1 :
◆SSHandMXxU :
テンプレ 整備中。
wikiについては、
○総合の入り口などがよくわからない
○貼っていいのか、貼られるのが嫌な人がいるのかわからない
○自身がwiki使ってないからよくわからない
ので、関連にURL貼っていません。
wikiを実際に使っている方々で相互にご確認いただいて、差支えがないようなら貼るか、
次からテンプレなどに追加してください。
以上、テンプレ終わり。
抜け落ち、テンプレ追加などあれば、各位、補完、提案願います。
では前スレに続いてマターリどうぞ。
4 :
こうき:2007/01/07(日) 01:52:28 ID:h6DPmTxo
誰かいますかぁぁ??
いきなり立ったから何事かと思ったけど、前スレ容量一杯になったのか。
一度も話題になってない浅井スレが関連スレに載ってたり良く分からん所もあるけど、
とりあえず
>>1乙。
あと、wikiはもともとここから派生したものだし、テンプレに入れてもいいんじゃないかなぁ。
おっす、俺、新規の神姫マスター
このたび妄想を形にした文章が出来上がったんだが、
ガチバトルの上に長すぎるからwikiにひっそりと掲載しようと思ってるんだ
でもwikiは使った事が無くて、試してみようにも他のページを壊すとかのドジを踏みそうだから悶々としてる
皆さん、こんな俺はどうすればいいと思いますか?
そ の 手 が あ っ た か
>>8 しかし神姫用うpロダなんてあったっけ?
うpロダならどこでもいいだろ
知らない人に見られるのが嫌ならパスかければいいし
ここでもいいとは思うけどね。元々、そのためのスレッドなんだし。
書いた本人=
>>7が、ここにカキコするには長すぎるその他の理由で避けたい、
遠慮したいというらしいから、それはそれでいいけど。
中味がガチバトルだからとかそういうことでこのスレ使うの忌避してるなら、
止めはしないがちょっと残念だな。というか、もったいない、かな。ま、いいか。
>>1乙です。
テンプレもれ補完。ここが抜けていちゃダメだよね。
武装神姫SS総合掲示板
ttp://yy46.60.kg/shinki6968/ >>7 総合掲示板ではwikiで連載をもっている作者さんたちが多く書き込んでいるのでこちらの先輩方にwikiについて質問するのが良いかと。wiki用スレもあるよ。
後から訂正、追加できるwikiは長めのSSには最適。
前スレでは残り容量もよく分からずSS書き込んで申し訳ない。
>>10-13アドバイスサンクス!
SSの気になる個所を修正してたら、気がつけばワンシーンまるまる追加する事態に陥ってました
文字数をカウントしてみたら軽く5000字を超えていて、スレに張るのは不適切と言う事でwikiに張らせてもらう事にします。
武装神姫SS総合掲示板のwikiスレを参考に試行錯誤してみたいと思ってます
>>14 早速読んでみた
普通に読みやすくて面白いと思う
出来る事なら連載して欲しいなと思ったり
最初のうちは「見さらせ、俺の男気!」って感じだったんだが、編集をしていくうちに顔が真っ赤になるほど恥ずかしくなってきた。
>>15そ、そんな状態の俺を誉めないでよねッ!
顔どころか体が火照ってくるほど恥ずかしいんだから……
>>16 読んだよ
いい感じにまとまっててGJ。
無茶なキャラ強化とかしないであくまで戦術でってところが気に入ったよ。
本当は設定発表時に書き込めれば良かったのですが、ノロノロと時間を掛けてこの有様…
◎月◎日
「へぇ、CSCって分けられないのか…」
たまたま神姫関係のサイトで解説されていた、神姫の基礎知識のページで(今更ながらに)知った驚愕の事実。
「ますた、知らなかったんですか?」
胸元にしがみ付く…いや、どちらかと言うとへばり付いていた黒子が、俺を見上げながら訊ねる。
実は神姫購入時、あまりにもテンションが上がり過ぎた俺は説明書の手順だけを見て、それがどう言う意味で行われるかを完全に無視していたのだった。
「他の神姫の時は、白子と黒子の起動手順をそのまま繰り返しただけで、説明書すらロクに見なかったからなぁ」
軽く笑って誤魔化して、ページをよく読んでみる。
どうやら俺は本当に適当な考えでCSCを扱ってたが、知らなかっただけでかなり重要な事が判明した。
「起動後に神姫の頭部は外せないんだ」
頭部・胴体・そしてCSCで神姫は『個性』を形成している為、神姫を停止させる事無くそれらを分かつ事は不可能だとか。
頭部を他の胴体に付け直す事で神姫の印象がどう変わるのか見たかったんだけど、外せないんじゃしょうがないな。
「仮に外す場合は、神姫を停止するしかない…ねぇ…」
「!?」
自分で言っておいてなんだが、冗談じゃない。
折角自分の神姫が自分の神姫としての我を持ったのだ。停止させるなんて有り得ない。
「ん?」
ちょっとした違和感を覚えて、胸元を見る。
すると何故か、黒子が小刻みに震えていた。
「ますた……“私”、捨てられちゃうんですか?」
「え?黒子…?」
両目に涙を溜めた黒子が、俺を見上げる。
「私、ますたとバイバイしたくないです。“私が私じゃなくなる”のは、怖いです」
そのまま俺のシャツに顔を埋める黒子。小さな嗚咽が聞こえてくる。
あ、そうか。さっきの俺の独り言を真に受けたんだな。相変わらず、家の神姫は純粋と言うか何と言うか…。
それと好い加減、何の気無しに独り言を言うのは止めなきゃと思っているのだが、如何せん癖はなかなか抜けないのが現状である。
「ゴメンゴメン、何もそうするつもりで言ったんじゃないよ」
泣き続ける黒子を抱きしめて、その頭をゆっくりと撫でる。
やっぱり神姫にとっても、捨てられる―自分の心が消滅する―のは怖いらしい。
否、心を持っているのだから、当然か。
普段神姫達を嫁だの娘だの恋人だのと言ってるクセに、ふとした弾みでそれを忘れてしまうのだから自分の馬鹿さ加減に腹が立つ。
「大丈夫だよ、黒子。俺は黒子達を停止させるつもりは全然無いから」
「本当……ですか?」
鼻水まで垂らした黒子が、恐る恐る聞いてくる。
黒子の鼻にティッシュを宛がいながら、出来るだけ優しく肯く。
それを見て安心したのかどうなのか、また顔を埋める黒子。
もっと神姫を大切にしよう―黒子を慰めながら俺はそればかりを考えていた。
GJ!
こういう無連結の短編も悪くないな
ようやくここに気付いた
他にも気付いていない人は多そうだな
本スレには誘導出てるんだけどねぇ。
>>18 昔から、あなたの書く神姫は特にかわいいなあ。
なんか、過疎ってるな。
本スレやふたばではっちゃけてる分、こっちは必要とされなてないのか……
別にSSスレってわけじゃないんだから、気軽に書き込んで欲しいな
神姫でのエロネタが思い付かないんよ。
「ねーマスタ、「きゃすとおふ」ってなに?」
PCを眺めていた猫型神姫−ティファニーが俺に聞いてきた。
「ああ、ず〜っと昔に仮面ナントカって番組があって、その主人公達が使った技らしい。
重たい鎧を投げ捨てて凄い速さでバトルしたとか」
「ふ〜ん、そうなんだ〜。あ、ひょっとしたらフランちゃんもそういうのできるんじゃない?」
不意に話を振られた騎士型神姫−フランが答える。
「確かに重たい鎧を捨てれば速く動く事ができるだろう。だがそれで目にも留まらぬ速さで動ける訳ではないし、
防御力低下のデメリットの方が大きいと思う。」
「なーんだ、残念。…あれ?なんだろ、この「キャストオフ可」ってのは?」
PCをいじっていたティファニーがそのリンクをクリックしようとする。その時俺はもう一つの意味を思い出す。
「まてティファニー!クリックするんじゃない!」
「え?」 カチリ
無情に響くクリック音。
そして画面に映し出されたのは鎧を周りに飛ばしながら全裸になってゆくサイフォスの姿であった。
「…」
「…」
「…」
固まる俺達。
「…マスター…」
声を震わせてフランが呟く。もしかして怒っていらっしゃる?
「ああ、いや…これはその…」
俺が悪いわけじゃないよなぁと思いつつ、なんとかこの場を取り繕おうと思考を巡らせる。
1・ナイスアイデアが閃き危機を脱出する。
2・助っ人が現れピンチを切り抜ける
3・無理。現実は非情である
1は思い付くならとっくに思い付く。2はティファニーが他のリンクを見てうわ〜とか言い出してるし、そもそもこういう場面では役に立たん。
ダメだ、人間諦めが感じだ、と腹をくくったところでフランの方を向く。
「あの…マスターは、こういうのが好きなのでしょうか?言って下されば私も…」
正解は4でした。
「あ〜、ずるい〜!ティファニーもやる〜!」
って二人ともなんで武装を付けてますか。
…てなわけでなぜか二人のキャストオフするところを鑑賞する事に。
「じゃあいくよ〜」「いきます」
「あ、はい、どうぞ」
といった後、俺は本来のキャストオフを思い出す。
「あ、ちょっとま…」
「「キャストオフ」」
「ごふっ!」
勢い良く飛んできた二人の鎧は俺を直撃した。
「あ…」「きゃ〜マスター!」
呆然とするティファニーと悲鳴を上げるフラン。
そんな二人に俺は言った。
「コレ…実戦で使えるかもな…ガクリ」
原因不明の故障によりPCがアボンし、データがトンデルトンデル状態になった為、
第4話の執筆及びwikの掲載がかなり遅れていますorz
と言うか………やっと書きこめたよ……うう……(涙
第五弾来たみたいだね。
人魚が妄想するまでもなくエロいんだが……。
ふと思ったが、人魚自体が船乗り達のエロ妄想の産物なんじゃないか?
>>29 エロ担当かも。
しかし、魚子がエロすぎるから、ジルダリアのエロさが吹き飛んだ気が。
光の速さで技術が進歩して
人魚の乳が柔らか素材になりますように…。
胸部は別パーツなわけだけど、形成色は顔と合わせた肌色にして欲しいな。
当然貝殻みたいのは別パーツで。
ダボ穴は許さん!!
あのきょにうは武装扱いで、素体状態だと通常の胸が付いてるとか。
>34
普通にそういう仕様だと思ってたんだが…
こんどの素体についてくる巨乳パーツと同じのがデフォルトでついてくるんじゃない?
好みとしては鳥子の方だけど、こっちは巨乳じゃないのね。いや、ノーマル胸部パーツは巨乳だと思うが
>>35 スマン、こういうニュアンスのことが言いたかった。
犬子「あの子、胸大きいですね」
猫子「うらやましいにゃー」
黒子「ふん、でかけりゃいいってもんじゃないわよ!…たぶん」
白子「私もあのくらいあればマスターと…」
魚子「あの…あんまり見ないで下さい…恥ずかしいです…」
騎士子「あ、逃げた」
武士子「いくら同姓とはいえあからさまにジロジロと入るのは関心しないでござる」
一同「は〜い」
魚子「言えない、この胸がオプションパーツだなんて言えない…」
>37
rikaisita www
>37
YOU!どうせならミサイルにしちゃいなYO!
ほんとにお前らおっぱい好きだなぁw
現物の肌色がどうなるかが心配だな
ところで鳥子の方、あの武装パーツの中に胸が収まってるようには見えないんだが。
胸当ての厚みも考慮するとひんぬーかな?
>>43 従来神姫と同じく、パーツ差し替えでしょ。
ああ、スマソ。設定上貧乳か?つうことだよな!
魚子がきょにうで鳥子がひんぬーといった感じで対でデザインされてないかなーという希望です。
でもやっぱ普通胸なんだろうなぁ・・・
犬子「あの子の胸は小さいですね…?」ボソボソ
猫子「ちょっとかわいそうだにゃー」ボソボソ
黒子「「ふっ、勝った」ボソボソ
白子「しかし、世の中には小さい方が好みという殿方もいるとか。まさかマスターも…」ボソボソ
鳥子「あれ?先輩方、なにを話していらっしゃるのです?」
白子「いや、鳥子さんの装備カッコイイですねって」
鳥子「そうなんですよ、私もとっても気に入ってるんですが…っとさすがにちょっと苦しいですね。ちょっと待っててくださいね」
カチリ…バイン!
鳥子「ふぅ、苦しかった」
一同「って胸でかー!」
魚子は胸が大きいだけじゃなく、肌色の面積も大きいからエロイと思うんですよ。
◎月▲日
「お?!おおおおお!これは!!」
某有名、つい最近閉鎖問題が出たり引っ込んだりした掲示板で見つけた最新神姫情報。
次の神姫のモチーフは“貧乳”鳥子と“爆乳”魚子。
鳥は兎も角、魚はなんつーエロイ神姫なのだろう。イカン。これはとても凄くけしからん。
無意識の内にパソコンのディスプレイを凝視する。
おっぱいは大きい方が良いと思う俺。
画像が少し荒く、細かい部分が良く見えない為、余計な妄想が泉の如く湧き出てくる。
「これは是非とも購入して、その触感をたのしm…いや、あじわu……いやいや、調べてみなければ!」
何やら既に予約受付が始まっているようで、慌てて予約ページを開こうとする。
「!」
瞬間、背中に何やら強烈なプレッシャーを感じる。
慌てて振り向くと、恨みがましい目で俺を見上げる愛しの貧乳神姫達。
案の定、黒子は泣きそうになっている。
しまった、他の神姫がいた事をすっきりさっぱり忘れてた…。
ガチャリ…
視界の端、耳元で金属的な音が響いた。
どうにも否な予感ばかりがして、不吉過ぎる。
ゆっくりと視線を横にずらすと、完全武装状態の騎士子と武士子の雄々しい姿。
どちらも槍を構えている。勿論、その切っ先が示す先には俺。
顔を完全に覆っているにも拘らず、その兜の下から強烈な殺意が滲み出ていた。
「ど、どうしたん……ですか?騎士子さんに武士子さん…」
迫力に圧され、つい敬語になる。
冷や汗と震えが止まらない。蛇に睨まれた蛙は、きっとこんな気分なのだろう。
「我が主…」
抑揚の無い、冷たい騎士子の声。
「主殿…」
こちらは怒気やら怨念までもが詰まっていそうな声の武士子。
「胸が大きいだけならいざ知らず、こんな格好の神姫がお好みで?我が主」
「確かに私達では揺らし様の無い胸を持っているようですが、あの破廉恥は姿には抑え難い怒りを禁じ得ません」
御二方とも、どうやら本気のご様子。
つまり、俺が胸が大きい上にエッチな格好の神姫に、鼻の下を伸ばしてるのがお気に召さないと?
仕方ないだろう。俺も男だ。
胸が大きいだけじゃなく、肌色の面積が大きければ大きいほどマイサンが元気になるのは自然の摂理。
「あんな…あんな神姫に我が主を奪われるくらいなら…」
「主殿を殺して…私も後を追います!」
「待たんかい!!」
何このバットエンド?何処かで死亡フラグ立てたのか?
騎士子も武士子も襲い掛かってきやがった。
その後は迫り来る騎士子と武士子を参式斬艦刀で迎撃しつつ、ついに泣き出してしまった黒子をなだめ、更に他の神姫をフォローを入れながら夜は過ぎて行った。
明日も仕事だ…。
それではひんぬー鳥子は俺の嫁ということで
>>47 花子種子の時も同じ事にならなかった?
「うをー下着姿ー!というか下乳ー!!」
>>48 俺は種子を貰う
>>25 PCアボンだったのか…
第4話楽しみに待ってるよ
51 :
リンのマスター:2007/01/17(水) 14:31:14 ID:BEpPZ/ar
流れに乗れてるのか分からないが…
>>48-49 俺は花子を貰い受ける。
うを、コテハンはずし忘れた…orz
自らを戒めとして、すこしまとめを更新。
4スレの過去ログのhtml化と5スレをリンクに追加。
2月下旬に全ての更新を行います。もうしばらくお待ちください。
よし、じゃあ白子は俺の嫁だね。
我が家に来た神姫達は、全員嫁であり娘であり妹であり姉なんだぜ?
ヒャッフゥー!!
「なんなよの〜これ〜〜!」
「どうしたのですか、お姉さま?」
某掲示板を見て素っ頓狂な声を出した来月発売予定の花型MMS「ジルダリア」(以下花子)に対し、
同発売予定の種型MMS「ジュビジー」(以下種子)が訊ねた。
「どうしたもこうしたもないわよ!コレみてよコレ!」
と言われ種子はモニターを覗き込んだ。
「これは…第五弾?もう発表されたのですか。でも私たちも随分前から発表はされてましたよ?それほど驚くことでは…」
「問題はそこじゃないわよ!なんなのよ、この反応は!」
そういってスレッドの方に目を移す。
『魚子エロすぎ』
『けしからん乳だ』
『魚子は俺の嫁』
『魚子タンハァハァ…ウッ!』
「…なんか凄い書かれようですね」
「なんてことなの!本来なら発売まであと一ヶ月に迫った私の美貌を待ちこがれるスレで埋め尽くされてるはずなのに!」
「いや、いきなりの新情報ですし…」
「しかもちょっと前まで『下乳ハァハァ』とか『花子エロすぎ』言ってたのにこの態度の変わりようは一体なんなの?」
「いや、それもどうかと…」
「やっぱり胸なの?下乳出すだけじゃダメだっての?こうなったら開発の連中に言って私も巨乳化、ついでに全乳に…」
「やめてくださいお姉さま!発売中止になります!」
「止めるな種子!どうしてもというなら私を倒して止めなさい!」
「解りましたお姉さま」
ごちん!
「きゅぅ〜〜〜」
種子の活躍で今日も平和は守られた!
だがまたいつ危機が訪れるかわからない。
戦え種子!真の平和が訪れるその日まで!
「勝手に終わるな〜〜!」
>>58 大騒ぎの花子・種子を尻目に、黙々と大砲を磨く神姫が居る。
同じく来月発売予定の武装神姫EXウェポンセット”フォートブラッグ”、通称砲子である。
彼女にも話を聞いてみよう。
−発表された第五弾について、どう思いますか?
「そうですねぇ、兎子先輩の妹さんがちょっと気になりますね。私にも妹出来るといいな。」
−いきなり大人気の魚子さんと鳥子さんについては?
「鳥子さんは正統派の印象を受けます。飛べるっていいなぁ。」
「魚子さんは...男の人ってエッチですね。(笑)」
−EXウェポンの扱いってどう思いますか?
「...今はこうして撮影用の体がありますけど、買って下さるマスターの元へ行くときは頭と武装だけです。」
「だからせめて、今のうちに武装を磨いておこうと思って。(寂笑)」
「素体買って下さいとはいいません。武装も先輩方の強化に使って貰って構いません。」
「だけど、もし、もしお許し頂ければ、私を仕舞い込まないで下さい。」
「私はマスターのおそばに置いて頂ければ、胸像状態でも嬉しいです。」
−い、いや、きっと素体もセットで買ってくれますって。”砲子には砂色ボディだ”って言うし。
「砂色?フ、フレッシュのことですか!?わ、私は半乳どころか下半身裸候補なんですか!?」
「さ、さらにその状態で閉じたり開いたり?!はわわ...」
−あ、いえ、そういうことじゃ
「キャーキャー、男の人って本当にエッチ!!変態!!痴漢!!(照準セット)」
−ちょっ!ロックオン許して!ロックオンだけは!え、マジde?ギニャーーー(逃走)
その後、インタビュアーの姿を見たものはいない...。
SSを書き始めてふと思ったのだが、
あんまり俺ワールド盛り込みすぎてずっと俺のターンやるとお前らに怒られそうだな。
>>59 砲子と素体もう一個注文したくなってきた。どうしてくれる。
>>60 俺ワールド基準がよく分からんのだけど、あんまり心配ならwikiの
単発投稿用のページにでも投稿しとけばいいんじゃない?
あそこは何でもありだから、他人のページ荒らしたりでもしない限りは
海馬並みに俺のターンでも大丈夫だと思う。
まああんまり、気にしなくていんじゃね?妄想スレだし
過疎ってるし
63 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 17:17:14 ID:W6C52Cxy
悪いが、魚子、鳥子って何?
65 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 17:30:27 ID:W6C52Cxy
64さん。すいませんメールは見れないですOTL
ぶっちゃけ、第五弾。
67 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 17:33:56 ID:W6C52Cxy
dクス。
メールじゃなくてただの画像掲示板なんだが
>>60 本当にずっと俺のターン話だったらワロス
>>61 買うのだw
つか、素体発売延期orz
70 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 21:25:14 ID:1qqAIxNp
皆さん、はじめまして。私は砲台型MMSフォードブラッグです。
名前は……ウフフ、なんとマスターは、最強の戦車の名前をつけてくれました。
私の名前は、『チハ』といいます。
〜 がんばれ! チハたん 〜
「お〜い、チハ〜そろそろ行くぞ〜」
あ、マスターが呼んでいます。
「は〜い、いまいきまぁ〜……っと、とと、きゃ!」
ポテン!
マスターの元へ走ろうとしたら足が絡まり転んでしまいました。
「うぅ〜、痛いですぅ〜」
「大丈夫か?」
マスターが私を拾い上げて頭をなでてくれました。
「はい、マスター」
「あぁ、もう、かわいいなぁ」
私がニッコリ笑うとさらに頭をなでてくれます。
「じゃぁ行こうか」
「はい」
マスターの肩にちょこんと乗っておでかけです。ただのおでかけじゃありません。
これから行くのは、神姫センター。そう、バトルを行うのです。
えっと……戦績は、きかないでください……
センターまでの道のりは、マスターとの楽しいおしゃべりで時間がすぎていきました。
「チハ! マシンガンで牽制!」
「はい!」
手に持ったマシンガンを空中に乱射し、上空で降下体制に入ったアーンヴァルのコースを遮ります。
アーンヴァルは旋回して一旦離れました。
「よし! 距離を取って砲撃」
「はい!」
私は、背後の大きな瓦礫をいくつか、よいしょと越えていき、少し開けた場所で装備を展開します。
背後のバックパックになっているユニットを足にして、それに座るように乗り、ヘルメットのゴーグルを下ろします。
そして、上空から迫るアーンヴァルをターゲットにして……
両手で耳をふさぎ、といってもヘルメットの上からですが……
ぎゅっと目を閉じて、俯いて身体を小さくし……
小さい声で、発射と呟きます。
ズドォォォッン!!!
「きゃ!」
轟音と共に小さく悲鳴をあげてしまいました。
「えっと、相手は」
目をあけてきょろきょろしていると、急に目の前が暗くなりました。
「え?」
目の前にあるものが、アーンヴァルの顔だと気がついたとき、試合が終わりました。
「ま、がんばろうな」
「はい……」
帰り道、しょんぼりしている私にマスターが声をかけてくれます。
以前マスターに、なんで砲撃のときに目をつぶる?と聞かれました。
こわいんですもん……と答えたら、かわいいかわいいと言っておもいきりなでなでしてくれました。
戦績いまだ0勝 がんばれ!チハたん 世界最強の萌え戦車を目指して
私の名前は「アルゴ」、砲台型MMSフォードブラッグだ。
今日は待ちに待った公式戦デビューの日。
この為に隊長(マスターの事)の元、辛い特訓に耐えてきたのだ。
隊長「いいかアルゴ、オマエの対戦相手は長距離型のハウリンタイプだそうだ。
だが長距離戦はオマエの最も得意とする所。練習通りにやれば必ず勝てる!
あの特訓の日々を思い出せ!」
アルゴ「イエッサー!…目標をセンターに入れてスイッチ、目標を…」
『まもなくサードリーグ第4試合が開始されます。
対戦者の方々は速やかにアクセスポッドへのエントリーをお願いします』
…と試合開始のアナウンスが流れた。
隊長「よしいけアルゴ、相手をその火力で粉砕してやれ!」
アルゴ「イエッサー!」
私はバーチャルフィールドへと転送された。
さて対戦開始、フィールドは荒野だが足場はさほど悪くない。
早速レーダーに敵影確認。相手の方へと向きを変え、機体を固定させる。
アルゴ「目標をセンターに…なんだあれは!」
http://shinkiup.daa.jp/upl4/src/1168149166440.jpg 驚く私に対し、キャノン、ミサイル、ランチャーが雨のように降り注ぐ。
避けようにも機体を固定してしまっているので避けようがない。
アルゴ「あ〜れ〜!」
圧倒的火力で粉砕され、私にのデビュー戦は黒星となってしまった。
アルゴ「申し訳ありません隊長…」
隊長「いや、俺の認識不足だった。まさかあんなヤツがいようとは…
明日から特訓のメニューを変えないといけないな。」
アルゴ「イエッサー!」
???「あのー」
対戦相手のマスターが話しかけてきた。
隊長「あ、先ほどの…いやーお強いですねー」
相手マスター「いや、それほどでも…それより、ちょっと気になったもので。ひょっとして、今回が初めての参加ですか?」
隊長「はい。家庭用シミュレーターで特訓はしてきたのですが、やはり実戦はちがいますね」
相手マスター「いや、ちょっといいにくいんですが…相手の確認もしてないうちに射撃モードにして動けなくしてしまうのはどうかと…」
隊長・アルゴ「「あっ…!」」
本日の教訓
『対戦相手の確認はしっかりと』
なにこの萌え戦車対決
是非萌える戦車学校へ。
俺、無事に砲子買えたらチハって名前にするんだ・・・
俺はコンピュータが発狂しそうな名前にする
戦車じゃなくて砲台な気もするが
>>76 当たりだ
あれ、今思うとマイケルジャクソンハミルトンブッシュだったかもしれない
パーティーしようぜ、砲子!!
うーん、どうしても文章が単調になってしまう…
>>79 過度に感想を期待したり、批判を恐れたりしないのなら
気にせず書いちゃえYO
んー、じゃあ、ここに書いたの貼りつけちゃっていいのかな?
連続レスで大容量な内容ならwikiの方がいいよ。
後から訂正もできておすすめ。
荒れたってのもあるけど、wikiの利便性考えると続き物なんかはあっちの方がいいと思う。
砲子です。
オーナーに買われてこの家に来て、可愛がられています。
先輩方も優しくしてくれて、私のような新兵でも楽しくやっていけてます。
ですが、ある日知ってしまったんです。
……オーナー、戦車よりもヘリの方が好きなんです。
じゃあ少しだからこっちにうp。とあるとこにも書いたからもしかしたら見たことある人もいるかも…↓
うー。まだか…まだ来ないのかっ!
―ピンポーン
きたっ!
俺は駆け出す。財布を持って。玄関へ。
代金引替の手続きを済ませた俺の手には段ボール箱。品名の欄には「武装神姫・ハウリン」と書かれている。
発売当初から武装神姫には興味はあった。だが金がなかった。
しかし今月は何故かバイトの給料が多い。これは今しかない!ということで、通販で購入したのだ。
ではさっそく開封してみようか。
解説によれば、箱を開ければ自動的に起動するらしい。その直後にマスターの登録等が行われるようだ。
落ち着いて、封を開け、取り出す。すると犬型のMMSハウリンはゆっくりと目を開き、
「あなたが、私のマスターですか?」
そう言葉を発した。そこで俺はすかさず言い放つ。
「マスターじゃない!!『お兄ちゃん』だっっっ!!!」
つづく?
続きwktk
>>85 ラスト一行にマジ吹いた。GJwwwwwwwwww
wktkとかGJとか書かれたら嬉しくて次うpしちゃうじゃないか!
「マスターじゃない!!『お兄ちゃん』だっっっ!!!」
しばし沈黙。その後にハウリンは口を開く。
「…お、お兄ちゃん…ですか…?」
「そう、お兄ちゃん」
またしばし沈黙。
「マスターでは…ないのですか…?」
「マスターだけどお兄ちゃん」
そして、またしばしry
「で…では、マスターはあなたでいいんですよね?そして呼称はお兄ちゃん、と?」
「うん、そういうこと!
あー、あと名前だよな。ちゃんと考えといたんだ、『ぽち』!どうだ、いいだろ!」
「ぽ、ぽちですか、犬のような名前ですね…」
「もしかして、いやだったか…?」
俺が不安そうに聞く。
「そんなことないです!マス…お、お兄ちゃんが付けてくれた名前だからうれしいです!これからよろしくお願いしますね、…お兄ちゃん」
「そっか!ならよかった!よろしくな!」
いや、しかしこいつは思った以上に可愛い。顔赤くして「お兄ちゃん」は反則だろう。まぁ、俺が呼ばせてるわけだけども。
と、そんなことを考えていると。
―ピンポーン
「こんちわー、佐川急便でーす」
本日二度目の宅配便。俺は何が届いたか、わかっていた。
「お、ぽち、妹が来たぞ!おいで!」
そう言ってぽちに手を差出しつつベッドの上に置いてあった財布を掴む。
「妹?…ですか?」
ぽちは不思議そうな顔をしながら首を傾げている。うん、可愛い。
ぽちを手に乗せ、俺はまた玄関に向かった。
さて、また段ボール箱が一つ。今度の箱には「武装神姫・マオチャオ」と書かれている。
「マ…お兄ちゃん、もしかして妹とはこのマオチャオタイプのことですか?」
箱の上に移動したぽちが聞いてくる。
「お、さすが察しがいいね。そう、こいつがおまえの妹だ!ぽちの妹にするためにわざわざ配送時間をずらして指定したというわけよ。」
部屋につき、ぽちは床にひょいっと飛び降り、
「そ、そうなんですか。でもそれなら起動させる時間をずらせばよかっただけなのでは…?」
と的確なツッコミをくださった。
「言うな。俺も今そう思ったけど言うな。それより、早速起動させてやろうじゃないか。」
俺は誤魔化すように、箱を開封していく。
「おはよー!きみがますたー?なんだかちっちゃいねー!」
そう言ってぽちに話掛ける猫型MMSマオチャオ。天然ですかー?
ぽちはなんだかびっくりと困ったが混ざったような顔をしている。
「いやいや、俺を無視しないで欲しいかなー、なんて」
こちらから声をかけてみる。
「おー、あなたがますたーだね!なんだか違うと思ったんだよー!で、で!なんて呼べばいい!?あとあと、名前ちょーだい!」
元気な子だなー。マオチャオってのはみんなこう元気なのか?そんなことを考えつつ、答える。
「よし、お前の名前は『たま』!俺のことは『兄ちゃん』だ!」
「おー!ねこみたいでかわいーねー!たまはたまだぁ!へへ、ありがと、兄ちゃん!よろしくね!」
たまはそう嬉しそうに言った。喜んでもらえて何より。
「あぁ、よろしく。ちなみにこっちがぽち。お前のお姉さんだ。」
そう紹介する。
「ぽちです。よろしくお願いしますね、たま」
「うん!よろしくね、姉ちゃん!」
「姉ちゃん…妹っていうのも悪くないですね。」
仲良くできそうで何より。これからの生活、楽しくなりそうだな。
つづきかねない
グシャ、バキッ!!
俺は見事に吹っ飛ばされ後ろに積んであった玩具を潰した……潰した?
アー!!限定版のブラックゲッ○ーロボがぁぁぁぁぁぁ………
〜時を遡ること数時間前〜
俺は量販店に向かっていた。
今月のバイト代でやっとパソを買い換える目標金額が貯まったのだ!!
ウキウキ気分でパソ売り場に向かう…が玩具売り場がなにやら騒がしい。
なんだろうと覗いてみたら今人気の『武装神姫』が緊急入荷したらしい。
売り場に行き手に取ってみる。
自立AIが搭載されているフィギュアでカスタマイズも自由自在とな…
ちなみに値段はいくらだろう。と値段に目を通してみた。
「えっ!!??」
周囲の目が俺に集められた
おっとまずい、軽くペコペコしながらその場を離れた。
武装神姫の箱を持ちながら……
家路についたとき手には武装神姫が入った袋が…なんかもう衝動買いですよハイ。
値段には驚愕したがね、今日買おうとしてたパソの9割の値段って何よ?
それで買う俺も俺だがな。
まあ多少興味もあったし、こんな可愛い娘(つっても15cmほどのフィギュアだが)がうちにくるなら悪い気はしない
もうご主人様と言われた日にゃ(ry
俺はワクワクしながら家に帰った。
家に帰り電気を付ける。
目の前には玩具の山。
まだ開けてないやつや空き箱などが積んであり棚には色々ポーズをつけてあるアクションフィギュアやらロボやらがたくさん。
美少女フィギュアも少々。
まあ俺は一般的に言うオタクだ、主に燃え:萌え 7:3くらいってどうでもいいか。
箱類をかきわけ空きをつくり武装神姫の箱を置く。
よく見たら悪魔型らしいなこれ、よく見ずにつまんできたから分からんかった。他に何があるかネットで調べてみるか。
とりあえず箱を空けてみた。
なんか起動音かわからんが音が鳴り神姫の目がゆっくり開いてく…
…………なんですの?男の方がこちらをのぞいてる……あ、もしかしてこの人が私のマスターかしら?……手を伸ばしてくる…取り出してくださるのかしら?…ってちょっそこは!!??!?!!???!!??
あれ、こっち見たままだな。箱から出られないのか?
と思い神姫に手を伸ばし掴んだ。
だが掴み処が悪かったんだろう、まさか神姫も人間と同じように反応するとは…
次の瞬間 神姫は手元から消えており目の前に姿を現した、真っ赤な顔と悲鳴と共に。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
と俺の頬を一蹴り
で最初のシーンに繋がるってわけだ。イテテ
「いきなり乙女の胸を触るなんてどういう了見ですの!!」
「いやち、ちょっと待て。俺は君が箱から出られないと思ったから取り出そうとした、その時触ったのがたまたま胸だったんだ!故意はないマジで。」
「うそおっしゃい!どうせ興味本意でお触りになったんでしょう!あー汚らわしい!!」
うわ完全に誤解してるよ…
「いや本当に業とじゃない、動かなかったから心配になって無造作に取り出しただけだ!」
「…本当ですの?」
「あぁ、本当だ」
「…まあ、いいですわ。
今回は許してさしあげます、でも次はないですからね!!」
腕を組ながらそういい放つ神姫、そして言葉を続ける
「で貴方のお名前は?」
「あ、あぁ藤岡大紀だ」
「藤岡大紀…登録完了、よろしくお願いしますわ大紀」
あれ神姫って普通マスターとかご主人様って呼ぶんじゃ、まぁいいか。
「で大紀、私の名前は?」
あ、名前付けるんだっけか
「うーん雅子?」
「殴りますわよ?」
もうこれ以上コレクションを壊されるのは勘弁だ…
「うぬぬ………じゃあアリエスってのはどうだ?」
「やればできるじゃないですの!気に入りましたわ、これからよろしく大紀」
「あぁアリエス」
こうして俺とアリエスの新しい生活が始まった
「あ、アリエス、やっぱ俺のことはご主人様っtグフォ…」
「何かおっしゃって?大紀」
続くとか続かないとか(ぉ
つうわけで便乗して載っけてみました^^;
駄文ですがよろしければドゾー
ごめん、言っちゃ悪いが神姫SSのテンプレだわ。
他の作家と違うパターンがまったくない。つまらなくはないけど面白いところが何もないよ。
>>88-89 猫子いいな。これからの展開もwktk
>>90-91 初期起動話は、皆同様だから気にすんな。
やはり、これからの展開が楽しみ。
>>93 やっぱりか…どうすれば面白いか、よく考えてみる。
意見どもですm(__)m
>>94 たまだっ!とか言ってみる
他の作品と変化付けられるよう頑張ってみます。
こちらも意見どもですm(__)m
>>96 ごめん、たまかっ!w
日常話大スキーな俺としては、とても続きが楽しみなのですよ。
>>93 同意するけど、狙いすぎてまとまらなくなるよりはいいんじゃね?
>>93 そうきっぱり言っていただけるとありがたい。少し試行錯誤してみます。
>>94 ありがとうございます。
一応二話も出来てますが少し見直そうかと思います。
ご意見ありがとうございましたm(_ _)m
皆様こんばんわ、チハです。
今日は私の、ある日の過酷な訓練の模様を紹介します。
〜 がんばれ! チハたん 〜
0600 マスターの起床と共にスリープモード解除
ジリリリリリリリ!!
「!!」
ポン!
「ん……おはよう、チハ」
「あ、おはようございます、マスター」
「あのさ…そろそろ、目覚ましにビックリして、顔に落っこちてくるの、やめにしないか?」
「……はい……努力します」
0630 マスターの朝食及び本日の予定確認
「あの……今日のお帰りの時刻は……」
「ん? ああ、今日は遅くなりそうだ」
「え?」
それを聞いて、じわっと涙が……
「おいおい、そんな顔するなよ」
「ぐすっ……なるべく、はやくおねがいしますね……」
「わかったよ」
0750 マスター出社
「いってらっしゃいませ」
「いってくるよ」
そういって頭をなでなでしてくれます。
0800 マスターの部屋での訓練開始
バトル用フル装備でマスターの部屋をフィールドに見立てて訓練を開始します。
「今日は、本棚の裏からベッドの下までにしましょう」
範囲を決めて、作戦開始です。
本棚の隙間から裏側にまわり、周囲を確認。
手に持ったマシンガンを構えて、撃つ真似をします。
「ババババババババ!! ドーン!」
ふうと息をつき、マシンガンを下ろします。
「敵MMS撃破!」
そう言って先に進み、本棚を抜けてベッドの下へ行きます。
「ベットに到着、作戦第2段階に移行」
周囲確認をしてマシンガンを構えてゆっくり進みます。
カサ……
「?」
物音がしたのでそちらの方へ。
カサカサ……
「!!!!!!」
ババババババババ!!
物音の主を発見したとき、実際にマシンガンを撃ってしまいました。
ブーン
「き! きゃぁぁぁぁ!!」
そのものは私に向かってきました。
私は急いでベッドから走り出て、後ろを確認したとき……
ピト
「う……」
私の顔に張り付いたと同時に私の意識は途切れました。
???? マスター帰宅
「おい、チハ! しっかりしろ!」
「あ…あ、ますたー?」
「大丈夫か?」
「う、うわぁぁぁぁぁ!! こわかったですぅぅ!!!」
私は号泣してマスターに抱きつきました。
マスターはやさしく撫でてくれて、私の話を聞いて……
それから、一緒にお風呂に入って、身体を洗ってくれました。
きゃ!
そしてその日の睡眠の時に……
「あの…今日は一緒に……寝ていいですか?」
「ん? もう、甘えんぼだな」
そういってマスターは私をお布団の中に入れてくれました。
私はマスターの横でスリープモードに入りました。
以上、とても激しい訓練でした。
∩( ・ω・)∩チハタンばんじゃーい
うわ〜
気が付いたら新作が投下されてる。
どっちもつづいてくれるとうれしいな〜
>>84こんな感じか?
砲子です。
兎先輩に相談しました。
「オーナー、エアーウルフのDVD観て目を輝かせてるんです。やっぱり戦車よりヘリの方が好きなんですよ」
「あー、あれね。でもオーナーは戦車も好きよ?」
「本当ですか?」
「本棚を見なさい。『ティーガー戦車隊上下巻』に『泥まみれの虎』よ」
「──!ほ、本当です!オーナーは戦車も好きなんですね!!」
(まあ砲子ちゃんのコンセプトは戦車じゃないんだけどね。それとこのブルーサンダーのビデオは隠しておこっと)
皆さん、こんばんわ。チハです。
今、バトルロイヤルの最中なんです。
〜 がんばれ! チハたん 〜
「あ、また一人アウトになりましたね」
私は、開始直後に瓦礫の中に潜り込み、砲撃モードでじっとしています。
駆動系を落として、レーダーだけ働かせ、状況を把握している最中です。
ゴーグルに写る光が動き回り、次第に数が減ってきています。
「みなさ〜ん、がんばってくださ〜い」
小声で応援します。
そして、光の動きが収まり、音もしなくなったと気が付いた時、私は自分の目を疑いました。
光の点……つまり、稼動中の神姫の反応が、2つ重なっていることに。
ひとつは、私……もうひとつは……
ゴォォン!!
「きゃぁ!」
目の前の瓦礫が崩れました。
「いつまでかくれんぼしてるつもりだい? えぇ?」
最後まで残った神姫が開いた穴から覗き込んできます。
「いい度胸じゃないか」
すっと手を伸ばして私の顔をなでます。
「ひ…ひぃ……」
「動けないみたいだし、ゆっくりいたぶってあげるよ!!」
その怒鳴り声に、私は屈みこんで震えました。
そして、咄嗟に…発射……と呟いたのです。
ズドォォォォン!!
目の前に居た神姫が光となって、掻き消えていくのが見えました。
勝者チハ!
「……か、かっちゃった……」
私は呆然としたまま、表彰式が終わり、お家に帰ってお祝いをしました。
∩( ・ω・)∩チハタンばんじゃーい
ちはたん可愛い!ちはたんの後だと駄文がさらに駄文に見えるけど頑張って2話書いてみたのでうpしてみる。
「それでねー、兄ちゃんが学校行ってるときに姉ちゃんがねー!」
「たま!それは言わないでって言ったでしょう!」
俺の肩には2体の神姫。そう、俺の妹達とも言えるぽちとたまの2体だ。
今日は俺も休みだし、たまには出かけようということで、近所の店に3人で買い物に来ている。
こいつらが家に来てからも、別に学校がなくなるわけでもないのであまり遊んだりしてやれなかったしな。
「あ、お兄ちゃん、あれはなんですか?」
そんなことを考えながら街を歩いているとぽちが問い掛けてきた。指差している方向を見るとソフトクリーム屋。どうやら店の前に置いてあるソフトクリームの置物(?)が気になったらしい。
「あぁ、あれはソフトクリームっつー食い物だよ。甘くて美味い…あ、買ってやるよ。」
買ってきたソフトクリームをぽちとたまに差し出す。
恐る恐るといった様子で2人は口を付ける。
「わ、冷たくて甘い…」
「おー!新しい味だねー!」
そう言って喜ぶ2人。買ってやってよかったよかった。
「どれ、俺も少しいただこうかね」
ひょいと、俺は自分の口へとソフトクリームを運び、ぺろり。
うん、美味い。寒いけど。
「あ…」
ぽちが微妙な声をあげた。
「ん?どした?」
「兄ちゃん、そこ姉ちゃん食べてたとこー!間接キスだー!ずるーい!」
は!?間接キス!?
なんとなく赤くなってしまう俺とぽち。いやしかしずるいってなんだずるいって。
相手が神姫とはいえ、なんか恥ずかしい。神姫という前に女の子として意識してしまっているということだろうか。
などとやっているうちに目的の神姫センターに到着。ここは地元でもなかなか大きいところで、バトル用のパーツはもちろん、さまざまな服やクレイドルなどのオプション機器も取り扱っているのだ。
「おー、おっきいねー!」
「あぁ、この辺じゃ最大だからな。てか神姫関連の取扱店はあっても、ここしかちゃんとした店はないしな。」
中に入ってみる。やっぱり中もでかいなぁ。なんだかテンション上がってきたかも。
「よし!お前ら好きなもの買ってやる!服でもなんでも持って来い!」
テンションのままにそんなことを口走る俺。
「おー!兄ちゃん太っ腹ー!姉ちゃん、あれあれ、あの服かわいー!」
「あ、こらたま、ひっぱらないでー!」
そう言って棚の前に備え付けられた神姫用通路に飛び移り、早速物色をはじめた。見失わないようにしっかり見張ってないとな。うん。
しばらくして2人は戻ってきた。たまは大量に商品を抱えて。ぽちは控えめに。性格が出てますねぇ。
「お兄ちゃん、あの、本当にいいんですか?」
ぽちが微妙に心配そうだ。
「大丈夫だって、貯金もちゃんとおろしてきたしさ」
そう笑顔で答えてやり、2人の持ってたものの会計を済ませる。
…大丈夫とは言っても少し痛かったけど。
「あー、今日は楽しかったねー!」
「えぇ、そうね。お兄ちゃん、今日はありがとうございました」
空は夕焼け、帰り道。例により肩に乗った2人は嬉しそうだ。
「そか、よかったよ。今度はもっと遠く、行ってみような」
そ、俺たちの生活はまだ始まったばかり。まだまだやりたいこと、行きたい場所はいっぱいだ。
そのために頑張って金も貯めないとなッッッ!!
つづくかもしれぬ
では失礼しました。
すげえ!最近盛り上がってきてんじゃんか!がんばれ!
やはり、たまが、かわゆ、すぎる。
ちは、いいね
ぽちたまさんの方は妙に空行が多くて読みづらいかも
マスターが付属装備に手を加えたというのでテストを兼ねてのフリー対戦をするために神姫センターへと来た。
マスター「ほい、これがパワーアップした鎧だ」
騎士子「え?今までのと変わらないようですが?」
マスター「見た目は一緒だがイザというときに役立つような仕掛けを施してある」
騎士子「それはどのような仕掛けでしょうか?」
マスター「それは使ってからのお楽しみってことで。ほら、そろそろエントリーの時間だぞ。」
マスターに急かされ、急いで武装する。今回はコルヌとベック、そして改良されたという軽装アーマーという装備だ。
相手はデフォ装備のストラーフ。ハンドガンはともかく、グレネードには気を付けねば…
バトルスタート。フィールドはゴーストタウンか。さて相手は…
いた。少し離れたビルの上から既にグレネードを構えてこっちを狙ってる!
反射的に右へと飛ぶ。同時に爆発。さっきまで居たところにグレネードが着弾した。
すぐさまベックを構え、相手に向かって発射。
ガスッ!
第二射を発射しようとしてた相手に命中、こちらが撃ってくるとは思わなかったのだろうか?
黒子「あらあら、グレネードが壊れてしまいましたわ。こまりましたね。」
全然困っているとは思えない口調で相手が言った。本体には当たらなかったか、残念だ。
まぁ元々当たるとは思わなかったし、相手の驚異を取り除けただけでもラッキーだ。
次を発射すべくベックの巻き上げにかかる。と、その時。
黒子「しかたありませんね、よいしょっと」
ブオン!
不意に相手がビルの上から消えた、いや、跳んだのだ。
上か!剣を抜いているヒマは無い。急ぎベックを上に構え、攻撃に備える。
ギィン!
かろうじて相手の一撃を耐える。だがこのままではサブアームから追撃を受けることになる。
騎士子「おりゃあ!」
気合一発、相手を押し返し距離を取る。使い物にならなくなったベックを捨て、コルヌを構える。
黒子「あらあら、女の子が『おりゃあ』だなんてはしたないですよ。もっとおしとやかにしてないとマスターさんに嫌われますわよ。」
騎士子「いきなりグレネードを撃ってくるのがおしとやかなんですか?」
黒子「それはそれ、これはこれです。私が優雅な戦闘と言う物を教えてあげますわ。」
騎士子「…戦闘に優雅も何もあるのか?」
黒子「勿論ですわ。…では、いきます」
両手にフルストゥ・グフロートゥを構え、襲いかかってくる。言うだけあってかなりの腕前だ。しかも向こうは2本、こちらは1本、防戦一方だ。
黒子「スキあり、えいっ!」
…4本だった。不意にサブアームから攻撃され、吹っ飛ばされる。その拍子に剣も飛ばされてしまった
黒子「あらあら勝負あり、ですか。もうちょっと楽しませていただけるかと思ったのですが。」
その時マスターから通信が入る。
マスター「落ち着け、こんな時の為の仕掛けだ。次に相手が近づいてきたときに使え。」
それを聞いた私は拳を握り、ファイティングポーズを取る。
黒子「あらあら、まだやる気ですか。諦めない事はいいことですが、もう少し現実を見た方がよろしいのでは?」
騎士子「あきらめは悪い方でしてね、誰かさんに似て。」
黒子「そうですか。では、教えてあげますよ。…現実を!」
2本の剣とサブアームを掲げ襲いかかってくる!あと10…5…今だ!
騎士子「キャストオフ!」
瞬間、私の鎧がはじけ飛ぶ。
黒子「んなっ!」
鎧のパーツが次々に相手へと命中する。
黒子「ぐはっ!」
カランカラン。腕にも当たったのか武器を落としたようだ。すぐさまそれを拾い上げる。
騎士子「お嬢さん、落とし物です…よっ!」
ザシュッ!フルストゥ・グフロートゥが持ち主の胸に突き刺さる。
黒子「そんな…まさか…」
騎士子「諦めたらそこで終わり、ですよ。」
黒子「いえ…女の子が自ら脱ぐだなんて、はしたな…い…ですよ…」
騎士子「…え?」
そうだ、マスターが施したという仕掛けは鎧を飛ばす物だった。ということは…
騎士子「きゃ〜〜〜〜!」
いくらインナースーツとはいえ、恥ずかしいものは恥ずかしい。
AIジャッジ『勝者、騎士子!』
マスター、このお返しはきっとしますよ〜!
>>114 あー…そう言われれば確かにそうかも…
修正してみます、ありがとうございます。
>>115 台詞の前にキャラの名前を出すのは止めといた方がいいと思う
>>117 気持ちはわかるが、ギャグ(?)風味なんだからいいんじゃね
時に、西暦2039年……害虫達は全ての駆除剤を克ふk_
「違うでしょっ!」
訂正
時に、西暦2039年(以下略)
「マスター、マスター」(ゆさゆさ)
「ん……後5年……」
「冗談こいてる場合じゃないってば、遅刻しちゃうよ?マスター」(ゆさゆさ)
目を覚ますと、目の前には女の子の……じゃなくて神姫の顔
「ふぁ……おはよう、シィル」
「おはようじゃないよ〜、時間!ほらコレ見てコレ!」
犬尻尾をぱたぱたと不満げに振りながら、ハウリンのシリウス……愛称シィルは時計を指し示す。
現在時刻、午前8時25分也
「Nooooooooooooooo!!!」
朝っぱらから、JoJoちっくな悲鳴が響いた。
彼の名は水無月大志、極在り来たりな神姫マスターで現在高校2年生。
いや、別に神姫マスターで有る事を隠していないという辺りで既に、オタクと呼ばれる嗜好を持つ身としてはある種開き直っている珍しいタイプかも知れない。
曰く「趣味に他人から口出される謂われはない」
「で、周囲をドン引きさせて話しかけられなくなるからオタ扱いされても気にならなくなる、と有る意味強いよな、お前」
大志に話しかけているのはサッカー部のエースで女子によるクラスの人気投票1位の鈴木、彼も神姫マスターではあるのだが、それを秘密にしているタイプだ。
「嘘も間違った事も言ってないだろ」
「そりゃそうなんだが……こうも一刀両断にされるとなぁ……」
苦笑しつつ、頬を指先で掻く鈴木から目をそらして……
「それに、アイツは最後に残った家族だから」
「あ……わり」
地雷を踏みかけた事を察して表情が曇る鈴木の肩を、気にするな、とばかりに大志は2度叩いた。
16時45分……大志の自宅ではシィルが悪戦苦闘していた。
「あ〜、もう!まちなさぁぁぁい!」
愛用のリュウノアギトを構えて追い掛けるのは、お台所に生息する黒い悪魔。
直線の速度では劣っていても切り返しの反応はシィルの方が勝っている、後1歩、それで完全にチェックメイト………そのハズだった。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!」
乾坤一擲、振り下ろされた剣は床にぶつかるだけに終わる。
「−っ!?しまっ……!」
ぶうぅぅぅぅぅーーーーーーーん………ぴとっ♪
「にえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」
試合終了、勝者G(決まり手:フライング・顔面引っ付きあたっく)
・・・
「で、特攻喰らって撃沈された、と」
「笑い事じゃないよ〜、本気で気持ち悪かったんだからぁ……」
で、その後……無闇やたらと徹底的に顔を洗っているシィルから事情を聞いた大志が笑いをかみ殺しながら発した第一声がこれだった。
1時間以上洗い続けて漸く綺麗になったと納得した頬を軽く膨らませて、シィルは大志に抗議する。
「でもやっぱりデフォルトの装甲を付けてるとアギトはちょっと使いづらいみたい、横に凪ぐ分には良いんだけど……」
「振り下ろす時にちょっと不便……か」
G退治は別にシィルの暇つぶしだけを目的に行っているわけではない、戦闘での装備による干渉や有効距離の確認の意味も込められている。
最も、撃退率は43%とあまり芳しくはないのだけれど、主目的はそれで無いのだから上々と思っている、本気でGを叩きつぶしたいならバルサン焚けばいいし。
土曜は神姫ショップに顔を見せに行くのが、シィルと大志の数少ない予定の1つ。
「よし!お前ら好きなもの買ってやる!服でもなんでも持って来い!」
なんて豪儀な人物を尻目に、二人はメインカウンターで何か弄っている店長に話しかける。
「こんにちは」
「ん?おぉ、いらっしゃい……どうした?バトルでもしに来たのか?」
一見すると「あなたはどこの仮面ライダーに出てきたおやっさんですか」という感じのする店長が気軽に声を返してくる、因みに40代独身。
「そう言う事、この前チップ埋めたアギトの最終調整も終わったし」
ほー、そうかそうか、と店長は少しわくわくした様子でシィルに使い心地なんかを聞いている。
「と言うわけでフリーバトルに登録して置いたから、呼んだら来てくれよ」
店長の声に手を振る事で答えながら、大志は商品棚へと注意を移していく。
「……誰だよ、FMのイーグレットRRにチップ埋め込んでるやつぁ……」
観戦用の大画面に映ったヴァッフェバニー……彼女が手にしているランチャーポッドを見て、大志はこっそり呟いた。
重火器系の装備に見入る事10分経過
『登録ナンバー12の、お客様、ヴァーチャルバトル機まで、お越しください』
大志は放送に呼ばれて、シィルと共にバトル用筐体までやってくる。
「お?大志」
「相手はお前か、鈴木」
あちゃ〜とばかりに後頭部をがりがり掻きむしる対戦相手に、大志は苦笑する。
「大丈夫だよ、あるじ様、ボク達も強くなったんだから」
鈴木のポケットから励ましの声をかけるのは、彼の神姫、マオチャオタイプの「狐鈴」
「とは言ってもなぁ……懐に潜り込まれると恐いんだよあのわん娘」
と言いつつ準備に余念が無い辺り、彼も十分やる気のようだ
「わたし、インファイトに入ったらそんなに恐い?」
「……ま、ノーコメントとしておこう、装備はアギト+2番でいくぞ」
「了解!」
シィルが所定の位置にセッティングされると、バトルステージ上にデータがロードされる。
片や、両腕にガトリングガンを抱え込んだ狐鈴、片や、身の丈ほどもある骨製の大剣を担いだシィル。
『バトルモード:0−1−0−0、バトルフィールド、セットアップ』
ジャッジマシンが手にした旗をクロスさせ……
シィルがいつでも飛び出せるように身を屈め……
狐鈴の背負ったバーニアパックのアフターバーナーに火が入る。
『レディ……Go!』
開幕のベル代わりは、狐鈴が放つガトリングの洗礼だった。
弾着の煙が瞬時にしてシィルを覆う。
「被弾ゼロ、問題ないよ、マスター」
「斬り返すぞ、ゲットセット」
煙が薄れ、狐鈴のシルエットがうっすらと浮かび始める
「レディ……GO!」
声と共に、アギトを構えたシィルは煙の壁を突き破るかのように突撃した。
真っ直ぐ、愚直なまでに突っ込んでいくシィル。
しかしそれに対して狐鈴がはっと気付いたように向けた銃口の先は……「上」
左手の指がトリガーを引く……よりも早く、右腕に持ったガトリングを大きく振るう。
ガンッ!
重い物同士が激突する音が響いて、ガトリングの銃身がへし折れ……いや、押し切られた。
砂煙が晴れた画面に浮かび上がる姿は、リュウノアギトで狐鈴のガトリングを1門、完全に粉砕したシィル。
「シィル、閃!」
「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
気合い一閃、シィルは殆どガトリングに埋もれているリュウノアギトをそのまま振り抜いた。
「しまっ!?」
0距離から大質量の一撃が腹に決まり、ハデに吹っ飛ばされる狐鈴
「やったか?」
モニタリングルームからでは状況の確認すらままならない、この短時間での戦闘ながら、シィルの肩、肘関節には大きな負担がかかりつつあった。
「まだっ!受け身を取ってる!」
受け身……どうやら直撃の瞬間、自ら後ろに跳んである程度ダメージを減らしたらしい、マオチャオらしい回避術だ。
それを裏付けるかのように、新たに湧き起こった煙の中で何かが光った。
「6時、7時、630時からグレネード4発!乱数回避!」
「わわわわわっ!?」
振り返りながら放たれた榴弾をかわすと、目の前にはさらに8発の榴弾が迫っていた。
6発までは体術でかわし、1発は誘爆させる。
そして最後の1発が、シィルの面前で炸裂した。
「あっぶなぁ……」
さしもに衝撃に耐えきれず、真っ二つに折れたリュウノアギトの陰から、シィルが飛び出す。
それに呼吸を合わせるかのように、狐鈴も手にダガーを持って飛び出してきた。
こうなってしまえば決着は単純だ、先に得物を相手に突き刺した方が勝ち。
そしてまだ補助武器に手をかけただけのシィルと、既に装備を済ませている狐鈴では結果は見えたも同義。
その単純すぎる論理は、あっさりと覆された。タイミングを合わせて、シィルが狐鈴のダガーを蹴り飛ばす、という方法で。
しまった、そう狐鈴が思う間もなく、シィルの補助装備、封龍剣が狐鈴の胸部を薙ぎ払った。
「びくとりー♪」
セット位置から出てきたシィルは得意げにVサイン。
「よくやったな」
大志も満足げにシィルの頭を撫でてやる。
そんな処に、鈴木と狐鈴が連れだってやってくる。
「はぅ〜〜……やっぱり完敗だよ〜」
「そう落ち込むな、お疲れさん、大志、シィルちゃん」
しばし、マスター同士、神姫同士で雑談に花が咲く。
そして、帰り道………。
「……なぁ、シィル」
「ほぇ……なに?マスター」
夕日に照らされて、二人、朱に染まった世界を歩く。
長く延びた影法師の大きさは、あんがい変わらなくて……
「何処まで、行きたい?」
「マスターが望むところ……かな」
神姫の影が、少年の影に重なった。
人が居ないウチに投下する俺チキン。
てかぽちたまの人の作品から一行ほど流用させて頂きました、どうみても不意打ちで御免なさい orz
笑って許してくだされば幸いです。
てか神作品の後だと余計に文章力の貧しさが目立つなぁ……。
なんかどっかで見た文字列がある…と思ったら俺の書いた文だったwww
俺の駄文でよければいくらでも使ってくださいな。
読ませてもらいましたが面白かったです。シィル!シィル!
>>119 ネタでわざとやってるんじゃなけれぱ脚本形式はやめといた方がいいよ。
短編とはいえSSとしては最低と呼ばれる形式なんだよ。
>>132 ここまで続けられるんならwikiで書いてくれ。
続きまってる。
>>134 詳しい説明有り難う。次回(あるのか?)から気をつけます。
>>mNPg7usM氏
是非wikiで続きを・・・
>シィル
ピンクのもこもこ吹いた
皆さん、こんばんわ。チハです。
マスターと一緒に、装備品一式の点検にセンターまでお出掛けです。
〜 がんばれ! チハたん 〜
「これ、お願いします」
マスターが私の装備品を受付に並べます。
「はい、ではこちらに記入を」
「はい」
マスターが書類に書き込んでいると、手を止めずに私に話し掛けてきました。
「新しい武器とかみてきてもいいぞ」
「え?…じゃぁ、いってきます」
私はそう言って、マスターの肩から降りて、販売コーナーの方へ行きます。
人間用の大きな棚の並ぶ中、神姫用の棚の並ぶ一角にやって来ました。
そこには、銃、剣などが置かれていましたが、アクセサリーなどもありました。
「こんなのもあるんだ」
うさぎの耳のヘッドアクセサリーを頭にのせ、ポーズを取ります。
「マスター、こんなの好きなのかなぁ」
そう言って、アクセサリーを戻しました。
そして、小さな箱に大雑把に詰められたリングが目に止まります。
「ん? なんだろ」
手にとって見るとそれは、簡素な透明のプラスチックで出来た指輪でした。
「指輪……」
神姫のボディは基本的に全モデル同じ、つまり、指のサイズも同じ。
私は、辺りを見回し、誰も居ないことを確認すると、ゆっくりと左手を開き胸の前へ。
そして、ゆっくりと、右手で持った指輪を薬指に……
「チハ?」
小刻みに震える右手を抑えながらはめようとしていたら突然声がかかりました。
「!!!」
私は飛び上がって驚き、マスターの方を向きます。
「マ、マ、マ、マスター! な、な、何でしょう」
「あ、いや……欲しいものでもあるのか?」
「いえ! ありません!!」
「私は、指輪を慌てて箱に戻して、マスターに近づきました。
「そうか、帰るぞ」
「はい」
私たちはセンターを出て、帰って行きました。
∩( ・ω・)∩ チハタンばんじゃーい
俺、この戦争が終わって地球に帰れたら、届いた砲子にチハって付けるんだ……。
>>133 有り難う御座います〜
_ ∩
( ゚∀゚)彡 ぽちたん!たまたん!
⊂彡
>>134,135
wikiやった事無いですががんばってみまつ orz
>>137 ∩( ・ω・)∩ チハタンばんじゃーい
>>138 139、応答せよ!139!……くそ、ダメか……っ!
>>137 しばらく静観してたけど、チハタンはイイ!
砲子届くの楽しみだなぁ。
砲子はチハたんカラーにしようかな
チハのカラーリングはどんな色なんだろ
イメージ検索しても様々な色があってどれが基本色なのか分からないぞ
まぁそれはともかく∩( ・ω・)∩チハタンばんじゃーい
新スレになってから勢い出てきたなオイ!
いい流れだZE!もっと神姫話プリーズ
「ごしじんさま」
「ますた」
舌足らずな声が足元から聞こえてきた。
今ではもう、充分以上に聴き慣れた白子と黒子の声。
何事かと思ってしゃがみ込むと、二人揃ってこの間買ってあげた小さなノートを差し出してきた。
たまに日記をつけている俺の真似をして、二人も日記をつけ始めたらしい。
因みに、あくまでも人間サイズで考えて“小さい”ノートなので、白子と黒子からしてみれば大きいを通し越して巨大である。
「良いの?見ても?」
二人からノートを預かりながら聞いてみる。
一番最初に、“基本的に日記は人に見せるものではない”と説明した筈なんだけどな。
まぁ、何を書いているのか興味があったし、丁度良いか。
「じゃあ、まずは白子から」
ソファーに座りながらノートを開く。
ノートには、白子らしい字で文章が綴られていた。
◎月▼日 はれ
今日は黒子ちゃんとたんけんごっこをしました。
本のお山をのぼって、くっしょんのおかをこえて、つくえの下や本だなの後ろを回って色んなところに行きました。
ごりらのロボツトやハンバーガあたまのだーくひーろのおもちゃを見つけました。
帰るときに出られなくなって、犬子ちゃんとねこ子ちゃんがたすけてくれました。
それから帰ってきたご主人さまが、おやつにクッキーを持ってきてくれました。おいしかったです。
「そうか、色々な場所を探検したんだ」
嬉しそうに肯く白子の頭を、人差し指で優しく撫でる。
二・三日前、開けた覚えの無い押入れの戸が開いてた事があったけど、これが原因だったのか。
それにしても、ゴリラのロボットやハンバーガーヘッドのダークヒーローって……
アレは大分奥に仕舞って置いたはず。
相も変わらず、白子の行動力には舌を巻かされる。
それに結局出られなくなって、犬子と猫子に助けられるオチが付くのは白子らしい。
犬子達が来る前までは、俺が帰ってくるまで閉じ込まれっぱなしで泣いていたっけ。
>>146続き
「よし、次は黒子だ」
シャツの胸元にしがみ付いてきた黒子がニッコリと笑う。
さて、何が書いてあるかな……
白子ちゃんも 犬ちゃんも ねこちゃんも きしちゃんも ぶしちゃんもすきです。
でもますたーはもっと大すきです。
「…………」
OK。黒子、君はあらゆる意味で日記を勘違いしているようだ。
まぁ、書いてある内容は嬉しい事この上ないけれど。
さて、なんと言うべきか?
