かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その11】
10レス使用で投下します
『ターミネーター』
エレベーターに向かいながら、郵便物を確かめる。家電販売店のダイレクトメ
ールやカード会社の明細書の他に、親父から手紙が来ていた。
西村広紀様という宛名の達筆を見ただけで、差出人が分かる。もっとも、字に
特徴が無くても、メール以外を貰う相手なんていないか。日本語でない消印にひ
っくり返すと、ジャカルタのホテルの住所が書いてあった。
内容は分かり切ってる。
家業を継げ、と言うのは親の常だろうが。それが豆腐屋やら大工に、警官とか
医者なら俺も文句は無かった。高校入学以来、司法試験の為に今から勉強漬けの
クラスメートの愚痴すら、羨ましいぐらいだ。
六時間分のバイトの疲労も加わり、制服が重さを増したように感じた。エレベ
ーターに大きく息を吐き出すと、ドアが開き始めた。
いつ自動ドアに変えたんだ、なんて下らない疑問も。浮かんですぐに、先客を
見つけて解消された。
「こんばんわ」
関口さん家の娘さんに声を掛けながら、エレベーターに乗り込む。彼女の会釈
に続いて、エレベーターが動き出した。
夜の十時過ぎまで制服を着ているなんて、塾通いか勤労学生しかいまい。彼女
も、夜桜の下を通りながら、侘びしさを感じたんだろう。妙な連帯感を抱いたせ
いか、ろくに話した事も無いのに言ってみた。
「ちゃんと寝てる? 無理は良くないよ」
苦笑するんだから、自覚はあるらしいな。赤の他人の俺でさえ心配になるほど、
青白い顔をしている。
弱音ぐらい聞く気だったが、彼女は何も言わなかった。ま、事情も知らずに、
首を突っ込むのも悪いか。宙ぶらりんの気遣いを誤魔化すように、手紙の封を切
るか悩むフリをした。
西村家は、平安時代から続く由緒ある家柄なんだそうだ。
二十一世紀まで同じ商売を続けてきたのは、誇れる伝統だろう。それが、拝み
屋なんぞという胡散臭いもので無ければ、俺だって継いだはずだ。多分。
悪霊や妖怪退治の専門家。ゲゲゲの西村と言えば、その筋では有名らしいけど。
オカルトブームにでも乗らなけりゃ、一生の仕事にするのは不安過ぎた。
なにせ、俺は根っからの善人ときてる。弁護士を目指す友人に貸した千円を、
口先巧みに二千円にする事すら出来ないんだ。退魔師なんて詐欺紛いの職業、こ
なせるわけが無い。
仮に両親の言う通り、幽霊が実在していようが。今まで一度でも視た事がある
なら、初恋だって実っただろう。
オカルトなんて、小二の秋から大嫌いだ。
嘘つきで、スポーツも勉強も得意な、美形で性格の良い奴と同じぐらい。怖い
とかほざきながら、喜んでる女も。親の職業が何だろうと、子供も向いてるとは
限らないじゃないか。
ああ、そうさ。
第一志望に落ちて、どっちの顔も一年近く見ずに済んで、せいせいしてるね。
おかげで一人暮らしも出来たし、生活費にも悩めて万々歳だよ。どちくしょう。
……少しは落ちる事も考えて他の志望校選べ、俺。
思考が暗黒面に落ちていたせいか、エレベーターが止まった事に気付かなかっ
た。関口さん家の娘さんは降りた後らしく、姿が見えない。
「おやすみ」
聞こえないとは思いつつ、一応そう言ってからドアを閉めた。
手に持った封筒が目に入ると、色々と噴き出してきた。小学校のトイレに、花
子さんなんかいないんだよ。親が霊媒師なのに視えなくて悪いか。空気読めない
のも小二じゃ仕方ないだろ、同情するな。
……ろくな連想を生まないので、しまい込む。気分転換に、ダイレクトメール
の方を開いてみた。
俺の使ってる家電は、どれも保証期間内だ。買い換える気は全く無いが、掃除
機の新製品に目が留まった。うちの掃除機のメーカーの欄を見ながら、エレベー
ターを降りる。夜景が広がる通路には、風で運ばれた桜の花びらが舞い込んでい
た。
立地や部屋の質からすると、家賃が安過ぎるものの。新しい入居者は、挨拶に
来たと思ったらいなくなるので、短期間だけ借りる人が多いのだろう。
敷金・礼金で儲けているからか、勤労学生への同情か、空き部屋が多いせいか。
理由が何であれ、大家さんには幾ら感謝しても、し足りないぐらいだ。
「ただいま」
鍵の掛かっていないノブを回して、部屋に入る。靴を脱いでいたら、奥からエ
リルが顔を出した。
「お帰りなさいませ」
料理中だったのか、長い金髪を布巾で纏めていた。ワンピースの上からエプロ
ンを巻いていると、まるきり家政婦さんのようだ。
ふと、ダイレクトメールを思い出して、エリルと見比べてみた。
最新型掃除機の、四角いER68Eとは似ても似つかない。俺が買ったはずの
ERILとすら別物だ。もっとも、目の大きな若い女が掃除機に見えないのは、
当たり前だと思うが。
「どうかなさったんですか?」
「今更だけど、やっぱり変だよな」
「質問の主旨が理解出来ません」
これだ、とばかりに掃除機のチラシを突きつけてやる。話を理解したエリルが、
いつもの鉄面皮で頷いた。
「外装部品の相違など、些細な問題です」
「いや、すっげえ違うと思うぞ」
「私の機能に、御不満が御有りなのでしょうか」
「そういうんじゃなくってさ。なんというか、お前ってまるで人間だろ」
失言を悔いる前に、ぐいと無表情が近付いてきた。機嫌の悪そうな青いカメラ
には、俺の引きつった半笑いが映っていた。
エリルが自分の目を指差しつつ、瞳孔を収縮させる。微かに聞こえる機械音は、
レンズを絞る音だろう。
「このような瞳の人間が存在しますか?」
「あ、いや、俺が悪かった」
「謝罪の要求など、行っておりません。機械の私には、損ねる感情など存在しま
せんから。広紀様が、誤った認識を持たれていなければ結構です」
そう言いつつ、あきらかに怒ってるだろ。
材質は知らないが、滑らかな肌が触れそうなほどに迫ってくる。普段以上に表
情の無い顔は、丁寧な造形もあって怜悧に感じられた。対応を間違えたら、本気
で怒らせかねないな。
「どこからどう見たって、エリルは立派な掃除機じゃないか」
「お分かり頂ければ宜しいのです」
ふっ、俺も小二の頃よりは成長しているのだよ。汚れたなと吐き捨てる自分に、
大人ってそういうものさとニヒルに笑う自分がいた。
「すぐに食事の仕度が出来ます。着替えてきて下さい」
後ろ姿に了解と呟き、俺はダイレクトメールをゴミ箱に放り込んだ。
顔が映り込むほど磨き抜かれたテーブルに、料理が整然と並べられている。今
夜のメインであるロールキャベツは、じっくり煮たのか味が染み込んでいた。
掃除機としてのプライドか、エリルは掃除に手を抜かなかった。目に見える部
分だけでなく、テレビの後ろや押し入れの奥まで、埃一つ無い。初めは無菌室み
たいで落ち着かなかったけど、今では快適だ。
……ただ。ベッドの下のエロ本まで、分類整理して消毒するのはやり過ぎだと
思う。
「親父から手紙が来てたよ。まだ読んで無いけど、内容は一緒だろうな」
「これは、以前からの疑問なのですが」
口元を拭って、彼女がこちらを向いた。
「霊媒師をなされば、疲労するほどのアルバイトをせずに済むでしょう。現状の
生活環境は、非合理的判断だと思われます」
「無理なもんは無理」
「一度も試されていない、と記憶しています」
「だから、視えないんだって。今まで一度も、幽霊だの宇宙人だのを見てないか
らな。霊感強いって連中が騒いでる場所でも、気配すら感じないんだ」
「宇宙人は無関係です」
ま、確かに。
それから、テレビのニュースなんかを話題に食事を終えた。エリルの淹れたお
茶を飲みつつ、適当にチャンネルを換えていく。見飽きたお笑い芸人の声を、台
所からの食器を洗う規則正しい音が消してくれた。
前からの疑問といえば、最近の掃除機は飯も食うんだな。
実家から持ってきた掃除機が壊れ、新しいのを買いに行ったのは、ここで暮ら
し始めた頃だ。昔から物が捨てられず、動かない古い方も今だに取っていたりす
るけど。
ERILを選んだ理由は、デザインだったはずだが。届いた代物は外見が違う
上に、取説や保証書まで付いていなかった。
とはいえ、カタログより充実している機能に不満なんか無い。掃除機が買い物
や料理までこなすなんて、科学の進歩は早いもんだな。流石は二十一世紀。
科学番組に変わった画面は、最新のロボット研究をやっていた。
人間らしい動作に近づけると、どうしてもサイズが大きくなるものらしい。家
に入るサイズでは無理だとか解説している。専門家と言っても、大したもんじゃ
ないな。それじゃ、160センチ台のエリルは何なんだよ。
あ、そうか。ロボットじゃなくて掃除機だもんな。
「お代わり淹れましょうか?」
「いや、時間潰してただけ」
振り返って、歯磨きと台所は片付いたのか目で尋ねる。エリルが頷いたので、
テレビを消して立ち上がった。
風呂場に入った俺の耳に、脱衣所で脱いだ服を分類する物音が聞こえる。素材
ごとに洗った方が長持ちするが。知ってても面倒な事だけに、やってくれる奴が
いると助かるよな。
シャワーの温度を調節するうちに、ドアを開けてエリルが入ってきた。
「いつも、ありがとな」
「なんですか、改まって」
「お前のおかげで、色々と楽が出来るのを実感してさ」
「家電製品としての、当然の職務ですから。感謝されようと、何も変わりません」
淡々と答えているが、どこか嬉しそうな声だった。
エリルはシャワーを受け取り、頭から浴びせてくれる。彼女に任せた俺は、目
を瞑って、背中に押しつけられる胸の柔らかさを堪能した。
「痒いところはありますか?」
「耳の裏」
注文通りに掻かれたおかげで、体から力が抜けた。もたれる俺を両腕と乳房で
抱えつつ、エリルが髪を洗ってくれる。彼女の動きに合わせて、胸が形を変えな
がら俺の上を撫でていった。
リンスも終えると、今度は体中の汚れを落としにかかる。脇の下や指の隙間な
どの細部に至るまで、徹底的に妥協無く綺麗にされた。
その間も、滑らかな体がずっと密着していた。しばらくして御老公が、『懲ら
しめてあげなさい』と言い出す。柔和な好々爺の仮面を捨て去り、荒々しい武者
震いを始めやがった。
「なあ、エリル」
「後少しですから、じっとしていて下さい」
その残った部分へと、エリルが泡まみれの手を伸ばした。
助さんと角さんを左手でもてなしつつ、御老公の筋を右手がなぞる。エラの張
った顎だけでなく、襟首まで丁寧に擦ってくれて。我慢出来なくなった俺は、振
り返って彼女の肩を掴んだ。
「終わりました」
「いやその、それは分かってるんですが」
「また、理解不能な思考をなさっていたようですね。早く浴槽で暖まらないと、
風邪を引きますよ」
微塵も動じない鉄面皮に、冷水をぶっかけられた気分になった。ま、こいつが
表情を変えたところなんて、見た覚えが無いけど。
泡を落とされて湯船に浸かると、体中から疲れが抜けていくようだった。
助さんと角さんも、全身を伸ばしてリラックスしている。しかし、御老公は警
戒を解かず、腹につきそうなほど反り返っていた。彼に促されるまま、体を洗う
エリルを鑑賞させて貰う事にした。
多分、複雑な機械が詰まってるんだろうが。細い体によく入るものだと、いつ
も感心させられる。髪を洗う度に、そこだけ大きな胸が柔らかく揺れていた。
防水加工のしっかりした肌が、瑞々しく湯を弾き。くびれた腰回りを伝って、
惜しげもなく晒された足の間に流れ込む。おかげで、色素の薄い陰唇は、水気た
っぷりな果実になっていた。
長い金髪をピンで留めて、エリルが体を洗い始める。青いカメラは俺の視線に
気付いていながら、隠す気は無いようだった。
「そうやって、毎日見ておられますが。飽きないんですか?」
「全然。あ、嫌なら遠慮するよ」
「構いません。マイナスの感情でなければ、何の問題も無いのです。私は広紀様
の物なんですから、どのようにもお好きに使って下さい」
唾を飲み込んだ俺の視界で、泡が整った乳首や金色の陰毛を隠していった。襞
の隙間や、膣口の中まで綺麗にする様子は、まるで自慰のようだ。それでいて、
何か神聖な儀式めいて見えるのは、整った造形のおかげだろうな。
泡を落としたエリルが、流し台に置いてある塩を口に含む。コップを軽く流し
てから水を注ぎ、俺の隣に入ってきた。
浴槽から湯を溢れさせながら、エリルは恭しい礼を向けてくる。頷いてやると、
両腕で俺の頭を抱き寄せ、唇がしっかり合わせられた。
入ってきた舌が、口の中に塩を擦り付け。ざっと塗り終わってから、歯を舌が
磨いていく。歯茎や、歯と歯の間まで、丹念に這ううちに。お互いの唾液が混ざ
り合って、とろりとした濃度の高い食塩水を作った。
俺に強く抱き締められ、エリルの胸が押し潰された。
腕の中の彼女は全てが滑らかで、肌は吸い付いてくるようだ。頼りなげな体つ
きに、たまらない愛しさが込み上げる。ぎちぎちに漲った陰茎が、つるんとした
陰唇に触れて大きく脈打つ。御老公からも、峰打ちではなく思う存分に突くべし、
という命が下った。
「我慢出来ますか?」
唇を触れさせたまま、エリルが囁く。口元に伝う唾液を拭って、俺は嘘を吐い
た。
「なんとか」
「急ぎますので、少々お待ち下さい」
エリルは股間に陰茎を挟むと、陰唇で締め付けてきた。
根元から抑え込まれて、苦しいほどに硬くなる。俺の熱を帯びた息を吸い込み
つつ、舌が歯の裏まで擦っていった。
冷淡な顔に、辛いのは自分だけにも思えたのだが。はっきりと尖った乳首に気
付いて、苛立ちは消えていった。おかげで、他の感覚も分かってくる。股間で触
れる陰核は生身を覗かせ、お湯とは別のぬめりが陰茎を包んでいた。
顔の向きを何度も調節し、エリルが奥歯の角まで磨いてくれる。歯ブラシを彼
女に変えてから、歯医者さんとは縁が切れた。すけべ心だけで応じたのを、だい
ぶ前に反省したもんだ。
最後に舌の表と裏も洗うと、糸を引きながらエリルが離れる。渡されたコップ
で口を濯ぎ、一緒に排水溝へ吐き捨てた。
「大変、お待たせ致しました」
俺を促しながら、エリルが立ち上がり。解放されて暴れかける御老公の首根っ
こを押さえて、膣口へと導いた。
我慢の限界を超えていた俺は、何も言えずに彼女へ突き入れた。
潤んだ襞を掻き分けて、奥へ奥へと進んでいく。こりっとした子宮口を押しな
がら、根元まで埋め。陰茎全てがエリルに包まれきったところで、ようやく息を
吐けた。
「溜まっていたのでしたら、帰ってすぐに言って下されば良いものを」
「お前に擦り寄られたせいで、ヤりたくなったんだよ」
「しかし、そういう御要望だったはずですが」
鉄面皮で答える唇を軽く塞いでから、もっと深い繋がりを求めて抱き寄せた。
「悪いなんて、言って無いだろ」
「分かりました。やはり入浴前に、一度性行為を実施しておくべきですね」
そうかもしれないな、と思ってるうちに片腕が首に回された。エリルの左手が
陰嚢に回り、揉みほぐす。送られる精液が増えたのか、陰茎が更に膨らんだよう
だった。
「では、ここも綺麗にしましょうか。思う存分、私を御使用下さい」
「煽るなよ。前みたいに、風呂場で何度もシて倒れたくない」
「あの時、私は止めたはずですが」
「少しは理解しろ。お前は、少なくとも俺にとっては、すんげえ可愛いんだ。好
きな女とヤってて、簡単に止まれるわけが無いだろ」
「残念ですが。感情を持たない私には、理解しかねる事柄です」
声に甘さを含ませたエリルが、俺の首へと両腕を回す。浴槽の端に抱え上げて
やると、両脚も使ってしがみついてきた。
壁へ押しつけるようにしながら、突き上げていく。
エリルは喘ぎ声も上げず、目も潤まない。どれだけ激しく動こうが、ほとんど
表情も変化しなかった。初めての時から、それは全く変わってない。
だが、膣内は表情豊かに応じてくれるのだ。蛇腹のように折り重なった襞が、
めくれるほど陰茎に絡みつき。埋めきると、胎内を震わせて陰唇で締めてくる。
しっかり腰を掴んだせいで、もどかしげな動きしか出来ず。悶えた彼女が体を
くねらせ、乳首が俺の体を舐めていく。
エリルの存在が、俺を心の奥底から沸き出すもので満たしていった。
「そろそろ、イきそうなんですね」
彼女の名前を呼んで頷く俺に、首が縦に振られる。子宮口を押し上げると、そ
の奥が勢い良く空気を吸い込み始めた。両手足の拘束もあって、腰を戻そうとし
ても引き戻される。
陰唇はぎちぎちに食いついており、膣内も隙間無く触れてくる。それでも溢れ
た涎が、俺の太股を伝うのが分かった。
どくっ、どくどくっ
吐き出した精液を、エリルの胎内が一滴余さず飲んでいく。まるで、子宮に少
しでも多くの子種を欲するように。頭の中に沸いたイメージが、彼女の体に覆い
被さってからも、俺に射精を続けさせた。
幹に残った分も飲み干して、ようやくエリルが吸い込むのを止める。膣内が萎
えかける陰茎へ吸い付くのを感じながら、彼女と抱き合って湯船に浸かった。
お湯は入り口までしか浸されず、陰茎には全く触れてこない。エリルが自分の
中に入れるのは俺だけで、液体すら拒否しているように感じられた。
でも、変わらない鉄面皮を見ていると。勝手な思いこみ、ただの錯覚なんじゃ
ないかという気になってくる。どこまでも一人相撲なんだとしたら、これと自慰
の間に差なんて無いんじゃないのか、と。
「これだけ毎日注ぎまくってたら、妊娠するかもな」
「分かりません」
てっきり、『そういう機能は無い』と言われるかと思ったんだが。
俺を見る彼女が、気遣ってるように感じられて。自分の中の醒めた視線を自覚
しつつも、口にしてみた。
「笑うかもしれないけどさ。こうして、お前がしっかり絡みつくだろ。なんだか
まるで、お湯さえも中に入れまいとしてるように感じてさ」
「はい。当然でしょう」
驚いて見返す俺に、エリルは平然と答えた。
「私は広紀様の物です。各部を自由に出来るのは、広紀様だけ。無機物といえど
も、接触は最低限度に留めるべきだと思いますが」
「……エリルっ!」
掻き抱いて腰を振ろうとしたが、狭い湯船の中では動けなかった。ついでに、
エリルが体を固定して制動をかけてくる。恨みがましそうに見ると、彼女は呆れ
を含んだ声で言った。
「先程、自戒されていたはずでしょう。風呂場での性行為は、健康を害する恐れ
があります。出てからになさって下さい」
「それじゃ、今すぐ出よう」
「きちんと暖まってからでなければ、賛同しかねます」
正論なだけに、説き伏せる言葉が浮かんでこない。口先の方は、小二の頃から
成長して無いのか。頭の回転速度を上げる俺へ、どこか淫らにエリルが囁いた。
「夜は長いんです。焦らなくても、私はどこにも行きませんよ」
風呂から上がるまでは我慢したが。ベッドに押し倒した後は、思う存分にエリ
ルを貪った。内壁を擦りながら何度も往復し、舌を絡ませ合う。彼女は歓迎する
ように、膣内でまでも抱き返してくれた。
今まで、エリルが精液を吸い込むのは、周りを汚さない為だと思っていた。
でも、妊娠するかもしれないのに、受け入れてくれていると知ったら。どうに
かなりそうなくらい、こいつを孕ませたくなってしまった。
どくんっ、どくどくっ
こりこりした子宮頸部を味わいつつ、また吐き出す。エリルの吸う先が子宮な
んだと感じるせいか、陰茎は萎える気配も見せなかった。
抱き寄せた細い体の、滑らかな肌触りを味わう。変わらない鉄面皮を見るだけ
で、欲しくてたまらなくなる。吸い終えるまで待っていたのだが、一瞬、カメラ
が赤く変わって途切れた。
「大丈夫か?」
再び動き出したが、硬質な金髪を掻き上げて青いレンズを覗き込んでみた。
「御心配無く、故障ではありません。容量の限界が近いようです」
「あ、ええっと。最近、ヤり倒してたからな」
「お好きなだけ使って頂いて構わないのですが、確かに問題もありますね。そろ
そろ、私一人では処理しきれなくなるでしょう。恋人を作るのを、提案します」
言葉に詰まった俺を見て、エリルは冷ややかに続けた。
「何度も申し上げていますが、私は家電製品です。そういった気遣いは、必要あ
りません」
「いや、それも無いとは言わないけど。今日は、たまたまだろ。お前を孕ませら
れるかもしれないと思ったら、止まらなくなって……ところで、本当に子供産め
るのか?」
否定されたら盛り下がりそうで、聞いて無かったが。やっぱり、確かめた方が
良いだろう。
本当に子供が生まれるなら、今のバイトで足りるわけが無い。親父に頭下げて
でも詐欺師、もとい霊媒師の勉強をして稼がないと。
「その件に関して、お話ししたい事があります」
「戯れも、そこまでよ!」
唐突に割り込まれ、むっとしながら声の方を向いた。
風に吹かれたカーテンが、部屋の中に月明かりを導き。ほとんど白に輝く夜桜
から、花弁が舞い散るのが見える。そんな幻想的な光景を、少女の影が切り取っ
ていた。
純日本人といった、丸顔の娘だ。眉の上で真横に切り揃えた黒髪が、肩の辺り
で揺れている。白い羽織に袴という格好は、巫女のようだが。袴の色が薄いピン
クなので、親父の知り合いにしか見えなかった。
「まつろわぬ神々とさえ対峙してきた私に、擬態が通じるとは思わない事ね。人
間のフリをしたところで、無駄な事。大人しく、祓われなさい」
少女はエリルに玉串を突きつけ、苛立ったように俺に目配せした。
「何やってるの、早く逃げなさいよ」
「誰だか知らないけどな、いいから靴を脱げ」
下からの怒りのオーラに怯えつつ、少女に忠告してやった。彼女は俺の親切を
意に介さず、舌打ちしながら面倒そうに草鞋を脱ぎ捨てる。カーテンが降りると、
暗がりの中で、髪の流れるさらさらとした音が聞こえた。
「これで、文句無いでしょ。私はカナ。千年の間、この国を守護してきた式神の
一つよ。可哀想だけどね、君の恋人は人間じゃないわ」
本当に親父の同類だったのか。
甘い場面に乱入され、俺も怒ってはいたのだが。恐る恐るエリルを見て、レン
ズの危険な光に御老公も蟄居謹慎を申し出た。
床を凝視していた彼女の視線が、ゆっくり上へと向かう。物理的なまでの冷気
を浴びたのに、カナという少女は耐えた。流石に親父の仲間か、神経が図太い。
「ただの付喪神じゃないようね。でも、私もただの式神じゃないの。素直に従っ
た方が、痛い思いをしなくて済むわよ」
「下らない話は、後回しだ。とにかく掃除しろ」
俺が慈悲の心で言ってやっているのに、カナは理解せずに睨み返してきた。
「信じられないかもしれないけど。その女は付喪神といって、古い物に魂の宿っ
た妖怪よ。助けに来てあげたんだから、感謝したらどうなの」
「住居不法侵入者に言われるまでも無えよ。エリルが人間じゃないのは当然だろ、
掃除機なんだから」
「……平気で幽霊マンションに住んでるだけあるわ」
がらがらだとは思うけど、そういう言い方は大家さんに失礼だ。俺の不快感を
どう受け取ったのか、笑いを含んだ声でカナが言った。
「ここに住んでる人間は、君だけよ」
「嘘つけ。関口さん一家とか、少ないけど住人もいるぞ」
「霊感が強過ぎるのね。区別つかないようだけど、その人達も全て亡霊なの」
「本当です」
何を馬鹿な、と抗議する前にエリルが肯定してきた。
「広紀様の他に、生きた人間は住んでいません」
「いや、だってさっき、エレベーターで関口さん家の娘さんと乗り合わせたぞ。
まさか彼女まで、幽霊だとか言い出すんじゃないだろうな」
「二年ほど前に交通事故で、家族全員がお亡くなりになったそうです」
あの大人しいけど、優しそうな娘さんも。にこやかな小父さんや、喋りまくる
小母さんが、もう死んでるっていうのか。意味が分からない。
混乱する俺を置き去りに、カナが玉串を翳して祝詞を上げ始めた。ぶつぶつと
呟くうちに、鈴鳴りの音が大きくなっていく。部屋中に反響が満ちると、かっと
目を見開いて一点を見据えた。
部屋を走り抜けたカナが、押し入れを開き。整然と並んだ荷物から、段ボール
箱を引っ張り出した。
「君が言ってるのは、これの事かな」
暗くて分かりづらいものの、箱に描かれたイラストには見覚えがあった。
というより、ERILという文字の方に、だ。近くから、カナは絵と同じデザ
インの掃除機を出してみせる。さっきのカタログの商品と良く似た、一年近く前
に電気屋で選んだはずの物だった。
驚いて下に目をやると、エリルは黙って見返してきた。逡巡からか少し間を空
け、詫びるように睫毛を伏せた。
「彼女の言う通り。私はあの掃除機ではなく、以前お使いになっていた掃除機、
その化生です」
「待てよ、それじゃ」
「申し訳ありません。今まで嘘を吐いていました」
「そんなのはどうでも良いんだ。もしそうなら、ERILって名前じゃないのか」
「いえ。広紀様の下さったエリルこそ、私の名称です」
エリルの名前もだが、実は霊感があったという事に混乱させられた。どうあが
いても親父の息子だというのは、諦めるとしても。初恋が散ったのと霊が視える
かどうかの間に、何の関係も無かったみたいで。
……いや、分かってたけどさ。
ずっと目を逸らし続けてきた現実を突きつけられ、虚ろな笑いが洩れる。慰め
のつもりか、頬を撫でてくれるエリルの手に、今は甘える事にした。
「広紀様が幽霊や妖怪を嫌ってらっしゃるのを、存じておりましたから。受け入
れて頂く為に嘘を吐き、知られるのを恐れてきました。こんな私でも、使って頂
けますでしょうか?」
「当たり前だろ。別に、何が変わった訳でも無し」
「ありがとうございます」
なんだか安心したような声に、ふと疑問が沸いた。
「そんな心配してたのか。てっきり、彼女が床を汚したせいで、不機嫌なのかと
思ってたよ」
「確かに、不快感を抱いたかもしれません。邪魔されましたから」
エリルもシたいのだと分かって、陰茎に力が漲った。人畜無害そうだった面影
など無く、凶悪に彼女の奥へ向かって威嚇している。卵を狙う蛇に導かれ、俺も
洞窟の探検を再開した。
「って、待てい!」
制止する高い声に、ようやくカナの存在を思い出した。
「まだ居たのか。さっさと帰らないと、警察呼ぶぞ」
「ちゃんと聞きなさいよ。その女は単なる付喪神ではなく、悪霊なの。このまま
だと、君、取り殺されるんだから」
「悪霊は貴女でしょう」
鉄面皮でカメラを向けて、エリルが淡々と指摘する。根拠があるかは知らない
けど、カナの動揺は俺にも感じられた。
「式神だったのは確かなようですが、千年の間に使役の束縛から逃れましたね」
「たかだか数年の付喪神だと思ってたのに、よく見抜いたわ」
含み笑うカナは、人が変わったみたいだった。悪霊と言われて頷けるほど、淫
靡で妖しい魅力に纏われる。怖ろしく、同時に美しい存在だ。
そういや。親父の飼っていた狐が、時折こんな風になってたな。
「元は桜の精だったんだけど、陽陰師に式神にされたの。それから長い年月を、
ひたすら祓う事に費やしてきた」
「……その子孫が、俺ってわけか」
「違うわよ」
あっさり否定されて、渋く決めたはずが締まらなかった。
「だいたい、復讐なんかしても意味ないじゃない。それより、抑圧され続けてき
た本能を満たす方が、よっぽど有意義だわ」
好戦的な笑い声を残しながら、カナが玉串を構える。彼女から響く鈴は、なん
だか不安にさせる音色をしていた。
「素質のある人間を、ようやく見つけられたの。君に恩を売って、協力して貰う
はずだったけど。こうなったからには、無理にでも私に従って貰うわ」
ヤバイと思う俺とは違い、エリルはあくまで冷淡さを崩さなかった。
「桜の本能ですか」
「同じ桜でも、式神相手では無理なのよ」
「我々に危害を加えるつもりなら、実力で排除します」
挑発するような言葉に、カナも簡単に煽られてくれた。実は視えると知って数
分の俺では、何の役にも立たないだろう。それでも守る。誓った相手は、平然と
したまま続けた。
「しかし、条件を一つ飲めば協力しましょう」
「何よ」
「貴女は誰でも良いようですが、広紀様を道具として扱う事は許しません」
「妥当な条件ね、分かったわ」
話がまとまったらしいけど、全く理解出来ていない。無防備に近付くカナを見
る俺に、エリルが説明してくれた。
「桜は毎年、花を咲かせます。御存知ですよね」
「ま、普通には」
カナが薄い羽織を脱ぎ捨てたので、動揺しつつ答えた。
「彼女の言う本能とは、それです」
なんだか嬉しそうな顔で袴を下ろし、更にカナが近寄ってくる。混乱は増した
が、見えるものとエリルの感触で、陰茎は期待感に膨らみやがった。
「桜の樹の時は、毎年受精出来たのに。あの姿になってから、千年も抑制されて
いたのです。彼女が広紀様に協力を願っているのが何か、お分かりでしょう」
肩から肌着ごと服を落としながら、ベッドの間近にカナが屈み込む。衣の動き
につれて、細い首から小振りな胸へと視線が動く。もっと下でカナの指が陰唇を
開き、ぬちゃっと音を立てて樹液を溢れさせた。
顎に当てられた手に促されて顔を上げると、潤んだ瞳が俺を見ていた。
「お願い。君の子供を孕みたいの」
キスしながら陰唇に先端を咥えさせたところで、我に返った。エリルから引き
抜いたばかりの陰茎は、彼女の愛液と体温を残したままなのだ。
振り返って見たエリルが、頷いたからか。カナが腰を落としてきたせいか。俺
は彼女の体を掴んで、一気に突き入れていた。
奥に到達すると、待ち構えていた子宮頸部が先端を咥え込んだ。俺の腰の動き
がそのまま伝わり、胎内を揺すられる度にカナが甘い声を上げる。座ったまま抱
き合いながら、頭の中は彼女の声で満たされていった。
襞の一つ一つが意志を持つように、陰茎に吸い付いてくる。ずりずりと子宮を
引き出す感覚に、心配も抱いたが。俺の後頭部を押さえて舌を合わせるカナに、
気にする余裕など吹き飛ばされた。
「人間の生殖、ふあっ、てすごい。私の中が、君で満たされちゃってるよ」
「この方の御名前は、西村広紀様です」
「わかっ、ああっ。広紀と繋がってるだけで、雌蕊が疼いてくるの。こんなに受
精したくなるなんて、思わなかった」
「俺も。カナを孕ませたくてたまらない」
「うん、うんっ。いっぱい注ぎ込、あふっ、赤ちゃん作ろうね」
カナが溢れさせた唾液を、喉を鳴らして飲む。甘い味にもっと欲しくなり、喘
ぐ彼女の舌を追いかけた。
汗も同じ成分なのか、辺りが桜の香りに包まれる。たっぷりと濡れた膣内が、
突き上げに合わせ、じゅぷっじゅぷっと濡れきった音を立て。動きが激しくなる
につれ、カナの薄い胸も柔らかく形を乱してきた。
五感全部がカナに埋め尽くされて、陰茎も感動からか大きく脈打った。
「あ、出るんだね。たっぷり、あんっ、広紀の子種を雌蕊に浴びせて。気の遠く
なるほど永い間、ふわっ、待ち望んできた私を、必ず受精させてね」
唇に感じた軽いキスを合図に、カナの体を引き寄せて解き放った。
どくっ、どくどくどくっ
俺が吐き出すと、高い声を上げたカナがしなだれかかってきた。肩と内股を痙
攣させながら、浅い呼吸を繰り返している。
頬を上気させ、開けたままの口から涎が垂れる。舌で拭い取ってやると、根元
まで埋まった陰茎を、きゅっと膣内が締めつけた。
「やだ、だめえ。零れちゃう」
回らない舌で訴えるカナの結合部から、俺が注いだ物が茎を伝ってきた。
手で塞ごうとしているらしいが、まともに動かせないようだ。可愛さに栓が太
くなったものの、堰き止めきれないだろう。腰を抱えたままエリルの隣に押し倒
すと、カナは安心したように微笑んだ。
「広紀の精液が流れてくる。とっても気持ち良いよ」
言葉通り、腰を振っていた時よりも襞が淫らに蠢く。搾り取られた精液が彼女
に飲まれるのを、熱い吐息が教えてくれる。
子宮の辺りを撫でるカナを見るうち、また欲情が高まってきた。
「我々は人間ではありませんから、生殖機能も異なります」
隣からエリルの声を聞いて、覆い被さろうとした自分を引き留める。間に合わ
ずにカナの体を抱き締めたが、顔だけはなんとか横に向けた。
「精液とは、前立腺から分泌される精漿と精子の混合物ですが、詳細は省きます。
作られるのに、約七十日間が必要なのです」
「さっきの話の続きか?」
頷いたエリルが、体を起こして俺の背中に貼り付いた。
「二ヶ月ほど前。広紀様のお父様から、特殊な溶液を頂きました。それを飲んだ
男性は、我々との間にも子供を作れるようになるのですが。副作用として、性欲
が旺盛になってしまうそうです」
「親父の薬ってのがあれだけど。つまり、飲めば一ヶ月半くらいで、お前らを妊
娠させられるのか」
効果はともかくとして、親父が親切心でくれるわけが無い。腹黒さにかけては、
俺の知り合いの中で、母さんと並ぶ双璧だからな。
そんな迷いが伝わったのか、少し逡巡してからエリルが答えた。
「いえ、既にお茶に混ぜて出していました」
「ちょっ、あ、やっぱりいいや。お前が悪いんじゃない、うん」
「申し訳ありません。黙っていないと、効果が無いと言われたものですから」
家業を継ぐだけだったら、もうその気になっていた。養育費の心配もあるが、
実は視えてしまうんだ。専門家の助言を受けた方が良い。例え、人間性がアレな
人達からでも。
「投与開始から七十日以上が経過し、副作用も発現したようです」
「そりゃそうだよ。私、そんな事情は知らなかったけど。受精させてくれる相手
を探してて、広紀を見つけたんだもん」
前後から挟み込む彼女達を、交互に見る。
カナの方は、繋がった膣内の蠢動と、蕩けきった顔が明瞭に語っていたものの。
鉄面皮を動かさないエリルは、どう思っているのか分かり難かった。
……分からないわけじゃないけど。
「そんな薬を飲ませるぐらいなんだから。お前も、俺の子供が欲しいんだよな」
「当たり前でしょう」
全く躊躇せずに言い切られて、屹立がカナの襞を押し拡げた。
喜悦を洩らしたカナが、腰をくねらせ始め。彼女の動きを増幅するように、エ
リルも動き出す。豊かな胸が背中で柔らかく潰れ、つるつるした陰唇がぴったり
吸い付いてきた。
「私を構成する全ては、広紀様の物です。わざわざ言及するまでもありませんが、
子宮も存分に御使用下さい」
「あはっ、また注いでくれるんだ。溢れるぐらいに、いっぱいにしちゃってね」
滑らかな肌に挟まれながら、カナの奥を突き続ける。胸元に彼女の熱い息を感
じたが、顔は見られない。背後から乗り出したエリルに唇を塞がれて、俺の荒い
呼吸が彼女の中に流れていくからだ。
というか、魂まで吸い取られてしまったらしい。他に何も考えられなくなるほ
どの情欲で満たされ、俺は二人に、綺麗に掃除して貰う事にした。
終
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちと迷いましたが、投下
間隔空けるべきなんでしょうけど、ここ数日それで待ってたもんで
>裏式さん
スレ立ても乙です
ツンデレロリ嫁とは、また凄いもの出してきましたねw
余韻あるオチで面白かったんですが、男の結論へのヒントは欲しかったす
・・少女の名どころか時代も伏せてるのが、伏線だったりして
>13
あれは続けられませんて
>>12 最初から最後までドツボだった。最高。
でも、少し消化不良な気がしたな。その後どうなったのか詳しく知りたいというか。
これはケチつけているわけではなく、厚かましくも続編を希望しているという次第で(ry
>>23 くなさんグッジョブ。やっぱり主人公は孕ませフェチなんだなw
オカルトとアンドロイドという組み合わせに、最初はどうなるのかと思ったけど、
こう上手く纏められるのは凄いと思う。
>>12 裏式氏GJ!
スレ立て&投下お疲れ様です。
>>13 俺も読みたいけど、アレは既に完成した一つの作品。あっても無くても別に問題ない。
>>23 くなさん氏GJ!
ウチの家電も付喪神にならないかなぁ。洗濯機も乾燥機も冷蔵庫も15年近く頑張ってるんだよなぁ。
あと、俺は元々桜が好きだったのですが、余計に好きになりました。
>>1 裏式様、スレ立てお疲れ様でした
&3枚のお札非常にGJでございました
>>14 くな様、ターミネーター非常にGJでございました
2ヶ月も過疎ってたのに急に神が連続で……
生産追いつかないよと嬉しい悲鳴ヽ(;´∀`)ノ
>>13 裏式様のサイトに南瓜西瓜の外伝が上がっておりましたが
レス、ども〜
カナの名は金櫻(金=秋)神社から取りましたが、秋桜ではなく
青木桜(青木=春)や染井吉乃じゃベタだっただけす
・・時節の桜を混ぜたら、趣向のHRになっちまいましたw
裏式氏もくなさんも、GJとしか言いようが無ぇぇぇぇ!
何このエロスとラブラブさ! あーもう、GJ!!
裏式氏、スレ立ても乙です。
サイトにあった後書きの3枚のお札別ネタは、一転して馬鹿っぽくて新鮮でした。
ただ本編のその後は自分も見てみたいと思っていたのですが、あれはさすがにその後過ぎだとオモ。
くなさん氏、淡々としているくせにその実全てを捧げている感じのエリルがツボでした。
特に名前のくだりとか。
そして孕ませ可能に敏感に反応する主人公もGJ!
30 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/13(月) 17:54:13 ID:NW1Kfphb
くなさん乙!!
九十九神いいぉ
保守
前スレ後半でヘビ女の駄文を書いた者です。
まだ書き終わっておりませんが書き終わりましたら
また駄文を貼り付けてよいでしょうか?
誘い受けイクナイ!
ヘビ女の作品なら大歓迎ですが、
駄文を貼るのはスレ汚しなので止めて下さい
叩かれた訳じゃあるまいし、自信持って黙って投下汁
>>33 「つまらないものですが」と一緒だろ。
ヘンに噛み付くな。
>>32 アフォは無視して投下どうぞ。
>>34 「つまらないものですが」は間違った謙譲語だ。
正しくは「お口に合わないかもしれませんが」としないと。
で何がいいたいかというと
>>32はまだか?
ロボット・アンドロイドスレから誘導されてきた者ですが、
確かにくなさん氏の作品は良いですね。
是非ともくなさん氏には、続編を書いて頂きたい。
いっそ、幽霊である為に性行為には混ざれない筈の、
関口さん家の娘さんまでが乱入してきたら面白いでしょうな。
ホシュ
前スレ埋まりました〜
◆B7ddJTHdWw氏GJです
人外に孕ませって昔から結構多いですよねぇ。
有名どころだと葛葉姫や、詳細を忘れたけど幽霊もあったし……
どなたかのサイトではラミアも孕ませがあったそうですし。
あ、雪女も子供作ってるから、孕ませありか……
そういえば、なにげに子持の妖精学者って、実は孕ませたことないのでは?
ここでくなさん氏と妖精学者氏のコラボが
いや、コラボって具体的に何して欲しいのよw
とりあえずそろそろツンデレロリッ娘メリーさん希望
プレジャーガウストという玩具が、某有名玩具メーカーから発売された。
ターゲットは主に小学生の男の子。
その、キッズホビー商品を、二十歳も半ばを過ぎようとしているこの俺がなぜ手にしているかというと、いろいろと事情がある。
最初は、この商品を買ったはいいが三日で飽きてしまった弟が捨ててしまったものを、ちょっとした興味本位で手にしたことから始まった。
まぁ、昔っから、バーコードファイターだとかデンジモンスターだとかの、コレクション型ゲームホビにハマった俺としては、
昨今の子供たちの遊びに興味があったわけだ。
商品の謳い文句、「高性能磁力センサーで磁幽霊『ガウスト』を捕獲せよ!!」ってのがある。
この『磁幽霊』ってのが、(じゆうれい)と読ませて(自由霊)とひっかけているんだろうか。
こーゆーのは玩具を作るうえでの世界観なので、子供になじみやすいセンスなんだろうなぁ。
ガウストってのも磁力に関係するガウスからとってるわけだし。
んで、どーやって遊ぶのかというと。
ケータイに似た形状、サイズの玩具本体を、これまたケータイ電話を開くように透明な窓をオープンさせて、この窓越しに辺りをぐるりと見回してみる。
そーすると、この透明窓に、デジタル表示のキャラクターが現れる。これが『ガウスト』だ。
ガウストを見つけたら、窓の位置をそのまま動かさずに、本体にあるハンドルを回す。
ちょうど、釣竿のリールを巻き取るようなイメージだ。
うまくいくと、そのキャラクターを吊り上げて捕獲することができる。
玩具のシステムは、それを繰り返し、捕獲したキャラクターを育てたり戦わせたり餌にしたりアイテムにしたりして、よりレベルの高いキャラクターを捕獲するというものだ。
「あー、エサがもうねーな。・・・・・・釣るか」
朝っぱらから、俺のプレジャーガウストがチカチカ光りだした。
俺は、例によって、玩具をかざしながら部屋の中をぐるりと回り、必死こいてルアーを引き取るというアクションをする。
何度も言うが、今年で25にもなろうというだいの大人が、寝起きの寝癖で無精ひげもそのまんま、シャツとトランク一丁というみっともない姿で、
児童向け玩具を振り回す姿は、とても親兄弟には見せられない。ある意味オナニー見られるよりも恥ずかしい。
「カネ、貸してくれー」
親兄弟以上に見られたくない相手、友人の山岡がやってきた。
こいつは俺の高校時代からの腐れ縁で、今現在は無職。
オッスやオハヨウのかわりにカネカシテクレを挨拶にする、ダメ人間だ。
「ふざけんな」
いつもはその言葉を挨拶返しにしている俺だったが、今日ばかりは仕方がない。
恥ずかしいところを見られてしまったからな。
財布から二千円を抜き出して渡してやる。
もう返ってこないだろう。
「おまえ、なにやってんの?」
あきれて山岡が言う。
微妙に救いなのは、コイツのあきれている原因が、「いい年した大人が子供向けの玩具で・・・」という、俺が一番避けたい類のものではなく、
「プレジャーガウストなんて、何でいまさらそんな廃れた玩具で?」という、玩具おたくの所見である点か。
ちか、ちか、
「おい、なんか、本体がうっすら光ってるぞ。そんな機能あったっけ?」
山岡の指摘はごもっとも。
俺は、そのガウストからの『催促』に応じて、部屋の中から吊り上げたザコガウストを、本体のイケース(飼育用のエリア)に餌として投じてやる。
すると、本体を持つ俺の隣に、うっすらとした輪郭の少女が現れた。
「うわっ、なんだ、それ!!」
山岡は仰天した。当たり前だ。この玩具、普通に使っている限り、こんなことは起こらないからな。
俺の隣に現れた少女は、背景の透けて見える半透明、白い着物に三角の天冠(てんがん)と、典型的なビジュアルの幽霊だった。
おそらく十台前半の、ショートカットが似合う幼げな少女。
そんな幽霊少女が、俺の与えたザコガウスト・エンゼラー(天使に似たキャラクタ)を、頭からバリバリと食らっている。
食われたエンゼラーは、幽霊少女に磁力となって吸収されていく。
「これ、俺が捕まえたんだ。俺がこの部屋に引越しする前からずっと居着いていた自縛霊みたいなんだけどな」
俺が、美味そうにエンゼラーにかぶりつく少女の頭を軽くなでてやると、少女は俺に向かって、にっこりと微笑んだ。
パチッ
彼女に触れるとき、指先に軽い静電気が起こるのにも慣れてしまった。
俺が始めてこの玩具を手にしたその日。
部屋の中を何度かぐるぐる回っていくつかキャラクターを捕まえて、早速飽き始めたとき、馬鹿げた事を思いついた。
実際に居る、本物の幽霊に向けて使ってみたらどうなるのか。
案外、幽霊の磁場が影響して、レベルの高いキャラクターがゲットできるかもしれないな、などと不遜な考えを持ってしまった。
俺は小さいころから霊感があり、幽霊が見れる。
見れる、といっても、ホントに見れるだけなので、あまり使えた特技ではない。
御祓いやら浄化やら、そんなことには使えないのだが、見ることに関してだけは正確だった。
いわゆる見鬼というやつだろう。
だから、この部屋に引越しを決めるときにも、風呂場に女の子の幽霊が居ることはわかっていた。
特に害がないことと、結構かわいい外観だったから、気にしないことにした。
そして俺は格安の値段でこの部屋に住んでいる。
俺は、その玩具を持って風呂場へ向かった。
いつものとおり、風呂の傍に寂しそうな表情で突っ立っている白い着物姿の少女。
俺はその少女に玩具のスコープを向けた。
「別に害意はないからな、機嫌損ねないでくれよ・・・」
と、俺がかざした透明スコープのデジタル画面が、幽霊少女の姿を捉えたとき、意味のない液晶ドットの明滅が起こった。
俺は玩具が起こした予想外のアクションに、玩具を壊してしまった可能性、そして少女の幽霊を怒らせてしまったのではという不安を感じた。
しかし、玩具を通さない見鬼の『眼』で少女を見た俺は、特に変化がないように見える。
しばらくすると、スコープの窓に組み込まれた透明な液晶パネルが、キャラクターらしいものの形をとり始めた。
スコープの向こうに居る本物の幽霊少女に重なって現れたそのキャラクターは、簡単なドット表示ながらも着物を着た女の子に見える。
今まで見たことのないキャラクターだ。
まさか、という疑念が俺の中にわいた。
このキャラクターは、そこに居る女の子のことなのか?
俺は、その疑念を確かめるべく、実際に釣ってみることにした。
風呂場に居るから、水系のルアーがいいな、とか、万が一攻撃してきたときのパートナーガウストはコイツにして、とか、結構まじめにシステム通りに準備した。
そして捕獲開始。
ルアーがデジタル表示のキャラクターを捕らえると、驚いたことにパネル向こうの幽霊少女がこちらを向いた。
ただ見ることしかできなかった俺がどれだけ話しかけても今まで一度も反応なかった少女が、玩具のパネルを通して初めて俺を見た。
・・・かわいい。
いや、今までもわかっていたことだが、初めてその幽霊少女と眼が会って、俺の胸はときめいてしまった。
このキャラクターを吊り上げることで、本物の幽霊少女はどうなってしまうのか、俺にはわからなかったが、不思議とルアーを巻き取る手はとまらなかった。
そして、捕獲は成功した。
チープな電子音で捕獲成功が告げられる。
『ジバクショージョ』
それがそのキャラクターの名前だった。
ヒネリがない。
そして、風呂場に居た幽霊少女は、その場から姿を消していた。
俺は、興奮に震える指先で玩具を操作し、捕獲したジバクショージョを飼育エリアへ保管した。
「・・・とまぁ、そういうわけなんだが」
俺は山岡に説明してやった。
調べてみたが、『ジバクショージョ』などというガウストは公式のどこにも存在せず、ネットの噂にもなっていない。
ほかに、通常のキャラクター同様、餌によって飼育できることや、レベルが上がるにしたがって、だんだん実体を持ち始めたこと、そしてかなり懐いてくれている事などをノロケ混じりに話してやった。
「・・・おれもほしい」
山岡が、子供のように指を銜えて俺に言う。
「阿呆。いっとくが、バス子は俺のだからな。絶対やらねぇ。」
バス子というのはこの幽霊少女の名前だ。
風呂で見つけたからバス子。俺もかなりヒネリがない。
俺がバス子をかばう様に抱きしめると、山岡は、ふん、と鼻を鳴らして言った。
「おれをなめるな。だれがそんな大人のガウストが欲しいもんか。おれは幼女型のガウストが欲しいんだ」
そうだった。
山岡は人間のクズだった。
「なぁ、おまえが以前おれの部屋に来た時、幼女の幽霊が居るって言ってたろ?」
確かに、ずいぶんと昔のことだが、山岡の家に貸した漫画を受け取りに言ったことがある。
そのときに、台所に立つ小学生低学年くらいの女の子の幽霊を見つけた。
山岡に話すと、幼女なら大歓迎、と怖がる様子も見せなかった。
「あー、いたな、確かに」
「その子を、俺のプレジャーガウストに捕獲してくれよ。俺がちゃんと育成するからさ、頼むよ」
こんなやつに小さな女の子を預けるのは少し不安だったが、昔っから小さな子供にだけは愛情を持ってたやつだからな。
案外大切に育ててあげるかもしれん。
「・・・仕方ないな。捕まえてみるけど、お前、プレジャーガウスト持ってんのか?」
「持ってないけど大丈夫、カネはある」
そういってポケットの財布をたたく山岡。
そこには、俺がさっき貸した二千円が入っている。
「阿呆。それは俺のカネだ」
やっぱヤメだ。
こんないい加減な奴に、幽霊とはいえ小さな女の子を預けるわけにはいかない。
俺は山岡を部屋から蹴飛ばして追い出した。
・
・
・
邪魔な奴を追い出した後、俺はバス子と交流を深めた。
要するにイチャイチャタイムである。
「なぁバス子、今日もアレ、頼めるか?」
俺がそういってバス子の頭のあたりを撫でてやると、顔を少し赤らめながらも、小さくうなずいてくれた。
ガウストを主食として育つ彼女は、まだレベルが低く、少々密度の高い空気程度の存在である。
しかし、何も感じないわけではない。
彼女に触れたときには、わずかな静電気を感じるし、わずかに低い温度や、密度の違いを感じることができる。
彼女に触れる自分の皮膚が、彼女の肉体と空気の境目を感じ取れることがうれしい。
彼女を触れることができる、という事実は、次の育成段階を期待させる希望である。
俺はその小さなあごのあたりを捉え、まだあどけない唇にキスをした。
まだ実体になっていない彼女の唇は、不思議な空気の圧力と小さな静電気で構成された、なんとも儚げなものだった。
俺のキスに、ぽう、と表情を惚けさせた彼女は、それだけで俺の琴線に触れてくる。
そして、彼女は、俺の股間に体を移動させる。
それに合わせて俺はズボンとパンツを脱ぎ去った。
空気のような彼女とのキス、それだけで限界まで勃起出来る俺は、ウブなのか、ただの変態なのか。
彼女は、俺の怒張に手を這わせる。
ぴり、と静電気が俺のペニスに走り、ひんやりとした空気がペニスをなぞる。
「く、」
俺は小さくうめいた。
かわいい少女が自分のペニスをしごいてくれる。(たとえ半透明のビジュアルでも)
そして小さな舌を這わせてくる。
そのたびに俺のペニスは、強弱つけた静電気と空気の密度、そしてひんやりとした温度の攻めで、限界に向けて駆け上がっていく。
「バス子、かわいいよ、・・・大好きだ」
俺が思わず呟いてしまった、そんな歯が浮く台詞に、彼女は嬉しそうに頬を染める。
その姿がまたかわいい。
そして、彼女が俺のペニスを口に咥え、亀頭全体があの密度の空気に包まれたとき、俺は射精した。
俺は、心地よい疲労感の中、顔を寄せてきたバス子の唇にキスをした。
・
・
・
半年後。
『ジバクショージョ』から『シルバージバクショージョ』を経て『ゴールドジバクショージョ』へとレベルアップしたバス子は、ほぼ完全に実体化することが出来、言葉も喋れるようになった。
そんな時。
久しぶりに山岡がやってきた。
(つづく)
以上です。
お眼汚し失礼。
そういえばバス子って、バスコレ子みたいだ。
ちょっとこれからトイザラス行ってくる
お、俺もつれていってくれ!
お、オレもだ!
陰謀だ!!バンダイの陰謀だよ!!
大丈夫!天下のバンダイだ!
ちくしょう! 良く考えたら俺霊感なかった!
トイザラスこの時間でもまだやってるかな?
ちょっと特攻してくる。
「おかえりなさい、ナオトさん」
小さな、本当に小さな鈴が鳴るような声。
小さく、か細く、消えてしまいそうな儚い声だけれど。
彼女のその声には、弾むような嬉しさが、あふれるほど込められている。
俺の口元が、にへら、と、だらしなく崩れる。
しょうがあるまいよ。
慎ましやかな、小さな花のような少女が。
俺の帰宅を嬉しそうに出迎えてくれる。
こんなシチュエーションでニヤけるなってほうが無理な話だ。
仕事の疲れなんて、あっという間に吹き飛ぶってもんよ。
たとえその姿が、白装束に三角の天冠(てんがん)という、絵に描いたような幽霊ルックであっても、ぜんぜん気にならない。
いやむしろ、その姿の方が萌える! などという俺は、間違いなく変態ですよ?!
おとなしそうなショートカットの、十三〜十四くらいの女の子が、頭に白い三角をつけてるところを見るとムラムラする! ・・・これはもはや犯罪者かもしれん。
「ナオトさん、夕御飯の用意、出来てますよ。それとも、お風呂、先になさいますか?」
くあ、まるで新妻!! しかも幼妻!!
そんな台詞で出迎えられたら、「いや、キミから先に食べちゃおう!」とか、ベタに返すしかあるまいて!!
・・・・・・って、落ち着け、俺!
ああ、『ナオト』ってのは、俺の名前。高橋ナオト、っていうのが本名。
俺の部屋の風呂場に昔から居着いていた、自縛霊だった彼女を、
某有名玩具会社から発売されている『プレジャーガウスト』って玩具で捕獲、育成をはじめてから、だいたい半年ほど過ぎた。
捕獲した最初は、『ジバクショージョ』という、身も蓋もないキャラクター名を付けられたガウスト(キャラクターの総称)だった。
どういう仕組みかは知らないがこの玩具、この、本物の幽霊を捕獲した『ジバクショージョ』というキャラクターのみ、実体化できるのだ。
彼女が餌として食べる他のガウストは、彼女が実体化する際に引き連れられて実体化するが、暴れるわけでもなくただ大人しく彼女に喰われるのみである。
最初の『ジバクショージョ』は、空気がわずかに密度を濃くして出来上がった霞のような実体だった。
普段から霊感があって、いわゆる見鬼としての力を持っていた俺からすれば、見えるだけならば昔とかわりがない。
だが、風呂場の自縛霊から『ジバクショージョ』となった彼女は、声を出して喋ることは出来なかったが、俺の言葉を聞き、俺に懐いてくれた。
それだけでも充分可愛かった。
僅かな空気の密度であったけれど、頭を撫でたり、キスしたりすることも出来た。
そして、さすがにジバクという冠にある通り、彼女は俺の家から出られないのだった。
育成を続けてしばらく。
彼女は『シルバージバクショージョ』へと成長した。
そして彼女は、『声』を得た。
「ナ、ナオト、さん・・・」
彼女がはじめて出した言葉は、俺の名前だった。
感激して、叫びながら床を転げ回った俺は、タンスに足の小指を強かにぶつけた。
それでも、痛さよりも嬉しさの方が勝った。
彼女の身体の方は、前よりやや密度が濃くなった程度だったが、それでも充分進化していると思えた。
彼女は、自縛霊としてずっと風呂場にいたが、はじめて自分に気が付いた俺にずっと興味を持っていたそうだ。
言葉を喋れるように成長した彼女と、俺はたくさん話をした。
生前のことは記憶にないらしいので、主に俺のことだったり、今の世間の話だったり、一般常識だったり。
彼女は、言葉数こそ少なかったが、それらを全て楽しそうに聞いてくれた。
そして、彼女は、聞いたことは全て間違いなく記憶しているという、凄い特技をも披露してくれた。
このあたりは、ゲームのデジタルっぽいところが幽霊に影響を与えているのだろう。
そして『シルバージバクショージョ』から数ヶ月、次のレベル、『ゴールドジバクショージョ』になった。
彼女の肌は、これまでのような、掴めばかき消えてしまうような空気の身体ではなくなった。
上品で繊細な絹のような肌、そして柔らかな弾力を持った肉、力を込めて抱けば折れてしまいそうな、たおやかな骨格。
人間と同じ、いや、それ以上に素晴らしい肉体を得たんですよ!!
はじめて、彼女の服を脱がす、という行為が可能となった夜、俺達はお互い抱き合ったまま夜を過ごした。
残念ながら、セックスは出来なかったけどな。
肉体を得た彼女だが、唾や汗、そして愛液などといった、身体から分泌されるはずの体液の実体化が出来ていなかったわけだ。
だから、エッチは主に、ローションを使ってプレイで、挿入はしない。
最初の『ジバクショージョ』は、空気がわずかに密度を濃くして出来上がった霞のような実体だった。
普段から霊感があって、いわゆる見鬼としての力を持っていた俺からすれば、見えるだけならば昔とかわりがない。
だが、風呂場の自縛霊から『ジバクショージョ』となった彼女は、声を出して喋ることは出来なかったが、俺の言葉を聞き、俺に懐いてくれた。
それだけでも充分可愛かった。
僅かな空気の密度であったけれど、頭を撫でたり、キスしたりすることも出来た。
そして、さすがにジバクという冠にある通り、彼女は俺の家から出られないのだった。
育成を続けてしばらく。
彼女は『シルバージバクショージョ』へと成長した。
そして彼女は、『声』を得た。
「ナ、ナオト、さん・・・」
彼女がはじめて出した言葉は、俺の名前だった。
感激して、叫びながら床を転げ回った俺は、タンスに足の小指を強かにぶつけた。
それでも、痛さよりも嬉しさの方が勝った。
彼女の身体の方は、前よりやや密度が濃くなった程度だったが、それでも充分進化していると思えた。
彼女は、自縛霊としてずっと風呂場にいたが、はじめて自分に気が付いた俺にずっと興味を持っていたそうだ。
言葉を喋れるように成長した彼女と、俺はたくさん話をした。
生前のことは記憶にないらしいので、主に俺のことだったり、今の世間の話だったり、一般常識だったり。
彼女は、言葉数こそ少なかったが、それらを全て楽しそうに聞いてくれた。
そして、彼女は、聞いたことは全て間違いなく記憶しているという、凄い特技をも披露してくれた。
このあたりは、ゲームのデジタルっぽいところが幽霊に影響を与えているのだろう。
そして『シルバージバクショージョ』から数ヶ月、次のレベル、『ゴールドジバクショージョ』になった。
彼女の肌は、これまでのような、掴めばかき消えてしまうような空気の身体ではなくなった。
上品で繊細な絹のような肌、そして柔らかな弾力を持った肉、力を込めて抱けば折れてしまいそうな、たおやかな骨格。
人間と同じ、いや、それ以上に素晴らしい肉体を得たんですよ!!
