456 :
396:2006/02/21(火) 02:30:28 ID:Xf/+XGyA
次回へ続く
読みやすさと本編のイメージをなるべく壊さないという2点に気をつけてる
つもりですがなかなか難しいですね。他の職人さんはすごい。
ちなみにアニメとドラマCDのみの情報でコミックや設定資料等は見てないので
色々違うかも知れません。二次創作なので勘弁してください。それでは。
>>396氏
乙です。
ユーノが主役だと思ったんですが、そうでもないみたいですね。
十分なのはの雰囲気がでてると思いますので、これからも頑張って下さいね。
>>396氏
乙です。
文章構成もしっかりしてるし、句点等の配置も良く読みやすいです。
続き楽しみにしてますので、これからも頑張ってください。
>396氏
>「こらこら、シグナム、ヴィータ、その辺にしとかんと明日の朝食はシャマル担当にするで」
>「「すいません」」
>「ちょ、ちょっと!!!」
ハゲワロス
461 :
jewel:2006/02/21(火) 17:34:38 ID:7vAfio5u
>>98氏
涙腺が壊れるかと思いましたよ…GJです!
>>396氏
乙でした。私も、すごく読みやすかったと思います。
それでは、私も次のやつを投下したいと思います。
『Turn over』、『Turn against』の続きになります。読んだことない方は
めんどくさいと思うんでスルーして下さって結構です。出来れば、最初から読んで
感想いただければ幸いです…。 ↓
【T】
「はぁ〜♪ 生き返る〜! やっぱ一日の最後はコレだよねえ〜♪」
恍惚の表情を浮かべる、時空管理局執務官補佐。
湯気に包まれた声は、広い浴室でやわらかく反響した。
「お疲れさま、エイミィ」
ちゃぷ、という音と共に、髪を下ろしたフェイトがエイミィの隣に座る。
「ほーんと、お疲れですよ。まったくあの上司、次から次へと仕事持ってきやがって〜」
拳を握り、ファイティングポーズのエイミィに、フェイトは苦笑いで応える。
上司とは勿論、自分の兄であるクロノのことを指しているからだ。
「フェイトちゃんからも言ってちょうだいよ。ほんっとに馬鹿みたいに真面目なんだから」
「私が言っても、多分変わらないと思うけど…」
「いーや、いける! フェイトちゃんが涙目で『おにいちゃん、おやすみほし〜い』って
訴えれば、ヤツは溜まりに溜まった有休全〜部使うに違いない」
「そ、そっかな…?」
苦笑いを続けるフェイトに対し、エイミィは何とも怪しい笑みで謀を企てる。
ところが、不意にその表情を崩すと、エイミィはあごの辺りまで深く湯船につかった。
「…ま、もう慣れたけどね。クロノ君とは付き合い長いし、年上として
これくらいのコトは我慢してやんないと」
やれやれ、という様子で、わざとらしく溜め息をつく。
「クロノ、口ではあんまり言わないけど、エイミィにはすっごく感謝してるよ。
二人の様子いつも見てるから、分かる」
「いいこと言ってくれるじゃ〜ん、フェイトちゃん! その通り、
あの真面目バカには、私っていうパートナーが必要不可欠なのですよ。
クロノ君にも、そこんトコちゃんと伝えておくように」
ビシ、と上機嫌で人差し指を立てるエイミィを見て、フェイトは微笑んだ。
「…ところでさ、エイミィはやっぱり、将来クロノと結婚するの?」
「へ?」 唐突な問いかけに、珍しく目を丸くするエイミィ。
「あ、そーしたら、エイミィが私の二人目のお姉ちゃんになるね♪」
さらりと言ってのけるフェイト。勿論、確信犯で。
一瞬うろたえた(様に見えた)エイミィだったが…数秒と経たず、いつもの
不敵な笑みをうかべる。
「…年上をからかうとは…ナマイキ!」 「!!」
目の色が変わったエイミィを目にし、とっさに胸元を隠すフェイト。
