【涼宮ハルヒ】谷川流 the 18章【学校を出よう!】

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1名無しさん@ピンキー
谷川流スレッド設立に伴う所信表明

我がスレッドでは、谷川流作品のSSを広く募集しています。
過去にエロいSSを書いたことがある人
今現在、とても萌え萌えなSSを書いている人
遠からず、すばらしいSSを書く予定がある人
そういう人が居たら、このスレッドに書き込むと良いです。
たちどころにレスがつくでしょう。
ただし、他の作品のSSでは駄目です。
谷川流作品じゃないといけません。注意してください。

@前スレ
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 17章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1151723911/

@過去ログ
http://www9.atwiki.jp/eroparo/pages/210.html

@これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

涼宮ハルヒのSS保管庫 予備
http://haluhi9000.h.fc2.com/
2名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:36:47 ID:pyB4Ga8Y
おちゅ
3名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:37:03 ID:dziv84/4
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由だが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。

Q煽られたんだけど?
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人なら気にしません。

Q見たいキャラのSSが無いんだけど。
A無ければ自分で作ればいいのよ!

Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。必要なのは妄想の力だけ… あとは思うままに書いて…

Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aあうう… 読み飛ばしてください。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。

Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろよ。

Q自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 職人さんにも色々あるのよ。

Q 投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A 拒否しない場合は基本的に収納される。 これは僕にとっても規定事項だ。
4名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:38:06 ID:pyB4Ga8Y
おちゅ
5名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:38:45 ID:dziv84/4
テンプレは修正案が出てたほうにしました。
6名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:39:12 ID:MR+tUJ3E
>>1
7名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:44:42 ID:RtegNWzf
>>1
8ジョン・スミス:2006/07/05(水) 22:48:20 ID:dhkkmpzR
初の一桁代のカキコミ
なんか嬉しいッス!

9名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:51:02 ID:VxeOQ+e5
>>1乙〜
10名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:54:02 ID:z144VGPC
>>1
11名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:56:14 ID:EkmdRAPd
>>1
12名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:56:53 ID:xyNThRV1
>>1
うんこ乙
13名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 22:58:44 ID:DjUcQryR
>>12
死ね。氏ねじゃなくて死ね、糞野郎。
14名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:03:51 ID:D+U7k82b
キョンx妹が少ないんだよなー。
名前が解れば書く気も出るのに。
15名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:05:02 ID:0XM+q77d
>>8
age荒らしは死ね。
16名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:05:12 ID:XPAWN6t3
キョンと妹で需要があるのか?
17名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:05:46 ID:EkmdRAPd
何所かにバイオハザード風なハルヒSS無いか?
18名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:07:28 ID:j6dEnZf0
長門さんものも少ないな
19名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:08:12 ID:dziv84/4
>>17
バイオ風ていうとホラーってこと?
20名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:09:08 ID:D+U7k82b
>>16 需要は知らないが一人が三人称で話が続くと違和感出ちゃうから。
需要はどうでもいいね。
21名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:10:21 ID:xyNThRV1
そう、需要はどうでもいい
許されるとか勘違いしてる人もどうでもいい
22名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:11:12 ID:EkmdRAPd
>>19
アクションホラーとか?
23名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:12:25 ID:xyNThRV1
24名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:56:32 ID:AL6J/W9J
>>17
ちょっとSIRENテイストなハルヒだったら今書いてる。
余りに膨大な量と設定とかの兼ね合いがあるからちょっと待っててくれ。
近々落とす。
25名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:05:55 ID:aqwj6xPk
>>24
了解です。あり
26名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:18:43 ID:2WhO3I9S
>>24
SIRENトヒル風ってのはどうだ。

血まみれのカエルの着ぐるみを着た朝比奈さんが(略
27名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:21:52 ID:ghVFiMKL
>>26
それだとSHIREN(シレン)風ハルヒの不思議なダンジョンも有りになりそうな予感
28名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:25:42 ID:aqwj6xPk
>>26
中身は黒ミクルか?
29名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:25:42 ID:u3hmHB5u
IDを良く見てくれよ、みんな。
スルー推奨
3015-146:2006/07/06(木) 00:29:06 ID:7IFgprmo
『涼宮ハルヒの転換』、続きを投下します。
女古泉X女キョンです。NGワードはメ欄にTSです。
31名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:29:45 ID:vvdQKo8l
>>29
Σ(゚Д゚;)




(ノД`)・゚・。アラシアツカイカヨ・・・。
3215-146:2006/07/06(木) 00:30:06 ID:7IFgprmo
 放課後になり、俺はいつも通りSOS団の部室へ向かった。女になっても、やることは大してかわらないらしい。
 既に習慣と化したノックの音を聞きながら、少し考えた。今の俺は女で、朝比奈さんは男なんだから、着替え中
に出くわしたって別にいいんじゃなかろうか。
 いや、俺がどうであっても、朝比奈さんは着替えを見られたら泣いてしまうだろうなあ。朝比奈さんの泣き顔は
超可愛いが、あまり見たくは無いんだ。
「どうぞ」
 ドアの向こうから聞こえるのは、透き通るような美しい声。忌々しいことに、昼休みに聞いた物と同じだった。う

んざりした顔の俺を迎えるのは、その声に見合う美しさを持った少女だ。
 いつもの席で、目の前にゲームボードを開いたまま笑顔で俺を見つめている。雰囲気だけは変わらない、ニヤケ
面でな。
「古泉……おまえ一人かよ」
 朝比奈さんが居ないのはわかっていたが、読書してるだけの長門でもいいから居てほしかったな。
「朝比奈さんは進路関係の説明会、長門さんはおそらくコンピューター研でしょう。先ほど、部長氏……ああ、彼
も眼鏡の似合う女性になっていましたが。その彼女が、新作ゲームのテストプレイを依頼しに来ていましたから」
 そこまで言うと、『涼宮さんは?』と尋ねてきた。俺はあいつのマネージャーかなんかか。知ってるけどな。
「あいつは掃除当番だ」
「なるほど、では皆が揃うまでの間、ゲームでもして時間を潰しましょう」
 言われなくても、そのつもりだ。おまえと二人きりでやることなんて男でも女でも他に無いだろ。少なくとも、
こいつの回りくどくてわかりにくい話を聞くよりは楽しいからな。
 そんなわけで、俺と古泉はいつもの暇つぶしを始めたわけだ。性別が変わってもこいつの腕前は変わってないの
で、ホントに暇つぶし以外の価値は見出せんがな。
 俺はサイコロを振り、コマを進め、古泉の得点をゴッソリと奪っていく。それでもこいつは笑顔のままだ。
 ほんと、こいつは勝負のしがいが無いやつだと思う。ハルヒみたく物理的報復に訴えてくるのは勘弁だが部長氏
程度のリアクションは見せて欲しいもんだ。
 さて俺が予想通り、何の面白味も無く古泉を負かすことになるだろう、直前のこと。
「おっと、失礼」
 古泉はそう言うと、懐から小さなスティック型の物体を取り出した。キャップとなっている片側を取り外しもう
片側を回転させれば、筒の内部から仄かに色づいた部分がせり出してくる。そうちょうど口紅のように。
「誤解の無いように言っておきますが、これはリップクリームですからね。どうも最近、唇が荒れてしまって」
 俺の視線に気づいたらしい古泉が、苦笑しつつそう言った。
「あなたもいかがですか?」
「俺はそんなの気にしたことが無い」
「それはうらやましいことです」
 古泉が、リップクリームを唇に塗りつけられている。ただの医療行為に過ぎないことはわかっているのだが、問
題は今のこいつの姿だ。
 モデルのような長身に整った顔立ち、アイドルのような爽やか笑顔といった、男のこいつが持ってたむかつく要
因全てが、女となった今でも受け継がれているらしい。そしてこいつが男で無くなった今、俺はそういった美しさ
を僻み根性抜きで、公平な目で判断できるわけだ。
3315-146:2006/07/06(木) 00:30:37 ID:7IFgprmo
 ああ、ぶっちゃけるとかなりいい女だと思うね。どっかの女子高ならロサなんとかって呼ばれてるだろうさ。
 おまけに、こいつ朝比奈さんほどじゃないがスタイルがいい。ブレザーの上からでも、その下から存在を主張す
る二つの膨らみがわかる。ゲーム中、そいつらを寄せるように腕組んで考え込むんだから、少々目のやり場に困っ
た。
 ちなみに、俺の顔は男の時と同じくエキストラ役の似合う平凡面。身長も日本女子高生の平均160弱程度、ス
タイルの方は、それどころか平均以下だ。乳は無いし、他の肉付きも悪いしな。
 自分自身がそんなみすぼらしい出来になってるせいか、目の前のこいつの美しさが、けっこう気になってしまっ
てる俺だった。うらやましいとは思わんがな。
 だからな、リップクリームを塗られて、艶やかな光を放つ唇に目を奪われても仕方が無いと思うんだよ。
「………なにか?」
「別に?」
 何気ない様子で目を逸らす俺。あぶねえあぶねえ、こいつの唇に見惚れてた、なんて知られたら――――
 突然、ガタッと音がした。
 大した音ではない、椅子を引いて立ち上がる、学校では当たり前に聞く音だ。問題があるとすれば、それは目の
前の席に座っていた古泉が出した音だってことだが。
 ちょっと待て、なんで立ち上がる。まだゲーム終わってないだろ。俺がサイコロ振れば、なにが出ようとお前の
負けで終わるんだぞ。
 あのな、なんで寄せられた机を周って俺のトコにやってくるんだ。なんでそのニヤニヤ笑いを崩さないままなん
だ。
「さてなぜでしょう?」
 古泉は表情を崩さない。それを見て、俺は反射的に立ち上がった。俺の席までやってきたこいつから、慌てて距
離をとる。
 この時、俺を動かした感情は何かと尋ねられれば、『恐怖』と答えるしかないと思う。そしてなぜ恐怖を感じた
かと尋ねられれば、答えられないが、それがそのまま回答になるだろう。
 未知の物に対する恐怖って奴だと思う。
「おや、なぜ逃げるのですか?」
「おまえが来るからだ」
 俺の答えに苦笑しつつ、古泉は俺を追ってきた。俺を気遣うように、ゆっくりと、ゆっくりと。なぜか俺もその
歩みに合わせてしまい、こいつの動きから逃れることができない。
 気がつけば、部室のドアは古泉を挟んだ反対側にある。迂闊だった、最初に立ち上がったとき、ドアの方に逃げ
ればよかったのだ。
 ゆっくりと距離を狭めてくる古泉に対して、俺も同じ速度で後退していたが、不意に何かに背中をぶつけた。
 振り向けば、そこにあるのは薄汚れた黒板。つまり、行き止まりだ。
(やべっ……!?)
 黒板から視線を戻せば、さっきまで見惚れていた古泉の顔があった。眼前に。
「そんな、化物を見たような目で見なくてもいいじゃないですか」
「う、うるせえ。長門みたいな瞬間移動しやがって……」
 古泉が、俺を挟むように後ろの黒板にポンと手をついた。ほんとにただ手をついただけだというのに、俺の体は
その音にビクリと震える。
「そんなに警戒しないでください。別にあなたを責めるつもりはないんですよ」
 俺に顔を近づけ、諭すような口調で言う。
「自分で言うのもなんですが、今の僕の容姿はなかなか高い水準にあると言っていいでしょう」
 ほんとに自分で言うんじゃねえよ、こいつ。
34涼宮ハルヒの転換(題名忘れてた):2006/07/06(木) 00:31:27 ID:7IFgprmo
「そして、僕とあなたは女性化したとはいえ、長門さんのおかげで中身は男性のままです。つまり、異性の体にあ
らぬ思いを抱いたとしても、何の不思議も無いわけですよ」
 古泉は笑顔のまま、言う。俺の愚考を、全て許すかのような笑顔で。いつもなら嫌がらせくらいにしか感じられ
ないこいつの笑みが、今は素直に受け入れられた。
 たぶん、俺自身がこいつの許しを求めていたってことだろう。扱いにくい奴とはいえ、友人といえる人物をそー
いう対象として見てしまったわけだからな。罪悪感を感じないわけが無い。
「……ああ、そうだよ。朝比奈さんや長門、ハルヒのおかげでそれなりに女慣れしてるつもりだったんだがな。今
のお前みたいなタイプは初めてだったんで、ちょっと焦った」
 と、俺は白状した。自分に残る罪悪感を、そうすることで全て発散させるために。
「ええ、当たり前のことです」
 古泉は、変わらない笑顔で俺の懺悔を受け入れ

「だから、僕の気持ちもわかってくれますね?」

 そう、言った。
 俺がその台詞を理解する前に、俺の唇が塞がれていた。そして、俺の目の前には大写しになった古泉の顔がある。
 キスされた、そう気がついた瞬間には、唇が離れていた。
「あなたが僕の体に抱いていた思いを、当然僕も抱いていたというわけですよ」
 直前まで俺に触れていた唇が、そんな言葉を紡いでいる。その言葉が向けられているのは、もちろん俺だという
ことはわかっている。
 だが、俺の出来の悪い頭はそんな当たり前の事実さえ受け入れることができなかった。
 こいつが、俺と同じことを考えていただと?
 ゲームの間、いや女となった古泉の姿を見たときから、考えていたことを。
 綺麗な顔だな、髪サラサラだな、とか。
 乳でかいな、いい体してんな、どんな下着着けてんのかな、とか。
 触ったらどんな感触だろうか、とかよ。
 俺みたいな男子高校生(元)なら考えても仕方の無い、下世話な妄想って奴を、古泉が俺に抱いてたってのか?
 それを理解した瞬間、背筋に寒気が走る。自分が想像しているうちはなんとも思わなかったくせに、その対象が
自分って考えただけでこの有様だ。
 随分と都合のいい考え方だ、と思う。だが、自分を責めるより前に、この場から、こいつから逃げ出さねば――
―と、俺は考えていた。
 過去形なのは、そうする前に体を拘束されたからだ。
 古泉の、二度目のキスによって。
 さっきが一瞬触れるだけのバードキッスだったのに対し、今度は俺の口内まで舌を侵入させる、ディープな奴だ。
 俺はねじ込まれた舌を、自分の舌で押し返そうとした。だが、逆に古泉の舌が俺の舌に絡みつき、口内から引き
ずり出される。俺が反射的に舌を引き戻そうとすれば、それにあわせて古泉が舌を侵入させてくる。
 そんな攻防の繰り返しの結果、俺と古泉は互いに舌を絡ませているような状況になった。口内に唾液があふれ、
俺は溺れまいとしてそれを嚥下する。古泉も同じことをしていたため、お互いに唾液を吐き出し、すすりあうとい
う状況に陥っていた。
 肩口を、何かがずり落ちていく感触がする。脱がされたブレザーがパサリと床に落ちた瞬間、俺はようやく我に
帰った。
35涼宮ハルヒの転換:2006/07/06(木) 00:31:58 ID:7IFgprmo
 ちくしょう、この俺の口の中でウネウネ動いてる奴を噛み切ってくれる。そう思って顎に力をこめる直前、古泉
がスルリと舌を抜いた。
 虚しく、歯がカチリと音を立てる。古泉はそんな俺の顔を見て、また笑った。全てお見通しですよ、とでも言う
ように。
 くそ、ようやくこいつのやり方がわかってきたぜ。
 俺が何かをする直前に、こいつは先手を打って俺の行動を封じる。それに対して俺が反撃する前に、一度退いて
反撃のタイミングを奪う。いつかのコンピ研の戦法を思わせるやり方だ。ただし実際に攻撃を受けているのはパソ
コン上の戦艦ではなく俺自身であり、そのやり口もコンピ研より数段上手だと思うね。
 だって、こいつのやり口がわかったとしても、俺にはそれをどうにかする手段が浮かばないんだからな。方法が
わかったおかげで、より絶望的に。
 目の前には古泉が、いつの間にか自分もブレザーを脱いだ状態で立っている。俺と同じカッターブラウスに包ま
れた上半身に、その豊満なふくらみがより鮮明に浮き上がっていた。だめだ、こんなもんに目を奪われてる場合じ
ゃない。
「待てよ、俺、女のお前ほど見てくれよくないだろ!?」
 わざわざ自分でも言いたくないことを、俺は言った。だってそうだろう、俺がアホなこと考えたのは女の古泉が
普通にいい女になってたからであって、俺みたいな地味っ子を見ただけでどうにかしようとは思わないはずだ。大
体、むかつくことに男の時のこいつは、俺と違って女に苦労するようなタイプでも無かっただろう。だったら、な
おさら俺みたいなのに馬鹿な考えを抱く理由がわからない。
「ああ、語弊がありましたね。あなたであり、女性であるということが重要なんですよ」
 何が重要だってんだ。それは、会話しながら当たり前のように俺のブラウスのボタン外してる、お前の手より重
要だってのか? なんなんだ、そのスベスベお肌に白魚みたいな指は。
「僕は、あなたという存在に惹かれていたんです。ですが同性愛の素質までは無かったようで、友人以上の関係に
なろうとは思わなかっただけなんですよ。だというのに、そんな可愛らしい姿になったあなたを見せられては、我
慢できるわけないじゃありませんか」
 ね? と古泉は気味の悪いウインクをした。そんなもんで同意を求めるな。
 互いの体にやらしーことを思い浮かべているってのは、情けないが事実だとは思う。だが、そこに至る過程が俺
と古泉では全く違っていた。
 単にいい女だったから、という間抜けな理由で興奮しただけの俺にとって、古泉の理屈に同意できるはずが無い。

そんなもん、理解もできん。
「結局、同性愛に変わりは無いわけですが……お互いに、女性の体に興奮を感じる性質は持ち合わせているのです
から、問題無いでしょう」
 気がつけば、俺のブラウスは既に肩から離れ、袖の部分だけで俺の体にしがみついていた。完全には脱がさず、
両の上腕辺りで止められたそいつは、まるで拘束具のように俺の反撃を封じている。こいつの話が理解できないの
はいつものことだってのに、そんなことにわざわざ耳を傾けるからこんな羽目になるんだ。
 古泉が、露にされた俺の胸元へ手を伸ばす。そこにあるのは、貧弱な膨らみを隠すスポーツブラだ。
「おや、可愛らしいものをつけてらっしゃいますね」
 スポーツブラの上を、古泉の手が這い回る。谷口と見た巨乳物のAVのように荒々しく揉みしだくのではなく、
胸の肉を寄せるように、ほぐすように掌が踊っていた。その動きはマッサージ師が凝り固まった筋肉をほぐすよう
な動き――――実際にやってもらったことは無いんだが、そんな印象を受けた。
 なにが言いたいかって言うと、古泉にやられてるって精神的な問題さえ無視すれば、決して不快な感触では無い
ということ。むしろアレだってことだ。
「……んっ」
 まずい、抑えていたつもりだが吐息が漏れた。自分でも、これは不味いとわかる種類の吐息が。
 古泉はそれを聞くと満足気に微笑み、俺の胸から手を離した。その時、わずかな喪失感を感じたのは気のせいだ
と思いたい。
36涼宮ハルヒの転換:2006/07/06(木) 00:34:31 ID:7IFgprmo
「おっと、そういえば僕ばかり楽しませてもらっても不公平ですね」
 そう言うと、古泉は自分のブラウスのボタンを外し、見せ付けるように前を開く。そこにあるのは、美しいレー
スで彩られたブラと、それに決して見劣りしない豊かな膨らみだ。
 巨大なカップに納められたそいつらは、古泉の呼吸に合わせるが如く、かすかな動きを見せている。
 サイズといい質感といい、俺の物とはASIMOと先行者くらいの差があると思う。
「ゲームのときから、あなたはずっとここばかり見てましたよね。おかげで、ゲームに集中できませんでしたよ」
 古泉が俺にもたれるように体を預けてきた。俺は黒板と古泉によって挟まれる体勢になるわけだが、苦しくは無
かった。
 丁度、俺の胸の辺りにエアバッグがあったからだ。
「わかるでしょう? 僕の胸とあなたの胸が触れ合っているのが」
 ああ、わかってるっての。お前の乳が、俺の乳を押し潰しているのが。
 古泉の胸の感触が、俺の胸を通して伝わってくる。下着二枚を通した感触とはいえ、その弾力は俺がゲーム中に
思い浮かべていたものを、はるかに超えていた。童貞の俺の妄想なんだから当たり前とも言えるがな。
 こいつが体をすり寄せるたびに、こいつの胸が俺の上でむにむにと形を変える。まるで、俺の固い胸でこいつの
乳をもみほぐしているような感覚だった。
 古泉に攻められてるのか、俺が責めているのかわからなくなるような、倒錯した感情が、俺の体に響き渡る。
「やはり、可愛いですねあなたは」
 古泉が、三度キスをする。今度はすぐに唇をずらし、頬を舐めるように舌を這わせていった。俺の後頭部、いや
ポニーテールによってむき出しになっているうなじの部分を指で支え、俺の首筋にも舌を這わせる。 
「あなた、ここにほくろがあるんですよ? 気がついてましたか?」
「見たことねえ、よ、そんなもん……」
 こいつの指がうなじを滑る度に、背筋にゾクゾクと寒気が走る。俺がその感覚を堪えていると、今度は鎖骨に舌
を伸ばす。
 ブラに守られた胸元を避けるようにして、脇へ、更にその下にある脇腹へ。唾液の筋が、ナメクジの通った後の
ように艶を放つ。俺はといえば、舌のヌルヌルとした感触、それが通過した後のヒヤリとした感触、その二重攻撃
を息を殺して耐えるけだった。
 背筋に走った悪寒を追うように、古泉の指がうなじから脊髄の上を伝って降りていくのが感じられる。腰を通過
したところで、その指が離れた。
「では、失礼」
 古泉の手が、俺のスカートの中にもぐりこむ。形を確かめるように、尻を撫でてきやがった。なんて気色悪い、
奴の指が俺の尻肉に食い込むたびに、体に震えが走る。
 その感触を堪えるために、俺は古泉の体にすがりついた。更に鮮明に感じられるこいつの乳の感触が、俺の不快
感を和らげてくれる。
 おかげさまで、尻から脳髄まで駆け上る感覚にも随分と体が馴染んできやがった。なんか、疼くというか、切な
いというか。
「おや?」
 古泉は首をかしげると、『失礼』と言って俺のスカートを捲り上げた。ここまでやっといて今更なにが失礼だっ
てんだこいつ。
 全身に受けたこいつの愛撫によって朦朧としていた俺は、抵抗もせずにスカートの下をさらけだす。そこにあっ
たのは、今朝、俺がマイサンの有無を確認するときに見た地味ーなショーツではなく、紺色のスパッツだった。
 下着が外気に晒されているというスカートの感覚に、どうしても馴染めなかった俺が取った気休め程度の防御策
だ。女の俺も同じだったのか、タンスの中にいくつか詰まっていた。
 だから、これさえ着けてりゃ見られたって平気なはずなんだが―――スカートを捲り上げられた状態で見られて
るってだけで、なんでこうもハズいのかね。
37涼宮ハルヒの転換:2006/07/06(木) 00:35:35 ID:7IFgprmo
「これはまた可愛らしい物を」
 苦笑すると、尻を撫でていた手を更に下へと滑らせる。そこにあるのは、童貞の俺でもわかる、安易に触ってほ
しくない場所だ。俺自身でさえ、トイレで用を足すときに変なトコ触らないように注意したってのに。
 古泉の指が、スパッツの上から俺の股を擦りあげた。
「ひっ!?」
 今まで、俺の内側に溜め込まれていくだけだった物が、逆に吐き出されたような感覚。下半身から全身に響き渡
る衝撃が、俺の思考を焦がす。
「ちょ、待て!! やめろ!!」
 反射的に股を閉じるが、結果的に古泉の腕を太股で挟みこむような体勢になった。当然、これではこいつの指の
動きまで封じることは出来ない。
 古泉の指が、割れ目を押し割るかのように食い込んできた。スパッツとショーツ、二枚の布で防御されているは
ずだというのに、衝撃が俺の体を震わせる。
 俺は困っている時の朝比奈さんみたく、『ひっ』とか『あっ』とか動物じみた声を出すことしか出来なかった。
「安心してください。機関である程度の訓練は受けましたので、あなたに痛い思いをさせることはありませんよ」
 そういう問題じゃねえ。いや、むしろ頭が冷めるほどの激痛なら、今すぐこいつをぶん殴ってやるってのに。今
の俺が感じているのは、紛れも無く『快楽』って奴だった。頭を覚ますどころか、意識を朦朧とさせるような類の。
 俺はそのまま、古泉に抱きしめられたまま下半身を責められていた。こいつが時折キスをまじえながら、耳元で
なにやら囁いてきやがるが、今の俺に答える理由は無い。ただ、呻き声と全身の震えで答えるだけだ。
 それでもな、流石にこいつの手がスパッツのゴムの部分にかけられた時は、目が覚めたよ。一瞬だけだったがな。
「なにすんだっ……!!」
「なにって、脱がすんですよ」
 いけしゃあしゃあと、言う。俺の耳元で、唇で耳朶を弄びながら。
「それとも、スパッツをビショビショに濡らすような事態がお好みですか? 僕はかまいませんが」
「ちっ……!!」
 俺は答える代わりに、腰の力を抜いて『好きにしろ』とアピールした。こいつの言葉が嘘ではないってのがわか
っていたからだ。現に今も、スパッツの下にあるショーツに、不快な湿り気を感じてたところだからな。
 このまま下手なことをされれば、スカートの下はノーパンで家に帰らなきゃならないかもしれん。
 そう、俺が考えた直後、スパッツが下ろされた。その下のショーツごと、二枚まとめてだ。
 となると、俺の下半身を守る物は何も無い。濡れた陰部に外気が触れ、ゾクリとした感触が背筋に走る。
「てっ、てめえ!?」
 目の前の変態に蹴りでも入れてやろうかと思ったのだが、脱がされたズパッツとショーツは俺の膝辺りに引っ掛
けられたままだ。当然俺はバランスを崩し、古泉の胸へ飛び込むような形になる。
 そしてこいつは、俺を優しく抱きしめてくれやがった。それだけのことで、剥き出しにされた陰部が熱く濡れる
感触がする。
 いくらなんでも、敏感すぎるぜ俺の体。古泉にうなじを撫でられるだけで、ゾクゾクきやがる。
「ところで、これなんだかわかります?」
 そう言った古泉の手には、小さなスティックがある。さっきまでこいつが使っていたリップスティックだ。ある
意味、俺が現在陥っている事態の銃爪になったといえる物だ。
「僕が男性のままならこのような物に頼る必要も無かったんですけどね。ああ、でも僕が女性になったからこそ、あ

なたとこういうことが出来るわけですし。いやはや、難しいものですね」
 何言ってんだ、こいつ。って言うか、何を考えてんだ。
 何を俺にする気だ。
38涼宮ハルヒの転換:2006/07/06(木) 00:36:11 ID:7IFgprmo
「失礼」
「ム゛ッ!?」
 古泉が、リップスティックを俺の口に突っ込みやがった。そのまま口内を犯すように、そいつを出し入れさせる。

口に使うものだとしても、明らかに使い方が違うだろ。
「よーく濡らしておかないと、痛いですからね。ああ、最も……」
「んんん〜〜〜!?」
 プラスチックの筒を俺の口で出し入れしながら、触れた。露になった俺の股間に。
 古泉の指が割れ目に沈み、俺の体を震わせる。熱い物が零れだす感触が、自分でもわかる。
「これだけ濡れていれば、必要無いかもしれませんね」
 涙目で筒を銜える俺の目の前で、粘液を纏った指を晒す。見せ付けるように指をニチャニチャと鳴らした後、俺
の口内を支配していたリップクリームを引き抜いた。
 すでに唾液で濡れているそいつに、俺の下半身から漏れた粘液をまぶす。濡れてテラテラと光るそいつを見て満
足気に微笑むと、軽く口づけた。
 ここまでされれば、いくら頭の悪い俺でもわかるってもんだ。いや、本当はわかってたんだろうが、考えたくな
かっただけだろう。
 こいつは入れる気なんだろう、俺に。ただ、自分がついてないもんだから、代用品を使って。
 俺がそれに気づいたことを察したのか、安心させるような優しい笑みで、古泉が言う。
「安心してください、こんなもので処女を奪おうなどと無粋な真似はしませんよ。少し、入り口で楽しんでもらう
だけです」
 古泉が、再び俺の秘部に指を伸ばした。今度はただ指を擦りつけるのではなく、内部を探るような動きだ。
「ぴったり閉じて、可愛らしいですよね」
「ひ、開くな……」
 古泉によって、肉の壁がこじ開けられたのを感じる。普段は開かれることの無い場所に空気が直に当てられてい
るのがわかる。
 すでに潤ったそこに、指とは違う、硬い物が当てられるのを感じた。それは何かを探すように、割れ目の中を往
復する。
 中が擦られるたびに、俺の体が震え、奥から溢れる粘液がスティックを濡らしていく。
「ひうっ……も、だめ……」
「何を言ってるんですか、まだ扉をノックしてるだけですよ……っと」
 硬い筒が、俺の何かを補足するのを感じた。今度は今までのように擦るだけではなく、俺の内部へと突き進んで
くる。
「あああっ!?」
 実際は、最初に古泉が言ったとおり、入り口に少し潜った程度なのだろう。だが、今の俺には足先から脳天まで
、一本の槍で貫かれたような感覚だった。俺の秘部に潜った筒がわずかに動くだけで、全身に衝撃が走るんだから
な。
「では、もっと動いてみましょうか」
「だ、だめえっ!!」
 リップクリームが上下する。俺の膣壁が、そいつに合わせるように掻き回されている。
 そのたびに奥から粘液が溢れ、スティックを伝い、古泉の手へと零れていく。古泉は開いた手でそれを拭うと、
俺の頬へ塗りつけた。
「すごく、いいですよ。あなたの顔」
 自分でつけた愛液を、舌で舐め取りながら古泉が言う。俺自身も、こいつの舌が頬を這い回る度に頭が熱くなる。

俺の下半身を支配する快楽が、より鮮明に感じられていく。
 俺は古泉に抱きしめられたまま、わずかに埋められただけのスティックの動きに翻弄されていた。既に膝はガク
ガクと笑っているし、こいつの支えが無ければ立つこともできないだろう。
39涼宮ハルヒの転換:2006/07/06(木) 00:36:53 ID:7IFgprmo
 いや、そろそろ立つことさえ出来なくなるということがわかった。もうだめだ、なにかが来る、そんな感じが。
 そして、俺よりそいつを敏感に感じ取ったらしい古泉が、俺の耳元で囁く。俺の脳を焦がす声で。
「では、そろそろ達してもらいましょうか」
 古泉の手が、今までとは違う動きを見せた。単に上下に動いていただけの筒が、俺の中でクルクルと回転しだし
たのだ。
 古泉が俺に挿入したのは、スティックの尻の方。そちらには、リップクリームを出すための円盤状のグリップが
ついている。そしてそれは、指をひっかけやすいように刻みが入れられているわけだ。
 つまり、グリップの円周上に存在する刻みが、俺の膣壁を抉る事になる。
「あ、ああああっ!!」
 反射的に力を入れてスティック締め付けるが、それは結果的に刻みの影響を強く受けるだけだ。グリップが俺の
中を掻き回すたびに、今まで以上の衝撃がこみ上げてくる。俺の内部へ溜め込まれていく何かが、弾けそうな感覚
を覚える。
 こいつが弾けたら、どうなるんだろうか。俺はどうすればいいんだ。何もわからない。
「こういうときは、イクって言うんですよ」
 だから、俺は何の考えも無しに言う。古泉から与えられた、答えの言葉を。
「イ……イクッ!!」
 言ってしまった。言った瞬間、答えを与えられた快楽が、堰をきったようにあふれ出す。
 俺の秘部から、全身へと響き渡るような快楽のパルス。それは電撃のように俺の全身を震わせ、狂わせていく。
 男の射精とは全く違う、未知の快楽が俺を蹂躙する。
 なんなんだこれは。どうなってしまうんだ、俺は。
 怖い、誰か助けてくれ。
 そう思った瞬間、体が柔らかい物に包まれたのを感じた。
 この匂い、この感触、さっき全身で味合わされた、古泉の体だろう。俺を安心させるかのように、俺の体を抱き
しめてくれているのだ。
 俺はすがる思いで、古泉の体を抱き返した。こいつの豊満な体にしがみついたまま、襲い来る快楽の嵐に耐える。
 コン、と床に何かが落ちた音が響く。下を見れば、さっきまで俺を抉っていたリップスティックが落ちていた。俺

が垂れ流した粘液にまみれた状態で。
 それに気がついた瞬間、全身の力が抜けた。ペタンと床に、文字通りの尻餅をつく。
「は、う………」
 体を脱力させたまま、俺は大きく息をついた。荒い呼吸を繰り返し、酸素を吸収していく度に、快楽に惚けた俺
の頭もクリアになっていく。
 目の前には二本の脚。顔を挙げれば、いつものニヤケ面で俺を見下ろす古泉。
 そのニヤケ面を見た瞬間、今まで良い様に弄ばれたという屈辱、それからなる羞恥心で、自分の頭に血が上って
いくのがわかった。
「てめえっ!!」
 俺は立ち上がり、古泉の胸倉を掴み、渾身の一撃でそのニヤケ面を黙らせる―――つもりだった。
 バタン、と何か大きな物が倒れた音がする。そう、丁度人間一人が転んだような音が。
 音のした方に顔を向ければ、部室のドアが開かれていた。そして出入り口前の床には、小さな姿が床に突っ伏し
ている。
「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいーーーっ!!」
 顔を真っ赤にして謝罪の言葉を連呼するのは、一人のショタっ子。今は美少年の姿に変わってしまった朝比奈さん
だ。
40涼宮ハルヒの転換:2006/07/06(木) 00:37:26 ID:7IFgprmo
 この反応からすると、思いっきり見られてたってことだ。俺が古泉の腕の中で、アンアン悶えてイカされた姿を。
「―――――っ!!」
 俺のエンジェルになんて姿を。古泉を殺して、俺も死んでやる。
 この場に自爆装置があれば迷わず押していただろう。かって、ハルヒと同じ夢を見たときのアレと同じくらい屈
辱的だ。
「これは盲点だった」
 そんな俺の思考をクールダウンさせる、無機質な声。
 元々が貧相な体格だったため、男になってもセーラー服が学生服に変わったくらいの違いしか無い様に見える、
長門だ。
「あの夏の現象のように、特定の目的を果たさない限り、情報修正は行われない可能性がある。今回の場合におい
ては、その目的とは異性の肉体でしか実現できないことだと思われる」
 長門が言う。
 上半身がスポーツブラ一枚、下半身はスカートで隠されているものの、スパッツとショーツが膝までずり下ろさ
れた状態の俺に向かって。
「この場合、性を転換させた状態での性行為が、その目的として挙げられる可能性は高い。つまり涼宮ハルヒと性
行為を行う必要がある」
 いつも通りの無感情ボイスで、長門はそんなことを言いやがった。そのぶっとんだ理屈はともかくとして、この
時点ですでに嫌な予感がするぜ。
「その相手として適任なのは、あなただと思う。ゆえに、あなたにはその準備をしてもらう必要がある」
 ちょっと待て、さっき古泉にやられたような目にもう一度あえってのか。しかも童貞の俺に、先に処女を失えっ
てのか。
 しかも相手は男に変わったハルヒ。
 それは発情期のドーベルマン相手にすんのとなにが違うんだ。俺がトップブリーダーならドーベルマンを選ぶだ
ろうね。
「よって、私があなたを『開発』する」
 と、長門は言った。
 トンデモ理論だと思うが、こいつの言ってることは理解できる。トンデモなのはハルヒの頭も同じなんだろうし
、納得できる部分もある。


 でもな長門。
 ズボンに思いっきりテント建てた状態で言っても説得力無いと思うんだが。


 続
4115-146:2006/07/06(木) 00:38:45 ID:7IFgprmo
以上です。
これってホモか百合かどっちなんでしょうか。

次回は男長門・みくるX女キョンで。
42名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:39:51 ID:gvwGQXMA
ホモ百合ホモ百合!
43名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:41:00 ID:Wq0dCqm/
新しい何かが開発されていくwwww
44名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:42:29 ID:K+czcoOw
なんだろうか。この…違和感?ぞわっとするぉ
45名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:43:54 ID:2yCFz4Hc
ぬう。なんか勃ってしまった自分がとても悲しいw
46名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:45:46 ID:aqwj6xPk
>>15−146
スゲェ
47名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:49:15 ID:mlpzluWN
長門になら犯されてもいい。
48名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:49:44 ID:HlDU/iHf
>>45
同じだなw
自分も悔しかった・・・男verなら勃たないとおもう・・・
自分に自信がなくなってきた・・・orz
4913-73:2006/07/06(木) 01:10:53 ID:jXN7edQG
今日で、ハルヒも最終回(@愛知)
アニメから入ったにわかファンの身としては、感慨深いものを感じます。

というわけで、そんな祭りの終わりのしんみりした感じを書こうとしてみました。(なんか失敗した気がしなくもないが…)
ベタベタなネタでございますが、ご容赦を
50祭の終りに:2006/07/06(木) 01:11:34 ID:jXN7edQG

涼やかに風鈴の音が鳴り響く
盛大に空に炎の花が踊る



遠くに聞こえるセミの声
俺に出来たのはただ手を強く握り返すことくらいだった










「残り少ない夏休みをどうやって過ごすのかの日程表よ」
それは、夏休みも真中を過ぎた頃のことだったと思う。
まさに芋洗いと言わんがごとき市民プールの帰り、喫茶店での出来事だった。
誰がそんなことを言ったのか。
言うまでもないだろう、そんなこと言う奴は俺が思い当たる限り一人しかいない。涼宮ハルヒだ。

「誰の予定表だ」
俺は半分分かりきったことを聞いてやる。
「あたしたちの。SOS団サマースペシャルシリーズよ」

ハルヒが誇らしげに机に叩きつけた予定表を覗きこむ。
盆踊りに、花火大会、昆虫採集に肝試し。
まるで小学生が最終日にでっちあげた日記の出来事みたいに、そこには夏の風物詩達が顔をそろえていたた。
「で、このうちの何個をやるつもりだ」
「全部に決まってるじゃない!そうね。最低でも花火大会には行くわよ」

やれやれ、団員の自由時間ってのはこの予定表のどこに書いてあるんだろうな。
51祭の終りに:2006/07/06(木) 01:12:30 ID:jXN7edQG
自信を絵に描いたような表情で、予定表を見せつけられた翌日、俺は朝っぱらからハルヒの電話によって起こされた。
体の良いことに、古泉の奴が縁日をともなった花火大会を発見したらしく、その為に浴衣を買いに行くらしい。
どうあってもハルヒは日程表に書かれた予定を決行するらしい。
雨でも降らないものかと俺は願ったが、ひょっとすると雨どころか、台風さえも我等が団長は避けて通るかもしれない。


明けて翌日、つまり今日だ。

「じゃあ。縁日を見て回る組み合わせを決めるわよ」
集合場所にそろった俺達の前に、ハイビスカス柄の浴衣に身をまとったハルヒは、今やお馴染みとなりつつあるくじ引きを取り出してきた。

最初に引いたのは朝比奈さん、無印だ。
次に引いたのは古泉、赤い印がある。
次は俺の番だ。頼む……無印よ来い。切に願う、朝比奈さんと同じ組にしてくれ。

かつて古泉は言った、ハルヒは神だって。
しかし、運命の女神とやらはハルヒと別枠で存在しているかも知れない。俺は見事に、何の印もないそれを引き当てていた。
心の中でガッツポーズ。しかし、顔に出ていたのだろうか。
「マヌケ面」
ハルヒが長門に残りのクジを手渡しながら、こちらを凄い形相で睨んでいた。
52祭の終りに:2006/07/06(木) 01:13:27 ID:jXN7edQG
屋台に吊るされた陶器製の“それ”は冷涼な音を奏でていた。
下手をしたら、うだるような暑さを更に加速させるだけの夏の風が、その音を加えるだけでまるで秋風のように変わる。
日本の風物詩の一つ、風鈴だ。

色とりどりの風鈴の飾られた軒先の下。
朝比奈さんが、まるで縄文土器だったのか弥生土器だったのか悩んでいるかのような表情で、風鈴を見上げていた。
「風鈴がどうかしましたか」
「あ、そうか。風鈴……そうですね。風鈴ですよね」
未来の日本人にはわびさびの心というのを忘れてしまったのだろうかね?いや、俺もよくは分からんが。
「よかったら買ってあげましょうか?今日は奢りもないので財布に余裕がありますし」
「え、そんな。悪いですよ」
そういえば、未来人は金銭面をどうやって工面してるんだろうな?

「気にしないで下さい。それに朝比奈さんにはいつもお世話になってますから」
あの忘れたいような事件から生還できたのは朝比奈さん──朝比奈さん(大)の方だが──と、長門の助言のお陰だし、3年前に時間遡行した際はタイムマシンをなくしてうろたえていたし、カマドウマ事件では俺の後ろでただ慌てていたし……
本当に朝比奈さんにはお世話にな………
朝比奈さんは俺にとって心の清涼剤であり、非日常の日々における俺の安寧の為に非常に普段お世話になっているのだ。
「どれがいいです?」






「あたし達どういう風に見られるかしらね?」
ハルヒが少しだけ心配そうにこちらを見る。

……黙ってれば美少女に、如才なきスマイルの好青年ね……。
俺は考えるのを止めて答える。
「さあな」
見当もつかないな。


「そうですね。仲の良い、歳近い兄妹などが妥当な見られ方ではないでしょうか」
お前の発言はいつも妥当だな。如才ないが、当たり障りもない。
古泉が何か視線に込めてこちらに向き直る。なんだ。ペアなら変わらんぞ。
「そ、そうよね」
ハルヒは少し慌てたようなそぶりを見せた後、納得といった表情を見せる。
「じゃあ、またあとで集合!花火は皆で見るんだから」
ハルヒはニヤリと笑うと駆け出していった。
その後を古泉が追う。
残ったのは朝比奈さんと、長門、それに俺。両手に花だ。
いや、北高男子憧れの的、朝比奈さんが右に、谷口的美的ランクAマイナーの長門有希が左に控えている。
両手に花どころか、両手に花束。いや、両手に花壇かも知れない。
53祭の終りに:2006/07/06(木) 01:14:26 ID:jXN7edQG
一方、長門は、髭のおっちゃんの操る綿菓子機を穴が開くんじゃないかという勢いで覗いていた。
回転釜の中に入れられるザラメは、まるで舞い散る雪ののように姿を変え、細かく白くなって世界に現れる。
釜に挿された割り箸に、真綿は巻きつき俺達のよく知っている姿へと変わる。綿菓子だ。
「食いたいのか?」
長門はほんの微細にこちらを向く。
少なくともそこに否定のサインはなかった。

俺は店の親父に、箸付きの──袋入りは邪道だ──を一つ注文して、長門に手渡してやる。
「ほれ」
「…………」
続く3点リーダ。
安心しろ。食えるものだ、毒も入ってないし、むしろ美味いはずだ。


「似ていた」
おそるおそるといった表情で、綿菓子に口をつけたあと長門は言った。
「何にだ?」
「…………」
無表情な眼で、こちらを見る。
何にだろうな。綿菓子に似てるもの……綿、真綿、毛もじゃの白犬……
俺は長門有希の方に向き直る。
答えは見つからなかった。
54祭の終りに:2006/07/06(木) 01:15:12 ID:jXN7edQG
「境内に行くわよ!」
左手には薄紫の水風船、巻かれたレモン色の帯には団扇が刺さっている。
ポニーテールには足りない長さの黒髪、見なれた黄色いカチューシャ。

俺達は神社の境内目指してひたすらに長い階段を昇っていた。
左手には金属性の手すり、右手には……







「あら?」
「おや?」

光の巨人のお面をつけて歩く長門。
左手から涼やかな陶器の音を響かせ、右手にリンゴ飴を持った朝比奈さん。
どこかの神様が望んだんじゃないとすれば、珍しいこともあったものだ。
この花火大会というのは結構な盛況で、先日訪れたプール以上の人ごみだったのだが、俺達3人の前に現れたのは、金魚のはいったビニールを片手に、何かの箱を持った古泉。
それに、さっきは持っていなかった団扇を帯に指し、クレープをかじっているハルヒだった。
「あれ、有希。そのお面どうしたの?」
「買った」
こちらに気付くと、すぐに駆け寄ってきたハルヒが長門に聞く。
「みくるちゃん。その風鈴はどうしたの?」
「ふえ。……かっ、買ったんですよ」
ハルヒの表情が変わった気がした。どこまでも鋭い奴だ。

「あなたは何かやらないんですか」
いつのまにか隣に来ていた古泉が話し掛けてくる。その手には何かの景品らしい箱が握られている
「あんま気が進まん。ところで、それは何の景品だ」
「射的ですよ」
お前、ゲーム下手なのに良く取れたな。
「訓練してますから」
古泉は怪しく笑った。
えーっと、そりゃ小さい頃から縁日で何度も射的をやったってことだよな。そうじゃなければ笑えんぞ。

「しかし、ハルヒは意外と大人しいな。もっと色々出店荒らしでもしてるかと思ったが」
「おそらく、僕では役者が不足しているんですよ」
古泉は肩をすくめて笑った。
じゃあ、誰なら良いんだろうな。俺には分からん。
55祭の終りに:2006/07/06(木) 01:16:31 ID:jXN7edQG
ハルヒは団員だけが見ることのできる100%のスマイルを浮かべていた。
夏の風が黄色いリボンを揺らし、晴れ渡った夜空にその色がやたらに映えていた。










「せっかく会ったんだし、もう一回組み分けするわよ」
再びくじ引きを取り出したハルヒは、いまだに朝比奈さんの持つ風鈴を訝しげに見つづけていた。
言うまでもない、俺は今の組み合わせが理想だと感じているのだが、そんな意見は海辺に作られた砂の城のごとく大きな力にかき消されるのだった。
「しかし、そろそろ花火大会が始まりますよ」
古泉が腕時計を見ながら言う。
そういえばさっき花火は皆で見ようと言っていたな。
「むー……」
ハルヒは金の斧と、銀の斧どちらが自分の斧か問われた樵のような表情を顔に浮かべて悩んでいる。
そのお話しで、樵はどちらを選んだかは知っての通りだ。
「良いこと思いついた!」
第三の解答。ハルヒは何かけったいな案を思いついたらしい。
「組み分けして、それぞれの場所で花火を見て、どっちがより綺麗な花火を見れたか競うのよ!」
どうやってだよ。
「安心しなさい、あたしの判断は公正だから」
いやいや、どっちが綺麗なんてどう判断するんだよ。
「そうね。途中で携帯で連絡しあって、お互い別の組の見つけた場所に見に行くってのはどう?」
それはそれは名案だな。別の組が見つけた場所が遠かったら、わざわざ歩く手間が発生する。本当に名案だ。
「ね。名案でしょ。古泉君時間はまだあるのよね?」
一応言っておこう、さっきの発言は全て皮肉だ。
56祭の終りに:2006/07/06(木) 01:17:55 ID:jXN7edQG
「花火ってどこからみたら綺麗に見えるかしらね?」
「さあな。高いところじゃないのか?」
適当に答える。
両手に花壇、さっきまでの俺は人生でも絶頂の部類に入っていたと思う。
今や、残ったのは片手に薔薇一輪。それも棘だらけの茨だ。
俺の隣にはハルヒがいた。何故か俺の奢りだったたこ焼きをほお張っている。






俺の引いたくじには赤い印がついていた。
古泉が、印のないくじを手に持ちながら、ニヤケ面でこちらに言う。
「いやいや、やっと役者の登場ですね」
朝比奈さんの手に握られたくじのどこを探しても印は見つからなかった。
運命の女神は非常に気まぐれらしい。
ハルヒは、通知表を返される前の小学生のような表情で長門にくじを手渡していた。





人ごみのせいだろうか、親子、カップル。すれ違う人々はやたらと手をつないでいた。
「見つけた!」
俺の少し前を歩くハルヒが突然、声を上げる。
そこには、神社の名前が彫られた石碑があった。どうやら、ここを上ったところに御宮があるらしい。
「境内に行くわよ!」
おいおい、冗談だろう?
ハルヒが指差したのは、まるで天まで続くんじゃないかと思う程続く境内への階段だった。
こんなのを上るなら北高の坂を3往復したほうがマシだと思った。
「さ、行くわよ!」
俺の思いを全く無視して、ハルヒは死ぬ程生き生きとしていた。
57祭の終りに:2006/07/06(木) 01:19:08 ID:jXN7edQG
空気を切る音、響き渡る轟音。
空に炎が大輪の花を咲かせていた。
ハルヒの顔が照らされる。
赤い花火が夜空を染めていた。



境内に人の姿は見られなかった。
途中の石段に座っている人々を何人か見かけたが、頂上まで上る物好きというのは俺達くらいのものらしい。
あの時みたいだな……
見渡す限りの暗闇の世界。夜の街に二人きり……違うのは、空に輝く星と、まばらに見える下界の光。
気がつけば俺はハルヒの手を握っていた。

「ねえ、キョン」
ハルヒはどこか不安げな顔をしてこちらを見ている。
遠くでセミがなく声が聞こえた。
夏の風が御宮を吹き抜ける。雑木林がざわざわと音を立てる。
「聞いてほしいことがあるの」
右手がつかんだ手が強く握ってくる。まるで何か確認するかのように。
どこかで涼やかな音色が聞こえた気がした。
「あたし……」








ハルヒの言葉は最後まで聞こえなかった。
風を切って、空に開く真っ赤な花。
花火の破裂する轟音が、消えいりそうな小さな声を掻き消していた。
ハルヒの顔は花火色に染まっていた。
58祭の終りに:2006/07/06(木) 01:20:24 ID:jXN7edQG
ハルヒは何と言ったんだろうか。
うっすらと聞こえたその声は俺の幻聴だろうか。
こんな展開はベタ過ぎた。
ありえない。
俺の脳みそは必死に否定の言葉を探していた。


「……きこ……えた?」
「すまん、聞こえなかった」



沈黙だけが俺達の間を流れていた。
俺は必死で答えを探していた。俺が納得できる答えを。
しかし、見つかる答えを、俺はなかなか認めようとしなかった。
ただひたすら混乱と、動揺が暴れまわる最中。
俺に出来たのは握られた手を強く握り返すことくらいだった。
59祭の終りに:2006/07/06(木) 01:21:41 ID:jXN7edQG
今度はずっと近くで風鈴が音を立てた。
「そこに誰か居るの?」
ハルヒが俺の手を離して立ちあがった。
何故だろうか?俺の右手は夏だっていうのに、さっきまでそこにあった熱を惜しむように開いていた。


少しの沈黙が流れたあと
「おや。考えることは同じでしたか」
さも今登場したかのように、古泉のニヤケ面が姿をあらわす。
「……迂闊」
あいも変わらず無表情な長門。気のせいか朝比奈さんを睨んでいる気がする。
「あの、す、すいません。あたしのせいで」
朝比奈さんが慌てている。その手には風鈴が握られていた。

「あれ?そっちの組もここに来ちゃったってこと?」
ハルヒはきょとんとした表情でに3人を見ている。
心持残念そうに見えるのは、多分、二組の見つけた場所がかぶっちまったせいだろうよ。








終焉を惜しむように、何発もの青い花火が空に舞い、花火大会は終了した。

古泉は団扇をあおぎつつ花火を見ていた。その行動もどこか如才がないと感じさせられた。
朝比奈さんは、「綺麗ですね」と月並みな感想を述べながら、子供のように真剣に花火を見ていた。
長門は始終、無言無表情のまま花火を見つづけていた。でも、俺はその目が一回も花火のほうから離れなかったことを知っている。

「玉屋〜!」
ハルヒはさっきの出来事がまるで俺の見た夢だったかのように、花火を見ながらはしゃいでいた。

あれは俺が見た夢だったのだろうか。
ふと考える。いや、違う。
あの日の閉鎖空間での出来事も、今回のことも、ハルヒが伝えたかった思いも全て夢なんかじゃないはずだ。
60祭の終りに:2006/07/06(木) 01:24:20 ID:jXN7edQG
花火の終りを確認すると、ハルヒがいきなり宣言した。
「下まで競争するわよ!」
ハルヒは言うが早いか、もう駆け出していた。
「一番最後のやつは皆にかき氷を奢ること、いいわね」
「ま、まってください」
朝比奈さんが走り出す。転ばないで下さいよ
「………」
長門がゆっくりと走り出す。すぐにその姿は見えなくなった。
「先程は良い雰囲気のところを、本当に失礼しましたね」
古泉がスマイルを浮かべながら駆け出す。いちいちムカツク野郎だ。


「キョン!何やってるの、早く来なさい!夏休みはこれからなんだから。まだまだ遊ぶわよ」
ハルヒは団員だけが見ることのできる100%のスマイルを浮かべていた。
夏の風が黄色いリボンを揺らし、晴れ渡った夜空にその色がやたらに映えていた。




そうだな。俺達の夏休みはまだまだこれからだ。




──俺は、俺達は祭りの終わりの夜道を走っていた。
61祭の終りに:2006/07/06(木) 01:25:22 ID:jXN7edQG
夕暮れの部室。新学期が始まって暫くのこと。
部室には、俺と朝比奈さんと、古泉、長門の4人。ハルヒは掃除当番のはずだ。


ポーカーの最中。古泉が突然、何かに気付いたように手を叩くと話を切り出してきた。
「あの時、あなたがちゃんと聞いていれば我々はあと15497回も夏休みを繰り返すことはなかったのかも知れませんね」
何をいきなり言い出すんだろうな、こいつは。
長門の方を見る。
「その意見には私も同意」
長門までか、俺は何を聞いてなかったというんだ。
朝比奈さんの方を見る。
何の話しだろうといった表情で、こちらを見るメイドさんがいた。


「じゃーん!!!」
遅れてきた団長が勢い良くドアを開く、その声はいつも以上に元気だ。また、何か企んでるのかもしれない。



しかしだ、本当に、何の話なんだ?



答えは帰ってくる来ない。
ただ窓際に吊るされた風鈴が涼やかな音を奏でただけだった。



〜The end〜
62ブギーポップ・ナガトドライヴ2:2006/07/06(木) 01:26:04 ID:Lm8pjKnX
「あ〜っ、もう平和ね・・・何か面白い事は無いかしら?ねぇキョン?」

知らん。そもそもお前が満足するような面白い事というのは、とどのつまり
お前を除くSOS団メンバーにとっては迷惑極まりない事件への発端なんだ。
いつも騒動の原因はお前だが、幸か不幸かお前だけは何も知らないんだよな。
それはそれで不幸っちゃぁ不幸なんだろう。

そもそも日常というのは平凡な毎日の繰り返しであり、そんな中に時折キラリと光る
楽しい出来事があるからいいんじゃないか。
毎日が楽しい事ばかりじゃ、本当に楽しい事の区別が付かなくなるぞ。

俺は朝比奈さんのお茶を啜り、部室を見回した。指定席でハードカバーの本を読む長門。
それにメイドコスプレの朝比奈さん、そして、今まさに明日の昼飯をかけた決戦を
行っている古泉。いつもの光景だ。

「ん・・・?へぇ〜。ふ〜ん」

それまで団長席に置かれたコンピ研から強奪したPCでネットサーフィン中だった
ハルヒが何やらぶつぶつ独り言を呟きだした。正直嫌な予感がする。
どうした?2ちゃんで祭りでもあったのか?

「何よ、私があんな低俗なサイトなんて見るわけないじゃない。まさかキョン、
 2ちゃんねらだったの?・・・幻滅ね」
低俗とは失礼な香具師め。お前は今全世界の2ちゃんねらを敵に回したぞ。
2ちゃんは今夜のおかずからハッキングまで幅広く網羅してるんだぞ。
「・・・もう、バカキョン!いいからこれ、黙ってみなさい!」
半ば呆れた顔をするハルヒ。俺はいかにも面倒臭そうな面構えで立ち上がると、
我らが団長のお側に置かれているPCのモニタに目を通した。
「見なさい。最近の話ね。これ、違う高校なんだけど、変な噂が流れてるみたいよ。
 ・・・これは事件ね。調べてみる価値があるわ!」
そのサイトは、最近流行のブログ・・・というものらしい。正直、俺には
このブログが他のサイトとどう違うのか分からんが、ようするに公開日記みたいな
もんだろう?後で読み返したらおもいっきり恥ずかしくなるような。
んで、それにはこう書いてある。
63名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 01:26:55 ID:Lm8pjKnX
2XXX XX/DD 21:47:41

「ねぇねぇ、最近ウワサになってる死神がまた出たんだって。
 5組のT川って不登校だった子がいたじゃない?
 この間自殺したウチの高校の生徒って、そのT川らしいんだよ。
 でね、多分自殺する少し前の時間に友達に携帯で電話があって、
 ”死神”に殺されるって言ってたんだって」

2XXX XX/DD 21:47:41
「( ̄○ ̄;)えっ、やだよぅ。そういう怖いネタはやめて(◎0◎;)
 だってさ、そんなのいるわけないじゃん。迷信だよ迷信。
 都市伝説だって〜(>へ<)」

       ・
       ・
       ・

3XXX XX/DD 33:99:66
 「みくるビームっ!!(@u@ .:;)ノシ」

4XXX XX/DD 01:08:79
「なによその変な顔文字は?ふざけてるの?」

後半部分は見なかった事にしよう。とりあえずこれ以降にもログは続くのだが、
ネットに垣間見える人間の深層心理のドス黒い負の感情を十二分に味わう事が出来た。
ハルヒが注目したのは、最初の辺りのコメントだ。。
よくこんなブログにたどり着いたよな。これもイデ・・・じゃない、ハルヒの成せる業なのか。
それからハルヒはネットサーフィンに夢中なようで、今まさに2ちゃんの
オカルト板へと潜入している。・・・しかしなんでオカルト板の存在を知ってるんだ?
そもそもそれ以前にだ、なんでお気に入りに登録してあるんだよ。
おい、まてって、糞スレ建てんな。犯すぞ。おい待て、それはバーボンだ。


・・・その日は一日中ハルヒはネット浸りとなり、静かにしてくれるならそれはそれで
良い、と俺達は平和な時間を過ごす事が出来たわけだ。
ハルヒはどうも、その噂の死神、とやらに興味があるようで、とにかく
色んなサイトやブログを回って情報を集めていたようだ。

後にこれが、俺にとってあまり良い思い出ではなく、できる事なら朝比奈さんの
禁則事項の未来技術の記憶操作で消して欲しい最悪な思い出なのだが、
いちおう、ここにうpする事にしようと思う。


                               つづく
6461:2006/07/06(木) 01:30:18 ID:jXN7edQG
以上、何か無理に切なげにまとめようとして失敗した感は否めないですね。

しかし、京アニの皆様方。
原作者の谷川氏。杉田氏、平野嬢を始めとした声優の皆様。
その他、関係者の皆様。本当にお疲れ様でした。

と、述べたいと思います。ひさしぶりに良いアニメを見れたな〜と感じました。

ちなみに話の内容は、エンドレスエイト1回目のつもり。
超ベタなネタだね、本当に。
65名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 01:32:19 ID:yplvlx1A
>>64
谷川風で上手でしたよ。
また書いて下さいね。
66名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 01:35:55 ID:aqwj6xPk
>>64
続きに期待b
67スカトロ注意:2006/07/06(木) 01:36:03 ID:mlpzluWN
朝比奈みくるのうんこ


「朝比奈みくるの便所の憂鬱」


もううんこに関する細かいネタはなしだ。

トイレに入ると朝比奈さんが個室を選ぶ。どうやら奥のトイレにしたようだ。
さすが朝比奈さん。

やっぱり奥が好きなのかな?

奥ってあそこの奥を考えたやつは今から同人読むの禁止な。

そして朝比奈さんはおお!!スカートを脱ぐ。そしてついに光輝く朝比奈さんの
ピンク色のパンティだ。

朝比奈さんのパンツ!パンツ!パンツ!

それをついに朝比奈さんが脱ぐ。すると朝比奈さんの下半身はなんと
生まれたままの姿になってしまったのだ。
朝比奈さんのあそこは毛がまだ薄く、産毛のように柔らかい。
そして朝比奈さんの女としての象徴は小さく桃色だった。

父さん。もう俺は死んでいいと思ってます。

朝比奈さんのあそこを見れたのですから。

68スカトロ注意:2006/07/06(木) 01:38:51 ID:mlpzluWN
「よいっしょ、と」

朝比奈さんは便座の上にぺたりとお尻を下ろした。そのつるりとした
お尻を触りたい。触れるなら俺は死んでもいいと思う。

「ええっと」

朝比奈さんはポケットティッシュをとりだした。どうやら自分専用のが
あるようだ。さすが朝比奈さん。繊細だ。

しかしここで長門の力とはいえ、覗いている俺は変態そのものだな。

69スカトロ注意:2006/07/06(木) 01:43:35 ID:mlpzluWN
「みくるちゃ〜〜〜〜〜ん」
「ひえっつ」
「みっくる〜〜〜〜〜」

ここで問題が起きたのだった。

そうハルヒだ。しかも何故か鶴屋さんまでいる。
朝比奈さんなんかハルヒの声を聞いた瞬間震えているよ。
あんまりいい思い出ないんだろうね。


「もしかしてみくるちゃん。うんこしてるの〜?」
「あははははははははっ、みくる、うんこか?」

二人の容赦ない発言。男がいないと女ってこんなものなのかな。
うんこうんこ叫ぶんじゃありません。ハルヒ、それに鶴屋さんも。
あなたセンパイですよね。止めましょう。


「どうなの?みくるちゃん。いわないと水かけるわよ」
「そうだぞーっ、あははっはははははっ!」

いじめじゃん。おいおいおいおい!!
ハルヒ!お前そんなことしてるのか。つーかキャラ的にはお前のほうが痛い
人なんだからどっちかつーとお前がいじめられるんじゃないかっと思うは
非常にダメダメな人でした。
70スカトロ注意:2006/07/06(木) 01:47:21 ID:mlpzluWN
「う、うんこです〜〜〜」
頬を赤らめながら朝比奈さんがうんこと叫ぶのをみて、俺の
ちんちんおっきしてきたのを誰が攻められよう。

「そうか、やっぱりうんこか〜」
「あははははは〜、うんこーー!あはははははっ!」
何だ、この二人。無邪気すぎる。まさかほんとに水かけるようないじめは
しないだろうな。そんなことになったら止めないといけない。
しかしそうすると俺が長門の力とはいえ、女子トイレに入っているのがバレて
しまう。
さてどうしたらいいのだろうか。

「じゃ、またね〜」
「あはははははっ」
お、二人は帰ったようだ。朝比奈さんもほっとしている。
さて、朝比奈さんは気をとりなおしてうんこをするようだ。
「ん」
うんこしている朝比奈さん萌え。
71名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 01:49:36 ID:u3hmHB5u
>>64
乙です。
良かった。

ただ、>>52がよく判らなかった。
なんか前後してない?
みくるの風鈴を買ったトコ見てなかったのかな?
俺の勘違いだったらすまん。
もう一度読み返してみる。
72スカトロ注意:2006/07/06(木) 01:51:40 ID:mlpzluWN
「う〜ん」

どうも朝比奈さんはお通じがよくないようだ。
そして少し踏ん張っていると、またあの二人が帰ってきた。
「みくるちゃん!撮影するわよ!」
「みっくる〜!あはははははははっ」
鶴屋さん。テンション高いのはいいのですが、少し怖いですよ。
って撮影?何だそれ!!
「ふぇ!!」

「ふぇ〜〜〜〜〜!!」
朝比奈さんがびっくりしたのは仕方ない。なぜならハルヒと鶴屋さんは
荷物を取りに戻っていたのだから。

ハシゴとカメラであった。

「そ、そんな。撮らないでください〜」
こら、ハルヒ!お前、やっていいことと悪いことがあるだろう。
と俺が思ってもハルヒは無駄だった。
二人はハシゴを使って中に進入してきのだった。
73スカトロ注意:2006/07/06(木) 01:57:55 ID:mlpzluWN
「ほぅら、みくるちゃん、うんこして〜」
「みくる。足開け〜」
お前ら、最低だよ。
しかしそのおかげで朝比奈さんは御開帳。
「や、やめて〜」
朝比奈さんの抵抗もむなしくハルヒは朝比奈さんの大事なところを
いじり始めた。
「じゃまずは聖水映像から撮影ね〜」
「アン、ど、どこ、触っているんですか〜」
その悶絶した顔を鶴屋さんが撮影している。
「ほぅら、みくるちゃん。はやくおしっこして!」
ハルヒ……。お前いつからAV監督になったんだ?

「ダメ、ダメ。出ちゃうぅ、出ちゃうぅよぉ」
朝比奈さんがびくびくとし始める。ついに出るのか。朝比奈さんが
おしっこをするのか。カメラは回っている。鶴屋さんも緊張しているのが
伝わる。つーか、個室のトイレに4人って狭いな。なんか熱くなってきた。


「あああぁぁぁぁぁっ!!らめええええぇぇぇっ!!」
ぷしゃ〜っと音がした。黄色い水が出て、ハルヒの手にもかかった。
「うわ〜、みくるちゃん、おしっこもらしちゃったのかな〜」
「みくる、大洪水じゃん」
そして俺も不覚にもちんちんおっきした。
74名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 02:04:05 ID:/MmH3blI
>>64
いい雰囲気だけど、クジで別れて別行動してるはずなのに、ずっと五人一緒にいるように見えてしまう。
75スカトロ注意:2006/07/06(木) 02:05:31 ID:mlpzluWN
「ふ〜ん、ほら。みくるちゃんのおしっこよ」
といって舐めるハルヒ。うらやましくないぞ。うらやましくないぞ。
「ほぅら、みくるちゃんも舐めるのよ」
「あ、いや〜」
「ほぅら、はやく!!」
そういってハルヒはみくるちゃんの口に指を入れる。
「ふぉぐふぉぐはむはむぅ」
そして指を抜くとハルヒは朝比奈さんにキスをはじめる。
「あん、ちゅ、ちゅ、んん」

その姿を見てちんちんおっきした俺はゴクりとツバを鳴らす。
ハルヒの手が朝比奈さんの胸を揉んでいる。
そして鶴屋さんが撮影しているが何故か俺と距離が近い。
俺が離れると俺にこころなしか近づいてくる気がする。
そして次の瞬間、俺はびっくりした。
鶴屋さんが俺の股間をさわっていたのだ!!

76スカトロ注意:2006/07/06(木) 02:10:45 ID:mlpzluWN
「キョン君、知ってるよ。古泉君に聞いたからね」
何!!よりによって古泉か。
「みんなにばらされたくなかった、もうキョン君はだまって
触られるしかないっね〜」
といい鶴屋さんが俺のちんちんをまさぐる。
そして透明で見えないハズなのだがジッパーを下ろされ、俺のちんちんが
解放された。もちろんおっきした状態でした。
鶴屋さんがちんちんを手コキしている!!