はじめて、彼女の服を脱がす、という行為が可能となった夜、俺達はお互い抱き合ったまま夜を過ごした。
残念ながら、セックスは出来なかったけどな。
肉体を得た彼女だが、唾や汗、そして愛液などといった、身体から分泌されるはずの体液の実体化が出来ていなかったわけだ。
だから、エッチは主に、ローションを使ってプレイで、挿入はしない。
「うーん、じゃあフロから先にはいるかな」
俺が脱いだスーツの上着を受け取り、ハンガーに掛けながら、彼女が囁くような声で応える。
「じゃあ、お背中、流して差し上げますね」
ハンガーに掛けた俺のスーツで自分の身体、目から下を隠して紅潮する頬を誤魔化すようにして、そんなことを言う。
その、小動物がするようなしぐさがまた、可愛らし過ぎる。
ええい、そこを動くな!! 今から俺が押し倒してやる!!
・・・ってな勢いで突撃しそうになる自分自身を、どう、どうと宥めて落ち着かせる。
まずはフロ、そして飯。
お楽しみはそれからだよ!!
・・・
>>63 このレスは無視してください。
間違えました、ごめんなさい。
「うーん、じゃあフロから先にはいるかな」
俺が脱いだスーツの上着を受け取り、ハンガーに掛けながら、彼女が囁くような声で応える。
「じゃあ、お背中、流して差し上げますね」
ハンガーに掛けた俺のスーツで自分の身体、目から下を隠して紅潮する頬を誤魔化すようにして、そんなことを言う。
その、小動物がするようなしぐさがまた、可愛らし過ぎる。
ええい、そこを動くな!! 今から俺が押し倒してやる!!
・・・ってな勢いで突撃しそうになる自分自身を、どう、どうと宥めて落ち着かせる。
まずはフロ、そして飯。
お楽しみはそれからだよ!!
・・・
かっぽん。
湯具が触れ合う固い音が、風呂場の閉ざされた空間で湿った反響音に変わる。
俺は、風呂場の小さな椅子に腰掛けながら、スク水の美少女に背中を洗ってもらっている。
なぜ彼女がスク水なのかというと。
俺の趣味だ。
もとい。
プレジャーガウストは、ガウスト同士が闘うことも出来るゲームだ。
だから、この格好が、水属性のガウストである彼女が変身する、戦闘スタイルなのである。
つまり。
制作者の趣味だ。
ビバ!某有名玩具会社!!!
うーむ、俺はもう、静岡の方に足を向けて寝られんなぁ。
「きもち、いい、ですか・・・?」
んしょ、んしょ、と、小さい声で力を込めながら、懸命に俺の背中を泡立てたスポンジで擦るバス子。
たくさんの泡が立ち、それが彼女の髪や顔、肌やスク水に飛び散っても、それに気にした様子もなく俺の背中に夢中である。
「あー、スゲー気持ちいい。極楽だー」
いやほんと。
スク水美少女といっしょにフロ入ってるだけでも超絶・幸せなのに、こんな懸命の奉仕をされたら、それだけで極楽にいけそうだ。
いかん、夜まで待てん。
とりあえず第一ラウンド開始と行くか。
「よし、今度はお互い、洗いっこをしよう」
なにが『洗いっこ』だ、このスケベ野郎、なんて言うツッコミは却下。
だって、俺も洗ってやりたいんだ、バス子を!!
だけど、俺も洗ってもらいたいんだ、バス子に!!
それを同時に満たすことが出来る行為。
これが『洗いっこ』でなくて、なんであろう。
さあ、かもーん。
俺の手招きに、バス子は恥ずかしそうにしながらも、俺の背中から前に回ってくる。
「・・・や、優しく、してくださいね・・・」
自信はないが、善処する!!
バス子は、手に持っていた泡立ちスポンジをくしゃくしゃと潰してさらに泡立て、自分のスク水の、前側に泡を塗りたくる。
そしてスポンジをもう一度泡立て、今度はその泡を、俺のいきりたった逸物にまとわせる。
ここ最近何度目かのスク水プレイに要領を飲み込んでいる彼女は、そのままやわやわとペニスをなぞり、まんべんなく泡でコーティング。
そして、顔を真っ赤にした彼女が、か細い声で俺に話しかける。
「それじゃあ、・・・ナオトさんの・・・・・・で、・・・たしの、からだを、・・・すってください・・・」
ええ? 聞こえないよ、もっとはっきり喋ろうね、という意味を込めて、俺が耳に大きく手をあてがう。
するとバス子は観念したように、目をつむって先程の台詞を大きく復唱した。
「ナオトさんの、お、おチンポで、わたしのかっ身体を、こすってください!」
うむ、大変よく出来ました!
俺が両手で、かもーん、ばっちこーいと手招きすると、バス子は俺に抱きついてきた。
自分の火照る顔を、俺の視界から隠すように、俺の肩に顎を預けてしがみつく。
身体の前側をお互いに密着させて抱き合う姿勢で、俺のペニスが二人の間に挟まれる。
そしてそのままぎゅっと、バス子が身体を押しつけてきた。
まだまだ小さい胸の膨らみは、スク水の布地に包まれながらも程良い柔らかさで俺の胸をなぞる。
それは、彼女の身体の凹凸を布と泡越しに感じられる、至福の圧力だ。
そして彼女は足を俺の腰に絡ませ、昔懐かしのダッコちゃん人形のようにしがみついて、懸命に腰を押し当てる。
俺の腹に彼女が腰を押しつけ、間に挟んだ俺のペニスを、スク水のナイロン布地でごしゅ、ごしゅ、と擦りたてる。
「く、あ、すげ」
強烈な刺激に俺が呻くと、俺の耳元にある彼女の顔、その呼吸が、はぁっ、と喜びを含んだ物になる。
「・・・あ、は、・・・はぁっ、は、・・・わたしも、すごい、です・・・」
俺に押しつける胸、そして股間の敏感な部分。その摩擦が、彼女の官能にも火を付ける。
今の彼女のレベルは体液を分泌する事は出来ない。しかし、身体は確実に快感を感じ受け止めることができる。
だから、俺達は、いっしょに気持ちよくなれる。
俺は、バス子の肩に手をかけて少し顔を引かせると、お互い正面同士顔を近付けた。
俺の顔を見、目を合わせると、さっきまでの激しい動きがやんだ。
「あ・・・」
恥ずかしさにますます紅潮するバス子は、そんな自分の顔を俺に見られるのがより恥ずかしいらしく、それでいて俺と合わせた目を外すことをしたくない、そんな矛盾に追いつめられた表情をしていた。
あまり長く続けると彼女が気の毒なので、程良いところで目をつむり、彼女にキスをした。
彼女には唾がない。だから俺が、自分の唾を彼女の口に流し込んで潤してやる。
「んん・・・・・・、んむう、ぷはぁ、ナ、ナオトさぁん・・・」
キスから解放された彼女は、ますます恍惚にとろけた瞳で俺を見つめてきた。
そして、俺の腰にしがみつかせていた足を解き、俺の座る椅子の前で膝立ちになる。
「ナオトさん・・・もっと、こすって、いいですか?」
そう言って、スク水を着用した股間、そして両の太股、その付け根に出来る魅惑の三角空間に、俺のペニスを挟み込んだ。
見ようによっては、俺のペニスにまたがっている、とも見ることが出来る。
彼女の、お互いをフィニッシュに導くアクションの準備が終わったとき、俺はキスを再開してGOサインを出す。
「んはぁっ!!んんっ!!んむうううううんんんんんっっっ!!!」
にちゃ、にちゅ、くちゅ、ちゅく、ぷちゅ、にゅちゅ、ちゅぷ・・・
バス子は、俺とのキスに呻きながらも、自分の腰を前後にスライドさせる動きに夢中になった。
お互いの舌が絡み合い、唾で潤った口腔内を舐め擦り合う。
そして彼女の太股、布地越しの性器を、泡のぬめりを借りて俺のペニスが摺動(しゅうどう)する。
そして俺のペニスを彼女の太股が挟んで圧迫し、布地に阻まれた未成熟な性器を擦りつける。
お互いが、自分の快感の波だけではなく、相手の波までも合わせ込み、共に絶頂へと駆け上がる。
「く、バス子、いくぞ、だすぞ!!」
「ナオトさぁん、もうだめ、わたし、もうだめぇ!!」
キスを中断し、お互い見つめ合った。
絶頂間近の切なさに歪めたバス子の表情は、この激しい階段を駆け上がっているのが自分一人ではないと、俺の心を溶かす手助けをしてくれた。
彼女も俺の表情から、同じように感じ取ってくれたようだ。
「くぅっ!!!」
「だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!」
そしてお互いが同時に、快感の堰を吹き飛ばした。
俺は、顎を反らせて絶頂にのけぞるバス子の唇を追いかけてキスをし、同時に勢いよく射精した。
彼女の太股は絶頂の硬直で強く締め付け、圧迫された俺のペニスから射精されたザーメンは、信じられない飛距離を記録した。
ギネス、ギネス判定員はどこだ?!
「ちゅ、ちゅう、ぷは、」
俺達は、お互いの快感の波が緩やかになるまで抱き合い、キスの唇、その中の舌でお互いに戯れ合いながら過ごした。
「ナオトさん、きもち、よかった、です、か?」
バス子が、長いキスで乱れた呼吸のまま、俺に問いかけてきた。
俺は、バス子こそどうなんだ、気持ちよかったのか? と聞き返してやった。
すると彼女はうつむいて、俺の顎におでこを当てるように顔を隠してこういった。
「はい、きもちよくて、しあわせでした・・・」
・
・
・
風呂上がり、俺は室内着のジャージ、バス子はいつもの幽霊スタイルに着替えて、夕食タイム。
俺の夕食は、バス子が作ってくれた。
肉体の実体化が叶った今、彼女は鍋も持てるし包丁も握れる。
不便な点はといえば、今の彼女、味見が出来ない。
彼女の口は、人間の食べ物を味わうようには出来ていないらしい。
だけど、料理の本にある分量をきっちりと守り、毎回の食事で俺が食べた後の感想を元に調味料や分量を変更し、どんどん俺好みの味になりつつある。
うむ、学習能力も高い。
彼女は相変わらず、ガウストを食べている。
俺が用意した、レベル高めのガウストを、美味そうに食べていた。
食事が終わり、テレビを見て少しくつろいで、さあこれから第二ラウンド開始か、とタンスの引き出しからローションを取り出したとき、ぴんぽん、とドアベルが鳴った。
「ちきしょー、どこのどいつだ、こんな時間に!!」
俺は、声に出して怒鳴りながら玄関に向かった。
「よ、悪いけど、カネ貸してくんねーか?」
山岡だった。
随分久しぶりにコイツの顔を見た。半年ぶりか?
「阿呆。そんな台詞は、前に貸した金を返してから言いやがれ」
俺のそんな挨拶返しに、にやりと満足げに笑って、山岡は俺の家に上がり込んだ。
「へぇ、バス子ちゃんもゴールドになったか。ずいぶん可愛がってるようだな」
山岡が、以前よりも実体化を進めているバス子を見て、そういった。
おかしい。
何でこいつがゴールドレベルのことを知っているんだ?
俺のそのいぶかしむ目をにやりと笑って受け流し、山岡は説明した。
「おれはな、この半年ほど、修行に行ってきたんだ、恐山に」
「は? 恐山? イタコ修行にでも行ってきたか。幼女の霊を呼び出しに?」
「まぁ、似たようなもんだ」
そういって山岡は、俺の前に一つの玩具をかざした。
プレジャーガウストだ。
「まさかお前・・・」
「そう、おれも、恐山の修行で、おまえと同じ、見鬼の能力を身に付けてきた」
山岡は笑う。うれしそうな顔でにっこりと。
この笑顔を見れば分かる。
コイツは、俺に対するコンプレックスやら敵愾心で、俺と張り合うために見鬼の修行をしてきたわけではない。
幼女のためだ。
清々しいくらいに邪気がない向上心と、馬鹿馬鹿しいほどに邪気がある動機。
こいつは馬鹿だ。
だが、すごい馬鹿だ。
俺はある意味尊敬して、ヤツの話を聞いた。
「いやぁ、恐山の修行は、キツかったよ〜。まず最初は」
尊敬はするが、恐山の修行日記なんかは興味がないことなので、きっぱりと省くことにする。
山岡は。
恐山の修行で霊を見ることが出来るようになった。
馬鹿の一念岩をも通す、というか、なんというか。
そしてコイツは、自宅に居る目的の幼女を捕らえる前に、何体もの幽霊を捕まえて、いろいろと試したらしい。
「おまえのバス子ちゃんは、『ジバクショージョ』から『シルバー』、『ゴールド』へと進化する、いわばノーマル進化だ。特に方針を決めて育成しなければ、たいていの幽霊はこのルートで進化する」
山岡は俺に説明を続けた。
「だが、シルバーに上がる前に、ある手順を踏むことで、浮遊霊の特性である行動範囲の拡大を兼ね備えたシルバーレベル『フユーショージョ』に変わることが出来る」
俺は驚いた。それと同時に、悔しかった。
そのことを知っていれば、バス子をこの家の外へ、外出できるようにしてやれたのに。
俺のその表情を察して、バス子が、俺の手に自分の手を添えてきた。
彼女は、気にしないで下さい、私は今のままで十分幸せですから、と小さく微笑んでいる。
俺は、そんなバス子が無性に可愛くなって、彼女の手を握り返した。
山岡は、そんな俺たちを見て、ニヤニヤと笑いながら話した。
「おアツいことだな。まぁ、その条件ってのは、ガウストにとっちゃキツイ内容だからな、多分おまえたちじゃあ躊躇するよ。結局選択しなければ、知らなかったのと変わらん」
山岡の解説は続く。
『フユーショージョ』となったガウストは、次にどうなるのか。
マスターの命令に絶対服従の、『シキガミショージョ』に変わる。
戦闘力が特化して強化されたゴールドレベルで、当然行動範囲も広い。
「んで、いまのユミちゃんが、『シキガミヨージョ』だ」
そういって、山岡は自分のプレジャーガウストを起動し、飼育しているガウストを実体化させた。
山岡の言うユミちゃんは、おれが以前山岡の家で見た、あの幼女の幽霊だった。
たしかに、彼女はあの家に縛り付けられている自縛霊だった筈なのに、こうしておれの家まで出てくることが出来ていた。
玩具本体に表示されている液晶キャラクターを見ると、俺のバス子よりも一ドット分小さい着物姿のキャラクターだ。
なるほど、『ショージョ』じゃなくて『ヨージョ』なわけだ。
そして山岡は、俺にいくつかの説明をした後、大事なことを話してくれた。
「ゴールド、シキガミ、そのどっちもおんなじなんだが、次のレベルに上がると『ジョーブツン』ってのに変わる。コイツ、実体化は完全になって、人間とまったく同じレベルになる。もちろんセックスもできる。けどな・・・」
そこで区切って、山岡は一呼吸あけてから、続けた。
「名前からもわかるとおり、『ジョーブツン』は、しばらくすると本当に成仏してしまう」
俺は。
俺は、衝撃を受けた。
確かに、いつかは別れが来るのだろう、と、考えたことはある。
考えたくはないが、考えてしまったことがある。
そのときに想像した切ないビジョンが、頭の隅っこにこびり付いて残っていた。
それはバス子も同じようだった。
山岡は言う。
「別れたくないんなら、このままゴールドに止まりつづけろよ。コツを教えてやる。まー、本番は出来ないが、それくらいは我慢しろ」
山岡は、俺たちにそのコツを教えてくれたあと、ユミちゃんを連れて帰っていった。
これでこないだの二千円はチャラにしろよ、と山岡は言った。
それはもちろん応じてやったが、その帰りしなにまた俺から二千円を借りていくとは、どういう了見だ。
それに、忘れるな、俺はまだお前に、あわせて五万六千七百八十円も貸しているんだからな。
・
・
・
俺とバス子は、山岡が帰った後、二人で抱き合いながら眠った。
「ナオトさん、私、このままが一番幸せです・・・」
バス子が、切実に訴えて来るのを胸で抱きしめながら、俺もそう思う、と答えた。
彼女のレベルアップはここまでだ。
俺はそう決意した。
ぴし、と、何かがひび割れる音がした。
その音が、俺たちのプレジャーガウストに走る亀裂の音だと気付くのは、この少し後の事だ。
(つづく)
以上です。
途中、投下ミスがありました。読みづらくなって申し訳ありません。
>>63,64はスルーで。
本編の主人公『ナオト』は、山岡のことを散々馬鹿だ馬鹿だと評しますが、ナオト本人も十分馬鹿だと思います。
次回は完結編+後日談を同時に投下する予定。
御用とお急ぎでない方はお付き合いくだされば幸い。
わりとわかりやすい展開に着地する予定なので。
GJ!
バス子テラカワユスw
バカっぽいノリがグッジョブ!
GJ!
何かいろんなガウスト作れそうだな!
「イッペン死ンデミル?」とか言い出しそうなのとか
なあ、昨日買いに行ったら売り切れてたんだが…
おまいらじゃねーよな?
ギネスワロタw
>>77 つい最近トイザらス徘徊してたのはおまえか。
ま、一歩遅かったがな。
くっそ、こっちのトイザラスも売り切れてやがった
トイザラス行ったら二十ちょいくらいから三十前くらいの
明らかに玩具とかと縁のなさそうな男共が
かなりいたんだけど、やっぱりお前らか?
よし、ちょっと俺恐山いってkル!
つまり、おまいらみんなとは恐山の修業場で会えるということだ。
プレジャーガウストのひと、GJ!
最初はバス子って名前に違和感があったんだが、もう気にならなくなってきたよ。
バス子、かわいいなぁ。
トイザラスは全滅っぽいんで、俺はキッズランドにでも行って来るか。
おまいらいい歳越えて何をやってるwwwwww
そのまま恐山逝くなよ
住人総出でトイザらスと恐山に突撃するスレはここですか?
おまいら、新色(黒、白)ならイーエストイズで買えるぞ!
恐山というと…
イタコLOVE?
//若人置いてけぼりのネタだな…
恐山というと、恐山に山村留学していた御堂くんの妹・いづみちゃんを思い出す。
昔の少女漫画、おそろしくて言えない。
>>91 こんなところでくわたんファンに会うとは思わんかった
>>92 こんなところで大槻ファンにアウトは思わんかった
質問なんですが。
【妖怪】人間以外の女の子とのお話17【幽霊】スレとこのスレの棲み分けはどうなってるの?
向こうは猟奇、こっちはほのぼの、って感じ?
こっちが明らかに人間じゃないものばっかりなのに対して、向こうは半人半獣とか擬人モノが多い…って聞いたことある
こっちの幽霊とか妖怪は外見普通に人間だよな
そもそもはスレが立つまでの経緯が違うらしく、
ここはオカ板から派生したスレらしい。
でもま、今は余り関係ないっぽい。
>96-97の認識で今は棲み分けされてるっぽいし
>>98 そんな……
じゃぁ今(永遠に)書きかけの魔女っ娘ものはどこに投下せよと……。
スレタイのオカルト娘=人間の娘だと思っていたのだが……。
もっとも永遠に書きかけなのでそんな心配はいらないのだけれど。
>100
普通にここへ投下すればいいだけの話。
>1にそう書いてあるだろ
>ここは幽霊、妖怪、妖精、魔女っ子からはては異次元人まで
↑ここ大事
あと、永遠に書きかけとか許されないから。さっさと投下しる
>>100 書きかけと言った時点でおまいさんには投下の義務が生まれた
>>100 さぁ書きたまえ!そしてその少女(推定)に魂を与えよ!
書くことによって彼女達は永遠になるのだよ!
…と電波台詞で煽ってみる
>104
素で「良いこと言うな」と思ったよ
プレジャーガウストの人、面白いです
完結編もwktkして待ってますわ
しかし出遅れた・・
トイザラスは諦めて、図書館で恐山留学帰りの女子高生との遭遇を狙うか
>>106 漏れなく極悪な性格の無敵霊能力者な兄が付いてきます
なんか、妙に桑田率高いな、ここ。
中高生レベルじゃなく小学生レベルなところがかえって反発受けにくい、と・・・
>>108 そりゃあ桑田はオカルト且つホラーでないという点で稀有な漫画家だし。
えー、申し訳ありません。
プレジャーガウスト、長くなりすぎました。
その3(完結編)だけで、今まで投下したその1、その2の合計分量を軽く突破しちゃってます。
現在、圧縮作業中です。
というわけで、『その3』と『その4』に分割しました。
構成が下手なのは反省しきり。
先に『その3』を投下します。
相変わらず馬鹿なSSですが、もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです。
「あー、遠慮する。悪いが、他を当たってくれ」
日本の秘境、山奥の市役所に勤める叔父から電話があった。
年齢もわりと近く、昔から俺と話の合う男で。
つまりコイツも馬鹿なわけだ。
久しぶりの電話に、会話にも花が咲いた。
最初は叔父の、仕事のミスで大変なことになっちまったぜ、ガハハ、という不謹慎な話から始まった。
適当に相づちを打っていると、急に話が方向転換。
「お前、結婚しない?」
叔父の担当する過疎村で、珍しく適齢期の女性がいるらしいのだが、その女性、村の男は嫌だと駄々をこねているのだとか。
俺にとっては、超・どうでもいい話だ。
冒頭のような断り文句を告げて、電話を切った。
俺の断り文句に、そーいうだろうと思ったぜ、ガハハ、とあっさりと引き下がった。
叔父も、俺の性分を結構把握しているヤツなので、ダメ元だったのだろう。
「お夕飯、出来ましたよ」
例えるならば、涼やかな春の風。
そんな、耳をくすぐる小さな声が、食卓から聞こえてきた。
俺が電話を置いて、呼ばれた食卓に向かう。
そこに、美味そうな料理が並べられたテーブルと、俺を待つ美少女。
バス子が俺を見て、はにかむように笑う。
しかしこいつも、よくもまぁ、いつもいつも俺の顔を見るだけで嬉しそうになれるよなぁ。
俺なんかの平凡な顔、いい加減見飽きたりしないのかね。
ちなみに俺は、バス子の顔を見飽きたりしない。
可愛いからな。
・・・・スマン、ノロケはもうヤめるとしよう。
つまり、俺たちはそれくらい、毎日楽しく過ごしてるってこった。
バス子が、録画終了したビデオをデッキから取り出す。
いい旅をして夢気分な番組、そのスペシャル版みたいな、二時間スペシャル。
標準で録画したから、二時間数分を全部埋めている。
これが、今のバス子の食事だ。
山岡からのアドバイス。
『ゴールドジバクショージョ』から『ジョーブツン』にならないで、ゴールドレベルを維持する方法。
ガウストがレベルアップするためには、ほかのガウストを餌にしたり、ほかのガウストと戦闘することによって得られる『経験値』が必要だ。
しかし今のバス子は、食事による経験値で、『ジョーブツン』まであと一歩のところにいる。
今の本体、バス子がいるイケース(飼育エリアの名称)以外に捕獲している高レベルのガウストを、バス子のいるイケースに投じれば、おそらくそれだけでレベルアップしてしまうだろう。
山岡から話を聞くまでは、少しでも早く次のレベルに、とどんどん高レベルの食事を取らせていたからな。
危ないところだった。
もうこれ以上余分な『経験値』を与えることが出来ない。
しかし、なにも食べなければ、彼女は実体を維持できない。
そこで、山岡が発見した方法。
実体を伴った彼女らは、ビデオテープやフロッピーディスクなどの情報記録用磁性体から、直接磁力を得ることが出来るのだ。
山岡のところのガウスト(幽霊)達がどうだったのかは知らないが、うちのバス子は、新品に標準画質で録画したテープの磁性体を一番好む。
しかも、わずかだが録画内容が彼女の気分に影響を及ぼすこともある。
・・・これまでにどんなビデオを試したのかは内緒だ。
バス子は、俺の座る場所の斜め隣に座り、今日の昼食となるビデオテープに、手動リワインダー(テープ単独で巻取りのできるハンドル状の道具)をセットした。
そうやって、ハンドルを付けたビデオカセットのテープを露出し、そこに彼女の小さな唇を付けた。
・・・いや、よく見ればわずかに触れるか触れないかの隙間が、唇とテープの間にはある。
そしてそのまま、すごいスピードでハンドルをまわし、テープ表面の磁性体を唇から吸収していく。
(CAUTION!! まねしないでください!!)
まーなんだ、とても食事の光景には見えないが、この要領で大体四〜五分のうちに彼女の食事が終わる。
磁性体の吸い尽くされたビデオカセットは、当然使い物にならない。
彼女の食費は、一ヶ月で約九十本のビデオテープ代。業者を通じてまとめて買えば安いので、金額はたかがしれている。
ビデオデッキも新調した、ケーブルテレビにも加入した。
増えた同居人の生活費と考えても、安い部類だろう。
「さっきのお電話、どなたからなんですか?」
普通に味わって食事を摂る俺に、すでに食事を終えたバス子が聞いてきた。
「遠いところに勤めてる、俺の叔父だよ。俺に、結婚しないか、と言ってきた」
俺のその言葉を聴いて、バス子がわずかに表情を曇らせた。マズイ、余計なことをいっちまったな。
「あ、いや、叔父が俺に結婚を申し込んだわけじゃないぞ?」
・・・と、とっさにボケてみたものの、彼女の表情は変わらない。・・・すべった。
俺は、「俺が嫁にしたいのは、お前だけだ」くらいの台詞ををここでいったやったほうがよかったのかもしれん。
だけどそんな台詞は、こんなタイミングで言ってしまっては、ただの慰めにしかならないこともわかっていた。
ちくしょう、俺は本気だぜ!
幽霊と結婚してもいい法律を作ってくれるんだったら、自○党でも公○党でも共○党でも、どこにだって投票してやるわい!!
今の俺には、ただ彼女の頭をなでてやることしかできなかった。
ある日、バス子が倒れた。
意識を失い、発熱し、呼吸も荒い。
俺は動揺した。
幽霊でも体調崩すのか?
風邪? そもそも病気なのか?
彼女はすごい高熱で、いくら冷やしても下がる気配がない。
そのとき俺は気がついた。
プレジャーガウスト本体だ。
俺があわてて本体を手に取ると、確かに通常にはない熱を帯びていた。
ここしばらく、ガウスト捕獲も必要がなくなったために、本体自体は放置気味だったのだ。
本体を冷蔵庫の中に放りこんでしばらく、彼女の熱は下がった。
今使っている本体の挙動に不安を覚えた俺は、用心のために別のプレジャーガウスト本体を用意した。
過去に何度かおこなった、ガウストの移動だ。
普通のガウストは、本体メモリに保存され、電池を抜いても大丈夫なのはわかっていたが、バス子は特殊なケースだ。
電池交換のときは用心して、一度ほかの本体に移動させてから、電池を交換していた。
しかし、今回、バス子の移動は失敗した。
何度やってもエラーが出る。
山岡にも相談したが、ヤツにも原因はわからないという。
冷蔵庫の中に入れている本体も、少しずつダマシが効かなくなってきた。
そのまま冷凍庫に放り込みかけたが、結露が怖くて踏みとどまった。
俺は理解した。
このままだと、バス子が棲んでいるこのプレジャーガウスト本体は、壊れてしまう。
「ナオトさん・・・どうしたんですか?」
微熱程度まで下がったバス子が目を覚ました。
ここで二択だ。
A・女の子に余計な心配をさせるなんて、男じゃねぇ。ここはバス子には内緒で、スマートに事態を収拾、何事もなかったように振舞うぜ!
B・事態収拾には、彼女の協力が必要だ。奇麗事言ってる場合じゃないぜ!
・・・俺だって男だから、できるならばAを選びたい。
だけど、それで解決できるかは、わからない。
確証が無い賭けは、できない。
少しでも高い可能性を求めるならば、Bだ。
それに、俺はポーカーフェイスには向いてないらしいからな。
俺は、バス子にすべてを話した。
ヘタレだと笑ってくれてもいい。
あとで、Aを選ばなかったことを後悔するのかもしれない。
だがそんな後悔や嘲笑なんて、バス子を失ってしまうかもしれないという恐怖に比べたら、なんてこたーない。
バス子は、俺からその話を聞いた後、暗く落としていた表情を、わずかに微笑ませてくれた。
それから俺たちは、思いつく限りのいろいろな方法を試してみた。
山岡も、いろいろと情報収集に協力してくれた。
俺は足掻いた。
しかし、あのときにAを選べなかった俺でも、だからといってむやみに不安を与えるつもりはもちろん無い。
おれはできるだけ、これまで通りの生活を守るようにした。
朝起きてバス子と二人して、ぼけーーーーーーーーっとして(二人とも物凄い低血圧なのだ)から会社に行き、仕事そっちのけで色々と調べ、
家に帰ってバス子といっしょに食事をし、昼間に調べたことをいくつか試してから風呂に入り、ベッドで二人、エッチな戯れに耽った。
バス子もそんな俺の気持ちに応えてくれ、二人の生活からは、これといった焦りは窺えないでいた。
・・・見かけだけはね。
実際は超・焦りまくりだコンチクショー。
電源を外部から引いてくる改造をした。電池切れの心配はなくなったものの、根本の解決にはならない。
パソコンで作成したエミュレータ(実機の動作を、パソコンなどで模倣するプログラム)に吸い出してみることも試してみたが、うまくいかなかった。
アレもやった。
コレも試した
ソレもうまくいかなかった。
俺達は思いつく限りの手段をとにかく試してみたが、思うような結果が得られなかった。
俺の、心の奥底に引っかかっていた、別れのビジョンが、日に日に大きくなっていく。
普段通りを意識してはいるものの、それでもふとしたはずみで、不安と悲しみに表情を曇らせてしまうバス子。
だけど泣くことはしなかった。彼女は涙を出せないからだ。
・
・
・
・
・
・
そして、ある夜、彼女が俺に言った。
「ナオトさん、私を『ジョーブツン』にしてください」
俺は、とうとうこの子にその台詞を言わせてしまったんだ、と思うと、自分の無力さに腹が立った。
ゴールドに留まって、ずっと二人一緒にいることが自分の幸せだといっていた彼女が、その終わりを感じ始めたのだ。
「もう、私が長くないことは分かっています。基盤が熱で、ダメになってきてるのが、何となく分かるんです」
「そうか・・・」
俺への労りによって作られた笑みを浮かべ、そう言ったバス子に、俺は、力無く笑い返してやることしかできなかった。
「どうせなら、成仏した方がいいよな・・・」
『ジョーブツン』にあがれば、本当に幽霊は成仏できるのか、と聞かれても、そんなもの、分かるわけがない。
俺はその場面を見たことがないし、『消滅』と『成仏』の違いを区別できるのかと言われれば、もちろん出来るわけがない。
しかし、今のバス子に対して、『消滅』なんて言葉が使えるわけがない。
『成仏』できる、と、信じよう、俺も。
・・・なんて事を考えて言った俺の言葉だったけど。
「『成仏』とかは、どうでもいいんです。ナオトさんと離れてしまうのだったら、ただ消えてしまうのも成仏するのも、私にとっては同じ事ですから」
彼女はそう言い、そして顔を紅く染めて告白した。
「どちらにしても消えてしまうのだったら、その前に、抱いて欲しい。ナオトさんと、セ、セックス、したいです・・・」
いつから、そんな決意をはじめたんだろうか、バス子は。
今日、基盤の限界を感じたときか?
それとも、山岡から『ジョーブツン』の話を聞いたときからか?
なんにせよ、彼女がここまで決意したものを、俺が拒めるわけがない。
俺は、彼女を胸の中に抱きしめて、わかったよ、と答えた。
彼女は俺の腕に抱かれたまま、こくりと肯いた。
・・・・・・
初エッチだから普段よりも優しくしてやった方がいいよな、と、バス子に尋ねるつもりもなく独り言のように言った言葉に、
「普段のナオトさんの方がいいです。・・・普段のナオトさん、エッチだけど、とても優しいですから」
などと、赤面物の台詞を吐きやがった。
こーなりゃ、俺ががんばらないでどうするか!
しかし、正直言うと俺は、自己嫌悪と無力感でエロパワーなんてぜんぜん湧いてこなかった。
鬱に落ち込んでいる気分を切り払い、カラ元気ではない本来の俺を取り戻さなくてはいけない。
そこで、十五分ほど時間をもらった。
家を出て、全力で走り出す。
町中を、大声あげて走り回る。
チクショーーーーーーーーッ、俺のアホーーーーーーーーーーッ、ヘタレーーーーーーーーーーーーーッ!!!
夜中だけど、かまわずに叫ぶ。
彼女が普段の俺を選んだのなら、俺の心の中にあるモヤモヤしたものは吐き出しておかないと、邪魔になる。
俺はスケベで、馬鹿な男だ。
スケベなのは、彼女が、そんな俺が良いっていってくれたんだから、それで良い。
馬鹿だから、彼女を助けてやれない自分の駄目なところをほっといて、スケベなことに集中できる。
馬鹿にも利点があって、良いじゃないか。
十五分フルに使って走り回り、部屋に帰ってきたときにはくたくたで倒れ込んだ。
叫びすぎて喉が痛かったけど、バス子が水を持ってきてくれたんでそれで潤した。
「あー、俺は馬鹿だ」
そんな俺を見て、バス子はくすりと笑った。
・・・
冷蔵庫を改造して作ったオリジナル冷却機の中にあっても、プレジャーガウスト本体は熱を帯びていた。
そこから外に出してしまうと、一気に温度が上昇してしまうので、冷却機の中に手を突っ込んで操作する。
かねてより捕獲してあった高レベルのガウストを、『ゴールドジバクショージョ』に与える。
すると、バス子の手元に、そのガウストのビジョンが現れた。
「それでは・・・・・・いただきます」
バス子は、そのガウストに口を付け、ちゅう、と吸い取るようにして食べた。
水分を無くしてひからびるように小さくなっていくエサガウスト。
それが完全になくなったとき、バス子の、最後の食事は終了した。
プレジャーガウスト本体がチープな電子音を鳴らし、『ゴールドジバクショージョ』がレベルアップしたことを告げた。
俺が本体の液晶パネルを覗くと、まるでバグったかの様にデタラメなドット表示が明滅している。
山岡の話だと、本来はここで『ジョーブツン』と表示されるらしいのだが、もう、本体がかなりイカレているらしい。
後もう少し、彼女が『ジョーブツン』として本当に成仏するまで壊れないで欲しいと祈りながら、俺は冷却機の扉を閉めた。
バス子の身体が薄く光り始めた。
それがだんだんと強い光にかわり、強烈にフラッシュした。
光が収まった後のバス子は、相変わらずの幽霊ファッションで。
しかし、その瞳からは、涙の滴がこぼれていた。
「ナオトさん、わたし、『ジョーブツン』になったんですよね?」
哀しいのか嬉しいのか、そのどっちもが綯い交ぜになった笑顔。
くそ、そんな顔されると、つらいぜ。
こっちはいつも通りに接しようと、バカみたいに走ったり叫んだりして割り切る努力をしたってのに。
早くも俺の心が、ぐらぐら揺れてしまいそうだ。
俺はそんな心を押し殺して、彼女を見る。
彼女は、涙があふれ、すん、と小さく鼻をすすった。
確かに、以前にはなかった涙が流れている。
俺は彼女の肩を引き寄せ、唇を重ねた。
彼女の口腔に舌を忍び込ませると、すでに彼女自身の唾液で潤っていた。
短めのキスを終えて俺が肯くと、バス子が俺に強く抱きついて来た。
俺は、その彼女の唇を捕らえ、今度はじっくりと、長いキスを開始した。
山岡の話では、このまま『ジョーブツン』が成仏するまで四時間しかない。
俺は、その四時間をめいっぱい使って、彼女を愛してやろうと決めた。
・・・・・・
女の子をお姫様だっこ。
女の子の憧れ、とも言われてるが、男にも好んでこれをやりたいっていうリリカルなヤツがいる。つまり俺だ。
お互いまだ着衣のままで、彼女をベッドに連れて行く。
彼女をベッドに寝かせたあと俺も横に寄り添い、そこでふと思い出すことがあった。
「そーいや俺、謝っときたいことがある」
彼女が、俺の唐突な言葉に、首を傾げた。
「『バス子』なんて変な名前つけて、スマンな」
俺がそう言うと、バス子は、少し自信無げな、窺うような表情になって俺に問い掛ける。
「この名前、お嫌いですか?」
「嫌いじゃない、むしろ今ではすげぇ馴染んだ。・・・けど、正直、最初は適当につけちまったからなぁ。なんか申し訳ない気がする」
バス子は表情を安堵に変えた。
「私は好きですよ、この名前。ナオトさんが私だけにくれた名前ですから」
彼女がそうやって小さく微笑むのを見るたびに、俺の気分はどんどん舞い上がっていく。
馬鹿だからなぁ、俺は。舞い上がるときは際限なく、天高く舞い上がる。
俺は、その舞い上がる気分のままに、彼女の唇を奪い、長い長いキスをする。
ちゅ、ぺちゃ、ちゅちゅう、ちゅ・・・・・・・
二人の、絡み合う舌がたてる湿った音が聞こえる。
「・・・・・・ん、ちゅ、ちゅはぁ、んん、あは、ナオトさぁん・・・ナオトさんのキス、美味しいです・・・」
味覚を得た彼女が、嬉しそうにとろけた表情で、はじめての味についての感想を言う。
深いディープキスの後、甘い唇の触れ合いのようなキスでじゃれ合い、そしてまた深く舌を絡め合う。
俺達は、ホントに長い間、キスを愉しんだ。
バス子は俺のキスを美味しいと言ったが、もちろん俺もそうだ。
今日はじめて味わうバス子の唾液はとても甘く、いくら飲み干してもどんどん湧いてくる。
「・・・ちゅ、んはぁ、ナ、ナオトさん、あの、こんどは、ナオトさんをたべちゃって、いいですか?」
キスを終えたバス子が聞いてくる。言葉そのまんまだと考えると少し怖い気もするが、そんなわきゃーない。
俺が頷いてやると、彼女は、俺を仰向けに寝かせ、自分は俺の身体の上をまたぐようにして、身体を重ねた。
膝を立ててまたいでいるため、彼女の可愛いお尻がつんと上を向き、上半身が俺の胸の上に密着する。
そのまま顔をさっきのキスみたいに寄せてきたバス子は、俺の唇に小さなキスをした後、小鳥の啄みの様なキスを俺の顔中に振らせた。
そしてキスの合間に、小さく出した舌先で俺の顔を味わっていく。
「俺の顔なんて、美味いとはとても思えんがねぇ・・・」
心地よいキスの雨にだらしなくニヤケながらも、そんなことを言ってみる。
バス子は、そんなことないです、とっても美味しいです、と、呼吸を甘くしながらも答えてくれた。
バス子のキスはそのまま俺の首に下がり、そして次に、俺のシャツのボタンを外し始めた。
彼女のその動きに合わせて俺が上半身のシャツを脱ぎ捨てると、バス子は俺の胸や腹にキスし、舌を這わせた。
なんだかくすぐったい、が、非常に心地よい。
仰向けの俺が首を少し持ち上げると、可愛いショートカットの幽霊さんが、俺の身体を舐めている光景が広がる。
うむ、眼福眼福、絶景かな。
俺が、彼女の口元に手のひらを差し出してやると、今度は手のひらを舐め始めた。
さっき全速力で走り回った後だから、身体はきっと汗まみれだ。しょっぱい汗の味しかしないだろう。
それでも彼女は、美味そうに、懸命に舐める。指の一本一本を丁寧に舐めしゃぶり、ちゅうちゅうと湿った音をさせて吸い付いてくる。
指を一本丸ごとくわえ、出し入れしながらしゃぶる様を見ていると、どうしてもアレを思い出す。アレに対する期待が膨らむ。
バス子も多分、気分がそんな感じに盛り上がってんじゃないか?
「なぁバス子、そろそろ、アレ、頼むよ」
我慢できずに俺が頼むと、指から口を放した彼女が、顔を赤らめて肯いた。
バス子がジッパーを降ろし、俺がベルトを外す。俺がズボンとパンツを一緒くたにずらすと、後はバス子が引き継いで完全に足から抜き取った。その間、僅か数秒。凄いぜ、俺達のコンビネーション。
そしてバス子は、全裸になった俺のチンコを優しく手に取り、ゆっくりと撫でさする。
いつも、ゴールドレベルの彼女がしていたフェラチオでは、俺のチンコにローションを塗して彼女の唾液代わりにしていた。
しかし今日は初めて、自前の唾液で、不純物なしの100%純正フェラチオをしてくれるのだ。
俺の心も期待に躍る。バス子の嬉しそうな表情も、多分そんなことを考えているんだろう。
バス子も、随分エッチな女の子になったものだ。
そんなふうに育てたのは俺だ!(無意味に自慢げ)
「ナ、ナオトさん、ナオトさんのおチンポ、いただきますね」
初めて、道具の助けなしに俺に奉仕できる、ってのは、それほど嬉しいことなのか、と俺は彼女に聞いてみたかった。
それほどバス子の表情は喜びで満ちあふれ、それでいて頬を紅く染める羞恥が、彼女らしい貞淑を忘れていないことを伝えてくる。
俺がそのことを聞けば、間違いなく彼女は、頬を染めながらも肯くことだろう。
わかっているから、聞かない。
言葉で聞くのも嬉しいが、こうやって彼女の表情から読みとるのもまた、楽しいよ。
つ、 、ぴちゅ。
バス子は、びんびんに勃起した俺のチンコの真上から、口の中にためた唾を落としてきた。
彼女の少し低い体温を、その唾液が俺のチンコに伝える。
間をあけずに、彼女が小さな舌を突きだしてその唾液を亀頭全体に塗り広げる。
舌先を固く伸ばして、それでも唇からあまり突き出せていないところがなんだか奥ゆかしい、ような気がする。
ちろちろと、その小さく突き出た舌先で俺のチンコをくすぐりだす。
亀頭をまんべんなく舐め、そしてカリの部分、裏筋など、特に敏感なところは念入りに舌をあてがう。
いつもながら、美少女の清楚な顔と男のいびつなチンコのコントラストってのは、ぞくぞくするほどいやらしい。
チンコに直接感じる刺激と、目から流れ込んでくる視覚のエロさに、俺の官能もどんどんと燃え上がっていく。
「・・・はぁっ、ナオトさんのおチンポ、おいしい」
彼女の声は、喜びの中に淫靡さを含んだ、何ともすさまじいエロボイス。
こんなおとなしそうで可愛い女の子が、こんな囁くような可愛い声で、こんなエロイ台詞を言うなんて、もう、悶絶モノだ。
そして奉仕を再開した彼女は、舌先だけでなく、今度は唇を押し当てて、ぬるぬると上下に擦りながらも、舌先でくすぐるような刺激を与えてくる
ちゅ、ちゅ、ちゅ、ぴちゃ・・・
舌をぬめらせ、それでいて吸盤のように吸い付く彼女の唇に、俺のチンコもかなりのダメージを喰らった。
最後まで、保つのか?
「くお、すげぇ。すげえ気持ちいいよ、バス子」
俺が、彼女の髪に手をかけ撫でながら、そんな弱音を吐いてみると。
チンコから口を放したバス子が、俺に褒められたのがよほど嬉しかったらしく満面の笑顔で言ってきた。
「・・・よかった、ローションが無くても、わたしのおくちで、ちゃんと気持ちよくなってもらえて・・・。
それじゃあ、ナオトさんのザーメン、飲ませてくださいね・・・」
くっ!!
だから、俺のチンコを顔に寄せて、そんな台詞を言うなっつーに!!
視覚と聴覚だけでイキそうになっちまうじゃねーか!!
そんな俺の窮地を知ってか知らずか、バス子はいよいよ本格的に俺からザーメンを搾り取る攻撃に出た。
自分の唾でぬるぬるになった俺のチンコを、何とも愛おしげな目でしばらく見つめた後、その小さな口を精一杯大きく広げて、
ぱく。
と、亀頭先端だけを、その可憐な唇で可愛く咥え込んだ。
まだ、俺の亀頭は、カリも彼女の唇に収められていない。一見、中途半端な奉仕の形だが、凄いのはここからで。
むにゅ、むにゅうううう。
彼女は、その唇をすぼめたまま、唾のぬめりを頼りに俺のチンコをバキューム吸引する。
彼女の唇によって遮られた俺の亀頭前半分だけが、バキュームされる。
じゅちゅううううううううううううううううううううう・・・、ちゅるん!
さながら、掃除機に引っかかっていた大き目のゴミが、不意に全部吸い込まれてしまうのと同じような感じ。
俺の亀頭が、彼女の小さくすぼめたホントに小さな唇に抵抗しながらも、強烈なバキュームの吸引力に負けて、ちゅるん、と吸い込まれた。
『ちゅるん』なんて可愛い擬音を使っちゃいるが、実際は、可憐な少女の口を犯す、男の醜いペニスの図なわけで。
なんというか、普通に大口あけてぱっくりくわえるフェラじゃなくて、狭いストローみたいなトンネルに、吸い込まれるようなフェラ。
「うおっ!!」
吸い込まれる際の、カリに受ける唇の圧力と来たら、何とも筆舌に尽くしがたい。
抵抗の山場を越えられてしまった俺のペニスはそのまま、ずちゅるるるる、とサオ深くまでもが彼女の唇に飲み込まれ、一気に彼女の喉奥まで進入する。
「っっっっ!!!」
俺はもう、唸るしかできない。
凄いテクニックだ。
こんな可愛い、清楚な顔立ちの、セックスとは無縁に見える少女が使うにしては、あまりにも凄すぎるテクニック。
こんなテクニック、いったい誰に教わった!?
俺だ!!
いやー、あまりにも物覚えが良くて、俺を喜ばせることに一生懸命だったもんだから、ついつい調子に乗っていろんなテクニックを教え込んでしまった。
しかし、彼女のテクがあまりにも強力になりすぎて、今度は俺が追い詰められる結果になるとは。
まさに諸刃の剣。
それにしても、今日のバス子、なんかペース速いなぁ。
普段はもっと、ゆっくりまったりとしたペースなんだがなぁ。
やっぱ、時間がないから焦ってるのか。
とかそんな馬鹿なことを考えている間にもバス子の猛攻は続く。
じゅるるるるるるっじゅるるっじゅじゅるるるるる、じゅぷぷぷぷぷっぷぷっぷぷっぷぷううううう、じゅるるるるるる・・・・
バキュームで、口腔の粘膜と舌を俺のチンコに密着させたまま、顔全体を激しく上下させて扱き出す。
しかも、その際に顔を揺らしながら、少しでも多くの刺激を三次元的に加えてくる。
ヤベー、バス子にこれやられたら、俺一分も保たないんだよ!!
俺は慌てて彼女の頬に触れ、ストップストップ、ギブギブと、停止サインを送る。
「・・・え、きもちよく、なかった、ですか?」
彼女はチンコを口から吐き出し、バキュームに疲れて呼吸を荒げながら、不安そうに聞いてくる。
ちゃうちゃう、逆だっつーの!!
「俺も、バス子のあそこ、口でしてやるよ。こっちにお尻を向けて跨って」
俺がそう言うと、バス子は不安そうにお尻をもじもじさせたまま動かない。
「・・・でも、あの、わたし、・・・あそこが濡れちゃってて汚いから、ナオトさんに口でしてもらうなんて、出来ないです」
なにを言ってんですかこの子は!
「汚くなんか無いって。俺だってバス子を食べたいんだよ。な?」
いいだろ? と宥めて、ようやく彼女は覚悟を決めたようだ。
つか、彼女のテクニックに対抗するには、これが一番。こっちからも快感を与えてやることでバス子の集中力を乱す。
彼女は、おずおずと俺の方に尻を向けて跨り直した。幽霊の白い着物は彼女のふくらはぎあたりまで裾があるのだが、足を開いているので結構これがはだけてる。
それを、がばっ、と彼女の背中に向けて大きくまくってやると、可愛いナマのお尻がむき出しになった。
突き出された彼女のお尻は、ぬらぬらとぬめりを帯びた少女のスリットと、今まで本来の用途で使ったことのないお尻の穴が一度に見られる、素晴らしい眺めだった。
そのお尻が恥ずかしげにモジモジゆらゆらと揺れて、俺を誘っている。ブラボー。
「おおっ、バス子のオマンコ、ヌレヌレだ!!」
「ああっ、だめぇ、ナオトさぁん、言わないでぇ・・・」
バス子は、俺のチンコをふわりと握ったまま、羞恥に悲鳴を上げる。
そして俺達は、69の形でお互いの性器に顔を埋め、愛し合った。
俺が、愛液に滑付く彼女のオマンコにキスをすると、それだけで彼女は大きく反応し、ひうっ、と悲鳴を上げる。
そしてなによりも感動したのは、彼女の愛液が味わえたことだ。今までは俺の唾で湿らせていたからなぁ。
俺は彼女のオマンコに口を付けたまま、じゅうる、ずじゅうるるる、と大きな音を立てて吸い付いた。
「ひあああああああああっ、だめ、だめぇ、吸っちゃダメですぅ!!!」
俺の、そんなはしたない音を聞こえなくするつもりなのか、バス子は大きな声を上げて抵抗する。
当然俺はそんなことで許してやらない。だってバス子のオマンコ、スゲー美味いんだからな。
ゴールドだった頃のバス子のオマンコは、外見の形だけがオマンコに似た、いわば作り物だった。
勿論、感じるべき部分はきちんと機能していたので、それはそれで充分以上立派に役割を果たしていたのだが。
膣口も、穴のように見えてわずかにくぼんでいるだけで、チンコの挿入は出来なかった。
それに対して、今の彼女はちゃんと穴になっている。
俺が、ねぶりあげる舌をそこに差し込むと、彼女は背を反らして悲鳴を上げた。
「ひ!あ!あああ!ああああっ、そ、そこ、そこだめぇっ!!!」
きゅ、と手にしたおれのチンコを握り締めながら、バス子は可愛いお尻を振って逃げようとするが、俺はそんなことで逃がしたりはしない。
舌でクリトリスを舐(ねぶ)り、程よく充血してきたところを歯で甘噛みしてやる。
「ひゃあっっっっ!!!」
よし、このまま攻めれば、俺の敗北はあるまい!
唇の先でつまむようにバス子のクリトリスを包むと、そこをこちらもバキューム開始。
ちゅーーーーーーーーっ!!と振動を与えながら吸い付いてやる。
「あ!あっ!ああああああああああっあっああああっ、だめ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっ!!!!!」
・・・って、やりすぎか、俺。
俺がクリトリスを開放してやると、バス子の全身に張っていた力みも消え、がっくりとうなだれる。
は、は、と荒い息を吐きながら、バス子は、少し恨めしそうに俺を振り返る。
「・・・・・・ナオトさんの、いじわる・・・・・・そんなにされたら、わたし・・・ひとりでいっちゃうじゃないですかぁ・・・」
わがままだなー、さっきは俺を一人でいかせようとしたのに。
ま、俺も少し熱くなりすぎたぜ。
落ち着いて、じっくり愛を交し合おうじゃないか。
ここいらで仕切りなおしだな。
バス子も俺のチンコへの愛撫を再開したし、俺も・・・・って、うおおっ!
バス子、再びマックスパワーだ!?
ちゅば!ちゅぐ!ぶちゅ!ちゅぶ!ぶちゅう!
俺のチンコに纏い付く唾が、バス子の高速フェラによって飛沫と飛び散る。
喉奥まで深く飲み込んだ俺のチンコを、バキュームで隙間なく粘膜と密着させながら、ぬるぬるのつばを潤滑材にして激しいピストン。
普通の人間なら、むせ返り、喉に受け止めきれないような俺のチンコだが、バス子は懸命にそれを飲み込んでいく。
それによって生み出される快感は、並みの女のマンコ以上だ。
さっきから強烈過ぎる電流火花が体を走りまくりだよ!
やべ、やべぇって!
ちくしょー、バス子、どうあっても自分がイくより先に、俺をイかせるつもりだな!?
よーし、俺もむざむざやられはしませんって。
というわけで、こっちもバス子への愛撫を再開。
俺のチンコをしゃぶることで増量したバス子の愛液を、じゅるるると大きく音を立てて啜ってやる。
「んんーーーーーっ、んんんっっっ!!!」
バス子が俺のものを喉奥にディープスロートしながら、唸るように声を上げる。
その喉の震えは俺のチンコにダイレクトに伝わり、強烈な刺激となって俺に返ってきたりする。
ぎゃあ、逆効果!!
もうだめだ。
こうなりゃ最後、無理やりにでもバス子を道連れにしてやる。
俺は、腰の奥にたまった熱いマグマを出来るだけこらえ、彼女の急所であるクリトリスに思いつく限りの愛撫を加えた。
彼女のクリトリスを唇ではさみ、ぬるぬると唇で擦り立て、舌で押し潰したあと、ざらざらとした舌の腹で捏ね回し、歯で甘噛みしながら転がすように擦ってやる。
「んんんんんんんんんーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっ!!!!!!」
俺の一斉攻撃で彼女は急激に絶頂の九合目まで上り詰め、一気に頂上を目指して駆け上がっていく。
そして、それでも俺のチンコから口を放そうとはしない。
射精をこらえる俺のチンコを、バス子が必死に、じゅぱじゅぱとすすりあげる。
く、もう限界だっ!!
俺は、極限までに圧力をかけて押しとどめていたマグマを開放し、バス子の喉奥に思いっきり解き放った。
ブビュゥーーーーーーーーーーッッッ!!! ビュゥゥーーーーーーーーーーーーッッ!!!
「んんんんんんんんんんんんーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっ!!!!!」
・・・こく、・・・こく、・・・こくり、
ドクドクと勢い激しく噴き出す俺の精液を、ダイレクトに嚥下するバス子。
そして俺はバス子を道連れにするために、彼女のクリを思いっきりバキュームしてやった。
その最後の駄目押しが効いて、彼女はチンコを咥えたままさらに大きなうめき声をあげて絶頂。
彼女の全身が硬く引きつり、膣の痙攣に合わせて勢いよく液体が噴き出す。
バス子は、絶頂にたどり着いても、俺のチンコを口から放さなかった。
(つづく)
以上です。
一人称でエロシーン書くのは難しいなぁ、と、大変勉強になりました。
エロくならないので困ります。
オチの察しがついた人も、しばらくは内緒にしててくださいね〜。
切ないエロい面白いと三拍子揃った良作。
神が舞い降りた
GJ。そして今はただ、このエロスを噛み締めながら正座して待つのみ!
コピペで申し訳ないが萌えたので張ってみる。
『私、メリーさん。今、一階のロビーにいるの…』
『私、メリーさん。今、二階の踊り場にいるの…』
『私、メリーさん。今、三階の踊り場にいるの…フフフ…』
………
『わ、私…メリー、ハァ…さん。今、87階の、踊り場にいるの…ハァハァ』
律儀に階段を上り、それを一々報告しなければいけないというのも、妖怪ゆえの悲しい性(さが)だ。
『わ、あ、あたし、メリー…さんっ。ハァ、今は…88階にィッ…る、の』
私が今座っている場所は、上海に建つ超々高層ビルディングの147階居住フロアである。
あと60階近くも残っているのにへたばっている様では、100を前に倒れこむだろう。
『や、あ、たし、メリーさ…んぅっ! い、いあ…89…ちょっと、うう!
やあ、おしっ…もうだめぇ、出して、ここ開けてぇ! も、もれ、あ…いあああああ!
あ、あ、だめぇ! 切って、今すぐ電話切ってぇ! 聞かない…でぇぇっ…』
何だ、やけに息切れしていると思ったらそういうことだったのか。妖怪にも「そんなこと」があるとは初耳だ。
50階から126階まではオフィスフロアがひしめき、非常階段のドアはセキュリティ上の都合で
非常時以外は開かないようになっている。駆け下りるにも駆け上がるにも行かず、さぞや苦悶したことだろう。
しかし、不本意な形ながら障害を排除し、恥辱に燃えるメリーさんが残りの階段を駆け上がってこないとも限らない。
そうなる前に、私は屋上のヘリポートへ向かうことにした。
つ C
たしかオカ板に、幽霊をクールに撃退するスレ、みたいなのがあったよなぁ。
なんだ?
『ひぃっくっ、えぐぅっ……私、メリー、ひっく、さん。今、貴方の、っ、後ろに、いる、の、えぐ……』
「うわぉっ!?」
メリーさんが階段を上りきらない内にヘリで逃げるという対抗手段は裏目に出てしまったらしい。
機上の人となってすぐに着信があり、今頃は九十階辺りをうろついているだろうメリーさんの
情けない声を愉しもうと思ったら、何と五十七階分をすっ飛ばしていきなり最終段階に入っていた。
「……ちょ、それ、ルール違反じゃないか?」
仕方ないので電話を切り、背後に生じた気配に向かって話しかけてみた。
「ひっくっ、えぐ、仕方、ひっ、ない、じゃない……!」
「何が?」
「あん、あんな、の聞かれ、て、まともに、仕事、っく、なんて、でき、ない……っ…」
「あんなの」というのが何だかをわざわざ確認するには流石にデリカシーに欠けるだろう。
「い、いや、まあ、そりゃ、ね……」
涙声で訴えかけてくるメリーさんに対して、私は言葉を濁すしかなかった。笑いを堪えつつ。
「ちょ、っと、こっち、見なさい、よ、ぇぐ、あんたっ……!」
「見たら殺されるんだろう。私はまだ死にたくない」
誰がその手に乗るものか。メリーさんに振り返れば死が待っているというのは常識だ。
「しない、わよ、そんな、こと。ひっく、こっちは、ルール、違反、してるん、だから……」
ルールに忠実な妖怪は、そのルールを破ると相手を殺すことができないということか。
「本当か?」
「ほん、と、うよ、っく、ぇぅ……だか、ら、こっち、見なさい、よ、ぉ……」
何だか可哀想になってきたし、見ても殺さないと言うから、私は振り向いてやった。
「ひっく……えっく……」
そこに佇んでいたのは青いワンピースを着た中学に入りたてくらいの異国の女の子だった。
彼女は両手を顔に当てて泣きじゃくっており、ぽたぽたと大粒の涙をヘリの床に零している。
その涙の軌道を何とはなしに目で追いかけ、私は少し罪悪感を覚えた。
「あー……」
涙の落下軌道の中途、丁度下腹部から腿にかけての部分のワンピースの色が深いものへと変わっていた。
まるで何かが染み込んだかのように見えるそれは、まさにあるものが染み込み、色を変えているのだった。
「ど…して、くれ、るのよ……」
「へ?」
つい先ほど濡れたばかりだとわかるそこを居た堪れない思いで眺めていると、メリーさんが私を睨みつけてきた。
「あん、な、恥ず…しいの、聞…れて…もう、お嫁に、ひぃっく、いけない、じゃ、ない…」
そんなことを言われても困る。高層階に住む私を標的にした――殺そうとした自分が悪いのだろうに。
「だったら何だ?責任取って結婚しろとでも?」
「そう、よ……私と、結婚、してよ、っく、責任っ、取りなさい、よ…ぉ……」
涙に濡れた顔を赤らめながら、メリーさんが私を睨んできた。
私は冗談で言っただけだった。まさか本当にそうくるとは思っていなかった。
大方、口封じに殺してやるだとか、そういうのだろうと思っていた。
「………えーと…」
もう一度メリーさんを見てみる。なるべく主観を交えず、客観を心がけて。
確かに綺麗だ。元・人形だというだけのことはあって綺麗で愛らしい。ここだけの話だが
ロのつく趣味の持ち主である私にとって、妖怪だということさえ気にしなければストライクもストライクだ。
西洋人は思春期初期こそが確実に美しいのだ。やはり、幼女は西洋人に限る。
それどころか、妖怪は老化も成長もしないだろうことを踏まえれば、むしろ理想と言うべきかもしれない。
「じゃあ、その、これからよろしく」
これが私と彼女の馴れ初めだった。
こんなのどうかな?