「…あれぇ? どうしたのかなぁ、フェイトちゃ〜ん?」
「いや、その…何となく、身のキケンを…」
完全に表情をオヤジ化させたエイミィに、じりじりと追い詰められる。
「ひどいなー。私は『お姉ちゃん』として、妹の発育じょーきょーを
確かめようとしてるだけなのにぃ」
3秒後。何ともやかましい声と共に、浴室に水音が響いた。
【U】
「………遅い」
空のペットボトルを右手でもてあそびながら、クロノが呟いた。
同時に、ミーティングを『入浴後』としてしまった自分の浅はかさにも呆れる。
彼が通信室に入って既に30分。エイミィの入浴時間は、とうに1時間を越えている。
『まあ、エイミィさんのお風呂は相当長いからね。しょうがないよ』
モニター画面から届く、ユーノの声。彼も、かれこれ10分以上待たされている。
「仕方ない、僕らだけで先に始めよう。君も相当忙しいだろうし、待たせるのも悪い」
『OK、それじゃあ』
画面の向こう側で、ユーノがボタンを操作する。
―映し出されたのは、あの長髪の魔導師。
ようやく判明したその名は、ディノ・ストライン。特Aクラスの捜査対象となった彼は、
既に『DS』という管理局統一の通称でそう呼ばれていた。
「さっき、本局の情報部から連絡があったよ。ミッドチルダの出身で、両親以外の
家族はなし。過去の犯罪歴もない。それ以外には、とりたてて特徴はなかったそうだ」
『シグナムさんが捕まえた剣士から、何か新しい情報は?』
「そちらもゼロだ。あの少年には、名前以外の素性を全く話していなかったらしい。
『知れば、君に迷惑がかかる』と言っていたようだ。…本当にそう考えていたか、
はぐらかしていただけなのかは、何ともいえないが」
『…僕は、本当にそう思ってたんだと思うな…なんとなく、だけど』
「…同感だ。あれだけの力を持っているのに、余りに回りくどいやり方ばかりだ。
何かしらの目的と、強い『意志』があるに違いない」
『前に3人で戦ったとき、あの人に言われたんだ。まったく偽善だ、世界を守ろうとでも?
って…なんか、妙にそれが頭に残っててさ』
「…難しいな。自分達こそが善だ、なんて言うつもりは毛頭ないけど、
少なくとも、貫くべき『意志』は、僕らにもあると思う。たとえ…偽善でも」
『クロノ…』
真剣な顔で語るクロノに、ユーノは口を噤んだ。慌てて、クロノは表情を緩める。
「すまない、気にしないでくれ。…それより、君の方では何か掴めたか?」
『時間はかかったけど、無限書庫になかなか興味深い記録が残ってたよ。
本局のデータベースに、何も残ってなかったのもうなづける』
ピ、とユーノが送ったデータを見て、クロノが驚く。
「これは…!」
『そう。15年近く前、2週間っていうごく短期間ではあるけど…あの魔導師、
時空管理局の外部協力者だったんだ。リーゼさん達みたいな、戦技教官としてね』
464 :
jewel:2006/02/21(火) 17:38:34 ID:7vAfio5u
…とりあえず、プロローグでした。
今回は多分短めになると思います。ラストに向けての橋渡し的な感じです。
>>464 ついに最終章突入ですか
楽しみにしてます……
ところで
…
まさか
…
TOP-G?
>TOP-G
……え?佐山時空?
>>464GJでした。楽しみに待ってます
>>465,466終わクロ知っている人多そうだな。本スレで話題になったこともあったし。
>>464 どんなラストになるか非常に楽しみです。乙&GJ!
そろそろ次スレだね。
まだ一月たってないけど。
470 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 00:41:52 ID:VZchkUBm
>>jewell氏
最初っから読んでみた。……激GJ!