衝撃的な状況だ。しかも目の前でハルヒと朝比奈さんがレズ行為をしている。
ハルヒは朝比奈さんに自分の胸を揉むように強制している。
なんだ、この状況は。

「キョン君もめがっさ胸揉みたいでしょ」
そういうと鶴屋さんは俺のちょうど右手前にいる形になった。
「胸、触っていいよ」
そういいながら手コキする鶴屋さん。
77名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 02:11:57 ID:ApDNHjsc
>>64
なかなか良かった。
エンドレスエイトの1回目、そしてループを抜けた後か。
斬新な発想だな。
ループから途中分岐、っていうのは結構あったが。

続きというか、次回作にも期待。
とにかく、乙。
78スカトロ注意:2006/07/06(木) 02:15:08 ID:mlpzluWN
それではおいしく頂きたいと思います。
俺は鶴屋さんのおっぱいに手を伸ばし後ろから揉みほぐす。
「アん。痛いにょろ〜。めがっさ優しく、ね」
「あっ、すいません」
そう小声で返す。鶴屋さんは俺のちんこを触っている。
時々、皮をひっぱたり、つねったりする。それが余計に気持ちいい。

目の前では朝比奈さんとハルヒがお互いのあそこをさわりっこしている。
さりげなく簡単に流しているが俺のちんこはさらに充血して膨張した。
なんといってもハルヒのあそこも見ているのだ。それは朝比奈さんに負けず
劣らず綺麗なピンク色だった。

79スカトロ注意:2006/07/06(木) 02:21:06 ID:mlpzluWN
「ほれ、キョン君もそろそろでしょ〜」
鶴屋さんが俺のちんこをいじりまくる。なんてエロいんだ。
俺も鶴屋さんのおっぱいをソフトに愛撫する。
鶴屋さんのおっぱい。

鶴屋さんのおっぱい。

もう一回カキコする。

鶴屋さんのおっぱい。

「アン。キョン君のえっちぃ〜。めがっさ気持ちいいかも」
そういって余計に手コキスピードが激しくなっていく。
「鶴屋さん、もうイキそう」
「キョン君、射精しちゃう〜〜の?」
さらに激しくなる手コキ。

「みくるちゃん、ヤバイ。イク、イキそう。もう……ダメ」
「わふぁたしも〜、だめへええええぇぇぇぇ〜」

「ほぅら、向こうも絶頂だにょろ〜。めがっさイケー!!」


射精が大きく行われました。そうです。僕の息子たちがたくさん出て行ったのです。
80名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 02:23:27 ID:jbwLFmwN
みんな邪神扱いかな
81スカトロ注意:2006/07/06(木) 02:25:53 ID:mlpzluWN
そして精液は二人にかかりました。
「へぇ?」
「あん?」
当然です、こんな狭いトイレの個室のなかで出せば当然なのです。
そしてその瞬間、俺を隠していたはずの情報歪曲が解除されたのです。
「キョン君!!!」
「キョン!!!」
「あっれ〜?キョン君、なんでここにいるの〜?」
最後のが鶴屋さん、当然ながら白々しい。


チンポだして射精していた俺がここにいます。俺の息子はすでに地面に頭を
下げて謝っていますが、どうも許してくれそうになりません。

長門、裏切ったのか……。


「すいません、許しわせdrftgyふじこpl;@」

どうなったかは御想像にお任せします。

82名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 02:36:56 ID:xwGShqRR
前スレ844に不覚にも笑ってしまった。James Clerk Maxwellね
83名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 02:43:20 ID:xwGShqRR
すまん、途中で書き込んでしまった。
前844みたいな話を書くやつもいるんだな。とてもエロパロとは思えない。
84名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 02:46:18 ID:VYddhUWN
前スレと聞いて間違えて本スレ見たら偶然にも844がJaneがどうとかだったため死ぬほど混乱した件について
85名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 02:55:34 ID:QpC8ClOa
>>84
ワロタ
86名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 04:21:26 ID:79srplht
マクスウェルがどうしたっていうんだ、わからない。
ちくせう、俺に長門を理解する資格は無いのかorz
87名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 04:24:56 ID:VYddhUWN
848 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2006/07/06(木) 00:00:34 ID:RSQA9V/e
>845
ワロス


野暮を承知で解説すると
速度の早い分子だけを追い出して遅い分子を受け入れる、っていう働きをする架空の小妖精を
「マクスウェルの悪魔」
といってこいつは熱力学第二法則に反する存在なわけで
そいつを考案した科学者マクスウェルのミドルネームがクラークなのと引っ掛けたジョーク



ていうか長門さんあなたの読んでる本が想像できますよ
メガネで頬ヒゲをたくわえたふとっちょのユダヤ系生化学者の本でそ?
88名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 04:26:16 ID:mHCuuvpj
>>86
     _
    , ^   `ヽ
   イ fノノリ)ハ 大丈夫、私を理解する手段は一つではない
    リ(l|゚ -゚ノlリ  あなたのやり方で私を理解して欲しい
     /つ  lつ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
89名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 05:00:10 ID:mlpzluWN
┌──────────────────┐
│┌────────────────┐│
││長門.N> ID:79srplht死ね       ││
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90名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 05:01:25 ID:mlpzluWN
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│┌────────────────┐│
││長門.N> ID:79srplht死ね        ││
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91名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 06:49:39 ID:XDEDczAG
長門.Nて
92名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 08:11:30 ID:u3hmHB5u
>>91
ID見れ
反応すんな
93名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 08:42:53 ID:bhWKh5dD
不覚にも中尉でおっきした
94朝比奈みくるの誕生:2006/07/06(木) 09:14:55 ID:tvOyzpmC
「私達は朝比奈みくるに成るためにここに居る。」
大小様々な声だが確実に全て同じ声でその斉唱は聞こえた。

過去と未来を紡ぐ存在。
朝比奈みくる
此所はその固体を育成する場所。
私達はその為だけに生まれて来た。
過去に採取されたオリジナルのDNAから培養されたクローンそれが私達だ。
私達は朝比奈みくるについてのパーソナルデータについては一切知らされていない、
それを知る事は禁則事項なのか、
またそれこそが規定事項と言う物なのかは大人達は教えてはくれない。

私は規定事項を信じていない。
未来は過去を積み上げ、
過去はあくまで過去を積み上げ今の世界を成していると私は考える…
だが、私達は生まれて来たのだ。
朝比奈みくるに成る為だけに。



電波文失礼、
続くかも。
95古泉 一樹の日常:2006/07/06(木) 10:26:31 ID:F86WrUvs
なんか随分かかった気がするな
やっと、本当にやっと映画館にたどり着いた。
つーかいまさらながらキョン吉と朝比奈が暗い中二人っきりってのはまずくないか?
朝比奈がキョン吉の手を握ったりしたらキョン吉はオーバーヒートするだろうし、
キョン吉が朝比奈の手を握ったりしたらそくホテルだ(証拠はオレのポケットに入ってる)
なんとかしなければならないのだが・・・どうする?
偶然を装って二人に声をかけるか? いやしかしなぁ・・・
受付でチケットを渡し中に入っていく、オレもチケットを出して中に入ると二人を発見。
『キョン君、ちょっと私お手洗いに行って来ていいですか?』
『ええ、どうぞ。すいません気がつかなくて』
『うふ、だいじょうぶですよぉ』
『じゃあ先に席をとって置きますね』
『はい、お願いしますね』
朝比奈がいなくなる、そういえばオレもトイレ行きたいな・・・ちょっと行ってくるか。トイレに入っ所でイヤホンから、
『あっれ〜キョン君! こぉんなところで会うなんて奇遇だねぇ〜』
と、元気な声が聞こえてきた。
『あれ、鶴屋さん、たしかに奇遇ですね』
『あはは! そうだね、キョン君は一人なのかい? あたしは一人なんだよ〜』
『以外ですねこういうのに一人でくるなんて』
『本当はみくると来る予定だったんだけどねぇ〜なぁ〜んかみくる、どうぉしてもはずせない用事が入っちゃったんだって、チケットはもうとっちゃってたからね、しょうがないから一人できたんだ』
『え、今日・・・ですか?』
『ううん、明日。でも明日は朝から忙しいからって・・・』
オレのポケットに入ってるものがカサリと音を立てた。朝からねぇ・・・
『キョン君は? はるにゃんと来てんの? それとも有希っ子、まさか古泉くん!?』
『違いますよ、えと。一人で来たんですよ』
気になったのでトイレから出て様子を・・・と朝比奈がキョン吉に手で謝っている。
鶴屋からは見えない位置なんだろう。キョン吉にはみえるようだが。
『ひとり〜んん〜めずらしいねぇ〜。良し! せっかくだからお姉さんと一緒に見よっか!』
ナイスッッッッッ鶴屋!!
『ささ、早く席をとろ、早くしないと席が埋まっちゃうよ。あ、すいませ〜んオレンジュース二つとキャラメルポップコーンのいっちばんおっきいのください〜い』
イヤホンから小さく「かしこまりました」と聞こえる。
どうやらキョン吉は鶴屋と映画を見ることになったらしいな。まあ朝比奈の自業自得だろ、いい気味だ。
これで朝比奈もあきらめるかな?
と思ったのだがそんなことはないようだ、一人で入っていった。
しかたない、オレもいくか・・・その前にトイレ。
映画の内容ははっきり言って全然頭には入らなかった。
キョン吉と鶴屋は真ん中ぐらいのいい所で並んで座っている、朝比奈はその三つ後ろで二人の後頭部を見つめているようだ。オレはその右斜め後ろ四列目、人が少ない所だ。
ここなら鞄を隣の席においてもなにも言われないし映画を見てなくても不振に思う奴もたぶんいない。
オレは遠くから三人の様子をじっと見つめている、当たり前だが会話がないため結構退屈である。
ただじっとしている三人を見つめる俺はもしかしたらものすごいバカなんじゃないのだろうか?
上映開始から一時間半、変化は起きた。
『・・・うっ・・・うっ・・・』
イヤホンから声が聞こえ始めた。
イヤホンがついているのはキョン吉の肩なので朝比奈ではない、キョン吉のあたりからきこえるものであろう。
少し聞いて見当がついた、よ〜く周りを見渡せば同じようやつが何人かいる。ちょうど映画も泣きのシーンであるためそれを見た人間の涙腺が緩んだんだろう。
『・・うっ・・グスッ・・・めがっさ・・・めがっさ』
もしかしてめがっさって泣き声なのか・・・?
非常にわけがわからないが非常に助かることに「めがっさ」=鶴屋なのでこれは鶴屋の声であろう。
映画を見て感動しているようだ。
こういうと一番最初に泣くであろう朝比奈はキョン吉たちの後頭部を見るので忙しいのか泣いている様子はない。
『うっ・・・ううっ・・』
『・・!』
鶴屋の泣き声とキョン吉の変な声が聞こえた、まさかキョン吉も泣きそうなのか?
しかしそれは違うようだ、キョン吉の様子は変だがあれは感動とかではない。どちらかというと・・・動揺?
あそこでなにが起きているのかさっぱり分からないがこういうときはどうすればいい?
鶴屋がなにかをするとは考えにくいが・・・
96古泉 一樹の日常:2006/07/06(木) 10:27:48 ID:F86WrUvs
いやまあ、結局オレは何もしなかった。
というかする必要がなかったからだ。
あれからのことを少し話そう。
映画の途中で泣き出した鶴屋だが、キョン吉が何も言わずに鶴屋の頭を抱いてやった。
泣いた子をあやす親のように優しくだ。
その瞬間朝比奈がビクッ! と震えたが気にしない。
鶴屋の泣き声はそれで収まった。
映画が終わって二人が映画館をでた後朝比奈が少し後ろで二人を見つめる中、オレのイヤホンからはこういう会話が出てきた。
『ごめんねぇキョン君、恥ずかしい所をみせちゃったね』
『いえいえ、むしろこちらこそいい思いをさせてもらいましたよ』
なにしたんだよ。
『もぉ〜キョン君はそういうことをあまり言わないの、ただでさえハルにゃん達のこととかあるのに』
『ハルヒが・・・なんです?』
『・・・あっちゃ〜みくるから聞いてたけどここまでだとは』
『・・・?』
ええ、わかってくれますか? オレもそれで苦労してます。本当に。
『あーいいのいいの気にしないで、それよりキョン君』
『はい?』
『今日のことは・・・さ、内緒にしてくれないかな? キョン君と映画を見て泣いて思わずキョン君の手を握っちゃったなんてさ。ちょっと・・・恥ずかしい・・・かな?』
あ〜さっきのキョン吉の動揺は鶴屋に手を握られたからか。手を握って動揺するとは・・・青いのぉ。
『わかりましたよ、そういうことでしたら内緒にしたおきましょう』
『うん! ありがとね! あっ! そうだキョン君、これから用事ある? おいしい中華のお店があるんだよ』
鶴屋が行くような店ってどんな所なんだろう、そこには興味あるな。
『いえ、せっかくですがこれからちょっと用事がありましてね』
『そうなのかい? じゃあしょうがないね。じゃ! あたしはもう行くね』
『ええ、懲りずに誘ってくださいね』
『まかせるにょろよ!』
鶴屋が一人、キョン吉から離れて歩いていく。やっと朝比奈が合流した。
『どうも、なぜか随分久しぶりな気がしますよ』
『そうですね』
『じゃあ映画も終わりましたし・・・』
『はい』
帰るんだよな。帰るんだよな!?
現在時刻、午後五時。夕飯を食べてホテルにゴーにはいい時間である。
朝比奈がポケットに手を入れてるし! キョン吉ぃぃぃぃ! ゴーホーム!
『帰りましょうか?』
やったぁぁぁぁぁ!!!!
『え?』
『朝比奈さん、明日は朝から用事があるみたいですしね。すいませんそんな日に誘ったりなんかして』
『えっ・・・いやその』
『駅まで送りますよ、早く行きましょう』
『・・・・・・・・・・はい』
神はオレを見捨てなかった・・・
いや、神=涼宮ハルヒだから無意識のうちのキョン吉を守ったのかもしれん。
それはともかくこれで今回の仕事は終わりそうだ・・・よかった。
見慣れた駅にたどり着き、キョン吉と朝比奈はここで別れる。
『じゃあ朝比奈さん。また部室で』
『はい・・・じゃあ』
97古泉 一樹の日常:2006/07/06(木) 10:33:01 ID:F86WrUvs
二人が分かれるのを見て俺は最後の仕上げに入る。
キョン吉近づいて、
「朝比奈さんとデートですか? うらやましいですねぇ」
「ぬぉ・・・古泉・・・いつから見てた」
最初から。
「今しがたですよ。用事がありましてね、少し出てたもので。そこから帰ってきたらあなた方がいた。それだけですよ」
「そうかい」
「ええ」
キョン吉が探るような目でオレを見ている、そうそうに立ち去るとしよう。
キョン吉に近づいて肩に手を置き。
「僕はね。あなたがどんな選択をするか楽しみなんですよ」
「選択? 悪いが俺はお前らの言うとおりに動くつもりはないぞ」
「もちろんわかっていますよ。僕が言いたいのそういうことではなく。もっと大事な・・・」
「大事な?」
「・・・ここから先は自分で考えてください。僕が言うのは禁則事項ですから」
キョン吉が俺をにらんでる。
「お前の話は何一つわからん」
「本当に分からないんですか? それとも分からない不利ですか? どちらにしろ。今のあなたは少し残酷です」
「なんだと?」
「僕に出来るのは涼宮さんの娯楽提供だけです。ですが、あなたは違う。あなたの選択一つで世界がどうなるか・・・想像もしたくありません。ですが、それを差し引いても僕はあなたの選択が気になりますね。個人的に」
肩から手を離し。盗聴器回収。
「いずれにせよ、それが見られるのはそう遠くないでしょう。期待してますよ? もちろん個人的に・・・ね」
キョン吉に背を向け歩きだす、キョン吉が俺をにらんでいるのがよく分かる。
あ〜あ疲れた。尾行もそうだがあの口調とそれっぽいこととか面倒なんだよな。
最初っからお前の答えも見えているのにさ、うまくいかない。うまくいかないよ。
こういうときにぴったりの言葉があるな
キョン吉の得意の台詞だ、借りるぜ。
やれやれ・・・

次の日
俺は校門前で悩んでいた。
正確にはその手前だが。
校門のところで鶴屋が立っている、どう見ても人を待っている感じだ。
待っているのが朝比奈で無いことはたしかだろう。
手に何かを持っている。
何かを考えては赤くなったり落ち込んだりしているので何を考えているのか正確にはわからないが
多分キョン吉をまっているんだろうなぁ。
昨日のことかな・・・
案外鶴屋が妙にSOS団にかかわってくるもそういうわけなのかもしれないな。
もう一回借りよう
やれやれ。
98名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 10:36:50 ID:j46TG6mU
毎回楽しみにしてるし、内容も良い感じなので好みなんだが
あなたは何故sageないんだ
99名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 11:16:47 ID:2yCFz4Hc
めがっさ泣きにワロスw
100名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 11:57:34 ID:w6ELbKPI
GJは禁句らしいが今はそれしか浮かばない
100 GET ?
101名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 12:28:45 ID:Nm/bP03z
鶴屋さんスキーとしてはかなりナイスな展開だぜ・・・ダルメシアンゲット
102名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 13:35:53 ID:RwGku3bd
ダルメシアン2ゲット
103名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 13:45:04 ID:mlpzluWN
アニメも終わり、


このスレも終わったな。



原作厨が偉ぶる糞スレと化した。



まさにうんこだ。



うんこ
104名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 13:46:13 ID:79srplht
今沖田

>>88
ありがとう。有希は優しい子だね。
105名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 13:52:11 ID:TRUA/LkV
 小ネタ

 それはある日の放課後。
 今日は特別な活動もなく、それぞれが好きなことをやって過ごしている。
 ハルヒは、いつものように団長机でネットサーフィン。
 長門といえば、お決まりの場所でお決まりのような分厚い本を読んでいる。
 朝比奈さんは、空になった急須を洗っている。ひらひら揺れるメイド服がまぶしいぜ。
 そして、古泉は俺とオセロをしている訳だ。盤面のほとんどが白で埋め尽くされているがな。

 平和なひととき。

 だが、なんかさっきからハルヒの様子がおかしい。
 パソコンの画面を睨み付けたまま、マウスをカチカチカチカチと鳴らしている。
「おい、ハルヒ。カチカチうるさいぞ」
「いいじゃない、カチカチぐらい。こっちは退屈で退屈でしょうがないのよ」
 机に頬杖をついてハルヒは溜息交じりに言う。
「退屈退屈ってそりゃ……」
「ちょっと! キョン!」
 こらこら、俺が話してる途中に叫ぶな。
「あんたの話なんてどうでもいいわ! それよりテポドンが発射されたってほんと!?」
 さっきとはうってかわって、目をキラキラさせながらパソコンの画面を覗き込んでいる。
 たぶん、ネット上で配信されているニュースでも見つけたんだろう。
「そうみたいだな。まあ七発全部日本海に落ちたみたいだけどな」
 俺もニュースで見たときは驚いたな。ついに来たか、って感じだな。
「ほんとだ。あーあ、なんか面白くないわね」
 はあ、と溜息をついてアヒルのような口になるハルヒ。
「こう、なんていうのかしら。テポドンが日本に落ちてきて、日本は核の炎に包まれた!
 なんて展開にならないかしら。そうすればきっと世紀末覇者とか出てきたり、今よりもっと
 面白いことが起こるに違いないってあたしは思うのに。そうなればいいのになあ」
「バカ、そんな漫画みたいなことになるわけ―――」

 ある! 十分にありえる! ハルヒは願望を実現させる力がある!

 古泉は笑っている。だけど、それは絶望を含んだ笑顔だ。
 朝比奈さんは、急須を手に持ったまま、あわあわと怯えている。
 長門は、相変わらず無表情だが、なんかいつもの数十倍の勢いで無表情だ。
 
 こりゃ、やばいな。確実にやばい。このままじゃ、本当に世紀末覇者とか出てきてしまう。
 そんなの勘弁だ。俺は拳法なんて使えないぜ。ああ、生き残れるかな。

 ―――って、そんなこと考えてる場合じゃない!

「ハルヒ、考え直せ! 力が世の中を支配するような未来はお前だって嫌だろう?」
「そんなのいいじゃない、あたしの勝手な妄想なんだからあんたに関係ないでしょ!」
 ばんっ、と机を叩いてハルヒは俺に抗議する。
 だが、ここで折れる訳にはいかない。
 本当にそんなことが現実で起きてしまったらシャレにもならない。

 ―――がたん。

 長門が椅子が音をたてる程の勢いで立ち上がる。
 その目は窓の外を見ている。そして、指を指す。

「……きた」

 次の瞬間、俺の視界は真っ白な光に包まれた。



 YouはShock! 
106名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:02:11 ID:Vh0y9tAd
小ネタとはいえ、あんまり不謹慎なのはどうかと…。
107名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:09:31 ID:mlpzluWN
いちいち文句たれるんじゃねぇよ

じゃお前が書け。 ID:Vh0y9tAd
108名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:14:15 ID:f2u4o7Pk
はいはいスルースルー

不謹慎なのは余り推奨できないけど、実際打ち込まれては無い訳だし、
この位なら許容範囲内だと思う。



実際、国土に落ちてたら削除物だが。
109名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:19:04 ID:1nrO2uZX
今度また発射されたらハルヒのせいだな。
110名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:19:11 ID:jprY6wPI
テポドンはな……。俺も一週間ほど前、とある場でネタにして笑いをとってしまったのだが、今になって反省している。
とりあえず、こういうネタは、本当に起こる可能性がほとんど無いときでないと笑い話にならないので、発表するタイミングは気をつけたほうがいいんじゃないかな。
思いついて書き込みたくなる気持ちはよくわかるんだけどさ。
111名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:19:59 ID:mlpzluWN
何が削除だよ。
バカか。氏ね

いったいおまえは何様だ?

何様かいってみろよ。ぼけぇ〜
112名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:22:57 ID:mlpzluWN
だいたい他スレで糞の如くネタになれているてぽどんを
このスレだけまじめに取り扱うのか?


お前ら、ほんと自己中心的だな。

まさか、自分がいったら現実化するとかメンヘルなことを考えている?



病院いってこいよ。

113名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:24:25 ID:mlpzluWN
しかもID:jprY6wPI
なんか改行できてねぇだろ。


お前はテポドンの心配するまえに

    改   行    し    ろ   


114名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:33:04 ID:/H/oKzD8
じゃあ俺はテポドンの心配する前に削除依頼して来ますね

騒ぐだけしか出来ないのにやたら偉そうって、まるで北朝鮮の人みたいだね
115名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:33:38 ID:E84qIEmF
ID:mlpzluWN
とりあえず落ち着け
厨発言なぞに過剰反応するなや
116名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:34:21 ID:sV498MIZ
>>前スレ750
>…でも、あの二人を見た時、心臓が痛くなったの。
心臓ワロスw
入院した方がいいんじゃないの
117名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:34:54 ID:/H/oKzD8
取り合えず皆、ID:mlpzluWNが何か感情的な反論をして来ても反応しないでね
そうじゃないと煽りにリアクションした事になって削除が通らないから
118名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:36:27 ID:E84qIEmF
うあ、なんかID間違ってほかの人にレスするかたちになっちまった

電源切ってくる
119名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:39:58 ID:e5aI3bgC
ここは21歳以上しか居ないはずなんだが・・・。
120名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:53:04 ID:z0u+K/Nc

「あ、鶴屋さん? そそ、わたし。ちわーっ」
「うん、イブ以来だね。鍋パはお疲れさまー。ハルにゃんの料理おいしかったね」
「二次会? うん、わたしの家で。楽しかったよー。鶴屋さんも来ればよかったのに」
「でもあれ、口実でしょ。絶対外せないなんて嘘じゃないの? 鶴屋さんがいたほうが絶対楽しくなってたし」
「むー。SOS団SOS団ってそこまで気にすることないのに」
「ま、鶴屋さんがそこまで言うなら仕方ないか。その分、明日からの合宿楽しもうね」

「それでね、聞いてくれる? キョンくんのことなんだけど」
「うん、キョンくんのこと。一昨日ね、わたし、いつもどおり早くから部室で本読んでたのよね」
「ん? あ、団員が集まって大掃除をするためにね。結局大した掃除にはならなかったけど」
「ともかく、なぜかキョンくんだけ集合時間より一時間早く来たの」
「なんでだと思う? それがね、告白よ、告白」
「誰に、って、わたしに、に決まってるじゃない」
「ひどーい。鶴屋さん、そこでハルにゃんの名前出すことないじゃない」
「気持ちはわからないでもないけど、わたしだって可能性ゼロじゃないって」
「ちっ。でね、キョンくんラブレターを書いてきて、わたしの前で読んだの」
「うん。ごまかすように他人からのラブレターを代読するんだって前置きをして」
「でしょ? わたしはキョンくんってうぶでかわいい、って思いながら聞いてたのね」
「そ。きっと最後に、実は他人なんか嘘で、キョンくんからのラブレターだと言ってくれると思ってね」
「そう! そうなのよ。キョンくんったら、本当に他人のラブレターを代筆アンド代読してたの」
「わかる? そのときのわたしの落胆。もうね、キョンくんのこと殴ろうかと思った、一瞬」
「ムリムリ。このわたしならできるけど、あのわたしにはできないって」
「ダメ、ダメなの。あのね、鶴屋さんだから言うけど、夏休みにね、ちらっと出してみたの」
「そう、このわたし。ハルにゃん以外の三人がいるときにね。そしたら、なかったことにされちゃった」
「思いっきり拒否だった。記憶に残すことすら拒否されるぐらいの拒否。みんなひどいよね?」
「だよねー。こっちのほうが面白いとわたしも思うんだけど、ギャップに耐えられなかったみたい」
「少しずつなんとかしていくわ。いつまでもこのままだったら肩凝っちゃうし」
「ありがと。でね? そのあとが傑作なの。わたしは当然断ったんだけど」
「当たり前でしょ。わたしにはキョンくんしかいないの」
「そしたらね、キョンくんラブレターを丸めて窓から投げたの。ぽいっ、て」
「あ、わかっちゃった? なんだ、面白くないなあ」
「わかったのにネタばらししてもつまんないからそれは置いとくとして」
「だってそのままだもん。で、次の日、つまり昨日ね、色々あって、手紙の主と会うことになったの」
「ばっ、ばか! そんなんじゃないって! そのね、ええと、ちゃんと断っておこうってね」
「もう! いいですよーだ、ふん。それに結局、相手も勘違いだとわかって、お互いに断り合いよ」
「知らないもん。それは済んだこととして、そのあとのキョンくんが最悪だったの」
「よりにもよって、わたしに『告白が間違いだとわかって残念だったか?』って言ってきたの!」
「マジ。キョンくん的には、相手の人とのつもりだったんだろうけど、ふざけんなって思ったね」
「ホントそうよ。とどめさされた気分。わたしは愁傷にも『少しだけ』って答えておいたけど」
「そうよね! キョンくんったら信じらんない。そこでね」
「鶴屋さん、冬合宿中にさ、隙を見てキョンくんを代わりにとっちめてくれない?」
「女心を踏みにじるような男には罰があって当然よ! ね、おねがい」
「やたっ。鶴屋さん大好き! 方法はおまかせするね」
「それじゃ、明日駅前で! おやすみー」
121名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:54:18 ID:z0u+K/Nc
『長門有希さんの動揺』 注:長門さんのイメージを壊したくない人は読まないほうがよいです

大晦日前日。今日から三泊四日の年越し冬合宿っ!
ハルにゃんじゃないけど、スパートしてスパークするわ!
時空改変の件を残したまま越年するのは、少し心残りだけど
情報連結解除の危機は、鶴屋さんとキョンくんのおかげで無事回避しました!
クリパのときは、まだ返答が出てなくて、いまひとつ楽しみきれなく不完全燃焼。
その分まで遊んで遊んで遊び倒してやるのよ!

キョンくんの妹ちゃんがついて来ちゃうハプニングがあったものの
駅前で集合してから電車に揺られ数時間。無事に着いた先は、雪! 雪! そして有希!
青空との対照が映える真っ白な雪景色と、それにも負けない可憐なわたしだったのです。
誰もわたしになんか注目してないけどね。新情報に既情報が見劣りするのは仕方ないわ。
ま、いくらでも目の前にある雪なんてそのうち飽きられて、辟易されるに決まってるんだから
今のうちに世の春を楽しむがいいわ、冬だけど! 雪には名付け親になってくれた恩があるけど
それとこれとは別。ユキの座は決して渡さない!

静かな闘志を燃やしているうちに、鶴屋さん提供の別荘へ到着してました。
今回も夏合宿のときと同じように、行き届いた世話をしてくれるのは、いっちーのお仲間さん。
普段あまり目立たないいっちーだけど、人脈の広さだけはかなわないわ。
そういえば、ハルにゃん的には、そんないっちーはどう見えてんだろ。
もう謎の転校生だとはさらさら思ってないだろうけど、謎の御曹司ぐらいには思ってるかもね。
でもこればっかりは、鶴屋さんにお願いするわけにもいかないのよねー。
鶴屋さんも女の子。昨日の告白ネタに声を輝かせてたぐらいだから、頼めば利害一致、
嬉々として問いかけてくれるだろうけど、だ・け・ど。
それは主流派のやり方じゃないのでダメなのです。
むしろ涼子ちゃん、じゃない、バックアップのあの人がいた派閥だった、急進派のやり口ね。
……ちょっと違うかな。急進派も直接ハルにゃんに働きかけたりしないもんね。
どっちかというと、喜緑江美里さんの派閥かなあ。でもそれも違うなあ。
もういいわ、長門派ってことで! キョンくんその他をほかの派閥から守りつつ
ハルにゃんから個人的に面白そうな情報を搾取していく、それが長門派!
うっ、やば。警告が出た。あはは、ジョークですよジョーク。ね?
122名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:55:18 ID:z0u+K/Nc

「キョンくんさ、妹ちゃんと相部屋でいいかい? 部屋数ギリなんだよねっ」
いっちーについて真面目に考えてると、鶴屋さんがキョンくんに声をかけてた。
もう。鶴屋さん、気を利かせてくれてもいいのに。別に、
「別にあたしの部屋でもいいわよ」
なっ!? まさかハルにゃんがこんな大胆なアプローチをするなんて。
キョンくんとハルにゃんが相部屋だなんて、そんなのわたし許さない!
「部屋は広いし、女同士で相部屋になるのが健全でしょ?」
って妹ちゃんのほうだったのね。わたしてっきり。
でもちょっと待ちなさい有希。そこで安心しちゃダメ。
ハルにゃんが策士だということは、コンピ研の件で散々思い知らされたじゃない。
つまり、妹ちゃんを懐柔して、キョンくんとの関係をキョンくん家において既成事実にするつもりなのよ!
お、恐ろしい子。真田有希もびっくりの堀埋め立て作戦だわ。キョン丸落城目前!?
妹ちゃん、そんな策謀まみれの怪しいお姉さんについていっちゃいけません。長門有希に清き一票を!
「みくるちゃんとこがいい」
……ま、いっか。

荷物を置くのもそこそこに、わたしたちは銀世界へと繰り出しました。
自分で言っといてなんだけど、どこが銀世界なのよ。ただの白い雪じゃん。
ストックでぐさぐさ雪をつついていると、キョンくんの姿が視界に入った。
キョンくんは、ぼーっと突っ立って、どっかを見てる。視線を追うと、そこにいたのは、
「わっわっ、きゃあっ!」
初心者丸出しで転んで、雪まみれになっちゃったみくるんだった。
ちょっとキョンくん、なにみとれてんのよ! 百歩譲ってみくるんだけならいつものことだからいいとして
雪まみれがアクセントになってるのは我慢ならないわ。どうして有希まみれじゃいけないの!?
内心ぷんすか怒っているわたしをよそに、キョンくんはひたすら和んでいた。むかっ。
「キョンくーん」
そのとき、あさっての方向からキョンくんを呼ぶ声がこだました。
振り向きながら、声の主に返答をするキョンくん。ところが、
「なんですぶっ!?」
キョンくんの顔面に、飛んできた雪玉が見事命中しちゃいました! ざまーみろ。べー。
その雪玉を投げたのは誰かと言うと、
「あっはっは! キョンくん、もうちょっと気をつけたほうがいいっさ。わははっ」
わたしの盟友鶴屋さんだったのであります。こっそりわたしにウインクをする鶴屋さん。
それはまるで、『まずは序の口っさ』とでも言っているように思えた。ありがと。
123名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:56:20 ID:z0u+K/Nc

ほどなくして、みくるんは鶴屋さんの指導でスキーのコツを覚え、すいすい滑ってた。
それはそれでみとれてるキョンくんだけど、今度はみくるんにみとれてるんだから
まあ、いつものことよね。いちいち目くじら立ててたら、容量がいくらあっても足りないって。

「勝負よっ!」
鶴屋さんが妹ちゃんの面倒を引き受けてくれ、SOS団メンバーはリフトに乗って
本格的に滑ることに。当然、勝負好きのハルにゃんが見過ごすはずもなく、ふっかけてきた。
まったく、ハルにゃん懲りないなあ。市民プールの水泳勝負、体育大会の徒競走、
二次会でのゲーム大会。全部わたしが勝ってるってのに。
もっとも、キョンくん争奪レースでかなりの大差をつけられてる事実の前では
全部色褪せちゃうんだけどねー。しかも追い越し禁止が義務付けられてる現状。
いつか出し抜ける機会がくればいいんだけど。あーあ。
おっとと。さっきから文句ばっかよね。わたしは遊びに来たんだから、楽しまなきゃ。
そういうわけで、今回は勝負度外視で、みんなとスキーすることを純粋に楽しむことにした。
ハルにゃんも、キョンくんの件を除けば、大好きの部類に入るし。
みくるんも好きよ、胸を除いて。いっちーも好き、影薄いけど。

軽やかにスキー板を操って左右にターンを決めながらどんどん滑降するわたし。
やがて前方に盛り上がっている場所を見つけ、板を揃えて加速、思いっきりジャンプ!
空中でくるっと宙返りをして着地し、スピードを落とさず次を踏み切って、今度はツイスター。
フィニッシュは勢いを断ち切るように派手なブレーキングで雪を撒き散らかした。
ゴーグルを上げて、降りてきた方向を見上げる。どう? キョンくん。
もちろん、キョンくんがいないどころか滑降シーン全部作り話なんだけど。
わたしがそんな動的に滑るわけないじゃん!

というわけで、すいーっという擬音が似合う滑り方で、わたしはのんびり斜面を下っていた。
ハルにゃんが少し前を滑っていて、あとの三人はわたしの後ろ。
しがらみも全部忘れて、普通に遊んでるって気分がして楽しかった。
邪魔が入るなんて、これっぽっちも思ってなかった。
124名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:57:22 ID:z0u+K/Nc

斜面を滑っていたわたしが違和感を覚えた次の瞬間、
「え?」
ハルにゃんが声を上げたのも無理はなく、晴天が吹雪に変わっていた。
音を立てて吹きつける雪に文句を言ったり、なぜこうなったのか現状を分析するのが
わたしのすべきことだったんだろうけど、それどころじゃなかった。
もし、わたしの感情が行動にストレートに出るなら、
『きゃあああああっ!』
と悲鳴を上げて、その場にしゃがみこんでたと思う。
切れるはずのない、情報統合思念体との連結が切れちゃったからだ。
それはわたしにとっては、いきなり全裸になったに等しかった。
すぐに後ろを滑っていたキョンくんたちが追いついてきた。説明を求めるようにわたしを見てくる。
み、見ないで……恥ずかしい。
わたしは、あまりの羞恥心に、その場に卒倒しそうになったけど、なんとか耐え、
「先導する」
ナビを務めることにした。そうすれば、少なくとも視線を合わせなくて済むから。

はっきりと失敗だと悟ったのは、しばらくしてからだった。
視線は合わせなくて済むものの、逆にほかの四人の視線が集中して、わたしは内心転げまわっていた。
そんなわけないのに、お尻をじろじろ見られてるような気さえして、もうダメ。泣きそう。
しかも進まないと怪しまれるから進んでるけど、空間自体がおかしいらしく、着きそうにない。
どうすりゃいいの、わたし。

この空間に入ってから二時間四十六分四十秒経過したとき、ハルにゃんがしびれを切らした。
「待て」
かまくら作りを提案するハルにゃんに待ったをかけたのは、キョンくんだ。
キョンくんはそのままわたしに近寄ってくる。こないでえええええええええええ。
「どうなってる?」
リンク切れて全裸になってます。うう、こんなときでも冷静に行動しなきゃいけないなんて。
ゆっくりと顔を上げ、キョンくんの瞳を見つめる。あうあう。裸どころか、心の中まで覗かれてる気分。
「解析不能な現象」
ぽつりとそう言えた。
125名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:58:34 ID:z0u+K/Nc

「ふぇー」
みくるんがあひる坐りで床にお尻をぺたっとつける。
会話から数分後、ハルにゃんが必然、見つけた洋館にわたしたちは転がり込んでいた。
わたしは、なるべく目立たない位置を確保して、ぼーっと佇む。
キョンくんと正面きって会話したことで、わたしはかなりの精神的ダメージを負っていた。
お互い裸ならともかくこっちだけ裸で、しかも相手はそう思わずに不躾な視線を送ってきて
なおかつ冷静に応対しなきゃいけないという、この状況に耐えられる人は、倒錯趣味すぎ!
わたしは純情一直線ピュアハートの持ち主なので、死にそうでした。

洋館に入ってすぐ、ハルにゃんが館に誰かいないか探しに行くことを宣言し
キョンくんがそれについて行った。キョンくんが見えなくなって、思わずほっとする。
ハルにゃんとキョンくんが二人っきりであることに気を回す余裕は、ちょっとなかった。

「朝比奈さん、長門さん。この事態に心当たりはありませんか?」
二人が階段を上がってしばらくして、いっちーが口を開いてきた。
「ごめんなさい。ないです……」
二人がいなくなって気が抜けたか、仰向けに寝転がってみくるんが答える。お疲れ気味っぽい。
そりゃ三時間弱も雪の中を歩いたら疲れちゃうのも当然だわ。
わたしも肉体的な疲労はないものの、あっぷあっぷ。口を動かすのも億劫だから答えなかった。
いっちーはそんなわたしたちに肩をすくめて、二人が上がった階段のほうを見上げてた。

「変ですね」
いっちーが眉をひそめてそう漏らしたのは、二人が探索に行ってから五十分十四秒経ったときだった。
みくるんもだらしない格好はとっくに止めて、立ち上がってる。不安そうな顔を隠さない。
「どうしたんでしょうか……」
つぶやくみくるんに、考え込むいっちー。ぼーっとしてるわたし。
しばらくして何か思いついたのか、いっちーがわたしに声をかけてきた。
「長門さん、僕から見えない位置に行って、見えなくなってから十分後に戻ってきてもらえませんか?」
右から左に声が通り抜け、半ば自動的に体が動き出す。りょーかい。
126名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:00:04 ID:z0u+K/Nc

角を曲がって、いっちーたちが見えなくなると、わたしは床にへたり込んだ。
時間をカウントするのはタイマーに任せることにして、ぱったりとうつぶせに倒れ伏す。
情報統合思念体と遮断されたことで、メモリから記憶領域に転送する作業効率が激減してキツかった。
メモリの容量自体は、まだまだけっこう余裕があるんだけど、この状況がずっと続くと
熱暴走しちゃうかも。それにこの状況をなんとかするためには、もっと空けとかないと。
だから少しでも新情報を取り込まないように、何もしてないの。
考えるのもやめちゃいます。

タイマーとともにひょっこり起き上がったわたしは、いっちーたちのところへ戻った。
空間に取り込まれてから四時間十八分十八秒。うん、バッチリ。
「あれ、長門さん?」
みくるんが不思議そうな声を出す。反応せずに所定の位置に戻った。
「長門さん、十分ちょうど数えましたか?」
いっちーの問いかけに、首を三十度下向けて、戻す。
「おかしいですね。僕たちはまだ二百も数え終わっていないんですが」
知らないもん。いっちー、考えるのは任せたー。

さらに二時間弱経って、ようやくキョンくんとハルにゃんが戻ってきた。
ふう、のろのろ速度ながら、なんとか大部分を処理できた。よかったよかった。
安心するとともに、わたしのキョンくんセンサーがびびっと鋭く反応する。
なんか、キョンくんとハルにゃんの距離が近くなってませんか!?
ちっ、やっぱキョンくんをハルにゃんと二人きりにしたのはマズかったか。
何したかわかんないけど、ハルにゃんにポイントを加算されちゃった。あーあ。

さっきの失敗を踏まえて、最後尾をこそこそついていき、必要最低限の受け答えをして
必要最低限の行動を取って、わたしはひたすら省エネに徹したかった。
なのにキョンくんったら、わたしのことが気になるのか、ちらちら見てきて、もう台無し。
あまりにも見てくるから、遮断されてることを話したら、気遣ってか余計に見てくる始末。
あ、裸の件は言ってないわよ。そんなの告白する人いないって。
にしても、なんでわたしを見て欲しいときに見てくれなくて、見て欲しくないときに見てくるのよ!
せっかくメモリの容量を空けたのに、裸を見られる恥ずかしい気持ちでどさどさ埋まっていく。
これじゃ、打開策を出すための行動に出られないよお。
127名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:01:14 ID:z0u+K/Nc

「お風呂に入りましょうよ」
食事を終えて一息ついてから、脳天気にもハルにゃんが申し出た。
キョンくんと同席してる現状よりかは、何倍もいい案だったから、反対しなかったけど。
ちょっと頭が熱っぽくなってきてたから、冷水をかぶりたいってのもあったし。
そういうことで、部屋割を決めてから、先に女子三人で大浴場へ繰り出したのでした。

「わあ、広いお風呂ですねぇ」
みくるんが感嘆したように、誰が用意したか知らないけど、十人ぐらいは優に入れそうなお風呂だった。
お風呂というより、銭湯かも。蛇口もずらっと並んでて、助かるわ。
ここだと裸のほうが普通だしリラックスリラックス。
「さ、女同士、腹を割って裸の付き合いをしましょ」
そう言いながら、みくるんににじり寄っていくハルにゃん。
「えっ? す、涼宮さん、ま、待ってくださ」
「待つわけないでしょ。そーれご開帳ー!」
「ひえええっ」
バスタオルなんか着込んで入るのが悪い。わたしもハルにゃんも薄手のタオル一枚だけよ。
タオルを剥ぎ取られてまろびでるみくるんのおっぱいは見たくなかったので、わたしは黙々と
椅子に腰掛けて、洗面器に冷水を注ぐ。それを頭の上まで持ち上げて、傾けた。
中身がわたしの短い髪の上で跳ね、肩から慎ましい曲線を経て、腰掛けている部分に流れ込む。
冷たくて気持ちいいっ! 気分爽快で頭も冴え渡ってきて、ほんと、助かったー。
「うーん、やっぱりじかに見ると改めてすごさを認識させられるわね、みくるちゃんの胸は」
「あまり見ないでください……恥ずかしいです」
「いまさら見られるぐらい、なんだってのよ。うりゃうりゃ」
「ひ、ひぃっ! も、揉まないでええぇ」
楽しそうですこと。
今ごろ、キョンくんといっちーは頭を悩ませてるだろうってのに、まったくこの二人は。
「有希、洗いっこしましょ」
「……」
もっと冷水浴びたかったんだけど仕方ないか。洗面器を置いて、立ち上がって振り向く。
くっ、みくるんも大きいけど、ハルにゃんも健康美あふれるおっぱいって感じで腹立つ。
なんでわたしもおっきくしてくれなかったのよ、このアホ主流派!
128名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:03:01 ID:z0u+K/Nc

……そだ、今リンク切れてんじゃん。文句言いたい放題だわ。
こないだはよくもわたしを情報連結解除しようとしたわね、このエロスケベ思念体!
あんたらいつも克明に情報を記録する名目の下、勝手に着替えやお風呂覗いてるのに
ちょっと世界改変したぐらいで、なに真面目くさってわたしを処分しようとしてんのよ!
というか、あんたらノゾキしてたから、世界改変で存在消されたんじゃないの? 自業自得じゃん。
あとで江美里ちゃんから聞いた話じゃ、主流派のおっさん、メガネをまたかけるなら
情状酌量してやってもいいんじゃないか、とか掛け合ってたんですって?
ここだから言えることだけど、主流派のおっさん、事あるたびにメガネメガネうっさいのよ!
「どうしたの? 有希」
わたし知ってんのよ、おっさんたちが有希たんファ(中略)このロリコ(中略)涼子ちゃんが
独断専行したのだってあんたらのセクハ(中略)懲りずに江美里ちゃんまで萌(中略)さらには――
「ふっふっふ」
「涼宮さん、ダメですよぅ」
江美里ちゃん『おでこ見せないと怒られるんです』って泣いてたわよ!?
あんたら、もしかして変態趣味の相違で派閥を作ってるんじゃないでしょうね?
インターフェースだからってナメてると、いつか下克上してやるぞこの――
「うりゃ!」
「ひゃんっ!?」
心の中で愚痴ってると、いきなり誰かが後ろからわたしのおっぱいを揉んできた。
あまりに無防備だったから、びくっと体が反応して、色っぽい声を出してしまった。ふ、不覚。

怖々表情を窺うと、正面にいたみくるんは、タオルで前を隠すのも忘れて、顔を硬直させていた。
なによ、その宇宙人にでも遭遇したような表情は、ってわたし宇宙人か、あははってこれも久々。
みくるんはともかく、わたしのおっぱいを揉んだまま手を動かしてないハルにゃんが気になるわ。
でも、振り返るのもわたしらしくないし、冷静を装って、無表情で佇むことにする。
しばらく沈黙が漂ったあと、ハルにゃんが手をわたしから離して声を投げかけてきた。
「……有希、あんたって意外とかわいい声出すのね」
「……」
恥ずかし。
129名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:05:06 ID:z0u+K/Nc

ただの悲鳴だったからなんとか見逃してくれたらしく、避けられるようなこともなくて助かった。
でも、ハルにゃんの表情はちょっと気になった。今まで見向きもしてなかったおもちゃの
面白い面を見つけたような表情。もしかして、わたしもみくるんカテゴリー入り?
ハルにゃんの背中を流しながら、着せ替え人形になりませんように、とわたしはひっそり祈った。
キョンくんに見せるのはいいけど、ハルにゃんの嗜好ってアホ思念体と似通ってる部分があるから
無駄に喜ばせそうでイヤ。あ、さっきの愚痴と今のを隠滅しとかないと。

体を洗い浴槽につかり、普段絶対言えないことを言えたことで、身も心も頭もすっきりしたわたしは
ハルにゃんやみくるんとともに食堂にいた。そろそろ、行動を起こさなきゃ。さっきは下克上してやる
なんて言ったけど、リンクが切れると裸になるわ制限を受けるわで、やってられないもん。

脱衣所に置いてあったTシャツにハーフパンツを穿いて、フルーツ牛乳を飲みながら、わたしは思索を始めた。
当該空間を支配している存在をつかめるかどうか確認する。コード侵入開始。がんばれ探索プログラムくん!
……うーん、ダメ。誰かわからない。もっとも、わからなくても最低限脱出できればいいのよね。
そっち方面を打診してみる……あちゃー、涼子ちゃんのときより難易度高そう。今のわたしじゃ
熱暴走して倒れるのが先かな。時間さえあれば、なんとかなるんだけど。時間、時間……あ。
わたしは別の命令をプログラムにして、送り込んだ。ほどなくして、結果が出る。
よしっ、これなら。あとは、一人になれる時間を待つだけね。

「キョンくんたちにお風呂が空いたこと知らせてきますね」
と言って、湯上りぽわぽわのみくるんがドアノブに手をかけた。
「よろしくー。あたしはもっと飲み物用意しとくわ」
ハルにゃんが手拍子で答える。
むう。みくるんあれでも未来人だから、時間的なことをキョンくんに質問されたら答えちゃいそうだなあ。
そしたら色々こんがらがりそうだし、なにより一人になれる時間が遠のきそう。
みくるんには悪いけど、ちょっとおバカになってもらおっかな。
ハルにゃんを横目で窺う。台所へ消えていくところだった。
台所の時間経過速度は食堂より早いから、すぐ戻って来るだろうけど、見られなければ大丈夫!
わたしは、超高速で口を動かし始めた。うわ、けっこう負荷かかるなあ。
130名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:06:29 ID:z0u+K/Nc

「朝比奈さん、一つだけ訊きたいんですが」
「はい?」
わたしはキョンくんを見上げて、不思議そうに首を傾げた。
「この館についてどう思いますか? 俺はめちゃめちゃ不自然なシロモノに見えますが」
「ええっとぉ、これも古泉くんが用意したゲームの、ふくせん?なんじゃないかなあって、涼宮さんが」
目をぱちぱちさせて答える。
「時間の流れがおかしいのは、どういう理屈なんですか」
「え、それも含めて、トリック、ってやつじゃないんですか?」
キョンくんが額を抑えて軽く溜息をつく。ごめんよみくるーん。
「朝比奈さん、今ここで未来と連絡はつきますか?」
「へ? そんなの言えるわけないじゃないですかぁ。うふ。禁則ですよー」
キョトンとしてから、くすくす笑いを漏らして、やんわりたしなめる。
「ほら、早くお風呂に入らないと涼宮さんに怒られますよ。ふふ」
そのまま、ふわふわと階段へ歩いていった。途中で振り向いてウインクを送って、階下へ降りる。
わたしはキョンくんから見えなくなったところで、偽みくるんを消した。
最後のウインクは、ごめんねの代金ってことで、みくるん許して!

「知らせてきましたぁ」
わたしの主観時間で数分後、みくるんが再び食堂に姿を見せた。
ジュースをテーブルの上に並べていたハルにゃんが、みくるんに声をかける。
「あの二人、部屋にいた?」
「ええ、それぞれ割り当てられた部屋で休憩してましたよ」
それ、わたしの作った虚像だったりして。本物さんがたはとっくに入浴中でーす。

お風呂上りのキョンくんたちを迎えてジュースを飲んだところで、一休みすることになって
それぞれ自室に引っ込んだ。やっとこのときが来たわ!
わたしは音を立てずに部屋の外へ出て、プログラムが見つけてくれた地点へ移動し始める。
その地点は時間の流れが最も早くて、キョンくんたちの十分がおよそ四時間の主観時間になっていた。
いっちーは存在する個人によって主観時間と客観時間に差が出る可能性もある、って言ってたけど
調査した限りではそんなことはなかった。任意で時間の流れる速度を変えられるのかな、とも
わたしは思ったけど、時間の流れは地点地点でよどみなく一定で、この可能性も排除できた。
ブラフの可能性も考えたけど、そのときはそのときで応対するしかない。
だけどわたしはその可能性もないと思っていた。この空間を維持するだけで、相当に負荷がかかっているから。
時間的にロスなく通っていき、主観時間で二分後、キョンくんたちの体感で三十秒後にわたしは目的地に着いた。
131名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:07:08 ID:jbwLFmwN
支援
132名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:07:52 ID:z0u+K/Nc

着いたわたしはまず、ちょこんとその場に正座した。
さて、このまま待っててもいいけど、おっさんの文句を並べ立てて削除、を繰り返したほうが
効率がいいような気がする。まだまだ言い足りないし、そうしよっかな。
というわけで、罵詈雑言ブーストでさくさく不良債権を処理しつつ、空き容量を作っていった。
空き容量を作る一方で、干渉プログラムの組み立ても平行作業でこなしていく。

プログラムが完成したのは、主観時間で丸々一日、キョンくんたちの時間で一時間後だった。
いい仕事したわー。あとは、自分の部屋に戻って、このプログラムを起動させるだけ。
防御が硬すぎて、パスワードつきの脱出口しか作れなかったけど
わたしは答え知ってるもんね。やっと真っ裸からおさらばか、長かったわ。

そろりそろりと自室に戻ったわたしは、早速プログラムを起動させようとした。その瞬間、
「……?」
唐突に館内の全ての時間経過速度が、均等になる。いや、均したんじゃなくて、スイッチを切ったのか。
ってマズっ。その分、余力ができたってことじゃん! 慌ててわたしはプログラムを起動する。
くうっ、起動はできたけど案の定、妨害の手が伸びてきた。情報戦ってわけ?
でもね、わたしだってこれぐらい予測してなかったわけじゃないの。対抗措置を発動させる。
干渉プログラムの周囲を防衛するように、コードが張り巡らされた。
長期戦になると不利だから妨害をひきつけ、最小限の力で水際で防衛してプログラムをねじ込んでいく。
あと少し、あと少し、あと少し!
やった。脱出口を作ることに成功!
自動的に、二段構えのプログラムが発動して、脱出口を強力に固定させる。
さらに、もしもわたしが脱出口を作ることに労力を使い果たしていたときのために用意してあった
パスワードをキョンくんたちに教えるプログラムも作動し始めた。
でもけっこう余裕残ってるから、これは必要なかったかな。
わたしは、最後のプログラムは解除することにして、命令を出す。情報連結解除。
……あれ?
情報連結解除!
うそっ。制御不可能!?
133名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:09:14 ID:z0u+K/Nc

「キョンくん」「ハルヒ」「古泉」「みくるちゃん」
頭の中で、同時に四つの声がこだまして、それぞれの部屋の映像が見える。そしてわたしの目の前には、
「長門」
キョンくんが立っていた。
ここまでは、たしかにわたしがプログラムした通りだった。
一定時間虚像を出現させ興味を引いたあと、同時に部屋を出て後を追わせる。
誰がどの部屋に現れたかに、パスワードが隠されていることになっていた。
でも、制御できないことで不安がよぎる。

「キョンくん、ねえ、ここで寝ていい?」
「ハルヒ、そばに寄ってもいいか?」
「古泉、話があるんだが」
「みくるちゃん、いっしょに寝ましょうよ」
うわっ。こんなのプログラムしてない! それに感覚まで伝えるよう指示した記憶はないのに!
「長門、俺は気付いたんだ。お前への気持ちに」
わたしの前にいるキョンくんはそう言って、歩み寄ってきた。
強制作動させられているプログラムの負荷で、わたしは思うように動けない。
って、いっちーの部屋にいるキョンくん! なんでTシャツ脱いでんのよ!
やめて、わたしそんな趣味ない! あうう、いっちーのうなじなんか見たくない!
わわわ、みくるん、ワイシャツ一枚で過激すぎ。キョンくんを誘惑しないでええ。
おっぱいが当たってる、当たってるって! 柔らかくて弾力性があるのが悔しい!
ハルにゃんも、みくるんのドコに手を入れてるのよー!?
上はともかく、下はダメ! ダメだって! さわさわした感触の先に行かないで!
「ハルヒ」「長門、いや有希」
『愛してる』
ハルにゃんのところにいるキョンくんがハルにゃんを抱きしめ
わたしの部屋にいるキョンくんは、わたしを抱きしめてきた。
キョンくんからの感覚もしっかりと伝わってくる。
偽者とわかっていても、胸は激しく高鳴り、頭の中はぐらぐらして止まらない。
も、もうダメ……
134名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:10:54 ID:z0u+K/Nc

「有希」
キョンくんは片手でわたしを抱きしめたまま首すじに手を這わせ、わたしの顔を上向けた。
そのまま顔を近づけてくる。
い、いや! わたしの初めてはこのキョンくんじゃないの。や、やめて……
願いもむなしく、顔が迫ってくる。
でも、神様はわたしを見捨ててなかった。
もう少しで唇と唇が触れ合うところで、
「!」
キョンくんは体を翻し、ドアに駆け寄った。振り返ってわたしを見ると、ドアを開けて出て行く。
同時に虚像が全て消失した。プログラム遂行完了。

でもわたしには、ほっとしてる余裕すら残ってなかった。
熱暴走寸前。限界はすぐそこだった。
最後の力を振り絞って、ドアを開ける。大きな音がして、廊下にはほかの四人も顔を出していた。
「あれっ? あんた……」
本物のハルにゃんが正面のキョンくんに呆然と声をかける。
そりゃ、呆然としたくもなるよね。抱きしめられたりしたら。
それぞれ、わけがわからないといった面持ちで誰がどの部屋に来たのか説明した。
そして、
「長門、お前のとこには誰がやってきた?」
キョンくんがわたしに訊いてきた。その姿に、みくるんが迫ったときのことを思い出す。
ワイシャツ一枚のわたしが、ボタンを全部外して、キョンくんに――
キョンくんの視線が、主観的に全裸のわたしを撫で回す錯覚とともに、限界を超えた。熱暴走。
視界が暗くなっていくのを感じながら、なんとか音を空気に乗せる。
「あなた」
キョンくん、あとはよろしくね。
わたしは、両眼を閉じて、その場に倒れ伏す。
意識が、途切れた。
135名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 15:12:06 ID:z0u+K/Nc

ぱったりと倒れ伏したわたしの顔に、ひんやりとしたものが当たった。
これは、雪?
それに気付くと同時に、情報統合思念体との連結が再接続されていることにも気付いた。
久しぶりの開放感! ものの数秒で、メモリの容量も平常レベルに落ち着く。
脱出できたみたいね。ありがとう、キョンくん。
「長門」
わたしを呼んだのは、スキーウェアに身を包んだ、そのキョンくんだった。
雪まみれになったまま、わたしは顔を上げる。青空がまぶしい。
今なら、雪とも停戦を結んであげられそうな気がした。
キョンくん、雪まみれの有希はどう?
じっとキョンくんを見つめていると、
「有希っ!」
ハルにゃんがキョンくんを突き飛ばして、わたしを抱きかかえてきた。
なんでその役をキョンくんにさせないのよ、ハルにゃんのいじわる!
「有希、目が覚めたの? 熱は?」
「ない」
もうないって。キョンくんにお熱なのはそうだけど。
「転んだだけ」
わたしの説明に、まだ信じられないらしく、額に手を当ててくる。
「ほんと、熱くないわね……でも有希、おぶってあげるからわたしの背中に乗りなさい」
なんでその役をキョンくん以下略!
わざわざハルにゃんに背負われなくても、もう平気平気。
わたしなりにアピールしたけど、ハルにゃんは有無を言わせずわたしを背負った。
あーあ、キョンくんが良かったのに。
でも、本心からそうってわけでもなかった。気遣ってくれてるんだからね。
背負ってくれてるハルにゃんのために、少し重量を緩和させる。
ゲレンデの下のほうで手を振ってる鶴屋さんと妹ちゃんを見ながら、ハルにゃんにも
聞こえないぐらいの、声とも言えない声を、わたしはぽつりとつぶやいた。

「……ありがと」

(半分おわり)
136名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 16:01:15 ID:LhRHA5mQ
ハイテンションユッキー待ってました
137名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 16:03:10 ID:+LVHVOQ+
前の続き?
138名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 16:15:17 ID:Q+7xiGHF
>>97
>『・・うっ・・グスッ・・・めがっさ・・・めがっさ』
ちょwwwwwwwねーよwwwwww
烏龍茶吹いたじゃねーかw面白かったです。

>>135
鶴屋さんはハイテンションな方を知ってるのか・・・
キョン以外のSOS団員への気持ちもフォローされてて面白いです。
続きwktk
139名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 16:20:17 ID:E6vGnqdz
>>135
初代ハイテンションの方ですか?
あなたの話はテンポがよくて読みやすく、面白いです
続きも期待してます
140名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 16:24:24 ID:SmnqubZ5
ワッフルワッフル
141名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 16:25:58 ID:z0u+K/Nc
あ。そう、『長門有希さんの消失』の続き。
一応、『失敗』から全部つながってる。
142名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 16:49:32 ID:5Bsx3E5A
長門有希さんGJ
143鶴屋さんの正体(憂鬱編):2006/07/06(木) 19:20:36 ID:B0A/Rm1A
鶴屋「みっくる〜!どうして昨日、休んだのかなっ?」
みくる「うう・・・それは聞かないでください・・・」
鶴屋「いや〜クラス中、その話題で持ちきりだったよ〜」
みくる「うわ〜ん!」
鶴屋「あ〜泣かない泣かない。悪かったっさ!ごめんごめん!」


古泉、鶴屋さんに挨拶


古泉「はじめまして、私古泉と申します」
鶴屋「鶴屋だ。学年は違うが共にがんばろう。早速だが・・・」
古泉「任務についてですが・・・実は対象に接触してしまいまして・・・」
鶴屋「勝手な接触は厳禁だぞ!古泉、懲罰物だぞ!」
古泉「申し訳ありません。向こうから接触してきたもので・・・SOS団とかいうものに入団させられて・・・」
鶴屋「あの同好会もどきか・・・私の監視対象も入団させられたよ。」
古泉「読書ばかりしている女のほうですか。」
鶴屋「ボケてメイドしている女のほうだ。読書ばかりしている女は例の宇宙人だ。気をつけろ。」
古泉「只者ではないと思っておりましたが・・・」
鶴屋「あの同好会もどきに宇宙人・未来人・そしてわが『機関』が、揃っているわけか・・・」
古泉「いかがいたしましょうか?」
鶴屋「古泉、同好会もどきの活動中、対象『S』と『M』の監視を命じる」
古泉「わかりました。」
鶴屋「わたしもできる限り早くあの同好会もどきと接触する」
144名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 19:53:54 ID:ZIN+13yE
最初はその発想おもしれ〜って思ったけど、いまやだから何?って感じ。
コネタで同じ着想を使いまわしちゃ飽きるし。ハイテンションの人みたく
ssにまで体系だてられんなら別だけど
145名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 20:00:14 ID:jbwLFmwN
だから何?って思うならスルーするといいよ。
好きな人もいるだろうしさ。ただ空気を悪くするだけになる。
146名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 20:41:55 ID:eTpLxr59
>>143
展開希望。
147涼宮ハルヒの本心:2006/07/06(木) 21:26:36 ID:OHjsf4fV
流れぶった切りますが初投下してみます。
「溜息」の第五章辺りからの繋ぎネタです。


「それで。俺にあいつを慰めろって言うのか?」
「そうややこしい話でもないでしょう。元の鞘に戻ってくれればいいだけですから」
眉をひそめ、平常よりあえてトーンを落として言った俺に対し、
このクソスマイリー野郎は顔色一つ変えずに言葉をつないだ。まあいつもの事だが。
「何故俺がハルヒにそんな気を使わねばならんのだ。
あいつは、俺がああしなかったとしても、少なくとも誰かに叱責されるべきだった。お前も見ていただろう」
「ですが……現在の涼宮さんに、彼女にとってマイナスなアクションを起こす事は、
とりかえしのつかない事に繋がる恐れがあります。いつも以上にね。」
じゃあこいつはあれか。お姫様の機嫌を損ねないよう、
我々家来は姫のご注文をなんでもはいかしこまりましたと承れと、そう言いたいのだろうか。
「まあそうは言いましても、確かに、私もあなたのお気持ちはわかりますよ。
もっとも僕は、あの時朝比奈さんの潤んだ淫靡な瞳に間近で見つめられる事ができ、非常にラッキーでしたがね」
何だこいつは。殺されたいのか。
古泉は前髪をさらっと一回かき分けると、いつもの如く、
「冗談です」
どうやら、やはり殺されたいらしい。
「冗談はさておき」
もう勝手にしろ。古泉は、ごほん、とわざとらしい咳払いをはさみこんで
「とにかく、涼宮さんをいつもの涼宮さんに戻してあげてください。僕では駄目なのです。あなたでなくては、ね」
ね、の部分でウィンクしやがった。吐き気がする。先生保健室行ってきてもいいですか。



俺の教室の廊下で奴に待ち伏せされていた俺は、貴重な昼休みを数分間奴に付き合う事を余儀なくされた。んでもってあの内容だ。
第一、慰めるまでもなく、ほとぼりが冷めりゃいつものように部室で邪知暴虐の限りを尽くすハルヒに帰着している気がする。何で俺が……。
くそ、いまましい。メシでも食って忘れてしまおう。そう思って教室に入った俺に、俺の机の後ろのあいつの姿が目に入った。
ハルヒは、窓側に顔を向けた状態で、机に突っ伏していた。今日は朝っぱらからあんな感じだ。
休み時間ごとに、いつもどこかへずいずい出向いて行く(たまに俺も連行される)あいつだが、今日はどこへも行く気配が無い。
それどころか、いつ見ても今の体勢のままであった。
待て、何故休み時間毎にハルヒの動向を確認しているんだ、俺は。
148涼宮ハルヒの本心2/7:2006/07/06(木) 21:27:25 ID:OHjsf4fV
俺は自分の机の横にぶら下がっているスクールバッグから布に包まれた弁当箱を引っ張り出すと、谷口や国木田の方へと足を運んだ。

ぱくり。
箸にぶっ刺したミートボールを口に運ぶ。毎日毎日ここまで味、見た目ともに高水準のレベルの料理を提供してくれる母親には感謝している。いやマジでうまい。
いつもはここで谷口の経験薄な恋愛論や、どこからリサーチしてきたのか全く不明な統計をBGMにしている。
が、今日はどうやら再生ボタンが押されていないようだ。
谷口は、眉の角度を平常より10度増し、しかめっ面のままばくばくと弁当をかっ込んでいる。
時折、「ったく」「なんだってんだ」などと宛先不明の悪態を漏らす。
なんなんだこいつは。
俺は国木田の方に疑念の眼差しを向け、それを受け取った国木田はやれやれといった表情を俺に返す。
いやそんな顔されてもわからん。なんだってこんな雰囲気の悪いランチタイムを過ごさねばならんのだ。
(おい、何事だあれは)
(昨日の涼宮さんやキョン達の映画撮影のことがあったからだよ。あいつ、もっと涼宮さんたちと遊んだり、仲良くやりたかったんだ。)
ああ。なるほどな。まあ無理はない。湖にダイブしてはいさよなら、という扱いを受けて不平の一つでもタレない人間は少なくともこの世界にはいそうにない。
いたら是非お目にかかりたい。
だが、その怒りをそれとなく俺に向けるのは間違ってはございませんでしょうか。谷口くん。
「おいお前ら一体何の話してんだっ?」
しかめっ面をキープしたまま谷口が口を開いた。
「おいキョン、国木田がなんつったのか知らねえが、言っとくが俺は、涼宮と仲良くなろうだとかそんな気は毛頭ねえからな。
確かに朝比奈さんは魅力的だ、是非お近付きになりたいね。だがな、その為に涼宮やお前のくだらねえお遊びに付き合うつもりはねーんだ」
ご丁寧にもわざわざ本心を言って下さいました。
「おいお前昨日、しっかりカメラ回してたな。すっかり涼宮の下僕じゃねーか。別にお前らのアヤシイ活動は知ったこっちゃねーが、
朝比奈さんや長門だとかに被害くらわすような事はぜってえするんじゃねえぞ」
は?そもそも俺はハルヒの下僕ではないし、朝比奈さんや長門にどうこうするなんてもっての外だ。
ましてや昨日なんぞは、ハルヒマンセーのイエスマンどもの中で唯一俺が奴の暴虐に立ち向かったんだ。
もっともお前は知らないだろうがな。
谷口はもう一度「ったく」と喉を鳴らすと、残りの弁当を平らげ始めた。
俺は水筒をバッグから取り出してくる目的で席を立ったが、ここに戻ってくるのも胸糞悪いので弁当箱を布に包みなおし、それを持って俺の席に戻った。
149涼宮ハルヒの本心3/7:2006/07/06(木) 21:28:18 ID:OHjsf4fV
鞄との物々交換を済ませた俺は、ちらっと、ほんとにちらっとだけハルヒの方を見た。理由は特にないが。
ハルヒは見事なまでに10分ほど前と同じ体勢だった。前髪にブラインドされた目が俺の方を向いている気がした。気のせいだろうけど。
がたん。
椅子の動く音に、俺は反射的に後ろを向く。先程までのはく製ハルヒは俺の後方座席には見えない。
すべりの悪い、スライド式のトビラを開けて走り出ていく女子生徒の姿が見えた。 
…一体どうしろってんだ。ここで何故か先程の古泉の言葉がフラッシュバックする。

