嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 23のバカ

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1名無しさん@ピンキー
浅いものはツンツンしたり、みたいな可愛いラブコメチックなヤキモチから
深いものは好きな人を独占して寵愛する為に周囲の邪魔者を抹殺する、
みたいなハードな修羅場まで、
醜くも美しい嫉妬を描いた修羅場のあるSS及び、
他様々な展開の修羅場プロット・妄想を扱うスレです。

嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 弐拾弐
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163330787/
■まとめサイト
2ch 「嫉妬・三角関係・修羅場統合スレ」まとめサイト
http://dorobouneko.web.fc2.com/index.html
2名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 05:13:11 ID:mE4giyUx
■関連スレ
嫉妬・三角関係・修羅場統合スレ 第15章
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1161411114/
■姉妹スレ
嫉妬・三角関係・修羅場統合スレinラ板
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1132666398/
嫉妬・三角関係・修羅場統合スレin角煮板
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1157942116/
誘導用
【スキスキ】ハーレムな小説を書くスレ【独占】 5P
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161192290/
ヤンデレの小説を書こう!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1148704799/
●●寝取り・寝取られ総合スレ3●●
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156528908/
3名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 05:17:31 ID:VYEM/X16
>>1乙!
4名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 06:21:10 ID:Xl52jSjc
乙です
5名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 09:15:29 ID:4g94J9Ty
>>1




私だけの23って意見出そうと思ってたのに・・・・・・・orz
6名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 10:57:57 ID:/GbNnUhX
愛の証消せない〜
7名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 11:00:33 ID:/GbNnUhX
ごめん「愛の形見」だ
8名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 11:17:56 ID:yxPU9YpJ
朝っぱらからただの小ネタ。エロないね。エロくなりたいよ。


「信二、いる?迎えに来たよっ早くいかないと間に合わないよ―」
「真由美さん帰って下さい」
「あれ、香奈ちゃんおはよう。信二は?まだ起きてないの?
 じゃあ私が起こしてあげよ―かなっ」
「真由美さん、お願いだから来ないで下さい。兄はあなたのものでは無いんです」
「あれ―香奈ちゃん何言ってるのかなぁ?信二は私がいないと寂しくて死んじゃうんよ?
 だから私が迎えに来てるのに。ね、信二はどこ?」
「……兄は渡しません。家にも絶対入れません。」
「なに思いつめた顔してんの?信二がいる場所なら私はどこにだって行くよ。
 ひょっとして信二が私のものだってことが嫌なの?認められない?あはっ香奈ちゃん
ブラコンだもんねぇ…でも無駄だよっ信二は私と行くんだから」
「やめて下さい!兄はいかせません!」
「…妹だからって調子に乗んないで。あの時信二があなたをかばったのは信二が優しい
 からだよ!!」
「違います、真由美さん。兄はもうあなたのことなど想っていません。ひたすら
 恐れているんです!」
「どきなさい雌犬が。信二を渡しなさい」
「絶対に嫌です。…あなたはもう、死んでいるのに」

そうだ。この雌犬を排除するために帰宅前を狙ってわざわざ待ち伏せてたのに。信二に
うっかり気付かれてしまった。かばう信二と言い争っている内に居眠り運転のトラックが
私をひき殺してしまった。でも、かえって好都合。このまま信二を一緒に連れて行けば
こんな雌犬のいない、2人だけの世界にいけるから。

「それがどうしたの?いいから、信二に会わせなさい」

9名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 17:30:23 ID:JkvyY9Qw
で、続きはどこかな?
10名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 17:52:58 ID:yxPU9YpJ
すんません続かないんです…終わり明記しそびれましたorz
投下控えさせたりしてたら本当にすみません。
むしろ書き込みまで控えさせてたら本当の本当にすみませんorz
11名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 19:53:44 ID:fKMieZTX
>>10
最低ね
12名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 19:56:39 ID:VYEM/X16
>>11
あなたに彼の何がわかるって言うの!?
13名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 20:09:08 ID:KTQglk/0
死んでも慕い続ける、これぞ純愛!!
14名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 20:55:13 ID:TD7g53DO
神々からの投下がないが何、気にすることはない
15名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 21:04:55 ID:4g94J9Ty
>>10
気にしないで。私があなたを守ってあげる。だからもう>>12とは関わらないでね?
16名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 22:47:52 ID:CG/POj2k

                        ハ_ハ     どようびヤッホッホー
                 ハ_ハ    (^( ゚∀゚)^)
               ('(゚∀゚∩    )  /
                ヽ  〈   (_ノ_ノ
                 ヽヽ_)



                         ハ_ハ     
                 ハ_ハ    (^( ゚д゚ )^)
               ('( ゚д゚ ∩    )  /
                ヽ  〈    (_ノ_ノ
                 ヽヽ_)


17名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:27:15 ID:yxPU9YpJ
やっぱりエロくないけど、ちょっぴり続き書いてみたんだ。
18名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:29:01 ID:yxPU9YpJ
やっぱりエロくないけど、ちょっぴり続き書いてみたんだ。
>>10の続きなんだけど、ごめん、神々の足下のその更に下にも及ばねえや。


カンカンカンカン…
踏切で警報が鳴っている。が、信二は線路の真ん中にぼんやりと立って動かなかった。
「…お兄ちゃん?……お兄ちゃん!だめっ!!」
香奈が信二を突き飛ばして2人がもつれ合いながら線路脇に転がった。同時に電車が
轟音とともに通り抜ける。
「何やってるの!?轢かれるつもりだったの!!?」
「ごめん……真由美が…真由美がいたんだ」
その日は2人で家に帰って、無言で夕食を食べて、眠った。そうするしか無かった。
青ざめる信二に幻覚だよ、と笑い飛ばすことは香奈にも出来そうに無かった。両親が
外国に赴任して2人暮らしである状況を初めて悔しく思った。そして次の日の朝
真由美が信二を「迎えに」来た。
「いいから、信二に会わせなさい」
顔がつくような至近距離で妄執と対峙するのは怖かった。が、どうやら真由美は家には
入れないらしい。
「絶対にどきません。兄はいかせません」
睨み合いは30分を超えた。信二が起きてしまう。兄が真由美と会ってしまった場合
どうなるのか香奈にはわからなかった。かといって追い払う方法もわからない。
じりじりと焦りばかりがつのる。

19名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:30:40 ID:yxPU9YpJ
「そう…ねえ、じゃあ香奈ちゃんに問題ね」
突然の明るい声に呆気にとられる香奈を置き去りにに言葉は続けられた。
「私はどうやら所謂幽霊ってやつです。幽霊と言えば憑依!ちょっと強引だけど。
 で、私にもそれってできるのでしょーか!?」
「…え、あ」
「答えは、出来るっ!!じゃあお邪魔しまぁす」
何かが体にまつわりつくような嫌な感触を最後に香奈の意識は途切れた。





口腔を這い回る艶めかしい感触で目が覚めた。
「…っ!!香奈!?」
途端に頬に衝撃が走る。現状が理解出来ない。妹が馬乗りになって全身密着でキス
してきて目が覚めていきなり頬全力で張り飛ばされていやいやその素晴らしい笑み
はなんだ。……そしてこの凄まじい違和感はなんだ。
「おはよう、信二」
パジャマの薄い感触を通して伝わる胸や太ももの感触に下半身へ血が集まるのが
わかった。妹に欲情してどうするとは思うが致し方ない。
「私の名前、間違えないでよ…たとえこんな雌犬の中に入っててもわかってくれるよね?」
「ま…ゆみ」

20名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:32:05 ID:yxPU9YpJ
「あはっせいかーい。それにしても信二はこんな体でも欲情するんだねえ…」
香奈の細い指が腹から胸に上がって来る。違和感ではなくはっきりと恐怖を感じた。
香奈だが、どう考えても真由美だ。
「でも信二が愛してるのは、私だけだよね?」
真由美の手つきで香奈の指が鎖骨をなぞって喉元にたどり着いた。
「私だけだよね?」
繰り返す真由美に対して肯定以外を返すことは出来なかった。
そして首に食い込んでいく指を止めることも出来なかった。



「先輩、この被疑者の子まじでヤバくないですか?」
「ああ間違い無く精神鑑定行きだろうな。全く最近の若い奴らはわからん」
「恋人失った兄貴をいきなり絞殺する女の子の気持ちなんて俺にもわかりませんよ」
「お前も気をつけろよ?俺ら刑事なんて官職は恨み買いやすいから訳わかんねえ奴に
 絞殺されるかもしれねえ」
「女の子なら大歓迎なんですけどねえ…」
「それはねえな」
「先輩には言われたくないっすね」



21名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:33:25 ID:yxPU9YpJ
ごめん。修行し直してくる。
22名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:35:25 ID:yxPU9YpJ
しかも最初のとこ二重になってるorz
23名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:56:51 ID:t3H26n/W
GJ!連れてかれてちまったよ(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガク
>>19の時点でセクロスして、その後また学校の後輩辺りに憑依して
4角関係の戦いに発展していくと妄想した俺は死んで良い(;´Д`)
24名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 00:14:43 ID:7t7u5NQa
>>23
気にするな、漢としてかなり正しい。
25トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/11/26(日) 01:45:37 ID:zWoujA2y
では投下致します
26水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/26(日) 01:48:35 ID:zWoujA2y
 第3話『空腹な空鍋』

 リビングの薄暗い明かりの中、虹葉姉と紗桜の人影があった。
どうして部屋を暗くして一体何をやっているのかと注意深く疑っていると俺は驚愕する。
 紗桜はテーブルに行儀よく座りお皿にある食物らしきスプーンで口元に入れる。
その食物らしきものはよく見ていると実は皿の中身は何もなく、ただ紗桜は常に食べる動作を繰り返し続けているのだ。
「うふふ。お姉ちゃんの作った料理は美味しいよ」
 虚ろな瞳で怪しげな笑みを浮かべて、紗桜は空の皿でスプ−ンを口元に入れる動作を繰り返す。
俺が帰ってきたということは頭には入っていないだろう。
 恐る恐ると紗桜の前を通り過ぎて、虹葉姉の様子を静かに見る。
台所にいる虹葉姉は料理禁止令を破って、料理に没頭していた。
その事実よりも俺は虹葉姉のやっていることに驚愕する。
 まな板に食材を置いているつもりだろう。不器用な仕草で包丁を上から高くから振り上げる。
もし、そこに食材があれば勢いよく食材は四方に飛んで行ってしまっただろう。
だが、そこには食材はない。虹葉姉はさっきから何もないまな板の上で包丁を振り上げる行為を続けているのだ。
 更に驚くべきことはまだある。
「月君。紗桜ちゃん。待っててね。今すぐ美味しい料理が出来上がるから」
 虹葉姉は虚ろ瞳で壊れた笑みを浮かべる。
 包丁で材料を切り刻んでいる動作に飽きたのか、今度はガスコンロの上に置いてあったお鍋を掻き混ぜようとしている。
何度も何度も掻き混ぜる行為を続けていた。俺は鍋の中身を確かめようとした瞬間。背中から悪寒が走った。
 その鍋の中身は空だった。
 さっきから虹葉姉は空鍋を必死に掻き混ぜていたのだ。嬉しそうに笑い声を零しながら。
 これはもはや異常と言わずに何と言うべきだろうか?
 二人の原因の異常は俺がわかる範囲で考えると導きだされた解は一つだけである。

 俺が門限時間に帰らなかったせいで二人は晩飯を食べることができなかった。
 つまり、空腹状態が引き起こす飢えの現実逃避なのだ。
27水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/26(日) 01:51:01 ID:zWoujA2y
 これらの事態を収めるために俺は立ち上がる。
 現状から打開するための道具は先程買ってきたスーパーの袋とコンビニの袋の中に隠されている。

 たとえば、このスーパーの袋の中身を誰かに渡して。
 できる奴がいるか?
 そんな凄い奴がいるわけない。
 そうとも。
 俺にならできる。
 いや、俺にしかできないんだ。
 やろう!!
 ドラ焼きで
 虹葉姉と紗桜の正気を取り戻してやる!!

 その前に二人の目を覚ますためには一つの道具がいる。
うふふと奇妙な笑みを浮かべている虹葉姉の後ろを通り過ぎて一つの調理道具を取り出す。
 フライパンをしっかりと手に握り締めて、右手には綿棒を持つ。
 この時間帯では皆様のお眠りを妨げることになるが、身内の危機が迫っているので仕方ないだろう。

 俺は息を大きく吸い込むと思い切り叫んだ。

『秘技 死者の目覚め』

「 引っ越し!引っ越し!! 引っ越し!  さっさと引っ越〜し!!」

 軽くご近所の皆様から数件以上苦情が来そうな騒音を10分ぐらい続けながら。
 虹葉姉と紗桜はようやく目を覚めた。
28水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/26(日) 01:54:27 ID:zWoujA2y
 空気は重く冷たく沈黙を漂わせていた。
 ドラ焼きを美味しそうに食べている虹葉姉と紗桜はエネルギー充填の完了次第。
 ここは修羅場となる。
 ただ、二人とも美味しそうにドラ焼きを食べている姿に思わず和んでしまうわけだが、
時と場合を選ばなければ平穏かつ無事に終わっているはずだった。
 虹葉姉と紗桜がドラ焼きを食べ終わると本格的に空気は圧し潰される重圧のように襲いかかってきた。
背後に黒いオーラーを背負い、睨み付ける視線で俺を見る。

「ねえ。月君。どうして、門限時間に帰ってこなかったのかな?」
「まさか。兄さん。噂の転校生の鷺森音羽さんとイチャイチャしていたんですか?」
 二人は取り調べの刑事さんよりも迫力で迫ってくる。
俺は額に脂汗を流しながら、視線を姉妹たちに逸らして少し狼狽えた声で言った。
「まあ。二人とも落ち着いてよ」
「話をごまかそうと思ったら、そうは問屋は降ろさないわ月君」
 虹葉姉はすかさずに逃さないようにガンガンと突っ込んで来る。
「お姉ちゃんの言う通りです。兄さんが白状するまでは今日は絶対に寝かせないんだからっ!!」

 今夜は徹夜してまで俺を問い詰めるつもりなのか水澄姉妹よ。
なぜ、俺の対女性関係になるとこの二人はこんなにうるさく問い詰めモードに転換するんだろうか。
虹葉姉も紗桜も恋愛関係の話題になると顔を真っ赤にしてしまう程にウブなのにね。

「一体、何を白状するんだよ。門限時間を守らずに本来やるべきはずであった家事も放棄したことに怒っているなら謝るけど」
「そんなの問題じゃないんだよ!! 月君が私たち以外の女の子とこんな時間になるまで遊んでいたから怒っているんだよ」
「いや、放課後に音羽に捕まったんだから仕方ないだろ」
「音羽ですって……。兄さん、鷺森音羽さんとはそんな風に呼び合う程の仲になったんですね」

 二人ともさっきよりも険しい顔をして問い詰めてくる。
テ−ブルの対面上に座っているのでいつでも自分の部屋に逃げる距離は充分にある。
これ以上、黒化するならば俺は喜んで自分の部屋に逃げ込むよ。
その辺にあるチンピラやヤクザ以上よりも恐い。何とか我慢しているが、さっきから膝が震えが止まらない。

「まず、月君。その鷺森音羽さんのことをお姉ちゃんに教えてくれないかな? かな?」
「わ、わかったよ。鷺森音羽。虹葉姉も紗桜も覚えてない? 
隣の家に住んでいたけど、連帯保証人の借金を背負うことになって夜逃げした一家のことを。
音羽は、俺がこの家にやってきた時、虹葉姉と紗桜と気まずかった頃に知り合った幼なじみなんだよ」
 音羽が親を失って孤独になっていた俺を励まして支えてくれなかったら、今の俺はここにはいなかっただろう。
それと同じ意味で虹葉姉と紗桜が俺を家族として認め、弟や兄と慕ってくれるおかげで
俺は自分の居場所を見付けられたのだ。
感謝してもしきれないこの二人をこれ以上を怒らせるのは俺の胸の痛みに電気が走る。
必死に宥めようとしたが、更に情況は悪化していた。
29水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/26(日) 01:56:42 ID:zWoujA2y
 虹葉姉も紗桜も頬を膨らませて拗ねていた。
「むぅ。ダメです。お姉ちゃんは再会によって盛り上がる恋の炎……そんなものは認めないんだから」
「兄さん。とりあえず、これ以上鷺森音羽さんには近付かないようにしてくださいね。
主に私とお姉ちゃんの機嫌が悪くなってしまいますからね」
 ゴゴゴと黒いオーラを発しながら、虹葉姉と紗桜はこれまでない以上に脅迫行為で迫ってくる。
猫と犬の協奏曲は綺麗に重なると破壊力と迫力が増す。
 ここは大人しく姉妹の脅しに屈するべきなのか?

 いや、違う。
 本当の自由は戦って得るものだ。
 俺にだって長年水澄家の食卓を守っていた誇りというものがある。
 清き交際。彼氏と彼女の関係。恋人同士。
 男なら一度は夢を見る理想郷。叶わない夢。
 届かない夢と決め付けて、簡単に諦めていいんだろうか?
 ならば、立ち上がれ。
 人は地球という星から抜け出し、月へ行くと偉業を成し遂げた。
 ならば、きっと俺にはやれる。
 叶わない夢なら、叶えるだけだ。
 大丈夫。天草月はきっと強い。だったら、言えるはずだ。
「一つだけ聞きたいんだが。前にも言ったんだけど、
どうして俺の女性の対人関係や恋愛事情などに虹葉姉と紗桜は過剰な反応を返す?」
「うっ?」
 虹葉姉と紗桜が同時にはもった声を出す。
30水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/26(日) 01:59:10 ID:zWoujA2y
 驚くことに二人とも真っ黒なオーラーを消え去り、恥ずかしそうに赤面させていた。
長い髪の毛で顔を隠して表情を隠す。いつも沈着で頭脳明晰な虹葉姉ですらこの言葉の応答は真っ先に返ってはこない。
戦況は一気に逆転した。ここで徹底的に追い詰めれば、俺の勝ちになるはずだった。
 虹葉姉が静かに立ち上がると、俺の方を見つめて言った。

「それはお姉ちゃんがブラコンだからなんだよーー!!」

 と、全身を真っ赤にして部屋の方へ逃げ去っていた。
 虹葉姉がブラコンって……。あの人は今ようやく自分がブラコンだということに気付いたのか? 
ちょっと呆れ気味で嘆息を吐いた。
 残された紗桜に視線を合わせるとぴょんと驚いて反応してから言った。

「え、え、えっとね。私は普段からだらしない兄さんをしっかりと監視しなきゃいけないと思うんですけど。
兄さんが悪い女の人にだ、だまされないようにわ、わ、わたしが守ってあげないとだめなんです。
だから、兄さんの女性関係は妹の私がしっかりと管理して、誰とも突き合わせないように見張って行くのがいいと思うんだけど。
で、で、でも、私はお姉ちゃんと違ってブラコンじゃないんだからね。兄さんがいないとダメダメになって、
泣きだしてしまうような人じゃないんだから。私は単純に兄さん想いでお姉ちゃん想いなだけです。
家族に何か身があれば、私は命懸けで守ってあげます。
もう、核ミサイルをかの国から仕入れて零距離発射します。もう、無敵です。完璧です。
 あぅぅぅ。私は一体何を言っているのかわかんないよ。
 とりあえず、私が何を言いたいかと申しますと。
 兄さんは私の大切な兄さんなんだから。妹の私やお姉ちゃんにもっと優しくするべきなんですっっっ!!」

「はい?」
「あぅぅぅぅうぅぅっっっ!!」
 意味不明なマシンガント−クで俺は思わず首を傾げた。
本来の紗桜はこんな風に取り乱さずに常に冷静を保っているはずだったが、胸につもっている想いを解き放った途端にいろんな意味で壊れた。
「に、に、兄さんが門限時刻に帰ってこなかったことを冬子さんに言い付けてやるんだからぁぁぁ!! うわ−んっっ!!」
 羞恥心に耐えきれずに姉同様に素早い動作でこの部屋から紗桜が逃げ出して行く。
 冬子さんて……。
 これはさすがに俺も命をいろんな意味で覚悟しておく必要があるな。
 水澄姉妹の伯母。
 この家の最強の支配者。
31トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/11/26(日) 02:03:01 ID:zWoujA2y
いろんな意味で今回もパロネタが多かった
空鍋は一度でいいから使いたかったネタでしたw
嫉妬業界に入ったら、使いたくなりますよねw


そういうことでReally? Really!でちょっとクビを真っ二つされてきます
では。
32名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 02:03:14 ID:fYqPtgQO
ss投下ktkr!!
引越しワロスw
33名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 02:05:43 ID:bg0mct0x
いや…流石にこのオマージュはどうかな…
34名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 02:36:08 ID:rT/j2dfb
面白くはあるがパロとかあまり調子に乗らない方がいいとは思う
35名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 02:54:20 ID:gUzeXOM0
自分からブラコン発言する姉テラモエスw
これはいい感じの姉妹ですね。
パロねたはあんまやりすぎると微妙になるのでもうちょい控えめにしたほうがいいかも。
作者さんGJ
36名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 02:59:07 ID:KQCNibNg
まぁ、何事もやり過ぎはよろしくないということで一つ。

だが、面白かったw
37名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 03:05:08 ID:IgGY4UDt
感想の薄皮を剥ごう
38名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 03:58:41 ID:In6VyRLw
パロがひどい。
それだけでいいだろう
39名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 04:42:57 ID:2yKt3ast
修羅場が楽しめれば他の事は正直どうでもいい。
40名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 06:31:45 ID:z+TP11cn
GJ

パロはともかく監禁とか空鍋とか修羅場のあるあるwwwなネタをギャグにしてしまうのは
トライデント氏の持ち味だと思ってる。
伯母にはいき過ぎた過保護を気体死体。
41名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 07:05:37 ID:6tNRRXgN
気体死体の物騒さにワロタ
42名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 07:41:33 ID:HkkOR3rn
パロがちょっとね・・・
すごくいい人間関係の話なのにもったいない気がする。
43名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 08:13:14 ID:VKLjuEvP
GJだ!明るいノリの嫉妬もやっぱり良い
そして引越しネタに吹いたw
44名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 10:43:33 ID:QWJFMMK2
ネタというものは薬と同じ……すぎれば毒となるものもある。
だが、しかし不覚にも吹いたwwww後、最後の妹テラカワイス
てか、『かな』『むぅ』『あぅ』これまさしく(ry
45名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 11:01:44 ID:vqQ6A0Eg
押しかけ三角ってまだ〜?
46名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 11:10:17 ID:WlUQP6+i
>>44
ラオウですね!!
47名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 12:16:55 ID:HkkOR3rn
主人公が誰かに胸を貫かれて「我が生涯に一片の悔い無し」って言って死んでいくオチか
48名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 12:28:26 ID:ALoanxI5
毎回面白く読ませてもらってて、今更だけどちょっと質問

虹葉
紗桜
なんて読めばいいんでしょうか?
49名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 12:47:35 ID:+DNkp/Sa
上から つき なのは さくら
連載投下1回目のプロローグで出てる

どうでも良いけど猫乃のハッピーエンド読みたかった
どうにも俺の応援するヒロインってハッピーエンドになれないのが多い希ガス
他に不義理チョコのミカとか、スウィッチの森さんとか、優柔の綾乃先輩とか……
50名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 12:59:58 ID:ALoanxI5
いやぁ、どうも
一回から読んでたけど見落としてたみたいだわ
ありがとう
51名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 13:38:32 ID:0ASA0ji7
                _∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_
     デケデケ      |                         |
        ドコドコ   <       赤色まだぁ〜〜〜!?    >
   ☆      ドムドム |_  _  _ _ _ _ _ _ _ _|
        ☆   ダダダダ! ∨  ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
  ドシャーン!  ヽ         オラオラッ!!    ♪
         =≡= ∧_∧     ☆
      ♪   / 〃(・∀・ #)    / シャンシャン
    ♪   〆  ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ
         ||  γ ⌒ヽヽコ ノ   ||
         || ΣΣ  .|:::|∪〓   ||   ♪
        ./|\人 _.ノノ _||_. /|\
         ドチドチ!
52名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 13:53:42 ID:w4qG7vdo
>>31
トライデントさん
水澄の蒼い空も面白いけど

雪桜の舞う時に☆埋めネタの方も連載して欲しいですよ
このスレが埋まるまで待ってられない
続きが気になる!!
53名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 17:18:10 ID:KQCNibNg
>>51
落ち着け同志。ここは正座して待つんだ!
54名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 17:28:20 ID:+hBbK36q
んでストーブ焚いて裸で正座だな!
55『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/11/26(日) 18:53:11 ID:kzGiJwz0
ボクの愛はどうして誰にも理解してもらえないのだろうか。ただ純粋に、あの人を愛しているだけなのに、世界はそれを禁忌とする。
ボクは小さいときにお母さんにこの愛について伝えた。でもお母さんは優しく笑って、よかったね、としか言ってくれなかった。
きっと、子供の言う好きなんて、『Like』としか思っていなかったんだ。
ボクが大きくなり、中学生になった。それでも当然、あの人への愛は変わらなかった。でもお母さんは、最近そのことに危惧を持ち始めた。
でもね、もう遅い。ボクの愛はもう止まることはないんだ。
高校生になり、ボクは遂にあの人に愛を伝えた。本人に、直接的に。遠回しの言い方なんてせず、気持ちをそのまま。
でもあの人は、そんなボクの気持ちを拒絶した。ボクはそんなことを認めたくなかった。あの人がボクを拒絶するなんて思わなかったから。そして理由を問い詰めてみると……
あの人もまた、世界の禁忌だと説いた。どうして?ボクにそんなことは関係ない。別に子供が欲しいわけじゃない。きっと子供ができたら、あの人は子供を可愛がる。ボクはそれに嫉妬し、子供を殺してしまうだろう。
56『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/11/26(日) 18:54:21 ID:kzGiJwz0
ただ、死ぬまでずっとあの人と居たいだけなのに。いつか別れるだなんて認めたくなかった。でもあの人は、たった一言でボクを絶望に陥れた。
「付き合ってる人がいる。」
そんなのを信じられるわけなかった。だって、ボクにはあの人だけ、あの人にはボクだけしかいないと思ってた。でも……
「今度連れて来る。」
その言葉は現実となった。あの人がボクではなく、他の人と仲良く…いや、それ以上でいるだけで吐き気がした。一秒でもそんな光景を視界に入れたくなく、ボクは部屋に籠った。
どうしてあの人はボクを受け入れてくれないんだろう。ボクとあの人と(不本意だが仲良く)仲良くしていたアイツの違い……
そうか、そんなの一つしかないじゃないか。だったら、その『認識』を変えてしまえばいいんだ。方法はいくらでもある。……一番は薬による洗脳か?
「くくく……っははは……」
ボクはそんな素晴らしい未来に思いを馳せ、布団にくるまって眠りについた。そう……ボクとあの人との『繋がり』を断つことで、さらにあの人に近付くことができるんだ…………
57『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/11/26(日) 18:55:11 ID:kzGiJwz0
「……くん!しっかりして……」
薄れた意識を現実に戻すように、誰かの声が聞こえる。それは確かに聞き覚えのある、恐ろしい、声だ。でも……
「海斗くん!」
「あ、きのは…せんぱい……」
「ああ、よかった、大丈夫?すごい血だらけで……だれにやられたの?海斗君をこんなにした人、私が……」
「ああ、いえ、大丈夫です。ちょっと疲れただけで、これは返り血ですから。」
「そうなの?よかった……」
本当に嬉しそうに、涙を流しながら僕を抱き締める。その暖かさは、聖母のよう……と例えるのに相応しかった。
はは、こんなストーカーが聖母だなんて、僕も墜ちたかな?
でも、今だけでいい。たとえ相手が先輩でも、包んでくれる人を欲していた。
「大丈夫だよ、海斗君。もう大丈夫だから。私が……私が居るから、ね?」
「先輩……」
なんでだろう。先輩のことはあまり知らないはずなのに、とても懐かしく、愛しく感じる。……あまり、知らない?本当か?本当か?本当か?本当か?本当か?本当かっ!!!?
「先輩………お願いがあります。」
「なに?なんでも聞いてあげるよ?」
58『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/11/26(日) 18:56:21 ID:kzGiJwz0
「…僕の家に、いまから来てくれますか?」
「えっ?」
先輩は驚いたような表情を一瞬浮かべたが、次第に喜びと恥が混ざったような顔をし、俯きながら……
「うん。」
ふだんの様子から興奮するかとおもったが、先輩は落ち着いて頷いただけだった。
「よっと……おぉ…」
なんとか立ち上がったが、まだ疲れが溜まっていたためか、ふらふらしてしまった。そんな俺を支えてくれる先輩。
「もう、無理しないで。私がいるんだから、ね?」
「ええ、どうも。………あれ?」
「どうしたの?」
「いえ、なんでも……」
気付けばポケットに携帯がなかった。さっきの騒ぎで落としたんだろうか。……いいや、あの携帯はもう持つのが億劫だ。しばらく携帯の無い生活でも大丈夫だろう。
「それじゃあ、行きましょうか、先輩。」
そうして僕たちは、その場を後にして、家へと向かった…












PiPiPiPiPi………

『frm……To海斗…
助けて、助けて……誰よりも大切で、愛する……オニイチャン…………』
59名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 19:29:57 ID:z+TP11cn
黒幕ktkr
60名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 20:26:55 ID:In6VyRLw
? ? ?
ちょ、ちょっとまとめ読んでくる
61名無しさん@ピンキー :2006/11/26(日) 21:21:27 ID:Rqg022Mw
小ネタ投下します。
62名無しさん@ピンキー :2006/11/26(日) 21:22:22 ID:Rqg022Mw
「どうしたの、こんな時間に呼び出して? 何かあったの?」
「ううん・・・」

 放課後、夕暮れの教室。
 ようやくやって来た姉を前にして、私は今更のように緊張を噛み締めていた。
 ・・・覚悟を決めなきゃ。今日こそ言うんだって決めてたんだから。
 深呼吸して、私は口を開いた。自らの決意を告げるために。

---------------------------------------------------------------------


 私には姉がいる。
 ドジでうっかり者だけど、とても優しいお姉ちゃん。私の大好きな人。
 私が今こうして学校に通えるのだって、お姉ちゃんのお陰だ。

 私は身体が弱くて、入院を繰り返していた。
 お姉ちゃんは仕事が忙しい両親に代わっていつもお見舞いに来てくれた。
 なのにひねくれ者の私は、そんなお姉ちゃんをいつも邪険にした。
 お姉ちゃんの時間を奪っていることが申し訳なくて。
 それでも来てくれるのが、ホントはとても嬉しくて。
 今思えば恥ずかしくなるくらい、子供じみた態度だった。

 いつも色んなお話をしてくれるお姉ちゃん。
 その中で、1人の男が話題に上るようになったのはいつからだろう。
 ちょっと変わり者だけど、とても優しいクラスメートの男の子。
 私のことも知ってて、お姉ちゃんに色々気を遣ってくれてるみたいで。
 何日か経つ頃には、その男の話ばっかりするようになってた。
 もう、『惚気てるんじゃないの?』ってくらい。
 本人は気づいてないみたいだけど、お姉ちゃんはソイツのことが好きなんだってすぐに分かった。

 最初は面白くなかった。大好きなお姉ちゃんを取っちゃうヤツだって。
 でもそれは、段々興味に変わってきた。
 ニブチンのお姉ちゃんをここまで好きにさせるなんて、一体どんなヤツだろう?
(優しくて、でも変わり者で・・・。どんな男なのかな?
 お姉ちゃんはカッコいいって言ってたけど、どうせ惚気補正が入っての評価だろうしなぁ・・・)

 暇な病室での日中、いつのまにか私はまだ見ぬソイツのことばかり考えるようになっていた。
 そしてある日、お姉ちゃんが『次来る時は彼も一緒に連れてくるわ』って爆弾発言。
 お陰でその日は眠れなくて、何度初対面の挨拶をシミュレーションしても上手くいかなくて。

「ようっ、お前があいつの妹か! これからよろしくな、俺は・・・」
「がぶっ!!」
「うぎゃあああああああああああああああああああっ!!?」
「きゃあああっ!? だ、大丈夫!?」

 顔を見た瞬間、頭は完全に真っ白。言葉も出ない。
 お姉ちゃんと一緒にお見舞いに来たソイツに、私はいきなり噛み付いてしまった。

63名無しさん@ピンキー :2006/11/26(日) 21:25:57 ID:Rqg022Mw

 いくらどう接すればいいか分からないからって、何も噛み付くことなかったのに。
 ホント、最悪の初対面だったと思う。
 けど、ソイツはお姉ちゃんと同じくらいおせっかいで。
 初対面のせいで素直になれない私がいくら邪険にしても、めげずに笑顔で纏わりついてきた。
 私も口では、お姉ちゃんに近づくなとか帰れとかバカとか散々けなしていたけど。
 本心では、会いに来てくれるのがとても嬉しかったんだ。


 私が今学校に通えているのはお姉ちゃんのお陰だって言ったけど、付け加えるならもう1人。
 ソイツのお陰でもある。

 私が、助かるために成功率の低い手術を受けるしかないと分かった時。
 心が折れそうになったお姉ちゃんを支えてくれた。
 手術直前になって、急に怖くなった私が姿をくらませた時。
 服も身体もボロボロにして私を探し当て、私が泣き止むまで抱きしめていてくれた。
 その後の手術に耐え切れたのだって、ソイツとの約束があったからだと思う。

『病気が治ったら、一緒の学校に通おう。俺もお姉ちゃんも、待ってるんだからな』



 ・・・あの時から、私の恋心は始まった。
 ううん、もっと早く始まっていたかもしれない。
 でも、動き出したのは間違いなくその時からだった。


 -------------------------------------------------------------------

 お姉ちゃんは昔から、何でも私に譲り、優先してきた。
 そんなお姉ちゃんが見つけた、お姉ちゃん自身の宝物。
 それが彼なんだと思う。
 だって、アイツの傍にいるお姉ちゃんは本当に幸せそうに笑うから。
 それに、きっとアイツだってお姉ちゃんのことが好きなんだと思う。

 だから、この人だけは取っちゃいけないって。
 分かってるのに。


 だけど、もう止められないの。
 アイツが私のことを大切に思ってくれてるのは知ってる。
 だけど、兄としての愛だけじゃ足りなくなってしまったから。
 男の人としての愛も向けてくれなきゃ、我慢できなくなってしまったから。


 だから私は言うの。






「お姉ちゃんお願い! 私に、あの人をちょうだいっ!!」


 ・・・それが、私たち姉妹が何の理由もなく仲良しでいられた、最後の時だった。
64名無しさん@ピンキー :2006/11/26(日) 21:28:22 ID:Rqg022Mw
以上です。続きません。ヤマはあってもオチはないのはどうなんだろう。
あとは誰かに任せます。

あるサイトさんの、非常にツボなイラストを参考に書きました。
65名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:38:59 ID:IgGY4UDt
いくのんか!欧米か!
66名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:41:49 ID:MSoTU7gE
>>65
( ゚д゚)



( ゚д゚ )・・・
67名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:43:13 ID:YpAZq2m0
小牧姉妹だと思った。
68名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:47:43 ID:kaJRdyL/
>>67
俺もそうかと思った。
>>66
………こっち見んなwww
69名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:57:31 ID:MFTndyQl
>>67-68
俺もそう思ったわ。しかしいくのん好きなので問題なし
70名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 22:28:01 ID:HkkOR3rn
むしろいくのんのほうが好きなおれ
71名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 22:29:38 ID:25neoNy8
>>64
せめて嫉妬か修羅場に行き着いてくれ……
72 ◆zIIME6i97I :2006/11/26(日) 23:12:29 ID:1A2ldJYW
ツイスター、投下します。
73ツイスター:2006/11/26(日) 23:13:04 ID:1A2ldJYW
一子の次子に対する態度は、もはやごまかしようのないほどに硬化していた。
次子の作ったものに手をつけようともしない。話もしない、顔も合わせようともしない。
朝早くおきて一人で朝食を取り、すぐに学校へ行く。そして遅くに帰ってきて、やはり一人で夕食を取り、そのまま自分の部屋にこもりきりになる。
これが、最近の一子の生活だった。
風呂場やトイレに行くときに、偶然鉢合わせする以外に次子と顔を合わせることはなくなった。
そうなれば自然、太郎と顔を合わすこともなくなる。
そういうわけで、一子と太郎の関係は次子の来る前の冷戦状態に戻っていた。いや、今の一子はそれ以上のとげをまとっていた。
まともに話もできないのだから、当然、例のライブの間の入れ替わりを頼むことなどできなかった。
太郎は、どうにかしたいと思いながらも、状況を動かすことはできなかった。
そんな折、夏休みに入ってすぐに一子が一週間ほどの部活の合宿に出ると聞いたときは、正直ほっとした。
今、3人が同じ屋根の下でいるのは心臓に悪い。それはきっと、一子にしても、次子にしても同じだろう。
それなら、一週間ほど離れて冷却期間を置いてみるというのは、手詰まりの今の状況に何らかの変化をもたらしてくれるかもしれない。太郎はそう思った。

さらにその一週間、次子と二人きりになるということに、魅力を感じないわけでもなかった。
相変わらず、太郎はほぼ毎晩次子を抱いていた。そして相変わらずそれは、一子の目をしのんでの情事だった。
大きな声を出すことはできないし、あまり激しく動くこともできない。なにより、一晩中一緒にいることができない。
太郎は、そうした状況に物足りなさを感じていた。焦燥を感じるほどに、切迫して。
次子の体は、味わえば味わうほど欲しくなる麻薬のようなものだった。欲求を抑えて、眠りにつくのは苦行のようなものだった。
だが、一子がいない間なら、そして都合のいいことに夏休みなのだから、それこそ次子の体を、朝も、昼も、夜も味わうことができる。
一子が、行ってきますの挨拶もなく家を出たのを確認して、太郎と次子は朝にもかかわらず直ぐに始めた。
それほど、気兼ねなくセックスすることを待ちわびていたのだ。

ベッドに胡坐をかいた太郎の足の間に、次子が尻を上げる格好で顔をうずめていた。
だが、まだペニスに口をつけていはいない。太ももの内側に丹念に舌を這わせ、唾液の跡をつけている。
そして、袋の裏側にたどりつくと、そこにキスをし、袋全体を口に含む。
それを口の中でしばらく弄んだ後で吐き出し、やがてゆっくりと、すでにこれ以上ないほど固くなっている竿の裏側に舌を這わせる。
亀頭にたどりつくと、大きな目で太郎の顔を見上げながら、まるで見せ付けるように真っ赤な舌でちろちろと刺激する。
太郎は、それを真っ白いへびに愛撫されているようだと思った。

次子を仕込んだのは、太郎のはずだった。伊勢と違い、次子は明らかに処女だった。セックスの知識も豊富だとはいえなかった。
だが、今ではすでに太郎を翻弄するほどに床上手になっている。
それに加えて、天性の体の具合のよさがあるのだから、若い太郎が夢中になるのも無理はなかった。
74ツイスター:2006/11/26(日) 23:13:58 ID:1A2ldJYW
細かな刺激だけを与えて散々じらしたあげく、次子はやっとペニスを口に含んだ。
まるで味わうように口の中で舌を動かして、そのままのどの奥まで飲み込む。
そして、舌を絡ませながら唇を亀頭まで戻し、また奥まで飲み込む。
それを繰り返す。
次子は、口からあふれるほどに唾液を吐き出していた。首を前後させるたびに、びちゃびちゃと音がする。
太郎の腰の奥から、快感がせりあがってきた。
それを感じたのか、次子がストロークの速度を上げた。唾液が飛び散る。
口をすぼめてひときわ強く吸いながら、亀頭のところまで戻したとき、太郎が達した。
吐き出される精液を、舌で受け止める。次子は、口の中から鼻に抜ける精液の匂いを味わいながら、それを飲み込んだ。

太郎が、軽い虚脱感と快感の余韻に浸っていると、次子が尻を上げた格好のまま後ろを向いた。
新月の晩のときとは違い、今ではまるで子犬が舌を垂らしているように小陰唇をいやらしく外に垂らしている次子の股間が後ろから丸見えになった。
明るい部屋の中で、そこから太ももにかけてぐっしょりと濡れているのが分かる。

「お兄ちゃあん、次子のも、次子のも舐めてえ」

次子は、後ろの太郎を振り返りながら、腰を振っていった。
太郎は、太ももを抱えながら次子の中心に口をつけた。そして、じゅるじゅると音をたてて吸い上げる。

「ああ!ああ!」

次子が声を上げた。一子はいない。遠慮する必要はない。
太郎も、暴れようとする次子の太ももを押さえつけながら、必要以上に音をたてて吸い上げた。
舌を奥まで差し込んで、膣壁を味わうように舐めあげる。そのたびに、次子は声を上げた。
いったん口を離し、今度はその上にある小さな窄まりに舌を這わせる。
いやなにおいもなければ、味もない。女ならそうなのか、次子だからそうなのか、太郎には分からなかった。
次子は、いままで感じたことのない感触に身を振るわせた。そこを舐められたことなどない。
舌が穴の中に入ってくるのを感じると、その違和感に腰が逃げそうになる。太郎がそれを捕まえた。
そのまま、窄まりがふやけるほどに舐めあげる。
やがて口を離して、肛門が十分に濡れているのを確認すると、太郎は人差し指を次子の愛液で濡らすと穴の中にゆっくり突き入れた。
根元まで入れると、穴をほぐして広げるようにゆっくりと動かす。
太郎は、そのまま次子に聞いた。

「なあ、次子。ここ、入れても大丈夫か」

「うん、お兄ちゃん、入れて」
75ツイスター:2006/11/26(日) 23:14:47 ID:1A2ldJYW
太郎はそれを聞くと、ペニスを次子の股間になすりつけて、たっぷりとぬらした。
そして、上を向くペニスを手で直角に直しながら、次子の尻の中心にあてがう。

「力、抜け」

それだけいって、ゆっくりとそこへと自身を埋めていった。次子の処女を奪ったときと同じく、慎重に腰を進める。
いや、ゆっくりと進めざるを得ない。膣以上に、半ば痛いほど強く括約筋が締め付けてくるからだ。
次子は、その緩やかな侵入に、身を振るわせ、低いうなり声を漏らしながら耐えた。
そうして半ばまで埋め終わった太郎は、次子の気を紛らわせてやろうと、股間に手を伸ばした。
クリトリスを指でつまむ。その瞬間、次子が尻の穴で太郎のペニスをぎゅっと締め付けた。
指を離すと、締め付けがやむ。またつまむと、締め付けてくる。
淫猥な仕組みだ。
太郎は、次子のクリトリスをつまんだり離したりを繰り返しながら、腰を進めていった。
やがて、次子の尻と太郎の下腹部が密着した。

「全部入ったぞ、次子。よくがんばったな」

それを聞くと、声にならないあえぎ声を上げていた次子が振り振り返った。

「うん、お兄ちゃん、次子、がんばったよ」

そういって、意識的にか無意識的にか、太郎のペニスをぎゅうぎゅうと締め上げる。
膣内のような繊細さは欠けているが、締め付けによる快楽、そして肛門でセックスしているという背徳感にたまらず、太郎は射精した。
次子の腸の中に精液を残らず吐き出すと、次子の背中に覆いかぶさる。背中には汗の玉が浮いている。それを舐めた。

「なあ、いったん、風呂はいらないか」

今だ、荒い息をついている次子の耳に口を寄せて、太郎はいった。

「一緒に?」

「一緒にだ」

太郎は、次子を抱えあげると、裸のまま風呂場へと向かった。
しばらくして、次子の嬌声が風呂場に響いた。

それから、ほぼ一週間、太郎と次子はいたるところで日がなセックスしていた。
体を重ねないのは、食事の時くらいだった。いや、簡単な食事をしながらしたこともあった。
食事の準備をしている最中に、台所でしたこともあった。それからリビングでしたことも。玄関でしたことさえあった。
唯一、家の中でしていなかったのは一子の部屋くらいだった。
そして、力尽きればそのまま抱き合って眠り、目が覚めればセックスを再開した。
それほど体を重ねても、飽きるということがない。体を離したとたんに、すぐさましたくなる。
底知れない貪欲さを、太郎と次子は共有していた。
太郎も、そういう自分の状況をおかしいと思わないわけではなかった。
だが、理性を取り戻そうとしても、次子の痴態を前にするとすぐさま押し流されてしまう。
これは一種の中毒症のようなものなのだろうと、太郎は腰を振りながら、頭の隅で考える。
次子の体に支配されている。
そう考えても、腰は止まらない。
太郎は、まるで自分が一個の自動機械になってしまったかのように感じていた。そのスイッチを入れるのはもちろん、次子だ。
76ツイスター:2006/11/26(日) 23:15:38 ID:1A2ldJYW
太郎と次子がまさかそんな狂態を繰り広げているとは知らないまま、一子はそれなりに合宿を楽しんでいた。
ブラスバンド部の合宿といっても、楽器を持ち運ぶわけにはいかない。
つまりこれは、体力強化を名目とした親善旅行のようなものだった。行き先は伊豆だ。
部長の親戚がやっているという旅館に泊まって、やることといえば、昼には海で泳ぎ、夜には浜辺で花火をし、そして温泉に入る。
そういう毎日をほぼ一週間過ごした。これほどたっぷり遊んだのは生まれてから初めてかもしれない。
掛け値なしに、楽しかった。
それでも。
ふと心に影を落としたのは、家に二人きりで残してきた太郎と次子のことだった。
太郎が考えていたとおり、一子が家を離れることになってほっとしたのは、太郎だけでなく一子もまたそうだった。
ここしばらく、家にいづらく感じていた一子は、この合宿で一週間とはいえそこを離れることができて幸いだと思っていた。
実際、この約一週間でずいぶん羽を伸ばすことができた。
だが、自分のいない間に二人が何をしているのかを考えてしまうと一抹の不安をよぎる。
きっと、本当の妹である自分を差し置いて、兄妹の絆を深めているに違いない。それこそ、本当の兄妹のように。
いや、最近の二人の様子は、兄妹という範疇を超えているようにすら感じていた。
まさか、自分と同じ顔をしている少女、しかも自分を兄と慕ってくる少女に手をつけたりはしていないだろうが。
だから、部長の手違いで部屋を一週間借りる予定が6日しか借りられず、合宿が一日早く終わることになったとき、次子は残念に思うと同時に安堵してもいた。
もちろん、他の部員たちは不満たらたらで、部長に平謝りさせていたのだが。
そういうわけで、一子は予定より一日早く帰宅することになった。
77 ◆zIIME6i97I :2006/11/26(日) 23:17:04 ID:1A2ldJYW
以上、17話「セックス・マシン」でした。

やることしか頭にないというのも、高校2年生ならリアルかな?
78名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:18:12 ID:8kmxL2AM
一子がやってくるぞ・・・・・
79名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:19:08 ID:8kmxL2AM
GJ!

途中で送信しちゃった
80名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:20:40 ID:gUzeXOM0
恐怖の大魔王がやってくるw
ばれた時の反応が今から楽しみ。
作者さんGJ
81名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:22:39 ID:rT/j2dfb
いや、だってこいつ厳密にはホラ、妹じゃないじゃん?だから(ry
猿太郎君が大変な事に…
82名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:33:51 ID:6c9CPnMz
G.J!
猿太郎のサルっぷりが爆発してますなw
もはや伊勢との思い出がSEXしかないというところもスゴス

でもまあ、スレ住人が猿の立場だったら同じことしてると思うよ
83名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:39:24 ID:z+TP11cn
ごたいめーんGJ
84名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:40:12 ID:OHbZAtdS
歴代主人公のなかでも一番猿のあだ名が似合うかも
一子が猿は手を出していないと信じていることに対し、逆にビックリしてしまうほどだ
85 ◆tVzTTTyvm. :2006/11/26(日) 23:41:22 ID:+DNkp/Sa
GJ!次回ヤってるところと鉢合わせかぁ!?w
wktkが止まらないです!

さて自分も投下いきます
86白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2006/11/26(日) 23:44:31 ID:+DNkp/Sa
<div align="center">+      +      +      +<div align="left">




「セツナ。 機嫌が良さそうですね」
「うん、あのね今日クリスの脚のギブスが取れたの。 食欲も出てきてるし。
お昼なんかね、お代わりしてたぐらいなのよ」
 私が笑顔でそう言うとリオも笑顔を浮かべる。
「そうですか。 快方に向かってるようで何よりです」
「うん。 本当に良かった。
あの時は、死んじゃったらどうしようって思ったときは目の前が真っ暗になったから……」
「来る日も来る日も泣いてましたものね」
「うん、私の大切な可愛い妹分だもの。 だからね、こうして無事助かって、
大怪我の割に後遺症も無く快方に向かってくれて本当に嬉しいの」
「本当にクリスの事を大事に想ってるんですね」
「うん」
「そしてクリスも負けないくらいあなたを――セツナのことを大事に思ってる」
「えへへ……」
 思わず頬が緩む。
「本当に良かったですね。 私としても嬉しい限りです」
「うん。 リオにとってもクリスは大切な仲間で妹分だもんね。
最近までは弟分だと思い込んじゃってたけどね」
「そ、それは……」
「ま、仕方ないよね。 クリス本人が其の事隠してた様なものだったからね」
 私がそう言って笑いかけると。リオは苦笑いを浮かべながら頬を掻いた。

「でも、振り返ってみればこの旅も随分と長いですね」
「そうね。 結構色々あったわね。 それこそ死に掛けた事もあったし」
「そうですね。 命の危機に見舞われた事も少なくありませんでしたね。
そんな時途中旅が辛いと、やめたいと思ったりしませんでしたか?」
「う〜ん……。 本音を言えばそう思った事、弱音を吐きそうになった時も……。
あ、でも大丈夫。 もう弱音吐いたりは勿論、途中で旅を投げ出したいなんて思わないから」
 私がそう言うとリオは私を気遣うように微笑んでくれた。

「そんなに気負わなくてもいいですよ。 確かにこの先戦いは更に苛烈を極めるかもしれません。
ですが、どんな時も私がついてます」
「ありがとう」
「はい。 力の限りあなたを支えます。 この旅を終えるまで……、
いえ、旅が終わった後もあなたを支え続けたい」
「え……?」
「勇者としてのあなたではなく一人の女性であるあなたを――セツナを支えたいのです。
共に、其の人生を歩みたいのです。 互いの人生の終の瞬間まで……」
 リオはそう言い一旦言葉を切り、そして何時にも増して真剣で真っ直ぐな目で私を見つめ、
そして口を開いた。

「セツナ……。 私の一番大切な人になって下さい」
87白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2006/11/26(日) 23:45:50 ID:+DNkp/Sa
 其の言葉に私は思わず固まる。
 え……? い、一番大切な……って、それって、それって……。
 私は改めてリオの顔を見た。
 何時に無く真剣な其の表情。 そして其の頬は僅かに朱に染まって――。
 じゃ、じゃぁやっぱ今の言葉は告白ー……。
 気付けば私の両の瞳からは涙が溢れ始めていた。

「わ、私で……私なんかで良いの……?」
「あなたじゃなきゃ駄目なんです。 あなたが、あなたの事が――
誰よりも好きです」
「リオ……!!」
 私はリオの胸に飛び込み抱きついた。
「わた……、私も……。 私もずっと大好きだったんだよ……!」
「セツナ……」
 そしてリオは私の体をそっと抱き返してくれた。
「ゆ、夢じゃないんだね……。 本当に……」
 私は顔を上げてリオの顔を見つめた。
 リオは其の顔に優しい微笑を浮かべ、そしてそっと私の涙を拭い頬に手を沿える。
 微笑を湛えたリオの優しい顔がゆっくりと近づいてくる。
 私は瞼を閉じた。 そして直後に唇から伝わる感触。
 春の日差しのように暖かで優しく、蜂蜜より甘い其の唇は、それが夢でも幻でもない――。
 そう、紛れも無い現実だと教えてくれる。
 本当に……、本当に夢じゃないんだ。 リオが――私の大好きな人が私を選んでくれたんだ。
 他の誰でもなく、婚約者のコレットじゃ……。

「あ……」
「どうしました?」
「う、ううん。 何でも……」
 そうだ……コレットが、リオには婚約者がいる。
 けど私を選んでくれたってことは破棄してくれるってことよね?
 だが義理堅いリオが本当に婚約を破棄してくれるのだろうか。
 別にあの女のことを気兼ねしてるわけではない。
 でも生真面目で優しいリオが約束を破棄するなんて真似……。
 気になる……。 どうしよう。 下手にそんな事聞かないほうが……。
 でも全く触れないのも……。
88白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2006/11/26(日) 23:47:50 ID:+DNkp/Sa
「どうしたのですか? 若しかして……コレットの事ですか?」
 私がそんな事を逡巡してるとリオが静かに口を開いた。
 私は答えられなかった。 いや、どう答えて良いのか分からないと言った所……。
 でも表情に私の不安な気持が出てしまったのだろうか。
 リオはそんな私を気遣うように微笑を浮かべ語りかけてくれる。
「優しいんですねセツナ……」
 別にそんな、優しさなんかじゃない。
 正直私はコレットに対し何の負い目も感じてはいないのだから。

「確かにこれはコレットと彼女のご両親に対する裏切りです。
其の事に付いては……キチンとケジメは付けます……。
私の我儘で目をかけてくれた大恩ある人たちの想いを裏切ってしまうのです。
きっと……彼女とご両親を傷つけてしまうでしょう……」
 そう言ったリオの表情は重く、だがしっかりとした決意の現れたものだった。
 そして続けた。
「でも……、それでも私はあなたと共にいたいのです」
 其の言葉、その表情――。それはリオのこの決断が生半可な覚悟では無い事を表していた。
 決して一時の迷いとかじゃない。 本気で私を選んでくれたんだ。
 ならば――、私がここで疑問を抱くのはリオに対して失礼だ。
 私はリオの背中に廻していた手を解き、リオの首に廻した。
 そしてリオは私の意を解してくれたように、想いに応えてくれるように瞼を閉じ――。

 私達は互いの其の想いを確かめる様に口付けを交わした。


To be continued...
89 ◆tVzTTTyvm. :2006/11/26(日) 23:50:03 ID:+DNkp/Sa
リオ 村に帰ってからが大変だよw
幾ら覚悟決めてるとは言っても
90名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:53:37 ID:Tr+KH2dN
投下しますよ
91『甘獄と青』Sideナナミ:2006/11/26(日) 23:54:49 ID:Tr+KH2dN
 突然斬撃の鋭さが増しました。
 何でしょう、笑い出したと思った直後のことです。回転の速度が飛躍的に加速し、剣の
先は水蒸気の糸を引くまでになっています。これ程の精密高速動作は人間では不可能だと
思われますが、一体これはどうしたことでしょう。
 思考の暇はありません。
 ――運動レベルを2に変更します
 ――了承しました
 ――思考レベルを3に変更します
 ――了承しました
 ギアが組み変わるのは一瞬、限界まで引き出された運動能力を行使して僅差で刃を避け
後方に飛びました。距離を開けることになるのは悔しいですが、そのまま切断されて何も
出来なくなるよりは余程良いでしょう。
「ぎゃはは」
 しかし防ぐのではなく避けたことにより、回転の勢いは益々増えてゆきます。空を斬る
音を後方に、再び刃がこちらに伸びてきました。数回転分の遠心力を得たそれは先程より
も遥かに早く、それなのに明確に私の体を狙ってきます。
 普段の数倍になった思考は、今度は避けるのではなく防ぐことを選びました。足を白杭
の上に滑らせながら、パイルバンカーを盾のように構えます。バランスを取りつつ足場が
安定していることを確かめ、受ける角度を調節しました。間違っても空中に身を踊らせて
はいけません。安定しない空中では攻撃を受けた瞬間に大損害を受けますし、何より動く
ことが難しいそこでは敵の格好の獲物となってしまいます。
 衝撃。
 受けきった筈なのに、私の体は空中に弾き飛ばされていました。
92『甘獄と青』Sideナナミ:2006/11/26(日) 23:55:57 ID:Tr+KH2dN
 更に、
「ブルーを取らないで!!」
 下から金属の輪が飛来してきました。
 二つある内の一つはリサ様に、もう一つは私の方へと襲いかかってきます。足場がなく
迷いましたが、大きな重量のパイルバンカーを降ることで身を捻り、それをかわします。
 快音。
 輪が、追加されました。
 リサ様が弾いたものがこちらに向かってきたからです。私でも視認不可能な程の回転を
かけられているそれは、パイルバンカーでも防ぐのは不可能でしょう。そんなものが体に
当たったら簡単に砕かれてしまうのは自明の理、足場がない今の状況では当たってしまう
でしょう。それはいけません、最悪の事態を防ぐ方法を思考します。
 結論は一瞬。
 私はパイルバンカーの引き金を引き、稼働させました。打ち出す白杭はセットをされて
いなくても、機構はその役目を果たそうと動きます。僅かな振動と共に内部のローラーが
回転を始めたのを確認すると、私は近くの白杭の石突きに射出口を当てました。深く差し
込む必要はありません。ほんの少し、ローラーに当たれば良いのです。
 直後。
 僅かなずれもなく入り込んだ石突きはローラーと接触し、そして私の体を高速で上空に
弾き飛ばしました。本来は射出する為の機構ですが、白杭が地面に突き立って固定されて
いる以上、その反動は私の体に帰ってきます。強烈な威力で白杭を打ち出す為の機構は、
さして重くもない私の体を吹き飛ばすことを可能にしました。
93『甘獄と青』Sideナナミ:2006/11/26(日) 23:58:43 ID:Tr+KH2dN
 不意に、些細な違和感を覚えました。
 高い視点から改めて見ると、それの原因が分かります。
「白杭が、減っていません」
 破壊する余裕がないだけの可能性もありますし、私が加わったことで、リサ様の攻撃が
届かなくなり破壊する必要がなくなっただけなのかもしれません。しかし、それにしては
不自由に動いていて、白杭を破壊した方が遥かに移動しやすいと思うのです。敢えてそれ
をしていないのか、それとも出来ない状態にあるのか。
 私は後者だと判断しました。
 機械人形である私ならば白杭と同じ手段で破壊することは可能な筈ですし、それを実行
するチャンスも幾らでもありました。サラ様を背後にかばっていたときに、触れるだけで
良いのです。それをしない理由は、不可能だからでしょう。保身だけが理由ならば、それ
よりも良い方法は幾らでもあり、メリットが多いものもあります。
 それでは私を破壊出来ない理由は何か。
 これまでと今の状況を比べて、一つの仮定が生まれてきました。
 一番の差は、私に感情が備わったことでしょう。絶え間無く変化し続ける感情ですが、
それは感情回路によるものです。超高速で働き続ける回路はその稼働により、普段ならば
感知出来ない程度のものですが熱と振動を帯びます。ユンとリーを殺されかけて、青様を
傷付けられたことにより、怒りという強い感情が沸いている今はフル稼働していることで
しょう。更には感情を強く増す機能が備わっているものを付けていることで、それは普段
の比ではない筈です。サラ様の物体破壊が確率システムを利用したものならばナノマシン
の計算が回路が持つ振動に着いてこられないということなのではないでしょうか。それに、
もしかしたら同じ理屈でサラ様に触れる事も可能なのではないでしょうか。これはあくま
でも憶測ですが理屈の筋は通りますし、これに賭けてみる価値は充分にあると思います。
94『甘獄と青』Sideナナミ:2006/11/27(月) 00:00:35 ID:Tr+KH2dN
 決まれば後は実行するのみです。
「死ね死ね死ね死ね」
「させません」
 先程と同じ原理で白杭にパイルバンカーを当て、体を前方へと飛ばします。空気抵抗を
減らす為に身を回してスカートをタイトに絞り、その回転を利用して突き立つ白杭の内の
何本かを引き抜きながらサラ様の元へと向かいます。
 果たして、私は間に合いました。
「失礼致します」
 右足を軸に着地し、左足で円を描くように滑れば自然と速度が落ちてきます。僅かに残
る慣性を力に変えてサラ様を押せば、推測通りに触れることが出来ました。青様の命令に
背かないよう押すだけに留め、バランスを崩したところで白杭で狭く檻を作れば完成です。
自分自身を巻き込まない為に攻撃を仕掛けてくることは無いでしょうし、背を檻に預けて
おけば檻を破壊されることもありません。リサ様も攻撃の対象となる二人がこちら一ヶ所
に固まっていれば、遠距離用の武器がない以上向かってくるしかないでしょう。
 私はパイルバンカーを構えてリサ様の襲撃に備えました。姿勢は腕を引き、右手に装備
したパイルバンカーごとかち上げるもの。リサ様の動きは通常の何十倍ものレベルにまで
高められた思考により、一瞬で判断されました。
95『甘獄と青』Sideナナミ:2006/11/27(月) 00:02:05 ID:4wjOTaWm
 剣の動きは回転によるもの、つまりは薙ぐというものです。私達を両断するために強い
遠心力が必要なので足は地面に付き、一歩ごとに加速しています。今更になり、わざわざ
力が落ちる跳躍をする筈はないでしょう。つまり、縦回転になることはない筈です。後は
タイミングを見切り、剣を上へと弾くだけ、それで終わります。
「青様」
 誉めて下さい。
 思考の中で呟き、離れた場所で私を見て下さっている愛しい御主人様のことを想います。
 沢山、誉めてほしいです。
 感情回路を得たことで沸き上がってくるものが、思考を埋め尽くします。戦場だという
のに、久し振りの私の心は懐かしいもので満たされています。他の人と接することに対し
無器用だった私に、青様は何度でも話し掛けて下さいました。無愛想でそっけない態度に
皆が諦めていく中で、青様だけが諦めずに私を見ていて下さったのです。辛くても気持ち
を伝えることも出来ず、苦しい日々の中で、それがどれだけ救いになったでしょうか。
 怒りとは別に、青様に恩を返すことの出来る喜びが浮かんできます。
 それを成すため、私は前を見ました。
 ――思考レベルを5へ変更します
 ――了承しました
 ――運動レベルを5へ変更します
 ――了承しました
 限界を越えた知覚と運動能力は、亞音速で向かってくる刃を捉えます。
「青さんは、あたしのものだ!!」
 決着を付けるべく、私は右腕を振り上げました。
96ロボ ◆JypZpjo0ig :2006/11/27(月) 00:04:02 ID:4wjOTaWm
今回はこれで終わりです

取り敢えず次回で分かりにくい戦闘が終わります
97記憶:2006/11/27(月) 00:40:46 ID:CKyGO7Aq
 *01-先輩

 またあの夢を視ていた。恐怖に脳が支配される夢。
 恐怖がフラッシュバックする。気付けば、額には汗が滲み、布団を力の限り掴んでいた。
「綺雪君、綺雪君」
 聞き慣れた声がする。少し大人びた、しかしそれでいてあどけなさも残る声だ。
「どうしたの? 凄くうなされてたわよ」
 起きたばかりで、開きにくい瞼を無理矢理開けると、見慣れている栗色の髪を肩まで伸ばした女性がいた。
 この女性は僕が所属する文芸部の先輩である。碧のカチューシャをしていて、一部男子から人気もあるらしい。
 確かに顔立ちは綺麗だ。でも、いつも本を読んでいたり、性格が難解であるからかモテるという事はないようである。
「いや、ちょっと悪い夢を視ていました」
「そう。なら、いいけど……あ、忘れてた。おはよう」
 笑って、言った。笑顔は普段の先輩から想像も出来ないくらい可愛いと僕は思う。あくまで僕がだけど。
「おはようございます」
 ……? 言って、少し違和感を感じた。ただ朝の挨拶をしただけなのにどうしてだろう。
 まだ起きたばかりで頭の回転が悪いようだ。中々理由が出てこない。
98記憶:2006/11/27(月) 00:41:58 ID:CKyGO7Aq
「朝ご飯が出来てるわよ」
 思わず相づちを打とうとしたが、やはり何かおかしい。
「……」
 詮索していく事にする。
 まず、ここは僕の部屋。目の前には女性。そしてその女性は先輩。
 ……いやいや、おかしいだろ。
「何故先輩が此処に!?」
 やっと違和感の答えに気付いた僕は、叫ぶように言った。
「いや、鍵が開いてたから、つい」
 昨日は鍵を掛けたはずだけど、もしかして忘れていたのか。
「つい、ですか」
 ハァと溜息をつく。鍵を掛け忘れた自分と、ついという理由で家に上がり込んだ先輩に呆れてしまった。
 先輩は何か問題でも、と首を傾げている。
「まあ先輩なら別に良いですけど」
 一瞬先輩の顔が朱くなった気がする。何故かはわからないけど。
「わ、私なら良いの?」
「だって物とか盗らないでしょう?」
 先輩は何故かがっくりと肩を落とし、ハァーと間延びした溜息を吐いた。
「そうね。さ、朝ご飯よ」
 僕は枕元に置いてある眼鏡を掛けて、先輩の後ろを追った。
99記憶:2006/11/27(月) 00:44:40 ID:CKyGO7Aq
 狭いマンションのキッチンと呼べるかすら怪しい場所に行くと、何の飾り気もないテーブルの上に完璧な洋食の朝ご飯が並べられていた。
 バターロールとサラダ、僕が好きなベーコンエッグ、更にはスープまである。こんな朝ご飯、久しぶりだ。
「す、凄いです」
 思わず口に出てしまった。
「たまには朝から栄養摂っておきなさいよ」
 言って、先輩はテーブルを挟む二つの椅子から一つに座った。何処となく狭苦しそうに見えなくもない。
 それでも、先輩は早く座れば、と僕に促す。
「こんなに作ってもらって、すいません」
「いいわよ。元々私が勝手に入ってきたんだし」
「いやでも……」
「はいはい。もういいから、食べていいわよ」
「い、いただきます」
 勿論だが、女性に朝ご飯を作って貰うなんて事は初めてだ。だから少し緊張する。
 とりあえず、好きなベーコンエッグから食べよう。箸を持ち、白身とベーコンがくっついた部分を口に放り込む。
 ……こ、これは。
 普通に美味しい。目立つ焦げもなく、白身も固すぎない。
「美味しいです!」
「そう? 毎日食べたい?」
 先輩は頬をほんのり朱に染めて目を反らす。何か今日の先輩は変だ。
100記憶:2006/11/27(月) 00:47:02 ID:CKyGO7Aq
 毎日食べたいか、なんて聞いてどうするつもりだろう。まあ、毎日食べさせて貰えれば嬉しいけど。
「毎日食べられるなら嬉しいですね」
「え?」
 先輩の顔がみるみる内に真っ赤になっていく。風邪でもひいたのだろうか。
 今日の先輩は学校に行ったとしても、早退した方が良いのかもしれない。
「先輩が毎日作ってくれるとしたら、僕は嬉しいですよ。あくまで僕が、ですけど」
 先輩は嫌だろうから。僕の朝ご飯を毎日作るなんて。
「あ、あー、綺雪君はね。んー、そうね」
 しどろもどろで返す先輩。自分でも何を言ってるかわからないんじゃないだろうか。口がパクパクと開閉を繰り返している。
 本当に今日の先輩は、変だ。そんな事を思いながら、僕は箸を進めた。

 結局あの後、あたふたした先輩と特に話す事もなく、いや先輩が話せる状況ではなく、ほぼ無言のまま朝ご飯を終え、着替えも済ませ、今は玄関で先輩と一緒に登校しようとしているところだ。
101記憶:2006/11/27(月) 00:49:18 ID:CKyGO7Aq
「じゃ、行きましょうか」
「え、あ、うん」
 先輩は心此処に在らずといった様子で目が泳いでいる。何をそんなに慌てる必要があるんだろう。
 何か心配な事でもあるのだろうか。
「今日の先輩変ですよ」
「そ、そんな事ないわよ。いつもと変わらないわ」
「そうですかー? あっ、トイレでも行きたいんですか?」
「何でそうなるのよっ」
 顔を近づけて突っ掛かってくる先輩。少しいつもの先輩に戻ってきてる気がする。
 僕はハハハと笑いながら、いつもの通学路を先輩と歩いているという妙な違和感を感じていた。