この台詞回しのうまさはくせになるな
ageてしまった…
スマンちょっと吊ってくるorz
浴室をもっと詳s(ry
473 :
396:2006/02/22(水) 13:27:01 ID:pJHHq20i
まだ容量残っているようなので続きを投下しますね。
魔法少女リリカルなのはA's+
第三話 「恋の種たちなの」
「はぁ…はぁ…つ、強くなったな…」
クロノが息も切れ切れに話しかける。
「そ、そんなこと、ないっ、て…」
額の汗を手の甲でぬぐいながらなのはが答えた。
どうやら勝負は引き分けのようだ。お互いの魔力は飛ぶのがやっとというところまで消費されている。
「ふぅ、まったく末恐ろしいな」
そう言いながらクロノは天井を仰ぎ見て深く息を吐いた。
――約1時間前
「ぼ、僕と戦いたいって?」
クロノは突然の申し入れに少し上ずった声をあげた。
「う…うん」
なのはは恥ずかしそうに俯きながら続けた。
「あ、あのね。これからもっと色んな事件に関わっていくだろうし、魔導師としての技術と言うかレベルを上げたいなーとか
思ってるんだけど、なかなかわたしより強い人っていなくて、それでフェイトちゃんがたまに鍛えてもらってるって聞いて
わたしもいいかなって思ったんだけど…」
もじもじしながらも結構とんでもない発言をするなのはにクロノは閉口させられた。
「だ、駄目かな?」
なのはが上目遣いで見上げながらクロノに懇願した。身長差からくる必然であり、決して狙ってやっているわけではない。
どっちにしろ効き目は抜群で、クロノの心臓は自分でカウントできるくらいまで高鳴った。
「あ、あ、ああ。べ、別にかまわない、ぞ?」
意識しなくても顔が上気しているのを感じ、せめてもの抵抗として目を合わせずに言うクロノ。
「ありがとう!!それじゃ、さっそくいこ?」
そういってクロノの手を引っ張りながらなのはは走リ出した。5歳も6歳も年下の女の子に手を引かれながら後をついていく姿は
なんとも情けなかったが、今のクロノには自分を客観的に見れるほどの思考能力はなかった。
トレーニングルームに着くと、さっそくクロノとなのははお互い向き合った。
「それじゃあ、よろしくおねがいします!」
ぺこりとお辞儀をして、なのはは胸元からレイジングハートを取り出す。
「レイジングハート、いくよ!」
『stand by ready』
レイジングハートがキラリと光り、いつもの機械的な音声が聞こえた。
「セーット、アーーップ!!!」
レイジングハートを高らかに投げ上げると、なのはは赤い光の球に包まれた。
バリアジャケットを着用するための光の球を見て、ようやくクロノの心は落ち着いてきた。
(今のなのはは僕でも勝てるかどうかわからないな…。本気で行かないと)
キッ前を見つめ、精神を集中する。
ポケットからカードを取り出し目の前に放り投げる。クルクルと回転したカードが一瞬にして黒い杖へと変わった。
「いこうか、S2U」
ぱしっと杖を掴みながらクロノが囁いた。
お互い準備が整い、杖を構えながら少しずつ空中へと上昇した。
途中、クロノがルールを説明した。
「あくまで模擬戦だからカートリッジの使用は不可。もちろんエクセリオンモードはもってのほかだ。
戦闘での致命的なバインドを受けたり、魔力が尽きた時点で終了。
まあ、フェイトから話は聞いているだろうからあとはやるだけだな」
部屋の中央の位置でぴたりと止まり、クロノがくるっと杖を一回転させて持ち直した。
「それじゃあ、スタート!!!!」
掛け声と同時に、部屋の中で青い光とピンクの光がはげしく飛び回った。
*
「お疲れ様、なのはちゃん」
ガラス張りの休憩室で休んでいる二人を見かけたエイミィがジュースを差し入れに来た。
「あ、エイミィさん。ありがとう!」
飲み物を受け取って笑顔を見せるなのは。クロノは椅子に腰掛けタオルで汗を拭いていた。
「ほら、クロノくん」
エイミィが缶を放り投げ、クロノが片手でそれをキャッチした。
「ありがとうエイミィ。そういえば、仕事の方はいいのか?」
缶をあけ、豪快に喉に流し込んだ。久しぶりにレベルの高い戦闘をしたので疲れもひとしおだった。
「あ〜、うん。前に一気に事件が重なった反動かな?今はさっぱりなにも起こってないよ」
オーバーに両手を左右に広げてエイミィが話した。
何も起こっていないというのは言い過ぎだったが、大きい事件というのは今のところ報告もなく、その結果クロノやなのは達に
暇が出ていた。といっても、クロノは事務的な仕事を生真面目にこなしていたし、なのはの本分は学生である。
さらにこんな模擬戦までして、エイミィとしては少しは休んでほしいと思っていた。
「起こっていないが、今この瞬間起ころうとしているのかもしれない。未然に防げればそれに越したことはないんだがな」
「気は抜けないってことだよね…」
クロノが苦笑し、なのはが真剣な表情で手に持っている缶を見つめた。
(まったく、この二人はほんっと真面目なんだから!)