日記としてのあり方をもう一度教えるか、それともそれを無視して好きだと書かれた事を喜ぶべきか。
「ふむ…」
顎に人差し指を当てながら、胸元の黒子を見る。
黒子は顔を真っ赤にした後、照れているのか俺の胸に顔を押し付けてきた。
OK。可愛過ぎだ、黒子。
日記云々についての突っ込みは、この際無しの方向にしよう。
「有難う、黒子。俺も黒子達のことが好きだよ」
耳まで赤くした黒子の頭を撫で、羨ましそうな表情の白子も一緒に抱きしめる。
神姫のオーナーやってて、本当に良かった。
その後、俺は二人にせがまれて赤いボールペンで日記に花丸を書き加えた。
どうやら二人は日記は日記でも、小学生の夏休みの宿題によくある絵日記のような感覚で書いていたらしい。
花丸の付いた日記のページを見ながら、ニコニコと笑う二人。
尚、これをキッカケに甘えん坊のスイッチが入ったのか、この後白子も黒子も頑なに俺から離れようとしないので、久々に一緒に寝る事にした。
枕の隣に二人用のスペースを確保すると、いそいそと小さな布団に潜り込む白子と黒子。
間違えても二人を開きにしないよう緊張をしたまま寝た俺は案の定、次の日身体のアチコチに筋肉痛を抱える羽目になったとさ。
俺日記ネタ大好きだわ可愛すぎハァハァ
神姫を幼児並の知能に設定すると可愛いんだろうけど、どんなCSCの組み合わせしてんだろかw
俺としては成熟した大人な人格の方が好き
ここに書かれるSSは良いのが多いんだけど、
>>146さんのは以前から特に好きw
こうやって、ゆっくりと育っていく神姫もいいなあ。
「マスター、空を飛びたいです。」
「…いきなり何を言い出すんだ?」
「ずっと考えていたのです。私のタイプ別対戦成績を見ていて、飛行タイプに非常に弱いことに気づいてから。」
「それでこっちも飛んで対抗しようというわけか。」
「そうです。」
「そうだな。もし上手く行かなくても、飛んでみる事によって飛行タイプの弱点が見えてくるかもしれん。
そういえば前に犬子にツガル装備を買ってやってたっけ。おーい犬子ー!騎士子にツガルを貸してやってくれないか?」
言い終わると同時に犬子姉様がツガル装備をしまってある箱を持ってきた。
「お持ちしました、ご主人様。ささ、騎士子さんどうぞ。」
「いやに準備が早いな。また盗み聞きでもしてたのか?」
「失礼ですね、ご主人様。単にこの家の防犯の為に随所にマスィーンズを配置してあってそれをチェックしてただけですよ。
ちなみにご主人様の丸秘コレクションの隠し場所は…」
「わー!言わんでいい!」
というわけで姉様に貸していただいた装備を持ってマスターと神姫センターへとやってきた。
丁度マスターの御友人の方がいらっしゃったのでテストの相手をお願いする事にした。
「いやーこっちも助かるよ。この前来たばっかの白子のチェックをしたかったからね。騎士子ちゃん、お手柔らかに頼むよ。」
「よろしくお願いしますー騎士子さん。こっちはまだ実戦経験無いんだから手加減してくださいねー。」
「まぁ今日の所は飛行テストやって、最後にちょこっとスコアアタックといきますか。」
「了解しました。」
エントリーまでの時間に私たちは武装を付ける。…っと?
「どうした騎士子?」
「いえ、ちょっと…きついような?」
「そういや犬子もそんな事いってたな。たしか胸が…」
「わわっ!大丈夫です大丈夫です!」
装備を終え、なんとなく鏡を見てみる。
「…なんか微妙です…」
「色のせいじゃね?」
「そうですかね…?」
なんかこういうフリフリした装備は私には似合わない気がした。
「いいなぁ、私もそういう装備が欲しいなぁ。ねぇお兄様、私にも買ってくださいよー?」
白子さんが自分のマスターにおねだりしてる。確かに彼女には似合いそうだ。
「う…今月はちょっとピンチなんだ。また今度な。」
「約束ですよー、お兄様。」
「お前も大変だな…」
「まぁこれも神姫オーナーの宿命さ。」
なんか男の悲哀を漂わせてる両マスター。などとやっている間に順番が来たようだ。
今回のフィールドはゴーストタウン。上空には飛行テストに十分な空間がある。
「いくら基本操作はインプット済みとはいえ始めての装備だ、無理はするなよ。」
「了解しました。」
確かに操作が解るとはいえこれは難しい…
スラスターを吹かしすぎると勢い良く飛び出しすぎるし、絞りすぎると失速。空を飛ぶってこれほど難しい事だったのか。
「騎士子さん、大丈夫ですかー?」
さすが白子さん、既に慣れてしまったようだ。私も頑張らねば…
暫くやってるうちにコツを掴んできた。なるほど、ターンする時にはこうして…
「二人とも随分慣れたようだな、んじゃスコアアタックといくか。30秒後に15個のダミーが出るぞ。」
「どちらが多く破壊できるか競争ですね。」
「えー騎士子さんに勝てるわけないじゃないですかー。」
「飛行技術はそちらが上、実際私の方がキビシイですよ。」
「んじゃ始まるぞー。3,2,1,スタート!」
マスターの合図と同時にダミーが出現した。以前やった時は下からだったので策敵が大変だったが、上から見るとよく解る。
しかし10個ほどしか見えない。あと5個はどこに…
バァン!不意に聞こえる爆破音。
「やったー!一個撃破ー!」
っと出遅れた。私もホーンスナイパーライフルを構え、ターゲットを探す。
「そこだ!」ドン!バァン!
「ふぇー。さすがですー。」
白子さんは感心してたが、コレは狙うのが結構難しい。飛んでいる為に安定せず、照準がブレる。
「そら、ダミーが動くぞ。」
う、動くとさらに難しい…
「あーん、あたらないですー。」
白子さんも苦労してるようだ。
「こんな時は相手の動きを予測して…」
バシュッ!ドォン!マグネティッックランチャーが命中、ダミーは爆散した。
「なるほどですー。ていっ!」
ドォン!
この子飲み込みが早いですね。それとも基本特性の差なのでしょうか…?
っと、今回はテストが主な目的でした。せっかくなので地上への格闘戦も試してみましょう。ライフルを腰に下げフォービドブレードを展開し、地上へと急降下する。
「おい、無茶はするなよ!」
衝突寸前まで下降、そのまま地表スレスレを飛びダミーへ接近、斬りつけ急上昇。そして反転し2個のダミーをロック、それぞれにマグネティッックランチャーを発射。
「ヒュー、やるねぇ騎士子ちゃん。ホントにその装備始めて?」
「そういうそっちも白子ちゃんも順調に破壊してるじゃん。」
お互いに5個破壊したところでダミーがさらにスピードアップ、反撃までしてくるようになった。
「わわっ!いたたっ!」
さすがに白子さんも苦戦してるようだ。私も最初はびっくりしたものだ。その時は堅牢な鎧のおかげで乗りきれたが、彼女にはそれが無い。今回の私にも無いのだが。
スラスターを吹かし回避する。さっきまでよりも激しい動きに息が苦しくなる。…息というよりも胸が苦しい。やはりちょっと小さかったか…
長期戦は厳しい。早めに終わらせようとライフルを構え策敵をする。残り5個ダミーの位置を確認。
キュピーンと私の中で何かが弾ける。全てのダミーの動きを予測しライフルとランチャーの銃身を向け一斉射撃。4個撃破。
そのまま真下のダミーへ向け急下降。向こうの攻撃はランチャーを盾にして受ける。
ズシャッ!最後のダミーを真っ二つにする。
「やれやれ、勝てるかなーと思ったけど、終わってみれば5対10か。まぁ最後にいいもん見せて貰ったし、コレでいいか。」
「良い物だなんて、恥ずかしいです。」
照れる私に白子さんが言いづらそうに言った。
「あの、騎士子さん…その、コレ…」
といって白子さんが私に見せた物は、ツガルユニットの胸部アーマーであった。
「え…?」
ひょっとしてさっきキュピーンって弾けたのって、種割れとかそんなんじゃなくて…
「きゃ〜〜〜〜!」
「あ、思い出した。たしか犬子もそれやったんだった。」
「マスター!そういうことはもっと早く思い出して下さい!!」
ぽろりハァハァ
過去スレ読み返したんだけどU-1SS書いた人ってねこにゃん書いてた人かな?
コテつけてないので文章から推測してみたので違ったら御免
はるかなとか続き読みたいけど無理だろうか
156 :
(1/3):2007/01/27(土) 18:59:19 ID:AfOXZmZr
スレをご覧の皆様、ごきげんよう。フォートブラッグ型のティーガーです。
あら? ただいまフィールドに点在する複数の光点のうち、二つが接触いたしました。
ここから2km先(神姫スケールですよ?)の公園にて、他神姫の交戦を確認。
ええそうです。わたくし、目下のところバトルロイヤルに参戦中なんです。
▽▽▽ 砲子はまとめてがんばるべき! (チハたん並びにスレで活躍する砲子の爆発力に起因されたSS) ▽▽▽
地面に伝わる音を拾い交戦地点を特定し、交戦中の神姫に対して長距離射撃を行います。
建物越しの曲射砲撃。標的の頭上で炸裂する榴弾を一発。誤差修正の上で二発。そして三発。
「標的の撃破を確認いたしました」
レーダー上から二つの光点が消滅。ゴーグルに残る反応は自身を含めて三。長距離射撃モードを解除しすぐさま移動を始める私。
市街地内では遭遇戦が起こりやすく、私は郊外に茂る林からの長距離射撃で敵の数を確実に減らしているのです。
ですが、攻撃の弾道を観測されていた場合は敵の追撃が予測されます。
だから、こちらの居場所を読まれぬよう射撃を行ったら移動する。これ、狙撃戦のセオリーなんですよ。
背中の装備が重いけど、我慢して移動です。林から林へ。
えっほ、えっほ。
ですが、木々の間を抜けて移動してると、目の前に悪魔型の神姫が立ちはだかりました。
「漁夫の利を狙う事しか出来ないハイエナが、こんなところにいた」
敵は両手に湾曲剣を、サブアームにはグレネードを装備し舌なめずりをしています。
私が砲撃戦しか能のない戦車型だと思っての事なのでしょう。ですが。
「マスター。敵はもう勝った気でいますよ」
「ふむ。ではひとつ教育してやれ」
背中の追加脚部を展開し、臨戦体制の私。
敵悪魔型はグレネードを連射、続けて湾曲剣の斬撃。そしてサブアームによる肉弾戦を仕掛けて来ました。
ですが私はそれらの攻撃をことごとく防いでみせます。
グレネードの着弾は重装甲で。斬撃はバックステップで距離を取り、サブアームは背面装備の追加脚部で防御します。敵は若干おどろいた表情。
戦車武装の特性をこの身に叩き込まれた私が、格闘戦のこなせぬ平凡な戦車などと思わない事ですね。
肉薄状態から反撃開始。パンツァー・フォー。
157 :
(2/3):2007/01/27(土) 19:00:11 ID:AfOXZmZr
受け止めたサブアームを振りほどき、追加脚部を支えにして両足のバネを乗せた蹴りを一発、二発、間髪入れず三発。
それらの攻撃を総て防いだガードの上に、追加脚部を駆使し加速を乗せたアックスボンバーを放つ。
重量のある追加脚部の一撃はフル武装の悪魔型を吹き飛ばすのに十分な威力で、敵を強かに大木に打ちつけた。
そのまま短距離砲撃モードへ移行。粘着榴弾装填。近距離で発射。敵悪魔型を大木ごと吹き飛ばす。
そしてすかさず回頭。六時方向へ向き直り、ライフルを発射。無造作に。
射撃が命中し崩れ落ちる犬型。一部始終を眺めていた漁夫を撃破しバトルロイヤルを無感動に締め括った。
敵が握り締めていた吠莱壱式が力なく地面にころがる。
「私は漁夫の利などに頼りません。すべては戦略です」
総ての敵の消滅を確認しました。表彰式を終えマスターの元へ戻ります。
「マスター、ただいま戻りました。わたくしティーガーは、今回のバトルに参加した神姫二十五機中、八機を撃破しました」
「よくやった、ティーガー」
マスターからの言葉はそれだけ。それで十分。それで満足。
そう。私は常にクールです。戦車型神姫にホットな感情は必要ありません。
158 :
(3/3):2007/01/27(土) 19:02:57 ID:2HJ9mXYC
… … …。
マスターの肩掛けカバンの上は私の特等席。今日はこのまま真っ直ぐ帰ります。
ですが帰る間際に、他ブロックのバトルロイヤルで優勝した、私と同じ戦車型の子を見かけました。
彼女はとても明るい表情のマスターに誉められていました。彼女自身も嬉しそうです。
ややあって、私は口を開きます。
「……あの、マスター」
「なんだ」
私、頑張って優勝したんですよ。えらいでしょう。
「……何でもありません」
「あの、肩に乗らせていただいてもよろしいでしょうか」
「いいぞ、別に」
そして、私はマスターの肩によじ登りました。
いつもはカバンの上。肩の上に登るのは初めてです。
「どうしたんだ、急にニコニコして」
「なんでもありません」
エヘヘ。
どうしちゃったんでしょうね、私。急にニコニコしちゃって。
感情がクールからホットへ。この熱はちょっと冷めにくそうです。
end
「ふむ掲示板に新たな砲子の戦果が書き込まれてるな、どれどれ…」
>>156-158 「をを!フォートブラッグが華麗な格闘戦をしてるじゃないか!GJ!」
俺自身、砲子のオーナーということもあって、その苦労が並大抵の事ではないことはすぐに解った。
「アルゴ、お前も格闘戦を少し勉強してみるか?なんならトレーニングソフトを買ってきても…」
話しかけてぎょっとする。じーっとモニターを眺めてたアルゴがその小さな体をを震わせてる。
「隊長、私は悲しいです…」
「あ、いや、別にお前が全然勝てないからマネをしろとかそういうことでなく…」
「そうでなく、隊長!私たちは戦車型ではなく『砲台型MMS』なのですよ!」
「そっちかい!」
まだ発売もしていないのに何だねこの砲子SSラッシュは
同じ四弾の花や種も時々でいいから思い出してください・・・
「なあ……花子」
「何ですの? あと、その花子って呼び方、やめてくださらない?」
「じゃあ、ジルダリアだからジル子?」
「……マスターのボキャブラリーに期待した私がバカでしたわ」
「……」
「で、何ですの?」
「お前のさ。背中の八本あるやつって、何? ドラグーンシステム?」
「まあ。このわたしのマスターのクセに、そんな事も知りませんの?」
「……悪いな。で、何なんだあれ。スラスターか。それともビーム砲か。
あとついでに腕のアレと手に持ってるアレも教えてくれ」
「ふぅ。レディの秘密を聞き出そうとするなんて、野暮なことこの上ないですわね」
「だから、教えろって」
「……」
「まさか」
「……な、何ですの?」
「お前も知らないとか」
「そっ! そんなことあるわけないでしょう! これは私の体の一部ですのよっ!」
「じゃあ教えてくれよ」
「……うう。マスターのいぢわる……」
>>160 花子と種子は砲子や魚子に比べて外観や装備が分かり難いから、現状性格以外で
キャラ立てする方法がないんだよな。
SSが増えるのは現物が出てからだと思う。
「なぁ種子」
「なぁに、お兄ちゃん?」
「お前の背中に付いてるそのトゲトゲは一体何なんだ?レーザー発振器なのか?スラスターなのか?それともファンネルの一種なのか?」
「お兄ちゃん…どうしても知りたい?」
「ああ、すっごく気になる。」
「本っ当に知りたいの?」
「ああ。というか知らないと作戦が立てられん。」
「本っっっ当に?『ああ、聞くんじゃなかった。さようなら俺の平凡な日々…』ってな事になっても知りたいの?」
「…いや、やっぱいいや。」
>>161 俺の言いたかった事をssにしてしまうとは…
つーわけでパクってみた。
「……のぅ。魚子、鳥子、鯆子」
「「「そんな呼び方しないで下さい」」」
「お前ら、なんで揃いも揃って海関係なの?」
「「「知ったら東京湾に沈めますよ」」」
「大人の事情ね、よくわかった……」
『鯆』でイルカと読むらしい。
でも本当に、鳥と魚は納得行くとしてもなんで
別デザインのEXウェポンまでイルカなんだろう?
〜 がんばれ! チハたん 〜
「チハデレラ! チハデレラ!」
「はい、お義母様」
私はお義母様のもとへ急ぎます。
「何をしてるのです。呼んだらすぐ来るようにといっているでしょう」
「ごめんなさい」
深く頭を下げます。
「まぁいいでしょう。今日は大切な舞踏会の日、頼んでおいたことは出来てるのでしょうね」
「はい、ここに」
私は、箱に丁寧に入れておいた青い鎧の武装を持ってきます。
「うふふ、なんと美しいんでしょう」
お義母様はひとつひとつ確認するように、武装していきました。
最後に兜を被り、サイフォス重装型に完全装備になります。
「白子、黒子、用意はいいですか?」
「はい、お母様」
「出来ていますわ」
お義母様の声に、部屋から二人のお姉様が完全装備で出てきました。
「ん〜、二人とも美しいですよ」
お義母様はそういってお姉様二人を抱きしめます。
「いいですか? チハデレラ。舞踏会が終わるまでに掃除を済ませておくこと、わかりましたね」
「はい、いってらっしゃいませ」
私は頭を下げて三人を見送ります。
ばたんと扉が閉まって、ふうっとため息をつくと掃除を始めました。
辺りが暗くなり、掃除も終わって、窓の外を見ると光に包まれたお城が見えます。
「舞踏会……いってみたいなぁ……」
『かわいそうな、チハデレラ』
「え?」
突然の声に部屋を見回すと、光の中から赤い鎧をつけた人が浮かび出てきました。
「あ、あなたは?」
「私は、魔法使いのツガル」
「魔法使いさん?」
「そうとも、チハデレラ。お前の願いをかなえてあげよう」
「でも、こんなかっこうじゃ……」
私は、ぼろぼろの自分の素体をみつめます。
「……………、えい!」
魔法使いさんは、何やら不思議な呪文を唱え、持っていた長いライフルをくるりと回し、引き金を引きます。
パァァン!!
「きゃ」
派手な音に驚いて目を瞑ってしまいましたが、ゆっくりと目を開けるとそこには新品の素体が。
「うわぁ」
「気に入ったかい?」
私は魔法使いさんにてつだってもらって、素体交換をしました。
「でも、素体だけじゃ……」
「それなら、……………、えい!」
もう一度呪文を唱え、ライフルを回して引き金を引く魔法使いさん。
今度は、綺麗に磨かれたフォートブラッグの装備が出てきました。
「それを付けて、お行きなさい」
「はい!」
私は急いで装備を着けました。
「おっと、早くしないと舞踏会がおわっちゃうねぇ」
魔法使いさんが窓の外のお城をみます。
「じゃぁ、これで………レインディアバスター!」
魔法使いさんの装備が独りでに組み合わさり、小型戦闘機のようになりました。
「さあ、これに乗って」
「はい」
ゆっくりと乗り、しっかりと掴まります。
「いいかい、チハデレラ。魔法は12時の鐘が鳴り終ると消える。それまでに帰ってくるんだよ。約束出来るね?」
「はい、必ず12時までに戻ります。ありがとう御座いました。いってきます」
そういって、私は大空へ舞い上がり一路、お城を目指しました。
お城に着いて会場に入ると、注目を集めました。
「あれ、どこの子?」「あの装備、なんて美しいんでしょう」
そんな声が聞こえる中、私は奥へと進みます。
すると、盛大な音楽が流れ、みんながざわざわし始めました。
一番奥の大階段から、ゆっくりと男性が降りてきます。
「王子様よ!」「王子さまーー」
みんながキャーキャー言っても王子様はまるで聞こえていないかのようにゆっくりと平然に歩いてきます。
そして、私の前に来ると、王子様は膝をついて、私の方を見ます。
「一緒に、踊ってくれませんか」
「は、はい」
私は王子様の手を取り、ダンスを楽しみました。
ゴーン……ゴーン…
時間が立つのも忘れて楽しんでいると、無情にも12時の鐘が鳴り始めます。
「あ…帰らないと…」
そう言ってやさしく王子様の手を離すと、私は急いで会場を出ました。
「まってくれ!」
王子様が追いかけてきますが、私は一生懸命走ります。
すると、フォートブラッグの装備が外れ、落ちてしまいました。
ゴーン……ゴーン…
拾おうとしましたが、12番目の鐘の音が迫っています。
私は、そのまま走り続けレインディアバスターに乗って家へと向かいました。
家に着くと、綺麗な素体も元にもどり、レインディアバスターもどこかへ消えてしまいました。
数日後、家にお城の使いの人がやって来て、フォートブラッグの装備を着けれる人物を探しているとのことでした。
お義母様も、お姉様も着けてみましたが合いませんでした。
そして、私の番になって、着けてみると見事にぴったりと装備できたのです。
そして、王子様と合いました。
「どうか、私のパートナーになってほしい」
「はい、王子様」
「いや、これからはマスターだ」
そういって、王子……マスターは私を抱きしめました。
「マスター……」
「マスター……うふふ」
「おい、チハ…って寝てるのか。ほら、そんなとこで寝ると充電できなくなるぞ」
やさしくチハを持ち上げて、クレイドルにねかせてやった。
そして、さっきまでチハが乗っかって寝ていた絵本を閉じて本棚にしまってもう一度チハの方をみると、
嬉しそうに微笑んでいた。
「楽しい夢でも見てるんだな……」
こっちまで嬉しくなってその日はベッドに入った。
∩( ・ω・)∩チハタンばんじゃーい
あぁもうチハたんは可愛いなぁ!
きゅいんきゅいん…
…はっ!殺気!
まて猫子!勿論お前も可愛いぞ!とりあえずドリルは外しなさい!
「にゃー!」
ぐあー!だからドリルは外せと言ったんだ…
チハの人、こういう展開も上手だー。
騎士子お義母様w
砲子達が可愛くて仕方ないなw
久々に書きに来ました。なんかまとまらない感じになっちゃいましたがよろしくです。しかしだいぶ続き物気味になってきちゃったな…
『じゃ、明日行くから。見られたくないモノはちゃんと隠しておくのよ〜』
電話から聞こえるのは母の声。俺は適当に返事をし、電話を切る。
電話の内容を整理してみる。つまりは母が一人暮らしの俺の家にちゃんと生活できているか平日だというのに視察に来る、ということだ。
うん、母が来るだけなら別にかまわない。見られたくないモノなんてのも特にない。問題なのは、母が連れてくる猫のボブだ。
こいつがかなり危険なヤツで、俺がまだ家で暮らしていた時に何度も俺の部屋に潜り込み、破壊活動を繰り返した悪魔なのだ。母はいつもこいつを連れ歩く割に家内などでは何をしようと放っておく。
そのため今日中にぽちやたまを守るための対策を練っておかねばならないのだ。どうしたものだろうか…
「お兄ちゃん、誰から電話ですか?」
難しい顔をして考えている俺にぽちが心配そうに声をかけてきた。
「あぁ、母さんだよ。なんか明日うちにくるらしい」
「そうなんですか、なら私も挨拶しないといけませんね」
「おー、じゃあたまも挨拶しないと、だねー!」
向こうでテレビを見ていたはずのたまもいた。こいつどんなスピードで移動してきたんだ?
「挨拶はかまわないけど、猛獣も付いてくるぞ。そうつから逃れるための対策を考えとかないとな」
「も、猛獣ですか!?それは危険です…早急に対策会議をはじめましょう!」
「じゃあ、みかん持ってくるねー」
対策会議とは大げさな。まぁ相手はあのボブだ、それくらいやる価値はあるかもしれないな。
という訳でコタツへGO。
「では基地司令、何か作戦はありますか?」
「基地司令じゃない!お兄ちゃんだ!!いや、それよりそのノリはなんなんだ?」
「いえ、少し気分を出してみようかと…」
こいついつもはおとなしいけど実はノリがいいタイプだな。さすがは俺の神姫。
まぁそれはいいとして。
「俺は、お前等をこっそり学校に連れていこうかと思っている。家に置いていくよりは安全だと思うんだ」
「おー、大胆な作戦だねー」
「でも、いいんですか?お兄ちゃんは私たちのこと学校では隠してるんじゃ…」
「何、見つからなければどうということはない。って話だ。おとなしくしてられるよな?」
「大丈夫だよー!学校行ってみたーい!」
「まぁ、それは大丈夫ですが…」
たまは大丈夫だが、ぽちが不安そうだ。でもまぁ、とりあえず明日は連れて行っても大丈夫だろう。
「大丈夫だよ、ぽち。そうそう見つかるもんじゃないから」
そうこうやって会議は終了。さてさて今日はもう寝ようかね。
そして翌日の朝。
「久しぶり、悠。元気してた?」
母がやってきた。あ、悠ってのは俺の名前な、一応。
「初めまして、お兄ちゃんにお世話になっております、ぽちという者です」
「同じく、たまだよー!」
肩からひょこっと出てきて挨拶する2人。
「あらー、可愛いわね!今流行ってる武装なんとかってヤツかしら。よろしくね、ぽちちゃん、たまちゃん」
普通の親は神姫とか見たら驚くだろうけどうちの親はこういう反応。まぁ、楽でいい。
ところでボブのヤツはどこだ?などと考えていると。
「ゔにゃぁ」
これは…ヤツだ!どこだ!?どこにいる!?いた!テレビの脇…あ!花瓶が危ない!
俺はとっさに花瓶をすくい上げ保護。まったく、いきなり危ない危ない。
それから朝食をとり、学校へ行く時間。
「気を付けて行ってくるのよ、夕飯は母さんがおいしいの作っといてあげるから」
「あぁ、行ってきます。ボブが物壊したりしないようによく見ててよ」
とは一応言っておくが多分無意味。少しの損壊は覚悟しとかないと…
ドアを開け、外へ。
「学校学校、楽しみだなー!」
「こら、静かにしてなさい!」
…内ポケットから声が聞こえてなんだか心配になってきた。
通学路はなんとかクリア。教室へ。
「おはよう、悠君」
「おーっす」
当たり前に挨拶をし、席へ着く。
今日は6時限。その間気付かれないように。大丈夫大丈夫…じゃなかった。
これを忘れていた…5時限目は体育。つまり運動用の服に着替えなければならないのだ。
着替えを置いておくのも心配だし、だからといって2人を連れて運動は厳しい。
…あ、サボればいいのか。トイレだトイレー。というわけで体育はサボります。
「委員長ー、俺腹痛いから体育休むわー」
と、委員長に伝えてトイレへ。ちなみにうちの委員長は可愛い女の子ではなく口癖が「ズバリ」みたいな男子の委員長。
「なんとか危険はかいひしたねー!」
「あぁ、なんとかな。後の授業は大丈夫だろ」
などと話していると。
「悠君?その顔出してる小さい女の子…」
見つかったぁぁぁっ!?
つづくのだろう
つづいてほしいw
ここしばらくでは砲子が人気のようですね。
砲子は複数そろえて部隊運用してみたい。
>>155氏
当たりです。一応、文の癖を直してみたりしたですがバレますか……
はるかなの方はご勘弁を。先の構想もなく手をつけ始めて書き込みした後に素面に戻ってしまいました。
単発ネタならば思いついたら投下していきたいと思っています。。
『勝者、黒子!』
「あらあら、もう終わりですか?」
「くっ…」
前回(
>>152-153)の新装備テストの反省からツガル装備をメインとし、2丁ライフルをカロッテTMPとコルヌへと変更、
そして胸アーマーのサイズ変更を行い大幅な戦闘力の向上を果たした。
それからの私は破竹の快進撃を続け、2ndリーグへの昇進を賭けたトーナメントへの切符を手に入れた。
そして万全の準備と整え臨んだ試合だったのだが…
「剣術も射撃の腕前もかなりの物でしたが、その装備では貴方の力を十分に発揮できないようですわね。」
そんなはずはない。未熟な私のためにマスターと姉様が一生懸命に私に合うように調整してくれたツガルユニットだ。
自分ではそんな気はないのだが、やはり最近勝率を上げてきた事に慢心していたのだろう。
「すまなかったな、騎士子。もっとお前が存分に力を振るえる装備を用意できれば…」
落ち込んでいる私をマスターが私を慰めてくれる。
「いえ、私が未熟だっただけです。期待に添えられなくて申し訳ありませんでした。」
神姫センターを後にして、二人とも無言で帰宅した。
雰囲気を察してか犬子姉様は何も言わなかった。
その優しさが辛かった。
マスターと姉様は今日は疲れてただろうから先に休んでいいといったが、私の装備の再調整をしている二人を差し置いてのんびりと休んではいられない。
せめてネットで騎士型の戦術や装備を調べようとPCを起動する。
神姫用端末を操作し、騎士型MMS総合スレッドを写す。
…既に幾度と無くチェックしたスレッドである。やはり目新しい事は書いてない。
ふと2レス目に別スレッドへのリンクがあった事を思い出す。
マスター曰く「ネタスレとか魔改造スレだから見る必要は無い」らしいが、なにかヒントがあるかもしれない。
『犬子可愛いよ犬子』
『在庫っていうなー』
『おまえら神姫の足を開いたり閉じたりして落ち着くんだ』
…頭がくらくらする。
なんとか気を取り直し先を読む。
すると奇妙な事が書いてあった。
『騎士にセイバーつけるとテラカッコヨス』
『セイバーハァハァ』
…どういうことだ?見ると画像へのリンクが貼られている。
見てはいけない。そう思いつつも興味が勝り、クリックしてしまった。
そこには、神姫ではない別の頭へと換装された騎士型MMSの姿があった。
頭部換装はリーグへの参加を認められていない。神姫では無くなってしまうので当然である。
だがそのオーナーは満足しているようだ。
愛玩用として。
気分が悪くなった私はPCの電源を切ってクレードルへと移動し、そのまま眠りについた。
マスターは気分が悪いと寝られなかったりするようだが、機械である私は休眠プログラムを起動するだけで眠る事が出来る。
そのプログラムが有り難かった。
次の日、マスターはなにやら買い物をしてきたようだが、何を買ってきたのかは教えてくれなかった。
「まぁいずれ解るさ。その時をお楽しみに。」
そういって犬子姉様と工作室に籠もってしまった。
いつまでも昨日の敗戦を引きずっててもしょうがない。
こういう時は基礎トレーニングに限る。木刀を持って素振りを始める。
…やはり身が入らない。木刀は私の手からすっぽ抜け、ゴミ箱へと当たってしまった。
「あ…」
ゴミ箱は倒れてしまい、中のゴミが散乱してしまった。
急いで片づけ始める。幸い紙屑だけだったので早く片づける事が出来そうだ。
ふと紙屑の1つに目が止まる。それを見て私は驚いた。
『セイバー』
その紙屑…レシートにはその文字が印刷されていた。
昨日見た改造神姫の姿を思い出す。
コアユニット、素体、3つのCSCは起動後は不可分の存在である。神姫を停止することなくそれらを分割する事は出来ない。
もし私の頭部をセイバーへと換装するならば、一度私を停止させなければならない。
つまりそれは私の死という事になる。再起動してもそれは私の体を持った別の神姫ということである。
どうせ勝てない神姫なら、いっそ愛玩用にしてしまえ。そんなレスがあった事を思い出す。
いや、マスターに限ってそんな事を思うはずは無い。
ではこのレシートは一体…
なんともいえない不安に襲われながらも、どうにか片づけを終えた。
しかしそのレシートだけはなぜか捨てる事が出来なかった。
その日からマスターは仕事から帰ってきては工作室へと直行するようになった。
別に合う機会が無いわけではないのだから直接聞けばいいのだろう。このレシートは何ですか?と。
おそらくは笑いながら「いやーこれはな」と答えてくれるだろう。
しかし、もし最悪の事を言われたら、と思うと怖くて聞くことが出来なかった。
そして一週間が過ぎた。
「おーい騎士子ー!」
工作室からマスターが呼ぶ声がした。
私は部屋へと入り、机の上に乗った。
「ふっふっふ、ついに出来たぞ!お前の…」
「解っております、マスター。」
「え?まぁ部屋に入るなとはいってなかったし、コッソリ見ちゃったのかな?」
「いえ、部屋には入っておりません。ですがこれを。」
といってレシートを見せる。
「ありゃ、そんあのがあったのか。まぁいいか。んじゃ話は早い。んじゃ早速…」
「マスター、こんな不甲斐ない私を面倒見てくれて、有り難うございました。生まれ変わった違う私も可愛がって上げて下さい。」
そういって私はスリープモードへと移行した。後はマスターがメインスイッチを落としてくれるだろう。
もう2度と目覚める事は無いでしょう。さようなら、マスター。
「おい、いきなり寝るな。」
2秒で起こされた。
「切らないと換装出来ないのでは…?」
「切ったら換装出来ないだろうが。」
「切らないで頭部を取るのは無理かと思います。」
「なんで頭部を取るんだ?死ぬじゃないか。」
「でも取らないとセイバーが付きません」
「いやだからなんでセイバーをつけるのに…あ、お前なんか勘違いしてるだろ。レシートをよく見て見ろ。」
「え?レシート…?」
そういってクシャシャに丸まった紙を広げる。そこにはこう書いてあった。
『ZGMF−X23Sセイバーガンダム』
「セイバー…ガンダム?」
「これを改造して神姫のパーツしたのさ。犬子も使ってるだろ、あの戦車パーツ。」
「あ…」
そうだ、姉様も使ってた。ガンタンクなんとかっていうパーツを。
「ってことは…」
「そういうこと。だからお前側で脚部を外してもらわないと換装出来ん。それに俺はお前の頭をすげ替える気なんざこれっぽっちも無いぞ。」
「マスター…申し訳ありません。私は…私は…」
私は泣いた。自分の事を考えてくれているマスターの優しさに。そしてそんなマスターを疑った自分の愚かさに。
「お、おい…泣くなよ…」
「騎士子さんは負けて落ち込んでいた所にそんなレシート見つけちゃって不安だったんですよ。自分が捨てられるんじゃないかって。
大丈夫ですよ、そんな事で捨てるようなご主人様じゃないですよ。そうだったら今頃私が粛正してますから。」
「それは解っています、姉様。それを疑った自分が情けないんです…」
「いや、そこまで落ち込んでいるお前に気づかないでいた俺も悪かった。許してくれ。」
「そんなこと言ったら騎士子さん、ますます泣いちゃいますよ?」
「う、う、うぇ〜〜〜ん」
そして一週間後に行われた2nd昇進トーナメントで優勝し、私は晴れて2ndリーグへと昇格した。
なんだか騎士子が欲しくなってきた!
みなさん、こんばんわ。チハです。
今日は、マスターと一緒に公式バトルの中継をみて、バトルの研究です。
〜 がんばれ! チハたん 〜
画面では、アーンヴァル同士の激しい空中戦が繰り広げています。
マスターが情報メニューを開き、ランキングを見ました。
「上位は決まったメンバーだなぁ」
そういって、ランキングをスクロールさせて下位を次々と表示させていきます。
やはり上位は、発売時期の早かった、アーンヴァル、ストラーフ、ハウリン、マオチャオの4種で固められいます。
「お? ようやく出てきたか」
かなり下のほうになって、ようやくフォートブラックの名前が出てきました。
「ティーガー……レオパルト……パンター……やっぱり、戦車の名前が多いな」
「マスター、私の名前も戦車なんですよね」
マスターに自分の名前のことを聞いてみました。
「みんな、動物の名前みたいですが、私も動物ですか?」
「あ……いや…うん」
何か、マスターの歯切れが悪いです。
「九七式中戦車……なんだ」
「はい?」
私は首を傾げました。
「中戦車の『チ』、3番目に開発されたという『ハ』……だから、チハ……」
「え? ……そんな安直な…」
「仕方ないだろう。昔の人がつけたんだから」
「はぁ……」
私は一際大きなため息をつきました。
放送がCMに入り、新型MMSのCMが流れました。
『次なる、新たなバトルフィールドは、海!』
綺麗な海に波が大きく立ち、ざばんと砕けます。
岩に座っていた神姫が飛び上がり、海に潜り込むと、後ろから泳いできたイルカと合体して人魚になりました。
『ついに、空、陸、海、3つのフィールドが揃う』
続いて、場面が空になり、鳥に乗っていた神姫が鳥と合体。
海面すれすれにまで、降下して、人魚と手を振り合います。
画面が海中に入ると、潜水スーツを着た神姫が泳いでいました。
『海を制するため、イーアネイラ、エウクランテ、そしてEXウェポンセット ヴァッフェドルフィン登場!』
『武装神姫第五弾、イーアネイラ、エウクランテ、ヴァッフェドルフィン、5月発売』
「ほう、海か……」
「海……」
―― あははは、まてよぉ〜、お〜い ―――
―― うふふ、マスター、捕まえてくださぁぁい ―――
私の頭の中で、砂浜を走るマスターと私の姿が……
「どうする? チハ」
「え? どうするって、マスターと……泳いで…二人でひとつのジュース飲んで……」
「は? 水中バトルのことなんだが」
「え!! あ、あ〜〜!! そ、そうですよね〜! あは、あはははは」
「??」
「なんでもないです!! さ、バトルの続き見ましょう」
この後のバトルの内容は、私の頭に入ってきませんでした。
チハたんばんにゃーい!
>>179 へぇ〜チハってそんな意味があったんだ。
良い名前じゃないか、チハたん。シンプルイズベストだぜ!
∩( ・ω・)∩チハタンばんじゃーい
「オブイェークト!」
うちの砲が新興宗教にはまってしまったんです、助けてください、切実なんです><
「レオもルクレルクもエイブラも、全てのMBTは道を譲れ!T-72こそ至高にして究極の唯一神なり!それ、ぶっ飛べー」
こんばんは、スレをご覧の皆様。
フォートブラッグ型のティーガーです。
ところで
>>159を読んで驚いた方は多いのではないでしょうか。
わたくしティーガーは大いに驚きました。
「ま、マスター、私、戦車型じゃなくて砲台型だったんですかぁ?」
「その通りだが?」
「それじゃあ、高速信地旋回で華麗にクールに薙ぎ倒すイメージだと思ってた私の格闘は…」
「重量のある迫撃砲の銃身で叩きのめす、だと思ってた」
わ… 私のクールなイメージがぁぁ
「クールと言うか、これじゃあまるでドジっ娘だな」
「うう… アルゴさん並びに『砲台』型MMSの皆さん、顔に泥を塗るような真似した事をお詫び致します」
「そう気を落とすなよ。戦車型」
う、うるさいですッ
どうみても強姦です
↓強姦をテーマにしたSS
188 :
罪の代償:2007/01/31(水) 20:24:40 ID:xEz5tbim
>>186 黒子(仮称)は後悔していた。
ほんの軽い気持ちだった。ただ色んな武器を使ってみたい、それだけだったはずだ。
最初は家にある物を試した。
やがて家中の物に飽きると、他の神姫から借りるようになった。
やがてその欲求は抑えられない物になり、人の物に手を付けるようになってしまった。
マスターは知らない。とても言えない。
自分が世間を騒がせている『武装強盗神姫』だなんて。
いつものように良い感じの武器を見つけ、こっそりと忍び寄る。
『こんな事やってちゃ駄目だ。』
解っていても押さえられない。そっと手を伸ばす。
カチャリと音を立て武器が外れた。
相手が振り返る。その相手の容姿に恐怖する。
『鬼』
データでは知っていたが、まさかこの目でお目に掛かろうとは。
「やばい!」
大急ぎで逃げる。駆動部分が悲鳴を上げる。
だが。
「グオォーーーー!」
咆哮。そして跳躍。
神姫の限界を超えた私の走りは、たった一瞬で無となった。
ガシィ!
「きゃああ!」
うしろから羽交い締めにされる。
ミシッ!ミシッ!
機体が悲鳴を上げる。ふりほどくどころじゃない。
ああ…このまま破壊されちゃうのかな…
「おい、なにやってるんだ?」
人の声だ。この鬼の所有者だろうか?
「グルルルルゥ…」
「なるほど、いきなりコイツに武器を取られた、と。」
ああ、やっぱりケーサツに通報とかされちゃうのかな。
私が廃棄処分になるのは自業自得だけど、マスターまで窃盗罪で捕まってしまう…
やっぱりこんな事するんじゃなかった…
189 :
罪の代償:2007/01/31(水) 20:26:26 ID:xEz5tbim
「コイツが噂の『武装強盗神姫』か。可愛い顔してよくやるよ。マスターの顔が見たいもんだ。」
「マスターは関係無いです…全部私が勝手にやった事です…お願いです、ケーサツには…」
「言うなってか、随分ワガママだな。」
「う…」
相手の尤もな言い分に何も言えなくなる。
「まぁ…考えて上げない事もない」
「え?」
相手の意外な提案に驚く。
「キミがちゃんと誠意をみせてくれたら、だけどね。」
相手が卑下た笑いを浮かべながら言った。
選択肢は無い。
「はい…あの…どうすれば…?」
「とりあえずそこに横になって。」
言われたとおりにする。
「こ、こうですか?」
「そうそう。あ、初号機、暴れないように手を押さえちゃって。」
押さえつけられ、動けなくなる。
「さぁてと、んじゃ楽しませて貰いますか」
そういって私の足を持ち、左右に開き始めた。
抵抗する事は許されなかった。
「…イヤ…」
190 :
罪の代償:2007/01/31(水) 20:27:49 ID:xEz5tbim
「…開いたり…閉じたり…開いたり…閉じたり…」
「イヤ…恥ずかしい…」
「っと、こんなもんでいいか。もう泥棒みたいなマネをしちゃ駄目だぞ。」
「…くすん、わかりましたぁ…」
神姫にとってマスター以外に開いたり閉じたりされるのは最大の屈辱である!
みんなも人の物を撮ったら駄目だよ!
最後の最後で誤字る俺マヌケ。
×撮ったら
○盗ったら
>>188-190 く、完璧だ、一分の隙もないぜGJ!
そして2月のイベントと言えば豆まきとバレンタインか
「と言うわけで、2週間後の14日が乙女にとってD−DAYなんだよね」
ピンクのフリフリ付きエプロンを装備しつつ拳を握りしめるシィル。
「なんだか何を今更って感じもしますけど、改めてお兄ちゃんと愛の確認ですっ」
こちらはこちらでライトグリーンのエプロン付けて気合いを入れているぽち。
「らぶらぶ〜な隠し味が一杯詰まったちょこれーとでお兄ちゃんのハートをねらい撃ちだよ〜♪」
ぽちと対になっているライトイエローのエプロンを揺らしながら、たまが歌うようにぽちに続く。
「作ったチョコレート、マスターと一緒に食べて、なんか見つめ合っちゃったりしちゃって……その後は……えへ、えへへへへへ♪」
何故か途中から頬に手を添え、「やんやん♪」と顔中真っ赤にしつつにやけきった表情で首をぶんぶか振ってたりするチハ。
神姫達も女の子、その日が近づけば嫌でも盛り上がる。
そう、それはそんな……神姫達の当たり前の一面。
「チハさん、これ、クリーム混ぜて口当たりを軽くしてみたらどうでしょう?」
「あ、いいですね♪それじゃあこっちのを……」
「おさとーに、ばにらえっせんす、ぽいっぷくりーむに、いちご、あんこ、しらたま、みたらし〜……」
「わわわ!たまちゃん何でも入れちゃだめと言う前に直火でチョコを溶かしちゃだめぇ〜〜〜!」
女の子四人できゃあきゃあ楽しくお料理してる最中、「入っちゃダメ(ですよ)」と台所から追い出されたマスター達は、ちょっぴり苦笑い。
そしてそれから2週間、神姫達の試行錯誤の日々が(友達の神姫達にとっては試供品をほぼ毎日食べさせられるクロウの日々が)今、幕を開けた。
2月という事で勢いだけでやった。
ぽちたまの作者様、チハたんの作者様、いきなり使わせて頂いて御免なさい、腹切ります、痛いのヤだからスポンジの棒で。
>>188-190 くっ……俺が貼ったものでここまで見事なSSに仕上げるとは……
GJと言うしかないではないか!!見事過ぎる!
さて、PCあぼんぬによって消えたSSの書き直しをそろそろ仕上げるか……
後ろで騎士子が「余計な事をせずに早く書き上げなさい」と言わんばかりに睨んでいる事だし(汗
二〜三日中には、書き上げて貼る予定です、少々お待ちをm(_ _)m
>>188-190 強姦と来てそのタイトルだったんで、どんな鬱話かと思ってドキドキしてたら、
予想外のステキオチに吹いた。GJ!
>>190 これは…すばらしいw
こんなオチとはwww
>>193 ぽちたまのですが、どんどん使ってくださいw俺が喜びますw
てか俺が書くより可愛いという。
>>193 チハの人ですが、使っても大丈夫ですよー
こんばんは。続き書いてみましたのでまたスレお借りします。よければお願いしますー。
「悠君?その顔出してる小さい女の子…」
まずい。見つかった。見られた。たま見られた。
「…マオチャオだよね!私のアイカと同じだね、アイカ〜、出ておいでよ〜」
「え…なんかあったの…?」
そういって彼女のスカートのポケットからもぞもぞと神姫が。なんだこの展開は。とりあえず落ち着いて整理してみよう。
俺がたまと少し会話しているときに、彼女(名前なんだったかな…あー、間宮 桃だ)に見つかった。でもは驚いたりするどころか自分の神姫を連れてきていて、今まさに当たり前のように俺達に紹介しようとしている。
…つまり見つかったけど大丈夫?
「ほらほら、アイカ〜、自己紹介しないとダメだよ〜」
「あ…あの、アイカって…いいます…」
「あ、あぁ、よろしく」
なんか恥ずかしそう。人見知りする性格なのか?いやそれより。
「あの、間宮?間宮も神姫マスターなんだよな?学校で見つかると厄介なんじゃない?てか、授業は?」
とりあえず今思いついた質問を全部ぶつけてみる。
「んー、見つかっても気にしないかな〜。授業で使う問題集忘れちゃって教室に取りにいこうとしてたら、悠君がその娘とお話してたの見えたから声かけてみたの〜」
「そうなんだ。あ、俺は一応マスターってこと隠してるから黙っててな。」
「うん、わかったよ〜。じゃ、遅くなっちゃうから私行くね〜。放課後にでも、悠君の神姫も紹介してね〜」
そう言ってトテトテと教室に向かっていく間宮。なんとか危機は回避。てか仲間を見つけてしまった。
「おー、危なかったねー、たまヒヤヒヤしちゃったよー!」
「あなたが顔を出してたのが原因でしょう!」
2人が話し始めた。なんでさっきはなんも言わなかった?と聞くと、
「見つからないように!だよ!」
「見つからないようにしていました!」
ダメだこの娘達。
そして放課後。先に間宮のクラスがホームルームが終わったらしく、間宮が廊下で待っていた。普段俺が女の子となんか一緒にいることなどありえないので、奇異の視線を浴びながら学校を出た。
「ねーねー、悠君の神姫見せてよ〜」
「センター着いたら紹介するからちょっと待っててくれよ」
俺たちは今神姫センターに向かっている。学校じゃぽちやたまを出してやって紹介できないし、家には母さんがいるから女の子なんて連れて帰れない。神姫マスター達が集まるセンターならなんの心配もないというわけで。
さてさて見えてきた。やっぱりいつ来てもここはでかいなぁ。
「ブレイクスペースいこ〜!悠君の神姫、楽しみだな〜」
そう言って俺の手を引く間宮。焦るな焦るな。
「と、いうわけでこいつらが俺の神姫、ぽちとたまだ」
「ぽちです。お兄ちゃんが学校でお世話になっています」
「たまだよー!よろしくね、桃ちゃん!」
と、自己紹介する2人。
「わ〜、2人いたんだね〜。よろしく、ぽちちゃん、たまちゃん!ほらほらぁ、アイカも隠れてないでお話しようよ〜」
「え…あ、うん…あの…」
やっぱりおとなしい娘だなぁ。こういうのも可愛いかな。
「あ、悠君はバトルはしないの〜?」
「あぁ、まだしたことはないな。まだする予定もないけど」
「そうなんだ〜。あ!じゃあ私とアイカのバトル見てみるといいよ〜!筐体行こ、来て来て〜」
また手をひっぱられる。なんかぽちが気に入らなそうな顔で見てるしたまはニヤニヤしてる…なぜ?
「ほら、見て見て!ここに神姫入れてぇ、戦うんだよ〜」
連れてこられたフロアには筐体がいくつか並んでいて、スクリーンには戦闘中の神姫が映し出されていた。初めて見る実際のバトルに、ぽちやたまと見入っていると。
「あそこのモニターにアイカが出るよ〜!見ててね〜」
そう言ってインカムのようなものを付け、戦闘の準備を行う間宮。
準備が終わると電脳空間にアイカと相手のアーンヴァル型神姫が現れた。
…ここからだ。正直これには驚いた。
「ぅおっしゃあぁぁぁぁ!!行くぜアイカァァァァ!!塵も残さず消しちまいなぁっ!!!」
間宮が豹変した。しかしそれだけじゃなかった。
「あぁ!言われるまでも無くやったるぜ!!ドリルで叩き落としてやらぁ、クソ天使ィィッッ!!」
アイカも豹変した。
バトルの方はと言うと、アイカの圧勝。背部に付けられた大型バーニアで加速し、飛行する敵の真下から足の裏に増設された小型ブースターにより急上昇、呆気に取られる敵をドリルでぶちぬいた。
さて、俺はどうするべきだろうか。当たり前に対応すべきか、ちょっと変えるべきか。
「ふ〜、手強かった〜。ねね、見ててくれた〜?」
間宮がアイカを連れて戻ってきた。
「ん、あ、あぁ、見てた見てた。強いんだな、おまえら」
普通に対応した。しかしアレで手強かった、はないだろう。
「そんなことないよぉ。私達なんてまだセカンドだし〜。悠君もバトルやってみない?ねぇ、初めてみよ!」
「うーん、バトルかぁ…」
そう言って2人の方を見てみる。
「私は、お兄ちゃんの希望に合わせますよ」
「おー!たまもアイカちゃんみたいに戦うぞー!叩き落としてやらぁー!!」
少なくともイヤってことはないみたいだ。俺もバトルには興味はあったんだよな…
なら答えは決まり。
「うん、それじゃやってみるか!」
つづかせよう
wikiへ来てくれ
>>198-199 話自体は良いのですが、少々バトル描写が気になりました。
セカンドクラスのアーンヴァル?が、マオチャオがブースターで飛んできたくらいで呆気に取られてってのはどうかと。
以下勝手に妄想。
「そんな!まさか!」
私(白子(仮名))は焦った。
今回の対戦相手はマオチャオ型と聞いていたので、「空中から牽制して、速度が鈍った時を狙撃すればいい」と考えていた。
だが上空からPDW9を撃った途端、マオチャオの姿が消えた。否、飛んだのだ。
翼も無しにブースターの推力だけ、という無茶な方法で。
もっともそういった相手は始めてでは無い。いずれブースターの圧力が下がって下降し始める。そこを狙えば良い。
巧みに旋牙を振るってくる。ここは我慢のしどころだ。回避に専念する。
そして下降し始めるマオチャオ。チャンスだ。レーザーライフルを構え、照準を合わせる。
チャージ完了、発射。これで終わりだ。そう思った。
「ぅおりゃぁぁぁ!いくぜ!ドリルクラッシャーーー!」
下降中に背面ブースターを全開にし、旋牙を構え無理矢理急上昇を始めた。
「そんな!まさか!温存していたっていうの?」
旋牙でレーザーを弾きながら突進してくる。
弾かれ減衰したとはいえ、灼熱のレーザー光に身を焼かれながら。
「そんな強引な手が!保つわけがない!」
このまま照射を続ければいずれ旋牙が溶ける。そうなればそのままレーザーで貫けるはずだ。
「なめんなぁ!」
脚部のサブブースターも起動させ、さらに旋牙もの回転も上げ突進してくるマオチャオ。正気とは思えない。
「嘘でしょ…」
「いっけえぇぇぇ!」
グシャ!ついに旋牙がライフルに到達し、砲身を破壊した。
そのままの勢いでライフルごと私を貫いた。
そして勝負は決した。
『勝者、アイカ!』
>いくぜ!ドリルクラッシャーーー!
マイトカイザー吹いた
>>200 wikiですか、こんな稚拙な文を載せちゃって大丈夫なのか心配だったりw
>>201 頑張って続けますっ!
>>202 わざわざ例までありがとうございます!確かに描写は少なかったです。その部分書きなおしてみます!
ぽちたまの魅力はバトルにあらず、だと思うがね。
だがバトルを書くならしっかりと書くべきだと思ふ
初で少し書いたみたけど、駄文になってしまった・・・orz
はたして読めるものではない気がするが、投下してみる
流れを切るようですまない
ある日、俺が家に帰ると机の上に1人の少女が座っていた−
「私のマスターになってください」
序章
「へ?」
俺はあまりにも突然の出来事で意味がわからなかった。
「ですから、私のマスターになってください」
目の前の少女は自分のマスターになれ、と言っている。
「・・いや、マスター云々の前に君は一体・・」
「私ですか?私は武装神姫シリーズ タイプ・ストラーフです」
武装神姫・・・最近世間が騒いでいる小型ロボットだ。
ただ、ロボットと言うにはちゃんと感情もあるし、自分で行動もする小さな人間とも呼べるもので、実際前にいるのは身長15cm程の少女なのだが・・
「君がストラーフ型なのは見ればわかるけど、何で俺にマスターになってくれなんて・・そもそも君はもう起動してるじゃないか」
そう、普通武装神姫は起動と同時にマスター登録を済ませるはずだ。
「・・・捨てられたんです・・私にマスターはいません」
「捨てられた?」
俺が尋ねると、彼女はうつむきながら話し始めた。
「はい・・起動されてからすぐ・・時間にして、3分と言ったところでしょうか。まるで、もう興味がないかのように・・私は・・」
肩を震わせながら、辛そうに話している。見ると、彼女の体には数ヵ所傷のようなものがあった。
「その傷は?」
「これは・・たぶん生産時のミスかと思いますが・・私を起動させた人はきっとこの傷を見て・・」
・・ひどい。傷があるだけ、たったそれだけのことなのにそれすらも許さないと言うのか。
「わ・・私、は・・っ・・」
彼女の顔にきらりと光るものが見えた。俺は悲しいソレを見るのが昔から嫌いだった。
「もう話さなくていいよ」
「・・ですが、」
「俺が君のマスターになってやる」
彼女の言葉をさえぎるように言った。
「え?・・本当にいいんですか?」
「何度も同じことを言わせないでくれ。俺が君のマスターになる」
「あ・・ありがとう、ございます!」
ゴツッ!
「ッ〜!」
土下座をしようとして机に思いっきり額をぶつけたらしい。両手で当たった部分を押さえている。
「何やってんだか・・・」
しかし、俺の部屋には先ほどの空気はもう漂っていなかった。
「ところで、君はまだ名前はないんだろう?」
落ち着いたところを見計らって質問をしてみる。
「へ?・・はぃ・・まぁ・・」
「なら・・今日から君は『ライル』だ」
「ライル・・」
「嫌か?思いつきとはいえ、いい名前だと思うんだけど・・」
「いえ、嫌だなんてことありません。とても・・素敵な名前です。」
「そ、そうか?」
う〜ん、女の子にそんなこと言われたことないからなぁ。流石に照れる。
「では・・あの、あなたの名前は?」
「ん?俺か?俺は『久世 龍也』って言うんだ。よろしくな、ライル」
「『久世 龍也』マスター登録完了。こちらこそ、よろしくお願いします。」
その日から俺の新しい日々が始まった・・・
おまけ
「ところで、何で俺の部屋に入れたんだ?」
「窓が少し開いてました。換気してるの忘れて、出かけちゃったんですか?」
「・・今度からは気をつけよう」
新規さんにはせめて公式設定くらいは見てきてほしいな。
それとwikiで他の人の作品も見てくるといい。
テンプレはもううんざりだよ。
逆に考えるんだ
どうしてテンプレばかりがでてくるのか、その元を探るんだ
拾ったり不具合とかで捨てられたりしたのが主人公の神姫という設定にすると
出だしが
>>208-209見たいな感じになっちゃうんだろうな・・・
最初はそういうのすっぽかして後々語る、ってな感じにしたりするのはどうだろう?
みなさんこんばんわ。チハです。
〜 がんばれ! チハたん 〜
「ただいまー」
「あ、おかえりなさい」
マスターを出迎えます。
「買ってきたぞー。さっさと食おうぜ」
マスターが買い物袋を持ち上げてにっこりと笑いました。
食卓に着くと、マスターが買ってきた本日の夕食を並べます。
「ほれ、チハにはこれだ」
わたしの前に置かれた黒い棒のようなもの。
「あの、これは?」
「これは、恵方巻きといって、節分に食べる縁起のいいものだ。で、それは特別な神姫サイズ」
「そうなんですかぁ」
自分の前に置かれた恵方巻きをみました。
「でも、食べにくそうですね。切るものもってきます」
「あ! まてまて、これはこのままで食べるんだ。むしろ切ってはダメなんだ」
「は、はい……」
マスターと同じように巻き寿司を持ちました。
「えっと、いただき…………」
食べようとしていた私を、マスターが遮ります。
「おっと! 食べる時は無言で、願い事を思いながら食べきるとかなうとも言われている」
「おくが深いですね……」
「まぁな、これでも立派な伝統行事だ」
そうして私とマスターは、無言で食べ始めました。
― 願い事かぁ……マスターは何をお願いしてるのかな…… ―
ちらっとマスターの方を見ました。
― 私の願い事は……まず、バトルで上位ランクに上がりたいです…… ―
黙々と食べ続けています。
― あとは……マスターと…えっと……でも、マスターは…… ―
― あ、ダメダメ! ちゃんとバトルのことお願いしないと…… ―
― マスターと…… ―
私の頭では壮絶な戦いが始まりました。
「!! ごほっごほっ!」
私は突然むせて、咳き込んでしまいました。
「お、おい、大丈夫かチハ」
「あ、はい、大丈夫……あ…」
「あ……」
私とマスターは顔を見合わせます。
「あは、あははは、わははは!!」
「うふ、うふふふ」
そして、一緒に笑い合いました。
「まぁ、ゆっくりと食べようか」
「はい」
こうして、楽しい夕食がすぎていきました。
>>204 202を書いた者です。
すまん、
>>205氏の言うとおりです。描写が少なくてってわけじゃなくて、wikiのバトルss見てると白子あっけなさすぎじゃね?って思っただけです。
「バトルの方はと言うと、アイカの圧勝。背部に付けられた大型バーニアで加速し、飛行する敵の真下から足の裏に増設された小型ブースターにより急上昇、最後はレーザーをドリルで弾きながらそのままぶちぬいちまった。」
程度にしたかったけど、なんか妄想が膨らんだので勢いで書いちゃいました。ちょっと反省。
>しかしアレで手強かった、はないだろう。
主人公も思ってたのね。
>>213 チハたん頑張れ〜。
本当は白子と黒子のように、犬子だけではなく猫子も話に絡ませるつもりでした。
が、脳内設定の所為とリアル猫の可愛らしい行動が思いつかず、今回は犬子単品での話しになりました。
次回は猫子単品か、それが失敗した場合騎士子と武士子の話になるか…。
◎月■日
「あー、可愛いなぁ」
テレビを見ながら自分でも自覚出来る位、だらしない事この上ない顔をしている俺。
画面には所狭しと動き回る大型犬の子犬の姿が映し出されている。
犬好きな俺。特に大型犬の赤ちゃんは反則だ。愛くるし過ぎる。恐ろしい子!
嗚呼、際限無く頬が緩んでしまう。
「ワン!」
膝の上に座って、一緒にテレビを見ていた犬子が非難がましい声を上げる。
ちょっとテンションが上がり過ぎていたらしい。
俺が余りにもテレビの中の子犬に夢中になっていたので、犬子が少し拗ねてしまったようだ。
「ゴメンゴメン、ほら、機嫌直して」
ソッポを向いてしまった犬子の頭を撫でる。
最初こそソレを無視していた犬子だが、時間をかけて撫でていると機嫌が直ったらしい。
尻尾を振って、気持ちよさそうな、嬉しそうな顔になった。
「ワン!」
テーブルを指差して一鳴き。
どうやらテーブルの上に乗せてもらいたいらしい。
膝の上からテーブルの上に持って行くと、犬子は寝っ転がってお腹をこちらに向けてきた。
「また、お腹撫でて欲しいの?」
問いかけると、横になりながらも尻尾を振りながら、何度も首を縦に振る犬子。
家の犬子は、家で飼っている本物の犬同様、頭を撫でられたりお腹を撫でられたりするのが特に好きで、しょっちゅうねだって来るのだ。
「ワン!」
甘えるように、催促するように鳴く犬子。
と言うか、折角言葉が喋れるのだから、言葉を使いなさい。
何で家の犬子は、本物の犬のように鳴いて意思疎通を図ろうとするのだろう?あと、猫子もそうなんだよな……。
「ま、今はソレを置いといて」
考える事を早々に放棄。
犬子のお腹を優しく撫でる。
これが他の神姫なら、きっと恥ずかしがって頬を赤らめたりするのだろうが、犬子はただ気持ち良さそうに目を瞑っているだけである。
一緒に頭も撫でると心地良さから今度は眠たくなってきたらしく、目を擦りながら欠伸を始めた。
「…スー、スー………」
暫く撫で続けていると、小さな寝息が響き始めた。言うまでも無く、犬子が眠ってしまったのだ。
「何だか本当に、武装神姫を所有してるんだか、単なるペットを飼ってるんだか分からなくなるな…」
犬子を起こさないように、小声で呟く。
同型の他の神姫よりも、かなり色濃くモチーフとなった犬の行動や好みが現れる犬子。
犬子が来たばかりの頃はよくそう思っていたが、最近では慣れてしまった為、殆どそう思う事は無くなってきていた。
「…スー、…クゥ〜ン……」
ん?寝返りを打つのかと思ったら、身体を丸めてしまった。
それだけなら別段どうと言うことも無かったが、偶然にも近くに置いてあった俺の手に寄り添ってきたではないか。
「あらら、これは困った」
犬子の小さな鼻から規則的に出る、僅かな鼻息が非常にくすぐったい。
流石にこれは我慢出来そうも無いので、ゆっくりと手を離そうとする。
「…やぁ…」
「!」
ソロソロと手を離そうとすると、犬子が小さく呻いた。しかも珍しい事に、普通の言葉で。
そしてまた、近くに寄り添う犬子。矢張り鼻息がくすぐったい。
「…まぁ、良いか」
本当は離れたいが、珍しいものが聞けたのでそのお礼代わりだ。
犬子が起きるまで、俺の手を貸してあげよう。
無防備な犬子の寝顔を見ながら、そう思う俺だった。
尚、その後俺も少しウトウトしていた間に、自分の手の平が犬子の涎によってベタベタにされた事もついでだから記しておく。
こんばんは、第4話をwikにうpしました
……本当はね、ここに投下した後でwikにうpするつもりだったけど
余りにも話が長くなりすぎて、このスレの容量を圧迫しそうだったから止めざる得なかったんだ。
待っていた人、本当にごめんね……orz
>>214 そうだったんですかw
でも参考にさせてもらってちょっと直してみたんでうpしてみます。
「あそこのモニターにアイカが出るよ〜!見ててね〜」
そう言ってインカムのようなものを付け、戦闘の準備を行う間宮。
準備が終わると電脳空間にアイカと相手のアーンヴァル型神姫が現れた。
…ここからだ。正直これには驚いた。
「ぅおっしゃあぁぁぁぁ!!行くぜアイカァァァァ!!塵も残さず消しちまいなぁっ!!!」
間宮が豹変した。しかしそれだけじゃなかった。
「あぁ!言われるまでも無くやったるぜ!!ドリルで叩き落としてやらぁ、クソ天使ィィッッ!!」
アイカも豹変した。
バトルの方はと言うと、アイカの圧勝。相手のアーンヴァル型もアイカがマオチャオ型ということで、とりあえずは単純に空中から牽制しつつ隙を狙ってトドメを入れてやろうとでも考えていたのだろう。
しかし、その単純な考えで勝てるようなアイカではなかった。アイカは背部に備え付けられた大型のバーニアを巧みに操り敵の弾をかわしつつ接近し、足の裏に増設された小型ブースターで急上昇していった。
まぁ、それくらいなら敵もセカンドランカーだけあり予想できたのだろう、ブーストが切れるまで回避に専念していた。
しばらくしてブーストの切れたアイカが下降を始めると、チャンスと見た敵がレーザーライフルを構え発射しようとする。
だがアイカは空中では一切使わず温存しておいた背部バーニアを使い発射直前にレーザーを避けてから敵の頭上まで上昇、そこから下に向けて思いっきり旋牙をたたき込み、勝利を収めたのだ。
こんな良スレがあったのか、気付かなかったぜ
>>210−212
言われてから気づく自分・・
すまない、もう1度勉強してくる
人物設定は変えないつもり・・次があればまた意見して頂けるとありがたい
>>220 気にすること無いんじゃねえの?
