☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第四話☆

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
魔法少女、続けてます!

一期「魔法少女リリカルなのは」に続き
二期「魔法少女リリカルなのはA's」が放送中!

ここはエロ小説スレです。
でも、エロなしでも大丈夫!

特殊嗜好な作品は投稿前に確認してください!

前スレです。
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第三話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1128522625/l50

本スレです。
アニメ板で超高速進行中、A'sスレです
魔法少女リリカルなのはA's その86なの!
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anime/1135524932/l50

アニメ2板でマターリ進行、無印スレです
魔法少女リリカルなのは XXXIX(39)なの!
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1133257508/l50

保管庫です。
☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html
2名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 13:50:22 ID:rQZXLqdT
>>1
スレ立て乙です

2ゲットかな
3名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 14:11:12 ID:NFp0SyXK
>>1
なのは3
4640@1スレ:2005/12/26(月) 14:39:36 ID:9zLu5Il2
携帯から乙
5名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 15:00:30 ID:2gzdfJSz
>1
全力全開の乙。
6名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 15:41:22 ID:3u5Qsl6W
>>1
7名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 18:17:23 ID:03pcy0rf
>>1
8549 ◆51nyTkmf/g :2005/12/26(月) 21:42:39 ID:t3V4YKqR
>>1乙です。

新スレ開始にも間に合わなかった。。。

>>前スレ730氏
アリサがいい味出してて自分は好きですよ。
9名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 21:44:32 ID:laEyhrVm
>>1
10名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 00:08:02 ID:bntIgdoS
>>1
本スレのスレ数、前スレと比べて10倍以上かw
11名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 00:18:34 ID:dy4JZndL
>>1超乙

なのは×フェイトの超ラブラブ話まじできぼんぬ・・・。
一期のラストに比べて2期は地味すぎて寂しい、エピローグもアレだったし・・・。
12名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 00:28:44 ID:dy4JZndL
連カキゴメソ。

フェイト×なのは で転げまわりたい奴はまずは保管庫行って276死のを読むべし。
っていうかごく個人的に276氏の再降臨をキボンヌしとく。
13640@1スレ:2005/12/27(火) 00:31:02 ID:T7P4UNgz
「本当に、いいんだね?リニス」

精神リンクを通じて伝わってきた、真実。
それは二人にも予想し得なかったことであり。
またアルフと今行動を共にする彼女にとってはとても辛いものであるにも関わらず。

リニスは首を縦に振った。主を、救わねばならない。

「行きましょう・・・私の主は、プレシア・テスタロッサです。主の心が囚われているのを見捨てては、おけない・・・!!」



第四十話 Eternal blaze

『nine』

「ぐうぅぅぅっっ!!!!こんのおおおおぉぉぉ!!!!」

やはり、硬い。
並みのバリア強度ならば易々と粉砕するレベルのアルフのバリアブレイクを、プレシアは耐えている。
以前一度破った時とは、その硬度は段違いに増していた。
(くっ・・・!!もう少し、もう少しだってのに・・・・!!)
わずかでもいい、少しでもこのバリアーを傷つけることができれば。

『eight』

「アルフ!!」
あれじゃ、ダメだ。クロノは思わず叫ぶ。
いくらアルフの特性が障壁破壊とはいえ、プレシアの展開するシールドは強固すぎる。
さきほどまでアリシアが置かれていた状況と彼女が入れ替わっただけでしかない。せいぜいヒビが入るかはいらないかがいいところだ。

「大丈夫です」

クロノの心配を他所に、壁を支えにしながら立つリニスの声には自信があった。
余裕の笑みさえあるというほどはいかずとも、それは確信に近いまさに「自信」と呼べるべきものが。
「どうして、そう言える・・・!?」

『seven』

「決まってるよ」
「!!」

────答えたのは、少年の声だった。

「アルフから念話で聞いた。フェイトもアリシアちゃんも、彼女達だけで戦ってるわけじゃない」

少年はリニスの横を抜け、クロノの横にかがみこむ。

『six』

少年の言葉に、表情に。クロノは、あることに気付く。
聞こえてくる彼の声よりも後ろ、ほとんど動けないクロノには見えないその場所に収束しつつあるよく知った魔力の波動。
そして激戦によってこの場に満ちていた魔力の残滓が、驚くほど減っているということを。
忘れもしないこの現象。
この庭園内に居る者でそれを起こすことができるのは、クロノの知るかぎり、一人だけ。
14640@1スレ:2005/12/27(火) 00:37:09 ID:T7P4UNgz

『five』

「・・・そういう、ことか・・・!!」
「そう、そういうこと。・・・けど、念には念がいる」

左手を掴まれたと思うと、少年はクロノの脇下に身体を潜らせ支えにし彼を立たせる。

『four』

「悪いけど、もう少し働いてもらうよ。時空管理局執務官?」
「・・・・ああ、わかってるさ。お前もしっかり支えてろよ、フェレットもどき」
少年の皮肉に彼の嫌がるその呼び名で返しながらクロノは、右手のS2Uへと残った魔力を集中させていく。

「・・・僕だってやらなきゃいけないことはあるんだ。年下に頼らず自分でちゃんと立ってろ」
彼もまた空いた方の手に翡翠色の彼自身の魔力を集中させ、準備を進めている。
もう少し、あとは「彼女」の準備さえ完了すれば、すべては整う。
「年下扱いしたら怒ってたのはどこのフェレットだ?」
「・・・うるさいな。それにフェレットはやめろ、このシスコン・・・ストラグルバインド、いけるね?」

『three』

「ああ」
ふん、シスコンで悪かったな。けどやれる、大丈夫だ。
僕はあの子達の「兄」なんだから。
あと少しくらい、がんばれるさ。妹が一生懸命やってるのに兄が休んでいてどうする。

クロノがもうひとふんばりする決意を固めたのにあわせ。
二人の少年の背に星々の光が集まり、その桜色の輝きを増していく────・・・・!!









───アリシア、私が合図したら全速力で跳んで───
「えっ!?」
突然の闖入者──アルフにうろたえ、見守るだけだったアリシアとは対照的に。
クロノ達と同じくフェイトは状況に気付いていた。
その冷静な声にアリシアは戸惑い、聞き返してくる。

───いいから。もうすぐ・・・!!───
「けど!!」

───もうすぐアルフが吹き飛ばされるはず。そうしたらブリッツアクション全開でつっこんで───
「それじゃ、アルフが・・・!!」
───信じて───
「フェイト・・・」
先ほどアリシアがクロノに対して言ったように、今度はアリシアに対しフェイトが、信じてくれることを願う番だった。


      

15640@1スレ:2005/12/27(火) 00:39:02 ID:T7P4UNgz
───私を、アルフを、信じて───

『two』

「・・・・・・わかった。アルフが離れてから、でいいんだよね?」
状況が同じなら、出した答えも同じ。
フェイトのことを信じられないなんて、あるはずない。
 
      
───うん。すぐ「アレ」が来るから当たらないように気をつけて───
「・・・・「あれ」?」

あれって何よ。疑問に思ったアリシアだったが、聞くには時間がなさすぎた。

『one』

胸の中の少女のいう「アレ」が何であるかわかっていたなら、アリシアは全力で拒否していたかもしれない。
なにか別の手を考えるべきだと反対したかもしれない。少なくとも、生きた心地はしない。
フェイト自身、以前に正面から受けたときの恐怖を語っていたというのに、それをまさか、後ろから撃たせるなんて。

『zero』

「いくよっ・・・・!!本日二発目!!」

なにしろ、吹き飛ばされたアルフを確認し突っ込んでいく彼女をわずかにかすめ背後から飛んできたのは、よりにもよって。

「ブレイク・・・・シューーーーーーート!!!!!!」

全てを貫き討ち滅ぼす、星の光───なのはの、スターライトブレイカーだったのだから。
16640:2005/12/27(火) 00:56:44 ID:T7P4UNgz
新スレ立ったということで水曜くらいに投下予定を慌てて書き上げてみたり。
カウントはいってる感じを文で表現するのって難しいですねorz

>>176
クロノとエイミィの続きキタコレ
いつもの分とあわせて楽しみにしてます。

>>730
なのは的王道はやっぱりフェイトとの組み合わせですかねー。
激しくGJ

>>11
ごめん流れぶったぎってorz




現在の自分の進行状況

41話・・・プロットのみ(最終話までプロット完成済み)
エロ4話・・・5割程度

息抜きに書いてたやつ(やや壊れ系)が一話ぶんくらいの量まで行ったので
そちらを近日中に投下する予定です。A‘s最終回の内容を反映させた上で。
17名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 01:55:55 ID:0fULNSxl
>>640氏乙&GJ!!

クロノがシスコン宣言?(゚∀゚)キタコレ
18名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 11:37:17 ID:mZ+8WVr7
>>640氏GJ!!
最終回見てないんだが、見てからその前後あたりにオリキャラ、オリ設定ありで
書こうと思うんだがスレ違いか?
19名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 13:32:04 ID:Z/APamp6
>>18
とりあえず前スレ>>300あたりまでの流れは参考になるかも試練
書くんならな
20名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 15:14:24 ID:mZ+8WVr7
>>19
大いに参考になった
A'sを改変するか・・・そうすればオリキャラ無しでもいけるな
21名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 17:38:57 ID:4+eFQVSu
というか最終回前でオリキャラ出す必要のある話ってどんなだ…
あんだけ頭数が揃ってるのにw
22名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 22:46:06 ID:u8128heI
オリキャラだすならアリサとすずかを活躍させてください。
23640:2005/12/28(水) 21:29:01 ID:/JllYzr9
今年度中の投下は今日が最後となります。
新年は帰省後だから5日くらいになると思われ。
今回はいつものやつの41話ではなくA’sのアフターものですが。
というわけでまだ見てない方はご注意を。
・・・・まぁ完全に今回は趣味とネタに走ってるけどねorz
24640:2005/12/28(水) 21:31:11 ID:/JllYzr9

「なのは、ちょっといいかな」

それは、とある放課後のことだった。

「何ー?フェイトちゃん」
「えと、あの・・・ね?ちょっと、お願いがあるんだけ、ど」
慌しく皆が帰る準備を進める中、その例に漏れずなのはが鞄に荷物を詰めていると、
フェイトが席のところまで来て改まってこう言ったのだった。

「お願い?何?」
「うん、えっと、えと」

なんだろう。そんなに頼みにくいことなのだろうか。
執務官任務の手伝い・・・は彼女が執務官になって以来もう何度かやっているし、
なのはのほうの教導官の仕事も今は新入局員の少ない季節だからさほど忙しくない。
ミッドチルダでもこちらの世界の入学入社シーズンと同じようにそういった時期があると知ったときは、少し面白かったけれど。
とにかく、だからここまでフェイトが仕事関係のことで言うかどうか迷うことがあるとは思えなかった。
クロノ達から大きな事件があったという話は聞いていないし。かといって管理局がらみ以外だとすると、
なのはもこれといってフェイトの頼みごとが何なのかとっさには思いつかない。

(何か深刻な問題って今、あったっけ?)

「?どうしたの、フェイトちゃん?そんなにかしこまっちゃって」
「いや、えっと、あの、その・・・あの、ね・・・」
「?」
『じゃあなー、フェイトー』
「ああ、うん、また・・・って、そうじゃなくて、あの・・・」
何か言いかけたところでクラスメイトの声に振り向き、返事を返す。
そんな律儀なところもまた、フェイトのフェイトらしいと言える点で。
なのははフェイトのそういった部分が、大好きだった。

俯いてなにやらぶつぶつ言いながら赤くなるフェイトは見ていても飽きないものであったけれど、
あんまりそのまま放っておくのもかわいそうなのでなのはは助け舟を出してあげることにした。

「それで?頼みってなあに?」
「う、うん、あのね。実は───」





魔法少女リリカルなのはA's after 〜買い物に行こう。〜




25名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 21:38:16 ID:/JllYzr9


二人の間に、会話はなかった。
けっして険悪なムードというわけではない。
今互いを見やることもなくただ無言で歩いている二人は双方よく知った仲であったし、
相性の悪い組み合わせということでもない。
物静かという点で言えば、どちらも似たもの同士といったほうが近いだろう。
仲のいい、友人同士───二人とも、そう思っている。
どちらかといえば「彼」と仲があまりよろしくないのは、「彼女」の兄のほうである。

ただ、少年ははじめての経験、また密かに想いを寄せる別の少女の事を考えて。
そして少女は、初めての出来事に加え相手のことを考えすぎてしまうが故に。
赤く上気した顔のまま気まずい沈黙を続けてしまっていたのだった。
彼も彼女もどちらもが今、自分ほど心臓が早く動いている人間はこの世にはいない、そう思っていた。


先日の放課後、フェイトが言ったなのはへの頼み。それは、

『今度の日曜日、ユーノを一日貸して欲しい』

というもの。
当然、なのはに断る理由もなく。むしろ寮住まいの彼の予定を何故自分に確認を取るのかと不思議そうなほどで。
こっそり聞き耳を立てていたアリサが石化したくらいで、その願いはいともたやすく了承されたのであった。

(でもなぁ)

フェイトから今日の誘い、なのはの反応を聞いた時のことを思い出し、ユーノは思わず溜め息する。
(そうあっさり了承されちゃうってことは・・・・)
自分は、なのはからは「そういう対象」としては見られていないというわけで。
別にフェイトと出かけるのは嫌じゃないけれど、なんだか複雑な気持ちだった。
ちゃんとなのはに了承を取るあたり、真面目なフェイトらしいのだが。そこはなのはの鈍さが極まっているということか。
(しかもこれって、二人っきりってことはつまり、その・・・デ、デート・・・・なんだよね?)
思えば、人間の姿でこの街を歩くのも戦闘以外では本当に数えるほどしかない。
(なのはと出かける時はいっつも、フェレットモードだったからなぁ・・・)
人間の姿でなのはと街を歩いたのは闇の書事件が終わった日のあの、一回だけ。あの時はどちらかといえば事件の終了という開放感の方が強かった。
そもそもフェイトと別れてなのはの家に着くまでのわずかな距離を二人で歩いたというだけのこと。
あれからユーノは司書資格を取るための勉強、なのははなのはで正式に嘱託になって忙しくしていたしで予定が合わず、
局内で割りと会ってはいたけれど息抜きに共に出かけるということはなかった。
要するに、である。
不肖、ユーノ・スクライア11歳。初めてのデート体験に、いささか混乱していることを認めざるを得なかった。
なにせ今こうやって「デート」という単語を思い浮かべるだけでも頬が火照ってくるのだから、反論のしようもない。
(・・・って、誰に反論するんだよ)
なんて自己につっこみを入れつつ。
普段は思慮深いユーノも、やっぱり中身はまだ子供なのだった。

ちらとフェイトのほうを見ると、目線が合った。慌てて視線を逸らすと、更に身体が熱くなっていくのがわかる。

(な、なのはが、僕にはなのはが・・・)
なんて思ってみても仕方ない。
フェイトのことは日常的に見ているけれど、こうしてあらためて見てみるとやっぱりかわいいと思う。
なのは以外でもかわいい子には弱いのだ。これでも一応、男の子ですから。
そもそもなのはとユーノの関係はまだ・・・いや、何も言うまい。言わないほうがユーノ自身のためであろう。




26640@↑ミスったorz:2005/12/28(水) 21:40:34 ID:/JllYzr9
不意に、隣を歩く少女が口を開く。
「・・・ごめんね、ユーノ。嫌だった、かな」
「へ!?」
「私、クロノ以外の男の子と二人でこうやって出かけたことがほとんどなくて。それでひょっとしたら、つまらないかもしれないな、って」
頬はまだ赤らめたままだけれど、フェイトは心底申し訳なさそうに謝った理由を告げてきていた。








───何か。何か、言わなきゃ。今日来てもらった理由とか、お礼とか。都合は大丈夫だったか、とか。

彼女の謝罪に対し全然そんなことはないとぶんぶん首を振りながら否定するユーノに負けず劣らず、フェイトもまた内心で必死だった。
溜め息をつき目を逸らす彼を見て、やっぱり私なんかと一緒じゃ楽しくないのかな、なんて考えて沈んだ気持ちになってしまう。
(そうだよね。ユーノは、なのはのことが・・・・)

「いやほら、ただちょっと、僕もこの姿で街に出て来るの久々であんまりなかったから。少し落ち着かなくて」
「そう・・・なの?」
「そう!!そう!!それにこうしてフェイトと二人だけって珍しいし」
これまた、大袈裟な動きではあったが。ユーノが自分を元気付けてくれようとしていることはわかった。
オーバーだなぁ、とは思いながらもそれがなんだか嬉しくて。

「・・・ありがとう、ユーノ」
「・・・へ?」
本日二度目の、間抜けな返答が返ってきた。元々真面目でやさしい性格なのに、ユーノはこういうところがどこか、抜けている。
兄のクロノにはない反応が、ちょっと新鮮で可笑しかった。知り合ってから長いけれど、二人だけになるのは珍しかったから。
「ううん、なんでもない」
「???」
「なんでもないよ」
フェイトが微笑むと、ユーノは顔を更に真っ赤にして、照れて顔を背けてしまう。
「そ、それで?今日はどうして僕を?買い物ならなのはでも・・・」
「あ、うん、そのことなんだけど。実は頼みたいことがあって────」






一方。
27640:2005/12/28(水) 21:44:21 ID:/JllYzr9

「ったく、いらつくわねー・・・」
「・・・・あのー、アリサちゃん?」
「・・・もっとなんかこう、はしゃいだりいちゃついたりしないさいよー・・・!!」
「アリサちゃんってば」
「・・・・・うるさい、気が散るでしょ」
「アリサちゃーん」
「あーもう!!うっさいわね、何よ!?」
「いや何って」
正直こっちが聞きたいんだけど、となのはとすずかは顔を見合わせた。

「・・・なんで私達はフェイトちゃんとユーノ君を尾行してるんでしょーか」
「さ、さぁ・・・?」
「うるさいうるさいうるさい!!これはフェイトの、友達の一大事なんだから」
アリサさん、その台詞は声のよく似た別の人ですよ。となんだか姉共々彼女に討滅されそうな感覚を覚えながら
心の中でつっこむなのは。なぜそんなつっこみができたのかは彼女自身にもよくわからない。
「あんたもわかってるでしょーが!!あのフェイトが、なのよ!?」
「そ、そうなの・・・・?」
「そうやでー、なのはちゃん。友達の大勝負は、しっかり見届けたらなあかん」
「あうう、はやてちゃんまで・・・それに大勝負って・・・」
なんか違うんじゃないでしょーか。そう思いつつも口に出せない辺り、しっかりこの二人に主導権を握られている。

遠くの方に小さく見える、一組の男女を見守るのは4人。
振り返りもせず一心不乱に二人を見ているアリサと、足が治って以来妙に行動的になったはやて。
そして半ば巻き込まれる形で参加している、ひきつった顔のなのはとすずかだった。
四人の少女が固まって、こそこそしながら尾行をする姿はいかにも不自然で、周囲から好奇の目でみられそうではあるが、道行く人が振り向くことはない。
それもそのはず。

「・・・なんか、果てしなく魔力の無駄使いのような気がするんですが」
ユーノから教わったばかりの、隠密行動用の認識阻害魔法。魔導士相手でも広域探査をかけられない限りは気付かれない、便利な代物。
つい先日マスターした、なのは最新の魔法だった。
さほど難しくはない魔法だし比較的前から習ってはいたのだが、教えるユーノの司書の仕事の都合もあり、この間ようやく出来上がったのである。
人にものを教える以上は、自分も苦手を少しずつ克服していかなければ。
そう思い覚えた魔法であったのだが、アリサとはやてに命じられ、なのははそれを常時発動し続ける羽目になっていて。
使えるようになったなんて言うんじゃなかったなー、と激しく後悔中。

『No problem, my master』
「あなたまで楽しまないでよ、レイジングハート・・・」
『I do not understand the meaning of what you say』(おっしゃる意味がわかりません)
うわ、しらばっくれやがったよこの杖。待機状態だから宝石だけど。
・・・エクセリオンにパワーアップしてから性格変わったよね、レイジングハート。

「大丈夫、足らんくなったらうちの魔力使ってええから」
「いや・・・そういう問題では・・・・」
「ごめんなー、リインフォース、まだ本局で調整中やからなー」
「もうすぐ完成なんだっけ?」
「そうやよー、完成したらすずかちゃん達にも会わせたるな」
「あー!!店入った!!」
28640:2005/12/28(水) 21:45:15 ID:/JllYzr9

アリサが指差す先に、もう二人の姿はなく。
そのままそびえ立つビルを彼女の指先は示していた。

「ほんまか!?ほな、行こか」
「あ、え、えー・・・やっぱり?」
「やめたほうが・・・」
乗り気のしない二人を、アリサがひっぱる。
それはもうお前ら急げと言わんばかりに。
「え」
「いーから、ほら!!あんたたちも来るの!!はい、走る!!」
「えー」
「えーじゃない!!はやくしないと見失うでしょ!!」

結局店内へと消えた二人を追ってなのは達もまた(約二名は渋々)、デパートの中へと急いだのだった。
29640:2005/12/28(水) 21:58:42 ID:/JllYzr9
こんなとこで。
一応4〜5話程度の短い話の予定・・・ってかいつもが長すぎかorz
30名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 22:47:53 ID:4Z94XgZg
>>640氏GJ!
そして、何よりも隊長のうるさいうるさいうるさいキター
31名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 23:04:47 ID:zm3Kh65+
>>29
640氏乙&GJ!!面白そうな展開キタコレ!!
アリサはシャ○化(シャマルではない)して
なのははティ○エルのクレイドルガーデン発動ですかww
これでなのはが美由希に口移しすれば紅世の炎に包まれるw
32名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 23:21:04 ID:iBfldnZB
>>640氏GJ
どういう展開になるか楽しみです。
つーかカップリングはユーノ×フェイトですか?
33名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 00:00:48 ID:atJSyQrQ
>>640氏GJ!!

無難に考えるとなのは当たりへのプレゼントかな?
34名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 01:06:15 ID:xWMHCpff
>>640氏GJ!
ここはありきたりだが
男がどんな物が好きかわからない→本人には聞けないからユーノに頼む
という事でフェイト×クロノと思ふ
35名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 03:11:03 ID:xaI0JPhH
…と思わせてフェイト×ユーノに落ち着くのやもしれん。
まぁぶっちゃけ何でも(ry
36176:2005/12/29(木) 10:46:50 ID:Y1foCEod

19 お見舞いとそれぞれの想い

caseT クロノ・ハラオウン

 どこか見覚えのある天井。
 気がついて最初に思ったことだ。
「…………っ!」
 刺すような痛みが右手を襲う。見れば包帯でぐるぐる巻きにされて所々に赤が滲んでいる。
(そっか……あの後僕は――)
 おぼろげながら思い出した。アースラに転送されてみんなの顔を見た瞬間、糸が切れたように僕は昏倒したことを。
 意識してしまえば全身が痛んできた。ヒュードラの砲撃からなのはを庇ったり、限界を遥かに超えた魔力の制御。身体も心もヒビだらけでボロボロ。
 それだけの負荷をかけたんだから当然と言えば当然だけど。  
「どのくらい経ったんだろう」
 ただでさえ次元空間を航行しているせいで時間の概念があやふやなのに、この部屋には窓もないのだ。連絡用のモニターはあるもののそれだけでは時間間隔が退化していくを止められない。
 それにしても酷い怪我だ。これならフェレットの姿で治癒させた方が早く治るはず。
「入ってきた人はびっくりするかもしれないけど……」
 精神を集中し、いつもの姿を思い浮かべる。 
 そして変身――
「……あれ?」
 できなかった。
「こんなのも使えないくらい魔力がないのか」
 変身魔法なんて僕ら部族にとって息をするのにも等しい魔法だ。それが使えないなんてどうやら見当外れの魔力を失っているみたいだった。
 落胆する。そんな時唐突にドアが開いた。
「……なんだ、起きていたのか。てっきり後三日は起きないと思っていたんだが」
 憎まれ口と共に姿を現したのはクロノだった。目覚めて一番の人間がこいつなのはなんとも寝覚めが悪い。
「お生憎様。僕だってそんなやわじゃないからね」
「ああ、それだけ減らず口が叩ければな」
 それだけ言うとクロノはベッドの側においてあった椅子にどっかりと座った。
37176:2005/12/29(木) 10:47:34 ID:Y1foCEod

「しかしまぁ……お前には負けたよ」
 呆れ気味にクロノが呟く。よくよく見ればクロノの服装もいつもの正装でなくインナーシャツ一枚着ただけのラフな格好だ。額、腕と包帯が巻かれ、シャツの隙間からも包帯が見え隠れしていた。
「なのはを先行させて、そこまではよかったんだが……」
 言ってため息。
「あんなアホ魔力受け切れなんて酷はないだろう」
 あの時のヒュードラの衝撃波か。そういえばクロノが戦っていたことなんてすっかり忘れていた。
「正直、自分を褒めてやりたいくらいさ」
「苦労話するために来たのかよ。それなら僕は寝るぞ」
「まぁ、待て。話はここからだ」
 突っかかってくることもなく、どこか疲れを含ませながらクロノはごちる。
「前々から結界魔法については認めていたが、おまえの能力はなのはの魔力同様、馬鹿規格だよ」
「リンディさんの助けがあったからできたんだ。僕は出来ることをやっただけだよ」
「だけど見ず知らずの術式をいきなり使いこなせばそう言いたくなる」
 褒められているのだろうか。相手が相手だけになんだか複雑だ。
 それを一区切りにしてクロノは席を立つ。話はもうおしまいなのだろうか。
 別に構わないけど。
「結局なにを言いに来たんだよ」
 ただ一方的に話を聞かされた身としてはクロノの意図だけでも知らないとどうにも釈然としない。
 クロノはつかつかとドアまで行くとまたため息をついてしょうがないと言わんばかりに口を開いた。
「つまり砲撃魔導士には君しかお似合いな奴がいないと言うことだ」
 それだけ言うとクロノは部屋から出て行った。
 一人残された僕はただぽかーんとしてクロノの言葉を反芻していた。
(砲撃魔導士……? ……なのはのことかな?)
 お似合いと言えばお似合いだろう。大砲に盾が揃えば死角はほぼないだろうし。 
 今思うとなんでそんな真面目に考えていたのか。まさかこれがクロノの敗北宣言でだったなんてこの時の僕は微塵も考えていなかったりする。
38176:2005/12/29(木) 10:48:24 ID:Y1foCEod

caseU リンディ・ハラオウン

 それからしばらく時間が経った。
 今目の前にいるのはこのアースラで最も権威ある人物。
「それでね、ぜひぜひうちの結界魔導士になって欲しいのよ〜」
「いや、でも僕は……」
 そうはあんまり見えないリンディさん。
「お給料は弾むし、発掘の仕事にも専念できるようにスケジュールは余裕持たせるし」
「そ、そんな一応そういうことは部族の人に聞いてみないと」
 あの時のなのはの気持ちが分かる。なのはは自分の世界の決まりでなんとかリンディさんをかわせたけど、流石に同郷の僕はこの状況をどうやって乗り切ればいいのかあたふたするばかりだった。
「そうね……これだけ食い下がっても駄目なら仕方ないか」
「すいません」
「いいのよ、私が誘っているんだし。じゃあ無駄話は置いておいて本題に移りましょう」
 リンディさんが手を差し伸べ僕の腕を取る。摩るようにして腕の具合を確かめているみたいだ。
「応急処置だけじゃこれくらいが限界か……」
 開いていた手が手の甲へ掲げられた。柔らかな輝きがたちまち包む。
「久しぶりね、回復魔法使うのも」
 僕の魔法とは比べ物にならないくらいの魔力。今まで痛みで曖昧だった神経が修復されていくのがはっきりとわかった。
(これが提督を任せられるほどの実力を持つ魔導士の力なんだ)
 僕が感服している間にもリンディさんは甲に当てていた手を今度は腕の方へずらしていく。
「一体どれくらいの無茶をすればこうなるのかしらね」
「け、結構無茶しましたから」
 やれやれといった具合にリンディさんは表情を崩し僕を見つめる。少し気恥ずかしくなって僕は取り合えず笑って誤魔化した。
「裂傷、出血多量、骨にはヒビだらけ。おまけに魔力の枯渇…………頑張ったのね、なのはさんのために」
「やれるべきことしただけです。それになのはには傷ついてもらいたくないし」
「……いいわね、好きな人がいることは」
「え、えっ! ぼ、僕はなのはのことをそ、そんな風にはっ!」
 さらりとこの人はとんでもないことを言う。
 突然の不意打ちに僕は図星だといわんばかりに取り乱してしまった。これじゃはい、そうですって頷いてるようなものだ。
「ふふ、隠さなくてもいいわよ。もう、ほんと微笑ましいわ」
「それに仮にそうでも……あくまで仮にですよ。僕となのはは違う世界の人間であって……」
「それが何か問題でも? 今はそんなことに拘る時代じゃないわよ。むしろいいじゃない国際結婚なんて」
「け、けけ結婚!?」
 からかわれている。絶対にからかわれている。そういえばこの人クロノの母親だったんだ。
 クロノの口の悪さはある意味この人からの遺伝ではないのだろうか。失礼だけど思わずにはいられない。

39176:2005/12/29(木) 10:49:18 ID:Y1foCEod

「大体、僕はあの世界の魔力とそんなに相性良くないから生活するなんて」
「そういうのは気持ちの持ちようよ。自然体でいればいつの間にか馴染んでるものよ。そういえばなのはさんの世界にちょうどいい言葉があったわね。確か……」
 顎に指を添えしばし思考。そうして思い出したのか二、三度軽く頷いた。
「郷に入りては郷に従え、でしたっけ?」
「僕に言われても……」
「つまりはそういうことよ。私も以前はそういう感じだったからわかるのよ」
「リンディさんですか?」
 頷きつつリンディさんが光に包まれた。光はすぐに散り、再び現れたその姿は元の大きさよりずっと小さい。
 あの時の妖精姿でリンディさんが目の前で飛んでいた。
「私もね、若いころは潜在的な魔力が大きすぎて他世界との調律に苦労したの。大抵現場のときはこの姿だったわ」
「そうだったんですか」
「でね、ある日ある人に言われたの。恐れないで、勇気を持って飛び込んでみろ、ってね」
「……どうなったんですか?」
「ん? もちろんへっちゃらに決まってたじゃない」
 部屋の中をくるくると飛びながら嬉しそうに語る。その声はとても無邪気できっといい思い出だったことを思わせる。
「それからね。異世界の人と出会うときはまずその世界の文化を知る。知って、心を開いて、気持ちを合わせて」
 だからなのはと最初に会ったときもあんな部屋にしておいたのか。今更ながら、あの部屋に込められたリンディさんの思いが改めてわかった気がする。
 いい人に出会えたんだな、リンディさん。
「さてと、そろそろ戻らないとエイミィに怒られそうね」
 また変身。見慣れたリンディさんになる。
「じゃあ私はお暇させてもらうわね」
「はい」
 席を立ってドアへ。ドアが開いてリンディさんが出て行こうとする。
「あ、あのリンディさん!」
 反射的に僕は呼び止めていた。とても気になったことがあったから。
 リンディさんにそこまで影響を与えた人がどんな人なのか知りたかった。
「その人は今、どうしてるんですか?」
「あの人のこと?」
「はい、嫌ならいいんですけど」
「別に構わないわよ、とてもいい人だから。でも真面目すぎるのよ、出張で家空けっぱなしだし」
 口ぶりから、多分その人はリンディさんの夫でありクロノの父親なんだろう。クロノの性格からするとよっぽどの真面目な、立派な人だったことが想像できる。
「これ以上はなすと惚気になりそうだからちょっと別の話しましょうか。本当は後にしておくつもりだったんだけど」
「はい?」
「実はね――」

40176:2005/12/29(木) 10:50:02 ID:Y1foCEod

caseV フェイト・テスタロッサとアルフ

 三人目の来訪者はちょっとまどろんだ後にやってきた。
「こりゃ酷い怪我だね、ほんと」
「いてっ! ちょ、痛いアルフ」
 お見舞いの挨拶は随分と痛いもので始まった。
 包帯に興味を持ったのか、それとも純粋に怪我の心配してかアルフが僕の腕を掴む。当然傷は癒えてないのでとても痛い。
「アルフ、ユーノが痛がってるから」
「あっ、ごめん。あんまりに痛々しかったからさ」
「いいよ」
 しゅんとして縮こまるアルフに苦笑しながら僕はちらっとフェイトの様子を見た。
 別段、変わりはない。もしかしたら落ち込んでいるかもしれないと思ったけど取越し苦労だったのか。
「どうしたの? ユーノ」
「ん? フェイト大丈夫かなって」
 隠してもしょうがないから正直に答える。
 フェイトは少しだけ表情を曇らせ俯いた。
「そうだね……元気って言えば嘘になる」
「フェイト……」
「でもね、あの子は会いたかっただけだから。アリシアと母さんに」
 顔を上げる彼女の顔には不安はない。その顔はとても穏やかで優しさに溢れていた。
「ヒュードラに呼ばれたとき小さいころの記憶、アリシアの記憶が私に教えてくれたんだ」
「記憶が……?」
「うん。だからあの子の事もわかったから。優しかったことが」
 見上げるように視線を移しながらフェイトは語る。僕にはどこかその『優しかった』は別の人物にも向けられてるように感じた。
「だからね、迷わなかった。それにあの子の言うとおりにしなかったら多分私たちここにいない」
「…………」
「あのまま放っておいたら空間が壊れてた。あの子が抑えていられるうちに壊したから私たちは助かった」
 両手を胸に当てフェイトがゆっくりと眼を閉じる。
「みんな優しかったんだ」
「フェイト……」
 溜まらずアルフが小さな体を抱きしめた。使い魔としての精神リンクが彼女の心の動きも教えたのだろう。
 涙を見せるアルフ。腕の中でフェイトの目じりにも涙の粒が光っている。
「大丈夫だよ、アルフ。それに今はユーノには言っておきたいことがあるから」
 腕を解いて僕に向き直る。まだ瞳に涙を浮かべながらも、その顔は凛としていた。
「なのはのこと、守ってくれてありがとう」
「あっ、うん」
「すごいよね、ユーノの魔法。私には真似できない」
「フェイトのほうがずっと魔導士としては上だよ」
 僕には結界以外何のとりえもないんだから。幅広く魔法の扱えるフェイトのほうがずっと優れているはずだ。
41176:2005/12/29(木) 10:50:45 ID:Y1foCEod

「ううん、そこまで自分を削れる人はいないよ。羨ましいな、そこまで大切に思えるなんて」
「そうかな」
「だからなのはもユーノのことを大切に思えるんだと思った。じゃなきゃあんななのはにならないよ」
「あんな……?」
 そこまでなのはが取り乱したということだろうか。思い当たる節あるけどあそこにフェイトはいなかったし。
 疑問符を浮かべる僕に今度はアルフがフォローを入れる。
「そうだよユーノ。あんたがいきなりぶっ倒れるもんだから急いで運ぼうと思ったら、なのはがね」
「突然泣き出して、ユーノにすがり付いて」
「言っても離れなくてさ、仕方ないから二人一緒に運んだんだよ」
 小脇に抱えるような仕草を見せる。アルフらしい豪快なやり方だ。
「でさ、医務室に運んでもなのは、ユーノの手をずっと離さないでいて。なのはにもあんな一面があるんだね。エイミィも驚いてたよ」
 腕を組み一人頷くアルフ。そこまでなのはの変わりようは驚くものだったのか。その間ずっと意識がなかった僕には分かるわけもないけど。
「あんなに心配してくれるなんてユーノが羨ましいな」
「そんなことないよ。きっとフェイトでも同じようになのはなら泣いてくれる」
「そうかな……?」
「そうだよ」
 なのはにとってフェイトは大事な友達だ。フェイトの身にもし何か起こればなのははきっと僕が腕をやられたとき以上に怒るに決まっている。
「それでも多分二人の絆には敵わないよ」
「あたしもそう思うね。だってユーノが無事だって分かったらなのはそのままくっついて寝ちゃったし。ほんと妬けちゃうくらいにね」
「アルフ、それはなのはが言っちゃダメって」
「あはは、そうだったけ?」
 無邪気に笑ってアルフはフェイトの言葉をすらりと交わす。
「思い切って告白してみればいいじゃないさ。きっとお似合いになれると思うよ」
 加えてとんでもないことをさらりと言う。
 アルフの発言は僕はおろかフェイトまで顔を真っ赤にしながらどぎまぎしていた。
「だ、駄目だよアルフ。こういうことは二人の問題だし……」
「だったらフェイトも早くリンディのこと呼んであげればおあいこだよ。自分のことだけ呼び捨てにさせるんじゃフェアじゃないだろ?」
「ゆ、ユーノの前なんだからっ」
 これ以上言われるのがよっぽど恥ずかしいのか両手でもってアルフの口を塞ごうとするフェイト。必死の努力をのらりくらりと避けながらさらに続ける。
「あたしゃね、フェイトが幸せになっていく姿を見るのが嬉しいんだよ。もちろんみんなが幸せになるのもね。だぁから〜」
「きゃぅ!?」
 満面の笑みと共にアルフの逞しい腕がフェイトの体を包み込み、そのまま胸倉へと引きよせた。
「二人とも幸せになっちゃいなよ。あたしが保障する!」
「アルフ……」
「ほら、しんみりしない。そろそろなのはが来るころだし、お邪魔虫は退散、退散」
 なんだかすっかり途中から僕もフェイトもアルフのペースに巻き込まれてしまった。
「あっ、じゃあねユーノ、お大事に。あとね――」
促され立ち上がるフェイトはどこかはにかんでいて声も囁く感じだった。そうして付け足した言葉はさらに小声。
 あまりに小さな声で、実の所僕は聞き取れなかった。でも声はなくてもその言葉ははっきり伝わった。フェイトの気持ちと共に。
42176:2005/12/29(木) 10:52:47 ID:Y1foCEod
19話投下完了

今年も早くてもう29日ですか。
20話この後すぐに投下します。内容はようやくなのはとユーノです。

>>640
GJです。私的にはなのはとユーノがいいなぁ、と。
でもやらなくてもこっちでやりますのでフェイトでも構いませんよw




43176:2005/12/29(木) 12:05:05 ID:Y1foCEod

20 重なる気持ちに触れる温もり

「……なのはの方は怪我とかない?」
「…………少し疲れてるけど、大丈夫」
「……そっか、よかった」
 それだけなら安心だ。なのはも相当な魔力を使ったから何か悪影響が出ているかもしれないと思ったのは杞憂だったみたいだ。
「家の方とか大丈夫? 先に戻っててもいいよ」
「…………え? ご、ごめん聞いてなかった」
「……なのは、やっぱり疲れてるんじゃ」
「そんなこと……ないよ」
 それきり途絶える。残されたのは静寂と、空調の僅かな駆動音。
 ……なんだろうか、この微妙な間は。
「なの――」
「ユーノく――」
 綺麗に出だしが重なった。
「……先いいよ」
「いいよ、なのはこそ……」
 また沈黙。
 いつもと明らかに違う空気。部屋中に伝播して輪をかけて僕らの間を重くさせる。
 何かいけないことを言ってしまった? まだなのはは来たばかり。
 それとも寝てる間になにか無意識でしてしまった? 寝相はいいほうだ。
 自問自答してみても答えなんて出て来ない。なのはは相変わらず冴えない顔で座っている。
「えっとさ、怪我のことは気にしなくていいよ。リンディさんのおかげでだいぶ具合もいいし」
 右手を何度か開いて大丈夫なことを見せる。
「……わたしが回復できればよかったのに」
「魔法の資質は人それぞれだからそういうのはしょうがないよ」
「しょうがなくない……ユーノくんの足引っ張ってばかりで」
 陰りのある声。どこか自分に苛立ちを見せるようになのはは俯いたままになってしまった。
「なのは……?」
 そうして僕はなのはの肩が小刻みに震えていることに気づいた。
「わたし結局撃ってばかりで他に何もしてない……これじゃ足引っ張ってるのと同じだよ」
「足引っ張ってるなんて。僕はサポートだからそんなことは別に」
「……なのはのせいでユーノくんがいっぱい怪我したんだよ。なんでそんなこと言えるの?」
 上げた顔には赤い瞳とそこから流れた涙が頬を伝った軌跡。涙を拭うこともしないでなのははただその場でひたすらに泣き続ける。
「守ってもらって、してもらってばかりでわたし何もして上げられてない!」
「そんなことないよ。なのはだって僕に夕食をご馳走してくれたじゃないか」
「だけどそれぐらいじゃ全然足りてないよ。……足りないよ」
 すでに目の前の女の子に強くて凛々しい魔導士の面影はなかった。ただ高町なのはという女の子がいるだけだった。
 しゃくりあげる度に涙が膝の上に染みを作る。自分の中から溢れる感情を抑え切れない姿は見ていてとても切なく、悲しくなる。 
 足りないなんて、そんなわけない全くの逆だ。僕はいつだってなのはから貰ってる。だからなのはを守ろうと、支えてあげたいと心から思えるんだ。
44176:2005/12/29(木) 12:06:17 ID:Y1foCEod

「なのは……」
 伝えなきゃいけない。伝えて、涙を払って上げなきゃいけない。
 気持ちを伝える術。考えるまでもない。僕はなのはを抱きしめた。優しく、そっと包み込むように。
 ――しばらくそうした。やがてなのはが泣き止んだことを見計らってゆっくりと僕は伝え始めた。
「……僕はなのはが頑張っている姿を見れるのが嬉しいんだ」
「ゆーの……くん?」
「そんななのはをもっと見たい。だから僕は守って、支えて、手伝って、少しでもなのはの助けになれるように頑張れるんだ」
 囁く声には僕の気持ちを全て込めて。腕に込める力は少しだけ強くした。
「本当に貰ってるのは僕の方だよ」
「……でも」
「じゃあおあいこ。僕となのはは同じだけ気持ちをあげて、貰ってる。それなら、いいよね?」
 今だって僕はなのはから優しさを貰った。
 僕のために誰かがこんなに泣いてくれたりしてくれたことなんて今までなかったから。それだけ僕のことを思ってくれるなんてこんなにも嬉しいことはない。
 自惚れならそれでもいい。一人だった僕にも強い絆があることをなのはが教えてくれたことが何よりも嬉しいから、そんなこと構わない。
「……でも全部おあいこにしたくないよ」
「それなら僕だって同じ。……その、今から僕が言う気持ちはなのはより大きい。でも、もしかしたらなのはにはないのかもしれない」
 今まで胸に顔を埋めていたなのはがゆっくりと顔を上げた。どこか不安の色が混じって眼にはまだ涙の粒が残っていた。
 そっと指で涙を払った。払いながら僕はもう一度強く決めた。この胸の中の想いを全て伝えてしまおうと。
「なのは」
 名前を呼ぶ。
 別の世界の人間とかそんなの関係ない。ただ純粋に僕の気持ちを伝えたかった。
 勇気を持って一歩踏み出す。今までなら言えなかった言葉。でもリンディさんやアルフ、そしてフェイトの言葉が今の僕の背中を押してくれた。
 ――想いはきっと、届くよ。
 だから迷わない。届けよう、誰にも負けない心のかたちを。
「好きだよ」
 その瞬間は風よりも早く過ぎ去った。あまりにそっけなく、飾り立てない言葉。それでもその中の気持ちは本物だから。
 なのはは僕を上目に見つめたまま静かに僕の言葉を受け止めていた。
「…………ずるい」
 すねたような声が聞こえた。
「ずるいよ、ユーノくん」
「うん、ずるいよね」
「そうだよ……だって」
 僕の腕からなのはが抜け出る。そうして立ち上がって腰掛けたのはベッドの淵。僕となのはの距離が遠くなって、また近くなった。
 言いかけの続きは背中越しだった。
「その気持ちはわたしの方が大きいに決まってるよ」
 振り向いたなのはの顔にははにかみが広がっていた。そのまま照れ隠しとも戸惑いともとれるような笑みを浮かべながら僕の手に手を重ねる。
「ずっと考えてたの。わたしにとってユーノくんはどんな人なのかって」
 視線を逸らして躊躇うような仕草一つしてなのははゆっくりと語りだした。
「大切な友達だって思ってた。でもユーノくんがいないと心の中がすごく寂しくなって、それからユーノくんと一緒になった時心の中が暖かくなって……」
「…………」
45176:2005/12/29(木) 12:07:17 ID:Y1foCEod

「ユーノくんと一緒にいたいって初めて強く思った。優しくて、真面目で、しっかりしてて……それとかっこよくて」
 緊張しているのかなのはの手が僕の手を強く握る。もちろん僕だって緊張してるのは同じだ。
 潤んだ瞳に朱に染まる頬。心臓は駆け出し、顔がどんどん熱くなって思わず僕は息を飲んだ。
「だからそんなユーノくんの一番になりたい…………わたし――」
 俯き加減だったなのはが僕をしっかりと見つめ直して
「ユーノくんが好きです」
 心のかたちを告白した。
 ドクン、と心臓が一際大きく脈打った。
「ねぇ、ユーノくん……」
「なに?」
「恋人……って言っていいんだよね」
 すごく心地よくて照れくさい響きだった。そう僕らは互いを想いあい、恋焦がれてる。それはつまりそういうことなのだ。
「多分……実感沸かないけどね」
「今なったばかりだもん」
「だね」
 なのはの言う通りだ。別に恋人同士になったからって今の関係が一瞬で変わるわけではない。
「じゃあユーノくん、お願い一つ聞いて」
「お願い?」
「なのはの世界にはね、恋人同士がするおまじないがあるの……それがしたい」
 シーツのこすれる音がした。
 なのはが少しだけ体を僕の方へずらした音だった。
「ユーノくんの世界には、そういうのあるの?」
 きっとそのおまじないは僕の世界でも一緒だと思う。はっきりといい切れないけど、なのはがしたがってることはなんとなくわかったから。
「あるよ……」
 言うなり僕はなのはの手を強く握り締めた。
 僕たちはまだまだ子供だけど、別にそれをしちゃいけないって決まりはない。むしろしていいはずだ。僕らは恋人同士なんだから。
「じゃあ……」
 なのはの双眸がゆっくりと下りていく。
「うん……」
 僕は軽く息を吐いてなのはのそこへ顔を近づけていく。
 鼻先になのはの吐息がかかりなんともこそばゆい。でもなのはだって同じようにそう感じてるんだろう。二人の距離はもう十センチもないのだから。
 相変わらず動悸は収まらない。むしろ強くなる一方。もしかしたらなのはに聞こえているくらいに大きく感じているのは気のせいだろうか。
 五センチ、三センチ、一センチ……。
 触れ合う瞬間。僕は心の中でもう一度素直な想いをなのはへ告げた。
(……大好きだよ、なのは)
 ――ファーストキス。
 唇に温もり。眼は閉じているからなのはの表情は分からないけど、きっとすごく赤くなってるのは間違いないだろう。
 僕もきっと赤い。リンゴよりも赤い。
 初めて重ねた唇は柔らかくて温かくてなんだかお菓子のようで、不思議な感じがした。
 時間は意味を失くし、瞬間なのにすごく長くて、それこそ永遠のように思えて。それでもいいと思って。
 気がつくとどちらからでもなく唇を離してて、相変わらずのなのはが目の前にいた。
46176:2005/12/29(木) 12:08:34 ID:Y1foCEod

「あはは、ユーノくん真っ赤だよ」
「なのはだって赤いくせに……」
 今更になって心のそこから恥ずかしさが溢れ出てきて、僕は堪らず眼を逸らしてしまった。
「あー、ずるいよユーノくん。わたしだって恥ずかしいの我慢してるんだよ」
「ごめんなのは……なんだか可愛すぎて見れない」
「ふぇ!? そ、そんなこと言うなんてもっとずるい!」
「本当にごめん、許して」
 なんでこうなんだろうか、僕は。やることやって後は投げてしまうなんて。
 でも本当に恥ずかしいのは事実で。さっきしたことを思い出してもっと恥ずかしくなって。
 恥ずかしさを抑える魔法とかなんでないのかな……。
「わたしを見たら許してあげる。だからほら、ユーノくん!」
 ぐいっ、と腕が引っ張られてバランスを崩す。いつの間にかなのはは僕の目の前に回りこんでいてそのせいで僕はなのはの胸に飛び込む形で倒れこんでしまった。
「むぐっ!」
「きゃぁ!?」
 鼻の中いっぱいに満たされるなのはの匂い。服越しになのはの体温が伝わってきてある意味これはこれでいいかもしれない。
 ……すぐ離れよう。
 そう思うつかの間にお約束というものは必ずあるわけで。
「やっほー! ユーノ君起きてる? このエイミィが腕によりをかけておかゆをつくってきたんだけど……」
 空気がいろんな意味で凍りついた。
 なのはのせいで見えないけどエイミィさんの語尾が思い切り引きつっていくので状況は大体わかってもらえたのだろう。
「……えっとねぇ、あは、あっはははははははは」
 エイミィさんなりの気の利かせ方なのだろうか。場を和ませようとする笑いは、正直余計に気まずさが増すだけのものだったのは皮肉としか言いようがないけど。
「おかゆはおいておくからしっかり食べてね……」
 泥棒ですか? とでも言いたくなるようにそろりとドアへと後退っていくエイミィさん。巻き戻しでもしているかのように動きはなめらかだった。   
「お邪魔虫は退散するから、まぁごゆっくり」
 さっき誰かさんが言っていた言葉を最後にとてもすがすがしい笑顔でエイミィさんは去っていった。
 後には僕ら二人と新しく来た住人のおかゆの入った土鍋だけが残された。
「…………えっと、これは非常になんというか、不可抗力で……」
「なのは、もうエイミィさん出て行ったから」
「うん」
 多分今の言い訳したところで解決にはならないだろう。
 さっきの雰囲気は夢だった。そうとしか思えないほどあっけなくガラガラと崩壊した。
「……その、ユーノくん」
「うん、なに?」
「おかゆ、冷めちゃうと悪いし。食べよっか」
「そう……だね」
 ちなみにエイミィさんのおかゆは塩加減からして絶妙でなのは共々おいしくいただきました。ごちそうさまです。
 そんなこんなで僕の傷も二日で完治し元の場所、高町家へ帰ることになりました。
47176:2005/12/29(木) 12:12:42 ID:Y1foCEod

急な感じがしたらすいません
A'sのなのはさんが脳裏に焼きついてこれが本当になのはでユーノなのか
そんなことさえ考えてしまう今日この頃ですが私は元気です
48名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 12:45:21 ID:QmzJT9dC
176氏乙!
エイミィタイミングワルスw
49549 ◆51nyTkmf/g :2005/12/29(木) 13:02:40 ID:c5pOGH3Y
>>640氏&176氏 GJ!!!
二人ともキャラがさわやかで初々しい感じがとても良いです。
いま自分が書いているのがドロドロしてるから特にw
50名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 19:45:13 ID:nUqg9evJ
>>640氏乙&GJ!!
俺はあえて大穴のユーノ、なのは、フェイトの三角関係に賭け(ry

>>176氏も乙!そしてGJ!!
見てるこっちが恥ずかしいふいんき(←何故か変換できない)だwww
51名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 20:00:42 ID:42EDtr/l
この瞬間をどれほど待ったか…>>176氏GJ!!
>>640氏の作品の続きも楽しみにしています。ユーノくんがいじられるのを読むのは大変楽しいw
52名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 00:13:25 ID:znRAznA0
>>176サン
GJ!続きをずっと待ってましたよ〜。こういうほのぼの系サイコーっす!
>>50サン
×ふいんき
○ふんいき
53名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 00:49:04 ID:LZw6z5YS
>>640
GJ。あなたのその精緻な文章が好きです。
王道のフェイト×クロノをwktkしてます。

>>176
こちらもGJ。
読んでてこちらまで赤くなりそうですた。

>>52
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/gline/1131027357/
54名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 01:54:36 ID:dVzoPcct
176氏の展開でA'sに突入したらどうなるんだろ?
夢が広がりすぎて困るw
55名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 09:52:57 ID:uDeECT9P
1話ラストでヴィータに立ち塞がるのはフェイトじゃなくユーノ。

「仲間か?」
「恋人だ!」
56640:2005/12/30(金) 10:54:01 ID:SjLe1EhK
もうね、中の人について事前情報なしに見てたから
高町姉妹にしか見えなかったわけですよ、あの二人。誰とはいわないけど。
声ネタはやりすぎるとくどくなるから注意しないとねorz

>>32〜35、50各氏
d。一応これも着地は決めてはじめてあるのでしばしお待ちください。
基本的にありがちな話しか書けない人間なんで・・・orz

>>176
なのはとユーノ遂にキタコレ!!
このあとフェイト達にどう報告するかが気になりますなw

>>549
ドロドロ、超期待してますwww

>>53
>あなたのその精緻な文章が好きです
いやいやいやそんなことないっすよ?
他の職人の方々に比べたら・・・orzみんな神なんだもん
57549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 00:59:27 ID:v72I/I8f
あけましておめでとうございます。
数カ月ぶり、「Call My Name!」の続きです。

過去話は全部保管庫にあります。
http://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/01_549/CallMyName.html

簡単な粗筋。
名前を失い、大切な思い出を無くした少女が目覚めたのは、
少女が存在しない海鳴市だった。事情を話して家族や友人に
は受け入れてもらえるものの、残された記憶との微妙な差異
に少女は悩む。自分が何なのか判らない不安、一人になるこ
とへの恐れが、少女の心を曇らせて淫靡な誘惑に足を踏み外
させていった。

で、色々な意味で色物です。

今回は高町三兄妹ですが、また風呂ネタだったり。
全部で5話分、18スレ、約40KB。
58(1/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:00:15 ID:v72I/I8f
Call my name!

(24)とれないっ

 下腹部をなでる風が少女の目を覚ませた。
「…ん……?」
 ゆったりとしたテンポで揺れる体。がっしりした固い感触。汗の混じった家族
の匂い。目を開けると、いつもと違う視界。塀の上で寝そべる猫と目が合う。近
所の茶虎は興味なさげに大きなあくびをしてまた寝そべった。
「……あれ?」
 もう、すぐそこの角を曲がれば家の玄関だった。バスの中で寝てしまった少女
を、兄の恭也は起こさないようにバス停からそっと背負って来たらしい。
「お、お兄ちゃん。もう家だからいいよ」
「起きたのか。どうせすぐそこだ」
 おんぶされるのは嫌いではない。それどころか好きな方だ。父の怪我で幼いこ
ろから一人で過ごすことが多かった少女には、ちょっとしたスキンシップですら
嬉しいことだったから。
「でも……」
「もうおんぶされるのは恥ずかしいか」
 確かに恥ずかしい。だが、それは恭也の言うような恥ずかしさではなかった。
(見られちゃった?)
 バス停から自宅までそれなりの距離がある。恭也に背負われた少女の姿は誰か
に見られていてもおかしくない。
 少女は片手で恭也の首にしがみつき、もう片方の手をスカートの中に伸ばす。
「んっ」
 指先に感じる滑らかな毛並み。なるべく尻尾に触らないように指を進めると、
本来隠されているはずの濡れた肌に触れる。幼いスリットを守るべき下着は、ク
ロッチがパックリと開いて用をなしていない。背負われて足を開いている上にす
ぼまりから生えた尻尾が、オープンクロッチが閉じるのを邪魔しているためだ。
(濡れてる……。お兄ちゃんの服、汚しちゃったかな)
 寝ていた時は全く気が付かなかったが、尻尾の自重ですぼまりから珠が抜けそ
うになっていた。実際には力まないと抜けないだろうが、抜けそうで抜けない微
妙な感覚が心地よく少女を刺激する。
 尻尾のある後ろはともかく、せめて前の方だけでもとクロッチを中央へ引き寄
せるが、月村家で洗ってもらったばかりの下着は既にしっとりと濡れそぼってい
た。
(恥ずかしい……)

「美由希かな。もう先に帰っているようだ」
 点灯している玄関の明かりを確認し、恭也は腰を下ろす。少女はなるべく兄の
背中を汚さないよう、そっと恭也から離れた。
「・・・、足元に気を付けて」
「うん、大丈夫……あっ」
 下腹部に違和感を感じてよろける少女を、とっさに伸びた恭也の腕が支える。
「大丈夫か?」
「……う、うん。ごめんなさい、もう大丈夫」
 兄の腕にしがみつき、足を踏ん張って立ち上がる少女。その足は何か挟み込ん
でいるように開き気味だった。
(あれ、大きくなってる?)
 少女の中に潜り込んでいる珠は、入れた時よりも明らかに大きくなっていた。
出せないほどの大きさではないが、足を閉じるとそれなりの圧迫感を少女に与え
る。まだアリサやすずかのよりは小さいが、そのうち同じぐらいの大きさになる
かも知れない。二人がしているのだから大丈夫だろうが、やはり不安になる。
59(2/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:01:04 ID:v72I/I8f
「お帰りなさい、恭ちゃん、・・・」
 ドタバタしている二人に気が付いたのか、玄関の扉が開いて少女の姉、美由希
が顔を出す。
「あ、お姉ちゃん、ただいま」
 少女は不安を隠して元気よく返事をした。
「すずかちゃんちに行ってきたんでしょ。楽しかった?」
「うん、また友達になれたの」
 ある意味友達以上の関係になったとも言えるが、少女は純粋に嬉しかったこと
を姉に告げた。
「そうなんだ、よかったね……ん?」
 少女のスカートから出ているものに気が付き、首をかしげる美由希。
「えと……すずかちゃんに貰ったの。仲良しの記念だって」
「へぇ、とても似合ってて可愛いよ」
 美由希は少女の頭をやさしく撫でて少女に微笑む。まさか尻尾が少女の体に直
接付いているとは思ってもいないのだろう。
「美由希、風呂か?」
 美由希の手にはバスタオルが握られている。
「ちょうど沸いたとこ。恭ちゃんと・・・も一緒に入る?」
「そうだな、今日は先に入っておくか」
「え? え? え?」
 今まで美由希が恭也を風呂に誘うことも、恭也が少女達と一緒に入ることもな
かったため、驚いて兄と姉を見比べる少女。しかし二人とも平然と風呂場に向かっ
てしまう。
「一緒に入るの?」
「ん、・・・は一緒に入るの嫌か?」
「そんなことなけど。うん、わたしも一緒に入る!」
 まだ父と一緒に風呂へ入る幼い少女にとって、兄と一緒に入るのに抵抗はない。
滅多にないことに少女は不安を忘れ、二人を追いかけて腕にすがった。

 脱衣所でてきぱきと服を脱ぐ二人に比べ、少女の手は滞りがちだった。
(どうしよ、しっぽが外れないよぉ)
 尻尾を付けたままでは風呂に入れない。その時のためにすずかから尻尾を数珠
から取り外す方法は聞いていたが、実際にやって見るとどうもうまく外すことが
できなかった。数珠ごと体から抜いてしまうこともできたが、慣れるために本当
に困った時以外は外さないと、少女はアリサと約束してしまっていたのだ。
(困っているんだけど、でも……)
 数珠を抜いたらどうなるか。幼い体で十分に理解しているだけに、兄や姉に恥
ずかしいところは見せられなかった。
「・・・、脱がないの?」
「あ、えと……」
 どうしようかと顔を上げた少女は、タイミング悪く美由希と目が合ってしまう。
思わず尻尾を後ろに隠すが、それはかえって少女が何に困っているのかばらして
しまう行為だった。
「後ろだから取りにくいんだ。お姉ちゃんが取ってあげるね」
「えっ、い、いいよ……ぅぅ」
 逃げようにも運動の苦手な少女が剣士である姉にかなう訳もなく、あっと言う
間もなく少女は美由希に捕まってしまう。
(こっそりはずそうと思ったのに、ばれちゃうっ)
 とんでもないところへ尻尾を付けていることに何を言われるかと身を強ばらせ
る少女だったが、姉の反応は全く予想外のものだった。
60(3/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:01:47 ID:v72I/I8f
「へぇ、直接体に付けるタイプなんだ。ちょうどショーツがオープンクロッチで
よかったね」
「……え?」
 驚かない姉に拍子抜けした少女だったが、力が抜けたところへ甘美な振動に襲
われて腰が砕ける。
「ゃん!」
 美由希の指が尻尾の根元を探るたび、数珠が幼い体を震わせる。美由希にもそ
れが分かっているはずだが、特に何とも思っていないようだ。
「・・・、この根元のボタンを押せばいいのかなぁ」
「んっ……そ、そのはず、んんっ」
 ただ少女の尻尾を外そうとしてくれているだけの姉に悪いと思い、歯を食いし
ばって快感に耐える。しかし、それがかえって体を強ばらせて数珠の珠をくわえ
込み、もっと振動を受け止めて幼いスリットを濡らす。
(気持ち良くなっちゃだめなのに、そんなのじゃないのに)
 そんな少女の気持ちに関係なく、美由希は少女の股間をのぞき込みながら尻尾
と数珠の接続部と悪戦苦闘していた。少女が頑張れば外しにくくなり、そうなれ
ば美由希がもっと尻尾をいじり、少女を高まらせる。
「…ん……んっ…っ!」
 危うく声を漏らしそうなところで美由希の指が止まる。
「これ、ちょっと引っ張らないとだめかも。恭ちゃん、・・・を支えてあげて」
「それは構わないが、そんなに難儀なのか?」
 先に脱ぎ終わって浴室に入ろうとした恭也だったが、戻ってきて中腰に座って
少女に肩を貸す。
「と言うほどでもないけど、・・・も慣れていないだろうから。だから恭ちゃん
に掴まっててね」
 少女も言われるまま兄にしがみつく。恭也が少女をしっかり抱きかかえたのを
確認して、美由希は少女のすぼまりを指で拡げて数珠を引っ張った。
「ゃっ、ん…ぁ…あぁっ」
 少女の身体が震え、カチャリという音と共に尻尾が外れる。
「外れたよ、・・・」
「……ぁ、ありがと、お姉ちゃん」
 力が抜けて床に座り込む少女。
(わたし、お姉ちゃんとお兄ちゃんがいるのに、イッちゃったよぉ)
 軽く達した少女をあざ笑うように、少女の体内で珠が震えた。


61(4/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:02:32 ID:v72I/I8f
Call my name!

