☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第十四話☆

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
魔法少女、続いてます。

 ここは、

  魔法少女リリカルなのは
  魔法少女リリカルなのはA's
  魔法少女リリカルなのはS's(StrikerS )

 のエロパロスレです。


ローカル ルール〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

*● Even if there is not Eroticism, it is all right. My Master!
 (エロは無くても大丈夫です。マスター!)

*▽ Sir. But The Epistles of strange taste(included adult oriented)
                   asks for confirmation or Instructions of beforehand.
 (サー。しかし特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に確認又は注意書きをお願いします)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

*+ マイスター、前スレと保管庫はこちらですっ!

 ☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第十三話☆
 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162720288/

 ☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html
2名無しさん@ピンキー:2007/01/04(木) 21:01:14 ID:eaNxAMFy
>>1
3名無しさん@ピンキー:2007/01/04(木) 21:47:42 ID:Ij8HwMze
>>1
乙カレー
4名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 00:06:48 ID:yH67vl2e
乙カレー
54の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:24:41 ID:kzuJDORB

>>1さん
スレ立て乙です。


 ご無沙汰しております。そしてあけおめ♪4の422です。
年末年始に二日間だけ休みがもらえたので、ものっすごい久々に書いてみました。
 CherryLightも書き上げたので上げたかったのですが、保管庫に前スレのログもない
ようなので(保管庫の549さん、お察しいたします。無理しませんように)、1年弱も
ほったらかしておいて今更ですが、 〜 もう一人の私へ… 〜 の都築(誤字)を
上げさせていただきます。

 あまりに古い話なので、保管庫のプロローグ部分を一読していただければ幸いです。
 あと今まで一度も触れてなくて申し訳なかったんですが、この話はTV版の時系列で
A'sSS003とコミック版A'sのEpilogueの少し前(4月?)。原作版の時系列でなのはと
クロノがヒドゥンを撃退した直後(文字通り直後。クロノとリンディさんの過去話の直前)
くらいの雰囲気で作っておりました。
 知人に「何時の話だ?」と言われたので補足までに。

64の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:25:53 ID:kzuJDORB

 魔法少女リリカルなのは   〜 もう一人の私へ… 〜 VOL.5


「状況の報告を!」
 アースラ内ブリッジ。そこに1歩足を踏み入れるなり、凛としたリンディの声が響く。
 次いでクロノ(ハラオウン)、エイミィ、のアースラ組が、さらに異世界組の2人に、
フェイトやヴォルケンリッターの面々がアースラ入りする。
 異世界組の2人は、クロノも技術者として興味深そうに、なのははそれ以上に目をキ
ラキラ輝かせて周囲を見渡す。
 と、リンディの言葉にランディがコンソールから立ち上がる。
「フェイ…っと、テスタロッサさんの遭遇した次元震はいまだ継続中。その半径を狭め
てはいますが、規模は変わっていません。そしてその中心部に先程なのはさんが処理し
たロストロギアと同一の反応が出ています。波長解析で「双生の書」と判明」
「調査チームの派遣は?」
 こちらのクロノが割ってはいる。
「B級装備の調査チーム3小隊18名、転移室にて待機中!」
 アレックスが本来エイミィが操作すべきコンソールを叩きながら報告。
「わかりました、直ちに調査に向かってください」
「了解!調査チーム、現時刻をもって調査開始、直ちに現地へ向かってください」
 リンディの言葉にオペレーターが出動を促す。
『調査チーム、ギャレット了解!これより転移します』
「調査は慎重に、防御以外の魔法の使用は原則禁止する。使用時は僕か艦長の判断を仰
ぐこと!いいね!」
 通信機を手にクロノも叫ぶ。
『了解!』
 調査チームの出動にリンディは艦長席に腰を下ろし。ふぅ、と息を吐く。
「とりあえずは調査を待ちましょう。それほど時間はかからないでしょうから」
「そう…ですね」
「ありがと、アレックス。変わるよ」
「はい」
 エイミィはアレックスに代わり、自身の補佐席に付き、コンソールを操作し始める。
 他のメンバーも慣れぬアースラの中でぱらぱらと散らった。
「モニタリング開始します」
「頼む」
 振り返ることなくエイミィはクロノに、クロノもエイミィを見る事なく息の合った受
け答えを演じる。
「それで…双生の書…だったっけ?詳細は?」
 横からユーノが執務官席に座ったクロノに問う。
「第5及び2級遺失物指定ロストロギア、双生の書。だ」
「第5及び2級?なんだい、それは?」
 遺失物指定ロストロギアには危険度・重要度に応じて等級が付加される。が、1つの
ロストロギアに複数の等級が付いているのはユーノをはじめ、皆には初耳であった。
 ユーノの言葉にクロノは中空にスクリーンを展開させ、それを指し示す。
「対応により危険度が大きく異なるため、あえて複数の等級を付けているんだ、刺激さ
えしなければ第5級。危険度は最小レベルの代物だ、ただし自身の安全を確保するため
なら次元の1つすら壊滅させかねない…らしい、それで5級から2級というわけだ」
74の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:26:55 ID:kzuJDORB

「意思を持つ魔道書なのか?…闇の書のような」
 とりあえず一番近しそうな名前を言ってみるユーノ。
「デバイスの機能をもっているわけではないらしい、が、それ以上のことはアースラの
データバンクにはなかった。双生の書という意味も不明だ、むしろ君に無限書庫での調
査を依頼したい、頼めるか?」
「わかった。すぐに調査するよ」
「頼む。エイミィ、データを無限書庫の方に送っておいてくれ」
「了解っ!」
「じゃぁ、早速行ってくる。何かあったら連絡して」
 移動の時間も惜しいと言わんばかりに、ユーノは足元に転移魔方陣を展開させ、その
光の中に消えていった。
「…ユーノの方はまかせるとして、フェイト、なのは。君達が先の戦闘行動で見たこと
を教えてほしい。こちらでもモニタしていたが、もう少し詳しく頼めるか」
 ユーノが消えたのを確認したクロノはなのはとフェイトを振り返る。
 呼ばれた2人は一歩進んで並ぶも、えーと、といったそぶりで2人で顔を見合わせる。
「え、と、私とフェイトちゃんが見たのは、変な化け物みたいなのが本を抱えてたの」
「そう、それで私達が近づいたら急にそいつらの数が増えて…確か、5,6匹…もう少し
居たかな?」
 フェイトの言葉にうんうんと頷くなのは。
「で、それが3対くらいずつ二手に分かれて逃げ出したから、なのはと二手に分かれたの」
「私の方は追いかけたら反撃されたからアクセルシューターで牽制したんだけど、簡単
に当たっちゃって。非殺傷設定だったのに命中したら煙みたいに消えちゃって…」
「私の方も同じかな。最後の1匹を倒したとこで次元震に遭ったけど」
「…」
 2人の言葉にクロノは少し考えるそぶりを見せる。
「…フェイト」
「あ、はい」
「最初に言った本っていうのは…それが例のロストロギアだとは思うが、どんなのだい?
 別段特徴があったようには?」
 んー、っとなのはとフェイトは顔を見合わせる
「…あんまり覚えてないけど…大きさだけ言えばはやてちゃんが持ってた夜天の書くらい…
だったかな?」
 手で「これくらい」と四角を作るなのは。
「うん、あと色が緑色っぽかったくらい…」
「そうか…二手に分かれたとき、その本の方を追いかけていったのは、なのはだったね」
「あ、うん、わたし」
 なのはが手を上げる。
「その本はどうした?確保したと聞いたが、その後は?」
「んーっと…それなんだけど…確かに1度手に入れたんだけど…」
「だけど?」
「ここに来るまでは確かに持ってたの。でもアースラに付いたら急に消えちゃったの」
「消えた?」
「え、えーっと、無くした、とかそういうんじゃなくて、魔力反応が消えたの。本自体は
こっちに付いた時に解析班の人に渡したんだけど…おかしいな、とは思ったんだけど、そ
の後フェイトちゃんが危ない、って聞いたから…」
「執務官、そのことですが」
「なんだ?」
84の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:27:57 ID:kzuJDORB

 本来の席に戻ったアレックスがコンソールを操作し、1枚のスクリーンを展開させ、ク
ロノの側に送る。
「解析班からの報告によれば、魔力量ゼロ、本のページも全て白紙。曰く、『ただの本』
だそうです…」
 アレックスの送ったスクリーンのレポートを一読すると、クロノはフェイトに向き直る。
「…フェイトの方にはそういうのはなかったんだな?」
「覚えてる限りは。でも割と高速戦闘だったから手元までは確認できてなかったかもしれ
ない…ごめんなさい」
 頭を下げるフェイトにいやいやとクロノは手を振る。
「そうか、ん、いや、誤る必要なない。双生、というからには2つあるのか、とも思っ
たんだが、考えても仕方ないな、調査チームとユーノの報告を待つことにするか」
「そうね」
 クロノもリンディもふむ、といった様子で考え込む。
「現場でレイジングハートと広域サーチはしたけど反応はなかったんだけど…」
「うん、それは私も…」
 と、なのはとフェイトの声を遮り、エイミィの声が響いた。
「!クロノくん!次元震に変化発生!規模が収束していってる!半径80m…50m…
20m…まだ小さくなる!?」
 エイミィの左頭上に展開されたスクリーンに表示されるグラフの数値が、突如大きく
揺れ動く。
「どういうことだ、納まってるのか?」
「ち、違うみたい!規模は小さくなってるけど震度は変わってないよ!純粋に影響範囲
だけが狭まってる」
 と、タイミングよく通信が入る。
『こちら調査チームギャレット!現地に到着!こっ!これはっ!」
「ギャレット、クロノだ。状況を説明してくれ!」
 クロノは手元の通信機相手に声を荒げる。
『はっ!く、空中に、次元震と思われる湾曲空間が見えます。それがどんどん収束してい
ます。推定直径10m…5m…』
「一体何が…」
『直径…約3mで収束が止まりました。周囲には魔力反応はありません!』
「内部に何か見えるか?」
 通信機を手にさらに叫ぶクロノ。
『空間が揺らいでよく見えませんが…何か…本のようなものが見えます!』
「本…エイミィ!」
「スキャンします!…波長…確認。双生の書です」
「間違いない、か」
『艦長!状況からして我々の判断では対処しきれません、指示をお願いします!』
 調査チームの言葉に皆がリンディを振り返る。
 リンディは未だ考える表情のまま微動だにしていない。
「艦長。情報が不足しています。攻撃の段階ではないと判断します。ここは監視するの
が得策かと」
 クロノがリンディに進言する。
「そう…ね。…ギャレット、聞こえて?」
 リンディが通信機のスイッチを入れる。
『はい、艦長!』
「ロストロギアから魔力反応は?」
『微弱ながら確認できます』
94の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:28:48 ID:kzuJDORB

「わかりました。ロストロギア双生の書、ならびに極小範囲の次元震の周囲に360度
展開で魔力結界を。結界強度はレベルFで」
『レベルF結界ですか?』
 魔力による結界強度はレベルAからFまでの数値で表される。Aが最も強度が高く、
B,Cとその強度は下がっていく。最小レベルのF結界は文字通り触れれば破れる程度
の強度しかなく、魔力を持たない者ですら破壊できる強度でしかなかった。
「万が一の際に刺激を与えないよう、最小強度の結界でかまいません。結界を攻撃と取
られると危険です」
『わかりました!これより結界を展開します』
「とりあえずはこれくらい、ね。レベルFでも結界は結界。何か動きがあれば感知でき
るわ」
 通信機を机に戻したリンディが椅子に座りなおし、その言葉にクロノも頷く。
「同意です、艦長」
「あとはユーノ君待ち、かな…」
 コンソールを叩きながらエイミィが呟く。
「そうね、何かあってもいいように、調査チームは3交代にて現地を監視、交代要員も
第3次待機とします、大変だけどお願いね」
「了解。調査チームは結界展開後、待機。交代要員はアースラに帰還してください」
『了解しました。結界展開終了。次元震・及びロストロギアに変化なし、第1小隊は監
視を続行。他班はこれより帰還します』
『お疲れ様でしたー』
 言ってエイミィは通信機のスイッチを切った。
「えと、あの、なのはさん」
「ん、何?なのはちゃん」
 リリーチャーのなのはがこちらのなのはの袖を引っ張る。
「だいさんじたいき…って何ですか?」
「ああ、えっとね、拘束はしないけど、呼ばれたらに30分以内に集まるように、って
いうこと」
「へー、大変なんですねー」
「あはは、お仕事だからねー。でもまだいいよ、第1次待機とかになると転移室にずーっ
と篭ってなきゃならないことになるから。場合によっては何時間も」
「うわわわ、そ、それは、なんとも…うわぁー」
 あわあわと慌てるなのは。
 シグナムはそんななのはの肩にぽん、と手を乗せ、微笑む。
「リリーチャーの高町。別にお前に待機しろ、と言っているわけではない。そんなに慌
てる必要はないぞ」
「え、っと…あ、そうか、あはは。そ、そうですね」
 シグナムの言葉にブリッジ内にくすくすと笑い声が広がる。
「あぅ…ちょと恥ずかしかったり…」
 赤くなってうつむくなのはの肩に向こうのクロノがそっと手を置く。
《おー、ウブな反応ですなぁ、クロくんもあーゆーのに惹かれたのかねぇ、いちおう自
分のこととしては、どうよ、クロノくん》
《うるさいぞ、エイミィ、さっき艦長に注意されたばかりだろう、少し慎め。それに僕
とクロノ君はあくまで別人だ、関係ない》
《へーいへい、っと》
(んー、なんでこんなとーへんぼく好きになってるのかねー、あたしゃ)
 さすがに念話は行わず心の内に留めるエイミィ。
(フェイトちゃんのこともあるし、いやはやあたしも前途多難だわ)
104の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:29:42 ID:kzuJDORB

「さて、と、それじゃっ」
 エイミィの思考はリンディの言葉によって遮られる。
「ユーノ君の報告を待つとして、とりあえずなのはさんとクロノくん、あ、向こうのね」
 言って席を立ち、2人に歩み寄るリンディ。
「とりあえず元の世界に戻れる手段を見つけるまで、2人はなのはさん達の世界の駐留場
で過ごしてもらおうと思うんだけど、どうかしら?クロノ、フェイト」
 簡単に言えば、私の家にいらっしゃい、と言う事らしい。
「ああ、そうですね。2人には寝泊りするところが無いわけですし」
「うん、いいと思います」
 なのはとクロノはえっ、と驚く。
「え、い、いえ、そんな、ご迷惑をおかけするわけには」
「え、えーっと、その、た、大変ありがたいお申し出ではありますが、そのそちらにも
色々ご都合というものがあると思いまして、その…」
 わたわたしているなのはを見るにつけ、エイミィはそっとクロノに耳打ちする。
「…クロくん、なのちゃんもしかして混乱してる?」
「え、えと、そ、そうですね、なのはは混乱すると敬語が増えるみたいで…いえっ、で
はなく、ぼ、僕達は自分達でなんとかしますので…」
「駄目だよ!」
 こちらのなのはが声を大きくする。皆が驚き視線が集中する。
「そんな2人だけで歩いてたら悪い人にさらわれちゃうよ!お巡りさんに見つかったら
怒られるかもしれないし!それにお腹も空くし疲れちゃうし!」
 集まる視線をものともせず、なのはは両の握りこぶしで力説する。
「なのは、なのはまで混乱しなくてもいいから」
 フェイトが苦笑まじりになのはをたしなめる。
「あ、そそ、そうだね。えっと、えっと」
 動揺する2人のなのはを見比べ、やっぱり似てる、と小さく微笑むと、フェイトは向
こうのなのはに歩み寄る。
「えと、2人ともよかったらしばらく家に来てもらえませんか?助けてもらったお礼、
っていうことで」
「いや、結果助けて頂いたのは僕達のほうですから…」
「えっと、その、こういう場合はしかるべき筋に連絡してですね、こ、今後の対策を…」
 フェイトは混乱し続ける向こうのなのはの右手をそっと両の手で取る。
「じゃあ、バルディッシュを直してもらったお礼も兼ねて、ぜひ家に来てください。
 …と、いうことでどうでしょう。母さん、兄さん」
 フェイトはリンディとクロノを見やり、にっこりと笑う。
「いい考えね、それでいきましょう」
「異存ない。僕もお礼がしたいしぜひお願いするよ。もしも遠慮してるんだとしたら、
保護観察処分、ということで拘留場をぼくらの家にすればいい。君達は保護される側の
人間だ、残念ながら拒否権はないよ」
 リンディもクロノも笑いながら同意する。
「バルディッシュもいいよね?」
「Of course sir. It is the best plan」(最善の策です)
 フェイトは改めて2人に向き直る。
「ね、どうかな?」
「私からもお願いしたいな。なのはちゃんともっとお話したいよ」
 なのはも向こうのなのはの空いている手を取り詰め寄る。
「ね?」
「えっと…その…クロノくん、どうしよう?」
114の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:30:21 ID:kzuJDORB

 向こうのなのはは困ったようにクロノに視線を送る。クロノは微笑むとなのはの肩に
そっと手を置いた。
「行くところがないのは確かだしね…なのはがいいと思うなら、皆さんの好意に甘えさ
せてもらおうか?」
「えっと…それは…う、うん、クロノくんがそう言うなら…」
 なのはとフェイト。2人に両側を挟まれ、おずおずと向こうのなのはも同意する。
「じゃあ」
「うん」
 2人は改めて皆に向き直る。
「ありがとうございます、なのは共々お世話になります」
「よっ、よろしくお願いします!」
「はい、こちらこそ」
 にっこりと微笑むリンディ。皆の表情も勿論同じように。
「わーい、決まりなのー」
 と、皆以上に喜ぶなのはもいる。
「あ、なのは、よかったらなのはも今日家に泊まらない?」
「ふぇっ?いいの?フェイトちゃん」
「うん。あ、いいかな?母さん、兄さん。なのは、家に泊まっても」
 異存などあるはずもない呼ばれた2人は揃って大きく頷いた。
「せっかくだからはやてや君達も行くといい」
 と、クロノはシグナムに向き直る。
「む、我々も招待してくれるのか。主はやてに確認せねばならんが、まぁ…」
「反対はしないでしょうね」
「だなー。飯が出るならあたしも反対しねーぜ」
 シャマルもヴィータも同意らしい。
「ちょっとしたパーティになりそうだねー、あっちの家には転送ポートもあるし、私も
参加しようかなー」
 と、そう呟くエイミィの頭をクロノは拳で軽く小突く。
「エイミィ、僕たちはロストロギアの監視だぞ」
「えー、そんなぁー」
 ぶーたれるエイミィに苦笑しながらリンディも、
「そうね、残念だけど私とクロノとエイミィはこっちで…」
「あ、みんな集まるならお母さんにお願いして大っきいケーキ作ってもらおーっと」
 さっそく、となのはは携帯電話を取り出す。
 と、同時にリンディの動きがピタリと止まる。
「え…いいの?なのは?」
「うんっ、なのはちゃん達と出会えたお祝い、って言えば大丈夫っ!」
「よくわからない自信なんだけど…」
 どうやってそんなこと電話口で説明するつもりなんだろう、と首をかしげるフェイト
を尻目になのははいそいそと携帯電話を操作する。
 そんななのはの言葉に動きを止めていたリンディが再び時間を取り戻す。
「クロノ執務官。これより本部をなのはさんの世界の駐屯地に移します。準備を!」
 颯爽と手を振り上げ、リンディはアルカンシェルを放った時以上の凛々しい表情で、
とてつもなく私利私欲に走った命令を下す。
「艦長っ!!!!」
 それはクロノも反対もするだろう。
「えー、だって母さんだって翠屋のケーキ食べたいもの…」
 そんなクロノになよなよとしなを作るリンディ。
「そんな理由で対策本部を移動する提督がどこに居るんですかっ!!」
「…ここに1人…」
124の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:31:09 ID:kzuJDORB

 いじいじと指を付き合わせるリンディになおも食ってかかろうとするクロノ。
「かんちょ……って、エイミィ、邪魔だ、人の机で何してる」
 ちょっとごめんよ、とばかりにクロノを押しやり、その机を漁るエイミィ。
「え?何って、始末書探してるに決まってるじゃない」
「は?始末書?何言ってるんだ?」
「だって、今のはれっきとした命令違反だよね、艦長の言葉に従わなかったとなると、
いくら執務官でも減俸は確実だよねぇ、今のうちに始末書書いておいた方がいいと思っ
て探してあげてるのに。ですよね?艦長」
「………」
 開いた口が塞がらないクロノに対しリンディは目を輝かせて喜ぶ。
「…エイミィ、あなたは見所があると常々思っていたけど…今日ほどあなたという部下
を誇りに思ったことはないわっ!」
「いえいえ、執務官補佐として当然です」
 エイミィの言葉にうんうんと頷きながら、リンディはクロノににっこりと笑顔を送る。
「と、いうわけでー、クロノ。艦長並びに提督命令で本部移転の準備をしなさ〜い♪」
「……しっ!指揮が混乱するでしょう!!そんなこと許されません!!!」
「…艦長の決定なら僕たちは特に不満はありませんが」
「それにあっちの本部施設もアースラに劣らないしなぁ」
「アレックス!ランディ!!お前達までっ!!」
 メインアースラクルーはクロノではなく、女性陣の味方であった。
「えー、だってなぁ」
「翠屋のケーキって管理局でも評判いいしなぁ、実際美味しいし」
 二人は向き合い、うんうんと頷く。御相伴も狙っていたらしい。
「そう、ね…エイミィ、向こうのなのはさん達の接待費として翠屋にケーキを注文する
ことにしましょう。こっちのなのはさんにはいつもお世話になってるし、お礼という形
で翠屋さんの売り上げに貢献する分には経費として落ちるでしょうから」
 人、それを職権乱用とか汚職の1歩手前とか言ったりもする。
 ともかく、妙なチームワークを発揮したアースラの女性ニ官及びクルーの面々に敵対
されては執務官のクロノとしては逆らうこともできず。
「…エイミィ……移転の準備は…まかせた……」
 憎々しげに処理をエイミィに一任する程度しか対抗手段がなかった。
「了解ですっ!クロノ執務官っ!!なのはちゃーん、そういうわけだから、ケーキの手配、
お願いしちゃっていいかなー」
「今確認取れましたー、夕方までに用意できまーす。もし追加が必要なら明日以降でお願
いしますとのことですー」
 携帯電話片手になのはが叫ぶ。
「さっすがなのはちゃん。では艦長…」
「1つは今日の私達用で、アースラ用に明日2個確保しちゃいましょ〜う♪」
「と、いうことでっ!」
「お買い上げありがとうございまーす!」


 〜  〜  〜


「ふぅ、ただいま、っと。こっちの家は1週間ぶりかしら」
134の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:31:43 ID:kzuJDORB

「…そうですね……って、まったく…アンノウンに近いロストロギアが発動するかもし
れないっていうときに…」
 未だに膨れっ面のクロノはリンディの言葉にもぞんざいに答える。
「まぁまぁ、クロノくん、今ロストロギアのある次元だったらアースラからでもここか
らでも転移時間に差はないよ。指揮さえ執れてれば問題ないって」
「そういう問題じゃぁないだろう、まったく…」
 ぶーたれるクロノの呟きはもう1人の声に遮られる。
「あ、フェイトかい?おかえりー」
 姿は見せず、フェイトの使い魔たるアルフの声が響く。
「アルフ、ただいま。台所?」
「あ、うん、いまそっち行くよー」
「大丈夫、私達が行くからー」
「あいよ〜」
 そして、世帯主達に続き、なのはと向こうの2人も転移室から顔を出す。
「こんな簡単に異世界へのゲートが…」
「次元転移技術はそちらよりこっちが上みたいだね」
 クロノは関心しきりの向こうのクロノに笑いかける。
「…ですね。僕の世界だと、ゲートが使用できるのは本当に非常事態の時だけですから…」
「…私の世界だと魔法そのものがめずらしかったり…」
「あ、それは私もだよ。ユーノ君に逢うまで魔法なんて見た事もなかったから」
「そうなんですかー、…あとこっちの世界でも私の家って喫茶店で…」
「あ、ということはそっちの私の家も…翠屋なの?」
 なのはの言葉になのははこくこくと頷く。
「そっかー、やっぱり…なのはちゃんって私なんだー」
「え、あはは、ちょっと言い方が難しいですけど、そう、みたいです」
「みたいだねっ。あははっ、さっ、こっちだよ、行こう、なのはちゃん」
「はいっ」
 手に手を取って2人のなのはは駆け出す。
「おいおい、家の中で走ると危ないぞ、2人とも」
「だいじょーぶでーす」
「でーす♪」
「まったく…魔法の技術はともかく、まだまだ子供だな、2人とも。っと、僕らも行こ
う、クロノ君」
「あ、はい」
 と、向こうの自分を促すクロノ。だがしかし、
「ところで蒸し返して悪いんだが、そっちのS2Uの最短起動時間ってどれくらいだい?」
「本体を切り離したOSレベルでなら最短時間だと7.2μsですね。変形機構込みの
最短だと0.8msを切るか切らないか、というところだと思いますが…」
「む、そんなところまで同じか、起動には少し自信があったんだがなぁ」
「あはは、まぁ、基本は同じですから優越も出にくいかと思いますね」
「そうだな、機会があったらOS周りも見させてもらおうかな」
「いいですね、僕も興味あります」

「…どっちもどっちだよねぇ」
「…うん、私もそう思う」
 並んで歩く2人のクロノの背中を見送りながら、エイミィとフェイトは顔を合わせて
苦笑しあった。
144の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:32:48 ID:kzuJDORB

「ち、ちょっっ!!な、なんでなのはが2人っ!!ってー!クロノも2人居るっ!!!」
「あ…」
「あ…」
 もう1人、説明の必要がある人間を忘れていたフェイトは慌てて走り出した。
「ア、アルフ、待って待って、今説明するから」
「あはは、やーれやれだ」


 〜  〜  〜


「…へー、他の世界の人間ってわけかい」
「簡単に言うとそうなるね」
 リビングに場を移した2人のなのは、そしてアルフに経緯を説明するフェイト。皆の
前に置かれたジュースのコップの氷がからんと音を立てる頃、フェイトは説明を終えた。
 ちなみに残りの面子は本部移設の作業にかかっている。向こうのクロノも手伝えるか
もしれないとそっちに回っていた。
「まぁ、別人だ、ってんなら問題ないけどさ、っと、ごめんよ、あたしはアルフ。フェ
イトの使い魔だよ。よろしくな。で、あんた達の事はなんて呼べばいいんだい?別人だ
けど名前は同じなんだろう?」
 当該の2人を見比べながらアルフは首をかしげる。
「あ、えーと、区別がつけば何でも…」
「クロノの方はまぁ、ちょっとちっちゃいから区別も付きそうだったけど、なのはの方
は…んー、見た目で区別付きにくいねぇ…まぁ、適当に呼ぶからいいさね」
「はいっ、よろしくお願いします!アルフさん」
 にこにこと笑いかけるなのはにアルフはよしよしとその頭を撫でる。
「おーい、アルフー、手空いたらこっち手伝ってくれないかなー、ちょっと手回らなくて
さー」
 リビングの向こうからエイミィの呼びかける声。
「やれやれ、人使い荒いねぇ、何が始まるんだい」
「きっと本部の移設だよ、私も行くから早くいこ、アルフ」
「へーいへい、っと…ん?どしたんだい、なのは、難しい顔して」
 立ち上がりかけたアルフは不意になのはが妙に顔をしかめているのに気が付いた。
「どうしたんですか?なのはさん?」
 向こうのなのはもそれに気付き、声をかける。
「…んー…んー…んんーーーー…ねぇ、フェイトちゃん」
「え、何?」
 私の方か、とフェイト。
「私達…何か…何かだいじーな事忘れてる気がするんだけど……」
「えっ?えと…何かあったっけ?」
 フェイトに呼びかけつつもそのフェイトに視線を送らず、なのはは考え続ける。
「何か、こう…とてつもなく…重大なことをすっかり忘れてる気分なの……」
「え、え?え、えと、私達、ってことはそれは私にも関係のあること?」
「多分…そのはずなんだけど…なんなんだろう……」
「えと、えと、なんだろう、アリサとすずかには連絡したし、えと、ケーキは…もうす
ぐだけど、まだ時間あるし…はやてはシグナム達が迎えに行ったし…」
154の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:34:11 ID:kzuJDORB

「違うの、そういうんじゃないの、なんだか明日の我が身が危ないような…そんな感じ
なの…」
 考え込むなのはとうろたえるフェイト。向こうのなのはとアルフは顔を見合わせて首
をかしげるしかない。が、やおら一番気の短いアルフが頭をがりがりと掻き始める。
「あー、もう、思い出せないならきっと大した用事じゃないよ、宿題だと思ってさ、後
で後で」
「「っ!!!!!!!!!!」」
 なにげないアルフの『宿題』の一言に2人はくわっと目を見開く。
「「…こっ…」」
「こ?」
「「国語の宿題ぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!」」
「「「うわぁっ!!」」」
 2人のあまりの剣幕に残り3人が気圧される。
「何、大きな声だして、どうしたの?」
 リビングの向こうからエイミィが首だけ覗かせる。
「わわわわわ、私達ロストロギアの宿題やってる時に国語に呼ばれてアースラの追跡に…」
「なのは、なのは、それ順番違う、じゃなくて!エ、エイミィ、どうしよう、わ、私達
国語の宿題がっ!!!」

 − フェイト自室 −

 テーブルの上には国語の教科書とノートと筆記用具が(出掛けに慌てたのか)乱雑に
置かれている……2組。
「にゃぁぁあぁぁぁっ!!!全然終わってないぃーーーーーーーーーー!!!」
「っていうかほとんど手付かずだよーーーーーーーーーーー!!!」
 各々のノートを手に絶望の叫びを上げる2人。
「あ、明後日提出期限なのにーーーー!!!」
「と、とりあえず急いで終わらせよう!ア、アリサ達が来れば少しははかどるからっ!
……多分…」
「悲壮感たっぷりに言わないでフェイトちゃぁーーーーーーーん!!」
 半泣きでなのはは絶叫する。
「あらあら…まぁ、しょうがないわね、ケーキの方は私達が取りに行くから、フェイト
さんとなのはさんは宿題やってなさい」
「「お願いしますーーーーーーーーー!」」
 勢いよく頭を下げた2人はそのスピードでテーブルに駆け寄り、ノートを広げ始めた。
「エイミィ、後でジュース持ってきてあげて」
「はぁーい。っと、ところで…誰がケーキ取りに行きます?」
「エイミィが行けばいいだろう」
「通信機器の設定まだしばらくかかるよぉ。通信は最優先で整えておかないとまずいで
しょ、クロノくんこそ行ってきてよ」
「僕だって手が離せる状態じゃないぞ」
「あたしが行くかい?」
「アルフは僕の手伝いだ。やることは山ほどある。ロストロギアが急に動く可能性もあ
るからな。本部設営が最優先だ」
「さっきので大体の見当は付きました。僕もお手伝いします。クロノさん」
「ありがとう、クロノくん。じゃぁアルフはエイミィの手伝いだ、僕はクロノくんとや
るから」
 向こうのクロノはなのはの肩にそっと手を置くと、空いた手でごめん、と謝る。
164の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:35:05 ID:kzuJDORB

「なのは、ごめん、ちょっとだけ待っててね」
 当のなのはは、んー、っと小首をかしげていたが、何か思いついたらしく、ぱっと顔
を輝かせ、
「あ、じゃぁ、私が翠屋にケーキ取りに行ってきますっ!」
 はいはい、っと元気に手を上げた。
「「「「「「「えっ?!」」」」」」」
 その場の全員。宿題組の2人ですら思わず手を止め、向こうのなのはを見入る。
「ちょ、ちょっと、なのは、ここは海鳴と言っても別世界だ、1人で行かせるわけには
いかないよ」
 だめだめだめ、と向こうのクロノはなのはを押し留める。
「大丈夫だよ、さっきなのはさんに聞いた感じだと街の造りは同じみたいだし、翠屋の
場所も同じみたいだから」
「い、いや、そういう問題じゃなくて…」
「だってみんなお仕事してるのに私1人だけ何もしないなんて失礼だよ。だから私がお
使いに行ってくればみんな助かるでしょ?」
 ね、とクロノに笑顔を送るなのは。思わず「わかった」と言ってしまってもらっても
困るのでリンディが歩み寄る。
「なのはさん、気持ちはわかるけど、でもやっぱり1人で外に出すわけにはいかないわ、
いざとなれば私が行くから大丈夫よ、ありがとう、気持ちだけもらっておくわ」
「艦長、艦長がここ離れていいと思ってるんですかっ」
 クロノの鋭いツッコミ。
「あ、あらら、そ、そう言われればそう…ね、おほほほ」
「じゃぁやっぱり私が!」
「ごめんなさい、でもやっぱり危ないから、ね」
「…はい……ごめんなさい…」
「ううん、気持ちはすっごく嬉しいのよ。でもあなた達を保護してる身分からすれば、
あなたを1人で外へ出すわけにはいかないの、わかって、ね。」
「…はい…ごめんなさい、無理言って…」
 うなだれるなのは。それを見かねたのか、一同の思いもよらぬ場所から声が上がる。
「Sir」
「えっ?え、え?な、何、バルディッシュ?」
「Leave it to me」(私に任せて下さい)
「えっ?な、何を?」
「I go with Ms.Nanoha」(私が彼女と一緒に行きます)


 〜  〜  〜


「That is Uminari department store. Do you know it?」
                   (あれが海鳴デパートです。ご存知ですか?)
「うんっ、私の知ってるのと同じだよ。ありがと、バルディッシュさんっ」
「You're welcome」
「えへへー、バルディッシュさんとお出かけだー、嬉しいな〜」
「I protect you from an enemy. Therefore don't worry. Ms.Nanoha」
                  (あなたは私が守りますから安心してください)
「うんっ!ありがと。バルディッシュさん、だーい好き♪えへへー」
「………………I am the same feeling, too」(…私もです)
174の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:36:39 ID:kzuJDORB
「えっ?あ、ごめんね、ちょっと周りがうるさかったから聞こえなかったみたい。何て
言ったの?バルディッシュさん?」
「Sorry. It is a soliloquy. Please don't mind it」(独り言です。気にしないで下さい)

「何だか、まぁ、どこのバカップルだよー、って会話だねぇ」
「エイミィ、あくまで監視してるんだぞ、作業の手を止めるんじゃない」
「へいへい、わかってますよぉー」
 とりあえず。
 当該世界のモニタリングは常時起動していたおかげと、バルディッシュのサーチャー
機能のおかげで、常時監視可能だから、という意味合いで2人(?)を使いに出した一同
であったが。
 映し出されるのは、何だよ、おい、といった会話だったりするわけで。
「しかしまぁ、バルディッシュも一体どうしちゃったのかねぇ、後でオーバーホールが
必要なんてことにならないといいけど」
「次元震を防ぐのに相当無理をしていたようですから…僕はデバイスについての詳細は
わかりませんが…OS周りまで影響してないといいんですが…」
 向こうのクロノのつぶやきに答えたのは意外にもリンディ。
「んー、でも多分、それほど心配することじゃないんじゃないかしら」
「と、いうと?」
 意外なところからの声にこちらのクロノも思わず口を挟む。
「クロノさん、さっきの話だと、確かバルディッシュを修理したのはあっちのなのはさん
だったわよね?例のなのはさんの祈願魔法で」
「え、ええ、そうです」
 クロノの脳裏に先のブリーフィングルームでの光景が蘇る。
「…なら多分間違いないでしょうね」
「えと…私には言ってる意味がよくわからないんですけど…クロノくん解る?」
「あ、いや、僕にも見当がつかないな…」
 2人揃って、ついでに向こうのクロノも首をかしげる。
「バルディッシュもレイジングハートも自己修復機能を備えているのは2人とも知って
るでしょう?あ、クロノさんは知ってたかしら?」
「はい、先ほどフェイトさんがそんなことを言ってました」
 うんうんと頷くリンディ。
「インテリジェントデバイスの自己修復機能はすこぶる優秀よ。以前2機が大破したと
きでも、局で修理するより周囲に魔力を展開させて自己修復機能を最大稼動したくらい
なんだから」
「そ、それは…まぁ、そうですが…」
「つまり、バルディッシュ、というか、まぁ、2機共でしょうけど、自己修復以外での
本体修復は経験していないわけよ」
「…あの…も、もしかして艦長が言いたいのって…」
 いや、ちょっとまて、と思わずエイミィは口を挟む。
「きっと初めて他の人に自分を治してもらって好きになっちゃったのね、なのはちゃん
のこと」
「「いや、それは無い(でしょう)」」
 まてまて、相手は機械だ、あんた何を言っている。とリンディにダブルでツッコミを
かます2人。
「…いえ、でも一概に無いとは言い切れないかもしれません…」
「「えっ?」」
 聞き入っていた向こうのクロノが腕組みしたまま思案げに進言する。
184の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:37:31 ID:kzuJDORB

「今聞いた限りだと、バルディッシュの自己修復機能というのは、恐らく他者からの魔
力を自分のパーツの分子レベルに再構成するものだと思うのですが…」
「んー、あー、そいえばマリーがそんなこと言ってたかも。あ、マリーっていうのは、
えーっと簡単に言うとメインテナンススタッフね」
「はい。効率的に他者からの魔力を直接使用するよりも、一度自分の魔力に擬似的に変
換させてパーツを再構成させる方がいいはずなので、つまりそう考えるとバルディッシュ
の本体そのものは、自身、もしくは使い手であるフェイトさんの魔力で根底が構成され
ていると考えられるんです」
「…なるほど、観点はいいね、それで?」
 実際この仮説通りだとすれば、バルディッシュの作成者たるリニスの名前が出るべき
だが、向こうのクロノはその存在を知り得ていない。
「単一者の魔力のみで構成されているが当然の状態の自律型法術杖を、なのはは修復し
ました。そしてなのはの魔法は祈願型です。なのはの魔力が直接法術杖のパーツを構成
したとしても不思議ではありません」
「…なる、ほど…自身に直接作用されのは初体験、というわけか。しかもその魔力の持
ち主が身近にいれば、人で言えば惹かれるのもうなずけるが……だがインテリジェント
デバイスにそこまで人間感情があるというのも…」
「バルディッシュって硬派の塊みたいだからねぇ、免疫がないとこにかわいい女の子が
手当てしてくればそりゃぁ惚れちゃうよねぇ」
「いや、だから、そんな単純な話か?これは」
「雛鳥効果に近いかもしれないわね、初めて見たものを親だと思い込む」
 納得いかないようなクロノを尻目に、女性陣はうんうんと頷きあう。
「でも、クロくんは心配じゃないの?」
 と、不意にエイミィは矛先を向こうのクロノに向ける。
「えっ?」
「なのはちゃん、相当バルディッシュのこと気に入ってるみたいだし、心中穏やかじゃ
なかったりしな〜い?」
 ニヤニヤと向こうのクロノに笑いかけるエイミィの表情はどこぞのすけべ親父と大差
ない。
「え、えと、ど、どういう…」
 意味ですか、と聞く前にこちらのクロノが割って入る。
「クロノ君、気にしなくていい、こいつの戯言だ、聞き流していいよ」
「えー、なのはちゃんのこと心配じゃないの?クロくん。バルディッシュになのちゃん
取られちゃう、とか思ったりしないの?」
 そんなクロノをどこ吹く風と、エイミィは向こうのクロノににじり寄る。
「あ、い、いえ、なのはが機械好きなのは知ってますし…多分、自立思考型の機械はま
だなのはの世界では実用化されてませんから、珍しいのもあるでしょうし…それに…」
「んー、それに?」
「いえ…その…ぼ、僕となのはは…その…つ、付き合ってる、とか…そういうんじゃ、
ありませんから…」
 頬を染め、そっぽを向くクロノ。
「えっ?違うの?てっきりそうだとばっかり」
 いえ、と小さく囁き、不意に悲しみを含んだ表情で向こうのクロノはモニターに映る
なのはを見上げ、半ば独り言のように呟く。
「僕は…なのはの大切な人の記憶まで奪おうとしました。本意でなかったとはいえ、元凶
は僕です。それは…許されることじゃありません…だから…元の世界に戻れたら…僕は
なのはの前から姿を消します。いえ、どのみちそうしないといけないんです…だから…」
「「クロ(ノ)くん…」」
194の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:38:14 ID:kzuJDORB

 クロノの言葉に動きを止めていた2人であったが、ほぼ同時に、モニターを見上げる
クロノの肩にその手をそっと置いた。
「君達の間に何があったかは僕達にはわからない。でも心配いらないよ、クロノ君。君
の気持ちは必ずなのはに伝わってるよ」
「そうだよ。私達とクロくんが出会ったこの短い時間の中で2人の仲を疑ってる人、誰
もいないよ」
「……」
「君となのはの年だと、まだ気付かないかもしれないけど、君達が君達を想っている、
その感情こそが恋愛って呼べるものだと思う。それだけ君達は惹かれあっているんだ。
自分の感情を殺すことはない」
「なのちゃんが他の男の子と仲良くしてると思うと、嫌でしょ?」
 ゆっくりと、エイミィの言葉にクロノは頷く。
「君は、なのはのことを守りたい、と思っているんだろう?」
 今度はより明確にクロノは頷く。
「なのはちゃんが悲しんでいるところなんか見たくないでしょ?」
「…はい…」
 その言葉を確認したクロノとエイミィは向こうのクロノごしに頷き合う。
「僕達に言えるのはここまでだな。まだそういうことを考えるには早い年かもしれないが、
もし君が後ろを決めているのだったら、今自分がどうしたいか、考えるといい」
「そだね。全部言うと野暮ってもんだね。って、クロノくん、最初に核心言ってるじゃない」
「はは、違いない」
「……」
「おっ、そうこうしてるうちにどうやら向こうは到着したみたいだよ、とりあえず工程
の半分はクリアだね」
 エイミィの言葉に2人のクロノはモニターを見上げる。
 バルディッシュを伴ったなのはがちょうど視界の内に翠屋を捉えていた。

「Arrived. That is a Midori-Ya」(到着しました)
 胸ポケットに入れたバルディッシュがなのはに目的地の到着を告げる。
「わー、ほんとに同じだー。よーしっ、じゃぁ2人でささっとお使い済ませちゃおう!」
「Yes! Ms.Nanoha」

「ふふっ…」
「なんだ、エイミィ、気持ち悪い、急に笑うなよ」
「ん、あはは、いやさ、よくよく考えるとクロくん、なのちゃんと一緒に行かなくてよ
かったなーと思ってさ」
「ん?何故だ?」
 なにかマズいことでも?とクロノは首をかしげる。
「いや、なのはちゃんの家族にはまだ状況説明してないしさ、なのちゃんの事を翠屋に
居る人達はなのはちゃんだと思うわけだから、男の子連れてきたりしたらなのはちゃん
のお父さんとかお兄さん、黙ってないんじゃないかなー、ってね」
「…あ、ああ、な、なるほど…一悶着ある…かもしれない…な」
 管理局としてみれば、なのははいち嘱託魔道師かもしれないが、家族としてみれば大
事な高町家の次女である。父や兄がなのはを溺愛しているのは周知の事実。
「ユーノくんもまだなのはちゃんの家ではフェレット扱いだ、っていう…」
「ちょっと待ってください!!!!」
204の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/05(金) 01:39:31 ID:kzuJDORB

 2人のなにげない呟きを向こうのクロノは聞き逃さなかった。いや、聞き逃しようが
なかった。
 そしてその表情は恐ろしいものに出合ったかのように蒼白になっている。
「「えっ??」」
「い、今…エイミィさん…なのはの…お、お父さんって…言いませんでしたか?」
「へっ?言ったよ、士郎さん、だったよね。なのはちゃんのお父さん」
「いけない!!!すぐになのはに連絡を!!!!!!!」
「な、なに、どうしたの一体」
「なにか問題でもあるのかい?」
「は、早くしてください!!僕達の世界ではなのはのお父さんは他界しているんです!
なのは自分の父親に逢ったことがないんですよ!!」
「「!!」」
 3人がモニターを振り仰いだ瞬間。モニターの中のなのはは翠屋のドアをゆっくりと
開いていた。



  〜〜 To Be Continue 〜〜  〜 もう一人の私へ… 〜 VOL.6





へい、長くなりそうなのでここまでに。
それはそうと3期は4月放送だとか(合ってます?)。クロノじゃないが、自分もあと
半年後には結婚予定なので、なんだか後半見逃しそうで不安だw

で、結局前スレは立てるだけ立てて自分は1本も投下せずに新スレですか、そうですか…

ここまで来るとレス付けもどうしていいやら、ほんとに…(^^;)
ごめんなさい、明日早いのでまた今度にて…
21名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 02:26:50 ID:iIYm/Xlt
>>20
乙。結婚おめでとん。


保管庫の「−−○○新聞の記事より抜粋−− (水死体氏)」が気に入ったんだが
そんな俺におすすめある?
22名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 08:05:51 ID:0DRtC/Rr
>4の222氏
スレ立て及び久々の小説投下乙です。
結婚予定おめでとうございます。

っていうかもう一人の私へ…ってすっごい久々だーーーーーーーーーー!!!!!!
長い間放置されてたから心配でしたよ!!

スミマセン、微妙にあわてました^^
たしかにリリ箱だと士郎死んでますしね。
つづきをまたーり期待しまてますね。
23名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 08:07:46 ID:0DRtC/Rr
422氏だ、200ほどずれてましたorz
24名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 11:31:23 ID:KligrtJ+
>4の222氏
待ってたよ私は、あきらめずに待ってたよ!!
GJ!!!
あとはアリサとの関係がどうなるかですね。
25名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 11:52:56 ID:guAcXR9w
>>21
それは保管庫の中でもいっとーハードなやつじゃないですか。
それ以上の物は他のサイト行くしかないかとw

>>4の422氏
久し振りの投下お疲れ様です、原作クロノが以外といい働きをしているのがなかなか。
あと結婚おめでとうございます。やっぱり色々あったんですか?w
26名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 15:46:02 ID:ioWzdfJi
4の422さん、いやー、まってましたよ。
覚えてるもんだ。
読み始めたら、おもいだしたよ。
結婚する前に書き終わらないと多分、1話/年になりそな希ガス。


結婚おめでとうございます。
娘さんのなまえはもちろんry




あとは、カルマだな。
待ってるから。
27名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 15:59:50 ID:x9ZLFsKX
>4の222氏
乙。結婚おめでとう!
28名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 18:45:55 ID:20yTS0W6
うお、結婚ですか、それは新年早々慶事ですねぇ
おめでとうございます。
2921:2007/01/06(土) 02:28:11 ID:HhcKYOB6
>>25
そっかぁ。ああいうの初めて読んだんだが、言葉で表せん感覚になるよな。
30名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 03:17:45 ID:BwQZKBtd
>>21
あれにはとうてい及びませんが、小生のものでよろしければ……
ttp://www.eonet.ne.jp/~marchi/nanoha_ss/76_001_lv1.zip
あのSSが設定元になっているものですが、後編のプロットなくして絶筆orz
文章の整合性とかちょっとあれですが、ご承知おきを…
しかし、よくプロバイダに削除されないものだ…
314の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/07(日) 09:13:56 ID:B4fo6zYC

レス返しっ

>>21さん
> 保管庫の「−−○○新聞の記事より抜粋−− (水死体氏)」が気に入ったんだが

HARDモノは書いたことあるにはありますが、さすがにあれとは比較できるべくもございません(^^;)


>>22さん
スレ立てたのは私ではありませんw

> 長い間放置されてたから心配でしたよ!!
ええ、自分でも心配でした、色々な意味でw
CherryLightのせいであれを書き始めた頃と今とでは脳内クロなの比率が7割増しになってすから、
あっはっは。


>>24さん
お待たせしてしまったようで、申し訳(^^;)
アリサ分も入れるとまた長くなるんですが、入れないわけにいかないですし、いやはや困ったw


>>25さん
>やっぱり色々あったんですか?w
まあ、色々とな(クロノ爆)


>>26さん
> 結婚する前に書き終わらないと多分、1話/年になりそな希ガス。
そんな縁起でもないこt……むぅ、否定できない(^^;)

> 娘さんのなまえはもちろんry
なのは、那ノ花、奈乃葉、菜ノ葉、南乃波、n波(ナノ)
どれがい……嫁にぶん殴られそうだがw まぁ、那ノ花くらいは候補案ってことでw


その他にも結婚レスくれた方、ありがとうございます。こんなに反響あるとは思ってなかったw
それではまた今度〜。
や、昼から仕事なんでw
32名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 14:30:06 ID:jRAFQW5N
やっぱり原作版の二人は和みますねえ…

あとはアニメ版側はStrikerS設定に繋げるのかフェイトルートで
若干パラレル入れるのかですが…どっちでしょ?
33176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:09:04 ID:elKvl7kS


糖度200%の日常

days 3

 言葉の媚薬と魔法の媚薬
 
 始まりはちょっとしたことでした。
 本当に些細で、何気ないことで。
 でも彼のその一言を聞いた時にもう少し頭が冷静であればあんなことにならなかったんだと思います。
 
 後の高町なのはは友人たちにそう語ったという。

* * *

「…………暇だな」
 無重力に体を任せながら無限書庫の司書長は大きく欠伸した。
 あまりに膨大な――それすら通り越しているから無限書庫なのだろうけど――書籍との触れ合いは今日はおやすみ。
 と、言うよりは珍しく無限書庫への依頼が無かったためなのだが。
 連日寄せられる情報検索の依頼はそれこそ疲労する暇さえないくらい膨大だ。この書庫ではないが無限といっても差し支えないかもしれない。
「何か読もうかな……」
 毎日が嵐なら今は完璧な快晴。さらに無風状態で心置きなく羽を伸ばせる。
 しかし立場が司書長故、ここを離れるわけにも行かず結局出来ることといえば文献漁り程度。
 考古学者でもあるユーノにとってはそれこそ最高の娯楽でもあるのだが、こう毎日本とばかり戯れていると流石に本や紙以外のものが触りたくなる。
「……何考えてるんだよ、僕の馬鹿」
 だからって人肌を最初に思い浮かべる当たり相当溜まっているのだろう。
 などと冷静に己をプロファイリングしてみても誰かが来るわけでなく……。
「リンカーコアへの直接干渉による身体能力の制御……ねぇ」
 煩悩よ立ち去れ、と心の中で何度も何度も読経するがごとく念じながら適当な本を読み始めるユーノであった。
「待てよ……ということは…………ああ駄目だ駄目だ!!!」
 全ての思考は下半身直結らしい。脳内で繰り広げられるピンク全開な妄想を首がねじ切れんばかりに振って吹き飛ばす。
 いやらしい、全く持ってこれはいかん。
 なんでここまで不埒な男に成り下がるのか、禁欲など考古学者にはお茶の子さいさい――なわけない――だ。 
「何か……食べて紛らわそう」
 食欲に摩り替えられればきっとこのしょうもない自分も払拭できる。曲がりなりにも三大欲求の一つなんだしできるはずだ、というかしろ!
 書庫中を縦横無尽に張り巡らされた梁を足場代わりに、入り口向けて蹴り上げる。
 飛行魔法を使えばいいと思うのだが、無重力という環境は思いのほか重力下での引こうと勝手が違うのだ。
 なんでこんなに梁が張り巡らされているのか当初は疑問にもあったが、なるほどこういうためならと先人の知恵に頷く自分である。
 ふわっと飛んで出口へ向けて。と、ユーノの目が出口で動く人影を見つけた。
 検索の依頼か。通信で済ませず直接来るは随分と律儀な人間だ。しかしそれは食事を取る時間がなくなることでもある。
 本音は不満、顔は円満。お客に対しては常に笑顔でがここでの――接客する上では万国共通だろうが――ルール。
 これでやって来たのがあの小うるさい執務官殿なら最悪この上なし。
34176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:09:38 ID:elKvl7kS

 あちらもあちらでこちらに気づいたらしい。大きく手を振るとその人影もこちらへ勢いよく飛んできた。
「ユーノくーーーん!!」
「えっ、あっ、なのはぁ!?」
 暗がりのせいか声が届くまでそれが誰だか分からなかった自分が情けない。
 気色満面でこちらに飛んできたのは他でもない大切な人――高町なのはであった。
 慌てて速度を調整しようとして、慣性で動いてる身ではどうにもならないことに気づく。なのはもなのはで力加減を間違えたのかぐんぐんその姿が大きくなっていく。

 ――結局。

「きゃぁぁぁっ!!」
「うっわわあぁ!!」
 正面から思いっきりぶつかってしまう二人。
 なまじ勢いがあったおかげであわや頭突きになりかけたものの、お互い上手く首を逸らしたおかげでなんとか回避。それでも感動の再開とでも言わんばかりにガシっと音が飛び出しそうな抱擁となった。
 あたふたと空回りする手は自然と背中へ回され、ふと気がつけば目の前になのはの顔があった。
 そのまま久方ぶりのなのはの顔を見つめる間も無く

 ――チュ……。

 唇に柔い感触がじんわり広がって、温もりが離れるころようやくユーノは我に返った。
 はにかんでいるなのはに段々と気恥ずかしくなるのを感じながらながら、気づかぬうちに止めていた呼吸を再開させる。
「えへへ……びっくりした?」
「もう、なのはぁ」
「だってちょうどキスできる距離だったから。しなきゃ損でしょ?」
 ちょこっと舌を出しておどけて見せるなのはに鼓動が早くなる。悟られる前にユーノは今度は自分からおもむろになのはへ唇を重ねた。
「んぅ……」
 くぐもった声が聞こえて腕を握っていたなのはの手に微かに力が入った。
 このまま舌を入れようと思ったが流石に再開をいきなり濡れ場に変えてしまうのはデリカシーに欠けていると思いユーノはなのはの唇だけ十分に堪能してからゆっくりと唇を離した。 
 目を開ければ色づいたなのはが少しだけ拗ねた顔でいた。
「お返しだよ。びっくりした?」
「ユーノくんの……馬鹿」
 唇を尖らせながらも声は楽しげななのは。恋人同士ならではの挨拶を終えてユーノは改めてなのはに向かい合った。
「それで……今日はどうしたの? 何か調べ物?」
「ううん、そうじゃなくてね。ちょっと用事で本局に来る機会があったから……それでね」
 なにやらもじもじと、落ち着きが無くなる。
「ユーノくんお昼もう食べた?」
「ちょうどこれから。なのはもまだなら一緒に行く?」
「ううん! それならこれ!」
 早口と共に目の前に差し出される四角い包み。両手で受け取ってくださいといわんばかりにユーノに突き出す様は恋文を渡そうとする乙女のように。
「これって……」
「お、お弁当なの! ユーノくん無限書庫の中にこもりっきりって聞いたから、もしかしたら美味しいもの食べてないかもって思って。それでわたしがお弁当作ってきたら喜ぶかなって思って!」
 一息でなのはは捲くし立てた。以前からユーノを喜ばそうと思って一生懸命精進してきて料理の腕はもう既に高町家で二番目の位置まで上り詰めている。
35176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:10:19 ID:elKvl7kS

 ――もっとも料理の出来る人間が高町家にはなのはの両親除けばいないためここまで来るのに対して苦労はしないのであるが。
 美由希の腕前? あえて触れるな。
「なのは……」
「差し入れのつもりだったんだけどね。作ったの余っちゃったから自分の分も一緒に作ってそれで――」
 ちなみに二人は肉体関係もそれなりにある恋人である。何もここまで緊張しなくてもいいだろと思うかもしれないが、なのはにとってそんなルールはどこにも存在していないようだ。
 鈍感――そう評されるくらいに恋に鈍いなのはは慣れないことをするたび毎回のこんな調子なのである。
 彼女に言わせれば恋する乙女も常に全力全開なのだろう。
「うん、いいよ。一緒に食べよう」
「いいの?」
「もちろん。それにさ」
 そっと包みを両手で包みこんでユーノはそっとなのはに囁いた。
「大好きな人とのランチなんて僕から誘いたいくらいだよ」
 これが漫画なら「ボンッ!」と効果音がデカデカと付いたはずである。
 またも乙女が全力全開で沸騰した。思わぬ不意の一撃でなのはの顔は一瞬で真っ赤だ。
 頷くまでちょっとばかり時間差。この間に言葉の意味を何度も何度も確かめているなのはである。 
「うん!!」
 そして返事をした時、彼女の顔には溢れんばかりの笑顔で彩られていた。
 こうして甘い甘いランチタイムが始まるわけなのだが……。
 当然、無限書庫での飲食は禁止されているというか、なるべくなら禁止してもらいたい理由があって。

 その理由が後々、ある青年への悲劇に変わろうなど誰しも予想は出来なかったわけで。

* * *
36176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:10:56 ID:elKvl7kS

 意外と、この梁は足場以外にも使い道があるんだな。
 テーブル代わりであったり椅子代わりであったり……。やはり先人の知恵は侮れない。
 頭は思考して、でもちゃんとなのは特製の愛情弁当をご飯粒一つ残さず完食しているユーノである。
「ごちそうさま。すごくおいしかったよ」
「ほんと! 実は結構自信があったんだよ」
 えっへん! と胸を張る仕草をするなのはに笑みを浮かべるユーノ。ここからは午後の麗らかな――書庫の中で天気も何もないのであるが――時間が始まる。 
「でも魔法みたいにすぐに上手くはならないんだよね。もうちょっと上達が早ければいいのに……」
「大丈夫だよ。それに僕としてはなのはが上達していく過程を味わえるのだってご馳走なんだから」
「うう、ユーノくんお世辞上手いよ……」
 母がいつまでも父と新婚状態を保っていられるのは常に心が恋して幸せだから。そんなロマンチックなことをふと思ったことがあるが案外そうかもしれない。
 だって現在進行形で恋する自分もすごく幸せだから。ユーノに会うたび心が高鳴って恋してるって実感して、幸せな気持ちになって……。
「お世辞じゃないよ、僕の素直な気持ち」
 もしも……ほんとにもしもだけど、ユーノが旦那様になったらどんな幸せな気持ちになるんだろうか。
 今でこれなのだ。きっと毎日が楽しくて嬉しくて幸せで、爆発してしまうのでは?
 怖いくらいな幸福感。その時の二人はきっと母や父のような仲むつまじい夫婦に絶対なれる。
 なのはにとってのこれは自信ではなく確信だ。
「ん? どうしたのなのは」
「へっ? あ、ううん! なんでもないよ!!」
 語尾がとんでもなく裏返って素っ頓狂な声が書庫の中を飛んでいった。
 まじまじと見つめてくるユーノの瞳から熱線でも浴びているかのように体が火照ってる。
 もし今の考えが見透かされていたら――。
「可愛いよ、なのは。今幸せにしてあげる」
「ユーノ……くん?」
 ぐっと身を乗り出して抱きしめられて、囁かれて――。
 もしかしてほんとに見透かされちゃった!?
 実際そんなことはないのであるが惚けた頭はどうやらユーノの一言に思いっきり混乱しているらしい。
 幸せにしてくれる――つまりもう結婚!? そんな式が成り立つなのはの頭はもういろんな意味で駄目だ。
 ただでさえ赤いのにこれ以上どう赤くなれというのか。そんな文句がなのはの頬から聞こえそうだ。

 ――ガチャリ。

「へっ……?」
 取り合えず甘い妄想は両手がチェーンバインドで拘束されて中断だ。
「あの……ユーノくん?」
 膝の上に乗せていた手は冷たくも熱くもない彼の鎖に綺麗に縛られている。なのははこの状況が全く理解できなかった。ただでさ惚けている頭、無理も無い。
 戸惑いがちにユーノの様子を窺ってみる。
 ――と。
「転送」
37176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:11:40 ID:elKvl7kS

 一瞬の閃光。唐突に全身を襲うスースーした感覚。急に服の風通しがよくなった気がする。
 ユーノの後ろにふわふわ浮いているアレは何だろうか。なんだか服を脱いでしまったみたいに体が鋭敏に外気を捉えている。
 そういえばすぐ目の前をぷかぷか浮いている服は自分の着ていたものに良く似ている気がする……。
「あれ? え? ゆ、ユーノくんなんで裸……」
 よく見ればユーノもなぜか一糸纏わぬ姿ではないか。抱きしめられている格好のおかげですぐには気づかなかったが少し目線を下げれば彼の男らしくなってきている背中が映し出された。
「だって言ったよね……なのはを幸せにしたいって」
「で、でもわざわざ裸になるひっ!!」
 ぞわっと寒気みたいな感覚が背筋を駆け抜けた。何が起きたのかなんてすぐに分かる感覚。
「あっ、だめ! 耳は!」
 抗議の声をユーノは無視して、執拗になのはの耳たぶを甘噛みする。耳はなのはの性感帯の一つなど当の昔に知ってるのだから攻撃するのは当然のこと。
 噛んだ後は舌を這わせ、また噛んで。その間にユーノはそっと腰を抱いていた手を移動させる。
「……うぅ、いきなりどうしたの……こんなとこで嫌だよユーノくん」
 なのはの予想に反して手はどちらの乳房にも触れることなく丁度胸の中心、鳩尾から少し上の位置で止まった。自分の願いが届いて踏みとどまってくれたのだろうか。
 温厚なユーノなのだからきっとそうに違いない。やっぱりこんな所で体を重ねあうなんてことは非常識に程がある。第一人が来てしまったらそれこそ収拾が付かない事態になる。
「今は昼休みだから人なんて来ないから……安心して」
 ただでさえ週間単位でも来客が来るかどうかの無限書庫である。昼の時間帯ではなおのこと人など来るはずがないのだ。
「そういえばレイジングハートは?」
「今整備中で……」
 内心でユーノはこの幸運に感謝した。
 実の所ユーノはなのはにキスをお返ししたあの時から今日はここでなのはと常時にしゃれ込もうと心に決めていたのである。いつものユーノにしては邪な考え方だがこれもきっと溜まっているから。
「じゃあバインドも解けないね」
「そ、そのくらい自分で出来るよ……」
「ほんとに?」
 からかう様に尋ねてくるユーノになのははすぐにバインドを解除すべく術式を展開しようとした。
 もちろんなのはの実力がどれほどのものかはユーノだって承知している。このバインドは相当強度を落としているもの。レイジングハートの自動詠唱や力を借りなくてもなのはならこの程度は簡単に破壊できるだろう。
「あ……れ?」
 あくまでそれは彼女が魔法を使えたの場合。
「解けない……」
「魔法つかえないもんね」
「そ、そんなことないっんっ!!」
 言い切る前に強引に顎を引き上げ一気に舌を潜り込ませる。
 驚き竦むなのはの舌に自身を刷り込むように押し付け、滑らせながら唾液を流し込んでいく。
 ちゅぅ、と舌を吸われて唇をなぞられ、また舌が口内を犯して。
 自由のない両手ではユーノを拒絶できることもはもちろん、こっちから抱きしめることすら叶わない。
「んっぷぁ……ね、ねぇお願い……やめてよぉ……ゆーのくっんっ!」
 唯一の抵抗である声も徐々に力を失くしていた。
「やめたくない。僕だって男なんだよ、なのはに久しぶりに会えれば意地悪だってしたくなるさ」
「でも……わたしこんな所で……あっ、やだぁ!!」
 指先が断り無しに股の間へ入り込んでくる。腿を閉じようにも他人の体みたいに力が入らなかった。
 いきなり秘裂に指をめり込ませられなのはは悲鳴を上げる他ない。
38176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:12:15 ID:elKvl7kS

「濡れてるよ。嫌じゃないじゃないか」
 ユーノの言葉通りなのはの性器はすでに挿入すら出来るくらいに蜜に塗れていた。キスのせいなのか久しぶりに肌を重ねる期待なのか、なのはにしてみれば尋常ではない濡れ方である。
「そんなぁ……そんなことないよぉ!!」
「じゃあ聞いてみる」
「あっ、やっ! だめだめだめっ!!」
 何度も横に首を振っても彼は止まらなかった。
「ひっ!? あっ!? やぁぁぁ!!!」
 入ってくる。体温の違う異物が入ってくる。
 たった数センチ、それだけの快感でなのはは達した。絶叫し体を震わせて、その度膣が指を何度か締め付けてくる。
 まるでいつものようにユーノが入って精を放つ瞬間のようになのはの頭の中はしばし漂白されていた。
「すごいな……直接干渉がここまで」
 今だ乱れたい気遣いで快楽に身を任せているなのはをそっと梁の上に寝かせてユーノはこの魔法の効力に驚きを隠せずにはいられなかった。
 今まで片手がずっと胸の上にあったのはリンカーコアを制御し続けるため。なのはが魔法を使えなかったのも、抵抗する力がなかったのも、指だけで達してしまったも――
 
 なにもかもユーノのおかげである。

 先ほど読んでいた本では魔導師の魔法の源であるリンカーコアへ直接魔法を施すための方法が記述されていた。
 それは普通より遥かに少ない魔力――それこそ魔法が発動したかすらわからないくらい微量の魔力でも――で、しかも効果は何倍にもなって発現という旗から見れば相当便利なもの。
 
 だが――

 美味しい話には裏があるように、同じ人間に同じ魔法をかけて同じだけ効力が発揮されるなんてことは一度もない。効力の幅がピンからキリまでムラが激し過ぎる実用に値しない技術なのだ。
「やぁ……だぁ…………体が変だよぉ」
 体をくねらせながら身悶えるなのはを見ていると今回はその効果は相当強い方向へと向けられているのだろう。
「じゃあもういいかな?」
 壊れ物を扱うようになのはに触れるだけでも彼女は感じるのか必死に声を押し殺している。顔を真っ赤にしながら耐えているなのはは熱に浮かされているように苦しげだ。
「あ……だめ……今はユーノく……んぅ!」 
 流石に感覚の鋭敏化に魔法の抑制と二重に魔法を施したのは可哀想だったか。
 胡坐の上に座らせるようになのはを抱き上げながらも性欲に潰されかかっている良心が訴えている。理性は同情してても本能は真逆の行為をしている時点で何の意味もないが。
 シルクのようななのはの背中に舌を這わせながら、すでに手が肉茎を握り亀頭の先を狙い定めている。先からは涎を垂れ流し裏筋から睾丸まで流れ落ちていた。
「お願い……そんなこと……されたら」
 懇願するなのはに非情にも水音と圧迫感が襲う。指よりもずっと太い、ユーノの男が少しずつなのはの膣へと侵攻していく。
「あ……あぁ……っ!」
 体の震えが止められない。何度も何度もゾクゾクした感覚が体を嬲りその度ユーノが奥を目指して入ってくる。
 ふわふわとする体は無重力のせいなのか快楽のせいなのか。逃げようと体を捻ればその分だけユーノと余計に擦れあってしまい悲鳴を上げさせる出汁にしかならない。
 自分の体に起こっている異変をなのははまだ理解できていない。わかるのはユーノがすごく強引で意地悪で、触られるだけで達してしまいそうなくらい敏感だということだけ。
「うぅーーあぁっ!!」
 ユーノを根元まで飲み込んでなのははこの日二度目の絶頂を迎えた。
 せめて悟られないように、そう思って声は必死に押し殺したが快感には勝てなかったようで最後は大きく口を開けてしまった。
39176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:12:48 ID:elKvl7kS

