔を真っ赤にして怒った。気軽な
関係。まるで友達のような…楽しい関係。小柄な彼女の身体の下から手をいれお姫様
抱っこしながらベッドに腰掛けた。

「楽しいな。色気はあんまないけど。」
「うそつけっ!じゃなんでそんな大きくしてるのよ?」
「む、ただの男の生理現象だ。」
「それを起こしてるの私でしょ。ほんと素直じゃないんだから。しっかし、カイってば
 昔はちっちゃかったくせに一人で大きくなって。こんな抱っこも簡単に出来るなんて…ずるいぞっ。」
「しょうがないだろ。俺も男なんだし。ちなみにさっきのは嘘。お前可愛すぎ…限界だから…」
「うん…。」
 俺はそういうと俺の膝に座らせるような体勢にして彼女の秘所に俺のモノを入れた。ぬちゅっと
卑猥な音を立てて、抵抗なく俺のを飲み込んでいく。

「あはっ……ん……入ったね……」
「動くぞ。」
 入れたまま片手で彼女の腰を持ち上下に動かし、自分も乱暴に何度も突く。あいた手は大きな胸に
あて乳首をこりっといじった。

「ぁ……カイ!あん…はっ…は……いい!もっと…あう…隣に聞こえちゃう…!」
「中が…熱くて…やばいな。気持ちよすぎるっ」
 ぐちゅぐちゅと部屋に俺たちが交わる音が規則正しく響き、何度も体勢を入れ替えて
まるで獣のようにひたすら俺達は交わっていた。初めの羞恥心などかけらもなく、雄と雌に
もはやなっていた。

386魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:08:36 ID:zTrOYb9B
「やんっ!後ろは…こつこつあたって気持ちいいっ…あっあっ…ひゃん!声がとまんない!!」
「もっと鳴け。感じてくれ」
 激しく犬のように後ろから突きまくる。相手のことをあまり考えない貪るような性交なのに
ミリーは嬉しそうに気持ちよさそうに声をあげている。

「あああんっカイ!もうだめだよっ!ううっ…いく…いっちゃう…ああっ!!!」
「もう少し…」
「やあ!ちょっとまってカイっ……やん…うぁ…またイきそうっ!!」
「一緒にっ!」
「うん…カイ…大好きだよっ…はっ…ふっ…やん…ああっ…だめ…ああああっ!!!!」
 躊躇無く、俺は彼女の中に全てを吐き出し余韻に浸るように彼女を後ろから抱きしめる。

「ふー、カイってばほんとえっちだよね。」
「男なんてそんなもんだ。」
 裸で布団の中顔を見合わせる……ミリーの顔は笑顔なのに……泣いてるように見えた。

「大好きだよ…カイ。」
「俺も大好きだ……マオ。」
 いたずらっぽく微笑んでいうと彼女はびくっと体を震わせた。ミリーの姿をした彼女は
今度こそ涙を流して泣いていた。顔も体もそのままで…口調だけが変る。

「いつ…気づいたのじゃ。完全に操作は上手くいったはずなんじゃが?」
「違和感は初めから感じてた。決定的だったのは…俺はさ…ミリーを抱いたことないんだ。
 愛し合ってはいたけど、キスどまり。身分とか…色々考えて…ヘタレだったな。」
「信じられん……」
 俺は知らないなんらかの魔法だったのだろう。彼女は元の幼い自分の姿に戻りながら
眼を見開いて驚いていた。

「思い出を汚したわらわを怒らないのか?」
「俺のためなんだろ。怒れるわけがないさ。かなり似てて懐かしかった…。」
 マオは口調はともかく性格は一番ミリーに似ている。勝気で賢くておせっかいで人のことを
自分のことより優先する…そんなやつだった。

「ところでここはどこだ。俺の昔の部屋にしかみえん…。」
「次元の狭間。カイが馬鹿やった後、わらわがカイの封じるルーンを逆操作して作り出した。
 灰色なのは時が止まっているからじゃ。」
「そんなことできるのか…さすがだな。」
「魔力を使い切れば過去にお主のまま戻すことも不可能じゃないが…どうする?今のお主
 ならば過去に戻れば…未来を変えることも出来よう。」
 マオは表情を消し、綺麗な瞳で俺を見つめている。答えは決まっている。

「ありがとうマオ。だけど必要ない。辛い思いでも楽しい思いでも全部背負って俺は前に
 進むって決めたんだ。過去に戻ればマオやユウとも会えなくなるしな。俺は今の俺が
 大事な人を護るさ。」
 心の中で、そんな情けないこといってたらミリーにぶっ飛ばされると思って…驚いた。
 彼女との楽しい思い出を思い出したのは久々だ。

「カイ……。すまん。わらわは少し疑っていた。愛してる人は本当は死んだその人だけじゃ
 ないかと。いつも冷静なお前が怒ってたから…でも、カイが望むならそれでもいいかと
 思ったのじゃ…。」
 泣いているマオを俺は強く…痛いくらい強く抱きしめた。

「ごめんな、不安にさせて。ちゃんと愛してるから。」
「うん……うん………っ!」
「それと、ありがとう。辛いだけだった思い出だったけど楽しいことも思い出せたよ。」
「馬鹿っ抱きしめながら他の女の話をするなっ!……前の約束がまだあったな。それを
 使おう。今は昔の女を忘れてわらわだけを見ろ。」
「わかった。愛してるよ。マオ。」
 泣きながら拗ねる彼女が可愛く、俺は彼女にキスをかわした。意識が徐々に薄れていき…
マオが作った偽りの世界は崩壊していった。
387魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:10:09 ID:zTrOYb9B

 それから二週間が過ぎた。俺達はマオ、ベルとともに昼食を食べていた。ユウは身重の
シルビアの護衛だ。そんな真珠亭に、そばかすの少年…シンが飛び込んできた。すっかり、
忘れてた。

「姉御っ!兄貴っ!お久しぶりですっ!!」
「ほう、シンではないか。今日はどうしたのじゃ?」
「ほらっ!試験ですよ試験!」
 それでようやく思い出した。確か文字を覚えたら弟子にするとかいう…まぁ、二週間じゃ
無理だろうと正直思ってたので忘れていた。ベルは不思議そうにしている。

「……………」(お兄様、この子は?)
「弟子志望らしい。」
「……………」(お兄様は若い子の教育上よくないと思う。)
「ほっとけ。無理な課題を出したんだが…。シン。どうだった?」
 背の低いその帽子をかぶった少年は胸を張って自慢げにいった。

「完璧です。何でも来てくださいっ!!」
 俺がいくつか質問すると、性格に文字を書いていく。驚いた。本当に二週間で覚えるとは…。

「どうやって文字をここまで勉強したんだ?」
「ふっふー。企業秘密ですっ。…といいたいとこですが、初めから出来たと疑われると
 困りますからね。帝国大学にいってそこのお姉さん方に教えてもらったんです。なんでもありですよね。」
 十代前半のこの少年の発言に心底驚いていた。俺はこのくらいの年はヘタレだったのに。
 先の恐ろしい子供だ。発想は柔軟だし頭は悪くないのか。

「わかった。約束だしな。一から全部教えてやる。部屋はここの宿に取れ。金は出す…厳しいぞ?」
「望むところです。強くなりたいからっ。」
「何でそんなに強くなりたいんだ?」
 俺は何気なく聞いた。子供っぽい動機にしては努力の度が過ぎる気がするのだ。

「最低男を倒すためです。」
「最低男?」
「俺の姉はシュタインベルグ侯爵様のところでご奉公してるんだけど、姉は妊娠だけ
 させられて男に逃げられたんですっ!」
 なんか変な汗が背中に出てきた。なんでだろう。

388魔法技師 過去への扉:2007/07/22(日) 12:12:30 ID:zTrOYb9B


「姉は自分が無理に頼んだっていってるし、シルビア様も自分のせいだからと擁護してたけど…
 俺はその不潔な最低男を絶対倒すんです。あのシルビア様が自分より強いっていってたからに
 は相当強いと思うけど俺は負けないっ!!」
「………お姉さんの名前は?」
「クリス。クリス・ロシェーヌ…。優しい姉だよ。だからほんと悔しい。」
 事情を知っているはずのベルやマオのほうを向くと、

「……………」(自業自得)
「ま、わらわには無関係じゃが約束は守らないとな。」
 と、我関せずだった。冷たい…。

「師匠っ!!よろしくお願いします。」
 俺は肩を落として力なく頷いた。

「しかし、最近の少年はませてるな。お姉さん口説き落として教えさせるなんて。」
「し、師匠、なんか変な想像してませんか?俺普通に頼んだんだけど…」
「うーん、まあ、可愛げのある顔立ちしているし好きなやつは…」
 本気で考え込む俺をベルやマオは冷めた目で見ていたが、可愛いという発言に何故か
顔を赤くしたシンを横目にみつつ、マオが俺に呆れた声でいった。

「シンは少年じゃないぞ。少女じゃ。」
「……………」(お兄様…)
「へ、変装してるししょうがないよっ師匠!」
 呆然としながら弟子となったシンのフォローを聞き、俺は今後の苦労を苦笑しながら想像していた。
 これもこの先、大事な弟子…といえる日が来るのだろうか。彼…もとい彼女は引越しの
用意をしてきますと上機嫌で去っていった。俺は完全に彼女の姿を消えたのを確認して
からなんとなく、マオに小声で質問してみた。

「俺の今の状況をみたら…ミリアムはなんていうと思う?」
「この馬鹿っ!浮気モノ!ろりこん!!」
「う………」
「でそのあと、よかったね。幸せになって。とまあ、こんなところじゃろう。少なくとも
 わらわは失望はしてないと思うな。」
「そっか。そうだといいな。」
「だが、弟子には手を出すなよ。あれはわらわの被保護者だからの。」
「なんだ。妬いてるのか?」
「ば、馬鹿!そんなことあるわけないだろう。」
 にやっと笑っていつものようにマオをからかう。
 異次元空間でのことは二人の内緒だ。マオは何らかの方法でほぼ完璧にミリアムの性格を
再現していた。彼女は教えてくれないが…。

 俺は、ま、楽しくやってるよと心の中で話しかけ、マオとベルの頭をなんとなく撫でてから
止まっていた食事を再開した。


389名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 12:13:51 ID:zTrOYb9B
投下終了です。長い;
後3.4話でまとめる予定です。
390名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 14:07:02 ID:kDCGaSsJ
>>380
まってたー!!GJ!!
マオけなげだよマオ

姉妹丼フラグも建つみたいで楽しみがふえまくりw
391名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 20:54:41 ID:K35o2lEm
10万字吹いたw

これだけの文字数でも飽きがまったく来ないことに驚くぜ…
392名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 22:17:47 ID:LOsiPoyu
>>380
GJ!!
規制解除おめでとう。
マオけなげだよ

ところで姉さんてイリスさんでは?
次回も楽しみにしています。
393名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 22:24:14 ID:gy+nZkwT
>>389
堪能しました健気なマオがいいっすね。GJです。
あなたのせいでロリ属性がつきそうです。
え?元から?
でもいいや、きっとお友達が増えるから、これを見ればw
394とある少年の超能力な日々(1/5) :2007/07/22(日) 23:31:33 ID:mt6aNiRM
『へ?』
ぱたり、と糸が切れた人形のように崩れ落ちる美香に彼女を注視していた全ての人間が間の抜けた声を上げた。
数秒の沈黙。
最初に動いたのは大輔だった。
戸惑った視線を背に向けてくる文乃を置いて美香へと駆け寄ると脈と呼吸を確かめる。
異常はない、恐らくは熱と羞恥によって頭に血が上りすぎた結果だろう。
そう判断し、保健室へ連れて行こうと美香の腕を掴む。
と、反対側から大輔の同じようにして少女の腕を掴む者がいた。
由貴である。
「紫藤?」
「私も手伝うよ」
「頼む」
美香一人を運ぶだけなら念動力を使うまでもなく一人で十分なのだが、助力を断る理由もない。
それに自分一人ではあらぬ憶測を呼ぶ結果になりかねないという懸念もある。
一瞬でそう判断した大輔は真剣な表情を作って由貴を見返し、頷いた。

美香の両腕をそれぞれが背負うような格好で大輔と由貴の二人は保健室へ向かう。
「…みんな、今頃騒いでると思う?」
「まあ間違いなくな」
「そうだよね…」
ずぅぅん、と影を背負って俯く由貴に大輔は少しばかりの罪悪感を覚えた。
彼女は美香のことを自分ひとりの責任だと思い込んでいるようだが、実際は違う。
一番の容疑者は自分なのだ。
形としては大輔が自分の私怨に由貴を利用した形になる。
「ま、まああんまり気にするなよ。わざとじゃないんだし、お嬢…高見沢も許してくれるさ」
「うん…」
言っててまるで説得力のない言葉に大輔は自分のボキャブラリーを恨んだ。
目を覚ませば美香は間違いなく由貴を怒る、間違いない。
自分に恥をかかせた人間を笑って許すなどありえない。
それを大輔はよく知っていたのだ。

(しかし…これはこれで役得だな)
大輔は心中で一人ごちた。
何せ今の状態は美少女二人と密着状態なのだ。
胸には歩くたびに弾み当たる美香のおっぱいが素晴らしい感触を伝えてくれる。
目では至近距離で透けている体操着から美少女二人の胸のふくらみとブラジャーを鑑賞できるのだ。
しかも授業中のため、廊下には自分たち以外の人影はない。
誰にも遠慮することなくこの状況を楽しむことができる。
395とある少年の超能力な日々(2/5) :2007/07/22(日) 23:32:48 ID:mt6aNiRM
「修地君は、すごいね」
「へ?」
いきなりかけられた声に大輔は戸惑った。
まさか視線がバレたのか!? と一瞬焦るものの自分を見る由貴の表情に批難の色はない。
とういうか、むしろその反対だった。
「皆が呆然としているだけの中ですぐに駆けつけて…」
「いや、別に大したことじゃ…」
「ううん、そんなことない。すごい格好よかった」
「う……」
純粋な瞳で自分を賛辞する由貴に、大輔は目をそらしたくなる衝動に駆られる。
元々自分が素早く行動に移れたのはある程度の心構えができていたからに過ぎない。
何せ、美香があの時腹いせに由貴に暴力を振るおうとし、自分がそれを止めるという可能性すら考えていたのだから。

「やっぱり…高見沢さんだから?」
「は?」
「好き、なんでしょう? 彼女のこと?」
「はああ!?」
大輔は驚いた。
目の前の少女は何を言っているのだろうか?
自分が、あの高見沢美香のことを好き?
「いや、ありえないからそれ」
「え、でもいつも仲良さそうだし…」
「デモもストもない。あれは仲がいいんじゃなくてあっちが俺にちょっかいだしてきてるだけ。
 むしろ俺としてはあっちが俺に惚れているんじゃないかといいたい」
「そ、そうなんだ……」
何故か安堵したように息を吐く少女を大輔は不思議そうに見つめる。
そんな視線に気がついたのか、由貴は慌ててなんでもないと手を振った。

(俺が高見沢に? それは流石に失礼だぞ)
過剰なほど手を振る由貴に大輔は半眼を向けた。
正直、普段のやりとりを見ていて自分が美香に惚れているなどといわれるのは不愉快だったのだ。
(少し、罰を与えてやろうか…)
ニヤリと口元を吊り上げる。
紫藤由貴、大輔のクラスメートで女子バスケ部のキャプテンにしてクラス委員長。
成績、運動神経共に美香には一歩劣るもののサラサラのストレートロングの髪とそれに相まった穏やかな気性で男女間の人気は高い。
背が高めなのを気にしているようだが、文句なく学校でも十指に入る美少女。
念動力を行使する獲物としては不足がなかった。
396とある少年の超能力な日々(3/5) :2007/07/22(日) 23:34:20 ID:mt6aNiRM
(外れろ)
大輔が念じると同時に由貴のブラのホックが外れる。
ホックの位置は既にバスケの試合中に確認済み、フロントホックだった。
瞬間、由貴の胸がまるで爆発するようにぽよんっと大きく外へと弾む。
ブラジャーの締め付けから解放されたおっぱいが飛び出た反動だ。
下着の消失によって、つんっと僅かに乳首がその存在を体操服越しに主張し、そのピンク色を大輔の目に映す。

「えっ…?」
胸元の違和感に由貴は首を傾げ、俯いた。
そこには、ホックが外れ、胸に弾かれ脇腹の辺りまでずり落ちているピンク色のブラジャー。
「っあっ!?」
由貴は慌ててしゃがみ込み、胸を両手で覆う。
が、いきなり手を離してしまえば脱力状態で支えられていた美香の身体は当然のように傾く。
「っと」
しかし大輔は念動力を使いうまく美香を支える。
勿論、偶然を装って美香を抱き寄せるような形にすることも忘れない。
(うはっ、なんという感触…!)
内心でブラボー! と喝采をあげつつ大輔は美香の身体を抱きつくように支える。
胸、腰、太ももと美香の柔らかい身体全てと己の身体が密着する感触にニヤニヤが止まらなかった。

「やあっ…」
(この感触もいいけど、目に映るこの光景もすごい…!)
しゃがみ込んだ由貴は胸を両腕で隠すようにしているが、彼女の胸はその程度では隠せていなかった。
何せ彼女の胸は美香よりも大きい。
推定でE…下手すればFはある巨乳なのだから。
(おっぱいの肉が、はみ出るみたいに…むにゅっと、むにゅっと!)
腕の隙間からこぼれ出るように透け見える乳肉を大輔は注視した。
由貴は俯いているので視線には気づく様子はない。
ぶっちゃけ見放題だった。

「ど、どうしたんだ紫藤? 急にしゃがみ込んで?」
「え……そ、その、それは…」
「足でもくじいたのか?」
「え、あ、そ、そうなの!」
大輔のわざとらしい演技にも気がつかず、由貴は天恵とばかりに大輔の言葉に乗る。
それが彼の目論見通りだとも知らずに。
「じゃあほら、手を貸してやるよ」
「ええっ!? そ、そんな、いいよ…」
「遠慮するなよ」
「あっ、ちょっ…!」
397とある少年の超能力な日々(4/5) :2007/07/22(日) 23:36:03 ID:mt6aNiRM
美香を右手で抱え、空いた方の左手で大輔は由貴の手を掴む。
勿論これは親切心などではない。
由貴が足をくじいていないのは百も承知なのだから。
「よっと!」
「ああっ!」
引っ張り挙げられる勢いに由貴の手のガードが綻びた。
腕の中からぶるんと重量感のある胸がまろびでる。
ぴったりと汗で肌に張り付いた体操服は全く防護壁の役目を果たしていない。
大きく布地を押し上げ、その艶やかな肌色と豊満さをアピールする双子山が大輔の目に晒された。
「きゃっ…」
慌ててつかまれていないほうの腕で胸を隠す由貴だったが、それは手遅れだった。
何故なら、大輔はその光景を既にしっかりと脳内データに。
そして死角に浮かせているカメラに記憶していたのだから。

「しゅ、修地君…」
「何?」
「その…み、見た?」
「見たって…何を?」
大根役者だってもう少しマシな演技をするだろうというレベルの口調と表情で大輔はとぼける。
だが、由貴はその演技を信じた。
溺れている人間が藁をも掴む心境だったのだ。
まあ、人はそれを現実逃避ともいうのだが。

「さ、行こうぜ」
「だ、ダメだよ。一人で私たち二人を抱えていくなんて…」
「大丈夫だって、これでも俺は男だし。女の子二人運ぶくらいどうってことない」
ほらほらとせかす大輔に由貴は狼狽した。
どういうわけか、普段は自分の胸を覆っているはずのブラが今は外れてズレ落ちている。
体操服は汗で濡れて透けている状態なので胸は丸見え。
今はなんとか片手で隠してはいるものの、自分でも気になっているその大きさゆえにちょっと動けば乳首が手からこぼれだしかねない。
しかも息がかかるくらいの至近距離に男子がいる。
由貴は進退窮まった。
個人的にはすぐに人目のつかないところに移動してブラを付け直したい。
だが、そんなことを男である大輔にいえるはずがない。
398とある少年の超能力な日々(5/5) :2007/07/22(日) 23:37:44 ID:mt6aNiRM
「それじゃ…」
そして大輔が足を踏み出そうとした瞬間。
「しゅ、修地君!」
「ん?」
「ご、ごめんなさい…その、私……お、おトイレ!」
だっと駆け出す由貴を大輔は呆然と見送った。
それは足をくじいたという設定はどうなったのかというくらいの見事なダッシュだった。

数分後、由貴が戻ってきた。
ちなみに顔は依然真っ赤に染まったままだ。
どうやらブラを直すというのもトイレに行くというのも実は恥ずかしさに大差はないということに気がついたらしい。
ブラは既に元の位置に戻っている。
だが、しきりに胸元を気にし、手で覆っていた。
服が透けているのは変わらないからだ。
「お、お待たせ」
「おう」
「ご、ごめんね待たせちゃって。その…一度上着も脱がないといけなかったか……ううん、なんでもない!」
自爆して焦る由貴に大輔は苦笑を漏らす。
勿論由貴には見えない角度での話だが。
「さ、行こう?」
「それはいいんだけど、足は?」
意地悪く問う大輔。
「えっ!? ……う、うん、もう治ったみたい。だから平気」
「まあそういうなら構わないけど、一応診てもらえよ?」
「う、うん、ありがとう…あ、手伝うね」
「いや」
再び美香に肩を貸そうと近寄る由貴を大輔は手で制した。
そのまま手を美香に腰に回し、抱き上げる。
いわゆるお姫様抱っこの完成である。
「運ぶならこっちのほうが楽だしな。紫藤は用心したほうがいい」
「あ…そ、そうだね」
その光景にぼうっと見とれていた由貴は歩き出した大輔に慌ててついていった。

診察の結果、美香は熱中症だった。
そして彼女は放課後まで目を覚まさなかった。
なお、目を覚ました後、保険医からどういう経緯で自分が運ばれてきたのかを聞いて赤面しまくることになるのは余談である。
ちなみに、由貴の足は異常なしだった、当たり前だが。
399名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 23:39:04 ID:mt6aNiRM
続く
予定ではヒロインはあと一人で打ち止め。
投下しようとスレ覗いたら魔法技師の続きが投下されててのけぞった。
個人的には魔法技師の方といきなり超能力の方は心の師匠なのでこれほど嬉しいことはない。
あと、ちょっと読者の方々にお聞きしたいのですが、番外編とか書くのはアリですかね?
ヒロインの日記形式で一日が終わるごとに各ヒロインの心情状態みたいなのを書こうと思ってるんですが。
ただ、日記形式なので当然エロは欠片もないわけで…
400名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 00:03:49 ID:1jjaCe5q
GJ!
だんだん大輔が自分からものすごい勢いでフ
ラグへし折ってるように見えてきた
401名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 01:10:50 ID:NNmYZ1FS
GJ!

>400
むしろフラグへし折るような行為を重ねてるくせに逆にフラグが立ちまくってるのが大輔のすごいところw
402名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 01:18:19 ID:DtLyvpcg
ひょっとして作者はとくめーさんか?
403名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 09:38:55 ID:GaMeP8zY
>番外編

男子を意識しだした妹へプレゼント。
妹の好きな男子の前で、次々と恥ずかしい目に遭わせてやる。
妹の性的魅力と羞恥心という名の清純さを目の当たりにした彼は……

というのはどうでしょう?
404名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 16:02:53 ID:1/FaD6ad
>>389
待ってました!相変わらずGJ!
いや〜しかしなにげにまた手を広げてしかも姉妹丼なんて美味しい伏線なところが最高ですが
しかしマオの下僕達の兄貴分になっちゃってるとこもまた、平民の組織か〜それはそれで。
この長さでも全然飽きないどころかむしろ物足りなく感じるくらいなのがすごいです。

>>399
GJ!
この話の場合はヒロインの日記形式の番外編全然問題ないと思う。
なにせ主人公が勘違いしまくりなんで実際にヒロイン達の心情とのすれ違いがハッキリして面白くなるかと。
でもエロが欠片もないって、ヒロインの羞恥を感じた心情は書かれないのかな?
405とある少年の超能力な日々(1/5) :2007/07/25(水) 09:37:05 ID:fhkF5tal
「くーっ、最高!」
学校から帰宅した大輔は愉快さに転げまわっていた。
超能力を手にいれ、実際に自分の欲望に使う。
その素晴らしい快感に酔いしれる。
まあ、やっていること自体は痴漢と大差はないが。
いや、チカンのほうがもっと大胆なことをする分大輔の行為は悪戯レベルでしかないと言える。
しかし彼は満足だった。
元々大輔は超能力を手に入れたからといって即犯罪に走るほどの身の程知らずではない。
しかも基本的に小心者である。
女の子にイタズラができるということはそれだけで彼の欲望を満足させていたのだ。
無論、これからのことはわかりはしないのだが。

「お兄ちゃん、その…お風呂、空いたから!」
明日はどんなことをしようかと妄想していた大輔の耳に昨日よりも心なしか小さめになった妹の声が届く。
ちらり、とみた時計は既に帰宅から一時間をまわっていた。
「いけね」
妄想にふけりすぎたな、と反省しつつ大輔はリビングに向かう。
そこにはやはり、昨日と同じく風呂上りの牛乳を飲んでいる愛菜の姿があった。
違うのはその肌を覆っているのがタオルではなくデフォルメされた牛がプリントされたパジャマだということ。
(今まではタオル一枚だったのに…)
いぶかしむ大輔。

「その、ち、違うんだからね! これは、恥ずかしくなったとか、そういうのじゃっ」
兄の視線に気がついた愛菜は慌てたように自白を開始する。
頬を赤らめてぶんぶんと手を横に振る愛菜。
あまりの勢いに腰まであるポニーテールが手の動きにあわせてびゅんびゅんと揺れる。

(くっくっく…)
だが、大輔にとってその反応は朝に引き続き軽い感動を与えるものでしかなかった。
恥らう妹、それがこんなにも萌えるものだったとは!
改めて超能力、ひいては老人に感謝する大輔だった。
406とある少年の超能力な日々(2/5) :2007/07/25(水) 09:38:13 ID:fhkF5tal
「な、何をニヤニヤしてるの!?」
「いやなに、ようやくお前も俺を男として認識したんだなと」
「なっ…何言ってるのよ! お兄ちゃんのえっち! すけべ! セクハラ! 変態!」
「ひ、酷い言い草だな。大体何で今ので俺がえっちになるんだよ」
「うっ……そ、それは……その、知らない!」
照れ隠しからか、ぷいっと顔を背ける愛菜に大輔は苦笑する。
だが寂しいものがあるのも確かだった。
妹が恥じらいを覚えてくれたのは確かに大きい。
しかしその代償もまた大きかった。
タオル一枚でうろつく愛菜は今まで毎晩自分の目の保養をしてくれていたのだ。
それがいきなり取り上げられる、これはちょっとしたショックだった。
一度タオルの下まで見ておいて今更何を、とは思うのだが
裾から覗く胸元と太もものチラリズムがもう見れなくなると思うと寂しさは隠せない。