マイペースに続きます。
暇な時に書いてるのでかなり遅いです。
102名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 01:07:35 ID:hMOP7gfz
ウホホーイいっぱい来てるよー
ハーレム状態じゃよー
103名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 01:10:16 ID:Y60wVCyi
なんかファーザーまで来たぞw
104名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 01:19:36 ID:jZZkf9rz
そろそろ山本君のお姉さんと流タソも期待しても・・・?
105名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 01:27:08 ID:b3WWSwyC
実は記憶が一番気になる。
両親食われたからどう嫉妬に持ってくのか
106名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 11:38:47 ID:Dl+qontb
俺は山本君のお姉さんのおかげでSSを書いたクチだが
連載再開されたら発狂するかもねww
107名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 17:57:24 ID:eGJ3GjUA
保守
108名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:57:09 ID:tkw1B5QT
|_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|・ ) < 誰もいない
| /    \フォフォフォするなら今のうち
|ゝ       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


    (V)∧_∧(V)
    ヽ(・ω・)ノ  フォッフォッフォッ
     /  /
  .....ノ ̄ゝ


            (V)∧_∧(V)
             ヽ(   )ノ  フォッフォッフォッフォッ
             /  /
          .....ノ ̄ゝ
109名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 20:47:13 ID:LuH0Y6aY
|ω・)アナタ ノ コト イツモ ミテル
110名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 21:18:08 ID:tkw1B5QT
           (V)∧_∧(V)
   |ω・)       ヽ(   )ノ  フォッフォッフォッ、…フォッ………!
             /  /
           .....ノ ̄ゝ
111 ◆zIIME6i97I :2006/11/27(月) 22:37:09 ID:AmhNhkuO
ツイスター、投下します
112ツイスター:2006/11/27(月) 22:38:22 ID:AmhNhkuO
次子は、ソファの上に横になっている太郎の顔をじっと見下ろしていた。太郎は、泥のように眠っていた。
二人とも、衣服は一つも身に着けていなかった。生まれたままの姿をしている。
そうして、短くない時間が経過していた。まだ情事の余韻が体に残っているとはいえ、冷房の効いたこの部屋では多少肌寒い。
太郎は寝返りをうって、ソファの背の方へ体を寄せた。そこで、体を抱えて丸くなる。
次子は、その肩から背中にかけて撫でてやった。温かい。
それに比べて、次子の体はすでに冷たくなり始めていた。だから余計に、太郎の体を温かく感じる。
自分の体は、熱しやすく、冷めやすい。それが、普通の人間の度を越していると知ったのは最近だ。
それは、造られたものと、生まれてきたものとの違いなのだろうか。
きっと、一子は太郎のようにいつでも温かい体を持っているのだろう。
かといって次子は、自分の出自について思い悩んだりしているわけではなかった。
その点についての次子の無邪気さ、あるいはむしろ無頓着さは、真実のものだ。
人間ではなく、人間に造られた幻のようなものにすぎないことを、悲しんだりはしない。
そういう存在だからこそ、太郎の妹になれ、彼に抱かれることができたのだから。
自分は、太郎の妹として造られ、彼を愛するように造られた。
そのことに、不自然さを感じたりはしない。自分の存在に疑問を持ったりはしない。
そういう風に造られたからだ。
そして、自分のその愛に、太郎は応えてくれる。不満などあるわけがなかった。

唯一あるとすれば、それは太郎が必ずしも次子だけを見ているわけではないということだった。
伊勢、それから一子。
だが、彼女たちに比べて、自分は太郎にとってどれだけ特別な存在なのだろう。
次子は、妹にして、恋人だった。
伊勢は太郎の恋人だった。しかし、彼の妹ではなかった。
それでも、伊勢が消えてくれてほっとした。
もし伊勢が生きていれば、太郎が彼女をセックスの相手として選んでいれば、次子が抱かれることはなかっただろう。
だが、一度自分を抱けば、絶対に手放すことはできないだろうと次子は確信していた。
そして実際、そのとおりになっている。
一子は太郎の妹だ。しかし、彼の恋人ではない。
その関係は、これからも変わることはないだろう。いや、変わってはならない。変わらせない。
そしてその限りで、自分も一子のことを姉妹として認めてやれるだろう。
所詮、一子は自分の地位を脅かす存在にはなりえない。一子は、恋人であった伊勢とは違う。
113ツイスター:2006/11/27(月) 22:39:10 ID:AmhNhkuO
ふと、リビングの入り口に気配を感じて、太郎を撫でていた手を止めて顔をあげた。
一子がいた。いつからいたのか、部屋と廊下の間に突っ立っていた。

「あれ?一子ちゃん。帰ってくるの明日じゃなかった?」

そういう次子には、いっぺんの動揺も見えなかった。笑顔を浮かべている。
それに対して、一子は呆然としていた。ちなみに太郎は相変わらず眠りこけていた。

「なに、やってんの、あんた、たち」

予想外の光景に立ち尽くしていた一子が、やっと言葉を発した。
声がかすれている。

「セックス」

「は?」

「お兄ちゃんとセックス」

次子は、あっけらかんとしていった。
そのあまりの悪びれなさに、何をいわれたのか理解できなかった。それは、見た瞬間に分かっていたはずのことだったのだが。
頭の中がぐちゃぐちゃだった。

そうだ。一目瞭然だった。二人はセックスをし、今その余韻を残しながら一休みしている。
一子自身がいっていたように、次子は太郎の妹ではない。次子がどう思っていようと、それが客観的な事実だった。
だから、太郎と次子が寝ようがどうしようが、一子には関係のないはずだ。
確かに、一子のことは気に入らないし、気持ち悪いと思っているが、それは一子の気持ちに過ぎない。そうであれば、勝手にやればいいのだ。
だが、次子は妹のつもりで、太郎も次子を妹のように遇していた。そして次子は、一子とまったく同じ顔をしている。
次子は、太郎を兄として見ることを止めて、男として見ることに決めたのか。いや、きっとそうじゃない。
妹であると同時に、恋人であることを望み、そしてそれを手に入れたのだ。
次子はきっと、これで自分が太郎の妹ではいられなくなるなどと思ってはいないだろう。
では、太郎はどうか。次子を妹として見ることを止めて、女として見ることにしたのか。
だが、もし次子を妹であると同時に恋人にしたというのであったら。「ただの妹」である自分は、どうなるのだろうか。
いや、次子を抱いた太郎にとって、自分はまだ「ただの妹」でありうるのだろうか。
自分もまた、太郎にとって女になってしまったのではないだろうか。それは、自分にとってどういうことになるのか。
取り留めのない考えに頭を占拠されていると、ソファの上で眠っていた太郎が身じろぎした。
太郎が起きる。そう思った瞬間、一子は部屋を飛び出し、家を飛び出していた。

「どうした、何かあったか」

上半身を起こした太郎が、目をこすりながらいった。次子が、その姿にくすりと笑いながら答えた。

「ううん。なんでもないよ」
114ツイスター:2006/11/27(月) 22:40:00 ID:AmhNhkuO
家を飛び出した一子は、走っていた。
何がどうなっているのか分からない。もう何も考えたくない。
ただ一つはっきりしているのは、もうあの家には帰りたくないということだけ、あの家から遠ざかりたいということだけだった。
あんな家に、太郎と次子がいやらしいことを、不潔なことをしている家になんていられるわけがない。
だから、行く当てもないまま、走り続ける。
やがて、ぽつぽつとアスファルトをぬらしだした水滴が、シャワーのように降り注いできた。夕立だ。
大粒の雨だれが、一子を打ち据えた。一子はそれにずぶぬれにされながらも、走るのを止めなかった。
雨は気にならない。直射日光の下を走っていたせいで汗だくになっていた体にとっては気持ちいいほどだった。
その上、まるでぐちゃぐちゃの気持ちを洗い落としてくれるような気がして、気持ちがいいほどだった。
そのまま走りながら曲がり角を曲がったそのとき、次子は向かい合わせに走ってきていた誰かとぶつかった。
体格で劣る一子の方が突き飛ばされて、しりもちをついた。

「すまない、大丈夫か!って一子ちゃん?」

山鹿だった。いつの間にか、山鹿の家の近くまで来ていたのだ。
本屋からの帰りなのか、書店の紙袋を抱えている。突然の雨にやられたのか、一子ほどではないにしても全身をぬらしていた。
一子はそれを認めると、すぐに立ち上がって山鹿に背を向けて走り去ろうとした。
山鹿は、抱えていた本を手放すと、その手を掴んで引き止めた。

「ちょっと待った!」

「いいから!ほっといてください」

次子は、山鹿の手を振り解こうとした。

「ほっとけるか!いいから来てくれ、風邪ひくぞ!」

それを聞いて、一子は今度は反対に山鹿の方に詰め寄った。

「何いい人ぶってんのよ!大体元はといえば、あんたが!山鹿さんがあんな奴を、あんな」

一子はもうそれ以上いうことはできなかった。のどが痙攣し始めたからだ。
いつの間にか、泣いていた。だが、涙はすぐに夕立にまぎれて分からなくなってしまう。
その一子の様子にひるんだ山鹿だが、すぐに怒鳴り返す。

「分かった、悪いのは俺だ!だからお詫びに一子ちゃんの心配をさせてくれ、頼む!」

そんな言葉をかけられて、一子は思わず山鹿に抱きついて泣いていた。
やさしさに飢えていたのだ。
山鹿は、一子にもう逃げ出す気がないことを悟って、しばらくそのままにさせていた。
一子の頭を撫でてやりながら。

そうしているうちに、夕立はやんでしまっていた。それにあわせたように、一子も泣きやんでいた。
だが、このまま濡れた服を着せたまま帰すわけにはいかなかった。一子の体は冷え切っていた。
服を乾かし、シャワーを浴びさせて温めてやらなければだめだと、山鹿は一子を自分の家に連れて帰ることを決めた。
115ツイスター:2006/11/27(月) 22:41:34 ID:AmhNhkuO
一子は、シャワーを浴びていた。その音がベッドに寝転がっている山鹿にまで聞こえて妄想を刺激する、などということはなかった。
山鹿の家は広い。金持ちなのだ。今いる自室から、シャワールームまでは結構な距離があった。少なくとも、シャワーの音が聞こえてくる距離ではなかった。
ベッドに横になりながら、携帯を目の前にかざして悩む。他でもない、太郎に連絡したものかどうかについてだ。
ついさっき、一子にタオルを手渡してやりながら携帯を取り出したところで、太郎には絶対に連絡しないでほしいときつく言い含められていた。
山鹿も、一子が家を飛び出したのが、太郎と次子がらみのトラブルが原因だということぐらいは分かった。
連絡しないで欲しいという一子の気持ちも分かる。そして、そのトラブルの大元を作ったのは自分なのだ。
一子のいうことは極力聞いてやりたい。だが、山鹿は太郎の親友でもあった。
結局、その機会は訪れなかった。一子がシャワーから戻ってきたからだ。あわてて携帯を隠して、ベッドから身を起こした。

「シャワー、ありがとう、ごさいました」

一子は、湯上りのためか、照れくさかいのか、顔を赤くしていた。白の上下のジャージを着ている。

「ああ、それ俺のジャージなんだけどよかったかな。もちろん、洗ったばかりだし。一子ちゃんのは洗濯しちゃったから」

「じゃあ、あの、その、わたしの、その、下着、も?」

「へ?」

一子は、湯上りのせいでも、照れのせいでもなく、恥ずかしさに顔を赤くしていった。
それを聞いて、一瞬何をいわれたのか分からなかった山鹿の顔も、やがてつられて赤くなった。

「あ、あれ?なかった?じゃあ洗った、のか?って、いやいや洗ったのは家政婦さんだから!もちろん、俺は見てもいないし触ってもいないから!」

そこまでいって気がついた。

「え、じゃあ、あの、いま、はいて、ないのか?」

一子は答えられず、ますます赤くした顔をうつむかせた。
それを見て、山鹿も同じく顔をうつむかせた。二人はそのまま向かい合って、しばらく固まっていた。
116 ◆zIIME6i97I :2006/11/27(月) 22:43:07 ID:AmhNhkuO
以上、第18話「一子、逃げ出した後」でした。

意外と初心な山鹿。果たして、まだ見ぬ妹への操を貫くことができるのか。
117名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 22:44:59 ID:XGoNZDph
次子が消えた後太郎君には何も残らないんじゃないだろうか
ちょっと怖くなってきたよ
118名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 22:51:49 ID:LPtynM/d
山鹿ってGiftの眼鏡君がモデル?
119名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 22:55:11 ID:AKQ/T7j7
太郎の猿っぷりは罪だと思った冬の夜長

ていうか山鹿と一子がいい雰囲気なんですがw
120名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:07:16 ID:F3lRBDnK
実の妹を邪険にするような奴は兄の風上にも置けない
一子、もういっそ山鹿と兄妹の契りをかわしてしまえ
121名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:13:27 ID:tkw1B5QT
俺はこれでもし山鹿が一子を抱いたとしても、太郎には同情できないな・・・
122名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:13:42 ID:tqzZdxVp
山鹿やっちゃいなYO!
123名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:16:22 ID:JyErpNr3
山鹿、うざっとか思ってる俺は少数派なのかw
124名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:16:23 ID:7HXD3lAk
普通思春期の妹にそんな感情は持たないと思うがw
普通に空気のようなもんだと思う
125名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:24:33 ID:hMOP7gfz
えー、嫌だな(やったらやったでアリだけど)
太郎は果たしてそこまで悪いのか
妹に、実も虚も義もないよ。みんな妹だよ
126名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:35:11 ID:P+1y1VFA
予想外の展開、これで山鹿がどう動くのか。
太郎は知らぬ間にイロイロ展開が進みそうな予感
127名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:40:35 ID:4wjOTaWm
投下しますよ
128『甘獄と青』Take15:2006/11/27(月) 23:41:54 ID:4wjOTaWm
 鼓膜が裂けそうになる程の大轟音が鳴り響き、それと同時に強い風が吹き付けてくる。
リサちゃんの剣が高く上空に吹き飛ばされたのが見え、それの原因がナナミが跳ね上げた
からだと分かった。続いて叩き付けるようにパイルバンカーが降り下ろされ、リサちゃん
の体が押さえ付けられた。少し乱暴に思えたが僕の言ったことは守っているらしく、リサ
ちゃんは叫び声をあげながら必死に抵抗している。この分ならば怪我はないだろう。同じ
く白杭に囲まれたサラさんも怪我は無いようで、皆無事ということになる。
 そのことに取り敢えずは安堵し、僕は軽く吐息をしながら立ち上がった。
「お兄ちゃん、終わったの?」
 こちらを見上げて呟くユンちゃんの頭を軽く撫で、一歩踏み出す。
 終わったと言えば終わったのだが、少し違う。正確に言えば一区切り付いただけの状態、
漸く話をすることが出来るようになっただけの状態だ。閉幕が始まるのは今からで、その
仕事は僕がやらなければいけないことだ。争いの始まりが僕なのだから、僕の手で終わら
せなければいけない。決めていたことを改めて思い返し、更に一歩踏み出した。
 これから、
「終わらせに行ってくるよ」
 シャツの裾を掴まれ、振り替える。
「お兄ちゃん、死なないで」
「……死なないで」
「死なないよ」
129『甘獄と青』Take15:2006/11/27(月) 23:43:14 ID:4wjOTaWm
 折角ナナミがこの場を納めてくれたのだ。それを無駄にするような真似はしたくない。
そんなことになってしまったら情けないと言うよりも、申し訳ない。ナナミの行為に対し、
失礼だとさえ思えてくる。
 重く感じる体を引きずりながら、一歩、また一歩と距離を縮めてゆく。ナナミ達までの
距離は約30m、普通に歩けば一分もかからない筈の距離なのにやけに遠く感じてしまう。
乾ききっている喉は痛みさえ感じる程になり、指輪による胸の焼け跡は風を浴びる度に毒
のように意識を削り取ってくる。正直、今にも倒れそうだ。
 永遠とさえ思えた距離だったが数分で消え、目的の場所に至る。立ち止まると、三人分
の視線が僕に向いてきた。サラさんとリサちゃんの救いを求めるような表情に、思わず手
を伸ばしそうになってくる。それだけはいけないと自分を律し、二人から目を背けるよう
にナナミの顔を見つめた。真っ直ぐに僕を見つめてくる目が、くじけそうになる決意を
支えてくれる。それに応えなければ、僕は男じゃない。人間ですらない。
「青様」
「ナナミ、ありがとう」
 いつものように頭を軽く撫で、笑みを浮かべた。嫌がられるかもしれないと思ったが、
どうしても今誉めたかった。しかし予想外にも、ナナミは誇らしいような、照れたような、
嬉しそうな、様々な感情が混じった微笑を返してくる。
 このまま続けていたいが、僕はサラさんとリサちゃんを見た。
130『甘獄と青』Take15:2006/11/27(月) 23:45:18 ID:4wjOTaWm
「青さん」
「ブルー」
 視線が伝えてくるのは脅えに似た感情、つい先程まで殺し合いをしていたとは思えない
ような弱気なものだ。何故そんな気持ちなのかは、痛い程に分かる。抵抗が出来ない状態
にある今、僕から発せられる言葉を恐れているのだろう。僕もシャーサの婚約の話を聞か
されたときは同じ気持ちだったから、否定はしない。覚悟をしようとしても出来ない状況
というものはこの世には確実に存在し、残酷に降りかかってくる。
 憎んでくれれば良い、悲しく思うよりはずっと良い。
 かつて旦那様に言われた言葉が蘇り、そのときの旦那様の心境が分かってくる。それも
覚悟の内だったのだろう、今の僕がそう思っているように。どれ程の覚悟が必要だったの
か当時は分からなかったが、同じ状況になれば実感できる。
 伝える者と伝えられる者と、どちらの気持ちも分かり、言うのが躊躇われる。
 しかし、僕はリサちゃんを見た。
「リサちゃん、ごめん」
「青さん」
「今まで演技していたことは咎めない、理由があったんだと思う。僕は、それを全部許す」
 でも、
「リサちゃんの気持ちには、応えられない」
 続いて、サラさんを見た。
「ブルー」
「サラさんも、僕を愛してくれているのは分かる。でも」
「お願い」
 お願いされても、
「言わないで」
 言わなきゃいけない。
「サラさんの気持ちにも」
「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌」
 僕は。
「応えられない」
「嫌ああぁぁァァ!!!!」
131名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:46:45 ID:uL16+jv0
テラGJ、妹キャラと妹属性と義妹と実妹と妹といもうとは山鹿にとってどのようなカゴテリーに
分けられているのかが気になるぜ
132『甘獄と青』Take15:2006/11/27(月) 23:46:52 ID:4wjOTaWm
 轟音。
 地面が破裂し、砂嵐が吹き荒れる。縦横無尽に石や遊具が飛び回り、お互いにぶつかり
合うそれが耳障りな音をたて、歪な音楽を作り出している。まるで世界の全てを否定し、
拒絶するような、子供の泣き声に似た声が聞こえてきた。
 こうなることは分かっていた。
 覚悟もしていた。
 そのつもりだったのに、胸が激しい痛みを伝えてくる。これは間違ったことで、絶対に
言ってはいけないものだと言うように。僕がどうしようもない悪人だと、残酷な人間なの
だと言ってくるように。僕の存在を否定するように伝えてくる。
 それのせいで反応が少し遅れた。いや、反応が出来ても多分避けることは出来なかった
だろう。目の前に、高速で滑り台が飛来してきた。巨大な質量を持つ鉄の塊は、僕などを
簡単に殺してしまう。不老になり八百年以上生きてきたのに、終わりは意外とあっけない
ものだと思う。死なないと言った筈なのに、またも死にそうになっている。僕はどこまで
運命に馬鹿にされているんだろう。望んだことのことごとくが正反対の結果になり、跳ね
帰ってくる。そして最後はこの様だ。
 死を覚悟し、目を閉じた。
 轟音。
 覚悟していた衝撃や痛みは来ず、金属がひしゃげる音が聞こえてくる。目を開くと、体
を歪に変形させたナナミが立っていた。体の各部は折れ、捲れた人工皮膚の中からは金属
のフレームが顔を出し、至るところで火花が散っている。血の代わりに関節部から潤滑油
が糸を引いて垂れ、地面に黒い水玉模様を作り出していた。
133『甘獄と青』Take15:2006/11/27(月) 23:48:35 ID:4wjOTaWm
 ナナミは首だけで振り返り、眉根を寄せた。
「青様、御無事でしょうか?」
「……うん、無事だ」
 ナナミが無事じゃないとか無茶をするなとか様々な言葉が浮かんできたが、僕の答えに
対して浮かべた微笑を見て言う気が失せていった。顔の半分は中の機械が露出した状態で
あるものの、僕の無事を喜ぶ笑みは世界で一番美しいと思った。
 その表情につい見とれてしまったが、すぐにそれは終了した。視界にあるナナミの顔が
下方へと消え、視線で追うと倒れた体が目に入る。目には光がなく、顔には表情がない。
今までも無表情だったが、それとは明らかに違うタイプの無表情で空を仰いでいる姿は、
死を連想させた。ぴくりとも動かない体は機械人形ではなく、只の人形だ。
「おい、死ぬな」
 助けを求めようと視線を回して、そこで砂嵐が治まっていることに気が付いた。土煙が
晴れたことでクリアになる視界の中には、サラさんやリサちゃんの姿はない。それと逆に
遠くから走ってくるリーちゃんとユンちゃんの姿が見えた。
「あお、さま」
 ともすれば聞き逃してしまいそうな程の声に、再び視線をナナミに戻す。
「死ぬな、死ぬなナナミ!!」
「だいじょうぶ、です」
 弱い声だが、それは確かな感情の込もったものだ。
「おやくに、たてましたか?」
「勿論だ」
 ナナミの体を強く抱き締め、よく聞こえるように言う。駆動系のいかれた体は固く重く、
突き出たフレームが体に当たって痛いが、それも構わずに全力で抱き締める。
「ほめて、ください」
「ありがとう、ありがとう」
 何度も何度も、叫ぶように言う。いつの間にか涙が溢れ、ナナミの姿が滲んで見える。
「なかないで、ください」
 ナナミの手指が頬に伸び、ぎこちない動きで目元まで移動して涙を拭う。
「わたしは、せかいでいちばんの、しあわせものです」
 そう言って、ナナミは笑みを浮かべた。
134名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:49:06 ID:b3WWSwyC
おれは一子抱いてほしくないな。
このあと一子を迎えに行こうとした太郎を次子が監禁するのか
135ロボ ◆JypZpjo0ig :2006/11/27(月) 23:49:39 ID:4wjOTaWm
今回はこれで終わりです

第1ラウンド終了
136名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:58:27 ID:uL16+jv0
ナナミ死ぬな、いや壊れるな!そしてリロードせず割り込んだ俺は死ぬべきだと思う正直スマソOTL
そして姿を現さぬお嬢はどう暗躍するのか
137名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:11:05 ID:mtBc+dTx
>>116
山鹿よ迷うことなどない太郎が次子のものになった以上。
一子はお前さんのものだ、と勝手に思う俺ガイル。

>>135
リサちゃんスキーの俺としては辛いところ(;つД`)
結局、青の気持ちは誰に傾いとんのか正直気になるところ。
138名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:17:13 ID:lZJk2AJw
前スレ>>758
俺には2しか見えねぇ
139名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:20:43 ID:lZJk2AJw
>>135
ちょっと順番間違えたがGJ!!!!
140名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:21:44 ID:roGKMoVG
>>116
次回

第拾九話「女の戰い」

とか見えた俺は逝ってよしッ!!
141名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:30:29 ID:XEo7bpAk
当初ただの変態だと思っていた山鹿を応援することになるとは・・・
太郎が猿すぎて任せてられないw
142名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:31:34 ID:beBghbuP
>>138
俺にはなかよしグローブを使って調教完了した姿が見えるが何か?
143名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:38:09 ID:w35ZL3I7
前スレ>>758
お前もここの住人なら
言わなくとも解かっているだろう?

い、2だ!
144名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:25:42 ID:3tFRAr/A
>>758
俺にはこうとしか見えない

1、「心の中で渦巻くどす黒い感情を隠すことは出来なかった」
2、「心の中で渦巻くどす黒い感情を隠すことは出来なかった」
145名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:42:51 ID:MpkZOLa+
俺は1だな……え、だって
1、「心の中で渦巻くどす黒い感情を隠すことは出来なかった」
2、「心の中で渦巻くどす黒い感情を隠すことは出来なかった」
だろ、だったら数字は1のほうが好きだから1だよ
146名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 02:15:11 ID:XEo7bpAk
 だこ
何  の
  視
 覚
障害者の群れw

しかしタバサでこれならシャロンやミストはどうなるんだw
147名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 03:03:52 ID:w35ZL3I7
もう殺されてる
148名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 04:30:10 ID:aT6Wjcl0
主人公が好きな俺は山鹿には操を貫いて欲しい
149名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 04:42:21 ID:uV1Q8mIR
みなさん凄いね、きちんと読めるんだ。私の目には

1「心の中で渦巻くどす黒い感情を隠すことは出来なかった」
1「心の中で渦巻くどす黒い感情を隠すことは出来なかった」

としか見えないや。

ところで実は元ネタ知らなくてちょっと困っていたんだけど、ビアンカって人名がでてきて
ドラクエXを思い出しました。
主人公を巡ってビアンカとフローラの争奪戦(グサリもあるよ)とか妄想してるんですけど、
SSに書き起こしたら需要あります?
150名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 06:13:32 ID:s0oiI61g
あります。
151名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 06:16:52 ID:w35ZL3I7
実はたまにはパロディも読みたいと思っていたんだ
152736:2006/11/28(火) 06:37:44 ID:8owtyNoA
私は――


ニア2「心の中に渦巻くどす黒い感情を隠すことは出来なかった」




こみ上げていた淡い恋心が塗りつぶされていく。
私の中に眠る黒い血が騒ぎ始める。ザワザワと、音を立てて何かが私を駆り立てる。

  コ             シ          エ
     ワ       テ
          シ          マ

私じゃない誰かが私に囁く。
こんなことは、いけないと。
崖の淵で踏みとどまる私の背中を押す。

あぁ。
黒い、黒い深淵へと私は堕ちて行く。

 「…あの、タバサ?」
 「失礼しました、突然でしたので…ビックリしてしまって」

どうやら不審に思われる程私は呆けてしまっていたらしい。
心の中を見透かされないよう、何時もの笑顔を浮かべて応対へと戻る。
 「それで…どう、しよう」
 「どうしようと仰いましても…お嬢様はラグナ様のことはお嫌いなのですか?」
 「そんな、そんなことない!好きよ、大好き。でも…急すぎてどうすればいいか分からないのよ。
  結婚って、人生の一大イベントじゃない?それを今此処で、って言われても…」
ニンゲンらしい、矮小な悩み。
たったの100年足らずしか生きられない劣等種族らしい小さな悩みだ。
下らない。お前は私が手に入れられなかった全てを手に入れる機会を得ているというのに、何を悩むのか。
この場でメチャクチャにしてやりたい衝動をグッと押さえ、笑顔を崩さず私は答える。
 「それでも…お嬢様はラグナ様が好きなのでしょう?それでしたら迷うことはありません。
  好きな人と、愛する人と生涯を共に出来るのです。確かに大きな決断ではありますが、それに見合う幸せもあると思います」
 「…そう、よね。うん…ありがとうタバサ。決心がついたわ。
  明日の朝食の時間にお父様にも話してみるわ。…祝福、してくれる?」

祝福?
するに決まっている。
お前の新しい門出に拍手をしよう。
絶望への船出に歓声をあげよう。
二人の終わりに花束を捧げてやろう。
私は答える。何時もの笑顔で、何時ものように
 
 「勿論ですお嬢様。少し早いですけれど…心から、おめでとうございます」
 「ありがとう、タバサ。やっぱり貴方は私の…親友よ」
 「親友だなんて、勿体無いお言葉です。私は一介の召使にすぎませんので」
 「フフ…もう一度言うわね。ありがとう、タバサ」

親友だなんて、何を言うのか。
お前ら如きニンゲンがダークエルフである私に?
私を見るビアンカの目は信頼と優しさに満ちていて、とても滑稽だった。
今は幸せを享受すればいい。すぐに絶望を感じることになるのだから。


153736:2006/11/28(火) 06:40:12 ID:8owtyNoA




その数日後、私は行動を起こした。
ラグナが洞窟へと作業を出かけた後の昼前に彼の家を訪ねる。
コンコン、と軽くノックをすれば、ドアの向こうでビアンカの声が聞こえる。
パタパタとかけて来る音がして、ドアが開かれた。
 「こんにちわ、お嬢様。少し時間が出来たので遊びに来てしまいました。ご迷惑でしたか?」
 「タバサ!よく来てくれたわ。上がって上がって!」
彼女の向こうに見える部屋は幸せの香りで一杯だった。
ビアンカの好きそうな絨毯にインテリア。並べられたおそろいの食器に、大きなダブルベッド。
あぁ、何て可哀想なビアンカ。此処でドアを開けなければその幸せをもう少し味わっていられたというのに。
哀れなニンゲンの背中を見て、私は笑いを隠せなかった。
 「フフ、フフフフ…」
 「…タバサ?どうしたの?」

 「いえ、どうもしませんよ。窮地に立たされていることにすら気づかない愚かな人間が余りにも滑稽で…クスクス」
 「タバ、サ?」
 「まだ分からないんですか?こういうことですよ!」

目の前で首をかしげているビアンカに向けて私は拳を振るった。
ドスッ、と鈍い音がして私の拳がビアンカの鳩尾にめり込む。
ゲホ、と少しだけ咳き込んで目の前のニンゲンは私に寄りかかるように意識を失った。


ズルズルと引き摺るようにして彼女を家の中へと運ぶ。
服が汚れようと気にすることは無い。彼女にとってもう服など意味を成さないのだから。
力なく垂らされた腕をベッドの柱に結びつける。
窓、ドアの鍵を閉める。

準備は整った。
私は起きる気配の無いビアンカの頬を思いっきりはたく。
心地よい音がしてビアンカの意識が戻る。状況が理解できないらしく、呆然としている。
 「タ、タバサ?これ…どういうこと?解いでくれる?」
馬鹿な女だ。これだけやられてまだ私を信じているというのか。
余りにも滑稽で、私はもう一度笑う。
 「な、何笑ってるのよ!解いてよ!この、このっ!」
 「無駄ですよお嬢様。そろそろ自分の置かれた状況を理解したらどうです?
  貴方はこれからメチャクチャにされてしまうんですから…クスクス」

私の言葉にようやく危機感を覚えたのか、ビアンカの表情が引きつる。
来るはずの無い助けを呼び、じたばたともがく。

 「クスクス…無駄ですよ、無駄。さぁ、始めましょうか…」
私は懐に忍ばせておいた注射器を取り出す。
カーテンの隙間から差し込むわずかな光で煌く注射針に、ビアンカは恐怖を覚えたようだった。
短い悲鳴をあげ、カタカタと震えだしてしまった。
 「あら、怖いんですか?大丈夫ですよ、死にはしませんから。そう、大丈夫です…スグになにもわからなくなりますから」
 「や、やめてッ!お願い、タバサ!お願いだから――」
彼女の哀願を無視し、私は注射針を差し込んだ。
躊躇いも容赦も無い。メチャクチャにしてやる。そう、メチャクチャに。

 「あ、あぁ――」
注射針から流し込まれる液体がビアンカの身体を駆け巡る。
効果はスグに現れるはず。

154736:2006/11/28(火) 06:42:38 ID:8owtyNoA

予想は外れなかった。
恐怖で震えていた彼女の表情に段々と恍惚の色が出始めたのだ。
無意識のうちに内股をこすり合わせ、肩で息をするようになっている。
大した効果だ。それとも…元々この女が淫乱なだけなのか。

 「な、なに、コレ…身体、が…!」
 「クスクス、利いてきたみたいですね。さぁ、始めましょう」

そういって彼女の衣服へと手を伸ばす。最早ビアンカには抵抗する力すらない。
いや、むしろそれを望んでいるのかもしれない。かすれた声をあげて私の行為を見つめているだけ。
引き裂かれていく衣服。あらわになっていく肌。屋敷の中で大事に大事に育てられた彼女の柔肌は、
ただそこにあるだけで見るものを魅了するかのような美しさだった。
きめが細かい肌、透き通るような白さが私を離さない。
家事で荒れ、種族ゆえに浅黒い私の肌とは対照的なその美しさが私を更に駆り立てた。
 「ホント、綺麗な肌…。ラグナさんも気に入ってるでしょうね。女の私も思います。メチャクチャにしたい、って」
 「あ、あぁ…やめ、て…」
私が肌をさするだけで彼女は小刻みに震えてしまう。
全身を駆け巡る刺激に耐え切れないのだろう。
 「触っただけで感じてしまうんですか?大した淫乱ですね…。良家のお嬢様はホントは淫乱な雌でした、って…
  町中に触れ回ったらどうなるでしょうね。クスクス…ジャコリヌス様も驚きになられることでしょう」
 「や、やめてよ、お願い…タバ、サ…。は、あ、あぁぁっ!」
最早言葉を紡ぐことすらマトモに出来てはいない。
乳房を軽く揉んでみただけなのにこれなのだ。これからの刺激にどこまで耐えられるだろうか。

ビアンカが段々壊れていく様を想像し、私はそれだけで気絶してしまいそうなほどの快感を覚えた。

そう、メチャクチャにしてやろう。
もう後戻りなど出来はしない。積み上げた塔は崩すしかないのだ。
いや、もう崩壊は始まっている。

155736:2006/11/28(火) 06:43:56 ID:8owtyNoA

さぁ、待ち望んだ復讐を。
私を拒絶したあの男に復讐を。
愛するものを失う痛みを思い知らせてやる。

バレやしない。
どうせ彼が帰ってくる頃にはビアンカは既に廃人になっているのだ。
会話すらままなら無いほどに。

あぁ、堕ちていく。

闇の中へ
闇の中へ。


一瞬。
まぶたの裏に見えた幸せな風景を、私は得られなかった。
例え彼と結ばれなかったとしても違った幸せはあった筈。
私が選んだこの結末は正しかったのだろうか。
それでも、やるしかない。

もう、後戻りは出来ない。
私は既に沈んでいるのだ。この深い深い、闇の底へ。


声が聞こえる。
声が聞こえる。

 「貴方の望むままにすればいいんですよ、タバサさん。幸せを奪った人に復讐をしちゃいましょう」


あぁ、どこかで聞いた声。

そうだ、この声は―――
156名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 07:34:21 ID:h1oYiN1i
GJ!だが二次作品は昔話し合った様に当該スレに投下、その後誘導って形の方が良いんじゃないかと思う
157名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 07:39:14 ID:w35ZL3I7
GJ!そうか、そういう決まり?だったな
俺としたことが忘れていたぜ
158名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 08:25:36 ID:4BhrDWs9
漏れは歓迎派だけどな
スレの勢いも保持できるし、まとめサイトさん使えんのも不便。

あれで話し合ったことになるのかも疑問だが
今となっては贅沢もいってらんのじゃないかな
159名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 08:47:59 ID:XEo7bpAk
GJ!
黒幕の霧コワス

>まとめサイトさん使えんのも不便
だがルーンファクトリー知らない人がまとめで見るとわけわからんのでは?
160名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 09:08:08 ID:w2AWQKud
二次作品はその元ネタを知らない人にとって嫉妬・修羅場に重要な
登場人物の関係や性格、立場、世界観などのバックボーンが分からないだろうから
その作品を知っているという前提のある当該スレッドに投下する現状の形で自分は良かろうと思う
保管ならエロパロ板の保管庫も一様ある訳だし
161名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 09:39:49 ID:JOJAMC9g
山鹿と一子がくっつくような展開はあんまみたくないなぁ。
ほかのでなら良いんだけど嫉妬ものだと・・・
山鹿は好きなキャラなんだけど、あくまでサブキャラとして出しな。
ここはもう一度太郎に頑張ってもらいたい。
162名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 10:21:27 ID:orCFhAZm
山鹿は好きなキャラだから一子とくっついて幸せになってほしい気もするが、
そしたら話が丸く収まって終わってしまう。そうすると一子の嫉妬が見れなくなるし、そもそもここは修羅場スレだしな。
163名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 10:44:31 ID:42Pz22LS
つか>>152のやつって双葉にあったやつだぞ、前スレのふくめて
164名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 12:51:11 ID:uDecVhwI
よそからの転載はさすがにまずいぞ
165名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 13:01:21 ID:JPHumu5s
黒歴史だな
166名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 13:08:10 ID:mQAR4VZM
スルーしよう


荒れるのと神が投下しづらくなるのは超勘弁だ
167名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 14:22:03 ID:MQI8f2EG
ガンバは自らの不手際を心中罵りながら、一方で現在の状況をどうやって打破すれば良いか必死で考えていた。
目前にいるのは、(鼠にしては)筋骨隆々の肉体を誇り、一対一の喧嘩では右に出る者無しのヨイショと、
フードファイターとして全世界にその名を轟かし、最近ではアメリカのドラマにも出演した事がある、大食漢のボーボである。
二匹は互いに自分こそがガンバとのデートの約束をしたのだと、争って譲らない。
そもそも、皆に良く思われようと、請われるまま考え無しに承諾したのはガンバであったのだ。
自らに敵意の矛先を向けられたく無いばかりに、曖昧な返事しか出来ない。
「もう片方の目も食い千切ってやろうか? DHAがたっぷり詰まってそうだしよ」
「慢性的に一種の胃病を患う手前に喰わせてやる目は無えっ! これ以上くだらねえ事言いやがるならストマックに手刀をぶち込んでやるとも」
とうとう、互いに胸倉を掴み始めたので、ガンバは慌てて二匹の肩を掴んで止めようとする。
「や、やめ……」
「おいガンバッ! この卑しい肥満鼠に判る様に言ってやれッ!! お呼びじゃないってよッ!! 」
「え、えと……」
「ねえ、ガンバっ! 約束したよね!! 一緒にゴミ箱を回って食べ歩きツアーを慣行するってっ!! 」
「あー、そ、その……」
「弁えろこの百貫デブがッ!! ガンバは俺と一日中腕相撲をするんだよッ!! 」
「ごちゃごちゃ五月蝿いよっ!! どうせお前の米粒の様な脳すら筋肉で覆われているだろうよっ!! 」
より語気荒く罵り合うニ匹をただ見守る事しかガンバには出来なかった。
言葉では飽き足らなくなったのか、胸を突いたり、肩を押したりし始める。
単純な体格としては、筋肉と脂肪と違いはあるが、二匹共甲乙付けがたい物がある。
一見、喧嘩百段のヨイショが優勢であるかに見えるが、ボーボにも異彩染みた嗅覚と、穴掘りという特技がある。
争えば、両者とも無事では済まない。
イタチに立ち向かった勇気はどこへ行ったのか、ガンバはただ震えるばかりであった。
その時。水を差すように、ニ匹の間にサイコロがころころと転がってきた。
「よしなお二人(?)さん」
皮肉交じりの歪んだ笑みを浮かべて、軽やかにこちらへ向かう鼠が一匹。
優秀な占師かつ博徒であり、又、韋駄天と呼称される程の早足の持ち主。
イカサマである。
「喧嘩なんかして、可愛い顔に傷が付いちゃ勿体無いだろ? ここは」
ニ匹の前に近付き、間の犀を拾うと、どこから取り出したのか椀の中に賽を入れて転がす。
「丁半博打。こいつで勝負を決めようじゃないか」
互いに顔を見合わせて、やがて頷いて
「異論は無え」
「やってくれよ」
イカサマは満足そうな笑みを浮かべると―ガンバは傍観するままであった―、賽を転がす速度を速めた。
168名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 14:48:32 ID:MQI8f2EG
ニ匹が固唾を呑んで見守る中、椀の内部で二つのサイコロが回転を早めていく。
視認する暇も無く、椀が翻り、土を削りながら地面に叩きつけられる。
「さあっ、張った張ったッ!! 丁ッ!? 半ッ!? 」
「丁ッ!! 」「半ッ!! 」
ニ匹はほぼ同時に叫んだ。
互いに睨み合いながらも、口元は歪んでいる。
「ふふん、半だってな。手前の様な半端物のデブにはお似合いだ」
「僕を比喩する言葉は胃。腸なんざ、胃の付属物に過ぎないんだよ」
字が違うよボーボと思わず突っ込みを入れそうになるものの、異常なまでに高まった緊張感からガンバは口に出せないでいた。
「よござんすか? よござんすねッ!? 」
息を呑む音が聞こえたと同時に、勢い良く椀が上げられる。
ニ匹が飛びつく様に―ガンバはうんざりとして―、賽の目を覗き込むと――。
「なッ!? 」
「こ、これは? 」
何と。二つのサイコロ共に点が削れ、白地となっていた。
恐る恐るガンバがイカサマに訊ねる。
「これってどうなるの……? やり直し? 」
いいや、とイカサマは瞼を閉じ頭を振るう。
「目無し……。つまり両者とも負けって事だな」
「そ、そんなっ!? もう一度! もう一度勝負させてよ!! 」
「そ、そうだそうだ! イカサマ、やってくれ!! 」
「いい加減にしろッ!! 」
イカサマは耳の奥まで振動が伝わる程の大声を上げた。
「博打ってのは神聖な物なんだよ。実力とかそんなもんは関係無え。単純に個人の運が試されるんだ」
そこで一息付くと
「それを勝負として選択したのはお前らだ。どんな結果であれ、受け入れるべきだ。そうじゃないのかッ!? 」
気不味そうな表情になり、二匹ともそそくさと背を向けて立ち去って行った。
残されたのはガンバとイカサマのニ匹のみ。
ガンバは大仰なまでに溜息を付くと、満面の笑みで
「あ、ありがとう。助かったよ」
「博打には敬意を表すべきだよな? ガンバ? 」
「? 」
「両者が負けたのなら、当然勝者は胴元だ」
そうしてイカサマは片目を瞑り、肩をぱんぱんと叩く。
「じゃ、行こうか。賭けの賞品」
169名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 16:59:33 ID:hmbSL4Gb
なんだ。
まだ生きてたんだな、おまえ。
170名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 18:03:12 ID:Bx0eSSWM
荒れると聞いて飛んできますたって感じだな
171名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 18:14:05 ID:h1oYiN1i
まあ皆分かっていると思うがとりあえず貼っておくか

■荒らしについて■
削除依頼対象です。反応すると削除人に「荒らしに構っている」と判断されてしまい、
削除されない場合があります。21歳以上なら必ずスルーしましょう。

PINK削除依頼(仮)@bbspink掲示板
http://sakura02.bbspink.com/housekeeping/

書き込む前に。。。
http://info.2ch.net/before.html
172トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/11/28(火) 19:44:42 ID:ZUGepVrj
では投下致します
173水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/28(火) 19:48:03 ID:ZUGepVrj
 第4話『接触』

 昨日の件もあり姉妹と顔合わせたくなかった俺は朝食とお弁当だけをせっせと作り、家を早く出ることにした。
虹葉姉と紗桜とは紛争状態が続いているせいか、顔を合わせることになったら昨夜の問い詰めの続きを開始しそうで恐い。
だったら、早朝の時間に学校に着き、ぼっとお日様を眺めて光合成をしている方が健康的である。
夏の陽射しが眩しいが熱いという時間帯ではないため、俺はのんびりと気持ち行く歩くことができた。
 学校に辿り着いてから、教室で呆然と時間を過ごしているとまったりと時間が流れる。
しばらくするとクラスメイトが徐々に教室に入ってくる。ようやく、ホ−ムル−ムが始まる頃には教室の席は見事に埋まった。
 ただ、一人を除いては。

「花山田忠生。久々の学校に復帰。やあ、僕の子猫ちゃんたち。俺がいなかったら寂しかっただろ。いいんだよ。遠慮なしに俺の胸に飛び込んでくれぇぇぇぇ」
 一人の性犯罪者がクラス全体に話し掛けようとするが、誰も相手することなく無視を通していた。
この学園のダメ男最強と噂されている花山田忠生は大人しく自分の席に座った。といっても、俺の席の前だけどね。
「よう。この前はよくも親友であるこの俺を見捨てて逃げてくれたな月」
「っていうか、お前誰?」
「がっぴょ−ん。無二の親友の俺を忘れるとはお前は悪魔か。この前の露地裏に連れて行かれた俺がどんな目に遭ったのか知っているのか?」
「別に単位偽装の話題よりもどうでもいいことじゃん」

「うるせぇ。俺はあの後、ナンパした女の子の彼氏が経営するホストクラブの雑用係として無給で強制的に働かせられたんだよ」
「そりゃ、ご愁傷さま」

「完全に他人事だなオイ。だったら、ちゃんとした慰謝料を要求するぜ。
 花山田忠生の名に命じる。水澄姉妹よ、俺の性奴になれ!!」

「ごめん。そのネタはわかんねぇ」
「ようするにだな。学園で美人姉妹の水澄姉妹とデートさせてくれ。
俺なら姉妹を一日で攻略することは可能。フラグは親友が同居している美人姉妹。充分に攻略可能だ」
「その台詞のやり取りは今年で何百回目だ」
「俺は勝つまで諦めない。炎の男、花山田忠生の恋の炎はどんな強風でも消すことはできないぜ」
 あーあー。いい加減に暑苦しくなる前にヤッてしまうか。
「こっちは虹葉姉と紗桜との仲が悪くなっている事に悩んでいるのに」
「問題ない。虹葉さんも紗桜ちゃんも俺が頂く」
「うるさいわぁぁぁぁぁぁぁ」

 俺の回し蹴りが忠生の顔面にまともに入る。声もなく倒れて行く忠生を俺は肩に担いで窓際まで運ぶ。
この教室は3階に位置する場所だが、俺は躊躇なく忠生を窓から放り投げた。
「これでようやく俺の周囲の席は落ち着くよ」
 まあ、この程度では忠生は死なない。ぐったりと気絶しているようだが、3時限目の他のクラスの体育時間には完全復活していることだろう。
女子のブルマ姿を見るだけで何事もなく完全復活しているのは世界では彼しかいないだろう。
174名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 19:48:46 ID:yyKKX58D
つうか過剰反応しすぎじゃね?
面白かったし。
明らかに腐だけど、スレの趣旨に従っているみたいだし。



まあ、801やるにしても、ここは客層があまりに違いすぎるのでとっとと去れと思うが。
175水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/28(火) 19:50:27 ID:ZUGepVrj
 昼休み。
 誰にも邪魔されない平和かつ平穏な時間は俺にとっては何よりも癒しの時間である。
五月蝿い忠生は予想どおりに3時限目に復活し、女子たちを本能に従って運動場中に追いかけていた。
今頃、生活指導教室で正座ともっこりの刑を受けている頃であろう。
 だが、そんな平和な時間はすぐに終わりを告げた。

『2−A組の天草月君。ただちに職員室に来なさい。繰り返して言います。2−A組の天草月君。ただちに職員室に来なさい』

 昼休みに俺をドラフト指定するかのように放送が流れた。
あの声はウチの担任の声であった。なぜ、呼ばれたのかは理解できないが、俺は満腹になったお腹を抑えて、重い腰をようやく上げた。
特に用事もなければ、すぐに終わるだろうと気楽な気分で下に降りてしまったのが今日一日の不幸の始まりであった。
 職員室に辿り着くと多数の教師たちが昼食を食べているなか、俺は担任の姿を探す。
担任は去年奥さんと離婚したばかりの壮年の童顔にメガネをかけた気弱な先生である。
その担任の先生の姿を見付けると、俺は驚愕した。
 そこには音羽が笑顔で手を振っている姿があった。

「天草君。鷺森さんが懇願して君に校舎の案内をしてもらいたいと頼まれたんだ。
別に余所のクラスの人間が校舎案内してはいけないという規則もないので、お願いできないかな? かな?」
 メガネ君は黒いメガネを取り出して白い手拭で拭きながら言った。
「花山田君をよく校舎の外に放り投げているだろう? あれをたまたま目撃した主婦が慌てて学校に電話をかけてくることはよくあるんだ。
生徒想いの僕がどうやってオレオレ詐欺並みの演技力で弁解していると思うんだ。引き受けないと内申書がどうなってもいいのかな? かな?」

 メガネ君が穏やかな口調で脅迫まがいに俺を脅している。全く、この担任だけは敵に回したくない。仕方なく俺は了承し、首を縦に振った。

「うわっ。月ちゃん。ありがとう」
 嬉しそうに抱きついてくる音羽を俺は必死に引き剥がそうとしたが、無駄な努力で終わる。
この場面を虹葉姉や紗桜に見られたら、更に厄介な事に状況が悪化する。
「ふぅ〜ん。月君。嬉しそうだね」
「何っっつ!?」
 最悪最大最強の今日の不幸予測が一秒後にあっさりと実現してしまった。
176水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/28(火) 19:52:28 ID:ZUGepVrj
 虹葉姉が俺たちがいる反対席からこちらに向かって睨んでいる視線を向けている。
あっちは3年生側の教師たちの机ということはたまたま職員室に用事があったということか? 
いいや違う。そんな考え方では駄目だ。
 よくよく考えると全校に向かって、俺を呼び出す放送がさっき流れたばかりじゃん。
「転校してきたばかりの女の子を親切に校舎の中案内するなんて。お姉ちゃん、嬉しいわ」
 黒い殺気と殺意の視線を俺に送りながら、冷たい微笑を浮かべる虹葉姉に俺は思わず息を呑んだ。
2年生側の教師の机と3年生側の教室の机の間には遠く重い溝というのが生まれている。
敏感にも空気を読んだ音羽は俺に抱きついている行為をやめて、挑発するかのように虹葉姉に指を刺した。
「あの人は誰? 月ちゃんのお友達なの?」
「い、いいえ。友達じゃないです」
「ストーカー?」
「それは次回作の構想ネタです」
「じゃあ、一体何なの?」
「それは僕が説明しよう」
 メガネ君が会話の途中から割り込んできた。
この先生の内面は気弱そうに見えるのだが、性格はいろんな意味で壊れているおかげでトラブルメーカー的素質を持つ。
もし、メガネ君の口から出る言葉は今の事態を油に水を注ぐことになる恐れがある。
「彼女の名前は水澄虹葉。天草月が居候している家の家主さん。
二人の関係は血の繋がらない姉と弟という関係だ。だが、その下に水澄紗桜という妹もいるため。
天草月は学園でも有名な美人姉妹と同居していることになる。なんて。うらやましいんだオイ!! 
姉と妹から慕われて、わざと姉妹がお風呂入っているところに間違って入っても、警察には通報されることはない。
更に風呂上がりのバスタオル姿まで何の遠慮なく拝めることができる。
天草月。貴様は全世界の男の敵だ!! これはモテないバツイチ男の総意として全教科は赤点にしてやりたい!」
 何を言っているんだこの変態教師。
 その一言を一字一句真剣に頷いている音羽。
177水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/28(火) 19:54:33 ID:ZUGepVrj
「うふふ。バスタオル姿ねぇ」
 音羽が壊れた表情を浮かべて、こっちを見てくる。
まさか、あの変態教師の言うことに間を受けたわけじゃないだろうな。
音羽はゆっくりとした歩調で虹葉姉がいるブラックゾーンに辿り着くと社交辞令の微笑みを見せる。
誰もが恋に落としそうな笑顔だ。だが、同性である虹葉姉に全くの効き目もないし表情は笑顔を浮かべているけど、
目は全く笑ってはいなかった。
「初めまして。鷺森音羽と言います。これからもよろしくお願いしますね。虹葉さん」
「お、音羽って……。まさか…」
 虹葉姉は名前に気になることがあるのか少し頭を傾げていた。
まあ、音羽は水澄家の隣の家に住んでいたのだから、記憶の片隅に音羽の名前ぐらい覚えているかもしれないが。
「ど、ど、ど、泥棒猫っっ!!」
 普段では考えれない優等生の仮面を脱ぎ去り、感情が高ぶって虹葉姉は音羽に向かって大声を上げた。
「何を言っているんですか? 虹葉さん」
「忘れたとは言わせないわよ。月君が引き取られたときに私たち姉妹から月君を奪い去った泥棒猫はあなたでしょう!!」
 今にも音羽の衣服を掴みそうな剣幕で虹葉姉は顔を真っ赤にして怒っていた。
こんなにも感情を抑えきれない虹葉姉を見るのは始めてだ。
だが、ここは職員室の中なので俺は慌てて虹葉姉の元に近付いてから乱暴に腕を掴んだ。
「なにするのよ月君」
 俺は虹葉姉の制止の声を無視して職員室の外へと逃げ出そうとした。
表面上は優等生で通っている虹葉姉に余計な傷を付けたくなかったし、ここは戦略的撤退である。
ドアを開けてから、俺は後ろに振り返って音羽に言った。
「じゃあ。放課後にな」
「うん」
 音羽は笑顔で微笑んで頷いてくれた。それを見た虹葉姉は更に激怒したので俺は彼女を連れて安全地帯まで逃げるしかなかった。
178水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/11/28(火) 19:56:49 ID:ZUGepVrj
 虹葉姉が予想以上に感情が高ぶって取り乱してしまったことを気になったが
俺は音羽を校舎を案内してから重い足取りで家の帰路をゆったりと歩く。
昨日、一昨日とすでにパターン化されているだろう虹葉姉と紗桜の問い詰めは今日がもっとも過激な事になるのは間違いない。
今まで女の子とは親しくなることもなかったのに、二人は過剰にやきもちを妬く。
全く、俺はモテないことをわかっているんだから、そんなに怒る必要はないと思う。
 家に帰ると玄関にある靴がいつもより一足多い。
 まさか……。
 リビングに向かうとこの家の最強の支配者。
 冬子さんがソファーに座ってのんびりとお茶を飲んでいた。
「おかえりなさい。月さん」



179トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/11/28(火) 19:58:50 ID:ZUGepVrj
次回、冬子さんの暴走が始まる予定ww
180名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 20:03:29 ID:JelOSpJ9
>>174あ、あれ801だったのか。
普通に女体化して読んでた。
>>179GJ!
最強マダムの暴走がめっちゃ楽しみだ。
181名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 20:08:31 ID:u9GHimZN
俺も。
このスレにいると女複数の男1がデフォになるねwww
182名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 20:35:28 ID:mtBc+dTx
なんで、このスレには俺がたくさんいるんだよwwww
>>179
メガネ先生の説明に激しくワロタwwww
183名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 21:04:02 ID:PNK6YDG5
男が かなかな?ネタはキツイナ…
パロも程々に…ね
184名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 21:16:21 ID:CnpDEmtn
>>181
男複数になると一歩間違ったらNTRになるからそれは仕方ないんじゃね?
185名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 21:28:40 ID:lZJk2AJw
NTRは苦手ずら
186名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 21:57:26 ID://R6BrN/
1.色んな女の子に愛されたい
2.大きすぎて歪んでしまうほどの愛情がいい
3.女の子には自分だけを見て欲しい
4.でも自分は一人に決めたくない

修羅場スキーってこんな感じだから、ヒロインが
主人公以外の男性キャラとイイ雰囲気になるのには拒否感覚えるんだろうな
187名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:03:20 ID:Xu0HSm8+
ワラタ
なんて自分勝手なんだw
188名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:05:40 ID:3B39R+kW
なんてワガママで自分勝手な奴らなんだおまえらは
俺なんか楓椿梓白流ヒトスジだぜ?
189名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:07:52 ID:hmbSL4Gb
そりゃあ、主人公に自己を投影して読むタイプの読者だ。
190名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:09:51 ID:CnpDEmtn
>4.でも自分は一人に決めたくない

まさにこれだ
一人には決めれないってのも正しいかもw
191名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:19:23 ID:TzjegYM/
俺は一人選んだら他の男といい感じになっても平気だけど?
まぁそれ以上に修羅場が好きだがな、少し自己中なのかな…
軽く凹んできたがそれでも俺は修羅場が大好きだ! 
つーわけで投下してくれてる神々にはとても感謝しきれない
192名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:19:33 ID:GvLcWfYB
2を除けばただのエロゲ。1.3.4なんて飾りですよ
193名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:19:52 ID:6KBs8LRw
自分の浮気は大目に見て欲しいと考えるけど、妻の浮気は許せない
処女じゃなければ駄目だけど、自分は色んな女とセックスしたい

こういうのに似てるなw
194名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:20:18 ID:TzjegYM/
日本語おかしい、
とても感謝しきれない→とても感謝してもしきれない ごめん…
195名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:35:49 ID:CLooTQqz
>186 なんということだ自分の好みぴったしじゃないか。
これが真の修羅場というものか。
196 ◆U9DQeTtJII :2006/11/28(火) 22:36:48 ID:mtBc+dTx
投下します。
197switch / telepathic communication  ◆U9DQeTtJII :2006/11/28(火) 22:37:17 ID:mtBc+dTx




「……でここの文章は……」

教壇に立つ国語教師がスラスラと手馴れた手つきで単語を黒板に羅列していく。
古文、漢文はともかく現代文のような授業は個人的に文学的なセンスで成績が決まってるようなきがしてならない。
ただの授業の場合はいい。それなりに、先生が勝手に解説付きで説明を入れてくれるし、
それを要点をある程度メモしてテスト前に復習でもすれば、赤点を取るようなことは滅多にない。
けど、これが全国模試のようになると勝手が違ってくる。はっきり言って、著者の言いたいことを読み取り、
テスト用紙から与えられた問題を解くなど答えが理詰めでわかる理数科目ならともかく、
人によって答えが多種多様に分かれる文学ではおかしな話だと思う。

こんな、どうでもいい話しを考えられるのも俺が今感情のスイッチを入れっぱなしにしている賜物である。
いつもは、こんなどうでもいい雑念を頭に入れ込んだりはしない。
スイッチをオフにしてると、どうでもいい思考は必然的に削除される。
例えるなら、パソコンのハードのようなもの。余分なものを取捨選択しそれを思うがままに捨てられる。
本当に機械のように合理化・システム化されてしまう。



よって、考え事とかをするのにそういう状態は好ましくないと思い、
感情のスイッチを一時的に入れたままにしてるわけだ。
どうせ、もうすぐ夏休みでテストも終わってしまったし、この授業は範囲に出るわけでもない。
上の空で聞いてても特に問題もないだろう。
その考えごとの内容なのだが今日の放課後をどうしようかという算段をつけているところだ。
なんていうか、昨日は結構流れに任せたというか勢いに乗ったというか……
簡単にいうと気軽に遊びに来れば言いなんていっときながら本当に来たらどうすればいいんだろうか?
などとそんな漠然と不安になってる次第である。
口下手な俺でもうまく相手と打ち解けれる方法とか……ってあるわけないか。


198switch / telepathic communication  ◆U9DQeTtJII :2006/11/28(火) 22:39:11 ID:mtBc+dTx



そんなこんなで何の考えもしないままいつものように河川敷のところで
いつものように時間をつぶしていると前に会ったときと同じくらいの時間に雪乃さんはやってきた。
普段通りに振舞ってみたつもりで、まあ会話も相手の話しはそれなりに受け答えしたつもりだ。
聞けば雪乃さんはつい一週間前ほどにこの町に引っ越してきたらしく、
夏休み明けから隣町の随分と有名な女子高である桜花学園に通う予定らしい。
亮介情報によるとあそこは花も恥らう淑女のような女性を教育する場だとかなんだとか……
まあ、詳しく聞いたわけでもないので俺もよく知らないけど、なんとなく彼女のイメージに合ってる気がする


改めて雪乃さんを見ると彼女は本当に綺麗な女性だと思う。
腰まで伸びたさわり心地がよさそうな(無論さわってなどないが)黒髪に、
少女のようなおどけなさの中にも、少しだけ大人が出しそうな魅力を合間に見せていて、
心なしか自分よりも少し年上にも見えた。


「空也さん……?」
「へ……ってわっ!?」

呼ばれて気づいたんだが彼女が俺の目の前まで顔を近づけていた。
いきなりのことに慌てて半歩ほど後ろに飛びのいてしまう。

「な、何だよ。ビックリするじゃないか!?」
「そんなこと言われても、さっきから空也さんずっと上の空なんですもん。
声を掛けても何も返事してくれませんし……」
「そうだったの? ……ごめん」
「もしかして、私に見惚れてました?」
「は? な、なんでそんなこと聞くわけさ!?」
「だって、今まで私のほうずっと見てましたもん」
「な、な、な!!」

それは、本当なのか!? 俺は彼女のことをずっと見つめていたってわけか!?
それじゃー、雪乃さんも声かけてくるわけだ。正直言って穴があったら入りたい。
向こうは顔を真っ赤にさせてたまま下を向いている。一瞬、向こうも同じように赤面してるかと思ったが違った。
笑いを必死にこらえてるのか口から小さなうめき声のような聞こえる。
それが面白くないのか俺は少し、ムッとしてしまった。

199switch / telepathic communication  ◆U9DQeTtJII :2006/11/28(火) 22:40:27 ID:mtBc+dTx
「何だよ、別に笑うことないじゃんか」

拗ねた子供のようにそっぽを向いて言う俺。

「ぷっ……うくく……あははははははははは。だって、空也さんすごく面白いんですもん。
 冗談で言ったのに間に受けて顔を赤くして……すっごく、空也さん可愛いです。あはははは」
「冗談ってどこがさ?」
「『私のほう見てた』ってとこからですよ」
「ってことは俺、別に君のことを見てたわけじゃなかったわけだ」
「はい……でも……」
「でも、何さ?」
「赤くなったってことは図星だったってことですよね?」

意地悪な笑みを浮かべながら彼女に言われ俺は本当に穴に入りたくなった。
さっきまで、雪乃さんのことを大人っぽいとか思ってたけど前言撤回したい。
よく言えば天真爛漫、悪く言えば子悪魔な人だ。小悪魔の耳や尻尾とかつければさぞかし似合いそうだ。
思わず、そんな皮肉が浮かんでしまう。
彼女はなんだか俺が今まで会ってきた人とは違うタイプの人のような気がする。
伶奈のように落ち着いた穏やかな雰囲気でもなく亮介のように無駄に元気でもなく、
飾らず気取らずありのままの自然体、思いっきり笑ったり、泣いたり、怒ったり、と感情が豊かな人だと思う。
それは、いつの間にか他の人にも移ってしまい知らずに周りを引き付けるような人に思えた。
俺とはどこまでも正反対で対照的。それに、俺はわずかばかりの羨ましさと嫉妬心を感じてしまった。

200 ◆U9DQeTtJII :2006/11/28(火) 22:41:13 ID:mtBc+dTx
最近、リアル方面が忙しく久々に書いたらこんなクオリティに……(´・ω・`)
ようやく、次から修羅場に入り、このスレらしい作品になると思います。
次はもっといいのを書けるようなりたいなあ。
201名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:56:43 ID:PNK6YDG5
久しぶりの作品の投稿で内容を確認しようと保管庫で読み返す。
これもなかなか至福の時だな
202名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 23:38:05 ID:h0SdYbWM
最近住人の反応がシビアすぎる気がする
ツイスターは確かに破格の面白さだろう
おいらも大好きだし毎回wktkし楽しみにしてる

だが他の作品に対してまるで空気のような反応はいかがなものかと・・・
203名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 23:44:01 ID:q8yiuqYF
読んでない作品に対してレスしろといわれても
204名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 23:55:10 ID:zZkMis3p
おれは全ての作品が好きだがレスすると容量くうから書かないだけ

てかおれの大好きな碧さんマダー?
205名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:19:52 ID:1lYG7vex
感想の強要は荒れる元
206名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:21:30 ID:PnhhIXED
感想レスは寧ろ歓迎されるべきなんではなかろうか。
作者さんからすれば感想があるほうがよいと思うし。
むしろ「○○まだ?」とか「××は俺のもの」とかいうレスのほうがよっぽど無駄な気がする。
ただまぁ、投下頻度が高い作品のほうがレスが付きやすくなるのはあるい仕方ないのかなー

と、少し前からここに来た俺が言うのもなんなので
これから読むべくフェードアウト
207名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:22:14 ID:yaIXEx/a
お願い私だけを見て!
208名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:28:01 ID:K4OGD5e4
>>207
そんなの無理だよ・・・・
だって魅力的な作品がたくさんあるからね
209名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 01:26:43 ID:jUS0zJIl
1 名前:ヱルトニウムφ ★[] 投稿日:2006/11/28(火) 21:58:22 ID:???0
 今日発売のフラッシュに小桜セレナが男をめぐりすったもんだの末、傷害事件で逮捕されたと報道された。

 小桜セレナとは昨年春にCSで放送された通販番組に出た際、ネットを中心にブレイクした人物。
http://f.hatena.ne.jp/images/fotolife/k/kuma6663/20050626/20050626162506.jpg

 暴行を受けた女性によると事件は18日の早朝、小桜セレナが交際していた男性宅を訪れたときだった。
彼が買い物に出かけると小桜セレナが窓を突き破ってきたという。そして泥酔した様子の小桜セレナは
女性の髪をつかみ、蹴り上げたというのだ。女性は全治一週間の怪我を負ったという。

 女性によるとこの男性とは単なる友人で以前から小桜セレナについて相談を受けていたという。
小桜セレナはどうもストーカー気質があるらしく、男性のあらゆる交友関係を断ち切ろうとしてたらしい。
そして今回相談に乗った女性にこのような被害が及んだようだ。

文:ヱルトニウム




窓を突き破る執念w

すさまじいパワーだ。
210名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 01:31:47 ID:jHHPtdMp
正直、どうでもいい
211名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 01:41:08 ID:v/eCeI2B
なんてけしからんおっぱいだ
212名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 01:43:24 ID:5IhpMGBi
けしからんというか正直気持ち悪い大きさだな
213螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/29(水) 02:24:02 ID:iYoB2gvt

〉今までの望月。つまり京之助に優しい笑顔を振り撒き、まるで孫に語りかけるかのような柔らかくなだめるような口を聞く。しかし
それは全て京之助を望月派に引きずりこむための演技であり、実はそのこうこうやの仮面の下ではクモのように糸を張り巡らせていた
のである。
〉京之助自身、もう既に憤怒や自責、驚愕だとかその他諸々の激情に身を焼かれる段階は過ぎ去っていた。むしろさすが先の派閥を勝
ち抜いただけの事はある、とその見事すぎる望月の手椀に感服さえしていた。それほど望月の手筈は稀代の先見性を持ち、卓越した頭
脳と自分の権力を最大限にいかした策略は完璧だった。
〉そして、これらの事情を全て知る銀次郎が領内に帰ってこれたのは、望月がすでにその策略を京之助に挽回不可能だと判断したため
だろう。つまる所、京之助に逃げ場はないのである。
〉京之助は腕を組んで、唸った。頭の底にへばりついた知識と理性を総動員して、この状況を逆転出来うる起死回生の一打を探す。が
、降って沸いたような銀次郎の話に瞬時にうまい手など浮かび上がるはずもなく、頭の中は雪が降り積もったかのように真っ白に塗り
潰され、ずっしりと重かった。それはジワジワと焦りに変わり、その焦りから今の状況が京之助の中でどんどん深刻さをましていくよ
うな気がしてで、胸の底が塞いだように苦しかった。
〉「しかし、な。案外何も起きぬやも知れぬぞ」
〉銀次郎がなだめるように落ち着いた声で言う。
〉「いや、と言うのも、望月も殿もこの佐内の動きを大事にしたくはないのだよ。なんせ今、幕府はああじゃからの」
〉「幕府が?ああ、そうか」
〉京之助は納得して頷いた。
〉幕府は慶長から元和、寛永と次々に時が流れてもしきりに大名をとりつぶしていた。その理由は法度に背いて城を改築しただとか、
後継ぎがいなかったなど様々であるが、領内の不和を咎められた結果と言うのも少なくなかった。
214螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/29(水) 02:27:59 ID:iYoB2gvt
〉元和四年、越後村上九万石の村上周防守義明、伯耆黒坂五万石の関長長門守一政が改易されたのも、領内での家臣騒動が表沙汰にな
った結果だった。そして元和七万、出羽十二郡のうち秋田を除く五十七万石をゆうした最上源五郎義俊が潰されたのも、同じ理由であ
る。
〉数ある話の中でも、元和五年にとりつぶされた安芸広島五十万石をゆうした福島正則の減封は幕府の意図がかいま見れた。つまる所
、幕府は大名をとりつぶしたいのである。
〉そんな幕府に派閥争いが大袈裟に伝われば、改易の浮き目に合うのは必至であり、銀次郎の言う通り江戸の殿や望月としては事が大
きくなるのを避けたいに違いない。
〉領内にも改易された他藩の牢人が流れつき、藩の新規登用の折り込みの際には大挙して押し寄せてきた。そんな連中がどんな生活を
送っているかは、その貧相な体とあかだらけの着物を見れば一目で分かる。
〉それら牢人は主家をとりつぶした幕府を恨み、中でも遠く江戸で由井正雪、丸橋忠弥らが幕府転覆を画策したが、途中で計画が漏れ
てしまい捕えられ処刑された事件もあった。
〉「分かるじゃろ?だから全ては日の目を見ずに闇のウチで終わるやも知れぬのだ。それ仮に佐内がよからぬ動きを見せるにしても、
まだ時期ではない。望月を崩せるほどの力が佐内にはまだないからな」
〉銀次郎は台本を読む役者の如く、一度も噛まずにしゃべり、ようやくふぅと一息つくと、京之助に満面の笑顔を向け笑った。
〉「いや、いや、すまぬな。せっかくの酒にこのような辛気臭い話をしてしまって。この話は推測も交じっておるため確証のある話で
はないから安心してくれ。それより、さぁさぁ、話は終りだ、飲もう」
〉銀次郎は一人勝手に話を締め括ると再び酒をぐいぐい飲み始めた。それから一番外に近い席に座る半十郎の焼き鳥を奪い取り、豪快
に肉を咀嚼しだした。焼き鳥を奪われた半十郎は困ったように眉をひそめ、恨めしそうな溜め息をもらす。
〉完全に話の蚊帳の外にいたので半十郎の存在をすっかり忘れていたが、今日は三人で飲みに来ていたのである。
215螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/29(水) 02:35:56 ID:iYoB2gvt
〉半十郎は銀次郎と京之助が話をしている時も、一人酒を飲み、その量はかなり多いはずなのだが、まるっきり酔った様子を見せてい
ない。相変わらずの真っ青な顔をしているわけだが、その青い顔に京之助はふと思う。
〉「ところで、半十郎は派閥争いでどちらかの派閥につくのか?」
〉半十郎はギョッと体を固くさせ京之助に顔を向ける。先程まで銀次郎に向けていた恨めしそうな顔とは違う、どこか脅えたような顔
だった。半十郎はその青い顔を何度も横に振り、否定の意を表明する。
〉「まぁ、そうだよな」
〉京之助は当たり前の事を聞いたような気がして、何だか馬鹿らしくなった。
〉半十郎は弱虫で臆病である。自分に火の粉の降りかかる恐れのある話に首を突っ込まないその判断は、半十郎に最も適した判断と言
える。
〉酔っている、と京之助は思った。半十郎の風見鳥的思考はよく理解しているし、そこから半十郎の行動も十分に予想出来た。しかし
、なぜか今回だけは半十郎の行動が無性に気になり、聞かずにはいられなかった。それは酔いからくる高揚感と、胸が騒ぐような不安
感に違いなかった。
〉京之助は自分の前に置かれた徳利に手を伸ばした。今日は酔いに身を任せようと思った。難しい話は明日考えればいい、とせっかく
の酒にまかせてうやむやにしたかった。
〉机の上に置かれた徳利。しかし手に掴んだそれは陶器の重さ以外に何も感じられなく、降ってみてもなに一つ音を立てない。
〉せっかくの気分が台無しにされたようで、京之助は舌うちをする。
〉「婆さん。酒を追加してくれ」
〉京之助が店の奥に声をかけた。が、店の奥は静まりかえっている。
〉「おーい、婆さん」
〉いつまでも出てこない老婆に、京之助は前より少し大きな声を出す。しかし、それでも返事はもちろん物音さえ聞こえてこなかった