「はぁ……はぁ……っーーーー!」
 息は続かない。叫んでいても声は空気を震わせないで厭らしい水音を書庫中に響かせた。
 無言でユーノは動き始めた。なのはの腰をがっちり抱きしめながら激しく腰を動かしている。
「うっ! くぅ……なのは気持ちいよ」
 時折顔をしかめながらもユーノの勢いは止まらない。無重力のおかげかなのはを持ち上げるのも腰を動かすのも負担がかからないおかげだった。
 なのはの膣は熱くたぎって愛液に溶解している。そのくせ離すまいと力任せに締め付けてくるおかげで加減を間違えれば出してしまう。
「ひっ! うっ! あっ! ひゃう!! んくっ!! うあ!!」
 ユーノが子宮口を叩くたびに搾り出される嬌声。上下に激しく体を揺さぶられながら成すがまま。
 なのはに出来ることは注送される快感を高みに辿り着くその時まで受け続けるだけ。
 何倍にも増幅された感覚器はもはやなのはの全身を性感帯に変えている。背中でユーノの胸を感じ、時折息を吹きかけたり噛んでくる耳たぶに身悶える。
「ゆーのくぅん! いいよぉ……きもち……あうあ!!!」
 縛られた手首の窮屈ささえ今はもう快楽に変わっている。
「もっとぉ……もっとしてぇ!」
 快感の波が大きすぎる。狂ってしまいそうなほどなのに、それでももっと気持ちよくなりたいとなのはは願い始めていた。
 いつしか自分から快楽を得ようと腰をくねらせより深いところへユーノを導いていく。
 息も絶え絶えに、涙を流しながら無意識のうちに両手が下へと伸びていく。
「あっ! んんっぅぅぅ!!!」
 なのはの体がえびぞりになる。彼女は自らの手で興奮に膨らむ肉芽を抓っていた。
 電流が全身を爆ぜ、涙の粒が中へと放られた。
「駄目だよなのは……く! 自分で気持ちよくなっちゃ」
 なのはの異変にはユーノはすぐに気づいていた。魔法の力を借りてるとはいえ自分以外で――例え彼女自身が慰めることも――性感を高めるなんて許せなかった。
 きっと自分もイカレてる。だからもっと気持ちよくなりたい、気持ちよくしたい。
「そんなこと――させない!」
「あ、きゃあ!!」
 じゅぷ! と盛大な音を残してユーノは肉茎を引き抜くとなのはの体を梁へと押し倒した。
 自ら慰めていた手は頭の上へ放られる格好になり、ユーノが覆いかぶさってくる。
 冷たい――背中が梁の感触をなのはに教える前に
「ひゃああああ!!」
 熱い――膣がなのはにユーノが叩き込まれたことを教えた。
 いきなり有無を言わさずユーノが押し入ってくる。引き抜かれていたことを忘れさせるように激しいピストンを繰り返す。
 もっと、もっと、もっと!!
 二人の心は繋がっている。快楽に身を任せ、狂って、極限の高みへ――。
「も……もうわたひぃ! ゆーのくぅん!!」
 呂律が回らなくなってることも気にしない。頂上すぐそばだということを彼に教えられれば十分だ。
「うん……いくよ」
 耳元で荒い息遣いと共に吐き出される静かな言葉。
 そうしてユーノは壊れるくらいに腰の動きを加速させた。
「にゃあああ!!」
 もしもこの書庫の本たちに意思があればさぞ驚くだろう。甲高い悲鳴がこの静寂を愛する場所に響くなんてあり得ないのだから。
「あ! ああ! ゆーのっ! くっん!!」
 でも友人の魔導書は意思を持っていた。こんな広い書庫なのだからそんな本もあるかもしれない。
「なのはっ!!」
40176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:13:27 ID:elKvl7kS

 もう恥ずかしいなんて感情はなのはには存在しない。愛し合っていることが罪なんてはずがない。なんなら見せ付けてやる。
 それくらいまでになのははよがり狂う。
「くるよ! くるよぉ!! んああ!!!」
 肉と肉、粘膜と粘膜。
 乾いた音と濡れた音。
 全部がぐちゃぐちゃになって心も体も溶け合って。
「ぐぅ!! なの……は」
 睾丸がひくつき痺れるような感覚が根元から先端へ向けて走り抜けていく。
 同時になのはの両足がユーノの腰を締め上げ鉄のように硬いペニスを膣が一気に締め上げた。
「うくっ!」
「あっあっあぁ! んひゃああああああああ!!!」
 沸騰しているよう精液がなのはの奥底で何度も何度も爆発する。
 何も考えられなくなってあまりの快感に歯がガタガタ鳴ってユーノは顔を埋めた。
 体中を痙攣させて折れるくらいに反り返りながらなのはは全部が真っ白になっていくのを感じた。
 音が消え、静寂を取り戻す無限書庫。小さな二人に許された秘め事の時間の終わり。
「幸せに……なった?」
「……うん」
 獣から人に戻った二人の微かな息遣い。
 それだけが唯一の音になって静かに繰り返されていた。

* * *
41176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:14:01 ID:elKvl7kS

「あっ、ユーノくんそこっ!」
「うわっとと! それ!」
 やっぱり寮のほうでした方がよかった。
 想定外の労働にユーノは自分の犯した間違いの大きさに頭痛を覚えた。
「無重力なんてこりごりだよ」
「自業自得だよ」
「すいません」
 こういう時は平謝りするしかないのがお約束だ。
 また目の前にふわふわと漂ってきた水球を魔法で引き寄せてユーノはため息をついた。
 情事が終わってふと我に返ると無数の水滴が二人の周りを漂っていた。満天の星空のように形容できるそれは最初はなにか飲み物でも溢したのかと疑ったものだ。
「うわ……ねばねばしてる」
 手の甲に漂着したそれはなんともいえない香りと共に触れば糸を引く。
 出所はなのはの股か自分の股か。
 おそらく両方の粘液が交じり合って飛び散ったのだろうとユーノは他人事のように感じていた。
 きっとここに浮いている液体は
 
 涙に汗に涎に愛液に精液におのおのが混じったもの――。

「ユーノくんのせいなんだから一人で頑張ってね」
 梁の上に座っているななのはは少しご機嫌斜め。体があそこまでおかしくなった真相は既にユーのから教えてもらっている。
 人をおもちゃみたいにしたことは好きな人といえど頭にくるけど……まぁ、目を瞑ろうとなのはは思っている。
「ねぇ、ユーノくん」
「な、なに?」
 なじられるとでも思ったのだろうか。ユーノの返事はちょっとだけうわずっていた。
 おかしくなるのを堪えつつなのははユーノに笑顔で話しかけた。
「今度その魔法わたしにも教えてくれないかな?」
「えっ? なんで」
「いいよね? 縛ったりしたことみんなに言っちゃおうかな」
「もちろん教えるよ! 絶対! こつを掴めば簡単だし」
 実際ぶっつけ本番でユーノが出来るのだから相当簡単だ。
 しかし即答。男の子ってほんとに見栄っ張りだということを納得させてくれる。
「もしかしてなのはそれ僕に使うつもりじゃ……」
「もちろん! やったらやり返さなくちゃフェアじゃないよ」
 にこにこしながら危なっかしいことを言っているのは多分気のせい。
「あんなに気持ちよかったの初めてだもん」
 梁を蹴ってユーノへと飛ぶ。
 さっきみたいにぶつからないように気をつけて。そっとユーノを抱きしめて
「わたしユーノくんにも気持ちよくなって欲しい。だから今度は一緒に」

 ――幸せになろう。

 口付けを交わした。

* * *
42176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 01:14:36 ID:elKvl7kS

 ちなみにこの話には続きがあって……。

「おい、ユーノ忙しいところ悪いんだが」
 無限書庫にやって来たのはアースラ執務官クロノ・ハラオウンその人だ。
 しかし運悪くユーノは不在である。おそらく今頃なのはとカフェテラスでお茶としゃれ込んでいるのだろう。
 あと少し早く来ていたら危うく昼下がりの情事の目撃者になれたのは言うまでもない。そういう意味では幸運なのだろう。
「なんだ……司書長のくせにサボりとは感心しないな。フェレットに本の管理はやっぱり無理か」
 ぶつぶつといつものように憎まれ口を叩いていても実は久しぶりに顔が見たくて来たなんて口が裂けても言えない。
 一応数少ない同年代の男友達ということでやはりいろいろと気に掛かるのだ。
「しかたない通信で依頼を入れておくか」
 それが本来の書庫への検索以来であるわけで、そもそも直接来ることなんてマニュアルにもないことかもしれない。どうせ最近までここは秘境だったのだから人が立ち入ることが奇跡なのだ。
 それでも一応と、中腹まで飛んできて辺りを窺うクロノ。上も下もやはりいないと確認して引き返そうとする。

 ――そんなクロノの後姿が寂しく見えたのか無限書庫は彼にあるお土産を渡すのである。

「あいつめ……これで誰かさんと逢引していたらただじゃおかないからな」
 念のためと、振り返ってしつこく確認。そうして振り向きざま
「さて行くか――あ……ん?」
 ちらりと視界に何か丸いものが見えた。それは丁度クロノの口目掛け飛んできて、突然のことにクロノは反射的にそれを吸い込んでしまった。
 直後口の中に不気味な感触。同時に青臭いというか生臭いというか……好ましくない臭気が鼻を突いた。
 そうしてクロノの喉が動くまでは一瞬で。
「んぐ!? なんだこれ……」
 正体不明の物質を飲み込んでしまった。確か無限書庫の中では飲食禁止だったはずだが。
「まさか腐った何かでも飲み込んだか?」
 まさか遥か昔に誰かが飲食した時に飛び散った食物が腐敗して挙句、今頃になって自分の口へ来訪したのでは?
 邪推とも取れる考えをクロノは巡らしたがすぐに振り払う。
「まぁ、大丈夫だろう。胃薬でも飲んでおくか」
 飲んでしまったものはしょうがない。今更吐き出すことも出来ないので放っておこう。
 意外とポジティヴに物事を考えるクロノである。
「さて、仕事も残ってるしアースラに戻るか」
 そうして本日二人目の訪問者は去って行った。
 
 哀れにもクロノはそれが何であったかわかるはずもない。
 場所を考えればそんな物質がここに存在することなど未来永劫絶対にあり得ない。 
 しかしそれは静かに存在していた。いや、あのサバイバルレースを潜り抜けた唯一の生き残りでもある。
 きっとなのはもユーノも気づかなかったから。だからそいつはここにいた。
 無重力の中を漂流し続けて、空調に乗って偶然にも奇跡的とも取れる出会いでクロノの口へ舞い降りた命の元。
 
 ――子種……またの名をユーノの精液。

 よほど好奇心旺盛の人間じゃなきゃそんなもの自分で飲みはしないだろう。いや普通はしない。
 せいぜい匂いを嗅ぐ程度だけ。クロノだってその一人だからこそ気づけなかった。
 クロノが真実を知るのはそれからちょっと経ってから。アースラでエイミィに話しかけたときの彼女返事からさらに一時間と二十四分の時間を置いてだ。

「く、クロノ君って……そっちの趣味も行ける口……?」

 誤解が解けるまで彼の恋人は今一度本当に彼を選んで正しかったのか眠れぬ夜をしばらく過ごすのであった。
43176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/10(水) 02:03:08 ID:elKvl7kS

お久しぶりノシ
新年一発目二人の姫始め! このスレにとっても久しぶりのエロ。

はい、夜も遅いので寝ます。
コメントはまたいつか、すいません。

あれもこれもみんな並行作業は辛いなぁorz
44名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 02:26:03 ID:2r0NeBxv
ひさびさのユーなの&176氏だー!
GJです
45名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 05:55:04 ID:vL9mHDhF
そういや葱板だったかどこだったかの高町家に引き取られれたフェイトの元になったやつって
そっちの方はどうなったんだろ
フェイトがいい感じで虐められてたのだが
46名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 10:46:14 ID:azLrAtaI
一番大好きな糖度200%ついにキターーー!
47640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/10(水) 23:31:15 ID:G7orW4ei
八神家は、夕飯時だった。
今日のメニューは、はやてが非番だったこともあり腕によりをかけて作ったクリームコロッケ。
ホワイトソースからなにから、手作りの一品である。

「あーほらほら、リイン、口のまわりついとるって」

けれど、その割に食卓はいつもに比べて少し静か。
ヴィータとシグナムの二人が、ちょっとした出張で留守にしているためだ。
普段ならばリインと晩のおかずをとりあって騒ぐヴィータの声がない分、
騒がしさ二割減といったところだろうか。

『はやてちゃんのコロッケ、おいしいですー』
「ありがとなー。さ、たーんと食べり」

そのかわりといってはなんだが、リインがいつもより心なしかよく甘えてくる。
一家が夕食に揃わないのが珍しくないことにも随分と慣れたが、やはり少し寂しくはある。
自分の子のように可愛がっているデバイスの少女が甘えてきてくれることは、その隙間を埋めてくれていた。

「フェイトちゃんもこんな気持ちなんかなー……?」
『ふぁい?』
「ああ、昨日言ってた?エリオくんでしたっけ?」

自身もまたコロッケを頬張っていたシャマルが、はやての呟きに気付く。

「今、フェイトちゃんのところにいるんですよね。四歳なんて、かわいい盛りじゃないですか」
『???』

フォークを握ったまま首を傾げるリインフォースはよくわかっていないが、
はやてにもシャマルがそういって頬に手を当てたくなる気持ちはわかる。
実際、昨日見た幼い男の子・エリオは実に元気で可愛かった。

「……ま、ヴィータとは相性悪そうやけどな」
「なんとなくわかります、それ」

主に、精神年齢的に。
シャマルも頷いた。

そんな彼女らは、今フェイトとエリオが何をしているかなど、知る由もない。
すこしばかり、面倒なことになっていることに。


魔法少女リリカルなのは A’s to the strikers

−ママは中学一年生−

第二話 少女、困惑する


時間は、少々前後する。

「え?散歩?」

一日の勤務を終え帰宅したフェイトは、飛びつくように迎えに出たエリオから言われた言葉を、
そっくりそのまま聞き返した。
48640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/10(水) 23:33:02 ID:G7orW4ei
アルフの、散歩に?

首を傾けると、今は幼い少女の姿で、ソファ上にダウンしているのが見えるが。
到底、散歩に行く元気がありそうな様子ではない。

「うん、散歩!!アルフの散歩、行きたい!!」
「……ああ」

なるほど。行きたいわけね。
アルフというよりも、エリオが。

でも、肝心のアルフがあの状態では……。

とりあえず靴を脱いで玄関に上がり、エリオを抱きかかえる。
居間の時計は、子供が一人で出かけるには少々遅い時間だった。

「明日にしようか、エリオ」
「ええー!?今日がいい!!」

当然のごとく、却下。
予測どおりエリオは不満の声をあげる。
それでも、こういう躾はしっかりしておかないと。

彼を抱きかかえたまま、言い聞かせる。

「今日はもう、遅いでしょ?明日なら私も非番だから一緒にいってあげられるし」
「やだ!!今日がいい、今日がいいー!!」
「わ、ちょ、エリオ!?」

じたばたともがいて駄々をこねるエリオ。
四歳児なのだから、無理もないといえば無理もない。
あんまり暴れるものだから、フェイトは彼を落としてしまうんじゃないかと冷や冷やした。
何しろ、片手は中学の通学用鞄で塞がっている。
右手一本で抱きかかえているのだから暴れられては安定しないことこの上ない。

「言うこと、ききなさいって」
「やだ、やだ!!行くの!!散歩行くの!!」

だから、アルフが無理なんだってば。

少年の右手に頬を押さえつけられながらアルフのほうを見ると、
彼女は顔もあげずうつ伏せの状態で、両手だけ持ち上げて「勘弁してください」と
×印をジェスチャーしている。
精神リンクからも今日はもう寝かせてくれといっている波動がこれでもかと伝わってくる。

「いじわる、フェイトママのいじわるーっ!!」
「意地悪って、それは……っ、あとママはやめなさいって言って……」
「行かせてあげればいいじゃない」

だがしかし、アルフのその願いはどうやら、叶えられないようだ。
49640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/10(水) 23:34:40 ID:G7orW4ei

ぴたりと動きを停止した、フェイトとエリオと。
絶望したように驚愕の顔を持ち上げたアルフの見つめる先に、
キッチンから顔を出した鶴の一声の主、リンディが笑っていた。

「少しくらいなら。フェイト、あなたがついててあげればいいでしょう?」
「か、母さん」
「行ってらっしゃいな。どうせ夕飯が出来るまで、ちょっとかかるんだし」
「……はい」

さすがのフェイトも、家で母に逆らうことはできない。

───ごめん、アルフ諦めて。

彼女の送った念話に、アルフは再び脱力して、ソファ上に顔を埋め沈没したのだった。

*   *   *

「〜〜〜♪」

かくして。
フェイトは今、エリオがアルフを散歩させている(まさに「させている」、そのものなのだ)様子を
見守りながら、彼らの後ろを若干の距離をとってついていっている。

(ごめんね、アルフ)
(うう、帰って寝たい───……)

返ってくる念話が、切実であった。
赤毛の子犬は、いつもに比べて足取りがややふらついているようにすら見える。

一体、エリオはどんな風に彼女を扱ったんだろう。
ほんのちょっとだけだが、興味が湧いた。

「あー!!」
「ぐえっ」
「エリオ?」

と、突然エリオが駆け出す。
急に首輪のリードを引っ張られ首の絞まったアルフが鳥の鳴くような声をあげ、
ひきずられていく彼女をフェイトも追いかける。

「公園だー!!」
「アルフ!?」
「く……くび……」

足元に転がってひくついているアルフを尻目に、エリオは目を輝かせていた。
後ろに立ったフェイトに、ぴょんぴょん飛び跳ねてはしゃぐ。

「ねえねえ、遊んでっていいよね!?」
「え、ああ、うん。でも散歩は……」
「いってきまーす!!」

あ、行っちゃった。
転びはしないかとこっちが心配になるくらい、あっという間に。

ジャングルジムへと登りはじめた幼子の後姿に、フェイトは溜息をついた。
50640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/10(水) 23:36:22 ID:G7orW4ei
「とりあえずアルフ、今のうちに休んでおこうか?」

地面にへばる使い魔を拾い上げて、フェイトは手近なベンチへと向かった。

*   *   *

なにか、飲み物でも買ってくるね。
フェイトの声に、エリオは振り向いて手を振った。

そしてすぐさま、遊びに夢中になることに戻っていった。

アルフにちゃんと見ておくよう言い残して、フェイトは自販機を探しに行った。

しかしながら寝息を立て出したアルフは、フェイトが帰ってくるまで目覚めなかった。

*   *   *

最後の単語を書き終わって、なのははノートを閉じた。

これで、宿題は終わり。今日は仕事も休みだし、あとはのんびりできそうだ。
得意教科の英語でよかった。文系の苦手ななのはであるが、
言語体系の似ているミッドチルダ語と普段接しているおかげか、英語だけは別だった。

「うーん」

椅子の背中に体重を預け、大きく伸びをする。
終わった、終わった。その達成感、充実感が身体に満ちていく。
おもいっきり身体を反らしていって───……。

『なのは、大変!!どうしよう!!』
「わわっ!?」

机の上に置いていたレイジングハートに突然届いた通信に、後ろに倒れそうになる。

慌てて机の縁を掴んで支えて、なんとかことなきを得たが。
心臓が早鐘を打っていた。

「えと、フェイトちゃん?どうしたの?」

携帯じゃなくて、レイジングハートに直通で通信を繋げるなんて。
よっぽどのことでもないかぎりしないはずだ。

『大変、大変なの!!』
「?」

フェイトがこれほどまでに慌てているとは、珍しい。何か重大な事件でも起こったのだろうか?
すぐになのはは、精神状態を日常のそれから、歴戦の武装局員としてのそれへと切り替える。

彼女ほどの優秀な魔導師が困惑し、わざわざ助けを求めるために
自分に通信をしてくるということは、それほどやっかいなことなのかもしれない。

「何?どうしたの?事件?」
『うん、そう!!大変なの!!』
「今、どこ?すぐ転送してもらうから。座標を……」
『あ、場所はうちの近くの公園なんだけど───……』
51640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/10(水) 23:37:20 ID:G7orW4ei
急がなければ。
局の制服に着替えようと立ち上がりかけた足が、止まる。

公園?そんなところで、事件?

「……は?」
『公園に今、アルフといるんだけど……』
「ごめん、状況が飲み込めない。何があったの?」

アルフさんもいるのに?
魔法犯罪などまずありえないこの世界で、一体どんな事件が起こっているというのだろう。
というか、それは本当に事件なのだろうか。

『エリオが……っ』
「エリオくんが?」
『目を放した隙に、エリオがいなくなっちゃったの!!』

……なるほど。

それは大変な事件だ。少なくとも、彼女にとっては。
52640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/10(水) 23:49:32 ID:G7orW4ei
新スレでは初めてですね、というわけでいまさらですがあけま(ry

前スレについては割愛させていただきますが、レスをば。
あ、76氏が前スレの最後で戻ってらっしゃったようで。よきかなよきかな。

>>4の422氏

んー、なごみますなwww
実になごむwwwそして父との対面ktkr

>>176

クロノ哀れwwww
そして甘いwww

53ヘボ書きマン:2007/01/11(木) 10:37:10 ID:Y5VScwQ5
お久し振りです・・・ていうか探すまでに時間かかった…
保管庫リンクされて無いんだもん…
また書いていきますのでよろしく
>>176
いいなぁ・・・なのユも書かねば・・・
54名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 14:33:14 ID:YjiwLVmI
フェイトお姉さんの性教育
55名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 18:36:52 ID:xddrre3W
>>54
生徒はなのは?
56名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 19:51:50 ID:zcB2M8iN
>>53
なのユもいいがフェイユーもいいとおもう
57名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 02:26:09 ID:UeICdg+0
ユーノハーレムもありえないことではない
58名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 04:18:05 ID:QIN98Tr4
>>57
なのはがかわいそうなんでいやだな。
59名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 05:53:45 ID:VFZDjenU
なのユのMAXコーヒーキター

さすが淫獣。文献と魔法の使い方が実にエロい。

けどなんか全体としていい雰囲気なのはやはり作者様の力なのだろうにぇ。
60名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 09:10:39 ID:39htXeYu
ユノアルが見たいです…
見つからねーですよorz
61名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 09:51:29 ID:VFZDjenU
バル×レイハとか
グラーフ×レイハとか
62名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 10:17:19 ID:hJWZCrrx
>>58
なのはハーレムにユーノが組み込まれる方向で
63名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 10:42:37 ID:3MJWmP1/
>>31
某同人作家が、嫁さんに真意を秘密にして娘に「なのは」と付けたよ。
ひらがなで「なのは」。
いつまで隠し通せるやらw
64名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 12:58:58 ID:QIN98Tr4
>>63
ググられたら、一撃な希ガス。
65名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 17:01:03 ID:i729DFwl
>>63-64
もうバレとるんじゃないかwww
66名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 21:25:25 ID:BEXqvwEe
>>52
遅ればせながら640氏GJ

しかしあれだよな。StSが始まったらその内、エリオ×○○(適当な女性キャラ)
とか投下されて、その女性キャラにエリオを取られてしまい、つい嫁潰しみたいなことしちゃう
お姑さんなフェイトが見られるんだろうな、きっと。
67名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 22:14:10 ID:xEAbA+/S
遅レスですが、4の422さんご結婚おめでとうございます!!
新年そうそうめでたい事です\(⌒∇⌒)/(いや、まだ半年後か)
娘が産まれた暁にはぜひ名前をなのh・・
>>31で書かれていた氏のハードものとは保管庫の「散る明日」のことでしょうか?
もし違うのなら、それをどこかにUPしていたきたいです

>>21の方、「○○新聞の記事〜」より「散る明日」のがよっぽどハードです
たっちー張りの悲痛な叫びに、お尻の穴から口までをまっすぐ××××(やばいので伏せ字)

>>553さんの捕らわれの〜の続きも読みたいです
シャマル怖すぎっすよ((((;゚Д゚))))ガクブル
684の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/13(土) 15:27:38 ID:QLvYsGwR
  魔法少女リリカルなのは  〜 CherryLight 〜 お正月外伝


「…ノ、クロノ……もう!クロノ!!!!!!!!」
「うぉあっ!!!」
 がばっ、と艦長席から跳ね起きたクロノ・ハラオウンの視界に入るは、その最愛たる
人。高町なのは。
「あ、ああ、す、すまない、なのは。っと…僕は寝ていた…のか?」
「ええ、そりゃぁもう。何度呼んでも起きてくれませんでしたけどっ!」
 腰に手を当て、やれやれーの表情。クロノが最近よく知るところとなった、なのはの
「怒る3歩手前」の仕草である。こういう場合は下手に取り繕うより普通に接するが吉、
とクロノは学習している。
「す、すまなかった。最近色々と目まぐるしかったからな、睡眠不…………なのは」

 と、ふと違和感。

「ん?何?クロノ」

 また言った。

「いや…その…いや、別にいいんだけど…その急だったから、ちょっと驚いた。でも、
ま、まぁ嬉しい…よ」
 そうか、やっと「くん」付けを卒業して僕を名前で呼んでくれるようになったか、と
口元がほころぶクロノであったが…
「……何が?」
「えっ?」
 当のなのはは右斜め30度に首をかしげている。
 自分にとってはかなり大事なんだが…なのははその辺りを気にしないタイプなんだろ
うか…いや、局員から「力業と書いて説得と読む」などと評されるなのはではあるが、
こと人間関係においては、上下を重んじるお嬢様のような性格であるのはクロノも周知
の事実。
「あ…」
 まて、これはもしかしてあれか、そのことを言って欲しいがためにわざと知らないふ
りをしているのではないかとクロノは推測付ける。
(むぅ…多少気恥ずかしいが…まぁ、最近なのはと逢う時間も少なかったし、多分今日
はわざわざ会いにきてくれたんだろう、なのはの思惑に乗るしかないか…)
「えーっと、その…なのは…」
「?」
「…その…ま、まぁ、な、名前で呼んでくれるのは…その…まぁ、う、嬉しいというか…
その…なんだ…」
「……何言ってるの?クロノ」
694の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/13(土) 15:29:05 ID:QLvYsGwR

「は?い、いや、だから「くん付け」を止めてくれたのは、その、嬉しい、と言ってるん
だが…」
 なんでそこまで言わせるんだ、とさすがにクロノもなのはの真意がつかめない。
「私、クロノをくん付けで呼んだことあったっけ?」
「……」
「……」
(ここまで機嫌悪かったか…確かにここ1週間ほど会えなかったが…)
 やれやれ、と、本気で頭に疑問符を立てているなのはにクロノは椅子から腰を上げ、
そっと耳打ちする。
「なのは…その…確かに最近忙しくて会えなかったのは謝るが…そこまで虐めなくても
いいだろう…僕も悪いとは思ってるよ。いや、僕だってなのはから片時も離れたくない
さ。僕が一番愛してるのはなのはなんだから」
 いくら聞こえないだろうとはいえ、普段なら人前で愛してるとまでは言わないクロノ
だが、ちょっと頬が熱くなるのを覚悟でなのはに伝える。
 が…
「ばっ!!馬鹿ぁっ!!!い、妹に何言ってるのーーーーーーーーーっ!!!」
「どわっ!!!」
 どかんとなのはに突き飛ばされ、元の椅子に叩きつけられ、あやうく転がり落ちると
ころをすんでのところで堪えるクロノ。
 が、本人にしてみればそれどころではない。
「いっ、妹ぉぉ?!?!」
「しっ、信じられない!妹を口説いてどうするの!!そういう台詞はフェイトに言って
あげるべきでしょう!!何考えてるの!!」
「まっ、待て、変なこと言ってるのは君の方だ、フェイトが僕の妹だろう!」
 爆弾発言のなのはに正気かとクロノは訂正を求めるが、なのはは更に声を荒げる。
「私がクロノの妹でしょう!!大体最近会ってないってここ1週間ずっと一緒だったじゃ
ない!どうかしちゃったんじゃないの?!」
「はっ?なんでなのはが1週間もアースラに居るんだ。どうかしてるのは君だろう。教
導隊に支援を頼んだ覚えは無いぞ!」
「………?」
 唐突に、ぺた。となのはは自分の手のひらをクロノの額に当てる。
「熱…ない…よね?」
 そのなのはの手を振りほどくとクロノはさらにがなりたてる。
「正常だっ!!」
「自分の妹が執務官だってこと忘れる兄のどこが正常なのよ!もうっ!!」
 クロノの動きがはた、と止まる。
 2,3度まばたき、なのはをじっと見つめる。
「な、何よ、もう…」
 ほんのり頬が赤いのは照れなのか興奮の残滓なのか。
「熱は…ない…な?」
 さきほどされたのと同じようにクロノはなのはの額に手を当てる。
「私がなんで異常なのよっ!!」
 やはり同じように手をふりほどくと、なのははびしっ、とクロノに人差し指を突き付
ける。
704の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/13(土) 15:30:01 ID:QLvYsGwR

「今ならまだ冗談で済ませてあげる。寝ぼけて私とフェイトを間違えたんだよね。そうだ
よね?」
「ちがーーーーうっ!!なんで恋人にそこまで疑われないといけないんだっ!!!」
「昨日まで兄だった人の台詞じゃないでしょーーーーーーーーー!!!!だっ、大体なん
で私がクロノの恋人なのよっ!!…そ、そりゃぁ、は、初めて会った頃はかっこいいかな、
なんて思ってた時期もあったけど…い、今の私にはユーノがいるもん!クロノよりずーっ
とかっこよくて優しいもん!!」
 聞き捨てなら無い。いや、聞き捨ててはならない。
「まてっ!い、いつの間にユ、ユーノと…な、なのはは僕の事が好きだって言ってくれ
たじゃないか!!」
「私とユーノをとりもってくれたのクロノでしょう!何言ってるの!!」
「なんで僕がっ!なんでライバルに恋人を譲らないといけないんだっ!?!?」
 後半泣きそうになりながらクロノは叫ぶ。もうわけがわからない。
「クロノぉ、どうしちゃったのよぉ。おかしいよ。いつものクロノにもどってよぉ…」
 半泣きなのはなのはも同じ。こちらもどうしていいやらわからずに肩を落としている。
「ちょっと、みんなぁ、なんとか言ってあげてよぉ。艦長壊れちゃってるよぉ…」
 助け舟、となのははブリッジからオペレータ席に顔を出し、下にいる皆に助けを求める。
「あの…艦長…ここ最近忙しかったのはわかりますが、その、執務官の言ってたことが
正しいかと…」
「わ、私達は、その、聞かなかったことにしますから、あの、フェイトさんにも何も言
いませんから…」
 その他スタッフも同じような反応。
 中には忙しすぎてどこか飛んだか?、とか過労のせいで痴呆症にでも?などの呟きも
漏れ聞こえてくる。
「艦長。艦長こそあんまりなのは…じゃない、執務官を困らせないでくださいよ」
 などと、クロノもよく知る声も聞こえてくる。

 その声の持ち主をクロノはよく知っている。
 知ってはいるが、その声の出所がよくない。

「…何故だ?」
「は?」
「なぜおまえがここに居る」
「…ここって?」
「だから、なんでお前がエイミィの席に座っているんだ、と聞いているんだ。ユーノ」

 声をかけられたユーノはなのはと顔を見合わせ。同じタイミングではふー、とため息
をつく。

「ユーノ…こういう場合はどうしたらいいんだろう?」
「艦長が錯乱した場合のマニュアルは…ないよなぁ…」

 いやに息の合うやりとりを交わしている2人にクロノの胸にちくちくと痛みが走る。
714の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/13(土) 15:30:45 ID:QLvYsGwR

「僕は正常だと言ってるだろう!!だいたいおまえ無限書庫の仕事はどうした!こない
だ依頼したロストロギアの調査はおわったのか!」
「…お言葉ですが艦長。執務官補佐の仕事に無限書庫の調査は含まれてませんよ。それ
は司書長のエイミィさんの仕事でしょう」
 何を馬鹿な事を、とクロノが言いかけたとき、ブリッジの扉が音を立てて開く。

「クロノくん、アースラ戻ってたんだね。連絡くれればいいのに。通信で済まそうと思っ
たんだけどせっかくだから来ちゃったよー」
「あ、フェイト。ちょうどよかった。クロノがなんだかおかしいんだよ。なんとか言っ
てあげて」
「ん?何々?あ、クロノくん、これ、さっきエイミィに頼まれたロストロギアの資料。
こっちはそれの関連項目の事件の詳細だって」
 つかつかと歩み寄ったフェイトは、クロノのデスクにどさりと資料の束を置く。
「アースラのバンクには今送ってもらうように頼んであるって。で、なのはちゃん、何
がどうしたって?」
 首だけなのはにめぐらせて美由希は微笑む。
 その屈託の無い笑顔になのはは申し訳ないなー、の表情で語りかける。
「クロノがね。なんだか寝ぼけててみんなのこと忘れちゃってるみたいなの。私が教導
隊だとか、ユーノが司書長だとか。あまつさえフェイトのことを自分の妹だ、なんて言
うの。ちょっとお灸据えてあげて。あ、なるべく穏便にね」
 なんだその穏便というのは、と。クロノはなのはとフェイトの表情を交互に窺う。
 と、キラリ、と、フェイトの眼が光った。…ようにクロノには見えた。
 いや、全員にも見えたらしい。
 ずざざざざ、っとユーノの元まで後ずさったなのはは、くるり、と180度ターンす
ると。何事もなかったかのようにユーノに語りかける。
「ユ、ユーノ執務官補佐、せ、先日の調査のけけ、結果ですがっ!!」
「は、はいっ!!執務官!!レポートにまとめてありますので、こここ、ここにっ!!」
「アアア、アレックスより艦隊駐留部隊へっ!!アースラ着艦完了。ひひ、引継ぎ処理
をお願いしますっ!!」
「ほほ、補給物資のチチ、チェックリスト、作成しますっ!!」
 なにやら急に火が灯ったように艦内、もといブリッジがあわただしくなる。
 ほとんど緊急事態発生時にも対処できるかのように迅速スムーズなその流れに、クロノ
は思わずおお、と関心する。
「みんなすごいな。いつもこうだと仕事も楽なんだが…ん?」
「……クロノくん……」
 ポン、とクロノは後ろから肩を叩かれる。
 今現在クロノの肩を後ろから叩ける人物は1人しかいない。
「どうした?フェイ…とぉっ?!?!!」

 ぐおおおおお。と黒いオーラを放つフェイト。
 その手に握られた黒い戦斧はバチバチと火花を散らせている。

「…クロノくん…の……浮気者ぉぉぉぉぉっっ!!!!!!!!!!!」
724の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/13(土) 15:31:36 ID:QLvYsGwR


 〜  〜  〜  〜

「うわぁぁぁっ!!!」
「にゃっ!!な、何っ?!!?」
 がばぁっ、と。クロノは掛け布団を跳ね上げ、上体を起こす。
 はぁはぁと荒い息をつくクロノがぶんぶんと頭を振ると、常夜灯の淡い光の中、わず
かに上体を起こしたなのはが驚きの表情でクロノを見上げていた。
「はぁ…はぁ……あれ?ここは……」
「どうしたのクロノくん?変な夢でも見たの?」
「へっ?ゆ、夢っ?あっ…なの…は…?」
 自分を心配そうに見上げる愛しい少女の視線をクロノは真正面で受ける。
「な…なのは…君は…なのは…か?」
「へっ?!な、何が?」
 そんな質問をかまされて普通、はい、そうです。と素直に答えられる人物はそうはい
ないだろう。
「あ…いや…そうか…夢…か……よかった…」
 なのははゆっくりと上体を起こし微笑むと、クロノの頭をそっと腕に抱き、自分の胸
に優しく押し付ける。
 ちなみに…まぁ、その、当然というか、2人とも全裸だった。
 今更なのか、なのはもクロノもその格好に対する羞恥はないらしい。
「怖い夢だったの?でももう大丈夫。私がここにいてあげるよ。クロノくんの傍に、
ずーっと居るからね」
「なのは…」
 その温かさにクロノはうっとりと目を閉じる。
 なのははそんなクロノの頭を優しく撫で付ける。
 しばしその感触に浸るクロノだったが、怒られるのを覚悟で自白する。
「本当に怖かったよ…なのはがアースラの執務官で僕の恋人じゃないんだ」
 なのははクロノを撫でながら。じっと聞き入る。
「逆にフェイトと僕が恋人同士だ、って話で。君はユーノと付き合ってて…泣きそうになっ
たよ…」
 なのははそっと抱いていたクロノの頭を離すと。その頬に両手を当て、そっと口付ける。
「…全部夢だよ。忘れて。私が好きなのはクロノくんだけだからね…」
 てっきり文句の1つも言われるのかと覚悟したクロノはある意味拍子抜けする。
「お、怒らない…のか?なのは?」
 なのはは優しく微笑むと、もう一度クロノにちゅ、と軽く口付ける。
「いくら私でも夢の中の話まで文句は言わないよぉ…あ、でもちょっと妬いちゃうかな、
夢の中の私に」
「えぇっ?」
 夢の中ではユーノと付き合ってたんだぞ、そんな。とクロノは慌てる。
「アースラの執務官ってことは、勤務中はずーっとクロノくんと一緒に居られるんだよ
ね?それって…すごく羨ましい…今の私達って1週間に1回会えればいいほうだし……」
「あ…その…すまない…僕も…なのはと会いたいのは…同じなんだけど…」
734の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/13(土) 15:32:41 ID:QLvYsGwR

「ううん、ごめんなさい。そういう意味で言ったんじゃないんの…私の方から約束破っ
ちゃうこともあるし…ごめんね…あはは、止めよう。新年早々こんな話」
「新年…あ、そうか」
 今の今まで忘れていたが今日は1月1日…いや、とクロノが時計を振り仰ぐと時刻は
既に0時を回っているので1月2日か。
「そうだね、せっかく年の初めにお休みもらえたんだ。こんな話は無しだ」
「うんっ。じゃぁ、クロノくん。いつものやつやって」
「やれやれ。またかい?」
「だってぇー。寝る瞬間までクロノくんが感じられるんだもん。ねぇー、いいでしょー」
「はいはい、っと。我侭なお姫様だ、まったく」
 ごろん、とクロノは横になり、なのはの側に右手を伸ばす。
「えへへへー」
 なのはもころん、と寝転がると、クロノの右胸に頭を半分乗せる。クロノはそんなな
のはの背中から右手で彼女を抱き寄せる。
「あったかーい…クロノくん…」
 さわさわ、と空いた右手でなのははクロノの胸板に手を這わせる。
「くすぐったいから程々にね」
「えへへー。寝るまでこのままがいいー」
「やれやれだ。許せてしまう自分が憎らしいよ」
「…そっか…でもクロノくん、変な初夢見ちゃったね…」
 未だクロノの胸に手を這わせたまま、なのははぽつりと呟く。
「…ああ、そうか、初夢か…」

 古来より、なのはの世界ではその年最初に見る夢。それを初夢といった。
 そしてここミッドチルダにも同じ概念はあった。
 そして初夢は叶うと言われている。

「どうする?ホントに夢の通りになっちゃったら?」
「ならない」
「え?」
「今が僕にとって最高に幸せな瞬間だ。夢なんかに邪魔されてなるか」
「ふふ。じゃぁもう1回夢見ればそっちので上書きされるかもしれないね。今度はちゃん
と私と恋人同士になってね」
「いーや。それも却下だ」
「えっ?」
「なぜなら」
「なぜなら?」

 クロノはなのはに顔をめぐらせる。なのはも同じように…。
 薄暗い中でもクロノの瞳にははっきりと愛しき人の顔が映る。その瞳に吸い込まれる
ようにクロノはなのはに口づけした。
744の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/13(土) 15:34:02 ID:QLvYsGwR

「ん…は…ぁ…んむ………はぁっ…」

「今日はもうなのはを寝かせない。夢なんか見てる時間が惜しい」
「ええっ?!さ、さっきあんなにたくさんしたのにまだするのぉ?!」
「イヤかい?」
「い…いやじゃないけど…」
「じゃぁ決まりっ!」
 と、クロノは左手でなのはの胸に手を這わせる。
「ひゃんっ!!」
「相変わらず、胸、弱いね。ほら、もうこんなになって」

 くりくり、とクロノは親指と人差し指で胸の頂をつまみ上げ、こねくる。

「はぁぁんっ!!!そっ!そんっ!!!ひゃめっ!!!い、いき、なりっ!!!」
「可愛いよ…なのは…もっと…聞かせて…」
「あっ!!あぁぁぁぁぁっっ!!!!!」



  魔法少女リリカルなのは  〜 CherryLight 〜

           お正月外伝 〜 The Sweet first dream of the year 〜


754の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/01/13(土) 15:34:46 ID:QLvYsGwR

 思いつきです。気持ち反省しております。短いのは猛省しております。
 そしてやはり私はクロなのが好きです。

 けいぐ。


>>32
和んでいただけようで何より。
以後設定はケツさけ決まってるので今後の流れで変化するかと思いますので今のとこは
なんともw


>>176さん
新年糖度だー。GJです!
この甘エロさにシビれて憧れますw


>>640さん
エリオって男…でいいんですよね?w
この流れだとヒモってよりツバメになりそうなGJ感がw


>>58
禿同(古w


>>63-65
すでに先駆者がいましたかw
またそりゃ豪気な方だw


>>67
Myハードは「散ル明日」のことです、それ以外はまだありませんですw
(CherryLight外伝(あ、今回の話ではなく)は嫉妬に狂ったユーノがなのはを襲うHARDモノ
・・・・・・の予定ですw)
後、少なくとも散ル…、より新聞…の方があきらかに上ですw
76ヘボ書きマン:2007/01/14(日) 14:25:34 ID:FsdT3aD/
ここのスレッドはいいなぁ、百合も無いし、クロノも多すぎないし・・・
>>ユノアルが見たいです…
書いてみようかな・・・試験近いから微妙だけど

…その前に自作品完結させるべき?
77名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 15:11:29 ID:XXO07hw5
>>4の422さん
なのはがクロノを呼び捨てってパラレルワールドか何かかと思いましたが初夢ですかw
やっぱりクロなのは結婚しても子供できてもクロノくんって呼んでそうなイメージですね。
78名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 01:58:13 ID:6DESCpde
フェイト×エリオ……よさげ。
クロノ×フェイトより背徳的だw

新キャラ女の子のどっちか×エリオ、でもいいけど。
79名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 06:10:21 ID:ugW3qEoW
ストライカーになると主人公変わるんだよな…
クロノはエイミーとごにょごにょ
80名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 09:12:00 ID:8LbWrrd3
>>79
あくまで主人公はなのはと主要登場キャラだよ、スバルとかエリオは主要キャラ格の新キャラ。
81名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 10:21:52 ID:gtmWLVSS
そういうのの煽りをモロに食らうのはクロノみたいなメインとサブの境界線に立ってるようなキャラだな。
82名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 12:31:01 ID:fo3rRPh6
もうクロノは出ないかもな。
ユーノは無限書庫って設定があるから出れるかもしれんが。
83名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 13:00:47 ID:qNQ2HR4e
アニメスレになりかけてるぞw
84名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 17:47:26 ID:LDJFIB0R
そこで
バル×レイハ
グラ×レイハ

はやて×ちびリイン
85名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 17:58:19 ID:uUf4ku1a
>>78
姉ショタ好きな俺にド真ん中ストライクだぜ、フェイト×エリオ…
9歳差とか体格差も相まっていいよ……
86名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 01:31:16 ID:zctWMVgF
保管庫更新されんかな?
九月でとまってるんだが。
87名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 04:59:49 ID:PNDc7J8H
>>86
身体壊してなけりゃいいんだけどね、管理人さん。
88名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 14:37:16 ID:RKZycGKm
誰か保管庫の管理人さんが復帰するまで代理を勤めようという猛者はおらんのかw

え、俺?そんなスキルあるならとっくに立候補してる orz
89549 ◆xbn1Z6LB3Q :2007/01/18(木) 00:31:40 ID:9TDKUmGA
新年明けましておめでとうございます。
音沙汰なしでご迷惑をおかけしていましたが、なんとか時間が取れそうなので、
保管庫をwikiに移す方向で再開準備をしております。
たぶん完全に追いつくには3月くらいまでかかってしまいそうですが、
前よりは更新しやすそうなので多少楽観はしています。
とりあえず無料wikiを借りて操作の練習中なので、ある程度体裁が整ったらご連絡します。
90名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 00:48:40 ID:0T8q3qw1
>>89
ご苦労をおかけしますが、よろしくお願いします。
91名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 02:09:56 ID:OCve9Ns8
>>89
がんばってくださいね
92名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 21:18:04 ID:3d0r7JT5
>>89
無理をなさらず、ゆっくりでいいですから
よろしくお願いいたします


そういやこないだメロンでアリサ・バニングスじゃなくて
バーニング・アリサとかいう同人を見た
93名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 22:34:26 ID:1oPpbqsY
催促してしまったみたいで申し訳ないです。
よろしくお願いします。
94774RR:2007/01/20(土) 06:34:34 ID:JiM6oR8y
1期12話のパラレルです。
もし、違う選択をしていたら、と思い勢いで書いてみました。
95774RR:2007/01/20(土) 06:35:58 ID:JiM6oR8y
「飛んで、フェイトちゃん!!」
なのはが天井を突き破りフェイトのもとに手を差し出しながら降りてくる。
上を見上げるフェイト。
白い服の女の子。また、私の名前を呼んでくれている。
そして、下を見下ろす。
広がる虚数空間に、崩壊していく時の庭園。
(母さん…)
「フェイト=テスタロッサ、フェイト」
「フェイトー」
後ろからも声がする。
アルフと管理局の黒い服の男の子。

(ごめん、アルフ、、、ごめんなさい、白い服の女の子、、、)

全ての声を振り切るように、下に向かって全速力で飛びだす。
(母さん…どれだけ捨てられようと、私は…私は、あなたのそばに居たい。)

ほどなく、プレシアとアリシアが見えてきた。
「かぁさぁぁん」
フェイトが叫ぶ。

プレシアが驚きの表情を見せる。
「なにをしに来たの?あなたにはもう用はないわ。言ったでしょう?」
フェイトはもう目の前に、プレシアに追いついていた。

「………それでも…それでも私は母さんのそばに居たい。」

厳しい表情のまま、無言で見つめるプレシア。
「…優しい、母さんが大好きだから…判ってる、これはアリシアの記憶。母さんにとっては、
創り物の偽物でも、私にとっては…母さんは…あなたしかいなくて…だから、一緒に居たい…
母さんを守るって決めたから…だから、ずっとそばにいるって決めたから…」
涙で声が詰まる。言ってる事も、言葉が滅茶苦茶になってしまっている。

険しい表情のまま、スッとプレシアの手が伸びる。
 叩かれる!!
フェイトが目を瞑り、身体を硬直させる。
プレシアの手がフェイトの頭に触れた瞬間、ビクッと反応をする。
96774RR:2007/01/20(土) 06:37:28 ID:JiM6oR8y
次の瞬間、フェイトの頭を優しく引き寄せ抱きしめる。
全くの予想外の行動に言葉を発することも反応することもできず硬直したままのフェイト。

「まったく、だれに似たのかしら…思い込んだら一途で…」

プレシアの表情はフェイトの記憶の中にあるアリシアの記憶と同じ優しい笑顔になっていた。
「…母さん…」
堰を切ったように涙があふれてくる。プレシアの胸に顔を埋め泣きじゃくるフェイト。
(優しい母さんだ、大好きだった優しい母さん…笑顔の母さん…)

「あなたの事が、生まれたときから大嫌いだったって言ったけど、あれは本当は違うわ…」

ヒュードラの事故からフェイトが生まれた経緯まで、そして
アリシアとは利き腕が違うことや、魔力資質の有無、その魔力光まで
全てを話した。

「リニスを使い魔にした時点で、ある程度は気づいてたの、オリジナルとはやはり違うって
でも、認めたくなかった。それを認めれば、当時の私ではアリシアを蘇生出来ないってことだから。」
「アリシアはアリシア、フェイトはフェイト。魂が違えばもはや別人。例えて言えば双子の姉妹ね。
妹に姉と同じ事を期待することが間違っているのにね。気づかなかった、気づきたくなかった。」

「だからフェイト、戻りない。あなたはこっちに来てはいけないわ。あなたは日の当たる場所を歩くの。
こんなはずじゃなかった、私たちの分まで幸せになりなさい。いい?フェイト」
フェイトがプレシアの顔を見上げる。
プレシアは優しく微笑みかけている。
(そんな、嫌だ。せっかく母さんと、大好きな母さんと一緒にいられるのに)
フェイトの表情が曇る。
「…そんなの、嫌だ…私はずっとそばにいる。ずっとこうしてる…」
再び、プレシアの胸に顔を埋めきゅっとしがみつく。


97774RR:2007/01/20(土) 06:38:09 ID:JiM6oR8y
「クスっ…あらあら、こんな時に我がまま?アリシアのまねなんかしなくてもいいのに…」
微笑みながらプレシアが諭すように
「それに、残念だけど、母さんの身体はもう長くは保たないわ…それに虚数空間での
魔力行使もそろそろ限界ね。」
「!」
そうだ、虚数空間に落ちていってたんだ、私たち。
言われて、回りを見渡す。
いつの間にやら、薄い紫のバリアーが展開されている。
落下もしてないようだ。
「…虚数空間では魔法は使えないはずなのに…」

「虚数空間ではあらゆる魔法がデリートされる…そんな常識、だれが決めたのかしら?
研究者はまず常識から疑わないといけないわ。」

「さあ、お別れよ、フェイト」
フェイトの足下に紫の魔法陣が展開される。
「か、母さん!!」
「フェイト、最後にお願いね。笑ってもらえるかしら?」

転移魔法が発動しようとしている。きっとこれが最後になる。もう母に会うことはないであろう。
でも、最後の最後に、会えて良かった。

フェイトは母の願いを受け入れ涙目のまま笑顔を作る。
「さよなら、母さん…」
プレシアも笑顔で返す。

転移魔法の発動。



時の庭園最深部ではなのはが虚数空間に飛び込もうとしているのをクロノが止めている状態であった。
「エイミィ、もうダメだ、ここも保たない。アースラから強制転移魔法を使って…」

クロノの後ろに、紫の魔法陣が展開される。
一堂が振り向くとそこにはフェイトが立っていた。
「クロノくん、いくよー」
エイミィの声が聞こえ、全員がアースラへと収容された。


時の庭園は崩壊し、虚数空間へと飲み込まれていった。

護送室でフェイトは思う。
プレシアのこと、アリシアのこと、リニスのこと。
だれも、こんな結末は望んでいなかったのに、こんな悲しい出来事がおこってしまった。

クロノと名乗った執務官の男の子は絶対に無罪にするから安心してくれって言っていた。
もし、無罪になって自由になったら…
私には、母さんから受け継いだ、大きな魔力資質がある。
悲しい出来事を少しでも、無くしていきたい…

「ねぇ、アルフ。無罪になって自由になったら、管理局の仕事やってみようかと思ってるんだ…」

98774RR:2007/01/20(土) 06:44:28 ID:JiM6oR8y
初投稿です。
カっとなって書いた、今は反省している。

しかし、こんなに時間かかるとは思わなかった。
長編書いてる職人さんスゴス。


さて、寝よう。
昼には仕事が待っている…orz
99水死体 ◆VbCFpoV.fE :2007/01/20(土) 09:50:28 ID:p8WP5WxH
初投稿、乙です!
うう・・・・フェイト、救われましたね

でもって、お久しぶりです。
もうこのスレには投稿しないつもりでいたのですが、魔が刺して書いちゃったのでちょっとだけ許して下さい。
グロくてえげつなくて猟奇的で、救いなんて微塵もありませので(いや、救いはあるかな?)
そういう話が嫌いな人は読み飛ばすことをお勧めします(保管庫のアレを読んで気分を害された方など)。
スレにグロ作品が投下されること自体が嫌だという方もおられるでしょうが、犬に噛まれたとでも思って許してやって下さい。

以前このスレで酷い話書いて殺人予告受けたり、別のスレでも「作品に対する愛が感じられない」とか
「ことりをこんな目に遭わせた奴らに殺意沸く」などと言われたので先に申し上げておきます。
このSSはフィクションですし、ただの二次創作物です。
あと、こんなの書いてて誤解されるかもしれませんが、私はリリカルなのはが大好きです。
どれぐらい好きかと言うと、一昨年の冬と去年の夏コミ、2時間並んで列がピクリとも動かなかったのを知っているくせに
性懲りもなくまた冬コミではやてのピロケースとシーツ2種欲しさになのはプロジェクトに並んでしまうぐらい大好きです。
(シーツ2種は買えました。買えなかったはやてはヤフオクで9500円で落札しました)
聖地巡礼もしました(これで横浜行くのONE、Kanon、君望含めて3回目)。
こんな内容ですが、好きな題材・キャラクターだからこそ書いてるのです。
・・・・少々歪んでますが。

以前某所に投稿したすずか編をほとんど書き直しました。
自分でもちょっと気に入らないエンドだったのでこれでよかったのかもしれません。
ちょっとは救われた・・・かな?


――○○新聞の記事より抜粋――  すずか編


3人目の被害者である月村すずか。
彼女は中でも最も酷い有様だったため、家族以外は現在面会謝絶とされていた。


「退屈だなぁ・・・」
一人部屋が左右にズラリと並ぶ、個室の病棟。
その中の一室。
月村すずかはボタン一つで自動的に上半身を起こすことのできる高価なベッドの上で退屈そうに呟いた。
うららかな昼下がり。
やることもないので、ふと窓の外に目をやる。
すぐ側にある木の枝には、図鑑などでたまに見かけるような小鳥が
くちばし一つで器用にも身体のあちらこちらをつつき回し、毛繕いにいそしんでいた。
そんな姿を何とはなしに眺めながら、
「・・・・・身体、洗いたいなぁ」
ポツリとまた漏らした。

少しだけ開いた窓から風が吹き込む。
優しい風に髪を撫でられ、サラリと流されて顔にかかった。
ちょっぴりくすぐったくて邪魔になるので、掻き上げる。
掻き上げようとする。
掻き上げるために腕を動かそうとする。
だけど上手くいかなかった。
右手も左手も痺れたように麻痺していて、指一本動かせない。
肩から先の感覚が、長時間正座を続けて痺れた足のように鈍いのだ。
動かない右手に首を向ける。
ベッドに寝かされ、布団が首もとまで掛けられた状態なので、そこから先を見ることはできない。
足も同じだった。
腿から先が腕と同じように痺れるような、血流が止まり神経が圧迫されているような感じで上手く動かせない。
「どうしちゃったんだろう、わたしの身体」
不安になり、染みのない真っ白な天井を見上げながら一人ごちる。
100水死体 ◆VbCFpoV.fE :2007/01/20(土) 09:51:11 ID:p8WP5WxH
どうやら、すずかは気付いていないようだった。
布団の下にあるはずの自分の身体のラインが、かなり不自然だということに。
彼女の寝かされているベッド。
それを上から見下ろす。
両手と両足。
肩から先と腿から先。
有るはずの物が、有るべき場所に無かった。
手足が、まるで巨大な肉切り包丁か何かで切断されたかのように、そこから先が失われていたのだ。
ダルマ、とはよく言ったものである。
これではなにがあっても、文字通り手も足も出すことができない。
以前、看護婦がそばにいるとき、すずかは足がなんとなく痒くなったような気がしたので
掻いてもらおうと頼んだことがあった。
優しく、仕事熱心そうな看護婦だった。
彼女は言われた場所を掻こうとしてベッドに横たわった少女の下半身を見る。
少しおかしかった。
本来、足があるはずの部分の膨らみが、途中で消えてなくなっていたのだ。
我が目を疑い、固まる看護婦。
お腹も掻いてもらおうと思った。
こちらは痒い気がする、ではなく掛け値なしにちょっぴり痛いようなムズ痒さがわだかまっているのだ。
何か恐ろしい物を見たような顔つきになっていた看護婦が、止まっていた思考を元に戻し
気を取り直してすずかの腹を掻こうと掛け布団をめくる。
パジャマの上からではどうかと思い、さらにそれもめくり上げた。
すると目に飛び込んできたのは、歪(いびつ)に引きつったお腹の皮だった。
腹部にある3つの傷痕。
それは手術痕だった。
助け出された後に精密検査を受けた結果、彼女の臓器はいくつかがなくなっていた。
おそらくは臓器売買にでも使われたのだろう。
若くて新鮮な臓器は、さぞや高値で買われていったに違いない。
生きるのに支障はないとはいえ縫合はおざなりで、発見された当初は患部周辺の皮膚が壊死し始めていて
聞く所によると蛆まで沸いていたという。
「あの・・・とても痒いんです」
辛そうにするすずか。
看護婦の顔から血の気が失われる。
知らずのうちに手が口元を押さえる。
痒いところを掻く。
たったそれだけのこと。
なのに結局、看護婦は欠損した少女の望みを満たしてやることができなかった。


自らの手足が無くなっているしまっていることに気付かないすずか。
実のところを言うと、彼女は少々記憶があやふやになっていた。
学校帰りになのはやアリサと共に拐かされてから助け出されるまで。
その辛い思い出が、切り取られたかのようにゴッソリとなくなっていたのだ。
人間、あまりに恐ろしい目などに遭うと、心のバランスを保つために
脳細胞が思い出すことを嫌がることがあるという。
だけども、四肢と一緒に記憶が持って行かれたのは、彼女にとっては不幸中の幸いだったのかもしれない。
辛かったこと、苦しかったことの全てが、身体には大きすぎる傷痕が残ってしまったけれども
心の方には残らずにすんだのだから。

だが最近、すずかはよく悪夢に魘(うな)される。
表層の記憶には残ってはいない。
しかし脳の奥深く、深層の部分にはまだ抉れて神経がはみ出してしまう程の爪痕がくっきりと残されていて
そのおそらく一生拭うことのできないであろう心の傷跡が、夢という形で思い出されているのだろう。
夜中に自分の悲鳴で目を覚ますことはもしばしばあった。
101水死体 ◆VbCFpoV.fE :2007/01/20(土) 09:51:46 ID:p8WP5WxH
「ぅ・・っ・・・っ・・ひぎぃっ!? 嫌あああああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁああぁ――――――――――っっっ!!!」
限界まで見開かれた目。
自分の上げた悲鳴の凄さで、悪夢から解放される。
目を覚ます。
「はぁ・・っ、はぁ・・・っ、・・・はぁ、っ、はぁっ、・・・・・っ!」
全身、汗びっしょり。
不規則で切れ切れの呼吸。
早鐘のような鼓動が、血流を通して耳朶まで伝わってくる。
また、同じ夢だ。
幾度となく繰り返される悪夢。
何なんだろう、この夢は・・・
夢というものは、実際に見聞きしたり経験したことを脳が整理するために投影されるものだと
以前何かの本で読んだことがある。
だけど、こんなの知らない。
覚えてない。
ただの夢と言えば、それまでなのだろう。
しかしその悪夢は、決まって同じシーンの繰り返しだった。

狭くて薄暗い部屋。
複数の男達。
延びてくる沢山の腕。
あっという間に床に引きずり倒され、押さえつけられる。
必死に藻掻く。
逃げようとする。
だけど押さえつけてくる腕はたくさんで、物凄い力で。
子供ではどうにもならなくて。
衣服が破かれる。
スカートが縦に裂け、ブラウスのボタンが乱暴に弾け飛ぶ。
丸裸に剥かれて足を広げられる。
目の前に突き出される、醜悪な肉の塊。
男達の股の間から生え出るそれは、鼻を突くような異臭を放っており
ぶよぶよとした太い血管が、皮膚の下を這いずり回るミミズのようにも見える。
何だかよくわからないソレが自分のおしっこの穴のあるところに押し当てられ・・
身体が裂かれた。
あとはもう、悲鳴一色。
痛くて、痛くて、苦しくて。
気持ち悪くて。
だけど泣いても叫んでも許してもらえず、延々と同じことが繰り返される。
訳のわからないB級ホラーが、延々と頭の中の銀幕に投影され続けるのだ。
何度も何度も何度も見た映画なので、内容もよく覚えている。
この物語の結末。
それは13日の金曜日のホッケーマスクを被った怪人物が愛用していそうな森林伐採用のチェーンソが
甲高い金属的な悲鳴を上げながら振り下ろされるのである。
ほら、また。
幾度も幾度も繰り返し蹂躙され、動かなくなった少女に
容赦なく自動回転する鉄の刃が唸りを上げて落ちてくる。
102この1レスはグロ表現です:2007/01/20(土) 09:52:40 ID:p8WP5WxH
皮膚に当たる。
おがくずみたいに皮が飛ぶ。
汁が飛ぶ。
紅いものが飛ぶ。
血が飛沫く。
さらに感情のない電動ノコギリが食い込む。
潰れたマグロの刺身みたいなものが、床に飛び散る。
壁に飛び散る。
へばり付いたものが垂れ落ちる。
しばらくするとチェーンソの進みが遅くなる。
音が変わる。
高速回転する刃から伝わる感触が変わる。
硬い手応え。
たぶん骨。
かまわずそのまま押し込む。
ガリガリと硬めの軽石を削るような感触が腕に伝わる。
細い神経の束が一瞬で掻き千切られる。
どんどん削る。
また感触が変わる。
骨を貫通して肉に戻る。
あとちょっと。
最後は技術家庭の時間に、糸ノコで木片を切り落とすような感じ。
瞬間的に手応えがなくなり刃が空回りして、腕が落ちて転がった。

それがこの映画のエンディング。
主人公の少女は、自分の身体が解体されゆく様を、痛みを感じることさえも忘れてしまったかのように
ただ呆然と見ているのだ。
呆然と見ていたのだが・・・
次第に少女の意識がハッキリしてくる。
痛みと恐怖と混乱がハンダゴテで無理矢理くっつけられる。
その神経節が、ようやく脳へと繋がった。
そして、悲鳴を上げながらすずかの意識が、悪夢からの解放を求めて飛び起きるのだ。

だけどこれは、ただの夢。
怖いだけのただの夢なのだ。
覚えてはいないが、おおかたずっと昔に怖い映画でも見て、今それが夢という形で思い出されているのだろう。
すずかは、そう思うことにした。
跳ね回っていた心臓がようやく落ち着きを取り戻す。
全身の冷や汗が気持ち悪かったけど、自分ではどうしようもなかった。
103水死体 ◆VbCFpoV.fE :2007/01/20(土) 09:53:15 ID:p8WP5WxH
「なのはちゃんとアリサちゃん、来てくれないかなぁ」
何もできないすずか。
暇を持て余し、また一人つぶやく。
うららかな昼下がり。
やることもないので、ふと窓の外に目をやる。
すぐ側にある木の枝には、今日は小鳥は止まっていなかった。
普段だと、暇になるとメールをすぐに打ち始めるのだが、生憎とここは病院。
ケータイは使用禁止である。
それに今のすずかは、打ちたくても打つことができない。
今どころか、もう永久にメールを打つことなんてできはしないのだが、それは本人の与り知らないことである。
「・・・・遊びに行きたいなぁ」
退院したら何をしようか。
どこへ行こうか。
暇を持て余したすずかは、そんなことを考える。
何か美味しいものを食べに行きたい。
病院の食事は量が限られているし、点滴もしてはいるが食べた気がしないから。
そうだ、3人で中華街の一日食べ歩きをしよう。
少し歩くことになるが、何か食べるものを持ち帰りで買って、
港の見える丘公園まで足を伸ばしてみるのもいいかもしれない。
あそこは景色が良いから大好きだった。
帰りは山下公園から水上バスに乗って、海鳴臨海パークへ。
3人で楽しくおしゃべりをしながらだから、きっとあっと言う間だ。
元気になったら、退院したら。
すずかはそんな思いに胸を膨らませる。
首を左に向ける。
花瓶の横の棚の上。
そこには姉である忍たちがお見舞いにと持ってきてくれた果物が置かれていた。
「・・・・・早く来ないと食べちゃうよ」
果物バスケットの中にある、網目模様の高そうなメロン。
以前アリサが好きだと言っていたので、食べずに置いてある。
彼女達が来てくれたときに一緒に食べようと思い、わざわざ取ってあるのだ。
「また、みんなで遊びに行きたいなぁ。 なのはちゃんとアリサちゃん、今頃なにしてるのかな」
すずかは2人の親友の顔を思い浮かべ、楽しそうに微笑むのだった。

すずか編 エンド


ダルマさんが転んだ・・・
すずかはなのはやアリサが現在どうなっているのか・・・まあ知らぬが仏、ということで。

続いてフェイトが酷い目に遭うお話です。
すずか編が悲惨な話だったので、これはちょっと軽めのお話です。
104水死体 ◆VbCFpoV.fE :2007/01/20(土) 09:53:50 ID:p8WP5WxH
  母さん

「・・・く・・・・ぅぅ・・・っ・・」
痛い。
全身が痛い。
お股の間が、お尻の穴が・・・・・すごく、痛い。



母さんに呼ばれて行くと、そこにはたくさんの男の人たちがいた。
なんでも、母さんに融資してくれている人達だという話。
この人達の言うことを聞きなさい。
母さんにそう言われた。
何をされても絶対に逆らってはダメ、母さんのお願いだから聞いてくれるわよね?
そう、言われた。

男の人達が服を脱ぎ始めた。
私も裸にされた。
そして・・・・・・・痛いことを、いっぱいされた。

苦しかった。
血もいっぱい出た。
まるでお股に太い火箸でも突き込まれたような感じ。
何度も何度も突き刺されて。
お腹の内側が焼け爛れるように痛くて。
流し込まれた何かが気持ち悪くて。
でも、がんばった。
だって、母さんの頼みだったから。
だから耐えつづけた。

オチンチンも舐めさせられた。
臭くて、気持ち悪くて。
鼻に触れたとたん、吐き気がした。
でも顎を掴まれて無理矢理くわえさせられた。
喉の奥が苦しくて。
でも絶対に吐き出すな、歯を立てるなと言われて。
口の中に出された苦くてドロドロした液体を飲み込まされた。
でも母さんのためだから、このぐらいならどうってことない。

次は縄で縛られた。
吊るし上げられ、そして。
鞭で打たれた。
何度も何度も、空中で蛇みたいにしなり
風を切る音がして、わたしに襲い掛かって来た。
でも、こんなの、平気。
いままで母さんに幾度となくされてきたから。
皮が裂けて血が出た場所をなぞるように打たれたけど、でも耐えた。
ロウソクも垂らされた。
打たれて出来た傷跡に熱い滴りが落ちると、神経に直接ナイフを突き立てられるような痛みが走った。
でも、このぐらい。
母さんのためだから。
ぜんぜん平気。
痛く、ない。
105水死体 ◆VbCFpoV.fE :2007/01/20(土) 09:54:23 ID:p8WP5WxH
お尻の穴に大きな注射器のようなものを差し込まれて、何かを流し込まれた。
しばらくすると、もの凄くおトイレに行きたくなった。
でも、行かせてもらえなかった。
大き目の洗面器を置かれて、そこでしろと言われた。
助けを求めて母さんを見た。
どうしてだろう。
母さんは何故だか、とても楽しそうだった。
どうしたの、漏れそうなのでしょう? 早くなさい。
そう言われると、絶望的な気分になった。
お腹の苦しさも絶望的になって、我慢できなくて。
大勢の人たちが見下ろす中、わたしは・・・・

なんて凄い量だ。
鼻が曲がりそう。
酷い音だな。
男の人たちがわたしのことを汚い物を見るような目で見る。
でも、そんな事はどうでもよかった。
母さん。
母さんは・・・・?
こんなところで汚いものを漏らしてしまった私を、どういう目で見るだろう。
お願いだから、嫌いにならないでほしい。
そんな考えが頭の中をグルグルと回る。
母さんの顔を見るのが怖かった。
でも思い切って見てみると、母さんは何故だかとても楽しそうだった。
安心した。
母さんが近づいてきた。
すると、わたしの足下にこぼしてしまった汚い物を踏んでしまった。
汚れてしまったわフェイト、舐めて綺麗にしてちょうだい。
踏んでしまった靴を私の顔の前まで持ってきて、母さんはそう言った。
鼻先に突き付けられた靴。
トイレの便座の臭いがした。
戸惑っていると母さんは、
自分の出したものでしょう? 私の靴にこんな汚いモノを付けておいて、そのままにするつもり? 
そう言われたので、仕方がなかった。
舌を付き出して、わたしは・・・・