(待てよ。明日用に買っておいたあれを使えば…)
ふと一つのアイデアを思いつき、大輔はポケットをまさぐる。
そこには、手のひらに収まる柔らかな手ごたえがあった。
ニヤっと口元を吊り上げる。
(ふっふっふ…お兄ちゃんのえっち、ね…言葉通りにしてやるよ、これを使ってな!)
大輔は愛菜に気づかれないようにそれを取り出し、そっと床に置いた。
その正体はねずみのおもちゃ。
だが、その作りはかなり精巧で、見た目だけなら手にとってじっと見つめでもしない限りは判別は難しい出来だった。

(よし、行け!)
念動力によって命を吹き込まれたねずみはかさこそと愛菜の足元へ近づいていく。
瞬間、大輔は叫んだ。
「あ、ねずみだ!」
407とある少年の超能力な日々(3/5) :2007/07/25(水) 09:40:04 ID:fhkF5tal
「え……きゃあっ!? ね、ねずみぃ!?」
(予想通りの反応、ナイス愛菜!)
妹の狼狽振りに内心でニヤリと笑いつつ大輔はねずみを操作する。
愛菜は大のねずみ嫌いである。
それを知っていた大輔はその弱点をつく悪戯を思いついたのだ。

「や、やあっ! こないでぇ!」
涙目で迫り来るねずみから逃げ惑う愛菜。
だが大輔の操作という追尾ねずみから逃げ切ることなど不可能だった。
その小さなおもちゃは本物さながらの動きであっという間に愛菜の足に飛び乗り
そしてパジャマズボンの裾から内部へと侵入していく。
「ひあっ? ちょ、ちょっとやだぁ! ダメ、出てって! 出て行って〜!」
ぴょんぴょんとねずみを振り落とすべくジャンプを繰り返す愛菜。
反動によってパジャマ越しの胸が激しく上下に動く。
しかし、念動力仕掛けのねずみはその程度では振り落とされることはない。
逆にどさくさにまぎれて徐々に足を駆け上がっていく始末だった。
「ひっ…」
足首、ふくらはぎ、膝とどんどん愛菜の身体を上っていくねずみ。
そして、その小さな作り物の体が太ももをよじ登り、愛菜のパンティに辿り着いた瞬間。
彼女はたまらずズボンに手をかけた。

「やぁぁぁん!」
するっと勢いよく着用者本人の手によって脱げ落ちていくデフォルメ牛プリントのズボン。
次いで、眩いばかりの乙女の生足があらわになる。
(おおっ!)
大輔は思わず身を乗り出した。
毎晩お目にかかっている足だったが、シチュエーションの違いは重要である。
気にせずむき出しになっている時と、隠されていたものが出てくる時では興奮度に差があるというものだ。
目の前の光景を焼き付けんとばかりにさりげなく愛菜にがぶりよる。

「あ、あっちいって!」
一方、愛菜は兄の視線に気づく余裕もない。
ぱっぱっと両手でねずみを振り払おうと健闘する。
だが、ねずみは起用に少女の手を避け、愛菜のむちむちした太ももとお尻を縦横無尽に駆け回る。
408とある少年の超能力な日々(4/5) :2007/07/25(水) 09:42:45 ID:fhkF5tal
ふわっ…
その激しい動きにチラッチラッとパジャマの上着の裾から純白のパンティを顔を出した。
(いいぞ、ねずみくんっ!)
大輔は妹の下半身に目が釘付けになりながらも操作を怠っていなかった。
きわどい部分はあえて通らせず、ぎりぎりのところを動くように念を込める。
「あっ…もう…そんな…そんな場所…!」
まるでじらしているかのようなねずみの動きに、徐々に汗をにじませ始める愛菜。
頬は既に真っ赤。
羞恥心が嫌悪感を上回り始めた証拠だった。

(うむっ、良い表情だぞ愛菜!)
大輔はAV監督になった気分で次なる念を込めた。
すると、腰周辺を逃げ回っていたねずみは突如針路変更をして未踏の上半身へともぐりこみ始める。
「ひゃあっ」
ねずみの更なる移動に愛菜は戦慄する。
だが大輔は彼女に冷静になる時間を与えない。
ねずみをお腹に背中に胸元にと、少女の上半身をくまなく蹂躙させる。
「あはっ…く、くすぐったい! もう…ふぁぁんっ!」
くすぐったさに頬を赤らめ、息を切らせて愛菜は身悶える。
性的興奮が発生しているわけではないようだったが、その様子はそんなことは関係ないくらい色っぽい。
思わずゴクリ、と大輔は唾を飲み込む。

「ひっ!」
そうこうしているうちに愛菜のひきつったような悲鳴が口から漏れた。
ねずみが胸の谷間にもぐりこんできたのだ。
「はぁう! ダメ、そんなところ…ダメだってばっ!」
女の子の大切な部分を蹂躙され、再び嫌悪感が立ち上がる愛菜。
ねずみを追い出さんと、パジャマの裾を両手で掴むと迷わず一気にめくり上げていく。
それによって純白のパンティ、可愛らしい小さなおへそ、すべすべとしたお腹が流れるように公開される。
そして次の瞬間。

ぷるんっ

と、形の整った大き目のおっぱいがふるふると元気に弾みながら現れた。
409とある少年の超能力な日々(5/5) :2007/07/25(水) 09:44:19 ID:fhkF5tal
(ノーブラかっ!)
揺れ弾む柔乳をはっきりと目にとらえた大輔は感激と欲情の念を隠せない。
よくぞここまで育ったものよ! と兄として感無量の喜びと悦びにひたる。
だが、一瞬奪われてしまった意識は予定外の事態を生んだ。
念動力が途切れ、ねずみが元の動かないただのおもちゃに戻ってしまったのである。
(やばっ)
ぽとりと愛菜の胸の谷間から無念そうに滑り落ちていくねずみ。
慌てて大輔はねずみを操作し、部屋の外へと撤退させる。
万一にも手に取られておもちゃとバレたら非常にまずいからだ。

「…はぁ…はぁ…なんだったの、もぅ…」
逃げ出したねずみを気にすることもなく、解放された安堵感から崩れ落ちるよう愛菜はへたりこんだ。
両手は身体を支えるように床につけられているため、汗で彩られ、ツヤツヤと輝く双乳は天井へ向かって投げ出されたままだった。
「おい愛菜。それは流石にはしたないんじゃないか?」
いけしゃあしゃあと指摘する大輔。
ニヤけそうになる顔を必死に押さえているためか、何気に口元がピクピクと痙攣していたりする。
「へ?」
と、愛菜はそこで初めて兄の存在を認識する。
床には脱ぎ散らかされたパジャマ。
身体を覆う唯一の下着。
無防備にも、兄に見せ付けるように上向いている乳房。
「…ええっ!?」
両腕を交差して胸を隠しつつ、愛菜はようやく気がついた。
今までの一部始終をずっと兄に見られていたということに。

「いっ…いっ…」
「い?」
「いやぁぁぁん! もう、バカーっ!!」
羞恥に震える身体を抱きしめるように立ち上がり、愛菜は叫ぶ。
そしてその刹那、大輔の視界が真っ暗に染まった。
パジャマを顔面に投げつけられたのだ。
「私…私、もうお嫁にいけないーっ!」
ドタドタと廊下を走り去る音を聞きながら、大輔はゆっくりとパジャマを顔から剥いだ。
既に愛菜の姿は見えなくなっている。
「これが若さというものか…」
大輔は一筋の鼻血と共に呟いた。
少女のぬくもりを残すパジャマをマジマジと眺めながら。
410名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 09:45:33 ID:fhkF5tal
続く。
ようやく初日が終わりました。
一応次は前の後書でいってたヒロインの日記形式番外編の予定。
少なくとも自分で考えてる限りではエロくないのでスレ的にOKなのかが不安…まあ不評なら次からやらなきゃいいだけだよね?
411名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 12:30:44 ID:MpDCqxFd
はうう妹かわいいー
412名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 14:14:52 ID:9ysfEeWI
GJ!妹可愛すぎ!
妹が校内で超能力のイタズラに遭う番外編キボンヌ

個人的には紫藤由貴が一番好きなので期待。
「明日用」のネズミをぜひ彼女にも行使してもらいたいなと。
そういえば彼女のオッパイを撮ったカメラはどうするんだろうねぇ。
413名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 14:58:11 ID:5mkW+xXr
おおGJ!!兄のことを男として意識していく妹がたまらん
家ではこう毎日毎日兄と妹とでエスカレートしていってくれれば
414名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 23:34:43 ID:xtekNnu7
うむ……全開キャーヌップヌップよりこういうののほうがえろいよね?
415名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 00:12:16 ID:oIh737jB
>>414
当然だ
416名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 00:17:56 ID:IzQVBbhY
ネットで直球ファックポルノが簡単に手に入る一方、
ボンボンもなくなるし月刊マガジンはとっくに無いし、
「少年のちょっとエッチな日々」ものはどんどん失なわれる一方で、
ある意味レア度はどんどん増しているな。
417名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 00:22:22 ID:3cqT6uQi
手でマンコはしっかりガードしたままバランスを崩してつっぷし、
肛門だけ丸見えになるみたいな、「まんこ隠してアナル丸見え」シーンキボン
418名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 01:00:59 ID:p4wEZJfN
>>301のつづき

これでかれこれ3周目か。校門の前には、酒井裕美が仁王立ちで待っていた。
ふらふらになりながら近づく宮口。酒井はその周囲に群がる男子を憎しみとすら言えるなにかの篭もった目で見据える。
「どきなさい、変態」
ドスの効いた容赦のない台詞。
その迫力に、男子どもの一部は足を止め一歩引く。
だが、一人は勇敢というか鈍感だった。へらへらといやらしい笑みを浮かべながら近づいていく。
「生徒会の副会長様がそんなこと言っちゃいけないんじゃないかー」
「あんたたちはたらたらしてないで走りなさいよ」
「いやー、おれ疲れちゃってさー」
「もういいっ」
へたり込んだ宮口をいたわるように酒井が屈み込むと、肉付きのいい見事な尻が突き出される。
「パンツのゴムが切れちゃってさ……」
「バカね、そんなときは無理して走らなくていいのよ。黒澤先生だって無茶は言わないわ」
男子どもは酒井を無視して、立ち位置をずらして宮口の方に視線を向ける。
ああ、おまえらぜんぜん分かってないなあ。酒井の腰からケツへのラインは一級モノだぞ。
(こけろ)
俺は力を使って酒井を張り飛ばした。
すっ転んでケツを突き出す酒井。体育会少女らしく小麦色の宮口と違って、生白いふとももがなんともいえずエロチック。
だが、もちろん、それだけで済ませるわけがない。宮口のときはパンツをずり下ろさせたわけだが……
(裂けろ)
酒井のハーフパンツのケツのところが真っ二つに割れる。
隙間からのぞくのは、股引を思わせるベージュ色のパンツ。
「おまえケツでかすぎー」
「おい、ウンコ色だぜ、ウンコ色」
「おかんがそんなの履いてた」
「俺がもっとセンスいいの選んでやろうかー」
「あんたたちっ! 先生に言うだけじゃ済まさないからねっ!」
メガネの奥からにらみすえる生徒会副会長。
「俺たちはなんもやってないよなー」
「ふざけないでっ。あなたたちが突き飛ばしたんでしょうっ」
「勝手に転んだんだろ。ケツが重過ぎて」
「はははははっ、そうだよな。ケツが重過ぎて」
げらげらと笑う男子ども。羞恥と屈辱に顔を歪ませる酒井、宮口。
諸君はこれまでよく働いてくれた。何度礼を言っても言いたりないよ。
ついては、君たちにも、最高の羞恥を味わってもらおうっ!
「脱げろ」
俺が一声念じると、男子4人の体操着のズボンが一斉にずり落ちた。
トランクス、トランクス、ボクサーパンツ、ブリーフ!
もちろんそろって股間はもっこりだっ!
「きゃああああああああああああああああああああっ!!」
大声を上げて顔を真っ赤にし、抱きしめあう酒井と宮口。
その網膜に刻印される男のシンボルのシルエット。
彼女たちには男子どもが強姦魔に見えていることだろう。
周囲から集まる視線は、彼女たちから男子どもへと。
「ま、まてっ」
「おい、見るなっ、見るなよっ」
奴らはズボンを履き直そうとするが、ズボンは「なぜか」地面に貼り付いて離れない。
419名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 01:02:31 ID:p4wEZJfN
「この痴漢野郎っ!!」
激昂した宮口が、ジタバタする男子生徒のケツに蹴りを入れた。
顔面から地面に突っ込み鼻血を吹くそいつ。チェックのトランクスに黒く残る足跡。
道路にのたうつ男どもを、宮口は片手でハーフパンツをつかんだまま、次々と足蹴にしていく。
血走った目がぎらぎらと、ヤバげな光を放っている。
クラスメイトは足を止めるが、遠巻きに見守るばかりで近づけない。
「あ…ん……ふぅっ……」
一人の男子生徒は妙に色っぽいあえぎ声を出しながらなぶられている。こっちもヤバいし、近づきたくない。
(飛べ)
目を閉じて、額に拳を当てて念じると、俺は人垣の裏側に“転移”していた。
生徒を押しのけて宮口の肩をつかむ。
「落ち着け、落ち着けって」
「邪魔するなよっ!!」
宮口の手が顔に当たる。目の下、頬骨がずきずきと痛む。
「え…あ…ご…ごめん……」
泣き腫らしたような目が俺を映す。
呆然と、ほうけたようにきょろきょろと周囲を見渡す。
ゴムの千切れたハーフパンツ、無様に転がる変態ども、恐怖や好奇心の混じった周囲の視線。
「ふ、あ…あ……」
口元が歪み、目尻に新しい涙がわいてくる。
やべ…かわいいぞ……こいつ。
泣き顔にいちばん惹かれるなんて、俺も相当イカれてるかもしれない。
体操着の襟元をぐいっとつかまれた。
「う…う…うわあああああんっ」
俺の胸元に顔をうずめて、大声をあげて泣き出す宮口。肩に立てられた爪が痛い。
(ど…どうしろっていうんだ?)
「そのままに、させてあげて」
胸で大きく息をしながら、宮口を気遣う田中陽子。心配で戻ってきたらしい。
友達思いのいい子じゃないか、惚れちゃうぜ。
それに、グッドタイミングでいい仕事をしてくれる。
「おまえたちっ! なにをやっているんだっ!」
大またで歩いてくるのは、体育教師の熊澤こと黒澤。趣味は筋トレ、上腕が女子の…どころか俺の太ももほどもある筋肉ダルマ。
「マラソンは中止。おまえとおまえは(顧問をつとめる陸上部員を2名指名)ここに残って戻ってくる奴を教室に帰らせろ。おまえは――」
熊澤と目が合った。重量級の視線が威圧してくる。
「おまえは、その子についていてやれ」
……どうやら、俺はずっとこうしてないといけないらしい。
胸元で泣きじゃくる宮口の背中に手を当ててやると、宮口はいっそう俺に体重を預けてきた。
大きなバストが俺の胸に当たってつぶれる。
そうして熊澤は、なにやら言い訳をする変態どもを回収していった。
(なおれ)
パンツのゴムは繋いでやる。俺って友達思いだろ?



ここまで

>>305 >>307 >>308 >>310に対応する方向で。
男子生徒を懲罰して排除して宮口とラヴく。
420名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 12:04:53 ID:9f2xnQn7
イイヨイイヨー!
421名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 03:43:27 ID:zCcXY0XW
保守
422名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 06:38:55 ID:lhuSKubd
ちょっと見ない間になんという神SSの連続投下……。

魔法技師、いきなり超能力、とある少年、どのシリーズも
楽しみで楽しみで仕方が無い自分ですよ?

419>>
GJ!
周囲の視線気にせずに泣き出しちゃう宮口にきゅんとしました。かわいいなあ。
423名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 10:06:58 ID:NIMm6DkW
引きこもる事6年。遂に超能力に目覚めてしまった。
色々2ちゃんのエロパロ板を見ていたおかげだろう。
俺はこの能力を試すため久しぶりに自分の通う高校へ向かった。
高校へは山手線で品川から池袋へ向かう。
引きこもりの俺には朝のラッシュはつらい。今にも倒れそうだ。
必死につり革につかむ俺の下から声が聞こえてきた。
「あの、よかったらどうぞ」
俺の前に座っていた女子学生(制服を見る限り俺と同じ高校のようだ)が立ち上がり俺に席を譲ってくれた。
「どうも」
俺は遠慮がちに座る。
女子生徒は俺がさっきまで捕まってたつり革を握り再び読書を再開した。
その女子生徒を俺はまじまじと見る。
長い髪に整った鼻立ち。やっぱり可愛い子は性格までかわいいなぁと
引きこもりの俺は普段味わったことの無い優しさに感激した。
お礼に超能力の実験第一号にしてやろう。
俺は徐にカバンから白いシールを取り出し念を込める。
シールに文字が浮かび上がる。
『吊革』
そう書かれたシールを読書に夢中になる少女のスカートに貼り付けた。
これで本人は気づかないが周りの人からは吊革と認識される。
更に俺は腕にはめた時計のボタンを押す。
すると電車の窓に映っていた景色が停止する。
電車が止まったわけではない。時間が止まったのだ。
その証拠に乗客たちも微動だにしていない。さっきまで電車の走る音が聞こえていたが今は無音、静寂の世界だ。
時間が停止しているうちに少女を逆さまにして吊革に足を入れ膝まで通す。反対の足にも同じ事をする。
これで吊革2つに両足を入れて逆さ吊りになった女子高生の完成だ。
スカートは時間停止の影響で重力に逆らっている。早くパンツが拝みたかったが、その前に女子高生のポケットをまさぐりあるものを探した。
生徒手帳だ。
『R高校1年3組橘真由美』
名前を確認するとカバンからノートと鉛筆を取り出し。
『橘真由美 極度な引っ込み思案な性格になりどんな事があっても大声をあげられなくなる』
と書いた。
これで準備は万端だ。止めた時間を再び動かした。
途端に景色は流れ、電車の走る音が蘇る。
目の前には吊革に両足をいれ逆さまになった状態の女子高生。
424名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 10:09:05 ID:NIMm6DkW

え・・・なにこれ・・・きゃああああっ!!!!!
真由美は自分の状況をすぐには理解できなかった。
さっき席を譲った子が目の前に逆さまに移っている。
だが逆さまになっているのは相手ではなく自分だと気づいた時、真由美は読んでいた本を床に落とした。
悲鳴を上げたくても恥ずかしくて上げられない。それより今はスカートをなんとかしないと丸見えである。
せめてパンツが見えないようにと両手で前と後ろを抑えた。これで安心かと思ったが
足が何かに掴まれる感触がする。何事かと足元を見上げると周りのサラリーマン達が自分の足を吊革代わりに掴んでくるのだ。
やっ・・・やめて・・放してぇっっっ・・掴まないでよぉぉっっ・・
そう思っても声には出せずに震えるばかりだ。

周りの人達には吊革にしか認識されてない。そんな事を知る由も無く羞恥と恐怖に震える女子高生を見つめる。
フフフ・・・大成功だ。恐るべし俺の超能力(つーか道具)
「次は池袋〜」
車内アナウンスがしたので降りるべく席を立った。真由美が落とした本を拾い自分のカバンに入れる。
じゃあ座席を譲ってくれてありがとうございました。早くしないと遅刻しますよ。そう心の中でつぶやきながら電車から降りた。
逆さ吊りですすり泣く女子高生を後にして。





タイムストップスレから紹介されてきました。
時間停止ネタを書こうとしたら色々膨らんで誤認や操り要素まで・・・
425名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 16:40:30 ID:Wl1TkoEr
GJGJ!!!
426名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 16:53:23 ID:lhuSKubd
GJ!
しかし席をゆずってくれた娘にヒドスw

427名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:30:49 ID:656P2CiJ
俺もがんばってエロパロ板を制覇するぜ
428名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 05:25:41 ID:2u+X5jeB
>>423
最初の一文が余計
引きこもり6年やっていて退学にならない高校ってどんな高校だよ!
429名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 09:09:50 ID:L42xDsUC
>>428
貴様は伝説の高専十年計画を知らないのか?
留年→上がる→留年→上がる……を繰り返せば約10年高校にいることができるって先輩触手のばっちゃが言ってた
430とある少女たちの日記な日々(一日目):2007/07/29(日) 11:21:32 ID:IhpMhzMS
これは『とある少年の超能力な日々』の番外編にあたるものです。

比内文乃〜幼馴染の日記〜

見られた…大輔くんにパンツ見られた…いや、道行く人にもだけど。
あああー! どう思われたんだろう?
背伸びしやがってとか、似合わねーとか思われたのかな…?
い、色っぽいとか………思うはずないか(ずーん)
手を貸してくれたのは嬉しかったけど、もう最悪だー…
ああもうなんでボクはこんなに子供っぽい外見なんだろ。
中身はこんなに大人だっていうのに!
こんなんじゃあいつまでたっても隣を歩いても絵にならないよ…
って何を書いてるのボクは!?
ち、違う! そんなんじゃない! ボクは大輔くんのことなんて…!
ああもう、全部大輔くんが悪いんだ!
何よ、体育の時間だって高見沢さんや紫藤さんにデレデレしちゃって。
そんなに巨乳がいいのか! 大砲巨艦主義者め!
おっぱいなんて飾りですよ! えらい人はそれがわからんのです!
…やめよう、むなしくなってきた。
あーあ、この前のバストアップマシーンも駄目だったし、こうなったら恥を忍んで愛菜ちゃんに秘訣を聞くべきなのかな…?
431とある少女たちの日記な日々(一日目):2007/07/29(日) 11:22:26 ID:IhpMhzMS
東雲夏樹〜女教師の日記〜

今、私の手には『退職届』と書かれた封筒がある。
中身は既に執筆済み。
…クラス全員にショーツを見られた、しかも一番のお気に入りのを。
今まで積み上げてきたクールで知的な女教師のイメージもこれで終わった…
くまパンの女と認識されていると思うとふと傷心旅行にでたくなる(涙)
ああ、うさぴょん(夏樹の部屋にある巨大ぬいぐるみのこと)私はどうすればいいの?
教職者としての義務を貫くために恥を耐えるべきなの?
それとも一人の前途ある女性として誰も私のことを知らない世界へ旅立つべきなの?
こんな時に颯爽と私の悩みを解消してくれる王子様が現れてくれればいいのに…
でも最低でも明日は学校へいかないといけないのよね…ズボンを穿いていくべきかしら?
けれどそんなことしたら今日のことを気にしてますって丸わかりだし…
ああでも今日みたいなことが明日も起こったら…こんなことなら大人っぽい下着も揃えておくんだったっ。
アニマルプリントのショーツばかり揃えた過去の自分がこれほど恨めしいと思う日がこようとは。
いや、凄く可愛かったし後悔はしてないけど! けど公開はしたくなかった!
…駄洒落書いてる場合じゃない。
とりあえずウエストが心配だから晩御飯はぬいておこう。
432とある少女たちの日記な日々(一日目):2007/07/29(日) 11:23:15 ID:IhpMhzMS
高見沢美香〜お嬢様の日記〜

く、屈辱ですわ…この私がクラス全員の前であんな大恥を…!
メイド達はしばらく登校を控えろっていっていたけれど、冗談じゃありませんわ!
この私が不登校なんてできるわけないじゃない!
低俗な視線が何だというの、そんなことを気にしていて高見沢は務まりませんわ!
…少し落ち着きましょう、さっきからエクスクラメーションマークばかり多用しているし、美しくないわね。
しかし紫藤由貴…事故とはいえ、この私に大恥を…この落とし前はどうつけてあげるべきかしら…
それにしても、もっと恥だったのはその後!
よ、よりによってあの修地大輔に助けられたなんてっ。
それだけじゃないわ、私を抱きかかえて保健室にって…何を考えているのかしら!?
誰かに見られていたら、もう私外を出歩けないですわ!
そういえば保険医と紫藤由貴には見られている…ああ、もう保健室には行けない…
紫藤由貴は、くっ…私に恥をかかせた上に弱みまで握られるなんて…っ。
ああっ、それもこれも皆あの男のせいよっ! このこのこのこのっ!!
(↑ 何故か部屋に存在している大輔によく似たぬいぐるみが美香にボコボコにされています)
はぁはぁ、少しスッキリしましたわ。
…けど、非常に不本意だけど、恩は恩だから礼は言わないといけませんわね。
菓子折でも用意させておこうかしら。
いや、その程度では私の格が疑われる…もっと誠意あるものを…
誠意…誠意…ああっ! 思いつかない!
大体なんでこの私があの男のことでこんなに悩まなければいけませんのっ!?
(以下あーでもないこーでもないといった文が続く)
433とある少女たちの日記な日々(一日目):2007/07/29(日) 11:24:03 ID:IhpMhzMS
紫藤由貴〜委員長の日記〜

今日私はとんでもないことをしてしまった。
まさか転んだ時に高見沢さんのショートパンツと下着をおろしちゃうなんて…
今日は謝れなかったけど、明日ちゃんと謝らないと。
それにしても、あの時は変だったな…足がもつれたわけでも滑ったわけでもないのに…
なんだか見えない足に引っ掛けられたみたい。
…ううん、悪いのは不注意の私だよね。
ブラが外れたのもきっと罰。
でも…ああ、男子の前であんなことになるなんて。
彼の様子から見られてはないと思うけど…もし見られてたらどうしよう…
下手すればブラだけじゃなくて、その、乳首まで…
うぅ…意識しちゃったら明日から顔合わせられない…ダメダメっ!(ぶんぶんと顔を振っている)
けど、やっぱり男の人って力があるんだなぁ。
いくら女の子っていっても高見沢さんをひょいっと持ち上げちゃうし。
…お姫様抱っこ、いいなぁ。
でも私は無理だよね、背大きいし、重いし、それに…絵にならないし。
しかもいっぱい恥ずかしいところ見せちゃったもの。
修地君も私みたいな女の子嫌だろうな…はぁ。
背、縮まないかなぁ、あと胸も。
434とある少女たちの日記な日々(一日目):2007/07/29(日) 11:24:53 ID:IhpMhzMS
修地愛菜〜妹の日記〜

昨日は日記を書けなかったから二日分。
とりあえず、まずは…お兄ちゃんのバカッ! 大バカッ! えっちすけっちわんたっち!
見られた見られた見られたーっ。
もう、昨日は裸見られて今日はパンツ一枚の姿を見られるなんて、もうお嫁に行けないよー。
誰にも見せたことなかったのに…
それにあれ以来お兄ちゃんと目を合わせられなくなっちゃったし。
あうぅ、何を意識してるの私!? 相手はお兄ちゃんだよお兄ちゃん!?
…でも、お兄ちゃんは私の身体見てどう思ったのかな? 興奮したりしたのかな?
うう、お兄ちゃんのこと考えてたらなんか頭が熱くなってきた。
…って何を書いてるの私っ!?
今まではタオル一枚でも全然気にならなかったのに…
お兄ちゃんはお兄ちゃんで変なこと言ってくるし、本当にデリカシーないんだからっ。
しずちゃんにも心配かけちゃったなぁ。
今日はずっと「大丈夫?」って声かけてくれたし。
でも流石に本当のことは言えないよ…お兄ちゃんに裸を見られたから動揺してるなんて。
しずちゃんの場合、反応が怖いって言うのもあるけど。
ああっ! そういえばパジャマを置きっぱなし!
ど、どうしよう…今更リビングには戻れないし。
というか冷静に考えると私すごい格好で日記書いてる。
い、今お兄ちゃんが訪ねて来たら洒落にならないよね…シャツシャツっと。
明日は確か日直の当番、お兄ちゃんと顔をあわせないですむのは助かるけど、いつまでもこんなんじゃダメだよね。
本当、どうしちゃったんだろ私…
435とある少女たちの日記な日々(一日目):2007/07/29(日) 11:25:45 ID:IhpMhzMS
???〜とある少女の日記〜