……って、名前間違えてたよ。まあ、気にしないでくれ。
ノシ
スタンダードすぎるな。そのネタから発展させてSSにするなら、もう一ひねり欲しいところ。
期待しているよ!
オチが…落ちてねぇ
でもまぁちょと萌えた
>>127 GJ!
よくもあのバカっぽいテンションのまま切ないシーンに持ち込めたなぁ。
バス子、エロ可愛い。
漏れんちの風呂にも、かわいい幽霊いないかなぁ。
完結編、wktkして待ってるよ。
>>137 漏れはオチがなくても、萌えてエロければ楽しめる派。
まずは続きを。GJはそれからだ。
プレジャーガウスト・その4(完結編)を投下します。
なんか、すげぇラブラブです。
あくまで自己評価ですが、
甘すぎて、胸焼け起こしそうです。
あまりに甘々すぎて、かなり痒くなると思われます。
くさいセリフ、オンパレードです。
よくもこんなものが書けたな、と、自分に裏切られた気分です。
そのあたりを覚悟して、読んでいただければ幸い。
あいかわらず長い投下なので、スルーされる方は『プレジャーガウスト・』でNG登録するのを推奨。
前回までの投下で、文体やエロの傾向に抵抗のある方も、同様に。
「・・・ナオトさん、ナオトさんのザーメン、おいしかったです・・・」
「そりゃよかった。おそまつさんでした」
味覚を得た彼女が最初に味わったものが、唾液やら汗やら精液やら、全て俺の体液というのが、何ともフェチっぽい。
それらをこうも嬉しそうに啜ってくれるんだから、なんというか、照れくさいほどに心地よい。
男冥利に尽きる、とでも言うのだろうか。
バス子は、射精したばかりだというのにまだまだ硬い俺のチンコを、舌で清めている。
バス子の唾液と俺の精液のブレンドされたドロドロを、丹念に舌ですくい取っては口に含み、もごもごと堪能してから、こくりと飲み下す。
「バス子、おまえ、あせりすぎだ」
「・・・え?」
バス子が、俺の発した不意の言葉に、舌の奉仕を中断した。
「なんか、飛ばしすぎだなぁ、と思ってさ」
「・・・そうですね。わたし、たぶん、あせってます」
俯いて、そう答えたバス子は、俺の胸にしがみつくように寄り添った。
「山岡さんにあの話を聞くまで、いろいろとやりたいことがありました。次にレベルアップしたら、何が出来るようになるんだろう、って。
・・・色々と考えてた、やりたかったことや、ナオトさんにして欲しかったこと、たくさんあるんです。
でも、私に残された時間が少ないですから。全部は無理でも、少しでも多く、っていう気持ちはあります。
・・・・・・だから、あせってます、わたし」
彼女は俺の胸の中で、俺の目を見ずに、想いを呟く。
俺は、バス子の頬に手を添えて、俺の目を見るように促してやった。
「・・・ナオトさん・・・」
で、気分を出して目をつむり、キスを求めてきたバス子のおでこに、へあっ!と唸って軽いヘッドバットをお見舞いしてやった。
ごん!
「あうっ!?」
と、不意の頭突きにのけぞるバス子、額に手を当てながら、え? なんで? といった表情。
「そりゃ、欲張りすぎだ。気持ちは分かるし、俺だってもちろんやりたいこと、して欲しいことはたくさんあるけどよ。
でもなぁ、それを詰め込んで、せっかちなセックスになってもつまらんだろ」
バス子の額をさすってやりながら言う。
「バス子は、いつもの俺がいいっていてくれたろ? 俺もおんなじだ。いつものバス子がいいんだ」
俺の、自分で言ってて痒くなるような台詞を聞いて、バス子が、ふにゃ、と表情を崩し、目を潤ませる。肩の力が抜けた、しあわせそうな表情だ。
あーーーーーーっ、やっぱガラじゃねぇーーーーーーーっっ!!
俺は、こーゆーこっぱずかしい台詞を言ったり言われたりすると、悶絶しそうになるのだ。
嬉しそうな表情で、涙を流していたバス子が言う。
「・・・くすん・・・・・・やっぱりやさしいです、いつものナオトさん・・・・・・」
うがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!(悶絶)
・・・・・・
というわけで仕切りなおし!
お互い、緊張がほどよくほどけて、いい感じである。
胡座をかいて座る俺の腰、バス子は俺を背もたれ代わりにして、すっぽりと収まるように座る。
袂のはだけた白い着物、その少女らしい小さな胸を、背後から抱きしめた手で、やわやわとさすってやると、甘く湿った息を吐きながら身をよじる。
「・・・はぁ・・・・んふ、ナオトさぁん・・・」
その、甘い吐息の所々に俺の名前が混ざっている。
俺は、彼女の声を心地よく聞きながら、左手で胸を、右手でお腹を愛撫する。
本来ならば痛みを伴うおそれのある思春期の少女の胸に対する愛撫も、バス子にとっては快楽のみが与えられるようだ。
まだ薄い膨らみを捏ね、小さな乳輪をなぞってやると、乳首がちょこんと飛び出してきた。
指の腹で僅かにかするくらいの、焦らすような刺激ばかりを与えていると、バス子の声は切なさを訴えてくる。
「ナ、ナオトさぁん、ち、乳首で焦らすの、ずるいです・・・」
微妙な刺激ばかり与えられているが、それがバス子の女の性をじわじわと確実に呼び起こしているようだった。
小さく、可愛らしく飛び出した少女の乳首だが、すでに充分な弾力を得ている。
俺は彼女の訴えに応えるように、乳首に対する愛撫をより大胆にしていった。
その乳首を、俺は指でつまみ、捏ね、押し込み、引っ張り、はじき、そして僅かに爪を立ててやった。
「ん!んん!・・・はぁっ、あっ、あああああっ、ひっ!あっ!ああああああああああっっっっっっっっ!!!!」
バス子は可愛い悲鳴を上げながら、俺の愛撫にいちいち反応し、そのたびに身体をもじもじとうねらせる。
俺は、ゆっくりとお腹を撫で回していた右手を下に降ろし、無毛の丘ごと彼女の性器を掌の中に収めた。
「ひゃ!」
俺の掌を、彼女の愛液が濡らす。少女の秘部は、胸の愛撫によって湧き出た湿りであふれかえっていた。
「愛液が出るようになってわかったけど、バス子って、感じやすく濡れやすいタイプなんだな」
彼女の耳にそんな言葉を囁いてやると、目を固く閉じて恥じらう。
「ううう・・・ちがいます、それは、ナオトさんがいじめるから・・・」
それじゃあ、もっといじめちゃおう、とばかりにバス子のオマンコをいじり始める俺。
手のひら側に、ぴん、と立てた中指で、バス子のぬるぬるになっているスリットをクリトリスごとこすってやる。
縦スジに中指全体の腹を埋めるようにして、指の長さをいっぱいに使ったストロークで、にゅーぷ、にゅーぷ、にゅーぷ、と往復スライド。
もちろん乳首も忘れちゃいない。
指先でつまんで、こりこりと転がしてやる。
「ひゃあああああああっっ!!あううううううううううっっ!!うんんんんんんんんんんんんっっっっ!!!」
俺の指の動きに合わせて、バス子の声が奏でられる。
さながら、彼女の体がバイオリンで、俺の指がその弓といったところか。
もはや身悶えるを通り越して、暴れ出しはじめた彼女の体を楽器のごとく抱え込んで、演奏スタート。
頭の中で(なぜか)瀧廉太郎先生の名曲、「荒城の月」が流れ始める。俺はそれに合わせてバス子を鳴かせる。
「ああああっっ!ひ、ひうううううっっ!!!んんんん、はうううんんんんんんんんんんっっっっ!!!」
JASRACが怖いので歌詞は言えないが、俺が心の中で歌うそのメロディにあわせて、バス子が嬌声を上げる。
もちろん、バス子の音色で作られた音楽は、「荒城の月」とはまったく違う音楽だ。
だがその音色はバス子らしいか細い声で、それでも、彼女の体の中で暴れる快楽に翻弄され、それに必死に抗う、美しくて淫らな最高の音楽だった。
俺が一曲分の演奏を終えるときには、バス子は鳴き過ぎてもうクタクタになっていた。
「・・・ナオトひゃんの・・・・いじわる・・・」
演奏中に二回ほど絶頂を迎えたバス子のイキ顔は、昨日まで毎夜の睦み事で見せていた表情に加え、額には汗が浮かび、唇の端からは涎がこぼれ、目は涙で潤んでいる。
そんな虚ろな表情で、すねるような、おもねるようなセリフ。
ぞくぞく、ぞくぞくと、
俺の、腰の奥から、甘い毒の痺れが、背骨を伝って脳に届く。
いかん、もう我慢できん。
「バス子、入れるぞ。俺のチンコを、おまえのマンコの中に」
俺の、ストレートな欲望の言葉。
その言葉に、いまだ絶頂の世界に遊離しているバス子が、たどたどしく応じる。
「・・・はい、・・・わたしの、お、おまんこのなかに、・・・ナオト、さんの、おちんぽを、・・・いれて、ください・・・」
その言葉もまた、バス子のストレートな欲望の言葉だろう。
あとは、お互いが望む次のステップに進むのみだ。
・・・・・・
俺は、バス子の着物を完全に脱がせ、仰向けに寝かせた。
そして、軽く膝を立てるようにして足を開かせ、その太腿の間に俺の体を割り込ませた。
バス子は、体にまだ力が入らない感じで、それでも俺を求めて両手を伸ばす。
正常位の形で覆い被さる俺にしがみつくように、背中で手を絡ませるバス子。
俺はバス子の唇を味わいながら、結合の準備をする。
あいた右手で自分の、痛いほど腫れ上がったチンコを支え、彼女の膣口へと狙いを定める。
少し不安になる。
何せバス子の身体は外見ローティーンの少女のそれで、女性として充分に発達しているとは考えにくい。
そこに俺の、高校の修学旅行、男子風呂の中で行われたクラス対抗・巨根選手権で学年二位に輝いた自慢のチンコを挿入することが出来るんだろうか。(ちなみに一位は黒人の留学生だった。)
彼女は、どれほどの痛みを伴うのだろうか。
くそ、こんなことなら、山岡にもっと詳しく聞いておけばよかった。
しかし、迷っていても仕方がない。
「それじゃ、いれるぞ」
「はい、おねがいします」
短い言葉のやり取りとその表情で、俺たち二人が考えていること、それが同じものだと確信できた。
お互いが、自分の欲望に忠実なセックス。
自分が気持ちよくならないと意味がないセックス。
お互いが、相手と一緒に気持ちよくなれることが一番幸せなセックス。
相手が気持ちよくなることが、自分の欲望でもあるセックス。
そんな馬鹿みたいに派手で、嘘みたいに都合のいいセックスを、これから俺たちがやってやろうじゃないか。
「痛かったら、言えよ?」
「言っても、やめないでくださいね?」
わずかに、ほんのわずかに、いたずらっぽく笑うバス子。
「お前も俺とおんなじ、馬鹿だなぁ」
「はい♪」
身体の力も抜け、リラックスしている。俺は、このままなにも告げずに、腰を押し進めた。
ずぶ、
「ひん!」
バス子の短い悲鳴。
痛みがあるのなら、俺はそれを紛らわせてやりたい。
強く引き締められた唇を割るようなキス。
舌で歯茎をなぞり、彼女の舌を求めて動き、催促する。
ずぶずぶ・・・、
「!!!」
バス子の『なか』に、俺の亀頭、カリまでが埋まった。
痛いくらいに強い刺激。
彼女は、硬く閉じていた歯を開き、俺の舌を強く求めてきた。
当然俺はそれに応えて、舌を絡めあう。
お互いの口と口を限界までくっつけて、溶け合うような、熱いキス。
バス子はこのキスに夢中になっている。
俺も夢中だ。
ずぶ、ずぶずぶ、ずぶずぶずぶ、ずずずず、ずずずずずずずずぶずぶっっ!!!!
だから、チンコをひといきに、バス子の『なか』に埋め込んでしまったのも、体が勝手に動いてのことだ。
俺のチンコが根元まで埋まり、亀頭の先端が子宮口らしきものをノックした。
「いま、はいったよ、ぜんぶ」
俺は彼女とのキスを中断し、そう告げた。
「・・・は、はい、・・・はい、はいって、ます・・・うれし・・・」
バス子は、幸せそうに、言った。
俺は、彼女のその表情に満足しながらも、彼女の『なか』の感覚に集中する。
バス子の『なか』は、凄かった。
たとえて言うならば、膣の全てが処女膜、というか。
男性経験のない膣に挿入するときの感覚をたとえて、道を付ける、とかいうこともあるようだが、これとも違う。
俺のチンコがバス子の膣を作っている、ような感じ。
今まで存在しなかった少女の膣、子宮といった体内の器官が、俺に犯され、男の欲望を体内に受け入れることによって初めて存在を認められ、
彼女の肉体に宿ったのではないか、とか考えてしまう。
この少女が生前に持っていた肉体を再現したとは、なぜか考えられなかった。
まるで、俺のために創られた肉体。
俺の、高校の修学(中略)輝いた自慢のチンコが彼女の最奥まで挿入できるという驚きが、そう信じさせてしまうのか。
きつい締め付けに、そのまま動きを止めて様子を見る。
バス子は、苦しそうにしてはいるが、それは破瓜の痛みといったものではなく、どちらかというと未知の体験への畏れといった感じだ。
そのあたりに関しては、彼女が普通の人間の少女でないことに感謝する。
そして、動きを止めているとよくわかる。彼女の膣の、襞が蠢き、俺のチンコに絡みついてくる快感を。
「やばい、気持ちよすぎるよ、バス子の『膣内(なか)』」
「・・・ほんと、ですか? ・・・うれしいな・・・」
俺たちは再びキスをし、そしてそのまま俺は腰を動かし始めた。
「んむ! はぁっ、ナオトさん、ナオトさんが、うごいてる、わたしのなかで、うごいてます・・・」
キスの合間に、そんなことをわざわざ俺に、嬉しそうに伝えるバス子。
「痛みはどうだ?」
「いたいけど、・・・うれしくて、しあわせで、・・・きもちいい、です・・・」
俺のために作られた膣、俺を気持ちよくさせるためにできた襞、俺を迎えるために沸いた愛液。
そのすべてが生み出す肉体的な快楽と、それに勝るとも劣らない、彼女のキモチに触れる幸福感。
こんな快感、油断したらすぐにでも射精してしまう!!!
ずる、ずぶずぶ、ずずずず、ずる、ずるずる、ずぶずぶずぶ、ぐ、ぐ、ぐりぐり・・・
腰を動かし、ゆっくりとした抽送を繰り返し、奥まで押し込んで、ぐりぐりと腰を回す。
それを、彼女の膣がなじんで、痛みが和らぐように、繰り返す。
俺もヤバイのは変わらない。つか、どんどんヤバくなる。
チンコの根本をきゅうきゅうと締め付け、サオ全体にぐにゅぐにゅと蠢く襞がまとわりついて、痺れるような刺激を与えてくる。
俺が刺激をこらえて短く呻くと、バス子は嬉しそうにしがみついてくる。
そして、自分からも腰を捻るように動かし、俺への刺激を深めていく。
くあ!すげぇ!!
バス子が腰を動かすたびに、襞の動きが複雑に絡みつく。
とにかく、ここは我慢のしどころだ!!
バス子といっしょに絶頂に駆け上がるためには、ここでじっくりと慣らす必要がある。
俺は、気を抜かないように、慣らしの動きを繰り返した。
「うあっ! ああっ!! ナオトさん!!はああああっっ!!」
ずぶずぶ、ずちゅ、ずちゅうう、ずぬぬぬ、ずぬぬぬぬぬ・・・
彼女の表情から苦痛が消えたのを感じて、俺の動くスピードも上がる。
「あっ! やぁっ、だめ、だめ! ナオトさん!ナオトさぁん!!すきぃ!!ナオトさぁん!!!」
ずちゅう! ずにゅう!! ずちゅうう!!! ずにゅうう!!!
だんだん、俺の腰は勝手に動き出す。俺も、それを制御できない。止められない。
「や! だめっ! わた、しっ! おかし、だめぇっ!!こんなの!! ナオトさぁんっ!! ああっ! おかし、く!!だめぇ!!」
ずちゅ!! ちゅぐ!! ぐちゅ!! ちゅぶ!! ぶちゅ!!! ぐぶちゅう!!!
・・・いや、バス子の声と表情が、とめなくていい、と俺に伝えている。
「ナ、ナオトさん!!! すき、すきぃ、だいすきなの、ナオトさぁん!!!!」
ずちゅ!ずちゅ!ずちゅ!ずちゅ!!ずちゅ!!ずちゅ!!ずちゅ!!!ずちゅ!!!ずちゅ!!!
俺は、バス子の『膣内(なか)』を、突いて、突いて、突いて、ひたすら突きまくる。
どんどんスピードが上がり、力の制御もできなくなった。
「あああっ!!ナオトさん!!ナオトさん!!!ナオトさんっ!!!ナオトさぁんっ!!!」
ずちゅ!!!ずちゅ!!!ずちゅ!!!ずちゅ!!!ずちゅ!!!ずちゅ!!!ずちゅ!!!ずちゅ!!!
「ああっ!!ああっ!!だめっ!!だめだめっ!!ああっ!あっ!!あっ!あっ!だめ!!だめ!!だめぇっ!!!」
俺の、腰を打ち付ける音と、湿った水温と、短く途切れながらも連続するバス子の喘ぎ声、それだけがどんどんと激しくなっていく。
彼女の声と、切ない表情と、こぼれた唾と、あふれる涙と、触れ合う肌と、滑る蜜と、こすれる粘膜と、ぶつかり合う肉と、そして俺のすべて。
それらがひとつに混ざり合う、そんな真っ白な世界が、俺たちに近づいてきた。
「バス子、出すぞ、お前の膣内に出すぞっ!!」
「ナオトさん!!ほしいです!!ナオトさん!!ナオトさん!!!ナオトさぁん!!!!」
「くぅっ!!!!!」
バス子が俺を呼ぶ声に、彼女の限界を感じた。彼女は絶頂する。
そして俺は、抑えに抑えて、限界ぎりぎりまで抑えて、痛いほど、苦しいほど抑え込んだ、熱くて大量の精液を、バス子の中に解き放った。
ブビュウゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!
ビュルーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!
「うああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっ!!!!!!!」
彼女が叫び、アクメの世界に突入した。
俺の射精も、まだまだ止まらない。
ブビュルゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!
ビュウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!
「あああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっ!!!!!!」
気が遠くなりそうな快感。
俺のザーメンが、痛いほどの勢いでチンコを通り、亀頭先端にコネクトされた子宮の中へと流し込まれる。
何度も何度も脈打ち、信じられないくらいの長い射精は、驚くほど大量のザーメンで子宮を埋め尽くす。
そして子宮からあふれ出たザーメンは、彼女の膣の襞を埋めるように満たし、お互いの結合部から外に流れ出していく。
こんなに気持ちよくて、こんなにたくさん射精したのは、初めてだ。
バス子は、長い絶頂の浮遊感覚に心と体を明け渡し、気を失ってしまったかのような状態にある。
俺は彼女を抱きしめ、最後の一滴まで搾り取ろうとひくひく蠢く彼女の膣に、全て、完全に精液を出し切った。
・
・
・
・
・
・
しばらくの間、お互いが力尽きて動けないまま、呼吸を整え合った。
そして先に回復した俺が、彼女に体重をかけて覆い被さっていたことに気付いて離れようとしたんだが、続いてすぐに回復したバス子によって引き戻された。
重くないか?と聞く俺に、重いのが良いんですと、答えた。
それからさらにしばらく、キスと軽いペッティングを続けて、ようやく二人とも落ち着いてきた。
「さっき、わたしは『成仏』も『消滅』も同じだ、っていいましたけど、やっぱり、『成仏』の方がいいです」
バス子が、不意に口を開く。
他愛もない世話話のように言葉を続ける彼女、俺もそれに合わせた軽い口調で答えてやる。
「俺も、そう思うよ。『成仏』には、『生まれ変わり』があるからな」
「・・・はい。生まれ変わって、もう一度ナオトさんに出会って、ずっと傍にいられる、って考えたら、やっぱり『成仏』したいと思っちゃいました」
「今から生まれ変わって、育つのを待ってたら、俺はいったい何歳になるんだ?」
「そうですねぇ、八年くらい待ってください♪」
「それだとお前はまだ八歳じゃねぇか。三十三歳の男と八歳の女の子か、・・・・・・・とんだロリコン野郎だな。山岡のことを馬鹿に出来なくなっちまう」
くすり、と彼女は笑った。
ははは、と俺も笑った。
彼女の中に埋まったまま、繋がったままの俺のチンコは、少しも力を失ってはいない。
バス子がゆっくりと腰を揺らすのにともなって絡まる彼女の膣壁が、ざわざわと俺のチンコを這い回る。
俺がバス子を抱きしめると、彼女も俺の背中に手を回し、次の動きを求めてきた。
「もっと、もっと、いっぱいセックスしてください。最後の時まで、抱いていて欲しいんです」
彼女が懸命に笑顔を作って言う。
俺は、彼女の言う『最後』という言葉の哀しさに、表情を歪めてしまいそうになった。
しかしそこをこらえる。
スケベで馬鹿な、いつもの俺であることを選んだのだから、それを貫き通す。
「そうだな、いっぱい、セックスしまくるか!」
俺は、いつものスケベな笑い顔を作ってそう言った。
だけど、それは、別の表情が混ざった、いびつな顔になっていたかもしれない。
俺は、ポーカーフェイスは得意じゃないからな。
そして俺達は朝が来るまで、何度も何度も愛し合った。
・
・
・
・
・
・
小さく流れる、単調な電子音の繰り返しが耳に障って、俺は目が覚めた。
「・・・うー、なんの音だよ、チクショウ」
俺は起き上がり、ベッドから抜け出して音の出所を探す。
寝起き直後なんでまだ頭がうまく働かない。
「・・・・・・おはようございます、ナオトさん・・・むにゃむにゃ・・・」
俺の隣で寝ていたバス子も目を覚ましたようだ。
俺が目覚まし時計を探り当てると、音源はこれじゃないことがわかった。
あたりを見渡して、ようやく出所らしきものを確認。
「・・・冷却機じゃねーか。・・・いったいなんだってんだ?」
俺があくび混じりに冷却機に近付くと、俺の後を、まだ半分眠りの中に浸る状態のバス子がのろのろと付いてきた。
冷却機のドアを開くと案の定、プレジャーガウスト本体が延々と同じメロディを鳴らし続けていた。
しばらく鳴り続けたかと思うと、急に音が止まった。
そして、ぴし、という音と共に、冷却のために露出していた内部基盤が、大きく割れた。
液晶表示も消え、電源スイッチのオンオフにも反応しない。
「・・・とうとうこれも、こわれちゃったんでしょうかねぇ・・・」
寝惚けまなこのバス子が言う。
「そうかもなぁ・・・ふわあぁぁぁあぁっ」
盛大なあくびをしながら俺が言う。
二人とも凄い低血圧なもんで、朝はいつもこんな感じだ。
目覚まし(?)に起こされた後、しばらく二人して、ぼーーーーーーっとしていると、じきに目が覚めてきた。
そして改めて、いつものように朝の挨拶。
「・・・おはよう、バス子」
「・・・おはようございます、ナオトさん」
そして時計を見る。うわ、もう昼前だ!!
「やべ、会社遅刻だ!!」
「たいへん、お弁当作らないと!!」
二人して慌てた後、完全覚醒。
そーだ、今日は日曜日だったよ。
てへ。
・・・じゃなくて。
あれ?
バス子、成仏してないよ?!
一気に目が醒めた俺は、がば、とバス子を抱きしめる。
「成仏してない!! 身体がある!!」
「ほんとうです!! わたし消えてない!!」
考えてみれば、『ジョーブツン』になってから四時間しか実体でいられないはずなのに、たっぷりと六時間以上、朝までエッチし続けてしまってたよ、俺達。
早く気付よ、俺!!
俺達は二人して、わーわーきゃーきゃー歓喜しながら、抱き合ったまま踊りまわった。
社交ダンスというよりもむしろフィギュアスケート・ペア種目。
今なら金メダルも狙えるぜ!!
・
・
・
・
・
・
はしゃぎ疲れた俺達は、二人して床の上に仰向けに寝転がった。
「それにしても、本体が壊れたのに、どうして私は消えないんでしょうか?」
バス子が、沢山ある疑問のうち一つを俺に聞いてくる。
俺に聞かれても分かるわきゃない。
でも、推測は出来る。
「バス子はもともと幽霊だからな、あの玩具に囚われていたのが、自由になっただけなのかもしれん」
あるいは、プレジャーガウスト本体が、『ジョーブツン』レベルアップから『成仏』までの、
タイトなタイミングで壊れてしまった、などという現象が、効果的に起こったのかもしれない。
「でも、実体化はしたままですよ?」
バス子が俺の手を、きゅ、と握って言う。
「おまえがイイ子にしてたから、ボーナスでもつけてくれたんだろ」
俺がバス子の手を、ぎゅ、と握り返しながら、曖昧な答えを返してやると、彼女が頬に朱を加えてにっこりと笑う。
「あの、わたし、消えなかった理由、なんとなくだけどわかります。・・・・・・言ってみても、いいですか?」
なんか、いやな予感がするが、
「・・・言ってみなさい」
「はい♪ これはきっと、わたしたち二人の、強い愛の絆が起こしたキセもごっ!!」
俺はとっさにバス子の口を手で押さえ、彼女が言おうとしたセリフを押し込んだ。
くは、危ないところだった。
そんな超・こっぱずかしいセリフ聞いたら、俺は悶絶どころでは済まねぇっちゅうに。
バス子の言おうとしたことはともかく。
今の状態に、俺とバス子の想いやこれまでの行いが、大きく関わっていることくらいは分かる。
確かにそれは、奇跡的なことなのかもしれない。
もしくは、山岡がいくつか発見したような裏コマンドのひとつを、偶然発見したのかもしれない。
どちらにせよ、それらの真実は、今の俺達にはわからない。
最悪、この後すぐにバス子は消滅するのかもしれない。
しかし、百年後、俺が寿命で死んだ翌日に消えるのかもしれない。
(何歳まで生きるつもりだおまえ、って突っ込みは却下)
人間だって、明日死ぬやつもいれば、天寿を全うするやつもいる。
バス子と人間、何もかわらないじゃないか。
だったら俺達は。
いつか別れの時が来ても、お互いが悔いを残さないように。
毎日を精一杯楽しんで。
辛い時はいっしょに苦しんで。
ずっと二人で暮らしていこう。
・・・よし、今、俺、いいこと言った!!
エピローグ
あの、悲壮な別離の危機に、はじめて結ばれた日から、一年以上経つわけですが。
いろいろあったけど、俺達は元気です。
・
・
・
・
・
・
とある麗らかな春の休日。
俺とバス子は、近所のスーパーに買い物に来ていた。
バス子はどうやら、自縛霊ではなくなってしまったらしい。
おかげで行動範囲の制限がなくなった。
今、外出する彼女は淡い青のセーターにロングスカート、少し大人っぽい落ち着いた服装だ。
いつもの幽霊スタイルは、今ではすっかり室内着である。
プレジャーガウスト本体が壊れてしまったあとでも、バス子は普通に、今まで通りビデオテープの磁性体を主食にしている。
そして幽霊らしく体を消したり現れたり出来るところからしても、彼女が完全な人間の体を得たわけではなさそうだ。
あ、そうそう、とーとつですが。
このたび、俺達結婚しました。
バス子の戸籍は、偽造しました。
田舎の市役所に勤める叔父に偽造を頼んでみたところ、
「公務員のモラルから外れる行為は出来ん!」
と断られましたが、そのあとしばらくやり取りを行い、彼の好物のパイン缶1グロス(144個)で無事、交渉成立しました。
この人は、全国のまじめな公務員の方々に、ちゃんと謝罪したほうがいい。
これで、見かけは十四歳、戸籍上は二十一歳の女の子がこの日本に爆誕した。
警官の職質対策に、ちゃんと運転免許も取らせた。
ローティーンの風貌でも、攻略可能なアダルティ。
エロゲー化されたとしても、ソフ倫対策万全だ。
「ナオトさん、今日は少し遠回りして、川沿いを歩いてみませんか? きれいな桜があるそうですし」
バス子が、買い物の帰りにそういった。
俺は、たまにはそういうのも良いか、と肯いて、進路を変えた。
しばらく歩くと、遠くからサイレンの音。パトカー、救急車の類だ。
道行く人の話から察するに、交通事故があったらしい。
場所はいつもの帰り道にある交差点。
考えすぎかもしれないけれど。
俺達が進路を変えずにそのまま帰っていたら、時間的にもタイミングばっちり巻き込まれていた可能性もある。
もしそうだとすると、俺は、バス子の言葉によって事故を回避できたということになる。
今日だけではなく、これまでも思い当たることが何度かあった。
勿論、バス子に自覚はない。
最近思うんだけど。
あの朝、プレジャーガウスト本体が壊れる直前まで鳴らしていた電子音は、よくよく思い出してみればレベルアップの音だったように思う。
バス子は最後、あのプレジャーガウスト本体によって、俺の『守護霊』にレベルアップしたんじゃないか?
・・・なんて考えるのは、出来すぎかねぇ。
ま、あまり深く考えてもしょうがない。
俺達の生活には、あんまり影響しないしな。
・
・
・
・
・
・
俺達が桜を眺めながら、散歩がてらに川沿いの道を歩いているとき。
俺のポケットの中で、チープな電子音が鳴る。
「お、もうそんな時間か。コイツ、腹が減ったってさ。そろそろ帰ろうか」
俺のポケットの中には、新しいプレジャーガウスト本体が入っている。
ポケットの上からそれを撫でて、俺はバス子に声をかけた。
彼女は、桜を眺めていた顔をこちらに向けた後、俺の手を握ってきた。
「はい、・・・おとうさん♪」
えーと、まぁ、そういうわけで。
俺とバス子に子供ができました。
朝起きたら、いきなりバス子のおなかが膨らんでいたのでびっくり。
一週間後、今度はとーとつにおなかがへこんでいたかと思えば、赤ちゃんの幽霊が風呂場におりました。
ただ、弱々しく、今にも消えそうだったので、急遽プレジャーガウストで捕獲したわけで。
この新しいプレジャーガウスト本体は、赤ん坊の保育器となりました。
そしたら表示された名称が『アカゴースト』。
もちろん公式のガウストには、そんなキャラは居ない。
昔生きていた人間が死んで、その魂が『幽霊』になるというのなら。
いきなり幽霊として生まれて(?)くる、この子はいったい何なんだろう。
確か、幽霊族はゲゲゲの鬼太郎さんが最後の生き残りだったはず。これは関係ない。
ま、俺とバス子の子供であるのは間違いないのだから、あんまり細かいことは気にしないでいきたいもんだ。
「さてそれじゃあ、フロ美のために大物のガウストでも釣り上げるとしますか!」
フロ美(子供の名前。風呂場で発見したから)は、まだバス子のようなビデオカセット直食いなんてマネはできないので、俺が食料を釣ってやる必要がある。
相変わらず、だいの大人が男児向けの玩具を振り回している姿はみっともないけど、これも俺たちの子供のため。
そんなわけで、俺はまだしばらく、プレジャーガウストが手放せない毎日が続くことになりそうだ。
(プレジャーガウスト・おしまい)
以上です。
あーはいはいバカップル乙、とか思った人。
後楽園遊園地で、ボクと握手!
自分がこんなに、青臭くてベタベタ甘甘なテキスト書けるなんて、初めて知りました。
続いて、残りの『後日談』を投下します。
当初から予定していた『後日談』ですが、本編がこうもベタ甘になってしまったので、
程好い口直しになればよいな、と思います。
山岡が死んだ。
俺は、山岡の母親からその連絡を受け、ヤツの家に向かった。
死因は、急性心不全。ショック死のようなものらしいが、死に顔はなぜか満足げだったという。
葬儀のあと、山岡の部屋を見せてもらった。
もしかして、という予感はあった。
雑然とした、普通の人が見たらガラクタとしか思えないような、アニメ、ゲームなどのマニアグッズのあふれかえる部屋。
その部屋に、山岡はいた。
山岡の隣には、いつかこの家で見た幼女の姿。
山岡は、俺と目が合うと、黙ってガラクタ山の一角を指さした。
そこには、女の子のフィギュアや合体ロボの玩具に隠れて、漫画の本が数冊重ねて置いてあった。
表紙を見て思い出した。俺が貸した、少年漫画の単行本だ。
結局、生きてる間に返しに来なかったな、この野郎。
俺が、そんな嫌味を含んだニヤニヤ笑いで山岡を見ると、
山岡も、実は借りパクするつもりだったんだがな、といったニヤニヤ笑いで返してきた。
間違いない。
コイツは、本物の、山岡の幽霊だ。
俺がその本を手に取ると、一通の封筒がはらりと落ちた。
そして、俺が封筒を拾い上げるのを見て、山岡は満足そうに肯いた。
『高橋ナオト殿』
そういって、俺の名前で書き出された手紙を、そのまま目で追いかけた。
・・・・・・・・・・・・・・・
この手紙を、ナオト、おまえが読んでいると言うことは、おれはきっちりと死んでいるんだろう。
思い残すことがないと言えば嘘になる。
今チェックしてるアニメと特撮ヒーロー物の、最終回まで見ることが出来ないのは悔しい。
まぁそのへんは、DVDが出たら全巻揃えて墓前に供えてくれ、と、おまえからお袋に言っておいて欲しい。
特に、某々戦隊ゴーケンジャーは忘れないように。合体ロボの玩具もよろしく。
・・・ちゅうわけで本題。
おれは、プレジャーガウストの、ちょっとした秘密に気が付いた。
以前おまえに話した、『ジバクヨージョ』の分岐進化。
その新しい進化を見つけたんだ。
シルバー、ゴールドと来て、その後はおまえも知ってるように、『ジョーブツン』になる。
フユーヨージョ、シキガミヨージョの後も『ジョーブツン』だ。
しかし、この時、ゴールドまたはシキガミから『ジョーブツン』になる前に、しばらく餌のガウストを抑えて与えることで、意図的にレベルダウンさせることが出来るんだ。
そうやって普通の『ジバクヨージョ』に戻した後、またシルバー、ゴールドもしくはフユー、シキガミへ進化させる。
そしてまたレベルダウン。
そしてまたレベルアップ。
これを何度も何度も繰り返した。多分、600〜700回の半ばだろうとおもう。
そうしたら、シキガミからレベルダウンせずに、新しい進化形態になった。
なんてキャラクターになったと思う?
俺のプレジャーガウストには、こんな名前が表示された。
『アクマ』
・・・・・・・・・・・・・・・
俺は、山岡の手紙を読んでいて、急に寒気に襲われた。
そして、手紙から目を離して、山岡を見る。
ヤツの表情からは、さっきまでの、ふてぶてしい、山岡らしい表情が無くなっていた。
俺は、怖くて、背筋が、がくがくと震えて、とてもじゃないが、
山岡の、傍にいるであろう、女の子へと、視線を向けることが、出来なかった。
その子の視線から、自分を隠すように、もう一度、山岡からの手紙をかざし、続きを読み始める。
・・・・・・・・・・・・・・・
なぁ、ナオト。
不思議に思わないか?
なんで、普通の子供向けの玩具に、こんな機能が付いているんだろうな?
おれは、販売元の会社に、それとなく探りを入れてみた。
そしたら、食いつきが随分早かったよ。
Project D.S.
これが、この会社が極秘に行っている計画の名前らしい。
D.S.は、たぶん、Devil Summonning だろうな。
いわゆる『悪魔召喚』だ。
この連中が、おれに、計画への協力を依頼してきた。
『アクマ』として完成した、おれのユミちゃんに興味があるらしい。
詳しいことは後日会って話す、ってことだったんで、それ以上はわからん。
その前におれは死んでいるだろうから、まぁどーでも良いことだが。
だが、おまえは絶対に関わるな。
おまえにはバス子ちゃんがいる。
おまえのバス子ちゃんとその子供、ああいう『奇跡』は、ヤバイんだ。
製作者の想定を超えた『奇跡』は、あいつらからしたら絶好の研究対象だからな。
いや、むしろ、そういったプログラムから逸脱した『奇跡』を不特定多数から収集するために、このシステムを玩具として流通させたのかもしれない。
バス子ちゃんなら、俺のところの『ジバクヨージョ』のようなことには、これからも絶対ならないよ。
おまえなら、これからもずっと、バス子ちゃんと幸せに過ごせる。
まぁせいぜい、うまいことやってくれ。
とりあえずおまえは、この部屋でなにも見なかった振りをして、この漫画本だけを持って帰れ。
この手紙は、帰ったら焼却しろ。
おれは、このプレジャーガウストの件を、自分一人で発見した、と話してあるから、大丈夫だ。
俺から辿れるのは、おまえとぜんぜん関係ないおれのプレジャーガウスト仲間二、三人だけだからな。
そいつらもおまえのことを知らんから、そこで追求は止まるだろ。
さて、ユミちゃんが痺れを切らしてきた。
ユミちゃんは、俺の魂を得て、次の段階にレベルアップするらしい。
殺す前に手紙を書く時間をくれたんだから、少しはおれに情が移った、と自惚れておこう。
クーデレ幼女に殺されるんなら、おれも本望だ(笑)
じゃあな、ナオト。
これでおまえから借りていた二千円は、チャラって事にしておいてくれ。
・・・・・・・・・・・・・・・
俺は、山岡の手紙を読み終えた。
山岡の霊は、ほとんどそこに残っていなかった。
幼女の霊が、お手玉にして遊ぶ、二つの眼球以外は。
その幼女、ユミちゃんは、俺に視線を合わせると、
「ハヤク、デテイッタホウガ、イイヨ、オニイチャン」
そう言って、口を大きく半月のカタチにして笑った後、すぅっと姿を消した。
山岡の机に、ぼんやりとした灯りが一つ、明滅。
そして聞き覚えのある、レベルアップの電子音。
そこには、山岡の使っていたプレジャーガウストが置いてあった。
・
・
・
俺が山岡のおばさんに挨拶して玄関を出ようとしたとき、来客とすれ違った。
黒のスーツを着こなした、美しい女性だ。
正直、山岡の知り合いとは思えない。
俺は彼女に軽く会釈だけして、その場を立ち去った。
立ち去り際に、彼女が山岡のおばさんに、山岡の遺品分けを願い出ている会話が聞こえた。
山岡さんが愛用していた『玩具』を下さい、と。
・
・
・
俺が、台所のコンロで手紙を燃やしていると、バス子がそばに寄ってきた。
「ナオトさん、なにをなさってるんですか?」
俺の隣で、服の裾をきゅう、と掴みながら聞いてくる。
「借用書を燃やしてるんだ。俺がアイツに貸したカネのね」
アイツは二千円って言ってたけど、俺が貸した五万六千七百八十円以上の、いや、カネに換えられない世話を焼いてくれた。
貸してたカネは全部、チャラにしてやるよ。
サンキューな、山岡。
俺もアイツも、玩具で霊を弄んだって事からすりゃ、同じ穴のムジナだ。
アイツが死んで、俺が生きてる、ってのも、ただの偶然みたいな物で。
逆になっていたとしてもおかしくはない。
だから、生き残った俺は、せいぜい自分の幸運に感謝しながら暮らしていこう。
そしてバス子と、俺達の子供を、大事にしていこう。
そんな俺達を見ても山岡は嬉しくもないだろうが、それしか出来ることはないんだから仕方がない。
「ま、今度あいつの好きだったアニメのDVDでも買って、墓前に供えてやるか」
END OF TEXT
注:このSSは、現存する企業、商品、霊山、ゲゲゲの鬼太郎と、一切関係のない、架空のお話です。
以上です。
あの玩具が本物を捕獲できるようになれば、メガテンが出来るなぁ、と。
食料の磁性体=マグネタイトってことで。
それではみなさま、長らくのお付き合い、ありがとうございました。
スレの容量をずいぶん消費してしまって、申し訳ありませんでした。
うーむ
気持ちいい読後感だーね
あのノリからラストのシリアス(?)に持っていくとは思わんかったわ
なんにせよGJ
こうゆう作品って商業でも中々出会えないし良いもん読ませてもらったよ
>>164 いやあ、面白かった。グジョブ。
けれどもMMRにも一切関係のない話だたな
ぐっじょぶ!
168 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 14:34:34 ID:mOrzLqgy
3ヶ月ぶりにきたら前スレ落ちてたんだな
保管庫にも載ってないし、見れないorz
必要ならdatかhtml上げようか?
171 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 15:29:15 ID:lmo7YQLk
PC&携帯で、アップロード・ダウンロード可能画像掲示板はココ↓
欲しい画像があれば、ココで探してみよう!
www.hl-homes.com/
読んでくださった方、コメントいただいた方、ありがとうございます。
>>166 ,.ィ , - 、._ 、
. ,イ/ l/  ̄ ̄`ヽ!__
ト/ |' { `ヽ. ,ヘ
N│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨
N.ヽ.ヽ、 , } l\/ `′
. ヽヽ.\ ,.ィイハ | _|
ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、 | \ すべては、
.  ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ >
. l  ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__ バン○イの陰謀
゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ トr‐' /
l `___,.、 u ./│ /_ だったんだよ!!!
. ヽ. }z‐r--| / ト, | ,、
>、`ー-- ' ./ / |ヽ l/ ヽ ,ヘ
_,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´ ./ \、 \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ / :| ,ゝ=< / | `'''‐- 、.._
/ !./l;';';';';';';\ ./ │ _
_,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\ ./|._ , --、 | i´!⌒!l r:,=i
. | |:.l. /';';';';';|= ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」
l. |:.:.l./';';';';';';'! /:.:.| i´|.ー‐' | / | |. ! l
. l. |:.:.:.!';';';';';';';'| /:.:.:.:!.|"'|. l' │-==:|. ! ==l ,. -‐;
l |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i=!ー=;: l | l. | | / //
l |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l l、 :| | } _|,.{:: 7
l |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ' ::::::|; 7
. l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. \:::::\::::: ヽ ::::::!′ :::| .:/
. l |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! /ヽ::: `::: :::: ....::..../
これならどうだ!
なんだってー!?(AA略
は、早くこの事実をせk、うわ何だお前たちhぜrtvがうst―
【通信が切断されました。続きを読む場合は――】
なぁ、山から帰ってきてた
>>82と連絡がつかないんだ。
もしや彼は・・。
>>174 それ以上の詮索は危険だ
スレ削除の対象になりかねん
そう……厳しい修行の末に真の霊能力を身に着けた
>>82は
愛した幽霊との仲を引き裂かんとするバン○イと日々死闘を繰り広げているのでした。
しかし、山岡の奴……漢だな。
>>ガウストの中の人
本編は悶絶するくらいの甘々でまとめて、後日談でぎゅっと締める。
まさにオカルト娘ネタの明と暗という感じでお見事でした。
GJ!
>>168 3月に入ってからいきなり加速したからな。
2月なんてSS投下なしで、レスも10程度だったのに。
スレは見れなくても、SS自体は保管庫やそれぞれの人のサイトで読めるからそれでいいんじゃないか?
ガウストの人、GJ!
今週入って急にガウストの新作のCM見たんだが、もしや……
無いか
う〜む、確かにプレジャーガウストはGJだったわ。
既存のオモチャを元ネタにして、これほどの良作が書けるとは…。
そして、山岡は漢だったなぁ…。
最後に、某々戦隊ゴーケンジャーにはワロタww
ガウスとの中の人GJ!!!
だれか深夜枠でアニメ化してください。
>>181 バン〇イに知られたらヤバいのでアウト。
もしあの企業が本当にこんな事してたら本気でヤバい。最悪中の人も俺達も消される。
この話はこのスレと保管庫以外では出さない方が賢明だろう。バン〇イ以外にも似たような事やってる企業がいそうだ。そいつらの目に触れたらまずいからな。
プレジャーガウストの人、乙&GJ。
ナオトもバス子も山岡も、みんな良いキャラだ。
おもしろかったよ。
バン○イがオタ向け商品で、トレジャーガウスト・萌ver(総て萌えガウスト)とか発売したら、
秋葉原のあちこちでリールを回すやつが見掛けられるだろうなぁ、とか想像した。
このスレを見たおかげで金欠地獄で死にそうなのに今日ト○ジャーガウストを買いそうになった。
今更だけどガウストの中の人GJ!
187 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 21:31:13 ID:S5Qsd7Z1
>>185 隠し萌えガウストが手に入る提携有料スポットがあちこちに立ちそうなヨカソ。
大人って汚い。
>>185 このスレの奴らがみんなはさーん状態になるのは目に見えているな。
今更ですけど最終話読みますた
面白かったすわ
プレジャーガウストも、発展性ある玩具ですねえ
なるほど、トイザラスに走った住人から連絡が無いのは・・
あれ?こんな時間に来客だ。誰だr
>>189 '`,、('∀`)'`,、
そんなことあるわけねーじゃんwwwwwばっかじゃねーのwwwwwwwwww
ったく、何だよ今日は。
こんな時間にチャイムならしやがって。常識わきまえろっての。
ちょっと行ってくるわ
プレジャーガウスト書いたヤツです。
読んでくださり、コメントいただいた皆様、ありがとうございます。
このスレの住人はみんなノリが良くて、大好きです。
実は、その1,その2,後日談の順で書き上げたもので、
最後まで難産だったその3,その4の甘甘がまだ身体から抜けていなくて、困っています。
リハビリに、毒のある作品でも書かないと、元の作風に戻れそうもありません。ううむ。
それでは皆様、またなんか出来ましたら投下させていただきますので、
そのときはおつきあいいただければ幸いです。
人間×オカルト娘の絡みではないのでこのスレ的にはNGかもしれませんが、天使と悪魔ネタで1本投下します。
事前注意としては、今回分ではほとんど関係ない話なんですが、天使はふたなり設定なのでご注意ください。
池のほとり、2人の少女が肩を並べて水面を覗き込んでいた。
1人は光輪と白い翼を持った天使の少女。
着ているものは本来なら目が覚めるほど清廉な純白のローブだが、今は全体的に付着した土ぼこりのせいで、本来の色がいささかくすんでしまっている。
ゆったりとしていてあまり体型を強調しないその服の上からでも、胸や腰まわりなど彼女が女性として十分に成長していることを容易に見て取ることができるほど見事な体付きだった。
そして、もう1人は蝙蝠の羽と真っ黒な尻尾を持った悪魔の少女。
こちらは腰や胸に申し訳程度に布を巻いただけの、極めて露出度の高い格好だ。
しかしながらその申し訳程度の布が覆っている部分はお世辞にも成熟しているとは言い難い、見事なまでの凹凸のなさだった。
身長自体はそれほど差がない分、体型の差が一層強く印象に残る。
種族から服装、体型に至るまで見事なまでに対照的な2人の少女は、浮かべている表情もまた全く別々のものだった。
「ったく……何の冗談よ、これ」
風もなく静かな水面に映る自分ともう1人の顔に視線を落としながら、天使の少女が愚痴を零す。
いかにも嫌そうに歪められた表情は、天使という存在に相応しいとはとても言えない類のものだが、本人としては今はそれどころではないらしい。
「それはわたしの台詞です……」
その横で、悪魔の少女はいかにも困ったように眉で八の字を書きながら、溜め息混じりの弱々しい呟きをぽつりと漏らす。
その瞳には今にも零れ落ちそうなほどの涙が湛えられていた。
「あー、もう最悪……」
天使の少女が、いい加減自分の顔とのにらめっこにも飽きたとばかりに天を仰ぐ。
端から見れば、目を閉じ、まるで空の上にいるという神に祈りを捧げているかのようにも見えなくもないが、実際のところ今の彼女の心にはその存在に対する信仰心など欠片も存在してはいなかった。
「どうするんですか、これから」
「どうするもこうするも、元に戻る方法見つけるっきゃないでしょ。
ずっとこのままなんて、あたしは絶対やだからね」
「それはわたしだって同じです。
でもこんなの聞いたこともないですし、どうすればいいのかなんて見当も……」
「だから、それでも見つけるしかないって言ってんの!」
気弱げな悪魔の少女に苛ついたように、自らの長く艶やかなブロンドをばりばりと掻きむしりながら天使の少女が声を荒げる。
その行為に目を丸くして、慌てて制止に入る悪魔の少女。
「ちょ、ちょっと、ひとの体を手荒に扱わないでください。
手入れするの大変なんですからね」
悪魔の少女は自分のことのように、いや実際自分のことであるが故に必死に止めに入る。
事の起こりは、今から1時間ほど前のことだった。
「最終的にたどりついたとこがあんたと一緒ってとこが気に食わないけど、まあ、わかりやすくていいかもね」
「それはわたしの台詞です。
でもいいんですか? いつもみたいに小細工を使わなくて」
彼女達が普段住んでいる町からは、少し離れた位置にある草原。
そこで2人は、数十メートルの距離を挟んで視線を交わしていた。
いや、視線を交わすなどという生易しいものではない。
それは、2人の中間地点で実際に火花が散っていそうなほどの壮絶な睨み合いだった。
「あとで、『卑怯な手を使われたから負けたのー』なんて、言い訳されたらウザいしね」
悪魔の少女が挑発的に唇の端を吊り上げる。
その体から、かすかに赤みを帯びた光が滲み出し、陽炎のように空へ向かって揺らめきながら昇っていた。
「小細工されたって負けたりしませんけどね。
あと、気持ち悪いですから変な声真似はやめてください。
ぜんっぜん! 似てないですから」
それを受ける天使の少女も負けじと返す。
彼女の体からも光が――ただしこちらは相手とは対照的に青みがかったものであるが――立ち昇っていた。
挑発合戦に触発されたように、天使と悪魔、その本質は正反対なお互いの力が高まっていく。
幼い頃からの因縁の相手。
ライバル――それが2人の関係を最も端的に言い表す単語だ。
ずっと続いてきたその関係に今日こそ終止符を打つために、2人はそれぞれ新しい技を携えてこの場所に立っていた。
相手を完膚なきまでに叩きのめすために編み出した技――自分の体を1つの弾丸に見立てて体当たりを敢行するというもの――が同じだったというあたり、この2人は根底では似たもの同士なのかもしれない。
もっとも、本人達は絶対にそんなことを認めようとはしないだろうが。
すみません、始めたばかりでなんですが、投下中にPCがフリーズしてバックアップごとデータが吹き飛びました。
申し訳ありませんが、一旦ここで中断させてください。
大事件だぁぁぁ!!