最後は、犬と『交尾』というものをさせられた。
四つん這いにさせられると、犬がのし掛かってきた。
重い。
お股に犬のオシッコをするところが入ってきた。
そのオシッコをするところは何故だか大きくなっていて、
わたしのお股の穴を開けられた場所に入ってきた。
男の人たちより、ずっと激しかった。
耳元に吐き掛けられる息が臭かった。
お腹の中が壊れるかと思った。
30分ぐらい『交尾』させられ続けた。
それが終わると、男の人たちは満足したように帰っていった。
母さんもいつのまにかいなかった。
106名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 09:56:35 ID:p8WP5WxH
ねえ、母さん。
わたし、頑張ったよね?
母さん、喜んでくれたかな。
だったら、うれしい。
痛かったけど、何をされるのかわからなくて怖かったけど、でも。
母さんが喜んでくれるなら、わたしは嬉しいよ。
でも、ちょっとだけ欲張りを言わせてもらえるなら。
我が侭を言わせてもらえるなら。
頭を撫でてほしかった、かな。
よくやったね、エライねって、言ってほしかったな。

ねえ、母さん。
わたし、これからもちゃんと、何でも言うこと聞くよ。
もっともっと母さんの役に立つよ、だから。
だからまた、あの頃のような笑顔をいつか見せてくれるなら。
そのためなら、わたしはどんなことでもするよ。
痛いことをされても。
苦しくても、酷いことされても。
母さんのためなら、平気だよ。
がんばるよ。
だから。
わたしのこと、嫌いにならないで。
ね、母さん。

END


フェイトって健気で可愛いですよね〜
思わず酷いことしたくなってしまいます。
知人にこれを読ませると一言だけ「鬼や・・」と言われました。
それではこれにて失礼いたします。
107名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 22:12:45 ID:+hSb3opR
GJです。
こういうのもありかと
108名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 00:09:00 ID:Yg34pwpV
>>98
GJ
仕事場までの愛騎と過ごす時間を励みに頑張ってくれ。
109名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 00:54:36 ID:nd2y17Vn
>>99
別にあんたの作品にどうこう言うつもりはないが、あんたの言い訳がましさは嫌いになったよ
110名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 01:27:00 ID:M5yOlgvn
つうかそんなに言い訳いっぱいするなら猟奇系扱うスレがあるんだから
そっちに投稿してリンクだけはるとかすればいいんじゃなかろうかと
111名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 03:41:19 ID:EPgowUBd
>>98
>>99
GJです。
しかし、両極端のが並んだな。
>>109
>>110
まぁまぁ、気持ちはよーーーく判るが、職人あってのここですから…
112名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 18:52:23 ID:ki52//0M
>>99
先に但し書きもしてるしいくらでも自衛出来るんで、内容に関してどうこうは言わんけどさ。
グロだという理由で叩かれるのが嫌なら、最初から専門スレ行った方が幸せになれると思うぞ?
この板では過去に何度となく繰り返されてきた意見だから解ってるとは思うけど。

あ、誘い受け満載の自分語りは('A`)ウヘァ
113名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 20:24:29 ID:uaJ41DBB
>>99
言いたい事は分かるし気持ちも分かるが他でやって欲しいな
114名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 21:04:22 ID:2xRGDUXq
>以前このスレで酷い話書いて殺人予告受けたり、
詳しく。
115549 ◆xbn1Z6LB3Q :2007/01/21(日) 23:38:59 ID:4ldROsdA
今日は作業できなかったですが、こんな感じで9スレ分から新しい方に保管していきます。

http://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/

とりあえずオーナーのみ編集可能にしていますが、複数で編集可能がwikiの売りなので、
手伝っていただける人がいたら設定は変えようと思います。
他スレで話がありましたが、こっそり自分で修正もできますし(w

旧保管庫ではあったテキストやDATファイルはwikiに置けないので、最終的にも両方残ることになります。
116640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/22(月) 01:53:51 ID:p8+UY77e
少年は、追いかけていった。

夢中で、ただまっすぐ。
ふと目の前を横切った、小さな子猫。ただそれだけを見て。

追いかけて、追いかけて。

気がつけば少年は、見知らぬ川原へとやってきていた。
だが自分が知らない場所へ来たという心細さよりも、好奇心のほうが勝っていた。

一つのことしか一度に目に入らない少年は、猫のこともすぐに忘れ、川面へと向かう。
清流がきらきらと輝く様が彼を虜にするのに、そう時間はかからなかった。

心だけでなく、肉体も。
水は、助けを呼ぶ彼の声すらも絡めとり、代わりに。

彼の身体に秘められた別のなにかを、解き放っていった。


魔法少女リリカルなのは A’s to the strikers

−ママは中学一年生−

第三話 一家、語る


ひとまずは合流を、ということで。

取り急ぎ公園に到着したなのはが見たのは、ひどく狼狽し慌てふためく、
今までみたこともないほどに動揺した親友の姿であった。

「ど、ど、どうしよう!!エリオが、エリオがぁ……」
「フェイトちゃん、落ち着いて。今はやてちゃんも来るから」

ぽんぽん、と肩を叩いてベンチに座らせる。
肝心のフェイトがこれでは、状況もよくわからない。
もう少し、落ち着いてもらわないことには、どうにも。
ほどなくして、はやてもリインと共にやってきた。

「んで?どういう状況なん?」
「エ、エリオが!!いなくなっちゃったの!!」

いや、それは聞いたから。
いつもの冷静さなど、今のフェイトにはどこを探してもなかった。
彼女にまさか、こんな弱点があったなんて。

おろおろするばかりの彼女の様子に、なのは達もまた困惑を隠せない。
フェイトに比べれば比較的二人とも、落ち着いてはいるけれど。

「バルディッシュの広域探査で探せばええやん」
「それがっ……できないの!!」
「へ?」
「あの子……エリオ、今はまだ、また犯罪に利用されないように魔力に拘束がかけられてて……!!」
117640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/22(月) 01:54:26 ID:p8+UY77e
よほどのことがない限り、それが外れることはない。
つまり目標の発する魔力を探し、位置を特定する広域探査では発見できないのだ。
完全に肉体から発散される魔力がカットされている、今の状態では。

「地道に足で探すしかないってこと、か」

こく、こく。
首が千切れるんじゃないかという勢いで、フェイトは頷いた。
少しばかり緊張感に乏しかったなのはとはやても、表情をわずかに厳しいものにする。
これでは普通に迷子を捜すのと変わりがない。気楽に構えてもいられない。

だが、まだ小さな子供の足だ。そんなに遠くには行っていないはず。
手分けして探せば、すぐに見つかるだろう。

「リインはフェイトちゃんについといてあげてくれるか?一応」
『はい!!』

アルフが一旦報告を兼ねて家に戻った以上、動揺しっぱなしのフェイトを
一人にするのは少々心配だった。はやての言に、リインも同意を示す。

エイミィたちが帰ってきていれば、そちらのほうからも機材を使って探してくれるだろうから、
そうそう見つからなくて大事に至るということは(エリオだけでなく、フェイトに関しても)ないだろうが。

「大丈夫やって、フェイトちゃん」
「う、うん……」

元気づけようと肩を叩くはやてに、フェイトも躊躇いがちに同意する。
少し楽観的すぎやしないだろうか、などと思いながらも。


───だが、彼女が頷いた直後。

三人の少女たち(+リイン)の背後、遥か遠くの川のほうで。

「「「え?」」」

巨大な水柱が噴き上がった。

*   *   *

「やばっ!?リイン、結界!!」
『は、はい!!』

川原には既に、黒山の人だかりが出来ていた。

無理もないといえば、無理もない。
なにせ普段穏やかで、増水による被害などほとんど出したこともないような、
流れの静かな、誰もが慣れ親しんだ街の水源たる川である。

その災害や異変などとは無縁であったはずの川から、突如として長大な水柱が立ち上っているのだ。
不自然であること、この上ない。まるで、天変地異にも等しい光景だ。

付近の住民達が驚いて出てくるのも、無理なからぬ話といえる。
118640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/22(月) 01:55:42 ID:p8+UY77e
はやてが慌ててリインに封時結界の発動を命じ、ようやくのことで川原から人々が消え失せる。

こんなことが自然現象であるはずがない。現にあの水柱からは強力な魔力が一同の知覚に感じ取られていた。

「フェイトちゃん、あそこ!!」
「あれは……エリオッ!?」

そして彼女達は発見する。

逆流する滝のようにも見える水の柱の、その中心にぼんやりと見え隠れする、少年の姿を。

「そんな……どうして!?溺れたんか!?」

その水柱の内にある小さな身体からは、少年のものとは思えないほどの魔力が発散されている。
水面を割って伸びているこの現象も、その魔力によるものだ。

これほどの魔力が彼にはあったというのか。
それに、あったとしても封印されているのではなかったのか。
戸惑いを隠せない二人へと、フェイトが説明していく。

「多分……身体が自然に解いたんだ、魔力の封印を、無理矢理に。それが暴走した」
「え?」
「エリオのあの魔力は、生まれつきのものじゃない。だから封印した」

たしかに元々、資質はあったらしいけれど。
だからこそそのために彼は、大人たちの勝手な理屈に巻き込まれ、
心ない利己的な研究者、犯罪者たちによってその身を利用されることとなった。

外界からの刺激に対して、柔軟な成長と吸収をみせる幼い肉体を。
少しでも資質に富んだ、強力な魔力の持ち主を。

時空間犯罪者たちは利用しやすい、そういった子供たちを最も欲するものだから。

「私が助け出したときは、何もない部屋に一人ぼっちだった」

首には、認識票と発信機のついた首輪をはめられて。
様々な薬物投与によって、魔力を急激に強化させられるかわりに、足腰の立たない状態で。

ぺたりと床に座り込んで、殆ど見えない目でこちらを見ていた。
抱き上げたその身体は、驚くほどに軽かった。

「だから……魔力をあの子から一旦、遠ざけたんだ。忌まわしい人為的な魔力から」
「フェイトちゃ……わっ!?」

渦を巻いた水が、少女たちへと襲いかかってくる。
水圧カッターのように鋭利なそれは、間一髪でシールドを展開していなければ
彼女たちの身体を切り裂いていただろう。危ないところであった。

「これは!?」
「魔力を……追尾しとる!!これじゃ近づこうにも近づけへん!!」
「っく!!エリオの魔力が……!?」

プラズマランサーを発生させる。四つの光が槍となり、収束し。
発射されようというところで───……水流に撃ち抜かれ、消滅した。
119640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/22(月) 01:56:26 ID:p8+UY77e
「そんな!?」
「フェイトちゃんより、速い!?」

おまけにあの水にも、魔力がこもっている。
ヘタに触れれば、どうなることか。

迂闊には近寄れない。
だが長引かせてはこれほどの魔力、しかも無理矢理に付加された魔力だ。
エリオの身に何があるとも知れない。

「どうするっ!?」

あるものは避け、あるものは盾で防ぎ。
三人の少女は突破口を窺う。

そして、意を決したようにフェイトが口を開いた。

「なのは、援護して!!はやては囮に!!その隙に私が飛び込む!!」
「本気!?」
「でも、確かに……ああ、もうっ!!それしかないかもしれへん!!考えてる暇がないっ!!」
「言えてる……!!」

それが一番、手っ取り早い。
あれこれ面倒な手を考えるのは、攻撃を避けながらではいささか骨が折れる。

意見の一致した三人は、頷きあい。
それぞれに行動を開始する。

「レイジングハート!!アクセルシューター、全速で!!」
『all right』

水流の飛び交う中を疾駆するフェイトを援護するように、
多数のアクセルシューターが彼女の周囲を飛び交い水流を撃破していく。

「はやてちゃん!!」
「ほれほれ、こっちや、こっち!!」
『ブラッディダガーです!!』

蛇にも似た動く水たちを引きつけるため、ブラッディダガーを撃ち込むはやてとリイン。
もちろん、万が一にもエリオのことを傷つけてしまわぬよう、中心部の彼のいる場所は外して。

「バルディッシュ、ザンバーフォーム」
『yes, sir』

フェイトのほうも、フルドライブを起動。金色に輝く刃で、水柱の上半分近くをごっそりと切り落とし、蒸発させる。

エリオの姿が、見えた。

『Blitz Rush』

加速。

一秒でもはやく、助け出してやりたかった。
大切な、かけがえのない少年を。
120640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/22(月) 01:57:37 ID:p8+UY77e
「フェイトちゃん!!」

ディバインバスターが、なのはの絶妙のコントロールによってエリオの周辺を薙いでいく。
もう殆ど、エリオの姿は水中から露出していた。

意志を持つように動く水の断末魔と思しき一撃が、フェイトの頬をかすめた。
だが、そんなもので止まりはしない。
この子をこの手に抱きとめるまでは、けっして。

「エリ……オォッ!!」

水柱から引き抜くようにして、エリオをフェイトは抱え上げる。
嵐のように噴出する魔力によって、バリアジャケットのあちこちに細かい傷が生まれても、
フェイトは怯まなかった。その整った顔に、紅い筋がいくつも刻まれようとも。

「行けえっ!!」
『Plasma Detonator』

肺の中の水にむせ返る少年を抱えたまま、離脱。
置き土産とばかりに、バルディッシュの刀身を分離、水柱の中心部へと撃ち込んで。

たとえ彼女の本来の実力なら、全く危なげなどない戦闘であっても。
フェイトは、必死だった。必死にならぬわけがなかった。

撃ち込まれた刀身部が水の内側で輝きを増していく。
そしてフェイトが、シールドを張って待機するなのはとはやての元に舞い戻った直後───……。

切り株のように形を留めていた水柱が、内部からの爆発によって破裂し、
本来の川の水としての姿へと戻っていった。

*   *   *

「それで?大丈夫だったのか?」

エイミィからおかわりの茶碗を受け取りながら、クロノが尋ねた。

「うん、さっき本局の病院から帰ってきたけど、異常はなしだって」
「そうか。……で、肝心の二人はどこなんだ」

食卓には、リンディと、アルフ。そしてエイミィとクロノの四人のみ。
件の二人───フェイトとエリオの姿がない。

先程、残業で遅れて帰宅したばかりの彼はまだ今日、家で妹の姿を見ていなかった。
彼女が世話をしている少年とも、顔を合わせていない。

「フェイトちゃんの部屋。エリオくんはもうおねむらしいのですよ」
「ふうん。そうか」

色々、今日は疲れたみたいだし。
フェイトのぶんの夕食に、エイミィがラップをかけていた。

*   *   *
121640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/22(月) 01:58:15 ID:p8+UY77e
「……ト、マ、マ……」

少年の呟きに、フェイトは顔をあげた。
寝言らしい。幼い男の子はあどけない寝顔で、ぶつぶつとなにやら言っている。

「寝ちゃった、か」

軽く苦笑して、風邪など引かないようきちんと布団をかけてやる。そして、

「……あと、フェイト「さん」だってば」

寝息を立てる少年に、念を押す。
髪を撫でてやると、エリオはくすぐったそうに寝返りを打った。

「……母さん。…………アリシア」

二人とも、見ていてくれていますか。

あなた達を助けられなかった私だけれど。
こんな私にも、母と呼んでくれる子ができました。

天を仰いで、フェイトは呟く。

「助けられなかったけど。守れなかったけど」

その分、この子を精一杯大事にして、守っていくから。

この子だけじゃない。
私にやれるだけ。
こんなはずじゃない人生に、みんながならなくて済むように。

「……私、がんばってるよ」

エリオに読み聞かせていた絵本を、ぱたんと閉じる。

腰を上げたフェイトは、安らかに眠る幼子を起こしてしまわぬよう、気をつけながら。
静かに、部屋の扉を閉めたのだった。

                   (完)
122640 ◆CaB8KPh.gs :2007/01/22(月) 02:06:09 ID:p8+UY77e
眠いです。
レス返ししたら寝よう・・・。

>>4の422氏
クロノはもう完璧にエロノですなあ(褒め言葉)

>>774RR氏
初投稿乙です。次回作も待ってますよー

>>水死体氏
お久しぶりでございます。

>>549
ほんとう、毎度毎度お手数をかけますorz
どうか無理などなされぬよう、お気をつけて。

>>114
あーうん、そんなこともあったねえ(予告を受けた人間その2より)
123176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/22(月) 02:34:18 ID:i0OMTXms
あの雲のように

 第一章 第五幕


 ――アルトザーヴェラー。

 古き魔導師という名を与えられた秘術が目の前で生命全てを灰燼にしようと町を蹂躙している。
 守護獣を形作る人造魂魄を術者へ埋め込み人ならざるものとして目覚めさせ、狂わす。

「理論はあったのですから……完成してるのは当然ですね」

 冷め切った目でナハトは炎の中で踊る竜を見上げていた。
 魔導師の魔法技術と守護獣の身体能力の融合。異なる強さを併せ持つ最強の存在。

「それで彼らは満足なら……私は構いませんよ」

 代償は人を失うこと。
 そして極めて短命――。
 魔法の源とするリンカーコアへ無理矢理に魂魄を捻じ込ねば体だって当然持つはずがない。埋め込まれた魂魄の術式が術者のリンカーコアを喰らい、人でも獣でもない存在へと作り変えるのだから。
 使い捨ての破壊兵器の行く末には残酷な事実しかない。尤も人を止めた時点で彼らには考えるおつむなど存在しない。その点では幸せなものだ。
 
「命を……無慈悲に奪わないのならば」

 唇から一筋赤が垂れていく――。
 足りない……こんな痛みじゃ足りなさ過ぎる。
 
「私はこんな命まで無くそうとは思ってないんだから……!」
 
 自ら膝の上で眠るように横たわる幼子。すすと血に塗れ、額は割れ端正な顔を血に汚している。
 微かに開かれた眼は虚ろでもう彼が二度と動かないだろう事実を突きつける。
 親とははぐれたのか……それとも一人逃げ延びてきた末なのか――。
 どの道、奪ってしまった。
 親と命と。
124176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/22(月) 02:34:52 ID:i0OMTXms

「ごめんね……ごめんね……」

 震える声でも彼女の青い眼から涙は流れない。
 流す涙はとうの昔に枯れ果てた。だから胸に去来するこの想いさえもしかしたらただ悲劇を演じるための偽善なのかもしれない。
 いや、偽善なのだろう。
 純粋に償いをするなら旅をしようと思ったあの日――心が空っぽになったあの日に

「死ねばよかったんだ」

 けれどそんな勇気無くて、死ぬのが怖くて始めたのがこの旅だ。

 逃げて、悪夢から逃れられる日なんてあるわけが無くて。彼女の目にはこうやっていつも戦乱に蝕まれていく世界だけが焼き付けられていく。
 せめてその悪夢を振り払えるならば少しは償えたのか?
 いや、滅ぼす力を作り出せても自分は滅ぼす人間にはなれない。技ばかり持っても使いこなせない半端魔導師。
 
 ――そういえばあの人も言っていたな。

 ろくな力も無いくせに放浪なんて……ほんとに馬鹿みたいだ。
 そういえば今頃あの人はどうしているのだろうか。もしかしたら自分が出て行くのは感づかれたのかもしれない。 
 でも嫌がらせみたいなことを散々してきたのだ。嫌われて、無視されたかもしれない。
 彼女の心を無理に開けようとして、思い出したく無いはずの過去を解き放ってしまったり。

「ただ、似たような人は放っておけ無いんですよね」

 懐かしむようにナハトは微笑んだ。
 あの時、あの瞬間、竜を狩る凛々しき剣を見て決めていた。
 だから去らずに密かな自慢で彼女をもてなしたり、自分流の路銀稼ぎに付き合わせてみたり。
 彼女も一人、私も一人。
 なにより彼女は逃げていたから。自分の過去から、前ばかり見て歩き続けていたから。
 それを知ったのは暗闇の中で語り合ったさっきだけど。
 あの人はまだ自分には出来ない立派なことがあるから。今のままで終わって欲しくなかったから。
 羨望なのかもしれない。逃避する自分を棚に上げて他人にお節介を焼くなんておこがましい。それすら自分を顧みない口実にしてるんだから直のこと。
 もしかしたら彼女の父や故郷を奪ったのも自らが生んだ力なのかもしれないのに。
125176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/22(月) 02:35:24 ID:i0OMTXms

「そういえば私……なんでここにいるんでしょうね?」

 頭の中に確かにあったはずのそれはこの町の炎に焼かれてしまったのだろうか。
 ふと顔を上げた先、黒い鱗に埋もれた赤眼と目が合う。自分の過ちが答えなんて知ってるわけ無いだろうけど、ナハトにはそんなこともはやどうでもよかった。
 巨体をゆっくりとこちらに向けて近づいてくる黒竜はやがてこの体を灰にしてしまうだろう。

「なんでしたっけ……」

 そういえばいつもこうやって炎の町へお節介を焼きに行っていた。今日はあの黒竜に燃やされてしまったけど、いつもの自分は命すら顧みずお節介を焼いていた。
 竜は眼前に迫り、影はナハトを覆い、終末が否応無しに足音を鳴らす。
 
 私がお節介を焼く理由――。

「……ああ、そうでした」

 それは自分なりのせめてもの償い。
 逃げ続ける中で逃げ続けないための足枷。
 もう消えてしまう命だろうけど、最後に思い出せてよかった。

 ただ私は――

 竜の腕が振り下ろされた。

「レヴァンティィィィィンッ!!」

 その腕は

『Schlange form!!』

 焔を纏いし銀蛇が描いた螺旋の中で八つ裂きに、そして焼き尽くされた。

 ――守りたかった。

* * *
126176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/22(月) 02:35:56 ID:i0OMTXms

「やはりおまえは馬鹿だな」

 背中越しの言葉を挨拶に、災い総てから守るようは烈火の将はナハトの前に降り立つ。 
 嘲笑うような声で彼女はもう一度後ろの大馬鹿者へ言葉を投げた。

「いいか、賊が出てくるような物騒な場所へは一人で近づかないことだ」

 子供を諭すようにゆっくりと言い聞かせ、手元の剣の具合を確かめる。
 どうやらこいつは自分が習得した武芸を形にすることは遜色なく出来ると見える。
 柄からだらしなく垂れ下がっている鞭。分かたれたいくつもの刃がワイヤーで結び付けられた鞭というにはややかけ離れている武器だ。

「連結刃……シュランゲ……奴を食い殺せレヴァンティン」
『Jahooole!!』

 シグナムなりに考えた太刀の届かない相手を食らう必殺の蛇。

「はぁぁぁっ!!」

 怒声――腕を大きく振り上げれば銀蛇目覚め彼女の頭上に巨大な描く。
 片腕を奪われても――もはや痛覚すら失っている竜はすぐに口から極大の火球をシグナム目掛け吐き出した。

「無駄だぁ!!」

 三度、円の軌跡を残す腕に蛇が応え踊り狂えば、彼女の前で渦となり盾となる。
 一片の狂い無く、幾重の真円は唸り上げ激突した火球を旋風と共に亡き者とした。

「炎舞の狂宴! 汝贄となれ!」

 そしてその炎を渦は我が物とし、炎熱纏った蛇が解き放つ。
 内から円を崩しながら蛇は――否、それは竜の如し――どこまでも、無限とも思える体で竜へ襲い掛かった。
127176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/22(月) 02:36:38 ID:i0OMTXms

「せやぁぁぁ!!」

 その足を――。
 その腕を――。
 その体を――。
 刃の鱗が巻きつき、切り裂き、骨すら焼いて

「爆竜一閃!!」

 四度目に振られた腕は大きく下へ。
 烈火の声に赤き竜は黒き竜を締め上げ、次の瞬間完膚なきまでに粉々に煎断した。
 猛火に包まれながら大地へと落ちる竜だったもの。家々より遥かに大きかった体躯は無残なほどにバラバラにされ灰と化すまで燃え尽きるばかりだ。 
 ゆらめく炎に照らされたその背中をナハトはただ呆然と見つめていた。
 どちらかといえばそれは黒竜を料理する騎士の姿に見とれていたかもしれない。
 柄の上へ、蛇から剣に還る魔剣を軽く素振りし具合を確かめ、シグナムは軽く息を吐く。今までの動きが嘘のように思えるくらい落ち着いた息吹だった。

「自慢ではないが私は早起きでな」

 ぽつりと、独り言でも呟くような彼女の言葉を耳にしたのはそれからすぐ。

「散歩がてらこの街までやってきてみればこの有様だ」

 散歩がてらに、なんてこれる距離ではないだろう。宿からここまでどう見積もったって自分の足では遠出に値する。
 真面目にナハトは考えこんでいる。真に受けて冗談の類と疑わないのは彼女の性格が成せる技なのだろう。

「おかげで朝の爽快な気分が台無しだ。これもみんなあの賊共のせいだ。鬱憤晴らしに残さず斬り殺すことにした」

 もっともシグナムにとってこの口実は大真面目だ。
 本当を隠す冗談として場を茶化そうなどと彼女はまったく考えていない。シグナムにしてみればうまく誤魔化せたとしてやったりといったところである。
 今まで弄られた分、今度はこっちが借りを返す番。町中に蔓延る賊の退治が終わるまでせいぜい悩むといい。

「一応言っておく、手は出すな。もしも出した場合――」

 轟音がナハトの後ろから咆哮した。燃え盛る家を蹴散らして新たな黒竜がその体躯を炎に晒す。

『Bogen form』

 だがその眼はナハトとシグナムを捉えることなく
128176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/22(月) 02:37:10 ID:i0OMTXms

「シュツルムファルケン!!」

 胸から上のすべての部位と共に莫大な熱量と衝撃に消滅した。

「きゃあ!!」

 轟々と背中を叩きつける暴風に思わず背を屈め、膝に乗せた子を身を挺して庇う。ナハトを追い抜くように瓦礫が吹き飛び、砂塵が吹き荒れ、炎はあまりの風に掻き消えた。
 静寂はすぐに訪れ、炎の紅が取り除かれたここだけは柔らかな闇が再び舞い降り来る。
 ナハトは呆然としながらも体を起こし、シグナムを見た。

「こうなるわけだ。私はこれでも未熟でな、本気を出すと見境がなくなる。その子と共に離れていろ」
「で、でも……この子はもう」
「なるほどおまえはその程度で諦めるのか。騎士ならばその程度の怪我を死には繋げない」
「え……?」

 まさか――覗き込んだ消えたはずの命。なのにそれはまだ命の火は消えていなかった。

「……ぁ」

 息が詰まる。自分の馬鹿馬鹿しい勘違いに腹が立つより呆れてくる。
 ――している。微かに聞こえる命の息吹。
 そっと触れた胸には命の鐘が鳴っていた。

「半端な腕でも多少の手当てはできるだろう」
 
 安堵の息をつくナハトの前でシグナムの手にあるそれが魔力残滓を吐き出していく。真っ白な蒸気はやはり黒に映える。
 剣から鞭へ、鞭は今は弓となって彼女の手の中にいる。
 全てはシグナムの歩んで来た道の証。力を追い求めていたばかりだった子供のころの苦い思い出。

「ありがとう……ございます」
「礼には及ばん。自分でその子の命が消えていないことを知ったのだろう? 周りが騒がしいと気づけないものある」

 そうだ。彼女がその弓で災いを振り払ってくれたからこうして命に気づけた。

「壊すばかりの力も頭を捻れば使えるものだな」

 鞭といい、この弓といい本当に命を奪うだけの力だ。これでは自分が目指した道を歩けない。
 それでもこうやって誰かのために役立てることはできるのだ。
 この力もまだ成長し続ける。道を歩ける。
129176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/22(月) 02:37:41 ID:i0OMTXms

「おまえは残った者を救え。泣いている暇があるならな」
「私……泣いていました?」

 踵を返してからシグナムが頷いた。
 頬をなぞる――濡れていた。

「あはは……まだ流れるんですね」
「人ならば当然だ。それとも自分が冷血人間とでも思っていたのか? そんな呑気な性格で」
「……少しは、ですね」

 苦笑した。 
 そんなわけないと思ったのに。
 何もかも奪えるほど自分の生んだ災いは強くない。こうやって命が残ってる。全部消えてしまうわけじゃない。
 逆に命を奪われる側にだってなる。 
 結局、偽善って思うことも偽善なんだ。そうじゃなきゃ涙なんて流れない。何にだって自分は徹しきれないないのだ。演劇ならば最高の大根役者だろう。
 不幸な自分によっていられる暇があるならやれるべきことを成す。
 素直に、自分のしたいことを。
 ナハトにとってもシグナムにとってもそれは同じだ。
 
 ナハトは思う。本当に自分は

「中途半端ですね……私」
「ふ……なら私は行くぞ。これ以上暴れられても始末が面倒だからな」
「はい、わかりました。私も半端なりに頑張りますから」

 騎士が空を翔けた。右手の弓は光とともに剣と鞘に姿を変える。どうやらあの二つで弓と成すらしい。
 自分たちもそんな風に、それぞれ力を合わせて一つのことを成したい。 
 心の奥底に差し込んだ光にナハトは不得手ながらも治癒魔法を発動させる。

「大丈夫……絶対助けるから」

 膝の上でいまだ身動き一つしないけれど、この子は生きている。
 虚ろと思った瞳にもいつしか光が入ったようにナハトには見えた。
 見間違いさせないように、また元気に大地を駆け回れるように、ナハトは暖かな光を少年に与え続けた。

「でぇあああああ!!」 

 遠く空でまた一匹、竜が捌かれた。真っ二つに、頭から尾へと一直線。
 
 それまさに一刀両断――。 

* * *
130176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/22(月) 02:45:30 ID:i0OMTXms
最後に投下したのいつだよ……
うう、並行書きはやめようと思ったのに

すいませんシグナム編は後一話続きます
Stepとクロ×ロリエイも止まってたな、あはは


>>4の422氏
ええい! 甘いではないかぁ!!
こっちもまたなの×ユーで(ry

>>774RR氏
こういうのもありですなぁ
次も期待です

>>水死体氏
まぁ、グロいといえばグロいし、酷いと言えば酷いし
気分を害すようでしたらやはりどこか別のところですかね

>>549
お久しぶりっす!
ご苦労様で頭が上がんないっす!

>>640
母は強しかな
さぁ、次は性教育で(ジュ
131名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 01:46:32 ID:OQTrst3U
>>640
フェイトがお母さんになるとは…
時の流れは速いものだ……
次は性教育(ry
132176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 02:55:01 ID:NZf8yEds
魔法少女リリカルなのはStep

第10話 夜風吹く、誓いの言葉は魔法なの

 忍さんが……敵?
 信じられない……。なんでこんなことになってしまったのか、原因なんてアタシにはわかるはずもなくて。
 だけど戦わなきゃならないのは絶対に避けられない。
「二人とも……なにぼさっとしてんのよ!」
「だ、だけど!」
 そんな顔しないでよなのは。戸惑いたいのはアタシだって同じなのに!
 だけどアタシは歯を食いしばって、真っ直ぐ忍さんを見つめて、絶対に動揺が悟られないように。
 弱みは見せない。アタシまで折れたら誰がこの子達を立ち直らせるの?
 言い聞かせ、まだ信じられない現実を前にアタシはバーサーカーを構えなおした。
「あら? 囲んできたから何かするかと思ったけどなにもなし? それともハンデとか?」
 余裕を漂わせながら忍さんがゆっくりと右手を顔の横まで上げた。
「だったら後悔すると思うけどなぁ……さっきのでわかったけど今の私って――」
 何か別の生き物のように拳が大きく開いた。
 ありえないほど、長く伸びた爪。それは血みたいな赤で鈍く輝いていた。
「っ!? バーサーカー!!」
「こんなことも出来るのよね」
 囁きが空気を振るわせるより早く振られる腕
『Yeah!!』
 アタシが叫び、バーサーカーが吼えたのはそれと息を合わせたように同時だった。
 左へ飛ぶ――! 一秒前にいた場所をあの赤い刃が屋根を抉り取りながら猛スピードで飛んでいく!
 驚いてる場合じゃない。もう頭の中には次なる行動が示されている。
「スプラッシュウェーブ! でぇぇぇい!!」
 叩きつける――茜色の衝撃波が駆け抜けなのはの前へ立ち塞がった。
 高密度の魔力の波は盾代わり。なのはへ向けられた凶刃は全てがその前に叩き落される。
(ユーノ! すずかをっ!!)
 口に出すことさえまどろっこしい! 
 タイムラグは限りなくゼロに、そうじゃきゃ忍さんの攻撃は防ぎきれない!
「くっ! ラウンドシールド!!」
 ガキンガキン!! と寒気がするような音。
 忍さんの背中越しに魔法の光が見える。間一髪、すずかへの攻撃は受け止められたみたいだ。

 ――けど安堵する暇は無い。問題はここからだ。
133176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 02:55:34 ID:NZf8yEds

「バーサーカー! リロード!!」
『Meteoride』
 急激な脱力感と引き換えにアタシの周囲に精製される弾頭――その数七つ。
 この距離――あまりに近すぎる。
 だけどこの魔法は最初から
(そのつもりの魔法なのよ!!)
 相手が追撃に転じる前に、振り上げた槌で目の前の弾頭を叩き潰す――!!
「ぶっ飛べーーーっ!!」
 弾ける光は残さず浮かんでいた残りの弾頭に衝突し
『Gatling metore』
 
 一斉爆発――!

「うっくぅ!?」
 爆発と爆風と爆音と、とにかくいろんなものがもろに体へと襲い掛かる。
 バリアなんて張れるわけないアタシにはバリアジャケットだけが唯一の防御ってのがなんとも痛い。
 前も後ろも訳が分からなくなる中でアタシは何とか空中向けて屋根を蹴った。
『Are you okay? Buddy?』
「当たり前でしょ!」 
 真下を見れば連鎖爆発の名残がもうもうと立ち込めていた。
 あちゃ〜……これじゃあ間違いなく屋根に穴が開いたわ、絶対。
 でもこれで家の屋根の心配をしている余裕があったらアタシはとんでもなく大馬鹿者だろう。無我夢中で魔法を使わなきゃ全滅は免れなかったと思う。
「ぶっつけ本番……キツイわね」
 目くらまし代わりの魔法がこれだなんて荒っぽいというかなんというか……。
 魔力は相当持ってかれてるしダメージも大きい。ぜーはーぜーはー言ってるのはアタシの口で本音を言うと結構苦しい。
 一発でも結構魔力を押し込めてる物を計七発。それを至近距離で一斉に爆破させるなんて我ながら馬鹿らしい魔法だ。自爆技とでも言えばいいんだろうか。
「だけど――」
 煙の中から飛び出してくる影は三つ。アタシのすぐ横になのは、向かい合うようにしてユーノとすずか。すずかはまだショックから立ち直れていないのかユーノに支えられている。 
 アタシの機転がみんなを救った。友達を守れたこと――だから後悔なんて絶対しない。
「あんたたち怪我ないわよね?」
「うん、なんとか……」
「私も……大丈夫」
 なのはのほうはまだ大丈夫そうだ。けどすずかの方は……まずい。
 そりゃあお姉さんがジュエルシードに取り付かれていて、しかも襲ってくるなんて平気に受け止められる出来事じゃないと思う。
 アタシだって身近な誰かがそんなことになったら……って思うと足が竦んで動けなくなりそう。
「次で……一気に決めるわよ。なのはは後方から射撃でかく乱、アタシが踏み込んですずかとユーノでバインド」
「お姉ちゃんを……撃つの?」
「やられろっていうの?」
 震えている声には質問返しであしらった。
134176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 02:56:06 ID:NZf8yEds

「アリサちゃんは平気なの……? 忍さんなんだよ」
 なのはもやっぱり躊躇っている。その言葉は明らかにアタシの言葉を否定するような言い方だ。
「さっきの見たでしょ……忍さんは本気よ」
 例えて言うなら忍さんの目はライオンみたいな肉食獣の目……みたいな。
 決してジュエルシードに意識を乗っ取られているわけじゃない。どちらかといえば自分の意思で今の力を使っている。アタシたちが魔法を使うように。
「なのはにユーノ、二人はどうするの?」
「……このままはいけないけど」
「僕はやるべきだと思う」
「ユーノくん!?」
 なのははユーノがアタシに賛成したことが信じられないといったご様子。やっぱり世界が違えば考え方も違うのか、それともユーノはアタシが思っていることを考えているかは分からないけど。
「だけど相手は忍さんで」
「じゃああんたは誰なら撃てるの」
「えっ……」
「ジュエルシードなら同じじゃない?」
「それは……」
 予感がなかったわけではない。きっとこのジュエルシードを封印するうちにこんなこともあるんだろうと思ってたのは本当のこと。
 いつか必ずアタシたちの前に通せんぼする試練。
「なのはもすずかもほんとに馬鹿ね。すっごい馬鹿!」
 そんなちっぽけな試練なんて叱り飛ばしてやる。
 動物や植物にジュエルシードが取り付くことは今までたくさんあった。でも、人に取り付いたのを見たのはアタシにとっては今夜が初めて。
 しかもあろうことかすずかのお姉さんの忍さんだってわかってもっとびっくりして。
「アタシたちのやること……魔法使いの仕事忘れたわけじゃないでしょ?」
 でもそれを盾に何もかも諦めようなんて馬鹿みたいだ。
「誰かを傷つけちゃうのはアタシだって出来ればやりたくないわよ……当然よね」
 あんまり長話をしていてもいつ忍さんが仕掛けてくるか分からない。言いたいことだけ簡潔に、すぐに纏めてアタシはまた口を開く。 
「でも! 目の前にいるのが大切な人でも、ちゃんとしなきゃならない。ううん、大切な人だからこそちゃんとしなきゃいけないのよ」
 傷つけるのが怖いなんて都合のいい言い訳は沢山。
「ジュエルシードなんて訳の分からないもの大好きなこの町の、大切な人たちの日常を壊させやしないんだから!」
 本当に大事なのは非日常からこの町に住むみんなを守ること。魔法使いとして、アタシにとっての勤めはそれだけだ。
「大切な人がジュエルシードに捕らわれているなら助けてあげなきゃ駄目に決まってる!」
135176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 02:56:55 ID:NZf8yEds

「アリサちゃん……」
 なのはが顔を上げる。まだ不安の色が残る顔だけどさっきよりかは少しはマシになった感じ。
「最初はなのはのこと守ってあげようって手に入れた力。今はみんなの大切を守ってあげようって力になってる」
 アタシたちだから出来る大事なこと。この力はその願いを叶えるためにある。絶対に傷つける力になんてならない。
 ――させない!
「すずか……それでも駄目なら見てるだけでもいいわ。アタシはやるから……あんたのお姉ちゃん助けて見せるから」
 まだ強がりが言えるなんて随分と偏屈な口なんだから。 
「一人でだってやってみせる」
 本当はさっきので相当ダメージ食らってる。ギブアップしたいのはやまやまなのよね。
「わたしは後方支援だよね」
「そっ、出来るだけかく乱できれば……ってなのは!?」
「わたしだって気持ちは同じだよ。アリサちゃんの言う通り、わたしたちみんなのために頑張ってるんだから。……それにね」
 視線を逸らしながら恥ずかしそうに続ける。
「一人で頑張りすぎて失敗するのは懲りてますから。だから一緒だよ」 
 悪戯っぽくなのはが笑った。
「まったく……だったら最初からやる気になりなさい」
 やっぱりなのはは強いわ。流石剣術家の娘ってとこかしら?
「じゃあ僕はバインドだね」
「ついでに防御の方も任せるから。大変なポジションよ、失敗したらただじゃおかないんだから」
「覚悟しておくよ」
「上出来よ、マネージャー」 
 これで三対一。数じゃこっちがずっと有利だけどアタシはアタシで魔力は僅か。だからって手を抜きなんかしない。
「いくわよ……二人とも!」
「うん!」
「よし!」
  
 やるなら絶対……なのはみたいに全力全開! 手加減なし!!

「バーサーカー! Ready!!」
『Yeah!!!!』

 第二ラウンドの始まり!!
 
* * *
136176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 02:57:33 ID:NZf8yEds

「捕えろっ!!」
 両手から撃ち出される鎖は複雑な軌道を描きながらすずかのお姉さん――忍さん目掛け躊躇うことなく伸びていく。
「シューーート!!」
 緑の中を翔ける桜の光。鎖を縫うが如く光は目まぐるしく動きを変える。
 狙いはただ一つ。今までの僕らなら当てることなんて造作もないことだ。
 忍さんは僕らを見上げたままで動かない。それとも動けないのかもしれない。どっちかを避ければ残った方の餌食になるんだ。下手には動けない。
「よし! 行ける!」
 そうこうする間もなく鎖が忍さんの腕に絡みついた。軋む手ごたえに思わず声を上げるのを抑えられない。
 続けて足、体と鎖が動きを奪い取り忍さんの退路を塞ぐ。さっきみたいな動きをされたらお手上げだけど動かれる前なら僕たちに分がある。
「ちょっと痛いかもしれませんけど、ごめんなさい! 忍さん!」
 なのはがレイジングハートを振り下ろせば鎖の中から飛び出したシューター全部が忍さんへと一気になだれ込む。
 ガラス球が砕けるようにシューターは忍さんへぶつかるたび粉々に飛び散っていく。一発、二発、三発とあっという間に全部が命中した。
『It's a direct hit,Master』
 レイジングハートが告げ、鎖から力が抜けていくのが伝わってくる。忍さんの体が前へと傾くのが見えた。
「やったの?」
「多分……」
 相手はL・ジュエルだ。迂闊な予想は命取りに繋がるかもしれないけどあれだけ魔力攻撃を直接もらったんだ、持つわけがない。
 だけどそれも次の瞬間に淡い期待だと思い知らされた。
「ふぅん……なかなか息の合った連携ね」
 確かに、彼女はそう言った。
 時間を巻き戻すように前のめりだった上体は今度は仰け反るくらいにまで起こして忍さんは何事もなかったかのように
「はっ!!」
 飛んできた――!?
「二人とも下がんなさい!」
 即座にアリサが杖を構え同じように突進した。
 真正面からの純粋な力勝負。向かい打つアリサは加速魔法のおかげで弾丸そのもの。ただ跳躍した忍さんにははなから勝負にならない。
「こんのぉぉぉお!」
 振りかぶる夜を打ち払う渾身の一撃。
 それを忍さんは
「よっと」
 片手で受け止めた。
「――うそっ!?」
「まずアリサちゃん」
 それは一瞬の出来事。
 驚き慌てて体勢を立て直そうとするアリサは忍さんがデバイスを引き寄せたことでバランスを崩し、空中でつんのめる。
 見えない足場があるように忍さんの足が風を捉えて。
 弧を描き身を翻した先、アリサの背中目掛け
「ゲームオーバーっ!」
 稲妻みたいな蹴りを浴びせた。
「きゃあああ!!」
 悲鳴が届いた時にはアリサの姿は屋根を突き破って姿が見えなくなっていた。
 火事でも起きたみたいに穴が開いたところからは煙が昇っている。塵や埃が舞い上がりここからじゃアリサが無事か分からない。
「次ーーっ! なのはちゃんと――!!」
「さ、下がってなのは!!」
137176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 02:59:14 ID:NZf8yEds

 庭へと舞い降りると同時に忍さんが再び跳躍する。アリサの加速魔法のようにそのスピードは段違いだ。
「はぁぁ!!」
 左右から振りかぶられる両手を赤い光が染める。すぐさまそれは爪を形作り闇に赤い軌跡を刻み込んだ。
 なのはを後ろに庇って僕はシールドを展開させた。片手じゃない、両手での二枚重ねでだ。
「ぐぅぅ!!」
 なのはのディバインバスターだって防げるくらい強度には自信があった。僕だって結界魔導師の端くれなんだ。
 赤爪の半分が障壁に食い込んでいる時点で強がっても無駄なのに。
「なのはぁ!!」
「うん!!」
 破られる前になのはが飛び出す。忍さんは反応しようにも爪が障壁に食い込んでいるおかげで動けない。
「シューート!!」
 横合いからのこれでもかと叩きつける光の弾丸は無防備な忍さんへと濁流のようにぶつかった。
 なのはにとっては本来得意としない至近距離。それだけに射撃に制御はいらない。計十発、これだけの量なら忍さんだって。
「豆鉄砲ぶつけたって! 私は!!」
「なっ!? うわあぁ!!」
 暴力的な腕力が障壁を打ち砕く。砕け虚空へ消え入る魔力の破片に彩られながら忍さんの姿がぶれる。
 視界から消える。だけど発せられる魔力でどこに消えたかは一目瞭然だ。
「ぐぅぅ!!」
 噛み殺した声が漏れる中、反転した僕を待ち受けていたのは忍さんの右足だ。
 回りこまれたのはわかった――けど反応しきれるか!?
「でぇーやぁっ!!」
 刹那の戦いだった。
 腕を十字に組むと同時にこん棒で殴られたみたいな衝撃が腕に襲い掛かった。
 景色は一気に流れ、慣性を魔法で相殺する暇もなく僕の体は意識を置いてけぼりにしたままアリサと同じ末路に至った。
「ユーノくんっ!!」
 なのはの悲痛な声に瓦礫の山から体を上げる。
 ぽっかり空いた屋根から見えたのは忍さんがなのはに爪を振るう瞬間――。
「こんのおぉ!!」
 右腕の激痛に構うことなく無我夢中でバインドを放った。
 
 これ以上好きにはさせない! なのはをやらせない!
   
 忍さんの腕に鎖が絡みついていく。それはなのはに爪が届く寸前で本当にギリギリだった。
 悲鳴を上げたのは右腕だけじゃない。左腕もそれ以上に激痛が走った。それでも追撃、隙を作れればまだ勝機はある。
「うそ! やられた!?」
 油断していたのは忍さんだ。僕に動きを封じられぐらりとバランスを崩していく。
 飛行魔法が使えないのなら今の彼女は完全に無防備。

 だから――!

「なのはーーっ!!」
 
 これで――!

「ディバイーーン!!」

 終わる――!

* * *
138176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 02:59:55 ID:NZf8yEds

 終わらせる――!

「バスターーーっ!!」

 大きな光が何もかも、目の前の忍さんだって飲み込んだ。
 ユーノくんがくれたチャンス、絶対に無駄にしない。
 この外しようが無い距離で、わたしの魔法全力全開で!
「いっけーーーっ!!!」
 ぐん、とさらに大きく太くなるディバインバスター。腕を押す圧力に負けじと力をこめてわたしは撃ち続ける。
 忍さんを変えた元凶――L・ジュエルを封印するために最後の一滴までわたしは魔力を振り絞った。
(これで……)
 体から力が抜けると同時に光線が段々と細く小さくなっていく。光が消えれば少しだけぼろぼろになった忍さんがわたしの前にいた。
「封印できる」
 肝心のL・ジュエルは見当たらないけどすずかちゃんに任せれば……。
 大丈夫かな……すずかちゃん。
 気になってすずかちゃんがどこにいるか振り返った。 
「やるじゃない……なのはちゃん。今のは結構、効いたわ」
 ――背筋が凍った。
『Flash move』
 もう逃げることしか頭に無かった。一気に体を後ろへ飛ばしながら忍さんの方向を見る。
 いつの間にか忍さんは体勢を立て直しながら屋根に降り立っていた。 
 できるだけ距離を、とにかく離れて。わたしが着地したのは屋根から落ちそうなくらいギリギリの縁だった。
「そんな……嘘だよ」
 あんな近くで、フェイトちゃんにスターライトブレイカーをぶつけた時よりもずっと近いのに。
 バリアだって無いのになんで……?
「嘘じゃないわ。だって私この通り元気なんだから」
 目を細めにやっと笑って忍さんは髪を掻き揚げる。いつも綺麗って思えたサラサラの髪の毛はこの時だけは何か蛇みたいなとても怖いものに見えた。
「……降参する?」
「え……?」
「負けた相手をいたぶるなんて酷いこと、流石にしたくないからね」
「わたし……まだ負けたなんて」
 言ってみて、それから先の言葉は出て来なかった。
 わたし以外誰がここにいるの? アリサちゃんもユーノくんもすずかちゃんもみんな戦えない。頑張れるのはわたし一人だけ。
「それじゃ恭也みたいに剣で戦ってみる? さっきのビームとかじゃ私に傷はつけられないと思うけどなぁ」
 一歩、忍さんが踏み出す。
 思わず後ずさろうとしてた踵が宙に放り出されそうになって慌てて引っ込めた。逃げ道なんて無いんだ。
 飛行すればまだ逃げ切れると思う。でもそれじゃ負けを認めちゃったのと同じ。
 ここで逃がしたら忍さんはまた関係ない人を襲うんだ。それだけは絶対にしちゃいけない。
「それでも……戦います! 忍さんを放っておくなんて出来ない!」
139176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 03:01:26 ID:NZf8yEds

「そっか……じゃあしょうがないか」
 振り上げた右腕が不気味な赤に輝いた。
「恭也の手前、なのはちゃんだけは手加減しようと思ってたけど」
 真っ白な月光に照らされながら指先からわたしたちを苦しめた赤い爪が伸びていく。
 フラッシュムーブでも避けられないのはもうわかりきってる。わたしに残された手段は一か八かディバインバスターで打ち消すぐらい。
「やれるかわからないけど……レイジングハート」
『All right』
 さっきので魔力はかなり消耗してる。それでも一箇所に収束させればなんとかできる……はず。
「これで終わりっ!!」
 腕が振り下ろされて
「いくよ!」
 わたしがディバインバスターを撃って

「あっ――きゃああ!!」

 悲鳴を上げたのは忍さんだった。

「えっ?」
『……Master,Is she clumsy?』
 五本の爪はどれもわたしの脇を飛んで見当違いな方向へ消えていった。
 おかげでわたしのディバインバスターは何にも邪魔されること無く忍さんの体に真正面からぶつかった。
「あっ、ぐぅ……」
「忍さん……?」
 きょとんしたわたしに追い討ちをかけるように忍さんが胸を押さえながらふらついているのが見える。
「うそ……でしょ? 時間切れ……?」
 ディバインバスターが効いたのかと思ったけど威力はものすごく落ちているはず。なら、今のは忍さんにダメージを与えたとは思えなかった。
 苦しそうに呻きながら忍さんはその場に蹲る。まさかどこか悪いところに当てちゃったのだろうか? いやな予感がよぎってしまう。
「だ、大丈夫ですか忍さん?」
「……大丈夫、いつものことだから。すぐに収まるわ」
 顔を歪めながらではあんまり説得力が無い。それにここからでも忍さんの荒い息遣いが聞こえてくる。
「で、でも……」
「……仕方ないか、今夜はなのはちゃんにしよ」
「はい……?」
「血……吸わせて」
 がらん、と何かが屋根に転がった。
 それは紛れも無いレイジングハート。
140176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 03:02:50 ID:NZf8yEds

「あ……れ?」
 左手に力が入らなかった。痺れたわけでもなく、凍ってしまったわけでもなく、ただだらんと腕が垂れ下がっていた。
 右手も同じで足なんて自分の足じゃないみたいに感覚が消えていた。
「これだけ元気なんだから少しぐらい……ね」
「あ……うぅ……?」
 ――声が出ない?
 こんな時になんで?
「大丈夫、後は残らないように努力するから」
 なんだか……考えられない。熱でも出してしまったように頭の中がぼうっとしている。
 忍さんが跳ねた。それはわかった。だけどわたしには何も出来ない。
 ただわたしの頭がはっきり思えることは。
(綺麗……)
 ルビーみたいに赤く光る忍さんの瞳がとても綺麗だなってことだけで。
(あれ……? 忍さんの目って赤かったかな?)
 いつもはサファイアみたいに青く澄んだ瞳だった気がしたけど……。

 ――不意にユーノくんの言葉を思い出した。

(そっか……これチャーム……)
 今わたしは忍さんに襲われた人たちと同じ感覚を共有してるんだ。
 だからこの次に訪れる結末は
(わたしも吸われちゃうんだ)
 自分のことなのにどうでもいい気がした。
 忍さんがどんどん大きくなって、口には本当にドラキュラみたいな白い牙が生えていて
「リモートフライヤー!!」
 突然、体が横に引っ張られた。
(あ……これ)
 聞いたことのある声。
 そうしてわたしと忍さんの間に誰かが割って入ってきて。その子はわたしを守るように両手を広げていた。
(……すずかちゃん)
 気がつけばすずかちゃんの首筋に忍さんが噛み付いていた。
 本当はわたしがああなるはずなのに。
 ああなって倒れて――

 倒れて――……それで

 夢から意識が一気に引き戻された。

「あっ……すずかちゃーーん!!」

 でも手遅れだった。
 すずかちゃんの魔法が解けると同時にわたしはすずかちゃんの元へ飛ぶ。
 屋根の上に横たわる友達の所へ――。

 それだけしか考えられなかった。
141176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/25(木) 03:04:10 ID:NZf8yEds
はぁ、忙しい・・・

おやすみなさい
142名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 15:52:03 ID:Lv3JPTSR
保守
143名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 03:59:37 ID:VY3PM+9N
>>141
乙です。
妙に続きが気になる部分で切れます…


ユーノとアルフがとうとうその他に…

なんだったら一生フェレットでもいい、見捨てないでなのは



この願いは届かなかったか…
せめてSSで…
144名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 05:59:52 ID:VYfnznX2
フェレット形態でなのはの膣に潜り込むユーノ
145暗愚丸:2007/01/29(月) 00:31:18 ID:8DZtzt1i
えと、忘れられているかもしれませんが、お久し振りです暗愚丸です。
『FATE in The Dark Fate』二話目、投下します。
最初に。
今回はふたなりオナニーネタなので、そう言うのが苦手な人はNG指定お願いします。
では、それでも良いという方はどうぞ。
146『FATE in The Dark Fate』:2007/01/29(月) 00:33:52 ID:8DZtzt1i
 ……いくら呼びかけても、バルディッシュは答えを返してくれない。
 それでも魔法の使用だけは可能で、きっと人格中枢が麻痺しているのだろうとフェイトは見当を付けた。
 実際、自身の現状を知られたくないフェイトとしては、有り難いことでもあった。
 蒼かった空が僅かに赤く染まっている。
 相当時間が経っていることを肌で感じて、フェイトは溜息を吐きながら転移魔法を選択する。
 目的地はアースラ内にある自室。
 本来ならあまりほめられた行為ではないと理解していても、今は転送ポートを使いたくなかった。
 転送ポートを使って、もし他の乗員にバリアジャケットを解こうとしない自分の姿を見られたとき、どう思われるか解ったものではないから。
「……アルタス・クルタス・エイギアス…………」
 座標指定に、設定しているパスコードを挿入しながら呪文を詠唱する。
 アースラには非常に強力な転移妨害結界が備えられている。それは、転移魔法を使って侵入されないようにする当然の配慮だ。
 だが、各士官用のプライベートルームに関しては、個人の魔力パターンと設定していたパスコードが合致すれば転移は可能。
 その機能自体はフェイト自身よく承知していたが、実際に使うのは初めてだった。
 そこまでせっぱ詰まった状態になったことなどなかったのだから。
 最後に悔しげな瞳で周囲を見渡して、フェイトは転移した。


『フェイト、どうしたんだ一体?』
 自室に移動するのと同時に、クロノからの通信が来る。
 即座に映像関連はオフ設定にして虚報を口にするフェイト。
「すみません。大型現地生物と交戦に入りました。周囲の魔力を栄養とするタイプで連絡が途絶。
辛うじて退治しましたが魔力と体力を消耗していて動くことが出来ませんでした」
 ほとんど嘘にまみれた言葉を吐き出して、フェイトは胸の奥で疼いた痛みを必死で押さえた。
 絶対に、クロノには知られたくなかった。
 自分が得体の知れない触手に汚されて――   ――しまったことを。
「そうか、医務室に空きはあるが……」
「いえ、魔力と体力の消耗だけですので、休憩すれば大丈夫です」
「そうか……。フェイト・ハラオウン執務官、貴官の任務は1時間前に終了。
艦長権限によって明日から一週間全任務解除命令を通達する。復唱せよ」
 いきなり告げられた言葉に、訳もわからずフェイトは首をかしげる。
 だが、その仕草が向こうに伝わった様子はない。
 単なる言語通信のみで映像送信の許可をしていなかったことを思い出して、フェイトは慌てて問いかける。
「……えと、兄さん。どういう事ですか?」
「復唱はどうした? ……最近、仕事が忙しかったし、一週間ゆっくりと羽を伸ばすといい」
 クロノの優しい声がずきりと、胸の奥に突き刺さった。
 汚された自分に仕事など有りはしないのだと、突き付けられたようなそんな気分になってしまったから。
 そんなことはないと解っている。
 全任務解除命令は、言うなれば上官から部下への恩賞だった。
 完全に全ての任務から解放され、その間も給料が与えられると言う、最高の待遇。
 それだけに、滅多にその命令が出されることはない。
 それを敢えて自分に与えてくれたクロノの優しさに、フェイトも感謝しなければいけないと解ってはいた。
「復唱します……」
 答えを返して通信が切れたことを確認してから、バリアジャケットを解除した。
147『FATE in The Dark Fate』:2007/01/29(月) 00:36:02 ID:8DZtzt1i
 室内の明かりに照らされた肌は滑らかで傷一つ無く、だが、年齢相応の物では断じてなかった。
 フェイト自身気づいていない。
 室内灯の光を優しく受け止めしっとりと濡れたような輝きを放つ肌は、潔癖故につややかであり美しくある少女のそれでは断じて無く、
 胎の奥まで男をくわえ込んだ女性(にょしょう)の美々しさである事を。
 それだけではない。
 乳房もなぶられる前より一回り大きくなり、ベビーピンクだった乳首も僅かに色づき赤みを増している事も。
 細身になりながらも全体的に柔らかく厚みを感じさせる腰の事も。
 きゅっと引き絞られかつ、どこかふくらみを増して熟した桃のような形をなしている尻たぶの事も。
 フェイト自身は全く理解していないのだ。
 其処にあるのは、もはやどこから見ても熟れに熟れた女の体。
 平静さを常に保つ老僧ですら気の迷いを起こしかねないほど、凄艶という言葉ですら生ぬるいほどの色香を放つフェイト。
 それほどに熟れきった体を持ちながら、その仕草や動きは少女のソレ。
 もはや魔性とも呼ぶべき程の色気を放つフェイトは、小さく溜息を吐いてバルディッシュをスタンバイフォームに戻してベッドの上に置いた。
 そのまま、シャワールームに足を入れた。



 さぁーーっと全身に熱いシャワーが降り注ぐ。
 肌に当たる滴は僅かに痛みを感じるほどで、ソレをただ何もせず受け止めるフェイト。
 脳裏にフラッシュバックするのは、襲われた記憶。
 見たくない。そう叫ぶ心を無視して、理性が勝手に記憶を再生した。

 バリアジャケット越しから与えられた暴力的な快楽。
 ――ソレをどこかで期待した自分――
 吐き気を催すほどに濃縮され脳髄にたたき込まれた臭気。
 ――ソレは胸の奥を熱くさせる薫り――
 敏感な部分に叩き付けられた強烈すぎる衝撃。
 ――だけどあの心地よさは初めてのも――
 鼻を塞ぐ臭気を纏う触手、唇を割って入った熱く堅い剛直。
 ――臭気ではなく薫香、醜悪さとは裏腹の愛しさ――

 どくんっと、心臓が跳ねた。
 その衝撃でフェイトは我を取り戻す。
 気がつけば、床にへたり込んでいる自分がいた。
「……私」
 危険だと、心が悲鳴を上げた。
 今すぐ医務室に向かうべき。そうしなければ手遅れになる。
 ……そこまで勝手に頭が働いて、フェイトは溜息を吐いた。
 今更手遅れになるなどあり得ない事。その事実が脳裏を焼いたから。
 そう、あの触手に犯されたのは事実。今更なかったことに出来はしない。
 それに、アースラの今の医務員は若い男性だ。
 体の不調でさえ見てもらうのは恥ずかしいというのに、自分の身に起きたことでの相談など出来るはずがなかった。
 そう、異形の触手に体を弄ばれたことなどを。

 ……いつの間にかバリアジャケットが解け全裸になっていた自分。
 ――自らの意志でなければ、バリアジャケットが簡単に解けるはずがない――
 腰を突き出す淫らな体勢を取らされ、自身の疼きを見せつけられた恥ずかしさ。
 ――あの時垂れた液体は白くて自身が本気で悦んでいるのを見せつけられた――
 自分の胸を覆う形で現れた巨大で醜悪な触手。ソレになぶられる胸。
 ――揉み込まれひっかきながら吸い回されるのは確かに気持ちよくて――
 同じ形状の触手に弄ばれて、其処だけでも気絶しそうになったおしり。
 ――そう、気絶しそうなほどに気持ちよくて、もっとして欲しいと思って――
 不浄の門をいきなり貫かれた違和感。
 ――ぐりゅぐりゅと抜き差しされる感覚は、吐きそうなほどの快感で――
 ハジメテを奪われてしまった屈辱。
 ――なのに、貫かれただけで絶頂に達してしまって――
 …………前も後ろも、胸も尻も、口腔も耳朶さえも、犯されて。
 ――それに身を委ねてしまった自分。
148『FATE in The Dark Fate』:2007/01/29(月) 00:37:13 ID:8DZtzt1i
「……ん」
 違和感を覚えた。
 とくんっと心臓が跳ねて、とぷんと零れる感触が響く。
「わた……し」
 フェイトはゆっくりと視線を下に向ける。
 胸がせり出し、尖端が堅くしこっていた。
 股間を伝って、お湯とは違う液体が零れだしていた。
 体が。
 昂奮していた。
「ダメ……何しようと……してるの」
 呼吸するたびにふるふると震える胸に、気がつけば両手を添えている自分がいた。
「んっ……ダメ」
 ぎゅっと揉み込んだ瞬間、脳天まで一気に心地よさがせり上がってきた。
 ダメだと必死で止めようとする理性(心)に、本能(体)は従ってくれない。
「あっはぁ……、ダメ……んくっ……ダメ、こんな……んぁっ!」
 ぎゅむぎゅむと下から掬い上げるように揉み込んで、心地よさに吐息を漏らす。
 とぷとぷと股間からは液体がこぼれ落ちていく。
「はぁはぁ……あ、んっ!」
 ぎゅっと中央へ押し寄せて堅くとがった乳首を触れ合わせて、また甘い声を上げた。
 それほど気持ちよかったのだ。
 そして、そのことに気づく。
 このまま上へ持ち上げれば、自分で乳首をくわえられそうだと言うことに。
「んっっ!! ちゅっちゅぅっ……んんっっっ!!」
 堅くしこった乳首を自分の口で吸いながらなめ回す、その背徳感にフェイトの心が熱く疼く。
 股間も限界まで疼いていた。
 早くさわりたい、奥の奥までかき回したい。
 ……貫いて欲しい。
 その想いに、抗う必要など感じられなくて、フェイトは右手だけを胸から外した。
 同時、どくんっと体の内側が振動した。
「んっ? ……んくっ」
 思わず胸から口を外し、震え始めた体に訝るフェイト。
 一瞬鼓動かと思った揺れは、もっと下の方から来ていることに遅れて気づいた。
「……な、なに」
 ずぐんずぐんっと、下腹部が疼いていた。
 何かがせり出そうとしている、そんな異常な感覚に、思わず唇を噛んでしまう。
 あり得ない感触。
 否、あり得るはずのない感覚。
 ……堅く熱い物が。
 ずるりと。
 生え出していた。
149『FATE in The Dark Fate』:2007/01/29(月) 00:38:56 ID:8DZtzt1i
「う……うそ……」
 その言葉が終わるよりも早く、自分を貫いたものと同じカタチが股間にそびえ立っていた。
 根本から三掴みほどの長さがある疑似男根を、フェイトはただ呆然と見詰めることしかできない。
「こん……な…………」
 すぐに医務室に向かおう、そう思った。
 化け物に汚されただけでも辛いのに、自分の体がこんな異常な状態になったのだ。
 もう耐えられない。
 そう思った瞬間、どくんっとまた体が疼いた。
「こ……ん…………な……」
 熱かった。
 その部分が異様に熱かった。
「ダメ……」
 ゆっくりと手が伸びる。
 こんな事をしている場合じゃない。早く、医務室に行かないといけない。
 思っているのに、疑根の竿を両手で握ってしまう。
 瞬間。
 体中が震えた。
「な、何、これ」
 女性の体にはない固さと熱さが、掌にじわりと伝わってくる。
 思わずフェイトは生唾を飲み込んでしまう。
 ダメだと思っているのに、解っているのに。
 握った手を上下させて、ぞくぞくと背筋を虫が這った。
 始めての感触は、どこか熱く焼けた感覚を脳裏にたたき込んでくる。
 まるで、其処に引きずられるかのように、陰門もとぷとぷと液体を垂れ流していた。
 視界がぼやけて、見知った誰かの姿が目に映る。
『大丈夫、フェイトちゃん?』
 困ったような心配そうな表情で見詰めてくる――。
 ダメだと、唇を噛んで必死に目をそらす。
 こんな事をしてはいけない。こんな事に使っちゃいけない。
『フェイトちゃん……、辛いんだね? 慰めてあげる』
 違う、――がこんな事を言うはずがない。
 フェイトの知る誰よりも純真で、誰よりも無垢な――が。
 ……こんな風に、フェイトの体に生えたモノを気にすることもなく、握ってきたりしない。
 ごしごしとこすり上げたりしない。
 尖端に舌を這わせて刺激してきたりしない。
『フェイトちゃん、ここがいいんだ?』
「違……う……」
 自分でこすりたてながら、フェイトは浮かんでくる妄想を必死で振り払う。
 ここまで固くなったコレを、――の中に収めたい。
 この熱く柔らかく締め付けるこの場所に、包み込まれたい。
 妄想が止まることなく、フェイトは右手で疑根を上下にこすり、左手の中指を陰門に突き込んだ。
「ふぁぁっっ!!」
 膣の中に指を入れた瞬間、ぷしゃっと陰門から汐が吹き出した。
 濡れた左手が、自分の意志を離れて動き始めた。
「んっ! んくっ! ふぁっ! ダメ、ダメダメダメ!!」
 もう、止まらなかった。
 ごしゅごしゅとこすり立てているのは、――の手。
 ぐちゅぐちゅとかき回しているのも同じ。
 本当は、ずっと好きだった。
 ――の事が他の誰よりも大事で、ずっと好きだった。
 友達としての好きじゃなくて、女の子同士としての好きでもない。
 異性に向けるのと同じ感覚で、――の事を愛していた。
 だから、止められない。
「ぃぃ……よ…………いい……よ」
『ん、そんなにいいんだ?』
 ――が笑いながら自分の上にまたがる。
 それが妄想だと空想だと解っていて、それでもフェイトはその光景に酔った。
「ん……いいよ、だから、もっと……もっとぉ」
 全力疾走したあとの犬のように、舌を突き出して激しく息を吐き出す。
 ゆっくりと――が腰を下ろしてきて、疑根に触れた。
150『FATE in The Dark Fate』:2007/01/29(月) 00:39:51 ID:8DZtzt1i
「んくっ! いいよぉ、早く、早く早くハヤくぅ!!」
 叫んでいた。
 喉をからさんばかりの勢いでフェイトは叫んでいた。
 もう、――が純真無垢だとそんな気持ちを抱いていた事さえ忘れていた。
 ゆっくりと腰を下ろして、フェイトの疑根をくわえ込む――。
 その光景を想起した瞬間。
「んっ、ふぁぁぁっっっっ!!」
 びゅるっと、疑根の尖端から白い液体が噴射した。
 それが、凄まじい勢いと共にフェイトの顔や体に降り注ぐ。
 だが、フェイトの心はそのことに気づかないでいた。
『んくっ……、フェイトちゃんの熱ぅい……でも、まだ出来るよね?』
 もう、壊れそうになっていた。
 舌を突き出してよだれを零し、見詰めてくる――。
 疑根をぎゅっと強く握りしめるフェイト。
 きっと――の中も同じくらい、いやもっと強く締め付けてくる筈。
 そんな妄想のまままた激しくしごき上げていく。
「ん、出来るよ。もっと、もっと気持ちよくして! 気持ちよくなって」
 ――が顔を近づけてきて、フェイトが思わずした深い口づけを受け入れてくれる。
 もっと、気持ちよくなりたい。
 もっと、気持ちよくして欲しい。
 ……本当に――を気持ちよくしたい。
「好き……好きだよ……すき…………」
 腰が勝手に上下していた。
 疑根を激しくこすり、陰門に突き込んだ指を激しく動かす。
 犯したい。
 ――を心行くまで犯し尽くしたい。
 犯されたい。
 ――に心壊れるまで犯されたい。
 相反する二つの感情が心の中でせめぎ合う。
 もう、止められない。
 体の内側をかき回し、体の外側をこすり立てる、その快楽(けらく)に酔いしれた。
 壊れそうな想いを抱いて、腰をびくびくと動かしていく。
『ん……、好き……私も好きだよ……フェイトちゃん』
 甘い声音で耳元で囁かれた。
 それが、フェイトの我慢を限界へと追いつめていく。
『好き……好きぃ……大好きぃ…………びゅるってして、私の奥にもっとかけて……、フェイトちゃんの熱いセーシ全部注ぎ込んでぇ』
 ――が言うはずのないイヤラシい単語。
 我慢なんて、出来るはずがなかった。
「好き……すき……なのは、大好きっっ!!」
 妄想の中、強く抱きしめたなのはの中に全てを解き放つフェイト。
 びゅくんっ、びゅるんっと激しく吹き出した白濁液が全身に降りかかってくる中。
 フェイトの意識が途切れた。
151『FATE in The Dark Fate』:2007/01/29(月) 00:41:07 ID:8DZtzt1i
「……あ?」
 どれだけ惚けていたのだろう。
 フェイトははっと我に返って周囲を見渡す。
 シャワー室はさっきと全く変わっていない。
 遅れて、自分の股間に視線を向けた。
 だが、其処に男のシンボルがあった形跡など全くなかった。
「……夢? ……夢だよね」
 きっと強すぎるショックが見せた、一瞬の悪夢。
 フェイトはただそう思いこんだ。
「うん、きっと夢。……だって、なのはがあんな事するわけ無いもの」
 それが自分の妄想だったと言うことすら、今のフェイトの脳裏には浮かばない。
 ゆっくりと立ち上がってもう一度シャワーを頭から浴びるフェイト。
 その肌には汚れたあとなど全く残っていなくて、だからさっきのは夢なのだと、フェイトは自分自身に言い聞かせた。