今日は先輩に会えなかった。
いつもならば愛菜にかこつけて昼休みや放課後に会いに行くのだが、当の本人である愛菜の様子がおかしい。
何故か頑なに先輩に会いに行くことを拒否するのだ。
朝から様子もおかしかったし…怪しい、怪しすぎる。
変調の理由は話してくれなかったけれど、私にはわかる。
愛菜の不審な行動にはほぼ間違いなく先輩が関わっている。
…まさか兄妹の一線を越えてしまったのだろうか。
いや、少なくとも愛菜は先輩を兄としてしか見ていなかったはず…
となると先輩が愛菜にムラムラッと来て?
ありえない、願望が入ってるけどありえない。
先輩にムラムラッとされるのはあたしの役目。
まあ、何はともあれこれからは愛菜の動向は要チェック。
…おやすみなさい、先輩(写真立ての中の大輔に微笑みかけながら)
436とある少女たちの日記な日々(一日目):2007/07/29(日) 11:27:57 ID:IhpMhzMS
本編二日目に続く。
ヒロイン側の補完として書いたはずなのにどんどんラブコメ化してるなー(w
これ、あくまでも主人公が超能力でライトエロを働くってのが主題のはずなんだけど。
437名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:31:12 ID:RGeZ5/rM
紫藤さん可愛すぎです。
穏やかで優しいスポーツ少女の委員長。
オマケに背が高くダイナマイトバディでのあの性格。
さらに自分のその身体をコンプレックスにしているところなんか最高です。

ああ、でもいいなあ、背の高いダイナマイトバディ。
胸のみならず、お尻や太腿もたわわに実ってるんだろうなぁ。
身体検査とか内科検診、水泳の授業とかの彼女の身体描写と、彼女の恥じらいっぷりも見たいです。

願わくはもっと彼女に出番をっ(=辱めを)
そして、そのうち彼女の夢をかなえてやってください。
こういう少女が超能力の毒牙にかかり、辱められるのは最高だと思います。
438名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 15:34:48 ID:6SboCBi/
教師以外の日記は見事なまでに全て大輔中心!ですね。
教師にも超能力を使った自作自演(天然)で彼女の王子様になれるのか?
まあ大輔自身は相変わらず全く何も気付かなそうですが。
しかしよっぽど恥かしかったのか皆イイ感じの壊れっぷりですね。
幼馴染は背伸びしたいお年頃なのですね、そして実はそれ以上に可愛らしい内面をしている教師。
お嬢様大輔のぬいぐるみって…日記でも素直になれない彼女、あと委員長は真面目でコンプレックスいっぱいで弄りがいありそう。
妹は実は一番興奮してますねこのままどんどんと兄を意識していきぜひ末期まで、そしてとある少女こっこれは…妹が反応が怖いって言うのが分かる。
大輔としては超能力使って悪戯してるだけなのに女の子的にはラブコメってのはイイと思いますよー。
なにはともあれこれからに期待。
439名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 14:47:47 ID:m7CwHPqo
分離していったMCスレに誤認系が多く書かれてるが、状況を想像すると気持ち悪い

こことあっちの違いがよくわからんのは俺だけ?
440名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 15:19:30 ID:SuSAyAC7
気持ち悪いとか言ってる事がよくわからんが
分断したら普通は暫く荒れるもんだと思ったら綺麗に住み分けできてるな
こっちは超能力・魔法で透視したり時間止めたりサイコキネシスっぽいことしたり物理的な操作がメイン
向こうはMC全般(能力の種類問わず)で思考を変えるのがメイン
住み分けするまではスレタイは前者っぽいのに内容は後者メインになってたからちょうどよかったんじゃないの?
とにかく何で別スレ立てたの?みたいな野暮な事今更いっても無駄だぜ
441名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 18:39:42 ID:mcDlpJ3g
高見沢のお嬢は普通にモテるし、本人も自覚してるだろうけど
文乃、紫藤由貴なんかは隠れファンが多そう。あと妹の愛菜とかも。
特に文乃と由貴じゃタイプが全然違うから、男子どもも好みで激論してそう。

なんにしても大輔がやたら果報者というのは間違いないんだが。
442名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 18:52:11 ID:fB2Zo3el
こっちはMCに限らず、非現実的な能力を使ってエロいことをするのが目的で、
向こうは手段を問わず、相手をMCするのが目的。
そりゃ少しは被る部分もあるかも知れないけど、充分住み分けはできると思うよ。
もしも両方の要素が含まれているようなら書き手の好きな方に投稿すれば良いし。
例えば、悪の組織が正義のヒロインを超能力で洗脳して奴隷にしてしまうようなSSだったら、
ここでもMCスレでもいいのかもしれない。
443名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 19:16:27 ID:a15mbm0c
いやそれはまんま悪堕ちスレがあると思うんだが
444名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 22:29:54 ID:xV5p9srv
時間停止スレもあるよ
445名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 22:34:19 ID:zJ0OVx+S
しばらく見ないうちに乱立してるみたいだな。
というかMCって何?
446名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 22:38:36 ID:6i2d8ClI
>>445
MC = マインドコントロール
催眠、洗脳、行動支配などを表すコード。
447名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 04:30:39 ID:nRlPwZDf
久々に来たが、最高の期待作がこんなに・・・

良いことだ。新たな職人の投下も待ってるぜ
448名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 15:23:29 ID:Jg019L7l
>>446
なるほど。thx。
449とある少年の超能力な日々(1/7):2007/08/02(木) 10:29:52 ID:eyhnl2p5
「…弁当は?」
朝、一人きりの家で大輔はポツリと呟いた。
既に愛菜は日直で登校している。
普段ならばこういう場合テーブルの上に手紙と共に弁当が置いてあるのだが、それがない。
幸いにも朝食は用意されているので悪意からの行動でないことは確かなのだが。
「やはり昨日のアレのせいなのだろうか」
妹の生唾もののセミヌードを思い出しつつ大輔は少し度が過ぎたかと後悔する。
だが、反省はしていない。
何故ならばまた似たようなことをする気満々だからだ。
(今日は学食か購買だな…)
食パンが焼けるのを待ちつつ大輔はポケットに手を伸ばした。
そこには、確かに手のひら大の感触がある。
「ふっふっふ…睡眠時間を削ってまで頑張っただけに納得のいくものができた」
少し充血した目をこすりながらも大輔は今日という一日を楽しく過ごそうと決意を固める。
かくして、修地家に朝っぱらから不気味な笑い声が響くのであった。

(…うおっ!?)
ガララ、と教室の扉を開けた大輔はいつもと違う雰囲気に思わず後ずさった。
見た目はいつもと変わらない教室。
だが、一点だけいつもとは違う光景が存在していた。
二人の女子が睨み合っている。
というか片方が一方的にもう一方を睨みつけている。
睨んでいるのはお嬢こと高見沢美香で、睨まれているのは委員長こと紫藤由貴だった。
(な、なんだこの状況は…)
思わぬ緊迫空間に困惑しかけた大輔だったが、すぐに原因に思い当たる。
高見沢美香という少女は短気で傲慢不遜で人を見下すところがあるが、無意味にケンカをふっかけるようなマネはしない。
まあ、自分という例外はいるが。
そんな彼女が他人に怒気をぶつけているとなれば理由は一つ、昨日の一件しかありえない。

(大輔くんっ)
(げ…)
大輔は二人のすぐ傍でオロオロしている文乃と視線がぶつかった。
幼馴染という付き合いの長さからその視線の意味を察する。
すなわち、助けてくれ。
450とある少年の超能力な日々(2/7):2007/08/02(木) 10:31:11 ID:eyhnl2p5
(大輔くん、どうにかして!)
(俺に振るな!)
(だって仲裁できそうなのは大輔くんしか…)
(だが断る! ていうかなんで俺しかいないんだよ!?)
(だって、それは…その…)
すぐさまかわされる幼馴染ならではのアイコンタクト会話。
だが、厄介事に巻き込まれたくない大輔は即行で文乃の訴えを棄却した。
大本の原因は自分にあるとは理解しているが、だからといってあの空間に割り込むほどお人よしではない。
そう自己評価する大輔だったがトラブルの女神は彼の襟首を強引に掴んだ。
すなわち、渦中の女性二人が彼に気がついてしまったのである。

「修地大輔!」
「修地君っ」
「うえっ!?」
クラス、否、学校でも指折りの美少女二人に同時に呼びかけられた大輔は思わず体を硬直させた。
関わり合いになるまいと反転する最中だったので非常にマヌケなポーズである。
「な、なんでしょうか…?」
思わず敬語になる大輔。
怒りと羞恥と困惑、そして期待と申し訳なさ。
そんな相反する感情を含んだ二対の視線を一身に受けたのだから彼のリアクションももっともだと言える。
だが、視線の主たちはそんなことには構わない。
意思の強弱こそあれど『こっち来い』というオーラが二人の少女から漂いだす。
(勘弁してくれ…)
額にでっかい汗を流しつつ大輔は足を動かす。
勿論後にではなく前にだ。
大輔的にはこの場を離れたいのは山々なのだが、既に場の空気がそれを許さない状況になっている。
文乃はおろか、今クラスにいる級友たち全員が彼に対してどうにかしろオーラを放っているのだから。

不幸にも空気が読めてしまった大輔はぎこちないとしか言いようがない笑顔を顔に貼り付けた。
「お、おはよう」
微妙に噛んだ。
だがそれを笑うものは誰もいない。
生贄に哀憫を抱くのはいいのだが、侮蔑を抱くのはタブーだからだ。
451とある少年の超能力な日々(3/7):2007/08/02(木) 10:32:24 ID:eyhnl2p5
「おはよう、と言っておきますわ」
「おはよう」
ツーンと見下すような美香と下から見上げるような由貴の対照的な挨拶が大輔の耳に届く。
「一体、ど、どうしたんだ?」
「どうしたもこうしたもありませんわ!」
穏便にと下手に出た大輔を一刀両断する美香の怒声。
女王様オーラ全開のその声を聞いた全ての者が思わず跪きたくなる衝動に駆られる。
「昨日、私はとてつもない屈辱をこの紫藤さんから受けましたわ!」
「とてつもない屈辱ってお前…」
ぽわん、と大輔を含む男どもの脳裏に浮かぶのは美香の尻。
「な、何を考えているんですのっ!?」
美香は慌ててにへら、と口元を緩ませる大輔の頭上で手をぶんぶんと振り回す。
どうやら妄想を消しているつもりのようだ。
無論、そんなことでは妄想は消えるはずもないのだが。
「はぁはぁ…と、とにかく! 私は謝罪を要求しているのです! 邪魔しないでもらいたいですわ!」
(いや、邪魔も何もお前がこっち来いっていったんじゃん…目で)
「な、なんですのその目は!? 言いたいことがあるのならば言えばいいじゃない!」
「いや、別に」
「くきぃーっ! その目が、その目がむかつきますわぁぁぁ!」
言いがかりも甚だしい。
そう思った大輔だったが特に反論することなく無言を貫く。
ちょっとは悪かったかなーと思っているのと、下手な反論は火に油を注ぐと承知していたからだった。

「ごめんなさい!」
と、そこに絶妙なタイミングで謝罪の声が響いた。
勿論声の主は由貴である。
『は…?』
突然の謝罪に大輔と美香の声がハモった。
そして同時にぷいっと顔を背ける二人。
「あ、あの…高見沢さん。昨日は本当に…ごめんなさい!」
土下座をもしかねない勢いで由貴の謝罪は続く。
何度も何度も頭を下げる少女の姿は逆に申し訳なさを覚えるほどのものだった。
452とある少年の超能力な日々(4/7):2007/08/02(木) 10:33:19 ID:eyhnl2p5
(う…)
これに困ったのは美香だった。
元々美香は聡明な頭脳を持っている。
由貴が誠意を持って謝っているのは明確に理解できるのだ。
だが、天邪鬼全開な彼女の性格は素直に謝罪を受け入れることができない。
「や、やめなさい! そんなに謝られても、私は…!」

「許してやればいいじゃねーか」
「んなっ!?」
「だってお前は謝罪を要求してるんだろ? で、紫藤は謝罪した。何の問題が?」
「うぐっ…」
が、そこに口を挟んできたのは大輔だった。
実に正論である。
それが自身の罪悪感と保身、あとほんの少しの正義感から出た言葉であっても正論は正論。
故に美香は口を閉じることしか出来ない。
何故ならばこうなってしまうと許す以外の選択肢が取れないからだ。
実際問題、美香は一夜明けた今それほど由貴に対して怒りを抱いているわけではない。
どちらかというとその後の保健室連行の一件のほうが彼女にとっては重要だったからだ。
だが、ここで許すといえないのが高見沢美香という少女である。
「で、ですが…」
「それにだ。お前は―――俺に借りがあるよな?」
後半はそっと耳にささやくように大輔が美香に告げる。
その瞬間、三人の少女―――わかりやすくいうとお嬢様と幼馴染と委員長、の顔がそれぞれの理由で真っ赤に染まった。
一応理由を端的に説明しておくと、動揺、嫉妬、羨望である。
勿論、一番大きく染まっているのは美香だ。
「な、ななな…」
「ここは俺の顔を立てると思って…な?」
ニヤリ、と悪人丸出しの顔で美香の肩をぽんと叩く大輔。
既に美香に退路は残されていなかった。

「ゆ、許します! 許しますわ!」
その言葉が発せられた瞬間、彼女の近くにいた三人の少年少女は笑った。
少年はニヤリと、小さい少女はほっと、大きい少女は申し訳なさそうに。
「ああもう、この話はこれまで! もう時間ですし、あなた達は席につきなさい!」
むきー! と憤懣やるせない表情で後ろを向く美香に大輔はくっくと笑った。
昨日の一件と合わせて、ようやく美香をへこませたとスカッとしたのだ。
453とある少年の超能力な日々(5/7):2007/08/02(木) 10:34:21 ID:eyhnl2p5
と、ここで終わっておけばそれなりに(表面的には)良い話だったのだが。
「大輔くん、ありがとう」
「私も…ありがとう」
二人の少女の礼が美香に聞こえたものだから事件は勃発した。
「いや、俺は特に何もしてないって」
「ううん、ちゃんと仲裁に入ってくれたもん。やっぱり大輔くんはボクの幼馴染だねっ」
「そうだよ、修地君が来てくれなかったら、私ちゃんと謝れていたかどうか…」
大小二人の美少女からの賞賛に大輔の顔が緩む。
善意とはとても言いがたい行動からの結果だが、女の子からお礼を言われて嬉しくないほど大輔は男をやめていないのだ。
が、浮かれたが故に彼は忘れていた。
すぐ傍に自分を敵視するツンツン少女がいるということを。

「何をデレデレとしているんですの…?」
「へ?」
ゴゴゴゴゴ…
そんな擬音を背景に背負って夜叉が降臨した。
夜叉の名前は高見沢美香。
庶民である少年に脅されたということと、行き場を失った怒りをぶつける先を見つけたということと、
女の子二人に礼を言われてデレデレしているクラスメートに何故か無性に腹が立ったということ。
そんな複雑な感情をないまぜにして怒気を露にしているお嬢様だった。

(な、何故そこまで怒っているんだ!?)
目を吊り上げた眼前のお嬢様に大輔は本能的な恐怖を覚えた。
なにかよくわからないが逃げたい!
思わず念動力を発動しかける大輔。
だが、そんな彼の前に立ちふさがる二人の少女がいた。
言うまでもないが、由貴と文乃である。
「おどきなさい!」
「嫌だ! っていうかなんで高見沢さん怒ってるの?」
「怒ってなどいません! ただそこの男にむかついているだけですわ!」
「それを怒っているというと思うんだけど…」
「なんですって!?」
バチン!
三人の少女の間で火花が散る。
大輔はわけもわからずふと何故か泣きたくなった。
454とある少年の超能力な日々(6/7):2007/08/02(木) 10:35:37 ID:eyhnl2p5
『ひぃっ!?』
渦中の四人を除いたクラスメートたちが一斉に彼らから距離をとり始める。
修羅場空間発生とあらば野次馬と化すのが年頃の少年少女の本能だが、生存本能が勝った模様。
(て、てめえら…)
当然、取り残された大輔はそんな周囲を恨めしそうに見回すしかない。
といっても原因が彼自身にあるので逃げ出したところで状況に変わりはないのだが。

「もしかして、高見沢さん嫉妬してるの?」
「なっ!? だ、だだだだだ誰が嫉妬なんて! 貴女こそ幼馴染だからって男とベタベタしすぎですわ! 汚らわしい!」
「むっ! ボクは彼のおねーさんなんだからいいの! 大体それいいだしたら高見沢さんはいつも大輔くんにちょっかいだしてるじゃない!」
「そうだよね」
「ち、違いますわ! あれは修地大輔が見苦しいから…って紫藤さん! 貴女何合いの手入れてますの!?」
「えっ、だ、だって…」
「もしかしなくても、貴女こそ…」
「な、何をいってるの高見沢さん!?」
「紫藤さん…?」
「ひ、比内さん微妙に目が怖い!? そ、その、一番怪しいのは比内さんだと思う!」
「ふぇっ!?」

なんというツンデレ時空。
遠目から見物している全ての者がそう思った。
男は嫉妬を、女は哀れみの視線を大輔に向ける。
(俺が何をしたーっ!?)
一方、注目を浴びまくっている大輔は理不尽に嘆いていた。
キッパリハッキリ自業自得の上に今の状況を理解していない。
というか聞いていない彼だったが、既に精神耐久値が限界に達しようとしていたのだ。
何せ彼は基本的に平穏を好む男である。
見る分にはいいが、自分が渦中にいるのは嫌。
それが修地大輔という男のスタンスなのだ。

「そもそもアナタがいけないんですのよ!」
(お前ら…)
「ちょっと、何大輔くんに責任押し付けようとしてるの!?」
(いい加減に…)
「えーと二人とも、そろそろチャイム鳴ると思うんだけど…」
『うるさいっ!』
「ごめんなさいっ?」
(その口を…)
由貴の仲裁も既に遅し。
大輔の脳内で何かがプッツンと切れた。
455とある少年の超能力な日々(7/7):2007/08/02(木) 10:36:46 ID:eyhnl2p5
(閉じろコラーっ!!)

ぶわっ!!
「ひゃっ!?」
「きゃっ!?」
「あっ!?」
大輔の心の叫びと共に文乃、美香、由貴のスカートが勢いよくめくりあがる。
少しキレ気味での念動力の行使だったのでその捲くれ状態はスカートだけ重力が逆転したのではないかといった具合である。
勿論、パンツは全開でご開帳となり、大輔の視界に赤白ピンクの順番で小さな布地の色が映っていく。
「やっやっ、なんで!?」
「ス、スカートがおろせない…な、何故ですの!?」
「や、やだっ!」
慌てて三人はスカートを抑えようとするも、念動力で固定されたスカートはビクともしない。
下着を教室のど真ん中で晒す恥ずかしさに焦る三人の美少女。
だが、そんな光景を見ている男は実のところ大輔だけだった。
何故ならば、大輔はスカートをめくると同時にクラスにいた男子全員の首を念動力で捻っていたのだ。
自分を見捨てて退避していた彼らにいい思いをさせるほど大輔は寛容ではなかったのである。
なお、ゴキとかグキとか微妙に危ない音が聞こえた気もしないではないが、気にするものは周囲の女子にはいなかった。
ちなみに女子たちは「比内さん相変わらず似合わない下着…」とか「紫藤さん可愛らしいのを穿いてるのね」とか下着批評をしていたりする。

きーんこーんかーんこーん。
チャイムが鳴ると同時に大輔は念動力を解除した。
すると、今までの頑強さが嘘のように少女たちのスカートが元の位置へと戻っていく。
「な、なんだったの今の…?」
「風…じゃないですわよね?」
「窓は閉まってるし…」
「おいお前ら、いつまでつったってるんだ? チャイムは鳴ってるんだぞ?」
困惑する文乃たちだったが、教師がやってきたために慌てて席へと戻っていく。
(ふっ…勝った)
そんな少女たちの後姿を眺める大輔は勝利の余韻に浸っていた。
ぶっちゃけた話、スカートめくりによって周囲は余計にうるさくなったのだが、パンツを拝めた彼は満足だった。

余談ではあるが、一時間目の間中ずっと大輔は三人の乙女の視線に晒されることになる。
その理由は彼女らの羞恥に赤く染まっていた頬を見れば言うまでもない。
456名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 10:38:12 ID:eyhnl2p5
続く。
二日目開始、そしてどんどん高まるラブコメ度。
しかし主人公の大輔がこんな奴なのでこれからもライトエロ悪戯は続きます。
457名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 13:05:12 ID:1q7eBF23
GJ!そのライト感がイイw
今後も期待させて頂きマス
458名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 19:03:32 ID:xfsgshib
自分から超能力者だってばらしてるも同然だ大輔w
まあ、ばれたところで特に構わないのかもしれないが。
459名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 22:15:33 ID:LqyfAXu3
高校生なら神風の術と解釈するはず
460名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 22:43:56 ID:JGiBZdpS
しねぇだろww
461名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 23:37:27 ID:cUpUi5Ml
一昔前ならともかくww
462名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 01:04:11 ID:QIB17bPI
GJ!!
ラブ米っぷりがたまらない!!
463名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 03:11:38 ID:sgWGPtda
GJ!!おまえのせいでニヤニヤがとまらねえwwwwwwww
何気にお弁当フラグがたってる気も・・・
464名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 19:14:25 ID:cEDQnsFa
紫藤さんの大きなお尻にピンクの可愛いパンティってのが最高。
大柄なスポーツ少女の、女の子らしい部分がなんともいえません。
性格も女らしいし、いいコだし。

ぜひ紫藤さんをもっともっとイジってあげてください。
465名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 00:20:40 ID:RofNKuWj
>>419の続きー。

「ふぅ……全く、1時間も説教するんだからなー」
結局放課後に職員室まで携帯を取りに行った後、こってりと先生にしぼられてしまった。
超能力でこっそり取り返すこともできたが、それだと後で怪しまれるからな。
そんなこんなで、家にたどり着く頃には既に7時を回っていた。

「ただいま」
扉を開けると、玄関に沙耶の靴しか出ていないのに気付いた。
「……おかえり」
少し遅れて、リビングから妹の少し拗ねたような声が聞こえる。
どうやら、ソファに座ってテレビを見ているようだ。
「母さんは?」
そう訊ねながら、俺はリビングに足を踏み入れる。
沙耶は、黙って食卓の上を指差す。
そこには、ラップの掛かった肉じゃがと、「友達の家に泊まってきます」とだけ書かれたメモがあった。
既に半分ほど減っているところを見ると、沙耶は先に食べ終わったのだろう。
「えーと……今朝のこと、気にしてるのか?」
「べ、別に……」
口篭もって視線を反らす沙耶。気のせいか頬が赤くなっている。
まあ、こいつもそろそろ年頃の女の子だからな……兄といえど、男にパンツを見られるのは恥ずかしくて当然か。
念のためにこれを買ってきて正解だったな。
俺は右手に持った和菓子屋の箱を沙耶に見せる。
「ほら、機嫌直せよ。お前の好きな苺大福買ってきてやったぞ」
「ぅ……」
ぴく、と沙耶が反応する。予想以上の効果だ。
「いらないんだったら、俺一人で食っちまうぞ?」
「た、食べるってば!」
そう言うと沙耶は強引に俺の手から箱をひったくり、苺大福を口に放りこむ。
おいおい。一口で食べて、喉につまらないのか?
沙耶はしばらく口を動かしていたが、やがてごくりと飲み込む。
「……おいしい」
「そっか、よかったな」
「えっと……その……」
「ん?」
「……ありがと、お兄ちゃん」
笑顔を見せる沙耶。食べ物で機嫌を直すあたりやっぱり単純な奴だ。

「じゃあ俺も飯にするかな」
夕食の仕度をしながらリビングの方を見てみる。
ソファの上では未だに沙耶がテレビを見ている。どうやら心霊特集のようだ。
「…………」
縮こまりながらテレビを凝視しているが、よく見ると体が僅かに震えている。
ああ、そういえばこいつ、怖がりの癖にこういう番組が好きなんだよな。
「……沙耶?」
「ひゃぁっ!?」
俺が呼びかけると、びくりと震えながら頓狂な声を上げる。
「な、何、何っ?」
「……お前、怖いの苦手なのにそんなの見てて良いのか? 今夜おねしょしても知らないぞ?」
「なっ……」
かぁっと耳まで赤くなる沙耶。
「す、するわけないでしょ、お兄ちゃんの変態っ!」
「こ、こら、危な…うぐっ」
クッションが俺の頭めがけて飛んでくる。地味に痛い。
「ふんだ、お兄ちゃんのバカ! もう知らない!」
そっぽを向いてリビングから出て行く沙耶。どうやら風呂場に向かったようだ。
「やれやれ……」
本当に乱暴な奴だ。あんな奴のことは放っておいて晩飯を食べるとするか。
466名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 00:23:39 ID:RofNKuWj
「ふぅ……ごちそうさま」
晩飯の片づけを終えてソファでくつろいでいると、風呂場のドアが開くのが聞こえた。恐らく沙耶が上がったのだろう。
念視で洗面室を覗いてみる。ちょうど三面鏡を見ながら体をバスタオルで拭いているところだった。
それにしても、覗き甲斐がないというか……悲しくなるくらい育ってない奴だ。
胸の起伏というものが、凡そ存在していない。洗濯板とは、こういう体つきのことを言うのだろう。
もしかしたら、海パン1枚でプールに行っても、男として通用するんじゃないか?

