【涼宮ハルヒ】谷川流 the 17章【学校を出よう!】

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825名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:23:03 ID:IxPBvo03
こんなのもわかんないの?バッカバカバカ
826名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:31:35 ID:MR+tUJ3E
今書いてるエロなしSSが23kもいって今さら出しづらい…
827名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:34:37 ID:dziv84/4
>>826
最初の1レス分だけ書いてみてよ
828名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:35:16 ID:xyNThRV1
うんこSSもそのうち投下しますよ
今まとめて描いてますから
829名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:36:29 ID:IxPBvo03
>>
826
830名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:36:34 ID:0bqLwCNo
>>826
俺は、まったくエロなしで55k投下したことがあるぜ。
反応が怖くて、その後しばらくスレを見れなかったがな。
831名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:37:18 ID:IxPBvo03
>>826
こっちは俺たちが埋める!お前はあっちを頼んだ!
・・・とやろうとしたがみすった。
832名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:40:30 ID:Ouot/IgR
自サイトに逃げた人も沢山いるんだろね。
荒れ放題だし。
833名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:42:46 ID:+FYEgm1g
>>826
エロ専用板じゃないので、投下ねがいたい。
834名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:43:55 ID:xyNThRV1
まだ結構あるな。
835名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:44:13 ID:MR+tUJ3E
>>827
じつは120辺りにもう書いてたりして
しかもそれすらも加筆修正で変容してる
しかもまだ完成してないというイライラ
鶴屋さん告白とかネタはあるんだけどなぁ・・・
836名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:47:38 ID:dziv84/4
>鶴屋さん告白
是非みたい
837名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:48:12 ID:xyNThRV1
>鶴屋さん告白
是非みたい
838名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:51:18 ID:+ZfVtSga
>鶴屋さん告白
是非みたい
839名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:52:11 ID:5xitzxNH
>鶴屋さん告白
是非みたい
840名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:52:37 ID:xyNThRV1
>鶴屋さん告白
是非みたい
841名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:52:37 ID:P3j2MZB0
そう

>鶴屋さん告白
是非みたい
842名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:53:20 ID:j6dEnZf0
>鶴屋さん告白
是非是非見たい
843名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:54:56 ID:IxPBvo03
>鶴屋さん告白
悶えるほどに見たい
844名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:55:08 ID:0bqLwCNo
何か埋めモードに入っているようなので、小ネタ投下。エロなし萌えなしで2レス。


梅雨の蒸し暑さの中、俺は、その不快さから、部室の長テーブルに突っ伏していた。
湿った空気が纏わり付いてきて、首筋を汗が流れる。
ふと、顔を横に向けると、いつものように涼しい顔でハードカバーのページを捲っている
長門の姿が視界に入った。

長門は暑いとか寒いとか感じることはないのだろうか。
いや、長門のことだ、例の情報操作とやらで、この鬱陶しさに対処しているのかも知れない。

汗一つかかずにページを捲る宇宙人製アンドロイドを見ているうちに、
喜緑さんの涼しげな微笑みを思い出し、次いで、生徒会室を連想した。

そういえば、生徒会室っていつも快適だよな、エアコンもないのに。

春先の機関誌騒動以降、何度か足を運ぶはめになった生徒会室を思い出す。
暑くもなく、寒くもなく、いつも快適な温度と湿度を保っているような気がする。
それに比べてこの文芸部室、いや、SOS団の溜まり場は、夏は暑く、冬は寒い。
今の季節は、蒸し風呂のようだ。

まあ、夏や冬の生徒会室がどんな状況かは知らんのだが、この鬱陶しい梅雨の季節に
あれだけの快適さを保っているんだ。だから十分に想像できる。きっと快適に違いない。
でも、なぜだ? 何だか不公平ではないか。

ぼんやりとした俺の視界の中で、長門が顔をあげ、こちらに視線を向ける。

「生徒会室は、基本的にエントロピーが減少する傾向にある」
「……何だって?」
「たぶん、喜緑江美里のせい。あれは悪魔の仕業」

喜緑さんの? 悪魔とはまた物騒だな。
まさか古泉の言ってた広域宇宙人とやらが絡んでるんじゃないだろうな。気になるじゃないか。
俺は上体を起こして長門に向き直った。