 ……排水口に絡んでいた白濁液が、するりと落ちていった。

152暗愚丸:2007/01/29(月) 00:44:12 ID:8DZtzt1i
ってことで、二話目も出来るだけエロに走ってみたつもりです。
……まぁ、本番無し相手無しって点であれっすが。
ちなみに次回はロリアルフが相手になる予定。
で、一応コレはA'sエピローグ後くらいって事でお願いします。
まさかStSが十年ごとは思ってなかったんで。

前回レス下さった皆様、有り難うございました。
153名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 10:16:27 ID:7EaDh+7s
投下乙です
貴重なエロ分、wktkして待ってますよーw
154名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 15:10:23 ID:YOiXCRzN
はぁはぁはぁGJ
155名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 21:16:45 ID:FQ4vKYID
暗愚丸氏乙ですー
……てこの前別スレで見かけた世な気もするけど。
謎の触手の目的は?エロも含めて期待してます^^

>>176氏も乙です。
なんか話が急展開したような。
続き期待してますよ。



156フェイト・T・ハラオウン:2007/01/29(月) 22:39:11 ID:VxZdDkRO
フ「いくよ、バルディッシュ!」

B「・・・Good Job(ぇ」
157ヘボ書きマン:2007/01/30(火) 10:01:24 ID:faUFyNfu
試験やっとこさ終了
プロローグだけ置いていきます。
158アルフとユーノ(仮)プロローグ:2007/01/30(火) 10:05:10 ID:faUFyNfu
アタシは、子供を作れない。
アタシは一度死んじゃったから。アタシは使い魔だから。

だから、恋愛なんて無いと思ってた。でも・・・・・違ったんだ。

それは、夢なんかじゃない。夢なんかじゃ、ない。
今のアタシは・・・きっと、恋ってモノに振り回されてる。



「ん……んぅ?」
「……その、おはよう、アルフ」
「え・・・」

アタシが人間の大人姿の裸で、ユーノも裸で、一緒にベッドの上で。
ユーノはむこう向いて、でも後ろから分かるくらい顔が真っ赤。
アタシの身体の中に残り火が残ってるみたいに熱くて、全身汗びっしょりでヌルヌルで…
アタシのお腹の下が疼いてて……ぐちゅぐちゅしてた。ユーノの身体中に見覚えのある歯形がいっぱいついてた。
ユーノからアタシのニオイがして、アタシの身体中からユーノのニオイがしてて・・・・・


「おはよー、アル・・・・・・・・フ?」
後ろには凍りついた表情のフェイトが笑顔のまんまで立ってた。

「・・・・・とりあえず服着ようか・・・」
「・・・・・うん」
ユーノの声が掠れてた。


胸が爆発しちゃいそうなほどドキドキしてた。胸が痛いくらい張ってて、まるで母親の体になったみたい。
身体中が疼いてて、どうしようも無いくらい叫びたくて。
何なのか分からないよユーノ。何をしたのか、何をされたのか。

アタシ、どうしちゃったんだろう・・・?
159名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 19:20:12 ID:D3t5nQJO
ユーアルキター!
続きをマジでワクテカしながら待っております。
160名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 19:55:04 ID:kerX5oLk
>>158
すげえ!
なにこのかつてないカップリングは
事後の二人をみたフェイトの反応が楽しみだなw
続編がんばって下さいね
161名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 02:00:46 ID:IVszILGL
>>76
ところでこのスレ的に百合は駄目?
162名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 02:14:38 ID:mX3/k/tK
>>161
レス待つまでもなく投下しちゃいます。反省はしていない。
ありがちフェイト×なのはです。A'sSS01の直後です。百合ダメな方はスルー願います。
163162:2007/01/31(水) 02:16:36 ID:mX3/k/tK
学校の帰り道、アリサ達と別れた後でわたしはなのはに言った。
「今日ね、リンディ提督もクロノも本局に行ってて私一人なんだ、だから一緒に夕ごはん食べない?」
「うん、いいよ〜」
「そしたらさ、昨日の続き…背中流しっこ…しない?」
「あ〜そうだね、昨日はアリサちゃんに怒られちゃったしね…じゃあ準備してからまた来るね!」

30分後

「お待たせ〜おじゃましまーす」
「ど、どうぞ…」
この後を考えると私はなのはの事をまっすぐに見られなかった。
嫌われたりしないかな…不安はあるけど、もう気持ちが、心が抑えられない。
164162:2007/01/31(水) 02:18:02 ID:mX3/k/tK
わたしはなのはに問い掛けた。
「先にご飯にする、それともお風呂?」
「そーだねー、さっぱりしてからご飯にしようか…ってなんか新婚さんみたいだね」
なのはが照れ笑いをする。
…新婚さん…その一言でわたしは卒倒しそうになる。
「じ、じゃあこちらへどうぞ」

脱衣所。
当然ながらわたしもなのはも裸になる。気がつくとなのはがわたしの身体をじっと見つめていた。
「そ、そんなに見られたら…恥ずかしいよ…」
「だって、フェイトちゃん真っ白な肌でとてもきれいで…見とれちゃった」
裏表の無い、素直な感想だった。
165162:2007/01/31(水) 02:19:30 ID:mX3/k/tK
浴室に入る。なのはと二人きりの空間。すでにわたしの理性はどこかに飛んでしまっていた。
「なのは、背中流すよ」
「ありがとー、おねがいね」
ゴシゴシ…
「どう、なのは…痛くない?」
「うん、気持ちいいよ〜」
「そっかぁ…じゃあ…次は前も洗うね」
「うん…って、待ってフェイトちゃん!前は…って、え?バインド!?」
わたしはタオルを持つ手をなのはの胸へと伸ばす。
「ちょ、やだ、くすぐったいよ…フェイトちゃん…」
166162:2007/01/31(水) 02:22:20 ID:mX3/k/tK
とりあえず今日はこんなところで。つづきは近いうちに。
167名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 02:31:13 ID:ojNXidKa
>>162-166
うお直球ですね乙。続き待ってます。
168名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 04:10:26 ID:6EIy/Tt1
直球のあとには変化球じゃなきゃ、ダメだと思うんだ。
169名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 10:18:06 ID:m0Wlu1o6
変化球…
リンディ×ユーノとか、クロノが荒れそうだが。
170名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 13:13:36 ID:vl+Nu0Dp
>>169
彼シスコンだしね
171名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 18:10:34 ID:sH4sdfjb
変化球なら
バル×レイハ
172名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 18:32:25 ID:vl+Nu0Dp
>>170
ごめん間違えたシスコンだったorz
173162:2007/01/31(水) 18:46:35 ID:mX3/k/tK
では直球第2弾投下します。引き続き百合なので嫌な人はスルー願います。
>>172
もちつけ
174162:2007/01/31(水) 18:48:17 ID:mX3/k/tK
なのははイスに座ったままバインドされている。わたしが胸やわきを擦ると逃げるように身をよじる。
「ああっ…フェイトちゃん、やだよこんなの…」
なのはの訴えは聞き入れず、わたしはなのはの秘所に触れてみる。
「ふあっ…」
「なのはのここ、凄いよ…本当にイヤなの?」
なのははうつむいたまま、なにも答えない。わたしはタオルを離して手で直接なのはに触れる。
「んあっ、ひいっ…」
耳まで真っ赤にしてうつむいたまま、息を荒げるなのは。かわいい…でも、そろそろ頃合いかな。
「あっ、ああっ、なんか、変だよ…なんか…あああっ!」
175162:2007/01/31(水) 18:49:52 ID:mX3/k/tK
なのはが昇り詰めようとしたその寸前で、わたしは行為を止め、バインドを解除した。
「え?フェイトちゃん…どうして?」
「どうしてって、なのはがやめてって言うからやめたんだよ。さ、早く身体流してご飯にしよう?」
「そんな…フェイトちゃん…」
「どうしたの?なのは」
「……て」
「なあに?ハッキリ大きい声で言ってくれないとわからないよ」
「フェイトちゃんの意地悪…」
涙声でつぶやくなのは。
「意地悪でいいよ、それでなのはは意地悪なわたしに何をしてほしいの?」
「さっきのを…最後まで…してほしいの…」
176162:2007/01/31(水) 18:51:12 ID:mX3/k/tK
ちょっとした物音にも掻き消されそうなか細い声。普段のなのはからは想像もつかなかった。
「そう、最後までしてほしいんだ…なのははわがままだね、やめてって言ったり、してって言ったり」
「………」
なのははうつむいたまま黙り込む。わたしはなのはの顎を軽く上にあげて唇を重ねた。
「!…うっ、ううん…」
なのはは驚いてたけど、抵抗はしなかった。舌から歯の裏まで、わたしにされるがまま。
唇を離すとわたしはなのはに告げた。
「それなら、続きは寝室でしようか」
注意してみてないとわからないくらい小さく、なのはは頷いた。
177162:2007/01/31(水) 18:56:44 ID:mX3/k/tK
細切れでスマソ、続きはまた後ほど。
今は反省してる。
178名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 06:42:05 ID:NFfmFCr0
>>177
反省してるなら早く。
179名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 07:11:37 ID:QuZsmqC7
女子中聖祥大付属中学校を舞台に繰り広げられる、乙女達のめくるめく戦いの物語‥とかどうかね。

生徒会である山桜会の幹部、夜天の光八神はやて、金色の霹靂フェイト・T・ハラオウン、
そして桜色の風(またの名を白い悪魔)高町なのはの三人が、妹(スール)獲得のために激突する!
‥とか。
でも争奪される下級生がいないな。ヴィータ?
180名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 07:12:15 ID:VcQsB8wZ
早く!
181名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 10:12:57 ID:VHegWAZS
>>179
なのは派 300人
フェイト派 300人
はやて派 500人

で三つ巴やって学校を血の海にするわけだな
最後は攻撃ヘリや巡航ミサイルまで持ち出して


182名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 11:28:56 ID:NH7TF13C
>>179
新作の新人達はどうなんだ?
183162:2007/02/01(木) 13:59:28 ID:cc6FR40v
「こっちだよ、なのは…」
なのはを寝室にいれるとわたしは後ろ手に鍵をかけた。
ベッドに腰を降ろしているなのはの隣にわたしも座ってもう一度キスをした。
「…んーっ…」
そのまま横になり、わたしはなのはの身体中を舐めてあげた。
耳や首すじでも敏感に反応してくれるなのは。
「なのはって耳でも感じちゃうんだ…」
「あっ、やあっ」
そして最も敏感な部分に手を触れるとすでに蜜が溢れていた。
「なのは…びしょびしょだよ…凄い…」
「やっ…だって…気持ちいいんだもん…」
そして私たちはお互いの股間にお互いの太ももを挟んだ。
184162:2007/02/01(木) 14:00:30 ID:cc6FR40v
挟んだ太ももにお互いの秘唇をこすりつける。見つめあったまま必死に腰を動かした。
「ああっ、フ…フェイトちゃん!」
「なのはぁっ…もっと名前を…呼んでぇっ!」
「フェイトちゃん、フェイトちゃんっ!」
「なのはぁっ…一緒に、いっしよにぃっ!」
そして私たちはほぼ同時に果てた。最後にもう一度唇を重ねる。
「フェイトちゃん…」
「なに?なのは」
「また…してくれる?」
「いいよ、なのはが望むなら毎日でも」
そう、わたしはなのはが望むならなんでもできる。
なのははわたしの初めての友達で、初めて好きになった子だから。
185162:2007/02/01(木) 14:01:54 ID:cc6FR40v
以上です。最後gdgdになっちゃいました。
もう少し精進します。
186名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 17:17:34 ID:h/yMuM2y
触手のとこに触パン氏の続きが落ちてるよ。
187396 ◆SIKU8mZxms :2007/02/02(金) 00:37:57 ID:wt9U2MMf
こんばんは死にかけの396です。気付けば2月。
投下スピードが一気に変わって申し訳ないです。昨年内に書ききれなかった時点で
こうなることは予想できたんですが、覚えていてくれる人が一人でもいれば嬉しいです。
では続きを投下します。

魔法少女リリカルなのはA's++

第十七話 「繋がり」
188名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:38:59 ID:wt9U2MMf

クロノは艦長室で一人データを眺めていた。ミッドチルダで数年前から頻発している強盗事件。
その逃げ足の速さから強盗集団の特定すら出来ていないため、彼らはUnidentified Criminal(未確認の犯罪者達)に分類されている。
しかし手口にはある程度の類似性があり、その犯罪組織が初めて起こしたと思われる事件は7年前までさかのぼる。
そこらの所得者には買えない様なかなり高価なマシンを裏ルートで購入し改造まで加えているようで、
その組織の資本は余程潤沢といえる。その割に尻尾を見せないところから組織自体はかなり小規模と予想された。
テーブルの上のコーヒーを口に入れる。最近無糖じゃなければ飲めなくなったのは大人になったということだろうか。
(それにしても…スクライア一族を利用した理由はなんだ?)
クロノは椅子に深く腰掛け腕を組んだ。ハッキング前に起こった事件。
回収した高速艇のデータが先ほど送られてきたが、最新機種に間違いない。
アースラにすら配備が予定されていないものだ。
スクライア一族の適応能力はミッドチルダでは定評があるのでマシン操作などお手の物だろうが、
それでも不慣れな人間に与えるには高価すぎる代物だ。
(そうなると、やはりユーノか…)
ユーノが作り出したハッキングプログラムのデータを見る。
艦内の各コンピュータの共有データベースを利用して人工知能まで昇華させるそのプログラムは確かに脅威だったが、
爪がだいぶ甘かった。初めに使用したコンピュータの利用状況は丸々残っていたし、最初にシステムにログインするための権限は
ユーノのものが使われていた。数日あればその穴を隠すこともできただろうに、ユーノはそれをしなかったのだ。
計画性の中に焦りがある。そうとしか思えなかった。
ユーノと接触したなのはにもう少し詳しい戦闘内容を聞いておかなければならない。
そう思ったクロノが内線で呼び出そうとしたとき、部屋のブザーが鳴った。
姿勢を正して部屋前のカメラ映像を映し出す。
カメラにはアップででかい瞳が映っていた。
「ぶっ!!な、何をやってるんだエイミィ!」
クロノが叫ぶとカメラを覗き込んでいたエイミィが離れてニパッと笑った。
「いやー、ちょこっと入れてくんないかなー?聞きたいことがあるんだけど」
自分よりも2歳年上とは思えないその振る舞いにクロノは溜息を吐きながら扉を開けた。
「んじゃ、おじゃまするよー」
軽快な足取りでエイミィが部屋へと入ってきた。
真っ直ぐにクロノの隣までくるとコンピュータを覗き込む。
189名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:39:46 ID:wt9U2MMf
「なにかわかった?」
座っているクロノの目の前にエイミィの顔、そして胸が飛び込んできたのでクロノは顔を赤らめて目を背けて言った。
「と、特に何も…。というか、君の方こそ僕に聞きたいことがあって来たんじゃないのか?」
「あ、そういえばそうだったわね」
あははと笑いながらエイミィは頭を掻いた。そのエイミィの様子にクロノは首を傾げた。
「えっとさ、やっぱりユーノ君は一族を守るためにアースラをハッキングしたんだよね…」
少し目線を落としてエイミィが言った。
家族を人質にとられる状況は想像を絶する。しかし、相談されなかったことにエイミィは寂しさを覚えていた。
「それだけではなさそうだがな」
クロノはなるべく感情を出さないように言った。正確な分析による状況判断を行うためだ。
「え?どうして?」
エイミィが椅子に手をかけて尋ねたのでぐるんと椅子が回り、クロノはエイミィの正面を向いた。
クロノは指を組んで椅子に深く腰掛けながら言った。
「考えてもみろ。AMF発生装置が破壊されたのはユーノがハッキングする数分前。じゃあ、なぜユーノ達は転移で逃げなかったんだ?」
AMF発生装置はアースラ内での攻撃魔法やイレギュラーな魔法を停止させる装置。
さらにAMF発生装置に付随する機能により、艦内の魔力行使は常に監視状態にある。
よってたとえイレギュラーな魔法と判断されなくても、転移先は特定される仕組みになっていた。
それを破壊したのだから、わざわざマシンを奪ってまで逃げる必要性はない。
「あ、確かに。でも、ってことは……」
エイミィも自分の頭を働かせる。頭の回転が速いエイミィにはすでに結論は出たようだが、それでもその答えに疑問があるようだ。
無理もない、とクロノも思ったので促すように続けた。
「偶然にしては出来すぎなマシントラブル。正反対方向に逃げる機体。考えられる理由は…」
クロノが指を立てて言った。
「陽動、もしくは誘導だ」
言った後にその両方の可能性もあるがな、とクロノは付け加えた。
「陽動ってのは私も思ったけど、その後のシステムには異常はなかったし、艦内はほとんど変わりは無かったわよ?
それに誘導ってのは…」
エイミィが首を傾げたのでクロノが助け舟を出した。
「本件での最終的なユーノの目的さ。結局、あいつが今回のハッキングでしたことはなんだ?」
「えーっと、捕虜の解放、AMF発生装置と通信装置の破壊、ハッキング、あとはなのはちゃんと戦ったこと…て、え?まさか、それ?」
190名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:40:40 ID:wt9U2MMf
指折り数えていたエイミィは目を見開いてクロノを見た。
クロノは頷いて続けた。
「あえて片方のマシンのスピードを落としたことでなのはは北東のマシンへと誘導された。
ユーノはフェイトではなく、なのはと戦う必要があったんだ。エリオ・スクライアもそうかもしれない。
つまり、ユーノとなのは、エリオとフェイトの接触こそが、捕虜解放の裏に隠された目的かもしれない、ということだ」
「戦う必要って…状況が目的なんて、そんなのあり?」
少し呆れ気味に言ったエイミィにクロノは頬杖をついて言った。
「そんなの、僕が知るかよ」
ふぅっと息を吐いたが、思考はやめずにクロノは続けた。
「ユーノは馬鹿じゃない。無駄なことはしない。AMF発生装置を壊した理由も必ずあるはずだ。
理由はまだわからないが、逃走を陽動に利用し、装置破壊への注意を逸らしている疑いもあるからな」
(交換に時間がかかる、というのも何か関係しているのか?)
自分で話しながらもひっかかることを思考に留める。
そこまで言い終えたクロノはコーヒーに口をつけた。熱さはまだ引いておらず、程よい刺激を舌に与えた。
その様子をじーっと見ているエイミィの視線に気付いてクロノは目線を上げて言った。
「な…どうした?」
女性に見つめられるのは、たとえ数年来の仲のエイミィとはいえ苦手だった。クロノの顔は自然と熱くなった。
「いやー、やっぱクロノ君ってすごいなーって思って」
そう言うとエイミィは腕を組んで唸るように続けた。
「頭下げたときはユーノ君を庇う一心なのかと思っちゃったよ…」
「うっ……」
カップに口をつけたままクロノは固まった。わかりやすい性格。それがクロノが多くの人(主に女性)にからかわれる要因だった。
「え、ホントは、それだけだった?」
エイミィは口元を猫のようにしてにんまりしながら顔を近づけてきた。クロノは鬱陶しげにそっぽを向いて言った。
「…違和感はあったんだ。本局に知らせれば人員は増えて僕の手が全てに回らなくなる。
それは避けたかった。そもそも、タイムコードもログもそのままなんだ。早期解決のための対処、で十分上には通るさ」
口では説得力のありそうなことを言っても、今のエイミィには暖簾に腕押し、馬の耳に念仏。
「なーんだ、そっかそっか。ちょっと安心したよ」
エイミィが後ろを向いて手を組みながら言った。
「安心って…」
191名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:41:28 ID:wt9U2MMf
「だって、ユーノ君が裏切っちゃったこと、やっぱりショックだったんでしょ?」
エイミィの言葉に素直にクロノはあの時の状況に思いを馳せた。
はっきり言ってかなり心配した。というか今でもしている。あのフェレットもどきはとことん人に心配をかけるのが得意らしい。
ジュエルシードの時だって、一族の人間がどれほどあいつに気をかけていたことか。
フェイトのことで忙しかったにもかかわらず対応に追われたのは確実にあいつのせいだ。
帰ってきたら一週間はフェレットで過ごさせよう、とクロノが考えているとエイミィが振り返って言った。
「だ・か・ら・さ、慰めに来てあげたんじゃない…」
「エ、エイミィ…?」
そう言いながらエイミィがクロノの頬に手を添えて顔を近づけてきた。
クロノは突然のその状況に戸惑い、完全に思考が停止した。
エイミィの顔が目の前にある。心拍数が異常値だ、とぼんやりと思った。
唇が触れた瞬間肩がこわばったが、その柔らかい感触に頭がいっぱいになり力が抜けた。
たぶん数秒にも満たないだろうその時間が、クロノには数分かのように感じた。
唇を離し背筋を伸ばしたエイミィが赤い顔で言った。
「ファーストキスは、ちょっと苦かったかな?」
そう言って恥ずかしさを誤魔化すようにクロノが飲んでいたコーヒーを手に取り口をつけた。
「なんか、これ飲むたびに思い出しちゃいそう」
そう呟いたエイミィにクロノは年上とか同僚とか、そういうことを全て忘れるほどエイミィに可愛らしさと愛しさを覚えた。
男の意地もあったのかもしれない。
「思い出す必要なんてないさ」
クロノは立ち上がってエイミィの両肩を掴む。カップが勢いで倒れた。
「ク、クロノ君?」
「また…すればいい…」
そしてエイミィに顔を近づけていく。エイミィもそれに従うように目を閉じつま先で立った。
黒い液体が机に広がり、波紋とともに二人を映す。
4年の月日で身長は逆転し、クロノの方がエイミィより頭一つ分も大きい。少年は、すでに大人になっていたのだ。
顔が近づき、再び唇が重なる……
そう思われた瞬間、
「クロノ君!!!とっておきの情報や!!」
艦長室になだれ込むようにはやてが扉から入ってきた。
192名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:42:18 ID:wt9U2MMf
その勢いに対応できずにクロノとエイミィは石のように固まった。
「あ……」
はやてが入ってきたままの体勢で静止し、リィンフォースが口を手で覆ったまま真っ赤になった。
ピシピシッという亀裂音が空間に響いた気がした。ある意味、石化の魔法ミストルティンが発動していた。
「お…お邪魔やった…でしょうか」
はやては少しずつあとづさったが、勢いのままに入ってきたため入り口までが遠い。
「い、痛たたっ!め、目にゴミがぁ!!」
「大丈夫か、エイミィ!!」
思い出したかのようにエイミィが目をごしごしこすり、クロノがその介抱を始めた。
「いや、流石にそれは古いて…」
二人の大根役者を前に、はやては静かに突っ込んだのだった。

                 *

夜空には満点の星空が輝き、衛星が恒星からの光を反射し木の葉の隙間から薄い光のカーテンを生み出す。
フェイトは息を潜めながら森の獣道を歩いていた。
フクロウのような鳥の鳴き声が森の中に響き、獣の遠吠えが遠くから聞こえてきた。
目の前のユーノは黙々と獣道を進んでいく。スクライア一族は発掘を生業としているだけに、その歩き方は慣れを感じさせる。
それでもフェイトは疲れを見せずにミラージュハイドを駆使しながらユーノの尾行を続けていた。
数時間前、アースラでなのはを探していたフェイトはとある部屋の前でユーノの魔力を感じ取り、その存在を確認した。
はやてとなにやら話していたようだが、その後すぐに転移したのですかさずフェイトもそれに続いたのだった。
はやても含めアースラクルーはみなクロノの待機命令を忠実に従っている。
フェイトだってユーノは信じている。だけど、信じることと受け入れることは違う。
信じるからこそ行動すべき場合もあるのだ。ユーノを待っているであろうなのはのためにも、その真相は早く暴かなければならない。
しかし、もう尾行を続けて何時間も立つ。流石にバレたかとも思ったが、フェイトの観察ではそれは感じられなかった。
いくつかの次元を転移で転々とし、移動を続けるのは追っ手を恐れる人間の常套手段だ。
執務官としての知識としてフェイトはそれを知っていた。
しばらく歩き続けたユーノは少し大きな木の前に立つと、なんと腰を下ろして眠り始めた。
(明日まで持ち越す気!?)
あまりにその適当な野宿の仕方にフェイトは驚いた。スクライア一族とはみんなこんな感じなのだろうか。
193名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:43:05 ID:wt9U2MMf
たしかに気温は高くも低くもない。天気は快晴だ。しかし、無防備極まりない。
(もうこの際、話だけでも聞こう)
業を煮やしたフェイトは静かにユーノに近づいた。
この場にいるのは二人だけ。今なら詳しくわけを話してくれるかもしれない、と思った。
ユーノの前に立つと、ミラージュハイドで透明ではあったが、光を遮ったことでユーノに影が伸びた。
ユーノは余程疲れているのか、ぐっすりと眠っていた。
魔法を解いてユーノを起こそう。そう思い声を出そうとした瞬間、体を何かが縛る。
「なっ!?」
藍色のバインドがフェイトにぐるぐると巻きついた。
そしてストラグルバインドはその魔法効果を打ち消す。
「え!?フェイト?」
たぬき寝入りをしていたユーノが驚いたようにフェイトを見た。
「あれ?予想とは違ったね、ユーノ」
気の影からエリオが顔を出した。
「二重尾行!?そんな!」
完全に不意をつかれたフェイトはバインドブレイクをしようとしたが、そのバインドはインテリジェントデバイスにより
かなり強固に精製されたもので解くことはできなかった。
「それにしても顔を合わせなくても待ち合わせってできるもんだね」
エリオが腕を組んで頷きながら言った。ユーノがいくつかの次元を転移する中で、ある場所ですでにエリオと待ち合わせしていたのだ。
ユーノはアースラからの尾行、もちろんアースラにいるかもしれない内通者の存在を恐れていた。
全てをはやてに伝えた今、バレていれば一族とともに自分も間違いなく消される。
そう思ったユーノは途中の次元からエリオに自分の後ろを歩いてもらうようにしていた。
もちろんトラップの初歩である二重尾行にはフェイトは十分注意を払っていた。
しかしエリオには空気中の魔力の“揺らぎ”を感じ取る力があった。
かなりの距離が離れていようとフォーチューンがそれを感知する。
普通の尾行は目視するしかないが、魔法が発達したこの世界では大抵の人間が尾行に魔法を使う。
エリオはすぐにユーノを尾行する者の存在に気付きしばらくは泳がせていたが、ユーノに近づいた瞬間捕まえたのだった。
「い…いやぁ、また会ったね…」
エリオは怯えながらもフェイトに話しかけた。
フェイトはエリオの顔を見て今日の戦いを思い出しむっとした。この少年に一日に二度もしてやられたのだ。
194名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:43:48 ID:wt9U2MMf
怒りが沸々と込み上げてくる。
「ユーノ!ユーノは何をするつもりなの!?」
そしてエリオを無視してユーノに問い詰めた。
ユーノはしばらく考えていた。簡単な説明ではどれほどフェイトを納得させられるかわからないが、
今この場でユーノがアースラで全てを伝えたことを詳しく話すわけにはいかない。
エリオには今日なのはと戦った後に自分がつけられる可能性がある、とだけ伝えていてアースラに寄ったことすら教えていない。
ユーノは懐から布を取り出すとフェイトの口元を覆いながら耳元で囁いた。
「アースラに帰れば、全てわかる」
その声を聞いたのを最後に、フェイトの意識は闇の中に落ちた。
それを確認したユーノはフェイトを木の根元に横たえ、乾燥した枝を何本か集めた。
そして集めた小枝にポシェットから取り出したオイルをかけ着火した。
「妙なる響き、光となれ、癒しの円のその内に、鋼の守りを与えたまえ」
そう言って印を組むと、木の下で眠っているフェイトが薄い半球に包まれた。
結界と炎があれば獣に襲われることはないだろう。最後にユーノは自分の羽織っていた外套をフェイトにかけた。
「起きたらどう思うだろうね、ユーノのこと」
エリオはフェイトを見下ろしながら言った。仲間を裏切りながらも決して歩みを止めないユーノは、
一人で全てを背負い込みなのかもしれない。何か、分け合える部分があるのかもしれない。
しかし、たとえフェイトに嫌われようとも、ユーノは止まるわけにはいかなかった。
「さあ、わからないよ」
結界から出てフェイトをちらりと見た。
「でも、願うことなら今だけでも、良い夢を見てほしいな」
そう言うとユーノとエリオは上空へと飛び出し、星空の中へと消えて行った。
195名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:44:55 ID:wt9U2MMf
次回へ続く

次回 第十八話 「現実の続き」
196396 ◆SIKU8mZxms :2007/02/02(金) 00:50:22 ID:wt9U2MMf
必ず完結させますがこれからさらに忙しくなっていくので長い目で
見守ってほしいです…。他の職人さんの小説も合間を見て一気に読ませてもらってます。
あと、新しく保管庫ができたみたいで549氏本当にお疲れ様です。それでは。

197フェイトの決断…?:2007/02/02(金) 01:55:36 ID:EJCRRQQz
こっちの世界の常識としてそういうのがおかしかったりすると良くないし‥
それでなのはが困っちゃったりすると困るし‥ええと‥どうしよう‥
でも、思いはちゃんと言葉にしようって決めたばっかりだし、ここはやっぱり、勇気を出して‥
「な、なのはっ!」
「あ、はい。」
「あの、も、もしよかったら、じゃなくて、ええと、あの、わたし、な、なのはのことが、すk‥ひゃ?!」
わたしがうつむいて喋っているうちに、いつの間にかなのははそばに寄ってきていて、
そしてわたしを抱きすくめて耳元でささやいた。
「フェイトちゃん、落ち着いて、ゆっくり話してみて。
思いを伝えようとすることも大事だけれど、落ち着いて話してくれた方がきっと、より伝わるから。」
けれどわたしの思考はなのはの言葉とは正反対に、余計に混乱して、思わず、
「あ、な、なの、なのは、なのはっ!!」
「きゃっ、あ、な、なに、ふぇ、フェイトちゃ、ん、ふ‥!」
198名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 02:50:37 ID:4bORY9Rn
>>196
俺はあんたを待っていた
投下期間が開くであろうことは了解した、続きを楽しみにしてる
199名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 04:52:21 ID:zRFJAaQA
>>196
間隔あいてもヘーキ。覚えてるから。


さぁ、続きを書くんだ。
先生、原稿はまだですか?
200名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 00:44:04 ID:qS8J48OY
200get
201422改:2007/02/04(日) 10:06:58 ID:QKqSPWHz

私、高町なのははごく平凡な小学3年生。
でも、平凡、というのは昨日まで、だったみたい。

?『たすけて!この声が聞こえる人!助けてください!!』
な「え・・・何?この声?」
出会った1匹のフェレット(なぜか喋る)に赤い宝玉を手渡され、わけのわからぬうちに魔法少女にされてしまいました。
な「ふぅ、えと、これでいいんだよね?」
ユ「こんなにあっさりジュエルシードを封印するなんて・・・お、お願いです!そのジュエルシード集めを手伝ってください!!」
な「うん、わかったよ、ユーノ君、2人で一緒にがんばろう!」
なんだか、勢いだけでOKした気もしなくもないけど、まぁ、私にできるならがんばらなくちゃね!

な「あ、でもお父さんやお母さんになんて言えばいいんだろう・・・」
ユ「うーん・・・巻き込まれたりしないように秘密にするのがいちばんいいと思う」

でも、なぜ?

な「(そーっと、そーっと・・・)た・・・ただいま〜(小声)・・・」
桃「な・の・は!お帰り、こ〜んな夜遅くに出歩くなんて、お母さん関心しないなぁ」
な「うわっ!お母さん!!」
桃「何があったかしらないけ・・・な、なのはっ!!!なぜあなたが魔力を漂わせてるのっ!!!!」
な・ユ「「え゛っ」」

どうして帰ってくるなりお母さんにバレちゃったの?!

桃「・・・そう・・・そうだったの・・・」
な「ご、ごめんなさい!で、でも、私にできるならユーノ君の力になりたくて!!」
桃「ううん、責めてるんじゃないのよ、なのは。・・・でも、そう・・・なのはが魔法使いに・・・血は争えないのね・・・」
な「へっ?」
桃「いらっしゃい、なのは。あなたに見せたいものがあるの」
そしてお母さんは私に1冊の本をくれたの。
な「なに?この本?」
桃「夜天の魔道書よ」
ユ「や!夜天の魔道書っ?!?!」
な「ユーノ君知ってるの?」
ユ「呪われし最凶最悪の魔道書・・・手にしたものの魔力を吸い取り、来るべき大いなる力という餌で世界のありとあらゆるものから
 知識と魔力を吸い取るという闇の書・・・伝説では3つの次元と57300の世界と47都道府県をわずか2時間で壊滅させたという・・・」
桃「そう、その呪われし魔道書よ・・・私が手にするまでは、ね」
ユ「えっ?」
桃「中のプログラムがいじられてた形跡があったからちょちょいっと直しておいたのよ。今ここにあるのはちょっとレアなスキルをもったごく普通の役に立つ魔道書よ」
ユ「ちょちょいって・・・っていうか「役に立つ」「普通」ってなんか文章として間違って・・・」
桃「いらっしゃい、私の騎士達、ううん、「元」私の騎士達!」
202422改:2007/02/04(日) 10:07:42 ID:QKqSPWHz
シグ「おひさしぶりです、主桃子。私達を復活させたということは」
ヴィ「なんかでっかい敵が現れたのか?」
シャ「それともお世継ぎが決まったのですか?」
桃「久しぶりね、みんな。20年ぶりくらいかしら」
ザ「21年と48日ぶりです、我が主」
桃「ありがと、ザフィーラ。で、あなたたちを呼び出した理由は後者・・・いいえ違うわね、両方よ」

ヴィ「はーん、んで、そのジュエルシードってのを集めればいいんだな、桃子」
桃「そうよ、ヴィータちゃん」
シャ「それで、こちらが新しいお世継ぎですね」
桃「なのは。よ。みんな、よろしく頼むわ」
シグ「主の命とあらば」
桃「シグナム、間違えないで、もう私はあなた達の主じゃないわ」
シグ「そうでした、失礼しました、主なのは。以後よろしくお願いいたします」
な「え、えと・・・はい、よろしくお願いします・・・っていうか、あの、展開が速すぎて思考が追いつけないのですが・・・」
シャ「桃子さん、なのはちゃんにはあなたのことは何も?」
桃「ええ、できれば一生話さずにおければ、とも思ったんだけど・・・そうもいかないみたいだし、ね」
ザ「お任せを、新しい主にはなんぴとたりとて指1本触れさせません」
桃「ありがと、ザフィーラ。3時のおやつには骨付き肉を出すからしっかりね」
な「相変わらず話がみえません・・・」
シグ「これは失礼しました、主なのは。あなたの母、そして私達ヴォルケンリッターの先代主である高町桃子殿は稀代の天才魔道師なのです」
な「・・・そんなマクロな話を急に言われましても・・・」

?「いい、ジュエルシードを集めてくるのよ、母さんの言うこと聞いてくれるわよね?」
?「はい、母さん」
?「いい子ね、頼んだわよ・・・・クロノ」
ク「はい、僕は母さんの、リンディ・ハラオウンの息子です、必ずジュエルシードを手に入れてきます」

ク「そのジュエルシードを渡してもらおうか」
な「だ、誰?」
ク「僕はクロノ・ハラオウン。さぁ、その石をこっちへ渡してもらおう」
な「これは危ないものなんだよ、なんで持っていこうとするの」
ク「言う必要はない・・・君が渡してくれないなら、仕方ない、実力行使させてもらう」
ヴィ「なのは、下がってろ、こいつはあたしが・・・って、バインドっ?!」
ク「猪突猛進なだけで勝てると思わないことだ」

シグ「先日は主やヴィータが世話になったそうだな、ヴォルケンリッターが将、シグナムがお相手する」
ク「おそらく現段階では君のほうが僕より強いだろうな。このまま戦っても負けは必至か・・・」
シグ「わかっているなら無益な争いはしたくないのだがな、どうやらおまえを傷つけると主なのはが悲しむらしい。おとなしくジュエルシードを渡してほしいのだが」
ク「だが君の強さを底上げしているのは・・・ここだ!」
シグ「なにっ?!レヴァンティンのカートリッジシステムを狙っただと?!」
ク「ベルカ式・・・カートリッジシステムにより魔力を増大させるシステム・・・だが、裏を返せばそこさえ使えなくすれば・・・」
シグ「お、おのれ、カートリッジが使えなくても」
ク「僕の方が・・・上だ!」
203422改:2007/02/04(日) 10:08:43 ID:QKqSPWHz
リ「足りないわ!クロノ!たった3つ!たった3つじゃ足りないのよ!!!もっともっと!もっと沢山集めるのよ!!さぁ、この蜂蜜と練乳をごっそりかけたケーキで糖分を補給してがんばるのよ!!
 まだ足りないの!?じゃぁ角砂糖50個入り緑茶も付けてあげるわ!さぁ飲むのよ!食べるのよ!そして私のためにジュエルシードを集めてくるのよ!!」
ク「ぐわぁああああ!!!!うわわわぁぁあぁ!!」(←虫歯に甘いものが響いてる)

私はどうしても知りたい、クロノ君が何故ジュエルシードを集めるのか、何故いつもそんなに悲しそうな目をしているのか、何故いつもほっぺたを包帯でくくっているのかを・・・

な「この戦いで勝った方がジュエルシードを全部もらう、それで・・・いいよね?クロノ君」
ク「いいだろう・・・勝つのは、僕だから」

(めくるめく戦闘シーン)

な「受けてみて、これが私の全力全開全速前進疾風迅雷馬耳東風!!!」
ク「うわあああ!!!虫歯に響くぅぅぅ!!!!」
な「勝ったなの!!」

リ「もういいわ、クロノ。あなたは使えないからもういらないわ、どこへなりと消えなさい」
ク「そ、そんな、母さん!」
リ「母さんなどと呼ばないで!!しょせんあなたは作り物。あの人の代わりにはならなかったわ!!」
桃「諦めなさい!リンディ・ハラオウン!次元震は私が押さえ込みました。もうアルハザードへは行けないわ!」
リ「ふふふ、もう遅いわ、もう道は開けた。私は虚数空間を通ってアルハザードへ行くわ!そして夫を!クライドを蘇らせるのよ!!」
桃「な、なんですって!死人よ蘇らせるなんて!そんな!!」
リ「私なら、私ならできるわ!私の力と、アルハザードの秘術があれば、あの人は、クライドは生き返るのよ!たとえ伝説の大魔道師、高町桃子であっても私の邪魔はさせないわ!!」
桃「ちょっと待ちなさいよ!!なんでそれを早く言わないのよ!!私も連れて行きなさい」
リ「は?」
桃「私も夫を生き返らせるのよ!!そうよ、そうすればいいのよ!!」
リ「や、ちょっとまちなさいよ、あなた」
桃「そういうわけだから、なのは。母さんちょっと父さん生き返らせてくるから、しばらく翠屋お願いするわ」
な「へ?」
桃「あ、大丈夫よ、秘伝のレシピはタンスの2番目の引き出しに入ってるノートに全部書いてあるから」
な「や、あの、その、え、えと、その」
桃「シグナム達も一緒に手伝いなさいね。あ、ついでにあなたのとこのクロノ君もくれない?」
リ「え?」
桃「うん、それがいいわ。なのは、あなたクロノくんと結婚しなさい。で、2人で翠屋やってきなさいね」
な「私の人生設計が一瞬で確定してるっ?!」
桃「うん、これで全部丸く収まったわね。じゃぁなのはー、いってくるわー。私が帰ってくるまでお店潰しちゃダメよ〜」
そして2人は虚数空間に消えた。

  完。

204422改:2007/02/04(日) 10:11:29 ID:QKqSPWHz
初めておめにかかります、422改と申します!
こちらのスレの4の422氏が書き込みされてる掲示板で、4の422氏が以前

「なのはがジュエルシード集めをしていたらいきなり桃子さんに魔法のことがバレて、実は
桃子さんも魔法使いでいきなりバグフィックス済みの闇の書をなのはに渡してヴォルケンズ
とJS集めしてたら、リンディさんが夫を生き返らせるためにクロノ君を刺客として送り込ん
できて。右往左往のうちに全力全開全速前進疾風迅雷抱腹絶倒な感じで事が進んで、最終的
にはリンディさんと桃子さんが夫を生き返らせるためにアルハザードへ行くと言い出して、
なのははクロノと結婚。七瀬を産んで幸せにみんなで暮らしましたとさ。
めでたしめでたし」
という「魔法●●(検閲)リリカル桃子」というのを考えたが、どうよ?w

という書き込みをされてまして、それに触発されて書いてみましたがどうでしょうか?
初めて書いたので変なとこもあるかもしれませんがよろしくお願いします。
205名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 17:14:54 ID:A1c1hcGn

台詞ばかりでなくじっくり書いて欲しい
2064の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/02/04(日) 20:07:14 ID:7FeiPgad
んー…どう言っていいのやらあれなんだが…とりあえずレス返しておこうかね。
ってか、久しく来なかったらずいぶんとスレ伸びてるなwかつての勢いを取り戻したか?

>>549さん
新保管庫お疲れ様です!ご無事でなによりですw
えろえろユーノとCall Me Nameの続きも期待しておりまっす!!

>>774RRさん
お、まともプレシアさんですな。
和解話は確かにIfの中でもやってほしい上位に上げられますよね、GJです。
せっかくなので、このIfをふまえた上でのハラオウン家への養子入りを心情ふまえて
書き綴るとよきお話になるかと思うのですがいかがです?w

>>水死体さん
○○新聞の続きですか!!!
まさかこれにお目にかかれるとは(^^;)
このリアルすぎる猟奇シーンにどう対応してよいのやらw
ただその辺が強烈すぎて前作(?)にあった隠されたエロ分がやや減ったのがエロエロん
な自分にはちょい残念(爆
あ、その分フェイト編があれなのかw

>>640さん
母性愛あふるるフェイトにGJです。
や、しかしですね、エリオんがキャロルんとひっつくかもしれんとの話を聞いたとき、
クロノに続き、またフェイトの相手がいなくなるのか、などとも思ったりしたわけで、
エリオ×フェイトのらぶらぶなのがそろそろ見たかったりするわけなんですよ、これが。
(無論エロ付きのw)

>>176さん
あの雲のように
強いシグさんは確かに見てて気持ちよきですね。
ここからどう主として認めるのかが大変そう。現状どうみても「旅の仲間」レベルっぽいしw
命預けれる相手と認めるのは難関そうだなぁw

 魔法少女リリカルなのはStep 10話
忍の姉御は最強っぽいですなぁw
続きが出るまでもんもんしてしまうので忍の強さの秘密の一環とか、すずかの立ち直り
シーンかどっちかが欲しかったかもーーw
2074の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/02/04(日) 20:07:46 ID:7FeiPgad

>>暗愚丸さん
おお、いつぞやの触手フェイトの続きですね。
ふたなり属性、ええ、ありますとも盛大に。今回だけでなく以後も続けてくださいね。
無論なのちゃんにも付けてくださいね(ヴィータは攻められ放題がいいのでつけなくても(略

>>ヘボ書きマンさん
なに、ユーノ×アルフなんですか?
ふむ、さすがにやや短いのでレスがあれですが、かつてないカップリングには期待しています。
ザフィとの三角関係も含めてw
あとヘボ書きマンさんは百合やらクロノメインはダメですかぁ、むぅ、むしろ私がそっち系がいいのですがw

>>162さん
フェイト×なのは。む、王道ですね(そうなのか?w
ただこれ私にも盛大に言えることなんであれなんですが、「 」の台詞だけだとどうして
も話に限界が訪れます。自分以上に読み手はそれに顕著に気づきます。
場面場面を台詞で描写するのは「白々しい演出」ととられてしまうので、なるべく避けた
方がいいかなぁーと、いや、その、自分もそうなんですけどね。
や、ごめんなさい。偉そうでした。失礼を。

>>396さん
こちらもクロノ×エイミィ確定ですかー。
まだ全体像は把握できませんが、フェイトがいいとこなしなのが泣けるw
事が終わっても絶対根にもたれそうw

ま、とりあえずここまで、っと…
2084の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/02/04(日) 20:11:32 ID:7FeiPgad
さて…
>>201-204
普通ならここで「422改さん」、となるわけなんだが…

> こちらのスレの4の422氏が書き込みされてる掲示板で、4の422氏が以前

1つ聞きたいんですが…私は422の名前で書き込みしたことあるのは、ここと640さんの
サイトと、あとArcadiaという投稿掲示板に感想を1回書き込んだだけなんですが…

すまないですが、そんな発言をした記憶は脳にはありません。誰かと勘違いしてませんか?

なのは系で「私」が書き込みしてるサイト。というのは確かにそれ以外にもありますが、
そこでは「422」を名乗ってません。むしろSS書いてる人、という認識があるのは上記
の3つだけです。だからあなたが見たと言われる発言を422の名前で書き込むことは
ありえないんですが…

失礼ですけどどこのサイトか教えてもらえませんか?

209162:2007/02/05(月) 03:25:23 ID:MCXdFAIj
>>4の422さん
レスありがとうございます。
とんでもありません、参考になりました。
今後の課題にします。
スバルのキャラがつかめたらなのは×スバルなんてのも考えてます。
210ヘボ書きマン:2007/02/05(月) 10:28:30 ID:lzTL1iU/
>あとヘボ書きマンさんは百合やらクロノメインはダメですかぁ、むぅ、むしろ私がそっち系がいいのですがw
すいません。クロノメインのSSは多いので書く気がおきません。U−1化作品多いし
百合含め同性愛は一切ダメですね自分は。百は特に苦手です。なので読むのも書くのも・・・・・・
クロノメインモノや百合作品書かれてる方には失礼な発言ですがコレが本音です。
3期女の子ばっかりなので百合SSが増えたら自粛するかもしれません。

ユーノとアルフSS、八神家出ません。なのでザフィーもいません。
今修正中です。明日にはちょっと出せるかと。
211ヘボ書きマン:2007/02/05(月) 10:35:56 ID:lzTL1iU/
先程の書き込みの修正と誤字の修正です

×クロノメインのSS
○ネット上にあるクロノメインのSS

×百は特に苦手です
○百合は特に苦手です

なのは系の絵を描くサイトも百合絵ばっかりで最近辛いです・・・
212名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 12:18:14 ID:N8YfSzfB
>>210
ヘボ書きマン期待してますよ
213774RR:2007/02/05(月) 13:17:08 ID:E4Kinlme
がんばってみる。
214名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 00:25:55 ID:6oqgaNyW
失礼だと思うならわざわざ言うなよ
215名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 01:29:40 ID:uNsJgEnW
>>214
と思うならわざわざry
216名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 21:09:20 ID:DBEqEGqG
逆行断罪スーパークロノでも書いて理想郷にでも放り込むがよい>ヘボ書きマン
217名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 00:04:00 ID:SDu6u1XN
>>216
何故クロノが?www
218名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 03:39:31 ID:FXOc1Vgb
まあ、単にヘボ書きマンが失言しただけで、いつまでも引きずる話題でもないんだろうけど。

・kanonの名雪は祐一を冬の寒空に放置した挙げ句いつでもどこでも居眠りしてイチゴサンデーをたかるから嫌い
・エヴァのミサトは酒に狂って作戦に遅刻しまくる挙げ句シンジを無神経に傷つける糞女だから嫌い
・リリカルなのはのクロノはU-1化してるから嫌い

クロノや百合が嫌いなのはいい。嫌いなものを読みたくないのも当然のこと。こんなことは個人の好きずきだ。
だが、クロノが嫌いな理由が「原作で好きになれなかった」ではなく「他人の二次創作でみんなやってるから」っていうのはあまり良くない。
ネットで二次創作を読み書きする世界にどっぷりつかってしまって、原作そのものには関心が失せてるタイプによくある傾向だ。
219名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 06:47:43 ID:ROS098xm
U-1なクロノが嫌いなら、そうでないクロノを書けばいいだけの話だよな
220名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 07:08:48 ID:7rqKgHbU
「クロノが嫌い」ではなく「(ネット上の)クロノSSが嫌い」と発言されているのでは?
原作で好きになれたなれなかった云々以前に、単に魔改造されたキャラが好きに
なれないだけでしょう。自分もそうですし、そういう人は少なからずいると思いますよ。
別に変なことでも、別段失礼なことでもないと思います。

ともかく期待してますんで頑張ってください>ヘボ書きマン氏
221名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 08:43:41 ID:uGTyBpfD
U-1化なら恭也SSの方が多いがな

ところでシグナムの部下はあれか、アルトとヴァイスてスパロボか
222名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 09:45:27 ID:x3RgPizs
アルト
 ドイツ語:古い
 英語:中高音

ヴァイス
 ドイツ語:白い
 英語:悪(Vice) もしくは 万力(Vise)
223名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 13:31:11 ID:O0aO62yY
スパロボのヴァイスとアルトも古い鉄と白い騎士って言う意味だな
224名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 15:35:22 ID:FUhQsKxq
誰もクロノが嫌いなんて発言してないじゃないか…
つかあれだけ今のリリカルなのは二次創作でクロノメイン作品ばっかり目に入る状況なら嫌でも食傷気味にもなるだろ。
大体クロノメインの作品を書けって他人に押し付ける方がどうかしてると思うんだが違うのか。
そう言うのは書きたい人間に任せればいいだろ。

そんな訳で書きたいものを書いた作品を期待してる。>ヘボ書きマン
225名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 16:33:59 ID:9kWE1Y4h
二次創作クロノ=U−1化はあるだろうけど…KYOYAとかの狂いぶりに比べりゃ遥かにマシだろ?
この間までクロノ板とかでぐちぐち言われてた聖痕さんじゃないけどさ。ありゃ魔改造の最たる例だけど、
あの人のはもう一次創作だし。むしろあの人のクロノがヘタレに見えるのは気のせいか。
今のクロノSSの量産は間違いなく聖痕さんのせいだろうし。

っていうかどうしてこんな話になってんの? ヘボ書きマンさんが何か書こうが何好きになろうがヘボ書き
マンさんの勝手だろうが。いちいち噛み付くなよ。ここってSS書き込むとこだろ?そういうのは
別でやってくれ。作品投下し難いだろうが。
226名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 19:07:42 ID:hm7JLkQa
>>225
クロノがバイク乗り回してビルの屋上に着いたところまでしか見てないな。続き読むのすっかり忘れてた。
てか、あっちのクロノさんはもろクラウドだからな…へたれるときはとことんまでへたれる→復活したら蝶強い

まあ、俺は人のこと言えないけどな。
227名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 20:01:17 ID:2SyViokZ
つか、聖痕さんとこのは某SAMURAI漫画ばりにみんなGENKAITOPPAしてるからなあ。
クロノのみとも言いづらい気が…

それはそれとして、クロノSSが多いのはある意味仕方ないんじゃね?
ただでさえ恭也の改造品だし、デザインの時点で要項を満たしてるからな。
アニメではサブキャラでも嗅ぎ付ける人は嗅ぎ付けるさ。

聖痕さんが発祥地にならなくても、どっかで発祥して結果は同じだった希ガス。
228名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 20:46:31 ID:ij8XOpzY
虐げられてるけど、なのはとユーノが幸せになればそれでイイ。
229名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 20:55:49 ID:YmcuoBjA
>>218
>いつまでも引きずる話題でもないんだろうけど。

なんで自分でこう言ってるくせに、わざわざ話をこじれさせるかね。
自分の言いたいことだけは言っていかないと気が済まない?
それともあらかじめ断っとけば何言っても良いと思ってるのかな。
230名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 02:25:54 ID:KizosBqm
>>221
二人はロングアーチ付きのヘリパイロットと整備員ぽいから、むしろはやての部下だと思う。
戦闘時には二つある前線小隊に配備されて小隊戦闘団を編成しそうなんで
二人の配備先がライトニングならまぁ間違いじゃないかもしれんが。
231名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 06:12:51 ID:gHNQhPc2
教え子たちの目の前で犯されるなのはが読みてー
232名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 08:25:26 ID:YLSybjyo
>>231
了解した、時間はかかるかもしれないが気長に待っててくれ
233名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 05:55:26 ID:OQPXFD+M
>>232
期待してる
234名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 08:31:25 ID:efvV6oV6
二次創作でいうなら個人的にはユーノの人のほうがいいな、
オリキャラが出ないのと、バトルがインフレってないのはポイント高い。
それにアリサやってくれるのは密かなアリサファンとして嬉しい。
235名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 09:02:31 ID:31uF1T3S
アリサファン此処にも居るぜ!
バーニングアリサ最高ー!!
236名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 09:52:32 ID:LYeXFhSD
>>235          激しく同意するよ。
237名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:42:25 ID:AljzZ3AA
んー実際クロノが作中でどう見てもエロゲの主人公みたいな状況にあるのは事実だしな
恋愛要素は本編で意図的に排除されているらしいが
百合以外でSS書こうと思うとすごく動かしやすいんだろうね
容姿とか設定とかも主役向きだしな
2384触:2007/02/11(日) 06:30:07 ID:Y1Vcc30O
>>235
>バーニングアリサ
持ってる
239名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 16:59:00 ID:a4NohrMH
個人的には絡んでなのは、フェイトまでかな。<クロノ
はやてやヴォルケンとかとは作中たいして絡みないし。
240名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 18:04:16 ID:gkcIrxde
>>239
はやクロはかなりありだと

リリカルなのはのリンクからとんでいったところのSSをみてみてくれ
241ヘボ書きマン:2007/02/11(日) 18:27:26 ID:GF35lo64
色々論議になってしまった様ですいません
>「クロノが嫌い」ではなく「(ネット上の)クロノSSが嫌い」と発言されているのでは?
そうです。言葉が足りなくて誤解させてしまい申し訳ない
ちゃんとアニメは全部見てます。
力づくで押し進むのはあんまり好きじゃないので、どうしてもなのは達だと書きにくくて
少数派と呼ばれても構いません。ユーノメインで突っ走ります。

前置きはともかく、アルフとユーノ(仮) 投下します
忙しくてちょっとしか進んでませんが。
242アルフとユーノ(仮):2007/02/11(日) 18:29:40 ID:GF35lo64
「アルフ、落ち着いた?」
「うん、大丈夫だよフェイト。・・・というか落ち着かなきゃいけないのはフェイトなんじゃ…」
「大丈夫落ち着いてるよ?」
「・・・・・なんでバルディッシュ持って素振りしてるんだい?」
「わたしはおちついてるよあるふ」
目がプレシアそっくりだよフェイト。全然優しく見えないよ、満面の笑顔なのに。

「待っておくれよフェイト!!ユーノは悪くないんだ!!」
「あるふはやさしいね♪でも覚えて無いならユーノが悪いんだよ」
・・・ダメだ。このままじゃユーノが殺されちゃうよ。なのはと友達になってからフェイトは物騒になる一方だし。
それに、そんなのイヤだ。アタシはユーノの事好きだもん。
ああいう事・・・・・とかそういうのじゃなくて、何ていうか、友達っていうか・・・・・とにかく、そんな事はさせられない。
ユーノいないと司書達も多分死んじゃうし。疲れたり憑かれたりで。
なのはやフェイト達ばっかり見てると分からなくなるけど、ユーノも十分過ぎるくらい天才なんだよね。
何で司書の連中が遅いのか、とかじゃなくて、ユーノが早過ぎるんだ。

それ以上に・・・それ以上に・・・何だろう・・・とにかく、ユーノを危ない目には合わせたくないんだよ。
今すべき事は―――――

「フェイト、ストップ!!」
「放してアルフ!ただでさえユーノはなのはもアリサもすずかにも好かれてるのに1ミリグラムも気付いて無いんだから・・・
斬ったくらいじゃ死なないよ!!あんな鈍感ユーノなんていないほうが良いんだよ!!」
「…っ!!何て事言うのさフェイト!」
「だって…だって・・・ユーノはずるいよっ!!」
「…フェイトのバカッ!!」
「アルフの分からず屋っ!!!」
「ユーノは何も悪い事なんてしてないじゃないか!!」
「してないから悪いんだよ!!」
243アルフとユーノ(仮):2007/02/11(日) 18:33:03 ID:GF35lo64
「何で僕に相談するんだ、そういう事を。気持ちは分からないでもないが、ユーノは僕の部下じゃない。むしろ同等とさえ言える。
逃げようと思えば防御や転移に関してはユーノの方に軍配が上がるしな。ユーノに補助で勝てるのは提督クラスくらいだ。
フェイトがユーノに対してそういう行動を起こせば悪いのはフェイトになるし、何も問題は無いだろう?
まぁ、一応兄としてそういう事件が起きないことを祈るばかりだが。今回の一件の責任がアルフなら、何も心配する必要は無いな。
アルフの事を大切に思っての行動なんだから。

―――――さて、もう1つ」
「もう1つ?」
「ユーノに謝罪か何かすべきだろ。・・・今の話を聞く限りではアルフがユーノを襲った様にしか聞こえなかったんだが」
「その、何ていうか・・・憶えてなくて」
これはホント。だって・・・昨日の夜から朝まで何があったかさっぱり分からないんだよ。ユーノの…意気地無し。
スエゼンくわぬ・・・何だっけ?
とにかく、アタシはユーノに襲われてない。
人間みたいに忘れる事も無いし(思い出せない事はあるんだけどね。シグナム達は違うみたいだけど)、ユーノはそんな事しないもん。
アタシがユーノを襲ったのか、そうじゃなきゃ誰かがアタシとユーノをああいう風にしたってコトだね。
あの時のアタシは・・・完全にユーノしか見えてなかった。思い出しただけでヘンな感じ。
どうしちゃったのかな・・・ああもうワケがわかんないよ!!

「アルフ、だったらそれこそユーノに調べてもらうべきだろ。エイミィは信用ならないぞ、そういう方面は。母さん・・・リンディ提督もだ。
はやても却下だ、事態が悪化しかねない。ウチは戦闘特化ばっかりでそれ以外が全然モノになってない。
なのはの始末書は増える一方だし、フェイトもだ。・・・・・すまない、愚痴になった。
まず、身内だからって信用するな。それこそ騒ぎの良い種だ。信用できる相手があまりにも少な過ぎる・・・・・」
「誰ならいいのさ?」
「ユーノに頼るのが定石だとさっきから・・・フェイトにバレたら逃げろとしか・・・と、言ってもバレない筈も無いな」
「フェイトはアタシの主だしね」
自分の使い魔がやってる事分からないなんて、そんな魔道士聞いたこともないよ。
はやては・・・ベルカ式はどうなのか良く分からないけど、どうなんだろうね?

「とりあえずはユーノ連れて逃げるんだな。今頃フェイトに襲われてる頃だろぼぁっ!?」
確信犯の笑顔でそう言ってくれた(一応)上司にアタシは思いっきり右ボディを叩き込んだ後アッパーで壁に吹っ飛ばした。
ユーノ、無事だといいけど・・・
244アルフとユーノ(仮):2007/02/11(日) 18:39:01 ID:GF35lo64
(ユーノ)

「フェイト、だから誤解だってば!」
「どっちにしてもユーノが悪いよ!!」
「何でそうなるのさ!?ホントにボクはやってないよ!」
「・・・知ってる?ユーノ、痴漢はね、女性が痴漢と思えば痴漢なんだよ」(笑顔
「何そのジ○ンの○イオロン法みたいな理論!?無茶苦茶過ぎるよフェイト!!書庫が壊れるからザンバーしまってよ!!」
「ユーノが観念して斬られたらいいんだよ。○パンって何?」

「「「「司書長頑張ってー♪」」」」
「見てないで助けてよみんな!!」(泣
「えー」
「だって勝てるわけ無いじゃないですか」
「Sランクなんて人外レベルじゃないですか」
「それに対抗できるのって管理局でも司書長やアースラのクロノ艦長くらいですよ」

「人外・・・・・・ふ・・・ふふふふふふ・・・・・」
空気が軋む音が聞こえてくる。これ・・・なのはだったらどうなるのかなぁ・・・・・(現実逃避
「遺言があったら聞いてあげるよ、ユーノ」


・・・だから駄目なんだよフェイト。はやてやなのはと弱点が同じだね。


「参ったなぁ。フェイト、それは…余裕じゃなくて油断って言うんだよっ!!全方位ストレイトバインドケージっ!!!」
「え・・・・・うああああっ!!?」
                   ミシ・・・
    キシ・・・・・ッ・・・

「1対1なら、ボクにだってはやてやなのはにも勝てる勝機が無いわけじゃない。力づく、ってのも芸が無いと思わない?」
ツメが甘いんだ。徹底的にやる、っていう事をやらないからこうなるんだよフェイト。
なのはもそう。周囲に気を配り切れてない。クロノはその辺流石というか異常というか。
リンディさんはボクと比べる方が間違ってる。管理局の中で1番じゃないかな?

「…ユーノ…最初から…強かったなら私にだって…」
「最初から強かった?戦術を覚えただけだよ、ボクは強くなってなんかいないよフェイト。頭は冷えた?」
「冷えるどころか寒いよ・・・ユーノの馬鹿」
馬鹿、か。フェイトに言われたのは初めてかも。
「気温、魔力、体力も奪って冬眠状態にして閉じ込めるボクだけのオリジナルだからね。大丈夫、フェイトが気絶すれば解除されるよ」
「・・・・・気絶しなかったら……どうなるの?」
「…死んじゃうかも。でもなのはの魔法の直撃受けて意識飛ぶよりは人道的でしょ?」
「ユーノ、意地悪になったね・・・」
おやすみ、フェイト。

「自分でも、そう思うよ」
本当に、そう思う。これが大人になるって事なら、大人になんてなりたくないけど。
「無理だよねぇ・・・・・・はぁ」
245ヘボ書きマン :2007/02/11(日) 18:44:27 ID:GF35lo64
進行遅くてすいません。それでは今回はこれにて。
246名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 21:00:04 ID:fR7UUWKX
GJ!
続き楽しみに待ってます。
247名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 23:42:36 ID:dnOi7QGh
ジバンじゃね?
248名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 00:01:36 ID:T9dLsloY
>>240
漫画版の最初の数話でも情報あったけど、クローズアップされないだけで
意外と縁深いよな、クロノとはやて。

つか、アニメ版設定で原作のなのちゃんにあたるクロノにとっての
所謂お姫様ポジのキャラを探すと、たぶんはやて。
249名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 05:00:04 ID:xPXy9kLq
突然スミマセンが

騎士達と出会う前に、車椅子に乗って一人で
生活していたはやては、自宅に侵入してきた若い男に
強姦されて処女を奪われちゃっていた・・・

という内容の話を投稿したいのですが、宜しいですか?
250名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 05:07:38 ID:7tTv6zZw
OK!
暗めの話だろうが何時でも準備はできてるぜ!!
251名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 06:13:13 ID:lZw3WQ2S
GOGO!
252249:2007/02/12(月) 15:27:28 ID:xPXy9kLq
では、投稿させていただきます。

   〜少女の足は動かない〜   

金が欲しい。だが、ただ手に入れるだけではつまらない。刺激も欲しい。
そのためには? 