「〜〜〜♪」
やれやれ、こっちの気も知らず鼻歌なんか歌って、ご機嫌なものだ。
その様子を見て、ちょっとした悪戯を思いつく。
超能力の中には、相手の視聴覚に干渉して、幻覚を見せるような能力もある。いわゆるテレパシーと言う奴だ。
今回はこれを使って生意気な妹にお灸を据えてやろう。
洗面室にいる沙耶の方に意識を集中していく。

―――――――――――――――――――――――――――――

『沙耶……』
「え?」
お風呂から上がって体を拭いていると、不意に耳元から女の人の声が聞こえた気がした。
慌てて見渡すけれど、私の周りには誰もいない。というか、いる方がおかしい。
「お兄ちゃん、いま私のこと呼んだ?」
念のため、リビングに向かって声を掛けてみた。
「いや、呼んでないぞ?」
お兄ちゃんの返事が返ってくる。
そりゃそうだろう。第一、さっき聞こえた声は、お兄ちゃんとは似ても似つかない。
それに、声が聞こえたのはリビングからじゃなくて、私のすぐ近くからだった。

まさか……。
私の脳裏に、さっき見ていたテレビ番組の場面がよぎった。
確か……周りに誰もいないのに、すぐ後ろから自分を呼ぶ声が聞こえてくることがあるらしい。
そんなときは、決して自分の後ろを振り向いてはならない。
何故なら――振り向いたが最後、自分を呼ぶ「何者か」に、そのまま連れ去られてしまうから。

……………………。
ぽたり。一滴の冷や汗が、足の甲に滴り落ちる。
バカバカしい! あれは作り話なのよ。幽霊なんて、本当にいるわけないじゃない!
空耳か何かに決まってるわよ……冷静になりなさい、沙耶!
いやな想像を振り払うかのように、私は正面の鏡を思い切り睨みつける。
当然、そこに映っていたのは緊張に引きつった私の顔と――
この世のものとは思えない形相で私の後ろにたたずむ女の人だった。
「………………………………」
目が、合う。
私の頭の中は完全に真っ白になっていた。
5秒…いや、10秒くらいそのまま凍り付いていただろうか。
『沙耶……』
再び耳元で囁かれる。
透き通った手が……ゆっくりと……私の、首筋に…………
「ぃ……」
ここでようやく思考が動き始める。
「いやぁぁぁぁぁぁ!」
467名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 00:29:04 ID:RofNKuWj
私は泣きながら一目散に洗面室から逃げ出し、お兄ちゃんのいるリビングに向かう。
後ろを振り返ろうなんて考えもしなかった。
逃げないと、死ぬ。頭の中はそのことで一杯だった。
「おにぃちゃぁーん!」
リビングのドアを全力で開き、目の前にいたお兄ちゃんの腕の中に無我夢中で飛び込む。
「お、おい沙耶?」
驚くお兄ちゃんに構わず、必死にしがみつきながら泣きじゃくる私。
「ひっく……助けて、おばけが、おばけがぁ……!」
「こら沙耶、落ち着け、落ち着けって!」
そう言いながらお兄ちゃんは、私を軽く抱きしめてそっと頭を撫でる。
小さな頃、私が泣いているとお兄ちゃんは決まってこうしてくれた。
「ぁ……うん……ぐす……」
そのまま素直に体重を預ける私。
どうしてだろう。こうしてると、だんだん恐怖が薄らいで、体がぽかぽかと暖かくなっていく。
「ほら、落ち着いたか?」
私が大人しくなったのを見て、お兄ちゃんが訊ねる。
「うん、ありがと……」
お兄ちゃん、こういうときは優しいから大好き……。

「それにしても、何が怖かったのか知らないけどさ」
お兄ちゃんは体を少し離し、最後に頭をぽんぽんと軽く撫でる。
「お前も一応女の子なんだから、もう少し恥じらいってものを持ったらどうだ?」
そう言って、私の顔から視線を下に移動させていく。
「ふぇ?」
私もそれを追うように、自分の体を見る。
「ぁ……」
そう、逃げるのに夢中になっていたせいで、自分の今の格好を完全に失念していた。
結論から言うと、私は一糸纏わぬ産まれたままの姿をお兄ちゃんに見せつけるようにしていた。
剥き出しになった鎖骨の下では、未だに成長の兆しすら見せない小さな二つの胸と、
その先端にある桜色の乳首が、お湯に濡れたまま大胆に晒されていた。
そして、視線をさらに下……おへその下まで移動させると、
クラスメイトの子たちと違ってまだ産毛すら生えていない、私の……
「まったく……お前の裸なんて見せ付けられても困るんだけどな。
ほら、俺のシャツを貸してやるから、これでも着――」
「いやあああああああ!」
「ぐふぅっ!?」
本日3度目になる悲鳴をあげながら、私は渾身の右フックをお兄ちゃんの顔面に捻じ込む。
そのままソファに崩れこんで動かなくなるお兄ちゃん。
シャツの胸のあたりには、私が抱きついたときの濡れた跡がくっきりと残っていた。

「うわあああああん!」
私は、泣きながら自分の部屋まで逃げ帰った。
お兄ちゃんのバカ、バカ、バカ!
やっぱりお兄ちゃんなんて、大っ嫌いっ!
468名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 00:41:42 ID:Swz1Ng0/
GJ!!沙耶かわいいよ沙耶
469名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 03:40:51 ID:CI/0AEyu
GJGJ!
妹さん可愛らしすぎっ。
470名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 04:14:15 ID:6bh9T3XI
作者の萌え作りの上手さに脱帽したのは俺だけではないはず。
GJ!
471名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 08:30:41 ID:xSBvP/0J
     ____
   /__.))ノヽ
   .|ミ.l _  ._ i.)  この作者はわしが育てた
  (^'ミ/.´・ .〈・ リ   
  .しi   r、_) |   
    |  `ニニ' /    
   ノ `ー―i             
472名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 12:40:52 ID:d6GBvDxw
このスレのSSはどれも女の子は萌えるのに主人公が自業自得すぎて笑えてくるw
473名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 12:52:49 ID:TJcYtrSx
大輔にパンツ見られた文乃、美香、由貴の恥じらい日記キボンヌ
474名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 04:13:42 ID:FL26VslE
魔法技師、続きが読みたくて仕方がない
オリジナルをここまで読み込んだのは久しぶりだよ
475名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 09:50:45 ID:4Buo/xr1
いきなり超能力者の続き希望
476名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 14:14:25 ID:GCQzT5n7
正直このスレほどの良スレほかにないな
477名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 00:19:30 ID:514L5Ttr
個人的には若返り・急成長スレと強制肥満化スレに並ぶ3大良スレのひとつだな
478名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 03:41:03 ID:L92u1xp7
保守。みなさんの続き待ってます。
479名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 19:27:16 ID:GA+JQcAv
お久しぶりです。今度は書き溜めた分がHDDと一緒に飛びました。
プロットは同じなのに別の話に。

エロい本編も書き直してますが、軽めの外伝を一本先に書き上げました。
平和な学生時代。縦ロールにする前。一応題ははずしてないはず。微エロ?
480魔法技師外伝 繋いだその手は:2007/08/07(火) 19:29:16 ID:GA+JQcAv


 その日は休日で学校も仕事もなく、久しぶりに部屋で暇をもてあましていた。
 こんな日は普段であればベルやミリアムの買い物に付き合って外に出るのだが、
今日は二人とも合宿と研究で泊り込んでいるために不在だ。
 普段暇であることに慣れていない俺は、新しいマジックアイテムを作って暇を
つぶしていたのだが…
 そんな時、呼び鈴が鳴った。俺の部屋に客が来るのは珍しい。友人はいるがこの部屋には
こさせないからだ。妹がいるからな。

「誰だー?」
 ドアを開けるとそこには、金髪碧眼の絵に書いたような完璧な美女が男物の服を少しだけ崩した
スーツ姿のような服装で立っていた。彼女は長い髪を後ろに簡単にくくり、夏らしい
さっぱりとした雰囲気を出している。

「あ、貴方って人は!なんて格好しているんですかっ!」
 そんな美女…シルビアは俺を見て顔を真っ赤にして怒っていた。自分の家だから
いいじゃないか。…と、思っていたのだが自分の格好を思い出してやっとわかった。ズボンはいてない!

「すまんっ!ちょっと着替えるから待ってろ!」
 パンツとシャツだけで作業をしていたのをすっかり忘れていた。大慌てで着替えて
改めてドアを開ける。

「まったく…貴方は女性への礼儀を学ぶ必要がありそうですわね。」
「そう怒るなって。今日はたまたまだ。」
 呆れたような顔で俺にそういい、部屋の中に入る。俺は紅茶を用意し彼女に差し出した。

「どうだか。ん、お茶の腕前だけは悪くないですわね。そういえばベルとミリアムは?」
「二人とも合宿と研究で泊りらしい。」
「そ、それは困りましたわね。」
 なにやら困り果てているようだ。この何でもできる女にしては珍しい。

「俺は暇だから何かやるのなら協力するぞ。今作ってる道具はそれほど急ぎじゃないしな。」
「今日はほら、だいぶ前に街に市が立つっていってた日でしょう。彼女たちが暇なら案内
 してもらおうかと思っていたの。私、街には出たことがなかったから…。」
 今日は珍しい日だ。いつも貴族らしい高慢なこの女がお預けを食らった犬のような情けない
顔をしている…。眺めているのも楽しいが、俺も暇だしな…。

「なら俺と行くか。」
「諦めるしか…ええっ!貴方と二人で?」
 意外そうに驚くシルビア。

「嫌ならここで道具作ってるが…。」
「ええ、でもそれミリアムに…ああでも、街には行きたいし…でも…」
「…?ミリアムがどうしたんだ。どうすんだ?」
 百面相状態で苦悩して悩み続けるシルビアにさっさと決断しろと迫る。

「そ、そこまでいうならエスコートしていただいても構いませんわ!」
 やめときゃよかったかなあ…。

481魔法技師外伝 繋いだその手は:2007/08/07(火) 19:29:58 ID:GA+JQcAv


 昼前にシルビアを連れて街に出ると予想通りというか思いっきり目立っていた。原因はもちろん
隣を歩くこの女だ。男の平均の身長である俺とほとんど変わらない女性としては背が高く、
体型はすらっとしていてそれでいて出るところは出ている。顔はいうまでもなく美人。

 そして…

「カイ!何これっ!こんな玩具みたことないですわ!」
「カイ!あの犬賢いですわね。すばらしいわ!」
「きゃっ!帽子から鳩がっ。どうなっているのかしら。不思議だわ!」
 子供のようにはしゃぎまくる侯爵様。街で市が立つ日は芸をするものたちにとっても
稼ぎ時であり、市は音と歓声で賑わっているのだが…美女がそんなことをすると目立つ。

「シルビア、お前こういうとこ来たこと無いのか?」
「ええ。一人で出歩くのは危険ですし護衛をつれて歩くのは嫌ですから。」
 本当に楽しそうに微笑むシルビア…こうしてみると、年相応の雰囲気を感じる。
 そんなかわいらしい笑顔だった。

「あ、あんまり離れるなよ。迷子になるぞ。」
「子供じゃないんですから…。」
 そうぼやきつつも、俺にくっつきながら好奇心いっぱいといった感じであたりを見回している。
 俺は露店のひとつで昼食代わりのクレープを二つ買うと一つをシルビアに渡した。

「なんですの…これ。」
「クレープも知らないのか?」
「フォークもナイフもないのですが…どうやって食べるの?」
「そのまま食べるんだよ。ぱくってな。」
 お手本というように俺は自分の分を食べる。果物をはさんでいて甘い味が口に広がる。
 そんな様子を見ながらシルビアは予想できない行動に出た。

「なるほどね。これはおいしいわ。こういうのもいいものね。」
 俺のクレープを横から齧り、にやりとシルビアは笑った。少しだけ頬が赤い気がするが
単に好奇心が故だろう。

「自分の分を食べろっ!まったく…。」
「カイから私が物を教わるなんて…悔しいじゃない。やられっぱなしって趣味じゃないのよ。
 あ、でもそれカイが続き食べると関節キス?…ふふ…。」
 何いってんだこいつは…。文句を言おうとも思ったがあんまり楽しそうに笑うから思わず
言い損なってしまった。立場のせいかいつも硬い雰囲気をもってるシルビアもこんな顔が
できるんだなと、ちょっと感心した。

482魔法技師外伝 繋いだその手は:2007/08/07(火) 19:31:05 ID:GA+JQcAv


 軽い食事を済ませ、今日一番の出し物であるらしいサーカスが行われる場所に俺たちは脚を
伸ばした。簡単なテントに荷物を置き、広場で演技をするといった感じか。大きなテントを
もてるほど裕福なサーカス団ではないらしいが、猛獣を扱うことでそこそこ有名なところだ。

 演技が進み、そのたびにシルビアは子供のように歓声を上げた。俺もなかなかの出来に
演技に見入っていた。ライオンの火の輪くぐり、象の玉乗り…猛獣使いによるそれらの演技は
素晴らしいものだった…のだが、

「まずいですわね。」
 呟いたのはシルビアだった。最前列で見ていた彼女は迷わず仕切りを越えて演技をするために一度後ろを
向いている猛獣使いを足で突き飛ばした。先ほどまで大人しくしていたはずの虎の爪がそこを通り過ぎていく。

「なんでわかったんだ。あいつは…。」
 俺もぼやいたがシルビアに続いて仕切りの中へと入る。シルビアは剣を抜き正面から虎と
にらみ合っている。とんでもない女だ。猛獣使いの男は必死に虎を宥めようとしているが
聞く気配はまったく無い。観客は演技か事故かわからずどよめきを大きくし始めている。

「私は動物は結構好きだからあまり殺生はしたくないの。おとなしく引いてくれないかしら?」
「ぐるる…」
「弱い者いじめは性に合いませんの。野性が少しでも残っているなら実力差は分かるでしょう?」
 虎に向かって不敵に笑って問いかける彼女を見つつ、こいつとだけは喧嘩しないようにしようと決心し、
俺は捕縛系の魔法の詠唱を始める。

「があああっ!!!!」
 虎は戦いを選び、シルビアに飛び掛った。彼女はあっさりと横にかわす。虎もそれを追いかけて
何度も飛びつくが、最小限の動きでかわしていく。様子を見て少し安心した俺は長めの詠唱を
選び、ルーンを刻み始めた。
 時に剣でけん制し、回避し続けていた彼女の額に汗が浮かび続けたころに俺の術は完成した。

<汝我が鎖によりて戒め、動くことかなわず!>

「皆様、如何でしたでしょうか。私の演技をこれで終わります。」
 事故ということを悟らせないように優雅に会釈する彼女に割れんばかりの歓声と拍手が送られた。

「危ないことするなよ。まったく…。」
「ふふ…先に気づけば貴方も同じことをするのに説教するのはよくないんじゃなくて?」
 少し汗で髪が額にくっついていたが、その笑顔は一点の曇りも無かった。

「虎を殺さなかったのは?」
「サーカス団の人たちにも生活があるからな。虎を殺せば困る。お前が殺さないのなら、
 出来るだけのことをしたかっただけだ。ちゃんと精神も弄っておいた。二度と事故は起こらないはずだ。」
「カイはよくわかってるね。うーん、なかなか楽しかったわ。」
「大物だよ。本当にお前は。」
 俺は苦笑して、見物客に囲まれる前にシルビアの手を掴んで走った。少し拒絶したが俺は離さなかった。
彼女の手は小さく暖かく、汗ばんでいた。そして、女性らしく柔らかく…はなくかなり固かった。

483魔法技師外伝 繋いだその手は:2007/08/07(火) 19:32:35 ID:GA+JQcAv
 その後も適当に楽しみ、帰宅しようとするころには日が西に沈むところで片付けの始まった市を
赤く照らしていた。

「うーん、カイと二人っていうのが残念ですけど、着てよかったですわ。」
 言葉ほど嫌そうではないその表情を見て、俺も笑った。

「全くだ。色気が全然無かった。…楽しかったか?」
「ええ。とても…。」
 夕日を受け、その顔に赤い光を受けたシルビアは自然に微笑んでいた。

「よう、カイじゃないか。すっげええ!こんな美人とデートかよ。」
「キトーの親父か。親父さんも露店だしてたんだな。」
 祭りが終わるような余韻を感じていた俺たちに知っているむさくるしい男が声をかけてきた。

「どなたですの?」
「俺はキトーってんだ。美人のお嬢さん。」
「同業だ。たまにバイトさせてもらってる現職の魔法技師だ。腕は今のところは俺より上だな。
 まあ、二年後は俺のほうが上だろうが。」
「がっはっは。いってくれるぜ。まー、実際お前さんはいい腕してるよ。簡単に負ける気も無いがな。」
 快活に笑う親父。暗いところの全く無い彼は見かけによらず国でも数少ない一級の魔法技師だ。だが…

「嘘…カイより腕のいい魔法技師ならどこでも欲しがる場所はあるでしょう?」
「お嬢さん、貴族だろう。俺は平民。貴族のためより平民のために生きる。だから、俺は彼らのために
 道具を作り、夢を与えて自由に物を創るんだ。懐はいつもひーひーいってるがいいもんだぜ。」
「なるほど…カイみたいなこというのね。親父さんも。」
「まあ、こいつにゃこいつの生き方があるだろうけどな。技術は教えるがどう生かすかはこいつの
 自由だ。自分で考える自由がなくなったとき、俺たち芸術家は終わるってなもんだ。」
 そういって、キトーの親父は俺たちに一つずつ指輪を渡した。

「売れ残りで悪いがそいつはやるよ。何が悪いのか店にカップルがよりやしねえ。子供の玩具とか
 はきちっと売り切れたんだがなぁ。カイとベルちゃんが売り子したときは全部売れたのに不思議だぜ。」
「そりゃ、親父。むさくるしいから…」
「あっはっは、そうかもな。まあ、いい子じゃないか。カイ…仲良くしろよ。」
 そういい残して彼は軽くなった荷物をまとめて去っていった。

「面白い人ね。本当に今日は着てよかったわ。」
「帝国だけでも広いし人はいっぱいいるからな。しかし、どんな効果の指輪なんだこれは…」
「ま、嵌めてみましょう。」
 俺は右手の薬指につけた。シルビアは左手の薬指に付けたようだ。少し幸せそうな顔で指輪を
見ている。二人とも嵌めて十秒ほどたった頃だろうか。
 二つの指輪が輝き、俺の右手とシルビアの左手がくっついた。………離れねえええ!!!

「は、離れませんわね。…カイ、そのポケットからでている紙は?」
「い、いつの間に…『夜の間恋人同士はなれないようにする指輪だ。がんばれよ。』…親父!!!」
「………ぷっ。これは大変ですわね。」
「笑い事じゃないだろ。どうすんだよ…。」
 苦悩する俺を見ながら彼女は意地悪そうに笑っていた。

「一緒にお風呂はいって一緒にご飯食べて一緒に寝るんですわ。」
「風呂は我慢しろよ!」
「いやよ。汗かいたんだから。あら、照れてるんですの?」
「俺に裸見られてもいいのかよ。」
「まー減るもんじゃありませんし。ミリアムとベルに話す種ができましたわね。」
 俺はそれだけはやめてくれとひたすら懇願し、後日また言うことを一つ聞くことを約束させられた。
 諦めたように俺はシルビアと手を繋ぐ。また彼女の手がびくっと拒絶する反応を見せる。
 なんとなくわかった。これは唯一かもしれないコンプレックスなのだ。

「俺はお前の手嫌いじゃないぜ。なんか一生懸命努力してるって感じのシルビアらしい手で。」
「………ありがと。そうそう、今日のお礼ですわ。」
 シルビアは俺の頬にキスをした。そして、俺たちはゆっくりとした足取りで家へと帰宅した。
484魔法技師外伝 繋いだその手は:2007/08/07(火) 19:34:11 ID:GA+JQcAv


 ゆっさゆっさゆっさ…体が揺らされてる…。

「うーん。ベルもう少しだけ寝させてくれ〜。」
 ゆっさゆっさゆっさ…

「んっ………ってうわぁぁぁぁぁぁっ!」
 目を開けてみると下着姿のシルビアが目を閉じて俺を抱きしめ、気持ちよさそうに眠っていた。
 やわらかい二つのものが俺の胸に押し付けられている。足も俺の体に巻きつき動けない。
 なんて寝相が悪いんだこいつは!

「……………」(お兄様)
 わかる。わかるぞ。兄には妹が無表情の中にもとてつもない怒りを覚えていることがっ!!

「こ、これは違うんだ。ベル…。」
「……………」(よりによってシルビアと)
 やばい、なんて言い訳したらいいのかわからない。だんだん記憶がはっきりしてきた。
 昨日、帰ってからもう隠すことが無いほどの一晩の生活を余儀なくされ、完璧な裸を
拝んで立派になったモノをじっくり観察されるという羞恥プレイをされた挙句に、服を着たら
寝れないというシルビアになんとか下着だけは付けてもらって寝たのだ。……俺はなかなか
寝ることが出来なかったがシルビアは三秒で寝やがった。

「ううん……あれ、ここは…そうだ…泊まったんでしたっけ。」
「……………」(シルビア?)
「おはよう。ベル…お帰りなさい。」
 やっと起きたのか俺の体をゆっくりと離し、起こしてベルに向かって優雅に挨拶する。

「……………」(何はあったのシルビア?)
「昨日は……」
 なんだ。シルビアのこの笑みは…

「昨日はカイが優しかったので楽しかったですわ。」
 おいまてそれじゃっ!!!

「……………」(お・に・い・さ・ま?)
「待て待て落ち着けベルっ!俺は無実だ!!おいっ。木刀を振り上げるんじゃない!!」
「じゃ、ありがとう。またね。」
 手早く着替えると、シルビアは颯爽と去っていった。逃げたともいう。

「ああ。カイ。約束忘れないでね。昨日のことは私、忘れないわ。」
 そして、我が家では大きな悲鳴が響き渡った。

 この後、誤解?が解けるまでの一週間…ミリアムとベルの俺への虐めは苛烈を極めた。
485名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 19:36:40 ID:GA+JQcAv
以上です。

外伝は残り一本。こちらは書き上げてます。
その前に本編を書き直して投稿します。

忙しくなったので前ほど速度だせませんが、
何があっても最後までぼちぼち書きます…。
486名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 19:51:31 ID:uP4PtZMV
世間知らずっ子は文化だよね。カイいじめに参加したくなりつつGJ!
いつまでも待ってますんで、なるべく長く長ーく続けてくださいなー
487名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 20:00:48 ID:GA+JQcAv
誤字が…次はしっかり推敲します。
前回の分も誤字は修正してまとめてます。指摘ありがとうございました。
488名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 21:34:55 ID:pUZQ743I
魔法技師は女の子中心の外伝なら結構な数作れると思います。
本編が大人気のうち終わろうとしているけれど、それで全て終わりは惜しいかなと。
結局は作者様のご判断なのですが、もっと魔法技師シリーズを楽しみたいというのが
無責任な一読者の願望だったりとかいたします。
489名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:20:42 ID:JCeTP6ZZ
賛成票を投じさせていただく
490名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:49:45 ID:/FriwTy5
作者の好きなように書いて頂きたい
491名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 05:11:55 ID:CWX8CGvg
魔法技師GJ!!
名作は長く長く続いて欲しい。大好きな作品は終わらないで欲しい。
勝手も甚だしいけど終わっても、いろいろと続いて欲しい。
492とある少年の超能力な日々(1/6) :2007/08/08(水) 11:39:12 ID:xEKCDKy1
二時間目、現代国語の時間。
大輔はポケットからこっそりとあるものを取り出していた。
それは昨夜、愛菜への悪戯に使ったねずみのおもちゃ。
見た目には変化はないが、大輔は一点、歯の部分に改良を加えていた。
プラスチックだった歯をカッターの歯につけかえたのだ。

「それでは、浅生君。このページの段落の最後までをお願いします」
「はい」
(よし、始まったな…)
大輔はほくそえんだ。
現国の教師、村井(五十四歳・男)は授業のたびにクラス全員を当てて教科書を読ませることをモットーとしている。
おかげで居眠りや内職ができず、大変生徒側には不評な教師の一人なのだが、大輔は始めて彼に感謝した。
理由は単純、朗読は立ってさせられるからである。
今回、大輔が目論んでいる計画は「ノーパン大作戦」だ。
読んで字の如く、女子を皆ノーパンしてしまおうという計画である。
当初はターゲットを近場の女子だけに絞る予定だった。
だが、朝の騒動の際に自分を見捨てた女子たちが許せない! と憤った大輔はクラス全員にこの計画を実行することにしたのだ。
なお、男子は既に首を捻って現在皆ムチウチのようになっているので気にしない。

「では次、この段落を高見沢さん」
(記念すべき一人目は高見沢のお嬢か…よし、いけっ)
大輔の念によって無生物であるねずみに命が吹き込まれる。
滑らかに動き出したねずみは素早く物影を移動するとあっという間に美香の足元へと到着した。
(位置よし、角度よし、天候よし…アタック!)
大輔の合図と共にねずみが跳躍した。
大輔の脅威の集中力と妄想力によって的確に美香の下着の両サイドが鋭い刃で切り裂かれる。

(よっしゃ!)
朗読を続ける美香の足元にすとん、と落ちる純白の布。
それを確かめた大輔は思わずガッツポーズを取る。
これがこの時間を大輔が選んだ理由だった。
座っているよりも立っているほうがこのミッションには確実性が増すのだ。
無論、目視に頼ったこの操作はUFOキャッチャーの難易度を遥かに上回る。
成功に思わずポーズをとってしまうのは無理もない。

(何やってるんだろ、大輔くん?)
隣の席で文乃はそんな幼馴染の奇行を不思議そうに眺めてはいたのだが。
493とある少年の超能力な日々(2/6) :2007/08/08(水) 11:40:05 ID:xEKCDKy1
(…何か、すーすーするような?)
下着が知らない間に使い物にならなくなり、自分の足元に落ちている。
そんな自分の状況を夢にも思っていない美香は朗読を続けながら微妙な違和感に眉をひそめる。
妙に下半身がすーすーするのだ。
(まあ、夏だし涼しいのはいいことですけ……ど?)
気にすることもなるまい。
そう思いかけた美香はスカートの感触にふと違和感を感じた。
布の質感が嫌にダイレクトに伝わってくる。
おかしい…
美香はいぶかしんで僅かに太ももを閉じ合わせ、そして蒼白になった。

そこにあるはずのショーツの感触がなかったのだ。

(なっ…なっ…?)
青白んでいた少女の顔が一気に青から赤へと急変化を開始する。
何故、どうして、何ゆえについさっきまで穿いていたはずの下着が!?
美香は混乱した。
思わず呂律が回らなくなり、読んでいた文章を噛んでしまう。

「高見沢さん、ゆっくりで構いませんよ?」
優しい村井の慰め。
だがそれは今の美香には逆効果だった。
珍しい美香のミスに教室の注目が集まってしまったのだ。
「は、はい。A作は…」
なんとか平然を繕い、美香は朗読を再開する。
だがその心中は乱れに乱れていた。
何せ今の彼女はノーパンである。
しかもショーツの位置は足元というか床。
授業中に他人の足元を注目するものなど普通はいない。
が、誰かが消しゴムを落とすなどして足元を見られるなどの不慮の事態がいつ発生するかもわからない。
ただでさえミスによって注目を集めている状況なのだ。
今この瞬間にもノーパンがバレてしまってもおかしくはないのである。
494とある少年の超能力な日々(3/6) :2007/08/08(水) 11:41:05 ID:xEKCDKy1
(は、早く、早く読み終わらなければ…)
昨日とはまた違った状況で焦る美香。
だが淑女たる彼女は身に染み付いた教育のせいで乱雑な速読などできない。
(し、視線が…っ! 見ないで、私を見てはいけませんっ!)
必死に心の中で訴え続ける美香だったが、当然それが届くことはない。
それどころか、様子のおかしい彼女にクラスの大半が気づき始めていた。
流石に足元を見るものはいないが、今の美香は目を向けられるだけでも精神的にまずかった。
集まる視線が美香の焦燥を煽り、羞恥心を激しく苛む。
ぽたり。
美香の心境を表すかのように一滴の汗が純白のショーツに滴り落ちた。