「とにかく、涼宮さんをいつもの涼宮さんに戻してあげてください。僕では駄目なのです。あなたでなくては、ね」

俺がハルヒにそんな気を使う理由がどこにある。俺がハルヒに…。
立て続けに、今度は今日のハルヒの姿が続いて脳裏によぎった。あんなに押し黙ったハルヒはここ半年ほどで初めてみた。
ずっと突っ伏して、いつものように俺の背中に奇襲を加えることもなく。
……ああもう―――


はっ。
 古泉一樹は席を立ち、やや早めの足取りで教室を出て、部室棟へと向か…おうとした。その進路上に、長門有希が古泉を真っ直ぐ見つめ立っていた。
「長門さん、お判りですよね」
「非常に高密度な集束エネルギーを観測。たった今」
「ちょっとまずい事になりそうですね。今回はハトを白くするのでは留まらないでしょう。それに重ねて、今学校には生徒、教職員方がわんさかいるときた」
「涼宮ハルヒがこのエネルギーの再構築を完了し、射出、拡散させた場合、この学校を中心とする約半径10km圏内の地域に、
地球に適用される物理法則及び人間の常識的要素の書き換えが行われる。でも平気」
「平気?今回は閉鎖空間内ではありません、まさにこの世界が涼宮さんの消しゴムにかけられようとしているわけですが」
「理解している。でも平気」
 首をかしげ、?を頭上に浮かべながら古泉が返す。
「はぁ、それはまた、何故です」
「彼が向かっているから」
 柔らかな微笑を浮かべていた古泉は、口角を上げ笑顔を見せると、

「あぁ、なんだそうでしたか」
150涼宮ハルヒの本心4/7:2006/07/06(木) 21:29:25 ID:OHjsf4fV
この時間は誰も足を運ばないだけあって部室棟はあまりに静かだ。
その中を、俺のテンポが早くボリュームのでかい上履きの足音と、荒い呼吸が、恥ずかしいくらい耳に入ってくる。なんでこんな急いでるんだ、俺。
最初は、んなもん知ったこっちゃねえよ的スタンスを貫くつもりだったよ。それが間違っているとも思っちゃいねーしな。
だが、総シカトくらわす予定だった古泉の忠告と、今日のハルヒの姿がやたら頭をかけめぐりやがる。
人の頭んなかでうろうろと…これでは気になって、午睡の心地よさが半減してしまう。
仕方ないから、俺は今こうやって走らざるを得ない、ってわけだ。
ん?これが言い訳だって事くらい自分でもわかってるよ。それもだいぶ苦しいやつ。

そんなこんなで少々色のはげた、文芸部と書かれた札の下までたどり着いた。ハルヒには珍しく、無用心にドアはおもいっきり開けっぱだった。
ドア横の壁に背を張り付け、そろり、と中を覗いてみた。なんでだか、ちょっと胸の鼓動が速くなっているのがわかった。
ハルヒは定位置の団長席に腰掛けていた。ただ、その前に陣取るPCをいじっているわけでもないし、
ふんぞり返ってこの世の不思議が自分に降りかからない事を不満に思っているようなわけでもなさそうだ。
もうちょっとよく覗いてみる。背中を少々丸め、―顔はPCのディスプレイのお陰で確認できないが―肩が不規則に上下している。


――俺は目を疑ったね。
ハルヒは泣いてた。


それに気づいた俺は流石に驚いた。同時に、ハルヒが小さく嗚咽を漏らしている事にも気がついた。
驚きが収まると、不思議と俺の心の中はだいぶ整理されたようで、落ち着いていた。
俺の中の本心が、それを閉じ込めていた檻を発破する勢いでどんどん膨れ上がっていくのがわかった。
「ハルヒ」
咎めるためでも、なだめる為でもなく、単に俺が言いたいから言った。文句あるか。
同時に、ハルヒの肩がびくんと跳ね上がるのが見えた。その時一瞬こちらに向けた目は、
溢れそうな涙でゆらゆらと揺らめく光を瞳に閉じ込めた、
疑う余地も無く、
それはそれは、いとおしい眼だった。
151涼宮ハルヒの本心5/7:2006/07/06(木) 21:29:56 ID:OHjsf4fV
俺は通いなれた文芸部兼SOS団部室に足を踏み入れ、まっすぐ団長席へ向かった。
ハルヒは状況を把握したらしい、もごもご、と言葉にならないコトバを口から漏らしつつ、顔を逸らせ、嗚咽で肩の震えるのを隠そうとしていた。
俺はハルヒの座っている椅子の横に立った。そしてもう一度呼びかける。
「ハルヒ」
「……なによ」
上ずったハルヒの声が返ってくる。顔は逸らしたままだから、顔は見えない。
「あー……昨日は、悪かったな、取り乱してしまって」
先程とは真逆の事を話している自分が、自分でも可笑しかった。かといってどっちかが嘘ってわけでもないけどな。
「…いいわよ別に。あたしはあたしのやりたいようにやって、この映画を絶対に成功させてみせるんだから。
…それであんたが不服ってなら、降りたって、別に、構わないわよ」
すすり泣きで、途切れ途切れにハルヒは返答した。
もどかしい。俺自身も、ハルヒも。
ハルヒは俺の事を雑用係的召使いとしか思っていないだろう。だが、そんな状況に俺は満足していない。
だが後退的な意味ではない。もっと、俺はハルヒにとってもっと深く意味を持つ存在になりたい。
…つまりは、俺はハルヒに…
俺だって、あんな泣き顔見せられたら、今まで隠そうとしてきたこの気持ちがビッグウェーブの如く押し寄せてくるさ。
その大波に俺はまさに飲まれている。もうする事は決まっていた。

がたん。

着席していたハルヒの脇を抱えるようにして立ち上がらせて、

俺は、ハルヒを強く抱き締めた。
152涼宮ハルヒの本心6/7:2006/07/06(木) 21:30:41 ID:OHjsf4fV
ひぁっ、という声が俺の耳のだいぶ近くから聞こえた。
今、俺の腕に包まれているハルヒは、何も抵抗せずに、より大きくなった嗚咽をこらえきれずにいた。
ハルヒの顔が当たっている俺のワイシャツの胸のあたりに、涙がほんの少し滲みたのが分かった。
それで、俺は今ハルヒを抱いているのだという事を実感した。
伝わってくる嗚咽の振動が収まり始めたころ、ハルヒが俺の胸の中で口を開く。
「…あんたにああ言われて…すごいムカついたわ。何よキョンのくせにって。」
俺は特に何も返さず、黙ってハルヒの言葉を聞いている。
「そのまま解散して、家のベッドでねっ転がって、その事を思い出したの。そしたら、やっぱムカついて、明日どんな罰を用意しておこうか、とか考えたりしてみた」
あなおそろし。しかし今日それがまだ実行されてない所を伺うと、、どうやらそれは中止されたようだ。
「でも…あの時のあんたの顔を思い出して、…なんでだか怖くなった。あたしは、キョンに嫌われたと思った」
そうか、とでも相槌を打とうかとしたが、できなかった。ハルヒは続ける。
「今日学校でも、あんたはあたしに話かけなかった。…謝罪の言葉でもかけてくると思ったんだけど」
それは万が一にもないだろうな。ただ、俺がハルヒに一言もかける事がなかったのは事実だ。
「それでね、あたしわかった」
そこまで言うと、ハルヒは涙をたっぷり溜めた眼で俺を見上げ、

「あたし…キョンが好き。…キョンに嫌われたくない」

俺にももう隠すものなどなかった。腕の中で俺を見上げるハルヒが、愛しくて、それがどの位かっていうと、ただ「すげえ」としか修飾語をつけることができない。
俺はハルヒをより強く抱き締めた。すると、それに呼応するようにハルヒは自分の脇に下ろしていた腕を俺の首に回した。
んで、俺は言った。歯の浮くような台詞だと我ながら思うが、実際それしか言い様が無かったのだから仕方あるまい。

「俺も好きだ、ハルヒ。ずっと、お前の傍にいたい」

「―――うん」

俺は、俺が言い終わるまでじっと俺の目を見ていてくれたハルヒの、溜まった涙を拭ってやり、そして、「あの時」よりゆっくり、顔を近づけていった―――
距離が近づくにつれ、ハルヒの体温が伝わってくるような感じがした。
そしてハルヒの、本当に柔らかい唇と俺が重なった時、よりはっきりと伝わってきた。
153涼宮ハルヒの本心7/7:2006/07/06(木) 21:31:41 ID:OHjsf4fV
古泉との約束(一方的ではあるが)は果たせなかった。俺は、ハルヒをいつものハルヒに戻す事はできなかったからな。
ただ、今のところこれで問題が起きたような話は聞いていない。もし起きたとしてもそんな事は知ったこっちゃないね。
申し訳ないが俺は当分ハルヒと離れるつもりはない。
少なくとも世界が終わるくらいまで、ハルヒに付き合ってみるつもりさ。だろ?ハルヒ。
「ちょっと何勝手な事ぬかしてんのよ!」
「例えこの世界が破滅しようと、あんたは、あたしがいいっていうまで、あたしの傍を離れちゃいけないんだからね!」

――だそうだ。



すっきり簡潔にまとまってなくてすみません。
ご感想等頂けると泣いて喜びます。
154名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 21:36:34 ID:GlEc34RC
萌!
155名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 21:37:22 ID:GlEc34RC
萌えた!
156名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 21:37:49 ID:XdEkJd69
>>153
さっきまで原作の該当シーン読み返していた俺がいる。
ニヤニヤが止まらない。
157名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 21:39:36 ID:ghVFiMKL
>>153
萌えた
俺もこんなのを書いてみたい…
158名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 21:51:54 ID:gziL+A50
前屈みになった
159名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 21:52:32 ID:/H/oKzD8
直球で悶えた
160名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:09:41 ID:5ozgovkD
直球ですな……nynyが止まらないw
161名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:21:54 ID:PeB7PvKQ
恋っていいよねと思う自分がいた(21歳・童貞・ニート)
162名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:35:04 ID:ghVFiMKL
とりあえずある程度の目処が立ったからちと涼宮ハルヒの抹消(エロなし若干シリアス?)を投下します
プロローグと1は前に投下したけど加筆修正したので保管庫掲載の時にはこっちに差し替えお願いします
何か書いていくうちに脳内でマルチエンドに(うち1つはバッドエンド)…
163名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:36:01 ID:ghVFiMKL
涼宮ハルヒの抹消

プロローグ

2月にあれだけ盛大なイベントや事件があったにもかかわらず、3月には敵対組織が襲ってくるなどというスリリングなことはなかった訳だ。
球技大会など細々したイベントはあったわけだし、他にも阪中から相談を持ち掛けられたりしたわけだが、他にも思い出したくもないイベントはあったわけだ。

ひな祭りには宣言どおり雛あられを撒いた訳だ。 まさか全員が(長門もだぜ)お雛様の姿でするとは予想外だったがな。
おまけに
「5人ばやしがいないわよ!」
というハルヒの号令により俺と古泉はあわてて着替え直し谷口、国木田を召集し、それでも数が足りないため鶴屋さんを代役に呼び出した。

「おい、キョン。 これどうやって着るんだ?」
知らん、俺に聞くな。
「これはこうやって帯をまわしてさっ、ここでこうやって縛るんだよっ。 うん、めがっさ似合ってるよっ」
鶴屋さんが着せ替え人形の着せ替えをするかのように谷口の着付けをしていく。 この人にもお雛様をやって貰いたかったな。 髪が長いからピッタリだと思う。
このままだと牛車まで出てきそうなので、ハルヒを何とか落ち着かせて8人で雛あられを撒いたわけだ。
後で全員で指導室に連行されたのは言うまでもないがな。 ハルヒだけが何故? って顔をしてたのをはっきり憶えている。


そして誰が決めたんだか、ホワイトデーだ。 これを決めた奴は恐らく全国の男性の恨みを買っているだろう。
バレンタイン後に俺が口を滑らせてしまったせいで古泉と2人で考えたわけだが、あれこれ考えた末に学校内に隠すことにした。
とりあえず放課後各々に手紙を渡し、それで学校内を探してもらう… という構想だ。 苦肉の策としか思えないがな。
ハルヒは手紙を見て少し考えた後、頭上に電球が出てきそうな古典的なリアクションを取り、すこし視点を谷口に向けた瞬間にいなくなっていた。 早すぎだろ。
その後部室に行き、朝比奈さんと長門にも手紙を渡す。
長門は手紙を受け取った後、中身を見ずに移動し始めた。 もう場所分かってんのか?
朝比奈さんはというと、しばらく「うーん」とか「えーっと」とかうなりながらしばらく考えた後、「あそこかな?」と言って部屋を出て行った。 朝比奈さん、メイド服で探しに行くんですか?

ちなみにプレゼントの内容を言うと、ハルヒには本屋で偶然見つけた『空想科学何とかという本』長門には『非日常学園物ライトノベル』朝比奈さんには『ワンピース』(マンガじゃないぞ)という無難な組み合わせである。

真っ先に長門が戻ってきた。 やっぱ最初から場所分かってたな。
「…」
と三点リーダーと一緒に取り出したのは、空想… ってそれハルヒ宛てじゃなかったか?
まるで俺の考えを把握してるかのように、紙包みを取り出す。 うん、長門宛てになってるな。 という事は…
その直後、ハルヒがBボタン押しっぱなしのスピードで突入してきた。
「ちょっとキョン! これってどういう事?」
ハルヒが持っていたのはこれまた可愛いワンピースだ。 完全にアベコベになってる…
「まぁ、プレゼントなら着てあげない事もないわね」
目線を逸らして言われてもなぁ…

いまさら「間違えでした」などと言えるわけもなく、なし崩し的にプレゼントをした俺。 古泉と目線が合うと、古泉が肩をすくめていた。 俺だってそうしたい気分だ。
ハルヒがワンピースを自分の椅子にかけて、辺りを見渡した。
「で、みくるちゃんは?」
たしかにまだ戻ってきてないな。 たしか一番近くて分かりやすい所にしておいたはずだが…

それから朝比奈さんが戻ってきたのは、夕日が傾いてきた午後5時の事だった。 朝比奈さんは憂鬱な顔をしていた。

そんなふうに3月は去り、俺たちは4月に移行するわけだ。 当然終了式や春休みにも色々あったが、割愛させてもらおう。 言い出すとキリがない。
164名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:37:03 ID:ghVFiMKL

そして、待ちかねてたわけでもないのに始業式が来てしまった。 かといって出ないわけにはいかないんだが。
何とか俺は2年になった。 成績がかろうじてセーフだったのはハルヒのおかげだな。 後で祝電でも送ってやろう。
2年になるに伴ってクラス替えと席替えも行った… んだが、ハルヒが後ろにいるのはどういう訳だ? しかも長門もセットでだ。
ちなみに俺は一年の時と変わらず窓側後方2番目という位置である。 あと長門は右後ろ、つまりハルヒの右だ。
俺は後ろに身体を向けてハルヒを見た。 クラスの編成にかなり満足そうな笑顔だ。
「またお前と同じクラスか…」
ハルヒがアヒルのような口でこっちを見て、
「何よ、私と一緒じゃ面白くないみたいな言い方ね」
「そうじゃなくて新鮮味が無いって意味だ。 ほとんど1年と同じじゃないか」
「でも有希もいるじゃない。 これで体育祭はいただいたも同然ね」
俺が長門を見ると、まるで何かを感じてるように少し上を向いていた。
大方ハルヒが望んだ結果だろうが、担任は変わらず岡部だし、谷口や国木田や阪中もいる。 他にも元のクラスの奴がいる。 ハルヒ、そこまで望まなくてもいいんじゃないか?
だがさすがに朝比奈さんや古泉は同じクラスにならないか。 なったらなったで、色々問題なんだがな。

さて、ホームルームが終わりいつもの部室に移動するわけだが、
「キョン、ちょっと先に行ってて。 ちょっと有希が話があるらしいの」
「部室じゃ話せないことなのか?」
「そうみたいね。 有希がここでって言ったのよ。 一体何なのかしら」
「そうか。 じゃあ先に行って待ってるぞ」
そう言って俺は教室を後にする。 俺もいればよかったと思うのはかなり後になってからであった。 いや、俺がいても止められなかったかもしれん。


俺は部室で朝比奈さんの入れた最高のお茶を啜っていた。 古泉がまだ来てないな…
なにやらすさまじい足音が聞こえるな。 まぁ、ハルヒだろう。
いきなりドアが勢いよく開き、反動でまた閉まろうとしたところでハルヒが入ってきた。
入って俺を見るなり、いきなり掴みかかってきた。 痛ぇなこの野郎。
「キョン、アンタどこまで知ってたの!」
「何のことだ?」
「す、涼宮さん、暴力はいけませんよぉ…」
「とぼけないで! 私とSOS団の事よ! 全部有希から聞いたわ」
俺は目の前が真っ白になったね。 今まで隠してきた苦労はなんだったんだ…
「1週間おくれのエイプリルフールだろ? そんな物真に受けるなよ」
いつの間にか言い訳を紡いでいた。 流石だ、無意識の俺。
「有希からしっかりと証拠も見せてもらってきたわよ。 まさかあの時にアンタが言った通りだとは思わなかったわ」
俺と朝比奈さんが同時に青ざめる。 長門、なんて事してくれたんだ。
「あの夢だと思ってた学校のことも本当だったなんて…」
なに顔を赤くしてるんだ。 とりあえず落ち着いてくれ。
「と、とにかく、よくも騙してくれたわね!」
「だましてないだろ。 俺はあの時に言ったはずだぞ」
「うるさいうるさいうるさーーい」
165名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:37:35 ID:ghVFiMKL
長門がドアから音もなく入ってくる。 俺は長門に詰め寄ろうとしたが、ハルヒに襟首を掴まれてるため動けない。
「な、長門… お前は主流派じゃなかったのか?」
長門は視線をこちらに向け、
「主流派も現状維持のままでは新たな展開がない物と判断した。 これには他の派閥も同意している」
そんな馬鹿な。 最近敵の動きがないと思ったらそういう事か。 動く必要が無くなったと…
「みくるちゃんゴメンね、時間の流れは戻したわ。 安心して戻って頂戴」
「そ、そんあ、いきなり言われても… え、最優先強制コードで帰還指令が?」
どうやら朝比奈さんの反応を見ると、本当に時間が元に戻ったようだ。
「え、でも、そんな…」
朝比奈さんがオロオロしていると、またハルヒが、
「いいから早く戻って、さぁ!」
振り返った時にはもう朝比奈さんはいなくなっていた。

「これであなただけ」
長門が淡々と口を開く。 何かに操られてるのか?
「操られていない」
「なぁ長門、俺を一体どうする気だ?」
恐る恐る聞いてみた。
「あなたの涼宮ハルヒ、およびSOS団に関する記憶をすべて抹消する。 同時に他の人間についても同じ情報操作を行う」
それはまずい。 いや、ダメなんだ。
「涼宮ハルヒについては、あなたの記憶を抹消した後しばらく様子を見る」
「え? 嘘…」
「嘘ではない。 彼のことを覚えていると、後の行動に弊害が出る」
「だ、だめよ。 そんな、キョンの事…」
そこまで口に出してハルヒは糸の切れた人形のように地面に倒れた。
「眠らせた」
俺が長門を止めるしかないようだな。 このまま引き下がれるか。
そんな俺の考えもむなしく長門が言い放った。
「情報操作開始」
くっ、頭が重い… 眠らせる気か。 俺はこの非日常を受け入れたんだ。 今さら…
「ごめんなさい」

長門の目に見えたのは涙だったのだろうか… その長門の言葉を最後に、俺の意識は暗転していった。
166名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:38:38 ID:ghVFiMKL


「キョンくーん、朝ー!」
妹のダイビングプレスを受けて目を覚ます。 流石に痛いから普通に起こしてくれ。
「だってー、こうしないと起きないんだもん」
とは妹の弁。 何かペットでもいれば身代わりに出来そうなんだが…。
何か長い夢を見てた気がするな。 いまいち憶えてないが、たしかいい夢だ。
時計を見ると長針と短針で直角を作りかけてたことに気付き、あわてて家を出た。

とりあえず作ってもらった弁当を持って2年生2日目の通学をする訳だ。 始業式の次の日くらい短縮授業でもいいと思うが。
一年の時は何も面白いことがなかったからな… 2年くらいは何かあってもいいとは思うが。
そんなとりとめない事を思いながら強制ハイキングコースを歩く。 流石に2年目となると普通に感じるがな。
学校に到着して、ラブレターのひとつでも入ってないものかと開けてみて下駄箱を開けてとする。 。
教室に入って席につくと、谷口と国木田が話しかけてきた。 しかしうまい具合に俺をはさんで右と後ろに陣取ったもんだ。
「よう、キョン。 何か面白いことでもあったか?」
「いや、別に。 それよりお前はどうなんだ? 彼女がまたできたと聞いたが…」
「あぁ、それはな…」
と悲愴めいた表情で言った時点で分かってしまった。 男の悲しき性だ。 もう何も言うな、谷口…
「谷口フラれちゃったんだよ」
国木田… 傷をほじくり返すな。 見てみろ、谷口が泣きかけだぞ。
「あ、ゴメン谷口。 傷つけるつもりはなかったんだ」
「いや、いいよ… キョン、お前みたいにモテる奴はいいよなぁ…」
俺がいつモテた? クリスマスもバレンタインも何もない1日で過ごしたんだぞ。
「あれ? そういやそうだったな。 何でそんなこと言ったんだろう、おかしいなぁ…」
そこで岡部が入ってきて雑談終了。 色恋話は昼休みに持ち越された。

昼休みも谷口の失恋話や弁当のおかずの話で潰し、いつの間にか放課後になっていた。

167名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:39:26 ID:ghVFiMKL
とくにクラブにも入ってない俺は、足早に帰ろうとした。 居たって何もないしな。
靴を履き替え、校門を出ようとしたその時、後方からクロスチョップが飛んでくる。 って痛ぇな。
「やぁ、少年お帰りかい!」
振り返ると、髪の長い女生徒… あぁ、2年の鶴屋さんだな。 いや、もう3年か。 それにしても元気だな。
「はい、特に何もないですし…」
「そうかっ! じゃあまたウチにくるかい?」
「そうですね。 ちょっと寄らせてもらいます」
谷口には黙ってたが2月に少しお世話になってから、俺はちょくちょく遊びに行ってたりした。 異性としてではなくあくまで友達としてだ。
あれ? 2月に何をしたっけ? と思った瞬間脳をねじるような激痛が走った。 痛たたた…
「あぁ、キョンくん大丈夫かい?」
鶴やさんが俺の顔を覗いてきた。
「だ、大丈夫です。 少し頭が痛んだだけです」
「そりゃきっと難しいことを考えすぎなのさっ!」
「そうですね」
俺と鶴屋さんはお互いの顔を見合って笑った。 鶴屋さん、笑いすぎです。
「はっはっは、でもあんまりひどいんなら、休んだほうがいいっさ。 無理に来る事も無いにょろよ」
(どこで出会った…)
頭の中で声が聞こえた。 俺はそれにつられるように、
「鶴屋さん、俺たちどこで最初に出会いましたっけ?」
なんて失礼なことを聞くんだ俺。 しかし鶴屋さんには自分を試したように取られたようで、
「もう、それくらい憶えてるさっ。 たしか野球大会の時だったねっ!」
たしかそうだったな。 たしか野球大会に出て、数合わせで誰かの紹介で鶴屋さんが来たんだっけ。 誰だったかな…
(…)
「!!!」
再度頭に激痛が走る。 何なんだ、この偏頭痛は…
「キョンくん大丈夫かい?」
さすがに鶴屋さんも100ワットの笑顔を消して心配してきた。
「もうこれは家で休んだほうがいいっさ。 歩けるかい?」
「何とか…」
多少残念、というような感じだが、流石にこれだけ痛いと家で休むのがいいと思う。 向こうで倒れたら恥さらしもいいところだ。
「すみません、この埋め合わせはいつか…」
申し訳なさそうに謝った。 実際申し訳ないんだが。
「いやいや、いいっさ。 人間そういう時もあるよっ それじゃまた明日にねっ」
そう言って鶴屋さんと別れた。 彼女の笑顔も夕焼け色に染まっていた。

家に帰って誰もいないことを確認して、自分の部屋で寝ることにした。 くそっ、あの頭痛さえなければ…
やはりあの頭痛が後を引いてたのか身体が睡眠を求めてたこともあり、すぐに眠りにつくことができた。

……

…ここはどこだ?
気づくと俺は暗闇の中にいた。 さっきまで俺が寝てたことを考えると、これは夢なんだろう。
「思い出して…」
夕方に聞こえた声だ。 誰だ?
「あなたにはあの日常に戻る権利がある…」
そんなのはどうでもいいから質問に答えてくれ。 お前は誰だ?
「私は…」
「キョンくんごはーーん」
妹の声を聞いて目が覚めた。 時計を見ると短針が7と8の間を指していた。
今のは一体なんだったんだ?
168名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:40:26 ID:ghVFiMKL
次の日、あの夢のことで一杯になってた。
「思い出しなさい… ってことは何かを忘れてるって事だよな…」
とりあえず軽く1年を振り返ってみた。
まず入学式でそつなく自己紹介を終えて、そこからダラダラと特に事件も無くすごしただけだな。
恋人のいる奴らにとっては至福のひと時であろうクリスマスやバレンタインも何事もなかったし、って思い出したら鬱になるな。
まぁ、鶴屋さんとはよく遊んだりしてるし、そういう意味では人並み以上ではあるかな。

「やぁ、キョン」
国木田が話しかけてきた。 谷口がいないな。
「あぁ、谷口なら遅れるってさっきメールが来てたよ。 キョンの方にもきてるはずだけど」
そういやバイブなしマナーモードで放置してたな。 確認してみると確かに来てる。 まぁ、どうでもいいが。

そして3時間目の途中に谷口は到着。 みごとな重役出勤だ。
「よう、キョン。 遅くなってスマン」
別に待ってはいなかったんだが、こんな奴でも来てくれるとありがたいね。
「なぁ、お前どこかクラブに入らないのか? 2年にもなったんだし、俺もどこかに入ってそこの女性部員と…」
お前の魂胆は分かった。 そんなくだらない事で時間を無駄に過ごしたくない。
「でもキョンなら文芸部とか似合ってるんじゃないかな?」
大変だ、国木田が妄言を吐いた。
「俺が原稿用紙に大量に文字を埋めることができる性格だと思うか?」
「そうは思わないけどさ…」
「けど何だ?」
「この前文芸部の機関紙を見たんだけどさ、これがまた酷い出来で僕たちが書いたほうがまだいいんじゃないかって思ってさ」
「機関紙ねぇ…」
(……)
「ぐおっ」
またあの偏頭痛だ。 痛いっての…
「キョン大丈夫か?」
谷口が始めてのお使いでアセトンを指定された時の様な顔でこっちを見た。
「あぁ、なんとかな。 最近よく頭が痛むんだ…」
「キョン、俺のかかりつけの医者を紹介してやる。 悪いことは言わん、行って来い」
心配はありがたいが、まぁ大丈夫だろう。
「そういう奴が脳血栓とかで死ぬんだぞ。 お前に死なれたらどうすりゃいいんだ。」
コイツが友達でホントよかったなと思うよ。

放課後になって、部活も無いので帰ろうとしたんだが、昨日と同じシチュエーションだな。
お約束どおり後ろから駆け足が聞こえてきた。 鶴屋さんだ。
流石に2日連続チョップを食らうのはいやなので、あわてて振り返る。
「あらー、気付いちゃった…」
奇襲に失敗したのがそんなにショックだったのか、鶴屋さんは名残惜しそうにチョップの体勢をといていく。
「まぁ、鶴屋さんならいいですけどね」
「なーにをいってるのさっ。 そんな事言っても何も出ないよっ」
思いっきり背中をたたいてきた。 モミジの跡ができそうだな。
「まぁ、いいっさ。 で、きょうは来るのかい?」
昨日頭痛のせいで断った手前、今日は行かねばなるまい。
「行きます、っていうか行かせてください」
「よろしい、よく言った!」
鶴屋さんが辺りを真昼にしそうな笑顔を見せた。 ホントいい笑顔だ。


そんなわけで鶴屋さんの家に来たわけだが、相変わらずデカイ。 俺の家がいくつ入るんだ?
鶴屋さんいわく、
「家出して泊まる場所が無かったらウチにおいで。 離れのひとつ位は貸してあげるからさっ」
だそうで。
いつもの和風の部屋に通された俺は、出されたお茶を座って飲みながら待っていると、
「おまたせっ」
和服姿の鶴屋さんのお出ましだ。 この姿だと鶴屋さんの魅力が4割増しになるのは気のせいではなかろう。
「今日は大事な話があるからさっ、どうしても来て欲しかったんだよね」
「大事な話… ですか」
「そっ!」
169名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:41:55 ID:ghVFiMKL
とりあえず中途半端だけどここまで
まだこっから下がチェックできてない…
170名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:42:55 ID:6/lbNpDe
鶴屋さんの正体が絡んできそうで楽しみだ・・・
続き待っとります
171名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:49:19 ID:OHjsf4fV
>>154-161
有難うございまし
まじめに泣きそうになりました

>>169
鶴屋さんがなんだか黒の雰囲気がしてめがっさいいです
同じく続きまっとります
172名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 22:52:32 ID:dReBzEPQ
どうでもいいが前スレ>>710の後を想像して悶えた俺ガイル
173名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 23:07:39 ID:n+0NWqpv
甚だしくスレ違いかも知れないが

誰か文才の有る御方。
キョンと長門のフラテッロのSS
書いてもらえないだろうか。
174名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 23:19:59 ID:mHCuuvpj
フラテッロって誰だろう
(ググる)
フラテッロ - fratello〔伊〕 イタリア語で「兄弟」の意。複数形は「フラテッリ fratelli」になる

つまり、キョンと長門が拳をぶつけ合った後に義兄妹の契りを交わすSSか
175名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 23:20:24 ID:ghVFiMKL
2の残りを持ってきました
とりあえず>>170-171の発想は無かったのですが、おかげでいいネタが思いつきました。 感謝します



顔を思いっきり近づけてきた。 俺がちょっと前に出ればキスしてしまいそうな…
「実はねぇ…」
いきなり後ろに引いていった。 つられて前にでそうになる。
「うーん、いざ言うとなるとめがっさ恥ずかしいっさ」
鶴屋さんは目線を外して照れくさそうに頭を掻いた。
「一体何なんです?」
鶴屋さんは大きく深呼吸をし、再度俺の目を見て、
「キョンくん! あたしと付き合わないかい?」
「え?」
思わず俺は硬直してしまった。 突き合う? つつき合う? 頭突き合う? いや、違うな。
「それはつまり恋人同士になるという事ですか?」
「そうさっ! もしかして嫌にょろか?」
鶴屋さんは目を太陽系第三惑星のように潤ませていた。 鶴屋さん、そんな顔で見ないでください。
それ以前に俺はその質問に答えをひとつしか持ち合わせていなかったわけで。
「嫌なわけが無いじゃないですか。 すぐにでも付き合いましょう!」
「本当かい!?」
これ以上の幸せが無いような顔で鶴屋さんが笑った。 もうこれだけでお腹一杯です。
「じゃ、キョンくん、よろしくお願いしますっ」
鶴屋さんは三つ指ついて深々と頭を下げた。 こちらこそよろしくお願いします。

どうやら話はそれだけという事で、俺は帰ることになった。 あれからもう一段階進んでもよかったのだが鶴屋さんが、
「今日はダメだよっ。 体のことも考えなきゃねっ」
というのでしぶしぶ帰ることにした。
意中の女性から告白という男なら誰でも喜ぶ状況で心躍る俺。 今なら隕石が落ちてきても、車に轢かれても、青い巨人が襲ってきても大丈夫。
(情……理…始……)
「痛い痛い痛い痛いって…」
ホント何なんだこの偏頭痛は。 人がいい気分になってるってのに…
何か本当にヤバそうだな。 谷口に医者を紹介してもらうか。
生命の危機を微妙に感じてきた俺は、さっさと家に帰ることにした。
家に帰るともうう夕食ができていた。 今日はすき焼きか。 めでたい日にはちょうどいいな。
健康のために野菜を集中的に食っていると、
「いつものキョンくんじゃなーい」
などと妹に言われた。 俺だってそんな時はある。

適当にテレビを見て気がつくと9時を回っていたので、俺は寝る準備を始めた。
それを見ていた妹が、
「やっぱりいつものキョンくんじゃなーい」
と騒いでいた。 お前にもそのうち分かるときが来る。
いろいろなことがあって(ほとんど鶴屋さんの事だが)眠れないと思っていたが、あんがいすんなり眠りに落ちた。


……
また暗闇の中にいる。 うっすらと誰かが立っている事だけがわかる。
「涼宮ハルヒ… 長門有希… 朝比奈みくる… 古泉一樹… 思い出して…」
誰だよ。 お前もだけどそいつらは。
かろうじてロングヘアーの女性だというのは確認できた。 あとあれはウチの制服だな。
「あともう少し情報拡大すれば…」
情報拡大? 何なんだよ…

そこで目が覚めた。 

176名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 23:20:27 ID:yPYkX0CM
>>173
スレ違い
177173:2006/07/06(木) 23:28:30 ID:n+0NWqpv
>>176
そッすか・・・

エッタと長門、キョンとジョゼのイメージが
被ってたんだけど・・・
178名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 00:17:17 ID:AM7QoxYp
>>177
長門にヘンリエッタ並の一途さはないと思う。

そんな俺は朝倉がフランカに見えて仕方がない。
179名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 00:37:00 ID:pyc9jvE6
涼宮ハルヒの独占欲続き投下。少々特殊なHで、NTRを感じる人もいると思います。
長門ならたぶん住人に「気をつけて」って言うんじゃないかな。合わなかったらすぐ回避(NG)してください。
>>いつかの人へ 自分はキャラっていうか谷川の作品が好みなだけ。
1807-695:2006/07/07(金) 00:39:06 ID:pyc9jvE6
涼宮ハルヒの独占欲 b 続き

時刻は19時過ぎ。いつもの長門の部屋のドア前に着く。…朝倉はいるのだろうか。
長門がノブを廻し中に入っていく。それに続く。
 「朝倉、いるか?」
奥で食器を扱う音がする。いるんだな。
 「おかえり。ご飯一応作っておいたけど食べてきちゃったかな?」
スリッパをぱたぱたとはためかせ玄関前までわざわざ来てくれた。
 「…まだ食べてない」
 「良かった。何? 呆然としちゃって。二人とも早く上がって」
何故こんなに元気なのだ?おまえは消されるかもしれないんだぞ。
首を傾げる朝倉を見ながら思う。理解できない。スリッパを履き上がる。
 「今日はシチューにしたの。自分で言うのもなんだけど結構美味しいから」
香ばしい匂いが部屋を満たしていた。テーブルへ向かう。長門は隣へ。
朝倉はキッチンでシチューを皿へ移していた。
その顔を見ながら座り思う、俺に知られているのを朝倉は知らない訳がない。
長門の経験した事は伝わっている筈なのだ。…バックアップ。俺にはもう通用しない。
 「朝倉! こっちへ来てくれ」
このままでいいわけがない。
 「わっ、ちょっとまってシチュー持って行くから」
朝倉はおタマを持ちながら驚いた様子で言った。二皿持ちながら、おぼろげな足取りでよたよたとこちらへ近づいて来る。
 「すまなかった!!」
テーブルに頭がぶつかるが痛みは無い。
 「俺のせいで、朝倉はまずいことになってしまった。本当にすまないッ!」
頭を垂れながら誠心誠意込めて謝罪した。謝って済む問題ではないのは解ってる。
だが………反応は一向に返って来なかった。顔を上げ見る。
 「ふふ、気にしないでいいの」
驚いた顔をすぐ微笑みに変え諭すように言ってきた。皿をテーブルに置きこちらへ歩み寄ってくる。
 「あのね」
座る俺の前に立ちゆっくりと屈みこちらの背に手を廻し抱き締められた。テーブルに何かがぶつかる音。
 「私がそうしたいからそうしただけ。だからあなたは何も気にする必要はないの」
肩に顔を乗せながらそう言うこいつは…とても儚く感じる。優しい抱擁。その温もりは母が子供をあやす様。
 「有希ちゃん、言っちゃダメって言ってたのに…やっぱり二人になったら言っちゃったか」
……買い物の時一緒に行こうって言ったのは。
 「………なぁ」
 「何も言わないでいいから。こうしているだけでわかるの」
そのまま何分経過したかも定かではない。隣にいた長門もずっと黙ったまま俺達を見ていた。
ただ解った事は、この人は本当に愛してくれているのだということだけで――

記憶が余り無い。夕食を食べ終え、一番風呂に入らせて貰い居間へ出ると
朝倉は今後の事は朝話すとと言い、早いうちから朝倉の事とこの世界の事で話すことが
あるだろうと言ってもニコニコ顔で無視されどうやってもそれ以上の返事は貰えず
長門もいつものように表情を隠し同様反応を返してくれなく苦い顔、
そんな顔をしていたと思うが諦めそのまま隣の部屋の床に入った――――
1817-695:2006/07/07(金) 00:41:05 ID:pyc9jvE6

6、H

柔らかい布団、一日の疲れを取るにはやはり睡眠を取るのが一番だ。
でも眠れない。ずっとあいつの事が頭から離れんのだ。あいつを助けるためには。
 「どうすりゃい……ん?」
風を感じた。頭に熱でもあるのか、その涼しい風は心地よい。だが、窓は開けていなかったはず。
なら開いてるなら、襖だろう。首だけ回し視線を向ける。
 「おまえか…」
考えていた人物がいた。暗くて顔はよく見えず、返事もくれない。
後ろ手に襖を閉めていき、段々とこちらへ近づいて来ている。
 「どうした?」
布団の足元で停止。怖くなってきた…。
 「何か言え…って!?」
ゆっくりと脚を布団の上へ降ろし、腕も同様降ろし四つん這いで顔の方まで登って来る。
 「待てッ! 何のつもりだ」
肩を掴み制する。
 「…寂しいって思っちゃった。だから…」
薄明りの中ようやく顔を見ることが出来た。その言葉通りの顔、どこか儚く見える。
 「思い出が欲しいな」
思い出が欲しい、この行動は…そういうことだろう。こいつは諦めているのかよ。なんてこった。
 「…おまえがさ、俺が好きだというのは知っている。
  でもどっちの俺なんだか正直よく解らない。昔からいた‘俺’の方が好きなんじゃないか?」
こいつとは知り合って間もない。付き合いの長い‘俺’を選ぶのが普通。
 「どっちのあなたも好きよ。でもあなたのほうが好きなの」
俺を選ぶというのか?腑に落ちない。
 「それは何故だ?」 
 「あなたは優しい。惹かれるのよ」
どう違いがあるのかは解らないが、今の朝倉の気持ちを考えるととても断れない。
いや、俺は嫌がってなどいない。まだ短い付き合いだけど、どれ程好いてくれているのかは
既にあの件が証明しているではないか。
 「あなたの気持ちはどうなのかな…?」
俺の気持ち。気持ちは…。
 「正直言うな。まだ恋愛感情かはわからない。でも大切にしてやりたいとは思う」
 「それって好きって言ってるのと一緒」
そうなのか。
 「なら…いいよね」
 「待て今は向こ…」
暗い部屋に明りが差し込んできた。そう、俺の考えていた人、長門が襖を音も立てず開け、
こちらをじーっと見つめていたのだ。空気が重い。良からぬ事をしようとして見つかった犯人の気分。

 「見つかっちゃったっ。まぁこうなると思っていたけど」
小さく舌打ちをし朝倉は長門と向かい合う形で相対する。動揺など微塵も感じない。今の状況を理解しているとは思えん。
片手を襖に置いたままでリビングの電光の光を背に正面は暗く見えない長門は何とも言えない迫力があった。
パジャマ姿は初めて見たが感動している場合ではない。
 「これは何事」
う、うぐ。少し感情が垣間見えた。
 「なにって、わかってるくせに」
 「…これは許せない事態。篭絡しようとしている」
 「篭絡なんてつもりはないわよ。このキョン君は有希ちゃんの好きなキョン君と違うでしょう?
  私はこのキョン君が好きなの。だから黙っていて欲しいな」
沈黙が訪れた。ぴりぴりとした空気とはこういう状況を指す。何度味わっても慣れないもんだ。
朝倉が言いたいことは解るが、今の長門は複雑な気持ちなんじゃないか。黙っていられないからこそ来たんだろうし。
たぶん今二人は視線を交差させ火花を散らしているであろう。俺はそっちを見る勇気などないわけで想像するしかできん。
 「見過ごせない」
 「しょうがないなぁ…」
ん?朝倉は諦めたのか?見ると右腕を上げていた。その先の手は何かを指差している。見えない線を辿ると
エアコン?エアコンしかない。…意味がわからんな。長門よ、おまえには解るのか?
 「………」
固まっていた。表情は微妙に驚愕、何時も以上に微動だにしない。これはいったい。
1827-695:2006/07/07(金) 00:43:18 ID:pyc9jvE6
 「いいよね…? こんな手は使いたくなかったけど」
もう手はない悪役の切り札のように朝倉は言った。
 「………お姉ちゃんはやはりずるい」
渋々といった様子で長門は腰を降ろし正座。ちょっと待て、今何が起こった?
エアコンが長門を黙らせる事になるとは。理解できる奴は手を上げて俺に教えてくれ。
 「…有希ちゃんは見てるつもりなの?」
俺も思った。長門は一部始終見るとでもいうように、その場に正座したのだから。
 「全く構わない」
威圧のつもりかもしれない。棘のある言い方であった。見ていれば姉はやめてくれるとでも思っているのか。
 「有希ちゃんには悪いけど、私はやめるつもりはないわ」
ああ、そう出ると思っていたさ。
 「…全く…構わない」
意固地にそう繰り返す長門がいた。
 「俺は構うっ。意地になるなよ。こんなのは嫌だし、ひどいぞ朝倉」
 「ひどいのは誰なのかな。ちょっと説明が必要みたい。…そうね」
一瞬の事だった。その向かってくる指をかわす暇もなく額に触れた瞬間意識が落ちた――

≪/長門xキョンH≫

(…朝倉よ、なんてものを見せるのだ。俺はとんでもない状況に立たされていた。ここは仮想世界なんだと思う。
 大体の流れで過去の記憶だというのは理解できた。激しい行為が現在進行中。)
   
 「……ん」
有希がモノを飴でも頬張るように口に咥え直した。
 「ちゅっ、あふ……んん…んっ」
小さな舌を這い回らせ先程出した精液を余さず吸い上げていく。その目の奥には恍惚が見えた。
じっと見つめながら奉仕をされるのは堪らない。昂ぶりに応じて再度モノは硬度を取り戻していった。

(長門の家、リビングでその行為は始まった。長門は薄いカーペットの上に身をかがめ跪き
 両手でモノを抑え奉仕している。俺は今、‘俺’となり二つの感情を共有。
シ○メリアって知ってるか?いやなんでもない。とにかく自分の意思で体は動かせない。
 足掻いたが無駄であり、こうして傍観するしかないわけで。)

 「くちゅ、……じゅるじゅる、れろ…。まだ出そう」
やはり大きくなると少し歯が当たり引掻いてしまうが、それももう慣れた。程好い刺激に感じる。
 「ここが…好き?」
舌先だけを唇から出し裏筋のくびれの辺りを反応を見ながら探る様に突っつかれる。
返事をする前に、有希は弱い部分を理解しぴたりとくっつけ上下にゆっくりとなぞり始めた。熱い。
 「んっ…」
濡れた唾液と精液の混じる体液が竿を伝って垂れていく。ぞくりと体が震えてしまう。
このままではまたすぐ出してしまいそうだ。有希だって気持ちよくしてやりたい。
 「有希、もう充分だ」
 「…」
まだ続けたいみたいだがこの辺で許して貰いたい。
 「あっ」
未だに舐め続ける有希の肩を押し床へそっと押し倒す。
お返しをするために制服のスカートを持ち上げ、はらりとめくった。白の下着が露になる。 
 「今度は俺が」
こくりと首を傾いだ。了解の合図は得た。両手で脚を広げていき顔を有希の下半身に近づける。
うっすらとした縦のスリットが眼前に現れる。
 「少し…濡れてる」
ショーツの表面にはじわりと薄い染みが出来ていた。
 「………」
脚を閉じようとする抵抗を腕に感じた。
 「いやっ気にするな。俺は嬉しいぞっ」
さっきのはまずかった。これは恥ずかしいだろうよ。
こんなに無防備な姿を晒してくれているのに追い討ちをかけるように言ってしまったんだから。
 「有希はかわいいな」
恥ずかしげもなく今なら言える。
1837-695:2006/07/07(金) 00:45:28 ID:pyc9jvE6

(こっちはめっちゃ恥ずかしいぞ。どうやら初めてのようだし。俺には快感など伝わって来ない。正直悲しい。
 って…待てよ、このまま見届ける羽目になるのかッ!?おい、朝倉!!)

その言葉に脚の強張りは抜けていった。ああ、この太ももの柔らかさも何たる事か。
俺の鼓動の速さは本気で走る犬より早くなっていた。興奮し過ぎかもしれん。

(おまえも俺も落ち着いたほうがいいのかもしれん。いや落ち着けねーよッ!)

 「有希、俺めっちゃドキドキしてるんだ」
そっと長門の手を掴み自身の胸へと導いた。

(それな、普通は女がする方だ。)

 「…心臓が大変な事に。私も同じ」
照れくさそうな長門。くすぐったい嬉しさでますます鼓動が高鳴っていくのを感じた。
 「同じか…安心したよ。続きしちゃうからな」
再度脚を開いていく。綺麗な曲線を描く美しい控えめなお尻。秘部を隠す白のショーツ。何度見ても堪らない。
 「脱がしても…いいか?」
 「……いい」
躊躇する必要はなかったようだ。ショーツへ手をかけると長門は自分から腰を浮かせ脱がしやすくしてくれた。
生唾を飲み込む。
 「いくぞ……」
壊れ物でも扱うような手つきで、腰から薄布をずり降ろしていく。見えた、が。
 「………」
またもや、脚は閉じようと抵抗を見せていた。
 「俺のは見ただろ? 頼むよ」
ぐっと少し強めにその脚を開いていく。
 「……恥ずかしい」
丸見えだった。眩暈がするほどに美しく魅力的、もういてもたってもいられない。
目の前にある閉じた割れ目へ手を伸ばす。
 「………んあっ」
指先を少し押し付けてみると、秘部から漏れ出る粘り気のある愛液が付着した。感じている。
好奇心が沸いてきた。そのまま指だけでタッチを繰り返してみる。
 「ん……くっ」
指と膣口とに粘液の糸が伸び走り、出来た橋は再生と崩壊を繰り返す。有希の気持ちよさという
快感を構築しているようだった。もっと乱れる様を見てみたい。

(こんな声出すんだな…。)

 「我慢してるか? しなくていい」
 「してな…あっ! ぁ」
クリを探り当てた瞬間、有希は足を突っ張らせ震えていた。やはりここは弱いみたいだ。
 「うっ、ぁ! んく…! し、刺激が…つよ……いっ」
ほんのりと朱をさした顔は我慢していますって言わんばかり。
 「狙ってやってるからな」
言いながら、くりくりと指でその刺激の強い部分とやらを弄り回す。
 「あ……くっ…んぁッ!?」
片手で秘部をよく見えるように開き、少しずつ膣口へ指先を進ませていく。
生温かな愛液が指を絡ませ、隙間からはそれが零れ落ちる。きつきつだ。
1847-695:2006/07/07(金) 00:47:24 ID:pyc9jvE6
指は三分の一も入らない。これで俺のは入るのだろうか?もっと馴染ませる必要がある。
 「いっ…ぁ…ああっ、あふ」
敏感な突起を片方の指の腹で撫で、膣口へ差し込んだ指を痛くない程度に加減しながら廻す。
 「指止め…あっ…はぐっ!…止めない…とっ」
そうは言うがおまえのここは凄い濡れてきているじゃないか。
膣内からは止め処なく愛液が流れ指を伝い手の甲までを濡らしている。
 「我慢しないでいいから」
 「んぁっ! ふぁ…、あ…ち、ちがっ」
少し強めに中を掻き回してみた。艶の入った可愛らしい声は脳を蕩けさせる。
有希の足は俺の顔を挟み、その手はスカートの裾をぎゅっと握り締めていて。
こんなの見ちゃどうにも止まらない。
 「っ……………」
 「……?」
震えていた体は止まり、スカートを掴んでいた手は力なくだらりと床へ落ちた。何か音がする。
 「こ、これは」
我が目を疑った。あの有希が…お漏らしをするなんて。
おしっこがちょろちょろとお尻を濡らし伝い床の薄いカーペットに丸い跡を残していく。
やっちゃった。

(…長門よ、獣ってのはよーくわかった。朝倉はあてにならん。おまえが助けてくれないか。
 正座したまま俺が布団で身をよじっているのを見ているのかっ!?)

 「だから…違うと言った。後で拭かなければならない」
顔を少し上げ股の俺を見ておっしゃった。突然のおしっこよりも平然としてる方に驚いたね。

(同感だ…)

 「あ…ああ。後でいいよな」
もう待ってなどいられない。欲望のままに未だ開かれた太ももの間に顔を寄せる。
鼻先には突起が数センチといったところ。おしっこの匂いは余りしない。
 「匂いは嗅がないで」
ばれた。ごまかそう。瞬時に舌を突き出しそこを突きにいく。
 「んっ…、あっ…ぁっ、あ…あ!?」
休み無く矢継ぎ早に突っつきはじき、時にはぴたりと触れさせたまま細かく上下に舐め上げる。
 「少しっ…待って…ふあっ!……ほしい」
 「すまん、無理な話だ」
指で花びらを広げ中を覗き込む。ひくひくと脈動するそのピンク色の膣口は誘うようで。
 「………あっ!」
思わずかぶりついてしまった。
 「あくっ!? うぁ…、ああぁっ」
普段からは想像もつかないその悲鳴のような有希の嬌声、淫らな行い自体に頭がおかしくなりそうだ。
…もうなってるのかもしれない。淫猥な水音が脳の奥にまで浸透していく。
 「んん…ぁっ…あああぁ、うぅぅっ」
温かな液体を吸い取って、飲み込んだ。少し粘り気があり、舌にまとわりついてくる様な感覚。

(移動する人参を延々と追い続ける馬ってのがある。今俺は長門の足を持ち上げ股間に顔を埋め
 舐め回しているが…何も感じられない。これは新手の拷問か。)

次から次へと止め処なく湧き出てくる愛液。幾ら飲んでも切りがなさそうだ。
ほぐれたのか中までよく見える。…これなら充分だろう。
 「そろそろ…いいよな」
 「…好きにして構わない」
どこかぼーっとした顔をした有希は了承してくれた。モノはさっきの行為から完全に勃ったままだ。
だが、これがはたして入るのだろうか?無理な気がする。先端さえ入りそうにも無い。
 「構わない」
 「痛かったら…言ってくれ」
正常位の体制だが、これでいいのかどうか。出来れば余り痛がらせたくないが、いい体位なんて知らない。
まあ、痛がったらやめよう。

(な、長門の処女が…あ、あああ! なんだこの複雑な気持ちは!!)
1857-695:2006/07/07(金) 00:48:56 ID:pyc9jvE6

さらけ出された割れ目へとあてがった。柔らかいその感触。溢れ出る液体をモノに馴染ませる。
それだけで途方も無い快感が背筋をぞわりと駆け上がる。我慢だ。
 「……入れて」
 「ああ…」
綺麗な花びらをかき分けながら、押し込んでいく。
 「ぅ…………」
ほんの少し入った…けど。その狭さは侵入を阻み、抵抗を見せるようだった。
先端に感じる刺激は強く、びくびくと震えてしまう。まずいッ。
 
(あ)

 「……………」
射精してしまった。その入り口からは咄嗟に、はずせたが、その秘部の周りは白濁の液体で汚れてしまっている。
未だ射精し続けるモノが非常にかっこ悪いッ。
 「………早漏」

(…どうやら‘俺’は呆然としているようだ。視界は固定されたまま奴からは何も感情など浮かんでこない。ん?
 白と黒の線が走り出し、しばらくするとちらちらとしたパラレルな光に変化。合わさるようにノイズを形作り広がり、
 眼前の光景を覆いだした。綺麗だな…。微妙な空気の中俺の…意識は……落ちてい…。)

≪長門xキョンH/≫

                                         続く おやすみ
186名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 00:53:37 ID:XfR3EJS4
ポニーテールの日
日本ポニーテール協会が1995(平成7)年に制定。

7月7日が「七夕」「ゆかたの日」であり、織姫がポニーテールであることと、ポニーテールが浴衣に似合うこと等から。

ttp://www.nnh.to/07/07.html#anniversary
187名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 00:54:41 ID:XfR3EJS4
興奮しすぎた。あげスマン
188名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 00:56:08 ID:vvhapjXa
>>185
エロナガモンGJ!!最高です。

>>186
もう!このスレ違いったら!……でもないのか?
とりあえずsageような。
189名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 01:08:26 ID:6MHHJHCC
エアコン…、なぁ?眠れんw
190名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 02:03:33 ID:tzuiSiUj
笹の葉ラブソディとかここまで考えて書いていたら谷川は神じゃね?
191名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 02:29:16 ID:TUEETuWp
>>190
谷川先生なら考えてるんじゃない
>>185
VP2今やってるww朝倉ワクテカ
192名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 02:50:07 ID:UmYRMyFR
ここってエログロOK?
別のスレで書いた奴なんだけど
かいちゃってもいい?
193名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 02:55:25 ID:FKh38eh+
参考:>>67
グロなら名前部分辺りにグロ注意とでも書いてくれれば読みたくない人はNGできる。
あと、エロについては>>1と板名参照。
194小ネタ:2006/07/07(金) 02:58:10 ID:fW8cWplS
憂鬱にて

俺は部室の扉を開けた。そこにはあのハルヒ曰く、謎の転校生古泉一樹が一人ハパイプ椅子に座っている。

「やぁどうも」

ついこの前朝比奈さんと長門から、未来人やら宇宙人やらの発言を聞いた後だったので、こいつも何かあると思った。

「古泉、お前も俺に何か言いたいことがあるんじゃないのか」

今度は何だ?異世界人か。それとも超能力者か?

「と言うと、あなたはすでに他のお二方からのアプローチを受けていましたか」

あぁ、だからお前も何かあるんじゃないかと思ったんだよ。

「お察しのようにわかりますが、実は僕」








「水虫なんです」

・・・・・
お医者さんにーいきましょうー
195名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:00:02 ID:EBweVbid
他スレで書いたんなら、ここに投下する必要あるの?
そこに投下すればいいんジャマイカ?
196名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:03:45 ID:bHc8W9fe
リンク貼ってくれれば見に行くよ
197名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:05:45 ID:UmYRMyFR
>>195
せっかく書いたのになんかもったいないなー
って考えてしまいまして・・・・・
>>196
もう消えちゃってる
198名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:07:33 ID:bHc8W9fe
>197
じゃあ再投下してよ
199名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:13:01 ID:UmYRMyFR
わかりました〜♪
200長門有希の崩壊 グロ注意:2006/07/07(金) 03:13:57 ID:UmYRMyFR
ソレは突然起こり突然終わった
情報統合思念体内で急進派が主権を握り

ハルヒを拉致・解剖しようと乗り込んできたのだ
小泉・朝比奈 両名はその場で殺され
ハルヒはどこぞに連れて行かれた
そして俺と力を封印された長門は
不滅のゾンビ女・朝倉涼子の手により
囚われの身となってしまった

長門が別の場所に連れて行かれる
長門と目が合った あんな怯えた目の長門は始めてみた

キョン「・・・・・なんで俺達を殺さない」
元1年5組の委員長に聞いてみる
朝倉「だってずっと消えてたんだもん♪ 私も少しは遊びたいわ・・・・・」
この時俺は 






もう長門と会えないんだろな


と悟った・・・・・
201長門有希の崩壊 グロ注意:2006/07/07(金) 03:15:00 ID:UmYRMyFR
長門は床のの上に転がされていた
長門が動くような気配は無い、気絶しているのだろう
その姿はあまりに無残であった
朝倉から”遊び”という拷問を受けたからである

長門の全身はいたるところ傷だらけで血がにじみ、皮膚は赤く腫れ上がっていた
鞭で打たれ衣服はぼろぼろになっていた

コツ、コツ、コツ、
足音が近づいてくる
この足音は朝倉だ
また”遊び”をはじめようというのだろうか

長門の捕らえられている部屋に電灯は無い
扉についている鉄格子の隙間からもれる光が唯一の光だ
鉄格子からもれる光に人影が映る、朝倉が扉の前に立っているのだろう
ガチャリとカギが開く音が聞こえ、扉が開く

朝倉「おはよう!! 長門さん、ご機嫌いかが?」
扉が開き廊下の電灯の光が暗い牢屋に入った
牢の中はすこし明るくなり、長門の姿が見えるようになる


長門を拘束するものは何も無かった
手錠も、足かせも何も身につけていない
衣服すら纏っていない

もはや彼女を拘束する必要は無いのだ
手も足も思うように動かせないのだから

両足の腱は切断されていた
両手の指はありえない方向に曲がっている
全身の傷は紫色に変色していた

長門「・・・・・・・・・彼はどこ?」
まだ潰されていない 
まだ腐っていない
綺麗な目で睨む
朝倉「まだキョン君のこと考えてるの?」
やれやれと手でジェスチャーして
朝倉「しょうがないわね、また遊んであげるわ」
長門は牢屋から引っ張り出され、”遊び”を受ける
202長門有希の崩壊 グロ注意:2006/07/07(金) 03:15:44 ID:UmYRMyFR
長門の入れられている牢獄には何も無い
床に排泄物用の穴があいているだけで、それ以外は突起物すらない
今の長門は自分で体を動かすことすら難しい
それゆえに排泄があっても垂れ流しであり、長門の全身は傷と汚物にまみれている

長門の汚れは基本的にはそのままだ
長門の汚れは”遊び”の時にだけおとされる
それは長門が犯されるときだけであった

大きさ2m程の二足歩行をする犬達それが長門の遊び相手だ
朝倉「人間が相手じゃつまらないでしょ?わざわざ作ったのよw」
笑いながら言っていたのを思い出した

犬達が長門を犯すときはまず牢獄から水のあるところに連れて行き
ホースで長門に水を浴びせかけ、デッキブラシで長門の汚れを落とす
針の先のようなデッキブラシは、傷だらけの長門の全身に苦痛を与える
長門はその苦痛で顔をゆがめるが、犬達は容赦なく長門の全身をデッキブラシで洗っていく
そして一通り長門の全身の汚れが落ちたら、犬達は長門を陵辱するである

はじめは抵抗もした、しかし犬達に押さえつけられすぐに動けなくされた
そして抵抗すればすれほど、犬達はさらに非道な行為を長門に加えるのである
それを理解してから長門は抵抗しなくなった

陵辱が終われば再び汚れを落とされ牢に戻される

いつのころからだろうか長門に生理がこなくなった
ストレスと栄養不足によるなのか妊娠したためかは今となってはもうわからな


ザッ、ザッ、ザッ
誰かの足音が近づいてくる
この足音は犬だと長門は感じた
犬が来る場合はほとんどが食事か陵辱だ
食事の方がいい
長門はそんなことを思っていた
扉が開くとそこには犬が立っていた
犬「・・・クエ」
そう言っては右手に持った大き目のお椀をひっくり返す
中身が床に落ち、つぶれた泥団子のようなものが床にできあがる
これが長門の食事であった
床に落ちたものはもう食べ物というようなものではなくもはや汚物であった
長門は芋虫のように這いながら食べ物のところまで行き、それを食べる
ぴちゃ・・ぴちゃ・・
長門は舌を出してそれを口の中にわずかづつ入れる
皮肉ながらほとんどの歯を抜かれてしまった長門にとって
この汚物のような食事しか食べることができなかった
硬いものなどもう摂取することはできなくなっていた
203長門有希の崩壊 グロ注意:2006/07/07(金) 03:16:38 ID:UmYRMyFR
どれだけ時間がたっただろう・・・・

朝倉「ねぇw すこしは身だしなみに気を使ったらどうw?」
ひさしぶりに長門と遊ぼうとした朝倉であったが、朝倉はは長門の姿を見て大笑いした
そして朝倉は犬達に命じ長門を牢から連れ出す
犬達に抱えられ、長門はいつもとは違う部屋に連れて行かれた

そこは20畳ほどの広さの部屋、部屋の中には何も無い
いや、ひとつだけ壁に大きな鏡がかかっていた

朝倉「今の自分の姿を見てみなさいw」

鏡には長門らしいものが映っていた
髪の毛は白髪となり
左眼は潰れて 腐り落ちている
骨と皮でガリガリになりアバラがうきでている
全身はドス黒く変色し、どこに傷があるのかさえわからない

長門「う・・ぁ・・・あ・・」
長門は泣いた、しかしもう涙はもうでてこなかった

このころになると犬達はもう長門を陵辱するどころか触れることさえ嫌がっていた


長門は床にはいつくばり食事をした
汚物のような物を何とか食べ終えると長門はそのまま眠りに落ちた

長門「・・・・・ん!・・さん!長門さん!」
それは朝倉の声であった
わずかに右目を開き、長門は朝倉を確認する
朝倉「長門さん、まだキョン君の事が気になるの・・・?」
長門はかすれた声で答えた
長門「・・・彼・・・を・・・・解放・・・・・し・て・・」
朝倉「長門さん、そこまでキョン君のことを・・・」
長門「・お・・ねがい・・」
朝倉「・・・わかったわ」
長門「・・・・・・・・・・あ・・」
朝倉「もうこんなことやめる!あなたの思いはわかったわ!」
長門「あ・・・あ・・」















朝倉「キョン君も全部なくなっちゃったしねww」
204長門有希の崩壊 グロ注意:2006/07/07(金) 03:18:08 ID:UmYRMyFR





長門「あ・・う・・ぇ?」
朝倉「もうキョン君はないの」
残念そうな顔をする元委員長
朝倉「あんなにいっぱいあったのに・・」
長門「ど・・う・・い・・う・・」
朝倉「あれ、気がつかなかったのw?あなたいつもキョン君を食べてたじゃないw、残さずに」

長門「・・・・!!!!」
朝倉「キョン君はおいしかった?」

朝倉のその言葉を聞いたとたん、長門は痙攣し始めた
長門の口から何かが吐き出される
それは先ほど食べた”食事”であった

朝倉「あらあら、残しちゃだめでしょう!どこの部分かわからないけど”キョン君”なんだから!」
朝倉はそういうと靴の先で”キョン君”をつつき長門の口のそばまで持っていった



朝倉「ほら、いつもみたいにw♪ 残さず食べてw♪」





長門「ぇあ・・う・ぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
絶望 まさにそうとしか呼べない顔をした物がそこにはあった
もう彼女は何も感じない
そして何も考えない

長門の心は崩壊した


<<完>>

205名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:19:06 ID:UmYRMyFR
つたない文章でしたが
ご視聴ありがとうございました
206名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:22:44 ID:prI5wT8z
いいね。実にいい。
グロもここまでくると傑作だな。
207名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:23:43 ID:UmYRMyFR
あと感想とかもらえると嬉しいです
今後に生かせます
208名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:25:44 ID:VxCDe/ua
おっきしますたwwwこれはすごい

意見することといえば
…もっとエロく苛めてくださいwww
209名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:26:43 ID:UmYRMyFR
>>206
ありがとうございます
>>208
エロは苦手でして・・・・・  すみません
210名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:32:32 ID:/st7+7Pn
うーん……なんだろう。何と言うべきか。
とりあえず面白くなかったのだけは確か。
211名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:33:41 ID:cdh1RuBj
俺のハートが傷ついた・・・が、たまにはこういうのもいいなw



・・・あくまでたまにだからね! 毎日やったら承知しないんだから!
212名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:35:32 ID:KNs8SVIE
スルーすれば良かった
反省している
213名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:40:25 ID:ddRdPFMz
おーい、誰か萌える長門さんを投下してくれー。
21415-705長門スキー:2006/07/07(金) 03:47:38 ID:bHc8W9fe
>>204に落ち込んだのでセルフリハビリで書いてみた

気分良く眠るための文章なので他人にとって萌えるかどうかはわからない
215名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:47:45 ID:2emZMdiu
なぁ、キョンを見ると好意を持つ女性が欲情するSSの題名が思い出せないんだがなんだっけか?
21615-705長門スキー:2006/07/07(金) 03:49:53 ID:bHc8W9fe
 圧迫。
 皮膚感覚につよい圧迫を感知した。
 覚醒する。

 視野は暗いまま。
 私は睡眠から覚醒した。
 場所は、私のマンションの一室。
 抱きついているのは私の一番大切な人。嗅覚で判る。
 その人が、激しく動揺しながら私に抱きついている。

「どうしたの」

 尋ねる。
 彼は普段は至って平静で、このような行為をすることはない。

「長門……な、長門……」

 動揺と安堵の混じった声がする。

「落ち着いて」
「スマン。悪い夢を見てた」

「どのような夢」

 夢には人間の精神構造が反映されるという。
 ならば彼の夢を聞くことで彼の精神構造の一端を知る事が出来るだろう。
 それは私にとってとても大切な事だ。

「俺が、殺されて、お前も何かに捕まってて、俺が食事にされちまってお前がそれを知らずに
食っちまう夢だ」
「その夢で私はどうしたの」
「わからん。まるでおかしくなったみたいに、発狂したみたいに叫んでた。イヤだった」
「そう」
「俺が死ぬより、お前が叫ぶ事のほうがイヤだった。
ゆ、夢で、悪夢でよかった。よかった……長門……」

 彼は寝汗をびっしょりとかきながら、私を腕の中に固く抱きしめている。
 いつもの事だが、彼の肉体は皮膚接触するだけで私の肉体に多幸感を発生させる。
 このような歓喜を与えてくれる彼に対し、私は可能な限り幸福を与えたいという欲求に
駆られる。

「そ、その……スマン。なんか、怖い夢見たってだけでお前を起こしちまって……
ま、まるでガキみたいで……アホだな俺」

 今度は彼は羞恥と自省に凝り固まっている。

 経験上、こういう状況の彼を普段の彼に復帰させるには一つの最適解がある。

 私は彼の顔を両頬に手を当てて固定する。
 そしてゆっくりと顔を近づけていく。
 瞼を閉じる。
 彼がこうするときはそうするものだと言ったから。

 唇に柔らかい感触。彼の唇。彼の匂い。彼の鼓動。彼の唾液。彼の昂ぶり。
 胸の中に去来する限りない幸福感。
 彼の唇から感じる、耐えられないほどの快美感。

 上手く言語化できない私の想念を、可能な限り彼に伝える。

「……大好き」
217名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:50:57 ID:ZCeZG7sD
いつも思うんだがたまにお前キャラの名前使ってるだけじゃんって人いるよな
涼宮ハルヒの憂鬱の設定がまったくいかされてない作品みるとよくそう思う
いまのグロの人もそうだが長門と朝倉は大まかに見れば同派閥なんだから
朝倉が暴走しないかぎり敵対しないし
もし暴走してたとしても情報統合思念体がそんなことさせないだろ
まだ朝倉よりかは古泉にしたほうがよかったと思う
218名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:51:32 ID:ddRdPFMz
>>216
ありがとうそしてグッジョブ!
219名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:53:30 ID:2emZMdiu
落ち込んだ気分が楽になったよ ありがとう
220名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:55:27 ID:TUEETuWp
俺も設定重視だけどグロだし別にいいやって思った。
有り得ないから。
221名無しさん@ピンキー :2006/07/07(金) 03:56:40 ID:Xa06KfUg
>>215
『ハルヒナ草』かな。
違ったらゴメン。
222名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:57:57 ID:KNs8SVIE
>>216
すまんな。
そして実にキモいが俺は長門が好きなんだなと再確認
223名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 03:58:45 ID:70xsKd5i
>>200
乙です。深夜に読むのに適してるっていうか、
三池映画を見終った後のような読後感でした。心臓が重くなる感じ。

朝倉は冷酷な奴かもだけど、人間ぽい残酷さは持って無いイメージなので、
その辺に違和感を感じた。
224名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 04:00:23 ID:iK8Yi1lQ
>>207
感想が欲しいようなので、感想。
台本形式は如何なものか。オチがありがち。
>217 の朝倉より古泉の方がよかったんじゃないかって点に同意。
225名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 04:10:55 ID:2emZMdiu
>>221
ありがと。違った。
226名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 04:12:31 ID:TUEETuWp
>>225
もうちょっと詳しく言えないか?
227名無しさん@ピンキー :2006/07/07(金) 04:13:16 ID:Xa06KfUg
>>225
もしかして鶴屋さんと体育倉庫でする話か
228名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 04:15:38 ID:ZCeZG7sD
キョンと親しい女がキョンの目を見ると襲ってくるってやつでしょ
確か 妹-長門-鶴屋って順番だったと思う
題名までは覚えてないけど
そういえばさっきのグロどっかで見たと思ったらVIPの長門をいじめるスレのやつか
229名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 04:17:00 ID:cdh1RuBj
少しでもグロをほめてしまった俺がお詫びに見つけてきたぜ!