「どういうことだ?」
「喜緑江美里は、悪魔を使い、生徒会室内において、空気中の早い分子を排除し、
遅い分子を受け入れている。別に害はない」

害はない、と言う言葉にほっとする。
でも、喜緑さんは、お前と同類だろうなとは思ってたが、そんな魔法使いみたいなことを
してたとはな。
つか、悪魔って何だ? それってお前が使う情報操作なんちゃらのことじゃないのか?
というか、そもそも、分子を選択するなんてことが出来るのか?
いや、長門や長門の同類なら、出来ないことなんてないんだろうけどさ。

「で、それで一体どんな効果があるんだ?」
「生徒会室の室内温度は周囲より低く保たれる。冬は、そのプロセスを逆にすればよい」
「よく解らんが、それで快適な環境が保たれるってわけか」
845名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:55:56 ID:0bqLwCNo
宇宙人パワーをエアコン代わりに使うってのは、どうなんだ? それって何か間違ってないか?
そう思いつつも、しかし、それで快適になるのなら、ハルヒのいないとき位は、お願いできない
ものだろうか、などと思ってしまうのは、一介の高校生としては当たり前のことだと思う。
そうさ、俺は、聖人でも何でもないんだからな。ただ、いきなり、喜緑さんと同じことをしてくれと
頼むのは、人としていかがなものかと思わんでもない。しかし……。

まあ、訊いてみるだけなら罰が当たることもないだろう。
そう自分に言い聞かせて、何気なく長門に訊いてみる。

「お前は、喜緑さんと同じことは出来ないのか?」

出来るなら、きっと感謝されるぞ。俺だけでなく朝比奈さんや古泉からもな。

「できる。しかし、推奨できない」

なぜだ? 喜緑さんはやってるんだろ?

「喜緑江美里は、生徒会の書記だから」

すまん、意味が解らない。

「書記。英語で言うと、クラーク」

すまん、ますますわけが解らない。

そのときの俺は、かなり間の抜けた顔をしてたんだろうな。
少し伏し目がちになった長門は、何と言うか微妙に脱力した雰囲気を周りに漂わせつつ、
小さな声で呟いた。

「ジェームズ・クラーク・マクスウェル」
「自慢じゃないが、さっぱり解らん」

しばらく俺を無表情で見つめていた長門は、ゆるゆると、手元のハードカバーに視線を戻し、
少しだけ肩を落とした寂しげな様子で呟いた。

「……そう」

その瞬間、室温が一気に10度は下がったんじゃないだろうか。

すまん、俺が悪かった。だから機嫌を直してくれないか?
ついでに、今の話のポイントを解説してくれると嬉しいんだが。

ああ、長門。そんな目で俺を睨まないでくれ、頼む。
846名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:57:18 ID:MR+tUJ3E
おk、とりあえず期待を裏切らないように加筆修正してくる。
847名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:00:32 ID:mlpzluWN
ど〜ん
848名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:00:34 ID:RSQA9V/e
>845
ワロス


野暮を承知で解説すると
速度の早い分子だけを追い出して遅い分子を受け入れる、っていう働きをする架空の小妖精を
「マクスウェルの悪魔」
といってこいつは熱力学第二法則に反する存在なわけで
そいつを考案した科学者マクスウェルのミドルネームがクラークなのと引っ掛けたジョーク



ていうか長門さんあなたの読んでる本が想像できますよ
メガネで頬ヒゲをたくわえたふとっちょのユダヤ系生化学者の本でそ?
849スカトロもの注意:2006/07/06(木) 00:02:39 ID:mlpzluWN
長門ユキはうんこをするのか?


長門はうんこをすることはない。
なぜなら長門は人間ではないからだ。
しかしどうもうんこをしなければいけないようだ。



なぜなら彼がどうもうんこが好きらしいからだ。


涼宮ハルヒは言っていた。


「キョンってどうも変態らしいのよ」
「変態って何?」
「何でもスカトロが好きらしいのよ」
「スカトロって何?」
「あ〜、簡単に言うとうんこ」
「………」

どうやらうんこをしなければいけないようだ。
私は彼に好かれたいのだろうか?
850スカトロもの注意:2006/07/06(木) 00:03:24 ID:mlpzluWN
いや、そんなことはないと思う。
私は涼宮ハルヒの監視としてここにいる。
それ以外の事象などどうてもいい。
彼はその涼宮ハルヒが呼び寄せた大事な人間だからだ。
それ以外の感情などないハズ……。