この後、美香は顔を真っ赤にしながらもなんとか無事朗読を終える。
だが、焦りと羞恥と暑さによって汗が多量に発生。
薄手の白い制服を透かした彼女は下半身の秘密を守りきった代わりに上半身の下着を大公開することになった。
なお、この一件によって彼女は男子人気が跳ね上がることになる。
普段とは違う弱々しい感じの態度がギャップ効果で男子の目には可愛らしく映り、大いにうけたのだ。
当然それに比例して大輔が受ける嫉妬も跳ね上がることになるのだが、それはまた別の自業自得である。

そして美香が着席してからちょうど五分後。
朗読を終えた紫藤由貴は着席した瞬間軽く身体をビクッと震わせた。
足の付け根からお尻にかけて、椅子のヒンヤリとした感触が彼女を襲ったのだ。
(え…?)
ダイレクトに伝わってきた感触に疑問を感じる由貴。
おそるおそるスカートの上から腰の当たりを撫でる。
と、次の瞬間、由貴の顔からさーっの血の気が引いた。
大輔に見られたばかりの桃色のパンティが跡形もなく消え去っていたからだった。

(パ、パンティが…!?)
思わぬ事態に由貴は慌てて目を落とす。
探しものはほどなくして見つかった。
何せ靴に引っかかっていたのだから当たり前のことなのだが。
495とある少年の超能力な日々(4/6) :2007/08/08(水) 11:42:08 ID:xEKCDKy1
(な、なんで…?)
由貴は混乱する思考の中、考える。
見た目、パンティに傷はない。
となると考えられる原因はゴムが切れた――これしかない。
実際のところは念動力に操られたねずみがゴムを切ったのだが、由貴がそんなことを知る由はない。

(ああっ…)
一瞬、羞恥心すら忘れて絶望する由貴。
ゴムが切れた→ウエストがきつかった→太った。
この連想が彼女の脳裏に浮かんでしまったのだ。
実際は太ったどころかむしろ一ヶ月前よりも体重が減っている。
だが既に彼女の中では太ったことが不変の事実として定着してしまっていた。
今、一人の少女の繊細な乙女心が粉々に砕け散っていく。
(ダイエット、しよう…)
栄養バランスをよく考え食生活を送っていた由貴は、一歩不健康への道を歩みだした。

「はぁ…」
ずーんと影を背負いながら由貴はゆっくりと足元へ手を伸ばす。
だがその瞬間、ある条件を満たした乙女だけがなせる業なのか。
彼女は不幸にもその視線に気がついてしまった。
そう、自分の方をじっと見つめる大輔の視線に。
(え……あぅっ!?)
ばちり、と視線が交錯した。
思わぬアクシデントに由貴の頬が赤く染まり、胸がきゅんと高鳴る。
一秒、二秒、三秒。
無為に時間が刻まれていく。
(〜〜〜〜〜っ!!)
十秒後。
ボン、と音を立てて由貴の顔が噴火した。
足元に落ちているパンティを拾おうと屈みこんでいる。
それが今の自分の体勢だと思い出したのだ。
(あぅあぅあぅ……)
目がぐるぐると回る。
視界にモヤがかかる。
身体がグラリと傾く。
そして――次の瞬間、少女の意識は暗転するのだった。
496とある少年の超能力な日々(5/6) :2007/08/08(水) 11:43:01 ID:xEKCDKy1
(はぅ…っ?)
ガタリッ
椅子を揺らして由貴は目覚めた。
慌てて周囲を見回すと隣の席の男子(興味ないから名前覚えてない)が怪訝そうにこちらを見ている。
教卓では村井が文乃を指名していた。
どうやら数分ほど気絶していたらしい。
そう状況を予測した由貴はすぐに隣に向けて頭を下げると、何事もなかったかのように教科書へと目を向けた。
横目で名無しの男子が自分から意識を外したことを確認。
そして由貴はほっと息をついて、ピシリ、と安堵の表情を停止した。
(そ、そうだ、私…っ!)
スカートに目を落とす。
勿論透視などはできないが、スカートの下がノーパンであることはもはや明らかだった。
再びじわじわと心臓の辺りから熱が込みあがってくる由貴。
(そ、そういえば…パンティは!?)
慌てて床に目を落とした由貴は愕然となった。
靴に引っかかっていたはずのピンク色のパンティが跡形もなく消え去っていたのだ。

(あ、あわわっ?)
とんでもない事態の発生に由貴は脳が沸騰し始める。
だが、それは噴火を待たずして治まった。
何気なく開けた引き出しの中からパンティが出てきたのである。
それも、まるで手で折りたたまれたかのような綺麗な収納状態で。
(え、ど、どうして? なんで?)
わからないことだらけだった。
いつの間にか下着のゴムが切れていて、いつの間にかそれが自分の引き出しにしまわれている。
しかも、気絶前は九十度以上前屈していたはずの上半身も元の位置に戻っている。
(誰かが…? ううん、そんなことない、よね)
他者がそうした、という可能性はない。
周囲にそういった騒動を終結させた様子がなかったのだ。
となると考えられるのは一点、無意識の内に自分で身体を動かしたという可能性。
しかし寝ているならともかく、気絶している状態で勝手に身体が動くなど現実的ではない。
必死に考える由貴だったが、超能力という答えには当然辿り着くことができなかった。
497とある少年の超能力な日々(6/6) :2007/08/08(水) 11:44:23 ID:xEKCDKy1
(…わからないことを考えていても仕方ないよね。そ、それよりもっ)
ひとしきり考えた結果、由貴は思考を放棄することに決めた。
というよりも、正直なところもっと優先するべき事柄があったのだ。
それは気を失う前の出来事。
すなわち大輔と目を合わせたことが気のせいだったのかどうかということだ。
だが、さりげなく(と本人は思っている)覗き見た大輔は既にこちらの方を見ていない。
そうなると読心術が使えるわけでもない由貴に、確認する術はなかった。
そして、彼女は放課後までこの悩みのせいでひたすら悶々と過ごすことになるのであった。

一方、隠れファンクラブがあると噂の少女に熱い眼差しで見つめられている大輔はというと
(段々コツがつかめてきたな)
この男、ノリノリだった。
最初の方こそ誤ってスカートに傷をつけたりすることもあったのだが、
今ではなんとゴムの部分だけを狙ってパンツを切り落としている始末である。

(それにしても、さっきはちょっと焦ったなー)
由貴と目が合ったあの瞬間は彼にとっても予想外の出来事だった。
何せその後由貴は気絶までしてしまったのだから。
ちなみに、今更ではあるが由貴を救ったのは勿論この少年である。
気絶し、頭から床へダイブしかけていた彼女を支え、元の体勢に戻す。
そして床に落ちたままだった下着を足から抜き、丁寧にたたんで引き出しにしまう。
これらは全て彼の念動力の仕業だったのだ。
(ま、あのままだったら流石に寝覚めが悪かったしな…)
あのまま放置していれば由貴は足にパンツを引っ掛けたまま床に倒れることになっていた。
そうなれば当然教室はパニックである。
最悪、由貴は授業中にパンツを下ろしてオナニーしていた痴女ということになりかねない。
大輔としても流石にそこまでの騒ぎは望むところではなかったのだ。

(っと、ラスト!)
そして授業終了直前。
大輔は朗読する最後の女子のパンツを切り裂き終えた。
目標であったクラス女子全員のパンツ切りを見事に達成したのである。
498名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 11:46:02 ID:xEKCDKy1
続く。
情感をだそうとヒロイン視点的な部分を多くしてみたが、やはり大輔中心の文のほうが書きやすい罠。
499名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 12:37:09 ID:DHeow6Jy
最後の行に吹いたww

続きwktkしてまってる!
500名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 13:32:59 ID:v3oamSpI
ぱっと見は何でもない状態なのに、実はクラスの女子全員がノーパン……
くっ、なんて油断できないシチュなんだ!
想像するだけで、いつ誰のスカートが、とドキドキが止まらないぜGJ

相変わらずとある日々は、忘れちまった何かを思い出させてくれるぜ
501名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 14:50:59 ID:Zl6MqyM7
GJ!!!
由貴ちゃんのノーパン、由貴ちゃんがノーパン、由貴ちゃんの大きなヒップを守るものは最早……
大輔のこれからの活躍を期待しています。
我らがヒロイン、紫藤由貴にさらなる追いうちを! ガンガン羞恥心を揺らしてあげてください!

しかし相変わらず由貴ちゃんの心中は可愛すぎです。
クラス委員長でバスケ部のキャプテンで長身グラマーというアクティブなイメージにして
この可愛らしい乙女心が、ファンの胸を揺さぶります。
502名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 15:12:35 ID:J/zvmvoo
このスレのSSの間口の広さには本当に脱帽させられる
503名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 15:42:11 ID:SCF00uVi
GJ!しかし、
「A作は…」
一体何を読んでいたのか気になるなw
504名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 17:52:51 ID:c/g+KtDE
ノーパン授業ものは数あれど、強要されたり自発的にプレイとして行ったりで、
「授業の真っ最中に突然ノーパンにされる」というのは新しいな。
作者の慧眼に脱帽。
505名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 18:01:12 ID:vWguepH5
男子皆ムチウチ(ニヤニヤ
これからも他の男子が調子に乗ったら酷い目に合わせてやってほしいw
506名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 20:29:25 ID:mSgYQY2/
ツンデレタカビーをもっと辱めて下しあ
507名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 20:48:34 ID:pPyEdTUX
これで全員のスカートがめくれたりずり落ちたりしたら大変ですね
508名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 02:45:33 ID:YaegKqvf
ダイエットして乳が痩せたなんていったら俺は泣くぞ!
509名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 06:48:26 ID:Xj6fcEyO
体操着バージョン希望
いつの間にかノーパンブルマ
ついでに着替え後はノーパン

その上、新任美人教師を授業中にノーパンに

部活動はテニス部にして、ノーパンアンスコを
510名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 09:54:28 ID:SXjiN/zp
あまりの良スレに感動
ノーパンによる羞恥はいいなあ
511名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 10:01:51 ID:iXOb/EvM
ぜひ美香や由貴に大輔から声をかけてやって欲しい。
ノーパンにされたあの二人がどんな反応をするだろうか……
512名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 10:12:25 ID:ynyeQzZ2
ポルノって、道具使ったり輪姦の人数増やしたり3穴責めしたりと
エスカレートすればエロいというような傾向があるけど
本当は、ライトなプレイ内容でもいくらでもエロくできると教えてくれるな。
513名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 15:45:06 ID:RXZx9im1
穿けなくなってしまったショーツを脱いで
ノーパンのまま主人公の前にでるときには
どういう展開がまっているのかwktk
514透視能力者の憂鬱:2007/08/09(木) 17:28:43 ID:iXOb/EvM
俺の名前は佐藤志章。パッとしない三十路寸前の独身会社員だ。
が、実は俺は超能力者。いわゆる透視能力者というやつに分類される。
透視能力っていうのはすなわちアレだ。なんでも透けて見える能力で。
パッとしないなんていいやがって、結構いい目見てるんじゃないかとか思った君。
実は俺が授かったこの能力、それほどいいことづくめじゃない能力なんだよね。

その証拠を今から見せよう。
と、思った俺の前に、ちょうど一人の女性が通りがかる。
清楚なロングヘアに対し、白いブラウスにGパンという格好。さらに黒ブチ眼鏡。
もちろん髪は染めてもいないし、化粧さえしている様子はない。
正直地味の一言。女子大生、短大生あたりだろうか。
ま、ちょうどいい。俺の能力を示す文字通りの生贄になってもらおう。

混雑した電車内。俺はちょうど、彼女の前面が見えるような場所に陣取る。
そして、彼女をジッと見つめる。
いわゆる“服を透かせるような視線”をさらに強く強く、念さえ込めて彼女に向ける。
(……透けろ)

そう念じると同時に、彼女のブラウスもGパンも、眼鏡さえも視界から消え
下着姿のスッピンの彼女が俺の視界に映ってくる。
その下着姿とは、まさしく純朴そのものの綿素地の白いブラとショーツ。
全く飾り気のない、まるで高校生が履くような、はっきりいってショーツというより
パンティと言った方がいいその清楚すぎる下着に、ちょっと異様な興奮を覚える。
さらに体つきもそそられる。女性になりきる寸前の少女といった風。
しかも意外と出るとこ出て締まるところは締まっている。Gパンの張り具合である程度は予想できたが。
何よりも透視能力のおかげで見えなくなった黒ブチ眼鏡の奥から出てきた彼女の素顔は……
(か…可愛い……!)
まさにその年頃に相応しい、綺麗さと可愛さが両立した、しかも優しげで穏やかな表情。
これほどのモノを黒ブチ眼鏡と地味な服で隠していたなんて……

しかし、そんな俺の思いとは別に、急に彼女がビクリと震えた。
端整な顔が見る見るうちに赤くなり、片手で顔を覆い、片手で胸を掻き抱く。
そして……涙さえ浮かべた彼女の視線が、俺の妖視線と合う。
ボンッ、と耳まで染まった彼女は、電車の混雑を掻き分けてさえも、俺の視線から逃げ出した。

そう。これが俺の能力の致命的なデメリット。
相手の服を透かせて見ることは楽に出来るのだが、相手にその感覚を伝えてしまうのだ。
つまり彼女にしてみれば、スッピン顔の下着姿を、舐めるような俺の視線に見られてたと思ってる。
“服を透かすようないやらしい視線”とはよく言うが、
俺の透視能力は、対象女性に、本当に服を透かされたような感覚までも与えてしまうのである。

(ま…いっか)
あれほどの女性のあれほどの半裸姿。そしてあれほどの羞恥をまのあたりに出来たのだ。
またいつか見ることもあるだろう。その時は下着だけじゃ済まさない。
一糸纏わぬ彼女の身体、そして彼女はその時、どんなにか恥じらうだろうか。
近いうち逢えるだろう、そんな期待を胸に俺は家路についた。

翌日。当課に配属された新入社員の挨拶。
正直、運命というのものはなんでこんなにも性急なのかと俺は思った。

「立花優子と申します。至らないところだらけですが、ご指導よろしくお願いします」

挨拶が終わり、ふと俺と目を合わせた彼女の顔が、眼鏡の奥で真っ赤に染まり、目を逸らされた。
(……極上の獲物がよりによって直属の部下かよ)
前途多難と思いつつも邪な期待にも胸躍らせる俺、まさに「どーしよ」と思うしかなかった。


515名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 18:32:56 ID:/6Lw+x/8
おおおGJ
やはり服を透かして見たいというのは男のロマンですね
516名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 19:08:52 ID:0oAecqRc
黒髪ロングで恥ずかしがりのメガネっ娘とかドツボだなあ。最高。
思う存分辱めてあげて下しあ
517名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 23:05:29 ID:kAAXleDm
うむ、でもその前にめいっぱい優しくして緊張解いてあげて欲しい気もする
518名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 20:06:34 ID:8tZVhHF1
馬鹿すぎて好きだw
519名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 21:08:17 ID:5tQ/R2MI
投下します。
520魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:09:57 ID:5tQ/R2MI



 「真珠亭」はいつも賑やかだ。それは今日も変わらない。
 だけど、今日は少しだけいつもとは違った喧騒に包まれている。


「ベル、それは右の小さい鞄に詰めておいてくれ。壊れないように慎重にな。」
「それは大きいかばんに適当に詰め込んでくれればいい。」
 俺達は長年の生活で溜まった荷物を整理していた。俺以外は荷物が少ないため
俺の分まで手伝ってもらっている。

 なぜこんなことをしているのか───それは近々この住み慣れた「真珠亭」を離れる
からだ。理由はシルビアの出産が近づいたこと、それに伴う危険と大量の仕事からシルビアを
守るために、すぐに駆けつけることのできる場所にいる必要が出来たのだ。

「わらわは半年ほどしかここに住んでいないがそれでも離れるのは寂しいな。」
 そんなことをいったのは、長く艶やかな黒髪に黒い瞳の男装をしている勝気そうな
美しい少女、マオだ。いつもは黒を基調としている彼女は今日は白いスーツのような服を
完璧に着こなしている。

「お前やユウは新しくここに知り合いができたろうに。残っててもいいんだぞ。」
 そんなことをいった俺に彼女はふんと少し怒ったようにいう。

「ばか者が。お前のいるところがわらわのいるところじゃ。わらわがいないとお主はどこまでも
 無理をしそうじゃからな。見張っておくのだ。」
「そうですよカイ様。マオちゃんはカイ様がいないと寂しくて泣いちゃいます。」
「こら、ユウっ!」
 いたずらっぽく笑う儚げな金髪の少女、ユウも今日は黒を基調としたマオと反対の色の男物の
スーツを着こなしていた。俺はそんな二人をほほえましく見ながら気になっていたことを聞くことにした。

「お前らの服って誰が用意しているんだ?」
「シルビアのところのメイドさんたちだよ。」
「あやつら、わらわ達を着せ替え人形か何かと勘違いしておるのではないか?」
「行くたびに採寸はかって僕たちの服を作ってくれるんだよ。全部手作りらしいんだ。」
 マオは怒ったように、ユウは楽しそうにそんなことをいった。シルビアの城ではドレスから
自分たちの服までデザインする専門のメイドがいる。芸術家である彼女たちはあまりファッションを
気にしない一流の素材である彼女たちを見かねたのだろう。
 そういえば、ベルも城に行くたびに困っていたな…。

「でも、本当に引っ越しちゃうんですね…。僕も半年くらいだけど本当にここでの生活は
 楽しかったです。カイ様がいますし、ベルさんもマオちゃんも…シンも一緒だし…。」
 少し残念そうな顔をしているユウの頭をぽんぽんと叩き、

「まあ、引っ越すっていってもシルビアが落ち着くまでだ。それにみんな一緒だ。新しい知り合いも
 あっちにいけばできるさ。」
「そうですよね。荷造り、僕もがんばりますね。」
 こうして、着々と引越しの準備は進んでいった。
521魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:10:36 ID:5tQ/R2MI


そして、あらかた片付いたころ…

「どうした、ベル。」
「……………」(これ)
 ベルが俺に見せたのは、学生時代にベルが会話できるようにしようと作った作品のうちの
一つだった。鏡の形をしたそれは、懐かしさと失敗した苦さを思い出させるアイテムだ。

「これが残っているとはなぁ…。シルビアの部下はこんなものまで回収してたのか。」
「……………」(お兄様が私に作ってくれたものだから大事)
 俺は苦笑する。魔法技師が万能ではないと思い知った…これはそんなアイテムだった。俺は頭では
万能ではないと理解しながらもどこかで不可能なことなど何もないと思っていたのだろう。

「虚構の鏡…か。」
「……………」(あの時は大変でしたね。)
 精神的な障害で話すことができなくなったベルを癒すために、その元になった事件について嘘で
和らげようとしたのだ。しかし、誤って自分に発動させてしまった。
 その結果激しく拒否反応を起こし、三日ほど寝込む羽目になった。

「ベルに使う前に自分に使ってよかったよ。全く。」
「……………」(記憶があやふやですが、あの時、私にも何か…)
 発動条件は強く何かを思うこと。だとすれば、そのときベルが何か考えていたなら
近くにいた彼女にも発動していた可能性はある。

「一応調べてみるか?」
「……………」(はい。お願いします。)
 意識を集中させ、ベルの魔力の流れを調べる。そうとわかって見なければ感じないほどの
微弱な乱れが確かに存在した。

「マオ。少し手伝ってくれ。」
「なんじゃ?」
「解呪する。制御を俺がするからマオは一定に魔力を流してくれ。」
「わかった。お主が一人で解呪できぬ魔法とはよほど捻くれた性格の悪いものが掛けたのじゃな。」
 俺だよ!と、言おうと思ったがやめといた。意識を集中し、魔法の流れを正常の状態に
戻していく。マオの魔力は俺を遥かに上回っているために強引に解呪されていった。

「……………っ!!」
「ベル!大丈夫か!?」
 終わった瞬間頭を抱えて蹲ったベルの肩を揺さぶる。

「……………」(大丈夫、思い出した)
 少し汗をかき苦しそうにしながらも、ベルは嬉しそうに笑っている。

「……………」(お兄様が本当の兄じゃないことを)
「っ!」

 どういうことか俺にはわからなかった。命がけで逃げた子供のころの記憶より前は、ベルには
残っていないと思っていたのだが…。

「……………」
 困惑する俺にベルは少し微笑んでマオに礼を言った後、作業を再び再開し始めた。

522魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:12:00 ID:5tQ/R2MI


 夕方にはそんな引越し準備も終わり、おやっさんは食堂を貸しきりにして送別会を開いてくれた。
 シルビアはこれなかったが、元暗殺者のミリアム…こいつを俺のところによこすシルビアの
精神が俺には信じられないが…を代理として送ってきていた。他にもマオの手下たちや、俺が
修理を受け持っていた近所の店の人などが、駆けつけてくれていた。

「「「姐御〜ううっ〜」」」
「鬱陶しいから泣くな。すぐ戻る。わらわがいない間の留守は頼んだぞ。」
「「「おうっ任せてくださいっ!!!」」」
 相変わらず暑苦しいやつらだ。

「お前が城に来るのか…。」
 嫌そうな顔で呟く元暗殺者。そんな嫌そうな顔せんでも。

「嬉しいだろ?」
「ああ。お前の寿命は短そうだからな。」
 彼女はくびを掻っ切るしぐさをした後、ユウのところに歩いていった。二人は何故か仲が
いいらしく、護衛しているときなどは一緒にお茶を飲んで世間話をしているらしい。
 あちらこちらで、別れを惜しんだりお祝いをいったりとそんな騒がしい騒動があちこちで
起こっていた。辛気臭い雰囲気はまるで無い。ベルもいろんな人たちの相手をしたり、物思いに
耽ったりしているようだった。

「師匠。」
「シンか…どうした。お前はここの人間だからな。一緒に来るんだろう…別れは済ませたか?」
 なんだかんだで人に囲まれ、一人になったところに近づいてきたのはシンだった。であったころより
髪を伸ばした彼女はまだまだ少年といった感じだが、少し女の子っぽくなった。このくらいの年は
成長が早いなぁ。

「うん。…城にいくんだよね?」
「…怖いか?」
 ずっと会えていないはずの姉に会うのが。シンは姉のイリスにかなりの間あえていないはずだ。
 やりとりは全て手紙。理由は簡単、人質に取られないためだ。俺たちには敵が多いから。

「大丈夫。お前の姉は人のために体を張れるしっかりした優しい人だ。お前のことを忘れちゃいない。」
 頭に手を置く。こうすると子供は安心するらしい。…俺はやられたことがないので真偽は
わからないんだが…。昔はベルにもこうしたもんだ。

「ありがとう師匠。でもなんで姉のこと知ってるの?あそこっていっぱい働いている人いるんでしょ?」
「う、そ、そのだな…。お前の姉はシルビアのお気に入りなんだ。だから、俺も会う機会があったんだ。」
 嘘はついていない…はず。

「そうなんだ。でも師匠ってすごいね。侯爵様と友達なんて。」
「侯爵だって人間だからなぁ。」
 俺がそういうとシンは笑った。そして、安心したのか元の仲間たちの下へと元気に走っていった。

「しかしまあなんだな。こういう日が来るとはな。」
「おやっさん。」
 この人には俺は生涯頭が上がらないだろう。

「ここに着たばかりのころは何があったかは知らないが抜き身の刃物みたいな雰囲気で、あまり長く
 おきたいとは正直思っていなかったが人間ってのはわからんもんだな。」
「世話になりました。」
「一人増え、二人増え…賑やかなもんだ。」
 おやっさんはいかつい顔で少しだけ笑っていた。

523魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:12:41 ID:5tQ/R2MI

「今度は親父になるって話じゃないか。しかも、相手はあのお嬢様だ。」
「あんま実感ないんだけどな。シルビアとは喧嘩ばかりしてたのにこんなことになるとは。」
「……ちゃんと支えてやれよ。あの娘は俺たちこの街の人間全員にとって大事な一人娘なんだからな。」
「ああ。いつまでも守られてはいない。」
 おやっさんは俺の方を一度ぽんと叩いた。

「ならいい。部屋は約束どおり空けとくが、なるべく傍にいてやれ。」
「あんま近くにいると逆にストレスで倒れそうだがなあ。」
「……女遊び、少しは控えろよ……まったく。いい加減お前も親になるんだから。」
 苦笑して頭をかくしか俺にはできなかった。


 盛り上がった宴も終わり、酔いつぶれたマオやユウを部屋に運んだ俺は自室のベッドに
寝転んでいた。同じようにシンを運び終えたベルも部屋に戻ってくる。

「あまり飲まなかったみたいだな。」
「……………」(お兄様も)
 楽しかったが、酒を飲んで騒ぐような心境でもなかったというところか。

「色々あったな。」
「……………(こくん)」
「ミリアムを失ったとき、俺たちにはもう何も残ってないと思ったもんだが…」
 ベルも懐かしいことを思い出すように目を細める。

「大事なもの、いっぱい増えたな。」
「……………(こくん)」
「三度目の正直…か。今度は…守ろうな。」
「……………(こく)」
 ベルは頷いた。

「……………」(お兄様、私いろいろ思い出しました)
 魔法が解けたことによって何かを思い出したらしい。ベルはそういうと一つの
耳飾を取り出した。変装の耳飾…学生時代の失敗作の一つ。変装するためには変身
するもののことをかなり詳しく知っておかなければならず、結果、本人もしくは身内に
しか変身できないという意味のないアイテムになってしまったものだ。

524魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:13:18 ID:5tQ/R2MI

「……………」(これも整理していたら出てきました)
「また、懐かしいものを…。」
 ベルはそれを耳に付けて念じたようだ。そして、目の前に現れたのは五年前のまだ、
少女といってもいい年代のベルの姿だった。髪は今と違ってショートにしており、
胸も控えめだが、締まった体は今のような傷跡がなく、褐色の肌は健康そうにみずみずしく
輝くように部屋の明かりを反射している。

「こうしてみると成長したんだなあ。と思えるな。」
「……………」(この頃には私は昔のことも思い出せるようになっていました)
 そうだったのか…。思い出せないならそのほうがいいと思っていたのだが。

「……………」(そして、いつも一緒にいて私を守ってくれるお兄様と血がつながってないことも)
「ま、少しはつながっているんだが…そうだ。実の兄妹じゃない。」
「……………」(私を背中に乗せて必死に逃げるお兄様とただ怖がっていただけの私…)
 昔のことを思い出すのは辛いだろうに。

「……………」(いつか反対に守れるようになろうって思ってました)
「事実、そうなったなぁ。」
「……………」(それから、本当の兄妹じゃないってわかったときから異性として好きになってました。)
 そんな前から…という驚きはあるが、今の関係を思うとおかしいこととは思わない。
 実の兄妹と信じていても同じ結果になったのだから。