11-757様: 『涼宮ハルヒの妄想』だな。多分、間違ってたらごめん
230名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 04:32:21 ID:ZCeZG7sD
>>229 あなたは悪くない 誰もグロが悪いなんていってないから
ただ設定がおかしいと俺が言ってるだけだ
231200:2006/07/07(金) 04:33:40 ID:UmYRMyFR

いろいろご意見ありがとうございます
まだまだ修行不足だなと感じました

もう少しハルヒの小説をじっくり見てみます。
232名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 04:35:32 ID:dNmU6dFE
>>205
封神演義を思い出させるな
まあそういう趣向のネタだから否定的なレスがつくのは納得してくれ
>>216
ありがとう、俺まで悪夢を見そうだった。
でも長門が横に居るのなら悪夢でもなんでもk(ry
233名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 04:40:02 ID:prI5wT8z
まぁ、急進派が主権を握ろうと、穏健派とかは存在してるわけだし。
派閥の関係がよくわからんが。対立関係なのか上下関係なのかとか。
滅多なことは起こらないんじゃね?朝倉のアレはあくまで現場の独断だし。
234名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 04:42:03 ID:89ajIGrS
>>216
> 上手く言語化できない私の想念を、可能な限り彼に伝える。

>「……大好き」
ここら辺が上手いとオモタ。
何つーか、長門らしい思考っていうか。
しかも萌える。
235名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 05:20:00 ID:XV6io8Vn
朝倉の行動に不自然さはあったな
あくまで必要なことのみすると思うし嗜虐的な快楽を求めるのはおかしい
みくると古泉を殺す意味も正直ない
236駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 05:44:56 ID:Z9nG/0P8
毎朝思うことがある。この簡易ハイキングコースじみた通学路を早足で歩くのはかなりの
重労働であると。
 ならばこの重労働を少しでも楽なものにするために出発をほんの数分はやめればいいので
はないのかという話もあるのだが、誰にとっても眠りから目覚める寸前のまどろみの時はそ
りゃ途轍もなく貴重な時間な訳で、それを自主的に返上することがどれほどの困難かを想像
するだに気が滅入る訳で。

 んで、結局毎度の事ながら。俺は青色吐息で簡易ハイキングコースを競歩しつつ学び舎へ
と歩みを進めていると言う訳だ。

 俺が懸命に坂を登り、学校へと向かっているにもかかわらず律儀にもいまだ寒さを保った
山風の野郎は容赦なく吹き付け、コートの上からでも容赦なく体温と体力をそぎ落としてき
やがる。たまには休め、寒冷前線の野郎。

 それはさておき。

 ひーこら言いつつ青息吐息で坂道を登りきり、やっとの思いで慣れ親しんだ校舎に入った
俺だったが…なんつーのか、そろそろ朝のHRも始まる時間だっつーのに教室の席を見てると
結構数の空席があるのが気になった。

 担任の岡部が教室にやってきて。朝のHRが始まる。

 しかしまぁ、なんだ。

 普段なら俺の背後の席からたまには落ち着けと突っ込みたくなるようなアレやコレやの
ちょっかいをかけてくる筈の奴がいないっつーのは。

 正直、かなり気に掛かる。

 あ、いやまて。これはこれで心穏やかに授業を受けることができるので歓迎すべき事態
なんじゃないのか俺。何を血迷ったことを考えている?舟をこぎこぎたるーく授業を聞き
流しつつ午睡にまどろむ所を唐突にシャーペンでつっつかれて訳のわからぬ厄介事を思い
つくや否や俺に話しかけるあいつが居ないのは、これはこれでいい心の休養になるから歓
迎すべき事象じゃないのか俺?

 「…というわけで、最近は風邪がはやっているようだから皆も健康管理だけには気を配
るように!」

 岡部がHRの締めにそんなことを言った。お決まりの起立・礼で朝のHR終了。普段背後に
居るはずのお気楽極楽脳天気爆弾が居ないことが…こうまで気になるというのはどう言う
こった?俺。
237駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 05:45:54 ID:Z9nG/0P8
 「やっぱあの涼宮も人の子ってことか。岡部が言うには風邪でダウンしてるんだとよ」

 昼休み。妙にニヤニヤしつつ弁当をつっつく谷口の野郎の言葉を耳にしつつ、俺は適当な
相槌を打って弁当を掻きこんでいた。普段とおなじように決して不味くはない筈の弁当が、
なんか知らんが今日に限ってはまったく美味くないのはどう言うこった?

 「まぁ、いくらあいつが度を越した度胸とか体力とかをもってても所詮人の子、風邪には
勝てんって寸法か」
 「…なぁ谷口。お前ハルヒと中学が同じだったよな?」

 何気にネタを振ったつもりだ。俺は別にハルヒの住所が何処か?なんて余計な話題に興味
なぞ全くない。ないが。ほら、なんだ。飯がそんなに美味くない以上、こうして喰いながら
色々だべるのが気晴らしには丁度いいんだよわかるか?

 国木田。お前もニヤニヤしながらこっちを見るんじゃない。俺には別にハルヒの住所なん
か興味も何もない。これは飯を喰いながらの雑談のネタだ。それ以上でもそれ以下でもない。

 結局、谷口と国木田の妙に生暖かいニヤニヤ顔を見ながらその日の昼食時間、無事終了。

 なんつーか、普段と同じ弁当なのに妙に不味く感じたのはどう言うわけだ、俺。食欲減退
するような事態なんぞなかったはずだけどな…?
238駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 05:55:59 ID:Z9nG/0P8
 さてさて、それはさておきだ。

 俺がなし崩し的に設立に関わり。そして今をもってある種精力的に活動を続けている学内非公認
団体であるSOS団も、さすがにその団長が登校不能な現状ではまともな活動も出来はしないのが当然
である。
 朝比奈さんが律儀に部室にやってきて、結果無駄足を踏ませるのも何だしな。俺は聞くべき事を
耳に入れつつ普段より不味く感じた弁当をさくさくと喰い終え、空になった弁当箱を鞄にしまって
旧舘へと足を運んだ。

 部室のドアの前に、中からとってきた藁半紙を貼り付けておく。『本日、団長急病につき活動休
止。キョン』…と、これでいいだろう。

 さて、やるべき事をひとしきり片付けほっと一息ついた所だが…時計の針を見るとなんともはや
まだまだ結構休み時間は残ってやがる。
 珍しいことに、今日は部室内で静かに本を読み続ける長門の姿も見えなかった。なので昼休みの
部室内は誰も居ない静かな空間となっている。

 他に誰が居るわけでもない、妙に静かなSOS団の部室。妙に静かで本来ありえない教室の風景。

 なんというか、魔が差したんだと思う。

 あいつの遠慮なしの大声が、妙に聞きたくなったなんてな?
239駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 06:03:46 ID:Z9nG/0P8
 SOS団設立の際、緊急時の連絡網をきちんと整備する!とのハルヒの一声により団員の携帯の番号
は一通りメモリに登録されている。別に何の気もなしに携帯を取り出し、慣れた手つきでハルヒの
携帯番号を呼び出し、コール開始。

 …なんかおかしくないか?普段なら3コールもしないうちに即座に回線がつながり、それと同時に
いつでもどこでも遠慮加減なしの馬鹿でかい声が聞こえてくるはずなのに…3コールはおろか10コー
ル近く鳴らしても、ハルヒの奴が電話に出ない。

 …なんでたかがそれだけの事がここまで気に掛かるかね?馬鹿か俺は冷静になれ。ハルヒは風邪
をひいているだけじゃないのか?風邪で寝込めば電話に出られないのも不思議なことではないだろ
う?別に単に寝てるだけなんじゃないのか?気に病むな。あいつの事だから風邪が完治すりゃまた
いつも通りに遠慮呵責なしに俺を引きずり回しつつ、SOS団の陣頭指揮に復帰するに決まっている。

 …ああ、そーさ俺は馬鹿さ。悪かったよ認める。だから魔が差したんだよ。

 ハルヒの奴の見舞いに行ってやろうなんて、考えちまったんだからな。
240駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 06:25:04 ID:Z9nG/0P8
 冷静になって考えると自分の頭が狂っちまったに違いないと思うような事を決意して、俺は
さっさと部室を後にしようとした…ところで、部室の前を足早に歩きつつ携帯で誰かと話すど
っかでみたようなイカサマスマイル野郎の姿が目に入った。古泉だ。どうやら何か切羽詰った
状況らしく、鬼気迫る表情で電話の相手となにやら激しくやり取りしている。

 何か、凄まじく嫌な予感がした。

 古泉がここまで切迫した様子を露骨に見せると言う事は…やはりアレだろう。ハルヒの精神
が不安定になると発生するという『閉鎖空間』と『神人』関係の揉め事に違いない。

 あいつ曰く「ハルヒはどんどん精神が安定してきている」との事だったが…まさか、これは
病気で倒れたハルヒの不安とかそういうのが引き金になってる現象じゃないんだろうな?オイ。

 「古泉」
 「…やぁ、どうも見苦しい場面を見せてしまいましたね」

 話が一区切りするまで少し離れた場所で様子を見てから、一応の確認のために古泉に話を聞い
て見ることにした。簡単にいえば、俺の推論はほぼ完璧に的を得ていたらしい。

 「不安・焦燥・孤独感…今の涼宮さんの心はこの三つの要素で占有されていて、結果途方もな
い規模の『閉鎖空間』が同時に発生しているようです。今はなんとか『機関』総出で対処に当た
っていますが…正直きついのは確かですね」

 「ハルヒが落ち着くまで、いくらつぶしても閉鎖空間が続々と生まれ続けるからか?」

 「ええその通りです。正直、僕たちのしていることは対処療法以外の何者でもないのですから
お手上げといったところです…今回もどうやら、あなたに根本的な対処をお願いすることになる
と思いますよ」

 …聞かなけりゃ良かったと思ったのは俺だけじゃないよな?古泉、その薄ら寒いにやけ顔をど
うにかしろ。その目はよせ。『わかってますよあなたの考えは』みたいなニヤけた視線は。

 その日の放課後。俺は国木田に掃除当番をおもむろに押し付けた後、返事を聞く前に学舎を飛
び出して帰路についた…途中で携帯を使い、ちょっとダチの見舞いに行くので帰りが遅くなると
オフクロに連絡をしておく。余計な詮索がどうとかが面倒なのと、家族に心配をかけちゃマズイ
との判断からである。

 ハルヒの家まで、ここからならそう遠くはない。急ぐ事はないだろうと思いつつも、何か知ら
んが俺は普段よりハイペースで歩を進めていた。
241駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 06:45:33 ID:Z9nG/0P8
 さて、何か知らんが妙に速い速度で俺はいつも使っている駐輪場までたどり着き、愛車の
ママチャリのペダルを踏み踏み、谷口の野郎から飯のときに聞いていたところへ向かって走
り出した。

 向かった先は…なんともはや、俺とかでは生涯かかってもお目に掛かれない様なハイソな
庭付きの高級住宅の立ち並ぶ住宅街である。そういえば、俺はSOS団での活動でハルヒと顔を
つき合わせるようになってからもう結構な時間がたっているがハルヒの自宅に来たことは一
度もない。逆にあいつが俺の家に来ることなら結構あるわけなんだが、それはまぁここでは
関係のないことだ。

 谷口から聞き出した住所のメモを手にママチャリを走らせること暫し。メモに書かれている
住所が正しいのであれば…そして、その邸宅の門に書かれた表札がなんかのイタズラでないの
ならば…。俺は涼宮家にたどり着いたのだと思う。

 なんというか…ガレージには高級外車が二台、あと空車スペースらしきものがもう二台分あ
るとか、いかにも金と手間をかけて維持してますよといわんばかりの庭とか、セキュリティ会
社のステッカーの貼られたインターホンがどうとか…。もうなんというか、住む世界が違うと
しか思えない佇まいの、典型的な『豪邸』ってのがそこにあった。

 そーいやいつかの幽霊騒動のとき、けっこうな豪邸に上がりこんだにも関わらずハルヒの奴
は殆ど動じた様子がなかったなと思い出す。そりゃそうだ。自分の家とさほど大差ない家なん
だから不必要に萎縮する必要もなかったってことか。納得。

 インターホンを押し、学校のクラスメイトのものですがと断りを入れて見舞いに来たことを
話す。さすがにハルヒを真似ていきなり門扉をあけて邸宅の敷地内に侵入する気にはなれない
からな。普通だろ?

 これだけでかい屋敷なら、やっぱ使用人がどうとかあるのかね?などと他愛もない事を考え
つつ待つこと暫時。インターホンのスピーカーから聞こえてきたのは…

 「…キョン…?」

 …我が耳を疑ったね。常日頃なら遠慮呵責もへったくれもなくハイペースでマシンガンのよ
うにしゃべり倒し「お前口さえ開かなきゃなぁ…」などと思わせてくれるあのハルヒが。

 なんつーか、病気で弱ってるせいかね。これは。掠れた声で弱弱しく俺の名前を呼ぶなんてな?
242名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 07:02:04 ID:5KKchWOK
続きそうだから支援しとこう
243駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 07:12:30 ID:Z9nG/0P8
「ああ、まぁ何だ…ほれ、昼に携帯に掛けても繋がらなかったから気になってな?」

 誰に言い訳をしてる訳でもないにも拘らず、こんな事を口走るのはどーいうことかね、俺よ。
インターホンの向こうで、誰かが小さく息を呑むような声が聞こえたような気がしたのは、多分
気のせいだ。ああ気のせいだとも。

 「…外は寒いから、入ったら?アンタ馬鹿だから風邪なんかうつりそうも無いし」

 ほらやっぱり気のせいだ。相も変わらずな憎まれ口をたたくハルヒ。その声とともにカチャン
と音がして、門のロックが外される。気後れするほどに手入れの行き届いてる庭を通り過ぎて、
玄関前に立ったところで内側から鍵の外れる音がする…3回も。金持ちになると保安面に気を配る
ようになるのかね。やっぱり。

 さて、玄関のドアが開き。

 その向こうに居たのは、ピンクを主体にしたやや大きめのパジャマの上からカーディガンを引
っ掛け、風邪のせいだろうが顔をやや赤くさせたハルヒだった…ってオイ待て。お前病人だろ。
なんでワザワザお前が玄関まで出迎えにやって来やがる?

 「ボーっとしてないで入ったら?」

 「あ、いや。ハルヒ。ほれ…いきなりクラスメイトとはいえ男が女の家に上がりこむとご家族
のほうが色々とごた付きはしないか?普通は」

 「…ホームヘルパーなら午前中で帰ったわ。親父も母さんも仕事の都合で今香港。別に気兼ね
することもないでしょ?…一人で寝てるのも…つまんないだけだし」

 …俺は夢でも見てるのかと思ったね。たかだか風邪にかかっただけで、あの暴虐の限りを尽く
す団長殿がここまでしおらしくなるなんてな?正直、予想の範囲外だ。というかちっと待て。今
家には誰も居ないとかいう話なんじゃないだろうな。オイ!?
244駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 07:13:40 ID:Z9nG/0P8
「…って待て!看病とかしてくれる人は居ないのか!お前病院はきちんと行ったんだろうな?」

 「…関係ないでしょ、そんなの。風邪なんかそんな大げさにしなくても寝てたら治るし、親父も
母さんも忙しいし、こんな瑣末事で看病なんかされてもアレだし…」

 …なんというか、ハルヒよ。強がり言ってるのが丸わかりだぞ?誰だってそうだ。風邪で寝てる
とき、目が覚めたときに傍に誰かが居てくれるのはありがたいもんさ。年末の時に俺自身がそう思
ったようにな?
 
 「仕方ないじゃない。親父も母さんも忙しいんだし、娘が風邪ひいた程度のことで足引っ張る訳
にもいかないんだし、アタシは強いんだから一人で居ても寂しくなんか…っ」

 言葉の後で立て続けに咳き込むハルヒ。もうアレだ、正直見てられないと思うね。
 
 こいつはもしかしたら、今の今まで家族に甘えるという経験を殆どしていないんじゃないのかと
俺は思った。
 自分は強いから、自分は立派だから、自分は人と違うから。そう思うことで忙しい両親が自分に
向き直ってくれない事の寂しさを誤魔化しつづけたんじゃないのか?どんなタフな奴でも、どんな
強い奴でも病気になれば気が弱くなるのは当然で、そんなときに傍に誰かが居てくれるのはありが
たいはずだし、たまには他人に甘えるのも悪くはないだろう?

 でも、ハルヒにはそれがなかったんじゃないのか?こいつはこのでかくて立派な豪邸の中で、金
もモノも溢れてるなかで孤独だけを感じ続けてたんじゃないのか?

 何度も言おう、俺がこんなことを考えたのは気の迷いだと。魔がさしたのだと。

 俺はハルヒの目の前でおもむろに携帯を取り出し、オフクロにこう言った。

 クラスメイトが風邪をひいてて、そいつ一人で家の中で寝込んでたから、軽く看病していくので
少し帰りが遅くなる。飯は取っといてくれるとありがたい。と。
245名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 07:21:23 ID:70xsKd5i
支援(><)
246駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 07:26:37 ID:Z9nG/0P8
 「ちょ…キョン!?」

 風邪のせいで赤い顔に動揺を見せたハルヒの目の前で、わざとらしい動作で携帯を折りたたんでポケットに仕舞う
俺。ほっとけるわけがないだろうが。これは俺が好きで勝手にやることだからお前がどうこう思う事はないぞ、ハル
ヒ。

 「さて、まずは…お前病院いってないとか言いやがったな?」

 言いながらハルヒの肩を押し、おもむろにずかずかと涼宮家に上がりこむ俺。なんというか、どういう事をしたら
ここまで立派な家に住める身分になるのか是非にご教授願いたいね。俺は。

 「セキは見て大体わかったが…熱はどうだ?」
 「…そりゃ風邪引いてるんだから、少しはあるに決まってるでしょ?」

 なぜか視線をプイと横に向けつつ二階に向かう階段をあがるハルヒ。ったくなんというか素直じゃないというか、
何というかだ。苦笑しつつ後に続く。すると、二階に上がってすぐの部屋の前でおもむろにハルヒはぴたりと足を
とめた。つられて停止する俺。

 「…どうした?ハルヒ」
 「…ここがアタシの部屋だから」
 「そっか、んじゃお前はとっとと寝とけ。熱が上がったら本末転倒だろうが」


 「…ちょっと外で待ってて!アタシがいいと言うまで絶対にドアあけちゃ駄目よ!無断であけたら死刑だから!」

 なんというか、そんな事を叫ぶと。ハルヒは普段よりは控えめな力で自室のドアをバタンと締めて俺を廊下に置き
ざりにした。何だってんだ、部屋の中がとっ散らかってるのを見せたくはないのかね?やっぱりさ。

 やる事も特にないので、廊下に掛かってるたぶん金が掛かってるんだと思う海をモチーフにした油絵を眺めて暫し
ぼーっと突っ立ってると…中でバタンドタンと音がして、そこからさらに暫くしてからハルヒの部屋のドアが開いた。

 「は…入ったら?そこでアホみたいに突っ立ってるだけってのも何だし」

 …廊下で待てといったのはお前じゃなかったか?ハルヒよ。
247駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 07:44:06 ID:Z9nG/0P8
 さてさて、なんだかんだで俺が初めてハルヒの部屋に入って思った感想だが…なんというか、部室の備品を続々と溜め込みそれを
まったく整理しないあの暴君団長殿の部屋だとは到底思えないほどに整頓されていた。ついでにいうと、まぁなんだ…意外といえば
意外なんだが、全体的にセンスのいい家具類とかが置かれてるし、どっかのドラマで出てくるような女の子の部屋だと思えるような
ところだった…。

 なんというか、別に慌てて散らかりっぱなしだった荷物をクローゼットに叩き込んだ様な様子も無いし。なんでハルヒが俺を30分
近く部屋の外にたたき出したのかがわからないね。俺には。

 「昼前にアンタが電話してくれたのは、後で気が付いたのよ」

 ベッドに素直にもぐりこみつつ、ハルヒは言った。

 「けどさ、アンタ学校じゃない?SOS団の活動のことも気にはなってるから休みにするという連絡を放課後にするつもりだったの
よ。どうせ放課後に電話するんだから昼休み時間に掛けなおすなんて意味ないじゃない?だから連絡返さなかったのよっ」

 あーわかったわかった。頼むから熱でクラクラしてる赤ら顔で捲し立てるなハルヒ。熱が上がったらどうする気だ。たまにはおと
なしくそこで寝てろ。熱さまし用の氷嚢とかの置き場所を教えてくれると助かるがな?

 「……キョン」
 「……なんだ?」

 「…迷惑、じゃ、なかった?」

 掠れそうな声でボソボソ言うなハルヒ。らしくないじゃないか。迷惑?そんなもん俺はとっくに慣れきってるともさ。お前が風邪で
寝てるのを看病するくらいの迷惑の上積みなんかもう気にもなりゃしないね。口に出すのはなんか抵抗があるので苦笑とともに肩を軽
くすくめてから、あえて別の言葉を掛けてやることにした。

 「病人は病人らしくしてろ。気にすることじゃないってんだろう?俺は勝手に押しかけて勝手に看病してるんだ、繰り返すが気にす
るな。調子狂うだろうが、ハルヒ」

 熱のせいで顔が赤いままのハルヒが、その言葉を聞くと同時に頭まで毛布を引き上げてその中に埋もれた。何やってるのかねコイツは。

 氷嚢は一階の冷蔵庫の冷凍室の中にあると聞きだし、俺はそいつを取りに行くために一旦ハルヒの部屋を出る事にした。ドアノブに手を
かけ、繰り返し「いいから寝てろよ」と声を掛けてから廊下に出る。

 …ドア越しに「ありがとう」なんてハルヒの声が聞こえたような気がしたのは、きっと俺の気のせいだろうさ。
248駄文・風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 07:47:14 ID:Z9nG/0P8
 以上で一区切りです。SS倉庫の中の「ハルヒの家が金持ちでホームヘルパーが家の事を全部やってる」という
ネタをみてて思いついた衝動的に書いた駄文です…推敲もなしの投げっぱなし駄文ですが、よけりゃ感想でもく
ださるとこれ幸いです…。

 もし好評のようなら、続きを書いてみるとしますので…非エロなのは勘弁ということでOrz
249名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 07:52:49 ID:3NeZwcfv
うほっ、いいSS。
だがこれからが、これからがいいところではないかっ!
というわけで、続きをよろしく。
250名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 08:00:33 ID:C3nuTXbq
駄文って言うのやめな
「駄文なんかじゃないですよ〜!」って意味じゃなくマナーとしてそういう卑下はやめな
251名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 08:07:02 ID:vQAvf8FO
>>248
マジ続きwktk
描写が丁寧でいいすね。
普段と違うしおらしいハルヒと優しさ全開なキョンに期待してます
252名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 08:12:35 ID:/st7+7Pn
むしろしおらしすぎて違和感がぬぐえん
でも萌えるからいいやw
253名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 08:21:19 ID:70xsKd5i
>>248
いい雰囲気。続きが読みたい
254名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 08:27:24 ID:LOVgATqE
すごく続きが気になりますので、お願いします
255248:2006/07/07(金) 08:45:07 ID:Z9nG/0P8
 うーむ、予想より好評の様子…では暇を見て近日中に続きを書き込ませてもらいますが、ここで
相談が。
 他の職人さんが以前に書かれていたSS、「5-164」様の「ハルヒ」SSのネタを見て今回のSSを思い
ついたのですが…このSSの設定の流用って可能なのでしょうか?
 もしよろしければご意見いただけるとこれ幸いです。5-164様の設定を流用できるなら続きにえちぃ
文章をつなげることも不可能ではないのですが、独断で設定を流用するのもあまり良くはないのでOrz
256名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 09:19:14 ID:9RWzCElI
>>248
ウム、ベタだが悪くないネタだった。

……嫁ハルヒを読み返してて今更ながら気付いたんだが、
後半、電源を切るよう注意してる司書は、最初長門に連絡しようとして
できなかった理由を明かしてるんだろうか。
257名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 10:05:42 ID:jQVe0xra
ハルヒの解剖シーンは?
258名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 11:10:44 ID://yg3IMx
グロあげたら頃すぞ
259名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 11:27:45 ID:VxCDe/ua
>>248
ツンデレハルヒにニヤニヤしっぱなしだった
GJ

設定流用は別に構わないのでは?と無責任に言ってみる
文章のモロパクリとかでなければ許されると思う
なにしろここの住人は本編とSSの境界が曖昧になってるからねwww
260名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 11:31:09 ID:TUEETuWp
>>255
本人から了承が取れたらいいかと。他の人の意見は関係ないです。
よく考えてくださいまし。
261名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 13:46:28 ID:S7ArD57x
ちょ、みんな
七夕のURLをINDEX2にしてみろ
262名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 13:47:33 ID:S7ArD57x
どう見ても誤爆です
吊ってきます
263名無しさん@パンキー:2006/07/07(金) 13:57:43 ID:W+IxH8Ry
>>262
べ、別にあんたの誤爆なんてなんとも思ってないんだからねっ!
264名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 13:57:52 ID:aC/ac/v5
age
265名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 14:00:08 ID:W0yEHpBc
さてさて、ここは文芸部兼非行認変態集団SOS団の面々が集ういつもの部屋だ。
珍しく、一番乗りで到着してしまった俺である。嫌だな、まるで一番楽しみにしているみたいだ。
少し早過ぎたかな。長門はまだだろうかね。
俺はハルヒ団長様の最新PCが鎮座している机に腰を下ろすと、
俺の心の癒し、MIKURUフォルダを開いて閲覧する。うむ、素晴らしい。
その北高のすうぃーとAngelのお姿を一様堪能し終えた所で、デスクトップの隅に無題のフォルダを見つけた。
何気無しにそれを開いてみると、何やらテキストファイルが入っている。
どうせまたハルヒ案の下らない企画だろう、クリックして中身を開く。

…………何だこりゃ。
先に言っておこう。今からその内容を軽く説明しようと思うが、それは決して俺の意では無い。
そう、つまりこれは一人称を俺に据えた少しアッチの方向の二時小説なのだ。
読み上げるのも汚らわしいが、話が進まんことにはどうしようもないからな。…読むぞ!

『古泉は、その屹立した俺のモノを口に含むと、ゆっくりと上下に頭を動かした…』
『「こ、古泉っ…!」』
『「ふふ、可愛いですよ…キョン君」』
『どうしたんだろう俺は…男に…古泉にこんなことをされているのに…感じているのか?』

「ぐはぁっ!吐き気がする!」
やっぱり読むんじゃなかった。何だこれは!?何だって俺と古泉が…。
いや、それはひとまず置いておいてだな、一体誰がこんな物を…?
「…」
「おぅわっ!!!」
ふと気配を感じたと思ったら、いつの間にか机の前に長門がいた。浦安の中田さんですかあんた?
「お…おぅ。いつ来たんだ?長門」
俺は瞬時にフォルダは閉じると、すぐさまYAHOOの検索エンジンを画面上に開いた。
まるで、親に自慰行為を見つかった時のような心持ちでドキドキしながら長門に開き直る。
うぅ…心臓が口からどこぞの弾道ミサイルを、凌駕した勢いで飛び出そうだった。
長門は、忍者の如く足音も立てず、歩行運動すら見せず、俺の横に滑り込んできた。
忍者と言うよりは、幽霊だな。うん。
「…見た?」
質問してくる長門に対して、俺は古泉の100倍爽やかなスマイルで返してやった。
「はははは、何をだ?」
そんな俺の、泣き出したい程恥ずかしい行為を横目に、キーボードをカシャカシャ打ち、
長門は某巨大掲示板の、とあるスレッドを開いた。
そのスレッドタイトルを見た俺は、絶句しながらも理解してしまったのだよ。
「…涼宮ハルヒで801?」
長門は、ゆっくりと口を開いた。
「…ここに投稿」
続いて、いつもの不思議呪文を吐くよりも早口でこう言ったのだった…
「…うほっ」
…長門よ、お前腐女子だったのか。

「アッー!」
266名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 15:27:04 ID:UeW5oKUe
>>265 ちょwwww腐女子長門ワロスww
267名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 15:50:31 ID:wQfjSUBR
268名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 15:56:11 ID:m46Ei+lE
>>265
ちょwwww
黒烏龍吹いたwwwwwwww
269名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 16:20:27 ID:Fs5gZgrc
270名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 16:54:44 ID:UeW5oKUe
福岡は今日やっとアニメ最終回………
271名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 18:01:42 ID:RclN2igH
この投稿したものをハルヒとみくるが家で見てたりして
272名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 19:06:57 ID:Tn/1+/Er
数レス投下します。
273『ロビイ』:2006/07/07(金) 19:07:57 ID:Tn/1+/Er
「きゅーじゅはーち、きゅーじゅきゅう、ひゃーく」
リボンとショートカットの良く似合う、元気さが有り余ったあげく供給過多となったような
女の子は、大きな声を上げて数を数えた後、目に当てた手を除けて、顔を上げた。
しばらく光に目が慣れないのか、目をパチパチさせた後、彼女は辺りを見回した。
おそらく何かを探しているのだろう。草むらを覗いて見たり、滑り台の後ろ側に回ってみたり、
木の上を見上げてみたりと、全開の笑顔を発揮しながらあちらこちらへ動き回っていた。
だが、どうやら探し物が見つからないようだった彼女の顔は、次第に不機嫌になっていった。
「むー…」
母譲りのアヒル口の表情をした女の子は、誰に言うわけでもなく一人愚痴った。
「きっと、公園のそとに隠れちゃったのね!そうに決まってるわ!あれだけそれは『はんそく』だっていったのに!」
しかし、彼女の推測とは異なり、女の子のすぐ後ろの岩の陰から、かさりという音が立った。
「あっ!」
彼女がその存在に気がついたときはもう遅かった。
小柄でショートカット、実年齢は分からないが、「少女」と呼ぶにはすこし躊躇うくらいの風貌を備えた女性が、
岩陰から立ち上がるや否や、足音も立てずにあっという間に、さっきまで女の子が大きな声を上げ、
数を増やしていた場所へ駆けていった。

「待ってえ、有希ちゃんずるいよ!あたしがみつけるまで動かないって約束したじゃなーい!」
小さな女の子もそれを追って一生懸命に走るが、もちろんまだ7歳くらいの小さなその女の子が、
所詮歩幅で有希と呼ばれる女性にかなうはずが無い。普通に考えれば当然追いつけないだろう。
しかし有希と呼ばれた女性は、目印のように置かれていた缶の手前10m位のところから、
まるでスロー再生をしたかのように、ゆっくりと「走り」つづけた。
一方で女の子はその全速力のスピードのままその女性、有希を追い越し、缶のところまで走りこむと、
急ブレーキをかけ、足で缶を叩き伏せた。
「ふっふーん、あたしの勝ちね!とーぜんよね、有希ちゃんなんかにまけないもーん」
体全体をくるっと回して節をつけて歌うように女の子は言い放つと、びしっと年上の女性を指さした。

「…」
その指さされた女性は、少し首を傾げると、つっと誘うようにゆっくり走り出した。
女の子もそれに釣られて、いつの間にか缶けりは鬼ごっこへと変わっていった。
しばらくの時間が過ぎ、エネルギー源が無尽蔵に見えた女の子も、流石に段々息を切らせ出し、
どっちが鬼だか良く分からない鬼ごっこは女の子の一言で終わりを迎えた。
「もう…有希ちゃん、止まりなさい!」
やはりビデオの一時停止ボタンを押されたように止まった女性は、即座に女の子の両腕に捕まった。
「にはは…」
満面の笑みを浮かべた女の子は、しかし即座に命令するように言い放った。
「今回もあたしの勝ちだけど、あなたは缶けりのルールを破ったわ!
私はまだ有希ちゃんを見つけてなかったし、やっぱり反則にはバツゲームが必要よ!」
無体なことを言い放たれた女性は、表情も変えずに首を軽く横に揺らした。
否定の動作であったのだろうか。
「あの時、私は木の葉を踏んで音を立てた。そのときあなたは私を見つけたはず」
それを聞いて、あっと言う顔をした女の子は、それでも専制君主のように言い放った。
「だからって…バツゲームが軽くなるわけじゃないわよ!いい、私をかたぐるましなさい!」
罪がないのにバツゲームとは理不尽だが、有希と呼ばれる女性はそれを不服とは
思わなかったらしく、背中を女の子に向け、かがんだ。
274『ロビイ』:2006/07/07(金) 19:09:26 ID:Tn/1+/Er
その背中に女の子がよじ登って、しまいに肩まで到達すると、その女性は
上の女の子が落ちないように、ゆっくりと立ち上がった。
「わー、たかーいたかーい!」
「……」
「いい、あなたは今飛行機、私はパイロットなのよ!わかったら手をのばしなさい!
のばさなくっちゃだめよ、それがつばさなんだから!」
柔らかな髪の毛を操縦桿のように握られた女性は、その命令にも不服を提出せず、
命令どおりゆっくりと手を横に広げていった。

女の子は体全体を使って、その「飛行機」をあっちへ、こっちへと誘導していった。
さらにはエンジン音を出すことを「飛行機」に女の子は要求し、
その命令にも「飛行機」は単調な”ブルルル”という効果音で応じた。
いつの間にかその「飛行機」は「戦闘機」になったらしく、髪の毛を握った女の子の口からは”びしゅーん”
”ばばばばば”という何やら良く分からないものが飛んでいくようなサウンドエフェクトが追加された。
「もうひとりやっつけた!あとは…ふたり!」
いつのまにやら敵も現れていたらしく、その「戦闘機」と「パイロット」は縦横無尽の働きをした。

「まずいぞ〜!エースからかくぶんたいにめいれーい、もう弾がなくなった!
作戦をちゅうだん、この場所から宇宙へとてったいする!」
「戦闘機」から「宇宙船」へとランクアップした彼女は、効果音を”ブルルルル”から”ゴゴゴゴゴ”という効果音に
変えると、一気にスピードを上げて…でも大事な「パイロット」を落とさないように…
「宇宙空間」たる小高い丘の上まで一気に「最大船速」で「撤退」した。


息を一つも切らさず、頂上までたどり着くと、さっきまで「宇宙船」だった女性は、
ゆっくりと女の子を小高い丘の頂上に下ろした。
「あー、すてきだったあ!」
100ワットの笑みを浮かべた女の子は、上気した顔をさわやかな風に当てていた。
その女の子の顔を、それとは正反対な無表情で…でもどこか愛おしそうに…女性は見つめていた。
275『ロビイ』:2006/07/07(金) 19:10:19 ID:Tn/1+/Er

「そうだ、ねえねえ、有希ちゃん、『お話』聞きたい?」
「……」
女性は少し首を下げた。
それを同意の意と受け取った女の子は、昨日父親から聞いたばかりの童話を、
彼女流にアレンジして、あちこちにいくつかの筋を付け加えて話し始めた。
「むかーしむかし、といってもそんなに昔のことじゃないわ、
でも洗濯機がないくらいには昔のことね、あるところにお爺さんと…」

女性はやはり無表情だが、なんとなく興味深そうにも見える表情を浮かべながら、
彼女の話を聞いていた。どうやら女の子の話も佳境に至ったようだ。

「…イヌとサルとキジと、それにライオンとトラとゾウと、宇宙人、未来人、超能力者を連れたももたろうは、
まだ日がのぼりきらないよあけまえに、鬼が島に『きしゅう』をしかけました…」
そんなに大部隊が乗る船で奇襲も無いだろうけれど、女の子的にはこれくらいしないと
「鬼退治」なんて出来ないようだ。
「『げげぇー!なにやつだおまえらは』!みはりの鬼が…」
彼女の話の中、一大合戦が開かれようとする正にそのとき、公園の外から車のクラクション音が聞こえてきた。

「あっちゃーん、それに有希ー!おまたせー!」
276『ロビイ』:2006/07/07(金) 19:10:59 ID:Tn/1+/Er
いつも思うんだが、『あ』で始まるから『あっちゃん』って言うのはいささか単純過ぎないか。
まあ一家を支えているのに一向に外れそうに無い俺の『キョン』よりは数千段マシだと言えるが。
と…ハンドルを握り、クラクションを鳴らした俺は割と益体もないことを考えていた。
今日も不思議探索とやらに車を駆り出され、仕事に疲れた体を休めるべく会社によって制定された休日は、
妻がそれを言い出した瞬間に光の速さで今日も消え去った。

車を安全なところに駐車した俺は、先に飛び出していったハルヒの後をゆったりと追いかけて公園に入ると、
母娘ハイテンションコンビがたかいたかいを繰り返しているのを確認しつつ、少し成長したのと服装以外は
あまり外見上変化も無い長門の所に向かった。

「悪かったな、また娘の面倒を見させてさ」
何か用事があるたびに長門に面倒を見させようとするハルヒもどうかと思うが、
それに一応の同意をした俺も、きっちりとした筋は通す必要があるだろう。
「いい」
長門の表情に、少し笑みらしきものが浮かんだのを長門の表情専門家たる俺は見逃さなかった。
「私も楽しかったから」
まあいつものやり取りだ。長門は案外子供の面倒を見るのが好きらしい。

俺たちの子供が生まれるまで、長門がそんなことをするなんて発想が思いつかなかったが…
まあ妹とも仲良くしていたし、長門なら何でも直ぐこなしそうでもある。
と、言うより不可能事が有るのかどうかすら怪しいと俺は今でも思っている。
「あー、また何かあるとき、ハルヒはお前に頼むかもしれんが…」
「大丈夫」
「なんだったら妹にでも…」
「大丈夫」
真っ直ぐに見つめる長門の無表情な目は、明らかなプレッシャーを俺に感じさせた。
「大丈夫」
「…そうか」
「そう」
こんな風に押し切られるのも、いつものやり取りの内だ。

「あのねー、キョン君、今日も有希ちゃんに缶けりで勝ったんだよ〜!」
娘よ…頼むから『お父さん』と呼んでくれ。妹…いや、おばさんの真似をするな。お父さんは悲しいぞ。
それに年上に向かってちゃん付けとは何ですか。
「いーじゃない、ねー有希ちゃん!それでね、飛行機ごっこもしたんだから!」
ああ、それは良かったな。
まあ長門なら本気でやればさぞやリアルなシュミレーションをしてくれただろうが。
「それでね、それでね…」
さんざっぱら二人で遊び倒した割に、ペースもテンションも落ちない愛娘と
それを世界一の宝物のように後ろから抱きかかえている妻を眺めながら、
俺は横に居る有希は今何を思っているのかとぼんやり考えていた。


まあおそらく…俺と同じく、『幸せ』ってものを感じてるんじゃないだろうか。
そうだと良い。そうであって欲し
277『ロビイ』訂正:2006/07/07(金) 19:13:54 ID:Tn/1+/Er
まあおそらく…俺と同じく、『幸せ』ってものを感じてるんじゃないだろうか。
そうだと良い。そうであって欲しい。

(うわ、最後コピペをミスって変な切れ方になったorz)
278名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 19:18:19 ID:0lYxL+YL
娘の名前はグローリア?
279名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 20:08:52 ID:BkkaJRvG
「あ」で始まるっていうから篤司ノ条鎌足じゃない?
280名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 20:17:23 ID:CLTS4oZ+
今思いついたんだけどハルヒ・みくる・有希が子供になってキョンが世話をするネタなんかはどうですか?それとも既に使い古されたネタですかね
281名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 20:22:35 ID:TUEETuWp
ハルヒ子供なら見たいな
282名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 20:35:46 ID:M3la7OUe
子供ハルヒ=ねねちゃん
子供長門=ボーちゃん
子供みくる=まさおくん みたいになりそうだな。
283名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 20:39:43 ID:5Pj/SlvR
じゃあ風間君(古泉)もいないとw
284名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 20:50:10 ID:9fYt8tzy
>>280
小学生(6年)なら「憂鬱小学校」があるが、小学校低学年・幼稚園はないかな?
285名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:05:55 ID:JHuNzFKa
>>284
5-747氏の「園児ランド」ってのが保管庫にあるよ。
286名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:13:45 ID:2ANQpMfL
>>277
誰も言ってないので自分が言っておきましょう
GJ!
で、話が変わるのですが質問です
過去の小説で、陰謀の女性陣視点の話のタイトルは何だったでしょうか?
もしここで聞いてまずいなら、言ってくれるとありがたいです
287名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:17:34 ID:UeW5oKUe
未来からキョンとハルヒの娘がやって来る『パパは高校一年生』が傑作だと思う
288名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:18:48 ID:sVpgpvNU
289名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:21:41 ID:Tn/1+/Er
>>278
…どこにでもSF者って居るんだなあ…分かりやすくしておいたとはいえ、
まさか3分で指摘されるとは思わなかった。

一応名前は特に決めてません。「あっちゃん」ってのが語感としてよかったから適当につけました。

>>286
サンクス!

ついでなので、思いついたものを投下。数レスくらい。



『三原則』

特に何かが起こると言うわけでもないごくごく普通の日。
担任岡部による俺の学習態度についてのありがたーい御説教を聞いた俺は、
いつものように旧文芸部、元SOS団アジトたる部室棟の一角へと足を運び、
さらに部屋に入る前に、これまた習慣化したノックをした。
これをしないと、迂闊な朝比奈さんの半裸姿を見る事になりかねないからだ。
いや、それ自体は非常に歓迎するべき事態であり、許されることならば是非とも見たい!

…俺も一応健全な青少年だからな…

だがその時の朝比奈さんの顔を見る事による罪悪感と、もはや全校の男子生徒の
過半数を占めていることは確実な朝比奈みくるファンクラブによるリンチへの恐怖心の方が
その衝動よりも明白に高いため、今日も俺はノックをするのだった。

「……」
うん、この三点リーダーと、妙な存在感は長門だ。
…見てもいないし聞いてもいないのに分かるところ、俺もいよいよ超能力に目覚めてきたのかもしれない。
SOS団において、そんなポジションはあのニヤニヤ笑いのチェシャ猫だけで十分だと思うが。

ドアを開けると、案の定長門が居た。
「よう」
「……」
長門はこちらを見ると、マイクロ単位で顔が上下し、そしてまたその目は本へと戻った。
会釈したようだ。
290名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:23:00 ID:Tn/1+/Er
沈黙に耐えかねて、俺は長門に思わず尋ねてしまった。
「…他の皆は?」
「体育館」
「…何をしてる?」
「振り付け」

どうもハルヒは放課後教室を飛び出してこちらに来るや否や、
「朝比奈ミクルの大冒険エピソード00」のDVD特典としてつける踊り、晴れ晴れ…ナントカとかとかの、
振り付けを考えるため、あの二人を連れて体育館にいった…らしい。
…後になって考えると、この企画にはその段階から介入しておくべきだった。
そのせいであんなわけの分からんこっぱずかしいダンスを踊る羽目になったのだからな。

んでだ。暇にあかせてなんとなく、ぼんやりと長門の本を読む姿を見ていたら、
そういえばこの部屋は文芸部の部室であって、本来的には本を読むところだった、と言うことを思い出した。
「長門」
「なに」
「何か…俺にも読めるような簡単なやつで、『これは面白いっ』ってのがあったら貸してくれないか?」
「……」
「いや、長門が読んだ本でそんなのは無いか」
「ある」
驚いた俺を尻目に、長門は本棚から文庫本を取り出すと、俺に渡してくれた。


『われはロボット』


……これは長門流のジョークなんだろうか。
いくらなんでもあんまりにもあんまりな、ストレートなタイトルだなおい。
「読んで」
「あ、ああ」
291名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:23:27 ID:y7/g8S8j
>>286
ハルヒ視点の陰謀のことなら「涼宮ハルヒの白日」。
あれはよくできてる。
292名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:23:50 ID:Tn/1+/Er
結局数分後から、ページのめくる音は部屋の中で倍加した。
確かに長門が薦めるだけあって、簡単な文章しか読んだことの無い俺にも
非常に読みやすい構成になっている。短編集なのもありがたい。
前に貰った厚物は、流石に読破するのに骨が折れたからな。
しかし、物語の世界に少し入り込んだ俺に、ふと思うことが出てきた。

「長門」
「なに」
「お前にも、ロボット三原則みたいなものってあるのか?」
いや、決して長門がロボットみたいで人間性に欠けるだとか、そんなわけではない。
ただ、普段無口な長門と、何がしか話すきっかけになるんじゃないか…そう思っただけだ。
「近い物が有る」
そう思っていた俺は、少し意表を付かれた。
「そうなのか?」

知らない人のために言って置くと、ロボット三原則とは以下の通りの物だ。
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

それを長門流に変えるとこうなるのだろうか。
第一条 長門はハルヒに危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、ハルヒに危害を及ぼしてはならない。
第二条 長門はハルヒにあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 長門は、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

うん、こんな所だろうか。…我ながら驚くほど的確だな、おい。
293名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:24:37 ID:0lYxL+YL
>>286
涼宮ハルヒの思付、かな
294名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:24:58 ID:Tn/1+/Er
「ってことなのか?」
俺は考えたことを長門に伝えた。
「不正確」
「へ?」
「『人間』に置き換えるべきは」
「?」
「あなた」

…これは…いわゆる告白なのか?と考える位の微妙な間が空いて、長門の言葉は続いた。

「と涼宮ハルヒおよびSOS団」

そうか…まあそうだよな。はははっ。

「ふう」


295291:2006/07/07(金) 21:26:30 ID:y7/g8S8j
間違った。正しくはなんだっけ?(W
296名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:27:17 ID:UeW5oKUe
>>277
GJ! 夫婦ネタはキョン×ハルヒが多いな。
だが俺はキョン×長門モノを気長に待ち続ける!
ちなみに今パソコン壊れてるんで、自分が投下するという選択肢は最初から無いorz
297291:2006/07/07(金) 21:28:14 ID:y7/g8S8j
>>293
それだ。
うーん、間違った上に邪魔してしまった……

>>294
割り込みすまん。
298名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:30:46 ID:0lYxL+YL
>>294
すまん、割り込んでしまった。

キョンは第0条で言及すべき存在じゃ……
299名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:33:11 ID:UeW5oKUe
>>294
GJ! でも似たようなネタをどこかで見た気がするんだが………気のせいかな。
300名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:36:55 ID:bBIG2DCQ
>>175の続きはどーなったんだぁーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
301名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:41:34 ID:2ANQpMfL
>>293
あ、それです
ご親切にありがとうございました
302名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:44:45 ID:4XvndgHT
>>296
一応言っておくが、携帯でも投下出来るぞ。
めんどいけどな。
303名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:52:54 ID:S7ArD57x
>>300
じつは本当はあそこまで投下するつもりだった
ギリギリで書き直してあんな形になった
続く を書かなかった事を深く反省している
304名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:00:34 ID:/6y9foeR
>>296
今、キョンと長門の夫婦モノ書いてる。
出来たらそのうち投下します。
305名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:01:37 ID:WR8sPesk
>>304
一万と二千年待ってる
306名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:08:35 ID:UeW5oKUe
>>304 おお!マジですか! wktkして待ってます
307名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:11:27 ID:5Pj/SlvR
よく見ると電言板にも……一瞬虜かと思ったw
308307:2006/07/07(金) 22:11:58 ID:5Pj/SlvR
ゴメン、ちょっと誤爆
309名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:15:06 ID:Uu2qT/cl
>304 平身低頭してお待ちいたしております。
310名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:24:56 ID:a65QKZBU
いつかハルヒとキョンの同棲話を書くといってたものだが
今七夕にちなんだ話書いている
日付変わるまでに投下できたら良いと思う
311名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:26:08 ID:a65QKZBU
すまんsage
sage記憶ができない
312名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:39:14 ID:bblCdPA0
コネタ
七夕の日リバース


「キョン!雨雲がかかって星空が見えないわ。
このまんまじゃ我がSOS団の願いがかなのも一年遅れる事になるの。
私はそんな事認めないんだからねっ」
諦めろ。梅雨前線の影響なんだ。仕方ないさ。
「そうでしょうか?涼宮さんが梅雨前線なんかに屈するとは僕は思えないんですが」
なんだ古泉。現にこうして雨雲が空を覆っているじゃないか。
我がSOS団が誇る的中率100%のお天気おねいさん。長門も
「……明日まで雲が晴れることはない」
とそうおっしゃっている。
「私はねキョン? 天気に自分の行動をさえぎられる事が何より嫌いなの。
たとえ、台風が来ようが槍が降ろうが私は七夕をやるのっ!
そのためには晴れてなきゃ駄目なのっ」
やるのって言ったってお前な……
「歌うわよ!そして踊るのっ!太陽さん応援歌にしてSOS団テーマソング
『ハレ晴レユカイ』言っとくけど晴れるまで歌って踊り続けるんだからねっ!
有希!ミュージック。みくるちゃん今日は気合入れてメイド服のまま踊りなさい。
太陽さんもみくるちゃんの色気と応援歌の相乗効果で雨雲なんて一発で吹き飛ばしてくれるわ」

古泉がほら言ったでしょう? と言わんばかりにニヤニヤ顔を向けている。
ああ、ハルヒ。 お前はただ歌って踊りたかっただけなんだな。
そうなんだろう? まあいいさ、なるべく早く晴れにしてくれよ?
せめて七夕を皆で楽しめるくらいにはな。



今日が七夕だと知り五分で書いた。反省はしてない。
313248:2006/07/07(金) 22:39:55 ID:AmKCNAya
 めがっさ盛り上がってますねぇ…七夕の情報爆発でしょうか(汗)
 
 ではでは、水を差すようで申し訳ありませんが…風邪とお見舞いの続きを投下させていただきます><
ハルヒ×キョン系SSが増えることを祈りつつ…。
314名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:47:46 ID:Haoubxju
待っとりました。どうぞ投下してください
315名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 22:48:53 ID:UeW5oKUe
>>313 wktk
316風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 22:53:30 ID:AmKCNAya
 さてさて、ハルヒが大人しく自室のベッドで横になってくれて助かったと妙な安堵をしつつ、俺は
涼宮家の階段を降り、一路台所を目指して歩くことにした。

 その途中、なんともなしに気になったことがある。

 このハルヒの家の中に漂う、なんとなく空虚な感覚だ。確かにここは俺なんかが生涯かかって労働
に勤しんだ所で絶対に買うことなんかできる訳のないほどの豪邸だ。ここで暮らすことが出来るなら
確かに金にもモノにもまず困ることなんか無いだろう。自宅にホームバーなんか用意してる家なんか
俺はドラマの中か映画の中でしか見たことが無い。

 しかし、ここには『家族』だけがごっそり欠落しているような気がする。

 例えば、実の娘が風邪で寝込んでいるのにも関わらず家庭を顧みないハルヒの実の両親。

 例えば、仕事の一環として家庭環境を整えることにしか興味が無いと言う感じの仕事をして姿を消
しているホームヘルパー。

 一階にある食堂の食卓の上には、病人が喰うにはへビィだと思える所謂ご馳走の類がラップに掛け
られて用意されていた。暖めれば食べられるようになっているそれらの料理は中華、特に四川料理と
かいう類のものらしく、確かに見た目にもおそらく味も量も十二分なものだろうというのは容易に想
像できる。

 ただし、そこにはそれを食べることになるハルヒへの配慮の気配は無い。

 …余計なことを考えるのは後回しにしろ、俺。今はハルヒの熱さましのための氷嚢の類を探すのが
先決だ。自分の目的を思い出せ。

 と、後々自分の行動や思考を反芻するや否や、あまりの羞恥により逡巡無く拳銃自殺を敢行しかね
ない芸当を考えつつ、俺は目的の品物を探す。

 今はただ、ひとりぼっちで部屋の中で毛布に包まってるハルヒを。

 ただ単に、見守ってやりたいとか、そーいうことを考えていたわけだ。この時の俺は、な?
317風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 23:07:40 ID:AmKCNAya
 目的のものはすぐに見つかった。俺の家でもそうであったかのように、ハルヒの家でも氷嚢の類は冷凍室の中に
安置されるものであったらしい。キンキンに冷えたそれを手にとって…いかんこりゃ冷えすぎだ、手がモロに凍気
に当てられ凍りつくかも知れん…などとアホな感想を抱きつつ、手早く氷嚢を包むタオルの類を探すべく周囲を見
回す…。

 壁に掛かったホワイトボードに書かれている文字は『本日の業務、特に異常なし』…この文字を書いたホームヘ
ルパー、お前の目は節穴か?なんなら俺が今すぐそいつの目の前に飛び出して、今ここでハルヒがどういう状態に
あるのか顔を固定しつつ引きずり回してやろうか?

 一瞬で脳に血が上り…掛けるのを自制する。いかんいかん、今日の俺はどうにかしてる。ハルヒの奴がたまにし
おらしくなってるだけでこうも調子が狂うのは我ながらおかしいだろうとセルフ突っ込みを深層心理下にいるかも
しれない血迷った俺に裏手突っ込みを入れて、そのままタオルを探してもう暫しうろうろとする。

 目的のタオルは俺の家のそれとは比べ物にもならないほどの豪華な造りの洗面台のそばのラック内に掛かってい
た。タオルを一枚引っ張り出して手早く氷嚢を包み、何とはなしに洗面台に目線が移ったときに見えたのは…。

 赤を基調とした歯ブラシが一本だけ入った、プラスチック製のカップだった。

 余計なことは考えるな、今はハルヒの奴がとっとと元の調子に戻るように風邪の看病でもしてやるのが一番だ
ろう?第一俺はなんでこんな些細なことで腹を立てている?これじゃまるで…。

 まるで、俺がハルヒのことを心底心配し、見守りたいとか…まぁなんだ、あとで自己批判をするや否や即時で
拳銃自殺をしたくなるような事を考えているようにしかみえんだろう?冷静になれ、俺。

 などと必死に自分に言い聞かせつつ、氷嚢をタオルで包んでちょうどいい温度にしてから、俺は足早に階段を
駆け上がる。

 今はただ、ハルヒを一人にしたくない。なんとはなしに、俺はそんな事を考えていた。
318風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 23:22:45 ID:AmKCNAya
相当、今の俺はどうにかしているらしい。今さっきの葛藤は何だ?

 普段のハルヒからはまったく想像も出来ない程に。そして俺自身がこの現状を認識したときに盛大に
調子を狂わされるほどに…涼宮家には『家族』を感じさせられる欠片が見当たらなかった。

 階段を上って二階の最初にある部屋のドアをノックする。まぁ、なんだ。普段のハルヒ相手ならここ
まで気を配る必要性なんか俺はミジンコの体重ほどにも感じはしないが…繰り返し言うが、今の俺はも
う見事なまでに調子が狂っていたんだろう。

 ハルヒの部屋に入る前にノックし、一応深呼吸をしてから声を掛ける。

 「ハルヒ、俺だ。入っていいか?」

 「……っ!ま…ちょっと待ちなさいっ!」

 ドア越しに聞こえるのは、普段より少しだけ、ほんの少しだけ弱弱しさの欠片が見て取れるハルヒの
奴の声である。何やら、動揺の気配も感じられるような気がするのは…俺の気のせいさ、きっとな。

 「…氷嚢取ってきたんだが…まぁ、入れるようになったら声掛けてくれ」
 
 返事は沈黙。やれやれ何だってんだコイツは。

 俺はハルヒの部屋のドアにもたれかかるようにしてから、また壁に掛けられた一枚の油絵に目を向け
る。えらく金と手間が掛かってるんだろうなと思う芸術品っぽい海の絵を眺めて、ハルヒの奴の声が聞
こえるまでの間、ただ静かに待ってみる。

 誰だって、どんな強気で強引で強情で我侭で無茶で無鉄砲な奴だって。常日頃からフルタイムでそう
いう全開モードを維持できるわけじゃない。
 
 ハルヒにとっては、今日のこの出来事がまさに予定外の出来事だったのかも知れないなと俺は思う。

 完全無欠で他人とは違う特別な自分であると、自分に言い聞かせないと。

 この孤独な家の中で生きていくのは、つら過ぎるからじゃないのだろうか?

 …まったく俺はどうにかしてる。こんな他愛もない事をつらつらと考えちまうんだからな。
ただ、静かに佇みながら、俺はハルヒの奴の声が掛かるまでそこでじっと待っていた。
319風邪とお見舞い:2006/07/07(金) 23:40:09 ID:AmKCNAya
「もう良いわよ、入んなさい」

 風邪のせいでいまいち気迫の足りてないように聞こえないでもないハルヒの声がドア越しに聞こえたのは、あれから
ちょっとした時間がたってからだった。
 幸いにも元々かなり長い時間冷蔵されていたらしい氷嚢は未だにその冷気を保ちっぱなしである。それを
持ったままじっと待ってた俺の指も大層キンキンに冷え切ってるのだが、それについてはまぁ言うまい。

 「ほれ、とりあえず頭冷やしとけ。…飯食えるだけの食欲はあるか?」
 「…ん、なんか…あんまりないかも」

 ハルヒは今日一日をこの家で過ごしていたのだ、食堂に行けば食事が用意されていることも当然知ってて当たり前だ
し、普段学食でこいつが見せる怪物じみた健啖ぶりなら、あの程度の量の食事なんかあっという間に食い尽くすんじゃ
ないのだろうか?
 しかし、こいつは今食欲がないと言っている。
 
 病気のせい…だけだとは、なんか俺にはまったく思えなかった。いくらご馳走であっても、一人っきりで黙々とそれ
を口にして、誰かと会話したりもしないまま、ただ静かに食事の時間を終えるのなら、どんなご馳走だろうが美味く感
じないのに決まっている。

 まして今のハルヒは通常時の全開お気楽暴走娘モードではなく…まぁ、なんというか気弱に見えない事もなきにしも
あらずといった感じを見せている。この状態のハルヒでは、たとえどんな料理を持ってきたとしても食欲なんかを見せ
る事はないんじゃないか?と思えたりもした。

 「そっか。だがな…なにも食わないまま薬を飲むのはかえって身体に毒だな、ハルヒ」

 「…何が言いたいのよ、アンタは?」

 「まぁ、なんだ…お前の家のヘルパーほどの腕はないし、普段のお前ほどに料理達者でも何でもないのは確かだが、
俺も普段から妹の風邪の看病とかで結構こういう時の風邪ひき用のメシの作り方くらいは知ってるつもりだ」

 「……だから?」

 「ついでに言うと、俺も慣れない道をチャリ飛ばして走ったり色々あって腹が減ってる。このままじゃ俺は家に帰り
着くためのエネルギーも途中で使い果たして目をまわして倒れるかも知れん」

 「……っ!?」

 ハルヒが毛布の中で息を呑む気配が、なんとなくよくわかる気がした。かまう事もないだろう。もう腹も決まってる。

 「まぁ、なんだ。俺もここでお前と一緒にメシ喰ってくわ。という事だ。作るのは俺だから味には期待するな?」

 …毛布の中のハルヒの肩が小さく震えてるように見えるのとか、なんとなくだが…。

 ハルヒの押し殺したような嗚咽のようなものが聴こえたりするのは、きっと、多分幻聴さ。間違いないね。
320名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 23:55:43 ID:TUEETuWp
おわりか!?
321名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 23:59:17 ID:7dCLAqsc
いや、もう少し投入してくれるに違いない(´・ω・`)
322名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 00:01:08 ID:XW7bcQ0i
清書中だとおもわれ
323名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 00:01:23 ID:Sf5fXbfK
多分執筆しながら投稿されてるんだとおもわれ。wktk
324名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 00:01:47 ID:S7ArD57x
気長に待ちましょう




俺もネタを考えないと…
325名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 00:02:09 ID:RclN2igH
俺には見える、見えるぞ。
最後は同じ布団に入って朝を迎える(ry
326名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 00:02:17 ID:dRQU1qfR
待てば待つほど味が出る
327風邪とお見舞い:2006/07/08(土) 00:06:24 ID:AmKCNAya
結論から言おう、俺に出来る病人用料理というのはものすごーく手抜き料理である。

 手順はいたって簡単。炊き立てご飯を適量土鍋か何かに移し、ミネラルウォーターをそこに注ぎひたひたに
なる程度に水を張る。そしてラップを張ってレンジでチン。

 あとは塩だの何だので味を軽く調えたり梅干とかを乗せたりしてやりゃ、キョン流手抜き病人粥の完成であ
る。まーぶっちゃけるが、ヘルパーの作った四川料理とでは手間にも味にも雲泥の差があるのは間違いない。

 そんな手抜き以前の病人粥を二人分用意して、あとはテーブルの料理のうち適当な一品モノを数点トレイに
乗せてハイ完成。手間も掛からず、お手軽な風邪ひき用のご飯の完成である…普段のハルヒの料理とは雲泥の
差があるのもわかってるさ。俺に本格家庭料理なんかの才能はないってのもな?

 と、まぁ手早く用意した病人粥セットを盆に載せ、おもむろにハルヒの部屋に戻るべく階段を上がる…前に
自宅に再び電話する。『友人の看病の関係で長居してたら、飯を相伴することになったので俺の分の飯はいら
ないようになった』という内容である。

 …母よ、その邪推するかのようなあやしい響きを伴う「ふーん。そうなの」ってのは何だ。俺は事実しか言
っていないぞ?問題の友人がハルヒであることも言っちゃいないがな。

 で、盆を手にして階段をえっちらおっちらあがってから、ハルヒの部屋の前について…再度ドアをノックし
声を掛ける。

 んで、そこでだ

 両手が盆によってふさがれている事に気がついたわけだ。これでドアを開けるのはちっとした度胸が必要じ
ゃないか?自分よ。かと言って病人のハルヒにドアを開けさせるのも問題外。仕方ないのでいったん盆を床に
置いてからドアを開けることにする。

 ドアが開いたとき、ハルヒは毛布からやっと顔を出していた。熱のせいだろう、えらく顔が赤いのは。

 風邪のせいだろう。えらく目が赤いように見えるのも。

 「ほれ、俺も腹が減って死にそうだ。かといってお前が食わんのに俺だけがバクバク喰うのも気が引け
る。っつーことで、喰え、ハルヒ」

 …ああそうさ、もう滅茶苦茶言い訳全開な台詞なのも認めてやる。良いだろうが、ハルヒとメシを喰う
ってものさ。まぁ、メインディッシュは手抜き以前の問題のオレ流病人粥なんだがな?

 …ハルヒの奴が恐る恐る匙を使って粥を口にして…その後俺を見てから、また粥を口にし始める。

 手抜き粥と四川料理では、おそらく出来にも何にも雲泥の差があるだろう。

 ついでに言えば、自作したこの手抜き粥はお世辞にも美味いものではない。はっきり言えば普段の
オフクロの手作り弁当のほうがよっぽど美味いのは間違いない。

 それでも、それでもだ。

 なんというか、ハルヒと同じ部屋の中で、あいつの様子を見守りながら食べる手抜き粥は妙に美味かった。
328風邪とお見舞い:2006/07/08(土) 00:30:57 ID:o+okJPVK
 メシの後、ハルヒが薬を飲むのを見届けたときには…まぁなんというか、外はすっかり真っ暗になって
いやがった訳だ。おそらくもうすっかり夜気も冷え切り、帰り道は身を裂くほどの寒波の野郎を身一つで
引き裂きながら帰る羽目になるのかね?などとは思っていたが。

 まぁ、なんだ。俺はトチ狂ってるんだろう。何せ今日は色々あり過ぎちまったからな。

 なんとなく、俺はこのままハルヒを一人残してここから帰る気がしなくなっちまっていた。

 ハルヒ曰く『きちんと手抜きモノじゃない料理くらい出来るようにしなさい!』とかなんとかいうのが
メシ完食後の感想だった。まぁアレだ、申し開きもないとはまさにこの事だろうね?

 しかしまぁなんだ、そう言いながらも。なんとなくだがハルヒの奴の様子が少しだけ明るくなっている
ようにも、俺には見えた。
 どんなまずいメシでも、それを一緒に誰かとダベりながら喰うのなら意外に美味く感じるもんさ。まし
て今のハルヒは病人だ。

 ほら、風邪に限らず。病気を患ったり怪我したり入院したりしたとき、自分が目を覚ました時にそばに
誰かがいるってのは心底ありがたいものだと、俺は身に染みてわかってる。

 あの時空改変騒動の後、改変された3日間から目覚めた日、ハルヒの奴の寝顔を目にした時にな?