いつまでも待ちます。
>>196さん、温かいお言葉ありがとうございます。
とりあえず消えた分は何とか書き直せたので、投下を再開します。
手の先足の先まで、溢れるまでに隅々まで巡らせた天使と悪魔のその力。
それによって身体能力が限界ぎりぎりまで引き上げられるのを感じ取る。
その行程が済むと、今度は余った力で光でできた障壁を張り巡らせた。
青白い球体の中から見る、世界の全てが水の底に沈んだかのような光景を天使の少女――ノエルは気にいっていた。
赤黒い球体の中から見る、世界の全てが燃え上がっているかのような光景を悪魔の少女――サーシャは気にいっていた。
「いきます」
「いくよ」
相手に対してというわけではなく、自分自身の中にある引き鉄を引くためだけに小さく呟き、2人は同時に最初の1歩を踏み出した。
靴の裏で、地面が小さな爆発を起こしているかのようにすら感じられるほどのスタートダッシュ。
わずか数歩で普段の最高速にまで到達し、けれど今の2人は到底そこでは満足しない。
いつもは空を優雅に舞うために用いている大きな翼。
それすらも、今は空気を背後に押し出すことで加速に用いて、さらにさらに速度を積み上げていく。
2人の距離が詰まるまでに要した時間は、客観的には数秒にも満たない程度のものだっただろう。
だが、筋力だけでなく感覚までも力によって増幅している2人にとって、それは永遠のようにすら感じられる長い時間だった。
今まで重ねてきた小さなものから大きなものまで、様々な勝負の記憶が走馬灯のように次々と頭の中を巡っていく。
だが、それも今日で終わりだった。
一切の小細工なしで正面からぶつかり、それで負けてしまえばもう認めざるをえない。
それぐらいのことはわかっていた。
だからこそ、この技を選択したのだ。
そして、相手もまたその選択をするだろうことを、そのどちらもが薄々は予想していた。
その程度には、2人の心を通じ合っていた。
これもまた、本人達にしてみれば認めたくない事実だったかもしれないが。
青と赤、2枚のフィルターを挟んでいるせいで、相手の顔は窺えない。
そのことを少しだけ残念に思い、けれど自分の障壁が相手のそれを打ち破れば最後の瞬間の間抜けな顔だけは見られるだろうと思い直した。
その様を想像し、それぞれの光球の中で鏡に映したかのように同一の表情を浮かべながら、最後の距離を駆け抜けていく。
永遠にも感じられた長い時間。
それでも足が地面を穿ち続け、翼が空を打ち続けていれば、いつかは終わりがやってくる。
衝突の直前、2人はそのどちらもが、相手の障壁が粉々に砕け散る様を思い描いていた。
心の底では相手の力を認めてはいて、けれど同時に自分の力が相手のそれを上回っていることも確信していたのだ。
負けることなど、微塵も考えてはいなかった。
そして訪れる接触の瞬間。
『――!?』
果たして、2人の想像はそのどちらもが等しく現実のものとなった。
青く沈む世界も、赤く燃える世界も、一瞬で元の色彩を取り戻したのだ。
2人はまさか自分が負けたのかと同時に思い、次の瞬間には相手の障壁も消え去っていることに気がついた。
耳に響くのは、大量のガラス片を石床にばらまいた時のような何重にも響く、澄んだ破砕音。
それは2人の身を包んでいた光球が、直前まで確かに存在していたことを証明する今やたった一つの手がかりだった。
名残といえる音だけを残し、跡形もなく消え去った障壁。
けれど、2人の体から消えていないものも確かに存在していた。
それは、ここまで2人が積み上げてきた速度だ。
相手の顔が一瞬で近づいてくる。
驚いて目を見開いている、幼い頃からずっと相対してきたライバルの顔。
何かを言おうとしたのか、その口元が小さく動く。
だが、そこから某かの言葉が紡がれるより、お互いの額の距離がゼロになるほうが早かった。
草原に響き渡る打撃音。
障壁の破砕音とは対照的にひたすら鈍いその音を聞きながら、そこから生み出される衝撃によって意識が急速に遠のいていく。
白く霞む視界。
2人の目は、なぜか遠ざかっていく自分の体をその中心に映していた。
そして目を覚ましてみればこの状況、というわけだった。
「とりあえず、今日はもう日も暮れますし一旦帰りましょう」
「帰るって、どっちによ?」
「どっちって……相手の家しかないじゃないですか。
こんな体で天使区画を歩けません」
悪魔のそれになってしまった自分の体を見下ろしながら、ノエルはそう言って溜め息をつく。
「……なんか、無性にムカついたんだけど」
本人にその意図はないのだろうが、サーシャはまるで自分の体――特にその凹凸のなさ――を馬鹿にされたような気がして片眉を跳ね上げた。
一方でノエルとしては、自分の言動が相手に与えた印象に思い至れず、はい? と首を傾げることしかできない。
「あたしだって、こ・ん・な体で歩いてたら何されるかわかんないわよ。
力さえ使えれば、どうってことないのに」
意趣返しとばかりに“こんな”を強調して言い返し、自らの手の平に視線を落とす。
何度か開閉させてみて、やはりどんなに意識を集中させてみてもわずかな光すら生み出せないことを再確認した。
「あ、でもあたしは野宿でもいっかな。
天使区画なんて入るのも御免だし」
サーシャとしてはふと思いついたことを口にしただけだったのだが、それを聞いたノエルの反応は劇的だった。
「だ、駄目です!」
「……な、何よ急に」
「うちには、まだ小さな妹がいるんです!」
「はぁ? 天使区画には変な奴なんていないんでしょ? 一晩くらい――」
「駄目なんです! あの子、すごい寂しがり屋だから、わたしが帰らなかったらきっと……いえ、今だってもう泣いているかもしれません。
ああ、きっとそうですどうしましょう……と、とにかくさっさと帰ってあの子を安心させてください」
そのあまりの剣幕に面食らってしまったサーシャが訝しむように眉を寄せて聞き返すと、ノエルはさらに勢いを上乗せさせて詰め寄ってきた。
「なんであんたの妹の世話なんか……」
ひたすら面倒そうにそう言いかけ、不意に何かを思いついたようににんまり口元を歪めてみせるサーシャ。
「な、なんですか……?」
その表情に今度はノエルの方が不安を覚え、わずかにたじろぎ勢いを弱めてしまった。
元は自分のものであるその顔が、相手を不安に陥らせるそんな表情を浮かべることができたことに驚かされる。
「まあねぇ、あんたがどうしてもって言うなら考えてあげなくもないけどぉ……」
妙に粘りのある嫌らしい口調。
「だ、だから、こうしてお願いしてるじゃ……」
「お願い? 人にものを頼む時はそれ相応の態度ってものがあるんじゃない?」
そこまで言われて、ようやくノエルにも相手が何を要求しているのか察しがついた。
一瞬迷うように視線を泳がせ、けれど次の瞬間には意を決したように姿勢を低くしていく。
手と膝を地面につき、悔しさに唇をわななかせながらも卑屈なお願いの言葉を口にしようとした。
「ん? どうしたの?」
元は自分のものである、鉄錆びのような赤茶けた短髪を戴いた小さな頭。
アイスブルーの瞳に嗜虐的な光を宿らせながらそれを見下ろしていたサーシャだったが、不意にその動きが止まったことに眉根を寄せる。
「あっれぇ? もしかしてノエルちゃんは、妹より自分のプライドの方が大事なのかしらぁ?」
ことさら挑発的なサーシャの言葉。
だが、彼女の予想に反して、ノエルはゆっくりと立ち上がったのだ。
驚きに目を丸くするサーシャ。
そんな彼女をじとっとした恨みがましい上目遣いで睨み上げてくるノエルの様子に、一瞬サーシャは気圧されてしまう。
「な、何よ……」
自分でも知らず1歩後ずさりながら、それでも何とか言葉を搾り出したサーシャの目の前で、ノエルはゆっくりとその右手を口元に運んでいった。
「……爪、噛みますよ。
親指から小指まで、もちろん左手だってもう悲惨なくらいぼこぼこにしちゃいますから……」
ある意味悪魔になってしまった今の姿に相応しい、地獄の底から響くような低い声でぼそぼそ呟いたかと思うと、長く伸ばした綺麗な爪を、尖った犬歯の間に挟み込む。
それを見たサーシャの顔から、一瞬にして血の気が引いていった。
そして――、
「お願いから、それだけはやめてーーー!!」
一転して自分の大事なものを人質に取られ、為す術もなく白旗を掲げることになってしまったのだった。
「全く、どうしてこの辺はこんなにわかりにくいんでしょう」
サーシャの家を前にして、自然と溜め息が出てしまいます。
あの草原でのやりとりの後、お互いの家の位置を教えあって別れたのですが、悪魔が生活しているこの辺は、わたし達の住む天使区画とはあまりにも違いすぎていました。
道にはゴミが散らばっていて、どこもかしこも饐えたような異臭が漂っているのに、誰もどうにかしようとは思わないんでしょうか。
おまけに、どう考えても思いつくまま家を建てているせいで、道がわかりにく過ぎます。
直線距離にしたらそれほどでもないですから、普段なら飛んでしまえば問題なかったはずなんですけど。
「飛べないって、こんなに不便だったんですね……」
実際、道がわかりにくいままで放置されていたり、ゴミが散らばったままになっている原因の1つは、そこにあるんでしょう。
もちろん、同じく飛べる天使区画があんなに綺麗に整っているんですから、飛んでしまえばいいとか以前に悪魔達のだらしない性格が最大の原因であることは言うまでもありませんけど。
だいたい、サーシャの着てるこの服だって……ていうかこれ服なんでしょうか。
こんなので人前に出るなんてどうかしてます。
「これだから悪魔なんて嫌いなんです」
…………とと、いけませんいけません、思わず本音が漏れてしまいました。
こんなこと誰かに聞かれたら大変です。
はなはだ不本意ですけど、今はまだ誰にもバレないように普通の悪魔の振りをしていないと。
幸いにもサーシャは1人暮しで同居人もいないらしいですから、とりあえず今日は早くお風呂に入って、さっさと寝てしまいましょう。
鉛のように全身に圧し掛かる疲労感に急かされるように、そんなことを考えてわたしはドアを開けました。
けれど――、
「うわぁ……」
次の瞬間目前に突き付けられたその部屋の惨状に、それを実行することができないことを思い知らされたんです。
「どうしたら、こんな部屋で生活できるんですか……?」
呟いてみても答えはありません。
この部屋には今はわたししかいないんですから当たり前です。
でも、そんなことは百も承知で、それでも口に出さずにはいられないほど、部屋の中は散らかっていました。
散らかっているというより、ここまで行けば荒廃していると言った方が適切かもしれません。
ゴミにしか見えないものが散乱し、床が見える場所がほとんどないぐらいなんですから。
「もう、何から何まで最悪な日です……」
あまりの光景にしばらく呆然と立ち尽くし、それでも気を取り直して動き始めました。
「お風呂は後ですよね……」
一刻も早く汗とか土ぼこりとかを洗い流したかったんですけど、部屋の片付けを後に回そうものなら二度手間になるのは火を見るより明らかでした。
まずは入口の前にあるガラクタをどかそうと思ってその下に手を差し入れ――、
「ひぅっ!?」
指先に触れた異様な感触に、変な声を出してしまいました。
「な、ななななななな!?」
反射的に引いた手の先には、薄緑色のゲル状の物体がべったりと纏わりついています。
ただでさえ生理的な嫌悪感を催させるその感触に気が遠くなりそうでした。
けれど、それ自身が生きているかのようにうぞうぞと肌の上を這い始めたとなれば、のんびりしている暇もありません。
「やだ、気持ち悪いですっ!」
慌てて手を振り、そのゲル状の何かを振り払おうとします。
何度か手を振り回しているとようやく遠心力に負けたその何かは手を離れ、壁にべちゃりと緑の花を咲かせてくれました。
「うぅ……もう、やですぅ……」
とはいえ、本体は振り払えても、手にはまだ薄緑色の得体の知れない粘液が薄くではありますけど纏わりついています。
そのことに泣きそうになりながら、それでも掃除を再開させないわけにもいきません。
とにかく、せめて横になるだけのスペースだけでも確保しなければ寝ることもできないんですから。
とは言っても、さすがにもう1度ガラクタの下に手を入れるだけの勇気なんてあるはずがありません。
行儀の良い行為ではないと思いましたけど、足の先でさっき持ち上げようとしたガラクタを脇にどけました。
すると、そのガラクタの下から姿を現したのは、これまた見慣れない棒状の物体だったんです。
さっきのあれがそこにいたせいか、薄緑の粘液に塗れているそれを恐る恐る摘み上げたわたしの顔に、徐々に徐々に血が上ってきます。
「こ、これって……」
片側が膨らんでいるそれが、わたしの本当の体が持っているあれを模したものであることくらいは、さすがにわたしでもわかってしまいます。
となると、その使い道も……。
「ふ、不潔です……」
サーシャがこの部屋でその行為に耽っている姿を一瞬だけ想像してしまい、さっきのスライム同様慌ててそのイメージを頭の中から押し出します。
そしてそんなことを想像してしまった自分に対して込み上げてくる嫌悪感をも振り切って作業を再開しようとした、その時でした。
「よお、サーシャ」
いきなりすぐ背後から声をかけられて、わたしは心臓が止まるかと思いました。
普段なら誰かが近づいてくればそれを感じ取ることくらい可能ですが、今は目の前のこれに気を取られていたせいでうっかりしていたんです。
「入口で何やってんだ?」
悪魔にはわたし達と違って性別があるんですが、恐る恐る振り返ると、そこにいたのは声から想像した通り男の人でした。
黒い羽や尻尾など、外見的な特徴はサーシャと同じタイプです。
悪魔の外見は人によって千差万別で、中にはものすごい人もいますから不安だったんですが、その点では助かりました。
ていうか、かなり整った顔立ちです。
なぜか胸が高鳴って、……って、これはいきなり声をかけられて驚いたせいです。
絶対そうですそうなんです。
「ん、何か隠しんてんのか?」
彼の興味が、今は後ろに回しているわたしの手の中に移ってしまったみたいでした。
そこにはさっき見つけたあれが乗っています。
こんなものを持っているところを見られてはととっさに隠したんですが、ちょっとあからさますぎたかもしれません。
ど、どうしましょう……。
「なんか変だぞ、お前」
何て言ったらいいのかわからず黙りこくったわたしを訝しむように、彼が部屋に入ってきました。
絶体絶命です。
そもそもわたしは彼が誰なのかすら知りません。
かと言って、あなたは誰ですかなんて聞いたら、わたしがサーシャじゃないことが1発でわかってしまいます。
「あ、あの、ええと……」
思わず足元も見ず一歩下がってしまったのが間違いでした。
「ひきゃぁ!?」
靴の裏がずるりと滑って、バランスを崩してしまったんです。
足が高く振り上がり、反動で上半身が後ろに投げ出されたわたしの脳裏に、さっきまで目の前にあった床の惨状が過りました。
最悪なんてものではありません。
あんな所に倒れたら一生もののトラウマになることは100%確実でした。
けれど足をもう床を離れてしまっていますし、今のこの体では羽だけで体重を支えることはできません。
もう、どうしようもありませんでした。
覚悟して目を瞑ったわたし。
でも、次の瞬間そのわたしの体を受け止めてくれたのは汚れきった床ではなくて、がっしりとした彼の両腕でした。
「何やってんだよ……」
呆れたような声。
ゆっくり目を開けると、すぐそこに彼の顔がありました。
心臓がまた1つ大きく鼓動を打ちます。
で、でもこれはコケそうになったからで、決して彼がどうこうというわけではなくて……。
なのに、彼の視線がわたしの胸元に注がれていることに気がついて、なんだか顔が熱くなります。
「ったく、今更そんなもんで恥ずかしがるタマかっつーの」
さらに一回り呆れたような声音。
「……え?」
彼が何を言っているのかわからず思わずその視線を追ってみると、わたしの胸の前にはさっき見つけたあれをしっかりと握り締めているわたしの両手が――。
「え、えと、あのこれは……」
「水臭えじゃん、溜まってんなら呼べっつーの」
「――んぷ!?」
次の瞬間、ただでさえ近くにあった彼の顔が、もうこれ以上ないってくらいさらに近くまで来ていました。
唇に触れる、少し固い彼の感触。
視界いっぱいに広がった彼の顔。
な、なんでしょう、この状況は。
わたしは、いったい、なにを、シテイルノデショウカ。
オシエテ、カミサマ――。
「おい、大丈夫か?」
ぺちぺちと頬を叩かれています。
飛んでいた意識がその刺激に誘われるように浮かび上がってきて――、
「ん、んん……きゃっ!」
瞼を上げると、やっぱり目の前には彼の顔をあって、一瞬パニックになったわたしはあれを持ったままの手で彼を押し退けました。
それで彼の腕の中から解放され――、
「はゃっ!?」
また足を滑らせてバランスを崩すわたし。
そして今度は腕を掴んで倒れること防いでくれた彼。
手首を包む大きな手の平。
もう、わたしには何が何やら。
だけど、さっきのは紛れもなくあれなあれなわけで、つまり目の前の彼はサーシャのそういう相手ということになるわけで。
とするとこの先の展開はまさかまさか……。
わたしが拒絶したら彼にもサーシャにも悪いような気がしますけど、でも自分の体じゃないとは言ってもさすがにそれは……。
けれどあんまり拒んだら、わたしがサーシャじゃないとわかってしまうかもしれません。
「本当に変だぞ、お前。
熱でもあるのか?」
それです!
その時だけ、悪魔である彼の言葉が神様のそれにすら聞こえました。
「そ、そうなんです、実は今日はちょっと体調が……ゴホゴホ。
ですから……」
「よし、わかった」
今日はそういうことはなしの方向で、と続けようとしたわたしの言葉を遮るように、彼が言葉を被せてきます。
何だかすごく男前な笑顔に、思わず見蕩れてしまいそうに――って、悪魔なんかに見蕩れるわけがありませんありえませんあるはずがありません。
「なら、今日は俺が全部やってやっから、お前は何もしなくていいぞ」
一瞬、掃除とか料理とか、そっちのことだと思いました。
でも、彼の手はわたしの服とも言えないような服に伸びて、胸を覆う布きれを取り去っていきます。
「え? え? ええ?」
「熱を冷ますには適度に汗かいた方がいいからな」
露わになった胸で感じる外気の冷たさ。
それに目を白黒させるわたしを尻目に、一仕事を終えた彼の手は勤勉にもすぐさま次の作業に移りました。
わたしの背後に回された彼の手。
それがわたしの尻尾をぎゅっと掴んできました。
「ひぅん!」
それは初めての感覚でした。
なにせ、本当のわたしの体には尻尾なんてありませんから、そこを掴まれる感覚が初めてなのは当たり前です。
とにかく、その根元を握られると、まるで体から力が搾り出されるようなそんな感じがして、手足に力が入らなくなりました。
そして全身の力がそこから抜けていくような感覚があったのとは逆に、握られた所からは何かが流れ込んでくるような感覚もあって――。
「な、なんですか、これは!?」
尻尾が勝手に動いたかと思うと、わたしの両腕を絡め取っていったのです。
抵抗する暇さえありませんでした。
あっという間に自分の尻尾で後ろ手に拘束されてしまいます。
「――よっと」
そんな声と共に、今度は体を引っくり返されて床に下ろされてしまいます。
けれど、あれほど嫌だった床に押し付けられたことに文句を言うだけの余裕は、今のわたしにはありませんでした。
だって、今のわたしの体勢は、彼に向けてお尻だけ掲げた恥ずかし過ぎるもので、その事に頭の中は大絶賛沸騰中なんですから。
どうにかしようと思っても尻尾の付け根は相も変わらず彼の手の中にあります。
それだけでもう彼の為すがままになってしまうんです。
サーシャの体にこんな弱点があるなんて知りませんでした。
この事は元の体に戻った暁にはわたしに取って素晴らしいアドバンテージになってくれるはずなんですが、今は――。
「あ、だ、駄目です」
そうこうしている内にも、彼の空いているほうの手がわたしの腰回りの布地に伸びてきました。
それを取り払われると、わたしのそこを守っているのはたった1枚の下着だけ。
それすらも、彼の手にかかってはあっという間に――。
「あ、あぁ……」
胸に続いて、そこでも外気の冷たさを感じさせられてしまいました。
ある程度の歳になってからは誰にも見せたことのないそこに、彼の視線が注がれているのが見なくてもわかってしまいます。
まるで彼の視線が熱を帯びているように、そこが燃えるようにカッと熱くなっていくんです。
そして一瞬暖かな息がかかったかと思うと、次はもっと熱くてぬるぬるしたものがわたしのそこに。
「ひゃ、あ、ああん……」
うねうねと動く彼の舌。
べちょべちょという品のない水音が、わたしの羞恥心を煽ります。
そこから生まれる感覚は、今まで経験したことのないものでした。
そこを中心に、痺れるような心地良さが全身に広がっていって、ますます手足に力が入らなくなってしまいます。
それどころか、この感覚にずっと身を委ねていたくなって――。
「なんか、今日の濡れ方、半端じゃねーな。
これならもう大丈夫だろ?」
1度口を離してそんなことを彼が言います。
濡れる、というのが何のことなのか、理解するのに少し時間が必要でした。
けれど、それがわたしの体が――元はサーシャのですけど――彼を受け入れる準備を整えているということだとわかって、ますます恥ずかしさが募っていきます。
しかも、彼の言葉を信じるなら、今のわたしは普段のサーシャより――。
「あ、や、やぁ……」
思えば思うほど恥ずかしさは膨れ上がって、それに反応したように内股をとろりとした液体が伝い落ちていく感覚が生まれました。
そのはしたない液体の源泉に、舌よりももっと熱くて、そして固い何かの先端を宛がわれます。
もちろん、それがなんなのかくらいわかっていました。
恐くないと言えば嘘になります。
初めては、とてもとても痛いと聞いたことがありました。
だから、恐い。
でも、その一方でお腹の奥がじんじんと疼くようなそんな感覚がありました。
一刻も早くそこを満たしてほしいと、わたしの体が訴えかけているようです。
「いくぞ」
その言葉に先に反応したのは期待と不安、どっちだったんでしょう。
それは結局わかりませんでした。
だって、彼のものが入ってきた瞬間、わたしの頭の中は痛みではなくて、めくるめくような快感に支配されてしまったんですから。
「ひあ、ふあああん!」
考えてみれば、これはサーシャの体です。
家にあったあれや彼の言葉からして、きっともう何度もこういったことを経験しているんでしょう。
心は初めてなのに、体の方はもう快楽を得るための回路ができあがっている状態なんです。
我慢するとか、そういうレベルの話ではありませんでした。
お腹の中を彼のたくましいものに擦られる感覚。
腰が溶けてしまいそうなほどの、甘い痺れ。
「はぇ!?」
そこへ不意打ちのように襲ってきた、胸のあたりの冷たい感触。
涙で滲む視界の中、ぺったんこの胸に緑色の物体が――。
「は、や、……むね、だめぇ……」
さっき壁に叩きつけたはずのスライムがいつのまにか戻ってきていました。
それが胸に纏わりついて、その表面をずるずると這い回り、ぐにぐにとマッサージをするように動いているんです。
「はぅ!?」
その一端が右の胸の中心に到達した瞬間、そこがスイッチになっていたかのように全身に衝撃が走りました。
冷たさを感じたのは最初の一瞬だけ。
残ったのは、皮膚を裏側から直接火で炙られているような、そんな灼熱感。
そしてお腹の中で前後する彼のあれも、スライムに対抗するように体積を増したように感じられました。
胸と股間からとめどなく溢れ出す気持ち良さに、頭の中が白く濁って何も考えられなくなっていきます。
「く……締まる……」
背後から聞こえる少し苦しそうな、でも同時に気持ち良さそうな彼の声。
彼も気持ち良くなってくれていることがなぜか嬉しく感じられました。
そして、そんな風に思うとわたしの中の快感もまた何倍にも跳ね上がって、わたしはもう――。
「ひあああああああ!!」
頭の中で何かが爆発したような感覚に、わたしは為す術もなくさらわれてしまったのでした。
体の1番奥で、彼のものの先端から熱い液体が注がれているのがわかりました。
行為の終わりを理解しているように、スライムがずるずるとその身を引きずりながら離れていきます。
そしてまた彼のものも。
それを名残惜しく思ってしまう自分に驚きを感じながら、それでもなぜかそんな自分が嫌ではないことに2重に驚いてしまいました。
そんなことを感じながら、全身を包む心地良い気だるさに身を委ねます。
ただ、自分の尻尾で拘束されたままの腕が少し苦しかったですけど。
「ふぅ……」
満足げな彼の吐息がやっぱりちょっと嬉しくて――。
「さて、そろそろ目的を聞かせてもらおうかな」
いきなり冷たく色を変えた彼の声音に、ぼうっとしているわたしの頭はついていけませんでした。
「……ふぇ?」
思わず振り返ろうとして――、
「おっと、余計なことをするなよ」
首筋にちくりとした痛みを感じて動きを中断します。
視線だけをそこに向けると、刃物のように長く伸びた彼の爪がそこに突き付けられていました。
「サーシャをどうした? 答えによっては……」
凄みをきかせた低い声。
ようやく頭が回り始め、彼の言葉の意味を理解し始めました。
「そ、そんな……いつから……」
「お前、本当にバレてないつもりだったのか……? 成りすますつもりなら言葉遣いにくらい気をつかえっつーの」
彼の声に呆れたような感じが混ざってきました。
でも、それでわたしの心が軽くなることはありません。
「な、なら……最初から?」
沈黙はたぶん肯定です。
喉がひくっと痙攣しました。
目頭が熱くなって――、
「そ、そんな……ひどすぎます……」
大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちていきました。
「わたし……バレないようにって……だから我慢しないとって……ふえ、ふえええええ!」
込み上げてくる嗚咽のせいで、そこからはもう言葉になりませんでした。
背後で彼が慌てている気配がかすかに伝わってきます。
その中で、わたしは長い時間大声で泣き続けたのでした。
以上です。
見苦しい投下になってしまって申し訳ありません。
GJ!
続編もwktkして待ちます
人外スレでも良かったかもしれませんね
>裏式氏
GJ。鬼畜系も好きだが、こういうのも大好き。
ただ、投下するなら天使が悪魔に負けてスレに投下して欲しかった。
続き期待してまつ。
超GJ!
投下するスレは・・・まあ、色々意見あるだろうけど、作者さんの自由だしねw
でも、誘導というか紹介なら良いですよね?ってか事後承諾orz
続きというか、もう1人の方を投下します。
繰り返しになりますが、こっちは今度こそふた有りなのでご注意ください。
「ったく、なんであたしがガキのおもりなんて……」
ノエルの家を前にして、自然に溜め息も出るってもの。
あの草原でのやりとりの後、お互いの家の位置を教え合って別れたんだけど、天使が生活しているこの辺は、あたし達が住む悪魔区画とは違いすぎていた。
道にはゴミ一つ落ちてないし、石畳はどこもかしこもピカピカに磨かれていて、一体誰がここまでやってんだろ。
しかも家の並びも造りも整然としていて、わかりやすいっちゃわかりやすいけど、ここまで見事に碁盤目状だともし1本道を間違えても気づけない気がするんだよね。
ま、あたしはそんなミスしないけどさ。
「っても、飛べないってのは不便よね」
そもそも、いざとなったら飛べば済むんだから、ここまできっちりしなくてもいいだろうに。
もちろん、飛べば済むとか以前に、ガッチガチな考え方しか持ってない天使達の堅苦しい性格が最大の原因なことは言うまでもないんだけど。
だいたい、ノエルが来てるこの服だって、個性ってものが根本的に欠如してるのよね。
皆仲良くお揃いのローブで、なんてどうかしてるっての。
「これだから天使って嫌いなのよ」
…………とと、いけないいけない、思わず本音が漏れちゃった。
考えただけでも虫酸が走るけど、今はまだ誰にもバレないように普通の天使の振りしてないと。
正直今日はさっさと寝ちゃいたいけど、ラナとかいうガキの面倒見なきゃいけないからそうもいかないんだろうーなー。
反射的に踵を返しそうになったけど、でも大切な爪のことを思うとそうもいかなくて、あたしは渋々ドアを開いた。
けれど――、
「うっはー!」
次の瞬間目に飛びこんできたあいつの妹の姿に、それまでの鬱屈とした気分が一瞬で吹き飛ばされたのだった。
「ねーさまー!」
ちっちゃな足をばたばたと一生懸命動かして駆け寄ってくる、その姿。
ふわふわのブロンド、おっきな瞳、ほんのり色づいたほっぺたに、小さな唇。
ただ走っているだけなのに、まるできらきらと光の粒を振りまいているようにすら感じられる。
こ、これも、天使の力なの!?
あのバカの妹だから、どうせ小憎たらしいガキンチョだとばかり思ってたのに、マジラヴいじゃん。
足と同じでちっちゃな手を精一杯広げて走ってくると、思わず硬直しているあたしの目の前でぴょんとジャンプして胸の中に飛びこんできた。
「おかえりなさい、ねーさま!」
まるで1枚の羽毛のようなその軽さ! ミルクのようなその甘い香り! そしてマシュマロのようなその柔らかさ! この子を作ってくれた神様グッジョブ過ぎ。
てか、これがまさにゴッドジョブ! ってやつだ。
「ねーさま?」
微妙にムカツク胸の膨らみに顔を埋めていたラナたんが、不思議そうにこっちを見上げてくる。
あ、まずいまずい、思わずラナたんの感触に没頭してたわ。
つーか、その上目遣いはある意味犯罪! いや、むしろあたしが犯罪者になっちゃう。
「あ、え、えーと……」
あれ? なんて呼べばいいんだっけ。
確か別れ際にあのバカから色々注文されてた気がするんだけど、思いっきり聞き流してたから全然憶えてないや。
「……ねーさま?」
愛しのラナたんの表情が、“不思議そうに”から“不安そうに”に変わっていく。
あー、そんな顔しないで、ラナたん。
で、でもこういうのもいいかも。
思わずいじめたくなっちゃう。
「た、ただいま、ラナ」
恐る恐るだけど、とりあえず1番無難そうなのを選択してみる。
反応は……よし! 良さげだ。
それを確認してから、下心が浮きでないように細心の注意を払いながらの笑顔笑顔で言葉を続ける。
「ちゃんと留守番できた?」
「うん! ……あれ?」
元気良く頷いて、その後でちょっと首を傾げてみせる。
そんな仕草もベリーキュートだったけど、あたしは別の意味でも胸がどきーん! あたりさわりのない台詞を選んだはずだけど、なんかミスったのかもしれない。
「ねーさま、お話のしかたがなんかへん……」
んげ!? と喉から出かかった呻き声をかろうじて飲み込んだ。
やばい、あいつの喋り方ってどんなんだっけ。
とにかく、やたらひとの神経逆撫でするような感じなのは確かなんだけど、具体的には……。
「そ、そんなことなくってよ。
オホホホホホホホホホホホホホ」
やべえ、面と向かってこんな喋り方されたら100パームカツクけど、全然違う気がする。
もうだめか、そう思った瞬間――、
「あははははは、ねーさまおかしー」
いい感じにツボに入ったのか、ラナたんは楽しそうに笑い出してくれた。
チョーラッキー。
しかも、ほっとして焦りが抜けたおかげか、ようやくあいつの喋り方が思い出せてきた。
「も、もう、ラナったら、そんなに笑うことはないでしょう」
おちょくるためなら別として、本来ならあいつの真似なんて正直鳥肌が立つほど嫌だけど、これも愛しいラナたんのためと思えばなんのその。
名残惜しいけど、ずっと抱きかかえていたちっちゃな体を床に下ろす。
「さあ、ラナ、いつまでもこんな所にいないで、ご飯にしましょうね」
下ろしながら、何気なくそんなことを言った、その時だった。
「……え?」
さっきの名残で、まだ目には涙を浮かべているラナたんがまたしても不思議そうに首を傾げたのだ。
な、なんで? ほわい? 教えて魔王様。
「……ねーさま、おふろ入らないの?」
そうだった! そういえば、帰ったらまずは風呂だって言ってた気がする。
どうしよ、いきなり前言を覆したら、それはそれで怪しいかな? でもそっかお風呂か……。
汗とか土ぼこりとか落としたいし、それに――、
「ラナたんとお風呂……」
うっかり煩悩が漏れ出していることに気づいた時には、当然のように言葉はもう飛び出してしまった後なわけで、今更なかったことにはできるはずもなかった。
まずい、案の定ラナたんが浮かない顔してる。
だけど、次のラナたんの言葉はあたしの予想とはちょっぴり異なるものだった。
「……ラナも、いっしょでいいの?」
いいとも! と即答しそうになったけど、そこはひとまず我慢我慢。
察するにあのバカのことだから、自分のことは自分でできないと駄目よ、とか言って1人で入るようにさせてたんだろう。
まったく、あんなに溺愛してるくせに変なとこで堅いのよね。
だからここは――。
「ちゃんとお留守番できたご褒美。
今日はいっぱい甘えていいからね」
相変わらず気を抜くと下心が顔に出そうになっちゃうけど、にっこり笑顔でそう言ってあげる。
するとラナたんは、パッと花を咲かせたような極上の笑顔をあたしに向けてくれたのだった。
んー、生きてて良かったー!
「ね、ねーさまが脱がせてあげるからねー」
つい、語尾にぐへへへへとか付けちゃいそうになる。
あたしの邪な気持ちには全く気づかず、こにこしながら万歳してくれるラナたんの素直さにあたしの頬は緩みっぱなし。
ああ、なんて無防備な。
「……ん?」
子供用のローブを脱がせて下着姿にしたところで、思わずあたしは手を止めてしまった。
上下揃って飾り気のないシンプルな下着。
胸は当たり前だけどぺったんこ。
でも、股間にちっちゃな膨らみが……。
「どーしたの、ねーさま?」
ラナたんの声で我に返る。
可愛らしい声。
可愛らしいお顔。
でも股間にちっちゃな膨らみが……。
ラナたんって……男の子?
「あ、ううん、なんでもない」
喋り方に気を遣うのも一瞬忘れていた。
とりあえず上を脱がせて、続いてパンツもずりおろす。
そしたら、あれがこんにちわ。
まあ、予想はしてたんで、そこまでショックは受けないけど、なんだかちょっとテンションダウン。
あたし、ショタ食い嗜好はあんまりなくて……って、あれ? 玉がない。
彼女の股間にあったのは、あたしの知ってるあれとはちょっと違ったあれだった。
「あ、そっか……」
そういえば天使って、男って概念がそもそもないんだっけ。
よく見ればぷらーんとぶら下がっているあれの向こう側に、女の子のそれもちゃんとある。
「ねーさま?」
「あ、ラナは先に入ってなさい。
姉様もすぐに行くから」
そう促してラナたんを先に入らせ、あたしもローブを脱いでいく。
そのまま下着も脱いで裸になると、当然あたしのそこにはあれとかこれが。
「へー」
せっかくなので摘んでみたり、引っ張ってみたりして観察開始。
「触られるとこんな感じなんだ……」
なんかこう、むずむずするというかなんというか。
「あ、やば……」
刺激を与えたせいで微妙に大きくなってきちゃった。
そこへ――、
「ねーさま、まだぁ?」
お風呂場から聞こえてきたラナたんの声。
これからラナたんとお風呂。
ジャキーーン! (婉曲表現)
「どーしよ、これ」
自分の体を見下ろしながらちょっと途方に暮れていた。
無駄にでっかい膨らみの向こう側で、あれが完全に臨戦体勢を整えてしまっているのだ。
手を離せばすぐに治まるかとも思ったんだけど、これからラナたんとお風呂だと思うと何だか妙に興奮しちゃってどうにもこうにも。
「1回出しとくしかないかな。
あっちの感じもちょっと気になるし」
ちょうどそんな風に結論づけた時、閉じていたお風呂場のドアがまた開いていくような音がして――。
「ねーさま?」
待ちくたびれて戻ってきたらしいラナたんの視線が、あたしの股間に向けられる。
「ねーさま、どーしたの、それ?」
自分のものとも、そしてたぶん昔まだ一緒にお風呂に入っていた頃に見たものとも違うそれに、不思議そうに首を傾げるらぶりぃラナたん。
ああ、だからそういう仕草がやばいんだって。
ビクンビクン! (婉曲表現)
その瞬間、あたしの中で何かが切れた。
吹っ切ってみれば、ドロドロとしていた心の内は、びっくりするほど晴れやかで。
あたかもそれは、嵐の翌日、晴天のごとし。
「ラナたん、気持ちいいことしよっか?」
ひどく爽やかな気分で、あたしはそう口走っていた。
お風呂場に入って、ちょっと物色。
そういうプレイ用のローションなんてあるはずないから、とりあえずリンスで代用しちゃおう。
ぬりぬりぬり。
普段は髪につけるはずのそれを、いきり立ったあれに塗るあたしの姿を不思議そうに見つめているラナたん。
その視線と、擦っている指の感触でぞくぞくするような快感が背筋をぞわぞわ這い上がってくる。
その下にある女の子の部分から、じわりと液体が滲み出していく感覚が早くもあって自分でもちょっとばかし驚いてみたり。
と、そんなことを考えている間に準備完了。
高さを合わせるように膝立ちになって手招きすると、ちょこちょこちょこと近づいてくる可愛い可愛いラナたんの姿にあたしのあれは、さらに硬度と体積を増していく。
とはいえ、いくらあたしだって、この子に挿入するなんて鬼畜なことはしないわけで。
まあ興味はあるけど、さすがにね。
ということで今回は素股プレイに挑戦してみる次第であります。
「さあ、ラナ、ここにまたがってみて」
挟んだ経験ならあるけど、もちろん挟まれるのは初めてなわけで、なんか始める前から胸が張り裂けそうなほどどきどきしていた。
「……ん、しょっと」
よほどノエルのことを信頼しているのか、ラナたんは恐がる素振りを見せることもなく、言われるがままあたしのそれをまたいでくれる。
綺麗な背中。
ちっちゃな翼の付け根とか、肌の下からうっすら血管が透けて見えるほど透き通ってる。
そしてこれまたちっちゃな腰を掴んで位置を調節すると、上面がラナたんのあそこにぺたりと密着して、それだけでまたビクビクビクンとあたしのあれが痙攣した。
さすがにそれには驚いたのか、反射的に腰を浮かせようとするラナたん。
そして、それをガードするあたしの手。
すぐに気持ち良くしてあげるから、もうちょっとだけ我慢しててね。
「手を付いて、足を閉じてみて」
四つん這いになり足を閉じると、上面だけでなく全体がすべすべぷにぷにとした感触に包まれて、自然と息が荒くなってしまう。
もう、我慢の限界だった。
「すぐに気持ちよくなるからね」
たっぷり塗したリンスの滑りを頼りにして、腰の前後に振り始める。
「うはぁ……」
その何とも言えない感覚に、思わず吐息を漏らしてしまった。
痛いぐらいに張り詰めたそれを扱かれる。
それは1往復させるだけで腰が抜けそうになるくらい、鮮烈な刺激だった。
「ん……なんだかくすぐったいよ、ねーさまぁ……」
もぞもぞとラナたんが腰を蠢かすと、それで刺激が微妙に変わってこれまたやばい。
先端にぺちぺちあたるあれの感触が微妙と言えば微妙だったけど、そんなことを補ってあまりある気持ちよさだ。
何も知らないラナたんにこんなことをしてるという背徳感が、さらにあたしを昂ぶらせてくれる。
内股を液体が滴り落ちていく、こっちは結構馴染み深い感覚。
だけど直接触れてもないのにそこまでなるのは、いくらあたしでもあまり経験がないことだった。
それぐらい興奮している。
このまま続けても、あたしだけならそう遠くない内にイケそうだった。
でもでも、あたしの中に湧いてくる、ある意味自分以上にラナたんにも気持ち良くなってほしいという強い欲求。
それに導かれるまま、獣のように手足を付いた彼女の背中に片手を伸ばした。
翼の付け根。
そこは普段は服とも擦れ合うことがないところ。
だから、体の中でも特に敏感な場所の一つだ。
そこをついっと指でなぞる。
「ひゃん!? な、なぁに?」
案の定、ちょっと触れただけで可愛らしく鳴きながら背中を反り返らせるラナたんに、なんとも言えない精神的な充足感が込み上げてくる。
その反応の良さに満足しながら、さらにつついっと。
「あ、や、やぁ……ねーさま、くすぐったいよぅ」
ピクンピクンと反応する度に太股がぎゅっと締めつけてきて、体の方もやばいくらいに気持ちいい。
まさに一石二鳥で一挙両得。
しばらくそんな感じで続けていると、少しずつだけどラナたんの腰の動きが変化してきたような気がした。
だから、そこでちょっとあたしの方が動きを止めてみたりする。
「ん……んん……」
思った通り、どちらかというとくすぐったさから逃げるようだった腰の動きが、今はむしろ自分から擦りつけるような感じに変化していた。
本人もとまどっているのか、その動きは本当に小さなものだったけど、それでも確かに生まれたその変化があたしの胸を満たしてくれる。
幸せな気分に浸りながら、腰の動きを再開させた。
そうすると心と体、両方の快感が込み上げてきて至福の気分に包まれる。
今までは固定するために腰を掴んでいた左手を、今度は彼女の前面に回した。
ぺったんこな胸の中心で、ちいさな蕾がそれでも一生懸命自己主張していることを指先で感じて嬉しくなる。
まずはその縁をなぞるように指を動かし、少し慣らしたところで直接触れてみた。
「はぅ!? ね、ねーさま、ラナ、おむねがへんだよぉ……」
泣き出しそうでいて、だけど続きをねだるような媚びの色をも滲ませた魔性の声音。
「それでいいの。
もっともっと感じていいんだからね」
背中同様、敏感に反応してくれる彼女の様子に満足感を覚えて、あたしはさらに腰の動きを早くしていく。
それに合わせて、切羽詰っていくラナたんの息遣い。
ていうか、あたしの方もさすがにそろそろ限界っぽくなってきた。
あれの付け根に何かが溜まって、解放の時を今か今かと待ち構えているような感覚。
おしっこを我慢するみたいな感じで堪えているけど、正直もう出したくて出したくて仕方がなかった。
そして――。
「ねーさま、でちゃう、でちゃうよう!」
「あ、あたしも――出る!」
目に映るのは、骨が折れそうなほど首を反り返らせ、その翼をピンと伸びきらせたラナたんの姿。
そして股間の昂ぶりから送られてくるのは、外側からはじゅわりと熱い液体を塗り付けられ、内側からはこれもまた煮えたぎっているかのような灼熱の液体が通り抜けていく2重の衝撃。
一瞬で、頭の中が沸騰した。
「う、うぅ……ひっく……」
行為が終わったお風呂場の中には、今はラナたんがしゃくりあげる小さな声だけが反響していた。
「ほらほら、そんなに泣かないで」
「だ、だってぇ……ラナ、もう大きいのに、おもらしなんて……」
汗とか愛液とか精液とか、とにかく色んな体液の匂いが充満しているお風呂場の空気。
そこにはかすかなアンモニア臭も含まれていた。
初めての絶頂。
それに伴う痙攣を終えた後、力尽きたようにくたりと床に崩れ落ちたかと思ったらそのまま粗相をしてしまったのだ。
本人が気づいた時には後の祭で、そのまま最後まで出しきってしまうまで随分長くそれは続いた。
そして恥ずかしさに顔を真っ赤にしたかと思うと、ついに泣き出してしまったのだった。
あたしは、ラナたんのなら全然平気だけどね。
「ご、ごめんなさい、ねぇさまぁ……」
真っ赤に泣き腫らした目で上目遣い。
だからそれは反則だってば。
出すだけ出して大人しくなっていたはずのあたしのあれが、そんな姿にまたしてもピコーン!!
とりあえず2回戦、いっとく?
以上です。
おお! 続き来てる!
GJです!
すげーエロス
やべぇ、ラナたんマジ萌える。
まさしくGodJobだ。
ばけぎゃもん、2話から見てみたんだが、エンディングにいる傘を差した女の子は、座敷わらしですかねぇ?
いい感じにかわいい。
今の子供が妖怪を覚えるのって、こういうアニメになるのかなぁ。
俺のときは水木しげる先生の著書、入門シリーズだったけど。
保守汁
>>136の続き
危険も去ったことなので、私は無害化したメリーさんを連れて部屋に戻った。
緊急ということで無理を言ってチャーターしたヘリの費用が物凄く高くついた上に
結局は何の意味もなかったわけだが、そのことを気にしたら負けかなと思っている。
「じゃあ風呂に入ろうか。洗ってあげるからその服脱ぎな」
私とメリーさんは、無駄に広い部屋の無駄に広い檜造りの浴室の無駄に広い脱衣所で向き合っていた。
「うん、ありが――えっ、ちょっ、待ってよ……何で貴方がここにいるの!」
「洗ってやる」という言葉がメリーさんの汚れた服と身体の両方にかかるものだからに決まっている。
物分りの悪いメリーさんに溜息をつきつつ、私は服を一息に脱ぎ捨てた。
「きゃっ、な、何してるのよっ、何で服脱いで――ちょっと、隠すくらいしてよぉっ……!
うう……何でそんなになってるのよぉ……この変態っ……!」
メリーさんは何の躊躇いもなく服を脱ぎ捨てた私を見て悲鳴を上げて顔を手で覆ったが、
これから幼女と風呂に入るのだと思うだけで興奮し始めた股間のモノの状態を把握している辺り、
実はしっかりと見ているのだろう、私の身体を。よく見れば、顔に当てた手の、
丁度目を覆っている辺りには僅かな隙間が開いていた。そういうお年頃なのだろう。
「う……」
隙間から覗く目と私の目が合った。気まずそうな声と共に隙間が閉じた。
「ほら、早く脱ぎなよ。私も裸になったんだから、おあいこだろう?」
「だ、だから、何で貴方も脱ぐのよ!」
本当に物分りが悪い。洗ってやるからだと言っているのに。仕方がない。もっとストレートに言おう。
「その服を洗濯するだけじゃなくて、一緒に風呂に入って身体を洗ってやるためだよ」
「えっ、い、嫌よぉっ、一緒に、なんかぁ……だいたい、貴方、その、腰の……絶対洗うだけじゃないでしょ!」
そっぽを向いたメリーさんだったが、チラチラと私の股間に視線をやっている様子がとても愛らしい。
とはいえ、いつまでもその様子を愉しんでいても仕方がない。流石にこの季節に全裸は少し肌寒い。
風邪を引いてしまい、メリーさんに看病して貰うというのもよさそうではあるが、それは次の機会にしたかった。
「いいかい、メリーさん。夫婦は一緒に風呂に入って身体を洗いっこしなければならないというルールがあるんだ」
もちろん嘘だ。そんな都合のいいルールが存在するなどという話は聞いたことがない。
そしてもちろん冗談だ。これで騙そうとは思わない。単なる掴みのトークとして言ってみただけだ。
「え……本当なの、それ?……へえ、人間って変わってるのね」
しかしメリーさんは信じた。あっさり信じた。何だか感慨深げに何度も頷いている。
「あ、う、うん。そうだろう?」
丁度いいから、その純真さを利用させて貰おう。人間は馬鹿だが狡いのだ。
「でも、一々移動報告するメリーさんも変わっていると思うよ」
下手に追及されるとボロが出そうなので話題を逸らす。メリーさんは見事にそれに引っかかってくれた。
本当に純真だ。純真すぎて多少の罪悪感が込み上げてくる。
「んー、私もそう思う……でも、そういうルールだから、仕方がないの」
どうやら妖怪は――少なくともメリーさんは、ルールという言葉には逆らえないようだ。
いいことに気づいたが、だからといってそこに付け込むのは少々後ろめたい。ほどほどにしておこう。
「まあ、そういうわけだから、ルールは守ってくれよ」
私は心の中に生じた罪悪感を紛らわすため、わざと明るい口調でメリーさんの髪を撫でた。
「うぅぅ……わ、わかったわよぉ……」
やはり私から顔を逸らすように、しかし視線を時折私の股間に向けつつ、メリーさんは頷いた。
「で、でも、せめて、脱ぐのは見ないで……恥ずかしいから……先に入って待ってて…」
それは困る。私はメリーさんが羞恥に震えながら一枚一枚脱いでいく姿を目に焼き付けたい。
「あの、お願いだから……見ないで」
両手を祈るように胸の前で組み、潤んだ瞳で上目遣いに見つめてくる。
「う、し、仕方ないな……」
可憐な幼女がその技を使った時、それは必殺技と化す。私に抗えるわけがなかった。
私は先に浴室に入って戸を閉め、磨りガラス越しにメリーさんの様子を窺った。
言われた通りに先に入っているし、直接見ているわけでもないから約束を破ったことにはならないはずだ。
磨りガラス越しに見えるメリーさんは何やら身体を動かしてはいるが、服を脱ぐ様子はない。
迷っているのだろう。躊躇っているのだろう。見ていてとても心が躍る。
しばらくそうしてもじもじと躊躇った後、メリーさんはようやく服を脱ぎ始めた。
ゆっくりゆっくり、まるで私を焦らしてでもいるかのような遅々とした動作で服を脱いでいく。
まるで皺をつけてはいけない一張羅を脱ぐ時のような動作で服から身体を抜き取っていく。
たっぷり十分も経過しただろうか。メリーさんはようやく脱衣を終えた。
白磁のような肌色のシルエットのメリーさんは、またそこで動きを止めてしまった。
失禁の音を聞かれたくらいで嫁にいけないとまで言い出すほど恥ずかしがり屋のメリーさんにとっては、
やはり男に肌を晒すのは非常に躊躇われる、勇気が必要な行為なのだろう。
私は待った。たとえそういう意図ではないのだとしても、ここまで焦らされると股間のモノが
疼いて疼いて仕方がないのだが、私は待った。メリーさんとの約束を守って待った。
純真なメリーさんを裏切ることなどできないという理由もあったし、民話によくある異類婚姻譚には
嫁にきた妖怪との約束を破ってしまって逃げられた、という話が多く、その轍を踏みたくないという理由もあった。
こちらに向かって一歩踏み出し、手を戸にかけようとしては引っ込める様子を期待と不安を抱いて見守った。
やはりそのまま五分ほどが過ぎたかと思われる頃、メリーさんの呟くような呼びかけが聞こえた。
「は、入るよ……」
「どうぞ」
私は期待に心臓の高鳴りを覚えて戸が開くのを見守った。
少しずつ少しずつ、まるで様子を窺ってでもいるように戸が開いていった。
焦らされるのもそろそろ限界だった。どうやら私はチラリズムの誘惑に勝てない人種のようだった。
「早く入っておいでよ」
「わ、わかったわよぉっ……」
私の声に戸の動きが一瞬、驚いたように止まったが、応えの声と共に勢いよく再開された。
乱暴な手つきで開けられたため、戸が耳障りな音を立てたが、そんなことはどうでもよかった。
他の何もかもがどうでもよく思えるくらいに、メリーさんは綺麗で可愛らしかった。
ふわふわとした髪。紅潮した顔と潤んだ瞳。陶磁器のような白くて滑らかな肌。すらりと伸びた華奢な手足。
どれも美しかったが、両手で胸と股間を隠してしまっているのが非常に惜しかった。
「じろじろ見ないでっ!」
メリーさんは涙目で私を睨むとさっと背を向け、入ってきた時と同じ乱暴な手つきで戸を閉めた。
「でも、可愛いからつい見ちゃうんだよ」
言いつつ私は、メリーさんの扇情的な後姿を舐めるように眺めた。
肩口付近まで伸ばされた髪によって項は隠れてしまっているが、それ以外は全て顕わになっている。
染み一つない肌が描く曲線はとても綺麗で、胸、腹、腰と続く一本の線から可愛らしく膨らんだ尻へと
繋がる曲線は、それだけでご飯が三杯はいけそうなくらいに魅力的だった。
「お、おだてても駄目ったら駄目!そ、それに、タオルで隠すくらいしてよ!」
メリーさんは涙目で私を睨むと、背を向けたまま蹲ってしまった。
「おだててなんかいないよ。本当に可愛いんだ」
「あっ、ちょ……」
その様子があまりに可愛らしいせいで、遂に我慢ができなくなった。そっと小さな背中に覆い被さった。
驚いた風に硬直し、次の瞬間には逃れようと暴れ出したのを抱き締めて押さえ込む。
滑々とした肌の感触と熱が密着している身体の前面に広がった。
「可愛いよ、メリーさん。可愛い。大好きだよ」
いい匂いのする髪を掻き分けて耳元に顔を寄せ、囁きながら頬を撫でると、
少しずつ抵抗が治まっていった。猫や兎のように腕の中で丸まっているメリーさんの様子を
愛らしく思うと同時に、ちょっと困らせてみたいという悪戯心が騒ぎ出した。
「だいたい――」
耳に息を吹きかけるように囁く。
「ひゃっ、ちょっと、やめてよっ、びっくりするじゃない!」
「タオルで隠せと言うお前の方はどうなんだ?真っ裸じゃないか」
「そ、それは……仕方がないでしょっ、タオルが見当たらなかったんだから!」
当然だ。もともとそんなものを用意してはいないのだから。
「そうだよ。それでいいんだ。タオルなんて必要ないんだよ」
「なっ、それ、どういうことなのっ…!?」
「私はメリーさんの裸が見たいし、メリーさんにも私の裸を見て欲しいんだ。夫婦はお互いに
隠し事をしないで有りのままの自分を見せ合うものだし、そもそも、いつかは必ず裸で
向き合う時が来るんだから……それが今でもいいだろう、別に」
私はメリーさんの頬を撫でながら、なるべく真摯な言葉に聞こえるよう努めて囁いた。
メリーさんの反応はない。抵抗は完全になくなったが、反応もなくなった。
「……ねえ」
「え、何?」
いい加減に返事が来ないのが不安になってきた頃、メリーさんがぽつりと呟いた。
「背中に……当たってるのって……その、アレ……よね?」
もじもじと言いにくそうにしながら言われて、私はようやく気づいた。
背後から覆い被さるようなこの体勢で、完全に戦闘準備を整えた股間のモノが当たらないはずがないのだ。
先端から根元を通り越して袋までが、しっかりとメリーさんの背中に密着している。今更ながらにそのことに
気づき、メリーさんの肌の柔らかくて滑らかな感触にますます反応が顕著になった。
「ちょっ、何か大きく……ねえ、何だか……ぬるぬる、するんだけど……」
「それはまあ、あの、あれだよ」
興奮しすぎたせいで、ただ肌に触れているだけで先走りが出始めていたのだ。
初めて女の子に触った童貞でもあるまいに、と自分で自分が情けなくて仕方がない。
「ちょっと、それまさかせ、せ、その、精…液……じゃないでしょうね!?」
慎み深いメリーさんは恥ずかしくて精液という言葉もまともに口に出せないらしい。
もっと仲良くなって信頼関係を築いた上で言葉責めでもしてみよう。面白そうだ。
「あ、大丈夫大丈夫。これはえーと、カウパー氏腺液といってね、精液が出る前に出るものだから」
「うぅ……でもそれってアソコから出てるんでしょ……?あぁ、もう駄目、私、汚れちゃった……」
本当に悲しそうに言うメリーさんの様子がとても面白かったが、笑うとややこしいことになりそうなので我慢する。
「そうだな、確かに綺麗なものでもないし……よし、お詫びに洗ってあげよう。ほら、そこの椅子に座って」
「え、これ?……うん、わかった」
私はメリーさんを解放し、風呂椅子に座るように促した。
メリーさんは戸惑うように私を見返してから小さく頷き、小さくて愛らしい尻をぺたりと椅子に乗せた。
「……あ、へ、変なことしないでよ?」
相変わらず私から身体の前面が見えないようにしつつ振り返り、メリーさんは念押しするように言った。
「大丈夫大丈夫、髪と身体を洗うだけだから」
言いつつ私はメリーさんの背後に跪き、まずその柔らかそうな髪を手に取った。
「綺麗な髪だね」
「そ、そうかな。ありが――って何してるの!?」
咄嗟に逃げようとするメリーさんの肩を抱いて押さえ、私は豊かな髪に顔を埋めた。
「ああ、柔らかくていい匂いがする……」
肺一杯、胸一杯にメリーさんの髪の香りを吸い込む。
メリーさんの髪はとても柔らかい。まるで羽毛のような肌触りで、汗や垢の匂いなどまるでしない。
何だか生き物の髪という感じがしないのは、元は人形だったという経歴によるものだろうか。
「ね、ねえ、ちょっと、恥ずかしいから、やめて……これ、洗うのとは関係ないんでしょ……?」
髪から覗く耳まで真っ赤にして、本当に恥ずかしそうにメリーさんは俯いている。
「ああ、ごめん。少し調子に乗りすぎた。それじゃあ洗うから、目を閉じて……」
私は名残惜しかったがメリーさんの髪から顔を離し、シャワーノズルを手に取った。
「じゃあ、お湯をかけるけど、いいかな?」
「うん」
メリーさんの返事を確認し、私はその艶やかな髪にお湯をかけた。柔らかい髪が水気を吸って
纏まりを持つようになり、ほつれた部分が同じく濡れた肌に張り付いて艶かしさを醸し出す。
「シャンプーつけるから、目を開けないようにな」
「……うん」
手にシャンプーをつけて泡立て、それからメリーさんの頭に手を這わせていく。
最初の内はメリーさんに私の手の感触を知って貰うため、髪を梳くようにして手を滑らせていく。
そうして、満遍なく全体を洗い終えてそろそろ私の手に慣れてくれたかなという頃合を見計らい、
今度は髪を掻き分けるようにして地肌へと指を這わせていき、マッサージをするように優しく撫でていく。
「ん……上手ね……」
「ありがとう」
薄気味悪い残酷さに満ちた移動報告やトイレを我慢する苦しげな声、失禁時の悲痛な声、
ヘリでの怒りと悲しみに満ちた声ばかりだったメリーさんが初めて漏らした機嫌のよさそうな声を聞いて、
何だか私の方まで嬉しくなってきた。もう洗い終わりなのが悲しいくらいだった。
「それじゃあそろそろシャンプーを流すよ」
「え……もうちょっと……洗って欲しいな」
可愛い声でねだられて悪い気はしない。むしろ、好意を抱いてくれたように思えて嬉しい。
「そうか……じゃあ、もうちょっとだけ。でも、その後は身体を洗うからな」
「……ありがとう」
はにかんだような調子の声で言ったメリーさんは、私に身体を預けるように身を反らしてきた。
胸元に背中が当たり、体重と熱が感じられた。股間で飽きもせずに自己主張を続けていた
モノが触れた時には流石に驚いたようだったが、それで身を離すようなことはされなかった。
もしかして、私の思い込みではなく本当に好意を抱いてくれたのだろうか。
何だか嬉しくなり、私は知らず知らずの内に鼻歌を歌いながら手を動かしていた。
「じゃあ、そろそろいいか?」
頃合を見計らい、メリーさんに聞いてみた。
「……うん。気持ちよかったよ」
「それはよかった。それじゃあ流すよ。絶対に目を開けたら駄目だよ」
「うん」
私はシャンプーが髪に残留することがないよう、また繊細な髪を傷つけてしまうことがないように、
注意深く泡を落としていった。
「終わったよ」
「はぁ……貴方、髪の毛を洗うのが上手ね」
メリーさんは私に背中を預けて髪を絞りながら、にこにこと笑っている。上機嫌のようだ。
「それじゃあ、次は身体の方を洗おうか」
「うん……くれぐれも変なことしないでね?」
「大丈夫大丈夫」
ボディソープを手に出してよく泡立てつつ、私はメリーさんに笑いかけた。
「じゃ、まずは背中からいくよ」
私は充分に泡立ったのを確認してから、メリーさんの洗う必要もなさそうなくらいに
綺麗な背中に手を伸ばした。柔らかく滑らかな感触と共に、心地よい熱が掌に広がった。
「えっ……ねえ、スポンジとかは使わないの?」
私の手がソープを塗り込むように背中を撫でると、メリーさんは驚いたように身じろぎした。
「うん。大好きな人の身体は自分の手でしっかり洗うんだよ」
「そう、なんだ……それもルールなの?」
丹念に背中を撫で上げる手に心地よさそうな吐息を漏らしつつ、メリーさんが首を傾げた。
「いいや。私がそうしたいからそうしているんだ」
「そうなの……はぁ、上手ね、ほんと……ん、ちょっと、くすぐったいよ」
万歳をさせて小さな肩から細い腕、華奢な指先までを撫で上げると、メリーさんは
くすぐったそうに笑った。それに構わず、私は白くてぷにぷにとした柔らかい肌を撫で上げ、
柔らかい二の腕を揉むように、肘と手首を撫で回すように、掌と指はまるで手を繋ぐような形で、
丹念に洗い上げていった。手が動くたびにメリーさんがくすぐったそうに笑うのが、
堪らなく可愛らしく、また妙に色っぽい。
「メリーさんの肌は綺麗だな」
「ふふ、ありがとう……ん、そ、そこはいいわよぉっ、そこ、弱いのっ……ん!」
腋毛どころか産毛すら生えていない綺麗な腋に指先が触れた途端、メリーさんは身を捩って逃げようとした。
しかし、それを許すほど私は甘くない。幼女の髪や身体を丁寧に洗うのが夢だったのだ。
「駄目だよ、ここは汚れが溜まりやすいからよく洗わないと」
それが実現しつつあるというのに、逃せるものか。私は半ば抱き締めるようにしてメリーさんを押さえつけ、
成人女とは似ても似つかない綺麗な腋から脇腹にかけての曲線を撫でさするように洗った。
柔らかい腋から洗濯板のような肋骨、滑々とした脇腹に至る曲線を何度も何度も往復させた。
「んっ、あ、だ、だから、くすぐったい、てばぁ……」
私の手が身体をなぞるたびに身体をひくつかせ、甘い吐息を漏らすメリーさんは、
外見に似合わない色気を放っていて、そのアンバランスさが酷く魅力的だった。
「力を抜いて、私に寄りかかっていてくれればいいから」
「そ、そんなこと、い、言ったってぇ……」
「こっちも洗うよ」
潤んだ瞳で身を捩るメリーさんの様子に微笑ましさと興奮を覚えつつ、私は彼女の身体の前面に腕を回した。
「あっ、ちょ、ちょっと、変なとこ、触らないで…あ、駄目、だったらぁ、もぉ……ん…」
肉付きの薄い、しかし膨らみのようなものは厳然として存在する胸元に手を這わせた。
逃れようと暴れるのを抱き締めるように押さえて、ささやかな膨らみから首元にかけてを撫で回す。
柔らかな肌と肉を撫で上げ、痛みを与えないように優しく揉み解していき、
膨らみの先に鎮座する小さな飾りを指で挟んで擦り上げる。
「んっ、ひぁっ、ちょっ、変な、こと、しないって……あっ…」
嬌声を上げつつ抗議してくるメリーさんは、隅々までを洗い清めるために這い回る私の手を、半ば胸元に
抱きかかえるようにして押さえつけようとしているが、全く無意味だった。ソープが潤滑液になるため、
押さえようと力を入れれば入れるほど滑ってしまう。それは私にとって、まるで腕を撫でられているような快感だった。
「変なことじゃないよ。身体を洗っているんだから……ほら、じっとして、力を抜いて……」
「む、無理ぃ、できないよぉ……」
メリーさんはくすぐったそうに身を捩っているが、その声に甘い響きが混じっているように思えるのは気のせいだろうか。
「大丈夫。頑張って力を抜いて、ほら……」
「うぅ……ん…」
私の言葉に従って懸命に力を抜こうとして果たせず、身悶えしているメリーさんの純真さが愛らしくて、
ついつい悪戯をしてしまう。淡い膨らみの先を飾るものをひとしきり弄繰り回して反応を愉しんだ後は、
そのまま手を下へと滑らせていく。もちろん筋肉質ではなく、それでいて肥満でもない幼女特有の柔らかさを
持つ腹部を指先でつつくようにして撫で回す。手に吸い付くような瑞々しい肌の感触が堪らない。
更に言えば、腹を這い回る私の手を押さえようと絡み付いてくるメリーさんの手も堪らない。
「あっ、そこ、やぁ……」
「駄目駄目。ここは汚れが堪りやすいんだから」
恥ずかしそうに隠そうとする手を押し退けて、メリーさんに限って汚れなど溜まるはずもない小さな臍を指先で穿る。
臍の形が変わってしまったり、痛みを与えてしまったりすることのないよう、ほとんど触れるだけという
微弱な力で指先で臍を穿り返す。
「ん……くすぐったい、ってば、そこぉ……ふぁ……」
くすぐったそうに笑うメリーさんはもう暴れるようなこともなく、マッサージチェアに身を委ねるようにして
私に体重を預けてきた。密着した背中と腹の熱とソープの滑りが心地よい。
「メリーさん、ちょっとお尻を上げて?」
「ふぇ…何で?」
「お尻も洗うからだよ。ほら、上げて上げて」
「ひゃっ……!」
私はメリーさんの返事を待たず、ソープの滑りを利用して小さな尻と風呂椅子の間に手を差し入れた。
女になり始める年頃のメリーさんの尻はとても滑らかでとても柔らかく、この尻にならば下に敷かれても
別に構わない、むしろ顔の上に乗って欲しいというくらいに素晴らしいものだった。
外見年齢から考えれば当然だが、胸よりも尻の方が肉の量が多く、触り応えというものがあった。
「んっ…何で…んっ、そんな風に、揉むのよ……?」
メリーさんに言われて気づいた。私はいつの間にかその感触の虜になり、洗うという目的を半ば放り投げて
ただ欲望のままに尻を揉んでいた。適当な言い訳がないものかと考え、思いついたことを口にする。
「洗うついでにマッサージをしているんだよ」
「そうなの……でも、くすぐったいし、それに……何だか、あの、その…アソコがむずむずしてきたの……」
メリーさんがもじもじと腿を擦り合わせる痴態――本来ならば絶対に手を出してはいけない年頃の
少女が見せる痴態に、私はもう我慢ができなくなった。
「メリーさん!」
「きゃっ、ちょ、この格好、恥ずかしいってば……!」
私は尻の下に差し込んだ手でメリーさんを持ち上げ、そのまま幼児に用足しをさせるように抱え上げた。
取り敢えずここまで。
ノシ
オニンニンがヴォッキッキ(・∀・)イイ!
生殺しorz
俺たちには類稀なる妄想力があるジャマイカ。
>>237 あ、これ買うかどうか迷ってたんだよなあ。
誰か持ってたら評価plz。
239 :
宣伝:2006/04/24(月) 10:54:36 ID:S6v6PADp
こんなスレがあったなんて・・・
ナイス宣伝!
241 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/24(月) 15:20:41 ID:yeyNvaXB
これはますます過疎る序章に過ぎない
花子さんのSSは既出ですか?