〉「何だよ、寝てんのか」
〉京之助はぶつぶつ文句を言いつつ店の奥を覗き込むために、席を立とうとした瞬間、店の奥とは反対方向の店の戸か、ガタガタ震え
ながら開いた。
216螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/29(水) 02:44:36 ID:iYoB2gvt
〉京之助、銀次郎、半十郎の視線がその戸の先に立つ人物に向く。
〉戸の先に立っていたのは店の奥にいるはずの老婆だった。老婆は肩でふぅふぅ息をしながら、両手に紙袋を抱えこんでいた。その先
からごぼうの先や、大根の葉が垂れ下がっているのが見える。どうも老婆は店をほっぽり出して買い出しに行っていたらしい。
〉老婆は型で息をしていた。紙袋を抱える細い腕はプルプル震え、皺くちゃな顔からは滝のような汗がぽたぽた滴り落ちている。足元
も酒に酔ったかのような千鳥足で危なっかしくて見ていられない。
〉京之助はやれやれと、老婆の荷物を持とうと立ち上がろうとした時、京之助より一足早く半十郎が立ち上がった。
〉半十郎はスタスタと老婆に近寄ると、何も言わずに老婆の持つ紙袋を取りあげた。老婆は驚いたように半十郎の顔を見上げたが、や
がて目を細めて、ありがとうと言った。
〉半十郎が酒でも赤くならなかった頬を朱に染めて、恥ずかしそうに笑うのが印象的だった。



〉「時に京よ。そなたややは出来たのか?」
〉酒も大分入り軽くなった空気に乗せて、昔話や今の職場での話をした後、ついに話題がなくなったところで、銀次郎が何の脈拍もな
くきりだした。
〉京之助は飲みかけていた酒を吹き出した。銀次郎はその様子を大きな声を立てて笑う。
〉「なんだ、まだ出来んのか。京と素女が祝言をあげて四年、いや五年だっけか? まぁ、いいや。ひとまず未だ出来んとなると、そ
ろそろしかるべき対応を取らねばならぬだろう」
〉京之助は顔をしかめつつ、背筋を伸ばす。
〉女の最大の仕事は子を産むことである。だから子を産めない女は失格の烙印を押され、無理矢理実家に戻される場合がたたあった。
〉「しかしな銀次郎。離縁も何も素女には実家がない。離縁すれば素女は路頭に迷う事になる。幼馴染みでもある素女のそんな姿を見
るのは忍びないし、俺に娘を託して死んでいった義父に申し訳が立たない。それに、ややが出来んのは素女の責任ではないんだ」
217螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/29(水) 02:52:08 ID:iYoB2gvt
〉言葉を発しながら、京之助はしまったと顔を歪めた。酒に酔いが回り、いつになく饒舌で一言余計だった。聞き逃していてくれれば
、と思ったが、しかし銀次郎はその泣き所をめざとくついてくる。
〉「責任がない? どういう事だ」
〉京之助は心の底でしたうちをする。
〉「何だよ。そんなにマズイ事なのか?十年来の付き合いだろ? 話せよ」
〉銀次郎はニタニタ笑いながら言う。その悪意に満ちた笑みを見せつけられ京之助は観念し溜め息をついた。
〉「素女を、女として見れんのだ」
〉「はぁ?」
〉「素女とは幼馴染みだったから、どうしてもその時の感覚を捨てきれず、女としてより妹のような存在として思えてしまうのじゃ。
まぁだから、その」
〉何だか恥ずかしくなり、京之助は言葉を濁した。
〉「抱けんのか?」
〉そんな京之助の敏感な感情を分かるはずもなく、銀次郎は直接的かつ強引に核心をついてくる。
〉「ま、まぁつまる所、その通りだ。もちろん素女は大切な存在だとは思うが、しかしそれが妻としてましてや一人の女としてか、と
問われれば疑問符がつく」
〉そう言いつつ京之助は家にいるはずの素女に思いをはせた。
〉素女は決して見映えが悪いわけではないのだが、美人とはほど遠い。しかし、家事や炊事、洗濯を文句を言わずにこなしてくれてい
る良妻である。気立てもよくかつ贅沢品に固執することもない最高の妻である。
〉しかし彼女は京之助にとって妻ではあったが女ではなかった。物心つくより以前からの付き合いでは、京之助に恋を感じさせるには
近すぎたのだ。
〉京之助は溜め息を一つ、視線を宙に泳がせた。どうも素女の事を考えると心にモヤがかかったような気持ちになる。それは決してこ
こちよい気分ではなかった。
〉「そうか、それは困ったの。いや、困った困った」
〉絶対に困っていない銀次郎は楽しそうで、声が妙にうわずっている。
〉「しかし安心しろ。俺にいい考えがある」
〉銀次郎はニヤリと悪戯をした子供のように笑った。何やら嫌な予感がする。このような顔をした際に思いつく考えとやらが役にたっ
たためしはない。どうせしょうもない事を言うのだろう。
218螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/29(水) 03:16:08 ID:iYoB2gvt
〉「違う女を抱いてみてはどうだ」
〉たいして期待はしていなかったが、やっぱり、とばかりに京之助は肩をすくめて今日何度目かわからぬ溜め息をついた。
〉「銀次郎よ、浮気を薦めてどうするのだ」
〉「馬鹿だな、京は。浮気などではなく女体を提供する店があるだろう」
〉「店?まさか、遊郭か?」
〉銀次郎は鼻の下を伸ばして下品に笑う。その笑いが肯定の意を唱えていた。
〉「遊郭なら確かに浮気にはならぬかも知れんが、それでも無理だな」
〉素女は京之助に女の影がつきまとうのを極端に嫌っている。 それが異様なまでの鎖となり、京之助の生活を制限しているのである
。最近急激に、その鎖は緩くなりだしたものの、その急な変化が逆に怖くあまり素女を刺激したくなかった。
〉「妻への気づかいか?それは俺が口裏を合わせてやるから大丈夫だ。それに」
〉銀次郎は肩に手を回し、自分の方に引き寄せ、酒臭い口を細かく動かす。
〉「金は俺がだす。どうだ?こんなにうまい話は他にないぞ」
〉「し、しかし」
〉確かに銀次郎の話通り、うまい話ではある。が、やはりのこのこと遊郭に行くのも素女に悪い気がしてすんなりと首を縦にふること
が出来ない。
〉「なぁにそんなに妻が大事なら、女を抱かなければいいだけだろう。ただ着いてくるだけでいい。遊郭に入り、その先で京が何をし
たかは絶対に分からぬし、俺はその先に踏み込まない。そなたもしばらく女を抱いていないのだろう?」
〉煮えきらない態度の京之助に、銀次郎は色の魅力をちらつかせながら言う。
〉京之助はゴクンと喉を鳴らして、唾を飲み込んだ。色の魅力は心の天秤をゆっくりと傾かせ始めた。
219 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/29(水) 03:20:59 ID:iYoB2gvt
一ヶ月ぶりの投下。
次は明日に投下できると思われ。
ただ嫉妬はもう少し
220名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 03:28:20 ID:a52f4eLL
外堀がだんだんと埋って行って修羅場に近づいていってるな。しかしこの作品はスレで読むと読みにくいんだが
保管庫で一気に読むと面白くていつのまにか好きになってしまうから不思議だ。
>>199
保管庫で読み返して、伶奈の高い嫉妬力を見て激しく次回の修羅場に期待
>>179
泥棒猫と第1次遭遇ktkr!そしてついに家の最高権力者の登場と暴走……果たしてどんな奴なのか
>「ストーカー?」
>「それは次回作の構想ネタです」
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
221 ◆gPbPvQ478E :2006/11/29(水) 03:33:42 ID:WmSHLPtL
投下します
222名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 03:34:00 ID:Dfmljwle
待ってましたw俺は素女派ですか゛もう一人の動向も気になるのでwktkして待ってます。
作者さんGJ
223 ◆gPbPvQ478E :2006/11/29(水) 03:34:30 ID:WmSHLPtL
 
 
 
 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
 
 
 夕餉も終わり、自室でのんびり過ごす時間。
 高校の宿題に今ひとつ集中できないので、畳の上に寝転がり、天井を見上げて思索に耽る。
 
 
 茅女は卜部の一族に復讐心を抱いているが。
 ――それは、何故なのか。
 
 寿命という概念の薄い妖怪とはいえ、4世紀も復讐心を抱き続けるなんて並じゃない。
 途中で暴発することもなく、ただ淡々と、己の怪異を磨き続けてきた茅女。
 その原動力が何なのか、気にならないと言えば嘘になる。
 
 一応、瞳術のおかげで、今の茅女は無力化されている。
 しかし、それは相性と不意打ちに依るところが大きく、次も通用するとは限らない。
 現在、茅女はこちらに好意的な反応を示しているが、それが続く保証など何処にもない。
 故に、大人しいうちに復讐心の出所を確かめ、それを何とかしなければならないのだが――
 
「だからって、“お前は何をそんなに恨んでるんだ?”なんて聞けねーっての」
 
 ただ調伏されただけとも思えない。
 茅女と過去の卜部家とは、絶対に何かあったはずだ。
 400年も恨み続けて、その一族を根絶やしにしたいと思うほどの何か。
 それを真っ正面から訊ねられるほどの胆力なんて、持ってない。
 
 
 でも。
 ひとつだけ、確信できることがある。
 
 
 茅女は、悪い奴じゃない。
 
 
 害意を掻き消された状態の茅女は、付喪神としては理想的とも言えるくらい、
 純粋で、人間と共に在ることのできる妖怪だ。
 桁外れな復讐心を考慮に入れなければ、何処かの小さな社で御神体として祀られてもおかしくない。
 
 そんな茅女が、もうしばらくしたら、害意を取り戻し、復讐に走る悪鬼となるかもしれない。
 ――そんなのは、嫌だ。
 
 
「……やっぱ、覚悟を決めるしかないのかなあ」


224九十九の想い ◆gPbPvQ478E :2006/11/29(水) 03:35:28 ID:WmSHLPtL

 いつまでも先延ばしにするわけにはいかない。
 こんな重要な問題、本当なら百戦錬磨の父親が担当すべきだと思うが、
 茅女が最も懐いてるのが俺なのだから、ここはもう腹を括るしかない。
 
 とりあえず、茅女と真面目な話をしよう。
 
 そう思い、茅女の所に向かおうと起き上がったところで。
「失礼します」と、障子の向こうから声が届いた。
 
「……流?」
 
 宿題中の俺に差し入れでも持ってきてくれたのだろうか。
 しかし残念ながら、明日までの数学の課題は、一問たりとて解いていない。
 根が真面目な流のことだ。ひょっとしたら、二三小言を頂くかもしれない。
 ま、それは仕方ないか、と思ったが――
 
 
 入ってきた流の手には、何も持たれていなかった。
 
 
 あれ、と首を傾げてしまう。
 夜も更けたこんな時間に流が俺の部屋に来るときは、
 まず間違いなく、差し入れを持ってくるのが常である。
 しかし、流の手に盆はなく、変わりにどこか思い詰めたような表情で。
 流は、こちらに、歩み寄る。
 
 
 心臓が一鼓動。
 
 些細な違和感。
 
 しかし、それが何なのかわからぬまま。
 
 いつの間にか、俺は流の間合いの中にいた。
 
 
 
 
 
「……流?」
 
 それは何故か訊ねるように。
 足を伸ばした無防備な姿勢で、流を見上げて声をかけた。


225九十九の想い ◆gPbPvQ478E :2006/11/29(水) 03:36:11 ID:WmSHLPtL

「郁夫様」
 
 聞き慣れた流の声。
 込められている親愛の情も、乗せられた暖かみも、いつも通り。
 鋭さとしなやかさを兼ね揃え、人肌の暖かみもある、そんな声。
 少しだけ硬くなっているが、それは表情に釣られてのものだろうか。
 
「夜分遅くに申し訳ありません。ひとつ、伺いたいことがありまして」
「……ん。相談事か。別に構わないけど」
 
 そう言って、とりあえずもてなそうと立ち上がり、
 座布団を敷こうと、一瞬、探すために部屋の奥に視線を向け、
 
 
 流から、目を、逸らした。
 
 
 瞬間。
 
 
 腕を取られ、振り向こうとしたときは既に遅く。
 その場に押し倒され、顔を布のようなもので覆われた。
 
 
「な、流!?」
「申し訳ありません郁夫様。決して傷つけるつもりはありませんので、ご安心を」
 淡々としたその口調は、流のものとは思えなかった。
 
 ――って、んなこと言われたって安心できるか!
 あまりに突然のことすぎて、まともに思考が働かない。
 そんな俺の混乱に乗じるように、流は手際よくこちらの動きを封じていく。
 見えないので断言はできないが、おそらく帯か何かでこちらの手足を縛っている。
 しかも、関節を外しても抜けられない角度だ。その念の入れように、背筋が冷たくなる。
 
 狙いはわからない。
 しかし、流は確実に。
 俺を、拘束しようとしていた。
 
 元々の技量差に加え、完全な不意打ちである。
 こちらの抵抗などものともせず、僅か十数秒で、俺は完全に無力化されていた。
 
 
 そして。
 混乱も冷めぬまま、とにかく声を出そうとしたが。
 
 とん、と後頭部に衝撃が走り。
 意識はそのまま、闇の中へ。


226九十九の想い ◆gPbPvQ478E :2006/11/29(水) 03:37:05 ID:WmSHLPtL
 
 
 
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
 
 
 夜もとっぷりと更けてきた頃。
 鈍色の長髪が、気分よさげにひょこひょこと揺れていた。
 
 ――さて、郁夫は今頃、明日の準備も終えて寝るところかの。
 
 廊下をひたひたと歩きながら。
 茅女は向かう先にいるはずの少年へ、思いを馳せていた。
 
 最近は、寝る前に郁夫をからかうのが、茅女の日課になっていた。
 
 付喪神研修生としての日々にも慣れ、屋敷の他の存在とも、それなりに打ち解けてきた。
 が、やはり茅女にとって一番大きな存在は、郁夫だった。
 
 瞳術の縛りは、実のところほとんど抜けきっている。
 その気になれば、好き勝手動くことも容易だろう。
 それこそ、今すぐに復讐に走るのだって不可能じゃない。
 
 しかし。
 
 何故か茅女はその気になれず。
 今日も今日とて、郁夫の部屋に向かっていた。
 
 
 郁夫に見つめられたあの瞬間。
 きっと、復讐に駆られた包丁の付喪神は、殺されたのだ。
 残ったのは、人と共に在りたいと思っていた、無垢な日用品の心だけ。
 無駄に歳ばかり食っているせいで、なかなか素直になれないが、
 道具故の心――誰かのためになりたい、という気持ちが、茅女の中で強く灯っていた。
 
 郁夫に使われたい。
 郁夫のそばにいたい。
 郁夫に頼られたい。
 郁夫の助けになりたい。
 
 ドロドロに濃縮された、妖怪としての復讐心より。
 遙か昔に持っていた、道具としての素直な気持ちが、今の茅女の原動力だ。
 
 
 ――真に、郁夫の瞳は魔性の瞳よの。


227九十九の想い ◆gPbPvQ478E :2006/11/29(水) 03:38:33 ID:WmSHLPtL

 己の心変わりに呆れながら、茅女は深夜の廊下を歩く。
 抜き足、差し足、忍び足。
 完全に気配を消しながら、茅女は郁夫の部屋へと向かっていた。
 
(今宵はどうからかってやろうかのう。
 妾としては一線を越えたいところだが、郁夫は意気地がないのが悲しいところよ。
 睨む力の万分の一でも彼奴に度胸があれば、今頃は毎晩……)
 
 茅女の読みでは、郁夫は彼女の悪戯をそれほど嫌悪はしていない。
 むしろ、青少年特有の気恥ずかしさで、つい避けてしまっているのが実情だろう。
 少女の体躯とはいえ、妖怪に対してもそのような心理を抱ける、
 そんな郁夫のことを、茅女は好ましく思っている。
 故に、知識としてしか知らない性行為を以て、人間と妖怪の一線を越えるのも、
 実はこの上なく楽しみだったりする。
 
 初めては上手くいかないとまことしやかに囁かれているが、それは人間に限った話である。
 五百年以上も生きた大妖の己なら、破瓜の痛みなんて恐れるに足らず。
 しかも今晩は、橘音より得た貴重な情報により、強力装備でコトに当たる所存である。
 ひょっとしたら、ひょっとするかもしれない。
 
 とか何とか考えながら、気付けば、郁夫の部屋の前に辿り着いていた。
 
 ――む?
 
 いざ部屋に突貫しようとしたところで。
 茅女は、違和感に首を傾げた。
 
 
 ――気配が皆無よの。用足しにでも出向いておるのか?
 
 
 部屋の中に、郁夫の気配は感じられなかった。
 まあ、留守なら留守で仕方ない。すぐに戻ってくるだろう、と。
 特に深く考えずに、待ち伏せするため部屋に忍び込もうと障子を開ける。
 
 
「…………ふむ」
 
 
 暗闇に包まれた郁夫の部屋。
 特におかしな様子は見られない。
 誰が見ても、少し部屋を留守にしている、と捉えるだろう。


228九十九の想い ◆gPbPvQ478E :2006/11/29(水) 03:39:15 ID:WmSHLPtL

 しかし。
「……匂うな」
 鼻をすんすんさせて、茅女は訝しげに眉をひそめた。
 
 誰が見ても、何の異常もない、郁夫の部屋。
 しかし、茅女はずかずかと部屋に入り込み、何度も鼻をひくつかせる。
 
 
「――殺気の残り香とはな。穏やかでないの」
 
 
 言うなり、茅女は全ての感覚を研ぎ澄ませる。
 それは、長くはかからなかった。
 
「……ふん。この青臭い殺気は、あの刀娘か。
 しかし腑に落ちぬわ。彼奴、郁夫を慕っておった筈……」
 
 しばし悩んで首を傾げる茅女だったが、結局答えは出なかった。
 そんなことより今は郁夫だ。
 部屋にこんな殺気が残されて、かつ姿が見えないとなると、最悪の可能性すら思い浮かぶ。
 
「……屋敷の中に気配はないのう。郁夫も刀娘も、かなり離れた所に居るようじゃな」
 
 できるだけ落ち着いた声を出すつもりだったが、
 ……出てきたのは、緊張に掠れた弱々しい声。
 
 ――何を恐れているのか。
 ――余計なことを考える暇があったら、殺気を辿って追うべきじゃろうに。
 
 決心したら後は早く。
 窓を開け放ち、茅女は猟犬の如く、残された気配を辿っていった。
 
 
 
 
 
 辿り着いたのは、屋敷の裏手にある藪の奥。
 遙か昔に使われていたであろう、崩れかけた物置小屋。
 その奥まで、殺気は続いていた。


229九十九の想い ◆gPbPvQ478E :2006/11/29(水) 03:39:57 ID:WmSHLPtL

 じくじくと、嫌な感触が茅女の内側で疼いていた。
 殺されたはずの黒い感情が、何故か今、蠢いている。
 気が満足に巡っていないのか、どことなく歩みがふらついてしまう。
 ――これじゃあ、まるで。
 ――否、そんなはずはない。
 ――郁夫は強い。あれとは、違う。
 
 鉄錆の匂いが漂っている。
 夜霧と共に、鈍色の髪へと張り付いてくる。
 茅女にとっては嗅ぎ慣れていた匂い。
 少し前にも、一度嗅いだ匂い。
 
 嫌な想像が脳裏を掠める。
「…………ッ!」
 それを打ち消すために、引き剥がすようにして物置小屋の扉を開け放つ。
 
 
 そこには。
 
 
「――郁夫ッ!」
 
 
 茅女の口から悲鳴のような叫びが漏れる。
 その視線は、小屋の奥に固定されていた。
 
 
 ペンキ缶をぶちまけたかのように。
 赤黒い液体があちこちにこびりついている。
 その中央。
 まるで失敗作の木像のように。
 いた。
 
 その顔は黒い布で覆われて。
 手足は無造作に投げ出されて。
 右手だけ、あるものをしっかり握り締めていた。
 
 
 まるで、奇妙な立体芸術。
 己の胸に突き立った刀、その柄を、握り締めていた。


230 ◆gPbPvQ478E :2006/11/29(水) 03:42:08 ID:WmSHLPtL
最初、タイトルを付け忘れましたorz

とりあえず、あとはひたすら転がしていくつもりです。
楽しんで頂ければ幸いです。
231名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 03:43:38 ID:bz2GJoUJ
な、なんだってー!!
232名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 04:05:24 ID:8nYZ7QuL
ちょ、ちょ、作者どの!?
斜め上にもほどがある!!
233名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 04:22:54 ID:5Vo0Pmgu
決して傷つけるつもりはありませんので、ご安心を

って言ったのに、言ったのに、言ったのに……
234名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 05:17:35 ID:yOH23DnU
>>230
ゴッドジョヴッ!!
あああぁぁぁぁ俺も、俺も流たんに刺されてぇええよおぉぉぉおおぁぁああああ
235名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 05:58:17 ID:9kW5+F08
>>234
落ち着け!刺されたらそこで終了だぞ?このスレの読者としては「刺されそうになりたい」だ!
そうすればいつまでもその素晴らしさを味わっていられるぞ!
236名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 06:29:11 ID:vkDAcLWA
え?心中?
嘘だと言ってよ!
237名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 06:48:54 ID:F7X7zA2w
推理小説の死体目撃シーンみたいでワロタ
238名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 07:23:53 ID:v/eCeI2B
>>236
バーニー!!!


な、なぜだ流たん!そこは間違いなく犯す場面だろ!
239名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 10:46:00 ID:i3BY3xpS
どうしたんというんだ流ー!
拘束に心中!
お前は死んでもそんなことをする奴じゃなかったじゃないかー!
240名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 10:46:31 ID:5QFbqYWE
ポルナレフを呼べ!
241名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 10:58:05 ID:uGF8pJ4p
ブラマリ3が読みたい
242名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 11:09:28 ID:v/eCeI2B
鬼ごっこ読みなおしたんだけどさ
なんか嫉妬とか言ってる場合じゃなくね?
主人公の家族設定すべて洗脳じゃないか!
243名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 11:25:40 ID:Dfmljwle
流タンに犯されてらぶらぶ監禁生活にはいるのかと思いきやこの展開。
先が読めん、そして続きが超気になる
244名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 13:01:32 ID:+ms3g3b+
九十九はやるな

真摯な態度で読者を楽しませようとしてる感じだ
245名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 13:13:34 ID:ky3+hQBj
( ゚д゚)ポカーンこれは凄い(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
246名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 16:12:07 ID:vWKh3g20
>――これじゃあ、まるで。
>――否、そんなはずはない。
>――郁夫は強い。あれとは、違う。
もしかして次回あたりで『あれ』について語られるのだろうか・・・
wktk


TODのサイトを見に行ったら主人公の妹が
『お兄ちゃんって、ほんと、私がいないと何もできないんだから』
とか言ってて吹いた
名シーンの『五体不満足と妹』を思い出した
247名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 17:07:03 ID:zPSTpKSq
>>246
そのサイトkwsk!
248名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 17:36:38 ID:R5aTsTuL
◆gPbPvQ478EさんGJ!!
誰か殺しにいったと思ったのに郁夫に刺さってるとは思わなかったw

>>247
テイルズオブデスティニーっていうゲームのサイトだと思われる
ちなみに妹の名前はリリス
249 ◆zIIME6i97I :2006/11/29(水) 22:04:41 ID:bpIBiJ7X
ツイスター、投下します
250ツイスター:2006/11/29(水) 22:05:19 ID:bpIBiJ7X
服が乾いたころには、すでに夜が近くなっていた。
服も着替え終わって、家政婦の入れてくれたコーヒーを山鹿の部屋で啜っていた一子はつい尋ねてしまった。

「どうして、こんなによくしてくれるんですか」

それは、今夜一晩泊めて欲しいという一子の要望を、山鹿があっさりと飲んだからだった。
山鹿の家には、両親はいなかった。一週間ほど旅行に出ているのだという。
今、この家にいるのは山鹿と一子、そして年嵩の家政婦だけだった。実質、二人きりだといえた。
そういう家に、年頃の娘を無断で外泊させるということが、たとえば単なる友人を泊めるというのとはわけが違うということぐらい、一子にも分かった。
しかも、一子は親友の妹でもあるのだ。それが発覚したとき、友情にひびを入れかねないのではないかと一子は心配した。
山鹿のそうした献身の裏に、何かの下心でもあるのではないかと一子が疑ってしまうのも無理からぬことだった。
山鹿は変人だが、れっきとした男でもあった。
だが、尋ねてしまった後で後悔する。
もちろん、それが相手の純粋な好意だった場合に非礼にあたるだろうというのもある。
だが、一子を不安にさせたのは、もし山鹿に「君のことが好きだから」などと答えられてしまった場合だ。
あるいは、それがきっかけで迫られたりしたら。そんな時、自分はどうしたらよいのか、どうしたいのか。
胸がどきどきしてきた。恐れのためなのか、期待のためなのか分からない。
ただ一子はその一方で、そんなことにはならないだろうという現実的な予想もしていた。

「まあ、簸川は親友だからな。その妹の一子ちゃんの手助けはしたい」

予想通りの答えに、一子は半ば安心し、半ば落胆した。
その落胆の気持ちが、もう少しだけ一子を食い下がらせた。

「それだけですか?」

「それに一子ちゃんには借りがある」

「次子を作ったってことですか?」

「もちろんそれもある。だがそれだけじゃない」

山鹿の答えに一子は首をかしげた。心当たりがなかったからだ。

「昔知り合ったばかりの頃、俺たちは3人で遊んでいたろう?けれどあるときから、一子ちゃんをのけ者にしてしまった。あれは俺のせいだ。
俺はあれが原因で一子ちゃんと簸川の間がギクシャクし始めたんだと思っている。本格的におかしくなったのは簸川が高校に入ったぐらいのことだったけどな」

幼少の頃を思い出す。

「そんなこと。別に山鹿さんのせいじゃ」

「いや、きっかけは俺なんだ」
251ツイスター:2006/11/29(水) 22:06:20 ID:bpIBiJ7X
山鹿は昔話を始めた。
あの頃、3人はよく火遊びをしていた。しかも、花火を分解してとりだした火薬や、理科室から盗んだマグネシウムなどを使った危険なものだった。
そんなときはいつも、一子は泣きそうな顔で二人を止めようとしていた。その遊び自体も、大人に叱られることも怖かったからだ。
太郎はそんな一子のことを気にかけて止めようとするのだが、山鹿が挑発的に、あるいは甘言で言いくるめてしまうのだった。
そうして、押し切られてしまうのが常だった。
一子は、それでも無理をして二人を追いかけて遊んだ。太郎に置いていかれるのがいやだったからだ。
あの日も、山鹿と太郎はその遊びに興じていた。だが、はじめ上がった歓声はやがて悲鳴になった。一子が火傷したのだ。
大きな火傷ではなかったが、その時の跡は、今でもわずかに残っている。

「あれで二人とも、うちの両親からも簸川の両親からも、先生からもこっぴどく叱られて、ためていた火薬も全部とりあげられて、おまけにしばらく二人で遊ぶのを禁止される始末だった」

確かに、そんなことがあった。結局は、二人ともすぐに遊ぶことができるようになったのだが。
ただ、そこに一子の姿はなかった。

「あの時、俺はすごく悔しかった。簸川は俺の最初の友達だったからな。それでまあ、ガキだった俺は一子ちゃんのことを逆恨みしたんだな。簸川にいったんだ。
「足手まといだからもう一子ちゃんとは遊ばないようにしよう」って。こちらから除け者にする前にそういう空気を察したのか一子ちゃんは自分から身を引いたけどさ」

そこまでいって、山鹿はコーヒーを一口飲んだ。

「多分俺はあれを利用したんだろうな。正直、俺はあの頃の一子ちゃんが邪魔だった。簸川は最初にできた友達で、俺にとって唯一だったのに、あいつはなんだかんだと一子ちゃんを気にかけていたし。
多分、嫉妬したんだな、一子ちゃんに。本当にいやなガキだ。まあ、こんなことを懺悔のように聞かせてしまうところなんかまだまだガキなんだろうが」

山鹿は、めがねを直しながら自嘲した。

「まあそういうわけで、これは俺の負債返済のためのチャンスなんだから、一子ちゃんは何の遠慮もしないでくれていい」

ずっと黙っていた一子が、それを聞いていった。

「じゃあ、返済の手助けさせてください」

返済の手助けとは、その日だけでなく、もうしばらくこの家に滞在させてもらうことだった。
山鹿はそれを、条件付で承諾した。条件とは、太郎にその旨を連絡するということだ。
さすがに、何日も太郎に無断で泊めることはできなかった。
結局、太郎と話したくないという一子に代わって、山鹿が電話で連絡を入れた。
一子の本音は、次子が電話に出るのがいやだったということだったのだが。
252ツイスター:2006/11/29(水) 22:07:12 ID:bpIBiJ7X
次の日の朝、太郎が迎えに来た。一子は、驚いた。
一子も予想していないわけではなかった。ただ、これほど早く来るとは思っていなかった。
太郎も、兄と妹の関係が瀬戸際にあるということを感じ取っているのかもしれない。
正直、うれしいという気持ちもある。太郎は、自分のことを気にかけていないわけではないのだ。
だが、それと同時に、どういう顔で会えばいいのか分からないということもある。
太郎への、自分でもよく分からない怒りもある。そして、太郎に少し灸をすえてやりたいという気持ちもある。
そうしたものを総合して、結局一子は、山鹿を使って太郎を門前払いにさせた。

その次の日の朝も、太郎は来た。やはり門前払いにさせた。
家に残っている次子は太郎がそうしている間、どうしているのだろうと考える。
きっと太郎は、家にいる間中、自分のことを考えてうわの空でいるに違いない。山鹿に聞いた話では、悄然とした様子だったという。
本当の妹である自分をないがしろにして、あんな偽の妹と不潔なことをして、後悔しているに違いない。
でももう遅い。もっともっと後悔させてやればいい。
そんな太郎に、次子は相手にされずにいるのだろう。あの仮面のような笑顔をゆがめているのかもしれない。
一子は、それを思って多少の溜飲を下げた。もちろん、まだまだ足りないのだが。
しかし、それを話すと山鹿は眉をひそめていった。

「それはまずいかもしれない。次子を刺激するのは」

その意味を掴みかねた一子に、山鹿は付け加えた。

「これは確証もないし、オフレコにしておいて欲しいんだが」

それでもわずかにためらい、しかも声を潜めながらいった。

「もしかしたら、伊勢を殺したのは次子かもしれないんだ」

「まさか」

伊勢を殺した犯人はまだ捕まっていなかった。いまだに捜査は続けられているが、有力な手がかりはつかめていないようだった。
一子も、自分の家に来た刑事のことを覚えていた。あれ以来、家に来ることはなかったのだが。

「ああ、俺もそんなことは信じたくない。もしそうなら、その原因を作ったのは俺ということになるしな。それに証拠があるわけでもない。
だが、状況からしてそう考えるのが自然だと思えるんだ。いや、あまりに不自然な殺害状況だからこそ、次子しか考えられないということか」

「警察にはいわないんですか?」

「警察?なんていうんだ?あいつはいないはずの人間だ。それに下手をすると一子ちゃんに疑いがかかることだってありうる」
253ツイスター:2006/11/29(水) 22:08:12 ID:bpIBiJ7X
思いもかけない言葉に、一子はあっけに取られた。

「一子ちゃんと次子は顔だけじゃない。多分、指紋も、血液も、遺伝子も同じだ。データ上、二人を区別することはできない。もし、そうした何かの証拠が残っていたとしたら、一子ちゃんに濡れ衣が着せられるかもしれない」

それを聞いて、不安に顔をゆがめる一子に、山鹿は伊勢殺しが次子だと決まったわけではないことを言い聞かせる。

「それにもし次子だとしても、すぐに一子ちゃんをどうこうしようとは思わないはずだ」

殺される前、伊勢は太郎と付き合い始めて以来、何ものかからの嫌がらせを受けていた。
それは少しずつ悪質なものへとエスカレートしていった。次第に激しくなる警告音のように。
それを聞かなかった伊勢は、結局殺されてしまった。その一線が、太郎と初めてセックスしたことであるとまでは山鹿もつかめてはいなかったが。
だから、決定的なことが起こる前にはきっと兆候があるだろう。山鹿はそういうのだった。

山鹿の家に逗留して3日目。
家政婦からある知らせを聞いたとき、一子はそのときの話を思い出していた。
山鹿が病院に運ばれたという知らせを。
254 ◆zIIME6i97I :2006/11/29(水) 22:09:21 ID:bpIBiJ7X
以上、第19話「プチ家出」でした。

修羅場スレに円満カップルの存在する余地はなかったのであった。
255名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:13:01 ID:xC5/A+EM
山鹿の嫉妬かよww

それはそうと。GJっす。
256名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:21:41 ID:urF66SZh
次子の読み方って「つぎこ」ですか? 「ついこ」ですか?
そう言えば「子」って「す」と言う読み方もあるな
「次子たー」でツイスター?
257名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:21:44 ID:TGxOJHaZ
うほっ、いい山鹿…

って山鹿アッー!
258名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:39:28 ID:zPSTpKSq
山鹿、お前漢だよ・・・
         .。::+。゚:゜゚。・::。.        .。::・。゚:゜゚。*::。.
      .。:*:゚:。:+゚*:゚。:+。・::。゚+:。   。:*゚。::・。*:。゚:+゚*:。:゚:+:。.
ウワ━.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚━━━━゚(ノД`)゚━━━━゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.━ン!!
  。+゜:*゜:・゜。:+゜                   ゜+:。゜・:゜+:゜*。
.:*::+。゜・:+::*                        *::+:・゜。+::*:.
259名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:40:59 ID:5IhpMGBi
なんかこのままだと一子の方がなんか悪いからとか言って抱いてとか山鹿に迫りそうな雰囲気だったな
260名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:41:10 ID:w6PNlX6y
太郎に見せ場は来るのだろうか
ガンガレよ
261名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:44:48 ID:v/eCeI2B
一子よ、山鹿の屍を越えて行け!
262名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 00:05:25 ID:DCnJCLeP
山鹿まで、次子の餌食に……。

まさか、次子は『親友』という立場にまで嫉妬をするのか……!?
263名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 00:26:10 ID:yunRzxxv
待つんだ
まだ次子がやったと決まったわけではないるれ
264名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 00:27:28 ID:1oXye5/e
山鹿という名の防壁がなくなったところでいよいよ次子の狩始まりですねw
今一子の事ばっか考えてる太郎を隣で見ている次子のことを想像したら・・・
265名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 01:36:01 ID:sLFWudsu
いくらなんでも山鹿まで傷付けるのはなぁ・・・・・出る杭は打つってか。
女同士の嫉妬はともかく、それで男の親友が殺されるってのはキツイな。
266名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 01:46:46 ID:q8xndlyE
>>265
落ち着くんだ! まだ、病院に運ばれただけ……死んだとは言ってない。
きっと、一子なら……一子ならきっと山鹿を守ってくれる。
あれ、ここの主人公太郎だよね? いつのまにか、山鹿&一子を応援してるな俺。
267名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 01:51:13 ID:ZJqzNjl1
まあまて落ち着け。まだ山鹿は病院に運ばれただけで死んではないはずだ。
それに次子がやったかどうかも分からないし。
一つ言えることは、作者さんGJ
268名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 05:00:29 ID:cj2sqhLk
こういう時は素数を数えるんだ!
269名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 05:04:57 ID:lJ3CYcpM
よし、 1. 2. 3. 5. 9.・・・・・・
270螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/30(木) 05:12:59 ID:XP94WfFb


〉京之助と銀次郎は闇にぽっかりと浮かび上がった色町の中をぶらぶらと歩いていた。助平根性と口車に乗った京之助はまんまとつい
てきてしまったが、しかしそこに半十郎の姿はなかった。
〉「半十郎がかわいそうだったな、銀次郎よ」
〉京之助は隣を歩く大柄な男、立浪銀次郎に皮肉をたっぷりこめて言う。それに対し銀次郎は顔を歪めて、
〉「悪かったと思っておる」
〉「しかしあれはないだろう?半十郎とて嫁が来ぬのには深刻な理由がある。銀次郎も十二分に知っておると思ったのだがな」
〉半十郎は女経験が皆無なのを理由に銀次郎に嘲笑われ、怒って帰ってしまったのである。
〉元々半十郎の家は京之助の家以上に貧乏で内職をしなければその日の暮らしにも耐えられないほどである。しかも銀次郎は次男坊だ
。大した資産もない長兄の家に居候し、婿入り婚の話を待っているようだが、元々貧乏である半十郎の元に婚姻の話などくるはずもな
い。
〉かと言って半十郎は京之助ほどの容姿があるわけでもなく、かつ性格的にも内気で弱気で臆病である。そのため女と関係が持てない
のもある意味当然と言えた。
〉「だから悪かったと思っておる、と言ったであろう。明日には謝る」
〉銀次郎は少しいらついたような口調で言うと、一人ずんずん先に歩いて行く。そのむきになる所が面白くて、京之助は口を押さえて
笑った。
〉少し銀次郎と放れた所を歩きつつ、京之助は左右に首を回して辺りを見渡す。この町に生まれた京之助であったが、遊郭の集まる橘
町に訪れたのは初めてであった。厳格な父と気がふれたかのように京之助を縛りつける素女の前では、ここに興味をもつ事は許されな
かったのである。
〉遊郭街の通りの両端には、二階建の建物が、ひしめきあっている。その全ての建物が淡紅色に照らし出され、他の町では見られない
ほどなまめかしい。
〉建物に出された座間には、着物をはだかせた女がその白い柔肌を見せつけつつ、色っぽい視線を投げ掛けている。
271螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/30(木) 05:16:06 ID:XP94WfFb
〉そんな情欲の町をもの珍しげに眺めつつ歩いていると、突然右腕が柔らかい何かに絡めとられた。驚いてそれを見ると、若い女が京
之助の腕に両手を絡ませていた。雪のような白い肌に、血のように真っ赤な唇が鮮やかだった。その紅い唇がゆっくりと動く。
〉「坊や、うちによっていかない。たっぷり気持ちよくさせてあげる。ふふ、何だったら私が相手をしてあげましょうか」
〉女はまるで京之助を誘惑するように目元を緩ませ、甘い吐息を吹きかけてくる。甘い女の匂いが鼻孔をくすぐる。
〉「あっ、お兄さんかっこいい。ねぇ、うちによってってや。たっぷり気持ちよくさせたるさかい」
〉今度は左腕に絡み付いてきた。驚いた事にその先の女はまだ12、3ほどの少女であった。少女は自分の顔に化粧をほどこし、その年
では考えられないほどに妖艶に飾りつけられている。
〉「おい、ちょっとはなしてくれ」
〉京之助は少し強めに右腕を引っ張る。しかし二人の女は腕をはなさない。むしろより強く自分の体を京之助の腕に絡ませてくる。柔
らかな肌の感触が、京之助の腕に押し付けられた。京之助は思わず生唾を飲み込む。
〉そうこうしているうちに、次から次に女が駆け寄ってくる。誰も皆妖しげな笑みを浮かべ京之助に色目を使っている。
〉気が付けば、京之助は女の波の中であった。
〉「おい、何をやっておるのだ」
〉急に京之助の首ねっこが掴まれ、ちから付くでその場から引っ張り出された。京之助はむせたようなせきを繰り返す。
〉「京よ。それではただの田舎モノだぞ」
〉見上げた先の銀次郎はやれやれとばかりに溜め息をつきながら言う。
〉「あ、ああ。しかし凄いなあの客引きは、まるで津波のように押し寄せ、逃げられなかったよ。皆、ああ言った客引きをされるのか
?」
〉「京はこの場には珍しい美男子じゃからな。皆油の浮いた爺よりそなたに抱かれたいのだろ」
〉それから銀次郎は自嘲気味に鼻で笑うと京之助に背中を向け歩き出した。京之助も今度ははぐれないように急いでその背に続いた。
〉「ここだ」
272螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/30(木) 05:23:33 ID:XP94WfFb
〉銀次郎が案内した先は、遊郭街の一番奥にある店だった。
〉「本当にここなのか」
〉京之助は驚きつつ、目をまん丸くしてその壮大な光景に言葉を失う。
〉銀次郎に連れてこられた遊郭はごてごてと豪華に飾り付けられた大公家の御殿のようだった。
〉「どうした?そんな所につったって。早く入るぞ」
〉目を丸くする京之助をしり目に、銀次郎は平然とした顔でその中に入っていく。まるで場違いなその建物に気後れしつつも、京之助
もその後に続いた。

〉銀次郎に案内された遊郭。その中は外装と比例して上品な作りで、そのまま本陣として使えそうなほど広々としていた。玄関正面に
番台がでかでかと設置され、その左手に廊下が真っ直ぐに伸びている。綺麗に磨かれた檜の床はピカピカと檜の原色を映えさせていた

〉その真っ直ぐな廊下の左右は襖で仕切られており、中の様子は伺いしれないがおよそ10ほどの部屋があるように思える。番台の右手
にも緩やかな傾斜の階段が設置されており、二階にもいくつかの部屋があるようである。
〉しかし高級に見えるこの建物も見栄えのよさとは異なり、思いのほか客入りは悪くその広々とした玄関には京之助と銀次郎の二人以
外の客はいなかった。だからだろうか、京之助は外の世界とは別の世界に来たような疎外感を感じていた。
〉「ようこそいらっしゃいました」
〉変に明るい声が玄関に高々と響く。番台にいた小柄な男が黄色い歯をにぃと見せつつ近寄ってきた。
〉貧相な男で、顔は醜く痩せほそり頬骨が浮いている。年の頃は三十後半と言ったところだろうか。髪には白いものが目立ちはじめて
いる。
〉下種な笑みを満面に浮かべ駆け寄ってきた男であったが、銀次郎の姿を見た途端にその笑みが一気に凍りついた。緊張からかさの額
には光るものが浮き始め、硬直した筋肉が頬肉をピクピク痙攣させている。
〉「た、立浪様。こ、これは失礼いたしました。すぐに主を呼んで参ります」
〉男がようやく絞りだした声は思いの他大きかった。
〉「いや、よい。それより、早く女の所に案内してくれぬか」
273螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/30(木) 05:26:00 ID:XP94WfFb
〉銀次郎の普段の様子からは想像できないほど落ち着いて低く、威厳さえ感じられるよう思えた。
〉「は、はい、かしこまりました。立浪様には当店一番の女を用意いたしまする」
〉「いや、二番でいい」
〉そう言うと銀次郎は京之助の肩を軽く叩いた。
〉「一番は、こいつに回してくれ」
〉不意に肩を叩かれ、驚いて銀次郎の顔をに目をやる。その銀次郎は不適な笑みを浮かべていた。
〉「え?あ、はい、少々お待ち下さいませ」
〉小柄な男は萎縮し、困惑した様子の顔のまま深く頭を下げると、駆け足で店の奥に消えていった。
〉下種な男が消え、広々とした玄関に二人きりになる。静かになったそこに、ピタリと締められた背中の戸から表通りの客引の甘い声
が染み入ってくる。
〉「俺は誰でもよかったんだが」
〉京之助はその中に消えるように呟いた。
〉正直な話遊女は苦手である。厳格で頑固な父に育てられた京之助には、例え生活のためとは言え、男に体を売るという根性があまり
好きにはなれないのである。
〉しかし、それにしても、と思う。
〉京之助は銀次郎の顔を覗きこんだ。銀次郎はその言動や、下級武士である京之助や半十郎と付き合っている事からは想像も出来ない
が、彼は藩屈指の名家の跡継ぎである。彼の父親も家老として藩政に携わり、望月と共に藩の梶取りを担っている。将来的には銀次郎
も藩政を担う事になるだろうと言われている。
〉しかしその藩の将来を担う男の威厳がこんなしょうもない所で発揮されるのは、またなんとも悲しい話ではある。
〉「お待たせいたしました」
〉静寂を打ち破り、二人の男が足音を立てて駆け寄ってきた。一人は先程の男のようだが、もう一人に見覚えはなかった。派手な上着
を肩から羽織り、お腹はでっぷりと膨らんでいる。目元が垂れ、口元からは白い歯がうかがいしれる。先程の男とは違い比較的上品だ
が、主だろうか、と京之助はそんな事を思った。
274螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/30(木) 05:30:28 ID:XP94WfFb
〉「ささ、立浪様。お部屋はお二階でございます。ささどうぞどうぞ」
〉主らしき人がしわくちゃな顔で銀次郎に頭を何度も下げ、さりげなく銀次郎を階段へと導く。まるで主らしくない腰の低い態度で、
滑稽にさえ思えたがその顔に堀こまれた二つの瞳の奥に、権力への平伏とあからさまな欲望がにじみでているように思えた。銀次郎に
うまく取り入ろうとしているのだろう。
〉「じゃあな、京。また後で」
〉銀次郎は右手を上げ軽く会釈をすると、二階への階段を登り始めた。その後に主とおぼしき男が素早く続く。
〉「さぁ貴方様はこちらでございます」
〉銀次郎の後を追っていた視界の先に、貧相な男の顔が大きく写り、思わず一歩引いてしう。
〉「着いてきてください。案内いたします」〉男はいかにも好色そうな目を京之助に向け、品性の欠片も感じられない笑みを浮かべる。思いの他男の顔が近く、呼吸をするたびに
鼻が千切れるような悪臭が鼻の奥を刺激し、京之助は顔を歪めた。
〉その京之助の様子におくすることなく、男は一度大きく息をはくと、京之助に丸い背中を向けて歩き出した。あまりの悪臭に鼻を摘
み空気を右手であおりつつ、京之助は無言でその背中に続いた。

〉京之助が案内された部屋は、他とは隔離された小さな建物の中だった。廊下の先から外に出た渡り廊下の先の部屋である。
〉行灯に火がともり、橙に照らし出されている部屋の中。広さは十畳ほどで、障子で外の空気と遮断され少し蒸している。その蒸した
中に化粧と香水が交わったような甘い匂いが濃密に香りたっていた。
〉部屋の中央には大きな布団が一枚だけ敷かれており、それがここでこれから行われる行為を如実に語っているような気がして卑猥に
思えた。その一枚の布団の枕元に置かれた行灯の火が妖しく燃え、雰囲気をより淫美により妖艶に作り上げている。
〉遊女と思われる女は部屋の中央の布団の前で三指をついていた。真っ白な着物は薄く、そこから肩口がうかがいしれる。頭を下げた
、絹のようにしなやかで光沢を放つ長い髪は髪止めもつけられておず、背中から入りこむ風にあおられて僅かに揺らいでいた。
275螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/30(木) 05:34:55 ID:XP94WfFb
〉京之助は女の前まで行くと、立ち止まりその場に腰を下ろした。甘い匂いはさらに濃密度をまし、酔いそうなくらいに鼻につきまと
う。
〉「かげろうにございます」
〉女は闇に溶けてしまいそうなほど静かに自分の名を名乗った。どこか聞き覚えのある声のように思えた。
〉「本日はよろしくお願いいたします」
〉女は頭を下げたまま、ゆっくりと丁寧な口調でそう言うと、両手を畳の上に置いたままもったいぶるかのようにゆっくりと顔を上げ
る。女の長い髪が左右に別れて滝のように下へと流れ落ちた。
〉その隙間から除く顔立ちを覗き見、京之助は声を上げそうになる口を両手で押さえ込んだ。
〉この女を京之助は知っていた。
〉あの橋の上、月に照らされて幾度となく話を交した女。執拗なまでに都に思いをはせる女。美しくかつ上品で儚げに笑う女。そして
、心を惹かれつつあった女。
〉ようやく顔をあげた女も瞳に京之助の姿を捕え、明らかに困惑したぎこちない笑みを浮かべた。
〉「ほたる?」
〉ほたる。かげろうの名もここから来ているのであろう。
〉「京様。どうしてここに?」
〉ほたるは唇をふるふると震わせながら言う。
〉「それは、こちらの台詞だ。何故、こんな所に、蕎麦屋ではなかったのか」
〉ほたるは黙って下を向く。それを京之助は正面から真っ直ぐ見据えた。ほたるは沈んだ表情のまま唇を噛み締め、ただ畳を見つめて
いるだけで動かない。
〉まるで人形のように固まってしまっているほたるを見ていて、ふと番台が没落した公家がどうとか言っていたような事を思い出した

〉公家の生活は戦乱の時代を越えて、泰平の世になっても相変わらず苦しいと聞いている。ほとんど公家が意味をなさなかった安土桃
山から時代はうつり、官職の優位が再び証明され、武士からの尊敬を集められるようになったものの、古代の頃のように莫大な荘園は
既になく、公家は一部を除き内職に精を出さねば経済的に成り立たなくなっていた。もちろん経済的に成り立たなくなれば、行き着く
先は没落である。
276螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/30(木) 05:43:27 ID:XP94WfFb
〉ほたるは京が恋しいと言っていた。もしもほたるが没落した公家の出身ならば、京に思いをはせていた理由も説明がつく。
〉「軽蔑いたしますか?」
〉考え込む京之助にほたるが心配そうな顔で話しかけてくる。
〉「軽蔑、とは?」
〉「私が、こんな汚れた女でって事です」
〉「いや、そんな事はしない。確かに驚きはしたがな」
〉京之助は笑顔を取り繕い嘘をついた。本当の所ほたるにかなり失望していた。
〉遊女は嫌いである。そう思うように教育された京之助には、そこにどんな理由があろうとも、たとえ遊女が知り合いでかつ心惹かれ
つつあった女でもその感情はゆらぐ事はなかった。現にあの美しいと思った長い髪も、整った顔も全てが既に汚れたモノのように思え
て、淡い心が萎えていく。
〉「ありがとうございます。すごく、嬉しいです」
〉そんな京之助の思惑に気付くはずもないほたるは本当に嬉しそうに笑った。まだ二十歳前の幼さの残る子供の笑みだった。その笑顔
が針で刺されたような痛みを胸の奥に走らせる。
〉ほたるは瞳を閉じ息を吐くように、さて、と言った。それからゆっくりと瞳を開け、まるで獲物をみつけた蛇のように目を細くさせ
、妖艶に自分の唇を舐める。そこに幼さは欠片もなく、男を欲する女の仕草だった。
〉「ここは遊郭にございます。私に体を預けてください。たっぷりと気持ちよくさせて、天国に連れていってあげます。京様に最高の
女を教えて差し上げますね」
〉ほたるの体が京之助の体に徐々に近付いてくる。
〉「ま、待て、俺は」
〉「据え膳食わぬは武士の恥ですよ」
277 ◆CWcv3gVh3I :2006/11/30(木) 05:46:16 ID:XP94WfFb
次、官能シーン。少し長くなるかもしれないが、自分の理想を追い求め妥協はしないつもり。
ただ逆レ○プになるので苦手な方は避けて下さい。
278名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 06:16:53 ID:bwX90fTM
GJ
279名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 07:10:32 ID:aclsSpK/
〉 ←いらないんじゃないか?
280名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 07:23:01 ID:mfQVt59t
>

アトラスのゲームみたいで俺は好きかな
なんにしろ作者の意図が最優先じゃまいか
281名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 07:27:11 ID:Z5o/+mOr
〉 ←素女の視線だよ
282名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 07:49:50 ID:3z7MrTyj
>>277
逆レイプ大好きな俺にとってむしろ望むところだ。とにかくGJ!
283名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 08:48:58 ID:5fbkOQjh
>>279-281
携帯からの投稿だから行頭を空白にできないって前に言ってたな
284名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 09:26:17 ID:bgO4Ark7
>>283
携帯から!?
大変だねぇ
285名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 12:10:51 ID:xouyFo3E
かわいい女の子からの逆レイプ
これって地球にいる全ての男の夢じゃないの?
286名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 13:16:47 ID:DI07+WUp
GJです。
時代小説において始め素性のわからない女ってだいたい遊女であるか水っぽい料理屋で働いてるよなぁ。
もうこれは一つのジャンルかな
287名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 13:50:10 ID:f7sM0zNm
お忍びの姫とか、くの一もあるけどな
逆レイプシチュは大好物なんだが相手が風俗だとなー
288名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 13:55:05 ID:D++xlBn/
遊女は修羅場云々以前に病原菌の塊にしか見えないからな
289名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 14:21:00 ID:NAulZN5K
|ω・`)リアルに考えるな
雰囲気と嫉妬を味わうんだ(*´д`*)
290名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 15:28:45 ID:hBOErDXh
エロシーンを全て逆レイプに置換している漏れにはありがたい限り
291名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 16:29:48 ID:3xJ5an2P
>>269
ジョン、9は素数じゃないよ…
292名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 16:44:31 ID:mrKA+HEk
1もだなw
293名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 16:52:37 ID:x1dmXPtQ
何か事情があって遊女をやってるかもしれないんだからそんな事言わないで
294名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 17:33:41 ID:qIp5e77p
いや、俺は言うじょ
295名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 18:25:09 ID:YH96dcmo
幼馴染み@元カノとクラスメイト@告白した娘、居候先の義姉@仲良いお姉さまの三つ巴を妄想。



うん、やめたほうがいいな。
マジ死ねる。
296名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 19:03:26 ID:4pe0M0Od
>>294
芸人を目指せw
297名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 19:15:40 ID:uVg61uAw
>>295
うん、sageつつマジ書いてくれ
298『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/11/30(木) 19:18:35 ID:yjsI0/4C
サアァァ……
先輩は今シャワーを浴びている。まぁ、やることは……わかるよな?別に先輩のしつこさに負けたわけでもないし、沙恵ちゃんを助けるのを諦めたわけでもない。
こうすることで記憶が戻るかもしれない。いや……これで元の鞘に戻るだろうな。
カチャ
「か、海斗くん……」
バスタオルを一枚巻いただけの姿で現れた。普段留めている髪は濡れて降ろしているためか、なんだか雰囲気が違う。
「ほら、先輩。」
「う、うん。」
座る場所をずらし、ベットの隣に座らせる。緊張しているのか、ガチガチな体を動かしながら歩いてくる。
前までは驚異的に迫ってきたのに、こういう状況で慌てている先輩………
「へ、変なところないかな?髪の毛はねてない?シャンプーの匂いこれでいい?」
「ええ、大丈夫ですよ。」
座った先輩の方に手を添えて落ち着かせる。不思議と僕は落ち着いていたため、先輩をリードする余裕はあった。
「先輩…」
「か、海斗く…んん!」
先輩の唇を奪う。ゆっくりととかすように唇を舐め、舌を口の中へと侵入させていく。キスの仕方は、体が覚えていた。
299『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/11/30(木) 19:19:28 ID:yjsI0/4C
「んん……ふぁ…す、すごいよぉ、海斗くぅん…」
甘えたような声が僕の脳を刺激する。学園のアイドルを抱くというだけで興奮するのに、甘い香りや声により、さらに体が暑くなる。
「せ、先輩……」
「きゃあ!?」
ついつい絶え切れず、先輩に抱き付いてしまった。もう理性がほぼ無くなっていた。
「か、海斗くん?」
「すみません、先輩。もう僕、我慢できません……」
タオルを脱がすと、ふくよかな胸があらわれる。大きすぎず、かといって小さすぎず。形の整った胸だ。
「は、恥ずかしい……」
「あはは……」
本当におかしいなぁ。ストーカーしてた時とは大違いだ。
先輩の胸を揉みしだく。所々手に当たる乳首はすでに固くなっていた。ついついその固くなっているさきっぽを摘んでしまう。
「んぅっ!や、やぁ…ひっぱらないでっ……ふぁ…!」
「でも、気持ちいいんですよね?」
「い、いじわるだよぉ、海斗くん……」
「ええ、もっともっと気持ちよくしてあげますよ。」
右手を股間の方へと持っていく。
クチュリ
そこはすでに湿っており、撫でただけで指が濡れた。
300『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/11/30(木) 19:21:27 ID:yjsI0/4C
「もう準備できてますね。」
「うぅ……」
僕の方も準備万端だった。ゆっくりと自分のモノを先輩の股間にあてがい、そして力を……
ズププ……
「ふぁぁ…す、すご……おおきい…のぉ……」
ズブッ!
「うんっ…くぁ…ぁ……ほんとに…大きい……」
「先輩のここ、も…きっつ……くて、あったかいよ。」
「本当?あは…ん…うれしぃ…わ、わたしも気持ちいいよぉ。」
ジュク、ジュク…
なんだか懐かしいような、愛しい、そんな気持ちよさが体に伝わる。僕は我慢できなくなり、欲望のまま腰を叩き付ける。
「あ、あんっ、んぁ!…うぁ…か、海斗くん!はげし、すぎぃ……ひぁん!」
「くっ……せ、先輩!先輩!」
パンッパンッパンッパンッ……
目の前でゆれる胸に、またがっつく。そうでもしないと頭が真っ白になり、気絶してしまいそうだったからだ。先輩も気持ちいいのか、中がぎゅうぎゅうと締まる。
「あ、あんっ……海斗くん!わ、わたし、もう…だめぇ!…海斗くんの、が、奥にあたってる…」
「先輩!ぼ、僕もいきますよ!中に、いいですか?」
301『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/11/30(木) 19:22:39 ID:yjsI0/4C
「うん!きてっ!私の大好きな海斗くんのせーし、海斗くん専用の中に、たっぷりそそいでぇ!私も、いっちゃうぅ!」
「くぁ…!」
びゅーっ!びゅるる…びゅくっ!
先端を先輩の一番奥に押しつけ、全部流し込むように精を放った。先輩の中も、僕を搾り取るようにきゅうきゅうと締め付けてくる。
「はぁ、はぁ……先輩、気持ちよかったですよ……」
「…………」
「?…先輩?」
返事が無いので、顔をあげて先輩を見てみると……
「あー…はは、先輩……」
気絶しているのか、はたまた眠っているのか、幸せそうな顔をしたまま、意識を失っていた。僕は先輩を起こさないようそっと体を拭き、ベットに寝かせた。
僕はというと、シャワーで汗を流し、湯船の中に浸かっていた。そして……思い出した記憶を巡らしていた。そう、無くしていた記憶を思い出したのだ。
きっかけは恐らく、先輩とセックスをしたことにあるだろう。あの温もり、優しさ、匂いを、僕の体がすべて覚えていた。
そして、今回のこの騒動について考えてみる。いったい僕『たち』は、誰の手の平の上で踊っていたのか。
それは……思い付く限り一人しかいない。それは……
302『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/11/30(木) 19:25:44 ID:yjsI0/4C
ということで、次回から過去編、及び真相解明です。まぁ、犯人は……
303名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 19:28:08 ID:uVg61uAw
GJ!となるとやはり真犯人は……ですか!?Σ (゚Д゚;)
304名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 19:35:39 ID:ks9Ta4I+
__、_、ヽ`ニ、ニ`二、ニ`ニ`、=、=ヾァー:-:ー丶、,、、,,_,.,、
⌒>\丶\ヽヽ ',!|/〃/ //,. ゙ : ' .: ゙ ,: ゙ ,/
 ⌒丶\丶ヽ`、', 《〈 〃ノ/. ' . '_;.,;._ ;.' , ゙ //
   __\ヽヾ:ヾ_ヾミ[]―‐[〕-''''"~´ 彡 . ゙ .゙〃
   ⌒\ ミ|{「己川ロ后叨:.: し___! 彡 ;' . ゙ /     う ・ ・ ・
      ヾレュ三<´{(厶ニニ-‐、>ヽ ; : . ,゙i
  ⊂   ,{ {(j  } }==Y∠r:ュ.ヾ,  く;/^ヽ!
   c    { ト >-<ン ,'  ~厂 ̄´`ヽ  ,ィ个 }     うろたえるんじゃあないッ!
   '   {〔!厂〈ー‐、 '":::...  u  }  )丿,ハ
       )|h `-'"       / (__/,/     修羅場スレ住人はうろたえないッ!
.        !|  「r三三ヽ J   l  /⌒l !
        l |    } ,. ―-| u   ,/ 、_,ノj  ,r一''"~´)
         !.ハ  ノノ二ニ二!     ノ `7〈 /  ゝ''"´ __
.        | .ハ ヽ-r―‐-    ,f 、__// ヽ/-‐''(´  _,,ノ、
_,,.. -ー―ノ / ヽ  ゙ー‐  / ! `゙{'′ ノ  >‐'''(´_,,/
       ー-、 ヽ-r―‐< ,r'゙{:___ノ`ー(、__/ >''"´
   、_,,,,,,,,,,,,,,,}!,,___{  ;' /´ '゙ ̄´ ̄´  丶イ  __
  \     r―ー>''"/~"''ーく⌒ヽ._,,ノィ´   `)
    \    /  /7゙ <´      ノ  /〈   ><~´
      ヽ,/   { ヽr、\   ''"    ,. -''"―-ヽ `'ー- 、
    //     \ \ヽ、`丶、__,,..ィ´}! ,iリ    ``丶、 \
305名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 20:04:12 ID:xouyFo3E
い、妹なのか?
306名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 21:41:25 ID:NAulZN5K
>>302
なんだかわからないがとってもステキだ
過去編、解明編まで、楽しみにしてます(*´д`*)
307 ◆zIIME6i97I :2006/11/30(木) 22:38:10 ID:hKthOCM4
ツイスター、投下します
308ツイスター:2006/11/30(木) 22:38:49 ID:hKthOCM4
一子が病室に入ると、山鹿はベッドに横になっていた。
入ってきた一子に気がつくと、「よお」と片手を挙げた。

「足を折った。やはりバイクは危ないな」

山鹿は去年バイクの免許をとって以来、ヤマハのバイクに乗っていた。
バイク通学は禁止されているが、プライベートではよく足代わりに使っていた。
その日も、隣町のパソコンショップに向かっていたのだが、何かにぶつかって転倒してしまった。
骨折は、その際に足の上にバイクが乗りかかってきたことによるものだった。
折ったのは右足だけだが、ひねりながら折った形になったので、山鹿の余裕の態度とはうらはらに重症らしい。
全治までは2、3ヶ月程ですむが、しばらくは病院暮らしが続くという。明日、手術が行われる予定だった。
山鹿が思いのほか元気そうなのに安堵した一子だったが、知らせを聞いてからずっと考えていたある可能性を思い起こして表情を暗くした。

「もしかしてこれも次子が?だったら」

自分のせいで山鹿は怪我をしたのではないか。
山鹿は、最後まで聞かなくとも一子のいいたいことを察して笑った。

「違う違う。単に俺の運転がへぼだったからだ。だいたい、俺が次子に狙われる理由がない」

本気でいっているのか、それとも一子への気遣いによるものなのか一子には判断できなかった。
山鹿は、病院に残って看病するという一子の申し出を断った。たかが骨折で、そこまでしてもらう必要はないというのだった。
ただ、入院している最中にも今までどおり家にいてもらってかまわないといわれる。
山鹿が怪我をしているというのに、そこまでしてもらうわけにはいかない。次子がそういうと、山鹿は笑っていった。

「借りを返させてくれるんだろう?貸し逃げは止めてくれ」

一子は、また見舞いに来ると約束して病室を後にした。ともかく、いったん山鹿の家に戻ることにする。
道すがら、考える。本当に、今回のことに次子は絡んでいないのか。
もし絡んでいたとすれば、その理由は確実に一子にある。しかし、なぜ山鹿を狙ったのか。
このまま一子が家を出てしまうのは、あるいは何かの弾みで山鹿とくっついてしまうというのは、次子にとって好都合だろう。
あれの本音は、太郎を独り占めにしたいということなのだろうから。
だとすれば、これは脅しなのだろうか。戻ってくれば、ただではすまないという。
だが実際には、山鹿が怪我をしたことで一子は自分の家に帰らざるを得ないような事態になっている。

考えながら、うつむきがちに歩いていた一子は、山鹿の家の前まで来て人の気配を感じ、ふと顔をあげた。
自分とまったく同じ顔をし、しかも自分が持っている帽子と同じ帽子被った少女が目の前にいた。
真っ黒い影を、足元に落としていた。
次子だった。
309ツイスター:2006/11/30(木) 22:39:22 ID:hKthOCM4
「久しぶり、一子ちゃん!今日はほんとに暑いねえ。帽子がないと日射病になりそう」

次子は、まるで偶然出くわした友人のように気さくに一方的な挨拶をすると、「暑い暑い」といいながらワンピースの胸元を手で扇いだ。
一子は、凍りついたように動けなかった。対照的な二人の様子だった。
何の反応もない一子に、業を煮やしたのか次子の方から近づいてきた。それに気付いた一子が後ろを向いて逃げようとした。
手首を掴まれる。
振り払おうとするが、予想以上の力で掴まれてしまっていて振り払えない。
まるで、手錠をかけられたかのようだった。

「どうしたの、一子ちゃん?山鹿さん、たいしたことなかったんでしょ?」

それを聞いて、一子は次子の方に向き直った。

「やっぱりあんたなの!」

「何の話?」

「とぼけないでよ!伊勢さんだって殺しちゃったんでしょうが!この人殺し!」

次子は、それを聞くとそのつり気味の目をすっと薄めた。一子は、それが自分と同じ顔であるにもかかわらず、気おされた。
怖い。

「それ、山鹿さんから聞いたの?」

一子は、答えることができなかった。肯けば、山鹿がどうなるか分からない。

「ま、いいけどね。ほんとのことだし」

次子は、聞かされた一子があっけにとられてしまうほどあっけらかんと真相を明かした。そのあまりの軽さに、冗談ではないかとおもうほどだった。
次子は、けらけらと笑いながらいった。