大体、妄想なんだから設定にこだわりすぎる必要もないし、既存話の世界観とやらを
無理に盛り込む必要もない。
”新規さん”呼ばわりとかは、wikiの中だけでいいんじゃねえの?
このスレだけ読んでる人だっているわけだし。
妄想をありのままに書いたオナニー文章なんて誰も見たくないだろ・・・
既存話の世界観はともかく公式サイトぐらいは読むべきでしょう?
エロパロ板って妄想を書きなぐる場所じゃなかったのか。
そりゃ良く出来た作品の方が喜ばれるのは当然のことだが。
妄想もいいけどオナニー自己満足なやつは勘弁ね、ってこと
次があれば、とか言っておきながら今いろいろと考えている
前作よりましな物になるかはわからないけど・・
>>225 せっかく導入部を貼ったんだから載せちゃいなさい。
もともとここはSSスレってわけじゃない。
神姫をネタにエロや萌えの妄想を語り合って楽しもうよって場所。
だからこそ武装神姫っていうものの公式くらいはおさえてて欲しいと思う。
>227
妄想スレだからこそ設定無視も有り何じゃないかと俺は思ってしまうわけだが…
>>210 お前の出番だ、スネーク
公式設定に関しては味噌汁の出汁の様なものであって、出汁を煮干しで取ろうが鰹節で取ろうが出汁の元解かしただけだろうが
構わないんじゃないかと思う漏れガイル
白は俺の嫁だというのが俺の中の公式設定
「ねえますたーますたー! みずをさす、ってなぁにー?」
「猫子。お前、どこでそんな難しい言葉を……」
「あのねー! なんか黒子ちゃんがすれ見ててぼやいてたのー!
もりあがるとなんかみずをさすやつがでてくるぜーって!」
「……あいつ。またそんなスレ見てんのか」
「みずってさせるの? チクってする? それとも猫子の旋牙みたいに
グサってなる? ぎゅりぎゅりまわる?」
「いやいや。ちょっと見てな」
俺はコンロに掛かってる鍋を指差す。
ぐらぐら煮える湯は噴きこぼれる寸前。鍋の中では、白くて長いものが踊っている。
「あ。きょうのごはんはおそーめん? おだしはかつお? それともいりこ?
猫子、かつおがいいなぁ」
「お前、ダシの違いなんて分かんねえだろ……」
わかるもん! と抗議の声を上げる猫子を放って置いて、いままさに
噴きこぼれんとしていた鍋にコップ一杯の水を回し掛けた。
「はわわー!」
表層を覆っていた白い泡がしゅわしゅわと消え、お湯の中から素麺より
ひと回り太い麺が姿を見せてくる。
「残念。素麺じゃなくて冷や麦でしたー」
「おまえ、そうめんとひやむぎのちがいなんてわかんねえだろー!」
真似するなよ猫子。
っていうか、分かんねえのはお前じゃないのか。
「えっと……話が前後したけど、これが差し水。要するに、盛り上がってる所に
盛り下がるようなコトを言う、って意味だな」
「へー」
分かってない。
絶対分かってないよ猫子さん。
まあいいけど。
「おーい。黒子ー。そろそろご飯にするぞー。今日は冷や麦だから、出汁の
準備してくれるかー?」
「へいへーい」
「こないだみたいにコーンクリームスープを出汁にしたいとか言うなよー」
「分かってるってー!」
猫子も黒子もご飯を食べるのは良いけど、本当に味とか分かってるのか
怪しいもんだ。
「せいぜい豚骨スープくらいにしとくぜー」
くそっ。相変わらずチャレンジャーなヤツめっ。
「それともマスターの精液がいいか?」
「……そういう変態料理はエロゲだけにしてください」
えーっと。なんか悪い流れになってるから、神姫の股を開いたり閉じたりして
落ち着こうぜ。前に荒れたときを思い出して切なくなる。
二次創作なんだから、オリジナルである公式をひと通り読んだ上で上手く無視や
アレンジするのはいいと思う。だから
>>227にも
>>228にも同意。
上の味噌汁の話でいえば、味噌汁という料理名が原作であって、具材や出汁や
調理法や食器の選択が書き手の腕の見せ所じゃないかな。
それが公式の設定全く読まずにコーンスープを作ってちゃ、それは神姫の妄想話とは
言えんだろう。まあ、面白ければ何でもいいっちゃあいいんだが。
武装神姫の正体は宇宙人。夜な夜な人間サイズに巨大化してはマスターから精を搾り取っている。
なんてぇのはもう武装神姫とは言えないと思う。
公式を知ったうえであえてネタでやるんならともかく、ちょっとネットで話題になってたので妄想SS書きましたって来られてもちょっと……ってなっちゃう。
ふと気づくと、マスターが私の横にいた
私とマスターは、同じ大きさだった
私が大きくなったのか、マスターが小さくなったのか、それは解らない
マスターが優しい声で語りかけてくる
「愛してるよ、───」
マスターがそんな事言うはずがない
ああ、そうか
これは夢なんだ
「もう離さないよ」
マスターが私を優しく抱きしめる
・・・これも夢
「愛してるよ」
マスターが優しく口づけをしてくる
・・・これも夢
「可愛い胸だね」
マスターが私の胸を愛撫する
・・・これも夢
「君の声がもっと聞きたいよ」
マスターが私の秘所に舌を這わせる
・・・これも夢
「一つになりたいよ」
マスターが私の中へと入ってくる
・・・これも夢
「もっと君を感じたいよ」
マスターが私を激しく突く
・・・これも夢
「くっ!愛してるよ!───!」
マスターが私の中で果てる
・・・これも夢
マスターは知らない、知られてはいけない私の夢
決して叶うことのない、私の夢
>231
すげえ新鮮な黒子キャラ吹いた
気になったものは詳しく知りたいとか思わないかな?
公式サイトに行って設定やらストーリーはどんなんだろってウキウキしながら読んだものだけどな。
神姫が世間で一般的に普及しているし、料理をサポートする神姫とか、家事の補助を目的した神姫は当然いるだろうね。
人間サイズの自律型AI搭載ロボの製造は禁止されているので、このサイズになっているとか妄想。
日本での普及率は世界一だと思う。何しろ日本人はロボットに心があって、なおかつ人間の友達っていうのを当たり前に受け入れられるから。
海外へ販売する物に「神」がつく呼び名はまずいかもしれないけど、妖精、精霊、妖怪的な意味での「神」とかなんとかこじつけて。
一寸法師や座敷童とかコロポックルとかミクロマンとか、日本人は小さいお友達が好きだしね。
まあ、あんまり小難しいこと考えなくていいから絵描いたりパテこねたりしようぜ
おっと誤爆ごめん
>237
白子の可愛さは異常スレから来たと申したか
>>235 仮に海外へ売り出す場合はArmed-Fairy-Princess
にすれば問題ないだろう
>小さいお友達が好きだしね。
メイン購入層は大きいお友達なんですがね
日本人の遺伝子には「ロボットは強くて良い奴でボクらの友達」って因子が刷り込まれているからねw
手塚先生は偉大だった
ホンマ手塚先生には頭が上がらんわ
女性型手伝いロボが人間の男と添い遂げた結果、そんな機能は付加されてないにもかかわらず妊娠して出産しました、てな短篇を描いてるくらいだし
>>243 白子「…ということは、マスターと添い遂げれば私も…うふふふふ」
>>243 オレ「…ということは、黒子と添い遂げればオレの子が…うふふふふ」
黒子「いや、それは無理だから」
玩具の神姫スレのような混沌、そして適度に書かれるナイスなSS、
これぞこのスレの本来の姿よのう。
ふたばでは神姫同士がキャッキャウフフな傾向で、こっちはマスターとの絡みがメイン。
本スレはあくまで玩具板だからまた違ったノリだし。
なかなか面白い違いだな。
>>247 神姫同士がキャッキャウフフなのを
仲間はずれにされたマスターがいじけるのはどこ向け?
「犬子ちゃん、ここはどうにゃ〜?」
「ああっ…ダメ…猫子…」
「ん?やめてほしいにゃ?」
「…いや、やめないで…ああっ!」
「そんな子はお仕置きにゃ〜」
「あああ〜〜〜っ!」
──部屋の外
「部屋に入れない…」
ふたばではここのSSはU-1って馬鹿にされてるよね(´・ω・`)
多くのU-1成分はwikiに流出してるじゃん。
wikiのssは二つ名とか難しい単語ばかりでおじちゃんついていけないよ
馬鹿にしてるっていうか、懐かしんでるだけだよ
竜破斬を大まじめに「ドラグスレイブ」と読んだり、あまつさえ呪文を暗記してたり、そんな感じの甘酸っぱい時代があったなあ、と
「壷はU-1」という定型句でネタにしてるだけ。ぶっちゃけふたばの方が変態度は高いが民度も高い。
あっちはあっち、という態度で住み分けてるよ。
ssは主にwikiへと住み分けてきてるので感想は総合掲示板へどうぞ。
ならここはスレタイ通り、妄想を垂れ流すスレなのか?
wikiに貼るつもりは無い小ネタはここ投下でいいのかしら。
どんと来い。何でも来い。
※注意
このSSは作者の妄想のみで作られております
その為劇中に魅惑的なシーンがございますが、画像などはありません
もしどうしてもごらんになりたいのならば、脳内フォルダを検索するか、優しい神様が降臨なさってくれるのを期待してください
「お兄ちゃん、これは何?」
我が愛しのマイシスター、マオチャオ型のユキが俺が買ってきた箱を見ながら言った
「おう、それはユキの新しい机と椅子だ」
「え?ホント?開けていい?」
「まぁ落ち着け。組立式だから今から組んでやる」
「わ〜い!ありがとうお兄ちゃん!」
中から取り出し組み立ててやる
「…あれ?なんか変わった机と椅子だね?お兄ちゃんの部屋にあるのと全然違うよ?でもなんか見たことあるような…?」
「そんなはずは無いんだがな。学校で使われている物のコピーだからな」
「あっ、思い出した。確かお兄ちゃんがやってたちょっとえっちなゲームに…」
「うおぅストップストップ!」
慌てて制止する。ここで感づかれては俺の計画が水泡に帰す事になる。
「でもどうして急に?」
「まぁなんとなくユキが日中俺が居ない時でもちゃんと勉強できるようにな」
「う〜私ちゃんと勉強してるよ〜」
「まぁあれだ、物事は形から入った方が良い場合もあるってことだ」
「うん、わかったよ。ありがとうお兄ちゃん。私、勉強頑張るよ」
「それで、だ」
「うん?」
「勉強するにはそれなりの格好と言うものもあってだな…」
「う…なんかイヤな予感…」
「ちゃんと気合が入るようにと服も買ってきたぞ!」
言って俺は制服を取り出した
「さあ着てみるんだユキ今すぐ!」
「いや…もう夜も遅いし…」
「さあ!」
「っていうかそれたしか例のゲームの…」
「さあさあ!」
「いやその…」
「さあさあさあ!(懇願するような目)」
「うん…わかったよ」
「さすがマイシスター!。物わかりが良い子でお兄ちゃん嬉しいよ!」
「はうう…またこのパターンなのね…」
ユキは着替える為にドールハウスへと入っていった。
え?目の前で着替えさせるんじゃないのかって?
おいおい、愛しのマイシスターにそんな事させる訳ないじゃないか
「着替えたよ、お兄ちゃん」
「どれどれ…ををっ!」
「似合ってるかな…」
ユキが着た制服は40年近く前に流行ったという東鳩と呼ばれたゲームの物である。
白いニーソを思わせるユキの足とミニスカートの赤、その間にある絶対領域…
「うむ、GJ!さすがはマイシスター!」
「ちょっと靴のサイズが会わないんだけどね」
「いやいや、まさにユキの為にあるような服だ!」
「えへっ、そうかな?」
クルっと一回転しようとするユキ。だが靴が合ってない為バランスを崩す
「わわっ!わわっ!」
コケてその場で尻餅を付く
「あたた…てへっ、失敗しちゃ…」
尻餅を付いたユキを見ている俺を見てユキの言葉が止まる
俺の視線の先は…
めくれ上がったスカートから見える白い…
「きゃー!お兄ちゃんのえっち!」
慌てて隠すがもう遅い
「なぁユキ」
「なあにお兄ちゃん!」
「非常にいいづらいんだが、お前のスカートの中をみたら気持ちが昂ぶってきたんだ…」
「あ…」
「この気持ちの昂ぶりをどこにぶつけたらいい?」
「もしかして、狙ってた?」
「昂ぶりをどこにぶつけたらいい?」
「う…」
「どこにぶつけたらいい?」
「…開いたり、閉じたり…?」
「ううっ、さすがはマイシスター!お兄ちゃんは嬉しいよ!」
「やっぱりこの展開なのね…」
諦めてその場に座ろうとするユキ
「ああ、ちょっとまって」
「え?」
ユキを制止し、ある物を引っぱり出す
「せっかくだから、この上に乗って」
「机の上…ですか?」
そう、机の上。よくえろげ等である『机の上に彼女を乗せてえっち』を再現しようという素晴らしい計画なのであった!
もっとも、神姫相手で出来る事は開いたり閉じたりまでであるが。
「こう…ですか…?」
「うを…これは…」
制服を着た可愛いマイシスターが、机の上に寝そべっている!机からはみ出た足が膝から足首までがブラブラしている!
手で机を一生懸命掴んでいる為、可愛いおへそまで見えてしまっている!
予想以上の破壊力に俺の気持ちが更に昂ぶる!
「お兄ちゃん…怖い…」
しまった!ユキを怖がらせてどうする!
「ああすまんユキ。あまりに可愛いものでつい…」
少し深呼吸をして気持ちを落ち着ける
「すー、はー、すー、はー…よし。それじゃあユキさん、始めさせていただきます」
「うん…」
ユキの膝を優しく掴み、そっと上げる
「あっ…」
スカートがめくれ上がり、ユキの大事な所が露わになる。だがまだよく見えない
「開いたり」
そこからゆっくりと足を左右へと開いていく…
「ああっ…」
机の上から落ちないように必死に掴まりながら、大事な所を直視された羞恥心から顔を真っ赤に染めたユキがこっちを見上げてる
「閉じたり」
ゆっくりと足を閉じてゆく
「はあぁ…」
ユキが落ち着くのを待って、再び開き始める
「開いたり」
「んっ…」
「閉じたり」
「ふぅぅ…お兄ちゃん…」
「ん?どうしたユキ?」
「なんか…いつもと違う…カラダが…すごい熱くなって…」
いつもと違うシチュエーションに、ユキも興奮してるようだ
「じゃあ、本気をだすぞ?」
「うん…お願い…」
ペースを上げる
「開いたり…閉じたり…開いたり…閉じたり…開いたり…閉じたり…開いたり…閉じたり…」
「ああっ…ん…はうっ…あん…ああっ…ん…はうっ…ああっ!ああ〜〜〜〜っ!」
ユキが絶頂を迎える…
そのまま眠ってしまったユキをクレードルへと寝かせる
可愛い寝顔を見ながら、さてこっちはどうするかな?と悩む俺であった…
夜、おれは自室にいた。時間がくる。叫ぶ。
「オナニーの時間だ!」
台所からサランラップを持ってくる。
「ヘイ、YO!ヘイ、YO!イェッ、カマーン」
なんとなくラップを歌ってみる。自作曲だ。ファック、J@SR@C。
おれは、オナニーは一日一回、決まった時間にやるように固く決めていた。
一日一回、規則正しくやることで実のある快楽を得ることができる。
そうでもしないと、日々のストレスは解消できない。新入社員であるおれは、上司と戦っていた。それが新入社員の仕事だというように。
同じ新入社員のとおる君は、仕事を抜け出して彼女に会うことをストレス解消の手段にしていたが、おれに彼女はいない。
「今日はお前だ!カモン、アーンヴァル」
アーンヴァルは、そこにはなかった。見当たらない。
捜す。捜す、捜す、捜す。部屋中をひっくりかえす。
そしておれはようやく、見つけた。――――――真実の愛を。
いまは必要ないので、窓から投げ捨てた。
「どこにいったんだ、おれのアーンヴァル」
諦めかけた頃、おれは机の上に一本のビデオテープがあるのをみつけた。
再生してみる。
まずテレビに映されたのは、まったくの闇だった。視点が動くと、アーンヴァルが現れた。
「おーっ、おれのアーンヴァル!」
ニットマスクを付けた男が、こちらを覗き込んだ。そいつはにぃっと笑う。
「キャストオフ!」
そいつはそう言うと、ズボンとパンツを脱ぎ捨てた。ルパン三世並の手際だった。
「おい、お前、なにをするつもりだ……」
ビッグになったフィリップ・K・ディックを見せ付けられる。SFファンに本気で殺されそう。Kは多分カリの意味。まったく反省していない。
そいつは、見たくもないそのフィ(略)ディックをアーンヴァルの顔に押し付けた。
「ああっ、なにするだぁー!」
前後移動。こすりあげる。顔の次は腹、尻と責める場所を変えていく。
「クロックアップ!」
またそいつが叫んだ。動きが格段に速くなった。
「やめろ、ラップもかけずにそんなこと、もうやめてくれえぇぇ!」
涙が出てくる。
「ウゥッ!」
画面の中の男がうめいた。白濁液がアーンヴァルに降り注ぐ。
汚濁にまみれたアーンヴァルの顔がアップになる。
「汚された……俺のアーンヴァル」
床を激しく殴り付け、おれはむせび泣いた。
「ちっくしょおおおぉぉぉ!」
「あ、あ、あ、あ、あ!」
テレビから声。画面に視線を戻すと、男がアーンヴァルを見下ろしている。
「この子、よく見たら、お人形!」
「気付いてなかったのかよ!つーかなんだと思ってたんだよ!」
<神姫NTR、END>
……system memory check......ok
……core unit check......ok
……body unit check......ok
……CSC #1 check......ok
……CSC #2 check......ok
……CSC #3 check......ok
……type:FORT BRAGG......loading......ok
……operation system boot......
プラスチックの箱の中。
彼女の意識が、闇の中から浮かび上がる。
「システムの起動を確認しました」
半身を起こせば、目の前にいるのは一人の青年だ。
まだ体が命令に付いてこない。機械の少女はゆっくりとした
動きで立ち上がり、マスターであろう彼を見上げる。
小さな唇が動いて、システムから送られてきた言葉を機械的に
紡ぎ出した。
「マスター認証を開始します。あなたが私のマスターですか?」
system linkage......ok
同時に少女の体内ではシステムの最終確認が行われていた。
コアユニットから伸びる意識の糸が全身を繋ぎ、緩慢にしか出来なかった
動きを優雅かつ確実なものへと変えていく。
「ああ。俺が……」
その瞬間。
「きゃああああああああっ!」
少女の悲鳴が、男の部屋の中に響き渡った。
「きゃあっ! きゃああっ! きゃああーーーーっ!」
悲鳴は、小さな段ボールの中から響いていた。
「おいおい……」
青年の前にあるのは手のひらサイズの段ボール。『北の幸』と
逆さまに書かれたミニチュア食玩の箱は、机の上で悲鳴を上げつつ
ガタガタと揺れている。
「ちょっ! これっ!」
「何だよ……」
「は、は、ははは、はだかっ! これ、はだかっ!」
逆さまの段ボールからはみ出た小さな足は、確かに淡い肌色だった。
「……だって、それしか売って無かったんだもん。ていうか、マスター
認証と名前は……?」
「そ、それどころじゃないでしょっ!」
「Exシリーズにまさか体が付いてないなんて思わないだろ。普通」
商品の箱に入っていたのは、フォートブラッグの武装と生首だけ。
とりあえず生首だけがごろりと転がる光景を何とかしようと、近所の
ショップで売れ残っていた素体を買ってきたのだが……。
「だからって、よりにもよってはだか素体なんてっ!」
「フレッシュ素体って書いてあったけど……」
「どう見てもはだかじゃないですかっ!」
今はどう見ても喋る段ボールだったが、青年はそれ以上言う気には
なれなかった。
「おーい。とりあえずでてこーい」
段ボールに向けて、優しい声を掛けてみる。
青年はもう二十年とちょっと生きていたが、段ボールにこんな優しい声を
掛けたのは生まれて初めてだった。
「裸なんてやですっ!」
が、頑固な段ボールは譲らない。
茶色の段ボールと肌色の足をばたばたさせて、全力で抗議する。
「だってお前、コアと素体とCSCって、一度くっつけたら外せないだろ」
「だからって! ……あ」
その瞬間、ガタガタと揺れていた段ボールが急に静かになった。
「……マスター認証が規定時間内に行われませんでした。システムを一旦
終了します」
……system memory all clear......ok
先程まで悲鳴を上げていた少女の声が機械的なメッセージを呟いたが最後、
段ボールは完全に沈黙。
「やれやれ……」
そして青年は少女を段ボールの中から取りだして、再起動させるべくケースの
中へそっと寝かしつけた。
>>263にもどる。
266 :
m:2007/02/12(月) 17:24:28 ID:eBi2f3KH
ここわ、エロ妄想をするんですか?
ここは萌えや燃え妄想を語り合い、共ににやにやするようなスレです。
本スレでは憚れるような話題などはこちらでどうぞ。
あとここは年齢制限ある場所のうえ、マナーというものもあるので素人には半年ROMれと言っておこう。
ユキは落ち込んでいた
前回、兄の気持ちが昂ぶりを押さえるはずだったのに自分だけ先にイってそのまま眠ってしまい、肝心の兄を放置してしまった事を
「はぁ〜…私って、こんなえっちな神姫だったのかなぁ…」
あの後兄はどうしたのだろう?
気持ちが昂ぶったまま悶々とした状態で寝る羽目になったのだろうか
それともまたあのゲームで自分で…
「そんなのイヤだよぅ…」
キチンとした処理が出来ない以上、生物としてはどちらでも変わらないのだろう
だが、大好きなお兄ちゃんが自分ではなくゲームを使って処理したのかと考えると落ち込んでくる
「はぁ〜。でもどうすれば…」
昨日兄が買ってきてくれた机に向かって考える。
「だめだ〜!良い考えが浮かばないよぉ〜!」
後にのけぞって叫ぶ
ぐらり
「わっとっとっと…」
コテン
「アイタタタ…ん?」
ひっくり返って見えた後の壁、天地が逆さまになっている…逆さま…
「これよ、逆転の発想よ!」
自分のドールハウスへと戻り、クローゼットをひっくり返してあるモノを探す
「うっふっふ…お兄ちゃん、期待しててね…」
紺色のモノを握りながら不気味に笑うユキであった
「ただいま〜」
「おかえりお兄ちゃん。寒かったでしょう?オフロ沸いてるよ〜」
「を、そうか、サンキュ。どうだ、たまには一緒に入るか?」
いつもの質問。ここで私はやんわりと断ってきた。でも今日は…
「うん…いいよ。」
「そうかー、ざんね…え?今ユキさんなんて言いました?」
「一緒に入ろ、お兄ちゃん。」
「え?いいのかユキ?」
「お兄ちゃんは私と一緒に入りたくないの?」
「いいやそんなことはない。入りましょう入りましょう!」
「それじゃ先に入ってて。お兄ちゃんの着替えは置いてあるけど、わたしのは取ってこないといけないから」
「おう!わかったぜ!」
兄はものすごく嬉しそうにお風呂場へと向かっていった。あ、スキップしてる
私が昼間考えた事、それは『自分からえっちに誘う事』であった
え?女の子からははしたないって?
いいもん、どうせ私はえっちな神姫ですよー
湯船に浸かりながら冷静になって考える。今までずっと断られ続けて来たのに…
「ユキのヤツどういう風の吹き回しだ?まさか昨日の事怒って…」
期待させておいてすっぽかす、とか。ううっ、ちょっとやりすぎたもんなぁ。等と考えていると
「お兄ちゃん、おまたせー」
ガラス戸の向こうから愛しいマイシスターの声が
「おう、今開けるぞ」
ガラッ
「おおう!そのカッコは!」
いつものボディスーツのようだがちょっと違う
「えへっ、どうかな、お兄ちゃん?」
紺色の色気のない、胸に白い布がついててそこに『ユキ』と書いてあるまさしくそのカッコは…
「すくーるみじゅぎかぁ〜〜〜!」
そう、まさにスクール水着!俺が以前買ってきたが、断られ続け未だお目に掛かったことがなかった幻の逸品。それが今目の前に…
「GJマイシスター!では早速開いたり閉じたり…」
「ダメよお兄ちゃん!」
ユキが叫ぶ
「え…?」
ユキが叫んで断るなんて、今まで無かったことだ。まさかこんな状態でおあずけにする気か?
「そんな…これでおあずけだなんてヒドすぎる…」
「大丈夫よ、お兄ちゃん」
は?どういうことだ?さっぱりワカラン
「今日は私『が』してあげる(はぁと」
「はい?」
ワケがワカラン…
「いいから横になって、お兄ちゃん」
「あ…はい」
言われるままに横になる
ってマズイだろ俺!腰にタオルを巻いていたとはいえ、今俺のモノはユキの姿を見たせいで既に臨戦対戦になってるじゃないか!
「ふふっ、お兄ちゃんのココ、凄い…」
タオル越しにユキの手が触れる…ああ、それだけなのに気持ちいい…
「コレ、邪魔だね。えいっ☆」
ユキに無慈悲にもタオルを剥がされ、俺のモノが晒け出される…今日のお前はどうしちゃったんだ…?
「気持ち良くしてあげるね、お兄ちゃん…きゃっ!」
ビクッ!
ユキの息がかかり、それに反応して脈打つモノ。それに少々驚いたようだ
「落ち着いてお兄ちゃん…」
そういってモノにしがみつくユキ
「ああ…」
情けない声を出す俺
抱きついたままカラダを上下に揺するユキ
「うぉう…」
シュッシュッ…
ユキが全身を使って俺のモノをしごいている…
「きもちいい?お兄ちゃん?」
「ううっ…きもち…ううっ…いいぞ…」
「ふふっ、もっと良くしてあげるね…」
ぺろ…
「うおっ!」
さらに舐め始めるユキ
水着姿で俺のモノにしがみつき、さらにソレを舐める。その淫靡な光景と刺激にあっさりと限界に達してしまった
「ううっユキ…もう…でるっ!うううっ!」
びゅくっびゅくっびゅくっ!
「きゃっ!」
可愛い悲鳴をあげるユキ
びゅくっびゅくっびゅくっ!
そんなユキにたっぷりの精液を浴びせる俺…
「すごい…まだ出てる…」
びゅっびゅっびゅっ…びゅっ…びゅっ……びゅっ………
「はぁ、はぁ、はぁ…はぁ…」
射精がようやく終わる…
「お兄ちゃん…すごいイッパイ出したね…」
「はぁ…ああ…ずっと出してなかったからな」
「え?昨日出してなかったの?」
「どうやって?お前、気絶しちゃったじゃないか」
「でもその後…」
「大人しく寝たさ。まぁちょっと悶々として寝付きは悪かったけどな…ってユキ、どうした?」
「くすん…よかった…私てっきりあの後ゲームで…」
「そんなことする訳ないだろ。ユキじゃなきゃダメなんだから」
「くすっ。そんな事胸張って言える事じゃないと思うけどなぁ。神姫相手じゃなきゃダメなんて。それじゃ変態さんだよ」
「おおう。俺は変態さんだ。だが誰のせいでそうなったと思ってるんだ?」
「え?」
「お前のせいだろ、ユキ」
「ええ〜そんな〜」
「悪い子にはお仕置きだ〜(はぁと」
ユキを掴み、椅子の上に寝かせる
「次はどうするか解るな?」
「開いたり、閉じたり、かな…」
「正解。んじゃ早速…開いたり…閉じたり…」
カパカパ…
精液でビショ濡れになった水着が張り付き、ユキのボディラインを浮きだたせている
「どう、お兄ちゃん。気持ちの昂ぶり、収まった?」
解ってて聞くユキ
「いや、さらに高まった」
正直に答える俺
「だからユキと一緒に鎮めたい。手伝ってくれるかな?」
「うん…いいよ」
水着の肩紐に手を掛け、下へと動かす
シュル…
ユキの可愛い胸が露わになる
腰の辺りまで下げたところで止める
「今日はコレで」
ユキの体の上に、回復しいきり立ったモノを乗せる
上に乗ったモノにユキが手足を絡める
「いいか、ユキ?」
「うん。いいよ、お兄ちゃん…」
返事を聞き、おれは腰を前後へと振り始める
シュッシュッシュッ……
ユキの全身に俺のモノが擦りつけられる。もちろん大切な所にも…
「うっ…うっ…ユキっ!」
「ん…あんっ…お兄ちゃん…んんっ…」
舌を出し、俺のモノを濡らすユキ
俺自身からも先走りの液が出始める
乾いた音が、濡れた淫靡な物へと変わる…
クチュックチュックチュッ…
「ユキっユキっユキっ!」
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!私…もう…」
「俺もっ…くぅっ…でるっ!」
「ああっああっ…ああ〜〜〜〜〜っ!」
びゅくっびゅくっびゅくっびゅくっびゅくっびゅくっ!
同時に絶頂へと達し、モノに強くしがみつきながらのけぞるユキに再び精液を浴びせた
びゅくんびゅくんびゅくん…
その後、何度か脱線しながら(何回かは聞くな)もお互い綺麗になってフロから上がって…
「ごめんなユキ、変な心配かけて」
「ううん、私が勝手に勘違いしたんだし、たま〜〜〜にならこういうのもいいかな…」
「たま〜〜〜に、か…次はいつなんだろうなぁ」
「そうだね〜」(明日、かな)
「ん?なんて言ったユキ?」
「ううん!なんでもないよ!」
武装神姫にハマり道を踏み外した男
だが『二人』はとても幸せそうであった…
くそぅ……白子が何処に行っても無いぜ orz
「む〜、まだそんな事言って、ワタシじゃ不満なの?」
そんな俺の頭に文字通り噛みついてくるのは、我が愛神姫のシィル
「巨乳人魚だとか半乳だとかマスターはそう言う方向性で弱すぎ!」(かじかじ)
「……や、言い訳の使用もなかとです、ハイ」
しょーがないだろ、一応健康な男の子なんだから……どう言い訳したって反応するのは自然の摂理なんだし
「それは判ってるんだけど反応しないで!」
「シィルさん、無茶言わないでつかーさい、つーか心読まないで」
白子探して1ヶ月……行きつけの店の店員に聞いてみたら次回入荷日未定だそうです orz
その帰りに我が手にあったのは……
どうみても騎士子です、本当に有り難う御座いました
いかんおちんちんが・・・
オナホールに神姫を抱きつかせるように固定して
手足の接続部をホールとつないで、神姫に女性器の感覚を与える
そんな物があってもおかしくない、という時代になっているのだろうか
神姫の股にコード接続端子を改造して取り付けて、
そこに人間用のAI制御オナホを接続するんじゃね?
それなんてハウりん♪チャチャチャ
キャン
キャン
>>278 なんかお土産屋とか高速のPAで売ってるぬいぐるみの皮かぶった電動の犬のおもちゃ思い出した
「おい香田瀬!」
会社で実験データにらめっこしてると後から不意に呼ばれた
「なんだ、愛澤じゃないか、どうした?」
声を掛けてきたのは愛澤だった。同期で入社して以来の親友(悪友)だ
しかし部署が変わってしまったので会社内で会う事は滅多にない
ちなみに俺が勤めてる会社は神姫関連のパーツを作る所(といってもサードパーティだが)だ
俺は1課で基礎フレーム部門、ヤツは6課でちっと人には言えないパーツを作っている通称『エロ課』だ
「まぁちょっとお前とユキちゃんに頼みがあってな」
「だろうな。わざわざ部署違いのお前が訊ねてくるくらいだから、ってユキもか?」
「ああ、今作ってる神姫と人とのとふれあいツールのモニターになって欲しい」
「また新たなエロパーツを作ったのか…」
「なにをいうか!ソレこそが原始から続く雄雌のコミニケーションの在り方じゃないか!」
まぁ否定は出来ないな、俺とユキとの関係を考えれば。
「で、今度はどんなのを作ったんだ?」
「ふっふっふ聞いて驚け。神姫と人との性交渉を可能にするという素晴らしいモノだ!…まぁ擬似的にだがな」
「ぶっ!…マジか?」
「まぁオナホールの進化系だがな。だがコレまでになかった画期的なシステムだぞ」
「で、マイちゃんとは試したのか?」
マイちゃんとはコイツの神姫だ。長い黒髪が美しい、ハウリン型の大人しい子だ。
「それがな…「…なんか違う」だって。アイツ口数少ないからそれしか言ってくれないんだ」
「それで俺達に何がマズイのかを試して欲しい、と」
「そういうこと。ちなみにれっきとしたモニター業務だから、特別手当が出るぞ」
「まぁモノがモノだけに、ユキが嫌がったらやらないからな」
「ああ、解ってる。とりあえず持って帰って聞いてみてくれ」
「で、コレが愛澤さんが作ったという『ふれあいツール』なの?お兄ちゃん」
自宅に帰り、ユキに話をしてとりあえず現物を見せてみる
「まさか2種類あるとはな…」
共にオナホールが親機になり、そこからケーブルが伸びている点は一緒。
だがケーブルの先が神姫相手サイズに模造男性器が格納されているケースになっている物と神姫汎用ジャックになっている物とがあった
最初のは神姫に貞操帯のような物を穿かせ、それの大事な部分にある穴に固定し、親機にモノを挿入すると連動してセンサーを兼ねた模造品が神姫へと挿入される仕組み。
もう1つは神姫の背中のジャックに直接接続し、親機側を神姫の感覚とリンクさせる仕組みだった。
「で、どうするユキ?ちょっとでもイヤなら断る事が出来るぞ」
ユキは考え込んでいるようだ
「別に断ったからって、俺が会社で立場が悪くなるとかそんなことはないぞ。それにイヤだってのも立派な調査結果になる」
神姫がイヤがるようならそれは失敗作、ということになる
「ううん、お兄ちゃん。私、この仕事受けるよ。愛澤さんがどんな人かは良く知ってるし。あの人が真剣になって考えた物なら、きっと大丈夫だよ」
「そうか。アイツも喜ぶな」
「それに…擬似的にでもお兄ちゃんとちゃんとしたえっちをしてみたいし…」(真っ赤)
嬉しい事を言ってくれるじゃないか、マイシスター
「よし、それじゃあ今晩はハッスルタイムといくか!」
「もう、お兄ちゃんたら」
そして夜
「さてどっちから試すかな…」
「う〜ん、ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な…こっち」
ユキが指したのは貞操帯モドキを穿くタイプだった
「んじゃこっちからやるか。まずはコレを装着して…」
ユキに貞操帯モドキを穿かせ、ケーブルをセット。本体の電源を入れ、準備完了
「余計なドライバーも無いし、結構ラクだな。どうだユキ?」
「うん…入り口に何か触れてて変なカンジ…」
模造性器が当たってるのだろうか
「突くと出てくるのかな?早速入れてみるか」
「うん…」
期待と不安の入り交じった顔をしているユキ。そんなユキをこれから犯すのかと思うと興奮してくる
イカンイカン、コレはあくまでテストだ。
「すーはー、すーはー。それではユキさん、いただきます」
親機へ自分のモノをあてがう。目の前にユキの全身が見えてるだけに妙な感じだ
そっと腰を突きだしていく
「ん…んんっ!イタイ!イヤイよお兄ちゃん!」
慌てて腰を引く
「大丈夫かユキ!」
貞操帯を外し、確認する
「あ…恥ずかしい…」
「あ、ごめん」
慌ててたとはいえ、ユキの大事な所をじっくりと見てしまった。しかしそのおかげで異常は無い事が解った
ついでに原因も
「しまった…濡らしておくのを忘れてた…」
「ヒドイよお兄ちゃん…じゃあ、バツゲームね」
「え?バツゲームですか…」
うう…楽しいえっちのはずがなんでこんな事に…
「んじゃそこに入れてね」
親機を指さすユキ。ううっ、一人でやれってか…
あれ?なんの抵抗もなくスルっと入った。密着はしているが、刺激は殆ど無い
コレじゃ一人ですることも出来ない
「んじゃヨコになって」
言われたとおりに仰向けになる
「でユキ、これからどう…うっ!」
不意に刺激が走る。幹を掴まれ、先端をくすぐられてるような快楽。ユキ、いったい何を…
見るとユキは模造性器を掴み、先端を舐めていた
「こっちもちゃんと濡らしてね…」
そういってユキは模造性器を舐めながらオレの胸の上に乗ってきた。そして四つん這いになり、可愛いお尻をこっちへと向けた
俺はユキのお尻を撫でながら秘部へと舌を伸ばした
「ひゃうっ!」
可愛い悲鳴を上げるユキ。しかしモノをしごく手は休めない
「おかえしっ!」
そういって今度は全体を銜えてきた。模造性器へと与えられた刺激が親機に伝わり、俺のモノへと刺激を与える
『…なんか違う』マイちゃんが言ったという言葉が頭をよぎる
しかしユキが与える刺激に翻弄され、他に考えられなくなる
「どう?お兄ちゃん、きもちいい?」
「ああ…」
それだけ言うのがやっとだった。快楽を享受しながらユキのお尻や胸を撫でなが舌で秘部を刺激することに没頭していた
色々聞いてきてたユキだったが、いつのまにか一心不乱に模造性器に奉仕しながら快楽を貪るようになっていた
「ん…くぅっ…はぁぁ…ん…んん…んくっ…んんっ…んっ…はぁっ…んん…」
「うっ…ユキ…コレ以上は…でちゃう…」
終わりが近いことをユキに告げる。だがユキの耳には全く入っていないようだ…
「ん…ん…んん…くぅ…」
奉仕を続けるユキ
「うっ…ああっ…うっ…ううっ…くううっダメだ!出るっ!」
どくっ!
親機の中で射精する俺。ツールは親機の中で爆ぜるモノの動きを模造性器と伝える
ユキはビクビクと動く模造性器を一心不乱に銜えしごき続けている…
どくっ!どくっ!どくっ!…どくっ…どくっ…
「ううっ…ユキっ!」
なおも爆ぜ続ける模造性器を舐め続けるユキ
どく………どく…………
射精が終わった後もユキの奉仕は終わらない
敏感になったモノへ容赦ない刺激が加えられる
「うぉうユキ!ストップストップ!」
ユキを振り払う訳にもいかない。必死に呼びかける。が、反応が無い
「そうだ、こっちを抜けば…」
親機からモノを引き抜く
「あ…」
模造性器がケースへと戻る。ようやく我に返るユキ
「あれ…どうしたのお兄ちゃん…?」
「さすがに出したばかりのモノへの刺激は…」
「え…あ、そうか…こっちはタダのセンサーだから…」
「タダの、という割には熱心にご奉仕してたようだが」
ヒドイ目にあったのでついイヂワルに言ってしまった
「だって…変なカンジだったけど、お兄ちゃんが喜んでくれてるのかなぁって。それで一生懸命やってたんだけど…」
どうやらユキも違和感を感じていたらしい
「変なカンジって、どんな?」
「それが…よく解らない…」
「うーむ、とりあえずもう少し試してみるか。こっちが回復したら…その…」
「うん…きて…私の中に…」
私の中に…そう聞いた途端、俄然やる気になった
ユキを仰向けに寝かせ覆い被さる。といっても眼前にユキの全身が見えるのだが
十分に濡れたユキに貞操帯モドキを穿かせる、そしてケーブルをセット、親機を固定する
「んじゃユキ、いくぞ」
「うん…」
回復したモノを親機へとあてがい、腰を前に押し出す
ユキの表情を確認しながら少しづつ…
「大丈夫か、ユキ」
「うん…大丈夫…くぅ…」
少し苦しそうな声を出しながらも健気に答えるユキ
モノが完全に親機へと埋没する。今頃模造性器もユキを深々と貫いてる事だろう
…なんか複雑な気分だ
「それじゃ動くぞ」
「…うん…」
ゆっくりと腰を動かし始める
「うっ…これは…さっきと全然違う…」
全体をぎゅっと包み込む刺激。昔風俗店でした時のような感覚。しかし…
「くぅっ…はぁっ…あっ…はぁっ…」
ユキも快楽を得ながらも同時に困惑の表情も浮かべている
「くっ…もう少し早くするぞ!」
「はぁっ!…うんっ!…強くしてっ!…」
お互い困惑を振り払う様に激しく相手を求める
「はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…」
「んっ…はぁっ…くぅぅ…ああっ…はうっ…」
お互いに限界が近づいてくる…
「くうぅっ!私…もう…ああっ!」
「ううっ!もうダメだ!出るっ!」
ぎゅうううっ!
「あああ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
悲鳴にも似た叫び声を上げユキが絶頂に達する。秘部が模造性器をぎゅっと締め付ける。その情報は親機へと伝わり、親機が俺のモノをぎゅっと締め付ける
その刺激を引き金に、俺は精液を放出する…
どくっ!…どくっ!…どくっ…
「うっ…ううっ…」
親機の中でモノが脈打つ。それを親機は模造性器へと伝え、忠実に再現された動きをユキの中で行う
「はう…あん…ああん…はふぅ…」
どくん…どくん…どくん……
「どうだった、ユキ?」
「なんかスゴイ事なのは解るんだけど…お兄ちゃんが達しても、何もないってのが…」
「そうか…俺が出してもそれは親機の中だしな」
「熱いのが無いと終わった気がしないよ」
言って顔を真っ赤にする。ふふっ可愛いヤツめ
「それにそれだけじゃないみたい。でも何なんだろう…?」
「俺もなんか違和感を感じるんだよな。何かはうまく言えないけど」
二人で頭を捻る
「だめだ思いつかん…とりあえず次を試すか」
直接感覚をリンクするタイプ。コレなら中で出したら熱い精液の感覚も伝わるハズだ
「うん…でもお兄ちゃん、大丈夫?」
既に2回射精している俺を気遣うマイシスター
「なぁに可愛い妹の為なら射精の10回や20回…ごめん嘘。でもまだまだ若いから大丈夫だぜ!」
いきり立つモノを見せ叫ぶ
「きゃっ!…もうお兄ちゃんてばー」
既にドライバーはインスト済み。途中でやってたら興ざめしちゃうからな
「んじゃユキ、背中向けて」
「うん…あん…」
接続した際に可愛い声を上げるユキ
「ん?大丈夫か?」
「うん…でもへんな感じ…大事なところが2カ所あるみたい…」
「実際そうなのかな?どれ…」
ユキ本体の秘部を軽く撫でる
「ああん…」
色っぽい声を上げるユキ。続いて親機のほうの入り口を撫でる
「ああん…」
やはり色っぽい声を上げる
「う〜む、単に大事な所を増やす装置なのか…」
だが親機を撫でてても微妙だな…
しかしこれはあくまでもテスト。よって色々試してみなければならない
「というわけでユキ、ちょっとこっちを色々いぢってみようと思う」
そういって俺は親機を指さす
「うん…優しくしてね…」
そんなこと言われると、優しくできる自信がなくなるぞ、とは口に出さずにそっと頷く
つぷ…
「あん…」
親機に指を一本入れてみる。そのままゆっくりと指を出し入れする
「ん…あん…んん…あうう…」
見れば自分の胸を揉みながら悶えてる
「やっぱりユキさんはえっちだなぁ」
「そんなこと…ない…」
「嘘つきな子には、お仕置きだ」
指を2本に増やす
「んああああっ!」
声を上げ仰け反るユキ。軽くイってしまったようだ
「ほぅら、やっぱりえっちだ」
「はぁ…はぁ…お兄ちゃんのいぢわる…」
「ああ、俺はいぢわるだ。だからこのまま続けるぜ」
「えっ?…ああっ!…そんな…あんっ!」
さっきのお返しをする俺。しかしユキには逃げる手段が無い
「くふぅ…あふぅ…はうぅ…あん…」
悲鳴の様な声から熱の籠もった声へと変わる
「ああん…お兄ちゃん…あれ…」
自らの股間へと手を伸ばし、俺の手を掴もうとしたユキの手は空しく空を切る
本来なら俺の手があるはずなのだが、俺の手は親機を刺激しているのだ
可哀想なので指を差し出す
「あ…お兄ちゃん…」
ユキは俺の指を掴むと、自らの秘部へと押し当てる
本物の表面への刺激と、偽りの内部への刺激によがるユキ
「お兄ちゃん…お兄ちゃん…」
しきりに俺を呼ぶユキ。何かを訴えているようだ
「そろそろいくぞ、ユキ…」
「お兄ちゃん…」
俺を呼びながら、コクンと頷くユキ。俺は親機から指を抜き、モノをあてがう
ピト…
「んっお兄ちゃん…きて…あ…」
ユキの秘部から手を離し、両手をしっかりと床に付いて腰を突き出す
「あううっ!」
ぎゅっと締め付ける感覚が俺を襲う。同時に貫かれる感覚がユキを襲う
「あうう…お兄ちゃん…どこ…」
ユキの手が俺を求め空を切る
「ユキ、俺はここにいるよ」
ユキに片手を差し伸べ、片手で体重を支える。少々キツイ姿勢だが、ユキの望みには代えられない
ユキの頬を、胸を、腰を、秘部を、腿を、全身を撫でながら腰を振る
「うっ…ううっ…」
「はぁっ…はぁっ…お兄ちゃん…お兄ちゃん…」
…なにかユキの様子がおかしい。こんなに俺を呼ぶ事は今まで無かった
「はぁはぁ…ユキ…大丈夫か?」
「あうっ…うん…大丈夫…おにいちゃんが…はうっ…いて…ん…くれる…んあっ!…から…」
可愛いことを言ってくれる。しかしえっち途中にこんな事を言うなんて…?
やはり何か違和感を感じて不安なのだろうか
俺はもっと俺を感じさせるべく、腰を強く振り、ユキへの愛撫も大胆なものへとした
「う…くっ…ううっ…ああっ…」
「お兄ちゃん…私…わたし…わたしっ!…もうっ…」
俺もユキも限界が近い。ラストスパートをかける
「うっ…ううっ!出るっ!でるっ!でるっ!!くうぅ!」
どくっ!
「んああああああぁ!」
親機の中で熱い液体を迸らせる俺。それはユキへと伝えられ、彼女も絶頂に達した
どくっ…どくっ…
「ううっ…ううっ…」
「ん…あうう…」
どく……どく………どく………
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「ん…はうう…熱い…お兄ちゃん…」
「ユキ、本当に大丈夫か?」
ユキは大丈夫だと言っていたが、俺はかなり気になっていた
「うん…怖かったの…」
「怖かった?」
「お兄ちゃんが見てる前で、何か別のモノに犯されてるんじゃないかって」
「別の…モノ?」
「最初はツールがお互いの事を伝えてるんだって解ってるんだけど、ひょっとしたらツールがそう思わせてるだけで実際は犯されるだけなんじゃないかって考えるようになって…」
そうか、そうだったのか…
「実は俺も変な感じが…なんかユキが犯されてる目の前で自分も何かに犯されるんじゃないかって気が少しだけしたような…」
ずっと感じていた違和感、それはツールを通して行われる性交は『自分の大切な人が犯されている目の前でオナニーをしている』ような感じ、だったということか
「ごめんよユキ、こんな実験につき合わせて…」
「ううん、この実験をやろうって言ったのは私、お兄ちゃんは悪くないよ。でもね…」
「ん?まだなんか不都合が?」
「ううん。私、もっとお兄ちゃんを感じたい。ツールなんか介さない、本物のお兄ちゃんを全身で」
「よしわかった!せめてもの罪滅ぼしに、今日はユキが満足するまでトコトンつき合うぜ!」
「ああんっ!おにいちゃん!(はぁと」
そうして二人の熱い夜は更けていった…
「と、いうわけだ。残念だがコレは…」
俺は愛澤にツールを返しながら報告した。
「そっか…所詮機械じゃ本物には勝てないって事か…」
がッカリと肩を落とす愛澤
「…愛澤君…残念賞…」
「「ぶおう!」」
同時に驚く俺と愛澤
「つか斗小野部長、いつの間に…?」
「?…さっきから、ずっと…」
つーと、俺達の恥ずかしい実験の報告も…?
「…全部、丸聞こえ…」
ぶは!
「…香田瀬君にも、残念賞…ユキちゃんには、敢闘賞…」
部長から封筒を貰った
「では…ごきげんよう…ばいばい…」
手を振りながら去っていく斗小野部長、27歳
「…女性の年齢は、秘密に…」
モノローグを読まないで下さい…
つーか貴方、この前接待で繁華街歩いてたら高校生と間違われて補導されたでしょ!
「さーて、次の研究に取りかかるか!んじゃサンキュ、香田瀬!」
残念賞を持って部署へと戻る愛澤
「っと俺も仕事仕事…」
残念賞と敢闘賞と書かれた特別手当をしまい、俺は業務へと戻っていった
今度の休みはユキとドコへ出かけるか、等と考えながら
武装神姫──世間一般であたりまえのように使用されてる、人間の生活を補助するロボットを玩具化したもの。
玩具とはいえやはり神姫だけあって自律型のAIによる人格を有している。
登録された持ち主を唯一の主とし、それに従い慕うようにできている。それは多くの神姫に共通した規格ではあるけれど……
武装神姫は玩具として特化した人格形成によって、もっぱらオタク男達の歪んだ性癖──萌えを満たす性格付けが最大のウリとなっていた。
CSCの組み合わせによって性格は設定できるうえに、自分に対する呼び方も自由に決められる。
ちょっとその手の世界に足を踏み入れてみれば、自分の武装神姫に「ご主人様」「旦那様」「お兄ちゃん」などと呼ばせているオタクどもが溢れている。
リアルでの人間関係、それも異性とのものになれば忌避するオタクが多い。そういった人種に武装神姫が売れるのも当然だった。
一般人のなかでもそういった性癖をもつ人間はいるだろう、しかしそれは世間的には眉をひそめるような事でありさとられぬように隠すべき事だ。
だけど職業柄オタク達をよく目にする自分にとっては、否応なく目に入る事象だった。
「アーちゃん、今日もがんばったね。もうすぐランクアップだ」
「はいっ、いっぱいがんばっちゃいました。ご主人様、ほめてください☆」
「よしよしよくやったね」
「ごめんなさい、お兄ちゃま。今日も勝てませんでした。ボクのこともう嫌いになっちゃった?」
「そんなことないさ、嫌いになんかなるもんか。さあもう泣かないで。家に帰ろう」
「うん。お兄ちゃま、大好き☆」
──神姫は高度なAIと莫大な情報量により、下手な人間よりも知識や教養を身につけている。
しかし、武装神姫はその性能をオーナーに対して媚びることに使用している。
気持ち悪い……
なんて言うべきか。愛玩動物や性奴隷といった直接的な言葉では言い表せない、なんとも言えない不快感。
言うなればそう、いい歳した大人がおむつを履いた赤ちゃんプレイを……ちょっと違うか。
オーナーが神姫に求める幼稚性は、神姫に対する絶対的な優位性と支配欲を満たすためのものであって……
そう、あれよ。知性に対する冒涜。
それが隠されることもなくあちこちで晒されているのが気持ち悪いのだ。
「ただいまぁっと」
「お帰りなさい。オーナー」
帰宅したわたしを待っていたのは兎型MMS「ウサ子」だ。
ごめん、オチつける気力が失せた。
このまま軍曹チックなウサ子にバリバリなミリタリー口調で報告させたりして武装神姫に媚びも萌えもいらないってやって
あんたも色々どうかと思う、的なオチにしたかった。
ちなみにお姉さんは神姫センターの受付とかなんとかの設定だったり。
「ご主人様」「旦那様」「お兄ちゃん」なオーナーさんたちに含むところはないのであしからず。
>>287-288 上のエロ小説書いてる者としてはイタイ限りだ。
でも俺の脳内では「なぜユキがお兄ちゃんと呼ぶのか」の理由はあるんだがな。
勿論最初は無かったけど、後から思いついた。
>>288 いくらなんでも、書きかけを上げた上にそのラス五行はどうかと思うぞ。
>>289 ここまで連作書けるんならwikiを利用されては?
間に他の人のレスが入ると読みにくいし。
「できた〜♪」
ラッピングを終えた箱を持って歓声を上げる
ふふっ、なんたって今日はバレンタイン
お兄ちゃんへの愛を告白する大切な日
…え?いっつも愛を確かめ合ってるじゃないかって?
それはそれ!これはこれ!
乙女心は複雑なのよ!
「…香田瀬君…」
不意に斗小野部長に呼ばれた。あれ、なんかポカやったっけなぁと振り返る
すると部長は四角い箱を俺に差し出した
「…今日は…バレンタイン…愛を告白する日…」
「えっ?…でも俺にはユキが…」
「…でも最近は…日頃の感謝を伝える日…いつもお仕事ご苦労様…」
ほっとする半分、残念半分。部長からの義理チョコを有り難く受け取る
「有り難うございます…ってコレホントに義理ですか?」
ふと隣を見る。同僚の南山が貰ったらしいチョコはコンビニで300円くらいで売ってそうなヤツ。
俺が貰ったのはどこぞの高級品よ?といいたくなるような逸品
「…さて…どっちでしょう…では…ばいばい…」
頬を赤らめ去っていく部長。う〜ん、あの人の考える事はワカランからなぁ…
しかしコレ、3倍返す事が出来るのだろうか?
あ、南山がいぢけてる。まぁいつものことか。キニシナイで仕事を再開…
「せ〜〜〜〜〜〜んぱ〜〜〜い!」
がしぃ!
うわっ!なんだ!?
ってこんな事するヤツはこの会社で唯一人!
「こら新道!いきなり抱きつくんじゃない!」
「え〜、私とセンパイとの仲じゃないですか〜、というか今日が何の日か知ってます?知ってますよねぇ?そう2月14日!バレンタイン!つまり女が男に『愛の告白』をする事が出来る…」
「延髄チョップ!」バシィ!
「はうっ!プルプルプル…」
はぁ…危なかった。あーなっちゃうとコイツ止まらないからな。さて仕事に…
「ヒドイじゃないですかセンパイ!」
あ、もう立ち直った
「とりあえず今日はバレンタインですから!私の愛の籠もったチョコレートを受け取って貰いますからね!」
「あ、早月ちゃん、俺には?」
「はいこれ義理」
催促した南山にチロルチョコを渡す新道…あ、南山が白くなった。まぁいいか、いつものことだ
「さあセンパイ受け取って!さあさあさあ!ってセンパイ、その凄く高そうなのは…?」
「あ、コレ?さっき部長に貰った」
「はわわー!さすがセンパイ!会社では一見女子高生にして上司の斗小野水那岐部長との禁断のオフィスラブ!家に帰ればユキちゃんとの肉欲の日々…」
「おいおい、ユキはともかく、部長とはそんな仲じゃないぞ。…ん?」
なんか一人盛り上がってる新道を見ていたらズボンの裾をくいくいと引っ張られる感触が
「っと、ムツキちゃんじゃないか?大変だねぇ、こんなマスターで」
神姫関連のパーツを扱う我が社では社員が神姫を連れ歩いても良いことになっている。むしろモニターとしての仕事もあるため歓迎されている
ユキも前は専属モニターだったんだよな。あの頃は…
昔を思い出し、ちょっと落ち込む。若気の至りとはいえ俺は…
「どうしたんですか、センパイ…」
ムツキちゃんが心配そうな顔で俺を見ている。イカンイカン!
「いや、何でもないよ。それよりどうしたの?」
「センパイ…これ…」
そういってムツキちゃんが差し出したのは、小さな箱
大きさではチロルチョコにさえ遠く及ばないが、彼女の気持ちが一杯詰まった箱
「ありがとうムツキちゃん、嬉しいよ」
頬を赤らめるムツキちゃん。う〜ん、可愛い。ユキの次くらいに
「あ〜〜〜〜!ムツキ!何抜け駆けしてるのよ〜!」
「お前が暴走してるだけだろ?」
「うう〜…ムツキのを受け取ったからには私のも受け取って貰いますからね!」
「ああ、ありがとう新道」
「やたっ!センパイが受け取ってくれた!これでセンパイの愛は私のモノ!やっぱり結婚式は6月よね!そして新婚旅行はハワイ!子供は授かり物だけど…」
「妄想してないで仕事に戻れ」
「は〜い♪」
ルンルン気分で持ち場に戻る新道。好意をもってくれるのは嬉しいが、俺にはユキがいるんだぞ…
「ってムツキちゃんを忘れるな〜!」
「ふぅ、ただいまー」
「おかえりお兄ちゃん、ゴハンできてるよー」
「あれ?今日はオフロが無いのか?」
「ちょっと支度してたら、沸かすの忘れちゃった。あとで沸かすね」
「だったら俺がやってくるよ。ユキはゴハンの支度を頼むぜ!」
テーブルの脇に貰ったモノを置き、風呂場へと向かう。
掃除を終え、給湯オンっと。コレで終了。ふー、いい汗かいたぜ
「おーし、んじゃユキ、食べよう…ぜ…?」
なんかどんよりとした雰囲気を醸し出しているユキ。さっきまで上機嫌だったのに…?
「おいユキ、どうした?」
「お兄ちゃんって…結構モテるんだよね…」
「あ…」
しまった!一緒に食べようかと思って置いたチョコだったが、ユキにとってみればライバルからのモノにしか見えないのか!