転載ならURL宣伝だけでヨロ
過去作なら、まとめで
>>243 どちらも否。
こ れ か ら つ く る ん で す よ
wktk
自分を追い込む意味もこめて、うpします
夜の校舎。
俺としたことが、机の中に大事な宿題を忘れてきてしまった。
これがないと、明日めちゃくちゃ怒られる。・・・怖いんだよな・・・古典のO先生は。
夜の校舎は、概して不気味なものだ。
高校になって「七不思議」なんてものはさっぱり聞かなくなった。しかし、昼間の賑わいをまったく感じさせない夜の校舎は、それだけで怖い。
完全な、夜の世界に思えるからだ。
靴音響くリノリウム。
水滴落ちるトイレの水道。
不気味の境地。
高校生にもなって、と思う反面、やや急ぎ足で帰ってしまうのは、俺が腰抜けだからだろう。
しかし、奴は「出た」。
♪〜〜夕焼け小焼けで 日が暮れて
山のお寺の 鐘が鳴る
おててつないで みなかえろ
烏と一緒に かえりましょう〜〜♪
だだっぴろい廊下に、確かに響いた歌声。
それは、女の子の声。
(・・・・・・・・・怖えぇぇ。)
軽く悪寒が走る。
だけど、ふたつほど疑問に思った。
聞いた感じ、どうやら生徒の声・・・ようは同年代の声っぽいと。だとすればなんで夜の校舎で歌っているのか。
もうひとつは、
(・・・なんで悲しそうな声で歌ってるのか。)
音楽の知識が皆無な俺だが、なぜかそう聞こえた。
それなのに、どこか心が惹かれる歌声。
恐怖を好奇心がブチ殺し、足を忍ばせて、俺は声のするほうへ向かった。
「・・・ここか。」
一階南側女子トイレ。
歌はそこから聞こえてきた。
歌う曲目はずっと童謡だった。
♪〜〜菜の花畑に 入日薄れ
見渡す山の端 霞み深し
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し〜〜♪
彼女の口からは、うら寂しい曲しか聞こえてこない。
夜の校舎、誰も居ないことをいいことに、男子が女子トイレに入るという禁忌を犯す。
歌は、右から三番目のトイレから聞こえてきた。
♪〜〜遠き山に 日は落ちて〜〜♪
コン・・・コン。
俺はドアをそっとノックする。
「・・・だ、誰?」
中からはおどおどした声。
ここで気がつく。
(男子が女子トイレ入ってるし!!やべ、どうしよう!?!?)
口から出るでまかせ。
「け、警備のものですが、下校時間をだいぶ過ぎているのに、トイレから声が聞こえたものですから、どなたかいらっしゃるのかと思いまして、確認しにきました。」
自分でもキモくなるくらいの渋い声で・・・。
それでも少女はひっかかった。
「ご・・・・ごめんなさい!!」
バタンとドアを開けて、駆け出していこうとしたようだ・・・ドアのまん前に立ってる俺に気づかないで・・・。
どすん。
「ぐべぁ!!」「きゃっ!!」
鳩尾に頭突きを食らう俺。便所の床に倒れる少女。
「わわわわわわわ・・・ごめんなさいごめんなさい!!」
その場でペコペコ謝り始める少女。
「ぐふぅ・・・なぁに、しん、ぱい、すんな・・・。ゲホッ、ゴホッ。」
しかし、少女の全体重が乗った急所への頭突きは意外にダメージがひどく、
「・・・・・・グゥ・・・・。」
といって俺は気を失ってしまった。
「け、警備員さん!警備員さん!!」
ここで一回ストップ
耐オカルトフィルターで身構えていたら
なんだかドジっ娘っぽい花子さんでオモシロ展開?
ちょっと期待…
テラナツカシスな歌を知っている花子さんに期待
第一話(分類上)まで全部はりだします。
「・・・んぅ?」
「・・・あ?気がつきました?」
・・・・・・ここ・・・は・・・。
「女子トイレです。」
そうでした。わすれた宿題を取りにきた俺は、女子トイレから響く謎の歌声を探るために女子トイレにはいったら、少女の渾身の頭突きを・・・。
「宿題・・・って、警備員さんではないんですか?」
「・・・・・・って、わぁ!!」
飛び起きる・・・前に、少女の額と正面衝突。双方大惨事。
「あいててててててて。」
「・・・・・・あいたたたたた・・・・うぅ、起きていきなり奇襲なんて、酷いですよぉ・・・。」
「う、え、すまん・・・・・・・って、」
少女は、痛みに抑えていた顔を上げる・・・。
ショートボブの綺麗な黒髪、顔はわりと童顔気味。身長は・・・高校生というより中学生・・・。でも、この高校の制服をきてるわけだから、当然高校生だろう。
そんな彼女は、痛みに目を潤ませながら、上目遣いで睨んでくる。・・・えっと、萌えポイント上昇。いやいや、そうでなくて。
「あ、とりあえずごめん。」
「・・・私も、さっき衝突してしまって、すみませんでした。」
ペコリと頭をさげる少女。
「うん、じゃぁ、お互い様ということで。」
「はい。」
クスクスと笑う少女。つられて俺もわらった。
「・・・ところで、濡れた布を額に掛けといてくれるのは非常にありがたいんだが・・・。」
「はい?」
少女は首を傾げた。
「・・・・・・トイレの雑巾かけるのは、やめてほしかったよ・・・。」
「あ・・・・・・。」
「ところで、あなたは警備員さんなんかじゃなくて、同じ高校の方ですね?」
俺が顔を洗った後、少女はそう聞いてきた。
「あ〜〜〜、うん・・・ごめん。今すぐ出てくよ。」
「いえいえ、怒ってるわけじゃないですよ。」
少女は微笑んだ。
「お名前を聞いてもいいですか?」
「あ、うん。柳田真和(ヤナギダ マサカズ)。・・・君は?」
「あの、原子(ハラコ)といいます。」
「え?花子?」
「え?・・・あ、はい。」
「苗字は?」
「・・・えっと・・・あの、・・・川谷(カワヤ)です。」
「川谷 花子・・・か。」
俺は聞き間違えたまま、それを名前ととってしまった。
これが偶然の発端。
「で・・・川谷さんは、なんでこんなところで歌ってたの?しかも夜の校舎で。」
「え、う〜ん。なんとなくです。」
指を唇に当てて考えた後、彼女はこういった。
「強いて言うなら、夜の校舎が好きだからです。」
「へぇ・・・変わってるね。」
「うぇ・・・私、変ですか?」
ちょっとショックをうけたのか、少し涙目で彼女はうろたえる。
「いやいや、べつに。でも、・・・・・なんかすっごく悲しそうに歌ってたから。」
「そうでしたか?」
「・・・・・・・・いや、そんな感じがしたってだけの話なんだけどね。」
「そう、ですか。」
ちょっと沈んだ顔になる彼女。
「でも、なにも悲しいことはありませんよ。」
しかし少女は明るい笑顔で答えた。俺はその笑顔に違和感を覚えた。しかしそれを言及するのも野暮と思ったので、黙っていた。
「あと、歌が童謡ばっかだったね。」
「え?わかるんですか?」
「人より知ってはいるつもり。」
「わぁ!嬉しいなぁ!今の人って童謡知らない人多いんですよ。」
ものすごく嬉しそうに彼女は話す。
それからしばらく童謡の話に花を咲かせた。彼女のほうが多く童謡を知っていたが、彼女が知らないものを俺が知っているということもあった。
「『この道』って知ってる?」
「ううん・・・名前を聞いたことはあるけど・・・。」
「うん、こんな曲。」
♪〜〜この道は 何時か来た道
嗚呼 そうだよ
アカシヤの花が 咲いてる〜〜♪
「へぇ。そんな曲なんだ。」
「意外だな・・・『カナリヤ』とか『五木の子守唄』とか知ってるのに。」
「私だって、全の童謡を知ってるわけじゃないよ。」
「まぁ、そうだけどネ。」
そこで俺はひとつくしゃみをした・・・手から古典の宿題を取り落とす。
「うぉっと!長居し過ぎたぁ!!」
「あ、ごめんなさい!つい話し込んじゃって・・・こんなに長く人と話するの久しぶりだったし。」
「いやいや、どんまいどんまい。・・・お前もはやく帰れよ。・・・・・・送っていく?」
「あ、う〜ん・・・う、うん。お願いします。」
彼女の家は比較的学校の近くにあった。
「へぇ、すぐそこなんだ・・・うらやましいぜ。」
「うん。・・・今日はどうもありがとう。楽しかったよ。」
そういって彼女は可愛く笑った。
「あ、ああ。こちらこそ。」
気の利いた言葉ひとつなく、俺は返答する。
「それじゃぁ!」
「んじゃな。」
彼女が家に入る前に俺は踵を返して、家路についた。
第一話終了。
ちなみにわしがss出し終わった後は必ず「補填」しますので(何
制作のためROMはいります
感想、要望、展開、自作SS、その他どぞ〜
まだ物の怪なのかどうかも判明してないけど今後にワクテカ
エロは?
【海外/英国】深夜のパブに女の幽霊が 通報で駆けつけた警官も怪奇現象に遭遇
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1146032607/ ,'⌒,ー、 _ ,,.. X
〈∨⌒ /\__,,.. -‐ '' " _,,. ‐''´
〈\ _,,r'" 〉 // // . ‐''"
,ゝ `く/ / 〉 / ∧_,. r ''"
- - - -_,,.. ‐''" _,.〉 / / . {'⌒) ∠二二> - - - - - - -
_,.. ‐''" _,,,.. -{(⌒)、 r'`ー''‐‐^‐'ヾ{} +
'-‐ '' " _,,. ‐''"`ー‐ヘj^‐' ;; ‐ -‐ _-
- ‐_+ ;'" ,;'' ,'' ,;゙ ‐- ー_- ‐
______,''___,;;"_;;__,,___________
///////////////////////
またプラズマか!
いいわけにとれれても仕方ないと思うが、ひとついわせろ
エ ロ だ け が S S じ ゃ ぁ ね ぇ
いずれいれるにしても、だ。
ではいずれ挿入られる日をwktkしながら待ってます。ハァハァ
>261
エロパロスレで何を言っているんだか
叩くつもりはないが、その言い方はどーよ、職人として
>>261 >エロだけがSSじゃない。
激しく同意。っつーか現行のメイドさんスレはほとんどがエロ無しばかりだったりw
エロがあるに越した事は無しけど、萌えられれば良いんだ、萌えられれば。
265 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 02:12:20 ID:lS/+6v2y
>>261 文章からたいしたセンスを感じないからさっさとエロ分投下しろ
非エロでいいのはセンスがある奴だけだ
>>263 わかっちゃいるんだ・・・力量不足は。
なにせ、これだけの多人数に公開するSSはついぞ数日前はじめたばかりでね(
>>239メリースレ参照、当時 名無し語り手No666 (コテハンなし))
マジレスで本当に申し訳ない。
しかし、俺は物事には段階があると思う。
そして、SSはSSでありながら、ひとつの小説の形態であると確信している。
これが小説なら、背景文脈をしっかりさせるのは当然の話。
そのためにさかれるそれ以前の文章の意味は皆無か?否。
例えて言うなら、それはなぜエロ画像が少ない鍵のゲームが大成したか、ということに関わる。・・・説明省略。
俺が2chという情け容赦なく叩かれる場でSSを公開した理由は
ひとつ、自分の力をあげるため。
ひとつ、人を楽しませるため。(または、萌えさせるため)
ひとつ、人のこころに何かを残すため。
である。
反面、エロパロにおいて、こんな「なにもおこらない」文章を載せることは、奨められる物ではない事は、正論だ。
そういう意味で、俺はここに来ているのは相当な間違いだろう。
・・・事実、俺がここに来たのはほんの偶然であり、この文面をここに書き込んだのも偶然。
だが、悲しいかな、にちゃんねらとしての俺はかなりの素人で、エロパロに「おもしろくもなんともねぇ」ものを書いてしまった。
しかしながら、最後までやらせてほしい、というのが職人としての本音である。
・・・中途半端で終わらせまい、と。
安い対価しか用意できなくて申し訳ない。以下が、俺がこの問題にケリをつけるための誓約・・・追い込みである。
SS師(駆け出し)語り手No666 ◆M6R0eWkIpk、
駆け出しながら職人として、途中に18kシーンを必ず入れることを約束しよう。
・・・ただし、俺はエロSS職人としては最低ランクだろうから、そのあたりはスマソ。
で、言ったとおり俺はエロSS職人として活動したためしはない。
だから、これが終わったら、俺はスレを退去する。
「期待していた」方々には非常に申し訳ない。以上マジレス。
>>266 このレスは、メリースレから「エロパロ移れ」言われてのこの待遇に、ついかっとなって書いた。
今は反省している。
なんだかなあ・・
普通は、「うるせえ、おっきさせて黙らせてやるぜボケ」となるべ?
感想書こうと思ったんだけど、馬鹿杉るんでパス
つか、こういう誘い受けへの擁護は、その方がウザイんでスルーヨロ
思い直してきっちり書いたら、俺も乙やらGJやら言う
善人ルートと悪人ルートの岐路に立たされたヨカーン
んなことぐだぐだ言ってる暇があったらエロ有り無しどうでもいいから投下してもらったほうが万倍嬉しいっつーの。
まぁ、あれよ。
wktkしてっからよろしく頼むぜってことだ。
まー、あれだ、
・スレの空気をよむ
・誘い受け厳禁
・叩かれても泣かない
(ちらつかせた作品を引っ込めない、スレを荒らさない)
あたりを踏まえて参加すればOK。
あと、271の控室は、まとめサイトが非常に参考になる。
折角長文投下されてもSSじゃねーと読む気しねーぜ!
つまり、作品で語れってこった。
ん。了解。
作成中。
作成CHU?
276 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 22:15:04 ID:cGEsTwOx
語り手とかいうコテうぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
もうNGに登録した
277 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 01:57:14 ID:aPszMlaD
ちょっと態度が大きすぎるよね。何様のつもりですかね…
ネタ思いついたから投下しようと思うんだけど
エロ薄めなんだよね。
それでもいい?
よければ今夜辺りに一つ投下でも
>>279 普通に謙虚なのか上の罵倒を見てわざわざ言ったのかどっちよw
281 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 14:58:57 ID:zNYaSMyX
つーかウザイよ
ageてる香具師のほうがウザい
>>279 許可取る必要なんかないよ。
好きなようにしな。
じゃやめとく
>>276-277 同意はするが、そういった煽るような口調は止めろ。スレの空気が悪くなって、他の職人さんたちが投下しづらくなる。
だいたいにしてわざわざageてまで言うことか?気に入らないなら勝手にスルーすれば良いだけの話だし、NG登録した事をいちいち報告する必要もない。
GW厨はさっさと宿題済ませな。
>>279 問題なし。Come on .
>>281 お前の方がウザイよ。
>>285 お前も煽るような口調はやめろよ。
あと、人に意見を伝える気があるなら
もうちょっと改行とかしてくれな?
テンプレ:ゴタゴタ言うな。
289 :
285:2006/05/04(木) 23:05:45 ID:NLFC8Dc7
>>286 直前に嫌な事があって、それもあってついカッとなってしまったんだ。
本当にすまない。
あと、改行をし過ぎてもかえって読みづらくなるんじゃないかと思ってああなった。
今は本当に反省している。
お詫びに小指詰めて置いておくよ。
⊂二
小指よりもSSを!
小指を小説と読んだ末期なおれのために!!
で、279はまだかな。
此処ってオリジナルとかもOK?
というかほとんどオリジナルなのでは。
295 :
279:2006/05/05(金) 01:52:20 ID:jA2h5SnQ
「最悪の夏休みだ…」
ベットに寝そべった俺の右足はギプスと包帯でガチガチに固められている。
ここは病院の一室。少し豪華な一人部屋。
なんでも金で解決する両親だったがこの時ばかりは感謝した。
普通の病室に入れられて、見ず知らずのやつらと寝食を共にするなんて御免だ。
でも最悪なことには変わりない。先週、1学期の終業式があった。
長期休暇に浮かれてた俺も悪いけど、一通を逆走してきたバイクとぶつかり右足を骨折。
全治2ヶ月、夏休みはずーっと病室で寝たきりの生活。
最初の数日はそれでも楽しかった。
美人の看護士はいるし、好きな時に好きなだけ寝れるし、本もテレビも見放題だし。
でもそんなのはせいぜい数日間の間しか俺を満たしてくれなかった。
「暇だー! なんで俺はこんなに運が悪いんだよ!」
いつの間にか独り言が癖になってる。高2の夏休み、青春の絶頂が音を立てて崩れる感じがする。
「ホンットーにごめんなさぁい!!」
窓の外を眺めていた俺は、自分以外誰も居ないはずの病室から声が聞こえ心臓が止まるくらい驚いた。
恐る恐る振り返ると、そこに着物姿の女が立っている。年の頃は俺と同じくらいか…?
「ま、許してやるよ…」
まだ多少の驚きはあったけどどうでもよかった。この俺の暇で暇でどうしようもない時間を
くだらない話でもして、潰してくれる手伝いをしてくれるなら誰でも良かった。
死刑囚でも大統領でも、お化けでもエイリアンでも、オウムでもシーマンでも…。
「ホ、ホントですか!? ありがとうございますっ!!」
まだ彼女は深々と頭を下げている。何かされたっけ…?
誰だ…? 初めて見るはずだけど、なんか他人のような気がしない。
「それはいいとして君誰? 人違いじゃない? ここ関係者以外立ち入り禁止だけど」
この病室は警備は厳しくないけど、家族と医者と看護士以外はアポ無しには入れないはず。
「すいません…。 私、あなたの守護霊なんです。 守護霊って部外者でしょうか…?」
「しゅご…れい…?」
まあ、この病院は精神科もあるし、そこの患者でも迷い込んできたのかな…?
296 :
279:2006/05/05(金) 01:53:28 ID:jA2h5SnQ
「そうです! 私、恵太さんの守護霊なんです」
病室の外にネームプレートがあったから名前くらいは知っててもおかしくはない。
彼女は顔をチラッと上げた。 ちょっとガキっぽいけど結構可愛い。
「守護霊がなんでここに居るわけ? 普通見えないもんじゃないの?」
「ハイ! 本当は見えないんですけど、どうしても恵太さんに謝りたくて
ずっと恵太さんと話したい、って思ってたらここに立ってたんです」
あまりの暇さに幻覚でも見てるのか?
「実は、この前バイクとぶつかったのも私がよそ見していたのが原因で…」
「うん!? なんで俺がバイクとぶつかったって知ってるんだ?」
百歩譲って、この吊られた右足を見て事故にあったと思うのはわかる。
でも、なぜバイクとぶつかったってわかるんだ!?
「守護霊だからです! でも見てるだけでしたぁ!!
ホントにごめんなさい! ごめんなさい!」
またペコペコ頭を下げてる。 威厳のない守護霊だ。
ひとつ問い詰めて見るか。 幻影ならそのうち消えるし、精神病のやつならそのうちボロが出る。
「いつから、俺の守護霊なの?」
「恵太さんが生まれた日からです!」
「それはいつ?」
「19○○年、5月13日 午前2時54分47秒(日本時間)からです!」
何時何分までは知らないけど、生年月日は合ってる…。
「じゃ、俺の部屋に何があるか言ってみて?」
「ハイ! 10.5畳のフローリングで、南東にベランダつきの窓、その前にはベット
その向かいに机、机の上には開いたことのない辞書と参考書、野球の本、パソコン。
ドアにはアイドルのポスター、本棚には漫画98冊、その上にオーディオデッキ。
隣に洋楽のCDが12枚、邦楽が30枚。さらに隣にサイン入りのボールが。
それと…、机の引き出しの一番下に…エッチな本が…4冊ほど……」
なんでこんなこと知ってるんだ!? だいたい漫画本の数なんて俺も数えたことないし…。
この精神病の患者、只者じゃない!!
297 :
279:2006/05/05(金) 01:54:08 ID:jA2h5SnQ
「あと、8歳の頃から朝食は欠かさず白いご飯。
肉より魚が好きで、リンゴはダメだけどリンゴジュースは飲める!
目玉焼きには醤油派で、コロッケにはソース派。
好きな色は青、犬より猫派で、最後におねしょしたのは11歳の春。
お風呂ではまず左足から洗う、そんで頭は一番最後で…」
「もういい!! わかった! お前を俺の守護霊と認める!!」
「あ、ありがとうございます! 嬉しいです!」
またペコペコと頭を下げてくる。長い黒髪がちょっと邪魔そうだ。
いよいよ俺が幻覚を見ている可能性が高くなってきた。
「ちょっと失礼…」
幻であることを前提に、ちょっと大胆にチェックしてみるとしよう。
少しベットから乗り出して、彼女の胸に触ってみる。
「あ、柔らかい…」
着物で締め付けられてるけど意外とでかい? そして確かな感触、幻覚でもない?
「あーん、急に何するんですかっ! 恥ずかしいじゃないですか…」
その後、しばらく彼女は頬を赤くして静かに突っ立ていた。
俺も俺で、この状況を整理してうまいこと暇な日々から脱却できる光明を見出そうとした。
「恵太、入るわよー…」
突然ノックと共に聞こえたのは母親の声。
「まずい、そのクローゼットに隠れて!」
とっさに彼女に小声で催促した。
「あ、はい!」
母が入る寸前で何とか彼女はクローゼットに身を隠した。
298 :
279:2006/05/05(金) 01:55:16 ID:jA2h5SnQ
「あら、話し声が聞こえたけど、一人なの?」
「テ、テレビ見てただけだよ…」
「そう。 ならいいけど…。父さん、これから海外出張で、母さんもそれについていくから」
そういえば、俺も元気だったらついていく予定だった。
二週間程度の海外への短期出張、父にはよくあること。
俺が入院中であることをいいことに、今回は母も行くらしい。
その報告以外にも着替えやら、果物やらを持ってきてくれた。
危うくクローゼットを開けられそうになったけど何とか誤魔化せた。
あと、お詫びのつもりかクレジットカードを一枚置いていった。
「欲しいものがあったらこれで何でも買ってね」だそうだ…。
30分ほどして母が帰ると、クローゼットから守護霊が出てきた。
「わるいわるい…。 やっぱ母親でもこんな光景見たら驚くだろうから」
「大丈夫です! 私も急に実体化して驚いてます!」
もう可哀相なんで疑うのは止めて、守護霊なるものについて尋ねてみた。
「そういえばさっき、俺が事故ったの自分のせいだって言ってたけど、どういう意味?」
「えっと…、本来は主の危機を事前に察知して、
偶然を装いつつ避けて差し上げるのが私達の役目なんですが…。
私、またやっちゃいまして…」
「またってどういうこと…?」
嫌な予感がする。
「過去にも少々…」
「それは幼稚園の時、先生が手を滑らせて俺が地面に叩きつけられたやつとか?」
「すいません! 許してくれなんて言えませんっ!」
「もしかして小6の時、リトルリーグの県大会決勝で、ウォーミングアップ中に打球を喰らって
試合に出れずに病院送りになったやつとか?」
「すいません! すいません!」
「中1の夏、花火大会で風向きが急に変わって俺だけ火傷したやつとか?」
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
「中3の修学旅行の前日に盲腸に罹って俺だけ入院してたりしたやつも?」
「申し訳ありません! もう弁解のし様がないです!」
これもかっ!!
「そして、この前のバイクとの衝突?」
「もうしません! ごめんなさい! すいません!」
299 :
279:2006/05/05(金) 01:56:04 ID:jA2h5SnQ
絶句…。
「…ま、今こうして生きてるわけだから、強くは咎めないよ……」
「ごめんなさい〜…。 ですが、こうなったのも何かの縁ですっ!
何かお役に立てることがあれば何でもします!!」
彼女の惜しげもなく涙を流す姿を見て、もうこれ以上は責めるまいと決めた。
「じゃあ、暇だから話相手にでもなってよ。 今みたいな感じでいいからさ」
「わかりました!! 精一杯努力します!」
しかし、ふと時計を見ると6時半を回っている。一般面会の時間はもう終わる。
「と、言いたいけどもう今日は時間切れだからまた明日ね…」
「はい! ではまた明日来ます! がんばってお話します!」
そう言うと彼女は病室を後にした。
と、思ったのもつかの間、5分もしないうちに戻ってきた。
「すいませ〜ん。 私、何処へ帰れば良いんでしょうか…?」
「…さっきみたいに姿を消して側に居る事とか出来ないわけ?」
「どうやって姿を消せば良いんでしょうかぁ〜…?」
またも絶句…。
とりあえず、自宅の鍵を渡した。
両親は今頃、飛行機の中だろうし家には誰もいない。
生まれた時から俺の側にいるなら勝手知ったる場所でもあろう。
少し恥ずかしいけど、俺の部屋を自由に使っていいと伝え今日は帰した。
300 :
279:2006/05/05(金) 01:57:32 ID:jA2h5SnQ
とりあえずできてる分だけ投下
内容がスレチだったり、つまらんかったりしたらごめん
続きはそのうち
>>300 イイヨイイヨ(・∀・)〜!
貧乏神なら前スレにいたけど、守護霊は思いつかなかったなぁ。
少数派だろうけど、俺はエロが全く無くても、萌えられればそれで良い。
っつーワケで、続きに期待!!
>>279 じゅうぶん期待できる。いい感じです。
楽しみにしてるよ!
GJです。
ただ守護霊帰ったら主人公院内感染とかして死にそうな気がする。
test
ドジっ娘守護霊に
BIG萌えでございましゅ
306 :
279:2006/05/06(土) 15:02:43 ID:+PAKJq8R
翌朝、俺は7時前には目を覚ましていた。彼女が帰ってからちょうど12時間後。
寝ぼけた頭をかきながら、俺はまた彼女が来てくれるのを期待していた。
この時はまだ、やっと手に入れた暇つぶしの相手を渇望しているだけだと思っていた。
「おはようございまーす!」
俺はノックと共に開きかけているドアに目をやった。
だけど入ってきたのは、朝食の乗ったトレイを持ってきた看護士。
パンとサラダとスクランブルエッグ、朝から洋食なんて食べる気がしない。
フォークで適当に皿の上の料理を突っついているとまたノックの音がした。
今度こそ!?
―――違った…。
回診。ついでにほとんど手をつけていない朝食も下げてもらう。
「あれは夢か幻だったのかな……」
俺はまた窓の外を眺めながら独り言を呟いていた。
すると突然傍らにある内線電話が鳴った。
「あ、もしもし、今ロビーにあなたの妹さんとおっしゃる方が見えてるのですが…」
「え、妹?」
「はい、髪が肩より少し長くて、着物姿で、身分証明の類を一切持っていないと言うのですが」
「あ、俺の親戚の子だよ! 別に不審なやつじゃないから通しちゃって」
電話から数分後、守護霊が入ってきた。昨日と同じ着物姿。
「おはようございます! 入り口で妹って言ったら止められちゃいました…。
姉の方が良かったんでしょうか?」
「どっちも無理だと思うよ…。 あんまり顔とか似てないし。
それに家族構成は病院側に知らせてあるし」
「じゃあ、フィナンセなんてどうでしょうか!?」
フィナンセ? ああ、フィアンセのことか? 俺はまだ17なのにもう婚約か…?
「それは、ナースからメアド訊き出しにくくなるからダメ。 普通に親戚の子でいいじゃん…」
「実は生き別れの妹がいたというのはどうでしょうか?」
「い、いとこでいいんじゃない…。 それより、守護霊には名前はないの?」
彼女を呼ぼうとして、ふとそんな疑問がよぎった。
「えっと、ありません!」
「ないとこれから呼ぶとき不便だから、何か名前をつけていい?」
「あ、お願いしますっ!」
307 :
279:2006/05/06(土) 15:03:55 ID:+PAKJq8R
入ってから立ったまんまの彼女をとりあえずイスにかけさせて、俺はちょっと考えた。
「じゃあ、守護霊だから…。 レイ子とかどう?」
我ながら安直過ぎるネーミング。
「あ、いいですね、それ!」
しかも意外と気に入ってるようだ…。 でも実は何でもよかったとか?
「やっぱり、豚子とか?」
「困ります!」
「じゃあ、ジャイ子は?」
「他人です!」
「ブリッ子は?」
「違います!」
「おののいも子は?」
「男です!」
「ドジ子?」
「否定できません!」
「チン子は?」
「そ、そんなの付いてないです…」
「しょう子は?」
「しょ、証拠ですか!? そ、それは…、見せなきゃダメですか…?」
「違うよ、しょう子って名前だよ」
「へ…? あ、あははは…。 私一人でヤラシイこと想像してました……」
ちょっとからかってみた。 コロコロ表情が変わって面白いけど可哀相なんでもう止めとく。
「じゃあ、レイ子は?」
「あ、それがいいです!」
なんだ、別に何でも良いわけじゃなかったのか…。 安直だけどレイ子でいいか。
「じゃあ、レイ子にしようか」
「ハイ! 初めて名前付けてもらいました、嬉しいです!」
まあ、名前をつけたからって急に何が変わるわけじゃないけど
彼女はえらく喜んでたので、これには俺も悪い気はしない。
308 :
279:2006/05/06(土) 15:05:08 ID:+PAKJq8R
とりあえず、この足じゃ出歩くことも出来ないし、何か二人で出来る遊びでも
と、考えたけど結局思いついたのはベット脇の棚の中にあったトランプくらい。
「ババ抜きって知ってる?」
「あ、ハイ! ルールは知ってます!」
こうして世界一つまらないであろうカードゲーム、二人ババ抜きを開始した。
別に俺はババ抜きが強いと思ったことはないが、無傷の21連勝。
レイ子はバカ正直なくらい、思ってることが顔に出る。
そして22連勝目…。
「はい、これで俺の勝ち」
「う〜ん、恵太さんババ抜き強いです! まるで私の手札が見えてるみたいです…」
種明かしは…、今はしないでおこうかな。
しばらくすると、時刻は正午を少し回ったあたり。
腹の虫が鳴る音がした。俺か? と思ったらレイ子が顔を赤くしてうつむいてる。
だけど俺も、朝からろくに食べてないので空腹だった。
「あ〜あ、とりあえずここまでにしてメシでも食べよう。俺朝も食べてないから腹減ったよ」
ベットの上に散らばったトランプを回収しつつ言った。
「これでなんか買って来てよ」
棚の上にある昨日親からもらったカードを取り出してレイ子に渡す。
この病院は食事制限の診断が下っていない限り、昼食、間食に関しては自由だった。
「わかりました! 恵太さんの好きなホクホク弁当の幕の内デラックスを買ってきます!」
確かにわりとよく食べるけど、そんなにうまそうに食ってたかな…?
レイ子はスッと立ち上がるといそいそと病室を出ようとした。
309 :
279:2006/05/06(土) 15:05:54 ID:+PAKJq8R
「あ、ちょっと待った!」
「ハイ!? なんでしょう?」
俺は彼女の服装が気になった。 着物姿は似合ってるし嫌いじゃないけど
やっぱりこんな姿で街中をうろつかれたら目立ってしまう。
「クローゼットの中に俺のTシャツとジーンズが入ってるから着替えていってよ」
「わかりました!」
意外に素直に言うこと聞いたな…。 着物に愛着はないのか?
レイ子はクローゼットの前まで来ると帯を外し、思い出したようにこっちを向いてきた。
「あ、あの、目瞑ってて下さいね…」
「わかってるって」
だけど俺の中で天使と悪魔が葛藤する。和服を脱ぐ色っぽい音に思わず目を開きたくなる。
けど、あんまり変なことして彼女に愛想尽かされたら俺の人生が終わる。
いや、案外好転したりして…。 イヤイヤイヤイヤ、彼女もがんばってるはずだ!
目を瞑ってると、暗闇の中でかつてないほどの数の天使と悪魔が戦争している。
「恵太さん、ブカブカです!」
戦争の決着が着く前にレイ子の声で思わず目を開けてしまった。
目の前には、少しサイズの合わない服を着たレイ子が両手を広げて立っている。
「私の方が背が小さいからズボンなんてほらぁ…」
レイ子はそう言いながら裾を引きずりちょこちょこと歩いて見せた。
お…、しかも本人は気づいてないっぽいが下着を着けてない。
Tシャツから薄っすらと突起が浮き出ている。
「でも着物以外の服初めて着ました! なんか生まれ変わった感じです!」
レイ子が楽しそうにスキップで部屋を出ようとする。 マズイ!!
「ストーップ!」
「ハイ!? なんでしょう?」
「ま、まずズボンの裾をまくりなさい。 それとその格好はダサいから
上にシャツをもう2、3枚羽織るとベストだ!」
「なるほど! 参考になりました!」
なおさら不格好になったけど、あのままで出すよりはマシだよな…。
310 :
279:2006/05/06(土) 15:06:54 ID:+PAKJq8R
「遅い…!」
俺のイライラは空腹も手伝ってもう限界間際。 時計を見ると3時になる。
だいたいホクホク弁当なんて病院から歩いて10分もかからないじゃないか!!
「いや、待てよ…」
もしや、変なやつらにからまれてるとか、事故にあったとか…。
「……なんで俺が守護霊の安否を心配しなくてはいけないんだ」
立場が逆だと思いつつも彼女の身を心配しながら、空腹と戦っていると突然ドアが開いた。
「お待たせしましたぁっ!!」
俺は我が目を疑った。 部屋に入ってきたレイ子の両手には
はち切れんばかりに弁当が詰め込まれたビニール袋が抱えられている。 何事だ…?
「幕の内デラックス売り切れだったんで、どれにしようか悩んだ末
結局全部買って参りました!」
またまた絶句…。
「でも、このカードってのは便利です!
これだけ買ったもタダにしてもらえました!」
「違ぁーう!! 後で請求が来るんじゃー!!」
「え? せ、請求…?」
「そう! 支払いが後回しになるだけで結局は買った人がお金を払うの!」
「ええーっ!? そ、そうなんですか!? ご、ごめんなさい〜」
しかし、彼女の頬を流れ落ちる汗を見ると、
この暑い中出来立ての弁当を抱えここまで大変だったんだろう。
どうせ俺の金じゃないし、彼女も好意でやってくれたことだし、これ以上は…。
「いや、別にね、責めてるわけじゃなくてこの世界のシステムを知ってもらおうと思っただけだよ」
安易にカードを渡した俺も悪い。 それに無事で何より。
彼女も泣き出し…、いやもう泣いてるのでこっちが悪いことしてる気分だ。
「いや、もういいから。 ほら好きなの選べよ、御代わりも自由にしていいよ」
レイ子は適当にのり弁を取り出し、一口食べるごとに「すいませんでした」と謝罪してくる。
311 :
279:2006/05/06(土) 15:07:50 ID:+PAKJq8R
俺としては、落ち込まれるよりうるさいくらい元気なままの方が話し相手として都合がいい。
こっちから話しかけて元気を出してもらおう。
「レイ子?」
「すいません〜」
箸を休めない。
「ねえ、レイ子?」
「ごめんなさい〜」
かまわず次の弁当を取り出してる。 よく見ると3個目…。
「あの〜、レイ子ちゃん…」
「申し訳ないです〜」
「ねえ、俺の守護霊…」
「ハイ! なんでしょう?」
やっぱり、自分で気に入ったくせに名前忘れてたようだ。
「さっき名前で呼んだんだけど…」
「あ、そうでした!! せっかく恵太さんが付けてくれた名前なのに〜…。
ごめんなさい! ごめんなさい!」
まだ慣れてないからしょうがないとして、また彼女を追い込んでる感じ。
逆効果になってしまった……。
312 :
279:2006/05/06(土) 15:10:15 ID:+PAKJq8R
続き投下しました。
次くらいで終わる予定
ラストは悲しめとハッピーエンド二種類考えてあるけど特に要望なければ悲しめだけ投下します。
あと本当に申し訳ないけどエロは書けなくなってしまったorz
そんなこと言わずにハッピーも頼んますよ〜
ハッピー!ハッピー!
現実も辛いのに物語まで悲しいなんてイヤだ!
>守護霊だからレイ子
守護霊じゃなくて、自縛霊でも浮遊霊でもレイ子なのでは?
とりあえずつっこんでおくw
プレジャーガウストのバス子、フロ美に続くテキトー名前だな。
とりあえず俺はハッピーエンドを希望してwktkしておく。
でもやっぱ、エロは欲しかったなぁ。
語り手云々でザワついたあとだしなぁ……。
そういえば語り手の作成中の作品はどうしたんだ?
補填とやらは?
むしろ俺はこのお話ではハッピーエンド以外認めん。
レイ子カワイイよレイ子。
319 :
279:2006/05/08(月) 14:18:21 ID:Im4TYIwW
しばらくしてレイ子が口を開いた。
「でも恵太さん、無事で良かったです」
「ん? いや足は無事じゃないよ…」
「いえ、今朝です。 病院の朝ごはん食べませんでしたよね?
実はあれ、異物が混入されてて食べてたら大変なことになってました…」
「マジで…?」
「ハイ、病院側はまだ隠してますけど」
一瞬背筋がゾッとした。 朝は洋食だったから食べる気がしないだけだと思ってた。
「これはレイ子の力なの?」
「ハイ、そうです!」
そういえば偶然を装いつつ危機を避けるとかなんとか言ってたな。
こういう風にいつも知らぬ間に避けてくれていたのか…?
「ありがとう」
彼女からすると当然のことをしただけなんだろうけど。
「そ、そんな…。 お礼言われたのなんて初めてで照れちゃいます…」
「離れてても効くんだ?」
「いえ、程度にもよりますけど…。
っていうか私の場合近くにいても満足に守護できないんでやっぱり…。
すいません…」
別に、最初から俺は彼女を悪く言うつもりはない。
これまで17年間ミスもあっただろうが、彼女に救われたことも数知れない。 はず…。
「あのさ、約束しよう…」
「約束ですか…?」
レイ子は3個も弁当を食べて満足したのか、お茶をすすりながら不思議そうな顔で見てきた。
「うん、もう簡単に“ごめんなさい”とか“すいません”とか言わなくていいよ。
俺はレイ子の今までの行動をまったく責める気はないし、
それと簡単に謝ってるといざという時の“ごめん”に重みがなくなるし…」
「そ、そうですよね!? すいませんでした!」
「…ほら、また」
「あ、すいません…」
「…………」
思わず吹き出してしまった。 それを見てレイ子もようやく笑ってくれた。
320 :
279:2006/05/08(月) 14:19:27 ID:Im4TYIwW
「でさ、レイ子も何か俺に守って欲しい約束とかない?
例えば、度胸試しとか言って危険なことすんのは止めろとか、
一日一回感謝の言葉と、お供え物用意しろとか…」
「え、そんな恵太さんを拘束するようなことなんて滅相もないです…」
「でも一方的じゃあれだし、なんかない? なんでもいいよ」
なんかレイ子は言いにくそうにしている。
「なんでもいいからさ」
「…ホントになんでもいいんですか?」
「だから、なんでもいいって。 すごい面倒くさそうなのでも、簡単なのでも」
「じゃ、じゃあ、もしもですよ、もし万が一の場合の話ですよ!」
「うん」
「いや、億が一の場合かもしれないです、ちょ、兆が一かもしれないですけど…」
「早く言ってよ」
「あ、あの、私がもしも元の姿に戻れなかったら、側に居させてくれませんか…?」
「いいよ」
「そ、そうですよね〜、
恵太さんだって将来自分の愛した人と結婚して二人で幸せな家庭築きたいですよね〜…」
俺は結婚なんて長期的展望は想像してなかったけど、別にためらいはない。
「だから、別にいいって」
「そうすると、私ってやっぱお邪魔ですよね〜…」
だって俺が生まれてからずっと側にいて、間違いなく親よりも俺のことを知ってる。
そして、誰よりも俺のことを気にかけてくれている存在。
「だ か ら、いいって! その約束守るよ」
「ですよね〜、私、恵太さんの奥さんに嫉妬して呪い殺しちゃうかもしれないし〜…」
そんなことも出来るのか!? こりゃうまく利用すれば完全犯罪も夢じゃない…。
いやいやいや、何考えてるんだ俺! というか話聞いてないな…。
「じゃあ、俺誰とも結婚しないよ。 レイ子が側に居ればいいじゃん」
「やっぱりこのままの姿だったら、屋根裏か縁の下でひっそりがんばるべきなんでしょうか…?」
「だからね、俺誰とも結婚しないでレイ子に側に居てもらうよ。 約束する!」
「ですよね〜、やっぱり姿が見える守護霊なんてうざっ………、え? 今なんと?」
「俺も恥ずかしいから何度も言わせるなって! OKってことだよ」
「ホ、ホントですかぁ!? いや、これは夢に違いありません!!
そもそも私が実体化した辺りから夢なのです!」
レイ子はそう言って突然、自分の頬を両手でつねりだした。
「痛いです…。 最近の夢は痛みも感じるみたいです…」
守護霊でも夢を見るのか? ま、よく食べるし、たぶん寝ることもあるんだろう…。
「ねえ。レイ子?」
「ハイ、なんでしょう?」
「じゃあ、このことは二人の間の約束だから…」
俺はそっと右手の小指を立てて指きりを要求した。
だけどレイ子はそれを両手で握り返してきた。 指きり見たことないのか?
「ハイ! 約束です!! 破ったらハリセンボンですね!」
一応知ってるっぽい。
321 :
279:2006/05/08(月) 14:20:38 ID:Im4TYIwW
ふと気づくと、窓の外は夕焼けで赤く染まっている。今日は久々に一日が一瞬で過ぎた気がした。
面会終了。 ちょっと前までは独りになるのが待ち遠しい時もあったけど、正直今はこれがウザい。
また退屈な時間だ。 俺はくだらない番組を垂れ流しにしているテレビを消し
イヤホンを付け音楽を聴きながらまた外を眺めていた。
すると突然ドアが開いた。 時計に目をやると8時を回る頃。
病院関係の者がこの時間に来たことはない。 誰だろう?
「恵太さん、こんばんは!」
なぜかレイ子がゆっくりドアを閉め小声でささやきながら入ってくる。
「あれ!? どうしたの、こんな時間に?」
「トイレに隠れてたらバレませんでした! 明日からもこの方法でいけますね!」
あのドジなレイ子に易々と侵入を許すこの病院のセキュリティって…。
「私、まずいことしちゃったんでしょうか…?」
俺が驚いて呆然としているのを見て、レイ子が尋ねてきた。
「夜に侵入したことがバレたら、つまみ出されて海外に売られてしまうんでしょうか…?」
何処の世界のいつの時代の話をしてるんだか…。
「そんなことはないと思うよ…。 ま、せっかく残ってくれたんだしゆっくりしていきなよ」
「いいんですかぁ!? やった! やっぱり恵太さんの側の方が落ち着きます、私」
「―――さん、恵太さん!! 起きてください、大変です!」
突然レイ子の声で起こされた。
あのまま俺は10時くらいまで、二人で話をしていたのは覚えている。
けどいつの間にか寝てしまっていたらしい。
辺りはなぜか煙たく、夏だからということ以上に蒸し暑い。
「…ん? なんかあった?」
「火事みたいです! もう外は煙でいっぱいで、…えっと、とにかく大変です!」
まさか病院が火事になるなんて、と思ったけど周囲の状況を冷静に見てみるとどうも嘘ではないっぽい。
「ホントにすいません! 私も寝ててついさっきまで気づきませんでした…」
そっか、また俺は大変な事態に巻き込まれちゃったみたいだ。 隣でレイ子が慌ててる。
自分で死ぬ勇気はないけど、迫り来る死に対してなぜかそれほど恐怖はなかった。
「レイ子だけでも逃げな…」
外がどれほどの惨事なのか俺には確かめようがなかったけど、
まだ救助されてないってことはもう助けられない状況なんだろう。
「俺は歩けないから無理だけど、レイ子だけでも屋上とかに逃げて救助してもらうといい…」
「そ、そんなことできるわけありません! 約束ですから!」
こんな時まで健気にそんなこと守らなくてもいいのに…。
ドアにある曇りガラスの向こう側が赤く染まるのが見えた。
物凄い異臭までしてきて、意識も遠くなってくる。
322 :
279:2006/05/08(月) 14:22:05 ID:Im4TYIwW
「恵太さん、聞いてください。 守護霊が主を守るために自分の命を捨てることは珍しくありません」
もうダメかな…。 そう思ってた俺にレイ子がいつになく神妙な顔で話しかけてきた。
「そうすると私はもう恵太さんの守護霊ではなくなってしまいます。でも安心してください。
また別の守護霊がついて恵太さんが死ぬまで何らかの形で守ってくれます」
だいたい言いたいことはわかった。
何とかして止めさせたかったけど煙で咽てもう声にならない。
レイ子は両手を胸の前で合わせて祈りでもささげているような姿。
俺もそこでまた意識が途切れてしまった――――
再び俺が目を覚ましたのは救急車の中だった。
どうやら“俺は”助かったみたい。 だけどレイ子の姿はここにはなかった。
救助隊の人の話し声が聞こえる。 あの状況で生きていたのは奇跡だったらしい。 奇跡か…。
―――あれから数日が過ぎた
別の病院に搬送された俺は、しばらく色々検査を受けたが火事による後遺症はなく
また前の病院の時のように個室に入れてもらえた。
ニュースや新聞で、火事のことについていくらか取り上げられていたけど、
俺は『クローゼットの中から持ち主不明の着物が見つかった』という報告以外は耳に入らなかった。
最初のうちは、友達やら親戚やらの訪問や、まだ海外にいる両親から安否を気遣う電話などが入り
慌ただしかったが、最近はまた静かになり以前以上に俺は抜け殻みたいになっていた。
「暇だな…」
窓の外を眺めながら独り言を呟いた。 外に見える景色にももう新鮮さはない。
「ホンットーにすいませんでした!!」
俺は誰も居ないはずの病室から声が聞こえ心臓が止まるくらい驚いた。
恐る恐る振り返るとそこには女が立っていた。 レイ子だった…。
「それは言わない約束だろ……」
俺の口から反射的にそんな言葉が漏れた。
「私、恵太さんの守護霊じゃなくなってしまったと思ったら、人間になってました!」
これが夢か幻かどっちでもよかった。
「でも、もう私の力で恵太さんを守ることは出来なくなってしまいました…。
これで私は本当の役立たずになってしまいました……」
「それじゃあ、以前と変わらないじゃん…」
「あー、ヒドイです! そんなに率直に言わなくてもいいじゃないですかー!!」
レイ子が飛びついてくる。 確かな感触。 幻覚ではない。
「今までありがとう。 そしてこれからもよろしく―――」
323 :
279:2006/05/08(月) 14:29:56 ID:Im4TYIwW
これで終了です。
GW出勤したおかげで変な日に休日が取れて、こんな時間に投下してみました。
悲しめエンドは載せるの止めました。
あとエロかけなかったんで次回書くとしたら少しはエロ載せて書こうと思います。
読んでくれた人 ありがとう
萌えた。GJ!
ストーリーとしては平易な気がするが、レイ子と主人公の漫才風掛け合いは微笑ましくてよかったよ(゚∀゚)
またなんかネタがあったら書いてくれ!!
めくるめくめくめくGJ!
やっぱハッピー!ハッピー!
次回はエロも頼んだ!
327 :
318:2006/05/09(火) 02:52:13 ID:ktfsQsLM
だから言ったろ?
このお話にはハッピーエンド以外無いって。
こんなドジで健気で優しい良い娘、幸せにしてあげなきゃあ男が廃るってぇモンよ。
ホント、バカみたいにいい娘だ。
あんな娘幸せに出来なきゃ男の名折れだ、地獄行きだぜ。
なあ?おい。
っつーかもしハッピーエンドじゃなかったら俺は作者を恨んでたかもww
よくわからないけど、
>>327が自分勝手だということはわかった。
かわいすぎる、GJJJJ
>>328 遠回しのGJを扇るんじゃない(´・ω・`)
330 :
279:2006/05/09(火) 19:01:24 ID:w+RtQnb4
いろいろ感想ありがとう
もうレイ子は人間になってしまったんでスレ違いになってしまうかもしれないが
軽い後日談を載せようと思うんだけどいい?
オッケー。
あくまでも結果としての後日談ならば、スレの趣旨からも外れないだろうし。
>>332 いや、この話の後日談はエロ無しの方がいい気がする。
エロは次作品のがいいかな〜
なんて思った。
後日談と次作品を期待してます!
ここまできたらエロのあるなしは作者さん任せ。
335 :
279:2006/05/10(水) 18:40:58 ID:YMpOhqjQ
恵太の日記
×月○日 晴れ
退院してもう数週間が過ぎた。今日レイ子の服を買うために街まで一緒に買い物に出かけた。
まだ足に違和感はあるけど、リハビリがてらに歩くのもいいだろう。
あれからレイ子はうちの家族の一員となったけど、服とかは俺や親戚のお下がりを着てた。
年頃の女の子にそれはちょっと可哀相なんで、今月の小遣いはレイ子の為につぎ込んでやろうと思う。
とりあえず、デパートをいくつか回ってみてレイ子に何が欲しいか訊いてみた。
けどレイ子は「恵太さんの選んだものがいいです!」とか言ってきて参った。
女の服なんて選んだことないし、学校ではみんな制服着てるから何が流行とかも詳しくない。
結局店員さんにコーディネートしてもらったやつを4、5着買った。
ついでに着物売り場があったので、着物の買ってあげようと思った。
昔レイ子が着てたやつと同じような柄のやつを買おうと思ったけど、高い…。
着物ってこんなにするのか!?
しかたなく貯金を下ろして買ってあげたけど、この出費は痛い!
でもレイ子は着物の入った袋だけは大事そうに抱えてえらく嬉しそうにしてたんで良しとしよう。
帰りがけに、守護霊が見えるという占いの店があったんで入ってみた。
中は紫を基調にした内装で、それっぽいムードをかもし出してた。
水鏡の前に占い師らしき女の人が座っている。
なんでもこの水鏡に守護霊の姿が映し出されるらしい。 にわかに信じ難い。
まず俺の守護霊を見てもらった。
すると占い師は「あなたは最近守護霊が変わりました」と言ってきた。 こいつデキるな…。
水鏡を覗き込むと俺の背後にシワシワのばーさんが写ってた…。 ベテランオーラが出まくってる。
頼む! 俺はあなたがミスを犯しても絶対責めないからレイ子みたいに化けて出てこないでくれ!!
次にレイ子の守護霊も見てもらった。
俺も覗き込むとレイ子の背後に、どう多めに見積もっても2、3歳くらいの赤子が写ってる…。
よく見るとまだオムツを履いているじゃないか!!
こんな自分の世話も満足に出来そうにないやつに守護されるなんて…。 死ぬなよレイ子!
帰り道、レイ子の脇を自転車が通りかかるだけでドキドキする。
家に着いてから俺はレイ子に「これから出かける時は絶対俺と一緒に行くんだよ」と念を押した。
人の心配をよそにレイ子はなんだかとても嬉しそうにしていた。
お前の守護霊が頼りなくても、俺が守ってやるからな! とは恥ずかしくて言えなかったけど。
336 :
279:2006/05/10(水) 18:41:48 ID:YMpOhqjQ
レイ子の日記
◎月□日 晴れのち雨
今日恵太さんのお母さんに、お使いを頼まれました。
早速この前買ってもらった服を着て出かけようとすると、恵太さんが慌てて付いて来てくれました。
せっかくの日曜日なんだからゆっくりしててもらいたかったけど嬉しい!
まず、お隣さんへ“かいらんばん”というのを持って行ってと言われました。
でも、家を出て私は困りました…。 右隣と左隣に家がある!! どっちが正解だろう…?
恵太さんに訊いたら「どっちでもいいじゃん」と言われました。
直感で右の家に行ってみます! ここはおっきい犬がいていつも吼えられる。
怖いのをこらえて中へ入るとやっぱり吼えられました…。
家の人に“かいらんばん”を渡そうとすると、「もううちには回ってきたわよ」と言われちゃいました。
ハズレみたい…。 これは吼えられ損な気がします…。
今度は左の家の人に“かいらんばん”を持って行きました。
ここはいつも無愛想なおじさんが出てきます。
おじさんは恵太さんを睨みつけてたけど、私を見てニヤニヤしてました。
私の顔に何かついていたんでしょうか…?
次に夕飯の材料を買ってきてと頼まれました。 今日の夕飯はなんだろう?
そういえばうちで一番食べるのは私だって、この前お母さんが褒めてくれました!
駅前のスーパーに行くと、すごい数の人が来てました。
あんまり人ごみは好きじゃないけど、恵太さんが「はぐれるとまずいから」と
密着して手をつないでくれたのでこれはとてもラッキー!
でも、お母さんから渡されたメモを忘れてきちゃいました…。
困り果てて恵太さんにすがると「カレーでいいよ。 俺カレー食いたいし」と言ったので
カレーの材料を買ってお店を出ました。
決断力のある人って頼りになります! 危うくスーパーの食材全部買うところでした。
帰り道、突然雨が降ってきました。 夕立というやつですね!
霊体だった時は、濡れなかったので気にしてませんでしたが意外と厄介なものです。
でも恵太さんは傘を持ってきてました。 準備のいい人って頼りになります!
一本の傘に二人で入るのでまたまた密着、今度から雨が降っても傘は持たないで行こうと思います。
恵太さんに「夕立があるってことは朝立もあるんですか?」って訊いたら
恥ずかしそうに「そ、それは、企業秘密だ…」と言われました。 う〜ん、気になります…。
家に帰ったらお母さんがすき焼きの準備をしてました。
豚肉とニンジン、ジャガイモ、タマネギのすき焼きが夕飯でした…。
うまく具が煮えません…。 みなさん、ホントにごめんなさい……。
337 :
279:2006/05/10(水) 18:42:36 ID:YMpOhqjQ
レイ子の日記(おまけ)
☆月▽日 晴れ
今日、お天気が良かったので恵太さんと公園でキャッチボールをしました。
私は“みっと”というのを貸してもらいました。
リトル、シニアでエースだった恵太さんのボールなんて私に取れるはずないのに〜。
さらに恵太さんは「肩が暖まってきたから今度は座って」とか言ってくる。
私は休憩かと思ったら、“きゃっちゃー”にさせられてしまいました。 助けて〜…。
恵太さんは「軟球だから大丈夫」って言ってるけど、どこが大丈夫なのかわかりません!!
結局一球も取れなかった…。 恵太さんに「まだまだだな〜」なんて言われました。 当たり前です!!
家に帰って、テレビをつけるとプロ野球の試合をやってました。
でもそこで解説の人が“きゃっちゃー”を『女房役』と言っているのを聞いてしまったのです!
そういうことだったんですね、恵太さん!!
明日は私からキャッチボールに誘ってみようと思います。 私立派な“きゃっちゃー”になります!
恵太の日記(おまけ)
□月△日 くもり
今日レイ子がキャッチボールに誘ってきた。
この前は全然捕れなかったので、まさかレイ子から誘われるとは思わなかった。
でも最近プロ野球中継見ているので、意外と野球好きなのか?
レイ子が怪我するといけないので今日は、公園のベンチに空き缶を並べて
それに当てるゲームをしようとしたら、「私キャッチャーをやりたいんです!」とか言われた。
まあいいか。 今度はゴムボールを使ってかる〜く投げてやると半分くらいはレイ子も捕れた。
なんかやたら喜んで「私立派なキャッチャーになれますか!?」って訊かれた。
とりあえず「いいセンス持ってるよ」って答えてあげた。 立派なキャッチャーになりたいのか?
夜、家に帰ってインターネットを使って地元で活動してるソフトボールチームを探して、
レイ子も入れそうなやつをいくつか紹介してあげた。
でも「違います! 私恵太さんのキャッチャーになりたいんです!」って言われてしまった。
これって、どういう意味だ……??
338 :
279:2006/05/10(水) 18:45:13 ID:YMpOhqjQ
日記形式の後日談投下
ここまでお付き合いありがとう
またそのうちなんかネタできたら投下するよ
>>332エロなくてスマンな
乙! GJ! 神!
なんかすごくユルい感じでいいよなw
おれにもレイ子みたい守護霊がついてて、ある日突然目の前に現れてくれないかな
>>341 ・・・そういう事を考え始めたら、魔法使いまであと一歩だぞ。
30歳まで童貞でいると、大魔法使いになるらしいぞ。
マジか?
だがおれは無理だ
誰か大魔法使いになってみてくれ
大まであと三年の俺ガイル
大魔法使いになれるんだからいいジャマイカ
俺魔法使い見習い。
師匠は会社の上司。
来月には魔法使い
もしかしたらならないかも知れないけどねー
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ でもきっとなれるよ!
ヽ 〈
ヽヽ_)
×なれる
○ならなきゃならない
魔法使えたってうれしくないやいチクショー
魔法使いになれば死霊術で幽霊娘、ゾンビ娘、スケルトン娘呼び放題。
ならば目指すっきゃない。
>>349 あきらめたらそこで試合終了だよ。
ゾンビ娘かぁ・・
問題は食べ物と彼女自身の煮崩れだろうなぁ・・
煮るのか!?
ちょwwww
スケルトン娘って、ただの骨だろwww
>>352 いっしょにお風呂というシチュを思い浮かべるんだ!
スケルトン娘はダッチワイフの中に入ってもらってハァハァすればよろしw
ラブドールの骨格!?
イエス、ケストレル。
>>351 ヴァンパイアのザベルやレイレイみたいなタイプならその心配はいらないぜ兄弟。
>>359 そんな怪談話あったな。アレはじいさんだけど。
普段は骨でも、状況に応じて肉が付くというのはどうだろう。パイレーツオブカリビアンみたいに。
むしろあれとは逆に、月夜の夜だけ肉が付くから、窓を開け放ってズッコンバッコン(ry
そういや語り手とかいうコテはどうしてるんだ?
>>361 でも普段の印象が強すぎてやりにくいんジャマイカ?w
>363
人間の性欲を嘗めちゃいけない。
それはそれ、今は今、で乗り切れるのさw
好きになった骨娘が月夜に肉つきおにゃのこになって
告白してきたらそらあんたもう肉体的ツンデレで
普段はホネホネスケルトン娘だが、いざエチいことする段になれば、
空中元素固定装置を使って、空気中の元素から肉を作り上げて人間化。
終わった後は、永井豪先生に御礼を言って道具返却。
肉付け設定は無い方が、萌えないか?
骨のみのスケルトン娘の何が悪いの?
肉なんて飾りです、偉い人にはそれが分からんのです。
骨に直接こすりつけるのは痛そうだなあ
>>369 本当に恐ろしいスケルトン娘のフェラチオ
抱きつかれたら肋骨ささるんじゃねーか?
ラブコメか!? ラブコメなのか!?
それはほら、戸川純も歌っているではないですか。
「Hold me, あばらが音を立てて折れるほど」と。
なんのこっちゃ。
好き好き大好き♪
好き好き大好き♪
好き好き大好き♪
"愛してる"って言わなきゃコロス♪
骨格良ければレイシー先生大満足。
おまえら妄想力たくさんあるのなら、それを文章にして投下してみてはどうかね?