(25)兄と姉と

「わっ、わっ、あぶないよぉ」
 手際よく少女の下着を脱がした美由希は、少女の体を持ち上げて風呂場に入る。
「ほらほら、・・・がもたもたしてるからよ。中に入らないと風邪引いちゃうぞー」
「きゃーっ」
 小さい子扱いは少し引っ掛かるが、楽しいものは楽しく、嬉しいものは嬉しい。
先に中に入っていた恭也は、はしゃぐ二人を見て呆れたのか、無言で浴槽の蓋を
外している。
「やっぱり三人は狭いかなぁ」
「順番に洗えばどうにかなるだろ」
 少女は下に降ろされてぺたりと座り込む。見上げると湯気に包まれる兄と姉。
裸で普通に話す二人の姿はとても不思議だった。
「じゃ、恭ちゃん先ね。・・・、二人でお兄ちゃん洗おうね」
「ふぇ……あちっ」
 湯加減を見ようと浴槽に手を伸ばしていた少女は突然話しを振られて驚き、湯
に指を突っ込んで悲鳴をあげる。少女には少々沸き過ぎているようだった。
「大丈夫か?」
 恭也が少女の手を取る。何かと怪我の多い少女の兄は、応急手当の類も人並み
以上だ。
「うん。でも、ちょっと熱いかも」
「火傷にはなってないな。少し水を足すか」
「なら恭ちゃんが入った後にしなよ。熱い方がいいでしょ」
 美由希がシャワーの湯加減を確かめ、少女、恭也、そして自分にと順番にシャ
ワーを浴びせる。
「はい、タオル。私は背中洗うから・・・は前ね」
「……前?」
 少女は手の中にあるボディタオルを見て、さらに椅子に座った兄を見る。
 父ほどではないものの、稽古で傷だらけのがっしりした体。そして両足の間に
ある少女には存在しない器官。すずかの部屋のテレビで見た時のように猛々しい
姿ではなく、普段風呂場で見る父のものと同じように垂れ下がっている。
なぜか、口の中に唾液がたまっていた。
「あらら、・・・はお兄ちゃん洗ってあげるの嫌?」
 ボーッとしている少女を見てからかう美由希。
「え、そんなことないよ」
 あわててタオルにボディソープをつけて泡立てる。ちらっと兄を見ると、心な
しか嬉しそうにみえた。
「恭ちゃん嫌われてなくてよかったね」
「……馬鹿」

 美由希が背中と腕を、少女が胸や足を洗う。
 少女はボディタオルを手にして、兄の両足の間にひざまずいた。
「えと……洗うね」
「あぁ、お願いする」
 そっと兄の胸をこする。父の背中はいつも流しているが、前を洗うのは初めて
だった。
62(5/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:03:24 ID:v72I/I8f
(これがお兄ちゃんの……)
 足の間にいるので、すぐ目の前に兄のものがある。さらに胸、腹、足とだんだ
んと洗っていくにつれ、それに近づいていく。ここ一日でそれがどのようなもの
か知ってしまった少女は、それが気になって仕方がない。
 おとなしい状態とは言え少女の小さな手には有り余る大きさである。これがさ
らに大きくなると思うと、少女は人体の神秘すら感じてしまう。
(ふしぎ……)
 さらに、そこから漂う匂いが少女の鼻を刺激する。普段の兄の体臭とは異なる
雄の臭い。少女にはきつい臭いであるのに不快な感じはあまりなく、逆に引き付
けられさえしていた。
「お兄ちゃん、このくらいでも大丈夫?」
 たくましく盛り上がった胸や、割れた腹筋。背中と同じように洗っても大丈夫
そうだが、念のために確かめる。
「ん、もう少し強くても大丈夫だ」
「うん……ぇ?」
 兄の腕を洗う姉を見て目を見張る少女。
「ん?」
「なんでもない」
 あわてて顔を伏せて兄の足を洗う。見てはいけないものを見てしまった気がし
て落ち着かず、兄を洗う手に力を込めた。
(お姉ちゃん、何してるのかな)
 美由希は恭也の腕を自分の乳房に挟んで洗っていた。たまたま押し付ける形に
なっただけかもしれないが、少女には乳房をタオル代わりにしているようにしか
見えなかった。
(お姉ちゃんもスタイルいいからなぁ)
 忍ほどではないものの、美由希の胸は母よりも大きい。柔らかくて弾力があり、
とても気持ち良さそうだった。
「・・・も胸で洗ってあげれば?」
 と美由希。本当に胸で洗っていたようだ。
「えっ? えぇぇぇ! ……無理だよぉ」
 自分の胸を見下ろす少女。膨らみ始める徴候はあっても、まだブラジャーをす
るには程遠い少女の胸。
「なら別のとこを使えばいいよ」
「別のとこ?」
 美由希は「そこそこ」と少女の股間を指さす。
「ここ!?」
 思わず股間をタオルで隠す。先程からずっと裸のままだったのに、今更ながら
に恥ずかしくなる。
「でも、汚いよ。それに……」
 まだ少女は体を洗っていない。洗っていたとしても、それは手でするのとは違
う。そんなことをしたら、自分の敏感なところを兄の足にこすりつけるなどした
ら。
(わたし、気持ちよくなっちゃう)
 そんな恥ずかしいところは家族に見られたくない。やはりそれは、アリサやす
ずかといけない悪戯を共有するのとは違う。
それに、そもそもとして。
「わたしたち家族だし、こうゆうのは忍さんに悪いんじゃないかなって」
「当たり前でしょ、家族じゃなきゃこんなことしないよ。ね、恭ちゃん」
「あぁ。忍だっていずれ……まぁ、その、美由希や・・・の姉になるんだし。悪
いということはない」
63(6/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:04:12 ID:v72I/I8f
 少女が何をためらっているのかよく分からないと首をかしげる姉と、思わず結
婚宣言をしてしまって照れている兄。
「そ、そうなんだ……」
 幼いとは言え少女も女の子、さすがに近親相姦という言葉は知らなくても浮気
は知っている。だが兄と姉にまじめな顔でそう言われると、自分が物知らずなだ
けと思ってしまう。
「・・・、手のひら……はい、恭ちゃんにもかけてっと」
 手のひらにボディソープをもらった少女は、両手を合わせて泡立てる。
(お兄ちゃんも嬉しくて、あたしも気持ちよくて、お姉ちゃんもそうみたいだし、
これでいいのかな)
 泡立てたソープを内股と股間に塗り付ける。
「んっ」
 ぬめぬめしたソープの感触に、少女の小さな口から声が漏れる。
(昨日より気持ちいい……)
 母の指により初めて感じた快楽。それからたった一日で、少女の身体は敏感さ
を増している。そして何よりも、それを欲する心が少女の中に生まれていた。同
じ快感でも、心持ち次第でそれは数倍にも膨れ上がる。
「んしょと……」
 兄の太ももをまたぎ、ゆっくりと腰を下ろす。丸太のような太くて固い感触。
丸太と違うのは、それが熱を持っていること。
「ひゃん!」
 足の上で少女の体が滑り、視界がグラッと揺れる。恭也が支えなければ床に頭
をぶつけてしまったかもしれない。
「大丈夫か?」
「ぁっ、ぁ……ぅ、うん」
 兄の肩にしがみつき、息を整える。滑り落ちそうになったことよりも、それで
少女の股間が兄の足にこすられた方が衝撃だった。
(すごい、気絶するかと思った)
 美由希が恭也の足にもボディソープをかけていたので、想像以上に滑りやすく
なっていた。古傷や何やらでけして滑らかではない兄の足。そこに塗られたボディ
ソープのぬめりが、少女の繊細な肌を微妙に刺激して燃え上がらせる。
「……大丈夫。それじゃ、動くね」
 少女は両足がちゃんと床についていることを確認し、兄にしがみついたまま腰
を動かし始めた。
「んんっ」
 両足で兄の太ももを挟み、弾力のある膨らみを押し付ける。
「ん……」
 腰を前に動かすと、兄の体毛や傷痕の微妙な段差がスリットを刺激する。
「ふぁ……」
 腰を後ろに引くと、前かがみになって敏感なところを守る包皮がこすれる。
「んん……」
 内股をこすり合わせると、少女のスリットから滲み出たものが兄の足に跡を残
す。
「はぁぁ……」
 少しずつ強く、少しずつ大きく、少しずつ早く。
(あたしは、お兄ちゃんを、洗ってる、だけ、なの)
 間違ってはいない。が、それだけではない。それを認めたくない少女の、自分
への言い訳。
(でも、あそこが、とても、とても、あついの)
 さらに後ろへ下がり、兄の膝を少女の柔肌で包む。太ももに手を置き、膝皿の
上で円を描くようにゆっくりと腰を振る。それは意識してしたのではないが、忍
が兄の上にまたがって動いていたのとそっくりであった。
「ぁっ…ゃ…んっ、はっ、はぁぁ……ひゃぁぁっ!」
64(7/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:04:56 ID:v72I/I8f
 ずるり。一瞬の気の緩みで、少女の体が膝から臑へずり落ちる。少女の細い腕
では体重が乗って勢いがついた体を止められず、兄がとっさに上げた足の甲を下
敷きにしてやっと止まる。
「…っ…ん……っ!」
 ただでさえ敏感なところが思いっきりこすれてしまい、少女は悶絶して悲鳴を
上げることすらできない。目に涙を浮かべ、力無く兄の足にしがみついてヒリヒ
リと残る痛みに耐える。
「・・・!?」
「だ、大丈夫?」
 駆け寄った美由希に抱き起こされた少女は、そのまま姉の豊かな胸に身を沈め
た。
「……ぃ、いたい」
「痛いの? うーん、擦りむけたのかな」
 美由希は後ろから少女の両足を開いて股間をのぞき込み、ボディソープの泡を
取り除いて指でそっとスリットを開く。
「お、お姉ちゃん!?」
「コラコラ、動かないの」
 姉の手をはねのけようとして、小さな子がトイレでされるような格好で手足を
押さえられてしまう。
「お姉ちゃん、これはちょっと……」
 上目使いに目の前の兄を見る。裸を見られることに抵抗はなくても、こんな格
好は恥ずかしい。多分ではなく、確実に少女の秘められた部分は丸見えになって
いる。
「擦りむけてはいないようだが、ちょっと赤くなっているな」
「うぅぅ……」
 少し体を乗り出して、平然と少女のあそこがどうなっているかを述べる少女の
兄。年齢や性格的な部分からあまり気にする方ではないが、単にぶつけたのでは
なく今の状況ではさすがに恥ずかしい。
「何かしておいた方がいいかな。そうだ、そこにある乳液を塗ってあげて」
「えっ、もう大丈夫だからいいよ」
 よりによって恭也にやらせようとする美由希に少女はあわてる。外側からそう
見えなくても、触れば少女のあそこが潤んでいるのが分かってしまう。
「だめだめ、大事なとこなんだから、跡になったりしたら大変だよ。見られたら
恥ずかしいでしょ?」
 こんなとこ誰も見ない、そう言おうとした少女の脳裏に二つの顔が浮かぶ。ア
リサとすずか、少女の大切な親友。
(笑われるかな、それとも慰めてくれるかな)
 アリサなら、笑いながら優しくなでてくれるだろう。
 すずかなら、痛ましく思い舐めてくれるに違いない。
「あんっ」
 物思いにふける少女を、強くて甘い刺激が引き戻す。
「すぐに終わるから、頑張れ」
 兄の無骨な指が、少女のすみずみに乳液を塗り込んでいく。
「やっ、あっ、あぁ、だ、だめぇ」
 弾力のある小さな膨らみ、足を広げても閉じたままのスリット、その中に納め
られた薄いひだ、隠された小さな二つの穴。そっと優しく、見た目では想像つか
ないほど繊細な指遣いで、少女自身を乳液にまみれさせる。
「んんっ、ぉ、おねぇ、ちゃ、ゃ、やぁ」
 膝の下に腕を入れて足を広げられ、そのまま手も押さえられて身動きできず、
ただあえいで嫌々と首を振るぐらいしかできない。背中には柔らかくて弾力のあ
る二つのふくらみ。大丈夫だよと耳元にささやく熱い声。
65(8/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:05:34 ID:v72I/I8f
(お姉ちゃん、お兄ちゃんの指が、気持ちいいの)
 稽古中に怪我した姉を手当している時みたいに真剣な面持ちの兄。優しく励ま
す姉の声。やましさを感じないが故に、かえって少女の下腹部の奥底が熱を帯び
る。
「ここで最後だ」
 新たに乳液をたらした兄の指が、少女の一番敏感なところを守る皮をむき、中
に直接乳液をまぶした。
「んっ! んんっ! んんっっ!!」
 頭を真っ白に焼き切る刺激。突っ張る足。撥ねる身体。声にならない悲鳴。
「…っ……っ……っっ!」
 ぐったりと姉の胸に崩れ落ちる少女。
「はい、終わったよ、・・・。・・・? ・・・、あれ?」
 弛緩した少女の体から暖かい液体が漏れ、兄の指と姉の足を汚す。ちょうど一
日前と同じように。


66(9/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:06:18 ID:v72I/I8f
Call my name!

(26)お兄ちゃんの

「ふぇ、ごめん、ひっく、なさい……」
「よしよし、いいのよ。頑張ったね、・・・」
 しゃくりあげる少女を抱き締め、なだめすかす美由希。恭也は余計なことは言
わず、二人にシャワーを浴びせている。
(またしちゃったよ。わたし、ゆるいのかなぁ)
 幼い子供は風呂で温まると弛緩することが多い。誰にでもある生理現象で少女
が特別ゆるいのではないが、それを知っていても女の子にとって恥ずかしいこと
には変わりなく慰めにはならない。
「まだ洗っている途中なのよね。残りは私がするから、先に温まっちゃいなよ」
「……ぅ、ううん、最後までする」
 洗うはずなのに汚してしまった。それも少女のことを心配してくれた兄の指を。
だから中途半端にせず、最後までやり通す。
「そう。じゃあ、こっちの足はお姉ちゃんが洗うから、・・・は恭ちゃんのオチ
ンチン洗ってね」
「うん、オチン……えぇぇっ!」
 男性器の俗称。女性が滅多に口にすることはない言葉。それが姉の口からでる
とは夢にも思わず、さらにそれを洗うということは。
(洗うってことは、さわっちゃうんだよね)
 姉の顔を見て、兄のものを見て、兄の顔を見て、また姉の顔を見て。
「ん?」
 ボディソープを手に取った美由希は、少女が何に驚いているのか分からず不思
議そうに首をかしげる。恭也はというと、さすがにそこまでしてもらうのは気が
引けるらしかった。
「そのぐらいは自分で洗うから、・・・は風邪を引かないよう先に温まった方が
いい」
「大丈夫。うん、これくらい平気だよ」
 安心させるように笑顔で「平気」と少女は繰り返す。その瞳に兄のものを写し
て。

「えと……こうかな……」
 剛毛に包まれた根元の方を人差し指でこする。まだうなだれているものの、心
なしか風呂場に入った時より大きくなっているように見えた。
「・・・、それじゃ洗い終わるころには明日になっちゃうよ」
 少女の代わりに兄の足を洗う準備をしている美由希が、おろおろしている少女
をからかう。
「うん、そうだけど……」
 自分自身のことさえ分からないことが多いのに、自分には無いものをどう扱っ
たらいいか分からない。それにいくら決意したといえ、異性のものを触ることへ
の気恥ずかしさはどうにもならない。
「怖いことないって、自分のを洗うのと一緒だよ」
 美由希は少女の手に自分の手を重ね、兄の股間に導く。
「ぁっ」
 少女の小さな両手には少し納まり切らない兄のものは、思っていたよりも柔ら
かくて温かかった。たいした重さではないはずなのに、下にした右の手のひらに
ずっしりと重さを感じる。上にかぶせた左手からは亀の頭に似た先端がひょっこ
り飛び出て、どことなくユーモラスで頼りないそれが、少女の知る強い兄とイメ
ージが違い過ぎておかしかった。
67(10/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:07:26 ID:v72I/I8f
「ほら、・・・」
 姉の手が離れ、そこには少女の手と、その中に納まるものだけ。自信無く見上
げると、少女を優しく見守る兄の顔。兄は何も言わず、静かにうなずく。
「……うん」
 ゆっくりと手を動かす。力を込めずそっと優しく、表面をなでるように。最初
はぎこちなかったが、小動物をかわいがるのをイメージすると、まるで手が覚え
ていたかのようにすんなりと動く。
(わたし、ペットなんて飼ったことないのに。なんでなつかしい感じがするの?)
 不思議に思いつつも続けていると、少女の手の中のものがピクリと動く。それ
をなでる手の動きに合わせて、寝癖の悪い子供が布団をはねのけるように少女の
指を押し上げる。
「ぁっ……」
 手の中に捕まえた蝶をのぞくように少し指を開くと、その隙間を押し広げて兄
のものが顔を出す。少女の手を甲羅とするなら、肉食の亀が頭をもたげたようだっ
た。しわしわに縮んでいたはずのものは、体積を増して固さを取り戻していく。
「大きくなってきたならリレーのバトンみたいに握って、そっと上下に動かして
みて」
 どうしたらいいか困って姉を見上げる。母と同じように生い茂った繁みで器用
に兄の足を洗っていた美由希は、空中で何かをつかむように輪っかを作って上下
に動かしてみた。
「……こう……かな?」
 幹の真ん中辺りを握り、姉をまねして上下に動かす。余っている皮が少女の指
に引っ張られ、亀頭の首元があらわになったり隠れたりするが、それも次第に動
きが小さくなる。
「……すごい……大きく…なって…る……」
 いつか学校の授業で見た発芽のビデオ。種を割って頭を出した芽がどんどん大
きくなって双葉をひろげるシーン。それと同じように少女の手には余るほど太く
なり、双葉のように雁首をひろげて少女の顔を追うように大きくなる兄のもの。
(こんなに大きく……)
 少女の手の中にあるものは火傷しそうなほど熱く、中にゴムでも入っているか
のように固く、少女のこぶし数個分でも足りないくらい長く。
(本当にこんなのがお母さんや忍さんの中に?)
 父のものは薄暗い部屋の中のシルエットだけ、すずかの部屋で見た兄のものも
大きなテレビに写されたもので感じた大きさは相対的なもの。自分の手で感じる
大きさに、少女はただ圧倒される。
(こんなの、体が裂けちゃうよぉ)
 少女の中に入っている数珠の珠よりも、アリサとすずかの珠よりも太い。さら
に珠を入れた後ろのすぼまりよりも、少女の一番大事なところは小指さえ入らな
いほど小さく狭い。それを受け入れたらどうなってしまうのか、少女の小さな身
体は未知の行為におののく。
「……、・・・ってば」
 背中に二つの柔らかな感触。
「……ぁ、お姉ちゃん?」
「お姉ちゃんじゃなくて、そんなに恭ちゃんのにびっくりした?」
 姉に後ろから抱き締められて、やっと我に返る少女。姉の声が聞こえなくなる
ほど兄のものに集中していたのが恥ずかしく、照れた笑いでごまかす。
(うん、そんなことないよね。忍さんとは違って、わたしなんかまだまだ子供だ
し)



68(11/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:08:17 ID:v72I/I8f
 先に洗い終えた美由希は少女の後ろに座った。
「・・・が恭ちゃんを洗う間に、お姉ちゃんが・・・を洗ってあげるよ」
「いいよぉ、自分で洗えるから」
 背中を流してもらうくらいならいいが、きっと昨夜の母と同じようにすべてを
洗われてしまうだろう。そうなれば、自分が恥ずかしい状態になっているのが分
かってしまう。少女の大事な部分はもう指で触らなくても、こんこんと湧きいで
る泉のように濡れそぼっているのが分かっていたから。
「えー、いいでしょ。お姉ちゃんにお姉ちゃんらしいことさせてよ」
「でも……えーと……うん」
 後ろからほおずりされてそう言われると、少女も断り切れない。嫌なことは嫌
と言える少女がそれを受け入れてしまうのは、潜在的なスキンシップへの渇望以
外にも知ってしまった欲望に少なからず少女が引き付けられているためだ。その
ことに薄々気が付いてはいても、その二つを区別して解消するような器用なこと
は、幼い少女にはまだまだ難しすぎた。
「ほらほら、手がお留守になってるよ」
 姉に背中を洗われながら、再び兄のものに手を伸ばす。片手では扱え切れない
大きさになったそれを少女は両手で握り締め、時折り兄の顔色をうかがいながら
人参や大根を洗うようにしごいた。
「お兄ちゃん、痛くない?」
「いや、もう少し強くしても大丈夫」
 まるで背中を洗うことのように答える恭也。それが少女の中の強い兄のイメー
ジに結び付いて頼もしく感じる。
「・・・、そこだけじゃなくて上の方も洗わなきゃ」
「上の方……」
 少女の指に握られた太い幹、その上に生える先端の割れた赤黒い塊。握り締め
た拳を突き上げているようにも見え、少女がぶら下がっても大丈夫そうな気さえ
する。先端の割れ目から根元を結ぶ筋にそって指をはわせると、ピクッと震えた。
「きのこの傘のところに汚れがたまりやすいから、そこをよく洗ってあげてね」
「……うん」
 昨日、母に指摘された恥ずかしい洗い残しを思い出す。妹としては兄にも清潔
にしてもらいたいもの。汚れが残っていれば兄の恥で、洗った少女の恥でもある。
 少女はボディソープを追加して泡立たせ、細い指を傘の溝へはわせる。そこに
何が詰まっているのか分からないが、少女がこする度に固さを増しているようだっ
た。
(あんまり、汚れていないみたい)
 少女の時のように、指先にはっきりと分かる証拠は付着しない。普段からきれ
いにしているのか、誰かにしてもらっているのか。
(あれも洗っていることになるのかな……って、わたし、何考えてるんだろう)
 昼間見た兄と忍の情事を連想してしまって赤面する少女。ごまかそうと指先に
力を込めてしまう。
「……んっ」
「ごめんなさいっ、お兄ちゃん。痛かった?」
 泰然と少女のする様を見守っていた兄の、よく注意していなければ聞き逃して
しまうような小さなうめき声。兄の握り締めた拳がたまたま目に入らなければ、
少女も気が付かなかっただろう。
「いや、痛くはない」
「気持ち良かったからだよ。こんなふうにね」
 泡にまみれた姉の手が、後ろから少女の胸をなでた。
69(12/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:08:54 ID:v72I/I8f
「え、ひゃんっ」
 姉の指がそのまま少女の頂を捕らえる。少女の幼い乳首は触るまでもなく、既
にしこっていた。
「ゃっ、お、お姉ちゃ、んんっ」
 胸を中心にはいまわる姉の手。こらえることができない痺れるような快感。
「初めてなのに恭ちゃんに声出させるなんてすごいね」
「あぁ、・・・は才能があるんじゃないかな」
 感嘆のこもった兄と姉の声。ほめるように大きな兄の手が少女の頭をなでる。
「そ、そう?」
 何の才能だろうと思いつつも、二人が喜んでほめてくれるのを嬉しがる少女。
それがほめられることなのか、そんな疑問は少女の不安と蕩けた体の中に埋没す
る。
「そうかなぁ、えへへ」
 壁の鏡に少女の体が映る。しかし、少女の笑顔は湯気の曇りに隠れていた。


70(13/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:09:41 ID:v72I/I8f
Call my name!

(27)はいるの?

 少女のなだらかな腹をなでながら、耳元にささやく美由希。
「ほら、先っぽをよくみて」
 姉に促されて両手で握っているものの先端をみると、縦に割れた小さな切れ目
に透明な滴がたまっている。
「えっ」
 それを見て思わず兄のものから手を放してしまう。少女が知っているそこから
出るものは、先程少女自身が漏らしてしまったものだけ。
「それは・・・の思っているのと違うよ。誰でも気持ちいいとあそこが濡れるの。
・・・もそうでしょ」
 中央のくぼみを優しくつつく姉の指が、白い肌に泡の線を引きながら下へ滑り
降りる。行き先を察した少女は急いで足を閉じるが、姉の手は難無く間を擦り抜
けて少女の奥へ達した。
「ほら、こんなぐしょぐしょ」
「ぉ、おねぇ、ちゃっ…んぁっ」
 蜜にまみれた狭いスリットの中を、姉の指がくちゅくちゅと音を立ててかき回
す。何度か達したばかりで敏感になっている少女の体はすぐに熱をもち、姉の手
を拒むどころか力が抜けて姉の腕にすがった。
「でも・・・はこっちも濡れちゃうんだよね」
 羞恥心を誘うように姉の指が少女の小さな穴をつつく。出してしまったばかり
だというのにそれだけでまた漏らしそうになり、さらに強く姉の手を挟み込んだ。
「ゃぁ、ごめっ、なさぃ……」
「ならどうすればいいか、分かるでしょ?」
 美由希は少女にほおずりしたまま問う。姉妹の見つめる先は同じ、二人の兄の
もの。
(お兄ちゃんの指を汚しちゃったのはわたしなんだもの、わたしがお兄ちゃんの
をきれいにしなくちゃ)
 小さくうなずいた少女はふたたび兄のものへ手を戻し、先端にたまった滴を指
先でつぶす。そのまま指で先端の口を押すと、あふれ出た滴が流れ落ちた。
「それを、頭の全体にまぶしてくれないかな」
 まかせっきりだった恭也がはじめて希望を口にした。
「……うん」
 鈴口からあふれ出た滴を指先でうすくのばす。全体をまぶすには量が足りない
ように思えたが、指ですくうたび新たな滴が滲み出て兄自身を濡らした。
「手のひらで握ってグリグリしてごらん」
 姉の言葉が熱い舌と共に耳の中へ入り込む。鼓膜から聞こえるのではなく、ま
るで肌から染み込むように頭の中へ伝わり、目のくらむような衝動が少女を揺り
動かす。
(ぐりぐり、ぐりぐり……)
 濡れた鈴口に手のひらを乗せ、ゆっくりと回しながら包み込む。指の先で傘の
下をこすり、手のひらで亀頭全体にまんべんなく滴をのばすと、暴れ馬のように
兄のものが跳ねた。
「んっ……あぁ、・・・。すごく気持ちいいよ」
 快楽を隠さない兄の声。自分の手が、指が、あの兄をこのようにしている。普
段では考えられないことに少女の心は躍り、暴れる兄のものを押さえ込んで念入
りに指をはわせた。
(もっと……きれいにしてあげるね……)
 荒立つ少女の呼吸。まだ湯船に浸かっていないのに紅潮した肌。それは姉の愛
撫だけでなく、少女自身の興奮にほかならない。九歳の少女としても、兄妹とし
ても逸脱した行為に、少女はのめり込んでいく。



71(14/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:10:24 ID:v72I/I8f
「そうだ、ここ忘れてた」
 姉の指が少女のすぼまりから生えた数珠の頭をはじく。小さな振動は中へ伝わ
るほど不規則にぶれ、少女の胎内に重くて熱い痺れをもたらした。
「やっ、あぁぁっ。そ、そこは、んぁっ」
 外側の敏感なところとは異なる腰が抜けそうな快感に、少女は耐え切れず兄に
しがみつく。
「女の子なんだから、ここもしっかり綺麗にしないとね」
 少女のすぼまりを指でなでながら数珠を引っ張る美由希。しっぽをとる時と違っ
て余計な力の抜けた少女の体はすんなりと最初の珠を吐き出そうとするが、一番
太い部分がすぼまりを通り抜けようとするところで姉の指が止まる。
「・・・、ちゃんと力をいれないと取れないよ」
「んっ、で、ぁぁっ、もぉ」
 微弱な珠の振動に中から拡げられたすぼまりが刺激され、少女はまともな言葉
を話せない。
「ほらほら、お友達にもらったオモチャだって洗ってあげないと失礼でしょ」
「ぁ、ぅ、うん」
 友達という言葉に反応して少しだけ気を取り戻す。少女にとってこれはただの
オモチャではなく、大切な親友からの大事な大事なプレゼント。たとえ絶交され
てしまっても粗末に扱うなどできない物。
「ん……んくっ……んっ、ゃぁぁ、ぁぅ」
 何とか出そうと必死に力むが、そのたびに振動を感じて力が抜けてしまう。こ
れが少女の体に合っているのか、少女の後ろがとりわけ弱いのか、あるいは両方
か。何にしても少女には酷な行為だった。
「その姿勢じゃ力が入らないだろう」
 見かねた兄が少女の体を抱え上げ、向かい合ったまま太ももの上に乗せる。多
少変則的な、前座に座るような姿勢。そのまま兄の両手が少女の臀部を支え、後
ろへ落ちるようなことはない。
「ぁぁっ」
 口から漏れる甘く幼い嬌声。少女が乗っているのは太ももだけではなかった。
兄の熱い剛直が少女のスリットを下から押し上げ、十分に濡れた幼唇を押し広げ
る。
(お、お兄ちゃんのが、あたってる……)
 敏感な小さい粒や幼い二つの秘穴で直接兄のものを感じた少女は、その熱さ、
固さ、力強さ、そして何よりもその大きさにふたたび圧倒された。
(これが、はいるの、かな……)
 粘膜が触れ合う刺激が心地よく、どうしてもその先がどうなるのか少女の想像
力をかき立てる。少女の小指の先でさえ入りそうにない小さな穴、そこへこんな
ものをいれようとしたらどうなるのか、入ってしまったらどうなるのか、やはり
入らないのでは、それとも。
(うしろなら、はいるの、かな……?)
 兄のものは少女が出し入れに苦労している珠よりも太い。だが、その珠にも少
しずつ慣れはじめていることが、少女の思考を大胆にさせた。
「ん……んくっ、んっ……」
 下腹に力を込めると中に戻っていた珠がふたたび顔を出す。大きく拡がり、血
の気を失って白くなる少女のすぼまり。今まではそこで止まっていた珠が、震え
ながら少しずつ外へ迫り出していく。
「…んんっ…んぁっ!」
 白い大きな珠が少女から産み落とされ、すぼまりからぶら下がる。ほぼ排泄行
為そのものの快感と背徳感、やっと出すことができた安心感とちょっとした達成
感に少女は軽く達した。
72(15/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:11:11 ID:v72I/I8f
「頑張ったね、・・・。次からどんどん小さくなるから楽になるよ」
 肩で息をする少女を後ろから抱きしめ、よしよしと少女の頭をなでる美由希。
ほめられたことを糧に、少女は荒い呼吸もそのままにふたたび下腹部へ力を込め
る。
「はぁ、はぁ……ん…んっ」
 次の珠もまだまだ大きいとはいえ、最初の珠と比べれば小さい。少女の若いす
ぼまりは柔軟に伸び、内側をこすられる気持ち良さを意識的に感じる余裕さえあっ
た。
「…んぁ…んっ……はぁ、んぁ……」
 少女が力むたびに敏感な部分が兄のものを擦り、兄のものが少女の敏感な部分
を突き上げる。混じり合う少女と兄から滲み出るもの。クチャクチャといやらし
い音は少女の喘ぎとハーモニーを奏でる。
「はっ、んん…んっ…んぁ…」
 海亀の産卵のように次々と産み落とされる小さな珠。どれもアリサとすずかに
入れられた時よりも大きくなっている。それは少女が受け入れられる快楽の度合
いに比例しているかのようだった。
「頑張れ、最後の一個だよ」
「…ぅ、うん…ぁ…んっ…んん…」
 最後の一番小さな珠は、特に力を込めなくてもぶらさがった数珠の自重で抜け
落ちようとする。数珠の揺れと珠の震動がすぼまりに心地よい刺激を与え、名残
惜しくなった少女は抜け落ちないようにすぼまりを引き締めた。
「ぁっ…ぁ…ぁぁっ……はっ、はぁぁ」
 微妙な位置を行き来して少女を悦ばせた珠は、こらえ切れなくなったすぼまり
に快感を残して滑り落ち、下で待ち受けていた姉の手にポトリと落ちる。出し切っ
た少女のすぼまりは、ぽっかりと暗い口を開けて物欲しそうにひくついていた。
「はっ、はぁ、はぁ、はぁぁ、はぁ……」
 肩で息をする少女は、ぐったりと兄の胸にもたれ掛かる。昼間から続く情事の
連続は、幼い少女の体力を確実に奪っていた。
(…つ、つかれた…あと、なんだっけ…?)
かなりいっぱいいっぱいであったが、まだ終わっていないのを思い出し、気を振
り絞って体を起こす。
「・・・、大丈夫? あとここが残っているけど」
「あんっ……だ、大丈夫、だよ」
 姉の指先が開いたままのすぼまりをなでると、少女のそこは貪欲に指を飲み込
もうとうごめく。
「そう、・・・は強い子だね。恭ちゃんは?」
「俺は後少しなんだが……」
 ヒクヒクと奮える、少女のスリットに食い込んだ兄のもの。少女に男の生理は
分からないが、まだ何かしなければ終わらないのは分かる。そして、それに少女
が必要とされていることも。
「お兄ちゃん……」
「ん?」
 心配そうな兄に、少女は疲れをかくして無理やり笑顔を向ける。
「大丈夫。わたしなら、平気だよ」


73(16/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:11:55 ID:v72I/I8f
Call my name!

(28)ぬかないで

 まずは姉が椅子に座り、湯船に背もたれる。少女はその上に座り、柔らかくて
弾力のある大きな胸に背中を預けた。
「・・・、自分で足をおさえて」
 兄の手が少女の足をひざの下から持ち上げ、少女にその姿勢を保つよう促す。
体育座りのまま後ろに寝転がったような姿勢。ほっそりとした太ももと、濡れた
少女のスリット、屈折した下腹部がつくる小さな隙間。そこに腰を落とした兄が
迫る。
「怖くないから、力を抜いて」
 兄の下半身が自分の足で隠れて見えないことに少女は緊張する。それをほぐそ
うと、少女を後ろからギュッと抱き締める姉の両腕。背中に押し付けられた姉の
胸から響くゆったりとした鼓動が、少女に兄姉への信頼を思い出させて落ち着か
せていく。
(お兄ちゃんやお姉ちゃんが、ひどいことするわけないし)
 少女が一番さみしい思いをした幼い日々。店の手伝いや父の看病の合間をぬっ
て、少女の世話をしに戻ってきた兄と姉。行かないでとぐずる少女を、落ち着く
まで抱き締めてくれた不器用で優しい両腕。少女が長いさみしい時間を頑張るこ
とができた、温もりという信頼の糧。
「ぅ、うん……ぁっ」
 緊張がほぐれたのを見計らったように、尾てい骨辺りに熱くて固いものが当た
るのを感じる。それは尻の谷間を滑り、いまだひくついているすぼまりをつつく。
「んんっ」
 反射的に収縮する少女のすぼまり。兄のものは何度かつつき、くすぐるように
熱い先端をこすりつける。
(そこに、いれるの?)
 こんな大きなものが入るのか、もし受け入れられたらどんな感じだろうか。期
待と不安で少女の胸は高鳴り、そっと目を閉じてその時を待つ。
「…………ん……ぁ…えっ!?」
 が、少女の予想は外れる。熱い固まりは少女の奥へと進まず、蟻の門渡りをつ
たって閉じたスリットに突き進んだ。
「お、おにっ、あぁん!」
 熱い固まりは柔らかなスリットにねじりこみ、潤んだ幼い泉を溢れさせる。そ
れは絶対にないだろうと思っていただけに、大事なところで感じる刺激に少女は
困惑する。
「あっ、やぁ、お姉ちゃん?」
「何? あ、そうか。違うよ、・・・」
 少女が取り乱す原因を姉は否定する。兄も少女の様子を見て既に動きを止めて
いた。
「そこはまだちょっと早いもんね。もう、恭ちゃんが紛らわしいことするから」
「すまん、濡らした方が・・・にいいと思ったんだが」
「それはそうだけど、私と違ってまだ小さいんだから」
 申し訳なさそうな兄と、珍しく兄をたしなめる姉。とりあえず少女が恐れたこ
とではないらしく、ほっと胸をなでおろす。
「大丈夫? 続ける? それとも、もうやめよっか?」
「ううん、大丈夫だから私にかまわず続けて」
 二人とも気を使っているのが分かり、少女は二人に続けてくれるようお願いす
る。
(お兄ちゃんとお姉ちゃんなら、きっと怖いことなんてないから)
 無理にされるのは怖いこと。でも、それ以上に怖いのは、構ってもらえないこ
と。



74(17/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:12:41 ID:v72I/I8f
「いくよ、・・・」
「……うん」
 少女がうなずくと、幼いスリットに食い込んだ熱く固いものがゆっくりと動き
始める。
「…ん…ぁ……ぁぁっ」
 少女の潤んだ泉の水があふれ、熱く固いものが敏感な部分を押し潰すように通
り過ぎていく。包皮の上からでも分かる指よりも固い感触。少女のそこは摩擦熱
で火がついたように燃え上がる。
「ゃっ…んっ…ぁ…ぁっぃ…」
 そろえられた太ももと付け根の小さなふくらみ。その間の小さな隙間には、姉
の手からたらされたローションがたまっている。
「ほら、出てくるよ」
 足の間に熱いものが割り込み、ローションが股間からこぼれる。そして姉の言
葉とともに、赤黒い大きなものが少女から、生えた。
(わたしに、おちんちんがはえたみたい)
 少女の華奢な身体にはあまりにも異様な男の剛直。敏感なところに伝わるヒク
ヒクとそれが動く様が、そことそれがつながっているかのように思える。
「…ぁ…ぁぁ…ぁっ」
 ゆっくりと少女の股間を行き来する兄のもの。兄の手により押さえられた太も
もは兄のものをきつく締め付け、さらに少女のスリットへめり込むように押し付
ける。
「ゃぁ…ぁ…んぁっ、あぁっ」
 兄の動きに紛れて、姉の指が少女のすぼまりに忍び込む。指は数珠の珠よりも
細くて柔らかい。だが大切な友達からのプレゼントとは言えやはり数珠は物であ
り、それと比べて姉の指には家族という名の温もりがあった。
「・・・も女の子なんだから、ちゃんとこっちも綺麗にしないとね」
「す、すごっ、おねぇちゃ、んんっ」
 兄が腰を押し込むごとに少女の体はずり上がり、その度に姉の指は少女の奥へ
と入り込む。けして激しくはないゆったりとした姉の指遣いだが、的確に少女の
中の感じる部分をつついたりこすったりして少女を乱れさせた。
「あっ、そんな、ぅっ、うごかしちゃ、ぁぁっ」
 まるで自分自身のであるかのように分かるのは姉が経験豊富だからなのか、そ
れとも何だかんだいっても姉が少女の姉だからなのか。
「ん? ・・・は動かしちゃ嫌なの?」
 意地悪そうに姉の指が止まる。兄の腰により少しは少女の体も動くが、それだ
けでは姉の指を知ってしまった少女には物足りない。少女は姉の問いに対して嫌
々と首を振り、ねだるように姉の指を締め付けた。
「ぃ、いやぁ、ゃ、じゃ、ない、よぉ」
「よしよし、・・・は可愛いねぇ。恭ちゃんと私でもーっと可愛くしてあげるか
らね」
 耳元にささやかれる甘い言葉。だが姉の指は少女の締め付けを振り切ってすぼ
まりから引き抜かれてしまう。
「ぁっ、ゃぁぁ、ぬかなぃでぇ」
 リズミカルに少女をこする兄のものも気持ち良いが、今はただ姉の指が恋しかっ
た。たとえはしたないと思われても、切なさではちきれそうな少女は姉の指を求
め身をよじらせる。
「いま入れてあげる。・・・なら大丈夫だよね」
 少女のすぼまりを姉の指が押し広げ、出口であるはずのすぼまりの縁をなぞる。
待ち焦がれた指に、少女は姉の言葉の意味も考えず熱い吐息を漏らした。
「あぁぁ…ぁぁ…ん……ぇ?」
75(18/18)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:13:40 ID:v72I/I8f
 ふたたび少女の中へと入り込む姉の指。その数は中指と人差し指で二本。互い
に絡み合いながら競うように奥を目指す。
「あんっ、に、にほんも、はぃっ、んぁっ」
 少女の驚きとは裏腹に、数珠で慣らされた体はやすやすと二本の指を受け入れ
る。数珠とは違う圧迫感でうごめく指は、少女の中から新たな快感を掘り起こし
はじめる。
「ゃっ、んん、すぅ、すごっ、おねぇちゃ、あぁん」
 一心不乱に快楽を受け入れ、惜しみ無く幼い嬌声をこぼす。もう少女の中に恥
ずかしいとか躊躇う感情はない。ただただ、兄と姉に挟まれているのが心地よく。
「恭ちゃん」
「あぁ」
 美由希が恭也に合図をすると、恭也は少女の腰を持ち直してピッチをあげた。
深く腰を突き、回し、小刻みに震わせ、強く優しく、少女のスリットを刺激する。
「あっ、あん、っ、んっ、あ、あんっ」
 恭也の動きに合わせて美由希も指を動かす。腰を引けば指を戻し、押せば指も
奥へと進める。器用に動く二本の指は、少女に錯覚すら起こさせた。
(おにぃちゃんのが、はいってる、みたい……)
 兄のものに突き上げられ、姉の指にかき乱され。喘ぎ、のけぞり、震わせ、乱
し、少女は幼い身体で精一杯快感を表現する。
「どうだ、・・・?」
 膝をずらして足を交差させ、通り道を狭めて己のものを少女に押し付ける兄。
それは少女の未発達な襞をこすり、包皮に守られた幼芽を押し潰す。
「やぁ、すごっ、あっ、くて、こわっ、んぁっ」
 兄と姉とつながるところ全てが燃え上がり、体中の神経を電気が走り回る。
「あぁっ、んん、やっ、ぁ、あぁ、やぁぁ」
 荒波に飲まれた小船のように強い快感に翻弄される少女。兄の一押しごとに身
体は揺さぶられ、たばねた髪は宙を舞い、細い両足は天を衝く。
「だぁ、だめぇ、ぁ、いっ、ぃちゃ、っ、あぁぁ」
 吹き飛ばされそうな浮遊感に、少女は兄の腕を握り締める。もう、残りはただ
頂きを迎えるのみ。
「いいよ、・・・。イっちゃいなさい」
 姉の指が少女の奥を穿ち、ひときわ強く兄のものが少女に食い込む。
「あぁああぁぁっっ!!!」
 衝撃と共に少女の意識は快楽の空に投げ出された。
「っ、俺もっ」
 少女の股間で兄のものが爆発し、白濁液が少女の胸から顔に降り注ぐ。その白
い塊は墜ちていく少女に何かを思い起こさせた。
(あぁ……そらを…とんでる…みたい……)


76549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:14:16 ID:v72I/I8f
ここまでくると次のエロネタは想像できますね。
たぶん次か次の次で大きな一区切りになります。

今年の目標
・Call my name! の完結
・なのはユーノ入れ替わり物の完結

考えているネタ
・正体バレでアリサに電気あんまされる女装ユーノ
・コタツでいちゃつくフェイト&なのは
・新婚ユーノ&なのは
・ちびっ子に夫婦性活を実演するはめになるシグナム×シャマル

どこまで書けるかなぁ。。。
77549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/01(日) 01:17:38 ID:v72I/I8f
>640氏
忘れてた、>>24 からの、題が決まっているなら教えてもらえると
ありがたいです。
保管庫のファイル名をどうつけるかってだけなんですが。
78名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 18:17:03 ID:hPeMhNYc
>>549
GJ!! ああもうその言葉しか出ない
自分の貧弱な言語能力が恨めしいヽ(`Д´)ノ

>>新婚ユーノ×なのは
翠屋二代目マスター見習いの高町ユーノ奮戦記キボン
79名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 23:40:00 ID:H8vw/mg9
>>640氏…話の構成(゚д゚)ウマー
>>176氏…場面展開(゚д゚)ウマー
>>549氏…人物描写(゚д゚)ウマー

みんなGJ!!!
80640@帰省中:2006/01/02(月) 17:30:38 ID:HbfMy7Wx
>>549
もうあいかわらず素晴らしい出来でGJ
とりあえず候補の中では二番目のコタツフェイト×なのはキボン

えーと、題の件ですが
>魔法少女リリカルなのはA's after 〜買い物に行こう。〜
の全部が題でおkです。一回目はこれといってサブタイトル考えて
いなかったものでorzてかサブタイトルの存在忘れてたしorz
とりあえず一回目は単に「一回目」としてくれて構いません。スマソ


そういやここではあんまり聞かないけれど、アルフとザフィーラも一応
使い魔同士でありなんだよなぁ、とSSのネタを考えながら思ってみたり。
81176:2006/01/02(月) 20:45:38 ID:qdiI6rQ1
姉さん、事件ですorz
ユーノくんが吹き飛びました……
今まで書いていたものと今書いていた2話と書きかけ虚数空間行きです
正月早々放心してます(;゜A゜)

少し投下するのが遅くなるかもしれません
バックアップとってなかった自分にも非があるんですが
いやほんと……なんで?

ユーノくんいわく『させてみせるさ!』な感じで
頭の中の内容を復旧させてみます……
もう少し待ってください
82名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 22:31:58 ID:wUKtoyFU
楽しみにしてますよー、頑張ってください。
83名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 23:24:49 ID:RGeECXPO
新年早々事故ですか…復旧がんぶってください!
84名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 11:42:31 ID:kP0DmjFk
>549氏 エロ!
>176氏 待ってますよ

前スレ、そろそろ落とした方がいいんじゃね?
85名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 12:17:21 ID:/VangDF2
>>84
タカマチクラゲが残ってるからいいんじゃまいか?
86名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 16:51:32 ID:V/2Q8gKd
>>85
あのAAは面白いと思うけど、また圧縮が来そうだからさ。
他のスレってどうしてんだ?
87名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 13:32:57 ID:NV+NB5FO
はて?ユーノって何歳だっけ?
88名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 13:39:32 ID:yuxKkz2s
931
89名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 18:21:13 ID:jWt5qBK+
ユーノはなのはと同い年。
90名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:11:17 ID:UpqubuIN
そういえばはやてが本の虫という設定で、ロストロギアの調査には無限書庫が必要な場合も多いだろうし、って事で、
「はやて→ユーノ→なのは」の図式が思い浮かんだ。

ただ、ストーリーが浮かばない・・・orz
91名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:32:07 ID:ySGBQ+14
はやてがユーノと仲良く話すのを見てイライラするなのは。
92名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:39:12 ID:ug4tyo/B
>>90
A'sの3年後位の時代設定をキボンヌ
93名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:41:10 ID:UpqubuIN
>>91
なのはは朴念仁だからそういう感情が生れそうに無いんだよな。
なのはとくっついてもらおうと、ユーノとはやての仲を邪魔するフェイト、基本的にはやての傍にいる奴らは全て敵、のヴィータの攻防、とかで話作ってみようかな。
94名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:42:54 ID:UpqubuIN
>>92
6年後とかはさすがに無茶だから闇の書事件から2、3年経ってる設定にするよ。
95名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 21:12:08 ID:ySGBQ+14
>>93
その朴念仁に思春期の感情が芽生えるのも王道だと思うけど。
本編ではあまり見たくないけど、ssなら読んでみたいかも。
96名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 21:13:07 ID:UCGWv9yI
>>93
> なのはとくっついてもらおうと、ユーノとはやての仲を邪魔するフェイト、基本的にはやての傍にいる奴らは全て敵、のヴィータの攻防、とかで話作ってみようかな。
どっちかといえば、なのはと別れてもらおうと、ユーノとはやての仲を応援するフェイトジャアルマイカ?
これならヴィータとの攻防も見物だしw
97名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 21:24:36 ID:8WSK2DsW
>>96
フェイトが知世ちゃん気質かどうかにかかってくるな、それは
98名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 00:19:04 ID:A8DCn/dy
>>93
むしろ朴念仁のなのはが、ユーノとはやての仲をとりもとうとして苦悩するユーノとか。w
99名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 00:23:00 ID:StXcT1ns
>>98
なのはならやりかねないなw
10090:2006/01/05(木) 00:34:58 ID:cVTfGFyZ
>>95-99
どういう方向に行くか定まって無いけどちょっと書き始めたら長くなりそうな悪寒。キリの良い所まで書いたら張ります。期待しないで待ってて下さい。
101176:2006/01/05(木) 01:06:45 ID:hJ5tjeN1
21 海鳴の休日
 
 カーテンの隙間から差し込む光で僕は目を覚ます。
「ん……ふぁ」
 欠伸一つして、丸く縮こまっていた体を思いっきり真っ直ぐに伸ばす。
 ふと見たベッドになのはの姿はない。なのは早起きだから当然と言えば当然なんだけど。
「日曜日……か」
 あれから一週間が経った。反対に言えば一週間しか経ってない。
 時間がのろまなのか僕がせっかちすぎるのか、もしかしたらあの出来事は今僕が見ていた夢だったのかもと錯覚すら感じてしまう。
 だけど確かに僕らは戦って、勝って、帰って来たんだ。
(そうだよ、僕らは帰って来たんだから)
 言い聞かせて頭の中に浮かぶ約束をもう一度強く思い出す。
 約束の日。今日は一週間前果たせなかった約束の日。
 遠くの方から騒がしい音が聞こえる。普段家の中で走るなんてしないだけに彼女が今日という日をどれほど待ちわびていたのか微笑ましいほどに良く分かった。
 足音はどんどん大きくなり、止まる。もちろんそれドアの前で、次にはドアが勢いよく開いた。
「あっ、おはようユーノくん!」
「おはよう、なのは」
 既に身支度を整えたなのはが笑顔で立っていた。背中にはリュックを背負い、どうやら準備万端みたいだ。
 なのはは僕のところまで来ると左腕を差し出す。
「じゃあさっそく行こう」
「も、もう行くの?」
 無言でうなづくなのは。もしかしてと思って時計を見ると時刻は既に九時を回っていた。
 随分と寝過ごしてしまったらしい。平和ボケ、というわけではないけど気が弛んでいたみたいだ。
「予定じゃ九時出発だっけ?」
「うん」
「ごめん」
 謝りつつ僕はいつものようになのはの腕を伝い方の定位置へ登る。
「いいよ。わたしも少し準備に手間取っちゃったから」
「準備?」
 そう言われるとすごく気になってしまうのは考古学者の性か。そんな僕を横目になのはは人差し指を唇に当てて見せた。
「ふふおねぼうさんには教えてあげない。秘密だよ」
「すごく気になるんだけど」
 でもなのはが秘密にしたいならこれ以上聞くことも出来ない。頭の片隅にそれは押し込むことにした。
 なによりそうやっておけばどんな秘密か考えるてわくわくできるし、楽しみも増えて一石二鳥だ。
「じゃあなのは、今日は一日よろしくね」
「まかせて。今日はきっとすごく楽しい日になるよ」
 満面の笑顔でなのはは頷きと一緒に踵を返す。嬉しさの滲むステップで廊下を、階段を、そして玄関にあっという間にたどり着いた。
102176:2006/01/05(木) 01:07:36 ID:hJ5tjeN1

「あら? もう行くのなのは」
「うん!」
「車には気をつけてね」
 ちょうどよくリビングから出てきた桃子さんにもなのはは笑顔で答える。
「手伝ってくれてお母さんありがとね。お店の方は大丈夫?」
「お父さんも松っちゃんもいるし、それに今日は美由希も手伝いに行ってるから大丈夫よ」
 なにを手伝っていたのだろうか? もしかしたらさっきのなのはの秘密と関係あるのかもしれない。
 それにしても今日は桃子さん、いつになく上機嫌だ。無邪気な笑顔を振りまいて、すごくはしゃいでるように見えた。 
「そうだなのは。後で時間が合ったらお店にいらっしゃいね」
「日曜日だけど大丈夫?」
「なに言ってるの。可愛いなのはのためならお客さんふっ飛ばしても席空けてあげるから」
「それはちょっとまずいかなと……」
 もちろん冗談だろうけど、なんだか桃子さんだったらやりかねない気もする。なのはの母親だしやるときはやりそうだ。
「ふふ、楽しみに待ってるわ。じゃ、行ってらっしゃいなのは」
「うん、行ってきますお母さん!」
 ドアを開け僕たちは燦々とする太陽の下へ飛び出した。

「ユーノくん、どう大丈夫?」
「……そうだね。気配はないみたい」
 僕たちが最初に来たのはいつも魔法の練習をする裏山。まずはここであることをしないと今日は始まらない。
 休日だから散策に来ている人がいないか僕は周囲に気を配る。幸い誰もいないみたいで安心した。
「じゃあやるね」
 肩から降りて僕は変身魔法を解除する。
 光に包まれる僕の体。目を閉じイメージする僕の本当の姿。
 ――心を開いて。
 思い返すリンディさんの言葉。
 ――気持ちを合わせて。
 この世界へ、なのはへ気持ちを合わせて。
「……大丈夫?」
 声に目を開けると同じ目線のなのはがいた。
「……そうだね、大丈夫」
 本当に大丈夫だった。あれほど体を縛っていた魔力の調律が嘘の様に体から消え去っていた。
 今までいろんなことを考えすぎていたけど、言われた通りに僕は心を開いて全てを受け入れた。だから世界も僕を受け入れてくれたんだろう。
 今確かに僕はこの世界にいる。
「じゃあユーノくん」
「うん、行こうなのは」
 やっと僕らの一日が始まる。
 僕らは大地を蹴って駆け出す。風が全身を包み、撫でていく。
「下まで競争しよ」
「負けないよ」
 なのはが少し前に出る。僕も負けじと足を動かす。
 遠く水平線には巨大な入道雲が立ち上がりまだ南中には遠い太陽が僕らに熱を与える。
 だけどそんなもので僕らは止められない。隣にはなのはがいるから。理由になってないけどそれしか考えられないんだからしょうがない。
 南風と一緒に坂道を駆け下りながら僕は今日がとても楽しい一日になると予感していた。
103176:2006/01/05(木) 01:08:11 ID:hJ5tjeN1
22 町案内

「ここが商店街。デパートとかもあるんだけどほとんどの買い物はここで済ませられるんだよ」
 なのはの言うとおり道の両側に様々な店が列を成して並んでいる。肉、魚、野菜などの食材店はもちろん、服やペットショップ、宝石店さえある。
(なんだか懐かしいな……)
 発掘作業の時に利用していた市場を思い出した。遺跡というものは大抵僻地にあるものだから当然大きな商店なんてない。
 僕らにとってそういう時に補給の拠点とするのがこういうたくさんの店が集まった市場なのだ。
 もっともこんな建物でなく、もっと小さいテント張りのお店だったけど。
「そうだ、ユーノくんゲームセンターって行ったことある?」
「魔法学院の時行ってたくらいかな」
「じゃあ行ってみようよ」
 指差す方向に派手な看板を掲げた建物があった。他とは明らかに違う雰囲気をかもし出すそこがなのはの言うゲームセンターなのだろうか。
「そうだね、この世界のゲームがどんなのか興味あるし」
「じゃあ、さっそく」
 なのはに急かされるまま密かな期待と共に僕は自動ドアをくぐった。

「すごい賑やかだね……」
 入って僕らを歓迎したのは種種雑多な電子音の嵐だった。
 あっちで、こっちで、多分何をしているか分かるような音と、全く想像のできない音が入り乱れ、鼓膜を否応なしに揺さぶる。
「想像と結構違ったな」
「じゃあ止めようか」
「ううん、あんまりこういうところは来たことないだけだし、嫌いじゃないから大丈夫」
 僕の行っていた所はどちらといえばこれより正反対の雰囲気で、静かで落ち着いた場所だった。
 そこではカードやテーブルゲームで互いの知力を競い合っていて学院に通っていたころはよく仲間と行っていたものだ。
 もちろんこのゲームセンターみたいに電子ゲーム中心の場所だってある。ただこういう場所は市街地にあるのが常で僕は行かないというよりは行く機会がなかったというほうが語弊がないと思う。
「そうだ、せっかく来たんだしなのはどんなのやってるか見てみたいな」
「ほんと?」
 僕が頷き返すとなのはは考えるそぶりを少しした後、あるゲーム台の一角へ駆けて行った。
「せっかくだからわたしが一番得意なこれで」
 さっ、と硬貨を取り出しゲーム開始。音楽の調子が軽快なものへと変わり画面も一緒に変わる。
 未来都市を思わせるようなビル群を眼下に白を基調とした戦闘機のようなものが下から飛び出してくる。なのはがレバーを動かすたびに右へ左へ動くことからこれがなのはの機体なのだろう。
(シューティングゲームなんだ……)
 スタートして間もなく、上から小さな戦闘機が次々にやってくる。撃ち放たれる弾幕をなのはは軽やかにかわして逆に反撃の一発をお見舞いした。
 レーザー、ミサイル、時にシールドで。縦横無尽に画面内をなのはの戦闘機が飛び回る。
「そろそろボスだよ、ユーノくん」
 声と共に音楽がまた変わった。いよいよを感じさせる重低音が鳴り響き画面の上から今までと比較にならない大きさの戦艦が現れた。
 戦闘開始と共に相手は無数の弾をがむしゃらにばら撒きだす。命中なんて関係ない数の暴力。画面全体を覆い尽くす勢いのそれはもはや拷問というべきか。
 だけどなのはその上を行く。取り乱すこともなく一瞬の間隙を縫っては確実に攻撃を命中させていく。一見、無秩序で危なっかしい軌道を描いてても、僕にはそれが敵の攻撃全てを把握した上での行動だと感じられた。
「いくよ、全力全開! フルパワー!」
 なのはの指が三つのボタンへ一気に叩き込まれる。刹那打ち出される極太の光線。相手は成す術べなく飲み込まれ爆砕した。ステージクリア。
 画面が変わり数字の列がせわしなく動き始める。それがハイスコアなのかは見当はつかないけどなのはの表情を見る限り悪いものではなさそうだ。
104名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 01:10:36 ID:hJ5tjeN1

「すごいねなのは」
「うーん……でもまだまだだよ」
 傍から見れば凄い光景だというのになのはは満足し足りなさそうなことを言った。
 理由はすぐわかった。ハイスコアを記録するランキング。そこに答えがずらりと載っていた。
『T・SUZUKA』
 ああなるほど、と思った。
「どんなに頑張ってもすずかちゃんには敵わないよ」
 確かにランキングの一位から四位まで同じ名前が並んでいてはそうも思ってしまうのは仕方ない。なんとか五位に滑り込んだなのはのスコアだって四位のスコアに一回り足りていない。
「なんだか上には上がいるんだね」
「もっと頑張らないと」
「そうかもね。……そういえばアリサもゲーム得意なの?」
「アリサちゃんは格闘ゲーム専門。あっ、でもカードゲームとかも強いんだよ」
 なんだかアリサが迫り来る敵をどんどんなぎ倒していく様が想像出来る。アリサにはぴったりだ。それとカードが得意なら今度手合わせしたいな。
「それじゃ、ユーノくんやってみる?」
「僕はちょっと……」 
 流石にこの後にやる人はいないだろう。
「そっか……」
 しゅんとするなのは。このままじゃ明らかに悪いので僕も何かしようと辺りを見渡す。
 と、入り口のすぐ横にあったあるゲームに目が留まった。
「なのは、あれしよう」
「あれ?」
 入ってきた時は死角になってて気づかなかったけど、これなら僕もできる。むしろ得意中の得意だ。
 まさかこの世界にも同じものがあるなんて奇跡としか言いようがないけど、千載一隅のチャンス、逃すわけには行かない。
「ユーノくん、これできるの?」
「まかせて、これは誰にも負けない」
 クレーンゲーム。上から吊り下げられたアームをボタンで上下左右に動かし景品を手に入れる単純なゲーム。結界魔導士として空間の認識、把握はお手の物だったから自然と上手くなってしまった僕の得意の一つ。
 勇み足で台の前に立ち懐を探る。そしてはたと気づく。
「どうしたの?」
 追って来たなのはに僕は無言で腕を差し出す。顔は見ない。あまりに情けなすぎるから。
「なのは……お金……ある?」
 吹き出す音が聞こえた。とんでもなくかっこ悪いな、僕。
「何回するの? わたしお小遣いにはまだまだ余裕があるから大丈夫だよ」
「それはなのはが欲しい物によって変わるな。なのはは何がいい?」
「えっ? えっと……」
105176:2006/01/05(木) 01:12:41 ID:hJ5tjeN1

 行って中を見始めるなのは。僕が選んだのはぬいぐるみばかりが詰まった台でいろいろな動物の形をしたぬいぐるみが煩雑に放り込まれている。中には頭から突っ込まれて足だけ飛び出しているのや、反対に首だけ出しているシュールなものがあったりする。
「うんと、ユーノくんに任せる」
「いいの?」
「みんな可愛いし、ユーノくんの取りやすそうなのでいいよ」
 そう言われると結構迷ってしまったり。
 あんまり簡単すぎるのでは味気ないし、かといって難しいものを取ろうとして無駄遣いしてしまうのはいただけない。一応なのはのお金でやらせてもらってるわけだし。
(あれは……すぐ取れるし……これはまず取れないだろうし……)
 なのはを待たせるわけにはいかない。散々迷って僕は穴から少し離れたところで寝そべっているぬいぐるみに狙いをつけた。
「楽しみにしててね、なのは」
 硬貨を投入。電飾が艶やかな息を吹き返し、メルヘンチックな音が辺りを賑わせ始める。
 まずは一回目。アームは従順に僕の操作どおりに動き目標の上で止まるとゆっくりと腕を広げた。最初に掴むのは体と同じくらいに大きな尻尾。見るからにふさふさしている。
「あっ、掴んだ」
「そうだね」
 興奮気味のなのはとは対照的に僕は冷静だった。
 尻尾を吊られて逆さづりになるぬいぐるみ。掴んだ所だけにアームが動くと同時に頭が思い切り引きずられていく。だけどアームの力が弱いのか少しの出っ張りに躓いてしまう。
 腹をこちらに向けてぬいぐるみが転がった。
「なのは、もう一回お願い」
「うん今度こそ」
 取れるさ。
 心の中でなのはに答えて二回目の硬貨が投入される。狙いは同じ、腹を出してふんぞり返っているこいつだ。
 アームが伸びてぬいぐるみを捕らえる。今度は頭。アームに挟まれて顔が変形し、そこから覗く目はものすごく恨めしそうに僕を見つめている。モデルになっている動物が動物だけに祟られそうな気もした。
 だけどそんなことでチャンスを手放すほど僕は馬鹿ではない。なのはのために手に入れられるものは全て手に入れてみせる。
「…………」
 なのはは固唾を呑んで成り行きを見守り、ぬいぐるみは頭を持ち上げられて直立した。
 アームが動き始めて頭が引っ張られ、体は傾き、今度は前のめりに勢いよく倒れた。ぬいぐるみの上でない穴の中ヘ向かって。
「はい、なのは」
「わぁ、ありがとうユーノくん」
 僕の手からなのはへとぬいぐるみが渡される。さっそくなのははぬいぐるみを胸に抱いてご満悦の様子だ。
「可愛いきつねさんだね」
 頭を撫でながらなのはが嬉しそうに呟く。穴から引っ張り出した時は不機嫌そうだったきつねも可愛い主に出会えて満更でもないように見える。
「それでよかったか?」
「うん! 一番欲しいって思ってたのがこれだったから」
「じゃあなによりだね」
 見ているこっちまで口元が緩んでしまうくらいになのはの笑顔は愛らしかった。好きな人が笑ってくれることは多分どんなことより嬉しいこと何だと思う。
 クレーンゲームがこの世界にあったこととうまくぬいぐるみが取れたことに僕は心から感謝した。
106176:2006/01/05(木) 01:13:28 ID:hJ5tjeN1

ああ、駄目人間なんとか投下、もとい復旧できました
翌日、次の話も投下しますので

>>640
フェイトにですか、予定にはないんですが
書けたら入れてみます

>>549
エロイです、重厚エロイですGJ!
焦らず頑張ってください、楽しみにしてますよ

>>55
なんだかラストをそっちに思わずつなげたくなりました
考えている終わり方とA'sだった場合とで書き分けたく思ったり

>>90〜99
じゃあ期待しないで待ってますw
でも朴念仁なのはのハートにどうやって火をつけるか苦労しましたよ
結局こんな感じになりましたが

最後にこんな拙い作品でも待ってくださった方々ありがとうございました
というか途中に書き込みミス! 誤字が残ってる!? すいません
正月ボケですね、はい……orz
107名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 04:11:59 ID:0Uma31gf
シャマルがエロい目に遭うのが見てみたい
108名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 08:05:12 ID:MIK/yviR
>176氏 乙
フェレット人形だったらユーノ的に複雑だったかもw

>90氏 頑張れ!
109176:2006/01/05(木) 10:17:04 ID:hJ5tjeN1
23 お弁当と山と友達と

 時計の針が一つになり太陽は灼熱の光を大地に降り注ぐ。
 ぐんぐん上がる外気温は止まることを知らず、木陰にいても辟易するようなくらいの暑さだ。海鳴公園だけあって、すぐ目の前に海を展望できるので悪くはないのだけど。
「はぁ、すごく暑いね」
「ミッドチルダの夏ってもっと涼しいの?」
「ううん、発掘に行っていた所が寒冷地だったから慣れてないだけ。暑いとことはここよりずっと暑いよ」
 実際、以前行った所はここなんかより比べ物にならないくらいの暑さだった。部族の人が何人も熱中症にやられたこと思い出す。
 そういう意味ではここはまだ快適だ。
「なんだか旅行に行ってみたいね」
「なのははアースラしか知らないもんね」
 あれは艦だから厳密にはミッドチルダじゃないし、考えてみればなのはがミッドに行くことなど今まで一度もない。
「フェイトやアルフ、みんなと一緒に行ってみたいね」
「そしたらアリサちゃんやすずかちゃんも連れて行きたいな」
「そうだね、きっとすごく楽しくなるよ。……でも」
 そうしたら本当のことを話さなきゃいけない。今まで隠していた魔法のこと、フェイトとのこと全部。嫌われるとか、そんなことはないと思うけど正直心配だ。
「大丈夫。二人ともきっと分かってくれるから」
 屈託のない顔でなのはは明るく答えた。それだけで二人のことを信じていることが感じられる。
「問題はユーノくんだよ」
「僕……?」
 そういえば僕も二人は知らないんだった。
(ちょっと待てよ……)
 よく考えたら僕はある意味僕は二人に本当のことを話せないのでは……。不可抗力とはいえ温泉に連れて行ってもらったときいろいろと見てしまったわけで。
 特にアリサに洗われている時なんて……いや、止めよう。なに思い出そうとしているんだ。
 多分、僕は無事ですまない気がする。
「念話とかで話は出来るし僕は……ね」
「ユーノくんわかってない」
 なのはが突然すねた。呆れたように僕を見て口を思いっきりへの字にする。
「隣にユーノくんが、本当のユーノくんがいなきゃ駄目だよ」
「あっ……」
「……好きな人だもん。フェレットなんて……やだ」
 真っ赤になってなのはは俯いてしまった。僕に見られないようにか顔を少しそっぽを向けている。
「そうだよね……恋人だもんね」
「……ユーノくんの…………バカ」
 遠く蝉の声が聞こえる。むあっとした熱気。加えて僕らは気恥ずかしさで沸騰しそうだった。
 飛行機が遥か空で低い声で嘶いた。一陣の風が涼しさを持って来てくれても僕らの熱を取るには少し足りない。
「朝に教えた秘密……覚えてる?」
「うん……」
「じゃあお昼だしちょうどいいよね」
 ぎこちない手つきでなのはが傍らに置いていたリュックに手をかけた。リュックにはさっきのぬいぐるみがちょこんと顔を出している。
110176:2006/01/05(木) 10:19:02 ID:hJ5tjeN1