その若者は、行動力のある男だった。
自分の欲望を満たすためには、人の良心と言うものを
割とあっさり捨てる事のできる男だった。だから、
計画を立てて、実行できたのだ。
強盗。
できるだけ裕福な家に侵入する。宅配便の配達員を装って。
侵入できたら、その家の住人を有無を言わさず縛り上げる。
そして、有り金を丸ごと、かっさらう。金を手に入れたら
立ち去る。
単純だった。だが、男にはその計画をやり遂げる自信があった。
若い男が自分の実力を過信して足元をすくわれるのは、よくある事だろう。
しかし困った事に、客観的に見て、自信だけでなく実力までその男には
備わっていたのだ。男は、「仕事」のための道具も用意した。

ーーあとは、獲物だ。

閑静な住宅街を訪れた男は、餌を求めて徘徊する肉食獣のように、歩き出した。
時刻は、夜の8時。季節は冬。外は凍えるような寒さだったが
男は全くといっていいほど寒さを感じていなかった。
数十分が経過した。
ある立派な一軒家を見つけた男は、立ち止まった。その家には
灯りがついており、外にいる男にも中の様子を窺うことができた。
男は、家の中を覗き込んだ。そして それを 見た。

車椅子に乗った 女の子が いた。

とても可愛い女の子だった。おっとりとした雰囲気で
「いたいけで健気な少女」という男のイメージをそのまま体現したような
可愛い少女・・いや、幼女だった。
ショートカットか、ショートボブなのか、
髪型に興味のない男には、女の子の髪型は判別できない。
だが、×印の髪留めが印象的だった。
女の子は、微笑みながら本を読んでいた。車椅子に乗っているのだから当然
足は不自由なのだろう。しかも、見た感じではどうもあの娘の他には
誰も家にいないらしい。 その幼女に見とれていた男の股間が
熱く反応した。実は「そのスジ」である男は、その車椅子の幼女に欲情していたのだ。
253249:2007/02/12(月) 15:30:38 ID:xPXy9kLq
ーー今、この家にいるのは、あの車椅子の娘だけらしいな。好都合だ。
宅配便の配達員の服に着替えた男は、これから自分の「餌」となる車椅子の少女の家の
玄関前にたどり着いた。強盗のスリルと性的興奮で、男は自分の体が熱くなるのを感じた。
当初の計画では、金を盗むだけで済ませてやるつもりだった。
だが、あの車椅子の可愛い少女を見つけてしまった以上、
もう盗むだけではとても我慢できなくなっていた。
男は、表札を見た。
表札には、『八神』と書かれていた。

あの娘の名前は、直接あの娘から聞き出そう。
そう、「お楽しみ」の最中に。  

いきり立つ自らの肉棒をさすりながら、男はほくそ笑んだ。
男はインターフォンを押す。数秒の後、柔らかくて可愛い声が
返ってきた。「はい、八神です」 その声を聞いただけで男の肉欲は
さらに掻き立てられた。爽やかな好青年を完璧に装って男は言った。
「宅配便でーす。ハンコお願いしまーす。」
車椅子の少女が答えた。「はーい。少し待っていただけますか?」
少女の関西弁っぽい微妙なイントネーションが男の耳に心地良く響く。 

そして 十数秒後 玄関のドアが 開いた。
254名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 15:42:14 ID:ahvO/aRb
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
255名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 21:23:46 ID:6ZhJL/ff
フェイトたんの太ももに熱したフォークを突き刺してえぐりたい
256名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 22:15:49 ID:7tTv6zZw
>>255
猟奇はギリギリアウトかも…
257名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 02:15:54 ID:Da+NCF5M
まぁ、ちゃんとトリップ付けて予告があればギリギリセーフじゃない。
俺が気にもとめない人だからかもだが。
258名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 02:35:58 ID:VfVxzfm2
猟奇系のスレでなら歓迎されることをわざわざ嫌がる人の多いところでやるのは感心しない。
259176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/13(火) 02:52:46 ID:Mmnx6kdU
魔法少女リリカルなのはStep
第10話 b part

 ファリンが意識を取り戻して私が一番にしようとしたことは他でもないお嬢様を探すことだった。
 世間を騒がしている吸血鬼騒動は屋敷の中で働く私の耳にも届いていた。物騒な世の中になったものだと思いつつもまさかそれが自分たちに降りかかることとは夢にも思わないのは人の性だろう。
「それじゃあファリン行って来るわね」
「はい……すいませんお姉様」
 いまだ首筋に生々しく残る傷跡はそれが夢でも嘘でもないことを証明している。馬鹿馬鹿しい話にもほどがある。吸血鬼がいるなんてお話の中だけだろう。
「謝る必要なんてないわ。あなたに落ち度があったわけではないでしょう?」
「でも……」
「体が本調子じゃないなら余計な仕事を増やすだけ。今日はゆっくりしてなさい」
 ファリンが何をしたいかはすぐにわかった。
 キツイ言い方ではあるがこのくらい言わないとこの子は諦めない。誰に似たのか頑固な妹なのだ。
「すずかお嬢様の方も私がお世話するから。あなたが無理して世話される側になったら……ね」
 優しく諭しながら体を起こしていたファリンをそっとベッドに寝かし直した。
 申し訳なさそうに私のほうを見てくると何やら悪い気がするのだがぐっと堪える。メイドだって人間、無理を通せる道理は無い。
「ゆっくり養生してなさいね」
「はぁい……」
 毛布を口元まで被りながらファリンは仕方ないと言わんばかりに頷いた。

* * *

 ――もう夕暮れか……。

「忍お嬢様……」
 時刻はもう五時を回ろうとしていた。屋敷を出たのは十時を過ぎた頃だから私は半日以上海鳴の町を彷徨っていたことになる。
 日ごろから広い屋敷の中で働いている身にとっては歩くことなどどうということはないと思っていたのだが……。
「さすがに……疲れましたね」
 足は棒だった。
 明日は筋肉痛がいいところだ。ファリンには無理をするなとは言っていたが私も十分に無理を強いている。
「まったく私に似たのでしょうね」
 苦笑しつつ傍のベンチに腰掛けた。
 この時間帯、海浜公園の景色はこの町で一番になる。目の前に広がる大海原に水平線へ沈む太陽。空には星が瞬き始め夕焼けと夜が交じり合う。
 けれど誰しも感嘆を上げるような景色も今の私には暗い影を落とすだけ。夜が来るということが私に不安と心配の種を芽吹かせるのだ。
「どこへ行かれたのですか……お嬢様」
 この景色を見ているはずの彼女の姿を思い浮かべながら脳裏によぎる非現実を振り払う。
260176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/13(火) 02:53:29 ID:Mmnx6kdU

「信じることなんて……出来ません……お嬢様が」
 それ以上の言葉はもう喉から出ることは無かった――。
 昨日の出来事だというのにそれは夢のように希薄に、不鮮明になっている。だからといって忘れたわけでもない。私は確かにこの目で見たのだ。

 ――ファリンが他でもないお嬢様に血を吸われていた場面を。

「……はぁ」
 ファリンが外にいたのは本当に偶然だった。飼い猫の一匹を探して庭に出ていた、それだけなのだ。
 私の姿に気づいていたのかいなかったのか。それからお嬢様はとても人間ではない動きで闇に姿を消した。
 そして今に至るまで私はお嬢様の姿を見ていない。
(悪い方向に考えたくありませんが……)
 むしろこの事態をどう受け止めろというのか。
 すずかお嬢様のことも気にかかる。今朝の顔色はどう見ても病人のそれだ。お嬢様は大丈夫だと言っていても長年仕える身にはそのくらい嘘だということよくわかる。
 まさか忍お嬢様に襲われたのか? ……駄目、疑心暗鬼になりそうだ。
「お嬢様の行きそうなところは全部探したはずなのに……」
 ゲームセンターや図書館、商店街や――それはもう本当に町中だった。
 お嬢様のことは誰よりも深く知っていたはずなのに、それでも私はまだ見つけられない。
 もしかしたら彼女の両親よりも彼女を知っている自分でもだ。
「思えば10歳の時でしたね……お嬢様に出会ったのは」
 もうすぐ沈む夕焼けを目に映しながら思い出すのは出会ったときのこと――。
「あの頃からわんぱくといいますかじゃじゃ馬といいますか」
 気がつけば笑っている。
 そう、私はいつもお嬢様に笑顔を貰っていた。
 
 あの時も――。

* * *
 
「初めまして、ノエル・K・エーアリヒカイトです」
 なるべく緊張しないように、顔に出さないようにと気をつけても自分の笑みがぎこちないのがわかる。
「そしてこの子が妹のファリンです、ほらファリン」
「よろしく……お願いします……」
 怯えるようなか細い声で挨拶すると同時にファリンは私の後ろに回りこむ。スカートを引っ張りながら恐る恐る今度仕える主人を――正確にはそのご子女――覗き見ている。
「すみません……少し人見知りで」
 なんとかもう一度隣に立たせようと後ろ手にファリンを引き剥がそうとするが、その手はがっちりスカートを握り締めているらしく頑として彼女と向き合うつもりはないようだ。
 私だってこんな年下相手に緊張しているのだから無理も無いというか。だったら何で緊張しているのかと問い詰めたくなって。
「……別にメイドなんていらない」
 悶々している間にがつん、と一発。
 お嬢様最初の一言はそれであった。
「でも家の侍女になるんだから仕事はしっかりしてね」
「え……? あ、あのお嬢様」
「あんまり私のことに関わらないでね。私すずかと遊んでくるから」
261176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/13(火) 02:54:07 ID:Mmnx6kdU

 訝しげに睨みながら拒絶の意思。はたまたこれは牽制なのか彼女は踵を返した。
「邪魔……しないで」
 棘を含ませながら奥へと消えていくお嬢様。なんだかその背中には年不相応な威厳が漂っている気がした。
 威圧感を与える――言葉にするならそれだ。
「……お姉様?」
 我に返ったのは不安そうなファリンの声が耳に届いてからだった。
「あ、そうね。今日からここが私たちの家なのですから、頑張らないとね」
「私も頑張る」
 彼女が去ったおかげかファリンはようやく笑顔を浮かべた。
 私も笑みを返して、一歩踏み出す。今までは真似事だった仕事はこの足が床に着くと同時に本当の仕事となる。これからはメイドとして恥じないよう粉骨砕身この家に仕えるのだ。
 とはいうものの……。
「前途多難……ですね」
 この時私は16歳でお嬢様はまだ10歳。ファリンは7歳ですずかお嬢様は1歳になったばかり。
 一番年上のはずなのにこの屋敷の中では惨めなほど小さく自分が思えて。雰囲気とかそういうものはなんだかお嬢様のほうがずっと厚みがあった。
 
 初めて踏んだ月村の敷居は私にとってはなんだかずいぶんと高いもののように思えた。

* * *

262176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/13(火) 02:54:54 ID:Mmnx6kdU

「……熱い」
 風邪みたいなだるさに視線は宙を泳ぎっぱなし。足はふらつくし意識は朦朧としてるし。
 あれから一睡もせず町中を彷徨い続ける私。夜が明け、町は動き出し、刻々と変わっていく町並みをリアルタイムで眺め続けるのはある意味新鮮な経験だけど……。
「まずいわね……ほんとに」
 いつものように時間切れ。そこまではいつも通り。その後は適当に可愛い女の子を見つけて血を吸って――真似事しかしてないけど――また夜の街を飛び回る。
 二回目の時間切れのころに家に戻ってに少し眠る。目覚めれば普段通りの月村忍の日常がまた始まる。
(すずかの吸ってから……よね。姉妹だとなにか悪いことでもあるのかしら……)
 あの日の夜、ふらっと出た庭先で見つけた青い宝石。芝生の中に埋もれてた辺り、誰かの落し物を猫が拾ってきたんだと思った。
 手に取って、月に透かして、石を通って降り注ぐ神秘的な輝きに少し見惚れて。
 なんだかその光は私に何でもできそうな力をくれてるみたいに思えて――。
(何もかも忘れるくらい飛び回りたい……この夜を私のものにしたい……)
 思いつきな願い……というわけでもない。恭也には放っておかれるし小説は読み終わっちゃったし、じっとしていたくなかった。
 むしゃくしゃというか鬱憤晴らしというか……多分寂しさを紛らわすものが欲しかった。

 ――そうして気がつけば私は夜の空を跳んでいた。

 直感だけどあの宝石が私の願いを叶えてくれたんだと思った。神様の気まぐれが私に夜をくれたんだ。
 私は夜の一族になった。小説とちょっとだけ違う、私なりに想像した理想の姿ががそこにあったのだから。
(それでこの有様なんてね)
 私は血を吸ってない。ほんとは吸いたくて堪らないんだけどいつも吸えなかった。
 その代わり別の何かを吸い取ってるみたいで、その何かは私にとって、この宝石にとって欠かせない栄養みたいなのだ。
 昨日の夜、なのはちゃんを庇ったすずかに思わず牙を突き立てて血じゃない何かを吸って――。
 途端、体が沸騰したみたいに熱くなって世界が傾いた。いつもならこんなことなかったのに。
 それからのことは夢みたいに曖昧。屋根から落ちて、目の前にファリンがいて、体中をめぐる何かを薄めようと思ったのかファリンにも牙を突き立てて。
 どうやって逃げたのか? 過程はこの際置いて我に返ったとき私は寝静まった商店街をふらふら歩いていた。
「誰も気づいてくれないのよね……今の私って」 
 どうやら夜の一族になっているときの私って普通の人には気づかれないみたい。ずっと纏わりついているこの霧が原因なのはなんとなくわかるけど。
 おそらく一種のステルス装置。どういう仕組みか見当もつかないけど昨日のすずかたちの姿を見ればいわゆる魔法……とかそういう類なんだろう。
(よく言うしね……高度な科学は魔法になるって)
 帰ったらこってり絞ってあげないとね。子供の夜遊びはいけないんだから。
 あの杖とか特に分解しがいありそうだし。
「元に戻ったら…………戻ったって帰れるわけ無いのに」
 帰りたいなぁ……ご飯も食べてないし。けどファリンやすずかにあんなことしちゃった手前、そんな簡単に帰れるわけなんて無いのに。
「夕日……綺麗だなぁ」
 散々町を回って辿り着いた私を迎えてくれたのは海浜公園の夕焼けだった。
 もうすぐ夜が来る。そうすれば私の時間、私の力が目覚めていく。
「なんだか嫌になってきちゃった……」 
 自分の大事な人たちを襲って初めて気づいたのかもしれない。
 この夜の力がすごく怖くて、嫌な物だって。
 今まで襲った人たち大丈夫なのかな……。
「……ノエル探してるんだろうな」 
 絶対心配かけてるって言い切れるところがまた悲しい。私がいなくなること自体月村家にいるすべての人に迷惑かけてるようなもんだし。
「もうすぐ十年か……ノエルやファリンと出会って」
 あの時からほんとに私ってノエルに迷惑かけっ放しだったな。
 それでもノエルは私のこと親身になって世話焼いてくれて……。嬉しかったな、パパやママとあの時はそんなに仲良くなかったからその分甘えてて。
 きっと、今の私はノエルやファリン、すずかがいてくれたからここにいられるんだ。
 
 あの時からきっと――……そう。

* * *
263176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/13(火) 02:55:37 ID:Mmnx6kdU

「故障……?」
「はい、どうも昨日から調子が悪くて」
 ノエルが今日持ってきたのは掃除機だった。話を聞けば電源を入れても動かなくなったという故障の類としては一般的なものだ。
「すいません、本来ならお嬢様などにこのようなことをしていただくわけにはいかないのですが」
「いいの! どうせ壊れたら新しいの買うんだし……それじゃこの子が可哀想なんだから」
 近頃の電化製品は機能が上がるに比例するようにデリケートになっていく。あれもこれも詰めて、それ全部を制御しようと余計な電子部品をゴチャゴチャつけていくせいだ。
 壊そうと思えばすぐに壊せる。そうして壊れたらそのままぽいってゴミ捨て場直行。
 お金があればすぐに代わりが用意できるし、修理に出して時間をかけるよりよっぽど。
「修理に出したって時間かかるんだし私が直せばすぐよ、こんなの」
 少し顔の筋肉がにんまりしてくる。勝手に分解すればパパもママもいい顔はしないけど修理って言えば問題ない。丁度いい口実。
 壊れたのはモーターか? それとも他のどこかか? 透視するみたいに私は掃除機全体をなめるように見つめた。
「大きいものじゃないし三十分もあれば直せるわ」
 正直、機械と慣れ親しんでる私には朝飯前の仕事だ。
「本当ですか? ありがとうございます」
「いいのいいの、ノエルが壊してくれるから私も直せるんだし」
「……え? あっ……その」
 今日は掃除機、四日前はエアコン、十日前は電子レンジだ。さらに言うなら二十日前はテレビといった具合にこの一月で呪われているかのように我が家の電化製品が故障している。
 普通に考えればこんなに患者が出ると誰が思えるだろう。いくらデリケートといってもこれは度が過ぎている。
「いいの? パパには忍に機械弄りさせるなって言われてるんでしょ?」
 あの二人は私が機械弄りをすることを全くと言っていいくらい良く思ってない。いや、私がすることすべて疎ましく思ってるって言うほうが正しいかも。
「どうして壊れたのか見ればわかるわ。水……吸い込んだんでしょ?」
 ポーカーフェイスでも微かに動く喉が図星だって教えてくれる。ほんとはヤマをかけただけ。掃除機を壊すっていったらこれぐらいしかないし。
 でも冷静そうに見えて意外とノエルってわかりやすい性格なのよね。
「……別に怒らないわよ。簡単に元に戻せるんだから……でもねノエル、機械だって勝手に壊されたら可哀想。なんでこんなことしてるの?」
 私から見ればノエルの働きは年不相応そのもの。
 ここに来る前は綺堂の家で過ごしていたって聞いた。メイドの仕事はメイドの手伝いをしているなかで磨き上げたらしい。確かに小さい時からメイド見習いもどきなら頷ける理由だ。
「……それは……お嬢様を笑わせたいからです」
「え?」
「お嬢様は普段笑いません。例え旦那様や奥様の前でも。でもファリンやすずかお嬢様と一緒におられる時は笑っておられます……それに今も」
 静かに語って真っ直ぐ見つめて――。
「お嬢様は無理をなされています。だから私は少しでもそれを和らげる存在になりたい……おこがましいかもしれませんが」 
「……無理なんかしてないわ」
「いいえ、しています」
「どうしてそんなことわかるの? 他人のくせに……メイドのくせに」
「お嬢様にはそう思われても私にとっては家族ですから」
 ――笑顔だった。私の無礼な言葉にも微笑みながらノエルは答えた。
 そしてそっと胸に手を当て、言葉を紡ぎだしていく。
「だから他人じゃありません。大切な人なんです」
「それで笑えって? 今更あの人たちと仲良くするつもりない」
 昔からそうだ。月村のご令嬢らしく、女性らしくおしとやかに育てようとするのが私の親のやり方。
 泥んこになって遊ぶのも、機械を弄くるのも、男の子たちと遊ぶのも、あの人たちは頭ごなしに止めさせようとした。
264176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/13(火) 02:56:22 ID:Mmnx6kdU

 人を人形みたいに扱う態度が小さいときから気に入らない私。あの人たちをパパとママと呼ぶのもささやかな抵抗の一つだ。
「旦那様たちのお考えもわかってあげてください」
「わかりたくない」
 もちろん私だってそこまで子供ってわけじゃない。大会社の令嬢ともなれば気品だって必要なのだ。だから人前ではいい子に映るよう努力はしている。
 本当に見てほしいのはそんな誰にでも出来そうなことじゃないのに……。 
「機械弄りで気を引こうとしてても?」
「そ、そんなわけないでしょ!」
 いきなりの言葉に私はめったに上げない声を思いっ切り上げていた。
 しまった、これじゃあからさまじゃない。案の定ノエルにんまりしてる。
「今度は私の勝ちですね」 
「まさか……ヤマかけ?」
「ええ」
 …………。
 ……うう。
「ですが旦那様たちの頑固頭には私も辟易です。お嬢様のシグナルを見逃しているのだけはいただけません」
「……え?」
「今夜の夕食の席で思い切って談判してみてはどうですか?」
 悪戯っぽい笑みを浮かべるノエルは今まで見たことの無い顔だった。
 こんな顔もできるのか……失礼だけどそう思ってしまった。
 でもそれってこんな風にノエルと話したことが無いせいじゃないんだろうか? もしかしたらすずかやファリンは私が知らないノエルの一面をもっと知っているんじゃないのだろうか。
「言葉じゃないと伝わらないこともあります。どうですか? きっと驚きますよ」
 今度は打って変わって優しい微笑み。決して強制させない、あくまで返事は私の意志に任せている。
「……約束できないわよ」
 妙に照れくさくなって、明後日の方向を向いてようやく出せた言葉はそれ。
「はい、いざとなったら引っ張ってでも私が言わせますのでご安心を」
「ちょっと……それメイドの仕事じゃない」
「お嬢様を正しい道に導くのもメイドの勤めです」
「もう! ノエルったら」
 きっと私はこの時初めて笑えたんだと思う。
 すずかやファリン、機械相手に見せる笑顔。ううん、もっと違う、心からの

 素直な笑顔を――。

* * *
265176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/13(火) 02:57:11 ID:Mmnx6kdU

「本当にあの後は自分が言い出しがあそこまで騒ぎになるとは思ってませんでしたね」
 お嬢様と旦那様と奥様で大喧嘩になってしまって。なぜかいつの間にか旦那様と奥様の夫婦喧嘩に発展して――。
「丸く収まったから良しとしましょう。ファリンのドジに寛大になるように」 
 そう、これは若気の至りというやつだ。そのおかげでお嬢様のわだかまりは溶けていったのだから。
 私が忍お嬢様専属メイドに任命されたのはすぐその後だった。他でもない忍お嬢様のお声で。
 言葉に表せないくらい嬉しかった。私も家族として受け入れられた気がしたから。
 両親を事故で失って親しかった綺堂の家に引き取られて、それから月村家に奉公に行って欲しいと言われて。
 実はお嬢様の相手になってほしいというのがそもそもの理由であったりするのは内緒である。
 親類縁者にも心配をかけさせるぐらい忍お嬢様はおてんば娘なのだ。
「長い旅ですね……これはある意味」
 ひとまずの終着点は見つけたのだ。どれほどの時を過ごすかはわからないがここが私の家族であり羽を休める場所。
「……お嬢様」
 だから必要なのだ。お嬢様の存在がここに。
 だというのに見つけられない。やはり私一人じゃ無理というわけなのか。無力感が体を包み込み、心を嫌でも暗く落ち込ませていく。
 それにしたって人を呼ぶわけには行かないだろう。私以外でお嬢様を知り尽くしている人間は数えるほどしか――……。
「ああ……そうでした。いるじゃないですか、忍お嬢様を託すことのできる人が」
 ちゃちなプライドはこの際捨てるに限る。
 携帯を取り出し手早く操作してお嬢様を見つけてくれるだろう人への電話を繋ぐ。
「はい……ほんとうになんとお礼を言ったらいいのか」
 やがて切れる電話に私はゆっくりと腰を上げた。露だというのに風はそれほど湿ってなくて、春風のような心地よさが私を撫でていった。
 ほっ、とため息。人任せにして終わりというわけではないのだ。
「さぁ、探しますか」
 私だってプライドがある。お嬢様のことは手に取るようにわかる自分が負けてなるものか。
「ほんと……嫉妬してしまいますね」
 一番星を見上げながら呟いた私のささやかな不満は夕闇の混じった夕焼け空にあっという間に溶けていった。
266176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/13(火) 03:08:08 ID:Mmnx6kdU
今回は意外な人物のお話
忍を出す時点でノエルの扱いに関してはいろいろ推敲
自動人形やら夜の一族(とらは3)設定を取っ払うのは苦労するなとしみじみ・・・
リリカルには魔法以外の超常要素をとことんまで入れないようにして
双方の味を殺さぬよう私なりに勤めた結果がこれなんです、ああ石投げないで

>>162
女同士のキャッキャッウフフ楽しませてもらいました
実はあんまり百合体制無いんだけどね、私なのユー(ry

>>396
楽しみなこれ
よくも頭が回るなこの二人、その頭脳を私にも

>>422改氏
ははは桃子さん最強ですなぁ
出会う主によってはこんな風な結末もあったのかな

>>4の422氏
すずかの立ち直り話は次で・・・orz
お待たせしないよう急ピッチで進めてますので

>>ヘボ書きマン氏
ああ、こういう組み合わせもありだなぁ
そんな風に思ってきてしまう私、なのユー原理主義なのに

>>249
意外とノーマルはやての陵辱って新鮮ですね
結構期待してしまったり

あとクロノやらU-1やら話題があるみたいですがこれだけは人それぞれですからね
私だってエロよりこんな願望創作ばかりなんですから
Stepに対してなにか意見があったら遠慮せず言って下さい。なんか不評でダラダラ続けてもあれですからね
そういえばクロエイのあれも1話で止まってるorz
267名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 06:32:06 ID:+rZiDNym
>>249
ハァハァ
つ、続きは?
良作の予感

>>255
でも以外にフェイトは痛みに強そうだから
泣き叫ばせるにはもっともっと酷いことしないとダメかも
俺ならプレシアを引き合いにだして心をいたぶりたい
268名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 18:37:19 ID:FZXbJHdQ
>>ヘボ書きマン氏
ユーノくんが主役のssは少なめ(?)なので
読んでて楽しいです。 GJ!

>>249
続きが気になりますね〜 期待して待っております。

>>255
似たようなシチュでしたら旧保管庫に
「捕らわれのフェイト」by553氏 というssが置いてありますよ。
269249:2007/02/13(火) 23:39:54 ID:3nbqPpWr
続きです。 〜少女の足は動かない〜 そのA

男が思わず見とれてしまった、あの車椅子の少女が顔を覗かせた。
男と少女の間には、邪魔くさいドアチェーンがしっかり掛けられている。

可愛い。すごく可愛い。したい。  犯 り た い。

男は、車椅子の少女を間近に見て心の底からそう思った。
この娘は、自分の好みのタイプそのものだ。足が不自由な所も
ポイントが高い。このいたいけな美少女を、好きなだけ強姦・蹂躙したい・・。
だが、自分の中で渦巻く、ドス黒くて激しい肉欲をこの娘に悟られては
ならない。幼き獲物を目の前にしても、男は冷静だった。そして言った。
「お家の人はいるかな? 宅配便なんですけど・・・」
伝票を貼り付けたダンボール箱を抱え、配達員の制服を着た
その若い男は、どう見ても仕事に励む好青年だった。
だが、制服は彼が独自のルートで手に入れたものであり
ダンボール箱の中には、彼の「仕事道具」が入っているのだ。
車椅子の少女は、不安の色を浮かべながらこう答えた。
「この家に住んでいるのは、私一人なんです。他に家族はいません。
 私宛の荷物なんですか?」
男は驚いた。一人暮らしだと?このでかい家に?こんな小さな娘が?
そして、ほくそ笑んだ。
ーーそれなら邪魔は入らない。
「八神さん宛の荷物になってるんだ。住所もここで間違いないんだよ。
 お嬢ちゃん宛じゃないのかな? だって今日は・・」
「わかりました。とりあえず中に入ってください。」
男の言葉を遮るようにして、少女は言った。ドアチェーンが外される。

やった!

男は心の中で歓声をあげた。これで、仕事は成功したも同然だ。
もちろん油断は禁物だ。しかし、一人暮らしだというこの娘の話が
本当なら、もう自分はやりたい放題できる。この可愛い幼女に。

表面上は、あくまで爽やかな好青年を装いながら男は八神家に侵入した。 
270249:2007/02/14(水) 00:05:35 ID:3nttOhsz
車椅子に乗った少女が、心配そうに男を見つめている。
少女は白いセーターを着て、赤いスカートと黒いタイツを穿いていた。
落ち着いた、清純な服装だ。これも男の好みに合っている。合格だ。
不自由なのだろう少女の細い足に欲情しながら、男は思った。
ーー優しそうな娘だ。おそらく、「こんなに寒いのに頑張って働いてる
宅配便のお兄ちゃん」を外で立ち往生させるのはよくないと思って
俺を家の中にとりあえず入れてくれたんだろう。
もっと用心深くなった方が良い。次からはな。

「私には、誰からなのか心当たりがないんやけど・・・」
車椅子の少女が可愛らしい仕草で小首をかしげる。
この少女は、自分のそうした仕草や服装、愛らしい顔立ちや、柔らかで未成熟な肢体
全てが、目の前にいる、飢えた獣に近い若い男を欲情させているのだと全く気付いていない。
世の中に、そういう男が少なからずいるのだと全く知らない。

健康な男の肉欲の恐ろしさを、知らない。

男は、計画を実行に移す。肉欲を満たすために奔り出す。
「心当たりが無くて当然だよ。 これは俺からのプレゼントなんだから」

え?

車椅子の少女の目が見開かれた。哀れな幼き獲物は硬直する。
次の瞬間、男はためらうことなくポケットに隠していた
クロロホルム入りのハンカチを少女の口に押し付けた。車椅子が倒れる。
大きな音が八神邸内に響く。
数秒間少女は男の腕の中でもがき、そして崩れ落ちた。
男は跪き、少女の柔らかな肢体をゆっくりと抱きしめた。
まだ、名前も知らない少女の肢体の柔らかさと甘い香りに
先ほどから勃起し続けていた男の肉棒はますますいきり立った。
しかし、この状況でも、なお冷静な男は、後ろ手に、ゆっくりと、
ドアの鍵を、閉めた。
271名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 00:39:13 ID:ue7H/ITY
倉庫の捕われのフェイトの続きが読みたい
272名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 03:51:14 ID:Q51o/zxE
>>269-270
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
273名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 06:31:21 ID:dx39d0md
うほっ!! GJ!!!
はやて酷い目に遭う予感
ワクテカして続き待ってます

>>271
同じく
シャマルがガクブルで引いてるシグナムやヴィータが面白い
274名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 10:41:40 ID:xbOy3+Rm
>>273
シャマルってそういうの似合うよな。
話が変わって非常に申し訳ないのだが「ユーノがリーゼ達に恥辱の言葉責め&陵辱プレイ的をされる」的なパロは無いのだろうか?ろだや保管庫、また個人サイトを探してもありそうで無い……orz
275名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 22:33:29 ID:CGcuHtCS
時代は尿道責め
276名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 02:03:32 ID:J2ZKjrpE
まあ、自分も同類なのかも知れないが
そもそもU-1のように戦闘キャラじゃないやつが戦闘で強くなるってのは見ててなんか違和感があるが
恭也の場合、まあ強くてもある程度納得できてしまう。
277名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 01:21:56 ID:9uoCpR1N
>>269-270
GJ!! 続きが気になるぜハァハァ

>>274
ヴォルケンズじゃ一応参謀的立場な上にあの性格だからだよな。
一見優しそうに見えて実は……という。だがそれがいい。
278249:2007/02/16(金) 03:52:21 ID:E+VyVYsA
続きです。 〜少女の足は動かない〜そのB

 獲物は俺の手の中にある。あとは、たっぷり楽しんで喰うだけだ。

男は、好青年の仮面を脱ぎ捨てていた。男は、端正な顔立ちを
歪めて邪悪な顔で笑った。哀れな車椅子の少女は、男の腕の中で
すうすうと静かに寝息を立てて安らかに眠っている。
ーーさて、お姫様をベッドに連れていくか。
男は、少女の寝室を探すために立ち上がった。眠っている少女を
お姫様抱っこで軽々と抱きかかえた男の姿は、正に
「お姫様を守る騎士」そのものだった。車椅子の少女は、文句なしの
美少女であり、男も文句なしの美青年だったので、ある意味お似合いの
カップルである。実際には、「赤ずきんと悪い狼」なのだが。
赤ずきんを捕獲した狼は、ねぐらを探そうと2階へ上った。
いい家だ。男は素直にそう思う。だが、どことなく寂しい雰囲気が
漂っている。そういえば車椅子の少女もどこか寂しげだった。
一人暮らしと言うのも本当なのだろう。なんとなくだが、男は確信していた。
十数秒後、男は少女の自室に侵入した。綺麗に整理整頓された部屋だが
やはり寂しげな雰囲気が漂っていた。男は、ベッドに少女を横たえた。
その後、男は、玄関においてきた段ボール箱を素早く取ってきて、
少女の自室に戻った。段ボール箱を開けた男は、中から丈夫な
ロープを取り出した。
ーーこの娘、目を覚ましたら驚くだろうな。
微笑みながら男は、眠っている少女の両手首を、それぞれベッドの両端に
ロープで固く縛り付けた。これで、少女はベッドの上で、Yの字に
拘束されたことになる。
ーーこれで、この娘は動けない。両足は、元々不自由だそうだからな。
仮に足がうごいても、この状態なら逃げられない。
その通りだった。今や、少女は拘束されて、捕食される寸前の「餌」だった。
ーーさあ、お次は服だ。
男の肉棒が  びくん  と反応した。
279名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 04:09:10 ID:pp01r5Nu
キタ━━━━(((( ;゚Д゚)))━━━━!!
280249:2007/02/16(金) 04:26:23 ID:E+VyVYsA
男は、冷静に、しかし激しく欲情しながら、少女の肢体の上に
馬乗りになった。自分の体重が、少女に直接かからないように
気をつける。男は、少女の服に手をかけた。

その時だった。

男の視界の端に、あるものが引っかかった。
本だった。少女の学習机の上に置いてある。
男は、何となく気になって、ベッドからしなやかな動作で降りた。本を手に取る。
綺麗な本だった。ハードカバー本で、表紙と背表紙に十字架の
レリーフが彫り込まれていた。分厚い本で、恐らく700ページ近く
あるのではないか、と思われた。

いい本だな。男はそう思った。実は、男は読書家であり、この不思議な本に
惹かれていた。ページをめくってみる。何も書かれていない。何も描かれていない。
日記帳か自由帳の類なのだろうか。男は、肩をすくめて、本を、ぱたん と閉じて
元の場所に戻した。この本は、ー軽々しく触れてはいけないものー男はそう感じていた。
好奇心はあったが、男の勘が、軽はずみな真似はやめろ、と告げていた。

男は、この上なく賢明で優秀だった。
この本が、かつて「夜天の魔導書」と呼ばれていた
第一級ロストロギア・「闇の書」であること、自分が今から犯そうとしている
車椅子の少女が闇の書の主であること、この本には守護騎士ヴォルケンリッターが
宿っていること、この本を巡って多くの血と涙が流され、大勢の命が奪われたこと
この本が世界を滅ぼしかねないほどの恐るべき力を秘めていること・・・
それら全てを、この男は当然知らない。だが、男の勘は目の前にある
不思議な本の危険性を察知していたのだ。だから、男は深入りしなかった。
それがこの男を、無用なトラブルから救った。もっとも、狡猾な毒蜘蛛と
俊敏で強靭な獅子が融合したようなこの男のことだから、闇の書に
ついての真実を知ったところで、全く動じずに、微笑みながら冷静に迅速に適切に対処した事だろう。
ーーさあ、お楽しみの続きだ。
男は、ベッドの上の獲物に再びのしかかった。
281249:2007/02/16(金) 04:50:54 ID:E+VyVYsA
まずは靴下とタイツだ。
男は少女の白い靴下を脱がし、黒いタイツを脱がした。
白くて細くて綺麗な足だ。男は欲情する。少女の不自由な両足も、
男にとっては肉欲の対象でしかない。少女は眠っている。
次はスカートだ。
男は赤いスカートを脱がした。
薄いピンクの下着だった。可愛いなぁ、と男は笑う。
スカートの次はセーターだ。
男は白いセーターを脱がした。
薄いピンクの下着だった。上下共に、薄いピンク。
よく見ると、少女の下着は無地ではなく小さなハート形の飾りが等間隔で
ちりばめられている。下着姿の少女の上に馬乗りになっている男は、自分の肉欲が
どこまでも高まっているのを感じていた。
なにしろ、薄い下着が透けて、少女のほんのわずかにふくらんでいるだけの
おっぱいが、かわいらしいピンクの乳首が、そして想像していた以上に
綺麗で、発毛の兆しすらないオマンコが見えているのだ。
不幸な事に、車椅子の少女の肢体は、ロリコンにとっては、
「神」としか言いようのない、未成熟な幼女の美しい裸体だった。
ーーもう我慢できねえ!!
「冷静なケダモノ」と化した男は、一気に少女の下着を剥いだ。

少女は 全裸に なった。

男も、着ていた宅配便の配達員の服を荒々しく脱ぎ捨てた。
男と少女は 一糸纏わぬ姿になった。
その時、眠っていた少女が小さな声をあげた。
「ん・・んん・・・」
ーーお目覚めか、お姫様。
男は悪魔のような顔で微笑む。
282名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 05:29:36 ID:0b7VNgxA
うおおぉぉぉっ!!!
連投支援
283名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 06:00:48 ID:0b7VNgxA
で、思ったんだけど>>282氏って、オナニーネタ報告スレの>>103の人?
284名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 13:04:48 ID:5AItdog3
>>249
GJ。
ティムポ握りしめて続きをまってる。
285名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 14:39:57 ID:yiOAahVG
>>439
GJ!!全裸で待機してる。
286斬人:2007/02/16(金) 15:25:31 ID:S30UjTKS
初めて投下します。
内容はクロノ×フェイトで微エロかな?


 無情に刻む時が僕をどこまでも狂わせてく……
 いつの間にか君さえ壊してゆくかも知れない……


               神経がワレル暑い夜


#1


「…………ノ……」
 まどろんだ意識の中で、聞こえてくる声に耳を傾ける。
 世界は真っ白だった……。
「………ロノ…………」
 声はすれども、見渡す限り真っ白な世界に人の姿は見当たらない。
「……クロノ………」
 声は次第にはっきりと耳に入るようになって来た。そこで気付く、今自分は一糸纏わない生まれたまま
の姿だ。
「君は誰なんだ?」
 いるかも分からぬ声の主を探してクロノは叫んだ。
「……ひどいなぁ」
 今度は背後から声がした。クロノはすかさず振り向く。
 其処にいたのは、普段から顔をあわせている最も近しい人物だった。
「フェイト?」
 長い金色の髪、深い紅の瞳が印象的な少女の名前をクロノは呼んだ。
 フィルターがかかったようにぼやけていたフェイトの姿が徐々に鮮明になっていくにつれて、クロノは彼
女からじりじりと後ずさる。
「どうしたの? クロノ」
 目を大きく見開いて、驚きの形相を露にするクロノに対して、フェイトは無邪気と言える調子でクロノに
歩み寄って来る。
「ばっ…ばか! 来るなっ!」
 普段の冷静で何事にも動じない神経を持つ姿とは結びつかないほどにうろたえている事が、立った一
言二言で面白いほどに見て取れた。
「もう……さっきから、逃げたり叫んだり、変なクロノ♪」
 クスリ、とフェイトは悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「どっ、どどどどうしてそそそんな格好なんだ君はッ!?」
 最早、上手く呂律も回らないほどに判断力が欠如しかけている。
 それほどの破壊力が、フェイトの今の姿には存在していた。クロノにとってはとある友人が使う砲撃魔
法の遥か斜め上を行く威力だ。
「クロノだって一緒だよ?」
 そう、フェイトは自分と同じ生まれたままの姿なのだ……今の光景は、聖書の一説を髣髴とさせる。
「一つになろうよ……クロノ」
 フェイトはクロノの言い分などまったく聞き入れようとせずに迫ってくる。
 見慣れているはずの妹の顔が、ヒトの皮を被った別の存在のように見えた……
287斬人:2007/02/16(金) 15:26:26 ID:S30UjTKS
「止めろぉっ!」
 クロノはベッドから飛び起きた。
「……はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
 余りにもショッキングな夢の内容に対して、体中から汗が吹き出し、思わず肩で息をしていた。
 辺りを見回して、今自分がいる場所を再確認する。仕事一色で飾り気は愚か、生活感さえも希薄に見
える殺風景なレイアウト。
 ここは、海鳴市にあるハラオウン家のマンション、クロノに設けられた部屋の中だ。
 すぐそばに置いてある時計のライトをつけて見たら、まだ夜の十時にもなっていない。
 確か、アースラでの任務が終了して久々に帰ってきたのだが、溜まっていた疲れが堰を切ったようにあ
ふれ出し、夕食もとらずにベッドへ直行した事は覚えていた。それが夕方の事だ。
「……どうして、あんな夢を?」
 クロノは今しがたまで見ていた夢の内容を反芻する。
 互いに生まれたままの姿、見知らぬ場所でフェイトが、関係を強要してくる……。
「なんて夢だよ……性質悪いな」
 クロノは呟く。
 幾ら血が繋がっていないからとは言え、妹と関係を持つ……。
 そこまで考えてクロノはぶんぶんと頭を振って、邪な想像を振り払おうとする。
「何を考えてるんだ……僕は」
 自分はフェイトの事をどうしようと言うのだろうか? PT事件を経て出会い、後の裁判では人間らしい生
活をさせてやろうと奔走し、母の計らいで家族になって、それから五年。自分も周りも随分と変わってい
た。提督と執務官と言う仕事上の立場もあるが、クロノはある時期を境に声は変わり、背は伸び、肩幅が
広がり、急激に大人になっていった。
 それはフェイトにも言える事だ。
 たとえそれが創られた命であろうとも、人間と何一つ変わらない存在なのだ。今のクロノの傍にいるの
は、あの頃の年齢の割に大人びた9歳の少女ではない。
「兄さん……どうかしたの?」
 部屋の電気を点けられて突然掛けられた声にどきりとしてドアの方を見やると、ちょうど今の今まで頭
の中で思い浮かべていた少女が立っていた。どうやら、先ほどの叫び声が聞こえていたらしい。
「フェイ……ト?」
 夢と同じ下ろされた長い金の髪、深い紅の瞳、すらっとした背の高い細身の体、同年代の少女と比べ
ても男を惹きつける魅力を持っている方だろう。
 だが、14歳と言う年齢ゆえに決して完璧とは言えない。それが、両腕の無い女神像に近い未完成の美
しさを想起させるには充分だった……
 しかし、綺麗な花とは同時に毒や棘を備えているものだ。本人にその意志が無かろうとも……
 夢だとしても、あんな光景を見てしまったクロノにとって、この状況は芳しくなかった。
 改めてフェイトを見る。薄いピンクのパジャマ姿、火照っている顔で湯上りだと分かる。洗ったばかりで
生乾きの髪からはシャンプーの香りが、クロノの鼻腔を突く。
 その姿は夢ほどではないが、凶器と呼べるシロモノだった。
 クロノは口を開く事が出来ない。言葉を発する機関が石化してしまった気がした。
「あ……いや、夢だ」
 それでも、このままでは何も変わらない。必死に喉と口と舌を動かした。
「夢? どんな夢だったの?」
 フェイトは今のクロノがどんな事態に陥っているかなど露知らず、あろうことかクロノに近寄って追求して
くる。言える訳が無い、フェイトが一糸纏わぬあられもない姿で自分に迫ってきた夢だなどと……
「その……君が、出て来た」
 しかし、適当な嘘や冗談でやり過ごす器用さは五年経っても身についてはくれなかった。
 ベッドの上、ちょうどクロノの隣に腰掛けて、それを聞いたフェイトは複雑そうな表情だ。
 呆れているのか、それとも幻滅したのか、しかし、火照っていた頬が更に赤みを増しているようにも見え
た。表情の中には微妙に笑顔も混じっている。
 心臓の鼓動が早まっている。フェイトが入ってきてからずっとこの調子だ。
 彼女の一挙手一投足から目をそらす事が出来ない。
 眩暈がする。それも普通の物ではない。視界は確かにぼやけはじめている。しかし、フェイトの姿だけ
は歪むことなく、むしろ克明に映し出されていた。
 明らかに、体の様子がおかしい事が自分で理解できた。だが、頭では理解できても意味は無い。
 クロノは気付かない……既に自分が暴走し始めている事に……
288斬人:2007/02/16(金) 15:27:03 ID:S30UjTKS
「フェイト……」
 彼女の名前を呼ぶ。
「なに? 兄さっ、んんっ!」
 クロノはフェイトの体を抱き寄せ、間髪入れずに唇を重ね合わせた。
 それだけにとどまらず、ベッドに押し倒し、口内に舌を絡めて唾液を交換し合う……否、貪る。
 もう、止めようが無かった。
 じたばたとあがくフェイトの細い手首を片手でまとめて押さえつけ、彼女の唾液の味を堪能する。
 甘い、それも普通の甘さではない、ゾクゾクと背筋に快感が伝わり、このまま何時までも貪っていたい
衝動に駆られる。
「んぷっ……はぁ、はぁ」
 唇を離して見下ろした義妹の顔は、ただただ呆然と信じられないと言わんばかりの表情で塞がれてい
た口から荒い息を吐き出しながらクロノを見据えてくる。それさえもお構い無しにクロノは空いた右手で
フェイトが着ているパジャマのボタンを外していき、はだけられたパジャマの下には胸を包むブラと白い肌
がさらけ出される。
「……あっ」
 そのまま右手をブラの内側に滑り込ませて乳房を愛撫し始める。未発達でありながらも女性であること
をきっちりと主張している部分の柔らかさを堪能する。
「んんっ……はうぅ……」
 喘ぐ義妹の声が、クロノから理性と言う名の城壁を切り崩していく。
 触れたい……、欲しい……、彼女の総てが……
「……や、やめてっ」
 フェイトのか細い声がクロノの耳に入った。クロノは押さえつけていた手を放して、思わず飛びのく。
「……僕は……僕は」
 クロノの表情は驚愕の一色に染め上げられていた。それは他の誰に対してでもないクロノ自身に対す
るものだと、この時は二人ともが気付かなかった。
「……僕は……なんて事を……」
 足が震えていた。
 次に浮かんだのは恐怖……幻滅され、軽蔑され、侮辱され、失望される事に対する恐怖だった。
 クロノは震える自分の両手を凝視する。そんな兄をフェイトは心配そうに見つめていた。
 その視線さえもが、クロノにとっては槍の穂先を喉笛に突きつけられる気分だった……。
 次の瞬間……クロノは動いた。
 ドアを勢いよく開いて玄関まで走る。フェイトが外を覗いた時には既にクロノの姿は玄関になかった。

「……僕は……なんて事を……」
 クロノは呪詛のように呟きながら、雨の降りしきる夜の街を彷徨う。
 黒いVネックの長袖シャツとジーンズ姿、夏が近づいているとは言え、夜の梅雨空、傘も差さずにいれ
ば雨水は容赦なく体温を奪ってしまい、薄着には堪える。
 しかし、そんな事など今のクロノは考える精神的余裕を持っていなかった。
 その目には光が宿っていない。混濁しているようにも見えてしまう。
 目が、死んでいた。
「……僕は……最低だ」
 視界がにじむ……それは容赦なく降り注ぐ雨のせいだけではなかった。
 心にあるのは、果てしない後悔と、終わりなき絶望……

 聞こえて来そうだった……神経の割れてく音が……
289斬人:2007/02/16(金) 15:29:37 ID:S30UjTKS
とっくにクロノとエイミィが結婚するってのは分かってるのに、何やってるんだろうな俺は
と思いつつも、結局はTVシリーズを最初に見たときからこの組み合わせが好きだから投下してしまった……
290名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 18:20:56 ID:CzNLh0a2
まあいいんじゃね?
ただでさえ二次創作はカプが多様化しやすい上にアニメとゲームでカプが
異なる時点でクロノのカプの多様化はほぼ必定。
まあ、気楽にやろう。

それに、弓華エンドを参考にすれば3期設定でもカプネタは可能だしな。
291名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 21:10:36 ID:Cg9o15Lb
自分も2次創作である以上カップリングは自由だと思うよ。それにクロノ好きだし。
だから気にせず続きを書いて!
292名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 01:22:26 ID:C7yoWRkZ
そんな俺は恭也×アリサ派
293名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 05:01:39 ID:sNWsh/uY
ところが俺はすずか×アリサ派
294名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 05:16:15 ID:KkVvDHnR
俺はアリサ×ユーノ派
もうそりゃ骨がとろけるぐらいの甘々で
295名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 05:17:40 ID:0iIH5sg1
>>283
間違えた、寝ぼけてたのかね俺
>>282じゃなくてはやてレイプの>>249氏のことね


296名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 06:01:02 ID:V7STwJum
>>292
アリサはアリサでもバニングスじゃなくてローウェルだったりして。
297ヘボ書きマン :2007/02/17(土) 17:50:44 ID:4MJgVNW9
>アリサ×ユーノ派
次はそれ行くか、すずか×ユーノにするか、なのユにするか…
或いは冒険してユーノ陵辱でもやってみようか
それともクロノを女性化させてユーノを襲わせようか…。とりあえずアルユノ修正中です
>>294
頑張ってみます。だから頑張れ!!
298名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 20:37:54 ID:ChkxwITG
>>289
これ某所で読んだことあるけど、作者は同一人物?
299名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 23:16:14 ID:AcmPeHkA
ええ、そうですよ。微妙に加筆修正してます。性描写はほぼ初めて
実際このHNは俺の狂信するバンドのボーカルさんを漢字に当てただけだし

と言うか、ネットの世界って狭ッ!?
300斬人:2007/02/17(土) 23:19:38 ID:AcmPeHkA
名前入れ忘れました。↑は自分です。
301名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 04:33:32 ID:WJHOqHrJ
>>297さん
クロユぜひ読んでみたいですw
302名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 13:51:09 ID:Ofm2xGjb
>>297
アリ×ユノ希望( ´Д`)
303名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 14:40:37 ID:f5/rRWIf
ユノ×フェレット希望
304名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 19:25:29 ID:3Ah3vzOF
高町教導官に女体を教えてもらう特別授業はいつになったら始まるんでしょうか
305名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 20:42:39 ID:f5/rRWIf
俺の脳内ではもうCまで終わってます
306名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 21:15:40 ID:x5WnilNU
>>305
その脳内のストーリーを可能な限りエロイ文章で書くんだ。
307名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 02:03:56 ID:+WIxP37S
新参の者です。
なの×フェです。
百合ですが、余りエロく無いです。
308名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 02:04:39 ID:+WIxP37S
なのはは息をのんだ。

なのはの部屋の真ん中に、フェイトが立っていた。
もちろんそれだけでもなのはが息をのむのには十分ではあるのだが、今はそれだけではなかった。
フェイトが沢山のフリルで彩られた、淡いピンクの、ワンピース型のパジャマを着ているのだ。

「どう、かな‥?」
フェイトは頬を薄く赤らめ、ややはにかんだ笑顔で言った。

それはみんなで買い物に行った際に、はやてが見立てたものだった。
はやて曰く、
「フェイトちゃん、バリアジャケットは黒系やけど、絶対にピンクや白が似合う。」
とのことで、それにはなのはも大賛成だった。
制服姿や、なのはがあげたピンクのリボンを見ても、それは一目瞭然だった。
そしてはやてがデパートのパジャマ売場でいくつか候補を選んでフェイトを試着室に連れ込み、
着せて吟味した結果、選ばれたのがこれだった。
でもその時はやてが、
「なのはちゃんへのお披露目はまだや」
といって、フェイトがそれを着たところを見せてくれなかったので、なのははちょっと面白くなかった。
309名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 02:06:09 ID:+WIxP37S
そのお披露目の時が今だった。
買い物の時ははやてをちょっとだけ恨んだが、今はむしろ感謝していた。

なのはは今すぐにでも抱きつきたい衝動を抑えて、言った。
「かわいい‥」
すると、フェイトは、やはりはにかんだままではあったが、嬉しそうに笑った。

なのははフェイトに近づくと、耳元で、もう一度ささやいた。
「フェイトちゃん、かわいいよ。」
「んふ‥」
するとフェイトは体を少しぴくりとさせると、なのはに体を預けてきた。
どうしてだろう。衣装が違うだけなのに、いつも以上にどきどきしてしまう。

フェイトをベッドに腰掛けさせ、なのはもその隣に座る。
フェイトはなのはにもたれかかり、なのははフェイトを見る。
シャンプーの香りと混ざった、フェイトの香りが鼻先に漂う。
フェイトの髪を撫で、耳元でささやく。
「フェイトちゃん。」
「ん‥なのは。」
名前を呼び合う。
「好きだよ。」
「うん‥わたしも。」
そして、口づけをして、抱きしめたまま、寝転がる。
抱きしめて、髪を撫でて、再度言う。
「かわいいよ。」
フェイトは照れ隠しをするように、なのはの腰に回した手に力を込める。
310名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 02:06:43 ID:+WIxP37S
今は、これ以上は、しない。
今は体で語るべき時じゃないから。
体で触れるよりも、言葉で触れた方が彼女には効果的だから。
彼女の心を砕いたのは、母の鞭ではなく言葉だった。
わたしを彼女は力でぶつかり合ったが、最後に彼女を動かしたのは言葉だった。
体で体に触れるべき時は過ぎた。
その時は、また、来るのだろうか。

髪を撫でているうちに、フェイトはいつの間にか、眠ってしまっていた。
そう、今はこの幸せそうな寝顔(とこのパジャマ姿)を見ていられればいい。
これ以上は、望まない。
「おやすみ、フェイトちゃん。」
ささやいて、彼女を抱きしめ、彼女の香りと体温の中、眠りに落ちていった。
311307:2007/02/19(月) 02:10:57 ID:+WIxP37S
以上です。
視覚的なもの(衣装)の妄想から始めたつもりが、
後の方はいつのまにか違うものがテーマになってしまいました。
312斬人:2007/02/19(月) 17:49:28 ID:VjWPmc+W
ども、数日振りです。クロノ×フェイトの続きを投下します。

 優しい歌を聴きたがっていたね、いまだに出来ない事だけれど……
 無情に刻む時の中で、また独りきりになって……


          神経がワレル暑い夜


 #2


 兄のいなくなった部屋の中で、フェイトはただ呆然と座りりこんでいた。
 クロノの顔を思い出す。自分の姿を見て、普段の聡明さの欠片もないうろたえた表情を……。
 唇に手を当てると、彼の熱がまだ残っている。自分に対するはちきれんばかりの想いが、あの口付けには宿っていた
気がする。クロノが何時から自分に恋焦がれていたのか、フェイトに理解する術は無い……。
「ふぇ〜いと〜」
 考え込むフェイトの耳に気の抜けた声が入って来る。
 オレンジに極めて近い明るめの茶髪に犬の耳を生やした童女、フェイトの使い魔であり、人生を共に過ごす大切な
パートナーでもある。
「アルフ……」
 フェイトは使い魔の名を呼ぶ。彼女は心なしか眠そうだ。
 無理もない、クロノの声に気付く前までフェイトはアルフと寝るつもりだったのだから。
「ふぇ、フェイトっ! なにやってたんだい!?」
 アルフは自分の姿を見るや否や、いきなり素っ頓狂な声を張り上げる。
 よく見れば、今のフェイトはパジャマのボタンを外されて、下着をさらけ出している状態だった。
 更に、今いるのはクロノの部屋でしかもベッドの上、そして着衣の乱れた自分。
 その図式から見出される答えは、いろいろ意味で的を射ていると同時に外してもいた。
「いっ、いいいいくらなっ、ななんでも、はやや早すぎるって! そっ、そりゃふぇふぇふぇフェイトもとと年頃の女の子だっ
て事ととぐらぐらぐらい、ああああたしにだってわかるけどさ!」
 アルフは動揺しているのが見て取れるほど、あたふたと呂律の回らない口調でまくし立てる。
 そんな彼女の様を見て、フェイトの頭の中で現状が再確認された。
 クロノに唇を重ねられ、舌を絡められ、いわゆる大人のキスを味わわされた上に、押し倒された。あのまま拒まなけれ
ば、一線を踏み越えてしまった事は想像に難くない。思い出しているうちに、顔がどんどん熱くなって来る……。
「フェイト、あいつにそんなことされたのかい!?」
 アルフの一言がフェイトの意識を現実に引き戻した。
 アルフとフェイトは精神リンクで繋がっている。今のフェイトは精神的に混乱し、無防備と言っていい、思考が手に取る
ように見えてしまうことは必然であった。
「あいつ、どこに行ったんだい!?」
 アルフは数年前まで見慣れていた十代半ばの人型に変わり、指をパキパキと鳴らしている。
 眉間にしわが寄り、眼は獣形態の時と寸分たがわぬ程にギラつき、犬歯をむき出しに怒る姿は、一歩間違えずとも殴
り殺しかねないと思わせるには充分な殺気を放っていた。
「それが……」
 アルフに言われて思い出した。クロノはここに今いないのだった。
 窓を見れば、雨粒がガラスを叩きつける音が止まない。こんな雨の中をクロノは周りの見えていない状態で走って行
った事になる。風邪だけで済めばいいが、下手をすれば肺炎になってしまうかも知れない。
「急がなきゃ!」
 フェイトは慌てて玄関へ向かおうとするが、アルフに止められる。
「待ちなってば、そのカッコで行くつもり?」
 彼女はまだ、落ち着きを取り戻していなかった。
313斬人:2007/02/19(月) 17:50:08 ID:VjWPmc+W
 気が付けば、クロノは臨海公園に来ていた。
 普段なら夜でもカップルが夜の海を見ながらいいムードにでもなるのだろうが、この雨の中でそれを敢行するような人
間はいない。よって、殆ど無人だ。
 だから、ここへ来た。ここならば、誰にもこの惨めな姿を見られずに済む……そう思ったからだった。
 アースラへ戻る選択肢もあったが、仕事を終えたばかりで帰宅したにもかかわらず、一日もしない内に戻るのは気が
引けた(と言うよりは残ったクルーに余りいい顔をされそうにない)。
 ベンチに座り込んで空を見上げると、厚い雲に切れ目が見え始める夜空は、自分の体から熱を奪い続けていた雨が
止み始めている。……今は止んで欲しくなかった。
 とめどなく流れ続ける涙も、穢れきったこの心も体も、すべてが溶けて無くなってしまえば良いとさえ思っていた。
 雲の流れによって形を変える月の下、独りきりになった青年は妹の顔を思い出す。
 きっと、傷つけてしまった。二人とも精神が成長してしまった故に、どうしようもなくなってしまった。
 狂っている……たった一度の夢だけで理性が壊れ、一時の情動で押し倒し、自分の手で穢してしまうところだった。
「……ぁ…ぁぁぁ……あああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ」
 喉が張り裂けんばかりの大声が、夜の公園にこだまする。近くにあった街頭に懇親の勢いで額を叩きつけた。
 眉間から一筋の血が垂れ落ちて口へ進入し、舌に鉄の味が広がった。ぎりぎりと歯を食いしばり、己の浅はかさを憎
む……殺意さえ抱かんばかりに。
「何をしているのだ?」
 突然耳に入った聞き覚えのある声にクロノは思わず振り向く。
 赤紫色の長髪をポニーテールにまとめ、凛とした表情を見せる長身の女性と、柔和な雰囲気を放つ金髪の女性が片
手に傘をさし、片手には買い物袋を提げた姿で立っている。
「……シグナム……シャマル.……」
 クロノは二人の女性の名を呼んだ。


 引き返すわけには行かない自分の行く先はどうなってしまうのか?
 クロノは次第に分からなくなっていく……
314斬人:2007/02/19(月) 17:52:31 ID:VjWPmc+W
思いっきり唐突にシグナムとシャマルが何故か出て来ました……。
さてと、これからどうしようか。とりあえず、こっから先は非エロやな
315名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 19:50:48 ID:cRzNMbFU
小説サイトみても、どれもだいたい三人称のインフレバトルで、
決まり手が「しかし・・・・の方が速かった」「うわー!」なんだけど、
もうちょっと別の形で参考になれそうな面白いのってない?
とりあえずクロノはもういいや。
316名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 20:09:09 ID:Tlq+jSj7
何で最近みんなsageないの?
317名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 20:12:54 ID:9X6EGk4K
力押しを嫌だと言いつつ、
策系戦闘の代表者みたいなキャラなクロノをもういいやとかわがままだなw

まあわからんでもないがなw
318名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 21:32:52 ID:h0+VNc5Q
KYOUYAやU-1と半ば同一視されてるけど力押しクロノって存在場所は限られるのな。
クロノSSは比率が結構多いから、もういいって言われるのは俺もわからんでもない。

ただ、読み物じゃ3人称は基本じゃね?
ハルヒみたいなんでもなけりゃ。
319名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 22:46:00 ID:bi/Xc1KZ
まあ三人称が基本だな
てか一人称は書くのものすごく難しいぞ
320名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 22:47:43 ID:hNU/e3+E
三人称以外で書くのってすげぇ難しいと思うんだがな。
プロでも一人称作品とかなんてそうそうないだろうに。
最近ではハルヒになるのか?あと古目のでスレイヤーズとか。
321名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 22:51:57 ID:wNpuhCrO
過去ログの十二話と十三話ってどこかで読めないですかね?
322名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 00:39:55 ID:bIKAvNga
>>315
ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
ここなんかが一人称でノーインフレバトル、あとノークロノ。
そういやアリサの話はバーニングアリサがあるけど、あれもなんかインフレ化してるな。
バトル入れるととにかく最強魔法同士になるのはなのは二次創作の性なのか。
323名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 01:26:58 ID:nPyiyoen
しょうがないじゃん。原作がインフレしてるんだから。
つーかそんなにインフレだめか? そこまで目くじら立てるほどでもないと思うがね。
インフレ無くて読み込めるバトルが読みたいのなら書けばいい。ここはなのは総合小説板。
インフレやクロノについて語るスレじゃない。
324名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 02:15:44 ID:QHdyV6yc
インフレが嫌なんじゃ無くて
インフレで出てくるオリジナル設定が嫌なんだろ

クロノもインフレも小説の内容なら良いんでね?
325名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 02:32:36 ID:nPyiyoen
悪名高きクロノ二次創作に面白いのあるの?
326名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 04:24:36 ID:Pml4s3ZQ
>>322
アリサの話だけ読んだ、やっぱ一人称は堅苦しいイメージ減るな。
なのはの二次創作にしては確に珍しいと思う。 
327名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 05:30:50 ID:0IGrMIdA
ROCO氏あたりなら良い一人称を書けるだろうな
328名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 07:47:51 ID:O0vEzEfr
>>325
結局のところはShuffle!みたいなギャルゲ・エロゲ調のノリとか
ラノベ調のノリを許容できるかどうかだろうな。
そこを飲み込めれば有名どころさんのは大概結構いいと思うよ。

そういうのを除外すると、かなり前のこのスレに落とされた
シグナムvsクロノとか、数は結構限られるな。
329名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 20:18:38 ID:C7eF38+x
保管庫に一人称のSSってあったっけ?
330名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 21:29:10 ID:A5yTjONY
>>329
前述のROCO氏のがそうだし、短い系の作品は割と一人称だね。
長い(文章量の多い)作品ほど一人称は難しくなるが、短いのは逆に一人称の方が楽なんじゃね?
331名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 22:20:50 ID:/g1JbeDP
>>330
>短いのは逆に

長くなるとどうしても、語り手がいないシーンとか出てくるもんな。
主人公の視点しか描かないのと、心情描写がしやすいのを利用して
謎解きっぽい雰囲気が出せるかも知れないけど、難しいだろうしなぁ。
332名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 01:02:41 ID:xZBRQfeM
そこでヤマモトヨーコ方式ですよ
一人称と三人称の切り替え

まぁ、一人称はまず主人公だろうから
主人公が把握してることと、三人称時の語り手しか知り得ないことの区別が必須だろうけど、そう難しいことではないし最悪メモ取れば問題ないだろ
333名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 01:59:26 ID:FGCWVCrS
そこでメインが三人称でサイド切り替えで相手側に切り替えて一人称ですよ
334名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 06:37:23 ID:6YCqLR22
昔、聖エルザクルセイダーズって小説があったけど
一人称の視点切り替えやってたな
335さばかん:2007/02/21(水) 19:59:12 ID:7XYhgXNF
えーみなさんおひさしぶりです。またネットに繋がらなくなって・・・
今回のはエロなしのバトルです。
336さばかん つかいまなのなのは:2007/02/21(水) 20:00:31 ID:7XYhgXNF
 前回のあらずじ
 デスパレー2ランドでフェイトとユーノは真の愛に目覚めるのだった。

 ピピピピピピピピピ。
 鳴り響くタイマーが僕らを心地の良い眠りから覚ませた。
「ん・・・よく寝た」
 フェイトと一緒に眠った僕はいつもよりとてもぐっすりと眠れた。
 フェイトはまだ気持ちの良さそうな寝息をたてて眠っている。
「フェイト、朝だよ。ホテルバイキング食べに行くよ」
「ん・・・ユーノのちっちゃ〜い、ぐ〜」
「ほっとけ!!」

「うん、まずいね」
「まったくその通り」
 バイキングを食べにきたのだが予想通りと言うかなんと言うべきか・・・
 高級ホテルだから食事には期待していたが・・・ここの料理人にプロとしてのプライドは
無いのだろうか。
 フェイトが全て食べ終わるとまたおかわり、僕もそのタイミングにあわせたおかわり。
「このスープも味が薄いねー。うまみ成分を全て吸い取ったみたいな」
「まったくその通り」
 そしてまたおかわり。
 そしてまた。
 数分後。
 じゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふぅ・・・バイキングの罠、恐るべし」
「うんうん、つい食べちゃうんだよね〜」
 言わなくても分かるかも知れないけど言う。食べ過ぎだった。
「部屋にあるお茶もついつい多め飲んじゃうし」
「冷蔵庫の中にある無料の水だって飲む」
「「貧乏性なんだなぁ・・・」」
 意識もせずユニゾンした僕とフェイトは顔を合わせ、クスクスと照れるように笑った。
 
 部屋に戻った僕らは今日の予定と身支度を整え、ニュース番組を見ながら話していた。
「え?リベンジって・・・誰に」
「デスニー。昨日はワンゲリでやられちゃったけど、次はそうはいかない」
「やれやれ・・・なんで突然熱血展開なんだ・・・」
 フェイトはお茶を飲み干して言う。
「分からないけど、こう言うのは気持ちが大切だと思うから」
 フェイトのどこか元気そうな顔に僕は思わず笑ってしまう。
「すっかり元気になっちゃって。でもさ、僕はそんなフェイトが好きだから止めない。
いや、寧ろやっちまえ!」
 元気を注入するようにフェイトの背中を叩く。
「有難う」
 フェイトはそう言うと部屋を出ようとする。
 その前に、
「ユーノ、良かったらジャンパー貸してくれないかな?今日はちょっと寒いから」
337さばかん つかいまなのなのは2:2007/02/21(水) 20:02:55 ID:7XYhgXNF
 AM9時。遊園地の広場には、倒れた屈強な男達が呻いていたり、気絶していたり、
負け惜しみを吐く。
 そんな混沌の中、美しい金髪のツーテールが風になびく。
 視線の先には東京デスバレー2ランドのボス、デスニーが仁王立ちで強敵との邂逅を
待つ。
 その時は早くやってきた。
「朝早く申し訳ない。昨日の汚名を返上しに来た」
「おや、君は昨日の少女。しかし似合わんジャンパーを着ているな、身動きがとりにくいんじゃ
ないか?」
「それはあなたの服も同じ事です。」
 デスニーの格好。ネズミの覆面を被り、繋ぎを着ている。
「これは俺の正装でね、慣れてるんだ」
 普通に会話していても彼等からは殺気が漂い、デスニーの覆面の中は、
汗で濡れ、掻痒感が走る。
 彼女の事は覚えていたが、昨日と全く威圧感が違う。
「しかし・・・君は・・・何があった?昨日とは全く気配が違う。
そう、何か・・・何かに気付いたみたいだな。

                        強くなった」

「ええ。拙い言葉で言うなら・・・愛」
 離れて見たいたユーノはその清々しいまでの言葉に誇りさえ覚えた。
 デスニーがふっと笑う。嘲笑ではなく、新たな漢(おとこ)に出会えた喜びにだ。
「人が強くなる方法は難しくそして簡単なものだ。
 それは気付く事。
 拳を打てば人は痛む、筋力が強い蹴りを出せばもっと痛む。
 格闘技なんてそんなものさ。どんなに筋力があってもパンチもキックも知らん奴は
喧嘩には勝てない。
 一期一会、数多の出会いが人を強くするとは良く言ったものだ。
 