「でもさあ、それ聞いてどうするの?」

「いってやるから!警察にも、兄貴にだって」

一子がそういった瞬間、次子に掴まれた手首に激痛を感じた。ぎりぎりとものすごい力で締め上げられている。
まるで、万力でゆっくりと締め上げられているようだった。
痛みにうめき声を上げ、しかめられた一子の顔に、次子がキスするほど近くに顔を寄せた。
310ツイスター:2006/11/30(木) 22:39:54 ID:hKthOCM4
「警察?いってごらんよ。でもきっと頭おかしいって思われちゃうよ。次子なんて子、この世にはいないことになってるんだから。それから」

笑っていた顔を真顔に戻して続ける。

「お兄ちゃんにいう?いってごらんよ。でもそんなことしたら、一子ちゃん、消えちゃうよ。それだけじゃないよ。消える前にものすごく苦しい思いをするよ、きっと」

次子はにっこりと笑うと、空いていた手で今度は一子の首を掴んだ。そうして、ぎりぎりと締め付けてくる。
一子は気が遠くなるのを感じた。それに気付いた次子は、いったん手を緩め、それからまた締め付けてきた。

「それだけじゃないよ。山鹿さんも消えちゃうよ。一子ちゃんのパパとママだって日本に帰ってきたら消えちゃうかも」

一子は、声を上げようとするが、首を締め付けられていてそれもかなわなかった。
酸素のなくなった水槽にいる金魚のように、パクパクと口を開け閉めすることしかできない。
次子の手を引き剥がそうとするが、びくともしなかった。
その様子を、次子は興味深そうに観察していた。首を絞める力加減の調節も怠らない。

「それにねえ。きっとお兄ちゃん、一子ちゃんのいうことなんか信じてくれないよ。だって、次子にめろめろなんだから。知ってる?次子とお兄ちゃんねえ、一子ちゃんがいない間ずっとセックスしてたんだよ。
ずっとだよ。数え切れないくらい。お兄ちゃんはねえ、もう次子なしじゃいられないんだよ。次子だってそうなんだよ。二人はねえ、最愛の兄妹で恋人なんだよ。なのに」

次子は、陶然とした表情をしてそういい終わったとたん、今度は目を鋭く吊り上げた。

「なのに、ねえ、一子ちゃん。一子ちゃんが出て行っちゃってから、お兄ちゃん次子を見てくれないんだよ。どうしてかなあ?ねえ、どうしてだと思う?」

次子は、一子の首をより強い力で絞めた。一子は、まるでかえるが鳴くようにぐっとのどを鳴らした。

「ねえ、どうして?どうしてって、き、い、て、る、で、しょ!」

もちろん、一子に答えることなどできない。すでに、失神寸前になっている。
それに気がついた次子が、あわてて力を抜いた。

「わっ、危ない危ない!うっかり殺しちゃうところだったよ、あは」

そんな次子の言葉も耳に入らず、一子は全力で呼吸を繰り返していた。自由に呼吸することができるということがこれほど心地よいものだとは思わなかった。
だが、それも再び次子の手に力が入って、阻まれてしまう。

「でもねえ、わたし一子ちゃんのこと嫌いじゃないんだよ。ほんとだよ。なんたって姉妹なんだもんね。ねえ、そうでしょ。そ、う、だ、よ、ね」

言葉を区切りながら、それに合わせて少しずつ力を込めてくる次子に、一子は必死で肯いて見せた。
そうしなければ、殺されると思った。一子の心は、死の恐怖一色に染められていた。

「だからさあ、お家に帰っておいでよ、ねえ。そしたらお兄ちゃんも余計な心配しなくなるし、わたしもお姉ちゃんが帰ってきてくれてうれしいし。あっ、そうだ!今度から一子ちゃんのこと「お姉ちゃん」って呼んでもいい?ねえ、い、い、で、しょ」

一子は、そう呼ばれて背筋に鳥肌が立つ思いがした。だが、肯かないわけにはいかなかった。

「ありがとう、一子ちゃん!じゃなかったお姉ちゃん!」
311ツイスター:2006/11/30(木) 22:40:33 ID:hKthOCM4
うれしそうにそういいながらも、次子は相変わらず加減をしながら首を絞め続けていた。
締め付け、緩め、締め付け、緩めを繰り返した。苦しさに、涙がぼろぼろとこぼれる。

「それじゃあ、お姉ちゃん。仲直りのしるしにさあ、この帽子、頂戴。やっぱりこれ、わたしが持ってた方がいいと思うんだ」

一子はもう何をいわれているのかもよくわからないまま、首を立てに振った。いや、小刻みに震わせていた。
それを見ながら、次子は満足そうに「うんうん」と肯いていた。

「よかった!一子ちゃんと仲直りできて。じゃあ、手、離してあげるね。でも大きな声だしちゃだめだよ。殺しちゃうからね」

次子はそう注意しながら掴んでいた一子の首を離したのだが、それは無駄なことだった。
突然支えを失って道路に倒れこんだ一子は、限界に達していたためか、解放された安堵感からかすでに失神していたからだ。
そのとたん、アスファルトに黒い染みが広がった。日光で溶けるほどに熱されたアスファルトから、湯気が上がった。
失禁したのだ。

「わわっ!だめだよ、お姉ちゃん。こんなとこでお漏らしなんかしちゃ。もう、仕方ないなあ」

次子は、あわてて一子のそばから飛びのいた。
自分の下着をはかせてやらないとダメだろうか。次子はそんなことを考えていた。
312 ◆zIIME6i97I :2006/11/30(木) 22:42:33 ID:hKthOCM4
以上、第20話「姉妹の契り」でした。

ナレーター「2ヵ月後、そこには元気に走り回る山鹿の姿が」
山鹿「レスキューの人たちには本当に感謝しています。もう次子にかかわったりはしないよ」

313名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:44:30 ID:Z5o/+mOr
まずいシャワー室での解答編は明らかにジェイソンフラグ……!
314名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:58:59 ID:bE9/Nu6y
鬼ごっこもツイスターも背筋がゾクゾクする。GJだ
315名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 23:10:50 ID:wQxkN0fN
次子マジ怖えぇ………
316名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 23:14:33 ID:UK6CcoV9
これはとても嫌なマリみてですね
317名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 23:17:04 ID:3QpeljUU
妹研の馬鹿どものせいで人は死ぬし殺されそうになるし色々大変なことになってるな
妄想で済ましてりゃいいものをw
318名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 23:25:08 ID:MH85n+9C
召喚したのが妹研の連中だったからこそ、この程度で済んだと喜ぶべきさ。
もし「修羅場研」なんてサークルが召喚したとしたら…

まぁ妹研のメンツに、このスレの住人が一人混じっていたのは確かだなw
319 ◆U9DQeTtJII :2006/11/30(木) 23:55:16 ID:q8xndlyE
投下いたします。
320switch / telepathic communication  ◆U9DQeTtJII :2006/11/30(木) 23:56:03 ID:q8xndlyE



夏休み直前の最後のHR、教団に立つ先生はいつものように夏休みにおける
心構えについての高説をいつものように長々と続けている。
私たちにとっては、毎年ごとに聞かされ、耳にたこが出来そうなくらいの
注意事項なんだけどそれは先生の立場上しょうがないことなんだろうと思い、
クラスのみんなは暑い中でも終わりのチャイムを心待ちにしていた。
無論、私もそのうちの一人だ。

「起立――礼!」

このクラスの学級委員が終礼の合図を終えると同時に私は
前もって帰宅の準備をしておいた鞄を持つと足早に教室を出て行く。

「おい、伶奈。部活にはいかねーのか?」

比較的席が近い亮ちゃんが私に呼びかけてくる。
部は違っても部室は同じ部室棟にあるからお互い用事がないかぎり一緒に行くのでそれに気づいたのだろう。

「うん、今日はちょっと用事があるの。ごめんね、先に行ってて」
「おお、わかった」

亮ちゃんは同じクラスの部活メンバーと談笑しながらこっちに手をひらひらと振っている。
私に少し遅れて準備を済ませて尚美ちゃんもこちらに駆け足で走りよってきた。
321switch / telepathic communication  ◆U9DQeTtJII :2006/11/30(木) 23:56:36 ID:q8xndlyE
「あたしも伶奈とちょいと用事があるからね。悪いけど亮、アンタあたしたちの部活に
 休むってこと連絡しておいてくれない。ほんのちょっとだけだからさ」
「ん。まあ、構わないぜ。にしても、お前ら二人がそろって用事ってのも珍しいな。
 バックれて買い食いでもやる気か?」
「乙女に対してその口の利き方は何よ? アンタはもうちょいデリカシーってものを知りなさい」
「はは、悪ぃ悪ぃ」

軽口を叩き合い、私は尚美ちゃんが私に並んだのを見ると一目散に校門へと向かった。
校門に着くと、近くの木陰に止まって呼吸を整えようと数回深呼吸をするけど、
心臓は早鐘のように激しく音を鳴らして未だにやむ気配は無い。
だって、これから私はクーちゃんに、デ、デ、デぇトのお誘いをするんだから。






322switch / telepathic communication  ◆U9DQeTtJII :2006/11/30(木) 23:57:35 ID:q8xndlyE



ことの発端はいつものように、昼休みに屋上で尚美ちゃんとお弁当を食べていたときだ。
私は、ひょんなことから最近クーちゃんに親しい女友達が出来たらしいということを伝えてしまった。
尚美ちゃんはそれに、「そんなに、不安なら本当に告白しちゃえば?」と返してくれた。
私もそのことはうすうす考えていたのかもしれない。
その上で、最後の後押しをしてもらいたくて、相談した節もあると思う。




私はこのいつまで立ってもやまない動悸を抑えようと努力してみるが、
やっぱり体は火でも噴いてるように熱くて緊張しているのが自分でもわかる。
私はそのときデートを申し込むときの期待と不安の混じった気持ちでいっぱいいっぱいだったんだと思う。
だから、クーちゃんが私がいるのを見て気づいておきながらそれを素通りしていったのに私は気づかなかった。
付き添いで私から少しはなれたところで様子を見ていた尚美ちゃんが呼びかけてくれたことで私はそれにようやく気づいた。







「ま、待って。待ってよ。クーちゃん」
「伶奈……」
「ねえ、一緒に帰らない」
「ああ、いいけど部活はどうしたんだ?」
「今日は用事があって、休みをもらったの。
 折角だから一緒に帰ろうと思って……もしかして、迷惑だった?」

私の問いにクーちゃんはすぐに首を縦に振ってくれた。
だけど、今日のクーちゃんは少しおかしかった。なんというか、雰囲気がいつもよりもよそよそしく感じのだ。
いつもはもっと落ち着いてるはずなのに、なんだか異様に周りを気にしてるのか視線が泳いでる。
どうして、そうまで周りを気にするんだろうか。
323switch / telepathic communication  ◆U9DQeTtJII :2006/11/30(木) 23:58:20 ID:q8xndlyE
――まさか――






私の脳裏に嫌な予感が染み渡る。
もしかして、あの女とクーちゃんはもうそういう関係になってて私と二人でいることに罪悪感を感じてる……
まさかまさかまさか、ありえない。クーちゃんがあの女との話しをしてからまだ三日しか立ってない。
いくらなんでも、そんな早く……けど、クーちゃんとあの女との出会いはどこか不自然なところもあった。
もしかして、向こうは意図的に近づいてたんじゃ――いや、でもッ!!


私は次々と浮かぶ嫌なイメージを取り払い自分が今日やるべきことを改めて心の中で確認する。
深く考えるのはよそう、そもそも今日の目的はクーちゃんをデートに誘うことだ。
きっと、クーちゃんはOKしてくれる。私のこんな下らない考えなんかすぐに吹き飛ばしてくれる。


「ねぇ、クーちゃん……」
「ん、何?」

顔を上げて隣のクーちゃんを見ればいつもの彼に戻っている。
さっきの顔がむしろ見間違いと思えるほどに……やっぱりさっきのは私の杞憂で、
緊張と焦りのあまりそう見えてしまっただけなんだ。


「今週の日曜……クーちゃんは暇?」
「え……」
「その、もし暇ならね。その日って花火大会があるじゃない。
 よ、良かったらあ、あの一緒に行かない?」

言えた!! ちゃんと言えた!!
返事がくるまで私は心臓が止まるんじゃないかってくらいどきどきしてたと思う。
きっと、一緒に行ってくれるはず、とそう強く願って。
324switch / telepathic communication  ◆U9DQeTtJII :2006/11/30(木) 23:59:08 ID:q8xndlyE







――え?――






「ごめん、伶奈」






――嘘 嘘 嘘!!!???――





「その日は用事があって……いっしょに行けないんだ」





その後は、何を言ってるのか私は何も覚えてない。
クーちゃんの言葉は私の胸をえぐり、その傷からは心の奥底に閉じ込めていたどす黒いナニかがあふれ出す。
今までの考えてた嫌なことだとかがこれでもかというくらいに鮮明によみがえり私の心を犯してくる。
気づけば私は自分の家の前にいた。どうやって、帰ってきたのか記憶はまったくない。
ただ、私の中から出てくるあのどす黒いものに翻弄されるばかりで……



「あの女の……せいなのかな……」



私は離れていくクーちゃんの背中にそうつぶやいてしばらくの間立ち尽くしていた。


325 ◆U9DQeTtJII :2006/12/01(金) 00:01:14 ID:q8xndlyE
あれ? 次は修羅場になりますっていったくせに……本当にすいません○| ̄|_
伶奈の描写を書くのか楽しくて修羅場まで分割することにしました。
次で修羅場に入れる……かも?
ってか、爽やかなデートのお誘いにしようと思ってたのに……また、やってしまいました。
彼女どんどん歪んだ子になっていく。もう止めることは出来ないのか。
当初は、こんな予定ではなかったのに(´・ω・`)
てか、ネタが何気に季節はずれですね。
326名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:10:58 ID:nwU36sXN
      +   +
        ∧_∧  +
       (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
   +.   (0゚∪ ∪ +
       と__)__)    +

  
        ∧_∧
       ( ゚д゚ )
       ( ∪ ∪
       と__)__)

327名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:17:09 ID:f1zR26nM
修羅場も見たいがこうやってだんだんと病んでいくのもイイ!!
作者さんGJ
328名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 01:05:42 ID:lnRauwPm
ヒロインの駆け引きもそうだが、主人公が一風変わった性格の持ち主なだけに、
ヘタレ方向に転んでいくのか、どうなのかが楽しみなところだな。
いまのところ、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ、という感じではないみたいだが、
伶奈の変貌如何によっては・・・・
329名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 02:47:12 ID:1oGDqO4a
>>325
GJ!! やっぱり幼馴染み×依存は黄金コンボだと思った冬の夜

>>326
こっち見んなw
330 ◆zIIME6i97I :2006/12/01(金) 12:12:31 ID:8tvUBXQL
ツイスター、投下します
331ツイスター:2006/12/01(金) 12:13:24 ID:8tvUBXQL
次子に手首を掴まれたまま連れられて家に帰った一子は、おそるおそる玄関を上がった。
その様子をみた次子が声をかけた。

「ああ、お兄ちゃんならいないよ。山鹿さんのお見舞いにいってるから。だから今のうちにお風呂入って着替えて。首の隠せる服にしてね、首に跡がついてるから」

一子は、自分の首に手をやった。もちろん、何の変化も感じることはできない。
だが、あれだけきつく絞められたのだ。きっと、浅黒く跡が残っているに違いなかった。
そして、実際にそれを風呂場で見て、ついさっき自分は殺されかけていたのだという事実に青ざめる。
恐怖が蘇ってきて体が震えた。
そのとき、脱衣場のドアが開く音がした。びくりとして動きが止まる。

「お昼まだでしょ?今日はそうめんだから。早く上がってね、お姉ちゃん」

次子はそれだけいうと、ドアを閉めた。
一子は、シャワーを頭から浴びたまま、その場にへたり込んだ。

風呂から上がると、一子はたんすの奥からジャージを引っ張り出して、ファスナーを上まであげた。
リビングでは、次子が食事を用意して待っているだろう。だが、とてもそこに行く気にはなれない。
そう思っていると、またドアの外から声が聞こえてきた。

「どうしたの?お姉ちゃん。ご飯できたよ」

「あ、いや、わたしは食欲ないから」

「だめだよ、ちゃんと食べなきゃ。それに久々にわたしの作ったご飯、お姉ちゃんに食べてもらいたいな」

「でも、いいから」

そういって、あくまでも固辞すようとする一子に、次子がすっと声を低くしていった。

「だめだよ、お姉ちゃん。妹のお願いなんだから」

その声を聞くと、もう一子には抗うことはできなかった。震える体を半ば押さえつけるようにして、ドアを開ける。
次子が立っていた。例の、犬のエプロンをつけていた。
エプロンをつけた次子の姿は、最近まで日常の一部を構成していたものだが、今では一子の目にはまったく別のものに成り果てていた。
目の前にしているのは、一個の怪物だった。
次子は手を伸ばして、一子の首周りを確認した。その間、一子は蛇ににらまれた蛙のように身動き一つできなかった。
首のあざが目に触れないことを確認すると、次子は満足そうに肯いていった。

「うん、よし!じゃあ、ご飯にしよう!今日はねえ、そうめんとお姉ちゃんの好きな鳥のから揚げなんだよ。そうめんばっかりじゃ、バテちゃうもんね」

一子は、次子に手を引っ張られながら、階段を降り、リビングに向かった。
その間は、次子は本当に姉の世話を焼く妹のように、人懐っこく振舞っていた。
一子は、その次子とあの怪物とのギャップに非現実感を味わった。
いや、そのギャップを一瞬で飛び越えるからこそ、怪物だといえるのだろう。これに人の気持ちなど分からない。
それこそ殺すとなれば、なんの躊躇もなく人を殺すのだろう。それこそ、こんな風に笑いながら。一子はそう思った。
332ツイスター:2006/12/01(金) 12:14:25 ID:8tvUBXQL
テーブルについても、一子は箸を取る気もなくしばらくじっと座っていた。
だが、次子の暗い視線を感じて、一子は急いで箸をとりそうめんを啜った。むせてしまう。

「あはは、急いで食べるからだよ。はい、麦茶」

次子がそういって、グラスを差し出してきた。受け取らないわけにはいかない。
次子は、まるで中のよい姉妹のように振舞うことを求めているのだろう。
あんな目に会わされて、そんなことができるはずもなかった。だが、やらなければならない。
次子は、要望しているのでなく、命令しているのだ。それにそむけばどうなるか、いやほど思い知っている。
玄関から、声が聞こえた。

「ただいま」

太郎の声だった。一子は、それを久しぶりに聞いた。本当に久しぶりに。
その感慨は、単に一週間ぶりという現実の間隔によるだけでなく、次子と二人きりというこの地獄のような状況に光をもたらしてくれたからだ。
あれだけ太郎を避けていた一子だったが、今は会いたいと切実に思っていた。
その思いのままに玄関に向かおうとした一子を、次子が押しとどめた。

「いいから、お姉ちゃんはここで食べてて」

そういって、自分だけ玄関に走っていってしまった。

「おかえりなさーい」

次子の声が聞こえてきた。続いて、廊下を歩く足音がして、太郎がリビングに入ってきた。
暗い顔をしている。何事か考え込んでいる様子だった。

「あ、一子?帰ってきたのか?」

太郎は、一子の姿に気がつくと一瞬驚いた顔をし、その後で深いため息をつくと顔を綻ばせた。
それを見て、一子はなぜだか涙を流してしまったのを感じた。頬を、ぽろぽろと水滴が伝う。

「お、おい、どうしたんだ?」

そういって、おろおろする太郎を見ていると、すべてを打ち明けてしまいたい気持ちになる。
しかしそれも、太郎の背中に次子が飛びついたのを見てなえてしまう。

「いいじゃないお兄ちゃん。次子ちゃんも家出なんかして悪いと思ってるんだから」

「え?え?いや、俺は別に怒ってなんてないぞ、な、一子。山鹿があんなことになっちゃったけど、お前が帰ってきてくれてよかったよ、うん」

それを聞いて、一子の涙はさらに量を増した。太郎の狼狽の程も大きくなった。

「ほらほら、お兄ちゃんはいいから、そうめん食べてて。わたしがお姉ちゃん部屋に連れてくから」

「お姉ちゃん?」

太郎がその呼称に首をかしげた。

「うん、わたし、今日から一子ちゃんのことお姉ちゃんっていうから、仲直りしたのわたしたち、ね?」

「そうなのか?」

今ひとつ釈然としていない太郎を残して、次子は一子の手を取り、リビングを出て行こうとした。
それを、太郎が呼び止めた。
333ツイスター:2006/12/01(金) 12:15:11 ID:8tvUBXQL
「おい、首のところ青くなってないか?」

一子のジャージのファスナーがわずかに降りていたのだ。次子が一子と太郎の間に割って入った。

「ダメだよ、お兄ちゃん。女の子にはいろいろあるんだから」

ちっちと指を振りながら、次子がいった。太郎にはわけが分からなかったが、ともかくそれ以上追求することはなかった。
それを確認すると、次子はまた一子の手を取って、今度は小走りにリビングを離れた。
そうして一子の部屋に入ると、次子はまじかに顔を近づけていった。

「お姉ちゃん。いい加減にして。お願いだから、普通にしてて。一人きりの妹がお願いしてるんだから、ちゃんと聞いて」

一子は、がくがくと首を振って肯いた。それを見た次子は、一子の部屋を出て行った。
やっと一人きりになった一子は、しばらくその場に突っ立っていたが、やがてふらふらとした足取りでベッドに向かった。
そして、ベッドの上に倒れこむ。もう、それきり動くことはできない。
あまりにたくさんのこと、あまりに強烈なことがあった。疲れ果てていた。

目が覚めると、すでに夜になっていた。クーラーをつけることも忘れていたので、汗をびっしょりとかいている。
一子は起き上がった。時計を見ると、すでに12時を回っていた。
耳を澄ますが、物音一つ聞こえてこない。皆、眠っているのだろうか。
一子は、今が逃亡の、あるいは助けを求めるためのチャンスだと気がついた。いや、今しかない。
そうすることで、次子の逆鱗に触れるかもしれないなどと考える余裕はなかった。ともかく、ここから離れたかった。
だが、どこへ行く?山鹿のところか?だが、もうこれ以上迷惑をかけることはできない。最悪、死なせてしまうことになるかもしれない。
太郎のところか?それこそばかげている。今太郎の隣には、きっと次子がいることだろう。
それに、次子のいっていたことが気にかかる。次子は、太郎は自分の味方なのだといっていた。だから、自分のいうことなど信じないと。
そんなことは信じたくない。だが、太郎のことを信じきることもできない。
もし、自分と次子のどちらかを選ばなければならないとしたら、太郎は迷いなくこちらを選んでくれるだろうか。
そう考えて、一子は目の前が涙でぼやけるのを感じた。
太郎はきっと、自分のことを生意気でかわいくない妹だと思っているだろう。
もしかしたら、次子と取り替えたいと思っているのかもしれない。
どうして、自分は今まで素直になれなかったんだろう。
そうしていれば、太郎にあんなおかしな妹が取り付くこともなかったかもしれないのに。
自信を持って、太郎は自分を選ぶと思えたかもしれないのに。
一子は、ベッドの上で泣き続けた。
334ツイスター:2006/12/01(金) 12:15:52 ID:8tvUBXQL
ひとしきり泣いた後、一子はやはり家を出ることにした。いく当てなどない。
だが、どこだろうとここにいるよりはましだと思えた。机の上に、合宿の時に使ったバッグが中身はそのままにおいてあった。
一子はそれを掴むと、部屋のドアを開けた。
次子が壁に背を預けて立っていた。
息が止まる。

「どうしたのかな?こんな夜中に」

「あ、あ、あの、トイレ、トイレに」

一子は、とっさにごまかそうとした。だがそれも、バッグを持ったままでは意味がなかった。

「へえ、トイレ。そんなバッグ持って?」

「え、あ、いや、あ、あの」

「寝ぼけちゃったんだよね、お姉ちゃんは」

次子が、にっこり笑ってそういった。一子は、震える声で答えた。

「あ、あ、うん、そう、そうなの」

「じゃ、お部屋に戻ってね、おやすみなさい」

次子はそういうと、一子の胸をとんと押して部屋に押し戻しドアを閉めた。
一子は、遠ざかる次子の足音を聞きながら、いつまでもその場に突っ立っていた。
335 ◆zIIME6i97I :2006/12/01(金) 12:16:53 ID:8tvUBXQL
以上、第21話「一子の帰還」でした。

もそっと追い詰めてみないとダメかな

336名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 12:36:28 ID:2emd1+W0
>>332
×次子ちゃん

○一子ちゃん

だと思います!
次子の入れ替わり戦略かと思って一瞬ビビった
337 ◆zIIME6i97I :2006/12/01(金) 12:48:54 ID:8tvUBXQL
>>336
さいです。申し訳ない。
338名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 13:20:11 ID:m+g1J8Hx
本当に猿太郎は使えねぇなぁ!
一子が不敏だ・・・
339名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 14:03:45 ID:GHQXANIt
現状は一子が追い詰められているが、次子の方も追い詰められているよな
その時間まで部屋の前で立っていたということは、今晩も抱いてもらえなかったということだろう
340名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 14:23:08 ID:rIlKV2m1
弟を呼び出して守ってもらえばいいんだよ。
姉を呼び出すとさらにややこしくなりそうだしな!
341名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 14:45:09 ID:YnrEm6T9
腐り姫の妹二人を思い出した
342名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 18:54:11 ID:XutpP40x
>>340
(゚∀゚)!!!






( ゚д゚ )
343名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 18:59:16 ID:yk2aFuF1
間違いなくウホ弟だろうがな
344トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/01(金) 18:59:49 ID:saxRII8Q
では投下致します
345水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/01(金) 19:02:49 ID:saxRII8Q
 第5話『冬子さん、悠長にお茶を飲む』

 優しい微笑と穏やかな雰囲気を無防備に漂わせているオーラの持ち主が当たり前のようにソファーに座ってお茶を飲んでいた。
少し離れた場所のソファーに虹葉姉と紗桜がジト目で睨んでいた。
「ああ。お茶がおいしいわ」
 年頃は20才後半を迎えているがその容姿は童顔のおかげで虹葉姉と紗桜と変わらない年頃の女の子のように見える。
長い髪を三編みにして垂れ流すようにぶら下げていた。
「月さん。虹葉ちゃんや紗桜ちゃんから詳しいお話を聞かせてもらいましたよ。

昨日は幼なじみの女の子を口説いて、決められていた門限時間に帰って来なかったようですね」
 冬子さんが笑顔のまま、俺に問う。更に厳しい視線で睨んでいる水澄姉妹の重圧も充分に俺の心の負担は倍増する要素となっていた。
 冬子さん。
 虹葉姉と紗桜の伯母。水澄家の保護者代行として俺達の世話や面倒をいろいろと妬いてくれている。
今回のような水澄家が危機的状況に陥る時には必ず家にやってきて家族会議を開くために冬子さんが家へとやってくる。
つまり、今の状況は水澄家にとって何かの危機的状況になっているってことだ。
 まさか、紗桜の捨て台詞通りに冬子さんを呼んで来るとは。なんて恐ろしい事を。

「どうして、門限時間を守らなかったんですか?」
「それは……ちょっと」
「幼なじみのあの子とイケナイことをやっていたのかな?」
「やっていません。何年ぶりかに再会した幼なじみと喋っていたら、気が付いたら門限時間を忘れていただけです」
「でも。月さんが悠長に幼なじみさんを口説いている間にこの子たちがどういう状態に追い詰められていたのか知らないわけじゃないでしょう?」
「うっ……それは」

 門限時間を過ぎて帰ってしまったら、虹葉姉と紗桜の精神状態が少し錯乱していたような気がする。
主に空鍋とか。だが、ああいう風に現実逃避行動に走ってしまうにはちゃんと理由があった。
 両親を亡くしたあの飛行機事故の原因になったのは虹葉姉と紗桜が当てた商店街の温泉旅行券だ。
それを両親にプレゼントした結果、あんな悲惨な事故に巻き込まれてしまったことに二人の心はとても深く傷ついたのだ。
今は普段通りに振る舞っていることができていたが、事件の当初は信じられないぐらいに虹葉姉と紗桜は取り乱していた。
自分を責め続けていた。そんな二人を見て、俺と冬子さんは精一杯虹葉姉と紗桜を励まして支えてきた。
俺も中学時代は部活や友人の付き合いもすることもなく、虹葉姉と紗桜のために早く家に帰って傍に居続けたのだ。
その結果、虹葉姉と紗桜は見事に立ち直って現状に至る。 ただ、一つ問題点があるとするならば。
 虹葉姉と紗桜が俺に対する依存度はますますと増加の一方にある。

ただ、門限時間に帰らなかっただけで姉妹にとって、俺は両親と同じように戻ってこないのではないかと危惧し
精神が不安定になってしまったのだ。
 気を付けたとはいえ、これは迂闊であった。
 冬子さんが俺に問い詰めるような言い方するのは無理ないと思う。
346水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/01(金) 19:04:59 ID:saxRII8Q
 と、普通はそう思うだろう。だが、冬子さんは感性は人並みとはずれていた。
「そこでどうしてHDDレコーダーで録画してくれなかったの? 
いい意味で壊れている虹葉ちゃんと紗桜ちゃんを私もちゃんとこの目で見たかったのに。
嫉妬スレで私の親戚がこんな風になってしまいましたって書き込みしたかったよ!!」
「冬子さん。それはあんまりでは」
「でもいいもんね。これからは虹葉ちゃんと紗桜ちゃんの恋のライバルである幼なじみの女の子の出場で
二人が焼き餅を妬くところはちゃんとデジタルカメラの画像にいくらでも残すことができるもん」
 当然、虹葉姉と紗桜がヤバイ状態だったときも冬子さんは今のように接していたりする。
「虹葉姉も紗桜も冬子さんのオモチャじゃないんだから」
「二人なら憎むべき泥棒猫を倒す情報と協力を惜しまないって言ったら、天使の笑顔で了承してくれたわよ。3秒ぐらいで」
 虹葉姉と紗桜に視線を向けるが、二人とも頬を膨らませて首を横に振る。
俺が二人に目を訴えたいことは『冬子さんに余計なことを言うな』だったが
すでに姉妹は俺の考えている事は見抜いて、ご機嫌ナナメで俺に視線を合わせたり助け船を出しませんよと意思表示を行なっている。
「ということでそろそろ来る時間かしら?」
「誰が?」
「鷺森音羽ちゃんが」
「なんですとぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 俺だけではなく、虹葉姉と紗桜と同時にハモって叫んだ。
347水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/01(金) 19:09:03 ID:saxRII8Q
 食卓は久しぶりに賑やかに席の空白を埋めていた。
いつもは俺と虹葉姉と紗桜の3人しか使っていないテーブルに今日は冬子さん、そして、音羽が座っていた。
 冬子さんの謀略により音羽は家族の団欒の場に強制的に呼ばれた。
表向きは俺の名前を語って、音羽を食事会に誘ったこととなっている。

もちろん、俺は誘った覚えはない。全ては冬子さんの嫉妬好きが仕組んだことなのだ。
 おかげでこの食事会は冬子さん以外は険悪な雰囲気を漂わせている。
俺が夕食の準備に取り掛かっている間に何があったのか知らないが、

虹葉姉も紗桜も表面上は穏やかだが、黒いオーラに殺気が更に篭もられていた。
対する音羽は笑顔を崩さずに外面だけはいつものように振る舞っている。
ただ、音羽に視線を合わせると背中から悪寒が走ってしまうので俺には想像できない何が起きているんだと勝手に
納得して夕食の盛り付けした皿を皆の元に運ぶ。
 今日の夕食はきっと味覚が失ったような味がすることであろう。いろんな意味で。

「修羅場♪ 修羅場♪ 修羅場♪」
 冬子さんは一人で盛り上がっている。修羅場に相応しいメンツを揃えて満足していることであろう。こっちは胃に穴が空きそうなのに。
「月ちゃん。月ちゃん。月ちゃんが作った料理はとても美味しいよ。もう、ほっぺたが落ちそうなぐらいだよ」
「まあな。この家の家事は基本的に俺がやっているからな」
「月ちゃんは私のいいお嫁さんになれるね」
「いやいや待て」
「そうですよ!! どうして、兄さんが音羽さんのお嫁さんにならなきゃいけないんですか?」
 紗桜が思わず椅子から立ち上がって音羽に向かって叫んだ。音羽は冷静にその乱暴な言葉を受けとめている。
余裕たっぷりな姿にある意味感服したくなる。
「だって、あなたたち姉妹は月ちゃんが一生懸命に夕食を作っている間は何も手伝おうとしてなかったでしょう? 
仮にも女の子なら料理の一つや二つぐらい作れて当たり前。
居候の月君がこんなところで奉仕させられるぐらいなら、私と結婚して、
私のためだけに愛情たっぷり詰まった料理を作った方がいいに決まっているんだよ」
「むぅ」
 紗桜は音羽の言動に圧されて思わず怯んでしまった。まあ、怯む理由は全く料理もできないし、
暗黒料理を披露して死人が多数を出してしまう程に最悪である。
だが、音羽は怯んでしまった今こそが攻撃する場面だと開いた口は止めることがなかった。
「ということで私のためにお弁当とか作ってくれたら嬉しいな月ちゃん」
「即刻却下だな」
「そんなぁ。月ちゃんたら恥ずかしがらなくてもいいんだよ」
「わざわざ負担を増やしたくないし」
「家族じゃない人に月君がお弁当を作る必要はありません!!」

 妹の敗北で次は姉の虹葉姉が椅子から立ち上がって、橋を音羽に向けて突き指した。
食事のマナーとしては最低行為であるが、俺は関わりなくなかったので自分で作った料理を口に入れてゆく。

「月君のお弁当は本当に美味しいんだから。私なんか残さず食べまくっていたから、思わず2キロぐらい太ってしまったけど、
泥棒猫に食べさすお弁当はないと思いなさい!!」
「虹葉さんも料理しないんですね?」
「ええ。だって、料理の才能は全然ないんだもん」
 さすがは虹葉姉。音羽の嫌味を軽々と受け流した。年上の余裕なのか、平然と落ち着いて天然の微笑を浮かべている。
「それは居候の月ちゃんを奴隷のようにこき使っていると解釈していいんですか?」
「奴隷? 違うよ。月君が私たちの姉妹のことを想って料理を作ってくれているんだよ。
だから、私たちはその想いを応えるためにも残さず食べないようにしてるの」
「本当なの? 月ちゃん」
「ああ。たぶん」

 食欲旺盛な虹葉姉と紗桜はちゃんと残さずにいっぱい食べている。
成長期なのだから、今の時期はよく食べるわけであって、そこに想いがあるかどうかなのは今知ったよ。
348水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/01(金) 19:11:20 ID:saxRII8Q
 音羽はハンマーに殴られたような衝撃的な表情を浮かべている。それに満足したのか、虹葉姉は勝ち誇って胸を張っていた。
更にとどめの一言を敵に告げる。
「月君。今日も一緒にお姉ちゃんとお風呂に入ろうね!!」
 全ての空間が静寂なる時に包まれた。
 虹葉姉の一言がこの食卓にいる人間全てが驚愕していた。
「に、兄さん?」
「つ、月ちゃん?」
 睨み付ける視線で紗桜と音羽が俺を見る。
「つ、月ちゃん。女の子と一緒にお風呂に入るなんて不潔だよ。変態さんだよ」
「ご、誤解だ。この年になって、虹葉姉や紗桜と入るわけないだろう!!」
 顔を真っ赤しておどおどしている音羽は今まで余裕ぶりが嘘だったかのようにこれ以上もなく慌てていた。
 どうやら、男と女の関係に関してはウブらしい。
「えっ? お姉ちゃんと一緒に入ってくれないの?」
 こっちは今にも泣きそうな表情を浮かべて、月君はそんなことを言わないよね光線をキラキラと送っている。
「むぅ……。お姉ちゃんと入るなら、私も一緒に入りますよ兄さん!!」
「どないしろと」
 この姉妹の最強コンボを退ける方法があるなら、ぜひご教授してもらいたいもんだね。 
 騒動が収まらないと見て、冬子さんが俺に向かって言った。
「月さんは今好きな女の子とかいますか?」
「はいいっ!?」
「月さんもお年頃の男の子ですし、そろそろ好きになった異性がいてもおかしくないですよね?」
「何を言っているんですか? 冬子さん」
 冬子さんの一言で虹葉姉と紗桜と音羽がほぼ同時に耳を傾けていた。
「だって、知りたいじゃないですか? 月さんの好・き・な・女の子ことを」
「あのね……。俺は」
「ここにいる虹葉ちゃんや紗桜ちゃんや音羽ちゃんの中にいるんじゃないですか? うふふ」
「いやいや待て待て……」
 三人の目が獲物を狙う狼のような鋭い眼光が俺に突き刺さった。
 ヘタなハンターなら、その瞳を見るだけで体の全てが震えて動けなくなってしまうことであろう。
 俺は冬子さんの謀略にまんまとはまってしまったようだ。
「なぜ、そこで視線が俺に集中するんだ」
「だって、月君はこの中で誰が好きなの?」
「兄さんが鈍いから悪いんですよ」
「はぅ。月ちゃんのバカ」
 この3人の中から仮に一人を選んだとしても、最終的にその後のことを考えると不幸な結末しか用意されていないような気がするんだが。
「あらあら。月さん。頑張ってくださいね」
「やれやれだぜ」
 と、俺は全く味がしなかった食事を食べ終えてから嘆息するしかなかった。
 トラブルメーカーの冬子さんは悠長にお茶を飲んでいた。
349トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/01(金) 19:15:16 ID:saxRII8Q
今回はこれにて終了w
ようやく、修羅場の舞台が整ってきたかな?
350名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 20:14:15 ID:ZbO470FM
くやしい……でも……GJしちゃう…ビクビクッ…ビク!
それはともかく冬子さん修羅場スレの住人だなんて最強すぎるぜ
351名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 20:23:55 ID:AJzO23MN
惨劇続きだったせいで、コメディ調がむしろ清涼剤っぽいw
GJ!
352『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/01(金) 20:53:33 ID:RDWvnAgZ
数か月前……僕が二年に上がった四月……
「はぁ……」
僕はとても悩みが多い。多感な年頃というべきか、若いゆえに悩む。授業中だが、耳から耳へ、国語教師の念仏は流れていく。
「はぁ…」
もう一度溜め息。隣のクラスメイトがなにかとこっちを見た。ごめんなさいね。
大きな悩みは三つあった。一つは今日から親がいないこと。海外出張とやらで、今日の朝起きたらいきなりいなくなり、置き手紙があった。本当に無責任な親だよ。
二つ目……これは妹のことだ。僕には双子の妹がいる。とはいえ二卵性の男女なので、まったく似ていない。
この妹がまたかなりのブラコンで(自分で言うのもなんだが)しょっちゅうベタベタしてくるので、何とかしたいのだ。
たまに恋人に間違われることがあり、正直迷惑してるし、やっぱり兄妹で仲が良過ぎるのもおかしい。
三つめは……まぁ、単純。僕自身の恋の悩みだ。ああ、こんなのを長々と説明するのは気味悪い。だからシンプルに。
僕は美術部に入っているんだが、そこの部長にに惚れてしまった。うん、ただそれだけのことだ。
353『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/01(金) 20:54:53 ID:RDWvnAgZ
優先事項からしたら2→3→1だ。妹のことをどうにかしないとろくに恋人を作ることもできやしない。
思い立ったら吉日、即行動。さっそく妹を兄離れさせよう。ちょっときつく言えば大丈夫だろう。普通妹は兄を嫌うってものだ。
「……であるからして、ここの一人称の『ボク』は誰になるかというとぉ…………じゃあ、水瀬。答えてみろ。」
「へ?…ああ、っと………主人公の弟ですか?」
「うむ、正解だ。次に…」
あ、あぶなかった。なんとか勘で当たっててよかった……








放課後
僕は部活のため、美術室に向かっていた。美術部に入った理由は、その綺麗な部長がいたからという邪なことだったのだが、もともと才能があったのか。
いつの間にやら美術部の中でもトップクラスの実力になり、いくつか賞もとった。なにより僕自身、絵を描くのが楽しいからいいんだけど。
ガチャ
部室に入ってみたが、まだ誰も居なかった。どうやら来るのが早かったらしい、HR終わってすぐにきたからな。
一人で準備してれば誰か来るかなぁ、と思っていたが、イスに座った途端……
354『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/01(金) 20:55:56 ID:RDWvnAgZ
「ふぁ…」
眠くてあくびがでた。今日の最後の授業が体育のマラソンだったからだ。どうして春はマラソンなんだろう。
「………う…」
いけない。眠い…このままじゃ……ほんとに…寝………
「ぐぅ…」









つんつん
ほっぺたをなにかがつついてる。なんだか固い棒みたいな物だろうか。まだ眠りの底にいるため、正確に判断できない。
つんつん
「んぅ……」
眠りを妨げられるのが癪なので、呻き声をあげて抵抗してみる。まだ眠いんだ。もう少しねかして……
サワサワサワ……
「うぁあ!?」
いきなり首のうなじにふさふさした毛のような物が触れ、あまりのくすぐったさに飛び起きてしまった。
「…な、なに?」
腕に目をあてて突っ伏して寝ていたため、視界がぼやけている。一体誰だよ……僕の眠りを妨げるのは……
「うふふ、おはようございます。目が覚めましたが?」
「え?その声って………部長?」
「はい、部長です。」
ようやく視界がはっきりすると、本当に目の前には先輩が立っていた。かわいい笑顔を浮かべたまま…
355『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/01(金) 20:56:52 ID:RDWvnAgZ
「ふぁ…」
眠くてあくびがでた。今日の最後の授業が体育のマラソンだったからだ。どうして春はマラソンなんだろう。
「………う…」
いけない。眠い…このままじゃ……ほんとに…寝………
「ぐぅ…」









つんつん
ほっぺたをなにかがつついてる。なんだか固い棒みたいな物だろうか。まだ眠りの底にいるため、正確に判断できない。
つんつん
「んぅ……」
眠りを妨げられるのが癪なので、呻き声をあげて抵抗してみる。まだ眠いんだ。もう少しねかして……
サワサワサワ……
「うぁあ!?」
いきなり首のうなじにふさふさした毛のような物が触れ、あまりのくすぐったさに飛び起きてしまった。
「…な、なに?」
腕に目をあてて突っ伏して寝ていたため、視界がぼやけている。一体誰だよ……僕の眠りを妨げるのは……
「うふふ、おはようございます。目が覚めましたが?」
「え?その声って………部長?」
「はい、部長です。」
ようやく視界がはっきりすると、本当に目の前には先輩が立っていた。かわいい笑顔を浮かべたまま…
356『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/01(金) 20:58:06 ID:RDWvnAgZ
「あ、そのー……えっと…」
非常に気まずい。本当に寝てしまった上に、部長にそれを見られてしまった……部長はなおもにこやかにほほ笑んだままだ。
「あ、あれっ?」
気付けば、外はまっくらだった。もう日は沈み、完全に下校時刻を過ぎていた。
「あ、あの、部長?」
「ん?」
「もしかして、僕……部活の間、ずっと寝てたん……ですかね?」
だとしたら大失態だ。部長だけでなく、部員のみんなにも寝ているとこをみられてしまったのか!?
「あははは!ちがうよ、水瀬君。今日はもともと部活ないんだよ。ほら。」
そういって指差した先には、黒板に張ってあった紙。そこには部活の休みについてかかれてあった。顧問が居ないため休部と。
「はぁぁぁ……本当ですかぁ…」
なんだか脱力。まさかそんなオチだとは。
「あれ?でも先輩はなんでここに?今日は休みなんですよね。それなのにこんな時間まで……」
「ああ、私は……部活がなくても練習したかったから。自習ってやつですね。」
「あー、自習ですか。さすが部長ですね。何描いてたんですか?」
話をそらそうと、別の話題をふる。
357『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/01(金) 20:58:56 ID:RDWvnAgZ
「え?えへへー……」
何気ない話だと思ったのだが、何故か部長は顔を赤らめてうつむいてしまった。そしてちらちらと自分が描いた絵に視線を向けている。
絵にはカバーが掛けられており、なにが描かれているかわからなかった。
「これ、ですか?」
その絵に近付き、カバーを外そうとしたが…
「あー!だ、だめだめ!見ちゃダメだよ!それ、私のプライベートなんだよ!?」
慌てて僕の前に立ち塞がり、行く手を阻もうとする。
ポフッ
いきなり目の前に出てきたため、部長は僕の胸にぶつかってしまった。
「うぅー……」
その際に鼻をぶつけてしまったのか、真っ赤な鼻をさすってうずくまっていた。涙目で上目遣いで見てくる部長に、思わずドキリとしてしまった。
「す、すみません。………よっ!」
ガバッ
怯んでいる隙に絵のカバーを外した。そこに描かれていたのは……
「な、なんですか!?これって僕じゃないですかっ!」
爆睡している僕の寝顔だった。
「あーん、もう。だから見ちゃダメっていったのにぃ。あーあ、なんだか恥ずかしいなぁ。」
恥ずかしいのは僕のほうですよ……
358『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/01(金) 21:02:32 ID:RDWvnAgZ
次回、『デシャヴ』
狂妹あらわる
359名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 21:04:35 ID:pn0vpF/R
>>358
作者様GJ(≧∇≦)b

しかし、次回予告のその副題は!?
期待と興奮が止まらないわ(*´д`*)
360名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 21:07:36 ID:EW2xB2Mu
>>349
ヒロインの壊れっぷりは最高だけど、主人公の性格があまりに標準的エロゲ主人公過ぎて
意外性がないところがちょっとつまらないかもと思う。展開も読めちゃうし。
それとも、この手のコメディに主人公の個性なんていらないのかね?
361名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 21:16:19 ID:8zVgGDWk
>>360
奇抜な主人公ってこのスレじゃあんまりいないね
362名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 21:19:59 ID:2oQr52L/
てか
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな

修羅場スレのお約束をよろしくね
363名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 21:50:07 ID:RFJEwSJd
>>360
ヒロインが暴走するから主人公はまともなキャラじゃないと物語は進まないと思うんだがな
まあ、話の展開は読めるってことは作品の中身が詰まらないってことだよなw
364名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:01:57 ID:sOwHMJ4T
はっきりとトライデントの書いている作品は面白くないって言えばいい
黙っているのは本人のためにもならんぞ
365名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:08:59 ID:wvYk5rEY
面白くなければ黙ってスルーすればいいだけでは?
誤字脱字等の指摘なら兎も角、わざわざ公言することもないでしょう。
366名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:09:42 ID:OMl4c8+t
こういう流れはいやだな
367名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:09:59 ID:Px5jlvK2
>>358
さよならを言えたなら
忘れてないですよね?
368名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:11:19 ID:767KWGwF
つまらなければスルーだろ
369名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:15:32 ID:Px5jlvK2
名前が売れて人気が出てくると否定派の奴らも普通に出てくる。
それは有名税って奴やね。
そこで止まってしまう人も居るけど否定派以上にトラさんの作品が好きな
人もそれ以上に多いから頑張って欲しい。
370名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:24:16 ID:HCbOx5hu
批評、否定本は小説書くより楽ってどこぞの小説家が言ってたな
371名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:26:48 ID:x5NHbY/v
俺もトラさんの作品は好きだ。
ギャグやパロが多いのも事実けどそれも作風の一つだと思っている。
修羅場なんだけど楽しく読める作品って感じだね。
まとめると、GJ&続きにwktkってことさ。
以下何事もなかったように嫉妬についての猛りをどうぞ↓↓
372名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:27:38 ID:doVzF3hz
おにごっこの真犯人が全くわからないんですけど
373名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:34:09 ID:2oQr52L/
>>372
先を読む楽しみが多いってことじゃないか
羨ましい
374名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:44:13 ID:D+P8LxWM
ごめん俺トラの鳥NGIDにしてる
375名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:50:47 ID:ai2BQ6ls
NGにしてるなら読めないはずだろう。
なんで批評できんだ?
376名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:52:58 ID:wCWlKURI
>>374
トラの鳥ってなんなのさ
377名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:54:07 ID:Px5jlvK2
もう辞めようぜ。
さっきから判るけど単発IDばかり
誰か一人が自作自演してるな
378名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:55:28 ID:hGL2yQHi
本スレから転載

979 名前:名無したちの午後[sage] 投稿日:2006/12/01(金) 22:44:01 ID:2OkcXAlY0
私思ったんですけど
実の姉が交通事故に遭えばいいとずっと思っていたんです
大好きな○○君が姉とキスしている場面を目撃してたから
ずっとずっとね・・。
お母さんに相談したら、

そういう時は包丁でも研いでおきなさい
って言われていたんで大人しく包丁を研ぎました
いいキレ味になってくれるかな?
美味しい料理を作るためにはまず道具から綺麗にしておかないと
でも、姉が○○君と出かけそうになると
私は包丁を研ぎたくてたまりません。もし、これがなかったら
正気を保っていられるか自身がありません

お母さんの助言は本当に役に立ちました
今度、お礼にお父さんの浮気相手の首をゆうパックで配達させてもらいましょう
でもね。
○○君。
どうして、私の事を好きになってくれないのかな
私は断然に姉みたいなロリ体型じゃないし、おっぱいも姉よりは格段に勝っているのに
振り向いてくれない。私を姉の付属物のように扱って、いつも○○君は姉の部屋で二人きり

嫌。絶対に嫌
姉に渡さない。好きな人だけは私だけ構って欲しい
もう、決めた。
自分の気持ちには嘘をつかない
私は包丁を片手に姉の部屋に行きました。○○君、今すぐ貴方を誑かす姉はこの世から抹殺しますねw


↑本スレの連中は嫉妬・修羅場の良さがわからなくなっているな

379名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:56:44 ID:D+P8LxWM
んなこた〜ない
380名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 23:00:58 ID:9F0H9+bx
姉は更に妹の上を行っていたオチか
実は男だったオチか


どっちなんだろうねww
381名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 23:57:54 ID:mZWVj+4O
KID倒産に衝撃
382名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 00:14:23 ID:froHFr4e
俺のメモオフが新作出なくなるじゃないか・・・

あの三角関係と修羅場こそが俺の人生初のゲームであった
383 ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 02:48:29 ID:P/tfrob5
寝る前に、投下いきます。
384ブラッド・フォース ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 02:51:27 ID:P/tfrob5
 物心ついたころから、綸音はある特殊な能力を持っていた。
 それは『感』の鋭さ。目に見えないもの、常人には分からないものを感じ取ってしまう鋭敏すぎる感覚。
 とは言っても、超能力やテレパシーが使えるわけではない。
 物事を他人より鋭く、聡く、深く感じ取るという後天的な能力が、先天的に強かったというだけだ。

 しかし、幼い身でそのような感覚を背負わされた方はたまったものではない。
 なぜなら、感じ取るのは得てして悪意、またはそれに近いもの。
 人が隠しておきたいと思っている類のものばかりだったからだ。

 感が彼女に伝えるものを、口に出せば疎んじられ。内に溜めれば自身を鬱屈させ。
 周囲は綸音を『霊感少女』として気味悪がり、誰も近づかなかった。
 綸音の方も誰にも心を開かず、近づくことを許さなかった。
 そうして、親にさえ疎まれる閉塞した幼少期を過ごしていた。


 そんな綸音に転換期が訪れたのは、10歳の夏。
 大法要に参加するため、神川の本家を訪れた時だ。

 神川といっても末端に過ぎない鬼道家は、このような大きな行事でもない限り本家に呼ばれることはない。
 綸音にとっては初めて訪れる場所であり、城かと見紛う大邸宅には、久しぶりに子供らしい驚きを露にしてしまったほどだ。
 しかしそれ以上に、人の多さと彼らの発する悪意が綸音には苦痛だった。
 鬼道家のような末端の家はともかく、本家に近い家柄の人間たちには主従関係や利害関係がある。
 腹に一物秘めながら、表面的には和やかな会話を交わす者。
 婉曲した皮肉の応酬で、笑顔で舌戦を繰り広げる者。
 見るからに高級な服を纏った相手に、媚を売るようにへつらう者。
 普通の人間にだって分かるような嫌な空気を、鋭い綸音が感じないはずはない。
 綸音とそう変わらない年の子供の間にさえ、そのような雰囲気が漂っている。
 両親は綸音を放って何処かへ挨拶へ行ってしまったし、誰かに話しかけようという気にもならない。

 そうして人の気配のない場所を探して1人彷徨い歩いているうちに、綸音は離れのような場所に迷い込んだ。
 妙に禍々しい――それでいて何故か嫌じゃない空気を感じて、屋内に入り込む。
 明かりのない暗い廊下を歩き、地の底へ続くかの如き螺旋階段を下って、地獄の門のような硬い大扉を開き。
 そこに居た1人の女の子――神川藍香との出会いが、綸音の運命を変えることになった。
 ・
 ・
 ・
 ・
 立場の違いこそあれ、似たような生い立ちや感覚を持つ藍香と綸音はすぐに意気投合した。
 驚いたのは周囲の大人たちだ。
 本家の者は、藍香に心を許せる同年代が出来たことを喜んだ。
 傍流の者たちは、上手く取り入ったものだと綸音を妬んだ。
 そして両親を始めとした身近な人間たちは、手の平を返したように綸音への態度を改めた。


 藍香という初めての友人を得たことで、綸音の閉塞した心に光が差したのは確かだ。
 だがその一方で、大切でない人間への不信や溝は、変わることなく深く在り続けた。

385ブラッド・フォース ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 02:53:50 ID:P/tfrob5
 だから初めて智に会った時も、綸音はまず警戒心を抱いた。
 いつも通り校門の前で待つ彼女の前に、藍香と連れ立って現れた同じ高校の少年。
 周囲の目を気にすることなく明るい調子で藍香に話しかけ、藍香も彼の言葉に楽しげに答えている。
 藍香が認めた相手なら信じられる人間だろうし、付き人という立場としても藍香の意思に従うべきなのだが――。
 
「初めまして、高村先輩。藍香お嬢様の付き人を務める鬼道綸音と申します。以後、お見知りおきを」
(どうせ、この人も・・・)
 本心を押し隠し、綸音は智に無難な挨拶をする。
 付き人という立場に慣れ、表面上は穏やかで人当たり良く他人と話せるようになったお陰だ。
 その裏では、藍香や自分が嫌な思いをする前に、如何にしてこの男を引き離そうかと考えていたのだが。


 しかしその考えは、日に日に別の想いに取って代わっていくことになる。
 初見で受けた快活そうな印象は、日が経っても色褪せなかった。
 神川の名や藍香のオカルト趣味にも物怖じせず、綸音が懸念した悪意も表出しない。
 実験の失敗で酷い目に遭うこともあるが、むしろそれさえも楽しんでいるように見えた。
 そして何より驚いたのは、智が藍香だけでなく、綸音とも積極的に触れ合おうとしたことだ。
 校門で藍香を待っていると、よくオカ研の活動を切り上げてきた智が話しかけてくる。

「やあ綸音ちゃん、いつもご苦労さんだな。先輩も、今日はもう少ししたら切り上げるって言ってたよ」
 智は彼女を『綸音ちゃん』と呼ぶ。
 藍香を『藍香先輩』と名前で呼んでいるためか、綸音も自然と名前で呼ぶようになっていた。
 年下なのにさん付けはおかしく、かと言って呼び捨てるほどには親しくなく、ちゃん付けで落ち着いている。
 そんな風に呼ばれるなど、少女の15年の人生において一度も無かった。
 それ以前に、藍香の付き人としてでなく1人の女の子として優しくされること自体、初めてのことだった。


 彼に名を呼ばれることで。彼の声を聞くことで。いやもう、彼の姿を見るだけで。
 智と接する時、笑顔の仮面の裏で、綸音の心は気恥ずかしさで狂いそうになっていた。
 でもそれは少しも嫌な気持ちではなく、むしろ喜びといってもいいほどで。
 いつしか綸音にとって、智は藍香と並んで大切な人間になっていた。

 だから綸音は思う。
 自分と藍香と、そして智と。
 大切な人間だけで、ずっと一緒にいられればいいのに、と。

386ブラッド・フォース ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 02:56:00 ID:P/tfrob5

 ・・・なのに、どうしてだろう。
 智と藍香が2人でいるところを見ると、胸に刺すような疼きが沸くようになったのは。
 綸音にとって智も藍香も大好きな人で、好きな人同士が仲良くしているのは自身にとっても嬉しい事のはずなのに。

 きっかけははっきりしている。
 ある日を境に、智と藍香の距離感が変わったことだ。
 連れ立って校舎を出てきた2人だったが、互いにあさっての方向を向き、どこかよそよそしい。
 だが、共に顔を赤くした様子からは喧嘩をしたという風には見えない。
 どちらかというと、お互いに相手の反応を伺っている様な感じだった。

 そんな2人に、綸音の感は鋭く働いた。
 何かを隠していると。その秘密は堅く、自分に明かすつもりはなさそうだと。
 その事実に疎外感と嫉妬心を抱かずにはいられない。
 そんな綸音を助けるように、感は更なる考察を伝えてくる。

 まず藍香。
 まだそれほど寒くないのに妙に厚着で、特に首まで覆う服を愛用するようになった。
 風呂を同伴した時にさりげなく目をやると、斑点のような赤い痕が見えた。
 ぼんやりすることも多くなった。悩み事があってではなく、純粋に疲労して――精気を欠いて、だ。
 朝や昼は元気なのに、部活を終えて出てくる時には一気に消耗していた。
 しかしそんな体調に反して機嫌は良いようで、決まって嬉しそうに現れるのである。

 次に智。こちらの変化は顕著だった。
 オカ研からの帰りに校門で会う時の元気のなさ。
 藍香と対照的で身体は元気そうなのだが心は酷く沈んでおり、後ろめたい気持ちでいっぱいになっている。
 そして何より気になったのは、彼の身体から発せられる違和感。
 藍香が魔術の実験をしている時のような、禍々しい気配を感じた。
 最初は実験の名残が残っているのかと思ったが、感はそうではないと告げている。
 なら何だと思ったが、そこまでは流石に分からない。


 しかしある日、綸音は決定的なシーンを目撃することになる。


387ブラッド・フォース ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 02:57:59 ID:P/tfrob5
 それは、智が屋敷に運ばれてから数日経った日のこと。
 日に日に強くなる智の違和感を探るべく、綸音は気配を殺して智の部屋に向かっていた。
 扉の前で耳をすますと、人の気配は2つ。藍香もいるようだった。
 何を話しているのかと、さらに耳をそばだてて。
 聞こえてくる声にまさかと思いつつ、扉をそっと開けてみる。
 するとそこには。



「ふああっ・・・! やっ、ああああぁぁぁぁっ・・・!!」

 予想通り、智と藍香がいた。それはまだいい。
 しかし、2人は共に裸で。
 しっかりと抱き合っていて。
 智は腰を、藍香の股間に打ちつけるように振っていて。
 藍香は涎が垂れるのも気にせず、綸音でも見たことのない浅ましい表情で喘いでいる。


(・・・・・・!?)
 一体2人は何をやっているのか。
 そう思いながらも、視線は智と藍香に釘付けになっている。
 下半身――特に、智が藍香に打ちつけている部位が妙に熱い。
 知識としてしか自慰を知らない少女は、身体の突然の変調に戸惑いを隠せない。
 それでも視線を外すことはできず、腿を擦り合わせてむず痒さを何とか堪えた。

(せ、セックス・・・しているのですか? お嬢様と、先輩が・・・)
 遅れてやってきた認識が、ようやく目の前の状況を捉えた。
 信じられない気持ちだが、その一方で、やっぱりと思う気持ちもあるのが分かる。
 本当は薄々気づいていたのだ。
 メイドたちのひそひそ話を耳にした時から。
 藍香が毎日智の部屋に通い、一日の殆どをそこで過ごすようになってから。
 ・・・あの日、気絶した智を屋敷に運ぶために部室に赴いた時から。

 気持ちがどうしようもなく落ち込んでいく。
 藍香が智に特別な感情を抱いているのは感づいていた。
 だから、本当なら喜んであげなくてはいけないのに。
 なぜこんな気持ちになるのだろう。
 除け者にされた気がしたからだろうか。大切な2人に置いていかれるような気がしたからだろうか。
 その気持ちは確かにある。でも、しっくりとこない。
 それだけならば、この胸を刺し焦がすような痛みは説明がつかない気がするのだ。



「ああぁぁぁんっ・・・!」
 懊悩する綸音を呼び戻すように、藍香の嬌声が一際高く響く。
 はっとして視線を藍香たちに戻した綸音は、目を疑う光景を目の当たりにした。
388螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/02(土) 03:00:08 ID:Or/loFuK
〉ほたるは妖艶に笑うと、畳をはい京之助にゆっくりと近付いてくる。その妖しい瞳はまるで獲物を見つめる蛇のようにしっとり湿っ
て、京之助の体にまとわりつくようだった。
〉「おい、ほたる?」
〉その迫力に圧され、京之助は後ろに手をついた。ほたるは着物をはだかせつつ、胸元を露に京之助に近付いてくる。
〉ほたるは両手を京之助の首に回し、京之助の唇に自分の唇を重ねてきた。熱く甘い吐息が京之助の口内に広がる。その甘美な感触に
頭の中が何か恐ろしいモノに襲われたかのように真っ白になった。
〉ほたるは唇を重ねたまま全体重を乗せるように体を密着させ、京之助を畳の上に押し倒した。体が仰向けに寝転がされると、ほたる
はその上にのしかかり、京之助の顔を両手で抑え、むさぼるように激しく唇に吸い付てくる。
〉「む、ん……あ…は、ん」
〉口が彼女の口に塞がれ、うまく呼吸が出来ない。息苦しくて、意識がモヤの中に埋まっていく。それでいて頭が宙に浮くような浮遊
感と共に、思考が溶けていくような快感に包まれていた。
〉ほたるはまるで飴でも舐めるかのように執拗に唇だけを舐め回している。ぬめぬめと湿った感触を残し、舌が唇をはい回るがその感
触は決して不快ではなかった。
〉「ふ……んっ、ちゅ」
〉さらに彼女の舌は京之助の唇の隙間を縫うように、じわじわと口の中に侵入してくる。
〉「ちゅっ……はっ…ん……はぁ、ん…」
〉ほたるの舌は意思を持ったかのように京之助の口の中を蹂躙する。まずは頬の裏側を慎重に舐めあげ、続いて唇の裏に丁寧に舌を這
わす。それから京之助の前歯を舌先でくすぐり、やがてそれは京之助の口内に眠っていた舌に濃密に絡みついてきた。
〉「ん…ちゅ…あ……ちゅ…ん……」
〉ほたるはまるで泉のように湧き出る唾液を京之助の口に流し込み、舌と共に口内で絡めてくる。ほたるの唾液と京之助の唾液が混ざ
りあった互いの舌は、淫猥な水音を部屋に響かいた。
〉その溢れるほど流し込まれるほたるの唾液を京之助は喉をならして次々と飲み込んでいく。その唾液が喉を通過するだけで、限りな
く甘い、頭がぼやけるような快感を感じた。
389ブラッド・フォース ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 03:01:23 ID:P/tfrob5
 智が、藍香の首筋に噛み付いている。
 キスではなく、噛み付き。甘噛みではなく、牙を立てて。
 首を伝う赤い一筋が、その何よりの証拠。
(一体、何を・・・!?)
 綸音が知識として知る性行為には、このような行為は存在しない。
 常識を逸脱した光景に混乱する綸音だが、そんな彼女に感が答えを提示する。

(・・・!? 禍々しい気配が、とても強く・・・!?)
 覚えのある感覚。本来の目的だった、確かめたかった違和感。
 魔の気配が、智の全身から発している。
 まるで何かを警告するように真っ赤になった瞳。
 そこに理性の光はなく、どう見ても普通の状態ではない。

(魔の・・・者? 先輩が・・・? まさか、お嬢様は魔に魅入られて・・・!?)

 その考えに至った瞬間、何かがピッタリと嵌った気がした。
 そして、智と藍香が2人でいることに不快感を催していた理由も氷解した。

 不快感の正体、それは本能の警告だったのだ。
 智が藍香に近づき、藍香を獲物として喰らうことに対しての。
 おそらく藍香は智のことを知っている。
 それにも関わらず彼に近づき、屋敷に迎え、身体までも開くのは、過度のオカルト好きによるものだろう。
 藍香にすれば願ったりの状況なのだろうが―――血が滲むほど拳を強く握り締め、綸音は思う。
 このままでいいはずがない、と。



(私は、どうすべきなのでしょう・・・?)
 一番手っ取り早いのは、智を殺すことだ。
 智がどの程度の力を持っているかは分からないが、不意を衝けばできないことはない。
 もはや智は人を、それも藍香を害する存在だ。神川の名の下誅殺するには十分な理由だろう。
 しかし―――。

『綸音ちゃん』

(っ・・・!)
 脳裏に過ぎった声が、その考えを躊躇わせた。
 殺すのは流石に忍びないように思える。
 智は初めから化物だったわけではない。初めて会った時、彼は間違いなく人間だった。
 それに普段の様子を見る限り、まだ完全に魔に染まりきったわけではないように思える。
 だがこのまま屋敷にいれば、また藍香を抱き、血を啜り、藍香に飽き足らずメイドたちにまで手を出すようになるかもしれない。
 それを止められるのは自分だけだ。
 では、どうすればいい―――?