「ごめんね、くーちゃん。ちょっとどいててね」
 くーちゃん、というのはぬいぐるみの名前だろうか。可愛らしくて狐にはぴったりの名前だと思った。
 木の根元にぬいぐるみを座らせて、リュックの中を探るなのは。出てきたのは四角い箱二つに、細長い筒みたいなもの。
「その、あんまり作ったことないから味の保証は出来ないんだけど」
「もしかしてお弁当?」
 無言でなのはが首を動かした。
「この黒い方がユーノくんの」
「ありがと」
 受け取り蓋を開けた。流石に喫茶店の娘だけあって色とりどり鮮やかな食材が箱一杯に詰められていた。
 初めてみるものばかりだったけどなのはの気持ちが込められているのがすごく感じられる。赤、緑、黄色と色使いも絶妙で食欲をそそる。
 そのせいか今頃になって腹の虫がなった。お弁当がいい目覚ましになったみたいだ。
「あはは、飲み物は紅茶だよ」
 なのはが持っていたものは水筒だったらしい。コップを外し、注がれる褐色の液体。
「少し甘くないかもしれないけど、はい」
「大丈夫、ストレートはよく飲んでいたからね」
 受け取って一息で飲み干した。花のような香りが鼻腔をくすぐり、喉から心地よい清涼感が体中に染みていく。
「生き返るよ」
「暑いもんね」
 なのはもそれは同じらしくコップを手に取ると気分がいいくらいにぐいぐいと飲み干した。
「ぁ……ユーノくんと関節キスしちゃった」
 思い出したようになのは舌を出し悪戯っぽく笑った。
 また顔が熱くなった。
「恥ずかしいよ、なのは」
「えへへ〜」
「もう食べようよ」
「うん! いただきます」
 二人の昼食が始まる。僕はまず黄色い物体に箸をつけた。それなりの弾力で口に入れると程よい甘みが下に広がる。
「なのは、これはなに?」
「それは玉子焼き。……そっかユーノくんあんまりこっちの料理知らないんだよね」
「もしよかったら教えてくれるかな」
「うん、もちろん」
 なのはの世界の料理はミッドチルダと似ているようなものあれば、全然違う、見当もつかないものなどいろんなものがあった。特にミートボールは僕のお気に入りになった。
「でもすごいな、なのはは」
「お母さんに教えてもらったから、魔法は出来ても料理はまだまだかな」
「そうかな? なのはならきっとすぐに上達するよ」
 あの短期間であそこまで魔法を使いこなせるんだからきっと料理も本腰になればもっとうまくなれるはず。
「きっと将来は翠屋の二代目だね」
「そ、そうかな……? じゃあこんどお菓子作りにも挑戦してみようかな」
 俄然やる気になったなのはに次にも期待が持てそうで楽しみだ。
「ふぅ、ごちそうさま」
 やがて昼食を終えた僕たちは公園を後にした。
 次はどんな場所へ連れて行ってくれるのだろう。わくわくして楽しみで仕方がない。
111176:2006/01/05(木) 10:20:07 ID:hJ5tjeN1

「暑かったでしょ、はいレモネード」
「ありがとうお母さん」
「いただきます」
 カウンターの上に置かれた半透明の飲み物。程よい酸味と甘みが絶妙にマッチし、レモンの香りが清涼感を誘う。灼熱に包まれた街路を歩いてきた僕らにとってこのレモネードは何よりのご馳走だ。
「おかわりあるからね」
「すみません」
「いいのよいいのよ。その分お客様に飲むなり食べてもらうから」
 いいのかなそれって。
「そうだ! 二人とも今新作の開発中なんだけど、それ食べてみない?」
「新作ですか?」
「そう! 翠屋夏の赤字覚悟の目玉なのよ」
「お母さん、それはちょっと問題なのでは……」
 目玉商品で赤字覚悟って、確かにすごい売り文句だ。隣のなのはも引き気味だ。
「そうかもしれないんだけど、人の意見も取り入れないといい物は生まれない訳で。だから翠屋の未来の売り上げに貢献すると思って、お願い!」
「そ、それじゃあそれ一つ」
「僕もお願いします」
「はい注文かしこまりました。赤字スペシャル一つ!」
 そこまで言われるともう引き下がれない。僕もなのはも流されるままにその新作の試食をすることになってしまった。
 桃子さんはそれを聞いて目を輝かせ腕まくりまで始めている。なんだかすごい魔力みたいな気合が感じられる。
「じゃあ神速で、すぐに作ってきてあげるからね」
「他にお客さんがいるんだからそんなに急がなくてもいいから、お母さん」
「はいはい、子供は遠慮しないの。そんなに手間もかからないしね」
 そういうなり桃子さんはキッチンへと行ってしまった。
 僕もなのはも思いっきり手玉に取られてていたのは気のせいだろうか。
「あなた〜、ちょっと厨房借りるわね」
「えっ? 別に構わんが……って、待てそれは作るな、桃子!」
「いいでしょ、可愛い二人のためなんだから。予算オーバーしたらあなたの小遣いから引くし」
「可愛い二人って……話が見えん! それに俺の小遣いからっ――」
 賑やかな声が聞こえる。桃子さんのものすごいやる気が端々から聞き取れる。
 でも最後の士郎さんの言葉が突然遮られたのは一体……。
 むしろさっき桃子さんが一つと言っていたのはなぜ……。
「…………ねぇ、なのは」
「いつもはあんなのじゃないよ。今日だけだから、多分……」
 即答のなのは。なのは自身も桃子さんの勢いに圧倒されているのだろう。
 桃子さんの意外な一面を見た気がする。いや、むしろあれが本来の桃子さんなのかもしれない。 
112176:2006/01/05(木) 10:21:07 ID:hJ5tjeN1

「はい、お待ちどうさま!」
 カウンターの向こうが見えなくなった。何事かと思えば桃子さんの新作が置かれただけのこと。
(……これが……?)
 一瞬、山かと思った。
 どんぶりくらいはあろうかというガラスの器に真っ白な大山が鎮座している。もうもうと冷気が立ち昇り山肌には棒状のお菓子が何本も突き刺さっている。
 もちろん色合いを考えてかいろんな果物を添えて見るからに飽きさせない工夫がなされているのも見逃せない。
「お母さん、これなに……?」
「夏限定! 桃子さん全力全開ウルトラスーパースターライトジャンボパフェブレイカーカップルバージョン!!」
「な、長い……」
「略して桃子スペシャル」
 そしてほとんど略ではない。
「飽きないように下にはソーダを入れてみました。飲む時はそのストローでね」
「は、はぁ……」
 器のそこに満たされているこの液体がそうなのだろうか。確かに申し訳程度にアイスの隙間からストローが飛び出していた。
 よく見るとそれは二本あって隣り合うようにある。これだと同時に飲んだら顔が触れ合いそうだ。
「だから一つだったんですか……」
「カップル用を二つも頼んじゃ駄目よ、二人とも。それじゃ私は他の注文あるからこれでね。ゆっくりしていってね」
 桃子さんがまた奥へ消えた。
 後には真っ赤な顔の僕となのは。それに真っ白な赤字スペシャル……もとい桃子さんスペシャル。
「食べようか……ユーノくん」
「そうだね、なのは」
 前にも、ほんとすぐ前にもこんなことがあったような気がするのは多分気のせいではない。
 どうすればいい? 正直ヒュードラなんかよりよっぽどの強敵だ、これ。
「じゃあ、なのはスプーン」
「はい、どうぞ……」
 顔が引きつっている。手が震えている。怖気づいている。
 でも食べなきゃいけない。これはどうみても大赤字覚悟の一品だから。無駄には出来ない。
「いただきます」
 唱和して僕らはこの白い悪魔に戦いを挑んだ。

「う……ぷ……」
 敗北した。
「もう、だめ……」
 完敗だ。
 大体僕らの歳でどうにかできるほど甘くはない分量だった。バケツ一杯まではいかない。だけど一食分はある。
 芯まで冷えた体に痺れた舌。味覚なんて食べ始め一分で尻尾を巻いて逃げ出した。
「半分は食べれたかな……?」
「半分にはちょっと足りないね……。大丈夫なのは?」
「うん、ユーノくんは?」
「なんとか……」
 体は大丈夫だけど、どうしようほんとに。
 素直に残すべきだろうか。一応は意見を聞くための試食だし、赤字でも士郎さんのお小遣いから引くから問題ないみたいだし。
「もう二人ともなにやってんだか」
「えっ? あ、アリサちゃん!?」
 いきなりなのはの横から顔が一つ飛び出した。なのはの親友の一人、アリサ・バニングスだった。
113176:2006/01/05(木) 10:22:27 ID:hJ5tjeN1

「そうよ、アリサよ。で、こんな日曜日になのはは何をしてるのかしら?」
「え、あ……あはは、これはその」
「こんにちわ。えっと、なのはちゃんと……」
 僕の隣にはいつの間にかもう一人の親友である月村すずか。
「あっ、こんにちわ。すずか」
「へっ?」
「ゆ、ユーノくん!!」
 時、既に遅し。ああ、なんて馬鹿だ僕は。
 僕はすずかのことを知っているけど、すずかは僕の本当の姿を知っているわけ――ない!
 案の定、名前を呼ばれたことにすずかは硬直している。
「あの、どこかでお会いしましたか……?」
「き、ききき気のせいです!」
「そ、そそそうだよすずかちゃん!! わ、わた、わたしがね話したの!」
「にしては、よくすずかってわかったわね?」
「そ、それはあれだよ。なのはにしゃし! 写真を見せてもらったりしたから」
 呂律回ってない。
「な、なのはって……」
 今度はアリサが凍りついた。なにかいけないことでも口走ったのか。
「よ、呼び捨てにしてもいいってわたしがね、わたしが言ったの!」
「そうなんだ。だから僕もご好意に甘えて……」
 もう駄目だ。自分でもなに言ってるのか意味不明だ。穴があったら入りたい。だけど穴なんてどこにもなくて。
「まぁ、それはいいとして。ユーノって聞こえたんだけど、あなたの名前?」
「あ、うん!」
「…………フェレット?」
「世の中には偶然というものがあって」
「まさかユーノくんと同一人物……じゃなかった。同じ名前もあるんだなぁ、と」
 もう絶妙なコンビネーションの僕となのは。アリサが変なことを考え付く前に話題を終わらせる。
 大丈夫絶対ばれない、ばれるわけがない、むしろばれるかっ!
「ま、そんなことはあるわけないものね」
「そ、そう!」
「でもアタシ初めて会った気がしないんだけど」
「そう言われると私も、そうかも」
 ばれかけてる!? そ、そんなわけない。普通誰も信じない。人間になれるフェレット、じゃなくてフェレットがなれる人間。
(意味同じだよっ!)
 自分に突っ込み暴走する頭を静めようと必死になる。
(な、なのはどうすればいいの!?)
(わたしに聞かないで! ユーノくんこそ何とかしてよ)
 そうだレイジングハートなら……なんにもならない。
114176:2006/01/05(木) 10:23:25 ID:hJ5tjeN1

「まぁ、別にいいんだけどね。それよりもアタシが気になるのは……」
 アリサがとても厭らしくにやついて僕を見る。その目は悪戯っ子そのもので一体何をされるのか、思わず背中に冷たいものが走った。
「ユーノ……でいいのよね? なのはが呼んでるからそう呼ばせてもらうけど、あんたとなのは、どんな関係?」
「アリサちゃん、いきなりそんなこと聞くのは失礼だよ」
「な〜にすずか。あんたも気になってるんでしょ」
「……そうなんだけどね、でも大体見当ついちゃうかなって」
 笑顔で査定しないで欲しい。むしろ止めて欲しい。
「それでもなのはの口から聞かないと。もう、いつの間に男の子なんか連れて歩くようになったの」
「あ、あはは、それは長いというか短いというか……」
「ふ〜ん……でもこんなの食べてる所見たら随分進んでるのかなぁって思ったり」
 なぜだろう、アリサってこんな子だったかな。そりゃ、人間と動物じゃ態度も違うと思うけど。
 一つ言えるのはアリサは僕らをからかうのを純粋に楽しんでいることだ。
「ねぇ、なのは。ズバリ! どこまで進んだの?」
 なぜ九歳がこんな質問をするのだろうか。もう少しこういうことに関してはミッドよりも疎いと思ってたのにこれじゃほとんど一緒だ。
 むしろアリサが例外なのかもしれないけど。
「A? B? ……まぁ、Cはないわよね」
 気持ちいいくらいストレートでシンプルな質問だった。こっちでもこういうことはABCなんだ。
「そ、そんなわたしとユーノくんは……ユーノくんは……」
 初めての時を思い出しているのだろう。アイスに埋もれているさくらんぼに負けないくらい、これでもかってくらいに赤くなっている。
「……ごめん、なのは。聞きすぎたわ」
 なのはの様子にアリサが先に引き下がった。
「無理に言わなくていいわよ。まさかなのはがそんなになるなんて思ってなくて……」
「ごめんね、なのはちゃん。私からも謝る」
 すずかも一緒になって謝ってもなのはは相変わらず下を向いてもじもじしている。
 と、唐突になのはの口が開いた。
「したよ……キスは」
「え……?」
「好きだから……ユーノくんのこと」
 はっきりとなのは言った。
「そうなんだ、おめでとうなのはちゃん」
 すずかは落ち着いて僕らを祝福してくれた。
 対してアリサは
「あ、え? あ……」
 
115名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 10:24:34 ID:hJ5tjeN1

呆然としていた。
 そんなになのはの姿が予想外だったのだろうか。僕もなのはがこんなに大胆に出たことを驚いている。
「ほら、アリサちゃんも」
「う、うん……そのおめでとうなのは。まだ会ったばかりだからこんなこといえる立場じゃないけど、お似合いよ二人とも」
 促されアリサも僕らを祝福してくれた。
「ありがとう……すずかちゃん、アリサちゃん」
「僕からもありがとう」
 どうやら丸く収まったみたいだ。考えればこの三人は親友なのだから当然といえば当然なんだろう。
 突っ走るアリサに、ブレーキのすずか。そして間を取り持つ潤滑油のなのは。よく出来ている。
「なのはが選んだんだからあんまり言及しないけど、大切にしなさいよ」
「もちろん」
「よろしい。…………はぁ、なんか喉渇いちゃったわ」
「じゃあアリサもすずかもこれ一緒に食べない? まだこんなにあるから」
 小腹を埋めるには十分すぎる量のパフェ。四人がかりならきっとやれるはずだ。
「いいの?」
「どの道、残しかけてたからね、僕もなのはも」
「じゃあ食べようよアリサちゃん」
「そうね。幸せのお裾分け、貰いましょうか」
 こうして僕ら四人でこの悪魔の退治に向かったわけだけど
「あ〜、ギブ…ギブアップ!」
「私も……これ以上は」
「ユーノくん、後お願い」
「僕も…………だめ」
 結局食べ切れませんでした。
 後日、この桃子さんスペシャルは量から値段から思い切った削減をし、ちょうど二人で食べきれる量のものになったらしいです。
 ちなみにこのスペシャルはメニューに載らない、僕たちだけが知る裏メニューになりました。
 僕らしか知らないから僕らしか頼まないメニュー。だけどもう、頼まないと思うけど……。
116176:2006/01/05(木) 10:26:01 ID:hJ5tjeN1

長めの23話投下しました
いろいろと詰め込んだからとことんこんなものに
なんだか桃子さんこんなキャラだったかな?
そしてまたageるミスを……正月早々なにやってんだ……

>>549
保管庫に載せる時は誤字の修正できればお願いしたいなと
21話 最初の『謝りつつ……方の定位置へと登る』は方→肩
投下前にチェックはしてたのですが、残ってたみたいで
注文すいません、私のミスで手間かけさせてしまって

117名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 14:33:16 ID:OH6tSR2z
>>176氏GJ!
アリサとすずかがええ味出してますなぁ〜
118640:2006/01/05(木) 19:27:44 ID:V/ghq2wU

────ああ、本当に強くなった。この子も、フェイトも。

光の刃のその軌跡を見ながら、膝の上にその身を預けているアルフの額を撫でながら。
リニスは心穏やかに教え子達の成長を喜んでいた。

もうあまり時間はない。主が消えようとしている今、従者たる彼女の身もまたほどなくして消えることだろう。

(三回目、か。この世からいなくなるのはこれで。それはそれでちょっと珍しいかもしれませんね)

三回も生きることができたと考えるべきか、三回も死ぬ羽目になったと考えるべきか。

けれど消えたくないとか、残っていたいという思いはあまりない。
この三度目の生は短かったけれど、最後には満たされることができたから。

心残りが全くないわけではない。
だが主の魂を救い、教え子達のその姿を目に焼き付け。
彼女達の幸せを願いそれがきっと叶うことを確信して消えていくのだから。
自分にとって、十分に満足できる終わり方。

一度目のときのような唐突さや二度目の時のような悔いを残した形とは違う、自分にはもったいないくらいの結末にさえ思える。
(・・・いきなさい、フェイト、アルフ。それに、アリシア。プレシアとは・・・私が共にいきます)

上空では紅い閃光が光っている。

自分の身体が消えていくことを実感しつつ。
リニスはその膝から、眠るアルフを静かに下ろし横たえたのだった。



第四十一話 終焉の光の中で



金髪の少女達を行かせるため。彼女達の想いのつまった攻撃を、通すために。
一筋の光の柱が魔力の壁と激突し、砕いていく。
アルフの一撃によって僅かに傷ついていたそれは光の噴流に、わずかに耐えつつもその勢いを止めるには至らない。

スターライトブレイカー。
なのは達に残された最後の切り札は、正に使うべき時に使われ、
その切り札としての効果を遺憾なく発揮していた。

「行って!!フェイトちゃん、アリシアちゃん!!」

魔力が残っている必要はない。全て、この一撃で使ってしまってかまわない。
二人の攻撃を通すのが、今自分達に課された使命。
なのはは自分のすべき仕事を十分にわかっていた。
だから、ありったけの力を込めてスターライトブレイカーを撃つ。
119640:2006/01/05(木) 19:29:25 ID:V/ghq2wU
───なのは!!───
自分達のため、傷ついた身体で現れた少女。その力を、無駄にするわけにはいかない。
彼女の名を叫び、フェイトは空を翔る。
そしてそれはまた、なのはだけではなく。

「「ストラグルバインドッ!!」」

「クロノ!!ユーノ!!」

バリアー崩壊と同時に魔力の鎖によってプレシアの四肢を拘束する、二人の少年についても同様だった。


「いけ!!フェイト!!アリシア!!」
「ここは・・・・僕達が絶対に・・・、動かさないから!!」

バリアーに損傷を与え、時間を稼ぐためプレシアへ向かっていったアルフ。
フェイト達の攻撃を届かせるためブレイカーを放つなのは。
標的を逃さぬよう、渾身の力でバインド維持するユーノとクロノ。

みんなが二人に、力を貸してくれていた。

(アリシア、フェイト)
「!!」

そして、アルフをその膝に抱えたリニスが、見守っていた。全てを思い出した、フェイトの先生。

(・・・プレシアを、解放してあげてください)
───リニス・・・───

(お願いします・・・。娘である・・・あなた達、二人の手で!!)

彼女だって、わかっているはずなのだ。
使い魔という存在である以上、その身は主と共にあり。
今のプレシアが消えれば、その魔力でその生命を維持している彼女も共に、この世からいなくなるということに。
それを分かった上で主のため、愛おしい者たちのために。
フェイト達にプレシアを討てと促している。その後に残るのが少女達との別れであったとしても。

「・・・行くよ、フェイト」
その想いを。
───うん。・・・・バルディッシュ───
仲間達から受け取った力を。

『scyth slash,power full drive』

全てを、一撃に込めて。

───さよなら、母さん・・・・───
「どうか、安らかに・・・・!!」

母との二度目の別れは辛くて、わずかでも躊躇えば、鎌の刃は止まってしまいそうだったけれど。
二人だから、大丈夫。二人だから、耐えられる。二人だから、躊躇わない。
みんなの後押しを受けた、フェイトとアリシアの二人だから。

フェイトが止まりそうになればアリシアがその手を動かし。
アリシアが躊躇すればフェイトがその身を疾駆させる。

母との別れの痛みを、苦しさを分け合おう。だって二人は世界でたった二人だけの「同じ存在」なんだから。
120640:2006/01/05(木) 19:31:24 ID:V/ghq2wU
「うああああああぁぁっっっ!!!!」

想いを断ち切るがごとく発せられた気合の叫びとともに、光刃が振り下ろされる。
刃は正確に、プレシアの身体を捕らえていた。
本当の母、人間ではなくても、人を斬るという行為に対する生理的な嫌悪感が、全身を巡っていく。

「!!」
切り裂かれ倒れ行く母の表情は他でもない「これでいい」、さもそう言いたげに微笑んでいて。

───母さん・・・・!?───

「元気、で」

唇が紡ぐ微かな声は確かにそう発音していた。
そして声の出なくなったその口の動きは、「アリシア」と。そして。

・・・────そして、「フェイト」と。

あまりに短い時間。二人に対して笑っていた。

「お母さん!!」

母の声、表情にとっさに手を伸ばした二人の視界は、しかしながら。
力を使い果たし彼女たちの状況を見守るなのは達もまた共に。
鮮血にかわり噴出する紅の魔力の光によって、包まれていき────・・・・。





121640:2006/01/05(木) 19:39:22 ID:V/ghq2wU





そして、その中心で。
母に向かい手を伸ばしていたはずの二人は、不思議な夢をみていた。
夢か現実かはわからないが、夢見心地であったことに変りはない。

つまりは、現実感に乏しいということ。

なぜならフェイトは、なんだか身体が軽くなっていくような、何かが抜け出ていくような感覚を覚え。
一方でアリシアは、何かに吸い込まれていくような奇妙な思いを抱いていたのだから。

(フェイ、ト・・・・?)
(アリシ、ア・・・)

彼女達は、互いの視線の先に。
もう一人の自分が、己と同じように。
紅き閃光───それは先ほどまで母が行使していたものと違い、柔らかな赤であったが───に包まれ、佇んでいるような錯覚を感じていた。

おかしい。

自分達は、「二人で一人」のはず。

だとすれば目の前に居るのは、一体誰なのだろう。

そこにいるのが、誰かはわからなかったけれど。
薄れゆく意識と視界の中で、彼女達は確かに。
自分を抱きしめるだれかと、自分の腕の中に包まれる誰かのぬくもりを感じていた。

なんだかそれは自分にとって、かけがえのない存在であるような気がした。
122640:2006/01/05(木) 19:48:15 ID:V/ghq2wU
前ふり長っ。というわけで41話です。
・・・はい、ついにこれも含めてラスト3話です。
今後のshe&me投下予定

42話 「終結のあと」
最終話「innocent starter」 の予定です。

目標は今週もう一話投下&来週中の完結ということで
もうすこしお付き合いくださいorzホントごめんね

>>176
初々しいカップルキタコレお友達紹介キタコレ
もうキタコレ連発で読ませていただいてます。

>>93
がんがれ超がんがれ
123名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 21:53:23 ID:t8DetQSE
今日はなんかすごいな。GJ!GJ!GJ!
124名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 22:11:07 ID:aYyG/Fh7
砲撃2発キタ━━(゜∀゜)━━!!

>>176
ものすごくフレッシュなカップルが(・∀・)イイ!
アリサきっついw

>>640
長編、ついに後2回ですか…
待ち遠しいような悲しいような(´・ω・`)
ってか絶対本で出せますよこれw
    she&me
    原作:都築真紀 著:640    みたいな…
125176:2006/01/06(金) 01:33:58 ID:klQ3xkRq

24 君を抱きしめて

 あれからしばらくして僕らはそれぞれの帰路に着いた。まだアリサは僕たちのことが聞き足りなさそうだったけどすずかに諌められて納得してくれたみたいだった。
 二人と別れた後、僕は桃子さんの提案でまたなのはの家で夕食をご馳走してもらうことになり、二度目の、人としての訪問をすることになった。
「初々しいなぁ、ほんとに。なんか恭ちゃんが忍さんを家に連れてきたときみたい」
「ご、げほっ! ……美由希、あまり変なことを言わないでくれ」
「だってかーさんから聞いたよ。二人であの赤字スペシャル食べてたんでしょ?」
 ある意味安らげる場所にはならなかった。ここではアリサの代わりに美由希さんが僕らの仲を聞いてくる。
「でもやっぱり量が多かったみたいなのよね……」
「だから俺はあれほど言ったんだ」
「あなたや恭也なら一人でも平らげちゃうから大丈夫かなって」
 なんであんな突飛な量だった理由はこの二人にあるんだと思った。やっぱり武術をしているとよく食べるんだろう。あれを平らげてしまうくらいなのかは別として。
「だが俺としては本当に二人がそういう……まぁ、なんだ、男女の付き合いをしているのか気になるわけだ」
「母さんが勢いで押し切った可能性だって捨てきれないしな」
「……そりゃ少しはそんなことはしたかな〜って気もしないけど」
 思いっきりしてますよ。
 桃子さんは僕が考える以上にお茶目だった。
「まぁ、それはこれから見極めればいいか。……だがなのはは俺と桃子の、もちろん恭也、美由希にとっても大切な家族だ」
 士郎さんの目が真剣になる。眼光鋭く、それは見た人間を根こそぎその場に縫い付けてしまいそうなほどの威圧感を与えた。
 背筋が凍り、僕は一瞬で雰囲気に飲まれた。もしこれが戦場だったら確実に、瞬き一つした瞬間に
(やられる――!)
「だから俺はここで声を大にして言いたい事がある。……いいか、ユーノ君」
「は、はい!」
 歴戦の猛者は僕に何を言うつもりなのか? わからない、まったくもってわからない。
 まさか決闘の申し込みなんてことはないだろうけど。
 喉が意識していないのに大きく動いた。
 そして静寂が破られる。士郎さんが口を開く。
「嫁にはやらん!!」
 いろんな意味で……やられた。
「なのはは可愛い娘だ! いいか、そんなに家の娘が欲しければ俺を倒して乗り越えろ!」
「お、お父さん! なんでそんな話になるのっ!?」
「いや、ドラマとかでよくあるだろ? こんな話。お父さん一度やってみたかったんだよ」
 実際そうだったら、多分誰もなのはをお嫁さんには出来ないです。
 この人も桃子さんと同じで……お茶目だ。
「もう、ユーノ君を怖がらせてまでやることないでしょ」
「いや、すまん桃子。……でも嫁にやりたくないのは本音だからな」
「とーさん……それものすごく先のことだよ」
「だな」
 この世界じゃ何歳で結婚できるんだろうか。みんなの話からだと少なくとも五年や六年ちょっとものではないんだろう。
「まずは清く正しく、清純な男女交際をしなさいね」
「は、はい」
 今日は顔がよく火照る場面が多いな。
 そんなこんなで夕食も終わり、僕は前と同じく家を出て、雨どい伝いになのはの部屋に戻った。
126176:2006/01/06(金) 01:35:04 ID:klQ3xkRq


「お帰り、ユーノくん」
 笑顔でなのはが出迎えてくれた。この前のように待つことがないのは嬉しい。
「ただいま、なのは」
 僕も笑顔でなのはに応えた。フェレットだけど人間のつもりで。
「はぁ……今日は楽しかったね」
「いろんことがあったしね」
 二人で町中を歩いて、ゲームセンターでぬいぐるみを取ってあげて、お昼ごはんを食べて。
「アリサちゃんたちにあんなこと言っちゃったけど」
 翠屋で桃子スペシャルに果敢に挑んで、アリサやすずかと会って、思わず口を滑らしたりなのはが大胆なこと言ったり……。
「本当のことだし、大丈夫だよ」
「……うん」
 晩御飯でみんなと話して、新しい一面を知って。
 今日一日は僕の新しい世界を見つけた日であり、その世界を冒険する日でもあった。
「大切な……思い出になるよ」
 胸に手をあてなのはは噛み締めるように口を結び俯いた。それはもう、楽しかったことを振り返るような姿ではなかった。
「……なのは?」
 いつしかなのはは体に重苦しい雰囲気を纏い震えていた。
 何かがスカートに弾け染みを作った。
「…………やだよ。わたし……ユーノくんと離れたく……ないよ」
「離れたくない……?」
「本当のこと言って……今日なんだよね? リンディさんとの約束の日」
 後ろ頭を思い切り殴られたような衝撃が、全身へ、心へ叩き込まれた気がした。
 忘れていたわけでない。僕だってそのことは覚えてる。あの日にリンディさんが最後に話した言葉。
 ――私の元で働いてみない?
 それは管理局に属するという意味でなく、リンディさん個人の願い。
 ――あなたの可能性を見て見たいの。
 結界魔導士としてその実力をもっと大きく伸ばせるように、彼女が僕にくれた一つの選択権。
 リンディさんは前々から僕のことを自分の下で結界について学ばせたいという意図があったらしい。それが今回の一件を経て、より強く思うようになったということ。
 時空管理局の提督、直々の誘い。そんなことおそらく今まで誰もない大変な名誉なこと。
「……そうだよ」
 リンディさんは個人的趣味だから無理強いはしないと言ったけど、その話を聞いた時、僕の意志は最初から決まっていた。
 それは結界についてより深く知りたいという知識欲求であり、自分の可能性を見てみたい好奇心であり、そして
「答えは決まってるんだよね?」
 他ならぬ、なのはのために。
 傷は癒えもう痕も残ってない右腕。でも確かにここに刻まれている。鮮血の証が。
 僕は確かにヒュードラの一撃からなのはを守った。だけど完全に守りきれてはいなかった。
 なのはは僕のせいで感情を乱し、あわや最悪の事態さえ招いてしまうことに成りかねなかったんだ。なのはは守れたけど、僕はなのはの心まで守って上げられなかった。
127176:2006/01/06(金) 01:35:43 ID:klQ3xkRq

「うん……隠すつもりはなかったんだけど」
 だからあの日一番星を見上げた時よりも、もっと強く僕は想った。守りたいと。
 鋼の決意。叶わせる願い。
「今日が楽しすぎて……言うの忘れてた」
 本当は今日一日だけ全て忘れようとしていたのかもしれない。約束の期日だというのにだ。
「わたしは忘れなかったよ。リンディさんに言われた時から」
 リンディさんも人が悪い。僕にだけ話してくれればよかったのに。
 いや、リンディさんはこうなることを見越していたから、なのはにも僕のことを話したんだと思う。
「だから今日一日は特別な日に、とびっきりの思い出にしようって……」
 なのは声は掠れている。なのはの精一杯の気持ち。それが今日という日なんだと痛いくらい心に響く。
「ユーノくんが……この部屋からいなくなっても……頑張れるくらいの思い出にしようって……」
 僕はやっぱり馬鹿なのかもしれない。ずっと見てきたじゃないか、なのはのこと。
 なのはは本当に誰かのためになると自分のことを顧みないくらいに尽くそうとする。それは確かに素晴らしいことなのかもしれない。
 だけどそうやって自分を押し込めるたびに傷つくことをなのは気づいているのだろうか。……気づいてはいない。気づいてても気づかない振りしてる。
 ジュエルシードを集めることに頑張る余り、アリサと喧嘩したと前に聞いたことがある。アースラに乗り込んだ時は学校を休むようなこともした。
 かけがえのない日常を犠牲にしながらなのはは誰かために力を尽くす。そこまでなんで出来るのか、最初は僕もわからなかった。
「……なのは」
 もうこの姿でいる意味はない。僕は変身を解いた。
 一人泣き続けるなのは。いつもよりずっと小さく見えて、助けを求めるように震える体。
 そっと両腕でなのはを抱きしめた。
「……ユーノく……ん……!」
 僕の背中にもなのはの腕。強く、離れないようにぎゅっとしている。
 なのはに聞かせてもらったことがある。小さいころ、士郎さんが大怪我をしてなのははずっとこの家の中に一人でいたことを。
 今よりもずっと小さかったなのは。その子にとってこの家はきっとすごく広く思えて、その只中に独り残されてしまった孤独はすごく辛くて酷なものだった思う。
 寂しくて、悲しくて……僕は一人だったけど独りになることなんてなかった。いつも、どんな時も傍らには仲間がいてくれた。でも、なのはにはそれがなかった。
「なのは……」
 今だから思える。なのはも絆を求めていたのかもしれないと。
 誰かと繋がっていれば独りにはならない。支えてくれる人がいれば泣くこともない。悲しい気持ちになんてなるわけがない、むしろ楽しくて笑いあえるのかもしれない。
 手に入れたばかりの絆。それが今なのはの手から離れようとしている。
(離れようとしているのは僕……)
 それでもなのははそれを自分の中に押し込めようとしている。僕が、飛び立てるように。
(でもきっと、なのはは一人では飛べない)
 こんな時だけでも我がままになって欲しい。でもそれはなのは自身望んじゃいない。望めば僕は飛び立てないから。
128176:2006/01/06(金) 01:37:04 ID:klQ3xkRq

「ユーノくっ……ん……ゆーの……くん!」
 連絡が取れればどれほどよかったか。リンディさんは言っていた。今度のアースラはこの世界からずっと離れた辺境へ任務に行くと。便りを送っても、何時着くか分からないほど遠くの場所に。
 咽び、泣き続けるなのは。どうすればなのはも僕も飛び立てるようになれるのだろうか。
 どんなときも笑っていられるような強さをもてるのだろうか。
 答えが出ない。出せない。
「……僕は」
 繋がっていられる。信じ続けられる。そんな都合のいい物はあることはある。それだけ強い絆を結ぶことの出来るたった一つの方法がある。
 でも僕はそれをこんな形でしたくなかった。
「……なのはのことを傷つけるかもしれない」
 そもそも、早すぎる。僕がやろうとしていることをなのはは理解できないはずだ。きっと嫌われる。
「……でも、それでもいいなら」
 焦がれあう二人に許された互いを求め、確かめ合う儀式。
「……なのはを抱きたい」
 僕の腕の中、なのはは言葉の意味を分かっていたのだろうか。一際強く、腕に力が入った。
「…………知ってるよ。わたしもよくわかないけど……でもユーノくんのこと好きだし……信じられるから」
 潤んだ瞳に僕が映った。頬は桜色に染まり、僅かに開いた唇が返事を紡いだ。
「いいよ。なのはに大切な思い出を……ちょうだい」
 心臓が高鳴った。
 そうだ年齢とか関係ない。
 好きの気持ちは止められないんだから。互いが望むなら答えは一つしかない。
「……好きだよ」
 おもむろに唇を重ねた。二度目のキス。
 肩を抱きゆっくりとなのはをベッドへと横たえる。不安げな視線が僕を見つめた。
「大丈夫……だと思うから」
「うん…………わかってる」
 電気を消した。流石になのはも恥ずかしいだろう。
 闇に包まれる部屋。窓から差し込む月明かりが唯一の光でそれが僕らを照らし出す。
 もう一度、僕はなのはにキスをした。それは始まりの合図。
「緊張……するね」
「僕なんて心臓破裂しそうだよ」
 微かな光なのになのはの顔が赤いことがよくわかった。なのはからも僕の顔は丸分かりなんだろうな。
 そして僕たちだけに許された夜が幕を開ける。月明かりに見守られた夢か現か、幻想的なこの世界で――。
129176:2006/01/06(金) 01:37:37 ID:klQ3xkRq

ええ突っ走ってますよ、それが何か?
いよいよユーノ君の股間が盛り上がり始めました(オイ
エロエロになれるよう頑張りますので
スケジュールにも段々と余裕がなくなってきたのでここ二日以内には
完結します。おそらく後2話でしょうか

>>640
なんだかもうGJも言えません
GJ以上の出来で褒め言葉が出てきません
とりあえずこれどうぞつ/(・ワ・)\フェイー♪
130名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 07:06:44 ID:imlrmoYD
>176氏 正座して待ってます、全裸d(ry
131名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 07:36:57 ID:EYg4JjXq
>>176さん
お待ちしてます
全裸の人がいるから、自分は裸Yシャツで



なのはたちのスリーサイズの設定ってあったっけ?
132名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 07:55:53 ID:kJKekcOk
最近は小○3年生にまでスリーサイズ設定を付けるようになったのか…
133名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 15:50:03 ID:peyOEdET
>176氏 これだけの分量乙。
そして、らぶらぶはいいですなぁ。

ここの書き手たちはホントすげーな。549氏も、640氏も……。
俺も文章の練習兼ねて書いてるけど、とりあえず93さんも書いてるらしいし、
変に供給過多になっても読むほうとしては何だよな……。

まあ、いつか隙を見計らってっ
134640:2006/01/06(金) 21:37:58 ID:vsi25QRE
第四十二話 終結のあと

「『・・・・・以上が本事件の、即ち「第二次PT事件」の概要である』・・・っと。こんなとこかな」
きりのいいところまで書き終えるとエイミィは、キーボード上を走らせていた両手を休め、息をついた。

「・・・まぁ、フェイトちゃんには、また辛い事件だったんだけどね・・・・」

未だ艦内の医務室で眠り続けている金髪の少女。その顔が、嫌でも頭に浮かんでくる。
プレシア・テスタロッサに、リニス。彼女にとっても妹のような存在の少女は再び、大切な人を失った。

「・・・・、空だったか、残念」

飲み干してしまおうと手を伸ばした机上のマグカップは、既に空っぽだった。
それがなんだか、改めてフェイトの大切なものを失った心を暗に示しているようで。

「・・・大丈夫、だよね」

あの子は大切なものをまだ、持っている。
リンディ艦長にしろ、クロノにしろ。失った二人の代わりというわけではないけれど、彼女は空っぽではない。
・・・それに。

「エイミィさん、お茶のおかわり、持ってきました」

丁度今部屋に入ってきた、「この子」だっているんだから。
湯気の昇る新しいカップを受け取りながらエイミィは、少女へと微笑みかけた。
彼女がいつも、フェイトに対してそうしているように、いつも通りの笑顔を向ける。
「さん付けなんてしなくていいよー、エイミィで結構結構」
「は、はい」
「そう緊張しなさんなー・・・・お?」

手元の内線が、コールを告げていた。発信先は─────彼女の眠る、医務室だった。





135640:2006/01/06(金) 21:38:47 ID:vsi25QRE



「ん・・・・」

うっすらと目を開けた先に映るのは、安堵したような表情の義母と、心配げに覗き込む己が使い魔。
そして部屋の中を照らす、天井の明かりの白さ。

「リンディ・・・提督・・・?アル、フ・・・?」
「フェイト・・・」
「よかった・・・目を覚ましてくれて・・・」

───自分は一体、何をしていたのだろう。どうして二人はこんな表情でいるのだろう。

薄ぼんやりとした頭でまず考えたのは、そんな他愛もない疑問。
だがその答えがすぐに出せるほど、彼女の意識はまだはっきりしてはいない。

「ここ・・・?私・・・確か・・・」
「まだ、寝てなさい。起きてはダメよ」
あまり焦点が合っているとは言い難い目で周囲を見回し、起き上がろうとするフェイトを、リンディが押しとどめる。

「事件は無事解決したわ。あなたのおかげよ、フェイト。・・・だから、ゆっくり休んで」
「・・・はい、リンディお母さん・・・でも、兄さんや、なのは達は・・・?母さんは、リニスは・・・?」

いくらかしっかりしだした意識は、それでもまだ時折掠れそうになるけれど。
ベッドに全体重を預けている間はなんとか話せそうだった。

「ここにいるよ、僕は」

義妹の問いに答えるように、リンディの横からクロノが顔を見せる。その頭には包帯が巻かれていて、感じる魔力もいつもより遥かに少なかったけれど。
そこにいるのはクロノに間違いなかった。

「兄さん・・・」
「なのはもユーノも無事だ。だから心配するな」
「本当、に・・・?」
「ああ。・・・だが、リニスとプレシアは・・・・」
言葉を濁すクロノの顔には、まだ回復しきっていない妹に現実をつきつけることへの躊躇が浮かび。
そのことを察したフェイトもまた、安心しかけていた表情を若干曇らせる。
「そう・・・」
わかってはいた。母を斬ったのは、この手なのだから。
その感触は今でも残っている。それでもあれは夢だったと、二人が無事であると願いたいのは、彼女の「娘」としての性なのだろうか。
「フェイト、だけど」
「・・・え?」
それまでだまっていたアルフが主の思いを察し、口を開く。
「リニス、笑ってた。ほとんどあたし見えなかったけど、そこだけははっきり見たんだ。消える前に笑ってたよ、リニス」
「リニスが・・・?」
「ああ、そうさ。だからフェイトは・・・あたし達はリニス達を救ったんだ。気に病む必要なんてないよ」
「アルフ・・・」
136640:2006/01/06(金) 21:39:30 ID:vsi25QRE

あの時、魔力光の中倒れゆく母も、確かに笑っていた。
それは本当に、自分達が正しかったからなのだろうか。母があの結末に満足していたからなのだろうか。

「・・・・そう・・なのかな」

自分のことを思い必死に励まそうとするアルフの心はうれしかったけれど、アルフの言うように思いたかったけれど。
生来の考えすぎてしまう性格がそれを邪魔していた。

「きっと、そうだよ」

リンディ達の背後から聞こえてきたのは、聞き間違いでなければ友の声。
なんでそんなところから?と顔を向けてみると、そこにはベッドがあり(医務室なのだからあって当然なのだが)、
その上に横になったなのはが、いつもの笑顔を向けてきていた。そしてその側らには、フェレットの姿のユーノも。

「なのは・・・」

「自信を持って」
「・・・」
「プレシアさんとリニスさんを、信じてみようよ」
たった一つの目的と、主の願い。細かい点は違えど、一点に向かって殉じていった二人のことを。
「ね?」
「・・・・うん、ありがとう、なのは」
「ううん、フェイトちゃんにはやっぱり、笑ってて欲しいもん。ね、アルフさん」
「・・・ああ」

そしてなのはの身体を気遣うフェイトに、なのはは魔力が完全に底をついたこと、
操られていた後遺症か体がまだあまり自由に動かせないことを苦笑しながら告げる。
しばらくは二人並んでおやすみなさいだね。そう言って笑うなのはに、フェイトも安堵と共に微笑みを返す。
なのはから言われると、このうごけない状態もけっして悪くはないような気がしてくるから不思議だ。
きっと沈みそうになっていたフェイトを元気付けようとしてくれているのだろう。その友としての心遣いが、嬉しかった。

笑顔を見せだしたフェイトに安心したのか、みんなの分の飲み物を取ってくるというリンディとクロノは部屋を出てゆき、
アルフは緊張の糸が切れたようにイスへと座り込む。

部屋を、穏やかな空気が包んでいた。


(・・・君はどう?アリシア。どこか変なところとかない?大丈夫?)

137640:2006/01/06(金) 21:40:54 ID:vsi25QRE
だから。

だからこそ、何の気なしに彼女は聞いてみた。なのはとのとりとめもない話の中、ふと。
己がうちにいるはずの、もう一人の自分へと。自分が無事である以上彼女も無事であることはわかっていたけれど、ただ何の気はなしに。
すぐに答えが返ってくるだろう、そう信じた上で。自分となのはが話し込んでいると、参加しづらいのかもしれないとも思っていた。

・・・・・しかし。

(・・・アリシア?)

返ってくるべき返事が、なかった。

(アリシアってば)

「・・・フェイトちゃん?」

(アリシア!!)

何度呼びかけても、居るべきはずのもう一人の自分から、声は聞こえてこない。

(どう・・・して・・・?)
一緒だって言ったのに。二人でひとつだって、言ったのに。どうして。
母さん達と共に行ってしまったというのか。

フェイトの身体の中に、既にアリシアという存在はいなかった。
どこかに、いってしまったかのように消えうせていた。

今フェイトの身体の中にある意識は、フェイトただ一人だけ。そう結論付けざるを得なかった。

「そん、な・・・?」
「フェイトちゃん?どうしたの?」
「フェイト?」

一気に、血の気が引いていくのが分かった。フェイトのその様子に、部屋に残った一同も心配そうに声をかけてくる。

(どうして?どうして?アリシア・・・なんで・・・)

半ばパニックを起こしつつあったフェイトに、医務室へと近づいてくる駆け足の足音に気付く余裕はない。

「フェイトちゃん?」
「あ・・・アリシアが・・・アリシアが、私の中から・・・・」

消えてしまった。そう思ったのだけれど。

「フェイトッ!!!」

さほど広くはない部屋に、女の子の声が響き渡る。

「!?」

自動ドアが開くと同時に慌しく駆け込んできた影は。
入ってくるなり、フェイトの名を叫んだその蒼い瞳の少女は。
そして今自分を抱え起こし抱きしめている少女は。

その金色の髪こそ結ってはいなかったけれど、フェイトと全く同じ顔をしていた。


138名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 21:42:02 ID:peyOEdET
失礼。>133だが、変な文章書いちまった。
別の書類の片手間に書き込んだもんだから、悪い方向に深読みできる文章になっちゃってるな。

用は、「俺が今自分の駄文落としても読むほうは混乱しちゃうよな」ってこと。
ま、こんな凡ミスしちまう程度の文章力なんで忘れてくだせぇ。
微妙な発言でスレ止めて失礼。

とはいえ、カキコそのものは少ないようだけど、ここって結局どのくらいの人がみてるんだろ……?
139640:2006/01/06(金) 21:55:45 ID:vsi25QRE
宣言どおりってきついねorz明日も忙しいし今日書かなきゃ
今週中ムリぽだったので取り急ぎ42話投下。
来週で前作からの続き物は終了となります。
以降はA’s最終話に準拠した話を不定期に投下していくと思われ。
今書いてるエロとアフターも完結させないとですし。
とりあえずラスト一話リリカルマジカル頑張りますorz

>>176
ああ遂にユーノが大人になる瞬間がorz
こうやって少年は大人の階段を(違

フェイトはおいしくいただ(以下自粛

>>124
いや無理無理ノシ
本編には遠く及びませんて。
一話書くたびに都筑先生の凄さを実感させられますもん
俺なんて・・・・orz

>>133
待ってるからがんがれ超がんがれ
140名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:29:02 ID:nRb6+xOe
誰だよ前スレで闇の書暴走させたの…w
141名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:40:53 ID:nRb6+xOe
>>640
>リリカルマジカル頑張りますorz

\頑張るのにヘコんでてどーするのっ/
  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ⌒*( ・x・)*⌒/(・_・ )\
      Σorz

…とにかくがんがってくださいb
ってかあなたも十分凄いですから〜w
142名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:42:34 ID:nRb6+xOe
う…携帯の等幅フォントで文字打ったら激しくズレてるorz
143名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:48:13 ID:P7Lt0wCE
kk
144名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:56:40 ID:P7Lt0wCE
魔法少女リリカルなのは総合エロ小説読みました。とりあえず、
「−−○○新聞の記事より抜粋−−」を書いた人と、
「魔法少女リリカルなのはA’s If ─砕かれし力、折られし心─」を書いた人は
殺す気満々なんでそのつもりで、
って言ってもここは第四話なんでここで言っても無駄かもしれませんが
145名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 00:20:06 ID:0O+4Ne4i
ユーノって無限書庫の司書になった時から皆に心配かけそうだよね。
貴重な古代魔法の本読んだり、論文書く為の参考資料を3〜4週間熟読してて
連絡が途絶えたりとか…
146名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 00:30:56 ID:uGmuCzxh
>>144
なんでそんなにキレてるんだい?
147名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 00:37:19 ID:UbiBCVej
>640氏 殺人予告されているよw
とりあえず、She&Meが完結するまで勘弁してくれw
148名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 01:02:47 ID:L242U2v7
>>144
マジで通報したわ。
149名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 01:39:22 ID:s+suXK72
>>144
何考えてるの貴方
あんまりそういうことするとドリルの都築貼るよ?
150名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 01:40:07 ID:s+suXK72
・・・間違えた
都築→続き
ドリルの都築って何よ
151名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 01:57:03 ID:s+suXK72
はぁ・・・
152549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/07(土) 02:28:28 ID:xtuzAM8r
A's漫画6話の裏話物です。
なのは&フェイトのおこたでラブラブ、ソフトでライトなH


のはずでした、最初の予定では。
まぁ、1/4に間に合わなかった時点でアレですが。

作中、昨夏頃に書いたSSネタが言及されていますが、
読んでいなくても支障はありません。

約10KB、5レスです。
153(1/5) 549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/07(土) 02:29:03 ID:xtuzAM8r
魔法少女リリカルなのはA's
Unofficial Report Y 「エースたちの……」

1月4日(水) 9:25AM 高町家 和室

「今日も静かだねぇ」
 私はいま、なのはの家にお邪魔している。正確には昨夜からお泊まり
しているのだけど。
「お正月だからねぇ」
 なのははコタツに入ってぽぇーってしていて、戦闘の時のりりしさは
まったくない。でも、そんななのははとても可愛いし、きっと横でミカ
ンをむいている私もだらけていると思う。
「こーゆーお休みもたまにはいいねー」
 学校は冬休みだけど闇の書事件の後始末とか、こちらの世界の年末年
始行事とかで慌ただしく、やっとゆっくりできたのは昨日ぐらいから。
「うん」
 私がミカンをむき終わると、寝そべっていたなのはがあーんと口を開
ける。まるでえさを待つ雛のようで、愛らしすぎてついつい頬が緩んで
しまう。
「はい、あーん」
 手を伸ばしてなのはの小さな口に入れてあげる。なのはの魔力光と同
じ薄いピンクの唇が閉じ、むぐむぐと口が動く。あの色はこちらの世界
の花にちなんで桜色とも言うらしい。前に見せてもらった入学式の写真
は満開の桜がすごく綺麗で、そこに写る小さななのははとても愛らしかっ
た。
 そのころの私にはまだアルフはいなくて、リニスが私を育ててくれて、
母さんはもう静かに壊れはじめていて。
「はむっ」
 その唇が私の指をくわえた。驚く私を尻目になのはの舌が指に絡みつ
く。はた目から見たらキャンディをなめるているように見えるだろうけ
ど、なのはがなめているのは私の指。
「……なの、は?」
 我に返った私が声を出すと、なのはは少し名残惜しそうにちゅっと吸っ
て、私の指を解放した。でも、指と唇は透明な糸でつながっていて、指
先も濡れててかてか光って。
「だってフェイトちゃん、わたしが食べ終わっても手を伸ばしているか
ら」
「えっ、そ、そう?」
 そんなにしてたのかな……してたのかも。ずっと見られていたのかな。
は、恥ずかしい。あ、糸が切れちゃった。ちょっと悲しい。
「フェイトちゃん、ミカン食べないの?」
「た、食べるよ」
 皮をむかれたミカンから粒をひとつ取る。そのまま口にほうり込もう
として、それに気が付いた私はゆっくりとそれも一緒に口へ入れた。
(なのはの、味……)
 ミカンの粒をろくに噛まず飲み込み、なのはと同じように自分の指を
なめる。甘い甘い味。ミカンの味かもしれないけど、きっとなのはの味
も混じってる。なのはには私の味、したのかな?
154(2/5) 549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/07(土) 02:29:37 ID:xtuzAM8r
「今度はわたしがしてあげる。だからあーんってして」
 なのははコタツに寝そべったままミカンには手を出さず、ただにっこ
り笑って。でも頬はおとそを飲んだんじゃないのに、ほんのりと赤くなっ
て。
「そんな。いいよ、なのは」
 わたしはなのはの意図を悟ってそれを拒んだ。まだ朝の時間だし、今
は家の中に二人だけど誰か帰ってくるかもしれないし、それにそれに、
昨夜あんなにしてもらったばかりなのに……。
「でも、フェイトちゃんはしてほしいんでしょ?」
 なのはの優しい笑顔。まっすぐ大きな瞳に、物欲しそうな私が映って
る。私、なのはにはこんなふうに見えているのかな、見えているんだろ
うな。だって、ほしくてほしくてしようがないから。きっとアリシアが
みていたらダメな妹だって笑われる。
「それは……えと、でも、ユーノやアリサたちに悪いし……」
「ふぇ? アリサちゃんはともかく、何でユーノ君が?」
 何のことかさっぱり分からないと不思議な顔をするなのは。ユーノは
あんな分かりやすいのにそんな顔をするなのはの方が私には不思議なん
だけど、そんなとこもなのはの可愛いとこだと思う。
「いいの、フェイトちゃん。わたしがしてあげたいんだから」
 なのはが私の手を取る。柔らかくて、とても温かい手のひら。そこか
らなのはの優しさが流れ込んでくる気がする。
「……うん。それじゃ…なのは…して……」
 私はコタツの中で、足を開いた。

「…ん……ぁ……」
 なのはの足が私のスカートの中に入り、つま先で下着の中央をなぞる。
羽根が触れるくらいの軽いタッチ。でも、私はそれだけでかーって熱く
なって。
「ぁっ…ん……ぁぁ」
 ついさっきまでとてもまったりしてたのに、今は嘱託試験の時よりも
胸がドキドキして、きっと顔も茹だったように真っ赤になっていると思
う。
「フェイトちゃん」
 なのはもほんのり上気してて、潤んだ目が私をじっと見つめて、桜色
の唇がそっとささやいて。何て言ったのか聞こえなかったけど、どうし
て欲しいのかは分かる。だって、コタツの中でゴソゴソしているのが聞
こえたから。
「うん、なのは……」
 私もなのはの方へ足を伸ばす。いきなりそこじゃなく、膝の辺りから
太ももをたどって、なのはの大事なとこへ。
「んん、いきなりでいいのに」
「だって、なのはの顔が見たかったから」
 近付いてくる私の足を待つなのはの顔は、期待と不安でドキドキして
て、見ているだけで幸せになれるくらい可愛くて。
「もう、フェイトちゃんだって同じだよ」
「あんっ」
 ほんの少しだけ強く、なのはのつま先が私に食い込んで。それだけで、
フォトン・スフィアの生成に失敗して自爆したようにビリビリして。
「…ぷっ、くすくす」
「あははは」
 何故かおかしくなって、お互いに顔を見て笑って。
155(3/5) 549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/07(土) 02:30:15 ID:xtuzAM8r
「また、アリサに、いちゃいちゃ、しすぎって、ん、言われちゃう、ね」
 私達のことを告白した時、なぜかアリサが一番怒ったのが、魔法じゃ
なくてこのことで。これもデバイス修理中の気分転換にとエイミィが教
えてくれたことだったんだけど。
「んっ、でも、旅行中に、フォローすれば、いいよ」
 アリサをなだめてたら何故かみんなでしようってことになり、色々あっ
て帰ってきた忍さんが乱入して、アリサは泣き出しちゃうは、なのはは
伸びちゃうはで……。あの忍さんって、今日くるんだっけ……。
「そ、そだね……んっ」
 なのはのつま先が私のあそこを強く押すから、くちゅくちゅって恥ず
かしい音がして。でも、もう少し強くしてほしくて、少しだけコタツに
体をもぐりこませて。
「濡れてる、ね、フェイトちゃん」
「な、なのは、だって、ほら」
 私もつま先でなのはの真ん中を押すと、くちゅって濡れた感触がして……
わ、私の方が濡れてるかも、あぅ。
「やんっ。でも、わたしの靴下なんか、フェイトちゃんので、濡れちゃっ
た、よ」
 反撃空しく、なのはの追い打ち。けど、私の方が先なんだし、なのは
にしてもらっているんだし。逆だったらなのはだって……どうなのかな。
私と、他の子と、違うの? 同じ? それとも、ダメ?
「気にしなくていいよ。靴下なんか履き替えればいいんだから」
 なのはの指が私のこぶしを崩して、指にそっとからんで。私が黙った
のを勘違いしてるんだ。やさしい、なのは。答えが怖いけど、でも知り
たい。聞いていいのかな、大丈夫かな。
「うん……ねぇ、なの…………ぁ」
「ふぇ、どうしたの?」
 どうしたというか、とても大事なことを忘れてた。ど、どうしよう。
私って、やっぱりうっかり屋さん?。
「えっ、えと……替えの下着……」
 何枚かもってきたけど、今はいてるのが最後……。アルフにもってき
てもらおうかな、でもエイミィと買い物中だろうし。ならバリアジャケッ
トをして……だめだめ。転移魔法……も、こんなことで使ってたら怒ら
れちゃうかな。どうしよう、下着なしじゃおなか壊しちゃいそう。
「そっか、もうないんだっけ。じゃ、わたしのを貸してあげるよ」
 貸してあげるって、も、もしかして……。
「なのは、の?」
「うん。新しいのはないけど、それでいい?」
 なのはの下着? なのはの使った下着! もちろん洗ってあるのだろ
うけど、それでもなのはのがはけるなんて、う、うれしい。
「いいよ、なのは。ありがと!」
 どうしてかな、胸がすごいドキドキしてる。何でかな、リボンをもらっ
た時よりドキドキしてるかも。そうだ、私も何かかわりに……かわりに……
かわり……のがないよ、アルフ! 私の汚しちゃったのじゃ洗ってって
いってるみたいだし。でも、なのはが洗ってくれたらうれしい。それは
そのまま封印して永久保存しよう。でも、やっぱり履いてみたいかも。
どうなんだろう、温かいのかな。なのはは履いてくれないかな、やっぱ
りだめかな。私はなのはのなら何でもいいし、かえってそっちの方がい
いかな、とか……。
「ちゅっ」
156(4/5) 549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/07(土) 02:30:56 ID:xtuzAM8r
「!?」
 あれ、何でなのはが目の前にいるの? それに今のは、キス?
「もう、やっと気が付いてくれた。フェイトちゃんって、眠り姫みたい
だね」
 眠り姫。なのはの世界のお伽話。王子様のキスで目覚めるお姫様。な
のはは私の王子様。でも、私はなのはの王子様になりたいんだ。
「きゃっ、フェイトちゃん?」
 もう我慢できなくなって、私はなのはを座布団に押し倒す。もちろん
痛くないようにふんわりと。
「下着、貸してくれるんだよね」
「そ、そうだけど」
 指をからませて、両手を頭の上で押さえる。ちょっと困ったなのはの
顔。
「なのはも着替えは平気だよね」
「そりゃ、自分の家だし……」
 逃さないように足もからませて。ちょっとあきらめたようなため息。
「えーと、まだ午前中だからこれはどうかなーとか」
「昨夜も十二時過ぎてたから午前中だよ」
 今度は私からキス。身体はもじもじ逃げようとしてるけど、唇はしっ
かり私を待ち受けてて。
「ほら、お日様は高く上ってるし」
「なのはがしたいって言ったんだよ」
 二人一緒に舌を出して、チョンチョンとつつきあって、少しずつから
ませて。
「じゃ、じゃあ、魔法は使っていい?」
「ダメ。魔法もお正月休み」
 魔法なしの格闘戦(?)じゃ、なのはもか弱いただの女の子。
「ズルいよぉ」
「ん、ズルくない」
 レイジングハートをあのモードで使われたら抵抗できそうにないし。
あれもある意味ユニゾンデバイスになるのかな。なのはに初めてをあげ
るのはやぶさかでないけど、あれはゴツゴツしすぎて私も怖いから、も
う少し大人になってから。
「ぁっ……もう、フェイトちゃん、の、いじわる」
 服を脱がすのがもどかしい。でも皺になっちゃうし、汚したらなのは
が怒られちゃうから。
「…ん…んっ…ゃっ……ぁぁ」
 耳も、腋の下も、胸も、なのはの気持ちいいところは、私が一番知っ
ている。そして、私の弱いとこを一番知っているのも、なのは。
「……ゃっ…っ……んんっ……」
「ぁっ……な…なのはぁ…」
 私の初めての友達。私の大切な親友。私の一番好きな人。
「っ…ぁっ…んっ…ん………はぁぁ」
 私達はまだ子供で、いつか大人になって。
「…ゃっ、やんっ…ん……ぁぁっ」
 なのはも、ユーノか、クロノか、こちらの男の子か、誰かを好きになっ
て。
「んっ…な、なのはぁ……」
 私も、リンディ……母さんのように、好きな人と結婚して、家庭を築
いて。
157(5/5) 549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/07(土) 02:31:50 ID:xtuzAM8r
「ふぇ、ふぇいと…ちゃん……」
 いつか、子供が生まれて、もし、それが女の子だったら……。
「はぁぁ…ん……すき…だいすき!」
 なのはか私、どちらかが男の子だったら、こんなに仲良くなれなかっ
たかな。
「わ、わたしも…やっ、やぁぁ…あんっ」
 彼女たちがはやてと出会えたように、私はなのはと出会えた。
「あぁっ、やっ、もぉ、ぁぁ、だめぇ、ぁぁ」
「やっ、ぃっ、いっしょ、にっ、なぁ、ぁぁ」
 この気持ち、大きくなっても、大人になっても、私は、絶対、絶対忘
れない。
「「あぁあぁぁっっ!!」」

 私となのはは、狭いコタツの中、何も身につけず、ただふれあったり、
他愛もないことを話したり。アリサが言うところのいちゃいちゃ。でも、
やっぱり話はそこに行き着いて。
「でも、どうしても考えちゃうよね。はやてちゃんと…、リィンフォー
スさんのこと」
「そうだね。騎士たちが残ってくれたのはよかったけど、リィンフォー
スは…」
 はやてのために騎士たちを残し、自分ほど幸せになれた魔道書はいな
いと、彼女はそう言って消えた。彼女はそう言ったけれど、でも……。
「もっと何かできることなかったのかなとか、どうしても…ね」
 みんな頑張ったけれど、すべて良しとはいかなくて、悲しいことも残っ
て、誰もが幸せになるのはとても難しくて、きっと色々なことが足りな
くて。だから……。
「クロノが言ってたよ。終わった事件に後悔しすぎちゃいけないって」
「そうなんだけど、やっぱり…」
 後悔じゃなくて反省して、次はどうするかを考えて。でも、そうは言っ
てもなかなか割り切れなくて。
 ♪♪〜♪〜♪♪〜♪
 部屋のすみ、積み上げた私となのはの服の山から軽快な音が鳴る。わ
たしのだと、なのはがコタツからずるずるはいでて電話にでた。
「はい、もしもし」
『もしもし? はやてですー』
 どうやら管理局から電話できるようにしてもらったみたい。午前中に
戻るからお昼を一緒にというお誘いだった。
 私もコタツをでる。いつまでもグズグズしてられない。私はもうあの
庭園には戻れない。なのはが差し伸べた手を取った時に、あそこを後に
することを選んだのだから。今はまだなのはの手にすがっているけど、
いつかきっと。
「はい、なのは」
 私は寝そべるなのはに手を差し出した。


158549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/07(土) 02:32:33 ID:xtuzAM8r

http://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/01_549/01_03.html
これって、ある意味ユニゾンかなぁとか妄想してたら
何故かフェイトが暴走し始めてw
初フェイトだったのに。。。

159名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 02:34:21 ID:s+suXK72
イイヨイイヨ、エロいのイイヨ〜
GJ!
160176:2006/01/07(土) 03:35:58 ID:G5TEnCwr

24 二人、結ばれて

 二人の呼吸だけが取り残された部屋。なのはに覆い被さって僕は何度も口付けする。
 額、瞼、頬、首筋、また頬に戻って唇……。
「なんだかくすぐったい……」
 堪えるような声が囁かれる。繋いでいる右手が僕のキスに合わせて僅かに握り返した。
「ごめん……僕も見よう見まねだから」
 囁き返して耳に唇を這わせる。
「ひゃっ!?」
 一際強く手が握られた。
 白状してしまうと、僕の頭の中にあるこういう知識はほとんどない。一つは治癒魔法のために読んだ医学書。少しの好奇心が女体について事細かに記されている所まで見て女性というものが男性とどれほど違うか学んだ。
 もう一つは、多分これが今の僕を突き動かし続ける知識。
 僕の部族は上から下まで幅広い年齢の男女がいる。それだけ出会いと別れがあり、当然の部族の人同士で恋に落ちる、なんてこともある。
「ユーノく……ん……ぁ」
 今度は舌先で少しだけなのはの唇をなぞった。突然の奇襲に驚いた口内へ僕は一気に舌を潜り込ませた。
 簡単に言えば、僕はその人たちの情事を見て実践的な知識を蓄えていた。一応言っておくと自分から見たわけじゃない。年上の仲間に誘われて何が何だかわからないうちに見てしまったのだ。
 最初は変身魔法を使って物陰からこっそりと。二度目は僕らに手ほどきという名目でしている人たち公認の観覧。あの時はすごかった。
 三度目は発掘に行った遺跡で事に励んでいる二人を興味で見てしまって……。
 そういえば僕がジュエルシードを見つけた発掘場所。あそこに行くため部族から一時別れた時その相手の女の人のお腹が膨らんでいたっけ。嬉しそうに双子だって言っていたのが記憶に残ってる。
「んぅ……ぁ……ひゅーの……くぅ……」
「なの……は…………ん」
 僕に与えられた知識はこれだけしかない。つまりは手元にあるこれだけでなのはとこれからの行為をするのだ。後はこの知識を応用したり組み合わせたりで頑張る以外ない。
 なのはの舌先をくすぐり歯や歯茎も残さず嘗め回していく。最初はされるままだったなのはも僕ので要領がわかってきたのか段々と積極的に舌を絡ませ始めてきた。
 そのおかげか、拙かった動きが段々と滑らかになっていく。唇を舐められるとすごくこそばゆい。なのはにやり返すとさらに舐め返してくる。
 舌と舌がじゃれ合い、唾液が混ざり合い、厭らしい二重奏が空気に響いていく。
 どれくらい時間が経ったか、顎が疲れてきて僕は顔を離した。舌先に橋が架かり、名残惜しそうに切れた。
「なんだか……気持ちよかった」
 夢心地ななのはは、なんだろうかいつもと違ってすごく大人びて見えた。
 少しだけ乱れた息。それにとろんとした目。一目で僕は魅了された。
「次行くよ」
 そっと手を添えたのはなのはの左胸。何度か上下に摩ると何か突起みたいなものが手に当たるの分かる。
「やっ……ゆーのくん」
「なのは、脱がせていい?」
 僕はなのはの答えを待たずに上着を捲り上げていく。最初にへそが顔を出し、次にはもう胸が露になった。
161176:2006/01/07(土) 03:37:05 ID:G5TEnCwr