長門ユキは便器に腰を下ろす。
そうだった。うんこをする時はスカートとパンツを脱がないといけない。
スカートを脱ぐ。そうすると白い熊さんパンツがあった。

こんなパンツだと色気がないだろうか。
キョンはどういうパンツが好きなのだろうか。
後で調べないといけないと思った。

熊さんパンツを脱ぐ。
下半身は生まれたまんまの状態だ。
851スカトロもの注意:2006/07/06(木) 00:04:21 ID:mlpzluWN
うんことは何なのか。Wikipediaにアクセスする。

糞(くそ、ふん)とは、動物の排泄物のうち消化管から排泄されるもの。
糞便、大便、(俗に)うんこ、うんちやばばとも呼ばれる。

そうか。うんことは食べたものが変化した後の状態を指すのだな。


しかしここで長門は決定的な失敗をしてしまった。
Wikipediaにあったうんこの写真は人間のうんこではないのだ!!
そう、ウサギのうんちっちである!!
しかし長門はそれ以外のうんこが違う形をしているだなんて夢にも思わなかった。
よって長門はウサギのうんちが「うんこ」であると考えたのだ。
これには理由がある。ウサギは未来人である朝比奈みくるがよくする「コスプレ」
であるからだ。そしてその姿をキョンが好意的に見ていたのも事実だ。
よって彼女の中でうんこは成立するのだ。ウサギのウンチは素晴らしいのだ。
852スカトロもの注意:2006/07/06(木) 00:05:07 ID:xyNThRV1
長門は体内で情報連結を開始する。自分の体内でうんこを生成するのだ。
分子情報を複数作り出し、物理的に存在させ、結合していく。うんこを。


長門は呪文を唱えていた。うんこを作るために。

「私は彼に………好かれたい」
 
その一途な気持ちがうんこを創造していたのだった。

彼女の中で複数のうんこが生成される。ウサギのうんこが。



ぎゅんぎゅんぎゅん、


効果音がつくとこんな感じだろうか。


「できた」

「してみる」
853スカトロもの注意:2006/07/06(木) 00:06:06 ID:xyNThRV1
 長門はうんこをしてみることにした。うんこをするときは踏ん張るという行為があることを
しらなかった。長門はうんこをそのまま力を入れずに行った。長門なら問題ないが力も入れずに
うんこが出たら病気である。病院に行く必要がある。だが長門なら問題ない。うんこ問題ない。



ぷりっ。

                ぽちゃん

ぷりっ。

                 ぽちゃん

ぷりりっ。

              ぽちゃん


うんこが出た。みっつでた。ウサギのうんこが三つでた。
丸っこいうんこ。お月様のように丸いうんこ。大きさは実際のウサギのうんこより大きいのは
サイズは写真ではわからなかったからだ。
854スカトロもの注意:2006/07/06(木) 00:06:57 ID:mlpzluWN
彼は何故、これがいい?」

「直接聞いたほうがいい」

そういうと長門はパンツとスカートをはいた。そう尻を拭いていない。なぜなら初めてうんこを
したからだ。尻を拭くという一般常識がないのだった。


長門はそのままキョンのところに会いにいく。ちなみに手も洗っていない。



私は彼のことが………。

でも私にはお役目が……。



このあと長門はキョンに「くさっ」といわれてひどく傷つくのだった。


涼宮ハルヒに騙された。



こうして長門はハルヒに始めて不信感を抱くのだった。


完(続くと思う)
855名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:07:38 ID:HlDU/iHf
なぜに、うんこネタがはやるww
856名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:08:38 ID:z8ZbbqUc
ウンコー(・∀・)ノ==●
857名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:13:21 ID:nWlu3GjU
このスレも、もうダメかもわかんね
858名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:16:30 ID:2WhO3I9S
>>855
流行ってない。一人の荒らしがやってるだけ
859名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:17:13 ID:6my4+aJr
@情報操作がかかる前に漏れてしまった、本当の着弾地点。
この時間帯、全局共通で稚内110km地点と報道。
http://viproom.heartring.net/log/vipper451.jpg
http://sund1.sakura.ne.jp/uploader/source/up15400.jpg
http://sund1.sakura.ne.jp/uploader/source/up15401.jpg
http://up.nm78.com/data/up089300.jpg

Aその後規制がかかり。いきなり着弾地点が日本から遠ざかっていく。
http://viproom.heartring.net/log/vipper457.jpg
http://puka-world.com/php/upload/ren/img-box/1152048446191.jpg

なんで稚内から測るの? 普通、一番近い本土から測らないか?
http://puka-world.com/php/upload/ren/img-box/1152064076125.jpg

当初の情報を元に距離を調べるとこうなった。
http://www.imgup.org/iup229131.jpg
すごい意味を持った脅しだったようだ。
860名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:19:05 ID:sIPL13yL
>724、良かった。自分が書いたのは余計だったね。
ということで穴埋め用の超小ネタ。


部室に、学校には本を読みに来ているとしか思えない長門しかいなかったので
俺は前々から疑問に思っていた事を聞いてみることにした。

「長門があまり口を開かないのは、俺たちの言語に変換するのが苦手だからか?」
「そう」

やっぱりな。変換前の情報を俺たちが上手く受け取る方法は無いのか?