 一つの案が浮かんだ。
(危険、かもしれない。でも・・・)
 何故か、それ以外の案が浮かばない。
 綸音はそれを賭ける価値のある考えだと思った。

 決意をしたなら、後は行動に移すのみ。
 これは藍香と、そして智の為なのだから。
 何としてもやり遂げなければならない。
 火照りの残る身体を立ち上がらせて、自室に戻るべく歩き始める。
 そんな綸音の背中に聞こえる、再びまぐわい始めたらしい2人の息遣い。
 それが憎悪に近い感情を喚起するのは、智のことに気づけなかった自分の不甲斐無さに対してだと。
 そう心に言い聞かせながら綸音は歩く。智を確実に止める、その準備をする為に。
390螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/02(土) 03:02:20 ID:Or/loFuK
〉「ん…ちゅ…は、ちゅ、んはぁ」
〉しばし、口内を滅茶苦茶にしたほたるの舌が、唾液の糸を引きつつ京之助の口を解放した。京之助は肩をならした激しい呼吸が繰り
返す。ほたるの激しい接吻に、もともとの酒酔いがいっそう回って頭の中がくらくらした。
〉「ふふ、京様。接吻も気持ちのよいものでございましょう?」
〉ほたるは京之助の瞳をジッと見つめながら言う。頬はうっすらと赤く、唇がなまめかしく光っている。彼女の目元は涼しげにすわっ
て淫らに京之助を誘っていた。
〉すでに京之助に余裕の欠片ほども残っていない。彼女が重ねる舌の淫猥な動きに翻弄され理性や、あれほど胸を占めていた素女に対
する道義心も彼女の舌使いの前に溶けるように消えていた。
〉そしてその後に残ったものが、ただ快楽だけを欲する止まることを知らない欲望。快楽を享受したいという安易な思考だけであった

〉酒の酔いと彼女の与える快楽。その二つに頭がなぶられ京之助は正気を保てていないのだ。
〉「まだまだ、これからにございます。天国はもう少し先ですよ」
〉朦朧とする京之助にほたるは舌を出し、京之助の鼻の頭をペロリと舐めあげる。と、思うとその舌は唾液の線を残しつつ、鼻から右
の頬を通り耳まで伝っていく。
〉鼻の頭でかわいた唾液から彼女の甘い香りが猛烈に香り立つ。それはまるで春の風の匂いのような芳しい匂いに感じた。
〉「殿方の中には耳も気持ちよいと仰せの方もございます。京様はいかがでしょうか」
〉ほたるは熱い吐息を耳に吹きかけつつ、脳味噌が溶けるような甘ったる声で囁く。その吐息、声は脳天を突き破り、快楽が股間に直
撃した。そのあまりの快感に京之助はびくびくと体を痙攣させる。
〉「京様は耳がよろしいのでございますね?分かりました。たっぷりと舐めて差し上げます」
〉あくまで囁くような声で、かつ熱い吐息を吹きかけ続けていたほたるの口内に、京之助の耳がゆっくりと飲み込まれていく。唇で耳
たぶを優しくかみ、舌を這わせて耳の筋を丁寧に舐めあげていく。熱い吐息を絡めるのを決して忘れずに。
391 ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 03:03:37 ID:P/tfrob5
今回はここまで。綸音という少女について、でした。
次回は、刺した綸音と刺された智の続きになります。
やっとこのスレらしい展開に出来そうです。
392螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/02(土) 03:07:30 ID:Or/loFuK
〉それからほたるの馬手が、京之助のはだけた着物の隙間を這わせ、ゆっくりと下へ下へと伝っていく。決して爪は立てずに、しかし
撫でるようなその感触に京之助は幾度となく体を震わせた。
〉「やん、そんなに動かないで下さいませ。うまく御着衣をお脱がせ出来ませぬ」
〉と口では言いつつも、彼女は手慣れた手付きで京之助から着物をはぎとっていく。下着で痛いほど押さえ付けられていた蔭茎は、下
着が外されようやく猛々しく隆起した全身を明らかにした。
〉「まぁ、大変。こんなに腫れ上がっております。大丈夫ですか?痛くないですか?」
〉ほたるはからかうような声で囁くと、着物を脱がせた馬手で、男根の先端に振れてくる。その瞬間、快楽の電流が全身を駆け巡り、
京之助は一際大きく体を痙攣させ悶えた。
〉「やっぱり痛いんですね?ほら、先から膿が出てきております」
〉ほたるは先からにじみ出た汁を先端によくなじませ、人指し指で亀頭を撫であげる。
〉「膿は全て出さないといけませんよね」
〉その囁きを最後に絶えず耳を刺激していた暖かい口から、ようやく解放された。それでも右脳が痺れたような快感は引く事はなく、
いつまでもその口の感触が耳に残っていた。
〉ほたるは京之助の体の上を滑るように下に移動する。柔らかな女体が京之助の上を撫で回すような心地よさを残し、体の上のほたる
の体重がスッと消えた。
〉ほたるは京之助の股間の正面まで移動すると、京之助のほうけた瞳を真っ直ぐ見据え、にぃっと笑う。それから先ほどまで耳をなぶ
りまわしていた口を大きく開けてその中を指差した。
〉「治療はここで行います。痛くしませんのでご安心下さい。たっぷりの唾液を絡ませますから、ふふふ」
〉ほたるの大きく開いた口に唾液が充満していく。彼女の淡紅色の口内はピクピクと痙攣し膣口のように伸縮を繰り返す。その奥では
真っ赤な舌が糸をひきうねうねとうごめいていた。
〉あそこに飲み込まれたら、きっと極上の快楽を与えてくれる。その期待感に京之助は酸欠の金魚のように口を動かした。
393螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/02(土) 03:11:40 ID:Or/loFuK
〉ほたるは愉快そうに笑う。軽蔑と侮辱、そして京之助をこれからてごめに出来るという優越感の混じった笑みだった。
〉ほたるの顔が落ち、その唇が京之助の蔭茎へと近付く。その折那、ほたるの口に入りきれなくなった唾液が糸を引きこぼれ落ちた。
〉蔭茎に暖かくて柔らかい彼女の唇が吸い付いた。そして彼女が顔を落とすと、男根はその唇を押し広げながらゆっくりと彼女の口の
中に飲み込まれていく。
〉暖かく柔らかい感触。それでいてぬめぬめの唾液と粘膜がまとわりつくように絡みつく。
〉「は…んっふぁ……ちゅ、…ぷはぁ……んあ」
〉彼女はわざといやらしい水音を立てつつ、亀頭を舐め回す。たっぷりと唾液が染み込んだ舌はうねうねとうごめき、亀頭から裏筋を
伝いカリの部分を舐めあげる。
〉「うん……ちゅ…あん……ふちゅ…ん、…あはぁん、ぷちゅ……」
〉ほたるは摩羅を飲み込んだまま顔を上下に動かし始めた。唇をきゅっと絞め上げ、柔らかで暖かくてぬめぬめとした粘膜で扱きあげ
てくる。蔭茎はほたるの唾液がまぶされ、べとべとに湿りてかてかと光っていた。
〉ほたるが与える快楽を京之助は唇を噛み締めて耐える。
〉「うん…ちゅ……ふふふん…ちゅぱ」
〉ほたるは京之助の瞳を真っ直ぐ見据え目を細めて笑う。それから彼女は唇をすぼめて、蔭茎の先を吸いあげる。その新たな快感に京
之助は声にならない声を立てた。
〉「ちゅぱ、ふふふ、可愛いい。我慢しているのですか?」
〉彼女は蔭茎から口を離し、まるで子供をなだめる母親のような穏やかな声で話しかけてくる。その間、馬手で絶えまなく蔭茎を扱き
あげていた。直もほたるは語る。
〉「では、こんなのはどうでしょう?」
〉ほたるは蔭茎を激しく扱きつつ、唇の間から唾液の糸をひく真っ赤な舌を出し、尿道をチロチロと舐めあげてくる。すると、下半身
の神経が限界が近いと泣きはじめた。
〉「あれ?もう限界ですか?少し早い気がしますが、それでは最後は私の口の中で果てて下さい」
〉ほたるはそのぬめぬめの口内に再び京之助を飲み込んだ。それから顔を激しく上下に動かし尿道を舐めあげ、蔭茎を唇で絞めあげつつ口内で
扱きあげる。
394螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/02(土) 03:16:36 ID:Or/loFuK
〉「ちゅ…ちゅ………ちゅううぅぅ」
〉最後にほたるは物凄い力で尿道を吸い上げた。それが京之助の糸を切ることとなる。
〉京之助は全身を激しく痙攣させ、大きな声であえいだ。白い欲望が一気に尿道を駆け抜け、ほたるの口内にはきだされた。蔭茎が彼
女の口内でビクビクと震え、その度に勢いよく牡汁がほとばしる。
〉「ちゅるるるるる………」
〉ほたるはずっと尿道を吸い上げたまま、何度も何度も顔を上下に動かす。尿道に残った精液を全てを要求するようなほたるの口使い
に欲望の放出は一向に終わる気配を見せない。
〉ちゅぽんと音を立てて彼女の口内から蔭茎が解放された時には、京之助は魂まで吸いとられたかのように体が動かなくなっていた。
丘を全速力で駆け抜けたような疲労感にひゅうひゅうと息を鳴らす。瞳からは涙、口からは唾液がだらしなくしたたり落ちる。
〉ほたるは両手で器をつくり、その中に口の中の液体をはきだした。真っ白で固形物まで混ざったようなドロドロの牡汁が、ほたるの
口からとめどなくしたたり落ち、たちまちのうちに白い水溜まりが広がる。それを目の前にほたるは満足そうに笑う。
〉「ふふふ、気持ちよかったんですね?ホラ、 こんなに濃いのがいっぱい」
〉ほたるはそう言うと、水溜まりに口を近付け唇をすぼめてそれを全て飲み干した。こくこくと喉が鳴らし全てを胃の中に流しこんだ
あと、ほたるは唇の端から垂れたモノまで人指し指ですくいとり、ペロリと舐め上げる。その仕草がたまらなくいやらしかった。
〉「ふはぅ、全部飲めました。本当はこんな事はしないんですけどね。でもこれは京様のだから」
〉ほたるはうっとりと瞳をとろけさせ、頬を赤く染めた。その顔は行為中に見せた大人の顔とは違う、年齢相応の少女の顔だった。
395 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/02(土) 03:26:09 ID:Or/loFuK
長いだろ?もう終わりみたいだろ?前戯なんだせ、これ。

つーか、どうしょうもないくらい長くなる。
本番はこれから書くんだけど、「うぎゃああ」とか「くあ…(ry」とか男のあえぎ声はいるでしょうか?
あれ苦手なんだよねぇ。
396名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 03:31:26 ID:oQk1NVnu
W乙
397名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 06:03:40 ID:ngZSSqWk
他の人が投稿してる途中で割り込むのは、正直どうかと思った。
398名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 06:04:25 ID:nGOy4G/E
お二方供にGJ!
399 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/02(土) 06:26:26 ID:Or/loFuK
>>397
うわー本当だ。
ブラッド・フォースの作者さんごめんなさい。
400名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 09:15:49 ID:DPH/ZGeP
なんで途中で気づかないんだ?
401名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 09:17:47 ID:45UuOb+n
昨日から作者への批判うぜーわ
402名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 09:20:23 ID:Lo0F75Ty
>>391
綸音もバトル参戦テラウレシスw今までは個別にキャラが動いてたが、そろそろ修羅場のにおいが漂ってきましたなwww

>>396
とりあえず素女派の俺としては泥棒猫に誑かされた京をみたときの素女の反応に今から期待。

作者さんGJ
403名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 09:25:39 ID:FrF8G4KO
乙乙
404 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/02(土) 10:39:40 ID:Or/loFuK
>>400
完全な不注意。申し訳ないです。。。
405名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 11:00:34 ID:wkbqOmAg
なんか最近やけに高圧的な住人が多いな
406名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 11:21:09 ID:nGOy4G/E
スレが有名になると変なヤツも増えるしねえ…

作者様も一回謝ってるんだからそれ以上絡んでくるのは
便乗した煽りの類いと思ってスルーした方がいいかと
407名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 12:18:23 ID:EZ/D2PMa
こんなときこそ、このスレのスローガン、マターリ仲良く修羅場はゲームの中でですよ。
>>391
別の意味での嫉妬とこれからにwktk
>>404
エローイ、エロすぎるよ、>>404
408『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/02(土) 12:30:01 ID:Ap1e4u9J
「な、なんで僕が寝てるとこなんて描いてたんですか?」
僕は寝顔を誰かに見られるのが苦手だ。それだけじゃなく、絵に描かれるだなんて……無防備にここで寝てしまった僕も悪いんだけど。
「うーん、なんでっていわれても……他に描くモノもなかったし、なんだか描きたくなっちゃったから、かなぁ。」
「はぁ…」
ああ、もう最悪だよ。落ち込んでうなだれていると、いきなり先輩が可愛らしいハンカチを取り出し……
スッ
僕の口元を拭き始めた。突然のことに、僕はまたうろたえてしまった。この人の行動は突飛過ぎて対応できない。
「今度はなんです?」
「うん、涎。」
「え゛?」
口元を手で擦ってみると……うん、なるほど。確かに涎だ。……はぁ、みっともなさすぎる。あこがれの先輩に寝顔を見られただけでなく、涎を垂らしたとこまで見られたなんて………
こうなったら少しでも名誉挽回だっ!
「先輩!」
「は、はいっ!?」
ガッと先輩の手といっしょにハンカチを握る。そして先輩の目を見て……
「このハンカチは、僕が責任を持って洗います!」
「は、はい……」
409『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/02(土) 12:31:30 ID:Ap1e4u9J
僕の勢いに圧倒されたのか、先輩は小さく首を縦に振るだけだった。
「………あ」
「?」
よく考えれば先輩の手を握っちゃってるじゃないか!
「えーっと……あ、もうこんな時間ですね。早く帰りましょうか。」
「え、ええ。そうですね。」
気付けばもい六時。完全に日も沈み、学校もほとんど電気がついていなかった。それから先輩の絵の片付けを手伝い、部室を出たのは六時半を回っていた。
「ごめんね、水瀬君。片付け手伝ってもらっちゃって。」
「いえいえ、別にかまいませんよ。あのまま先輩に一人で片付けさせるのも悪い気がしますし。」
「ふふ、居眠りしてましたもんね。」
「う……」
相変わらずこの学園は、もとい、この街の街頭は少ない。百メートルに一つ、有るかどうかも怪しい。校門にだって一つしかない。これじゃあ本当に襲われたらたまらない。
「それにしても、この街って本当に暗いですよね。特に夜は。」
「ええ、そうですよね。本当に……あら?」
部長がなにかに気付いたらしく、凝視する。僕も部長の目線の先に目をやると
410『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/02(土) 12:32:57 ID:Ap1e4u9J
校門の灯の下に一つの人影が。そこに座り込んでいる人の顔を見て……
「!!!」
全身に寒気が走った。脳が危険信号を全力で発していたが、体は思うように動かなかった。まさかここまで来てるとは思いもしなかったからだ。
「あの靴の色は、二年生ですね。水瀬君と同じ学年です。知り合いですか?」
「あ、ああああ……はい、知り合いというか……」
知り過ぎ合いです。その人影の少女も、こちらに気付き、駆け寄って来た。ああ、まずい!先輩と一緒にいるのを見られたら何をいわれるか……
「……どちらさまですか?」
第一声がそれだった。失礼ったらありゃしない。先輩もいきなりの事に戸惑っていた。
「ええと……水瀬君と同じ美術部の部長の、秋乃葉華恋です。」
「そうですか……ボクは、海斗の恋人です。浮気は許していないんで、一緒に帰るのも私に許可をもらってからにしてください。どっちにしろ許可しませんけどね。」
「え、え?恋人?水瀬君恋人いたの?」
「い、いえ!違います。こいつは……こら!そんなにひっつくなって……こいつは僕の双子の妹の、水瀬沙恵です!勘違いしないでくださいね?」
411名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 12:33:01 ID:wT/4mlmM
>>406
このスレはいつの間に有名になったのw
俺的にはまだまだマイナーな言葉様が現れる前のスレ気分なんだが・・
客観的なこのスレの評価はどうなんですか
412『鬼ごっこ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/02(土) 12:34:07 ID:Ap1e4u9J
ヒント『国語の授業』
413名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 12:37:09 ID:wT/4mlmM
>>412
割り込みスマソ

またまた真犯人がよくわからなくなってきた
あれっ?
414名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 12:48:09 ID:nGOy4G/E
>>412
GJ!ついに狂妹が((( ;゚Д゚)))ガクブル

>>413
結構色んなスレに紹介されてるの見るんだよw
誘導されて来た人多いと思う
真犯人は…よく読めばわかるべw
415名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 13:14:54 ID:BMcPuOfg
有名でもそうでなくてもどうでもいい
ただ言える事は、SS作者様GJということ
続き期待してますよ
416名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 13:20:02 ID:ppr3yNTy
連続神降臨GJッ!
素朴な疑問なんだが江戸時代にフェラってあったのか?
遊女のエロテクはすごかったらしいから、普通にあったのかもしれんが。
417名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 13:27:48 ID:bj3OX7X3
>>416
フェラはもちろんパイズリまであるぞw
418名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 13:53:30 ID:e29WS0RZ
エロパワーこそ太古より受け継がれし力!
419吾が愛猫へ  ◆I3oq5KsoMI :2006/12/02(土) 15:44:11 ID:a+6/Uw2I
うちで飼ってる猫は賢いです。

人間である僕の言葉が解るらしいんです。
以前、僕が財布をどこに置いたか分からなくなった時、
「なあミャー子、僕の財布どこにあるか分かる?」
と尋ねたことがあったんですが、しばらくするとなんと咥えて持ってきてくれました。
さらに、
「ミャー子、三回まわって『にゃん』って鳴いたらおやつあげる」
って冗談で言ったら本当にしました。

うちで飼ってる猫はかわいいです。

学校に行く時には、ズボンの裾を掴んで「行かないで」と目で訴えてきます。
学校から帰ってくると、すごい勢いで僕の元へ駆けつけ、目一杯体を摺り寄せてきます。
ご飯を終えてテレビを見ていると、あぐらを掻いてる僕の太ももに乗っかってきます。
猫は3日で恩を忘れると言うけど、ミャー子に限ってそれはありません。
あんまり可愛いものだから、キスするのが習慣化してしまいました。

うちで飼ってる猫は焼きもち焼きです。

ミャー子とテレビを見ていて「あの子、かわいいなあ」と独り言を言えば噛み付いてきますし、
友人から音楽CDとエロDVDを借りてきた時なんか、後者だけを引っ掻いて使い物にならなくしました。
しまいには、収集したエロ動画でイタしてると、部屋中を走り回って集中させてくれません。
それでも続ける僕に耐えかねたのか、息子にネコパンチを炸裂させました。
それがフィニッシュブローになって、あろうことか飼い猫に顔射してしまったのは人に言えない思い出の一つです。

うちで飼ってる猫はちょっと変わってます。

猫のくせに昼行性ですし、猫のくせにカスタードクリームが好物です。
それに、いつもミャー子と向かい合ってご飯を食べるんですが、僕が食べるまで絶対に手をつけないという、妙に義理堅いところもあります。
そして一番変わってるところは、彼女の体毛の色と尻尾です。
とても綺麗な金色で、ライオンのそれのように黄色っぽい茶色なんかではなく、人間でいうところの見事なブロンドをしています。
尻尾はなんと2本あるんです。
付け根のところで分かれていて、感情の変化で左右それぞれに違う動きをします。
たぶん世界中どこを捜したって、こんな変わった猫にはお目にかかることはできないと思います。

とまあ、愛すべきブロンド猫のミャー子はかけがえのない家族なんですけど、この度彼女に少し大変なことが起きました。
420吾が愛猫へ  ◆I3oq5KsoMI :2006/12/02(土) 15:44:50 ID:a+6/Uw2I
ある日の夕方のことでした。
学校から帰ってきて玄関を開けるといつもミャー子が出迎えてくれるんですが、今日に限ってそれがありませんでした。
ネコのくせに規則正しい行動を取る彼女にしては珍しいことでした。
何か変わったことがあったのかもしれないと、心の中で色々考えながら靴を脱ぎます。

例えば、とても楽しいおもちゃを見つけて時が経つのも忘れるほど熱中してるとか。
例えば、隣町のボス猫が予想以上に強くて、何とか勝てたけど疲労困憊でもう寝てるとか。
例えば、偶然落ちてたマタタビのせいで陶酔状態に陥ってるとか。

靴を脱いでワンルームへのドアを開けるのに要した時間は数秒なのに、ここまで妄想できる自分にある種の呆れを感じながら。
「ただいまミャー子」
ですが、扉の先に待っていたのは、さっきの妄想よりもはるか斜め上に突き抜ける光景でした。

「あっ……」
引きっぱなしの蒲団の上に、体にシーツを巻き付けてこちらを見据えるのは猫じゃありません。
「シンタロー……」
猫は喋りません。

目の前にいるのは、見事なブロンドの、とても可愛い女の子でした。

部屋へ右足だけ侵入させている混乱気味な高二男子と、その顔を気まずそうに見つめる年齢不詳の女の子の構図を30秒ほど作ったところで一言。
「……ミャー子?」
「うん……」

……金色の毛並みで2本の尻尾の猫だから普通とは違うような気はしてたんですけど……

「シンタロー……ヒトになっちゃった……」

まさか人間になってしまうだなんて。




さて……どうしましょうか。



(続く)
421 ◆I3oq5KsoMI :2006/12/02(土) 15:45:32 ID:a+6/Uw2I
むかし『優柔』という作品を投下してた者です。
流血はあっても死なない嫉妬・修羅場ものを目指したいと思います。
投下速度は遅めになると思いますが、読んで頂ければ幸いです。
422名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 15:59:24 ID:wT/4mlmM
最高にGJ
優柔の作者様が投稿キタァーーーーーーーー!!
423名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:01:01 ID:JLYPwFXb
きたー
果たして今回の主人公もヘタレなのかw
424名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:02:13 ID:45UuOb+n
面白くなってきますた
425名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:05:14 ID:wT/4mlmM
これだからこのスレを離れるわけにはいかない
スレ立てから1年も経っていないのに23も消費するのは
皆が嫉妬スキーのおかげですね

後は山田君とお姉さんさえ復活してくれればww
426名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:13:00 ID:oQk1NVnu
たぬきなべとぽっちゃり→イケメンも手放せないぜ
427名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:34:48 ID:0t9oj+kg
>>421
擬人化キタ ━━━━━━(゚д゚)━━━━━━ !!!!!!!
428名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 17:26:32 ID:pBN2bmAe
山田・・・
ワラタ
429名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 17:34:44 ID:Lo0F75Ty
神復活キター!!優柔のもう一つのやつにも期待。
作者さんGJ
430名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 17:36:30 ID:PGE4ZY7t
                _∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_
     デケデケ      |                         |
        ドコドコ   <       赤色まだぁ〜〜〜!?    >
   ☆      ドムドム |_  _  _ _ _ _ _ _ _ _|
        ☆   ダダダダ! ∨  ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
  ドシャーン!  ヽ         オラオラッ!!    ♪
         =≡= ∧_∧     ☆
      ♪   / 〃(・∀・ #)    / シャンシャン
    ♪   〆  ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ
         ||  γ ⌒ ヽヽコ ノ   ||
         || Σ Σ  .|:::|∪〓  ||   ♪
        ./|\人_.ノノ _||_. /|\
         ドチドチ!
431名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 17:43:08 ID:uFqD7Nqb
>>421
擬人化は俺の大好物だ。マジでGJ!!!!
おまけに修羅場もなんて・・・・・・・・!!!!
432名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 17:44:11 ID:wkbqOmAg
山田くん、お姉さん一枚!
433名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 17:46:38 ID:f3rSZO0Y
>>431
これからが楽しみだな同志よ。
434名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 18:06:33 ID:p/41hVPW
自覚して女性を弄ぶようなクズ系主人公を期待させていただきます!!
435名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 18:20:18 ID:6Uv1G25y
家に帰ってきたら大量投下で大変なことに(*´д`*)
略してしまって申し訳ないが水澄も鬼ごっこもブラッドも螢火もGJっす
あぁ、これほどの文章を書ける作者様のスキルに嫉妬
436名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 18:38:51 ID:qZhwm4Q6
ぬこハァハァ
437名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 18:39:08 ID:/ZCozDlZ
やけに見覚えのある文体……と思ったらまさか「優柔」の方とはー!
あーもう懐かしい職人さんがカムバックしてくれると嬉しいもんだなー。
いや、懐かしいったってブランクは半年程度だけど……

ここのスレは時間の流れがやけに濃密に感じられる。
438名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 18:42:07 ID:ldANtdrf
専ブラ使ってるとここの回転の速さがよく分かるよ。
439名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 19:13:07 ID:5rYNVz3D
>>433も、もちろん俺も同志だ!かなりツボに入る素晴らしすぎる作品だな。言うまでもないけど、今まで言ったこと無かったんで、言います、作者の方々、超GJ。
440 ◆zIIME6i97I :2006/12/02(土) 19:26:30 ID:VKRNkc2c
ツイスター、投下します
441ツイスター:2006/12/02(土) 19:27:05 ID:VKRNkc2c
一子が帰宅して以来、夏休みは平穏のうちに消費されていったと見えた。
もちろん、それはうわべだけのことでしかなかったのだが。
うわべを剥ぎ取ってみれば、その平穏な日々が砂上の楼閣でしかなかったことはすぐに分かったはずだ。
それが崩れ落ちないように、ぎりぎりのところで受け止めていたのは、そう余儀なくされていたのは一子だった。
一子にとって、その日々というのは、まるで家に上がりこんできた強盗に銃を突きつけられながら、その強盗を加えて家族ごっこをするよう強要されているようなものだった。
実際には、強盗などよりよほどたちが悪い。次子は、正真正銘の殺人者であり、しかも一子の考えでは、血も涙もない人の情など解さない怪物なのだ。
その怪物に脅され、強制されながら、一子はかつての日常を演じていた。決して名演技とはいえなかったが。

すなわち、朝には次子の用意した朝食を3人でとり、そしてブラスバンド部の練習のために学校へ行く。
練習が終われば家に帰って自分の部屋で過ごし、やはり次子の用意した夕食を3人でとって、風呂に入り、就寝する。
一子の所属するブラスバンド部も、学園祭で演奏することになっていたし、コンクールも近づいていたので練習をおろそかにすることはできなかった。
そして、ときには自分のクラスの学園祭での出し物を準備するために教室に顔を出しもする。
それだけを見れば、ほぼ例年通りの夏休みの過ごし方だといえたかもしれない。
そこに、次子の影さえなかったならば。

そうした日常を演じている限りは、次子が一子に少なくとも直接の危害を加えることはなかった。
かつてのように、人懐こい態度で接してくる。
いや、「姉妹」を強調してくる分だけ、かつてよりも親密な仲になったとすら見えただろう。
だが、それは決して一子の心を軽くしはしなかった。
当たり前だ。自分の命を握っている相手になれなれしくされて、それを素直に受け取ることなどできない。
次子に笑いかけられるとき、一子はいつもゆがんだ作り笑いで笑い返すのだった。
それは一子にとってみれば、いつ心変わりをして食いついてくるかもしれない猛獣にじゃれ付かれるようなものだった。
機嫌を損ねれば、殺されてしまう。だが、その恐怖に身をすくませること自体が機嫌を損ねてしまうのだ。
一子は、必死に道化を演じた。次子の気に入るように。
442ツイスター:2006/12/02(土) 19:28:02 ID:VKRNkc2c
太郎も、その日常のうわべに騙されていたわけではなかった。
そういう意味では、一子と次子の努力はあまり成功してはいなかった。
一子と次子の関係の不自然さは、とても隠しきれるものではなかったからだ。
とはいえその背後に、まさかこれほど凄惨な現実を隠しているとは太郎も思っていなかったのだが。
しかし、太郎はすでに山鹿から、警告を受けていたのだ。ヒントはもらっていたはずだった。
だが、太郎はそれを暴き立てるような努力もしなかった。
それはきっと、そうすることが結果的に次子を失うことに繋がるだろうと、直感的に分かっていたからかもしれなかった。
次子を失いたくなかった。もっと正直にいってしまえば、次子の体を失いたくなかった。

太郎が、一子を気にして次子とのセックスを拒めていたのも、一週間ほどのことでしかなかった。
一子が戻ってきて数日後には、元通り、体を重ねてしまっていた。次子の誘惑に耐えることができなかった。
一子が不在であったあの一週間、セックス漬けだったあの一週間で、太郎と次子の体は一対のパズルピースのようにかみ合ってしまっていた。
あれだけすれば多少は落ち着くだろうと思っていた次子への渇望は、一週間の間を置くことでより大きなものになっていた。
一週間ぶりに味わってしまえば、なぜこれほどの悦楽を自分が拒むことができていたのか分からなくなるほどだった。
今も、腰の上にまたがった次子が腰を前後させながら、膣壁の筋肉を総動員して太郎を締めつけていた。
二人の結合部から全身を駆け巡る火花のような快楽に、目のくらむような思いがする。
これはきっと、男ならば何にも代えがたい悦楽なのだろう。

だが、こうして体を重ねているときでさえふと頭に一子のことがよぎる。
もしかすると、一子は自分と次子の関係に気づいているかもしれない。
いや、おそらく気付いているのだろう。一子の家出のきっかけはおそらくそこにあったのだろう。
一子は、それをどう思っているだろうか。やはり軽蔑しているだろうか。
次子は、自分を兄と慕い、しかも一子とまったく同じ姿形をしている。そして、自分はそんな次子をこうして抱いている。
この行為は、自分と一子の関係をも汚すものではないのか。
もはや次子だけでなく、一子をも純粋にただ妹としてだけ見ることはできないのではないか。
ありていにいえば、こうして次子を抱いていることは、一子とも寝ることができると証明しているようなものではないのか。
それに気付いてしまえば、一子もそんな太郎をもはや兄として見ることはできないのではないか。
そうなれば、自分たち兄妹の関係は終わりだ。ぞっとする。
そんなことを考えてセックスへの集中を欠いていることに気付いたのか、次子がいっそう腰の動きを激しくして太郎を攻め立てた。
ベッドがぎしぎしと鳴った。
443ツイスター:2006/12/02(土) 19:28:51 ID:VKRNkc2c
「お、おい、そんなにしたら一子に聞こえるって」

次子は笑っていった。

「いいよ、もう、聞かせてあげようよ、お姉ちゃんにも。あはっ、気持ちいい!気持ちいいよお!」

「ば、馬鹿!」

太郎はあわてて、腰の上の次子を組み伏せて黙らせた。今度は、太郎が上になった。
暗い部屋の中で、二人の荒い息が重なった。

「キスしてくれたら、静かにしてあげる」

太郎の耳に口を寄せてそういう次子に、望みどおり深いキスをしてやる。
たっぷり10分ほども舌を絡めあったあとで、唇を離した次子がいった。

「ねえ、お兄ちゃん。お姉ちゃんにあのことまだ頼んでないんでしょ」

「あのこと」とは、バンドの演奏の間だけ一子と次子を入れ替えるという例の話だ。
一子の家出などがあって、結局、太郎はここまで切り出せずにきていた。
確かに、時期的にそろそろ話をつけておかないとならない。ただ、気の進まないことには変わりがなかった。
かつて以上に一子の心が分からない今、そんな話をするのはいやだった。
しかし、次子はしつこくねだってくる。

「お願い、ね。多分、お姉ちゃんもOKしてくれると思うから」

そういって、再び太郎を淫らな口でくわえ込むのだった。

次子のいったとおりだった。次の朝、太郎が気乗りのしないまま話をすると、一子はほとんど考えもせず、表情も変えずに承諾した。
あまりのあっけなさに、背後の次子を見るとウィンクをして答えた。

「ね、いったとおりだったでしょ」

もちろん、一子がそんな話をされて、ショックを受けないわけがなかった。
ただ、ここのところ表情を押し殺すのに慣れていたのと、次子の「お願い」にはすぐに肯くように癖がついていただけだった。
確かに、話しをしたのは太郎だったが、その背後に次子が立っているのが見えていた一子には、それは次子からの命令と同じだった。
それでも、その内容とそれを伝えたのが太郎だったということに、一子は絶望を感じた。
お遊びかもしれない。
だが、たとえ一時とはいえ、次子が自分の名を騙って表舞台に出るというのは、あまりに象徴的なことではないか。
それはそのまま、次子の欲望であり、それどころか太郎の欲望でさえあるのではないか。
444ツイスター:2006/12/02(土) 19:29:26 ID:VKRNkc2c
あの時、太郎と次子の情事後に出くわして以来、一子は二人が相変わらず関係を結んでいることの匂いをかぎつけていた。
今思えば、あの時まで気付かずにいた自分が馬鹿に思えるほど、それは明らかだった。
実際には、隠し通せるわけがないのだ。
毎朝、二人の間に漂っている性臭は、ごまかしのきくものではなかった。
そして、昨晩にはとうとう、太郎の部屋から次子の嬌声までが響いてきた。
その嬌声はまるで、一子に対する嘲笑のように聞こえた。自分とまったく同じ声の。いやらしい声だった。
それを聞く太郎はどう思っているのだろう。自分と同じ顔、同じ声の女を抱きながら。
ひょっとすると、妹である自分のことを考えたりもするのだろうか。
だとすれば、太郎は自分を女として抱けるのだろうか。そうなれば、次子は用済みになるのだろうか。
もちろん、そんなことができるはずもなかった。
一子はごく普通の娘だった。兄である太郎と寝ることなどできるはずもない。
その意味で、太郎が次子を平気で抱き、次子が太郎に平気で抱かれていることこそ、二人が本当の兄妹ではないことの証左だと一子は思っていた。
そういう関係には決してならないことこそ、兄と妹のかけがえのなさを示しているのではないか。
あの怪物は、そんなことを考えもしないのだろうが。

しかし、太郎の切り出した話は、そういう一子のかすかなよりどころを吹き飛ばしてしまった。
そこに、太郎の本心を見てしまったような気がしたからだ。
一子はかけがえのない妹などではなく、むしろ、体を許す次子にこそ価値を見出していると。
結局、自分の味方はどこにもいない。一子は、暗い世界の中に一人取り残されたような心地がして寒々しさに震えた。
一子は夏休みの間、その檻の中でじっとしていた。 
445 ◆zIIME6i97I :2006/12/02(土) 19:31:01 ID:VKRNkc2c
以上、第22話「檻の中で」でした。

一子は普通の子なのです。少なくとも、このときまではそうでした。
446名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 19:49:50 ID:XTrJNyC/
>少なくとも、このときまではそうでした。
なんかその発言怖いィィ

もう猿には不幸になってほしい…
一子カワイソス
447名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 19:50:12 ID:oQk1NVnu
次子…(´;ω;`)
448名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:05:45 ID:ppr3yNTy
一子「あまり私を怒らせないほうがいい…」
449名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:13:48 ID:qZhwm4Q6
一子・・・
まじで猿太郎死んじゃいなYO!
450名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:18:02 ID:0t9oj+kg
太郎………お前は俺を怒らせた!!!!!!

451名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:31:29 ID:kH+mDlfT
ミスターがクズかと思ったら割りと漢だったのとは真逆だな
452名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:34:30 ID:2V418hH8
死の館の続きはもう見れないのかなぁ…
453名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:45:05 ID:4gV8BNBu
>>445GJ
しかし一子はどうやって反撃するんだろ。
腕力ではとても勝てないし、女の武器も使わない。唯一頼れる仲間は入院中。
戦力差がありすぎるっ・・・!
454名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:49:18 ID:Lo0F75Ty
ということはこれからは・・・
一子マジでカワイソス
作者さんGJ
455名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:51:49 ID:pBN2bmAe
高校生なのに妙に達観してて、お前はどこの聖人だよ
ってな主人公よりこういうやつの方が好きだけどな、俺は。
456名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:58:17 ID:p/41hVPW
このスレにおける「へたれ」「クズ」「氏ね」ってのは、主人公への賞賛なんだぜ?
457 ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 22:05:32 ID:P/tfrob5
猿が報いを受ける日は来るのだろうか・・・。

では、投下いきます。
458ブラッド・フォース ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 22:10:07 ID:P/tfrob5
 天を衝く絶叫が木霊した。


 信じられない痛みが襲う。焼きごてを押し付けられたらこんな感じなのだろうか。
 熱い、恐ろしく熱い。身体が焼けそうだ。
 いや、実際焼けている。ジュゥゥゥ、というフライパンでよく聞く音が胸の中に響いている。
 喉が引き攣り呼吸が止まる。熱が肺に至ったらしい。
 反動で咳き込むと、熱と痛みが更に広がる。
 同時に吐血。霧雨のように降り撒かれた血が、綸音の黒髪に赤い染みを作った。


「やっぱり私の思ったとおりでしたね。
 効くでしょう、銀製の剣は。先輩のような魔の者には、特に」

 そう言って、綸音は智を見上げる。
 背中から生える刀身さえなければ、2人の様子は寄り添う恋人同士に映ったことだろう。
 その光景を台無しにしている部分は、無骨な金属には持ち得ない白い輝きを確かに放っていた。

 一方智には、そんな綸音の表情を確認する余裕などない。
 それどころか、綸音の発言をはっきりと聞きとめることさえ出来なかった。
 綸音の『魔の者』という言葉、それが意味するのは自分が人外の化物だと感づかれていたということなのに。
 聞こうと、考えようとする意思は全て、剣が伝える炎熱に塗り潰されてしまう。

 銀の魔力というのは藍香に聞かされてよく知っているし、吸血鬼は銀に弱い化物として最も有名なものの一つだ。
 確かにこれは弱点だ。ただ刃物で刺されるのとは明らかに違うと、智にも分かる。
 それをまさか身を以って体験することになるとは、思いもしなかったが。
 

「雑多な気配の多い学校や屋敷ではともかく、このような人気のない場所でははっきり分かります。
 どんなに隠しても、私の感は誤魔化せません」

 綸音が何か言っているが、よく聞こえない。
 視界が霞み、音が掠れ、熱が引いていく。感覚が薄れてきているのだ。
 その意味するところが分からない智ではないだろうに、焦る気持ちは微塵もない。
 この痛みを少しでも遠ざけてくれるなら何でも構わなかった。

 なぜ綸音がいきなりこんな凶行に及んだのかは、勿論気になる。
 だが、この痛みの中自らを奮い立たせてまで確かめたいとも思わない。
 銀の魔力は智の身体だけでなく、負けまいとする精神力をも侵蝕していた。
 ただ早く意識を手放したくて、自我の消え行く流れに身を委ねる。


 そうして、どのくらいの時間が経っただろうか。
 綸音が何か呟き、剣が引き抜かれていく。
 その激痛は消えかけていた智の意識を一時的に呼び覚ましたが、同時に完膚なきまでに止めを刺すことになった。
 もう、意識を保てない―――。


 -----------------------------------------------------------------------------
459ブラッド・フォース ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 22:13:51 ID:P/tfrob5
 綸音が剣を引き抜くと同時に、智が前のめりに倒れる。
 空いた左手を背中に回し、たたらを踏んでその身体を抱きとめた。
(大丈夫、生きてる。でも・・・)
 その完全に脱力した様子に、今更ながら自分のしたことが思い知らされた。
 自分は智を刺したのだ。もう後戻りはできない。

 オカルト好きの藍香のことを考え、お守りの意味合いで持っていた銀の剣。
 まさか、それがここまで絶大な威力を発揮するとは思わなかった。
 間違いなく急所を外して刺したのに、心配になるほどの苦悶の声だった。


 対魔武器で智を無力化し、人目につかない場所に幽閉する。
 それが綸音の考えた案だった。
 魔に堕ちそうになっている智を、日常の空間に置くわけにはいかないからだ。
 誰にも見られないように、誰にも触れられないようにする必要がある。
 そのためには、智を周囲から隔絶するしかない。
 あとは近くの廃工場へ智を運んで拘束し、周辺を厳重にカモフラージュすればいい。
 そして、魔への対抗手段を持った綸音が、動けない智の世話をする。
 少なくとも、智の中の魔が他の女性を貪ろうとする意思を見せなくなるまで。

 強引で乱暴な方法だが、時間がないのだ。
 智が完全に魔に染まりきるまで幾ばくもないと、感が告げている。
 優しく真っ直ぐな性格の智だから、自分がそうなることをよしとしないだろう。

 だから、きっと分かってくれる。
 これが智の為に出来る一番の方法だと。
 そして、たとえ彼が綸音の世話無しには生きていけないようになったとしても。

(先輩を守ってあげられるのは、私だけなのだと――)


 ドクンッ

 ――その言葉を思い浮かべた途端、かつてない胸の鼓動が綸音の中に響いた。
 その刺激は、智と藍香のセックスを盗み見た時の不可思議な火照りに似ていて。
 火照りは熱となり、麻薬のように建前を崩し、綸音の秘めた想いを引きずり出していく。

(先輩を幸せに出来るのは私だけ――)

 ドクンッ!

(先輩の世界の中に存在するのは私だけ――)

 ドクンッ!!

(この人はもう、私のものだ―――)

 ――その瞬間。

 ドクンッ!!!




 何かが、弾けた。



460ブラッド・フォース ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 22:16:12 ID:P/tfrob5
「あははははははははは! あはははははははははははははははははははははっ!!」

 綸音がけたたましく笑う。
 物静かで生真面目な性格からは想像もつかないその形相は、普段の彼女を知る者が見たら目を疑うだろう。
 しかし、そんなことなど気にならないほど、綸音はこみ上げる歓喜に酔いしれていた。

 ああ、そうだ。
 智のため、藍香のためという理由付け。
 藍香を蝕む魔の気配に気づかなかったこと、そんな自分の不甲斐無さへの怒り。
 そんなものは全て、行動を正当化する為の言い訳に過ぎなかったのだ。
 智が化物であることでさえ、そうだった。


 高村先輩が――智先輩が好き。
 彼を自分だけのものにしたい。
 魔の者であっても――いや、魔に堕ちることに必死に抗う彼だからこそ、傍に居て守ってあげたい。
 それが自分の望みだと、今はっきり気づいた。

 勿論藍香のことも好きだし、彼女が智と幸せになりたいことも知っている。
 だが、無理なのだ。
 神川に生まれた藍香には、立場という絶対的な鎖がある。智や綸音との身分差と言ってもいい。
 今の時代に身分差など馬鹿馬鹿しい話だと綸音は思う。それは智や藍香にしても同様だろう。
 それでも現実として身分差は厳然と存在し、こればかりは藍香がいくら嫌ってもどうにかなるものでない。
 藍香の付き人として5年以上神川の中枢に身を置いてきた綸音には、それが痛いほど分かっている。


 藍香を幸せにするのは、綸音では手の届かない領域にいる人間の役目だ。
 綸音や智が傍にいなくても幸せになれるし、将来的にはそうなることを要求されるだろう。
 だが智は違う。人として生きていけるよう、誰かが支えてあげなければならない。
 それが出来るのは、よく一緒にいるのを見かける幼馴染の女でも、主たる少女でもない。
 自分だけだ。


461ブラッド・フォース ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 22:20:17 ID:P/tfrob5
「んんっ・・・」

 目を閉じて、そっと唇を重ねる。
 綸音にとってファーストキスとなるそれは、ほろ苦い血の味がした。
 鉄錆の感触が喉に痛いが、愛しい人の命そのものを取り込んでいるという興奮が上回る。
 こんな気持ちになれるなら、智にも自分の血を吸ってほしいと思うほどに。

 ふと腹部に熱を感じて視線を落とすと、服が真っ赤に染まっていた。
 出血が思いのほか激しいようだ。早く智を運ばなくてはならない。
 ずっとこうしていたい気持ちを切り替え、綸音はこれからに思いを馳せる。
 焦ることはない。これからはずっと、好きな時にこうすることができるのだから。

 最後にもう一度と、智に口付けようとして。
 綸音の動きが止まった。

 誰かいる。
 無粋なことに焦燥と嫉妬、そして殺意を露にして。
 そして、その気配は自分と智にとって悪いものだと、感が告げている。

 綸音の感は外れた試しがない。特に、悪い予感にかけては絶対といっていいほどに。
 それでも外れてほしいと、今日ほど強く願ったことはないが―――受け入れられることはなかった。






 辺りに突如立ち込める、異常なまでに禍々しい気配。
 智の発するものとは比べ物にならないそれは、もはや瘴気の結界と言っても過言ではない。
 発信源となっているのは、紫の髪をなびかせ、血走った瞳で綸音を睨んでいる美しい女。
 憎悪に歪んでもなお損なわれない魔性の美貌が、綸音に本能的な拒否反応を訴える。


「サトシっ!!」

 智を呼び捨てる声。それは綸音にとってこの上なく耳障りに響いた。
 だから彼女は一瞬にして判断を下す。
 人間として、そして女として。




 この女は敵だ、と。
462 ◆6xSmO/z5xE :2006/12/02(土) 22:23:46 ID:P/tfrob5
今回はここまで。現れたのは言わずもがな・・・。
長期に渡って放置された分、頑張ってもらう予定です。
463名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 22:26:20 ID:UpuRI1y5
>>462
遂にエル再登場キタ━━━━:y=-( ゚∀゚)・∵;;━━━ン!!!!
そして修羅場もキタ━━━━━━(*゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
GJGJGJです!

エルたん派の俺はこのときを待っていた!
464名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 22:42:31 ID:r+CfL2tS
智きゅんの周りにはコワイ娘(褒め言葉)ばっかですね
465名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 22:57:01 ID:g91rR0PR
綸音の独占欲爆発で一気に綸音派になってしまったぜ(*´Д`)ハァハァ
そして遂に出番がやってきたエルの活躍と修羅場に期待wktk!
466名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 22:58:25 ID:wkbqOmAg
時々でいいから…幼なじみのあの娘のことも思い出してあげてください……
467名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 23:24:22 ID:1LkdOSz1
しかし、SSなのに
これなんて電撃文庫って感じぐらいに面白い
468名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 23:27:33 ID:PRz2nNC6
>>466
お前は俺か?
469名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 23:30:01 ID:NUkOyXlh
>>466
胡桃は誰にも渡さん!
470名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 23:35:33 ID:E0gyIclW
あのひとはじさつしたよ
471名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 23:52:56 ID:oQk1NVnu
ダブルでいやっふぉおおおおおおおおおおおおおおおお!
智たんVSエルたんwkwktktk
472名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 00:10:39 ID:Ebl1WcIe
おれも今日から綸音派になった!
吸血女なんかぶっ殺せ!
473名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 00:24:57 ID:tsNF+PZ1
綸音の中の何かが弾けたぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁあぁぁl
474名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 00:37:50 ID:KyHbxFvC
まさか綸音が参戦してくるとは思わなかったよ

作者の文才に嫉妬。でもGJwww
475名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:32:59 ID:mvL8XTLy
投下します
476名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:33:37 ID:k1GN2m3I
エルさん、この瞬間を待っていた!
477ユメノマタユメ:2006/12/03(日) 01:34:31 ID:mvL8XTLy
半次郎が大坂城で秀吉と謁見する前の日


梅屋六衛門

大坂城下に店を構える大店の一つである両替商梅屋の主は突然の来客に若干の緊張を強いられていた

石田三成
関白豊臣秀吉の側近中の側近の一人でありその才覚は五奉行随一とも囁かれる切れ者である

「これは石田様。わざわざ当家にご足労願いまして恐悦至極に存じます。本日はどのような御用向きで?」

「ウム」

出された茶の香気を堪能し一呼吸置く

「梅屋」

「はい」

「こなたには長男の他にたしか娘御をおったな」

「はい確かに当家には長男の七郎と娘の夏がおりまするが…」

「その娘御に良い話を持ってきた」

「は?」

「縁談じゃ」

「縁談…でござりますか」

縁談という言葉を聞いて六衛門は見当がつかぬという顔をしてしまう

確かに娘の夏は今年で16でありそろそろそういう話の一つも持ちかけられても可笑しくはない
しかし娘の縁談と目の前の石田三成という組み合わせには今一つの現実味に欠けていた

「あの…石田様がその…夏を所望ということで…」

「たわけめ」

あまりと言えばあまりな見当違いに三成には珍しく苦笑を漏らした

「関白殿下の覚えめでたい若侍にそちの娘を嫁がせようと言っておるのじゃ」

「はぁ…」

「この話は殿下直々の御下命である」
478ユメノマタユメ:2006/12/03(日) 01:35:08 ID:mvL8XTLy
直々の御下命という言葉に六衛門は顔には出さずに肝を潰した
関白・豊臣秀吉直々に嫁を探さねばならぬとはよほどの大身の家子である
そのような家に大店とはいえ所詮は商家でしかない我が家の娘を嫁がせるという
その話の大きさと娘の縁談というのにもやはり現実味が欠けているように六衛門は思えた

「あの…殿下のお声がかかるような大身の御武家様の家に我が家のような商家の娘では釣り合いというものが…」

「梅屋」

「はい」

「こなたの家は確かに商家ではあるがそちの娘はそうではあるまい」

今度こそ六衛門は狼狽を顔に出してしまった

「わしとて当て推量でこなたの娘に白羽の矢を立てたわけではない。こなたと京の公家周りの因縁は先刻承知の上じゃ」

切れ者という話は聞いていたがまさかこれ程とは…
六衛門は目の前の男が秀吉の懐刀であるということを嫌が応にも痛感した

「そこまで承知でございましたか」

六衛門は精一杯であるかのような声で応じた

「案ずるでない。これはあくまでわしが白羽の矢を立てた理由であって縁談の相手先にもそちにも障ることはない。
これは石田三成の言葉じゃ」

「なればこちらからは何も言うべきことはござりませぬ。この御縁談、ありがたく承りまする。して、先方はどちら様でいらっしゃいますか?」

「真島家現当主。真島半次郎久信。先ごろまで殿下の小姓を務めておったが、先の小田原の役の論功行賞にて京都所司代の与力に抜擢され
2千石の加増を賜り、また、散位ではあるが少初位下に叙せられる事が既に内定しておる。年はそなたの娘と同じ16じゃ」

大名の家子でもない16の若者が散位であるが官位を賜りあまつさえ京都所司代に抜擢されたという
殿下の覚えめでたいというのもあながち誇張ではなかった

「それはそれは…16で一家の当主でござりますか…それに武功もお立てになりましたとは…さぞ頼もしき方でござりましょうなぁ」

武功、という言葉に気を向けたが三成はそれを顔に出すことはなかった

「ウム、なれば早々に娘御を…夏と言うたかの…この場に呼んで来るが良い」

「はぁ…それが今日は生憎と他所に呼ばれておりまして不在でござりますれば、娘に手前の方から言い含めておきますので
今日のところはご猶予を頂戴したく存じ上げまする」

「そうか。なれば本日は暇を乞うが娘御にはよう言い含めておくようにな。では、馳走になった。礼を言う」

三成に出されていた茶はまだ室内に香気をたゆませていた
479名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:39:53 ID:mvL8XTLy
かなり間を空けてしまい申し訳ありません
話の流れが少し性急すぎかなと思い、じっくり腰をすえて書くことにしましたので
楽しんでいただければ幸いです


>>476さん
期待に添えず申し訳ありません ・゚・(ノД`)・゚・
480名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:50:44 ID:392+WGjc
帰ってきたッ!戦士たちがッ!修羅場を引き連れてッ!帰ってきたGJッ!!!
481トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/03(日) 03:02:56 ID:yJDbTMtH
では投下致します
482水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/03(日) 03:06:36 ID:yJDbTMtH
 第6話『恋愛一直線(姉妹2本立て)』

*水澄虹葉 過去の回想
 私こと水澄虹葉は一人の男性に恋をしている。
ずっと、彼が私の家にやってきた頃からずっと想っていたの。もう、わかってしまっていると思うけど。
 私の大好きな人は天草月君。
 私の大切な弟君です。
 ただ、彼が水澄家に来た頃は私たち姉妹は彼をずっと避けてきた。
お父さんやお母さんに今日から家族ができるよと言われて、リックサックを背負って不安そうな男の子がやってきても、
そう簡単に容認できるものではなかった。
この頃は近所の男の子たちにいろいろと悪戯やからかわれて男の子のことが大嫌いでたまらなかった。
だって、女の子が嫌がることを平気にするんだよ。意味もなく頭を手で叩いたり、気持ち悪い虫とかを投げ付けたりとやりたい放題だ。
そんな男の子が家族として迎えることは本当に恐怖に等しかったんだよ。
 私と紗桜ちゃんは月君を最初からいない者として扱った。
今となってはとても残酷で昔の私の頬を叩いたぐらいに後悔していることだ。
親を失った月君の悲しみとかに気付くことなく、月君が話しかけてきても私たちは無視を貫き通した。
 男の子は頑丈で平気で嫌なことをばかりやってくるんだから、これぐらい仕打ちは当然と子供心にそう思っていたかもしれません。

単純に言うなら、私は男の子の接し方が全くわかっていなかった。
 そんな日々が月君が来てから半年以上も続きました。
 水澄家の生活に慣れてきた月君は私たちに変わることなく関わりを持とうしましたが、私たちは彼をまだ空気のように扱っていた。
 だから、水澄家にいる時間は辛くて月君は隣の泥棒猫と遊ぶ時間が増やしていきました。
私たちのことを言うのはあれですが、いろんな意味で月君を奪っていた泥棒猫の存在が憎くてたまりませんでした。
この気持ちは子供の頃から全く理解できずに複雑な胸に心を痛ませてしまいました。

 ええ。
 今になったらわかりますよ。
 この気持ちは大好きな月君が他の女の子と遊んでいるだけで私は嫉妬していたのだ。
泥棒猫と遊ぶぐらいなら、どうしてお姉ちゃんと遊んでくれないの? 構ってくれないのよ! 
 本当はただ男の子のことは大嫌いだけど、月君とは仲良くしたかったんだと。
 それが私の子供の頃の本心だった。

 泥棒猫が夜逃げしてから、月君は水澄家にいる時間が前よりも格段に増えました。
今度こそは今まで無視してごめんねと謝って、仲良く遊ぼうと月君に言うつもりだった。
でも、月君は男の子だから恐い。
 私は勇気が全く持てなかった。とても、情けなかった
483水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/03(日) 03:09:28 ID:yJDbTMtH
 とある日。

 私は紗桜ちゃんと一緒にお母さんから頼まれたお買い物を頼まれた。
 妹の紗桜ちゃんはその頃はべったりとお姉ちゃん子だったのでいつも仲良く手を繋いで買いに行っていた。
 ただ、その買物の途中で予想外なことが起こった。
 私たちの小さな体よりも一回り大きな犬がいつもの買物に行く道の真ん中に立っていた。
 狂暴そうな犬が怯えている私たちを標的にしたのか、大きな声で吠えて走ってきた。私は紗桜ちゃんの手を引っ張って逃げた。

 追い掛けてくる犬が恐かった。

 もし、追いつかれたら、私と紗桜ちゃんは絵本にあった赤ずきんのおばあさんのように食べられてしまう。
 必死に逃げても、後ろから迫ってくる狂暴な犬は私たちを見逃すつもりはなかった。
 やがて、逃げ果てた場所が行き止まりで私たちはその壁に背を向けて、犬が一歩ずつ迫ってくるのを待つしかなかった。
 私は紗桜ちゃんを庇うように前に出て、犬が襲いかかってきても紗桜ちゃんだけは逃げれるようにと私は震えた足を一歩だけ前進する。

 でも、それが限界だった。
 犬は吠えると一気に襲いかかってきた。
 その時であった。
 犬の後頭部に石が投げられた。
 見覚えのある少年が手に石を一杯持って、私たちに襲いかからないように自分が標的になるように仕向けた。

 怒った犬は月君を追い掛けて行きました。月君も慌てて逃げて去りました。
 私たちはお互いを抱きしめ合って恐怖が回避されたとわかると二人で思わず泣いてしまった。
 男の子にからかわれること以上に今回の事は恐かったんです。
 頭が冷静になってゆくと、犬を追い払って自分が標的になって追いかけられた月君の事を思い出しました。
 あの犬は足が迅くて狂暴だった。

 例え、男の子だったとしても、あの犬相手に無傷でいるはずがありません。
 私と紗桜ちゃんがこれまでない以上に月君を心配して待っていると。
 月君は左足を引き摺ってゆっくりと現われました。左足の足下のところから血が流れていた。
 犬の歯形がぎっちしと残っており、見た目以上に痛々しかった。
 私が泣きながら、大丈夫? 大丈夫と尋ねると月君は優しく微笑して。
『大丈夫だよ。お姉ちゃん。紗桜ちゃん」
 本当は痛いのに。泣きたくてたまらない程の痛さなのに。
 月君は全然泣かなかった。私たちの事ばかり心配してくれた。

 その想いに私は今までの事を反省した。

 月君が他の男の子とは違うと。

 私たちのことを常に想ってくれている優しい男の子なんだって。

 子供の私はようやく月君を家族の一員のように大切な存在のように想うことができた。
 それが私の初恋の始まり。

 この事件を境にして、私たちは月君と家族以上に仲良くなれた。
 子供の頃の想いは今でも純粋に持ち続け、その想いを届くことを祈っている。
 大切な月君と結ばれることを。
484水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/03(日) 03:12:28 ID:yJDbTMtH

*水澄紗桜 回想

 思い出は優しくて懐かしいモノだ。
 私の大切なお姉ちゃんと兄さんの3人で築いてきた思い出のアルバムの写真はどれも幸せな事だらけ。
 その写真で笑っている兄さんの姿はどれもかれも私は覚えている。
 私が初めて好きになった異性。
 お姉ちゃんは男性嫌いを小さな頃に克服することができたみたいだけど。
 私は今でも男性が恐くてたまらない。

 小さな頃から苛められ続けていた事が今でもトラウマになっているようだ。
 子供の頃の私は内気で社交性もなく意地悪な男の子たちにとっては格好の苛めの対象になることは間違いないであろう。
 といっても、子供の頃は単純にからかうとか好きな女の子にちょっかいを出して苛めたくなる程度のことだ。
 ただ、その程度のことで私は少し男性恐怖症に近い拒否反応を引き起こす。
 男の子と視線を合わせたり、喋ったりするのが全く意志疎通もできない状態になるぐらいに悪い。

 今は少しマシだが、長時間は話すことができないだろう。
 でも、兄さんだけは特別だ。
 兄さんだけは私の男の人が苦手の分類に当てはまらない。
 家にやってきた頃はお姉ちゃんと同様に恐怖の代名詞に当てはまった。
 だが、狂暴な犬に襲われた時に兄さんは身を犠牲にしてまで私たち姉妹を守ってくれた。
 感謝してもしきれない。兄さん。ありがとう。
 犬に噛まれた傷は今でも兄さんの左足の下に古傷として残っている。その傷を見る度に申し訳なくてたまらなくなる。
 その頃から兄さんと私たちの隔てた壁は解き放たれた。
 でも、私は少しだけ男の子は苦手で、その頃はお姉ちゃん子だった。


 兄さんを私の本当の兄以上に想い始めたのは犬に襲われてから2週間後ぐらい経った頃だろうか。

 兄さんは犬に噛まれた傷で針を何針も縫う程の怪我を負った。兄さんは痛そうな顔もせずに大丈夫大丈夫と私たちの前では平気な顔を浮かべていた。
 兄さんがその怪我の痛みよりも私たちが無視もせずに普通に接することが何よりも嬉しかったようだ。

 そう、兄さんと会話して始めて気付いたけど。兄さんとお姉ちゃんと私の3人がいるだけで楽しかったのだ。
 でも、内気な私は兄さんと楽しいお話は出来なかったと思う。男の子のまでは緊張してあがってしまっていた。
 全身が強張って話したいことや伝えたいことが全くできなかった。
 今思うと私は男の子の前だからあがっていたわけではなくて、兄さんの前だからこそ緊張していたと思う。

 それが胸の奥深くにひそむ恋の始まりとは幼すぎる私は気付いてなかった。
 好きだとか恋しているとか愛しているとか、子供同然の私にわかるはずがない。
485水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/03(日) 03:15:46 ID:yJDbTMtH
 お姉ちゃんと兄さんは上手く解け合っているのを見て、私はただ一人拗ねていた。
 兄さんと楽しく話したい。お姉ちゃんのように話せるようになりたい。でも、内気すぎる私には叶わない願いだ。
 そんな私を心配してくれた兄さんとお姉ちゃんは私のために一芝居をうった。

 紗桜ちゃんともっともっと仲良くなる会が結成された。
 兄さんとお姉ちゃんが作ったわけわからない会の趣旨は私に兄さんと普通の会話ができるようにすること。
 そこでお姉ちゃんと兄さんはお母さんとお父さんから貰った大切な小遣いを足して買ってくれたものは、猫と犬と兎の手にはめこめる人形だった。


 猫はお姉ちゃん。


 犬はわたし。


 そして、兎は兄さんだった。


 その役割はどういう風に当てはまったのかは知らなかったけど。
 私のために買ってくれたことが何よりも嬉しかった。犬さんを手にはめ込むんで、お姉ちゃんの猫とじゃれ合った。
 兄さんの兎と一緒に話し込んだりした。
 不思議なことに犬さんをはめ込んで犬さんの役に成り切ると兄さんとは普通に喋ることができた。
 今まで強張ってしまったことが全てが嘘だったかのように。
 お姉ちゃんと兄さんのおかげだった。

 猫と犬と兎による人形劇ごっこをしてゆくうちに、私の内気は自然と解消して、誰とでも話せるようになった。
 今でも男の子と話す時はこの犬君がないと喋ることができないけど、兄さんとは犬君がなくても普通に喋ることができるようになった。
 
 年月を重ねる度に人形劇ごっこや犬や猫や兎で遊ぶことなくなったけど。
 私は知っている。
 兄さんとお姉ちゃんは今でも大切にそれを持ち続けていることを。
 私はそれがとても嬉しかった。
 私にとっては、猫と犬と兎の人形は私たちを結ぶ姉兄妹の絆である。お金では決して買えない幸せだと。

 
 私は兄さんにずっと恋をしている。
 初恋のきっかけは犬に助けられた頃だと思うけど、自覚したのは一緒に人形劇とかをしていた頃からだと思う。
 大好きな兄さんと過ごした日々。
 これからも変わらない、ただ想うだけの毎日。

 想いは兄さんに届く時がやってくるのかな……。
 でも、私は知っている。
 現状を維持することが私とお姉ちゃんの双方の幸せ。

 家族の関係を壊さずに、胸の奥深くに眠っている気持ちを。
 永遠に混沌の海に沈ませておく。
 でも、微妙な境界線はあの女のせいで破られた。
 それが私たちの家族の関係に終わりを告げる終焉であった。
486トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/03(日) 03:18:28 ID:yJDbTMtH
次回から姉妹VS泥棒猫の争いに突入してゆく予定
今書いているけど、書き終わるのには先が遠いですw
487名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 03:36:05 ID:UBCNRiU4
GJ!こういう背景設定は修羅場への楽しみを増幅させるぜ(*゚∀゚)=3
相変わらず心理描写がうまくてその才能に嫉妬

>>479
帰ってきた、帰ってきたよう。゚(゚´Д`゚)゜。
まとめサイトの分も光速で読んできた、まだ見ぬ泥棒猫に沙夜がどんな反応をするのか楽しみだ
488名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 03:37:49 ID:dfGg6MbH
GJ!!!
これからどんな修羅場が待ち受けているかとwktkして待ってます!
489名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 07:22:08 ID:usKwAVV5
>>479
待ってましたwそろそろもう一人の方も登場しそうなので激しくwktk
>>486
こういうのをいれておくことでよりいっそう修羅場を楽しめますなw

作者さんGJ
490名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 07:33:55 ID:uw+MN8G2
なんてこのスレは神々が多いんだ!
もうココなしじゃ生きていけねぇ!
491名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 07:58:06 ID:LJZ0F7TO
猫が虎に、犬が狼になったんだろうな
492名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 09:43:51 ID:KyHbxFvC
>>491
うまいなぁ、その例え
493名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 09:48:40 ID:Ebl1WcIe
でも兎は兎のままだったんだな

今回の話は今までで一番良かった!
494名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 10:20:58 ID:tG26cbZZ
>>493いや、この数年で彼はより美味しそうな兎になりました!
495名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 15:02:46 ID:OpEKPEjY
喰われるのかよwwwwwwwwww
496名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 15:14:12 ID:R6I6a+uK
>>494
そこへハイエナ登場ですなww
497名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 15:53:08 ID:8U7xjfpB
兎は寂しいと死んじゃうから
空気扱いされても生きるために必死だったんだろうな
498名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 15:55:05 ID:kLHW5XEm
横から来た蛇に食われそうだなwwwww
499名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 17:11:23 ID:p61LzhY3
__、_、ヽ`ニ、ニ`二、ニ`ニ`、=、=ヾァー:-:ー丶、,、、,,_,.,、
⌒>\丶\ヽヽ ',!|/〃/ //,. ゙ : ' .: ゙ ,: ゙ ,/
 ⌒丶\丶ヽ`、', 《〈 〃ノ/. ' . '_;.,;._ ;.' , ゙ //
   __\ヽヾ:ヾ_ヾミ[]―‐[〕-''''"~´ 彡 . ゙ .゙〃
   ⌒\ ミ|{「己川ロ后叨:.: し___! 彡 ;' . ゙ /     う ・ ・ ・
      ヾレュ三<´{(厶ニニ-‐、>ヽ ; : . ,゙i
  ⊂   ,{ {(j  } }==Y∠r:ュ.ヾ,  く;/^ヽ!
   c    { ト >-<ン ,'  ~厂 ̄´`ヽ  ,ィ个 }     うろたえるんじゃあないッ!
   '   {〔!厂〈ー‐、 '":::...  u  }  )丿,ハ
       )|h `-'"       / (__/,/     ドイツ軍人はうろたえないッ!
.        !|  「r三三ヽ J   l  /⌒l !
        l |    } ,. ―-| u   ,/ 、_,ノj  ,r一''"~´)
         !.ハ  ノノ二ニ二!     ノ `7〈 /  ゝ''"´ __
.        | .ハ ヽ-r―‐-    ,f 、__// ヽ/-‐''(´  _,,ノ、
_,,.. -ー―ノ / ヽ  ゙ー‐  / ! `゙{'′ ノ  >‐'''(´_,,/
       ー-、 ヽ-r―‐< ,r'゙{:___ノ`ー(、__/ >''"´
   、_,,,,,,,,,,,,,,,}!,,___{  ;' /´ '゙ ̄´ ̄´  丶イ  __
  \     r―ー>''"/~"''ーく⌒ヽ._,,ノィ´   `)
    \    /  /7゙ <´      ノ  /〈   ><~´
      ヽ,/   { ヽr、\   ''"    ,. -''"―-ヽ `'ー- 、
    //     \ \ヽ、`丶、__,,..ィ´}! ,iリ    ``丶、 \
500リボンの剣士 38話 ◆YH6IINt2zM :2006/12/03(日) 17:40:10 ID:G3GidN8v
投下します。かなりアレです。
501リボンの剣士 38話 ◆YH6IINt2zM :2006/12/03(日) 17:41:28 ID:G3GidN8v
愛しい人のために全てを賭ける女剣士って、カッコ良くない?

そんな空想にちょっと酔いながら、やっとあたしは最後の敵、木場春奈のいる部屋に着いた。
扉を斬って、真っ直ぐ進んだ突き当りのドアを開けてみれば、コタツに人志と木場が座っている。
見てすぐ分かった。人志は、まだ木場の毒牙に掛かっていない。
良かった、間に合った。
「明日香……?」
目を丸くする人志の向かいで、木場は顔に焦りを浮かべている。
甘かったわね。あたしが泣き寝入りすると思ったら大間違いよ。

「どう……したんだ?」
人志の疑問の答えとして、あたしは刀の先を木場に向けた。
木場をよく見ればサンタのコスプレをしている。クリスマスだからなのね。
真っ赤な服――――服だけでなく、血の赤もまき散らしたい。
「クリスマスプレゼントに、あんたの命をもらいに来たのよ」
シャレを利かせて言ってみたけど、人志は真剣な表情で立ち上がった。
「何を言ってるんだ。性質の悪い冗談はやめろ!」
「あたしが冗談を言ってると思う?」
シャレなら言ったけどね。人志だったら、あたしの本気くらい、わかって当然だと思うけど。
あんまり時間を無駄にしたくないし、さっさと話を進めとくわ。

「そこの女の陰謀で、レイプされたのよ」
あたしには、こいつを殺す理由がある。
「金でその辺の男を操って、ついさっきあたしを……ね」
こいつを殺して、人志を助け出す義務がある。
ううん、義務じゃない。使命よ。人志を狙う女は斬る。
「そんなの、私……知らない!」
木場が急に、声を上げた。
「私じゃない! そんなことやってない!」
あーやかましい。泣きそうな顔、儚いっぽい声、濡れ衣着せられた悲劇のヒロインを上手に演じてるわ。
初めにあたしと目があったときは、『ちっ、しくじったか』って顔してたのに。
ムカつく。うざい。早く殺したい。
502リボンの剣士 38話 ◆YH6IINt2zM :2006/12/03(日) 17:42:50 ID:G3GidN8v
「あんた以外に!!」
もっと大きな声で、わめき散らす木場の声に割り込んだ。
「誰が金を払ってまで、あたしを犯したりするのよ!!」
もう我慢できない。殺そう。
木場の方に一歩進んだら、間に人志が入ってきた。
「明日香……やめろ」
両腕を広げて、木場を隠すように。
……それが、人志の気持ち?
いくらなんでも残酷すぎるわよ。全てを投げ打つ気で助けに来たのに、敵に情が移っていたなんて。
「その女を庇うの?」
タチの悪い冗談を言ってるのは、人志のほうでしょ?

「そうじゃない! ただ、殺すというのはいけな――」

「レイプされるのはいいんだ」

「っ…………」

「殺すのはいけないから、レイプされても話し合いで解決しましょうと、そう言いたいの?」
人志らしくない。話が通じない、暴力ばかりのヤツもいるのを、人志は知ってるはずなのに。

「……」
「……」
「……」
「……どいてよ」
「……それは、出来ない」
「そう……」
騙されてる。人志は、あの女に騙されてる。
人志の目を覚ますには――――こうするしかない。
刀を構えて、刃を横にして、人志の頭に水平に振るう。
――峰打ち。

「――っ!?」
反応できないまま、人志は打たれて気を失い、倒れた。
ごめんね。これも人志を助け出すためだから、我慢してね。
改めて木場の方に向き直ると、冷ややかな視線に迎えられた。
「最低」
心の底から軽蔑している感じの低めの声で言い、目を細めている木場。
「自分の事?」
あたしの返しに答えないで、木場は手を大きな袋に伸ばす。
もちろんあたしのする事は一つ、さっさと斬る!

「死ね!」
最高のスピードで踏み込んで、木場の頭めがけて縦に斬り下ろす。

捕えた!