理不尽な苛立ちのようなものがこみ上げ、考えもなしにエイミィは口走った。
「もう!二人とも模擬戦もいいけど、もっと年齢相応のこともしないと。暇があるなら二人でデートでもしてきたら?」
一瞬沈黙がおり、休憩室が静寂に包まれた。
「なななな何を言ってるんだ!暇じゃない暇じゃない暇じゃない!!」
真っ赤になって否定するクロノとは対照的になのはの目は点になっていた。
さすがに、もうすぐ成年になろうとしているクロノが惨めに見え、エイミィは助け舟を出すことにした。
「ま、冗談なんだけどね。あんまり無理してるといざって時に困ることになるよ。そんじゃね〜」
そう言って休憩室を飛び出すエイミィ。自分で撒いた種にはとことん水を与えないタイプである。
残されたクロノはどうしていいかわからず、とりあえずなにか言わないと、と思いなのはに話しかけた。
「あ、あの…えっと…ま、まったく!エイミィのやつは!!い、今のはほんとに冗談なんだから、な?」
一応確認をとると
「うん、わかってる」
笑顔とともにあっさり肯定され、それはそれで惨めになるクロノだった。
*
「う〜ん…」
黒いリボンが心なしかしおれて見え、金髪のツインテールがふわっと机に広がった。
「うわ!どうしたんだいフェイト!具合でも悪いの?」
ボリボリとおやつ代わりにドッグフードを食べていたアルフが心配そうにフェイトの顔を覗き込んできた。
「あ、うぅん、違うの。ちょっと問題がわからなくって」
そう言って起き上がりながら机に散らばったプリントを一つにまとめた。
「お!これが執務官試験ってやつの問題かい。ひゃ〜むつかしそうであたしにゃ無理だね〜」
「うん。っていうかアルフ文字書けないよね、その前に」
冷静に突っ込みつつ手元の本を開いた。ミッドチルダの魔法に関する分厚い書籍だが、これにも載ってないような
問題まで出てくるんだから驚きだ。
執務官試験を受けると決めてから数ヶ月、その難易度の高さに少々お手上げ状態だった。
学校の試験のように他者と比べるような試験ではなく、あくまで個人の能力を見てふるいにかける試験なのだから
難しくて当然と言えば当然だ。
「でもフェイト、実技ならフェイトが一番じゃないのかい?」
アルフが不思議そうに尋ねてきた。一番とか、そういうのじゃないんだけど…と言おうと思ったが先に問題点を話しておこう
と思った。
「うんとね、執務官は平均的に能力が高くて、色んな状況に対応できるようじゃないと務まらないんだ。
だから実技じゃそういうのも求められて…」
そう言いながら現執務官であり、兄でもあるクロノの顔が思い浮かんだ。あの生真面目な兄が一度落ちた試験だ。
それを超えたいと思う一方、自分じゃ無理ではないのかという気弱な考えも浮かんだ。
「あ!!わかったよ!フェイト、防御系は苦手だもんね〜ってあたしもなんだけど」
耳をピーンとはったかと思いきや、しゅんと伏せさせながらアルフが言った。
使い魔と主人の性質が似るのは当然だが、こうはっきりと突きつけられると悔しいやら情けない気持ちになった。
「はぁ、誰かに教えてもらわないと駄目かな…」
「せっかく兄妹になったんだからクロノに教えてもらえばいいんじゃないのかい?」
しっぽを振ってすり寄りながらアルフが言ったが、フェイトは首を振った。
「クロノは今も忙しいし、それに…執務官試験に受かるために執務官から教えてもらうのは、その、なんか違うかなって」
「う〜ん、あたしゃそれでもいいと思うんだけどね〜。ま、フェイトがそうしたいってんならそれでいいと思うよ。……あ!」
フェイトの太腿に頭を乗せていたアルフが再び耳をピーンと立てながら頭を上げた。
「いい先生がいるじゃあないか!うん、それがいいよ!!」
そう言ってアルフは机の上にあったフェイトの携帯を開きピポパとボタンを押し始めた。
…が結局操作方法がわからなかったので、アルフの提案を聞いたフェイトがその“先生”に電話をかけた。
「ちょっとやってみたかったんだよぉ…」
自分の想像通りにいかなかったので、ふてくされ気味に残りのドッグフードをぼりぼり食べるアルフだった。
*
「あの…よろしくお願いします」
「えと、こちらこそ…」
ここは無限書庫の前にある数ある客室の中の一室。
まるでお見合いのように向かい合って座る少年と少女。
「でも、ほんとにいいの?ユーノだって、仕事があるんでしょ?」
不安げに尋ねるフェイトにユーノは明るく答えた。
「ううん、大丈夫だよ。防御系の魔法は僕の専門分野だし、ちょうど今その研究もしてたんだ。それに…」