「いや、それ義理だから…」
「嘘ばっかり…新道さんとムツキちゃん、それと斗小野さん…みんなお兄ちゃんの事好きなんだよ…義理だなんていっちゃダメだよ」
「あ…スマン…」
どうやらチョコを貰ってきた事に怒ってる様子では無いらしい。では一体…
「私ね…たまに思うんだ…」
「何を?」
「私はずっとお兄ちゃんの側にいていいんだろうかって…本当はお兄ちゃんには新道さんや斗小野さんみたいな、人間の女性が必要なんじゃないかって…」
「ユキ!なにをバカな事をいってるんだ!俺達はずっと一緒に決まってるだろ!」
「でもお兄ちゃんは人間なんだよ…?私みたいな玩具と…」
「言うな!」
ついカっとなって叫び、ユキの言葉を遮る
「お前は俺の家族だ!大切な妹だ!そして俺の恋人だ!」
「お兄ちゃん…」
俺は非道い人間だった。ユキを買った動機はパーツテストの為のモルモットとしてだった
ユキという名前も、たまたま雪が降っていたからと適当につけた
毎日のように新しいパーツを付け、休みなしにテストさせた
「玩具のくせに」、そればかり言ってた気がする。人間臭いユキが嫌いだった
憂さ晴らしに気絶するまで陵辱した事もあった
だがそれでもユキは俺をマスターと呼び、嫌う事は無かった。それが余計腹立たしかった
そしてあの日、それが起こった…
実験中に起きた小さな事故。よくある事だ。
ちょっと大きめの塊が俺に飛んできた。別に当たった所でちょっと痛いかなって程度の物
しかしそれは俺には当たらなかった。ユキが防いでくれた
その塊は、ユキを破壊するには十分な威力をもっていた…
「なんで…」
「ます…た…ケガは…な…い…デス…カ…」
ボディを破壊され、機能停止寸前なのに、そんな事を言った
「バカ野郎!あんなのが人間に当たったって、どうって事ないだろ!それよりお前!なんで俺なんかを壊れる危険を冒してまで助けようとする!」
「ソレハ…ますたガ…ダイスキ…ダカラデス…ヤサシイ…ますたガ…ダイスキ…」
「優しい?俺が?そんな訳ないだろ!今まで俺はお前にどんなヒドイ事をしてきた!」
「ますたハ…けがシタワタシヲ…イッショウケンメイナオシテクレマシタ…」
「ワタシガ…キゼツシタラ…カイホウ…シテクレマシタ…」
「イツモ…イッショニ…イテクレル…ますたガ…ダイスキ………」
「おいユキ!しっかりしろ!ユキっ!」
「ますた…ハジメテ…ナマエ…ヨンデ…」
ユキの目から光りが消える
「ユキ…?ユキ!ユキ!目を覚ませ!これは命令だ!」
俺はこの時ようやく気付いた。俺はユキが嫌いだったんじゃない
玩具を気にかけている自分を認めたくなかっただけだった事を
自分に嘘を付くためにユキを傷つけて来たことを後悔する
俺は泣いた。会社のみんなが見てる前で泣いた
「落ち着いて下さい、香田瀬君。諦めるのはまだ早いです」
斗小野部長がいつものおっとりペースではなく、凛とした声で言った
「まだ完全停止の前に緊急スリープモードへと移行しただけです。早くこっちへ載せて」
そういってワークス用の診断ケースを開く。慎重に、しかしなるべく早く載せる
「…幸い、手出し出来ないコア、CSC、素体中枢部は無事です。これなら別素体へ移植すれば助かります」
「ホントですか!よかったぁ…」
「…ですが、バックアップ用電源の消耗が激しすぎます。おそらく、貴方を助ける為に全ての電力を使ってブーストしたのでしょう。その証拠にあちこちのモーターが焼き切れてます」
「それって…」
「保ってあと12分、それが過ぎれば彼女は死にます」
「そんな…」
ガックリとうなだれる。無理だ、あと10分少々では素体を買いに行くことなんて…
「…そうだ、部長!アレを下さい!」
アレとは、今度の新作発表会の目玉にと極秘に開発していた我が社のフレームパーツを全て組み込んだデモ素体である
バッフェバニーに搭載する予定だったが、たしかまだ載せてなかったはず
「…本気ですか香田瀬君。アレがどうい物か知って言ってるんですか?我が社の社運をかけたプロジェクトの産物なのですよ?」
「解っています。ずっと関わってきましたから」
「それにアレを作るのに幾ら掛かったか解ってます?」
「解っています。何年、いや何十年掛かっても、必ずお返しします。だから…ユキを…俺…ユキに謝らないと…」
「その気持ち、忘れないで下さいね」
そういって部長はアタッシュケースを取り出す。暗証番号を打ち込み、最後に認証カードをスキャンさせる
「…まさか…」
ガシュッ、ブシューと音を立てケースが開く。そこにあった物は…
「我が社の持てる全ての技術を駆使して作った新素体「白雪姫」です」
「部長…」
「約束は守って貰います。さあ早く」
「有り難うございます!」
「急いで下さい。余り時間がありません」
俺はユキの手術を始めた
「すげぇ…」
愛澤が驚きの声を上げる
必ずユキを助ける、それしか考えていなかったような気がする
「嘘だろ…機体中枢の換装をたった4分で終わらせるなんて…」
「…さすが…カンペキです…わたしが…スカウト…した人ですから…」
無事手術が終わった。と同時に部長もいつものペースに戻った
しかしユキは再起動しない
「おいユキ…どうした?ユキ!」
手術は完璧だったはずだ
「…バッテリーはばっちりー…メモリの心配は無いです…」
「部長…おやぢギャグかましてる場合じゃ…」
「…昔から…眠れるお姫様を…起こすのは…王子様の…キス…」
そういえばこの新素体、白雪姫っていったっけ
「だな。キスしてやれよ」
愛澤、恥ずかしい事を言うな…
しかし…目を覚まさないユキ
「よし…するぞ!」
「…どきどき…どきどき…」
ちゅっ
唇、というか顔全体に口づけをする
「う、う〜ん」
ゆっくりと再起動するユキ
「ユキ!」
「あ、マスター。だいじょうぶ…きゃっ」
おれはユキに抱きつきたい衝動をかろうじて押さえ、代わりに頭を撫でてやった。それでも少し強かったようだが
「ユキ…ユキ…よかった…よかった…」
「マスター…」
「ユキ、今まで済まなかった…俺が愚かだったばっかりに、お前に非道い事ばかりして…」
「いえ、私はマスターの側にいられるだけで幸せです…」
「いや、俺はお前のマスター失格だ」
「そんな…」
「俺はもうお前にあれこれ命令する事は出来ない。お前を家族として迎えたい。ダメか?」
「…ならば…そのマスターって…呼び方も…変えた方が…いいですね…」
「うぉう!」「きゃっ!」
同時に驚く俺とユキ
そんな俺達に様々な呼び名候補を上げる部長
「…パパ…」
「俺、まだそんな歳じゃないです…」
「…アナタ…」
「いや、さすがに結婚も早いです…」
「…お兄ちゃん…」
「…まぁそこら辺が妥当かな…?」
「マジか、香田瀬…天然なのか狙ってるのか…」
「愛澤、狙うって何だ?」
マジでわからん。まぁいいや
「よしユキ、これからは俺を兄と呼んでくれ!」
「はい!マス…じゃなかった、お兄ちゃん!」
「あともう一つ、大事な事がある」
「なんですか?マ…お兄ちゃん」
「イヤな事ははっきりとイヤと言うこと。家族なんだからな!」
「はい、お兄ちゃん!」
「香田瀬君…これ…」
といって、一つの封筒を差し出してくる部長
「そっか、ユキのボディの請求書か…」
後悔はしていない。大事な家族の為なのだから
「…あれ?部長、コレ請求書じゃないですよ?」
封筒には『辞令』と書いてあった
「…約束は…果たして…くれました…ちゃんと…ユキちゃんに…謝って…ました…」
「あ…」
約束ってそれだけ?
「でも…新作発表会には…出さないと…いけません…だから…それ…」
今度の発表会開催地、有明への出張の辞令であった
「…新婚…旅行…です…」
「ぶはっ!」
「だからユキ!お前は俺の側にいていいんだ!俺が側にいて欲しいのはユキなんだ!」
昔を思い出し、俺は泣いていた
「お兄ちゃん…」
俺はユキを掌に載せ自分の顔えと近づける
ちゅ…
「お兄ちゃん、嬉しい…」
「ユキ、もう変な事は考えるな。俺とお前、ずっと一緒だ」
「うん!」
「さて、お腹すいたなぁ。今日の御飯はなんだろな〜」
「っとお兄ちゃん。はいコレ」
といって差し出された箱。コレはやはり…
「あけていいか?」
頷くユキ。開けるとそれは…
「チョコ…クリーム?」
中にはハート型の容器に入ったたっぷりのチョコクリーム
「ユキ、変わった…ぶは!」
ユキを見ると、いつのまにかリボンが付いている。これって…
「はい、お兄ちゃん、あ〜んして」
ユキはチョコクリームの中に腕を突っ込むと、そのてを差し出して言った
「ん?あ、ああ」
ぺろっ
ユキの腕を舐める
「うん、美味しい。というかなんともいえない昂ぶりが…」
「はい、お兄ちゃん」
今度はお腹ですか
ぺろっ
「あん…」
首筋、大腿、背中、胸、お尻、そして秘部…
「私も食べたい…」
そういってユキは俺のモノへとチョコクリームを付ける…
ぺろ…ぺろ…
「うおう…」
チョコクリームが無くなっても、お互いに舐め合う
「うおっ!ユキっ!そろそろ…!」
「うんっ!お兄ちゃん!私もっ!」
「んあああああ〜〜!」
「くっ!」
どぴゅぅ!どぴゅぅ!どぴゅぅ!どぴゅぅ!どぴゅぅ!
同時に達する俺達
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「ん…あう…お兄ちゃんの…ミルク…ぺろ…ぺろ…」
ユキは俺が放出した精液を舐め取っていった…
その後、お互いベトベトになってしまった為、ユキと一緒にお風呂に入った
ユキさん、これを狙って沸かして無かったんじゃ…?
フロから上がって
「ゴハン、冷めちゃったね…」
「ああ、そうだな…」
食卓には忘れ去られてた俺達の夕食があった
ロスタイムと信じ、バレンタインネタ投下。
>>291 正直ここまで書くとは思わなかったり。
自分でもびっくりしてます。
いや、まじでWikiへ行った方がいい。
一応住み分けでSS書きさんたちは移動してる。もうスレが荒れるのは嫌だ。
俺も長編は保存目的も兼ねてwikiでやった方がいいと思う。
もう荒れるほどこのスレに活気もなさそうだけど…。
神姫ちゃん〜を書いて者です
wikiに引っ越しました
助言有り難うございました
いよいよ今週素体発売だー
しかし神姫はすっぱだかよりスーツ着ていた方がえろくていい
ありえねーぐらい過疎ってるな。
エロエロな4弾が発売されたら少しは活気づくのかな…?
本スレやふたばの方ではじけてるから、こっちまで書き込む必要がないのかも……
ネタ画像をばんばん貼るような場所でもないしね。
まあ、まったりとした流れでもいいんじゃない?新作出れば妄想も広がるだろうし。
花種の武装もわかったことだし、花種主役のバトル話に期待
まぁ種の武装はノコギリ、粉スプレー、アナr…ハンマーと絵的にアレなんだが…。
総合掲示板使ってSS書きさんたちに頼んでみるとよろし。
いよいよ明日かー。会社休みてー。
買ってきたおー
どうがんばっても、花子・種子ともにエロエロンな装備にしか見えない。
ブリスターボム機能が無くなったので助かった・・・
砲は雑誌で見たときにすごい衝撃だった
まるで俺の嫁みたいだったんだよ
そして今日買ってきて、組んだ
やっぱり砲は俺の嫁だった
花種買ってきたけど、エロは感じなかった俺
つーか、花子が「大人しいお嬢様」系に見えてきた…
>>309 ブリスターボム機能って何…?そんなのあったっけ?
>312
丸ポチでのブリスターロックが堅くて、無理矢理開けると中身がぶっ飛ぶスペシャル機能
「──以上で全ての認証をクリアしました。……初めまして、オーナー」
「あ? ああ、よろしく」
初めて買った武装神姫。タイプフォートブラッグ、個体名『キャノ子』の第一声にどもりつつ答え、自分を見上げるキャノ子をしげしげと見つめる。
「何か?」
起動と同時にとびついてきたという友人の神姫とはだいぶ違うなと思いつつ、「いや何でもない」と誤摩化す。玩具相手とはいえ女の子と目が合うとちょっと照れる。
「えっと、『マスター』とか呼び方指定できるんだっけ?」
「……
ふう、とため息をついてからキャノ子はおもろに告げた。
「確かに、オーナーによる呼称の指定は可能です。今回のように起動後においても指定、さらなる変更も問題ありません。……ですが」
「ん?」
「我々神姫はオーナーに対して絶対の主従契約をもつことが定められています」
「う、うん」
「それは不可侵のものであり、変更や解消は神姫にとっては存在の消失そのものであります。他者への譲渡すら一切認められません」
そのことはマニュルの最初に載っているほどの常識で、神姫を持っていなかった俺ですら知っていたことだ。
「かように神姫はオーナーをはじめ人間に対して大きな制約を課せられています。そのうえで法律や倫理規定に反しない限りオーナーの欲求に答えるように出来ているのです」
「欲求って」
「よろしいですか? 我々神姫はそのような存在ですが、奴隷ではありません。自律型AIを搭載したロボットの扱いを定めた法に従い取り扱うのは人に課せられた義務であります」
「う、うん」
一体何を言いたいのだろうか?
「多くの神姫オーナーが『マスター』という呼称を好まれるのは統計が示す事実であります。が、再度申し上げますが我々を奴隷として扱い、そう呼ばせることは倫理規定に抵触する可能性が非常に高いと言えます」
無表情で淡々と語るキャノ子。俺、何か間違っちゃった?
「つ、つまりマスターって呼ばせない方がいい?」
「神姫にはCSCシステムによる様々な性格付けがなされています。そう呼ぶ事を求められて喜ぶ者もいるでしょう」
「う、うん」
「我々神姫は知性と人格を有し、個性を持つ存在です。当然キャノ子と名付けられた私にも特有の性格があります」
「……あー、つまりキャノ子さんはマスターと呼びたくないと」
「そういう個性を持つ事が認められるならば、の仮定の話ですが」
「ああ、いや、嫌ならそう言ってくれればいいよ。他のにしてもらうし」
「これもまた仮定の話ですが、たとえば『ご主人さま☆』とか『お兄ちゃん☆』とか『旦那さま☆』などと要求された場合、感情素子への多大な負荷がかかる事もあるでしょう。それがどのように影響するかは予測不明です」
「……恐喝ですか」
「まさか。我々神姫はあくまでオーナーの欲求に応じるように作られています。そのような振る舞いはオーナーが要求した『プレイ』でもない限りする筈がありません」
「さようでありますか……じゃあキャノ子さんは俺のことどう呼べば感情素子に負荷がかからずにいられますか?」
「そうですね、無難ではありますがデフォルトで『オーナー』と」
そう言いながら初めて微笑みを見せるキャノ子さん。う、なんか可愛いのに背筋に寒気が。
「じゃあそれで。これからよろしくキャノ子さん」
「はい、宜しくお願いします、オーナー」
こうして俺とキャノ子さんとの生活が始まったわけで……
なんか俺、キャノ子さんって「さん」付けで呼んでるし、何か色々と聞いていた武装神姫とイメージ違うけど。
まあ、なんとかやっていけるんじゃないかと思う。
おわり
おまけ
「なあ友よ。CSCはツンデレになるように組み合わせてくれって頼んでおいたろ? キャノ子さん何か違うっていうかデレがないぞ?」
「ははは、CSCシステムは組み合わせによって無限の可能性が生まれるんだ。テンプレ的な性格などできるもんか」
「神姫はオーナーとの触れ合いで変わっていくにゃん。デレさせるのが男のかいしょーだにゃん」
「……オーナー、仮定の話ですが、よもや私の人格形成に不満がある、などと言いたいのですか?」
「いえ、とんでもございません。素敵な神姫と出会えて幸せでっす」
砲子購入記念。
サービスカウンターで花子や種子のパッケージを並べられて女性店員や他の客がいる前で、最後の展示品をショーケースから出してくるまで羞恥プレイさせられたよ。
ちなみにキャノ子さんはずっとバイザー下ろしているイメージで。
ちらっ…ちらっ…
「どうしたのです、マスター?」
昨日ウチに来たばかりの花子が俺に言った
「いや…なんでもない…」
友達に勧められて初めて買った武装神姫
パッケ絵に惹かれて中身を良く見ずに買ったのが成功…もとい失敗だった
まさか中身があんなにえっちなカッコだったとは…?
「心拍数及び呼吸数が異常に上昇してるようですが、どこかお体の具合でも悪いのですか?
「いや、大丈夫だ…」
武装させればマシになるのだろうが、アレに武装させるには直視しなければならない
マスター設定をするまでは耐えられたのだが、動き出したらもう恥ずかしくて恥ずかしくて…
「もしかして、私に何か到らぬ点でも?」
「そんなことはないよ」
「でも私が起動してから、ちっとも私の方を見て話して下さらないのですね…」
う…俺が悪いのに、罪悪感が…
「…クスン、申し訳ありません。私が到らないばかりにマスターに不愉快な思いをさせてしまって…」
「そんな事ないぞ!お前がとっても魅力的すぎるから、俺の気持ちが昂ぶるだけだ!昂ぶりすぎるから怖いだけだ!」
ようやく彼女を見ながら、思いをぶつける
「…ホントですか?」
「ああ、本当だ。お前は俺になんか勿体ないくらい眩しすぎるのさ」
「そういうことでしたら相談していただければ良かったのに。私、良い対処法を知っております」
「何?ホントか?」
「はい。古くから伝わる気持ちの昂ぶりを押さえる方法です」
俺の前に来る彼女、そしてちょこんと座り、足を上げ顔を真っ赤にしながら言った
「私の足を持ってゆっくりと『開いたり、閉じたり』してください…」
彼女の言うとおりにしてみる俺
「開いたり…閉じたり…開いたり…閉じたり…」
彼女の透き通るような白い肌、それが微妙に赤みを帯びている…
その肌を隠すのはわずかばかりの白い布…
彼女のカラダを弄ぶように開いたり閉じたりする俺…
「なんか余計に昂ぶってくるような…」
「ヘンですね…昔から伝えられている方法なのに…?」
「開いたり…閉じたり…やば…理性が…ぷち…」
「花子ー!」
ガバ!
「あ〜れ〜!」
ドドーン…ザパーン…
「ああん、マスター…スゴかったです…」
ああ、俺ってヤツは…
なんで肝心な所が、暗喩なんだYO!
でもGJ!!
寂れたなぁ、みんな素体で妄想爆発させ過ぎてんのかな?
エロパロ板なのにSS書いたら強制的にwikiに送還されるスレが盛り上がる訳が無い
正直、エロい妄想するだけなら違う板でも良いんじゃない?
買ってきて、「種子に種付け」「花子に受粉」という言葉が一発目に出てきた俺は負け組 orz
そろそろWikiの人たちが戻ってきてもいい気がするんだけどなあ。
まあ連続ものでなくてちょこっとした文字通りのショートショートなら誰も文句言わないだろ?
今もWiki送り派が存在するみたいだし、
文句言う奴はスレの空気にかかわらず言うから、
今更戻ってこいってのは無理じゃねえかな?
ひどい荒れっぷりだったからなぁ…
アレの矢面に立たされてた人達に今さら戻って来てくれないかって言うのも酷な話だとオモ
いや、wikiは普通に読む方も書く方も良いから戻さなくてもいいんだけど
あっちも普通に見てるし、こっちにたまに書き込まれる小ネタも好きよ
神姫たちのひな祭り
神姫11人、わいわいやりながら、自分たちが雛人形になろうと準備して
ようやく全員が、決まった場所に落ち着いたようです。
下から順に見ていくことにしましょう。
『五人囃子』
「ねえ、さっきからなにしてるのさ」
犬子が隣りでごそごそしている猫子の様子を伺います。
「んにゃ?」
犬子の方を向いた猫子は杯を持ち、顔を真っ赤にしています。
「うわ! ちょっと!」
「にゃへへ……おいしいよぉ〜」
「おいしいよって、ったく」
杯を引っ手繰る犬子。
「犬子も飲みたいにゃ?」
「飲みません!」
酔っ払ってる猫子の横には、なにやらぶつぶつ言っている花子。
「どうしてですか……本来なら、このわたくしが一番上のはず」
「まぁ、いいではありませんか」
なだめる種子。
「よくありません! ああ、またむしゃくしゃしてきました。バカ猫! 注ぎなさい」
そう言って杯を猫子の方へ差し出す。
「んにゃぁ〜? いける口ですにゃぁ〜?」
花子の杯に注ぐと、少しこぼれて猫子の着物に。
「ああ〜〜! もう、しょうがないなぁ」
こぼれた所を拭く犬子。
「ぷはぁ〜! もう一杯! バカ猫」
杯を一気に飲み干して、差し出す花子。
「そんなに飲んでは……」
がぶがぶ飲む猫子と花子を心配する種子。
その隣りに座る砲子はというと
「くぅ〜……すぅ〜……」
と、眠っていた。
『三人官女』
「これ! 津軽! 姿勢を正してちゃんと座らないか」
正座をせずに、壇の縁に腰をかけ、足をぶらぶらさせている津軽に注意する武士子。
「ん〜? お祭りなんだし、いいんじゃない?」
そのままの格好で、首だけを武士子の方へ向ける。
「祭りといっても、これは節句といってな」
「はいストップ!」
長くなりそうなので、手を武士子へ突き出して止める。
「下もあんなんだし、いいんじゃない?」
「はぁぁ……騎士子もなんとかいってやらんか」
「あ! だめだめ! 当分の間元にもどらないと思うよ」
「そうであったな……」
二人して騎士子に見守るような目を向ける。
当の騎士子はというと
「……おは、ぐろ……既婚、者……」
と、ぶつぶつ呟きながら、天井の一点を見つめていた。
『お内裏様、お雛様』
「えへ、えへへへ」
一番最初にこの場所に座ってから、ずっと満面の笑みを浮かべている白子。
「よかったわねぇ〜、そこに座れて」
隣りに座る黒子が声をかける。
「うん!!」
宝石のような輝きの笑顔で答える白子。
「……皮肉も通じやしないよ」
と白子に聞こえないように呟く黒子。
「コ〜ホ〜」
「ん? なにかいいたそうね」
白子と反対からの視線に気が付き、そちらを向く黒子。
「コ〜ホッホ〜♪(べ〜つに〜♪)」
そういって、そっぽを向く兎子。
「ふん! しかたないでしょ、みんな女の子ばかりで……」
「そう! そうよ! みんな女の子ばかりでしかたなくここに座ってあげたのよ」
そう結論付ける黒子。
「コッホッホッホ」
「なにが可笑しいのよ! まぁ、どこに座ってもあなたより、ましですけどね」
と、兎子を頭から下まで見る黒子。
兎子は、頭部だけで首から下は棒になって立っていた。
「ぼんぼりなら、ぼんぼりらしく光りなさいよ」
そう言って棒を揺する黒子。
「コホッ!(ムカッ!)」
カチンときたようで、黒子の方を向く兎子。
「コーーホーー!!(ぼんぼりーー!!)」
そういって黒子に向かってゴーグルからビームを発射する兎子。
「うわぁぁ! ぼんぼりが怒ったぁぁぁ!!」
「「「「わぁぁぁぁ!!」」」」
今年のひな祭りは賑やかになりそうだ…………
お内裏様黒子までは想像出来たが、ぼんぼりは出来なかったぜ!
ほしゅ
鳥子魚子のデザイナーの人がえろい絵を描くので、フカミネ氏のように自サイトでバリエーションなんか描いてくれないかなーと期待してる
330 :
兎子の事情:2007/03/06(火) 22:40:22 ID:smC18VUx
「ただいまー」
誰もいない部屋に向かって話しかける俺
…いや、居ない訳じゃない。そこには身長15p程の同居人が居る
武装神姫。心と感情を持った、俺の大切なパートナー
「おかえりなさい、マスター」
そう。部屋にはヴァッフェバニー型MMSの兎子(仮名)がいる
今まで素体が無くて、適当なボディを付けていたのだが、このほどようやく単体で発売され、本来の姿へとなることが出来た
「兎子、調子はどう…だ?」
兎子を見てビックリする
なぜなら彼女はMMS素体ではなく、今まで使ってた仮ボディ(プラ○ス3四郎のジュ○ター)に戻っていたからだった
「どうした兎子!素体の調子が悪かったのか?」
ちくしょうコン○イめ!さんざん延期しておいて、不良品をよこしやがったか!
「いえ、そうじゃないんです…」
「え?じゃあ一体…?」
「ダメなんです…」
「ダメって…何が…?」
「ダメなんです…私…もう普通のボディじゃダメなんです…」
なんてことだ…
ずっと普通のMMSボディを貰えなかった彼女は、様々なボディを付けさせられてきた
その結果、普通のボディじゃ満足出来ない体?になってしまっていたのだった
「すまない、兎子…俺が不甲斐ないばかりに…」
「私こそ、こんな変な神姫で…申し訳ありません…」
「だが安心しろ兎子!俺はそんなお前が大好きだ!」
「マ、マスター…」
ひしっ!
抱き合う二人
「…でも、えっちの時はMMS素体になってね」
「いやん、マスターのえっち」
終わる
>ちくしょうコン○イめ!
なんだとメガトロン
もとい、あんたあの人か、あの人なのかw
332 :
330:2007/03/07(水) 20:03:02 ID:IhmaWxRc
>>331 たぶんそうかと
ちなみに素体は買ってなかったりする
目が覚めると、両の手足がベッドに固定されていた。
何事かとふんばって見回せば、白子、黒子、犬子、猫子、武士子に騎士子、
兎子にツガルまで・・・ 枕元に集合し、俺を睨んでいた。
「な、ななな・・・」
異様な様子に声が出せない。と、黒子が一歩前へ出て、
「これから、マスターの去勢をさせていただきます。」
と、とんでもない事を言い放った。
「近頃、マスターは花子と種子、そして砲子の3人ばかりを相手にして、
ちっとも私たちの相手をしてくれません。」
続けて犬子がデザインナイフをどこからか持ち出し、
「・・・それだけならまだしも、マスターはあの3人を、妄想の相手として
使い、時として本当にいじり倒しているのを、私たちは知っているのです。」
と続けた。 そして白子はごそごそと俺の胸の上へ乗り、騎士子から借りた
剣を振りかざし、高らかに言った。
「ならば、その悪の根元であるマスターの肉棒を斬り落としてしまおう、と
なったのです。 ではみなさん、準備はいいですか?」
『おぉう!!』
声をあげるや否や、犬猫は俺に猿ぐつわを噛ませ、騎士武士兎ツガルは一気
にパンツまでズリ下ろし、俺の下半身を露出させた。
「さぁて・・・どうする・・・うぁっ?!」
神姫たちの視線が下半身に集中し、おもわず変な興奮を覚え、俺の海綿体に
血液が充填されてしまった。ビクビク動くソレをじっと観察する黒子。と、
白子がどついた。
「もう、別に珍しいものではないんですから! さぁ、斬りますよ!」
振りかざす白子。 こうなったら、固くして斬られないように対抗するしか
道はないだろうとアフォな方向へ働いた俺の愚脳、目前の神姫たちで妄想を働か
せてさらに固化させる。
・・・白子の一撃に対し、俺の硬さの方が勝利。
「え・・・き、斬れない・・・?!」
「なにやってるんだよっ! 貸しなっ!」
唖然とする白子から剣を取り、改めて斬りかかる犬子。
「押してもダメなら挽いてみるんだっ!」
ごりごりごり・・・根元付近を執拗に刺激する状況に。 ますます固化する
俺の愚息。
息も絶え絶えになった犬子・・・背後では皆が円陣を組み何やら相談開始。
犬子も輪に加わり、ひそひそ。
諦めてくれたのか・・・ と思った俺は甘かった。
「一斉にかかれっ!」
騎士子の号令と共に、皆が一斉に思い思いの「斬るモノ」で、俺の愚息に攻撃
を開始した。 痛いが、しかし妙な興奮と快感・・・俺ってそんなにMだった
っけ?
いや、そんなことはどうでもいい、この状況を何とか・・・でないと・・・
「あれ?なんか先っぽからでてきたよ?」
先端に登っていた猫子がぼそり言ったとき、それが我慢の限界だった。
どっくん
その場にいた神姫たち全員に、白濁のシャワー。 だが、嫌がるのではなく、
やつらが喜んでいるように見えるのは気のせいだろうか・・・?
俺って、本当にダメ人間だ・・・ あぁ、意識が遠くなる・・・
「はっ!!」
傍らで、目覚ましがなっている。 手足は縛られていない。額には汗、しかし
何事もない静かな朝。
「ゆ、夢か・・・。」
ほっと一息ついて、起きあがろうとした。 と-
「マスター、それは本当に・・・」
冷ややかな、心に刺さるような声が頭の後から響いた。そこには花子と種子、
そして砲子を亀甲に縛り上げて失神させ、大変に満足げな表情を浮かべている
白子、黒子、犬子、猫子、武士子に騎士子、兎子にツガル・・・
「夢でおわりますかねぇ?」
end・・・?
花種砲(素体含む)購入記念カキコ(今更)
リアルタイムでGJ!!
読んでるヤツは結構いるんだぜ!
GJ!!
読んでくれてありがとです。
ついでに、第4弾の連中のいけない使い方(>333の「妄想」)の一例を。
花子>謎の蜜を分泌してヌメヌメさせてくれる。蜜には強壮効果あり。
さらに毒電波で周囲の神姫もハァハァさせる。
種子>装備を駆使して、肉棒をくるむようにネチョネチョしてくれる。
さらに粉を噴霧して周囲の神姫をアンアンさせる。
花種両方を使うと、そこはもうパラダイス。
そこへスパイスが欲しければ、砲子を使うべし。
砲子>俺のアナルに突撃一発 (w
へ、へんたいだー!
ボクは犬型MMSのハウリン。
ご主人様は「クロ」って呼んでくれるんだ!
いきなりだけどこの名前、ちょっとあんまりじゃない?
確かに髪は黒いけど、武装は緑色がベースだしさ〜。
フツーの犬みたいな響きだし…
名前貰ったとき、思わず「えーっ」て言っちゃった。
そしたらね、ご主人様は古い写真を見せてくれたんだ。
ちっちゃな男の子と、おっきな黒い犬が写った写真。
あ、男の子は昔のご主人様だってすぐにわかったよ。
目元がソックリだったからね♪
ご主人様は懐かしそうに、目を細めて言ったんだ。
「この犬が初代の『クロ』だよ。体が弱くて表で遊べなかった俺の、
大切な友達だった。優しくて強くて、いつも側にいてくれた。
お前にもあいつみたいになって欲しくて、名前を貰ったのさ。」
ボクをそっと撫でながら。ボクは、じっと撫でられながら。
何となく、もう『クロ』はこの世にいないのがわかった。
大事な名前だったんだね。嫌がってゴメンね、ご主人様。
よーし、わかったよ!
ボクは今日からクロになる!
『クロ』の代わりにはなれないけど、ボクはボクのやり方で…
強くて優しい、ご主人様のステキなパートナーになるんだ!
ボクの名前はクロ。
ご主人様、何でも言ってねっ!
>>338 種子装備で肉棒をくるまれたらネチョネチョするのは血のせいなような。尖ってるし
>>340 いい話や…
猫子でそれやったら後半寝てそうだよな
そこからエロに持っていける俺マジ終わってる…
〉〉341
きっと、可変硬度の装備なんだ! と踏んでの妄想だったりします。
なので、ぶにぶに・ふにふに〜になると勝手に解釈。。。
〉〉340
なんでも?!
ならば、早速ひらいたりとじたりをす(ry
うおっ、ほんとに過疎ったな
皆ちゃんと自分の神姫にホワイトデーのお返ししたかい?
>>343 してない・・・
てか、携帯壊れてそれどころじゃなかった。。。
明日なんとか手配するつもり。
昔書きかけて凍結させてたSSあるから、明日にでも投下するよ。
ちょっとU−1なとこあるけど、その辺はご容赦で。
U-1はもういらん。お腹いっぱいだ。
>>346 そんなあなた
つ右上の×、もしくは左上の□
最近は、エロどころか厨バトルやU-1すら近寄らない過疎スレだしなぁ…。
まぁ、U-1含む、いわゆる厨くさいのは“はしか”みたいなもんだから
自覚してればそのうち治るよ
俺は、流れを気にしない、ダラッター
ロボットだから、神姫だから、ダラッター
だから晒すぜ、俺の妄想。
キモイけれど、我慢して。
流れを読まずに、予告のSS投下。
当時、8割方完成させたところでスレ覗いたら荒れていたので、断念したもの。
久しぶりにそのファイルを見つけて、てけとうに纏め直しました。
荒れ始めた頃からこちらのスレを覗いていませんので、職人さんが同じようなネタを先にかいてらっしゃるかも
しれません。そのときはごめんなさい。
ひとまず前後編のうち前編投下。
長文が苦手な方、厨設定に我慢が出来ない方、なんとなくいやな予感がした方は、『神姫ファイト』でNG登録を推奨します。
序幕
『あばれ神姫、無法松の決闘』
びゅうびゅうと冷たい風の吹く夕暮れ時。
背の高い草の茂る、とある丘にその二人はいた。
否、夕日に赤く染まるその人影は人にあらず。
天地に依らず、人の技にて与えられた心と身体を持つ、其の名は神姫。
主に仕え、彼の為に闘う小さな彼女らを、人は『武装神姫』と呼ぶ。
第一幕
『その神姫は、俺が殺る』
その日の夕刻、アニエルは公園に呼び出された。
公園とは、近辺にある児童公園である。昼間は人の子供達で賑わい、その楽しそうな声で溢れかえるこの
公園も、すでに陽の落ちかかったこの時刻ともなれば、人気もなく寒々としたものであった。昼間の住人たち
は、それぞれ母親達に手を引かれ、家路についたあとである。
「遅い。人を呼びだしておいて遅刻とは、宮本武蔵気取りでしょうか」
アニエルは、彼女にしては珍しく少々苛立ちを隠せない様子で、そう呟いた。
彼女の傍には、彼女が乗用にしているランドバイザーが駐車されており、その後部に折り畳まれた4連装の
高出力ビーム砲は本来の用途ではなく、買い物の荷台として使われていた。絹ごし豆腐のパックが二丁、丁寧
にホールドされている。
この公園に来たのはあくまでも買い物のついでであり、彼女としてはさっさと用件を済ませて主の元へ帰りた
かったのだ。
アニエル、彼女は神姫であり、高橋ナオトという16歳の少年をオーナーとする、身長15センチの美姫であった。
そのボディは、昨年発売された『アーンヴァル』のものであり、白を基調とした、天使を思わせる清楚なデザイ
ンである。外観的にはほぼ市販のそれであり、さほど手を加えられた印象がない。違うといえば彼女自身のコア
である頭部くらいであり、いまとなっては市場から消えた、随分古い神姫のものである。かつて、同じメーカーか
ら発売された、いまのアーンヴァルの、直系の姉とも言える機体のものである。故に違和感はなく、長いブロンド
も様になっている。
彼女は、その頭部の古さからもわかるとおり、ずいぶんと長い年月を経た機体だ。世に『武装神姫』が現れて今
年で6年。その草創期に開発された。オーナーである少年の父が勤めるメーカーの、いわば研究試作品である。
その当時の最新技術を用いられた研究試作品とはいえ、いまでは格段に市販品の性能が上がってきている。
比較するまでもなく旧式になってしまった彼女だが、主人に愛され、この6年を長らえてきたのだ。
「ふ、またせたな!」
アニエルを呼び出した張本人、スティエルが現れた。
公園の茂みの中、身長15センチの彼女らからすれば充分に背の高い雑草が茂るその場所に、ようやく2機目
の神姫が到着した。
スティエル、彼女もまた神姫であり、『アーンヴァル』と対を成す仕様、悪魔型の『ストラーフ』である。
「いままでのらりくらりと対戦を避けられてきたが、今日こそは逃がさねぇ。はっきりと白黒付けてやる!
・・・・・・って、オイ、さっさとマシンから豆腐を降ろせ! それじゃ戦えないだろうがッ!!」
今時古風な『果たし状』などでアニエルを呼び出しただけあって、その黒い神姫、スティエルはずいぶんと威勢
のいい番長風(かぜ)であった。少女の声を低く落としながら彼女は、アニエルを前にして威勢のいい啖呵を切っ
たあと、アニエルがまだ闘いの準備をしていないことに苛立った。
スティエルは、彼女の基本装備である戦闘用強化脚部、格闘用副腕部を備えたバックパックという、黒い悪魔
を模した姿である。フリーになっている素体の手には、小型のハンドガンとナイフが握られ、さらに背中に接続さ
れた格闘用のサブアームには鋭い爪が装備されている。その鋭利な爪は、夕日を受けてぎらりと鈍色(にびいろ
)の輝きを放つ。
それに対してアニエルは、なにも装備していない素体のままであった。彼女、『アーンヴァル』の基本兵装であ
る空戦ユニットを装備していないどころか、他社流用装備であるランドバイザーの戦闘準備すらしていない。いま
は四輪のビークル形態で、戦闘時にはこの形態以外に、四門の強力なビーム砲を装備した二脚型のパワード
マシン形態にも変形出来る。
しかし、そんな強力装備も、買い物の荷車扱いされては形無しである。
「まさか、装備無しでオレと闘うつもりじゃないだろうな!?」
スティエルが、顔中を不快感に歪めて詰問する。もし、素体のまま戦闘装備の自分とやり合うつもりで来たの
ならば、それは侮辱だ。自分を敵とも見なしていない、不遜な態度だ。そんな舐めた態度、許せない、とスティエ
ルは激しく憤った。
しかし、そんなスティエルの憤りを前にして、アニエルは小さく溜息を吐いただけだった。
「私は、あなたとは闘いません。そう、何度も説明したはずです」
彼女は、自身の由来がメーカーの試作品であるが為に、レギュレーション違反となり公式のバトルには参加
できない、と説明していた。もちろんそれは事実で、この六年間、一度も公式戦に出たことはない。性能の高低
は差し置いても、レギュレーションに沿わない機体を出場させて大会のバランスを崩さないための主催者側の
措置だ。
だから、彼女は言う。自分はすでに、戦うための機体ではないのだと。
「今日、ここに来たのは、そのことの確認のためです。あまりあなたがここで待ちぼうけを喰うと、オーナーの
深雪(みゆき)さんが心配しますから。あなたも『公式大会』が近いのですから、こんなところで油を売ってい
るのはどうかと思いますが?」
そういってアニエルはランドバイザーに乗り込み、起動させた。雑草の茂るこの場所では、車輪での走行より
も脚部を用いた歩行、跳躍の方が適している。四門のビーム兵器はそのまま荷台代わりに、そして脚部だけを
展開して歩行姿勢に変形した。
「まちやがれッ! 大会なんざァ後回しだッ! オレはテメェの実力が知りてェんだ!!」
そういってスティエルは右手に下げたハンドガンを引き向け、トリガを引く。実物の約十分の一程度の大きさ
であるから、人間の持つ実銃の音のような迫力はない。しかしその銃弾は、人の急所を貫くことが可能な、充
分な殺傷力を持つ。パパパと空気を裂く音をさせて発射されたその弾丸は、すべてがランドバイザーに積載さ
れた豆腐を狙う。
しかしアニエルは、ギュア、と足下の土砂を巻き上げながら、車体を旋回させてそれらを全て躱した。
「・・・・・・ッ!!」
スティエルは戦慄する。銃弾を躱された事、『結果』にではない。
銃口を下げた状態から始めたクイックモーション。その何千分の一秒、照準を合わせたときには、アニエルの
ランドバイザーはすでに回避動作に移っていた。あの鈍重な機体で!!
スティエルは戦慄する。いったい、いつから自分の動きが読まれていたのか!?
「私はこれで失礼します。せっかく並んで手に入れたスーパープレミアム限定豆腐、ナオトさんも首を長くして
待っているでしょうから」
天然の材料を使い、毎週数量限定で、独自の製法で作る極上の美味さ、それを積んだバイザーからアニエル
はそれだけを言い残し、その場を去った。
「・・・チクショウ!」
残されたスティエルは、相手にされなかった屈辱感と、相手の強さを認めてしまった敗北感に、ぎり、と歯を噛
みしめたのだ。
第二幕
『神姫の星光るとき』
実は私、神姫なんて、それほど興味はありませんでした。
きっかけはというと、去年の年末の、商店街のくじ引きでした。五回ガラガラを回して、ティッシュ四個に屈辱の
涙を流しながら、最後に引き当てた二等賞が、このスティエル、『ストラーフ』でした。
私としては三等のオーブントースターか、四等のフライパンが欲しかったのですが。
で、賞品として受け取ったストラーフの箱と、色々詰まった大きなスターティングセットのコンテナカートを押し、
てくてくと帰宅しながら、私は閃いたのです。
「そうだ、確か高橋君も、神姫やってたはず!」
クラスメイトの男の子、高橋ナオト君も、神姫を持っている、という、クラスの地下(アンダーグラウンド)な『高橋
君ネット』情報を得ていた私は、これをダシに彼とお近づきになれるんじゃないか、と考えたのです。
高橋君は、一見、クラスでも目立った男の子じゃありません。でも、クラス全員が、彼のことを一目置いている、
というか。
テスト成績学年トップの佐々木さんがいつも気にしてるのは、二位の山下君じゃなくて八位の高橋君だし、バス
ケ部のエース黒田君が体育の授業でいつも、それほど活躍しない高橋君と組みたがるの、理由を聞いたら、「あ
いつを敵に回すのは、なんでか怖い」んだそうで。
でもたぶん、クラスのみんな、高橋君に助けられたことが一度はある、からじゃないかな?
彼はなぜか、私たちが困っているところに偶然現れて、助けてくれる。それでいて、恩着せがましいことをした
りしない。
多分そんなところが、クラスのみんなから一目置かれてる理由なんじゃないかと思う。
ルックスは・・・ウフフ、なんていうか、子犬っぽい、っていうの? でも、仔犬は仔犬でも、大人になったら立派
なシェパードかドーベルマンになろうか、っていう、端正な造り、だとおもう。
だから当然、モテる。
そして、高橋君を好きな女の子達は、お互いを牽制し合っているものだから、なかなか誰もアプローチが出来
ません。
かくいう私も、高橋君が好きです。
そして、『幼なじみ』という、キングかクィーンくらいのカードを持っています。でも、家が隣とか、毎朝起こしに行っ
てるとか、小さい頃に結婚の約束をしたとかの、エースかジョーカーになり得るカードじゃないあたりが少し弱いのです。
そこでこの神姫です。
高橋君は、私が神姫を始めたと相談したとき以来、すごく親切に教えてくれるようになりました。
もうすぐ一年になりますが、けっこう良い感じに仲も良くなってきました。よこしまな私の企みは成功し、二人で
いる時間も多くなりました。神姫は二人の共通の話題になり、高橋君がどれほど神姫に愛着を持っているか、そ
れを知ることが出来ました。
そして、高橋君の気をひくために始めた神姫でしたが、私自身も、最近ではこのスティエルにもすっかり愛着が
湧いてきたのです。
「ただいま〜」
奥野深雪(おくの みゆき)が暗い部屋の電気を入れると、同時に机の上から電子音がした。『ストラーフ』型の
神姫、スティエルがスリープモードから復帰したことを知らせる音だ。その起動音を聞きながら、部活で使った道
衣の入ったバッグを放り投げ、髪を束ねていたリボンを解いた。彼女はその大人しそうな顔に似合わず、高校の
合気道部に所属している。丁寧に手入れのされた、さらさらの長い髪も部活で邪魔になるから束ねてあるわけだ。
部活の利便を考えるとばっさり切りたいところだが、とある理由があってそれもままならないでいた。
「ただいま、スティエル、留守中、なんかあった?」
机の上にいるスティエルに、深雪はいつもの日課でそんなことを話しかける。
「お前のアニキが、またオレの足をパカパカしにきた」
その報告を聞いて、深雪は頭を抱えた。年頃の妹の部屋に忍び込んで、なにをするのかといえば、それ?・・・
と、絶望的な呆れを通り越した憐憫すら覚える深雪。まぁ、下着を物色、とかされるのも普通に嫌なのだが。
「次からは、撃って良いから」「おけ」
オーナーからの射撃許可に、オッケーの短い返事。そんなやり取りのあと、深雪はラフな部屋着へと着替えを
済ませると、机に座ってスティエルと向かい合う。
そして、先日の中間試験の答案が帰ってきたことや、部活の愚痴、クラスメイトの話など、その日に起こった出
来事をスティエルに話していく。スティエルは、少々無骨な性格ではあったものの、オーナーである深雪の話に真
剣に耳を傾けている。そして相づちを打ったり、時には諫めたりしながら、何とも良き話し相手となっている。
「よし、いい方法がある」
「え? なになに?」
「オレがその先輩とやらを闇討ちすれば、怪我で欠員が出て、深雪も大会にでられる」
「・・・やめてよね、絶対、それ」
はぁ、と溜息を吐いた深雪。スティエルのいうことは、時折あまりにも短絡過ぎる事がある。しかし、そのお陰で
いつも深雪は正しい道を選ばされているような気持ちになる。極端な例であるが、闇討ち等アンフェアな手段を
深雪が窘めた以上、彼女はまっとうな練習でレギュラーを掴む道を選ばざるを得ないわけだ。開き直りともいう。
「さて、大会も近いし、ネットトレーニングも難易度あげちゃおうか?」「おけ」
深雪の提案を、スティエルが短く了承する。
この『大会』とは、深雪の部活、合気道部の大会のことではない。
数日後に控えた、神姫の大会のことである。
神姫は、その武装を以ってそれぞれが闘う競技がある。主に『公式大会』と呼ばれるものがそれで、実際に武
装させた神姫達を闘わせて勝利を競う、バトルホビーだ。
当然実弾実装で、刃も落とさぬ刀剣兵器を用いた闘いなのだから、機体は破損する。神姫のコアである頭部
が破壊されるか、他の部位の破損によって戦闘不能とされれば、試合に負ける。しかし、公式大会では、試合
前に主催者側が頭部の全データをバックアップするので、破壊されても新しいコアユニットを用意すれば、神
姫達のパーソナルは失われない、という安全性がある。大会の健全性を主張する主催者側の措置だ。
(もちろんこのバックアップマシンは公式大会にしか存在せず、頭部データの違法コピーはかなりの重罪になる)
そして、神姫達が、自身の物理破損を気にせずに大会の練習を行える場所、それが『スタジオ』である。神姫達
の整備状況や装備などのデータをスキャンし、その情報を以てヴァーチャルな空間で戦闘のシミュレートを行う
のだ。公式大会が提供する『スタジオ』にアクセスして様々なトレーニングや擬似的な対戦を行い、そのデータを
フィードバックすることで神姫達の戦闘AIを育てていくことになる。
「おつかれさま、どうだった?調子は」
マイクを通して、ネットの中で活動するスティエルに、深雪が声をかける。オーナーのその声に、公式大会に
定められた接続時間いっぱいを疑似対戦に費やしたスティエルは、表情を曇らせて呟いた。
「・・・射撃動作を、もっとクイックに行いたい」
スタジオからログアウトして本体の機能をアクティブに戻したスティエルは、そのまま立ち上がると、ぴょこんと
跳ねて深雪の肩に乗った。
「腕部アクチュエーターの鋭敏化と、射撃プロセスの最適化が必要だ」
「・・・って、そんな難しいこといわれても・・・」
肩に乗ったスティエルがそういうものの、まだまだ技術的な部分は深雪には手に負えない様子だった。
神姫バトルにおいて重要なのは、装備、メンテ、コミュニケーションであり、これらを上手く、効果的にすりあわ
せることがオーナーの手腕であった。その積み重ね、経験こそが勝利へとつながる。
いま現在の深雪は、オーナーとしてはまだまだ駆け出しと言ったところだ。装備を充実させるにはそれなりの
金銭的裕福さが必要だが、未だ自分の働きで銭を稼ぐ身ではないため、これはおのずと限界がある。故に、彼
女が芽を出すにはメンテとコミュニケーションに絞らざるを得ない、ということになる。
神姫は、当たり前のことだがロボットであり、高度な技術によって稼働する。さらに、ソフト面での発達により、
人間に近い心までをも持つに至った。一昔であれば、このような家庭用ロボットには専門的な知識や技術を要す
るものが多く、商業物としての発達の妨げになっていた。しかし神姫はそれを踏まえ、ユーザーの敷居を低くす
るために、本来ならばこれら専門的な造詣の深さを必要とする部分ですら、平易な知識と技術で対応できるよう
にしてしまった。素体、兵装、それら構成物を全てブロック化することで、メンテナンスの大幅な簡略を実現した
のだ。たとえば、肘を駆動させるアクチュエーターに異常が見られた場合、肘関節ユニットを手軽に交換するも
良し、オーナーの判断によっては、部品の馴染み易さを考慮して上腕下腕を含む腕そのものを交換しても良い、
ということも平易に、素早く行える。その際に専門知識をほとんど必要とせず、指でつまんで、外して、付ける、
まるでブロック玩具のように扱えるのだ。
また、ソフトウェア面においても、神姫の個体それぞれが持つパーソナルなキャラクターをインターフェースに、
コミュニケーションによるグレードアップを実現させた。つまりオーナーは、神姫と会話し、触れ合い、共にバトル
を経験することで、その内部動作プログラムルーチンを構築、編纂していく。たとえば、神姫に対して誠実に接す
ることで彼女らはオーナーを信頼する。それは、無機質な表現をするならば、命令に対する背反方向への振れ
幅を軽減し、実行精度を向上させることに繋がるわけだが、オーナーはそれらを数値として知ることはない。あく
までも、「神姫との仲が深まったらしく、言うことを良く聞くようになった」と『感じ取る』のである。この、感情を司る
パーソナルな部分をブラックボックス化したことで、オーナーは神姫に対して、個別の人間と同等に近い接し方
を求められることになったのである。
小難しい言葉に戸惑い、自分の手腕を責められているように感じた深雪は、少し落ち込んでしまった。そんな様
子に、スティエルは、ふう、と小さな溜息を吐き、先程の言葉をフォローした。
「ばか、お前がわからなければ、詳しい奴に聞けばいいだろうが」
ほんの数秒、言葉の意味を理解するのに間を要する深雪だったが、呆れ気味のスティエルがさらに言葉を足
そうとしたところで、気付いた。
「あっ!そっか!」
深雪は、自分の相棒が気を利かせてくれたのだと知った。こんな時こそ、『先輩オーナー』を頼ってしかるべき
ところなのだ。慌ててパソコン画面のメーラーを立ち上げると、意中の少年にメールを綴った。
確かに、ブロック化されたメカニズムは、初心者によるメンテナンスを平易にした。コミュニケーションと経験に
よる実行精度の上昇は、内部ソフトウェアの特別な学問を不要にし、さらに神姫に対する愛着を増す効果も持っ
ている。
だが、より上を目指すオーナーは、さらなる工夫を凝らす。
たとえば、神姫に『ボクシング』を学ばせたい、と考えるオーナーがいたとする。
その際、腕部の強度を上げるために、少々頑丈な『腕ユニット』を購入して、既存腕部とすげ替える。だが、そ
れだけでは『腕が固くなった』だけなので、望むボクシングスタイルに適するよう、駆動部を調整することが必要
となる。よりハイパワーなアクチュエーターと交換するも良し、強度的な遊び量の幅を設定することで、柔軟な
動作を可能にしたりするもありだろう。なんだったら、それら全てをオーナー自ら作り上げてもいい。
つまり、パーツの自作である。
また、ボクシングの動作は、通常動作の複雑な融合である。これらの動作ルーチンを、市販のソフトウェアか
ら導入することも可能であるし、自分で構成することも可能だ。あとはその神姫が、その動きを上手く取り入れ
ることが可能か、そこが重要になる。
だが、神姫個別のキャラクター(心、性格、感情)を司る部分は完全にブラックボックス化されているので、オ
ーナーが独自でここに、直接手を入れることは不可能だ。故に、新しく構成した『ボクシング動作』を神姫が使い
こなすためには、その神姫のキャラクターをインターフェースにしたコミュニケーションで最適化させていくしか
ない。つまりは、特訓だ。
プログラム技術の高いオーナーでも、自分が作ったボクシング動作を実現させるためには、シャドーボクシン
グをさせて口頭で注意したり、ビデオを見せてイメージトレーニングをしたり、といった、随分アナログな努力が
必要になる。
だが、その特訓が実り、最適化を済ませたあとにこそ、プログラム技術の優劣が明らかになるのだ。
深雪は、当然こんなレベルに手を出せるほど優れたオーナーではない。しかし、市販品のプログラムやパー
ツを効果的にチョイスするといった、導入部としてのチューンナップは取り入れて行くべきだろう。
そしてそのことは、先輩オーナーである『高橋ナオト君』が詳しい。
是非、彼に学ぶべきである。
「アイツの整備は、すごくいい。丁寧で繊細、配慮が行き届いている。お前ももうちょっと上達しないとな」
「へーい・・・」
そんな風に、深雪が自分の神姫にへこまされていると、先程送ったメールの返事が来た。神姫の整備でわか
らないところを教えて欲しい、という深雪の頼みに対して、オッケーの返事。そして、良ければ家に来ない?との
お誘いが。
「やったーっ!! 高橋君のおうちへお誘いだっ♪」
思わずガッツポーズ。彼女の当初の目的、『高橋ナオト君と仲良くなる』という点から見れば、彼の家に招かれる
と言うことはとても重要なチャンスだ。スティエルもその返事に喜ぶ。以前彼に教わりに行った際、ついで、というこ
とでメンテナンスをしてもらったことがある。部品の隅々、細部に渡ったスキャニングは専用の装置を凌ぎ、素早い
操作ながらも的確にストレスを取り除いていく様は、確かに熟練だった。彼のメンテを受け終わったあとは、工場出
荷直後にも感じたことのないくらい壮快だった。
彼の家に行く、ということは、面倒見のいい『高橋ナオト君』にメンテを手伝ってもらえる可能性も高い、ということ
になる。
「よしよし、大会前にアイツのメンテが受けられるかもしれないのは有難い。やっぱりお前だけじゃ心許ないからな」
「ひどーい」
スティエルの皮肉に深雪は頬を膨らませて抗議するが、事実だ、の一言にきっぱり却下されてしまった。しかし
そんな不機嫌も、思いがけず巡った嬉しい出来事にあっさりと晴れていく。そんなオーナーを微笑ましく思うスティ
エルだったが、のんびりとしていられる事態でなくなったことを思い起こし、深雪を急かす。
「さ、明日の準備するぞ?」
「・・・・・・え?準備って?」
「バカヤロウ、せっかくアイツの家に行くんだ、ケーキとかクッキーの一つでも作れ!」
何とも鈍い深雪だが、スティエルの一喝で目が覚めた。あっ、そっか! と短く叫んで口に手を当てる。
「ッたく、こーゆーときに女の子らしいところをアピールしないでどーすんだ。その為に練習もしたんだろ、菓子作りの」
「そうでした・・・・・・」
またまた神姫にやりこめられた深雪は、見る見る意気消沈していく。それでもさらにスティエルは小言を重ねる。容
赦なしといったところか。
「いい加減、オレの指示無しに作れるようになれ。お前の菓子作りにつき合わされるたびに、こっちは小麦粉が関節
に入り込んで鬱陶しいんだ!」
「うう、ごめんなさい・・・」
落ち込む深雪の様子に、さすがにスティエルも言い過ぎたと感じたようで、小言の雨をしばし休ませた。スティエル
が気まずさに僅か後悔しながら深雪を慰める言葉を選び始めたとき、唐突に深雪が復活した。
「えい! ウジウジしてたって始まんないっ!!」
意気をあげて立ち上がった深雪には、先程の落ち込みは僅かも見られず、むしろ闘志に燃えていた。
「よーし、作るぞっ!! とびっきり美味しいお菓子を作って、高橋君に私の乙女パワーを見せつけてやるっ!!」
落ち込んでもすぐ立ち直り、目標に向かって突き進む。単純で、だがそれ故のがむしゃらなベクトルは嫌いじゃな
い、とスティエルは思う。自分のオーナーの、それは長所だ、と彼女は認める。
「さ!スティエル、もう時間がないよ、手伝って!!」
再び髪を結わえ直した深雪のポジティブな面を満足げに眺めていたスティエルは、彼女に声をかけられて、ニヤリ
と笑いながら応じた。まかせとけ、と。
そのあとのキッチンは戦場だった。
あわただしいことの揶揄表現としての戦場でもあったし、二人のやり取りも戦場風であった。
「バカヤロウ、分量はキチンと計量しろ!」「了解であります!!」
「砂糖の量も2.4グラム多い!テメェはアイツを糖尿にするつもりか!?」「申し訳ありません軍曹殿!」
「撹拌がなってないッ!もっと手首のスナップを利かせるんだ!」「アイアイマム!!」
その様子をキッチンの入口から母親が覗いていた。娘が女の子らしくお菓子作りに頑張っている姿は母親として
嬉しく思うのだが、それでも何か間違っているような気がする、と複雑な想いを抱くのであった。
「ま、こんなもんだろ」
「ふぇ〜〜〜〜、つかれた・・・」
スティエルは、洗浄液の風呂に浸かりながら、身体に付いた小麦粉を落としている。洗面器サイズのプールの
中で、その縁をぐーるぐーると背泳ぎで回りながら深雪と会話していた。泳ぐように軽く体を動かした方が、綺麗に
洗浄できるのだ。
「フフフ、これでアイツも、お前のことを見直すぞ。うまくいけば、求められるかもしれん」
「求められるって、なにを?」
意味深く笑うスティエルに、疲れてベッドにダイブしていた深雪が、俯せのまま顔も上げずに聞いてくる。スティ
エルはその問いに、さらに含みを持たせて応えてやった。
「身体だよ、カ・ラ・ダ」
「かっ、カラダぁ!?」
がばっ、と勢いよく起きあがる深雪。さっきまでは疲れのために半分閉じかかっていた瞼が見開かれている。
スティエルの言葉を頭の中で反芻する深雪、その顔がじわじわと赤くなっていく。その様子を見ながらスティエルは、
ニヤニヤとした笑いをうかべつつ、言葉を繋いでいく。
「そうだ。アイツも男だ。お前が女の子らしいところを見せれば、否が応でも意識するさ。ふたりっきりの雰囲気に、
クラッと来る事もあり得る。そのタイミングでお前が告白すれば、そのまま一気に・・・ククク」
「ええええええええっっ!!どどど、どうしよう!?」
すでに真っ赤になった顔を両手で押さえ、ばたばたと頭を振り回す。結わえたまま解くこともしていなかった髪が
ぶんぶんと揺れる。もちろん男性経験のない深雪は、一気にパニックに陥ってしまった。激しい狼狽と共に、どうし
よう? と問われたスティエルは、さっきまでのニヤニヤ笑いをあっさりと収めて、きわめて冷静に答えた。
「どうしようもこうしようもない。今日はもう寝ろ」
どうやらそれだけでは深雪を落ち着かせることが出来なかったようで、でもーでもー、と唸りながらテンパっている。
そんな彼女に、スティエルは深い溜息と共に、最後のアドバイスをしてやった。
「早起きして、明日の勝負下着を選ぶ時間を作れ」
「そっ、そだね!」
その言葉に、あわただしく肯いた深雪は、結わえていた髪を解くと素早くパジャマに着替えた。そして、お休み、とス
ティエルに言ってから部屋の電気を消す。この間わずか一分もしない。スティエルは自分のオーナーの、こういった
切り替えの速さを長所と感じてはいるのだが、さすがにこの素早さには苦笑いするしかなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ネット接続とメンテナンス、充電を兼ねたクレイドルに横たわりながら、スティエルは眠っている。
今日一日に起こったことを整理し、不要なデータ、類似するデータを統合整理する。そしてデータ同士のリンクを
明確にし、過去の情報となった際の検索がされやすいようにインデックスを付けていく。そのときの既存情報サーチ
により、優先度の最も高い情報(思い出、とも言える)を何度も反芻したり、情報の混濁によりあり得ない展開の情
報が生み出されてしまったり、と、神姫も人間の『夢』に近いものを見ることがある。
その夜のスティエルは、深雪をオーナーとした最初の頃の『夢』を見ていた。引っ込み思案の深雪が、好きな男の
子と仲良くなりたい一心で始めた神姫。最初は神姫のことなど、人の言葉を話すペットロボ程度にしか認識していな
かった深雪だが、コミュニケーションを重ねて行くにつれ、変わっていった。今では、いつの間にかスティエルを大切
な親友と見ている節がある。これ、という明確なターニングポイントがあったわけではない。だが、積み重ね、というも
のはそういうものだ、とスティエルは思う。大きな転機があって強い友情を得ることもあれば、何気ない毎日を繰り返
すことで得られる深い友情もある。オーナーとの絆を求める神姫である彼女は、深雪が自分に向けてくれる信頼こそ
が幸福であり、その幸福のための行動は惜しまない。
深雪が、好きな異性のことをスティエルに語った夜がある。子供の頃よく遊んだ少年。彼は火事で両親を亡くし、
親戚に引き取られ、中学時代に会うことは叶わなかった。彼に対する幼い恋心を伝えることも出来ず、かといって
諦めることも出来ず。そんな風に気持ちを持てあましていた深雪は、高校になって戻ってきた少年と再会する。彼
はより魅力的な男性となっていた。深雪の恋心は再び彼を求めた。子供の頃よりも強く。
スティエルは思う。
自分は間違いなく、奥野深雪の神姫だ。深雪が幸せであれば、自分も嬉しい。その為に出来るだけの助力はしよ
う。そしていつの日か、彼女が自分を起動した目的『意中の少年と仲良くなる』を達成したとしても、自分と深雪は大
丈夫だ。その目的を達したときが、自分たちの関係の終わりではなくなったはずだ。
そしていつの日か訪れる別れの時、そのあとの自分が深雪の中で、幸福な記憶として残るのならば、それはなん
と素晴らしいことか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スリープモードにあったスティエルは、小さな呻き声を聞きつけた。
それは一度では終わらない。くぐもった呻き、鼻にかかった息。もちろん、それは深雪の眠るベッドから聞こえてくる。
(やれやれ・・・)
音をさせずに再起動したスティエルは、ひっそりと小さな溜息を吐いた。
今、ベッドで眠っているはずのオーナーが何をしているのかなど、分かり切ったことである。
(早く寝ろ、と注意したのに。ッたく、しょうがねぇな)
スティエルは、さて、どうしたものか、と考えた。このまま気が付かなかった振りをしてやるか、それとも窘めてや
るか。明日早く起きるのだったら、さっさと眠った方がいいに決まっている。
しかし、興が乗った。さっき見た『夢』のせいだろうか。
スティエルは、深雪をさっさと眠らせるために、自分が彼女の『自慰』を手伝って、早く終わらせてやろう、と思った。
クレイドルとの接続を解除したスティエルは、机上を軽く蹴って跳躍し、音をさせずに深雪の枕元に降り立った。
「眠れないのか?」
「?!!」
唐突に耳元で声をかけられ、深雪は身体を大きく痙攣させるように驚いた。後ろめたい自慰の最中、それを見つ
かったとあっては、驚くのも無理はない。
深雪は、左手を胸に、右手を股間にあてがい、それぞれの敏感な部分をパジャマの上からなぞる、大人しい愛
撫をしていた。年頃の少女らしい性的興味から、もちろん始めてではない自慰行為だ。それでもまだ男を知らない
乙女の自慰であり、可愛らしい行為でもある。それでも布団ははだけ、足を乱し、それなりの盛り上がりを見せてい
たようだ。
「・・・なんだか、ドキドキしちゃって、全然眠れないの」
涙目に、不安をたたえて深雪が答えた。
深雪は、自慰の言い訳をそんな風に語った。もちろんそれは言い訳ではなく、事実だろう。寝る前の会話に、
刺激の多い内容が含まれていたのだ、ある意味仕方がないといえる。確かに、そんな話題を振ったのはスティエル
であるから、少し気の毒だったかな?、とも彼女は思う。なればここは中途半端に放置するのではなく、先程決めた
とおりに自慰を手伝ってやって、スッキリさせた方がいいだろう。その方がよく眠れる。
「だったらオレが、手伝ってやるよ」
ニヤリと笑って言うスティエルに、深雪は驚きの声を呑み込んだ。返事を待たずに再び跳躍したスティエルは、
深雪が先程まで右手で押さえていたパジャマの股間に移動する。そして深雪の右手がやっていたように、それな
りの強さをもって秘部を撫で上げた。
「ひうん!」
そこは、少女の秘部から幾枚かの布地によって隔てられているというのに、スティエルがその小さな手で撫でた
ときには、すでに充分な湿り気を感じた。秘部のすぐ傍にいて、さらに精度の高いセンサーを持つスティエルは、
その、くちゅり、という湿った音を聞き分けていたのだ。
「もうこんなに濡れてるのか、深雪はスケベだなぁ」
「いやぁ、恥ずかしいよぅ・・・」
そうして、少女と、彼女をオーナーとする機械人形による、秘められた夜の時間が訪れた。
少女は震え、身悶え、その全身をわななかせた。自分よりもずっと小さな、人形の手に導かれながら。
冷える冬の夜、こんもりともりあがった厚い掛け布団の中、密やかな少女の声がくぐもり、果てた。
静かになった布団の中から這い出した小さな人形は、ぐっしょりと湿った自分の身体を見て、ため息一つ。
先ほど使い終わったはずの、洗浄液のプールにもう一度浸かりなおした。少女の自慰を手伝ってやるのは、嫌い
ではない。だがその度に身体を洗浄しなければいけないのは、面倒に思う。人間ならば、一汗かいた後のシャワー
といったところだろうが、とうの主人、深雪はもう眠りについた。明日の朝にシャワーを浴びるつもりだろう、風邪をひ
かぬように気をつけてやらないと、などと、こんな所でも世話を焼くように気を回してしまう。
「やれやれ。これは明日も、一肌脱いでやらんといかんようだな」
そういってスティエルが窓の外を眺めたとき、ちょうど一つ、星が瞬いた。
つづく。
とりあえず、以上です。
後編は、残り2割が埋まってからです。
できるだけU−1成分は消そうと思っていたのですが、無理でした。
乙〜。 GJ〜。
何を言われようと、ともかく書いてうpするところから始まる。。。
GJ,なかなか面白いじゃまいか。
設定煮詰めて説得力持たせるのはSF系小説の重要ポイントだなと思った。
あとは主役っぽいヤロウの描写がどうなるかだなw
また長いな、「Wiki行け」言う奴が出そうだぜ。
乙〜。みごとなU-1でした。
ひょっとして、公式準拠でバトルもの書いている人っていない?