 その後、俺はもっぱら聞き役。ハルヒは普段よりパワー3割以上減ながら色々と喋り倒す話役として暫
時歓談のときを過ごしていた。
 普段ならこいつのハイテンショントークを聞く度に『ああ、また何か起きるんじゃないのか?』などと
考えちまう俺なのだが、まぁなんというか。

 やっぱり、俺にとっちゃなんというか、こいつの声が聴けるのはやっぱり安心の種になってるんじゃな
いかと思うね。明日、自己批判したら壮大な投身自殺を敢行しちまいそうな感想だが…。まぁ、この段階
での俺は間違いなくそういうことを考えていたわけだ。

 「…って、キョン?何ニヤけてるの?アンタ元々二枚目って顔して無いんだからニヤけ顔だと間抜けに
見えるわよ?」
  
 …さっきの感想は気の迷いだ。やっぱりハルヒはハルヒ。間違いない。と、俺が認識を再び元に戻そう
と即座に考えた時である。

 ハルヒが、ポフッっと自分のベッドに身を横たえた。

 やっぱりアレだ、幾らハルヒでも風邪をひいた時にあれだけはしゃげばスタミナの種だって枯渇するだろう。
んで、ついでに言うならそろそろ風邪薬に含まれてる成分が効いてきて眠気も訪れる頃合である。

 「やれやれ…」

 言いながら、ベッドに倒れこんで目を閉じたハルヒの髪に…ほぼ無意識で手を添える。確か、妹も熱を出して
うなされてる時にこうやってやると、妙に安心して眠りについたなと他愛ないことを思い出す。

 手ぐしの要領で、あの日よりゆっくりと伸びつつあるハルヒの黒髪を何度かそっと撫でてやる。

 このひとりぽっちの家の中でも、こいつがせめて元気になるまでの間だけでも。

 ぐっすり眠れるよう、何かをしたいと思ったから。俺は静かにハルヒの髪を撫で続けた。
329風邪とお見舞い:2006/07/08(土) 00:49:28 ID:o+okJPVK
 結論から言おう。そのときの俺は完全に油断しきっていた。

 いくらハルヒでも風邪をひいて寝てるときくらいは無茶なことをするまい、などと
甘いことを考えていたわけだ…故に何が起きているのか、俺は一瞬把握できなくなっ
てしまった。

 まぁ、何が起きたかというとだ。

 ハルヒの髪を撫でていた手に、ハルヒ自身の白い手がそっと添えられた。

 一瞬の意識の空白の後、思い切り手が前に引っ張られる。姿勢が大きく崩れ、前の
めりになった時に。

 そのまま、もう片方のハルヒの手が。

 俺の背を、強く。強く抱きしめていた。


 「…おい!?ハルヒ!?」

 月並みな台詞しか出てきやしやがらない。もう今いったい何が起きたのかはっきり
把握できるほどに冷静さも保てない。

 思い切りよく背を抱きとめられ。その身に感じるのは…普段のパワーがどこから溢
れてくるのか不思議なくらいに小さな、小さなオンナノコの暖かさ。

 そして…俺の胸に顔をあてて、何も言わずに肩を震わせているハルヒの姿。

 ……風邪のせいさ。んで、夜のせいさ。
 今晩くらいは、風邪ひいたときくらいは、幾らお前でも誰かに甘えたくなるもんな。

 「…落ち着くまで、お前が寝付くまで。今晩くらいは付き合ってやるさ」

 これは独り言だ。俺は何度も何度も自分に言い聞かせつつ、俺の胸に額を押し付け声
を殺して肩を震わせるハルヒの…肩に自分の手を回す。

 さすがに幾らなんでも、この状況で本能大暴走というのは俺のキャラじゃ無いからな
…ああ、もうそれも言い訳確定なチキンっぷりですともさ。悪かったな。

 「たまには俺だって、そしてお前だってこういう時もあるさ。だけどお前は…そう言
う弱音を吐く事を意識せずに律してきたんじゃないか?」

 「…うっさい。馬鹿キョン…っ!知った…様な…こ…っ」

 ハルヒ。幾ら何を言っても、肩震わせつつ押し殺したような声だしてりゃ迫力も何も
ありゃしないぞ?それに俺が今言ってるのは独り言だ。別にお前宛にいってる訳じゃな
いさ。ああ、そうだとも。

 「きつけりゃきついって言っていい。泣きたい時は泣きゃいい。甘える相手が欲しい
なら、まぁ何だ…傍にいる相手をちっとは頼れ」

 …独り言だ、ついでにコイツはすさまじい妄言だ。傍にいる相手ってのが誰なのかを口
に出す気はまったく無い。もう欠片一片も無い。
330名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 00:50:30 ID:twuvvewk
>>298 今更だが、補足した方がいいのでは?
第0条 ロボットは人類に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人類に危害を及ぼしてはならない。

331ハルヒとキョンの同棲:2006/07/08(土) 01:03:05 ID:iFS6Fwe/
七夕ネタ投下。
半分ネタとして読んでくれたらありがたい


 「どうキョン、美味しい!?」
 「ああ美味いぞハルヒ、コレはいけるぞ」
 「そう!良かったわ、まだまだあるわよ」

ここは北高の近くのとあるボロアパートの一室。
俺とハルヒの二人はこの狭い部屋で夕食の真っ最中である。
何故俺とハルヒが2人きりでこんな所にいるのか。


・・・・・・そう、俺とハルヒは同棲しているのだ。つい数日前から。
ではなぜこうなったのか順を追って説明しよう。
332名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:03:37 ID:iFS6Fwe/
━━━━━

それは先週の木曜日の事である。

 「キョン、同棲よ!!あたしと同棲するのよ!」

朝ハルヒが教室に入ってくるや否や人の大勢いる前でいきなりそんな事を言い出した。
当然の事だが教室の空気は凍った。
どうでも良いが谷口は腰を抜かしたらしく国木田によって体を支えられている状態だ。

 「おいハルヒ、今何て言ったんだ、もう一度言ってみてくれないか」

俺は板○英二張りの作り笑いを浮かべてハルヒに問い直す。

 「だーかーらー!キョン、同棲するのよ!!」
 「ちょっとこっち来い」

これ以上人の大勢いる前で会話を続けると後々ろくでもない事になるのは目に見えてるので
俺はハルヒを人気の無いであろう階段の下へと連れて行く。

 「・・・お前はどうして人が一杯いる教室の中でああいう事を言うんだ、少しは恥ずかしいとか思わんのか」
 「別にぃ」
 「まあ良い、とりあえず話を聞こう」
 「・・・昨夜ね、なかなか眠れなくてテレビつけたら」
 「ああ」
 「獣のシッポ生やした女の子と首輪付けた男の子が一緒にアパートに住んでる話やってて」

どうもこいつは『ほね』の事を言っているらしい。

 「ほね?何ソレ、確かいぬ何とかっていうのだったと思うけど」
 「まあどうでもいい事だ、で、どうした」
 「・・・別に・・・ ただ、その男の子と女の子が楽しそうだっただけの話よ」
 「なんじゃそりゃ」
 「でも・・・ あたしとキョン二人っきりでいる事って少ないじゃない」

まあそりゃそうだ。学校ではなかなかそういうのは無理である。部室には古泉や長門や朝比奈さんだっている。
せいぜい学校の行き帰りか週末にデートするのが限度だ。

 「でしょ、だからいっその事同棲しようって言ってるのよ」
 「だがそれには問題があるぞ、
  まず家族から了承を貰えるかどうかだ、まず無理だろう、
  それに万が一了承貰えたとしてもお金はどうするんだ、
  同棲しましょーとか簡単に言うがアパート借りるのだって高いんだぞ、俺達は親のスネかじってる学生だ」
 「そんなの何とかなるわよ、キョンは嫌なの?あたしと一緒に暮らすの」
 
嫌ではない。むしろ大歓迎だ。
ハルヒと一緒に暮らせるのを嫌がる奴がいたらその時はそいつをジャイアンのび太の刑に処してやる。

――だがやっぱり親と金の問題がつきまとう。

 「大丈夫!あたしにまっかせなさーい!」
333名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:04:08 ID:iFS6Fwe/


しかしながらハルヒの力というものはやはり凄いものだった。
親の方はハルヒが俺の家に乗り込み両親に説明してあっさり了承を貰う事が出来た。
お金の方も北高の先輩の多大なるご協力ですんなり解決した。

 「お金なんて別に返さなくて良いにょろっ!
  ハルにゃんとキョンくんが幸せになれるならどんな協力だってするにょろよっ!」

・・・ああ、貴方はなんて偉大な方なんだ、鶴屋さん。このご恩はいつか2人でお返しさせて頂きます。


以上。これで何とかお解り頂けたであろうか。
ちなみにその後部屋を決める際、俺はワンルームマンションにでもしようと言ったのだが
ハルヒはテレビに影響されたのか古いアパートが良いと言って聞かなかったのだ。

で、結局ここに落ち着いたというわけだ。
ちなみにこの部屋には風呂やシャワー、洋式トイレなど一通りの設備は揃っている。
だがどれも十数年から二十年前ほど前の形式らしくガタが目立っている。
またベッドやテレビのある部屋も壁に所々穴が開くなど古さは隠し切れない。最悪幽霊でも出るかも知れん。
―――そうか、ハルヒはもしやコレが目当てだったのか。まあ深く考えない事にしよう。

・・・まあとにかく非常に狭いアパートではあるが学生2人が住むにはこれで十分といった所だろう。
334名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:04:43 ID:iFS6Fwe/
━━━━━

 「・・・そういや今日七夕なのよね」
 「そうだな」
 「あーあつまんない、織り姫とひこ星は一年にたった一回しか逢えないのよ、
  何で雨なのよー」
 「まあ仕方ないなそれは」

この所ずっと雨が続いている。お陰で洗濯物もなかなか乾かない。部屋干しはかなり洗剤の匂いが気になる。
ちなみに俺は昨日スペースシャトルが肉眼で見えると聞いて楽しみにしていたのだが
こちらもやはり雨で見えなかった。

 「見たい、キョンと一緒に天の川が見たい」
 「まあ来年まで待つしかないな」
 「もし来年また雨が降ったらどうするのよ」
 「だったらその次の年だ」
 「バカキョン」
 
仕方ないだろうが。一年も二年も先の天気など気象庁どころか超能力者古泉ですらわからんだろう。
あ、そうか、未来人の朝比奈さんに訊けば解るだろうか。

 「一体何ぶつぶつ言ってるのよ」

いーえ、別に何でもないですよハルヒさん。
335名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:05:16 ID:iFS6Fwe/


 「ならば俺が天の川を出してやろう」
 「あらアンタドラえもんだったの」

いや違う、断じて俺はあんな青だぬきではない。

 「ハルヒ、ゴミ袋数枚持って来てくれ」
 「ん、わかった」

ハルヒが押入れから黒いゴミ袋を持ってきた。

 「ではまずこのペンでゴミ袋に色んな絵を描こう
  そうそうゴミ袋はちゃんと広げるんだぞ」
 「解ってるわよそのくらい」 

ペンでゴミ袋に色んな絵を描いていく。
ハルヒの奴はあのわけわかんないSOS団のマークやねこマンを描いている。
ハルヒらしいといえばハルヒらしい。しかし楽しそうに絵を描くハルヒに俺はつい気をとられてしまう。

 「アンタもあたしに見とれてないで絵描きなさいよ」
 「おっとすまん」

 「そういや『わくわくさん』はまだやってるのかしら」
 「最近教育テレビなんかにお世話にならないから解らん」
 「そりゃ普通そうよね」

その後も俺とハルヒは楽しく話をしながらゴミ袋に絵を描いていく。

 「それでキョン、この絵を描いてどうするのよ」
 「まあ後でわかるさ」
 
 「・・・大体こんな所ね」
 「俺も描けた」

続いてこの絵を天井にガムテープなどで貼っていく。

 「ハルヒ、ちゃんと脚立押さえててくれ」
 「分かってるわよ」
 「ガムテープくれ」
 「はいガムテープ」

脚立を移動させながら合計5枚のゴミ袋を天井を覆うように貼り付ける。
336名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:05:47 ID:iFS6Fwe/

 「よし完成だ」
 「もう、天井真っ黒けじゃない」
 「当たり前だ、
  ハルヒ電気消してくれ、あ、あとカーテンも閉めてくれ」
 「別にキョンがやったら良いじゃない、・・・もう、わかったわよ
  ・・・今日のキョンはあたしに命令してばっかりなんだから」 

ハルヒがカーテンを閉めたあと部屋の電気を消す。


その瞬間。

部屋に綺麗な星空が広がった。

 「・・・・・・!!!
  キョン!凄い!!星空!!綺麗な星空!!あ、天の川!!」
 「大成功だ、結構明るいもんなんだな」
 「・・・なるほどあのペン蓄光ペンだったのね」
 「そうだ、本物ほど綺麗じゃないが折角の七夕なんだ、全く何も見れないのは残念だからな、
  あれはハルヒの描いた絵か」
 「そうよ、あらキョン、あの変なの何?!」

変とは失礼な。あれはSOS団の五人なんだぞ。左からハルヒ、俺、朝比奈さん、長門、古泉だ。

 「・・・アンタ下手ね」

悪かったな。万能なお前とは違うんだ俺は。

 「まあ良いわよ、でも綺麗、キョンもなかなか粋じゃない」
 「本当の事を言えば、俺もハルヒと天の川見たかったんだ、
  でもこの雨だ、どうせ本物は無理だろうと考えてこのペン買っておいたんだ」
 「そうなの・・・ とても綺麗な星空よ、ありがとう、キョン」
 「い、いや別に感謝されるほどではないぞ」
 「別に照れなくていいじゃないキョン」
337名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:06:19 ID:iFS6Fwe/

俺とハルヒはベッドに寝転がってゴミ袋の即席星空を堪能する。

 「そういや今年は笹買うの忘れたがハルヒはなんか願い事あるのか」
 「そうね、いつまでもキョンと一緒にいられますように、かしら」
 「俺も同じ願いだ、俺もハルヒとずっと一緒に居られたら良い、とか思ってる」

俺はハルヒに抱きつく。
そしてハルヒも俺に答えるかのように抱きついてくる。
 
 「好きだぞ、愛してるハルヒ」
 「私もキョンの事愛してる」

俺とハルヒは自然と舌を絡めていた。

 「キョン、今夜はこのまま星空の下でヤルわよ」
 「いきなりすぎるぞ」
 「良いじゃないロマンチックで」
 「まあそうだな、じゃあブラジャー脱がすぞ」
 「・・・いいわよ」


・・・・・・強気なわがまま織り姫とそれに振り回されるヘタレひこ星の熱い夜はこうして過ぎていった。





 「本物の織り姫とひこ星は逢えたのかしら」
 「出会えたんじゃないか、多分」
 「っそ、
  それにしても外雨強くなってきたわね」
 「そうだな、ちょっとテレビつけても良いか」
 「良いわよ」

俺はリモコンのボタンを押す。

  『この大雨で○○市の20代の男女2人が増水した一級河川・天の川に流され死亡しました』


 「さっさとテレビ消しなさいこのバカ」       ■終
338風邪とお見舞い:2006/07/08(土) 01:15:08 ID:o+okJPVK
「キョ……。風邪の、せいだから」

 「そっか」
 
 「あたしは今日、風邪で体調を崩してて、もう調子狂いっぱなしなんだから」

 「そっか」

 「だから…気の迷いだから。これは」

 これは?一体なんだ?と思った矢先。

 胸に押し付けられていたハルヒの綺麗な顔が…形のいい唇が。

 俺の口と、合わさった。そのまま、どちらとも無く互いを強く抱きとめる。

 明日の朝には、いつもどおりの破天荒な団長殿が戻ってくるように。
 
 腕の中にいるこの少女が、これ以上満たされた孤独に心を傷つけないように。

 俺はそんな事を一心に思いつつ、唇をそのまま重ねていた。こいつに巣くってる
風邪の源が、こいつから出て行くように。
 明日の朝には、いつものハルヒに戻れるように。

 …こいつの涙が、一刻も早く止まるように。ハルヒの笑顔が、少しでも早く戻ってくるように。


 煌々とした月明かりが妙に綺麗な、綺麗な夜の出来事だった。
 
 このまま時間が永遠に続けばいいなんて考えたのも…気の迷い以外、何者でもないさ。


 さて、ここからは後日談になる。

 俺は結局、翌日の朝早くにハルヒの家を後にした。そこで何があったのかは…聞くな、思い出すだけで
即座に割腹自殺を逡巡なしに実行したくなるから。

 で、そのあと風邪の初期症状をはっきり実感したのはその日の昼下がり。

 俺の場合、風邪ってのはセキではなくて熱から出やがる。徐々にダルくなる身体を引きずりつつ、俺は
SOS団の部室の机でバテている。

 向かいにいる古泉のニヤけた澄ましスマイルが妙なまでにムカつくのは何故だ?まぁ、それはさておきだ。
339風邪とお見舞い:2006/07/08(土) 01:15:44 ID:o+okJPVK
「あなたには本当に感謝しますよ。あなたに直接の要因があったのかは不明ですが。昨日の午前1:24分を
境に、異常発生していた『閉鎖空間』すべてが一つ残さず『自壊』しました。今までに例が無いケースです」

 「お前の奇妙な副業と俺の風邪を結び付けようとするお前の脳みその出来をどうにかしろ、古泉」

 その悟りきったかのようなニヤけ顔をどうにかしろ。果てしなく自己嫌悪というか何かを喚起されてるよう
な気がして気が気でならん。

 「まぁ、あなたが今日になって涼宮さんと入れ替わるように風邪をひいた理由のひとつも推測は出来ます」

 「…いってみろ」

 「簡単ですよ…涼宮さんは、今度は自分があなたになにかをしたいと思ったのではないでしょうか?その願
望があなたの風邪という現象を引き起こした。結果として…おっと」

 唐突に口をつむぐ古泉。爆発でもしたんじゃないかという勢いでブチあけられる部室のドア。あー、団長殿。
その安普請のドアには今の一発はかなり酷じゃないか?という俺の思いはまったく届くことも無く。

 「…この馬鹿キョン!無茶して活動参加してぶっ倒れたらあたしの管理不行き届けになるじゃないの!」

 そのなんだ。加減なしで耳元で怒鳴るのはマジで勘弁してくれ。風邪ひきかけてヤバめの身体には目茶
堪えるんだからな?まじめに。

 とは思うが、俺は黙って苦笑する。なんでかって?

 あの生き生きとしたハルヒの顔と、腕章に書かれた新しい役職名が。

 なんというか、いかにもこいつらしいとおもったからさ。

 お手柔らかに頼むぜ?『超看護婦』さんよ?
340248:2006/07/08(土) 01:19:37 ID:o+okJPVK
 結局あまりヱローすにはなりませんでした凹○<コロン

 と、いうことでとりとめも無い終わりかたかもしれませんがこんなとこで幕と
させていただきます><
 もしまたネタが出来たら、ポソポソと投下させてもらいますので…もしその時は
よろしくお願いいたしますー。

 PS:同棲ネタ、いいですねぇ…こーいうノリの方が二人には似合うのでしょうか、やっぱり(ぁ
341名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:22:11 ID:3yYzhX/W
部室の外で腕章作ったのか。恥ずかしい奴だw
342名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:23:47 ID:OC/AsAgH
>>248
キョンのモノローグがすごく丁寧に書かれていていい!!
GJでした。
343名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:24:15 ID:qcwzseCy
>>340はとんでもないものを盗んでいきました。それは我々の寝る時間です。

次から先に書いておいてから投下してくださいねw
344名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:24:28 ID:Ls4sKaDX
>>340
デイズオブザセンチメンタルに身を任せるほどGJ
345名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:24:33 ID:k6D/zCu7
>>340
いや素晴らしい、即効保存させてもらいましたw
346名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:25:24 ID:zr4Yq6jC
>>340
乙でした。
原作からはみ出さなない直球の話って難しいと思うけど、
一々描写が丁寧で、凄く良かった。弱ってるハルヒが可愛かったよ。
347名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:26:30 ID:ixvJ98L9
>>340
つ【GJ】
>>342
IF前提は置いといて、アニメの方で「オヤジと一緒に野球場に行って」のくだりがあるから
どうしても度を越えた金持ちというイメージがわかないんだよなあ。
348名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:27:25 ID:/qQ7U0c+
>>340
GJ!!
期限に追われてあせっているオレの心が癒された
349名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:27:49 ID:0iVk87SQ
ハルヒとキョンの同棲
さくっと読めておもしろい。2りとも最後はこんな風に素直になれるといい。

風邪とお見舞い
リアルタイムGJ!このハルヒには萌えた。キョンの描写も良かった。
特に言い訳しながらもハルヒを気遣ってるところが。また投下してください。
350名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:44:34 ID:RhDtr2ZT
>>229
それだ!d
351名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 01:58:43 ID:z6giTYsV
>>330
>298 は >294 宛てに言っているのであって、 >294 も、第零条は知ってるはず。
なぜなら、ロボット工学三原則ネタで書いてるのだから。

と、ジスガルドが言ってた。
352七夕前夜 1/3:2006/07/08(土) 02:06:51 ID:wywhUr4y
突発的に書いた七夕ネタ。3レスほど。
何故かダウナー気味に……

 

 部室の鍵が開いていることを確認し、ちょっとしたフェイントをかける気分でノックする。
 返事はないが、当然だ。すでに長門がハードカバーの本を閉じ、活動終了となったあとだからな。
 それでも俺は、まだ残っている奴がいることを知っている。
 ノックしたのは、今、そいつに対してのせめてものフェアプレー精神だ。

 ドアを開けると、
「……何だ、キョンか」
 予想通り、すっかりメランコリックの向こう側に行ってしまったハルヒがいた。
 今まで机に突っ伏していたような姿勢のまま、若干流し目気味に視線を向けてくる。
「もう終わりって言ったはずだけど」

 いやなに、今日のお前の笑顔はやけに曇っていた気がしてな……

 と言おうとして、台詞回しがやけにキザであることに気づいて止めた。
 SOS団におけるわざとらしさは、古泉スマイルだけで充分だ。
 しかし、嘘でも理由は必要だ。忘れ物をしたような不安にかられてな、とか何とか言って自分の指定席に腰掛けた。
 一連の動作を横目で見られたあとすぐに顔ごと背けられる。良い反応とは言えないが、なあに、かえって免疫がつく。

「明日はお前的なXデーだと言うのに、ずいぶん沈んでらっしゃるようだが」
「別に。ただの思い出し憂鬱よ」

 去年も聞いたな、その台詞。デジャヴどころかはっきりした記憶がある。
 二度も同じことを言われると、何故だか妙に不安な気持ちになるね。

 空模様はハルヒとシンクロしているかのように灰色に埋め尽くされている。

「……四年前にね、」

 何の前触れも無く、ハルヒは口を開いた。

 しかしこの時期、その時間設定。
 何の話になるのか、大方の予想はついている。

「変な男に会ったのよ」

 ……どう紹介されるか少しは楽しみに待ってみれば、俺は変質者扱いですかそうですか。
 渋い顔の一つでもしてやりたいところだが、トンデモパワーに見合う強いカンを持つのが涼宮ハルヒという女だ。
 下手な真似はできないので、ここは長門の真似で乗り切ろう。

 俺は黙ってハルヒの独り言を聞くことにした。
353七夕前夜 2/3:2006/07/08(土) 02:08:43 ID:wywhUr4y

 ――本当に、おかしな奴でね、

 ――宇宙人や未来人や超能力者と知り合いみたいな口ぶりで、

 ――それで、そいつを探すためにあたしも北高に入学して、


「……でも見つからなかった。別にわかってたわよ。高校生と中学生じゃ、入れ違いになることぐらい」

 それでも探したくなる気持ちはわからんでもない。それこそ、藁に願掛けする勢いでな。
 初めての理解者というものは、大なり小なり影響を残すものなんだと思う。
 幼少の頃、正義の味方になるんだと言って憚らなかった俺の頭を撫でてくれた近所のじいさんの顔を、俺は今でも覚えている。

 嗚呼。言っちまいたい。
 俺がジョン・スミスだ――その一言でハルヒの憂鬱をどこかにやってしまえるなら安いものだ。

 そのときの俺は湧いて出た自己主張欲を抑えるのに忙しくて、不覚にもハルヒの接近に気づかなかった。
 右手が妙に温かい。
 まるで自分以外の誰かの体温が流れ込んでくるような、って、
「ハルヒ?」
 そこで初めて、ハルヒが俺の隣に移動していたこと、心なしか遠慮がちに手を重ねていることをいっぺんに認識した。
 思ったよりも、繊細で華奢な感触だった。
 よく混乱しなかったと自分を褒めてやりたい。

「やっと――わかってくれる人が来たと思ったのに」

 いつ見たんだっけな、こいつのこんな顔。去年、朝倉家を襲撃した帰りのことだったか。
 ハルヒの手が少し熱を帯びた気がした。

「キョン」

 無闇な名前の連呼はよしてくれ、心臓が暴れ出しそうだ。

「あんたに会うまで――」

 ――独りだった、だろ?
 本人が途切れさせた言葉の穴埋め、なんて趣味が悪いが、わかるもんは仕方がない。口に出さないだけマシだと思ってくれ。

 何か言ってやろう、とは思うが、いい言葉が浮かんで来ない。というか、考えることそのものがもどかしい。
 埒が明かない。そう思い、言葉に頼らないことを決断した俺は、
 ――このとき、俺の正気は遥か時空の彼方で迷子になっていたことだろう――
 ハルヒの手を掴み、指を絡ませ、痛みは無いように握った。
354七夕前夜 3/3:2006/07/08(土) 02:11:54 ID:wywhUr4y

 一瞬体を振るわせたハルヒは、しかし突然餌を与えられた猫のように恐る恐るといった感じで握り返す。
 七対三でぶっ飛ばされると思っていた俺は、マイノリティが採用されてしまい、正直これからの展開をどうしようか困惑していた。

 ええい、ままよ。

 俺はハルヒのそれより、少しだけ強い力で握る。
 ハルヒ、いまいち気に食わないが、どうやら俺はお前のことを気にかけているらしい。
 少なくとも、憂鬱オーラを発しているお前の傍で、こうして手を握っていたい――なんて、気の迷いが生じる程度にはな。
 絶対に口には出さん。だから、繋がっている手から、感じて欲しい。

 ジョン・スミスは、もうお前の前には現れないかもしれん。
 だがな、ハルヒ。
 誰が何と言おうと――例え、お前に拒絶されようとだ。

 俺はここにいるぞ。



 雨が降り出した。傘がないので濡れてしまう。
 そういえば大分遅くなってしまった。連絡していないし、母親にこってり絞られることだろう。

 だが、そんな些細な懸案事項は、全て「どうでもいいこと」なのだと、
 右手から伝わる温もりが教えてくれた。



 翌日。七月七日。

 ハルヒは、またどこからか無断で伐採してきたのであろう、ぶっとい竹を同伴して部室に重役出勤した。
 生憎の曇り空にも関わらず、晴れハレな笑顔をひっさげた我らが団長の様子に、俺は心底安堵したね。
 昨日あれだけこっ恥ずかしいことやっておいて変化がなかったら、俺は羞恥に負けて妄想の拳銃を手に取っていたことだろう。
 さて、そのあと、去年と同じルールで下げた短冊を下げたんだが、

 ――ここにいたい

 とか書いてあるのがあったら、それは俺のだ。探すな。俺は今、日本が銃社会化を免れていることに感謝している真っ最中だ。
 しかし、だ。羞恥心は限界値近くまで跳ね上がっているが、後悔は全くしていない。
 それは本心だからな。願い事を真面目に書いて何が悪い。

 誰と、なんて、野暮なことは書かないけどな。

                       了
355名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:23:31 ID:+DRc2dA8
グロSS見たら気分が…
何故か見てしまう自分に挫折
356名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:33:26 ID:/hgwu7Rs
古泉一樹の変貌続き投下。
軽くレイプなので嫌いな人は読みとばしてくれ。
357名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:36:24 ID:/hgwu7Rs
ハルヒは何が起こったのかと解らないという表情をして
ただ呆然と自分の無残に引きちぎられた制服を見つめている。
古泉はいつもの様に微笑を浮かべながら今度はハルヒのブラに手を伸ばしていく。
「っ!やめてっっ!!」
正気を取りもどしたハルヒが身をよじって抵抗するが
いくらハルヒといえど男2人がかりで抑えられていてはどうすることもできない。
「そう暴れないでください。こちらとしても薬などは使いたくないので」
やはり笑みを崩さず古泉はハルヒに告げる。
そしてそのままハルヒのブラを右手で力まかせに引きちぎる。
「あっ!や、やめなさいっ!」
ハルヒは身体を押さえつけられながらも必死に抵抗する。
「抵抗しても無駄ですよ。彼らは訓練された屈強な構成員ですから」
ハルヒの抵抗をあざ笑うかのように古泉が告げる。
「そんなことやってみなくちゃわかんないでしょっ!!」
「よくこの状況でそれだけ強気な発言ができますね。少しだまってもらいしょう」
言うやいなや古泉は自分の唇をハルヒの唇に重ね合わせる。
358名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:38:27 ID:/hgwu7Rs
「ふぐっ!!んっ!」
ハルヒが苦しそうに顔を振る。どうやら舌まで入れているらしい。
くちゅくちゅと唾液の混ざり合う音が聞こえてくる。
1分ほどで唇が離れその間を唾液が糸を引く。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
しばしハルヒと古泉が荒い息を整える音だけが部室を支配する。
古泉の手がハルヒの胸へと伸びる。
「涼宮さん、きれいな胸をしていますね」
古泉の手がハルヒの胸に触れるとハルヒがびくっと身体をこわばらせる。
「そんなに硬くならなくても大丈夫ですよ。怖いのは最初だけですから」
まるで赤ん坊をあやすような声でハルヒに囁く。
「古泉くん……お願い……やめて……最初くらいはせめて……本気で好きな人としたいの……」
ハルヒが泣きそうな声で古泉に懇願する。
「えぇ、わかっていますよ。誰でも最初は好きな人としたいでしょう。
だからこそ彼を同席させてあげてるんじゃないですか。愛する人の前で犯される気分を味あわせてあげるために!
愛しい人が目の前で犯されているのに何もできずただ見てるだけしかできない苦痛を味合わせてあげるために!」
ハルヒの目が驚きと悲しみで見開かれる。こいつ、性格までどうかしちまったのか?!
「さて……続けましょうか」
古泉の手がハルヒのふくよかな胸を乱暴に揉みしだく。
「痛っ!古泉くん!痛い!」
ただ力まかせに揉んでいるだけなのでハルヒには苦痛しか生んでないらしい。
古泉はどこか焦点の合わない目でただひたすらハルヒの胸を揉んでいる。
359名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:38:43 ID:3yYzhX/W
本格派(愛好者)にしてみりゃ、掲示板で即興で作られた宿命か、そもそも原作素材と相性悪いからか
早すぎ薄味物足りないってなもんだけど、そりゃ好奇心旺盛なぬこちゃんにはタマネギ並に毒物だわなw
360名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:40:37 ID:/hgwu7Rs
と、不意に古泉が手の動きを止め
「さて……こちらの方はどんな具合でしょうか」
右手を下の方へと滑らせる。
「だっ、だめっ!!やっ!」
ハルヒが必死に足を閉じようとするが古泉の右手に阻ばまれる。
古泉の手がショーツ越しにハルヒの秘所に触れる。
「んっ!」
「あまり濡れていないようですねぇ……。仕方ないですねあれを使いましょう。用意して下さい」
古泉がハルヒを抑えていたうちの一人へ目配せする。
するとそいつはハルヒの腕を荒縄で縛り上げる。
「痛っ!ちょっとやめてってば!!」
しかしそいつはハルヒの言葉に耳を貸そうともせず荒縄をきつく縛る。
そして自分の右ポケットから何やら小瓶のような物を取り出し、古泉へと手渡す。
「これは機関の方が独自に開発した物でして。かなりの効果が期待できるそうですよ」
そう言いながら怪しい笑みを浮かべながら小瓶の中の液体を
無理矢理ハルヒの口の中へ流しこもうとするがハルヒは頑なに口を閉じ抵抗している。
「しかたないですね」
古泉はやれやれという感じで肩をすくめると手にした小瓶の中身を
自らの口に含むとそのままハルヒにくちづける。
「うむっ!っん!」
古泉が口移しでハルヒの口の中へ液体を無理矢理流しこむ。
こくっ、こくっとハルヒの喉が動き口内の液体を謳歌する。
古泉がゆっくりと口を離しハルヒに向かっていつもの微笑をうかべる。
「いかがですか気分は?」
361名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:42:53 ID:/hgwu7Rs
そういってハルヒの胸へと手を伸ばしそこへ触れる。
「ふぁあっ!」
途端、ハルヒが今までとは比べ物にならない嬌声をあげる。
「ほほぅ……これはこれは。凄い効果ですねこれ程とは……
想像を遥かに超えてますよ」
ハルヒの胸を揉みしだきながら古泉は薄く笑う。
「どうですか涼宮さん、気持ちいいでしょう?
先ほどとは比べられないくらいに」
そういってハルヒの胸の先の突起を軽くついばむ。
「ふぁぁあ!!!」
先ほどより数段大きい嬌声を上げハルヒが軽く弓なりに体を逸らした。
「おや?胸を少し攻めただけでイッてしまうとは……
少々強力すぎるようですね」
古泉がまるで料理の感想を聞かれたかのように淡々とつぶやく。
古泉、お前は何も感じないのか?!
ハルヒをレイプしているということを何とも思わないのか?!
「命令ですから」
そういって狂気の笑みをこちらへ向ける。
違う!こいつはすでに俺達の知っている古泉じゃない!!
「さて、下の方は先ほどと比べてどうでしょうかねぇ」
古泉の手が再びハルヒのショーツの方へと伸びショーツ越しに秘所へ触れる。
くちゅり。そんな音が数メートル離れたところにいる俺にもはっきりと聞こえた。
「ひぁぁあっ!!」
ハルヒが今までより一際大きな嬌声を上げる。
「すごいですね。一分ほどしかたってないのに
さっきとは比べ物になら無いくらい濡れてますよ」
362名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:44:54 ID:/hgwu7Rs
古泉がゆっくりとショーツを引きおろしていく。
するとショーツと秘所の間を一筋の糸が結んだ。
「やっ!そこはっ……」
ハルヒのそこは古泉の薬の効果で流れ出したハルヒの愛液ですでにグチョグチョだった。
「凄い愛液の量ですね。これなら三本くらいは楽に入るでしょう」
そういうといきなり三本の指をハルヒの秘所へと突き入れた。
「ああぁっ!!」
ハルヒの嬌声が部室全体へ響き渡る。
古泉はそのまま指を激しく出し入れする。
指が突き入れられるたびハルヒが留まることなく愛液を流しながら
嬌声を上げ続ける。
「これはいかがです?」
古泉が指をハルヒのなかで鍵状に曲げる。
「うあぁっー!!
ハルヒが再び嬌声を上げ体を逸らす。
どうやら2回目の絶頂へ達したらしい。
「すごい感じようですね。まるで初めてとは思えない程ですよ」
お前が薬で無理矢理そうしたんだろうが。
「そういえばそうでしたね」
くくくっと笑いを漏らす。
畜生、こいつ動ける様になったら絶対殴ってやる。
「ハルヒっ!」
何もできない自分が歯がゆい。
「やだぁ……キョン、お願い……見ないでぇ……」
今まで見た事の無いような弱弱しい顔でハルヒが俺を見る。
「だめですよ。彼にはあそこであなたの処女喪失の瞬間を目撃していただくため
お呼びしたのですから」
そういうと古泉は停止していた指の動きを再び再開する。
「ふぁっ!あっ!はぁっ!」
再びハルヒの口から嬌声が漏れる。
363名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:47:16 ID:/hgwu7Rs
「おや?かわいい物が顔を出してきましたね」
そういうとおもむろに胸を攻てめいた方の手で
ハルヒの秘部の突起物を指で弾く。
「ああぁぁっ!!」
ハルヒが再び弓なりに仰け反る。
「さすがにクリトリスは刺激が強すぎでしたか」
ふふふっと古泉がいつもの微笑で笑う。
「さて、そろそろ入れさせていただきます」
古泉がズボンを下ろし自分の物を取り出しハルヒの秘所へとあてがう。
ハルヒはひたすら首を左右へ振り拒絶の意を示す。
「いやですか?自分で言うのもなんですが
僕は結構顔がいい方に分類されるのですが不服ですか?」
そうじゃないだろ。自分の好きでもない奴に無理矢理犯されようと
してんのにうれしい奴がいるかよ!
「そうですか。しかし僕は元より涼宮さんの意見を聞く気は毛頭無いので」
言い終わると同時、古泉はゆっくりと物をハルヒの中へと押し入れた。
「あぁぁっ!」
ハルヒが苦痛と嬌声の入り混じった声を上げる。
ハルヒの秘所は薬の効果で大量に出ている愛液のおかげなのか
すんなり古泉の物を飲み込んでいく。
「痛っ!古泉くん痛いっ!お願い、抜いてっ……」
濡れていても初めてだとやはり痛いのかハルヒが苦しげな声を上げる。
しかし古泉はハルヒの訴えに耳を貸すことなく物をハルヒの中へ進めていく。
「おや?これが処女膜ですか」
古泉が薄ら笑いを浮かべ俺の方へ向き直る。
「さぁ、よく見ていてください。涼宮さんの処女喪失の瞬間を!」
そういうと間髪入れず一気に物を突き入れる。
「んああぁぁー!!!」
ぶちぶちという何かが千切れる音とハルヒの痛がる声が俺の耳へはっきりと届く。
「どうです涼宮さん?処女喪失の瞬間は?」
古泉が狂気の笑みを顔に貼り付けたままハルヒを見る。
「痛ぃ……お…がい……こず……君……抜いて……」
ハルヒは目尻に涙を浮かべながら古泉に懇願する。
364名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:49:21 ID:/hgwu7Rs
「先ほど申しあげたように僕はあなたの意見を聞く気はないです。」
古泉は笑みを浮かべてハルヒの願いをあっさり切り捨てる。
「それでは動きますよ」
言い終わらないうちに古泉は腰をゆっくり前後させ始める。
「いあっ!あっ!うぁっ!」
やはり痛いのか苦しげな声をあげるハルヒ。
しかし古泉はそんなことを気にする様子も無く腰を突き入れ続ける。
「あぁっ!ふぁっ!あぁん!」
痛みが消えたのか薬の影響なのかハルヒの声に少しずつ喘ぎ声が混り始める。
「ふぁっ、あっ、ふぁぁあー!」
古泉の腰が突き入れられるたびハルヒが喘ぎ床には秘所からあふれ出した愛液が水たまりを作っていく。
「んっ、そろそろ限界です。いきますよ涼宮さん!」
「やっ!中だけはやめてっ!お願い!!」
しかし古泉は腰の動きを止めることなくハルヒに告げた。
「言ったでしょう?あなたの意見は聞けない。と」
言い終わると同時に古泉が腰を更に深く突き入れそのまま欲望をハルヒの膣内へぶちまける。
「ふぁぁー!!」
古泉の射精と同時にハルヒが体を仰け反らせた。
今日何回目かの絶頂へ達したらしい。
古泉はぐったりとしているハルヒをよそに自分の物をゆっくりと引き抜いた。
ごぽっと音がして精液と愛液、そしてそれに混じって赤い液体がハルヒの秘所から溢れ出た。
365名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:51:53 ID:/hgwu7Rs
「さて、では2回目を始めましょうか」
待て古泉!これ以上やるってのか?!
「ええ。涼宮さんが服従を誓うまで続けますよ」
貴様のとこの上司はとことん腐った奴なんだろうな。
「伝えておきましょう」
そういって古泉がハルヒの中へ再び物を挿入しようとした時、
鍵がかかっていたはずの部室のドアが何の前ぶれも無く開いた。

「な、長門」
そこにはハルヒに部室から早々に追い出された長門有希がいつもの
制服姿で立っていた。
「今すぐ行為を中止することを要求する」
長門が淡々と言い放つ。
「何故でしょう?この作戦にはそちらは不可侵ではなかったのですか?」
長門、お前はこのことを知っていたのか?
「そう」
何故止めなかった!?
「大きな情報爆発の期待性があるから手を出すなと情報統合思念体から命令を受けていた。
しかし情報爆発は発生せず逆に世界崩壊の危険性が出てきた。だから行為の中止を要求する」
「嫌だと言ったら?」
「力づくで中止させる」
古泉と長門はしばらく向かいあって牽制していたが
やがて古泉が肩をすくめた。
「解りました。あなたとやり合って勝てるとは思いませんから。
僕としても機関のために死にたくはありませんから」
それにしては機関の指令を律儀に守っていたようだが?
「涼宮さんと交われる機会などないですから」
それにしては性格が激変していたようだが?
「あの方がレイプ犯って感じでしょう?」
アホか。
366名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:53:07 ID:/hgwu7Rs
「さて、機関の計画も破綻したので我々は撤退しますか」
その台詞と同時に背中への重圧が無くなる。
待て。世界崩壊の危機はどうするんだ。
「僕よりあなたの方がお得意でしょう?」
その顔一発殴らせろ。
「これは怖い。それでは縁があればどこかで。」
そんな縁は即座に切っといてやるよ。
古泉達がドアから出て行くと同時長門が俺の傍へと歩いてきた。
「あとはあなた次第」
長門よ、お前もか。
俺は長門の出て行ったドアを見つめながらそうつぶやいた。
367名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:54:18 ID:/hgwu7Rs
古泉編はここまで。やっぱエロむずい。
一人称じゃないし文構成おかしいし古泉性格変わりすぎだがすまん。
キョン編は執筆中。後日投下する。
368名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 02:55:09 ID:9ILRB3fU
>>337
いつものラヴラヴ乙
毎度軽く読めるから、貴方の作品好きだぜ

>>340
いいよ、いいんだが・・・
メモ帳にでも書いてから、まとめて投下してくれ
同棲の人、本当は7月7日中に投下したかったんだと思う
ひょっとしたら七夕前夜の人もかな
22:39〜01:19はやりすぎ
ずっと待ってたっぽいし、ちょっとその辺の配慮足りないかもな

あと本文に気なるところがある
まぁ、なんだ。まぁ、なんというか。まぁ、アレだ
正直、使いすぎです

>>354
さくっと読めて、しかも面白いな
369名無しさん@パンキー:2006/07/08(土) 03:17:39 ID:+BWhG12Z
>>367
深夜にお疲れ様。
もう少しキョンが感情的に実況してくれると生々しくて良いかと。
エロは難しいですね。気長に続き期待しちょりますよ。
370名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 03:24:00 ID:/hgwu7Rs
>>369
サンクス

>もう少しキョンが感情的に実況してくれると生々しくて良いかと
今後の執筆の参考にします。
371名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 03:24:56 ID:ooQ/4XF9
『風邪とお見舞い』の人へ。
キョンの言い訳全開モードとか、やたらと回りくどい言い回しとかがとてもキョンらしくていい感じだった。
自分の思考がいつもと違う、ということをキョンは何度も繰り返して言ってるわけだが、それを毎回別の言い回しで現しているあたり、凄いなと思ったよ。素直に尊敬する。
ハルヒ可愛かったー。寝る前に読めてほんと幸せ。

でもまあ、俺みたいに夜更かししてる連中ばかりじゃないから、まとめて投下してあげた方が親切っちゃあ親切かもな。
372名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 03:55:06 ID:2oxScpTp
なんか……誰かがレイプされるとか心にくるね。
こう…グサッ!!とさ……

……ごめん、作品を批判してる訳じゃないんだ。
ただの独り言だから…。
373名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:05:19 ID:2M7sQ7aI
>372
そんなときは予告されてる「キョンと有希の夫婦生活(仮称)」を
首を長〜くして待つのです。
374名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:19:26 ID:eM4ftKeM


 常日頃から無意味に機嫌が良さそうな妹が、泣きながら俺の部屋に入ってきたのは土曜の夜だった。
 腹を押さえて、軽く身を丸めている。
 浅い眠りに落ちかけていた意識が吹き飛んだ。

「お、おい、どうしたんだ?」
 俺の問いにも答えず、妹は呻いていた。脂汗が滲んでいるようで、何があったのかわからない。
 今日と明日の間、親父と母さんは法事のために九州まで出かけていた。俺と妹にとってはかなり遠い親戚にあたるため、俺たちは大人しく留守番をしていたのだが……。

「どうした、腹が痛いのか?」
「……どうしようキョンくん」
 俺はベッドから飛び降りて、妹の両肩を掴んだ。泣きそうというか、もう泣いている。
 いつもは愛らしい瞳が濡れていた。


 まさか、晩飯に作った焼きソバに当たったのか?
 だが、冬の終わりに食中毒が起こるというのも考えにくい。いや、確かウィルス系の食中毒なら冬のほうが多いと家庭科で習った覚えがある。
 適当に火を通しただけのあれがまずかったのか。

「うぅ……」
 ぼろぼろと泣き始める妹。おいおい、マジかよ。救急車呼んだほうがいいのか?
 こんな時に限って両親は不在。

「あのね……キョンくん」
「あ、ああ」
「うんち漏らした」


375名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:21:04 ID:eM4ftKeM


 思考が複雑系を形成してしばらく。俺は固まったまま反応を返すことができないでいた。
 なるほど、お漏らしか。しかも大きいほうと来た。お前今何年生だ? そしてそれを言いにわざわざやってきたのか。
 一人で処理できない、と……。

「お前なぁ……」
「はぅう。キョンくん、どうしよう」
「とりあえず、トイレ行くぞ」

 正直、うんこなど触りたくもないが、この際仕方ないだろう。
 しかしもう6年生になろうというのに、お漏らしだと? 


 ひっくひくと泣く妹を連れて、一階のトイレへ。
「ほら、脱げよ」
「うん……」
 パジャマのズボンをおろす妹。なるほど、白いパンツの股のあたりが赤茶けている……。
 が、どう見ても、固形物ではない。下痢でも起こしたかのように水っぽいものが時間と共に固まってきているようだった。
 
 これは普通じゃない。まさか、やっぱ食中毒か何かか? そもそも、こいつは寝小便だってここ最近はしてなかったはずだ。
 それが起きてる最中に? 嫌な予感がして、俺は尋ねてみた。
「な、なぁ、なんか腹が痛いとかあるか?」
「うん……」
 妹はパンツをずり下ろすと、そのまま足から抜きさった。妹が脱いだパンツを受け取る。股の辺りに茶色い液体が付着しているのがよくわかった。
「マジかよ……」

 救急車呼ぶか。いや、それは先走りすぎかもしれない。
 だが、もしも何か重大な食中毒だったらどうなんだ? 手遅れになったりしないだろうな。

「キョンくん……」
 不安そうに俺の顔を見上げる妹。
「あ、ああ大丈夫だ」
 俺がうろたえてどうする。今ここにいるのは、俺だけなんだぞ。頼れるのは他にいない。
 そしてその俺が頼りにならない。やはり専門家に任せるべきなのか。

 生臭い匂いが鼻につく。ん? なんだこの匂い。
 妹のパンツをじっと見てみる。え、おい。まさか、これって。
「ちょ、ちょっと待て……」
 そして妹の顔を見下ろした。
「お前、もしかして、生理か?」
 妹のパンツについていたのは、血液だった。


376名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:21:46 ID:eM4ftKeM

「せーり?」
「学校で習っただろ」
 女子だけ突然別の部屋へ呼ばれるわけだ。男どもは自習だと騒ぎ、戻ってきた女子が神妙な表情でいるのをからかってみたりするわけだが、今はそんなことはどうでもいい。
「うん、習った……」
「よし、じゃあどうすればいいかわかるな? 言っとくが、俺にはサッパリわからん」
 俺が関わることじゃないだろう。女の体のことなんて、よくわからない。
「わかんない」
「いや、だから習っただろ? ナプキン使うとかなんかそんなこと」
 兄妹でこんな会話するのはどうなんだろう。
「だって、よく聞いてなかったもん。それに体のことばっかりだったもん」
 いかん、泣きそうな顔してる。

 おそらく、これが妹の初潮なんだろう。
 つまり少女から女の体になったということだ。だからどうした。
 しかし、妹に初潮が来たとはな……。

 俺は泣きそうな顔で便座に座り込んだ妹を見下ろした。下に何も履いてないので、小さな丘も、一本走っているスジもよく見える。
 って、俺は何を考えてるんだー何を。妹だぞ妹。血の繋がった妹だ。そもそも相手が小学生という時点で犯罪で変態のクソ野郎だ。
 本当に上級生なのか疑わしいまでに成長してないと思っていたが、いつの間に女の体になってしまったというのか。
 初潮が来たってことは、つまりもう子どもが産める体ってことだぞ。こんなガキんちょが子どもを産める体になるだなんて、世の中恐ろしすぎる。
 神様は人間の作り方を間違えたとしか思えない。


「キョンくん……」
 くすんと鼻を鳴らして妹が俺を上目に見上げる。その姿が俺の心をチクチクと刺した。
 俺を頼ってくれてるようだが、生憎俺はこういう時にどうしたらいいのかわかりゃしない。
 むしろ解っているほうが怖い。

 くそっ、どうすりゃいい。普通はどうするもんなんだ。
 ナプキンか何かが必要なんだよな? それだけでいいのか? 何か必要なものは他に無いのか。
 
「ちょ、ちょっと待ってろよ。母さんに電話してくるから」
 こんな時頼りになるのは、母親くらいのものだ。



 部屋に戻って携帯電話のメモリを探す。ダイヤルボタンを押して、母親が出るのを待つが、どういう冗談なのか帰ってくるのは母親よりはるかに綺麗な声をした女性の案内だけだった。
 おいおい、電源入れてないのか? それとも電池切れか? 充電器も持たないまま出かけたというのは、ありえそうだ。
 もしかするとまた違う事情なのかもしれない。母さんがダメなら、親父だ。すぐそばに母さんがいるだろう。
 だが俺の携帯には親父の携帯電話の番号は入っていない。電話する機会なんてまったく無いから、番号を教えあってもいないのだ。

 慌しく階段を駆け下りて、固定電話を置いているキャビネットの引き出しを漁った。
 どっかに番号を書いたメモか何かあるはずだ。そう思ったが、ついぞ見当たらなかった。
 書類の束だけが床に散らばっている。

「くそっ、どっかに番号くらい書いとけよ!」

 リビングの明かりを落として、トイレにいる妹のもとへ。
 開け放したドアの中で、一人しくしくと泣いている。

「……キョンくぅん」
「大丈夫だ。兄ちゃんに任せろ」
 なんだってこんな時に初潮が来る。せめて母さんがいる時に来てくれよ。
「とりあえず、血は拭いておけ。な?」
「うん」
377名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:22:24 ID:eM4ftKeM

 母さんがダメなら、他の女性に尋ねてみるか。
 今は何時だ? 夜の10時か。ちょっと電話するには遅い。
 躊躇している暇は無い。どうすりゃいいのか尋ねるだけだ。問題無い。それにこれは俺自身の問題じゃない、妹の一大事だ。
 妹が女の体になったというのは、兄としてはちょいと複雑な気分でもある。多分、これから先、妹に彼氏ができたりとか、結婚したりとかそんなことがある度に何処が端なのかわからない思考の糸がぐるぐるに絡まるんだろう。

 もう一度リビングに戻る。
 手に持った携帯電話のメモリを眺めた。誰が頼りになる。
 頼りになる、という言葉でまず思いつくのは長門だった。しかし、今回に限って長門がどれほどアテになるのかわからない。
 あいつは人間ではない。宇宙人だ。生理とかあるのか? 機能的に考えれば、不要な存在だろう。

 朝比奈さんは……。やや頼り無いが、女の人だ。きっと力になってくれるかもしれない。
 だが、こんな時間に電話して生理について尋ねるのはどうなんだ。あの人、浮力さえ知らないんだからな。
 もし未来に、生理などを抑えるような薬があったとして、それを朝比奈さんが常用していたとしたら?
 今でさえ、それらしい薬があったような気がする。
 と、いうか何よりも俺が朝比奈さんに生理について尋ねるというのが、ひたすら恥ずかしい。


 最後にハルヒ。
 アイツは普通じゃないが普通の人間だ。一応女の子だし、当然もう生理だって来てるだろう。
 そんなふうにハルヒを意識したことがなかったから、いざ考えてみると物凄く恥ずかしい。くそっ、考えるなそんなこと。

 俺の妹のためだ。きっと協力してくれるに違いない。
 ダイヤルボタンを押すと、今度はしばらくのパルスの後に、ダイヤル音が届いた。
 頼む、出てくれ!

「なによキョン。こんな時間に」
 中域の持ち上がった電話越しの声。
「ハルヒかっ?! よかった……出てくれたか」
「はぁっ、あんた誰に電話かけてるのかもわかんないの? 説明書読んだ? それともあんたがバカなだけ?」
 電話越しに罵られる。それすらも心の中でダマになっていた不安を溶かしていく。

「ハルヒ、話があるんだ。聞いてくれ」
「……何よ」
 どう言えばいいんだ。妹に生理が来たから、どうしたらいいか教えてくれと言えばいいのか。
「な、なぁ……。お前、今から俺の家に来れるか?」
 電話が無音だけを届けてくれる。いつの間にか汗ばんだ手で、携帯を強く握りなおす。

「なに、どういうこと? 今からだなんて、そっちだって家族もいるし、あたしが今から行ってどうするのよ」
「その家族が居ないからお前を呼ぶんだよ!」
 母さんがいれば困りはしない。俺は妹に初潮が来たという事実にだけ驚いて、複雑な気分になるだけだ。

「え? ちょっと……。なに、それ……」
 さすがにこの時間に人を呼び寄せるのは無理があったか。
「いや、来れないならそれは仕方ないんだが、俺はお前に訊きたいことが」
「ま、まぁ別にいいわよ。そっちに行くから。ちょっと待ってなさい」
 切られた。人の話はちゃんと聞けよ。

 だが、ハルヒがこっちに来てくれるというのなら、心強い。
 いつもは俺に災厄だけをもたらすハルヒが、今だけは待ち遠しかった。 


378名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:23:17 ID:eM4ftKeM

 まだトイレにこもっている妹は、ハルヒが来るということを伝えると少しだけ表情を綻ばせた。
 自分がシスコンだとは微塵にも思わないが、やはり妹の泣き顔は見たくないし、できるならいつも笑っていて欲しい。
 そう思うのはとても自然なことだろう。

 ハルヒが来るまでの間に、俺は妹のパンツを洗面所へ持っていった。残念ながら、洗濯機の使い方をまったく知らないし、そもそもこれを放り込んでいいのかどうかがよくわからない。
 仕方なく洗面所で妹のパンツをブラシでごしごしと洗っておく。正直な話、妹の『女』の部分を見せ付けられているようで、段々と気分が沈んでいくのを感じていた。

 女なら誰にだって訪れることだ。そんなことは知っている。
 クラスの女子に、まだ初潮が来てないとかいうヤツがいてたらもっと驚くさ。


 そうか、ハルヒをわざわざ家に呼んだ理由は、妹が女であることを自覚したくなかったからかもしれない。
 ナプキンやらを見つけ出したとして、それを俺が付け方を調べるとかそんなことをするのが嫌だったのだ。
 だからそれを俺以外のヤツに、そうハルヒにさせようと思った。

 自覚すると、複雑だった気分が重たくなる。妹の一大事だってのに、人任せかよ。
 俺が姉だったらそんなことは思わないんだろうが、自分が女に生まれていたらなんて想像もできやしない。

 とりあえず、ハルヒが来たらちゃんと礼を言わなきゃな。何回かメシ奢るくらいのことはしてやろう。
 俺は随分と汚れの落ちたパンツを洗濯カゴの中に放り込んだ。





 ハルヒに、ナプキンか何か持ってきてもらうよう頼んでおけばよかったと後悔した。
 今から電話するか? いや、どういう手段で来るのかわからないし、今更言うのも……。

 ハルヒに電話してから30分ほど経っただろうか。家のベルが鳴らされた。この音を聞くのも、随分久しぶりのような気がしてしまう。
 俺はパジャマのまま、玄関へ向かった。蛍光灯の明かりを灯し、普段履いているスニーカーに片足を乗っけて扉の鍵を開ける。
「よく来てくれたなハルヒ」
「まったくよ! なんなの一体。こんな夜中に人を呼びつけて」
 怒り心頭といった様子のハルヒ。その姿に妙な違和感を感じた。
 まるで昼間に街へ出かけるような格好だ。薄い紅色のカットソーワンピースはわずかに胸元が露出していて、やたらと涼しそうだ。
 その上に洗いたてのシャツみたいな白色をしたカーディガンを羽織っている。一体どうした心境の変化か、十字架のついたネックレスまでしてるし。
 こうやって見てると、良家のお嬢さんっぽい。

 ふとハルヒの後ろを見ると、タクシーがちょうど走り去っていくところだった。
 まさかこいつ、タクシーでここまで来たのか?
 ハルヒに対して申し訳ないと思う気持ちが沸くのは、おそらく初めてのことだっただろう。妹のためにわざわざ……。
 こりゃ何回かメシ奢るくらいじゃ済ませられないな。

「上がってくれ。ちょっと話があるんだ」
「ふん、まぁいいわ」
 何がだ。

 あがりかまちに腰かけて、履いていたロングブーツを脱ぐと、ハルヒは丁寧に端に寄せていた。
 そんなもん履いてて歩きにくくないのかね。

379名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:25:05 ID:eM4ftKeM

 俺はリビングのソファに座ってうな垂れながら、ハルヒの声で頭をガンガン殴られていた。
「このバカキョン!! あんたねぇ、それならそうと最初から言いなさいよ!! 大体、あんたもあんたで生理の知識もまったく無いってどういうことなの?
 少しはねぇ、女の体について知っときなさい。ちゃんと習ったでしょ? わかる? もっともあんたみたいなバカはちょっとやそっと習ったくらいじゃ頭に入らないんでしょうけど、それよりも妹ちゃんが不安がってるところであんたがおろおろして、それで」
 なにやら延々と続く罵りの言葉は、次第に俺の耳を華麗にスルーしながらどっかへ消えた。

 事情を聞いたハルヒはまず怒り、母さんが使っている生理用品をあっさりと見つけ出し(なんとトイレの上の棚に置いてあった)、妹にナプキンの使い方や生理についての知識を優しく語り
 それから俺に怒り、妹を風呂場に連れて行って体を洗わせ、次に新しいパンツを用意して履かせ、それから俺に怒った。
 とりあえず俺は怒られっぱなしだった。

 どっちにしても、ハルヒは妹の力になってくれたし、別に構いはしない。むしろ感謝している。
 ちょっとはハルヒのことを見直したね。ほんと。一人でうんうんと頷く。

「ちょっと聞いてるのこのバカ!!」
 耳をつねられた。
「痛いからやめろ! わかったから」
「もう……。ほんとにバカなんだから」
 おそらく人生のうちでもっともバカ呼ばわりされることの多い日だったと思う。
 腕を組んで大げさに溜め息をつくハルヒ。

「ハルヒ」
「なによ?」
「ありがとう。お前が来てくれて助かった。ほんとに感謝してる」
 これは俺の素直な気持ちというヤツだ。普段ならなかなか言えはしなかっただろうが、今回は別だ。
 妹の力になってくれたハルヒに感謝している。

 ハルヒは髪の毛が逆立つんじゃないかというほどに驚いて、耳まで真っ赤にしていた。俺が礼を言うのが、そんなに珍しいかハルヒよ。
「な、なによ。別にあんたのためじゃないんだからね! 妹ちゃんのためなんだから。あんたに礼を言われる筋合いはないわ」
「ある。俺の妹だ。俺の妹のためにこんな夜中に来てもらったし、助けてもらった。だから、すごく感謝してる」
 俺は立ち上がって、ハルヒを見下ろしながら言った。
「べ、別にいいわよ。あんたに礼を言われたって嬉しくないし」
 そう言いながらハルヒはあさっての方向を首を向け、口をへの字に曲げた。
 そうか、こいつ感謝されることに慣れてないんだな。素直に受け取ればいいのに。

「この埋め合わせは必ずする。メシくらい奢ってやるさ。そうだ、明日はどうだ? 暇だったら、どっか行こうぜ」
「え……?」
 真意を探るように俺の目を見つめるハルヒ。こうやって見てると、かなりの美人だよなこいつ。
「母さんもいないし、妹にまた俺の即席料理食わせるのもアレだしな。三人でなんか食いに行こうぜ」
 俺の言葉を聞いて、じとっと俺を睨む。どこか気落ちしたように見えたのは気のせいだろうか。
「心配すんなよ。俺の奢りだし、安物で済ませようとか思ってないから。回る寿司くらいなら余裕だぜ」
 胸を張ってみたのだが、ハルヒはというと重い息を吐いてぽつりと呟いた。
「あんたって……ほんとバカ」
 なんだよ、回らない寿司じゃないとダメなのか。 
 
380名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:27:13 ID:eM4ftKeM
とりあえずここまで。
続くかどうかはわからない。
お泊りとかデートとか考えてはいるが……。
381名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:40:49 ID:Ou3d82iA
キョンの華麗なフラグ潰しは凄いな
382名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:45:06 ID:ooQ/4XF9
>>381
同意
最初の方の電話での思わせぶりな会話は「ああ、よくあるなこういうのw」とか思って心穏やかに眺めてたが、ここまで見事にスルーされるとハルヒが可哀想になってくるw
383名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:49:16 ID:ooQ/4XF9
>>352-354
手を繋ぐ二人、ういういしー。萌えた。
キョンの、「俺はここにいるぞ」というモノローグは本当に熱い。やっぱハルヒにはキョンだな。


ところで、

>幼少の頃、正義の味方になるんだと言って憚らなかった俺の頭を撫でてくれた近所のじいさん

が衛宮切嗣だと思ってしまった俺はどうみても型月厨です本当に(ry

……正直ゴメン。
384名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 05:00:46 ID:zr4Yq6jC
>>380
どうなる事かと思ったけど、面白かった。
夕飯に出た赤飯のことを無神経にクドクド聞いて、妹に箸投げられたこと思い出したよ。
キョンは情けないけど、いい兄ちゃんだな・・

続きも期待してるよー
385名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 05:11:13 ID:9a+Dtt7F
>>380
GJ!
やっぱキョンは鈍感に限りますな。
386名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 05:21:30 ID:InLTrTAD
>>381
妹が二人いる身として、ムチャクチャ面白い(W
キョンの知識のなさはあり得ないと思ったが、俺の方が変なんだろう。
ハルヒ、きっと電話を切った後にパニックになりながらもなんとか親に適当な言い訳をでっち上げて、お泊まり覚悟で来たんだろうなぁ(W

余談だが、俺が小六の時、クラスの女の子が突然生理になって、椅子を血まみれにしてしまうという事件があった。
その時、性的知識が全くない同級生のガキ大将が「うわっ、こいつ痔だ! 切れ痔だ!」と騒ぎ立てた。
本人は泣き出すし、女の子たちはどう説明していいかわからずうろたえるばかりで、収拾がつかない状態だった。
俺は一応知識があったんで、他のクラスまで言いふらしに行こうとしたそのバカをなんとか押しとどめたんだが、そいつは「なんだお前、この切れ痔女に気があるのかよ」とか言い出した。
下手に説明したら女子に変態扱いされそうだしで、うっかり止めに入った事をムチャクチャ後悔した。
結果的に、なんとかそいつに生理のなんたるかを理解させ、からかうことが男として恥ずかしいことだと理解させる事に成功し、女子から変態扱いされる事もなかった。数日、ヒヤヒヤものだったけど。
自分では何を言ったのか記憶がないんだが、三年くらい経ってからその時にいた女の子(長門似の可愛い子だった)にこう言われた。
「あの時の説明、格好良かったよ。いやらしさが全くなくて、女の子を大切に思う気持ちが伝わってきて。○×ちゃんなんて、あれで惚れたって言ってたけど、結局告白されなかったの?」
されてない、されてない……
初めて彼女が出来たのは、それからさらに三年後だった……
387名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 05:55:30 ID:2oxScpTp
>>386
あんたかっこいいよ……すげぇ漢だ。
388名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 06:59:05 ID:7dxRfRjI
キョン×長門夫婦モノ マダー?
389名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 07:03:00 ID:MZWSKl7u
>>388
気長に待とうぜ
空腹は最高の調味料だというではないか
390nac:2006/07/08(土) 07:14:54 ID:21e+UIEb
小ネタ投下
391nac:2006/07/08(土) 07:15:42 ID:21e+UIEb
勉強小ネタ

ここは文芸部室、もといSOS団の拠点だ。

「長門、期末試験、お前のおかげで無事進級出来そうだ。助かった、本当に感謝している」
「そう」
「何かお礼したいんだが」
「別にいい」
「それじゃ、俺の気が済まないんだ」
「……」
「それとも、迷惑か?」
「!!……そんな事は、決して無い……」
「じゃあ、その、何かないか?俺に出来ることならなんでもする」
「本当に?」
「ああ、出来ることならな」
「……」
沈黙が続く
「私は、貴方に教えて貰いたいことがある」
「俺が長門に教えられる事なんか、ほとんどないぞ」
「私は他人との交流が乏しい」
「まあな」
「特に異性との交流は皆無」
「それは、そうだろうな」
「だから、貴方と、男女間の、通則的な単語で言う所の男女交際を経験したい」
「……本気か」
「……マジ」

「ああ、解った。じゃあ俺と長門は
「待って」
今度はどうしたのだろう
「普通交際中の男女間は名前もしくは愛称で呼び合うものと認識している」
「本格的だな。よし、有希」
「何?」

「これから、お前の家に行って、男女交際の全てを教えてやる」

がばっ……


……
場所は変わって、ここは教室。目の前には頭を掻き悩む様子のキョンが居る。
「ちょっと!キョン!!」
「なんだ?俺は今悩み事で頭が一杯なんだ」
「あ、あのね……その」
「頼むから、用件なら早く言ってくれ」


「あ、あたしが、期末試験のテスト勉強、手伝って、あげようか?」
392nac:2006/07/08(土) 07:16:55 ID:21e+UIEb
という夢ネタ。以上
次書いたらまた投下するんで
393名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 07:25:38 ID:qtHQRQKG
>>392
GJ!
えーっと………夢を見たのはハルヒでいいんだよな?
394名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 07:30:53 ID:21e+UIEb
>>393
好きなキャラの夢で妄想してOK
この先の展開もそれでガラリ変わるから
395名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 11:32:08 ID:Wiaywrt+
前々スレ703です。
だれもいないようなので落とします。
396名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 11:33:27 ID:Wiaywrt+
 結局この日はそこで終了。全員帰宅となった。
しかしハルヒは徹のマジックが見たいからと無理やり家へ徹を連れて帰った。
徹いわく、
「家が無いからちょうどいい」
らしい。住み込む気か?太い野郎だ。
俺はハルヒと徹が行った後、古泉に聞いてみた。
「おい、徹のことだが」
「あなたもさすがに、大体のことには気付いているでしょう」
 今はあわてる様子も無い。いつもの落ち着いた様子で話している。
それもまたむかつくのだが。
「彼は恐ろしい存在なのです。まさかこの世界へ来てしまうとは。
 いえ、おそらく今回も涼宮さんでしょうけど」
 またハルヒか、いい加減聞き飽きた。
「どういうことだ」
「それはまた明日、彼も交えて話しましょう。
 彼はこの世界については何も知らないようなので」
 それだけ言うと古泉は帰っていった。
いったい徹が何だというんだ。そう思いながら、ふとプールに目を向けた。

プールの水はすべて氷になっていた。
397名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 11:35:33 ID:Wiaywrt+
 次の日、ハルヒは珍しく・・・・・最近珍しいことばかりだが。
まあとにかく、ハルヒはとても上機嫌だった。
「もう徹ったらすごいのよ!私がやってっていったこと全部やってくれたの」
 それはどんな召し使いだ。
「違うわよ。たとえばボールを浮かせたり、見たものを石にしたり、
 手から鳩を出したり、もうすごいのよ!」
それは良い手品師だな。それともメデゥーサか?
いや、あれは目を合わせたものを石にするんだったな。
 などと考えながら、俺はハルヒの話を半分以上聞き流していた。
徹を見てみると、なぜか昨日より目が生き生きしているように思えた。
間違いない。長門の反応を見分けるのに比べたら、楽なものだ。

 放課後ハルヒがいなくなったときに、俺は徹を呼び止めた。
古泉が俺に呼び止めておくように言っていたからな。
古泉の頼みなんてあまり聞きたくは無いが、まあいいだろう。
なかなかに偉そうだな、俺。
古泉はちょうど教室の外で待っていた。ウインクするな、気持ち悪い。
398名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 11:37:09 ID:Wiaywrt+
 俺たちは以前古泉と俺が話した屋外テーブルへと席を移した。さて。
「古泉、何を話すんだ?」
「そうですね、まあ、彼の出身を確かめるといったところでしょうか」
 なら部室で話してもいいと思うのだが。
「念のためですよ。さて、伊藤さん、あなたは」
「ちょっと待て」
 古泉の言葉を区切る徹。
「何を聞きたいか大体分かるが、なぜ聞く?
 俺のことを知っているなら、確かめる必要はない」
「やはりあなたが、最強の魔術師でしたか」
 また分からないワードだ。最強の魔術師?なんだそりゃ。
どこかの勇者ご一行の連れか?
「われわれ『機関』の人間は、あなたを危険視する考えが強いのですよ」
「『機関』?なんだそりゃ」
「そうですか。やはりあなたはわれわれについて、
 そして長門さんや朝比奈さんについても、分かりませんか」
「いったい何の話だ?」
 そうだ。俺にも分かるように説明しろ。
第一、何で俺まで呼んだ?嫌がらせか?
 古泉は少し微笑み、その後長門や朝比奈さん、そして古泉自身のことを話した。
それとこの世界がハルヒ中心に動いているということ。
あー、いつ聞いてもややこしいうえにさっぱり分からん。分かりたくもない。
 しかし徹は分かったようで、
「馬鹿な・・・宇宙人に未来人、超能力者だと・・・」
 いや、お前も同じようなものなんだろ。
「異世界から来た俺はともかく、三人は似ていた。いや、ほぼそのままだ。
 だから分からなかったのか」
 何がだ。頼むから分かりやすく言ってくれ。
「話すと長いし、とまらんので話さない」
「それがいいですね。時間は限られていますし。
 そろそろ涼宮さんが僕たちを探し始める頃でしょう」
 古泉は話しながら時計を見る。俺もつられる。
大体話し始めて15分くらいか。俺は何にもしてないけどな。
確かにハルヒなら我慢の限界に近くなっているはず。
さっさと戻らないと後が面倒になりそうである。
399名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 11:38:18 ID:Wiaywrt+
「古泉、話は終わったのか?」
「ええ。もともと少し確認できればよかっただけなので。
 彼がどのような人間か」
古泉は徹を見て微笑む。
「少なくとも敵ではありませんね。勿論味方でも。
 でも、少し安心しました。あなたは強大な力を持つ以外、
 我々ただの人間と変わりない」
 お前は違うと思うが。それより、強大な力?
「だから説明すると時間がかかる。面倒だ」
 徹はゆっくりと立ち上がり、それに応じてゆったり話す。
「いずれ分かるかもな。分からないほうがいいのだが」
 そう言って徹は校舎へと戻っていった。部室棟へと戻るらしい。
俺たちもさっさと戻ることにした。
ハルヒに何かしら言われるだろうし、適当に説明しないといかん。

 予想通り、ハルヒは俺たちがどこへ行っていたかを聞いた。
ただ、なぜか俺一人にだ。
こいつにとって責任があるのは俺一人なのか?
 その日はたいした活動もせずに終了。まあいつものことだ。
ハルヒはまた徹を連れて帰るらしい。やつは帰り際に、
「キョン、何か用事があるならちゃんと団長の私に断ってからにしなさい。
 私がいいと言ったらいい。だめなら引き戻すから。
 それくらい幼稚園児でもできるわよ」
 と言う。
お前に言うとほぼすべてが引き戻しだろ。それこそ赤ん坊にだって分かる。
「いい?分かったわね、キョン?」
 はいはいわかりました。
 それだけ言うとハルヒは、徹の腕をもぎ取るような勢いで引っ張っていった。
徹は何も言わず、ただ引かれていった。
400名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 11:39:00 ID:Wiaywrt+
ここまでです。
また今度続き書きます。
401名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 11:59:22 ID:SF26WvDK
SOS団カラオケに。皆盛り上がる。
キョンのマイクを見つめる長門。
「……」
「なんだ長門。まさかとは思うが…歌いたいのか?」
マイクを受け取る長門。
ハレ晴れ(ふり付き)及びキャラソン熱唱(ついでに詰合も)
文化祭のときも歌いたかったのかな…?