「そういえばユーノくん」
「な、なに?」
「温泉の時見たよね?」
 あの時はまだなのはも僕が本当は人間だったことを知らなかったからものすごく無防備だった。そせいで僕は思いっきりなのはの裸を見てしまって……上だけだったといっても、見てしまった事に変わりはない。
「……あの時はいろいろごめん」
「ううん、もう見られてもいいから、いいの」
 なのはが微笑んだ。
 まだ全然、熟れ始めてもいない青い果実。きっとこれから熟れ始めることを待ち遠しくしている胸。小さく上下するお腹は白く綺麗で今すぐにでも触りたい。
 僕に見られてることを恥ずかしく思ったのかなのはがそっぽを向いた。
「あんまりじろじろ見ないで……」
「ご、ごめん。綺麗だったから」
 見て駄目なら触るしかない。さっきは服越しだったけど今度は直接、両胸に手を置いた。
(これが女の子の肌……なんだ)
 滑らかですべすべで、少しだけ汗ばんでしっとりしてる。僕の手のひらに包まれた胸はかすかな膨らみを僕に教えてくれた。
 すごく早い鼓動。それだけでなのはがどれだけ緊張しているか、恥ずかしがっているかわかる気がした。
 意を決して手を動かし始める。
「ん……」
 堪えるような声をまたなのはが漏らした。
 最初は上下に摩って、慣れてきたら円を描くように触る。手を離すと、桜色の蕾が切なげに自己主張をしている。
(えっと、これを……)
「え? あっ、ユーノくん……?」
「驚いたらごめんね」
 僕はそっとそれに口付け、舌先で挨拶をした。
「な、なにすっ!? やぁ!」
 なのはが今までにない感触に大きく震えた。
 味も何もしないけど、何だか心地よい。舐めていたのはいつしかしゃぶるようになってなのはの胸に
顔を埋めていた。
「だ、だめ! ユーノくぅん……ん、あぁ」
 小さく呻いてなのはが何度か身をよじる。でも僕は離さない。口を離すと今度はもう片方の蕾を餌食にする。もちろん空いた手で濡れた蕾を弄るのも忘れない。
 口とは違って指ではいろんことが出来る。最初は優しく指の腹で撫でた後に押してみたり、円を描いてみたり。時には強く押しつぶしてみたり、僕の気ままに形を変える。
「あぅ……ひっ! んぅ……赤ちゃ、ん……みたいだよ」
 そうかもしれない。僕は乳を欲しがる赤子になっている。母親の面影をそこに求めているのだろう。舌の動きはとても赤ん坊のものじゃないけれど。
 優しく、時に激しく舌で蕾を転がして舌先で突いてみてなのはの様子を見てみたり。その度になのはの体は跳ねたりよじったりした。
「気持ちいいの……なのは?」
「わかんない……でも体がぽかぽかして……ん! 喋ってる時は触らないでぇ」
「なのはが可愛すぎるのが悪いんだよ」
「そんなの知らない!」
(……ほんとに可愛すぎる)
 十分に蕾を味わったら今度はなのはの唇が懐かしくなった。
 なのはとまた深く口付けを交わす間に支えにしていた手でお腹に触れる。キスに夢中だったなのはの舌がほんの一瞬だけ止まった。
 それでも僕に弱みを見せたくないのかすぐに激しく舌を絡め始める。その間にも僕の手はへそをなぞりさらに下の、まだ見ぬ秘境へと侵攻していく。
162176:2006/01/07(土) 03:38:25 ID:G5TEnCwr

「っ! そ、そこはだっ、んーっ!」
 言わせない。止めさせない。
 舌を押し込み口を口でもって塞ぐ。指先に布の感触。するりと中に忍び込ませていく。
「はぁっ! う! んぅぅ!!」
 なのはの反応一つ一つが麻薬みたいで、頭の中がくらくらして考える力を奪い取っていく。見えないから感触だけで指先を進めるけど、どうにもどこで止めていいかわからない。
 思い切って手を進める。だけど以外に終わりは早くやってきて
「あ、やぁ!!」
 なのはが今までにないくらい大きく跳ね上がった。
 僕の手のひらはなだらかな傾斜全てをすっぽり収めていてなのはのそこを大胆に捕らえていた。
「あっ、ごめん!」
 やり過ぎた。慌ててそこから手を引っ込めた。何かが湿ったものが指先に触れた。
「ふぅぁ……」
 空気が抜けていくような、弱々しい声をなのはがあげる。
 指先をこすると、僅かだけど湿っていてぬるりとした感触が広がる。
「ひどい……ひどいよ」
「ほんとにごめん……」
 肩で息をするなのはに僕は今更ながらに反省した。
 上と下、同時の拷問はなのはに強すぎた。
「ユーノくんばっかり……一人でずるいよ」
「……うん」
「だからユーノくんも脱ごう」
「……え?」
 どうにか起き上がったなのはが僕の上着に手をかけていた。乱れた着衣と惚けた表情はそれだけで扇情的だ。
「ユーノくんも裸になって……」
「そうだね……フェアじゃないもんね」
 そう僕はなのはと一緒に絆を作っているんだ。僕一人だけじゃない、なのはも一緒にしなきゃ駄目だ。
 僕は上着に手を掛け一気に脱ぎ捨てた。
「なのは……お互い向こう向こうか?」
「そうだね……いきなりはちょっと……ね」
 ベッドの上で僕らは背中合わせになる。後ろから衣ずれの音がせわしなく聞こえた。僕もおちおちしないで下も一気に脱いだ。絨毯の上に放られる僕の服。
「そっかレイジングハート……ごめんね、恥ずかしいから」
『…………All light』
「……うん」
 そういえばレイジングハートはずっとなのはの首に架かったままだったのか。服を捲り上げた時に一緒に隠れてたせいで全然気づかなかった。
「なのは……いい?」
「ま、待って……心の準備が……」
 荒い息遣いが聞こえる。深呼吸のつもりなのだろうか。
「……いちにのさんで一緒に向こう」
「うん、いいよ」
「じゃあいち……にの…………さん!」
 振り向きそこになのは。 
 一糸纏わぬ生まれたままの姿。その姿でなのはが目の前にいた。
「きゃっ!?」
 なのはが突然悲鳴を上げた。仰け反った拍子に僕の目になのはの女の子が思いっ切り映りこむ。
163176:2006/01/07(土) 03:39:16 ID:G5TEnCwr

「ゆ、ユーノくんの、お、おちんちん……」
 指差しなのはが焦っていた。
「もしかしてこういうの見るの初めて……?」
 てっきり士郎さんや恭也さんのを見ていると思ったんだけど。
「だ、だってお父さんもお兄ちゃんもそんなに大きくないよぉ」
 そ、そうか……こんなになってるわけないもんね。
 天井目指して立ち上がる僕の性器。今まで散々なのはの嬌声を聞いてきたせいですっかり興奮してしまった。
「その、男性は興奮するとこうなるんだ」
「そ、そうなの?」
「うん」 
 取りあえずの説明でなのはは納得してくれたみたいだ。
「えと……さっきのお返しで触ってもいい?」
「……うん、いいよ」
 今度はなのはの番。触りやすいように立ち膝になる僕になのはは横から覗き込むように僕のものを見つめる。
「すごい……」
「多分士郎さんや恭也さんの方がすごいと思うよ」
 あの二人ならきっと想像も出来ないくらい立派なものを持っているはずだ。
 なのはは興味心身に僕のを見て聞いてないみたいだけど。
「硬いのかな……」
 おぼつかない手つきでなのはが僕のものを掴んだ。そして
「いっ!」
 いきなりぎゅっと力を込めた。
「えっ? あっ、ごめん! 痛かった?」
「ここ、デリケートなんだ……」
「そうなんだ」
 一応ここは男最大の急所です。いつもレイジングハートを振り回してるだけあって握力も強かったのが余計に痛みを倍増させたみたいだ。
「気をつけるね……」
「そうしてくれるとありがたいよ」
 ゆっくりと腰を下ろす。またなのはのそこが見えてしまった。
「じゃあ今度は僕が……」
 両肩からまたベッドへなのはを押し倒す。さっきとは違って何も身に着けてないからかなのはの体はまた小さく見えた。
「な、なにするの?」
「なのはのが見てみたい」
「そ、それは――」
 なのはが答えるより早く僕はそこにもう一度手を伸ばす。
 最初に触ったときに一番に思ったことは、本当にないんだという驚きだった。
 そこに男のようなものは一切なくて、ただ一筋の裂があるだけで、そのまま手を伸ばせばおしりさえ触れてしまう。
「やっ……やぁ……」
 なのはの声がとろけていく。快感でそうなっているのか、はたまたまだ自覚のない未知の感覚で酔っているのかは聞いてみないと分からないけど。
 胸のように乱暴にはしない。勤めて優しく、僕はそこを触っていく。
「なんだろう……よくわかんないけど……気持ちいのかな……? ……ん」
 少し湿り気を帯びて何かが指にまとわりつく。それがまた潤滑剤となって指の動きをスムーズしていく。
 触りながらまた胸にキスをして空いた手で片方も弄って。考えうるもの全てを総動員させていく。
「あ……あぁ…………は、うぅ! ゆーの……ゆーのくぅん」
 子犬のように切なげに鳴くなのはに僕は愛おしさがこみ上げる。堪らず唇を奪った。
「んぁ……はぁ……うっ、ふ……」
 中指が液に塗れる頃、僕はようやく左手を解放した。別に終わりというわけでない。
164176:2006/01/07(土) 03:40:08 ID:G5TEnCwr

「え……ゆーの……くん?」
「もっと見たい」
 辿りつく場所はなのはの股。なのはを少しだけベッドの端に寄せそこへと回りこむ。
 なのはも僕の意図がわかったのだろう。足を閉じて抵抗しようとするけど時既に遅し、僕はなのはの足を押さえつけてなのはの女性に辿りついた。
「こうなってるんだ……なのはのここ」
「だから……見ないで……」
 抗議の声にも耳を貸さないで僕は凝視し続ける。完全に閉じたように見えたそこは今までのせいか少しだけ開いており粘液に塗れててかっていた。
 もっと見たい。欲望に、探究心に誘われるまま僕はそこをゆっくりと開いた。
「や、やだ! ユーノくん!」
 聞こえない。聞こえない振り。
 僕を最初に歓迎するのは薄紅色の肉壁。肉厚で見た雄を惹きつけて離さないような魔力が宿っていそうな色。哀れな虫を引き寄せる妖艶な花。
 それはとても魅力的で神秘的で、それこそ言葉が出ない。
 裂の一番上は少し膨らんでいて見た目では皮が被っているような感じ。そこから下に行くと襞に挟まれた中に小さな窄まりがある。
(ここ……かな?)
 記憶の中じゃ仲間はここに自分のものを押し込んでいた。医学書にもここに入れると記してあったから間違いはない。
(でも入るのかな……?)
 どう見ても穴とは呼びにくい窄まりだ。こんな所にはたして僕のが入ることが出来るんだろうか?
 成熟しないと開通しない……そんなこと書いてもないし、聞いてもいない。
「ず、ずるいよ……ユーノくんばっかり……」
 頭の上から諦めたような呟きが聞こえた。いけない、見るのに夢中でなのはのことを置いてけぼりにしていた。
(じゃあこうしたらどうなんだろう?)
 いい事を思いついた、と言うべきか。僕はなのはを少し驚かせてみようと思った。
 ゆっくり舌を伸ばす。裂の一番下を始点に、僕は一気にそこを舐め上げた。
「――っぁ! ゃ!!」
 声にならない悲鳴が聞こえた。
「いま……な、なにしたの? ねぇ……ゆーのっ! くっん!!」
 もう一度。なのはの声が千切れる。粘膜を直接刺激するわけだから敏感なのは当たり前だろうけど、流石にすごい反応だ。
「なめてるの? そ、そんなの……そんなのだめぇ!」
 だから聞こえない。僕には聞こえない。
 襞や壁を僕が蹂躙していく。湿り気が増え、粘液が舌に絡みつく。
 何度も何度も、取り付かれてしまったように舌を動かしなのはを奏でる。
「やぁ……やっ! おねがい……きゃふ!! へんな気持ちになるよ……」
 襲ってくる感覚になのはが怯えていても僕は止めない。むしろ止められない。鼻や口を満たす雌の匂いがそうさせるのだろうか。
 今度は一番上の部分を集中的に攻める。
「あぁぁ……ひゃ!! だぁ……だめだよ……ゆーのくぅん!」
 なのはの太ももが僕をがっちりと挟み込んだ。引き剥がそうとしているかと思えばそれは逆に僕をそこへ引き寄せ、押し付けようしている。その太ももも僕の舌がそこを這うたびにひっきりなしに震えていた。
「……くぅ! んん! はぁ……はぅ」
 懇願する元気も余裕もないのだろうか。ただ耐えようとするなのはの息遣いが聞こえてる。
 頂が近いのだろうか? それは分からない。なら分かるまでやるだけのこと。
「う! ぁ……ん…………んぁ」
 舌が痺れたような感覚に包まれてきた。そろそろ危ないかもしれない。
 僕は舌全体でもってなのはの花弁を押し付けるようになめ、一番上の所を集中的に小刻みに舐めていく。
「そこっ! やっだ……変に……へんにぃ……はぁう!!」
(変になっていいよ、なのは)
 止めと言わんばかりに全体を二度、強く思いっきり舐めあげた。
「――っ!! あ、ゆーの……くっん!! やぁぁぁ!!」
 一瞬なのはの体が強く硬直した。太ももが異常なまでの力で僕の頭を締め上げ押し付ける。
 痙攣を起こす体。これがきっと
(いっちゃったのかな……?)
 記憶の中で交わっていた人と同じような感じだからきっと、そう。
 僕が確信すると同時にももの束縛から解放される。左右に大きく足をだらしなく広げてなのはは全身で息をしている。
 起き上がる僕。と、なのはと目が合った。目じりに涙の粒を浮かべたまま恨めしそうな視線を送ってくる。
165176:2006/01/07(土) 03:41:03 ID:G5TEnCwr

「ひどいよ……ユーノくん……さっきからずっとだよ……」
「いろいろ試してみたらこうなったというか……」
「ねぇ、今のが……そうなの?」
「なにが?」
「気持ちいことなの?」
 無言で頷いた。ほっと、なのはが息を吐いた。
「よかった……変なことじゃないんだね」
「変になってるのは僕だからね」
 さっきからなのはを体を知るたび我を忘れてしまっている。僕じゃない僕が僕を動かしているようで。
「ユーノくんは頑張ってくれてるから……いいの」
 その一言は僕に最後の一歩を踏み出させる決意を容易にさせる。股間の怒張が張り裂けそうになる。今までなのはのことに集中してたせいであまり気にならなかった分、余計にそれを感じる。
 先端からはもう幾度となく透明な雫が落ちた後だった。
 我慢の限界はとっくに超えていた。
「なのは……もうここで、やめたい?」
「……最後までして」
 ユーノくんだって苦しそうだもん。
 そう言ってなのはは僕を見詰めた。道徳とか気遣いとか、そんな理性が吹っ飛んだ。
 蜜を滴らせるそこへ僕は自分を宛がう。窄まりと先端が触れ合った。もう、それだけで僕は達してしまいそうだった。
「……いくよ」
「うん」
 少し力を込めて押し込む。
「いっ!」
「なのは!?」
 力の焦点がずれ僕のものは上へとあえなく弾かれた。
「だ、大丈夫……びっくりしただけだから」
「でも……」
「痛いのくらい知ってるよ……だから気にしないで」
 僕は止めなかった。もう一度宛がい今度こそ押し込む。
「うっ!」
 だけどどうしてもずれてしまう。その度に僕のものはなのはのそこと擦れあって水音を立てた。
 それだけでない擦れる快感が先端を通して僕の脊髄を駆けて行く。
(だめだ……気持ちよすぎる)
 何度かそんな思考錯誤を繰り返す内に結局、僕は
「くぅ!」
「きゃっ!?」
 暴発してしまった。
 何度も痙攣して吐き出される真っ白な飛沫。それはなのはの腹から胸まで満遍なく飛び散っていく。
 やがて収まる頃、飛びかけていた意識をようやく手繰り寄せて僕は事の惨状に情けなくなった。
「ごめん……なのは」
「ユーノくん……これって?」
 不思議そうになのはがそれを指で掬う。そして何度か指の間で糸を引かせて見せる。
「男が気持ちよくなったら勝手に出るもの……なんだけど」
 本当ならそれはなのはの中で出さなければいけないのだ。誰が見たって失敗だった。
「……気持ちよくなったんだ」
「うん、それはそうなんだけど」
 すっかりクリアになった頭はとんでもなく冷静に状況の把握をしてくれる。
「でも最後まで――」
「もう一度元気にすればいいんでしょ?」
「えっ?」
 なのはが僕の股間に顔を埋めていた。優しく握ったまま僕のものと睨めっこしている。
166176:2006/01/07(土) 03:41:58 ID:G5TEnCwr

「わたしだって……いろいろ勉強してるんだよ」
「勉強って……」
「お父さんとお母さん、お兄ちゃんと忍さん……見ちゃったから」
 それだけ言って顔を真っ赤にするなのは。恥ずかしそうに聞こえないくらいの声で呟く。
「思ってるほど、子供じゃないんだよ」
 小さな口が小さくなった僕の先っぽを飲み込んだ。
「な、なのは!?」
 出したばっかりで敏感になってるところへの追い討ち。先に触れる何か。それが舌だと理解した時には既に快感の第一波が僕を揺さぶっていた。
「うぅあ!」
 少しずつ動きが大胆になる。コツをつかんだのか、アイスキャンデーでも舐めるようになのはの舌が僕を攻め立てた。
 最初は先端だけだったのが
「ん……んぅ」
 半分くらいまで入って
「ぷは……あむ……」
 もう少し奥まで入って
「気持ちいい?」
 なのはの献身に優しく包み込まれていく。
 時々歯が当たったりもしたけど、それを上回るくらい心地よくて、温かい。
「でも……変な味だね」
 なのはが上目遣いで苦笑した。十分すぎるくらいのなのはの想い。
 僕はなのはに応えた。
「いいかな……?」
「うん……」
 寝転がるなのはに宛がう僕。
「少し強くいくよ」
 頷くなのはに合わせて先をより強く押し込んだ。少し先が押しつぶれ多様に形を変えて、でも負けじと中への道を切り開いていく。
「ん――!」
 苦悶の表情で必死に痛みに耐えるなのは。シーツを掴んで少しでも痛みを和らげようとしていた。
「なのは、力抜いて」
「う、ん……」
 こんなときそれしか言えないなんて男は情けない。でも何とかしてあげたい。まだ片手は空いてる。その手で僕はなのはのお腹や胸を摩っていく。
「はぁ……ユーノくん……」
「だいじょぶだよ、なのは」
 段々と腰が進んでいく。未開拓の肉壁は僕を外へと追い出そうと必死に抵抗する。
 悪い気もするけど行くしかないのが僕に出来ること。
(――なのは!)
 一気に腰を突き上げた。残り数センチの距離が一気にゼロになった。
「いぁぁ!! あぅ! あぁ……」
 僕の腰となのはの腰が密着した。 
 熱い、すごく熱い。なのはに全部包まれて、抱きしめられている。
「……全部入ったよ」
 涙を払って僕はそっと口づけする。手にはシーツの代わりに僕の手を握らせてもう一方の手でなのはの髪を撫でた。
 痛いだろうになのはは笑顔を作る。
「うん……ユーノくんが……お腹の中にいるよ」
 震える声。なのはの中が断続的に蠢き今度は僕を受け入れようとしている。
167176:2006/01/07(土) 03:42:58 ID:G5TEnCwr

「すごいね……ほんとに入るんだね」
「僕もそう思う。人体の神秘かな……?」
「そうかも」
 僕の冗談になのはが笑ってくれる。とても愛しくなって舌を絡めた。
 繋がったまま、それを忘れてしまうように僕となのは互いの口内を味わい、弄ぶ。繋いだ手は離れぬようぎゅっと。そうでない手は背中に回して。
「ん、ぷは……ユーノくん、もう大丈夫そう」
「いいの? 辛いんじゃ」
 僕の問いになのは首を振って
「今は温かいの。ユーノくんと繋がってるって、幸せのほうが大きいから」
 満面の笑み。僕も心がもっと温かくなっていく。
「わかった、動くからね」
 腰を少しだけ引いて前へと動かす。擦れた粘膜が否応無しに快楽の悲鳴を上げた。
 それは入り口で擦っていた時とは比べ物にならない快さで少し動いただけでも僕のがジンジンと痺れるような感じになる。
「ひっ! ぐっ! あぁ!」
 その度なのはは悲鳴を上げた。なんで一緒に高みへ登れないのだろう。
 もどかしさが心を締め付ける。
「なのは……好きだよ……」
 そんな言葉に胸を揉んだり、髪を撫でてあげたりしか僕には出来ない。
「うん……わたしも……ユーノくんのこと大好きだよ」
 健気に応えるなのは。なのはが気持ちよくなれるように僕も精一杯優しく激しくしないように腰を動かしていく。
「あっ……うぅ……やっ!」
 気のせいか、そうしている内になのはの声も段々と落ち着いてきた。
「ゆ、ユーノくん! わたしも……気持ちいいみたいだ、よ……」
 なのはが始めた苦痛以外の感覚を訴える。
 よかった。その言葉にどれくらい救われたか。
「少しだけ、スピード上げるよ」
 言って本当に少しだけ腰を進める速度を上げる。
「ん! ……あ……ん!」
 いつしかなのはの声が色づき始めている事に僕は気づいて。
「はぁ……うく!」
 少しだけピッチ以外にことにも変化を入れる。
 例えば……。
「いいよ……んぅ!」
 ぎりぎりまで抜いて
「あっ……」
 奥まで一気に入れる。
「ふぁ!!」
 紛れもないなのはの嬌声。角度や、動き、動かす幅まであらゆる要素を絡ませてなのはが悦んでくれるよう勤めていく。
「ユーノくん…………んゃ!! ゆーのくん!!」
「なの……はぁ……なのは!」
 そんな余裕もすぐになくなって。
 部屋に響く水音と二人の息遣い。喘ぐなのはに耐える僕。
168176:2006/01/07(土) 03:44:18 ID:G5TEnCwr

 なのはのことが誰よりも
「ゆーのくん……ゆーのく……うぁ!」
 可愛くて
「なのはぁ……なのは……」
 愛しくて
「あっ! やん! きゃう!!」
 独り占めしたい。
 狂ってしまいそうなほどに僕はなのはのことが好きでたまらない。
 もっと深く、もっと長く、もっともっと溶け合いたい。
「だめぇ……また……んん!! きちゃう……」
「僕も……もう、だめかも」
 でも限界は必ず訪れる。
「一緒に……ユーノくんと……気持ちよくなりたいよぉ」
「僕だって!」
 激しい口付けで上も下も快感を貪りあい、わけがわからなくなって。
 真っ白な濁流に飲まれかける中で僕は手だけは、なのはだけは絶対離さないと心に誓って。
「あ……あ! わた……し……あぅ!」
「うっ! くぅ、なのは!」
 空っぽの片手はなのは背中を抱いて、なのはも同じように強く強く僕の肩を抱く。
「ユーノくん! ……ユーノく……ゆーのぉ」
「なのは!」
 無我夢中で最後の一突きをなのはの中に叩き込んだ。
「あっ……あぁぁ!! やぁぁ!!」
「あぅ……う!」
 今までにないくらいの強さで僕を締め付けるなのは。呼応するように僕は欲望全てをなのはの中に注ぎ、弾けさせた。
 幾度となく脈動しあう二人。お互いの全てを解け合わせるようにそれはしばらく続いた。
 それは一瞬であり永遠。でもやっぱり刹那であって。
「はぁ……はぁ……」
 同じリズムで呼吸する僕ら。目を開けるとやっぱりなのはも目を開けていた。
 言葉はなかった。いや、いらなかった。
 どちらともなく求めたのは触れるだけのキス。それは今日の終わりの合図。
 心も体も温かい気持ちで満たされて、本当に心から幸せを感じて。
「大好き……ユーノくん」
「僕もなのはのこと……大好きだよ」
 じっとりと汗ばんだ体を抱き合い、確かめ合いながら僕らの夜は終わりを告げた。
169176:2006/01/07(土) 03:44:59 ID:G5TEnCwr

「ねぇ……起きてる?」
「……うん」
 目を開けるとなのはが僕を見詰めていた。本当にすごく近い距離だ。
 後始末をした僕たちは裸のままこうやって同じベッドで抱き合って眠っている。正確にはどちらも起きてるから寝てるわけじゃないけど。
 でも、こうやって全身でお互いを感じあうのも悪くない。ただ流れる時に身を委ねながら朝が来るのを待つのはこれはこれで心地いい。
「眠れないの?」
「よく、わからない」
 どこか遠くを見るような視線でなのははそれだけ言った。
「ユーノくんは?」
「僕は……どうしてだろう」
 多分、答えなんてないのだろう。ただ眠れないだけ。
「リンディさん……どんなこと言ってたの?」
「頑張りましょう……みたいなことかな」
 電話が来たのはちょうど始末を終えた時だった。あっちも任務のゴタゴタで連絡するのがすっかり遅くなったらしい。
 僕は自分の決めたとおりにリンディさんの申し入れを受け入れた。明日から僕は忙しい日常の中へ放り込まれるのだろう。少し不安だけど、なんとかなると思う。
「そっか……」
「どのくらいかかるかはまだわからないんだって。任務内容はロストロギアの捜索だから早く見つかればすぐに終わるだろうって」
 もちろんそれで帰ってこれるわけでない。リンディさん下で学ぶことと、それは別なのだから。
「わたしはもう大丈夫だから」
 目を細め、自分を納得させるように頷くなのは。髪を下ろしたその顔はどこかいつもと違って大人びて見えた。
「でも約束しようよ」
「約束?」
「わたしの最後のわがまま」
 視線を外し逡巡する。照れ隠しなのか、言いにくいことなのかなのはは少し間そうしていた。
「でもね、それじゃずるいからユーノくんもわたしに約束していいよ」
「そう言われても……」
「なんでもいいの。朝ごはんはちゃんと食べるとか、そんな小さなことでいいの」
「いいの? そんなので」
「うん」
 きっとその約束はなのはなりの決別の仕方。
「辛くなったら……約束を思い出して。そうすればいつでも側にいるような気がするから」
 僕の胸に頭を預けながらなのはは溢した。
「なんでもいいの?」
「無理難題は駄目」
「そう言われると結構限られるな……」
 考え込む振りをするけど、どんな約束にするかはもう僕の中で形になっている。
「……多分決まった。僕の約束して欲しい事はね」
「じゃあまた、いちにのさんで」
「うん」
 呟くように、囁くように、なのはがカウントを始める。
「いち」
 僕はなのはの髪を撫でながら静かに耳を傾ける。
「にの」
 会えない時間を支えるための片羽。
「さん」
 そうして僕らの最後の朝が来る――。
170176:2006/01/07(土) 03:49:53 ID:G5TEnCwr

と、投下完了
眠い、辛い、そしてでっかくなっちゃった!
すいませんテンションがおかしいです

あとは一話でしょうか……明日には仕上がりです

>>640
おやもうGJ!
最後の一話頑張って!

>>549
エロイな〜フォックスは
じゃないですけどエロGJ!
なんていうかフェイトの心理描写がナイス!

明日に備えて寝ようって今何時だこれ〜!?
カートリッジロードしてガンバロー
171名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 04:13:38 ID:8h1XqF2v
いや本当にGJ!!!
続きが楽しみに待ってますよ〜
無理しない程度に頑張ってください。

こりゃしばらく寝れないなw
172名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 04:34:56 ID:c4eqjnTy
148と149うっさいッ!テメーらもぶっ殺す!!
だってよ。なのはがっ!なのはがっ!俺のなのはがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!(←なのは狂
>146それはその小説を読めば分かる
173名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 04:48:06 ID:s+suXK72
>>172
凄いなあ。あと、「うっさい」のあたりか少し可愛いと思ってしまった俺はツンデレスキー。
ご褒美にドリルを貼ってあげよう
http://www.sei.co.jp/news/press/04/image/prs359.jpg
174名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 04:58:05 ID:c4eqjnTy
173テメーナメてんのか、マジぶっ殺すぞ!!
175640@ピンチ?:2006/01/07(土) 07:40:43 ID:33FQBnUd
あれ?俺ひょっとして殺されそう?殺人予告キタコレ?
早く目が覚めたし家出る前に覗いてみたわけですが。
とりあえず
>>144
ありがとう俺のために君とその家族の人生棒に振ってくれる予定だなんて。
別に俺がいなくなっても社会にはなーんにも影響ないので頃したけりゃどうぞ
後ろ指指されて生きていくあなたとその家族を見れないのはちと残念ですがwww

ま、一応通報しとくけどね。

>>148
dクス。ありがとうございますー。

>>176氏、>>549
二人とも乙です。二人による二連射カコイイよGJ

>>141氏、>>147
おk、がんがる

>>173
ちょwwww

んじゃいってきまつノシ
176名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 08:43:46 ID:1/Igo+Kv
>>172>>174
きみはなにをあさっぱらからわめいているのだね
177146:2006/01/07(土) 09:47:29 ID:uGmuCzxh
>>172
いや読んだし…ってか1スレからずっといるしw
とりあえず暴言は程々にな
178549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/07(土) 10:34:55 ID:xtuzAM8r
もう200KB越えてる。その4分の1は自分だけど。

後書きで書き忘れ。ss内で表現しろってのはわかってるけど。
フェイトは母が果たせなかった夢、仕事も続けて、結婚もして、
旦那と子供と幸せな家庭を築く、それも受け継いでいるんじゃ
ないかって、そう思ったんですよ。
でもACSならどんな処女膜も一げk(ry で半分位書き直しw

>640氏
アリシアきたーっ! リアル小さなお姉ちゃん?

>176氏
かわいいHでGJですよ〜!
make a little wish♪

>>90
待ってます、頑張れ〜!

>>133
おだててもSSくらいしかでません。
自分はネタによって今日みたいに重なるの判っててあげる時もあるし、
清水の舞台から飛び降りるもんですよ、一番最初って。
あと、ここを見てる人は結構いると思う。
保管庫のサーバ屋が提供しているよくわからないログだと、
200越える時もあるし。9割が時空管理局からだけど。

保管庫は今日更新します。そん時なおしますね。 >176氏
179名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 10:46:55 ID:IvlonvVT
はいはい21歳未満と思われる低能発言はスルーしましょうよ
折角長編2本がラスト1(+αあったりしますか?w)だったり良スレ進行だったのに…


という事で本日もワクテカ
180176:2006/01/07(土) 13:58:33 ID:G5TEnCwr
25 Little wish

 夜明けが来て間もない空。白み始めた空は今日一日が暑くなることを予感させるような清々しい青さを映していた。
「じゃあ……行くね」
 ここまでずっと繋いでいた手をそっと解く。別れを惜しむことなく二人の手はあっけなく離れた。
「リンディさん、これからよろしくお願いします」
「ええ、任せて。絶対に最高の結界魔導士に育ててあげるから」
 穏やかだけど自信に満ちた声。僕も期待に応えられるように頑張らなきゃいけない。
「ユーノくんのこと厳しくお願いします」
「なのは、そんないきなりは……」
「大丈夫よ、初めからビシバシしごいてあげるから」
 多分、冗談じゃないんだろうな。
 でもそれならそれでもいい。なのはとの約束を絶対に守れるから。
「あはは、大変そうだね」
「笑い事じゃないと思うんだけどな」
「ユーノくんならできるよ」
 笑いながら励まされてもなんというか微妙な気分だ。
「わたし……笑顔だよね?」
「うん、いい笑顔だよ」
 彼女の目に別離を悲しむ涙はない。あるのは心からの眩しい笑顔。
「よかった。わたしも約束守れそうだね」
「そうだね」
 僕たちが交わした約束はそれぞれ違っていた。
 なのはの僕への約束は立派な魔導士になること。
 僕のなのはへの約束は僕のことを思い出すときは笑顔でいること。
「一人でも飛べるよね」
「ユーノくんこそ大丈夫?」
「当たり前」
 もう僕らは一人でも羽ばたける。遥か彼方の未来まで歩いていける。進む道が照らされてるから。
「そうだ。ユーノくん手を出して」
「え?」
 なのはがポケットから何か紐のようなものを取り出した。風になびいて揺れる、若葉色のリボンだった。
「はい、片っぽ」
 手渡され握らされたのは対の一本。
「でもこれじゃ」
「いいから持ってて」
 言ってなのは髪をといた。今までしていたフェイトのリボンをしまうと、代わりにそれを髪に結う。
 だけど片方だけ飛び出したおさげはすごくバランス悪くて、見慣れてないせいか少し可笑しい。
181176:2006/01/07(土) 13:59:30 ID:G5TEnCwr


「はは、なんだか……変だよ」
「やっぱりそう思う?」
 しきりにおさげを触りながら、なのはも満足していない顔になる。
「ユーノくんが女の子だったら結ぶんだよ」
「よかったよ、男で」
「でもいつも身に付けてて、これは絶対」
「約束?」
「そうだよ。立派な魔法使いにならないといけないんだから。わたしの代わりにその子が見てるから」
 なのはの代わり……か。だったら気は抜けないな。
「じゃあ、そろそろ時間よ」
「あっ、はい。わかりました」
 いよいよ時間だ。
 転送方陣が僕らの足元で輝きを放つ。
「何か言い残したことないかしら」
「いえ、もうないです」
 なのはを見る。僕の視線に気づいたのかなのはも頷き大丈夫だと言ってみせた。
 涙も抱擁も、口付けすらない本当にまた明日すぐ会えるような別れ。
「それなら、行きましょうか」
「はい」
 だってそれは全部昨日に済ませたから今日には持ってこない。
「ユーノくん!」
 だからさよならは笑顔で
「なのは!」
 送りあいたい。
「ちゃんと魔法の練習も忘れないでね」
「うん! ユーノくんもしっかりしなきゃ駄目だよ」
 段々と光が包み込んでいく。
 この世界にいられるのもあと数秒。お別れの時だ。
「なのは、またね!」
「うん!」
 さよならは言わない。だってまた会えるんだから必要ない。
 手を振るなのはに僕はリボンを胸の前で掲げてみせる。二人を繋ぐ約束の絆を握り締める。
 世界が光に包まれて、消える。
 いつかの再会の時を描きなら、僕が心の中のなのはの願いと共に新しい一歩を踏み出した。
182176:2006/01/07(土) 14:00:27 ID:G5TEnCwr

〜エピローグ〜
 
 A'sの守り手

「ぶち抜けぇぇ!!」
 憤怒と共に振り下ろされた激渇は今まで主を守り続けていた堅牢を物の見事に粉砕させて見せた。
 砕かれた光は虚空に消え、鉄槌の前にあるのは杖と少女の体だけ。
 既に勝負は決している。緋色の怒りを止められるものはもうここにはない。
「きゃぁぁっ!!」
 手負いの杖は一撃を前に容易く砕け散る。止まらない切っ先がバリアジャケットを引きちぎり彼女から悲鳴を引きずり出す。
 壁に叩きつけられて崩れゆく体。立つことさえ叶わない、全身が痛くてそれどころではない。今までこんなになるまで痛めつけられてなかった少女にとって、この敗北は少女なりの自信がへし折られた瞬間でもあった。
「…………」
 勝者は無言で歩んでくる。あの時、ディバインバスターが彼女の帽子を吹き飛ばした時からこの調子だ。きっと大切なものだったに違いなかった。
 不可抗力とはいえ彼女の導火線に火をつけてしまったこと。したくないけど後悔した。
 彼女の右手がゆっくりと振り上がっていく。それは彼女としても本来の目的から逸脱した行為。人を傷つけることは主から固く禁じられていた。その誓いを彼女は破ろうとしている。
 破るも何も我を失っていてそんなことは忘却の彼方。それだけ帽子を壊した罪は重い。少女にとって主の思いが詰まった物を壊すものは誰であろうと万死に値するのだ。
「……ぁ」
 残る力全てで左手を傷だらけの相棒を掲げようとする。震え、焦点さえもはや定まらない杖はそれでも諦めはしない不屈の魂の表れか。そんなもの、もう少女にとって無意味なものでしかないのに。
(これで……終わりなの……?)
 敗北だけでない、その先にある結末。少女の中にはっきりとそのビジョンが構築されていく。
 こんな所で自分は終わってしまうのか。あまりにあっけなさすぎる。
(やだよ……いやだよ……)
 蒼い目をぎらつかせて少女の右手が頂点まで掲げられた。その目に映る憎悪は少女を簡単に恐怖させる。
 一人で、真っ直ぐな正義感で立ち向かってこの有様。まだ名前も、目的も、何もかも知らない相手に今自分は倒されようとしている。
 助けは――ない。でも少女は願った。
(クロノくん……)
 共に戦った仲間を
(フェイトちゃん)
 かけがえのない親友を
 振り下ろされようとする槌を彼女は双眸を固く閉じて見ることさえ拒否した。完全に少女は戦うことを、諦めないことを、放棄した。
(……ユーのくん!)
 会いたい、助けて欲しい、隣にいてほしい――!
 やっぱり片羽なのだ、自分は。無理やりそれで今日まで飛んできて、それを目の前の少女に叩き落された。それだけ。
 だからやっぱりいて欲しい。だから強く願った。
183176:2006/01/07(土) 14:01:13 ID:G5TEnCwr

「なぁっ!?」
 何かが激しく衝突する音。聞こえた声は凄く驚いていて、槌は自分を喰らっていなかった。
 ゆっくりと開いた視界。激しく明滅する光の中で誰かが自分とあの少女の間に立ち塞がっていた。
 激しく翻るマントは新調したのか凄く綺麗で、覗く背中は凄く大きく見えた。風に遊ばれる淡い亜麻色の髪はあの時ほとんど変わらない長さ。そこに来るはずのない人物をはっきりと少女に認識させていく。
 少女の目に留まる彼の右腕に巻かれた何か。それはあの日自分の代わりに彼を見守ってくれるように、願いを込めた対のリボン。
 あの時と変わらない色。風に乗って激しく揺らめくその姿はすぐに傷ついてしまいそうな儚さを持っている。それでも傷もほつれも、何もないのは彼が約束を守っていた証。
 少年は誓った。どんな怒りも憎しみも、この右腕に巻かれたリボンには絶対触れさせないと。
 そして自分の後ろにいるであろう少女には何人たりとも触れさせないと。
「ハァッ!」
 鋼の決意は鉄槌を絶対に届かせない。
 一際大きな音が響き、緋色が後ろへ退いた。
「なんだてめぇ……」
 忌々しげに少年を睨み吐き捨てる。
「仲間か……」
 少年はゆっくりと少女を傷つけた相手へ刹那の睨みと共に答えをぶつける。
 そのためにここに来た。
 大切な人を守るために、守り手になるために、僕はここにいる。
 高町なのはを守るためにユーノ・スクライアはここにいる。
 だから自分はなのはの
「――盾だ!」
 新しい始まり、A'sとその守り手の物語が今ここに――。
184176:2006/01/07(土) 14:08:03 ID:G5TEnCwr

これで完結です
本当はエピローグは二つ用意するつもりだったんですけど
片方のA'sに繋げない再会は皆さんで想像してください(オイオイ

これでユーノの物語「彼女の守り手」は終わりです
いろいろとありましたが今まで飽きずにごらんいただきありがとうございます
これからもいろいろとクロノとか他にも書いていきますのでその時はよろしくのほどを

>>549
すいません、お手数かけて
それにたぶん容量一番とってるのは私かと

余談ですがA's←('A`;)に見えてしょうがない
185名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 14:42:28 ID:7ASVLI1x
>>184
176氏乙&GJ!!
長い間楽しませてもらいました。
186名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 14:44:57 ID:0O+4Ne4i
>>184
176氏長い間お疲れ様でした!
次回作も楽しみに待ってます!!

それにしても、このままA's編も読んでみたくなりますよ…
書く予定あります?(笑)
187名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 15:01:35 ID:T1vFLeh2
>>176氏、お疲れ様です。素晴らしい作品をありがとうございました。
ネタキャラとして虐げられるユーノきゅんに微妙に切ない気分になっていた(笑)ユーノファンとしては、
愛情溢れるユーノ×なのはが読めて感動でいっぱいです。
188名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 16:21:08 ID:FAyptVbm
今日初レスの新参者です。>>176氏お疲れ様でした。ユーノ君かっこいいなぁ。
189名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 18:01:00 ID:2ahAIJ21
133っす。
>640氏、549氏
ども不肖私めのために、ありがとうございます。
では勇気をもってやってみようかと思います。

実はもう半分くらい書いているんですが、うまくまとめられるかなかなか不安……。
その当りや文章校正含めて、投下までは少しかかると思いますが、晴れて投下できた暁にはよろしくお願いします。

そして>176氏、お疲れ様でした。
男らしいユーノ君が見れましたよー。
190名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 18:07:31 ID:OkpKp6tj
176氏、お見事です。
泣けました。
191水死体 ◆VbCFpoV.fE :2006/01/07(土) 18:27:32 ID:lc/xukLK
>>132
この物語に登場する人物は 全て18歳以上です(笑)

>>144>>172>>174
あらら、>>640さんと同じく私も殺人予告受けちゃてますね。
助けて犬のお回りさ〜ん、>>144が虐めるんだよ〜うわぁああぁん!
だけどあんまりそういう書き込み方はしない方がいいと思うよ
スレ住人が気分を悪くするし、荒しとみなされるしね
それに某事件の後、2ちゃんねるで殺人予告とかしてほんまに捕まった人とかいるし
2ちゃん管理側はアクセスポイント辿れるんだから、住んでる場所までバレバレだよ
でもって、ある日突然警察が尋ねてきて「ピンポーン」てなことになっちゃうよ?

そんなこと言うと残りのすずかのズタボロENDもこのスレに張っちゃうよw
内蔵抜き取られて足切断だよ〜猟奇だよ〜イッヒッヒ
i||i ∧||∧
  (  ⌒ ヽ  
/
  ∪  ノ
   ∪∪
とりあえず吊っとくから、これで許してねんw
所詮はただのSSなんやから、後ろに手が回らんうちにこれぐらいにしとけや


>>176さん
長編おつかれさま&GJでした!!
やっぱりユーノ×なのはですよね
次回作も頑張って下さい!
192176:2006/01/07(土) 18:32:22 ID:G5TEnCwr

みなさんどうもありがとうございます
こんなにお褒め目の言葉をもらえるなんて光栄です

>>549
最後の最後までお手数かけますが

(……ユーのくん!) →まるわかりですが『ユーノくん!』ですね

亜麻色の髪はあの時ほとんど変わらない長さ。→あの時とほとんど変わらない

修正の程を……
なんでこんなにぼろを出すのかorz すいませんほんとに最後まで駄目な子で

>>133
頑張って、まずは投下です
ほんとに楽しみにしてますから

次回作ですがまず前のクロノものから完結ですかね
上の展開でのA'sもそう言われると書いてみたいですが、多分別の形になるでしょう
アリサとすずかを魔法少女にしてはやてとくんずほぐれつ絡ませるとか
193名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 19:07:43 ID:lc/xukLK
>>191で失言がありました。
 >所詮はただのSSなんやから
これは自分の拙い駄文に対してのみの発言です。
失礼いたしました。
194名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 19:30:49 ID:WkpEK6//
コテやってると、そういうのにレスをしないといけない気になるそうだけど
NGに入れてスルーしておいてもイイと思うよ。
195549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/07(土) 20:40:55 ID:xtuzAM8r
保管庫更新しました。
>176氏
GJ!&お疲れ様でした。
自分はユーノ派なのでとても面白く読めました。
次回作(エイミィ物?)も期待してます!

修正点ですが、「亜麻色の〜」の部分は文末の「長さ」を削りましたけどあっていますか?
あと章番号も修正しました。
196176:2006/01/07(土) 21:46:36 ID:G5TEnCwr

>>549
すいません、まさしくそうです。
修正前の箇所が残ったのに気づかなかった私の不手際に
重ね重ね、ありがとうございます

次回作も頑張りますので

ここからは余談なのですが……
実はこれ以外にもいろいろ気晴らしに書いていたりしたものがあるのですが
なんか書いてしまっておくというのもなんかあれなので
かといって一部のシーンだけなので貼るわけにもいかず
少しオリジナル(キャラでなし)入っているのでどうなのかなぁ、と

そういうわけで見たい人だけ見るような感じでロダに上げときます
苺1のup4454 passは淫獣
クロノ物が終わったらこれでも書こうかなと思ってたりするもので
もちろんエロもいろいろと



197名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 22:00:43 ID:c+MLRlis
>>176氏激しくGJ!!そして乙でした。
ユーノくんに惚れ直しました。A's本編でもこんなかっちょええ活躍が見たかったなあw
198名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 22:27:40 ID:0O+4Ne4i
>>196
176氏、さっそく読んでみました。
これもまたいいですね、楽しみにしてます!
でも…魔法少女隊と同い年の男の子ってユーノ君だけかwwwうらやましいwwwww
199名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 23:18:40 ID:X3HY0dQT
>>196
読んでみましたー
・・・マ ジ で 続 き 読 み た く な っ た ん で す が
特に後半のネタが非常にいい感じですた!
200549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/08(日) 00:08:44 ID:OUJDtKfy
>>196
だめ、まったくどこだか判らない。。。orz
201名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 00:34:53 ID:DaS982XU
水死体氏、640氏あんたらが元凶かぁぁぁぁーーーーーーッ!
こうなったら徹底的にこの掲示板で話し合おうじゃありませんか
殺しはしない、殺しはしないがなのはの侮辱SSはこれ以上書かせないッ!!
byなのはを守る者より
202名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 00:41:57 ID:unkGRycB
かゆ
うま
203名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 01:25:02 ID:JI5lCY1s
>>184
GJ!これからも是非とも上質な作品をお願いします。

<チラシ寿司>
>>201
(゜Д゜)What?3:16。

Shut the fu○k up.
気持ちは分かる。凌辱系はあまり見たくない。だが荒らすな。
</チラシ寿司)
204名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 02:16:48 ID:YHouJ/jC
大人の対応・・・ね。
205名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 02:19:06 ID:CIsgJfDP
すずかEND見たい俺はちょっとアレかなあ・・・
話として割り切って見れる人間なら大丈夫だろうに。
206YUKI:2006/01/08(日) 02:33:16 ID:gX6RpbRl
初めまして、YUKIと申します。
皆様の素晴らしい作品の後に載せるもは少し緊張しますが、
初投稿致します。

ちょっとまだ途中なんですが・・・
207YUKI アースラの恋模様1:2006/01/08(日) 02:34:26 ID:gX6RpbRl
「♪ふ〜ふふ〜ん ふ〜ふ〜ん♪」
小気味いい鼻歌がコントロールデッキ内に響く
楽しげな歌の主は・・・・

「(♪明日は久しぶりの非番〜)」
「エイミィご機嫌ね」
「あっ、艦長。ハイ!明日は非番ですし、なのはちゃん達の世界を観光する予定なんです」
「あら、良いわねぇ。楽しんでらっしゃい♪」
「ハイ!勿論!」
満面の笑みでリンディの答えた
「(最近非番が無かったし〜、明日は・・・・・・ふふふふ・・・)」


仕事を終え自分の部屋に戻る途中、廊下でクロノに会った
「あっ、クロノ君!明日のことなんだけど!」
「あぁ、ちょうど良いところで逢った。エイミィ、明日の観光のことなんだが、中止にしよう」
「えっ?えぇぇぇぇぇっ!!な、なんでぇ!?」
「なんでいきなり!?」
「さっきフェイトから模擬戦闘訓練の相手を頼まれたんだ。」
「魔道士たるもの、常に戦闘の勘を保つ必要が有るからな。闇の書の一件が終了して以来、戦闘訓練していなかったから丁度いい機会だと思ってね」
208YUKI アースラの恋模様2:2006/01/08(日) 02:35:31 ID:gX6RpbRl
常に冷静に艦内の戦闘能力を分析する、クロノの当然とも思える判断だった
「で、でも・・・・訓練なら明日じゃなくても出来るんじゃない?」
「エイミィ、それは違う。いつ、どんな事件が起こるか解らないんだ。」
「そのためには訓練を頻繁に行う必要がある」
クロノとの付き合いが長いエイミィはクロノのそんな考えは簡単に理解できた
理解はできたが、心は納得は出来ていない
「でも!私との約束の方が先だよ!?」
「エイミィ、優先度を考えてくれ」
この一言がエイミィの我慢の限界を超えさせた


「つまりクロノ君は、私との約束よりも、フェイトちゃんとの訓練の方が大事なわけね」
「いや、大事だとかじゃなくて、優先度が・・・・」
「もういい!!もうクロノ君のことなんか知らない!!勝手にすれば!!」
「お、おいエイミィ」
「クロノ君のばかぁぁぁぁ!!」
ばっちぃぃぃぃぃん!!!!
凄まじい音と共にクロノの頬には真っ赤なモミジマークが・・・・
209YUKI アースラの恋模様3:2006/01/08(日) 02:36:41 ID:gX6RpbRl


「クロノ君の馬鹿!クロノ君の馬鹿!クロノ君の馬鹿!」
ベッドの上で枕を殴りつけながらエイミィは愚痴る
ピンク色の可愛い枕カバーが少しずつひしゃげていく

「私の約束の方が先なのに・・・・・」
「最近何でもフェイトちゃん、フェイトちゃんって・・・少しは私の方も向いてよ」
「久しぶりに二人で出掛けようって思ったのに・・・・」


翌日
「ハァァァァァァァッ!」
掛け声と共に無数の光弾がクロノを包む
その光弾をクロノは避け、時にS2Uで弾き飛ばす

「フェイトッ!もっと攻撃に緩急を付けろ!」
「は、ハイ!」
「(やはり闇の書の件から時間が経ったせいか、攻撃にキレが無いな)
(もっと実戦に近づけたほうがいいか)・・・・
(それにしても、エイミィのやつ、思いっきり叩きやがって)」

フェイトからの攻撃を避けながらクロノは昨日ビンタされた頬をさする
一日たった今でもハッキリ後が残っていた

「クロノ危ない!!」
「えっ!? しまっ!」
一瞬戦闘から気が離れたクロノの目の前に、フェイトの放った光弾が迫っていた

「――――――避けられない」
一瞬にしてクロノは判断し防御姿勢をとる
ズガァァァァァァァァァァァッ!!

爆音と共にクロノは閃光と煙に包まれて吹き飛んだ
「ぐわぁぁっ!」
「クロノ―――!!」


「ぅうう〜ん・・・・・」
「今何時ぃ?・・・・・・・・ってもうお昼かぁ・・」
昨夜は結局ふて寝したエイミィが、もそもそとベッドから這い出てくる

「ふわぁぁぁぁ・・・・・シャワーでも浴びよっかな」

210名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 02:38:12 ID:DaS982XU
>203
荒らしてるつもりはない。
俺はただその二作品の作者と話がしたかっただけだ。
(殺すというのは冗談のつもりだった。水死体氏、640氏謝ります。
ごめんなさい。軽はずみな行動でした。本当にすみませんでした。今後
このような行動は慎みますので話だけでも聞いてもらえませんか?)
>205
俺も凌辱SS読むときは割り切ってるつもりですが、なのはが絡むとやっぱり・・・(←ヤメレ
211名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 03:35:17 ID:B2vAfgoD
すいません、176さんの苺1の場所がどこかまったくわかんないんです
よかったら教えてください。
212名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 04:03:15 ID:E0cZJ0Jg
>>210
まず、あんたのレスじゃ誰も本気で話聞かない
名無しさん@ピンキーになってる部分、どのレスでもいいから押してみな
あて先の所に書いてある文字があるから、それをメールの欄に書くんだ




>>211
それはサイト自体が分からないという意味?
それともどこにろだの入り口があるかが分からないという意味?
213211:2006/01/08(日) 04:04:57 ID:B2vAfgoD
どこにろだの入り口があるかわからないという意味です。
214名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 04:28:47 ID:CIsgJfDP
苺は扱いにくいですよ。誠に勝手ですが176氏のを拡散転載しますです。
少しは取り易くなるかな・・・

http://www.vipper.org/vip174779.zip.html
pass等は同じ
215名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 08:09:10 ID:EArvFVGA
>>201 >>210
頭、大丈夫? 病院紹介しようか? キミ、本当に21歳以上なのかい?
現実と物語の区別ついてるのかな?
半年分以上のこのスレの流れを読んでるんだよな
さらにもう半年ROMった方がいいんじゃないのかね
他のスレ住人の反応見て気付かないのか、あんたの書き込み方はキモいしマジやばいと思う
それに本気で誰かと話がしたいなら名無しやめてコテハンで書き込めよ、この腰抜け
216なのはを守る者:2006/01/08(日) 08:39:08 ID:DaS982XU
215
キモいしマジやばいとはなんだ、そりゃ殺すなんて言ったのは俺も悪かった
思ってるし、反省もしている。だけどあなたにキモいしやばいと言われる
筋合いはない
217名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 09:12:32 ID:eSjjJVh1
>>153-157
遅レスだがGJ!
やっぱなのはは百合が好きだ
また気が向いたら書いてくれな
218名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 09:35:03 ID:lEtonzaA
>>216
分かった分かった
気に入らないなら見なければいいだけだろうが
この板に来れる年齢なら脳内スルーくらい出来るだろう?
219なのはを守る者:2006/01/08(日) 09:43:58 ID:DaS982XU
218
まぁそうなんですけどね、面目ない大人げなかったです。
220名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 09:49:01 ID:xBnT6ugt
>>216
俺は>>215じゃないけど、住人が不快に思うこと書くだけでも十分『キモいしヤバイと言われる筋合い』はあると思うぞ
221名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 10:06:02 ID:Fg3wE9P4
なんか湧いてるね。人気作品だからしょうがないか。
222549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/08(日) 12:03:55 ID:OUJDtKfy
>>206 YUKI氏
あ〜そこで切るのは殺生な。
エイミィのことをフェイトが知ったら
きっと自分のことを責めそうだ。

>>217
どうもです。あの子達は彼氏が出来ても
互いの危機には振り切って行きそうで、
百合より漢の友情なのかなともw

>>219
1書き手&保管庫管理人です。
キツメのは前触れしてあるのも多いので、
気配を察してスルーしてほしいかなと。
古いのは保管庫のを読んだと思われますが、
行末の「ハード」とかの記述は判りました?
参考に教えてください。
223YUKI アースラの恋模様4:2006/01/08(日) 15:28:02 ID:gX6RpbRl
私は寝ぼけた頭をサッパリさせたくてシャワールームに向かうことにした
「シャワールームがクロノ君の部屋に近いって問題なのよねぇ・・・」
誰に聞かれるわけでもないのでついつい愚痴が出ちゃう
なんか私おばさんくさいかも・・・・
そうすると、前のほうから数人の人影が………….ってクロノ君!!
「クロノ君どうしたの!?」
「・・・・・やぁ、エイミィ・・・・・少しミスしただけだ・・」
「っって、少しのミスで何で担架で運ばれてるのよ!?」

「ご、ごめんなさいっ!」
突然聞こえた謝罪の言葉はフェイトちゃんだった
私は傷だらけのクロノ君に気が動転していて、そばに居たフェイトちゃんの存在に気付いてなかった
「わた、私のせいで、クロノが・・・」
涙目になりながらフェイトちゃんが震えながら謝っている

「違う・・・フェイトのせいじゃない・・・・僕のミスだ」
私には何が起こったのか解らない
けど・・・
「とにかく早くメディカルルームへ!」
そばにいた救護班の隊員が叫んだ
「は、はい・・・・」
フェイトちゃんはそのままクロノ君と共にメディカルルームの中へ入っていった
224YUKI アースラの恋模様5:2006/01/08(日) 15:29:14 ID:gX6RpbRl
・・・・・数時間後・・・・
「…………….と、言うわけで僕が戦闘中に、訓練方法について考えていたらフェイトの攻撃を喰らっただけなんだよ」
メディカルルームの中でベッドに寝ているクロノ君が私たちに事情を説明してくれた
「ふぅーもう、クロノったら、お願いだから、身体は大事にして・・・・あなたは、私の大切な子供なんだから。私もう、気を失うところだったわ」
リンディ艦長、いえ、母親であるリンディさんがクロノ君の左手を握っていた
「御免なさい・・・・私のせいで・・・・」
「フェイトも、もういいのよ・・・あなたのせいじゃ無いわ。」
謝罪しつづけるフェイトちゃんを優しく抱きしめるリンディさんは、大きな優しさに満ちた表情で・・・・・・
見ている私の心まで暖かくなるような気がした

「そ、それで、クロノ君の怪我の具合は?」
「はい。まず右上腕部の骨折。左足首の骨折と、全身打撲と擦り傷です。
骨折以外なら、2〜3日で回復するでしょう」
救護班班長の方が説明してくれた

「こんな怪我、治癒魔法ですぐ治る。艦長、僕に治癒魔法を」
「駄目よ・・・・・」
「えっ?か、艦長?あの、僕に治癒魔法を・・・」
「だから駄目。今回の怪我はいい機会だから、あなたはゆっくり療養しなさい、クロノ」
「な、何を言ってるんですか!?僕が休んだらだれが執務官の仕事をするんですか!?」
「クロノ、あなたは確かに執務官としては優秀だし、居ないと困る存在よ。
でもね、骨折を治癒魔法で治して翌日からまた仕事をさせるほど、私は艦長にはなりきれないわ」
225YUKI アースラの恋模様6:2006/01/08(日) 15:30:05 ID:gX6RpbRl
リンディさんの力強く、また母親としての慈愛に満ちた言葉が部屋中に広がる
「だから、ゆっくり休んでほしいの。大丈夫、1週間したら治癒魔法で治してあげる」
「で、でも・・・、まだ安心していいほど情勢は安定していないよ、母さん・・・」
「大丈夫、なんとかなるわよ♪」
クロノ君の頬に軽く口付けするリンディさん
クロノ君は照れているのか、頬が少し赤い

「解ったよ・・・母さん。1週間休ませてもらうことにする」
「あ、え〜っとその、え、エイミィ・・・その、僕が休んでる間の仕事のことなんだが・・・・」
「解ってるわよ、私で出来るところは変わりにしておくわ」
「あ、ありがとう。世話をかけるが、よ、宜しく頼む」
「うん。」

「あ、あの!私にも何か手伝わせてください!」
「ん、そうね。フェイトちゃんも手を貸してくれるかな?
色々とお願いしたいの」
「大丈夫。二人でやればクロノ君の仕事なんて楽勝よ!」

結局クロノ君は自分の部屋で療養することになり、なんか私の怒りも気付けば消えていたわけで・・・

226名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 20:02:14 ID:KrdOXFhM
nyu
227名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 21:32:36 ID:kHr0EqWX
nyo
228YUKI アースラの恋模様7:2006/01/08(日) 22:06:05 ID:gX6RpbRl

―――暇だ―――
部屋で療養するのはいいが、やることが無くて暇でしょうがない
そもそも、僕は暇な時の時間の過ごし方を知らない
いつもならこの時間は仕事に片をつけ、シャワーを浴び終わって、明日にそなえて寝る時間だ
しかし明日から休みになってしまった現在、僕のやるべきことが無い

「ふぅ・・・・」
疲れてるのに体中の痛みのせいで寝れない

コンコン

部屋の中にノックの音が響き渡る
「クロノ君、起きてる?」
エイミィか、なんだろう?
「開いてるよ、どうぞ」
229YUKI アースラの恋模様8:2006/01/08(日) 22:06:50 ID:gX6RpbRl
「お邪魔しま〜す」
私はクロノ君の了解を得て部屋に入る
久しぶりに入るクロノ君の部屋
なんだろう・・・?
前に来た時より何か雰囲気が違う感じがする・・・
う〜ん・・・・・?
「何をしてるんだ?」
入り口で考え事をしている私に不信感を持ったのか、クロノ君が問い掛ける
「えっ?いやぁ・・・なんか前と部屋の雰囲気が違うかなぁっと思って。」
「そうか?別段模様替えとかもしていないが。」

でもこの謎はすぐに解ったの、クロノ君の側に座った時・・・
「(あっ、これ、クロノ君のにおいなんだ・・・)」
部屋に入ったときの違和感
それはクロノ君自信のにおいだった
汗とかのにおいじゃなくて、男性自信が発するにおい
「(そうか〜、クロノ君ももうそんな年齢になってたんだ・・・)」

「な、なんだよ、人の顔みてニヤニヤして・・・」
「えっ、う、ううん。何でもないよ!」

「で、何か用があるのか?わざわざこんな時間に部屋に来るなんて」
「う〜ん、まぁ用って程のものじゃ無いんだけど、どうしてるかなぁ〜って思って」
「見てのとおり寝たきりだよ・・・」
「あはは♪ほんと、ミイラみたい」
「笑い事じゃないぞ、トイレだって一苦労なんだから。」
「ふ〜ん、じゃぁ、私が手伝ってあげようか?」
「ばっ、馬鹿!何言ってるんだ!」
「あ〜、クロノ君顔が赤いよ〜、何かイケナイことでも想像したのかなぁ?」
久しぶりにクロノ君とじゃれあう・・・
なんか最近こういうの忘れてた感じ
230YUKI アースラの恋模様9:2006/01/08(日) 22:07:45 ID:gX6RpbRl

「違う違う!全く何しに来たんだキミは・・・?」
「ん〜、遊びに・・・?」
「帰ってくれ」
「あ〜っ!ひっど〜い!私の優しさを〜!」
「どこが優しさだ!安眠妨害の間違いだっろってってい、いててててっ!!」
思わず身体起こそうとしたクロノ君が痛みに悶える
「だ!大丈夫!?クロノ君!?お医者様呼ぼうか?」
「だ、大丈夫だ、ちょっと傷が響いただけだ」

「ふぅ〜っ、もう大丈夫だ落ち着いた」
「ちょっと凄い汗だよ、拭いてあげようか?」
「いや、大丈夫だ。それよりエイミィ、今日はもう自分の部屋に戻って寝たほうがいい。明日は仕事だろう」
「あたしは大丈夫よ。こう見えてもクロノ君より年上なのよ。」
理由になっていないような気もしたが、とりあえずクロノ訓は納得してくれた

「それより、エイミィ。今日は、悪かった・・・」
「えっ?何が?クロノ君?」
「い、いや、約束の観光のこと・・・。
エイミィとの約束が先だったのに、フェイトとの訓練を優先してしまって」
「もういいわよ、クロノ君のそういうとこ、わたしはもう解りきってるし、そういうとこ好きだし」
「そうか・・・すまない」
「それよりクロノ君。この事はフェイトちゃんには内緒だよ。」
「ああ、解っている。フェイトがこの事を知ったらあの娘は必ず自分自身を責めるだろう。
 自分が無理な訓練に誘わなければ僕が怪我することは無かった・・・と」
「うん。フェイトちゃんは自分のせいって強く思っちゃうよね。」
「あぁ、これ以上フェイトに辛い想いはして欲しくない」
231YUKI アースラの恋模様10:2006/01/08(日) 22:09:56 ID:gX6RpbRl
「(そう、これ以上フェイトの心に傷を負わせるわけにはいかないんだ。僕の妹は兄である僕が守る)」
「ふ〜ん、優しいんだぁ、クロノ君。なんだか妬けちゃうなぁ・・・。
さすが、クロノお兄ちゃんだねぇ」
「な、何を言ってるんだ!エイミィ!!」
クロノ君の顔が赤くなった
可愛い〜
「あ〜クロノ君顔真っ赤だよぉ。もっとよく見せてよ」
私はクロノ君のベッドに乗り、クロノ君の身体をまたぐように座る
「ほらほらもっと見せてよ!」
クロノ君の顔をつかみ真っ赤になった顔を覗き込む

「エイミィ、もういいだろぅ離してくれないか?」
「あは、もっと真っ赤にしてあげる♪」
「エイミィ、何を言ってるっ? むぅぅぅ?」
私はクロノ君の唇を自分の唇で塞いでいた
232なのはを守る者:2006/01/08(日) 22:09:59 ID:9/7v2iga
549 保管庫管理人様
行末の「ハード」っていうのは確かに読みました。いや僕も、話として割り切ってはいるんです。
ただあの「殺す気満々」っていうのは、「愛すべきキャラクターに何こんなヒドイこと
やってんですかあなた達はそんなことをやってると全国のなのはファンの怒りを買うぞ、
くらえ、正なのはファンの怒りッ!」っというつもりでかいたのですけど、その方法が度がすぎました。すみません。
皆さんが本気で不愉快思われたのなら私はこのスレから去ります。もう二度と現れることはありません。
233名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 23:30:39 ID:FlyMOqCK
>>232
もうこないらしいから言っても意味無いかもしんねーけど
ここで文句タラタラ言うのはわからないでもないよ?だか、
普通のファンサイト様にも"この作品許すまじ!!あなたもそうですよね!!?"的なこと言うのはやめとけよ…

>>223-225
>>228-231
GJ!!
234名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 23:55:32 ID:18L7TYsq
>>232
とりあえず半年ROMってろ
話はそれからだ
235名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 00:45:36 ID:0Q8zSRFG
232みたいのが現実で犯罪とか犯すんだろうな…
世の中色んな人間がいるもんだ
236名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 00:49:43 ID:E59FVtY/
ここは何処の釣り堀ですか。
いいからNG登録しろって
237名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 03:43:16 ID:S9uqbydV
>>232
せっかくの投下中に割り込んでくれるとは、なかなかにやりますね・・・
おかげでエイミィとクロノのいちゃつきが冷めてしまうでは有りませんか、自重してください

バット持って暴れるとかいったのは貴方ですか?
238名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 03:47:32 ID:S9uqbydV
仕方有りませんね、私の時間を邪魔した報いと言う事で
http://rakugaki.site.ne.jp/oekaki/src/1135207760264.jpg
今度こそドリルの続き第三話。ほどよくグロなので見ないで下さい。
239水死体 ◆VbCFpoV.fE :2006/01/09(月) 07:19:32 ID:nPqi+VpL
>>232 なのはを守る者
もうこないと言ってるので無意味かもしれませんが、一応。
えーと、現実と物語の区別、ついてますよね?
リリカルなのはは非常によく出来た、毎週見るのが楽しみなぐらいのアニメでした。
戦闘シーンなど、血沸き肉踊るような面白さでしたが、これは物語です。
「これは小さな願いなの後編」でヴィータが「痛くない、こんなの・・・・ぜんぜん、ちっとも痛くないっ!」
のセリフにおもわず「俺のリンカーコアなら上げるよぅ!」と思ってしまっても、これは物語なのです。
その物語のキャラクターが二次創作SSでどのような扱いを受けようとも
現実で被害を被る人はいません。
次に、2ちゃんねるには書き込む自由と、読み側には読む自由・読まない自由があります。
読んでいる最中に「これは自分が読みたいものじゃないな・・・」と感じれば、
あなたは迷わず後者である「読まない自由」を選べば良いのです。
全ては読み手の自由意志に委ねられています。


>愛すべきキャラクターに何こんなヒドイこと

純愛系SSが好きな人もいれば、私のように陵辱系SSが好きな人もいます。
実際います。
ここに一人はいます。
私はなのはのように純真無垢な女の子が、大人の欲望にまみれて
ズタボロになる話しが大好きですよ。
ええ、変態と罵っていただいても結構ですよ、事実ですからね。
他の専用・特化系スレでアリサやすずか、高町家の人々が街ごと焼き払われ
フェイトの腹に向こう側の景色が見えるぐらいの風穴が空いて
地面に大量の朱色の花を咲かせようとも
あまつさえ彼女の死骸の肉が喰われ骨をしゃぶられ、目玉を抉られて
その目の前でなのはが触手に犯され孕まされ続けて最後には
「――ろして・・・・もう、殺してよ・・・・・お願いだから・・」
などとのたまうSSを書いたり、不気味なデバイスに心を侵食されて
セックスの虜になって男と見ればホームレスだろうが誰彼かまわずに交尾をねだる
淫乱小○3年生にされてしまうようなSSを書いても
これから先、私はこのスレでは陵辱モノを書くつもりはありませんからご安心下さいな。
>>640さんはわかりませんが、もし自分が苦手系だと判断すれば
貴方が読まなければよいだけですしね。

そやからな、スレ全体が不愉快になるようなカキコは控えてくださいや。
あんたにはそのつもりないんかもしれへんけど、
他の皆にはあんたが頭のイカれた荒しに見えてるんや。
ある意味、陵辱SSよりあんたの方がタチ悪いで。
書き方とかの批判・批評ならわかりますけど、さすがにあれはちょっとね。
貴方がなのはの陵辱モノを書くこと自体が許せないというのでなければ、
書き手の自由な創作意志さえも禁じたいというのでなければ、この話はこれにて終了。
このままでは荒れるだけなので、この話はここで終わり。
このスレで私は陵辱書かない、貴方は陵辱読まない、それで万事解決。
ハイ終了、みなさまお騒がせしました!