 そして、君が気付いた愛もまた・・・強くなる為に必要なものだ!!!!」
 
 その言葉が戦いの合図だった。
 デスニーはその長身にしては敏捷でフェイトに肉薄し、肘撃ちで水月を当てに行くも
体を横にしてかわし、その手首を掴み関節技を決めようとするが、前進され逆に手首
を取られ、至近距離で蹴りを胴に放つ。
 デスニーにとってそれは様子見の蹴りで、予定としてはこれで体勢を崩し倒した後、
マウントポジションに持ち込み、顔面めったうちのはずだった。
 だが、フェイトはその蹴りを胴に喰らわせる事はよしとしなかったのか、額でその蹴り
を受け止めた。
「なにっ?」
(何故額で受け止めた?胴のダメージの方が幾分かましな気がするのだが・・・)
 その予想外の動きにも怯まずもう一度蹴ろうとした時、掴んでいた腕にエルボーを
やられ、その手を放してしまう。
338さばかん つかいまなのなのは3:2007/02/21(水) 20:04:43 ID:7XYhgXNF
(しまった!)
 足は場違いな所に放たれ、フェイトの膝蹴り金的とアッパーが襲う。
 アッパーは決まったが、金的はハズレだ。どうやらプロテクターみたいなものを入れているらしく
 硬い感触が膝から伝わる。男の弱点であるからそんな対策も当たり前と言えば当たり前で卑怯でも
何でもない。 
 アッパーで意識が暫時飛びはしたが、本能で出した拳がフェイトの頬に沈み、吹っ飛ばされる。
 間合いは再び離れ、両者は再び戦略を練っている。
「真坂(まさか)金的を喰らわすとはな。大胆な女の子だ」
 唇から血を滲ませながらも笑って言う。
(ちっ・・・強えぇ。頭がまだ起立性低血圧症(突然起き上がった時に来る立ちくらみの事。誰にでも起こり得る、健康の良し悪しに関係無い)みてぇにくらくらしてやがる)
「ありがとうございます」
 フェイトも笑いながら、答えた。
(いった〜。額で受けたのはまずかったかなぁ。頭がくらくらする)
 回復するまで待とうと思ったフェイトだったが、さっき受けた拳の威力から、奴はやっぱり
ダメージを受けていると確信する。
(ここで攻めなきゃ・・・やられる)
「はぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!」
 怒涛の連続攻撃を撃つフェイトだが、デスニーは鋼のような腕でその攻撃を防御する。
 フェイトは無手での戦闘にそもそも慣れていない。
 だから威力は段々下がり、主導権がデスニーのところにわたる。
「残念だったな。スタミナ切れとは鍛え方が足りない」
 デスニーは慌てる事も無く、ゆっくりと間合いを詰め、フェイトに拳の一閃を放つ。
 それを片腕で防御する。
「ぐあっ!」
 片腕で受けるには強すぎる拳に思わず呻く。
コンビネーションで当てる事無く、一撃の強さに重点を
置き、一撃一撃渾身で当てて行く。それを7,8回防御するがついに耐えられなくなったのか
後に大きく下がり、デスニーと10メートル離れる。
(さぁ賭けるか・・・これで駄目なら、私の負けだ!)
 フェイトは大きく後に下がったかと思えば、全速力で走り、デスニーへと突進する。
「フェイト!!!」
(冷静さを欠いた判断だ。あの速さでは避けることさえ不可能だ!!!)
 デスニーは渾身の力をこめて胴に蹴りを入れる。
 決まった、デスニーは思った。
 それはユーノも同じで彼の勝利誰も疑わなかった。

 そう、彼女を除いて。

339さばかん つかいまなのなのは4:2007/02/21(水) 20:07:03 ID:7XYhgXNF
「がああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
 デスニーの慟哭が響く。
「な、えっ?」
 一瞬目を瞑っていたユーノはその光景に唖然とする。
 そこには、やられているはずのフェイトが何も無かったかのように立っていて、
 デスニーは膝を抱えて蹲っていた。
「あ、アンタもタヌキだな・・・苦戦して見せたのは全部演技かい?」
「ええ、苦戦はしましたけど、ちょっとオーバーに」
「さっきの違和感が全部氷解した。何故胴の蹴りを額で受け止める必要があったのか・・・それは、」
「ええ、貴方位の年齢だととても縁起良く聞こえるものです」 
 着ていたジャンバーを脱ぎ服の中から現れたのは、
「てっ鉄板!?」
 そこにあるのは鉄板で、真ん中が凹んでいた。デスニーの凄まじい蹴りの威力を物語る。
「貴方の事パンフレットで少し勉強しました。元プロレスラーみたいですね。
レスラーはスクワット3000回を容易にこなす程の体力を持っていると言うのを聞いた事があります。
その強い足なら大抵のダメージは平気でしょう。膝という間接を覗くなら」
 レスラー、力士。彼らは屈強な筋力は持つものの、その筋肉をささえる膝への負担は想像以上に
大きい。
 さっきのフェイトの全力疾走と彼の蹴り。足への負担は甚大で、激痛が走り、力が入らない。
 足に力が入らず、立ち上がれない隙を突き、包帯で縛っていた鉄板を外し、デスニーの後に
回り、首締めを極める。
「はぁぁっぁあぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!!」
 腕に力を込め、一気に締め上げる。デスニーは腕を剥そうとするが、頚動脈の絞めが上手く
力が半減する。
「ぐっぢっぐっあ・・・ああああああああ!!!!」
(なんて鍛えられた首だ。だが、もうこの技から逃れる術は無い!)
 ギギギギギギギギギギ。
「ごっの・・・おでは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 呻き声が止まり、白目を剥き、呼吸も止まっていた。
「・・・私の、勝ち」
 首を緩め、デスニーから離れようとする。だが、それが甘かった。
 フェイトの顔に砂が勢いよくかけられ、視界が遮られる。
(しまっ、)
 気付いた時には遅かった。
「馬鹿が!!!こんな事で騙されてるんじゃねぇよ!!!!」
  フェイトの水月(みぞおちの事)に衝撃が走り、両手を繋ぎそれを大きく持ち上げ、
後頭部に打ち下ろす。
「うっ・・・」
 どうにか立ち上がり、防御するものの、デスニーの拳乱射が容赦無く当たる。
 足の痛みもあるが、勝利への執念がそれさえも凌駕する。
「どれだけ卑怯だと言われても、どれだけ汚い、外道、カス、ろくでなしと言われても。
その果てに手に入るのが勝利なら、何があっても手に入れる!!!それが
俺の誇り、それが・・・
 
            それが漢(おとこ)ってもんだろう!!!!」

340さばかん つかいまなのなのは5:2007/02/21(水) 20:08:36 ID:7XYhgXNF
「ええ、その通りです!!!」
 フェイトは大きく跳び、デスニーの顔に渾身の蹴りを入れる。
 再び間合いを取り、互いを牽制する。
「ここまで勝ちたいと思った相手ははじめてだ」
「勝ちます。この私が」
「いいや、俺だな」
 この会話が戦いの最後の言葉となる。
 間合いを少しまた少しと詰め、二人の領域に入る。
 二人は刹那長いようで短い勝負を想像する。
 だが、そんな想像は直に無くなった。
「なのはきーっく!!!!!!!!!!!!!」
 突然の蹴りがデスニーの顔面に入り、その巨体が崩れる。
 気絶したふりでは無く、本当に終わってしまった。
「え・・・?」
「いやー見事な蹴りやなぁなのはちゃん『サンデグジュペリは欠けはしない』って
言うともっとGOODや」
「貴方に朝は訪れない」
「まぁそれでもええか☆」
「え、え、え、え、え、え、え」
 分かりにくいネタを言うはやてとなのは。
 いや、そんな事より何故彼女達が乱入なんかしたんだ。
「ちょ、ちょっとなのは!!!!!!何で乱入してるの?格ゲーじゃ無いんだよ」
「えー。でもパンフにはちゃんと、『乱入大歓迎』って書いてあるよ」
 確かにパンフレットにはちゃんとそう書いてある。
 無秩序なアトラクション。
「まぁ・・・しょうがないか・・・・・・・・・・・・・・ぐ〜」
 フェイトは突然眠りだし、倒れるところをユーノが支える。
「っと・・・礼を言うべきなのかな高町なのはさん」
 なのははユーノの方へ振り向くと笑顔で答える。
「なのはでいいよ、ユーノくん」
「君がこの勝負を止めてくれなかったら、この勝負、どちらに転んでもフェイトは
大怪我をしていた。・・・彼女の中で整理がつけば、勝敗なんてどうでもいいのにね。
 でもこの可愛いいじっぱりは僕が止めても聞かないだろうからね」
 なのはは後に振り向く。
「さ〜て、何の事だろうね」
「いやー、真坂(まさか)俺が負けるとはなー」
「「うわっ!!!」」
 気絶したデスニーが起き上がり、僕達の勝利を称える。
「この仕事ではじめての敗北だ・・・そらっご褒美だ」
 なのはに渡されたのはとても可愛いとは言えないぬいぐるみだった。
「はやてちゃん、ユーノくん、いる?」
 ふるふる。
「新開さんにあげるよ」
「いや、それ誰?」
 微妙な空気が流れたのは言うまでもない。
 つづく
341176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/22(木) 00:47:23 ID:9yer3noC
あの雲のように

第一章「無愛想な用心棒」

最終幕

* * *

 この日、東の国より放たれた兵器――アルトザーヴェラーはその性能を示す最終テストとして、見せしめとして町を焼き払うはずであった。
 人であった彼らの扱いはすでに機械と等しい。結果さえ出してくれれば次を作るための礎となる。
 仮に結実しなくて元々が戦の足しにならない貧弱魔導師なのだから懐は痛まない。
 人と守護獣を一つとする悪魔の諸行。作り手にとっては、はたして傷心に値する行為なのだろうか。

 ――少なくとも。

「…………ふぅ」
 
 燻る瓦礫の上ですべてを終えた彼女にとっては心中に残ったものは同情だった。
 彼らもまた力さえあればこのような物の怪にならずにすんだかもしれない。こんな帰る場所を奪われた捨て駒に成り下がるなどあまりに虚しすぎる。
 白み始めた空を仰ぎ息を吐けば真っ白な息吹となって大気に溶けていく。

「私には関係ない……というわけでもないか。…………どう思う?」

 シグナムは背後に立っていた者へと自分ではどうしようもない疑問を投げかけた。

「はぁ……そう言われましても」

 ぽかーんとナハトは首をかしげた。
 無理もない、頭の中で考えていたことだ。これで普通に答えられたらナハトはとんでもない聖人か神様か。

「何が何と関係あるのか言ってもらいませんと私にはさっぱり」

 こんなのがそんな大層有難い存在ならこの場で切腹したほうがましだ。

「縁のない人間がこうやって無慈悲に虐げられることについてだ」

 火の気はないが焦げた臭いはずっと鼻の中を占領している。
 町は消し炭で何もかもが作られていた。黒と灰の入り混じったあまりに殺風景な風景だ。
 屋根は崩れ落ち、連なっていた家々はほとんどが原型を失くし、あちこちに黒い人形――。
 煙はあちこちで立ち上がっており惨劇が去ってもなお揺らめいていた。

「関係ないとか関係あるとか……私が決められるものじゃないです」
「ああ、そうだな。決めたから私はここに立っている」
342176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/22(木) 00:48:27 ID:9yer3noC

 右手には足元の瓦礫のように、燻っているみたいに煙を吹いてる剣があった。
 すでに刀身はいくつものヒビに飾られ、どちらが刃か峰かわからなくなるくらいに刃こぼれしていた。鋸といっても遜色はない――本当の鋸には無礼だが――だろう。

「ボロボロですね」
「お前にはそう見えても、これは勲章だ」
「修理しなきゃかわいそうですよ」
「こんなものかすり傷だ。お前にはそう見えるのかもしれないがな」

 憎まれ口を叩いて笑みをこぼす。
 誰が笑おうとこれは自らの道を進むと決めた記念すべき証。それだけは絶対だ。

「私の勲章は生きている……ことですね」

 答えは彼女の中で二つの意味を持っている。
 一つに進むべき自分の本当の道を見つけられた証として。
 一つに消えかけた命を救い、明日に生きることを約束させたこと。
 幾多の命があの炎の中に消えた。
 けど残った命だってある。

「あの子……強く生きていけますか?」 
「男は強い……おまえが案ずることではないと思うが。それに人の行く末を決められる器じゃないだろ」
「ですね」

 そう言われてしまえばこの道を行く決意も鈍る気がしてしまう。
 やっぱり半端者だなとナハトは一人苦笑した。

「私……やはり西へ行きます」

 もうナハトにとってそれは逃げることではない。
 忌まわしい記憶、東国で犯した過ちからの逃避ではない。むしろそれを止めるための旅だ。
 放浪の旅はこの朝日が上ったらお終い。そうして新しい旅を始めるのだ。
 
「やっぱり何かしなくちゃ、少しでも私に守れることができるなら、変えることができるならやってみたいんです」

 ナハトの言葉をシグナムは静かに佇んだまま耳を傾けていた。
 自分に言い聞かせるように、もう戻らない覚悟のように、ナハトは柔らかな笑顔の中にどこか強張りを見せていた。
 そうして「……そうか」とシグナムが返事をしたのはそう長くない時間が経った後。

「また賊に襲われたときはどうするつもりだ? 口だけではどうにもならんぞ」
「それは……どうにかします」
「おまえに出来るのか?」
343176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/22(木) 00:49:07 ID:9yer3noC

 シグナムの遠回りの否定。
 咄嗟に反論しようと口を開きかけたナハトだったが今の自分の言葉で彼女を納得させることなど到底無理だということにすぐ気づく。
 戦う力がなければ降りかかる火の粉さえ払えない。下手に首を突っ込めば自分の首が飛ぶ世界だ。

「どちらといえば弱者に災難を呼び寄せる……そうではないのか?」

 そう言われてしまえば何も言い返せないのが自分である。
 彼女との出会いのきっかけである火竜にしかり、この町を襲った災厄にしかり。自分自身に降り注ぐこともあれば、降り注ぐ場所へ勇んでいくことも、そこでさらに災難に見舞われることさえ。
 押し黙り気まずそうに視線を泳がせるナハトにシグナムはやれやれといった風に口を開く。 

「私は見つけたぞ。自分の成すべき道を」

 見せびらかすというわけではないがどこか楽しげに、誇らしげにシグナムはにやりと口を緩ませた。

「世直し……だ」

 言うなれば弱きものの剣である。
 しかしそのまま言うにはいささか不恰好な気がして、ちょうどいい言葉に置き換えた結果だが。

「誰を守る……私に容易くできるのはこれぐらいだからな」

 さぁ、どうだ参ったか。
 返す言葉も無いだろう。おまえみたいな半端ではない決意が私にはあるのだ。

「ふふ、なんだかあなたらしい」
「だろう。だが困ったこともあってな」
「はい?」

 曲がりなりにもこの決意を芽吹かせてくれたのも後ろにいる半端者。悔しいが確固たる事実なのだ。

「流石に一人で旅をするのにも面倒が多い」

 炊事洗濯はもちろん路銀の工面よろしく、その他もろもろ――。
 彼女と出会ってから自分の生活レベルが実はものすごく低水準だったことを痛感している身である。

「だが何より問題なのはどこに行けば多くの悪漢共を叩き切ることが出来るかだ」
344176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/22(木) 00:49:42 ID:9yer3noC

 流石に極悪非道の限りを尽くす輩がどこにいるかシグナムには皆目検討つかない。
 風の噂を頼りにしてはまた放浪と同然の旅になってしまう。
 しかしシグナムには確かな秘策があるのも事実。

「……そういえばおまえも弱きを守るために旅を始めるらしいな」

 地平線の輪郭を光が白く染め上げていく。
 光は夜を払いシグナムを、ナハトをゆっくりと朝へと追いやっていく。 

「はい……こんな半端なんですけど」
「それなら安心しろ。今の話で私も十分に半端ものだろう?」
「そうですね、旅には生活力が必需ですよ」
「……悪かったな」

 別に命に関わるほど重要なものというわけでも――どういうわけか彼女に言われると妙な説得力があるのはなぜだろうか。

「なら一つ取引をしてみないか?」
「取引……ですか?」

 金銭? 食料? はたまた……命?
 いきなりな誘いにナハトは今この状況で思いつく限りの言葉を並べてみる。
 いやいやこの体という可能性も捨てきれないだろうか。世の中にはそういう気の人間もいると聞くし……。

「らしくないな、なに難しい顔をしてるんだ」
「い、いえあなたが望みそうな見返りってなんなんのかと少し……」
 
 顎に手を添え眉根を寄せて、彼女なりの思案顔を作っていると笑い声が空気を揺らした。  

「私は悪魔ではない、命など取るものか。もっと簡単な答えだ」

 太陽もその答えが知りたいのかもう半分くらい顔を覗かせている。
 降参――どうにも答えを教えてくれない相手は小悪魔のように感じられて悔しい。
 釈然としないまま顔をゆっくりと上げるナハト。そこにはいつの間にか自分を見つめていたシグナムの顔。

「あっ……」

 その顔は始めてみる。
 いつも見守ってくれるような優しい眼差しを湛えた顔だ。
 
 わかった――彼女の言いたいこと。
 
「私と…………」
 
 すごく簡単なこと。

「旅をしませんか」

 彼女の答えは――。
345176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/22(木) 00:50:35 ID:9yer3noC

「ふぅ……まったくしょうがないな、付き合ってやる」

 渋々なようでやっぱり待っていましたと言いたそうな返事。
 本人は悟られたくないようだけど口元が笑っていてはバレバレだ。

「あなたは剣で、私は包丁でそれぞれを補う」 

 シグナムはナハトにとって、またシグナムにとってナハトは用心棒。
 
「おまえにしてはよく思いついたな」
「相互扶助、相互理解、相互作用は旅においてもっとも大切ですからね」

 戦いの用心棒と生活の用心棒。

「ああ、しかし私としてはもう一つお前に期待しておきたいことがある」
「なんですか?」

 やはり体……?

「囮だ。災難を呼び寄せるのだろう、おまえは?」

 当たらずも遠からず。

「な、確かにそうかもしれませんけど……」
「悪が向こうからやってきてくれるのは手間が省けるからな。丁度いいだろう、おまえも無駄に肝を潰すことが無いのだから」
「うう……意地悪です」

 利害一致で返す言葉はどこにも無くて……。
 言い負かされっぱなし。

「ふっ、まぁおまえを主として立ててやるから安心しろ」
「ほ、本当ですか?」
「あくまで皮肉たっぷりだがな」
「…………うう」

 これじゃあどちらが主だか。
 でも主と呼ばれるのに悪い気はしないわけで。なんだか餌付けされた気がしないわけでもないのだが。

「気落ちしている暇は無いだろう? さぁ、夜も明けた行くぞ」

 大地を離れる眩い光。
 朝の始まり、一日の始まり、世界の始まり――。
 すっかり拗ねてしまっているナハトを背に歩き出すシグナム……と、不意に足を止め
346176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/22(木) 00:51:48 ID:9yer3noC

「あなたが進まなければ何も始まりませんよ……主ナハト」

 初めて彼女の名前を呼んだ。

「あっ……」

 思いっきりわざとなのだろうけど、敬語で自分に従うことを約束してくれた――シグナムはそうは思ってないのだろうけど――大切な旅の仲間へナハトも笑顔で返す。

「はい! 行きましょうシグナム!!」

 同じようにナハトも初めてシグナムの名を呼んだ。
 
 宝石のように陽光を吸って輝く銀色の髪はナハト。
 なんだかチカチカとむらのある光を放つのはシグナムのボロ甲冑。
 ちぐはぐな二人だけどうまくはやっていけそうで。予感は胸に確かにあって。
 
 朝日を一杯に浴びて、朝日に向かって歩いてく影。小走りに、その影に寄り添うように影もう一つ。


 それは旅の始まりだ。
 夜天とそれに集った雲たちの長い長い――永い旅。
 いつ終わるかさえわからない。もしかしたら終わりなんてないかもしれない。
 だから旅を続けられる。いつまでも一緒にいられると信じられるから。
 
 永久の証が、変わらない絆があり続けられるから――。
347176 ◆iJ.78YNgfE :2007/02/22(木) 00:52:24 ID:9yer3noC
コメントは省略(スンマセン
348名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 04:13:38 ID:aZMw8IzU
>>347
あぁぁぁ、ここにきて初めてわかった。
銀色の髪でやっとこ気がついたさ。
349名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 02:12:23 ID:AjBLYgaD
静かな週末だな。
350夢の終わりに 後編:2007/02/24(土) 10:52:32 ID:kZStCyu8

「む!?」
草の香りとともに懐かしい匂いを感じたザフィーラは目を覚ました。
その鋭敏な嗅覚は、目を開けずとも、自分の隣に誰かがいる事を知らせている。
「…おきたか」
ザフィーラの傍らに座る人影、その声で女とわかる、女が目を覚ましたザフィーラに声をかける。
上半身を起こして声のほうを向き、その主を見てザフィーラが目を見開いた。
「リインフォース…」
そこには彼の仲間が、悠久の時を共に生きて来た夜天の魔道書の管制プログラムがいた。
守護の獣であり、防衛プログラムである自分が守るべき存在である、だが…
「どうした?」
驚きが表情にでたのだろう、リインフォースが心配そうに声をかける。
「いや…」
自分でも何故そう思ったかわからない、だが一度頭に浮かんだその考えが頭から離れなくなっていた。
その考えを振り払おうと、躊躇いながら口を開く。
「何故か、…もうお前はいないはずだと思った…」
そんな筈はない、同じ夜天の魔道書に記されたプログラムなのだ。書が完全に消滅しない限り、
自分達の誰か一人だけが消滅する事などありえない筈だ。
「何を馬鹿な…」
そうだ、馬鹿げている、馬鹿げているのに何故だ?
「ザフィーラ…私はここにいる」
青き狼という二つ名ではなく、ザフィーラと名前で呼び、その胸に身体を預ける。
「………ああ」
そのまま、男は愛する女を抱きしめた。
351夢の終わりに 後編:2007/02/24(土) 10:53:30 ID:kZStCyu8


「えーと…どういうこと?」
「こ、この二人ってこういう関係だったの…ってシャマル?」
「………し」
「え、Cまでいってるの?」
「おとなしそうな顔して結構やるじゃん」
「し…知らなかった」
「「………」」



前回までのあらすじ

「ヒャッハー見てみろよこのロストロギア、好きな夢を見せられるんだってよ!」
「せっかくだからあのワンコに面白おかしい夢をみさせて、好きな奴が居るか確かめようぜ!」

そんな感じ


「見て見て!キスしちゃってるわよ」
「………」
「しかもかなりディープね…」
ここは八神家、いつもザフィーラが昼寝をする場所にロストロギアを仕掛けた三人は、
特に障害もなく、目的を達成したのであったのだが…
「二人とも…冗談で済むこととすまない事があるでしょ!?
それまで無言で机の上に置かれた、水晶に映るザフィーラの夢を見ていたシャマルが、
はしゃぐ二人に怒りの顔を向ける。
「リインフォースを使って私をからかおうなんて…不謹慎にも程があるわ!」
その迫力に一瞬気おされるが、すぐに2人は言い返す、
「いくら気付いてなかったからってねぇ」
「現実を見ようよ、シャマル」
「だってだって!そんなのありえないもん!」

352夢の終わりに 後編:2007/02/24(土) 10:54:32 ID:kZStCyu8


「で、おちついた?」
「う、うん…確かにショックだけど、良く考えたらそんな取り乱すことじゃないもんね」
「またまたぁ」
「ハートブレイクの傷は浅くはないわよ」
「だーかーらーそんなんじゃないって!」
「まあ、それはそれとして」
リーゼアリアが気を取り直して、水晶に目を向け、改めて疑問を投げかかる。
「本当に気付かなかったの?」
「だ、だって…」
シャマルもそちらを向くと、まだ抱きしめあっているザフィーラ達が目に入った。
「あの二人ってあんまり感情を表に出さないし…」
それを聞いた二人が、思いっきり不振な目をして水晶を指差す。
その先ではザフィーラとリインフォースが、草の上で抱き合いながらまだ唇を重ねている。
「これで?」
「かなり情熱的にみえるんだけど…」
「そ、それに…」
「「それに?」」
一瞬言葉に詰まったシャマルが、顔を曇らせて続ける。
「夜天の書が改変されてからは…ね?」
「あ…そっか」
思えば夜天の魔道書が闇の書と呼ばれるようになってから、リインフォースが安定して
実態化した事など皆無と言っていいのだ。
「ずっと会ってなかったんだもんね…」
「これぐらいは仕方ないか…」
考えればザフィーラは使命や仲間だけでなく、愛する女をも守れなかったのだ。
その事をおくびにも出さずに日々を過ごしながら、どれほどの無念と葛藤、或いは自責の念が
胸中を渦巻いてたことか。
「どうする?」
気まずくなってきたリーゼロッテが、シャマルに問いかける。
「…このままにして、ザフィーラが目を覚ますまで他の部屋に居ましょ」
夢であろうが、それでもこの一時の覗き見たり邪魔をする程シャマルは悪趣味ではない、
それはこの二人も同様であろう。
「ん…そだね」
「見てるのもなんだし、途中で止めるのもね」
アリアとロッテがシャマルに同意し、腰を上げる。
「うん、夢の中ぐらい、ううん…もう、夢の中だけしか叶わないんだもの…」
感慨深げに言い、部屋を出ようとしたその時。

「あっ…ん…」

やけに艶やかな声が三人の耳に入った。
353夢の終わりに 後編:2007/02/24(土) 10:56:07 ID:kZStCyu8


「…や、やーね二人とも、変な声出さないでよ。そういうたちの悪い冗談は」
「わ、私じゃないわよ!アリアじゃないの?」
「何言うのよロッテ、そんなわけないじゃない!」
あわてて否定する二人に、水晶を指差しシャマルが続ける。
「じゃあ何、ザフィーラがリインフォースのおっぱいを揉んでるとでも言うの!?」

フニフニフニ

「………」
「………」
「………」

「「「も、もんでらっしゃる!!!」」」

「そんな、ザフィーラとあの娘がこんな…」
「あーこの感じは1回や2回ってわけじゃなさそうね」
「手馴れてるっていうか、結構テクニシャンじゃん」
「ま、まだ明るいのに!?」
「まあ、仮にも犬だし、匂いで周りに誰もいないと思ったんじゃない?」
「ロッテ、狼でしょ」
「でも、でも…」
「お、脱がした脱がした」
「スタイルいいわね、肌も綺麗ね…性能の差?」
「ちょっ!何で私を見ながら言うのよ!?」
「えーと、用途が違うんだから設計思想が違うのもしょうがないんじゃないかと」
「ま、好みは人それぞれだし、心配ないって」
「何が心配ないのよ!?」
「あ、見てズボンおろしてる」
「話をそらさ…嘘、あんな…」
「うわー、すご」
「硬度も申し分なさそうね…」
「何冷静に分析してるのよ!あんなの入るわけないじゃない!」


「入ったわね」
「しかもあんなに激しくしちゃって」
「う、うそ…」
「にしてもずいぶん乱れたわね。おとなしい子はあっちの方は激しいって、本当なのね」
「あ、第2ラウンドみたい…うわー、そう来る?」
「ちょ!け、獣の姿に!?」
「まあ、中身は変わってないし」
「あ、見てよほら、後ろからじゃなくて前からって嘘!?」
「ど、どうしたのアリア?」
「ざ、ザフィーラの前足…」
「前足?胸にのせてるだけじゃん」
「待ってロッテ…まさか!?」
「ええ、間違いないわシャマル…」

フニフニフニ

「「「肉球で胸をもんでらっしゃる!!」」」

354夢の終わりに 後編:2007/02/24(土) 10:56:58 ID:kZStCyu8


「はっ…夢!?」
「あ、おきたのシャマル?」
隣にいたリーゼアリアが、目を覚ましたシャマルに声をかける。
「………」
「どしたのシャマル?」
アリアとは反対側、同じように隣にいるリーゼロッテがシャマルに声をかける。
「うん、ちょっと夢を見て…」
「ふ〜ん、どんな?」
「変な夢…でもまあ、ただの夢よ…」
「?」
「ま、それもいいんだけど、いつ出してくれるのかしらね?」
首から下が地面に埋まっているリーゼアリアが疑問を口に出す。
「…さあ、さすがに朝になれば止めると思うけど」
そう言うシャマルも同じように埋められていた。
「そもそも何がばれてこうなったんだっけ?」
無論、リーゼロッテも同様である。
「えーと、ザフィーラに一服盛ろうとしたんだっけ?」
「それは前の話、シャマルの同人誌のためにクロノのあられもない写真を持ってきたのがバレたんじゃない」
「クロすけもあんなに怒らなくてもいいのにねぇ…」
朝日がのぼり始めたのだろう、辺りがうっすらと明るくなってきた。
夢の終わりに朝が来る。ただそれだけの事なのかもしれない




「ザフィーラ…もうしばらくあのままにしておいくれ」
「しかしハラオウン、近所の目もある」
「もう少し…もう少しだけで良いんだ…」
「…わかった」

35592:2007/02/24(土) 11:08:12 ID:kZStCyu8
皆さんお久しぶりです。毎回同じ事言ってますね
それはさておきやっとこさ後編です
ちなみにワタクシ、ザフィーラ×シャマル派ですがそれ以上にザフィーラ×リインT派なのですよ
どうでもいいと言えばどうでもいいですが
基本的にザフィーラ味噌っかすな扱いを受けてますしね
私はザフィーラがいるからなのは見はじめた程好きですが

>>176
シグナム編完おめでとうございます
次はシャマルかヴィータか、とにかく楽しみにしていますよ
>>275
びっくりさせられる事ばかりだね
356名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 06:52:10 ID:7ds1GXnE
>>275
はやての尿道責めたい
357名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 01:03:39 ID:3fHqyUf4
カルマは、、、
更新もされてないし、、、

めーーーーとひゅーーーーーん
358名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 06:25:04 ID:JQZIWI66
なのはとフェイトを尿カテでつなげるというのはどうだろうか
359名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 22:30:10 ID:EweutiAZ
スマンが、どなたか12スレと13スレのテキストを譲って頂けないだろうか?

入院してる間にこんなに進むとは思わなんだ…
360549 ◆xbn1Z6LB3Q :2007/02/26(月) 23:41:50 ID:DrGiMng3
>>359
http://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/%a5%b9%a5%ec%b0%ec%cd%f7?wiki_id=50119

取りあえずテキストだけ置きました。
上記からたどってください。
361名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 00:42:09 ID:51vdMOOo
>>360
ありがとう
作業を急かしたようになってしまって申し訳ない

でも、医者から夜更かし厳禁と厳命されてるんで明日から読むよ
本当にありがとう
362名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 01:07:59 ID:G/4BQLWe
>医者から夜更かし厳禁と厳命されてるんで
この時間にいる時点で、ダメじゃないか…
363名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 10:32:31 ID:Nf7vIUYe
>>359
生きていればこそオナヌーも出来る
体を大事にな
364名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 15:18:20 ID:Waw9/Z6S
初投稿です。
文短いですが(汗) 
365名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 15:20:41 ID:Waw9/Z6S
 今日は朝からしとしとと、細かい雨が降ったり止んだりしている。傘が無いとどうしようもないって訳じゃないけれど、あった方がいいかもしれない、っていうそんな感じの天気。

 
今日はなかなか取れない貴重な休みだったから以前から誘われていたなのはの家に来たんだけれど、来てみればなのはと美由希さん、恭也さんは学校で、士郎さんと桃子さんは店に行ってる。
 
366名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 15:22:57 ID:Waw9/Z6S
 何が言いたいかって、要するに暇だって言うことだ。
 あんまりに手持無沙汰だから店の方を手伝おうかと思って行ってみたけれど、「ユーノ君は今日はお休みなんでしょう? 私たちのことは気にしないで、家でくつろいでいてね」なんて笑顔で言われたら断りようもない。
 そういうわけで、僕は一向に動かない時計の針とテレビの画面を交互に見ながらぼんやりとしているわけだ。

 「……あれ」
 テレビのワイドショーが有名人のスキャンダルを知らせる声を聞きながらふいに視線を窓の外にやると、いつの間にか雨足が強くなって傘なしではいられないような雨になっていた。
 そのまましばらく、ぼーっと外を見ているだけだったけれど、ふとこの家に入ったときのことを思い出した。
367名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 15:25:25 ID:Waw9/Z6S
  「やっぱり。なのはってば、傘持って行かなかったんだ」
 玄関には記憶通り、なのはのピンク色の傘。
 多分なのはが出て行った頃は雲も薄かったんだろう。マメななのはが天気予報をチェックしないわけが無いと思うけれど、急いでいたのかもしれない。
 
 時間的にはそろそろ授業が終わる頃だろうか。すぐに止むならいいけれど、降り続くことも考えられる。
 僕は特に考えることも無く、なのはお気に入りの傘を開いて外に飛び出した。……このとき、僕の頭はその日の空のように曇っていたのだ。
368名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 15:26:43 ID:Waw9/Z6S
 思ったとおり、雨は弱まることなく降り続けて、傘を持たない人を屋根の下に押し留めていた。
 迎えを待つ年下から同年代までの子供でごった返す昇降口。その中には予想通り。
  どうしたものかと困惑顔のなのは。それと、多分迎えを待っているであろう、アリサにすずか、フェイト、はやての面々。もしかして、皆忘れたのだろうか。だとしたら、ちょっと間抜けで笑みが浮かんでしまう。
 
  「なのは! 」
 「え…え、ユーノ君?! 」
 
 僕が声をかけると、なのはの顔が驚きに変わる。
 もっとも、顔が変わったのはなのはだけじゃなくて他の四人も同じなんだけど。
369名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 15:27:46 ID:Waw9/Z6S
 「なんやユーノ君、今日お休みやったん? 」
 「珍しいね、無限書庫ってすごく忙しいって聞いたけど」
 
 フェイトとはやてが珍しそうに聞いてくる。
 まあ、確かに珍しいかもしれない。フェイトの言うとおり、無限書庫司書長の仕事の忙しさは尋常じゃない。こうしてなのはたちの街に来るくらい長い休みはそうそうもらえないから。
 
 「うん、まあね。暇が出来たからこっちに遊びに来たんだ」
 「そうなんだ…ごめんねユーノ君、知ってたら急いで帰ったんだけど…」
 「そんな、気にしないでよ。それに、こんな雨の中を傘なしで帰ったら風邪ひいちゃうよ。僕はそっちの方が嫌だな」
370名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 15:28:40 ID:Waw9/Z6S
 そう言った時のなのははどうしてか嬉しそうで、何故か残念そうだった。女心となんとやらっていう通り、複雑過ぎて僕には分かりそうもない。
 それから昇降口で皆と色々と話して、皆に迎えが来てからさよならと挨拶して別れた。

 
 が、ここに来てようやく自分の迂闊さに気付く。
 雨は相変わらず、傘が無ければどうしようもないような勢い。
 そして傘は一本しかない。自分で自分を叱っても傘が増えるわけじゃない、そうなると方法は一つしかなかった。

 「ごめん、なのは……迎えに来たのに、こんなことになっちゃって」
 「そ、そんなことないよ! この傘って意外とおっきいし! ……それに、嬉しいし」
 「うん? ごめん、雨で声が…何? 」
 「な、なんでもない! それよりユーノ君、その、肩に雨がかかっちゃうから、えっと…ち、近づいてもいいかな…? 」
371名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 15:29:36 ID:Waw9/Z6S
 一つの傘を二人で使うには、当たり前だけど一つの傘に二人で入るしかない。いわゆる、相合傘というものだ。
 だけど、いくら少し大きめの傘といえど、女の子用の傘に人間二人を収容する能力を求めるのは些か無理がある。
 そうなると、狭いスペースに無理やり押し込んで少しでも面積を減らす必要があって。つまり、僕と、なのはが、密着しなければならなかった。
 
 僕となのはが出会ってから、もう五年もたつ。
 出会った頃は身長にもそんなに差は無かった。髪も今ほどの長さは無かった。
 そして、こんなに近くにいても、頭がふやけてしまいそうなほどの良い匂いはしなかった、ような気がする。
 あの時とは違って僕もなのはも正式な本局勤めになって、なのはは戦技教導官、僕は無限書庫司書として、あまり接点の無い部署で働いている。
 それでも『管理局の白い悪魔』の名と共に、その活躍は嫌でも耳に入ってくる。全ての記録を司る無限書庫ならなおさら、その輝かしい活躍が書かれた資料まで目に入ってしまうことがある。
 そして、そんな凄い人物がとてもかわいい女の子となれば、話に上らないわけが無いし、噂じゃあ仲の良い本局の男性局員もいるとか。

 ちらりと、横を歩くなのはを見る。
 五年前から、可愛いと思っている女の子。
 最近、今までにも増して、ぐっと可愛くなった女の子。
 こんなにも近い場所にいるのに、とても遠くにいるような気がするけれど。

 「…あ! ねえユーノ君、あれ見て、あれ! 」
 「え? …ああ、虹だね。いつの間に止んだんだろう」

 今はまだなのはの傍で、虹みたいに綺麗な笑顔を見ていた
372名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 15:52:01 ID:xlPnJAhj
ほのぼのとしといいね。
中身には全く関係ないけどもsageてくれるといいかも。

なんとなくなのはとユーノだと、フェレットになればいいんじゃない?とか言って二人共納得しそうだから困る。
373名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 18:34:10 ID:Waw9/Z6S
どうも、配慮が足りんくて申し訳ないです

その…手がっ‥あっ・
374名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 11:03:56 ID:N4yszHN9
「ねえ!なのは!なのは起きてよ!」
時刻は夜の三時。ユーノはなのはの布団を乱暴に叩きながら叫んだ
「突然どうしたの・・・こんな時間に…夜は眠りの時間だよ?ユーノ君も眠た方が…」
ようやく布団が少し開き、その隙間から眠そうななのはが顔を覗かせた
なのはが目を擦りながら再び布団を被ろうとした瞬間、ユーノの手がすばやくその隙間に差し込まれた
ユーノは力ずくで布団を無理矢理全開にすると、いきなりなのはに抱きついた
「ユーノ君!?な、なにをするの!」
「違うよ…なのは…夜は眠りの時間じゃないよ……夜はセックスの時間だよッ!!」
ユーノはなのはを抱きしめたまま、ベッドに飛び乗った
「セッ…!?ゆ、ユーノ君!何を言っているの!?放して!」
なのははユーノの体の下で必死に叫んだ
しかしユーノはなのはの呼びかけなどは完全に無視し、フガフガと鼻息を荒くしながらなのはの髪の毛の匂いを嗅いでいた
「なのは!なのは!いい匂いだよ!こんないい匂い嗅いだことないよ!なのはの髪!なのはの髪いい匂い!サラサラでいい匂いッ!」
「ユーノ君!ユーノ君聞いてるの!?やめて!こんなこと…ひいっ!や、やめて、ユーノ君!やめてっ!」
ユーノは匂いを嗅ぐだけでは満足できず、なんとなのはの髪をむしゃむしゃと頬張ったりベロベロと舐めまわし始めたのだ
絹のように柔らかいなのはの美しい髪がユーノの唾液でべとべとに汚れていく
「フヒヒ!!ちゅーちゅー吸うとなんだか甘い味がするよ!!なのは!なのはぁ!なのはの髪の毛美味しいよお!」
「やめてユーノ君、お願い!やめて!ユーノ君!」
必死に叫ぶなのはの目には涙が浮かんでいた
しかしユーノはそんなことにはお構いなしで、ジュウジュウと汚らしい音を立てながらなのはの髪の毛をしゃぶってした
「じゃあ、そろそろなのはのカワイイ唇にむしゃぶりついちゃおうかな、フヒヒ!」
「そんな!ユーノ君、そんなことは…んぶっ!んんっ!!んーっ!ぷはぁ!やめっ…んぐ!んーっ!」
部屋中にぐちゅぐちゅびちゃびちゃとユーノの大量の唾液が織り成す卑猥な音が響く
ユーノはふがふがと鼻息を荒げながらなのはの小さな唇を吸い取らんばかりに激しくしゃぶった
なのはは固く目を閉じて、震えながらユーノの変態接吻に耐えていた
「ぷはあ!なのはの唇サイコーだよ!ハァハァ!なのはかわいい!なのはかわいすぎるよ!じゃあ洋服脱ごうね!服脱ごうね!」
「フェイトちゃん!」
なのはの鋭い召還に応え、バルディッシュザンバーを構えたフェイトが現れた…その瞬間にフェイトはユーノにあっけなく叩き落とされてしまった
「フヒヒ!無駄な抵抗はしないでよなのは!僕はなのはを犯すために毎日腹筋して体を鍛えたんだ!今の僕はなのはよりずっと強いんだよ!」
なんとユーノは毎日腹筋をしていたのだ!さすがのなのはもこれには絶望を隠せなかった
「そ、そんな…腹筋を……う、嘘だよ…だってユーノ君は…」
「嘘じゃない!もうなのはは僕に強姦されるしかないんだ!思い切り抵抗していいよ!そのほうが興奮するからね!ハァハァハァハァ!」
「ユーノ君、お願い…もうやめて…こんなの酷すぎるよ…うっ…う…」
「泣いてもダメさ!もう僕はなのはを強姦したくて強姦したくてしかたないんだ!キミが悪いんだよ!そんな綺麗で可愛いから!」
「こんなの嘘だよ…ユーノ君は優しくて…」
「うるさい!いいから早くセックスするよ!弱気ななのはが可愛いからますます勃起しちゃったじゃないか!」
なのはの涙も懇願もユーノの興奮に拍車をかけただけだった
ユーノはなのはを片手でベットに押し付けながら、興奮した落ち着かない手つきで服を脱ぎ始めた
ついに露になったユーノのペニスは凶暴に反り返り、太さも長さも常人のペニスとは比較にならないほど怒張していた
「ねえ見て、なのは!なのはがあんまりにもかわいいからペニスが今にも破裂しちゃいじゃないか!責任取ってもらうよ!」
ユーノは巨大なペニスをなのはに突きつけながら、大声で理不尽極まりないことを叫ぶのだった




フヒヒwwwwサーセンwwww
375名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 14:34:25 ID:k2V4D6pA
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
376名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 17:30:58 ID:gQJzQUUL
なのはとユーノ逆でしょ常識的に考えて


フヒヒwwwwサーセンwwww
377名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 22:49:50 ID:yDgayiF1
378さばかん:2007/03/01(木) 23:10:49 ID:GnjDiPDp
こんばんは。この文才無しが投下させていただきます。
エロ無しのバトルものです。
379さばかん つかいまなのなのは1:2007/03/01(木) 23:11:46 ID:GnjDiPDp
 デスバレー2ランドから帰って数日後、居間の机に
手紙が置かれていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 それは知っていたのだが、無視する。
 アニメ化するとか言うロリ本を買ってきて騙された。
 表紙と違って内容、暗いよ・・・
 ま、面白かったけど。
「いや、読もうよ手紙。あからさまに怪しいよ」
 だったらユーノが見ればいいのに。
「だって、もう子ども信用できなくなるよ。あの漫画読んだら」
「精神年齢高いだけで君もがきんちょでしょ」
「あ」 
 
 暗い気持ちから解放された私は、机に置いてあった手紙を手に取る。
 それがおかしい事は見て直に分かった。
 ・・・宛名も何も書いてない。切手も貼ってない。
 では何故これがこんな所に・・・少し考えれば、差出人が誰か位は
予想できた。
 文面を見る。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・読めない。
 だって英語だもん。
「フェイトあんどユーノ様へ。明日、午前11時、互いのジュエルシードを
全て賭けたタイマンをはりませんか?拒否するならしても結構です。そのかわり、☆を一つ
破壊します(笑)。来てね!
時空管理局戦艦アースラより」
「すごい・・・ユーノ英語読めるんだ」
「いや、翻訳バージョンが届いてた」
 親切な人たちだ。
「ユーノ、これってどう見ても罠だよね」
「それだけじゃない。僕達の場所も既に把握していると言いたいんだと思う」
 時空管理局は警察と言うよりは軍隊だ。
 本気で攻められて勝てる連中ではない。
「でも、どうしてこんな申し出を?私達を直接大人数で狙えばいいのに」
「フェイトの実力をある程度管理局側が把握しているからだろうね。両方に出る犠牲者を
少なくするのが目的だと思う」
 ユーノは辛そうな顔をして黙り込む。
「ユーノ!何挫けてるの?確かに絶望的だけど、相手を出し抜くチャンスでもあるんだよ!!
ユーノの夢は私の夢!だから絶対、叶う!!!」
380さばかん つかいまなのなのは2:2007/03/01(木) 23:13:02 ID:GnjDiPDp
時空管理局に場所もバレ、罠臭い交渉を持ちかけられ。
 でも、私達はそんなデカイ奴等を敵に回す事を十分に知っていた。
 関係無いね。好きなおとこのこの夢、叶えてあげたいじゃん。
「ぷっ、はははははは!!!!!!!」
「何笑ってるの?」
 ユーノは夜明けの朝日のように綺麗で明るい笑顔でただ一言だけ
「君は本当に強くなった」
 何を言ってるのさユーノ。それは君のお陰だよ!

 次の日。ユーノとフェイトはやって来た。
 普段は容易く進入はできないが、送っていた転送座標とセキュリティーの
レベルを一時的にゼロにし、彼等の前の重き門は開かれた。
「フェイトちゃんユーノくんようこそ!私の名前はエィミィ、よろしくね!」
「「ええ、こちらこそ」」
「ケィミィ、なんでいっつも透明なの?」
「・・・お前もか」
 そんなボケにおめげず、エィミィは喋りだすのだった。
「うんうん!二人とも丁寧で宜しい。んで、横のちびっこがクロノくん」
 紹介の仕方はかんに触るが、面倒くさいのでやめとく。
「こほん。早速だが、君たちをトレーニングルームに転送する。
そこは丈夫だからどんなに暴れてもらっても結構だぞ」
 黙って頷くフェイト。
 彼女は本当に強くなった。
 僕が知っている当時のフェイトは人形だった。
 意思が無く、主従という名の糸で操る孤独な美しい人形。
 それがなのはとの出会いによって泣いたり笑ったり愛し合ったり。
 今の彼女を人形だと誰も言わない。彼女は立派な女の子になったのだ。

 転送した先に待っていたのは広い広い部屋で一面ガラス張りの吹き抜けという
ヘンテコ極まりないものだった。
 ガラス越しには武装局員が囲んでいて、上の階も同じようになっていた。
 勿論、彼女達を逃がさない為である。転送魔法もここでは使用できない。
 彼女が勝とうが負けようが、僕がジュエルシードを手に入れる結果にはなんら影響は無い。
「微妙なギャラリーだね」
「そう言うなよ。これから行われるであろう熱き戦いをタダで見れる運のいい奴等だぞ。
その期待が微妙であるはずがない。勿論僕も楽しみにしている」
「・・・君が私と戦うんじゃないの?」
 肩をすくめ答える。
「是非そうしたいが、今回僕が招いた相手の方が君に相応しい」
「え?」
381さばかん つかいまなのなのは3:2007/03/01(木) 23:13:58 ID:GnjDiPDp
「だが、来るのはもう少し後になる・・・遅刻らしい」
 少しの間ぼーっとしていたが、退屈になったのか、フェイトは僕に話しかけてきた。
積極的な子だ。
「ここは随分変わった構造だね。どうしてこんな風になってるの?」
 フェイトはガラスの壁をこんと軽く叩く。強度でも確認したのだろうか。
「表向きには、情報の透明化の一環らしい。繋がりは意味不明だが。
 僕達は任務中以外はヒマでね、体をなまらせないように訓練は欠かせない。
各自の訓練を見合ったり、時には遠謀から騎士を呼び師事をもらう。
 管理局にとって強さの探求とは大人数で見つけ出すもの。
 一人の大きな才能を選択するのは愚の骨頂。全体の底上げこそに
真の意味がある。そんな意識の表れかもしれないな」
「ゆとり教育はんたーい!って事ですか?」
 え?

 暫く時間が経過し、彼女達はここに転送されてきた。
 フェイト達に感づかれないようにセキュリティーは一時的に解除した。
 やってきた少女の一人が明るい声で僕に謝って来た。
「いやークロノ君ごめんなー。今度アニメ化するって言うロリ本を見たら
暗い気持ちになってな。いやー表紙にだまされたわー。面白かったけど」
 ぺこぺこと頭を下げるはやて。
 それを無視して、僕は横に視線を送る。
 二人が、出逢った。
「久しぶりだね、なのは」
「フェイトちゃん、こんにちは」
 それっきり二人は話さなくなった。いや、正確に言うなら違うか。
これから二人は語るのだ、
 拳と拳、愛と愛で!!!! 
 勝負が始まろうとする空気をユーノが遮る。
「その前にちょっといいですか?貴方達は現在保有する全ての
ジュエルシードを賭けると言いましたね?それを予め提示してくれ
ませんか?」
「僕は一向に構わないよ」
 中空から出現するジュエルシード。僕のと合わせると21個、全て揃っていた。
「これで全てか・・・こういうものは収集する過程が好きなんだがな」
「使わなければ意味が無い・・・愛の為にも」
 ユーノがジュエルシードを出し終わると、フェイトとなのは以外は少し端による。
 これからはじまる戦いの邪魔にならないようにだ。
 
 場が凍る。
382さばかん つかいまなのなのは4:2007/03/01(木) 23:16:33 ID:GnjDiPDp
二人はバリアジャケットを装着し、構える。
 フェイトは大鎌を生成すると、徐々に自分の得意な間合いに詰め寄る。
 長い語らいになりそうだが、好きなだけ語るといいさ。 
 実に微笑ましい、女の子の会話を!!!!!!
 フェイトは突然武器を捨て、なのはの頬に一撃を喰らわせ吹っ飛ばす。
 
 え、拳? 
 
 ごん!!!!!!!!!!
 ガラスの壁にあたり、なのははそれきり動かなくなった。
 バカなばかなばかなばかな!!!!!!!!!!
 一撃だと!?
「なのはちゃん!?・・・・・・・・・・・よかった、気絶してるだけや」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 最悪の展開だ。拮抗する実力なら、もっと時間が掛かり、いや、
時間はいい。問題はダメージで、互いは満身創痍であるはずだった。
 それが実際はどうだ?なのはは気絶しただけで大したダメージは無く、
フェイトにいたっては傷一つも無い。・・・設定6ですった気分だ。
 JACハズレなんて目じゃない位の確率で、なのはは、一撃で倒れた。
 僕はパチンと指をならし、覚悟を響かせる。
 ガラスの壁がはじめから無かったかのように消え、武装局員が戦闘体勢に入る。
「想定の範囲内だよクロノ。私の知っている彼よりも随分と狡猾だ」
「ああ、君の元主はそっちの世界の僕だったね。ま、関係無いけど」
 ここまで追い詰められているのにも関わらずフェイトは表情さえ崩さない。
 何を考えている。
 フェイトがにやっと笑うと、突然魔力がどこかに集中する。
 ジュエルシードが光出したかと思うと、頑丈そうな結界がそれを覆う。
「成る程・・・余裕の理由はそれか」
「そう、ジュエルシードに下手な衝撃を喰らわせたら、ここなんてあっと言う間だ。
さ、セキュリティーを解除して私達を大人しく転送させるんだな」
 フェイトの自身にあふれた表情が数秒後には無くなる事を知っていた僕は
思わず笑ってしまった。
「ははははははははは!!!!!!!カッコイイなぁ君は。もし上手くいっていたらの
話だが」
「え?」
 フェイトが驚いた次の瞬間、結界が解け、ジュエルシードが僕の周りを舞う。
「そらよ!」
 突然のエィミィが声を出し、少し大きなものをフェイトに放り投げる。
 それが何か一目で判断したフェイトだったが、反応がわずかに遅れ、床に倒れる。
「ゆ、ユーノ!!!!!!」
 ユーノは腹に一発食らわされたようでマトモに喋れない。
「この子がこそこそ悪い事してたから一発オシオキしてあげたんだよ。
でもまぁ、だいたい予想通りだったよ。君の主くんは補助魔法のエキスパートらし、」
 言い終わる前に大鎌をエィミィに振るうがかわされる。
「ちょっとクロノ君。何がどうなってるん?こんな話聞いて、」
「心配しなくても、君達二人も後で殺すさ」
「え・・・」
 はやてはぺたんと壁によりかかり、力なくしゃがんだ。
「二人、いや四人ともお疲れ様。君達のお陰でジュエルシードは揃った。
お礼といってはなんだが、優しく駆除してあげるよ」
383さばかん つかいまなのなのは5:2007/03/01(木) 23:18:01 ID:GnjDiPDp
「はいはーいクロノくん!!!フェイトちゃんは私の得物だよ。そのかわりそっちにはなのはちゃん
を譲ってあげる。」
「眠れる森の美女はお目覚めではないが・・・暫く待つか」
 僕はゆっくりとフェイトとエィミィの戦いの見物をすることにした。

「何故構えない?」
「見て分かんないかなぁ?これが私の構えだよ」
 エィミィはただ突っ立っているだけだ。
「一瞬で終わらせてあげるよ☆」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 フェイトは大鎌を構え、エィミィのどこを切り刻むか思案している。
 エィミィは制服でバリアジャケットの強度にはかなうはずがない。魔力を発していない。
(でも、胴に何か仕込んでいる可能性はある、狙うなら・・・首!)
 フェイトは飛び込み、エィミィの首に大鎌を食い込ませる。
 それで終わり。大鎌が血の華を咲かせ、命の終わりを告げるはずだった。
 だが、貫かれていたのはフェイトの体だった。
「あ・・・あ、あ」
(ば、かな)
 フェイトはエィミィの手刀、手刀突きを全身に受け、バリアジャケットも体も切り刻まれていた。
 美しい程の赤が白の空間に飛ぶ。
「ぐっ・・・ばかな。首にあてた、はず」
 あの攻撃で無事じゃないところの方が多いにも関わらず、フェイトは意識があった。
 確かに大鎌は首にあたっていた、だが。首を吹き飛ばす事はできなかったのだ。
「私の鋼の体に構えなんていらない。攻撃する相手が勝手に隙をつくってくれるから
攻めるこっちも楽だよー」
「エィミィ、彼女に受けた傷、よーくみてみ」
 半信半疑で首筋に手を当てると、ぬめっとした暖かい感覚がした。
「うそ・・・切れてる。ショットガンでも通さないんだけどなぁ」
「お前が調子に乗ってるからだ」
 ちぇーとエィミィが答えると倒れて呻くフェイトに歩み寄る。
「フェイトちゃん。確かに私はデスクワークが中心ではあるけど、これでも一応軍人よ。クロノ君
よりも強いかもね」
 止まる。その下にはフェイトがいる。
「いいかい?私の手刀は特別でね、人間8人を重ねて胴を断つ事もわけない。
可愛くて私好みだったけど仕方ないね、サヨウナラフェイトちゃん!!!」
 フェイトに必殺の手刀が振り落とされる。
384さばかん つかいまなのなのは6:2007/03/01(木) 23:19:33 ID:GnjDiPDp
 だが、すんでのところでとまる。
「どうしたエィミィ!」
「う、動かない・・・バインド!?」
 エィミィの体に緑の鎖が絡みつき、胸にいやらしく食い込んでいるというのは内緒だ。
「ま、まさか!?」
 そう、放心状態のはやて。気絶しているなのは。それ以外にこんな魔法を使いそうなのは。
「転送!!!!!」
 フェイトは消え、ユーノがただ一人残った。
「バカな!セキュリティーが何重にも仕掛けてあったはず」
「ああ、そんなものとっくにはずさせてもらったよ!」
「こんのぉ!!!!」
 ばりんとバインドを力だけで解除する。
「切り刻まれたいの・・・ユーノ君」
「待て!エィミィ!!!!ここは僕にやらせてくれないか?」
「えー?まぁいいよ。フェイトちゃんは私がやっつけたんだし」
 ありがとうの変わりにウィンクを送ると、ユーノと対峙する。
「クロノ、どの世界でも君は僕の邪魔ばかりする。僕がジュエルシードで何をしたいか
教えてやろうか?それはなぁ、全てのクロノを殺すことだ!!!!!!!!」
「そうか」
 ユーノの言葉にもクロノは何も怒らない。クロノはユーノを哀れんで見ているよう
にも見える。
「クロノ執務官。フェイトの事ですが、今直ぐ追跡を、」
「するな」
「いや、しかし、」
「するな!!!!!!!!!!!!一人の漢(おとこ)が愛する人を守る為にこの場に
残った意味、この場にいる全員分かるだろ!!!!!!!!!!!!」
 場の空気はしんとし、クロノはユーノに襲い掛かる。
「はっ!!」
 バインドに捕まるクロノだったがそれを解く。
「はぁぁぁあっ!!!!!」
 拳を繰り出したがユーノはそれを防御魔法で遮る。だが、魔力は殆ど消費され、残った魔力
量では限界があった。それでも防御に優れているユーノは拳で軋む己の体を気にもせず、必死に防ぐ。
「ぐっうああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
 何度も何度も拳は炸裂し、ユーノも負けじと防御のみに徹する。
 しかしそれももう限界だった。
「ふっ!!!」
 防御は破れ、ユーノの胸にクロノの拳が食い込む。
 ユーノは木の葉のように倒れ、全身はぼろぼろで、クロノの拳を受けきれるまともな部分は残っていない。
「ユーノ、その命が燃え尽きる時間がどれだけ刹那でも、それが彼女を守れる時間になるなら
・・・惜しくないか?」
 ユーノは返答し、それと同時にクロノの拳が打ち下ろされる。
 クロノはそれまで勘違いしていた。強くなったのは、彼女だけでは無かったのだ。
つづく☆
385名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 17:03:11 ID:hwe/7eeE
>>さばかん氏
相変わらず先の読めないさばかんワールド全開ですねw
ただ今回いつにも増して視点移動が難解なんですが。
誰がどのセリフ喋ってるのか全然わかんねぇorz
386さばかん:2007/03/02(金) 19:33:11 ID:cU9gXyf9
分かりにくくてごめんなさい・・・
アースラ内の視点は全てクロノです。
387396 ◆SIKU8mZxms :2007/03/03(土) 03:05:15 ID:lJcNRfht
こんばんは396です。突然ですが三期って春からなんですね。自分の小説はなのは達が14、5歳あたりの話ですが
アニメでイメージが固まる前に二次創作しちゃおうと思って書き始めたのにアニメが始まってしまう…。
まぁあくまで二次創作だからいいんだけどね。ってことで続き投下します。

魔法少女リリカルなのはA's++

第十八話 「現実の続き」
388名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 03:06:20 ID:lJcNRfht

緑深き森の奥、月明かりが薄っすらと届く湖の畔に、ぽつんと小さな木造の一軒家が建っていた。
その建物を包むように虫たちが鳴き声を上げ、フクロウのような鳥がその声を森に響かせる。
煙突からは煙がもくもくと上がり、暖炉にある大きなナベの中では美味しそうなスープがぐつぐつと気泡を作っていた。
見る者全てにどこか懐かしさを感じさせるその光景の中、家の中では一人の少女が眠っていた。

「ん……」

なのははふかふかのベッドで寝返りをうった。
その包まれるような暖かさの中で、なのはは夢を見ていた。
夢の中でなのははユーノと遊園地に行っていた。二人で仲良く手を繋ぎ、様々なアトラクションを見て回る。
自分のことなのに、自分のことではない感じ。見ていて恥ずかしくなった。
一緒にアイスクリームを食べ、パレードを見て、最後は観覧車へ。女の子なら誰でも胸を躍らすイベント。
もちろんなのはも例外ではなかった。二人きりの個室が上昇を続け、目下にはイルミネーションに彩られたテーマパーク、
そしてテーマパークの向こう側には街の夜景が広がっていた。
感動に目を潤ませながらガラスに張り付くように見ているなのはを、少年は微笑みながら見つめている。
「私から誘ったのに、自分ばっかり楽しんじゃって、ごめんね」
気付いたようになのははユーノに言った。
ユーノは笑みを崩さず首を振って言った。
「僕も楽しいよ。それに、こんな素敵な瞬間になのはといれることが、何より嬉しい」
すらすらと臭い台詞を吐くユーノになのはは顔を真っ赤にした。
言葉が出てこない。なのはの鼓動は自分でも聞こえるくらい高鳴っていた。
今の雰囲気がそうさせるのか。密室に異性といるからか。
同じ場所、同じ雰囲気で、他の男の子といてもこの胸の高鳴りは起こる?
少年の存在が近すぎてわからない。今まで触れてこなかった心の未開の地に足を踏み入れる不安。
今までのできごとが次々とフラッシュバックする。その全ての場面に現われるユーノがなのはの名前を呼ぶ。
笑いながら、悲しみがなら、喜びながら…。
気がついたらなのははユーノに抱きしめられていた。
(あ…え!?)
突然のことに見ているなのはは戸惑うが、夢の中の自分は何も疑問を抱かずに受け入れる。
389名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 03:07:07 ID:lJcNRfht
そして視点が夢の中の自分へと移る。観覧車の中、目の前にはユーノの肩越しに窓ガラスと夜景が見えるだけだ。
「心配させて…ごめん」
そう言って抱きしめられる腕に力が込められる。
なのはは何も言わずに身を任せていた。
「でも…もう大丈夫。もう、どこにも行かない」
その声になのはは安心する。自分の身近な人が遠くに行ってしまうかもしれない不安はなのははよく知っていた。
一人ぼっちであることより、それは何倍もつらい。
なのははぎゅっとユーノを抱きしめ返した。
するとふいにユーノが腕を緩めた。
窓ガラスに映ったユーノは右腕を掲げていく。その手には、一本のナイフ。
「だから…僕のために……」


―――――死んで



ゴンッ!!!