……と思ったら、木場の動きが急に早くなって、よけられた。
刀を振った直後に、少し離れて転がるサンタが視界に入っている。
大きな白い袋が開かれ、木場はその中から何かを取り出した。
それをあたしに向かって投げつける。
飛んできたのは、細い針と風を切る羽がついた小さな棒。
503リボンの剣士 38話 ◆YH6IINt2zM :2006/12/03(日) 17:44:27 ID:G3GidN8v
――ダーツか!
顔を狙ってくるダーツをかわしている間に、木場はさらにあたしと距離を取っていた。
すでにその手には、何本かのダーツが握られている。
へぇ、そんな武器――いや、
「そんなオモチャでやる気?」
あんなもの、オモチャでしかない。
ダーツの針は短い。刺さればそれなりに痛いだろうけど、胸に刺した所で心臓には届かないし、投げるよりも手
に持って直接刺したほうがまだ強い。
狙うとしたら、目とか額とか、つまり顔。でも、そこに来るのが分かっていれば、あたしは当たらない。
武器と呼ぶには、あまりにもお粗末。
飛び道具を使うなら、マシンガンくらい用意しなさいよ。

「殺しておけば良かった……っ!」
さらに木場はダーツを投げる。左手の一本。
軽くよけると、今度は右手の指の間に挟んだ三本を同時に投げてきた。
三本とも、散らずに平行して顔めがけて飛んでくる。
……ふん。
まとまって来た所で、もう少し横に動けば当たらない。残念でした。
「死んでよおっ!」
取り乱してきた木場、次は両手で六本投げ。
次――もう最後にしよ。
焦らせて、足掻かせて、狂わせて、それから殺してやるのもいいけど、やっぱり問答無用で一撃必殺が一番ね。
この六本も顔狙いだから、低い姿勢を取ってやり過ごして、同時に地面を蹴った。

あたしの殺り方は一つ、あの頭を真っ二つにする!
次の構えを取らせる間も与えずに、木場の懐に飛び込めた。
あんたはいつも、防御がなってないのよ!
鳩尾に膝を突き出す。
「ぁぐっ!」
入った。木場の身体がくの字に曲がって、頭ががら空きになった。
それじゃあ――――死ね!!!
打ち下ろした刀は今度こそかわされない。

髪が、
額が、
眉間が、
鼻が、
口が、
顎が、
頭蓋骨が、
脳が!

あたしの剣で、きれいに、縦に、二つに断たれた。
504リボンの剣士 38話 ◆YH6IINt2zM :2006/12/03(日) 17:46:27 ID:G3GidN8v
刃は首の辺りで止まり、血が吹き出す。
割れた頭蓋骨の間から、汚い色をした脳が、糞みたいに垂れ流れた。
木場は、光の消えかけた目であたしを見ている。
何を言いたいのか知らないけど、あたしからは、特に語りかける事は無い。
刀を引き抜いて、さらに血を出させてやるだけ。

終わった。

これで人志は大丈夫。木場は殺したから、もう近付く女はいない。
……あたしも、あんな女とはいえ人を斬ったし、リボンも処女も失ったから、もう人志とは一緒に居られない。
でも、人志は大丈夫なの。
もう目が覚めてるから。ああいう女には、もう騙されないから。

人志。

刀を放り投げる。あたしのすべきことは、全部終わった。
気を失っている人志を仰向けにして、あたしはその上に覆いかぶさる。
あたし、ちゃんと守りきったわよ。
自分の身体を、人志の身体に擦り付けて――。

――!?

鼻を突く、この匂い……。

木場春奈の匂い――!!

まさか、木場は殺したのに、もう手遅れだったの?
いや、まだ分からないわ。
あたしはすぐに、人志のズボンと下着を下ろしてみる。
やったかどうかは、ここを見れば……。
……。
見てもわからなかった。

これは……えーと、まだ、だったらムケてないんだっけ?
あ、でも“これ”には、あの女の匂いは付いてない。
ということは……匂いは服だけに付いてたって事で……セーフね!
良かったわ。人志はまだ……そう、まだなのよ。
もうすぐ、あたしは人殺しの罪で捕まってしまう。本当に、人志とは離れることになる。
だったら、最後に……。

よく見れば、人志の“これ”も結構やる気っぽいし、何より愛し合ってるんだから、いいわよね?
生唾を飲み込んで、大きくなっているこれを、そっと口に含んだ。
人志……これから、気持ちよくしてあげる……。


(39話に続く)
505名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:04:31 ID:KcA+TxJY
うお!! 両者破滅のうえ人志の見せ場がねぇ!
ちょっと変わった男だから何かしてくれると予想していたが、問答無用で気絶&逆レイプ
とりあえず人志の決断を待ちまする
506名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:36:11 ID:rZg9JSNt
GJ!!

やりまん  は〜るな さんたさん
"ひとし"に い〜ろめ つこ〜たら
あ〜かい お〜めん さ〜いた
むーざん むーざん
507名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:39:47 ID:38FuINwS
よっしゃあああああああああああああああああ!
明日香の勝利だ。流石に、先に犯罪を犯した木場はしょうがないよなぁ・・・
ま、これからどうなるのかwktk!!
508名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:41:10 ID:KyHbxFvC
_ _、_、ヽ`ニ、ニ`二、ニ`ニ`、=、=ヾァー:-:ー丶、,、、,,_,.,、
⌒>\丶\ヽヽ ',!|/〃/ //,. ゙ : ' .: ゙ ,: ゙ ,/
 ⌒丶\丶ヽ`、', 《〈 〃ノ/. ' . '_;.,;._ ;.' , ゙ //
   __\ヽヾ:ヾ_ヾミ[]―‐[〕-''''"~´ 彡 . ゙ .゙〃
   ⌒\ ミ|{「己川ロ后叨:.: し___! 彡 ;' . ゙ /     う ・ ・ ・
      ヾレュ三<´{(厶ニニ-‐、>ヽ ; : . ,゙i
  ⊂   ,{ {(j  } }==Y∠r:ュ.ヾ,  く;/^ヽ!
   c    { ト >-<ン ,'  ~厂 ̄´`ヽ  ,ィ个 }     うろたえるんじゃあないッ!
   '   {〔!厂〈ー‐、 '":::...  u  }  )丿,ハ
       )|h `-'"       / (__/,/     修羅場スレの住人は
.        !|  「r三三ヽ J   l  /⌒l !             これ位ではうろたえないッ!
        l |    } ,. ―-| u   ,/ 、_,ノj  ,r一''"~´)
         !.ハ  ノノ二ニ二!     ノ `7〈 /  ゝ''"´ __
.        | .ハ ヽ-r―‐-    ,f 、__// ヽ/-‐''(´  _,,ノ、
_,,.. -ー―ノ / ヽ  ゙ー‐  / ! `゙{'′ ノ  >‐'''(´_,,/
       ー-、 ヽ-r―‐< ,r'゙{:___ノ`ー(、__/ >''"´
   、_,,,,,,,,,,,,,,,}!,,___{  ;' /´ '゙ ̄´ ̄´  丶イ  __
  \     r―ー>''"/~"''ーく⌒ヽ._,,ノィ´   `)
    \    /  /7゙ <´      ノ  /〈   ><~´
      ヽ,/   { ヽr、\   ''"    ,. -''"―-ヽ `'ー- 、
    //     \ \ヽ、`丶、__,,..ィ´}! ,iリ    ``丶、 \
509名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:42:53 ID:Kcq5adHd
木場、哀れなり・・・

>>479
゚(゚´Д`゚)゜
510名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:56:57 ID:syNOa2hw
むーざんむーざん
511名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:09:01 ID:RtlNZiPT
まだだっ!
まだ菫たんという伏兵が残っている!
512 ◆z9ikoecMcM :2006/12/03(日) 19:10:12 ID:U+/ugBld
前回投下分についてはとても反省しております。



…投下します。
513RedPepper(1/3) ◆z9ikoecMcM :2006/12/03(日) 19:11:49 ID:U+/ugBld
やっと本音を言ったわね名波。これでやっと名波と花梨ちゃんが結ばれるわね。

さっき名波に見せた記事。当時三年生だった松田さんが妊娠したって大騒ぎになったっていう事件で
その大部分は赤ちゃんの父親として噂になった何人についての話題が占めてるんだけど…

実は後輩のK君の話は私が付け足した部分なのよね〜

そう!名波が読んだのは私が朝早くから学校に来てこっそり作った改ざんバージョン!最近はパソコンで原稿作ってるから
簡単に改ざんできるのよね〜むしろ新聞を古く見せかけるほうが難しくってそれっぽく見える古い紙を探すのに
三時間もかかっちゃったんだけど苦労した甲斐はあって会心の出来になったわ見破られなくて良かった〜
まぁ成功した一番の理由は名波が新聞部員とは思えないくらい噂話に疎いやつだからだと思うけど。
まったく一年前にバドミントン部で妊娠騒ぎがあるなんて三文小説みたいに都合のいい話よね〜
思いついた時には思わず笑っちゃったわでもここは素直に宮崎さんと赤ちゃんのパパに感謝するべきかしら。

でも名波って結構頭良いわよね私が新聞を改ざんしたって事にまで気づいちゃうんだもん。
あの時名波はしまった!って顔してたけどそこまで頭が回ってたなんて思わなかった。
名波は『あの状況であんな嬉しそうな顔されたら誰だって気づくだろ』なんて言ってたけど。
それに吉備が犯人だって疑った時だって取り乱しかけたけどすぐに冷静になっちゃったしね〜。
まぁあれなら明日の告白は大丈夫ねどんな状況になっても対処できそうだもの。

名波の方をちらりと見ると名波は自分の椅子に座って明日の事について考え込んでるみたい。
もう30分近くも考え込んでるわね…え!もうこんな時間!そろそろ名波をつれて行かないと!



「………何だここ?」
「まさか名波知らないの?まったく新聞部員とは思えないわね〜あきれちゃうわ」
「いや知ってるが…髪切ったってそれほど変わらないだろ」
今私と名波は今評判のヘアサロンに来ている。名波がいまいちパッとしないのって身なりに気を使わないからだと
思うのよね〜ビシッと決めたら絶対変わるわ。
「花梨ちゃんに告白するんでしょだったらビシッと決めないと。」
「…でも結構混んでるぞ。これはずいぶん待たないといけないな」
「大丈夫よ予約してあるんだから」
「なっ………いやでも今は金が…」
「大丈夫よ部費からだすから。編集長の許可も取ってあるし」
「部費!?ちょっと待てどういうことだ!」
「いいからいいからほら入って入って〜」



嫌がる名波を無理やり押し込んでお店の人に『今風にバッチリ決めて下さい』と言って名波を押し付けると私は外に出た。

名波に聞かれると説明するのめんどくさいしね。

携帯を取り出して電話をかける。相手は…
「もしもし、蔓さん?」
514RedPepper(2/3) ◆z9ikoecMcM :2006/12/03(日) 19:12:25 ID:U+/ugBld
実はね…名波には嘘をついちゃったことになるけど土曜日のバドミントンの練習中に突然居なくなっちゃった蔓さんを
校門前で見つけてずっと二人で話をしてたのよね〜だから携帯の番号も知ってるってわけ。
それにしても大変だったわ〜蔓さんったら私が見つけたときに泣いてたのよ『光君が私を見てくれない』って。
何も知らない振りしてなだめたんだけどほんと苦労したんだから。
しかも!なだめ終って励ましてやっと立ち直りかけたと思ったら吉備は花梨ちゃんと仲良く話しながら二人で歩いてくるのが
見えて今度は半狂乱になるしもうあの時はどうなる事かと思ったわ。

あっ誤解しないでね私は名波の味方なんだから。蔓さんに協力してるのは彼女が脱落したら困るからなのよ。
今蔓さんに協力してるのは不可抗力ってやつ。少しでも安心させておかないと何をするか分からないのよ彼女。
蔓さんには花梨ちゃんが名波に告白されて動揺した隙に吉備を掠め取ってもらうっていう重要な役目があるんだから
吉備がひいちゃうよな行動は慎んでもらわないとね。

…そうそう蔓さんのほうの状況を確認しておかないと。
「それで、吉備君と話をしてどうだった?………そう、まだ脈はあるみたいね。」
昨日一回吉備を呼び出して勝手にいなくなった事を謝ったらって言ったんだけどさっそく今朝会ったみたい。
それにしても聞いてる限り吉備はヘタレとしか言いようが無いわね〜答えられなくてアワアワするなんて。
「昨日も言ったけど、あんまり強く出ちゃだめよ。自分のイメージを壊したらまずいでしょ。」
ホントは押せ押せっていいたいんだけど蔓さんはだいぶ思いつめてるのよね。押せなんていったら何するか分からないわ。
「…ええ、また連絡するわ。それじゃあね。」
ふー。これで一安心、かな。だいぶ落ち着いてるみたい。

さてと名波の方はどうなってるかしら?覗いてもいいけどどうしよっかな〜終わるまで見ないでおこうかしら。



結局外で待つことにしちゃった。もう20分経ったしそろそろ終わったかしら。
と思ったら扉が開いて…男の人が出てきて私に話しかけた。
「四ツ川、代金を払いたいんだが。」
「………………………」
「………四ツ川?」
「えっ!?あ…ええそうねええっとそうこれこの封筒の中に入ってる」
「うわーお前一万円もせしめたのか。まったく編集長もなに考えてるんだか…」
そう言って男の人…名波はまたお店に戻っていった。

………びっくりした…顔を出されても一瞬誰だかわかんなかった…まさかあんなに変わるなんて…

「ほらお釣り。思ったよりも高くないんだな。」
「ひゃい!」
とっ突然話しかけないでよびっくりするじゃない!
「…どうしたんだ四ツ川………もしかして、髪型変か?」
「えっ!?あっいいんじゃないよく似合ってると思うけど」
そう…思ってたよりもずっと、カッコいい。


515RedPepper(3/3) ◆z9ikoecMcM :2006/12/03(日) 19:13:03 ID:U+/ugBld
えっと、ええっと…何話そうかしら。

今は、帰り道。隣を歩く名波の顔を、チラリと見る。
髪型を変えて、眉を整えただけ…よね。それだけで、人ってこんなに変わるんだ…

ってそうじゃなくて。うぅ〜なんでこんなに話しかけづらいのかしら。

「四ツ川…四ツ川!」
「えっなに!どうしたの名波」
「いや、お前の帰り道ってあっちじゃなかったっけ?」
名波が横の道を指差す。あ、ホントだ。…もうこんなとこまで歩いてきてたんだ。
「まったく、なんでお前の方が考え込んでるんだ?普通は俺の方だよなこういうボケは。」
「う、うるさいわね!そうよ名波の言う通りよ何で名波はそんなに余裕なのよ!」
「いやーやっと俺も腹が据わったみたいでな。」
あははと笑ってから、名波は急に真面目な顔になって



「ありがとう、四ツ川。」



私を真っすぐ見つめて、そう言った。



「…まだ、お礼を言うのは早いと思うけど?」
なんだか名波の目を見ていられなくなって…ちょっと視線を逸らしちゃった。
「いや、俺のためにここまでしてくれたんだからな。当然だろ。」
名波はふっと顔を緩めて、ちょっと恥ずかしそうに、
「俺さ、ここまで人にいろいろしてもらった事、あまり無かったからな……嬉しかったよ。」
そんな事を、真っ直ぐ私を見て…言わないでよぉ。恥ずかしいじゃない。



「…じゃあな、四ツ川。また明日。」
「うん…あっ!ちょっと待って!」
背中を向けかけた名波に、ついつい声を掛けて…
「えっと……そう!明日の朝、部室に来てね。服のチェックをするから。」
「分かった分かった。ちゃんとアイロンかけてくるよ。」
そう言って、名波は向こうの方に…行っちゃった。

花梨ちゃん…明日名波に告白されるのよ、ね。



「羨ましい、かも。」


516名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:19:59 ID:At0KJR2h
おおこれは…とうとう四ツ川も参戦フラグが立った!
続きに期待も込めてGJ!
517名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:42:26 ID:UBCNRiU4
四ツ川も遂にktkr!!!ここまで修羅場にほとんど絡んでこなかった
主人公?の名波がここに来て渦に巻き込まれる様に中心に入りこんで来るのかGJ!
518名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 20:02:13 ID:sE528bcw
GJです。
どうなるのか楽しみだ
519名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 20:11:54 ID:rbPhFGmd
ふと、男女逆転した岩窟王と言うネタが頭をよぎった。
泥棒猫の策略に嵌められて投獄された上にやっとで脱獄したら恋人寝取られてるヒロイン…
520名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 20:15:10 ID:kSQMtqrD

投稿されるスピードが速すぎるぉぉぉおおぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉ
読むってレベルじゃないぞ!!
521名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 20:50:09 ID:AR12msMb
例え速くても・・・読まねばならない時が男にはある!
522名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:03:41 ID:hNivyhkU
そうだ!
たとえそれによってなかなか投下できなくなったりしても
読まなきゃならないときがある!
523名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:04:40 ID:f9MfJ/8K
つーか、保管庫はいつ更新されるんだ?
結構、困ってるんだが……。
524名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:10:00 ID:dfGg6MbH
今日気付いたんだが

身の回りの全ての物事に修羅場を期待してしまうのは俺だけ?
525名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:17:10 ID:R6I6a+uK
>>524
必死に修羅場のフラグを立てようとしてしまうww
526名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:18:39 ID:rZg9JSNt
>>524
そういう部下がいると非常に助かるんだが。
二徹させたくらいで出社拒否すんなよと。
527名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:23:04 ID:Kcq5adHd
デスマかYO!
528名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:28:59 ID:/wOOMte5
まあ、ヒステリーのある女社長に仕事命令で
何日も監禁されて美味しい愛情ご飯を
「たべさせてあげる♪」
と言われるよりはマシかと思うんだが
529名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:41:55 ID:38FuINwS
>>528
俺は大歓迎なんだが・・・
530名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:49:17 ID:rZg9JSNt
うちの社長は女だが朝青龍に似てます。
531名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:53:54 ID:O9rYvCfe
やけに生々しい雑談が続いてるな

そろそろツイスターの本日分は来ないだろうか
532名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:54:18 ID:xI1t5yWA
>>528
あったのか……?
533名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:55:23 ID:dfGg6MbH
>>528
そこで恋人が乗り込んでくるわけだな。


「ちょっと!○○はどうしたのよ!もう一週間も連絡取れないんだけど!」
「…○○さんは出社されたません」
「そんな筈ないでしょ?○○がここに入ったの見たっきり出てきて無いもの!」
「あの雌狐なのね?あの雌狐が○○を…、許さない!!!」






「社長……いい加減帰してください…」
「だめよ?だって帰したらあの…あの泥棒猫の所に行っちゃうんでしょ?」
「ど、泥棒猫?」
「泥棒猫でしょう?…私は君が入社したときから好き…いえ、愛していたのよ?」
「で、でも…」
「黙って!!!」
パシンッ!!!
「…うぅ…」
「あ……ご、ごめんなさい!!!、ねぇ、嫌いにならないよね?嫌いにならないで…」
ドンドンドン!!!
「?、グスッ…平松かしら…誰なの?」
「開けなさいよ!!!、居るんでしょ?○○!!!、居るんだよね?」



駄文スマソ…orz
534名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:58:35 ID:p61LzhY3
      /             ヽ
     /  : な ・   い ・    |
     |   : い ・  い ・     |
     {   : か ・  ん ・     |
      ゙i    :   じ ・     }
      `ヽ   :   ゃ ・    /
   ,-='"´ヾ\ :   あ ・  /
   ⌒T^ヽヾミリr‐-、,_  ,-='⌒\
  ヾ、 ! iミ、ヽ、゙" /ノノ_/|// _ノ´ノヽ
  ヘ,=、,,_ヽ、   ^ト、,_二=、,, /‐|
  "^___,,,ノ`     `ヾ-=、ノ 彡  ,ィ
   (彡‐'´      ,、==、、  } -彡'
     ,、r==、     !"r‐、ヽ  `i",ィ'
  ゝ  ソ r' 。i      ヽ゚,シ   }_シ
  {   、`ーノ /⌒ヽ  ̄    レ⌒ヽ
  ノ    ̄      _,,ィァ   //^} }
 ヽ、    ト─=ニニ‐ノ    iヽ / ノ
  、{、i,    ``'ー─‐‐'´,    i-‐'/
 、`ー-i,    `ー‐      /ー'´
  `'ー‐'ヘ          /
    r'~`!`'、,ー、,,___,/-/-v'⌒ヽ,r-、
 -‐'^, -'ヽ  `'=---┬''~´/‐-リ r==、|
  '´    \ □] i| □ノ  /ヽ,ー‐' |
        ゙──┴‐'~ /   `ーイヽ
535名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:58:55 ID:R6I6a+uK
>>533
全俺がざわめきたった。
つまりはテラGJ!!!!11!!
536名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:00:35 ID:38FuINwS
>>533
ねぇ、当然続けてくれるんでしょう・・・?
何とか言いなさいよ!!
537名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:02:34 ID:UJ9lbKnr
調教とか洗脳のパターンて

「言う事を聞かないと暴力を振るう or 怒鳴りつける」

  ↓

「優しい言葉をかける」

の繰り返しが多いけれどさ、どこかに参考になる書籍とかあるの?
ぜひぜひ潮騒を希望したい!!
538名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:20:18 ID:rZg9JSNt
何をやらかす気だ。
539名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:23:00 ID:LwJtJNsl
妄想の中だけにしとけ
もしくはそれでSSを書くだけにしとけ
540名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:35:11 ID:UJ9lbKnr
もちろん、資料を集めたらSS書くに決まっとりますがな。


…………職人さんの少ない、このスレ以外のスレに投下しますが。
541名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:46:12 ID:yZaY/QxR
つ ストックホルム症候群
542名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:53:39 ID:Ebl1WcIe
>>512
全ての女子が名波に惚れるルート希望

>>541
それは洗脳っていうより勘違いじゃないの?
吊り橋効果みたいな
543 ◆j6xIfCOdTc :2006/12/03(日) 23:24:35 ID:dfGg6MbH
空軍物書いてる奴ですが

空軍物がスランプに陥ってしまったので、暫く続きが投下できそうもありません…orz

今、別の話を書いているんですが、書き上げてからの投下にしようと思います。
取りあえずタイトルだけ晒しときます。

『蒐集家と依存者と電波娘(仮)』です


いずれ>>533を作品化できたらなぁと思います。
544名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 23:34:29 ID:5Q9mR4Ur
>>543
空軍物は気長に待ってます!

他の作品も期待して待っていますね。
545名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 23:36:09 ID:90uehjld
むかし「項羽と劉邦」かなんかで読んだ、名軍師・張良の敵国占領の手法。
・抵抗勢力・反抗組織には徹底的に打撃を加え、皆殺しにするまで追い詰める。
・抵抗しない者には徹底的に優遇を加え、食料を与えたりして甘やかす。
アメとムチをとことん使い分けた彼のこの兵法は、敵地宣撫策として今でも通用するものだそうだ。
                   ↓

・「よその女に移る気持ち」「反抗心」にはフライパンetcで徹底的に打撃を加え、心身耗弱まで追い詰める。
・それ以外の欲求(性欲・食欲)などは徹底的に充たしてあげて、とろーりとろとろ甘やかす。
……ここのヒロイン達の行動は、軍略的にも理に叶っているんだよ。
546 ◆zIIME6i97I :2006/12/03(日) 23:39:07 ID:dgOETWpg
ツイスター、投下します
547ツイスター:2006/12/03(日) 23:39:43 ID:dgOETWpg
夏休みが終わってしばらくたつとはいえ、まだまだ残暑が厳しい。
そんな中で、学園祭が行われる。それなりに盛大な学園祭で、活気と熱気があり、それがさらに温度を上げているような気がする。
やる気のない学生はそれにげんなりするし、やる気のあるものは逆に盛り上がる。
太郎は、その中間にいた。
学園祭でキングクリムゾンを演奏するということは、長らく温めてきたささやかな野望だった。
そして、そのために、伊勢の死というアクシデントはありながらも、練習を重ね、これ以上ないほど演奏の完成度を上げていた。
それならば、その成果を披露することのできる今日、太郎は無心に盛り上がって然るべきなのだろう。
単純に盛り上がることができないのは、家庭の事情、つまり一子と次子のことがあったからだ。
二人は、表面上は変わりなくすごしているように見えた。それでも、少しずつ何かがずれだしてきているのを、太郎は感じていた。
目だっておかしなところがあったというわけではない。
だが、一子はますます無表情になり、たまに次子がいるときにだけ見せる笑顔はますますぎこちないものになった。
眠れないのか、目にくまを作ることもあった。
次子は夜になると、ますます乱れるようになった。かつてのように、太郎が激しく求め、それに従順に応じる次子という形ではなくなっていた。
今では、求めるのは次子であり、受け止めるのは太郎になっていた。しかし、それで太郎の気持ちが引くということもなかった。
次子が乱れれば乱れるほど、太郎が受け取る快楽は強いものになったからだ。
ただ、そこに単なる性欲ではない、次子の焦りのようなものを感じてしまわざるを得なかった。
そんな次子の姿は、どこかかつての伊勢の姿を髣髴とさせて、不吉な思いを太郎は抱いた。
そういう日々の積み重ねが、太郎を不安にさせ、学園祭を素直に楽しめないものにしていたのだった。

いまだ、山鹿が学校に来ていないというのも、太郎がいまいち盛り上がれない理由だった。
すでに退院はしていて、足のギブスも外れていた。予定よりもずいぶん早い。
だが、まだ足が痛むそうで学校を休んでいた。とはいえ、それは妹研の連中から聞いた話であったのだが。
実のところ、最初に見舞いに行って以来、山鹿に会ってはいなかった。
あの日、太郎は山鹿から次子に関してはっきりとした警告を受け取っていた。
それから、一子に気を配るようにという忠告、というよりむしろ懇願も。
だが、それからほとんど状況を変えることができていない太郎は、山鹿と顔をあわせるのが気まずかった。
たとえば、こんなお祭りの場でなら雰囲気を変えて山鹿と会うこともできたかもしれないが、山鹿はいない。
他方で、一子もまた、山鹿に合いに行くことはなかった。
夏休みの間、バンドの練習のために学校にまで来ていた次子の目を盗んで会いに行くことはできないと思えたからだ。
理性的に考えれば、次子が一子を逐一監視することなどできないはずなのだが、次子に完全に怯えきっている一子は、どこに行っても次子の目を意識してしまうのだった。
それだから、次子がバンドの練習のために太郎について学校まで来たときも、それほどのショックは覚えなかった。
たとえどこにいても次子の目を感じるのだから、実際そこに次子がいようがいまいが一子にはあまり関係はないのだった。
548ツイスター:2006/12/03(日) 23:40:24 ID:dgOETWpg
いまいち盛り上がれない太郎の横で、次子ははしゃいでいた。
模擬店を覗いては、安っぽいチョコバナナやたこ焼きをやまほど買って、食べ歩いている。
ライブの前に、学園祭を太郎と一緒に見て回りたいと次子がねだったのだ。
学園祭には、学校外の人間も大勢訪れる。今ならごまかせるだろうと太郎もそれを許した。
一子がどこにいるのかは分からない。ただ、太郎たちがスタンバイする時間になれば、軽音の部室に来る予定になっていた。
そこで、ライブが終わって、次子が戻ってくるまで待機させておく。それが、部長の提案した入れ替わり作戦だった。
太郎は腕時計を見ていった。

「おい、そろそろ時間だぞ。もう行かないと」

「うん!楽しみだねえ」

次子は本当に楽しそうにそういった。確かに、太郎も時間が近づくにつれて胸が高鳴ってくるのを感じていた。
結局、太郎も楽しみなのは変わらないのだ。

太郎と次子が部室に入ると、そこにはすでに一子がいた。
一子は制服を着ているが、次子は派手な私服を着ていた。舞台衣装だった。
実のところ、それは一子のものなのだが、太郎は気がつかなかった。唯一気付いたのは、太郎が一子に買ってやった、例の帽子だけだ。
それでも、次子が一子に借りたかもらったのかしたのだろうと、別段気に留めることもない。
バンドのメンバーたちはすでに会場である体育館へ向かっているらしく、楽器もすでにない。
太郎は自分のギターだけを持って、一子に声をかけた。

「じゃあ、すまないが頼むな」

「それじゃお姉ちゃん、お留守番お願いね」

次子がそういうのを聞いて、一子はこちらを向いてぎこちなく笑った。

一子は夏休みからずっと、こういう状況に馴れはじめているのだと自分では思っていた。
もはや、太郎と次子の関係に憤ることも、自分の立場を分かってくれない太郎に憤ることもなくなっていた。
もちろん、次子に逆らう気持ちなどなかった。自分の心は今の状況を受け入れてしまったのだと。
だが、そのぎこちない笑顔を自分で見ることができれば、それが無理をしているだけだと分かっただろう。
そうして、こんなことはたいしたことではないのだと自分をごまかしていなければ、精神の均衡を保てなかったのだ。
だから、一子は笑顔で二人を送り出した。次子がいる限り、こんなことはいくらでもあるのだろうから。

二人が部室の戸を閉めて出て行くと、部屋の中がとたんに静かになった。
外から、わずかに人の声が聞こえてくるだけだった。部室代わりにつかっているプレハブは校庭の隅にあって、学園祭の客もあまり近くまで立ち入らない。
だが、しばらくすると、その校庭の隅にまでドラムの音が響いてきた。ライブが始まったのだ。
参加しているのは、太郎の軽音だけではない。彼らの前に、いくつかのバンドが演奏するのだと一子は聞いていた。
太郎たちはその中でとりをつとめる予定だ。
音楽と歓声が何回か入れ替わって、やがて太郎たちが演奏する時間になった。
そのとき、どういう気まぐれか一子はふらふらと立ち上がって部室を出た。演奏中には、ここでじっと待機しているように言われている。
もちろん、太郎たちが演奏している間は特に、そうしていなければならなかったはずだ。
そうしたことが、一子の頭に浮かばなかったわけではなかった。
それでも、見ておかなければならない。一子はそんな思いに駆り立てられていた。予感があったのかもしれない。
549ツイスター:2006/12/03(日) 23:41:10 ID:dgOETWpg
一子が体育館に入ると、太郎のバンドがまさに演奏中だった。
幸い、自分の周りには知り合いはいなかった。ステージから離れているので、次子の顔はよく見えない。
ステージの顔と自分の顔を見比べられることもないだろう。
だが、それは余計な心配だった。体育館にいる誰もが、ステージ上の演奏に熱中していたからだ。
いや、正確には次子の歌に熱中していた。高校生によく知られた歌では決してない。大半の人間は聞いたことがないだろう。
それでも、次子の歌声は問答無用に人を惹きつけた。
いわば、それに引っ張られるようにして、太郎たちの演奏にも熱が入った。
会場の誰もが体でリズムをとり、中には飛び上がっているものさえいた。
誰も彼もが熱狂していていた。それこそ、一子だけを例外にして。
一子はそれを冷めた心で見ていた。何か、これが現実ではないような、夢を見ているような気持ちがして。
その非現実感は、周りが熱狂すればするほど濃くなっていった。
まるで、世界のすべてが急速に自分から遠ざかり、そして次子の周りに集まっているような気がした。
彼らが見ているのは一子ではない。次子だ。それは、今次子の横にいる太郎も同じだ。
いや、まじかにいる太郎こそ、この世界の誰よりも一子を否定し、次子を肯定している張本人のような気さえしてくる。

曲が終わると、太郎によるMCが入った。
ここからでも、顔が上気しているのが一子には分かった。
普段は、大勢の前でしゃべるのは得意ではないのだが、今は驚くほど流暢に司会をしていた。
ひとりずつメンバーの紹介をする。まずは太郎、それからドラムの部長という具合に。
そして、最後に次子の番が来た。会場の誰もが本当に聞きたかったのは、この紹介だったのだろう。
紹介を前にして、すでに歓声が上がりはじめている。

「では!本来バンドのメンバーではないのですが、スペシャルゲストとして来てもらいました。ボーカルの簸川一子です!」

「どーも!一子です。簸川太郎の妹です。よーろーしーくー!」

一子が、いや次子がそう叫ぶと、会場が一気に沸いた。
そしてそのまま次の演奏に突入する。会場はさらに沸いた。
そんな狂騒状態に入った会場を、一子はまるで夢遊病者のような足取りでふらふらと出て行った。
何事かをぶつぶつとつぶやきながら。
550 ◆zIIME6i97I :2006/12/03(日) 23:42:41 ID:dgOETWpg
以上、第23話「熱狂」でした。

ストレスがたまる展開だなあ。
551 ◆tVzTTTyvm. :2006/12/03(日) 23:49:30 ID:O9rYvCfe
GJとうとう一子が限界まで追い詰められてきた感じで続きがすごく楽しみ
山鹿も何か水面下で行ってそうでwktk

さて自分も投下します
552白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2006/12/03(日) 23:50:45 ID:O9rYvCfe
「良かったね、姉さん」
「ありがとうクリス」
 夢のようなリオからの告白を受けて幸せ一杯の私は早速クリスに報告した。
 この嬉しい気持を可愛い妹分であるクリスに知ってもらいたかったから。
「おめでとう姉さん。 今物凄くいい笑顔してるよ」
「えへへ……」
 確かに私は今幸せの絶頂にいた。
 多分、この世界に来て――いや、今まで生きてきて一番幸せだと思う。
 そして、其の事を可愛い妹分に――クリスに祝ってもらえた事が幸せな気分に拍車を掛けてくれる。

「じゃぁこれからは宿とかの部屋割りも変えなきゃね」
「え? 部屋割り?」
「うん。 姉さんとリオにいさんは晴れて恋人同士になったわけでしょ。
じゃぁこれからは姉さんとリオにいさんが同じ部屋に泊まるのが自然だよね?」
「…………………」
「姉さん?」
「えええぇぇぇぇぇぇっっ?!! ちょ、ちょ、ちょっと……、そ、そ、それって……!」
「どうしたの? 姉さん」
「どうしたのじゃないわよ! ク、クリス! ア、アンタ自分の言ってる言葉の意味分かってるの?!」
 私がそう言うとクリスは頬を赤らめ視線をそらす。
 ……分かって言ってるみたいね。 ……ってえぇ?!
 いや、あの、その……。 あ、あわわわ……。 ど、どうしよう……。
 自分でもどんどん顔の温度が上昇していってるのが分かる。
 そして暫らく二人して顔を真っ赤にして黙ってた。

「姉さん……。若しかして未だ、その……男のヒトが怖いの?」
 沈黙の中、遠慮がちにクリスは遠慮気味に口を開いた。
「え……?」
 私は言われて考え込む。
 ――男のヒトが怖いの?――クリスが言ってるのは私の昔の過去。
 暴漢に純潔を奪われそうになり、挙句初恋の人に見捨てられ裏切られ
私の男嫌いを決定付けた忌まわしい過去……。
 でも――。
「それは……多分……違う……と、思う……」
 うん。 あの時の事は振り切れてるはずだ。
 何よりリオはあらゆる意味で今までの男達と違う。
 理知的で、紳士的で、優しくて、温かくて、繊細で……。
 そんなリオに不安や恐れなど無い。 若しあるとすれば――。
 それは下手に迫ったりして逆に其の事で心が離れるような事になったらと言う……。

「姉さん……」
 気付けば気遣うような視線で私を見つめるクリスの眼差し。
 私は笑ってクリスの髪を撫でながら口を開く。
「大丈夫。 何の心配も無いから」

553白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2006/12/03(日) 23:52:46 ID:O9rYvCfe
<div align="center">+      +      +      +<div align="left">


 一番鶏も鳴くか鳴かぬか、そんな早朝。 町から少し離れたとある開けた場所。
 長柄武器を振るう人影が一つ。 それは未だところどころ包帯を巻いたクリスだった。
 振るう武器は使い慣れたギガンティスグレイブではなく何の変哲も無い普通の鉄の槍。
 未だ怪我が癒えきってなくリハビリといったところだろうか。
 何時もの巨大刃の長柄武器でない為か幾らか迫力に欠いて見える。
 だが其の動きは舞うが如き流麗、空気ごと斬り裂くが如き槍捌きは目にも止まらぬ速さ。
 病み上がりの衰えを感じさせない見事さだった。

 其の時、何かに気付いたようにクリスが其の動きを止める。
 そして振り返り口を開いた。
「おはよう。 リオにいさん」
「おはようございます、クリス。 もう動いても大丈夫なのですか?」
「まぁね。 万全に回復するまではあと数日ってところだけど、そろそろ勘を戻しとかないと、ね」
 そう言ってクリスはリオに微笑んで見せた。

「折角姉さんとリオにいさんが付き合う事になってこれからって時だもんね」
 クリスが笑顔でそう言うとリオは照れ臭そうに笑みを浮かべる。
 其の笑顔にクリスは満足げに口を開く。
「うん。 リオにいさん今とっても良い笑顔してるよ。 やっぱり思った通りだ」
 そしてクリスは何か考え込むような、或いは思い出すような素振りを見せ口を開く。

「ねぇリオにいさん。 姉さんとはもうシちゃった?」
 あまりにも不意をついたクリスの発言にリオはあからさまに狼狽の色を見せ口を開く。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!! い、イキナリ何を言い出すんです?!!」
 リオは顔を真っ赤にしながら慌てふためいて応えた。
「其の様子だと未だみたいですね」
「あ、あ、当たり前です!! そ、そもそもここ数日セツナはあなたの看病に付きっ切りで
どこにそんな時間があるんです……!」
「それもそうだね」
 顔を真っ赤にし狼狽するリオとは対照的に、あっけらかんとした笑顔のクリス。
554白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2006/12/03(日) 23:55:50 ID:O9rYvCfe
「あなたってこんな性格でしたっけ……?」
「ん? リオにいさん何か?」
「いえ、何でもありません……」
「そう? それよりゴメンね。 ずっと姉さん独り占めにしちゃってて」
「いえ……、お気になさらず……」
「ボクの怪我ももう少ししたら完治するし、そしたら姉さんはリオにいさんに返すから。
そしたら遠慮無くキメちゃって良いからさ」
「だ、だから! ど、どうしてそう言う方向にばっか話をもっていこうとするんです?!!」
「別に変じゃないでしょ? 確かに晴れて恋人同士になったのはつい先日。
でも旅も長いしお互い気心も知れた同士なんですし。
それにね、姉さんだって口には出さないけどそれを望んでるし」
「で、ですが……」
 顔を朱に染めリオは戸惑いを露わにする。

「リオにいさん。 この間ボクが言ったこと覚えている?」
 クリスが言ったこと――。 そう、危険や死と隣り合わせの旅だからこそ悔いなく生きて欲しいと。
 其の言葉を思い出したかのようにリオの顔がにわかに真剣味を帯びる。
「思い出してくれたみたいですね。
そう、姉さんにもリオにいさんにも悔いの残らないように精一杯生きて欲しいんです」
 表情の変化からリオの内心を察し確認したかのようにクリスは言葉を続ける。

「リオにいさんだって年頃の男の子でしょ? 幾ら顔が女の子みたいに綺麗で線が細くても男でしょ。
そう言う事に感心ないとは言わせませんよ」
「そ、それは確かにそうですが……。 で、でも、そ、そんな……私の口から」
「姉さんが言い出すまで待つつもり? 駄目だよ。
リオにいさんも男なら男らしく自分から切り出さなきゃ。
こう言う事は女の口からは言い出しずらいものなの」

「……そうでしょうか。 今のあなた見てるととてもそうとは……」
「何か?」
「いえ、何でも……。あ、でもコレットは一時、積極的にそう言ったアプローチしてきましたが――」
「コレッ……ト……?」
 其の言葉を聞いた瞬間クリスの顔がにわかに険しくなる。
555白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2006/12/03(日) 23:57:14 ID:O9rYvCfe

「リオにいさん……。 まさか……あの女と、寝た……事、あるの?」
 そう言ったクリスの声は、まるで地の底から響いてくるかのような――。
 手にした鉄の槍も軋みの音を上げ曲がり始めてる。
「ち、違いますよ! そう言ったアプローチをかけてきた事もあった、と言う事ですよ」
 慌てて答えるリオ。
「本当に、それだけ……?」
「本当です! 大体、家には彼女のご両親も一緒にいるんですよ。 応じられるわけ無いでしょ。
そんな嫁入り前の娘にそんな真似する無いでしょ」
 リオはきっぱりと応えた。 其の声にも表情にも微塵の迷いも隠し事も見えない。
「そうだね。 リオにいさんってば真面目だからそんな事応じるわけ無いものね」
 そう言ってクリスは顔に笑みを戻した。 だが手元の槍はグニャリと折れ曲がってしまっていた。
 そう。 鉄の槍がまるで飴細工のように。

 曲がってしまった鉄の槍に注がれるリオの視線に気付くとクリスは手元に力を込める。
 そして曲がった柄を真っ直ぐに戻すと笑いながら口を開く。
「間に合わせでとりあえず購入したけど、やっぱり量産品は貧弱で駄目ですね」
 確かにギガンティスグレイブの太く頑強な柄に比べれば細いが、
だがそれでも普通そんな簡単に曲がるものではない。
 ちなみにブーストアップは発動してない。
 クリスの並外れた豪力に”あなただけですよ”とリオは心の中で呟き苦笑を洩らす。
「そ、そうですね。 完治したら大きめの町に向かいましょう。
そこならギガンティスグレイブに合う柄が見つかるでしょうから。
それまで辛抱してください」

「うん、ありがと。チョット話それたから戻すね。 姉さんはね、ああ見えて結構ウブなんです。
そんな姉さんの口からは言い出せないと思うんですよ。
だからね……」
 そう言うとクリスはリオの肩をガシっと掴み続ける

「だからね、リオにいさん。 リオにいさんが覚悟決めてください。
男を――見せて下さい」
 そう言ったクリスの眼差しは今までに無く真剣なものだった。
 そしてそれに応えるようにリオも真剣な表情で頷いた。
 其の表情にクリスは満足げに微笑む。

 直後何かを思い出したように口を開き念を押すように喋りだす。
「でもあくまでも紳士的に、ね? 焦ったりしちゃ駄目だよ?
リオにいさんに限ってそんな事は無いと思うけど、でも
間違ってもデリカシーに欠ける真似して姉さんを傷つけたら
その時は例えリオにいさんでも、
許 さ な い か ら ね ?」


To be continued...
556名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:24:27 ID:5Jz5zGJ9
              、;-;:-;:‐;:‐;:‐;:-;、    ,. -――――- 、
                 ,:ミミ;;~;;~;;~;;~;;彡彡,  ( シブイねェ… )
             |l´::...`"''''''''"´  `ミ:!   `ーy―――‐―'′
                iミ! :::       !:|ミ|   '"   ,. -―――――- 、
                ,-'、! :: 、,,,  、,,,.j レ'-、     ( まったく      )
            l'介l. < ゚ィ|  lト゚ >:!f^ノ   -‐''( おたく シブイぜ )
             ヾ、l :  ´}  l|/   }|シ       `ー――――――'′
             _ハ. ::;.,.,.;三',.,.,、 i:|         __
            // ヽ::└====┘,i/!  ,. -、_,.-''" ̄― /
            ,く. 〈、   \riTiTi、/ |-く___   ,.-‐'''三く
__    _,,.. -‐''"| ヽ\.`ヽ、_`―‐' ,ノ"スノ`ヽニ´-―-、二ヽ
::::::`<´ ,r‐/´ヽ \_ `ヽ―`ニニ´‐,/ \___    `\_ゝ
:::::::::::::::::/ /  /ヽ   三≡‐--=≡"     ヽ ヽ::::::`ヽ、
::::::/ `l/ `/ `/ _,ト、_.三三三三三   r‐l"ヽ ノ:::::::::::::::
:::/ 、_/ ` / 、,_/  | -!三三三三三三"「`l _,,|  |`l:::::::::::::::::
: | /   /   / ー | _,|:::::::三三三三三::|‐ |  | '"|ー|、:::::::::::::
:::| ,! `` 丶 ′ _,|  |:::::::::::::::三::|三:::::::l__ | - | _,,| |.ヽ::::::::
::::! ー ::::ノ  ::) ` }::::::::::::::::三::|三:::::::|__ |.  |  |~ } !:::::
557名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:27:16 ID:NYgcHJUJ
俺たちの一子が壊れてしまった・・・

猿ぶっ殺すぞ
558名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:33:44 ID:l/qe5cWX
何だこの投下ラッシュはああああああああああああああ
559名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:34:25 ID:DABmhw14
それでも太郎なら・・・太郎ならなんとかしてくれる
とか今でも考えているおれガイル
560名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:44:21 ID:0Xkimepc
とりあえず、太郎は山鹿に一発殴られとけ
561名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:49:45 ID:KddLSqxL
さるいいかげんにしる
562名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:57:07 ID:TOZozwVI
>>555
GJ!!!
しかし未だにクリス×セツナを諦められない俺がいる……
563名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:57:16 ID:5Jz5zGJ9
       | /      ヽ    /    / l  \
         ,イ   l   ヽ l  /    /  /   /
        / |   !,、   l l /    /     ノ レ‐i
       /  |  /  `'-  l|    /_,.‐ヽ   /    |
      /  | /  /ヽ/'''''‐、   |´   ヽ_// ヽ  〉
      |    |  |ミ./  _ `!  レ    l   _ ミ l /
      _,.-‐ヽ |  /-l  /_ミヽ,| __,.-、   レ-‐´ | l く
      ´ ̄\`''´ /三l  | r''''''-'''ヽ! |  /三彡-ク  )
       ヽ L_/'/ ̄ヽ l―\:::::ノ-/ /―フi'´/  /
        | r‐、 ト、,_ |/ ヽ'i `´l / / //'| l/
        ヽ| r-| ノ 、_ 、\、ノ レi l, / /_/_,,. | l,    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         .lヽ 川  ヽ弋;ッ、`ヽ! l:| l_,.ィ;;フノ  人 |    |   猿は
         |. | |り、  `"´ ̄ヽ! |ヽ! ̄`´   | /ヽ|  < 血を吸って
         | y-| l,      l |  l     |ノ ノノ    | 殺すと予告しよう
         .| ,i、し!  .    l .| /.     | r'´     \_____
         |  | `´!     ヽ!___レ      .!.|
       _,.-''i'´l  l   、_,.-ニ-、_,.-   / .|ヽ-------、_
      // | ヽ  ヽ    r`'''''"´,.   / ノ| `''―――-、ヽ
     / /   |  \  \  `"T"´   / / |--、_      \ヽ
    / /    /    \ \      //   |   \      l.L
   //    /       `''‐ヽ、,,,,,,,,,,ノ‐'´    l    ヽ     ヽ \_
564名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 01:13:33 ID:KX71P3F5
そろそろ一子にも救いの手がほしい。
猿もいい加減気づけ。
作者さんGJ


565名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 01:16:30 ID:mnbrQey0
sageような
最近多い気がするので一応
566名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 01:20:44 ID:wmH4M0H4
>>563
これはいい智君ですね

>>550-551
相変わらずGJです!
567名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 01:55:56 ID:tel1qQr8
山鹿が次子と刺し違えそうだな
568名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:01:17 ID:D94XuRjz
このままだと童貞捨てただけの猿の一人勝ちに…!
569名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:03:45 ID:gcqf0+15
セツナとリオの順風ぷりにコレットを応援したくなってきた。
でも勝てる要素がほとんどないんだよな〜
570名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:05:06 ID:wmH4M0H4
ごめんなさい、sage忘れてた…
571名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:14:20 ID:iqy/UIDS
長く生きると、智君も>>563のように…………?

SATOSHI 覚醒?
572名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 03:07:55 ID:WQeCqEIW
>>503
明日香派だったが…こんなことになるとは…
木場のしたことは許せない。
けど人志への想いは純粋だったし、そんな木場…いや春奈が死んでしまうのはとても悲しい…orz
明日香の処女と春奈とのH…どちらも叶わないとは…orz

…?俺は新城明日香と木場春奈どっちが好きだったんだろう…
573名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 07:59:52 ID:gPcCpkDH
>>572
その優柔不断さが修羅場を呼ぶわけだよ。
574螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/04(月) 08:14:09 ID:sv1njP9C
〉魂まですいとられたのか、と思うほどの圧倒的快楽。体の水分が全てすいとられたのか、と思うほどの渇き。意識は朦朧とし、呼吸
も苦しく激しい呼吸を繰り返す。
驚くべきはそれら全てを目の前にいる少女が引き起こしたのである。
〉「さて、そろそろ本番に行きましょうか」〉少女──ほたるはひどく嬉しそうな高く明るい声で言う。その奇妙なまでの明るさの奥では、鎌首をもたげて獲物を狙っているのが
分かった。
〉彼女は再び京之助に地獄の快楽を与え、精を搾取しようとしているのである。あの魔性の快楽に再び呑み込まれると考えるだけで、
京之助は背筋が凍るような寒気を覚えた。
〉しかし、かと言って京之助には体を動かす力が残っていなかった。圧倒的快楽を前に欲望と共に体力まで搾りとられ、京之助の体は
鉛を背負ったような疲労感に包まれていたのである。
〉では、とほたるは再び手を伸ばした。暖かくて柔らかな彼女の手が再び京之助の蔭茎に触れるが、それは既に硬度を失いだらしなく
うなだれている。
〉「あれ?元気がありませんね」
〉ほたるは少し困ったように眉をひそめた。しかし、彼女はすぐに唇を歪める
〉「でも、ご安心ください。すぐに元気になりますから」
〉そう言うと、ほたるは右手人指し指を自分の口で丁寧に舐めまわし、唾液をぬりつけ始めた。ちゅぱちゅぱと指をしゃぶる卑猥な音が部屋に響く。
〉「少し痛いかもしれませんが、我慢して下さいね」
〉ほたるは座りなおして、京之助の腰を持ち上げ肛門に指先を当てた。その感触にぞくりと嫌な汗が体からふき出す。
〉京之助は恥も外見もすてて、その先の行為を止めるように懇願した。しかし彼女は京之助の必死の制止をふりきり唾液でべとべとの
指をゆっくりねじこんでくる。
〉菊門に入り込む異物感。それはただの苦痛以外の何物でもなく、京之助は叫び声に近い泣き声をあげた。そのあまりの激痛に疲労か
ら遠ざかり始めた意識が強制的によびもどされる。
〉しかし、そんな京之助の叫びなどどこふく風で、ほたるはぐりぐりと人指し指をねじこんでくる。
575螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/04(月) 08:18:05 ID:sv1njP9C
〉「待ってて下さい、すぐですから」
〉ほたるの指はねじるような動きで奥に奥に入り込んでくる。
〉ようやくその注入が終わったのは、彼女の指がすっぽりと挿入された後であった。
〉女のなすがままに犯されるた屈辱と苦痛、その両方に京之助は唇をかんで耐える。しかし、それを嘲笑うかのように彼女の指先が中
で何かを探すようにうごめきはじめた。
〉「刺激は少し強いですが、我慢して下さいね」
〉すると彼女の指先が京之助の尻壁に激しく擦りつけられた。
〉その体を裂くようなあまりの激痛に京之助は白眼を向いて体を暴れさせる。しかしほたるは暴れる京之助の体をがっちりと抑え込み
、なおも激しく指先を擦りつけてくる。
〉「ほら見てください。だんだん大きくなってきたでしょう?」
〉京之助はほたるの声に促されるように剥き出しの股間に目をやる。するとそこでは我が目を疑う光景が広がっていた。
〉空っぽになったはずなのに。全てを搾りとられたはずなのに。摩羅がどんどん天に向かい直立し始めたのである。ゆっくりとだが、
それは確実に女の欲望を受け入れられる姿へと変貌していく。
〉ほたるが直も刺激を与えると、ついに京之助の蔭茎は猛々しく隆起した。もうすでにそこはほたるの与える新たな快楽を望むように
ピクピクと震えている。
〉「ふふふ、大きくなりましたね」
〉ほたるは満足そうに笑うと、ようやく指の動きを止め肛門から抜き取った。あまりの苦痛と屈辱に体を蝕まれた京之助はいっそうの
疲労を感じていた。
〉ほたるは急にスクッと立ち上がると、仰向けの京之助の体を跨ぐ。
〉「ほら、見てください。私のここ」
〉ほたるは京之助の顔の真上で、自分の女婬を両手でくぱぁと拡げた。
〉「綺麗な色でしょう?あんまり使ってないんですよ。私の上の口を味わった京様なら分かると思いますが、私の元にくるお客様は皆
、上の口だけで満足してしまうんです」
〉分かる話だ。彼女の巧みな口吸いを味わえばそれだけで誰しもが満足する。それほど彼女の口内は圧倒的な快楽の壺なのだ。
576螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/04(月) 08:24:03 ID:sv1njP9C
〉「ですが、私の火所は上の口より断然天国に近いそうです。ぬるぬるでギュウギュウで皆あっと言うまに果ててしまうんですよ」
〉彼女の見せ付けるように拡がった肉の壁は綺麗な薄紅色で、柔らかそうな肉のヒダが京之助を誘うようにひくひくと伸縮している。
その淫らに男を誘うほたるの肉壺の中から粘り気を帯た女汁が、一滴だけ京之助の首に滴り落ちた。
〉「ふふふ、私の下の口はお腹ペコペコのようです。よだれまで垂らしちゃって、いやらしいですね。ほら、京様を食べたい食べたい
って。ねぇ食べちゃってもいいですか?」
〉そのほたるの誘惑を京之助は力を振り絞り、首を振った。ほたるの中はきっと天国と共に地獄にも繋がっていると直感した。あの中
に入ったら、口の中とは比べ物にならない快楽に包まれるのだろうが、それはきっと味わってはいけないのだ。理性が、人間としての
道徳が全て壊されるに違いないのだ。
〉しかし、ほたるは怯える京之助を前ににぃと目を細める。その瞳には異様な加虐心が宿っていた。
〉「駄目なんですか?ふふふ、でも嫌です。食べちゃいます」
〉ほたるは小悪魔のように妖艶に直も語る。
〉「私、わがままなんです。だから京様の言うこと聞いてあげません」
〉 ほたるはゆっくりと京之助の股間の上に移動し、すぐにでも汁をほとばらさせそうなほどに隆起した蔭茎に左手を添えた。そして
京之助の摩羅に狙いを定めて、その腰をゆっくりと屈めはじめた。
〉よだれを垂らして獲物をまつ蜜壺はひくひくとうごめきながら、京之助を食そうと近付いてくる。
〉ゆっくりと実にゆっくりと女婬が大きな口を開けて近付いてくるが、しかしその口が亀頭の先に触れ合った所で、突然彼女の腰が止
まった。男を待ちきれない彼女の中からジクジクと愛液が京之助の摩羅を滴る。それだけで京之助は身を悶えさせた。
〉中途半端な体勢のまま、ほたるはわざわざその大きな瞳を京之助に向けて、笑いかけてくる。女の色気と欲望に身を焦がせたかのよ
うな笑顔だった。
〉「京様。いただきます」
577 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/04(月) 08:27:02 ID:sv1njP9C
続きは今晩に。いや、だって朝だし。

次も淫語と言葉責めメインで男のあえぎはゼロです。繰り返しになりますが逆レ○プなので苦手な方は避けて下さい。
578名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 13:46:26 ID:YX1iyQWY
ほたるさんエロいよほたるさん

だがおれのあつくなった摩羅を持て余す
579名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 13:47:19 ID:qDqm39L3
作者様GJ!!!!!!!!
ほたるの台詞だけでおっきしました
580名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 17:30:26 ID:5lqv8RBt
投下しますよ
581『甘獄と青』Take16:2006/12/04(月) 17:31:29 ID:5lqv8RBt
 あれから一ヶ月が経った。
 サラさんとリサちゃんは姿を消したまま会えていない。今頃何をしているのだろうか。
僕のことを愛していると、それこそ他人を殺してしまうくらいに好きだと言ってきた彼女
達のことを考えると、その心中は穏やかなままではいられない。会いたくないのも分かる
けれど、このまま答えを宙に浮かべたままで良いのだろうか。そんな疑問が心の殆んどを
占めた状態が長く続いていた。
 どうにかしなければいけないのに、どうしようもない。歯がゆい状態だ。
 吐息をしながらナナミの髪を鋤く。
「サラ様とリサ様のことでしょうか?」
「うん、まぁね」
 ナナミは車椅子に座った状態で、心配そうな表情を浮かべて見上げてくる。ナナミの型
は古いものなので、交換用の部品がなかなか見付からない。身体中を包帯で巻いているの
を見ると、申し訳なく思えてしまう。折角感情を持ったというのに、こんな格好をさせて
いるのは忍びない。仕事にはこだわりを持っていたナナミだ、自分の姿をさぞや情けなく
思っているだろう。せめてもの救いとして服を洗ったり髪を整えたりはこまめにしている
けれど、その度に泣きたくなってくる。さっき考えていたのは半分は本当の気持ちだが、
もう半分は現実逃避のようなものだ。そこがまた情けない。
「終わったよ」
 鏡を出してナナミに見せる。鏡越しに情けない表情を見せたくなくて、無理矢理に笑み
を浮かべた。自分でも見て、変な表情になっていないのを確かめる。
582『甘獄と青』Take16:2006/12/04(月) 17:32:45 ID:5lqv8RBt
「申し訳ございません。本来ならば私が自分でやることなのですが」
「気にするな、僕がやりたくてやっていることだ。それより、ちょっとユンちゃんとリー
ちゃんの様子を見てくるよ。あの二人、寝相が酷いね」
 逃げるように部屋を出て、老化の天井を仰ぐ。
 実際にナナミがやっていた仕事を代わってみて、大変だと思った。家事の真似事ならば
遥か昔にやっていたが、全てを担当するとなると非常に忙しいものになる。屋敷に居た頃
には担当が決まっていたから普通に見えたのだが、体験をしてみるとやはり違うものだ。
今まで尽してきてくれたナナミに、改めて感謝の気持ちを感じる。
 奴隷券の他にも何かお礼をしなければいけないな、と思いながら扉を開いた。元は物置
部屋だったせいか中は狭い、床の殆んどを隠しているダブルベッドがより一層思わせる。
 視線を僅かに下に向ければ、安らかな顔をして眠っているリーちゃんとユンちゃんの姿
が見える。自分達の部屋を手に入れた安心感からか、寝相が悪化しているようだ。苦労を
してベッドメイクしたというのにシーツも掛け布団も皺だらけになっていて、その面影は
全くと言って良い程無い。また布団を完全に避けているせいで、二人の寝姿が露になって
しまっている。気に入っているらしく、二人とも身に着けているのはナナミのYシャツで
太股が大胆に露出している状態だが、最近は意識をすることもかなり少なくなってきた。
努力の成果があったのかセックスは1日置きでも大丈夫になり、今では2日置きでも夜に
吐いたり眠れなくなったりすることはなくなってきているのだ。今では二人を娘のように
思う比重の方が、ずっと多い。問題が山積みになっている中で、これは数少ない救いだ。
583『甘獄と青』Take16:2006/12/04(月) 17:34:26 ID:5lqv8RBt
「救い、か」
 何を逃げているんだろう。
 サラさんもリサちゃんも、それから僕も。相手からだけではなく、問題そのものからも
逃げ回っている。二人を探しているのも、逃避の一種かもしれない。このままで良いのか、
このままではいけないと思っているのに解決の糸口が見えない。多分、会おうと思えば、
すぐに見付けることが出来る。お互いに高ランクの罪人であるから、容易い筈だ。しかし
それが出来ていないというのは、正に逃げ回っているという証明だろう。
 では、ナナミはどう思っているのだろうか。
 先程、ナナミの髪に櫛を通していたときのことを思い出す。僕を見上げてきたナナミの
目は僕を心配するものだったが、あくまでもそれは僕に対するものだった。リサちゃんや
サラさんに対する思いは見てとれず、どのように思っているのかは分からない。このこと
に関して訊いてみたいとは思うけれど、なんとなく訊くのも躊躇われてしまい、結局本当
のところが分からない状態で過ごしてしまっているのだ。感情を手に入れたナナミは頑に
それを避けているような節もあり、無理にでも言わせようと思う気持ちも起きない。
「どうすれば良いんだろうな」
 問掛けた相手が幼児、しかも寝ている状態だということに失笑してしまった。どうやら
自分でも思っていた以上に疲れてしまっているらしい。馬鹿な奴だ、そう思いながら布団
を掛け直し、起こさないように音を消して部屋を出る。
584『甘獄と青』Take16:2006/12/04(月) 17:36:00 ID:5lqv8RBt
 訊くしか、ないのだろうか。
 ナナミのところへと戻ると、窓から外を見ているのが見えた。空はあの日と同じ晴天、
いや晴天の日は幾らでもある。僕があの日に捕われすぎているだけだ。心に刻み込まれた
傷は、かなり深い。それを何とかする為にも、やはり自分で行動するしかないのだろうか。
「ナナミ、散歩にいこうか」
 リーちゃんもユンちゃんもまだ起きてくる気配は無さそうだったし、少しの間だけなら
大丈夫だろう。こんな話をあの無垢な二人に聞かせたくないこともあったが、邪魔をされ
たくないという後ろめたい気持ちもあり、気付けばそんな言葉が口から出ていた。
 ナナミは少し考えるように首を傾げた後、軽く頷いた。
「では、行きましょうか」
 僕は車椅子を押すと、玄関まで行く。最初は大変だったが、コツを掴んでしまばドアを
開くのも楽なものだ。普段は窮屈に感じることも多く面倒も多いけれど、このときばかり
は体の大きな第二惑星の出身であることが嬉しく思う。
 一歩外に出ると、風がナナミの髪を揺らした。今日は気温が少し高いので、肌を撫でる
風が気持ち良い。絶好の散歩日和だ。目的がナナミの気持ちを聞き出すことでなければ、
普通に楽しく思えるだろう。二人を誘えば良かったかなと少し後悔した。
585『甘獄と青』Take16:2006/12/04(月) 17:37:19 ID:5lqv8RBt
 軽く話をしながら歩く。内容は昔のこと、屋敷に居た頃のものからここに入ってきた頃
のものまで様々だ。ナナミと二人きりであった頃の話を聞くと意外な発見が多く、楽しい
気分になってくる。気遣いなのだろうか、最近のことは全く話題に出してこないので目的
を忘れそうになる。
 公園に着き、ナナミをベンチに座らせた。風通しの良いこの場所では皆で弁当をつつき、
よく話をした。それを思い出しているのだろう、目を軽く伏せて中の風景を見回している。
遊具などは完全に戻っており、一月前の惨状は全く感じられない、記憶の中にあるだけだ。
「綺麗に、なりましたね」
「元通りになっただけだよ」
 悲しそうな目をして視線を反らしてくるが、僕は再び目を合わせた。
「青様、散歩に来たのでしょう?」
「誤魔化すな、分かってる筈だ」
 ここで逃げてはいけない。無かったことにしようとするナナミの気持ちは嬉しいし、僕
もついそれに甘えてしまいそうになる。しかしここで逃げて、それを繰り返したのでは
何も問題は解決しないのだ。それは、絶対に駄目だ。
 数秒。
 ナナミは再び目を伏せる。
「正直、青様にはこれ以上関わってほしくありません。このままずっと……」
 足音。
 不意に訪れた音によって、ナナミの言葉が途切れた。
「楽しそうね、蒼」
 耳に入るのは聞き慣れた声。
 驚いて振り向けば、見慣れた長い黒髪が視界に入ってくる。
「私も混ぜてくれないかしら」
 死んだ筈の、殺された筈のシャーサが、そこに居た。
586ロボ ◆JypZpjo0ig :2006/12/04(月) 17:38:51 ID:5lqv8RBt
今回はこれで終わりです

久々のお嬢様登場ヤイサホー
587名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 18:03:08 ID:qOgIaQLM
遂にお嬢様キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
今回なんかエピローグみたいな雰囲気が漂ってて切ない気持ちになってたら
最後に急転直下の展開になってヤホーイ!って盛り上がってきたぜGJ!
588名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 18:18:30 ID:7TcosZuQ
…正直このままさわやかに終わるのかと思った。
589>562:2006/12/04(月) 18:47:03 ID:2JSGfYbd
いいじゃないか自分達は男だから女の愛情が男に向けられていれば、
主人公に感情移入しやすいだろうしね。
590トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/04(月) 18:52:48 ID:5mENtm05
では投下致します
591水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/04(月) 18:55:00 ID:5mENtm05

第7話『猫・犬・狐・による協奏曲』

 朝の登校風景。
 俺は欝な表情を浮かべて、だらしなく歩いていた。その足取りは鉛を付けられたかのように重い。
別の表現の仕方をすると虹葉姉と紗桜に重要殺人事件の被疑者を連行するようにぎっちしと俺の両腕を組んで、歩いていた。
 姉妹と一緒に登校するのは一ヵ月にあるかないかだったが。
 今朝は違った。
 朝ご飯の支度する前から虹葉姉と紗桜は俺が起こされる前から起床し、制服の姿へと身を纏っていた。
日直か当番なのかと尋ねると二人は首を横に振って、今日は一緒に登校するからと言い放ち。
 現在に至る。
 一緒に登校するのは悪くないと思っていたが、俺は改めて考えを変える必要があった。
二人の美少女と腕を組んで登校するのは一般の男性が羨ましい光景に見えるであろう。だが、俺にとっては鬼門だ。
 校内にファンクラブが設立する程の人気を持つ水澄姉妹とこんな登校していると俺は鋸で頚動脈を切られる展開になっておかしくはない。
 俺は額に冷汗を垂らしつつ、ニコニコと笑顔を振り撒いている虹葉姉と紗桜に言った。
「ほらっ。もうすぐ、学校だから腕を組むのはやめような」
「嫌ですっ!!」
 姉妹がハモった声で拒否の意志を示す。
「こんな姿を目撃されると俺はいろんな意味でやばいんだけどさ……」
「どういう風にやばいんですか? 兄さん」
「まさか、泥棒猫さんに見られて誤解されるのが嫌って言うんじゃあないでしょうね。月・君・?」
「違うっての。一応、血の繋がらない姉弟妹なんだよ。いろんな意味で周囲の人間に奇異な視線で見られるだろうがぁ」
「大丈夫だよ。皆は私たちが仲のよい姉弟妹って知っているよ」
「あのな……」
「兄さんは私たちと腕を組んで登校するのは嫌なんですか?」
 紗桜が思い切り腕を組む力を入れる。大胆に胸を当ててながら、顔を真っ赤にしていた。
それを見た虹葉姉が対抗しようとしているのか胸を当てるように深く腕を組んでゆく。 
この姿を誰かに見られるのは確かにやばい。
 だが、胸中にそう思った途端に嫌なことを見事に重なった。
 ちょうど、交差点を曲がったところで俺の天敵がいた。
592水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/04(月) 18:57:21 ID:5mENtm05
「のっぴょぴょんーーーー!!」
 忠生は日本語が怪しい発音の罵声を浴びて、すぐにこっちに向かって走りだした。
鬼のような形相は幼稚園児を泣かせてしまう程に強烈である。
「どういうことだ。俺の水澄姉妹と腕を組んでラブラブ登校しているんだよ」
「これには深い訳が……」
「虹葉さんに紗桜ちゃん。こんなセクハラの常習犯で女の生きとし生きる者の天敵はマリアナ海溝の深くに捨てて。
俺と今からラブホテルに直行しよう。そして、俺の子供を産んでくれ!!」
「全力で遠慮したいと思います」
 虹葉姉は冷笑を浮かべて、忠生に向かって殺意の視線を込めていた。
紗桜の方は動揺して腕を組みをやめて、俺の背中の後ろに隠れた。
「あぅぅぅぅ……」
「紗桜ちゃんだけでもいいから俺と退廃的な生活を送ろうじゃないか!!」
 忠生が紗桜に向かって近付こうとした途端に俺の肩から奇妙な物体が現われた。
犬の人形であった。
手にはめ込んで口をパクパクして、手を左右に動かして犬は忠生に向かって一言だけ言った。
「ヘンタイさんは一光年ぐらい離れてください。出来れば、この世から姿を消してくれ」 
犬君というか、紗桜は渋い犬の声を腹話術のようにパクパクと口に合わせて演技をしていた。
男性恐怖症の気がある紗桜はこの犬を通して話すことが多い。
これをなくしてはまともに男性と会話を設立することができない。
それほどまでに男性が苦手ということだ。 
だが、忠生は諦めてはいない。相手は男性恐怖症の女子。恋の狩人である彼にとっては兎を狩るのに等しい。
獅子は全力で獲物を狩るように、忠生は全力で女子を狩る。
「都合よく解釈すると俺の彼女になりたいだと。いいだろう。紗桜ちゃんは一生俺の性奴隷として生きる道を与えてやる!!」
 犬君の瞳が輝きだす。
「がるるるる」
 獣のように威嚇行為を行い、紗桜はこれ以上話し掛けるようでは問答無用に噛み付き、骨をも切断するという意思表示をしている。
この迫力に圧されて、忠生は10歩ぐらい勢い良く下がってゆく。なんていう、ヘタレぶりだ。
「もしかして、俺は水澄姉妹に嫌われてる!?」
「うん」
 三人ほぼ同時に頷いた。
「いいや。違う。花山田忠生をこんなものじゃない。超えてやるぞ。花山田忠生を超えてやる。あっはははっはははっははは」

(だめだ。こいつ、なんとかしないと)

 自嘲的な笑みを浮かべて、バカ笑いしている忠生を俺達は問答無用置き去ったことは言うまでもない。
593水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/04(月) 19:00:27 ID:5mENtm05
 校門の前に辿り着くと俺の軟弱な胃が胃液で溶けかかっているのがわかった。
忠生を置き去った後でも虹葉姉と紗桜は俺の腕を離そうとはしなかった。
校門の前で俺達を奇異な視線で見るこの学園生徒たちが驚愕を浮かべているが、この姉妹たちは顔色一つも変えやしない。
俺は生気のない顔色をしていることは自信を持って言える。
 そして、俺は虹葉姉と紗桜が突如このような強行手段に出た真の理由を知る。
「なんていうことなの!?」
 悲鳴に近い叫び声をあげた少女が真っ先にこちらに向かってやってきた。怒っている顔は頬を膨らませて、姉妹たちに殺意に等しい視線で睨んでいた。
対する姉妹は俺の腕に必死にしがみ付いている。
「おはよう。鷺森音羽さん」
「おはようございます。鷺森先輩」
 表は笑顔を絶やさずにいるが、目は全然笑ってはいなかった。

 思い出される昨日の夜の晩餐会。
 男の俺では全く理解できなかった戦いがあったことは知っている。
俺の女性関係に敏感でやきもち焼きな姉妹が長年離れ離れになっていた幼なじみのことをそう簡単に許容できるわけがないのだ。
 これは前哨戦ではなくて、女の戦いだ。
 だが、俺からするとどうしてこんな戦いが勃発して一体何が目的で何を得ようとしているのかさっぱりとわからなかったりする。
 虹葉姉と紗桜と長年暮らしていても、女心というだけは未だに理解できない。

「そ、そ、その月ちゃんのお姉さんと妹の地位を利用していやらしいことしないでください。月ちゃんは困っているじゃないですか?」
「いやらしい? これはちゃんとした姉弟妹のスキンシップですよ。
そんな風に解釈する鷺森音羽さんの方がよっぽどおかしいですよ」
「むっ……」
 虹葉姉の牽制で音羽は黙り込む。昨日も紗桜相手なら余裕で白星を得ていたが、虹葉姉なら年の功の前には黒星を認めるしかないようだ。
「兄さん。もう、早く行かないと遅刻してしまいますよ。こんな女なんか放っておきましょう。野良狐に餌をやると取り憑かれますよ」
 野良狐って……。
 音羽はそんな狐に例えるようなキャラなのか?