>>237
・・・・・普通のファンサイトにも変なこと書かれてたんですか?
我々よりよっぽどなのはを守る者の方が酷いですよ

>>238
うわ〜お、GJ!
それどこの同人誌ですか?
240名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 07:42:29 ID:UJooHsKB
>>237
お前声優板の「ロザリオ」だろ
241240:2006/01/09(月) 07:43:15 ID:UJooHsKB
ごめん>>232だった
242名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 08:52:18 ID:D//2g+6+
ふう、面倒な輩だったな・・・

YUKI氏、GJです。エイミィとクロノは見てて楽しいですよ。
姉さん女房に振り回される若人な感じでw
243640@ピンチ?:2006/01/09(月) 09:47:14 ID:6G5wmPvd
>>232に対しては

>えーと、現実と物語の区別、ついてますよね?
>2ちゃんねるには書き込む自由と、読み側には読む自由・読まない自由があります。
>全ては読み手の自由意志に委ねられています。
>書き手の自由な創作意志さえも禁じたいというのでなければ、この話はこれにて終了。

自分の言いたかったことは↑でこのように水死体氏が発言済みなので
わしゃもう何もいいません。水死体氏ありがとうございました。

さあ、休みのうちに最終話書いちゃうぞ
今日中に投下できるよう期待せずに待ってて下さいorz>>all
244YUKI アースラの恋模様11:2006/01/09(月) 11:14:46 ID:daQmqvbn

初めての、あたしの唇同士のキス・・・・・
「ん、んんん・・ちゅっ・・・ちゅぱ・・・」
クロノ君の唇を包むようにする
舌で唇をなぞり、息をしようとして開いた隙間に舌を滑りこませる
クロノ君の唇の裏、歯ぐき、歯の裏、頼りなく彷徨う舌を捕まえ、私の舌と絡ませる
「んんん・・・うぁ・・・ぷちゅ・・・ぺちゃ・・・」
唾液の絡まるいやらしい音が静かな部屋に響いて・・・・・
クロノ君の身体がピクッピクッっと反応する
「気持ちいい?クロノ君?」
「え、エイミィ・・・も、もう・・・やめ」
「だめだよぉクロノ君。嘘ついちゃ」
「こんなに硬くなってるのに」
クロノ君にまたがっていた私のお尻にクロノ君のが当たっていた
「恥ずかしがる事なんかないんだよ?男の子なんだから当たり前!」

「それに、クロノ君今日からどうやって処理する気だったのかなぁ?利き手を骨折してるのに」
「だから、あたしが変わりに処理してあげる♪」

私はクロノ君のズボンを下着ごと下ろした
するとクロノ君のが元気よく飛び出して・・・・
「クロノ君の凄いねぇ」
「え、エイミィ・・・・」
「ん?なぁに?クロノ君?・・・・・・
 触って欲しいんだ?良いよ。気持ちよくしてあげる」
245YUKI アースラの恋模様12:2006/01/09(月) 11:15:36 ID:daQmqvbn


もう何も考えられなかった
自分のモノをエイミィが愛おしく指を這わせる
エイミィの長く細くて暖かい指が、リズムを奏でるように右手で袋を左手で竿とカリをさする

あたっては離れ、あたっては離れを繰り返し、一気に竿を握って欲しいという欲望と、こまま微妙なタッチをつづけて欲しいという欲望が渦巻く
「あ、あはぁ、あぁ、エイミィ、うう、た、頼むからもっと・・・」
「あぁ〜クロノ君、先っぽから汁が出てるよ〜エッチなんだぁ・・・」
どっちがだ!と突っ込みたくなったが、そんな余裕もない
「ふふ、いいよ。もっと気持ちよくしてあげる」
そういうと、僕のモノをエイミィは口の中に入れ始めた
「ふわぁぁ!あぁ!! え、エイミィ・・・」
未知なる快感が僕の中を駆け巡る
舌のねっとりとした感触、唾液に包まれる温もり、そして舌がカリの裏を激しく舐める快感
246YUKI アースラの恋模様13:2006/01/09(月) 11:16:31 ID:daQmqvbn

「きもち良い?」
竿から口を離し、左手で上下にしごきながら、上目使いに僕に問い掛ける
僕は答えることができず、首を縦に振るしかなかった
「ふふっ、じゃぁ、もっと気持ちいいことしよ?」
そう言ったエイミィはおもむろに自分のパジャマを脱ぎ去り、一糸纏わぬ姿になった

僕の上にまたがっていた彼女を僕は見上げながら彼女の身体にくぎ付けになった
スラリと伸びた手足、引き締まったウエスト、肉付きの良い太もも、形の良い二つの乳房
僕は見とれてしまっていた
「どうかな?私の身体?」
顔を赤くしながらエイミィは尋ねる

「凄く、綺麗だ・・・・」
これしか言えなかった
ただ、正直な気持ちだった

「じゃぁ、もっと気持ちよくなろう。っん、んん」
エイミィが僕のを自分の秘所のあてがいながら腰をおろしていく
先端がエイミィの割れ目の中に吸い込まれた
「うぁ、,あ、暖かくて、柔らかい・・・・」
「うっ、、うん、クロノ君のが入ってくるよ・・・」
「い、いつっあぁぁ」
痛みに震える声が部屋に響く
エイミィも初めてだったのか!?
「エイミィ、止すんだ・・・痛いんだろう?」
「だ、大丈夫・・・クロノ君のこと好きだから」
「あ、あぁぁぁっ!」
エイミィが一気に腰をおろした
処女喪失の痛みがエイミィを襲っているのだろう
震えながら痛みに耐えるエイミィが痛々しく見えた
247YUKI アースラの恋模様14:2006/01/09(月) 11:17:41 ID:daQmqvbn

くそっ!こんな時いうことを聞かない身体が恨めしい
目の前の愛しい相手を抱きしめることも出来ないなんて
何とか動かせる左腕でエイミイの髪をさする

「大丈夫か?痛みが落ち着くまで待つんだ」
「う、うん、ありがとう・・・やっぱりやさしいね、クロノ君」
「ね、ねぇ、胸・・・触って・・・」
「わかった」

左腕をエイミィの右胸に伸ばして触り始める
暖かく、柔らかい、男性を魅了してやまない永遠の神秘
胸全体を円を描くように揉みながら、乳首を挟んだり指で転がしたりする
「う、うんんふうぅ」
少しエイミィから艶っぽい声が漏れた
気持ちよくなってくれたんだろうか?
「エイミィ・・?き、気持ちいいか?」
「うん。うん。良い・・・ありがとうクロノ君」
「うん、ふわぁぁぁぁ!」
エイミィが腰をゆっくりと引き抜き、また挿入する、非常にゆっくりな動きだが、確実に僕の快感を高める
くちゅうぅ・・・じゅぷぅ・・・
腰の動きに合わせて淫靡な音が二人の結合部から聞こえる
そこに目をやると、エイミィの茂みの部分が血の赤と、透明な液体で濡れていて、僕の身体と離れるたびにいやらしく糸を引く

「あ!あ!あ!ううん!はぁぁん!  い、いい!」
「エイミィ!エイミィ!」
248YUKI アースラの恋模様15:2006/01/09(月) 11:18:26 ID:daQmqvbn
少しづつスピードを上げて腰の動きが激しくなっていく
エイミィはその動きにあわせて喘ぎ、僕はもう何も考えられない
その振動が身体に痛みをもたらしたが、もう関係なかった

「いいよぉ  クロノぉ。あ、ぁん」
「う、うあぁも、もう僕・・・だ、だめだ」
「いいよぉぉ出していいからぁ。あぁぁん。 きゃん」
「うぁ、い、イク!!あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「うん!うん!あぁぁ・・・あはぁぁぁぁぁぁl!!!
うん!・・・うぅん!・・・あはぁ、、、、出てるぅ・・・いっぱい・・・・」

お互い身体を小刻みに振動させながら、全てを搾り出すように絶頂を迎えた


「あ、あ〜え、えと、エイミィ・・・・」
「ど、どうして、その、僕とその・・・・」
「エッチしたかって・・・?」
着替えが終わって、僕は疑問をぶつけてみた
エイミィは僕の言えない言葉をハッキリと言う
「う、うん、そう。突然だったし、その、、なんの準備も無かったし」
「うん。最初はエッチしようっなんて気持ちは無かったよ」
「じゃ、じゃぁ、なんで? エイミィにとっても初めてだったんだから、もっとこう、、、シチュエーションとか、色々大事なことがあったんじゃ・・・・」
「そうね、やっぱり初めてだからロマンチックにっていうのはあったけど・・・・
 なんか可愛いクロノ君見てたら、こういうのも良いかもって思えてきて・・・」

「か、可愛い・・・?」
「うん。顔を真っ赤にしてるクロノ君可愛かったよ」
喜んでいいやら、嘆くべきやら・・・・

249YUKI アースラの恋模様16:2006/01/09(月) 11:19:12 ID:daQmqvbn
「でも、もっと大事なのは、私がクロノ君のことが好きっていう気持ちだから」
笑顔で語るエイミィが凄く可愛く、愛しさが湧き出てきた
「そうか、そうかもな・・・。エイミィ、僕もキミが好きだ」
「えっ?!、、、クロノ君、もう一回言って欲しいな・・・・」
頬を赤く染めるエイミィはとても可愛い

「駄目、一回だけ。」
「え〜、酷いよぉ。お願い!もう一回だけ!」
「駄目だ。さぁ、エイミィもう寝よう。明日は仕事だろ?
 寝ないと明日がつらいぞ?」
「う〜 (100%納得いかない顔のまま膨れている)」
「はははは、そんな顔しても駄目だ。さぁ、自分の部屋へ戻りなさい」
「もう!クロノ君のケチ!」


「ハイハイ。 おやすみ、エイミィ」
「もぅ〜………..おやすみ、クロノ君………..って、えぇぇぇぇぇぇっ!」
ドアに手を掛け帰ろうとしたエイミィが突然大声をあげる
「どうした!?エイミィ!」
「…………..く、、、、クロノ君、、、、、、、、、あの、その、、、、、」
なんかエイミィの様子がおかしい
「どうした?落ち着いて話してくれ」
「あのね、その〜、、、、、、、、ドアが、少し、、、、、、あ、、、、、開いてた、、、、、」
「、、、、、、、、、、、、っえ!?、、、、、、、、、、、、、、、、あ、、、、、、開いてた、、、、、?」
「う、うん・・・・・」

訪れる沈黙
「っていうことは、僕たちの会話は、、、、、、外に丸聞こえ?」
「うん。・・・・・・・・」

後頭部を鈍器で殴られたような衝撃を受け、僕の意識はそのままフェードアウトしていった


250YUKI :2006/01/09(月) 11:22:59 ID:daQmqvbn
とりあえずこれで終了です。
文章で表現することの難しさを痛感いたしました。

内容的にはあと少し続けたいとも思ってるので、機会があれば書こうと思っています。

最後になりましたが、読んでくださった方、感想を下さった方、本当に有難う御座いました。
251549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/09(月) 12:13:19 ID:bF9OAH5B
>>214
どもです。DLできました。

>176氏
わかっていても「ここで終わりかーっ」と思わずw
いつか完成版がでるのを待ってます。

>>水死体氏
おーい、そこまで書くなーって
252237=238:2006/01/09(月) 12:21:11 ID:l42Nst83
>>239
そのう・・・ なんだ。
凄いです。
で、例の続きすずかちゃん分だけ、どこかにうpして貰ったりとかは出来ませんですかね?(読む気満々)
先のバット発言は、以前スレであった発言が元です。あの時は大分突っ込みましたねえ・・・
この絵はとある絵師さんが不定期に書いて掲示板に揚げてくれている絵でして、紙媒体にはなって無いです。
>>250
ク、クロノ&エイミィエロ杉ッス!なんかもうムハムハムッハーですの
253549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/09(月) 12:22:37 ID:bF9OAH5B
>YUKI氏
GJ! やっぱエイミィ×クロノだねぇ
あと廊下にいたのは……
254237=238:2006/01/09(月) 12:24:53 ID:l42Nst83
オヤシロ様がいたのかー!!??
嘘ですごめんなさい
>>253
DL出来たようで何よりです。あそこは賞味期限短いので少し心配でした。でも便利だったからつい・・・
255640:2006/01/09(月) 17:47:48 ID:6G5wmPvd
最終話 innocent starter

「あーあ・・・明日もまた検査か。いい加減うんざり」
フェイトの手から上着を受け取りながら、少女は億劫そうに愚痴をこぼした。

「仕方ないよ、こればっかりは。ちゃんと診てもらわないと・・・」
「そりゃわかってるけど。でも別にどこも身体におかしいところないんだし、やんなくたっていいじゃない」

なだめようと思い言った言葉だったが、少女にとっては藪蛇であったようである。
口を尖らせながらぶつぶつと文句をいう姿は外見どおりの幼い少女でしかない。

そんな彼女と、その後ろを荷物を持ってついていくフェイトのやりとりは、だれがどう見てもただの仲のいい姉妹の光景で。
そっくりな外見も手伝って、我侭な妹をなだめすかす姉という表現がぴったりだった。

本当は、全くの逆なのだけれど。

「でもまぁ、今日はフェイトの友達と会えるんだし。それはすごく楽しみかな」

小さな身体の姉───アリシアはそう言うと、自分よりずっと背の高い妹───フェイトに向かって笑った。






フェイトが目覚めてから、数日。アリシアの「帰ってきた」あの日からは、もう一週間にもなろうとしている。

あの日、紅き閃光の晴れた、その中心部で。
機能を停止したロストロギアと共に倒れるフェイトの腕の中に彼女は眠っていた。
生前の彼女の姿、そのまま───5〜6歳の、幼い子供の姿のままに。

何故なのかはわからない。
フェイトより先に意識を取り戻した彼女も、当初のうちはどうして自分が肉体を取り戻しているのか、理解できずにいた。


「奇跡、っていうやつなのかな」

なのは達との待ち合わせまではまだしばらく時間がある。本局内の食堂でお茶を飲みながら、アリシアは自分の意見を口にする。

今のところ現地を調べている調査員の報告からも、アリシアの受けている精密検査からも、
彼女の戻ってくることのできた理由を示す手がかりは発見されていない。

機能停止の瞬間に、何らかのきっかけでロストロギアがプレシアの願いを正しく叶えることができたのだろう。

医師の言う仮説は、そんなひどく曖昧なものであり。
要は何らかの偶然が重なり合った結果生まれた、奇跡のようなものだと言われているような気がしたのだった。

「きっかけ、か・・・・」
256640:2006/01/09(月) 17:49:29 ID:6G5wmPvd
二人が思い浮かべるのは、最期にプレシアが見せた、彼女達を愛おしむ満足の微笑み。
あの時、母は───プレシアは自分の意識を、ロストロギアに託した自らの思いを思い出したのではないだろうか。
そして、自分と同じ姿の虚像のその表情に、残された精一杯の力で発露させたのではないか。

だとしたら、その「きっかけ」を作ってくれたのは紛れもなく母自身であった。

「私は、奇跡だなんて思わないよ」
「アリシア」
「そんな言葉じゃ、まるでこの身体がたまたまできた偶然の産物みたいじゃない。そんなの嫌だ」

聞こえだけのいい、他力本願な努力を辞めた人間のすがるような短い言葉で表すのなんて、絶対に。

「お母さんが、私達がこうやって面と向かって話せるように一生懸命がんばって、命まで懸けてやってくれたことをそんな風に言われたくない」
「・・・うん」
「だから私は信じてる。この身体は勝ち取ったものなんだって。お母さんと、フェイトと、私の三人で」

クロノ達管理局の面々やなのは達といった友人。それに消えていったリニスに、彼女の最期を看取ったアルフ。
みんなに支えられて三人でようやく取り戻した身体なのだ、と。

「でも、楽しみだな。アリサやすずかの顔は、何度も見てるけど話すのは初めてだし」

だからこうやって彼女は今、今までできなかったこともできる。

フェイトと向かい合ってしゃべったり、笑ったり。
ドリンクサーバーから淹れたものだと丸わかりの、大して風味もない水っぽい紅茶を食堂に座って飲んだり。
会ったことのない友への期待に胸を膨らますことだってできるのだ。

「はやても会えればいいんだけど・・・まだやっぱり色々忙しいみたい」
「そっか。そっちはまあ今度のお楽しみかな」
「・・・ねえ、アリシア」
「ん?」
楽しそうに笑うアリシアへと、フェイトは真剣な眼差しを向ける。
幼い身体に自分と同じ年齢の情緒を持つもう一人の彼女は、不思議そうに首を傾げてみせる。

「アリシアはこれから、どうする?どうしたい?今から、じゃなくて。これから先、って意味で」

幸い、フェイトの時と違いアリシアは単なる事件の被害者として保護されただけの、ただの民間人だ。
民間人故に施設への立ち入り制限などはあるが、基本的に行動に対して制限はない。
しかもアリシアの場合、嘱託の家族ということでかなりその制限も緩和されている。

「そうだね・・・どうしよっかな」
「その、よかったらアリシアも私といっしょに」
「フェイト」

まだそんなことを考えるのは無理かもしれないけど、一緒にリンディ提督の。
アリシアはフェイトの言葉をある程度予測していたのか、微笑みながら皆まで言わせることはない。

「私はずっと、フェイトと一緒だよ。身体が別々になっても、ずっと」
「アリシア・・・・」
「だって、私はフェイトの、お姉ちゃんだから」
「・・・・うん・・・・」

小さな「姉」の言葉に、小さく頷くフェイト。

「フェイトと同じものをみて。同じ世界で生きて。一緒に歩いていきたい。これからは、私自身の足で」

今までできなかったことだから、やってみたいんだ。アリシアは、その小さな右手を差し出す。
257640:2006/01/09(月) 17:50:36 ID:6G5wmPvd
「だからフェイトも」
「・・・え?」
「約束」

約束の、指きり。フェイトが眠っている間になのはが教えてくれた、地球にあるという約束の儀式。
なのはは、月並みな言葉だけどと前置きした上で、がんばれと励ましてくれた。
彼女は妹の手をとり、お互いの小指同士を絡めあわせる。
「知ってるよね?」
「なのはから前、教わったから」
「私も。じゃあ大丈夫だね。・・・私達はずっと一緒だよ、って。約束しよう?」
「・・・・うん」


二人の少女の指はどちらも白くて細く、儚いけれど。
その指が紡いだ絆は、約束は、どんなものよりも強固で、何者によっても壊すことはできない。壊させはしない。
フェイトと、アリシア。彼女達二人の歩いていく方向は、きっと、いつまでも一緒。


「それでどうなの?なのはとユーノって」
「・・・うん、ユーノは気になってるみたいなんだけど、なのはが・・・」
「天性の鈍さ、と・・・はぁ。前途多難みたいね」
「・・・だと思う」

友達の、色恋沙汰とか。

「え?アリシアも学校に?」
「そうよ、リンディ提と・・・・おっと、リンディ「母さん」が手続きしてくれて。同じクラスに」
「・・・・その身長で?」
「あ、ひどーい。すぐ追い越してやるんだから」

学校のこととか。

「そういうフェイトはどうなのよ?クロノのこと、ほんとに兄としか思ってないの?」
「う・・・そ、そうだよ。兄さんは、兄さんだもん」
「ほんとー?んじゃ私がもらっちゃおっかなー、クロノお兄ちゃん」
「え!?そ、それはダメ、絶対!!」
「はぁ、ほんとわかりやすいね、フェイトは」

大切な人のこととか、色々。ほとんどが他愛もない会話であっても。
笑いあう二人には、本当にたくさん、話すことがあった。
そしてそれができる時間も、これからたくさんある。

───彼女と、私。私と、彼女。

今までできなかったこと、これからできること。

同じ顔の二人の少女。彼女達のこれからは、ようやくはじまったばかりなのだから。

258640@終わりました:2006/01/09(月) 18:08:39 ID:6G5wmPvd
というわけで、最終話です。
これで前作のssから続く話は完結という形になります。
・・・・正直よく続いたもんだorz
というか続きものだったと覚えている人がどれほどいることやらorz

今だから言えること。
・「she&me」は文法的におかしいよなぁ、と思いつつ語感で付けたこと
・A’sとネタが被りまくり「そりゃないっすよ都筑先生ー!!」と叫びながら書き直しまくったこと
・守護騎士達がツボすぎて放送の度に前言撤回して登場させたい衝動に駆られたこと
・サブタイトルに困ったら速攻で歌詞に逃げていたこと
・結局はやては出しちゃったこと・・・・etc

・・・・・今ではいい思い出ですよorz・・・・ほんとだよ?




本当に、長々続いた私の駄文にお付き合い頂きありがとうございました。
もう二つもなるべくはやく完結させるつもりですので。

>>YUKI氏
乙です。エイミィかわいいよエイミィ
259549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/09(月) 18:15:06 ID:bF9OAH5B
リアルで読んだーっ!
260名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 18:55:11 ID:h9z3fUDv
>>640氏GJ!!
この設定のままの短編なども気が向いたら是非w
残りの二つもwktkしてまってます。
261名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 18:56:40 ID:d+jEzjKZ
皆さん上手いね
262名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 18:57:29 ID:l42Nst83
ああん、お腹いっぱいですよぅ
263名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 19:29:58 ID:eudsHrHU
>>640氏とYUKI氏上手いですね。 今日は良い祝日だったなぁ。
264YUKI :2006/01/09(月) 20:34:03 ID:daQmqvbn
640氏
感想有難う御座います!
最後のフェイトとアリシアのやりとりはとても微笑ましくて良かったです。
いつも640氏の作品は最高です。

263氏
感想有難う御座います。
少しでも楽しんで頂けたようで安心いたしました。

265名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 22:04:21 ID:EV4tOteC
このスレざっと目を通したけど、
いや〜皆さんいい話を書きますな。


戦いに敗れたはやてたんが敵に頃されて
死体を犯される話なんぞを考えていた自分の思考が
めっちゃ低俗に思えてきますた……_| ̄|○
266名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 22:37:46 ID:cbq05xGn
捕らわれのフェイトってもう続かないの?
267名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 22:45:30 ID:veeVyNrc
>>640
GJ&乙かれーっ!感動した!
ちゃんと通しの話って分かってましたよw
ところでいつも『都筑』って書いてるけど…『都築』では?( ̄▽ ̄;)

>>YUKI氏
GJ!エイミィがかわいすぎてクロ助ウラヤマシス(´・ω・`)
268名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 22:47:28 ID:veeVyNrc
>>265
ちょwww死体はマズいってwww

>>266
まずはsageてね
269263:2006/01/09(月) 23:13:01 ID:8RC6FdfM
俺もYUKI氏を見習って初SSに挑戦してみようと思ったけど上手くできず挫折。
話の流れは、夕食の料理で失敗したシャマルをはやてが励ます→エッチな展開へ。
はやて「ふふっ、・・・シャマルのおっぱいは、ええ形やね。」
シャ 「あぁん・・はやてちゃん、あ・・・有り難うございますぅ・・・。」みたいな感じだったんですが。
心優しいどなたか、はやてが攻めでSS作っていただけませんか?長文で失礼しました。
270名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 00:54:13 ID:ByBsRcxL
>>269
俺も読んでみたい
ゆっくりでもいいからがんばって書いてみてはどうだろうか
271名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 02:37:42 ID:P79lId/S
>>269
がんがれ!俺も応援しとるぞ!
272名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 11:53:04 ID:bhIK3f6U
>>YUKI氏
いやぁ、もう、なんだ、GJ! でもsageたほうがよくないですか?
273名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 15:12:33 ID:wvONcMjZ
もしかすると 時空管理局→保管庫→このスレ
っていう人の流れが多くなってるのかもしれないね
274176:2006/01/10(火) 17:14:50 ID:7CLqhQc+

3 妹に叱られ

「だからあれは不可抗力だったんだ。それに謝った、すぐにさ」
 怒り肩で自分の潔白を訴えるクロノ。フェイトはそれを静かに聴いていた。
「それに被害を受けたのはこっちだ。一方的にだぞ」
 しきりにこめかみを指差している。蹴りを貰った所だろうか。治癒魔法のおかげかもうその場所には痣も傷も残っていないがクロノの表情でそれがどのくらい豪いものだったか頷けた。
「首が抜けると思ったよ」
「大変だったね、クロノ」
 情けない武勇伝を語り終えたクロノにフェイトは取り合えず慰めの言葉をかけた。
「ああ、フェイトもそう思うだろう? それでちゃんと謝ったのにこの仕打ちさ。不注意とはいえ僕はもう何も悪くない」
 あくまで全責任は向こうにあり。腕を組んでクロノはふてる。
 だけどフェイトにはそれまで査定するつもりは毛頭なかった。
「ねぇ、クロノ」
 そうフェイトがこの部屋に来たのは一方的に愚痴を聞きに来たのではない。今度はこちらの番なのだ。
「このアースラで一番強いのは誰?」
「はっ? ……それは執務官として常時動ける僕だろう。常に現場の第一線にいるんだ、当然じゃないか」
 予想もしない質問に一瞬気の抜けた返事をするクロノ。それでも勤めて冷静に自分の意見を口にできるところは流石に現役執務官のなせる業か。
 もっともこの答えこそフェイトの狙ったものであり彼女が彼から本位を聞くための切り口でしかないのだが。
「じゃあなんでエイミィに殴られたり、蹴られたりしたの?」
「そ、それは突然だったからに決まってるだろ。不意を突かれれば誰だってこうなるさ」
「でもクロノ、私の……その着替え見たときはすぐにドア閉めたと思うけど」
 その言葉でクロノの表情が一瞬固まる。実は先日よりも前にクロノはフェイトの部屋で彼女の着替えを――あられもない姿ではなくちょうど上着を脱ごうとしている所だが――これまた不可抗力とはいえ見てしまったのだが。
 その時はクロノもすぐにドアを閉め先の大惨事になるようなことはなかった。瞬時の判断を誤らなかったクロノ持ち前の冷静さの賜物である。
「おへそ……見たよね」
「そ、それだけだろ……そ、それにそれとエイミィに何の関係が」
 関係大有りだ。心中ではあまりに容易にクロノが自分の罠にかかっていく様に少し高揚感を感じながら次の一手をフェイトは押し込む。
「私は気にしてないからいいよ。でもジロジロ見られたエイミィはどうなんだろう?」
「あ、謝ったからいいだろ。それに誰がジロジロと……」
「じゃあ見とれてたの? じゃないとエイミィに殴られる隙がどうして出来たの?」
 質問攻め。攻勢のフェイトにじりじりと追い詰められるクロノ。
 思うところがあるのだろう。段々と視線もそれ、表情も固くなっている。
「男の子は別に着替えぐらいって思うかもしれないけど、女の子はすごく恥ずかしいんだよ」
275176:2006/01/10(火) 17:15:51 ID:7CLqhQc+

 言って腰掛けていたベッドから立ち上がる。自分の言いたいことは八割方言えたと思う。
「おい、待てよフェイト」
 後姿を呼び止めようとするクロノ。それでもフェイトは振り向くことも返事すらもしない。
 ドアが開く、その間際フェイトが口を開いた。
「もう他人じゃないから、妹として言わせて貰うけど」
 クロノを見ないで、声だけで応える。
「どんなに気を許した相手でもちゃんとした言葉じゃないと気持ちは伝わらないんだよ」
 いつか自分に気持ちをぶつけてくれた友達がいた。彼女のように、今度は自分がそれを他人に伝える。
 フェイトの言葉にクロノはそれ以上声を出すことが出来なかった。
「みんな二人が元通りの仲になるのを待っているんだよ。だから頑張って……兄さん」
 ドアが閉まる。一人残されたクロノは、心の中で渦巻く複雑な感情に戸惑いながら、誤魔化すようにベッドに倒れこんだ。
「兄さんか……」
 妹に叱咤されるとはわれながら情けなくなったものだ。
 確かに言われてみれば言葉は足りなかったのかもしれない。気の知れた相手だからこそ自分の気持ちは十二分に伝わっていると思った。
 そっけない謝罪。思えばそれからエイミィの様子がああなったのだ。自分の行動を省みれば顔をまともに見て謝ってすらいなかった。
「あんまりだな、僕は……」
 自嘲じみた笑みが浮かぶ。
 でも今更どうすればいい? 正直言うとあの姿を見てしまってから自分の心に現れた些細な変化に対応しようとするので精一杯なのだ。今でもエイミィの姿を見るだけで胸の鼓動が早くなる。
 これでも一応十四歳。第二次性徴やら性への目覚めやら、いろいろと例えはあるものの単刀直入にいってしまえばクロノ・ハラオウンにもエロスの女神が舞い降りた、ということ。
 この間も医学書の女性についていつも間にか十二分に学習していたり、股間の高鳴りをどのように処理すべきか思案していたり。
 フェイトはまだどうでもよかった。自分より年下で妹、さらには発達のない体になど欲情はしないのは当然のこと。
 だが――。
「……だから思い出すな」
 浮かぶ情欲の念を首を振って押し返す。
 クロノにとって、いやこの時期の少年にとってエイミィの体はあまりに危険すぎた。あんなあられもない姿を披露されてはたまったものではない。 
 まさに異性として彼女を強く意識する執務官の出来上がりだった。
 今まで抑えてきたツケ全部が思いもよらぬ形で返って来た。
「どうすりゃいいんだ」
 こんな時に自慢の頭は何もいい解決案を提案しない。はなっから想定外の命題にフリーズしているようだ。重症だった。
 天井を見つめながらクロノはため息をつく。そのままを眼を閉じ意識を閉じた。
 こういう時はひとまず寝ればどうにかなる。楽観的ではあるがクロノにとっての精一杯の解答だった。
276176:2006/01/10(火) 17:18:24 ID:7CLqhQc+

どうも176です。
ユーノくんに続き悩める少年シリーズ
今度はクロノくんです。といっても前の続きですよ

>>640
まずは完結おめでとうございます
なんというかいいですね、アニメではなかったあの光景が現実に
次の作品も楽しみにしてますよ

>>YUKI氏
エロGJ!
やっぱりフェイトよりもエイミィだな、なんて思う今日この頃
私のクロノくんにも励みになりますよ

>>549
保管庫の方でこのクロノものを一纏めにしてもらえますか?
いいかげん仮題のままなのもしっくりしないので
タイトルは『Private aide』でお願いします
サブタイは
1話『アースラの朝』、2話『ギクシャクな二人』で

>>269
男は度胸、なんでも試してみるものさ
そういうわけでまず書いてみましょう、応援してますよ


あとロダの方にあげといたのを読んでくれた皆様ありがとうございます
続き書く励みになりますね
今だから言えることですが、彼女の守り手で最終話のタイトルは
640氏がinnocent starterだったのを見て、よろしいではLittle wishだ
なんて由来だったりします。そういう意味では助かりましたよ、はい
277640:2006/01/10(火) 19:23:23 ID:kAf9PBJp
とりあえずお買い物のほうから続きを執筆開始。
んー、とりあえずキャラ壊れてる人が数名いますがorz
はやてがなんだか黒いけど気にしない。週末投下予定。

>>260
一応裏設定だけはがっつり作りまくったから可能ではありますが。
そのうちやるかもしれません。

>>267
>ところでいつも『都筑』って書いてるけど…『都築』では?
・・・・へ?あれ?・・・・(確認中)・・・・orz素で間違ってた
だって変換でこっちが先に出てくるんだもんorz

>>269
まずやってみるべし。超がんがれ

>>YUKI氏
ありがとうございます、ほんと。
まあなのはのssなのに最終話になのはが出てこない辺り、
自分の力不足がまだまだ明らかだったりするんですがorz
さくら板スレのなのはさんが見たらエクセリオンバスターの刑だな確実に

>>176
兄妹いいよ兄妹頑張れクロノ
もうこれでもかってくらいにツボをついてきてくれますなwww

>innocent starterだったのを見て、よろしいではLittle wishだ
あ、そうだったんですか。なんか合わせてもらったようで、ありがとうございます
278名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 20:57:00 ID:8k9XUJG0
>>252 237=238さん
ttp://kitisuka.s10.x-beat.com/
とあるスレの保姦庫をある奇特な方が作って下さいました。
こちらの鬼畜陵辱2か3にアリサ編・なのは編の再録と一緒に投稿させてもらってます。
蛇足で穴があったら入れたい・・いや、入りたいぐらい恥ずかしいですが・・・

もうその絵師さんの過去の絵は見られないですか?
地面にうつ伏せで倒れたなのはが、いったいナニをされたのかが気になって・・

>>640さん
完結乙&GJてでした!!
はう〜・・・・アリシア〜

279名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 06:49:56 ID:/jKpyenF
>>278
ありがとうございます、とても良い鬼畜でした。
お礼というワケではないのですが、例のドリルの取り逃し分です
http://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi21178.zip.html
一枚ごとの連続性がやたら薄いんですよね、これ・・・。作者結構行き当たりばったりで書いているようでして・・・
機会があれば凌辱されているときのも読んでみたいと思ったりw
280名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 16:37:58 ID:0TQIvlcE
みなさん素晴らしい作品ばかりですね。
私も投降を

「ううううう!」
机から少し離れ椅子に座ったまま大きく背伸びをする影があった
影の大きさから13、4歳だろうか
「組んでは見たが、この仕様なら速さは問題ないだろうが、とりあえずエイミィのところに行くか」
少年は立ち部屋を出て行った、目指す先はブリッジである
少年は歩きながら待機状態の2機のデバイスを見る、そしてまた進行方向に視線を戻す
その姿は心躍っているようにも見えた
ブリッジの扉を開ける
「エイミィ、頼みがあるんだが・・・」
「何?クロノ君」
エイミィと呼ばれた女性は椅子を回転させクロノの方へ向く
「このディスクとデバイス2機を開発局に送っておいて欲しいんだ」
そう言いディスクとデバイスを差し出す
「OK、でもどうするの?」
「そろそろなのはやフェイトに追いつかれてきたからね、只でさえデバイスの補正や魔力値でも
 負けてるのにこれ以上は差をつけられないための措置さ」
エイミィは首をかしげながらもその頼みを承諾した
281名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 16:38:46 ID:0TQIvlcE
所変わって聖祥大付属小学校三学年の1教室、その教室に砲撃魔導師こと高町なのはの姿と
漆黒の魔導師ことフェイト・テスタロッサの姿があった
「今日からはやてちゃん復学だよね」
「はやてが多分同じクラスだって言ってたけど」
「まぁ、同じクラスなら良いけど違ったって会いにいけば良いじゃない」
金髪の少女アリサ・バニングスが言い、
「そうだね」
と黒髪の少女月村すずかがアリサの意見に肯定する
しばらく雑談している内に始業のチャイムが鳴り皆席についた
「えぇ、突然ですがこのクラスに新しいお友達です。1年生の頃から体が不自由で学校に来ることができませんでしたが、
 最近それも回復し,やっと皆さんと一緒の学べることになりました。
 はやてさん、どうぞ」
教師に促され教室の前の扉が音を立て開く
「八神はやてです、これからよろしく頼むな」
その後は以前のフェイトと同じようにはやてはクラスメイトに取り囲まれ質問攻めにあっていた
昼の休憩の時には取り巻きもなくなり、なのは達と昼食を取っていた
「なのはとフェイトだけじゃなくはやてまでとはね」
「本当、聞かされたときは驚いたよ」
「しゃあないやん成り行きやったんだし」
周りになのは達以外の生徒の姿は無く魔法の話で盛り上がっていた
そこでなのはの携帯が鳴った
なのはは携帯を取り出し発信元を確認する・・・時空管理局クロノ
それを確認しなのはは通話ボタンを押す
「もしもし?なのはです、どうしたのクロノ君?」
『すまないが来週の・・・そっちの世界で土曜日に本局にフェイトとはやてと一緒に来て欲しいんだ』
「何かあったの?」
なのはの表情が少し曇る
『いや、渡したいものと付き合って欲しい事があるんだ』
282名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 16:39:22 ID:0TQIvlcE
続きます
283名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 19:26:07 ID:QrBDNtFZ
wktk
284名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 19:27:01 ID:mEtDiPqK
>>279
ありがとうございます!
ほんとにドリルだ、しかもアリサがどこかの陵辱エロゲのように・・・ハァハァ
285名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 19:57:02 ID:aeEW1nm6
アリサの絵はガチでエロゲの絵だが。
286YUKI アースラの恋模様11:2006/01/12(木) 00:12:17 ID:I2zMku7V
コンバンワYUKIです
全快投稿したやつの一応続編に当たるものです、途中ですが投下します。

少しだけ開いていたドアの向こうにいた人は・・・?


「(クロノ大丈夫かなぁ・・・・
 やっぱりもう一度謝ったほうが良いよね)」

私はクロノの部屋に向かって廊下を歩いていた
さっきはきちんとクロノに謝れなかったし、多分怪我のせいで不自由してるだろうし

クロノの部屋に近づいたら、クロノの部屋から光が漏れていることに気付いた
ドアが少し開いてる?話し声も聞こえる・・・
誰かと話してるようだった

「あたしは大丈夫よ。こう見えてもクロノ君より年上なのよ。」
あっ、エイミィの声だ・・・・
エイミィと話してるんだ・・・・

ドアの隙間から部屋の中を覗いたら、なにか二人が深刻な話をしているのが聞こえる

「それより、エイミィ。今日は、悪かった・・・」
「えっ?何が?クロノ君?」
「い、いや、約束の観光のこと・・・。
エイミィとの約束が先だったのに、フェイトとの訓練を優先してしまって」


287YUKI アースラの恋模様12:2006/01/12(木) 00:14:01 ID:I2zMku7V

えっ・・・・?
クロノはエイミィと先に約束していた・・・?
それなのに私のわがままに付き合って・・・・
怪我をして・・・・・・

「もういいわよ、クロノ君のそういうとこ、わたしはもう解りきってるし、そういうとこ好きだし」

私は自分の胸を右手で握り締めていた
私が無理にお願いしたせいでクロノは骨折してしまった・・・・
私のせいで・・・私のせいでクロノが・・・

「それよりクロノ君。この事はフェイトちゃんには内緒だよ。」

私はハッとなって顔を上げる

「ああ、解っている。フェイトがこの事を知ったらあの娘は必ず自分自身を責めるだろう。
 自分が無理な訓練に誘わなければ僕が怪我することは無かった・・・と」
「うん。フェイトちゃんは自分のせいって強く思っちゃうよね。」
「あぁ、これ以上フェイトに辛い想いはして欲しくない」

私は言葉が出なかった
ただ胸が熱くて
涙が止まらなかった

私のことを大切に思ってくれる人が居る
私が大切にしたいと思える人が居る
それだけが・・・こんなにも心熱くさせるなんて


二人に謝りたい
二人にこの想いを伝えたい・・・

ただそう思ってドアを開けようとしたその時

「クロノ、エイミィ、、、、私、、、」

「ん、んんん・・ちゅっ・・・ちゅぱ・・・」
「んんん・・・うぁ・・・ぷちゅ・・・ぺちゃ・・・」

今自分の前で起きていることが理解出来なかった

二人、、、、キス、、、、、してる、、、、


気付いたら私は走り出していた

ただ、その場に居たくなくて・・・・

さっきとは違う感情が私の瞳に涙を溢れ出させた
288YUKI :2006/01/12(木) 00:17:52 ID:I2zMku7V
あ、すいません。
タイトルの番号振り間違えてました。
正しくは>286がアースラの恋模様17
>287がアースラの恋模様18です。
289640:2006/01/12(木) 22:14:34 ID:4eFoT+XD
・・・・本当に自分は、ついてきて良かったのだろうか。

そりゃあ、家でヒマを持て余しているよりは有意義だろうし、今日は講師として行っている道場も休みだ。
だから、今日の二人の誘いを受けたのだが。

(確かに二人の仲が良いのはいいことだが・・・・)

もう少しこの二人、恭也と忍──特に忍なのだが──は、連れのことや周囲に気を配ったほうがいいのではないだろうか。
人目も憚らずに、いちゃいちゃしすぎだ。見ているこっちが恥ずかしい。
周りから自分がこんな二人の連れと見られていると思うと正直情けなくなってくるほどだ。
・・・・と、若干温くなったコーヒーを飲み干しながらシグナムは自分をこの場に連れてきたバカップルに対して思っていた。
何度か道場で手合わせした青年と目の前で恋人といちゃつく青年が、同一人物とは思えない。
魔力もなしで自分と互角の勝負を演じて見せた男は一体、どこの地平線の彼方にいってしまったのやら。
今の彼相手なら軽く一本とれるのではないか?とすら思えてしまう。
(やれやれ・・・・ん?あの金髪は・・・)




魔法少女リリカルなのはA's after 〜買い物に行こう。〜

第二回 増援到着?




そんな、二人のあまりのラブラブっぷりに辟易しつつあった彼女であったから、意識は彼らよりも他の方に向いていた。
一瞬、よく知っている髪形の人物が通ったような気がしたのである。
コーヒーをすすりつつ横目で追ってみるが、その姿は既に見失っていた。

(・・・気のせい、か?テスタロッサがいたような・・・)

まぁ、休日だしそういうこともあるだろう。丁度買い物客の一番多い時間帯なのだし。
あの一家は皆忙しいし、彼女が一人でここまで買い物にくるとは思えない。
たまの休みに家族揃って買い物でもしにきたのであろう、姿を見るというのも十分にあり得る話だ。
シグナムはそう納得し、二人のほうへと向き直ろうとした。したのだが・・・・。

「ぶほっっ!!??」

次の瞬間、コーヒーを吹いた。砂糖とミルクがたっぷりの、茶色の液体をそれはもう盛大に。シグナムは意外に甘党でした。
まあ、それはどうでもいいとして。

(今のは、まさか・・・・)
なんだろう。
なんか今、すごく間近で感じたことのある魔力の波動がおもいっきり魔法を発動させながら通り過ぎていったんですが。
具体的に言えば高町なのはとか高町なのはとか高町なのはとかの。
290640:2006/01/12(木) 22:15:41 ID:4eFoT+XD

「うわ、大丈夫かシグナム」
「あ、ああ・・・なんでもない・・。ちょっと器官に入っただけだ・・・」

流石にいちゃつくのを止めシグナムを気遣ってくる二人を手を上げて制し、飛んだコーヒーをおしぼりで拭き取る。
服に付いていないのが幸いだった。付着していたらまたシャマルにまた汚したと数時間に渡ってこっぴどく叱られるところだった。
あれは本当に情けなくて首を吊りたくなってくるから勘弁してほしい。というか今自分がコーヒー吹いたのは君の妹のせいですよ恭也君。

・・・にしてもこんな街中で魔法を使うなんて一体何をやっているのだ、あの子は。

(・・・・やれやれ、世話のやける)

「済まない、ちょっとトイレに」
「ああ」
「はーい」

一応釘を刺しておかねばと立ち上がるシグナム。この空気にいささかげんなりしていたし、丁度いい。
・・・そう、このときはまだ彼女は、魔力を感じる先に居るのは「なのは一人」だけだと思っていた。



思ってはいたのだが。



・・・・・・が。事態は騎士の予想の斜め上を行っていて。

「・・・何をやっているんですか、主はやて・・・と一同」
「え?あ!?ええ、シグナムさん!?魔法使ってるのに、なんで!?」

背後からかけられた声に、一同大いに慌てている。
特に認識阻害を行っていた本人のなのはは、半ばパニックだ。
一方のシグナムのほうもはやての姿を改めて確認し、顔をひきつらせながら額を押さえている。
うちの主は一体、何をやっているのだ。まさにそう言いたげに。

「・・・落ち着け、高町。私は長年の戦闘経験で不意討ちに慣れすぎてしまっていてな、この手の魔法は肌でわかってしまうんだ」
そのせいでヴィータやシャマルからは奇人変人扱いされるのだけれど。
守護騎士として戦ってきた時間は変わらないのだからできない彼女達の鍛錬が足りないのだと思うのだが、
その意見を言っても真面目に聞いてもらった試しはない。ちなみにザフィーラも同じことはできるが、そこはまぁ犬だし。

「は、はぁ・・・・なるほど」
「して?主はやてと一同はこんなところで何をやっているのです、こそこそと」
こめかみを震わせながら尋ねるシグナム。落ち着け自分、平常心、平常心。
街中のこんな人通りの多い中で魔法を使うのに自分の主が加担していたとはいえ、ここは冷静に。
「ああ、それはなー・・・」
ちら、とはやてが視線を送った先を見ると、やはり先ほど見た気がしていた少女の姿があった。

「ああ、やっぱり来ていたのか・・・・ん?隣に居るのは・・・」
あの栗毛は、ユーノ・スクライアじゃないか。この二人の組み合わせとは珍しい。どうやら家族で来ていたわけではなかったようだ。
何やら一緒にアクセサリー等を物色してまわっている。

「・・・・なるほど、そういうことですか」

大体、状況は掴めた。非常に遺憾なことに。掴みたくはなかったさ、そりゃあ。
291640:2006/01/12(木) 22:16:29 ID:4eFoT+XD

「尾行とは、あまり感心しませんが」
「「う」」
言葉に詰まるアリサとはやてとは対照的に。
後ろの二人は心底ほっとしたような表情を浮かべている。
どうもうちの主達が無理矢理ひっぱってきたようだ。
(・・・・魔法まで使わせてしまって、申し訳ない)
心の中でシグナムは、心底二人に詫びていた。

「・・・わかった、もう尾行はせえへん」
「わかって頂けて、何よりです」
「離れたところから、見守るだけや」
「・・・・・ は い ?」

今、なんとおっしゃいましたか?それはあまり変ってませんよ?むしろそれって言い換えただけでは。

「やから、なんかあっても手はださへん。見てるだけや」
「いや、そういう問題では・・・」
ないでしょう。そう続けようとした。続けたかったのだが。続けさせて下さい我が主。
「あ、なんやったらシグナムも一緒におったらええ。気配絶てるいうとったよな?」
「え、ええまあ・・・じゃなくて、主」
しかし結局流されてしまうシグナムなわけで。そこのところを主はよくわかっている。

「なら丁度ええな。近づきすぎるとうちらじゃ魔法そのものの魔力で気付かれてまうし。なのはちゃん、もう一人くらいいけるやろ?うん、決まりや」
「え、ああ、うん、いけるけど・・・」
(近づきすぎると、ってことは手を出す気まんまんなのでは・・・・?)

「いやあの・・・」
「ほな、追いかけるで」
というわけでいつのまにかシグナムも一行に加えられていたのだった。

「・・・あれ?」
「はよしーやー」

「・・・あれ?」
「・・・・・シグナムさんの役立たず」
「・・・・すまん」

それでいいのかベルカの将。なのはとすずかの視線が、痛かった。
292640:2006/01/12(木) 22:17:30 ID:4eFoT+XD



───背後でそんなことが起きているとも知らず、肝心のフェイト達のほうはというと。

「と、予算とか考えると・・・こんなのどう?」
「うーん・・・」

ユーノが手に取ったものはフェイト個人の好みでいえば全然それで構わないものであったし、
値段も十分彼女のお小遣いでも手の届くものであったのだけれど。

なんだか、違うような気がした。「彼」が身に着けるものとして考えると、違うような気が。

「これも、なんだか・・・」
「そっか・・・」
「ごめんね、ユーノ。付き合ってもらってるのに」
「いや、いいよ。よりいいものを選びたいって気持ちはわかるし」

そんなやりとりを先ほどから繰り返しつつ。売り場を二人は転々としていた。

「もうちょっと見て回ろうか。もっといいものがあるかもしれないし」
「・・・うん」
「?どうかした?疲れたならどこかで・・・」
「あ、いや。そういうわけじゃないよ。大丈夫だから」
「・・・ほんとに?」
「うん、ちょっと。なかなかみつからないんだなって思っただけ」

───本当は、それだけじゃないけれど。フェイトはほんの少し、嘘をついた。

「ならいいけど。フェイトだって忙しかったんでしょ?疲れてたら言わないとだめだよ」
「うん、ありがとう」

そして、ごめんね。自分はひょっとしてユーノに、凄く酷いことをしているのかもしれない。もっと、はやく気付くべきだった。
そう思うと心配してくれるユーノの言葉に、心が少し苦しくなる。

きっと、これは後悔と、自責の念。

「フェイト?・・・ほんとに、大丈夫?」
「あ・・・・ご、ごめん。本当に大丈夫だから」

再び、思案の中に埋もれそうになっていたフェイトの思考を、ユーノがもう一度引き上げてくれた。
以前より背の伸びた彼は、少し身をかがめるようにしてフェイトの顔を覗き込み、ただ純粋に彼女のことを考えてくれていた。

だからこそ心の痛みはより一層強くなっていく。

「ほら、次にいってみよう?・・・・ね?」
「?・・・・そうだね・・・」

ユーノ一人を置いていって、ごめんなさい。私だけが変ってしまって、ごめんなさい。

手前勝手な自己満足の懺悔だということはわかっていても、フェイトは再びユーノに心中で謝らずには、おれなかった。

293640:2006/01/12(木) 22:32:59 ID:4eFoT+XD
週末投下のはずが早く書きあがっちゃいました。
今回はシグナム受難編。前半ぶっこわれて後半ちょっと真面目に。
お馬鹿な話だと今まで書いてた作品とのギャップで筆が進む進む。
周囲に振り回されるシグナム書くのが超楽しかったw
おまけにサウンドステージがもう色々キタコレで更に三倍速。
聞きながら書きながら悶絶。


>>280
乙です。期待しております。

>>YUKI氏
フェイトとまでやっちゃう気かクロノ
294名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 23:07:39 ID:2RMHSdTD
>>640氏、>>YUKI氏、>>280氏それぞれGJ!!
どれも続きをwktkして待ってます
295名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 23:36:48 ID:RBBfjOxy
>>640
GJ!主に押されるシグナムワロスwww
296名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 01:28:24 ID:FvoD6Hwq
プロローグ

クロノ「闇の書事件...
    それは僕らが新たな仲間を向かえるきっかけとなった事件であり、
    そしてその得た仲間達と共に強大な敵と戦った...
    しかし...今はそんな話をしている場合ではない...

    ・・・事件が起きた。いや、事件と言えるレベルのものかは分からない。
    管理局本局は壊滅...更には周辺空域の世界消滅...本国との通信途絶...『敵』の襲撃だ。
    ミッドチルダ本国にはまだ『敵』の勢力は及んでは居ないと思われるがそれも時間の問題だろう。
    僕を含め活動できるのは僕達アースラ所属の乗務員、そして...『彼女達』...
    僕はまた『彼女達』を戦いの場へと赴かせなければいけないのだろうか...」

                                                to be Continued
297名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 01:30:13 ID:FvoD6Hwq
第01話「再会?なの?キューキュー」

「久しぶりだねクロノ」
「久しぶりだなイタチもどき」
「何度も言うけどねイタチじゃなくてフェレッ...orz」
ユーノの凹みを無視してクロノは続ける。
「なのはとフェイトは?」
「それが...最近連絡取れないんだ。」
「っ!! まさか...!」
「 あ、いや僕だけが取れなくてさ...」
「???」
「最近、ケータイデンワって言うのを買ったんだけど...」
「ふむ」
「何度かけても「お客様の都合により接続できませんでした」って出るんだ」
「システムの異常じゃないのか?」
「いや、なのはだけに繋がらないんだよ」
「それじゃはやて達には繋がるか?」
「あそれは大丈夫だよ」
「そうか、それじゃちょっと借りてもいいか、その、ケータイデンワ?ってやつ」
「うん」
「もしもし?」
「ワンッ!」
「?! あ、ザフィーラか」
「あ、え、断じて違う!」
「・・・」
「・・・ザフィーラだ...」
「はやてと至急連絡が取りたいんだ」
「それは出来ない」
「何故?!」
「我らが主の命である」
「それじゃフェイトは?! なのはは?! アルフは?!」
「む...むむむむ...アルフも駄目だ。」
「一体何がおきてるんだそこで?!」
298名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 01:31:21 ID:FvoD6Hwq
「・・・聞きたいか...いや、話さねばなるまいな...ことの起こりは四ヶ月前...あlsk:gんlkれんgkぇrんgqrgr
;lkじゃwンflkwrンh;語k¥:れhgpくぉ3rhj』g@おh3j@おrjg@r@lrぺlg「@lれ;おいwhげおうr;
fp:wrj:gj路絵qg@絵r@jht@尾tjh』尾jほtjrkhじょpjtrhjp@えjp@hrぺkphkptえkh「tlrh「thlk「tlrh
そして最後にアルフが俺に言ったのだ...「出来ちゃった♪」と」
「・・・」
「だから今は我らの主とその友たる高町なのは、フェイト・テスタロッサも手がはなせんのだ」
「・・・つまり...子供が出来て手が放せんと」
「そうだ」
「しかもお前の子供だと」
「その通りだ」
「で、今お前は何をしている?」
「男は入るなとリビングで待っているところだ」
「・・・来い」
「なんと?」
「いいから来いつってんのがわかんねーのかこのボケ!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!」
「よっく聞け!!! いいか、今世界に大きな危機が訪れようとしてるのに子供が出来た...だぁぁぁぁぁ?!
いや、それはいい、実に素晴らしい、子供とは素晴らしいものだ。成長し新しい命を育み未来へと紡ぐ素晴らしいものだ。
彼女達も新しい命が生まれるために手伝いをしているんだ。

    だ    が    な    、    お    前    は    何    だ    ?