「!?」
鈍い音とともに額に衝撃が走る。
「いったぁ……」
なのははおでこを押さえて涙目になった。先ほどなにやら夢を見ていたようだが、その衝撃で全て吹っ飛んでしまった。
額をこすりながら目を開けると、のけぞったままの体勢のメイド姿の女性が目に入った。
「あ……え?えぇ?」
状況が把握できずに辺りを見回す。自分はパジャマを着ていて暖炉にはナベがかけてあり、テーブルには美味しそうな食事が
並んでいた。その童話の中のワンシーンのような光景が、なおさら混乱に拍車をかけた。
「お目覚めですか?お食事の時間です」
目の前の黒髪でロングヘアーのメイドがぐぐっとのけぞった体を垂直にすると、瞬きを一切せずに言った。
「あ、あの、えっと、だ…誰ですか?ここは…どこ?」
390名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 03:07:50 ID:lJcNRfht
まるで身を守るかのように掛け布団を自分に引き寄せながらなのはは言った。
その質問に赤い瞳に一瞬電気のような線を走らせ、メイドは答えた。
「私の名前はセリカXX。ここは、ミッドチルダE57地区コテージ『フェアリーテイル』です」
「だ、だぶる…えっくす?」
戸惑うなのはをよそにメイドはテーブルの椅子を引いた。
「お食事ができました。他にご注文があればなんなりとお申し付け下さい」
そう言ってメイドはテーブルの側で直立を維持した。
静かになった部屋の中でなのははようやく今の状況について考え始めた。
ベッドの脇の木目の装置に触れると、半透明の画面が浮き出る。時計を見ると、なのはがアースラにいたときから
5時間程経過しており窓の外を見ても真っ暗だった。
アースラがハッキングされ、ユーノと戦って、それから…
そこまで思い出してなのははメイドに尋ねた。
「あ、あの!…ここに私を連れて来た人は今どこに?」
その声に反応しセリカが答えた。
「わかりかねます。名称不明の男性でしたので。ユーノ・スクライア様からは遣いの者がくると聞いておりましたのでその方かと」
そう言うと、セリカは突然なのは方を向いた。
「高町なのは様のお目覚めから5分が経過しましたので、これより自動解説プログラムを開始いたします。
数分の間、ご質問等にお答えすることはできません。ご了承ください。プログラム終了後、ご命令を承ります」
ペコリと頭を下げた後、セリカはくるっと回ってスカートを広げた。
「この度はミッドチルダアンドロイド派遣サービスをご利用いただき真にありがとうございました。
私の名前はセリカXX。基本家事から警備まで、クライアントのご要望に幅広くお答えするセキュリティー強化型でございます」
アンドロイドが両手でスカートを軽く持ち上げると、スカートの下からジャコッと銃器やナイフなどが一瞬だけ顔を見せた。
「依頼主ユーノ・スクライア様、派遣先高町なのは様。依頼内容は高町なのは様の世話及びAランク警備です」
そう言いながらセリカはなのはに近づき、ドレスのポケットから端末を取り出した。
「詳しいご利用状況ならびにメッセージ等はこちらをご参照下さい」
なのはが薄いボードを受け取ると、契約日時やら金額やらがずらずらとスクロールしていった。
最後にメッセージのマークが点滅していたので押してみる。
すると[VOICE ONLY]と表示され、メッセージが再生された。

『これを聞いてるってことは、僕と戦って魔力が空になったなのはがそこにいることだろうと思う。
391名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 03:08:34 ID:lJcNRfht
今の天候やなのはのその後を考えて安全な場所を選んだつもりだけど、少しは気分が落ち着いたかな…。
詳しくは言えないんだけどとにかく急なことだったから全部電話予約で済ませちゃって、十分僕の手が行き届いてないかもしれない。
このメッセージもうまく送信されていればいいんだけど。本当にごめんね。
…いまさらなのはを攻撃したことを許してもらおうとは思ってない。でも、しかたがないことだったんだ。
たぶんしばらくそこにいればアースラの誰かが迎えに来てくれるはずだからそれまでそこで待っていて。
全て片付いて、なのはがまた僕と会ってくれるなら、僕は直接会って謝りたい。今いえるのは、それだけ。
時間が無いから、それじゃあ』

そこでユーノのメッセージは終わった。
なのははいまだに頭の中の整理ができていなかった。結局ユーノがなぜ捕虜を逃がして自分を攻撃してきたのか
さっぱりわからなかったからだ。ただ、ユーノが何らかの事件に巻き込まれてやむを得ずに従っているということだけはわかった。
そういえば自分はユーノの右肩を脱臼させてしまった。大丈夫だろうか…。
そう思っているとぐぅっとなのはのお腹が鳴った。部屋にいるのはメイドのアンドロイドだけだったがなのはは頬を赤く染めた。
色んな情報が入ってきて考え始めたらようやく自分が空腹であることに気付いたのだ。
(とりあえず食べよう…)
間接的にとはいえユーノが用意してくれたものならば問題はないだろう。
魔力のない今は焦っても仕方がない。こちらから連絡をいれればすぐにでも誰か来てくれるだろう。
そう思ったなのははのそのそとベッドから降りテーブルにつくのだった。

                 *

「ユーノのやつ、ホントどこ行ったんだよぉ…」
円筒形の空間、膨大な本が陳列する本棚を前に、耳を振りながら小さな少女が本をしまっていく。
少女の周りではいくつもの本が浮かび、その本もとっかえひっかえ飛んで行った。
無限書庫の中では多くの多くの司書たちが必死の形相でその整理に当たっていた。
先ほど検索の陣頭指揮をとっている司書長が行方不明と知れ一時は混乱に陥っていたが、
この4年で慣れた者も出始めていたこともありかろうじて機能していた。
司書達が司書長の存在の大きさを改めて実感し、穴を埋めるべく仕事に没頭する中、獣耳を生やし尻尾をふる少女も
それに埋もれるように作業を続けていた。
(最近のユーノ調子悪そうだったし、まさか嫌になって逃げたんじゃ…)
392名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 03:09:20 ID:lJcNRfht
そう思いながらもすぐに首を振る。
(いや、あのユーノは逃げるようなヤツじゃない。それはあたしが一番よくわかってんだ)
ふんっと鼻息を荒げて新たに取り出した本を抱える。
フェイトの使い魔、アルフは現在無限書庫で働いている。1年前まではフェイトと行動を共にしそのサポートをしていた。
しかし執務官試験に合格したフェイトはアルフのサポートの手から離れるほどめきめきと成長し、
アルフに戦線からの離脱を決意させた。
使い魔は主人の魔力を消費しつつ、存在し続ける。
そして高性能な使い魔ほど、消費魔力も大きくなる。故にアルフは自らその性能を封印することで、
主であるフェイトの魔力消費を押さえることにしたのだ。
その徹底振りは形成する肉体にまで表れ、長身の女性だった体型はいまでは幼い少女となっている。
戦闘以外でフェイトを助けたい。その想いを叶えてくれたのが無限書庫の司書長、ユーノ・スクライアだった。
付き合いも長く、立場も近かったことからアルフが最も気に入っている人間の一人だ。
検索魔法など使ったこともなかったアルフに一からその手ほどきをしてくれ、アルフは今ではユーノの右腕として活躍していた。
(そういやあいつを連れて来たときも、こんな感じだったような…)
ふと青い髪の少年が思い浮かぶ。三週間ほど前にユーノが連れて来たスクライア一族の人間。
ユーノの幼馴染らしいその少年が連れて来られた時もまた、ユーノ失踪疑惑で無限書庫は一時混乱した。
その少年は即日でユーノの秘書となり、ユーノの傍らで色々な雑務をしていた。
はっきりいってアルフはその人間が気に入らなかった。
自分のポジションが奪われた嫉妬も多少あったが、なによりその雰囲気がアルフの癇に障った。
獣としての感だろうか。表面上は静かに装っているその態度も、内面では怯え、人の顔色ばかり伺っているように思えた。
「きっとあいつがユーノを誑(たぶら)かしてんだ。そうに違いないよ」
乱暴に本をしまいながら呟いたアルフに、突然通信が入った。
「はいよ。どうしたんだい?」
目の前に薄いモニターが現われ、司書の一人の顔が出る。
「アースラから通信が入ってるわよ。今そっちに取り次ぐから」
そう言ってモニターの画面が切り替わると、エイミィの顔が映った。
真剣な顔で話すエイミィの話を聞くうちに、だんだんとアルフの顔が険しくなっていく。
「あたしの分の仕事、頼んだよ!」
「えぇ!?」
モニターを切った瞬間、アルフは縦横に走る通路に向かって飛び出した。
393名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 03:10:17 ID:lJcNRfht
突然のアルフの職場放棄に近くにいた司書は驚いたが、その様子すらすでにアルフの目には入っていなかった。



『フェイト、フェイト!!』
通路を駆けながらもアルフは念話を飛ばした。
(駄目か…やっぱり遠くにいるんだ…)
その事実に唇を噛む。本局周辺にはいないとは思っていたが、精神リンクからの感情の流れも全く感じられない。
エイミィからの報告。それはフェイトがアースラからいなくなり、もしかしたら危険な目に遭うかもしれない、というものだった。
別に現に危機に直面しているわけではないようだが、アルフの感が胸をざわめかせた。
フェイトを最も感知できるアルフの呼び出しと、本局や他の人間に絶対に知らせてはならない、
というエイミィの厳重な釘刺しも関係しているかもしれない。
フェイトは責任感が人一倍強い。執務官として冷静な判断力を持ち合わせてはいるがまだ駆出しだ。
アースラのサポートもなしに単独で行動していることからなにか無茶をやっているような気がした。
(なんもなきゃいいんだけど)
そう思いながらアースラに向かうために本局の転移装置を目指し走り続けると、
「キャッ!!」
「おわ!?」
角を曲がった瞬間何かにぶつかり、アルフはその物体に重なるように倒れこんだ。
「いったぁ……」
アルフの下から声が漏れる。自分よりちょっとだけ大きなその物体がのそのそと蠢いた。
「ご、ごめんよ!今急いでて…」
アルフが飛びのくと、下敷きになった人影がよろよろと立ち上がる。
「もう!管理局の人ってなんでそう生き急いでるのよ!?ちょっとはゆとりってものを…」
通路の床にぶつけた鼻を押さえながら一気にまくし立てた少女はそこで言葉を止めた。
「…あら?あなた使い魔?」
少女が首を傾げると、その灰色の髪がふわっと揺れた。
外ハネし、シャギーのかかったセミロングの髪。局内では珍しい茶色いマントに独特の衣装。
焦る気持ちも忘れ、アルフは思ったことを口にしていた。
「あんたこそ、その服はスクライア一族かい?」
394名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 03:11:01 ID:lJcNRfht
そう、目の前のアルフより少しだけ身長の大きな少女の衣装は、ユーノのバリアジャケットにも現われる模様が描かれていたのだ。
すると少女の脇に立っていた長身の女性がこちらを覗き込んできた。
「あら可愛らしい。コルトちゃん、この子お知り合い?」
透き通るような金髪。腰まで伸びるロングヘアーのその女性もまた、少女と同じ衣装だった。
アルフはこの数年で女性を何人も見てきたが、その人は今まで見た中でも三本の指に入るほど美しかった。
もちろん一番はフェイトであったが。
「お姉様今ぶつかったの見てたでしょう!?絶対身長だけ見て言ってるに違いないわ!」
コルトと呼ばれた少女が女性に激しく突っ込んだが、女性は微笑を崩さずに考え過ぎよ、とほんわかと返した。
その濃い二人組みの掛け合いをぼんやり見ていたアルフだったが、本来の目的を思い出しはっとした。
「わ、悪いんだけどあたしゃ今すぐアースラに行かなきゃならないんだ!どっかで会ったらそんときゃ改めて謝るよ!!」
そう言って駆け出そうとした瞬間、ぐっとアルフの腕が捕まれた。
「な、なにすんだい!」
「アースラって言ったでしょ、今」
少女のブラウンの瞳と目が合う。
「…そうだけど、なんなのさ」
早く転移装置に向かいたいアルフは苛立たしげに言った。
「よかったわぁ。あやうく遭難するところだったの」
「はぁ?」
手を合わせて顔をほころばせる長身の女性にアルフは口をぽかんと開けた。
「私達もアースラに呼ばれてるの。連れてってちょうだい」
呆けるアルフを意に介せず、灰色の髪の少女が切羽詰った表情で言った。
それが、アルフとコルトの初めての出会いだった。
395名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 03:11:45 ID:lJcNRfht
次回へ続く

次回 第十九話 「スクライア」
396396 ◆SIKU8mZxms :2007/03/03(土) 03:13:41 ID:lJcNRfht
アニメ同様新キャラのオンパレード(?)です。ユーノの周りにはこんな人達がいそうっていう妄想です。
ちなみにスクライア一族に関しては三話冒頭の伏線回収ですので登場は前もって予定されていました。
彼女達の詳細は次回。アルフは出そう出そうと思ってて気付いたら18話まで進んでました。
キャラを満遍なく出すのは本当に難しい…。と言いながらオリキャラ出してれば世話ないですが、
オリキャラ本位に話が進むことはないのでそこは安心してください。それでは。
397名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 03:16:31 ID:XxyW/Lyl
リアルタイムキタコレ!!!投下乙
398名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 04:13:41 ID:6cLUjn6m
>>387-396
GJ!! >>396氏 
最新話、待ちわびておりました!!!
399名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 06:09:31 ID:XQ8XrTKT
>>396
GJ!!
しかし、次回予告のタイトルを「スクライド」と素で間違えてしまった俺は
もう、逝っていいと思う
400名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 23:26:52 ID:vTw0xZ8X
>>387
396氏GJ!
ユーノ、手回しが良いなぁ。
幼馴染3人最後の1人、人質の中に出てこないと思ったら残留組でしたか。
ユーノやエリオにどう対応するのか楽しみです。
401396 ◆SIKU8mZxms :2007/03/04(日) 16:34:11 ID:2QKyYndg
かなり間の空いた投下ペースなのに読んでくれる人がいて感動しました。
お礼になるかはわかりませんがA's++のイメージラフ画を描いたので公開します。
絵は好きなだけで普段から描いてるわけではないですし、
人に自分の絵を見せるのは高校の美術の時間以来なのでかなり恥ずかしいですが
イメージのお手伝いになればと思いました。
手元に三期の資料がないためキャラの服装は適当です(公式HPをちょっと参考にしたけど)。
しかも突然思い立ったもので紙がルーズリーフです。すいません。

↓見たい人は期待せずに
ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi77861.jpg.html
↓加工してルーズリーフの線をできるだけ消したverはこちら
ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi77862.jpg.html

右上のキャラがメイドイン396のエリオです。
あとあくまで内輪向けの落書きなので個人で楽しんでくださいね。
402名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 01:00:22 ID:FY6wrvBB
>>401
見たらすでにダウン数100超えててワロタw
つか普通にうまいですね。396氏が絵も描ける職人だったとは驚きです。
処女作っぽいですが個人的に絵師としても活躍していただきたい。
403名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 16:49:27 ID:Ud9IUrDW
はやては俺のペット
首輪をつけて飼いたい
食事はもちろん四つんばいで
404名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 17:48:21 ID:gpzH0sXj
ちょっとでも訛り出したら糞食わせるとかやって調教したいよな
405名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 02:42:09 ID:BQsouHB3
>>403
その想いを文章であらわせ
406名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 05:44:47 ID:FpE+wzRC
>>403>>404
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167820448/l50
二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレ
ここではやてを存分に家畜扱いしてやりなされ
フェイトとヴィータはすでにヤられていたが
407さばかん:2007/03/07(水) 23:20:51 ID:+A+wxbMx
どうもです。性懲りも無く投下させていただきます。
最後ちょっとテンションが変ですが、許して下さい。
408さばかん つかいまなのなのは1:2007/03/07(水) 23:22:33 ID:+A+wxbMx
 前回のあらすじ。
 時空管理局にジュエルシードを全て賭けたタイマン(一対一)を挑まれたフェイトと
ユーノ。
 宿命のライバル高町なのはを一撃で倒したフェイトだったが、元よりジュエルシードを渡すつもりも無い
時空管理局に一瞬にして仕留められる。
 殺される寸前でユーノに逃がしてもらったフェイトだったが・・・

 逃げ場などもうどこにも無かった。
「・・・時空管理局。もう追ってきてる」
 家に帰ろうとした私ことフェイトは遠くから見た光景に絶望した。
 知らない人たちが、我が家のように平然と部屋に入っている!
 なんの疑いも無く局員だろう。
 ここに長居するのは危ない。
 向かった先は良く通りかかる公園だった。
 草木が茂り、広い公園。遊具の物陰で傷口に包帯を巻き止血する。
 本来ならこんなことをしなくてもユーノの治療魔法で深い傷でなければ直に治るのに。
 でも、私が痛いのは傷口では無かった。
「ユーノ・・・君のあったかさを、感じない」
 使い魔と主の絆は人と人のように不確かなものでなく、つくられ、実際にあるものだ。
 形がある無しで絆の強さがあるないとは言え無いけれど、彼の暖かさを常に感じる事が当然だった
私にはそのショックも大きかった。
「ユーノ・・・」
 絆が感じられないと言う事は、高い確率でその人が死んだという事を示す。
 一度経験があるので間違い無い。
 体が冷たい。供給される魔力が無くなったと言う直接的な原因と傷跡の消失。
 落ち込む私を、しかし誰も休ませてくれない。
「!!!」
 後頭部にぞわっとしたイヤな感覚がし、構える。
 囲まれてる。
 気配からして2、30人!!!
 息を潜め、気配を遮断しても無駄だろう。
 その証拠に結界が張られている。私を見つける事など容易い!!!!!
 普段の私ならなんとか戦えるかも知れないが恐らく今の状態では無理だろう。
 バリアジャケットさえ生成できない今、人数でかかってこられて勝てるはずが無い。
 これがチンピラならまだいい。相手は統制の取れた集団戦闘のプロフェッショナルだ。
 集団戦闘の恐ろしさ。ユーノからちゃんと聞いている。
409さばかん つかいまなのなのは2:2007/03/07(水) 23:23:33 ID:+A+wxbMx
 回想。
『教えてメリオく〜ん!!!!』『は〜い!』
クソガキ(10)『ねぇねぇメリオくんメリオくん。貝はどうして脳が無いのに動けるの?』
『お前も同じじゃん』
 ユーノと一緒にテレビを見ていた私は退屈になり、借りてきたレンタルビデオを見る事にした。
『蔵をあけろー!!!!』
「「おおー!!!」」
 その作品の出来の良さに感心した私だったが、ふと疑問に思いユーノに尋ねた。
「ねぇユーノ。このアニメは集団戦闘が多いけど、強い奴が一人で戦っても勝てるんじゃないかなぁ?」
 力持ちの巨乳ねぇちゃん。エなんとか族のうっかりさんとか、一人でも勝てそうだった。
「ちんぴらならそうかも知れないけど、ここに出てくるのは訓練された集団戦闘のプロだから無理だと思う。」
「あんだけの強さだったら勝てるって」
 ばったばったと倒される一般兵を見て、これなら私でも勝てると確信できるが、ユーノはこう否定した。
「集団戦闘で彼らが巨乳ねぇちゃんたちに負けてる理由は完全な『陣』を形成できない状態だからだよ」
「陣を形成できてない?」
 みかんをつまみユーノはテレビを見ながら話した。
「本来敵と戦う場合、理想なのが複数で統制の取れた状態で一人に襲い掛かる事。だが、集団同士の戦の場合そうはいかない。
 複数で一人と戦うと言う事を相手もする。そうすると理想的な戦闘はそう簡単には
できない。すると本来の集団の強さは無くなり、強い奴がそのままの能力を発揮し、倒せる」
「ほうほう」
 もうその位でいいと思ったのにさらに説明し続ける。
「集団戦闘で最も注意すべきなのは背を守る事。前から数人で襲われ、その少し後に膝裏を蹴られる。
刀の場合一刺しで終わるけどね。フェイトは護身術も身に着けてるから知ってると思うけど、膝裏を
蹴られると、」
「ユーノ、巨乳のねぇちゃんが3対1で勝ってるけど?」
 それは刀で腕を刺されるも、どうにか巨乳のねぇちゃんが敵の頭をかちわっているシーンだった。
 ユーノもその光景を見て唖然とする。
「あ・・・す、素敵だなーおっぱい」
 誤魔化せてない。
 回想終了。
410さばかん つかいまなのなのは3:2007/03/07(水) 23:24:49 ID:+A+wxbMx
 視点 クロノ
 肉とワインのみで満たした腹はもうこれ以上は何も入らないと訴える。
「ミスタークロノ。適量かと」
 横にいた局員が言うまでも無く、グラスの中のワインを飲み干す。
「ふぅ、ごちそうさま」
 アースラの食堂には複数の負傷者が食事を取っていた。
 とんと置いたワイングラスのよこには僕の二の腕の長さよりも高く詰まれた皿が置かれている。
 詰まれた皿にのっていたのはすべて肉。
 普段は健康に気を遣った食生活の僕も戦闘で傷付いた後となると話は別になる。
 傷付いた体を修復するため、食事を肉とワインで統一するのだ。
 まるでトカゲみたいだとか言わないで。
「やあクロノく〜ん!怪我の方は平気かな?」
 ハヤシライスを食べながらエィミィが僕の所にやってきた。
「エィミィ、行儀悪い」
「呼んだのはクロノくんじゃん!」
「いや、食事が終わったらって言わなかったか?」
 突っ込まれて少々狼狽したエィミィだったが暫くして元に戻る。
「いやー実は気になっちゃってさー」
 ハヤシライスをバクバク食べるエィミィ・・・美味しそう。
「ハヤシライスも月に一度はいいかもな。この肉大丈夫?どこ産?」
 ハヤシライスの肉を指差して言う。
「・・・松喜の肉だってさ」
「うわ、そんなん(もったいないの意)すき焼きにしようよ」
 意見を聞き流し、僕の横にエィミィは座った。
「福神漬け取ってー」
「えーハヤシライスに福神漬けはダメだってー」
 ちぇーと言いながらハヤシライスを食べる。
「所でクロノくん。フェイトちゃんは見逃すんじゃなかったの?ほっときゃ消えるって」
「そうもいかなくなった。これを見てくれ。」
 小さなものを2,3個エィミィに投げ渡す。
「っとと!!クロノくんジュエルシードを投げ渡すなんて!傷付けたら、」
「精巧につくられたレプリカだそうだ」
「・・・え?」
「こんなものをつくらせない為に急な決闘を申し込んだんだが・・・彼等の能力を侮った!」
411さばかん つかいまなのなのは4:2007/03/07(水) 23:26:29 ID:+A+wxbMx
「ほー。やるねー!フェイトちゃん対策は大丈夫?なのはちゃんの事もあるし・・・」
「なのはに武装局員がやられたのは陣を形成する前に叩かれたからだ。
フェイトの場合は問題無い。魔力の供給源を絶たれてるからな」
「なのはちゃん・・・クロノくんにこんだけダメージを与えるんだからすごいよねー!
白い悪魔ーってかんじ」
「まぁな」
 エィミィがハヤシライスを食べ終わると僕が飲んでいるワインを見つめる。
「クロノくん。ひょっとして飲んでるのは・・・おさけ?」
「え・・・え!?それはその・・・ミッドチルダだから、14歳でワインを飲んでも・・・」
 ごごごごごごごごご。エィミィから殺意が湧く。
「あ・・・ダメ?」
「クロノくん!!!!!オシリ叩き+αの刑!!!!!!!!!!!!」
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!」
 この後、オシリプレイに嵌まったのは、ないしょのつぼみだ。

 視点 フェイト
 公園の結界から逃げ出そうとしたが、追い詰められた私は武装局員に囲まれていた。
「フェイト。君は完全に包囲されている。大人しくジュエルシードを渡せー!!!」
 上官の一人っぽい奴が囲まれた後に下がり、いばっていた。
「断わるって言ったら?」
「・・・かかれー!!!!!!!!!!」
『ちょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っとまったー!!!!!!!!』
 声のした方へ一斉に振り向くと、そこにはゴクラクチョウが木に止まっていた。
「うわあ、ゴクラクチョウとは珍しいな」
 感心する上官っぽいやつは突然蹴られる。
「隙あり!はやてきーっく!!!」
「ぐあー!」
 何故急にはやてが?と思ったが、はやてはゴクラクチョウの覆面をかぶり、
ゴクラクチョウに化けていたのだ!
「は、はやて!」
「フェイトちゃん!助っ人に来たよ!」
「助っ人って・・・こんな人数じゃとても、」
「ジョワッ!」
 はやては突然私を抱えると空高く飛び上がり、
「ラグナロク!!!!!!!」
 光の帯が公園を局員ごとふっとばす!!!!
「あ、あああ・・・」
「いやーまぁまぁな破壊力や」
「いや、こんな大技があるなら私の時にも使えば」
 空中から少しずつ下へ降りながら話す。
「ああ、それはダメや。なんでかって言うとこの2次創作は
もしなのはたちが拳メインで戦ったらこんな感じって話だからな」
「じゃあなんで使ったの?」
 そこを聞いちゃいけなかったのか、はやては妙に暗い顔で視線を逸らした。
 着地すると一面焼け野原だったが、その中に彼女はいた。
412さばかん つかいまなのなのは5:2007/03/07(水) 23:28:59 ID:+A+wxbMx
「うわー・・・もうちょっと転送するのが早かったらやばかったなー」
「っエィミィ・・・はやて、私は魔力にあんまり余裕がないから、もう一度さっきの
技を」
「ああ、さっきのは無理。魔力消費が激しいし、それに・・・げほげほっ!!」
 セキにまじって血が出ている。どうやらあまり強い体ではないらしい。
「でも、作戦があるから大丈夫や!」
「おおーそれは」
 二人が耳打ちしているのをエィミィは退屈そうにみていた。
「あのー、まだ?」
「「もう少し!!」」
 ひそひそひそひそひそ
「・・・耳かむなー」
 内緒話が終り、
 はやてがエィミィを見つめて戦闘がはじまった。

 注:ここから先、テンションがおかしくなりますが、書いてる人はいたって正常
ですから安心して下さいね。
 視点 エィミィ
 フェイトちゃんとはやてちゃんは突然口付けを交わすとフェイトはオーラを燃やし、情熱を
燃やす。体中から、赤い闘志が見えてるぜー!
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!KISSでエネルギー補充!!!!
 そんな私はあらゆるものをつらぬく、
                    絶 対 真 剣」
「フェイトちゃんが絶対真剣なら、私はあらゆる愛の旅人だー!!!!!!!!!」
 情熱が交わる事は無い。ぶつかり合うのが情熱さ!!!!!!!!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!
ヒッサツ!トライアングルいぐにっしょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!
 空気が情熱にKISSしたように激しい爆音がし、必殺の情熱クラッシュが私の体を貫くように炸裂する。
 だが、私を貫くことは無い!!!!何故かって?
「バカな!火星さえ吹き飛ばす私のトライアングルいぐにっしょーーーーんが効かないなんて・・・」
「うそやろ、フェイトちゃん!!!!分かった、きっと私達の愛が足らないんやー!!!!!!!」
 はやてちゃんがフェイトちゃんの体を抱き締めるとフェイトちゃんは再び言った。
「そうか、私はエネルギーを再び補充して、ならなくてはいけない。あらゆる処女膜を貫く
                    絶 対 性 欲」
「成る程。確かに絶対性欲なら私の鉄壁も貫けるかもしれない。何故なら、それはアダムとイヴの時代に
遡ると、いや、違うね!なんちゃってー!!!!!!
 わはははははははははは!!!!!!!!!!!!私のステータスを見ろ!!!!いや
見るがいい!!!!!!!!!!!!」
 突然私の横に意味不明のパラメーターが現れる。
 驚愕するフェイトちゃん。
「ば、バカな!!!!!レヴェル4000だと!!!!!!!!!!!!!!」
「まだまだ若いのーーーーーーーーー!!!!!!!!レヴェルなんて転生ボーナスで強さの基準など
幾らで変わる。問題は所持しているアイテムだ!!!」
 今度ははやてちゃんが驚愕する。
413さばかん つかいまなのなのは6:2007/03/07(水) 23:30:31 ID:+A+wxbMx
「バカな!武器防具両方『ひまんパタこうら』や!!!!!!!!!」
「普通防具はピーチ姫につけるのにっ・・・!なんて贅沢」
「種と肥料を何につかうか分からなくて売ってしまって。雲の落ちる所で落ちる角度で雲に乗れるって何度
思った事かっ!!!」
「私あれがないとカジオー倒せないんよ」
 二人は苦しんでいる・・・その圧倒的な実力差に!!!!!
「という訳で二人とも終りだよ!!!唸れ!!!!!!!!私の最強の必殺技
エンジェルアローでDOKIDOKI(はあと)あたーーーーーーーっく!!!!!!!!」

『エィミィ!!!!!!!!!!!!!!!』

「はっ!」
 思念通話のクロノくんの声が響く。
 気が付くとそこには誰もいない、黒焦げの公園が広がっていた。
『エィミィ気が付いたか。君は幻想にかかっていたんだよ』
「え?あれが?・・・っていた、まてー」
 公園の外に逃げ出す二人を見て、追いかける。
 二人はあまり早い速度ではなくここからなら十分に追いかけれる!
 二人に近付き、鉄拳を見舞う。だが、それは空を切るだけで。
ぴぴぴーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
 気が付いたら道路のど真ん中に出ていて、トラックが私目掛けて突っ走る。
「はっ!!!」
 それを正面で拳で破壊する。
 それが原因で周辺は大騒ぎになる。
『エィミィやられた!これは二重幻想だ!!幻想が解けたように見せかけて、実際はまだ幻想の中にいる
という複雑な幻想だ!しかもそこは結界の外だ!今直ぐ局員を動因させて、証拠隠滅作業に取り掛か
・・・エィミィ?』
「え?幻想の中?外?どっち?一歩ここからはなれたら私は死ぬ?え?え?え?
どっち、ここは、どっちよ・・・」
『やられた・・・ああ、実によくやってくれたよ!!!!!!!!!!』
 凄い音がした。恐らく、クロノくんが何か壊したのだろう。
 つづく
414匿名:2007/03/08(木) 13:23:41 ID:k6VeY8gK
個人的に見たいのは、ユーノ×アリサ
シグナムさん公開陵辱の続き(本番)
415名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 21:24:39 ID:YFWdjhPA
アリサ×ユーノなら見てみたい。
416名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 23:17:05 ID:TVhTWKAg
>>396
スクライアの関係者と思われる二人の女性。なんかネギまのアーニャとネカネ
を思い出します。
417匿名:2007/03/09(金) 01:41:11 ID:foMb68zk
ネギま!…アリユー…
アリサ「あ、アンタやっぱりエスパーね!?」
ユーノ「ち、違うよ結界魔道士なんだ…アッ言っちゃった!」
ムゥ…違和感が無い…
418ヘボ書きマン :2007/03/09(金) 09:37:13 ID:NioYkPeh
>>415
同意です。書きたくも有るなぁ…

というワケで(何が?)、アルユノ話投下!!
419アルユノ (アルフ):2007/03/09(金) 09:39:27 ID:NioYkPeh

「ユーノぉ・・・どこ?」
この身体だと世界がちょっとだけ狭いんだ。元々の姿だともっと見てる所は低いけど。
まわりのみんなの歩くスピードがすごく速い。アタシが置いていかれるような気分になる……
「……ユーノなら、こんな事無いのに」
置いていったりなんか、しないのに。
いそがしくて、いつも迷惑事に巻き込まれてて、断われば良い事まで引き受けて…

優しい。暖かい。意地っ張り。ちょっと子供っぽい。怒らない。怒っても怖くない。
フェイトよりスベスベしててサラサラしてる。眠くなると髪の毛を弄る。
果物は種のある物のほうが好き。辛い物はあんまり好きじゃない。寝るときは髪の毛解いてる。

アタシは色んなユーノを知ってる。きっと誰よりユーノを知ってる。
でも、みんなユーノがどれだけ頑張ってるのか知らない。ユーノにどれだけ世話になってるか知らない。
アタシもユーノの手伝いするまで戦いしか分からなかったけど、戦うよりもこっちのほうがずっと大変。
怪我する危険はないけど、その分ずっと疲れるし、休憩も少ないし……みんなから褒められたりする事も無いんだ。
――――――――あんなに頑張ってるのに。

気に入らない。
なのは達よりずっと頑張ってるのに。
今アタシの側に歩いてる奴らなんかよりずっとずっと頑張ってるのに。
思いっきり殴りたい。殴り倒して踏みつけてやりたい。
だけど、この身体じゃそんな事できない。できたとしても、フェイトやクロノに迷惑をかける事になるから……

「ユーノ、どこかな……」
変な気持ち。
ずっとユーノを追いかけてる感じがする。身体も心も何かが足りないって言ってるみたいにウズウズする。
お腹が減るのとは違う。いっぱい動き回れなくてイライラするのとも違う。
戦いの時にどうにもならなくてウズウズしてる・・・のに一番近いかな?

でも、何か楽しい。

ずっとずっと変な気持ち。楽しくてウズウズしてイライラして……落ち着かないんだ。
ユーノに会えたら止まる?
ユーノならこの変な気持ちが何か分かるよね?
「ユーノ、どこにいるんだろう……?」
420アルユノ (ユーノ):2007/03/09(金) 09:42:04 ID:NioYkPeh

カタ、とコーヒーを横に置く。こんな物好きじゃないはずなのに飲んでる。
正直寝不足だから仕方ない事ではあるんだけど、健康に悪いよね。
大人になる感覚、ってこんな感じなんだろうか。
子供がどんなものなのか分からないまま、もうすぐ15歳になろうとしてる。
……15歳、とは言っても生まれた日はおろか月さえ分からないけれど。
別にそれで困りはしないからどうでも良いんだけど、みんなには色々言われる。
曰く、「子供ができた時にどうするんだ」
曰く、「自分がどれくらいの年齢なのか知らなくていいのか」
困りもしないし、悩む事でもないと思う。
でもリンディさんやレティさんには溜め息を吐かれる。
「もっと子供らしくていいのに」って。
理解できない。どういう事なのか、どうすればいいのか。
「・・・・・不味い」
苦い。砂糖を入れると苦さが際立つから要らない。
ミルクもあんまり入れない。そうしないと眠いから。

「やほー!ユーちゃん♪」
「元気かーユーちゃん?」

……来た。
見間違えようの無い猫耳と尻尾。喋り方も顔も違うのに同じ雰囲気の声と表情。
あとユーちゃんって呼ばないで下さい。

「リーゼ、さん……」
「一緒くたにしないでくれないかなー?」
「そうそう。失礼だよ」
いえ、だって貴方達目的同じじゃないですか。2人位しか座れない椅子にどうして3人で座ろうとするんですかボク挟んで。
「元気無いよ?」
「ん〜?お姉さん達に話してみ?お代はユーノの身体でいいよ♪」
「……なんでもないです」
そんな無茶苦茶高い代価は払えません。否、払いたくありません!!払ったらある意味人生終るじゃないか!!

「つれないなぁ・・・あ、ひょっとしてチェリー捨てちゃった?」
「部屋に連れ込んで部下の女の子食べちゃったとか」
「……それじゃボク行きますんで♪」
「「うん、それ無理♪」」(ガシッ×2)
421アルユノ (ユーノ):2007/03/09(金) 09:46:12 ID:NioYkPeh
(リーゼ達の自室)

結局吐かされた。
相談じゃなくて尋問だとしか思えない有無を言わさぬ勢いで。
「なぁんだ」
「たったそれだけかぁ・・・フェイトも短気だね」
「それだけ、って…本気で殺されかけましたけど」
フェイトがプレシアに似てきたなぁとか冗談抜きで思ったよ。
明るくなったと言えばそうなんだろうけど…女性らしさからは遠ざかってる。

「違うよロッテ。私が言ってるのはそっちじゃなくてアルフの方」
「へ?」
「あ、そっち?」
「何でフェイトも気付かないかなぁ…ひょっとしてまだ女の子の証来てないのかな?」
「まさか14歳でそれは無いでしょ。でもそうだとしたら不幸中の幸いじゃない?」
言ってる意味が分からない上にお互いだけで意思相通されるからワケが分からない。
そして何故ボクを挟んで前後に(つまり、今ボクはアリアさんに座らされててロッテさんに圧し掛かられてる)いるんだかサッパリ分からない。
…この人達の頭の中を見てみたいような見たくないような。

「ユーノってホントそっちには疎いね。色々長くなるから要約するけどアルフはユーノに発情しちゃった…というか結構我慢してたみたいだね」
「最近さ、アルフにやたら擦り寄られたり、逆にツンツンされたりとかしなかった?」
「発情って…そんな風には」
「アルフ自身始めてだったんじゃない?だからどうしていいのか分からないままどんどん溜まっちゃって…何かの拍子にぷっちんと」
「ユーノも2次性徴始まってきてオスの匂いが出てきてるんだよ?アタシ達もちょっとつまみ食い、って程度じゃ止まれなさそうな位にね」
…何か、ものすごく嫌な予感。遅すぎるのかもしれないけれど。

「でも残念だよねー、ロッテ」
「そうだね…でも憶えて無いなら好都合だよ」
「そうだね…♪」
「ユーノが悪いんだからね……?」
ざらっ…としたヌルヌルな2つの感触が首を這っている感触。いつの間にか腕と脚が重くなってる。
目の前にいるロッテさんがいつもの元気一杯な表情とはまったく別の笑顔を浮かべて見上げてきて。
ピチャピチャと自分のうなじをヌルヌルしたザラザラが…
「放してください!!何するつもりですか!?」
予想はつくけど、言葉が先に出る。

「さっきも言ったでしょ?」
「女の子が男の子を押し倒さないなんて常識は男の子だけの常識。綺麗なお姉さん達が自分の部屋に入れる事がどんな意味か分からないの?」
「無理矢理連行したじゃないですか!!」

「イヤならイヤって言えばいいんだよ。ユーノはそこが問題だね」
「言っても言うまでしちゃうけど♪ズボン越しでも分かるなんて、おっきいモノ持ってるんだね〜」
言いながらボクの服を嬉しそうに脱がしていく2人(匹)。・・・・・これって犯罪だよね?
体が目以外殆ど動かせない状態になってるし……助けてと叫んでも誰も来るはずもないし、この2人に勝てるのはなのは達くらいだ・・・

でも、嫌だ。こういうのは間違ってる!!
……何でこういう時にアルフの裸を思い出してるんだボクは!?
ああもうボクのバカ!!!!
422アルユノ (アルフ):2007/03/09(金) 09:59:16 ID:NioYkPeh
(ユーノの部屋)

「まだ帰ってない…う〜〜〜!!」
ベッドの上でむくれてみるけど誰もいなくて何かかっこ悪い。
シーツやなんかは全部洗われて今は干されてるから骨組みと板と薄いクッションだけ。
ユーノの上着が脱ぎ捨てられてて、何だかちょっと情けない。
…でも、いつものユーノの事を考えれば文句は言えない。
ユーノの手伝いをするようになったのは2年前。フェイトが小学校を卒業した頃。
何となく、アタシ自身の居場所が見つからなくて寂しかった。
はやての家にも誘われたけど、気が乗らなかった。
いじけてたんだ。誰も私が要らない様な気がして……すごく怖かった。
だから、リンディに相談したんだっけ。


(回想)

「フェイトも強くなっちゃったものね…
クロノの手伝いをしてもらうわけにもいかないしエイミィは・・・
・・・あ。だったらユーノ君のお手伝いをお願いできるかしら」
「ユーノの?」
「ええ。…正直、無限書庫の管理はユーノ君に殆ど任せきりなのよ。管理局の人材はそっちの方面は全然だもの。
なのはさん達みたいな戦力よりはずっとユーノ君みたいな人材のほうが欲しいんだけど・・・
上の人間も入ってくる子達も血の気が多いから。それに・・・・・それ以前にね…」
何故か、あの時とてつもなく重たい溜め息をリンディが吐いたのが忘れられない。

「スクライア一族の今の族長さんがユーノ君を弟同然に可愛がってた人でね…
前にユーノ君が疲れて倒れちゃった時に
『今度ユーノをそんな目に会わせたら全てのスクライアは今後一切時空管理局には協力しない。
ロストロギア管理権限も返して貰う』って…
もの凄い剣幕で怒鳴り込んで来て…まさか、なのはさんを叩きのめせる人がいるなんて思わなかったわ…
話がずれちゃったけど、そうでなくてもユーノ君を1人で仕事させてるのは心苦しいのよ」
「でもアタシ、ああいうの苦手だし…本とか辞書とか」
「側にいてあげるだけでもいいのよ。あんな所に1人でいたら精神的に参っちゃうでしょう?
それとも誰か推薦する人はいるの?」
「いないけどさぁ…ユーノは男なんだよ?」
「ユーノ君は大丈夫よ。ウチのクロノみたいに獣じゃないし、貴女だったら逃げられるでしょ。
じゃ、頼んだわよ♪」

(終了)


それからしばらく2人っきりで仕事してて…
ユーノの事を分かってきた頃にフェイトが遠くの次元世界に行くことが多くなって…
寂しくて、ユーノの部屋で寝ることも増えたんだったね・・・
ユーノが男のくせに身体と髪を洗って乾かすのにすごく時間かけてるのもその時知った。
帰ってきたフェイトに触ったらユーノよりずっとガサガサだった。
後で分かったことだけどユーノの肌も髪も、アタシの知ってる限りではすずかくらいしか同じくらいのレベルがいない。
なのはもフェイトもはやても薄情だよねぇ・・・すずか達に会いに行ってるのはアタシとユーノだけじゃないか。
エイミィも偶にいるけど。

………?
すずか達の事を考えたらノドがチリチリした。
きっとユーノがいても、そういう気持ちになる。最近誰がいてもそうなるんだ。
「ユーノのバカ……教えてよ……」
抱きしめた毛布からユーノの匂いがして、泣きたくなった。

カラダが熱くて…息が苦しいよ……早く来て…いつもみたいに頭撫でてよ…アタシの名前、呼んでよ……アタシを…
423アルユノ (ユーノ):2007/03/09(金) 10:05:53 ID:NioYkPeh

「さて、これくらいで良しとしますか」
「・・・・・はい?」
服を脱がされるのか、と息がも苦しくなって覚悟した時、上から(圧し掛かられてたから)声が降ってきた。

「まー、今回ばっかりはアルフに譲ってあげないとね。気持ちを分かってないウチにこういう事を本番までしたら可哀想だから。
ユーノもちゃんと性欲も性感もマトモって分かったから、何も問題無いって事も分かったし。……私としてはしたかったんだけどね」
「ロッテ、文句言わないの。ユーノ、今のアルフとユーノの関係、すごい意味を持ってるって分かってる?」
「アルフがボクの事を好きになった事ですか?」
後ろから抱きしめられながら返事をするしかないなんて、自分が情けなくてしょうがない。

「違うよ。使い魔が誰かを好きになるなんていうのは普通の事。
発情するのだって元々獣だったのが多いんだから当たり前。
今問題なのは、アルフは自分で自分の好きなユーノの為に発情してるって事だよ。
それがすごいって言ってるんだけど理解できる?
使い魔は一回死んじゃった身だから子供は作れない。主が死んじゃったら消えちゃう。
アルフもそれは分かってるだろうけど…
…それでもフェイトよりユーノを選んだ事がどれだけ重い意味を持つのか、ちゃんと考えてね」
「私達はもうすぐマスター変更するか、父様と最期まで一緒にいるか決めなきゃいけないけど。
それと同じくらい大きな問題だよ。……使い魔は子供も出来ない老化もしない。
主を変更していけばずっと生き続ける。
でも、心を持ってる私達は悩んだり苦しんだりする。恋愛感情を持たせた責任は大きいよ?
―――――――――――――と、重い話はここまでにしてさっさとアルフに会いに行ってあげなよ。きっと待ってるから」

「・・・・・いいんですか?」
「次は無いよ。容赦なく押し倒して黄色いどころか真っ白な太陽見せてあげる」
「アルフに振られちゃったらおいで〜♪骨の髄まで染めてあげるから。あ、でもユーノに才能があったら染められちゃうのは私達かも♪」
「全力で遠慮しますっ!!!!……その、ありがとうございました!!」



「・・・・・行っちゃったね」
「アリア、実はすごく悔しいでしょ。あーあ、食べ損ねちゃった」
「それはそうよ。私達の次の主になって欲しいくらいには信用してるんだから、繋がりが欲しいかなーって」
「・・・・・今久し振りにアリアと何も使わずに心が同じだって分かった」

「当然。私達は双子なんだから」
「ずっと、一緒だね。でさ、今度ユーノ襲う時は何時にする?私としてはやっぱり夜這いかな」
「セオリー通りも良いけど、シャワーに乱入とかどう?」
クス・・・クスクスクス・・・
「「むっはーーーーーーっ!!!ユーちゃん萌えーーー!!!!」」
424ヘボ書きマン:2007/03/09(金) 10:19:49 ID:NioYkPeh

以上っス!!
時間空いた割には忙しくて進んでないよ自分!!
そしてリーゼ好きな方々ごめんなさい。
次はアリサ×ユーノかユーノ×アリサかユーすず・・・むう。
でも何気にリインT×ユーノとか考えてたり

ユーノはリインTを再生したらはやてに渡そうと思っていたが
事件が起きてしまい、仕方なくマスター権限を自分のままで戦う

事件後、はやてに「ユーノ君のお手伝いしてきて」と応援されるリインT

こんなの妄想してます。ではまた。
425名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 12:44:31 ID:JmqEAHOM
>>ヘボ書きマン氏
GJです!
正直ロッテリア’sが此処まで細かいことを考えているとは思わなかったです(失礼)
次はアリユーかユーすずですか・・・
自分はユーはやが好きなんですが某提示版を見てからアリユー、ユーすずもいいかな?
なんて思ってるので実に楽しみです
まあ、ヘボ書きマン氏の書くユーノメインのSSは全部すきなんですけどね
426549 ◆xbn1Z6LB3Q :2007/03/09(金) 19:05:03 ID:tWRvu2hL
9、10スレ分が終わりました。
改めて640氏と176氏の執筆量にびっくりです。

最近wikiに昨日分と1週間分のPVが分かることに気が付いたのですが、
1日平均2000前後アクセスがあるようです。
前と違って検索避けが無いせいだと思いますが、
livedoorWikiの順位らしきものでも20位前後にあるので、
改めてなのは人気の凄さに驚いた次第です。
427名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 19:51:29 ID:DL179G6v
>>426
乙です
「ほんなら、みんなでいっしょに生きようか」はいつ読んでも泣ける……
42876:2007/03/11(日) 19:53:39 ID:9rG+C3mV
どうも、お久し
最近、どこへ向かっているのかわからないわけですが、とりあえず
ttp://www.eonet.ne.jp/~marchi/nanoha_ss/76_fate_7.txt
だんだん日誌みたいになってきました…
まとまった部分以外ではあまり改行していないので、折り返し機能を使ってください。

>>426
549氏
いつもお疲れ様です。

しかし、まともに読めてない作品多いな orz
どうにかして、読む時間を作らないと…
429名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 16:14:00 ID:pr7KojqN
430名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 21:53:13 ID:48kikbNH
ちょっと質問します。

当方は18歳未満なのですがリンクをたどってこのスレにやって参りました。作品の投稿を考えているのですが
@完結が必須か
Aリリカルなのはのキャラはでてくるが作者(俺自身)が主人公になっている。もちろんリリカルなのはのキャラの一人はヒロイン。

この2点について回答をしていただければ幸いです
431名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 22:07:50 ID:kwkjTpdy
ここは18歳未満禁止。とっとと帰りなさい。
432名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 22:20:57 ID:gJpmx7Qy
21歳未満禁止じゃなかったっけ?
433名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 22:24:22 ID:ehKjswyX
何にせよ、投下するなら予告してくれ。
NGするから。
434名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 22:34:36 ID:EvGKzA0W
なんで不必要な事まで書くんだ?
自分は18未満とか。
435名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 23:13:43 ID:higeavF0
坊やだからさ
436名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 23:29:42 ID:quh0Pq3C
これで荒らしになれば典型的な18未満だなw
437549 ◆xbn1Z6LB3Q :2007/03/12(月) 23:31:12 ID:nRAUoAZd
>>430
そもそもとして、ここは18歳未満禁止です。
他にも投稿場所はありますから、全年齢可能なところを探しましょう。
ここだけで精一杯で、他を知らないので紹介できませんが、必ずあるはずです。

>@完結が必須か
これについて、人のことをとやかく言える立場ではありませんが、
始めるなら完結させるつもりでやりましょう。
とは言っても、気負う必要はありません。

>Aリリカルなのはのキャラはでてくるが作者(俺自身)が主人公
>になっている。もちろんリリカルなのはのキャラの一人はヒロイ
>ン。
これは、かなり読者を選ぶパターンです。
嫌がられる可能性が大きいです。
書くなら叩かれるかスルーされる覚悟をもった方がいいかも。



全年齢向けが多いのは事実ですが、やはり18歳未満禁止な場所ですから、
総合スレでの記述とか変えてもらった方がいいのでしょうか?
保管庫も少し工夫しないといけないかも。
てか、総合スレで補足されてプレッシャーが(苦笑)。
438549 ◆xbn1Z6LB3Q :2007/03/12(月) 23:41:47 ID:nRAUoAZd
>>428 76氏
こちらこそ、お久しぶりです。
もし、時間がある時でよいので、外部リンクではなくスレに投稿していただけると非常に助かります。
なぜなら、外部リンクだと自分で定めている保管庫に保管する基準から外れてしまうから(苦笑)。
本当に暇がある時でいいので、続きを期待しています。

>全SS作家の方々へ
新保管庫の内容で修正要望等がありましたら、
wikiのコメント機能で要望してください。
見保管分についてはスレの方で構いません。

あと、SSには適度な長さの題名があると非常に助かります。
長すぎて「...」と省略する必要が出たのは正直想定外でしたw。
439名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 00:48:56 ID:S7jun/Hx
つか主人公「俺自身」って……
なのはに限らず大抵のジャンルでダメだろw
440名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 00:52:10 ID:gh03K5Sm
>>430
「メアリー・スー」「U-1」でぐぐって出直してこい。
441名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 01:12:55 ID:c2VheZLm
主人公=作者 ってふつうSSではありえないパターンだな。
自分に似た部分がある架空の人物というならわかるが。
44276:2007/03/13(火) 01:43:03 ID:jA87ZA3e
>>438
了解しました。
後日改めて、対象をスレの方に投下させていただきます。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いします

>>430
本スレで質問していた彼かい?
うーん…
まあ、受け付けない人が多そうなネタではあるかも。それ以前に18未満だしな…
>>437で549氏が言っているように、投下はあきらめた方が良いかもね。
どうしてもというのなら、テキストファイルで上げて批評を受けてもいいと思うけど…まあ、どうなるかは何となくわかるでしょ?
でも、作家の芽は摘みたくないしな…悩みます。

一度、意見を聞いてそれを糧にするのも伸びる方法だし、今回だけという条件付きでありにする…訳にもいかないわな。
前例を作ったら、そこからなし崩し的にっていうこともあるだろうし
私自身も、ここばっかりに居着いてるから、全年齢向けの場所は知らないからな…
どなたかご存じありませんか?
443名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 02:26:32 ID:i8guPqab
ふたばのリリカル学園文芸部にでも投下すればいいよ
444名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 15:06:00 ID:BSFMrgv2
445名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 06:22:01 ID:CwaIfl3b
>>430
既出だが、ここは21歳未満禁止。

>>440が最大の回答だと思う。
二次創作において「メアリー・スーほどやってはいけないものはない」といっていいほど。
そして、あなたが書こうとしているものは間違いなく「メアリー・スー作品」だ。
二次創作は、メアリー・スーを出さずに構成するのが普通で、
メアリー・スーを使わなければならない作品は、つまらないのが相場。
誤解して欲しくなのは、
作者オリジナルキャラを出すなといっているのではない。
メアリー・スーを出すなといっている。
端的に知りたければ下のサイトを読むといい。
http://www.imasy.or.jp/~hir/hir/marysue/marysuefaq_j.html
446名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 06:29:35 ID:+hAzr9ZX
>>445
バカの話題を蒸し返すお前の方がよほどメアリー・スーだよ
447名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 00:12:16 ID:X/gLd0S0
今日はオレとシャマルの初デートだ。 

はやて「だけどそれは夢や」
448名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 06:58:08 ID:Y5PlEeVB
シャマルに膝枕されたい
気付いたらリンカーコア取られてそうだが
449640 ◆CaB8KPh.gs :2007/03/18(日) 01:14:40 ID:7XB/zoEm
その日、スバルは眠れなかった。

週末の休日で、一週間の疲労も取れて十分に回復しているせいだろうか。
わずかにうとうととしたものの、夜中を少し回ったあたりで目が覚めて以降、
まったくといっていいほど眠気がやってこないのである。

(うー……)

明日は週の頭、もちろん朝から激しい訓練が待っている。
しっかり寝ておかないと、響くというのに。

ごろり、と寝返りを打って掛け布団を頭から被る。
いっそ、なにかあたたかいものでも飲んで気分を落ち着けようか。

(でもティア、起こしちゃったら怒られるだろうしなぁ)

二段ベッドの下の段には、ルームメイトのパートナーが眠っている。
案外自分では音を立てていないつもりでも、人というのは割りと敏感で
振動などを感じ取ってしまうものだ。
彼女に迷惑をかけることになってはいけない。

(どうしようかなー……ん?)

悩んでいるところで、下の段からなにやら聞こえてくる。
もぞもぞと布団の動く、衣擦れの小刻みな音。

(あれ?ひょっとしてティアもまだ、眠れてない?)


魔法少女リリカルなのはstrikers

−パートナー− 前編


──だめだ。こんなこと、いけないのに。

「……ッ」

手が。指が、止まらない。

「は……ッぁ……」

小さく絞ったベッドライトが、彼女の宝物を照らし出す。
今は亡き兄の遺した、一枚の写真。
自分と兄との、思い出の一場面をそこに切り取り保存してくれている。

「ん……ぅ……ッ」

ティアナは、兄のことが大好きだった。
強くて、優しくて、この世の誰よりもティアナのことを思い大事に守ってくれていた。
450640 ◆CaB8KPh.gs :2007/03/18(日) 01:15:58 ID:7XB/zoEm
その優しかった兄は、今はもういない。
ティアナの頭を撫でてくれることも、抱きしめて褒めてくれることもない。

なのに。いや、だからこそ。

「……ぉ兄……ん……」

恋しくて、愛おしい。
胸が切なくて、身体が熱い。

「……ぅぁ……ぁッ」

本当はこんなこと、いけないことなのだ。
頭ではわかっている。なのに、身体が勝手に動いてしまう。

視線の先に映る兄の写真が、潤んだ目にぼんやりと滲む。
自分自身に埋没した指先に、漏れる声を抑え切れない。

上のベッドには、スバルが眠っているというのに。
こんなところ、見られるわけにはいかない。だけど。

己を苛め慰める指先からは、既に粘り気のある湿った感触が返ってきていた。

(とまん……ない……っ)

──「こうなった」のはいつ頃からだろうか。

亡き兄の写真を前にして、身体の火照りを抑えられぬ夜が時折、身を焦がすようになったのは。
ひと月に一度ほど、どうしようもなく切なくなり、身体の疼きを堪えられなくなってしまうのだ。

胸を。大事なところを。
指が這い回り、摘み、沈み込んでいくだけで、兄の記憶が蘇ってくる。
今自分を苛めているのは自分の指であって、自分の指ではない。
ティアナの指を借りた、兄の手なのだ。

大きくティアナを抱きしめ、包み込んでくれた両腕の感触や。
胸いっぱいに広がった彼の匂い、全身で感じた彼のぬくもり、
その全てがまるで昨日のことのように思い出されてくる。

世界中で一番好きだった兄への、その想いと共に。

「っあ」

敏感な部分に指が触れ、慌てて枕に顔を押し付ける。
はしたない声を聞かれてはいけない、自分のいやらしいところを知られたくない──……。

既に、下着も、寝間着代わりのスエットのハーフパンツも膝の下。
布団は乱れ足に蹴り出され、額に汗を浮かべてティアナは自己を慰め続ける。

腰が指遣いに合わせくねり動き、たくしあげたTシャツからこぼれる胸先は、固く勃起していた。
きつく指を咥え込むそこから、あとからあとから歓喜の証たる潤滑油が溢れていた。
451640 ◆CaB8KPh.gs :2007/03/18(日) 01:17:38 ID:7XB/zoEm
心地よい。
気持ちよくて、たまらない。

自己にただひたすら、ティアナは陶酔していく。

指の埋没は次第にその深さを増していき、
進退のスピードも激しく乱暴に、自分自身を突いては引き抜く淫らなピストン運動と化していく。

もっと、もっと。
もっと奥まで、もっと激しく。
布団に移った己の人肌が兄のぬくもりを思わせ、愛しき肉親の愛撫へと脳が変換する
自慰行為にひたすら没頭する。

兄の吐息、兄の肌触り。兄の熱さ、兄の太さ。
彼女が知ることも、想像の上のものでしかないこともみんなティアナを攻め立て、絶頂へと導いていく。

脳裏に兄の顔と交互に明滅するピンク色の光が、この夜の運動の終着するゴールが
近いことを激しい快楽とともに教えていた。

「──ティア?」
「っ!?」

そして、聞こえた声が、彼女を内面に広がる悦楽の世界から現実へと引き戻した。
薄暗い部屋にも出来た影が、彼女の上気し火照った顔を黒く染める。

……取り繕いようがなかった。

布団はとうに蹴り脱ぐような形で脇に追いやっている。
ベッドの上には、半裸の姿がそのままオレンジ色に近い小さな灯りの中に浮かんでいる。

「なに……してるの?」

ルームメイトに、彼女は己の痴態を晒してしまっていたのである。

*   *   *

「や……スバ……その、これ、いや、えと……ッ!!」

動揺したのがまずかった。
うっかり、膣内に指があるということを忘れ、不用意に身体を動かして。
一番敏感で優しくあつかわなけばならないところを思い切り、指で弾いてしまう。

かり、とか、こり、とか。聞こえるはずのない明確な爪の音が、なぜか聞こえた。

「あ、だめ、だ、だめぇぇっ!!」

絶頂寸前だった己に、止めをさしてしまった。
半ばブリッジのような体勢で頭が真っ白になり、ルームメイトへと指をくわえた恥部を突き出すティアナ。
膝は震え、本気の液が指に塞がれた割れ目から溢れてくる。

その状態で硬直し、ティアナは深々と酸素を吸い込み嬌声をあげる。
452640 ◆CaB8KPh.gs :2007/03/18(日) 01:20:12 ID:7XB/zoEm
「あ……あぁ……」

硬直は一瞬、愛液を滴らせ。
腰がへなへなと砕け、薄明かりに照らされ濡れ光る秘所と下半身が布団の上に落ちる。
スバルの目の前で、彼女は達してしまったのだ。

紅潮した顔を背けても既にもう、あとの祭り。
イってしまったところを見られたなんて。

きっと、変態だと思われたに決まっている。間違いなく軽蔑された。

「──ティア」

興奮の落ち着いてきた下半身が夜の空気にひんやりと冷えてきて、
スバルに見られている自覚と重なって自然と内股に腿をすりあわせる。

きつく瞑った瞼の裏を、覗き込んできたであろうスバルの影が染めた。
そしてその声は不思議なほどやさしかった。

「大丈夫。嫌いになんかならないよ」
「……え?」

それ以上に、近かった。
声も、スバルの気配も。

頬に当たる呼吸の音に、ティアナは背けていた顔と閉じていた目をわずかばかり、そちらに戻す。

「!?」
「──んっ」

間近にあったのは、ショートへアの整った顔。
彼女の右手が頬に伸びてきて、軽い力で正面を向かされる。

シャンプーの香りが、鼻腔に漂ってくる。

スバルの唇が有無を言わさず、ティアナの口を覆うように塞いでいた。

(えええっ!?)

女同士の、キス。
唐突なルームメイトの行為に、ティアナはおもいきり動揺していた。
スバルの熱い唾液が、生き物のように動く舌が口の中に流れ入り、自分のものと混ざり絡みつく。

動揺しながらも、冷めかけていた身体に再び体温が上昇していくのを自覚する。

「ぷはっ」
「っは……す、スバル……?」

自分を組み敷き覆い被さるスバルの瞳には、奇妙な醒めた光があった。
ティアナ同様、彼女の頬も紅潮している。

彼女の視線が捉えるのが己ではなく、すぐ側の写真であるということにティアナは気付かなかった。
同情でもなく、哀れみでもない。純粋に彼女はティアナを案じていた。

「……ごめん」

一言だけ、彼女は謝った。
少女の指先が、絶頂に濡れそぼったティアナの秘所へと伸びていった。
(つづく)
453640 ◆CaB8KPh.gs :2007/03/18(日) 01:26:31 ID:7XB/zoEm
ご無沙汰してます、スレでは半引退モードの640です。
久々すぎてエロスが書けん(ぉ
忘れた頃にやってきてスマソ。

膨大すぎるので職人の方々への個別レスは控えますが、みなさまお疲れ様です。
また、549氏も保管庫の更新お疲れ様です。

次回も多分忘れたころにやってくると思われ。
でわ。
454さばかん:2007/03/18(日) 20:34:54 ID:b3xBQWj/
みなさんこんばんは&お疲れ様です。
懲りずにまたまた投下させていただきます。
今回もエロなしバトルです。
455さばかん つかいまなのなのは1:2007/03/18(日) 20:36:38 ID:b3xBQWj/
 前回のお話。
 時空管理局から逃げ出したフェイトだったが、武装局員に見つかってしまう。
 追い詰められたフェイトを助けたのは、なんとはやてだった。
 なんか適当な魔法を駆使し、どうにか窮地を逃れるのだった。
 今回は、その少し前の話。

 ユーノに最後の一撃が落とされる。
 元々傷だらけの体に大きな傷が刻まれる。
 血はゆっくりと、だが、確実に地面に広がり、床を赤に染めた。
 クロノは乱暴に冷たくなるユーノの体を放り投げた。
 どすっ。ユーノの体はピクリとも反応しない。
「適当な場所に捨てておいてくれ」
 適当な武装局員に声をかけたクロノは、たったいま起き上がったなのは
を見つめていた。
「腐ってる」
 なのはの声は、子どもとは思えない。怒りの感情に支配されたものだ。
 身震いする程の殺気をクロノは平然と受け流す。
「何が腐ってるのか・・・教えてもらおうか」
「彼を・・・ユーノくんを殺す必要は無かったはず。それをっ!!」
「甘い意見だ。勝利を確定するには相手を殺す。それだけの事だろう。
特に殺し合いとなれば尚の事。背中を向けた瞬間、人生が全て終わるなんて
事が当たり前にある。・・・これは当然の行為であり、礼儀だ」
「礼儀?」
「彼を真の漢(おとこ)と認めた。と言うことだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 暫く黙ったなのはだが、
「ねぇ、クロノくん知ってる?恋は乱暴に言えば3パターンに分けられるって
お前の望んでる『お手軽』なのとどっちでもいい『ノーマル』と最後の一つ
はお前なんかに教えて、あげな〜い!!!!!!!」
 突然消えたかと思うと低く屈んだなのはがクロノにハイキックを当てようと
するもかわされる。
「『ジレンマ』とは・・・随分マニアックな歌を。だが、不意打ちに関して言えば
0点だ。僕はこの拳を武器にすると決めた日から、一度も気を抜いた事が無いんでね。」
 クロノはゆっくりとなのはの元に歩き出し、
「僕が不意打ちのなんたるかを教えてあげるよ」
 段々と距離は縮まり、なのはの体が緊張で満たされる。
「なのは、知ってるかい?恋は乱暴に言えば3パターンに分けられる。お前の
望んでる『お手軽』なのとどっちでもいい『ノーマル』と後のひとつは、」
 クロノの体が肉薄し、距離がゼロになる。
 さあ、どこから来る?蹴りか?肘か?膝か?拳か?
「お前なんかに教えて、」
 来る!
「あげな〜い」
 クロノはそのままなのはの横を通り過ぎる。

 ただ、それだけだった。

「え?」
 なのははクロノの方に振り向くとクロノは薄く笑っていた。
「どうだ?精神的に大ダメージ(はあと)」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はあああぁぁあ!!!!!!!!」
 拳と蹴りの連撃をクロノは全てかわす。
456さばかん つかいまなのなのは2:2007/03/18(日) 20:37:49 ID:b3xBQWj/
「あちゃーなのはちゃんすっかり挑発されてるなー」
 遠くから見ていたはやてが呟く。
「だねー。ってか何?さっきの心理戦っぽい奴」
 とエィミィ。
「まぁまぁ、たまにはそんなこともあるって」
「そー言えば私達、敵同士のはずなのに妙に親しげ・・・これで、いいのだろうか?」
 困ったエィミィにはやてが大丈夫と肩を叩く。
 そのほのぼのとした場面から少し離れると殺気の海が広がっていた。
「ふっ!」
 なのはの高速の拳が飛ぶ。鳩尾を狙うそれはしかし、
「・・・・・・・・・・・・・・・甘い」
 あっけなく体を横にしてかわすクロノに体を横に回転させながら一歩詰める
という器用な技をこなしながら裏拳、後頭部に当たるはずだったが、それも後にかわす。
素早く肉薄し、なのはの左肘がクロノを襲う!!!
 しかしそれも首を傾けかわしたかと思えば、なのはのバリアジャケットを掴み、脳天から
地面に叩きつける。柔道もへったくれも無い、純粋な力技である。
 ごんと生々しい音がしたのと同時にクロノは手を放す。
 なのはが脳天を軸にして蹴りを放ったからだ。
「脳天直撃で速攻とは・・・随分と丈夫で」
「いたた〜。コブできるよコブ」
 コブができる位ではすまないと思うが、例外はどこにでもあるものだ。
(しかし、どうもおかしい。幾ら動体視力がいいからといってあそこまでギリギリまで引き付けて
かわす事をそう簡単にできるとは思えない。しかも、反撃したのは唯一隙のある攻撃だった。)
 出来すぎていた。綺麗過ぎた。戦闘とは計画通りにいかないと経験で分かっていたなのはは、クロノの鮮やかな体裁きに疑問を抱く。
 だが、そんな疑問をほっとくように、さっきまでの硬かった表情が消え、クロノは笑い出した。  
「くっ、あはははははは!!!!!!!!!!!滅茶苦茶だな君は。ははははははは!!!!」
「え?」
「ははははは、は。いや、君の滅茶苦茶さには慣れてるつもりだったが。
なのは、矢張り僕は君の事が、
                   好きだ!」 
「えー、そうなんだ・・・え?・・・えーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
457さばかん つかいまなのなのは3:2007/03/18(日) 20:39:12 ID:b3xBQWj/
「なんか告ってるよクロノくん」
 ついていけないという顔のエィミィ。
「あー・・・意味不明や」
 はやては傍観を決め込む。
「?何がおかしい。 好きっていうのは人間としてだ。君にとって僕はたった数回しか合っていない他人だろうが僕は違う。君の戦闘を全て見ている」
「・・・真坂」
 さっきすべての技をかわされた違和感の鍵穴に発想の鍵が突き刺さり、廻る。
「そう、君の攻撃パターンは全て把握している。人にはすべからく癖というものがある。
その癖を覚えてしまえば・・・君の攻撃を全てかわすことも容易い。
 僕は色んな人の動きを暗記してきたが・・・君ほど真っ直ぐな拳は見たことが無い。
 心から君が好きだ」
 はやてがエィミィに訊ねる。
「なんて言っとるけど、そんな事ができるん?」
「できるよ。呆れる程の時間と鍛錬をついやすれば。
クロノくんはね、自分の事を過小評価してるんだ。自分には才能が無い。特出すべきところもない。
 凡人に出来ることはひとつ・・・努力を重ねる事。そう考えたクロノくんは誰よりも訓練し、誰よりも
食事に気を遣い、誰よりも確実に敵を倒す事を考えた。考えた結果が、あれさ」
「敵の癖を、暗記する」
「そう。クロノくんはなのはちゃんの戦闘を機械に記録させ、癖を見抜くため仮想戦闘を繰り返した。
 クロノくんの師匠は一度覚えたことを彼は忘れないと言ってたけど、それは違う。
 忘れたさ、何度も。ただ、彼は凡人ではありえない程繰り返す。だから覚えているんだ。
彼は凡人なんかじゃない。れっきとした大天才だよ」
 彼女の言う大天才はオーバーだと思ったはやてだったが、エィミィの自信にあふれた表情を盗み見して
それがはったりでないと感じる。
「好きって言われて嬉しくない女の子なんていないよ・・・でも、」
 なのはは足を少し浮かせて
「場をわきまえないと!」
 ど〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!
 なのはが地面を強く蹴る。頑丈な床に穴が大きく穿たれささくれ立ち、周りには瓦礫の山が出来ていた。
 クロノのダメージといったら飛んできた砂塵くらいだ。
 なのはは大きく跳躍し、再び地面を蹴る、また跳び地面を蹴る。ただ繰り返す。
その度に砂塵がまかれ、クロノの視界を封じる。
(成る程、僕の回りの地面を蹴っているのは砂塵で視界を封じて撃つ為・・・がっかりだよ
あまりにも拙い考えだ)
 クロノは目を瞑り、神経を集中させる。
(空気の流れが分かれば、どこから攻撃されるか予測するのは容易い)
458さばかん つかいまなのなのは4:2007/03/18(日) 20:40:28 ID:b3xBQWj/
 空気の流れが変わる。
 なのはの跳び蹴りを横にかわすクロノ。だが、それがなのはの狙いだと気付いた時にはもう遅かった。
 裁いた足は地面につかず、クロノはバランスを崩して転ぶ。その間、なのはの拳がクロノの腹に直撃する。
「ぐあっ!!!」
 どうにか腕を使い、体制を立て直す。視界が晴れ、なのはの目的が見える。
 地面がボコボコでささくれ立ち、マトモに歩ける状態ではなかった。
(ちっ、これではまともにかわすことができない)
 地面が劣悪になり、バランスを保つのがやっとのクロノにお得意の体裁きはできない。
 しかし、なのははバランスを崩さず突進し、クロノの頬をぶん殴る。
 ふら付いたクロノに鳩尾を打ち、脇腹に渾身の蹴りを放つ、更に蹴った足を軸にして体を捻り、耳に
裏拳を打つ!!!!
「あっ!!!」
 跳躍し、一定の距離を保つクロノは必死に劣勢なこの状況を思考し、打開しようとする。
(ちっ、左の耳が聞こえないし呼吸もしにくい。しかし、何故こんな劣悪な床でマトモに歩けるんだ)
 なのはの足元の地面を見るとそこには大きな穴が穿たれている。
 なのはは、劣悪な地面を踏み潰していたのだ。
(なんつーばか力。だが、冷静に考えれば!)
 再び大きく跳躍し、まともな地面に飛び移る。
「残念だったな。ここは広いから広範囲の床を崩すことはできない。しかもここのは丈夫でね、君も
強化に相当の魔力をついやしたはずだ」
「くっ!だああああああああああああああ!!!!!!」
 突進し、再びクロノに拳を打ったなのはだが、かわされ、クロノの魔力のこもった手が腹に優しく触れる。
「ブレイク、インパルス!!!」
 瞬間、鋭い爆音が響き、なのはの胴を鮮血で染める。
「ぐああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」
 なのはは倒れ、クロノはその刹那の過程を見つめた。
「なのはちゃーん!!!!!!!あっ、そ、んな。あんなに強いなのはちゃんが、負けるなんて」
 はやての絶対の自信が瓦解し、青ざめた表情が心をそのまま映す。
 だが、それと同じ位の絶望が、床を崩す。
「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」
 クロノは床を殴りつけるを膝をつき、慟哭する。
「君なら!君なら絶対に崩せると思った!!こんな矮小な、卑怯で汚らしい、技とも呼べないものを
僕は、君に勝てないから、君の拳を、汚した!!!!!!!!!!!」
 クロノはそう思っているようだが違う。エィミィがさっき言った通り、彼は自分の事は過小評価しているだけだ。
 クロノは床を数回殴り、起き上がる。
「・・・すまない、君にも、なのはにも」
「勝ちは勝ちや、でも、自分で納得してないならそれは勝利と呼べるんやろうか?」
 絶望したはやても少し落ち着いていた。クロノの嘆きを聞いたからである。
「・・・微妙かもな」
 薄く笑って答えたクロノは咳払いをし、話を変える。
459さばかん つかいまなのなのは5:2007/03/18(日) 20:41:18 ID:b3xBQWj/
「さて、なのはは倒れ、残るのは君だけだが・・・抵抗するかい?」
 はやては静かに首を振る。
「そうか、君はジュエルシードを良く集めてくれた。本来教える必要は無いが、報酬を払うのが
雇い主の義務だ。
 訊ねるが、君がジュエルシードで望みたかったのは、なんだった?」
 突然の問いかけ。それは既に訊ねられ、答えた記憶があった。
「家族を、生き返らせる」
「ジュエルシードにそんな力は無い。あるとしてもそれは一時的なものであって無いに等しい。
 ジュエルシードに衝撃を加えると次元断層が起こる、それを利用して上は消したい世界があるらしい」
「そう、でもそれしか道が無かったから・・・」
「ユーノに誤情報を流し、集めさせたのも僕だ。後一つ・・・これは本来教えてはいけない事なんだが・・・
君は記憶を喪失している」
「え?」
 以外な言葉に呆けた声しか出せない。
「君は過去に犯した過ちを自ら封じ、記憶を都合よく改変した・・・偽りの記憶で死ぬのはイヤだろう」
 そう言ってはやてに魔術を施す。
「記憶を取り戻すのは辛いだろう・・・だが、世界はこんなはずじゃない事ばかりで、だれだって
悲しみを背負う!」
 クロノははやてが自ら施した魔法陣を破壊し、自分の記憶も加えてやる。
「これで前よりもその状況がよく見渡せるはずだ」
 はやては記憶を段々と取り戻し、涙を流し、叫ぶ!!!!
「ああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
 蹲(うずくま)り、恐怖から逃れようとするはやての叫びに、白い魔法使いは目を覚ました。
つづく
460名無しさん@ピンキー:2007/03/20(火) 00:58:23 ID:2H3oXeBQ
>640氏
期待半分不安半分