「無理。仮に我々の持つ情報を余さずに伝達できたとしても、
脳が情報の奔流に耐え切れずパンクするのは確実」

「そうか。俺たちにも言いたい事がたくさんあるのに言葉が出てこない状況ってのが
よくあるから長門も辛いんじゃないかと思ってな、何か力になりたかったんだが。
すまん、今のは忘れてくれ」
「・・・・・・」

長門は無言で本へと目を戻したが、しばらくしてふいに、

「方法自体は無くも無い。脳への影響も伝達する情報を極めて限定すれば平気」

「そうなのか。で、その方法とは?」
「・・・・・・・・・・・・」

ここで突然俺は仰向けに倒れた。というか目にも留まらぬ早業で足を狩られ、
次の瞬間には長門がマウントポジションで覆い被さってきた。
おい、待ってくれ。何で裸なんだ。今の今まで着ていた制服はどうした。

「情報制御を行った。話は早いほうがいい」

俺はやっぱり自分で脱がす方が楽しみが増えていのだが・・・・・・

「了解した。再構成を行う」

そう言って長門の身体を再び制服が覆った。
意外と起伏のある肢体をもう少し見ていたかったな。ってそうじゃないだろ。
何で いきなり 俺を 押し倒して 裸に?

「男女の交合。即ちセ」
「ストップストップストーップ! 頼む、そういうことを口にするのは勘弁してくれ。
大体なんで俺と長門が突然セ・・・・・・を?」
「直接繋がれば伝達ができる」

瞬き一回分ほど俺の思考が停止した。どれくらいかって? 個人差によるさ。
いや、確かに『繋がる』だろうがいくらなんでも無茶苦茶すぎやしませんか。

「情報伝達の手段はこれが最適。それに、あなたはわたしの力になってくれると言った。
でも、最終的な判断はあなたの自由意志に任せたいと思う。
あなたが本当に嫌だというのなら無理に行うつもりは無い」

嫌なわけがあるか。
でもこういう事はもっとムードというものが大事であってだな云々。
それに長門は・・・・・・俺もだが、こんな流されるような形でしてしまってもいいのか?

「大丈夫。痛いのはわたしだけ」
861名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:19:43 ID:2WhO3I9S
>>859
まあ、今流行ってるアニメのSSスレだから
こういうのも来るよな…
862名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:27:47 ID:yplvlx1A
>>854
なんで医学サイト見に行かないんだ、とツッコミたくなりましたが、
面白かったですw
863名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:30:34 ID:2+tsFGtQ
>>860
>自分が書いたのは余計だったね。

マテ。断じてそんなことはない。是非そんなことは言わず投下してくれぃ。
864863:2006/07/06(木) 00:31:53 ID:2+tsFGtQ
あ、日付変わってIDも変わっちゃったけど、自分>>724です。
つい焦ってしまった。
865名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:32:07 ID:z0u+K/Nc
埋め小ネタだけど容量たりっかな
866名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:33:16 ID:z0u+K/Nc
『涼宮ハルヒの過度』

あっという間に春休みも過ぎ、今日から新学年、新学期である。
俺もついに二年生になっちまったらしい。春休み中ずっとSOS団の活動があったから、実感はない。
まあ、なんにせよ、二年生になってもハルヒに振り回され続ける日々になるにちがいない。
はっきりと変わる可能性があるのは、これから確かめるクラス分けぐらいだろうな。

新しいクラス名簿が張られている紙の前には、人だかりが出来ていた。
後ろからじゃ全然見えん。もう少し大きな紙を用意しようと思わなかったのか。
人の山がはけるのを待つか、それとも割り込んでさっさと確認するか考えていると、
「おっ、キョン」
押し合い圧し合いしながら、中から谷口が出てきた。ちょうどいい。
「よう谷口。俺がどのクラスか見たか?」
「僕たちと同じクラスだったよ」
谷口のすぐ後ろから出てきた国木田が代わりに答えてくれた。
今年もこの二人といっしょか。そりゃすごい偶然だな。不安がちらりとよぎったが、ここは素直に喜んでおこう。
「そりゃよかった。何組だ?」
「五組だ、二年五組」
谷口の答えに、俺はかばんを肩に提げ二人に声をかけた。
「じゃ、行くか」