ユーノが真っ直ぐにフェイトを見つめた。エメラルド色の瞳が綺麗だった。
「フェイトには僕の分まで強くなってもらいたいしね」
「ユーノ…」
微笑みながら言うユーノにフェイトは何も言えなかった。
でも、ユーノが言うとおり執務官試験を通して自分が強くなると思うと、合否にとらわれずに頑張れる気がした。
「それでね、こことここをもうちょっと詳しく教えてほしいんだけど…」
「あーここはね、このアルゴリズムの方が速くて…」
こうしてユーノの授業が始まり、時間はあっという間に過ぎていった。
*
「あ、だからここはこう変換するのか…」
「うん。まあデバイスを使えばもっと効率的にできるんだけど、条件上こっちを使うしかないんだ」
ところ変わってアースラ艦内。ユーノの所用と休憩もかねて訪れたが、移動しながらも試験勉強は続いていた。
ユーノの教え方は懇切丁寧で、フェイトは昔リニスに教えてもらっていたときのことを思い出していた。
(なんかこう見るとちょっと顔も似てるような…)
ユーノの横顔を見つめていると、その視線に気づいたユーノが急に振り向いた。
「えっと、もしかして僕の顔になんかついてる?」
フェイトと顔を合わせてからかなりの時間が経ってるのに、今までずっとなにかをつけていたんだろうか…。
ユーノは顔を上気させながら頬をぬぐった。
「あの、えっと、ち、違うの。……あのね、ユーノの教え方が昔のわたしの先生に似てるなって思って」
フェイトの顔が少し暗くなったのにユーノは気づいた。
フェイトの昔と言えばプレシアと一緒に暮らしていたときだ。きっとその先生は今はいないんだろう。直感でそう思った。
「そっか。きっといい先生だったんだね。ってこれじゃあ間接的に自分を誉めてるみたいだ」
そう言いながら笑うユーノに、フェイトは暖かい優しさを感じた。
昔のことは自分の中でけじめがついているが、過去は過去として存在するわけで、やっぱり今でも触れるのには勇気がいる。
(わたし、ちゃんとできてるよね?リニス…)
感傷に浸りながら歩いていると、目の前に見知った三人がいるのに気がついた。
「あ、あれってなのはとクロノ?エイミィもいるね」
「ほんとだ」
少し離れたところにガラス張りの休憩室があり、三人が談笑しているように見える。
なのはとクロノは少し疲労しているように見えた。
せっかくだからと近づこうとするフェイトだったが、ユーノの足取りは心なしか重かった。
しばらく歩くとエイミィの声が聞こえてきた。
『もう!二人とも模擬戦もいいけど、もっと年齢相応のこともしないと。暇があるなら二人でデートでもしてきたら?』
「え!?」
フェイトが驚いて足を止め、ユーノは半歩後ろで俯いた。
「あ、あのあの、えっとね、これはたぶん…」
ユーノの顔を覗き込むように言うと、ユーノはばっと顔を勢いよく上げてまくし立てた。
「ああああのさ!ぼ、僕、先に用事済ませてくるから!だから、また今度ね!!」
言うと同時にユーノは今来た通路を逆方向に走り出した。
「あ!ユ、ユーノ!!!」
ユーノの走る足音が響き、通路に一人ぽつんとフェイトは取り残された。
(ユーノ…)
全速力で走っていくユーノの後姿を見て、なんだかとても胸が苦しくなった。
(なんだろう、この気持ち…。よくわからないけど…)
すぐにでもそばに行って慰めの言葉をかけてやりたい。そんな衝動にかられた。
「あれ?フェイトちゃん、こんなとこで何ぼーっとしてんの?あ、そだ!今なのはちゃんがね…」
休憩室から出てきたエイミィがフェイトに気づいて話しかけてきた。
「あ、あの、わたし、ちょっと用事があって!!ま、また!」
そう言ってユーノの駆けていった方向へと駆け出した。
結局その日はユーノとは会えなかった。会っても、なんて声をかけたらいいかわからなかったが。
「また今度…か」
初めて触れる新しい自分の感情に戸惑うフェイトだった。
「えっと…なんかあった?」
取り残されたエイミィは一人ごちた。
意図せぬところで撒かれた種に、自然と雨が降るのを待つばかりとなった。
481 :
396:2006/02/22(水) 13:35:47 ID:pJHHq20i
次回へ続く
予告
第四話「波乱のパーティーなの(前編)」
第五話「波乱のパーティーなの(後編)」
というのでもうすでに完成してます。そういえば主人公ですが、一応ユーノです。
登場人物をまんべんなく出すと自然に出番が薄くなります。あとテーマは恋愛です。
>>396氏
乙、そしてGJ!