悲しい事に文章力は無いのだな
376に文章力がないことは、メル欄を見てよく解った
>>376 風俗嬢のフェラよりも少女のたどたどしい口付けの方が喜ばれることもある。
と、いち書き手の負け惜しみ。
そりゃその少女自体に魅力があればな
まぁ、外見も心もぱっとしない女はテク磨くしかないよな。
つまり素材に魅力があれば多少の技術不足もなんとかなる、と。
いや、歯を立てられたりしたらさすがにアイターだが
382 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 23:57:27 ID:TqZTnlOe
キモヲタが何言っても説得力無いし
よしアンデッド繋がりでヴァンパイア娘だ。
貴族っぽいゴスでロリな高貴系高飛車娘なんだけど
長いこと生きてるので大抵のプレイには飽きていて、最近では過激なプレイしか受け付けない。
つまりガチなマゾ。
すぐ回復するので本人的には猟奇プレイもオッケーなんだけど
さすがに引く人間も多いので自重してるそんな悩めるお年頃(263歳)
他殺志願を思い出して萎えた
>>383 あろひろしのマンガであったな。
くい打ちプレイとか、日光プレイとか、聖水プレイとか……
お初にお目にかかります。
アンデットの流れぶっちぎってしまいますがSS投下させていただきます。
「し、死んでください」
俺は目が点になった。
俺の部屋に突然女の子が現れたと思ったらいきなりこれだ。
「なぜ?」
「え?なぜって、えっと。えっと、あの」
女の子は小学校高学年くらい。
黒いローブと黒いとんがり帽子。
そして、彼女の身長ほどありそうな鎌を背負っていた。
「馬鹿ねぇ。だから何も言わずに殺っちゃいなって言ったのよ」
「でもでも」
少女の隣に徐々に別な少女が実体化してくる。
こちらは俺と同い年くらいで、黒いビキニ水着だ。
「まったく。休暇潰して教えてあげるんだから、少しは言うことききなさい」
「は〜い」
少女が大きく手をあげて返事をする。
「ってわけで。ごめんなさい!」
謝りつつ、背中の鎌をなれた手つきで手にすると、俺目掛けて振り下ろす。
ひょい。
「あ〜。避けないでください」
「避けなきゃ死ぬだろ」
「だから、死んでください」
「何で死ななきゃなんねぇんだ」
俺は少女の手から鎌を取り上げる。
思ったほど重くはない。鉄じゃないな。ひょっとして玩具か?
「あ〜あ〜。かえして〜。かえしてください〜」
俺が鎌を高く掲げるように持つと、少女の手はぜんぜん届かない。
俺の周りを回りながら跳ねているが無視しておこう。
「あんたなら話出来そうだな。で、あんたらはなんだ?」
「死神」
「ふぅん。ってことは、あんたは死神で、こっちのちっこいのは死神見習いってとこか?」
「へぇ。冷静なのね」
「まぁな」
気の狂った殺人鬼が平気で街を徘徊するようなご時勢だ。
死神がいてもおかしくはない。むしろ、こんな可愛い死神なら大歓迎だ。
「で、なんで俺が死ぬってことに?」
「さぁ」
「さぁって。あのなぁ、そんなんであんた等に生死を決められてもなぁ」
「そのあんたって言うのやめて。私はフィナ。こっちは妹のミーナ」
フィナは大きな胸を見せ付けるように、胸をそらし俺の方を見る。
ミーナは相変わらずぴょんぴょんだ。
「にしても、けっこう肝が据わってるのね。気に入ったわ」
「気に入ってもらえて俺も嬉しいよ」
フィナが俺に近づいてきてしなだれかかる。
彼女の髪は甘くていい匂いだ。
「どう?死ぬ前に楽しまない?」
「それは嬉しい提案だけど、死ぬのは勘弁」
「頑固ねぇ」
「そりゃそうらろ」
はれ。なんか、頭がクラクラしてきた。なんか、呂律も。
俺はフィナを引き剥がし顔を見る。
その顔はに引かれた真っ赤な口紅が三日月型に微笑んでいる。
「ダメ!!」
俺とフィナの間にミーナが入ってくる。
「フィナはね。魅了の魔法が得意なの。むぅ、手は出さないって言ったでしょ!!」
「はいはい。それじゃあ、私は行くわよ。あなたはあなたなりのやり方でやりなさい」
フィナは来たときと同じように少しずつ消えていく。
あのまま身を任せてたらやばかったんだろうな。
「ありかと」
「あ。魅力の魔法を解かないと。えい」
俺が脱力していると、ミーナに鎌を奪い取られた。
「ちょっと待っててください。う〜う〜う〜う〜」
何か呪文のようなものを唱え始めた。
ん。頭ははっきりしてきたけど、なんか、今度は体が。
「ちょ、えっ!?んっっっ」
俺はミーナを抱き寄せ唇を奪った。
それも舌を絡め貪るように。
「あぁ。んっっ」
「ミーナ」
「あ。ダメです!!」
ローブを捲り上げるとそこにはかぼちゃパンツだけが見えた。たしか、ドロワーズだったか?
まだ幼さの残る肢体、膨らみかけた胸。なぜか、俺はそれにとてつもなく欲情していた。
「はむ」
「んっっっ」
俺は胸に口付ける。
先のとかがった胸は柔らかく、暖かかった。
「ひゃふっ。だ、だめです。ぁぁ。そんな」
乳首は小さいながらも硬くなり、俺はそれを舌で転がす。
動じにドロワーズを下げ、脚の間に手を滑り込ませる。
「だ、だめです。そこ。そこは」
まだ閉じたままの小さなスリットを指でなぞる。
「きゃぅっ」
同時に背を仰け反らせるミーア。
「ミーア。可愛いよ」
「はぁはぁ」
俺はミーアを完全に全裸にした。
「あれ。フィナと違って黒髪なんだ」
「はぁはぁ・・・あ、はい」
「まだ短いけど、長くなったたらすごく綺麗な髪になりそうだな」
「ありがとう。んっっっ」
俺がミーアの脚の間に顔を突っ込み、彼女の秘部を舐める度に体が小刻みに震える。
一生懸命に声を出さないようにし、手でシーツをがっちりと掴んでいる。
なんだか、それがすごく愛おしく感じてきた。
「ミーア」
「え?」
「入れていい?」
「交尾・・・するの?」
「セックスって言うんだよ」
「セックス・・・うん。いいよ」
俺は指でミーアのスリットを開き、膣口に指をあてがう。
なんとか小指が入る程度か。
無理矢理やったら裂けてしまうんじゃないだろうか。
「大丈夫だよ。だから」
俺も今更我慢しろと言われても無理な話だった。
頭と体は完全に別物と化し、こんなことを考えながらもミーアの体を持ち上げ俺の上に下ろしていた。
「くっ」
先っぽが少し入っただけでキツイ。
「痛いぞ」
「大丈夫我慢する」
俺はゆっくりとミーアの体を下ろす。
ミチミチと音を立てながらそれは進入していく。
「ぎぃっ・・・っ・・・はっ・・・」
あまりの痛さのせいだろうか、ミーアの呼吸がおかしくなってきた。
まともに息が出来ていない。
俺は彼女を楽にする方法として、ここでやめるを選択できなかった。
「ミーア」
俺は一気に彼女の体を押して下ろした。
あまりのことに彼女はパクパクと口を動かし、目を見開いている。
下を見ると血がダラダラと垂れている。
破瓜だけじゃなく、やはり少し裂けてしまったのかもしれない。
「大丈夫。じゃないよな」
「はぁはぁ・・・大丈夫です・・・少し待ってください」
ミーアはそれだけ言うと、目を閉じて何か呟く。
股間が熱くなる。
膣内が拡張と伸縮を繰り返し俺の刺激し始める。
「大丈夫・・・魔法で、痛み・・・減らしましたから」
本当に痛みを減らす魔法なんだろうか。
「じゃあ、動くよ」
「はい」
俺は彼女の体を持ち上げると、また一気に下げる。
「ひゃんっ」
ものすごく気持ちがいい。
ミーアの膣内が適度に優しく包んでくれている。
俺はまるでミーアをオナホールでも扱うかのように上下に何度も動かした。
優しさなんてかけらもかけていない、ただの俺の性の道具として。
「はっはっはっ。や、ダメ。あ。あ、くる。なんか、あ、ぁぁ」
膣内がひどく締まる。
俺もそれに耐え切れなくなる。
「出すぞ」
「ゃぁっ、ぁ、ぁ、ぁっ、ぁっ、ぁぁぁぁぁぁぁ」
ミーアが仰け反り締め付けが最高点に達すると同時に、俺も彼女の子宮向けて精液を発射してしまった。
「ごめん」
「いえ。私が魔法を間違っちゃったから」
俺とミーアはベッドに並んで座っていた。
ベッドは俺の精液とミーアの血とおしっこで濡れていた。
「それに、汚しちゃいましたし」
「それは俺が全面的に悪い」
お互い、それ以上何も言えずにお互いうつむいていた。
「あ、そうだ。あのさ、説明してくれるか?」
「あ。はい」
コーヒーを注いでミーナに渡す。
「ありがとうございます。私たち見習い死神の最終試験なんです。魂を狩って持っていくっていう」
「ほう」
「で、それは犬とか虫とかでもいいんですけど、魂は強ければ強いほど、卒業後の生活がよくなるんです」
「で?俺がその強い魂だと?」
「え。あ、そうですね。こういう話でも全然動じないのでかなり強い魂だと思います」
「あれ。俺の魂が強いから俺を襲ったんじゃないの?」
「あ、あの、えっと。えっと、あちち」
ミーナは照れ隠しでもするかのように慌ててコーヒーを飲む。
けど、淹れたてだし熱いのはわかってたと思うんだが。
「大丈夫か?」
「はひぃ。やけとひましたぁ」
こんなのが死神やってていいのか?明らかに落ちこぼれっぽいが。
ふむ。死神がコーヒーを一生懸命ふーふーと冷ましているのはかなりシュールだと思うのだが。
「あの。不躾な質問なんですが」
「なんだ?」
「お名前、教えてもらえませんか?」
ぶっ。さ、さすがにコーヒーを噴出しそうになった。
こいつは名前の知らない奴を殺そうとして、抱かれたのか。
「啓祐。池内啓祐」
「啓祐さま・・・いい名前です」
「ありがと」
なんか調子狂うな。
「あのさ。確かにさっきは俺も悪いことしたし、けど、命をやるっていうのは」
「あ、時間!!」
突然、ミーアが立ち上がり悲鳴にも似た叫びをあげる。
「ん?」
俺は時計を見る。
丁度、0時になった。
その瞬間、俺は目を疑った。
俺の部屋が真っ白な部屋に。いや、俺の部屋じゃない。だだっ広い端の見えない真っ白い場所に俺は立っていた。
「どこだここ?」
「失敗・・・してしまいました」
俺の足元にはミーナがいる。
悲しそうな顔でうつむいている。
「ミーナ。残念でしたね」
上から声がする。
さすがにこれは俺も絶句した。
俺の上には天井は無く。変わりに巨大な人物の顔で埋め尽くされていた。
「先生!」
先生?あぁ、死神見習いの?
「ミーナ。あなたはもう少し利口な子だと思っていました」
顔は男とも女ともとれる両性的な顔だち。声も中性的な声だ。
「なぁ。失敗したらどうなるんだ?」
「消滅します。不必要な死神は必要ありませんからね」
「な!?おいおい、それはちょっと理不尽じゃないか?」
「掟には従ってもらいます。ミーナもその覚悟はできています」
「啓祐さま。最後に、啓祐さまとお話できただけで十分です」
ミーナは俺のズボンの裾をぎゅっと握って離さない。
そりゃそうだろ。いくら掟だろうがなんだろうが死ぬのが怖くない奴なんていない。
「わかった。あんたも先生なら少し寛大になれ」
「なんです?」
「俺の命をミーナにやる。多少時間は過ぎたかもしれないが、それなら文句ないだろう」
「え?」
「俺の魂は強いんだろ。なら、それで少しくらいの時間オーバーは目をつぶれ」
上空の顔は渋い顔になるもののダメではないらしい。
「啓祐さま」
「いいぞ。ただし、痛くないようにしてくれ」
俺はミーナの前に立ち目を瞑る。
「あは。ごめんなさい」
短い命だった。
16年間恋人も出来ず、ただ悶々と過ごしてきてしまった。
けど、最後にミーアといい思い出ができたからいいか。
・・・
ん?
全然死ぬ気配が無い。
「ミーナ?」
俺は恐る恐る目を開ける。
「ミーナは先ほどの位置に倒れている」
「おい。おい!!どういうことだ!!!」
「ミーナはあなたを殺さない選択をしました」
「なんで」
俺がミーナを抱きしめると、何かの記憶が流れ込む。
猫?あれ。これって、前に俺が助けたようとした黒猫。でも、結局ダメで。
まさか。
「ミーナは」
「えぇ。彼女はあなたの腕中で死んだ子猫です。転生し、死神となりました」
「そう。だったんだ」
「彼女があなたと一緒になるには、彼女があなたを殺し、あなたも死神に転生する。その方法が一番だったのです」
「俺が死神に?」
「えぇ。それがミーナの死神昇格時の特典でした」
そうだったのか。
だから、俺のことをちゃんと知っていたわけではなかったのか。
「なら、ならなんで俺を殺さなかった。最後の瞬間だって」
「生きていて欲しい。死神ではなく人として。それが彼女の望みだった。言葉には出ていませんがそう感じました」
俺はミーナの亡骸を抱きしめる。
段々と冷たくなり、足と手の先から砂になる。
すべてが砂になるまでに5分とかからなかった。
俺は砂になったミーナの体が消えてしまうまで、泣き続けた。
「おいで、ミーナ」
黒猫が俺のそばに駆け寄ってくる。
あれから1年。
俺は町で偶然見つけた野良の黒猫を家で飼っていた。
もちろん名前はミーナだ。
俺の脚に頭をこすり付ける。
今だ彼女を忘れられない俺は今でもあの時のことを夢に見る。
目が覚めて枕が濡れてたなんてこともある。
「な〜」
「どうした?ごはんはさっきあげただろ」
「な〜」
ミーナが何もドアに向かって声をあげる。
「ん?ミーナ。いったいどうしたんだ」
家には今は誰もいないはずだが。
「ひどいです。私と同じ名前を猫につけるなんて」
突然、俺の部屋のドアが開いて人が入ってきた。
「夢?」
「夢じゃないですよ」
「うそだろ」
「うそでもありません・・・人間にしてもらったんです。今は、美奈です・・・啓祐さま。ただいま」
そこには着ているものこそ普通の服だが、紛れも無いミーナがそこに立っていた。
俺はミーナを抱きしめた。
「おかえり」
完
長い上にありがちな話になってしまいましたが、自分では結構気に入ってます。
色々ご指摘とかいただけると次回に活かせるかなと思っているで、感想をお聞かせください。
では、また。
乙!
どうでもいいが ミーア←→ミーナ ってどっち・・・?
愛称だったらいいが、一瞬「女の名はレイシア。」を思いだしたよ。
398 :
386:2006/05/19(金) 22:03:01 ID:kdRc7ytu
ミーナです。名前間違いなんて恥ずかしい。
GJ! 楽しめました。
ミーナの言動がいろいろと可愛らしくて良かったです。
指摘ですけど、全般的に推敲というか手直しの足りなさを感じました。
字の間違いとか、用語の不統一とか、言葉の重複とか、いらないカギ括弧の存在とか。
あと、ミーナの前世について語られる場面が唐突に感じられて、
主人公が猫好きだとか、ミーナを見たとき懐かしい感じがしたとかの伏線があったほうが良かったのかな、と思いました。
いろいろ偉そうですみません。
今後の作品にも期待しています。
>>399 同意。
>>389下から7行目の「動じに」とか、探せばまだありそうだけれども。
それはともかくGJでした。
やっぱアレだね。ハッピーエンドだと読む方も嬉しいね。
>>386 GJ!ミーナかわいいよぉ。次はフィナも混ぜて3P(ヲ
話は変わるけど、
今日、本屋で『押入れのちよ』って本を見つけた。
何かここのSSみたいな話だった。
非エロだけど萌えたよ。
ぺとぺとさんとかいう本が萌えると思い
403 :
386:2006/05/22(月) 07:45:41 ID:4BnZaV3K
誤字は次回から何度も読み返して注意します。
伏線はまだ、考えるのが難しいですが、ネコ好きとか少し入れるだけでもいいですよね。
そこらへんも考えてみます
色々有難うございました
404 :
386:2006/05/23(火) 07:29:27 ID:irf/AMNU
『これ以上進むと・・・憑き殺しますよ』
俺の目の前に居る女性。
全体的に青白く、和服を着ていて、脚がない。それに、目を覆いたくなるほどの醜い傷のある顔。
世間一般的に言う幽霊だろう。
「どうぞ」
俺は幽霊に向かってそう言った。
『どうぞって。憑き殺されると貴方は成仏できないんですよ?』
「別に。成仏したっていいことあるかわからないし」
俺はこの先の湖に自殺をしに来たのだ。
三文小説のような俺の人生の最後は、つまらない自殺よりもそっちの方がいいかもしれない。
『怖くないんですか?』
「自殺しに来たんだ。殺してくれるってのなら、ありがたいくらいだよ」
『・・・自殺』
幽霊は俯いて何か考え始める。
そして、意を決したように拳を握ると、顔を上げ俺の眼を真剣に見てきた。
『自殺なんてダメです。私に話をしてみて下さい。人に話すことで思い留まれるかもしれません』
その顔は先ほどまでのように傷のある顔ではなく綺麗な顔だった。
20前後だろうか。かなりの美人だ。
「まさか、幽霊にそんなこと言われるとは思わなかったよ」
『ここだと落ち着かないので、こちらへ』
俺は幽霊に導かれるまま、道なりに進む。
そして、森を出た先は俺が人生を終わらせようとしていた湖だった。
綺麗だ。月の光が湖面に反射し、森全体が光っているようにも見える。
そして、それを背に立つ美しい幽霊。
『何があったんですか?』
時間はあるんだ。死ぬ前の一時を彼女と過ごすことにしよう。
「笑うなよ・・・ふられたんだ。4年間付き合ってた彼女にさ」
大学で知り合い、そして、来年の春に結婚も約束していた。
「優しすぎるって言われてさ。優しすぎるのが逆につらいって。で、3日後には他の男と歩いてるのを見たわけだ」
幽霊は真剣に聞いてくれている。
最初はそんなことで自殺するのかと笑われるかとも思ったが。
405 :
386:2006/05/23(火) 07:30:01 ID:irf/AMNU
『同じですね』
「え?」
『私もここで自殺したんです。今から5年前ですけど』
幽霊は俺に背を向け湖を見る。
『私はもう少し優しくして欲しかった。だから、ヤキモチ焼いて欲しくて少し意地悪したんです』
淡々とした口調。けど、その声には悲しさがつまっていた。
『けど、逆効果でした。彼、他にも女の人がいっぱい居たみたいで』
顔だけ俺の方に向けて微笑む。
けど、瞳からは涙が流れていた。
「幽霊でも泣くんだな」
『あ、ごめんなさい』
「いいよ」
俺は彼女を抱きしめた。
幽霊だから触れられないかとも思ったけど触れることが出来た。体温も感じることが出来る。
それは確かに一人の女性の体だった。
『え?あの』
「泣いていいよ。俺しか、ここに居ないから」
『う。う・・・・うわぁぁぁぁ』
俺の胸の中で泣いている。
今まで胸の内に秘めていたものが全て出たのだろう。
今はゆっくりと、全てを流すくらいに泣かせてあげたい。そう思った。
406 :
386:2006/05/23(火) 07:30:41 ID:irf/AMNU
『落ち着いた?』
「はい」
俺たちは湖を眺めながら、湖畔に腰を下ろしていた。
『ごめんなさい』
「いや。いいよ」
『優しいんですね』
「・・・そのせいでふられたってのもあるんだけど」
『私は・・・好きですよ。貴方のような人』
俺の方を見る彼女の顔は本当に綺麗だった。
「ありがとう。アイツが君のような人ならよかったんだけど」
『私も。5年前に貴方とお会いしたかった』
「5年か。ってことは、18だな俺」
『私の方が1歳お姉さんですね』
彼女が微笑む。
俺も自然と顔が緩んでいた。
『名前、教えてください』
「真」
『私はアヤです』
俺たちは自然に体が近づき、口付けた。
『いいこと教えてあげます』
「ん?」
アヤは俺の耳に口を近づける。
『私のファーストキス』
「え?でも、男と付き合ってたんだろ?」
『私の家は恋愛は自由ですけど、そういうことは結婚するまでダメなんです』
言葉遣いが随分丁寧だと思ったけど、どこかのお嬢様なのだろうか。
「今はいいの?」
『はい。真さんになら』
俺はアヤを抱きよせた。そして、まるで子供のような軽いキスを何度も何度も繰り返した。
『頭が、ぽーっとします。でも、すごく嬉しいです』
アヤの表情が少しトロンとしてきた。
肌の色が正常なら、きっと赤くなっていることだろう。
407 :
386:2006/05/23(火) 07:31:25 ID:irf/AMNU
『真さん。抱いて、下さい』
「いいのか?」
『はい』
俺は答えの替わりにもう一度キスをした。
今度は、舌を絡めた濃厚なキスを。
「脱がせるよ」
『はい』
帯を解き彼女を生まれたままの姿にする。
脚がある。綺麗で細い脚が。
「あれ、脚は」
『自由に出し入れできるんですよ』
「そうなんだ」
『はい。ぁぁっ。いきなりなんて卑怯です』
いきなりと言っても、俺は初めて見た彼女の綺麗な脚に触れただけだ。
「ごめん。じゃあ、アヤの体、触るよ」
『はい』
俺はゆっくりとアヤの胸に手を当てる。
俺の掌に収まらないほどの豊満な胸。
『んっ』
けど、なれていないせいもあるのか、感度はかなりよさそうだ。
『真さんに触れられていると、体に電気が走って。ぁぁっ』
両手で優しく揉み上げる。
『あっ、あっ、あっ、あっっっ』
硬くなった乳首を口に含み舌で舐める。
『そ、そこ、すごく、ひゃっっ。だ、ダメです。も、もう』
アヤの声が可愛らしくて思わず、甘噛みしてしまった。
『や、くる。え、あ、ん。ダメ。んっっっっっ』
執拗に乳首を刺激するたびに、アヤの体が跳ねる。
そして、少し強めに噛んだ時だった。
彼女は口をぎゅっとつぐみ、背中を弓なりに大きく反らせた。
『はぁ、はぁ、はぁ・・・ぅぅ。ダメって言ったのに』
「ごめん。でも、アヤがすごく可愛らしくて、気持ちよくさせたあげたくてさ」
『私が・・・可愛い?』
「うん」
『嬉しい。真さん。愛しています』
「俺も愛している」
アヤを抱きしめる。
アヤも俺の体を抱きしめてきた。
408 :
386:2006/05/23(火) 07:32:37 ID:irf/AMNU
『真さん。最後までして下さいますよね』
「あぁ」
俺も服を脱ぐ。
俺のほうはすでに準備出来ていた。
『これが、男の人の。話には聞いていましたけど』
アヤがマジマジと俺のを見る。
「これがアヤのここに入るんだよ」
『ゃっ』
アヤの秘部に手を当てる。
そこはすでに湿り気を帯びていた。
「濡れてる」
『あ、当たり前です・・・あんなことされたんですから』
「一人で触ったことある?」
『ありません』
「本当に?」
俺はアヤを抱き寄せ耳元で囁く。
『うぅ。真さん意地悪です。エッチの時意外はあんなに優しかったのに』
「優しくしてあげるよ」
『真さん』
アヤの方からキスをしてきた。
『したことあります。一人で』
「それと、これ。どっちが気持ちいい?」
俺はアヤを膝の上に座らせたまま、指で秘部をいじる。
『んっっ。真さんの・・・方がずっと、気持ち、いい、です』
アヤのをいじっていると、指がすべるほどに濡れてきた。
そろそろいいだろう。
「アヤ。挿れるよ」
『はぁはぁ・・・はい』
目が虚ろになりつつある。
409 :
386:2006/05/23(火) 07:33:43 ID:irf/AMNU
「いくぞ」
俺はアヤを寝かせると、その濡れた穴にあてがう。
ゆっくりと広げるように先だけ少し入れる。
『ぁっ、ぁ、ぁ、ぁ』
そして、アヤの呼吸に合わせて一気に突きいれた。
『っぅぅぅ。くぅぁぁぁ』
「すまん」
『だい、大丈夫、です』
俺の背中に回されたアヤの手が、俺の背に食い込む。
「少し我慢してくれ」
『はっ、はっ、んっっ。ぁぁ、最後まで、して下さい』
「あぁ」
俺はゆっくりと腰を動かす。
アヤの膣内はきつくて、俺のを圧迫してやまない。
『ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、んっっっ』
腰を動かすたびにアヤは身をよじる。
「アヤ。いくぞ」
『は、はい!』
俺は一際大きく腰を動かすと、奥まで突き刺す。
そして、一番奥で俺は精液を吐き出した。
『ぁぁっ。入ってるのが、わかります・・・真さん』
「アヤ」
俺とアヤは抱き合った。
お互いがお互いを感じられるように。
『ぁ』
アヤが声を上げる。
同時に体が薄くなってゆく。
「アヤ。成仏するのか?」
アヤは首を横に振る。
『私・・・まだ・・・』
それだけを言うと彼女の声は聞こえなくなった。
上半身だけ残った彼女の体は俺の顔を掴み感触の無いキスをした。
そして、何かを呟くとその体は全て消え去った。
湖から戻った俺は、朝を待って図書館へと向かった。
自殺はもう考えていない。
アヤの最後の言葉と表情。そして、消えてしまったが成仏ではない。
藁にも縋る思いで俺は新聞に目を通していく。
答えを見つけ出すために。
410 :
386:2006/05/23(火) 07:34:34 ID:irf/AMNU
「ここは」
目を覚ました私を待っていたのは真っ白な部屋。
私の腕に刺さっている点滴からのチューブ。
病院?でも、どうして。
私は。
「やっと、目覚めたか」
「え?」
声の方を見る。
背の高いスラリとした男性が入り口のところに立っていた。
嘘・・・そんな。
「真さん」
名前が勝手に口に出た。
「あの日から1ヶ月立ったんだぜ。毎日ここに足運んでさ。でも、よかった」
涙が流れた。
「真さん!!」
「アヤ」
真さんが私を抱きしめてくれた。
暖かい。
あの日と同じ、優しい真さん。
「また、こうして会えるなんて思って居ませんでした」
「アヤの最後の言葉がどうしても引っかかって、5年前の新聞読んで、そして、アヤが自殺未遂だって知った」
真さんの声、真さんの瞳、真さんの体。
あぁ、本当にこの体で真さんを感じることが出来るなんて。
「私の言葉が届いたのですね」
「あぁ。ちゃんと聞こえたよ。今度は俺が君に言う番だ」
「はい」
「アヤ」
「真さん」
真さんのキス。全てが溶けてしまいそうなほど、熱くて嬉しい。
あの日。私の最後の言葉。声にはならない言葉。
真さんに死んで欲しくなくて、もう一度会いたくて、そして無意識の内に出た言葉。
『あなたと共に』
411 :
386:2006/05/23(火) 07:37:27 ID:irf/AMNU
間をほとんど空けずに第2弾です。
今回は見直しをしたので誤字は無いとおもうんですけど。
次回は暗いお話になりそうなので、ハッピーエンドで終わらせました。
前回、指摘をしていただいたみなさま。本当にありがとうございました。
じーじぇー
始めまして
いい小説ですな
死んでいたと思ったら未遂だったとは…
続きが激しく見たいです
ぇ?俺?ただのツンデレから来た者です
うっうっ・・・ない胸も温まるええ話やね・・・・(つωT)
>>413 (´・ω・)ない胸のなにがいけないの?
GJ!!
いや、こっち来て良かった。これからはこっちにも住もう。
え?俺?ただのツンデレから(ry
ない胸幽霊たんをキボンヌするスレはここですか?
GJでも離脱娘ネタで続けて欲しいな
疑似3Pとか幽体露出等希望
れんしゅぽるとの漫画でそんなのあったな。
え、俺?俺はツン(ry
421 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/24(水) 12:43:53 ID:uMJbq6X4
ぺったんこオパーイハァハァ
(;´д`)ハァハァ
ぺったんこで何かキボン
カンカンウラウラカンカンウラウラ、ペッタンコー!
425 :
413:2006/05/24(水) 21:07:03 ID:fLV+d5Kd
寝苦しい…
まだ6月前なのにこの暑さはなんだろう。
いや、暑いというか何かに圧迫されるような…
ふと目を開けると目の前に女の子がいた、暗くて良く見えないが、かなりかわいい。そして、彼女は俺の顔を覗き込んでいる。
驚きながらも
「君はだれだい?」
と尋ねてみた。すると女の子は
「私が…見える……の…?」
(´・ω・)ス(´・ω・)ス(´・ω・)ス(´・ω・)ス(´・ω・)ス
・ω・
426 :
557:2006/05/24(水) 21:08:55 ID:fLV+d5Kd
(´・ω・)413じゃなかった
さ〜げ〜て〜
386さんGJっすw
ぺったんこっていいよね・・・?
このスレをsageる必要性を教えていただきたい
ageると荒れるからな。
430 :
test:2006/05/25(木) 21:52:07 ID:Mz5vwUHa
フワーリ △
(´・ω・) イクジナシー
( ∪ ∪
)ノ
人が多すぎるところでは幽霊さんが出にくいからじゃね?
吸血鬼も幽霊も日の光を嫌うからな。
ageられると逃げちまう。
光明偏照 十方世界 念佛衆生 攝取不捨
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
願わくば この功徳を持って 遍く一切に及ぼし 我らと衆生と皆共に 佛道を浄然ことを
浄然 → 成ぜん
>>433 幽霊さんを、オナネタにすることの、どこに、
功徳があるのかと子一時間問い詰めたい
436 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 12:15:47 ID:LarFEH0f
昇天っていうだろ
>>436 昇天ってキリスト教用語じゃなかったっけ?
438 :
386:2006/05/29(月) 20:14:15 ID:t7AMvaXc
俺の部屋には幽霊がいる。
別に俺には霊感があるわけでもない、ミエルのもキコエルのも彼女だけだ。
ひょっとしたら俺の妄想かもしれない。どこか気が狂っているのかもしれない。
けど、彼女はそこに存在しているのは、俺の中の紛れも無い現実。
彼女は白いワンピースに赤いランドセル姿。
明らかに小学生だろう。体型もまだ女性としての膨らみのない、その手のマニアには涎ものだ。
「さてと。今日は何をするかな」
俺の部屋に彼女が出たのはつい数日前。
インターネットのある掲示板に書き込んだ次の日だった。
その掲示板では、架空の幽霊や妖怪などをモチーフにショートストーリが書かれている。
そこで胸の小さな女の子の幽霊の話を希望したのがそもそもの原因のような気がする。
『する?』
少女の幽霊は俺にそう聞いてきた。
さきほどその手のマニアと書いたが、俺もそんな一人だ。
彼女が現れてからというもの、様々なことを彼女にした。
「そうだな。してくれるか?」
彼女に名前は無い。聞いても教えてはくれない。
だから俺たちは名前で呼び合わない。二人しか居ないここにはそれで十分だから。
『んっ、ちゅっ。はん、むぅ』
椅子に座った俺の足元にひざまずき、俺のペニスをしゃぶる。
彼女は触れるし体温もある。だが、明らかに異質だということを俺は感じていた。
「んっ、出すぞ」
俺は彼女の頭を掴み、ペニスを口の奥へと押し込む。
そして、そこで精液を吐き出すのだ。
『んっ、ぐっ、ぁ、えほ、げほげほげほ』
幽霊なのに咽て涙ぐむ。
まるで生身の女の子を犯しているような感覚にとらわれる。
もっとも、肉体を感じることの出来る幽霊と生身の人間のどこに境界線があるのかはわからないが。
興奮してきた俺は、彼女の服を無理矢理、剥ぎ取る。
破れ彼女の体を離れた服は、まるで煙のように消え去る。
それは、彼女が幽霊だと認識する瞬間であり、法にとらわれずに彼女を貪ることが出来る証拠。
439 :
386:2006/05/29(月) 20:14:46 ID:t7AMvaXc
『いたっ』
俺はほとんど無いに等しい胸を力強く揉む。
痛がる姿も俺の性欲をひどく刺激してくる。
「今日はどうして欲しい?」
『はぁはぁ・・・いかようにも・・・私は、貴方の奴隷です』
彼女が俺の教えた通りの言葉を返す。
そう、俺は今まで妄想の中だけで行われてきた少女への凶行を、自由に行っているのだ。
「じゃあ、まずは」
『ぁっ、はぁ』
眼を見開き、口がパクパクと動く。
小さなヴァギナが俺のペニスを完全に飲み込んでいる。
器具を使って拡張した彼女のヴァギナは子宮口ですら広がるようになった。
そして、俺のペニスの先は明らかに彼女の子宮を侵している。
「うわ。キツ」
濡れる前のソコはひどくきつかった。
以前は前戯し濡らしてから入れていたが、俺は彼女の悲鳴と恐怖を楽しみにするように変わった。
『い、いたいよぉ』
彼女の顔が苦痛に歪む。
ふふ。可愛い顔。もっと涙を見せておくれ。
「動くぞ」
『あ、だ、だめ。い、いたい』
彼女の腰を掴み、腰を動かすと言うよりも出し入れさせる感じで激しく動かす。
「うぁ。い、いくぞ」
『ゃ、ぁ、ゃぁぁぁ』
俺は彼女の膣に直接精液を吐き出す。
はぁはぁ。生身と違って妊娠しないのも強みだ。
「さぁ、続きしようか」
『い、いたいの・・・いや』
彼女が恐怖の顔で俺を見る。
「ごめんね。今度は優しくするから」
そう言って優しく頬にキスをする。
すると、体から力が抜けて少しだが濡れ始める。
さぁ、今度はゆっくりとほぐして一緒に気持ちよくなろうか。
440 :
386:2006/05/29(月) 20:15:16 ID:t7AMvaXc
「いらっしゃ・・・いませ」
コンビニの店員が俺の顔を見て一瞬言葉につまる。
確かにここ数日は彼女にかかりっきりで髭も剃ってないが、それは無いだろう。
だが、レジの時に顔を合わせても明らかに店員の態度がおかしい。
なんだ?
俺はいやな予感がして自宅の洗面所に入る。
「誰だよこれ」
鏡に映った俺の顔は、やせ細りまるで骨のようだった。
手や足はなんとも無い。
飯だって買い置きをちゃんと食べてた。
けど、これは。
『お兄ちゃん』
後ろに彼女が立つ。
まさか。
彼女が俺を?
『セックスしよ』
嘘だろ。
俺は彼女から離れなきゃいけない。そう思いながらも体は彼女を抱き上げていた。
『いっぱいいっぱい。ね』
俺に微笑みかけ小さな唇で、俺の顔に何度もキスをする。
もうこのままでもいいか。
彼女無しの生活に戻るのも無理だろうし。
「あぁ。しようか」
―ふふ・・・一人目・・・ごちそうさま。次は・・・貴方の番よ―
441 :
386:2006/05/29(月) 20:18:02 ID:t7AMvaXc
このSSは実在の人物、掲示板、幽霊、死神には一切関係ありません。
というわけで、こうですかわかりません。
そのうち、ミーナとかアヤの続編も書きたいです。
ただ、アヤはここのスレに合わなくなるのではと思っているんですが。
あ、先日から家にいる半透明の小学生が手持ち無沙汰でうろうろしているので
一緒に遊んできます。
それじゃあ。
うひひ、GJ
そんな感じ、え?何でおかしいな窓の外に赤いランドセルが見え……
(ここは14階のはz
あ、アイディーディーピーエスハチエフゼロイチエー!!
被昇天学園という女子高があるぞ。
昇天させられる・・・・・・・・・ハァハァ(俺バチアタリ
あ、聖母被昇天だろ。知ってる。
俺の母校のわりと近くだわ。友人宅からも歩いてすぐだった。
制服は白っぽいワンピだっけか?腰にベルトのついた奴。
>446
聖隷学園と同じくらいクル名前のガッコだな
聖隷クリストファー?俺の同僚がそこ出身だw
初めて聞いたときには「なんてエロイ名前の学校なんだ!」って思ったね。
でも聖隷って、つまり人間のことなんだよね。
つまり俺たちみな奴隷ハァハァ(氏ね俺
アーメソ。
聖隷クリストファー病院は浜松にありますよ
ちなみに俺はそこで生まれた
聖隷クリストファー病院・・・
それなんてエロゲ?
くりすとふぁー?超な空間な人か?
>>450 俺、引佐郡○○町出身なんだが……。
ここ数年里帰りしてなかったら、いつのまにか地元が浜松市○○町になっててビビッた。
……はっ、もしやこれは神と精霊の仕業なのか!?
そんなカワイソウな俺に、誰かオカルト娘プリーズ!!
454 :
test:2006/06/02(金) 00:34:34 ID:BrLSMfID
△ △
(´・ω・) (´・ω・)
( ∪ ∪ ( ∪ ∪
)ノ )ノ
△ △
(´・ω・) (´・ω・)
================== スパッ
( ∪ ∪ ( ∪ ∪
)ノ )ノ
△ △
(´・ω・) (´・ω・)
( ∪ ∪ ( ∪ ∪
)ノ )ノ
△ △
(´・ω・) (´・ω・)
( ∪ ∪ ( ∪ ∪
)ノ )ノ
ちょwwwwwプラナリアwwwwwww
保守。
ほしゅ
でろでろ描き下ろしの曜日女サンデーに萌え
投下待ち待機保守
1ヵ月後には迎え火焚いて炉霊を待つ俺ガイル
何のことかと思ったら来月はお盆か…
曾祖母以上なら3親等あるから大丈夫
>466
そもそも性交自体に罰則規定はなく(性的虐待に相当するなら別)
婚姻届云々の話なら直系親族は何親等離れても不可
直系親族と三親等以内の親族(妻の連れ子とか妻の母とかも含む)
法律上結婚が許可されないのはそのくらいか?
へえ、直系姻族は皆ダメなのか。
それと……養子とその配偶者は基本的に直系と同じ扱いなんだな……。
>>470thanks。
養子と結婚できないってのはちょっとびっくらこいた。
血縁が濃すぎると生まれる子供に悪影響が出るから、というのが禁止理由だと思ってたから、
血のつながっていない養子なら問題なさそうなもんなんだが。
なな、馬鹿な俺の質問いいか?
連れ子同士はいいのか?結婚
>>463 迎え火はたとえそのつもりが無くとも全く関係ない人を呼び寄せ、迷い込ませる場合があるから気をつけろ。
若干スレ違いだが、俺(厳密に言えば姉)の心霊体験。
去年の夏、岩手県O町の母方の実家に帰省していた時の事。
夏と言えば花火っつー事で、庭先で焚き火を焚いて、いとこたちと花火をしていた。
母の実家は庭に植木や鉢植えなどが沢山あり、影が沢山あった。田舎の町なので、車も大して通らない路地と道路の角にある。
┃よその家┃ 3 ┃
╋━━━━┫ ∫ ┃
┃ 実家 ┃ 4 ┃
┻━━━━┛ m ┣━┓
細い路地 程 ┃ ┃←小さなクリーニング屋
┳━━━━┓ の ┣━┛
┃よその家┃ 道 ┃
╋━━━━┫ ┃
こんな感じ。
花火の最中、姉がふと家の壁を見ると、 成 人 男 性 の は っ き り と し た 横 顔 の 影 が道路から植木の影にすーっと消えて行ったそうだ。
当然姉はその直後に俺に話したが、幼い頃はそのテの話でさんざ怖がらせられた俺は疑った。しかし姉の目が演技とは思えない程に真剣だった為、信じた。
生まれてすぐに亡くなった叔父はいるが、その人は父方の叔父だし、母方の伯父や伯母たちは全員存命。その時に来られなかったいとこ達も全員存命。
あれは一体誰だったのやら……。
475 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 06:53:31 ID:fw0lIpCa
なんてタメになるスレだ
>>474 オカ板発祥のスレらしいレスだ。
謎の顔は、小さなクリーニング屋のオサーンとかいうオチでは?
すみません。
ありがちな設定を後で単発投下しても良いですか?
ええよー。
カモン レッツダンス
481 :
474:2006/06/23(金) 17:57:21 ID:kelX//bt
>>477 それも疑ったけど、その時周りには人影は無かったし、光源は家の灯りと街灯、そして焚き火だけ。
いずれも影のできる方向には無かったし、影は輪郭線が見える程ハッキリクッキリだったそうだ。
ちなみにその小さなクリーニング屋の店主はオバチャンで、その時はすでに閉まってた。
では、お言葉に甘えまして。投下します。
それは、徹夜明けの朝だった。
夜食も食べず、ただひたすら仕事をして疲れ果てていた。
猫に餌やって、少し仮眠して、早めにまた会社に向かうか。
そう思いながら雨上がりの道をとぼとぼ歩く。
まだ太陽が昇りきる前、だが相当明るい。薄い雲が空一面を覆っているせいか…。
気だるい蒸し暑さだけはいただけない。梅雨はこれだから困る。と、ひとりごちる。
その時、ふと人の気配を感じた。
ここは下町でこの時間に人が通るのは稀だ。
おかしいなと思いつつも、気配をたどり振り向くと先ほど曲がった角から人の顔が覗いていた。
心臓が大きく鳴った。
あきらかにこちらを見ている。
何故・・・俺を見る?この辺りに知り合いなんぞいない。
よくよく見るとそのひょっこり覗いた顔は女の子だった。
くりくりと黒目がちで愛嬌のある瞳。
色白な肌に、東北出身か?と思うような赤い頬。
頬よりさらに赤い小さな唇。
そして、時代錯誤なオカッパ髪。
座敷わらし……?
と言うには少々年が上かもしれない。
彼女と目が合って金縛りにあったかのように動けず、
そんなことを色々考えたが、1、2秒程度の間だったかもしれない。
「お兄さん……」
透明感のある可愛い声が静まり返る早朝の路地に響く。
幻覚か、妖怪か…と思う存在に返事をしていいものだか悩む。
嫌な汗がシャツを湿らせていくのが気になった。
そんな様子を気にすることなく、また少女は俺を呼ぶ。
「なっ…何?」
意を決して返事をしてみることにした。
相手は女の子だ。焦ることは無い。
幽霊でも妖怪でもあるわけがない。もしかしたら、旅行しにきて迷ったとか。
下町だけど観光地だし、十分あり得るし。
「お腹減ってるんでしょう?」
「…は?」
どんなことを言うのかと思えば、何を頓狂なことを。
「おなか、減ってるんでしょう?」
「あ…まあ、そうだね」
目を細めて少女が笑う。図星だったことが嬉しかったのだろうか?
「おいでよ…」
「ええぇっ…?」
白い手を着物のような服から覗かせ手招きをする。
そのまま吸い込まれるように角の奥へと姿を消した。
からかわれてるのかな・・・。
そう思おうとした瞬間に「早く」と声だけで催促された。
とりあえず、少しくらいなら付き合うか・・・。
ついつい好奇心に負けて、今来た角を戻ってみた。
あれ…。
こんな所に、こんな家あったかな?
古めかしい小さな二階建ての木造の家があり、屋上には木で出来た物干し場が見える。
昭和初期っぽい作りだった。
そこの引き戸の所に少女が立っている。
「君の家なの?」
「ええ…」
くるりとオカッパの髪を広げながら後ろを向き、玄関の中へ入っていく。
ツッカケとかいうサンダルのようなものを放るようにして脱ぐ。
短い着物のような服からスラリと細い白い素足が見えて気になった。
そんなぼんやりとした俺に向かってまた手招きをする。
家へあがれということなのか…。
「お…お邪魔します…」
小さな声であいさつをしながらこっそりと玄関へ入る。
もしかしたら、他のご家族が寝ているかもしれないし。
こんなふうに見知らぬ人間が入ってもいいのだろうか…?
などと思いつつも、玄関先の板の間へ靴を脱ぎ足を踏み入れる。
ギィ…と古い木造の独特な音がした。
家の中は暗く、窓が少ない。しっとりとした薄暗さ。とでも言うのか。
嫌な感じでは無い。靴箱の上の紫陽花の一輪挿しが良い雰囲気だった。
子供の頃は和風の家など古臭くて好きではなかったが、
なかなか落ち着くものだと、感慨深くあたりを見回していた。
すると、どこからともなく、味噌汁のいい匂いが漂ってくる。
この匂いは鰹出汁かな…。
自炊が比較的好きな自分は味噌汁の出汁の匂いくらいは分かる。
しかし、彼女は俺に飯を食わせる為に呼んだのか?
などと考えていたら、奥の部屋からお呼びがかかる。
そろそろと足音を立てずに声がした部屋へ向かう。
「さあ、どうぞ」
4畳半程度の部屋の真ん中には漆器色のちゃぶ台があり、
その上には、朝食らしき用意がしてあった。
艶やかに光る白飯と、紅鮭、焼き海苔、俺の好きな白味噌の味噌汁。
ゴクリと唾を飲む。
確かに飯を前にして急激に自分の空腹加減を自覚する。
「立ってないで、食べてちょうだい」
ほっそりとした白い指で急須の蓋を押さえ、湯飲みにお茶を注ぎながら少女は言った。
「え…でもっ…」
「いいから」
チラリと真っ黒な瞳がこちらを一瞥し、視線を湯飲みに戻す。
「じゃ…じゃあ、いただきます…。」
箸置きに置かれた木製の箸を取り、戸惑いつつも味噌汁を持ち上げる。
中身はカブと揚げのようだ。
まずは、汁を口に含む。白味噌の甘さとカブの苦味が丁度良く、
手作りっぽい揚げのまろやかさが満足度を後味に残す。
「う…美味い……」
柔らかなカブを頬張り、白飯をその上から大きく掻き込む。
丁度いい硬さの歯ごたえだった。硬すぎず柔らかすぎず。噛むと甘い。
紅鮭を箸でほぐすと、香ばしい匂いと共に白い湯気が少し昇る。
皮がパリッと割れて身について来る。
明らかに、これは皮をも美味しく食べられるように火の加減を
変化させながら焼き上げたのだろう。
しっかりと油の乗った身を口に入れる。
丁度良い塩加減が鮭の身の美味さを引き出し、
荒塩がパリパリとした皮に振られているのか、二重の味わいを楽しめた。
そんなふうにガツガツと無言で食べまくる俺を見て少女は笑い声を漏らす。
うっかり、飯の美味さに気をとられ見ず知らずの少女の家に
上がりこんだことを忘れていた。
「うっ…ゲホッ…ガホッ…」
「はい、お茶…そんなに慌てないで?」
ゆっくりと優雅な手つきで先ほど淹れてくれたお茶を手渡してくれる。
丁度良く飲みごろな温度まで下がったお茶をゴクゴクと飲み干した。
「はぁ…。助かった…」
「クスクス…美味しい?」
正座をして背筋を伸ばし、片手を口に当てて笑っている。
最近の少女はそんな女らしい仕草をするとは思えない。
「ああ、すごく美味しい…。君が作ったの?」
「良かった。そう、私が作ったの」
「これ…本当の焼き海苔だ…。味付け海苔じゃなくて、炙ってある…」
今の時代、もう焼き海苔は焼いてあるのをパックされている。
非常に珍しいものを目にした気分だった。
「あら、うちはいつもそうよ。味付け海苔ってなぁに?」
小首をかしげ不思議そうな顔をしながら尋ねてくる。
「えっ…、ううんと…甘い味が海苔についててね、小分けパックで売られているんだよ」
「まあ、便利なのね」
びっくりしたような表情を浮かべる。
こちらのほうがびっくりだが、それより気になることを質問した。
「ねえ、何で見ず知らずの俺を朝食にご招待してくれたの?」
止まった箸をゆっくりと進めながら尋ねる。
「そこからね…いつも見てたのよ。」
すっと腕を上げ人差し指で方向を示す。見れば木製の窓があった。
「えっ…見てたって…。」
「朝によくここの前通るでしょう?顔色悪くして。そしていっつも腹減ったーって」
帯の巻かれたほっそりとしたお腹をさすって少女は俺の真似をする。
「ええっ…そうなの?なんだかなぁ…かっこ悪いね…ははは……」
情けない。そんなことを口走りながら歩いていたとは。
「いつもね、そんな調子だからそのうち通るたび
ちゃんと帰ってからご飯食べているのかしらって気になっちゃって」
クスクスと静かに笑う。おしとやかというのはこういう感じなんだなと漠然と思った。
なんとなく初めて会ったのにすごく落ち着く。
「心配してくれてたの?俺にとっては今日いきなりだったから、すごくびっくりしたよ」
「し、心配だなんてそんなこともないけれど…。ただ、気になったから」
取り繕うように、自分の好意を隠す。そんな所も奥ゆかしくて可愛らしい。
「ありがとう。」
なんだか、仕事の疲れや悩みなど忘れ不思議で嬉しい気分になった。
「お兄さん…。今日はここで眠っていきなさいよ…」
「ブッ…!!」
口に含んだ味噌汁を噴出してしまった。また唐突に何を言うのだろうか。
「いや、でもほら家も近いし…。
ね、ご家族もいるんでしょう?正体不明の男なんかさっさと撤退させないと」
愛想笑いと汗を浮かべながらやんわりと帰る旨を伝える。
「家族は…ずいぶんと昔にどこかへ行ってしまったわ…。今ここにいるのは私だけ。
遠慮することはないのよ。起こしてあげるし…」
先ほど指差した窓の外を見つめながら少女は自分の身の上を話した。
家族はいない。今は二人だけ…。って余計心配だってば…俺が。
「なっ・・なんで俺がこれから寝るって分かったの?これから仕事へ行くかもしれないじゃない」
「いつも、朝に帰ってくる日は、お昼ごろ眠そうな顔でまた同じ道を逆に行くわ。
だから、これから寝るのだと思って。ね、いいでしょう?ここで休んでいきなさいよ…」
離れて座っていたが、正座をくずし彼女はそのまま擦り寄って来た。
ほんわりと暖かい体温が俺のわき腹に伝わってくる。
初めに見かけた時とは別の意味で心臓が急速に動き始める。
静かな家の中、その鼓動が耳にまで感じて、彼女にも聞こえてしまうのではないかと思った。
「いや…でもっ…」
「寂しいの…。ずっとひとりぼっちだったのよ。少しだけでいいから一緒にいてほしいの…」
更にわき腹辺りに肩が密着してくる。
ジャスミンのような微かに甘い香りが漂ってくる。
もう、飯なんて喉を通らない。
つい、視線を下げうなじあたりを見てしまう。な、艶かしい。
「あ…こ、今度ね?今度、このお礼に俺がご馳走するから…」
「嫌なのっ。今じゃないとだめなの。お礼なんかいらない…」
「あ、う…えと…その、困ったな…」
本当に一部が痛いくらいに困っている。
そんな状況でずっといるなんて耐えられないし、ましてや眠ることなんて出来ない。
「何を困ると言うの?寝る場所が少し変わるだけでしょう?」
どうしても、帰してくれないらしい。実際自分も本来なら帰りたくはない。
だが、どうしても帰らないといけない。
少し現実の怖さを教えてあげないといけないのかもと思った。
「えと、俺は見ず知らずの男で、君は可愛い女の子だ。だからそんなことを言っちゃだめだよ。
どうするの?俺がすごく悪い人間で、…その、襲ってきたりしたら。
誰も助けてくれないんだよ。一人の家じゃ」
悪ふざけのように手で獣の真似をしながら言ってみた。
「………」
さすがに下を向いて黙ってしまった。
気持ちはありがたいし、可哀想だったかもしれないが、これでいい。
「じゃ、食べ終えたら帰るね。本当、今度お礼するからさ。何か好きな食べ物とかないかな?」
冷めてしまった紅鮭のかけらを箸で運ぶ。
しかし、それは口に入らず押しのけられた。
変わりに柔らかい感触が唇に触れる。
手に持っていた箸がポロリと畳の上に鮭ごと落ちる。
目の前には彼女の顔が大きく見える。
閉じられた瞼の睫が長くて、微かに震えている。
彼女の唇は動くわけでもなく、ただ俺の口に力強く押し付けられていた。
本当に間違いを起こしてしまうかもしれない。
ギリギリに残った理性を振り絞り、俺は彼女の肩を掴み押し戻す。
「何やってるのーっ!だめだよ。こんなことしちゃ、俺も我慢できなくなっちゃうよ」
わざと、明るい声で言ってみた。できるだけ傷つけたくはない。
もう少し、ちゃんと付き合うならきちんとしたいし。
もしかしたらすごい若い女の子かもしれないし…。
「我慢しなくて、いいのに」
潤んだ大きな瞳で俺の顔を覗き込む。
その瞬間、頭の中であらゆる叫びの声があがる。
理性などつま先にひっかかってぶら下がっているだけになってしまった。
「な…どういう意味か、分かって言ってるの…?」
手にじっとりと汗が浮かぶ。
「ええ、男と女の関係でしょう?昔、教わったわ。
詳しくはないけれど、好きになった男女はすることなのでしょう?
だったら、私、今お兄さんのことが好きだもの。」
もともと赤いぽっぺたが、更に赤みを増しつつ小さな声で少女は告げる。
言葉が終わるとキュッと下唇を噛み、しっかりと俺の目を見る。
「…後悔しない?」
「はいっ…」
ニッコリと満面の笑みを浮かべ、こっくりと頷いた。
理性なんてクソ食らえだ!なんて思う余裕も無く隣にいた彼女を力強く抱きしめる。
小さな華奢な体は、大柄でもない俺の腕にすっぽりと収まってしまう。
さっきは軽く漂っていた甘いジャスミンの香りが色濃く鼻腔を通り抜け、
俺の頭の中が痺れるような感覚に襲われる。
「くっくるしっ…」
思わず力を込めすぎて彼女の肺を圧迫していたようだ。
苦しがりながらも、おずおずとその細い腕を俺の背中にまわしてくる。
その挙動がたまらなく可愛らしい。
思わず、彼女の顎を掴み口付けをする。
優しく滑らせるような口付け。柔らかい彼女の唇が感じられる。
そのぷっくりとした下唇を吸い、舌先で舐める。
そのまま口中へ向かい、中の暖かい舌と絡め合わせる。
「ンッ…」
初めての正式なキスなのか、とまどいつつも
こちらの動きに合わせついて来る。
そのぎこちない動きがまた可愛いと思った。
口を離すと彼女の唇が艶やかに濡れ、顎に唾液の跡が一筋流れている。
瞼を開け、切ないような視線でこちらを見上げた。
「可愛い…君の名前は?」
「花…ハナです…」
単純だけど、すごく似合っている気がした。
「花…、嫌だったら嫌だって言うんだよ」
「…はい」
緊張しているのか、胸元に手を当てて小さくじっとしている。
その体を静かに畳の上に横たえさせる。
まずは、緊張をほすぐように自分も添い寝をしながら
彼女の小さな手の上に手を重ね、軽くキスをしていく。
そして、唇から離れ首筋、鎖骨、胸元、握られた手。
指の付け根に何度か口付けると、
白くなるほどにぎっていた拳がゆるりとほどけていく。
花の肌はすごく色白でまるで白粉をおとしたかのようだ。
その為、頬と唇の赤みが際だっているのかもしれない。
ゆっくりと、前襟を開いてみる。
思ったとおり、そこから覗いた旨は小さく、先端の乳首は綺麗な桃色をしていた。
「あ、あまり見ないでっ…」
ついついじっくりと見てしまったため、恥ずかしがって顔を反らす。
「綺麗だからつい…。」
目をそらすことなどできないほど、まだ未発達の胸は美しい。
陶器を扱うように慎重に手におさめてみる。
すべすべとした肌が指先に心地よい。
撫で回すように手を動かすと、先端の突起が主張し始めてきた。
「ッ……」
感じてしまうのを戸惑う声が上がる。
少し硬くなった先端を口に含み、舌先で転がす。
小さなそれは徐々に硬さを増していく。
「ぅっ…んっ…」
頭を反らしながら、愛撫から生まれる感覚を堪えているようだ。
堪えなくてもいいのに。可愛い声を聞きたい。
そう思って、ぴったりと閉じられた膝頭を割り手を隠された着物の奥へと進めていく。
「あ……!」
今まで閉じていた瞼を見開いた。
指先が彼女の大事な部分に到達する。驚いたことに下着を穿いていない。
そういえば、ブラもつけていなかった。着物だし、家だからか。
深く考えず、到達した箇所をゆっくりとなぞる。
「うっ…んんっ……!」
唇をかみ締め、胸を触る腕の袖をギュッと掴んでくる。
指先にふれる下半身の感触はまだ幼く、全てがこじんまりとしていた。
だが、子供のそれとは違い、しっかりとした形は形成されている。
その証拠にヒダを掻き分けた先端に陰核を捉える。
小粒だったが、存在は分かる。
「アアッ……!!」
軽くそれを指先で触れただけなのに、彼女の細い腰が浮き上がる。
そのまま、力を入れずに何度か掠って反応を楽しんでみた。
「あぅっ…んっ!…アアッ!!そこっ…なんでっ?」
体の一部を弄られているだけなのに、今までに味わったことの無い感覚が
自分の身におきているのが怖いのかもしれない。
再度、乳首を舌で愛撫しながら、そっと中指を彼女の中に潜らせた。
「やっ……!アアアァァッ!!!」
ビクンと体を波立たせる。目の前にある小さな乳房がその衝撃で揺れる。
入れた中指を徐々に奥に進めていく。
それと共に、彼女の裸足のつま先がぎゅっと縮まる。
中は見事にきつく、指を押し出すような勢いで締め付けた。
微妙に濡れ始めていたので、痛いことはないだろう。
親指で陰核を転がしつつ、中指を緩やかに動かして彼女を見下ろす。
「うゥッ…ッ……!んッ……」
陸に打ち上げられた魚のように、体をくねらせている。
乱れた着物の前は、帯の所意外すべて広げられ、非常に官能的な情景だった。
サラサラとしたおかっぱの黒髪を顔に落としながら首を左右に振り、
小さな口を大きく開いて喘ぎ声を漏らしていく。
ふと、自分の股間に何かを感じた。
既に服の外から見ても立ち上がっているのが分かるであろうソコに
彼女の手が添えられている。
やり方がわからないのか、ぐいっと布越しに握ってきた。
「もっと、優しく先端を撫でて……」
開いているほうの手でファスナーを開き彼女に握らせる。
「…アッッ……熱いよっ…アッ…ンッ」
直に触って、ビクッと手を離してまたゆっくりと手を触れる。
頼りない刺激が先端に伝わってくる。
さすがにじっくり教えないことには、気持ちよくまでならないか。
そんなことを考えつつ、自分の手の動きを大胆に早めていく。
手の甲に液体が流れるのを感じ、だいぶ濡れてきたのが分かる。
「…ぁっ…アアッ…ァッ……!!ンンッ……」
彼女の額にはいつのまにか大量の汗が浮かび、黒髪が張り付いている。
俺の手の動きで、彼女の体も上下に震動する。
着物も肩からはだけ幻想的な色香が漂う。
濡れた内壁が急に指を締め付けた。
「アアアァァッ……!!」
背を大きく反らせながら、花は体を震わせる。
ゆっくりと、彼女の中に入っていた指を抜き出す。
雫がたれるほどの愛液がからみついていた。
「……ハァ…ハァ……私……おかしく…なっちゃったの?」
多少舌がもつれたような口調で尋ねてくる。
「おかしくなんかないよ。女の人は皆気持ちよくなるとそうなるよ」
「そうなんだ……」
安心したように笑い、荒い息をついている。
「これから、ちょっと痛いかもしれないけど……いいかな…?」
「うん……」
小さく頷く。
本当に大丈夫なのか本人でなければ分からないが、
一刻も早くしたいという気持ちをなかなか抑えきれないのも事実だった。
着物から飛び出した彼女の細い足を左右に押し開く。
先ほどの余韻のためかヒクヒクと花の中心が痙攣したように動いている。
そこへそっと自分をあてがう。
未知なる経験をするにあたって恐ろしいのか、しっかりと瞼を閉じ
首元あたりでまた拳を握り締めていた。
そんな怖い思いを我慢してまで自分を受け入れてくれるのかと思うと
とても彼女が愛しくなった。
ゆっくりと体を進めながら、彼女の涙に濡れた瞼に口付ける。
先端が徐々に埋まっていくのが分かる。
「うっ……あっ!!あぁっ!!!」
暖かい粘膜にだんだんと包まれていくたびに彼女が声をあげる。
「痛い?」
「んっ!………あぅっ…だ、だい…じょぶ……」
浅い息をつきながら口元だけで微笑む。
先端だけしか埋まってないのに、キツイ締め付けを感じる。
しかし、しっかりと濡れているのでそれでも腰を進めるだけ中に進んでいく。
処女は初めてだったが、いわゆるそういう処女膜の抵抗というものを感じなかった。
「あっぅっ……!」
「全部入ったよ……」
今にも押し戻されそうな状態の熱く濡れた内部に包まれている。
それだけで達しそうなほどだった。
「……うっ…うん………」
泣いているような声で返事をする。
眉根を寄せて、目じりに涙を浮かべている。
細心の注意をはらいつつ、ゆっくりと動き始めた。
「ん…っ!ア…アァッ……」
花の中は熱く、巻きついてくるようだった。押し入る時は拒むように。
そして引き抜く時はすがり付くように。
「っ…アッ……ア……ウッ……」
体の動きにあわせて鈍く喘いでいる。
俺は上半身を起こし、結合部分を見た。
卑猥なほど妖しく濡れたそこに自分のものが突き立てられている。
幻想的に美しい少女を抱いていた気分から一気に生々しい欲望がたぎる。
「もっと、動くよ…」
「…う、うんっ……アッ!!」
急激に奥まで突き上げながら彼女の開いた足をとり、大きくV字に押し上げる。
可憐な少女が淫らな格好で俺に犯されていく。
「あっ…ヒァッ……!ンアアッ!!アアアァッ!!」
結合部から淫猥な音がしはじめ、ガクガクと胸をさらけ出した花が
ピストンの衝撃と共に揺さぶられる。
片足を離し、揺れる胸を荒々しく揉みあげる。
「んっ…あああっ……ァ……クッ!」
恥骨どうしがぶつかり合うほどに奥深くまで突き上げ、更にグラインドさせ
擦れる肉の感触を貪欲に貪り続けた。
もう、理性も箍も外れたように俺は彼女を攻め立てる。
そのまま、何がどうなったのか分からないうちに
俺は彼女の腹の上に自分の欲望を吐き出していた。
「ご、ごめん!!いきなりで…乱暴にしすぎた……」
我に返り抱きしめていた花に謝る。
「いいの…私今、すごく……幸せよ?」
蒼白な顔でつぶやくように彼女は許しの言葉を告げる。
「そうか……でも、ごめん……な……」
ゆっくりと花のほうから俺を抱きしめて、子供の頭をなでるようにしてくれる。
こっちのほうが幸せな気持ちでいっぱいになっていく。
そのまま柔らかな胸に頭を預けまどろみの中に落ちていった。
「じゃ、また来るから。あ、好きな食べ物かなんかない?」
玄関先で靴を履く。本当は会社なんか休んでしまいたかったが、そうもいかない。
「えっ…うーん、スイカ。スイカ食べたいな……」
花は頬に手をあてながら考えて、子供のように答える。
「分かった。ぜったい買ってくるよ!」
「うん、約束ね」
そう言って彼女は小指を立てる。
その小指に自分の指を絡ませて約束を誓った。
仕事は順調に進み、朝までやったもののおかげで久々に早く帰ることが出来た。
とはいっても、もう時計は9時をまわっている。
遅くまでやっているスーパーで夕食の材料と、丸のスイカを買った。
初夏にさしかかったこの季節、おいしそうなスイカが手に入り
それを抱えて花の喜ぶ顔を思い浮かべる。
「半分に切って、スプーンでそのまま食べるっていうのもありかな……」
きっと、俺はスキップでもしそうな足取りだったに違いない。
今日出会ったばかりだが、確実に彼女を大切な人だと感じる。
焦る気持ちを抑えながら、
交差点を渡り、2つ角を曲がり、花の家にたどり着く。
しかし、そこには俺が思い描いていた
木造の窓から柔らかい灯りがもれている景色では無かった。
無機質な白い吹き付けの建物が埋まっている。
「道…間違えたかな……」
もしかしたら通りを一本間違えたのかもしれない。
走って戻り、手前の角を曲がってみるが、最初に行った道に間違いがあるはずがなかった。
毎日通っている道を間違えるなんてことは…………
再度、花の家のあった通りに走り出るが、やはりそこには違う建物が立ちふさがっていた。
「なっ……なんだよっ!……どうなって……」
がくりと、アスファルトに膝を付く。
湿り気を感じるが、そんなことはどうだって良かった。
ただ、目の前に起こった現実は受け入れられない。
「花……花………どこへ……」
彼女の名前を呟いた時、ガラリと戸の開く音がした。
「花?!」
花が戸を開けたのかと思い、急いでそちらを見た。
「あなた……どなた?何でうちの前で……」
立っていたのは、訝しげな表情を作った見知らぬ中年の女性だった。
「あぁ……それ、もしかしたら私の伯母かもしれないね……」
中年女性は眉間に皺をよせ考えながらそんなことを言う。
俺は藁をもすがる思いで、今朝の花のことを話した。
木造の建物のことも。
その答えがこれだった。
「えっ……?」
伯母?あの、花が?