五組に向かう途中、俺はあえて他のクラスメイトのことは質問しなかった。
谷口や国木田のことだ、真っ先にハルヒについて触れるに決まってる。
俺はそれだけは先に知りたくなかった。この目で確かめたかったのさ。
それに、春休み中こいつらとは会ってなかったんだ。すぐに分かることより積もる話もあるだろうよ。

谷口のアホな失敗談を笑ったりしているうちに、教室の前に着いていた。
内心少し緊張しながらも、まったくの自然体を装って、俺は教室の扉を開けた。
「あら、久しぶり」
だが、いきなり飛び込んできた声に、俺は完全に硬直した。
867名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:33:26 ID:gvwGQXMA
>>865
足りる足りる!
868名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:34:02 ID:z0u+K/Nc

「あれ、外国から戻ってきたんだ?」
「うん、お父さんの仕事が済んで。国木田くんに、谷口くんだよね」
扉側先頭の席に座り、国木田の質問ににっこり笑って答えた女子生徒は、
「どうしたの? 幽霊でも見たような顔をして。それとも、わたしの顔になにかついてる?」
朝倉涼子だった。一年五組の元委員長で、俺を二度も襲ったインターフェースだ。
新学年気分も吹き飛び、あのときの恐怖を思い出した俺は、硬直が解けるや否や、下がりながら詰問していた。
「なぜお前がここにいるんだ?」
「さあ?」
楽しそうにくすくす笑い声を上げる朝倉。
「涼宮さんに不可能の文字はないってことかしら」
「ハルヒ?」
どういう意味なんだ、それは。
「自分の目で確かめるんでしょ? どうぞ」
俺の質問をはぐらかしつつ、含み笑いとともに、朝倉は手の平を上向け、教室の中へ差し伸べた。
拒否権を発動したかったが、谷口や国木田が先に入ってしまったため、俺も飛び込む。
そして、唖然となった。

『あっ、キョンくん』
甘い声とともに、俺に近寄ってきたのは、
『今年はいっしょのクラスですね。よろしくお願いします』
朝比奈さんだった。それにしても、二人いるように見えるんですが、俺の目の錯覚でしょうか。
「うふ。わたしは、朝比奈みくるです」
「朝比奈みちるです。バレンタインのときはお世話になりました」
え? みちるさんは朝比奈さんと同一人物のはずで、しかも今年は三年生のはずでは。
『それは禁則事項です』
二人で声を合わせて、そうおっしゃった。
さらに二人の朝比奈さんの間から、ひょっこり女子生徒が顔を出してくる。
「あははっ、なんだかよくわかんないけど、キョンくん、よろしくっさ!」
鶴屋さん、あなたもですか。
869名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:35:17 ID:z0u+K/Nc

何がなんだかわからず混乱しまくる俺だったが、まだ甘かった。
朝比奈さんたちと入れ替わるように顔を見せたのは、
「おはよう。これで正式に挨拶できそうね」
「なっ!?」
誘拐女だった。どういうことなのか、誰か俺に説明しろ!
「僕は別に目的があって潜入しただけだ。これ以上は、ふん、禁則だ」
邪悪そうな未来人までいやがる。もう何がなんだか。
俺の理解の範疇からはるかにすっ飛んだ事態に、考えるのもバカバカしくなる。

「キョンくん、どうしたの?」
「って、なんでお前がここにいるんだ!」
だぶだぶの制服を着ているのは、四月から最高学年になった俺の妹だった。
「しらなあい。シャミもいるんだにゃあ。ね、ミヨちゃん?」
「うん。キョンお兄さん、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げたのは、妹の友達のミヨキチこと吉村美代子ちゃんだった。こっちは制服が似合っている。
ってそうじゃねえ。小六が高二ってのは、無理があり過ぎだろ。
シャミセンもなんで妹の机の上で寝そべってんだ。

「わたしもダメなんですか?」
いえ、よくお似合いですよ、森園生さん。
車を運転できる高校生二年生というのは、日本の普通科ではあまり見かけませんが。
「いやあ、懐かしいねえ」
多丸裕さんが自分の着ている制服をしげしげと眺めていた。
「このクラスを掌握するのは、手間がかかりそうだな。喜緑くん、手伝ってくれたまえ」
「はい、会長」
生徒会長氏と喜緑さんまでいた。ふんわりと微笑んでくれる喜緑さん。
よく見ると、コンピ研部長やENOZの四人、榎本美夕紀さん、中西貴子さん、岡島瑞樹さん、財前舞さんもいた。
げっ、中河までいるぞ。