先の読めない展開でした
次回も頑張ってください。…というかもう完成してるみたいでしたorz
396氏もう最高!!!乙!
はやく続きが読みたいです。はやくはやくはやくうう・・う!
でちゃった・・
1ヶ月で1スレ消化かよ…まだ200番台読んでるのに。・゚・(ノд`)・゚・。
ログ保存しとくか(´・ω・`)
残り16Kで、書き上げたのが25K……。
またスレの終わりに間に合わなかった。。。orz
10時ぐらいになったら新スレたてます。
489 :
371:2006/02/23(木) 00:05:55 ID:6Pb+ihMX
549氏新スレたて&SS保管庫の管理おつかれさまです。
・・そのあの・・厚かましいお願いですが、ボクの
SSも保管庫に入れてください。あれ以上のものは
書けません。お願い549ままん
490 :
371:2006/02/23(木) 00:10:28 ID:A0BbVIe4
タイトルは「骨太家族もちっこたべて〜」
491 :
埋め@396:2006/02/23(木) 00:17:51 ID:zfASCUyr
「チームはやての質問コーナー!!」
「な!どうしたんですか主はやて!!やぶからぼうに」
「ここで396の小説に対するみんなが感じとるであろう疑問を架空のお便りとともにお答えするんや」
「架空のって…」
「ほないくで〜。まず一つ目や。なになに、『エロはないんですか』」
「エ、エロ!?ヴィータにはまだ早い!!」
「ちょっとシグナム、目を隠しても意味ないわよ。それにまだって成長しないんだから酷じゃない?」
「つーか離れろよ!おっぱいがあたって気持ちいいじゃねーか、悔しいくらいによぉ!」
「す、すまん…」
「んでどうなんや?」
『ないです』
「フーン、ってなんでリィンフォースが答えてんだ?」
『可愛い子は何を言っても許される、だそうです』
「た、たしかに…」
「じゃああたしでもいいじゃん」
『馬鹿な子は なんか つかれる』
「よーーーし表出ろ!!久しぶりにキレちまったからよーーー!!」
「待て待て、リィンフォースは悪くないだろう(たぶん)」
「それにヴィータちゃん!リィンフォース=はやてちゃんと戦うってことよ」
「はっ!!」
「ほぉ〜〜、いい度胸しとるな〜ヴィータ。ほな、屋上行こか?久しぶりにキレてしもたわ(ビキィ」
「いやだああああぁぁぁぁぁ(ズルズル」
「ちょっと、一つ目で終了しちゃったけどどうするの?この後」
「オチをつけねばなるまい」
「なんだザフィーラ、いたのか。いるならいるでちゃんと吠えねば」
「わふっ」
「………え!?これがオチ?」
(完)
492 :
371:2006/02/23(木) 01:31:56 ID:A0BbVIe4
396氏グッド!萌えたわん(;´Д‘)ハァハァ
391氏には是非ちびリィンフォースのどたばた日常っての書いて欲しい
ごめん396氏のまちがいだお。
496 :
埋め駄文:2006/02/23(木) 23:07:25 ID:AeMQl1eT
クロノin八神家
「…うっ」
ドパッ
はやての顔に、手に、胸に白くドロリとした液体が掛かる
はやてのまだあどけない顔も、今は白い液体で汚れている
しかしはやてはさして気にせず、左手に付いたソレを嘗めあげる
「ん…おいしいなぁ…」
そう呟き次は右手のも嘗め取る
「うん…やっぱりおいし…」
それを聞き、隣にいたクロノが呆れ顔で言う
「いや、拭き取れよ、とろろ…」
痒くなるのは体質のせい。
おいらは痒くならないので漫画などである山芋で痒くなるシーンの辛さが理解出来ない。
え!?