「……………」(でもあの時は勇気がなかったし、お兄様には好きな人がいた)
「ばればれだったか。」
 ベルは少し笑って頷いた。

「……………」(身近にいるのに…だから余計に辛くて。そんなときにあの鏡が)
「虚構の鏡か。あれのせいでひどい目にあった。」
「……………」(お兄様は強いから。逃げなかったから)
 偽りの記憶との戦いは精神の戦いだった。自分が作った物ながらそれは手ごわく
辛い戦いだった。
 魔法のアイテムが最悪の凶器になりうることを心底悟ったのはそのときだ。
ベルの話は続く。彼女は五年前の目で俺をまっすぐに見つめている。

「……………」(私は逃げた。実の兄妹だったらこんな辛い思いしないのにって)
「最終的には兄妹って壁を壊して勝ったんだろ。いいじゃないかそれで。」
 少し微笑んでいった俺の言葉にベルはそっぽを向いた。

「……………」(不戦勝みたいでなんかやだ…それに…)
 ベルは少し苦笑しながら、

「……………」(ミリアムみたいに独占できなかったし。…シルビアも多分同じ気持ちなのかな)
「シルビアは……何を考えているかわかんないが違うだろ。」
 ベルは首を横に振って続ける。

「……………」(私もシルビアも好きな人以外に抱かれたくないし、すごく嫉妬深い)
「お前がそうなのは知ってるが…」
「……………」(でも、多分同じ理由で独占はできない)
 泣きそうな顔で、文字板にそう表示させたベルの頭を俺は抱えて抱きしめた。
背も低くなってるので丁度頭が胸のところに当たる。

「今日はお前のもんだ。特別な場所と一時別れを告げる大事な日だからな。」
「……………(こくん)」
 俺は少し屈んで、目を瞑った彼女の唇に自分の唇を合わせた。

525魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:13:53 ID:5tQ/R2MI


 ベッドと初めから備え付けられていたベッドだけになったすっきりした部屋で、俺は
ベルと向かい合っている。初めて抱いた日からかなりの時間が経ち、もう何度目かは分からない
くらいにベルを抱いているが…

「元の姿に戻らないのか?」
「……………」(お兄様が喜ぶと思って)
 顔を真っ赤にして俯くベル。なんだかんだで、今でもこういうことの前はいつも恥ずかしそうに
しているのだが…。目の前の小さくなった妹はなんというか…。

「なんか誤解してないか?」
「……………」(お兄様が特殊な趣味をしてらっしゃると知ったときはショックでした)
「まてまてっ!断固兄は否定するぞ。俺はノーマルだ。
 ここは譲れない。確かに手は出したが俺はノーマルだ。多分。

「……………」(マオやユウには縛ったりいろいろハードなことまで…ついにはシンまで毒牙に)
「まて、シンは関係ないぞ。」
 前半は全部事実なのが痛い。言い訳しようがない。

「というかお前初めからそのつもりだったろう。」
 こくっと頷くベル。

「……………」(このくらいの年のとき、毎日大変でした)
「何が?」
「……………」(隣で寝てるお兄様を襲わないようにするのに)
 恥ずかしがりなのに考えていることは過激だ。普段とは違う…といっても見慣れた姿では
あるのだが…子供だと思っていた頃の姿でそんなことを言われると妙な気分になる。

「昔、たまに俺のベッドに潜り込んでたのは…」
 寂しいからだとか思ってた。 

「……………」(あのころやりたかったことやりますね)
 ベルに促されベッドの上で寝るふりをする。服を脱ぎ、全裸になった彼女はその姿に
そぐわない妖艶な笑みを浮かべると俺の体の上に馬乗りになり、技巧などまったくない荒々しさで
唇を貪り始めた。成長途中の小さい体で必死にしがみ付きキスを求める。
 息苦しくなった頃、ゆっくりとベルは唇を離した。顔は上気し、興奮しているのか少し息も荒い。

「……………」(ここまでは実はこっそりやったのですが)
「知らんぞ。そ、そんなこと。」
「……………」(お兄様は寝るとおきないから)
「ぜんぜん気づかなかった。」
「……………」(体が余計に火照って、隣で慰めててそれでもお兄様起きなかった。起きて欲しかったのに)
 当時、起きてたら自分がどうしたのか。今となってはわからない。
 多分別の部屋で寝るといった感じだろうか。それとも流されていたんだろうか。
 ベルは軽くキスをした後首筋からどんどん俺を食い尽くすかのように舐めたり噛んだりしながら
下っていく。服のボタンも同時にはずしていき、自分の幼い体を押し付けて晒された俺の体を味わっている。
526魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:14:29 ID:5tQ/R2MI


「…ベル…」
「……………」(お兄様をこうして自分の色に染めて)
 興奮で顔を赤くしながら、俺も裸にする。

「……………」(動物みたいに何も考えずにお兄様と抱き合いたかった。)
 俺のモノを少し舐めて立たせると愛撫もしていない自分の秘所へとあてがった。そのまま馬乗りで
体を沈めていく。ベルの中は触ってないのに濡れており、体が普段より小さい性で強烈に締まったが
痛くは無かった。俺は。

「ベル。無理するな。」
「……………っ!」(大丈夫。こうしたかったの。お兄様に無理やりでもこうして傷を付けて欲しかった。)
 一番奥まで沈み込もうとしたとき僅かに引っかかり、構わずベルは一気に腰を落とした。結合部から
少しだけ血が流れる。

「……………」(凄いね。完全に五年前の体なんだ。痛くてじんじんする)
 体を少し起こし、瞳を涙で潤ませながら力が抜けたように俺の胸に手を置いて息をついているベルの細く、
柔らかい腰をゆっくり掴もうとする。

「……………(ふるふる)」(お兄様はそのままで)
 慣れてきたのかゆっくりと体の上で腰を動かし始める。手持ち無沙汰なのでかすかに膨らんだ
薄い胸を愛撫し、弄る。少し硬い胸は触られると刺激が大きいのか、触れるたびにぴくっと震えた。

「……………」(変な感じ。お兄様のがいつもより大きい)
「お前の体が小さくなっているからな。胸いいのか?」
「……………(こく)」(普段と感じ方が違う)
 俺は胸に集中して口と手を使って愛撫を始める。その間、少しずつ気持ちよくなってきたのか
ベルの腰の動きも自然なものになりはじめていた。
 暫くすると、さらに動きが早まり打ち付ける卑猥な水の音が高まり始める。その動きから、
ベルの限界が近いことがわかった俺は下からも突き上げ始める。

「……………っ!」
 いきなりの攻撃でベルは驚いたみたいだったが、そのまま動きをあわせ始めた。

「……〜ーーーーっ!」
 ベルが限界に達するのと同時に、俺も中で達した。

527魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:14:58 ID:5tQ/R2MI


「大丈夫か?」
「……………(こく)」
 一度目が終わったあと、ベルは俺の体にかぶさるように抱きついてきていた。重さは小さく
なっているせいか、さほどは感じない。いつもは柔らかい感触を与える胸も少しだけしか自己主張
していない。

「……………」(ずっとしたかったことができて満足)
「今日くらいするつもりだったのか?えろいな。ベルは。」
 ぽかっと殴られた。ミニサイズなのであまり痛くは無い。

「……………」(お兄様のせい)
 上目遣いで睨まれる。そういえば、はじめは主導権とられっぱなしだったが何ヶ月かして
からは反対になったような。

「なんかいつもと違う感じだったけど、やっぱベルだったな。」
「……………」(私はぜんぜん違った。でも次は大丈夫)
「まだ、朝は遠い…か。」
「……………(こく)」
 俺はベルを抱え上げるとベッドに腰掛け、その膝の上にベルを乗せた。今のベルの身長では
この状態では地面に足がつかない。その格好のまま後ろから太ももを抱え下から突き上げた。

「……………っ」
 太ももを持って腰を持ち上げ、抜けそうになる直前で体を落とす。さらに下から突き上げながら
首筋に唇を付ける。体をよじろうとするが、足が宙に浮いているために力が入らずなすがままだ。

「気持ちいいか?」
「……………(こく)」
 捕まえたまま、後ろから太ももを抱えて落とす。ずぶずぶと再び中へと入っていく。自分で
動いて突き上げる。ベルもなんとかあわそうとしていたが…

「…〜ーーーーーっ!」
「ベル、先にイったな。」
「……………」(だめもう…気持ちよすぎて…え…)
 腰の止まったベルの体を今度は肩に首を乗せて上から押し付けて固定し、激しく俺はベルを突き始めた。

「……………っ!!?」(お兄様、許して。もう!)
 潮を吹いた。それでも太ももを抱え、ちゅくじゅく…といやらしい音を立たせながら動き続ける。
慣れない体で敏感になっているせいか、その間何度も小さく達しているようだった。

「……………」(いやあ)
「かわいいぞ。ベル。」
 耳元でつぶやくと、膣がまた締まった。俺の限界も近い。

「今度は一緒にな。」
「…〜ーーーっ〜ーーーーーーーーー!!」
 俺はそういうとさらに激しく動き始める。ベルのタイミングを計りながら最後に奥まで深く突き入れ
俺も二度目の精を中に放った。
 同時にベルも一度目より大量の潮を吹きながら大きな絶頂を迎えた。

528魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:17:00 ID:5tQ/R2MI


 しばらく余韻に浸っていると、ベルを魔力の輝きが覆ってもとの大人の姿へと戻した。

「……………」(戻りましたね)
「二時間が限度ってとこか。魔力を補充すればまた使えるようにはなるけどな。」
 俺は苦笑して言った。失敗作である理由の一つ。時間制限…。

「……………」(お兄様の作るものには夢があります)
「そうかな?」
「……………」(ここを去る前に私の後悔を取り除いてくれた)
 俺は頷いた。一度でも人の役に立てるアイテムなら作った価値はある。

「……………」(このアイテムも…虚構の鏡も封印したほうがいいかもしれない)
「鏡はともかくなぜこれも?」
「……………」(お兄様はわかっておられないのですね。このアイテムの価値と危険さが)
 ベルは呆れたような口ぶりでいった。鏡が危険なのはわかるが…。

「……………」(一時的とはいえ体を『完全に』五年前の状態に戻したんですよ)
「ん〜それが?」
「……………」(魔力を込め続ける手段さえあれば、望むままの年齢で生きることができるのです)
「あ。」
 やっと理解した。喉から手が出るほど欲しいものもいよう。若さというものは普通、二度と手に入る
モノではないのだから。

「いいアイデアだと思ってたんだがなあ。まさかそんなやばいものだったとは。」
「……………」(没扱いになってて良かったです)
 全くだ。こんなもの作ってたのがばれたら敵は今の三倍以上増えていただろう。

「……………」(さてお兄様、好きなように私をいじめてくれたけど、次は私ですよね)
「へ、今日はもう疲れたんじゃないのか?」
「……………」(今日は朝までです♪)
 結局、俺たちは次の日昼過ぎまで寝てしまい、先に起きていたみんなに怒られることになった。

529魔法技師 思い出を後に:2007/08/10(金) 21:17:48 ID:5tQ/R2MI


 翌日、夕刻。俺たちは荷物を積んだ馬車とともにシュタインベルグ城へと入っていた。

「ベル、マオ、ユウ…それにシン。ようこそ我が城へ。歓迎しますわ。」
 金髪縦ロールの悪友で口の悪い美女、シルビアが門の前で出迎えてくれていた。

「おいおい、俺は?」
「カイはついでですわ。ま、おまけってところですわね。
「全く言ってくれるぜ。しかし、変わらないな。」
 くっとシルビアが小さく笑う。実際は歓迎してくれてるんだろう。なかなか気を許せないシルビア
にとって今日から住み込む面々は気楽に付き合える少ない相手だ。俺も含めて。

「イリスのほうは大丈夫か?」
「ええ。足も問題ありませんし順調ですわ。」
 先にみんなを行かせて、シルビアと二人でゆっくりと歩く。彼女に歩調を合わせながら。

「お前はともかく彼女は…いいのか?」
「イリスは後悔なんてしてませんわ。…詳しいことは女同士の秘密ですが。」
「ならいい。」
 親しい他人を犠牲にするなんて考え方のできる性格じゃないこいつがいうんだからきっと、大丈夫なんだろう。

「それにしても、俺が父親でシルビアが母親か。」
「世の中信じられないことばかりだけど、これ以上のことはないわね。」
「まったくだ。」
「私あまり実感がないの。人の親になるってことに。」
「俺もだな。変わるんだろうか。」
 シルビアとは恋人というより悪友、戦友というほうがぴったりな関係だった。
 完璧すぎるのを崩すために昔みたいな縦ロールにすることを真剣に話し合ったり、
政略謀略について話し合ったり、冗談を言い合ったり…。

「あまり父親に似て欲しくはないわね。性格が悪くなりそう。」
「おいおい、それは母親に似ても悪くなるだろ。」
「男に生まれると女泣かせになりそうですわ。」
「女に生まれても男を泣かせるのは間違いないぞ。いろんな意味で。」

 俺たちは顔を見合わせて噴出して笑い転げた。
 明日から新しい住処で新しい生活が始まる。

530名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 21:19:47 ID:5tQ/R2MI
以上です。次回から住処を変えて。
一話完結式ですが時間は徐々に進んでます。
531名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 21:45:00 ID:0fRlEquJ
ふぅ・・・読み応えが有り過ぎてGJとしか言えないw
532名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 00:19:20 ID:LxyX0wM/
だれか 魔法技師の挿絵 たのむ
533名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 01:47:13 ID:ByOtClC3
ベルかあいいよベル
エロも良好だけど、ストーリーも素敵
今後の展開に期待せざるをえないというところ
534名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 02:39:38 ID:cJxaciQ3
うぅむ…素晴らしすぎる
535名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:16:25 ID:79UZaX18
こんな小説リアルにあったらいいなとこれで何度思わされたか・・・
俺だけではないはず。

神GJ!!
536名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:21:12 ID:8CfycyXZ
超能力と羞恥はとても相性がいい
537名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 10:06:27 ID:cJxaciQ3
魔法技師シリーズ目次

>>73   【魔法技師】
>>85   【魔法技師(2)】
>>117  【魔法技師と魔王様(前編)】
>>126  【魔法技師と魔王様(後編)】
>>135  【魔法技師のおしおき】
>>151  【魔法技師の賢者様入門】
>>181  【魔法技師番外 剣を振るうその訳は】
>>192  【魔法技師への愛の囁き】
>>207  【魔法技師と貴族の娘(前編)】
>>226  【魔法技師と貴族の娘(後編)】
>>246  【魔法技師 優しい魔法】
>>268  【魔法技師と子供の玩具】
>>379  【魔法技師 過去への扉】
>>480  【魔法技師外伝 繋いだその手は】
>>520  【魔法技師 思い出を後に】


間違ってたらだれか補完おながいします
ホントに素晴らしい小説ですねぇ…
538名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 13:50:59 ID:8SklUEKP
すごいいなぁw
たまたま強風が教室内にとか特別教室への移動中にとかあるといいなぁとかw
つか、
>誤ってスカートに傷をつけたりすることもあったのだが
の行にちょっと興味を惹かれた。
ノーパン状態でスカートに空いた僅かな穴に気付いた少女の行動は!?
という妄想が脳内でふつふつとw
539名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 13:53:18 ID:8SklUEKP
…途中までしかスレ見ずに感想書き込むもんじゃねーな…orz
魔法技師の人も透視の人もGJです。
540名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 14:10:54 ID:2AWIaAo9
スカートが脱げちゃうのかなwktk
のーぱんなのに
541名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 23:54:01 ID:IjrvzUhM
542名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 00:32:53 ID:GsQwEc8w
ありがとう
543名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 03:40:36 ID:ZH/wQLFU
俺は今日気づいた。
ほんのわずかな力しか出せない念動力でも、この季節なら果てしなく役にたつと。
エスカレーターや階段で少女のパンツをギリギリ見れずに歯がゆい思いをしたから。

念動力・・・ゲットできないかなぁ・・・
544名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 04:17:14 ID:43Ff6q5B
エスカレーターや階段を上っているときに
パンツが着られて脱げちゃうわけですね
あわててトイレに駆け込み
トイレからでてくるときには・・・と
545とある少年の超能力な日々(1/5):2007/08/12(日) 10:53:40 ID://vQ8f1b
(なんといういつも通りでいつも通りではない光景…!)
大輔は素で感動していた。
見た限り、女子たちは一人を除いて全員が既に自分の状態に気がついている。
ある者はスカートをぎゅっと押さえ俯き、またある者は落ち着きなく目をキョロキョロと忙しなく動かしていた。
なお、前者は某背の高い少女で校舎は某お嬢様だったりする。
(くっくっく、皆気づいていないんだろうなぁ。目に見えないところでこんなにも素晴らしい出来事が起きているなんて!)
ここで言う皆とは首の痛みに顔を顰めている男子たちのことを指す。
彼らからすれば今の女子たちはいつもと変わらないように見えるだろう。
だが、大輔だけは違う。
普段は同じ教室で授業を受けている異性全てが下着を穿いていないと知っているのだ。
今、大輔はこれ以上ないほどの優越感に浸っていた。

きーんこーんかーんこーん…
授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
村井が退室すると共に活気付く教室。
だが、女子は誰一人として立ち上がらない。
しきりに股のあたりに視線を走らせてはもじもじと俯くばかり。
何故なら、彼女たちはそうするしかなかったのだ。
本日は体育がない。
つまり短パンを穿いて誤魔化すという選択肢は最初から存在しない。
よって家に帰るまでは強制的にノーパン状態を続けるしかないのである。

(さてっと…)
大輔は見えないのに視えるものを楽しみながら立ち上がった。
目線が隣の席に固定される。
そこには、未だにノーパンにされたことに気がついてない幼馴染の少女がいた。

「あれ、大輔くん何か用?」
ニコニコと嬉しそうに自分を出迎える文乃に大輔は大きく溜息をついた。
他の女子は全員状況に気がついているというのにこのチビ幼馴染だけは未だにパンツを床に落としたままなのだ。
幸いにも誰にも気がつかれていない様だが、この鈍感さはどうなのか。
自分がやったこととはいえ、大輔は目の前の少女の能天気さに呆れを抑えられなかった。
546とある少年の超能力な日々(2/5):2007/08/12(日) 10:54:58 ID://vQ8f1b
「な、なにっ? いきなり溜息なんか…」
が、そんな大輔の心中など知る由もない文乃は失礼極まりない幼馴染の態度に憤慨した。
勿論ノーパンのままでだ。
ぷんぷんと怒る少女を余所に、大輔は目を落とした。
いつもと変わらない、でもその中身はいつも通りではないスカートがそこにはある。
透視能力があれば、そう願ったことは一度や二度ではない。
だが、大輔は今、得た能力が透視でないことに感謝していた。
穿いていないとわかっているスカートを見る。
そんな些細なことがこれほど素晴らしく、これほど興奮できるなんて思いもよらなかったのだから。

「ゴクリ…」
スカートの中身を想像してしまい、大輔は思わず唾を飲み込んでしまう。
しかし、そんなあからさまな動作をして目の前の少女がそれに気がつかないはずがない。
「…? 大輔くんどこ見て……!」
大輔の視線を追った文乃がカッと頬を染めた。
慌てたような動きでスカートに手をやると「う〜」と唸りながら上目遣いで大輔を睨む。
「…えっち!」
「い、いきなりなんだよ」
「朝の…その、ボクのパンツを思い出してたんでしょ!」
「いっ!? ち、違うぞ! 俺はお前のパンツになんて興味は…!」
まさか中身を想像していたんだとはいえない大輔。
だが、誤解を真実と認識した文乃の追及は止まらない。
「嘘だッ!! あの時はっきりこっちのほうを見てたし、今だってスカート見てたじゃない!」
「バ、バカ! 声が大きい!」
大輔は咄嗟に文乃の口を手で押さえた。
このまま喋らせ続ければ自分の評判が地に落ちかねない。
それを一瞬で認識した彼の動きは素早かった。
「むぐもが!」
「とりあえずは小さい声で喋れ、な?」
周囲を見回し、今の会話を聞いていたものがいないのを確認した大輔はなだめすかすように話しかける。
こくん、と文乃が頷く。
それを確認して、ようやく大輔は手を離した。
なお、それなりにでかい声だったにも関わらずほとんどの人間が内容を聞いていなかったのは
『ああ、またいつもの夫婦喧嘩か』
と思われていたからこそなのだが、幸福にも大輔も文乃もそれを認識していなかった。
ちなみに、余談ではあるが同時刻にある二人の女子生徒が何故かノーパンによる羞恥以外の理由で顔を赤くしていた。
それは当事者である少女たち以外誰も知覚していない出来事だった。
547とある少年の超能力な日々(3/5):2007/08/12(日) 10:56:07 ID://vQ8f1b
「む〜」
「うなるな、犬かお前は」
「ふんだ!」
ぷくっと文乃は頬を膨らませる。
それはまるでリスを思わせるかのような小動物な表情だった。
(これで黒だの赤だのの下着をつけてるんだからなぁ…)
子供の微笑ましい背伸びにしか見えないな、とまとめる大輔。
だが文乃はそんな大輔の表情から考えを読み取ったのか、ますます頬を膨らませていく一方だった。

「ねえ、大輔くん?」
「なんだよ?」
「その…本当に興味ない…の? ボクの下着」
「ぶふぅっ!?」
大輔は吹いた。
それはもう盛大に吹いた。
まさか幼馴染の少女の口からそんなファンタジーな言葉がでるとは夢にも思っていなかったからだった。
どんなエロゲーだよ!? とフラグの神様に毒をはく大輔。
だが文乃の目は言葉の調子とは裏腹にマジだった。
二日続けて大輔の目にパンツを晒したせいなのか、彼女は今微妙にテンパっているらしい。
「いやだから…」
「そのあの…大輔くんが見たいっていうなら、特別に見せてあげても…」
「いいっていいって!? ちょっ、おまっ!?」
文乃はもじもじと俯くとスカートの裾をつまんだ。
そして何を血迷ったのか、なんとそれをゆっくりと捲り始めたではないか。
勿論、大輔にしか見えない角度での行動なのだが、見ている大輔からすれば幼馴染の暴挙に気が気でない。
万が一にも自分たちに注意を向けるものがいたらその時点でアウト。
大輔は変態とロリコンのレッテルを頂戴することは間違いない。
しかし大輔は口以外では決して文乃を止めようとはしなかった。
ぶっちゃけ、幼馴染の思わぬ行動にエロ魂がときめいてしまったのである。

(ごっくん)
息を呑む。
大輔しか知らないことだが、文乃は今パンツを穿いていない。
つまり、このまま行けばパンツではなくその下の素肌、しかも女の子にとって一番大切な場所を見ることになる。
彼女いない歴=年齢の大輔は当然女の子のソコを生で見たことがない。
一昨日妹である愛菜のそれを数瞬身体全体と共にチラ見したくらいなのだ。
幼馴染で見た目幼女とはいえ、女は女。
大輔は思わぬ展開に目をくわっと見開いた。
548とある少年の超能力な日々(4/5):2007/08/12(日) 10:58:01 ID://vQ8f1b
(な、なんで止めないのっ?)
文乃は焦っていた。
すぐに大輔が止めてくれるだろうからとふざけ半分真剣半分の気持ちでやり始めたことだった。
それなのに大輔は最初以降止める気配を見せない。
つまり、状況がマジになってきたのである。
(な、なんか大輔くんの目が怖いような…)
既にスカートはかなりギリギリのところまで捲くられている。
もうちょっと手に力を込めれば下着が露出するのは間違いない。

「や、やっぱりダメ…っ!」
が、そこが限界だった。
文乃は流石の恥ずかしさに、大輔にからかわれることを承知で行動を中断することにした。
スカートの裾を戻そうと手に力を込め
「へ…?」
そして次の瞬間。
文乃は呆然と『自分の手によって引きあがったスカート』と『穿いてない自分の股間』を見つめた。

(お、おさまれマイ・サン!)
三時間目、大輔は一向に親の言うことを聞かない息子をなだめていた。
原因は言うまでもなく先程の一件である。
そのつもりはなかった。
しかし文乃がスカートを元に戻そうと動いた瞬間、つい反射的に念動力を使ってしまったのだ。
(くっ! 文乃で勃ってしまうとは…不覚っ!)
猛省する大輔だったが、彼の勃起した暴れん坊将軍はおさまる気配を見せない。
脳裏から文乃のオンナノコが消えないのだ。
(…しかしまさかはえていたとは)
少女の股間を思い出す。
文乃のワレメの上には申し訳程度ではあるが、毛がはえていた。
見た目の幼さ通り、てっきりあそこもつるつるだろうと失礼な予想をしていた大輔にとって、それは思わぬ不意打ちだった。
幼馴染の身体が一応立派に大人への階段を上っていることが他ならぬ自分の目によって証明された。
それは大輔が比内文乃という少女を女として認識したということだったのだ。

無論、文乃からすればそんなことで認識して欲しくはなかったのだろうが。
549とある少年の超能力な日々(5/5):2007/08/12(日) 10:59:56 ID://vQ8f1b
(…まだ睨んでやがるし)
なんとか頭の上に浮かんでいる幼馴染の秘所を打ち消そうと頭を振る大輔。
視線の端に文乃が映る。
文乃は真っ赤な顔でスカートをぷるぷると震える手で握り締めながらじっと大輔を睨んでいた。

まあ、それも当然である。
気心の知れた幼馴染とはいえ、同年代の異性にスカートの中を見られたのだ。
しかも穿いてない時に。
そういう意味では念動力を使ってしまった後の大輔の行動は正に値千金だったといえる。
悲鳴を上げようと大きく息を吸い込んだ文乃を瞬間的に身体をはって止めた。
正確に言うと、文乃を胸に抱え込むようにして彼女の口を圧殺したのである。
なお、この瞬間とある二つの席から燃えるような視線が二人に向けられたのだが、それは誰も気付かなかった。

(頼むからそんな目で見るなよ…)
だが、大輔にとってその文乃の表情は逆効果だった。
恥ずかしげな顔が彼の被虐心をそそったのだ。
大輔は別段Sというわけではないし、変な趣味が――そういう方向であるわけではない。
しかし、小動物のような雰囲気を持つ文乃が恥ずかしそうに縮まって睨んでくるという光景。
それは一人の健康男子である大輔にはクるものがあった。
(…いかんいかん、このままだとやばい趣味に目覚めそうだ)
芽生えかけた怪しげな衝動にあがらおうと大輔は文乃から目をそらし、視線を前に向けた。
そこには、昨日の出来事など何もなかったかのように授業を進める東雲夏樹の姿があった。

(わからん、あれはフェイクなのかそれとも素なのか?)
いつも通りの冷静さで教壇に立つ女教師に大輔は首をひねった。
原因の自分がいうことではないが、昨日東雲が晒した失態は彼女の普段のイメージからすれば被害甚大のはず。
にも関わらず彼女は見た目には動揺の欠片すら見せずに黙々と教鞭を振るっている。
(皆からの視線も気にしてる風には見えないし…)
ノーパンでそれどころではない女子は別として、大半の男子が今東雲に向けている視線は好色さがふんだんに混じっている。
目線はタイトのスカートに固定され、その中の下着を想像していることは難くない。
つまり、余程鈍感でない限りは東雲は男子の視線を感じているはずなのだ。
(なら、その鉄面皮を崩してやるさ。同じ教室にいるっていうのに一人だけ仲間はずれっていうのも可愛そうだしな)
大輔はポケットをまさぐると、再びねずみを床へと解き放った。

そして一分後、教室にいた生徒たちはミラクルを目撃した。
550名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 11:01:21 ID://vQ8f1b
続く。
なんというノーパンフィーバー。
551名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 11:10:07 ID:/sFvkSAy
これ、ポイントとして
「ノーパン状態になってるのは自分のみ」
と、女子全員が思ってるのがすごいツボですね。
「ねぇ…パンツ履いてる?」なんてまさかそんなこと聞くわけにもいかないしw

でも、先生の一件でさすがに女子も気づいたかな?
552名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 11:19:07 ID:wjM2ScVR
続きを早く読みたいぜい

Yes,ノーパン!
553名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 11:54:46 ID:5j1fluwF
GJ!
しかしクラス女子全員て、生理中の娘は一人もいなかったんだろうか?
いたらスゲーけどw
554名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 11:56:19 ID:wjM2ScVR
一人くらいはロッカーにブルマを置いていて欲しいかもしれない
のーぱんぶるま〜
555名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 13:52:51 ID:dC7EnyPu
穿くものが無ければスク水でも無いよりマシと思うかもなー
556名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 17:56:24 ID:OZYgk3yG
>ミラクルを目撃した
何故か分からんがやたらに笑えるw
557名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 04:07:22 ID:iTVN28j2
いかん、wktkが暴走しそうだ!!
>>550この変態さん!!大好きだ!!
GJ!!