 音羽を置き去りにした瞬間、俺は後ろを振り返ることができぬまま下駄箱へと向かう。 
だから、俺は彼女の言葉を聞き取ることができなかった。

「むぅぅぅぅぅ。絶対に許さないんだから!!」

 すでに期末テスト返しが終了し、見事に赤点はなく補習なし夏休みを勝ち得た俺は他の授業を聞く事なく居眠りをしていた。
家のことや水澄姉妹や音羽の問題から現実逃避する居眠りは快適であった。
 前の席の忠生は学校に出席していなかったので、昼休みは一人でのんびりと爽やかな夏風に当てられながら、
自動販売機で買ったコーヒーを飲み。窓の風景を眺めておこう。
 だが、快晴であった雲は真っ黒になり、夏の陽の光は遮られた。
 あれっ!?
594トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/04(月) 19:02:32 ID:5mENtm05
雲行きが怪しくなってきたw
595名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 19:04:05 ID:J9n6F6/s
>「のっぴょぴょんーーーー!!」
ワロスwww

and GJ!!
596名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 19:08:29 ID:NYgcHJUJ
女の戰い・・・誰かが主人公とシンクロ率400%
597名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 20:04:05 ID:0G0rj3zz
>>596
次回はしっとのかたち、修羅場のかたち
だな
598名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 22:52:28 ID:tel1qQr8
モテない横島かよw
名前も一緒w
599螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/05(火) 00:57:44 ID:pkDXzIUI
〉ほたるがゆっくりと京之助を呑みこんでいく。柔らかくて暖かくてヌメヌメの膣壁を押し広げながら、彼女の蜜のたっぷりと染み込
んだ壺に包みこまれる。
〉完全に埋没した摩羅。それを確認すると彼女は気が触れたかのような大きな笑い声を響かせた。
〉「ふふふ、あはははは。食べちゃいました。ねぇ、どうですか、私の中は?気持ちいい?気持ちいいでしょう?」
〉ほたるの肉壁にしごかれて、びっしりとつまった一枚一枚のヒダに舐めあげられて、彼女の膣全体に締め付けられて。その悪夢のよ
うな快感にもてあそばれ、京之助は体を震わせる。
〉「京様。やっぱり気持ちいいのですね?私の中でピクピク震えています。ふふふ、もう果ててしまいそうなのでしょう?早く私の中
に精をはきだしたいのでしょう?」
〉ほたるは男に快楽を与えてやっているという優越からか、乱暴な言葉と悪魔のような甘い言葉をおりまぜて言う。
〉「我慢なさらないで下さい。中で果ててもかまいませんよ」
〉そう言いつつ、ほたるは体をそりかえし急激に膣肉を絞めあげてきた。
〉柔らかな肉ヒダが執拗に絡み付き、全体を舐め回す。その快感は口の中で味わった快感をゆうに超えていた。彼女の膣肉は口の中よ
りきつく絞まって、ぬるぬるで熱かった。
そんな悪夢のような快楽に耐えられるはずもなく、京之助はあえなく白い欲望をほとばらせた。
〉「あっ…あっ……くぁ、熱い……」
〉腰の上のほたるは体をびくびくと震わせながら、体の中にそそがれる熱い精を享受している。
〉「ふふふ、いっぱい出ましたね。私の子宮京様でいっぱいです」
〉快楽の絶頂が終わり、肩で息をする京之助にほたるが笑いかける。しかし、意識のたずなをかろうじて握る京之助に、その声は天か
ら聞こえる声のように所在なかった。
〉「京様。早漏さんなんですね」
〉彼女は京之助を小馬鹿にした事を言う。
〉「悔しいですか?でも、事実でしょう?だって京様は気付いていないかもしれませんが、私まだ腰を使っていないんですよ」
〉ほたるは体を前に傾けると、京之助の両腕を押さえ付けた。
600螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/05(火) 01:04:19 ID:pkDXzIUI
〉「これからが本当の天国です。もう既に二度出しておりますので、少しは我慢なさって下さいね」
〉そう言うと、彼女の腰がゆっくり実にゆっくりと持ち上げられていく。すると一枚一枚の花びらが排出を拒むようにひっかかり、摩
羅に絡み付く。
〉まるで摩羅を舐めあげるようにせりあがっていくほたるの女蔭から顔を出す竿は、彼女の蜜と京之助の精でべとべとになっていた。
〉「どうですか?たまらないでしょう?小さくさせる暇なんて与えませんから」
〉悪戯な瞳で京之助に語りかけると、限界までせりあがった彼女の女蔭が再び摩羅を飲み込んでいく。
〉すでに二度も精を放ち、敏感になっていた京之助にその刺激は残酷だった。そのうごめく彼女の膣は決して緩まることなく、京之助
を挟みこみ、たっぷりの花びらがまるで舌のように舐め回すのである。
〉その人知を越えた快楽に京之助は激しく体をもたげてあえぐ。しかし、組伏せられ、かつ疲労から体の自由の効かない京之助にその
快楽から逃れる道理はなかった。
〉「ふふふ、私の中どうですか?ほら、京様もうすぐですよ。もうすぐ私の一番奥につきます」
〉彼女のギチギチに締まり、ぬめぬめの蜜で一杯の膣を押し広げていく先端が、溶けてしまいそうなほどに柔らかい何かにぶつかった

〉「そこが子宮口です。この奥でややを作るんですよ。ほら、見てて下さい、こうすると」
〉彼女は京之助を一番奥に呑み込んだまま、踊るように腰をくねらせ始めた。どこまでも柔らかいそれが、敏感な先端を舐め回すよう
にうごめく。
〉「ふふふ気持ちいいでしょう?とろけてしまいそうでしょう?」
〉彼女は甘い吐息を漏らしながら、京之助をなぶり責め立てる。
〉「まだ、まだですよ。もっともっと気持ちよくさせて上げます」
〉先端を舐めるように踊る腰の動きが、上下への動きに変わる。
〉ほたるの花びらが限界まで京之助の摩羅を舐めあげて、それから再び毒々しい女蔭で呑み込んでいく。その動きは実にゆるやかであ
ったが、徐々に激しく早くなってくる。
601螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/05(火) 01:07:45 ID:pkDXzIUI
〉その柔らかい花びらで扱きたてられる途方もない快楽に、京之助は涙を流しながら激しく体をねじらせた。
〉「あはははは、京様、気持ちよいのですね?極楽に堕ちてしまいそうなのですね?」
〉ほたるの腰の動きは止まらない。愉快そうな笑みを浮かべたまま、髪を振り乱しながら腰を暴れさせている。
〉「はぁ……はぁ……はぁ、ふ……ふふふ、も、もういいですよ。よく我慢しましたね」
〉ほたるは体を倒し京之助に体を重ねると、京之助の垂れ流すままの涙を舌で舐めあげる。
〉「最後は私の一番奥で果てて下さい」
〉涙を舐めあげた彼女の唇が京之助の唇を塞ぐ。と思った瞬間、彼女の女蔭が一番深くに呑み込んだ先端を激しく舐め回してきた。彼
女が腰をくねらせて、子宮口を擦りつけてきたのである。
〉その動きにほたるも感じているのかも知れない。京之助の唇を塞ぐ彼女の口から甘いあえぎが吐息と共に漏れてる。そして、ほたる
の吐息もあえぎも全て京之助の口内にはきだされ、そのあまりの甘さに頭がのぼせていった。
〉その女蔭の甘さ、吐息の甘さを前に京之助の快楽はすぐに頂点に達した。摩羅の根本からかけあがる快感が波のように次々と彼女の
一番奥に放たれる。
〉「くはぁ……あっ……あっ…」
〉ほたるは体を反り返して、何度もピクピクと震える。頬を上気させ、大きく開口させそこから飛び出んばかりに舌を出し快楽を享受
していた。それは間違いなく女が絶頂を感じている姿だった。
〉が、京之助にはその様を見る事は出来なかった。
〉ほたるの女蔭が体を反らした瞬間に万力のごとく締まり、全てを搾りあげてきたのである。その渦のような快楽はどこまでも深く、
巻き込まれるように中に堕ちていく。視界が真っ白に塗り固められ、脳が快感のあまりに痺れていく。その快楽はもはや京之助の容量
を越えていた。
〉ビクビクと脈をうちつつ長々と精を放ち続ける摩羅。しかし、永遠に続くかと思われた真っ白な快楽の波も、しだいにゆっくりとそ
の波をひかせていく。
〉ほたるの中にタップリと精を注ぎこんだ後、ほたるは女の満足を享受したかのような、うっとりとした顔をして京之助を見下ろして
いた。
602螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/05(火) 01:26:13 ID:pkDXzIUI
〉「ふ、ふふふ、京様、私の中でいっちゃった」
〉そのまま彼女はゆっくりと体を倒し、頭を京之助の胸に落としてくる。それから、まるで猫が甘えるような仕草で頭を何度も胸に擦
りつけてくる。
〉彼女の乱れた呼吸が胸に当たり少し擽ったい。
〉ほたるはそのまましばらく京之助に体を預けていたが、やがて、捨てられた子犬のような顔を京之助に向ける。
〉「京様、お慕い申しております」
〉彼女の優しさに飢えたようなどんよりと濁った瞳が印象的だった。
〉「誰よりも、お慕い申しております。だから、だからどうか」
〉彼女は直も囁く。哀願するような弱々しい声で。
〉しかし、京之助にその声は届いてはいても理解できなかった。三回もの快楽の末の絶頂、その激しい疲労感とそれにともなう睡魔を
前に、意識がゆっくりと遠ざかりはじめていたのである。
〉「だから、お願いいたします。私と、しゅ、祝言をあげて下さいませ」
〉何だか全てが億劫になってきた。だから京之助は声とは違う何かを発した。
〉「……ああ」
〉「えっ?ほ、本当にございますか?」
〉「…………ああ」
〉京之助はうわ言を繰り返す。朦朧とした意識の中で既に京之助は正気ではなかった。だからその答えはとても京之助の意思を反映し
たものとは言えない。
〉しかし彼女は欲しかった玩具を与えられた子供のような眩しい笑顔を作った。
〉「う、嬉しゅうございます。やっと、やっと私も、幸せになれまする」
〉ほたるは本当に嬉しそうに顔を綻ばせ、瞳にはうっすらと涙まで浮かべている。
〉霞ゆく意識の元で、京之助は自分が何をしたか分からなかったが、その嬉しそうなほたるの顔がまるで自分が世紀の大英断をしたよ
うな気持ちになって何だか嬉しかった。
〉しかしそのほたるの表情も薄れゆく視界の中でしだいにボンヤリとしていき、その表情も分からなくなっていく。
〉「それでは、疑うわけではございませぬが、指切りをして下さいませ」
〉不意に京之助の右腕が突然持ち上げられた。
〉小指に何かが引っ掛かる。
603螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/05(火) 01:29:20 ID:pkDXzIUI
〉「この指切りは一種のおまじないのようなものでして、私共では約束に念を押すために使っております」
〉ぼやけた視界と共に、ほたるの声さえ遠くに聞えはじめた。意識をすいとる闇はジワジワと京之助を飲み込みはじめている。
〉その闇の中に、彼女の高い歌声が響いた。

〉──ゆーび切りげんまんうそついたら針千本飲ーます。
604名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 01:34:32 ID:8yFYhvJZ
〉──ゆーび切りげんまんうそついたら針千本飲ーます
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル なんか異様に怖いな
605 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/05(火) 01:39:37 ID:pkDXzIUI
さて、次は久々に素女が登場。



ほたるがトランスするし、淫語は書いてて恥ずかしかったし、とにかく大変な官能シーンでした。
606名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 01:43:28 ID:oKULk46a
やっと素女にも活躍の機会がw
ほたるコワスwww
607名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 01:48:22 ID:fS7Y2cwN
GJです。
さすがプロの性技は凄いな。
ほたるちゃんはまさに毒蛾だ。
608名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 01:50:56 ID:xZx+4OnN
まさに性技の味方
609名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 02:47:52 ID:+Ou0Pnd5
凄い力の入ったエロだw
作者様GJ
610名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 02:52:41 ID:mC5EXfSM
誰だうまい棒食った奴は
611名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 08:14:48 ID:d4e5lqb2
ガクガク明かに厄介な女に惚れられて…
まさか身請けしろってことですか?
612名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 12:25:16 ID:4GsUTVje
どーもほたるは京之助のことが好きなんじゃなくて
自由になるために利用してるように見える…どこまで演技かわからないのもこのスレらしいw
613名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 13:46:11 ID:LVE32pIM
二人の出会いが偶然だったことを鑑みると、利用ではなさそうだが…
むしろ目の前に降りて来たクモの糸は、どんな手を使っても手繰り寄せるタイプではないか
アグレッシブな依存みたいな
614名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 13:54:13 ID:BX/Ug5g9
まとめサイトのBBSに阿修羅氏のコメントあるね。
いつも利用させていただきありがとうございます。
ところで、故障じゃないけどPCが使えないって……まさか!!
615名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 14:05:49 ID:CzpT/gct
キーボードに精子ぶちまけたとか?
616ティッシュ:2006/12/05(火) 15:19:46 ID:30zBM68B
駄目だよ>>614ちゃん、キーボードなんて泥棒猫にかけたりしちゃ…

全部、私の中に出してくれなくちゃ♪
617名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 16:55:11 ID:SZpXchx4
                       iヽ(/ 、Yリ)//  ノ  二  二  ノ
 WRRRRYYYY !!               そヽ|)ノヽ-、   ニ 三ニ  彡∠
                       >//`〉:::::::/ノ人ヽ、 ̄ヽ_三 ̄三彡"
 これで 貴様も            ノくiヘ、|:::::/ヾtテラ"゙lヽ __ ̄、、、-‐'______/
                        `i゙゙シ::::`こ_,.`ヽ  レ'゙タ人ヾヾ/=ミミ     \/
 我が夜の亡者となるんだーッ!!.   | ゙7::::(=''゙   _,/ー''゙/,. /∠ラ        ヽ\
                         !゙テ::::ゝ-‐i''T´レ'/o//,. r---、,_        ||
 --、\、|ミヽヽ))i               ゙'ー''ヾ::::::|,レ'゙ /O/ レ'゙ ´!    `''‐、_\,   | ノ
三二ヾミ-ミ川リ)∠-フ              ¨.・:)::/ /O ,レ'´   _,.  l   /  へ、   ,//
三 ≡三ミミ、ー--<           ,. -‐・:・/シ /○/    /   ヾ __ ノ ヽ ||
彡ノ川リ)))リ_,.、ヾ、__         /O//::/゙   |r'ヽ!    l    ノ  //゙  ノ ノ|
ノノリ川ノリr‐ラeラ、 /」、_      ,.-7゙○ / /:::::;!-=ニ二 ̄`"''ー-、人 ,. イ _ノ ,ノ  ニーノ
///フノノリ )  ̄ `  i゙ノ-、   /  | ,.-、,| ,レ'´     ノ\      ヾ''''´,.-‐''´<三ー フノ
/    r=-、_      _,ノ-、_!_  |(_,.-'´_,,. -‐'''"´: : : : l  /  ノ /\二二二/ く
川/レリヾ''''´ `'''ー,.='´'' ̄    \''´_,.- ̄ : : : : : : : : : : : : | ̄  / / `'‐-、___,.-''´
、ミ川/川リ ,.-==(゙,.=ゝ-‐''''  ̄-‐ l : : : : : : : : : : : : : : : : : :/-‐__二-‐'´_―二   )
-ゞ川川り'´ //´,ゝ-、ゝ-‐'´ ,.   ノ,. -――――-----‐'゙‐''´    ̄ ̄ ̄    /
 ノ川リ   ノノ//´ ゙ヾ、ー-‐' _,. -'´
618名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 17:44:49 ID:MiaZpnOt
: ll    .,    .l|   .゙l,             ゙l,、        ll,、     ゙ll、  ,llll!llllliiii,,,,_
..,l"   ll    .!,   ゙ll,、          ゙li、           li      .゙l,  .゙!!lllii,lll゙!!llllliiii,,
..l|    .゙i    .l|    .゙l,      ,     .'゙l、       'li      .l    ゙゙!!llllli,, ゙゙゙゙!!lllllii,,
..l|    l|    l|    .゙l,     .゙l!     ll,           ll、     l|     ゙゙!llllii,,_  ゙l!lllii,_ 
.,l|    l|    l|    _ ゙l,     ゙i      l  ,,,,,,,,,iw   l|     ll       .゙゙llllllii,,、 llllll 
.l|    .ll,   .゙l,   .゙l, 'li    .゙i   ,,,e*l゙ll゙゙゙ ̄    ,, 'li、     'l          llllll!llllliillll!゙` 
.l|     ll    ゙l、   ゙l, .゙l,    .,i ''゙°  .゙i   ,,,iill'゙゙゜: ::l      l_ ・      .llllll,,,llllllllliii,,,、
.l|     ll    l .゙i,   .l  .ll,    l゙l     ゙i .,,,il゙゙,,,,,,,,,,,,,,,: 'l     ll゙l,、     .,lllll|゙!l!゙゜゚゙゙!!!″
il′    ゙i   .'l ゙l,   .l ,,,ell li  .ll'll    .,,,lll゙,,l゙゙,,レ***,,,,l,,l,     ,ll .゙l,     .llllll「 .゙l
l|     ゙l!   l, .゙i_,,,i,fll゙゜ .l ゙l_ ll:゙l!   ,l゙: : ,l「i゙;;;;;;;;;;;;;;;;;゙llll|    .l|  'll    .llllll゙  .゙l
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       .゙i   ゙l  ゙ .l|.l  : l,: ..゙l, l|: ゙i .,ll°: ::ll,.゙i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,!ll    i゙ ,l゙`    ,llllll′
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     ,,  .゙i   l   l: :,,,,illlfl,ll,,,,,,lll: : ゙i″: : : : ::゚゙llllllll!ll゙゙゙゙゙゙”  l   .,l,,l゙  ,, ,,   ゙゙!lllli,,
     ll   'll   'liy  .ll:il゙`,*l゙″;;`゙゙l,,: : : : : : : : : : : : : : :     ll   ll″  l .゙゙l,   ゙゙!lllli
     'll   ゙l!   l,゙l、 .l|l ,ll′;;;;;;;;;;;;;;;゙l,: : : : : : : : : :        ll′ .l|   .l l,,゙l=@ .゙゙゙゙ .,,,
     l   ゙l   ll li .l|l ゙l,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l: : : : : ,i、:       ,,  .l|   .l   l .゙ll,.゙ly    .゙l,゚N,
     l   .l   .li ゙l, .l|゙l, ゙l,;;;;;;;;;;;;;;;,,il″: :  .ll,,,   .,,,ell゙゙'l,  .ll   .ll   .ll  ゙l, ゙゙l,    .゙l, .゙゙li、
     l,   l   l.,_゙l,_l|.゙!li,゙!*g,,,,ll'″:      ~_,,ilf'゙°;;;;;;;;私 l   .l   l   .゙l,、゙l,、   l, 
     .l   l   .l’”!lllll!  ゙゙゙゙””:      ,,,,lfl゙゙″;;;;;;;;;;;;;;;;;;,l! ll′  .'li、  l    l| .゙li    ゙l,
     .l   l   ,l   ゙゙N=@      .ll ̄;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,ケ.ll′   l   .l    l|  `l    .゙ト
     .l   .,!  .l|.eei,,,,,,,,,,,,゙゙ll,,,_      .゙'N,_;;;;;;;;;;;;;;;_,,al″.,l|    .l|   l    l|  ゙l!
     .'l   l   i゙ ,,l″  .”””゙゙li,,,  .,,,illfllllllllllglllllll゙゙″  .l    .l|         !  ill
619名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 17:54:08 ID:IYfZPCmQ
>>616
ワロタw
620名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 17:54:58 ID:r4N9N4RB
>>618
誰?
621名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 18:10:29 ID:4GsUTVje
>>618
『優柔』の椿?
622名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 18:58:57 ID:CzpT/gct
椿ちゃん始めてみた
可愛いなぁ〜
623名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 19:38:35 ID:y/NaBdjm
正直、AAうざい
624トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/05(火) 20:21:50 ID:yxk6Anwz
では投下致します
625水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/05(火) 20:24:46 ID:yxk6Anwz
 第8話『お弁当対決ですか!?』

*鷺森音羽視点 同日 昼休み
 今朝はあの憎々しい姉妹たちに見事やられてしまった。
私に敗北の二文字の十字架を背負わせた罪は地獄の業火の炎に焼かれても償えるものではないだろう。
 月ちゃんも月ちゃんです。
 一緒に暮らしている姉妹なんかに欲情して。
 腕を組むなんて私に言ってくれたら好きなだけやってあげるのに。
 ううん。それだけじゃあないよ。
 恥ずかしいけど、ちゃんと膝枕もしてあげる。私のふとももに月ちゃんの頭を乗せていることを考えるだけでぬ、濡れます。
替えの勝負下着を用意しなくちゃ。
 って、そんな妄想を膨らませている場合じゃなかった。
 あの姉妹の次の策はだいたい読めている。
朝のアレは全く予想できなかったけど、月ちゃんはあんな腕を組む程度で満足するはずないもんね。
 よし。
 昼休みのお約束のアルテマウエポンで月ちゃんに私のことを惚れさせてあげるんだからねっ!!
 いざ、出陣よ!!

*水澄虹葉視点 同日 昼休み
 午前中の授業は全く耳に入らなかったな。えへへ。
 頬がずっとにやけていた。これまでもないぐらいに。
 だって、月君と腕を組んで登校するなんて今まで考えられなかったことだもん。
 月君は恥ずかしがり屋だから、お姉ちゃんが一緒に腕を組んで歩こうよと誘っても、全力で嫌がるんだよ。
だから、今日は紗桜ちゃんと共同戦線を張って月君と腕を組んで、泥棒猫を牽制してやった。
 そのおかげで周囲から恋人同士にみ、見られちゃたりして。して。
 さっさと泥棒猫を撃退して、本物の恋人同士みたいに隣で歩きたいよ。
 と、もう昼休みになる時間か。
 月君の事はずっと監視しているけど。
 あの泥棒猫は迷わずに昼休みに月君を誘ってくることでしょう。
 でも、させません。
 私の秘密兵器で迎撃してあげるんだから。
 首を洗って、死刑台へのカウンとダウンを数えなさい。

*水澄紗桜視点 同日 昼休み 
 今日は午前中はずっと赤面し続けていた。
もう、クラスの女の子たちが今日のことについていろいろ聞いてくるんだもん。
大好きな兄さんとどこまでの仲になったとか、ライバルはお姉ちゃんって面白おかしく聞いてくる。
あぅ〜。恥ずかしいよ。
 昨夜の鷺森音羽という女が私の兄さんを寝取ろうしているとお姉ちゃんから聞いた時から、私はある一種の覚悟をした。
兄さんをあの女に取られないように姉妹の魅力で兄さんを骨の隅々まで私たちのモノにするということを。
お姉ちゃんも了承してくれたし。
 覚悟してよね。兄・さ・ん・。
 さてともうお昼休みだよ。
 お姉ちゃんの打ち合せ通りに昼休みは兄さんのとこに行かないと。
 バカな女が兄さんのとこやってくることでしょうに。
 水澄紗桜は全力で叩き落としますよ。
 禁断の業でね。
626水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/05(火) 20:27:07 ID:yxk6Anwz


「ってなモノローグがここまでに来る間にあったように思えるんだけど」
「何言っているのかな。月君」
「もう、兄さんの妄想には付き合えませんよ」
「月ちゃんって面白いことを言うね」
 のんびりと過ごしたかった昼休みは虹葉姉と紗桜と音羽の来襲により、見事に平和な日々は砕け散った。
俺はうんざりな表情を浮かべながら、学園が誇る美少女たちの姿を目撃しようと
クラスや教室の外でも見物人が集まってくることに嘆息していた。
 騒がしいギャラリーに気にすることなく、互いに牽制の視線を送り合っている
虹葉姉と紗桜のコンビとその姉妹を立ち向かう音羽という構図がここに出来上がっていた。
 昼休みになると忠生が教室に復帰し、更に教室は五月蝿く賑やかとなってゆく。
俺の平穏な日々を送りたいとは裏腹に運命は常に最悪な選択肢の道を強制的に選ばれているようであった。
「昼休みはのんびりと暮らしたいと思うんだけど。三人ともその包みはなんだよ?」
 可愛らしいピンク色の袋らしきものを虹葉姉と紗桜と音羽は教室へと持参してきたものである。
脳裏に嫌な記憶が浮かぶが、現実を直視するのは恐ろしいことなので、俺は思わず尋ねてしまったよ。
「決まっているじゃない。月ちゃんと一緒に昼休みの時間を過ごすためにお弁当を作ってきたんだよ!!」
「なぬっ!?」
 お弁当。
 俺のカオスワーズが思わず発動しそうになったが、直前の所で堪えることができた。
お弁当というものを作ることに何のトラウマもないが、作ってもらうことは俺のトラウマに触れてしまうのだ。
「鷺森さんだけじゃないよ。お姉ちゃんもちゃんと作ってきたんだから」
「兄さん。私も作ってきましたよ」
「な ん で す と ! ?」
 思わず、俺は虹葉姉と紗桜が作った料理の数々を走馬灯のように思い出す。
恐怖と後悔と絶望以外を思い出すことができない。脳が記憶の奥底に封印した事実を思い出すことを拒否している。
その時にあった感情以外しか思い出せなかったりする。
「虹葉姉と紗桜には料理禁止令が発令していたはずなんだけど?」
「いい。月君。愛の力に不可能はないんだよ。月君のためなら喜んで破っちゃうんだから」
「うふふ。兄さんのために朝早くから準備していたんだからね」
「まてまてまて。二人が料理したモノは絶対に食べないぞ」
「うにゃ!」
「あぅっ!」
 猫耳や犬耳を生やした姉妹が断然に俺の言うことは受け付けませんと唇を尖らせた。
一方、音羽は余裕の表情を浮かべていた。
 やれやれ。
627名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 20:27:40 ID:G2Xtw4me
やばい京之助やばい
本当に指切られちゃう
いや、逆か?
628水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/05(火) 20:29:14 ID:yxk6Anwz
 三人が取り出した包みの中からお弁当が俺の机の中に置かれる。
蓋を開けてみるとそれぞれの料理が露わになった。そこで俺は自分の席を取られて場に取り残されている忠生にアイコンタクトを送ってみた。
「忠生」
「何だ」
「お前にこの子達のお弁当を毒味する権利を与えよう」
「あなたは神か?」
「どっちかというと魔王です」
「神なら証明を」
「稲荷寿司? カーボン? 暗黒料理? 何のことですか?」
「神はこのお弁当を食べたくない。そうですね」
「はい」
「では後は神のご自由に」

*と言った会話が目だけで行なわれています。

「だが、普通に俺が食べるだけでは面白くない。そこにいる忠生がお前たちのお弁当を一口を食べて、
 どのお弁当が美味しいのか評価してもらう。そして、一番美味しかったお弁当を俺が食べる。それでいいな?」
「どうして、月君以外の人に愛の篭もったお弁当を食べさせなきゃいけないのよ」
「さすがに花山田先輩に箸を付けられた時点で妊娠してしまいそうですけど」
「月ちゃんは他の人にそういうプレイするのが好きなのかな? かな?」
 虹葉姉と紗桜と音羽の反応は見事に予想通り。俺ですら時分で作ってきたお弁当を忠生ごときに食べさせるのは勿体ない。
 だからこそ、餌はちゃんと用意しておく。
「ちなみに美味しいお弁当だと忠生が評価した人には豪華プレゼントがあります。もし、選ばれた人には、俺が膝枕する権利を与えます」
「つ、つ、つ、月君の膝枕っっ!?」
「兄さん。本当ですか?」
「これは絶対に負けられませんね」

 ふっ。
 女なんて簡単なもんだ。
629水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/05(火) 20:31:48 ID:yxk6Anwz
「この花山田忠生。我が学園を代表する美少女たちのお弁当を食べることを快く頂こうと思います。まず、水澄先輩のお弁当から」
 虹葉姉が作ってきたお弁当はご飯からおかずまで真っ黒であった。
 さすがの忠生も驚きを隠せずにいたが、恐る恐ると橋でおかずを掴もうとしたが。
 ボロボロとおかずは崩れ去った。忠生は仕方なく崩れ去った黒色の物体を口にした。
「ぐぎょぉぉぉぉぉおおっぉぉぉぉーーー!!」
 喉を抑えて大げさに床に倒れて激しく横転する。その姿にクラスメイトとギャラリーが異常な忠生の姿に恐怖に満ちた表情を浮かべていた。
 さすがはカーボン。
 数分後。
 意識不明であった忠生はなんとか意識を取り戻して、今度は紗桜のお弁当に手を付ける。
 紗桜のお弁当は正に暗黒であった。暗黒料理の中身はドロドロした液状が沸騰しているのか泡らしきものがぷくぷくと浮かんでいる。
 どこぞの漫画の世界に出てくる魔界そのものを現しているようだ。
 忠生が一口を口に摘むだけで。
「どぴょぉおぉぉぉぉぉぉぉぉおぉーーーーーー!!」
 声にならない断末魔が教室一斉に響き渡った。人間が出せるはずのない声をあげて、忠生はそこでまた気を失った。
 普通の人間なら死んでしまいそうだが、忠生ならきっと大丈夫であろう。
 何故に俺が虹葉姉と紗桜に家で料理を禁止する理由をわかってもらえるだろうか。
 人では作れない料理を作ることができる姉妹をこの世から抹殺した方が世のためになると正直に思うが、
 これでも大事な家族なのでせいぜい台所禁止令を発令するのが精一杯であった。
 再び数分後ぐらい経つと忠生は再び起き上がった。歴史に残る立ち上がった忠生は俺に懇願するような瞳で訴えた。再びアイコンタクト。
「もう、やめていいか。死ぬ。ころされるぅぅぅ!!」
「貴君には二つの選択肢がある」
「一つはこのまま音羽の料理を毒味するか。もう一つはオレンジ畑を耕すかだ」
「うぬぬぬ……ちくしょうっっ!!」
 返答もせずに忠生は問答無用に最後のお弁当の毒味をする。
 もはや、残っているのは勢いと美少女が作ったお弁当を食べたいという強い意志のみ。
 その意志に俺は敬服したくなった。
 音羽が作ってきたお弁当は見た目は普通の稲荷寿司であった。
 一体、どういう風に考えて稲荷寿司を昼のお弁当に作ってきたのか問い詰めたいが、
 俺はこれ以上を関わることが恐くなってきたので何もしないでおこう。
 忠生は震えた橋で稲荷寿司を摘んで、口に一個だけ口にくわえて喉に押し込んだ。
 その途端に忠生の顔色は青白くなって泡を拭いたまま倒れてしまった。
 さらばだ。花山田忠生。
「で、花山田君が死んだら誰が勝者になるの? 月君」
「判定は俺が決めよう」
 虹葉姉と紗桜と音羽の顔を真っすぐに見つめて、しばし間を置いて俺は言った。
「勝者はなし!!」
 当たり前の結果であった。
「ど、どういうことなんですか!? その結果はちょっと間違ってますよ兄さん」
「間違いもクソもあるか。最低限、犬畜生でも食べれるようなお弁当を作ってこい。人間外の奴が死ぬような料理を人様に食わせるなっ!」
「酷いよ。月ちゃん。私の純情な心を騙して。その責任をちゃんと取ってください。さあ、膝枕して。しないと泣いちゃうんだからね」
「あっ……泥棒猫の分際で何どさくさに紛れて月君になんてことを言っているのよ。どうせなら、お姉ちゃんに膝枕してよ」
 さすがにお弁当の味判定に関係もなく迫り寄ってくる三人に俺は思わず嘆息した。
 さっさとお昼休みは終わってくれないかな?
630トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/05(火) 20:33:49 ID:yxk6Anwz
祭りごとにはいつも死者を欠かせないものです
631名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 20:42:43 ID:QO4jZ/RA
料理が下手っていうレベルじゃないぞwGJ!
632名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 20:46:40 ID:AOjpZgpF
こういう修羅場は楽しいなーメシマズわろたよ
633名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:07:37 ID:TVVoDBAP
水を差すようだけど
なんで所々日本語がおかしいのはどうしてなんだぜ?
634名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:36:20 ID:4JhOazAv
>>633
お前さんもなんか変だぞ
635名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:37:59 ID:CZXTQmIW
>>633
そこも特徴として捕らえると、
いい味を感じ取れるよww
つまりは、作者GJwwww
こんかいはイイ修羅場っすね。>>630
ろこつな修羅場=イヤッホーゥ!!
せかいに修羅場が本当にあるのなら、俺は
なんとかしてフラグ立てて
いい思い(修羅場)をしたいねwww
636名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:48:55 ID:TVVoDBAP
もうすこし読み直して推敲してみてはどうか、ってことよ
637名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 22:11:17 ID:CZXTQmIW
まぁ、俺は脳内補正かかるからいいけどね。
638名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 22:14:39 ID:mC5EXfSM
前向きに対処したいと思います


はい次の方どうぞ〜
639名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 22:38:04 ID:qVrJpS/Z
月クンが外道の片鱗を見せ始めたなw
ギアスネタ バロスwwwww
640『俺と君のお別れ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/05(火) 22:40:14 ID:aCyEcn3D
病室
今日も俺は葵の見舞いに来ていた。セレナの方もまだ目が覚めないようだ。
「はぁ……」
思わず溜め息をついてしまう。碧さんと関係をもってしまったことに、罪悪感があるからだ。完全に断り切れなかった自分が悪いんだが……
「しっかし……よかったよなぁ…」
年の功と言ったら怒られそうなので、元人妻の妙技と言うべきか。体の肉付もいいし、なによりテクがある。(いや、葵も葵で良いのだが)
「いやいや、体で気持ちを揺るがせるのはいかんよ……でも、なぁ…」
あの快感を思い出してしまうと、どうしても悶々としてしまう。あー、俺ってば最悪だな。葵の目の前でこんな事考えてるだなんて。
「そうだ……そうだよ。こんなことしてる場合じゃねぇんだ。葵を探しにいかねぇと。」
葵の霊体を見つけない限り、葵は目が覚めないんだ。そう思い、病室から出ようと立ち上がったそのとき………
「どちらにいかれるんですか?」
「……!」
立ち上がったのはよかったが、振り替えることができなかった。魅力的な声に麻痺していたのかもしれない。
「晴也さん。」
641『俺と君のお別れ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/05(火) 22:41:15 ID:aCyEcn3D
まるで『少女』のように明るい声で俺の名前を呼ぶ碧さん。やっとの思いで振り替えると、そこに意味深な笑みを浮かべた碧が立っていた。
「もうお帰りになるんですか?もう少しゆっくりしていきましょうよ。」
「う……」
蛇睨まれた蛙。碧さんに睨まれた俺。さっきの威勢はどこえやら。一歩を踏み出す気力さえ奪われてしまった。その理由は、碧さんの服装にあった。
胸を強調するような服に、スカートだった。ああ!黒の二ーソックスの絶対領i
「ぶふっ!」
「あ!鼻血が!」
興奮し過ぎて鼻血吹いてしまった。
「す、すびばせん。」
「いいえぇ。別にいいんですよ……ふふ…大丈夫ですか?」
そういって俺の顔色をうかがうような覗きこむ。が、その体勢がまた胸がアップになる。
「ふー、ふー!」
理性を抑えるように鼻息が荒くなる。もしここが病室じゃなかったら襲いかかるところだった。
「ふふふ、襲いたくなっちゃいましたか?」
「…………」
俺の思考は完全に読まれていたようだ。ダメだ、この人にはどう足掻いても勝てる気がしない。いつもからかわれている 。
642『俺と君のお別れ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/05(火) 22:42:12 ID:aCyEcn3D
「このままだと寝たきりの葵を襲っちゃいそうですからね。私が血の気を抜いてあげますね。」
ごそごそ…
「ちょ!抜くはヌくでもそれは……」
「じゃあ、止めますか?」
にぎにぎ
「う……つ、続けてください。」
「はい。じゃあそこに座ってください。」
既に半勃ちの息子を指で擦られながら聞かれては断れない。言われたとおりにイスに座り、碧さんに体を預ける。
くぅ、葵の前だっていうだけでますます興奮する。自分でもいつも以上に硬くなっているのがわかる。
「はむ……」
「うぅ!?」
合図なしにいきなりくわえられ、声を漏らしてしまう。ぬめりとした舌が亀頭を撫でるように動き、ザラリとした感覚がまた気持ちいい。
「ん……ふふ、れお……ん…く…ちゅる…ぴちゃ……気持ちいいれふ…か?…んん!」
「うぐ…さ、最高です。」
返事をするのが精一杯。頭が真っ白になり、気を失いそうだ。
「そのようでふねぇ…ちゅるん……膝ががくがく震えてますよぉ。それじゃあ、これでどうです?…んうー…ずりゅずりゅ……」
「うわ!それやば!…あく…」
643『俺と君のお別れ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/05(火) 22:43:18 ID:aCyEcn3D
深く咥えこんだかとおもったら、今度は上顎の部分で亀頭を擦り始めた。舌とは違う固い感触は初めてだった。
上顎で擦り、舌で竿の裏をなぞる。カリ首に前歯が当たるのが痛気持ちいい。開始数分で、既に精の発車準備はできている。
「で、でますよ!碧さん!」
「んん!だひて!…じゅ!じゅ!じゅる…いっぱい、お口にだしてぇ!」
「う、でる!」
びゅー!びゅくん…びくん!
「んぅ!…ぶふ…んく…こくん…ぷぁ…ん……」
「ま、まだ!」
「ふぇ?」
出切ったと思っていた精液が、まだ奥から込み上げて来る。
どぷ!びゅー!びゅるる…
「んん!ぶふぅ…ぶぁ…ぐ……」
さすがの碧さんも予想していなかったのか、再度注ぎ込まれる精液に、目を白黒させている。と、その時……
ガチャ
「!」
病室の扉が開かれた。そこからは……
「あら、来ていらしたんですか。」
看護婦さんが顔を出し、こちらの顔を見ると、挨拶をしてきた。幸い葵が寝ているベットが死角となり、碧さんのいる股間部分は見えてないらしい。が…
「んく…じゅる……こく……ん、ふ……」
644『俺と君のお別れ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/05(火) 22:44:15 ID:aCyEcn3D
碧さんは看護婦がいることに気付いているのだが、なおも精液を啜るのをやめない。音が聞こえてしまうんじゃないかと、ドキドキしながら去るのを待つ。
「それにしても、ほとんど毎日見舞いに来るなんて、まめな彼氏ね。葵ちゃんが羨ましいわ。」
「あ、はは……ぐ…」
いったばかりのペニスを更に激しく吸われ、喉の奥から呻き声がでてしまう。
「あら?大丈夫?顔が真っ赤よ?病院で風邪でもひいた?」
「う、いえ、大丈夫っす……ちょ、ちょっと暑いかなぁと……」
股間が暑い。碧さんは精液を全部吸い取り、掃除するように舐め回している。
「じゅ……ぶ……ちゅる……ん、く…ぷぁ…ふぅ……」
「ふふ、そう?もし病気になったら、すぐにここにきてね?君みたいなかっこいいこなら、頑張って看病しちゃうから。」
「あはは、はぁ、ありがとうございまぅ!」
「んちゅー!!!んんぅ!!」
返事をしようとおもったが、急にペニスを吸われ、またうめいてしまった。先端が吸い取られそうほど強いバキュームだ。
「それじゃあ、葵ちゃんのことよろしくね。」
それだけ言い、看護婦さんは病室から出ていった。
「ふうん、病気になったらあの看護婦さんにみてもらうんですか。いいですねー。うらやましいですねー。」
なにを怒ってるんだ……碧さん………
645『俺と君のお別れ』 ◆jSNxKO6uRM :2006/12/05(火) 22:48:37 ID:aCyEcn3D
エロ強化のため、人妻祭り開催ワッショイ
646名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:01:08 ID:MiaZpnOt
    _,,...,_
  /_~,,..::: ~"'ヽ
 (,,"ヾ  ii /^',)
    :i    i"
    |(,,゚Д゚) < 一子がこの先生きのこるには…
    |(ノ  |)   
    |    |
    ヽ _ノ
     U"U
647名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:02:49 ID:IYfZPCmQ
>>645
GJ!
これを学校の屋上で葵が見てる事を考えると…
(*´Д`)ハァハァ
648名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:10:15 ID:CzpT/gct
シックスセンスおちなのか・・・?
でもみんなに見えてるからなぁ〜
649名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 03:38:12 ID:sdO4E/iC
本当は皆死んでる
650名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 03:58:47 ID:0glZLY6E
逆転ホームラン!修羅場喫茶!
喫茶店に女の子がいっぱいいて

みんな死んでる
651名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 08:00:50 ID:0omK2k9d
つまり、

泥棒猫が注文を取りに来て、
横から幼馴染が伝票を奪い、
厨房からサイコ娘の包丁が飛んでくる、と。
652名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 09:05:22 ID:oXKwqCdG
机の下で笑うヤンデレも忘れずに
653名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 12:01:24 ID:ebGWY85u
何その理想郷
654名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 12:43:24 ID:WH1sJjJ3
まさにアルカディア

何気にまとめ見たら前書いた埋めネタがあってギニャー

改めて読むとすごく小っ恥ずかしいw
655名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 14:28:45 ID:fjv4Zasx
>>654
気にすんな。俺も自分で書いたのを読み返すと恥ずかしくて抹消したくなる。
あと、おまいsage忘れてるぞ。
656名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 14:45:59 ID:8buEzHn8
全部ひとまとめにしてー

幼なじみなキモウトがサイコな修羅場で泥棒猫
なんかそれっぽいな
657名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 16:51:13 ID:72x+T/Rw
450KBを超えたら次スレか・・
まあ、450KBを超えたら、このスレの住人の団欒の場になるかもねww
658名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 17:14:08 ID:oXKwqCdG
次スレ案

嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 24時の来訪

チャイムのほうがいいかな
659名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 17:23:14 ID:BaBcjbXA
次スレ案 嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 泥棒猫24を
660名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 17:26:41 ID:2vsoZ7or
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 24時間側にいます
661名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 18:27:06 ID:MWrDlNM3
早過ぎるだろ…
次スレ立てる人が分かりやすいように450KB行ってから案出そうぜ。
662名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 18:55:39 ID:fuZqJZzK
>>659がいいな

↓神の作品投下どうぞ
663名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 20:53:56 ID:SxAgnx+t
仰天ニュースのテーマが嫉妬スペシャル!
参考になんじゃね?
664名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 21:03:18 ID:SxAgnx+t
>>663
実況ぽくて悪いが、四人のエリート女子大生
誰かが死ね
犯人はこの中にいる。

wktkが止まらんね。
665名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 21:16:42 ID:B4ndC4te
元愛人にHIVウイルス投与ww
666名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 21:19:37 ID:B4ndC4te
すまんす。
次だったなww
667名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 21:37:11 ID:SxAgnx+t
すげー、マジすげー。リアルでこんなことがあるのかorz
668名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 21:45:58 ID:l1nBf0xl
男がとんでもなく下衆な奴でわざと女の子達に修羅場させる奴ない?
669螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/06(水) 22:37:10 ID:zALpCEvp
〉台所の窓から見た西の空は夕陽で赤く染まり、元気のないカナカナの鳴き声が響いていた。夏のたなびく入道雲は風に吹かれて西へ
と流れていく。その雲の隙間をすり抜けるように赤い光が台所に落ち、うすぼんやりとそこを照らしていた。
〉質素な家の小さな台所。火にかけた鍋は蓋をかたかたとならして、そこからもれるように白い煙が天井へと登っていく。煙に混ざっ
た味噌の甘い香りが鼻孔をくすぐり、食欲をそそる。
〉蓋をどかして、ぐつぐつと煮えたった味噌汁をお玉で口に運ぶと、味噌の甘辛にだしの鰹節が絡まった濃厚な味が口一杯に広がった
。汁の上面に浮かび上がった具の野菜も十分に柔らかくなっており、菜箸でつつくと簡単にその形を崩した。
〉「よし、出来た」
〉素女はその味と具の柔らかさに満足し、何度も頷いた。今までで屈指の味と言える、まさに会心の出来である。
〉素女が再び鍋に蓋を被せると、不意に涼しい風が台所を駆け抜けた。もう夏も終わりに近付きつつも、まだまだ暑い日が続いていた
が、日も暮れはじめる頃になると涼しい風が混じるようになってきていて、微かに秋の匂いを感じさせる。出城した京之助もそろそろ
仕事も終わり、お腹をすかせて帰ってくるだろう。
〉素女はにやける顔を抑えられないと言った様子で口を押さえた。
〉今日は京之助の好物だけを食卓に並べるつもりなのだ。きっと腹ペコの京之助は喜んでくれるに違いない。それから、京之助は素女
に向かい最高の笑顔を向けておいしいと言うのだ。
〉その彼の喜ぶ顔が目に浮かぶようで、素女はくすぐったいような気持ちでいっぱいだった。
〉後は京之助の帰りを待つばかり。
〉早く帰ってこないかな、と素女は思いを京之助にはせた。



〉頬が二三度はたかれる。闇に漂っていた意識が徐々に覚醒の光を求めて浮かびあがってくる。
〉「……様。京様起きて下さいませ」
〉微かな声に意識がその輪郭を帯はじめ、京之助は瞼を開けた。
〉「ほたる?」
〉ぼんやりとした視線の先に白く、美しい女の顔があった。
670螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/06(水) 22:42:12 ID:zALpCEvp
〉「気が付きなされましたか?そろそろお時間にございまする」
〉そう笑いかける彼女の体に着衣は纏われていなかった。その白い肌に、京之助は先の行為を思いだし、赤面する。
〉「ご着衣はこちらにたたんでございます。よろしければお着かせなさいましょうか?」
〉「い、いや、大丈夫だ。それよりも、その、そなたも何か着てくれぬか?目の、やりばに困る」
〉「何を申されます。先程まで産まれたままの姿で抱き合っていたではありませんか」
〉彼女はくすくすと口を押さえて笑う。その様子に京之助は余計に顔が熱くなるのを感じた。
〉「お客様、早くしていただけませぬか?後が詰まっておりまする」
〉不意に襖の外から男の急かす声が部屋に響く。
〉「もう少しです。少々待って下さいませ」
〉ほたるが声を張り上げて外の男に答える。
〉それ以降、男の声は聞こえなくなったが、外からは人の気配がした。どうやらあの男は京之助を待っているようである。
〉京之助は急いで立ち上がると袴を履き、着物をはおる。それから裸のほたるを見ないように問い掛けた。
〉「俺はどれくらい寝ていた?」
〉「そうですねぇ、だいたい一時ほどでございましょうか」
〉「そんなに寝てたのか」
〉京之助は帯を腰に巻き付けつつ、呟くように言った。
〉時刻は既に犬の刻(たびん午後九時過ぎくらい、間違ってるかも。ひとまず午後九時過ぎです、設定上は)を回っている。普段の帰
る時間からは大分遅れており、おそらく素女も心配している事だろう。
〉最近、素女はおとなしくなってはきたのだが、さすがにこれだけ遅れれば以前のようにしつこく自分の行方を問いつめてくるに違い
ない。それに一々答えるのは億劫だが、幸いにも今日は銀次郎と半十郎と三人で酒を飲んだ事になっている。銀次郎は口裏合わせをし
てくれると言うし、半十郎も多分京之助を困らせるような事はしないだろう。
〉「あの、京様?」
〉「ん?どうした?」
〉ほたるの腫れ物を触るようなやんわりと紡いだ言葉に、京之助は思わず振り返った。
671螢火 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/06(水) 22:44:59 ID:zALpCEvp
〉彼女は胸の前に掛け布団を抱き、前を隠してくれていた。京之助に気を使っての事だろうが、その姿は裸よりずっと刺激的で頭がほ
うける。
〉「約束、忘れないで下さいね」
〉「約束?」
〉彼女は右手の小指を立てて、自分の顔の前に持ってくる。それから、とても嬉しそうにはにかんだ。
〉「私、待ってますから」
〉ほたるは祈るように胸の前の布団をキュッと抱きしめた。
〉その意味ありげなほたるの言葉も仕草も京之助にはさっぱり分からなかった。約束と彼女が立てた小指に何か意味でもあるのだろう
か、と思い首を傾げる。が、そんな意味など京之助には分からなかったし、だいたいその約束とやらが何なのか京之助は知らない。
〉「なぁ、ほたるよ。やく」
〉京之助が言い終わらぬ内に再び襖の奥が騒ぎ出す。
〉「お客様、まだにございますか。いい加減にして下さい」
〉あからさまにいらついた声だった。
〉「おや、かなりお怒りのようですね。さ、さ京様、急いで下さいまし」
〉ほたるは急かすように、京之助を襖へとおいやる。その男の様子からもほたるの様子からも察する事が出来るが、約束が何なのか聞
く暇はないようだった。
〉仕方なく京之助は襖へと歩いていく。
〉「あっ、京様」
〉襖に手を伸ばし掛けていた京之助に、ほたるが思い出したような声を出す。
〉「今度は明日の同じ時間にあの橋で。明日は私のお部屋を紹介いたします」
672 ◆CWcv3gVh3I :2006/12/06(水) 22:52:43 ID:zALpCEvp
官能シーンに気合い入れすぎたためか、文章のクオリティ低め。素女の場面も無理矢理挿入したみたいだったし。


が、次は素女最大の見せ場なので気合い入れる。
次回のイメージは、八年ぶりに再会した幼馴染みに、主題歌二回り分の問いつめかました某ゲームのヒロインっつー事で。どっすか?ゲッロゲ〜ロ〜
673名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 23:10:55 ID:wQOABZ53
次回にwktk
ほたるに流されなけりゃ京之助良い立ち位置w
674トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/06(水) 23:49:20 ID:fCPL/taV
では投下致します
675水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/06(水) 23:53:04 ID:fCPL/taV
 第9話『そんな夜の出来事』

 全て家事の作業を終わらせてから、俺はベットに横になって思わず嘆息を洩らしていた。
今日一日の出来事のおかげで疲労はかなり溜まっていた。虹葉姉や紗桜と音羽が積極的にお弁当を作ってくるとは思っても見なかった。
普段は学園で一緒に昼食を食べる機会は滅多になかった。
虹葉姉や紗桜はそこまで俺のプライベートな生活に踏み込んでくることはなく、俺も彼女たちの領域に踏み入れることはなかった。
なのに、今回だけは幼なじみの音羽と対抗するかのように姉妹が協力し合って牽制している。
 まあ、どうしてそんな構図が出来上がってしまったのか疑問に覚えるわけだが、俺の頭程度では女心を知るのは到底無理な話だ。
 しばらく、天井を眺めているとドアのノックする音が聞こえてきた。

「兄さん。お風呂が空きましたよ」
 風呂上がりの紗桜がパジャマ姿で長い髪をタオルで拭きながらやってきた。
「わかった。後で行く」
 俺は面倒臭そうに応えると再びベットでだらしなく横になろうとした。
疲れが溜まっているので何事にも関わろうとすることなく、俺は戦士の休息に浸りたかったが……。
「兄さん。私ちょっと肩がこっているんです。ちょっと揉んでもらえませんか」
「めんどい」
「可愛い妹がお願いしているのに兄さんは断るんですか?」

 ちょっと迫力のある声で俺を恐怖に陥れる。
女性という生物は暴力や脅しなどを使わずとも男の一匹ぐらい一言を喋るだけで脅かすことはいくらでもできるのだ。
 可愛い妹は俺に背中を預けると俺は紗桜の肩を手において優しく揉んでいた。
肩を揉むことは別に特別な行為ではない。
普段は俺は虹葉姉や紗桜に揉んでもらったこともあるし、逆に俺が揉んでやったりもしたが。
 今回だけは何か嫌な予感がした。

「あっ…。んっっ……。いいよ。兄さん。気持ちいいよ」
「ってか、いつも揉んでいる時と声が違うんですけど」
「そ、そんなことないよ。あんっ。んんっ。お風呂に入ったおかげで血色が良くてちょっと敏感になっているだけだよ」

 本当にそうか?
 女性特有の男を誘うような色っぽい声は男としてそそるものがある。
紗桜の表面は可愛らしい容姿をしている。どこかにお持ち帰りたいぐらいだ。
だが、兄という立場のおかげで男の醜い性欲には耐性があり、何か問題がありそうな場面でも耐える自信だけはある。
「んんっ!! いいよ。あっっん!! 兄さん。もっと強く揉んでぇ」
「何か紗桜の声だけ聞いていたら誤解されそうだな」
「そ、そんな誤解する人なんてぇ。あんっ。い、いないよぉ」
「そうか?」
「んっ。あんっ! 気持ちいいよ。兄さんもっとしてぇ!!」
 と、誰かが聞いていれば誤解してそうな事を俺は気にすることなく紗桜の肩を揉んでいた。
この家には虹葉姉ぐらいしかいないのだから。誤解されることもないだろうと楽観的に考えていたのがまずかった。
 勢いよくドアを開かれて、そのドアを開けた持ち主は驚愕した表情を浮かべてこっちを見ていた。
「紗桜ちゃん。月君。二人で何をやっているのかなぁ!!」
 虹葉姉が鬼の形相を浮かべて、二人に近付いてくる。その迫力は先程の紗桜の比ではなかった。
紗桜はわざとらしく虹葉姉に向かって言った。
「どうしたのお姉ちゃん」
「月君と紗桜ちゃん。とてもいやらしいことをしていたんでしょう。紗桜ちゃんの喘ぎ声がちゃんと廊下まで聞こえてたよ」
「そんなのは誤解です。私は兄さんに肩を揉んでもらっただけです」
「本当に本当?」
「本当に本当ですからね。お姉ちゃん」
「だったら、どうしてあんな喘ぎ声が出るのよ」
 動揺する姉を必死に誤魔化そうとする妹。俺は飛び入る火の粉を避けるために会話に入らずに消極的に事態を暖かい目で見守っていた。
頑張れ紗桜。お前の頑張り次第で修羅場を回避することは可能だ。
「女の子なら男の人に揉んでもらっているとそんな声いくらでも出ますよ」
「紗桜ちゃん」
「あぅ?」
「嘘・を・吐・か・な・い!!」
676水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/06(水) 23:56:27 ID:fCPL/taV
 怒り狂った虹葉姉によるエッチなことはいけませんよという説教は一時間も続いた。
あの手に弱い虹葉姉は免疫ないおかげでいやらしいこと=悪いこと。
という脳内変換されているようだ。そのおかげで紗桜は優しいお姉ちゃんのおしおき(抱きしめなでなで攻撃)を受けて戦闘不能に陥った。
妹にセクハラをしたレッテルを貼られた俺は今度の休日にお姉ちゃんとデートの約束を強制的に結ばれた。本当に。
 救えねぇ。
 そんな暗澹なる気分で脱衣室に向かうと俺は着ている洋服を脱いだ。
お風呂にでも入って、少しでも一日の疲れを癒して明日のために頑張る力を養うためだ。
 風呂に浸かっている間に静かな空間はまさに癒される。湯につかりながら、俺は思わず鼻歌を歌ってみた。
あちこちに音が反響して下手な音程でも上手い音のように聞こえた。
体と頭を洗ってから、体の奥深くまで浸かって暖かくなってから、俺は風呂を出た。
 そこで俺は思わず驚愕な光景を目撃した。
 それはある意味衝撃的な内容であった。

 大抵の家には脱衣室には洗濯機を置いてある。いろいろな洗濯物が纏めて置いてあり、脱衣室の隣には浴室が繋がっているのは珍しくもない。
そんなどこにも似た家の構図で水澄家の一日の洗濯物が置かれている脱衣室に異変があった。
「月君のシャツはいい匂いだよ。月君の匂いがするにゃあ」
 俺が浴室のドアを開けて目撃した物とは、虹葉姉が俺が先程脱いだシャツを手に取って匂いを嗅ぐように
顔に押し付けて大切な物のように抱きしめている姿であった。
 やがて、俺が浴室に出てきたことに気付いて虹葉姉と視線が合った。
「つ、つ、月君っっ!! ええっ!!」
「虹葉姉。何やっているんだよぉぉぉ!!」
677水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/06(水) 23:58:28 ID:fCPL/taV

 水澄家の家事を全て仕切っている俺だが唯一踏み入れることができない領域が一つだけあった。
それは洗濯である。
年頃の女性が二人いるこの家で男の俺が虹葉姉と紗桜の下着を洗うのは倫理上の問題がある。
幸いにも姉妹は洗濯はまともにやってくれるので安心して任せていた。
最初は俺の下着は二人に任せずに自分で洗濯しようとしたが、水澄家の家事を立派にやってくれているんだから、
その負担を少し軽くするために虹葉姉と紗桜の強い申し入れがあったので俺は仕方なく二人の意見を許諾していた。
だが、俺の洗濯は誰が洗うのかという事で虹葉姉と紗桜は思わず喧嘩する事態にまで発展したのだ。結局は当番制に落ち着いたが。
 その理由がこんなことだったとは。
 嫌悪感を覚えるところか、俺は呆れてしまっていた。
 リビングに移動してソファーには捨てられそうになったチワワのような表情を浮かべて小刻みに震えている虹葉姉と
おしおきを受けて脱力感が抜けない紗桜が座っていた。俺は濡れた髪をドライヤーで当てながら乾かしていた。

「さて、話を聞かせてもらおうか」
「うにゃ〜。月君。お姉ちゃんのことを嫌いにならないでぇ〜」
 ほとんど半泣き状態になって錯乱状態の虹葉姉。さすがに弟にあんな光景を目撃されたら正常でいられるはずはない。
「どうして、あんなことをしたんだ?」
「ぐすっ。ぐすっ」
「お姉ちゃん。泣いていたらわかんないよ」
「紗桜ちゃんも月君のシャツの匂いを嗅いだりしてるもん」
「は、はあ? 何、言っているのよお、お姉ちゃん」
 顔が真っ赤に染まってゆく紗桜の反応を見ただけで俺は紗桜も同じ事をやっているのだとわかった。
「とりあえず。これからは俺の洗濯物は自分でやることにするよ」
「ええええっっ!! そんなのはダメぇぇぇ!!」
「そうですよ。兄さん。私たちの楽しみを取らないでください」
 自分の洗濯物を自分ですることにそこまで拒否反応を起こすんだろうか。
「いや常識的に考えても男性の下着を女の子に洗ってもらうには抵抗感が。今回の件で人の下着を嗅いでにやにや微笑んでいる姿を見るとな」
「月君の記憶の奥底からデリートしてください」
「だったら、仮にも俺が二人の下着の匂いを嗅いでいる姿を想像しろ。どう見ても、変態じゃねぇか……」

 さすがにそんなことを家でやっていたら、俺は水澄家に居られることはまずできない。
ってか、姉妹の下着の匂いを嗅いで喜んでいるのなら、二人の処女は当の昔に失っていると言っても過言ではない。
 二人は俺の予想外以上の反応を示す。

「月君が私の匂いを嗅いでくれるのは嬉しいかも」
「もう、兄さんったら。そんなに私が下着が欲しかったらいつでも喜んであげますよ。できれば、脱ぎたての……」

 この姉妹に倫理感を説いても無駄なのか。
 俺はやれやれと嘆息していた。
 何を言っても無駄なら、虹葉姉の行為を容認するしかあるまい。
678水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c :2006/12/07(木) 00:00:56 ID:fCPL/taV

そして、就寝。
 明日は終業式だ。明日さえ行けば夏休みを迎えられる。とはいえ、水澄家の家事をやらないといけないから明日も早起きして頑張らないと。
 再び、ドアのノックの音がした。
 俺は寝ているフリをしていても良かったが、あの姉妹のことだ。
次は何をやらかすのかわからないので疲れた体に鞭を打ってドアを開けた。
 ドアを開けると猫のパジャマを着た虹葉姉がいた。
「紗桜ちゃんがね。月君の下着の匂いを嗅いだ変態とは一緒には寝ませんって言って。追い出されたの。月君一緒に寝てくれる」
「死ぬ気で却下しよう」
「うにゃ。お姉ちゃんは一人で寝られないのを知っているでしょう。恐くて眠れないからいつもは紗桜ちゃんと同室で一緒に寝ているのに」
「今の虹葉姉だったら、寝ている間に襲われる」
「襲わないもん。絶対に襲わないもん。だから、一緒に寝ようね」
「寝るかぁ!!」
 唇を尖らせて拗ねるように虹葉姉を俺を見る。
昔は一緒に寝ていた仲だが、この歳になってまで一緒に寝るのは特別な関係だろう。
確かに夜一人で眠れない虹葉姉が俺に頼るのは必然的な展開だと言えるが、俺は全力で拒否をしていた。
 騒いでいると虹葉姉と紗桜の部屋が勢いよく開かれた。廊下をゆっくりと歩いて、紗桜は言った。
「お姉ちゃん。誰が追い出そうとしたのかな? 兄さんと一緒に寝ようとするなんて。もう、お姉ちゃんは最低最悪です」
「ううっ……ダメ?」
「お姉ちゃん。おしおきです。今日は死ぬほど可愛がってあげますからね」
「うにゃぁぁぁ!!」
「あぅぅぅぅぅ!!」
 姉妹同士の抱擁を眺めるのは健康上悪いと思うので、俺は部屋に戻ろうとしたときに強い力で掴まれる。
なんだと後ろを振り返ると紗桜が笑顔を浮かべていた。

「兄さんのおしおきは私とお姉ちゃんが眠るまでずっと頭を撫でることです」
 水澄姉妹の部屋に連行されて、俺は紗桜が提案するおしおきに何故か快く引き受けていた。
二人のダブルベットの真ん中に場所を居座り、虹葉姉と紗桜の頭を優しく撫でていた。
二人は気持ち良さそうに撫でられていた。

 一日が終わる。
 いつまでも続く日常の平穏は永遠に続いて欲しい。
 大切な虹葉姉と紗桜の笑顔だけはずっと絶やさないでくれ。
 家族の絆は途切れる事もなくこれからも続いて行く。

 この時はそう思っていた。

 だが、俺が水澄家を出ることになろうとはこの時はまだ思いもよらなかった。
679トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/07(木) 00:04:58 ID:fCPL/taV
次回、水澄家に何かが起こる?