馬鹿みたいに待ってる?! しかもこんな最悪の事態の時に狙った如く造りやがっておまえれ:おwんがおwれぇh」
「クロノ!クロノ!! デンワ壊れるから!!
とりあえずザフィーラアースラに来てくれないか? そこでゆっくり話をしたい」
「承知した」(我が主よ約束を違え一人で散歩に出ることをお許しください...)
299名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 01:33:03 ID:FvoD6Hwq
sage忘れすまそ...
会話分主体の文章初めて書いたから整合性おかしいけど勘弁してくださいですorz
300名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 01:38:16 ID:8umEExuQ
>>299
wktk…騒ぎが長すぎw
301名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 08:25:27 ID:n7ujygNV
>640氏
ワラタ! やっぱシグナムはいじられキャラだな。

>>296
何かどこかのなりきりスレみたい。
でもザフィーラGJ!www
302名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 21:35:09 ID:aXticpPm
>>299
ザフィーラとアルフは、人間形態と犬形態
どっちで交尾したんだろう



ウワサの>>640氏の「折られし〜」読んだけど、普通にGJでしたよ
ザフィーラが獣姦でシャマルがガクブルだったけど
303名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 22:36:21 ID:m8UdgjHd
>>302
狼形態じゃないカナ? カナ?
304名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 22:56:39 ID:JkiEZFaX
確実に孕ませる為に犬形態じゃないかな?カナ?
305名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 23:47:21 ID:FvoD6Hwq
第2話「それ?はだれのせいなの?キューキュー」
クロノ「久しぶりだな」
ザフィーラ「うむ。それで話とは?」
ユーノ「それはエイミーから説明を」
エイミー「あいよ! 今から36時間前管理局で謎の消滅現象が起きたの。
      管理局の三地点から同時に反応が出たのまで確認できたけど未だ調査中なのが実際問題だよ。
      それから10時間後に周りの世界を少しずつ侵食しながら範囲が拡がってるところ。
      とりあえずなのはちゃん達の世界はまだ...?! ない?!」
クロノ「?!」
ユーノ「?!」
ザフィーラ「?!」
エイミー「ちょっと待って!! ・・・やっぱり『なくなってる』・・・」
クロノ「そんな馬鹿な!! ほんの数時間前にはまだ...!!」
エイミー「・・・冗談じゃないよ... さっきまでの進行速度が数十倍にまで速くなってる...」
ユーノ「そんな...」
クロノ「クソっ!!」



エイミー「計測の結果がさっき出たよ。新しいことが分かったから説明するね。
      まず、周辺宙域、アレは「消滅した」のではなくて「切り取られた」って感じになってるみたい。」
クロノ「? どういうことだ?」
エイミー「つまり、なんらかの力で切り取られてどこかに保存ないし移転させられてる可能性があるってこと。」
クロノ「ロストロギア級のものか...」
エイミー「そうなんだけど似たようなものはあってもこれクラスのものは登録も何もされてないからまだ何も分からないんだよねー」
クロノ「そうだな簡単に結論を出すべきではないな。続けてくれ」
エイミー「うん、それでもう一つ、管理局は健在...とまでは言わないけど不安定ながら存在してるんだ。
      しかもその管理局に異様な魔力集中ポイントが三ヶ所見つかったよ。」
クロノ「どこだ?」
エイミー「一つは無限書庫、二つはロストロギア封印施設S-16、三つ目は生体兵器研究部門の凍結施設。
      この三つから異様なほどの魔力数値が...ってみんな顔青いわよ? 大丈夫?」
306名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 23:48:00 ID:FvoD6Hwq
クロノ「だ、大丈夫だ...」
クロノ(おい、ユーノ、ザフィーラ、お前ら何か知ってるんじゃないのか?)
ユーノ(クロノこそ何か隠してるんじゃ...)
ザフィーラ(む...むむむ...)
ユーノ(はぁ...とりあえず僕からだ...この間無限書庫を整理してたら見つけちゃったんだ...)
クロノ(何をだ?)
ユーノ(ロストロギア『切り裂く世界の書』)
クロノ(あの第一級指定ロストロギアをか?! 闇の書と同系統で空間に作用するってアレか?!)
ユーノ(何か随分古びてる本があると思ってさ...開いて調べてたら...)
クロノ(調べてたら?)
ユーノ(ちょうどなのはの戦技訓練映像を流すって聞いて開いたまんま放置しちゃったテヘッ♪)
クロノ(・・・シネ)
ユーノ(そういうクロノはどうなのさ)
クロノ(ん...この間フェイトと魔道生命体の事件追っててな。その生命体というのが...)
ユーノ(何をいいたいか分かる気がするけど...言うのが?)
クロノ(暴食の巨兵って呼ばれるその世界に寄生して少しずつ世界の存在を「食う」ってアレ...orz)
ユーノ(でも、デュランダルで凍結したんじゃないの?)
クロノ(・・・実は途中でフェイトのバリアジャケットも食われてさ。)
ユーノ(・・・食われて?)
クロノ(育ちきってない胸があらわになって思わず術構築間違えてhahahaなことになって、
    先輩である手前失敗とはいえなくて、とりあえず後でゆっくり再凍結しようと思ってたんだけど、
    再凍結のこと忘れて記録室に行ってさっき戦闘時の映像を取ってじっくり見てましたとさテヘッ♪)
ユーノ(・・・シネ)
ザフィーラ(ふふふ...)
クロノ(何がおかしいんだ?)
ザフィーラ(さすが我らが12代前の主と15代前の主の創りし魔道兵器。一部の隙も無かろう!!)
ユーノ(って、おまえの元主の作成物かよ!!!)
クロノ(・・・も、もうその話はこの際言い...とりあえずザフィーラの心当たりは何だ?)
ザフィーラ(む? うむ、アレは主はやてと共に封印したロストロギアを封印施設に安置しに行った時のことだ。
       封印されたロストロギアを見つけてな。何かと思えばタダの変哲も無い鏡だったので
       ハニーを悩殺するポーズを考えて色々ポーズを取っていたのだが...
       鏡が突然唸り声を挙げたかと思えば割れてしまい、ばれると朝のおやつを抜かれるから黙って居たのだが...
       今思い出してみればアレは噂に聞く同系統の魔力を相乗する『無限の合わせ鏡』だったのではないかと...」
307名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 23:49:02 ID:FvoD6Hwq
クロノ(・・・結論からすると・・・世界の存在を食べて糧とする魔道兵器と、)
ユーノ(世界を切り裂き保管する魔道書と、)
ザフィーラ(それらを二つに反応して爆発的に効力に高める鏡による偶発的な事件ということか。)
クロノ(ばれたら良くて執政官の地位剥奪の上に放逐、悪ければ幽閉空間に永久凍結か...ユーノは?)
ユーノ(僕もクビは確実だよ...最悪一族にも手が回ればミッドチルダ博物館の標本か転生処分の後動物園行きだ...)
クロノ(お前の一族本当に裏で何やってるんだよ...)
ザフィーラ(我は主はやてにごはんを貰えなくなる...由々しき事態だ...)
クロノ(誰も聞いてない)

クロノ(とりあえずこれは僕らだけ内密に解決しなければいけないな)
ユーノ(でも解決法が...ザフィーラは魔道兵器とか造った人から何か話を聞いてない?)
ザフィーラ(うむ、12代前の主は尻が実に素晴らしかった。乳は15代前だがいやいや23代前の主のふとももも...)
クロノ(鍋にするぞこの犬が...)
ユーノ(無限書庫は使えないしもしロストロギアを止めても後付で設定を弄るためには...)
ザフィーラ(管理局のマザーコンピューターに接続するのはどうだ? あそこはまだ生きているのだろう?)
クロノ(無限書庫も使えないとなると後は本国の無限図書館で調べるしか...)
ザフィーラ(いかにロストロギアといえども元は同じ術体系、そうそう違うものでもないと思うのだが。)
ユーノ(それだと時間がかかりすぎる)
クロノ(ふぅ...ザフィーラ、なんでもいい、本当になんでもいいから何か考えはないか?)
ザフィーラ(・・・)
308名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 23:49:57 ID:FvoD6Hwq
クロノ「エイミー! 打開策を建てた。」
エイミー「本当?!」
クロノ「ただ、これが最初で最後のチャンスかもしれない...だから僕が信頼できる人物だけ行こうと思う」
エイミー「クロノ君...」
クロノ「でも、大丈夫だ、きっと帰ってくるから...」


ユーノ「口がうまくなったね」
クロノ「どこかの悪魔と付き合い始めてから本心を隠して人の心のツボを押すことなんて...って何を言わせるんだ。」
ザフィーラ「それではそろそろ参ろうか」
クロノ「あぁ、僕達の(切実な)未来のために!!!」




ごめんなさい実は>>296-298は泥酔状態で書いてましたorz
とりあえずオチまで考えてるのでもう少し話は続きますです。
309名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 00:19:09 ID:h2w4ATGz
>>308氏GJ
 シリアス物かな?と思っていたのだがギャグ物だったんですね^^;
どんなオチになるのか楽しみにまっていますw
310名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 20:57:00 ID:gA/2yLnr
>>308
GJ
どんなオチだろ   ワクテカ
フェイトの生チチ映像記録、オレにも下さい(笑)




シグナムの剣・レヴァンティンって鞭状になるけど
ああいう武器って実在はするの?
おぼろげな記憶なんだけど、昔NHKのアニメ三銃士で
塩商人のマンソンこと盗賊・ラクダがあんな武器を使ってたような気がするんだけど
311名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 21:40:57 ID:C94NGHfY
よく似た形状の武器は中国にある。
アニメだと機甲界ガリアンでほとんどあのままの形状の武器が出ており、それ以後は
ガリアン・ソードと呼ぶのが慣わしみたいになってる。
312名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 22:46:58 ID:XlkWYGYe
最終話「なまえ?をよんでキューキュー」

クロノ「それぞれの持ち場に着き次第封印作業開始だ。封印終了後はすぐに管理局中枢に。」
ユーノ「了解。」
ザフィーラ「心得た。」
クロノ「それじゃ行くぞ!!」


以下ダイジェストで各作業シーンを

クロノ「ちぃ...これが伝説に聞く魔剣か...」

長老「お前も立派なスクライア一族だ...後のことは頼んだぞ...」
ユーノ「長ろ...父さーーーーーん!!!」

アナウンサー「さぁザフィーラ選手この危機を乗り越えることが出来るか?!」
ザフィーラ「9回裏二死満塁...ふっ...望む展開だ...」

クロノ「後五分寝かせてくれ...」
幼馴染「もう、クロノってば私が居ないと全然駄目じゃない。あ、勘違いしないでよ。別に心配してるわけじゃないんだからね!」

ユーノ「ふはははははっっっ!!! 素晴らしいぞこの力!!!!」

ザフィーラ「むぅ...この肉汁...この包(パオ)...これこそ至高の肉まん...!!」

(ry
313名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 22:47:33 ID:XlkWYGYe
クロノ「・・・揃ったな。随分やつれてるが大丈夫か?」
ユーノ「クロノこそ顔が青いよ。」
ザフィーラ「よく分からぬが何か全く別な事をしていた気がするが...」
クロノ「同感だ...」
ユーノ「とりあえずマザーコンピューターに接続して...っと」
クロノ「どうだ?」
ユーノ「大体は復元出来そう。ちょっとの誤差が出るかもしれないけど許容範囲だ。」
クロノ「そうか。とりあえず何とかなったな。」
ザフィーラ「うむ。今日の晩御飯が楽しみだな。」
クロノ「・・・」
ユーノ「・・・」



クロノ「なのはに会うのは久しぶりだな。」
ユーノ「僕もだよ。」
ザフィーラ「・・・」

ピンポーン♪

アルフ「どちらさまですかぁ?」
クロノ「クロノだ。ユーノも一緒だ。」
アルフ「あぁチビ人間どもですかぁ? ちょっとそこで待ってやがれですぅ。」
クロノ(チビ人間?)
ユーノ(やがれですぅ?)
アルフ「よくきたですぅ。さっさとあがるですぅ。」
クロノ「アルフ?」
アルフ「何ですかぁチビ人間?」
クロノ「いや...子供が出来たと聞いたのだが...」
アルフ「何言ってるですか? 身長だけじゃなくて脳みそもちびっちゃいのですか?」
クロノ(おい、なんか様子がおかしくないか?)
ザフィーラ(むぅ...)
フェイト「あー!! クロノおにいちゃぁぁぁん」
クロノ「フェイト?!」
フェイト「久しぶりなの〜♪」
クロノ「こら、抱きつくんじゃない」
アルフ「こら、チビ人間、私のフェイトに何するですか!」
クロノ「いや、これはフェイトから...」
なのは「おう、クロ坊主じゃねぇか。久しぶりだな。お、ユーノも一緒か。」
ユーノ「・・・なのは?」
なのは「おうおう、私の顔を見忘れたのか? 失礼な奴らだな全く。」
クロノ(何かキャラ違うくないか?)
ユーノ(絶対変だよね...)
なのは「あ、フェイトちゃん、クロ坊主なんかに抱きついてないで私と遊ぼうよ。」
フェイト「え? なぁに? あ...やん...なのは...そこだめだよぉ...」
なのは「いいじゃねぇかよ...ここか?ここがええのんかい?うっしゃっしゃっしゃ...」
フェイト「ぁん...ここじゃいやだよぉ...」
314名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 22:48:17 ID:XlkWYGYe
はやて「騒がしいどすなぁ... あら、クロノはんとユーノはん? おひさしゅう...」
クロノ「久しぶりだな」(京都弁?)
ユーノ「どうも」(ぶぶ漬けだ...)
はやて「そちらのワンコはお友達どすか?」
ザフィーラ「Σ(゜Д゜ )」
クロノ「はやての守護獣のザフィーラじゃないか。・・・まさか覚えてないのか?」
はやて「うちの守護騎士は三人だけどすえ?」
クロノ(おい、どうなってるんだユーノ)
ユーノ(・・・多分、膨大な魔力が集まってるここを完全には修復しきれなかったんだ...
    AAA以上の魔道士が5人以上も固まってる事自体が普通ではないんだし...)
クロノ(どうするんだ?)
ユーノ(もう一度切り裂く世界の書を起動して同じ手順で世界を再構築するしか...)
クロノ(神をも恐れぬ行為だな...)
ユーノ(でも、このままにしておくわけにもいかないだろ? ザフィーラを見てみなよ、名前も忘れられてさっきから真っ白に固まってるし...)
クロノ(仕方ないな...)
    「すまない、ちょっと急用を思い出した。すぐに管理局にも戻らないと...」
はやて「そうどすか...そしたら次来る時はゆっくりしてってくださいな。」
クロノ「あぁ、また寄らせてもらうよ。 ザフィーラ固まってないで行くぞ。」
ザフィーラ「( ゜Д゜)」



クロノ「しかし...ロストロギアの無断使用にそれを使用した他次元世界への直接干渉か...」
ユーノ「ばれたら極刑だね...」
ザフィーラ「( ゜Д゜)」
クロノ「どちらにせよ全部の原因は僕達三人にあるんだからどうにかしないとな...」
ユーノ「だね。」
クロノ「それじゃやるか。 切り裂く世界の起動。」

切り裂く世界の書「Standby, ready」



『魔法少女終われませんorz』

魔法少女リリカルなのはB't〜漢達の挽歌〜 ―完―
315名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 22:49:26 ID:XlkWYGYe
後日談

クロノ「あひゃひゃひゃひゃ...38回の失敗と試行錯誤...そろそろ当りが来る頃だよな? だよな?!」
ユーノ「・・・クロノ大丈夫?」
ザフィーラ「( ゜Д゜)」


シグナム「ようやくまことの好敵手にめぐり会い申した。無頼の月日今は悔ゆるのみ。」
フェイト「野良犬相手にバルディッシュは用いぬ」


ユーノ「・・・どうする?」
クロノ「・・・」
316名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 23:01:15 ID:8TTVT2wb
オチはシグルイですか
317名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 23:35:58 ID:cvm7C7Qv
フェイトに萌えた
318名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 23:51:37 ID:rr441Pbd
ダイジェストの作業シーンを見てリザードキングを思い出しておもいっきりお茶吹いた。
GJだよ。
319名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 00:35:22 ID:fYsz5wCe
 存在が忘れられたザフィーラが気の毒^^;
320名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 03:47:56 ID:ka5f2Wy9
ザフィーラに何故か萌えた。
でも凄く面白い。GJ。
321jewel:2006/01/15(日) 12:33:52 ID:vRIvyzDK
 みなさん面白いですね☆
 わたしも稚拙ですが一つ書いてみました。女の私から見た「なのは」はみなさんとは違うかもしれないですけど、読んでみて下さい!



―時空管理局艦船『アースラ』内、トレーニングホールB―

「よぉし、今度こそ! アクセルシューター!!」
『Acceleration Shooter』
 桃色に光り輝く魔力弾が、フィールドを駆け回る。数は優に10個以上。使い手の魔力の高さを物語っている。
 そしてその中を、黒衣の魔導師が飛び交う。トレーニングホールという限られた空間内にも関わらず、弾丸は彼を捉えられない。
「デュランダル、スティンガースナイブ」
 ドドドン!!
 彼の体を纏うように放たれた青白い光球が、魔力弾と衝突した。次々に起こる爆煙。
「あれ…?クロノ君は?」
「なのは、後ろ!」
 チャキ、という乾いた音。白衣の肩口には白銀の杖。勝負あり、だった。
「チェックメイト、だな」

「あーあ、またダメかぁ…」
 張りつめていた緊張感が緩み、肩を落とすなのは。
「大丈夫だよなのは。今の動き、すごく良かったと思う」
 2人の模擬戦を見つめていたフェイトが、そう言って微笑みかけた。
「ああ、僕もそう思う。気を落とすことはないさ」
 つい先刻とは異なる穏やかな顔で、クロノが続ける。
「ありがと…でも、一発も当たらなかったのはくやしいなぁ…。クロノ君相手だと、エクセリオンバスターとか撃つチャンス全然作れないから、アクセルシューターのコントロールをアップさせたのに…クロノ君、なんでかわせるの?」
「それ、私も気になる…単純にスピードだけだったら、ちょっとだけだけど私の方がクロノより速いのに、私はなのはの弾を全部かわすなんて絶対出来ないし…どうして?」
 不思議そうな顔で尋ねる2人に、クロノは丁寧に答えた。


322jewel:2006/01/15(日) 12:37:43 ID:vRIvyzDK
「そうだな…何て言うか、なのはは『コントロールが良すぎる』んだよ」
 え?と顔を見合わせるなのはとフェイト。
「なのはの誘導弾は、全ての弾が的確に僕を狙ってくるんだ。僕の居る『場所』を、
本当に正確にね」
「あ、そっか」
 目を丸くするフェイト。なのははえ?え?と2人の顔を交互に見た。
「ぜ、全然分かんないかも…」
「あのね、なのは。つまり、クロノはなのはの弾丸を『誘って』たんだよ」
 え、と驚くなのはに、クロノが続ける。
「君の誘導弾は、僕の居場所を正確に捉えてくる。逆を言えば、僕の居るところ
以外には絶対に来ない。それを利用すれば、誘い込んで弾丸をお互いにぶつけさ
せることも出来るし、こちらも同じように弾丸を放って、相殺させることもそれ
程難しくない」
「私も、前にシグナムと戦ったとき、そうやってプラズマランサーかわされちゃった
ことあるから、少し分かる」
 苦笑いしながら、フェイトが言った。
「誘導操作弾を撃つときは、そうだな…例えば5発撃つとして、実際に敵に当たる
軌道で放つのは2発、残りの3つは相手の回避を想定してそのコースを塞ぐように
撃つのが一番いいんだ。元々大ダメージを与えるための攻撃じゃないんだから、効
果としてはそれで充分だよ。なのは、それに君の場合は一発一発の攻撃力も結構高
いんだから、何も全てヒットさせる必要なんて無いだろう?」
へー………。すっかり感心するなのは。
「フェイト、君の場合もそうだ。君のプラズマランサーも弾速が充分に速いんだ
から、上手く使えばもっと相手を攪乱できる。得意のクロスレンジに持ち込むのも
そう難しくないはずだ」
「うん。ありがとうクロノ、勉強になるよ」
「私も! いつもありがとね、クロノ君!」
「別にお礼はいいよ。それよりすまないけど、僕はこれで休ませてもらっていい
かな? 正直、君達2人の相手を連続で続けるのは、かなりキツイんだ」
 今度はクロノが苦笑い。
「そっか…私達は交代でやってるけど、クロノ君は連戦だもんね」
「ごめんね。ありがと、付き合ってくれて」
「だからお礼はいいって。能力的にはAAA+クラスの君達を訓練できる教官
となると、本当に限られてくるし、僕にとっても凄く良いトレーニングになっ
てるから」
 お互いに微笑む3人の魔導師。ストレージデバイス『デュランダル』をカード
形態に戻し、クロノはトレーニングホールを後にした。
323jewel:2006/01/15(日) 12:38:23 ID:vRIvyzDK
「お疲れ様、クロノ君。なのはちゃんとフェイトちゃん相手に1時間ぶっ通しでトレーニングなんて、大分疲れたんじゃない?」
 司令室に入ると、エイミィが笑顔で声をかけた。
「ああ。流石にまいったよ…しかもあの2人、まだ続けるつもりらしい。相変わらず、あの子たちの魔力の高さと成長の早さには驚かされる」
 ふぅ、と腰掛けながら、クロノは嬉しそうに言った。
「でも、あんなに沢山アドバイスしちゃっていいの?あの子達、もしかしたらクロノ君に追いついちゃうかもよ?」
 そう言いながら、エイミィはニヤニヤと笑う。
「構わないさ。エイミィ、僕等の力は誰かに勝つためのものじゃないだろう? 誰かを止めるため、そして守る為に使うんだから」
 クロノは静かに、事も無げにそう言った。
「…変わらないね、そういうところ。学生の頃から、そういう優しいトコロは、本当に変わってない」
「べ、別にそういうワケじゃ…!」
 声のトーンが上がるクロノを見て、エイミィが笑う。相変わらずの名コンビだった。
324jewel:2006/01/15(日) 15:24:52 ID:vRIvyzDK
「そう言えば、さっきの通信は何だったんだ? アラートって訳でもなさそうだったが」
 咳払いを一つすると、クロノが言った。
「あ、そうそう。30分くらい前に、ミッドチルダのこの辺りで妙な魔力反応があったの。ホントに一瞬だったから、まだ何とも言えないんだけど…」
「まさか…ロストロギア!?」
「それはないと思う。検知した魔力、そんなに大きくなかったし」
「CPUの回答は?」
「検索データなし。類似したパターンもデータベースにはないみたい。少し前に、5人チームの小隊が調査に出たの…そういえば、そろそろ連絡来てもいい頃なんだけど…」
「こちらから呼びかけてみよう」
 そうだね、とエイミィがキーボードを叩く。
「こちら司令室。聞こえるか? 状況報告を頼む」
 クロノの問いかけに、応答はない。繰り返し尋ねてみても、結果は同じだった。
「エイミィ、現地の映像出せるか?」
「やってみたけど、無理みたい。武装局員が直接行ったのも、そういう理由だし」
「それじゃあ、彼らの現在地は?」
「ええと………OK、5人とも反応あり。反応のあった場所には到着してるみたい」
 ディスプレイには、5人の生存を示すマークが点滅していた。
「妙だな…」
「クロノ君…?」
「艦長は?」
「まだ本局から戻ってない。多分、あと2時間くらい」
「そうか…。エイミィ、僕が出る。この場所なら10分程度で転送できるはずだ」
「構わないけど…クロノ君が行くまでもないんじゃないの? もう少し待ってからでも遅くないと思うんだけど」
 クロノは踵を返すと、転送ポートの方へ歩き出した。
「そうだといいんだが…少し、気になることがある。なのは達には黙っていてくれるか。余計な心配をかけさせたくない。艦長にも、帰ってから僕が報告する」
「うん、分かった。気をつけて、クロノ君」
「信用してないのか?」
「まさか。ちゃんと『信頼』してるよ」
 光に包まれたクロノを、エイミィが笑顔で送り出す。瞬く間に、クロノの姿は消えた。
325jewel:2006/01/15(日) 15:25:57 ID:vRIvyzDK
(さて…と。)
 到着と同時に、クロノは通信機でエイミィに呼びかけた。しかし、応答はない。
 (やはり、通信妨害か。この距離じゃ、当然念話も不可能だし…)
 周囲を見渡すと、巨大な塔のような建物が目に入った。局員達の魔力反応も、
その塔から発せられている。
 (あれか…また随分とあからさまだな)
 突入するか、それとも一度離れてアースラに帰還するか…
 瞬間的な判断を迫られたクロノだったが、彼は迷わずに判断を下した。
 (突入だ)
 デュランダルを再び起動させ、集中力を高める。
 そうだ。スタンドアローンの戦闘は慣れている。リーゼ達も、そのために僕を育ててくれた。状況が悪化する前に、僕が止める。

 塔へと向かい、扉に手を掛けようとした瞬間。

「―ッ!!」
 小型の魔力弾が、扉を貫いて破壊してクロノに飛んできた。
「へぇ…随分と大物が現れたじゃないか」
 銀髪に眼鏡をかけた少年が、広い部屋の壁に寄りかかっていた。
(子供…?いや、同い年くらいか)
 爆煙を振り払い、クロノは杖を構えなおした。
「やるね。それだけ高性能の小型防御結界を随時展開させているなんて、流石はクロノ・ハラオウン執務官ってトコかな」
 笑みを浮かべながら言う少年の声が、部屋の中で反響する。
「…僕を知っているのか」
「知ってるって言うか…自分で思っているよりも、君はおそらく有名だと思うよ。その年齢で時空管理局執務官なんて、そう簡単になれるものじゃない」
「目的は何だ? 5人を何処へやった? 事情を聞かせてもらえれば、君には弁護の機会が与えられる」
「せっかちだね…」
 やれやれ、といった様子で少年は壁から身を離した。
「第一、僕が彼らを『拉致した』って結論づけるには、まだ早いんじゃない?」
「…通信妨害をしてるのにも関わらず、魔力探知のレーダーだけは反応を示していた。普通だったら気付かないはずがない。それで分かったんだ。わざと反応を残して、『誘い込んでる』って」
 それに…少年の方へ歩きつつ、クロノは続けた。
「不意打ちを狙ってきた時点で、確定さ」
「ふーん…黒衣の魔導師の評判は間違ってないみたいだね。1人で乗り込んできたのも、ある意味で良い判断かもね。相手に気付かれずに制圧するには、単独潜入が一番良い。但し…」
 少年が杖を構える。同時に、魔法陣が展開された。
「相手の力量が自分より遙かに低い場合にね。さっき局員の連中と相手したときは、大分力を抑えてたからさ。目論見が甘かったね!!」
 大型の直射砲撃魔法が、クロノに向けて放たれた。
326549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/15(日) 16:33:27 ID:9kM8tJ8h
昨日までの分を保管庫に置きました。

>YUKI氏
三角関係?

>640氏
完結お疲れさまでした。
ちゃんと感想書こうと思ったのですが、
ごめんなさい、シグナムで吹き飛んじゃいました(ォ

>>280
バトル物になるのかな?
続き待ってます。

>>296
三馬鹿が完全に時空犯罪者にwww
オヤジなのは×フェイトは続きを読んでみたいかも。

>>jewel氏
先が見えません、クロノ危うし?
あ、タイトル教えてもらえます?
327名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 16:41:56 ID:Od1J7Yuf
328名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 16:59:13 ID:Uorj+9yo
329jewel:2006/01/15(日) 17:22:19 ID:vRIvyzDK
>>326
タ、タイトルですか!?どーしよう…
とりあえず、「Silver」(仮)としておきます。
先が見えないのは、わたしの文章が下手なのでゴメンナサイm(__)m
とりあえず、エロはちょっと無理です…一応女なので(><)
330640:2006/01/15(日) 17:29:35 ID:thXmwh/U
うおう女性職人キタコレ
>>jewel氏、超たのしみにしてますわー

>>549
いつもお疲れさまです&ありがとうございます



さて、だいぶん久々の例の「砕かれし〜」の四話を夜には投下できそうです
・・・・苦手な人は今日は俺のコテに注意してくださいねorzゴメン
331jewel :E:2006/01/15(日) 18:25:51 ID:vRIvyzDK

―時空管理局本局内『無限書庫』―

「ユーノ君!」
 トレーニングを終えた2人は、アースラの転送ポートで管理局本局を訪れていた。
フェイトは本局での手続きを、そしてなのはは、大切な友人に会うために。
「なのは! どうしたの?」
 積み上げられたの書物の間から、ユーノが顔を出した。
「どうしたの?本局に用事?」
「ううん、用事があるのはフェイトちゃんで、私は特になかったんだけど。
ユーノ君に会いたいなって思って」
「そ、そうなんだ…」
 なのはの笑顔に、ユーノが頬を染める。
「凄いねこの本の数。遺跡の調べ物?」
「うん。無限書庫の本はほとんどが未整理だけど、検索魔法をうまく使えば
かなりの事が調べられるんだ。さすがは時空管理局って感じだよ」
「検索魔法かぁ…ユーノ君、防御とか結界以外にもそういうのも得意なんだよね。
すごいなぁ」
「なのはやフェイトみたいに、戦闘で活躍できるタイプじゃないからね、僕は」
 苦笑するユーノに、そんなことないよ、となのはは笑顔で言った。
「そういえば、クロノは来てないの?」
「クロノ君はアースラに残ってるの。私とフェイトちゃんの特訓に付き合って
もらったから、今は休んでると思う」
「それはまた…何ともご苦労様だね…」
「え?」
「いや、何でもないよ」
「何か、含みのある言い方だったね、ユーノ」
 2人の脇に、フェイトが現れた。
「フェイトちゃん、用事は終わった?」
「うん。嘱託関連の書類の提出が一つだけだったから。久しぶり、ユーノ。
(もしかして、お邪魔だった?)」
「じゃ、邪魔って…別に」
「ユーノ君?どしたの?」
「あ、いや、何でも!(フェイト!念話でそーゆーのはやめてくれ!)」
くすくすと笑うフェイトに、苦笑いのユーノ、そして事態をよく飲み込めていない
なのは。三者三様の表情が、彼らの関係を如実に表していた。

「2人共、今日はどうするの? 本局の方に泊まっていくの?」
「ううん、今日はもう戻らなくちゃ。母さんも入れ違いでアースラに戻ったみたいだし。
クロノにも、心配かけちゃいけないから」
「あはは、クロノ君、心配性だもんね」
「そっか。今度またゆっくり話せればいいんだけど。送っていくよ」

 そう言って3人が部屋を出ようとしたとき、なのはとフェイトの通信機が鳴った。
『なのはちゃん、フェイトちゃん、聞こえる? クロノ君が!!』
332jewel :F:2006/01/15(日) 18:26:56 ID:vRIvyzDK

―再び、船艦『アースラ』司令室―

「嘘…」
 信じられない、といった面持ちで、なのはとフェイトは顔を見合わせた。
「ごめん…。クロノ君がトレーニングから戻るちょっと前に、別世界で魔力反応があって
…武装局員と連絡が取れなくなったから、クロノ君が単独で捜査に…」
「それで、クロノ君は? 無事なんですか!?」
「うん…ずっと通信防御が展開されてたんだけど、少し前にそれが一瞬だけ解除されて…
それで、これが」
 エイミィが悲しげな表情で、スクリーンに映像を映す。そこには、クロノとほぼ
同年齢の、銀髪の少年の姿があった。そして隣には、剣を喉元に向けられたクロノ。

『時空管理局の皆さん、こんにちは。ご覧の通り、そちらの執務官のクロノ・ハラオウン
さんを預かっています。古典的な手段で悪いんですけど、こちらの要求を伝えますね。
そちらの本局が保管しているロストロギア、『センターポイント』を持ってきてもらえますか?
制限時間は24時間以内。それじゃあ、ヨロシクです』

 プツン、と映像が切れた。
「…映像はここまで。とりあえず、クロノ君は無事みたいだし、他の5人のバイタルも
確認できた。それでも、向こうの人数は不明だし、突入しようにも不確定な要素が多すぎて…」
 エイミィが肩を落とす。目元には、涙が浮かんでいた。
「…やっぱりあの時、私が止めてればよかった。闇の書事件があってからクロノ君、
『グレアム提督とリーゼ達の抜けた穴を、少しでも僕が埋めなきゃ』って、ずっと
無理してたのに…それなのに…」
「エイミィさん…」
 なのはとフェイトが、エイミィの肩に触れた。
(フェイトちゃん…)
(うん…私達みんなの中で、エイミィが一番、クロノと付き合いが長いんだもんね…)
333jewel :G:2006/01/15(日) 18:27:33 ID:vRIvyzDK

 かける言葉が、見付からない…その時、司令室の扉が開いた。
「エイミィ、なーに泣いてんのさ? 大丈夫大丈夫、アタシらがちゃーんと助けてきて
あげるからさ♪」
「そうですよエイミィさん。いつも現場の指揮を執ってくれるクロノがいないのは
痛いですけど、僕たちで作戦考えましょう」
 人間形態のアルフと、魔導服を身に纏ったユーノが、決意に満ちた眼差しで言った。
「アルフ!」「ユーノ君!どうして!?」
「どうしてって…そりゃ、行かない訳にはいかないでしょ? クロノは、僕達の大切な
仲間なんだから」
「…そうだね、行こう。助けなきゃ、クロノを!」
「うん! 行こう、フェイトちゃん、ユーノ君、アルフさん!」
 フェイトが静かに決意し、なのはが頷く。
「という訳だからさエイミィ、すっごくベタな感じだけど、私達の考えは一つ。
クロノがいないんだからさ、オペレーション、しっかり頼むよ」
「みんな…」
 アルフがぽんぽん、と頭をたたくと、エイミィは目尻に涙を溜めたまま微笑んだ。

「問題は…彼らの要求してきた『センターポイント』ですよね。ロストロギアって
言ってましたけど、どういうものなんですか?」
「それは、私から説明するわね」
 再び司令室の扉が開き、リンディがいつになく神妙な面持ちで現れた。
334640@エロ4話投下:2006/01/15(日) 19:49:39 ID:Bhv05Ca9
というわけでダメな人ご注意下さいorz






4、継続

───迂闊、だった。
「くそっ・・・!!」
長い廊下を早足で急ぎながら、クロノは自分の判断の甘さに毒づいた。
(あの子の性格を考えたら、自分一人でなんとかしようと思ったって不思議じゃないはずなのに・・・!!)

ここは、時空管理局本局。
わずか十分ほど前、仮眠をとっていたクロノはエイミィからの内線によってたたき起こされた。
なのはが姿を消した時と同じ結界の反応が、サーチャーにとらえられたこと。
待機していたユーノとフェイトに、現地へと向かってもらうよう要請したこと。

それだけであればクロノだってさほど慌てなかっただろうし、これほど自分を責めてはいないだろう。だが。

(なのはが・・・あのなのはでさえ負けた相手なんだぞ・・・!?)

フェイト達の転送が完了した後、偶然トランスポーター付近を通りかかった局員が発見したのは、
気を失い壁に寄りかかるようにして寝かされている、アルフとユーノの姿だった。

「エイミィ!!状況は!?すぐに僕も出る!!」
「クロノ君!!それが・・・」
「・・・クロノ、ごめん・・・フェイトを止められなかった」
司令室がわりのミーティングルームに入るなり叫んだクロノに振り返る一同。
ユーノが申し訳なさそうに、謝ってきた。
「気にするな、フェイトのことは君やアルフのせいじゃない。それより状況を」
「そ・・・それが・・・・」

エイミィの言葉に、クロノは絶句する。
フェイトの使用した海鳴への最短の転送装置の回路には現在異常が発生しており、しばらくは使用できないということ。
別のルートの場合、更にフェイトとは数十分の遅れが生じることになってしまう。

「・・・たぶん、フェイトだよ。なのはの敵討ちでもするつもりで、一人で・・・」
「っ・・・あの、馬鹿・・・!!」

アースラが使えない以上、責任感の強い彼女とて暴走することはあるまい。そう思っていた。
しかし、それが逆に彼女を焦らせ、無茶をさせる要因になってしまうとは。

「・・・とにかく、僕も現地に向かう!!艦長が到着したらその旨伝えて!!」
返事も待たずに飛び出していくクロノ。
今はただ、一刻も早くフェイトの元へ行かなければ。
(頼む、無事で居てくれ・・・・!!)
待機状態のS2Uを握り締め、クロノは転送装置へと急いだ。




335640@エロ4話投下:2006/01/15(日) 19:58:24 ID:Bhv05Ca9





「──・・・・っあ、あ、ふ、や、あぁ・・・んぁ・・・っく、ぅん!!・・・ん・・」

クスリを塗るから、足を開いて。
その言葉に、なのはは何の疑いも持たずに従った。
どこかで感覚が麻痺してしまっていたのだろう。
だがそれは、けっしてなのはにとって正しい選択と呼べるものではなかった。

「・・・・」

透明な薬品にまみれたシャマルの指が、なのはの胎内へと消えていた。

「あら・・・・?どうかしたの・・・?」
「なん・・・でも、ん、ない、ひぅ・・・で、す・・・ぅぁ・・」
「そう、ならいいのだけれど・・・?ね。」
「─────!!!!!」
目の前の女性がやさしく微笑む。しかしその指は表情とは逆に容赦なく、最も深い部分へと突き入れられていた。

「ふふ・・・あらぁ・・・?ひょっとして、気持ちよかったのかしら・・・?」
「!!そ、そんなこ・・・んああぁぁっ!!?」

否定の言葉は、突き込まれた指に加えられた捻り入れるような動きに消えてしまい。
急速に増してくるもどかしさにも似たむず痒い快楽と身体の火照りとに、なのはの意志は混乱していく。

「っ、あ!!ふぁ、ふぁ、あ、あ!!あ!!」
「ふうん・・・なんだかいっぱい、出てくるわねぇ?」

違う、それはさっき貴女が塗りつけた薬───そう思いながらも反論すらできず抜き差しされる指に身体を震わせてしまう。
そしてまた、シャマルの言うことは否定のしようもない事実でもあった。
なのはの性感を高めているクスリ、それとは明らかに違う、なのは自身から溢れ出る分泌液が、
彼女の股間とシャマルの指をぐしょぐしょに濡らしている。

(な、ん、なの、これ・・・ぇ、おかしい、よ・・・・)

指の動きに合わせなのはの身体は淫猥なリズムを刻み、切ない感覚が全身を駆け巡っていく。
次第に彼女の思考回路は焼きつき、まともな考えすらできなくなりつつあった。

「こんな小さいくせに・・・いやらしいのね・・・?」

「ぁ・・・うぁ・・うん・・・・ふぁ・・・あん、っあ、っあ」
意味のある言葉なんて、返せない。
シャマルの指の動きに、荒い息のリズムで腰を前後に揺らせて。
快楽を身体が貪ってしまう。悦びに対し、身体は実に正直だ。

「さぁ・・・そろそろ、ね・・・!!」
「あああああ!?ああぁ、うああぁっ!!そん、な、あ!!んあああぁっ!!!!」
336640@エロ4話投下:2006/01/15(日) 20:00:03 ID:Bhv05Ca9

突き込まれる指が、一気に三本に増やされ、なのはは背中を仰け反らせ涎を撒き散らしながら泣き叫んだ。
その刺激はわずか9歳の女の子が経験するには、あまりにハードすぎて、視界に光が舞った。
気が狂ってしまいそうなほどに、身体の奥底から切なさにも似たなにかが込みあげてくる。

「っ・・・ぁ・・・か・・・うぁ・・・」

もう、声すら出すこともできず。
ぱくぱくと、酸欠に陥った金魚のように、掠れた音を発する口が空を切る。

(だれ・・・か・・・・わたし・・・おかしく・・・)

代わりに部屋の中に聞こえるのは、
少女の淫靡な水音と、シーツの布擦れ、必死に酸素を求める少女の気管支のする呼吸。
それらの奏でる三重奏が、涙と涎を流しっぱなしにした少女の痴態を彩るBGMとなっている。

(だ・・・め・・・・わた・・・し・・・・・・)

「ッ・・メ・・ダメ・・・・ぁ、あっ、あはあああああぁッ!!!!!」

そして少女は、頂点へとたどりついてしまった。

生まれて初めてのそれは、どこまでも深く、深く彼女の身体を駆け抜けていって。
シャマルの突きが最奥に達したのと、叫び声と共に彼女が絶頂を迎えたのは、果たしてどちらが先だったのだろうか。
声をあげた本人であっても、悦楽を極め足を開いたまま、その余韻に意識を朦朧とさせているなのはにそれはわからなかった。

口の端を歪めたシャマルが、苦しげに酸欠の肩での呼吸をする彼女を見下ろしていて。
その手には、男根を模した半透明の道具が握られていた。


「さぁ・・・・続けましょうか?」
337640:2006/01/15(日) 20:08:08 ID:Bhv05Ca9
というわけでシャマルのいうとおり続きます(違
なんかシャマルのこと黒くしか書けないよorz
こっちはもうバッドエンドの予定なんでみなさんほんとすんませんorz
338名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 20:17:27 ID:SinldCPe
非道だ、酷すぎるよシャマル・・・・
339549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/15(日) 21:18:01 ID:1zF3WhVz
>640
黒い、黒いよシャマル
エロい、エロいよ640氏
340名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 09:10:07 ID:HTZzl1ue
保管庫行ってきたんだが、446氏は神だな。
シグナムの話とかエロ杉。



また、シャマシグplz。
341名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 19:24:03 ID:oc4jvOE/
>>640
シャマル怖いよ、GJ!!

オイラも保管庫行って来たけど
ハードって書いてた>>553氏のSSも凄かった
シャマルの残忍さにシグナムもヴィータも引いてたのがGJだったよ
342hato:2006/01/16(月) 21:59:11 ID:wTUWgBTS
初めまして!
皆さんお上手で、読んでいてとっても楽しいです。
個人的にはユーノくんとなのはの二人が好きなのですが、
なのはに出てくる子達はみんな大好きです!
調子に乗って書いてしまいました。
短いのですが、よろしければ読んでください!
A'S SS02 トラック10後のつもりで書いたのですが、
CDのネタバレにならないようにしたつもりです。
そういうのがお嫌な方はごめんなさい・・・!


名前を呼んで。  from なのは to ユーノ ver.




ぱちり。用を終えた携帯電話を閉じる。
コートのポケットの中にしまって、なのはは大きく伸びをした。
「うん、頑張ろう!」
胸の真ん中がほっこりと温かい。
電話の相手はユーノ・スクライアくん。異世界から来た同い年の男の子。
なのはの運命を変えた男の子。
将来の夢も、明確な目標もなく、一人でいるふとした瞬間に訪れる孤独に耐えていたなのはに、魔法の力をくれた人。
ユーノくんと会えたことで、なのはの生活に変化が起こった。やりたいことができて、世界が一気に広がった。
それだけじゃなくて、孤独を分け合って、その冷たさを温かさに変えることができることも教えてくれた。
一人じゃないから、一緒にいるからこそ出来ること。大切な誰かのためにしてあげたいこと。
してあげることが出来る幸せ。
温かい気持ちをたくさんもらった。いろんなことを話し合った。
たくさんのことを教わって、様々な危機を二人で乗り越えてきた。一人だったら無理だったこと。ユーノくんがいてくれたから出来たこと。
一人じゃない。だって背中が温かい。背を向けて戦っていても、いつも温もりを、優しさを感じていた。
その背中が今は遠くて、それが少し淋しい。

出会ってからすぐに遠く離れてしまったお友達にフェイトちゃんという女の子がいる。ユーノくんと同じ異世界の女の子。大切なお友達で、一緒にいると強くなれる気がした。二人だからだね、って何度も微笑みあった。
離れていても心は一緒にいるって信じられたから、フェイトちゃんと離れることはもちろん淋しかったけれど、それでも大丈夫だった。
なのに、ユーノくんはフェイトちゃんとは少し違う感じ。ちょっと離れているだけなのに不安になる。その代わり、ちょっと声を聞けただけでなんでも出来るような気持ちになる。
一人でいるときにユーノくんのことを考えると、きゅうっと胸が苦しくなって、泣きたいような気持ちになる。
これってなんなのかな。
今度はいつ会える?って聞いてみたいんだけど、ずっと先になっちゃうかも、って言われたらどうしようって恐くて聞けない。
早く会いたいな。声だけじゃなくて姿が見たいな。

会えない間心配かけないように、頑張ってるユーノくんに負けないように、
なのはも精一杯頑張るから。

だから、今度会えた時もね、
いつもみたいに、会えなかったことなんて気にならないように、

まっすぐなのはの顔を見て、目を細める、
ユーノくん独特の、優しい笑顔で、

電話越しじゃない、
なのはの大好きな柔らかい声で、



名前を呼んで。
343名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 23:01:33 ID:0h3ZaoJm
無視されたアリサとすずかテラカワイソース
344jewel: H:2006/01/17(火) 15:24:57 ID:CMOo5xGJ
…全部まとめて書き込むつもりだったんですが、Wordのファイルが破損してしまったのデスヨ…
 思い出して書いてます。途中までになりますが、続き載せますね☆


―ミッドチルダ辺境、某所―

「『センターポイント』とは、また随分と大きく出たな」
「ああ、すいませんクロノさん。剣を向けたままでしたね」
 少年が目配せをすると、クロノに切っ先を向けていた剣士が、剣を鞘に収めた。
「…いいのか?」
「構わないよ。あなたなら、この状況でムチャをするとは思えない。だろ?」
 クロノは答えなかった。目線の先には、5人の局員が捕らえられている。
 彼らの周りに立つ魔導師らしき男は、局員よりもクロノに目を光らせていた。

(3対1、か…)
少年と剣士を相手にしていては、局員が確実にやられる。かといって向こうの
魔導師を狙えば、自分がしとめられる。
 先の手合わせを思えば、この少年の魔導師としてのレベルはAAA以上だ。
 局員を人質に取られた為、一度は互いに手を引いたものの、
 そのまま続けていても、確実に勝てるという保証はどこにもなかった。
(何か、いい手段はないか…?)
頭の中で、自分の持つ魔法を様々に組み合わせたシミュレーションを行ったが、
そのいずれも、クロノの望む結果をもたらすことはなかった。
345jewel: I:2006/01/17(火) 15:26:44 ID:CMOo5xGJ
「時空転位型ロストロギア、センターポイント。装置それ自体には
大きな魔力は備わっていないが、術者の魔力を与えることで、空間や次元はおろか、
『時間』をも超越した転送を可能にすると言われている」
「…知ってるんだ」
「ロストロギア関連の事件は、いくつか担当したことがあるからね。
名前くらい、聞いたことあるさ」
「ふーん…流石だね」
 少年の瞳が警戒心を増すのを、クロノは見逃さなかった。
「だが…センターポイントは未完成のデバイスだ。管理局が保管しているのは、
万が一の危険に備えてのものさ。残念だったな」
「そうでもないさ。その0.01%は、ここにある」
 言いつつ、少年はポケットから小型の魔力ケースを取り出した。

「まさか!? 有り得ない! …たとえそれでセンターポイントが完成しても、
時間転送がうまくいく確率なんて、それこそ万に一つどころじゃない!
次元の狭間か虚数空間に、確実に飲み込まれるぞ! 正気か!?」
「…そうだね。僕は狂ってる。でも、それを自覚してさえいれば、
時に狂気は『覚悟』へと変わり、自分を進める力になる。違う?」
「覚悟だって? そこまでして、君は何を手に入れたい!?」
 語気を強めるクロノ。それに対し、少年は強く言い放った。
「手に入れる? 違うね、僕は『取り戻す』んだ! 『闇の書』に奪われた、僕の過去を!」
346jewel: J:2006/01/17(火) 15:27:56 ID:CMOo5xGJ
 少年の荒い息づかいが部屋に反響する。睨み合いの後、沈黙を破ったのはクロノだった。
「『闇の書』、だと…?」
「知ってるだろ!? A級捜査指定ロストロギア、闇の書。魔力蒐集型のデバイスで、
第三者の魔力を食うことでそれを蓄積し、最後には暴走して全てを破壊し尽くす、
悪魔の書物さ! …僕の両親も、奴等に殺された…!!」
「…」
「8年前さ。平和に暮らしていた僕たち家族に、突然3人の人間と1匹の狼が
襲ってきた。そいつらとの戦いで肉体的に傷ついた父さんと母さんは、
吸収されたリンカーコアが回復しきる前に、命を落とした…!」
「それで、君は…」
「そうだ。僕は過去に立ち戻って、あの悪魔のデバイスが完成する前に消滅させる!
そして、僕たち家族の幸せを取り戻す!」
涙ながらに、少年は叫んだ。
「邪魔しないでくれ、クロノさん…。センターポイントさえ手に入れれば、
僕は必ずあなた達を解放する。その場で時間転送を行って、絶対に危害は加えない。
上手くいく可能性が低いことなんて知ってる。
だけど、歴史を大きく変えようなんて思っちゃいない。ただ、あの小さな
幸せを取り戻したいだけなんだ…! 考えてみてよ、クロノさん。
闇の書には転生機能が備わっていて、これまで何度も暴走を繰り返してきた。
僕が戻れば、闇の書に奪われた多くの命を幸せを守れる!
たとえ失敗したところで、僕と共にセンターポイントが完全に消滅するだけだ。
どちらにしたって、あなた達にデメリットなんて無いだろ!?」
347jewel: K:2006/01/17(火) 15:29:47 ID:CMOo5xGJ

「…過去の闇の書を滅ぼせば、『闇の書に過去を奪われた存在』である君は消滅する。
初めから、片道のつもりなのか」
「そうだね。だからこそ、成功する確率なんて関係ない。
可能性が『ある』のか『ない』のか、それだけが問題なんだ」
 そう語る少年の眼差しは、決意に満ちていた。
 丁度、クロノと同じように。
「…それでも、僕は君を止める。何としても。この身に代えても」
 渇いた音を響かせ、白銀の杖が起動した。
「…残念だな。あなたなら、分かってくれると思ったのに」
 カチ、と少年が杖を構える。刹那、空気に緊張が走った。
「あの5人じゃ、人質としては心許ないけど、仕方ないかな」
 少年が薄く笑い、魔法陣を展開した、その時。

ドォン!という音と共に、塔の壁に風穴が空いた。
 同時に、閃光が室内を駆け抜け、少年へと向かっていく。
「バルディッシュ!」 『Scythe Form』
ギィイイン! 少年の脇にいた剣士が、フェイトと少年の間に割り込んだ。
「フェイト!?」 驚くクロノに、背後から声が届く。
「クロノ君、よけて! シュート!」
ドォン! なのはのディバインバスターを、今度はもう一人の魔導師が受け止めた。

(…今だ!)
 クロノは、局員たちの元へ全速力で飛び出した。
「強行突入か。でも甘い! 駒不足だ!」
 砲撃魔法が、クロノと局員達をめがけて放たれる。再びの爆音。
「クロノ!」「クロノ君!」
「無理だね。あの一瞬で、自分と5人を同時に守り切るバリアなんて不可能だ」
「…確かに、『全員なら』、ね」
 煙の中から、クロノがゆっくりと現れた。
348jewel: L:2006/01/17(火) 15:31:25 ID:CMOo5xGJ

「…自分を犠牲にして、局員達の方だけにバリアを集中させたのか。ムチャするね」
 少年は苦笑いを浮かべた。
「一度砲撃魔法は見ているからね。それに、魔法陣を展開させていたとはいえ、
あの一瞬で僕と5人を同時に倒す砲撃なんて不可能だ」
「…言ってくれるじゃん。確かに、力が分散したことは認めるさ。
転位魔法で逃げる時間を失ったこともね。でも、あなたの腕だって
かなりの重傷のはずだ。出力不足とはいえ、直撃だからね」
「まあね。左腕は、しばらく使えそうにないかな」
 左腕を垂れ下げたままのクロノの隣に、ユーノが駆けつけた。
「クロノ、大丈夫?」
「…なんだ、今日はフェレットじゃないのか」
「その台詞が言えるってことは、問題ないみたいだね」
 やれやれといった様子で、ユーノは笑った。
「それより、どうやってここに? 結界が破壊された気配は感じなかったのに」
「僕が一部を『解除』したんだ。破壊音がしなかったのはそのせい」
「…良い腕だな、相変わらず」
「クロノから誉められるなんて、随分と久しぶりだね」
「うるさい。それより早く、局員のみんなにバリアを」
「大丈夫、もうやってるよ」
 キィン! クロノの張ったバリアの外側に、もう一枚の光が重なった。
「これで問題なしでしょ?」
「ああ。にしても、なかなか良い連携じゃないか。作戦は誰が?」
「みんなで考えたんだ。集中一点突破は、君のおかげで慣れてるから」
「成る程…ただ、随分と荒っぽい突入だな」
「それはほら、壁こわしたのがアルフだから」
 そう言って、2人は笑いあった。
「なのはの方に行ってくれ。…彼は、僕が止める」
「OK。言っても無駄だろうけど、『無理しないで』」
 肩をぽんと叩くと、ユーノは塔の外へと飛んだ。
349jewel: M:2006/01/17(火) 15:32:48 ID:CMOo5xGJ

 ギイィン! キィン!
 フェイトと剣士が、クロスレンジで交錯する。
「チェーンバインド!」
 アルフが剣士の足元を狙った鎖は、紙一重でかわされた。
 しかしそこへ、フェイトが飛び込む!
「はああああ!」
「くっ!」 間一髪で受けきったものの、剣士は地面へと叩き落とされた。
「…サンダースマッシャー!」 ドオン!
(ナーイス、フェイト♪)(多分、まだだよ、アルフ)
 フェイトの言うとおり、煙の向こうには剣を構える姿が見えた。
「随分と固いバリアみたいだね…」
「君達こそ、良い連携だ。とても子供とは思えん」
「…良いコーチに、鍛えられてますから」
「そうか。だが、騎士として、そう簡単に負けるわけにはいかない!」
 再び交錯する閃光。目にもとまらぬ高速戦闘だった。

(…ここだ!)
 距離が離れた瞬間、フェイトは中距離砲撃の態勢に入る。
「我が結界、容易く破れると思うな!」
 剣士が間合いを詰める。
「そうだね、一人じゃ難しい。けど…」
「バリアブレェェイク!!」 バキィン!
「何!?」 上空から接近していたアルフが、剣士のバリアを破った。
「…私には、信頼できる仲間がいる」
 ドオォォォン!!
 今度こそ、文句なしのクリティカルヒット。勝負あり、だった。

「強い、な…。師は、あの黒衣の少年か?」
「はい。クロノも私の先生の一人です。あと…」
 倒れた剣士に手を差しのべつつ、フェイトは笑った。
「あなたより強い剣士が、ライバルですから」
350jewel: N:2006/01/17(火) 15:34:22 ID:CMOo5xGJ

「シュート!」「くっ!!」
 ドォン! なのはの砲撃が、再び魔導師を捉えた。
(くそ…バリアの上からでもこのダメージ…なんて魔力だ)
 フェイト達とは大きく異なる、ミドルレンジからロングレンジにかけての射撃戦。
 威力・精度・速度・防御…いずれにおいても、なのはが優勢だった。
「だが、接近戦なら!」
 間合いをつめる魔導師だが、それもなのはの想定内。
「レイジングハート、ECS起動!」
 羽根を讃え、光り輝く槍と化したレイジングハートを手に、逆に間合いをつめる!
「な…!? 零距離射撃!?」
 気付いた時には既に遅し、レイジングハートが魔導師のバリアを撃ち抜いていた。
「私の勝ちです。降参してください!」
「…冗談じゃない。こんな所で捕まってたまるか!」
(この距離なら、砲撃はかわせる。転位魔法でおさらばだ)
 停戦を呼びかけるなのはだったが、魔導師は魔法陣を展開した。
「! 逃がさない! レイジングハート!」
『OK, my master. Acceleration Shooter』
 無数の光球が、魔導師へと放たれた。
「誘導弾か。大した数だが、単調だな!」
 向かってきた複数個の弾丸を、魔導師が避けたと思った次の瞬間。
 ドン! 別軌道からの攻撃が、魔導師の背中にヒットした。
「な…に…?」 ドドドン! ひるんだところへ、更に連続ヒット。
「ストラグルバインド!」
 到着したユーノが、魔導師を捕縛した。
「ありがと、ユーノ君♪」
「いや…僕がこなくても、なのは一人で十分だったね」
「そんなことないよ。それよりどう? クロノ君直伝の操作弾!」
「うん、凄く良かったと思うよ。なのは、また強くなってる」
「ホント?」 ぱあっと、なのはの表情が明るくなる。
「うん。(…本当は、僕が守ってあげたいんだけど…)」
「ユーノ君?どしたの?」
「あ、いや、何でもない! 何でも!」
 大袈裟に否定するユーノを、なのはは不思議そうに見つめた。
「あ、クロノ君は大丈夫かな? 局員のみなさんは?」
「大丈夫。僕とクロノの二重の防御結界張ってるから」
 それに…ユーノは呆れた様子で笑った。
「クロノが1対1で負けるなんて、想像できる?」
351jewel: O:2006/01/17(火) 15:36:18 ID:CMOo5xGJ

「…いいんですか? 一人で」
 飛び去ったユーノを見ながら、少年は静かに言った。
「君の方こそ、僕らが話している間に、転位魔法の一つでも使えば良かったじゃないか」
「冗談でしょ? 談笑してたくせに、あなた達は常に僕に注意を向けてた。
逃げだそうとしてたら、逆にその場で捕まってたさ」
「…大したものだな、君も」
 クロノは、思わず苦笑いした。
「第一、僕には逃げる理由なんて無い。守るべきものがないからね。
ま、人質がいなくなったクロノさんも、同じ条件か。これで五分だね」
「五分…? 違うさ。僕には、たくさんの守るべきものがある。仲間や、世界。
大切な今と…『未来』だ」
「…つくづく、意見が合わないね」
「構わないさ。何かを、そして誰かを『守ろうとする意志』が何よりも強いってこと、
教えてやる。…行くぞ」
右腕でクルクルと杖を回すと、クロノは少年に飛びかかった。
最終局面、開始。
352jewel:2006/01/17(火) 15:38:11 ID:CMOo5xGJ
とりあえずここまでです!(><)
戦闘描写のヘタさ加減は…ゴメンナサイ! m(__)m
353名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 19:46:33 ID:pot95Bx6
記憶を頼りにここまで書くとは…GJ!
354名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 19:56:49 ID:ArHEir9J
いいところで終わったw
>>jewel氏GJ!
355jewel: P:2006/01/18(水) 00:24:49 ID:b2unchDk

「フェイトちゃん!」
 戦闘を終えたなのはとユーノが塔に戻ると、既にフェイトとアルフが戦況を眺めていた。
「クロノは?」
「………」
「フェイトちゃん?」 「あ、ごめん」
 真剣な眼差しで見つめるフェイトは、二人の到着に気付いていなかった。
「クロノ君、どう?」
「…見てれば分かるよ」

 ドォン! 銀髪の少年が、塔の床に叩きつけられた。
「スティンガーブレード、エクスキューションシフト!!」
 光刃の雨が、少年に降り注ぐ。 数本がバリアを貫通し、肩口と左膝をかすめた。
「くっ…! まだまだぁ!」
少年が、5つの立体魔法陣を同時に展開させた。

「…魔法陣自体の遠隔操作! しかも複数!」
 驚くユーノに、フェイトが言った。
「うん。あの銀髪の人、私やなのはと同じくらい強いと思う」
 展開した魔法陣が、クロノの周囲を囲むように飛び交う。
「くらえ!! ホールディングバスター!」
5本の集積型直射魔法が、クロノに襲いかかった。うち3発が、クロノを捉える。
「どうだ!!」
 そう言って勝ち誇った少年だったが、その笑みは一瞬で消えた。
「…でも、クロノは、それより遙かに上にいる」 フェイトが呟く。
「…ブレイズキャノン」
ズン! という鈍い音が、少年のバリアから響いた。
「くううぅう!」
 何とか受けきったのも束の間、既に目の前には接近する影。
「…ブレイクインパルス」
「うわああああ!」
 バリアを完全破壊された衝撃とダメージで、少年は大きく吹き飛ばされた。

「…すっごぉい」
「…これが、本気のクロノ…!」
「あのボーズ、まぁた強くなってんのか…!」
「手を出すなって言ってたけど、確かに全く問題なしだね」
 ただただ感心する一同。一方、少年は完全に追い込まれていた。
356jewel: Q:2006/01/18(水) 00:25:42 ID:b2unchDk

「…あきらめろ。今のキミじゃ、僕には勝てない。後ろには、4人の魔導師もいる」
 地面に降り立ったクロノは、少年に向かって静かに言った。
「…言ったでしょ。僕には守るべきものなんてないって。守りたかったものは、
もうとっくに失ってしまってる。降参する必要なんてない!」
 頑なにそう叫ぶ少年に、クロノは目線を落として語り始めた。

「…以前、君と同じように、失った『過去』を取り戻すため、ロストロギアを求めた
人がいた。彼女は不世出とまで言われた大魔導師だったが、不幸な事故で愛娘を
亡くしてしまった」
「クロノ…?」
 自分の実の母、プレシア・テスタロッサの話を、何故今クロノが切り出したのかが
分からなかった。俯いたクロノの表情は、前髪に隠れて目元がよく見えない。
「…彼女は、もう一人の娘に擬似記憶を植え付け、ロストロギアを集めさせた。
健気で真っ直ぐなその子は、ただ母親のためを思って、犯罪行為に手を染めた。
結果、母親は失敗し、虚数空間へと消…いや、旅立った」
「…だから、僕にもやめておけ、と?」
 少年はあざ笑うかの様に言った。
「黙って聞け。…残された娘は今、自分や母親のような悲しい人々を少しでも減らすよう
にと、自らを犠牲にして世界を守っている」
「フェイトちゃん…」
 なのはは、フェイトの肩に触れると、優しく微笑んだ。
「うん…ありがとう」
 フェイトも、微笑みを返した。
357jewel: R:2006/01/18(水) 00:26:37 ID:b2unchDk

「もう一つ…。君の言う『闇の書』は、もうこの世界には存在していない。半年前、
ある事件をきっかけに機能を完全に停止させ、自ら消滅を選んだ」
「そうなんだ…でも、僕の目的が変わるわけじゃない」
「…言うかどうか迷ったが…僕も、闇の書には因縁があってね。
僕の父さんも、11年前の闇の書の暴走で、命を落としてるんだ」
「だったら…! 僕の言うことが分かるはずだろ!」
 よろよろと立ち上がりながら、少年は叫んだ。
「…君の両親の命を奪った騎士達だが…彼女たちは、今も戦っている。
自分たちの過去の罪から逃げず、十字架を背負い続けて、心優しき主の下、
全てをかけて戦ってるんだ。それなのに、君はなんだ!?
『守るものがない』だと!? ふざけるな! 君の両親は君を守るため、
身を挺して、それこそ命を賭して戦ったんだろう!? だからこそ、
今の君の存在があるんじゃないのか!? だから、君は生きなきゃいけないんだ!
今を精一杯生きて、『未来』を守ることで、大切な『過去』を守り続けるんだ!!」
 顔を上げ、クロノは少年に言い放った。
 その場にいた全員が、口を噤んだ。ゆっくりと、沈黙が流れる。

「………それでも、僕は止まらない。もう、止まれないんだ」
 涙ながらに話す少年の前に、5重の魔法陣が直列に並んだ。
「…任せろ。僕が止めるさ」
「………パイルドバースト!!」
 なのはのスターライトブレイカーを思わせるような、巨大な直射砲撃魔法。
 しかしクロノは避けようとせず、バリアを展開して真っ向から受け止めた。
「クロノ!?」「クロノ君!」
「…あのバカ! 何で!?」
 一瞬の不安に襲われたなのは達だったが、爆煙の中から聞こえてきた声に、
 ほっと胸を撫で下ろした。
「…まいったな。右腕も使えなくなったか」
 煙が晴れると、そこには魔法陣を展開したクロノの姿が。
 そして彼の前には、白銀の杖が浮いていた。
「デュランダル、氷結魔法を」『Okey, Boss.』
 パキィィイン…静かに、少年の身体に氷がまとわりついていく。
「…魔力で精製した氷だ。同レベルの炎熱呪文か、己の肉体で物理的に破壊するしかない」
「ずるい、な…こんなに…強…い…なんて…」
 徐々に遠のく少年の意識に、クロノの声が届いた。
「今は、眠るといい。…目が覚めたら、本当の自分を始めるんだ…」
358jewel: S:2006/01/18(水) 00:30:26 ID:b2unchDk

    ―アースラ司令室―

「艦長、ただいま戻りました」
「クロノ! 無事で良かったわ」
 仲間達と共に帰還したクロノを、リンディがほっとした表情で迎えた。
「幸い、武装局員達も軽傷で眠らされていただけだったし…本当に良かった」
「あの魔導師さんは…どうなるんですか?」
「…軽傷とはいえ、局員への攻撃と拉致、それに本局への脅迫行為だからね…
 実刑を免れたとしても、しばらく長い間、執行猶予の身になると思う」
 なのはの質問に、クロノは自ら答えた。
「でも、…彼ならきっと大丈夫さ。これからの彼には、『守るもの』がある。
 それに、生き続けていけば、それはもっと増えていくんだから」
 そうだね、と一同は小さく笑いあった。

「それよりクロノ、あっち」
 フェイトが、モニター前の机を指さす。先には、エイミィの後ろ姿があった。
 落ち込んだ様子の背中に、クロノがゆっくりと近づく。
「…エイミィ、ただいま」
「………!」 エイミィが、クロノに抱きついた。
「…ごめんね、クロノ君。私がちゃんと調べてサポートしてたら、こんな事には
 ならなかったのに…! ごめんね…!」
 肩口に、エイミィの涙が落ちる。彼女の涙を見るのは、久しぶりだった。
「こっちこそ、ごめん。…もっと仲間を、君を信頼すべきだったんだ。
 いい教訓になったよ。これからも、本当に宜しく頼む」
「うん…」
 クロノに抱きついたまま、エイミィは静かに泣いた。
 仲間達が、ゆっくりと二人に近づく。
「クロノ、抱き返してあげないの?」 フェイトが笑う。
「…いや、そうしようにも、腕が全く上がらないんだが。実際、今も失神しそうな程痛い」
「ほー。んじゃ両腕が無事だったら、感動的ラブシーンが見られたワケだ♪」
「やっぱり、あの時避けるべきだったね、クロノ」
「え!? クロノ君って、エイミィさんのこと好きだったの!?」
 たたみかけるアルフとユーノに加え、なのはの天然ボケが炸裂する。
「な…何言ってるんだキミ達は! き、今日は疲れたから、もう寝る!」
「あら。それじゃエイミィ、クロノの両腕が治るまで、悪いけどサポートお願いね?」
 リンディの声で、司令室に笑い声が溢れた。

  ―END―
359jewel:2006/01/18(水) 00:38:08 ID:b2unchDk
 というわけで終了です!
なんか妙にクロノ君を強くしすぎちゃった感がありますが(笑)
あとはもうちょっと、なのは&ユーノの会話を増やしたかったかな…
サウンドステージMで、ユーノの話題になったとき、
空気を読めているフェイト+天然のなのは、っていう構図が面白かったので、
参考にさせてもらいました☆

…てゆうか私、闇の書の前回の発動の時期間違えてるし(J:×8年前)
おまけに零距離射撃の時「ECS」じゃなくて「ACS」だし…
 ダメでした(><)
360549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/18(水) 00:59:15 ID:8kORjGOD
>jewel氏
乙です。20話ぴったし綺麗にまとめましたね。
戦闘も最初から書く気が無い奴に比べれば十分ですよ。
欲を言えばSS02並に取り乱すクロノが読みたかったかも。

あとWORDはバックアップしてても知らぬ間に
壊れている時があるので信頼してはいけません。
361549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/18(水) 09:49:55 ID:aSP/LprQ
>640氏
She&Meの最終回感想。

身体はプレシアの知識とフェイトの細胞を使ってクローン再生。
精神はフェイトに移植されたアリシアの記憶により生じた
別人格と記憶を再移植。
すべてを振り返った上で、それをロストロギアに願った
プレシアの思いが奇跡だった。

そう解釈したんですが、どうなんでしょう?
これを聞くのは野暮なのかもしれませんが。
362549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/18(水) 09:50:42 ID:aSP/LprQ
行き詰まると馬鹿ネタに逃げたくなる。ちゃんとしたSSにするかは不明。
もし、A's以降のなのは&RHEに融合癖が付いていたら……

A's13.5話 ユーノ君の温もりなの
―――――――――――――――――――――――――――――
時空管理局
入局試験前夜

トルゥゥゥ
「もしもし」
「ユーノ君? なのはだけど、またくっついちゃって」
「そ、そう……じゃぁ部屋で待っているから」
「ありがとう♪ こんなこと頼めるのはユーノ君だけだから」

(途中省略)

ガシャゴンガシャゴン
「あぁぁ、ゆ、ゆぅーのくん!」
「くっ、なのはぁ!」
プシューッ
「はぁはぁ、もう大丈夫だよね」
「レイジングハートがまだ物足りないって。マガジンもあと二つあるし」
「……それ使ったら、いつまでたっても終わらないんじゃないかな」
『No problem』
(いや、僕の身体がもたないって)
『Load cartridge. Drive ignition』
「うわぁぁ!」
「ユーノ君、温かいよぉ」

同時刻別室にて
「ユーノずるい。私だったらいくらでもなのはを満足させてあげられるのに」
『Yes, Sir.』
―――――――――――――――――――――――――――――
Q.なのははユーノの何が温かいと感じているのでしょうか?
1.背中
2.心
3.中
363名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 14:15:47 ID:2RqSZCYi
>jewel氏GJ!
 凄く完成度の高い内容だったと思います。
 ちょっとイイ話だったしw
 戦闘も短いけどスピード感ある感じで良かったと思われ。
364640:2006/01/18(水) 14:29:44 ID:1uBqX+A4
とりあえず思いついた話。

・なのはの教導官新任時の話
・六年後、八神家の補完とユーノとなのはの進展
・she&meの後日談数編

・・・とりあえず二番目やるとまた長くなりそうだなぁorzどうするかなぁ・・・。


>>jewel氏
乙です。自分もクロノ強キャラ設定は好きなので全然OKだと思いますよ。
彼はフェイトとなのはにとって『追いかけ続ける背中』であって欲しいと言うか。

>>549
その辺はもう、読んで解釈した人それぞれの捕らえ方が、その答えだと思っています。
ていうか自分自身数パターン考えていまして、それなら皆さんの解釈にお任せしようかな、と。
・・・・逃げと思ってくれて結構ですよorz

365名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 16:12:21 ID:AGXXoT6k
>>364
>>640氏、「六年後、八神家の補完とユーノとなのはの進展」
が見てみたいですね。学園祭にお呼ばれとか高町家に訪問とか、ユーノとなのはのおそろいのリボンの謎とか……
どんどん浮かんでくるな………
366名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 19:23:22 ID:MCJYCgry
>>364
私はshe&meの後日談数編かな
>>640氏の一つの作品として後日談はみたい。
それになのは、ユーノの話は多いから少数派でいってもらいたいw
367名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 19:31:16 ID:rJRtREfr
私は「六年後、八神家の補完とユーノとなのはの進展」が見てみたい。
368名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 19:47:26 ID:fqj2rjka
>>364
she&meの後日談激しくきぼー!
アリシアお姉ちゃんは貴重なんで是非見たいです
369YUKI :2006/01/18(水) 21:17:20 ID:0ecEMzZe
>>640
>>jewel氏
共にGJ!!
370いきなり投下:2006/01/19(木) 00:58:22 ID:jee92oGn
1章  そこにある過去に



闇の書をめぐる事件から4年
僕、クロノ・ハラオウンは18歳になった。
提督にもなり、今はアースラの艦長をしている。
今日は一つの大きな任務を終え、半年ぶりに本局に帰ってきたところだ。
そして、報告書を提出するために本局内の廊下を歩いているときに、逃れられない過去と対峙する事になる…。



本局情報管理部第三分室資料庫の前を通り過ぎようとする。
この資料庫は表向きはただの資料室だが、そこには公表されなかった、
もしくは公表出来なかった過去の事件についての資料、報告書が保存されている。
入室するものは誰もいない資料室だ。