U-1、U-1というけれど、どこまでがU-1なのか実際に示してもらいたいと思ってみるテスト。
U-1で無いものを書ける人に、ぜひU-1と非U-1で書いてもらいたいものだ。
・・・神姫ネタ、かつ公式準拠でな。
・・・俺? 俺が書こうものなら速攻でU-1指定かつwiki送りにな(ry
前に誰かがネタとして「U-1の典型」みたいなの書いてなかったっけ
非U-1は、バトルさせなければそれっぽさは大きく下がると思う
事実、ここに上げられていた短編ほのぼのものは受け入れられていたし
ここで言うU-1って言葉はネタで言ってるものだと思うよ。
本物のU-1って作者が無自覚で書いているものだし。
主人公に自己投影して自分だけが気持ち良くなるためにひたすらカッコ良く、ひたすらモテまくり、その為に原作の設定すら捏造改変するものだからね。
だから
>>369で言う「公式準拠」という前提そのものが成り立たない。
あと、エロゲーの御都合シナリオ=U-1ってわけでもない。あれはプレイヤーを楽しませるのを目的としたものでU-1は書き手が楽しむ為のもの。
372 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 22:37:18 ID:ftuHDVPv
保守age
始めまして。
一ヶ月前に武装神姫を知って思わずSSを書き溜めてしまいました。
SSって物を書いたことが無いので見苦しいかも、しかも長いし・・・
まぁ所詮は自己満足なんで、気に入らない人は読み飛ばしてくださいな。
374 :
修理屋:2007/03/18(日) 02:56:39 ID:OfYy4FJL
三毛猫観察日記
第一話「猫、飼いました」
「よぉ虎太郎、約束の物を持ってきたぜ」
大学の学食で雑誌を読んでいると、アキオが話しかけてきた。
「おひさし。変なものを頼んで悪かったな。見つけるの大変だったろう?」
「いやいや、お前にはウチのサンタ子の神姫パーツでいつも世話になってるからな。
これくらい何でもないさ」
そう言いながらアキオは、ショルダーバッグから30センチぐらいの箱を取り出し、
テーブルの上に置いた。
「コイツがその神姫だ。注文通りCSチップに性格情報がインプットされてないのだぜ」
箱の中身は、犬型神姫ハウリンの素体だった。
俺の名は高槻虎太郎。去年大学に合格して上京、安アパートで一人暮らしをしている。
実家は車・家電・その他もろもろの修理工場。つまり「何でも修理屋」だ。ガキの頃から
工場を手伝っていた俺は機械いじりが得意で、稀に神姫の調整なんかもやっている。
目の前にいるのは徳田アキオ。俺と同じ大学の2年で大企業の御曹司。共に神姫同好会
(まだ三人だけ)の会員だ。入学当時の「ある事件」で知り合い、俺は神姫が嫌いなのに
強引に入会させられ…まぁこの話は別の機会にでも。
「しかし虎太郎が自分で神姫を育ててみたいって言った時は、正直、耳を疑ったぜ?」
「なんだよ、お前の影響なんだぜ?まぁ食わず嫌いのままってのもアレだしな」
「それにしても性格のインプットからやりたいなんて、エラい極端なヤツだな」
「どうせならトコトンな。上手くすれば心理学ゼミの発表に使えるかもしれないし」
これから俺がやろうとしてるのは「ネット情報が人の育成に与える影響」の実践。つまり
性格設定がされてない神姫をネットに直結し、その情報の中で偶発的に性格のインプットを
行おうというものだ。無論、ただ直結しただけでは情報を処理しきれないので、人間の
精神成長の過程を模して、それぞれの各段階ごとに対応した情報フィルターを掛ける。
その為のプログラムはもう用意してある。
「後はこの神姫にPC接続用のニードルコネクタを取り付けるだけなんだ。クレードルじゃ
転送速度とか間に合わないからね。手首から飛び出すようにするつもりだから、手間は
そんなに掛からないと思う」
「それじゃ予定通りに、半月後にはこの子の勇士が見れそうだな。小暮にも言っとくよ」
小暮君というのは、今年同好会に入ったもう一人の会員だ。
「ああ、二人で期待して待っててくれ!」
○6月1日(金)
ハウリンへのニードルコネクタ取り付けも終わり、いよいよ実験開始の日を迎えた。
部屋の隅のちゃぶ台にクレードルを置き、神姫をセットする。PCから伸びたケーブルを
手首から飛び出ているニードルに接続した。PCは既に起動している。
「頑張ってくれよ…よし、プログラム・スタート!!」
○6月3日(日)
プログラムは順調に作動中。計算では今頃3歳ぐらいの精神構成を行っている筈。
あ、七五三とかひな人形とかの用意をするべきだろうか?
○6月7日(水)
もう7歳ぐらい。俺はこの年ぐらいから親父に工場の手伝いをやらされ始めたんだ。
安心しろ我が娘、お前にはそんな苦労はさせないからな(涙
○6月15日(金)
予定通り、12歳のところまで来た。明日はいよいよ本起動の日。アキオがサンタ子を
連れて見に来る予定。あ、そういえば名前を考えていなかった…アキオの神姫、サンタ型
「サンタ子」みたいに「犬子」って名前にするのもねぇ…明日までに考えておくか。
「リューネさん、って言うんですか…早くお話をしたいですねっ!」
アキオの神姫「サンタ子(本名)」が、クレードルに横たわっているリューネの顔を
ニコニコしながら覘いている。
「サンタ子の周りの神姫って、小暮の砲台型「小春」だけだったからな。
友達が増えるから嬉しいんだろう」
「ええ、アキオさん!」得意のメイドさんスマイルでニッコリ。
「そう言えば小暮君、今日は定期検査の日だって?」
「あぁ、ホントに大変だよな…来られなくて残念がってたよ」
「そっか…」
今年入学した小暮君はIQが高い天才児。だが産まれつき体が弱く、小さい頃から入退院を
繰り返してあまり学校に行けなかった。そんな感じだから友達も居なかったらしい。だから
同好会で出合った砲台型神姫の小春は、彼にとって大切な友達となったんだ。
「まぁ月曜日に学食で顔合わせをしよう。しかし、早くサークルに昇格して部室を
貰わないとなぁ。いつまでも学食が部室代わりってのは寂しいな」
「最低条件の三人は確保したんだから後は実績か。自治会の出した昇格の条件って、
同好会のメンバーがセカンドリーグ入りすることだったよな?」
「まかせとけ!このままなら年内にはサンタ子はセカンドだぜ!」
いつの間にかアキオの傍に来ていたサンタ子が誇らしげに胸を張っている。
実際サンタ子は強い。悪魔型だけは苦手だが、それでも勝率は7割を超えている。
セカンド昇格は時間の問題だろう。
「よし…それじゃ本起動するぜ!」
「おお〜遂にヤルか!」「すっごい楽しみです!」
PCのキーボードを押す指が少し震える。さて、どんな子に育っているかな…
内気な子?ヤンチャな子?怠け者?乱暴者だけはイヤだな…
さぁ、起き上がるんだ!
横たわっていたリューネが小さく震えた。そしてゆっくりと上体を起こす。
周りを見回して俺を見つけると、頼りない足取りで近づいてきた。そして目の前で
立ち止まり、涙目でこう言ったんだ。
「コタロー、ずっと逢いたかったの………アタシよ、三毛猫のミアだよ!!」
アキオとサンタ子には帰ってもらった。
とりあえず大きく深呼吸。そして自称ミアを名乗るハウリンを見る。
ちゃぶ台の上で俺を見つめているその仕草は、本当に「ミア」そっくりだ。
「ミア」というのは昔飼っていた三毛猫の名前だ。…中学の頃に死んでしまったが。
PCを操作して昔の日記データを引っ張り出す。
『ミアの観察日記』。そこには楽しかったミアとの思い出が詰まっていた。
ミアの写真。ミアの動画。ミアの成長記録。そして…ミアの遺影。
どうやらこの神姫はこのデータを読み取ってしまったおかげで、自分のことをミアの
生まれ変わりと思ってしまったらしい。
「あ、これアタシの昔の写真ね!」いつのまにか隣にミアが居た。
そして俺の背中をよじ登り、首にしがみつく。ミアの悪い癖だ。
…勿論コイツはミアじゃない。このデータをコピーしただけだ。それは解っている…
「痛いから止めろって、昔から言ってるだろ!」首を掴んで引っぺがし、PCの隣りに置く。
「調べ事してるんだから大人しくしてなさい!」
「は〜い」不機嫌そうに丸まってしまった。
日記を読んでみる。
小学校の帰り道にミアを拾った事。
ミアが猫風邪をひいてしまい、心配で学校をサボった事。
発情期でうるさくて眠れなかった事。
ミアと一緒に家出をした事。
クラブ活動から帰ってくると、ミアが車に轢かれて死んでいた事。
最後のページには(完全に忘れていたが)こんな事を書いていた。
「ミアは天国にいきました。でも人間に生まれ変わって、そして僕と結婚するんだ」
目玉がでんぐり返る気がした。そしてミアが一言。
「早く人間になってコタローと結婚したいなぁ〜!」
部室代わりの学食に集まる俺たち同好会の三人。
その隣のテーブルの上では、ミアとサンタ子と小春が仲良くおしゃべりをしている。
どうやら三人とも仲良しになったらしい。
「それじゃ先輩は、ミアちゃんを今まで通りの方法で育てていくんですか?」と小暮君。
「ああ、これはこれで実験結果の一つには違いないし、最終結果はまだ出てないからね」
「実験対象、ですか…」ちょっと不満そうに呟く。
「まぁまぁ、神姫の育て方なんて人それぞれだし、大切にさえすればいいんじゃね?」
「それはそうですけど…」アキオの言葉にも納得してないようだ。
「大丈夫だよ、だってコタローはミアちゃんのこと愛してるんだもん。ね〜コタロー!」
急にミアが周りに聞こえるぐらいの大声で言った。(ヤメテクレ)
そして俺の方に寄ってきて、腕にほっぺたをスリスリしてくる。(ダカラヤメテクレ)
「あはっ、ミアちゃんカワイイですねぇ〜、でもハウリンってよりはマオチャオみたい!」
機嫌を直した小暮君が、優しい目でミアを見つめる。
「自分の事を完全に猫だって思い込んでいるからねぇ」
「これは仮の体だから何でもいいのぉ。将来人間になってコタローと結婚するんだから」
(みんなの前で言うなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!)
○6月21日(木)
コンビニから帰って、とりあえずミアを胸ポケットからクレードルに移す。
するとミアは自分からニードルコネクタを接続し、ネットにダイブした。最近はネット
空間で1時間ぐらい遊ぶのが日課になっている。
もう性格の設定は終わったから、フィルタープログラムとかは起動していない。
さすがに変なHPとかはブロックするようにしてるが、基本的には本人まかせだ。
良く言えば放任主義ってところか。
○6月24日(日)
今日は小暮君と、アキオの高級マンションにお邪魔した。8月に行われる公式大会の
打ち合わせに来たのだ。と言っても大会に参加するのはアキオのサンタ子だけなのだが。
隣の部屋では、豪華な神姫用ドールハウスの中でミア達三人がお茶会ゴッコをしている。
後でミアに同じ物をねだられそうで怖い。
とりあえずサンタ子の調整も兼ねて、みんなで7月下旬に行われる三人一組の小さい
非公式大会に出ることになった。実はミアを戦わせることなんて全く考えていなかったが、
ミア本人がノリ気なのでやらせてみることにする。
○6月30日(土)
ミアが昨日の夜からダイブしっぱなしだ。心配になったので強制的に接続を切る。
何をしてたのか聞いてみると、ネットで碁の対戦をやっていたそうだ。
何でも頭を使う対戦ゲームにハマっていて、昨日は将棋をやっていたとのこと。
対戦結果を見て驚いた。殆ど全勝じゃないか…コイツひょっとして天才なのか?
○7月2日(月)
今日はネットで戦略ゲームをやっていた。これも殆ど全勝。やっぱ天才かも。
でもオマエ、ゲームのやり過ぎだ!「ゲームは一日一時間」を言い渡す。
○7月5日(木)
ミアがウィルスに感染してしまった。(セキュリティソフトは入れてあったのに)
言語関係のデータがやられた。かなり強力なヤツらしい。とりあえず機能停止させる。
○7月7日(土)
アキオの教えてくれた業者にミアを連れていって、とりあえずウィルスは駆除できた。
同じことが起こらないように、ミアにウィルスやハッキングの情報を十分に与えてみた。
あとは自分で学んでいくだろう。…これが元で自分がハッカーになったりして(笑
○7月10日(火)
このバカ、本当にやりやがった。(※添付ファイル:「WhiteHouseHP.jpg」)
一週間のダイブ禁止令を出す。少し頭を冷やしなさい!
○7月13日(金)
試験も終わり夏休みになったので、そろそろミアの武装に本腰で取り組むことにした。
アキオが用意してくれたのは素体だけだったので、今までミアは武装をしたことが無い。
俺はハウリン装備を改造するつもりで図面まで引いていたのだが、本人はどうしても
マオチャオ装備が良いといって聞かない。仕方が無いので神姫ショップで猫装備を購入、
図面も引きなおすことにした。
○7月21日(土)
明日は大学の近所にある商店街で「三人一組神姫大会」が行われる。リアルバトルだが
ペイント弾・ウレタン武器を使った模擬戦なので、そんなに危険なことは無いはず。
サンタ子と小春は準備万全だが、ミアは装備完成の遅れもあってマオチャオ装備での
訓練時間が少ない。ちょっと不安だ。当日は3対3の団体戦、ミアが足手まといに
ならなければいいが。
第二話「激闘!あおぞら商店街!」
「ドキドキします…お二人の足手まといにならなければいいんですが」
「なに言ってるのよ小春ちゃん、今日は小春ちゃんが主役なんだからね!」
「そうですよ小春さん、大いに期待してますからね!」
どうも小春ちゃんって自信無さげなのよねぇ、あんなに強いのに。
「それでは今日の作戦を最終確認しましょう」お姉さん格のサンタ子ちゃんが言った。
7月22日、とうとう大会の当日です。アタシと小春ちゃんのデビュー戦だけど、一緒に
トレーニングしてきた感じ、なかなかいいチームになったと思うの。
索敵・司令塔のサンタ子ちゃん。(ランカーなので自主的にハンデのウエイト装備)
へヴィアタッカーの小春ちゃん。
そして小春ちゃんの盾/遊撃兵のアタシ。
このメンバーとコタローの特製装備なら、セカンドクラスでもいけると思うわ!
「・今日は6チーム総当りの5回戦で『市街戦』での模擬戦・リアルバトルです。
・私が空から指示を出します。私が見ている映像は二人のバイザーに転送しますので、
敵との相対位置を測るのに役立ててください。
・私に何かあったら指示はミアさんが出して下さい。どうやらミアさんの分析能力は
私達の中で…いえ、一般的に見てもトップレベルだと思うので、戦闘に慣れてきたら
司令塔を変ってもらうかもしれません。
・作戦の基本は『小春さんを守る』です。状況によってはミアさんの遊撃もアリですが、
敵が二人以上残っている場合は、なるべく小春さんから離れないでください。
「ペイント弾でも気を抜くと怪我をしますから注意を。何か質問はありますか?」
「ありませ〜ん!小春ちゃんはミアちゃんが絶対守るからね!」
「あ、あの…よろしくお願いします(モジモジ…はあと♪)」
一戦目、敵は悪魔型×2、天使型1。
一人で飛び出してきた天使型をサンタ子・小春の連携で瞬殺。その後サンタ子ちゃんが
残ったうちの一人を足止めして、もう一人をミア・小春の連携で瞬殺。で敵がギブアップ。
二戦目はもっと簡単。三人の騎士型を小春ちゃんが順番に撃破。アタシもサンタ子ちゃんも
傍で見ているだけでした。
三戦目は少し苦戦。編成がコッチと似ていたの。(天使型・騎士型・砲撃装備の悪魔型)
でもそれはサスガにサンタ子ちゃん、サンタ子:騎士、小春:天使、アタシ:悪魔って
1対1同士に持ち込んで、被害無しで勝利。(あのままだと一人ぐらい被弾してたわね…
やっぱり司令塔はサンタ子ちゃんでなくっちゃ!)
四戦目は不戦勝。対戦相手がケガをしちゃったみたい。アタシ達も気を付けないと…
休憩室のテーブルで一休みです。
「やったな小春、大活躍じゃないか!」
「あ、ありがとうございます♪」小暮ちゃんに誉められて、小春ちゃん嬉しそうね!
「よし、このまま無傷で優勝しちゃえ〜!」
「はい、頑張ります♪」「そうですね!」「しちゃえ〜!」
「こんにちは徳田さん。お元気そうですね」
突然、肩に天使型の神姫を乗せたスーツ姿の男が声を掛けてきたの。
「やぁ、久しぶり!…えーとゴメン、誰だったかな…」
「次の対戦相手の影田です。あぁ私自身は初対面ですよ。でも貴方の事は良く知ってます」
アキオちゃん、困った顔をしてます。本当に心当たりが無いみたいね…
「まだ解りませんか?あれ、今日は侍型の神姫は連れていないんですね。あぁそうか、
私達が破壊しちゃったんでしたっけねぇ」
突然アキオちゃんが、ものすごい形相でソイツに殴りかかった。
「キサマ『エスト』のメンバーかぁぁぁぁっ!!!」
「止せアキオ!!!」コタローがアキオちゃんを羽交い絞めして止めた。
ソイツ・影田は、ヤレヤレと呆れた仕草をした。
「あなた達のおかげで『エスト』は解散しました。しかし、まさかこんな所で報復の
チャンスが来るとは思いませんでしたよ。
大会の運営部にはラストバトルだから実弾で盛り上げたいと話してあります。勿論、
挑戦を受けてくれますよね?」肩の天使型が、いやらしい笑いをした。
影田はどっかに行っちゃいました。
「な、何なんですかアイツは!?それに『エスト』って…訳が解りませんよ!」
小暮ちゃんと同じ、アタシもワケ解んない。
「…『エスト』と言うのはな、小暮君」とコタロー。
「『エスト』と言うのは、神姫を従えた20人ぐらいの不良チームだったんだ。
メンバーの中には強盗傷害裏バトルと、違法行為を行っていたヤツもいた。
そんな連中にアキオの昔の相棒、侍型「桜花」は破壊されたんだ」
「な…神姫を…先輩の神姫を破壊ですって!!??」
小暮ちゃんが、抱えていた小春ちゃんを思わず抱きしめた。
「…その敵討ちに、俺とアキオで主要メンバーを警察へ突き出したんだんだが…
今頃下っ端が出てくるとは…」
「…………サンタ子、準備はいいか?」
長い沈黙の後、アキオちゃんが口を開きました。
「待てよ、今更あんなヤツと実弾バトルなんて、何の意味があるんだ!」
「止めないで下さい、虎太郎さん」サンタ子ちゃんが割って入る。
「あの人達だけは許せないんです、何と言われようと。私一人だろうと戦いますよ!!」
「なに言ってるのサンタ子ちゃん、ミアちゃんもモチロン戦うよ!」
「私も戦います…あんな人、許せないです…!」
コタローが、みんなの顔を一人ずつ見つめてから言った。
「…………解った。ミア、みんなを守ってやるんだぞ…」
「アイアイサー!ミアちゃん頑張るよ!!」
商店街の中央に作られた試合会場は、いままでのどの試合の時よりも騒然としてる。
これが最後の試合だし、急遽実弾バトルになった事も影響してるのね。
サンタ子ちゃんはウエイトを外し、代わりに愛用の野太刀「花鳥風月」を装備してる。
空中高速接近戦が本来の戦闘スタイルなのです。
小春ちゃんはペイント弾を実弾にして、アタシはウレタン製の猫武器を本来のに戻す。
対して影田チーム。マスターは影田一人、天使型+砲台型×2のチーム。
砲台型は普通の装備に見えるけど…天使型の持ってるレーザーライフルがちょっと変。
ジョイント用の穴だらけだし、なんか大きくない?
「大変お待たせいたしました。それでは『あおぞら商店街杯・武装神姫チームバトル大会』
のファイナルバトルを開始します!レディ〜〜〜ゴー!!」
「作戦は今まで通り、まず私が斥候に出ます」サンタ子ちゃんが飛び出した。
アタシと小春ちゃんは、サンタ子ちゃんから送られてくる映像をたよりに前進する。
「敵は動いていません、三人固まって広場の奥に引っ込んでるわ。敵の戦力を考えると
今回は小春さんに弾幕を張ってもらって、私とミアさんで順番に一撃離脱がいいかも
しれません」
パーフェクトな作戦だと思うけど、何か、何かイヤな予感がするのよね…
アタシと小春ちゃんは射程距離ギリギリのところまで移動してきた。これ以上近づくと
敵の射程距離にも入っちゃう。
ここからなら肉眼でも敵の三人を確認できる。ホントに動いてないわねぇ。まるで三人が
一つの砲台みたいに見える。
ハッ!!!!
「小春ちゃんサンタ子ちゃん、スグに離脱して!!!!!!!!」
私達が撤退を始めた直後、大砲が発射された。
それは、LC3レーザーライフルの射線じゃなかった。二人の砲台型から取り外した
パーツを取り付け、残った裸の素体をパワーパックとして接続したソレは、レーザー
バズーカと言った方がシックリくる。
直撃を予想したアタシは小春ちゃんを蹴り飛ばし(「小春ちゃんゴメン!」)その反動で
自分も回避行動をとる。
「小春ちゃん!!!」
「大丈夫、手をかすっただけです。ミアちゃんが助けてくれなかったら、私、多分
破壊されてました…」
小春ちゃんの左手が鈍く変色している。強がっているけど、かなり辛いはずだわ。
「二人とも大丈夫ですか!!?」サンタ子ちゃんが空から降りてきた。
「とりあえず命は無事だよ。でも、あの武器が…」
こちらより射線が長く、強力な武器。それは攻略しようとするだけで、多大な犠牲を
覚悟しなくちゃいけないってこと。
「…ミア、それからみんな、ギブアップするぞ」コタローから通信が入った。
「アレが動き出したら、それこそ最後だ。ミア、お前なら予想できるだろう?」
「そんな、虎太郎さん。まだやれます!私が囮になって」
「サンタ子、バカを言うな!確かにヤツは許せないが、お前達が犠牲になる必要は無い!
それでいいな?アキオ、小暮」「……………あぁ…」「はい…」
「でも、小春さんだってこんな怪我を…桜花さん……うっううっっ」
フィールドの向こうでは、影田がニヤニヤしている。
沈黙。みんな気持ちは同じだけど、悔しいけど、どうする事も出来ない…
アタシ以外は。
「コタロー、1分だけ時間をちょうだい。ミアがあのバズーカを破壊する!」
「え?あ、ミア!?何を…無茶だ、いくらお前でもあの距離、狙い撃ちされるぞ!」
「コタローお願い…ミアを信じて!」 「だが……」 『信じて!』
「…………………解った。だが、無理はするなよ…」
「ありがとう、コタロー」
ネットにダイブしてる時に、武装神姫と似た設定のマンガを見つけたの。その中で、
自分にダメージを与えることによって緊急回路を発動させ、ハイパー化するというのが
あった。神姫でも同じ事が出来ないかな…というのが発端。
出来るのよ。危険だしコントロールが難しいけど。こっそり訓練だってしたし。
体の各動力部を慎重に臨界まで上げていき、擬似ダメージを蓄積させる。制御を失敗して
しまえば、本当に爆発しちゃうかもしれない。
バズーカが動き出した。速度は早足程度だけど、確実にこちらに近づいてくる。
「二人とも、アレの後ろに周りこんでちょうだい!」「了解です」「え、あ、はい!」
この移動速度ならギリギリ射程距離に入った直後に発動できる。
案の定、発動準備が整った瞬間にバズーカの発射準備を始めた。もう遅いわよ!
「―――――――――バーストモード、いっくよぉ〜!」
次の瞬間、アタシの体を真紅の光が包み込む。この警報シグナルが点いてる1分間が勝負。
突然のアタシの変化に驚いたのか、敵はあわててバズーカを発射する。
狙いが甘い!一旦左によけて、そのままバズーカ目指してダッシュする。
二撃目は見当違いな所へ発射。スピードアップしたアタシに全然対応できていない。
天使型の表情が見えた。なにか化物でも見るような顔をしている。ある意味化物かも
しれないわね。今のアタシなら熊だって倒せるハズ。
三、四撃目を楽々かわし、天使型の目と鼻の先に到達。
2体の裸の素体はバズーカにケーブルで連結されて、無表情に立っている。ホントに
パワー供給装置として使われているみたい。
天使型は…大きく目を見開いて、恐怖のあまり顔が引きつってる。
「後悔したって、もう遅いんだからね!!」
頭の中でEXゲージがピカピカ点滅してる感じ。時間が無いし、決めるわよ!
「超必殺……… 猫 ・ 乱 ・ 踊 !!! 」
アッパーフックアッパー手刀フックストレートフック肘肘アッパー裏拳フックアッパー
掌打フックアッパービンタビンタ肘肘肘アッパーフック膝膝膝膝フックアッパー
前蹴り回し蹴り回し蹴り踵落としトドメのサマーソルト!!!
一瞬でボロ雑巾のようになってしまった天使型は、最後のサマーソルトの勢いですっ飛んで
いった。少しやり過ぎたちゃったかな?
サンタ子ちゃんが来た。この急な展開にもちゃんと対応してる。流石です。
小春ちゃんは遠くで武器を構えてるけど、ビックリして固まっちゃってます。
「ミアさん、大丈夫ですか!?」
「サンタ子ちゃん…後はまかせちゃうね…」
警報シグナルの光が消えて、同時にアタシの意識も消えていきました。
その日の夜、やっとアタシは目を覚ましました。
結局大会はそのまま終了しちゃったそうです。残った2体の素体は天使型が倒された瞬間に
起動停止したそうで…ホントにパワーユニットとしてのみ使われてたのね。
影田は試合終了直後に姿を消しちゃったそうです。
それから。
バーストモードのせいでアタシのボディはボロボロになってたの。特に関節系の部品の
磨耗が激しく、修理には相当の手間がかかるんだって。
(虎太郎「手間なんていいんだ。それより俺は無理するなって言ったハズだぞ?」)
簡易素体に入れられたアタシは、もう1時間以上コタローからお説教されてます。
まぁコタローに心配掛けるのも何だし、当分の間は大人しくしてよっと。
当分の間は、ね!
第三話「意思を継ぐ者」
「はい、終了〜!、それじゃみんな一回上がって来て」
アキオが端末から指示を出すと、ミア達三人は仮想フィールドから戻ってきた。
今日は同好会のみんなで都心の中規模なトレーニングセンターに来ている。
簡単なトレーニングなら近所のホビーショップでも出来るが、たまには公式戦に近い
環境での訓練もさせておきたい。
「それじゃいよいよ1対1の野良バトルで実戦訓練を行うよ!」
と言ってアキオは、対戦相手を探しにセンターの奥のほうへ行ってしまった。
「やっぱり徳田先輩って教えるの上手いですね。僕も見習わなくっちゃ」
一緒に座って見学していた小暮君が、感心しながら言った。
「まぁアキオは元々ファーストリーグのランカーだったからね。年季も違うし」
「桜花、って言いましたっけ、その時のパートナー。どんな神姫だったんですか?」
「確かアキオと同じ山城自顕流って流派の達人で…あぁ、アキオが戻ってきた」
アキオが三人のマスターと神姫を連れて戻ってきた。彼らがミア達の対戦相手か。
お互い簡単に挨拶をした後、それぞれの位置についた。
「それじゃ始めるよ…最初はミアちゃんからだ!」
【実戦訓練】―――ミアの場合―――
今日のアタシは、小春ちゃんから借りてる砲台型の武装をしてるの。前の戦闘で破損した
素体の修理は終わったんだけど、猫装備がまだだったのよ。
対戦相手は…ノーマル装備のマオチャオね。なんだが動きがぎこちない。初心者かしら?
ありゃ、あんなに動き回っちゃって…それじゃ無駄もいいところだよ。ダメダメ、そこで
ジャンプしたら敵の的になっちゃうよ。あ〜そこはもっと距離を稼がないと…
そうそう、そのまま突進して、そのままそのまま…はい、そこよ!
「ミアさん?対戦相手の応援なんてしてないで、ちゃんと戦いましょうね?何もしないで
やられちゃうなんて、相手に失礼ですよ?もっと勝負にアグレッシブになりましょう」
【実戦訓練】―――小春の場合―――
私の相手は標準装備のハウリンさんです。プチメカは3匹。ミアちゃんの猫装備に
慣れているので、逆に違和感を感じちゃいます。
同じ遠距離装備だけど敵には足がある。それなら足を止めてしまえば、逆にこちらが
有利になるわ。
とにかく先読みする。相手の立場になって考え、移動先を到着前に集中砲火。おかげて
自慢の足を活かせず戸惑ってます。
そういえばこの装備、さっきまでミアちゃんが装備してたのよね。なんか、いい香り。
ちょっとゾクゾクしちゃいます。お転婆なミアちゃん。可愛いミアちゃん。
こうやって目を閉じると、いつでもミアちゃんの眩しい笑顔が浮かんできます。
あ、でもサンタ子ちゃんも素敵です。いつも私を優しく見守ってくれているお姉さま。
もっともっと仲良くなりたいけど、私からアプローチするのは恥ずかしいし…
サンタ子ちゃんが誘ってくれたら何をされても…何てね、いやだぁ〜!(どか〜ん×3)
あ、でももし二人から誘われちゃったらどうしよう…(ヒョイヒョイ)
いっそ三人で…って鼻血ものですわ。キャアキャア♪(ボコボコボコボコボコボコ)
「え〜と、先生、小春さんに言わなきゃいけない事があります。
前半の砲撃、あれは見事でした。100点です。満点です。花丸も付けちゃいましょう。
その後、少し油断して相手に接近を許してしまいましたね?まぁそれは別にいいです。
問題はその後です。
小春さん、あなた敵のプチメカを素手で殴り壊していましたね?先生、ビックリです。
そんな事する人、初めて見ました。
その後、相手の攻撃をキャピキャピしながら避けてたのも問題です。でも一番の問題は。
小春さん、あなたが背負っているの、それ、何だと思いますか?そうです、砲台です。
絶対に鈍器ではありません。それで殴ってはいけません。使い方を間違えましたね。
ボコ殴りされたハウリンさん、地面にめり込んでいました。悲惨です。みじめです。
向こうをご覧なさい。ハウリンさん、泣いてます。ワンワン泣いてます。洒落じゃない
ですよ。先生も泣きたいです。
小春さんは次の訓練までに、道具の使い方をちゃんと勉強してきましょうね」
【実戦訓練】―――サンタ子の場合―――
アキオさんが連れてきた相手は…悪魔型・ストラーフだった。
普段は大丈夫だけど、こうやって向き合ってみると…どうしても体が震えてしまう。
一年前のあの事件。アキオさん達に助けてもらったあの悪夢。
アキオさんも相当の覚悟でこの相手を選んだのだろう。その期待に答えなくてはいけない。
野太刀「花鳥風月」を八双より大きく構える。今日こそ悪夢を切り裂いてみせる!
端末シートから担ぎ出されたサンタ子が、静かに目を覚ました。
「サンタ子、大丈夫か?」
「アキオさん、ごめんなさい…私、桜花さんのように出来ませんでした」
「何言ってる…オマエが桜花の代わりになる必要なんてないんだぞ!」
「ごめんなさい…」
サンタ子は再び気を失った。
実戦訓練で防戦一方だったサンタ子は、最後に悪魔型の強烈な一撃を食らい、そのまま
気を失ってしまったのだ。
「どうかしたんですか?いつものサンタ子ちゃんらしくなかったですけど…」
小暮君の質問に俺とアキオは暗い顔をしてしまった。
「そうか、お前にはまだ話してなかったな…いい機会だ、聞いてくれ」
サンタ子の頭を撫でながらアキオが話し始めた。
「一年前、大学に入学した俺は、早速この神姫同好会を作ることにした。
そこに入ってきたのが例のクソチーム「エスト」のリーダー、奥宮だったんだ。
奥宮は、高校で既にファースト入りしてた俺に目を付けて仲間に引き込もうとした。
だが俺は断固として断った。するとその報復に桜花を拉致し、結果、破壊された…
その桜花が最後に助け出したのがサンタ子なんだ。
助けられた直後のサンタ子は酷い有様だった。連中、起動直後の新品の神姫達を
「神姫破壊ゲーム」と称して破壊していたんだ。考えてみろよ、起動したばかりで
何も解らないのに、急に武装した相手に破壊されるまで嬲られる事を…
人間でも発狂しちまうぜ」
「……つまり……サンタ子ちゃんは……その時……」
「ああ、サンタ子を破壊しようとしたのが、奥宮のストラーフ『デストーラ』なんだ」
重苦しい沈黙。結局この日はそのまま解散となった。
今日は朝から雨が降っている。ただでさえ憂鬱なのに、いっそう気分が落ち込む。
ここは大学の近くにある喫茶店。ミア達は家で留守番をしている。
「正直に言うとな、俺はサンタ子を戦わせたくないんだ」とアキオ。
「サンタ子は俺に義理立てしているんだ。『私が桜花さんの意思を継ぎます!』と。
そして無理して戦っている、争いが嫌いなのに。本当は料理が大好きな大人しい
女の子なんだ。
だから俺は、昨日サンタ子とある約束をした。
もし今度俺が連れてくる悪魔型を倒せなかったら、バトルから足を洗えと。
もうこれ以上苦しむのは辞めろと」
「つまり勝って悪夢を祓うか、負けて悪夢から逃げるか…ですか」
「ああ、小暮の言う通りだ。だから虎太郎、頼む。強力な悪魔装備を作ってくれ。
たとえどんな結果になろうと、サンタ子が納得できるぐらい強力なヤツを」
アキオが俺をじっと見つめる。こんな真剣な顔を見るのは久しぶりだ。
「…解った。だが、俺が作るよりもっといい方法があるぞ」
「いい方法?何だそれは?」
「覚えてるか?「エスト」の件で協力してやった刑事さんの事を。あの人に頼んで
『デストーラ』を借りてくるんだ」
とうとう約束の日になってしまいました。
いつも訓練に使っていた大学の裏庭。ここが私の最後の戦場になるかもしれない。
アキオさんは黙ってベンチに座っています。その隣には、小春さんを肩に乗せている
小暮さんが時計を気にしながら立っています。
「高槻先輩遅いですねぇ…あっ、来ましたよ」
「みんな、お待たせぇ〜〜〜!」虎太郎さんの胸ポケットの中からミアさんが挨拶した。
「みんな待たせたな、コイツの調整に手間取ってしまったよ」
といって虎太郎さんは、背中に背負っていた登山用のザックを下ろした。
「虎太郎、これがそうなのか?」
「ああ、証拠物件を無理言って借りてきた。後でちゃんと返さなきゃな」
ザックの中身は…
本来背中に装着するアームユニットを直接素体の腕に装備し、
脚部にはカモシカの足のように改造されたレッグパーツを装備し、
天使型のリアウイングと4つのブースターを背中に背負い、
右肩には連装式無反動砲パンツァーイェーガーを
右手には大型の斧槍ハルバードを
左手にはグレネードランチャーを装備した…
奈落の魔人、デストーラ。
口が渇き、吐き気がする。目の前が暗くなった気がするし、足の震えが止まらない。
私は…自分でも知らないうちに後退っていた。
「虎太郎、これ動くのか?」
「CSチップとか取り外されてるから、このままじゃ無理だな。でも」
虎太郎さんがデストーラの腰の部分を指し、
「ココに無線ユニットを取り付けた。遠隔操作でミアに動かしてもらう。この方法じゃ
多少性能は落ちると思うが、元々がハンパじゃないから問題ないだろう」
ミアさんは、ザックのポケットから取り出したPDAにニードルコネクタを接続した。
その顔から精気が消えると、替わりに魔人が動き出した。
「…いらっしゃい…今度こそ完全に破壊してあげる…」
まずは距離を取る。スカートのバーニアを全開にして上空に舞い上がる。
デストーラ=ミアは動かない。不気味にコチラを見ているだけ。
両手のスナイパーライフルを連射する。射程外なのは解っている。当然当たらない。
距離を詰めると、デストーラが連続砲撃を始めた。
グレネードの射速は遅いので、この距離なら簡単に撃ち落せる。余裕で全てを迎撃。
でも爆煙が目隠しになっているところに、無反動砲が撃ち込まれた。
狙っていたわね…危うく回避する。そして体勢を立て直すと、
目の前にデストーラが浮かんでいた。
パニックで体が動かない。腹部に刺すような蹴りを許す。そして頭上からのハルバードの
一撃。ホーンライフルを盾にするけど、そのまま地面まで叩きつけられてしまう。
「サンタ子ちゃん、サンタ子ちゃん!!」
仰向けに倒れている私の側に、小春さんが駆け寄ってきた。
もう動けない。もう戦えない。アキオさん…私やっぱりダメでした…
「サンタ子ちゃん、立って!そして戦って!!
サンタ子ちゃんは…サンタ子ちゃんは、強いサンタ子ちゃんじゃなくちゃダメなの!!
強くて、カッコ良くて、優しいお姉さまじゃないとダメなの!!
こんなの、サンタ子ちゃんじゃないよ!!
私が憧れているサンタ子ちゃんは、どんな時にも諦めないで、凛々しく立ち上がるの!
だってサンタ子ちゃんは、私の、私の、わたしの……うわわぁぁぁぁぁぁ〜〜〜ん」
脳天をハンマーで殴られた気分。ハルバードなんかよりも遥かに、遥かに強力な一撃。
私は…今まで私は自分の事しか考えてなかった。この苦しみから逃れる事だけを。
ゴメンね小春、心配を掛けちゃって。それにミア、私の為にこんな事をさせちゃって。
桜花さん、解りました。私は一人じゃない、みんなの為に戦っているんだ…
「小春、大丈夫よ…もう泣かないで…」
起き上がって小春の頭を抱きしめ、優しく慰めてあげる。
「サンタ子ちゃん…」小春が目をウルウルさせて見つめ返す。
「危険だから離れてなさい」
私は立ち上がり、空に浮かんでいるデストーラ=ミアに向かって言った。
「…待たせたわねミア。次の一撃で終わりにしてあげるわ」
デストーラ=ミアがもの凄い笑顔を見せる。そしてその体を真紅の光が包み込んだ。
バーストモード。この子ったら容赦しないわね…思わず苦笑いしてしまう。
背中の花鳥風月を鞘のまま腰に装備する。それを見たミアは全ての遠距離武器をパージし、
両手でハルバードを構えた。準備はいいみたいね。
「行くわよ…山城自顕流が中の奥義、野太刀抜刀術『臨』、参る!」
互いにバーニア全開で猛突進する。空中で激突しようとした刹那。
鞘から解き放たれ、体捌きと重心移動で加速した花鳥風月が、具現化した悪夢を両断した。
「サンタ子、本当に良いんだな?」
「ええ………アキオさん、私、解ったんです」
アキオさんと一緒にベンチに座り、私は答えた。
「以前『桜花の代わりになる必要なんてない』と言いましたよね。
でも違うの。私は代わりじゃなくて、桜花さんになりたかったの…
今も貴方の中で生き続けている、本当のパートナーに。
そしてその為には、皆の思いを受け止めて戦い続けるしかないんです。
かつて桜花さんがそうだったように」
私は、アキオさんの腕に凭れかかりました。
「だから…いつか、いつか私を本当のパートナーと思って欲しい……」
「バカな事を言ってるんじゃない!」
突然、アキオさんが私を抱きしめました。
「桜花は桜花、オマエはオマエだ!そして今、俺のパートナーは…
おまえだけだ!」
アキオさんの言葉に涙が出そうになる。ありがとうアキオさん、その言葉だけで…
「あ〜ラブラブな所申し訳ないんだが」
虎太郎さんが話しかけて来ました。
「あのさぁ、サンタ子が破壊したデストーラ、ちゃんと修理して刑事さんに返さないと
大変な事になっちゃうんだよな。
でもコレ、文字通り真っ二つぢゃん?修理に相当な手間と資金が掛かるんだ。
つまりね………修理代よこしやがれ?」
虎太郎さん………あなた、台無しです。
第四話「最後の願い」(注:神姫破壊・鬱表現あり)
○8月11日(土)
昨日のサンタ子との死闘以来、ミアの元気が無い。
サンタ子が立ち直ったのは嬉しいみたいだが、バーストモードを破られたのか
ショックだったらしい。
「遠隔操作だったし、いきなり初めての体だったし、仕方ないじゃないか」
ミアは体育座りで壁のシミを数えている。
こうなったら…
「ほ〜らミア、舌平目の猫缶だよぉ〜!」猫缶をカンキリでトントン叩く。
途端にミアの尻尾がピーンと伸びる。でもコッチを向かない。今日はしぶといな。
「わぁ〜これ、パタパタ面白いなぁ〜!」オモチャの猫ジャラシをパタパタ。
パタパタ。パタパタ。パタパタ。パタパタ。
「ふみゃぁぁぁ〜〜〜!」ミアがオモチャの先端に飛びつく。フッ、かかったな。
「そ〜らコッチだ」「フミャッ」「次はコッチ」「ミャミャ」「ソッチ〜」「フミィ〜!」
こうやって夜が更けていく…
○8月14日(火)
大学の工作室に通いつめて、やっとデストーラの修理が終わった。刑事さんに返しに
行った帰り、サンタ子の公式大会用装備の部品を買いに神姫ショップへ。
今日はライフルの部品だけの予定だったが、何と天使型のリアウィングが大安売りを
していた。ミアのお土産に買っていくことにする。個人的な買い物になるから
アキオには請求できないが、この値段なら俺でも買える。
帰ってきてミアに見せると、大喜びしてくれた。
○8月15日(水)
ミアと一緒に裏山に来た。その背中には昨日買ったリアウィングが装備されている。
ランディングギア等のスラスター装備が無いので、ちゃんと飛ぶことが出来るか心配だ。
が、その心配は無用だった。ミアは裏山の空を鳥の様に飛び回っている。逆に飛びすぎて
見失うのが心配になってくる。発信器でも付けとけばよかったな。
しかしミアの装備制御は卓越しているな。そういえばデストーラも完璧に制御してたし。
それに戦略ゲームでの分析能力の高さ。ネットでの情報処理能力の正確さ。
どうやらアキオが持ってきたミアのCSチップは特殊な物のようだ。まぁアキオが
自分から何も言わないから、出所の詮索はしないけどね。
○8月17日(金)
今日は大学の自動二輪部に来ている。目的はバイクの整備。つまり出張修理屋。
俺は大学で「千円で何でも修理屋(材料費別)」をやっている。まぁ商売というよりは
腕ならしの為の訓練だな。しかし…プラグ交換ぐらいで呼ばれても訓練にはならないよ。
とりあえず3台分の報酬で三千円を貰う。これで何か買ってくかな。
「ミア、何か欲しい物あるか?」
「コタローの愛が欲しいのぉ〜!」
「よし、解った」
キャラメルを買ってあげた。
○8月20日(月)
公式大会が5日後に迫ってきているので、みんなでサンタ子の調整の手伝いをする。
接近戦の相手はミアが、遠距離戦の相手は小春が務める。プチメカはアキオがプログラム
した通りにサンタ子を攻撃する。
練習中、アキオに今度の大会の説明を聞いた。
大会は32人参加のスイスドロー式5回戦。4勝もすればセカンド入りできるぐらいの
ポイントが貰えるらしい。ストラーフ・コンプレックスを克服したサンタ子なら
全勝だって狙えるかもしれない。元々実力はハンパじゃないからな。
公式リーグか。そういえばミアはどう思ってるんだろう?
「アタシは公式リーグよりコタローと遊んでるのがいいなぁ〜」
まぁミアらしいな。帰ったら一緒に遊んでやるか。
8月25日、いよいよ今日は公式大会の日です。
アタシと小春ちゃんは参加しないけど、一緒にサンタ子ちゃんの応援、ガンバルよ!
会場の入り口で小暮ちゃんと小春ちゃんが待っていました。
「あ、待たせちゃったか?」「いえ、僕も今来たばかりです」
小暮ちゃんの肩に乗ってる小春ちゃん、今日は白のサマーセーターにジーンズ姿です。
ちなみにアタシは青のワンピースにリアウィング装備でコタローの傍に浮いてます。
「それじゃアキオの陣中見舞いにいくか!」「はい!」
参加者の控室に行くと、アキオちゃんとサンタ子ちゃんがいました。
「おお、よく来てくれたな、ありがとう!」「ありがとうございます!」
「調子はどうだ?いけそうか?」とコタロー。
「慢心は命取りになるけど…まぁ余裕だな」「余裕ですわ!」二人でVサイン。
「祝賀会の予約は入れてありますから、無駄にしないで下さいね〜」と小暮ちゃん。
「まかせろって、今日がサークル昇格記念日になるぜ!」
大会会場は巨大なホールの中にあります。電脳戦用の小さな対戦卓が20台と、中央に
大きなのが一つ。一回戦から四回戦までは全員小さな対戦卓で行い、最終戦は全勝した
二人のみ中央卓で戦うことになるのです。サンタ子ちゃん、ココで戦えるよね?
大会が始まりました。初戦の相手はいきなり悪魔型。でも瞬殺。集中砲火。容赦無し。
二戦目は同じサンタ型さん。撃ち合いで勝利。
三戦目、ゴテゴテ装備した天使型。背後を取って勝利。
四戦目、軽装の騎士さん。ここで今大会初めて花鳥風月を抜いて斬撃戦。危なげ無く勝利。
この段階でサンタ子ちゃんのセカンド入りが確定しちゃいました!
「やりましたねぇ、最終戦を待たずにセカンド入り決定ですよ!」
コタローと一緒に観戦していた小暮ちゃんが喜んでいます。
「最終戦はメインステージか。すごいな、このまま全勝するんじゃないか?」
「ちょっと徳田先輩の所に行ってきましょうよ。小春、席と荷物を見てて」
「あ、じゃミアも一緒に留守番しててくれ。ちょっと行ってくる」
コタローと小暮ちゃんは行ってしまいました。
「きゃぁ〜やっぱりサンタ子ちゃんってば素敵ですぅ〜♪」
小春ちゃん小春ちゃん、ちょっと落ち着いてよぉ。
「もう超絶美少女戦士サンタ子ちゃんに勝てる輩なんでいないのです!!」
あ〜〜〜サスガにこのテンションにはアタシも付いていけないカモ…
なんとなく中央卓の方を見る。
肩に天使型の神姫を乗せた、挙動不審なスーツ姿の男がいた。
あ、あれは…影田とか言う人と、バズーカ天使!?
「小春ちゃん小春ちゃん、ちょっとアレを見てよ!」
「…そして世界を救ったサンタ子ちゃんは…って、ああぁっ!?」
小春ちゃんも気がついたみたい。
「なんかイヤな予感がするの…ミアちゃん尾行してみるから、小春ちゃんはコタローが
戻ったら言っといて!」
「ミアちゃん大丈夫?危険な事はしないでね…」
「大丈夫、ミアちゃんにおまかせよ!」
そのまま通路に出た二人は、少し話した後別れました。
ちょっと考えて、天使型(確かリーブラとか言ったっけ?)の方を尾行することに。
リーブラは避難用の階段づたいに地下へ下りていき、そのまま立入禁止区域へ。
なんか分電盤とかケーブルとかでイッパイな部屋に来ました。
そこにはもう一人、兎型の神姫が待っていたのです。
マズイわ。もし戦闘になったらリアウィングしか装備していないアタシが不利。二人が
相手じゃバーストモードを使わなくちゃいけないかもしれない…
突然、兎型が持っていた通信機が作動しました。
『よし、アイツのサンタ型が端末シートに入った。今だ、高圧電流を流して破壊しろ!』
リーブラが分電盤に取り付けられていた装置のスイッチを入れようとして…
―――――――――緊急バーストモード発動!!
無茶な発動のせいでアタシの右手が音を立てて爆発した。その音に二人が動きを止める。
アタシはパージしたリアウィングを左手で掴み、剣の代わりにして突進する。
慌てたリーブラがライフルを構えようとしてるけど、ぜんぜん遅いわよ。
もう許さない。ウィングでリーブラの首を刎ねる。
背中に激しいショックを受けてリアウィングを落としてしまう。振り向くと、兎型が
グレネードを発射した所だった。
痛みを堪えて跳びかかる。けど散弾銃で弾幕を張られてしまう。両手を盾にして
急所だけは守ったけど、勢いが無くなり、床に落ちてしまう。
渾身の力で再び跳びかかる。弾丸を打ち込まれた足が、役目を果たした瞬間に爆発する。
兎型に衝突した。そのまま縺れて倒れ込む。
アタシが馬乗りになる状態になったけど、動くのは傷だらけの左腕だけ。
手首からニードルコネクタを伸ばし、兎型の急所に突き立てた。
試合はもう終わったかな。サンタ子ちゃん、優勝したよね。
試しに体を動かしてみる。けど全然動かない。
(『緊急警報、システムに重大な損傷が発生しました』)
まぁ、スグにコタローが助けに来てくれるわね。
愛し合う二人の間にはテレパシーが通じるんだもん。
(『スリープモード故障、データ欠損の恐れがあります』)
それにこれは愛する二人の試練なのよ。
この試練を乗り切れば、きっと魔法が掛かってアタシは人間になれる。
(『電圧低下、あと1分でコアユニットが停止します。至急対策をして下さい』)
そしたら今度こそコタローと結婚できるの…
楽しみだわ、二人で幸せになるんだから…
(『コアユニット停止まで30秒、至急対策をして下さい』)
でも、でも何故か涙が止まらない…
コタロー、コタロー…
「コタロー、ミア、ホントに、あい、あい、あいし、あ、あ、あ、あ、………」
○8月28日(火)
みんなの必死な捜索の結果、ミアは発見された。
2体の残骸とミアの様子から、激しい戦闘が繰り広げられたのが想像できる。
ミアの体に触れる。冷たい。
3日間放置されていたミアは、もう修理できるような状態ではなかった。
○8月30日(木)
まだ信じられない。ミアが死んでしまうなんて。またこんな思いをするなんて。
ミアの亡骸は裏山に埋める事にした。此処はミアのお気に入りの場所だったし、本人も
望んでいるだろう。
質素だけど心を込めてお墓を作る。少し落ち着いたらアキオ達を連れてこようと思う。
手を合わせる。
ミア、俺はオマエのことを愛していたんだ。失ってから自分の気持ちに気がつくなんて…
こうやって目を閉じると、在りし日のミアの姿が想い出される。
可憐で、美しくて、明るくて、礼儀正しくて、聡明で、セクシーで、ナイスバディで、
「もしもしお嬢さん、いったい何をしてるのかね?」
「え、えっとぉ…作文の宿題?」
PCの画面から振り返ったミアが、てへっ(はあと)みたいな表情をした。
俺は無言でミアの首根っ子を掴むと、そのまま後ろに放り投げた。
(「何すんのよぉ〜!」「やかましいわぁ!」)
まったく…ちゃんとパスワード掛けてたのに。人の日記をイジるなよ…
実際は、ミアはリアウィングに仕込んでいた発信器のおかげですぐに見つかった。
小春から事情を聞いた俺達は直ちに捜索を始め、ミアが起動停止する前に発見したのだ。
小春の体から電源を分けてもらい応急処置をした。もう少し遅かったらコアユニットが
永久に停止してしまっていただろう。
大会は無事サンタ子の優勝で幕を閉じた。その後警察に通報し、影田は逮捕された。
そして現在。
例によってミアは簡易素体に入れられ、俺の部屋にいる。
これからミアの素体を修理するけど、その前に「多少」頑丈な体も作っておこうと思い、
その設計図を作成中。また今回みたいな危険な目に遭わせたくないからな。
「だってコタローずっと図面描いてるんだもん〜つまんないよぉ〜遊んでよぉ〜」
そういえば最近、全然ミアに構ってなかったな。
「ワカッタワカッタ…今日はボールで遊ぶか?」
「うん!!」
ミアが嬉しそうに笑った。
やっと三分の一。全部で12話作ってしまったんで。
あんまり連貼りどうかと思うけど、まぁ深夜で他に誰もいないし
今のうちに全部イッキにいっちゃいます。
第五話「アタシも日記を書いてみよう」
★9月9日(日)
明日から新学期が始まるってのに、今日もコタローは大学の工作室。アタシの為に例の
『ボディ』を作ってくれているんだけど、そのせいで全然遊んでくれない。つまんない。
「ただいまぁ〜、ミア、やっと『ボディ』が完成したぞ!」
帰ってきたコタローが早速『ボディ』の説明をしてくれるけど、アタシは全然興味無い。
大体何よ、そのバカみたいに下品な性能は…ミアちゃん絶対使わないんだから!
★9月10日(月)
今日は神姫同好会が正式にサークルに昇格する日です。自治会から指定された空部室に
みんな集まってます。
「とりあえず部長は俺、副部長は虎太郎、会計は小暮でいいかな?」
「そんな感じでいいと思うぞ」「了解です〜」二人が答えました。
「あとサークルの名前だけど、各自明日までに案を一つ考えてくるように。備品とかは
今日中にリストを作って、明日にでも買いに行こう」
アキオちゃんがテキパキと指示を出してます。
「それと…さっきから気になってるんだが、何でミアちゃん簡易素体なんだ?まだ修理が
終わってないのか?」とアキオちゃん。
「ああ、素体を修理する前に護身用の『ボディ』を作ってたからな。でも折角完成したのに
イヤがって使ってくれないし…」
「ミアちゃんやーよ、あんな下品な『ボディ』」
「げ、下品って…どんな物だったの?」小暮ちゃんが思わず聞きました。
「ああ、実は持ってきてるんだけどね」デイバッグから『ボディ』を取り出したの。
「伝導率を上げる為に純金を使ってるから重いんだ。まぁ外装を強化チタンに替えたから
それ程でもないけどね。駆動系にはネオジムの代わりに、大学院の先輩と研究してた
ウラン磁石を使用。これだけで出力が880%向上してる。補助電力にも研究中の改良型
PEFCを搭載し、連続600時間の稼動を可能にしている。他にもフレーム強化の為に
「待て待て待て待てまてぇぇぇぇ〜〜〜!!!」アキオちゃんが止めました。
「オマエ…何かトンでもない物作ってないか?」
「そうか?素手じゃ5センチ厚の鉄板「しか」破れないし、走っても時速60キロ「しか」
出ないんだぞ?」
「………ミアちゃんに銀行強盗でもさせるつもりか?」
小春ちゃん唖然。サンタ子ちゃんはゲラゲラ笑ってる。
「とりあえずコレは俺が預かっとく。こんな物騒な物を野放しに出来るか!それから
サークルの最初の活動が決まったぞ。『ミアちゃんのまともなボディを作る』だ!」
こうして『バンディッツ(山賊)』と名づけられた素体は没収されました…
★9月11日(火)
今日はサークルの名前を決めた後(「神姫サークル・バンディッツ」になっちゃった)
部室の備品集め・買出しをしました。
机や椅子とかはお金を出し合って買ったけど、訓練用のポータブルマシンとかは
アキオちゃんが用意したみたい。サスガお金持ちです。
それに比べてコタローは…
バンディッツの作成にお金を使い果たしてしまって、今日も晩御飯はカップ麺です。
アタシも暫くは猫缶おあずけ。ホント甲斐性無しなんだから!
★9月12日(水)
今日は部室でアタシの素体について会議中です。基本的な方針としては
@リーグ出場できるようにレギュレーション厳守
Aパワーよりスピード重視
Bバーストモード使用を前提に、駆動系の耐久力を向上
で、却下された案が
〔ミア〕素体を三毛猫そっくりに
〔虎太郎〕新型PEFCだけでも使わせろ
〔小暮〕ロケットパンチなんてどうです?
〔サンタ子〕ゴスロリっぽい戦闘装備を見てみたい
〔小春〕巨乳化
(アキオ「お、お前らなぁ…」)
★9月13日(木)
「それじゃミア、昼休みまで部室で大人しくしてるんだぞ」「サンタ子、よろしくな」
コタローとアキオちゃんは授業に行っちゃいました。小暮ちゃんは授業が午後からなので
まだ来ていません。
サンタ子ちゃんと一緒に、部室に置かれた『神姫用・ミカちゃんハウスDX』でお茶会。
洋服もドレスに着替えて、お姫様気分です。
「…それでね、最近コタローが冷たいの。図面ばっかり描いてるし遊んでくれないし。
猫缶も食べさせてくれないし。サンタ子ちゃんが羨ましいなぁ〜、アキオちゃん
素敵だし優しいしお金持ちだし」
カップを置いたサンタ子ちゃんが微笑んで言いました。
「私の方こそ羨ましいわよ。
ミアは知らないでしょうけど、アナタが機能停止しそうになったあの事件、虎太郎さん
大変だったのよ?応急処置の後、動かすと危険だからってあの場所で修理を始めて。
結局、ミアを動かせるようになったのは次の日の明け方だったんだから…
それにね、あのバンディッツの件。あんな物作っちゃうの普通じゃないけど、それだけ
ミアを心配しているって事じゃない。私にはアレが、アナタへの愛の結晶に見えたわ」
さ、さ、サンタ子ちゃん、変な事言わないでよ…
なんかコタローの顔が見れなくなっちゃったじゃない…
★9月15日(土)
今日は部室でバトルスタイルの勉強会です。教材は昔の桜花ちゃんの試合ビデオ。
講師はアキオちゃんです。
ビデオの中では桜花ちゃんが花鳥風月を構えてます。サンタ子ちゃんの花鳥風月って、
元々桜花ちゃんが使ってたのね。
「…見ての通り、ファーストリーグでは接近戦が多いんだ。これは、近接武器のほうが
個体能力を反映させやすい、という理由が大きい。まぁシンプルイズベストって事だ。
だからといって遠距離武器が無効という訳ではない。レベルの高い試合では、砲撃は
敵の足止めや動きの拘束、つまりコントロールするのに使われる。相手の行動を支配
するというアドバンテージの大きさは、どんな勝負事でも有効な手である。まぁ
一番強いのは、何か一つ自分のスタイルを確立させて、それを極めることだけどね」
「桜花ちゃんって武装しないで着物に袴を着てたのね…時代劇の主人公みたい!」
「男装の麗人って感じみたいです、凛々しくってステキ♪」
「ミアちゃ〜ん、小春ちゃ〜ん、聞いてますかぁ〜?」アキオちゃん、怒ってる?
「まぁまぁ。二人とも桜花の姿を見るのが始めてなんだから、このままにしてやろうよ」
コタローの提案で急遽ビデオ鑑賞会になりました。
ビデオが進み、次の対戦相手はマオチャオさんです。
「なんだこのマオチャオ?あんな大きな剣を持って」
コタローが不思議がるのも当然。身長の1.5倍はある大剣を背負ってフラフラしてる。
「あ、コレは『雷迅マヤー』だな。持ってるのは『斬岩剣ベースラード』だ」
「雷迅…二つ名が有るって事は、強いんですか?」
「強いよ。ってか、桜花の妹分だったんだ」
「へぇ…」小暮ちゃんも画面に見入りました。
(「そういえば桜花ちゃんの二つ名って何です?」「『人斬り桜花』」「うっわぁ……」)
試合が始まりました。
その途端『マヤー』は画面から消え、一瞬後には桜花ちゃんに大剣を打ち込んでました。
「なっ…!」思わずコタローが呟きます。
その後『マヤー』は試合場をピンボールの様に走り回り、一撃離脱を繰り返します。
「『マヤー』は「足で斬る」タイプの神姫だからな。ミアちゃんと似てるかもしれない」
似てるけど、スピードが段違い。ひょっとしたらバーストモードより速いカモ…
結局試合は、鉄壁の守りと一瞬の隙を見逃さなかった桜花ちゃんの勝利に終わりました。
「あんな戦い方があるなんてな…しかし『マヤー』って何なんだ?」
コタローがアキオちゃんに聞きました。
「マヤーはサードリーグの頃から桜花をライバル視していてね。まぁ、いつのまにか
『桜花姉ちゃん』とか言うようになってたけど。
桜花が死んだ直後にバトルを引退して、今はマスターと一緒に沖縄で静かに暮らしてる。
そうだ、彼らの話はきっと役に立つ…バトルスタイルとか、心構えとか」
アキオちゃんが急に携帯を取り出し、何処かに掛け始めました。
「……久しぶりです!……マヤーちゃん元気ですか?……三人ですけど、空いてます?」
アキオちゃんは携帯を切りました。
「マヤーのマスター、赤峰さんの実家は旅館なんだ。部屋が取れたから、これから行くぞ」
「え、い、行くって何処にですか?」小暮ちゃんが聞きます。
「決まってるだろ、沖縄だよ」
第六話「誘われて・沖縄」
羽田空港から飛行機で3時間、那覇空港からモノレールで30分。俺達は今、
世界遺産である首里城の前に立っている。
「高槻先輩…僕、確か4時間前まで東京の部室に居たハズなんですが?」
「小暮君、安心しろ。俺もそのハズだ」
忘れてた。アキオってこういうヤツなんだ。思い立ったら即実行。金に糸目は付けないし、
周りの人間を巻き込む。コッチの都合なんて考えない。
俺達の周りではミア達が何故かフラダンスを踊っている。オマエラ楽シソウダナ。
それから暫くして、赤峰さんが迎えに来た。
「お待たせ!徳田君、サンタ子ちゃん。いきなりだからビックリしたよ!」
「急ですみません。それでコッチが高槻虎太郎とミア、ソッチが小暮拓斗と小春です」
「こんにちは!」「ミアちゃんだよ〜ヨロシク!」「始めまして!」「お世話になります!」
「ようこそ沖縄へ!それでコレが…ウチのマヤーだ」
赤峰さんがバッグを開けると、一体のマオチャオが顔を出した。
「みんなよく来たニャ、マヤーも歓迎するニャ〜!」
(「うわぁ、ニャって言ったぞ!?」「ニャって言いましたね!」「カワイイ〜♪」)
それから赤峰さんの案内で公園から約10分、旅館「秀山荘」に着いた。
ミア達はロビーでウェルカムフラワーを貰って嬉しそうにしている。
「本当は国際通りでも見物してもらいたいけど、もう遅いからね…今日はゆっくりして
明日遊んでくればいいよ」
「ああ赤峰さん、今日俺達が来たのって…」
「解ってるよ、メシを食ってから話そう。用意するから風呂にでも入っててくれ」
で、俺達三人は和室でくつろいでいる。その側には四人の神姫が姦しい。
「ミアは雑種の三毛猫だけど、マヤーちゃんは何て猫なの?」
「マヤーは普通の猫じゃないニャ、イリオモテヤマネコなのニャ!」
「あ、私知ってます!沖縄にしか居ないヤマネコさんなんですよね?」
「そうニャ、野生の猫なのニャ!」
「でもマヤーさんホントお久しぶりです。半年ぶりぐらいでしょうか?」
「多分そのくらいニャ〜。サンタ子、なんか前より老けたニャ」
「!?(こんのガキャぁぁ〜〜〜!!!)」
「それじゃミア、俺達風呂に行ってくるわ」俺達は浴衣を持って立ち上がった。
「行ってらっしゃい〜!」
「そうニャ、ウチは神姫用の浴場もあるから、マヤー達もみんなで入りに行くニャ」
小春の瞳がキラーンと光ったような気がした。
(ヒ・ミ・ツ!)