450KBを超えたら、雪桜の舞う時に☆埋めネタを投下致します
と、言ってもまだ書き上げていませんけどね(泣き)
680 ◆zIIME6i97I :2006/12/07(木) 00:07:00 ID:6WfYjzdR
間髪いれず、ツイスター、投下します
681ツイスター:2006/12/07(木) 00:08:01 ID:6WfYjzdR
太郎はベッドに横になるが、いまだにライブの余韻が残っていて、とても眠れそうにはなかった。
ライブははじめてではないが、あれほどの熱狂に包まれたのは初めてだった。
それが次子のおかげだったのは明らかだった。
次子の歌声が観客たちの熱狂を引き出していた。
理想的なボーカルだといえた。
問題があるといえば、それが良すぎたということだろう。
というのもそのせいで、次子の騙った一子の名が稀代のボーカリストの名として確実に学校に広まってしまったであろうから。
もしかすると、いやおそらくきっと、明日一子は学校で苦労することになるだろう。
あれは一子ではなかったというネタ晴らしを、差し支えのない時期を選んでしておくべきかもしれない。一子もやりにくいだろう。
その一子とは、ライブが終わってから顔を合わせていなかった。
部室に戻ってみるとそこはもぬけの殻だった。一足先に家に帰ったか、あるいは学園祭を見て回っているのかもしれないと、あまり気にはかけていなかった。
案の定家に戻ると、一子はすでに帰宅していたようで、彼女の靴が玄関に残されていた。
しかし、夕食の時間になっても、一子は部屋から出てこようとはしなかった。
いつもはしつこいほどに一子を食卓に誘う次子も、今日はさすがに疲れたのか、一子の部屋には近づかなかった。

太郎が寝返りをうって部屋のドアに背を向けたちょうどそのとき、ドアがそっと開いた。
廊下の電灯に照らされて、部屋がわずかに明るくなった。
その気配を感じて体を向きなおそうとする前に、ドアは閉じられて、部屋は再び暗闇に沈んだ。
かちゃりと、鍵のかかる音がした。新月の晩で、月明かりもない部屋は完全に闇に閉ざされている。
太郎にはそのわずかな影しか確認することはできないが、それは次子でしかありえなかった。
やはり来たのか。太郎はそう思った。
ただ、いつもの時間よりずいぶんと早いのが気になったのだが。

「次子?」

影に向かってそう問いかけると、ぴくりと震えたような気がした。
おずおずと太郎のベッドに近づいてきた。
その様子に違和感を感じながらも、太郎はベッドから身を起こしてその影を迎え入れた。
影は太郎のまじかに顔を寄せてきた。その意図を察して、太郎も顔を寄せた。
ゆっくりと口をつける。
影がこんどこそびくりと震えた。
太郎は目を見開いて両手でその影を引き離した。
立ち上がって部屋の電灯をつける。急激な明るさの変化に目をくらませながらも、その影の正体を確かめた。
次子と同じ顔、同じ体つきをしているが、間違えようがない。
一子だった。
682ツイスター:2006/12/07(木) 00:09:40 ID:TXNeZghU
「何やってんだ!お前、何考えて」

「そのまま抱けばいいでしょ」

一子が、うつむいたまま低い声で太郎の言葉をさえぎった。

「別に妹とだってできるんでしょ?だったらわたしを抱けばいいじゃない。だから、だからもうあんな奴のこと忘れてよ!」

太郎は、あまりのことに何をいわれたのか分からなかった。
やがて、それを理解して混乱した。
やはり次子と寝ていることはばれていた。それはうすうす感じていたことだ。
だが、それでなぜ一子が自分に迫る?何がどうなっているんだ?一子はどうしたんだ?
太郎はその混乱した頭の中で、ひとつだけ確かなことを見つけて怒鳴った。

「馬鹿!何言ってんだお前!兄妹でそんなこと!」

うつむいていた一子が顔を上げた。ぽろぽろと涙をこぼしていた。
いや、始めから泣いていたのだろう。まぶたが赤くはれていた。

「はは、うん、馬鹿だよね。わたし、馬鹿だ」

一子はそう自嘲すると、太郎に背を向けて部屋を飛び出そうとした。
だが、鍵がかかっていて開かない。一子は、2度3度ガチャガチャとドアノブをひねってから自分が鍵をかけたことを思い出し、それをはずして今度こそ部屋を飛び出した。
階段を駆け下りる音に続いて、玄関のドアが叩きつけられる音を太郎は聞いた。
外へ駆け出していったのだ。パジャマのままで。
太郎はそれをただ突っ立って聞いていた。呆然としていた。
何が起きたのか、理解できない。頭の中をがらくたが駆け巡っているようだった。考えがまとまらない。
いや、考えるのは後でいい。今は一子を追わなくては。
正直、今の一子と顔を合わせるのはつらい。どんな顔をして会えばいいのか分からない。
だがそれも一子に追いついてからの話だ。

部屋を出たところで、太郎は次子に出くわした。

「お兄ちゃん!」

太郎は次子が呼び止めるのも聞かず、草履を足に引っ掛けると外に飛び出した。

一子は走りながら、泣いていた。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。自分は馬鹿だ。
何をやったのか。何であんなことをしたのか。自分で自分のやったことが分からない。
あのライブの後、帰り道で、そして帰ってからも部屋の中で、一子はただ一つのことを考えていた。
自分の存在は、次子に消されてしまうのだと。いや、すでに消し去られつつあるのだと一子は感じた。
自分は一人ぼっちだ。だから、消えてしまっても誰も気にかけない。兄である太郎も。
消え去った自分の場所にいるのは次子だ。太郎はそれを歓迎する。笑う。これでよかったのだと。
世界の皆がそれを歓迎する。一子のことを気にかけるものは一人もいない。
いや、すでに次子こそが一子なのだ。
683ツイスター:2006/12/07(木) 00:10:26 ID:TXNeZghU
だからといって、太郎の気を引きたいからといって、自分は一体何をしたのか。何をいったのか。
口付けた唇の感触がまだ残っていた。
太郎はどう思っただろうか。決まっている。気持ち悪いと、そう思ったのだ。だから自分を拒んだのだ。
一子はどう思っただろうか。決まっている。無様だと、そうあざけっているに違いない。
あのとき、部屋を出たところに待ち伏せていたようにいた次子は、まるで全てを見透かしたような目をしていた。
いや、実際にすべてを見透かし、そして嘲笑っていたのだ。
もうだめだ。あの家にはいられない。太郎は軽蔑しているだろう。一子は憐れんでいるだろう。
ああして迫ることで、自分から兄妹の関係を汚してしまったのだ。あの女と同じように。
憤る。自分自身に憤る。そして何より、あの女に憤る。自分からすべてを奪いつつあるあの女に。
あの女?違う。あれは人間ですらない。人形のようなものだ。山鹿もいっていたではないか。次子などという人間は存在しないのだ。
そうだ。ならば、すべきことはただ一つだ。それは逃げることではない。戦うことだ。奪い返すことだ。
遠慮はいらない。あれは人間ではないのだ。殺しではないのだ。
天啓を受けた一子は、家まで引き返そうと立ち止まった。
そこはT字路だった。横手から、強烈な光が当てられた。ヘッドライトの明かりだ。

1時間か2時間か分からない。太郎は一子を探して駆け回るが、いっこうに捕まらなかった。
パジャマのまま走っている太郎を、ときおりすれ違う通行人が怪訝な表情で振り返る。
しばらくして、太郎は思い出した。以前、こんなことがあって一子が誰を頼ったのか。
こんなことに気が付かないほど、自分は狼狽していたのか。
今は、山鹿の家の反対側に来ていた。いったん家に帰って自転車に乗ろう。そして山鹿の家に向かおう。いや、その前に山鹿に電話で確認をいれよう。
太郎はそう決めて、今来た道を引き返した。

家に帰ると、次子が玄関で待っていた。何かいっている。
太郎はそれを無視して、玄関にすえつけられている電話の受話器をとった。
相手が出るまでの時間が、やたらと長く感じた。実際にはそれは1分にも満たなかったのだが。
電話に出たとたん、相手を確かめることもせずに、太郎は受話器に怒鳴った。

「俺だ!一子はそっちにいるか!?」

「簸川か?夜中にうるさいぞ」

電話に出たのは、幸いにも山鹿本人だった。

「いいから!一子はいるか!」

「・・・ああ、いる」

太郎はそれを聞いて大きく息を吐いた。やはりそうだった。

「だいたいの事情は聞いた」

山鹿が低い声でいった。太郎は一体何をいわれるのかと身構えた。責められるのではないかと、そう思ったのだ。

「お前はお前の考えがあるんだろう。俺は何もいわん」

冷たい口調だった。太郎は、まるで自分が見限られたような気がした。責められたほうがましだった。

「悪かった。また世話をかけた。本当に」

「なに、謝ることはない。礼はたっぷり頂いたからな」

山鹿のどこか不穏な言葉の響きに、太郎は眉をしかめた。

「どういうことだ」

「一子ちゃんを抱いた」
684ツイスター:2006/12/07(木) 00:11:19 ID:TXNeZghU
どうして今夜はこうも耳を疑うようなことばかりを聞くことになるのか。
太郎は狼狽する自分を無理やり押さえつけた。そうだ。別に驚くことではない。山鹿は一子を身をもって慰めたのだ。
傷心の一子を優しく抱いてやったのだ。二人はきっと好きあっていたのだ。一子も、山鹿を頼っていたではないか。
確かに、あの山鹿が自分の妹ではない一子を抱いたというのは驚きだ。しかしだからこそ、山鹿が本気なのだと思える。
山鹿はいいやつだ。唯一の親友で、ときたまとんでもないことをしでかすがその行動力は本当に頼りになる。
今も、一子を抱きとめてくれている。多少早い気がしないでもないが、もちろん自分にそんなことをいう資格はない。
それどころか、一子のすることに口を出す資格など自分には何もないという気さえする。
一子のことは山鹿に任せるべきなのだろう。
太郎はどこか釈然としない思いを、そんな思考で押し流そうとした。
だが、太郎のそんな努力を山鹿が無駄にした。

「まあ、妹じゃないがしょうがない」

「しょうがない?」

聞き間違いかと思った。

「いいかげん溜まっていたからな。しょうがないさ。悪くはなかったぞ、一子ちゃん。まあ、一子ちゃんの方は痛がってたけどな」

太郎は山鹿の冗談めいた言葉を聞き流そうとした。そんな太郎を嘲笑うかのように山鹿が続けた。

「最初は強がっていたがな、最後は泣いていやがってたぞ。まあ、結局無理やりしたんだがな」

「嘘を付け」

「そういえばお前のこと呼んでたぞ。兄貴、兄貴ってな。あれには燃えたな。イメージプレイみたいだった」

「黙れ」

「おいおい、声が低いぞ。どうした?まあ聞けよ。最後入れるときなんか」
685ツイスター:2006/12/07(木) 00:12:15 ID:TXNeZghU
太郎は最後まで聞かずに受話器をたたきつけて電話を切った。
頭の中のがらくたがまた騒ぎ出していた。胸がむかむかする。耳鳴りがした。
そのまま家を出ようとする太郎の腕を次子が掴んで止めた。振り払おうとするが、思っても見ないほど強い力で掴まれていて振りほどけない。

「待ってお兄ちゃん!」

そんな切羽詰ったような次子の声を聞いたのは初めてで、太郎はやっと次子の方を振り向いた。

「もういいじゃない!お姉ちゃんなんかほっとこうよ。ううん。あんな子お姉ちゃんでもなんでもないよ。お兄ちゃんだってそうなんでしょ。あんな妹なんて要らないんでしょ?だから拒んだんでしょ!?もう妹はわたしだけでいいよね。ね、お兄ちゃん」

「馬鹿!そんなわけあるか」

「じゃあ何で一子ちゃんとしなかったのよ!」

「あいつが妹だからに決まってるだろうが!!」

太郎がそう怒鳴り返すと、次子が握っていた腕を離した。どこか唖然とした表情をしている。

「じゃあ、じゃあ、わたしはお兄ちゃんの何なの?妹じゃないの?」

太郎はそれを聞いて自分の失言に気が付いた。だが、今優先すべきは一子だった。
次子を振り切って、太郎は駆け出した。玄関には、呆然と突っ立っている次子が残された。
いつまでそうしていたのか、1分か1時間か。
次子は開いたままのドアから玄関に入ってきた人影に、気付くのが遅れた。
それはいつもの次子ならばありえないことだった。
気がついたときにはもう遅い。
そのこめかみに、振り回されたバールの先が食い込んでいた。
686 ◆zIIME6i97I :2006/12/07(木) 00:13:37 ID:TXNeZghU
以上、第24話「一子・エクスプロージョン」でした。

よっピーもいいけど蟹もね。
687名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 00:15:47 ID:6LvCiyfF
山鹿にならケツを差し出してもいい
688名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 00:16:27 ID:XLh1sG0l
山鹿との連携プレイ炸裂!?
一子は短時間で山鹿との打ち合わせを済ませたのか!!?

何はともあれGJ!!
689名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 00:18:27 ID:XLh1sG0l
>一子はどう思っただろうか。決まっている。無様だと、そうあざけっているに違いない。

気になったんですが、ここって誤字でしょうか?
690名無しさん@ピンキー :2006/12/07(木) 00:30:15 ID:oPeiYTa6
悪役セリフの山鹿に共感し、怒りに震える猿には今更何勝手なこと言ってやがると感じる。

日頃の行いってこういうところに出るんだなあとしみじみ思いました。
691名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 00:30:54 ID:FPxPtXJd
ふと思ったけど、妹研の連中には何のお咎めも無いの?
元々はこいつらの我侭のせいなんだから何らかの罰があってもいいんじゃないかな?

それはそうと
>>679
>俺が水澄家を出ることになろうとはこの時はまだ思いもよらなかった。

何が起こるのかwktkが止まりません

>>686 
一子の逆襲!?クル━━━(゚∀゚)━━━!!?

お2人ともGJです!!
692名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 00:32:05 ID:lTkeE8V5
>>686
とうとう太郎監禁フラグが立ったか・・・
これから山鹿・一子コンビがどう活躍するのかwktk!!
693名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 00:32:17 ID:FDYpLMNB
一子のそれは嫉妬というかなんというか…自分が本当の妹であるってアイデンティティのためにやってるかのような少し違う気がしてくるな
別に猿のこと好きってわけでもないだろうしw
694名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 00:36:21 ID:tExHw+RK
掟破りの連続投下GJ!!
エロス!コメディ!そしてバイオレンス!!
修羅場SSこそ21世紀を代表する総合エンターテイメントでございます。お代は見てのおかえり!
695名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 00:57:20 ID:WVDlF8YC
>>693
作者さん、ミスター書く前からスレ違いかもみたいな断り入れてたしね。
まあ読みやすいからおk
696 ◆zIIME6i97I :2006/12/07(木) 01:18:18 ID:TXNeZghU
>>689
さいです。「一子」ではなく「次子」です。申し訳ない。
>>693
男を挟んで、一方は恋愛感情プラス妹感情、他方は単なる妹感情の新機軸三角関係モノとご承知おきください。
697名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 01:29:36 ID:l81aNnGM
バールのようなものキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
猿は今更一子様の大事さにきづいたのか
インディジョーンズに脳味噌食われちゃえばいいのに
698名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 01:46:41 ID:BJ0sLEpO
うぉお、水澄家とツイスターの連発かよ!?
こりゃスゲーぜ!
699名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 02:15:36 ID:GIs8WxfP
バールのようなもので修羅場
白いライトバンで轢く
末端価格
鈍器でめった打ち
700名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 02:48:11 ID:yWHJfvnQ
やったー!
猿バイバーイ!
701名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 02:59:32 ID:3WwZ8g8w
よく分かんないが
山鹿が猿を挑発→猿家を出る→家に次子しかいない→誰かが次子のこめかみにバールを…
これから予想するに…まぁとにかく次回を持つしかないな、期待してます
702名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 03:07:27 ID:Cx5nslaL
さて、そろそろ流さんが見たい
703名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 03:07:54 ID:yW5o+Ci+
・・・・ったら、・・・・すから
704名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 03:21:45 ID:2Hy32sk9
・・・ぬから
705名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 03:54:06 ID:IGM1Lcv7
恋愛感情は別にして、妹と義妹、やっちゃうのにどう違うの、って、問いかけのような小説ですね。そこに、本当の妹に対する否定の要素が入ってるから面白いです。
706名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 08:19:20 ID:HpiJiLQ9
>>686
地位を着々と固めている次子にアイデンティティの危機に陥った一子が
バールのような物で対抗キタ━(゚∀゚)━!!!!!
>>679
プチ嫉妬&ほのぼの日常GJ!(*´д`*)ハァハァ 
埋めネタの方も楽しみにしています
>>672
次回小一時間問いつめクル Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
京之助が約束の事をまったく憶えていないのにwktk
707名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 16:11:37 ID:5Q08jPta
自分に文才があればSS投下できるのに・・・
708名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 16:16:10 ID:6QaOMTjD
大丈夫だ
日本語がおかしいトライデントでさえSS投下できるんだから
君もやればできる
709名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 16:27:18 ID:tExHw+RK
>>707
なら一緒に絵師目指さないか?
悲しくなるぐらい下手なんだが最近、練習始めたんだ
710名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 16:47:27 ID:XLh1sG0l
ttp://www.asahi-net.or.jp/~zm5s-nkmr/
ttp://www.geocities.jp/kita_site3/cgkoza/newpage1.htm
ttp://www.moee.org/

絵といえば、この辺が有名なサイトだな。
頑張ってくれ!!
711名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 16:54:17 ID:Av3bX6IP
それより、SS鍛錬のサイトの方を紹介してくれよ
712名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 17:40:00 ID:5Q08jPta
>>708
酷いこというなお前
自分はトライデントの作品好きだが
713名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 17:57:25 ID:J4o5eNlc
>>712
気にするな、かなり前から一人やたら粘着するのが居るだけだ
おいらもクオリティの高い作品を投下してくれて感謝しているっす(*´д`*)
714名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 17:57:57 ID:J4o5eNlc
上げちまった、幼馴染に刺されてくる・・・
715名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 18:10:03 ID:Kb2AHZ0V
呼び捨てか
716名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 18:29:35 ID:+RFkQjqK
現在、まとめにあるSS全てをサウンドノベル化したら
普通にエロゲー一本分並みの容量があるゲームができるよな・・
一つの作品ですでに原稿用紙300枚も超えていることだし・・
誰か有志で作ってくれないかな

コミケで売りさばいて我々の勢力を増やすのだww

717名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 18:31:07 ID:6LvCiyfF
トライデント氏の文が所々日本語おかしいのは俺も同意なんだ。
前にも言われてたけど、推敲は大事。マジで。
そこに味があるとは言うけど、読みづらいと感じるだけの人もいるのよ、な。
718名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 18:38:53 ID:dIbZq0xr
>>716
コミケにおけるアマチュア・オリジナル・小説は三重苦。
719名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 18:43:58 ID:Cx5nslaL
や、嫉妬スキーはマイノリティのままのがいいと思う・・・
720名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 18:47:09 ID:Y/MduTms
>>717
読みづらいとか好みの問題ならわざわざ文句言わずに読むなよ、な。
721名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 18:52:10 ID:ci1c7rgr
誤字脱字の指摘はいいんじゃなかったのかよ
722名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 18:59:39 ID:l81aNnGM
それより造形師いないの?
俺の白と怪物姉妹をフィギュアにしてくれ
723名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:00:09 ID:yuZbhAZ+
>>721
具体的な箇所を指摘しよう、な。
724名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:00:59 ID:ci1c7rgr
多すぎるだろ
725名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:02:49 ID:Cx5nslaL
読まなきゃいいだろ
726名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:05:51 ID:yuZbhAZ+
>>725
同意。
自分の満足した文章が読みたいのなら、トライデント氏の作品をメモ帳に
コピペして、自分で校正して読むべき。
それが面倒くさいのなら、日本語云々の問題はその程度だったということ。
727名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:23:05 ID:6LvCiyfF
お前は甘やかしすぎだな。
デリカシーのない中傷や辛口な批判はともかく、ちょっとした意見やアドバイスすら「気に入らないなら読むな」で切り捨てるのはあんまりにもあんまりだろ。
728名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:30:54 ID:ndSZBvHs
甘やかしすぎというか、>>727の方が甘い
ちゃんとした具体的な指摘もしないのなら、ただの中傷だろ?
どういった箇所の日本語がおかしいのかちゃんと具体例を指摘しなきゃだめだろ

誤字脱字全てのおかしいところは表示するべきだよ


しかし、トライデントが投稿する度にスレが荒れるような状況になるのなら
彼にはこのスレに投稿して欲しくないのが正直本音だよ
729名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:39:08 ID:eEzZ/Gah
>>728
なにそのテロリストに屈する理屈はw
730名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:43:42 ID:ndSZBvHs
私の意見は全然まちがっているとは思えませんけどね
731名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:47:13 ID:eEzZ/Gah
常識的に考えて、特定の職人さんに大して個人攻撃する人は嵐にしか見えない。
732名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:50:51 ID:6MI7/YEx
トライデント氏の文章構成は確かに所々おかしい。
きちんと推敲すればSSは確実に良くなると思う。
だけど、どうするかは作者次第なのだから読み手が
推敲するのを無理強いするのは少々傲慢だと思う。
まあ作者の実力の向上を期待する気持ちは分かるけどな。
とりあえずお前らは両方ともお茶でも飲んで落ち着け。
つ旦旦旦旦旦旦
733名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:53:06 ID:gL2Uw2va
見ていて思うのだが、擁護だろうが叩きだろうがこんな空中戦繰り広げられちゃ投稿し難いだろう
擁護も敵よりも怖い馬鹿な味方にならんようにな
734名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:55:30 ID:ndSZBvHs
ようするにトライデントを追放すれば、このスレは荒れることなく
平和が戻ってくるってことだ。NG登録を推奨するが!!
735名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:57:39 ID:eEzZ/Gah
>>734
やっぱ嵐だったんだ。
736名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:00:31 ID:0IyRqTS0
いやいや、嵐じゃないよ
私はスレの住人の総意として言葉を書き込んでいるだけだよ
737名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:01:50 ID:2vIvR8w+
お前、個人的な恨みでもあるのか?
738名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:02:16 ID:eEzZ/Gah
なんでさっきからID変えてるの?
739名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:03:39 ID:ikX5IvX9
悪意が見え隠れする批判は、それが例え考慮に値するものであっても嵐でしかないな。
740名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:04:50 ID:0IyRqTS0
ここに投稿している神々も文章力も少し微妙だと思っているんだが
741名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:07:53 ID:Cx5nslaL
冬休みってまだだよな?
742名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:09:35 ID:w5/6m8Z1
>>740
お前さんの文章力も少し微妙だと思っているんだが
743名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:10:42 ID:tIijdZoi
これが最近のネットストーカって奴ですか?
744名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:12:41 ID:hD5ENV3E
ちょwwwおまいら釣られ杉wwwSSが投下されてると思ったのにw
まぁ落ち着こうぜ、な
745名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:13:24 ID:6LvCiyfF
マンセー意見が義務化されたようなスレの空気と、特定個人にちょっと意見しただけで荒らし、自演、粘着認定されるのがつい腹に据えかねたんです、ごめんなさい
746名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:13:48 ID:VCegInHE
>>740
犬がやかましいわね…
いいかげんに私に、私達につきまとわないでよね!この負け犬!
747名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:14:32 ID:Dxhms+zF
てか誤字脱字の指摘は構わないと思うけど、言い方って物があるんじゃないか?
貶す様な言い方とかだと嵐と見られても仕方無いと思うけど。
意見を聞いて改善するしないは職人さんの判断次第だし。
改善が無くて気に食わないって言うなら読むのを止めれば良いと思うんだけどな。
その作品を読みたいって言う人も多いのに「改善がないから投下やめろ」ってのはどうよ。
748名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:14:48 ID:eEzZ/Gah
とりあえず何事も無かったかのように職人さんの投稿をひたすらに待とうぜ
749名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:16:59 ID:6LvCiyfF
粘着自演認定はこじらせるだけだからお互いにマジ勘弁だぜ…
750名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:17:59 ID:b2RiLHbl
角煮のほうでうpされてるやつが面白かったー
751名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:21:53 ID:ci1c7rgr
別に俺もトライデント氏を追い出そうという気はない
荒らしに見えたならスマンカッタ
以下マターリどうぞ
752名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:26:42 ID:BvZZOUET
保管庫が更新されない……。
一体いつ更新されるんだ?
753名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:29:21 ID:WVDlF8YC
しかしこれだけ色々言われ続けても
全く反応しないトライデント氏はネラーの鑑だな
754名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:30:37 ID:5Q08jPta
まあ話の内容がわかりゃいいだろ
別に気にするほどでもない
755名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:33:56 ID:5Q08jPta
>>750
ああそれ俺が投稿した奴だ
これから拾った
http://2chart.fc2web.com/2chart/

756名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:33:58 ID:yuZbhAZ+
強引に話題転換だ。
そろそろ450KBだが、次のスレタイって結局なににするの?
757名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:35:57 ID:5Q08jPta
嫉妬・三角関係・修羅場総合すれ 二十四時間の逃避行
でおK?
758名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:39:57 ID:b2RiLHbl
>>755
それも面白かったけど、俺が言ったのはその前の同人のヤツ
759名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:41:59 ID:5Q08jPta
>>758
ああスマソ
760名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:42:24 ID:hD5ENV3E
>>757
泥棒猫24をのほうがいいな、俺は
761名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:43:35 ID:vi0XxURq
泥棒猫24を に一票
762名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:45:34 ID:XrVBd6g9
>次のスレタイ
個人的には>>659が良い

あとこれを初心に帰る気持ちで貼ってみる
SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・作品に対する評価を書きたいなら、スレ上ではなくこちら(ttp://yuukiremix.s33.xrea.com/chirashi/)へどうぞ
スレは作品を評価する場ではありません
763名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:46:05 ID:5Q08jPta
 嫉妬・三角関係・修羅場総合スレ 泥棒猫24蟇目     
764名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:48:14 ID:5Q08jPta
>>762
それだったら泥棒猫24匹目のほうがわかりやすいのでは?
765名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:48:52 ID:o9hLTaBj
「嫉妬・三角関係・修羅場総合スレ 24エヒガシエ」ってのは。

Mr.Childrenの曲名より

片一方は天使 もう一方は悪魔で
分裂しそうなんだ 抗鬱剤をちょうだい
暗い未来を防ぐんだ
永い迷宮みたいな 青春だ

↑このあたりが修羅場ヒロインで、

張り付けの刑になったって 明日に向かって生きてくんだって
ただじゃ転びやしませんぜって 非常事態ってやつも歓迎です

↑このあたりがスレ住民。
766名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:49:39 ID:M3GdG+gN
>>762
いっそテンプレに入れた方がよくね?
767名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 21:11:33 ID:x2vP1WSZ
24時間修羅場れますか
768名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 21:27:23 ID:Kb2AHZ0V
自分も 泥棒猫24を かな
769名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 21:27:30 ID:yuZbhAZ+
>>766
まとめサイトには書いてあるんだよなぁ。
770名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 21:28:11 ID:Dxhms+zF
一人24ないで
771名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 21:49:02 ID:uE4JKv68
じゃあ「泥棒猫24を」が一番人気なんでこれで立ててみる
772名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 21:52:44 ID:uE4JKv68
お待たせ

嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 泥棒猫24を
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1165495801/
773名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 21:54:40 ID:XkeSuz/x
24横浜ベイスターズに移籍
774名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:15:38 ID:jUxzE8aT
もうここは作品投下所にして誰もコメントするな、それが一番
775名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:24:22 ID:nZmEUQSU
逆の方がいいと思う
776名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:34:59 ID:Kb2AHZ0V
>>775
777名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:39:56 ID:StfTznHX
雑談はこっちでしろという事か?
778名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:42:07 ID:XLh1sG0l
少し前にラ板で紹介されてた『ROOM NO.1301』というのを読んでみたんだ。

その作品の主人公は、幾人もの女性に手を出したあげく実姉を孕ませ、
途中からは同級生と半同棲なんてしていた。

まさに修羅場スレ向きの主人公だなぁ、と思ったんだが、
どういうわけか嫉妬描写は少なめ。
むしろ、ハーレム化を容認するかのような態度が出てくる始末。

で、結局最後に手元に残るのはおとなしめなガールフレンド一人……。
うわぁ、なんか騙された気分。
779名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:48:55 ID:XrVBd6g9
>>778
スレ違いだからここでは多くは語らんけど、たしかに途中までは十分wktkを堪能できたんだけどなあ……
780名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:51:22 ID:2xQ7mZ5f
え・・・実姉は?
781名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:52:49 ID:lTkeE8V5
>>780
資産家と偽装結婚(子供の父親は秘密)
782名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:02:29 ID:dIbZq0xr
>>778
男性向け業界ではハーレム派の方が圧倒的多数だろう。
修羅場脳には昼メロや源氏物語とかの女性向けの作品の方が
嗜好に合うのかも知れん。
783名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:03:41 ID:BJ0sLEpO
>>781
そりゃまた中々凄いオチだな……
784名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:18:13 ID:2xQ7mZ5f
>>781
えー('A`)

やっぱラノベだとNTRはいっちゃうかー
修羅場分もアレっぽそうだし・・・
785名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:19:10 ID:rgpuFIQK
NTRは苦手ずら・・・
786名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:32:27 ID:WVDlF8YC
NTR・・・なのか?
787名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:33:17 ID:lTkeE8V5
>>783-785
偽装結婚ていっても、確か資産家の男も「結婚しないと社会的にだめだから」って理由だったような・・・
んで、両者相手に好きな人が居てもいい+相手に何もしないって条件で結婚したはず。
788名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:39:22 ID:Udypx6uS
っていうか、そろそろラノベスレどうぞって感じだが
今日は恐ろしい事にSS投下がなかった・・
もう、ダメじゃなのかよ
789名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:43:59 ID:BJ0sLEpO
別にこんな時もあるさ
ゆっくり待ってればいい
790名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:47:54 ID:S4rgGwsa
>>788
お前なぁ……ここは数字上エロパロ内で最も活気のあるスレのひとつなんだぞ……
791名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:52:40 ID:DbqqZB/y
モンスターを逆レイプする、みたいな感じのスレに
嫉妬スレの神が投下しててビビッたw
792名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 07:07:26 ID:gqisa0vd
>>791
んなスレあるんだw
793名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 07:54:07 ID:3WdHFNWk
ROOMは寝取られとはちょっと違うな
処女なのに非処女だと嘘をついて主人公に抱かれるけどその後で
主人公が非童貞、しかもその相手が自分の嫌いな女だと知って
泣き崩れて逆ギレした挙げ句襲いかかる姉とかマジご褒美
というかこれラノベなのか どこの昼ドラだよ
794名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 07:54:10 ID:lTrKAscF
擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプする

の事?
795名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 09:58:42 ID:FqYY+OwB
>>791
剣の話のことか?
796名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 10:30:55 ID:f0cGGb4b
フォォォォォォォ!夜勤バイトでデスマーチしてたらいつのまにか450kになってるのに、
実はまだジェラレン第二話書き終わってねぇぇぇぇぇぇ!!



どうしよっか。
797名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 10:41:37 ID:xQT2HRwR
>>796
(0・∀・)ワクワクテカテカ

して待ってますので都合のよろしい時にお願いします
798名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 12:44:36 ID:IGbmqkns
元カノと姉が俺の親友を取り合って血みどろの修羅場をくりひろげるんだけど、
激闘のうちに友情が芽生え、やがて愛情に発展百合の花が咲き乱れ
傷心の親友は俺と薔薇の園……っていう夢を見たんだ


寝る前に男友達スレ覗いたからかな……
799名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 12:56:32 ID:NyrDWVkO
お前の夢のことなんかどうでもいいです
800名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 16:03:01 ID:3UAnvYaa
もっと翠星石みたいな感じでたのむ
801名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 16:30:34 ID:DtFacSC3
おめえ様の夢のことなンぞどうでもいンでゲスよ…
802名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 16:31:51 ID:NevTDckw
なぜかカテ公を思い出した俺

主人公VSライバルの戦いのさなかヒロイン?のカテ公が現れて一言
「殺し合って生き残ったほうを全力で愛してやるよ」
まあ主人公は別に幼馴染がいて、ライバルはシスコンだから
カテ公は2人から振られるんですけどね
803トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/08(金) 20:49:05 ID:53+FbI2Q
では投下致します

804雪桜の舞う時に☆埋めネタ ◆mxSuEoo52c :2006/12/08(金) 20:52:51 ID:53+FbI2Q

 桧山さんが知らない女の子と腕を組んで歩いていた。
 その事実を聞いただけで私は思わず意識を失いそうになりましたが、何とか堪えて由希子さんに詳しい話を聞きました。
 内容は。
 仕事をサボって昼間からパチンコで大儲けしようと開店時間に並んでいた由希子さんが楽しそうに歩いているカップルの姿を見ました。
 カップルは桧山さんと知らない女の子。
 後ろ姿からちらりと見ただけだった、その姿は間違いなく桧山さんだという。片方の女の子は腰まで届く長い髪にリボンを纏めた少女らしい。
 あまり頼りない証言だけど、私は胸の奥がモヤモヤして仕方ありません。
 桧山さん。えぐぅ。ひどい、ひどいですよ。

 私というものがありながら、他の女の子とデートだなんてぇぇ!!

 ワンワンですぅ!!

 私のことを好きだって言っていたくせに。

 もう、私に飽きたんですか!!

 許しませんよ。絶対に許しません。許せないんだからぁ!!

 由希子さんが並んでいたパチンコ店の周囲を私と瑠依さんは一緒に桧山さんと桧山さんを奪った憎き恋敵の存在を探して周辺を探索中です。
 女の子の勘はいとも簡単に桧山さんの居所を突き当てました。
 私と瑠依さんは桧山さんに見つからないように尾行します。
 でも、素人の私たちではすぐに見つかってしまうので少し細工しておきます。

 私は犬のきぐるみを着て。
 瑠依さんは虎のきぐるみを着てもらいます。

 中は果てしなく暑く、視界は思っている以上に狭くなっていますが、私たちの正体がバレなきゃなんでもいいです。
 もし、見つかったら。恥ずかしくて顔から火が出ちゃいますよ。
 それにしても、これ重いですね。歩くだけで大変です。桧山さんに追い付くだけで精一杯です。

「志穂。これ暑くない? ってか、どうして虎のきぐるみなのよ?」
「桧山さんが言ってました。瑠依は虎のような生き方をしているって」
「ど、どういう意味よ。後で剛君を問い詰めてやる。あいつめ」
 ゆったりとした歩みで桧山さんに気付かれないように置いていかれないよう、私たちは一生懸命尾行を続行します。
「ううっ。あの人。桧山さんに頭を撫でられています」

 桧山さんの暖かくて優しい手で恋敵が嬉しそうに撫でられます。あれは私だけが独占できる唯一の癒しの行為なのに。
 うわっ。
 喜んで耳と尻尾を左右に揺らしている。う、羨ましい。
 大げさなリアクションを取っている姿はまるで私と同じじゃない。
「あの剛君が本命の彼女がいるのに他の女の子とデートしているってことは。あなたの別れてやるぅぅを本当に真に受けたかもしれないわね」
805雪桜の舞う時に☆埋めネタ ◆mxSuEoo52c :2006/12/08(金) 20:55:17 ID:53+FbI2Q

「ええっぇぇぇぇ!! そ、そ、そ、そんなの本気で言った覚えはありませんよ」
 あれはつい買い言葉に売り言葉で言ったんですよ。桧山さんが本気に受けたなら、私は何度も何度でも謝ります。
だから、私は捨てないで。お願いだから。
「でもさ。剛君は楽しそうに笑っているよね。志穂が剛君の恋人になって同じぐらいに楽しそうに笑っているよ。私も見たことがない剛君の笑顔が」

 志穂さんにそう言われて、桧山さんを注意深く観察致しました。
恋敵と桧山さんは歩きながら楽しそうに会話を繰り広げられている姿はとても幸せそうです。
私と付き合った時と同じくらい桧山さんを笑顔を絶やさないです。
 誰よりも大切な桧山さんが他の女性と笑っているだけで、私は気が狂いそうになります。


 だって、苛められた私を助けてくれた桧山さん。

 私が全てに失望して自殺を決意した時に助けようとした桧山さん。

 恋人として一緒に日々を大切に暮らそうと約束してくれた桧山さん。

 そこまでしてくれた桧山さんが好きで好きで大好きでたまらないです!! もう、牢屋に閉じ込めて一緒に眺めて暮らしたい!! 
他の女性に体を触れるだけで嫌なんですぅ!! 好き好き愛している桧山さん。

「あっ、剛くんと泥棒猫が腕を組んでいるぅ!!」

 えっ……。
 い、嫌。
 その光景は私がもっとも見たくなかったのに。
 桧山さんっっっ!!

 私は本来の目的だった尾行を忘れて、走りだした。
 大好きな桧山さんが他の女の子の所に行ってしまう!!

 走る。大好きなあなたの元へ。
 桧山さんの隣にいていいのは私だけなんだからぁぁぁ!!

 走るのはいいんですが、このきぐるみの中は暑すぎますよこれ。うわっ……。
マジで焼け死にますよこれ。ひ、桧山さん助けてください。
 蒸し暑さに耐えられない私は朦朧としながらも彼の元へ走り、二人に追い付いた途端に倒れ尽きた。
 仰向けになっている私は自力で脱げないきぐるみから解放されるために恥をしのんで、大声で桧山さんに助けを求めた。

「わんわん。桧山さん助けてぇぇぇぇぇーーー!!」

 両足と両腕を思い切りバタバタと動かして大げさに暴れています。
桧山さんの前でこんなはしたない姿を見せるなんて恥ずかしいです。

特に新ライバルの前で無様な姿を見せるはめになろうとは……。無念わん。
「そ、そんな? ま、まさか? 雪桜さん?」

 はい。そうですよ。桧山さんの恋人の雪桜さんですよ。
 桧山さんが背中のチャックを開くと私はきぐるみ蒸し地獄から解放されます。

顔や体に汗がたっぷりとかいているので後でシャワーを浴びないといけません。
 さて、距離を開いて尾行していた時には桧山に近寄ってくるメス猫の顔が見れなかったけど、今なら堂々と拝んでやります。
 桧山さんの横に並んでいるメス猫の姿を見て、私は驚愕していた。

「ど、どういうことなの?」
 その女性の素顔に私は衝撃を隠せずにいた。
806トライデント ◆mxSuEoo52c :2006/12/08(金) 21:03:27 ID:53+FbI2Q
次スレの埋めネタ 予告
桧山剛の浮気相手が発覚
ヒント 猫耳と犬耳

意味分からんヒントですw

上記の私の書いたSSのせいで荒れていますね
その度は本当に申し訳ないと思います
私にもう少し文章力があれば良かったのですが
他の神の方達に投稿しづらい空気を作ってしまったことを
この場を借りて謝罪致します。

次回、水澄の蒼い空の更新をしてから
しばし、謹慎しようと思います。
それでは。




807名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 21:12:58 ID:20y0e0MK
GJ!雪桜さんテラモエス(*´д`*)ハァハァ 

>しばし、謹慎しようと思います
工エエェェ(´д`)ェェエエ工 ネタだよね?
そもそもSSスレで文章力にケチつける奴は(ry
808名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 21:19:03 ID:bTtNCsF7
マジかよ・・・・
809名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 21:19:19 ID:B4vhXnJq
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ
 ∪  ノ
  ∪∪
810名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 21:23:03 ID:cUFHoORk
謹慎って・・・
あんな事だけでそこまでするのは少し・・・・





811名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 21:28:42 ID:EqNWoqoo
おーい、謹慎しなくていいですよー。てか謹慎しないで!!
812名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 21:47:55 ID:qe9Kt2Ju
有名になると妬みやっかみがあるもんだよ。
これだと嵐の思う壷なんだよ・・・
他の職人さんも書きづらい環境になってしまうよ。
なんとか考え直してくれまいか
813名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 22:10:20 ID:DtFacSC3
トライデント氏も考えて決めたことだろうし、読者のワガママで無理に引き止めるのはやめようよ…
814名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 22:21:02 ID:DEOxdZEn
まぁ荒らしにとっては嬉しいだろうがな
815名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 22:44:45 ID:x7fR7r3Z
まさに嫉妬スレですね
816名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 22:46:42 ID:cUFHoORk
ただ反応を見て喜んでるだけかもね
817名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 23:02:18 ID:0+cWjP/3
ハッ・・・まぁ怒るな
818名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 02:58:57 ID:E5plq2qE
冗談きついぜ……べいべッ
         .。::+。゚:゜゚。・::。.        .。::・。゚:゜゚。*::。.
      .。:*:゚:。:+゚*:゚。:+。・::。゚+:。   。:*゚。::・。*:。゚:+゚*:。:゚:+:。.
ウワ━.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚━━━━゚(ノД`)゚━━━━゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.━ン!!
  。+゜:*゜:・゜。:+゜                   ゜+:。゜・:゜+:゜*。
.:*::+。゜・:+::*                        *::+:・゜。+::*:.
819名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 12:18:52 ID:OdKOlMxS
個人的にはトライデント氏の作品が一番好きだったのに…
820名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 15:59:45 ID:urpCXJjP
ヤダヤダ _,,_
〃〃 (`Д´∩
   ⊂   (
    ヽ∩ つ
821名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 17:03:29 ID:o9h3tyy1
おまいらこそ、その書き込みこそ投下しづらい空気にしてるのを気付け
822名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 19:55:35 ID:AYJgdd0K
( ´∀`) オマエモナー
823名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 20:55:38 ID:l6TvpQVc
すでに、このスレは雑談とおふざけの場となりました。
まじめな話がしたい人は、次スレへGO!
824名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 21:02:12 ID:uLT5ZKA3
後は35KBも残っているんだから埋めなきゃね

825名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:07:16 ID:c9MLoY/7
おまいら嫉妬深そうな女見つけたら俺に教えてくれ
826名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:12:12 ID:AYJgdd0K
犬っぽい女、猫っぽい女、狐っぽい女、蛇っぽい女、
どれがいい?
827名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:15:40 ID:YIYtQz7d
寂しがりやで年中発情しぱなっしの兎みたいな娘
828名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:19:16 ID:keXgNNsn
そういうのはすぐ浮気する
829名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:22:26 ID:c9MLoY/7
>>826
狐っぽい女で
830名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:30:02 ID:uFvcGFne
年中発情ってNTRのネタになりやすいと思。
831名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:37:11 ID:c9MLoY/7
まぁすぐに目移りする女は修羅場とは無縁だからな
832名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:45:50 ID:l6TvpQVc
カップル板の修羅場スレだと、たまにあるよ。
浮気した女が、「本当に愛してるのはあんただけなんよ!」とかいうやつ。

そこから新しく仲良くなった女に危害を加えるとかあったら面白そうなんだろうけれどなぁ……。
833名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:49:28 ID:c9MLoY/7
>>832
そうか、そういう流れあったな!

まだまだ俺も修羅場の勉強が足りんようだな・・・
834名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 23:01:44 ID:LWdrc1/L
まあ、浮気しちゃったりすると修羅場参加資格みたいのが…というか…ねw
835名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 23:06:49 ID:j3VWZO3L
むしろ浮気こそが修羅場の呼び水ではないか
836名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 23:12:31 ID:Hj+80oPo
表面上では犬っぽいけど内心は蛇のような女。
事例で現す。
昨日まで主人公と仲良く話していた女がいつの間にか行方不明だ。
そこで主人公が犬っぽい女にそのことを尋ねてみると知らないという。
犬っぽい女はいかにも心配そうな顔をしている。
だが当然消したのはこの犬っぽい女な?
その後犬っぽい女は主人公と別れて家に帰る。
自分の部屋に入ると雰囲気ががらりと変わる。
そして感情剥き出しで「なんであんな女の事を私に話すの!?」
と、部屋にある主人公人形を問い詰める。
最終的に主人公を部屋の人形と同一視して監禁する。
そんな女が最高。
837名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 23:38:51 ID:uFvcGFne
主人公と人形を同一視ってのが俺的には萎える。
838名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 00:20:57 ID:jl7L7nU/
帰り際の教室で、僕は今日も誰も座らなかった席を眺めながら言った
「変だなぁ…、友梨もう三日も学校休んでるよ…」
「透…?」
すると、隣から黒いオーラが…!!!
「あ、あぁ美加か…、どうした?顔怖いよ?」
「ううん、なんでもない!それより早く帰ろ?」
一瞬般若のような顔になっていたが、一転して屈託のない笑顔を浮かべた。
いつもの美加だ。幼馴染みの美加。



「透のバカッ!!!」
バスッ
そんな音を立てて人形が床に叩きつけられた。
「透の為に消したのに!!!なんで心配なんかするの!!!」
バスッバスッ
私は叫びながら叩き続けた。
「…ハアッ、ハアッ」
一時間ほどそれを続けて、息を荒げながらへたり込む。
虚ろな瞳で人形を眺める。
人形は、人の形をしている。
だが、度重なるこの行為によって、ボロボロだ。
そうしている内に、瞳に生気が戻る。
「ぁ…ぁあ!!!」
「ゴメンね?透!嫌いにならないで!」
人形を抱きしめ言う。
「元はといえば透が悪いんだから…ウフフ」
「次、あんな事したら…お仕置きだから…ウフフ♪」
ウフフ、アハッイヒッウフフフフ…♪


つ『犬型へび娘』
839名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 00:53:32 ID:Jw+2Rmld
ちょっと怖いが後半で萌えた俺って一体・・・
相手を消すまで行かなければ
俺の中で完璧にツボだったかもと考えると
自分が怖い・・・
840名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 01:22:15 ID:WIjMVyCk
嫉妬スレにおいては、ヤンデレ化は手段であって目的ではないはずなんだが、
我らが女神、言葉様からしてヤンデレであって…う〜ん
明確な線引きはしない方が吉っぽいな。

ヤンデレハルヒの人のとこにあったほのぼの純愛はこのスレではどうなの?
841名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 01:37:24 ID:pmX0XAKG
え?最高だけど?
842名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 06:58:45 ID:GNx+rJEn
age
843名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 17:06:13 ID:jBGyiv0i
男が女を寝取るのはイヤだが、女が男を寝取るのはGJ
844名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 17:39:28 ID:F4MEpNpd
それでは埋めネタ投下します。
845魔法少女 ◆n6LQPM.CMA :2006/12/10(日) 17:41:08 ID:F4MEpNpd
第三話「魔女、集う」



「シ〜〜〜ンちゃ〜〜〜ん、会いたかったよ!!」

月を背に飛んでいた蝙蝠の羽を持つ少女(見た目)は、シーンを見つけるやいなや急降下し、
体当たりをしてきた。

「おっと、相変わらず猪突猛進ね。フライヤーは」
「えへへ。シーンちゃんを見たらつい、ね」
「あの〜〜、どちらさんですか??」

まったく状況についていけない亀有は恐る恐るシーンに聞いた。

「?シーンちゃん、だれこのニンゲンは」
「ああ、紹介するわ。「使い魔」のカメアリよ」
「へ〜〜、カメアリってんだ。私は「南アメリカ」担当のフライヤー。宜しくね」

俺は目の前に起きている現実を受け入れなければいけないんだろうか。
魔女っていうのも相当受け入れられないけど、この背中に羽を生やしている女の子を
どう認識すればいいのやら……
ん?「南アメリカ」担当??

「ち、ちょっと!!「南アメリカ」担当って何??」
「え?シーンちゃんその辺説明してないの?」
「そういえば邪魔ばっかりされてて、説明してなかったわね。……そうね、このあと「お茶会」
が始まるから行きながら説明するわ」



846魔法少女 ◆n6LQPM.CMA :2006/12/10(日) 17:42:09 ID:F4MEpNpd
―――西ヨーロッパ―――

「キシャアアアアアアアア!!!」
「バンプ、もうその辺にしなさい」

バンプと呼ばれたレッドドラゴンは、炎のブレスを吐いて攻撃してきた戦闘機を
撃ち落していた。そのドラゴンに跨っている魔女は面白くなさそうにその光景を見つめて

「何百年経っても「ココ」は変わらないわね。……魔女にとっての古巣、そして忌まわしい土地」
「グルル………」
「……そうね。感傷に浸ってる場合じゃないわね。そろそろ向かうか」

炎のブレスで焼かれた市街地を尻目に、ドラゴンは目的地へ向けて飛びだった。



「さっき魔女は6人召喚されたってとこまでは話したわよね。で、各地に現れた魔女は
担当区があって、その区で一番魔力が集まるポイントを探し出し、来るべき隕石撃退に備える
ってわけ。おわかり?」
「なるほど……じゃあシーンはどこなの?」
「私?決まってるじゃない〜〜。カメアリ担当よ♪うふっ」

潤んだ瞳で亀有の胸やお腹をツンツン突くシーンの手を払いのけ

「違うだろ!!場所は何処だって聞いてんの!!」
「んもうマジメね〜〜。私は「極東、東南アジア」担当よ」
「あ!シーンちゃん、着いたよ」
847魔法少女 ◆n6LQPM.CMA :2006/12/10(日) 17:43:21 ID:F4MEpNpd
フライヤーが指差した場所。それは正に有りえない光景だった。
何も無い空間、所謂空中に「島」が浮かんでて、噴水や花が咲き乱れ、その中央に
丸いテーブルを囲むように6脚の椅子が置いてあった。
言うなれば「空中庭園」と言った所か。
二人はゆっくりと着地して

「もう何でもアリだな……というかすごい」
「わーーい、一番乗りぃ!!」

フライヤーが飛びつくように椅子に座り、シーンもその隣に座ろうとしたが

「皆が集まるまで暇ね……そうだ!!」
「ん?どうした?……えっとシーン、何そのにぎにぎした手つきは!!ちょっと!!眼が
不気味に光ってるんですけど!!じりじり近づくな!!……こうなったら!!」
「あ?!逃げた!!フライヤー、追うわよ!!」
「がってんだ〜〜」





10分後

「イヤッ!!……や、やめて……おかーーさーーん!!」
「へっへっへっ。呼べど叫べど助けなんかこないわーー!!わっはっはっ」
「シーンちゃんえろえろ―――!!」

そんなに広くない庭園では、どう足掻いても逃げても無駄で結局捕まり
野卑な声をあげながらシーンは亀有の服を剥がしに掛かっていた。
抵抗空しく亀有は服をひん剥かれ、パンツ一丁で最後の抵抗をしていた。が、
いよいよという時に急に辺りが真っ暗になり

「……ちっ、あと一歩という所だったのに」
「へっ?」
848魔法少女 ◆n6LQPM.CMA :2006/12/10(日) 17:44:15 ID:F4MEpNpd
シーンが見上げた先、そこにはよく映画や漫画で言うところの「ドラゴン」が
ゆっくりと降下してきて、適度な空き地に降り立った。
それを見ていたフライヤーが駆けつけてきて

「ね、ね、シーンちゃん。カメアリ見つかると面倒じゃない?「ニンゲン」の使い魔
が何で「お茶会」に参加してんだ――!!って言われるかも」
「あ、そうかも。カメアリ、コッチに来て」
「あ、ああ」

シーンがカメアリの手を引っ張って連れ込んだ先、そこはちょっと奥にある林だった。

「この姿のままじゃ多分八つ裂きにされるだろうから、暫く「コッチ」に入ってて」

そう言ってシーンが取り出したのは、コアラのぬいぐるみだ。

「え、ちょっとこれに入ってろって……どういうこと?」
「こういうことよ。えいっ!」

亀有の胸に手を当てたシーンはそのまま胸の中へ手を入れ、何やらもぞもぞしたかと
思ったら、何かを掴みそれをぬいぐるみに入れた。

「どお?感じは」
「うっ……うっ……俺って泥人形になったりぬいぐるみになったり……」

手の平サイズに戻った泥人形を片付け、ぬいぐるみを手にとったシーンは

「「お茶会」が終わるまで、ちょっとだけ我慢してね」



849魔法少女 ◆n6LQPM.CMA :2006/12/10(日) 17:45:37 ID:F4MEpNpd
コアラのヌイグルミを抱えて急いでテーブルに戻ってみると、ドラゴンに乗っていたと思われる
魔女が2人テーブルに近づいてきた。

「……………………着いた」
「さすがにドラゴンのスピードでも結構遠かったわね」

もうドラゴンぐらいじゃ驚かないが……また凄い組み合わせの魔女が来たもんだ。
一人は、所謂ゴスロリファッションに傘を持った魔女に
もう一人は甲冑を着た……騎士?いやたぶん魔女だろう。
ドラゴンをあやしている所を見ると、ドラゴンの使い手なんだろうか?

「先客がいたか……これであと2人、か」
「……………………来た」
「シ―――――――――――ン!!!!てめえ!!!殺す!!!」

下品な言葉と共に何かが飛んできたが……

「あ、あれ、と、止まらない!!きゃ――――!!」

哀れ、飛んできた「ヒト」は庭園の奥の林に突っ込んでいった。と同時に地平線の
彼方からゆっくりと何か大きい物体が飛んできた
850魔法少女 ◆n6LQPM.CMA :2006/12/10(日) 17:46:30 ID:F4MEpNpd
「キャ―――!!カメアリ、何よあれ!!」
「へ?何って……ああ、あれは飛行船だよ」
「ヒコウセン?それって何よ!!ニンゲンの兵器?だったらぶっ壊してやる!!」
「ちょっと待て、あれはただの乗り物!!別に何もしないよ」
「……そうなの?」

そう、よく広告を船体に貼り付けて空をゆっくり飛んでいるあの飛行船だ。
その飛行船が庭園の上に止まると、ステップから誰かが降りてきた。

「うん、この乗り物は気に入った。コトが終わったら魔女界に持って帰ろう」
「承知致しました。お嬢様」
「ヤッホ―――!!シーンちゃん元気してる?」
「ゲ、カットお姉ちゃん?!何で!!」



次回予告
遂に集まった魔女6人+1人!!彼女らがもたらすのは破壊か殺戮か。
そして彼女らが言う「お茶会」なるものの正体は?!
無関心、怒り、羨望、傲慢……その心の向かう先には一体……

次回「魔法少女」第四話「魔女、騒ぐ」

「イタタ……やっと止まった。うーん、原因は魔石の制御の失敗か。まあいいわ、次こそは!!
そしてシーンを……殺す!!」
851 ◆n6LQPM.CMA :2006/12/10(日) 17:51:28 ID:F4MEpNpd
ここで少しイメージを……
「カメアリ」はKAT−TUNの亀梨
「シーン」はタクティクスオウガのデネブ
「フライヤー」はブラマトのプリカ

こんな感じでイメージしながら書いてます。
他のキャラはまた後ほど。
新作も出来たので容量が残っていたら数日中に投下します。
852名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 17:53:52 ID:hCvQUac1
カメアリだけは言われなくてもわかってたよ
たまに両津が頭に浮かぶけど
853名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 17:54:27 ID:s9H/tHoS
乙ん

たまに亀有がカナリアに読めて困る
854名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 21:17:37 ID:YqM0xZt0
カメリアって読んでた
855名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 23:58:40 ID:Ap87omLw
ダイアモンドか
856名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 16:58:01 ID:ysF26adc
埋めようぜ!!
857名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 18:42:33 ID:NJZac5Qm
ドラゴンボール!!
858名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 20:56:36 ID:wbkXQV4U
世界にいっとーてごわい嫉妬ー
859名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 21:12:05 ID:0rIRBuGn
レナ「あはははははははははははははっはははっははははははははははははははははははっはは
   あはははははははははははははっはははっははははははははははははははははははっはは
    あはははははははははははははっはははっははははははははははははははははははっはは
    あはははははははははははははっはははっははははははははははははははははははっはは
    あはははははははははははははっはははっははははははははははははははははははっはは
    あはははははははははははははっはははっははははははははははははははははははっはは
    あはははははははははははははっはははっははははははははははははははははははっはは
    あはははははははははははははっはははっははははははははははははははははははっはは」
860名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 23:53:13 ID:xRc8Mj/A
この世ーはーでっかい修羅の園ー
861名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 00:03:19 ID:6KmD7Gfe
そうさーいまこそージェラベーンーチャー
862名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 13:41:47 ID:KtfsiEIY
まさしく「命がやべぇってのにオラわくわくしてきたぞ」って感じですな
863名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 22:52:03 ID:cTlPXjUE
>>22
ありがとう
864名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 23:41:13 ID:dE17mPs+
>>862
このスレ的にあてはまりすぎてワロタ
865名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 23:55:42 ID:kuR9PX2d
要するに愛された上で刺し殺されたいわけだから、変な趣向の持ち主だよなー。
866名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 01:40:01 ID:psis4tbq
・・・したら・・すから・・・
867名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 22:51:02 ID:5fmRebB9
アマチュア(同人)ゲーム板にスレ立てたら、需要ってあるかな?
868名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 21:16:43 ID:sIPsHKz/
サンデーの結界師に修羅場向きの新キャラが出てた
869名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 21:21:14 ID:DvsstzPX
kwsk
870名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 11:33:25 ID:sy4IW36R
>>867
同人ゲーに修羅場ゲーがあるの?
それとも同人ゲー製作者に作ってクレクレしたいの?
871名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 11:54:05 ID:hQICHPm3
とりあえずは修羅場ゲーの紹介。
そこから修羅場スキーが暴走してゲーム作成。

……って流れで進んでくれたらうれしいかなぁ……。
872名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 20:56:11 ID:4QdQaXJz
>869
今週出た少年サンデーで、
学校の屋上から落ちた女の子を主人公が助ける
→一目惚れ→「運命だと思ってるから」
→主人公の下駄箱に自分の写真を飾り立てて入れる
→弁当渡す→給食がある主人公は弁当を返しにいく
→主人公、直接は会いたくないので 年上幼なじみ(女)姿 の式神を使って返す
→弁当を返された子、とてもいい笑顔で「まずは邪魔者を消さなきゃね」

ま、少年誌だから無難な所に落ちると思うけどね。
873名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 21:04:14 ID:jfcb8dU/
それなんて漫画?
874名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 21:25:54 ID:4QdQaXJz
875名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 22:54:09 ID:dE8gBtDN
>>872
結界師の作者ってこのスレの住人なのかな
そんな気がする
876名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 23:01:31 ID:W9RFp7ob
短絡的じゃね
877名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 23:06:02 ID:sy4IW36R
馬鹿?
878名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 14:13:03 ID:FZBpVife
|ω・`) 希望を持つのがいいことだ
もう既に何度もこういう希望が打ち砕かれてきたので慣れた
879名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 01:55:01 ID:nn0mlMGw
もうパーフェクトもハーモニーも無いんだよ…
880名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 19:25:15 ID:ieLvKMoL
なんだかなあ
881名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 21:05:38 ID:9+IXavYQ
こんな状態だから言える
ヤンデレハルヒのSSどこ?
882名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 02:36:00 ID:rMMIoWVM
ぐぐればわかる
883名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 17:37:31 ID:lEq9wGx7
884名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 17:38:06 ID:mc9K0brJ
ヤンデレハルヒ

でやればいいんじゃないのか
885名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 18:52:36 ID:lEq9wGx7
>>884
それでもやったができんかった
886名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 18:59:22 ID:mc9K0brJ
つ ttp://souutu.exblog.jp/

普通に出てくるがな
887名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 19:00:12 ID:mc9K0brJ
あ、忘れたけど

これの長編って所ね
888名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 16:58:00 ID:oQWm8CP6
埋めれるのか?

いや、埋めるんだ

行くぜ!!



  /:./.:::  .:: .:::::: :ハ::: :..:.. .   : .:i:.:ヽ:ヽ  :. : :.: \ -‐''´
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     | iヽ ::ト.├、:.:.i ト-(、◎i         l   | | l  |         
    //  ::{入Y:\{. !ゞ ノ"} !         l    | 丶 丶
    //::  ::\ヾっ ヽ  r ' |              丶 丶'
   //!:  :.:.:i::.:`ー弋   丶 }               \'
   // | : ::.:i:.:.:.:i:.:.:.::ヽ   '-ミY           ,. -'´   ∠ミーニ丶、
  // | :::.:.:.i:.:.:.:i:.:.::.:.:.|\ // )         /   r;┬':
  //  |:.:.:.:.:i.::..:.:i:.:.:.:.::.|  `  丶、_ _/ ̄>-'⌒ー‐'´
889名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 20:21:42 ID:rwaNHBq4
>>888見て気づいた
次スレ移行してたのね・・・
最近書き込み少ないな〜って思いながら眺めてたんですよ・・・
新参者だからペースとかよくわかってなくて

悲しい気分になりました。

元気になる小説紹介してください
既読は[血塗れ竜][不義理チョコ][妹(わたし)は実兄(あなた)を愛してる][合鍵][もし、神様がいるのなら……][鬼ごっこ]です
890名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 20:32:53 ID:akVpgjt0
>>889
手前で読め
891名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 21:30:04 ID:ZGhK3jUg
>>889
全部おすすめ
892名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 10:41:39 ID:nqt4dbXP
修羅場で元気に……なるなる!
ならねーよ!
893名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 12:24:43 ID:+pRG3hD1
いや、人それぞれだろ。
俺なんか、△△で○○がダンプカーに撥ねられたところで

ワッショ━━━━(゚∀゚)━━━━イッ!!

そのあと●●の所に凶器をもって這いずって来た所では

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

ってな感じになったから。
894名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 00:50:45 ID:ltZgxfua
あの作品のせいで逆レイプ好きになったおれ
895名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 00:58:14 ID:HBCp/FoI
まったく変態だらけだな

俺も含めて
896名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 10:44:03 ID:ISZ/Lu6P
>>895
お前は俺か
897名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 01:03:12 ID:GUbQHZk5
エロパロ倉庫の長門有希の嫉妬がいいかんじだった
898名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 06:50:02 ID:9s7TgYEi
あいつは任務に支障を与える…とか言って消去すんのか
899名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 01:04:56 ID:wfUkCqoA
いや、純粋に黒いだけだよ
900名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 08:05:28 ID:Dfw4+F9G
見たけどつまらんね
901名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 19:50:32 ID:tyqKiM8H
.眠いよ・・・ママン
902名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 20:45:32 ID:wfUkCqoA
埋めネタが欲しいなぁ
このまま落ちたり1000までダラダラ行くのはちょっと嫌だなぁ
903名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:47:30 ID:tyqKiM8H
「ただいま」
「おかえり!おにいちゃん」
抱きついてくる妹
「この匂い・・・またあのメス犬のとこへいってたのね!!」
「ごめんよ・・・」
「私が犬嫌いなの知ってるでしょ!!私は猫派なの!!犬なんて大嫌い!!」
つまらなくてスマソ
やっぱ無理だ・・だれか埋めネタを・・・うう・・・
904名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:51:18 ID:pg42I+ts
あはは、おかしいなぁ、ちゃんとふたりで話し合ったのに、まだ>>902は私以外のものが欲しいの?

デートもしたのに。手料理も食べさせてあげたのに。キスもしたのに。エッチなこともしたのに。
監禁もしたのに。絶食もしたのに。鞭打ちもしたのに。フライパンで殴ったのに。彫刻刀で刺したのに。

…あはは、それじゃあもう一度最初からやり直そうか、先ずは…これね。
905名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:57:03 ID:tyqKiM8H
>>904
GJ!!!
906名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 22:25:26 ID:JrqKfl3h
>>904様お願いします
907名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 23:34:07 ID:pg42I+ts
「兄さんの馬鹿ぁっ!」

私の絶叫と平手打ちの音が部屋内に木霊する。
兄さんは馬鹿だ。身近にこんなに可愛い女の子が居るのに他の女の子ばかり見ようとする。
兄さんは馬鹿だ。休日にデートに誘うと恥ずかしいと言って付き合ってくれない。
兄さんは馬鹿だ。私がラブレターを貰ったことを話したのに嫉妬するそぶりも見せない。
兄さんは馬鹿だ。私が勇気を振り絞って告白したのに応えてくれない。
兄さんは馬鹿だ。告白した次の日、学校で美人の幼馴染に告白してOKを貰ってた。
兄さんは馬鹿だ。兄さんは馬鹿だ。兄さんは馬鹿だ。兄さんは馬鹿だ。兄サンは馬鹿ダ。
兄サンは馬鹿ダ。兄サンハバカダ。兄サンハバカダ。兄サンハバカダ。兄サンハバカダ。
ニイサンハバカダ。ニイサンハバカダ。ニイサンハバカダ。ニイサンハバカダ。
ニイサンハバカダ。ニイサンハバカダ。ニイサンハバカダ。ニイサンハバカダ。
ニイサンハ―――

「でもね、私はそんな兄さんを愛しているの」

そう言って兄さんに口付けをする。
私の愛する兄さん。兄さんは私ではなく幼馴染のあの女と付き合うような馬鹿だけど、
私だけと接していれば馬鹿でも誰にも迷惑がかからないわよね。

だから、監禁したの。

首輪の鎖をベッドに取り付けたから、世話は私が部屋に来てあげないといけない。
両手も後ろ手に縛ったから、食事も私が手ずから食べさせてあげないといけない。
服も剥ぎ取ったから、寒ければ私が肌で暖めてあげなければいけない。

本当に世話の焼ける兄さん。
だから早くお利口さんになって私だけを見てね?

「兄さん、愛しているわ」
908名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 23:50:44 ID:pg42I+ts
スレタイに沿った梅ネタを書いてみた。
妹曰く「兄さんの馬鹿」ならなんでもよかった。
もちろん反省なんかこれっぽっちもしていない。

か、勘違いしないでね、け、決して>>905-906に言われたから書いたんじゃないんだからね!
909名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 04:38:22 ID:Ey/K7ij9
ツンデレGJ!
910名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 16:45:57 ID:mqi238xY
>>908
兄乙
今頃908は妹と素敵なクリスマスを過ごしてるだろうな
908さんに幸あれ (´・ω・`)b
911名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 17:04:01 ID:anCZ/R7D
すごいことに気づいた。今23スレが491KB、24スレが495KBでなんか逆転してる。

別にすごくねえ。つー訳で小ネタ会話します。泥棒猫のクラスメイトが彼女さんの嫉妬の二次災害に耐えきれず進言しにきた。みたいな。
912名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 17:06:05 ID:anCZ/R7D
「木口杏、お前に頼みがある。授業中以外浩介と接触するな」
「嫌。無理。却下。だって私浩介のこと好きなんだもん」
「それは誰でも知ってる。だが浩介には隣のクラスの千穂という彼女がいる」
「別に会話と軽いスキンシップしかしてないよ?それ以上は頑張って我慢してるのに…」
「お前は後ろからいきなり抱きついたり板ガムでポッキーゲームしたりすることを
 軽いスキンシップと言い張る気か!?」
「ハグは挨拶だよっ」
「欧米か!」
「板ガムは浩介がくれって言うから」
「普通にあげりゃいいだろが!」
「恋する乙女はチャンスを逃しません☆」
「…とにかく今後そういった行為は千穂の目に入る可能性のある場所ではやめて下さい。
 このままでは人的被害がでます」
「それはないでしょ。だって千穂ちゃん私にカッターで切りかかってから対人暴力禁止令
 くらってるもん。あの子が浩介に嫌われる可能性あること出来るわけないじゃん」
「あの絶対零度の目つきと身にまとったどす黒い空気は充分脅威だ!」
「まぁ千穂ちゃんの出すオーラは並外れてるからねー」
「しかもたまにならまだ耐えようもあるが千穂が来るのは毎休み時間だぞ!始業前と放課後
 いれて1日7回もあんなタタリ神みたいなのが教室に来てみろ!もののけ姫だって
 怖じ気づくわ!」
「本当に大変なんだねぇ」
「お前のせいだぞ!」
「だからって私は浩介を諦めないよ。だって好きだから」
「誰を好きになってどうするかは個人の自由だ。だがな、杏。ボコボコになった掃除ロッカーや
 ゴミ箱になんて謝ればいい?嵐のあとの修復は意外と大変だぞ?千穂さんの目の前に
 いたばかりにお前への呪詛の言葉を延々聞き続けなきゃいけなくなった奴の心は
 誰が守ってやればいいんだ?」
「いい壊れ具合だね千穂ちゃん」
「だから止めてくれと言って
「なんで止めなきゃいけないの?千穂ちゃんが壊れて壊れてどうしようもなくなって
 浩介が愛想尽かすのを私は待ってるのに。だいぶたまってるみたいで嬉しいよ。
 このまま自殺でもしてくれたら助かるんだけどな」
「…杏。そのために俺らはどれぐらい犠牲になったらいいんだ」
「知らないよ。嫌なら千穂ちゃん殺してきて」
「お前、正気か?」
「もちろん。浩介を好きになった瞬間から私は修羅の道を進んでも彼を手に入れるって決めたから」

そう言って笑った杏の目は絶対零度の千穂の目とは対象的に輝いていた。
913名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 17:07:37 ID:anCZ/R7D
続かないよ。つかSS完結させる力俺も欲しい…
914名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 18:49:29 ID:uJqXHnBS
会話中心のSSってのも良いね。
915名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 18:04:52 ID:iBur9U8Y
      ┌                     n /7
      ヘ 「ト                  L|ム//)
     く  ゝ)      _        へ人  ヘ∠
      て彡      |  ハ        `┤フ⌒ヘ⊃
       .| ヘ     .| ノ |-イ_  - 不 ーーイ
       |\ ⌒\  .Y / √ /イ  \二 彡
        ヘ  i⌒ <〜 Y//  / ヘ /    ノ
        ーへ //⌒>イ.( ヘ  入   /
         \《   / / |ヘ ノ </ーイ
           ヽヘノ へ ヘ√  | |
            | |ーー| |へ ム┘
           //ーー// √
          √(⌒)□へ      ww      ザ・500kb!
           i (^"^)\  ゝ    <イヘ|     スレは止まる!
           |/ ヽイ⌒ -イヘ    ヽヲiヘ
         . / /ヽヒ/ /  ヽ / フ⌒( ヘ
         ./ ん )ヘ (   <⌒ へ  ト ノ
        ./   )/  \ヽ人 ⌒) )イムi )
       ん   /     √  イイヘムイ
       | ) (  n /彳ヲ/ミヲ   | ヘ
        イ(⌒) ヒ >    /  ( \ (彡ヘ
       .|  イ Eイ  イ |   ヘ  ) mm7
        ) (  <  イ ヽヘ  ヘ ゝ
        へイ   |ア~ヘ   く ヘ人
       入ノ    \_/ヘ   ヽ|_\へ
       //      | ノ)     へ ヘii|
             ∠_/      んゝ \
916名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 19:19:18 ID:WrvyNoVe
そして時は動き出す
917名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 19:36:23 ID:1L4wtDoX
やれやれだぜ
918名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 03:56:27 ID:rMC0hP5a
たおやかな両手は、弟をかすめ取った毒婦を馬乗りになって殴りつけすぎたせいで血でぐちゃぐちゃのボロボロで、
たぎる嫉妬をこらえるために噛み締めていた下唇は裂けて血がだらり、とながれ、目は濁り、両頬には涙の跡…

そんなスサマジク、幽霊的な美しさの義姉さんが、語尾がうわずるオカシナ調子の話し方で、「さみしいよぉ…お姉ちゃんのこと捨てないで……お姉ちゃんを抱きしめてちょうだい…ちょうだいよ……お願いだから……」と言い寄ってくる。とってもステキ。
919名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 13:18:26 ID:T4BS5aGi
1000までもつか?
920名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 01:28:26 ID:ZGLuyAtg
大型AAが来なければ持つ…かも。
921名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 13:41:12 ID:g8U6+oPk
そんなことよりオセロやろうぜ!

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922名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 13:53:09 ID:8aE2IHBF
500k制限のせいで1000行けるかどうかを心配するSSスレって贅沢だよな
923名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 15:06:40 ID:b/naIvnA
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924名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 15:12:47 ID:ZGLuyAtg
さよならか。
925うめ:2006/12/28(木) 15:32:06 ID:sYV8N74c
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926名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 15:47:25 ID:b/naIvnA
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927名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 15:48:23 ID:pvmIlMsz
今からオセロ始めても終わんねーよw
928名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 16:14:07 ID:OsmDWav/
ワロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
929名無しさん@ピンキー
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