無茶苦茶だ。ああ無茶苦茶だ。
870名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:36:12 ID:z0u+K/Nc

「どうも」
「古泉! どういうことなのか説明しやがれ今すぐにだ!」
如才ない笑みを浮かべたそいつに、俺は思わずつかみかかる勢いで声を発する。
「そう言われましても、僕にもさっぱりです」
肩をすくめる古泉。
「新川や森、多丸兄弟もいつの間にかこうなっていた、と言ってました」
聞けば新川さんは教室付き執事、多丸圭一さん教室付き用務員だと言う。
どんな職業なんだよ、それ。
「長門さんに訊いてみてはいかがでしょう」
あきらめきったにやけ面を浮かべながら、古泉は教室の端のほうを指した。
望むところだ。長門がいるなら、長門に訊こう。
「ただし、長門さんも二人いますが」
「は?」
思いっきりアホな声を出してしまった。
古泉が指し示す先には、たしかに長門が二人座って読書をしている。
片方には、メガネがかかっていて、もう片方はかかっていない。
ってことはつまり……

「長門」
近寄った俺が声をかけると、二人とも顔を上げた。さっきの朝比奈さんといい、シンクロか。
「いや、そっちの長門には声をかけたつもりじゃないんだが」
メガネをかけたほうに言う。すると、悲しげにひっそりと顔を伏せた。
うっ、失言だったか。
「すまん、邪険にしたつもりはないんだ。ただ、その……」
なぜかメガネをかけてないほうの長門の視線が痛い。
「だあ! 二人とも聞いてくれればいい。長門、こりゃ一体どうなってんだ?」
「不明」
あっさり言いのけて、それで済んだとばかりに、長門は読書に戻った。
もう一人の長門は、視線をせわしなく動かしてから、ぽつりと言った。
「ごめんなさい」
871名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:37:08 ID:z0u+K/Nc

もうダメだ。俺は何もかもなかったことにして、自分の席に着いた。
両腕を机に乗せて、顔を伏せる。
「それにしても、すごいわね阪中さん。みんな同じクラスになるなんて」
後ろから脳天気な声が聞こえてきた。
「うん、わたしもまた涼宮さんとならいいなって思ってたのね」
「ホントそうよ。こんな人ならいいな、って思ってたのがそのままなったみたい」
俺が甘かった。甘かったよハルヒ。
まさか、こんなことをやってのけるとはな。
もしかしたら別のクラスになるんじゃないか、なんて思ってた俺の気持ちはどうなるんだ。
なあ、ハルヒ。

やがて、担任の岡部がやってきた。
今年もよろしくな、岡部。
岡部は新しいクラスの面々にやや面食らったあと、副担任がいることを告げてきた。
扉の向こうで待機していたらしい副担任さんとやらは、岡部の声に扉を開けた。

ああ、そうだよな。この人もいておかしくないよな。
ハイヒールをカツンカツンと鳴らしながら、その女性は教室に入ってきた。
チョークを手にとって、名前を書く。
全部書き終わると、満開の笑みとともに、挨拶をした。
「よろしくお願いします。このクラスの副担任をすることになった、朝比奈みくるです」

大人バージョンの朝比奈さんは、きれいだった。

(おわり)
872名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 00:38:00 ID:gvwGQXMA
割り込みすまん。ぶっ飛んでてよかったw
873スカトロもの注意:2006/07/06(木) 00:39:44 ID:mlpzluWN
もうこのスレも終わりですね。
そう終わりなんですね。



次回も書きますよ。



次回「朝比奈みくるのうんこ」




かな。とりあえず続きものですよ^^
874名無しさん@ピンキー
「高さを合わせる必要がある」
と言われ、目を合わせて何かやるんだろうと思って中腰になったら
「もっと近く」
顔を近付けると
「もっと近く」
「もっと」
でいきなりキスされて呆然、口が離れた後に
「なっ、長門!?」
「言語では伝達しきれないことをあなたに伝えた」
と少し頬を赤くして目を逸らす長門さん。

というパターンも考えた。
ずっと前に小ネタでやった、性格と外見が丸ごと入れ替わるやつもちゃんと書きたいな