みたいなSS希望
ことの後の長門はいたって冷静
402名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 12:05:50 ID:k8kMTpmI
>>401
自分で書けば?
403名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 13:47:41 ID:2oxScpTp
よーし!パパ投下しちゃうぞー!!
404名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 14:01:38 ID:vUpju3vJ
>>403
バッチコーイ!!
405名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 14:11:40 ID:2oxScpTp
さて、ここは一年五組の教室だ。何故俺がここに居るかと言うと、それは朝に下駄箱に入っていたこの小さなメモ用紙のせいに他ならない。
そのメモ用紙には、放課後5時頃にこの教室に居てくれ。と書いてあった。
はやる気持ちを押さえつつのこのこ教室にやって来たのはいいが、教室に入った時になんか段ボールが在ったのは多分岡部あたりが持ち込んだものだろう。
まぁそれは良いとして、そこに居たのは結構意外な人物であった。
「遅いよ」
なんでこいつが……
「入ったら?」
「お前か……」
「そ。意外でしょ」

朝倉涼子がそこに居た。
谷口的美的ランクA++でこのクラスの委員長。夕日を浴びて半身が紅いのがとてつもなくグッときたね。
……まぁそんな事は置いといて。何故こいつがわざわざ放課後に俺を呼び出したのだろうか……まずはそれを聴こうと口を開きかけた

「……なん「人間はさあ、よくやらなくて後悔するよりやって後悔したほうがいいっていうよね」
いや話を聞けよ。とかいろいろツッコミを用意していると「……あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る」

……はぁ?というのも束の間。朝倉が俺にいきなり銃をつきつけてきた。しかもすごく至近距離で。
「ちょっとまて!!いきなりなんの冗談だ!!たとえそれがエアガンだったとしても目茶苦茶痛そうだって!!」
「あら、本物よ?それにあなたが死ねば涼宮ハルヒは恐らく最大規模の情報フレアを放つはず。それを観測したいの」
こいつもハルヒか、人気者だなハルヒ。
「あら?その段ボール箱は何?」
こいつ、俺より先に来ておいて気付かなかったのか?
「怪しいわね…」
ツカツカツカツカ
朝倉は俺に銃をつきつけながら段ボール箱に向かって行く。
「何でこんな物が……あなた知ってる?」
「知らん、それよりその銃をしまっていただければ嬉しいのだが……」
「うん、それ無理」
あっさり言いやがる
406名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 14:13:22 ID:2oxScpTp
どん!!
うわ、段ボール箱蹴りやがった。ちょっとイメージダウン。
ガバッ!!
しかもおもむろに段ボール箱持ち上げてるし
「タダの箱か……」
そして朝倉がこちらに向かい直したその時!!
ガバァァッツ!!!
いきなり現れた――黒い戦闘服にバンダナがよく似合うダンディな外人――が、朝倉をはがいじめにしていた。
「ちょっ!!何あなた!!」
朝倉も咄嗟にすり抜けそいつに銃をつきつける。
「君の企みは残念ながら成功しない」と外人。
「あなた誰なのよ!!邪魔すると打ち殺すわよ!!」
委員長がそんな事言うなんて……ショック。しかめキャラ変わってないか?
「俺はアメリカのエージェントだ。他に用事があったのだが……殺人現場に立ち会う程酔狂な人間じゃないものでな。」
いやぁあなた沢山人殺してそうですが……しかも見ず知らずの人間にそんな電波な事言って恥ずかしくないんですか?
「……それにだ。君に、俺は、殺せない」
「どっどういう事よ!?」
「……それはただのライターだ」
「えっ?」
カチッカチッ…うーん大きくも無く小さくも無く。タバコに火を付けるにはちょうど良い火加減だ。


馬鹿らしくなったので朝倉を置いて教室を出て帰った。
彼とはその後会っていない。
407名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 14:15:15 ID:2oxScpTp
終わり。ス○ークだしてライターのところ言わせたかっただけ。
じゃ、他の職人さん待とうか!
408名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 14:20:42 ID:zkVDA3Fn
>>407gjww
つーか何故いる?スネーク。
409名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 14:42:49 ID:cERy8Eas
www
公式サイトにあるムービーおもいだした。
410名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 14:56:17 ID:ooGVnM+0
スネェーーーク!!!
411名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 15:00:38 ID:0iVk87SQ
>>380
キョン妹キタ!って感じで読んでいったが危険な香りのする展開にハラハラした。
これはいい意味でひきつけられた。
キョンがハルヒに電話するくだり、そして言葉足らずで期待してしまう(?)ハルヒ。
案の定怒り出すハルヒ。キョンの反応も含めて非常にうまい。
ハルヒをどう動かすかってのがよく考えられていると思う。
作者はこう持ってくるだろうと思いながら読み進めて、まさにそれにはまる時ってのは
一種の醍醐味だ。
この後、ハルヒの態度をいつもの団長にするのかそれともキョンの言動に敏感に反応
させるのか、続きが楽しみで仕方がない。

>>392
久しぶりに投下してくれたか!
アニメも終わったし、また顔をだして欲しい。あなたの作品を読みたいですから。
ハルヒデレはやはりいい。かなり夢に動揺したんだろう。いつもならキョンの成績
聞いてそっからつなげそうだからな。


412名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 15:43:43 ID:8xSATAmW
>>406
ちょwwwwwwスネーーーーーク!なんでwwww
ダンボールの時点で予想しとくべきだったのに、全く虚を突かれたww
413名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 15:48:24 ID:8xSATAmW
>>380
ここまで丁寧に原作どおりにフラグ潰すとは…谷川、仕事しろw
414名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 16:27:01 ID:zkVDA3Fn
>>407
撃ち殺すが打ち殺すになっとるぞ。
415名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 16:28:27 ID:+4/6FU38
>>414
そのほうが残酷だな
416名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 16:29:37 ID:hsD2nQIS
伊藤徹キター!!
417名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 16:44:50 ID:1pSKaehj
>>408
機関とかCIAの関係者が
ハルヒ監視任務でも頼んだのでは?w
418名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 16:49:47 ID:w8AshibG
読んでないけど、オリキャラのスルーっぷりが素晴らしいな。
419名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 16:56:27 ID:k8kMTpmI
オリキャラものは99%面白くないよな
420名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 16:58:04 ID:Wl0cmGI/
>>419
しかし、成功すると神作品ができるので侮れない諸刃の技
俺も読んでないけど
421名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:04:07 ID:IYTTuZwa
長門萌えの俺が【キョンx長門】もの投下。
長門の出番はナノ単位だがなw
422名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:04:38 ID:IYTTuZwa
初夏と言うには少々暑すぎる太陽の光に炙られながら、
俺は、えっちらおっちら坂道を登っている。
といっても、ここは北高へ向かう坂道じゃない。
もうとっくの昔に高校は卒業してるし、結婚もしている。
高校在学中にハルヒの理不尽不思議パワーは徐々に力を弱め、
卒業する頃には、ちょっと運のいい美少女って程度の存在になっていた。
ハルヒが、その注目の的となる原因であった力を、ほぼ完全に失って、
朝比奈さん、長門、古泉がどうなったかというと・・・。

どうもにもならなかった。

現代社会において、一人の人間が消えてしまって、ただで済むはずがない。
ましてや、SOS団などという、みょうちきりんな団体に所属していて、
全校生徒どころか近隣の商店街にまでその存在を知られた人間が消えれば、
そりゃ大騒ぎにもなるだろう。
朝比奈さんだけは、さすがに未来に戻って拠点はあちらに移ったものの、
頻繁にこちらに来ては、鶴屋さんと会ったりしているらしい。
いつだったか、高校を卒業するちょっと前に、古泉がいつものニヤケ面で
俺に事の顛末を話したことがある。
「私たちは、望むと望まざるとに関わらず、多くの人々と接触を持ち、
SOS団という触媒によってこの地域社会にそれなりの変化をもたらしました。
その構成要素である我々が、一度に三人も消えてしまったらどうなるでしょう?
きっと誰かが不審に思うでしょうし、涼宮さんほどのアグレッシブでなくとも、
騒ぎ出す人がいるに違いありません。
組織とて、無用な混乱は避けたいですし、そのままでも支障のないものを
無理につついてトラブルを引き起こしたがるほど、馬鹿ではありませんよ」
とまぁ、いつものように長々と相変わらず回りくどい説明をしてくれたわけだが、
見慣れたニヤケ面が、妙にホッとした雰囲気だったのは気のせいではあるまい。
423名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:05:09 ID:IYTTuZwa
当のハルヒはといえば、高校卒業と同時にアメリカへ行きやがった。
もともと頭のネジが2、3本多い奴だとは思っていたが、
そこまで頭のいい奴だとは思っていなかったので、正直、驚いた。
高校時代に書いた、なんとかという論文があっちの大学教授の目にとまり、
是非に、と呼ばれていったのだ。
今でもたまに日本に帰ってくることはあるが、めったに顔を合わせることも
できなくなっちまった。なにせ、あちらでも人気の大学教授になったハルヒは
日本に帰ってくれば、やれテレビ出演だ、やれ講演会だ、とあっちこっちに
引っ張りだこだからだ。
まぁ、軽自動車にF1のエンジン乗せたような無闇にパワフルなあいつの事だ、
相手が大統領だろうが国連事務総長だろうが、そんなものは関係なく思う様に
振り回している事だろう。

おっと、益体もないことを考えているうちに、やっと我が家に到着だ。
メインストリートからの上り坂が、ちょっと玉に瑕の高台に建った、
こぢんまりとした一軒家が、いまの俺の城だ。
我が家の前の坂道よりも険しい、気の遠くなるような長さのローンの茨道を、
これからの人生で歩いていかなくてはならないことを思うと、うんざりだが、
まぁ、仕方がない。これも俺の選んだ道だ。

あ、そうそう、長門はどうなったかというと・・・

「おかえりなさい。あなた」
「おう。ただいま、有希」

長門は、相変わらずのポーカーフェイスで、俺を迎えてくれた。
長門研究家の俺にだけわかる、かすかな笑顔を浮かべて。

おっと、長門は旧姓だったな。
ウチの表札には、俺の名前と一緒に「有希」の名前が並んでいる。
まぁ、そういうことだ。
あと、これは蛇足だが、雪が振る頃には、もう一人名前が増える予定だ。
424名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:06:26 ID:IYTTuZwa
以上で、ひとまず了。
キョンのモノローグばかりで、【キョンx長門】とはおこがましいが・・・。








反省はしていないw
425名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:06:34 ID:Kl6cPE7n
>>420
ふむ……成功すると神作品が出来るのには納得。
半年程前に通ってた某SS掲示板で、その神作品に出会った事あるし。
 その掲示板では、オリキャラ=厨の俺キャラ としてしか扱われてなかったのに、
その作品だけはちゃんとした評価を受けていた。書く人が上手いと神作品になるんだなァと思ったよ。
426名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:13:58 ID:w8AshibG
オリキャラってどうしてもメアリ・スーの傾向が強くなるからな。
どうせオリキャラ使う連中って、キャラがストーリーに関わる必然性とかどうでも良くて、
オリキャラを活躍させたいからストーリー考えてんだろ。

>>425
そんな成功例があるのか。凄い気になる。
427名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:16:52 ID:8xSATAmW
>>424
新妻長門キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
いや…続編を希望しても良いでしょうか?

んでなんか懐メロ聞いていたら、馬鹿馬鹿しい妄想が浮かんだので文章化してみた。
多分数レスくらい。
428名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:17:37 ID:8xSATAmW
(1番)
エ〜キセントリック エ〜キセントリック
エ〜キセントリック 涼宮ハルヒ!

今日も地球がユカイなのは
エキセントリック

少女!

ハルヒがいるからさ〜

速いぜ 速すぎるぜ
長門の足〜

エスパーも充実嬉しいな
仕置きの手段さ
OH!MYボール!

呼べば答える 萌え属性
たまらん仲間だ 人ち〜く無害の 未来人〜

長門有希!「……」
古泉一樹!「やあ、お元気ですか」
朝比奈みくる!「な、なんなんですか、なんで私こんなところに(ry」

さあ、みんな行くぞ!!

同棲相手は寝てる俺たち
長門ルームのワケあり 布団〜

「時間は凍結」

敵か味方か 鶴屋さん〜

「敵かな?味方かな?」

だけどさびしい事もある〜

「落ち込むハルヒの顔は、2度と見たくない…」

がんばれ機関! がんばれ機関!
俺は限界だ〜

くらわせろ くらわせろ
俺も知らない謎の赤球 10人くーらーい〜

エ〜キセントリック エ〜キセントリック
エ〜キセントリック 涼宮ハルヒ〜   
429名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:17:39 ID:Wl0cmGI/
>>426
成功例は俺も見たことある
U-1モノがほとんどなのは事実だけど物語にすばらしくマッチしたオリキャラを出せる人もいる

原作キャラなしで作品の空気を完璧に出したSSも昔見た気がするな
430名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:18:19 ID:w8AshibG
>>422-423
素晴らしい。やっぱ長門トゥルーENDが最高ですね。

というか、この話、最後にハルヒがタクシーの中で号泣するSSの前章みたいだw
431『エキセントリック少女ハルヒ』:2006/07/08(土) 17:18:34 ID:8xSATAmW
(2番)
キョンと呼ぶ奴が増えているのは
エキセントリック

少女!

ハルヒがいるからさ〜

怖いぜ 怖すぎるぜ
思念体〜

中にはいい奴いるけれど〜
狂気の刃だ!

朝倉サバイバルナイフ!

甘〜い香りと口当たり
気持ち和ます未来人のお茶〜

「確か雁金だったな」

甘味はきいてもシュガーレス〜

「ハルヒも一気飲みしないで味わって飲みなさい」

だけどつらい事もある〜

「消失長門には、合わせる顔がない……」

でかいぞ巨人!でかいぞ巨人!
そんなにでかいのか〜

くらわせろ くらわせろ
俺も知らない謎の赤球 11人くーらーい〜

エ〜キセントリック エ〜キセントリック
エ〜キセントリック 涼宮ハルヒ〜!
432『エキセントリック少女ハルヒ』:2006/07/08(土) 17:19:05 ID:8xSATAmW
(三番)
なん〜か古泉が 胡散臭いのは
エキセントリック

少女!

ハルヒがいるからさ〜

淡いぜ 淡すぎるぜ
放課後の平穏〜


閉〜鎖空間からで〜たいけど〜

正義のとどめさ!

(…ここは歌いたくないな。)


缶ごとカレーと千切りキャベツ
腹もちのいい山盛り食事〜

「長門のカレー」

長門はいいけど 朝比奈さん…

「あとこれを食べきれるのはハルヒくらいだな」

だけど気になることがある…

だけど、気になることはない。(ということにしておこう)


軽いぞ財布! 軽いぞ財布!
そんなに金はない〜

ちょっとまて ちょっとまて
俺のおごりの謎の小袋 ハルヒはテイクアウト〜

「お嬢様は大事にお持ち帰りください」
(って支払い俺!)

エ〜キセントリック エ〜キセントリック
エ〜キセントリック 涼宮ハルヒ〜!
433名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:27:16 ID:qtHQRQKG
>>423
GJ! 長門萌えな俺としては待ちに待った作品
434名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:39:35 ID:2M7sQ7aI
>422-423 甘露じゃw!甘露が降ってきたぞ!
435名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:46:24 ID:IYTTuZwa
>>428 >>431-432

面白すぎる!
ちょうどMP3持ってたから、聞きながら読んだら、
笑いすぎて腹痛くなったwww

これこそGJ!というべき?w
436名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:49:04 ID:zJB7hcYT
むしろNGワード設定
寒いから投下すんなやカス
437名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:50:08 ID:27v2CIpi
>>436
同意
どう考えてもすれ違い
438名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:50:26 ID:IYTTuZwa
ビミョウに続き需要あるみたいですね。
とても嬉しいです。
続きを書かせていただきます。

>>430
>最後にハルヒがタクシーのなかで号泣する話
これが気になります。
タイトルとか、教えていただくとありがたいです。
内容かぶったら怖いので(^^;
439名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:53:42 ID:IYTTuZwa
>>436-437
と思ったら、情報連結拒否ですねw
しばらく潜伏ー。
440名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:54:03 ID:zMQyIFXo
>>420 しかし、今回のオリキャラものは、99%の方だな。読んでないけど…。
441名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 17:57:08 ID:zJB7hcYT
>>438
あなたの作品に対して言ったわけではないのだが…
442名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:05:03 ID:w8AshibG
>>438
すいませんタイトルは思い出せません。
でも、確かアニメ始まるより前に書かれたSSのはずです。
多分、保管庫にあると思うのですが…。

ちなみに、被ることはありません。
涼宮ハルヒが大学でイベント系のサークルを立ち上げて、卒業後に自分で会社を設立する話です。
一大プロジェクトみたいなのが成功して帰ってみたらキョンと長門の結婚式の招待状が届いてて…
って感じなので。不安にさせてしまってすいません。
443名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:08:14 ID:Onc8ZLZ/
基本的にオリキャラ使って成功する話ではオリキャラはあくまで話のツマミ程度の役割だな。
主人公達の引き立て役、敵側の無茶苦茶嫌な奴、等々。
味方側で能力が突出してたりスカした態度してたり説教癖がある奴はほぼ100%地雷
444名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:08:17 ID:wHkzPcB8
オリキャラの異世界人が女だったら読んでたかもしれん
445名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:09:54 ID:6llUhGOo
異世界人が鶴屋さんの腹違いの妹だったら読んでた
446名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:14:16 ID:w8AshibG
異世界人が実は肉塊で、でもキョンには美少女に見える話なら読みたかった。
447名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:15:52 ID:zMQyIFXo
異世界人が未来のハルh
448名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:16:23 ID:k6D/zCu7
>>442
5-515氏「涼宮ハルヒの喪失」でOK?
449名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:18:41 ID:w8AshibG
>>448
はい、それです。
450304:2006/07/08(土) 18:25:24 ID:p8x2Bged
言っていたとおり、キョンと長門の夫婦ものが出来たので数レス貰います。
……なんか期待が大きいみたいなので、その期待に添えられるかどうか不安。
しかも、先越されたorz

じゃ、投下します。
451甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:26:49 ID:p8x2Bged

「おかえりなさい」
ドアを開けた瞬間に、聞こえる声。
この瞬間が、最近のささやかな楽しみでもある。
まるで俺が帰ってくる瞬間が判っているかのように、こいつはいつも出迎えてくれる。
俺に発信器でもつけてるんじゃないだろうかと思うほどだ。
まあ、仮についてたとしても、可愛いからよしとするがな。
「おう、ただいま」
笑いかけて、その小さな体を抱きしめる。
あの頃からあまり変わっていないように見える姿、不格好に揺れるポニーテール。
我が愛すべき妻、有希。
エプロン姿ってのがポイント高いぞ。新妻って感じが出てる。
縛ってない、下ろしている部分の髪を手櫛で撫でてやる。
有希も嬉しいのか、頬を俺にすり寄せてくる。
他愛のない、ちょっとした戯れ合い。
それだけで、俺の疲れは吹き飛んでしまう。
そんなささやかな幸福感を味わっていたのだが……
「ふぇ〜〜っっっ!!!」
赤ん坊の泣き声が聞こえた途端、有希は俺の腕をするっと抜けてってしまった。
トタトタと、奥へ走り去っていく。
玄関に取り残される俺。……泣くぞ。

452甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:27:45 ID:p8x2Bged
有希と結婚したのは、だいたい1年ほど前だ。
高校卒業と同時につきあい始め、大学を卒業する頃には、すでに同棲もしてた。
なに?ハルヒはどうしたかって?
そうそう。ハルヒ。俺と有希がつきあい始めるに当たって、一番懸念すべき人物だった。
高校を卒業する頃にはすでにハルヒの力がなくなっていたとはいえ、俺たちはちょっと知らせるのはマズいんじゃないかと思ったね。
だからハルヒには知らせずにいた。つーかSOS団員の誰にも言わなかった。
だけどな、それは間違いだったんだ。
1ヶ月もたたないうちに、ハルヒにバレた。
大学に入ってもSOS団の活動はたびたびあったんだが、その時にハルヒに詰め寄られたってワケさ。
その時の俺は、まさに蛇に睨まれたカエルのごとく固まるしかなかったね。
しかし、ハルヒは俺がだんまりを決め込んだと判った瞬間
「……キョン。あんたが何で言わなかったかはこの際どうでも良いわ。何か事情があったのかもしれないし」
でも、とハルヒが言葉を切る。
「もしあんたが、あたしとかの目を気にしていてだったら許さない。あんたは有希のことを、悩んでそれでも選んだんでしょ? それだったらあたしは文句は言わない」
真剣なまなざしが、きりりと俺を射抜いた。
「むしろ応援するわ。有希を大事にしなさいよ!」
ふいに笑顔になるハルヒ、だけどな俺には判ってたさ。
お前の握り拳が、ブルブルと震えてたことぐらいな。
俺に対するハルヒの気持ちには、うすうす感づいてはいた。
……もちろん悩んださ。ハルヒのことが好きじゃないって言ったら嘘になる。
それと同様に、朝比奈さんもだ。
だからこそ言わなかった、関係を壊したくなかった。
でも俺は間違っていた。ハルヒを侮りすぎてたんだ。
こいつは成長していた。俺が有希を選んでしまっても、笑って応援できるほどに。
それと同時に、すまなかったとも思う。
それでも、俺は有希を選んだんだ。何十回悩みなおしたって、結論は変わらない。
――――もちろん、世界が崩壊したりはしなかった。
少しばかり、雨が降ってきただけさ。

453甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:28:27 ID:p8x2Bged
そして俺が、経済的に安定し始めた頃、プロポーズした。
あの時の有希の反応は傑作だったな。
いつもの無表情がさらに固まっちまってて、さながら置物のようだったぜ。
5分間ほどたって、フリーズから立ち直った有希は
「もう1回、言って欲しい」
と聞き返した。顔が赤くなってるのが可愛いな。
「だから……あ〜……有希、け、結婚してくれないか?」
おかげさまで、こんな恥ずかしいセリフを二度も言うハメになっちまった。
多分、俺の顔は完熟トマトばりに真っ赤になっていただろう。
だが、そんな思いをしてまで、言う価値はあったもんだと思う。
次の瞬間、目の前にあった有希の顔は、路傍の、小さいけど可憐に咲いた花のような笑顔だったからな。
しかし、その次の日、さらに驚くべき事態になってしまった。
俺が会社から帰り、有希が作った旨い夕ご飯を食べているときだった。
「……話がある」
なんだ?
このパターンは何だか懐かしいなと感慨にふけりつつ、有希の言葉を待つ。
だけど、いつまでたっても有希が口を開かない。
「一体どうしたんだ? 何か言いづらいことなのか?」
何か問題でも起きたのだろうか。ハルヒの力でも再発したか!?
「……違う」
じゃあ、いったい何だ?
「……これ」
そう言われて差し出された物、何だか手帳のようだが……って、まさか!?
「母子手帳」
いや、それはわかる。
「……3ヶ月」
3ヶ月ってーと、その、つまり、出来ちゃったと……?
「……そう」

454甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:28:57 ID:p8x2Bged
その後、無事に結婚式を挙げ、待望の息子も生まれた。
そう、息子だ。俺個人的には、有希似の可愛い娘が欲しかったが。
そして、現在の幸せな暮らしに至る。
靴を脱ぎ、俺もリビングの方へ向かう。
そこで有希が息子をあやしていた。
じっと息子の顔を見つめた後、有希は服をはだけさせていく。
どうやらお腹がすいていたらしい。
俺はじっと見つめたって、こいつが何を言いたいのか判らんぞ。
まあ、まだ退院してから1ヶ月だし、仕方ないと言えばそれまでだ。
有希の表情なら、読み取れる自信はあるのだが。
手早くブラを外し、あまり育ってない胸を出す。
いや、文句を言っているわけではない。ついでに貧乳萌えってワケでもないぞ。
有希には、このくらいのサイズの方がバランスがとれているというか、まあいい。
とにかく、初めて見たときとあまり変わってないサイズの胸に、息子がしゃぶりつく。
そのまま喉をこくこく鳴らして、おっぱいを飲む。
それを見ている有希の表情は、慈愛に満ち、まさに母親って感じで。
だか、俺の方は一転、むすっとした顔である。
よく、父親は少なくとも、生まれたばかりの我が子に無償の愛情は抱けないと言われている。
日々の子育てを通じて、徐々に、我が子への父性愛に目覚めていくものらしい。
つまり、俺にはまだ父親としての自覚が足りないというわけで。
何だか有希を取られてしまったようで、ちょっとムッとしている。
確かに息子は可愛い。俺の子であるし、何より有希の子でもある。
だけどな、それとこれは話が別だ。有希だけは息子といえども渡せない。
笑いたかったら、笑え。情けなくも息子に嫉妬してるってな。
ちょっと恨みがましい目をして、じーっと息子を睨んでみる。
有希のおっぱいを貪る息子。それは元々、俺のものだったんだからな!?
わざわざ譲ってやってるんだから、父親に感謝しろ。
……なんだよ、有希。その目は?
「……睨んじゃダメ」
……はい。すいませんでした。

455甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:31:04 ID:p8x2Bged
「……あなたは、もう少しあの子を可愛がるべき」
俺の夕ご飯を片付け、息子を寝かせた有希はそう言った。
「俺は、可愛がっていると思うぞ」
一応、弁明しておこう。普段はちゃんと可愛がってるぞ?
「……わたしのことになると、途端に敵対心を出す」
うっ。図星をつく痛い言葉。
だけどな、仕方ないだろ? これは男の本能ってやつだ。
「本能?」
少しばかり首を傾げる。そんな小さな仕草も可愛いぞ。
「そうだ。自分の女に近づく男は、いくら息子といえども油断できん」
男は馬鹿なんだよ。自分が惚れた女に対してはな。
独占欲が強すぎて、アホみたいだと自分でも笑いたくなる。
それでも譲れんものは譲れん。
「……拗ねてるの?」
「断じて拗ねてるわけじゃない」
「やっぱり、拗ねてる」
「……拗ねてるわけじゃないってば」
有希が俺の隣に移動してくる。
少しかがんで、俺の頭を抱きしめて言った。
「……嘘。目を全然合わせない」
……むぅ。別に拗ねてるわけじゃないぞ。ホントだ!
ただ、有希が最近息子に尽きっきりで、構ってくれないから寂しいな〜とかは思うけどさ。
「それを一般的に拗ねてると言う」
頭の圧迫感が強くなる。
有希の心臓の音が聞こえる。それによって安心している自分に気がついた。
「……かまってほしいの?」
有希が俺の表情をのぞき込む。
その黒い瞳に映っているのは、今は俺一人だけだ。
「ああ。構ってほしい」
ちょっと恥ずかしいが、素直に言う。
ふっと有希の表情がゆるんだ気がした。
「……悪いかよ」
問いかける。首が横に振られた。
「あなたにしては、可愛いと思っただけ」
頭を撫でられた。繊細な指が俺の髪をすいていく。
雨だれが地面に少しずつ染み込んでいくように、渇いた気持ちが潤されていく。
不思議なものだ。
俺はどちらかというと、甘える方じゃなく甘えられる方だと思っていた。
だけど有希に対しては、ついつい甘えてしまう。
もちろん有希が俺に甘えてくることも多い。
それでも俺が誰かに甘えるなんて、有希に遇うまでは想像がつかなかったんだ。
ただ唯一の、俺の心の安まる場所。
もっと撫でてもらいたくて、有希の胸に頭を擦りつける。
背中に手を回して、抱きしめる。
456甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:31:50 ID:p8x2Bged
「……今日はどうしたの?」
不思議そうな響きを声に含ませて、有希が聞いてくる。
「別に何もないが……なんでだ?」
「ここまで甘えてくるのは、珍しいから」
「……たまにはいいだろ?」
「……いい」
下方向に力を込めて座らせ、そのまま後ろに倒れ込む。
抱き合ったまま、カーペットに横たわる。
柔らかくて、温かい有希。触れあってる部分から、じんわりと染みてくる幸福感。
確かに自分でも珍しいと思うほど、今日は有希に甘えたい気分だ。
「……甘えんぼ」
甘えん坊で悪かったな。だけど、今は有希のことを絶対離したくない。
有希の無表情が少しばかり甘く溶けた。
額に柔らかな感触。どうやらキスされたらしい。
触れられたところが熱を持つ。
その熱はやがて全身を巡って、愛おしさへと変化していく。
あぁ〜っ!もう! 大好きだ。愛してるぞ。
柔らかいほっぺたを擦り合わせ、その後、額をコツンと合わせる。
至近距離から見つめ合う。黒々とした瞳に吸い込まれそうになる。
と、その瞳に瞼が降りた。
心持ち唇が突き出されている。迷わず、そっとキス。
少しばかりで離れたが、物足りなくてもう一度。二度。三度。
触れあわせるだけのキスから、啄むように、そして段々と深くなっていく。
いつもより少し早くビートを刻み始めた心臓が、俺のアクセルを踏んでいく。
ブレーキをかける気はない。止まる気なんかは最初からない。
10回を過ぎたあたりで、舌をそっと有希の唇に這わす。
そっと開かれた口に、進入した。
出迎えてくれた小さな舌を見つけると、しっかりと絡め合わせる。
ピリピリと走る心地よさ。飽きそうなほどやってきたことだが、いっこうに飽きる気配はない。
むしろ初めてキスしたときと同じぐらいに、いつも鼓動が暴れ出してしまう。
慣れることなんてない。その1回1回が、新しい発見だ。
「……ふ」
有希の口から、吐息が漏れ出す。
甘い甘い、砂糖菓子のような響きに、脳が溶け出そうだ。
457甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:32:23 ID:p8x2Bged
「有希……」
服にそっと手をかけ、脱がそうとする。
「……ここではダメ」
我慢できん。
「……あの子が寝たばかり」
知らん。しばらくは息子も寝ているだろう。
「……」
ちょっとばかり困ったという表情をしたが、諦めたのだろう、力を抜いた。

こういうことをするのは、実は久しぶりだ。
数ヶ月前までは、息子が有希の中にいたからな。
それを考えると、あれこれ1年近くやってないのか。
上を脱がし、ブラを外す。
内側につけられたガーゼから、ふわりと甘い香りがした。
それと同じ香りのする有希の胸に、顔を埋める。
柔らかな膨らみに、鼻を擦りつける。
手のひらでまさぐると、染み出てくる母乳。
そういえば、これってどんな味がするんだろうな。
ツンと自己主張気味の蕾を口に含む。
口に広がるほのかな甘さ。
懐かしく感じるのは、脳の端に幼少期の思い出が残っているということだろうか。
もっと味わいたくて、ちゅうちゅうと音を立てて吸い上げる。
少しばかり息を荒くした有希がポツリと言った。
「……親子」
「なにがだ?」
「吸い方。あの子もあなたにそっくり」
む。マジか。
でもな、息子にはまだこんな芸当は出来ないだろう。
一旦口を離し、舌先だけで蕾を突っつく。
唾液に濡れた桜色が、俺のテンションを少しずつあげていく。
そうやって少しばかり焦らし、突然ねっとりとしゃぶりあげる。
458甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:32:51 ID:p8x2Bged
「……っ」
舌で転がすように味わうと、有希がピクリと小さく跳ねた。
このまま延々と胸に吸い付いていたくなるが、それでは先に進まないので我慢する。
舌で雪のような肌を辿りつつ、下も脱がしていく。
ショーツを脱がすとき、にちゃり、と音が聞こえた。
俺も手早く上を脱いでしまう。
太ももを丹念に撫で回し、裏を通って段々内側へと。
そうやって期待を高めておいて、でもその部分はなかなか触ってやらない。
まるでむずがるように、有希が体を捩らせる。息は浅く、せわしない。
それでもなお焦らしていたら、じっと恨みがましい目で見つめられる。
悪い悪い。有希があまりにも可愛いから、ちょっといじめたくなってしまうんだ。
お詫びの気持ちを込めてキスをする。同時にそこへとようやく指を進めた。
「……ぁっ」
もうだいぶ濡れている。ニチャニチャ、ヌルヌルと指に愛液が絡んでいく。
これならもう、大丈夫だろう。
ズボンを蹴り脱ぎ、隆々とそそり立つ俺のモノを、有希の入り口にあてがった。
「行くぞ、いいか?」
コクリ、と首肯が返ってくる。
ググッと腰を進める。合わさり慣れた二つは、一発でかみ合った。
細く、熱い息を二人同時に吐く。
いつもならすぐに動きたくなるところだが、今日は何だかそんな気分ではない。
有希を抱き寄せ、動くことなくじっとしている。
戯れるようにキスを繰り返し、体をピタリと合わせたまま。
それだけで十分だった。
欠けた物が一つになった感じだ。充足感と安心感が全身を包んでいく。
温かい有希の中。緩やかな締め付けが、背中にチリチリとした感覚をため込んでいく。
そうだ。これが俺の求めていたことだ。
有希と肌を重ねることによる、一体感と満足感。
何も言わなくたって、考えていることが相手に伝わるような、そんな穏やかな気分だった。
きっと有希も、そう思ってくれているという確信があった。
それ自体が幸福で、何物にも代えられない物。
有希と出会い、こうして側に居れることが、この世の奇跡。そう思えた。
459甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:33:25 ID:p8x2Bged
唇を寄せ、その後ゆっくりと動き始めた。
「んぅ……」
久しぶりなだけあって、有希の反応もかなりよかった。
とろんとした目は恍惚としていて、吐息は甘く、切ない。
有希がゆるゆると俺に絡みつき、時折きゅうと締め付ける。
そのたびに呻き声を上げそうになる。
長年かけて知った弱点を責めるたびに、ぴくんと律儀に反応を返してくれる。
やがて俺も耐えきれなくなってきて、だんだん動きが速く、激しくなっていく。
有希も、わずかながらも腰を振って、俺の動きに応えてくれる。
壊れるぐらい強く抱きしめて、舌を絡め合わせる激しいキスをして。
その間俺は、「愛してる」とか「大好きだ」とか陳腐な言葉しか並べられない。
言ったって俺の気持ちが全部伝わるワケじゃないのに、溢れ出す有希への思いが、思わず口を動かしてしまう。
そんな拙い、こぼれる俺の思いに、有希は頷いて返してくれる。
最後のあたりには、互いの名前しか呼ぶことが出来なくなっていて。
でも、それが一番互いの距離を縮める呪文だった。
……ぐぅ。そろそろ……限界……だ……
それを迎える前に、ふと思い出したこと。
「有希……」
なに?と濡れた瞳が聞き返してくる。
「次はな、お前に似た可愛い娘を、孕んでくれ」
「……っ!」
その言葉を紡ぎ終えると、俺は一際強く、最奥へと打ち込んだ。
有希の体が強ばる。ぎゅぎゅぅと、中が一層激しく締め付ける。
俺は今まで溜めてた物を、想いとともに吐き出した。

460甘えんぼ:2006/07/08(土) 18:35:06 ID:p8x2Bged
「……カーペットが、ぐしょぐしょ」
「う……悪かったって」
行為を終えて暫く経って、落ち着いた頃、有希が恨めしそうに睨んできた。
「……洗濯しなければならない」
「だから、ホント悪かったって」
本当にそう思ってる?と、黒い瞳に責められた。
……仕方がない。
「わかったよ。明日になったら一緒に洗濯しよう。そんで、終わったら息子も連れて図書館か公園にでも遊びに行こう」
そう提案すると、有希は一瞬目を丸くした後
「……そう」
とつぶやいた。
その横顔が、どこか嬉しそうに見える。
「明日、晴れると良いな」
俺の呟きは、息子の泣き声にかき消された。



その数ヶ月後、俺の望み通り、有希があの手帳をまた俺に見せてきたのは、また別の話。
……今度は、娘らしいぞ。楽しみだ。


(終わり)
461304:2006/07/08(土) 18:36:26 ID:p8x2Bged
以上です。拙い文章ですが感想くれると嬉しいです。
では、長文失礼しました。
462名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:44:43 ID:MZWSKl7u
>>461
テラ萌えた
長門かわいいよ長門
子供設定もいいけど2人っきりのラブラブ新婚設定のSSも読んでみたい
463名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:49:42 ID:2M7sQ7aI
>461
ハルヒSS読んで初めて"嬉しくて"泣けた。
あの二人からの幸せのおすそ分けというか、あ〜もう言葉にならん。
出来ることなら有希の出産に立ち会ってパニくったキョンのSSを読んでみたい。

いいもの読ませてくれて本当にありがとうございました。
464名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:50:38 ID:zkVDA3Fn
>>438
それって5−515涼宮ハルヒの喪失のことか?
465名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:54:07 ID:upiN5qb7
嫁ハルヒに嫁長門はあるのに何故嫁小いず…もとい、嫁みくるは無いんだ…?
需要か?需要が無いからなのか?
466名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 18:56:45 ID:oDnPkJq9
みくるは未来人だから、話の辻褄合わせるのが難しいんじゃね?
467名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 19:04:56 ID:w8AshibG
スクールデイズみたいな愛憎劇がみたい。
サブキャラ巻き込んで孕み孕ませ。
挿しつ刺されつ、日常が狂気に歪んでいくセカイ系。
468名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 19:12:18 ID:xQhS4pPu
>>467
スクールデイズって2GBの修正パッチのあれかw
469名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 19:12:59 ID:lb3nyrxy
嫁みくるだと(小)じゃなく、(大)とのラヴラヴになっちゃうしな
470名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 19:21:21 ID:w8AshibG
それか、涼宮ハルヒの退屈を紛らわすために、
主流派・急進派・穏健派が宇宙人(TFEI端末)をでっち上げて人類に対して宣戦布告する話とか。
バリバリ戦争モノを…
471名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 19:40:37 ID:cERy8Eas
>>470
それは、ぶっ飛びすぎて
オリキャラ並に諸刃の刀だ・・・
472名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:07:50 ID:4Uu36usu
相良軍曹がでてくる一発物は?w
473名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:12:30 ID:8Of4q3c1
ぶっちゃけ長門よりハルヒ派の俺は最近のキョン×ハルヒ傾向に嬉しい悲鳴。
474名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:17:58 ID:h7aBvfSL
想像してみて下さい






長門と遊園地に行ってジェットコースターに乗ろうとして
身長制限で足止めを喰らう図
475名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:19:22 ID:w8AshibG
身長制限て確か130以下とかじゃなかったっけ?
長門は150以上はありそうな気がするんだが…
476名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:21:29 ID:zr4Yq6jC
アニメ設定では154らしい
ソース長門スレ
477名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:21:34 ID:AYcFPI2b
>475
長門(小)
478名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:25:08 ID:qKBUbr5S
130以下なのはどう見てもキョン妹です
479名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:25:14 ID:8Of4q3c1
>>475
朝食を抜かせば小さくなるので無問題
480名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:30:51 ID:1pSKaehj
>>475
アニメ版の身長対比表で
数字が解っているのは下記。
谷川がチェックしているのかどうかは不明。

国木田 166cm
谷口 170cm
キョン 170cm
古泉 178cm

みくる 152cm
長門 154cm
ハルヒ 158cm
鶴屋 160cm
朝倉 160cm

なお、

文部科学省 各種統計情報(平成17年度学校保健統計調査)
ttp://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/h17.htm

によると、

今の高校生の平均身長は

男子
15歳 約168cm
16・17歳 約170cm

女子
15〜17歳 約156〜157cm

ぐらいだそうな。
481461:2006/07/08(土) 20:44:30 ID:p8x2Bged
思ってたより、好評でよかった。
今回の目的としては、甘えるデレキョンと甘やかす長門が書きたかった。

>462
萌えたと言ってもらえると、かなり嬉しい。
今回、ちょっとした仕草に萌えを入れるのが目標だったので。

>463
泣いたのか!?ありがとうございます。
キョンはパニくるのもありだが、むしろ愕然フリーズでもありかなと思ってたりする。

>480
朝比奈さんより長門のが高いことに納得いかない俺がいる。
482名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:50:49 ID:pxXZvLF1
涼宮ハルヒの喪失、よく考えられてるなーと思う。三人称視点っぽいのもまた合っている。
あのSSを読むたびにもうハルヒが可哀想過ぎて胸が締め付けられるorz
救済としてあの続きでハルヒが攻勢に打って出る三角関係修羅場モノを読んでみたい
あんまり救済になってないけど。
483名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 20:56:22 ID:qKBUbr5S
>>482
それは救済になってない、むしろ惨めになる。
だから、ハルヒ好きな俺は脳内で夢オチとして完結させてる。
484名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 21:00:05 ID:p8x2Bged
>>482
ああいうのは、ああいうのなりの良さがある。
俺だって「長門有希の喪失」で泣いた。
だけど俺は、あそこからハルヒとの三角関係に持ち込むようなことはしてほしくない。
「涼宮ハルヒの喪失」も、ああいうラストだからこそ良作なんだと思う。
485名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 21:09:20 ID:D0THrnFm
ポッギーはあれで終わりじゃないよね?

続きがあると信じて毎日ここに来ているんだが…
486名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 21:16:15 ID:zr4Yq6jC
あ、俺もポッキーの続き待ってる
487名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 21:20:44 ID:zTtg7y4J
>>485-486
ゴメンよ(;´Д`)
488名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 21:21:35 ID:eE4reMdS
お、おれもボッキーの続き楽しみに待ってる。
489名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 21:23:27 ID:B75iHFH0
俺も俺も。
490名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 21:24:17 ID:w8AshibG
オブスィーンサークルまだー?
491名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 21:51:41 ID:5e5c5KtD
ボッギーキボン
492名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 21:53:24 ID:zTtg7y4J
ところでボッキーって言うなよ、勃起みたいで卑猥だから

だからポッギーにしたんだよw
493名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:07:52 ID:QcoihsaK
オリキャラの説明に「最強」ってはいっててドン引きしちゃった…
494名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:08:14 ID:n7fyFso8
>>492
いまさらですが、ハルヒの世界は現実と同じ世界ということになってるはずなので
わざわざ変えなくてもポッキーでいいと思うのですがどうでしょう
495名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:11:03 ID:2M7sQ7aI
>461が思ってたよりもレスポンスの数が少ないかもしれないけど、
この世界観を生かした続編(時間軸は高校〜出産前)を首長くして待ってます。
496名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:11:49 ID:zTtg7y4J
>>494
本物の商品名出しちゃって大丈夫かな?
細かすぎるか、それも。おk、ログと次からのはポッキーにしとく。
497名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:15:35 ID:liDw6kpO
このオリキャラもんはすげえw
498名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:33:29 ID:uVRdB6JR
一応名乗った方がいいんだろうか……七夕前夜の者です。
職人さんが来るまでのつなぎになればと、小ネタ投下します。
単にキョンと長門でコントがしたかっただけ。


『Nの消失』


 文芸部部室のドアをノックすると「……」という返事なき返事が返ってくる。
 おかしいな、と思いつつも部室に入ると、案の定――いや、今回に限っては何故か長門がいた。
「長門、お前だけか?」
 無言で首肯。肯定の動作。
「というより……えーと……なんでいるんだ?」
 数秒間。俺の言葉を理解しようと試みていたようだが、やがて首を傾げて疑問の動作。
 さて、伝えていいものか迷う。その発言をした直後、このSSはメタネタとしてしか機能しなくなるからだ。
 まあいいや。一行目の「返事が返ってくる」で日本語は破綻しているっぽいし、言ってみなければネタにもならない。

「いや、このSSのタイトルが『Nの消失』だから、てっきり長門(Nagato)消失モノかと」

 その旨を伝えると、長門は全て合点がいったといわんばかりに「そう」と頷いた。
 そして俺に何やら意味ありげな目線を送ったのち、読んでいた本を傍らに置きパソコンに向かった。

 しばらく待機。

 長門の「こっちに来い」という視線に誘われて、俺も長門の隣からパソコンのディスプレイを覗きこむ。
 映っているのは検索ページで、検索キーワードのスペースには漢字三文字が打ち込まれていた。
「たに、かわ……りゅう? なんだこりゃ」
「違う」
 何がだ。
「りゅう、ではなく、ながる」
「……で? そのタニカワナガルがどうしたって?」
 俺の疑問には答えず、長門は検索を実行させる。数件ヒット。
 しかしどれも「この谷の小川の渓流は……」など部分的に引っかかっただけで、一つの熟語としてのヒットは一件もなかった。
 何がしたいんだ。
「消失したのは、わたしではなく、谷川流」
 ちょっと待て。
「その谷川とかいう……人、か? いったい何者だ。ハルヒの関係者か?」


「彼は『涼宮ハルヒ』シリーズの原作者」


 ……そんなメタな。
499名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:34:30 ID:3TXr4+2h
オリキャラは氏ねばいいのに。
500名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:35:40 ID:+4/6FU38
そんなメタな
501名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:35:42 ID:zkVDA3Fn
女性キャラなら許すがなww
502名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:36:10 ID:uVRdB6JR

「涼宮ハルヒは現状に満足している」
「これは彼女が現状を維持したいと望んだ結果」
「いずれシリーズに終止符を打つと思われる“作者”が消失した」

 そうか、Nagaru Tanigawa だから『Nの消失』か。
 ……新人類だな。
 っと、イニシャルネタはどうでもいい。
「どうするんだ? そりゃ作者がいなければ終わりも来ないだろうが、代わりにこの先何も起きんぞ?」
 どうみても本末転倒です本当にありがとうございました。

「打開策はある」
 長門が次に表示したページは、
「……“保管庫”?」
「ここには『涼宮ハルヒ』シリーズの二次創作が多数保管されている」
 なるほど。それで?
「SSの書き手がいる限り、わたしたちの活躍は終わらない」

 ……。
 俺たちの冒険は始まったばかりだ!【完】
 みたいなこと言われても。
 というか長門さん、テンションがおかしくありませんでしょうか?

「この中から最終回を選ぶことも可能」
 まさか、登場キャラが最終回を選ぶ時代が来るとはな。民主化の煽りか。
「わたしはこれらの作品をトゥルーエンドとして推奨する」
 トゥルーて、どこでそんな言葉を覚えてくるんだ。良い子だから人前で使うんじゃありません。
 しかし、このサイトをブックマークに入れてたり、お気に入りの作品をピックアップしてたり……
 長門、お前いつからそんな子になったんだ。

 長門イチオシの作品群を流し見している最中、俺は日本全土のどの活火山よりも元気に何度も吹いた。
 ちょwwwwおまwwwww
 どれもこれも俺と長門が結婚してたりニャンニャンしてたりする話ばっかりじゃないか!
「住人はそれを望んでいる」
 どこのだ。
「今、このSSを見ている住人も、そういう展開になだれ込むことを期待している」
 するな。というか、どこから見ていやがる。
 まさかあの本棚の隙間か? 日頃から朝比奈さんの着替えシーンを覗こうとして長門の頭部で邪魔されてたりするのか?
 とにかく今の長門のテンションは危険だ。何やら視線が熱っぽいし。
 部室から逃げ出そう――として、俺は壁に激突した。
 ???デジャヴ???
 ドアが無い、窓も無い。加えてこの強烈な既視感。何度も経験したような記憶があるあ……ねーよ。史実的には一度だけだ。
「この空間はわたしの制御下にある」
 ちょ、待て長門。二番煎じは良くないぞ長門。
 何より、キャラが違ってきてるぞ長門。
「それは、仕方の無いこと」

「二次創作だから」
 
 そこまで開き直ることはないだろう。キャラの微妙な違いも二次創作の醍醐味というものだ。
 しかしこの展開は正直カンベンしてほしい。心の準備というものが……うわ、長門、服を脱ぐな抱きつくなくぁwせdrftgyふじぉ
 

 ――谷川さん、早く帰ってきてくれ。
                                    おわりますん。
503名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:38:16 ID:8Of4q3c1
斬新。
504名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:38:55 ID:U+poXVkL
>>496
NHKじゃないんだし商品名だろうが商標だろうがOKですよ
会話だしね。ここ。
505名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:39:01 ID:jOnGd7fm
>>465
嫁みくるが書けないのは内面の描写が直接的にしろ間接的にしろ、
まだ不十分だからじゃないだろうか。
ぶっちゃけ以前ここの作品にもあったがこの人の好きはライクなのか、
ラブなのかよく分からん。
506ジョン・スミス:2006/07/08(土) 22:39:20 ID:P0j55yz5
>>498
イヤ〜、
こりゃ一本取られたッス。
長門ッチかと思いきや、
谷川先生だったとは。
いやはや、驚きマシタ!

507名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:49:29 ID:vjosJNz5
>>506
age荒しは死ね。
508名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:51:57 ID:liDw6kpO
この板では、寝取り寝取られ物の扱いはどうなってるのかわからない。
全く見ないからダメってことかな?もしくは注意あれば問題ないのか…。
509前スレ260:2006/07/08(土) 22:54:05 ID:OVbxS+Qh
>>前スレ724
1週間ほどPC使えなかったので遅くなりましたがGJ!
自分が妄想していた要素が全て入っていたばかりか、それ以上に萌えさせて頂きました
510名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:55:29 ID:w8AshibG
寝取られ総合スレあるからそっちにやるか、
或いはNG指定事前にしてから投稿すればいいよ。

俺は寝取られ大好きっ娘だけど。
511名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:56:49 ID:zTtg7y4J
寝取る人が古泉ぐらいしか居ないのがな…ん、谷口か?それとも国木田か?
512名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:57:35 ID:zkwIkVOW
未来の自分とかジョンを騙る者
513名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:58:50 ID:cX2lKYNt
谷口や国木田は、どういうシチュに持っていけば寝取れるのかわからん。
むしろ朝倉さんに長門を寝取られるとか、鶴屋さんにみくるを寝取られるとか
514名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:58:52 ID:wLIuKRh7
>>511
谷口視点で、中学時代のハルヒをジョンに寝取られるとかはどうじゃろか?
515名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 22:59:47 ID:liDw6kpO
書き手じゃない。人気作にしては少ないんだな。
516名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:00:45 ID:p8x2Bged
>>513
じゃ、その流れだとハルヒは阪なk(ry)
517ジョン・スミス:2006/07/08(土) 23:01:02 ID:P0j55yz5
>>508
注意書きをしとけば見たい人は見て、
見たくないひとはとばせるから
いいんじゃないッスカ?

あと、>>507
うるさい。
人の感想に対してイソイソと
イヤガラセ書くのやめろよ。ウザイ。
正直、貴様の方が荒しだろうが。
貴様は、ココの作品を見てなんとも思わんのか?
思ったことを素直に書いて何が悪い。
貴様も感想の一つや二つぐらい
書いてみろ。
518名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:07:08 ID:oDnPkJq9
>>517
とりあえずsageてくれ
やりかたはわかるな?
519名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:07:58 ID:w8AshibG
別に人の感想に文句言ったわけじゃないと思うがな。
どうでもいいが。本当にどうでもいいがな。
とりあえず、sageとこうか?
520名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:08:28 ID:ixvJ98L9
>>517
感想は必要だと思うがメール欄に半角で「sage」を入れて
カキコする程度のことがどうして出来ないんだと小一時間。
521名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:10:24 ID:k8kMTpmI
>>520
お前やさしいな
522名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:11:33 ID:xYvPgUWO
お前ら相変わらずだな
523名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:12:36 ID:72jkLE+O
>>502
埋め用の小ネタ並にライトだけど、なかなかのお話になってて好き。手馴れた味どうも。
524名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:13:42 ID:B75iHFH0
>>519,520
そう言われたくてやってるんだろーから、構ってやるなよ。
525ジョン・スミス:2006/07/08(土) 23:13:50 ID:P0j55yz5
>>520
いや、まぁ、
・・・・・・スイマセン。
526名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:14:59 ID:GA6Mr6EF
志村〜全角は無効全角は無効
半角
527名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:15:13 ID:Ls4sKaDX
>>525
528名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:16:01 ID:+4/6FU38
お前らとことん優しいんだな
529ジョン・スミス:2006/07/08(土) 23:17:13 ID:P0j55yz5
おい、>>524
誰もそんなこと望んでねーよ。
むしろスルーしてくれたほうが楽だ。
530名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:17:30 ID:w8AshibG
かなりといいジョン・スミスといい、コテが叩かれる理由がよく分かるな。
531名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:17:42 ID:zY+yVrsI
21歳以上にもなって半角と全角の違いもわからないんですか
532名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:17:46 ID:pKio2v0Y
本当に謝るべきはID:vjosJNz5に対してなんじゃないのか?
533名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:21:37 ID:kQso0HZB
この人は前さげろって言われてキレてたからポリシーがあってあげてるのかと思ってた。
534名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:23:40 ID:gBjS3ERU
谷口「お前の涼宮の扱い方イエスだね」



ブレンネタ・・・・・・・
535ジョン・スミス:2006/07/08(土) 23:24:51 ID:P0j55yz5
ID:vjosJNz5
自分勝手なことバッカ言って
スイマセンでした。
536名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:25:58 ID:KUNsQFyi
別にただスルーすればいいんじゃないのか。
俺も昔たんに知識がなく叩かれたときはへこんだからな
537名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:26:05 ID:oDnPkJq9
ヒント >>526
538名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:26:44 ID:YBVGpsBl
そんなことより379の続きを熱望
539名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:27:00 ID:pKio2v0Y
ID:P0j55yz5はわざとやってるだろコレ…
540名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:27:32 ID:IRMbPeao
専ブラでNG登録してるからあぼーん連発に何が起こってるかわからんw
541524:2006/07/08(土) 23:28:17 ID:B75iHFH0
ageが嫌われるのってちゃんと理由があるねんで?
それを再三文句言われつつ毎度毎度やってんだから、そう思いたくもなるわ。
まあ真性荒らしじゃなかったってのは少しホッとせんでもないが。
542名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:28:24 ID:liDw6kpO
暇な人多いんだな。だったらさ、みんなもSS書こうぜ!いいじゃん処女作。
三行だけ書いたところなんだが、たぶん見たら失禁する。
543名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:28:56 ID:w8AshibG
>>536
癌は治療しなきゃ悪化するわけで…
544名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:29:38 ID:Ls4sKaDX
>>542
そんな事は無い。
出来上がったらこういってくれるさ
『谷川仕事しろ』
545ジョン・スミス:2006/07/08(土) 23:32:06 ID:P0j55yz5
>>533
今はポリシーとか無しで
皆さんの意見を聞き入れようと思いました。
しかし、捨てたわけでは有りません。
自分の思ったことを素直にいう、
それがオレのポリシーです。
546名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:32:10 ID:eE4reMdS
まあ、今時sage云々でそんなに叩かなくてもいいんじゃないかと。
>>506の内容自体はまともだし。
547名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:33:58 ID:8Of4q3c1
あと、節々をカタカナに変換するのはやめようかw
ひらがなで書かないと締まりが無い。ヒクヒクっとな。
548名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:34:00 ID:N37P22H9
なんでsageをしないことに拘るのか三行で頼む。
549名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:34:29 ID:+4/6FU38
>>545
とりあえず、今の君のはsage(全角)だからsage(半角)に直してくれないか?
550名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:35:18 ID:B75iHFH0
……しかしsageを全角で書いて結局ageてる辺り、やっぱりワザとやってんじゃないんだろうか、こいつ。
546の言う通りほっとくのがいいのかね。
551名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:36:36 ID:zJB7hcYT
だからほっとけって
552名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:36:58 ID:U+poXVkL
>>8とかの発言を見るときっと中学生だ。
さあ餓鬼はこの21禁の板から出て行くんだ。
553名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:37:37 ID:w8AshibG
救えねぇ…
554名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:39:05 ID:Ls4sKaDX
とりあえず今の問題はageやsageじゃなくてそのゴタゴタのせいで職人さんが投下しづらい雰囲気を作ってることじゃないのか?
と言ってみるテスト
555ジョン・スミス:2006/07/08(土) 23:39:53 ID:P0j55yz5
>>552
失敬な!
俺は中ぼうじゃねぇんだよ。
童心を忘れてないだけだ。
556名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:40:57 ID:+4/6FU38
はい、ここでその話題終了
557名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:41:54 ID:z0xg6Ip0
寝取られは実にやりにくそうだ
キョンに近づくみくるとかをハルヒ危機感からが無意識に谷口あたりとくっつくように仕向けたりとか
558名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:42:02 ID:FPQ0zaCp
>>555
じゃあ小学生か。つーかコテやめろよ。
もう一人のほうもそうだが来るだけで
雰囲気が悪くなってることにいい加減気づけ。
559名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:42:06 ID:eE4reMdS
>>555
お、空気読んでくれたな。
長いものに巻かれとくのが一番だよ、意固地になっても仕方ないしな。
560名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:42:59 ID:zTtg7y4J
>>554
職人…と自称して良いかはさておき、書き手の一人がマジレスしますよ、と。
流れが悪けりゃ流れを切って、流れが良けりゃ流れに乗る。作品を投下するってのはそういうもんだと思ってる。
だから投下しづらい雰囲気だとか空気だとか、そんな事は杞憂なんじゃないかな。
561名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:45:08 ID:cERy8Eas
喋らなければ、可愛いんだがな・・・
562名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:46:30 ID:zJB7hcYT
こんな空気で投下しても感想ももらえずスルーされる
中には感想が欲しい職人だっているんだから、雰囲気は大事だと思うよ
563名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:50:37 ID:eE4reMdS
感想貰えないのは、まじでつらいんだよな。
読むのは一瞬だけど書くのは大変、
俺の場合は他の書き手さんが投下してなくて、みんながSSを渇望してる瞬間を狙ってる。

……感想ほしいしな。
564名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:52:41 ID:w8AshibG
ろくな感想貰って無いオリキャラの人は果たして続けていくのだろうか…
いっそ女キャラなら…
565名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:54:17 ID:KUNsQFyi
何か暗くなってきたわね…。
よしっ!あと10分足らずで日付も変わるしそこではすべて忘れるってことでいいわね!
これは団長命令よっ!!
566名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:54:48 ID:liDw6kpO
ハァハァ
567名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:54:51 ID:FCW8nRKr
つ【脳内で伊藤を♀キャラに変換】
568名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:57:23 ID:YA6WNh8E
スレが伸びてるから新たに投下されてる
と思って見てみれば・・・
569ジョン・スミス:2006/07/08(土) 23:58:04 ID:P0j55yz5
なんか俺のせいみたいで、
皆さん、スイマセン。
570名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:58:05 ID:w8AshibG
日付変わる前に言っとく。

オリキャラってのは何か聖域を侵害された気分になるんだよな
正規キャラと絡めるなど作品自体に対する冒涜だと、俺は考える。
571名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:58:14 ID:FCW8nRKr
あ、アンカー忘れてた。>>567>>409>>501へのレスね
572名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 23:58:45 ID:72jkLE+O
伊藤って誰? オリならまとまってからじゃないと、分かりづらくて読めない
573名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:01:55 ID:kQso0HZB
ハルヒとキョンの暗くて現実的な結婚生活の話を少し書いたんだけどどう?
574名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:03:14 ID:GA6Mr6EF
>>545
志村志村〜〜>>526>>526
575名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:04:29 ID:FFQGTN7f
>>498
そんなメタなwwwww

やべー自分でも訳分からんくらいツボに入った。
お前さんに俺的18章お笑いMVPを進呈する!
576名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:04:33 ID:aH7JfSS8
>>570 ご立腹だなぁ
577名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:04:44 ID:Zm0wS1NB
>>573
バッチコーイ
578名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:07:44 ID:mdz6MXFz
私とキョンが結婚してから十年がたつ。
私とキョンは大学は別になってしまったが社会人になってから行われた高校の同窓会で再開した。
私は仕事も順調で、男から言い寄られることも多く、オフの生活も充実していた。
でも、しがないサラリーマンになっていたキョンを見たとき、なんてゆうか
昔淡く寄せていた思いが結実して、この人のことを支えてあげたい、そう思ったのだ。
しかし時がたつにつれ、私の心にはやるせない後悔の念ばかりがつのる。
そもそもこうして家庭に落ち着いてしまうような平凡な人生こそ私が嫌い続けたものだった。
なぜ私は刺激的な人生を捨ててしまったのだろうか。
あの時キョンを見たとき感じだような強い愛情はいまはもう感じることはなかった。
私が勤めていた会社は時代の波に乗り急成長した。後輩だった子は重役にまで上り詰めていた。
たしかに仕事は続けていいとキョンは言った。しかし私は彼をなおざりにしたくはなかったし、
生まれるだろう子どもとの時間を大切にしたくて専業主婦を選んだ。
しかし実際、なおざりにされたのは私のほうだった。キョンの帰りは遅く、いつもへべれけになって帰ってくる彼を介抱して一日を終える。
期待していた子どもはなかなかできなった。そのうちキョンはうんざりしてしまってセックスの回数も減っていった。
夫婦の関係が冷え始めた。やっと妊娠した時、キョンはとても喜んでくれて私はとても嬉しかった。
子どもができれば昔のような二人に、仲のいい二人に戻れる。そう思っていた。
しかし待ち望んだ子どもを私は流してしまった。キョンは口では私をいたわる台詞を言っていたけれど
その目はもう私に何の興味もないようだった。かつては美しさでキョンを引き止めておける自信があった。
しかし誇りにしていた美しさも化粧品を買う余裕もない家計では保つことなど不可能だった。
私は年相応以上にふけてしまった。そんなある日曜、家でだらだらしているキョンの部屋を
掃除してやっていて、ふと机の上の携帯が振動しているのに気づいた。
私はいけないと思いつつ手をとってしまった。そしてそうしたことを後悔した。
聞き覚えのない女からのメールが着信していた。
579名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:11:32 ID:WJn7rhMf
>>578
連投規制?
なわけねーよな?
580248:2006/07/09(日) 00:14:10 ID:AWgQjpXZ
 えー、多種多様な「風邪とお見舞い」の感想。まことにありがとーございました!

 ハルヒ×キョンのssが増えつつある今日この頃。非えろーす路線で恐縮ですが・・・。
もう一本、というか視点違いのssをつらつら作成してみました。
 
 もし良ければ、ご覧くださるとこれ幸いです・・・今度は文章構築、うまくいくといいん
ですけどね・・・(大汗)
581名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:14:25 ID:mdz6MXFz
ごめん回線変だ。さえぎっちゃっていいです
582風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 00:15:43 ID:AWgQjpXZ
予兆らしいものはあったと思う。多分、昨日の夕方のことじゃないかな。

 SOS団の定期課外活動。いつもの喫茶店でのくじ引きを引いてパートナーを決める事になった。
この日は結局二回ともあたしが印入りでキョンは印なしをひいた。なんかムカつくのは何故かし
ら?まぁそこは関係ないわね。

 結局その日は、あたしと有希とで不思議探索をすることになった。

 その日はまだ結構寒冷前線が頑張ってくれてるみたいで山おろしも冷たかったし、何か意地で
もキョンの馬鹿の鼻を明かすような不思議を見つけてやると気合をいれて走り回った。がんばっ
って必死に走り回り、結局いつものように珍しい体験は何もできず・・・。

 んで、翌朝。

 あたしの場合、風邪はまず真っ先にセキからやってくる。セキがとまらなくなったら次に熱。
もうこうなると最悪。ちょっと立ち上がれない場合も珍しくない。

 最近はこんな風に風邪を引くこともなかったのに。なんでだろ?気でも緩んでいたのかな?