さて、真剣に超能力が欲しいんだがどうしたらいい?
多少過酷でも、パンツ(少女オンリー)見るためなら死ぬ気で耐えるぜ!
558名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 08:53:31 ID:hPMr1ChU
>>557
@チャクラを開眼しにインドへ
A仙人になる為に中国へ
B宇宙人に攫われてみる
Cマインドシーカー(ナムコ)で超能力を鍛える
D妄想の世界へ入り込み帰ってこない
Eその他

559名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 09:11:54 ID:541AjjTY
30歳まで童貞を守り抜け
560名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 20:15:14 ID:OpIy3f1u
557
画力or文章力を身に着ける
561名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 20:25:45 ID:dVNH/t5r
その超能力で恥ずかしい目にあわせた女の子の映像をUPしてくれるならわしが授けてやってもよいぞよ
562名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 23:52:54 ID:tlRyYwJ1
タイトスカート相手という事は…うっかり操作ミスしたらすごいことにw
563名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 03:49:03 ID:fOrJ2qRf
ミニのタイトスカートの、後ろの右のシリ部分にコッソリ深いスリットを作成
とかもできるわけか。
564名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 04:04:36 ID:jmQU1r8X
てか>>557パンチラよりスカートとパンツ引きずり下ろした方が楽だし刺激的だとなぜ気づかない?


・・・あれ、これはSSに出来そうな気が・・・
美人限定無差別スカートとパンツ引きずり下ろし事件・・・


だれか書いてやってください。俺には文才がry
565名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 10:03:56 ID:1P+CUYpo
パンツ見て中を想像するのもまた一興ってもんだろ…

こんなこと書いてる俺はただの変態ですかそうですかw
566名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 15:55:07 ID:prSvzcrS
できるなら「食い込みパツパツ」のホットパンツやスパッツ、レオタードの
中に穿いているパンツだけを奪い取ってください。
支えるものの無くなったそれらがスジに食い込んでいく様をお願いします。
567名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 16:04:51 ID:Bpf2e+HO
夏真っ盛りに妄想爆発の変態達が集う神スレ

女の子の羞恥の描写はいいですなぁ
あるはずのものがなくなった動揺
まわりの目を気にしだす心理

サイコー!
568名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 23:11:44 ID:4NhLPJ3k
また番外編みたいなもので
パンツ脱がされた他の名前の無い女生徒達の
心の羞恥を綴ったモノ希望
569名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 01:52:41 ID:XGmpNioB
はぁ……
妹に超能力か魔法で悪戯したいなぁ……
でも、困ったことに妹がいないんだよな……
570名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 02:01:34 ID:NQuSpsun
>>569
ちょっとまてw
魔法と超能力はあると申すかwwwww
571名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 03:03:09 ID:TiFcrjKp
>>570
え? お前ないのか?
572名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 03:07:04 ID:iO4I66hQ
>>569
超能力や魔法で妹を造ればよくね?
573名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 03:23:25 ID:thLtn+NQ
それはいわゆる錬金術か・・・・



魔法技師に依頼してきますね。
574名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 06:55:01 ID:bMQOBlyf
>>573
等価交換の法則を学ぶんだ
575名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 07:33:26 ID:HLuWPuRS
子宮の中で漏れの精液からホムンクルス作ってくれる
美人女錬金術師がいてくれたら良いのに
576名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 07:44:24 ID:iO4I66hQ
精液採取のため無理矢理玉を切り落とされるシーンを想像してしまった件について
577名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 13:26:06 ID:iEjvu3WZ
透明人間ネタ少ない・・・
578名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 16:38:11 ID:D9TvWduV
>>570
勇気という名の魔法を持っています
579名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 17:17:38 ID:gRupKlgW
ノーパンネタはイイ
580名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 17:57:18 ID:otI+g/JM
自作自演サイコー、自分で女の子を辱めるのでNGスレスレを低空飛行できるし
羞恥で弱った女の子に縋りつかれるのがまたたまらない
581名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 18:27:14 ID:bMQOBlyf
>>578
マージ・マジ・マジカ!
582名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 18:55:43 ID:NQuSpsun
>>571
成人式の時に魔法使いの可能性を喪失しましたww

>>578
愛と希望は?

……ホーリーアップも一応魔法少女だよなww
583名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 17:40:46 ID:FODbwii6
>>577
あれ、俺こんな書き込みしたっけ
584名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 19:00:09 ID:j0r72jfv
透明人間ネタは何度か投下したが不思議なことに書き込みが表示されないんだよなあ
585名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 19:33:43 ID:vyDFKJlE
…きっとエロを求めている人には見えない魔法がかけられているのさ。
586名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 10:26:47 ID:2LrLE4AY
魔法のコ〜トバ〜スレ住人には分かる〜
587名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 10:57:02 ID:kR+ItBDP
エロ書くとか〜♪そんな暇もない〜この〜頃♪
588透視能力者の憂鬱:2007/08/17(金) 14:56:07 ID:nkik/wdP
「よーし、それじゃ佐藤は立花くんにいろいろ教えてやってくれ」
「は、はぁ……」

「………」
と、当の優子はわずかに強張ったように顔を赤らめ、志章のほうを見ている。
「あ……、それじゃ立花さん。佐藤志章と申します。
いちおうあなたにいろいろと、その案内する係りになったので、よろしくお願いします」
元々教育とか指導とかという言葉は苦手な志章。
しどろもどろにそれらしい言葉をかけて頭を下げると、
「……佐藤さん、よろしくお願いいたします」
それが何かおかしかったのか、優子の強張りが少し取れて、少しの微笑みを向けてくれた。
(やっぱ可愛いよ、彼女……)
思えば彼女の笑顔を見るのははじめてだったことに、志章は気づくのであった。

優子のほうも、懇切丁寧な志章の案内に、それからも少しづつ緊張が解けてきた。
しかし、昨日の出来事もあってか、未だ志章に対する警戒心は解けていない。
それくらい昨日の出来事は優子にとってショックであり、また、信じられない出来事だったのだ。
まるで本当に服を透かされて下着を、素顔を、見られたという感覚……
(あれは……あれは一体、なんだったんだろ……?)
「あ、あの……!」
「ん?」
「あ、いえ……なんでもないです。……気にしないでください」
「あ、そう?」
私ってばなんてことを、と、顔を真っ赤にし俯きながら優子は思った。
(この人が、佐藤さんが、そんなことできるわけないじゃない。超能力者でもあるまいし。
 ……でも……
 昨日感じた感覚は、とても気のせいとは思えない……
 そしてこの人が、すごくいやらしい目で私を見てたのも事実……
 ……もしかして……、……本当に……?)
「あ、あの……! ――キャッ!」
意を決して声をかけようとした優子になにかがぶつかった。
考え事をしていたせいもあってか、
急いで走っていた人間とぶつかり、思い切り転倒してしまったのだ。
「立花さん、大丈……」
声をかけてくれた志章の声が途中で止まる。
次の瞬間、優子はとてつもない羞恥心に襲われた。

「きゃああああっ!!」

その場に這い蹲るようにうずくまり、顔を両の掌で覆い隠してしまう優子。
必死に顔を隠している優子は、耳やら首筋までも真っ赤に染めている。
その傍らには、さっきまで彼女がつけていた度の強い黒ブチ眼鏡が転がっている。
「あ、あのっ! メガネ、メガネを取ってもらえますかっ!?」
必死に顔を隠しながら、切実そのものな声で優子が訴える。
眼鏡が外れた程度のこの狼狽振りに志章もはじめはなにがなにやらわからなかったが。
(もしかしてこの娘、スッピンコンプレックスってやつか?)
スッピンコンプレックス。素顔を見られるのを極端に恥ずかしがる性質。

「メガネ、メガネを取ってくださいっ! お願いしますっ!」
優子にぶつかった男も駆け去ってしまい、まわりには誰もいない。
今にも泣きそうな声で訴え続ける優子。その姿は無防備そのもの。
まるで身動きが取れない優子の姿を透視し辱めるには、ある意味絶好の機会。

(さぁて、どうしようかなぁ……?)
589名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 18:13:16 ID:kIMz5edT
wktk
590名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:51:02 ID:uCWjLmEE
>>588
GJ、シチュがうますぎるw
透視シーンはやっぱり>>514のような一人称((優子側からも含めて)でいってほしい

…俺だけかな?
591名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 09:23:27 ID:0ywkRBYe
ノーパンだと涼しいのかな
592名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 14:24:32 ID:oO4JqO5n
よーし、やってみよう! 行ってみよう!
593名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 18:52:59 ID:4D6CdeVn
>>591
精神的に寒いだろw
594名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 23:01:57 ID:4D6CdeVn
ここ向きな良SSはけーん
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182314033/164-175
※ライトエロじゃないのであしからず
595名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 00:59:47 ID:/E5PW/3j
先輩と僕を思い出した
596名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 15:06:38 ID:tTT1Xme+
同じく
でもエロい(*´д`)ハァハァ
597名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 04:51:11 ID:OJqwQCuA
上げ
598名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 20:16:40 ID:qd1hH1HJ
ノーパンの女の子はどこですか
599名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 00:24:05 ID:XmteTfFe
あなたの心の中に・・・
600名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 00:28:35 ID:GMlWPEE5
つまり透視能力
601名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 00:49:08 ID:uXIz5Wof
>>594
都合良過ぎだろwwwと思ったがねっとりしてたな
GJ!
602名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 09:21:45 ID:m40zzlZA




それは突然だった。
俺の名前は田中修二。母に捨てられたっていうまぁちょっとした過去を持つ高校二年生だ。
そしてその日以来女性に対して嫌悪感を抱くようになってしまった。まぁ、妹はそれほどでもないけどな。
今日は思えば不運だった。学食でも買えたのは牛乳のみという惨事。そして、極めつけは、
「おい、聞いてるのか、田中修二」
俺の部屋で露出度の高い悪魔のコスプレをした、金髪のロングヘアーの見知らぬ少女がさっきから訳の分からぬことを言い、俺を混乱させているってことだ。
「えーと・・・キミ誰?」
「私は悪魔。大悪魔のカレンだ。此度はお前に超能力を授けに来たのだ」
頭おかしいんじゃない? という言葉をギリギリで呑み込んだ。相手は子供だ。何かしらのことがあったかもしれない。とりあえず、話を合わせてみよう。
「んーと、どうして俺なのかな?」
「お前―――いや、正しくはお前と妹が母に捨てられた過去を持つからだ」
「ッ――、どうしてそれを!?」
「悪魔に知らぬものはない」
と、そんな時俺の部屋の扉が開いた。
「兄さん、何騒いでるの?」
セミロングの黒髪が揺れ、Gパンと胸元が少し空いたアンクTシャツという軽装で妹―――みさきが疑問詞を浮かべた。
現れた瞬間、修二は硬直。この状況をいったいどう説明しようと冷や汗を流す。
「大丈夫だ。お前以外の人間は私を見ることが出来ん。それよりもちょうど良い、コレで超能力を試してみるが良い」
色々と言いたいことはあったが、みさきの態度から、本当に見えていないようなのでとりあえず安堵し、言うとおりにしてみる。
「超能力に必要なのは念じることだ。と、いうか念じる以外必要は無い」
そう言われ、何となくみさきを見つめる。
最近かなり魅力的になったみさき。控えめな性格通り、身体は細く、胸も控えめながら貧乳じゃないくらいにはある。
(まぁ・・・・・・どうせだし、な)
服が透けろ、と試しに念じてみる。
「うわっ!?」
(す、透けた! マジで透けてるっ!!)
白色のブラとパンツがはっきりと目に映る。下着を着けた胸は呼吸にあわせてかすかに上下する。
(じゃ、・・・・じゃあ・・)
今度は、下着を透かそうと念じる。
(うわ・・・・・)
おもわず股間が熱くなる。胸の桜色の突起に、股間にかすかにある黒。
「兄さん? どうしたの?」
叫んだ俺を訝しんで、みさきは近づいてくる。その度に、小さな胸がかすかに揺れる。
「い、いや何でもないんだ! 俺のことはいいから晩飯早く作ってくれないか?」
「・・・・・・・そう? じゃあ、作ってくる」
疑惑の目で見つめていたが、それほど気に留めることでもないか、とみさきは踵を返す。
「どうだ、修二。本当だろう?」
扉が閉まった後、満足げにそうカレンは言った。
「お前にはこれから私の力の源―――つまりは女性の羞恥心を掻き集めてもらう。つまりは破廉恥な悪戯を超能力ですればいい」
「・・・ああ、分かった」
こんな願いなら喜んで引き受けよう。これからのことを思い浮かべるだけで笑顔が止まらない。
「ただし、天使には気をつけてくれ」
「天使?」
「ああ。天使は我々悪魔がこういう能力を人間に与えることを取り締まる役職のことだ。まぁ、今で言う警察だな。普段は人間の姿をしている」
しかし、とカレンは前置きして。
「天使の羞恥心は美味なのだ・・・・。もう、言葉では言い表せぬほどにな・・・」
恍惚の表情でそう呟いた。数秒後、表情を正し、
「天使が近くにいるとき、お前の第六感が反応するはずだ。まぁ誰か特定は出来んがな」
「分かった。つまりは天使も恥辱で染めればいいんだろ?」
カレンのぽかん、とした表情を無視して修二は笑みを浮かべた。
(明日から、楽しい日々が送れそうだ)
修二は明日を思い、カレンに超能力についてを詳しく聞き始めた。



603名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 10:56:39 ID:VXaUsIKi
GJ!
ところで、嫌悪感と性欲は別物ってことでいいのかな?
604名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 18:41:42 ID:RHcb6r38
これは期待大。

それにしても最初の実験台が妹っていうのはこの板多いな・・・
好きだからいいけど。
605名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 18:54:34 ID:05sEAM1Q
もちろんそう書くようにMCされてるんだよ。
606名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 22:15:36 ID:m40zzlZA





いつからだろう? 俺が、女性に対して歪んだ性癖を持ち始めたのは。
俺は、社会科の授業を聞き流しつつ、そう考えた。
俺の前から居なくなった母さん。それを思いだすだけで女性に嫌悪感を抱く。学校生活での友達でさえ、少なからず抱いてしまう。
しかし、成長していくにつれそれも隠せるようになった。心の成長は理性を強くする。
彼女も一度だけ出来た。幼馴染の、東山里佳。冷静で、理知的な瞳。そのくせ見過ごせない。みさきより少し短めの黒髪が印象的。性格が似ているみさきとも気が合う里佳と俺は、付き合っていた。
里佳はあまり人に積極的に関わろうとしないヤツだった。そんなヤツとなぜ付き合ったのかは分からない。しかし、俺は初めて女性に惹かれた。
「俺と、付き合ってくれない?」
軽い言葉。屋上で二人きり。
「私で、よければ」
あまりにも呆気なかった。しかし、俺にとっては印象的だった。
そして、付き合っていく内、肉体関係を持とうと思った。
夜。里佳のベッドで俺は白いワンピースをゆっくり脱がせていった。羞恥心で、赤く染まった里佳の顔に、どうしようもなく欲情した。
しかし、そこまでだった。
俺は脱がせた後、どうしようもない恐怖心に駆られた。嫌だ、嫌だと言わんばかりに心が暗くなる。
そして、結局俺は何も出来なかった。
その後、里佳が俺を振った。
「別れましょう。 ね? 修二」
呆気ない言葉は、また印象的だった。
そのことで俺は理解できた。俺は、女性に恐怖に近い嫌悪感を抱いており、そして、女性の羞恥で赤く染まった表情になにより興奮するのだと。






607名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 22:16:19 ID:m40zzlZA





授業終了のチャイムが鳴った。ぐ〜っと背伸びして一服。
「何だ、何もしないのか?」
その時カレンの声が聞こえたが無視。ゆっくりと周りを見渡して、人がいないか確認する。
「カレン、お前、悪魔界とかなんたらにいるんじゃないのか?」
「修二。お前が超能力者になった時点で私とお前は一心同体。お前が見る、聞くしたものは共感できるようになっている。そうしないと、女性の姿も見れんしな」
なるほど、と言い修二は教室を見渡す。
「カレン、俺は何もしてないわけじゃないさ。今は、そうだね、値踏みかな?」
「誰を羞恥に染めるのか、か?」
「ああ。どうせならかわいいヤツがいいだろ?」
なるほど、と言うカレンに答えるように、修二は目線をある少女に向ける。
桜井美月(さくらい みつき)。女子バレー部のホープの美月は気持ちの良い笑みを浮かべ、ポニーテールと大きな胸を揺らせて友達と談笑している。
性格は気さくで、話しかけやすい性格。女子男子、はたまた先生からも人気が高い。
「あれが、お前のメガネに留まった人間か?」
「ああ。まぁ、桜井も、だな」
そう言って修二は目線をもう一人の少女へ向ける。
如月エリス(きさらぎ エリス)。日系よりのイギリス人と日本人のハーフ。如月コーポレーションの三女であり、プロポーションも抜群。態度が高飛車なのがたまに傷らしいが、それでも男子からの人気は絶大らしい。
肩下までかかったブロンドの金髪はアイツのトレードマークといって良い。
続けて修二は黒板を消している少女へと視線を送る。
西条凛(さいじょう りん)。クラスの委員長にして生徒会書記。スラッと腰まで伸びた黒髪はゆらゆらと揺れる。
性格は几帳面で真面目。曲がったことは許せないというまた堅物。
だが、悪戯っぽい一面もあり、そのギャップに惹かれる男子も多く、女子からも人気が高いらしい。
修二はそこで目線を机に戻した。だが、カレンは、ん?、と疑問詞を浮かべ、
「アイツはいいのか? あの本を読んでいるヤツも中々美人だぞ?」
本を読んでいる少女―――東山里佳のことだ。
東山里佳(ひがしやま りか)。顔は美人だが、他人と積極的に関わろうとしない態度をとることが多く、友達はそういない。
「アイツは・・・・・いいんだ。タイプじゃない」
丁度、その時チャイムが鳴った。授業は保健。教育実習なので受け持つのは女子大生を卒業した先生だった。
(消えろ)
そう念じた瞬間。先生のブラが瞬時に消えた。
薄いTシャツは胸の形を露にし、乳首の膨らみを見せてくれた。
周囲を見渡すと男子が先生の胸を凝視していた。女子のほうはひそひそと何かを話している。
「だから、タバコは自分に肺ガンを起こすだけでなく他人にも―――」
そう言って、先生は男子の視線に気づき、目線を自分の胸へ。
「きゃぁぁああ!!?」
顔を羞恥で真っ赤に染め、慌てて胸を隠してそのまま走って教室を出ようとする。
だが修二はそれを許さなかった。
「ぁ」
と、先生は態勢を崩した。そしてそのまま先生はジャージの裾を踏み、転倒。
裾を踏んだことにより勢いよくズボンがずり落ち、下着が姿を見せた。
(へぇ・・・あの先生黒なんだ・・・・)
教室の生徒達に晒された黒のパンティ。男子の視線は釘付けになっている。
先生は狼狽して、慌ててズボンを戻そうとするがなぜかズボンが床に張り付いたように動かない。
上下に動く黒の下着を男子達はいやらしい視線で姦視する。
(もう、いいかな)
急にズボンが何事も無くなる。やっとの思い出先生はズボンを履き、そのまま教室を走り去った。
(あらら・・・自分がノーブラだってことパニックで忘れてるなアレ)
教室が大騒ぎになる中、修二は一人、廊下をノーブラで走る先生を思い浮かべ、ほくそ笑んだ。

608名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 22:25:51 ID:m40zzlZA
書かなくてもいいと思ったが一応。
>>606は>>602の続き。

一応今後はこんなライトな感じで行こうと思ってる。
行き過ぎと思ったら俺を止めてくれ。
609名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 23:23:06 ID:dmrABje8
>>608
止めるヤツはいないと思うがなぁ
むしろ行き過ぎでやべぇぇぇぇと思うくらいやってほしいw
610名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 23:30:20 ID:WAlVumc5
きっと僕らに君は止められない。止める気もないけどw
やっちゃってやっちゃって〜。
611名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 01:09:56 ID:2uQriOka
もっとやれもっとやれ!
GJ!(*゚∀゚)=3
612名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 01:56:12 ID:w3Yb6Uzy
主人公の不幸自慢はこれっきりでよろしくたのむ…
613名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 02:04:44 ID:kXmu6Pxh
>>608最 高 だ!
そして一言。





絶対誰も止めないから暴走シチマイナ。

後何か判断がつくような物を名前欄に入れてもらえないかな?
614名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 04:33:40 ID:2AX+4IiP
コテなりトリップなりはあったほうがいいんじゃないかな。
あと、SS投下のときはどっちがいいのか判断つきかねるが
一応sageといた方がいいかも?
住民に気にする人間がいないなら気にしなくてもいいけど。

まあとりあえず、力の限りイッチマイナー。
615名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 12:50:08 ID:QEbCy40Y
段落の意識かもしれないけど、連続改行は2行ぐらいで十分な気がするかも
616名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 23:47:34 ID:EJFi1j1Y
トリップ入れたほうがいいんでしょうか。
今回はそのまま

エロが薄いと筆が進まない不思議
617名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 23:50:01 ID:EJFi1j1Y


 シンの弟子入りを受け入れて一ヶ月が過ぎたころ、俺たちは一時的に住み慣れた真珠亭を離れて
シルビアの住むシュタインベルグの城へとその住処を移していた。部屋のほうはそのうち戻る
つもりなのでそのままお金を支払って維持してもらっている。
 その際、おやっさんに無断で魔法の改造を施したのがばれて三時間ほど説教を食らった。
 最後にぶっきらぼうにシルビアをちゃんと守ってやれっていうのと帰ってくるのを待っていると
いうのを忘れないところがおやっさんのいいところだと俺は思う。すっかり第二の我が家だ。

 何故城へと引っ越したのかというと難しい話ではなく、必要に迫られたからだ。
 シルビアの出産が近づいたため、それまで超人的な仕事っぷりを示していた彼女が動けなくなり、
その穴埋めとして彼女の手足となれる人間…つまり、俺が彼女が動けない間の仕事のうち謀略と軍事に関して
受け持つことになったのだ。軍事に関しては全員に説明してあるが、謀略に関してはベルにしか説明していない。
信用ではなく、性格的なことが理由だ。

 政務に関しては元賢者の一族であるというシュタインベルグ侯爵家の忠実なる配下である
クレスラー伯爵家の老伯爵が受け持ってくれている。快活なこのじーさんは古くからの同士で、
信用と能力において、申し分ない実力をもっている。貴族同士の折衝は俺が出来ないため、この辺は
まかせっきりとなってしまうだろう。

 まあ、そんな話はともかく今の俺は忙しかった。

「師匠〜夏ばてですか?」
 専用のデスクで書類に埋まりながらぐったりしている俺にお茶を持ってきてくれたのは
弟子にとったそばかすの少し残った少年だと思っていた少女、シンだ。短かった髪は
最近伸ばし始めたらしく少しだけ女の子らしくなったと思う。

「お前、姉さんのとこにいかなくていいのか?」
 この城には彼女の姉であるイリスがメイドとして詰めている。彼女も出産が近いため、
仕事を休ませてもらってゆっくりとしているはずだ。退屈しているのではないだろうか。
 …人事じゃないな。俺も緊張している…正直。
 そんな俺の悩みを気にする風もなく、彼女は本当に嬉しそうに笑っていった。

「姉さんにカイ師匠の弟子になったって報告したら姉さんすっごく喜んで、師匠はすごい人
 だから頑張ってお世話して傍について勉強しなさいって!」
「そうか。よかったな。」
 てっきりイリスは気をつけろとかいうかとびくびくしてたんだが…。まああの子は人生全て
シルビアって感じだからあいつが白といえば全て白なのかもしれないが。
 そんな彼女だからこそシルビアも特別扱いなわけだが…。

618名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 23:50:41 ID:EJFi1j1Y


「それで師匠、最近なにやっているんですか?」
 一応、弟子にとったからには基礎から学問は教えている。基礎は大事だ…俺もちゃんと…
いや、あまり思い出したくないほど繰り返し師匠から教え込まれた。懐かしい思い出だ。

 昔の俺を知っているベルやシルビアは昔を懐かしむような目でシンを見ているが、今の
俺しか知らないマオやユウは心底意外だといった感じで俺を見ていた。このとんでもなく
魔力が強いくせに使い方が荒いこいつらにもそういう教え方をしたはずなんだがなぁ。
 とにかく、基礎と分からないことは質問しろと教えてある。その上で自ら考える問題に
関しては自分で考えさせ、そうでない問題に関しては答えるようにしていた。

「シルビアの受け持っていた仕事の半分だ。殆どの仕事は有能な部下が片付けているが
 それでもあいつが受け持っている仕事は多いからな。動けない間は俺が手伝わないと。」
「どーして、師匠はそんなこと出来るんですか?魔法技師と全く関係ないと思うんですけど。」
 不思議そうに首をかしげる彼女に俺は、

「どうしてだと思う?」
と、逆に問いかけた。シンは首をかしげて考え込んでいた。

「うーん…。」
「答えは一つじゃないから。誰に聞いても本で調べても構わないから考えてみな。」
「はい。師匠!」
 シンは元気に頷いて部屋から飛び出そうとしたが、その前に呼び止めた。

「ベルの稽古、終わってからな。」
「う…ばれてましたか。意地悪…」
「いろんなことを覚えるのは悪いことじゃない。がんばれよ。」
 俺はそういって笑ってシンを見送った。ベルの稽古は相当厳しいらしい。


619魔法技師と弟子 入門編:2007/08/23(木) 23:52:03 ID:EJFi1j1Y


 う〜・・・全身が痛い〜。ベル姉さんは加減知らないんだから。
 ベル姉さんの稽古は基本の型を確認した後、延々と組み手。剣術だけでなく、槍、徒手、
様々な形でそれは行われる。俺は身軽さには自信があるんだけど、かすりもしない。

 自分のことを俺って考えるのにもう違和感はない。半分スラムのような場所で暮らすのに
身に付けた知恵だ。マオ様がきてからは構える必要も無くなったが長年の習慣は治らない。

「それにしても、師匠は謎だなあ。」
 だらけきって昼寝でもしてるのが似合いそうな雰囲気を持つ師匠は優秀な魔法技師であり、
どうやらそれだけではないらしい。貴族の仕事を代わりにするなんて普通は出来ないはずだ。
 魔法技師って魔法の道具を作る仕事のはずなのに。
 夜部屋にくるなっていってるのと関係あるんだろうか。今度こっそり忍び込んでみよう。

「そういえば、人に聞いてみてもいいっていってたなぁ。」
 広い城の通路をゆっくりと歩いていると赤く髪を染めた少しきつそうなショートの美女とユウさんが
庭でお茶を一緒に飲んでいるのが見えた。

「あら…貴女はイリスの妹さん。こんにちは。」
 こちらに気づき、大人の美女…ミリアムさんは声をかけてくれた。この人たちに聞いてみようと
俺は彼女たちのほうに歩いていった。

「何か悩んでるみたいだね。」
 金髪の可愛らしい少女、ユウさんは鋭い。人を良く見ている。
 同じくらいの年齢のはずなのに、俺と違って女の子らしいし、大人っぽいし…。どうやったら
こんな風に強くて可愛くなれるんだろうか。

「実は…」
 俺は師匠の課題について話す。

「そうだね。カイ様は不思議だね。」
 ユウさんはくすくすと微笑んでいた。

「魔法技師という職業に誇りを持ってる。だけど、それだけじゃなくていろんなことができる。」
「そうなんだよ。それになんか強いみたいだし。」
 目の前の美しい少女は少し考えていった。

「生粋の料理人だけど魔法も使えます。」
「はあ…。」
「そんな感じじゃないかな。」
 どうだろうと、ユウさんは赤い髪の美女のほうを向いた。

「ただ根性が腐って性格が悪くて捻くれてるだけよ。」
 この人は師匠が嫌いらしい。ユウさんはくすくす笑っている。

「もう、素直じゃないんだから。」
 ………?