あれって体質?
しらんかった・・・
ノ”’丶 , - ─ / ト、
/ 'ヽ〆 l ヽ
/ ヽ ! ヽ
/ ヽ ヾ
ノ / ヽ ヽ i
ノ .i l ヾ l l ゝ .|
/ l| i /ヽ lヽ iヽ | i i
i / ( lヽ, l | _丶_l__,ヽ,,|..ヽ. .i .| .|
l | ./ ヽ!.; -,,i、,,..|.i~~::::::::::::::::::::::ヽ | . lゝ,,. i !
l .:| .イl l i:"~:::::::::::::::::i-ーi::::::::::::::::::::::::: l│ .| l ヽ! ゝ
l . |.| l i l l.:::::::::::::::::::::lヽ .l l:::::::::::::::::::::'' .リ ! i. .l i ヽ
l |.| l l i i l::::::::::::::'' ノ \l -.---ーー¬"/ / / / ヽ
ヽ | l.l i i\iヾ-¬'" 丿 ./ /// / ヽ
l i .l ヽ| iゝ ヽ //!. ' |o/ 丶
丶 lノi | ,.i ⌒ ' / /~o ゝ
ヽ | 丶 | i \ ./ / .'"~ハ ト 、 ヽ
/ ヽ ヽ |丶 ,,ノヽ / . i ゝ .ソ i i ヾ、 i
/ ii 丶/Wヽ 丶_ ___,/ l ~ . i l i ) .i
i ハ ゞ __ヽ ,,,,| ̄  ̄i ̄;;;"'l /l /i /l /| / /ゝ/
ゝ i | /\ \ ヽ | |;;;;;;;;;;;l / i / i / i/ i/ //
\i/ \ \ヽ. | |;;;;;;;// i/.| l/ '
/ ヽ ヾl | ヽ;;;;;'└┐. | |
/ ̄\ 丶 ヽ イ ヽ;;;;;;;;;;.| | |
i ̄ ̄ \ i i/ | ̄" '¬ - ...||,,, i
l ̄ ̄ ̄ | l i ~ ''__- ,,
| ̄ ̄ ̄ ̄| .i ./ ¬-( =/ | -
| | / 'メ | " ,
ノ”’丶 , - ─ / ト、
/ 'ヽ〆 l ヽ
/ ヽ ! ヽ
/ ヽ ヾ
ノ / ヽ ヽ i
ノ .i l ヾ l l ゝ .|
/ l| i /ヽ lヽ iヽ | i i
i / ( lヽ, l | _丶_l__,ヽ,,|..ヽ. .i .| .|
l | ./ ヽ!.; -,,i、,,..|.i~~::::::::::::::::::::::ヽ | . lゝ,,. i !
l .:| .イl l i:"~:::::::::::::::::i-ーi::::::::::::::::::::::::: l│ .| l ヽ! ゝ
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ヽ | l.l i i\iヾ-¬'" 丿 ./ /// / ヽ
l i .l ヽ| iゝ ヽ //!. ' |o/ 丶
丶 lノi | ,.i ⌒ ' / /~o ゝ
ヽ | 丶 | i \ ./ / .'"~ハ ト 、 ヽ
/ ヽ ヽ |丶 ,,ノヽ / . i ゝ .ソ i i ヾ、 i
/ ii 丶/Wヽ 丶_ ___,/ l ~ . i l i ) .i
i ハ ゞ __ヽ ,,,,| ̄  ̄i ̄;;;"'l /l /i /l /| / /ゝ/
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l ̄ ̄ ̄ | l i ~ ''__- ,,
| ̄ ̄ ̄ ̄| .i ./ ¬-( =/ | -
| | / 'メ | " ,
502 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/24(金) 20:59:11 ID:j0wIzN8z
俺も痒くならない
とろろが痒くなるのは不水溶性の針状結晶が皮膚を刺激するとかなんとかだったような
…というと、
>>498や俺の手の皮が人より分厚いか鈍感かと思われそうでやや不愉快だが
ノ”’丶 , - ─ / ト、
/ 'ヽ〆 l ヽ
/ ヽ ! ヽ
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