その、誰も立ち入るはずのない第三分室資料庫から人影が飛び出してきた。
僕はあわてて飛退く。
しかしその人影はこちらに向かって駆け出してきて…
ドンッ!
「きゃっ」
ぶつかってしまった。
運が悪い。
まぁ、飛退いているところだったので押し倒されたような感じになってしまったのだが。
「わわっ」 
慌てて立ち上がり頭を下げてその人が言う。
「すいません。慌ててたもんでぶつかってしまいました。大丈夫です…か?って…クロノ君?」
見上げる。茶色のショートカットに聖祥大学付属中学の制服、胸には剣十字のデバイスをぶら下げた人物。
ぶつかった人影は不安そうな顔をした八神はやて特別捜査官だった。
「やぁ、八神さん。君の方こそ大丈夫だったかい?」
立ち上がり僕が言う。
「私は大丈夫や。ぶつかってごめんな、クロノ君」
「いや、気にしなくて良い。別になんともないし」
そう答えると彼女はほっと息をつき
「そっか。よかった」
と言い、僕に笑顔を向ける。うん、やっぱり彼女には笑顔が似合う。
「久しぶりだね、八神さん。調子はどうだい?」
かれこれ半年ほど会っていなかったことを思い出し、問いかける。
「ん。私のほうは調子ええよ。もうこうやって走れるようにもなったし、騎士のみんなとちゃんとお仕事もしとるし。クロノ君とは…半年振りくらいになるんかなぁ」
「そうだね。ずっとアースラで出回っていたから」
371370:2006/01/19(木) 00:59:40 ID:jee92oGn
彼女は足の麻痺も完全に治り、仕事も頑張っているようだった。
「元気そうで何よりだよ。フェイトや他のみんなも元気かい?」
「もちろん元気やけど…。なんや、フェイトちゃんに電話位してあげたらええのに」
呆れ顔で彼女が言う。
「そういう訳にもいかないさ。任務中にそういうことをする訳にはいかないからね」
当然のことを僕が言うと彼女は苦笑して
「まったく…クロノ君はお堅いなぁ。もっとリンディ提督みたいにすればええのに」
と言う。
「そうや、クロノ君が頭固過ぎるから…」
その後の彼女の台詞はよく聞き取れなかったが
「僕は職務に忠実なだけだ」
と告げておく。もちろん、連絡を取りたくなかったわけではないが、艦長が規定を守らないわけにはいかないからな。誰も守ってないのも知っているが。
それに、エイミィがこっそり連絡を取っているのは知っているから特に何もなかっただろうとは思っていたが。
「ところで、慌ててたみたいだけど、どうかしたのか?」
と、疑問をぶつける。
「あっ…、いや、なんでもないで。ちょっと急いでただけや。今日は騎士のみんなにおいしいものたくさん作ってあげよ思ってて」
「そうか。急いでるんなら引き留めて済まなかった」
僕が言うと彼女は
「ええんよ。私も久しぶりにクロノ君に会えて嬉しかったし」
そう言って優しく微笑みかけてくる。
…ヤバイ。すごく可愛い。思わずクラッときた。
「じゃあクロノ君、またな」
思考停止しているうちに彼女はそう言って背を向けて走り出す。
「ああ、また」
走り去る彼女の背中にそう声をかける。
…さて、報告書を届けないと。そう思い、思い出す。
彼女が第三分室保管庫から出てきたことを。そして、そこには僕らが隠していた闇の書事件の闇が眠っていたことを…。
372名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 01:52:38 ID:8Nqy+sMI
>>jewel氏
完結乙です
これ読むまでデュランダルのクロノの呼び方がBOSSなのに気付かなかったよorz

>>370
珍しいCP(?)にwktk (;゚∀゚)=3
373370:2006/01/19(木) 07:09:09 ID:jee92oGn
2章 思いを馳せて



報告書を届けた後、久しぶりの休暇になった。アースラのメンテナンスも兼ねて、一月ほど休めるらしい。
最初の一週間は雑務に追われていたが、ようやく休暇を満喫できるようになった。
残り三週間もあるし、とりあえず家に帰ろう。

転送で海鳴市に着いたのは昼過ぎだった。まだフェイトは学校だろうが、先に家に帰っていることにする。
家に帰り熱いシャワーを浴び、リビングでソファにすわり一人、本を読んでいると玄関を開ける音がして、続いてフェイトの落ち着いた声が聞こえてきた。
「お帰り、兄さん」
ん?ちょっと機嫌が悪いのか?
「ただいま、フェイト。久しぶりだな」
「もう、久しぶりだなじゃないでしょ。全然連絡もしないで。エイミィが連絡くれてるから大丈夫なのはわかってたけど、たまには連絡くれないと…。むぅ…」
ふくれるフェイト。連絡しないのはいつものことだと言うと、
「本局に帰ってきてからも連絡してきてないでしょ」
と返される。本局に戻り、休暇になってからも連絡しなかったのは、確かに自分の落ち度なので素直に謝っておく。
「もぅ…」
そう言ってフェイトはソファの隣に腰を下ろす。
「あらためてお帰り、兄さん」
「あぁ、ただいま。やっぱり自分の家っていうのは心が休まるな」
僕が笑って言うと
「うん。そうだね」
と、フェイトも笑って返す。兄妹笑いあい和んだところで、この一週間ずっと気になっていたことをフェイトに訊く。
「なぁ、八神さんのことなんだが、最近様子が変だったりしなかったか?」
「はやてが?…別に普通だったと思うけど…。はやてと何かあったの?」
374370:2006/01/19(木) 07:10:26 ID:jee92oGn
「…いや、本局で会っただけだ。何もないなら別にいい」
そう、第三分室資料子から出てきたということは、たぶん闇の書事件について調べていたのだろう。
しかし、普段と変わらない様子だったのなら資料が見つからなかったのかもしれない。正確なところは本人に訊くしかないが、どうするか…
「どうしたの、兄さん。大丈夫?」
もの思いに沈んでいた僕に声がかかる。
「あぁ、すまない。考え事をしてた」
答え、気付く。フェイトの目線の高さが少し変わっていることに。
「また、背が伸びたんだな。女の子は成長期が早くて羨ましいよ」
僕は成長期が遅かったから、背が低いのがコンプレックスだったし。
「そうだね。5pくらい伸びたかな?」
背が伸びただけでなく、身体つきも丸みを帯びて女らしくなってきている。
あと二年位したらかなり良い身体になるのではないだろうか。って何を考えてるんだ、僕は…
「…?どうしたの?私の身体眺めて。何かヘンかな…?」
そう言ってフェイトは立ち上がり自分の体を見回す。こういう部分は相変わらずだな。
「…なんでもないよ。さて、悪いんだがちょっと部屋で休ませてもらうよ」
告げ、フェイトの頭を撫でてから自室に足を向ける。
そんな僕に向かってフェイトが
「うん、分かった。夕飯が出来たら呼びに行くから」
と、声をかける。
わかったとだけ答えて自分の部屋に向い、入ってすぐにベッドに倒れ込む。
…どうしても、八神さんのことが気になる。彼女は知るべきではないことまで知ってしまったのだろうか。
それとも、まだ何も知らないのか。
訊いてみるべきか、訊かない方が良いのか。グレアム元提督が早くに全てを説明しておけば良かったのではないか。
そんなことを考えているうちにいつのまにか僕は眠ってしまっていた。
375名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 08:59:31 ID:9uiDcWQG
あいかわらず クロノは ろりこん だな!
続きもワクテカして待ってます。
376名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 10:16:15 ID:j/qmsPxe
GJ。クロノ人気だなぁ。俺も好きだが。

個人サイトでフェイト×クロノってあんまり無い? 誰か知ったら教えて。
377名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 10:49:49 ID:7CtSOr2g
>>376
知ってるかもしれないが、「聖痕の刻まれし蒼き鷹」
378jewel:2006/01/19(木) 15:17:10 ID:Ed0E8MPd
 前回の『Silver』の続きで、クロノ×エイミィ(つーかむしろエイミィ×クロノ)
でエロを書こうとしたのですが…
 ム リ で し た(><) 自分で書いててこっぱずかしくなり、危うく窓からダイブ
しそうになったので…///
 クロノの『両腕が使えない』のがポイントだったんだ…両腕がつかえないのが…w

 というワケで、今回もエロなしのシナリオになります(えー。
 タイトルは『Turn over』で。
379jewel :『Turn over』:2006/01/19(木) 15:18:47 ID:Ed0E8MPd
【T】
   ―時空管理局艦船『アースラ』内、執務官室―

「クロノくん、あーん♪」
「エイミィ…毎回食事の度に同じセリフを言うのも、いい加減疲れてきたんだが…」
 何とも愉快そうに口元にスプーンを近づけるエイミィ。
 クロノは、微妙に照れ笑いしつつそれを口にした。
 先の事件で両腕を負傷してから3日。まだ完治していないクロノは、
すっかりエイミィの世話になっている。
「あれ? なんかリアクション小さくない? いつもなら、
食べ始めるまで10分はかかるのに」
「…さっきまで、リーゼ達が見舞いに来てたんだ。強引に着替えさせられたよ…」
「あ、あははは… お疲れぇ…」
 な ぜ か 哀愁漂うクロノに、エイミィも苦しい笑いで答えた。

「クロノ君? 入るよ?」
 扉が開き、なのはとユーノ、フェイトが入ってきた。
「腕、大丈夫?」
「あぁ。あと3日もすれば、通常の勤務には戻れると思う」
「クロノ君、自分に治癒魔法かけながら休息とってるからね。
ほんっと、つまんないくらい回復が早いの」
「エイミィ、完全に一言余計だぞ…」
「さっすがクロノ君。相変わらず万能だね!」
「うん。頼りになるお兄ちゃんだよ」
「んグッ!!」
 ろくに噛まないまま飲み込んだ食事を詰まらせ、水を求めるクロノ。
「お兄ちゃん、大丈夫!?」
「ブッ!!」
 今度は、飲み込んだ水を盛大に吹き出す
「うーん、相変わらずフェイトちゃんは破壊力抜群だねぇ♪」
「…てゆうかクロノ、いい加減慣れなよ…」
 ゲホゲホ、とむせるクロノの背中をさすりながら、ユーノが言った。
380jewel :『Turn over』:2006/01/19(木) 15:19:23 ID:Ed0E8MPd

【U】

「すまない。…何というか、今日ほど君の存在が嬉しく思えたことはない…」
「クロノも色々と大変だねぇ…」
 笑いながら、ユーノはクロノの隣に座った。女性陣は、早速トークに花を咲かせている。

(…ところで、頼まれていた調べ物だけど)
 時折なのは達の会話に加わりながら、ユーノが念話で話し始めた。
(やっぱり、あの4つの遺跡に、共通点は見受けられないと思う)
(そうか… 君の見解は?)
(こう言ってはなんだけど、それ程歴史的価値が高いというワケでもないんだ。
脈絡がないというか、見境がないって感じ)
(無差別破壊、ってことか…?)
(分からない。でも、遺跡そのものがターゲットなら、それこそ直接狙うべきだ)
(結局、そこに行き着くんだな…)
 クロノが小さく溜息をつく。

 この一ヶ月、ミッドチルダ辺境の遺跡が相次いで損傷する『事故』が起こっていた。
 原因は、研究施設の火災が1件、近隣で発生した小規模次元震によるものが3件。
(上層部にも、かけあってみたんだろ?)
(ああ…でも、調査隊の出した結論は『偶然の事故』が重なっただけ、というものだった。
 確かに、あの程度の次元震なら自然界でも起こりうる。
人手不足が深刻だからね。そう簡単に、大規模に動くことはできない)
(そんな…! だって、魔力反応が出たものもあったんでしょ?)
(ああ。だが小規模とはいえ、次元震を発生させるとなると、とてつもない魔力が必要だ。
それだけ能力のある魔導師が、こんな回りくどいやり方をするのは、確かに解せない)
(それで、僕に調査を頼んだのか…)
(君は遺跡の専門家だし、調査の腕は一流だからね。何か相手の動機がつかめればと
思ったんだが…)
(つまり、クロノは『事故じゃない』って思ってるんだね)
(当然だ。こんなに立て続けに『偶然』が重なるハズない)
(どうするの?)
(…アースラのチームで動く。幸い、任意の地域の哨戒任務が出た。期間は2週間。
この間に、犯人を捕らえる)
(2週間か…短いね)
(実際に動きだすのは3日後。その前に、僕は出来る限り傷を癒す。
…頼む、君の力を貸してくれ)
 真剣な目で、クロノはユーノを見つめた。ユーノも、決意に満ちた笑顔を返す。
(もちろんだよ。断る理由なんてないでしょ?)
381jewel :『Turn over』:2006/01/19(木) 15:19:56 ID:Ed0E8MPd

【V】

―アースラ司令室―

 3日後。アースラの司令室に、馴染みの顔が集まった。
「という訳で、今回の任務の概略は以上だ。連続する遺跡破壊、なんとしても
僕たちアースラチームで止める」
 クロノの声に、一同が頷く。
「でもクロノ、どうやって犯人を捕まえるつもり? 手がかりとか、一切無いんでしょ?」
「フェイト、それについての説明は、そこのフェレットもどきから」
「うん、分かった…ってオイ!」
「わー。ユーノ君ノリツッコミぃ〜♪」
 場に流れていた緊張感(…若干一名を除いて)が、ふっと途切れる。
 コホン、と一度咳払いをすると、ユーノはモニターを起動させて話し始めた。

「今まで襲撃された遺跡の位置と傾向から、僕が候補を3つまでしぼった。
この3ヶ所に、僕たちがそれぞれ待ち伏せて、相手が現れるのを待つ」
「今までの事件はいずれも、一週間から10日の間隔で起こっている。
現れるとすれば、今夜から明日に掛けての確率が高い」
 クロノが付け加えた。
「うまくいけば、相手の隙をつけるってことだね」
 モニターを見つめながら、フェイトが言った。
「ああ…そのかわり、今回も個人の能力に頼る部分が大きい。敵の戦力が未知数な分、
危険も大きいかもしれない」
「大丈夫だよクロノ君! みんなで力を合わせれば、絶対大丈夫!」
 なのはの笑顔と決意に、一瞬呆気にとられる一同だったが、すぐに笑顔を取り戻した。
「…相変わらず、なのはは私たちのムードメーカーだね」
「ホント♪ なのはが言うと、本当に大丈夫な気がしてくるんだよねえ」
 ぽんぽん、とアルフがなのはの頭をたたく。
「な、なんか微妙に誉められてないかも…」
 そんななのはの様子を見ながら、クロノとユーノは互いに頷いた。
「みんなに、もう一つ朗報を。今回の作戦で、彼らに協力してもらうことになった」
 エイミィ、とクロノが呼びかけると、OK、と司令室の扉が開く。
 見慣れた騎士達の姿が、そこにあった。

「…我ら、守護騎士ヴォルケンリッター。主の命により、参上致しました」
382jewel: 『Turn over』:2006/01/19(木) 18:08:17 ID:Ed0E8MPd

【W】

「…シグナム!」
「ヴィータちゃん!」
 頼りになる助っ人の登場に、喜ぶなのはとフェイト。
「どうも、皆さんこんにちは。今回は、私たちがお手伝いしますね♪」
 すっと前に出て、シャマルが朗らかな笑顔で挨拶した。
「…という訳だ。宜しく頼む」
 人間形態のザフィーラが、珍しく一言。
「4人とも、すまないな。無理を言ってしまって」
 クロノが、改めてシグナムと握手を交わす。
「いえ。本当なら、主はやても協力したがっていたんですが…」
「はやて、明日石田先生と定期検診なんだ。もう大丈夫って言ってんのに、
石田先生聞かないから…」
「あはは、石田先生らしいね」
 談笑するなのはとヴィータ。かつての険悪なムードは、今や微塵も感じられない。

「早速だが、組分けを決めたい。一応、僕とエイミィで考えたものがあるんだが」
「Aチームには、なのはちゃんとフェイトちゃん。
Bチームは、ユーノ君とアルフ、ザフィーラ。
Cチームは、シグナム・ヴィータちゃん・シャマル。とりあえず、これでどうかな?」
「あれ? クロノ君は?」
「僕はアースラに残って、敵が現れた場所に転送ポートで向かう」
「成る程、良い策だ」 「…」
 シグナムが微笑う。一方、何故かエイミィの表情はさえなかった。
「問題がなければ、2時間後に出発したいんだが」
「クロノ、ちょっといいかな?」
 まとまりかけたところで、フェイトがすっと手を挙げた。
383jewel: 『Turn over』:2006/01/19(木) 18:09:34 ID:Ed0E8MPd

【X】

「フェイト、どうした?」
「組み分けなんだけど…私はBチームに入った方が良いと思う。
 私はアルフとの連携にも慣れてるし、誰か一人、チーム内でミドルレンジ以上に
 対応できる人がいた方が良いと思うんだ」
「…確かにウチらのチーム、接近戦と防御に特化しすぎかも」
 アルフが苦笑いすると、ザフィーラがふむ、と頷く。
「成る程、それじゃ」
「私がユーノと代わるよ。なのはとユーノなら、コンビネーションもばっちりだし」
 クロノの言葉を、フェイトが遮った。
「だそうだが…どうだ、なのは、ユーノ?」
「私は別にいいよ! ユーノ君とコンビ組むの、久しぶりだし♪」
「ぼ、僕も全然、構わないけど…」
 微妙に焦るユーノ。そこに、フェイトからの念話が届く。
(…頑張れ♪ ユーノ)
「フェ、フェイト!」
「? どうした、ユーノ」
 不思議そうに見つめる一同に、ユーノは何でもない、と慌てて否定した。

「…うーん、フェイトちゃん、グッジョブ♪」
 エイミィが、フェイトに向かってサムズアップ。
「…? まぁ、とりあえずこれで決まったな。さっきも言ったが、出発は2時間後だ。
 みんな………宜しく頼む」
 クロノの言葉に、全員が強く頷いた。
384640:2006/01/19(木) 19:57:11 ID:Zq3R/j3X
とりあえずプロットを起こしてみた。
八神家の補完とユーノとなのはの進展は6年後より少し前になるかもorz
大体十数話くらいでいけそうだったので書いてみようとおもいまつ
予定より長くなるかもしれませんが。
・・・・まあ、結局は俺の腕次第ってことっすねorz
she&me後日談は少しずつ他の話の合間に書いていこうと思います

まあ、期待せずに気長にお待ちくださいorz

>>jewel氏、>>370
どちらも激しくGJです
385名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 20:50:28 ID:Tb+gOSqI
jewel氏、短期間の大量投下すごい…乙です!
ちょっと質問なんですが、Silverでのクロノは相手の少年を凍らせる時だけデュランダルを使ったんですか?
386可能性:2006/01/19(木) 21:08:58 ID:d9EP8KO0
jewel氏面白かったです。続きが気になります。
>>280の続きの続きです。あと題名つけました。

そして土曜日、なのは一行は時空管理局本局へとやってきた
とりあえずカウンタに行きクロノをインフォメーションで呼び出してもらった
しばらくしてやってきたのはクロノではなくエイミィとユーノだった
「やぁなのは、フェイト、はやて」
ユーノが挨拶する
皆もそれぞれ挨拶を交わし本題に移った
「クロノは?」
フェイトがたずねる
「来れば分かるよ、みんな着いて来て」
エイミィが合図し皆を誘導していった
向かった先は開発局の完成品保存室だった
「来たか、みんな揃っているな」
クロノは奥から箱を持ってきた
「なのは、はやて、先にこれを渡しておく」
なのはには赤い宝玉、はやてには金色の十字架のようなペンダントを渡す
「レイジングハート!やっとフレーム強化が終わったんだ!」
「リインフォース、もう出来上がったんかえらいはやいなぁ」
二人はデバイスたちと言葉を交わしそれぞれの懐にしまった
「さぁ、行こうか」
「行くってどこに?」
「訓練場だよ、ユーノも来てくれ」
「何で僕が?」
ユーノも行くつもりではあったが指名されたことに疑問を感じる
「この中で一番結界魔法が得意な使い魔だからだ、行くぞ」
「ちょっと待って誰が使い魔だ!誰が!」
クロノとユーノは言い合いながら、なのは達は喋りながら、途中でアルフも合流し訓練場に向かった
387可能性:2006/01/19(木) 21:10:02 ID:d9EP8KO0
「さぁ、デバイスを起動してくれ」
各々デバイスを起動しバリアジャケットを身にまとう
「今から1対1の戦闘訓練を行う、目的は僕とはやての戦闘能力の測定だ、よって全力で頼む
 勝負は僕とフェイト、なのはとはやてでいいか?」
「うちはええで」
「負けないよクロノ」
「頑張ろうねレイジングハート!」
皆意気込み十分な様子だ
「付き合せてすまないな、エイミィ、データをよろしく、ユーノ結界を」
「張ればいいんだろ、張れば」
愚痴りながらも広域結界を展開していくユーノ
「クロノ君もデバイス起動しなよ」
なのはが促す
「そうだな」
懐からカードを取り出し杖に変形させる、しかし今までなのは達が見たことのある杖だったが形状が
微妙に変わっていた
「行くぞデュランダル!」
『It is possible to complete the start, and to go. Boss』
なのはとフェイトは上空に上がり
クロノも後に続く
一方はやては
「ほな行こか、リインフォース」
『はい、マイスターはやて』
「リインフォース、翼を」
そう命じるとなのはのフライヤーフィンのような黒い翼が背中に六枚生える
闇の書事件と違い実物ではなく光の翼
融合型デバイスではない証だ
はやても空へと上っていった
「始めるか、エイミィ合図を」
両チーム十分に距離を取り合図を待つ
「3、2、1、はじめ!」
エイミィの合図とともに両組共動き始める
388可能性:2006/01/19(木) 21:11:52 ID:d9EP8KO0
「行くよ、バルディッシュ」
『Haken Form』
バルデッシュがカートリッジをロードし斧から鎌へと形を変える
「デュランダル!」
『Yes, boss.Load cartridge,Spear style』
デュランダルの先端がスライドし青色の光刃が顔をだす
「ブレイズキャノン!」
『ブレイズキャノン』
先ほどの電子音声とは別の声での復唱その後すぐ
デュランダルからブレイズキャノンが発射される、
しかしその速さはインテリジェントデバイスとは思えない速さだった
不意を突かれたフェイトは紙一重でよける
「何今の!」
驚きながらフェイトは自身も攻撃移る
『Plasma Lancer』
フェイトが魔法を放つ
クロノは防御魔法で防ぐ
「加速!」
『アクセラレーション』
その電子音声とともにクロノが消える
フェイトは回りにバインドを忍ばせつつ
あたりを警戒した
「スティンガーブレイド!」
無数の光弾がフェイトを襲う
光弾は速くは無いが攻撃範囲が広く回避は困難
よってフェイトが取った行動は防御だった
光弾とバリアが接触し衝撃波がおこりフェイトは目を瞑る
フェイトはその後クロノに向かう・・・はずだった
フェイトの視界が戻った頃にはクロノは目の前にいた
後ろに下がるフェイト
クロノはそれを追いかけフェイトに向かう
「A.C.S起動!」
その一言でデュランダルの光刃が4本に分かれる
そしてデュランダルを突き出す
フェイトはバリアの維持に専念した
逃げ切ることも不可能ではない
フェイトは見てみたかった、新たなクロノの力を。
10秒も立たずに4本の槍はバリアを突破し
「展開!」
その言葉により今度は先端で交差していた光刃が開きバリアに穴をあける
「ブレイズキャノン!」
0距離でのブレイズキャノン
フェイトは吹き飛ばされかなり離れた位置で静止し息を整えていた
389可能性:2006/01/19(木) 21:12:32 ID:d9EP8KO0
バインド!」
フェイトが叫ぶと
クロノの四肢を光輪が固定する
「しまった!」
「こっちも・・・全力で・・・行くから!!」
途切れ途切れにフェイトが言う
「アルカス、クルタス、エイギアス、煌めきたる天神よ、今導きのもと我が元に降り来たれ。
 バルエル、ザルエル、プラウゼル 
 撃つは轟雷、響くは轟音、残るは静寂、アルカス・クルタス・エイギアス」
『Plasma Lancer Metastasis Shift』
「私も、ただ遊んでたわけじゃない、クロノに追いつくために努力してた!!」
今までとは違いフォトンランサーではなく、プラズマランサー、威力は桁違いに上がっている
発射体がクロノの周りに消えては出現しを繰り返す
「デュランダル!」
『Defense style』
デュランダルの防御特化形態、一見通常の状態と変わってはいないが余分な魔力排出を最低限に抑え防御に専念するため
この形態だと攻撃に関して全くデバイスの補助を受けられない
雷槍はどこから来るか分からない、よってクロノは体を覆うようにバリアを張る
ファランクスシフトとは違い正面に魔力を集中させて防御すればよいというものでもなく
バインドに抵抗しつつもクロノは衝撃を待った
390可能性:2006/01/19(木) 21:13:15 ID:d9EP8KO0
ファイア!」
クロノは一つ誤算があった、発射体は転移できるのだ、それがたとえバリア内であっても
「しまった!」
クロノがそれに気づくのは早かった、だがバリアを縮小しようとしたときにはもう遅かった
バリア内に金色の大型の魔方陣が描かれそこから雷槍が発射される
発射が終わりクロノもフェイト同様ボロボロだった
身体的にではなく魔力残量が残り少なかったのだ、
AAAクラスの魔導師同士の戦闘、攻撃を撃つにしても防ぐにしても大量の魔力を消費してしまう
いくら全力でと言っても任務に支障が出るのはまずい、そのまま二人の勝負は相打ちで終わった
391可能性:2006/01/19(木) 21:14:02 ID:d9EP8KO0
フェイトとクロノが戦っている頃に
「始めようかはやてちゃん」
「そやな、行こか」
両者杖を杖を構える
(私もやれる、あの子(夜天の書)みたいに)
はやて気合を入れ直し杖〜シュベルトクロイツ〜を握りなおす
「行くよ!レイジングハート!」
『All right』
「アクセルシューター!」
『Accel Shooter』
なのはの周りに光球が形成され
「シュート!」
その掛け声で光球が複雑な軌道を描きながらはやてに向かって飛んでいく
「盾!」
『パンツァーシルト!』
リインフォースが命に答え盾を形成する
なのはの攻撃からはやてを守りきる
「ありがとなリインフォース、今度はこっちからや
 刃もて、血に染めよ、穿て、ブラッディダガー」
『ブルーティガードルヒ』
黒い刃がなのはに向かって飛んでいく
なのはこれの防御をレイジングハートに任せ
自身は砲撃魔法の準備に移る
「ディバインバスター!」
392可能性:2006/01/19(木) 21:15:38 ID:d9EP8KO0
しばらく打ち合いが続いていたが
回避や防御ばかりでなかなか決着がつかない
お互い距離を取り
「力くらべ、やってみない?」
なのはが提案する
「ええよ、その方がきっとうちらに向いてるわ」
お互い距離を取りチャージを始める
とは言ったもののはやて自身の最強魔法ラグナロクは相殺能力を持たないため使うわけには行かず
「リインフォース、私の記憶からスターライトブレイカーを呼び出して」
『はいマイスター』
一瞬ではやては呪文詠唱に入る
「咎人達に、滅びの光を、星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」
「それ私の魔法!」
「新技術や!」
形、性質などは酷似しているが構造的には全く違うもの
闇の書ではなく自身の記憶から他人の魔法を呼び出す、
管理局がはやてのデバイスをなるべく闇の書に近づけようと
組み込んだものだ
また自分の魔法ではないため魔力消費量が大きい
数十秒後に両者チャージを終え
「スターライト・ブレイカー!」
「貫け!閃光! スターライト・ブレイカー!」
掛け声とともに発射する
巨大な2本の光の柱が空中で激突する
勝負は自分の魔法で使い慣れているなのはの勝利に終わった
393可能性:2006/01/19(木) 21:16:25 ID:d9EP8KO0
4人は空中からおりていき地面に足をつける
そこに見学者たちが寄ってくる
「クロノ、デバイス新しくしたんだ」
「インテリジェントデバイスに変えたんだ、デュランダルじゃ小回りが効かないし
 S2Uじゃ火力が足りないからね」
そういって皆にデバイスを見せる
「クロノ君のデバイスは管理局の新技術を流用したものだからね、もともとインテリジェントデバイスに近かった
 デュランダルの管制人格を強化して完全なインテリジェントデバイスにして、S2Uの核を搭載することによって
 ストレージデバイスとしても使えるようにしたから速さもばっちり」
「ん〜んよく分からない」
エイミィは分かりやすく解説したつもりなのだがなのはには良く分からなかった
「簡単に言うと一つのデバイスにインテリジェントデバイスとストレージデバイスが両方付いてるって言えば分かる?なのは」
ユーノがより簡単に説明する
「何となくわかったような、わからないような」
今だ理解できないようで皆少し顔が引きつっていた
「で、はやてのデバイスは?」
「はやてちゃんのデバイスは融合型からインテリジェントデバイスに変更、
 リインフォースで呼ばれることが多いけど正式名称はシュベルトクロイツver13、
 記憶詠唱方式を採用したのがこのデバイスの最大の特徴で・・・」
一行はエイミィの説明を聞いていたが、あまりの長さに顔をこわばらせていった
394可能性:2006/01/19(木) 21:18:33 ID:d9EP8KO0
エイミィの話を強引に中断させて本局内部に戻ったクロノたちはレストルームで休憩していた
「そういえば今日は転移装置の点検日だったか」
クロノが思い出したように話を切り出す
「時間は・・・あちゃ、もう始まっちゃってるよ」
エイミィが頭を抑えうなだれる
「どういうこと?」
なのはが聞く
「転移装置の定期点検で君達を向こうの世界に帰せなくなったすまないが今日は本局に泊まっていってくれ」
「連絡は取れる?」
「それは問題ない家族に連絡してくると良い、エイミィ」
「なのはちゃんこっち」
「ほんならうちも頼もか」
エイミィはなのはとはやてを通信室に連れて行く
「フェイトは大丈夫だよな」
「どちらかというとこっちにいる方が多いからね」
部屋を取ってくると言ってクロノはレストルームから出ようとしたとき
私もいくよとフェイトもクロノについて行った
そして夜(時間的に)になり、少し大きな部屋を借りてフェイトとなのはとはやては同じ部屋に泊まることになった
しばらく三人でおしゃべりをした後
皆夢の中へと入っていった
夜も深け始めた頃フェイトに念話が届いた
『フェイト、もうすぐそちらに行くわ、今度は貴方も愛してあげたい、今更かしらね』
「母さん・・・」
フェイトは眠っているためこれはただの夢だとこのときは想っていた
395可能性:2006/01/19(木) 21:19:23 ID:d9EP8KO0
その頃別の次元では1人の女性が魔法を詠唱していた
「これでだめなら・・・」
自分の全身全霊を持って魔法に集中する
魔法の対象になっているのは幼い少女
眠っているのか起きる気配は無い
紫色の魔力光が少女を包み込む
「お願い目を覚まして」
そして数分後に魔法の光は消えた
「これでもだめ、なの?」
女性が絶望しかけたその時少女の上体がゆっくりと起き上がった
少女は左手で眠そうに目を擦る
「んん、ふぁぁ、おはようお母さん」
「アリシア!」
母と呼ばれた女性は少女を両手で抱きしめる
「痛いよお母さん」
その女性の目からは涙が流れていた
(あとはここから出なくては・・・転移先は時空管理局)
「行くわよアリシア」
「うん!お母さん!」
少女は起きてからすぐに体が成長し始めた魔法に成長の効果もあったようだ
今ではフェイトとほとんど変わらない大きさ、そしてなりより姿だった
アリシアは女性の腰に手をまわし体を固定する
「転移、座標は・・・」
そして彼女達は消えた
プレシア・テスタロッサとその愛娘アリシア・テスタロッサは
396549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:29:34 ID:NkWglSom
今回も「Call My Name!」の続きです。

前回の話は、
>>57
それより前の過去話は保管庫にあります。
http://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/01_549/CallMyName.html

簡単な粗筋。
名前を失い、大切な思い出を無くした少女が目覚めたのは、
少女が存在しない海鳴市だった。事情を話して家族や友人に
は受け入れてもらえるものの、残された記憶との微妙な差異
に少女は悩む。自分が何なのか判らない不安、一人になるこ
とへの恐れが、少女の心を曇らせて淫靡な誘惑に足を踏み外
させていった。

連続物ですが、単体ではエロを楽しめるようにしているつも
りですが、そろそろ苦しいかも。
今回は主人公と両親。前回もそうですが近親相姦物の範疇に
なるんでしょうか。

全部で2話分、8スレ、約15KB。

397(1/8)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:30:21 ID:NkWglSom
Call my name!

(29)ぬくもりの記憶

(あれ、どこだっけ?)
 白い清潔感のある天井。確か風呂に入っていたはずだが、
その天井は自宅のものではなく、翠屋や友人の部屋、学校の
教室の天井でもない、少女の知らぬ部屋のもの。
(あたたかい……)
 それにつつまれているかぎり何も心配することはない。そ
う思わせるほど少女を優しくつつみこむぬくもり。それがと
ても嬉しくて、幸せで、思わず頬が緩む。
「あ、笑った! おかーさん、笑ったよ!」
 同じ年くらいのメガネをかけた女の子と、無愛想な顔の少
し年上の男の子が少女をのぞき込む。どこかで聞いたことが
ある声、どこかで見たことがある顔。しかし少女のクラスに
も近所にもいない子供たち。
「美由希、恭也、赤ちゃんが驚いてるじゃないか」
 男の子によく似た背の高い男が子供たちを下がらせる。そ
れは少女がとてもよく知る人物だった。
(おとうさん? それじゃ、みゆき、きょうや……って?)
 少し若い感じもするが少女が自分の父を間違えるはずもな
く、子供たちもアルバムの写真に写っていた幼いころの兄や
姉そのもので。
「はいはい、大丈夫よ。私の可愛い赤ちゃん!」
 そっと抱き上げられる少女の身体。目の前には大好きな大
好きな少女の母。
(おかあさん……わたし…わたしは……)
 何か色々なことあり、悲しく辛いことで涙を流した。だが、
それは赤ん坊がかいま見た夢だったのか。それがどんなこと
だったのか思い出せない。いまわかるのは母のぬくもりのみ。
「あらあら、どうしたの? そっか、お腹が空いたのね」
 着衣の紐をほどく音。驚く兄。からかう父。不思議がる姉。
見えなくても判る家族の風景。
 そして、少女の視界は白くて大きな乳房にふさがれ、口に
はコリコリした乳首があてがわれる。少女はためらいもなく、
幼子の本能で命の滴を求めた。
(…おいしい……)
 吸う度に甘い味が口の中にひろがり、温かい母の愛が胃の
中を満たす。どれほど吸っても絶えることなく、飽きること
なく、ただただ母を求めて。怖い夢を忘れたくて、暗い穴を
埋めたくて、離したら永遠に無くしそうで、そこがただ一つ
のつながりに感じて、歯の生えそろわぬ歯茎で懸命にくわえ
込んで。
「あぁぁっ」



398(2/8)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:31:12 ID:NkWglSom
(あれ、どこだっけ?)
 蕩けるような嬌声。はっとして目を開けると、そこは白い
壁。顔をつつむ柔らかなもの。心安らぐかぎなれた匂い。ゆっ
たり揺れる身体。口の中の弾力ある感触。
「おはよう、・・・」
 恐る恐る上を見ると、上気した顔に笑みを浮かべた母の顔。
バスローブは羽織っているもののはだけられ、首元から少女
の目の前まで白い肌がつづいている。
「ふぇぇぇっ?」
 驚いた声で解放された乳房がぷるんと揺れる。その頂は歯
型の形に赤くなり、唾液で濡れて光っていた。
(わたし、えと…ゆめ……あっち…が?)
 呆然とする少女の頭を後ろから大きな手がなでる。体を起
こして振り返ると、同じようにバスローブをまとった父のに
こやかな顔。
「ははは、そんなにお腹が空いていたのかな。赤ちゃんみた
いだったよ」
 みたいではなく、夢の中では本当に赤ん坊になっていた。
穏やかで幸せな夢。今が悪い夢だと思ってしまうような夢。
こんな自分を受け入れてくれる家族がいるのにと、少女は申
し訳なくて縮こまる。
「その、おと…ぇ…え?」
 感謝の気持ちを伝えようとした少女は、初めて自分がおか
れている状態に気が付く。
「ん?」
「な、なんでも……」
 居間のソファーに深く腰掛ける母。バスローブを着せられ
て母にまたがる少女。その後ろに膝立つ父は母の足を抱え、
ゆっくりと体を動かしている。そうと知ると上気した母の顔
もとても艶やかに見え、何だか恥ずかしくて顔を合わせられ
ない。
(いま、してるんだ……)
 少女の身体の下で父と母がつながっている。昨夜垣間見た
行為が、すぐ下で行われている。あの大きなものが、母の熱
いあそこに入っている。
(な、なんで、してるんでしょうか……)
 いつまでたっても新婚ほやほやな両親。キスぐらいは日常
茶飯事で、仲が悪いよりは良い方いいと思っていても、目の
前でここまでされると少女もどうしたらいいか反応に困る。
「そだ、お腹空いてない? ・・・がのぼせて寝ちゃったか
ら、お母さんたちは先に食べちゃったんだけど」
 言われてみれば確かに空いてはいるが、食欲はあまりなかっ
た。
「あまり食べたくないかも」
「そう。でも何か口にしないと体に悪いわ」
 そう言われても、折り重なる疲労で少女の体は食事よりも
睡眠を欲していた。目の前にある母の豊かな胸を見ていると、
そのまま飛び込んで寝たくなるほどに。
399(3/8)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:31:44 ID:NkWglSom
「食べられないなら何か飲むだけでも……お母さんオッパイ
が出れば良かったんだけど」
 少女が凝視している先をみて勘違いをしたのか、それとも
からかっているのか。自分の乳房を絞るようにしてみせる母。
指が沈み込んで歪む乳房はとても刺激的で、すごい恥ずかし
いのに目が離せない。
「そ、そんなじゃなくて……あ、お、お兄ちゃんとお姉ちゃ
んは?」
「二人なら道場で夜の稽古中だよ。まだしばらくは戻ってこ
ないんじゃないかな」
 後ろから父の声。相変わらず母と一緒に少女の体は揺れて
いて、それにあわせて体内の珠がうごめく。たぶん姉が戻し
ておいてくれたのだろう。
「そうだ、別のミルクならすぐ用意できるし、それにしましょ
う」
「別の、ミルク?」
 とても良いアイデアを思いついたと母は目を輝かしている
が、少女には何のことか見当がつかない。牛乳は冷蔵庫に常
備されているがホットミルクやミルクセーキとか調理した時
ぐらいしかミルクとは言わない。
「そ、お父さんのミルク」
「お父さんの……?」
 少女の知識では、ミルクとは赤ん坊のいるお母さんのオッ
パイから出るもの。少女の母でさえでないのに、なぜ父から
ミルクが出るのか、母の言葉に少女は混乱するばかり。
「そうだ、あれは美容にもいいんだ。お母さんがあんなに綺
麗なのは、毎日お父さんのミルクをたくさん飲んでいるから
だぞ」
「もう、やだ、あなたってば」
 なぜか最後にはおのろけになる両親に少女は戸惑うしかな
く。
「え、えと……?」

「お父さんのミルクはここからでるのよ」
 少女と並んで床に座った母は、入れ替わってソファーに浅
く座る父を指さした。バスローブをはだけた父は傷だらけの
分厚い胸板や引き締まった腹筋があらわになり、股間から拳
を突き上げるように巨大な父のものがそそり立つ。兄のもの
と同じくらいの大きさだが、紫がかった黒い色は大人の力強
さを感じさせた。それがテカテカと濡れて輝く様は、ほんの
さっきまでそれが母の中に入っていた証拠であり、その生々
しさに目がくらみそうになる。
「準備はだいたいできてるから、少しなめてあげれば出てく
るわ」
「なめる?」
 昨夜母が父にしたことを少女もするのか、していいのか。
戸惑う少女の肩を抱き、耳元にやさしくささやく。
「大丈夫、お母さんが一緒になめてあげるから」
 その言葉が少女の迷いを吹き飛ばし、背中を後押しする。
「一緒に? ホント?」
「そうよ」
 仲むずまじい両親がうらやましく、見ているだけなのが寂
しくて悲しくなった昨日の夜。でも今度は大好きな母と父と
一緒、疎外感を感じることはない。
(お母さんと、お父さんと、一緒に!)
 少女の顔に浮かぶ笑顔は、瞳だけがギラギラと輝いて。
400(4/8)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:32:16 ID:NkWglSom
Call my name!

(30)食事

「最初はお母さんと同じようにしてね」
「うん!」
 元気よく返事する少女。母と一緒に同じことをするという
のが、少女に疲れを忘れさせた。
 少女は母と一緒に父の足の間に入る。そびえ立つ父のもの
に顔を寄せると、父の匂いが少女の鼻をくすぐった。いつも
より少し強いが、母の匂いと混じって不思議と心を落ち着か
せる。
「最初は舌の先で幹をなめるの」
 母は舌先で父のものを根元からなめ上げると、少しずれて
少女が入るスペースを空けた。
「さ、・・・」
 少女は母に向かって小さくうなずき、父のものへ舌をのば
す。それは排泄器であり、自分にはない異性のものであった
が、少女にはまったく抵抗がなかった。それは大好きな父の
ものだから。
「んっ」
 母のまねをしてなめた父のものはしょっぱかった。それは
父の味か、母の味か。
「おいしい?」
「んー、わかんない……でも、お父さんとお母さんの味がす
る」
 少女の答えに、父は顔をほころばせて頭をなで、母は頬に
キスをする。少女もうれしくなって母の頬と父のものにキス
を返した。
「お母さんは右から、・・・は左からね」
 密集する剛毛を避けながら、根元の方から上へと幹を濡ら
す滴をなめとっていく。母子の舌がはうたびに浮き出た血管
が脈打ち、ときたま新たな滴がしたたってなめたあとを濡ら
す。
「んんっ」
 舌の動かし方により、少女の頭をなでる父の手が動きが変
わる。上に行き着くころにはどうすれば父が喜ぶのか何とな
く分かるようになり、少女がうまくなめれば父は気持ち良く
なでてくれる。言葉を介さない親子のスキンシップ。
(おとうさん、きもちいい……?)
 兄のものを洗った時を思い出し、傘の部分に舌をはわせる
と亀頭越しに母と目があう。少女の舌は優しい母の瞳に導か
れ、浅黒い粘膜をなめながら滴をためた先端を目指した。
「ん、んぁっ」
 頂点で触れ、ゆっくりと絡み合う、母と子の舌。鼻をくす
ぐる母の匂いと、口の中にひろがる甘い味。少女は母を求め、
母は少女を誘う。アリサよりも激しく、すずかよりも巧みに、
快楽の淵へと。
(おかあ…さん…きもち…いい…よぉ……)
 母から少女にそそがれ、吸われて混じり合う二人の唾液。
息が続かなくなった少女から母が離れると、甘美な味に緩ん
だ口から白い喉へ一筋の線が描かれた。
「母さんの味は美味しいかい?」
 熱い吐息とともにうなづいた少女の体は蕩けて弛緩し、ちょっ
と指で押せばそのまま倒れてしまうだろう。それほど母の接
吻は強烈だった。アリサ、すずかとのが劣るとは思わないが、
あまりにも違い過ぎて比べることができない。
401(5/8)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:32:53 ID:NkWglSom
「先にお母さんが見本をみせるからね」
 母は少女の額にかるくキスをし、口を大きく開けて父のも
のをほお張った。ほぐれた長い髪が母の顔を隠すが、すかさ
ず父の手が見やすいようにかきあげる。
「ん、んぐっ」
 母の口でも父のものは大きく大変そうに思えたが、母は苦
しそうな素振りどころか恍惚とした表情をしてゆっくりと頭
を動かしはじめた。最初はただ上下に動いているように見え
たが、じっと見ているうちに色々としているのが分かってく
る。
「んんっ、んちゅ、んん」
 一杯一杯の口の中で舌を動かし、頬をすぼめてキュッと吸
い、唇で血管の浮き出た固い幹をしごく。父のものはヒクヒ
クと震え、父の手は愛しく母のうなじをなで、父の顔は幸せ
そうな笑みを浮かべ、父の口からは気持ち良さで吐息がもれ。
(おかあさん…すごい……)
 たった口一つであんなに強い父をメロメロにしてしまう母。
少女は尊敬のまなざしで母の姿に見とれつつ、真似をするよ
うに自分の人差し指をくわえた。
(わたしも、できるかな……)
 指を父のものに見立て、唇でかるく押さえつつ指を出入れ
し、キュッと強く吸う。爪先を舌でつつき、関節をなめまわ
し、一本では物足りなくなって中指、そして薬指も一緒にほ
お張った。
(これより、おおきいのに……)
 くわえられるのか心配だが、少女は無理でもしたいと思っ
た。大好きな父を喜ばせたい、そして大好きな母のようにな
りたい、同じようにしたい、と。
(あつくて、むずむずするの……)
 下腹部の奥底が収縮し、あふれた泉の水がバスローブを濡
らす。太ももをこすり合わせ、腰を動かしてすぼまりに埋も
れた数珠を震わせる。それでも我慢できず、バスローブの裾
をつかみ。
「ぁっ、ぇっ、えと」
 合せ目に忍ばせようとした少女の手は、上に重ねられた母
の手で止められた。父のものをはなして顔を上げた母は、驚
きと恥ずかしさであたふたする少女をキスで封じる。
「さぁ、・・・の番よ」
「んっ……うん」

 改めて見ても父のものは大きかった。母のように幹までく
わえるのは物理的に無理で、頭の部分だけでもあごが外れて
しまいそうに思える。
「無理して全部くわえなくてもいいのよ。先っぽから三分の
二くらいで十分、そこから下は手で握っていれば大丈夫」
「さ、召し上がれ」
 母は少女の手を父のものへ導き、父は邪魔にならないよう
少女の髪をかきあげる。少女の手の中で父のものは、少女を
誘うように先端から滴をこぼした。
「えと…じゃぁ……いただきます」
 少女は思い切って父のものをくわえた。固くて熱い感触。
鼻に漂う父の強い匂い。口の中一杯にひろがる父の味。大き
な、大きな、父の存在。
402(6/8)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:33:40 ID:NkWglSom
「歯は立てないで、無理はしないで」
「ん……」
 ゆっくりと父のものを飲み込もうとするが、やはり三分の
二ぐらいが精一杯で、頭全部は入りそうにない。少女は母の
教えどおり根元と頭の付け根を握り、口と一緒に動かした。
「んん」
 歯を立てないように口をひろげ、頭を動かして唇でしごく。
ざらついた頭は同じ粘膜組織でも舌や唇とは異なる感触で、
微妙なさじ加減で少女の口内を刺激する。
「んちゅ」
 根元は少し強く、頭の付け根は少し優しく握り、唇にあわ
せて父のものをしごく。父のものは暴れ馬のように激しくな
く、不動のまま少女の小さな手の中で脈動する。
「ちゅく、ちゅ」
 自在に動き回る舌と違い、少女の口を出入りする父のもの。
少女の意志で少女自身が動いているのに、なぜか父のものが
意志をもって少女の中を味わっているように思える。それは
不快どころか、頭を撫でられているように気持ち良かった。
「ん、んんっ」
 こんこんと涌き出る少女の唾液と父の分泌物が混じり、そ
れが不思議な味を醸し出してさらに唾液の分泌を促す。ただ
でさえ大きなものをくわえている少女の口内に余裕は無く、
父のものをくわえ込む度にはしたなく漏らしてしまう。
「・・・、もったいないわよ」
 母の言うとうりだった。ほとんどが少女の唾液でも父のが
混じっている。それは少女のために用意されたものだから、
こぼしたり残したりするのは以っての外。
「ん、ごくっ、ちゅ」
 口内にたまったものを飲み込む。音を立ててしまって首を
すくめるが、行儀が悪いとはしかられなかった。逆に父の中
に残ったものを吸い出すと、優しく頭を撫でてくれる。
(あと、そう…したで……)
 父のものを浅くくわえ、先端の鈴口を舌でつつき、舌を挟
んで深くくわえる。あふれる滴を唾液と混ぜ合わせ、舌と唇
で薄くのばしてなめ取る。少し苦くて、塩っぽくて、大好き
な母のお菓子とは違うけれど、ずっとなめていたい父の味。
(…がまん…しな…きゃ……)
 なめるのが気持ち良くて、喜ぶ父の姿が嬉しくて、もっと
気持ちよくなりたくて、自分で触りたいけれど、それには父
のものを手放さなくてはいけなくて。
(…でも…できな…い…よ……)
 幼芽を腕で押し潰すだけでは、双丘を床に押し付けるだけ
では、太ももをこすり合わせるだけでは物足りなくて。
(…お…か…あ……さ……ん……)
 我慢しようとすればするほど幼い身体は燃え上がり、閉じ
たスリットは滲んで白いバスローブを濡らし、柔らかな布地
につつまれた二つの幼芽は小さくも尖って自己主張し、少女
の中を悦楽と苦痛が渦を巻いて暴れて、まなじりから一滴の
涙がこぼれ落ちて。
403(7/8)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:34:15 ID:NkWglSom
「んんっ!」
 幼子を守る聖母の手が、バスローブを分け入って少女の胸
をつつみ、太ももを優しく撫でさする。少女の望むところを、
少女が望むように。優しく、激しく、愛しく。
「頑張ったね、・・・。お父さんとお母さんからのご褒美よ」
 バスローブは完全にはだけ、力が入らなくて母の胸にもた
れ、指は父のものに引っ掛かるだけ。それでも、懸命に父の
ものにしゃぶりついて。
「いくよ、・・・」
 父の声と共に、少女の口の内へ熱くたぎった樹液が迸る。
それは少女の喉を撃ち、すぐに小さな口内をいっぱいに満た
した。
「んっ! んぐっ、げっ、げほっ!」
 少女はたまらず父のものを吐き出してしまう。しかしそれ
の脈動にあわせて樹液は何度も迸り、少女の顔から幼い胸ま
で万遍なく白い樹液で染めた。
「あらあら、ちゃんと飲まないとダメよ」
 片手で少女の敏感なところを刺激しつつ、顔に飛び散った
白い滴を舌でかき集めて半開きの口に流し込む少女の母。苦
みのある樹液は少女の舌にからみ、強い嗅ぎ慣れぬ臭いが鼻
孔を撃つ。
「んん……んぐ」
 粘つく樹液を飲み込むのはかなり辛かったが、少女は我慢
して飲み込んだ。それは大好きな両親が少女のために用意し
た食事だから。
「こっちのはお母さんが飲ませてあげる」
「…ぁっ…ぁぁ……ん…ゃぁっ」
 少女の体にふりそそいだ樹液を母の舌がなめ取っていく。
細い鎖骨のくぼみ、なだらかな胸の麓、ツンと尖った小さな
頂、なめらかな腹を穿つへそ。舌が這う度に、可愛らしい悲
鳴をあげて悶えた。
「ぁぁっ…んぁ…ぁ……やぁぁっ、んんっ」
 その間も母の指は休まずに潤んだ少女のスリットをかき回
す。母の指は少女の一番大事なところの入り口をつつき、た
まらずにひときわ大きい声をあげた少女の口をふさいだ。
「んぐっ、ちゅ、くちゅ」
 母の口内で唾液と混じり合った樹液が、母の舌と共に口移
しで少女に注ぎ込まれる。少女の中で二つの舌が絡み合いな
がら唾液と樹液をかきまぜ、少女はそれを少しずつ飲み干し
た。
「んちゅ、んん、んぁ、んくっ」
 母の胸に抱かれ、母の首にすがり、だらしなく足を投げ出
して、少女はひたすらに母の愛をむさぼる。その行為の意味
を考える事なく、その行為に疑問ももたず、母の指を、母の
唇を、母の舌を、母の胸を、ただ母の愛を信じて。
「んぁっ、やっ、あっ、あんっ、んっ」
 少女の幼い秘孔を母の指先が穿つ。ほんの数ミリ、爪の半
分ほどであっても、初めて胎内に指が入るということに、少
女の身体は弓のように背がのけぞり、おこりのように全身を
震わせて絶頂を迎えた。
「んっ、んんっ、んんんんっっ!」



404(8/8)549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:34:54 ID:NkWglSom
 底無し沼に沈むような、ゆったりとした失墜感。母の胸に
抱かれ、父に頭を撫でてもらえるなら、そのまま沈んでしまっ
てもいいと少女は思う。それが少女のすべてだから、少女に
残された失いたくないものだから。
「・・・、おいしかったかい?」
「はぁ、はぁ、はぁぁ……」
 荒い息を抑えて少女はうなずく。本当はどんな味だったの
か、そんなことは少女に関係ない。大好きな両親の出すもの
に、美味しくないものなど存在しないのだから。
405549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/19(木) 22:36:12 ID:NkWglSom
あー、久しぶりにsage忘れた。

で、ハードなつもり何ですがどうでしょう?
自分は分かっていて書いているのに
へこんだりしてるんですがw

しかし保管庫更新は週1やれば十分と思ってたけど、
こう大量投稿があると考えないと。
まだスレたってから一月たってないよね?w
406名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 23:16:43 ID:j/qmsPxe
>>377
サンクス。知らなかったのでいってみた。

なんだこの神っぷり
407YUKI :2006/01/19(木) 23:19:27 ID:WXBcZLwi
>>jewel氏
>>可能性氏
>>549
みなさん凄すぎです!
こんな短時間でこんなにたくさんの名作が!!
感動しました。
これからも頑張ってください。
408名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 23:35:11 ID:CeSlRkyt
jewel氏、可能性氏、>>549氏皆さんGJ!

>>406
そこ神がかってるよなw
409名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 23:42:04 ID:j/qmsPxe
ようやくこっちの含めて読めた。GJ! 皆早いな書くの。

>>408
何だろうね。うん。神だ。あのクオリティで一日更新とかありえねぇw
410640:2006/01/20(金) 10:34:58 ID:ITTe7wVO
「・・・なんかちょっと、いい感じじゃない」
「うん、ほんと・・・」
見守る少女達に気付かずデパートの売り場を見て回る少年と少女は、傍から見る限り凄く「しっくりくる」感じがして。
小さな、お似合いのカップルに見える。
「なのはちゃん・・・ええんか?」
「え?何が?すごく二人とも楽しんでるみたいだけど」
思わずはやてがなのはを心配して、彼女の朴念仁っぷりを改めて認識させられ。
「「「「・・・・・」」」」
「な、何?何かわたしおかしいこと言った?」
呆れながら溜め息をつく他の四人にも、なのはは相変わらずの反応を返すばかりだった。

((((鈍い・・・・))))

そうだ、そうなんだ。この子はこういう子なんだ────・・・・。
なのは以外のメンバーは、それぞれに自分をそう納得させる。

「ま、まあなのはちゃんらしいというか」
「やれやれ・・・」
「全く・・・・ん?ねえ、あれって・・・・」

そして彼の姿に最初に気付いたのは、アリサだった。

「?」
「「あ」」

誰か知り合いでもいたのかと頭に?マークを浮かべるなのはとは対照的に、はやてとすずかはすぐにアリサの見つけた人物を発見する。
シグナムに到ってはアリサの言葉の意味すらわかっていない。

彼女達の見守る先で。
腕時計のコーナーに入ろうとしていたフェイトとユーノの元に、ある人物が近づいていた。





魔法少女リリカルなのはA’s after 〜買い物に行こう。〜

第三回 邪神降臨





「おーい、フェイト」
「?」

この声は。
何度も学校で聞いた少年の声だ。
キョロキョロと辺りを見回してフェイトは、一人の少年が小さく手を振っているのに気付く。

「あ・・・・?」
「めずらしいね、こんなとこで会うなんてさ」
「う、うん・・・・そうだね」

二人のやりとりを見る限りでは知り合いらしいのだが。一体だれなのだろう、この少年は。
フェイトに対して親しげに接する見知らぬ少年の様子に、ユーノは事態の飲み込めない様子で彼とフェイトの顔を見比べている。
411640:2006/01/20(金) 10:36:36 ID:ITTe7wVO
(・・・フェイト?その子は?)
(あ・・・。そっか、ユーノは会ったことないよね)

少年と会話をはじめたフェイトに念話を送ると、フェイトもユーノの戸惑いに気付いて説明する。

(えっと・・・クラスメート。消しゴムとか、忘れ物してきたときによく貸したりしてる。多分クラスの男子では一番仲良くしてる・・・かな?)
(なるほど)

道理でユーノが知らないはずである。いくら友人とはいえ、学校の知り合いのことまでは流石にわかるはずもない。
・・・・だけど。
「今日は買い物?」
「うん。ちょっと、お祝いを買いに」

こうしてフェイトが見知らぬ人間と親しげに会話を交わしているのをみると。
(・・・・なんか、面白くない)

「お祝いね・・・ふうん。で」
「?」
少年の視線がフェイトから隣のユーノへと移される。おそらく先ほどから気になってはいたのだろう。
「・・・・そいつ、誰?」
「う・・・えと、その。彼はユーノって言って・・・」

なんと説明したものか。どこまで言えばいいやら、フェイトは焦る。
二人で出かけるということはこういう風に見知った人間と会う可能性は十分あったのだから、対応くらい考えておくべきだった。

「ひょっとして───・・・フェイトの彼氏?」
「「・・・へっ!?」」

想定外の事態にうろたえ、答えに窮するフェイトに少年の放った一言。
それはきっかり2秒間、見事に気の抜けるような返事を返したユーノと彼女の時間をストップさせたのだった。






『───がうよ!!ユ、ユ、ユーノとは別にそんなのじゃ・・・!!!!』


一方の、時空管理局所属艦・アースラでは。
通信室のモニター一杯に映し出されるフェイトの慌てる様子を見つつにやつく一人の女性の姿があった。

「んー、実に初々しくてよろしい」

お茶をすすりカメラアングルを切り替え、尚もフェイトの混乱っぷりを楽しむのは、エイミィ・リミエッタその人。
妹のような存在である少女の初デート、そんな面白そうなものを彼女が放っておくはずがない。
しっかり艦内のシフト表までいじって今日この日の素敵なイベントを見逃さないようスケジュールを合わせてきている。
情報源はちなみにリンディ提督とはやての二人(クロノには内緒)。

また。

「映像の感度も良好。この前の定期メンテナンスでバルディッシュにサーチャーの中継装置搭載しといて正解だったねー」

本来は単独行動時の安全やデータ収集力を強化するための装備を悪用・・・もとい活用することも忘れない辺り、流石である。
412640:2006/01/20(金) 10:39:05 ID:ITTe7wVO
「ふーむ・・・この子きっと、フェイトちゃんに気があるわねー。んふふ、ユーノ君の登場に気が気でない感じ?」

一枚一枚袋詰めされた煎餅のビニールを破りながら、モニター上のやりとりを勝手に分析するエイミィ。

「いやいや、ユーノくんも面白くなさそうな顔してるわー。なのはちゃん一筋だと思ってたけど、これはひょっとして・・・」
『エイミィさん、撮れてますー?』
「うんオッケーオッケー。はやてちゃんのサブカメラもいい感じで映ってるよー」
『ダビングよろしく頼みますなー』
「まかせとけいー」
誰も見ていないのにサムズアップをはやての声の聞こえてくる通信機へと返すエイミィのはしゃぎっぷりとノリは凄まじい。
彼女は現地組のはやてにまで盗撮・・・いやいや、記録を頼んでいた。
おそらくクロノが見た日には呆れかえることだろう。




・・・・・そして、お約束で。

いつの間にかクロノは、部屋に入ってきていて。
しっかりそんな彼女の姿を見ていた。

「・・・何をやってるんだ、エイミィ」
「えっ!!??」
「報告書のことで聞きたいことがあったんだが・・・・何してる?」
「あ、う、え、えと、その、これはだね?クロノ君えっとつまり」
「ああ、言っておくが何回も呼び出しはしたんだからな。その上でロックをしてなかったから入った」

───まずい。
このシスコンにこの映像を見せるのは非常にまずい。一体何が起こるかわからない。
とりあえず録画だけは続けることにしてもひとまず画面を消さなくては。
「?同時中継?これは海鳴市のデパートか?」
「そそそそう!!新しい冬物の服とか気になってさー」

クロノのほうを向いたまま、モニターをOFFにすべく左手をこっそり後ろに伸ばすエイミィ。

(も、もーちょい・・・・ここ・・・あった!!)
使い慣れた通信室。どこに何のスイッチがあるかは身体で覚えている。
左の端のキーを押せば、とりあえず映像は中断できるはず。

(・・・ん?左?)

「あーーーーー!!!しまったーーーー!!?」
「?」

押した後で気付いた。普段左の端にあるということは。
つまり自分の後ろにキーボードの位置する今、目的のそのキーがあるのは。

・・・・・・・・・・・・右端である。

(しま・・・・)

時既に、遅し。よりによって彼女の押したそのキーは、カメラアングルを変えると共に自動拡大をするためのもの。
それは普段であれば探査任務等にとても便利でありがたい機能なのだけれど。

(今はまずいってーーー!!!)
413640:2006/01/20(金) 10:41:22 ID:ITTe7wVO

「・・・・!?」
(嘘でしょーーーーー!?)
クロノの身体を硬直させたものを確認すべく振り向いたエイミィの顔から、さっと血の気が引く。
(やば・・・・)
彼女の見た映像、切り替わったアングルが映し出したのは、大変まずいことに。
少年の軽口に紅くなって横目でお互いをみやる、ユーノとフェイトの2ショットというものだった。しかもどアップ。
当然入ってきたばかりのクロノにそんな細かい状況はわからない。
傍から見れば二人が仲よさそうに寄り添って頬を染めあう二人、という構図にしかみえないはずだ。

背後からプチン、と何かが切れるような音が聞こえたような気がしたのは、エイミィの空耳だろうか。
今度は確かめようにも恐くて後ろを振り向くことができない。
「・・・エイミィ?」
「は、ははははいぃ?」
「これはどういうことだ?詳しく聞かせてもらいたいんだが?」
「え、えーとそれはですね・・・」
「簡潔に、明瞭に。なんでフェイトとあのフェレットもどきがふたりっきりでいちゃついているのか説明してもらおう」
・・・・・声に、感情というものがなかった。代わりに殺気が満ちている。シスコン恐るべし。

(恐い恐いよクロノ君恐いよ)

「も・・・黙秘権は?」
「ない」
(やっぱり・・・・)
聞くだけ、無駄であった。
「あの淫獣・・・なのはだけでは飽き足らず、うちのフェイトまで・・・。駆除しておく必要があるな」
「あわわわわ・・・・・」

「とりあえず、隠すとためにならないよ?エイミィ」
全く笑っていない声で更にそう告げるクロノの手には既にデュランダルが握られていて。

(ごめんね二人ともー!!)

エイミィは自分の身の安全のために、あっさり二人を売り渡したのだった。
414640:2006/01/20(金) 10:54:05 ID:ITTe7wVO
多分この話で一番キャラがぶっこわれてるのはクロノです。
てかあいつはきっとシスコンですって。ね?(同意を求めるな
ちなみに今回でてきた少年、オリジナルではありません。
漫画版やss01でフェイトに忘れ物を借りている「あの子」です。
あのキャラの存在を深読みしてみました。
・・・・・・・・・ごめんね、果てしなく脇キャラでorz

>>可能性氏
プレシアママン良いお母さん化?

>>549
幼児退行キタコレ
もうあいかわらずエロくてGJ
415名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 14:28:52 ID:rzeGWke3
>>414
640氏GJ!!
ユーノの乙女心もとい男心オモシロス
フェイトに乗り換えたほうがいいと思うぞw
416名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 15:00:34 ID:waHo1jk9
>>640
GJ! 初々しいなあ…って、お祝い…?
ってことはもしかして…?

>>415
まぁなのはが相手だと、10年たっても一歩も進めないだろうなw

ユーノもクロノも誰とくっついても幸せに慣れると思う俺ですよ。
417名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 18:08:48 ID:nUGvGlN1
>640氏
取り敢えず乙!
ってリンディさんも作戦立案者だったとは・・・、あなたは本当に養子にするんですか?w
418640:2006/01/20(金) 19:40:19 ID:ztJgJ15u
あー、いかん。修正点があるしorz校正ミスだorz
>>413の八行目、最初の「傍から見れば二人が」が不要です。
>>549氏、お手数ですが保管庫に入れる際に修正をお願いします。
ほんとすいませんorz

419名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 20:25:21 ID:jgLg17YJ
>>640
乙です!これはまた修羅場な展開になってきましたね…
この雰囲気でフェイト×ユーノもいいかもと思ってしまった俺は異端児ですか?
420名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 20:59:23 ID:AvDXBfj8
>>640氏GJ!