風呂でのぼせた小春を看病していると、赤峰さんと女中さんが料理を運んできた。
メニューは豚の角煮やゴーヤサラダといった沖縄料理が中心だが、メインディッシュは
何故かすき焼きだった。
「沖縄じゃ結構すき焼きを食べるよ。ウチなんて大晦日の定番だし」へぇ、そうなのか。
で、赤峰さんを交えて会食、ってか宴会。
食事が終わると、ミア達は復活した小春と一緒にロビーに遊びに行ってしまった。
そして赤峰さんが語り始める。
「マヤーの俊敏な動き、あれは脚力とバーニアの併用によるものなんだ。装備の
出力のほとんどを移動能力に費やしているから、実はパワーはあまり無いんだ」
「なるほど…それでパワー不足を補う為に、あの巨大な剣なんですね?」と小暮君。
「まぁそれもあるけど…アレは桜花さんの花鳥風月に対抗して用意したものだからね」
そう言ってコップのビールを飲み干した。
「そうそう、コレを渡しておくよ。メカニックは高槻君だったよね?」
赤峰さんはポケットからナノSDカードを取り出し、俺に渡した。
「これは?」
「中にマヤーのバーニア武装「雷迅システム」のデータと、その出力コントロールグラフが
入っている。君ならこのデータを役立ててくれるだろう」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!それってつまり、マヤーの戦闘ノウハウって事じゃ
ないですか、そんな大切なもの、受け取れませんよ!!」
「いや、いいんだ…どうせもうマヤーには必要無いものだし。桜花さんが死んでしまって、
マヤーの戦う理由は無くなってしまったからな…」
赤峰さんが、遠い目をした。
「その代わりお願いがあるんだ。いくら強力な装備や戦術だろうと、機械なんだから
限界はある。「神姫」が「機械」のままでは特にね。
俺はね、それを使う「神姫」が「人間」として成長して初めて、それは限界を超えた
性能を発揮すると思うんだ。
だからこのデータを活かす為にも、神姫達とは人間と同じように接してやってくれ…」
次の日。俺達は午前中の便で東京に帰ることにした。
「もう少しゆっくりしていけばいいのに…」
「いやぁ〜考えてみたら急に来ちゃったから、家の事とか明日の準備とか心配で」
アキオ、何故その心配をあと18時間早く出来なかったんだ。
「また今度、ゆっくり来ますね」
「ああ、待ってるよ!」
空港には赤峰さんが車で送ってくれた。そしてアキオがカウンターへチケットの手配を
しに行ってる間に、俺に60センチぐらいの箱を渡してくれた。
「マヤーがミアちゃんに渡してくれって言ってね」
箱を開ける。中にはあの『斬岩剣ベースラード』が入っていた。
「これを、ミアに…?」赤峰さんの肩のマヤーを見る。
「桜花姉ちゃんの花鳥風月は今も戦ってるニャ。だからせめて、この剣だけでも一緒に
戦わせてやって欲しいニャ。剣の心を連れてって欲しいのニャ…」
「マヤーちゃん…」俺の肩に乗っているミアが呟いた。
2階の出発ロビーで赤峰さん達と別れた後、ミアが言った。
「コタロー、この剣、ホントに重いね…この剣の重さ、ミアちゃんにも解るよ…」
「そうだな、ミア。本当に…重いな」
第七話「ミア!電光石火!!」
『テレビをご覧の皆様、こんにちは。今日は体育の日を記念しまして『徳田HC杯・全国
武装神姫バトル新人大会』を東京体育館メインアリーナよりお送りいたします。解説は
元ファーストリーグランカーの徳田アキオさんです』
『こんにちは。徳田グループの若き御曹司、アキオです。スポンサー特権で出演中です』
『パートナーのサンタ子です〜!現在セカンドリーグ22連勝中です〜!』
『サンタ子ちゃんカワイイですね。それではよろしくお願いします』
『よろしくお願いします』『よろしくです〜!』
『まずは今大会の説明です。今日は新人戦ということで、公式リーグのサードランカー
以下による電脳トーナメントになります。試合結果は公式リーグに反映されますが、
それ以外にも、なんと今回の優勝者は無条件でセカンドリーグ入りが約束されています。
とは言いましても予選参加者数が全国で300人を超える今大会、非常に狭き門です。
今日は全国8箇所で行われた予選大会を勝ち残った8人による、熾烈な戦いが繰り広げ
られるでしょう。
さて徳田さん、今大会をどう御覧になられますでしょうか?』
『そうですね、サードランカー以下限定とは言いましても、まだ全国には隠れた強豪が
いますから、非常に面白い大会になると思います』
『なるほど、解りました。それでは一緒に予選大会の様子を見ていきましょう。
まずは8人中唯一のランク外、関東大会代表のミア選手。マスターは高槻さんです。
いやぁ〜驚きましたね。他の7人はサードリーグの上位ランカー達なんですが、彼女は
公式戦すら初参加らしいです。しかも予選大会での試合時間は、全て1分を切っている
そうなのです』
『なかなかの強豪ですね。素体はハウリンですがマオチャオ装備と巨大な剣を持ってます。
このミスマッチさが可愛さを引き立てています。ラヴリーですね。でもそのマスター、
高槻と言いましたか。彼はいけません。人相は悪いし服のセンスも最悪です』
『確かにその通りですね。女性に嫌われるタイプなのは間違いありません』
「コタロー、アキオちゃんがテレビで悪口言ってるよぉ〜?」
思わずジュースを噴き出してしまう。あんの野郎、公共の電波で何してやがる!
これ以上イライラしたくないので、控室のテレビを消してしまう。
そもそもこの大会は、アキオが自分で参加する為に準備していたらしい。だがサンタ子が
夏の大会でセカンド入りしてしまったので、替わりに俺とミアが出ることになったのだ。
で、自分はヒマなので解説者としてテレビ出演してる、と。
…もう、金持ちの考える事は理解できんわ。
「高槻先輩、係の人が来ました。そろそろ時間ですよ!」
小暮君と小春が控室に迎えに来た。あ〜もう、とっとと終わらせて帰る!
「ミア、行くぞ!」
「は〜い、ミアちゃん頑張るぅ〜!」
俺とミアは小暮君達を残し、案内人の後について行った。
会場に着くと、そこは既に凄い熱気に包まれていた。
中央には電脳バトル用のステージが1つと、その戦いを映し出すモニターが設置されている。
それを取り囲む観客席には、500人は下らない観覧者が席に着いていた。
「コタロー凄いねぇ〜。リハーサルの時とは全然違うの!」
「こんなに人が入るとはね…まぁ気楽に行きな。どうせアキオの仕掛けた大会なんだから」
「…ミアちゃん今日はホンキだよ。ベス(斬岩剣ベースラード)を託してくれたマヤー
ちゃんの為にも、スバラシイ試合をするの!」
そうかミア。オマエはこの一ヶ月の訓練で、戦闘技術だけでなく心も成長したんだな。
「よし、それなら…力一杯頑張ってこい!」
「うん!」
対戦相手はクジで決められる。俺は1番を引き、第一試合からの登場になった。
2番を引いたのは30代前半の男性。
「関東大会代表の高槻です。コレはハウリンのミアです。よろしくです!」
「東北大会代表の谷川です。パートナーはマオチャオのレイレイ。よろしく!」
「ミアちゃんで〜す!正々堂々戦いましょうねぇ!」
「レイレイだ。…アンタが噂のパチモン猫か?」
「ぱ・ぱ・ぱ………パチモン猫だとぉ〜〜〜〜〜〜!!!」
いきなり場外乱闘に成りそうな気配。二人を引き離すと、谷川さんが何度も俺に謝った。
「コタロー……ミアちゃん、あのバカ猫をギッタンギッタンにしてやるからね!!!」
ミア、さっき自分で言った言葉を忘れたか…
とにかく俺達は、自分達の神姫を端末シートに押し込んだ。
二人が擬似フィールドに実体化する。レイレイは両手にドリルを装備し、プチメカを
4匹連れている。
対するミアは「雷迅システム」仕様の猫装備とベースラード。プチメカは無し。
「オマエみたいなイロモノ神姫、1分で沈めてやる!」
「…ならミアちゃんは10秒で沈めてやるぅ!」
『おおっとこれはミア選手、仰天の10秒KO宣言だぁ〜〜〜!』
『これは驚きです。どんな試合になるのでしょうか!(ミアちゃん、ナイスな展開だ!)』
「それでは第一回戦を開始します。レディー…ゴー!」
開始の合図と同時にバーニアダッシュするミア。すれ違いざまに独楽のように回転し、
その勢いを利用して大剣で一閃。体を真っ二つにされたレイレイがバトルアウトする。
「『秘剣・猫缶斬り』よ!」
静まり返る会場。そして大喝采!
『しゅ、瞬殺だぁ〜〜〜〜〜〜!10秒どころか1秒で終わってしまったぁ〜〜〜!』
『こ、これは凄いですねぇ〜!(よ〜〜〜しよしよし、オイシすぎるぜミアちゃん!)』
谷川さん、それから他のマスター達が驚きの表情で俺を見る。いや、一番驚いてるのは
俺だから。
ミアがバトルアウトしてきた。
「ミア、いつの間にあんな技を覚えたんだ!?」
「ああ、あれはネ、内緒で猫缶を開けようと…じゃなくって内緒の特訓で」
「…しばらく猫缶はオアズケな」
第二試合。九州大会代表のサンタ型「我夢」と北陸大会代表の騎士型「クレア」の対戦。
飛行型の神姫相手にミアのようなジャンプ力の無い騎士型は不利かと思われた。
が、結果は逆だった。我夢の攻撃を巨大な盾で防御していたクレアが、一瞬の隙をついて
ジャベリンを投げ、我夢を撃ち落としたのだ。
「あの防御力と判断力…次の対戦相手は強敵だぞ」
「大丈夫。どんな相手だってミアちゃん負けないんだから!」
第三、第四試合が順当に終わり、次は準決勝。ミアの相手は第二試合の勝者クレア。
試合が始まると、クレアは最初から防御姿勢をとった。
「ミアの一回戦を見て更に防御を固めたみたいだな…」
「そんなの関係ないもん!」
ミアのダッシュ&アタック。防御に徹しているクレアは何とか凌いでいたが、
ミアの縦横無尽な攻撃を受ける度に体勢を崩していく。そしてとうとう転倒。
その首筋にベースラードを寸止めするミア。
「次は止めないよ!」
「……ギブアップです」
何だかんだで決勝戦。アキオの策にハマるのはイヤだが、まぁ優勝を狙ってみるか。
決勝の相手は関西大会代表の女子高生。神姫は天使型の「アルテア」だ。
俺が試合前の挨拶をしようとすると、突然彼女はマイクを握り、放送席を指差した。
『こらアキオ!こんなオモロイ大会をウチに内緒で開催しくさって、許さへんで!!』
ん?アキオの知り合いか?
『徳田さん、金城選手とはお知り合いなんですか?』
『いや、全然知りません。赤の他人です。ストーカーってヤツじゃないですか?』
『アキオさん、高校時代の後輩に、それちょっと言いすぎ…』
対戦相手・金城彩音は、今度は俺を指差した。
『アンタの事はサンタ子から聞いとるで。ウチに替わってアキオの相棒を気取ってる
ようやけど、どれほどのモンか確かめてやるわ!!』
マイクで言うなよ。テンション高いし。何か勘違いしてるし。
「え〜と、人違いです。アキオなんてバカ、知りません」
『虎太郎、てめぇ後で覚えてろよ!』
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜もうバカばっかだ!!
「とっとと始める!ミア、行け!!」
二人がフィールドに実体化する。
「始めまして、アルテアと申します。うちの馬鹿マスターがご迷惑を掛けてスミマセン」
「え〜と、ミアちゃんです。全然大丈夫だよぉ〜!」
よかった…神姫の方はマトモだ。
アルテアは純アーヴァル装備。だがプチメカを4匹連れている。珍しいな。
決勝戦が始まった。アルテアが空に舞う。その周りには衛星のようにプチメカが巡る。
ミアは地上戦主体だが、バーニアを使って空中戦をこなす事も出来る。むしろ「飛行」を
している神姫よりも素早く「ロケット推進」出来るのだが、燃費が悪いので普段はしない。
アルテアの真下にダッシュしたミアは、その勢いでロケットジャンプをする。そして
そのまま斬撃を加えようとするが、プチメカ達がミアに体当たりしてきた。左腕でガード
するが、その隙にアルテアがレーザーライフルを撃つ。ベースラードを盾にして防ぐが、
勢いを無くして地面に着地してしまう。
『プチメカを三角錐状に配置する、あれがアルテアの得意技「デルタビット」です。敵が
接近戦主体なら今のように自分の周りに、遠距離主体なら敵の周りに配置させ、相手の
動きを要所で妨害する。そしてその一瞬を突いての精密度射撃。遠距離の攻撃手段を
持たないミアちゃんには、特に戦いづらい相手ですね』
『アキオさん、彼女達の事、知らないハズでは…』
「ミアさん。一つだけ言っておきます」とアルテア。
「私はサードリーグに席を置いていますが、それは彩音が学生大会中心に活動していて、
公式リーグにあまり参加してないからにすぎません。実力では既にセカンドリーグ以上
なのです。ですから今までの相手と同じだと思っていると後悔しますよ」
「今の動きを見れば解るよ。アルテアちゃん、強いね」
なるほど確かに強敵らしい。どうする。電脳戦じゃバーストモードは使えないし…
(緊急回路が作動した瞬間にTKO負けを宣言されてしまう為)
空中でバーニアダッシュ並みの攻撃が出来れば、プチメカの妨害を打ち破れるのだが…
ああそうか、あの技があった!
「ミア、例のヤツいくぞ!」
「おっけぇ〜!アタシも同じ事を考えていたよ!」
ミアがベースラードの切っ先をアルテアに向けた。
「プチメカで相手の動きを邪魔して、強力なライフルの一撃。下からジャンプして接近
するタイプには特に有効だね。
でもミアちゃん、その構えの弱点を見つけたよ!」突然ミアがロケットジャンプをする。
「何を…」迎撃準備するアルテア。だがミアはそれを無視し、遥か天井まで飛び上がる。
「つまり、プチメカに勢いを殺されなければいいだけ!
行くよ、『秘剣・猫まっしぐら』!」
ミアはベースラードを槍の様に構え、そのままバーニア全開で落ちて行く。
これは対サンタ子用に開発した技だ。空中でもバーニアダッシュ並のスピードを得る為に
落下速度を利用した攻撃。
危険を察知したアルテアは全てのプチメカを頭上に配置するが、ミアのベースラードは
そのプチメカごとアルテアを貫いた。
大会は無事終わり、俺達は渋谷のファミレスで祝賀会をしている。
「高槻先輩、優勝おめでとうです!サークル二人目のセカンドランカーですね!」
「ありがとう、次は小暮君の小春ちゃんだな!」
「そして来年ウチが入学したら、セカンドランカーが四人になるわけや!」
俺・アキオ・小暮君がジッと声の主を見る。
「どないしたん?ウチのアルテアも今日のポイントでセカンド入りしたんよ?」
いつの間に金城彩音が紛れ込んでいる。アルテアなんてミア達と一緒にパフェを食べてる。
「彩音…とりあえずオマエは今すぐ大阪に帰れ!」
「いややわぁ〜アキオちゃん、これから電車に乗ったら、家に着くの真夜中やで?」
「仕方ないだろ!それに明日は学校があるだろうが!?」
「それは大丈夫や。明日は叔父さんの葬式で忌引きって事になっとる」
「オマエなぁ…」アキオが頭を抱える。
「まぁまぁ先輩、折角東京に来たんだから、ゆっくりしてもらっても良いじゃないですか」
「そやそや、小暮っちの言う通りや!」
「(こ、小暮っちって…)でも金城さん、それじゃ泊まる所はどうするの?」
「それは心配いらん。アキオのマンションがある」
「断固として断る!!!!!!!!」
結局彼女は駅前のビジネスホテルに泊まり、次の日は「受験前の下見」と称して大学を
徘徊し、さんざん俺達を振り回した後、大阪へ帰っていった。
「全く…人の迷惑を全然考えない、ホント困ったヤツだな!」
「アキオ、それって同属嫌悪って言うんだぜ……」
第八話「雨の日に来たレイン」
今日は朝から雨が降っている。仕方ないのでバイク通学は諦める。
ベッドを出てサッとシャワーを浴びた後、朝食代わりのアップルティーを一杯。
テレビをぼーっと見ながら何を着ていくか考える。バイクじゃないから、久しぶりに
スカートにしましょう。お気に入りのニューヨーカーで一揃え。
女子寮から出てバス停まで歩いていく。それにしてもこの寮、大学の寮なのに何故か
バスで通うような場所にあるのよね。都内の学校ってこんな物なのかしら?
寮生はみんなバスか自転車を使っている。原付で通っている人もいるけど、私みたいに
普段からバイクに乗ってる人なんて居ない。大学に入ったら友達とツーリングするのが
夢だったから少し残念。
バスに乗って15分。大学前の停留所で下車。
停留所の傍で人形が落ちているのを見つける。落し物かしら?
雨の中に放置されて泥だらけになっている。
何だかとても切なくなって拾ってしまう。でもそのズッシリとした手ごたえに少し驚く。
普通の人形じゃないのかしら?
とりあえずハンカチで顔を拭いてあげる。
「大丈夫?」
何となく声を掛けてしまう。別に反応を期待した訳じゃないんだけど…
人形の目が、弱々しく開いた。
ビックリして危うく人形を落としそうになる。ああこれ、この前テレビでやってた
神姫ってロボット人形ね。
神姫の左手が動いた。抱えている私の左小指をギュっと握る。
でも、その左手から徐々に力が抜けていく…
私は直感的に、この神姫が死に掛けているのを理解した。
自分の手から命が零れ落ちていく感覚。
あぁ、前にもこんな事があったわ………
この子は死なせちゃいけない!確かこの大学にも神姫のサークルがあったハズ!!
私は傘を捨てて、全速力で大学まで走っていった。
今日は朝からみんな部室にいる。本当は金曜日だから授業があるのだが、来週から始まる
文化祭の準備が間に合わないのでサボってしまっているのだ。
「やっぱり三人だけってのがネックですね。準備もそうですけど、出店をやるとなると
5日間もあるから店番が大変ですよ」と小暮君。
「しかしやっぱり出店を出したいしねぇ。もう申請もしてるし」とアキオ。
「どうする?それなら助っ人を頼むか、参加日を減らすか…」と俺。
「「「う〜〜〜〜〜〜ん………」」」
三人で悩んでしまう。
「とりあえずフランクフルトですから私達も作るの手伝えますし」とサンタ子。
「拓斗さん、自分の体調の事も考えてくださいね…」と小春。
「余ったらミアちゃんが全部食べちゃうね!」オマエ太るぞ?
突然、部室のドアがドンドンドンドン叩かれた。
「あ、僕が出ます。どなたですかぁ〜?」
小暮君がドアを開けると、背の高い、ずぶ濡れのトレンチコートを着た女性が立っていた。
「あ、あの…ココ、神姫サークルの部室ですよね!!?」
「そ、そうですけど…どうしたんですか、そんなに慌てて」
女性は、懐に入れていた神姫を出しながら言った。
「この子を…この子の命を助けて下さい!!!!」
女性の名前は篠原由奈。小暮君と同じ1年らしい。
彼女の話によると、通学途中の道端で死にそうな神姫を見つけたので、とにかく詳しそうな
俺達の所に来たとのこと。
「虎太郎、どうだ?」アキオが神姫を調べている俺の後ろから覗く。
「…これは…意図的に高圧電流を流された形跡があるな…」
「それって、どういう事なんですか?」
「篠原さん、つまりね。携帯とかパソコンとかを捨てる時も、事前にデータを消去しておく
ものでしょ。この子も捨てられる前に持ち主に記憶を消去されたってこと」
「そ、そんな…そんなことって!」
あまりの事に、篠原さんは呆然としてしまう。
「それにこれは…必要以上に電流を流したから、コアユニットの末梢回路が焼き切れている。
CSチップもボロボロだ。可哀想だけど助かる見込みは殆ど無いな…」
重苦しい沈黙を破ったのは篠原さんだった。
「これってつまり、人形型のオモチャなんですよね。別に生きている訳じゃない。
こんなのに生きるの死ぬの言ってる私って、ちょっと変ですよね。
でも、私は感じたんです。この子が私を見て、力一杯指を握って、『私は生きたい』って
訴えているのを!この子は…この子は生きているんです!!!!」
そこまで言って彼女は泣き出してしまった。
アキオが口を開く。
「…俺はもう、自分の目の前で神姫が死ぬのを見たくない…
虎太郎、俺はな。お前の事を最高の、日本一の技術屋だと思ってる。お世辞じゃなく。
だからお前なら必ず何とかしてくれると信じている。
虎太郎、頼む。俺の期待を裏切らないでくれ…」
俺だって何とかしたい。だがコアユニットがこの状態では…人間で言ったら脳神経が
ズタズタにされている状態だ。こんなの人間じゃ治しようが無い。
人間では…
………
……
…
ユニットの神経ブロックを100セット単位でデータ退避:チェックし必要最低限の回路
再生移植を行いその処置発生確率の期待値を有効水準95%いや98%とすれば必要時間は
コア9時間CSCは6×3の18時間その後に失われた自我情報の代わりにミア達のコア
情報を埋め込む時間を4時間×3の12時間その情報の統合に4時間全体の再構築に更に
3時間を掛けて別素体へ移植及び調整と最終チェックで1の2で3時間。
………丸2日か。
「篠原さん、君にこの子を育てる勇気はあるか?」
「あ、あります!」
「なら名前を考えておいてくれ。どっちみち情報の再構築を…」
「『レイン』です。この子の名前は…『レイン』です!」
俺は篠原さんの肩を軽く叩き、皆に向き直った。
「みんな聞いてくれ!これからの作業を大まかに説明する!
最初はコアユニットとCSCの再生。俺一人でやるが、明日の昼までには完成する。
それと平行して、アキオと小暮君はレインの素体を用意してくれ。後で出力グラフを
渡すから、それに見合うように調整をしてくれ。
その後はCSCの自我情報の修復。これはミア・サンタ子・小春の協力がいる。
CSCが3つに分かれているのは知っているな? それぞれのチップの欠損データに
三人のコアから抽出したデータを植え込む。そしてCSC経由でコアユニット情報の
再生を図る。これでレインはお前達の妹として復活するハズだ。
最後は、アキオ達が用意した素体への移植だ。これは篠原さんに自分でやってもらう。
何か質問はあるか?」
アキオと小暮君の顔を見る。二人は理解したようだ。篠原さんは…まぁいい。
「虎太郎、一つだけ………本当にやれるか?」
俺は3秒だけ目を瞑り、そしてアキオに答えた。
「まかせろ」
それからの皆の動きは迅速でした。徳田さんは何処かへ新しい代替ボディを用意しに、
小暮さんは高槻さんの家へ工具や材料を取りに行き、私が大学窓口へ工作室の使用許可を
申請しに行っている間に、高槻さんはレインを連れて先に工作室へ行ってました。
それから6時間後。
高槻さんは隣りの無塵工作室でレインの修理をしてます。双眼鏡のようなスコープを
覗きながらのマニピュレーター作業。
私が居る一般工作室では、徳田さんと小暮さんが代替ボディを調整しています。
「ごめんなさい、こんな大変な事になっちゃって…
「気にするなって。こういうのもサークル活動の一環だと思うしね」
「そうです。僕達も好きでやっている事ですから!」
…この人達には話しておこう。
「私…レインって言う猫を飼っていたんです。二年前、急に体調が悪くなったので
獣医に連れて行ったんですけど、点滴を打っただけで帰されました。家に着いても
全然良くなる気配が無く、そのまま私の腕の中で死んでいったんです…
思い出しちゃったんです、レインの事を。もっと私がちゃんとしていれば
レインは死ななくて済んだんじゃないかって。単に代償行為に過ぎないかも
知れませんけど、あの子だけは助けたかったんです…」
徳田さんが手を止めて、私に向かって話し始めました。
「篠原さん、安心しな。俺達はそんなヤブ医者じゃない。こんな時に言うセリフじゃない
けど、レインは運が良いんだ。この三人はみんなその道のエキスパートだからね。
俺は高校の頃既に公式戦のトップランカーだったし、
この小暮は両親が国際的な数学者で、自分もIQ200の超天才だし、
あの高槻は自動車からロレックスまで何でも直しちまう修理の達人なんだ。
これだけの経験と頭脳と技術、大学の設備があれば、死んだ猫だって生き返るさ!」
更に6時間後。
体調の悪くなった小暮さんは、とりあえず代替ボディが完成したので家に帰りました。
「篠原さん、もう遅いから寮に帰りな」徳田さんが促す。
「いえ、もう門限も過ぎてますし…このままレインの傍にいます」
「そうか、じゃ俺は部室で待機しているから、何かあったら携帯で呼んでくれ」
「解りました。…あの、本当にレインは助かるんでしょうか?」
「虎太郎が『まかせろ』と言ったんだ。俺にとってこれ以上の確証は無いよ!」
それから3時間。夜の12時。椅子で少しウトウトしていたみたい。
隣りの工作室では高槻さんがまだマニピュレーターと格闘している。凄い集中力…
後ろで何か不思議な気配がしたので振り向くと、目の前に人形が浮かんでいた。
「うわぁ、ビックリした!」
「キャッ!?ミアちゃんのがビックリよぉ!」
この子は…高槻さんの神姫、ミアちゃんね。
「どうしたの?何処かへお出かけ?」
「うん、コンビニにコタローの御飯買いに行ってくるの〜」
「買いに行くって、そんなに荷物持てるの?」
「大丈夫、サンタ子ちゃんから家事用ブースター「メイドさん1号」借りたから!」
その背中に背負っている巨大なブースターの事ね…
「私もちょっと外の空気を吸いたいし、一緒に行ってもいい?」
「モチロンおっけぇよ!」
道を歩きながら、ミアちゃんの事を色々教えて貰いました。
高槻さんが猫を飼っていたこと。自分はその猫の生まれ変わりだってこと。
将来人間になって結婚すること(あらま)。一回死にそうになったこと(ええっ!)。
「だからね、ミアちゃんも治ったんだから、レインちゃんも絶対治るの!」
「ありがとう、ミアちゃん…」
工作室に帰ると、高槻さんは相変わらずマニピュレーターの前。作業の手を止めない。
ミアちゃんがその口にサンドイッチを押し込む。なんだか微笑ましい光景。
私とレインも、あんな感じになれるかしら…
その3時間後。真夜中。
高槻さんは相変わらず作業中。流石に彼のことが心配になってくる。
かといって口を出す訳にもいかない。私には応援することしか出来ない。
10時間後。昼過ぎ。
レインは無塵工作室から出され、代替ボディのある一般工作室に移されました。
「コアユニットとCSCの修復は終わった。次は欠損データの替わりにミア達のコアデータ
を順番にコピーしていく。けどその前に…篠原さん、レインに話しかけてやってくれ」
高槻さんに促され、レインの傍に行く。
「レイン…私のレイン…生きるのよ、アナタの笑顔を私に見せて…」
最初のデータ提供は徳田さんのサンタ子ちゃん。
「レイン、みんなアナタのことが大好きなのよ。だから安心して頑張りなさい!」
次のデータ提供は小暮さんの小春ちゃん。
「私に妹が出来るなんて嬉しいです。早く元気になって、一緒に遊びましょうね!」
最後はミアちゃん。
「由奈ちゃん良い人だよ。早く良くなって甘えちゃえ!」
次の日の朝。いよいよ代替ボディへの移植、最終段階。
この作業だけは、全て私がやらなくてはいけないそうです。小暮さんのレクチャーを
聞きながら、何とか指示通りに組み込んでいく。
ちなみにこのボディ、ジルダリアっていう花をイメージしたものらしいです。
移植作業が終わり、高槻さんによる最終調整とチェックが入りました。結果は問題無い
そうです。さて、いよいよ起動です!
「この端末のスイッチを押せば起動する。さぁ篠原さん。君の手でレインに命を
吹き込んでやるんだ」
高槻さんの指差したスイッチを押した…
机の上でゆっくり起き上がるレイン。上体を起こし、なんかキョトンとしている。
そのまま勢いよくピョンと立ち上がり、私の方に寄ってくる。
「由奈…ママ?」レインが首を傾げる。
「……そうよレイン。私がアナタのママよ…」
「由奈ママぁ〜〜〜!」レインが大喜びで私に飛びついてきた。
ぎゅっと抱きしめる私。良かった、本当に良かった………
みんな工作室から出て、部室に戻ってきました。
レインはミアちゃん達とドールハウスでお話をしてます。お姉さん達に囲まれて嬉しそう!
「それじゃ篠原さん、この紙に名前と電話番号を書いてくれる?」
徳田さんが紙を差し出しました。連絡先の確認かしら?サラッと書き込む。
「それを書いちゃダメだぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!!!」
小暮さんが急に叫んだのでビックリ。
「え、もう書いちゃいましたけど?」
「あああ、また犠牲者が…」
「小暮、何を言うか!サークルのメンバーが増えたんだぞ?」
え?
「篠原さん、それ入会届…」
え?え?
「徳田先輩って、こうやって自分の気に入った人を強引に入会させちゃうんです。
僕や高槻先輩みたいに…」
え?え?え?
「高槻先輩も何か言って下さいよ!僕達は良かったですけど、部外者に迷惑を…あれ?」
高槻さんが部室のソファーで寝ています。
「先輩…寝ちゃったんですか?」
「そりゃなぁ…不眠不休で丸2日だったからなぁ」
徳田さんが近寄って、何かコッソリ言いました。聞こえちゃった。それは感謝の言葉。
「高槻先輩、これじゃ文化祭の準備は無理ですね。明日から本番なのに…」
「すみません、私達のせいで…」レインを両手で抱えて、二人に謝る。
「何を水臭い、同じサークルの仲間じゃないか!」
「いやですから、そんな強引な勧誘は…」
「いえ、いいんです。皆さんが良い人だって判りましたし、レインもお姉さん達と一緒の
方が嬉しいでしょうし。逆に私みたいな素人が良いんでしょうか?」
「何言ってるんだ、それこそ水臭いぞ!」
「えーと、そういう事なら…大歓迎しますよ!」
こうやって私は、神姫サークル・バンディッツの一員になりました。
それで文化祭がどうなったかは…また次のお話です。
第九話「文化祭顛末記」
明日から大学の文化祭。でも出店の準備が全然出来ていません。
高槻さんがダウンしてるので、三人だけで何とかしなくてはいけません。
「とりあえず俺が市場に行って食材を買ってくるから、小暮と篠原さんは店の骨組を
作ってくれ。もう形になってれば適当でいいよ。プロパンとコンロは自治会で用意
してくれるから、あとは鉄板だけ何とかしよう。本当は下湯とかしたかったけどね」
「なんか…やっつけ仕事になっちゃいますね」
「仕方ないさ。時間も人手も足りないんだから…」
「そない手抜きをするやなんて、商売人の風上にもおけんなぁ!!」
いつの間にか部室のドアが開いていて、女の子が仁王立ちしてます。
「みんな久しぶりやなぁ〜!美少女助っ人・金城彩音が大阪から来てやったでぇ!」
徳田さんが無言でドアを閉めます。(え、閉めちゃうの!?)
『こらぁ〜アキオ、今日び新喜劇でもやらんようなお約束をするなぁ〜!』
ドアをドンドンドンドンドンドンドンドン叩く。
「だぁぁぁ〜入れてやるから静かにしろ!!」
部室の中に入れてもらった女の子は、私に挨拶をしました。
「アンタらが篠原さんとレインちゃんやな。ウチは金城彩音。コレは相棒のアルテア。
よろしゅうなぁ!」
「アルテアです。バカ彩音がご迷惑を掛けると思いますが、よろしくお願いします」
「篠原由奈です、始めまして!」
レインは私の後ろに隠れている。人見知りしちゃったのね。
「で、何でお前がココに居るんだ?」徳田さんが詰め寄ります。
「いやな、サンタ子のメールで事情を知って、心配で来てもうたんよ」
「サンタ子ぉぉ〜〜〜!」
「ど、どうせ後で判っちゃう事だし、先に知らせといた方がいいかなぁ〜と…」
アルテアちゃんが間に入ります。
「それで正解です。彩音は知らせが遅くなれば、それを理由に嫌がらせをしますから」
「アルテアの言う通りやでぇ、ウチを甘く見たらイカン!」
こ、この二人、なんか凄い…
「でもお前、手伝うって学校は大丈夫なのか?受験勉強だってあるだろ?」
「あれ言ってなかったっけ?ウチこの大学の推薦通ったんよ!だからそこら辺の心配は
無用やぁ!」
金城さんが急に姿勢を正しました。
「ってことで先輩方。来年からこのサークルでお世話になるさかい、よろしゅうな!」
頭を抱えてる徳田さんを無視して、金城さんが仕切りだしました。
「アキオは量販店に行って調理道具を調達してきいや!食材なんて当日でええわ。
その間にウチらで大工屋に行って木材やらペンキやら買うてくるわ!」
「金城さん、一回着替えに帰っていいかしら?スカートじゃ作業できないわ」
「ああ、それもそやな。それじゃ雑用しとるから、戻ってきたら一緒に行こか!」
「ありがとう、なるべく早く戻るわね!」
私はレインを連れて寮に戻りました。
「レイン、今日からココが貴女のお家よ!」
興味津々で部屋の中を見回すレインを残し、とにかくシャワーを浴びることにする。
レインを一人にしておくのが心配で、髪は洗わないで出てしまう。
浴室から出た私にレインが飛びついてきた。
「ちょっと待っててね、準備したらお姉さん達の所に戻りましょう」
ジーパンとトレーナーを着てライダージャケットを羽織る。また徹夜かもしれないので、
着替えとお泊りセットを持っていくことにする。
レインを連れて寮のガレージに行く。愛車のバイク『ざっぱ号』に跨り、タンクバッグの
ポケットにレインを入れる。
「危ないから動いちゃダメよ、怖くなったら言いなさいね」
「はいですぅ〜〜〜!」
正直、レインが怖がるかと思ったけど、運転中首だけ出してキャッキャッ喜んでいた。
これなら一緒にツーリングも大丈夫そう!
大学に着いて部室のドアを開けると、高槻さんが目を覚ましていました。
「本当にありがとうございました。…もう大丈夫なんですか?」
「なに、実家じゃもっと働かされてたから!それよりその格好、バイクに乗ってるんだ。
今のザッパー音が篠原さんの?」
「凄い……よく音だけで判りましたね!ゼファーの750です」
「実家の工場で聞きなれてるからね。ウチは元々自動車工場だし」
「高槻さんもバイクに乗ってるんですか?」
「今は乗ってないけど、実家にCBがあるよ」
「ふ〜〜〜んCBですか〜〜〜いいバイクですよね〜〜〜ホンダらしくって〜〜〜」
「こらぁ、『いかにもカワサキ乗り』な反応は止めんかぁ〜〜〜!」
二人で思わず笑ってしまう。
(作者注:つまりヤンチャなカワサキ乗りがホンダの大衆車をからかっている様子。
これは誇張した表現であって、ホンダのバイクを否定するものではありません)
「あ〜お二人さん。マニアックな話ししてないで準備始めるでぇ?」
金城さんに怒られて作業開始。結局五人になったので、文化祭の準備は順調に進みました。
そうそう、結局金城さんは文化祭が終わるまでコッチに居ることになりました。その間は
私の寮に泊まることになったので、バイクの二人乗りで送り迎えできるようにメットを
買いました。
明日の準備が終わって今日は解散。金城さんと寮に戻りました。
「自分の部屋だと思ってゆっくりしてね。寮長には話を通してあるから」
「アリガトなぁ〜!甘えさせてもらうわぁ!」「お世話になります」
レインは相変わらず私の後ろに隠れている。困った子ね。
「これからは由奈ちゃんって呼ぶから、ウチのことも彩音ちゃんって呼んでぇな」
「判ったわ、彩音ちゃん」
食堂で食事をした後、四人でくつろぎます。
「これ由奈ちゃんのアルバムやな、見てもいい?」
「いいわよ。面白い物じゃないけどね」
アルバムをめくる彩音ちゃん。
「へぇ…由奈ちゃん高校は剣道部やったんか」
「家が辰巳流っていう古武術の道場をしてるのよ。私は薙刀の方が得意だけどね」
「なんか桜花みたいやな…うわ、表彰されとる!優勝したん?」
「まぁ、とりあえず…」
「ホント凄いですね。彩音と比べたら月とスッポン」
あ、アルテアちゃんってば…
二人がさんざん私の事を誉めるので、なんかレインも気分を良くしたみたい。
いつの間にか二人と打ち解けてました。
さて、文化祭ですけど。
神姫達が料理したり配達したりするのが好評で、フランクフルト屋は大成功でした!
(彩音「ウチのセーラー服もポイント高かったでぇ?」)
(アルテア「場違いで目立ってただけです」)
レインもお姉さん達に混ざって一生懸命。もう、可愛いわねぇ!
材料切れとかトラブルもありましたけど、何とか無事に終わりました。
5日間の激務を終えて、ファミレスで慰労会をすることになりました。
「みんなお疲れぇ〜〜〜!篠原さんの歓迎会を兼ねて、慰労会を始めるよ!
まずはみんなの自己紹介からだ!」
「武神大学体育学部1年、篠原由奈です。将来は体育の先生になりたいですね。
実家は総合古武術の辰巳流道場で、私は薙刀が得意です。高校は剣道部でしたけど。
趣味はバイクで、愛車は750CCのざっぱ号です。皆さんよろしく!」
『辰巳流の薙刀術は裏伝承にあたるんだ。だからその継承は親族のみに成される』
『相変わらず興信所並みの情報網だな…ってかそれを知ってて誘ったのか?』
『由奈ちゃんって何となく桜花に似てるんよねぇ。それも理由とちゃうのん?』
『バリバリの体育会系なんですねぇ。ちょっと羨ましいです』
「武神大学法学部2年、部長の徳田アキオだ!ゼミは西村教授の欧米貿易論。
高校の頃から神姫バトルをやっていて、公式リーグのトップランカーだった事もある。
今はセカンドだけどね。総合商社『徳田グループ』の跡取りで、中核の徳田HCの重役
も勤めている。趣味は神姫以外にも株をやっている。相場師だったジジイの影響だな」
『ええっ、あの徳田グループのですか!?』
『あ〜そんなに気負わないでいいよ。実はタダのバカだから』
『徳田先輩、稀にサンタ子ちゃんに株やらせてますけど、あれって自動取引じゃ…』
『ええんちゃう?別にサギとかしとる訳やないし』
「武神大学工学部2年、副部長の高槻虎太郎です。ゼミは山崎教授の異常心理学。
小さい頃から実家の工場を手伝わされてたんで、修理の腕はちょっとしたものです。
大学では「千円で何でも修理屋」とかもやってます」
『虎太郎は…修理は天才なんだけど、カスタムとか怖くて頼めないんだよなぁ』
『前に違法改造とかで捕まりかけましたからねぇ』
『あれやな、自分の腕に酔っちゃって歯止めが効かなくなるタイプやな』
『ほほぉ…でも今度ざっぱ号の改造をお願いしちゃおうかしら!』
「武神大学理学部1年、会計の小暮拓斗です。まだ1年なのでゼミは取ってません。
同居してる両親は二人とも数学者です。あ、母がこの大学で臨時講師をしてます。
病弱で学校に行ってなかったので、勉強は専ら家庭教師に見てもらってました」
『小暮の彼女ってその家庭教師なんだよな。今はアメリカに帰国してるけど』
『写真見たけど金髪のモデルかと思ったよ。もうコンチクショー!って感じ』
『なんや、小暮っちもやりよるなぁ〜!』
『ちょっと見る目が変わっちゃいましたね』
「道頓堀高校3年、金城彩音や!来年から武神大学の経済学部でお世話になるで!
アキオと同じ高校で、今はその後を継いで神姫部の部長をしとる。学生大会では
ちょっとした有名人なんやで?将来はアキオのお嫁さんになる予定や!」
『お前、いいかげん俺をからかうの止めろよな…』
『まぁまぁ、折角心配で来てくれたんですし』
『俺はお似合いだと思うんだがなぁ』
『ふ〜〜〜ん(ピーンと来た!実はホントに好きなのね!)』
「由奈ママと一緒のレインですぅ。サンタ子姉ぇ、小春姉ぇ、ミア姉ぇ、大好きですぅ!
アルテアちゃんも大好きですぅ!みんな大好きですぅ〜!」
「アキオさんの神姫、サンタ子です。趣味は家事一般で、普段は高出力低速ブースター
メイドさん1号を装備してお料理をしています」
「拓斗さんの神姫、小春です。趣味はサボテンいじりです。私だけまだサードランカー
ですけど、頑張って早くセカンドに上がりたいです!」
「コタローの相棒、ミアちゃんだよ〜!趣味は遊ぶこと!好きなものは舌平目の猫缶!
嫌いなのはジッとしてること!ヨロシクねぇ〜〜〜!」
「彩音の神姫、アルテアと申します。趣味は彩音いじり。学生大会では何度か優勝を
してます。4月からお世話になります。よろしくお願いします」
慰労会は終始ハイテンションでした。誰かコッソリお酒でも頼んだのかしら?
サークルってこんなに楽しいものだったのね。今まで無所属だったの勿体無かったわ。
店の人に「他のお客様に迷惑ですから」って追い出されるまで、みんな大騒ぎでした。
二次会のカラオケが終わって、彩音ちゃんは長距離バスで帰ることになりました。
別れ際にレインがワンワン泣いちゃって大変!大丈夫よ、またスグに逢えるから。
泣き疲れて寝ちゃったレインを抱えて、今日はタクシーで寮まで帰ります。車の中で
膝の上に乗せて髪をそっと撫でる。今日はお疲れ様。これからもよろしくね、レイン。
第十話「サークル合宿・冬の陣」
○11月25日(日)
今日は小春の公式戦の日。ミアと違って以前より着実にポイントを貯めていた小春は、
今日のリーグ戦で3位までに入ればセカンドリーグ入りが決まる。
元々才能はあったが、雷迅システムを使うようになってからは無敗を誇っている。
思うに、「接近する為に使うミア」より「距離を取る為に使う小春」の方がダイレクトに
システムの有効性を引き出せるのではないだろうか。
(ちなみにサンタ子は空中戦主体なので雷迅システムは使っていない)
結果は5戦全勝。全て一方的な戦いだった。小暮君曰く、
「雷迅システムで近接攻撃から逃げられる以上、弾道計算も出来ないような相手だと
勝負にすらならない」とのこと。さすが学者の家系。戦いも何か詰将棋を見ている
ようだった。いかにも小暮君の神姫って感じ。
まぁ、とにかくみんなで祝賀会。小春、セカンド昇格おめでとう!
○11月30日(金)
授業が終わって部室に行くと、ミア達四人がポータブルマシンで訓練をしていた。
いつの間にレインも訓練をするようになってたんだ。ちょっとマシンの記録を見てみる。
花鳥風月を構えるサンタ子に対して、侍型の標準装備の薙刀を構えるレイン。
レインが薙刀をぶんぶんぶんぶん。当たんない当たんない。
だが、次第にその斬撃が鋭さを増していく。才能があるのかもしれない。
ふむ…篠原さんにちゃんと教えてもらったら面白いことになるかもしれないな。
○12月19日(水)
期末試験も無事終わり、年内のサークル活動も今日で終わり。波乱の一年だったな。
今年最後の会合では、年明けの1月5日・6日に実施するスキー合宿の確認をした。
場所は野沢温泉スキー場で現地集合。スキー合宿も兼ねてるけど、今回のメインは
6日に行われる4対4の公式リーグ戦。セカンドリーグだからレインは見学になる。
その代わり金城さんが合流するので、アルテアが出場する。
最後に年末の挨拶をして解散。家が大学の近くにある小暮君以外は実家に帰るようだ。
(アキオは大阪、篠原さんは京都、俺は名古屋)
実家か。帰りたくないなぁ。どーせ工場を手伝わされるんだから。
○1月4日(金)
年末年始の殺人的な手伝いが終わった。のんびり出来たのは元日だけだ。
ミアはいつの間にか家族に溶け込んでいた。俺としては喜んで良いのか悪いのか。
まぁ、みんな楽しそうだったからいいけどね。
さてと。スキー場へは深夜バスを使うから、そろそろ準備しないとな。
バスは朝の7時に到着。そのまま集合場所の宿まで行く。アキオと金城さん、篠原さんが
先に着いていた。
「明けおめ〜!そっか、三人は同じバスだったっけ」
「おめでと〜!俺と彩音は大阪からだけど、途中の京都で篠原さんが合流したんだ」
そうそう、小暮君は体調の事を考えて、後で東京から電車で来るそうだ。
とりあえず四人でレンタル板のサイズ合わせ。メンドいからウェアーも借りる。
準備が出来たのでみんな自分の神姫を胸ポケットに入れ、初心者コースで準備運動する。
軽いウォーミングアップなのに、篠原さんがいきなりハーフツイスト宙返りをキメる。
あんな長い板&こんな場所で…この女・サイボーグか何かか?
「じゃ、私はもう少し上に行ってきます〜!」メカ篠原は最上級者コースへ。
「俺も少し上に行くか」「じゃウチも」アキオと金城さんは中級者コースへ。
俺はそのまま初心者コースに残る。ええ残りますとも!
お昼過ぎ。皆で食事をする為にゲレンデのレストランに集合。と、アキオの携帯が鳴る。
「おお、小暮か。今どの辺だ?……え、大丈夫なのか?……解った、お大事にな」
携帯を切るアキオ。
「小暮っちか?なんやトラブルなん?」
「昨日から39度の熱が出たんだってさ。今病院だから合宿は欠席するって」
「ありゃまぁ…」
「病気じゃ仕方ないですね。これが最後の機会って訳でも無いですし…」と篠原さん。
「そだね。またアキオが何か考えてくれるだろう」
「それは別にいいけどさ、明日の公式戦、どうするんだ?」
あ、そうだった。
今回の団体戦は「先に大将を倒したチームの勝ち」というルール。俺たちの大将は
雷迅システムを搭載している小春の予定だったのだ。逃げるのが上手だしね。
一名欠席で三人でフォーメーションを組むとしても、中核の小春が居ないから
作戦自体を考え直さなくてはいけない。
「今回は『小春ちゃんが雷迅システムで逃げる』がキモだったからなぁ。まさかシステムを
搭載してるからってミアちゃんを大将にして逃げ回らせる訳にもいかないし」
「となると大将はサンタ子かな?雷迅システムは搭載してないけど、多少の作戦変更で
行けるかもな」
「いや、作戦以前の問題やわ。そもそも3対4やで?かなりキビシイんとちゃうか?」
みんなで考え込む。その沈黙を破ったのは篠原さんだった。
「あの…代わりにレインを参加させることは出来ないでしょうか?」
「ええっ、いきなり実戦なんて大丈夫なの?」思わず聞いてしまう。
「はい、実家に帰っている間に道場で薙刀の訓練をさせましたから。とりあえず形には
なっていると思いますよ!」
「レイン、姉ぇ様達と一緒に戦いたいの!」レインが力強く訴える。
すこし考えてアキオが口を開いた。
「本人もやる気なんだね。今回はセカンドリーグ戦だからランク外のレインちゃんは
ポイントとか関係ないけど、良い経験だからやらせてみるか?」
ミア達も含めて、みんな賛成をした。
結局午後は新しいフォーメーションの練習に費やすことになった。宿泊先の旅館で控室を
借りて、持参してたポータブルマシンを使っての訓練。
アキオが明日の戦い方を説明する。
「レインちゃんには小春ちゃんの代わりに大将を勤めてもらう。皆で死守するんだよ!!
それから戦術プランは『大将が移動できなくなった場合』を想定して訓練してたものを
転用。レインちゃんは動かないで遠距離攻撃のみ。接近戦は最後の手段にしてね」
篠原さんが用意した薙刀「弧月」を得意そうに装備してたレインは不満そうだ。でも
大将自らが接近戦をする危険は犯したくない。
訓練は順調に進む。レインはアルテアの予備のレーザーライフルを巧みに操っている。
「あ、私ちょっとジュースでも買ってきます。高槻さん、荷物手伝ってくれませんか?」
急に篠原さんに誘われる。
「ああ、モチロンいいよ」二人で売店まで行くことになった。
売店に着くと、篠原さんが話し始めた。
「無理に誘ってすみません。どうしても二人っきりになりたくて…」
おおおうっ!?これは!
「男と女の事なので、ちょっと話すのに勇気がいるんですが…」
キターーーーーーーー!!今日はパンツもおニューだし、準備おっけぇ!!!
「ふっ、別に恥ずかしがる事はないさ。話してごらん」
「はい、実は徳田さんと彩音ちゃんの事なんですが」
…………………別にいいけどね。
「徳田さんの気持ちは判りませんけど、彩音ちゃんは絶対に彼のことを好きだと
思うんです。それで少しでも彼女の手助けをしたいな、と…」
「う〜ん、本当に好きなのかなぁ。もし好きだったとしても、本人達に任せれば
いいんじゃないの?」
突然篠原さんが怖い顔をして売店の床に正座をする。
「虎太郎さん。ちょっとココに座りなさい」
「な、何を急に……ココ売店だし、みんな見てるし」
「いいから座りなさい!!!!!!!!!!」
その勢いに気圧され、渋々正座をする。
「いいですか虎太郎さん。貴方は恋する乙女の気持ちを全く理解していません!
どんなに積極的な女性でも、恋をすれば臆病になってしまうのですよ!」
「あ〜売店のおばちゃんがコッチ見て笑ってるぞ?」
「それに気の強い彼女の事、照れ隠しにあんな憎まれ口を叩いちゃって…このままじゃ
あまりにも可哀想すぎます!『愛の伝道師・ユナ』としては何とかしなくては!!」
「ユナさん?ちょっと由奈さん!?」
「その為の作戦を説明しますから手伝ってくださいね!」
【作戦1:ロマンチックな雰囲気作り】
「おかえり。……うお、何でワインなんて買ってきたんだよ!?」
「雰囲気作りの小道具として………いや、何でもない」
【作戦2:オシャレな話題を振る】
「夜スキーで松明を持って滑るのあるだろ?あれカップルでやるのがオシャレらしいね」
「何やねん急に。脳味噌にウジでも湧いたんか?」
【作戦3:二人っきりの時間を作る】
「それじゃ俺と篠原さんは部屋に戻ってるから、後は二人にまかせるわ」
「バカ言ってないで、早くミアちゃんのチェックをしやがれ!!」
【最終作戦:アキオにヤキモチを焼かせる】
(「いや、コレはいくらなんでも…」)(「いいからお願いします!!」)
俺は金城さんの正面に立ち、両肩に手を置いた。
「金城さん!俺、君の事が好きだぁ〜〜〜!!」
長〜〜〜〜〜〜〜〜〜い沈黙。
「お前気は確かか!?」「ウチも罪な女やなぁ〜!」「コタローの裏切り者ぉ〜!!」
「高槻さん、人生を捨てちゃダメです!」「あ、あははは…」「レイン、解んな〜い」
俺は助けを求めようと由奈さんの方を向く。あ、逃げやがった。
「ユ〜〜〜ナ〜〜〜!!にげるなぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!!!」
結局俺の悪ふざけって事になった。
次の日。団体戦は11時から始まるので朝から準備を始める。
ミア・サンタ子・アルテアはいつもの装備。レインは侍型の鎧とレーザーライフル。
そしてサーベルのような薙刀「弧月」。
「今回の参加グループは8つ。4つずつ二つのブロックに分かれて電脳リーグ戦。
それぞれの一位同士が最後にリアルバトルで決着をつけるんだ」
「ということだ。解ったかね?由奈くん」
(「解りましたよぉ〜今度ご飯おごりますからぁ〜!」)
大会が始まった。最初の相手は天使型2体と悪魔型、そして大将の騎士型。
騎士型は奥で動く気配が無い。好都合だ。これで3対3に持ち込める。
みんな単体戦闘力ならセカンドランクで敵無しの実力を持っているし。で、勝利。
二戦目も同じ感じだった。三戦目は大将も攻撃に加わってきたが、ミアが1体を
速攻で撃破したのでレインは無事だった。
「なんか楽勝でしたね」由奈さんが感想を洩らす。
それに対しアキオは、
「いや、たまたま相手の戦術がコッチに有利に働いただけだよ。運が良かっただけだな」
隣りの戦闘卓を見る。
「決勝の相手はマオチャオが4体。全員突撃の「ギムレット」って戦術だ。次は100%
レインちゃんも戦闘に巻き込まれるな」
「地上での乱戦か。ミアだけじゃなく全員地上に降りた方がいいかな?」
「そうだな。彩音、アルテアちゃんに接近戦装備をさせてくれ」
「あいよ!アルテア、最初からグラップル装備いくで!」
「了解です!」アルテアはライフルを置き、レーザーナックルとシューズを展開した。
「レインちゃんはとにかく耐えるんだ。姉さん達が助けに来るまで頑張るんだよ!」
「うん。レイン頑張るぅ〜!」
決勝のリアルバトルが始まった。まずはアルテアがデルタビットをレインの周りに配置。
サンタ子は最初から花鳥風月を構える。ミアもバーストモードの準備に入る。
対する敵陣営。4体が縦一列に並んだ。ギムレット(錐)とはよく言ったものだ。
そしてそのまま突撃してきた。
先頭の1体をサンタ子がインターセプト。次をアルテア、3体目をミア。だがやはり
最後の1体を止めることが出来ず、レインへの突撃を許してしまう。
「レイン、逃げるんだ!」俺は思わず叫んでしまう。
その言葉に従ってか、レーザーライフルを捨てて後ろを向くレイン。
だが逃げるのではなく、振り向きざまに弧月で一閃。倒れるマオチャオ。
「辰巳流・流水の型って言いますぅ〜!」
そして次の瞬間、レインの体を真紅の光が包み込む。
「バーストモード、いくですぅ〜〜〜!」
おいおいおいおいおいおいおいおい!!!!
弧月を目まぐるしく振り回し、大きくジャンプして残った敵に飛びかかる。ミア達に
気を取られていた3体のマオチャオは、そのまま全員レインに瞬殺されてしまった。
「どうです?形には成っていたでしょう?」
由奈さんの言葉に、みんな何て返事をしていいか解らない。
「まだ構えを教えたぐらいで、辰巳流の真髄までは学ばせていないんですけどね」
「な、なんちゅ〜か、レインちゃん、やるやないか!」
「レイン、頑張ったですぅ〜!」ニコニコして嬉しそうだ。
アキオがまとめる。
「どうやらレインちゃんはサンタ子達の戦闘データも引き継いでいたようだね。
そういえば小春ちゃんみたいな精密射撃もしてたし、体捌きはサンタ子に似てたし」
「多少の影響はあると思ったけど、ここまで顕著に出るとはなぁ…」
じっとレインを見つめる。神姫って不思議な存在だよな、と実感した。
とにかく、こうして一泊二日のサークル合宿は終了した。
レインか…ちょっと本格的に調べる必要があるな。
第十一話「再臨・愛の伝道師!」
◆2月1日(金)
今日のランチは虎太郎さんと二人で学食に来ています。
「レインの精密チェックの結果だけど、特に異常は無かったよ」
「安心しました、最初が最初だったんで、ずっと心配だったんです!」
「ただ、少しだけ残念な知らせがあってね…」
虎太郎さんの真顔にどきっとしてしまう。
「え…何ですか?」
「レインの戦闘能力なんだけどね。俺はてっきりミア達の能力を吸収したスーパー神姫が
誕生したと思ってたんだ。でも、どうやらそうじゃないみたいなんだ」
「と言いますと?」
「結論を言うと、みんな中途半端なコピーでしかないんだ。射撃制度は小春に及ばない、
体捌きはサンタ子に負ける、武装制御はミアに劣る。バーストモードの出力なんて
ミアの80%も出ていなかったんだ」
「ああやっぱり、そんな気がしていたんですよ」
「あれ、心当たりがあるの?」
虎太郎さんが意外そうに言った。
「ええ、辰巳流薙刀術の伝承をしていて思ったんですけど、レインってどうも形だけって
感じなんです。模倣は得意なんですけど、その本質を理解しないというか」
「うん…短期間で知識を詰め込んだ弊害かもしれないね。単に戦闘能力が云々じゃなく、
心の成長の問題だと思うんだ。もっと自分の意思で行動する事を学ばせないとね」
「それってどうすれば…」
「同じ事がミアにも言えるけどね。俺はミアの性格をインプットした後は完全放置してる。
放任主義って言うか、ミア自身に自分の考えで学んで欲しかったんだ。子供だって知識を
詰め込むよりは自由に遊ばせた方が良いと思うしね」
そっか。私はちょっと教育ママになってたのかも知れないわね。
今日はもう授業は無いし、レインと一緒にお買い物にでも行ってこようかしら?
◆2月12日(火)
今日はミアちゃん・サンタ子ちゃん・小春ちゃんがウチにお泊りに来ています。
理由は簡単。バレンタインのチョコを作るためです。
「姉ぇ様達、ようこそレインのお家へ〜〜〜!」
レインがすっごく嬉しそう!
「お邪魔します!」「ヨロシクねぇ〜!」「お世話になります〜!」
「みんなで楽しく作りましょうね!」
台所に用意した材料を並べる。板チョコ、生クリーム、ココアパウダー、あとトッピング。
今日は簡単なトリュフチョコを作る予定だから、まぁこんなところで十分でしょう。
「それじゃ最初に板チョコをみじん切りにしましょう!」
サンタ子ちゃんが自分の調理道具を皆に貸したので、作るのは思ったより簡単でした。
でもみんな一生懸命。本命チョコと義理チョコ。誰にあげるのかしらね。
「レインはねぇ〜本命チョコは由奈ママにあげるのぉ!」
あ〜〜〜〜〜〜もう!ミアちゃん達が居なかったら抱きしめてキスしてたわよ!!
「さて、みんな出来上がったようね。それじゃ完成品を見てみましょう」
〔ミア〕一番オーソドックスな仕上がり。ちょっと意外。
〔サンタ子〕コーンフレークとかチョコスプレーとか使って…私より上手じゃない……
〔小春〕インスタントコーヒーを混ぜてモカ味にしたのね。ちょっと大きめ。
〔レイン〕ヘルメット型のトリュフ。この中で一番良く出来てると思うわ!
余ったチョコを食べながらお茶会。みんなご苦労様でした!
◆2月14日(木)
いよいよ今日はバレンタインデー。朝起きたら早速レインがチョコをくれました。
モチロンその後はレインにキスの嵐。可愛すぎる罰よ!
その後は大学で講義。終わってから部室に行きました。皆にチョコを渡さないとね。
でもビックリ!なんか部室がチョコだらけ!!
「徳田先輩は徳田グループの次期当主ですからね。狙ってる女性も多いんです」
「小暮君は女の先輩とか女教授とかに人気あるんだよね。母性本能ってヤツ?」
「虎太郎は修理屋稼業のおかげだな。大学じゃ修理屋コタローって結構有名だし」
他の二人は解るとして、虎太郎さんも人気あるのはちょっと意外だったりして。
レイン達がチョコを渡していると、急に部室のドアが開きました。このパターンは…
「アキオー!チョコを持ってきてやったでぇ〜〜〜!」
やっぱり彩音ちゃんだ。そろそろ来るんじゃないかなぁ〜って思ってた。
何かアキオさんも予想してたみたい。
「来たな。で、今回はどんなチョコなんだ?」
「ふっふっふっ、2日掛けて作った大作やでぇ!アルテア、かも〜ん!!」
ドアの外からアルテアちゃんがクリスマスケーキみたいな箱を運んできた。
「さぁ、見て驚けぇ〜〜〜!」
アルテアちゃんが箱を開けると、そこには見事な2段重ねのザッハトルテケーキ。
すごい…これって本命直球ど真ん中じゃない!
徳田さんがため息を吐く。
「あのなぁ、コレを一人で食べろと?イタズラも大概にしとけよ」
ちょっと、何言ってるのよ!!!!
「……………………………いやぁバレたか!どうや、食えるもんなら食うてみい!」
顔は笑ってるけど声が震えてる。切なすぎる………
「とりあえず貰っておくけどね。みんなで食べるか」
このヴァカたれがぁぁぁ〜〜〜!!!
一言文句を言ってやろうとすると、先にアルテアちゃんが前に出ました。
「徳田さん、ちょっと待ってください。確かに彩音は性根が腐ってます。このケーキも
半分は嫌がらせです。でも残った半分の気持ちに気付いてやってください。昨日だって
貴方の写真にキスを」
「わあああぁぁぁぁぁ〜〜〜アルテア何言うとるねん〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
顔を真っ赤にしてアルテアちゃんの口を塞ぐと、徳田さんの方を向いた。
「あ、あ、あ、アキオのおたんこなすぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜!!」
そのまま泣きながら大阪に帰ってしまいました。
「お、俺が悪いのか?」
徳田さんのその一言にカチンときた。私は彼の前で正座をした。
「アキオさん。ちょっとココに座りなさい」
「え、急にどうしたの?」
「いいから座りなさい!!!!!!!!!!」
アキオさんが正座した。その側では虎太郎さんが「あ〜あ」みたいな顔をしてる。
それから私は懇々と説教をし、彼に一人でケーキを食べることを確約させました。
◆2月16日(土)
徳田さんは2日掛けてケーキを完食しました。とりあえず彩音ちゃんに携帯で報告。
そうそう、今回の事件で解った事があります。
今までアルテアちゃんって彩音ちゃんを嫌いなのかと思ってたけど、実は凄くご主人様思い
だったのよね。今までの「彩音いじり」も結果だけ見れば彩音ちゃんのフォローに繋がって
いるし。まぁ神姫も色々。愛情表現も色々。ってことかしら?
◆2月17日(日)
今日はレインと一緒に奥多摩までツーリング。ホントは周遊道路まで行きたいけど、
まだ凍結防止剤で走れないでしょうね。
ざっぱ号のタンクの上には、レイン専用シートを取り付けたタンクバッグが乗っている。
モチロン防水・暴風仕様。ちなみにヒーターも完備。これは虎太郎さんのプレゼント。
あ、結局ざっぱ号のチューンはしてもらってません。徳田さん達に反対されましたので。
とりあえず小河内ダムまで行ってみることにする。今日はもうクルージングって感じね。
レインは綺麗な景色を見て大喜びしてる。
のんびりと2時間ぐらいでダムに到着。休憩を兼ねて博物館に入る。
レインはこういう所に来るのは初めてね。興味津々って感じ。走るだけじゃなく、
これからはこういう所にも積極的に連れていってみよう。
帰り際、キャンプ場の近くを通る。そうだ、暖かくなったら皆でキャンプするのも
いいかも。今度徳田さんに相談してみましょう。
◆3月3日(月)
今日はひな祭り。期末試験中だけど、これぐらいはレインにやってあげないと。
デパートでお内裏様とお雛様の2体セットを買ってくる。それから雛あられとお寿司、
イチゴのショートケーキ。
レインに着物を着せて準備完了。二人でひな祭りの歌を歌ってお祝いしました。
◆3月10日(月)
ついにこの日が来ました。高校を卒業した彩音ちゃんが、いよいよこの女子寮に
入るのです!