1レス目の最後で投げそうになった。
461名無しさん@ピンキー:2007/03/20(火) 01:18:24 ID:q1HPr4t5
>640氏
わっふるわっふる
462名無しさん@ピンキー:2007/03/20(火) 18:12:25 ID:yEYxAfQ3
>>445
どうでもいいが今は18未満禁止だ。去年の十一月にルール変わった。
463名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 00:09:12 ID:cx29bzUe
はやて「あと10日でストライクはじまるな・・・うちのTV映らん」
リイン「ストライキしましょう」
464名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 06:48:16 ID:WL2kJpZm
ストライクと聞いて、真っ先にラッキー・ストライク先生が思い浮かんだのは内緒だ
465名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 04:33:01 ID:vtvF0ApO
もうここもあんま機能して無いな
466名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 12:26:39 ID:tCP+dhgm
放送開始前で投下しづらいだけなんじゃないの?
467名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 14:20:22 ID:wyF5eo14
あとリアルでなのフェスの原稿という可能性もあり
468名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 17:40:02 ID:I4Oy95kd
てかそろそろスレ立てじゃね?
469sage:2007/03/28(水) 04:17:10 ID:Dr8NQXYd
ここに小説載せるとき、ifは許されるの??
ユーリニが浮かんだんだが…意見を聞きたい。
47076:2007/03/28(水) 04:21:38 ID:aM4v133i
>>469
OKだと思うよ
てか、二次創作なんだからifしかない罠

後、sage入れる場所間違ってる。メール欄でよろ
471名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 12:28:41 ID:/dJ+xp1u
IFか……なのはさんとフェイトが殉職しちゃってるIFなんか考えてるのは俺ぐらいしか居ないだろうな
そんなもん書いたらフルボッコされるよなー
472名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 13:29:53 ID:xF0o9aIg
内容がしっかりしてれば私は叩かない。
……と、思う。
473名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 16:00:31 ID:Dr8NQXYd
内容をしっかり書けるか分からないが・・・
少し頑張ってみようかなと思ってまつ…

一応IFの内容は第一期の最初より過去の話、リニスを出すからには
過去の話になります。

魔法少女リリカルなのは IF 〜使い魔は山猫〜

ミットチルダのとある山中、そこで少年は運命の出会いをする。
本編に入る前に時間を少し遡り運命の女性について話そう…

彼女の名前はリニス、プレシア・テスタロッサの最高の使い魔にして
フェイト・テスタロッサの家庭教師。リニスはフェイトにすべてを
伝えプレシアに消される予定だったが、プレシアの気が変わり、
ミットチルダのとある山中に捨てる事となった。
プレシアはリニスが動かなくなったのを確認すると、その場を立ち去った。
しかし、リニスはかすかに生きていた、長い間使い魔でいるうちに、
多少は自分で魔力を体内に蓄積することが出来るようになり、
どうにか術者を使わずに生きることが出来るようになっていた。
「私は…まだ…消えた…な…誰…か…」
彼女はまだ消えたくは無かった、心残りがあり消える気は無かった…
彼女は残りの力を振り絞って、周囲に念話を送った…
『自分を救ってくれる存在に向かって、最後の希望を託して』

続く??
474名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 16:05:22 ID:Dr8NQXYd
うぉぉぉぉぉ…
やっちまったぁぁぁぁぁ!!!!!!
続きを書く気になれっかなぁぁぁぁぁ…
ぼちぼち頑張ってみようかと…
475ヘボ書きマン:2007/03/28(水) 16:10:20 ID:VNGdLQdd
>>471
その手があったか!!よし、アルユノ後はそれで行こう!!
なのはもフェイトも好きだけどアリサやすずかを目立たせる為に

>>474
うん、良い感じかと。
ユーノの使い魔って女性、特に年上が似合うと思うのは俺だけかな
476名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 16:18:26 ID:68PxmIjF
殉職せんでも、次元振にまきこまれたとかで行方不明で充分やがな
行方不明先では二人でラブラブ。
477ヘボ書きマン:2007/03/28(水) 16:21:03 ID:VNGdLQdd
このスレ基本は男女だからなのフェのHはあんまりウケないよ?
478471:2007/03/28(水) 16:25:02 ID:/dJ+xp1u
>>475
ちょwww アイデアには著作権が無いからってwww
まあこっちのは、実は劇場版○○○○見て思いついたネタだし、方向性が全く違うだろうからいいけど…
というか読みたいですね。で、俺が書く時の参考に(ry
479名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 16:40:08 ID:xF0o9aIg
>>477
いつ決まったんだよw
480名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 23:49:38 ID:YEMSWpKw
>>477
ならばどちらかが男になればいいじゃまいか。

などと一期IFもので少年フェイト×なのはを妄想している俺が言ってみる。
481名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 00:50:20 ID:t0d1Mm22
>>480
フェイト×少年なのはの一期IFなら実在してるぜ。こんな感じ↓

成分
外道ナノハ酸30%
ケナゲナフェイトリウム30%
マオウナスズカトコアクマアリサ酸30%
トキドキシリアス 10%
ヘタレフェレットユーノ酸 ごく僅か

かなり好みが別れそうな作品ではあるが。
48276:2007/03/29(木) 03:03:39 ID:c5plblKG
忘れ去られたところに、ひとつ。
埋めついでに、以前テキストファイルで投下した物を最投下します。
まとめの方の依頼もあったことですし。 と、いうわけで少し


高町家に引き取られれたフェイト5 〜それぞれの想い〜

 目を覚ますと、すでにお昼過ぎになっていた。みんなはすでに起きていて、布団を畳みかけている。
「あ、フェイトちゃんおはよう」なのはが気づいて、にっこりと声をかけてきた。
私が返事すると、背を向けていたアリサやすずかもこっちを向いて挨拶をしてくれる。
「もう、ゆっくりしすぎだぞ。フェイト」アリサちゃんは仕方ないな、という風に腰に手を当てて、ウインクをするような彼女独特のポーズをとる。
「フェイトちゃん、なんだかとっても気持ちよさそうな寝顔をしてたから、なんだか起こすのも悪いかなって思って」すずかがにっこりと笑いかけてくれる。
私は、ごめんねと布団から起きあがり、それを片付けた。
そこでふと、子狐がいなくなっていることに気がついた。なのは達に聞いてみても、誰も見かけてないそうだ。何気なくなのはの机を見る。
そこには昨日もらったキーホルダーが鎮座してた。

ひとり、遅くなった着替えをみんなは待ってくれていた。ユーノはフェレットになって、後ろを向いていたのだけど、なのはがそれを膝の上にのせる。
一生懸命私のことを視線からはずしそうとしている様子が少しおかしかった。大変だね、ユーノ。
<<いやあ、それほどでもないよ。ははははは…はぁ>>ユーノはがっくりと肩を落とす。
私が着替え終わり、あらかた片付いたのを確認してから、全員でダイニングへ下りた。
二人ずつ交代で洗面に向かい、身だしなみを整える。待っている間、綺麗にラップがけされたサラダボールとその上に置いてあるメッセージの書いたメモを眺める。
桃子さんの字って、なんだかかわいらしいななんてことを何とはなしに思った。
全員がそろったところで、かなり遅い朝食をとった。
「もうお昼になっちゃったね」すずかが時計をみて苦笑いする。それにつられ、私たちも苦笑いをした。

 食事の後、後片付けをすませた私たちは、昨日あったことをアースラに報告することにした。
クロノは本局に出向いているらしく、代わりにリンディさんがモニター画面に現れた。
「反応はこっちでも感知したので、局員を調査に向かわせたんだけど…道理で」モニター越しのリンディさんは納得したような、でも少し困ったような表情をしていた。
「だいたい事情はわかりました。調査資料に追加しておきます。ただ、今回のようなことが起こったときは、すぐにでも報告の方はお願いできるかしら」
「すみません。次回からは気をつけます」私たちは謝った。
「別に謝らなくてもいいのよ。現場に急行できなかったこっちの不手際でもあるんだから」と優しい声で私たちを宥めるリンディさん。
データ受信完了しましたとモニター外からエイミィの声が聞こえた。それを聞いて、
「了解。今回のデータを含め、早急に結果が出るよう全力で調査します。
またアースラへ来てもらうことがあるとは思うけれど、そのときはお願いね」私たちがわかりましたと返事をすると満足そうなリンディさんを映してモニターは消えた。

 私となのはが支度をしているうちに、すずかが電話を掛ける。鞄に荷物を詰め込んで、リビングに下りると同時ぐらいにインターホンがなる。ノエルさんが迎えにきたようだ。
フェレットのユーノが玄関先で手を振る。私たちもユーノに手を振り、車に乗り込んだ。
「お泊まり会はどうでしたか?」にこやかにノエルさんが話す。
「うん。とっても面白かった」すずかがうれしそうにノエルさんと話している。やっぱり本当の家族みたいだな。ぼうっと、二人のやりとりを見ていると不意に、
「フェイト。あたしやなのはは家族にはなれないかも知れない。でも、一生に二つと無いかけがえのない友達にならなれると思うんだ。
もし、つらいことや悲しいこととかあったりしたら、話してくれるとうれしいな」 ぼうっとなった私は、アリサのかおをしげしげと見つめた。
「な、何よ。べ、別にいやだったら無理する必要ないんだから」アリサの顔がどんどん赤くなっていく。
私の視界が不意に滲んだ。うつむくと、温かい水滴がほほを伝う。少し恥ずかしく、とてもうれしい。顔を上げるとなのは達が暖かく笑いながらこっちを見ていた。
 塾の準備があるからと言うことで、アリサを家の前で降ろし、改めてすずかの家へと車が走り出す。すずかの家につくまでの間、私たちはちょっぴりおとなしかった。
屋敷に着くと、玄関先でファリンさんが出迎えてくれた。
すずかは一旦自分の部屋に向かい、私となのはは客間に通された。テーブルの上には、真新しい紙箱が二つ並んでいた。
私となのはは、ファリンさんから紙箱を受け取り、促されるままに試着してみた。二人で見せ合いをしていると、すずかがドアから顔を出した。
「どう?サイズとか間違ってないかな」私となのはが大丈夫だよと言うと、よかったとすずかが胸をなでおろした。
「ありがとう、すずかちゃん」なのはが満面の笑みを浮かべてお礼を言うと、困ったような笑みを浮かべ、
「ううん。私の方こそ、ごめんね。あんなことしちゃって」と謝る。なのははううん、そんなことないよとすずかの手を握る。
すずかは、でもごめんねと謝り、なのははすずかを慰め、またすずかが謝りなのはが…
 私は、二人のいつ終わるともわからないやり取りをずっと眺めていた。正確に言うと、止めるタイミングがわからなかった。
「はいはい、すずかちゃん、なのはちゃん。フェイトちゃんが困ってるよ」ファリンさんの声を聞いた二人は私を見て、ちょっと恥ずかしそうに微笑む。
私もすずかにお礼を言って、すずかがまた謝る。2,3回繰り返したところで誰ともなくくすりと笑みが漏れた。
私となのはは、再び制服を箱に直し、少しの間3人でお茶をした。
出発する時間が来たので、再びノエルさんの運転する車に乗り込む。制服は、帰りになのはの家までノエルさんが届けてくれるそうだ。

途中でアリサを拾い、塾の前に着いた。ノエルさんは私を翠屋まで送ってくれると言ってくれたけど、すぐ近くだからと申し出を断った。
車を見送り、塾の入居しているビルの前でなのはたちと別れようとしたとき、強烈な違和感を感じた。どうやら結界が張られているようだ。
私たちは顔を見合わせる。ビルの中に入って、私は生徒がたくさんいることに驚いた。そして、全員が焦点の合わない目でこっちを見つめているのに戦慄を覚える。
見つめるたくさんの目をかいくぐり、なのはの後について、いつも講義を受けているという教室に向かう。
教室にはたくさんの塾生がいた。そのだれもが光をたたえていない瞳でこちらを見つめていた。
「どうして、こんな…」すずかの嘆きとも取れる呟きを聞いたなのは、はきびすを返し教室を走り出した。私たちもその後に続いて走る。
不意になのはが立ち止まった。見つめる部屋のプレートには、『講師室』と書いてあった。
意を決したようになのはがその扉に手をかける。それに続いて私たちも部屋に入ると、そのドアが勢いよく閉まった。
同時に、重苦しい威圧感が2重3重に襲い掛かってきた。
「まさか」私はガラス張りの窓を見て、確信する。強固な捕縛結界が二つ以上、重ね掛けされていた。どうあっても、ここから逃さないと言う意思なんだろう。
結界の展開を合図にしたかのように、教員たちはいっせいにぞろぞろと立ち上がった。目には、赤い光が宿っていた。
私たちは、バリアジャケットに換装して、構えを取る。ぞろぞろと、ゾンビのようにこっちに向かってくる先生。
<<どうするの?>>念話でアリサが聞いてきた。
<<とりあえず、私とフェイトちゃんがバインドをかけて足止めするから、その間に出口を探して>>二人はうなづいて、なのはの指示に従う。
「せーの、でいくよ」私となのはは攻撃準備に入り、すずかとアリサはそれぞれ出入り口の方向へ向き、走れる体制をとった。
「「「「せーの!」」」」掛け声と同時にバインドを次々とかけていく。その間をすり抜けるように二人は走った。
そして、出入り口のドアを開けた二人は後ずさりを始める。出入り口のドアから、今まで廊下でぼんやりしていたはずの生徒が大挙して押し寄せてくるのが見えた。
どう考えても、数が多すぎて抑えきれない。私は二人を呼び戻す。
とりあえず、最前列にいる人たちだけを拘束する。後ろから押されるのか、拘束した人からメキメキといやな音が鳴る。
たまらず、バインドをはずすと、堰を切ったようにこちらになだれ込んできた。
それを阻止するために再びバインドをかけるといったことを2,3回繰り返す。周りを囲まれ、押すも引くもできなくなってしまった。
攻撃魔法でなぎ倒せば早いかもしれないけど、彼らは魔力をもたない民間人。
むやみに攻撃できない。そんなこんなでまごついていると、なのはが腕をつかまれた。
群衆の中に引き込まれようとしているなのはをアリサとすずかが引き戻そうとしている。
「っ痛い!!」なのはが悲鳴を上げる。私はバルディッシュの柄で、引きずり込もうとしている腕に打撃を与えた。相手の手が一瞬ひるんだ隙になのはを引き戻す。
腕が引いたほうを見やると、なのはを引っ張り出そうとしたこの顔が一瞬見えた。クラスの男の子だった。
<<このままじゃ、どうにもならないよ。何か考えないと>>とアリサからの念話が聞こえてきたそのとき、バインドをかけていた人の一人が動いた。
いや、関節が外れたか折れたかしたのだろう。肩がいびつな形になっていた。
<<!!とりあえず、つかまらないように気をつけながら天井すれすれを飛ぶしか…>>すずかの提案にうなづき、一斉に飛び上がるとともにバインドを解除した。
その瞬間、前面で拘束されていた人同士が激しく衝突し、崩れ落ちた。衝突を免れた人たちは、すぐに私たちの真下に移動してくる。
みな、自分たちを捕まえようと手を伸ばしてくる。背の高い人に何度か足をつかまれそうになるもかろうじて逃れる。
私たちは方々に分散して、拡散しようとするが、倒れた人たちが踏みつけにされる姿を見てとどまる。なのはから、窓を打ち破って外に出ようと提案されるが、
<<きっと私たちを追いかけて窓から飛び出してくるから>>すずかが否定する。この場を逃れる手段がなくなって、八方塞になった。
そのとき、突如それぞれの足元に緑の魔法陣が現れ、吸い込まれた。

「なのは、みんな。遅くなってごめん」転送された建物の屋上に、人間形態のユーノがいた。異変を感じて駆けつけてくれたらしい。
私たちは、今までの経緯をユーノに話した。それを聞いて、ユーノが首をかしげる。
「僕が潜入したときは、誰もいなかったけど。なのはたちがいたところだけ二重にも三重にも結界が張ってあって、それを解析するのに手間取って…」
「それって…みんなの下敷きになった子達とか、みんな幻だって言うこと?」なのはが、驚きを隠さずに聞く。
「なのはたちがいた場所のことは、転送するだけで手一杯だったから確認できてないけど、おそらくは」ユーノは、なのはの剣幕におたおたしつつ、あくまで冷静に対処する。
すずかとアリサはそれを聞いて、ほっと胸をなでおろした。
「あら、思ったよりも早かったじゃない、フェイト」耳にかかる甘ったるい声。私は恐る恐る後ろを振り返る。
そこには、母さんがいた。時々像がぶれる。ユーノが私たちをかばうような形で間に立つ。手元には小さな魔法陣がすでに展開されていた。
本物ではない、それはわかっているけども動揺してしまう私。アリサが私の肩に手を乗せて、軽くウインクしてくれた。それで少し気がほぐれた。
気を取り直し、私がバルディッシュを構えた。それを見て
「フェイト、母さんに牙をむける気なのね」と悲しんでみせる。
私は、バルディッシュを下ろし、ユーノの前に出る。なのはたちはそれを見て、さらに杖を強く構えた。
「母さん、どうしてこんな…」言い終わる前に"母さん"が口を開いた。
「あなたがにくいからに決まってるじゃない。」その言葉に私はハンマーで殴られたような衝撃を受けた。
「私とアリシアがこんなに苦しんでいるのに、あなたはぬくぬくと過ごして…あのときに始末しておけばよかった。いらなくなったお人形には魂なんていらないものね」
全身から力が抜ける。なのはが私のそばに駆けつけようとする。それを制して顔を上げる。目尻から滴がこぼれた。
「なら、どうして私を狙わずにみんなを狙うですか。はじめから私を狙えばいいじゃないですか」それを聞いて、何がおかしいのか、”母さん”は笑い始めた。
「どうしてって?決まってるじゃない。あなたを不幸のどん底に陥れるためじゃない。あなただけを幸せなんかにはさせないわ」ああ、そうなんだ。
私がいるからみんなに迷惑がかかるのか。
視界が擦りガラスを掛けたようににじむ。全身から力が抜ける。ひざをついた私を二つの手が支える。なのはとアリサだ。
すずかはユーノとともに私の前に立ち、杖を構えている。
それを見て不機嫌になったのか、今にもかかってきそうな雰囲気をまとう。静電気のスパーク音も聞こえてきた。
「あなたばかり…でももう時間…次はないと…」声が途切れ途切れになってノイズが混じる。そして、無音になり張られていた結界も消えた。
同時にすずかがぺたりと尻餅をつく。母さんの立体像は見えなくなっていた。
「フェイトちゃん…どんなことがあっても私たちは一緒だから」向きなおしたすずかが手を握ってくれた。
「あーその台詞、あたしが言おうとしてたのに」アリサが膨れる。まあまあとなのはがなだめるのを見て、すずかがくすりと笑った。
わたしも、それにつられて少しだけ笑った。ここで沈んでいたら、みんなに余計な心配を掛けてしまう。せめて、みんなの前では明るく振舞っていよう。

「アースラには、僕のほうから伝えておくから」結界が消えると同時にユーノが飛び立つ。
「げ、完璧に遅刻だわ」アリサが時計を見て顔を引きつらせる。
屋上のドアを開け、下の階に降りる。つい先ほどにおきた惨状を思い出して慎重に辺りを見回す。
講義室から、講師の授業を行う声が聞こえるだけで、あたりは静まり返っていた。
「これ、君たち。ここで何をしているんだね」後ろから声を掛けられ、あわてて振り返る。
「あ、あのあの、わたしたち…」しどろもどろになるなのは。
「えっと…その…」言葉に詰まるすずか。
「つい先日に転校して来た子に道案内をしてて、塾の時間をすっかり忘れちゃってて…」アリサがかしこまった様子でおそるおそる話す。
「で、それがこの子?」少し年のいった男の人が私のほうを見て聞く。
「は、はい。どうしてもなのはたちの通っている塾が見てみたいと無理を言っちゃって、それで…」私の言い訳を顎鬚をなでつつ聞いている。
「ふむ…まあ、事情はわかりました。今度からは遅れないようにしなさい」
すいませんでしたと頭を下げ、講義室に向かうなのはたちを見送り、私も建物の外に出ようと男の人に背を向け、エントランスへ向かおうとすると、
「フェイト、次はないと思いなさい」不意に母さんの声がしたので振り返ると、そこには誰もいなかった。

 翠屋についた私は桃子さんに遅れたことを詫び、エプロンを身につけた。
今日は美由希さんも優しく、細かいことも丁寧に教えてくれ、私がしてしまったミスもすぐにフォローしてくれた。多分これが本来の美由希さんなんだろう。
ちょっとおっちょこちょいで、躓いてこけても食器を割ったりしないところはさすがだなと、感心しきりだった。
暫くしてディナーのラッシュがすぎ、少し落ち着いたところで士郎さんが
「フェイト、先に帰っていいよ」といってくれたので、私はその言葉に甘えさせてもらうことにした。
「お先…失礼します」とカウンターの桃子さんと士郎さん、奥の方にいる恭也さんと忍さん、あとは、え…と
「ちゃんとした挨拶はまだだったね。松尾だよ。まあ、気軽に松っちゃんって呼んでくれていいよ」笑顔で答えてくれた松尾さんに挨拶をし、
接客中の美由希さんには黙礼だけをして、店を後にした。

 しばらく家に向かって歩いていると、
<<フェイトちゃん、聞こえる?>>なのはの念話が聞こえてきた。私はうんと返事を返してなのはが告げる言葉を待つ。
<<今から、海浜公園のほうにこれる?>> 少し申し訳なさそうなトーンのなのはにすぐに行くと返事を返し、公園に向けて駆け出した。
多分、話の内容は念話で事が足りる。でも、もしかしたらそれを聞かれているかもしれない。そういうことなんだろう。
みんなに申し訳なくて、謝りたい気持ちが胸いっぱいにこみ上げて息が詰まる。悲しい気持ちが涙を溢れさせようとしたけど、何とかこらえた。
今は、泣いてはいけない。そう自分に言い聞かせながら夜の街を走った。
 程なくして、海浜公園に到着した私は、海沿いのフェンスで手を上げるなのはたちに駆け寄る。
「フェイト、遅いぞっ」アリサに鼻先をちょん、と突かれる。 どうして良いのかわからなくて戸惑っていると、すずかがくすりと笑った。困った顔したアリサが
「こんなときは、こうするのよ」となのはの鼻先を何の前触れもなしに突いた。予想だにしていなかったのか、両腕をわたわたと振り回し、
バランスを崩してなのははそのまま尻餅をついた。
「あいたたた…」腰をさすりながら立ち上がるなのはを見て、私は思わず笑ってしまう。
照れ笑いをするなのは、しとやかに笑うすずか。最初は勝ち誇ったように腰に手を回していたアリサも吹き出す。
ひとしきり笑った後に、アリサがこっちに向かって目配せをした。ほぐれたでしょ、と。
「フェイト、みえみえなのよ。なのはのときもそうだったけど…もう少しあたし達を頼ってくれてもいいんじゃない?」
そっぽを向きながら話すアリサ。目線の先にはなのはがいた。なのははひたすら苦笑いをしている。
「なのはちゃんのときは…わたしたち、何もわかってなかったし、なにもできなかった。
できたことは、なのはちゃんが語ってくれるまで待とうって、二人で決める事だけ」
すずかは、いつものように穏やかで、しかしいつもより力強い声で私に言う。多分、なのはにも。
「でも、今回は違う。何がどうなって、誰がどんなに悩んでるか、知ってる。
だから、あたし達にできることは何もないかもしれないけど、一人で、なのはにも言わないで苦しむ姿なんて見てらんない」 
アリサは鼻にかかった声で淡々と言葉をつむぐ。一言一言が私の胸を締め付ける。お願いなんて生易しいものじゃない。涙は流れてないけど、アリサ、泣いてるんだ。
私は、何も言わずにアリサを抱きしめた。無言で肩を震わせるアリサ。悲しいとは思わないのに、私の目から暖かい涙が溢れてきた。
「ごめん。アリサ、すずか」この一言だけでアリサの震えが大きくなる。それに反応するように涙の量も増えた。心にも暖かいものが満ちてきた。
そんな私達を包むように、両側からなのはとすずかが抱きとめてくれる。とても心が温かい。
そんなぬくもりをかみしめながら、アリサが落ち着くまで抱きしめた。

 しばらくして、アリサが離れる。目が少し赤くなっていた。私の肩はアリサのあたたかい気持ちで濡れていた。
「ごめん、フェイト」アリサが伏せ目がちに謝る。私はゆっくりと頭を振ってから、みんなを見つめる。
「ありがとう、みんな。じゃあ、少しだけ、甘えさせてもらっても、いいかな」 溢れそうな気持ちを抑えながら、聞いてみた。
「なに言ってるの?あたりまえじゃない」 鼻にかかった声、それでも精一杯胸を張ったような声
「少しといわずに思いっきり甘えてほしいな」 やさしく、諭すように柔らかな声
「友達の悩みはみんなの悩み、だよ」 打ちひしがれた私を救ってくれた、強く、やさしい声
限界だった。せき止めていたものが体からあふれ出すように流れ出てくる。止まったはずの涙がさっきよりも勢いを増して流れ出す。
足の力が抜けてしゃがみこんだ私を三人はやさしく介抱してくれた
落ち着いた後、しばらくベンチに座っていると、
「隠れてないで出てきなさいよ、淫獣」 突然、アリサが茂みのほうをにらみつけた。
「ひどいよアリサ」 悲しそうな顔をしたユーノ茂みの中から現れる。
「どうして隠れてたの?」なのはに聞かれたユーノはばつが悪そうに頭をかいて、苦笑いを浮かべた。
「そうそう。さっきアースラから、敵の手がかりがつかめたらしいという連絡があったよ」 全員の顔が引き締まる。
「まだ、細かい位置までは特定できてないらしいんだけどね」 その言葉にがっくりと肩を落とした。ユーノの言葉は続く。
「それで、一度木曜日あたりにみんなに来てほしいそうだ。それと、ボクはこれからアースラに向かって、捜査の手伝いをすることになったから。
なのはたちが来るまでにできる限りの情報を集めておくよ」
「私も…」ユーノは一緒に行くと言いかけた私を制する。
「君は、学校があるだろ?それに、桃子さんや士郎さんに何も言わず出て行くつもり?」 言葉に詰まる。
「ボクはこの中で一番自由だし、何より遺跡発掘で培った探査スキルが活かせそうだしね」
そういって、ユーノはたおやかな笑みをこぼす。そのまま、後ろを向いて空に話しかける。
「エイミィさん、よろしくお願いします」 
「了解」と、エイミィさんの声が響くと、ユーノ下に魔法陣が展開され、そのまま吸い込まれていった。
「言うだけ言ってとっとといくなんて、ずるいわよ…」 アリサがポツリとこぼす。
「とりあえず、何かあればこっちに連絡をくれるはずだから、今日は帰りましょう?」すずかの言葉で、今日は解散ということになった。
アリサとすずかを迎えに鮫島さんの運転するリムジンが到着するのを待って、二人と別れた。一緒に乗っていかないかと誘われたけど、家が近いからということで断った。
見送った後、なんとなくなのはの手を握る。なのはは何も言わず、そっと握り返してくれた。そのまま、体を預ける。何も言わずに私の頭をなでてくれる。
しばらくそうしていると、不意になのはが離れ、額にやわらかい感触が伝わってきた。
「元気になれる、おまじない」とはにかみ笑いを浮かべていた。私は、自分でも気がつかないうちになのはと唇を合わせた。
始めは驚いた様子のなのはだったけど、私のするがままにあわせてくれる。しばらくそうしているうちに、自分が何をしているのか理解して、あわてて唇を離した。
恥ずかしさで、顔も体も熱くなっていく。そんな私を見てなのはが
「元気になったみたいだね」と、柔らかいの笑みを浮かべていた。
「もう一度だけ…その…いいかな?」節目がちに私は言った。
いったい、何を言っているのだろうか、私は。自分自身に驚く。そんな私を見て、なのははくすりと笑い、
「いいよ。フェイトちゃんがそれで安心するなら」となのはのほうから合わせてきた。
なのはのやわらかく、甘くて温かい唇を感じていると、いやなこととか悲しいことが洗い流されるような、心地よい気分になる。
唇が離れる。なのはの頬がほんのり桜色に色づいていた。私は、残る感触に指を添わせて名残を惜しむ。
「もう大分遅くなっちゃったし、急いで帰ろ?」 なのはに手を引かれ、二人で走り出した。
48876:2007/03/29(木) 03:16:48 ID:c5plblKG
ひとまず、以上でございます。
短い6章の方は先に投下してある気がしますが、最投下ということでよろしくお願いします。
目についた誤字・脱字の方は修正したつもりですがいろいろ漏れがあるかも知れません。

皆さん、これからもがんばってください。
489名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 03:40:03 ID:B+uK9oHw
>>481
それ知ってる…つーか既読。
でもわざわざありがとう。
確かにあれは外道で健気で魔王で小悪魔wそしてマジ淫獣www

ちなみに俺の中の妄想では、少年フェイトでなのはアリサすずかでハーレムになりつつあるぞ。
490名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 04:00:33 ID:9UlBbb5m
男性化フェイトとなのはだとまんま原作のクロなのになるんじゃないか?
491名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 04:17:28 ID:EmzQocoA
どうも>>473です。
いい感じと言われたので、もう少し頑張ってみようと思います。
続き…

魔法少女リリカルなのは IF 〜使い魔は山猫〜

山猫、リニスが力を振り絞って念話を送った。
誰でもいい、自分を救ってくれるなら悪魔でも構わないとさえ思った。
時間にして五分くらいだろうか、力の無いリニスにしては、たかが五分
さえも一時間に感じた。薄れてゆく意識、霞む視界、重くなる体、
体の五感が薄れていく中、微かにに前の茂みから音が聞こえた、
音のほうに顔を傾けると、自分の体の二倍以上もある大きな狼の姿をした
獣がいた。
基本的な形は狼だが、ただ前足と後ろ足に機械のような物が装備されており、
背中には人間の胴体らしきものが組み込まれていた。
確かにこの辺には変わった生き物がいるが、
こんな生物兵器は存在しなかった。あってはならなかった…
さすがのリニスもその姿に恐怖を感じた。普段の自分、大人の自分なら
どうにか出来るかもしれないが、今の無力な自分にはどうにか出来る
問題ではなかった。
迫りくる獣、恐怖と疲労で動かない肉体、リニスは思った…
自分はここで終わりなのかと…おしまいなのかと…
リニスは泣き出しだ、泣きながら大声で…
「っ…誰か!誰か…助けてぇぇぇ!!」
そう叫んだ瞬間、獣に生えた人間の胴体がリニスを襲った。
もうだめだと思い、目を瞑った…

「イヤァァァァァァァァ!!!」

「ガッ」とリニスの悲鳴と鈍い音が森に広がる、しかしリニスには
怪我が無かった、いつまでも来ない痛みに彼女は獣の方を見た。
そこには、フェイトより少し大きい人間がいた。
その人間は山猫の視線に気がつくと、優しい笑顔で…

           「もう大丈夫だよ」

と言った、これが少年と彼女の最初の出会いである…

続くかな??
492名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 04:33:53 ID:EmzQocoA
うぉぉぉぉぉい!!(某カス鮫風)
書いたぜぇぇぇぇぇぇぇ!!

眠いからバランス悪いどいかかですか??
やっとユーノ君登場です…
アニメだとヘタレで、イマイチですが!小説なら強くてもいいじゃん!
と思い、強いユーノ書こうかなと思ってます。
卍解までは行きませんが、それなりに強くしようかと思ったりww
第三期にユーノ出せよ…出なかったら大声で、
「怒畜生」と憤怒の炎を爆発させますよ…orz
493名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 19:22:16 ID:AFQfIL/B
>>492
1回の投稿量が(このスレ的には)少ないので気の利いたレスが返せませんー

492氏の文章、嫌いじゃないだけに、あえて書かせてもらいますわ。
このスレを頭からざーっと眺めてもらうだけでもわかるかと思うのですが、
他の職人さんは492氏の数倍以上の文章を1回で投稿しています
で、過去このスレでは1、2レス程度の作品を短期間に投下するタイプの職人さんはほとんど定着せずに消えていっています。
このスレは感想レスが遅かったり少なかったりするので、この手のすぐに結果を求めるタイプの職人さんは居づらいのかな、と勝手に思ってます。
なので、間が空いてもいいから1回の文章量を増やすのがいいかと思います。

あと短い中で情報量を詰めようとされてるのか、少々「?」の部分が
大きな獣って何?アルフ?手足に何か付いてるならザフィ?変身したユーノ?それとも幻でも見た?ってな感じです。

書いててお前読み手のくせに何様だ、って気になってきたのでこのへんでorz

とりあえず続きに期待してますのでがんばってください。
494549 ◆xbn1Z6LB3Q :2007/03/30(金) 00:24:37 ID:uVh4Z6Tb
ちょうど、1スレを新保管庫に移していたから気が付いたんだけど、
あの640氏もデビュー作は1、2レスで連載し始めていたんだよね。
なので、1回の投稿で量があった方が読み応えはあるんだけど、
何よりも完結させること、最後まで書き切ることが大事だと思う。

と、一つも完結させていない自分が言うのも何だけど。

でも「Call my name!」は、謎は謎のまま残しておいて、
あれで完結の方が良いんじゃないかという気持ちがいまだに(笑)。
495暗愚丸:2007/03/30(金) 03:24:59 ID:U51LDvMx
えと、ども久しぶりです。
既に忘れられているかもしれないエロ文書き、暗愚丸です。
『FATE in The dark fate』、三話目投下です。
今回はロリ&ふたなりなので、そう言うのが苦手な方はNGをよろしくお願いします。
それでは、よろしくお願いします。
496『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:25:57 ID:U51LDvMx
「それじゃ、帰ります」
「ああ、気を付けて帰るんだぞ。それと、母さんからさっき連絡があって、二週間ほど家を空けるって言ってたから」
「ん、解りました」
 常備していた予備の制服に着替えたフェイトは、アースラのブリッジに顔を出していた。
 いつもは厳しい表情を作っているクロノが、久しぶりに穏やかな微笑みを浮かべていて。
 それが嬉しさよりも、辛さを胸の奥に突き付けてきた。
「フェイトちゃん、一人で大丈夫? 私が有給取って面倒見たげようか?」
 にこりと笑ったエイミィに笑顔を向けて、フェイトは静かに首を横に振る。
 自分が抜けることで空いた仕事の穴を埋める為、クロノは無理を押すはずで。
 そんなクロノの無理を止められるのは、最近やっと正式につきあい始めたエイミィだけだから。
「エイミィ、お兄ちゃんのことお願いするね」
「えへん、お姉さんに任せなさい」
 ぐっと、親指を立てて笑うエイミィと、はぁっと溜息をつくクロノに笑みを向けて、ブリッジを後にするフェイト。
 背後で、エイミィとクロノがまた小言を言い合ってるのを聞き流しながら、一度だけ深い溜息を吐いた。


 本局に戻ってから、自宅――闇の書事件の際に用意した海鳴のマンション――の自室に直接転移したフェイトは、はぁっと吐息を漏らした。
 何となく全身が熱かった。
 体温よりも一度だけ高いお湯に全身を包まれているような、奇妙な感覚。
「あれ? フェイト、帰ってきたんだ」
 いきなり背後から声をかけられて、慌てて振り返るフェイト。
 ベッドにちょこんと座っていた省魔力モードのアルフが、不思議そうな表情でこちらを見詰めていた。
「あ、うん。しばらくお休みもらえたから」
 その言葉を口にしながら、とくんっと心臓が跳ねたことに気づく。
 気づかれないよう、きゅっと拳を握ってアルフに笑顔を向ける。
「変わったことなかった?」
「うん。こっちはもう平和なもんだよ。ワタシもウチでぼーっとしてるよりフェイトの手伝いしてる方が楽しいんだけどなぁ」
 そう言って笑うアルフ。
 その口元に目が吸い寄せられた。
 薄く柔らかそうな唇。
 その小さな唇の中に見える薄い舌。
 ソレを舐めしゃぶりたい、熱いモノでその口を気が済むまで犯したい。
497『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:26:33 ID:U51LDvMx
「っ! ちょっと、喉渇いたから」
「フェイト、どうしたの?」
 不思議そうなアルフの声に答えることができなくて、慌てて部屋から逃げ出すフェイト。
 今はただ、アルフの側にいるのが危険だと、訳もなく感じたから。


 冷蔵庫を開けて、オレンジジュースを取り出す。
 シャワーを浴びていたときの妙な疼きが、心臓の鼓動を早めていた。
「……ん」
 コップになみなみと注いだジュースを一気に飲み干す。
 冷たい液体が喉を通り胃に届く。
 その冷たさが、体の疼きを抑えてくれる筈。
 その願いは、裏切られた。
「っっ!?」
 冷たい液体を嚥下した瞬間、脳裏を過ぎったのは生臭く苦甘い樹液の味。
 同時、下腹部が熱く疼いた。
 止めようと思う意志すら間に合わず、あっという間に愛液が溢れ、パンツを濡らした。
「な、なに、これ」
 その異常さに、フェイトの背筋に怖気が走る。
 ただジュースを飲んだだけで発情した。
 それはつまり、何をしようと欲情するのを止められないということ。
「っっ! ダメッッ!」
 思わず、フェイトは小声で叫んでいた。
 下腹部から、あの感覚が響いてきたのだ。
 ずるっと、さっきよりも早い勢いで、股間に陽物が生えだしていた。
 小さなパンツに収まる筈もない陽物が、タイトスカートの絹の裏地に擦れて、ゾクゾクと背筋が震えた。
 こすりつけるために思わず腰を動かしそうになる。
「ダメ……、こんなの……ダメ……」
 その思いを、必死でかみ殺すフェイト。
 もう、耐えきれない。
 はやての家に行ってシャマルと相談すればいい。
 彼女なら、自分の体に起きていることを理解できるだろうと、そう思いながらフェイトは熱い吐息を吐き出す。
 それでも、今はどうにかしないといけない。
 こんな状態をアルフに知られたくない。
 精を吐き出せば、大人しくなると言うことは解っていた。
 だから、歩き出そうとして、
「フェイト……大丈夫?」
 背後から聞こえたアルフの声に、凍り付いた。
 振り返ってそのまま蹂躙したいと、黒い欲望が胎の中で渦巻く。
「……私は、大丈夫だよ? アルフこそなんでそんなことを聞きに来たの?」
 それでも、普段と全く変わらない声音で答えを返す。
 返すことが出来たと、そう思った。
498『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:27:19 ID:U51LDvMx
「だって、だってさ、伝わってくるんだよ! フェイトが辛くて苦しんでるのが! 何か解らないけど我慢してるのが!
アタシじゃ役に立たないの? 何でもするよ、アタシ、フェイトのためなら何でもするから!」
 精神リンクを遮断することを忘れていた。
 そのことに気づいて一瞬だけ歯がみするフェイト。
 だけど、ソレよりも。
『何でもする』
 その言葉が頭の中でリフレインしていた。
 体の疼きがだんだん強くなっていた。
 このたぎる擬根をアルフの中に収めたい。
 きっと、どこまでも小さくて、隙間なく埋め尽くせるはず。
 誰も受け入れたことのない肉の隘路。
 それをこじ開ける自分の姿が脳裏に浮かんで、鼓動が早くなったことをフェイトは自覚した。
「……ホントに、何でもしてくれるの?」
 熱に浮かされたような言葉に、アルフが不思議そうな吐息を漏らしたことに気づいた。
 だから、もう、止まれなかった。
 ゆっくりと振り返る。
「フェ、フェイト?」
 アルフが驚愕を浮かべて凍り付いていた。
 タイトスカートを盛り上げる熱く固く張りつめた擬根を、アルフが凝視していることに気づいて、クスリと笑ってみせる。
「なんでも、してくれるんだよね?」
 このまま、逃げ出して欲しい。誰かに伝えて欲しい。
 心の片隅で思いながら、一歩前に出る。
「……してくれないんだ?」
 笑顔のまま呟いた瞬間、アルフの動きが止まった。
「フェイト……」
 哀しげな表情を浮かべて、アルフが逆に近づいてきた。
 そのままぎゅっと抱きついてくる。
 スカートの布地越しに滾り起つモノがアルフの小さな胸が触れて、背筋がぞくりと震えた。
「アルフ」
 身を屈めて、その小さな唇に吸い付いた。
「っっ!?」
 びくんとアルフが肩を震えさせた。
 間髪入れず舌をその中に差し込んだ。
 大きく目を見開くアルフをじっと見詰め返して、アルフの口内を蹂躙していく。
 歯と歯茎の裏側、上顎、唇と歯の間、左右の頬の裏側。
 存分になめ回して、とろんとアルフの目が快楽に濁ったのを確認してから、フェイトは口の奥に縮こまったままの舌をぺろんとなめた。
「っ!?」
 ぴくんっと痙攣したアルフが、それでもフェイトの動きを受け入れるように、おずおずと舌をさしだしてくる。
 間髪入れず舌を絡めた。
499『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:27:57 ID:U51LDvMx
 フェイトの動きに全てを任せるアルフ。
 それに少しだけ悪戯心を覚えて、フェイトは口中に溜めた唾液を、アルフの口に流し込んだ。
 こくんこくんっとアルフの喉が動いて、フェイトの唾液を飲み込んでいく。
 少し無理な体勢を取っていたせいで、腰が僅かに痛い。
 ソレを気づかれないように、じっとアルフを見詰める。
 その口の端から呑みきれなかった唾液が、とろりとこぼれるのが見えて、フェイトは劣情に押し流されてしまった。




 自室に戻ったフェイトは、手早く服を脱ぎ捨てた。
 息を呑んだアルフがじっと股間を見詰めてくる。
 女性の体に不似合いの、ごつごつとした男のモノ。
「……アルフも脱いで?」
 ソレに気を取られているアルフに、笑いながら言葉を向ける。
 一瞬、固まったアルフが慌てて服を脱ぎ捨てていく。
 あっという間に全裸になったアルフを、無遠慮な視線で舐め回すように眺めた。
 シミ一つ無い滑らかな肌。
 形を成そうとする寸前の小振りなふくらみ。
 なだらかでくびれが未だ目立たないふっくらとした腰。
 今からソレを味わえると思うだけで、ゾクゾクと背筋が震える。
「それじゃ、どうすればいいの?」
 上目遣いでおずおずと問いかけられて、くすりと笑ったフェイトはそのままベッドに腰をかけた。
 ぎしっと、やけに大きな音を立てたベッドに、アルフがびくっと肩を震えさせる。
「おいで、アルフ」
 見せつけるようにフェイトは足を開く。
 アルフの戸惑いを含んだ凝視に、ぴくんっと擬根が震えてとろりと蜜が溢れた。
 おずおずと近づいてきたアルフが、開いた足の間にぺたんと座った。
「……どうしたらいいの?」
 いつもはそんなことないのに、なぜか見た目相応のどこか幼い言葉遣いで見詰めてくるアルフ。
 だけど、それも。
 今は背徳感を増すだけだった。
「まずは握ってくれる?」
「うん」
 おずおずと手を伸ばしてくるアルフ。
 はじめて他人の手が触れようとしていることに、ほんの僅かな不安と大きな期待を抱いて、フェイトはただアルフの動きを黙って待つ。
 そっと、小さく細い指が触れた。
『っ!』
 その感触の心地よさにフェイトは思わず身を震わせて、アルフも慌てた表情で手を離した。
「痛かった!? 大丈夫!?」
「ん、大丈夫だよ。いいから、もっとぎゅって握って。それで、上下に動かして」
500『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:28:39 ID:U51LDvMx
 フェイトの言葉に、戸惑いを浮かべながらも手を伸ばしてきたアルフがぎゅっと握りしめる。
 しゅにしゅにとしごき上げられて、ゾクゾクと背筋が震えた。
 心配そうに見上げてくるアルフの表情もまた、快感を覚えさせる。
「ん……、はぁ……」
「フェイト、これでいい?」
 懸命に手を上下させるアルフ。その小さな唇に視線が釘付けになる。
 アルフも昂奮しているのか、半開きになった口から小さな舌が僅かに見えた。
 それが、自分のモノをはい回る感触を想像して、フェイトは気持ちが抑えられなくなる。
「……アルフ。舐めて」
「っ!?」
 こちらの言葉を聞いた瞬間、アルフの動きが止まった。
 だからフェイトも何も言わずただアルフを眺める。
 じっと困ったような表情で見上げてきたアルフが、それでもおずおずと舌を伸ばす。
「……ん…………」
 ぴちゃっと尖端に舌が触れた瞬間、ぞくんっと体中に震えが走った。
 ただ触れただけでも気持ちが良くて、
「んっんっ……ん〜〜」
 れろん、れろんと、おずおずとアルフの舌が動き始める。
「っ! ぁっ」
 ソフトクリームを舐めとるような、技巧なんて欠片も感じられない舌の動き。
 なのに、フェイトはその気持ちよさに翻弄された。
「ん……えろ……れろん…………っ」
「んっ、くっ、はっ!」
 尖端だけを舐めていたアルフの舌が、徐々にふくらんだ部分全体を舐め回すように動き始め、
「ひゃんっ! ひくっ! ふぁっ!」
 竿を伝って根本にまで移動したアルフの舌が、今度は徐々にはい上がってきた。
 あまりにも気持ちよくて、フェイトの腰が勝手に前後に動き出してしまう。
「んっんっんっっ!」
 ソレに気を良くしたのか、アルフが舌の動きを激しくする。
 併せて、竿に手を添えて動かしはじめた。
 アルフの唾液とフェイトの先走りが混ざり合った粘液が、にちゃにちゃとイヤラシい音を立て始めた。
「ひゃふっ! ふくっ! あんっ! あぁっ!」
 気持ちよさのあまり、全身が総毛立っていた。
 あっという間に、限界が近づいてくる。
「アルフ、しゃぶって!」
 フェイトの声に、限界まで唇を開いたアルフが亀頭を口の中に含んだ。
 余すところ無く粘膜に包まれる感触。
 ぞくんっと体中が震えて。
「アルフッ!」
 思わず、アルフの頭を押さえ込んだ。
501『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:29:14 ID:U51LDvMx
 苦しそうな表情で見上げてきたアルフに構うことなく、どくんっとその口中に精を放った。
「っっ!? んーーーっっ!?」
 びゅくんっ、びゅるんっと断続的に精を打ち出す。
 辛そうに見上げてくるアルフ。
 ソレに気づかないふりをして、フェイトは思う存分アルフの口内に白濁を流し込んだ。
「……アルフ。吐き出しちゃ駄目だよ」
 上目遣いのアルフを見詰めながら囁いて、フェイトは擬根をゆっくりと抜く。
 涙目になったアルフがそれでも口を閉ざして、こちらの指示に従っていて。
 それが、フェイトの昂奮を更に高めた。
「アルフ、全部飲んで。…………なんでも、してくれるんだよね?」
 一瞬、イヤそうに顔をゆがめたアルフに向かって、言葉を放つ。
 辛そうな哀しそうな表情を浮かべて、アルフがこくんっと喉を上下させる。
「んっ、んっ……んぅぅ……」
 こくん、こくんっとそれを嚥下するアルフ。
 苦しそうなのに、それでもこちらの言葉に従おうとする健気さに、ぞくぞくと全身が震えた。
「ん〜〜〜〜〜、っくん……けほっけほっけほっっ!」
 全部飲み終わった瞬間、アルフが激しく噎せる。
 それよりも、アルフのへたり込んでる床の絨毯に、フェイトの視線が釘付けになった。
 一目でわかるほど、そこが濡れている。
 愛液が零れているのだと理解した瞬間、まだ噎せているアルフの両脇に手を伸ばした。
「けほっ、こほんっっ! ……っ、フェイト?」
 そのまま一気に抱き上げて、とさっ、と、少し優しくベッドの上に投げ落とす。
 驚いたように見上げてくるアルフの上に覆い被さるフェイト。
「ふふっ……アルフ、可愛い」
 呟くと同時、アルフの唇に吸い付いた。
 そのまま小さな口の中に舌を突き込む。
 自身の放った精の、生臭さと苦甘さを感じながら、フェイトはアルフの口中を蹂躙した。
 ちゅぶちゅぷと卑猥な音が、耳からと言うより頭の中に直接響く。
「んっんっっん〜〜っ!」
 ぎゅっとアルフがしがみついてきて。
 その様に、愛おしさよりもただ昂奮だけが込み上げてきた。
 舌を絡め合いながら、唾液を送り込む。
 アルフのそれと混ざり合い、普段なら意識することのない甘さが心臓を跳ねさせた。
 口移しにする液体を、アルフが懸命に飲み下す。
 触れ合った肌から熱が伝わってくる。
「ん…………ちゅっ……じゅちゅ……」
502『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:29:53 ID:U51LDvMx
 フェイトの胸に、小さな感触が触れた。
 同時に、アルフがしがみついてくる力を強める。
 見るまでもなく、それが固くしこったアルフの乳首だと理解した。
「ん〜〜、ぷはっ!」
 最後に痛くなるほどアルフの舌を吸い上げてから、フェイトは唇を離した。
「はっはっはっ……はぁ……はぁはぁ……」
 呼吸を整えるアルフが、とろんとした目つきでこちらを見上げてくる。
 熱く潤んだ瞳が。
 完全に紅潮した頬が。
 大きく開き舌を突き出した唇が。
 アルフの劣情をフェイトに伝えてきた。
「ふふっ、アルフ可愛い」
 小さく呟くと同時。
 フェイトは頭をずらした。
 惚けた表情を浮かべたまま、アルフはこちらの動きに注意を向けない。
 だからフェイトは、僅かに笑みを浮かべてアルフの右の乳首に吸い付いた。
「ひゃっっ!? フェ、フェイト!?」
 何をされているのか理解できないのだろう、アルフが強い戸惑いを顔に浮かべて見詰めてくる。
 ソレに構うことなく、フェイトは口の中に含んだソレに優しく舌を絡めた。
 ふくらみと呼べそうにないその小さな胸からは、甘いミルクのような薫りが立ち上る。
 それがフェイトの昂奮を助長する。
「あっ、あぁっ! ふぁっ! フェイト! それ、やだ!」
 唇で挟んで、その尖端を舐めしゃぶる。
 伸ばした左手を、薄い胸の上に乗せて人差し指と中指の股で乳首を挟み込む。
「ひゃ! や、フェイト、フェイトぉ!」
 びくびくと全身を痙攣させながら、アルフの伸ばした手がフェイトの頭を押さえ込んでくる。
 もっと胸に押しつけるように。
「ちゅ…………、ん、アルフ気持ちいい?」
 その手を押しのけるように顔を上げたフェイトは、目尻に涙を溜めて涎をたらすアルフを見詰める。
 その情欲にとろけた表情に、押し流された。
「フェイト……ふぇいとぉ…………おかしいよ、ワタシ……。ひっ!?」
 すっ、と伸ばした右の人差し指でアルフのスリットを撫で上げた。
 ぬるりとした感触が指の腹にまとわりつく。
「アルフ、気持ちいいんだ」
 アルフの愛液で濡れた指をしゃぶりながら、フェイトはふわりとした笑みを浮かべた。
 そのまま、アルフの両足の間に体を入り込ませ、大きく足をわり開く。
 体を倒して、アルフの上にのしかかる。
「ふふっ……、アルフ大好きだよ」
503『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:30:36 ID:U51LDvMx
 呟くと同時に、固くそそり立つ擬根をアルフのそこに押し当てた。
「あ、あついよ、フェイト、何して……ぎっ!?」
 探るまでもなく理解していたその場所に、一気に最奥までたたき込んだ。
「がっ! かはっ!!」
 目と口を限界まで開いて、アルフが全身を硬直させる。
 さっきまでは気持ちよさにとろけていた顔から、血の気が引いていた。
 ソレを見ながら、フェイトは体を震わせた。
 手で握りしめるよりも強い力で、余すところ無く包み込まれる感触は、想像を絶するほどに気持ちよかった。
「……うふ」
「ふぇ……いと…………ゃ……いた……たすけ」
「ふふふ、あはははは」
 気持ちよかった。
 ただ包み込まれるだけなのに、とても気持ちよかったから。
「いぎぃっ!」
 一気に激しいピストン運動を始めてしまった。
 強く締め付けられる中を、思い切り引き抜く。
 通常なら触れるはずもない雁首の裏側を刺激される感触は、背筋が震えるほどの心地よさ。
「がぅっ! ぐぎっ! ぎゃぅっ!!」
 ずんっっと、思い切りたたき込む。
 尖端が固いゴムの輪を叩く用な感覚が、伝わってくる。
 一番敏感な部分に与えられる刺激に、心が壊れそうな快楽を与えられた。
 だから、腰の動きが早くなるのを抑えることが出来ない。
「がっ! ぐっ! ひぁっ! やめ、フェイト、フェイトやめて!! 痛い! 痛い痛い痛いっっ!!」
 泣き叫ぶアルフの声が、快かった。
 悲痛な声を上げながらも、フェイトの動きを受け入れているアルフの体が気持ちよかった。
「痛い痛い……いた……い? な、なに、これ?」
 不意に、アルフの声の質が変わった。
「な、なにこれ、なにこれ、なにこれぇ!?」
 痛みで青ざめていた顔が、いつの間にか上気していた。
 ただ血の粘りけとは違う液体が擬根にまぶされて、動きやすさが格段に増した。
「ふぁっ!? ひゃふっ!? な、何、これ! ふぁぁっ! い、いいよ! お腹の奥熱いよぉ!」
 叫んだアルフが、ぎゅっと抱きついてくる。
 ソレを受け入れながら、ただ股間からくる気持ちよさに酔っていたフェイトは、だからその刺激に全身が一瞬硬直した。
「ひゃふっ! あ、アルフ!?」
 アルフが、フェイトの胸の尖端に吸い付いていた。
 ちゅうちゅうと吸われる感触に、胸の奥から熱い固まりが脳髄にたたき込まれる。
504『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:31:21 ID:U51LDvMx
 それは、股間から来る感覚と相まって、ちかちかとフェイトの視界を明滅させた。
「っっ!」
 思い切り強く、フェイトは腰を動かしはじめた。
 左手の自由を確保して、その手をアルフのお尻に伸ばした。
 ぴくんっとアルフの体が震えて。
 同時に、人差し指の根本までを、菊座に突き込んだ。
 血行が止まりそうなほどに、強く喰い絞めてくるアルフの菊座。
 その締まりは前にも及んで、フェイトの快楽をどこまで増大させる。
「ぷはっ! フェイト、そこ、きたな、ふぁぁっっ! あふっ! ひゃぅんっ!」
 前と後ろを連動させながらアルフの中を蹂躙していく。
 気持ちよさに、アルフが泣き叫びはじめた。
「あっあっあっあっあっっっ! や、フェイト! ワタシおかしいよ! 気持ちいい、気持ちいいよ、きもちいいよぉ! ひんっ! ひゃんっ! あんっ! あぁぁっ!」
「私も、私も気持ちいいよ、アルフ。もうすぐだよね?」
「もうすぐ? わかんない、わかんないよ! でも、白いの、白いの来ちゃうよ! なんかわかんないのがきちゃうぅぅぅっっっっ!!」
 不意に、アルフの締め付けがきつくなってくる。
 中も不規則な痙攣をはじめる。
「っっっっっ! ふぁっっっっ! ひぁぁっっっっっっ! ぁぁ……!」
 びくびくと震えるアルフの体。
 止めることなど全く出来なくて。
 ただ開いた口から舌を突き出して、虚空に視線を彷徨わせるアルフを見詰めていた。
「ふふっ、イクよアルフ」
「っっっ! っぁ! あああああああああああああっっっっっっっっっっっ!!」
「ん、イクッ!!」
 アルフが絶叫を上げながら達すると同時、フェイトはアルフの膣に精を流し込んだ。
「ん……熱っ…………」
 惚けた表情で見上げてくるアルフ。
 その顔に笑いかけながら。
 フェイトは繋がったままアルフの体を回転させた。
「っっ!?」
「アルフ……、もっと……いいよね?」
 アルフの答えが返ってくるよりも早く、フェイトは腰を動かしはじめる。
 ……悦楽の宴は、はじまったばかりだった。
505『FATE in The Dark Fate』:2007/03/30(金) 03:32:33 ID:U51LDvMx




「……ん」
 フェイトはゆっくりと目を覚ました。
 今いる場所がどこなのか、一瞬判断に迷う。
「フェイ……ト……」
 不意に傍らからアルフの声が聞こえて、霞がかかったように惚けていた頭が元に戻る。
 すこし慌てて視線を隣に向け、口元をゆるめているアルフの寝顔に気づいた。
「私……、なんてことを」
 朧気にではあるが、自分が何をしたのかをフェイトは思い出していた。
 五度もアルフの体を貪ったのだ。
 数え切れぬほど達したアルフの心を無視して。
「……私」
 性的な玩具として用いるために使い魔を作る魔導師がいる。
 そのような話を、フェイト自身耳にしたことはあった。
 だけど、自分がそんなことをした事実が許せない。
「ごめんね、アルフ」
 胸の奥がじくじくと痛み出す。
 今は収まっているけれど、自分の体に擬根が存在していることを、辛さと共に確信するフェイト。
 だけど、そのことを誰にも相談出来なくなってしまった。
 自分が辛い目に遭うならまだしも、アルフまで巻き込んだのだから。
 だからフェイトは唇を噛みしめる。
 全ては自分自身の罪で、ソレを黙って受け入れることが自分への罰なのだと、フェイトは心かそう思う。
「ごめんね、アルフ。ごめんね」
 ただ哀しくて、情けなくて、言葉を吐き出すことしかできないフェイト。
「ごめんね……」
 暗い部屋の中、ただ小さく呟く。


 その口の端が。
 僅かに上がっていた。

506暗愚丸:2007/03/30(金) 03:44:54 ID:U51LDvMx
ってことで、今回はロリアルとフェイトっていう無茶な組み合わせでした。
これで、やっと話し全体の序の部分が終わりと言うことで、書き終わりいつになるのか見当もつきません(汗
次回はもう少し早めにお送りできるよう頑張りたいなぁと思います。

レス下さった皆様、有り難うございます。
>155さん
えと、見つかっちゃいましたか。
何となくあちこちのスレに浮気してたりするお馬鹿です。
ちなみに触手の目的は繁殖のみだったり。

>4の422さん
えと、なのははメインディッシュなんでふたにはならないです、御免なさい。
一応オチまでの道筋ははっきりしてるんで、最後まで続けます。
……いつ終わるか解らないですが(汗

それでは、読んで下さった方々、有り難うございました。
507名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 12:47:42 ID:9wA/BwVk
GJ!

完結するまでこのスレで待ってます。
508名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 14:42:38 ID:72B9Z63l
容量的には「次スレで待ってます」と書いた方がいいだろうな。
509名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 20:47:11 ID:GARhOKyy
次スレどうすんの??
510名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 21:54:44 ID:EY/ufOz7
>>490
原作は名前しか知らないんだが…なのは好きとしては原作も知っておいた方がいい?
511名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 22:19:41 ID:WyXCE4Qv
戦闘に魅かれたならあまりお勧めしない。
泣き要素に魅かれたなら勧める。
ただ、むず痒いいちゃつき方するんでクロなのに抵抗覚えるなら
あまり面白く感じられない可能性はある。

都築式の恋愛観や描写のキモを学習するにおいては有用。
512名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 04:16:26 ID:pe9MSlIf
一応 IF を書いたけど、次スレにあげたほうがいいの??
513名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 04:47:38 ID:iHbz5t+v
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175284001/l50
新スレ立てたよ、とりあえず1にwikiアドレス追加しといた
51476:2007/04/02(月) 02:15:44 ID:lbEdFiSd


では、埋めついでに

高町家に引き取られれたフェイト6 〜想い、見つけた〜

 玄関をくぐると、士郎さんが待っていた。少し顔が怖い。私たちに近づくと、右手を振り上げた。怖くなって思わず目を瞑る。
少しして、こつんという音とこぶしの触れる感覚が頭にあった。ほんのちょっとだけ痛かった。すぐ跡に私の右からも同じ音が聞こえた。
「ちゃんと、遅くなるときは連絡くらい入れなさい」 目を開けると、少し困ったような、やさしい目で私たちを見つめる四郎さんの姿が映った。
なのはと二人でごめんなさいと頭を下げ、リビングに向かう。みんな食べずに待ってくれていたらしく、桃子さんが温めなおした料理をテーブルに並べていた。
「さ、いただきましょう」 桃子さんの一言が、私の心に広がっていく。そして、なにかが少しずつ解けていく。そんな感覚を覚えた。
「フェイトちゃん? どうしたの?」 隣でなのはがうろたえている。 どうしたんだろうと不思議に思っていると、床からポツンと言う音が聞こえてきた。
下を向くと、水滴が落ちている。その水滴は上からどんどん落ちて広がっていく。 あれ?私、泣いてる? 目元をごしごしとこすっても、どんどんあふれてくる。
「なのは、おかしいね。勝手に…涙が……あふれてくる……」 すべて言い終わらないうちに言葉がつまり、膝から力が抜けた。
嗚咽を漏らす私の肩を抱いて、そっと頭をなでてくれる、水仕事をしているのにやわらかくて、優しい手。それと、ごつごつしているけれど、とても暖かい手
抱きつきたい衝動に駆られるけど、ぐっとこらえる。
「泣きたいときはね、思いっきり泣けばいいのよ。ね?フェイト」 桃子さんの一言でせき止めていたものが一気にあふれ出した。
 桃子さんと士郎さんに抱きつきひとしきり泣いて、少し気持ちが落ち着いてきた。
「フェイト、なのはに何かやられたのか?かわいそうに…」 少しおどけた感じで恭也さんがなのはに言った。
「おにーちゃん!」 なのはがむくれる。そのやり取りを見て、少し頬が緩んだ。ちゃんと笑えたかは自信がないけれど。
 
 遅い目の夕食をとって、一度部屋に戻る。ベッドの上膝を抱えて考え込む。今日は、泣いてばかりの一日だったな…どうしてなんだろう。悲しいことなんてなかったのに。
いや、ひとつ悲しいことはあったけど。
「フェイトちゃん、入っていいかな?」 小気味よいノックの音とともになのはの声が聞こえてきた。
「うん、いいよ」 ドアを開けると、暖かそうな紅茶とクッキーの入ったお皿をトレイに載せたなのはが入ってきた。
ここに来て二日目にもらったケーキのことを思い出して一瞬戦慄した。
「どうしたの?フェイトちゃん」 なのはが首をかしげてしばらく考えるそぶりを見せた後、少しいたずらっ子みたいな笑みを浮かべた。
「今日は別に何も入れてないよ。安心して食べてね」 そういわれて、恐る恐る口に運ぶ。おいしい。さっくりとした歯ざわりなのにふんわりとした舌触りがある。
程よい甘さで口から鼻にミルクのいい香りが抜けていく。
「今度、お店で販売する新作のクッキーなの。 よかったら感想聞かせてね」とウインクをされる。
私は、感想を言おうとしたけど、口から言葉が出てこなかった。よく考えたら、リニスがいなくなってからは、ただ栄養を取るためだけにある味気のない食事しかしたことがなかった。
味の表現とか、すっかり忘れてしまっている。だから、やっとの思いで出てきた言葉が
「……とても、おいしい」 私は、自分を恥じた。きっとなのははこんなことを聞きたかったんじゃないよね。恐る恐るなのはの顔を見る。
「そう、よかった」 たおやかな笑顔がそこにあった。
「ごめん、なのは。私、ちゃんと感想もいえなくて…」 謝る私の口になのはは人差し指をそっとあてがって、
「別に、うまく言えなくてもいいよ。フェイトちゃんの顔に書いてあるから」思わず顔をぬぐった私を見てくすりと笑い、
「たくさんの美辞麗句を並べられるより、たった一言、心から『おいしい』って言ってくれるだけで気持ちは十分伝わるから」 なのはの笑顔を見ていると、なんだか少し照れくさくなった。
なのはに紅茶を入れてもらって、二人で残りのクッキーを食べながらお茶を楽しんだ。
 一折歓談していると、士郎さんがお風呂に入るようにといってきたので、なのはが私に先に入るように言って、お菓子のトレイを下げて部屋を出て行った。
脱衣所で、洗面台の鏡と向き合う。夜更かしでできた隈がまだうっすらと残っていた。そういえば、さっきから少し頭が重いな。
浴室に入って掛湯を浴び、湯船に浸かって少しすると、扉のすりガラスに見慣れたシルエットが浮かんできた。
はにかんだ笑みを浮かべたなのはも湯船に浸かる。しばらく向き合ってお互い黙っていた。
「なのは。今日は、ごめんね」 そういった私を不思議そうに見つめ、
「どうしたの? 何か謝られるようなことあったかな?」 と聞いてきた。
「私、今日泣いてばかりだったから…なのはたちにたくさん迷惑かけちゃったね」 うつむきながら話すと、なのはがくすりと笑って、
「迷惑だなんて…誰もそんなこと思ってないよ。むしろ、フェイトちゃんが私たちのことを頼ってくれてるのがわかって、結構うれしかったよ」 体が温まったのか、頬がほんのりと上気したなのはが微笑んだ。
私は少し恥ずかしくなって、体を洗うことを口実に、湯船からあがろうとした。なのはに背を向けたとき、背中にお湯とは違う暖かさを感じた。
「なの…は?」 腰に腕を回して離さないなのはに困惑しつつ、頬の筋肉が緩んでいくのを感じた。
「ねえ、フェイトちゃん。どうしてつらさって分け合うことができないんだろうね。 フェイトちゃんがつらい目にあってるのを見て、何とかしたいと思っても、どうすることもできないなんて、もどかしいよ」
鼻にかかったなのはの声。表情は見えないけど、泣いてるんだろうか。抱きつく腕に力がこもる。
私は頭を振り、できるだけやさしい声でなのはに語りかけた。
「私は、うれしいよ。うまくいえないけれど、なのはがいなかったら、きっと私、壊れてしまっていたのかもしれない。アルフには悪いけど」 腰を締める力が緩む。
「そんなことを言ったら、アルフさんが…」 なのはの言葉を隔たって話を続ける。
「離れてみてわかったんだ。アルフが私のことをどう思って、どれだけ私のためにしてくれていたか。 使い魔とご主人の関係ではなくて、親友、いや大事な家族として。私は、アルフのことを大事だとは思っていても、使い魔としてしか見てなかったのかもしれない」
腕が離れたので、なのはと向き合う。少しつらそうな顔が見えた。その目にうっすらと浮かんだ涙をぬぐってあげる。
そんななのはの優しさがうれしくて、そっと肩を抱いた。
「ありがとう、なのは。そしてこれからもよろしくね。」私の肩で、なのはが頷くのを感じた。

お風呂から上がり、リビングで少しくつろいだあと、私は先に自分の部屋へと戻ることにした。戻り際、なのはに念話を送る。
<<アルフのことなんだけれど、今回の件が終わったら少し探してみようと思うんだ。もし良かったら…なのはに手伝って欲しいんだけど……>>
間髪入れずになのはから返事が返ってきた。
<<もちろんで手伝うよ。でも、フェイトちゃんとアルフさんって、精神リンクでつながってるんだよね?それは使わないの?>>
もっともな話だと思うけど、今回はあえてそうしようと思わなかった。
<<うまく言えないんだけど、そういうものに頼らずに、自分の足で探さないと駄目だって思うんだ。そうじゃないと、自分自身が納得できない気がするから>>
返事は帰ってこなかった。代わりになのはの喜ぶ気持ちが伝わってきた。気のせいかも知れないけれど、返事はそれだけで十分。
探せる範囲でアルフを探して、もし見つからなければ、戻ってくるまでずっと待っていよう。それが、私のアルフに対する私の答え。
その前に、母さんの事をきっちり終わらさなければ。私は、先にアースラへ向かったユーノや情報収集にがんばってくれているアースラの人たちのことを考えながら眠りに落ちた。



前回投稿したやつの再掲です。とりあえず、まとめやすいようにしてみました。