 
 ホームヘルパーとあたしはあまり折り合いがよろしくない。親父と母さんは新しい仕事が余程
面白いらしく仕事の虫になってて、ここ半年以上は電話越しに話すことしかない。

 定期義務である親父への電話・・・といっても仕事中だから留守電サービスに繋がるんだけど・・・
をぱぱっと済ませる。

 たかが風邪で動けなくなるなんて、ホント。

 最近のあたしはどうかしてるわ・・・SOS団の活動、どうしよう・・・。



 遠くでホームヘルパーのおばさんが、こっちに極力近寄らないように、詮議しないように仕事
をしてるらしい気配だけがわかって癪に障る。金目当てのおせっかい。正直ちょっと鬱陶しい。

 ・・・風邪にかかるのも、久しぶりかな・・・。

 小さいころ、小学校低学年のころはあたしもよく季節の節目に風邪をひいた。でもその頃から
両親は仕事が大好きになって「ハルヒは偉いから一人でも大丈夫だよね」と言うようになった。

 

 一人で寝込むのが嫌だから、風邪だけはかからないようにしたのに・・・不覚だったなぁ。寝台
の枕にぱふっと顔を埋めて、しばし時間の過ぎるのを待つ。
583風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 00:16:35 ID:AWgQjpXZ
・・・SOS団、大丈夫かな?

 ・・・いっしょに走り回った有希は、風邪とかひいてないかな?

 ・・・昨日あの馬鹿と組んだみくるちゃんと古泉君は今日どーしてるんだろう?


 ・・・キョン、今ごろ学校かな・・・。




 ・・・・・・・・・寂しい、なんて考えたのは気の迷いよ。でも・・・一回考えてしまうと、もう抑えが
まるで効かなくなってしまう。

 そんなときの、あたしなりの気分転換。枕もとの棚にひとつだけある鍵つきの引出しを開け
ると、そこには小さな額に入れた、どっかの馬鹿の間抜けた寝顔が写った写真が入ってる。

 なんか、こんなのでもさ。眺めてると気がまぎれるのよね。

 別にキョンなんか・・・どーでもいい筈なのに。まぁあれよ!毎日毎日背中を見てたりするし
日常風景の一幕としてキョンの姿があたしの日常に刻まれてるから、見ていないと落ち着かな
いとか、そう!そういうものなの!


 ・・・ってあたし誰にモノいってるんだろ。ホント、なんか馬鹿みたい。でもまぁ、折角だした
ものをいちいち仕舞うのも面倒だし・・・ほかに見るものが手近にないし。まぁ眺めててあげるわ
よ。暇つぶし程度にはなるでしょ、こんなのでも。


 ちなみにあたしの部屋には、結構な数の偉大なるSOS団の活動の記録写真とかが飾られてる
わ。やっぱり、日々の積み重ねをこうやって目に届くところにおいて歴史を確認するのは大事な
作業だとあたしは思うわけよ。


 その写真の大半に、あの馬鹿の間抜け面が写ってるのは・・・偶然、そう!偶然なの!大体あいつ
は毎回毎回あたしの傍で溜息ついたり苦笑いしたりやれやれとか生意気な事をいったり全然あたし
のいう事を素直に聞かなかったりするし!

 みくるちゃんとか有希には意味ありげな視線を何気に向けてたりするし!・・・あれ?何か今ムカ
ついたわね?何でだろ・・・まぁいっか。
584風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 00:17:27 ID:AWgQjpXZ
それにしても・・・正直に言うわね。

 あたしは昔から、この風邪が大嫌いだった。

 風邪で倒れると、完治するまでどこにもいけない。

 誰も、そばにいてくれない。「ハルヒは強い子だからだいじょうぶ」って、両親は言ってる。

 ただ静かに流れる時間。ひとりぼっちの部屋。ホームヘルパーの気配ももうないみたい。や
っつけ仕事ね、馬鹿ばばぁ・・・っ

 ・・・こうやってると、なんか。あたしはたった一人でこの世界の中に取り残されたんじゃない
か?なんていう考えが浮かんじゃう。

 あれ?アレ?・・・あれ?

 何か・・・胸が苦しい・・・目頭が熱くなって・・・寂し・・・あたし・・・寂しくな・・・ん・・・か。



 いつのまにか、あたしは眠ってしまっていたらしい。なんかすごくやな夢を見てたような気
がする・・・。ヤダ、汗まみれじゃないもう最悪!

 手早く着替えて汗でぬれた前の寝巻きと下着を一階の脱衣籠にポンと入れる。途中に見えた
ホワイトボードの文字は『本日の業務、特に異常なし』…。やっぱりボンクラね、あのおばさ
んは。あたしは風邪ひいてるのに、四川料理を山と並べても食べられるわけないじゃない。

 あー。でも風邪薬飲むならなんか食べないといけないんだろうな・・・でも、なんか何も食べた
くない・・・こりゃ重症ね、あたし。ふらつく足を懸命に動かして、なんとか二階に戻ろうとする
と・・・。

 
 インターホンのなる音が聞こえた。ついでスピーカーから聞こえてきたのは・・・。

 「すみませんー。俺、ハル・・・って違う!涼宮さんのクラスメイトの者ですけど」

 
 ・・・え!?やだ、嘘!?

 この声・・・まさか、まさかほんとにキョンなの!?信じられない・・・あたし、寝惚けてるのか
な?それにもしかしたら良く似た声の他人かもしれないし・・・。

 息を吸い込み、できるだけ落ち着いた声であたしはインターホンに話し掛ける。
585風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 00:18:16 ID:AWgQjpXZ
「…キョン…?」

 「ああ、まぁ何だ…ほれ、昼に携帯に掛けても繋がらなかったから気になってな?」

 昼間の携帯?・・・もしかしたら、あたしがいつのまにか寝てたときに?ってそんな事いってる
場合じゃないわね?キョン、どうやってあたしの家の住所を知ったのかしら!?

 内心の動揺を悟られたくないから、一息深呼吸した。それからできるだけ平常心で言葉を掛
ける。さすがに門前払いってのも・・・馬鹿キョン相手でも酷ってもんだしね。ウン。


 「…外は寒いから、入ったら?アンタ馬鹿だから風邪なんかうつりそうも無いし」

 
 その後、内側のキーロックにパスコードを入れて門の開錠を済ませてから、七面倒な玄関の
ロックをかちゃかちゃかちゃんと外して行く。毎回思うけど、警戒過剰なのよ。まったくもう!

 で、玄関をあけて外に突っ立ってる相手を見たとき・・・嬉しいって思ったのは、風邪のせいよね?


 「ボーっとしてないで入ったら?」

 「あ、いや。ハルヒ。ほれ…いきなりクラスメイトとはいえ男が女の家に上がりこむとご家族
のほうが色々とごた付きはしないか?普通は」

 「…ホームヘルパーなら午前中で帰ったわ。親父も母さんも仕事の都合で今香港。別に気兼ね
することもないでしょ?…一人で寝てるのも…つまんないだけだし」
  
 
 あたしは淡々と事実を交えて説明する。そしたら、目の前のキョンの表情が変わった。心底から
の驚愕の顔色に。
586風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 00:18:57 ID:AWgQjpXZ
「…って待て!看病とかしてくれる人は居ないのか!お前病院はきちんと行ったんだろうな?」

 「…関係ないでしょ、そんなの。風邪なんかそんな大げさにしなくても寝てたら治るし、親父も
母さんも忙しいし、こんな瑣末事で看病なんかされてもアレだし…」


 あたし何いってるんだろ。こんな事情の説明なんか馬鹿キョンにしたって何も意味もないのに。
でも、言葉はどんどん続いていく。

 
 「仕方ないじゃない。親父も母さんも忙しいんだし、娘が風邪ひいた程度のことで足引っ張る訳
にもいかないんだし、アタシは強いんだから一人で居ても寂しくなんか…っ」


 言葉の最後のあたりで、ついに抑えてたセキが止まらなくなった。苦しい、息がうまくできない。
でも、セキのせいだけじゃない。

 あたし、もしかしたら今。寂しいって思ってて・・・それで涙、出ちゃったのかも・・・。

 そしたら、そしたらね・・・キョンの奴。信じられない事をしたの!
 
 目の前でわざとらしい態度で携帯を取り出して・・・こんな事をいってるのよ!?

 
 「あー、悪い。俺だけどさ・・・うん。

 クラスメイトが風邪をひいてて、そいつ一人で家の中で寝込んでたから、軽く看病していくので
少し帰りが遅くなるんだわ。飯は取っといてくれるとありがたいけど・・・ああ。わりぃ、んじゃ」

 瞬時に顔が赤くなる、な・・・なんで勝手にそんな事決めてるのよ!?あーどうしよう?風邪の
せいだって思ってくれるよね?
 
 あたしが軽くパニくって顔真っ赤だなんて、この馬鹿キョンは気が付いてないわよね!?


 「セキは見て大体わかったが…熱はどうだ?」
 「…そりゃ風邪引いてるんだから、少しはあるに決まってるでしょ?」

 今、キョンとだけは視線合わせられない。もし万一にキョンの目を見ちゃったりしたら・・・。
あたしは今世紀最悪の醜態を晒しかねない。キョンの目の前で・・・泣いちゃうかも知れないから
587風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 00:20:28 ID:AWgQjpXZ
すたすたと自室へ戻ろうとして・・・あたしはひとつ、とんでもない事を思い出した。

 今のあたしの部屋の中には、我がSOS団の活動の記録映像の写真が大量に掲示されてる。その
写真のほぼすべてには・・・キョンの姿が写ってる!そんなのこいつに見せたりしたら・・・ああ!
もう!想像なんかしたくないわよそんな大醜態!

 当然のように付いてこようとしてるキョン。その前でぱたと足を止めるあたし。一瞬、沈黙。


  「…どうした?ハルヒ」
 「…ここがアタシの部屋だから」
 「そっか、んじゃお前はとっとと寝とけ。熱が上がったら本末転倒だろうが」


 「…ちょっと外で待ってて!アタシがいいと言うまで絶対にドアあけちゃ駄目よ!無断であけ
たら死刑だから!」

 今のあたしにできるだけの渾身のパワーでドアをバターンと閉めて、キョンの奴を廊下に締め
出す。急がないとまずいわ!コルクボードにまとめて掲示した記録写真はボードごとまとめてこ
のクローゼットの奥に仕舞って・・・あ、これあたしの日記帖!間違ってもあの馬鹿にだけは見せた
くないわっ!写真立てごと纏めて枕もとの施錠可能な棚にぽんと投げ込む。

 もうすぐ30分以上たっちゃう・・・よし。なんとか間に合った!見られたらまずいものは全部偽装
成功!ぐっじょぶよ!さすがあたし!・・・さて、もう呼んでも大丈夫・・・よね?

 「は…入ったら?そこでアホみたいに突っ立ってるだけってのも何だし」


 ドアをあけてそう声を掛けてやると、キョンの奴は苦笑しながらあたしの部屋の中にやってき
た。あ・・・携帯の履歴。まだ見てないかも・・・。話、適当にあわせないと・・・。

 昼過ぎに見たあの最悪の夢とか、ひとりぼっちの世界に迷い込んだような妄想とか・・・。

 なんか、こいつにだけは知られたくないなって、あたしは思った。
588風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 00:21:02 ID:AWgQjpXZ
些細な会話だと思うわ。特に珍しい大発見があるでなし、第一今あたしが話してるのは即興で
考えたカバーストーリーなんだから。

 間違ってもさっきまで、すごく寂しくてどうにかなりそうだったなんて言いたくないし。

 でも、あたしは。すごく気になった・・・だから、ちょっと聞いてみたくなった。

 
 「……キョン」
 「……なんだ?」

 「…迷惑、じゃ、なかった?」


 「病人は病人らしくしてろ。気にすることじゃないってんだろう?
俺は勝手に押しかけて勝手に看病してるんだ、繰り返すが気にするな。調子狂うだろうが、ハルヒ」


 もう限界。絶対今の顔だけは見られたくない!風邪よ!風邪のせいで顔真っ赤になったのよ!
毛布を頭まですっぽり被って顔を隠す。氷嚢を取りにいくために部屋から出ていくキョン。

 その背中に・・・ほんのささやき声程度。あたしは声を掛けてみた。

 「ありがとう」・・・って。
589名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:23:24 ID:PeGBMzjd
支援要るかな?
590風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 00:24:48 ID:AWgQjpXZ
 と、構文関係のエラーとかをできる限り殺ぎ落としたハルヒ視点の「風邪とお見舞い」
を書いてみました。キョン視点とはできるだけリンクするように描写をしてみたつもりです。

 うまくハルヒの一人称らしくできてりゃいいのですが・・・好評なら、続きも考えてみますね。

 追伸:ハルヒ×キョンssの職人さんたち、がんばってくださいなー!
591名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:26:11 ID:OAQAZtN5
>>590
ちょwwwwこの後はwwwww
続き続き!!
592名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:26:31 ID:kmiC+6Lp
GJ。
ハルヒ視点も実にイイ感じです。
続き希望!
593名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:27:10 ID:HtsNnhCH
やはり、上手いですね〜。
ハルヒっぽいツンデレオーラが感じられる逸品です。
次の作品も期待しています。
594名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:27:26 ID:aH7JfSS8
>>590 ハルヒ視点でエロ書いてくれ。出来たら神っ
595名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:29:17 ID:uk7CPgkw
>>590
めがっさGJ
朝までの展開を激しくplz!
596名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:30:32 ID:Zm0wS1NB
>>590
生殺しか!GJ
597そんなメタな。:2006/07/09(日) 00:31:52 ID:tOM+8e0n
>>575
有難く頂戴しますw

感想くれた人も胸の内に秘めた人もどうも有難うございます。
何となく尻込みしてて、日をまたいでレス返すのもなんですが。
俺は日頃ロム専だが、このスレはすぐに落ち着きを取り戻してくれるから居心地いいよ。

>>風邪とお見舞いの人
文章量もさることながら、男視点と女視点両方できるのは素直に凄いと思う。
羨ましいですw
598名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:32:14 ID:cQnmN6r6
ハルヒが「ちょっとキョン、冗談やめて・・・」とか教室の隅っこにおいやられた状態で諦めたように言ったら
多分地球が壊れるくらいの破壊力あるんじゃないかなと思うんだ
599名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:33:07 ID:cQnmN6r6
すまん、ハルヒスレと間違えた
600名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:34:55 ID:7dHgbVy2
キョンのフラグの折りっぷりに脱帽。
もしかしたら俺たちも立ったフラグを折りまくっているかも知れ……





んなわけねーな
601名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:36:57 ID:mdz6MXFz
>>578の続
電話帳で検索してみる。ご丁寧にもプロフィールまでしっかり登録されている。
私は怒りに震えた。見なかったことにしようと思い、携帯を閉じようとした。
しかし少し気になることがあって見返してみた。・・・!この生年月日だとこの女は中学生ということになる
中学生が相手になら啖呵をきってやろうと思った。どうせ金を渡せれているだけだ。
しかってやればいい。私は強気になった。その女に家から電話をかけてやり、今日すぐ会う約束を
とりつけた。帰ったらキョンにも問いただしてやろう。中学生を買ってるなんて幻滅だ。
しかし電話をかけたとき少しおかしいと思うことがあった。それは声に聞き覚えがあったことだ。
近所の喫茶店に私は彼女を呼び出した。ずいぶん待たせる。ルーズな子なんだなあと思いつつ
窓から通りの景色を見ていた。そのとき懐かしい顔をみつけた。・・・みくる・・ちゃん?
通りのむこうからみくるちゃんがこの店にむかって歩いてくる。おかしい。なにせ
彼女はあの時のままなのだ。高校生の時の若い彼女のままなのだ。見間違いかと思った。
いやあんなにかわいい子はそうはいない。しかもよく見ると彼女は私の母校東中の制服を着ている。
混乱した。目を何度もこすっているうちに彼女は店に入ってきた。そして私に会釈すると私の席のほうに歩いてきた。
まさか・・予感は的中してしまった。
「お久しぶりです。涼宮さん。」そのしゃべり方は間違いなく朝比奈みくるだった。
602名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:37:03 ID:C4gzNYyX
>>600
気づいていないだけd・・・いや、この話はよそうw
603名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:40:05 ID:mdz6MXFz
ここでいったんやめます なんかうまい人はさんじゃった・・・
604名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:42:55 ID:PeGBMzjd
とりあえず埋め用ネタとして書いてたのを今になって投下します

コネタ 借り物競争 ハルヒ編

秋も深まりつつあるようで肌寒い風が俺の肌に当たり鳥肌を形成していく。
こんな季節に何で体操服でいるかというと、体育祭だからだ。 全くをもって度し難い。
ちなみに俺たちSOS団は、先ほどのクラブ対抗リレーでぶっちぎりの優勝だった。 長門、不思議パワーを使うなら言ってくれ。
午後の部に入り、俺は自分の出る種目を全部走り終えテントの下で呆けていた。 もう1年分くらいは走ったぞ。

『次は全学年個別参加による、借り物競争です』
というアナウンスが流れ、入場門から走者が入ってくる。 ちらほらと見たことのある顔があるのは気のせいではあるまい。

各走者がレーンに入ってその中に見覚えのあるブルマ姿の女性が見えた。 いわゆるハルヒだな、あれは。
呆気にとられてる間に拳銃の音が鳴り、走り出した。 あれの正式名称はなんていうんだ?
最初に飛び出したのはハルヒだ。 さすがスポーツ万能なだけはある。 3年生よりも速いって…
ハルヒの勝ちを確信した俺はとりあえず自分の水筒のお茶を飲もうとした時、
「キョン! ちょっと来て!」
人がお茶を飲んでるのにいきなり大声で呼ぶな。
「何だ? 水筒か?」
「違うわよ。 いいから一緒に来なさい!」
ハルヒは力任せに俺を引っ張った。 痛ぇじゃねえか!
「うるさい、これで負けたらアンタバニー姿でグラウンド10周よ!」
それはイヤだ。
「じゃあさっさと行くわよ。 ほら走って」
分かったからもう少し貴婦人が風で飛んだ帽子を追いかけるように走ってくれ。
「何言ってんのよ。 あぁ、抜かれちゃうじゃない。 急ぐわよ!」
何とか俺を引っ張ってクビ差で1位になったハルヒはそれはもう晴れハレな笑顔になっていた。
「よくやったわ。 これでSOS団の地位と名誉も守られたわ」
「そいつはよかった。 で、紙には何て書いてあったんだ?」
「そ、それは『バカ』ってかかれてたのよ」
「そうかい。 それならいいんだがその手には何を隠してるんだ?」
ハルヒはあわてて手を後ろに隠し、
「いいから用は済んだんだから早く戻りなさいよ!」
蹴りを入れられた俺は、刻の涙を見ながらテントに戻った。 なんだったんだよ…


どう見てもベタです。 本当にありがとうございました。
605名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:42:57 ID:TGh+mHpv
>>603
そんな落ち込まなくても
どういう展開になるのか続きを首を長くして待ってるよ
606名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:43:15 ID:aH7JfSS8
朝比奈さんは何しに来たんだ
607248:2006/07/09(日) 00:43:45 ID:AWgQjpXZ
 と・・・なんか反応が多い!?んじゃ、ちょろんとノートパッドで書き書きしてみます。
キョンサイドの時は推敲なしの一発勝負だったので、その汚点をハルヒサイドで補填できたら
いいかなーとか考えてはいますが・・・いますが・・・。

 サイドHなので、えろーすにも挑戦すべきですか?やっぱorz

 >603様
 いえいえ、お気になさらず!ハルヒ視点同士がんがりましょぉ!めがっさ期待してますからっ!
608名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:48:20 ID:CRa/RZpR
少し時間ができたので、小ネタを投下させていただきます。
この流れの中で、あえて長門の話です。1レスです。
609ながとさん:2006/07/09(日) 00:48:54 ID:CRa/RZpR

「……」
「……なあ、長門」
「なに」
「何か、席が移動してないか?」
「気のせい」
「……そうか」
「そう」
「……その姿勢、本読みづらくないか?」
「問題ない」
「……そうか」
「そう」

「……今日、暑いよな」
「摂氏33度」
「そうだよな。すごく暑いよな」
「……」
「……」
「……ふー」
「いや、違うんだ長門。俺は別にお前に扇風機になって欲しいわけじゃないんだ」
「……ふー、ふー」
「違うんだ。別に強風にしろってことじゃないんだ」
「……ふ〜」
「違うんだ。首振り機能の有無について文句があるわけでもないんだ……いや、もういいから。本読んでてくれ」
「わかった」

「……なあ、長門」
「なに」
「何で俺の服を脱がせてるんだ?」
「……暑いから」
「そうだな。たしかに暑いもんな。でもな、俺の服を脱がせても、お前は涼しくならないんだぞ」
「……」
「待て。違うんだ。お前も脱げって言ってるわけじゃないんだ」
「……」
「違うんだ。さらに俺を脱がせと言っているわけでもないんだ……長門、本はどうしたんだ?」
「読んだ」
「いや、まだ半分しか読んでないだろ?」
「……」
「……」
「……ふー」
「それはもういいから」
610名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:50:30 ID:XEDhFh1p
>>609
ちょっと不覚にも萌えたw
611名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:51:20 ID:PeGBMzjd
>>609
笑い萌えたw
612名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:52:09 ID:mdz6MXFz
>>606
俺は朝比奈さんは別に技術の進んだ未来から来たんじゃなく、かなりの近未来で進んだ技術を持った集団から送られてきたって解釈
(つじつま合わないノベルあるかも)をしているので・・・
613名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:54:13 ID:u3g7M8zE
>>609
( ゚∀゚)<ふー

( ゚∀゚)<ふー、ふー、

(゚∀゚≡゚∀゚)<ふ〜



すまんかった。
614名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:03:33 ID:7h3QyYY3
鶴屋さんをバックから貫くキョン。

快感に打ち震える鶴屋さん。

彼女の乱れる長い髪を見て、ふとポニーテールにしたらと考えるキョン。

バックで貫かれたまま早速実行する鶴屋さん。

そのあまりの素晴らしさに凄まじい勢いで膨張するキョンの愚息。

それを感じて今まで以上に乱れまくる鶴屋さん。



ちゃんと書こうとしたら難しかったので要点だけ書いたにょろ!。完成したら投下するけど、別の人が書いても全く構わないっさ!

615名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:06:31 ID:mdz6MXFz
べ別にあなたに書いて欲しいんじゃないのよ!完成したら絶対投下するんだから!
616名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:06:56 ID:TLApKYoG
>>604
ベタGJ!
617名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:17:40 ID:vsASvgsb
キャラスレがお勧めエロパロスレになっとる。
もうやめとけ。
618名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:18:49 ID:mdz6MXFz
えっどういう意味?
619名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:19:34 ID:TGh+mHpv
誤爆と思われる
620名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:28:44 ID:kChVwLoU
現代版「3びきのこぶた」
とりあえず出だしだけ投下。完全ギャグのアナザーストーリー。 
                                        語り 古泉一樹

いつの時代の事でしょう、ある海沿いの街に3人の兄妹が住んでいました。
3人の名前は、上から順に長男のキョンくん、長女のみくるさん、次女の有希さんです。
3人はみんな仲良く助け合って楽しく暮らしていました。

しかしある時、集中豪雨によって発生した土砂崩れで家が全壊してしまいました。
3人はたまたま市街地に買い物に行っていたので無事でしたが、
帰ってきた時、家のあった所に土砂が流れ込んでるのを見た3人は大変悲しみました。

そこで3人は新しい家を建てることになりました。
しかし、どんな家を建てるかを決める際に3人は揉めに揉めたのです。

 「まずどんな家を建てるかが重要だ」
 「あのう、場所も重要だと思います・・・」
 「・・・マンションに入居した方がセキュリティ的にも機能的にも安全」
 「でもマンションは地震が来たときに揺れるからな」
 「倒壊の危険性は少ない」
 「とりあえず崖っぷちやその下、あと海沿いも避けた方が良いと思います」
 「じゃあ3人がそれぞれ家を建ててみるのはどうだ」
 「それ良いですね!」
 「私もそれに賛成する」

こうして3人はそれぞれ家を建てる事になったのです。
とり合えず3人それぞれが自分の好きな場所に好きなように家を建てて暮らし、その後改めて議論するというものです。
621名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:29:24 ID:UTOd2KqK
>>618
長門スレで誰かがエロパロ貼って「イマイチ」と言われたら、何人かが自分のお薦めを貼りまくってる。
622名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:36:05 ID:mdz6MXFz
623名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:40:32 ID:N3bRcV5t
>>609
長門かわええ(*´Д`)gj
624古泉一樹の奮闘:2006/07/09(日) 01:45:52 ID:4cjHT7qm
三年半前の七夕。半年前の俺が三年半前のハルヒに出会い、一ヶ月ほど前の
俺がこれまた三年半前のハルヒに叫ぶといった時間的に器用なことをやらか
して、三年半前のハルヒにSOS団発足のヒントを結果的に与えてしまい、俺
にとってはちょっとした「運命の日」である。

一週間前、朝比奈さんと長門と共に時間移動して自分を助け(といっても実
際のMVPは長門だが)自分で自分の救世主となり先延ばしにしてきた大仕事を
ようやく終え、当分はタイムパラドックスに怯えて行動しなくてはならない
時間移動に巻き込まれることもないだろうと安堵ていたわけだ。あれがある
ときは決まって大事となり、さらに酔うからな。

で、だ。俺は現在、三年半前の七夕にいる。「現在」なのに「三年半前」と
読み手を混乱させるような話だが、ここは是非許容して欲しい。そのうち慣
れるさ。俺は慣れた。ただ一つだけ慣れていない……というよりは気に入ら
ないことがある。それは、



「おや、浮かない顔をしていますね。僕でよければ相談に乗りますよ?」



なぜか朝比奈さんでも長門でもなく、このパーフェクトニヤケ顔が俺の隣で
楽しそうに立っていることである。暑いから引っ付くな離れろ半径十メート
ル以内に近寄るな。
625名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 01:47:52 ID:4cjHT7qm
ちょっと古泉が時間移動する話が書いてみたかっただけです。
いまは反省してる。ごめんもうしない。
626名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:15:30 ID:0INuRaLS
>>601の続きは無理。ありがとうございました〜
627248:2006/07/09(日) 02:17:14 ID:AWgQjpXZ
 多分・・・推敲は最低限できたと思いますが・・・。

 お待たせしました。サイドHの完成版書きあがりましたーぃ。投下してokでしょうか?
とりあえず、あまり過度のえろーす成分は含まれていないのでそっち方面の期待は禁物
でおねげーいたしまするーorz
628名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:18:44 ID:94yUUzjr
まってました。
ばっちこーい!
629風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 02:18:45 ID:AWgQjpXZ
もうはっきり言い切るわね。

 あたしは今、ほんとに自分が白昼夢でもみてるんじゃないのかって思ったわ。
 
 だって、さっき片付けた日記帳の中に・・・あたしが気弱になった時に書いた妄言の中に・・・これ、
絶対にありえないわよと思い込んでいた一文があって。
 
 その文章の中身が「キョンがあたしに優しくしてくれるとイイナ」ってもんだったんだから。

 いっそ、今起きてることは夢!とかいうなら・・・スッとするわよ?ほんとよ!?絶対に夢だった
ことに落胆なんか感じないわよ!ってホントあたしって今だれに向かって喋ってるんだろ?

 自己批判すると・・・やだ、ただの馬鹿じゃないのもう!この内心だけは、死ぬまで絶対キョンに
だけは内緒の内緒!もし何かの手違いで内心で思ってることがキョンにばれたら・・・ああ!もう考
えただけで頭ん中ごっちゃごちゃになるじゃないのっ!?


 と、あたしが心の内側での葛藤とか動揺をなんとか片付け終えた頃・・・ふと、あたしは今この状
況がどんなものなのかに気が付いてしまった。すなわち・・・。


 観衆も他の団員も家族の目もない。ほんとのホントの意味で。

 あたしとキョン、今この家の中で二人っきり・・・なんだ。

 「・・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」

 その事実を自覚した瞬間、もう目の前が真っ赤というか真っ黒と言うかそんな色に染まるほど
に一発で頭に血がぶっ飛んでたちのぼってったわ。もう光の速度も真っ青な速度で顔中見事にま
っかっか。あたし一体どーなってるのよもうっ!?

 熱のせいでも風邪のせいでもない・・・そこのとこは認めざるを得ないわね、もう。

 心拍ばっくばくだし全身カッカして熱いの何の。別にあたしはキョンから視線でエネルギーを
受け取ったりしてない筈なのにっ!もう何なのよ一体・・・とか考えてた矢先。


 部屋の中に満ちてるのは、あたしの鼓動と身動きに合わせて擦れる毛布の立てる音・・・だけと
思った所に。

 唐突に新しい音が生まれた。

 軽いノックがこんこんと二回。ドアの外でどっかの馬鹿の深呼吸。そして・・・。


 「ハルヒ、俺だ。入っていいか?」

 「……っ!ま…ちょっと待ちなさいっ!」

 何!?今あたしなんでここまでパニくってるの!?何で今キョンの顔をみたら、自分が自分で
わかんなくなるくらいにごっちゃになって泣き出しちゃいかねない!とか考えてるの!?
 もう自分で自分が良くわかんないっ!これは全部・・・そう!風邪!風邪のせいなの!

 必死に呪文のように、「これは風邪のせいで起きた気の迷い」って言葉をおまじないのように
くりかえす。これで少しでも落ち着かないと・・・あいつに泣き顔なんか見られた日にはもう!末代
まで語り草になるほどの超大醜態をさらしちゃうっ!落ち着け・・・落ち着けあたし!
630風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 02:19:27 ID:AWgQjpXZ
「…氷嚢取ってきたんだが…まぁ、入れるようになったら声掛けてくれ」

 今のこの動揺が収まる前に、キョンに話し掛けるだけの勇気は・・・なんか知らないけど。

 まったく、起きなかったりしたわ。・・・すこしそこで待ってなさい、馬鹿キョン!


 結局、あたしがとりあえず鼓動を落ち着かせるまでの間に結構な時間がかかっちゃったのは。

 まぁ、仕方が・・・ないの、かな?氷嚢、溶けちゃってなかったらいいけど・・・。


 「もう良いわよ、入んなさい」

 極力努めて、普段のあたしの口調でドアの外のキョンに声を掛ける。そうするとすぐにキョン
が手にタオルに包まった氷嚢を持って入ってきたわ。結構な時間たってるのに、律儀に氷嚢を手
で持って待ってたのかしら・・・だとしたら、悪い事したかも?

 「ほれ、とりあえず頭冷やしとけ。…飯食えるだけの食欲はあるか?」
 「…ん、なんか…あんまりないかも」

 これにはスムーズに返事ができた。だって・・・食欲がどうこう言ったって。いくら味自体が絶品
でも、あのやっつけ仕事のおばさんが用意したモノなんか、美味しく食べられる状態じゃないし。

 『だから、気にしないでいいわよ』

 と、あたしが心の声を構文して、そのままの台詞を口に出そうとした矢先。

 あたしは、妙な違和感に気が付いた。キョンの様子が少しおかしい。なんと言うか・・・妙に芝居
じみた口調になってる?いったい、なんのつもりなんだろ?
 そう思い、怪訝な顔になる直前・・・キョンはこんな事を言い出したわ。

 
 「そっか。だがな…なにも食わないまま薬を飲むのはかえって身体に毒だな、ハルヒ」
631風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 02:20:03 ID:AWgQjpXZ
「…何が言いたいのよ、アンタは?」

 「まぁ、なんだ…お前の家のヘルパーほどの腕はないし、普段のお前ほどに料理達者でも何でもないのは確かだが、
俺も普段から妹の風邪の看病とかで結構こういう時の風邪ひき用のメシの作り方くらいは知ってるつもりだ」

 「……だから?」

 「ついでに言うと、俺も慣れない道をチャリ飛ばして走ったり色々あって腹が減ってる。このままじゃ俺は家に帰り
着くためのエネルギーも途中で使い果たして目をまわして倒れるかも知れん」

 「……っ!?」

 ちょっと!?何関係ない事を言ってるのよ!それにその視線はなに!?まるで・・・普段みくるちゃ
んに向けてるような、後・・・学祭の後のある日の昼休みにあたしが見たことのあるような、その妙な
・・・いえ。

 すごく暖かくて、やさしい気持ちになれるような視線は・・・?

  

 「まぁ、なんだ。俺もここでお前と一緒にメシ喰ってくわ。という事だ。作るのは俺だから味には期待するな?」


 もう・・・その言葉がとどめになっちゃったと思う。

 涙腺のダムが、今の一言で木っ端微塵に決壊して・・・洪水寸前までにたまり切ってた涙の奴が、もう
あとからあとから溢れて来る・・・この顔だけは、キョンに見せたく・・・ない、のかな?

 どっから湧き上がるのか良くわからない、胸を焼くような暖かさとか顔真っ赤になるような衝動
とかがごっちゃになって・・・あたしは声を殺して、毛布の中で泣いてしまっていた。


 ・・・らしくないわホントに。これじゃまるで子供みたいじゃないの。
632風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 02:20:48 ID:AWgQjpXZ
悲しくも寂しくもないのにどんどん湧き上がって塞き止められない涙の奔流が収まるまでに、結
構な時間がかかっちゃったと思う。でも、今泣いてる時の気持ちは・・・嫌いじゃないと、思うわ。

 さてさて・・・あたしがなんとかこのヘンチキリンな泣き虫モードからかろうじて通常の心理状態
・・・じゃないけど、とりあえず最低限の落ち着きを取り戻した時に、部屋のドアがノックされて、
それからがちゃかちゃ何かの瀬戸物がぶつかるような音がした後、ドアが開いて・・・。

 キョンが、両手で大きなお盆を抱えて。その上に小さな土鍋を二個。あと机の上の点心を数点小
皿にとりわけて入ってきた。やだ、なんかキョンの顔も・・・ほんのり、赤くなってない、かな?


 「ほれ、俺も腹が減って死にそうだ。かといってお前が食わんのに俺だけがバクバク喰うのも気が引け
る。っつーことで、喰え、ハルヒ」


 ぶっきらぼうな口調とは裏腹に、丁寧に食器を枕もとまで配膳してきてから、キョンも床の上に
トレイから取り上げた自分の土鍋と小皿を取り分けて置いた。

 あ、これ・・・レンジで作れる手抜き粥ね?きちんとお粥くらい作れないのかしら?ちゃんとご飯を
ほぐしてからレンジに掛けたらまだ少しはバレにくいのに・・・ちゃんとご飯散らしてないからすぐに
手抜き粥ってわかっちゃうわ。味付けも塩とダシ入り醤油適量の・・・ちゃんとしたものでもなんでも
ない、超絶ダメダメのお粥なのに。

 恐る恐る匙ですくって、口にした時。

 味覚は「正直及第点にも届いてない味」だと言ってたのに。

 なんか、もうものすごく美味しく感じたわ。きっと・・・空腹は最大の調味料なのよ。間違いないわ。


 なんと言うか、味覚では及第点以下の味なのに妙に美味しく感じられた手抜き粥をあっという間に
食べ終えた後、キョンが用意してくれた適度な温度になったお白湯で薬を飲んで・・・。

 その後、あたしは何とはなしにいろんな話をキョンにしてた。
633風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 02:21:32 ID:AWgQjpXZ
話が全部終わっちゃったら、きっとキョンは帰っちゃうから。

 そしたら、きっとまた一人ぼっちの時間がやってきちゃうから。

 パワーは普段の3割減程度になっちゃってるけど、あたしはひたすらキョンに色んな話をしていた。
メインは日々の活動の回想録とか、最近のお勧め不思議スポットについてとか、まぁ、そんな内容
だったと思うわ・・・内容に付いては、正直良く覚えていないのよね。

 と、そしたらね?

 あたしの話を聞いてくれてたキョンがね?

 ・・・すごく、イイ笑顔で。すごく、暖かい視線で。

 あたしをじっと、眺めてたの・・・視線がぶつかって、また息が詰まる・・・嫌な気はしないけど、これ
正直、ちょっと戸惑う、かも。
 だから・・・あたしはこの動揺をごまかすためにこんな事を言ってみた。

 「…って、キョン?何ニヤけてるの?アンタ元々二枚目って顔して無いんだからニヤけ顔だと間抜けに
見えるわよ?」

 とたんにいつもの「やれやれ」って顔になるキョン。その反応の流れとかも、今のあたしにはくす
ぐったく感じて・・・。

 内心の動揺を隠したくて。あたしはぽふっと枕に身を沈めて見せた。目を閉じて、このどこか心地
いいドキドキを胸に秘めたままで息を整えてみる、すると。

 「やれやれ…」

 って・・・!?

 いつものお決まりの台詞をつぶやいた後。どこかひんやりしてて、でも意外に男らしく大きな手が。

 ポニーテールにはまだ足りてない長さのあたしの髪に触れて・・・手櫛でもしてるみたいに、何度も。

 キョンは、あたしの頭を撫でてくれた。


 何なのよ、もう!それ、完全に反則じゃない!・・・なんでそんな暖かい目であたしを見るの!?

 なんで、そんな・・・あたしをそんな目で、こんな風に見守ってくれるの?
634風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 02:22:06 ID:AWgQjpXZ
・・・もう自分の気持ちが、どうにかなっちゃったんだと思う。


 キョンの手をすばやく握って、思い切り手前側に引き倒して・・・体勢を崩したキョンの胸板に額を
押し付けるようにして・・・のこった手で背中をぎゅっと強く抱き止める。

 こうしたら、こうしたら・・・泣いてる顔だけは、見せずにすむから。

 涙が溢れて来る。悲しくもないのに、泣きそうな気持ちが止まらない。抱きとめたとこから感じ
るキョンの体温が暖かくて、キョンがここにいることが嬉しすぎて・・・。

 「…おい!?ハルヒ!?」

 泡を食ったような声を上げるキョン。でも、今だけは離したくないな・・・顔を見られたら、泣い
てるの丸わかりだし・・・。そしたらね?

 「…落ち着くまで、お前が寝付くまで。今晩くらいは付き合ってやるさ」

 そう言って・・・キョンの手が・・・あたしの肩に回された。もう口から心臓が飛び出すか、そのまま
胸の中で心臓がパンッと破裂するかとおもっちゃったわよ!

 「…うっさい。馬鹿キョン…っ!知った…様な…こ…っ」

 あぁ、ダメ。もう涙が止まらないし頭の中ぐるぐるで考えも纏まんないし。ちゃんと台詞もいえ
なくなっちゃってる。
 あたしがそうやって軽くパニくってると・・・キョンの言葉が聞こえてきた。
 

 
 「きつけりゃきついって言っていい。泣きたい時は泣きゃいい。甘える相手が欲しい
なら、まぁ何だ…傍にいる相手をちっとは頼れ」

 
 傍に・・・いる・・・あいて?

 頼って・・・いいの?ほんとに?

 「強いあたし」でなくっても・・・いいの?

 もう、この言葉が完全にとどめだったわ。頭の中がまっかっかになって・・・あたしはこんな事を
口にしてたの。
635風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 02:22:40 ID:AWgQjpXZ

 「キョ……。風邪の、せいだから」

 「そっか」
 
 「あたしは今日、風邪で体調を崩してて、もう調子狂いっぱなしなんだから」

 「そっか」

 「だから…気の迷いだから。これは」



 逡巡も躊躇も何もない。甘えたい時だから『傍にいる相手』を頼って、いいんだよね?

 全然、流儀もなにもない全力でのキス。唇だけ合わせるだけなんて・・・もう、絶対に無理。

 キョンのすべてを感じたい。キョンから色んな物をもらいたい。
 
 甘えていい、んだよね?あたし・・・もう我慢、しないよ?いいよね?神様?イイよね?キョン・・・。



 
 煌々とした月明かりが妙に綺麗な、綺麗な夜の出来事。
 
 このまま時間が永遠に続けばいいなんて考えたのは・・・きっと、あたしだけじゃ無いわよね?キョン。


 

 さてさて、こっからは完全な余談になるわ。

 キョンは朝方早くに、いそいそとあたしの家から帰って行った。多分思うんだけど・・・。
 
 キョンはきっとこの時に、あたしの身体から風邪の素を奪って行ったんだと思う。なにせその日の
昼下がりにはあのキツかった身体の倦怠感も熱もセキも、綺麗さっぱり消えうせてたんだから。

 んで、その日の昼下がりの事。
636風邪とお見舞い・サイドH:2006/07/09(日) 02:23:14 ID:AWgQjpXZ
馬鹿が風邪ひかないってのは俗説ね。もう間違いないわ。だって・・・キョン、なんかダルそう。

 多分、この風邪はあたしからキョンがもってったモノ・・・だよね?

 あたしは別に特別どうこうとか言うのは無いわ?でも・・・なんというか、借りをつくりっぱってのは
この涼宮ハルヒ的には、どうしても耐えられないのよ!

 だから、あたしは旧館の渡り廊下を歩く途中で。無記名の腕章を壁に押し付けてから手早く
自分の新しい役職名を記載して、一時だけ団長の座から一歩ひく事にした。

 『超看護婦』涼宮ハルヒ。うん!悪くないわね、コレ!

 SOS団の部室の中、あいつは今、間違いなくここで伸びてるわ・・・呼吸を整えて・・・せーのっ!

 ドアを思いっきりバーンって押し開けて、勢いよくあたしは部室に飛び込んだ!

 
 「…この馬鹿キョン!無茶して活動参加してぶっ倒れたらあたしの管理不行き届けになるじゃないの!」

 管理不行き届けの団長ってのも締りが無いから・・・完治するまで、面倒くらい。

 きちんと見てあげるわよ!この超看護婦にまっかせなさいっ!
637248:2006/07/09(日) 02:25:52 ID:AWgQjpXZ
 以上ですー・・・文法上の乱れとかその辺はできる範囲で補正したつもりですけど
まぁ、また長文で読みにくいのは勘弁してやってください凹○<コテン

 もしまぁ、こんなノリでいいのなら・・・次は長門ネタをひとつやってみようかと思ってます。

 え ち ぃ く な ら な い 危険は高いですがorz ではでぁ、感想などあれば
よろしくお願いします(ぺこん
638名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:26:39 ID:OAQAZtN5
おk、GJ!
639名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:27:31 ID:uk7CPgkw
起きててよかった!
GJだ!!
640名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:27:56 ID:TLApKYoG
>>637
GJ!大丈夫、エロなしでも勃起させてもらったよ。
一つ聞きたいんだけど「ハルヒが長々話をしてた理由」とかってキョンサイド書いた時から考えてあったの?
641名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:28:29 ID:hJLjPHa8
肝心のシーンが!シーンが!ぬぁぁぁぁぁあ
642名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:28:47 ID:mraoDaAg
gj神乙
643248:2006/07/09(日) 02:30:04 ID:AWgQjpXZ
 >640さま
 正解です(笑)いちおうあのSSは「キョン視点」と「ハルヒ視点」でお互いが何考えてたか
情報がリンクするようにして書いてました。

 おかげで、ハルヒ視点の情報を構築しながらになったのでキョン視点の構文がぐっちゃになり
ましたが・・・そこはご勘弁orz

 あまりえろーす成分はないのですが、おっきおっきしてくれたらこれ幸い(萌えてくれるとありがたしですがw)
644名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:30:08 ID:kWvbVkdT
本文はいいのに・・・・・・なんだかなあ
645名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:30:33 ID:uk7CPgkw
感想書くの忘れてた。
「あーん」とかのベタがあってもよかったかも。
ハルヒが可愛いかったから別にいいけどな!

で、ヤったの?ヤってないの??
646名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:35:24 ID:3ZlK+5+a
あまり喋らん方がいい。妬みがあるから気をつけてっ。
647名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:35:46 ID:xx+BERMc
>>636
このまま、無限ループに・・・w
648248:2006/07/09(日) 02:36:50 ID:AWgQjpXZ
 645様へ:ハルヒの最後の発言&キョンの「割腹自殺」発言ではわかりにくいですよねorz

 ヤッテマス、そりゃもう当然の流れで(汗)ただえろーすシーンの描写が苦手なのでちと
ぼかしたのですが・・・今後の課題にさせていただきます。
649名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:38:32 ID:kWvbVkdT
書くとテンションあがるからかな。
650名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:40:11 ID:uk7CPgkw
>>648
そういう時は初めてならハルヒが歩きづらそうな描写とかどうだぜ!?
過去の作品になるが、久遠の絆で該当シーンの後に
ヒロインが足元気にしながら歩くシーンとかに萌えた。
651名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:42:54 ID:mraoDaAg
翌日まともにキョンの顔が見れないとか。
652名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:44:38 ID:X27+yCeK
両方視点読んで思ったけどキョンってすごいツンデレだな、いまさら
653名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:53:06 ID:eaYfPEwc
なんともオトメキュンキュンなハルヒですね。
心のきかん棒がおっきしました。
654名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:53:30 ID:s6tkHsjv
今夜クオリティタカス
655名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:56:01 ID:CDZlF9tQ
>>637
どうしてくれる、悶えすぎて眠れなくなってしまったじゃないか。



…GJ!
キョン視点とハルヒ視点とのリンク具合がまた素晴らしい。
656名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 02:58:08 ID:IvvivHFp
谷川仕事しろwww
657名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 03:41:37 ID:I0rEfyib
>>637
めがっさGJ。

ただ、キョンサイドの時にもちと思ったけど、「超看護婦」の腕章にちょっとだけ
ほんとにちょっとだけ惜しいと思った。
せっかくナース服があるんだから、ナース服着て腕章に「専用」とか書くくらいでも・・・いや
妄想スマネ、聞き流してくれ。


あと、現在は法改正されて役職名を指す時は「看護師」な。
女性が9割以上を占める職種なので、女性看護師に対する呼びかけとしては「看護婦さん」が
まだまだ一般的だけど。ちなみに英語では男女共に「ナース(nurse)」。
658620:2006/07/09(日) 03:53:53 ID:kChVwLoU
 
なんか訳分からんとんでもないものが出来上がってしまった
エロはあまり無い、恐らくつまらん、先に謝っとく

◇ 

まずキョンくんは涼宮さんの所へ行くようです。
キョンくんは家が無くなったのを機に涼宮さんと同居するつもりのようです。涼宮さん、とても羨ましいですよ。

 「キョン!大丈夫だったの?」
 「ああ、家は無くなったが俺たちは大丈夫だ」
 「そう、良かったわ、でこれからどうするのよ」
 「ああ・・・ それなんだが・・・」
 「キョン・・・ ・・・まさかあたしと」
 「・・・その、 そうだ、ハルヒ、一緒に2人で暮らさないか」

涼宮さんは顔を赤らめていますね、余程嬉しいのでしょう。涼宮さんと入れ替わりたい気分です、僕は。

 「キョン、それは告白と受け止めて良いのね」
 「ああそうだ」
 「・・・あたしも一緒に暮らしたかった、キョン」
 「じゃあ決まりだな、宜しくなハルヒ」
 「よろしくね、キョン」

キョンくんは涼宮さんと、・・・・・・めでたく・・・ めでたく一緒に暮らす事になりました。
キョンくんが幸せなら僕も幸せです。残念ですが。

2人は手を繋いで不動産屋さんに入っていきました。どこからどう見てもあれは新婚の夫婦ですね、あれは。


30分ほど経ちました。
キョンくんと涼宮さんが出てきました。ハレ晴レユカイな笑顔が溢れています。きっと良い家が見つかったのでしょう。

なるほど北口駅近くの一軒家ですか。築2〜30年といった所ですね。
だとしたらあの家は10年前の大震災にも持ちこたえたという事になります。余程頑丈に作られてるのでしょう。
なかなか良い家を探し出したと思います。間もなくあの家からはピンク色のラブラブオーラが流れ出すことでしょう。

・・・ごめんなさい、僕何だか我慢できなくなってきました。 ・・・いえいえ、心配には及びませんよ。まだ大丈夫です。
659名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 03:54:29 ID:kChVwLoU


続いてみくるさんです。みくるさんは鶴屋さんの所へ行くようです。

 「みくるん!大丈夫だったかいっ?めがっさ心配だったよっ!」
 「私達はみんな無事でした、でも家が無くなってしまいました」
 「心配ないにょろっ!わたしが新しい家用意するっさ!」
 「本当ですか・・・!有難うございます、有難うございます!」
 「礼には及ばないにょろよっ!良かったっさ!みんな無事でさっ!」

みくるさんも鶴屋さんのお陰で無事家が見つかりそうですね。
さて一体どんな家を見つけるのでしょうか。

 
 「ここなんか良いにょろっ!付近随一の高級住宅街っさ!」
 「勿体無いです、鶴屋さん、そんなの勿体無いですよう」
 「問題無いっさ!どーんと大船に乗ったつもりでいるにょろっ!」


 「さーここが今日からのみくるんのおうちだよっ!良かったにょろよっ!良い家が見つかったっさ!」
 「有難うございます、本当に有難うございます鶴屋さん、このご恩は」
 「別に構わないっさそんなのっ!本当に良かったっさ!」

みくるさんが住む事になったのは山の手の新興の高級住宅街にある一軒家のようです。
非常にメルヘンチックでみくるさんにはぴったりだと思いますよ。
駅からは遠いですが、駅までは昼間でも1時間に6本バスがありますし、
徒歩3分圏内にスーパーや診療所や郵便局など一通りの施設が揃っています。
花や緑も溢れています。流石は高級住宅街といった所です。




最後は長t・・・ いえいえ有希さんです。
有希さんはまず真っ先に図書館に直行するようです。
家はどうするのでしょう。確か図書館にアパマンは置いてなかったはずです。

おや?有希さんは図書館の中には入らずに周りを見渡しています。
なるほど、図書館に近いところに住もうという考えのようです。
さすが有希さんです。それならいっそ図書館に住んでみてはいかが・・・ いえいえ何でもありません独り言です。

有希さんはアパートに入っていきました。ここに住むつもりなのでしょうか。

結局どうもその様です。有希さんは図書館に近ければどこでも良いようです。
しかし大丈夫なのでしょうか。相当古そうなアパートです。
3階建てで有希さんは2階に住むようですね。でも決して快適そうではありません。
でもこのアパートも震災を耐え抜いてるのでしょうから強度は問題無いようです。まあ良しとしましょう。


これで3人の住む家が決まりました。
キョンくんは涼宮さんと一軒家に同居、みくるさんは山の手の高級住宅街、
有希さんは図書館近くのアパートです。

原作では長男ぶたと次男ぶたの家が狼に壊されてしまい結局レンガ造りの3男ぶたの家に住む事になります。
さあ、一体これはどうなるのでしょう。やはりキョンくんとみくるさんが有希さんのアパートにお世話になるのでしょうか。
660名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 03:55:01 ID:kChVwLoU


あれからしばらく経ちました。
3人は至って普通に暮らしているようです。

 「じゃあキョンおやすみ」
 「ああ、おやすみ」

今日もこの二人は散々バカップル振りを見せ付けてくれました。
今まで我慢していましたが僕もそろそろ限界です。これで世界が消えることになっても構いませんよ。

 「やあキョンくん、幸せそうですね」
 「こ、古泉、なぜお前がここに居る!? どうやって中に入ってきた!?」
 「鍵なんか簡単に壊せましたよ、古い家ですからね」
 「古泉・・・ ハルヒは渡さんぞ」
 「いえ、僕の目的は涼宮さんではなくて貴方です」
 「何だと」
 「・・・ちょっとキョンうるさい・・・ 誰と喋ってるの・・・ って古泉君!?」
 「やあ涼宮さん、お二人はとても幸せそうで何よりだ」
 「一体こんな夜中に何の用なのよ」
 「貴方達のカップルぶりは凄いものですよ、もう家中からピンク色のオーラが
  僕、嫉妬しちゃったんです涼宮さんに」
 「は、はあ?!」
 「涼宮さん、キョンくんは頂きまs」
 「逃げるぞハルヒこいつは本気だ!!」
 「ええ!ごめんね古泉君!!」

キョンくんは涼宮さんの手を引っ張って外へと飛び出していってしまいました。しかもパジャマ姿で。
あーあ、もう少しでキョンくんが僕の・・・ まあ仕方ないですね、諦めましょう。
それにしても少し叩いただけで落っこちてしまう錠前というのは如何なものでしょうか。防犯意識ゼロです。



さてさて、みくるさんはどうなってるでしょうか。

・・・おや? 鶴屋さんに泣きついていますね。一体どうしたのでしょう。

 「ごめんよみくるんっ!まさかこんな事になるとは思ってなかったにょろよっ!」
 「鶴屋さん・・・ えう、えう・・・
  住宅地の入居者が増えずにスーパーが潰れ・・・ 診療所も去り郵便局も集配停止・・・
  バスも朝晩の数本しか無くなってしまいました、
  ここはバスが無ければ非常に不便なんです・・・ 最近は毎日片道1時間以上歩いて隣町のスーパーに・・・」
 「ごめんよっ!本当にごめんにょろっ!」
 「しかもどうもこの土地、沼か池かなんかを埋め立てて造成したらしくて・・・」
 「みくるん!?どうしたにょろっ!?」
 「床下に泥水が湧き出してお陰で大量発生したシロアリに柱喰われ放題で、
  おまけに土地自体も傾いて・・・ それにそもそもこの家自体が欠陥建築だったみたいで、ううう・・・ えう・・・
  この間市のほうに見てもらったら震度4でも危ないって・・・」
 「・・・みくるん!ごめんよっ!本当にごめんよっ・・・!」

これは大変な事になってますね。
折角メルヘンな感じがみくるさんにはピッタリだと思ったのですが。
やはり外見だけに騙されてはいけないという事でしょうか。

それにスーパーまで歩いて片道1時間・・・ これは困ったものです。
だったら自転車使えと言いたい所ですが、
何しろこの住宅地が高い丘の上にあるので行きは楽でも帰りはかなり大変になるようです。
これは地裁にでも訴えたら勝てるかもしれませんね。応援してますよ。
661名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 03:55:36 ID:kChVwLoU


さあ最後は有希さんです。有希さんは末っ子という事もあって原作どおりなら一番巧くいく筈ですが・・・

有希さんは本を持ったまま寝ています。まだお昼です。

 「・・・日常的に安全が妨害されている」

一体どういう事なのでしょうか。・・・おや?

 「おい有希いるか!?俺だ!俺だ!」
 「有希!?あたしもいるの!」
 「・・・入って」

どうやら有希さんの家にキョンくんと涼宮さんが来たようです。

 「有希さん・・・ しばらく住まわせてください!」
 「・・・入って」
 
更にみくるさんもやってきました。一気にアパートが賑やかになります。



 「なるほど、つまりみくるの家、もとい住宅地そのものが欠陥だったわけだ」
 「そんなに大声で言わないでください・・・!えう、えう」
 「あーすまんすまん俺が悪かった」
 「それで・・・ キョンくんと涼宮さんは・・・」
 「防犯がまるでなってなかったのよ!昨夜2人で寝てたら古泉君がキョン求めて夜這いに来たの」
 「鍵は簡単に壊れたらしい」
 「そうなんですか・・・」
 「だから有希の所に泊めてもらおうと思ってな、頼む」
 「有希お願い!あたしも!」
 「有希さんお願いします!わたしも!」
 「・・・この家も決して安全ではない」
 「なぜだ?」

 「直下の部屋において3週間前に火事が発生、上の部屋において2週間前に熱帯魚の水槽が物理的な衝撃を受け破壊、
  漏れ出した水が天井から降り注ぎ夕食共にずぶ濡れ、左隣の部屋において昼夜を問わない恒常的な騒音、
  右隣の部屋では自殺者の発生、私は可及的速やかに他所への転居を行いたい」

 「それは凄い」
 「・・・そんなあ」
 
  「引越ーし!引越ーし!さっさと引越ーし!しばくぞー!!ハイ引越ーし!!」

 「はじまった」
 「・・・なるほどよく分かった、お前も苦労してるんだな」
 「そう」 
 「うるさーい!!何とかしなさいよー隣!!」
 「無駄、図書館へ」
 
662名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 03:56:44 ID:kChVwLoU

 「有希、図書館に来たのは良いがここだって夜には閉まるぞ」
 「・・・そう」
 「閉まってからどうするのよ有希」
 「あの場所に帰るしかない」
 「あんな所に帰るの有希!?体に毒よ!」
 「既に精神面において異常をきたしている、でも私の帰る家はあの場所だけ」

結局一番苦労してるのは末っ子の有希さんだったようです。

 「逢いたかった」
 「有希・・・」
 「貴方達に逢いたかった」




結局の所3人の家はどれも安全ではありませんでした。
この時代、必ずしも安全な家など本当は無いのかもしれません。

3人は結局一から新居を探すことになってしまいました。

 「古泉お前だけには偉そうに結論付けられたくはない」
 「いやいや、あの時は本当にすみませんでした」
 「罰として古泉君あんたも家探しに協力しなさい」
 「はい、喜んで協力させて頂きます」  
663名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 03:59:05 ID:kChVwLoU
原作なんか全くあったもんじゃないのが出来上がってしまった
古泉語りのなんてあまり書かないから相当変かも知れん
664名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 04:05:49 ID:X27+yCeK
鶴屋さんとみくるが気の毒すぎて泣いた
665名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 04:06:02 ID:h9OGGJZK
みんなが有希と呼んでいること以外は良かった。
しかし古泉=あくまでガチなのか。たまにはキョンと二人で
延々と他愛ない話をするSSがあってもいいじゃないか。
666名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 04:08:48 ID:mraoDaAg
野郎同士で酒飲みながら愚痴りあうのか?
667名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 04:12:36 ID:TLApKYoG
>>665
そんな感じのSSを書いてみてるトコロだ
668名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 04:32:41 ID:Rpgcol1H
>>667
なぜかとてもwktkしてる俺がいるwwww
まってるぜ!!
669名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 04:49:25 ID:DwH4EcbQ
>>665
そういうのがあったけど、会話の内容については軽く流されてたな。
長門の家で酒飲むやつ。
670名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 04:59:21 ID:Iy1e/CeS
>>669
あったなあそんなの
あれは上手かったな
本編では書かれないSOS団の日常を上手く書いてた
671名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 05:23:47 ID:DwH4EcbQ
ハルヒが長門の部屋に行ったのはクリスマスが最初だっけ?
その時にはすでにカーテンがあったみたいだけど、長門がカーテンを買いに行った話とか本編でやって欲しい。
672名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 06:22:36 ID:jaSbO3tH
>>648
エセ紳士なキョンが風引きで弱ってるハルヒに手を出すわけないのだ!
作者がなんと言おうと俺はそう信じているのだ!

というわけでそこらへんをオブラートに包んでるところがいいと思うよ
無理にえちい描写があるよりも
673名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 06:23:24 ID:zheWsfQc
遅レスだがなかなか楽しかった。miyokoまで出るとは…
その後の後日談にwktk
674名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 06:54:01 ID:agst9n4j
ハルヒの風邪の初期症状の説明を見て、そういえばキョンもなんか似たような説明をしてたよなあと思ってニヤリとした俺。

はっきりと描写しなかったのは正解だと思いますよ。>>672みたいに感じる人もいるわけだし。ちなみに俺も「手は出してない」と思いたい人。
もちろんコトがあったらあったでそれも萌えるんだけど。

長門ネタ作ってる最中ということで、ぜひぜひ頑張ってください。
675名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 07:58:07 ID:uTj7YhIB
>>673
miyoko…?
ま、まさかミヨキチが…

いや、やめとこう。
676名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 08:00:43 ID:zheWsfQc
>>675
そういえば漢字も同じだな。わかってるとは思うけど奈良の騒音おばさんのことだ
677名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 08:43:31 ID:1RxJFH4K
オレも風邪の話で最後をぼかしたのは正解だと思うな。

いくらキョンが情熱をもてあましてたとしても
ああいう状況で手を出すのはなんかアレな感じがするし。
色々言い訳してるうちに結局ハルヒに手でしてもらった、
ぐらいに脳内補完しといた方が個人的には萌えるかも。
678名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 08:55:18 ID:rJnBMopp
病人相手にナニやってんだよ、ってことになるからな。
679エロ無し飛ばしてもらっても構いません:2006/07/09(日) 09:17:06 ID:koTCq+Zo
思えば自己紹介の時からだったかもしれない
なんせいきなり宇宙人、未来人、超能力者、あと何だったかな…まぁいい
ともかくソイツ等がさも当たり前にいるといわんばかりに呼びかけたのだ
人生の中で始めてだったかもしれないな、こんな少しキツイ冗談は
その時点で気づいておくべきだったのだろう
自分の立場では言いにくいが、コイツはおかしい と

始業式から間もない頃、日増しに強まっていた違和感にようやく気づいた
一日ごとに髪型が違う
高校生ということを考えれば オシャレに力を入れるのも分かる
しかし一日ごとというのはいささかやりすぎではないだろうか?
かと思えばある日バッサリ切っていた 何がしたかったんだ?
できればあのお団子で…… いやこの話はよそう


かと思えば体育の時間にいきなり男子の前で着替えだしたらしい
あれは何のためだったんだ? もしかしてあの気があるのか? 全く持って分からない
さらに全ての部活動に仮入部し、結局どこにも入らなかったらしい
勿体ない……あれだけの運動神経と容姿…ゲフンゲフンッ、ともかくまともな青春を送る気はないらしい


彼女の昔の噂を知っている先生によると中学時代からかなり問題があったらしい
あえて言わないが正常でないことは確かだ 何に影響受けたんだ?