なんか到着は夜の9時頃らしいけど、レインも頑張って起きているつもりらしいです。
一緒に駅で待っていると、9時過ぎにボストンバッグを持った彩音ちゃんが来ました。
その側にはアルテアちゃんが浮いてます。
「由奈ちゃ〜ん!レインちゃ〜ん!夜遅くにスマンなぁ!」「こんばんは!」
「二人ともお久しぶりね!」「彩音ちゃんアルテアちゃん待ってたよぉ〜!」
とりあえず寮に行く。彩音ちゃんの部屋は私の隣にしてもらいました。
「ココが彩音ちゃんの部屋よ。今日はもう遅いからゆっくりして、明日身の回りの物を
買いにいきましょう。サークルのみんなも来てくれるって」
「スマンなぁ。じゃ明日に備えてもう休むわぁ」
自分の部屋に帰ろうとすると、突然レインが言いました。
「あのねあのね、レイン、今日は四人で一緒に寝たいのぉ〜!」
「もうレイン、ワガママ言わないの!迷惑でしょ?」
「なんや、ウチらは全然かまわんよ。なぁ?アルテア」
「ええ、勿論です!」
「わ〜い、やったぁ!」
ということで、今日は私の部屋で皆で寝ることにしました。レイン、良かったわね。
◆3月11日(火)
今日はサークルのみんなで彩音ちゃんの日用品揃え。まぁ寮がビジネスホテル並の
設備を用意しているので、後は食器とか洋服とか嗜好品とか、そんな感じね。
車は虎太郎さんがワンボックスを出してくれました。普段は修理工具を積んでいて
移動修理工場みたいになっているとか。今は荷物を全部下ろしてますけど。
(アキオ「俺も車出せるけど、ロードスターは二人乗りだからなぁ」)
ちなみに私だけざっぱ号で行きます。こうすれば後部座席に彩音ちゃんと徳田さんが
二人で座ることになりますし。
そうそう、今日は14日の準備もします。ホワイトデーには彩音ちゃんの歓迎会を兼ねて、
みんなでデゼニーランドに行く予定なのです。色々準備しなきゃね、レジャーシートとか
必須ですし。あ〜今から楽しみです!
今日は3月14日。全国的にホワイトデーってヤツだ。俺達サークルの男性陣は、チョコの
お返しと金城さんの歓迎会を兼ねて、女性陣をデゼニーランドへ招待することになった。
午前10時に最寄駅の改札に集合ってことになっている。
今、朝の5時30分。由奈さんと二人で入場ゲートに並んでいる。ミアとレインはバッグの
中で眠ってる。太陽はまだ昇っていない。
「由奈さん。寒いし暗いし眠いよぉ〜」
「我慢してください!今日は必ずレストランの予約を取らなくちゃいけないんですから、
これぐらいの事はしないと!」
まぁそうなんだろうね。実際、俺達以外にも何人か並んでる人がいるし。
「念のため確認しますけど、開園したら虎太郎さんはディナーの予約をしに冒険エリアへ
走ってください。私はランチの予約に西部劇エリアへいきます。それから今日の目的
『彩音ちゃんと徳田さんをラブラブに』を忘れないように!」
「あいよ〜〜〜」
そう、今回の黒幕は由奈さん。まぁ理由はどうあれ、ミアも喜んでいたからいいけどね。
7時頃。太陽も昇って明るくなった。開園一時間前で人も結構増えてきた。
「ん……コタローおはよ………わぁ!ホントに着いてる!!」
ミアがバッグから飛び出し、そこら中を走り回る。
「オハヨです……わぁ〜〜〜い!!」
レインも飛び起き、同じく走り回る。二人とも開園前からそれじゃ持たないぞ!
いや、三人か。由奈さんまで………
7時50分。ゲートの向こうでは着ぐるみのキャラクター達が寸劇を繰り広げている。
開園まであと10分。
「きゃ〜カワイぃ〜!……虎太郎さん、死ぬ気でレストランの予約を取りましょう!」
キャピキャピしながら殺気立っている。アリエナイ。
7時55分。開園5分前。周りの連中全員がアリエナイ殺気を放っている。今まで俺の
知らなかった世界だ。
8時ジャスト。ついに開園。阿鼻叫喚。それから30分間の事はあまり覚えていない。
中央広場のベンチでぐでぇ〜〜〜〜〜〜っとしている。
「お疲れ様でした。はいこれ!」
由奈さんがジュースを買ってきてくれた。
「アリガト。しっかしデゼニーがこんなに疲れるとは知らなかったよ」
「今日はホワイトデーですし、卒業旅行のシーズンですからね。平日だったら
こんなに人は居ないから落ち着いていられるんですが」
「平日、か。ココにはよく来てるんだね」
「そ、そんなことありませんよ、いやだぁ」
何か照れてる。その仕草にちょっとドキっとする。
「コタロー、早くドッカに入ろうよぉ〜!」
「あのねあのね、レインあのビューンってなってパサァ〜ってなるの乗りたいのぉ!」
ミアとレインが急かす。
「よ〜〜〜し、今日はバレンタインのお返しだしな、トコトン付き合ってやる!」
とりあえず合流時間まで四人で遊び廻る。ま、ほとんど並んでるだけだったけどね。
午前10時。一旦外に出てアキオ達を迎えに行く。駅に着くと、もうみんな集合していた。
「みんなオハヨ〜!とりあえず俺と由奈さんで食事の席は確保したから、今日はゆっくり
楽しもうな!」
「すまんなぁ由奈ちゃん」「虎太郎に襲われなかった?」「ゴメンね、ホワイトデーなのに」
俺への労いの言葉は無しか。ホント予想通りだな。
「えーと、今日の役割りの確認。レストランの手配は俺。まぁ由奈さんに手伝ってもらった
けど。サンタ子とアルテアのエスコートは小暮君。金城さんのエスコートはアキオな」
アキオがすげぇ不満そう。やめろ、また由奈さんが正座するぞ。
そういえばサンタ子はどう思ってるんだろう?何かみんなでアキオとサンタ子の仲を
邪魔しているような気がしてならない。後で聞いてみるかな。
午前中はアチコチ遊び回り、昼は予約したレストランでショーを見ながらの昼食。その後
食休みを兼ねてお土産を買いにいく。
その中でサンタ子と二人になる機会があったので、ちょっと聞いてみる。
「アキオさんに対して恋愛感情が無い、って言ったら嘘になりますね。でも私のは
ちょっと特殊なんです。桜花さんの代わりに成りたいと言うか、神姫で一番大切な
存在に成れればいいと言うか。
だから別にアキオさんと人間の女性が付き合っても平気ですよ。私にとっては別世界の
事ですから。その相手が金城さんなら歓迎したいぐらいですし」
そんな風に割り切れるモンなのかねぇ。
由奈ちゃん達とはぐれてしもた。携帯も繋がらん。まぁ晩飯のレストランで合流できるか。
気が付いたらアキオと二人っきりや。でも口を利いてくれへん。
「なぁアキオ、ウチと一緒じゃツマランか?」
アキオがビックリしてウチを見る。
「いや、そんな訳じゃないんだ……正直言うとな、どうすれば良いのか解らないんだ」
「ゴメンな。ウチがアキオを困らせとるんやな」
アキオが近くのベンチに座った。
「俺はずっとオマエの事を妹みたいに思ってたんだ。それに色恋沙汰なんて真剣に
考えた事なんて無かったからな」
「ウチのこと、キライ?」恐る恐る聞いてみる。
「キライ…じゃないと思う。多分、女性の中では一番気に入っていると思う。
ゴメンな。今はこの返事だけで我慢してくれ」
「それで十分や!!」
ウチはアキオの手を掴むと、ベンチから強引に立たせた。
「ほらぁ、折角こんな所に来たんやから、もっと遊ばないと損やでぇ!」
二人で手を繋いで、スプラッシュ何とかっちゅうアトラクションに向った。
『二人で手を繋いでいるよ。成功したみたいだな』
『彩音ちゃん、オメデトウ!』
『コッソリ覗いて、僕達何だか挙動不審者なんですけど……』
その後はミア達の相手をしてあげた。ちゃんとチョコのお返しをしないとね。
サンタ子にもちゃんと楽しんでもらおう。やっぱり思う処もあるだろうし。
その後レストランでアキオ達と合流。最後の締めくくりをした。
やっとのことでアパートに帰ってきた。疲れた…そのまま布団にぶっ倒れる。
「コタロー大丈夫?」ミアが心配そうに俺の顔を覗き込む。
「今日はあんまり相手をしてやれなくてゴメンな。明日埋め合わせするから」
「そんなのいいよぉ。それに今日は楽しかったし」
「ゴメンな…」そのまま寝てしまう。
「お疲れ様!」こっそりコタローのほっぺたにキスをしちゃう。
今日はホントに楽しかったよ。アリガト、コタロー!
第十二話「サンタ子誘拐事件」
今日はアキオさんが会社に行っているので、私一人でお留守番をしています。
先週デゼニーランドで買ったクッキーをお茶請けに、熱い煎茶でノンビリとくつろぐ。
リビングのテーブルには、現像したばかりのデゼニーの写真が置いてあります。
封筒から引っ張り出し、一枚一枚見てみます。
全員で撮った写真。ミア達と撮った写真。アキオさんと二人で撮った写真。
アキオさんと金城さんのツーショット写真。
あれ以来二人は良い関係になっているようです。金城さんは毎日顔を見せますし、
アキオさんも前みたいに邪険にはしてません。
写真を破り捨てる。
ドス黒い感情が抑え切れない。もう自分で自分を抑えることが出来ない。
お願いアキオさん、私を助けて…
大学は春休みに入っているけど、来年度の履修科目登録の締め切りが迫っているので
校内は騒がしい。
「虎太郎さん、単位を取り易い授業って何がありますか?」と由奈さん。
「他にゼミを取る予定が無かったら俺みたいに異常心理学を取れば?レポートだけで
単位くれるから。まぁ俺は大学院の先輩との約束で来年度は工学ゼミに移るけどね」
「なるほどぉ。そういえば小暮君はゼミどうするの?」
「ボクは勿論、数学のゼミを取るよ。数学はいいよぉ!心理学や物理学と違って人の認識を
前提としないから普遍的で、従って最も真理に近い学問だと思うんだ!」
「ん〜よく解らん。工学系の俺には理解の彼方だ」
「コタローは小暮ちゃんと違って頭が悪いんだから、考えるだけ無駄だよぉ?」
ミアの頭を両コブシでグリグリしながら話題を変える。
「それでアキオとサンタ子の事なんだけど。何か俺達みんなでサンタ子の恋路の邪魔を
しているような気がしてならないんだ」
「そうですね。金城さんのインパクトが強すぎて気が回りませんでしたけど、ちょっと
サンタ子ちゃんが可哀想だったかも」
「つまり二人の仲を取り持つ為に「愛の伝道師・ユナ」の再登場?」
「「それは止めて」」二人でハモった。
とりあえず俺がアキオに電話して、少しサンタ子の相手もしてやるようにアドバイスを
することにした。
虎太郎に言われるまでも無く、サンタ子の事は前から気付いていた。
サンタ子は自分で自分を追い込んでしまう所があるから何とかしてやらないと。
次の日。今日は朝から一緒にショッピングに行くことにした。
サンタ子はメイドさん1号を装備して俺の後を追いてくる。
「まずは洋服を見に行くか。吉祥寺のショッピングモールに神姫用の洋服屋があったから
そこに行ってみよう」
「はい……」相変わらず元気が無い。
吉祥寺の駅で降りてそのままモールに向う。
迂闊だった。駅からずっと怪しい男達が尾行してきてたのに気が付かなかったんだ。
何ヶ所か買物に廻った後、井の頭公園に来た。前にボートに乗りたいって言ってたからな。
側に浮かんでいるサンタ子を見る。随分落ち着いてきたようだ。このまま以前のように
元気になってくれればいいが。
「あ、ちょっとトイレ行ってくる。ボート乗り場で待っててくれ」
「はい!」
用を足して戻ってくる。だが、そこにサンタ子は居なかった。
目が覚めた。目隠しをされている。しかも縛られているらしく手足が動きません。
状況が把握出来ない。確かアキオさんを待っていると急に体が痺れて…
「やっと目を覚ましたようだな。スタンガンの電流が強すぎたか?」
「いや、ブレーカーが落ちた神姫はこんなもんだ」
声の様子から、少なくとも二人の男性がいるのが解る。
「やぁお姫様、始めまして。俺達は俗に言う誘拐犯ってヤツだ。何、スグに帰してやるよ。
あの成金野郎が100万円も払ってくれたらな!」
ああ、そういうことですか…
「無駄ですよ。徳田さんがオモチャの人形にそんなお金を出すハズが無いですから」
そんなハズは無い。アキオさんには金城さんがいるんだし…
「それは成金野郎が決めることだ。さて、そろそろ交渉の時間だ」
声の低い方の男が、何処かに携帯を掛けた。
『……お前の神姫は預かっている。返して欲しければ100万円を新宿駅の………
何?100万円なんてダメだと!?』
ほらやっぱり。
『………解った。6時迄に用意しろ』携帯を切った。
「言った通りでしょ?そんな大金を出すハズが…」
「お前のマスター、バカか!?『100万じゃ安い、1,000万用意する!』だと…」
「!?」
アキオさん、何を………
部室で由奈さんと話していると、突然携帯が鳴った。
「何だアキオか。今部室にいるけど何か用か?」
『今からソッチに行く。ミアちゃんのリアウイングに仕込んでる発信器を貸してくれ!』
それだけ言って携帯を切ってしまった。
20分後。アキオが来た。
「どうしたんだよ急に…」
その言葉を無視して、持ってきたブリーフケースを開ける。中身は札束だ。
「な………何事!?」
「サンタ子が誘拐された。これはその身代金だ。中に発信器を仕込むから貸してくれ」
由奈さんが札束の一つに発信器を隠す。
「警察には知らせないのか?」
「そんな事したらサンタ子が危険だろ!身代金を吊り上げたのだって連中にサンタ子に
手を出させない為だ。利用価値があると思ったら下手な事はしないだろう」
「それじゃ金を払うつもりは無いのか?」
「バカ言え。この金はもう無くなったつもりでいる」
とにかく俺達は身代金の受け渡し場所である新宿駅まで行った。
「ここからは俺一人で行く。みんなは待機しててくれ」
アキオは一人で中央線のホームまで行く。
10分後。やはり一人で戻ってきた。
「それじゃ跡を追けるぞ。虎太郎、ナビを頼む!」
俺達はそのまま追跡を開始した。
どれぐらい時間が経っただろう。身代金を受け取りに行った男が帰ってきました。
「どうだった?」
「見ろよコレ…本物だぜ!?」
二人は札束を数え始めたようです。
「ホントに出すとは思わなかったな…おい、これ何だ!?」
「は、発信器じゃねぇか!!」
『やっと見つけたか!でももう手遅れだぜ!!』
遠くから聞き覚えのある声。虎太郎さん!?
『全く、神姫を誘拐するなんてゲスな事を考えやがって。どうしようもない連中だな』
「な、何だお前等は!何処から現れやがった!」
『後ろの扉からに決まってるじゃない、バカじゃないの?』
篠原さんも一緒みたい!
誘拐犯と虎太郎さんが言い争いをしていると、背後に人の気配を感じました。
「もう大丈夫だ。今自由にしてやるからな」
あ、アキオさん…!
目隠しを外され、周りを見回せました。どうやら閉鎖されたボーリング場のよう。
アキオさんが誘拐犯に向き直って叫びました。
「サンタ子は返してもらったぞ!」
「ああっ、テメェいつの間に!」
「その金はくれてやる。怪我をしたくなければ、今すぐ俺達の前から消えろ!」
誘拐犯はアキオさんの言葉にも動じない。
「ハッ、丁度いい。『新生エスト』の挨拶のつもりだったんだが、ここで全員血祭りに
してやる!」
「またエストかよ……新生だと?バカバカしい!山城自顕流・辰巳流・町工場棒術の
三人の達人相手にたった二人で勝てるつもりか!?」
三人はそこら辺で拾ったらしい鉄パイプを持っています。
「勝てるさ。今までのエストと思うなよ!俺達には強力な後ろ盾が出来たんだからな!」
男が腕時計のスイッチを押した。突然奥の方から大きな音がしました。
「な、何だと!?」
そこに現れたのは身長2メートル弱の金属製骸骨。ゆっくりと歩いてくる。
「驚いたか!神姫のテクノロジーを元に開発された軍用ロボ「羅刹」だ!」
「何でそんな物を持っているんだよ!」
「言っただろ、強力な後ろ盾があると!さぁ「羅刹」、連中を血祭りにしちまえ!」
羅刹が近くにいた篠原さんに襲いかかる。虎太郎さんも一緒に防戦するけど、二人とも
鉄パイプをヘシ折られて吹き飛ばされてしまう。
「そんなのは後でいい、先にあのサンタ型を破壊しちまえ!」
羅刹が傍に落ちていたボーリングの玉を拾い、私に向って投げつけた。
「サンタ子、危ない!!」
それをかばうアキオさん。玉が右腕に当たり、鈍いイヤな音がしました。
「あ………アキオさん!!!!!」
「サンタ子………無事か………」
誘拐犯が大声で笑う。
「ハハハハハっ、ホントにバカじゃねぇの?たかが神姫に大金出したりケガしたり!」
アキオさんが右腕を抑えながら叫んだ。
「ただの神姫じゃねぇ……サンタ子は、俺の一番大切な存在だ!!!」
涙が止まらない。アキオさん……アキオさん……アキオさん……!
「言ってろ!どうせお前らはもうお終いだ!」
「まだアタシ達がいるわよ!」
突然ミアとレインが羅刹の前に立ち塞がりました。
「こんなバケモノをパートナーにしてるアンタなんかに、アキオちゃんの気持ちが
解ってたまるかぁ!!」
「レイン、もの凄く頭にきました!!!」
ミアが膝をついている虎太郎さんの方を向きました。
「コタローごめん、少し無茶をするね!レインちゃん、Wバーストモード行くよ!」
「はいです!」
二人はベースラードと弧月を構えました。
「―――――――――バーストモード、いっくよぉ〜!」
「バーストモード、いくですぅ〜〜〜!」
次の瞬間、二人の体を真紅の光が包み込む。
そのまま二人は羅刹に突進した。その尋常でないスピードで翻弄する。
「いくよ、覚悟しなさい!
超必殺…… 猫 ・ 乱 ・ 踊 ・ 「ベス」 !!!」
切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る
キルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキルキル
「レインもいくです!
辰 巳 流 ・ 四 神 奥 義 《 白 虎 》 !!!」
捻って突く・捻って突く・捻って突く・捻って突く・捻って突く・
突く突く突く突く突く突く突く突く突く突く突く突く突く突く突く突く
ツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツクツク
二人の超奥義を受けて、羅刹は既に原型を留めていません。
「ミア姉ぇ、フィニッシュいくです!」
「おっけぇ、レインちゃん!」
二人が武器を頭上に掲げる。体に溜まっていた余剰エネルギーが刃先に集まる。
そして武器を交差させると、スパークしたエネルギーが火柱のように立ち昇る。
「アキオちゃんの、サンタ子ちゃんの痛み。思い知りなさい!!」
『『 絶 対 必 殺 ・ ア ビ ス ブ レ ー ド !!! 』』
二人が火柱を振り下ろす。巨大な刃となったソレは、まるで熱したナイフがバターを
焼き切るように羅刹の体を真っ二つにしました。
「ウチが卒業旅行に行ってる間にそんな事があったんか!」
「僕も後から聞いてビックリだったんだ…」
アキオさんの見舞いに来た金城さんと小暮さんは、心配そうな顔をしています。
「それで怪我は大丈夫なんか?」
「ああ、骨にヒビが入っただけだから、すぐに退院できるそうだ」
アキオさんの返事に、金城さんは安心したようです。
「とりあえず事件は解決した。誘拐犯も捕まったしな。だが……」
「アキオ、やっぱり新生エストが気になるのか?」と虎太郎さん。
「ああ。あんな軍用兵器まで用意できるなんて、もうチーマーレベルの話じゃないぞ」
「この件は例の刑事さんにも話してある。お前はまず自分の怪我を治す事だけ考えろ」
「……ああ、解った」
虎太郎さん達は帰りました。病室には私とアキオさんの二人っきり。
「ごめんなさい、私のせいで…」
アキオさんがいきなり私の鼻をつまみました。
「ら、らりをふるんれふかぁ」
「何でお前が謝るんだ。お前は悪くないだろうが」
「れ、れもぉ……」
アキオさんが鼻を放し、私を見つめました。
「いいかサンタ子。俺が見たいのはそんなんじゃない。俺はいつだってお前の笑顔を
見ていたいんだ。だからお前は俺の為に笑っていてくれ……」
アキオさんの望む事。私に望む事。私がやらなきゃいけない事。
そう、私は笑っていよう。例えどんな事があっても。
例えばアキオさんと別れる事になっても。アキオさんの記憶に悲しい顔を残さない為に。
例えば私が最後の刻を迎えても。笑顔の私を覚えていて欲しいから。
例えばアキオさんが金城さんに「浮気」をしても。それが女の甲斐性だと思うし。
私はアキオさんににっこり微笑んだ。なんだか久しぶりに笑った気がしました。
以上です。ふぅ、貼るだけで疲れた・・・
続きは時間を見て書こうと思ってます。書かないかもだけど。
じゃ寝ます。お休みなさい〜〜〜\(^_^*)
急激に伸びているから荒れてんのかと思ったらSS投下だったのか。乙。
SSってレベルじゃねーぞ!
>>439 乙なんだぜ、今からゆっくり読ませてもらう
一気に出さない方がいいと思う。でも乙。
>>439 長すぎだ!!!
でも面白かった! 乙。
どもです。
やっぱ一気に投下するのは不味かったですねぇ〜
読む方も大変だと思うし。
でも全部読んで下さった方々、ありがとうです(つд゜)
ひょっとしたら続きを書くかもなので
(伏線とかいっぱいあるし)
その時はもう少し考えてアップするようにします!
>>443 その一言、すっげぇ嬉しいです。アリガトです!
読んでて神姫を連れてツーリングに行きたくなったオレ隼海苔
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どこに乗せっかなぁ。
>>445 お出かけ派の俺が来ました
画像掲示板を参照してみよう
参考になるかも。。。 過去ログ参照も忘れずに。
・・・首ポロリだけは十分にご注意を。
スペーサーポロリなんて日には地獄だな。
日焼けにも気をつけるんだぜ
ココ、意外とバイク乗りがいるのね。
バイクの話を出したのはコタローと由奈の共通の話題作りの為だけど、
書いてるとなんか楽しくなっちゃって。バイク話、単発で作れそう。
>>445 ご、ゴツいのに乗ってますなぁ〜!乗せる場所、余計困りそうね。
私もレインを乗せる場所は悩みました。
胸ポケットかウエストポーチかドリンクホルダーか。
>>446 ほむ、私も参考にさせてもらいます。
またバイク話やると思うし。
な〜んて偉そうに言っている私、
実はバリオスII (250cc)なのさっ(゜д゜)
ちなみに、実際の運搬時はリアボックスに外出用のハコを
撮影機材もろとも、そのまま放っぽり込んでおります。
お出かけネタ、犬子編。
----------------------
今日はマスターのお仕事に、猫子と一緒に同伴です。
・・・とはいっても、仕事時間はバイクのリアボックスで待機なのですが。
昼過ぎ。 予定の時刻をオーバーしてマスターが戻ってきました。どうやら
仕事が押してしまい、半日勤務の筈が1時間ほど延長してしまったようです。
ボックスの蓋が開き、外の光が差し込みます。。。
「おまたせ。 ごめんね、寒かったっしょ。」
マスターはそう言いながら私たちを胸ポケットへ移してくれました。
ここは私と猫子の指定席。 ここに私たちがおさまる時、それはマスターと
お出かけをする時。。。
今日はどこへ行くのですか? マスターに尋ねました。
「温泉。 腰痛と肩こりと、膝の痛みがひどくてね。」
そう言いながら、膝をさするマスター。 かつてバイクで怪我をしたとかで、
寒くなると決まって膝が疼くんだとか・・・。
「でもでも、今日はおでかけバイクじゃないよ?」
猫子が声をかけます。 そうなのです、今日はいつぞや有明や新宿へ行った
時に乗った、お出かけ用の大きい黒いのではなく通勤用の白い単車なのです。
「いや・・・ホントはちょろっと買い物して飯くうだけのつもりだったんだ
けれど、ともかく腰と膝がひどくてね。」
ヘルメットをかぶり、マスターはエンジンをかけます。
最近ではほとんど聞くことの無くなった、乾いた軽快なエンジン音。 今や
絶滅寸前と言われている、2ストローク車がマスターの通勤用単車なのです。
かつて孤高の400と言われたお出かけ用単車といい、マスターの嗜好はいま
ひとつ理解に苦しむ所があります・・・。
原付二種とはいえ、さすが2スト車。クルマの流れをリードし、景色がどん
どんと後へと流れていきます。 隣の猫子は、あのクルマを追い越せだの、
交差点を攻めろだのと叫ぶので五月蠅くてちょっとゲンナリ。
「・・・犬子、寒くないか?」
信号待ちで、マスターが声をかけてくれました。私は首を横に振ります。
マスターのポケットに入ってさえいれば、外がどんなに寒くても暖かいん
ですもの。。。
やがて大きな国道から県道へ移り、旧市街を進みます。
沿道ではちょっとした催しが開かれており、人でいっぱい。 道路も渋滞
気味で、マスターの単車にはちょっと苦手なシチュエーション。
「へぇ・・・神姫の子守歌か・・・。」
歩道に目をやったマスターがぼそり呟きました。そこには鳴き声をあげる
子供、あやすお父さんとツガルタイプ。
いずれ私たちも、そんな存在になることができるでしょうか・・・?
旧市街を抜け、気づけば山道峠道。 急にマスターが喋らなくなりました。
目が真剣・・・。 どうもこういう道では、相変わらず、どんなクルマに
乗っていても火がつく性分のようです・・・。
マスター! アクセル開けすぎです!! ・・・と叫んではみるのですが、
全くもって聞こえていないようです。 猫子は猫子で、運転技術を学ぶと
いって、これまた黙ってマスターの動きを見ています・・・
あぁもう、どうしてこうなんですか、この人たちはっ!!
・・・それから約15分後。 視界がぱっと開け、川沿いの道を山へ向かい
進み、目的の温泉へ到着。 わたわたと単車を止め、私たちをポケットに
入れたまま温泉施設へと向かいました。
温泉は初めての私たち。 何も言われなかったとの理由で、マスターは私
たちを桶に入れて堂々と洗い場へ。 ・・・見回せば・・・ あら、同業
者が数名いらっしゃいましたね・・・。 あそこではシャンプーハットを
かぶった白子がいます・・・。
「・・・? なんだ犬子、お前も使うか?」
マスターが聞いてきました。ふと見れば、猫子もシャンプーハットを装着
してマスターに頭を洗ってもらっています。
「べ、別に・・・自分で洗えますから・・・」
とは言ったものの、ちょっと羨ましい・・・なんて思っていたら。
「じゃ、身体洗ってやるよ。」
と言うなり、マスターは私を抱き上げ、泡だらけのタオルでやさしく身体
を洗い始めたではないですか! どんどん泡だらけになる私のカラダ・・・
・・・マスターに全く下心が無いのは十分承知です。
なのに、何でしょう、この気持ちの高ぶりは・・・。
・・・コォン!!
そのドキドキをうち破るかのように、私の頭に神姫サイズケロリン桶がっ!
「こら猫子! 走るなと言っただろう!」
洗い場の鏡の前を走っていた猫子、泡に足をとられて見事に転倒・・・。
結局、私とマスターのドキドキ時間はごくわずかで終わってしまいました。
・・・猫子、あとで覚えておきなさい・・・!!
さすがに私たちを人間の湯船に入れるのは・・・との事で、残念ですが
私たちはマスター持参の桶に湯を入れてもらい、そこで温泉入浴です。
もっとも、私たちにとって温泉に浸かる事は全く意味がありません。
が、その雰囲気だけでも何だかデータがデフラグされるようで・・・。
それに、横で湯に浮かぶマスターのお顔を見るだけで、私も大変に落ち
着きます。 ・・・猫子は、マスターと同様に湯に浮かんでいるのです
が、浮かび方がまるで水死体のようでいただけません。
・・・ってマスター!! マスターもそんなはしたない浮かび方をする
のはやめて下さい!!!
お風呂の後は、休息タイム。
マスターが言うところでは、十分な水分と適度な塩分、そして消費した
カロリーの補充をするのが、温泉の後は大切なんだとか。
マスターはスポーツ飲料とお茶、それから何故かフライドポテトを買い、
休憩室でテレビを見ながらまったりごろ寝。
「にゃーん、食べるのー!」
ねだる猫子をつまみ上げ、珍しくマスターがフライドポテトを先にガツ
ガツ食べています・・・あぁ、なるほど。これで塩分の補給をしている
のですね!!
「食べる?」
・・・マスター、嬉しいのですが・・・せっかく入浴してさっぱりした
私の身体を、その塩と油まみれの手でさわらないで下さい。。。
30分近く休んだのでしょうか。 ・・・あれ、マスターは上着をかぶり
うたた寝しています・・・その袖口では猫子も・・・。
あまり遅くなると寒くなってしまいます。私は心を鬼にして、ふたりを
猫子のファンビーを使いひっぱたいて起こしました。
「あれ? 今誰かに蹴っ飛ばされたような・・・って、ああっ?!」
マスターがびっくりして飛び起きました。 何が起きたんですか?
「・・・猫子が目を回している・・・何があったんだ?」
またやってしまいました・・・マスターをひっぱたく感覚のまま猫子も
叩いてしまったのです。 正直に申告しようかと思いましたが、この後
でアイスが食べられなくなると寂しいので、申し訳ないとは思いながら
も黙っていることにしました。
猫子、ごめんね・・・ でも、さっきの仕返しでもあるんですよ・・・。
何とか猫子が目を覚まし、マスターは雪見だいふくを買ってきました。
みんなで美味しく食べた後、温泉施設をあとにしました。
その後、ちょろりと足を伸ばして近場のダムを散策。
「おー! これがダムにゃのかっ!!」
「・・・規模としては小さいけれどね。」
あんまり走ると、転んで落っこちますよ!
マスターの手から飛び降りてはしゃぐ猫子に声をかけます。 マスター、
すなわちヒトにとっては大したことのない段差でも、私たちでは大きな
穴ともなります。 どうも、猫子はそのあたりの理解が足りなくて困り
ます。。。
「天気悪いけれど、一枚撮っておく?」
マスターに言われ、私と猫子をダムの湖面側へ移してもらいそこで思い
思いのポーズを決めて写真を撮ってもらいました。 洗い場での一件が
あったので、ちょっと誘ってみるような格好をしたのですが・・・。
朴念仁のマスターは、気づいてくれないんでしょうね、きっと。。。
そんなことをしていたら、背後で水音。
「にゃー!! 今お魚はねたのー!!」
猫子が叫び、駆け出します。 しかしここはダムの上、やもすれば湖水
に直行・・・!
こら、落ちたら風邪ひくぞっ!! 必死で引き留める私。 マスター
もすぐに気づいて、私と猫子をさっとつまみ上げました。
「あのなぁ・・・ここで落ちたら風邪どころか救出不能になりますが。」
その一言に、さすがの猫子もちょっと反省したようです。。。
ところで、今日の単車は先述の通り白い変なヤツなのですが、黒いのと
違いどこに座るか迷う形状です。その旨をマスターに尋ねてみたところ、
やはりどうするか考えているとのこと。 とりあえず、座れそうな所は
ミラー横の追加部品がある所でしょうか・・・って猫子、どこに座って
いるのですかあなたは。
「うにゃ?」
猫子、ミラーにしがみつくだけでは風圧で吹っ飛ばされますよ?
「ふうあつ・・・ じゃぁ、ふうあつをやっつけるのー!」
「・・・。」
さすがのマスターもコメントが出ません・・・。
猫子の脳天気さが時折羨ましくなります。。。
「そろそろ帰るおー」
日もすっかり傾き、街灯の明かりが鮮やかになってきました。吹く風も
冷たさが増しています。 マスターがポケットを開けて待っています。
私と猫子は、急ぎその中へ。 ・・・あ・・・暖かい・・・?
「ふふふ、携帯懐炉の威力なのであーる!」
そんなモノまで用意していたのですか、この人は・・・!
「にゃふー、あったかいのだー!」
猫子、そんなにもぞもぞ動かないで!
このぬくもりを、もっと、ずっと、静かに感じたいんだから。。。
再びヘルメットを被り、単車に跨るマスター。
安全運転でお願いしますよ! もう道は暗いんですから、さっきみたい
にアクセルを開けな・・・
「わかってるって。お前たちもろとも吹っ飛ぶわけにはいかないからね。
いつも気にしてくれてありがとう。」
一度はめたグローブを外し、私の頭を撫でるマスター。
「さ、行くぞ。」
エンジンに火が入り、静かな山中に乾いたエンジン音が響きます。
「にゃにゃ? どこか故障したのか?」
いいえ、ちょっと疲れただけですから・・・。 いつの間にか顔が赤く
なっていたのでしょうか。 猫子が心配そうに見ています。
私はポケットから顔を出し、楽しそうに単車を走らせるマスターを見上
げました。
始めは五月蠅くて、なんともクサイ単車だと思っていましたが、今では
その音とニオイが何となく心地よく感じていたり・・・。だって、大好
きなマスターのニオイなんですもの・・・。
「おう犬子、落っこちるなよ。」
なんと、走りながらも私が顔を出したことに気づいているようです。
「顔出しているなら、ちょっとペース落とすかな。 寒いだろ。」
いいえ、大丈夫ですよ。 心の底から暖かいんです。
「はは、よく言うよ。 ・・・そろそろ桜の季節だな。 開花の便りに
併せて、こんどは伊東の温泉でもいこうかねぇ。・・・2人でね。」
そんな事真顔で言わないで下さい!
もう、マスターってばっ!!
・・・またおでかけ、連れてってくださいね!!
・・・つーことでバイクネタとはやや離れますが、
>>450で触れた写真絡み
のお話を一本上げてみました。 書いてたらどんどん膨らんで・・・
結果、長文になったことお詫び申し上げます。。。 m_O_m
なんというSS…
読んだだけで悶えてしまった
今宵は間違いなく良い夢を見れる
現在書いてる風呂ネタが被ってしまった…
さて、書き直しますか
俺は砲子を使い手なんだが相手が残念な事に白子を使ってきたので「お前それで良いのか?」と言うと「何いきなり話かけて来てるわけ?」と言われた。
俺の弟が白子の熟練者なのだがおれはいつも勝つから相手が気の毒になったので聞いただけなんだがむかついたので「お前1.2mm滑腔砲でボコるわ・・」と
言って開始直後に力を溜めてスタンドで体を固定したら多分リアルでビビったんだろうな、、ガード固めてたからキャンセルしてカカッっとダッシュしながらM16A1アサルトライフル撃ったらかなり青ざめてた
おれは一気に空中にとんだんだけど白子が硬直してておれの動きを見失ったのか動いてなかったからタックルでガードを崩した上についげきのアルファ・ピストルでさらにダメージは加速した。
わざと距離をとり「俺はこのままタイムアップでもいいんだが?」というとようやく必死な顔してなんかLC3レーザーライフルのはしっこからビーム出してきた。
おれはバックパックをパージし緊急回避、これは一歩間違えるとカウンターで大ダメージを受ける隠し技なので後ろのマスター達が拍手し出した。
俺は「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」というとマスター達は黙った
白子は必死にやってくるが、時既に時間切れ、バックパックを排除し機動力ばつ牛んの砲子にスキはなかった
たまに来る回避では防げない攻撃も防御で撃退、終わる頃にはズタズタにされた金髪の雑魚がいた。
「いつでも滑腔砲でトドメは刺せた、あの時ビームだそうとしたときにも実はズタズタに出来た、」とかいった
そしたら「いや今のハメでしょ?俺のシマじゃ今のノーカンだから」とかいったので俺がヒト睨みするとまた俺から視線を外した、2戦目は砲子の滑腔砲を先読みしてたみたいでいきなりバックステッポで回避された
「ほう、経験が生きたな」と少し誉めると神姫サイズのジュースをおごってくれると言う約束をしたので空中でM16A1アサルトライフルを当てて一気にかけよりM16A1アサルトライフルとアルファ・ピストルの二択を迫り
5回くらいアルファ・ピストル撃ったら死を感じたのかガードしようとしたので近づいて格闘戦をお見舞いしてやった、絶望でダウンしているところにギロチンのアルファ・ピストルがダブルで入れた。
「今のがリアルでなくて良かったな、リアルだったらお前の神姫はもう死んでるぞ」というと想像して圧倒されたのか動きが鈍くなったのでコンソールパネルで動きをコントロールしさらに時間までコントロールしていることにも気付かせずにタイムアップさせた。
そしたら「まただよ(笑)」とか負けたくせに言いワケ言ってたから「限られたルールの中で勝利条件を満たしただけ」といったら顔真っ赤にして3戦目はけっこう攻撃的だったけど挑発に軽々と乗ってくる馬鹿には確実な死が待っていた。
すまんが改行を上手く入れてくれ
読みづらいっす
どちらかと言うと原作を忠実に再現したまでなのは確定的に明らか
さすがブロントさんだぜ!
解る人にしか解らんねw
タルナタル竜75の私は解ったwwwwww
ふっ、メリポ槍8STR5だぜぇぇぇ〜wwwwww
エロパロ板でのブロントさんの信頼度は違いすぎた
こんな時間に何してる、俺^^;
明日も仕事だっていうのに・・・
たった今SS完成したんでうpします。
しかし…我ながらヒドい話だな。
ゴメンねナンバー2、こんな目に遭わせちゃって(つд゜)
番外編1・アキオの休日
《AM7:00》
気持ちよく目が覚めた。パジャマのまま小屋の外に出て深呼吸。
もうすぐ4月だというのに肌寒い。だが小屋の周りに植えられた桜はもう咲いている。
みんなも連れてくれば花見が出来たな、と少し後悔する。
ここは某県某所にあるウチの別荘。森の中に隠れるように建っているので、近隣20qに
人の気配は無い。今日は一人きりの休日。俺だって偶には孤独を楽しみたい。
火で炙った食パンとティーバッグの紅茶で朝食。やっぱアウトドアの朝メシはコレだよな。
食い終わってから服に着替える。さて、迎えが来る明日の朝まで何をしよう。
まずは川釣りでもやってみるかな。うん。小学校の時以来だ。
《AM8:15》
近くの川で釣糸を垂れる。ホントは会社の事なんて考えたくないのに、なんとなく
仕事の事が頭に浮かんできてしまう。今年度から新プロジェクトとして神姫業界に進出
することになっているが、どうも目玉商品と呼べる物が見つからない。独自色が無いと
海外進出は成功しないからな……
そんな俺の苛立ちを感知したのか、魚も全く寄り付かない。こんなに大きなバケツを
用意したんだがな。
突然、銃声らしき音と共ににバケツが弾けた。そ……狙撃!?
とっさに近くの茂みに飛び込む。状況を把握している時間は無い。とにかく携帯で助けを
求めようとする。
今度は携帯が撃ち抜かれた。いったい何処から狙っているんだ!?
目の前にいた。ほんの3m先。まるでミリタリーフィギュアのような格好の神姫が一体。
ソイツが俺にライフルを向けた。ミニサイズだがこの威力、当たれば致命傷だろう。
俺の背後から銃声が聞こえた。そして目の前の神姫が崩折れる。
銃声の方を振り返る。そこには崩折れたヤツと同じ格好をした神姫がいた。
「敵はまだ4体います。とにかくココから離れましょう!」
《AM10:20》
この不思議な神姫を懐に入れ、俺は近くの町を目指して走り出した。
「私達はあなたのライバル会社で開発された試作機『クルセイド型』です。
私はその2号機で名前を『ナンバー2』と言います」
「ストレートな名前だな……その試作機達が何で俺の命を狙うんだ?」
「……事の発端は、一人の研究員の暴走なんです。
彼は極秘裏に『神姫にカモフラージュした殺人工作員の開発』をしていたんです。
神姫というオモチャの皮を被った殺人兵器。そう、私達は神姫ではありません。
普段はリミッターで性能を隠し、分解精密検査をしないと判らないボディを持つ。
これがどんなに恐ろしい事か理解出来ますか?」
背筋が寒くなった。
「オモチャとして潜り込み、殺人兵器として暴れまわる……これ以上のテロリストは
居ないな」
「……私達はそうして生み出されました。
でも貴方の会社が大々的に神姫事業に参入することになり、その対抗策の一つとして
社内で神姫開発の見直しがされたんです。その中でこの違法開発が判明してしまい、
その研究員は会社をクビになりました」
「なるほど。自分がクビになったのを俺のせいと思い、クルセイドとやらに俺を
始末させようと考えたのか。勘違いもはなはだしいな。
だが……それなら何故君は俺の味方をするんだ?」
ナンバー2は悲しそうに答えた。
「兵器として開発されたといっても、私達は普通の神姫と変らない心を持っていたんです。
でも貴方を仕留める為にみんな頭脳回路を無理やり改造されて……その改造を逃れたのは
私だけだったんです」
ハッとなる。
「神姫と変らない心……それじゃさっき破壊したクルセイドは!」
「ナンバー4……改造される前は大人しい、私の可愛い妹でした」
「!?」
何てことだ……コイツは俺を助ける為に自分の妹を……
「気にしないでください。彼女達は改造された時点で死んだんです。今の私に出来るのは
彼女達を破壊することによって暴走を食い止めてあげる事だけです」
《AM11:45》
もう町まで四分の一ぐらいの所まで来ただろうか。しかしさすがにバテてしまう。
ケモノ道を隠れるようにしながら走っているからな。
「徳田さん、少し休みましょう。作戦を立てる時間も欲しいですし」
ナンバー2が休息を促す。
岩場に腰掛け、ナンバー2と話をする。
「一つ疑問なんだが……なんで連中は全員で襲ってこなかったんだ?5対2じゃ
俺達に勝ち目は無かったと思うんだが」
寂しそうに答える。
「彼女達は改造の影響で精神に異常を来しているんです。まるで獲物を取り合う獣の様に。
ですから戦略とか共同作戦とか不可能なんです」
辛いだろうな。こんな事になってしまって……
「このまま逃げ回っていれば同時に襲われることも……避けて!!!!」
咄嗟に身を翻す。今まで座っていた場所に巨大な岩が投げられた。
「このパワー……ナンバー3ね!!」
ナンバー2の視線の先を見る。
悪魔型ストラーフの武装(に似せた兵器だろうな)に身を包んだ神姫が1体。
「ナンバー2、加勢するぞ!」俺はブーツからサバイバルナイフを抜いた。
「いえ、手を出さないで下さい。1対1なら…私が仕留めます!」
ライフルを捨ててナイフと拳銃を構えた。
拳銃で牽制しながら走り回るナンバー2。それを短機関銃で応戦するナンバー3。
武器的には劣っているナンバー2だが、その驚くべき機動力で相手を翻弄する。
そして隙を突いて懐に飛び込み、ナンバー3にナイフを突き立てた。
そのまま二人で倒れ込む。ナンバー2は……泣いていた。
「せめて墓を作ってやるか」
「そんな余裕はありません!このままにして行きましょう」
「それなら…全ての決着がついたら全員回収して、後で一緒に埋葬してやろう」
「……………………はい」
《PM1:05》
小高い丘に出た。一面雑草が広がり、所々にタンポポが生えている。
そして中央にはハウリンとマオチャオの2体の神姫。いや神姫モドキか。
「おい、共闘は出来ないんじゃなかったのか?」
「あれはナンバー5とナンバー6……双子で仲が良かったんです。恐らくその時の記憶が
微かに残っているんでしょう……」
2体が武器を構えた。ナンバー2も拳銃とナイフを構える。
「今度は俺もやるぞ」
その言葉を無視して一人で飛び出すナンバー2。
「お、おい!」
「ごめんなさい……やっぱり私に任せてください!」
もつれ合う3体。一見不利のように思えたが、ナンバー2のスピードが群を抜いて速い。
まずはハウリンをナイフで仕留めてから、マオチャオを銃のゼロ距離射撃で沈める。
「ナンバー2、強いな……」
「……私達は実験データを取る為に、意図的に性能差をつけられているんです。
ナンバーの若い方が基本スペックが高いのです」
「なるほど、5番や6番じゃ相手にならないのか………ちょっと待て、それじゃあ!」
「はい、残ったナンバー1は……姉さんは……私より強いです」
《PM3:45》
町までもうすぐ。残った敵はナンバー1だけなので逃げ回る必要は無いのだが、
戦わないで済むのならそれに越したことはない。やっぱり走る。
「でも、やっぱり姉さんとは戦う事になると思います。多分こちらの位置を
把握していると思いますから」
「こんな森の中でか?買いかぶりすぎじゃないのか?」
「忘れないで下さい。彼女は何の制限もされていない最強のクルセイドなんです。
私達2号機から6号機は、彼女を完成させる為の実験材料だったんです。
でも……それでも私達は……みんなナンバー1が大好きでした………」
《PM4:10》
森から出た。民家の屋根が遠くに見える。だがその目前に。
巨大な盾と剣を装備した騎士型の神姫が1体、俺達を待ち構えていた。
ナンバー1か。
「徳田さん、私が戦っている間に行って下さい!町はすぐそこです」
「オマエ……相打ちする気だろ。そんなのダメだ!オマエは生き残れ!!」
「ですが……」
「ですが、じゃない!俺も残る。勝って一緒に町まで行くんだ!」
「………………はい」
向き合う二人。ナンバー2が攻め難そうにしているのが解る。
先に動いたのはナンバー1だった。一瞬で間合いを詰め、シールドで体当たりをする。
吹き飛ぶナンバー2。体勢を崩しながらも銃で反撃するが、シールドに阻まれる。
ダメだ。あのシールドを何とかしない限りナンバー2に勝ち目は無い。
「姉さん……やっぱり強い……でも!」
銃を捨て、両手でナイフを構えるナンバー2。捨て身か!?
「止めろナンバー2!!」
ナンバー2は微笑んで、そのまま突進した。
シールドを構えるナンバー1。防御した瞬間に剣で反撃するつもりだろう。
俺はブーツからサバイバルナイフを抜くと、ナンバー1目掛けて投げつけた。
俺のナイフをシールドで防御するナンバー1。将にその瞬間、ナンバー2のナイフが
彼女に突き立てられた。
「恨んでくれていいぞ、ナンバー2。オマエの姉さんを卑怯な手で殺したのは俺だ」
彼女は何も答えなかった。
《PM5:20》
町に着いた俺達はオフロードバイクを入手し、森のケモノ道を逆走した。
無論ナンバー2の姉妹の亡骸を回収する為だ。
「なぁナンバー2、こんな酷い事をした研究員ってのは誰なんだ?」
「それは言えません、企業秘密に抵触してしまいますので」
「……俺なら敵討ちを出来るんだぞ?」
「いえ、いいんです……もういいんです……」
《PM8:50》
亡骸を全て回収し、俺達は別荘の小屋まで戻ってきた。
「姉妹の墓、ホントにこんな所でいいのか?」
「ええ。だって桜が綺麗じゃないですか。きっとみんな喜びますよ」
俺達は小屋の裏手にある空き地に墓穴を掘った。
町で買ったプラスチックの容器を棺桶の代わりにして、彼女達を埋葬する。
「徳田さん。最後に一つだけお願いがあります」
「どうしたんだ?急に改まって……」
ナンバー2が、自分の頭に拳銃の銃口を向けた。
「な、何をしてるんだ!!?」
彼女は微笑みながら言った。
「私のメモリーには某社の神姫事業に関する企業秘密が詰まっています。
貴方は悪い人ではないですが、情報が漏洩する可能性を残しておく訳にはいきません。
さようなら徳田さん。私の亡骸も一緒に葬って下さい。それが最後のお願いです」
「止めろ……オマエは姉妹達を2度も殺すつもりなのか!?」
引き金の指が止まる。
「彼女達の本当の姿を覚えているのはオマエだけだろうが!
オマエまで死んだら彼女達が生きた証が無くなってしまうんだぞ!
彼女達の存在をこの世から完全に消し去ってしまうつもりか!!」
「うわぁ…………うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
ナンバー2が絶叫した。号泣……血の涙を流している。
俺は彼女の側に座って、その体を抱きかかえた。
落ち着くまで頭を撫でてやる。
「安心しろナンバー2。徳田グループは神姫事業には参入しないことにした。それなら
企業情報うんぬんなんて関係ないだろ」
ナンバー2がビックリして俺の顔を見る。
「そ、そんな……何をバカみたいな事を……貴方にも企業責任というものが……」
その言葉を無視して、周りに咲いている桜の木を見る。
「見てみろよ、この桜の花を。こんなに綺麗な場所に居るんだぜ?ヤボな事は言うなよ。
………桜……桜の花……そうだ、オマエの名前は今から『桜花』だ!
ナンバー2は今ココで死んだんだ。姉妹達の事を忘れろとは言わない。でもこれからは
新しい人生を歩んで行くんだ。殺人兵器なんかじゃなく!
桜花、俺の神姫になれ!」
「ちょ、ちょっと待って下さい!そんな急に……」
「いや待たない。俺は自分の気に入ったものは絶対手に入れる!」
「そんな子供みたいな事を……」
「何とでも言え。それともオマエは俺と一緒はイヤか?」
「……………もう、強引なマスターですね……………!」
おしまい。
やっぱヒドいな…この次はもっと楽しい話を書こう・・・
今年の春はせっかちな様で、もう桜の開花情報が聞こえてくる程だ。
だからという訳でもないが、ながらく冬眠していたバイクを叩き起こすことにした。
というかネットで「神姫をバイクにいかにして乗せるか?」という話題をしてた
ところをウチの神姫達に見つかり、乗せろ乗せろと騒ぎ出した。
しかしながら長年苦楽を共にした我が相棒は冬眠中。
まずは走れる様にしないと話にならないのだ。
それに先立って昨日、うちの神姫達に工具なんかの準備を手伝って貰った訳なのだが…
「まさか猫子がグラインダーに手を出すとは思いませんでした。
一瞬目を離した隙に………………………………………不覚です」
お前も一緒に怒られたしな。
皆で準備をしている最中でのこと、何を思ったか猫子が稼動中のグラインダーに
手を出したのである。
副椀装備で重機役をしていた黒子が発見したのだが、危ないところであった。
あやつはグラインダーの下に堆積していた粉が何の慣れの果てか
理解していなかったのだろう。明らかに金属の輝きも混じっていたというのに。
その時の騒動で犬子は監督責任を問われ、ウチの規律の番人である武士子に
猫子ともども指導を食らうハメとなった。容赦なしの連座制適用である。
もちろん、グラインダーの電源を入れっぱなしで席を外したオレもしこたま怒られた。
「でも、あの時お前は猫子をあまり責めなかったな。」
傍目にも、かなりこたえた様に見えたが。
「あの子は不注意の分は武士子さんがしっかり叱ってくれましたから…
それに、あの子はああいう子ですから姉妹である私が責任を持つのは当然、
目を離したのも事実ですから私が武士子さんに怒られるのも当然なんです。」
それにしてもなんであの時…とぶつぶつ言っている。どうも第一発見者を黒子に
取られたのがショックのようだ。姉妹思いというかなんというか。
「さあ、ぐずぐずしてないでさっさと作業を進めてしまいましょう。
早くしないと日が暮れてしまいます!」
気持ちが沈めば沈むほど前向きになるのがウチの犬子の特徴だ。稀有な性質である。
その代わり「猪突猛進、思い込んだらどこまでも」のケもでてくるのだが。
急かす犬子をなだめながら2人で駐輪場に向かう。
他の神姫達は工具やケミカル剤、洗車道具のチェックで倉庫だ。
やがて駐輪場の一番はしっこでカバーにくるまって
惰眠を貪る我が相棒の姿が見えてきた。
ちなみにこの駐輪場は屋根付き、うーんちょっと贅沢。
さっそくバイクカバーを剥ぎ取り外観チェック。
黒を基調とした車体、昆虫のお尻を連想させるテールカウルからグラマラスな
ラインのタンクを経てカーボン調のメーターパネル、同クラス他車と比べても
格段に低いスクリーン、空気抵抗低減に特化した流線型のフロントカウルに
ざっと視線を走らせる。
「うむ、ホイール周辺の汚れは仕方がないが、目だった汚れはないな、
これなら外装はざっと流すだけでいいか。」
比較的状態は良好、あとは中身がどうなってるかだが…
「へーやっぱり大きいですねえ、ホントにこんなのの整備のお手伝いなんて
できるのかなあ」
白いリアスタンドでリフトアップされた車体は実際よりも大きく見える。
ましてや身長15cm程度の神姫視点では50ccスクーターでも超大型車だろう。
「ん〜、コイツは全長は一昔まえの400ccクラスとそう変わらんし、
高さはかえって低いくらい。そして乗り出せばでかいとは欠片も思わんがなあ。」
以前、ツーリング仲間と高さ比べをしてビックリした。道理で風がキツイ筈だ。
もう慣れたが。
「なんか他のバイクといろいろ違いますね。
ミラーは青いし、お腹の下のパイプには布とか巻いてあるし。」
意外によく見ている。さすがは情報機器の申し子といったところか。
「まあ、こいつと付き合い長い分コケまくったからな。
ボロボロになった部品交換したり、
弱いトコの対策してたら気がついたらこんな姿になっちまった。」
実は外装一式全部入れ替わってるのは恥ずかしいから秘密だ。
無駄話をしつつリアシート(コブの方は倉庫でホコリをかぶっている)を外して
小物入れからタンク引っ掛け用のフックと車載工具を取り出す。
さていい加減、寝ぼすけを叩き起こすとしましょうか。
キーをシリンダーに差込み、OFFからON位置へ。同時にメーターに火が入り、
針が指示範囲一杯まで振り切り、また戻る。
メーターチェックを兼ねたオープニングセレモニーだ。
犬子がキラキラした目でそれを眺めている。
いや、お前の方が複雑で高性能なんじゃないのか?
燃料ポンプの駆動音とHIDユニットに充電する時の小さな高周波音が聞こえる。
さて、ここでぐずるなら充電器引っ張り出してこなきゃなきゃなあ。
「そら、春が来たぞ。起きやがれ」
チョークを引きつつイグニッション。セルモーターが起動し、クランキング。
頑張れプラグ達、電圧は低いだろうしオイルも固いだろうがそこをなんとか!
「キャッ」
次の瞬間、乾いた重低音が周囲に響き渡り相棒が目覚めの咆哮を上げる。
今年の寝起きはまずまずだ。
感慨にふける間もなく音と振動に驚いてトップブリッジ
(ハンドルとハンドルの中央スペースのことであり、要はメーター真正面に
陣取っていた)から転がり落ちそうになった犬子を空中でキャッチ。
「すいませんマスタ〜」
何かに夢中になると周りが見えなくなるのは猫子と変わらない。
しっかりしている様でやっぱり姉妹だ。
「でも、これで一緒にツーリングにいけますね。マスター」
「しかしな、お前。こいつは油断してフル加速するとヘルメット剥ぎ取られそうに
なるくらいのじゃじゃ馬だぞ?」
「えー普段は素直だっていつも自慢してたじゃないですか〜
ETCもつけたから市街地脱出も楽になったって言ってたじゃないですか〜
しかもその勢いで伊勢神宮まで初詣行っちゃったじゃないですか〜、しかも
私達に黙って一人で〜」
「土産に天照大御神特製神宮印の神杯買ってきてやったろ?それにアレはETCの
動作テストのついでだ。お前たちの分もちゃんとお参りしてきたし。」
そんなんじゃ騙されま〜せ〜ん〜などとごねる犬子をあやしながらも渋る俺。
実際乗れば分かるだろうが、いくら相棒が素直に言う事を聞いてくれると行っても
その馬力が圧倒的な分、破錠したときのツケはでかい。
信号発進でハイサイドかました経験なめんな。なんで右に曲がる筈が
左側空中一回転しなければならんのだ。
その時の目撃者のセリフは「いや〜アレは凄かった」だ。
記憶は飛ぶわヘルメットは割れるわで、あの時相棒の流すオイルはまるで血の
様で−当時ワインみたいに赤いオイル入れてたのだ−いかんやめよう鎖骨が痛む。
あと、コイツのリアシート乗るのは全力で拒む。それはオーナーだからこそ分る恐怖。
しかし、本気で神姫達を連れて行くなら真面目に搭載方法考えなければならない。
風の当たる場所は論外だ、転落なんかしたらシャレにならん。
神姫ナビは確かに捨てがたいものはあるが…
「しかもマスター夏は北海道いったって話じゃないですかー、
私もイクラ食べたいウニ食べたいメロン食べたいー」
じーんぎーすーかーんとなおも吠える犬子。
食欲も実は猫子と変わらないんだなお前、やっぱり姉妹だ。
あとトド缶も食ったがアレは臭かった。
ここはとっとと作業を進めよう。この話題を他の連中に聞かれてはならない。
ブーイングが何倍になるかわかったもんじゃない。乗数で補正かかりそうな気がする。
とりあえずエンジンはかけたままでチョーク全開、回転数は2000回転後半をキープ
させて充電を期待する。
その間にシートとタンク前方のボルト2箇所を外す。コイツのタンクはクルマの
ボンネットのように持ち上がるのだ。
今回のメニューはエアクリーナーとスロットルボディの洗浄、あとスロットルの
ゼロ点調整もやろーかなぁ、ここ何年もやってないし。あとプラグも見なk
「マスター!漏れてる、漏れてる!!」
やばい!!背筋が凍る。
瞬間周囲にたちこめるガソリン臭。ガソリンはタンクを出てすぐの
燃料ホースから景気良く噴出し−裂けてやがる−エンジン本体、エキゾースト
パイプを濡らしてあっという間に地面に水溜りを作った。
今、エキゾーストパイプ−排気管のことだ。まとめてマフラーともいう−はかなりの
熱を持っている。このままじゃ発火−
「なにしてるんですかマスター!!」
途端、エンジンが沈黙した。見れば犬子が左のバンドルに備えられたスイッチボックス
の赤いスイッチを押していた。
−キルスイッチだ。このスイッチで点火系をカットできる。
しばらく様子を観察したが、発火の様子はない。
どうやら火災という最悪の事態は免れたようだ。
いったん火がついたら最後、殆どアルミと樹脂で構成されている今時のバイクは
タンクぐらいしか残らない。
「助かったよ犬子。しかしよくキルスイッチなんて知ってたな。」
説明した覚えはない。事前に予習でもしてたのだろうか?
しかし犬子は
「いえ、この子が教えてくれたんです。このスイッチを押せって…」
などとのたまった。
この後に及んで冗談とはいやはや犬子もなかなか肝が据わって…
「本当です、私たち神姫も機械ですから機械の気持ちが分るのです!」
得意げに胸を張る犬子。
そういえばさっきの北海道の話も神姫達が家に来る前のことだ。何を食ったとか
詳しく話した覚えはない。
彼女たちは俺が初詣の時に相棒を引っ張り出すまでその存在すら知らなかった。
いやしかし…
「聞きましたよー?最近相手してあげてないそうじゃないですか。
昔は毎日連れ出してくれたのにーってグチってました。ヘンなパーツを付けたり
するよりまたどっかつれてけーだそうですよ?」
ぐぅ、九州から北海道まで全国走りまわってまだ不満かコイツは。
「そうじゃなくって、もっと接する時間を増やして欲しいという事だと思いますよ?
整備も触れ合う時間の一つです。最近冷却ファン周りががたついてるって言ってます。
ちゃんと時間とってますかー?乗った時この子の声ちゃんと聞いてますかー?
車検なんか一辺倒のところしか見ないから当てになりませんよー?」
「すいませんでした」反論の余地ナシです。
そこで犬子は姿勢を正して、
「お願いですマスター。この子にはマスターしかいないんです。
この子は「走る」その一点のみを価値として生まれました。飾ってるだけじゃ
意味はないんです。距離や速度が問題なんじゃない、その時間こそが大切であり、
絶対なんです。そんなことはマスターも十分分かってるんじゃないですか?
私たち神姫も機能こそ違え、その点は一緒なんです。
ですから、やっぱりこの子を含め私たちにはマスターしかいないんです。
…以上、かわいいかわいい犬子ちゃんからのメッセージでした
そうだ、就職していきなり四国に飛ばされた8年前、俺は相棒と出会った。
相棒は当時出たばかりの新型でそりゃ黒い宝石みたいだった。
当時大型免許取りたてでへたくそだった俺はそれでも嬉しくて毎日相棒と走り回った。
当然、ミスも色々やったがいつも相棒に助けられた。峠道で調子にのって道にあいた
穴に前輪を落としても相棒はビクともしなかった。その時はコイツ凄えって感動した。
何もない田舎道で何があるわけでもないのに嬉しくなって
笑い出すことは何度もあった。
朝靄の煙る高地、海岸に落ちる夕日、仕事を終えて満月だからと走り出した深夜、
あの日の鏡のように凪いだ瀬戸内に写った満月を俺は忘れないだろう。
あの光景は多分もう一生見れない。
確かにあの時間は、宝石だった。
「あーマスターが犬子ちゃんに怒られてる〜」
猫子の陽気な声が聞こえてくる、どうやら皆が準備を終えて到着したようだ。
雰囲気を察してか白子が聞いてくる
「マスターどうなされました?」
「いや、スマンがトラブルだ。素人には手が出せそうにないからバイク屋を
呼ばなくちゃな。
という訳で今日の作業は中止。すまんなみんな」
「えーせっかく頑張って準備したのにー」
「では、今日はどうしましょうか?」
「とりあえず…ご飯の準備かな?もうお昼だし」
「こはん〜ごはん〜」
また皆が賑やかに騒ぎだす。
できればこいつらとの時間も宝石になってれればと、俺は願う。
ガソリン漏出発火炎上未遂の勢いで
バイク生活8年間を振り返ってしましました。
8年か〜そりゃ燃料ホースも腐るわ。
それもこれも神姫なら機械の気持ちが分るんじゃない?
などと妄想してしまったのが運の尽き。
バイク分特濃ですが仕様ですので勘弁してください。
相棒が無事帰ってきたらリベンジ編やるつもりですが
ブーイング多ければやめときます。
駄文失礼しました。
>>479-485 堪能させてもらいました。
リベンジ編も期待してます。
しかし、いいなぁ二輪・・・自分も二輪免許取りたくなってきた。
バイクは男のロマンだ!
乗ったことないけど
>>479-485 ををー
待ってたとですよー!
リベンジ編待っております。
どこ行きます? やっぱ山っすか?
ウチの場合は、様子見に来た白子がブレーキホースに足を引っかけて
真っ黒ウエスに直行、という絵になったわけですよ(ω <整備絡み
空行が多過ぎるかな
いちいち行をあけなくてもいい所まで空けてるのが気になる
読みやすくて良いと思うんだけど・・・
普段モバイルベースで読んでる人間としては。
・・・犬子にリアル工具持たせようと画策中。。。
493 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 07:51:19 ID:O7N8dqpF
hosyu
過疎ってるなぁ・・・
年度末でみんな忙しいのかしら?
とりあえずペタリンコ。
番外編2・カルチャーセンターに行こう!