「確かに以前はここも木造でもう20年前に立て替えたの。
昔、私の母に姉がいてね、色白でそれは美しくて……
でも、戦争が始まる前に風邪をこじらせたらしくてねえ。
伯母の名前は確か…花だったと思うのよ」
「戦争……」
目の前に冷たい闇が広がるような錯覚に襲われる。
「あっ、そうよぉ、仏壇に写真があるわ!」
そう言うと彼女は手を打ち、俺の肘をつかみながら家の中へ連れて行く。
ドタドタと廊下を走りぬけ、奥の丁度位置的に花を抱いた部屋に入った。
「そうそう、この写真よ!」
女性の視線の先には、白黒の花の顔があった。
屈託無く笑う、黒目がちでおかっぱ頭。紛れも無く花の写真だった。
「花………」
その花の写真の向かいにはサッシでできた窓が広がっている。
窓の位置も、彼女が指差した木造の窓の位置と一緒だった。
「あぁ…………」
俺はその場に手を突き、泣き崩れた。
「…スイカ……一緒に食べたかったよ………」
彼女が今じゃないとだめなのと言った正確な意味が
この時やっと分かった。
投下終了です。長々と失礼しました。
なんだこのベタな展開、最近のはハッピーエンドでしょう?ふるいなぁ
GJ 解かってるのにキやがる
く、お供えだ つ~●『黒スイカ』
*~●....
イ "" ⌒ ヾ ヾ
............... ..ヽ . ;: . / .⌒ _,,..__ ヽ ) ;. :ノ......... .........
:::::::::::::::::::::::::::ゞ (. (::.! l,;::) .ノ ノ ./::::::::::::::.......:::::
._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; − .._´,
._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ ヾ
::( ( . |: ! ) )
ヾ、 ⌒〜'"| |'⌒〜'"´ ノ
""'''ー-┤. :|--〜''""
:| |
j
>>495 ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
_,, ,. -/:ヽ::::::::ノ::::Λ::::ヽ::::-- 、ト、
,,/^ヽ,-''"::::\::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ:::::::::ヽ,_Λ
;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::;;:;;;;:::ヽ
>>494 GJ!!ベタな展開だけどすごく響いた!!!
ある意味奇想天外な話より難しいだろうに良くやった!!
グゥーレィトォ〜!
しかしハッピーエンド好きな俺は
次はそっちとキボンしてみる。
ここまでベタなネタでこんなにGJとは・・・
ベタとは王道の別名なり
>>495-498 爆弾スイカなるものは存在する。字の如く真っ黒なスイカ。味は普通のシマシマと大して変わらない。
妖怪大戦争の川姫のエロが読みたい
川姫はあのままでも充分エロい。
もちろん相手はタダシだよな?
そこはあえて加藤。
ベタなGJのしるしとして、お供えたっぷりささげときます。
~●~●~●~●~●~●~●~●~●
イ "" ⌒ ヾ ヾ
............... ..ヽ . ;: . / .⌒ _,,..__ ヽ ) ;. :ノ......... .........
:::::::::::::::::::::::::::ゞ (. (::.! l,;::) .ノ ノ ./::::::::::::::.......:::::
._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; − .._´,
._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ ヾ
::( ( . |: ! ) )
ヾ、 ⌒〜'"| |'⌒〜'"´ ノ
""'''ー-┤. :|--〜''"" :| |
j
>>508 ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
_,, ,. -/:ヽ::::::::ノ::::Λ::::ヽ::::-- 、ト、
,,/^ヽ,-''"::::\::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ:::::::::ヽ,_Λ
;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::;;:;;;;:::ヽ
510 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 18:41:10 ID:EYO2YpfA
/ . : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::ミヽ::::ゞ、
i ; ; ;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::lリゞ;;:::ゞ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノイ,/;;;;/::;;〃i/いリ;;;;;;:::::`、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ,/;;;;/ノ;;/;ノノハノハw;;;:::::';
!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ,ノノイノハノノノイノヽ、ノハ;;;::::!
l;;;;;;;;r'ヽ;;;;! -─ノノ-ノ '´─-ヽ;;:;:;:::/ カイザー・ラインハルトと同じく
ハ;;;;;!リ〉リ' r-rェァ'` ,rェッ !;;;;:ソ 嫁さんが筆おろしだった。
,リ;;;;;;), ヽ l /;:ノ ミラクル・ヤンが、童貞元帥だったなんて
,/)ぃ,l:リ l ,_」 / 後世の歴史家は、なんて言うだろうか?
_,.、-‐! ヾ:!、Y ___ /`ー -、_
_,.、-‐' ̄''ー- 、 l \ ヽ ー /`ー-、_ i`ヽ、_
``ヽ、_,.、-ー-‐'ヾ 〔《l \ \ / \ `ー-,l ';
ヽ、 ヽ r'、 `ー‐',i ,r-‐'゙} l! !
.ヽ、 `、 /.、 \ / 〉\/ / ,}
ヽ ゙l、 ヽ/、;:;:;:゙:、 \_/_,.r' / / ク
`''‐-:、,_ ^:、 ! `ー、;;ヽ、,.ィ':;/ i / イr'゙ \
``''‐-:゙i ,| `!;:;:;:;:〉 ___{_/ィレ'゙ _,.、‐':
ー─- 、___ミi、 ,}:;:;:/,-‐'" ̄ヽ、ヽ ヽ、 ̄ヽ、 \
`ヽ、 _,,..、-一''" ゙i `l `ヽ,.ー-ヽ、
_,.、-‐'" | | ,ノー-、, ヽ
_,、-'"/ | イ'r
30過ぎまで童貞だった私が、新スレを立てたので、挨拶にやってまいりました。
【自衛隊のヤン・ウェンリー】
http://society3.2ch.net/test/read.cgi/jsdf/1150468063/
何かSS投下していい?
いいよ
カモーン
よかった。人いた
じゃ土日のどこかで投下します
土日にwktk
★彡
今日近所の神社で開かれている、夏祭りに行ってきた。
もう大学生の俺にとって、特に興味をそそるような屋台はなかった。
だけど帰り際に、他の屋台とはかけ離れたところにポツリと出店している店が目に留まった。
まるで人目を避けるように隅っこの方で、
しかも何を売っているのかさっぱり見当のつかない地味な店。
しかしその怪しいムードが俺の関心を引き寄せた。
恐る恐る近づいてみると老婆が独りで店番をしている。
テーブルの上には、謎の白い粉が入った小さな袋が五つのっている以外何もない。
値段は五つで三千円。
騙し取られたとしてもそれほど痛い金額ではない。
俺は吸い寄せられるようにそれを手に取ると
それほど深く考えずに、その粉を買い店を後にした。
しかしまもなく家に着こうかというところで
一体これはなんなのかという至極当然な疑問で足を止めて袋の中を覗いてみた。
粉の入った袋からは、買った時老婆の言っていたとおり一枚の説明書らしき紙が出てきた。
辺りはすでに薄暗く、街灯の下で立ち止まり一読する。
『これは、人でないものを人に変える薬です。
水に溶かして飲ませれば、次の日にそれは人に変わります。
効果は一日限りです。 また人が飲んでも効果はありません。』
紙には汚い字でこれだけ書いてあった。
まあ、だいたいどういう物かはわかったけど…。
家に着くと早速、家族にばれないように粉を水に溶かし、
うちで飼ってるインコのぴーちゃんに飲ませてみた。
意外とすんなり飲んでくれたが我ながら軽率すぎる行動だった。
「だ、大丈夫かな。 ぴーちゃん死んだりしないよな…」
ぴーちゃんに変化はないが俺は徐々に不安になってきた。
ワケのわからない老婆に金を騙し取られただけならまだしも、
その老婆からもらった正体不明の粉をよく確かめもせず
ペットに飲ませて死なせてしまったなんてあまりにもバカすぎる。
「あー、やばいなー。 もっと違うので実験してからにすればよかったなぁ…」
しかし今さら悔やんでももう遅い。
とりあえず、ぴーちゃんを部屋につれてきてそわそわしながら見守っていた。
両親はぴーちゃんに無関心で、世話はほとんど俺がしていたけど
それでもいきなりいなくなったりしたらまずいだろうなぁ…。
「いや、待てよ。 万に一つもないかもしれないけど、この薬が本物だったら…。
ぴーちゃんは人間になるだけだよな、一日だけ……。そうすれば特に問題はないわけで…」
「いや…、そもそもそんな薬がこんな格安で手に入るはずがない…。
いいとこ小麦粉詐欺、最悪の場合…、ま、麻薬!?」
「そ、そうだよ、水に溶いた小麦粉飲ませたくらいじゃ鳥は死なないよな…」
「で、でも小麦粉じゃなかったら……。
ぴ、ぴーちゃん、やっぱり化けて出てくるのか……」
そんなことを呟きながら、一人部屋で騒いで楽観と落胆の波に遊ばれていた。
「――ちゃん、コウちゃん、起きて! 朝だよ!」
誰かに体を揺すられて、気がついた。
どうやらいつの間にか眠ってしまったらしい。
ぴーちゃんは永遠の眠りにつくか否かという重大な局面にいたのに
俺は睡魔に負けてヨダレをたらして爆睡していたなんて恥ずかしい。
「う…ん……?」
「おはよー、コウちゃん! 今日も爽やかな朝だよ!」
寝ぼけ眼の俺の目の前には16、7くらいの少女がいた。
満面の笑顔で、俺を起こしてくれている。
「だ、誰…?」
とは言ったものの俺には一つだけ心当たりがあった。
「ま、まさかぴーちゃん……?」
「そうだよ」
「ほ、ホントに!? ぴーちゃん無事だったのかぁー!?」
ついつい少女を抱きしめてしまう。
「い、痛いよコウちゃん…」
枕元に置いていた鳥カゴを見ると、確かに入り口が開いて中は空っぽ。
いったいどうやって出たのだろうか?
というよりもっと重大な疑問があった。
「っていうか、ぴーちゃん、メスだったのか……?」
「そ、そうだよ…。 まさかコウちゃん知らなかったとか?」
「い、いや、そんなわけないじゃないか…」
確信をついた質問に目を泳がせながら答える。
俺は思い出したように少女を見返すと昨夜の出来心を謝罪した。
「ごめんよ、ぴーちゃん。 俺は昨日お前にとんでもないこと…」
そう言いかけたとたん、少女が頬にキスをしてきて思わず固まってしまった。
「やっちゃっ…た……」
顔を離すと少女は俺以上に赤面して恥ずかしそうにしている。
「……ぴ、ぴーちゃん?」
「コウちゃんだけだよ、毎朝わたしにおはよーって声かけてくれるのも、
時々カゴの中掃除してくれるのも、部屋の中飛んでも笑って許してくれるのも…。
だ、だから、ずっと……、す、好きだったの……」
俺は少女を抱きかかえたまま、必死に頭の中を整理していた。
「耕介ー! 早くご飯食べちゃってよ!
夏休みだからっていつまでもだらだらしてないで、バイトでもしてきなさいよ!」
部屋の外から母親の怒鳴り声が聞こえる。
せっかくのムードがぶち壊しにされた。
「ちっ、うるせーなぁ…。ちょっと行ってくるわ。 ぴーちゃんはここで待ってて…」
「う、うん…」
俺は彼女を置いて一人リビングへ向かった。
まだ一部だけど、スレ違いではないよね?
そういうのは、投稿する前か全部投稿し終わってからにしようぜ。
続きを正座して待つ
スレ違いだといわれたら投稿止めたりするのか?
そんなことは許さん!断じて許さんぞ!どうか最後までお願いします
彼女に羽が生えてなければいいんじゃないか?
wktk
いまさら亜人スレや人外スレに池とは言わん。
というか続ききぼん
いまさら逃げられると思ったのかな?
>>520 ぜ ひ 続 き を お 願 い し ま す 。
>>520 SSに飢えてる俺達にそこでやめるのは、脱水症状になってる人に水の入ってるペットボトルをちらつかせるだけちらつかせて去るようなものだ
つまり何が言いたいかというと
続きお願いします
_,,‐─-v‐、,,、
,,-‐'": : : : : : : : : : `ヽ
/: : : : : : : ,,__ : : : : : : \
r': ,、,,.-─''"゛ ミ : : : : : : : 'i、
`/ / ミ_ : : : : : : :,、}
i l _,,..-‐^‐-、 `゙i: : : /l.l|
i、}‐-、 ヽ;;/,rェッ;;'" ゙ー' 9iリ!
| ',tテi ヽ='" ゞ t'
| 'i"´| , -、 ヽ-、,,___
| '}、 !,,tu'" ヽ、 ,l: ‐-‐" }: : : : :
} lヽ、__,,,.-‐ヽ /: : : : : : /|: : : : :
,r/ /: : :ヽー‐' ノ: : : : : : : / .|: : : : :
/: \ /: : : : : 丶,, -''_: : : : : : / |: : : : :
/: : : : :ヽ/: : : : : : : ヾ''‐--‐ヽ |: : : : :
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ\: : / |: : : : :
都築 波遥〔Hayo Tsuduki〕
(1925〜1996 日本)
「ショオト・ストーリィを渇望する我々にとりて、中途にて断ずることは、
脱水症状にて倒れし者に、水が満たせし瓶を見えるに見えぬ様に
仕向け、これを繰り返し、終いに立ち去るようなものなり。」
>>527 (´・ω・)この人何いってるの?キモス
vipperだろ。ソレナンテ=エ=ロゲとかと一緒で。
ついに日本人まで出たかw
この場合、AAが問題だったのだろう。
で、まだですかな?
数分後、適当に母をあしらった俺は彼女の分の朝食も抱え自室に戻る。
「お待たせ、ぴーちゃん。 ご飯だよー!」
足で乱暴にドアを開け中に入ると、彼女は部屋の真ん中にちょこんと座っていた。
俺はトーストと目玉焼きののった皿を自分の前に置くと、
彼女の前には市販の鳥のえさを山盛りにした皿とスプーンを置いた。
「先に食べてていいからね」
俺はそう言い残し、飲み物を取りにまた台所へ向かった。
今度は右手に牛乳を左手には水の入ったコップを持って再び部屋のドアに手を掛ける。
「おえぇっ! ま、まっず!!」
突然部屋の中から叫び声が聞こえ、慌ててドアを開ける。
「ぴーちゃんどうしたの!?」
「ゲホッ、こ、これメッチャまずい〜…」
さっき持ってきた鳥のえさを前に彼女が咽ている。
「え、え? い、いつもぴーちゃんが食べてるやつだけどな…」
「そうなの〜? で、でもまずい……」
「そっか…、味覚も人間になっちゃたのかな…?」
「なんともいえないまずさだよ、これ……」
「い、今までおいしそうに食べてたのにね…。
とりあえず、何か他に食べれそうなの持ってくるよ」
俺はそう言ってえさの入った皿を持ち上げ、部屋を出ようとすると不意にシャツの裾を引っ張られた。
「いいよ、いいよ。 それよりデート行こうよ、コウちゃん!」
「え…、でーと…?」
「うん! 行こうよー!」
「ま、いっか。 よーし、今日はぴーちゃんの好きなとこ連れてってやるよ!」
一応まだパジャマだったので急いで着替え出かける準備をする。
居間でごろごろしてる母にばれないようにそっと家を出た。
見つかってまともに説明したところで信じてくれるはずはないし
突然部屋に少女が迷い込んできたことをうまく言い訳する自信もない。
面倒なことになる前にさっさと家を出たかった。
「ごめんな、ぴーちゃん。 親父が車使ってるみたいだから暑いけど駅までは我慢してくれ…」
釣りが趣味の親父は、休日はいつも朝早く車で出かけていく。
今日は車を借りたかったけど、例に漏れず釣りに行ったようだった。
「ぜーんぜん、歩くのも新鮮で楽しいよ! ちょっと暑いけどね…」
時刻は正午近く、真夏の正午なんて一年で一番暑いだろう。
おまけに、さっきからぴーちゃんが腕を組んでくるのでいろんな意味で暑すぎる…。
「デートってこうやって歩くんだよねー? ちょっと暑いけど…」
いったいどこでそんな知識をつけたんだ、ぴーちゃん…。
まあ、暑いからって振りほどくのもなんだし、駅まではこのままでいいか。
「でさ、どこ行きたい? なにか要望はある?」
「わたし遊園地行ってジェットコースター乗ってみたいなー!」
「ゆ、遊園地…」
「ん、どうしたのコウちゃ……」
つい足を止めポケットに手をやろうとした俺を、彼女が振り返り見てくる。
「アハハ…、うそうそ。 コウちゃんの懐具合なんて知ってるって!
ホントはわたし海が見てみたいなーって!」
大学入っても特に熱心にバイトとかをしてこなかった俺には、
恥ずかしながら他人におごってやれるような余裕がなかった。
「ねえ、コウちゃん! 聞いてる?」
「あ、ああ…、う、海ね……」
このままじゃあまりにも情けないんで、貯金を崩して遊園地にでも連れてってやろう。
「い、いや、ぴーちゃんが行きたいんなら遊園地行こうか?」
「まあ、いいから、いいから。 わたしは海に行きたいんだってば!」
そういいながら彼女はぐいぐいと俺の手を引いてまた歩き始めた。
立場逆になっちゃったな…。
大幅ポイントダウンだろうな、これは。
「そういえば、わたしってなんで“ぴーちゃん”っていうの?」
「ああ、うちに来た時ぴーぴー鳴いてたから」
「えー、なにそれ〜」
彼女は何気ない会話でも、嫌なことを忘れるくらい満面の笑みで返してくれる。
「え、気に入らなかったら、この際だから好きな名前に改名してもいいよ」
「でもコウちゃんが付けてくれた名前なんでしょ?」
「まあね」
「じゃ、わたしこのままがいいな!」
「なんだ、ぴーちゃんも意外とネーミングセンスに自信がないのか」
「ち、ちがうってばー!」
家を出てから駅に着くまでの数分間。
この時だけは、周りから見たら普通の恋人同士に見えたかもしれない。
駅の構内に入る。
エアコンが効いていて外とはまるで別世界だ。
「今いる駅がここで…、この駅まで行けば海まですぐだよ」
「ホント!? いち、にぃ…、7駅先かー」
「電車には乗ったこと…、あるわけないよね。
まずはここで切符を買ってさ…」
そこまで言いかけたとき、突然誰かに背中を叩かれた。
「耕介じゃん! なにしてんの、こんなとこで?」
振り返った先には、できれば今一番会いたくない人物がいた。
「誰よ、この女…?」
目線の先にいるのは、今付き合っている俺の彼女、景子だった。
合コンで知り合って、泥酔している時に俺から告白したらしいが
なんでそんなことをしたのか、なぜ彼女がOKしたのか、未だに謎。
見た目は割りと美人だけどわがままで、とにかく苦手なタイプの女性だ。
「ねえ、誰よこの女? まさか浮気?」
「い、いや…、その…。 浮気ではないんだけど…」
まるで尋問されるように問い詰められる。
「じゃあ、誰よ!?」
「ぺ、ぺット………」
「はあ!? もっとマシな言い訳できないの!?
アタシの最寄り駅でもあるここに、浮気相手と来るなんて、意外といい度胸してるのね…」
さらに胸ぐらまで掴まれる。
「わたしは……、そんなんじゃないから……」
俺を見かねてか、ぴーちゃんがポツリと言った。
それを聞いて景子の手も少し緩む。
「海を見たら、先に家に帰ってるね……。 わたしお邪魔みたいだから…。
家では…独り占めにさせてね、コウちゃん……」
そのまま彼女は一度も振り向くことなく、俺たちの前から走り去ってしまった。
「なにあれ…? アンタ、あんな不思議少女が好みなわけ?」
「………」
「ま、いっか。 罰としてこれから買い物行くから付き合ってよ」
ぶつ切りで申し訳ないけど投下
次回で終わる予定っす
真面目に報われない気がしてきた。鬱な展開だ。でもぐっじょ
ハ ー レ ム オ チ の 大 団 円 を 希 望
540 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 03:04:22 ID:aHzodBjQ
ダブルフェラで陵辱を所望す
今更書き直せとは言わない。
だがぴーちゃん・・・。
こんにちわーなによその女!返答次第では斬る!
. ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(;´Д`)< すいませんすぐ片付けますんで。
-=≡ / ヽ \_______
. /| | |. |
-=≡ /. \ヽ/\\_
/ ヽ⌒)==ヽ_)= ∧_∧
-= / /⌒\.\ || || ( `∀´ ) ←景子
/ / > ) || || ( つ旦O
/ / / /_||_ || と_)_) _.
し' (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.))
保守
かーいく保守したい。
保守
s
つ、続きまで片付けられたのか?…………
ほしゅほしゅ
550 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 05:40:48 ID:0ez0vFtw
ほしゅ
ほーっほっほっほっほっほっほっほ!!!!!!しゅ
そういえばここしばらく某880氏も裏式氏も来てないみたいだな。
お二人の新作が読みたい……
お盆だよ、全員集合!
このスレではこうだろう
おにいちゃん・・・・お盆だよ・・・
来て・・・あたしを好きにしてもいいから・・・
>552
やー、申し訳ない。
ネタが浮かばないというのもあるんだけど、ちょいとリアルで色々あってね
あまりエロの方を書いている暇が無くて。
1月に投下してからずっとご無沙汰だけど
別にここを見限ったとかそういうわけではないので
気長に待ってもらえると助かります。
おお、某880さんからレス来てる。
気長に待つよ。
hosyu
さて、亡くなった人たちの霊が帰ってくる時期、つまりお盆なわけだが。
盆明けには、住民たちの儚い逢瀬の物語が見られることだろう。
割と有名なコピペだけど
133 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/07/27(木) 09:38:49.70 ID:FhonKh3N0
新しく引っ越してきた家の新しい自室でネット環境を調えてつい昨日2ちゃん使えるようになった。
んで久しぶりの2ちゃんを楽しんでたんだけど、疲れが溜まってたから深夜に2回目の風呂に入ったのよ。
湯船に浸かってのんびりしてたら2階から誰かが降りてくるんだけど、
家族起こしちゃったかなと思ってる内に足音が脱衣所に入ってきて声がすんのよ。
「お兄ちゃん、お風呂入ってるの?早く上がってよぉ〜」
なんだ?と思って黙ってると続けて「もぉ〜、上がらないんだったら一緒に入るよっ!」
言うか言わないかするうち戸が開かれる。
ビビって戸を渾身の力を掛けて押さえて叫んだよ。「入るんじゃない!アッチ行け!」って。
そうする内に向こうの力が弱くなって「もうちょっとで美味しい思いが出来たのに」
って声と共に足音がどんどん離れて行ったのよ。
でも俺の声で家族が起きて来て「夜中に何騒いでるんだ!」
「引っ越してきたばかりなのに御近所に迷惑掛けないでよね」って
叱られちまったが、心底ほっとした。読んでて分かったろうけど、
俺って一人っ子なんだよね。
(´・ω・)入れなさいよバカ
業者カキコにしか見えないのは勘繰り過ぎ?
踏んで大丈夫?
大丈夫。萌えた体験談コピペ保管庫ってとこだから。
(´・ω・)ピーちゃんどうなったのかな
565 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/25(金) 07:34:47 ID:JhkKOKG4
age
ぴーちゃんは俺が美味しく頂きました^^
568 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/28(月) 00:06:52 ID:JHTxZiRA
保守
数年前俺が消防だった時親父が週刊と間違えて月刊ジャンプ買ってきた。
その頃月ジャンには平気で乳首とか出すエロ漫画みたいのがいっぱい載ってた
んでその中にあったカワイイ女の子の幽霊(確かセーラー服)が出てくる読み切りにハアハアした記憶がある。アレ誰のなんて漫画だったんだろ?
確かパンタクボーイとかゆうエロいのと増田こうすけの三国志の漫画が載ってた号だったような…。
誰か知らない??
・・・ここ、21禁板だぜ、坊や。
パンタクとはまた懐かしいw
でも言うほどエロくねーし
今日このスレにはじめてきたんだが、プレジャーガウストマジいいな
「アクマ」ってとこで震えた
作者が今でもこのスレ見ていればいいんだが
ありがとう、嬉しいよ、本当に。
保守
たしかにガウストは面白かった。
エロかったり切なかったり、脳天気だったり恐かったりと、波が振れる幅が大きくてインパクトがあった。
なにより、山岡が漢だった。
10レス使用で投下します
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
『コンタクト』
視界を何人もの女が占め、誰も彼もに注目される。しかも、社内の綺麗どころ
の大半が揃っているのでは無いだろうか。そんな状況に置かれた相原芳夫は、心
の中で盛大に罵声を上げていた。
複数の頭越しに、泣き真似をする元彼女の真奈美が見える。
真奈美は大人しい女で、穏やかな印象の芳夫と似合いのようだった。しかし、
芳夫の性格が見た目を裏切るのと同じく、彼女も裏のある人物らしい。彼は別れ
た今になって、真奈美の態度に滲む嘘臭さを感じていた。
「彼女も謝ってるんだし、許してあげたらどうなの」
「許すも許さないも。俺は別に、怒ってなんかいませんよ。どうやら皆さんは、
問題を理解されていないようですね」
「じゃ、元の鞘に収まるんだ?」
安堵したように尋ねた女子社員へ、芳夫がにっこり笑い返した。
「冗談でしょう」
期待から大きく外れた返事を聞いて、給湯室に集まる女達が苛立った。
新人に毛が生えた程度なだけに、滅多な事では芳夫も逆らわないのだが。いく
ら吊し上げられようと、真奈美と再び付き合うのはごめんだった。
「完全に冷めたのに、恋人でなんかいられませんよ。大体、あなた方には無関係
じゃないですか。首を突っ込まないで下さい」
「そうもいかないわ。相原君、電話もメールも無視して、連絡を絶ってるんだっ
てね。話ぐらい、ちゃんと聞いてあげるべきよ」
「話し合いの余地なんか無いでしょう」
きっぱり答えた芳夫を、彼女達は口々に心が狭いだの最低だのと罵った。どち
らを向いても、返ってくるのは厳しい顔ばかり。真奈美が目元にハンカチを当て
ているが、泣きたいのは芳夫の方だった。
冷静になるべく、ポケットの中へと手を入れる。いつも持ち歩いている銀色の
球に触れた芳夫は、苛立ちが収まっていくのを感じた。
それはゴルフボールほどの大きさで、水のような光沢を持つ金属製の物体だ。
気のせいだろうが、落ち込んだ時などに触れると、慰めてくれるような温かさが
広がる。芳夫は、工事で使うベアリングの球か何かだと思っているものの。子供
の頃に海で拾って以来、お守りとして持ち歩いていた。
「ちょっと待って下さい。どうして、俺の方が責められるんです。浮気されたか
ら別れるというのは、そんなに変な話でしょうか」
「誰にだって過ちはあるわ」
「なるほど。つまり、彼女に関わった事が、そもそもの過ちだったんですね」
「あんた男でしょ」
「そうね。もっと度量を見せたらどうなの」
理不尽な言い分をされても、芳夫の笑みは崩れなかった。余裕がありそうで、
癪に障るのだろう。口々に出る罵詈雑言は勢いを増し、義憤から次第に単なる悪
口となってきた。
ポケットの金属球が無ければ、二、三人の首を引っこ抜いていそうだが。傍目
には余裕たっぷりの顔で、芳夫は先週の光景を思い返してみた。
休日に真奈美の部屋を尋ねたら、中から苦しげな息遣いが聞こえてきたのだ。
心配しつつドアを開いた彼は、玄関先で他の男とヤってる彼女を見つけた。よが
り狂う彼女や焦る男を見ても、怒りや嫉妬などは湧かなかった。その前提となる
愛情や関心が、完全に冷めてしまったからだろう。
悪感情など欠片も見せず、にこやかに決別したはずだ。どう思い返しても、芳
夫には恨まれる覚えは無かった。
「俺には無理ですよ。彼女は、もっと度量ある相手と付き合えば良いんじゃない
でしょうか」
「だって、芳夫じゃないと駄目なんだもん」
しゃくり上げながら訴える真奈美に、周囲から同情が寄せられた。多数の目に
咎められても、他の男に突かれて悦ぶ顔が重なり、彼は肩を竦めた。
「とてもそうは思えないけどね」
「また、その笑顔で本心を見せないんだ。私の事なんか、どうでも良かったんで
しょう。最初から全部、私の空回りじゃない!」
「言いがかりだよ。俺は可能な限り、誠意を示してきたはずだ」
「だったら、なんで怒らないのよ! 芳夫が嫌いそうな物とか、場所とか。何を
あげても、どこへ行っても、何をしても。返ってくるのは笑顔だけ。浮気までし
たんだから、怒鳴るぐらいしてくれたって、」
泣き崩れた真奈美を、女子社員達が慰める。どうやら、それが彼女に肩入れし
ている理由らしい。
金属球のおかげで、芳夫は穏やかな人物で通してきたが、やり過ぎたのだろう。
度を越した落ち着きは、人間味を欠くほどだったようだ。笑顔は変わらなかった
ものの、内心で彼は恥ずかしさに頭を抱えていた。
本音を出さずに来たのは、何かと楽だったからだ。素直に言う事を聞く、ロボ
ットのような子供をこそ大人は有り難がる。しかし、そんな奴は人間未満だと言
われれば、確かにその通りだった。
「お前ら、何やってる。業務中だぞ」
給湯室へ顔を覗かせた主任が、芳夫を見つけて叱りつけた。
「相原、そろそろ出る時間だろう。遊んでるんじゃない」
「すみません」
芳夫は話を切り上げる口実に飛びつき、人垣を強引に掻き分けていく。何か言
いかけた真奈美を無視して通り過ぎると、背後から無数の敵意が浴びせられた。
主任に続いて部署に戻りながら、芳夫は穴があったら入りたい気分になってい
た。さっきまでとは別の意味で、しばらく真奈美とは顔を合わせたくない。資料
を揃えて出ようとした彼は、思い直して上司の席へと向かった。
ミスの報告かと身構える主任に、頭を下げて書類を貰う。
給湯室での吊し上げを見たからか、同情的な目をされたものの。転勤希望の申
込書を受け取った芳夫は、いつもの笑みを浮かべ、また軽く自己嫌悪した。
星の海を背にした艦隊が、緩いカーブを描きながら階段状に展開する。上下の
別が無い宇宙では、三次元空間を有効活用するのが基本的な戦術だ。全砲門で斉
射を行える陣形を整え、照明に鈍く光る砲門を同じ座標に揃えた。
緊張が伝わってくる沈黙が続くうちに、前方の恒星群が瞬いた。
夜空の星が瞬くのは、大気の揺らぎのせいであり。本来なら、真空の宇宙空間
で起きるはずの無い現象だった。
上霊<グラクス>。半透明の体を持つ、多脚の昆虫じみた存在。光と電波以外
の干渉を受け付けない、生命を食らい尽くす者。三度目の大戦争を終結させた銀
河連盟は、平和を味わう前に、彼らとの生存競争に巻き込まれていた。
「距離、三万五千」
「射程に入ると同時に、敵中央へ主砲を放つ」
「了解。総員、砲撃戦用意」
後方に配置された戦艦エカタフで、慌ただしく戦闘準備が進められていった。
通信や観測などの各部署から上がる報告を、副長が冷静に捌いていく。打てば
響くような指示が、艦内を活気づけるようだ。年老いた艦長は孫を見守るように、
乳白色の珪素の体を優しく点滅させた。
私服姿のキャス=シルは、そばかすが魅力的な少女にしか見えない。
しかし、十代の半ばに単独で新航路を開拓するほど、冒険心に富んでおり。ま
だ軍務に就いて三年目だというのに、この新造艦エカタフの部下を、二週間で掌
握しきってみせた。
彼女に限らないが、他で歴史に名前を残せたような優秀な人材が戦争に駆り出
されている。犠牲が一人でも少ないうちに戦争を終わらせるのが大人の責任だと、
艦長はモニターを注視した。光学望遠鏡の捉えた敵影は、アメーバーのように広
がりつつあった。
「今回の作戦は、試験が目的で良いんですよね」
小声と共に微笑むキャスへ、艦長も砕けた調子で答えた。
「うむ。効かなかったら逃げよう」
「二人とも、真面目にやって下さい」
副長が別人の声で、彼らに注意した。艦長は明滅しながら黙ったが、キャスは
もごもごと反論する。しかし彼女、シル=キャスは言い訳を却下し続けた。
炭素系の猿人類など、珍しい種族では無いものの。脳寄生体と共生する彼女達
は、かなり希少な存在だ。自分の口から出る説教にうんざりする少女など、滅多
に見られない光景だろう。
キャスが艦内通信に呼ばれて、ほっとしながら通話に出る。シルは言い足りな
い様子ながらも、頭を仕事に切り換えた。
『こちらは準備完了よ。いつでも良いわ』
「御苦労様です。ルメルだけでなく、博士にも試験中止の権限があります。問題
が見つかった場合は、即座に報告して下さい」
『くどくど言われなくても、分かってるわ。ああ、失礼。どうも、軍隊言葉には
馴染めなくってね。彼女の方も全て以上無し。もし何か異常があれば、すぐに報
せます』
「よろしくどうぞ」
通信を切ったキャスが、砲術長に確認を取る。蜥蜴人類の彼から、最終点検に
問題が無かった事を聞くと。艦長へ向き直り、シルが報告を上げた。
「艦長、『イオルの矢』の準備が整いました」
頷く代わりに点滅した彼は、全乗員へ向けて短い演説を行った。
五年前にグラクスと接触してから続く戦闘を労い、目的を明確にする。今回の
作戦こそ、責められる一方だった自分達が反転攻勢を行う転換点だと。力強い言
葉に鼓舞され、艦の士気は高まってきた。
グラクスに影響するのは光と電波だけで、砲弾もミサイルも何の効果も及ぼさ
ない。レーザーだけが対抗手段だったものの、出力が低くて決定打にならずにい
た。
「この『イオルの矢』が考案された経緯は、諸君も知っての通りだ。上手くいっ
たら、ルー・ハンの墓前に何を差し入れるか悩もうと思っている」
泥沼の戦場で、一人の青年が仲間を逃がす為に、グラクスの群れへ自爆特攻を
仕掛けた。その行動が、銃弾も効かない連中に打撃を与えた事で、対抗策が分か
ったのだ。
生命体の意志が込められた攻撃なら、連中にダメージを与えられる。捕獲した
グラクスで実験を行い、銃よりも手で石を投げた方が効く事も確認出来た。
試行錯誤を繰り返した末に。機械との親和性が高い金属生命体、イオル族の協
力で作られたのが、『イオルの矢』である。無機物に生命反応を乗せる事で、通
常兵器がグラクスに効くようにしたのだ。
戦艦エカタフはイオル族の少女、ルメル・シレココと研究チームを乗せ。なん
とか漕ぎ着けた実戦テストを、これから行おうとしていた。
「今日この日より、滅亡を引き延ばす抵抗から、生き残る為の戦いへと変わるだ
ろう。各員の奮闘を期待する」
艦長の演説が終わると、静かなブリッジには機械の音だけが流れていった。
旗艦とリンクした攻撃システムから、艦隊司令の命令が伝わるのを待てば良い
のだが。何もしないでいても、緊張して集中力が低下するだけだ。
演説はリラックスよりも、適当な時間潰しを狙ったのだろう。キャス=シルは
好々爺然と明滅する艦長を、改めて感心しながら眺めていた。
「距離、三万二千」
「艦隊司令からの指令を確認。当艦と実験参加の僚艦全てに対し、攻撃命令が下
りました」
「射撃管制に異常無し、主砲を敵中央へ固定します」
炭素系の人類、蜥蜴や蛇、猿や馬から進化した者達が多くを占めるブリッジが
騒がしくなる。幾度となく行ってきた戦闘準備を、今回は特に注意深く行ってい
るようだ。
全ての部署から報告を受けたキャスが、艦長に向き直って敬礼する。冷静さを
保っているものの、彼女の瞳は戦闘に高揚して輝いていた。
「攻撃準備、完了しました」
「撃て!」
艦長の命を復唱するのと同時に、砲術長が主砲を発射した。
電磁力で加速された弾丸が放たれ、放出した余剰な電気が雷光を起こす。砲塔
の周りを稲妻が踊る間にも、グラクスの群れ中央に穴が穿たれていった。
ブリッジクルーの歓声に被せ、索敵士官が敵の被害状況を読み上げた。レーザ
ーで長い時間をかけ、ちまちまと焼いた以上の打撃を与えたようだ。
「旗艦から、攻撃続行の命令が来ています」
「全砲門を開け。僚艦と合わせつつ、砲撃を絶やすな。歓迎用に運んできた料理
を、残さず振る舞ってやれ」
「了解。仰角三十度で、準備の整った砲から逐次射撃せよ。尚、当作戦の主任務
は『イオルの矢』の実戦試験である。着弾情報は、残らず集めろ」
各部とのやりとりで喧噪を増すブリッジへ、キャスの凛とした指示が飛んだ。
攻撃と観測の部門を中心に、状況報告が行われる。どの顔も活き活きとしている
のは、まともに戦えるからだろう。
主兵装であるレールガンさえ効けば、今までのように一方的にやられずに済む。
高速で打ち出された弾丸が、揺らぎながら進む半透明のグラクスを次々に撃破し
ていた。
息を吐きかけたキャスは、艦長の厳しい雰囲気を見て、気を引き締め直した。
「事前予測よりも、与えられる損害が小さいように見えるな」
「確かに。倍は効果があるはずでしたね」
艦長の呟きに応じたキャスが、通信士と索敵士に懸念を調べさせる。その結果、
テストに参加している艦のうち、六割の攻撃が効いていないのが分かった。
急いで呼び出した博士に説明を求めると、画像の相手は煩そうに手を振ってき
た。蛇人類の特徴的な先の割れた舌が、苛立たしげに鱗を舐めている。キャスは
詰問じみていたのに気付き、態度を改めて尋ねた。
「説明をお願いします、博士」
『これも予想された結果よ、報告書にも記しておいたわ。コンナマイアッタ式に、
ケラ=イ・ンイト係数を代入してみなさい』
「すみませんが、高等数学は知らないんです」
『物理よ』
呆れたような返事をしつつ、博士はキャスが素人だという事に同意した。もっ
とも、化学者の自分より物理に疎い人間がいるなど、想像すら困難らしいが。
『なるべく簡単に説明するわね。まず、ルメル一人が複数の艦に働きかけられる
のは、イオル族が体を分離出来るからよ』
「ええ。今回、僚艦に積まれているのが、彼女の分離体だとは承知しています」
『分離が可能なのは、十数までなの。そこで、各分離体の影響範囲内に艦隊を配
置して、分離体を乗せていない艦にもイオルの矢が撃てるようにしたのだけれど』
今までのテストより、狭い範囲でしかイオルの矢は使えないようだ。原因は実
戦時の艦隊行動や、ルメルの精神状態まで含めて、無数に考えられるらしい。
大体のところを理解したキャスは、分からない問題は投げた。学問的探求など
よりも、戦場の軍人には兵器の性能の方が重要なのだ。普段の彼女にとっての、
甘い菓子やダイエット情報のように。
「もっと簡単に教えて下さい。一番問題なのは何です?」
『というよりも、これが限界かも知れないわ。だとすると、イオル族全員の協力
を得たところで、この艦隊の分も確保出来ないわね』
「何がグラクスに効いているかの、科学的な解明は難しいんですか」
『研究所で調べてはいるけれど、あと数十年はかかると思うわ』
それでは、決定打どころか無意味でしかない。銀河連盟に所属する星系が、全
てグラクスに飲み込まれるには充分な時間だろう。
スクリーンに投影されたグラクスの群れは、一部の数を減らしながらも迫って
きていた。イオルの矢には、確かに効果があったものの。戦局を覆せる物では無
かったらしい。
適当な礼を言って通信を切ろうとしたキャスへ、にやりと博士が笑いかけた。
『本題はここからよ。ルメルに関してなら、劇的に出力を上げる方法が見つかっ
ているの』
「都合の良い話ですね」
返事をシルに任せて、同じ意見のキャスは目に嘲りを込めた。そんな物がある
としたら、今まで秘密にしておく必要が無いだろう。
『相手に迷惑が掛かるというので、私も聞いて無かったのよ。でも、今回の結果
が結果だけに、教える気になったようね』
端末を操作した博士が、キャスの前にあるモニターへ顔写真を表示させた。イ
メージ合成で作った物らしく、人の顔として少し違和感がある。もっとも、猿人
類のキャスでなければ、個体差だと思って気にしなかったはずだ。
黒髪と黒い瞳の、穏やかそうな青年。顔立ちに強い癖が無い分、腹に一物あり
そうな目が印象的だった。
「住所も分かっているんですか。では作戦終了後に、こちらで探してみます」
『良く見てみなさい』
謎めいた言葉を残していった博士に、キャスは面倒臭さを感じた。戦争反対か、
滅亡が主義の星系の人間だろうかと考えながら、住所を眺める。相手のつもりが
どうであれ、今は洗脳してでも使わなければならない状況なのだ。
座標から天球図を思い浮かべて、爬虫人類のスウェイへの定期航路の間だと位
置を把握する。艦長に報告しようとしたところで、目を見開いて振り返った。
「ねえ、シル。博士の態度からしても、私の思い違いじゃないわよね」
「おそらく。貴女と私の考えが同じなら、ですけれど」
「しかし、宇宙人ですか」
「それは正確な表現とは言えません」
学生の頃から宇宙船を乗り回していただけに、キャス=シルはすぐに理解した。
このアイハラ・ヨシオという男は、銀河連盟に未加入どころか。今まで発見さ
れていなかった星に住む種族の者らしい。
最初の接触<ファースト・コンタクト>に関する、連盟の長ったらしい規約は
無視出来ても。航路の無い星系へ行く時間と労力を考えて、彼女は眩暈を感じた。
地球に銀河連盟の船が降り立ったのは、それから一年後。相原芳夫が転勤希望
を出した、翌週の事だった。
当初の予想では、最速の軍用艦を飛ばしても十年は掛かると思われたが。詳細
な検討の結果、定期航路の中継点から、航程を大幅に短縮出来るのが分かった。
時間的にも待てる距離だけに、軍司令部は急いで計画を纏めた。
未知の文明との接触には、多くの規約がある。最低でも、有人飛行で母星系の
外へ行ける技術レベルが無ければ、干渉は許されないのだが。緊急事態の今回に
限り、連盟議会も例外事項として承認した。
連盟は当該惑星について何も知らなかったが、ルメル・シレココから情報提供
があった。イオル族は分離させた体を放ち、各地に見聞を広める習性を持つ。彼
女も分離体の一つを、その星に漂着させていたらしい。炭素系猿人類という情報
を基に、専門家の手で幾つかのシナリオが用意された。
そして、燃料切れで漂着した異星人、が地球のマスコミに報じられたのだ。
猿人類の種族が、ニューヨークの国連本部を表敬訪問したり、銀河連盟につい
て記者会見を行う。その裏で、実質的なスタッフが主要大国と協議を重ねていっ
た。
「なんだか大変だったんですね」
「ええ。とりあえず相原さんの意志を確認する、という話になったんですが。同
意して頂けて、助かりましたよ」
瞳を閉じた事務官は、瞼を下から上に瞬きした。
芳夫に爬虫類の顔の見分けはつかないものの、鱗を拭う仕草に苦労性が窺える。
どこの星でも宮仕えは大変だな、と感じながら笑いかけた。
「転勤の辞令が出ましたから。ま、他の星ってのは予想外でしたけど」
「それは、また」
事務官は苦笑しながら、慰めるように尻尾を振った。
食事時からずれた食堂には、休憩を取る人々が点在していた。民間船に偽装し
ているものの、高速の軍艦だけあって軍服姿が多い。猿や馬、蛇や蜥蜴といった
乗組員達が、物珍しそうに芳夫を見ていた。
あまり気にならないのか、芳夫が平然とカップを口へ運ぶ。銀河連盟で一般的
だという飲み物は、ほうじ茶に似た味だった。
「しかし、相原さんは落ち着いてますね」
「え、ああ。私の星で嫌な思いをしたんですね。欧米の、ええと、大国の多くの
人は爬虫類や軟体動物が駄目らしくって」
「それとは違います。確かに、初めて異星人の船に乗ったにしては、動じていな
いようですが。私が言っているのは、機械とはいえ脳に寄生させた事ですよ。そ
んな命令を聞くぐらいなら、私は辞職を選びますね」
芳夫は別に違和感も無いので、感心する事務官に苦笑しか返せなかった。
シル=キャスのような脳寄生体に近いだろうか。とても小さな機械を注入し、
脳に情報を書き加える技術だ。それで銀河標準語を覚え、こうして事務官と気軽
に話も出来ていた。
「初めは違和感もありましたけど、慣れたら何も感じませんよ」
「いえ、お話にならなくて結構。人為的に体を変えるというのは、私の宗教では
禁忌に当たりますから」
瞳を縦長にする蜥蜴頭に頷き、芳夫は話題を変える事にした。
地球に来るまで三十週以上かかったのに、帰りが早く済む理由を尋ねてみる。
事務官は机に画像を表示させ、基礎理論から簡単に説明してくれた。
彼らは航路と呼ばれる、量子転送を応用した移動を行っているらしい。宇宙船
の速度は、毎秒二十から三十キロが限度なものの。航路を利用すれば、物理的な
距離が何万光年あろうが、一瞬で跳ぶ事が出来る。ただし、膨大な計算が必要で
あり、未知の航路を拓くには時間が掛かるそうだ。
地球周辺が映っていた画面が、太陽系全体図に変わった。エッジワース・カイ
パーベルトの外から航路を使い、中継点を経由して目的地に向かう。銀河の画像
を表示させた事務官は、縁の辺りを指でなぞっていた。
「この辺りに、銀河連盟の本部があります。我々が向かっているのは、中間にあ
る軍の施設ですね」
「へえ。俺はてっきり、銀河の中心にあるのかと思ってました」
「これまで銀河中心部に、生命が存在する星は発見されていません。炭素系生物
の住む星は見つけ難いんですが。塩素や珪素であろうと、高温高圧の環境では原
始的な物が限度でしょう。あそこにいるのは、」
グラクスだけです、と言いかけた事務官を警報が遮った。
戦闘配置を促すアナウンスに従い、クルーが慌ただしく食堂を後にする。事務
官と共に席を立った芳夫は、廊下で地球から同行した人々に囲まれた。
護衛と情報収集、ついでに監視を兼ねた人員で、日本人よりも外人の方が多い。
芳夫は金属球を弄びながら、危機感を煽る音の下を進んでいった。頼り切るのは
止めたつもりだが、今は取り乱すわけにはいかないのだ。
手近の端末で状況を確認した事務官が、一行を先導して歩き始める。廊下に点
在するスクリーンには、無数の艦が映っていた。
「残念ながら、事態が悪化しました。この数日で戦線は後退し、中継点が前線に
なっているようです」
「つまり、ろくな準備も無しに戦闘になるわけですね」
にこやかな笑顔で応じる芳夫に、重々しく事務官は頷いた。
「連中は空想の産物と思われた転移方法、あなた方で言うワープを使いこなしま
す。気負わせるつもりはありませんが、この作戦に失敗すれば、あなたの星も呑
み込まれるでしょう。勝手な言い方ですけど、相原さんに期待させて下さい」
「上手くいったら、一杯奢って貰いますよ」
顔を青ざめさせつつも、事務官は笑って請け負った。続いて、米軍と自衛隊の
佐官を中心に、幾つかの質問が重ねられる。欧州と中国の武官達も、時折口を挟
んで現状把握に勤めていた。
船体が揺れて芳夫は転びかけたが、黒人将校に肩を抑えられた。励ますような
眼光に困って笑い返すと、背中を力強く叩いてきた。
床の滑り止めが途絶えた区画を折れて、広い空間に入る。ドッキングエリアに
なっているらしく、床には変わった矢印と指示書きが交差していた。奥の方で、
整然と並んだ異星人達が書類を交換しているようだ。案内されるままに進んだ芳
夫は、押し出されるように一団と対峙した。
「アイハラ・ヨシオさんですね」
中の一人が、顔の前で手順通りに指を振る、連盟海軍式の敬礼を行う。芳夫は
会釈で返しつつも、名乗る相手を戸惑ったように見ていた。
乗ってきた船にも猿人類はいたが、あまり接触する機会は無かったのだ。事務
官や、あれこれ案内してくれた下士官は爬虫類系であり。鉱物系も多く見たもの
の、金髪の若い女である彼女は、地球人と変わらないようだった。
「さっそくで申し訳ありませんが、っと、何か?」
「いえ、すみません」
「異質な状況下においては、似たような種族との出会いに違和感を覚えるものよ。
当然の反応だから、気にしなくていいわ」
キャス=シルの隣から進み出た博士が、自己紹介しつつ握手を求めてきた。予
習済みなのか地球式の物で、温かな鱗の感触が掌に残る。蛇顔相手の方が動揺し
ない芳夫を見て、キャスは首を傾げていた。
「艦にいない若い同種族なのに、隔意を持たれて残念でしたね」
「あんたは黙ってなさい。ややこしくなるから」
独り言を呟く彼女は芳夫に見咎められ、慌てて自分の性質について説明した。
話しておかずに信頼関係を損なえば、今後の作戦に響くと付け足したが。シル
は小声で色気づいてるとぼやき、好物を減らすという刑を言い渡された。
事務官と別れの挨拶を交わし、副長の先導で戦艦エカタフに乗り込む。すぐに
他の地球人と離れたものの、了解済みか軍人だからか、彼らは抗議もせずに従っ
た。
「予定では、艦長が出迎えるはずだったのですが。状況が切迫していますので、
お許し下さい」
「いつ戦闘が始まっても、おかしくないのよ」
戦艦エカタフが動き出したようで、足下から振動が伝わってくる。壁を支えに
歩きつつ、芳夫はポケットの中で金属球を転がしてみたのだが。落ち着くどころ
か興奮してくる自分に、疑問を感じていた。
近付く戦闘に怯えるどころか、笑みを浮かべている。それはキャスを感心させ、
博士を面白がらせたようだった。
「ところで相原さん、説明は受けていますか?」
彼の態度は、シルには不可解なものに感じられたらしい。現実を思い起こさせ
るべく、軍人じみた四角四面な声音で呼び掛けた。
「ちゃんと分かってます。戦闘機に乗れとかいう話なら断ってましたよ。そんな
の、訓練を受けた軍人さんの方が、素人の俺よりずっと上手いでしょう。いまい
ち理由は分かりませんけど、機械とヤれば良いんですよね」
「その通りよ」
どこを訂正すべきか迷ったキャス=シルに代わり、博士が即答した。
「敵の正体だとか、なぜ効くのかは、専門家の私達に任せておいて。貴方はただ、
ルメルと交尾すれば良いの。一つ訂正させて貰えれば、機械じゃなくて金属生命
体という事かしら」
「危険は無いと聞きましたが、以前、俺の立場にいた人ってどうなったんですか」
「初めから存在しないわ。今までは自慰だったのだけど、威力が足りなくてね。
だから貴方を呼んだわけ」
長い尻尾を振りながら、淡々と博士が説明を行う。芳夫の方も、特に恥ずかし
がってはいない。キャスは頭を抱えたが、プロに徹しきれない自分を嘆いている
のでは無いようだ。
「身も蓋もありませんね」
シルの寸評が、艶の無い猥談を的確に表現していた。
敵を発見したという放送の中、彼らは複数の区画を進んで行った。壁も床も綺
麗なものだったが、火災の跡や、テープで応急処置された配線なども見える。新
造艦も幾度かの戦闘を潜り、本来ならドッグ入りが必要なダメージを受けていた
が。絶望的な戦況は、それを許さなかった。
気付いていないはずも無いだろうに、芳夫は笑顔のままで。ポケットに手を入
れて平然と歩く彼を、シルも度胸があると認めたようだ。
「ここよ」
ドアを開けた博士が、余り広くない部屋に二人を導いた。積み重なった機械や
計器類が、スペースを取っているらしい。室内の至る所に、剥き出しの配線が走
っており。中央のソファーも、なんとか確保したような狭い空間に置いてあった。
博士の助手だろうか。ソファーの上で、赤毛の女が作業をしている。顔を上げ
た彼女は、芳夫には十代半ばぐらいの歳に見えた。
陰険に感じる鋭い目を向け、細い指で額に掛かった髪を払う。
人形じみた整った顔が、冷淡に三人を観察した。表情の乏しさもあって、作り
物のように見える。根暗そうなので、万人が美少女とは思わないはずだが、芳夫
の理想には限りなく近かった。もう少し年上なら、完璧だっただろう。
知り合いらしく声を掛けるキャス=シルを、少女は陰険に睨み返した。怖い笑
みで両頬を引っ張られ、ようやく挨拶をしている。
「あの椅子に寝れば良いんですか」
気が付くと吸い寄せられる視線を逸らし、芳夫は博士に尋ねてみた。お守りの
金属球を転がすものの、落ち着くどころか動悸が激しくなってきた。
「ええ。それより、何をしているの?」
「俺の相手は、どれなのかと思いまして」
機械ではなく金属生命体だと聞かされていたが、辺りには実用的な品しか無か
った。水銀のような液状なのかもしれないと、周囲を見回してみる。しかし、幾
ら探しても、生命を感じる物は無いようだ。
博士が呆れたような息を吐いて、彼の目の前で一点を指差す。その先に視線を
向けても、ソファーに座る少女しかいなかった。
「彼女がルメルよ」
次々に出現するグラクスに照準を向けつつ、将兵は緊張に強張っているのを自
覚していた。先の会戦から数度の戦闘で、僚艦の多くが撃沈されており。展開し
た布陣にも、かつての威容は名残しか感じられないのだ。
キャスが檄を飛ばす戦艦エカタフは、戦意の高い方だろう。少なくとも彼らは、
死後よりも生き残る為に祈りを捧げている。
艦内の喧噪から隔離された静かな部屋で、芳夫はルメルと向き合っていた。
女の子と二人きりだからといって、緊張した覚えなど彼には無い。今までは金
属球のおかげで何事にも動ぜず、冷静に行動してきたのだ。初めてアガった芳夫
はパニックになっていたが、長年の積み重ねか、表面上は堂々としたものだった。
『そろそろ始めてくれるかしら』
スピーカーからの博士の声に返事したものの、自分が何と言ったかも分からな
い。逃げ出したい気分の芳夫に、むすっとしたルメルが近付いてきた。
胸の辺りに掛かった髪が、動きにつれて静かに揺れる。伸ばされた腕を黙って
見ていると、彼女は痛むほどに強く芳夫の顔を掴んだ。しかし、それも気になら
ないくらい、間近で睨み付ける水色の瞳は魅力的だった。
「芳夫。貴様、宇宙の危機を救う為という大義名分があっても、女一人抱く根性
も無いのか。いつから、そんな腑抜けに成り下がったんだ」
「初対面の君に、性格をどうこう、んんっ」
唇を押しつけられた芳夫は、最後まで言い返せなかった。
『良い調子よ。攻撃開始まで時間が無いから、どんどん出力を上げていって』
勝手な博士に抱いた苛つきが、溶けるように消え去ってしまう。この、体の内
側を満たすような安心感は、彼にとって慣れ親しんだものだ。
「お前だったのか!」
「気付くのが遅過ぎるぞ、鈍感」
芳夫はポケットから金属球を取り出し、ルメルの顔の横に並べてみた。形こそ
違うが、同じ存在だと感じられる。彼女が尊大に顎を振ると、金属球は吸い込ま
れるように本体へ戻っていった。
追いかけた芳夫の手を抑えつけ、滑らかな頬に触れさせる。睨んだままのルメ
ルは、動揺する彼を鼻で笑った。
「これからは、いつでも私に触れられるだろうが」
その言葉を確かめるように、芳夫はもう片方の手もルメルの頬に添えた。両手
で挟んで見つめていると、自然と引き寄せられていくのが分かる。逆らう理由が
無いどころか、銀河の存続の為にも進んでヤる必要があるだろう。
しかし、唇を合わせた芳夫からは、そんな考えなど吹き飛んでいた。
彼女の口の中を貪り、舌を求めて息を荒くする。我に返りかけたところで、ル
メルが自分の唾液を啜る音が聞こえてきた。
『凄いわね、一人の時とは桁が違う。こちらの準備も完了したわ』
鬱陶しそうにスピーカーを見るルメルの舌を、抗議を込めて舐め上げる。彼女
も同感だったらしく、雑音など無視して芳夫と舌を合わせた。
物心ついた頃から、片時も離れずにいた恋人同士が、初めて出会ったのだ。
どこか矛盾した話を整理したり、他人を気にするよりも。手の届くところにい
る相手を、味わい尽くす方が先だった。
「分離体があったという事は、お前、地球に来てたのか?」
「そうではない。体を分けられるようになってすぐ、スウェイへの中継点から宇
宙に漂わせたんだ。貴様の星に流れ着いたのは、偶然でしかない」
「つまり、慣れない内に遊んでたら、失くしたってわけだな」
気付くな、とばかりに視線が鋭くなったが、芳夫は軽く受け流した。抱き締め
た体から甘える気配しか感じないのでは、当然だろう。
「もし俺以外の奴が拾ってたら、どうしたんだよ」
「逃げれば良いだけだ。分離体であろうとも、そのぐらいの事は出来る」
自分の意志で芳夫の元に留まっていた、と語られて彼の陰茎は力を漲らせた。
それを感じたルメルが、無言で紐止めの服を脱ぎ始める。芳夫もベルトを外し
て、下着ごとズボンを下ろした。反り返った陰茎はワイシャツに擦れ、いきり勃
って脈を打ち始めた。
「少し待て」
すぐにも突っ込みたがる芳夫を、ルメルは押し止めた。冷静な振りをしている
ものの、陰茎に吸い付く膣からは涎が溢れていた。
「我々の種族の雌は貴様らと違って、初めて受け入れた雄以外と交尾出来ぬよう
になる。責任は取れよ」
「まるで子供でも出来るみたいだけど。お前、金属なんだよな?」
「出来るぞ。同族同士では繁殖力が難しいので、むしろ他種族と交わ、あふっ」
芳夫の屹立が増して、陰唇を割り開いた。三つに別れた陰唇が、しっかり彼を
捕らえて離さない。それぞれの根元にある淫核も、怯えたように震えながら幹に
触れてくる。
小刻みに痙攣する腰を掴み、芳夫はルメルの中へ潜り込んでいった。
「話の途中だろ、あんっ、だろうが」
「好きなだけ産め。ちゃんと責任取ってやるよ」
言ったな、という呟きを聞きながら、奥へ奥へと進み続ける。どうやら処女膜
は無いらしく、すんなり根元まで受け入れてくれた。
だが、埋まりきったところで膣が蠢き、ぴったりと陰茎に吸い付いてきた。入
り口から奥まで、彼の形に合わせて造り替えられたようだ。これでは、他の奴が
挿れようとしても、どうにもならないだろう。
感動している芳夫の下で、ルメルが腰を揺らし始める。両手足も絡みつき、少
しでも深い繋がりを求めていた。
「この愚図が。私に早く、貴様の精液も覚えさせたらどうだ。一度味わってしま
えば、他の雄の精子が混入しようと、くあっ、免疫で滅ぼせるのだぞ」
「心配しなくても、すぐにイっちまうよ。気持ち良過ぎるって、お前」
「貴様が下らぬ女と付き合ってい、ふうっ」
眼差しは険悪なままだったが、息は甘ったるい物になっている。お互いの舌が
舌を求め、相手の口の中を蹂躙し。肌を伝う二人の汗が乳房に流れて、体に擦り
付けられる。
芳夫は腰を前後させながら、纏わりつく襞を味わっていたのだが。ルメルが興
奮するのに従って、隙間無く咥え込まれてしまった。
往復する度に、彼女の内側全てを揺さぶっている感覚に陥る。
閉じられなくなったルメルの口から、淫らに蠢く舌が覗き。どこまでも柔らか
く揉める乳房が、ふるふると震える。彼女が大きく喘ぐと、突き続けていた肉壁
が先端を飲み込んだ。
「その奥で、私の卵子が貴様の精子を待ち侘びている。貴様が生き物であり、ふ
あっ、雄だというのなら。焦らさずに受精させたらどうだ」
「さっきからうるせえ。うだうだ言わなくても、子宮を満たしてやるよ」
「貴様らとは体の作りが違うから、無理だと思うぞ。少しでも繁殖し易いように、
膣は卵巣と繋がっておる。子宮は別になっていて、あっ、胎児を育てるだけの、
ああっ」
両手で尻を引き寄せた芳夫が、主砲の発射準備に入った。ルメルの膣内が蠢い
て、卵巣に直撃するよう砲口を固定する。頷く潤んだ瞳を見ながら、彼は溜まり
に溜まった精液を迸らせた。
どくんっ、どくどくどくっ
幼い頃から味わってきた安心感に全身を満たされて、芳夫が力を抜いた体を預
ける。抱き留めたルメルは、労るように口付けてくれたが。彼女の膣は貪欲に、
一滴残さず搾り取ろうとしていた。
『とんでも無い出力よ、これは。僚艦どころか、戦闘宙域全てがイオルの矢の範
囲下に入っているわね』
博士の興奮した声を流すスピーカーに、二人は煩そうな目を向けた。
全艦隊の主砲だけでなく、通常弾もグラクスに打撃を与えているらしい。どよ
めくブジッジで着弾を確かめていた観測員は、驚きに瞳を開いて上司に報告した。
グラクスは物理現象に影響されず、鉄も岩も擦り抜けるはずだったが。漂う岩
石に、体を押されている個体が発見されたのだ。すぐに分析を求められ、博士は
暫定ながらイオルの矢による効果だと結論づけた。
艦長が乳白色の体を明滅させ、全発射口からミサイルを放たせる。次々に撃ち
落とす様子を見て、キャスは空母艦載機と基地航空隊に攻撃要請を出した。
『防衛線の維持どころか、押し返せるそうよ。二人とも、よくやってくれたわ』
呼吸が落ち着くまでの展開を話して、分析にかかる博士は慌ただしく通信を切
った。ヤっただけの芳夫に、銀河を救った実感など無いものの。死なずに済んだ
らしいと知り、安堵の溜め息を吐いた。
「終わったらしいな」
「何を言っている」
離れようとした彼にしがみついたまま、陰険にルメルが睨んできた。
「責任を取るんだろう。愚鈍な貴様の頭でも分かるように言えば、私が妊娠する
まで繋がり続けるぞ。いや、出産後すぐ孕めるように、新たな受精卵も作れ。分
かったら、さっさと次を注いだらどうだ」
「いくらなんでも不可能だと思うけど」
あと二、三回ならともかく、限界というものがある。そう抗議しようとした芳
夫へ、にやりと笑ってルメルが口付けた。
舌の感触とは別に、頭のどこかでスイッチが切り替わったようだった。萎えか
けていた陰茎は、力を取り戻すどころか勢いを増しており。根元の方に、疼くほ
どの性欲が溜まってきた。
「お前、何をした」
言いながら腰を振り始めた芳夫を、見下すようにルメルは眺めた。
「貴様の頭にある極小機械に働きかけ、射精し続けられるようにしてやったぞ。
これで、一日中ずっと射精出来る。安心しろ、寝ている間も私の膣内に出せば良
い」
「無茶苦茶すんなよ。でも、生理現象があるんだ、抜かざるを得ないだろ」
「小水なら、尿道口を合わてやるから私の膀胱へ溜めろ。貴様と違って、あんっ、
肛門からも排泄可能だ」
「本気で、孕むまで抜かせない気なんだな」
「嫌か?」
不安そうな口元に吸い付いて、そんな顔が出来ないようにしてやった。横柄で
尊大に見えた方が、彼にとっては安らげるのだから。
捻りを加えながら膣内を味わい尽くし、乳房や手足の触り心地も堪能する。何
回か博士の声を聞き流すうちに、三度目も注ぎ込むと。組み敷いたルメルの中か
ら、たぷたぷと精液の揺れる音が響いてきた。
「軍に協力したのは、あふっ、貴様の星が遠いからに過ぎん。普通に働いても、
航路の無い地域への旅費には手が届かないからな」
「俺にも出張費だけでなく、育児手当ぐらい出ないかね」
「つくづく呆れた奴だ」
注挿の度に淫核を擦られるルメルが、汗だくになった顔を上げた。額に貼り付
く赤い髪を払ってやると、色っぽい唇が視界で大きくなってきた。
互いの舌を舐め合って、伝わる唾液を飲み干す。また注いだ精液を、彼女の膣
内は喉と同じく音を立てて吸い取っていった。
「銀河を救った英雄ともなれば、育児休暇を申請しても良かろう」
「そこまで豪勢で良いんだろうか」
「私が許してやる。もし休暇が取れたら、くうっ、それを利用して子作りに励む
ぞ」
「今と変わらないじゃねえかよ」
「嫌だとは言わせんからな。聞いた途端に、膨らんで疼きおって。そんなに私に
種付けしたいのか。言うまでもなく、ふあっ、私の卵子は全て貴様の物だ。好き
なだけ孕ませてくれ」
妙な方法で生命を喰らおうとする連中など、生物の営みに比べたらカスにも劣
る。 肉体を持たないというグラクスへ、憐憫の情を抱きつつ。芳夫はルメルの
膣内を掻き回して、思う存分、自分の子種を注ぎ込み続けた。
終
うはーグッジョブ!くなさん節全開だな!