気がつけば学校内にSOS団という謎の部活動が始まっていた
文芸部の部室を借り、さらに残り一人だった文芸部の子を入部させて、全部で4人らしい
目的も理由も全く不明だ だがそんなところによく4人も集まったな
しかもあの活動らしいものといえば、校門のところで…… いや、これもよそう 頭が痛くなる
気がつけば部員がもう一人増えていた… 何だ? 何があるんだ?
私は彼女の奇行に頭を悩ませていた…


最近気がついたことなのだが 彼女が笑っている顔を見ることが多くなってきた
何故か今までは森羅万象が気に入らないくらい不機嫌だったのだが そんなことも少なくなった
どうも原因は今も彼女と談笑している男子にあるらしい
確か他の友達にキョンと呼ばれていたその男子は、どう見てもただの友達には見えない
彼もその部活動に入っているのだが あの雰囲気はその理由だけではないだろう
こんな時はやはり応援したくなるものだ 私の苦悩が減ることも含めて

彼女の未来と彼の苦難に



「岡部先生、また先生のクラスの例の彼女なんですけど…」
どうやら終わりそうにないようだ、もうすぐ夏休みだというのに…
溜息をつきながら、私は職員室のドアを開いた


@先生岡部の憂鬱
680名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 09:29:59 ID:koTCq+Zo
読みにくくてすみません_| ̄|○ 
岡部視点というただの思いつきでした
681名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 11:32:28 ID:PeGBMzjd
誰も動きが無いので今のうちにコネタ投下

借り物競争 長門編
追い出されるようにテントに戻った俺は、再度水筒を手に取り水分補給をしようとした。 どんなときでも水分補給は大事だぜ。
『第二走者スタートです』
走りすぎて疲れた俺にはどうでもよかった。 とりあえず水分を取らせてくれ。
「……」
いつの間にか目の前に長門が立っていた。 こいつワープも出来るんじゃないのか?
「出来なくは無い」
そうかい。
「来て」
無表情に俺の体操服を持つ長門。 お茶を飲んでからじゃダメか?
「だめ。 今すぐ来て」
長門からプレッシャーを感じた俺は、とりあえず走ろうとしたわけだが、
「ちょっと待って」
長門の静止が入った。 と思ったら長門がいきなり例の高速詠唱をはじめた。
5秒ほど待っていると長門が俺の服を持って走り出した。
俺も走ろうと思ったんだが、
「あなたは走らなくてもいい」
気付けば地面をすべるように移動してる。 というか完全に接地感が無いんだが…
「そいつはありがたいがどういう事だ?」
「あなたの体重を0にした」
さらっととんでもない事を言うな。 つまり俺は風船とかそんな類の扱いか。
「そう」
っと言ってる間にゴールだ。 後ろとは軽く20メートルは離れてるぞ。
見てる人も不思議に思っただろう。 何せ俺は足を動かさず、砂埃も立てずに引っ張られてたからな。

「長門、そろそろ体重を元にもどしてくれるとありがたいんだが…」
ゴールしたものの気を抜くとコケそうなので長門の肩に手を置いている。
「…」
「長門…」
「分かった」
長門が軽く頷き、再度高速で口が動き出す。
長門が言い終えたと同時に久しかった接地感が戻ってくる。
「で、長門の紙にはなんて書いてあったんだ?」
「…」
何か呟くと同時に紙を出してきた。 えーっと、『同じ部活の異性』か…
まぁ、古泉より俺を選んでくれたのはありがたいね。
「とりあえず長門、そろそろ戻ってもいいかな?」
いい加減にのどが渇いてきた。
「…」
「長門…」
「戻って」
長門の了承をもらった俺は再度テントに戻るのだった。 やけに後ろから視線を感じるが、気のせいだろう。

…続けるしかないか。
682名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 11:47:00 ID:XYot2ver
2,3スレ前にキョンが記憶喪失になるってSSがあったと思うんだが
誰かタイトル覚えてないか?
かなり良い出来なSSで谷川本人じゃね?って騒がれてたヤツなんだが
683名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 11:50:05 ID:PeGBMzjd
>>682
涼宮ハルヒの黒日じゃない?
684名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 11:55:48 ID:XYot2ver
>>683
見てきた
ドンピシャだった、サンクス!
685名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 12:51:38 ID:S/zbDThU
>>681
長門が紙を渡す前に「何か呟」いた内容が
紙の情報変換の呪文であるに100ウォン。
686名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 12:58:41 ID:bsoycuKl
>>681
ハルヒがうらやましくなってメモを書き換えたのか…長門カワイイよ長門
687名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 13:19:47 ID:UvfTtRzU
>>680
斬新だなおい。谷口や国木田の視点ならまだ思いつきもするが
岡部ってのは盲点だった、GJ!
688小ネタ 「F・A・B」:2006/07/09(日) 13:31:23 ID:PDEvO0le
 長門の部屋にて

 「実はまたなんですが……閉鎖空間が発生しました。」
 「またそれか……」
 ここ一週間くらい続いている。なんでなんだ? ハルヒは今日もいつも通りだったし、機嫌も悪くなかった。
 「それは僕にもわかりません。ただここ一週間、夕方になると涼宮さんの身に一時的な、それでいて巨大なストレスがたまっているのが観測されています。」
 「データでは約三十秒の間に涼宮ハルヒの限界点を越えるストレスが観測されている。しかし一時間後には完全に消える。」
 「一時的で巨大……?」
 なんだそりゃ? 毎日タンスのカドに小指でもぶつけてんのか?
 「……流石に涼宮さんでも、それで毎日閉鎖空間を起こす程ではないでしょう……さて、僕はもう行かなければなりません。」
 待て、俺は行かなくていいのか?
 「ええ、一時的なものですから閉鎖空間を削除するのもかなり簡単なんです。それでは僕はこれで、何かあったらまた来ます。」
 ……まあ行きたいわけじゃないからいいんだけどな。

 「…………」
 なあ長門。
 「……なに?」
 お前にはわかるんだろ? 何故ハルヒが閉鎖空間を発生させるのか、その原因が。
 「…………」
 その沈黙は肯定ととっていいんだな。なあ、よければ話してくれないか……?
 「……でも」
 珍しく長門が渋るな。なにか言えない状況なのか……?
 「あなたの……涼宮ハルヒに対するイメージが崩れる恐れがある……」
 ……どういうことだ……?
 「涼宮ハルヒがここ一週間、きまって夕方に閉鎖空間を起こす原因は……」
 …………。
 「…………」
 …………。
 「……ザンギエフのレバー一回転技がでないこと……」

 …………。

 え? オチなんかありゃしませんよ? だってそうだろ? 小ネタってそういうもんだろ。
689名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 13:42:37 ID:ZGZnICAL
くだらない小ネタばっかし(しかもエロ無し)
保管庫の人も気の毒だ
690名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 13:45:33 ID:kcV3kR7x
エロが読みたいならストレートに言えばいいのに
691名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 13:48:32 ID:zheWsfQc
VIPみたいに保守連よりましだろ
692名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 14:02:09 ID:4d5Hx/H8
意味無しオチ無しネタはVIPの四葉スレが合ってる
693名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 14:03:20 ID:HX27zNQi
楽しめればエロなしでも小ネタでも歓迎するよ。
その意味で、>689 には少しだけ同意する。
694名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 15:15:40 ID:6W/zVpAM
すまん、教えてくれ。
妹=みくる説で書いたSSってどこかに無いか?
695名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 15:47:39 ID:S/zbDThU
>>694
その説は極稀に聞くけれど、
そのテーマに沿った作品はとりあえず、保管庫には無い。
他のサイトなどで作られている可能性は否定できないが。

無かったら自分で書いたらいいんじゃないか?
696名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 15:55:01 ID:CI3FpEiP
それ以前にみくるSS自体がそれほど多くないからな。
697名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 16:05:04 ID:a9WplVxJ
学校を出よう!のSSよりは全然多いよ
698名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 16:07:01 ID:PfV/CT6H
SS探してもキョン×長門ばっかり。
どれもステロタイプで似たり寄ったり。
699名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 16:29:02 ID:Bj1SzhSw
長門は出来ることってか、しそうなことに縛りがきついからあんまり無茶に動かせないしね。
下手なことするとキャラ崩れるし。
似たり寄ったりになるのは仕方ない。
700名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 16:31:49 ID:MC3TPoKp
あのTSの続きマダー?
701名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 16:33:40 ID:krI5ywC4
>>698
需要があるから書かれるのだ、と言ってみる

読みたいのがなかったら愚痴る前に自分で書くんだ!
702名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 16:37:06 ID:umrdDe69
2ch(エロパロ板)絡み以外でハルヒSS見たことが無い…。
703名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 16:37:54 ID:3ZlK+5+a
>>698
原作のような改変世界、平行世界の設定なら色々できるんだろう。
ハイテンションはまぁ、みんな割り切っちゃってるように見える。
704名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 16:57:25 ID:qtDka1mC
キャラ崩壊は敬遠されている中でこのスレにおける黒みくるホモ泉ハイテンションユッキーの人気は異常
まあ、原作でもほのめかしているところはあったりするんだが
705名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 17:01:39 ID:PfV/CT6H
>>699
確かに。
逆に捉えると、長門のキャラって記号的で結構お手軽に書ける。
無口・無感情ゆえに、たまに見せる能動的な行動のギャップにグっとくるんだろう。
セリフもパターン化してるから書きやすい。

>>701
みくるSS書いてみたいけど、みくるって案外難しい…。

>>703
ハイテンションは面白いなw
706名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 17:18:14 ID:CI3FpEiP
>>702
探し方が悪いだけ。
ポータルサイトとかではちゃんと個人サイトのSSもチェックされてるぞ。
707名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 17:33:08 ID:TvFRLZgN
間接的にエロありもの投下します。
10レスぐらいになると思われます。
タイトルは「官能小説大戦」
708官能小説大戦:2006/07/09(日) 17:33:54 ID:TvFRLZgN
「じゃあ、みんなそれぞれ一本ずつ官能小説を書いてきて! 明日見せ合いよ!
今日はこれで解散!」
ハルヒは笑顔で勢いよく部室を飛び出していった。
はて? なんでこんなことになったんだ?
思考を巡らすと原因はどうも俺ということになるらしい。
宇宙人と未来人と超能力者の視線が俺に集中しているのがその証拠だ。

「おい、そろそろ文芸部として何かしないと部室がやばいんじゃないか」
俺の言ったことは至極まっとうだ。
何しろSOS団は文芸部の部室を不法占拠しているに等しいからな。
ここいらで文芸部だと表向きだけでも見せかけとかないと部室の維持は難しい。
しかし、俺の提案に何故かハルヒは「官能小説を書く」という答えを出した。
なんでこうなるんだ。
……やれやれ。

「仕方ありません。どうせならじっくり練って納得できるものを書きたいのですが。
一夜漬けでなんとかしますか」
そっちかよ、古泉。
「ふわああぁ〜。か、官能小説なんて、そんな恥ずかしいもの書けませ〜ん」
顔を真っ赤にして慌てふためくメイド服の朝比奈さん。
そのシチュエーションがすでに官能の世界に片足突っ込んでるような気がしますよ。
「…………」
こいつは読書量だけは人の数十倍だが、そっち系のは読んだことあるのかな。
長門は本を鞄に仕舞い、帰り仕度を始める。
さて、俺も帰るか。
709官能小説大戦:2006/07/09(日) 17:34:40 ID:TvFRLZgN
「さて、どーすっかなー」
午後11時、俺は自室のPCの前で船漕ぎをしていた。
ま、深く考えることもあるまい。ネット上から官能小説を探して適当にコピペすればよい。
俺は適当にネット上を這い回り、適当に官能小説サイトに辿り着き、
その中の一作品を適当にコピペし、適当にプリントアウトした。
これでよし。
♪ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪
電話だ。
背面液晶に「涼宮ハルヒ」と表示されている。
「もしもし。なんだこんな時間に」
「キョン、どう? 創作活動は進んでる?」
底抜けにテンションの高いハルヒの声だ。
「ああ、今書き終わったところだよ」
「おっ、珍しく仕事が速いじゃない。ところでさぁ、明日みんなどんなの書いてくると思う?」
「さあな」
「書きなれない人が官能小説を書くとその人の性癖がモロに出るのよね〜。楽しみ〜!」
それが目的だったのか。
「おっと、今から書き直しちゃダメよ! そのまま持ってきなさいよね!」
そう言うとハルヒは一方的に電話を切った。
明日の遠足が待ちきれない子供のようだ。
そういえば、さっきプリントした“俺の小説”はどんな内容なんだ?
中身も読まずに盗作した作品に目を通そうとしたしたその時、再度電話が鳴った。
背面液晶に「長門有希」!
なんだ? 緊急事態か!?
「もしもし、長門?」
「…………来て」

10分後、息を切らせた俺は長門の部屋の前に着いていた。
「入って」
お茶の間に通され、長門に入れてもらったお茶を飲み一息つく。
「で、どうかしたのか?」
「……書けたので読んでもらいたい」
俺は原稿用紙の束を渡された。
しっかりとした明朝体の手書き文字。間違いなく長門の字だ。
ん? まさか官能小説? 長門が書いたのか?
「有機生命体の創作物として不自然な点がないか確認して欲しい」
なるほどね。
しかしこいつも律儀だね。俺みたいにコピペすればいいものを。
でもまぁ、長門の書いた官能小説というのは興味がある。
どれどれ……
710官能小説大戦:2006/07/09(日) 17:35:30 ID:TvFRLZgN
「図書館の情事」作・長門有希
読書好きで気の弱い少女、雪はいつもワガママ池沼女と乳しか取り得のないキャバ嬢(高校生)
にいじめられていた。
ある日、雪は新しくできた図書館に足を運ぶ。
新設間もない為、人でごった返す館内。
人ごみが苦手な雪だったが、なんとか目当ての本を見つけ借りようとする。
しかし受付カウンターでは司書達が忙しく立ち回っており、気の弱い雪は
貸出カードを作りたい、と声を掛けることもできない。
そこに京と名乗る青年が現われ、雪のために貸出カードを作り、本を借りてくれる。
ついでに京は雪の眼鏡を外し「眼鏡がないほうがかわいい」という。
雪は彼の優しさに胸を打たれ恋に落ちる。
京も雪に一目惚れし、図書館の身障者用トイレに雪を連れ込む。
始めは戸惑う雪だったが、京の絶妙な愛撫に次第に身を委ね官能の波に溺れて行く。
次の日雪は、京がワガママ池沼女と仲良く話しているところを目撃する。
また、京が乳キャバ嬢にデレデレしているところも目撃する。
彼を独占したい――狂暴な欲望が雪の中を駆け巡る。
その次の日、雪は京を図書館の身障者用トイレに誘い出す。
雪は用意していた拘束具で京を動けなくし、寝食を忘れ無理矢理情事に励む。
3ヵ月後、結合したまま腐乱死体と化した2人が発見された。


長門が俺を見ている。無表情で液体ヘリウムのような目で俺を見ている。
「書きなれない人が官能小説を書くとその人の性癖がモロに出るのよね〜」
ハルヒの言葉が耳の奥底から禍々しく蘇る。
「……どう?」
「え、え〜と…」
俺が応えに詰まっていると長門は立ち上がり奥の和室に繋がる襖に手を掛けた。
「イメージを具体化しやすいよう、拘束具を幾つか購入した。
……もし、あなたが望むのなら……」
「いやあー、よく書けてるよ、長門ー! うん、これで全然大丈夫だ。
それじゃあ、俺そろそろ帰るわ! 明日学校でなー!」
俺は長門の部屋を飛び出した。
少々かわいそうな気もするが、怖い。怖いよ長門!
これから一人で長門の家いけねえよ。
711官能小説大戦:2006/07/09(日) 17:36:10 ID:TvFRLZgN
翌朝、登校すると俺の下駄箱に手紙が入っていた。
「お昼休み、屋上でまってます。みくる(小)」
ご丁寧にも(大)と区別してくれている。
一瞬にして昨晩の恐怖体験をすっかり忘れた俺は、鼻歌を歌いながら教室に入る。
「へぇ、余裕じゃない。よっぽどいい作品ができたのね。放課後が楽しみね」
「まあな。お前こそどうなんだ?」
「ふふん、放課後見せてあげる。楽しみにしてなさい」
まぁハルヒの官能小説ならだいたい想像がつく。
宇宙人や未来人や超能力者がでてきて普通じゃない性行為をするんだろう、どうせ。
得意げな笑みのハルヒをもろともせず、ついに昼休み!
ハルヒが学食に行ったのを見計らってGoTo屋上!
しかし、その前に思わぬ伏兵が待ち構えていた。
屋上に繋がる扉まであと5段という階段の踊り場で。
「おや、キョン君。こんなところで偶然ですね。ちょうどよかった、
あなたに見てもらいたいものが……」
古泉…、俺は今人生で一番に大事な用になるかもしれない岐路に立ってるんだ。
邪魔立てするならお前を殴り倒してでも前に進ませてもらうぞ。
「そう怖い顔をしないでくださいよ。実は例の官能小説です。
一応書いてはきたんですが、なにしろ創作はなにぶん初めてなもので。
女性陣に見せて差し障りのないものかどうか同性のあなたのご意見を伺いたいんですよ。
あなたに読んで貰えるまで僕もここを通すつもりはありません。機関の勢力を総動員してでもね」
ええい、鬱陶しい。1分で検閲してやるからさっさと貸せ!
和紙に筆ペンで荒々しく書き連ねてある和紙の束を奪い取った。


「MYSTIC BOYS」作・古泉一樹
冴えない在日朝鮮人三世のチョン君は、ふとしたことから黒人男性数人ににストライクバックされ、
ひどく落ち込んでいた。
そこに表れたのは正体不明・国籍不明の美青年、スパ・オールド。
彼は、チョン君にバイトを紹介したり、神について持論を述べ合ったりして次第に親交を深めて行く。
必然的に彼らはBLの関係になり……延々と汗臭い男性器と男性器が絡み合う描写が続く。
712官能小説大戦:2006/07/09(日) 17:36:57 ID:TvFRLZgN
「どうですか?」
ずい、と顔を近づける古泉。
「どうですか?」
更に近づく古泉。奴の鼻息が俺の頬に当たる。
俺は予告通り古泉を殴り倒し、ついでに偶然立て掛けてあったパイプ椅子で
気絶するまでボコボコにした上で屋上に飛び出した。
一刻も早く朝比奈さんの御姿を拝見して解毒しなければならない。
天使に見紛うその御姿はすぐに見つかった。
「キョン君、来てくれたんですね」
もちろんですよ、朝比奈さん。あなたのためならホモの一人や二人が生死不明になろうが
知ったことではありません。
「あのぅ、実はぁ、これ読んで下さい!」
おずおずと差し出されたのは可愛らしいキャラクターがプリントされたノート。
これはラブレター……じゃなくて、やっぱりアレですか?
「はい。官能小説というものを一応書いてはきたんですが自信がなくって」
なんでみんな先に俺に読ませるんだ?
まぁ、長門や古泉はともかく朝比奈さんが書いたものだ。
きっとかわいらし〜い童話みたいなキス程度で終わる恋愛小説になっているに違いない。
心を浄化させて頂くとしよう。
713官能小説大戦:2006/07/09(日) 17:37:32 ID:TvFRLZgN
「眠りの森のクルミ姫」作・朝比奈みくる
昔々あるお城に可愛くて巨乳のお姫様、クルミ姫がいました。
しかし、クルミ姫の巨乳を妬んだ貧乳根暗魔法使いがお城ごと眠らせてしましました。
数百年後、噂を聞きつけたキャン王子は眠り城に向かいます。
途中で貧乳根暗魔法使いの妨害に遭いますが、何故か同時に現われたホモ超能力者、
ツンデレ大魔王と同士討ちさせ、難を凌ぎます。
さて、クルミ姫を見つけたキャン王子。
さっそく姫にくちづけしますが目を覚ましません。舌を入れてみても反応がありません。
仕方がないので豊満な乳房を揉んだり、下半身を弄ったりします。
そのうち辛抱たまらなくなったキャン王子はクルミ姫にペニス・オブ・プリンスを
挿入し中出ししました。
しかし姫はまだ起きません。仕方がないので王子はもう一度…(無限ループ)
…最終的にクルミ姫は目を覚まし、性テクニックが格段にレベルアップした王子と
幸せな夫婦生活を送りましたとさ。


「……朝比奈さん、意外と過激ですね」
「ふえぇぇ〜、だ、だめですかぁ〜」
顔を真っ赤にしてモジモジする目の前の朝比奈さんと激しくギャップを感じる作品だ。
でも未来ではこういうのが流行ってるのかもしれない。
「いや、いいと思いますよ」
「ほんとですかぁ〜」
他の二人のに比べたらまだ随分まともだからな。
にしてもなんでみんな俺を相手役にするの!?
いや、朝比奈さんの相手役なら大歓迎であるが。
714官能小説大戦:2006/07/09(日) 17:38:11 ID:TvFRLZgN
放課後、SOS団部室。全員が揃っていた。
昨晩のことを思い出し、恐る恐る長門を見るといつもの無表情。
あれほどの重傷を負わせた筈なのになぜか無傷でヘラヘラスマイルの古泉。
恥ずかしそうに俯くメイド姿の朝比奈さん。
そしてハルヒは、クリスマス前のイルミネーションよろしく目を輝かせて
団長席で踏ん反りかえっている。
「さて、じゃあ一人ずつ読ませてもらおうかしら」
一作品を四部ずつ刷って批評しあう。なかなか文芸部らしいではないか。
例によってクジで決まった順番は、朝比奈さん・長門・古泉・ハルヒ・そして俺。

「……み、みくるちゃん。なかなかヤルわね。意外と過激じゃないの」
俺と似たような反応を示すハルヒ。
どうやら噛ませ犬のツンデレ大魔王には引っ掛かりを覚えなかったようで一安心だ。
「眠り姫を下敷きに持ってくるとは、読者に読ませやすくするいい手段ですね。
参考になります」
動じない古泉。機関のスパイでも送って先読みしたのかね。
「………………」
長門は朝比奈さんをじっとみている。ビクつく朝比奈さん。
俺にはわかるが、長門は怒っている。
どうやら「貧乳魔法使い」がお気に召さなかったようだ。
このままでは一両日中に朝比奈さんは長門に締め上げられるに相違ない。
後で長門にフォローを入れとくとするか。

次は長門の作品。昨晩の寒気がぶり返して来る。
「…ほ、ほほう。有希ってなかなかマニアックなのね」
さすがのハルヒもこれにはタジタジだ。
古泉もニヤニヤしつつも動揺の色が隠せない。
一方、意外に平然と読んでいる朝比奈さん。未来では拘束心中は普通なんですか?
「あのぅ、邪魔な恋敵二人はわからないですけど、ヒロインの雪と京っていう
男の子はもしかして…」
ああーっ! こういう場でそれは禁則事項ですよ、朝比奈さん!
ほらっ、また長門が睨んでますよっ!
ハルヒも俺をじとっとした目で見てるし!
「まあいいわ。有希らしいっていえば有希らしい作品ね」
俺を見る視線は「まあいいわ」って感じじゃないぞ。
後で何言われるんだろ。
715官能小説大戦:2006/07/09(日) 17:38:57 ID:TvFRLZgN
次は古泉。全員絶句。長門は最初から喋ってないが。
「どうです? こういうイロモノも一つはあったほうがいいかと思って
趣向を凝らしてみたんですが」
「あぁ…、そうなの。てっきりあたしは古泉くんはそっちの気があるのかと疑ったわ」
「ふふ、さてどうでしょう?」
こっちを向くな! ウインクするな、気色悪い! 部活終わったらもう一回殺す!
そして長門、朝比奈さんが赤面してオロオロしてるのはともかくとして
お前まで微かに頬が赤いぞ。暑かったらカーディガン脱げよ。

「次はハルヒ、お前の番だぞ」
「わかってるわよ、はいご覧あれ!」
ハルヒは一枚の模造紙を両手で広げて見せた。
それは小説ではなく「世界を大いに盛り上げるための性交法」と題された
図形・記号・数式が満載された論文のようなものだった。
俺にはまったく意味がわからん。
古泉も微笑んではいるが頭の上にはハテナマークが浮かんでいる。
しかし、長門は大きく目を見開き停止、朝比奈さんに至っては腰を抜かして驚愕していた。
「何なんですか、アレ」
「詳しくは禁則事項なので言えませんが、性交時の男性女性両方のオーガズムを現した
ものなんです。私の時代の……ええと、性教育で一番最初に必ず習います。
発案者がどの時代のどの人だったのか、ずっと謎だったんですが……。
それが、まさか涼宮さんだったなんて……」
絶句、してもいられない。次は俺の番だ。
てか、俺の作品て、適当にコピペした盗作だが、どんな内容だったかな?

「ふっふっふ、キョン、あんたがいつもどんなのをネタに抜いてるか参考になるわね」
な、なんてことを言いやがるこの恥知らず女!
古泉、こっち見るな気持ち悪い。
朝比奈さんも潤んだ瞳でこっち見ないで下さい。
長門もまじまじと俺の下半身を見つめないでくれ。
いいからお前らさっさと読めよ。
716官能小説大戦:2006/07/09(日) 17:39:35 ID:TvFRLZgN
全員絶句。なんだこの空気。もしや俺のもホモ小説?
「いやぁ、驚きです。あなたはそちら方面でしたか」
「キョ、キョンくん、こんなのよくないと思いますぅ……」
「……家族会議が必要」
ん、長門? 家族会議って何故? ホワイ?
「あ、あんたってヤツはバカで変態だとは思ってたけど、まさかこんなことを」
ハルヒの言葉に怒気が含まれている。一体なにごと?
俺は自分の原稿に改めて、いや、おそらく初めて目を落とした。
「妹の恥部はまだ小学生であることを物語るように毛ひとつなく」
!?
「俺の肉棒のサイズに耐え切れずその幼いワレメからは血が滴り」
!?
「妹の悲鳴もいつも俺の心を和ますBGMだ。親が帰ってくるまでもっと泣き叫べ」

思わず目をそらしたくなる文章の数々だ。これはマズイ。説明しなくては。
「ハルヒ、いや、みんなスマン!これはだな…」
「問答無用! 謝るなら妹ちゃんに謝んなさい! さぁ行くわよ!」
行くって、まさか
「あんたの家よ! 家族会議よ! あんたのご両親にこの事実を白日のもとに
曝すのよ!」

団員全員に真実がわかってもらえたのは、これから2時間も後のことだった。

<おわり>
717名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 17:49:23 ID:9DXkqBk0
>>716
細かいところで原作設定が気になったがネタがネタなので矛盾を忘れて面白く読めた
落ちはてっきりハルヒに絡むのかと思ったら妹で笑った

やはり、みくるは耳年増だと思うんだ
718名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 17:50:06 ID:PfV/CT6H
>>716
GJ!!吹いた。
最後にどういうヲチを持ってくるのか読んでる途中から
楽しみで仕方なかったが、こうくるとはなw
ネジがとんだ長門、ホモ泉、エロみくるは読んでて面白い。
719名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 17:51:40 ID:h6ODEOu6
>>716
2時間の間にキョン妹とどんなことがあったのかが気になる
720名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 17:58:16 ID:6Hf2gAWa
>>716
キョンの携帯の着信音が嫌過ぎるw
721名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 18:09:21 ID:KHtZ1DtQ
着信メロディがwww
722名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 18:10:23 ID:/WW8bgBG
>>720
その目欄何?消し忘れ?
723名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 18:21:11 ID:CPjgy2F3
>>716
古泉はどーしょうもないなwww
724名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 18:22:27 ID:cQnmN6r6
>>720
さあ、何をうpしたのか言ってもらおうか
725名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 18:26:59 ID:/WW8bgBG
>>724
やっぱり気になって見てみたけど、のいぢが描いた漫画の1ページだった
あんまり大したことなかった
726名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 18:44:31 ID:IvvivHFp
>>724
ドラゴンエイジPure Vol.2のピンナップ
これの本編はなかなか
727名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 18:55:25 ID:tKm8JIJT
>>716
ワラタ。
728時の砂、降り注いで:2006/07/09(日) 19:24:28 ID:AWgQjpXZ
月明かり・・・星明り・・・ひとつ、ふたつ、みっつ。

 私は今日も観測する。情報爆発、発生件数平均値。何らかの外因的要因により特異点の崩壊も確認。

 月明かりも星明りも相変わらず。無為に流れる時間。私は観測者。だから、観測対象に過度の接近や接触は許可されていない。だから無為に時間を過ごす。

 外部とのコミュニケート用の擬似自我プログラムを付与された固体・朝倉涼子は順調に外部とコミュニケートを継続中。朝倉涼子が目立つことでこちらに対する世間からの注目などがうまく逸らされる。問題ない。

 ・・・うそ。

 本当は・・・胸の中に溢れるのは・・・寂寥感?

 エマージェンシーモード発動中。だからここには私以外に。私がいつか出会う人たちがいる。時間凍結を施され、壁ひとつはさんだ向こう側でただ静かに眠っている。

 時間凍結された物体は、いかなる外部干渉にも影響されない。故に彼らは眠り続ける。そして。

 私は、私がいくら手を伸ばしたくとも・・・。決して、その壁の向こうに手が届くことはない。私は「私」に訪ねてみる。「私」がいつか体験することになる、慌しくおかしく大変で、それでいて暖かくやさしい日々のこと。

 観測者ではない「長門有希」を。私をひとりの個人として、一個の人格として認めてくれた人のことを。


 星明りよっつ・・・いつつ・・・むっつ。私はただ観測する。それは私の「今」の存在価値。私が「私」であるために、絶対に必要な存在目的。

 でも・・・私は「私」から聞いている。私は「私」の体験したすべてを見て・聞いて・体験している。

 初めての図書館。図書カード。静かな時間。生まれて始めての冗談。狼狽・笑顔・困り顔・微笑・視線・激情・さまざまな感情。
 
 ・・・この壁の向こうに手が届けば。この扉がひらけば。この時間の壁が開いたら。

 私はきっと、多分まちがいなく。観測者ではない「長門有希」になることを望むだろう。彼がそう思っていたように。私がそうしたいと思ったとおりに。


 星空の観測を中断。薄いフスマに手を伸ばす。指を添えてそれあけようとしても・・・それは決してひらかない。私は決して、あの向こうにいる人に手を伸ばせない。あの向こう側にいる人に、話しかけられない。あの向こう側の人の声を、聞くことはできない。


 すべてを知るものこそ、無知なるものである。どこかで見たような逆説論。
729時の砂、降り注いで:2006/07/09(日) 19:25:11 ID:AWgQjpXZ
いっそ、私は無知でいたかった。知ってしまうことが、体感してしまうことが、交流してしまうことが。

 こんな苦しみと、切なさと、孤独の温床になるなんて。想像もできなかったから。





 ・・・まどろみの中から覚醒。状況把握・・・。まだ誰もいない文芸部室。いろんなモノが増え、生活感が増した文芸部室。増えた椅子。増えた机。パソコン。本。ボードゲーム。衣装。

 増えた思い出、増えた大事なもの、増えたせつなさ、増えた喜び、増えた悲しみ、増えた…感情。

 もうすぐまた、にぎやかな時間が始まる。喧々諤々とした口論をしつつ、SOS団長とSOS団雑用係のあの二人がやってくるまで、あと3分もありはしない。

 無知なるがゆえに苦しみから逃れたくて、私は一度。全部をなかったことにした。

 でも、もうそれはやめようと思う。

 苦しさも、悲しみも、喜びも、涙も、笑いも。すべてが「今」の私を形作るとても大事な構成要素だから。

 もう二度と触れ合えない過去の私に、今の「私」は呼びかける。決して届かないけれど、それでも声を伝えてみる。

 「大丈夫。あなたも、きっと大丈夫」と・・・。
730時の砂、降り注いで:2006/07/09(日) 19:27:47 ID:AWgQjpXZ
しまった・・・ワードパッドって自動改行しないのかっ!?

 改行関係で切腹ものの大失態をしてしまいましたが、衝動的に書いた長門
ものでございます。

 エマージェンシーモードの3年間をモチーフにしてみましたが、どんなもん
でしょうか?

 やっぱりハルヒのSSの方が楽に構文できるなと思いつつ、とりあえずあげておきますね><
731ケータイから失礼:2006/07/09(日) 20:05:51 ID:URsvsvfz
涼宮ハルヒの冒険

「さーぁどっからでもかかって来なさい」
「敵性種族に遭遇[ガーゴイル]lv64さほど驚異ではない」
「さて、いきますよ」
「あのう魔法ってどうやって使うんですかぁ?」
さていきなりで申し訳ないが俺達は恐らくゲームの世界にいる。
普通のゲームはちゃんとストーリーを進めれば終わるのだが、このゲームはハルヒを中心に回っている。
つまりハルヒが納得するまでこのゲームは終わらない。
やれやれ。
では回想編をどうぞ。
732名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 20:38:03 ID:SwfNOoZq
そろそろ次スレ立ててくれ
733名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 20:39:25 ID:cQnmN6r6
んじゃ立てる。
734名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 20:42:24 ID:cQnmN6r6
次スレに張っちまった
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152445245/
次スレ
735名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 20:50:23 ID:NDIWTNAa
俺も最初読んだ時「おや?」と思ったがあの人もここ読んでるんだな
某所の作者が16-397氏を名指ししていたぞ
736ケータイから失礼:2006/07/09(日) 20:58:50 ID:URsvsvfz
コンピ研に勝ったハルヒはコンピ研から一つのゲームを「有希のレンタル料ね」とか言ってかっぱらってきた。
まあ暇だったんだろう。
ちなみにそのゲームは市販のもので。いわゆるARPGで自由度が高いぶんハルヒには向いているかもな。
システムはハルヒに向いていても難易度が半端なかった。
「ちょっとキョン!手伝いなさい」
「一人プレイのゲームをどう手伝えと?」
「うー。まぁいいわ。続きは明日やればいいし。こういうのは一日経つたら意外とさっくりできるものなのよ。」
「まあいいわ」なんて言っときながら全然良くなかったんだね。
だから俺達はこんな所にいるんだね。
まぁいいさハルヒは夢だと思ってるし明日は学校休みだし予定も特にないまぁ気楽にやるさ。
737625:2006/07/09(日) 21:19:40 ID:D4b7/jWl
次スレ立ったので4レスほど使わせてください。
……昨日「もう書かない」っていったはずなのにorz
738古泉一樹の奮闘:2006/07/09(日) 21:21:40 ID:D4b7/jWl
[1章]
普段に習って取り立ててすることのないSOS団。俺はいつものように朝比奈さん手
ずからのお茶を片手に古泉とのゲームに興じていた。長門が本を閉じる音がして
本日も営業終了。非生産性極まりつつも心休まる活動を終え、家路に着いたわけだ。

SOS団の連中と別れ、寒空の中自転車を飛ばしようやく帰宅。白い息を吐きつつ愛車
に鍵をかけた瞬間、突如携帯が自己主張を始めた。長門からだった。また何かとん
でもない事態に巻き込まれつつあるんじゃないかと嘆息しつつ、電話に出た。
「今すぐ来て欲しい」
何故?とは聞くまい。どうせ厄介事が待っているに決まってる。
「分かった。だがどう急いでも二十分はかかるぞ?」
「心配ない。迎えが来る」
何のことだ?と思ったその時、目の前にもはや慣れ親しんだ黒塗りのタクシーが停ま
っていた。後部座席に張り付いたサワヤカ笑顔を睨みつつ、俺は鉄よりも重たい息を
吐いた。こいつがいるってことはまたカマドウマみたいな事態が起こったに違いない。
今度はなんだ?コメツキムシか?
739古泉一樹の奮闘:2006/07/09(日) 21:22:41 ID:D4b7/jWl
「長門さんが緊急にということでしたので」
相変わらずの笑顔でそう切り出した。いや、訂正しよう。今日の古泉は少々おかしい。
いつもの薄っぺらい笑みでなくなんか、心からの笑顔というか……て何で俺は古泉の
笑顔を必死に読み取ろうとしているんだろうね。誓っておくが、俺にはそんな趣味は
ないぞ。あるハズがない。
「それにしても、やけに楽しそうだな」
「わかります?」
いや、そんな笑みを向けられても気持ち悪いのだが……まあ、古泉が呼ばれるような
事態と言う事は、カマドウマみたいなトンデモ生物が湧いたとしか思えない。こいつ
も最近能力を使うことがなくなったというし、たまには活用したいんだろうかね?あ
んまり気持ち悪い虫は勘弁してくれよと思いつつ目的地に着き謎タクシーを降り、い
つもの事だが支払いはどうなっているのだろうかと思案していると……

「あ、キョンくん……」

振り返ると、冷凍庫の中のような気温の中マンションの前で麗しの朝比奈さんが立っ
ていた。あなたも長門に呼ばれたのですか。

・宇宙人謹製アンドロイド
・地域限定赤球エスパー
・時を翔けるマイエンジェル

SOS団団長以外勢ぞろいだな。これから何が起こるというんだ?この三人が全員必要となる
事態など想像もつかないが……まあ、とりあえず長門の部屋に入れてもらおう。この状況に
説明が欲しいし、何より寒い。
740古泉一樹の奮闘:2006/07/09(日) 21:23:11 ID:D4b7/jWl
「で、長門。今度はどんな事態なんだ?」
長門の部屋に通された俺は、開口一番こう切り出した。
「ジョン・スミスが発生する」
と、端的に答え、液体ヘリウムのような瞳で俺を見つめてくる。……て説明終わり?
「すまん。さっぱりわからん」
いっとくがこう思ったのは俺だけではないはずだ。朝比奈さんは可愛らしいお顔を傾げている
し、古泉もいつも通りの愛想笑いを浮かべているだけ。誰かが続きを促さないといけないなら
俺が聞くまでだ。時間は大切だしな。
「あなたは三年前の七夕に行き、涼宮ハルヒに接触した。情報統合思念体はそれを観測し、そ
の中の過激派が行動を起こそうとしている」
「……というと?」
「過激派はあなたを解析し、あなたと酷似する端末を作製した」
「なるほど。そういうことですか」
古泉は理解したらしく、納得したように頷いた。俺と朝比奈さんはまだ不可解の渦の中だ。
それを機敏に感じ取ったらしく、古泉は笑顔でいつも通り解説を披露した。
「確認しますが、あなたは三年前の七夕の日涼宮さんに会い、その後は高校で再会するま
で会う事はなかった。そうですよね?」
当然だ。あのあと一度目はこの朝比奈さんと三年の眠りにつき、二度目は朝比奈さん(大)と
世界改変前に行って朝倉に刺されたんだからな。痛かったんだぞ?あれ。
「ということは、正しい時間の中では涼宮さんはあの七夕の日にのみあなたに接触し、その後
は決して接触することがなかった。何故なら、その時間軸上にあなたはいないのですから」
わからん。もっと親切な解説が出来ないのかお前は。
「考慮しておきましょう。つまりは、あなたが涼宮さんに接触した後のあなたが存在しない時間
に、その過激派の端末がジョン・スミスに成りすまして涼宮さんに接触をしようと計画している
ということです。ちがいますか?長門さん」
「ちがわない」
741古泉一樹の奮闘:2006/07/09(日) 21:23:51 ID:D4b7/jWl
な……ということは、本来ならいないはずのジョン・スミス(つまり俺の偽者)が当然のように
存在する過去が出来てしまうわけだ。もちろん、ただ観測するためだけにこんな大掛かりなこと
はしないだろう。となると……
「そうです。最悪の場合、涼宮さんはジョン・スミスによって制御されることになります。相手
は望み通りの結果を手に入ことができる。世界の改変も崩壊も望みのまま……ということです」
流石に頭がくらくらしてきた。俺が過去に苦労してきたことを見事に悪用しようって訳だ。沸々
と怒りが湧き上がってくるのを自覚する。いつの間に俺はこんな短気になったんだろうね。
「こちらの不手際」
ぽつりと長門が呟いた。普段通りの抑揚のない声のはずなのに、何故か悲しい響きに聞こえたの
は気のせいだろうか。いや、お前を責めている訳じゃないんだぞ。
「本来ならその時間平面上にいる私が処理すべき問題。でも出来ない」
「なんでだ?」
「エマージェンシーモード」
そうだった。すまんな、長門。ただ、俺は嬉しいんだぜ?お前が俺たちを仲間だと認めて頼ってく
れることが。大丈夫だ。俺たちが束になればなんとかなる。そう思うんだ。

「あのー」
はい、なんでしょう朝比奈さん?
「そろそろ指定された時間ですので……んと、準備はいいですかぁ?」
大丈夫です。立ち上がり朝比奈さんの方へと視線を向ける。朝比奈さんは立ち上がり、ふかふかの
ファーコートを脱ぎ……コートの中は意外にも夏服を着ていた。古泉もブレザーの上着を脱ぎ、中
のシャツは半袖。こいつも夏服仕様になった。
「おや、あなたはそのままの格好で行くつもりですか?あちらは相当暑いと思うのですが」
それは分かってる。でもな、俺は長門から過去に行くなんて電話では聞いていなかったんだ。そん
な準備なんて出来るはずもないだろうが。
「えぇと、あたしは長門さんから聞いて準備してきたんですけど……キョン君聞いてなかったの?」
朝比奈さんの言に古泉も同意するように首肯する。が、俺は確かに聞いていない。現にここで古泉の
解説を聞くまで自分が過去に行くなんて想像もしていなかったからだ。もし聞いていたのなら夏服は
もちろん、酔い止め薬にいざという時のエチケット袋も持参しているはずだ。これはどういうことだ
長門?振り返った先にはいつの間にか夏服に衣替えを済ませたヒューマノイド・インターフェースが
静謐な瞳をわずかばかり大きく見開いて一言。

「忘れてた」
742ケータイから失礼:2006/07/09(日) 21:24:49 ID:URsvsvfz
さてハルヒ作?のゲームはコンピ研と戦う時に少し話していた無茶なつくりでハルヒの宣言どうりいきなり魔王風なハンサム野郎が何の前触れもなく現れた。
さすがに全滅するとどうなるか実験するきにもならずハルヒもヤバいと感じたのか逃走に同意した。
さて逃走後なのだがハルヒが「こんな装備で戦えって方がおかしいのよ。」
おかしいのはお前だ。
古泉の提案で武器防具屋にいった俺達は勇者だと話すと歓迎され最強装備をフルで無料で貰った。
「装備が凄くてもlvが低くちゃね」
さぁメタル○ライムが群れでやってきたぞ。
やれやれ、色々すっとばして俺達は決戦前の宿屋の前にいる。
743名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 21:51:17 ID:ZWBXCYI6
うまったの?
744名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 21:52:18 ID:y7v6HHwv
さあ
745名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 21:52:26 ID:eLbxjQm1
まだ、30kある。
746ケータイから失礼:2006/07/09(日) 22:01:12 ID:URsvsvfz
「すいませんが男二人で席を外してもいいでしょうか?すぐもどりますので」
「いいわよ。じゃーんと気合い入れてきなさい」
じゃーんとの意味が分からんがまあすぐもどる。
朝比奈さん、長門はハルヒの「こっちはこっちで気合い入れるわよ」の声についていく。
朝比奈さんがこっちを見て微笑みながらてをふっている仕草に感動していると古泉が「では夕方にまたここで。」とつげる
「さて、少しいいですか?」
嫌と言ったら止めてくれるのか?
「それは困りますね」
じゃあいいから手短に話せ。
「では...宿屋でいいですか?」
そこぐらいしか落ち着けそうな場所もないしな。
都合によりひとまず中断
747名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:04:17 ID:tKm8JIJT
>>625
まだ話は見えないが読み口は良い。面白い話の予感はする。よく書けてると思うぞ。
だから這い蹲ったりしないで胸を張れ。
748名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:06:45 ID:vyiQYhRG
ケータイからだとさげられないの?
>>625 前置き長い、いらない 
749608:2006/07/09(日) 22:10:16 ID:CrpV5DTh
埋め小ネタ投下します。
似たような話なので、コテもつけときます。
750すずみやさん:2006/07/09(日) 22:11:26 ID:CrpV5DTh

「……」
「……なあ、ハルヒ」
「何よ」
「団長の席って、そこだったか?」
「当たり前じゃない」
「……そうか」
「そうよ」
「……で、何で今日はそんな髪型してるんだ?」
「暑いからよ」
「……そうか」
「そうよ」

「……いやしかし、最近暑いよな」
「まったくよ。あんた何とかしなさい」
「だったら、もうちょっと離れ……いえ、何でもないです……あ、そうだ。暑いし、ジュースの一本ぐらいおごってやるよ。何かリクエストあるか?」
「果汁っぽい奴買ってきて」
「わかった。じゃあちょっと購買行ってくる」
「……」
「……」
「……」
「……なあ、ハルヒ」
「何よ」
「離れてくれないと、立てないんだが……」
「じゃあジュースは無し」
「……」
「無し」

「……なあ、ハルヒ」
「きーっとーあなーたーはーかーがーやいてー」
「何で歌ってるんだ?」
「まーいうぇーいかさーなーるーよいーまー」
「聞けよ」
「ふーたーりーにごーっぶれーす……ふ〜」
「……」
「ふーたーりーにごーっぶれーす……ふ〜」
「ゴッドブレスって、そういう意味じゃないぞ」
「……」
「……」
「すーべーてーはごーっのーず」
「……」
「……くんくん」
「それも違う」
751名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:18:30 ID:vyiQYhRG

752名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:20:42 ID:vyiQYhRG
                           __
                       , ' ´ ̄´     `丶、
                     /   rヘ=,,≠==、、  ` 、
                     〃l  ハl`ヽ       )   ヽ
                     リ l l ゝ      ,,,,从 l  l
                      (l∨ ⌒ヽ   ´   〃 }  l
                       l |   r ‐ - 、⌒ヽ/ l) │ めがっさ埋め〜
                        ,'| |   l   /   / /   |
                      ,'.| | \` ー '  _ / /    !
         _          , -| | - l ` ー < / /    |
 r―――-、-''、 ` ー--‐'' ̄`ー''´  |.│∠  /  / / ヽ   !
   ̄ { `   ヾ }           { | /≠ミ/  ,'  ,'    l  |
    ヾ____ノ ノ    ` ー-____.l | l   /  / /    │ │
        ` ー----‐‐ ̄   / / | l  /   ./ /    │  .l
                     / /  ! l , '   / / {    |  ヽ
                 / /   | l_ . //  ! /|     |   ヽ
                   / /   / ̄ ` ーl   !ー− ヽ  |   ヽ
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               / , '  /ーrォrォ - |   |/      l   ヽ ヽ
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             /  │ / | .│| .| !  ! l |   ヽ    ヽ   ヽ \
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           /     !/   !.  | | │|  l ! !     ヽ     ヽ   ヽ  \
          /     /   /  `'  `'   ! .l ゝ     ヽ     ヽ    \ \


753352:2006/07/09(日) 22:22:11 ID:qtDka1mC
埋めに参加。


『フラグの王様』

 本日、俺が一年五組の教室に入ってはじめにやったことは、後ろの奴への挨拶と、その直後仰け反って頭を打つことだった。
 ハルヒ、そのユカイな格好は一体なんだ?
 しかしハルヒはいつぞやの鳩の呪いか、豆鉄砲を喰らったような表情で、
「あんた何言ってんの?」
 何ってお前、そりゃビビりもするだろう。

 体中に旗をおっ立ててる奴なんか見たらな。

 昼休み。結局、ハルヒもクラスの連中も旗のことはついに言い出さなかった。どうやら、あれは本気だ。
 またトンデモパワーを発現させたんだろうが、ありゃ一体何の意味があるんだ。
 長門にはなるべく負担をかけまいと心がけている俺はその辺を練り歩いていた超能力者を呼び止め、癪ではあるが意見を求めた。
 古泉自身も頭部に一本、でっかい旗を掲げていたが、言及はよしておいた。

「旗……ですか。それはそれは」
 なにっ、知っているのか古泉。
「涼宮さんらしい、ストレートな表現ですね」
 と言って古泉は笑う。いつものニヤケ顔とは違い、本当におかしくてたまらないといった様子で。
 しかしハンサムスマイルも頭頂部に旗が立ってちゃあ台無しだな。本人は気にしてないようだから、俺にしか見えないらしいが。
「で、あの旗は何だ。何かのメタファーか」
「ええ、いかにも」
 適当に言ったのだが、当たるものだな。知っているのなら話は早い。早く教えろ。
「それは“フラグ”の隠喩でしょう」
 俺は停止した。
 まんまじゃねーか。隠喩どころか、実直すぎて比喩に分類することすらおこがましい。
「いえ“フラグ”という単語自体が比喩になっているんですよ。そうですね、例えば――」


『ああ、約束だ。必ず守る』

『なあに、すぐ戻る。あとのことは頼んだぞ』

『ここは俺に任せて先に行け!』

『メガンテ』


「――これらを死亡フラグといいます」
 嫌な例を出すな。あと、最後のは何か違うだろ。
「要するに、特定のイベントを起こす為の伏線のことですよ」
 イベント、ねえ。ハルヒの旗は、少なく見積もっても両の指を何度か使いまわしても数え切れないほどあった。
 まあハルヒだしな、あれだけの量の旗=イベントを謀略していても特に不思議は無い。
「あれは貴方が立てたものですよ」


「平たく言えば、恋愛フラグです」
754352:2006/07/09(日) 22:23:55 ID:qtDka1mC
「涼宮さんはいつまでも鈍感な貴方に痺れを切らして――」
 恋愛フラグ――古泉の言葉の意味を理解すると同時に、俺は背を向けて走り出した。決して振り向かずに。
 古泉、その頭に、突っ立ってる、フラグは、違うよな――?
 泣きそうだった。もちろん恐怖で。


「キョンくん、よかったら一緒にお弁当食べませんか?」
 朝比奈さん、誠に感極まる申し出ですが、生憎と今の俺は不特定多数の旗が立っている人と一緒にいると落ち着かないんです。

「やあっ、キョンくん! んん? 元気がないなあ、どうかしたのかいっ?」
 鶴屋さん、あなたもでしたか。だがおかしい、俺はこの人とそんなに親密に関わった覚えは――

「あれ、キョン、早かったね。弁当食べてないの?」
 国木田、その控えめに立ってる旗をどっかにやってくれ。明日も同じ調子で会話する自信が無くなる。

「忘れたのか? ノロノロしてたらめぼしい学食も売り切れちまうぜ」
 ……何故だろう。谷口のアホ面でも、旗が立ってないというだけで物凄く安心する。

「キョンくん? 涼宮さんなら、まだ帰ってないのね」
 ……驚いた。大穴だよ阪中、うん、驚いた。自暴自棄になりそうだ。


 もう限界だ。憑かれた。決して誤変換ではなく、間違いなく俺はフラグの化身的なモノに憑かれている。
 あんなに多くの伏線、回収できるわけがない。
 無自覚だったとはいえ、自分の無節操さを大いに悔いた。
 だがしかし、奴なら、奴ならなんとかしてくれる。ついさっき負担はかけまいとか言ってたりしたが、背に腹は代えられない。
 正直に自白してこれは俺の手に余る。ここは宇宙規模の掌でないと事態を丸く収めることはできないだろう。
 よし、言い訳もバッチリだ。
 深呼吸して、俺は文芸部の部室の扉を――
 開けた。
 閉じた。


 長門がハリネズミになっていた。
 俺は、あんなになるまで、伏線を、放置し続けたと、言うのか――!

 頭を抱えてうずくまっていると、部室のドアが音も無く開き、長門が顔を覗かせた。
 寡黙な宇宙人は「いつでも攻略可能」と、俺を部室に入るように促した。
 ――誘われてます?


                          埋めネタなので特にオチなし。
755名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:28:52 ID:eLbxjQm1
>>752
AA貼るな。埋めるならネタもってこい。
756名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:30:44 ID:/74tk7zw
梅ネタ投下
BADEND風味で
757名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:31:11 ID:XEDhFh1p
>>753
ナイス。モテモテだな、キョンw
758名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:31:20 ID:/74tk7zw

「好き」

はっきり言って、俺は恋愛の経験もスキルもレベル1の、まぁ標準的な高校生男子なので、
いきなりそんなことを言われて、まったく動揺しないでいられるわけがない。
思わず目を限界まで見開いてしまったし、「ひっく」とかついしゃっくりのような情けない声を上げて息を詰まらせたし、
ぐびりとかつてない大きな音を立てて生つばを飲み込んでしまった。
じわりと汗がにじんだのがわかった。今日はどちらかというと涼しいと言える気候だが、俺の身体は緊張し、
わきの下やらひざの裏やら背中やらに衣服が貼り付いている感じがするので、多分汗をかいているのだろう。

「好き」

俺があまりにも反応を返せずにいるので、聞こえなかったとでも思ったか、もう一度その言葉をそいつはつぶやいた。
鈴の音のような細い声。夕日を背に立っているそいつの、アスファルトに伸びる影は長い。……と思う。
何故わからないかと言うと、俺はそいつに対面してるし、影の長さを確認するには背後を向かなければならない程度の距離に居るからな。
雲の少ない空は橙と藍とその中間のグラデーションで覆われていて、ところどころに星が見えてきていた。
小学生の集団が喚きあっている。車のクラクション。自転車のベル。
そんな遠くの雑音がはっきりと聞こえるほど俺とそいつの周りは静かで、人の気配もしない。

「……好き」

三度目。少し不安そうに顔を歪めた。やめろ、お前のそんな顔は見たくない。
先ほど俺の経験が足りないから動揺してるとか言ったが、あれは嘘だ。
といっても、実は動揺してないって意味じゃないぜ。その証拠にほら、俺の心臓はどくんどくんと激しい音を立ててるし、
呼吸も困難になってきた。心臓を掻き毟りたくなるような不安にも襲われている。

俺が動揺している原因は、まぁこいつを知ってる奴なら、問題なくわかるよな?

「で、今度は何が原因でエラーが溜まったんだ? 長門」

長門は何も言わず、たった1歩に満たない距離を気が遠くなるような時間をかけて埋め、正面からそっと俺に寄りかかった。

「……っと、おい」
「…………エラーでは、ない」
「なに? それはどういう……」

俺が手をどうしようかと宙をさまよわせていると、不思議なことに手が勝手に長門の両肩を掴み、
長門は珍しいことにびくんと身体をふるわせ、俺を見上げた。

(なんだ、これは)

長門は頬を染めて、瞳を潤ませていた。(ありえない)

俺と長門の距離が短くなっていく。(やめろ)(何で)(何でも糞もあるか)

長門が目を閉じた。(やめろってば。おい、やめろ!)

湿った感覚が唇に伝わった。
759名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:32:29 ID:/74tk7zw
世界が補色反転した。
俺はジェットコースター酔いを何十倍にも激しくしたような不快感に襲われ、立っていられなくなった。

アスファルトに身体がぶつかったが、衝撃は無かった。ぐるりと回転した視界の隅に、走り去る人影が見えた。

アスファルトが泥のようになり、俺の身体はゆっくりと沈んでいく。身体が痺れて動かない。
空はマーブル色になっていた。電柱は鉛筆の端を持ってぐにゃぐにゃさせたようにひん曲がり、
地面は盛り上がり、抉られ、塀はぺらぺらの紙のようになり、その全てが奇怪な色に変貌していた。
住宅街の様子は妹の作った粘土細工のようになっていった。唯一動かせる視線で長門の姿を探すと、
長門はいつもの無表情に戻っているものの、いつかの山荘での一件のときのように横倒しになり、
俺と同様ずぶずぶと地面に沈んでいった。



……………………。
…………。
……。
…。



その日は珍しくハルヒは病欠していた。といっても、俺はそこまで不思議に思わなかった。
授業中の教室の中を見渡すと、ちらほらと人の海に穴が見える。
風邪が流行っているらしいな。

「キョンはバカだからなー。関係ないんだろうよ」

昼休み、マスクの隙間から牛乳をちゅーちゅー吸ってる谷口がそう言った。
お前にだけは言われたくないと思ったが、事実俺は健康体そのものだし、
谷口は風邪をひいているので、特に反論もせず黙っておいた。

「さすがの涼宮さんも病気には勝てないか」
「まぁ昨日とか教室の中ひどかったからな」

国木田と二人で空の机を見やった。谷口は菓子パンをむしゃむしゃ食っている。
昨日は比較的このクラスは出席率が高かったが、その分教室内に蔓延する病原体の数は
今日の3倍から4倍といったところだっただろうか。無理して来るくらいなら最初から休めよと思った。

「学級閉鎖とかってあるのかな」
「さぁ……」

インフルエンザならまだしも、風邪で学級閉鎖ってあるのか。

「何人休んだら閉鎖とか決まってるんじゃないか」

谷口が鼻をずるずるとすすっている。俺は教室を見渡しながら、学級閉鎖も遠くはないなと思った。
760名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:33:02 ID:/74tk7zw



文芸部室に行くと、長門がいつも通り読書をしていた。なんとなく安心する。

(まぁ、こいつが風邪を引くとは考えられないが)

はー、と息をつきながらいつもの席に腰を下ろす。
無言。
なんとなく身体がだるかった。俺も風邪をひいたのかも知れない。

しばらく机にぐったりと突っ伏していると、こんこんと控えめなノックがされた。

そこに現れた朝比奈さんは、見てるほうが可哀想な気分になるほど目をうるませ、顔を紅潮させて、
顔の小ささの割りに大きなマスクをして、けほけほと咳をしていた。

「……朝比奈さん、帰ったほうがいいですよ」
「けほ、え? で、でも……」
「今日はハルヒも休みですし、大丈夫ですってば。ほらほら」
「……はい」

若干あっけなく、朝比奈さんは帰っていった。やっぱり本気で辛かったんだな。

それから30秒もしないうちに古泉がやってきた。

「今途中で朝比奈さんに会いましたよ。とてもしんどそうでしたが」

風邪をひいたらしいから帰らせたよ……と言おうとし、古泉の顔を見て俺はつい絶句してしまった。

「……お前も風邪か?」

古泉は土気色というか、青白い顔をしていた。夜道では絶対に会いたくない顔である。

「いえ、……いや、まぁ、今は風邪かもしれません。衰弱したところでクラスメートの風邪をうつされたのかも知れませんね」
「衰弱?」
「昨晩、珍しく大規模な閉鎖空間が発生しまして。夜っぴて対処に追われていたもので」

久々にその単語を聞いたぜ。今日はハルヒは病欠しているが。

「悪夢でも見たのでしょうね。体調の悪いときは嫌な夢を見やすいものらしいですから」

古泉は俺の対面、いつもの指定席に座ろうとしていたが、手元と足元が若干怪しかった。
761名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:34:05 ID:/74tk7zw
「……お前も帰ったほうが良いんじゃないか」
「……すいません、実はそう言われるのを少し期待していました」

別に病人に追い討ちを掛けるつもりは無い。良いからさっさと帰って養生しろ。

「申し訳ありません。明日には全快してますので。では」

古泉もふらつきながら帰った。寒気がする。
たかが風邪と言えど、病気は怖いな。



その後、しばらく長門と共に黙々と読書に励み、空が赤みはじめた辺りで帰宅することになった。

夕暮れの町並みを横目に、女の子と二人で下校するなんて夢のようなシュチエーションだが、いまいち俺の気分は晴れなかった。
とはいえ、その不機嫌さをわざわざ顔や態度に出すほど俺は子供ではない。
長門とのだんまりの下校も慣れたもので、基本沈黙、たまに俺が思いついたことを話しかけてはぽつぽつと長門がそれに答える。

校門を出た頃には同じように部活帰りの生徒達がちらほらと周りに居たが、次第にまばらになり、
いつのまにか目の届く範囲に居るのは俺と長門の二人だけになっていた。

何度か上りと下りを繰り返し、何度目だったか忘れたが、ある坂を上りきる少し直前、長門が急に立ち止まった。
俺も足を止める。長門の無表情なその顔を……いや、逆光になっているため、その表情を判別することはできない。

長門が何か言いたそうにしているのを感じ取り、俺は待った。

沈黙。時間にしては20秒もなかったのだろうが、果てしなく長く感じた。

「……あなたに伝えることがある」

何だ。

「好き」



……………………。
…………。
……。
…。
762名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:34:57 ID:/74tk7zw



夢は人間の無意識の中に閉じ込められ抑圧された願望が形を変えてあらわれたもの……という話は誰でも聞いたことがあるだろう。
ハルヒがその話を知っていたかどうかも、知っていても信じているかどうかも知らん。
ハルヒがどんな悪夢を見たのかも俺には知りえない。
願望を叶えてしまうハルヒの能力がどう屈折されてこうなったのかも。
人の気配が一切しなかったのに、先ほど確かにいた走り去る女が誰だったのかも知らない。

古泉がこの場にいればいかにもそれらしく説明してくれそうなんだがな。奴は今頃家で寝てるのだろう。

長門はアスファルトの中に沈んでしまい、もう見えなくなっていた。俺ももう頭の半分を残して沈んでしまうところだ。

世界が再構成されても、この記憶は持ち帰りたくないな。
と思ったところで、俺の意識はぷっつりと途絶えた。



……………………。
…………。
……。
…。



「よう、ハルヒ。今日も元気そうだな」
「あたしが風邪なんかひくわけないでしょ。悪いけど、夢見が悪くて少しイライラしてんのっ。話しかけないで」

俺は窓の外を見た。快晴。
世界は今日も平和だ。
763名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:37:45 ID:/74tk7zw
終わり
まぁ根本的な原因は風邪引いて悪夢見ただけなんだけど、
そこから発展して世界を終わらせたりするだけの力がハルヒにはあるんだなー、というのがコンセプト
以上梅ネタでした
764名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:40:30 ID:WJn7rhMf
なるほど。
単純にフラグ潰ししてるハルヒの話かと思ったぞ。
765名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:47:43 ID:h6ODEOu6
アシモフの三原則ネタがあったからファウンデーションネタを2ネタほど
「困った事態が生じた」
「どうした長門」
「涼宮ハルヒが私の正体に気づき始めた」
「何だと?そうだ、長門、お前がロボットらしくない行動を起こしてごまかすっていうのはどうだ?」
「この場合、どのような行動をとればいいかわからない」
「笑えばいいと思うぜ」
766名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:50:41 ID:h6ODEOu6
心理歴史学ネタ
「・・・情報統合思念体にとって、人類の行動は心理歴史学の予想される範疇に収まっていた」
「すまん、心理なんちゃらってどういう意味だ」
「通俗的な言語を使用すれば、いわゆる予言のこと。惑星上に含まれる全人類に対して
確立論的に行動パターンを予想する」
「しかし、心理歴史学は個人には適用できない、情報統合思念体にとって涼宮ハルヒの存在は想定外だった」
「また、心理歴史学の理論の応用による予想は人類にとって秘密でなくてはならない、人類がその予想に従わず
に行動するおそれがあるから」
「そこで私たち対有機生命体インターフェイスによって人類に対する介入を行うことにより、心理歴史学の予想
との齟齬を埋める必要性があった」
「ただし、ここにひとつの矛盾点が生じた。心理歴史学には大きな前提を内包していた。
それは、人類が現惑星上での唯一の知的生命体であるという前提。私たちの存在こそが
心理歴史学の計算を妨げる因子であると情報統合思念体は判断した」
「・・・ところで、そんな話を全然理解できない俺にして、一体どうしろっていうんだ?」
「あなたは涼宮ハルヒに選ばれた唯一の人間。情報統合思念体はあなたの選択を通じて涼宮
ハルヒに世界改変を行わせることを決定した」
「あなたはどちらを選択する。心理歴史学のみに支配された世界か、情報統合思念体によって
絶えず介入が行われる世界、それとも全人類や情報統合思念体をふくめて一体となって存続する世界か」
「・・・なんか最後のが一番まともそうだな」
「では、私はあなたを同化することにする」
「ちょっと待て長門、サイボーグ化してるぞ」
「あなたは人類と情報統合思念体の一体化を選択した。我々情報統合思念体は全人類を同化する。
我々は情報統合思念体。抵抗は、無意味」
767名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:54:55 ID:/74tk7zw
>>764
そういうありがちなネタに収束させても面白かったかもしんないwww
まぁそれはまた今度
768名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:06:44 ID:eLbxjQm1
>>766
ファウンデーション世界なら、長門はブリスにあたるのかね。で、キョンが、トレヴィズ。
さて、どちらを選ぶ?
769名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:10:54 ID:h6ODEOu6
>>768一応二番目のネタは、長門=ブリス、情報統合思念体=ガイア(ついでにファウンデーション1,2)
キョン=トレヴィス
最初のネタはキョン=セルダン、長門=ダニールで
770名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:14:24 ID:eLbxjQm1
>>769
古泉を第一ファウンデーション、みくるを第二ファウンデーションって考えると、
結構面白いSSが書けるかも。や、これ以上はスレ違いか。
771名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:17:04 ID:h6ODEOu6
>>770
永遠人ネタ
「それでねキョン君、私たち永遠人とセックスするとキョン君も永遠人になれるんです」
「待ってください朝比奈さん。これじゃ元ネタと立場が逆ですよ」
772名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:20:41 ID:zUF+e08W
試合前、たいてい部室でミーティングが行われます。今日はなぜか犬がいました。
犬といえばハルヒ(監督)。
主催するARF(アニマル・レスキュー・ファウンデーション)の関係者に違いありません。

何の種類やらさっぱりわからないその子犬と、飼い主と思われる男性は、
ハルヒの隣に立って団員たちを見渡しています。
(いったい何が始まるんだ・・・?)ナゾの緊張感に包まれる団員たち。
するとその男性が前ふりもなく、
「ではこれから、うちの犬が数を数えます。野球はストライクがいくつでワンアウトかな?」
「ワン!ワン、ワン!」(犬)
「おおお〜」(団員一同)
「じゃあ、ボールいくつで一塁に行ける?」
「ワン、ワン、ワン、ワン!」(犬)
「おおお〜」(団員一同)
更に、
「では誰か、犬に質問してみてください。そこのあなた」
指名された古泉(投手)が、
「・・・ゴルフは全部で何ホール回る?」
「はい、じゃあまず10の位は?」
「ワン!」
「1の位は?」
「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン・・・ワン?ワン?」
途中、男性の顔色をうかがいながら、それでも8回吠えた犬に、団員たちはまたしても「おおお〜」。

その後、何人かの団員が指名されては質問し、犬が吠え、
それだけでミーティングの終了時間となってしまいました。
するとハルヒがパン、と手を叩き、
「よーし、行こう!」

試合は負けました。
773名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:22:07 ID:sYX85uC+
埋めネタ ヒトメボレLOVERより

「告白が間違いだったと解って、少しは残念だと思わなかったか?」

「……少しだけ。……わたしもひとつだけ訊きたい」

「なんだ?」

「告白が間違いだったと解って、少しはほっとした?」
774名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:25:42 ID:eLbxjQm1
埋めネタ。


その日、部室には、俺とハルヒ、そして、いつものイスに腰掛け、いつものように
窓際でハードカバーを黙々と読んでいる長門がいた。
朝比奈さんは進路指導。古泉はバイトらしい。大方、例の機関とやらの用事だろう。

ハルヒは、パソコンに向かって何かしている。ネットサーフィンでもしてるのだろう。
静かなのはいいことだ。
で、俺は、他に何もすることがないので、長門から勧められた文庫本を本棚から取り出して
読んでいた。SFだがこれが中々面白い。

「ねぇ、キョン?」

邪神が目覚めたようだ。

「……なんだ?」
「テレパシーってあったら良いと思わない?」

テレパシーだって? こいつはいきなり何を言ってるんだ?
そう思いつつも、しかし、ハルヒの考えそうなことだ、と思い直す。

そうさ、こいつはいつも超常現象を捜し求めてる。
だから、超能力に興味を持つのも、当たり前って言えば当たり前のことだからな。

しかし、テレパシーね。そんな能力に、その辺の人間がほいほい目覚めたら
とんでもないことになるじゃないか。それをハルヒが望まないことを祈ろう。

「テレパシーがあれば、人の心が読めるのよ? とても便利だと思うわ」
「だが、相手もテレパスなら、お前の考えていることも、筒抜けになるんだぞ」
「うーん、そうね。じゃあ、あたし一人だけがテレパスってのがいいわ。
こう心で念じて相手を見ると、相手の考えていることが解るわけ」

そう言って、ハルヒは唇を片方だけ吊り上げ、レーザー光線でも出しそうな瞳で俺を睨んだ。

まずい。よく解らんが非常にまずいような気がする。
ハルヒよ、まさか本気でそれを望んじゃいないよな。
そんなことを望んだら、俺の、あーんな朝比奈さん妄想や、こーんな朝比奈さん妄想を知ることに
なるんだぞ。お前はそれでいいかも知れんが、俺は困る。非常に困る。
つか、そんなのをハルヒに知られたら、生きてここから出れないような気さえする。
長門、何とかならんか?

「あ、キョン? 今、有希のこと考えたでしょ。いやらしい」

なぜ解る? 俺は一度もハルヒから視線を外してないだろうが。
むむ、事態は悪化の一途を辿っているな、たぶん。

これ以上、ハルヒがテレパシー能力の獲得を望まないようにしなくてはならない。
ハルヒテレパス化、それは断固否定せねばなるまい。そうしないとたぶん俺の身が危険にさらされる。

「あのな、ハルヒ」
「なによ?」
「テレパシーってのは、精神感応ってやつだろ?」

それは、つまり、相手の心を感じるってことだ。心なんてものは自分でもよく解らない、
曖昧模糊なものだ。他人の心ならなおさらだ。だから、他人の心を、自分が理解できる
ように知ることは、たぶん不可能だ。本を読むようなもんじゃないだろうからな。

仮に、他人の心を感じたとする。それは、どう感じるだろう。自分とは違う自我意識。
他人の思考、記憶、それらが自分の心に流れ込んできたとき、何を持って区別できる?
775名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:26:04 ID:XEDhFh1p
>>773
ちょっと萌えた。
本編でそう言い返してたらなぁ……
776名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:26:35 ID:eLbxjQm1
お前が、テレパシー能力を発揮して、俺の心を感じたとする。そうすると、お前の中に俺の意識が
入り込む。それは、お前の中に、お前の意識と俺の意識が同時に存在するようなものだ。
さて、お前の能ミソは、どちらの自我意識を自分の自我だと認識するんだろうな?

我ながら詭弁だな、そう思いながら、俺は思いついたことをそのまま喋っていた。

「そんなの決まってる……」

そう言ったハルヒの声を聞いたような気がした。

次の瞬間、立っていられないほどの眩暈を感じて、慌てて、その辺に手を置く。
なにか物凄い違和感だ。胸や尻に妙な圧迫感と痒み。そして、身体が思うように動かせない。
どうしたんだ、そう思って顔を上げると、視線の先に俺がいた。
なぜ俺の眼前に俺がいるんだ?

その俺は心配そうに俺を見ている。やばい、パニックになりそうだ。

目の前の俺は、心配そうな表情を浮かべつつ、言った。

「どうした? 大丈夫か、ハルヒ」

ハルヒ? 何を言ってるんだ? 俺は俺だ。
そう思いながら、自分の身体を見下ろし、目を疑った。
なんてことだ。俺はセーラー服を着てるじゃないか。これは一体どういうことだ。
何が起きたんだ? 俺以外に俺がいて、俺がセーラー服を着ているだなんて。
まさか、また、ハルヒが何かしでかしたのか?

思わず、長門の姿を探し、声を掛ける。長門は、椅子に座ったままで俺を見つめていた。
ハルヒに聞かれちゃまずいのかも知れないが、そんなことを気にする余裕はない。

「おい、長門。これは一体……」

最後まで言葉が出なかった。これはハルヒの声だ。

「あー、ああ。あ、い、う、え、お」

間違いない。聞きなれた声とちょっと違うように感じるが、これはハルヒの声だ。
と言うことは、まさか……。

「おい、本当に大丈夫か? どうしたんだ一体?」

目の前の俺が心配そうに寄ってくる。慌てて両手を前に突き出し、目の前の俺を制して言う。

「待て、ちょっと待て。俺はハルヒじゃない」
「何だって?」

きょとんとした顔、間の抜けた声を上げて、目の前の俺が立ち止まる。

「思い出せ、さっきまで俺が言ってたことを。いや、お前が言ってたことか」
「俺が言ってた? 何だ? テレパシーの話か?」

ぽかんとした表情の俺。その、目の前の俺の表情が徐々に変わっていく。驚愕の表情へ。

「World of Ptavvs」

そう言ったのは長門だった。って、ラリー・ニーヴンかよ。
777名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:27:49 ID:PeGBMzjd
SSS
「東中学出身、涼宮ハルヒ」
ここまでは普通だった。 真後ろの席を身体をよじってみるのもおっくうなので俺は前を向いたまま、その涼やかな声を聞いた。
「ただに人間には興味ありません。 この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。 以上」
流石に振り向いたね。

いきなり右前の方から椅子が動く音が聞こえた。 誰かが立ったのは分かった。
「厳密に言うと宇宙人に作られたインターフェースだけど、どうしたの?」
えーっと朝倉だっけな? 何話を合わせてるんだよ。

俺と同じ中学だった国木田も立ち上がり、
「それは奇遇だね。 僕は実は未来から来たんだよ。」
国木田、いつの間にそんな怪しい属性を手に入れたんだ?

「涼宮、俺も実は超能力者なんだぜ。」
涼宮の後ろの谷口とか言う奴も妄言を吐き出した。

ここ笑うとこなのか?
これには涼宮もあっけにとられたらしく、死神に魂を抜かれたように立ち尽くしている。

俺はこんなクラスで一年を過ごすのか? 変われるなら誰か代わってくれ。 今ならすぐにでも代わってやる。

こうして俺たちは出会ってしまった。
しみじみと思う。 偶然だと信じたい、と。

埋め用にあわてて書いた。 山なしオチなし意味なしだが少し公開はしている
778名無しさん@ピンキー
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