アキオの屋敷に来て5日目。私は専用に用意された部屋で寛いでいます。
ご家族はみんな海外で働いているので、屋敷にはアキオとお手伝いさんしか居ません。
今まで研究所の外に出た事が無かったから一般常識が不足してるけど、それでも
彼がとんでもないお金持ちだって事は解ります。
『お〜い桜花、そろそろ出かけるぞ』
ドアの外からアキオが声を掛けた。もうそんな時間なのね。
今日は二人で近所の「神姫カルチャーセンター」とかいう所に行く予定。
そこでは幾つもの神姫向け教室が開催されているので、それを参考にして
これからの私の目標を決めよう、というのです。
「はい、今行きます!」
とりあえず軍服に着替える。さすがに今着てる部屋着「ぶるまぁ体操服」のままで
外出するのは恥ずかしい。ってこれ、本当に協会で着用が義務付けられている
神姫の標準装備なの!?なんかアキオに騙されてるような気がする。
着替え終わってリビングまで行く。
「なんだよオマエ、軍服なんかで街中を歩くつもりか?」
「仕方ありませんよ。他に服を持っていないんですから」
「ああ、外出着ならちゃんと用意したぞ」
アキオが背後から何かを取り出した。
「これは『ばにぃがある』と言ってな、ぶるまぁと同じ協会指定の標準装備だ。
神姫が外出する時はコレを着ていないと、法律違反で逮捕されてしまうんだ」
アキオの目をじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと見る。あっ、泳いだ。
とりあえずサブマシンガンで2,3発撃っておく。
「イテテっ!!おい、怪我をしたらどうするんだよ!」
「火薬を減らしたから大丈夫ですよ。バカ言ってないでマトモな服をください!」
「何だよノリが悪いなぁ……じゃコレはどうだ?『はだかえぷろん』と言ってな、
イタリアの有名なデザイナー「ハダーカエ=プロン女史」が今年発表した最新の……
痛い痛い痛い止め止め止めマジ痛いイテイテ死ぬ死ぬ止めろぉ〜〜〜〜!!!」
新大阪の駅から歩いて10分。9階建てのビルの前に来ました。
ちなみに私はアキオが用意していた「普通の」ワンピースを着てます。有るなら最初から
出しなさいよ、もう!
受付の案内板をチェックします。
「え〜っと、1階は全部バトル関係か。まぁ一番メジャーだからな。
でも今のオマエには関係無いよな。逆に戦う必要が無くなったばっかりだし。
さてと……何か気になる教室はあるか?」
「う〜ん、やっぱりスポーツ関係ですかね。後はダンスとか料理とか作法とか……」
「それじゃ殆ど全部だな。なら上から順番に全部見てみるか?」
「はい!」
〔9階・料理関係〕
「料理は得意ですよ!サバイバル訓練で野ネズミやヘビを丸焼きにしてましたから。
今度ごちそうしますね!」
「……普通の店で買える食材に限定しろな……」
〔8階・手芸関係〕
「お裁縫はナンバー4が得意でした……うううっ…」
「だぁぁ〜〜〜この階はパスだ!!!」
〔7階・作法関係〕
「茶道は俺も帝王学で叩き込まれたな。それで桜花、どうだった?」
「お茶菓子が美味しかったです!」
「……あっそ」
〔6階・愛の営み関係(18歳未満おことわり)〕
「よし!!!!!!!」
「何が『よし!』ですか!大体アキオはまだ高校2年でしょう!」
アキオの耳を引っ張ってこの階を後にする。
〔5階・ダンス関係〕
「ココから下は体育系の教室みたいだな」
「エアロビはダメですね。でも社交ダンスは面白かったですよ!」
〔4階・水泳関係〕
「神姫って水に浮くんだよな。最近知ったよ」
「私も泳げますよ。……何ですかそのヒモみたいな水着は!着ませんよ!!」
〔3階・個人競技関係〕
「テニスとか卓球とかダーツとか。何か面白そうだな」
「ですね!ちょっとテニスとか保留にしておきましょう」
〔2階・団体競技関係〕
「サッカーとかバスケとか野球とか。う〜ん、面白そうではあるんだが…」
「いくらリミッターをしてても、私とチームを組める神姫なんて滅多にいませんよ」
1階のロビーで休憩。アキオはソファーで缶コーヒーを飲んでいます。
「気になったのは料理と茶道と社交ダンス、あとテニスですね」
「ふむ……1階のは見なくていいよな?今更バトルなんて興味無いだろうし」
「そうですね……」
神姫バトル教室のある方を見る。大勢の人だかりが出来ています。
「アキオ、あれ何かあったんでしょうか?」
「ん?なんだろう。ちょっと見ていくか」
『大阪の連中ってこんな腰抜けばっかなのか!?そんなに俺達が怖いのかよ!!』
『何を偉そうに言うとるねん。そないレギュレーション違反なモンでエバりくさりおって、
アホちゃうか!』
『ココは公式ルール関係無いだろうが!口だけ達者なガキは黙ってろ!』
『口だけかどうか、今から教えてやるわ!』
『待ちなさい、君は戦っちゃダメです!何かあったら明日の公式戦に響くでしょう!』
『せやけど先生……』
何となく事情が解った。レギュレーション違反のゴツいストラーフを持ち込んだバカが
フリー対戦で暴れているのね。それを見かねた女の子…中学生かしら?が勝負を挑もうと
したけど、教室の先生に止められてるみたい。
ギャラリーの会話が耳に入ってきました。
「……ヒドいよな、初心者の男の子に無理やりバトルを仕掛けて神姫を破壊しやがった」
「もう勝負はついてたのにな」
「あの子が怒るのも無理ないな。俺も許せないけど、アレには勝てる気がしない…」
「だよな。あんなのと戦ったら俺の神姫も破壊されちまう」
『先生スマン!やっぱウチ戦う!!』
女の子がバトルステージの方へ向いました。
『ちょっと待ってください、私が戦います!!』
大声を出す私。みんなの視線が集まる。
「アキオ、ごめんなさい。勝手な事をしちゃって…」
「何言ってる。あと2秒遅かったら俺が叫んでたよ」
アキオと私は、女の子と先生の所に行きました。
「アンタ大丈夫か?連中は卑怯な手を使ってくるで?」
「装備に慢心している時点で自分の弱さを晒してます。私の敵じゃないですね」
「え、エラい自信いやなぁ〜」
「まぁ安心して見ていて下さい。それよりアキオ」
「ああ、今日は武装も武器も何も用意してないんだよな。どうするか」
「とりあえず武器だけでも……」
「そうだな。……先生、ここで売っている一番高い武器って何です?」
「受付で展示してる日本刀「花鳥風月」ですね。ですが高価なので貸してくれませんよ」
「いえ、買いますよ」
「か、買うって!あれは本当に高いんですよ!!高純度のタタラ和鉱と隕鉄を使用した
本物以上の日本刀で、博物館クラスの一品なんですから!」
アキオは懐からア○ックスのブラックカードを取り出しました。
「うわぁ、初めて見た!……ちょっと待っててください、持ってきますから!」
先生は受付の方へ行きました。
先生から渡された日本刀を鞘から抜きます。
「どうだ桜花、行けそうか?」
刀に見入ってしまう。
「凄い………空気まで切れそう………行けます、充分すぎます!」
「よし、それじゃあのバカを少し懲らしめてやれ!」
「了解です!」
バトルステージの上に立つ。相手のストラーフ「エアリス」を見る。
両肩にミサイルランチャー、アームパーツに天使型のレーザーライフルと巨大な鎌、
自分の両手にグレネードとサンタ型のホーンライフル、腰と脚部に小型ミサイル。
滅茶苦茶な重装備ね。
対する私。普通のワンピースと「花鳥風月」のみ。
「何だその格好は……私に壊されに来た自殺志願者か?」
「……本当の戦力差を説明するのも面倒だわ。来なさい、結果で教えてあげる」
「生意気なセリフを…喰らいなさい!」ミサイルを一斉発射。
捻りの無い弾道……着弾点を見切った私は少し下がって地面に伏せる。
爆風をやり過ごした後、爆煙に紛れてエリアスの背後に廻る。
「どっ、何処に行った!?」
「後ろよ」
エアリスは振り返ると、ライフルとグレネードを乱射し始めた。
でも狙いが定まっていない。楽々回避する。何と言うか、武器に振り回されている感じ。
なんか相手にするのも馬鹿馬鹿しくなってきた。
「アキオ、もう面倒だからイッキに行きます。リミッターを外す許可をください!」
「そうだな。よし……『桜花・限定解除!』」
体中の隠されたリレー回路が繋がる。コアユニットのバイパス回路が閉じられ、反応速度が
飛躍的に向上する。瞳が赤く燃え上がる。
「終わりにしてあげる、覚悟なさい!」
「やれるもんか!」エアリスが残ったミサイルを発射した。
私はジャンプして、発射されたミサイルを空中で斬り裂いた。その残骸を足場にして
エアリス目掛けて跳びかかり、その目前に着地する。
最初はライフルとグレネードを斬る。次は背後に廻りアームパーツを切断。
そのまま跳んで両肩のランチャーを切り落とす。最後に脚部パーツを破壊。
一秒も掛からなかった。
呆然としている彼女の首元に花鳥風月を当てた。
「決着がついたところで、破壊した神姫のマスターに謝ってもらいましょうか」
「な、何を」
花鳥風月に力を入れる。
「わ、解った!…………ごめんなさい」
エアリスとマスターは逃げるように帰っていきました。
「アンタ達、ようやったで!!」
他のみんなも喜んでくれています。神姫を破壊された男の子も……
「それにしてもハンパ無いなぁ!何か特別な装置でも仕込んでるんちゃうか?」
「ななな何を言っている、そそそそんな訳ないだろ!!」
アキオ、実は隠し事がヘタ?
「ふ〜〜〜〜〜〜ん。アヤシイなぁ〜〜〜〜〜〜」
「………あっ、俺達これから用事があったんだ。それじゃサヨナラぁ〜!」
アキオは私を掴むと、急いでその場から逃げ出しました。
後日。
アキオの元にカード会社から花鳥風月の支払明細書が来ました。
「……………………………………………………………」
「どうしたんですか?固まっちゃって」
肩越しに明細書を覗き見る。
「ひぃふぅみぃ………わぁ〜ゼロがいっぱい♪」
「『いっぱい♪』じゃねぇぇぇぇぇぇぇ!なんだこりゃ、家が一軒買えるぞ!!!!!」
「いいじゃないですか。アキオはお金持ちなんだから」
「バカヤロウ、物には限度があるだろうが!返品だ返品!!返しに行くぞ!!!」
「でもこれ、取扱説明書に『開封後の返品はご遠慮願います』って書いてありますよ?」
「どこぞの通信販売かよ!!!」
ソファーでずっと考え込んでいたアキオが口を開きました。
「……桜花、オマエこの刀を気に入っているか?」
「ええ、こんな繊細な武器、初めて見ました!」
「………じゃ、オマエが払え」
「は、はいぃ?」
「オマエが体で払え!!」
「い、いやぁっ……やっぱりアキオは私の豊満なボディが目当てだったのね!!」
「違うわボケぇ!!!刀を使って金に見合う働きをしろ、って言ってるんだ!!」
「何だ、そういう事ですか……つまんない」
二人で色々考えた結果、結局公式バトル大会にエントリーすることになりました。
まぁ今まで私が居た世界と違ってスポーツみたいなものだから、あんまり抵抗は
ありませんしね。
「あっ、あの時の大阪弁の女の子。彼女も公式リーグに参加してるみたいですね」
「う〜ん、大会で会うかもしれないなぁ」
この時のアキオは知る由もありませんでしたが、彼女「金城彩音」とは、それから
長い付き合いになるのでした。
おしまい。
そろそろバイクネタもやろうかしら?
う、
>>498の4行目間違ってる・・・
まぁいいやw
荒れる原因にもなるっていうんで連載SS書きさんたちがwikiへ移動したんで、ここは小ネタや雑談メインの場となったんだよ
個人的にはU-1SSで埋まるくらいなら過疎る方がいいな
なんでこう、U-1はどうしようもないパターンで……てもういいや
それがU-1たるゆえんよ
なんだ、ここに貼っちゃマズかったのか・・・
とりあえずこれ以上うpするのは辞めます。
あ、最後に。
私のSSで気分を害された方、申し訳ありませんでした。
ひょっとしてバトルサービスでこの名前使うかもですけど
見つけても石とか投げないでね(つд゜)
逆に考えるんだ
ここはエロパロ板だからえっちなSSを書けばいい、と
過疎るよか張った方がいいと思うんだが
まだまだwikiに出てけ派は健在なのな
>>506 これだけは言わせてくれ
続きが気になる
wikiってもう、ついていけないレベルまで侵攻しちまっていて見る気がしない。
ここでチマチマやって欲しい。
>>510 同意
武装神姫である必要性が感じないSSが多くて萎える
>511
同意
典型的U-1SSのパターンだわな>神姫である必要性がない
神姫らしいキャッキャウフフSSも三流バトル物に成り下がってたりするし、
今wikiでやってる鳳凰杯、だっけ? あれなんて典型的な作者同士の自己満で読者置いてきぼりじゃん
バトルシーンがあって、それなりにレベル差のある勝者、敗者を書くと、どうしてもそこにU−1臭さを感じてしまって、先に進まない。
バトルシーンを完全排除するしか、このジレンマから逃れられないんだろうなぁ。
もう無理かもしれん。
とはいえ、過疎るのも寂しいな……。
「そんなわけでひとつ書いてみようと思う。つーか書け、黒子」
「……はぁ?」
「いやだから、神姫がSS書けば神姫らしさってのも出るだろ? だから、
書いてみてよ」
「あたし達神姫に文章を書けと」
「おう。俺はまず、神姫らしさ、ってのが良く分からんからな!」
「威張らないでよ……」
「分からんモンは分からんからなぁ……」
「いいわよ。じゃあ書くわよ」
「おお、さすが黒子さん」
「なら、まずあたし達が使えるパソコン用意してよ。人間用のキーボードって、
打ちにくいのよね」
「…………」
「あとディスプレイも大きすぎて見にくいし。1インチで1280×1024くらいのが
あれば、ちょうどいいかもー」
「…………」
「本体は……まあ、あれはいいわ。下に置いとけば暖房代わりにもなるし」
「…………」
「でも、記録メディアは欲しいわね。あたし達の手のひらサイズのHD-DVDが
あれば便利ねぇ。もちろん、オリジナルと記憶容量は一緒でないと困るわよ?」
「……黒子さんマジ無茶おっしゃる」
「マスターが言ってるのも、似たようなもんよ」
U-1臭くなくて、なおかつバトルメインのSSって難しいんだろうなぁ
主人公がバトルしない第三者的な目線のSSだったらU-1から逃げられ……ないな
少なくとも、この手のSSとU-1臭は切って離せないんだろうなぁ
>>512 鳳凰杯はまだ良いんじゃないかと思える
作者同士の自己満足ってのも一理あるけど
神姫の特性を上手く使っているとも思うんだ
まあ詳しくは知らないんだけど
それよりも、俺は神姫が人間化するようなSSが気に入らない
身長15cmだからこその神姫であって、それが人間と同サイズとか勝手にオリSSやってろって感じだわ
神姫らしさ=U1なんじゃないかと思う今日この頃
先人の二番煎じにならないように工夫してる、といえば聞こえはいいんだけどね>無駄なオリ要素
それがアイタタタなU1臭さの元凶にもなっているという
U−1成分を排除しようとして、バトルを排除し、設定を排除したら、話の本筋も排除する羽目になって、何も残らなかった。
『神姫ファイト』後編、断念しました。ごめんなさい。
そんな殺伐とした中に花見ネタを投下しようとして、
喘息発作起こして苦しんでいる俺がいる訳です。
犬「花見ならパソコンの画面でも出来ますから、マスターはゆっくり休んでください。」
我「でもなぁ・・・ ごほ、げほごほほ」
猫「パソコンの画面でも、あたしたちにはおっきいお花になるの。」
我「そうか・・・すまないね、せっかく約束していたのに・・・」
犬「そのかわり、マスターのそのお酒、下さい。」
我「・・・。」
>>519 神姫オーナー達が桜の下で花見をして
神姫たちが桜の木の枝に座って花見をする
という光景を幻視しました
・・・人に見てもらう、を前提に文章を書くのはとっても大変だよね。。。
報告書でも企画書でも・・・ 息抜きに馬鹿なネタでも書かないことには、
始末書なんて書けないよーん(ω
>>520 本当は実際に桜の咲いてる木に乗っけて写真撮って、下地を十分に作った上で
何か書いてみようと思ってたんだ・・・花と並べて大きさも比べかたっかし。
明朝までに、症状治まってくれれば行ってきますよー。
・・・さて、始末書を仕上げるか orz
犬「また始末書ですか」
猫「マスターは相変わらずなのだ、これで今月2回目なのだ」
我「相変わらずいうなー! この前のは企画書だっ!」
犬「・・・とはいえ、仕事を後回しにするサボリ癖は治りませんね。 ハァ。。。」
我「なんだその目つきは。」
犬「別に。 気にせずにお仕事続けてください。 クスッ」
我「・・・」
2036年には、こんな日常になるんだろうか。
投下する物を次々追い出したりU-1呼ばわりする様じゃ
過疎どころかDAT落ちしてもしょうがない気はするがな
大体スレじゃなくてwikiなら見なければいいじゃないの
ホイ出た最終奥義「嫌なら見るな」。
じゃあSS書きに「酷評が嫌なら表に出すな、文字通りチラシの裏で済ませろ」って言っちゃうぞー。
U-1は公式設定を守ってオリジナル設定をなくし、敵として登場する人間を屑野郎とするテンプレをやめるだけでもいいと思う。
主人公が特殊技能もっていたり、女のコにモテたりすることに作者の自己投影が見えてしまうのが拒否感の元かな。
526 :
479:2007/03/29(木) 10:00:02 ID:+4uyC0BR
おひさしぶりです。やっとこさ相棒が帰ってきました。
ttp://shinkiup.daa.jp/upl2/src/1175127583550.jpg SSを読んだ影響で生涯初SSなんぞをでっち上げてしまった身としては
その作者が追い出されるのを見るのは寂しい限りです…
よく話題になるU-1SSなんかより自分の書いたSSも痛さでは負けてないかなあ。
実話ベースで投影どころか自分の話そのもので妄想しちゃってるし。
とりあえず単車整備手伝ってくれる妖精さんが切実に欲しいという
欲求があったので神姫をそれに見立てて写真掲示板にうpしてやろうと
計画してたところ、バイクネタ見て着火。
いざ実行というところでトラブルにより頓挫。結果あのSSが出来上がりました。
あの究極オナニーSSは皆さんにとってやはり苦痛だったでしょうか?
とりあえずリベンジ編書くかどうかは置いといて当初の計画は実行しようかと
思うのでこれからちょっと行ってきます。
厳しい事を言うようだけど
主人公が実は・・・な凄い奴で、神姫はレギュ無視の特殊技能持っててアホ強いって自分の妄想全開のバトルSSはいらんよ
正直マンネリだし、主人公を自分に投影して悦に入ってるんだろうけど他人から見たらどう見られるのか考えないと
書き終えた後に一度、自分で見る側の立場になって冷静に読み返して見ればいいと思うんだがな
読み返して疑問を感じないようなら大人しくwikiに行ってほしい
わかりやすく言うと
邪
気
眼
ってこったな
過疎るわけだ
図星さされたら、ろくな反論もできない厨ニ病乙
wikIのような少数の馴れ合いしかできない奴はネット止めとき
神姫犯罪とかってやっぱカスタムロボのイメージが先行してるんだろうか
神姫犯罪ってあれだろ、分解してパーツバラ売りすることだろ
>530エスパー乙
ID:fsh+2Si/
そこらへんで止めといてくれ。
どっちも利用している自分から言わせて貰えばオマエさんがやってることはwikiでやってる人のイメージダウンにしかなってない
つまりwikiには無いような新しい展開を求めている訳だな
>534
どっちも利用してないROM専だからこそだったんだがな
執拗に両方の書き手を叩いてるのが理解できないだけで
でも迷惑らしいしROMに戻るわ、忘れてくれ
変なのは敗北宣言したのでヌルーして。
たとえばどんな展開をのぞむ?
>>535
>>526 初デート、いかがでしたか?
今日はいぬぬこ種花連れて桜見に行ってきたけど・・・暑さに俺が負けた(ω
神姫とデート・・・
よし俺も
>>526 日常的な出来事に神姫が解け込んでるような小ネタは大好きなんで、良かったですよ
久しぶりに書き込んでみようと思えば、またしても微妙な雰囲気。
いつになったら平和になるのでしょう…
◎月☆日
「ごしじんさま、この木はなんていう名前なんですか?」
天気が良かったので、日向ぼっこがてらに出た庭先での白子の問い掛け。
蕾も新芽も生えていない、見ようによっては枯れ木にも見えてしまうそれに白子は興味を持ったらしい。
「それは紅梅って言う、梅の樹だよ」
鮮やかな紅色に咲くので、紅い梅と書くのだと教える。
「ますた、じゃあ、この木はいつ咲きますか?」
今度は紅梅の幹に、コアラよろしくしがみついていた黒子が問う。
その質問は困るな。
実はこの紅梅はそれ自体に問題は無いのだが、近くに住む糞婆あの嫌がらせで蕾も新芽も千切られてしまっていたのだ。
なので今年の開花見通しはゼロ。来年までのお楽しみ状態なのである。
さて、どう説明するか。いや、何て言い訳しようか?
本当のことは話せる訳がないし、なにより神姫に人間の汚い面の話はしたくない。
ここは嘘も方便ということで、白子と黒子には騙されてもらおう。
「えっと、この紅梅は去年たくさん咲いて疲れてるから、今年はお休みなんだ」
残念そうな顔の二人。
流石にこれだけじゃあ可哀想だ。
「だから来年の今頃、綺麗に咲くまで待っててあげようね」
そう言うと、今度は二人とも嬉しそうな顔になる。
「来年は見れるんですか?」
「お休みして元気になったら、こうばい、たくさん咲きますか?」
白子と黒子、それぞれ期待の篭った目で俺を見上げる。
「勿論。来年は必ず見れるし、綺麗な花がたくさん咲くよ」
樹の幹を撫でながら言う。
そんな俺の仕草を真似てか、二人も紅梅の樹を優しく撫でる。
「ごしじんさま、来年が楽しみです」
「早く元気になってね。わたし、まってるね」
今年が始まってまだ数ヶ月しか経っていないのに、もう来年を心待ちにする白子と黒子を見て俺まで来年が待ち遠しくなってくる。
でも、まずは今年を神姫たちと目一杯楽しんで、その後で来年を迎えたい。
差し当たっては、直ぐ目の前に迫っているお花見シーズンを全力で乗り切らねば。
どうやら今年も一年、神姫と共に平穏無事ではない日々を送れることになりそうで、内心嬉しくなる俺だった。
>>541 俺は鬼なんだけど、とてもあたたかくてほのぼのした雰囲気に思わず微笑んでしまったぜ
GJ
「え?何?お前フィギアと会話による意志疎通なんてマジで言ってるの?頭大丈夫?」
「ヴァカハケーンって奴だな……ぷっ……くくく……イヤ夢ガアッテイイト思ウヨ?ぶわっははははははははははははは!!」
「悪い事言わないから精神科いけって……疲れてるんだよお前……」
「大体さ、それってメーカー非推奨だろ?悪い事言わないから今からでもデータファイルぶち込んでおけって、今のお前MMOのBOTERとかRMTERと変わらんぞ?」
神姫が販売されてから数年、元々このシリーズで企画されていた命令に対してYES/NOで反応するだけのフィギアではないという概念は、結局一般には受け入れられなかった。
一般的な商業誌で一番最初にプログラムを変更して特定のワードにyes/noだけで答えるように変更する行為が合法/メーカー推奨の行動として記載され.
公式バトルで勝てる神姫だけが良い神姫、と言われるようになったのである。
それ故、神姫本体の性能は右上がりに昇っていった、今や初期バージョンのアーンヴァルやストラーフがフル装備状態であっても、最新型の素体状態には確実に勝てない。
そんな中で、未だにマオチャオとコミニュケーションを取りつつ地道な強化を繰り返している、と言えば冒頭のような言葉が返ってきて当然なのである。
126連敗中のパートナー、ゆずの発した言葉に、彼は首を横に振る
「……出来る訳無いだろう?いくらお前の望みでも、そんな事……」
「だってマスター、これ見てよ「最新の神姫戦闘データによる強化〜コミニュケーション型強化の不利益と非合理性〜」なんて記事のネタにされてるんだよ?」
その神姫雑誌には、でかでかとゆずのマスターの事が……悪例として……掲載されていた。
「言いたい奴には言わせておくよ」
「………この記事、思いっきりマスターを性犯罪者予備軍扱いまでしてるし……ボク、大好きな人をここまで虚仮にされても現状を続けられるほど強くない……」
「だからってゆずを殺してまで勝とうとは思わない、そんな勝利は勝利とは呼ばないよ……ゆずはパートナーなんだから、パートナーを使い捨てる、なんて奴は非情のプロフェッショナルかもしれないけど……
人間としては三流以下だよ」
今や神姫も大量生産大量消費の時代だ、昔のように1体の神姫に入れ込んでそれを地道に強化していく等……とうてい認められたものではない。
それでもその道を往こうとする事は、その本人の目以外からすれば「愚」である。
いや、愚である所か許されざる罪であるかも知れない。
特に付和雷同を美徳とする傾向のある場所では。
翌日……
「おはよう、ゆず」
「……」
「ゆず?まだ寝てるのか?」
「……」
ゆずは、昏々と眠り続けたまま、目を覚ます事は無かった。
調べたところ、思考プログラムがループに陥り、他のプログラムが起動出来ない状態らしい。
起動させるためにも、と感情その他のプログラムを削除する事を求められたが彼はそれを是としなかった。
最新の神姫にはもとより古いタイプのようなコミニュケーションシステムや高度なAIは積んでいない。
「……これで、よかったか?ゆず……」
呟いて彼は、眠ったままのゆずを胸ポケットに入れ……神姫センターのビルから永遠に立ち去った。
happy end
( ;∀;)イイハナシダナー
>>526 鱸海苔ー・・・対抗してみた(笑
>
ttp://shinkiup.daa.jp/upl2/src/1175180432605.jpg >>520 僕らが咲き乱れる桜の下で、年に一度の花見に興じているとき。
あいつらもまた、木の枝の上でそれぞれに花見を楽しんでいるようだ。
中には飲んだくれてフラフラと危なっかしいやつもいるが。。。
・・・と、手にした杯に花一輪。 透き通った酒に、可憐な桜の花が
浮かんでいる。
「マスター・・・桜酒、です。 春だけの特別なお酒・・・。」
上から犬子の声。 どうやら僕の杯に花をそっと落としたらしい。
相変わらずやることが粋だな、こいつは・・・。 そっと杯を持ち
あげると、犬子もちょっと顔を赤らめつつ手にした杯を傾けた。
・・・神姫たちは「春」をどう感じているんだろう、なーんて考えて
いたら。 がさがさと不穏な音が頭上から聞こえた。
「あたしも桜酒します〜。」
見れば白子が手に一杯の桜の花を抱え・・・
どさり、ばしゃっ!
すでにデロデロになっていた白子は、足を滑らせて会社側が用意した
樽酒の中へ直行。 樽酒の中に広がる桜の花、真ん中に浮かぶ白子。。。
白子のマスターが駆け寄り、急ぎすくい上げる・・・
「えへ、ええっふぇっふぇ・・・ おさけがいっぱ〜い!!」
真っ赤な顔で幸せそうな顔の白子に、マスターの彼も苦笑いするしか
無い模様。。。 その光景に、僕らの一角のみならず、通りがかりの
人たちからも楽しそうな声が聞こえる。
「マスター、お花見って楽しいですね。」
いつの間にか肩に乗ってきた犬子が言った。
「そうだねぇ。 『春』が来たことに対する喜びと感謝を、こうやって
表現しているんだろうね、僕たちは。 ・・・って、こら猫子!黒子と
枝上でやり合うな!! 花が散っちゃうだろっ!!」
宴は夜桜まで続く・・・。
・・・こんなんでどうでしょう?
勢いやっつけなので、お見苦しいことどうかご容赦を m_O_m
殺伐としたスレで和んだ
>>541 毎度GJ。
稀に書き込まれる旦那の話を期待して、俺はこのスレを読み続ける。
>>543 眠り続ける猫子を想像しちまって泣けた。
>>543 自分も泣けた・・・
そして思った「ただ勝つ事だけが目的のおもちゃが人の形である必要はあるのか?」と。
多分、神姫作成に携わった人間の多くは口に出さないだけで
強さ偏重の流れに腹の底では「本末転倒」と思っているに違いない。
>>546 ワロタそして和んだ
創作意欲が涌いたのでちょっと書いてみる。
できたら投下します
551 :
U-1SS:2007/03/30(金) 20:42:06 ID:9F3Nw09T
「え?何?お前神姫の性格のインプットからやるなんてマジで言ってるの?頭大丈夫?」
「ヴァカハケーンって奴だな……ぷっ……くくく……イヤ夢ガアッテイイト思ウヨ?ぶわっははははははははははははは!!」
「悪い事言わないから精神科いけって……疲れてるんだよお前……」
「大体さ、それって違法だろ?悪い事言わないからやめておけって、お前捕まるぞ?」
「通報シマスタ」
神姫が販売されてから数年、自律型AIを搭載し人格を有したロボットの存在は一般生活に浸透していた。
神姫は不可変のマスター登録、CSCによる人格設定等、さまざまな面で国際法によって規格が制定されており、これを逸脱するする行為は重大な違法行為とされる。
そんな中で神姫とのコミニュケーションを省略し、外部からの入力をもって人格形成を行うと言えば冒頭のような言葉が返ってきて当然なのである。
武装神姫はこれまで新型が幾つも発売されてきているが、その性能は最初期のものとさほど違いはない。
公式バトルでの勝敗は、それぞれの戦闘経験、装備の組み合わせ、バトルフィールドとの適合、マスターとのコミュニケーションの取り方等でいくらでもその確率が変動する。
新型であることや、高額な装備、プレイにかけた金額と時間だけが強さに反映される。そのような前時代的な思想は武装神姫というジャンルには採用されていない。
バトルで勝てる神姫だけが良い神姫、と言われるような時代ではないのだ。
武装神姫のオーナー達は、バトルという要素をまじえて神姫との関係を深めていくことを、最大の喜びと楽しみとしているのである。
552 :
神姫犯罪:2007/03/30(金) 20:43:02 ID:9F3Nw09T
しかし、彼は道を踏み外してしまった。
彼は、過去に起きたとある事件によって、自分の意のままにならない部分をもつ神姫に激しく嫌悪感を抱くようになった。
そして、神姫の人格がCSCというものを介するとしても他人の手によって作り出されることが我慢できなかったのである。
『神姫の人格をすべて自分の望むように作り上げたい』
そう望むようになるまでさほど時間はかからなかった。
これから彼がやろうとしてるのは「自分が望んだ通りの人格形成」の実践。つまり何も設定されていない神姫の人格を一から作り上げていく行為である。
当然、個人の力でプログラムなど出来るはずがないが、そういったツールを扱うアングラサイトを彼は探し出していた。
通常はCSCの組み合わせとボディとの接合によって基本の人格が作られ、そこからコミュニケーションをとることで成長してゆくが、今行おうとしているのは最終的にできあがる人格を決定してある点で大きく違う。
先に結果があり、逆算するように途中の精神成長が行われたかのような疑似育成期間を作り出そうという、洗脳にも等しい行為であった。
「さあ、いこう。君の始まりの日へ」
神姫のボディから伸ばしたケーブルをPCに接続。ツールは全て起動済みで設定も完了。
全てが終わった時、彼が望んだ武装神姫が生まれるはずだ。
プログラムが走る。
決められた人格が形成される過程をエミュレート。
彼女が笑う。何に対して楽しいと感じるのかねつ造する。彼女が泣く。何に対して悲しいと感じるのかねつ造する。
全ては逆しまに。彼女が感じる感情。彼女が起こす動作。彼女を決定づける全てがねつ造されてゆく。
彼女が普通の神姫と同じようにCSCを取り付けられ、目覚める時めざして逆しまに。
それはひとりの人間の人生を生み出すにも等しい工程。その事実が彼の支配欲を満たし、絶大な快楽を生み出す。
あと少し……
553 :
神姫犯罪:2007/03/30(金) 20:44:34 ID:9F3Nw09T
──バツン!
部屋の全ての電源が落ちた。何もかもが闇に包まれる。
「な、なんで!?」
悲鳴をあげた瞬間、ガラスが割れる音と共に襲来した何者かが、彼を床に引き倒していた。
──彼は逮捕された。
彼を取り押さえたのは武装した警察の特殊部隊であった。市民からの通報に加え、以前より追跡中のアングラサイトの摘発に伴い一斉検挙が行われたのでる。
未成年ではあったが、彼は国際法に従って氏名と顔が公表され、刑務所へ収監されることとなる。
「なんで、なんで俺が!」
テロをはじめとする犯罪に利用されることを恐れ、神姫に関しては厳しい法が定められている。
彼が行った神姫の人格ねつ造行為は、まさに重犯罪として扱われる出来事であった。
「俺の神姫を、俺の好きにしちゃいけないのかよ!」
彼の叫びは、ただ虚しく響いた。
終われ
554 :
神姫犯罪:2007/03/30(金) 20:46:44 ID:9F3Nw09T
以前のコテが残ってたorz
色々な人のネタからインスパイアされました。パクリごめんなさい。
神姫達にも心があるのよ。彼女達とのコミュニケーションは大切にね☆お姉さんと約束だよ☆
みたいに政府公報やメーカーの啓蒙CM的に。
バトルに勝つ為だけにマンチキンやってると「分かってねぇなぁ」みたいに言われるんじゃないかと思う。実際のバトロンでもw
科学が高度に発展した一方、実生活ではより精神的充足感を得ることが求められている社会になってないと武装神姫って生まれてこない気がする。
だからこそ神姫犯罪ってのは厳罰になるんじゃないかと。
でも開いたり閉じたりはコミュニケーションだから、神姫性犯罪じゃないよね?
>>でも開いたり閉じたりはコミュニケーションだから、神姫性犯罪じゃないよね?
そうだよね、あれはコミュニケーションだよね
あれ、なんだろう家の前に黒服のおっ(ry
>開いたり閉じたり
非常に高度なコミュニケーションだよ
でも無理矢理やったら神姫性犯罪だよ
花見会場に向けて走る、走る、走る・・・。
・・・酒が入るのがわかっていたのでバスで来たんだけど、工事だか
なんだかでえらい渋滞し、予定の時刻より30分も遅れちまった。。。
「すみませんマスター、もっと早くから情報を集めておけば・・・」
鞄のポケットにおさまる津軽が顔を出した。
「ま、年度末はこういうもんだって。 向こうにも連絡は付いている
から、何も心配しなくてもいいよ。」
土曜日の午後とあって、公園内は家族連れも多い。 今年の桜は例年
より数日早いとか言ってたっけ・・・と。
突如、子供の泣き声が側から・・・やべっ、蹴っ飛ばしたか?
立ち止まって振り返る。 ・・・なんだ、別に接触して転ばせたわけ
では無さそうだ。単に駄々をこねているだけかな。
「あの、マスター・・・あれ・・・っ!」
再び駆け出そうとしたとき、津軽が俺を呼び止めた。 津軽の視線の
先には、ジルダリアが風船にくくりつけられフワフワと上昇している
ではないか。
その下では子供が泣き叫び、おそらく母親と思しき女性がうろたえて
いた。 ・・・おいおい、何をしたんだあんたたちは。
幸いにも風船は紐が桜の枝に引っかかったもののとても手が届きそう
もない高さ。 母親が周囲の人に声をかけ助けを求めてはいるが・・・
宙づりのジルダリアが半ばパニックとなり、早くしないと・・・
「あっ!!」
様子を見ていた一人が声をあげた。 ジルダリアが暴れたことで風船
の紐が枝から外れ、再び上昇を・・・こりゃいかん・・・!!
「マスター、私を投げて下さい!」
さっと装備を整えた津軽がポケットから飛び出した。
「おう、了解だっ!」
津軽が何を言いたいか、目を見ればわかる- 。身を丸めたフル装備の
津軽を手に乗せ、かつてリトルリーグ時代には地区準優勝まで導いた
自慢の肩で-
「どっせぇいっ!!!」
風船めがけて津軽を放った。
花吹雪の中、赤い弾となった津軽- 。さっくり風船を撃ち抜くことに
成功、すぐさまバーニア全開でブレーキをかけ反転し、悲鳴を上げて
自由落下するジルダリアに追いつき・・・見事にキャッチ。
重量の割には高い出力のある装備を纏う津軽は、軽々とジルダリアを
抱きかかえて、かの子供の手の届く高さの枝へと降り立った。
「ふぅ・・・ミッションコンプリート、ですね。」
子供の手の中に飛び込むジルダリアを確認し、ほっと一息ついた津軽
がふわりと肩へと戻ってきた。 周囲から沸き上がる歓声と拍手。
「おつかれさん。」
「マスターこそ、ナイスで正確なスローでしたよ。」
・・・聞けば、母親が目を離した隙に子供が風船にジルダリアを結び
つけて、振り返ったときにはあの状況だったらしい。
「今度からは悪戯をしないようにね。神姫はおもちゃじゃないんだよ。」
まだ涙目の子供に、しゃがんで声をかける。 横では母親がまるで何
かの、それこそおもちゃのように頭をヘコヘコ下げている。
なにも、そこまでされる柄じゃないってば・・・ん? 電話?
「大変です、マスターっ!! 主任からの入電です、はやく来ないと、
遅刻者としての罰則を与えると言っておりま・・・えぇっ?! 私に
もペナルティですかぁ?! ちょ、主任、主任〜〜!!!」
「・・・。 花見・・・だよなぁ?」
「の筈ですが・・・。 とにかく急ぎましょう、マスター!!」
津軽に急かされ、まだ何か言いたげな母親には「子供から目を離しちゃ
ダメだよ」とだけ告げ、装備解除した津軽を胸のポケットに入れると、
大急ぎで桜のトンネルを阿鼻叫喚(となっているであろう)花見会場
へ向かい再び駆け出した。
飯食いながら、「そういや神姫ってほっぽり投げられそうな大きさだよなー」
とか考えていたらふと思いついた一発ネタ。 先の花見ネタの少し前の時間
と思って下されば嬉しいかと。
うーん、桜の下に酒飲みに行きてー。
しかしあれだね、自分の書いて投下したものを読み返すと、時々と言わず
とてつもなく鬱になることが・・・。
読み返す > 鬱になる > 次は何とかしようと思う > 投下する
> 読み返す > 鬱になる ・・・
・・・・・・無限ルーチン。。。。。。
そして今宵も読み返し、胃がモゾモゾする気分。
ベストパートナーの犬猫さん、そんなおいらを助けて下さい(ω
まさかネタを名を馳せたSS職人さんに使っていただけるとは思っておらず……GJです
>>557氏GJ、確かに放り投げたりヘリウム入りの風船にくくりつけるのに丁度良いサイズっぽいですな、神姫
>>559 空中で急制動反転かますツガルさんの姿が鮮明に浮かんだ。
GJ!
>>560 実は俺も1レス分だけだけど書いたことがあるんだ。しかもこのスレで。
ちょっとそのレス番近辺には近づきたくないなあ、なんて思ってたりw
>>561 どうもです〜。
ちなみに、風船ネタはこの前実際にやってみたら上手いこと浮いたので
やってみた次第です。
*じるだりあ は そらをとぶ を おぼえた!
「ご主人さま〜!! みてくださーい! 無装備で空を飛べました〜!」
「花子さん、制御できなければただ浮かんでいってカラスの餌になりますよ・・・」
・・・なんてね。
>>562 姿が浮かんだとは・・・うれしい限りでありますっ!
ありがとうございますっ!!
仕事でも時折文章を書いている身なんで、毎回毎度、日々精進・・・
・・・しているつもりなんですが、全然進歩しねぇや(ぉ
神姫はおもちゃじゃない発言にワロタ
>>565に言われるまで何の違和感の感じなかった俺ってダメ人間?
神姫ってフィギュアだろ?って思った
よく考えたらフィギュアっておもちゃだよな
いや神姫はおもちゃじゃねえよ
神姫は友達です
こんな話、メダロットの漫画であった気がする
どちらかというと嫁だな
神姫は大人のおもちゃ
・・・あ、種子さんこんな夜更けに何のご用ってその手にもってるのはっ!!11!
崩れかけた家の壁を、埃っぽい道を、太陽が容赦無く照りつける。
閑散とした広場にある、大きなガジュマルの木陰に粗末なベンチがひとつ。
そのベンチに小さな −日本でいうとまだ小学生くらいの− 少年がひとり。
しかしその表情は、辛酸をなめ尽した老人のように暗い。
世界経済大破綻の余波は、豊かな層が少ないこの国からも容赦なく活力を奪っていった。
−何とか今日の糧は得られた、だが明日は?この先どうなる?このまま生きていく意味はあるのか?
深いため息をつく少年の肘を誰かが突付いた。
のろのろと目を向けると、いつのまにか隣に座っていた外国の老人が穏やかな笑みを浮かべている。
−また肘を突付かれた− しかし、老人の両手は杖に掛けられたまま。
視線を下に落とした少年はギクリとして飛び上がった。
突付いていたのは鮮やかな緑髪の少女だった。
しかしその身長は15cm程、小さな人形程度なのだ。
−あやつり人形の類だろうか?
漠然とそんなことを考える少年の前でその小さな少女は満面の笑みを浮かべると一礼して踊り始めた。
ベンチ座面のから背もたれの上へ、地面へジャンプしてまたベンチへ。
いつの間にか老人が弾きだしたヴァイオリンの音に合わせて、少女は心底楽しそうにくるくると踊る。
その猫のようにしなやかでコミカルな踊りを茫然と見ていた少年は泣いた。泣きながら笑った。
干上がった大地に雨が降るように、感情すら忘れていた少年はいつしか一緒に踊り始めた。
やがて周囲に人が集まり始め、踊りは輪となって大きく広がっていった。
−おどりくらいでは、なにもかわらないかもしれないのだ、
でもヒビのキボウをもつことはとてもタイセツなことなのだ。
いきていれば、ちいさくてもシアワセはかならずみつかるのだ。
ゼツボウにまけたら、まけなのだ。コンナンにぶつかったときこそ、まずエガオがだいじなのだ。
踊っている最中に、少年はそんな声を聴いたような気がした。
気が付くと老人と小さな少女の姿は消えていた。
慌てて辺りを見回すが、どこにもその姿は見えなかった。
広場に集まった人たちの踊りも止み、どうしてこんなことを?という訝しげな顔が、やがて笑いにかわってゆき、
皆に重く圧し掛かっていた黒い影がほんのすこし晴れたような気がした。
「ちょっと無理をしたな。」
「へへへ、だいじょうぶなのだ、まだヨビカイセンがいきているのだ。ますたーのほうがシンパイなのだ。」
「わたしも大丈夫だよ、宿へ帰ったら治してやろうな。」
「そんなことよりも、がんじす川のヒノデがみたいのだ!あしたはハヤオキするのだ!」
「そうか、それは大変だ、今日は早く休まないといかんな。」
「そうなのだ、たいへんなのだ。」
−かつて技術大国といわれた日本、そこで昔作られた武装神姫という小さなロボット。
流行が去り、国が寂れ、今は記憶している者も少ない小さな玩具。
ロボットを開発する余裕がなくなり、玩具を顧みる者が少なくなった未来。
しかし、長年大切に育てられた小さな人工知能はついに魂を持った。
−了−
572-573です。
こんな短期間にレスありがとうございます。
実は、
>>543氏の話が良い意味で深く心に残り、駄文を書かせてもらった次第ですが
ハズカチイのでROMに戻ります。
...物語的には蛇足になってしまうかもしれませんが、
>>543氏の猫子が将来目を覚まし、心底安心してのんびり暮らせたらいいなあ。
>>577氏
GJ!としか言い表せませぬ
コレは涙……?泣いているのは、ワタシ?
U-1て何?
相沢祐一 最強
とかでググれ
相沢祐一→関連検索
これでおk
私は神姫よ。いつまでもオモチャ扱いされちゃ敵わないわ。
私もオーナーを捨てて独立するの。だから私も殺さなきゃ。殺さなきゃ・・・ キャー
でもさ神姫たちってパートナーとかいう無二の存在である前に人を楽しみませる存在=おもちゃとしての自分に誇りを持っていると思う
そういう人のエゴを反映された誇りと人として接するマスターとの噛誤こそが醍醐味と思う
だからこそ、「神姫としての存在」に疑問を持っちゃう神姫が居ても良いと思う。
なー、猫子。
猫「うにゃ? 夜食の時間にゃの?」
・・・ごめんお前に聞いた俺が馬鹿だったよ。
黒「ばーか、ばーか」
・・・orz
>>579 マジレスするとU-1とは二次創作の一部のジャンルを指す。元はKANONの相沢祐一から。
元々の作品に対する愛情や敬意もなく、ただひたすら自分を投影した主人公が活躍してモテる作品を揶揄した言葉。
ここで言われているのは武装神姫の公式設定を無視してオリジナル設定で書き進めたり、テンプレと化したお決まりのパターンのシチュエーションを書いたSSのことを指している。
>>551氏がつけているコテはU-1SSというネタを前スレあたりで書き込んだ残りだね。
>>武装神姫の公式設定を無視してオリジナル設定で書き進めたり、
これはそんなにいけないことなのか?
wikiを見ればわかると思う
問題なのはオリジナル云々というよりその内容
590 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:11:50 ID:e+v1Ff8j
保守
HAHAHAお前らwikiはもはや別物としてみないと精神衛生上よくないぞ?
アソコはアソコ、此処は此処で楽しむんだ
てことは、次スレからwikiのリンクはいらないな
で、容量的にそろそろ次スレじゃね?
リンクは、むしろ必須。
新しい職人さんに、自分の作品をかえりみて、どちらに投下すべきかを判断してもらわないといけないから。
その判断基準は何なのだw
リンクは必要
連載ものはできるだけwiki使用して欲しい。途中で他の人のレスが入ったりすると読みにくいんだよね
自分の気に入らないSSが貼られたら「wikiに行けボケ」と追い出せるもんな。
このスレは何のために存在してるんだろうな
皆、深呼吸して>1を読むんだ
>>596 本当にwikiの信者は痛いな。
>>595は別にアンチじゃないのに噛みついてやるなよ、お前がそんな事やってるからwikiのイメージが悪くなっていくんだよ
wikiは自浄作用全く無しの一グループによる自己満足の場になってるからな・・・
ミクシィにでも行けばいいのに
>>600 なんかものすごく胃が痛くなってきたよ・・・
ごめん再起不能になりそうだ。。。
・・・とか言いながら投下したら、また叩かれるんだろうなー。。。
叩きや批判を恐れるのなら書き込むな。
でも、ここに貼ることを考えて書いたのなら、叩きや批判など恐れるな。
「ヒャッホー!ついに白子黒子再販来たぜ!」
喜びの声を上げるマスター
「良かったですね、マスター」
「有り難う武士子、コレでお前にもようやく妹が出来るな!」
今にも踊りだしそうな程喜んでいる
…あ、踊ってる
そんなマスターを見ていると私も嬉しい
…でも
…嬉しいはずなのに
なんで私は泣いているのだろう…
>>607 乙でござった
と、ウチの武士子が申しております
>>607 猫「乙なのだー。 武士子、きにしちゃいけないよ?
うちもマスタが・・・ えぐっ・・・ ううん、
マスターが喜んでいるんだからっ!!」
うにゃぁあーーーー
犬子〜〜〜
くやしいのだーーーー
ガチャガチャ
「あれっ?ご主人様?」
まったりと昼寝をしていた猫子だったが、不意に玄関から鍵を開ける音が聞こえてきたので飛び起きた
最初はピッキングかとも思ったが、聞き慣れたリズムからマスターが開けている事が解った
「でもまだ三時前…?」
いつもなら七時過ぎなはず。どうしたんだろうと考えていると
「ただいま…う〜…」
どさっ
着替えもせず、ベッドの上に横になるマスター
「お帰りなさい、ご主人様〜(はぁと」
と言いつつ、いつも通りに胸の上に飛び乗る猫子
しかしマスターの顔色を見た途端、その表情が曇る
「ご主人様、顔が真っ赤…」
「う〜…どうも最近、変な天気が続いているから、風邪引いたみたいだ…」
「あうあう…大丈夫ですかご主人様…」
情け無い声を出す猫子
こんな時、何もできない自分が恨めしい
そんな猫子をそっと撫でるマスター
「はは、大丈夫だよ猫子。今日は割と暇だったから帰らせて貰ったから。一晩寝れば治るさ」
「ホント?」
「ああ。それよりも、お前のそんな顔見る方がツライぞ」
猫子の顎下を撫で、あやすマスター
「にゃうぅ…わかった…」
ゴロゴロと甘える猫子
「あのね、ご主人様」
「ん?なんだ?」
「夕方までこのままでいい?」
どうやら一緒に寝ていたいらしい
「ああ、いいぞ」
「ありがとうご主人様…むにゃむにゃ…」
安心したからか、胸の上で丸まって寝始める猫子
そんな猫子をあやしながら、癒されている自分を感じているマスターであった
猫子を潰さないように気をつけながら風邪なおそうね&GJ。
気をつけないと猫子のドリルが尻の穴にs(ry
あと、猫子とじゃれあうときはほかの神姫に嫉妬されないように気をつけてねー
再販を待ちつつ埋め
しかし長編SS貼られると容量オーバーもあっという間だね
猫子「うめ〜、うめ〜、うめるのにゃ〜♪
…ところでうめってなに?」
黒子「…気に入らない奴を穴に蹴落として、上から土をかけること」
白子「黒ちゃんが来てほしいって言ってたのってココだよね…なんで穴が掘ってあるんだろう?」
白「お酒につけるとおいしいんです。」
武「そりゃ『梅』っすよー」
>>615 どん
白「きゃっ・・・ いきなり誰かに押された気が・・・
きゃーっ!!! 土が、土が〜!!!」
白(はっ!!! あのシルエットは・・・ まさか、砲子?!)
黒「ふい〜・・・肉体労働は電力を食うねぇ。」
砲「黒子さーん、そろそろ出撃なので、装備かえしてもらえますか?」
黒「おぉ、ありがとう。 今ちょうど作業が終わったところだよー。」
砲(・・・? なんで穴を埋めるのに私の装備が必要だったのかしら・・・?)
>>618 なんという完全犯罪…
真相はオドロキ君の手に委ねられた!!
猫「あれれー? ここから白い手が生えてるよ?」
犬「・・・? 手袋ではないのですk・・・
ぎゃーーー!!!う、動いたーーー!!!」
猫「掘り出して、ってここに書いてあるよー」
犬「わ・・・私こういうのダメッ!! 掘るならあなた一人でやって!!!」
猫「うみゅー・・・ もう、犬子はオバケとかがほんとーに苦手で弱虫なのだ・・・」
ほじほじ
ほじほじ
ほじほじほじほじほじ
こつん
猫「あ。 でてきたー。 白子みーつけた。」
犬「・・・えぇっ?! し、白子さんっ?!」
白「・・・ぅぅぅぅぅううううううっっ!!!」
猫「埋没プレイ、してたの?」
犬「いくら白子さんでもそれは無いでしょうに。。。」
白「っこ・・・このぉ・・・・・」
犬猫(ガクガクブルブル)
白「砲子めえぇぇっっ!!! 新参者のくせにぃっ!!!!」
種「あら? 白子さん・・・どうされたんですか、そんなに汚れきっちゃって・・・」
白「けがれた、ですってぇ?!」
種「よ、よごれた、って言ったんです。。。」
白「あ、ちょうどよかった。 あなた、その手にしてる武器、私に貸しなさい。 ・・・今すぐっ!!!」
犬子「その時は私は、いつものささいなケンカだろうと思って別に気にもしませんでした
でも・・・まさかあんな事になるなんて」
猫子「白子は種子の武器をうばい砲子をさがしていた。と、つぎのしゅんかん!!」
猫子「…う〜ん、気になる所でおわってるのだ。つづきが気になるのにゃ。」
犬子「いや、どう考えても見ない方がいいと思う…。」
砲「ご・・・誤解ですっ!! 私じゃありまs・・・」
白「問答無用! 何よりの証拠はあのシルエットだっ!!
このジュビジュビから略奪した・・・ じゅるり」
砲「い・・・いやああぁぁぁっ!!!!!」
黒「くすっ・・・くっくっくっ・・・・」
・・・しばらくの後。
砲( げ っ そ り )
白「ふい〜・・・肉体労働は電力を食いますねぇ・・・ あら?
・・・砲子さんって、おさげ髪をつけてないんでしたっけ?」
砲「おさげ髪は・・・黒子さんですよぉ。。。」
(以下、白子が埋まる直前に黒子に装備貸した旨説明)
白「あら・・・そうだったんですか・・・ ごめんなさいね。。。
っもう、私ってば。。。あわてんぼうさんなんだからぁ・・・」
砲「それより、早くアナに刺さったこれ、取ってもらえませんか?
まだ粉で体がしびれていて・・・」
白「はわわ、すみませんー! よいしょっと。」
すっぽん
砲「はうぅっ!! はあぁ。。。。
あぁ・・・白子お姉さま。。。 抜き方も激しい。。。」
白「黒子見なかった?」
猫「うに? 黒子なら、さっきマスターといっしょに長い旅に出たのだ。」
砲「なんですってぇぇっ?!」
犬「あ、でも近所のコンビにまで、徒歩で行っただけですから。すぐ戻るかと。」
猫「ねぇねぇ、さっきから何で二人でてをつないでるの?」
白・砲「 あ、あうう。。。 」
ただいまー、とマスター帰宅
黒(こそこそ。。。) 「はっ! 殺気・・・!!」
白・砲「黒子〜〜〜〜!!!」
黒「あ・・・・・・・ ここは逃げるが勝ちっ!!!」
白「砲子さんっ!!!」
砲「はいっ!!! ターゲットロック、セット・・・ ファイアっ!!」
黒「うっわーーー!!!」
マスター「お、俺の部屋が・・・」
白「マスター、黙るっ!!!」
マスター「・・・はい。。。」
黒「・・・もしかして。。。」
白「ばればれです。 ・・・覚悟はいい?」
黒「その手に持ったジュビジュビのお団子は・・・まさか・・・」
砲「そのまさかですよ。 ・・・それとも、私がお尻に一発打ち込んであげましょうか?」
黒「どっちもいやーーーーーー!!!」
白「じゃ、せっかくだから。」
砲「両方サービスしますね。 うふっ!」
黒「ひぎぃ〜〜〜〜!!!」
種「あの・・・私、ジュビジーなんですけど。。。」
騎「どっちでもいいんじゃない? ジュビジュビでも。。。 ジュビが入ってればいいんですよ、きっと。」
種「そんな〜〜〜(泣」
猫「す、すごい光景なのだ、犬子、見るのだっ!!!」
犬「言われなくても見てますよ。 こ、これはすごい。。。」
津「黒子さん・・・ 私の黒子さんが汚されていく。。。 いやあぁっ!!」
兎「つ、津軽さんっっ!!! 泣かないでっ!!」
花「ところで・・・みんなして眺めているけどさ。」
武「誰も止めないんすか? ねぇ、マスター。。。 って、何録画してるんすかっっ!!」
・・・さらにしばらくの後・・・
砲「ふぅ〜・・・肉体労働は電力を食いますねぇ・・・」
白「でしょ? あー、すっきりしたっ!!!」
黒「 あ 、 あ は、あは・・・ は・・・ 」
津「黒子さ〜ん! あぁ、こんなに汚されてしまって・・・」
白「いや、お仕置きといったら、こんなもんでしょう。」(にっこり
砲「・・・え、ええ。。。」
花種津兎武騎(ガクガクブルブル)
犬「あんなものを最後まで見てしまうと・・・なんか私たちも落ち着きませんね。。。」
猫「犬子ぉ、ちょっと。。。 ね。。。」
犬「あ、猫子・・・。 ん。。。」
花「あら? 猫子さんたち、どちらへ?」
猫「秘密なのー。 犬子とラヴーすr・・・」
犬「こら猫子っ!!! 喋るなっ!!!」
・・・そんなわけで、かのマスターの所では、こんな光景が毎日繰り広げられているとかいないとか。
マスター、がんばれー。
以上、埋めがてらつづってみますた。
|∀・) ヨイモノヲ、ミセテモラッタヨ
埋めGJ
マスターも大変だな、イロイロと(w
しかし、
>>615の一行からここまで膨らむ俺って。。。
o.....rz
>ID:sy+nTDxn
GJ
せっかく録画したHDDを消されないようにな
>>633 dです〜
いろいろと大変なマスターですね。
きっと部屋の中の、机の陰とかベッドの裏とかから聞こえる
荒い息遣いで、今夜も眠れないことでしょう。
・・・そして不眠症・ストレスから、神姫を性的虐待してMHKニュースで(ry
>>632 「あっ、…猫子の…しっぽぉ、…奥までっっ」
まで読めた
そのうちマスターが、それ系の道具を揃えることになりそう
零時のニュースです。
まず最初のニュースです。 昨日、KNG県警は○市の会社員・○○容疑者を、
神姫保護法違反容疑で逮捕しました。
○○容疑者は神姫に対して性的な虐待を加え、その様子をインターネット上の
掲示板に公開した容疑がもたれています。
調べに対し、○○容疑者は、「毎晩のように繰り返される神姫たちの色恋模様
にストレスがたまり、ついカッとなってやった、今は反省している」と答えて
いるとのことです。
近年、ロボットである神姫に対する虐待行為が問題と・・・(ry
・・・そんなわけで、そのマスターは逮捕されてしまいましたとさ。
はっはっはー、ひらいたりとじたりを繰り返しているみんなも気をつけろよー。
・・・はっ、花子装備をさせた犬子さん、その手にしたデザインナイフはうわなにをするやめr
▼埋め
「ん?」
庭から何やら音が聞こえてくる。
窓から覗いてみれば、白子と黒子が何かしているらしい。
「二人とも、何してるんだ?」
庭に出て、二人の側に近づく。
どうも何か土をいじくっているようだ。
「あ、ごしじんさま」
「ますた」
振り返った白子と黒子を見て、俺は軽く驚かされた。
「こんなに泥だらけになって……本当にどうしたの?」
手と言わず足と言わず、文字通り身体中泥に塗れた二人。
それぞれ手に石の欠片を握っている。
その後ろの土が少し抉れているところを見るに、穴でも掘ってたのか?
「埋めてました」
白子からの想像の斜め上を行く答え。
埋めるって、何を?
「すれをうめるんですよ、ますた」
首を傾げた俺に黒子が答えてくれた。
……一寸待った。
「スレを……埋める?」
俺の呟きに首を縦に振って答える白子と黒子。
ああ、分かった。
今回俺が教えてやらなければならない事が分かったよ。
「そう言う事か。二人とも、身体を洗ってあげるからおいで」
差し出した俺の手に乗った二人を洗面台へと連れて行く。
数分後、パソコンの前に座った俺と、石鹸の臭いに包まれた白子と黒子。
「さて、と。スレの埋め立ては実際に土を被せる事じゃないよ」
インターネットを開いて、お気に入りから某有名掲示板のとあるスレッドを選び出す。
「じゃあ、どうするんですか?」
「少し見てて」
白子の質問には答えるより、実際見せた方が早い。
キーボードを数秒間叩いて、書き込みボタンを押す。
「これで良し」
「ますた、これでうまるんですか?」
身を乗り出してディスプレイを凝視する黒子。
上手く理解出来ないようで、不思議そうな顔をしている。
「大丈夫、暫くすれば自然に分かるようになるよ」
人差し指で二人の頭を撫でる。
「さぁ、そろそろお昼寝の時間だ。データの整理をしないと」
二人を抱えてクレイドルへと連れて行く。
俺が去った後、パソコンに表示されたあるスレッドの新しい書き込みにはこう書かれていた。
“次スレでもよろしくお願いします”
猫「うちもよろしゅうたのんまんがなのー」
犬「これっ!! もう、そんな変な関西弁なんてどこで覚えたのか。。。」
猫「にゃはー、やっぱダメ?」
犬「・・・ダメではありませんけど、あなたらしくないですよ、そんなのは。」
猫「うにゃー。。。」
犬「では、次スレでも」
猫「かわらぬ応援をおねがいするのー」
ほか神姫一同とマスター「よろしくおねがいしまーす」
「すれを、うめなければならないのだ。」
唐突に珍妙なことをほざくコイツは、成り行き上我が家へ来ることになった
緑色の髪をしたネコ型神姫だ。
...?ってなんだ!何勝手に俺のPC弄っていやがる!
あ、あ、よく操作もわからんくせにキーボードをバンバン叩くんじゃない!
くそ、炒め物の最中だから手が離せねえ!あ、マウス落とした!
バカ!そこの積み上がったCDに触るな!...雪崩たかー...。
ん?え?おい、それはこの前買ったUSスコップ?ま、まさか?
ダメだー!液晶をそれで叩くなー!ヤメテー!オネガイー!アッー!
こうして俺の財布は日々軽くなっていくのであった。
−了−
...こっち埋めるの忘れてた、皆GJだぜ!
次スレも楽しくなるといいなあ。
みらいのせかーいのー
ネコ型しーんきー
どーんなもんだい、にゃーはマオチャオ
にゃっはー!!! にゃーさん、大好きーーー!!
人々の生活にとけこむ15センチほどのロボット“神姫”
“神姫”に二つの流派あり
一つ!強さの高みを目指す“ブソウアーツ”
一つ!究極の萌えを探求する“モエガタ”
二つの流派は互いに、競い、変わる
という埋め
埋まったか。。。
もういっちょ。
猫「マスターが寝ないの。 お仕事なんだって。」
犬「zzz...」
猫「・・・。 ねぇ、マスター。 遊ぼうよぉ。」
マスター「zzz...」
猫「寝てる。。。 じゃ、にゃーも寝るー。」
おやすみなさい、あしたは、おはよう。
夜勤から帰ってみれば…俺はこんな幸せなうめを今まで見た事がない。
ありがとう、そして次スレもよろしく!
猫「・・・? まだ入れるよ?」
豪快に散らかった部屋を苦労して片付け、ようやく落ち着いた部屋で読みかけのスレッドを開く。
大騒ぎの元である小さな神姫の猫子は、ベッドみたいな充電器の上で丸くなっている。
...なんともノンキな寝顔だ。
−寝顔?これは人にプログラムされた、ただのロボットだぞ?
それがただ、充電中なだけ−
それに反して、こんな思いも胸をよぎる。
−そもそも、人の感情だって化学反応の産物でしかないよな。
こいつのそれと何処が違うのだろう?
様々な経験を積ませたら、こいつのAIはどこまで進化出来るのだろう?
そっと頭を撫ぜると、なんだか猫子が笑ったように見えた。
明日は休暇だ。
こいつを連れて釣りにでも行こうか。
おっと、そうだ、竿だ。こいつ用の竿作らないと。
とりあえずプラ棒で適当に作って”一平竿”って書いておこう。
きっと釣れる竿になるはずだ。
ククク、”これが印籠繋ぎだ。”とかウソも教えてみよう。
さて、やるぞー。
こうしてアホなマスターの夜は更けてゆき、スレは埋まってゆくのであった。
−埋め了−
かなw