620魔法技師と弟子 入門編:2007/08/23(木) 23:53:15 ID:EJFi1j1Y


 ユウさんたち二人と別れ、再び通路を歩いているとシャワーを浴びてさっぱりしたという感じの
ベルさんを見つけた。苦手だった無表情なこの人も、慣れると結構わかるようになるのが不思議だ。

「ベル姉さん、ありがとうございました。」
「……………(こくり)」
 ベル姉さんと並んで歩き、ふと思いついて師匠からの課題について聞いてみることにした。妹の
この人なら何かいろいろ知っているかもしれない。

「実は…」
 ベル姉さんの部屋は師匠と同じ部屋らしい。昔からの習慣でこれは譲れないとか。マオ様となんか
重い空気を醸し出していたような…。

「……………」(なるほどね)
 ベル姉さんは頷くと腰元からナイフを取り出し、部屋にあるダーツの的に向かって投げた。
 少しの狂いもなく、的の中心へと突き刺さる。

「……………」(シンはなぜ私がいろんな武器を教えてると思う?)
「いろんな武器を使えるようにするため?」
 わからないなりに答えてみたがベル姉さんは首を横に振った。

「……………」(いろんな武器を使う人がいる)
 そして、二本目のナイフを投げる。ナイフは一本目の柄に刺さった。

「……………」(武器の使い方を知れば、逆にその対処もできるようになる)
「じゃあ、一つの武器じゃなくていろいろ使ってるのはそのため?」
「……………(こく)」(一通りわかったら使いやすいのを選べばいい)
 ベル姉さんの稽古の意味はわかった。でも…

「師匠のはどういう意味なんでしょうか。」
「……………」(似たような意味だと思うけど)
 わからない。いろいろな対処法を覚えることと何でもできること…同じなんだろうか。

「……………」(無理に答えを出すこともないと思う)
「でも、課題だし。」
「……………」(お兄様にはお兄様なりの理由がある。それはわかるけどあなたは同じ理由は持てない)
 こういうもったいぶった言い方は兄妹だなぁと思うな。それ以外はあまり似てないけど。

「……………」(とりあえず、自分の身は自分で守れるように)
 それには頷いた。俺だって守ってもらい続けるなんてごめんだ。

621魔法技師と弟子 入門編:2007/08/23(木) 23:54:32 ID:EJFi1j1Y


 師匠とベル姉さんの部屋を出た俺はふと、シルビア様が師匠と仲が良かったのを思い出した。
 学生時代からの付き合いらしい。今は仕事の引継ぎも終わって暇だそうだし、一度聞いてみよう。

「そういうわけで伺ったんですが…。」
「いいわよ。私も暇してたし。仕事やれないと退屈してだめね。」
 マオ様とチェスをしていたシルビア様は、むむむむむと顔を顰めて悩んでいるマオ様を笑ってみながら
俺にそういってくれた。

「どうして色々なことが出来るのか…ね。」
 シルビア様は楽しそうに考えていた。そういえばシルビア様の子供って師匠の子供って聞いたときは
驚いたなあ。結婚するのかと思ったらそうでもないみたいで、でも仲は良くて不思議な関係だ。

「簡単じゃ。それが必要だったからじゃ。」
 マオ様が、チェスの駒をにらみつけながらいった。どうやら敗色は濃厚のようだ。

「師匠に必要だった?」
「うむ…奴には大きな敵がいる。それらと戦うために色々学んでいるんだろう。」
「マオだめよ。ちゃんと自分で考えさせないと。」
 シルビア様が、少し苦笑しながらマオ様をたしなめた。

「目的があって、それを達成するために色々学んだのよ。カイは…。その下地になる基礎は教え込まれていた
 から、すぐに身に着けて言ったみたいだけど。だから強いの。」
「でも、師匠はベル姉さんのほうが強いから戦うことはそっちに教えてもらえって…」
 シルビア様は落ち着いた優しい笑みを浮かべて俺にいった。

「単純に戦うだけならベルのほうが強い。それどころか私にも勝てないわよ。」
「えー?でも強いって。」
「絶対に勝てるように状況を持っていくの。」
 それってどうなんだろう。

「どれほどみっともなくても最後には勝つ。それがあいつじゃ。」
 マオ様は誇らしげにいった。なんでも師匠はマオ様に勝つために三十回以上わざと負けたんだそうな。
 しゃべりながらこっそりと駒を入れ替えている。それ反則ですよ。

622魔法技師と弟子 入門編:2007/08/23(木) 23:55:28 ID:EJFi1j1Y


「シンはシンなりの理由を持てばよい。あやつの弟子になったといっても魔法技師だけが
 未来の姿ではない。今、色々学んで置くのは決して悪いことじゃないだろう。」
「はい、マオ様、シルビア様。ありがとうございます。なんとなくわかりました。」
 マオ様も同じくらいの年にしか見えないのに、考え方は大人だ。この方も謎が多い。でも、負けず嫌いで
やることは時々せこい。この手のゲームは弱いのだ。

「シンは…カイのこと、興味あるの?」
「尊敬してますけど。」
 質問の意図がわからず、俺はそれだけ答えた。シルビア様はとっておきのおもちゃを見つけた
ような笑顔を浮かべている。なんだか嫌な予感が…
 シルビア様は席を立つと机の中からきれいな宝石箱を取り出した。

「うわー。綺麗。」
 箱を開けると二つの指輪が入っていた。宝石箱に比べると少し安っぽいけど一片の曇りもついておらず
大事にされているように思えた。

「シンにこれを貸してあげるわ。夕刻、日が落ちる頃に片方を自分の左手の薬指に。もう片方を
 カイの右手の薬指に付けなさい。そしたらカイのことが良くわかるようになるわ。」
 そこまでいうと、シルビア様は鈴を鳴らした。その音で、メイドが一人部屋に入ってくる。

「エラを呼んで頂戴。」
 理由はわからないがそれを聞いたマオ様が嫌な顔をした。しばらくすると一人の大柄な女性が
部屋に入ってきた。

「この子をお願い。イリスの妹なの。」
「え…、まあ!…この子もちっちゃくてかわいいわ。ふふふ…お人形さんみたい…ふふふ…」
「あ、おい!」
 なんか理由がわかった気がした。俺は抵抗も出来ずに彼女に部屋から引きずられていった。


623魔法技師と弟子 入門編:2007/08/23(木) 23:56:48 ID:EJFi1j1Y


 シンが去ったシルビアの部屋では────

「マオ。そこ変えても戦局は変わらないわよ?」
「ぬ……、そうじゃ。さっきの指輪はなんじゃ。変な魔力が出ていたように感じたが。」
「面白いことが起こるのよ。」
「お主も性格が悪いな。」
「だって暇だもの。」



 ひ、ひどい目にあった。鏡と服が沢山置いてある部屋に連れ込まれたかと思うと大柄な女と
その部下と思われるメイドたちに髪の毛から下着まで全部変えられてしまった。
 短い髪は付け足し、癖毛を直してストレートに流して赤いリボンを付けられた。うっすらと化粧も
施されて黒い髪の色を邪魔しないために薄めの色のドレスを選んだそうな。
 スカートなんてはいたことないから足がすーすーして気持ち悪い。寝るときまで着替えちゃだめ!
っていう大女の涙ながらの懇願に負けてしまった俺は、シルビア様から預かった指輪を持って
師匠のところへと向かった。

「師匠?」
 日は既に殆ど暮れており、夜の気配が強くなってきている。そんな薄暗い部屋で師匠はデスクで
眠っているようだった。はじめに見た書類は綺麗さっぱりなくなっている。
 俺は自分の左手の薬指に教えてもらったとおりに指輪をはめ、同じように師匠の右手の薬指に
指輪を嵌める。そうして、起きるまで師匠の結構整った顔立ちの寝顔を眺めていた。

624名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 23:57:46 ID:VoSRRtLN
ここでストーーッップ!!
625魔法技師と弟子 入門編:2007/08/23(木) 23:57:49 ID:EJFi1j1Y

「ん…うう、…だる……」
「あ、師匠!起きましたか。」
 師匠が起きたのはそれから三十分くらい立ったときだった。日はもうほぼ沈み、部屋を光の魔法の
かかった道具が明るく照らしている。

「ん…誰…って!おわっシンか!」
 俺を見てのけぞって驚く師匠。やっぱり…

「似合いませんよね。こんな服。」
「いや、いきなりで驚いただけだ。似合ってる。かわいいよ。」
 へらへら軽薄そうに笑って頷いてる師匠。誰にでもかわいいっていってそうだなぁ。この人は。
 ほんとにもう…。

「どうしたんだ?それ。」
「エラって大きな女の人に捕まっちゃって。」
「ああ、あの人か…。善行をしたと思って諦めろ。大丈夫、後で姉さんにも見てもらって来い。」
 なるほどと納得した師匠は少し微笑んでそういってくれた。

「どういうことですか?」
「あの人はかわいい服が好きなんだ。作るのも着るのも。だけど背が高いだろ…。」
「うん。師匠より高いね。」
「シルビアも背が高いだろ。だから、仕方なく自分の理想を満たしてくれそうなかわいい子を
 着飾ることで満足してるんだ。」
 なるほどねー。そうなんだ。いろんな人がいるんだなぁ。

「で、今度は何のようだ?」
「えっとね。シルビア様が師匠のことがもっとわかるようにって指輪を貸してくれたんです。」
「へーどんなだ?」
 師匠は俺の左手を掴むと指輪をまじまじ観察し始めた。少し気恥ずかしい。しばらくすると
師匠の手が私の手を掴んだまま震えだした。そして、がばっと窓のほうを勢いよく向く。
 外は最後の光が落ちたところだった。

「………シン。」
 師匠は静かにつぶやいた。

「お前…シルビアにこの指輪の効果、ちゃんと聞いたか?」
 指輪は淡く輝いて師匠の右手の指輪と重なっている。…ってあれ?

「な、何これ…離れない!?」
 師匠は重いため息を吐くと苦笑いで説明してくれた。

「これは俺の知り合いが作ったやつでな。冗談か嫌がらせか本気かさっぱりわからないが、
 夜の間ずっと離れられなくするものだ。当人は恋人の指輪とか言っていたんだが…」
 一生懸命手を振ってみるけど、しっかりくっついて離れる気配はない。ひ、一晩一緒って…
えっとその…あわわわわっ!

「師匠〜。なんとかならないんですか?」
「俺が作ったものじゃないからな。しかし、何故これが…。処分したはずなのに。」
 苦々しげにつぶやく師匠。

「これシルビア様が宝石箱に入れて大事そうにとってましたよ?」
「あいつめ…」
 師匠の表情はなんか複雑そうだった。嬉しいのか怒っているのか。

「とにかく、これは一晩絶対に外せない。解析は出来るだろうが解呪までは時間がかかるから
 どちらにしろ無理だな。」
「そ、そんなぁ…」
 まったくなんてことするんですか、シルビア様…
626魔法技師と弟子 入門編:2007/08/23(木) 23:58:44 ID:EJFi1j1Y


 結局どうすることも出来ないということで、そのまま師匠とくっつきながら夕食を
取ることになった。大きなテーブルなのに、師匠との距離は0だ。師匠が料理を適当に
選んで取ってくれている。
 何か空気が重いような…。

「それで、こんなことに…。」
 ユウさんが師匠の取ってくれた料理を見ながら笑顔でいった。しかし、笑顔なのに
何故か背筋に氷が走ったような感触を受ける。

「シルビアの悪戯か。カイもカイだ。そんな指輪あっさりはめられよって。」
 これはマオ様だ。不機嫌を隠そうともしない。そういえば師匠の右っていつもマオ様の
席だったような…ごめんなさい。

「しょうがないだろ。かったるい書類仕事で疲れて少し寝てたんだから。」
「細かいアイテム作るのが得意な貴方がそれくらいで疲れるなんてね。」
 この席唯一笑顔を浮かべているのはシルビア様だ。こんないたずらするような人
だとは思ってなかった。

「しかし、シルビア。お前懐かしいもの引っ張り出してきたな…。」
「シンも一つだけとはいえ魔法も覚えたことだし、ここで教えないといけないこともあるでしょう。」
 教えないといけないこと……?
 そう、弟子入りして初めて昨日、魔法を使ったんだ。得意な魔法を調べるためっていわれていろいろ
させられたけど、結局使えたのは一つだけだった。
 師匠が利き腕でではないはずの左手で器用に食事を食べている。そんな師匠を眺めながら言葉の
意味を少し考えていた。
 いろんな場所から重い空気が漂っているのはもう気がつかないことにしよう。

「じゃがその指輪はよいな。夜だけとはいえ一日カイを独占できる。なぜわらわに教えて
 くれなかったのじゃ。」
 マオ様がシルビア様にそんなことを聞いていた。だけど答えたのは師匠だ。

「決まってる。これが恐ろしいアイテムだからだ。いや、マオならそうでもないかもしれないか。
 だが、これをはじめて嵌めたとき、俺は心底恐怖したぞ。」
 ベル姉さんはシルビア様を無言で睨み付けていた。どうやらベル姉さんは知っているようだ。
 だけどこれってくっつくだけでしょ?

 俺はこのときシルビア様が仕掛けた恐ろしい罠をぜんぜんわかってなかったんだ…。
627名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 23:59:28 ID:VoSRRtLN
さらにストーーッップ
628名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 00:00:09 ID:EJFi1j1Y
一旦ここで切ります。
続きも書き上げてるので近日中に。
629名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 00:05:04 ID:7o/Siwjh
GJ!
想い人と強制的に一晩中一緒、というシチュはやはり惹かれますね
630名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 00:36:16 ID:voibF3U8
GJ!
学生時代の指輪もってたのかwww
で、シンは始めてから多人数プレイでつか?ww

わっふるわっふるわっふる(以下エンドレスわっふる
631名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 01:22:24 ID:1W7Y/xNa
シルビアさまが好きです
でもマオたんの方がもっと好きです
しかしなんだかんだでカイが一番好きです

可及的速やかな投下を心より願います
632名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 01:50:02 ID:9ugaFUMm
>>631
関係ないが松本引っ越しセンターのCM思い出したwww
633名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 02:46:50 ID:/aRRHkrT
元暗殺者がミリアムという名前を受け継いで(?)いることに今更気づいた俺はヘタレ
634名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 09:17:24 ID:EYTaQsHH
紫藤由貴さん、じゃなかった、超能力な日々の続きを心待ちにしています。
635名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 11:53:19 ID:EOLHowMi
>>628このクオでの寸止め・・・あのお方と似ているな・・・

GJ!!

今回の話で嫉妬ユウ可愛いよユウ。
636超能力の使い方:2007/08/24(金) 18:12:49 ID:nV4viGEw


昼休みが終わり、俺達は体育の授業のため体育館へ足を運んだ。
(ふふ・・・)
体育館で遊びまわるクラスメイトとは別に、修二は笑みを浮かべた。
ついに、行動に出るのだ。
狙いは桜井美月。計画も練ったし後は時期を待つだけだ。
「よっし!」
美月がシュートしたバスケットボールはまるで吸い込まれるようにゴールへと入り、美月は友達とハイタッチ。
それに伴い大きな胸が大きく揺れる。
ふと男子を見ると何人かは汗で透けた下着を堪能していた。
(ふふふ・・・・・仕方ないなぁ・・・お前らにも見せてやるか・・・)
修二は視線を美月へ集中。彼女は軽やかな動きでドリブル突破しそのまま流れるようにレイアップシュートに持っていく。
(外れろ!)
ジャンプする直前ブラのホックを外す。さらにジャンプすると同時に美月のブルマ引き降ろす。
「え!?」
美月はバランスを崩し、転倒。そして見事にノーブラ、パンツM字開脚の出来上がりだ。
「きゃぁぁ!?」
慌ててズボンを穿き、ブラを拾ってうずくまった。そしてはっと状況に気づいたクラスの女子達が桜井を囲み、男子の視線を遮る。まぁ、ヤツラの目にははっきりと映ったようだが。
美月は顔を真っ赤にさせて体育館を後にした。
(へぇ・・・・・あんなしおらしい表情も出来るんじゃん・・・)
そう言い興奮した表情を浮かべた。
「ふむ・・・・中々の美味だ」
カレンが満足げに声を上げる。
「そりゃ良かった。でも―――まだ終わらないぜ」
修二は腰を不自然に曲げている男子達を見ながら、笑みを浮かべ、この後の展開に思いを馳せた。




(あぁ・・・・もう最悪・・・・!)
体育館の外の女子トイレでブラを付け直した美月は顔をまだ赤く染めながら悪態をついた。
「もう、どうして急に外れたりなんか・・・・」
小さく溜息をして、美月はトイレから出た。少し躊躇いはあったが、友達もいるし大丈夫だろうと考え体育館に戻る。
と。
美月はブルルッと身体を震わせ、ソワソワと動き、トイレへと戻っていく。

637超能力の使い方:2007/08/24(金) 18:15:43 ID:nV4viGEw

(へぇ・・・カレンの言ったとおり、何でも出来るじゃないか)
修二は木陰でトイレに駆け込む美月を見ていた。トイレの中に入っても透視で、中の様子は丸分かりだ。
「え、どうして!?」
なぜか、トイレが全て使用中になっている。コンコンとノックしても帰ってくるのは無言。
美月は落ち着き無く内股で小刻みに動く。
さらに激しくノックを繰りかえしてるが、無駄なんだよ、美月。
小刻みはしだいに大きくなる。美月はついに我慢の限界を迎えたのか、トイレを出て、男子トイレに向かう。が、
「せ・・・清掃中!?」
悲壮な表情を浮かべる美月を、修二は笑みで見つめる。
(男女トイレは使えない。しかし、尿意は激しくなる一方。だったら・・・・)
美月はもうなりふり構っていられなくなったのか、修二とは反対側の木陰に入り込んだ。
「木陰で、お漏らしするしかないよな」
修二は、勝ち誇った笑みを浮かべた。美月は何度も周りを見渡し、恐る恐るといった感じで、しゃがみ込むと同時にブルマーとパンツを一緒に下へずらす。
(おお・・・・!)
薄く陰毛が生えており、それは恥丘を一層引き立てる。
さらに修二は能力を発揮し、美月の思考を読む。
(うう・・・・・早く出て・・・・早く出てよぉ・・・)
弱弱しい声が耳に入った。普段のあいつとは想像も出来ないほどに羞恥に染められた声だった。
どうやら外でお漏らしする、という恥辱的な行為のせいで、中々おしっこが出ないようだ。
美月は気を落ち着かせ、深呼吸。
(んっ・・・・・)
ぷしゃぁぁぁ・・・・と音を立てて金色の水が噴出した。
よほど我慢してたのか、それはゆっくりと長く続く。
お漏らし中も美月は辺りを気にして、顔を真っ赤にして、ひたすら終わるのを静かに待っている。
「ふむ・・・・・・良い味だ・・」
カレンはうっとりとした声を上げた。
おしっこが、ジョロロロ・・・・と最後の灯火を立てた途端、
パシャッ、とカメラ音が鳴った。
「え・・・」
と言ったのは修二と美月の両方。そして両者の視線の先には、先ほど体育館で腰を抑えていたクラスメイト―――三郎だ。
「ま、ま、まさかキミがそんな変態だったなんてねっ・・・」
太った身体。汗臭い顔と黒ぶちメガネ。クラスでも人気が無い三郎は携帯電話の美月の放尿シーンを突きつけ、いやらしい笑みを浮かべている。
「い、いやぁぁ! 返して、返しなさい!!」
ブルマを上げ、つかみかかろうとする。しかし、
「い、いいのかっ!? この写真をみんなにばらまくぞっ!?」
上ずった声だが今の美月にはそれを感じる余裕も無い。まるで子犬のような目で、返して、と懇願する。
「へ・・・へへへへ・・・・それなら俺のコイツをな、舐めろ」
三郎はゆっくりと卑下た笑みを浮かべつつ、ズボンに手をかける。
(・・・・・・なーんか気に入らないじゃん?)
「今まで人には試そうとしなかったんだけどね・・・・・危ないし」
冷ややかな笑みを浮かべて、修二は集中。
(ぶっ飛べっ!!)
念は完璧。しかし、三郎は何の影響も受けていなかった。
「え・・・」
馬鹿な。有り得ない。愕然とする修二にカレンが口を開く。
「修二、勘違いするな。お前にこの力を渡したのは羞恥心のためだ。そんな私利私欲の力の使い方を私は認めん」
「っ・・・・そういうこと、ね」
「良いではないか? お前の正体はバレない。お前に何の害も無い。お前があやつを助ける理由がどこにある?」
「・・・・・・・」
確かに何も無い。だが、それは打算的に見てだ。
「理由は、あるよ」
修二は自分の息子を突き出す三郎を見てカレンを振り切るように一気に駆けた。
(何でかな・・・・・・何で、母さんのこと思い出しちまうのかな?)
単なる恐怖に染まる表情を見るとなぜか母さんを思い出した。気に入らない。その想いが修二を駆け巡る。反対側の茂みを突き破り、視界に三郎を確認。そのまま右拳を顔面に打ち付ける。
「ごほぉぉ!?」
ぶっ飛んだ。右拳に痛みが走るが無視。倒れた三郎を思い切り踏みつけ、
「だせーっぽくね? こんなレイプみたいなことは、よ」
冷然とした瞳で、恐怖に染まった三郎を射抜いた。
638超能力の使い方:2007/08/24(金) 18:34:57 ID:nV4viGEw
うん。俺ってエロだけだと鬼畜になっちゃうんだ。今気づいたんだが。
だからちょっとストーリーじみていく。6エロ・4マジくらい。
エロオンリーローリーヒューマンにはスマソ。
639名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 20:31:45 ID:kYHfZ5Nd
>>638
俺はエロだけよりそっちのが好きだから大丈夫
でも7:3くらいにしてほしいかも。

そしてGJ!!これは三郎M化フラグですか?
640名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 20:50:15 ID:k/X3rRgb
イイネイイネ
641:2007/08/24(金) 21:01:27 ID:7o/Siwjh
GJ!
ところでそろそろ500kbなんで、次スレ立ててきたほうが良いでしょうか?
642名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 21:02:44 ID:kYHfZ5Nd
>>641
お願いします
643:2007/08/24(金) 21:14:02 ID:7o/Siwjh
立った!次スレが立った!

魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187957540/
644名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 01:24:54 ID:LzYK+tHt
ほしゅ
645名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 01:39:10 ID:vftUlgpy
なんというか保守じゃなくって埋めネタを待つかおとなしく圧縮落ちを待つ所じゃないか?
646名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 01:56:02 ID:GnYYhsyr
なんか書きてぇ…
647名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 11:48:44 ID:W0XJg6Ks
埋め
648名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 15:59:22 ID:sSa2QKnO
649名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 06:14:54 ID:EIq/ytJ0
図かずお?
650名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 13:03:49 ID:Y3tryO0X
産め
651名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 13:33:23 ID:KUqErUOD
よ増やせよ
652名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 01:02:36 ID:FJkWNyqN
653名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 04:15:03 ID:YkKDCxQq
654名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 04:15:35 ID:Oe2ERQYS
容量なんだから単レスで埋めても埋まらないと思うが・・・。
655名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 15:06:24 ID:YkKDCxQq
皆さん、1000までいってもこのスレは埋まらないらしいですよー!
656名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 16:35:00 ID:vDPUBS+T
埋めネタ待つか。
657名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 21:45:53 ID:U2IszhIF
ある日僕は超能力を得た。


女の子を操作した。



終わり。
658名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 17:00:12 ID:JUq+jg1x
あげ
659名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 17:32:24 ID:g4I79/a7
>>657
GJ!
続編期待してます
660名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 17:44:57 ID:v9SIShlG
>>657
>女の子を操作した。

なんかアンテナとリモコンが思い浮かんだ
ロボット的な意味で。
661名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 17:46:32 ID:3wyNG+qe
服を着たままパンツとブラをはずすように操作するんだ
662名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 18:06:42 ID:Msf+gtqL
>>660

「いけー!MAYUMI!ドッキングだぁっぁあ」

「うぃんうぃんうぃん」

真由美はロボットになりきり無表情のままその無毛地帯を晒した
そしてゆっくりと腰を下ろすのだった

こうですか?わかりません ><
663660:2007/09/10(月) 07:26:44 ID:HXtD72dn
>>662
よし、書いてくれ。
664名無しさん@ピンキー
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