欲を言えば、ルメルの自慰シーンが見てみたい。いやむしろお願いします。このとおりorz
おもしろかった。ルメルいいね。
>>585 いつ読んでも、アンタのSSは最強だよ。
HRもすばらしいが、ツンデレのようなデレデレもお見事!
素直クールキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
レスども〜
ルメルのコンセプトは、皆さんの感想通り罵倒な素直クールです
ツンデレの専売特許になってますけど、クール娘でやったら面白いかなと
>586
また難しい注文をw
挟める部分が無いのと、一本の話まで膨みそうにないので、ちと無理す
エロシーンだけなら脳内補完でプリズ
>>591 >脳内補完
そいつぁ無理な相談ですな。
だって俺達ごときの妄想なんかより、くな叔父のSSの方が遙かにエロくて面白いのは、太陽光を虫眼鏡で集めた光より明らかなんですからwww
いや俺586なんだけど、実はただ単に博士の「今までは自慰だったのだけど」
という一言にものすごくおっきしてしまった事が原因。
艦隊総員戦闘配置の中で自慰を強要されるルメルハァハァ・・・
まあ無理なら贅沢は言いますまい。
くなさんGJでした!
ルメルいいっすねぇ。ツンデレっぽくも素直クールっぽくもあって
とても真似できないわ、こーいうの。
くなさんの才能に嫉妬してしまいます
読んでいて、俺はてっきり副官のキャス=シルとやっちゃうのかな?と思ってしまいましたが
是非是非、一人の身体を責め立てられて二人で逝っちゃう彼女たちというのも読んでみたいです。
あと個人的には、蜥蜴な博士でもOK!w
さて、そんな対策の後というのは気が引けるんですが
くなさんフィーバー中のなかにこっそり気づかれないように投下してみる
私は一人、釜に入れた棒きれを手で回し中身をかき回していた。
釜と言っても大きな物ではなく、むしろ「一人用鍋」と言った方が大きさなども的確に伝えられるだろうか。
私は熱せられた鍋の中身に、うっすらとだけ水色がかった粉末を入れる。
粉末はすぐ液体に溶け、跡形もなく消えていった。
そして私は粉末を入れられた後もなお釜の中身をぐるぐると棒でかき回している。
いや、液体と言うにはあまりにも粘りけのあるそれを、
かき回していると言うよりは煉っている、と言うべきか。
その液体は煉れば煉るほど色を変え、濃厚な緑色へと変化していった。
一舐めすればおいしさのあまりにファンファーレでも鳴り響きそう……には、さすがに見えない。
どう見ても、口に入れるべき物ではなさそうだし、口に入れるべき物ではないことを知っているから。
それにここは台所ではない。
まだ釜がコンロやかまどの上にでも置かれているのなら、食べ物かとも少しは思えるかもしれないけど、
私が釜の中身を煉り続けているこの部屋は、一言で言うなら実験室。
周囲にはたくさんの棚が設置してあり、ガラス戸の奥には薬瓶がぎっしりと並べ置かれている。
そして引き出しの中にはきちんと区分けされた薬草やそれらを粉末にした物が納められており、
今私はその引き出しを開け、今度は真っ赤な粉末をひとつまみして閉める。
「マンドラゴラの根はこんなものかな……」
私は独り言のように材料を確認しながら、粉末を釜に入れまた練り始めた。
もしここに第三者がいれば、真っ黒なずきんをかぶった私の様子を、まるで魔女が怪しげな実験をしているよだと例えるだろう。
いや、「まるで」ではなく、全くその通り。
私は魔女なのだから。
ただ私に一般的な魔女のイメージとかけ離れていることがあるとすれば、
私の「見た目」が腰の曲がった老婆ではなく、若い年頃の女性だという点くらいだろうか?
「こんな感じかな……」
アルコールランプ代わりに使っていた鬼火を、私はパチンと指を鳴らして消した。
続けて私は釜とその中身を急速に冷やすため、釜から棒を取り出した後にふーっと息を釜へ吹きかける。
すると釜の表面にピキピキと音を鳴らしながら氷が次々と付着していく。
「……うん、良い感じね」
冷えた釜の中身を指で突き、液体が固体へと変化したことを確認した。
固体とはいえ、釜に付いた氷のようにカチカチに固まったわけではなく、
半固形……体温の熱さで溶ける程度の、これは軟膏薬。
俗に「魔女の軟膏」と呼ばれる薬を、私用に調整して作った物が釜の中身にある正体。
「さて、成果のほどを早速試してみましょうか」
私はそそくさと立ち上がり、服を全て脱ぎ始めた。
全裸になった私は、釜からたっぷりと軟膏を掻き出し、それをまんべんなく全身に塗っていく。
「んっ……冷たい」
ひやりとした感触が全身を包み、僅かに肌が引き締まる。
体温ですぐにどろどろとなった軟膏が、
引き締まった肌へ吸い込まれるように浸透していくのが見た目と感触で実感出来る。
「これ……はぁ、思った以上に即効性高いかも」
軟膏を全身に塗り込む。これだけの事で私はもう息を軽く荒げ始めていた。
私は慌てて、部屋の隅に立てかけてあった「箒」を、その場を動くことなく指先を軽く曲げただけで引き寄せ、
軟膏をその箒の「柄」にもたっぷりと塗る。
私が作った魔女の軟膏は、別名「飛び軟膏」とも呼ばれており、
魔女が箒で空を飛ぶ為に用いる薬である……と、伝えられているらしい。
まあ確かに、この軟膏は「飛ぶ」為の軟膏であり、こうして箒も用いてもいる。
しかし軟膏の効果は、民間伝承に伝わるようなかわいげのある物などでは全くない。
「んあ……もうこんなに……あぁ、いい……」
私は箒にまたがり、柄を股間に押しつけ手にしたそれを前後にゆっくりと動かしている。
軟膏と、そして押しつけた股間からもうあふれ出ている愛液によって、箒は滑らかに動き私に刺激を与えてくれた。
かつてキリスト教徒達は、「魔女は箒を用いて自慰行為をする堕落した者達」と断罪してきた歴史がある。
それはキリスト教が魔女と呼んだ土着の巫女達を追い払うために用いた嘘方便だと今では語られているが
実のところ、彼らの証言に嘘はない。
事実今私は、古くから伝わる秘術で作られた軟膏という名の「媚薬」を用いて、快楽という旅路へと「飛んで」いるのだから。
「そこ、んっ、そこいい……」
自分で自分に言い聞かせ、私は竹で出来た箒の柄にある「節」で陰核に刺激を与え続けた。
全身に塗った軟膏はとうに染みこんでおり、全身全ての神経が敏感になっている。
そんな状況で刺激される陰核や淫唇。強烈な刺激はすぐさま全身に響き、
まるで身体が一つの性器になったかのような錯覚に陥る。
いや、もはや錯覚ではない。私は自分で作った軟膏によって全身を性器に仕立て上げていた。
「もっと、もっと激しいの、ん、ほし、欲しい……そ、ん、もっと、もっと!」
摩擦で火が付くのではないかと思うほどに、私は股間に強く押し当てた箒を激しく動かす。
しかしそれでも、私は満足できない。もっと強く、奥へ、直接的な刺激が欲しい。
「ふといの、いれる、いれちゃう……ん、んっ! い、これ、いい!」
ついに私は床に寝そべり、柄の先を膣の中へと押し入れた。
確実に男性器よりも太い箒の柄も、軟膏と愛液という潤滑油のおかげですんなりと受け入れる膣。
私はその膣の更に奥へと、柄を突き入れては喘いだ。
「ん、い、いい、おく、おくまで、きてる、きてる、あっ! んっ、んはぁ!」
自分で自分の身体を串刺しにしてしまうのではないかと思うほど、
しかし躊躇うことなく深く深く私は膣の奥へと箒という張型を突き入れる。
「もう、いく、いっちゃう、わた、し、もう、ダメ……ん、いっ、ふあ、あっ、んっ、あ、あぁ!」
鯨のように股間から潮を吹き、私は自慰を初めて三分と経たずに果てた。
自分用に調整したとはいえ、これは強烈だ。
まずいかも。頭の片隅で私は自分に警告を発する。
これは完全に、調合をしくじっている。
この手の薬は、あまり強力すぎてはいけない。なぜならば……。
「ん、ダメ……止まらない……」
警告という思考を、肉体が拒絶した。
私は再び入れたままだった箒の柄を片手で動かし、余った片手で胸をちぎれんばかりに揉み始めてていた。
効能が強すぎて、歯止めが利かない。身体は一度で満足することなくどん欲に次を求めている。
そして警告を発した意識も、次第にどん欲な性に支配されていく。
「ああ……ふあ、ん、もっと、お願い、もっと……」
意識がぼやける。意識という白い靄の中は、もう快楽を求める心しか残ってはいなかった。
快楽を求める心はそして、同時に「相手」を探し始めた。
「強く、そう、んっ、いい、いいわ……んっ!」
私はいもしない「相手」に語りかけ、さらなる刺激を求めている。
そもそも魔女の軟膏には肉体的な媚薬効果だけでなく、精神的な媚薬……つまりはトリップ効果も含まれている。
だからこそ「飛び軟膏」とも呼ばれるのだ。
意識はこれまでに私と交わった男達をずらりと並べ、その中から「相手」を選んでいった。
次々とふるいにかけられ消えていく男達。残っていくのは私が愛した男達。
その男達も一人また一人と消えていき、最後に残ったのは……最愛の人。
もはや胸を揉む私の手は彼の手。私を貫く箒の柄はあの人の陰茎。
虚空にはハッキリと、愛しいその人の姿が見えていた。
「もっと、きて……ふかく、ん、もっと、もっとぉ……」
とろんとした甘い声で、私は彼を求め続ける。
本物の彼には聞かせたこともないような、甘い甘い声。
私の心は軟膏によって完全にこじ開けられ、全てを素直に、そして熱く、求めてしまっている。
だがどんなに求めても、所詮は幻影。脳で作りし幻に過ぎない。
「キス……ねぇ、キスしてぇ……」
激しく唇を求める私。しかしその欲求に幻は答えられる術を持っていなかった。
結局は私の両手と箒だけが彼の代役。
それだけのはずだった。
「んっ! ……ん、ちゅっ……くちゅ……んっ、あぁ……」
唇に熱い感触。そして口内に侵入する、舌。
ありもしない、あるはずのない快楽が、求めに応じてきた。
これが強力すぎる媚薬の効果なのか? 求めに応じ脳が幻に疑似感触を持たせたのか?
感触だけではない。さらに幻はありもしない行為を私にし向ける。
「こんなに乱れて……そんなに気持ちいいの?」
幻の彼が、「キスをしながら」耳元で囁きかける。
とうとう感触だけでなく幻聴まで。
何故? ここまでリアルな幻を感じるほど私は「飛んで」しまっているのか?
そんな疑念を抱くはずの脳は、甘い甘いキスと言葉に、トロトロに溶かされてしまっている。
「だって……ん、ちゅっ……んっ……」
言い訳をする私の唇を、彼の唇が塞ぐ。
そして彼は私の両胸と、淫唇と、そして菊門を手で激しく責め立てる。
幻の彼は四本の腕で私を弄んでいた。
「ここまで濡らすなんて……とってもいやらしいね」
舌と言葉で私をとろけさせる二つの口。
そう、私はまるで「二人」の彼に嬲られているよう。字が示すとおり、二人の男に私という女が挟まれるように。
「や、もう、いっ……いっちゃ、んっ! やっ!……はっ、はぁっ!」
解放された私の唇が漏らしたのは、絶頂の告白。そして荒げる息。
「もう逝ったの、本当にいやらしいね……まだ欲しいの?」
意識はもうろうとしていても、彼を求める「心」はハッキリしていた。
私は荒げる息を整えられぬまま、うわごとのように問いへ答える。
「いいよ、もっと可愛がってあげる」
言葉と同時に再開されるキス。そして淫唇には指ではない違う感触が。
「舌ぁ、ん、なめ、もっと、舐めてぇ……んっ、ふあぁ!」
ぴちゃぴちゃといやらしい「幻聴」と共に、ぬめりと暖かい感触が淫唇をこじ開けるように迫ってくる。
激しく得られる快楽と、その快楽を更に求める意識が、ガクガクと腰を振るわせた。
その腰を強く床に押しつけ、幻の彼は執拗に舌を淫唇に這わせてくる。
またもう一方の彼は唇から頬、そして耳たぶを軽く咬んだ後に、舌を首筋に這わせ、そして胸、乳首へとナメクジのように舌を滑られる。
「あぁ! ん、もっと、なめて、すってぇ……ふあっ! んぁあ……い、いい!」
もう三度目となるのに、私はまた絶頂へと駆け上がっていく。
丁寧に、大胆に、二つの舌が私を喜ばせ、狂わせていく。
「ひぁあ、そこ、ん、いいっ! もっ……い、んっ! あぁあ……んっ、あっ!」
干からびるのではと心配になるほどに上下の口からよだれをダラダラと垂れ流し、
私は全身を振るわせながらただただ愛しい彼らに身を任す。
「また、また、いく、いくのっ! いっちゃ……ん、いっちゃ、いっちゃ、いっ! ん、んぁ!」
腰を浮かせ、私はその腰をビクッビクッと痙攣させている。
そして突然襲ってくる虚脱感に身を任せ、ストンと腰を落とし息を整えようと努める。
「はぁ、はぁ、はぁ……もう……もう、でも……」
足りない。
短時間に三度も達しながら、私は物足りなさを感じていた。
得られるはずのない舌の感触に身を任せた私が、次の段階を求めてしまうのはむしろ自然なこと。
しかしそれまでも都合良く幻影に頼れるのだろうか。
「次はこれでしょ?」
目の前には、心から欲した物が。二つの陰茎。箒の柄などではない、幻影の……私にとっては本物の肉棒。
気づけば、私は半身を起こし飛びかかるように一本の肉棒を口内へと自ら導いていた。
「くちゅ、ん……ちゅ、くちゃ、ん、ちゅぱ……ん、おいひ、おいひぃ……んっ、ちゅ」
奥へ、喉の奥へ。ディープスロートで肉棒の全てをしゃぶりつくさんと激しく首を振っている。
「ひぅうんっ!」
そんな私の首が一瞬止まった。
もう一本の肉棒が、もう一方の口内へと突き入れられたから。
奥へ、膣の奥へ。インサートで膣の全てを満たさんと激しく腰を振っている。
「ん、ちゅ、ひい、ん、ちゅぱ……ん、ん、んん、きも、いい、おいひ、い、ん、くちゅ、ちゅ、んっ、ん……」
私は頭と腰をガッシリと捕まれ、荒れ狂う腰と肉棒にされるがまま快楽の全てを受け入れていく。
にもかかわらず、私はどん欲にさらなる快楽を得ようと、舌でなめ回し膣で締め付け、二本の肉棒をとことんまで味わい尽くしていく。
「い、ほひ、ほひい、ちゅ、ん、くちゅ、んん、ちょう、だい、しろい、の、あなたの、ほひい、ほひいの、おねが、い、ん、んっ! ちゅぷっ、ちゅ……ん、んんっ!」
四度目も近い。故に欲しかった。私はとても欲しかった。
彼の、愛しい彼の精液が。苦くて甘い、彼の物が。
私を悦ばせ、そして彼も悦んでくれたという、白い証が。
「愛してる?」
突然彼が私に尋ね、答えされるためか口から肉棒を抜き出した。
私はその問いに、普段なら絶対に口にすること無い返答を叫び始めた。
「あいしてるっ! あいしてるっ! すき、すきなの! あなたが、いちばん、すき、すきっ!」
これまでに幾人もの男を愛してきた。そんな愛の中には、寂しさを紛らわすためだけの愛もあった。
今の私を熱く焦がす愛は、過去の男達との愛情では得られなかった安堵がある。
今を熱くされる情熱にほだされているだけかもしれない。けれど、今一番愛しているのは、彼一人。
少なくとも、それは真実。
「すきっ! あいしてる、すきなのっ! だから、あなたの、あなのたが、ほしい、わたしの、なかに、なかにっ!」
私の返答に満足したのか、口を塞いでいた彼の愛しい肉棒が再び私の口内へと押し入れられる。
「ん、ん、ちゅ、くちゅ、ひ、い、も、うっ、ん、ちゅ、ちゅぱっ、ん、ちゅ……んっ! んあぁ、ん、んっ、んん!」
来る。私も彼らも、限界が近づいている。
ああ、いよいよ……私の中に、彼の熱い愛が注がれる。
肉体的な頂点よりも、もはや私は彼の愛を受け止められる精神的な悦びに酔っていた。
いつでも、いつだって、私はこの瞬間が何よりも一番、悦楽の極み。
「ん、ちゅ……ん、んん、ひく、ひん、んあ、くちゅ、ん、ひ、ん、ふあ、ん、んあ、ん、んっ、んぁあ!!」
全身を硬直させる私。続いて注がれる、熱い愛情。
白濁液を口と膣で味わい飲み込みながら、私の意識も視界も、白く白く暖かく、包んでいった……。
*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
「もー、何時からいたのよぉ……」
私は顔を、耳を、首までも真っ赤に染め、床にうつぶせたままそれらを腕の中へと覆い隠した。
「キスぅ……のあたりから?」
「そうね、そのあたり? なんか一人でよがって楽しそうだったから、ついね」
意識を取り戻したとき、私の視界へ真っ先に飛び込んできたのは、二人の魔女。
私と同居している愛すべき親友達だった。
「なんかとびきり凄いの作っちゃったみたい? あんなに激しい一人エッチ、見たこと無かったわ」
二人は私が「飛び軟膏」を作るのを知っていたため、その出来栄えを拝見しようとこの部屋へと訪ねたら、
ちょうど私がトリップで完全に自分の世界へと「飛び立っていた」ところだったらしい。
私の一人オナニーショウ。観客が訪れたことにも気づかない私に、二人はついつい……。
「あれだけキスをせがまれたら、答えないわけにはいかないわよねぇ?」
つまりあの幻影は、半分現実で半分私の妄想だったというオチ。
どうりで生々しすぎると……今振り返ってみると、彼の言葉はあまりにも彼らしくなかった。
二人の姿だけでなく声色まで私は脳内で彼に変換して悦楽をむさぼっていたという訳か。
真実を知って、私は複雑な感情を胸中で渦回していた。
恥ずかしいのもあるが、幻影の彼がやはり幻影でしかなかったという事実は僅かにショックだった。
二人に対しては……むしろ良い夢を見せてくれたと感謝すべき?
少なくとも、私は彼女たちを責める気はない。
なぜならば、もし逆の立場だったら私も迷わず同じ事をしただろうから。
余談だけど、最後に私を狂わせた肉棒も彼女たちの物。
私達魔女にとって、肉棒の一本や二本生やすのなんて造作もないこと。
「あーもー、恥ずかしいったらないわぁ……」
いくらお互いにサバトなどで何度も交わった仲だとしても、
さすがに無意識下の自慰行為を見られた上に弄ばれたとなれば私だって恥ずかしい。
しかも私は彼女たちを彼に見立て……あまつさえあんなことまで口走って……。
「よく言うわよぉ、あんな熱烈なラブコール聞かされた私達だって顔から火が出ちゃったわよ。ねぇ?」
「ねー」
「もー、あなたたちが言わせたんじゃないのぉ……」
まだ私は顔を上げられないままでいた。
まあもっとも、私が今夢中な男性が誰かだなんて、もう彼女たちは知っていることだから、
そこはもう恥ずかしくもないけれど……けれどあの告白はちょっと……。
「でもずるいわぁ。私も「二人の彼」に嬲られてみたいなぁ」
「私もぉ。ねね、今回の飛び軟膏、レシピ教えてよ。私も自分用にアレンジして作ってみたい!」
私はしばらく考えて、彼女たちに答える。
「いやよ。「私の彼」を、あなたたちにあたえてなんかあげない!」
身を起こして、私は机へと駆け寄った。そして釜を抱きかかえながら、親友達に向け舌を出す。
「ちょっと! それはないでしょ?」
「私達が良い夢見せてあげたんだからぁ、次は私達に見せなさいよぉ」
たわいもない、まるで十代の女の子達のようにはしゃぐ私達。
結局は二人に教えて、三人で「私達の彼」をお互いに見立てて交わったりするんだろうな。
そんな近未来像は見えているけれど、今はちょっと、私を辱めた報いを受けてもらおうかな。
ちょっとたあいもないじゃれつきに興じたら、今度は、今夜は、大人のじゃれ合いへ。
私達は私達の彼と、また良い夢を見る。
でも、やはり本物には敵わないわね。
さてと……今度はどんな手で、「あいつ」を誘い出してやろうかしら?
以上です。
最後のオチを考えれば、本来事前注意に「レズ」「フタナリ」を書くべき何ですが
これを先に書いちゃうとネタバレになってしまうので…気にされた方は本当に申し訳ない。
魔女の軟膏ですが、これは作中での説明はほぼ伝承通りです。
空を飛ぶための用途方法も、伝承上「身体と箒に塗る」とされています。
媚薬としての伝承は…俺はキリスト教に歪められたのではないと思います。
魔女の元になったドルイド達のサバトとかを考えるとね。
なんてことを、資料本をめくっていたら思いついて、今回の話になりました。
次の投下は…来年?w
なんにしても、しばらくはまた投下できないので気長に待っていただけたら幸いです。
お久しぶりです。ちょうどまた妖性学者たち見てみたいな、と思ってたところだったのでGJです。
>>602 おーい、ちょっと違うぞー……ww
>>601 お久しぶりです。
魔女トリオのグラフィックがドラクエ3の魔法使い(女)の色違いなんだよな。
いつだか読んだエロ同人の魔法使いがやたら巨乳で可愛かったから、そのイメージが残ってるんだろな。
ついでに言うと、ねるねるねるねの影響だろうな。アレのCMに出てきた魔女のデザインもあんな感じだったし。今どっかに売ってないかな?
とぶくすりワロタ
えろいよえろいよ
ねるねるねーるね・・あの魔女が浮かんじゃってどうしようかとw
やっぱ「裸でローション使って箒でトぶ」魔女はエロスですわな
しかし、このグアイライ達はペルセウス食ってそうw
>592
日本語でおk
うわ〜い、おひさしぶりだ〜
ロリから熟女まで対応可能な魔女3人はかなり理想ですYO!
GJくださった皆様どーもです。
一応筆者的には妖精学者関連の一作品というつもりで書いてはいますが
基本的にどの話も独立して読んで遜色がないように書いている…つもりです
なので、彼女の言う「彼」が誰なのかはご想像にお任せしますって事で。
あと容姿も、基本的に読んでくださるみなさんの好みもあるでしょうから
作中で(必要がない限り)具体的な描写はしないようにしていますから
こちらも好きずきに妄想してくれると嬉しいです。
冒頭のネタに「アレ」を仕込んだおかげで、アレの魔女が思い浮かぶ方も多かったようですけど
それこそ今なら、CMでまさに箒で空を飛んでいる上戸彩なんかを妄想すると楽しげですw
CMの為に魔女の軟膏を体中に塗っている上戸彩とかね!
>しかし、このグアイライ達はペルセウス食ってそうw
「んっ! うしろからなんて大胆な…さすがゼウスの子、んっ、そこ、もっと強く!」
「どう? 背中ごしに感じる私の胸は。ほら、もっとがんばらないと、メデューサの居場所を教えてあげないわよ?」
「ちゅ、くちゅ……ん、キスも上手ねぇ。ほらぁ、もっと舌、すってぇ…んっ、ちゅっ、ちゅぱ……」
こうですか?わかりません
>>608 俺たちよりもよっぽどよく分かっているとオモタw
いつか付喪神の女の子になると信じて自転車を大事にしている。
必ず!必ずショートヘアでロリな付喪神が俺の前に現れるはずだ!そして「今まで有り難う、ご主人様」て言って抱き着いてくるそいつを優しく押し倒して(ry
ウホッ!
言ってみるもんすね
某880さんにギリシャ神話翻訳させたら、エロイ事になりそうだw
>611
なんでだよw
かぁわいい〜よ〜、メデューサの首お持ち帰り〜♪♪
こういう事ですか?わかりまs(ry
首じゃなくてメデューサごとお持ち帰り
そしてメデューサとの間にペガサス(娘)を授かるわけだよ
>>614 つまり背中に翼が生えた馬ヅラの少女が生まれるワケだな?
水を飲むとしばらく人間になれる馬じゃね?
なぜか「らんま1/2」を思い出した俺ガイル
保守
監禁事件でこんな事言ってた犯人居たよな
幽霊保守
>>576 遅ればせながらGJ。
面白かったが、読み返して副長の名前にワラタ。「さえたやりかた」かい。
保守
hosu
保守上げ
626 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 13:23:58 ID:mPpEReJZ
hosyu
保守
保守
631 :
◆cKKHa6WOvw :2006/11/16(木) 23:41:34 ID:/C05debi
さて、今更ガウスト買った俺は何をすればいいんですか?
とりあえず風呂の隅っこを狙え
恐山に行くのが先じゃないのか?
むしろいわくつきのアパート借りるのが先決かも
じゃあガウスト持ってウチ来い。
大阪府北摂、3DK、五十数平米、駅から徒歩15分。
家賃48000円。
幼女なら行く
誰かガウスト買ったから霊感開眼させてくれる奴いねぇ?
それと幼女。の霊。
まぁ20…いや16以下のかわいい子(ここ重要)でもいい
639 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 11:46:17 ID:r0oUM7XK
誰もいなーい?
いるよ。
なにかようかい?
かわいい幽霊に取り憑かれたいの
純愛でも幼女でもありませんが、投下します。
お気に召さない場合はスルーでお願いします。
暮れかかる赤い夕日が非常階段を照らしている。
視線を落とすと、部活を終えた生徒達が楽しそうに下校してゆくのが見える。
――僕は、あの輪の中には入れない――
どうも、いつの間にか体質が変わってしまったらしいんだ。
彼らはコートを羽織り、マフラーをしている子もいる。でも僕は寒くない。
……いや、本当は寒いんだ。体じゃなくて『心』がね……。
頑張って勉強をして、この学園に入学した。ここは県内でも名高い進学校だ。
でも、祝ってくれる家族は僕にはいない。
父親は他所の女と出て行き、母さんはそれからこっそり台所で酒に溺れ始めた。
一人っ子の僕には兄弟もいない。話しかけてくれる友人もいない。
――僕はどこに行けばいいんだろう……?
手すりに肘をかけ、もう何度も同じことを繰り返し考えてきた。答えは堂々巡りだ。
「あら? 先客がいたのね。ちょっとお邪魔してもいいかしら」
いきなり背後から細くやや低めのトーンの声がした。僕はその声の持ち主を振り返る。
逆光ですぐにはわからなかったが、うちとは違う制服を着た少女が立っていた。
さらさらしたストレートの黒髪を片手で抑え、少女は躊躇せず僕の傍らに立つ。
「夕日、綺麗ね。ここからの眺めが一番綺麗だって聞いたの」
少女は眩しそうに夕日を見つめる。長い髪が風にたなびき、僕は何と答えるべきか戸惑
った。
「――き、君はうちの制服じゃないけど、転校生?」
ああ、しまった! こういう場合はまず僕が自己紹介をするべきなんだよな……。
あまり人と話すことに慣れてないから、いつもこうして下手をしてしまうんだ。
だけど少女はにっこり笑ってくれた。
「違いますよぉ。あたし、今度この学校を受験するんです。今日はその下見なんです、セ
ンパイ」
ああ、そうか。そういえばもうそんな時期だっけ。
いや、そんな事より彼女は今なんて言った!? ”センパイ”……ぼ、僕のことか?
呼ばれ慣れない代名詞だが、彼女が言うとなんて甘い響きなんだろう! 感激だ!
「あ、ああ。そうなんだ。た、大変だね。僕も応援するから頑張って! ぼ、僕は隆志。
内藤隆志って言うんだ。い、今は2−Bだから君が合格する頃には3年かな?」
僕は焦って、遅ればせながら自己紹介をした。焦ると吃音してしまう癖は昔からだ……。
「――3年……。ふぅん、今は2年生なんだ。センパイ」
彼女にまっすぐ見つめられると、僕はなんだか困惑してしまう。
う、嘘じゃないぞ! ちゃんと制服には2年の校章だってつけてるし……!
並んで立つ二人の間を、冷たい風が通り抜けた。
「ひゃぅ! 寒っ……! やっぱり高い場所だけあって、風の強いね。センパイは寒くな
いの?」
彼女は本当に寒そうに、自分で自分の細い肩を抱いた。……可哀相に。不意にそう思う。
僕はなんだか彼女を抱きしめ、暖めてあげたくなる衝動に駆られた。でも、いきなり初
対面の相手にそんな真似ができる筈も無い。そんな勇気も、僕は持っていないんだ。
「ぼ、僕は寒くないよ……。き、君は風邪でもひいたら大変じゃない?」
そう、僕は寒くないんだ。寒さを感じない、といった方が正解だろう。
>>643 「――本当に? 本当に寒くない? ……隆志センパイ」
彼女は唐突に聞いてきた。僕の胸の空洞が、見えてるとでも言うように。
僕の動悸は高まる。
「さ、寒くないよ! な、なんだか尋問されてるみたいな言い方だな」
しまった、咄嗟に責める様な口調で言ってしまった!
彼女は怒って帰ってしまうだろうか? こんな可愛い子がせっかく話しかけてくれたの
に、僕はいつもこんな風に失敗してしまうんだ。
そんな僕の自己反省も他所に、彼女はいきなり、焦る僕との距離を狭めて近寄ってきた。
「……嘘。本当は寒いんでしょ? 寂しいんでしょ? 隆志クン。目がそう言ってるよ?」
彼女はそう言うと、いきなり僕に唇を重ねてきた。 勿論、僕にはファースト・キスだ!
「な……、な……!? な、何をするんだ!? いきなり!?」
僕の顔は多分真っ赤になっていると思う。だけど僕は蛇に睨まれた蛙のように動けない。
彼女はそんな僕を抱きしめてきた。暖かいぬくもりが伝わり、僕は益々動揺する。
「唇が冷たいよ? 隆志クン。ず〜っと寒かったんだよね? あたし、わかるんだぁ……。
ね、あたしがあなたを暖めてあげる」
彼女は僕に抱きついたまま、僕の耳朶でそっと囁いた。もう、何がなんだかわからない!
「き、君はまだ中学生なんだろっ!? ぼ、僕をからかって遊んでるのかっ!?」
僕は彼女を振りほどけないまま、叫んだ。 畜生! やっぱり誰かがまだ僕をからかっ
てるんだ! いつもいつもそうだった! だから……だから僕は……!
嫌だ! 思い出したくない!
僕は必死で彼女の腕から逃れようとした。細く、すぐにも折れそうな腕なのに、彼女は
僕を離さない。気がつくと、僕は彼女の腕の中で泣いていた。
「もう下校時間もとっくに過ぎてるのに、なんであたしが君をからかうの? 隆志クン。
……校庭から君が寂しそうにここに立ってるのが見えたから、あたしは来たの」
僕はもう彼女に抗う力も失せていた。放心した様に彼女の腕の中にいる。
「ね。寒いんでしょ? ずっと寂しかったんだよね?」
彼女は再び聞いてきた。僕は泣きながら彼女を抱きしめ返した。……暖かかった……。
彼女の腕の中で、僕の感情は溢れ出た。
「うん、寒いんだ! 寂しいんだ! ずっと、ずっと寂しくて辛かったんだ!僕はっ……」
慟哭を打ち消すように、再び彼女の唇が僕に触れた。暖かいものが、僕の口内に入り込
んでくる。
これが、ディープ・キスなのか……。僕は初めての体験の連続に驚きながら身を任せた。
「……だから死んだの? ここから飛び降りて」
不意に発せられた彼女の言葉に、僕は感電した様な衝撃を受ける。彼女はじっと僕を見
つめている。不意に僕は悪い冗談をTVで見た気分で笑い出した。
――何だって? 死んだ? ……この僕が? ここから飛び降りて……?
僕が封印してきた記憶の扉を、突然現れた彼女がこじ開けてしまった。
……そうだ、僕は自殺したんだ! 両親が離婚してから、僕はずっと虐められて来た。
この高校に入学すれば、辛い中学生活から逃れられると、一身に勉強をした。
遊び相手もいない僕には、勉強しかなかった。だが、合格しても虐めは僕に付き纏った。
>>644 もう耐えられない、と思った僕は今迄の事を遺書に認め、この非常階段から身を投げた。
僕の死で、僕を虐めた奴等が後悔し、責められればいいと思った。
しかし僕の死後、遺書は風で飛ばされ、僕は事故死とされてしまった。
教師達だって、僕が皆に虐められていた事は知っていた筈だ! なのに僕の死の真相は、
闇へと消し去られた。虐めた奴らさえ、僕の事などすっかり忘れ、今はもう社会人の筈だ。
「ぼ、僕は……! 僕という存在は一体なんだったんだ!? 畜生! 畜生!」
今度こそ僕は心の底から搾り出すように泣き叫んだ。あの時から僕はここを動けないで
いた。そう、もう何年もの間。
叫び疲れた僕は、辛抱強く僕を抱きしめていてくれた彼女に気づいた。
「君は……、君は一体誰? 何故、僕を知っているの? なんで僕が見えて触れるんだ?」
ゆっくりと見上げた僕は、彼女が嫣然と微笑んでいる表情に見とれてしまった。
「あたしは”冴子”。あなたを迎えに来たの」
「迎え……? 死後の世界とか天国? ああ、僕は自殺したから、行くのは地獄なのかな」
心の叫びを彼女の前で叫びきった僕は、なぜか静かにそう言えた。吃音も出ない。
僕は魅入られるように、彼女の腕の中から冴子と名乗る少女を見つめていた。
「そんな所よりもっといい所よ。あなたは、あたしと一つになって、あたしの中で眠るの」
彼女は中学生とは思えないほど艶やかに笑い、そう答えると服を脱ぎ始めた。
ほっそりした体からは想像できなかった豊満な乳房と、括れる様な細い腰が顕わになる。
スカートを脱ぎ落とすと、眩しいほど白いショーツが現れる。
冴子は躊躇いもなく、そのショーツさえ脱ぎ捨てた。
「生身の女の裸を見るのも初めて? 触ってみない?」
白いソックスとローファーだけ履いている彼女が、僕を抱き寄せた。
驚いている僕の腕を掴むと、自分の乳房へと誘導してゆく。――やはり暖かい。
そういえば、僕はもうどの位の間こういった感覚を無くしていたのだろう?
冬の寒さや、夏のいてつく暑ささえ、もう久しく忘れていたというのに、冴子の体は柔
らかく、暖かいと感じるのだ。
僕は誘われるままに、冴子の乳房をまさぐり、赤ん坊の様にその乳首に吸い付いた。
「そう……、ゆっくり……優しくね……。……そうよ、隆志クン……」
冴子は甘い声で、時々微かに喘ぎ声を放つ。僕はもう夢中で冴子の胸に顔を埋めていた。
僕の口の中で、冴子の乳首が固く尖り始める。僕はそれを舌で転がし、感触を愉しむ。
冴子の唇からこぼれる声が、少し大きくなった。
吐息を漏らしながら冴子は僕の手を、ショーツで隠していた部分にあてがう。
こんなにも暖かくて柔らかいものに触るのは初めてだった。
冴子のそこは、喩えようも無いほど柔らかく、そして潤っていた。
「さ、冴子さん……。い、痛くない……?」
僕は冴子のそこを指で撫でながら、恐る恐るもっと奥へと指を動かしていた。
冴子は微笑みながら僕にキスをすると首を横に振る。
「気持ちいいの……。隆志クン……んっ……そこはね……女が一番気持ちいい場所なのよ」
冴子は切なげに教えてくれると、僕が差し込んだ指の刺激で背中を反らせた。
「そ、そうなの? さ、冴子さん……、もっとよく見てもいい?」
僕はまた吃音になっていたが、冴子は笑って頷くと階段に座る僕の肩に白い脚を乗せた。
目の前に、限りなく柔らかかった冴子のそこが近づいてくる。
ピンク色に光るそこからは透明な液が溢れ出ていて、僕は思わず息を呑んだ。
なぜか、ものすごく喉が渇く気がしてくる。これが飲みたい、僕はそう渇望した。
冴子は顔を高潮させながら、『いいよ』と頷いてくれる。
僕は冴子のそこに舌を這わせ、溢れる液を舐め取り、飲み下した。喉が温かく潤う。
冴子は僕が液を飲んでいると、甘い声を放ち続ける。
僕はやはり夢中になって冴子の”そこ”を舐め貪った。溢れる泉は僕を癒してくれる。
すると、もうひとつの感覚が僕に湧き上がってきた。
昔、朝眠っている僕を起しに来た母親がそれを発見して、ひどく叱られた記憶が蘇る。
あれから僕はそれがトラウマとなって、勃起さえしなくなっていた。
いけない事だと思い込んできたんだ。
>>645 それが皮肉にも、僕の死後彼女の裸体を見て元気になっている。
こんな話は教科書や雑誌でさえ読んだ事が無いぞ? 僕は急に罪悪感に苛まれた。
「だ、駄目だよ! さ、冴子さん……! これはいけない事だし、僕は何も知らないんだ」
隠そうとする僕の手を通り抜け、冴子の手が僕の勃起したものを優しく握ってきた。
「いけない事なんか何もないのよ? 隆志クン。これが自然なの。隆志クンのここが、あ
たしの中に入りたがっているのよ……」
中学生の筈なのに、冴子の口調はまるでお姉さんのようだ。だけど、不思議と違和感が
無い。見かけは少女で、僕を暖かく包んでくれる女性。それがこの冴子だ。
「僕のが冴子さんのここに……? そ、そんな事ができるの?」
戸惑って聞く僕に、冴子は辛抱強く そして優しく笑いながら僕のあそこを扱いた。
「できるわよ。隆志クンだって、ママがここから生み出したんですもの」
――僕が? あの女にもこんな綺麗なものがあると冴子は言うのか? 信じられない。
「嘘だ! あの酔っ払いの女が、冴子さんと同じなはずは無いよ! 冴子さんは綺麗だ!」
僕は冴子の言葉を否定するが、股間を刺激する冴子の手には抗えなかった。
冴子は僕のあそこを更に怒張させながら、魅惑的に誘う。
「隆志クン……。本当はね、人は元々はみんな綺麗なの。それを忘れてしまうだけなの。
隆志クンが自分は自殺した事を忘れようとしたようにね……。だから隆志クン。
あなたはあたしのここから一つになって、少しの間眠りましょ? そう、受験の頃位迄。
それからあなたはあたし達と一緒に暮らすの。ね? いいでしょ?」
「僕と冴子さんが一つになるの……? もう、僕を独りぼっちにしない?」
「しないわ」
冴子はそう言うと、僕のいきり立ったあそこに跨り、冴子のそこに沈めていった。
僕は、あそこから全身が暖かく、柔らかいものに包まれてゆくのを感じる。
くらくらする程気持ちがよく、今まで知らなかった感覚に満たされる。
僕はいつの間にか腰を浮かせて冴子を突き上げていた。突き上げる度、冴子は体を撓ら
せ、途切れ途切れに声を出している。冴子もまた僕の上で動き、僕を翻弄する。
やがて、僕の内側からマグマの様に熱いものが湧き上り、僕はもう爆発寸前だった。
「さ、冴子さん……! ぼ、僕もう爆発しそうだよ……!」
冴子は僕の上で腰を動かしながら、長い髪を振り払い僕を覗き込んだ。
「おいで。隆志クン……! あたしの中で爆発して、君はあたしと一つになるの!」
優しい笑顔だ。激しく腰を動かしながら、冴子は僕に笑いかけてくれた。
「さ、冴子さん!」
「おいで! 隆志クン!」
僕は冴子さんの中で爆発した。爆発と共に、僕の細胞は分散し、冴子の中に導かれて行
くのを感じる。
――ああ、僕は冴子さんの中に帰ってきたんだ。もう寂しくなんかないぞ。あったかい。
僕はこのまま少し眠ろう……。冴子が優しく起してくれるその日まで……。
薄れ行く僕の意識は、とても満たされている。やっと僕の場所に来る事ができたんだと。
>>646 すっかり暗くなった校舎の非常階段に、全裸の少女が一人うずくまっていた。
しばらくぼ〜っとしていたが、やがて夜風の寒さにぶるっと身震いするとくしゃみした。
「へ〜っくしょい! ……ここ、どこよ? って、あたしまた裸じゃん!?」
冴子と名乗っていた少女は独り言を言うと、慌てて服を着始めた。
「この外道かーちゃん! またやってくれたな!? チキショー! バカ親父もグルか!」
少女の背後から白い煙が浮き上がり、発光体となる。
「ごめぇ〜ん! 珠美ちゃ〜ん。あ、ほらほら! 女の子は体を冷やしちゃ駄目よ〜ぅ。
早くコートも着なさい。ねっ!?」
発光体はゆらゆら揺れながら、一人の成熟した女性を形どってゆく。
「――誰が脱がせたんだよ。誰が!?」
少女は発光体に毒づきながら、非常階段を下りていった。
「よっ! 珠美、冴子。お疲れ〜。首尾はどうだ?」
校門の前に駐車している薄汚れたワゴンから、無精ひげを生やした男が声をかけてくる。
「喰らえ! 乙女の鉄拳! このドグサレ親父めが!」
車の窓から顔を出していた中年の脳天に、少女は茶色いローファーの踵を落とした。
「た、珠美ちゃ〜ん……。それは鉄拳じゃなくて『踵落とし』っつ〜技だろっ! お前は
パパを殺す気か? 冴子ぉ〜、お前もっとしとやかな娘を産んでくれよぉ〜!」
「黙れ。ドグサレ夫婦。娘を女衒みたいに扱う奴等が何を言う!」
先程まで冴子と名乗っていた少女は珠美と呼ばれ、怒りに体を震わせていた。
白い発光体の女性が男の傍に近づいてゆく。
「あらあら、ダ〜リン。大丈夫? 珠美ちゃん、急所は外さなくちゃダメでしょ?
首尾は上々よ、ダ〜リン。隆志クンは今珠美に取り込まれて眠ってるわ」
「だ〜か〜ら〜! なんでこの程度の除霊に母親のアンタが出張るんだっつの!?
あの位、あたし一人でささっと始末できるってのにさ。なんでわざわざ取り込むのよ?」
光る女性と無精髭の男は顔を見合わせる動作をすると、男が頷いた。
発光体の女性が揺れながら弁解する。
「だぁ〜って、ねぇ? 珠美ちゃんはさっさと除霊しちゃうでしょ。隆志クンはすごく頭
がいいのよぅ〜。珠美ちゃんがテストの時、きっと助けてくれるじゃない?」
「そ〜そ〜。この除霊で珠美はここの入学試験はフリーパスだが、後で苦労しないように。
なぁ? 勉強する暇の無い娘を思う、親心ってやつだよな。冴子」
少女は髪をかき上げると、忌々しそうな表情でワゴンに乗り込んだ。
「余計なお世話だっつの! 授業料まで免除させて契約した上、娘を身売りする親がどこ
の世界にいるってのか、教えて欲しいもんだわ! あたしはまだ処女なんだからねっ!」
発光体が揺らめきながら笑う。この発光体こそ少女・珠美の母親、冴子だった。
「そうよねぇ〜。相手は実体の無い霊魂ですもの。珠美ちゃんの純潔は、ママちゃんと守
ってるのよぅ〜。だってママ、珠美ちゃんの守護霊だしぃ〜」
「……除霊しちゃろか……。この淫乱守護霊……」
「まぁまぁ。珠美、明日の仕事は女性だから。そのストレスはそれまで取っとけ。
さぁ、我らのスウィート・ホームに帰るぞ!」
「明日も仕事入れてるのかよ!? この守銭奴親父!」
「あらあら、ダメよぅ〜。珠美ちゃん。パパ、運転中なんだから危ないでしょ?」
「……そーゆー問題かっ!」
こうして一人の孤独な少年を取り込んだ少女とその家族は、喧々匆々と帰っていった。
数年に渡る学園の七不思議は、これ以降六不思議へと減ったのだった。
fin
自殺するまでの過程が妙にリアルというかシュールだ。
前半部分はちと暗いがエロかった・・・・
母親の冴子さんが珠美ちゃんに降霊しちゃうとは
めちゃくちゃだけどかわいいよ冴子ママw
ラストが珠美カワイソスなのに笑えたw
GJ!!
新作ktkr!GJ
僕が死ぬまでの過程が悲惨だからこそ冴子ママの誘惑に流されるんじゃまいか?
俺的にはこういう話すげー好きだ
この家族の話もっと読んでみたいと思う
かえって言いようの無い寂しさを覚えたのは俺だけか?
短編なのに深い。
さらっと無常な話をラストコメディに締める辺り
ちょっと非凡
違う話もストックあるんじゃ?
読みたいっす!
……そろそろ次スレの季節か?
>>642 お気に召しました!
イジメと自殺とまわりの対応が生々しく簡潔に書かれてるだけに
僕の心理がすごく伝わってきて怖い。
それがラストで一転してコメディにしてしまう所がすごい!
冴子ママと珠美ちゃんの次の活躍を希望します!
と、もう容量がないのか
スレ立ててみますのでぜひぜひ!
ん。スレ立て試してみよう。
>>656 Thx GJ!
朝っぱらからすまんかったね
ありがとう!!
新スレ起ったのかw
>>655の中の人乙!
早速移動〜
ぼちぼち埋めるベ。
漫画、アニメに出て来た、萌える妖怪娘を挙げて埋めるのはどう?
メジャー処では、どろろんえん魔くんの雪子姫が好きだった〜。穿いてないし(゚∀゚)
マイナーな処では、ゲゲゲの鬼太郎劇場版に出て来た、カロリーヌちゃん。
カッコイイネズミ男(富山敬さん)が見れる、貴重な作品。
ちと新しいが、「ぬ〜べ〜」の ゆきめ は好きだったなぁ。
一途な子はいいね。
名前は忘れたが、ボンボンあたりの漫画に出てきた魔物娘。
身体が氷でできてる。
逆らったかなんかで、親(?)の魔物に折檻されてバラバラに砕かれてた・・・
確か最後は直ったと思うが
>>659 その劇場版て、たしかねずみ男がその
カロリーヌちゃんを守ろうとするけど
結局死んじゃってラストで一人佇む、
みたいな話だっけ?
なんか見た記憶がある…
思い出させてくれてありがとう。
俺のお勧めもやっぱぬ〜べ〜かな。
クモ女の糸美が印象深い。幸せになって欲しかったな…
凍て付く夏って……
ボンボンで覚えているのは「小天狗てん丸」(うろおぼえ)
あれの妖怪の女の子なんていったかなー?
あと、怪物くんの怪子ちゃん萌え
妖怪ではないが、幽霊娘という事で、天野小夜子。
いや、奴は生き霊だったかw
おま、誰と絡ませる気だ?www
RはTNKついてるか不安だし、おばあさんなんぞ見たくもないし、
人体実験ということで成原博士か奈良森先生あたりが適任か。
というか、ゆうきまさみスレ無かったっけ?
668 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 00:42:03 ID:pB8Sb5Np
お前のまんこを嗅がせろぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!
,, --──-- 、._
,.-''"´ \
/ ヽ、
/ (Φ), 、(Φ) ヽ
l `ー ,,ノ(、_, )ヽ、,,. l
.| /// `-=ニ=-. /// |
l `ニニ´. l
` 、 /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | \ /
妖怪まんこ嗅ぎ
もし嗅いだ時、悪臭を放っていたならば?妖怪まんこ嗅ぎが悪臭を全部吸い取って
くれて翌朝にはほのかに薔薇の香りのするアロマまんこになっているという。
このように妖怪まんこ嗅ぎはやさしい一面を持っている。
(民明書房刊 「妖怪まんこ嗅ぎ」 より)
まんこ嗅ぎの棲家は、このスレ。
http://society3.2ch.net/test/read.cgi/jsdf/1150468063/
うめうめ
うめうめ
めうめう
男の欲望が実体化した『妄想彼女』も、カテゴライズするならばこのスレになるんだろうな。
うしとらは神。
かがりとか垂とか。
674 :
名無しさん@ピンキー:
うめ