ここであえてユーノが似合うのはなのはくらいだと言ってみる
と、いいつつアリサも似合うかもと思ってしまった・・・引きずられそうだけどw
421名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 01:55:53 ID:+PBVskmF
ユーノ×フェイトは俺も面白いと思って書いてた、そしたら被ってた。
どうしようかプロローグ文は出来てるニャンゲ。
422名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:34:33 ID:3j+jaU56
>>421
被ってても気にしないので是非投下してください。
423名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:43:46 ID:EUJGHaBo
>>421
かぶってても問題ないし、640氏のはユーノ×フェイトかどうかわからんよ
424421:2006/01/21(土) 04:25:16 ID:+PBVskmF
じゃぁ寝ようと思ったけど練れなかったので落とします。
フェイトが普通に男の子に恋なんかしたらどういう反応するか、
これは面白いかなぁって思って書いたプロローグ。
そしてなのは何かが加わって三角関係とか来たらもっと面白いね、
でもそこらへんはまた時間作って考えます。
425421:2006/01/21(土) 04:29:54 ID:+PBVskmF
『〜魔法少女リリカルフェイトさん〜 第一話 プロローグ』

それは闇の書事件から少し経った、フェイト・テスタロッサの話………
彼女は今もなのはと同じ学校に通い、それと同時に管理局ににも勤めている、
ただ学業と仕事の両立はなかなか難しく、時には学校を休み管理局に勤しむ事もあった。
仕事の監督でもあり、母親になったリンディ提督としても彼女を学校に通わせたいが、
本人が仕事が重要な生真面目な意思や、それを曲げない頑固なところもあるし、
他にもトリプルAクラスの魔導士が仕事を手伝ってくれる功績は大きかった。


アルフ「お、フェイト、仕事終わった?お疲れさん」
フェイト「アルフ、散歩もう行った?」
ア「うん、ユーノが付き添ってくれたから」
フ「そっか、後でお礼しないとね」


フェイトの友人、なのはとはアースラでも部署が違うのかあまり会わず、
なのは自身も時間が来れば自宅に帰らなければならない、まさかアースラを優先させるわけにはいかないから。
もちろんなのはとは学校では会っているので、フェイト自身も仕事は仕事と割り切ってるようだ。
そして彼の兄のクロノ執務官は、
その執務官という役柄上毎日が何かと忙しく、フェイトとのんびりするという時間も少ない。
同様にエイミィ副執務官、リンディ提督も仕事をおろそかに出来る職位ではない、
どうしても仕事の傍ら家庭の事、というのがこの家族のスタイルらしい。
もちろん途中から入ってきた自分のせいでその長年のスタイルを帰る気もないし、
何よりクロノはこので生活でずっと過ごしてきたのだ、
むしろこの忙しい中、少しでも自分を気遣ってくれている家族に温かみさえ感じる。


フ「ユーノは?」
ア「う〜ん、いつもみたいに書庫に篭ってるんじゃないかね?
  あたしは夕飯までまだ時間あるみたいだし、少し寝させてもらうよ」
フ「おやすみアルフ」


そんな仕事優先の家族のためか、せっかく買ったマンションに帰らない事も多い、
忙しい時に職場で寝泊りするのはどこの職場も同じのようだ。
それに元々ハラオウン家はこのアースラで生活していたのだ、むしろこちらこそ家だという感覚がある。
ゆえにフェイトも誰も居ないマンションに態々帰るより、
家族や人の多いアースラに寝泊りし、時間になれば学校へ行ってここへ帰ってくるという生活が続いた。


フ「あれ……この前借りた本………どこやったっけかな……
  あとそれと………あった、これこれ」
426421:2006/01/21(土) 04:31:12 ID:+PBVskmF
それからフェイトはまだ見習いのような立場だから、自分の家族と違って時間は空く、
そういう時は家族の仕事を手伝おうともするのだが、その家族がそうさせない。
見習いに任せられない大事な監督の仕事……という事もあるが、
学校と仕事を両立させているフェイトに少しでも休ませたいという気遣いもあるからだ。

よってフェイトにも暇な時間が結構ある、
昔は母さんのために魔法の勉強、裁判中もそれらしい自由が無かった。
なのは達はといえば、学校から戻って仕事をすれば何時間か経ってしまい、
空きが出来ればなのはの世界の子供達が家に帰る時間、誰かと遊べるという事も無い。
何よりフェイトは学校での友達付き合いはアリサやすずかなどほぼ限定されていて遊ぶ相手自体少ない。
つまり今まで暇を潰すという事を生まれてこの方した事がなかったのだ。


フ「ユーノ!」
ユ「あ、フェイト、仕事終わったの?」
フ「うん、ちょっと夕飯まで時間つぶし」
ユ「そっか、じゃあ………」
フ「あ、この前貸してもらった本、良かったよこれ」


じゃぁアースラ内の何で時間を潰すかと、見つけたのはこの書庫だった。
無限にあるようなこの本の山、なのはの世界で読んだことある漫画も良かったけど、
フェイトにとってはここに通いつめる理由が他にもあった。


ユ「フェイト冒険小説とか好きだったんだね」
フ「うん、読んだ事無かったから」
ユ「ふ〜ん……あぁ、じゃぁ整理してる時に他にも結構見つけてあるからさ、それ持ってく?」


何よりユーノと喋るのが面白かった、
家族は今忙しいし、兄のクロノは同い年でもないし元々べらべら喋るタイプでもない。
数少ない友人のなのはは、学校で喋る事以外に電話を使えば話せるのだが、
何せ自分からそんなに掛けられない、あまり人を楽しませる話題を考える事が出来ないのだから。


ユ「あ、その本の中に水の中を泳ぐ蝶って出てきたでしょ」
フ「うん、確か精霊の居る水に落ちたときに沢山の蝶が泳いでたって……」
ユ「それ実は本当に居るんだよ」
フ「え!?そうなの?」
ユ「あ〜どこだったっけかな、確か僕も見たことあるんだ、
  こう蝶が水の中をヒラヒラ〜って泳ぐのを、あれは綺麗だったなぁ〜」


とにかくユーノはその誰よりも多い知識で、話を任せていても話題が絶えなかった。
この前は太陽を覆いつくすような物凄く大きい黄金に光る鳥の話をしてくれたし、
昨日は遺跡発掘の時に見つけた何千年も前の古いデバイスを見つけた話をしてくれた。
長い間狭い場所で魔法の勉強だけをしてきたフェイトにとって、
ユーノの無駄な知識はとても興味をそそられる。
427421:2006/01/21(土) 04:31:59 ID:+PBVskmF
ユ「ところでフェイト、学校のほうはどうなの?」
フ「う〜ん、さすがに国語はちょっとついていけないけど……
  他となると物足りない……かな?」
ユ「あぁまぁね、なのはの世界の教科書とか見たことあるけど、
  フェイトなら高等学校レベルで丁度良さそうだもん」
フ「………全部読んだの?」
ユ「うん」


フェイトは元々人にかまってもらうのは好きだけど、
じゃぁどうしていいのかを今まで学んでこなかった。
もちろんユーノ以外にも学校の知ってる男子も居るが、
彼らの知識量を合わせてもユーノには劣ってしまうし、話す機会も同クラスでさえさほどない。
でも考えてみれば当たり前で、小学三年生と言えば第二次性長期の前半の年頃、
男子と女子はいがみ合うのが普通である、が、フェイトにはその距離感がよく分かってない。
ネガティブ思考に“自分はかなり嫌われているのではないか”とも思っているぐらいだ。


ユ「まぁ学校なんて、楽しい事とそうでない事の折あわせだから、
  でも勉強が出来なくてつまんないってのは良く聞くけど、出来すぎてつまんないってのもな……」
フ「ユーノは何が学校で楽しかった?」
ユ「僕?僕は……友達とか……そういう……」
フ「……私はあんまり友達作るの得意じゃないから」
ユ「え?あ、いや、なのは達もいるじゃないか、友達は数じゃないよ、
  それに慣れてないことを無理したってダメだよ、ね?徐々にでもいいんだから」
フ「……うん」


それにユーノは優しかった、決して人の欠点をとやかく言う性格ではなく、
先に相手を励ますような言葉をかけてくれる、こんな自分に合わせてくれているのだ。
他の男子、つまりクラスの男子によっては軽い悪口を言う子も居て、
フェイトはそれを真に受け、酷く落ち込んだ事もあった。
もちろんそういう時はなのはが励ましてくれたり、アリサが変わりに怒ったりもしてくれた。


フ「ユーノ、仕事いつごろ終わる?」
ユ「終わるって言うか……最近は起きてはここで、疲れては寝てだから……
  時間周期とか気にしない生活になっちゃって……アルフの散歩が唯一の運動だよもう」
フ「じゃぁちょっと休憩して……これから夕飯になるから一緒に……」
ユ「う〜ん……じゃぁそうしよっか、ここ最近ここで軽い食事ばっかだし」
フ「う、うん……」


そんなユーノと一緒にいるのが、最近仕事終わりの楽しみになっている、
そう具体的な自覚はしてないものの、薄々ここに来るのが楽しみにになっている事には気付いていた。
428421:2006/01/21(土) 04:32:58 ID:+PBVskmF
フ「あ、クロノ、エイミィ」
エ「お、フェイトちゃん、珍しいねユーノ君も一緒?」
ユ「えぇまぁ」
エ「最近働き詰めでしょ?あんま良く無いよそういうのは」
ク「エイミィはちょっと気を抜くとお菓子をボリボリ食べて……少しはユーノを見習うんだな」
エ「何、自分も人の取って食べてるくせに」
フ「あれ?アルフは?来て……」
エ「来たと思ったら30秒で食べて終えてまた帰っていったみたい」


そんなフェイトとユーノの関係を……
エ『ねぇ、やっぱり仲良いよね2人とも!』(念話)
エイミィは歳相応に楽しんでみたり、
ク『別にそういうのは個人の問題だろ』
クロノもクロノでちょっとは気になるけど、
歳相応に大人ぶって態度では気にしない格好をとっていた。
母リンディもこの事をエイミィ伝いで聞いている、
ただエイミィ伝いであるから少々話がこじれているももの、
フェイトが女の子らしい感情を見せるという事は嬉しい事でもあった。
ようするに周りはこの2人を結構楽しんで見ていることになる。


フ「ユーノ、まだ時間ある?」
ユ「う〜ん、まぁ休憩時間分はほとんど後回しにしてるから余裕があると言えばあるけど」
エ「それじゃ分かりづらいって、yesかnoでいいんだって」
ユ「え?あ、空いてる……よ?」
フ「じゃぁユーノの部屋行って良い?」
ク「……ブッ!?」
エ「え、ちょ、やだクロノ君汚いってー」
フ「アリサからまたゲーム貰ったから」
ユ「あぁうん、いいよ」


最近なんだかおかしい、なのは達と一緒にいる時みたいにユーノと一緒にいるのは楽しい、
けどそれとは違って、ユーノと一緒にいると緊張するというかドキドキする……
でも嫌な感覚でもない、むしろもっと一緒に居たくなる様な……そんな気分。
そんな気持ちをフェイトは少しながら気付いていて、疑問に思っていた、
そしてこれが一般的な異性を気にする恋の始まりだとか気付くのは……また後のこと。
429421:2006/01/21(土) 04:35:55 ID:+PBVskmF
自分で言うのもなんだけど気持ちに気付いてるけど、
それが恋だとは気付かないってのがフェイトらしいかと思ったから。
文章の書き方はあまりマニュアルどおりやると面白くないのでこういう形をとっています、
まぁ読みにくくはないと思うので、内容分かってもらえればって所。
430名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 16:24:57 ID:Oq9avbGY
 初めまして。
 レベルが高い小説が多くていつも楽しませてもらっています。
 読んでいるうちに我慢ができなくなって自分でも書いてしまいました。
 なのはとなのはA’sの本編しか見ていないので、色々矛盾があるかもしれませんが、ご容赦していただければ幸いです。
 エロどころか萌えすらないような小説なので、ご注意ください。
431430:2006/01/21(土) 16:26:02 ID:Oq9avbGY
 瞬間、白刃が煌いた。

 魔剣の切っ先は後ろに倒れこむクロノの前髪をかすめ、その幾本かが宙に舞う。
 クロノはそのまま魔力による補助を受けたバック転で、常人からすれば驚異的な飛距離を以って距離をとった。

 間髪要れず、追撃をかけんと魔剣の主は疾駆する。
 地を這うような低い姿勢は、あたかも獲物を狙う獣のよう。
 しかし、それを許すほど相手も甘くはない。

『Stinger Ray.』

 無機質な声と同時に具現した光の弾丸が、地を駆ける剣士に襲い掛かった。
 常人ならとっさに回避するその瞬間に、しかし騎士は後退を選ばない。勢いを殺さぬままに、襲い来る弾丸に真っ向からに飛び込んでいく。
 わずかな角度の変更のみの回避。その程度で光弾をかわしきることは不可能。
 しかし、受け流すことならば。
 光の軌跡が騎士の鎧の肩部を掠めて通り抜けていく。
 バリア破壊を目的とした、対魔導士用の弾丸。
 しかし直撃を免れたならば、パンツァーガイストに守られた鎧には傷一つつけること叶わず。

 そして騎士は更に加速をかけ、牽制の弾丸をかわされ無防備となった獲物に剣を横薙ぎに払おうと――

『Stinger Ray.』

 無機質な声と眩い光が、彼女の思考を奪った。

 更なる加速が災いして、なんだと、という驚きをもらす瞬間すら与えられず、光弾が直撃。
 最新式のストレージデバイス・デュランダルが可能にする高速連続詠唱。
 魔力による不可視の鎧によって、外傷そのものは受けていない。しかし、着弾の衝撃までは殺すことができなかった。
 高速を保っていた姿勢が崩れ、体が傾く。凄まじい慣性がかかる中でのそれは容赦なく彼女のバランスを奪っていく。
 ――だが。

「この程度でっ!!」

 そうだ。この程度で倒れるようではベルカの騎士は名乗れはしない!

 自身の体重と速度、その乗である力をただの一足で受け止める。
 魔法による強化がなければ腱や骨ごと断たれそうな力学エネルギーを全て相殺し、無理やりに横薙ぎの一閃を払った。
 軽くはない代償。その代わりに得たものは、反撃の機会。
 そのまま倒れていたならば襲い掛かってきたであろうトドメの一撃が形となるその前に、横薙ぎの一閃がクロノへと襲い掛かる。

「くっ!!」
(浅いか!)

 服と皮、そしてわずかばかりの肉を裂く感触が、半身たる剣を通じて伝わってくる。
 かろうじて斬撃をかわした若い魔導師は、そのままの勢いで再び距離をとった。

 ――強い。

 分かっていたことだが、改めて思う。
 強敵との戦いの歓喜に、思わずシグナムの口の端に笑みがこぼれた。
432430:2006/01/21(土) 16:27:03 ID:Oq9avbGY
「……模擬戦? 今からか?」

 艦船アースラ、自分の執務室でクロノは怪訝な声を出した。
 椅子を回転させて振り返れば、そこには直立不動のシグナムの姿があった。
 その後ろでは人間姿のザフィーラが控えている。

「ああ。この任務が終わり次第、私は主の下へ帰らねばならん。できるのは今だけだ」
「たしかに今は補給中だし、一部の局員には自由行動が保証されてはいるが……」

 クロノは顎に手を当てて考えた。
 今回の目的であるロストロギアは既に回収してある。後は補給が終わり次第本局へ輸送するだけだ。
 11年前の闇の書事件のことを考えればまだ気を抜くことはできないが、その危険性は少ないだろう。
 クロノにしたところで彼女ほどの実力者と訓練できる機会は惜しいし、できるなら彼の方からお願いしたいくらいだ。
 しかし、まだ任務中には変わりはない。現在アースラの最大戦力である2人が同時に離れるのは好ましいことではない。
 そう結論付けて、クロノは顎から手を離した。

「そこまで急がなくてもいいだろう。僕もこの任務が終われば休暇が取れるだろうし、それからでも遅くはないはずだ」
「それはそうだが、しかし……」

 それでも引く様子を見せないシグナムを、クロノは疑問に思った。
 シグナムは彼の知る限りでも物事を論理的に考えるタイプだと思っていたから、この反応は少し以外だった。
 よく見てみると、わずかに焦りのような感情が伺えるのに気づいて、クロノは原因に思い当たった。

「……もしかして、今回の任務のことを気に病んでいるのか?」
「………………」

 シグナムは黙ったままうつむいた。どうやら当たりらしい。
 自分並み、あるいはそれ以上に生真面目なその性格は彼女のライバルであり、彼の妹であるフェイトにそっくりだなと、思う。

433430:2006/01/21(土) 16:27:51 ID:Oq9avbGY
「あれは危険性を察知しきれなかった僕のミスだ。君に非はない」
「だが、私は守りきれなかった……!」

 今回の任務は、ロストロギアの回収および、その研究を不法に行っている施設の制圧だった。
 派遣されたシグナム、ザフィーラはそれぞれ先陣を切って武装局員の制圧路を開き、逃亡させないよう結界を張り、局員達の指揮をクロノが執る形で、制圧作戦は始まった。
 作戦は順調に進んだが、問題が起こった。
 半ば錯乱した研究員が、ロストロギアを無理やり起動させ、使用者が暴走してしまったのだ。
 幸い、ロストロギアの脅威自体は、ジュエルシードや闇の書と比べれば大きなものではなかったが、それでも脅威であることには変わりない。
 その場に居合わせた局員に出入り口を封鎖させ、シグナムがその封印に当たったが、いかんせん相性が悪すぎた。
 ロストロギアによってシグナムに並ぶほどの魔力を得た敵は、彼女のライバル、フェイトに並ぶスピードを逃げ回るために使い、ひたすら遠距離からの攻撃に徹してきたのである。
 間合いを詰めることで真価を発揮するシグナムには、天敵と言えた。
 遠距離船の切り札であるボーゲンフォルムにしたところで、詠唱中に襲われればシグナムとて無事ではすまないし、そもそも猛スピードで逃げ回る敵に当てる自信はあまりなかった。

 それでも、シグナム一人なら逃げ回る敵を誘導し、追い詰めることができたかもしれない。
 しかしシグナムの後ろの武装局員が攻撃を受ければ無事ではすまない。
 加勢に向かったクロノの到着をシグナムは武装局員を庇いながら待っていた。
 それは最善の判断だとクロノは思っているし、それ以上の方策など、シグナム自身にも思いつかない。
 しかし、シグナムとて限界はある。蛇腹剣が打ち落とし損ねた一撃が武装局員を直撃してしまったのである。
 幸い、エイミィの迅速な手腕で強制転送された局員は命を落とさずにすんだ。
 その後すぐに到着したクロノの援護を受け、シグナムはロストロギアの封印に成功したが、シグナムはその犠牲を許せないらしい。

「私は守護騎士だ。このザマでは主を守りきれないかも知れぬ……!!」

 血を吐くように言葉をこぼすシグナムの愚直なまでの性格を、クロノは好ましく思っている。
 しかし、それが今回は悪い方向に働いているようだった。
 どうしたものか、と思う。
 そうしてクロノが考え込んでいると、それまで後ろで控えていたザフィーラが初めて口を開いた。

「執務官。シグナムの頼みを聞いてやってはもらえないだろうか」

 普段は寡黙な男だけに、彼が発言すると注目を浴びる。二人の視線がザフィーラに集まっても、彼は微動だにしなかった。
 不意に、クロノが少し表情を変えた。
 どうやら、ザフィーラが念話でクロノに対し説得を試みたらしい。
 あえて声にしないと言うことは自分が聞くことではないだろうと思い、シグナムはそれを尋ねる真似はしなかった。
 クロノは初め驚きを示したものの、すぐさま自省を取り戻して表情を改めた。
 少しの間二人は話し合っていたようだったが、やがて決着がついたのか、クロノが小さくうなずく。

「……分かった、いいだろう。ザフィーラ、悪いが訓練用の結界は君が張ってくれ」
「了解した」

 その表情が、ほんの少しだけ微笑んでいるように、シグナムには見えた。
434430:2006/01/21(土) 16:28:35 ID:Oq9avbGY
 そのような経緯で、現在ザフィーラの張った結界内で二人は息も付かせぬ攻防を繰り広げていた。
 これは模擬戦である。相手に大怪我を負わせることなど許されない。命を奪うなどもってのほかだ。
 だがしかし、今自分は切れ味では並ぶもののないレヴァンティンを使い、全力でそれを振り切っていた。
 相手に痛みを感じさせずに胴を真っ二つにもできるであろう全力の一撃。
 なぜ自分は、模擬戦で命のやり取りをしようとしているのか。
 なぜこの相手は、それをとがめようとしないのか。

 レヴァンティンを正眼に構えながら、シグナムは自問した。
 そしてすぐに答えは出た。戦意にみちた歓喜とともに。

(その答えは単純だ。私とこの男は、『この程度で相手が死ぬはずがない』という力量に対する敬意がある!)

 自分の全力を持って相手と対峙する。
 シグナムのような騎士にとってこれ以上の喜びなど、ただ一つしか彼女は知らない。

「――参る!!」

 声なき咆哮を魔剣に乗せて、シグナムは疾駆する――!



 戦いは自然と、シグナムが攻め、クロノが守るという形になった。
 無理からぬことであった。
 近・中・遠距離をバランスよくこなすクロノと、近距離戦闘に特化したシグナム。
 近接戦ではクロノがシグナムに敵う訳がなく、遠距離戦ではシグナムにはクロノに手の出しようがない。
 自然、クロノは相手の不得手なロングレンジまで後退しようと機を伺い、シグナムはそれをさせじと爆発的な加速を持って間合いを詰める。

 押しているのはシグナムだった。
 カートリッジを駆使した爆発的な魔力を推力、そして斬撃へと変え、クロノの身体に少しずつダメージを与えていく。
 対するクロノには、その魔力に対抗するだけの術を持たない。
 下手に防御しようものなら、シールドごと吹き飛ばされるか、良くて魔力が枯渇するほどに消耗するだけだ。
 だからクロノはけして真正面からぶつかることはしない。
 回避と受け流しに専念して、ひたすら致命的なダメージだけを避け続けている。

 フェイトの時のように、一瞬の交差が決着をつけるような、拮抗した戦いではない。
 クロノはただ逃げ回っているだけで、こちらに対して何の有効なダメージを与えてはいない。

 けれどなぜか、シグナムの騎士としての誇りは、それを惰弱とも卑怯とも思わなかった。
435430:2006/01/21(土) 16:29:48 ID:Oq9avbGY
 それは幾度目の交差であったか。
 カートリッジを使っての突撃はまたもクロノに軽い裂傷を与えたに過ぎず、シグナムは舌打ちをしながら足を地面に滑らせ姿勢を入れ替える。
 だがしかし、今までの突進は無駄ではなかった。
 段々とクロノの回避パターンを読みきれてきている。事実、今回与えた刀傷は、今までのそれよりも僅かに深い。
 そう遠くないうちに、刃はクロノを捉えるだろう。
 そんな静かな自信とともに、提げた剣から薬莢をリジェクト。弾丸を再装填させる。

 それを隙と呼ぶのは、あまりに酷な話だろう。
 シグナムが全力を発揮するにはカートリッジは不可欠であり、そのためのリジェクトもまた不可欠である。
 その上、クロノはその間ずっと逃げ回っているだけで、何のアクションも起こしていない。
 油断など決してしないシグナムではあるが、ほんの少しの緩みもなく戦い続けられる人間など、存在するわけがないのだ。
 だがたしかにその一瞬には、シグナムは本当に僅かに、相手からの攻撃を予測するのを忘れていた。

『Blaze Canon.』
「――なっ?!」

 ブレイズキャノン。
 クロノが使う魔法の中でも上位に入る威力の炎の砲撃がシグナムを襲う。
 剣は提げているため、受けるには間に合わない。再装填の最中だから、障壁がもつか分からない。
 シグナムに対してはこれ以上ないほどのタイミングで、クロノの一撃は解き放たれていた。
 受けることは危険。頭で考えるよりも早く、シグナムはバックステップで後退しようと――

 ――ゾクリ。

 それを言葉にするのは難しい。
 夜天の魔道書の守護騎士プログラムとして長い間戦ってきた彼女の経験、いや本能が、目に見えぬ危険を察知した。
 体勢が崩れることも厭わずに、無理やりに身体をひねって横方向へと倒れこむように回避する。
 熱線が直撃したところ中心に急激な温度差が蒸気を巻き上げた。
 その霧に紛れるようにシグナムは転がりながら回避を続ける。
 一瞬の間をおいて、それを追うようにクロノのスティンガーレイが連射された。

「ちぃっ……!」

 自分の横で次々起こる着弾の衝撃に、身体が幾度も揺り動かされる。それに眉をしかめながらも、決して回避行動は緩めない。
 時間として計算したならばほんの一瞬、シグナムの主観としてはようやくにして再装填を終えたカートリッジの力でレヴァンティンをシュランゲフォルムへと形を変えさせる。
 蛇腹剣として射程を遥かに延ばした剣は、曲がりくねりながらクロノを襲う。
 それは回避行動中に放った、体勢不十分の一撃。
 当然、正確な操作など望むべくもなく、鞭のようにしなった剣撃はあっさりとかわされた。
 だが、シグナムが求めていたのはその僅かな時間。
 クロノが回避行動に移った瞬間にジャックナイフ機動ですばやく起き上がり、油断なく剣を構えた。
 クロノも飛びずさって後退し、デュランダルを構える。

436430:2006/01/21(土) 16:30:19 ID:Oq9avbGY
 にわかに訪れた膠着状態。
 先に口を開いたのは、クロノだった。

「……驚いたな」

 じりじりと油断なく間合いを計りながら、クロノがつぶやく。
 言葉とは裏腹に冷静そのものの口調だが、内心がどうなっているのかまではシグナムには分からない。

「どうして、あそこで体勢を崩してまで横に逃げたんだ?
 ……いや、質問を変えよう。どうして、後退した先に僕の罠があるって分かったんだ?」

 あの時、シグナムがとっさに後退していれば、クロノが仕掛けていたディレイドバインドによって拘束されていた。
 そうなれば、次に襲い掛かってきたのは発射速度を優先したスティンガーレイなどではなく、もっと大技が彼女を襲っていただろう。

 シグナムもまた鷹のような眼光でクロノを見据えたまま、答えた。

「……自分でもよくは分からない。ただ危険だと思った。それだけだ」

 クロノは笑った。彼にしては珍しい、戦意むき出しの獰猛な笑みだった。
 そして、自分に浮かんでいるだろう笑みと、まったく同じ笑みだった。

 シグナムはようやくにして、この戦いを、逃げ回ってばかりいるこの魔道士を不快に感じない理由が分かった気がした。

 この男は、この魔道士は、自分と相手の戦力差を理解し、その不利を認め、それでも勝つための意思を捨てていない。
 自分・相手・その得手、不得手・地形・天候・果ては相手の心理までをも利用して勝利を模索している。
 どんなに無様であろうとも、どんなにみっともなかろうと、自身の目的のために全力を尽くすその姿を、シグナムは自身に課していたし、それをなす相手にも敬意を覚えていた。

(……さすがはテスタロッサの義兄というわけか)

 だがこの戦いは、フェイトの時とは違う。
 自身の全力を持って相手を上回らんとする決闘ではない。
 自身の全てをもって相手に勝とうとする戦闘だ。
 その緊張感もまた、悪くはない。

 そして二人は再び疾駆した。
437430:2006/01/21(土) 16:30:51 ID:Oq9avbGY
 その後は一進一退の攻防が続いた。
 蛇の化身と化した魔剣がクロノを襲い、弾丸の魔力が尽きた瞬間を狙ってシグナムに光弾を打ち込む。
 クロノとシグナムはお互いに隙とも言えないような一瞬の緩みを、相手の攻撃を避け、あるいは受けながら探り続けていた。
 ほんの僅かな魔法の切れ目、一瞬のまばたき、めまぐるしく動く眼球の盲点。
 そうした針の穴のような活路に、幾重もの魔法を、技をねじ込んでいく。
 何十にも偽装したフェイントと力が絡み合うその先に、罠を仕掛けて誘い込む。
 二人は全身全霊で戦っていた。力と魔力、そして意思が拮抗して見事な均衡を保っていた。

 押しているのはシグナムなのには変わりはなかった。
 だがしかし、戦闘を支配しているのはクロノだと、今のシグナムにははっきりと分かった。

(所持しているカートリッジは残り4発……これまでに決められなければ、私の勝利はない……!)

 今更にして、クロノの狙いに気づく。
 彼は闇雲に逃げ回っていたのではない。こちらのカートリッジの消耗を待っていたのだ。
 カートリッジの装填による爆発的な魔力の増加がベルカの魔法の持ち味なら、ミッドチルダの魔法はその安定した出力にある。
 弾丸の魔力が満ちた今なら彼を圧倒することもできるが、それがなくなればどうなるか、その要因を無視するほどシグナムは愚かではない。

 自身は無傷。相手は両手の指では数え切れないほどの裂傷。
 けれど追い詰められているのは自分の方だという戦況に可笑しささえ覚えて、シグナムは剣を振るう。

「予想はしていたが、ここまでとはな……!」

 正直に認めよう。自分は彼を侮っていたと。

 なのはやフェイトから、話は聞いていた。
 若干14歳にしてAAA+ランクの魔道士であり、時空管理局執務官を勤める少年。
 その魔法技術はフェイトに指導できるほどであり、アースラの切り札と称される若き魔道士。

 だが少なくとも、1対1ならば自分の方が強いと言う自負があった。
 彼の放った最大級の魔法、スティンガーブレイド・エクスキューションシフトはザフィーラのバリアによって大半を防がれたことは聞いていたし、戦闘技術で自分が彼に劣るとは思っていない。
 技術が互角ならば、魔力量で劣る自分に負ける要素などないと思っていた。
 なんと愚かな勘違いだろう。

 たしかに彼は、魔力量ではベルカの騎士に及ばない。
 火力ではなのはに及ばない。
 速度ではテスタロッサに届かない。
 格闘戦では自分にとって格下だ。

 だが認めよう。
 今目の前に立つこの男は、その誰にも引けをとらない、ともすれば上回りかねない強敵だということを――!
438430:2006/01/21(土) 16:31:31 ID:Oq9avbGY
 シグナムは節々が痛む身体を叱咤して、剣を鞘に入れたまま構えた。

 カートリッジは残り3発。自分の最大の破壊力を誇るシュツルムファルケンは使えない。
 だが、それでも全力を尽くさなければ、この強敵に対する礼に欠けることになる――!

「レヴァンティン。無茶をさせるが、いけるな?」
『Jawohl.』

 半身の頼もしい返事に小さくうなずきを返し、カートリッジをロードする。
 その数、3発。

 許容限界を超えた魔力の奔流に、鞘に押さえつける手が震える。
 荒れ狂う魔力を意思の力で押さえつけ、凝縮した魔力が刀身へと宿る。

 先程を上回る魔力が身体を駆け巡り、ともすれば沸騰しそうになるほどに血液が駆け巡っているのを感じる。

「……決着をつけよう。クロノ・ハラウオン。
 私は私の全力を持って、お前を打ち破ろう――!!」
「望むところだ……!!」

 その頃にはクロノの魔法も完成していた。
 彼の周りには100を超える光刃の群れ。その全てが、彼女に狙いを定めている。
 スティンガーブレイド・エクスキューゼションシフト。
 彼の持つ最大最強の魔法が、その展開を終えていた。

 訪れる一瞬の静寂。

 その一瞬にお互いが何を思っていたのか、知る術はない。
 けれど、その力を解き放った瞬間はまったくの同時。

「疾れ閃光! 紫電一閃・改っ!!」
「突き破れっ! スティンガーブレイド・エクスキューゼションシフト!!」

 神速の彗星と、光速の流星。
 目を灼きつくすほどの勢いで、両者は交差し、烈光が弾けた。
439430:2006/01/21(土) 16:32:44 ID:Oq9avbGY
 突撃するシグナムの身体に、次々と刃が着弾しては弾けていく。
 レヴァンティンの容量を超えた魔力を注ぎ込んだことによって限界以上に強化された不可視の鎧は、シグナム自身が予想していたよりも堅牢さを示してくれた。
 だが、それとて限界はある。パンツァーガイストを突き抜けて直撃した光刃は計8発。
 肩に二発、脇腹に一発、足に二発、構えた腕に三発。傷口が限界を叫ぶが、騎士の誇りを持ってそれを無視。
 気を抜けば意識を持っていかれそうになる脱力感に耐えながら、着弾の煙をかきこえてクロノへと肉薄する。

 この一撃に二の太刀は無し。防御も回避も不可能な、渾身の一刀。
 避けようとしたならば、光のごとき踏み込みに間合いを詰められていただろう。
 バリアで受けようとしたならば、魔法陣ごと粉々にされていただろう。
 故に、迎撃を選んだクロノの判断に間違いはなく、しかしシグナムはそれを更に上回って見せた。

(――勝った!)

 そう確信する紅き剣閃に対して、クロノは更なる苛烈さで答えるのを、シグナムは見た。
 大魔法を使った直後で疲労しきっているはずの彼の右手に握られているのは、悠久なる凍土を生みだせし氷結の杖・デュランダル。
 そして左手に握られているのは、彼が長らく愛用してきた質実剛健な杖・S2U。
 主の命を受けた無機質な声が唱和する。

『『Blaze Canon.』』
「ぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉおぉぉぉぉ!!」

 無謀という以外の言葉はない二重詠唱。クロノほどの力量の魔道士が、苦悶に絶叫を上げるその様は、壮絶と評すより他はない。
 そして具現化する二条の熱線は、主の苦悶を表すように歪な螺旋を描いて吸い込まれるようにシグナムへと迫る。
 凄まじいまでの気迫のこもった迎撃。それ故に、騎士の誇りは逃げることを許さない。
 一瞬たりとも目をそらさず、シグナムは炎の魔剣を構えて光条の中へと飛び込んでった。

 凄まじいまでの魔力の奔流が、ザフィーラの張った狭くはない結界の中を荒れ狂っていった。
440430:2006/01/21(土) 16:34:16 ID:Oq9avbGY
「……一つ、訪ねてもいいだろうか?」

 片膝を地につき、荒れる息を抑えながらシグナムは尋ねる。
 その鎧にはところどころヒビが入り、火傷のあとがのぞいている。

「……なんだ?」

 対するクロノも満身創痍と言った状態だった。バリアジャケットはところどころ裂け、裂傷も両手の指では数え切れない。
 少しでも気を抜けば倒れそうになる身体を二本の杖で支えていた。

 結果として、渾身の一撃の交錯は痛み分けという結果に終わった。
 ブレイズキャノンの二重照射は、その前の大魔法によって出力を落としたパンツァーガイストを貫通してみせた。
 そのあまりのダメージに半ば意識を持っていかれながら、その衝撃に踏み込みの速度を殺されながら、対するシグナムはその剣閃を緩めなかった。
 二重詠唱などという無茶はクロノにとっても限界を超えていたのだろう。その威力の大半が減衰されていたとはいえ、直撃を受けたクロノのダメージは自分と比較しても遜色は見られない。

 滲む視界に耐えながら、シグナムはその疑問を口にした。

「なぜお前は、カートリッジを使わない?」

 それは、戦っているうちに芽生えていた疑問だった。
 クロノは強い。たしかに強い。転生を重ね幾多もの戦闘の経験を重ねてきた守護騎士たる自分と互角に戦えるほどに。
 しかし、あくまでその強さは彼の戦闘技術によるものだ。魔力そのものでは総合的に見れば補えるとはいえ、最大魔力放出量という点では周囲に比べて高くはない。
 だが、カートリッジならそれを補える。
 そして絶対的な魔力量の差さえ補うことができたのなら、おそらく彼は……

「カートリッジか……考えたこともあったけど、結局やめたよ」
「……なぜだ?」

 息も絶え絶えなはずなのに、クロノの声は妙に穏やかだった。
 それが不可解で、思わず尋ねる。

「たしかにカートリッジシステムは便利だ。瞬間的にでも魔力を大幅に上げられるなら、僕もなのはやフェイトたちとの魔力量の差に悩むこともなくなるだろう。
けどその分、デバイスにかかる負担は大きくなる。なのはたちの選択が間違ってるとは思わないけど、僕はその負担を軽視できない」
「だがそれでは、我々のような相手が現れたとき、守りきれなくなる……!」

 シグナムの言葉には自分に対する憎悪さえ入っていた。
 武装局員を守れなかったとき、それが主だったら。そう考えてしまったが故の、大きすぎる無力感。
 その絶望に抗いたくて力を求めた。どんな脅威からも絶対に主を守りきれる力が欲しかった。
 その苦悩を、クロノはあっさりと超えて見せた。

441430:2006/01/21(土) 16:35:24 ID:Oq9avbGY
「君達のような相手が現れたなら、それは君達に任せるさ。
 けどもし、多数の敵を長時間相手にしなければいけなくなったときには、カートリッジシステムは大きな負担になる。
 なのはや君達の協力が得られるようになった今、僕に求められているのは遊撃手としての役割だ。
 それに必要なのはどんな状況にでも対応できて、安定した力を出せる力なんだ」

 返す声はかすれて音にならなかった。
 多分、クロノは微笑んでいる、そんな気がした。

「僕達は、一人じゃない。フェイトの苦手な相手なら僕は援護できる。
 僕一人じゃ勝てない相手だって、なのはの砲撃があれば勝てるだろう。
 他の魔道士が出られないときだって、アースラが対策を立てるための時間稼ぎくらいにはなる。
 僕に必要なのはそのための力だ。
 どんな時でも、どんな場合でも、状況に左右されずに戦える力だ。仲間や家族を助けるための、失敗しない力だ。
 そのために必要なのは、不安定なカートリッジの力じゃない。
 ――だから僕は、カートリッジは使わないんだ」

 シグナムはそれをただじっと聞いていた。正確に言うのなら、呆然としていた。
 守護騎士として、その将として。
 どんな時でも、どんな場所でも、主はやてを守るだけの力が欲しかった。そのために戦ってきた。
 けど、そんなことなんてできる訳がないと、暗に、けれど明確に、彼はそう言ったのだ。

 一人でできることなんて、たかが知れている。
 だから、守護騎士は4人いたのではなかったのか。
 だから、なのは達は力を合わせていたのではなかったのか。
 自分は何だ。魔剣レヴァンティンの使い手にして、主はやてを守る守護騎士ヴォルケンリッターが将、シグナム。
 その役目は立ちはだかる敵を切り裂くこと。主に近づくいかなる脅威をも焼き払う剣。
 それこそが己の役目だ。そして、主を守るのは自分だけではない。

 鉄槌の騎士・ヴィータがいる。
 盾の守護獣・ザフィーラがいる。
 湖の騎士・シャマルがいる。

 自らの剣が届かなければ、鋼鉄の伯爵の鉄槌が下るだろう。
 自らの剣で払い除けられなければ、白雪のごとき盾が現れるだろう。
 自らの剣で救えぬのならば、静かなる風が恵みを運ぶだろう。

「……なるほど、強いわけだ」

 何のことはない。クロノもシグナムと何も変わらないのだ。
 ただ彼は、一人で何でもできるなんて幻想だということを知っていて、だから自分のできることを無心にやっているにすぎない。

 なのはも、フェイトも、クロノも、ユーノも、ヴィータも、ザフィーラも、シャマルも、主も、そして自分も。
 みんな、ただそれだけでしかないのだ。
 それだけしかない人々によって、世界は今も守られているのだ。

 そんな当たり前の事に気づけなかった自分の、なんと愚かなことだろう。

 ――けれど、悪い気はしない。

 ふと力が抜けて、シグナムはその場に倒れこんだ。
 それをずっと見守っていたザフィーラが見たのは、安らかな将の寝顔だった。
442430:2006/01/21(土) 16:36:19 ID:Oq9avbGY
 目が覚めると、白い光が目に入ってきた。

「……ここは……」
「医務室だ」

 呟く声に、冷静な声がこたえる。
 ゆっくりと上体を起こすと、ザフィーラが傍らに立っているのが見えた。

「……あれから、どれくらい経った?」
「そんなに時間は経ってはいない。せいぜい10分といったところだ」
「そんなものか……」

 呟くと、身体が重石のようになっているのに気が付いた。魔力が枯渇している。
 なるほど、たしかに時間は経っていない。

「執務官は?」
「お前より少し前に目が覚めた。今は隣で手当てを受けているはずだ。本人は必要ないといっていたようだったが」

 あの強情な執務官のことだ。それは簡単に想像がつく光景だった。
 そのまま、お互いに黙り込む。
 先に口を開いたのは、ザフィーラだった。

「……気は済んだか?」
「ああ。我が迷いは晴れた」

 その声は晴れやかだった。
 それは最後のクロノとの会話によるものでもあったし、全力で戦えた爽快感によるものでもあった。
 そして、今気づいた仲間の気遣いによるものでも。

「私は、まだまだ未熟だな」
「……我々は、主はやてによって必要とされた。我々という個が生まれたのは、今代からのことだ」

 それは正確な表現ではなかった。彼らには正確なものではないにせよ、元から記憶も人格もあった。
 だが、ザフィーラの意図することは、シグナムには自明のことだ。
 主はやては、今まで道具として扱われてきた自分達を、家族として見てくれた。温かく笑いかけてくれた。
 防衛プログラムである自分達が、義務ではなく自らの意思で、主の意思に反してでも主を守りたいと思った主は、はやてのほかには誰もいない。

 シグナムはいっそ清々しい気分で照明を見上げた。白い光が、主の魔力を連想させた。
 唇が緩む。

「――なるほど。つまり我々も、まだまだ子供と言うことか」
443430:2006/01/21(土) 16:36:51 ID:Oq9avbGY
 そして。

 まだけだるい身体を引きずって医務室のベッドから起き上がったシグナムが見たのは、なんとも情けない顔で手当てを受ける執務官の姿だった。

「痛たたたた! エイミィ、もう少し丁寧に手当てしてくれ。これじゃ締め付けすぎで血が回らなくなってしまうぞ」
「ダーメ! 自由行動だからって任務中に模擬戦なんてした挙句にこんな傷だらけで帰ってくるような子にはいい薬」

 呆れたようにエイミィに、クロノはなにも言い返せない。
 これが先ほどまで自分と互角に渡り合った相手なのかと思うと、おかしくもあり、情けなくもあった。
 自覚はあるのか憮然としたまま黙り込むクロノに気を良くしたのか、エイミィは頭に巻いた幅の広い包帯を後頭部で蝶結びにした。

 傍から見ると、大きなリボンをしているようにも見える結び方だった。
 少なくとも、これを見たアースラの職員たちが何を思うか、容易に想像が付く程度には。
 クロノの眉根のしわが増える。

「エイミィ、これは……?」
「罰として、今回の勤務が終わってフェイトちゃんのところに帰るまでこのままでいること! もちろん、フェイトちゃんにもちゃんと見せるんだよ?」
「な! エイミィ、いくらなんでもそれは……!」

 とても時空管理局執務官とその補佐のものとは思えない会話に、思わずシグナムは笑ってしまった。
 真面目で堅物を地でいくシグナムがこのように笑うなど、滅多にないことである。
 だが、今代の主と出会ってからは表れていたそれを、さっきまでは浮かべていないことに気づく。
 そうしている自分を見たら、主が気にかけないはずがないことも。
 その事に思い至って、シグナムは笑った。今度は苦笑だった。

 ――貴殿に感謝を。真に誇り高き者。

 その言葉は、念話は使わず、ただ心の中に。
 代わりに出た言葉は、心の底から思っていたことではあったけれど。

「信頼とはいいものだな、ハラウオン執務官」
「……この光景を見てそう言うのか、君は?」

 クロノは心底不服そうにそうぼやくのを見て、シグナムはまた笑った。
 主はやてに会いたい。心からそう思った。
444430:2006/01/21(土) 16:38:54 ID:Oq9avbGY
以上です。長かった……
初めはクロノとシグナムの先頭を書きたかっただけなのに、気づけば変な風にシグナムが悩んでるし……
調子に乗ってました、すみません。
こうして送信し終えてから考えるとかっこつけすぎで恥ずかしいです……org
まあでも、こんなのでも暇つぶしになれば幸いです。
445名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 17:22:15 ID:QT8EUxjl
>>430氏GJ
たしかに430氏自身が言ったように萌えとかはない作品でしたけどおもしろかったですよw
446名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 17:36:12 ID:U+9Ngiww
>>430氏GJ
大丈夫、最後のクロノで萌えたからw
447名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 17:45:38 ID:hNy2HJE/
>>430氏GJ!!
面白かったです。
この対決は見てみたかったな〜
448176:2006/01/21(土) 18:13:40 ID:B4fm5eyk
4 隠密と共に

「で、これはどういう真似ですか、艦長」
 突然の任務の内容にクロノは目の前の上司に眉をひそめていた。
「真似って? 別にあなたの力量なら問題ないでしょ。……何か不満?」
 妙にわざとらしい笑顔だ。それだけで一切の反論を拒否する意思が明確に汲み取れる。
「いえ……ただ妙に作為的なものを感じるのですが」
「だって作為的だもの」
 そう来たか。こっちがとやかく言う前に開き直った。
「大体、なんですかこれは。地球時間1000時に海鳴公園とか、それに最後に書いてあった――」
「あ〜はいはい、約束の時間まで時間ないから急いで急いで」
 突如として足元が光り輝く。自分の増したで回り始める魔法陣はどう見ても転送方陣のそれ。 
「か、艦長いくらなんでも」
「いってらっしゃーい」
 有無を言わさずクロノの体が光にかき消されていく。主張する権利を奪われて成す術なし。もはや抵抗の余地はなかった。
 権限を私情に使いまわすどうしようもない提督。いや、自分の母親にクロノは頭を抱えたい気分だった。
 息子のそんな姿になんのその。リンディは清々しいまで笑顔でクロノを見送った。

am 10:03 海鳴公園
 
「なんなんだよ、まったく」
 いつも艦内にいるせいかこういう風景をじっくり見るのもたまには新鮮でいい。
 ぼやきながらも気分を切り替え何とか今の状況を飲み込む。
「一人の女性を一日エスコートする……か」
 任務に内容にはこの時間にその女性が来るらしい。
「3分遅刻……だ」
 相手が誰か分かった上の文句。3分ぐらい大目に見れないのは性分なのでご勘弁願いたい。
 
「クロノ執務官、所定の位置につきました」
 所変わってアースラではそんなクロノの様子がモニターにリアルタイムで映し出されていた。むろん本人には悟られないよう強力なジャミングのおまけつきだ。
「あの〜、私はこれからどうすれば……」
 頼りないトーンで女性の声。クロノが映されているモニター他に新たなモニターが映し出される。強力なジャミングもとい元ヴォルケンリッター、湖の騎士シャマルである。
 闇の書を巡る事件も終わって久しく、今やはやては闇の書本来の姿である夜天の書の主となり、その膨大な知識を人のために役立てようと時空管理局に就職するために勉強中である。
 彼女に従えていたヴォルケンリッターの四人もはやてによって騎士の戒めから解き放たれ、今や彼女のかけがえのない家族となった。
「ごめんなさいね、今日は一日馬鹿息子に付き合ってもらいたいの」
「は、半日じゃないんですか!? 私この後はやてちゃんと買い物に行きたかったのに」
 人として生きる喜びをその手に取り戻した騎士たちは皆それぞれ目指すところへ向かって日々を営んでいる。いわゆる幸せの絶頂、それといって過言ではないだろう。
 そこへいきなり呼び出しをくらったシャマルにこの宣告は非情の他ならない。泣きそうな表情で必死に訴える。
 そもそも電話口で断ればよかったのだ。かつてのことは割り切っていたつもりだ。が、元来の性格が災いして気づけばリンディの申し出に二つ返事をしてしまっていたのはなんというか。
「あら? そんなこと言ったかしら」
 そんな殺生な。
「大丈夫よ、代わりにすずかさんに行ってもらったから気にしなくても」
 でもちゃんとそういう所に気が利いているのはありがたい。
「……わかりました。では私にだって代わりに――」
「たっぷり積んでおいたから、あの子の給料から」
「時空管理局は話が分かりますね」
 買収成功。
 
449176:2006/01/21(土) 18:14:36 ID:B4fm5eyk

 くどいようだがヴォルケンリッターの作戦参謀。今や八神家の家計参謀と化しているシャマル自身、当然の回答だった。
 かけがえのない家族――無論ヴィータやシグナム、ザフィーラ、そしてはやて――の幸せを手に入れられる条件を飲まない馬鹿はいない。
 以前からのはやてへの援助が突如として暴落したこと、はやてがユーノの紹介で魔法学院に通い始めたその学費、ヴィータも学校に通い始めさらに上乗せ。
 なにより家計を圧迫するのが他でもないエンゲル係数。大の大人が三人に、育ち盛りの子供が二人。しかもシグナムとザフィーラは大飯ぐらいと来ている。ヴィータだってよく食べるし、麻痺が完治したせいかこのごろはやてもよく食べる。
 これに対しての収入はシグナムやザフィーラが管理局で傭兵モドキの仕事をして稼いでいるのが一つ。それにもはや頼りにならないはやてへの援助。やはりこれが一番痛い。
 もしもはやてに援助している人間の居所がわかるのなら今すぐ自慢の旅の鏡でもってリンカーコアを捻り出して元の額に戻すようけしかける所だった。
 ああそういえばシグナムは他に近くの武道館で剣の師範をしているそうだが雀の涙にも及ばない額なので割愛。
(この子が……埋蔵金に導いてくれれば言うことないのに……)
 この前見たテレビの番組で過去の偉人が残した遺産を掘り当てようなんてものを見てから、ついにそんなものに手を出そうとまで思い始めている始末。発掘隊が振り子で場所を突き止めようとしていたせいで尚更である。
 残念ながらシャマルのデバイスにそんな能力はこれっぽっちもない。現実は非常だ。
 それなら目の前でちらつくおいしい話を拒む理由など今の彼女にないのは当然のこと。エサであろうが罠であろうが形振り体面構っていられない。
 それにはやての同伴者がすずかなら心配もない。加えてこの仕事も一日限りのものだ。以前、騎士の勤めを優先し彼女に孤独を味合わせたようなこともないだろう。
「それじゃ私、引き続き彼の周囲をジャミングしますので」
「ええ、よろしくね」
 自慢のデバイスを掲げ微笑を浮かべる。彼女に応えるようにアンテナよろしく宙に突き立った結晶が淡く光った。
「所で私にも詳しい話、聞かせてもらえませんか? 作戦を練る上で状況の把握は大事ですから」
「そうね、じゃあシャマルさんにも恋のキューピッドになってもらいましょうか」
「?」
 にも、ということは他にもいるのだろうか。その、恋のキューピッドなるものが。
 宙に浮かぶモニターの向こうでリンディ・ハラオウンは微笑み一つしてコーヒーに口をつける。
 その落ち着いた笑みにどこか悪戯を企む子供のような無邪気さが混じっていたことをこの時のシャマルは気づくことはなかった。
 人心を掌握する術ではリンディの方が一枚上手らしい。そして今まさに彼女が私的に権力を振りかざした最大の作戦が始まる。
 その名は――おせっかい。
450176:2006/01/21(土) 18:15:31 ID:B4fm5eyk
5 デートです

「うひぃっ!」
 ガラにもない甲高い悲鳴が空気を震わせた。
 首筋を襲う鋭い感覚は思わず肩をすくませるに十分すぎる刺激だ。
「だ、誰だ!」
 反射的に飛びのき背後から仕掛けてきた不届きものと距離をとる。
「誰だ! ……じゃないでしょ」
 魔導師の性なのか、日常とはおよそ離れた所の反応をしたクロノに彼女は心底呆れているようだった。
「なんだ……エイミィか」
「なんだ、じゃない。まったくクロノ君はなんでいつもそうなのかなぁ」
 缶ジュースを宙にリズムよく放りながらエイミィがため息をつく。次には缶がクロノ目掛けて放られる。
「おっ、と」
 臆することなく片手でなんなく受け止めた。
「オレンジジュース、100%果汁だからね」
「……ああ、助かる」
 プルトップを引きプシュ、と小気味よいガス音が響く。本人曰く、糖類加えビタミンを手軽に補給でき喉越しもいい完全食品らしいが実際の所ただ好きなだけというのは彼なりの背伸びだろうか。
 ジュースを一気飲みする姿は低い背丈もあいまって本当に子供っぽく見えた。いや、これでも14歳なのだ。歳相応の方が語弊がない。
(プライベートじゃ私のほうが年上だしね)
 やっぱり微笑ましい。いつもは部下と上司だけどこの時だけは可笑しいくらいに立場が逆転する。
「あとねクロノ君、遅刻」
「はぁ? 僕はちゃんと十時きっかしにここに来てたぞ」
 ちなみに正確には三分ほど遅れている。
「男の子はね、待ち合わせ三十分前には来てなきゃ駄目なんだからね」
「そんな決まりないだろ」
「エチケットよ」
 人差し指をピンと立てながらエイミィはクロノの額にそっと当てる。彼女の意図が分からず訝しげな表情をするクロノ。
「あと、女の子の手前――」
 人差し指が一瞬離れて――
「そんな表情しない!」
 ガクッ、とクロノの首が後ろへ傾いた。軽く小突いたつもりが結構力が入ってしまったのはご愛嬌ということで。
 不意の一撃に額を押さえながらゆっくりと首を起こすクロノ。むすっ、と表情を膨らませながら軽くエイミィを睨んだ。
「あ、あはは、ごめん。つい力入っちゃって……」
 取り合えず誤魔化そうと笑ってみた。如何せん効果がないことは見え見えなのだが。 
 クロノの口が開く。次の瞬間には彼の唸るような声が聞けるのだろう。
 無言の抗議が有言になる前にエイミィはクロノの腕を掴む。こういう時は動いて誤魔化すのがもっとも的確な判断。
「さっ、こんなとこいてもしょうがないから行こっ! クロノ君」
「ちょ、待てエイミィ! 引っ張るな!」
「いいから、いいから」
 足をもつれさせながらクロノは半ば引きずられるような形でエイミィの後に続いた。
「せっかくの有休なんだから楽しまなきゃ損するだけっ! さぁしゅっぱ〜つ!」
「お、おい! エイミィ!?」
 強引なまでの彼女の勢いにクロノは対応することもままならない。状況に流されるままでこれでは任務通りに事が進められない。
 なんだかんだいって艦長の命令には逆らえないのだ。変なところで律儀なのがクロノらしいといえばそうなのだが。
「エイミィいい加減にしろ!」
 男の腕力で持って彼女の腕を無理やりに解く。声を荒げたクロノに流石のエイミィも驚いたのか足を止めた。
「いいか、君は知らされてないと思うけど艦長の命令なんだ。独断での先行は執務官として許さない」
「だって今日は私には休暇だよ。クロノくんには関係ない」
 すねるようにそっぽを向く。声もどこか棘を含ませてエイミィはクロノに楯突いた。
 プライベートまで上司ぶるな、そう言いたげに。
「僕にだっていろいろあるんだ。だから今日は僕に付き合え、エスコートする」
 思えば蟠りは全然溶けてないのだ。むしろ今ので硬度が増した。
 だからと言って態度を軟化させるなどもってのほか。いつもの自分らしくて、自分らしくないぶっきらぼうな命令口調。
「ちゃんと行き先もすべて書いて……いや考えている。君を失望させることはないと思う」
「……」
「頼む……いや、お願いします」
 
451176:2006/01/21(土) 18:16:30 ID:B4fm5eyk

 頭まで下げて一体に何をしているのかわけが分からなくなってくる。
 いくら任務内容の最後に『ちゃんと仲直りしなさい』と艦長直筆で書かれていたことまで鵜呑みにする必要なんていくらなんでもない。
 だがこのギスギスした雰囲気が良いなんてもっとない。
「絶対楽しめる、してみせる。だからそんな顔しないでくれエイミィ」
 きっと相手は折れない。長い付き合い、今回ばかりは絶対に彼女は折れない。
 だからこれはクロノの最大の譲歩。妥協するという意味ではない。あくまで少しだけ曲げるだけだ。
 でも実際の所、自分が子供のように扱われるのが我慢ならないだけでもあって。
「……私にとって貴重な休日なんだけどなぁ」
 エイミィは腕を組んで横目でクロノを見る。疑うような視線を浴びせながら深く考え込むようなフリを見せてやる。
「ん〜、どうしよっかなぁ」
 クロノの思う通りにエイミィは自分から折れるなんて選択肢は端っからない。クロノの様子を窺いながら焦らすように空を見たり地面を見たり視線を泳がせる。
「まっ、フェイトちゃんのお願いもあるしね」
 答えはあくまでフェイトに免じて。決してクロノに折れたわけではない。
「うぐ……なんでフェイトがそこに出てくるんだ」
「フェイトちゃんにあそこまで言われると流石に断るのも可哀想ってこと。お兄ちゃんなんだからそれくらいわかるでしょ?」
 目的のためなら多少の妥協も必要。判定が灰色でも結果が納得できるものならクロノは構わない。
「だから今日は一日クロノ君にあげる」
 オペレーターとしての性か白黒ははっきり。妥協するのは本当の最後までエイミィはしない。
 両者の決定的の違いがそこだった。
 エイミィの答えにクロノも硬くしていた表情をようやく崩す。そうと決まれば話は早い。
「じゃあエイミィ、行くぞ」
 エイミィの前に立ち頭の中に叩き込んである任務内容をもう一度確認。いろいろと不満はあるがエイミィと和解できるのだからさして問題はない。
「うん、それじゃ執務官のお手並み拝見と行きましょうか」
「ああ、アースラの切り札の力見せてやる」
 背後の声に応えつつクロノはエイミィを従え歩き始めた。
 
452176:2006/01/21(土) 18:17:13 ID:B4fm5eyk

am 10:12 翠屋

「はい……わかりました」
 電話を終え形態を折りたたむとなのはは隣の友人達に頷きを送る。
 いよいよ行動開始の時が来た。
「さてと、それじゃ計画は打ち合わせどおりに。わかってるわね」
 一番に席を立つのはアリサ。全員の顔を見回しながら得意げな笑みを浮かべる。
「うん、ちゃんとお姉ちゃんにも協力を頼んだからきっとうまくいくよ」
 次いで鮮やかな紫髪を揺らしながらすずかが立ち上がる。
「二人ともありがと、兄さんなんかのために付き合ってもらって」
「お礼なんか良いわよ。これはアタシたちが望んでやってることなんだから」
「他ならぬフェイトちゃんのお願いだもん。友達だし当然だしね」
「そ、そっ、親友同士悩みは分け合うに限るのよ」
 人差し指を立てアリサは少し照れ気味にフェイトに目配せをした。そんな様子にすずかは微笑み、
フェイトも笑顔で頷いた。
「でもアリサちゃん、ほんとに昨日話したこと……するの?」
 最後に席を立ったなのはが遠慮がちにアリサに聞いた。
 瞬間アリサの目が光り、右手が風になる。
「甘い!」
 ぺち、となんとも情けない音と共になのはの額に萎びたレモンが叩き付けられる。怯むなのはの隙を突いてアリサはなのはの両頬に手を伸ばす。
「有言実行! 当然オフコースに決まってるでしょ!」
「いひゃひゃひゃひゃ! いひゃいはひひゃひゃん!!」
 流石発音はバイリンガル。なのはにとってはそれよりもぐいぐいと伸ばされる頬の痛みでそれどころではないのだが。
「なによなによ! 自分はユーノと付き合ってるからいいかも知れないと思うけどアタシたちはまだ独り身なのよ! 勝者の余裕!? あーもうむかつく〜!」
「ひょんひゃんひゃ、ひゃいひょ〜〜」
 そんなアリサが言うほどユーノとは親密という関係ではない。ないといえば嘘になるのだが。
「そこんところどうなのよ! ABC! どこまでいったの!?」
「ひぇひゅひゃいひゃひゅひゃいひゃひょ」
 だからまだ手を繋いでデートをしたぐらいです。
 なのはの言葉に訳を添えればそうなるのだが如何せん横に目一杯引き伸ばされた口角から飛び出す声は言葉になっていないのでまったくアリサに伝わらない。
 迫るアリサの剣幕に、逃げるなのはの涙声。
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」
 間にすずかが入って事態は何とか集束。窘められて気が済んだか軽く息を吐くアリサ。なのはというと心配するフェイトの隣で自分の頬が伸びてしまっていないかしきりに感触を確かめている。
「そういえばすずか、はやてとの約束はいいの?」
「そ、それがね……このこと話したら、私だけ仲間はずれなんてずるいやないか、クロノ君には私も恩があるから恩返しせなあかんわ! ……って言って飛び出しちゃった」
 訛りまで一字一句物まねするすずかのおかげではやてがどんな顔で飛び出していったのかよくわかった。きっと目を輝かせて勇み足,、そうと見て間違いない。
「場所わかるのかな……?」
 フェイトの素朴な疑問にそこにいる誰もが固まった。
 そしてしばしの間の後、今頃この町のどこかを彷徨っているだろう哀れな魔導師に皆静かに黙祷した。

「あかん! クロノ君どこにおるのか聞かんかった! でも今更戻るのもなんや恥ずかしいなぁ」
『あのマイスター……』
「そや! リィンフォース、セットアップして探査魔法で探せば見つかるやないか!」
『クロノさんの魔力波動……私知りません』
「ああんもうベタベタや〜〜!」
 少しばかりはっちゃけた八神はやての叫び声が海鳴のどこかで木霊した。
453176:2006/01/21(土) 18:18:48 ID:B4fm5eyk

皆様お久しぶりです
初めての方は初めまして
176です

しばらく忙しさに日々を追われ書く時間も出来ない始末
多分二月に入る頃まで時間は出来そうもなさそうです
それでも暇を見つけてなんとか仕上げていこうと思います

なんだか久しぶりに来たら凄い数の作品が
みんないいですね、やっぱりこうでないと盛り上がりませんもんね
敬称は失礼ながら省略させてもらいますが

皆様本当にGJ! これからも頑張って!

454名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 19:06:39 ID:PFVuwcu1
>>430
戦闘が想像できて興奮したよGJ!
455名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 19:40:19 ID:sdQvqfUt
>>196
passがなかなかわかりませぬ。いろいろ試しては見たのですが
456549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/21(土) 19:49:24 ID:44XX+R6O
>>430
GJ! 燃えだねぇ

>176氏
シャマル買収されてるwww

>>455
そのまんまだったはず。
コピペしてみては?
457名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 20:18:26 ID:sdQvqfUt
>>456
できました。ありがとう。yunoとかyu-noとかyuunoとかinjuuとかの直接入力だと思ってたので
コピペじゃないとこれは入力できないのでは?
458名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 20:19:48 ID:sdQvqfUt
sage忘れてた。スマソ
459430:2006/01/21(土) 20:21:02 ID:Ej8CfIiF
>>445氏、446氏、447氏、176氏、454氏、456氏
皆様ありがとうございます。
書いたものに感想もらえるって凄くうれしいんですね。
また書いてみようという気になります。

そんな訳でおまけでも。
5分で考えた即興なので、適当なのは勘弁してください。



 数日後。八神家玄関にて。

「ただいま戻りました、わが主」
「ああ、おかえりシグナム。おつかれさまやったなあ」

 任務を終えシグナムが主の元へ帰宅すると、はやては笑顔で出迎えてくれた。
 優しい笑顔を浮かべるはやてに、シグナムは満たされたような気持ちになる。
 帰ってきてよかった。単純だがそう思えるのが幸せだった。
 その時までは。

「あ、そうや、シグナム」
「? なんでしょうか?」

 優しい笑顔を浮かべたまま、はやてはとんでもないことを言い出した。

「クロノくんを強引に説得して無茶やったんやって? あかんよ、そんなことしたら」
「な、なぜそれを?!」
「ザフィーラが通信で教えてくれたんよ」

 ものすごい勢いで振り返るが、ザフィーラは既に犬の姿で横たわっていた。おのれ畜生め。

「まったく、あかん子やなあ、シグナムは……」
「も、申し訳ありません……」
「ん。じゃあ、反省しとるようやし、これで勘弁してあげるわ」

 にこにこと笑顔を絶やさない主の手の中に在るのは、色とりどりの鮮やかなリボン。
 シグナムの血の気が引いた。

「あ、主。それは……?」
「シグナムに迷惑かけられたクロノくんが罰を受けたんやから、シグナムも同じ罰くらい受けなあかんよなあ」
「い、いえ、しかし、あの……」
「シグナムはどの色が似合うんかなあ、色々試してみなあかんなあ……」

 じりじりと笑顔のままにじりよってくる彼女の愛すべき主。
 じりじりと怯えを見せてずり下がる守護騎士。

 そんな折、ザフィーラからの念話が届いてきた。

(信頼とはいいものだな、シグナム)

 ……黙れバカ犬。
460名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 21:03:07 ID:QT8EUxjl
>>430氏
おまけ、読ませていただきましたw
シグナムにリボン………なんか見てみたいw
461454:2006/01/21(土) 21:04:42 ID:PFVuwcu1
>>430氏(さっき敬称忘れてスマソ)
また熱血モノかと思ったら…ギャップに吹いたw
裏切り犬と、リボン付けられる騎士…テラワロスwww

>>176
クロノ折れちゃった…どうなるんだろw

2人とも乙!
462549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/22(日) 16:39:33 ID:C53Ww4JQ
保管庫更新しました。
誤字修正とかタイトルつけたいとあったら気軽に言ってください。
しかし、他に早いスレはあるけど、自分がなのはのSSを書き始めた頃を
考えるとすごい勢いですね。
やっぱりSSは放映が終わったから気兼ねなく書けるということなのかな。
463名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 18:07:08 ID:7+hNrF7L
放映終わっちゃったけど、次の夏はコミケに
なのはプロジェクトの店って出すのかな
464YUKI :2006/01/22(日) 23:59:55 ID:FcjfINKc
>>430
>>176
お疲れ様です。そしてグッジョブです。

430氏のバトルシーンの臨場感!!映像が頭に浮かんできましたよ!
176氏のクロノとエイミィのやり取りが萌えました!

私もやっと続きが書けたので、少しですが投下します
465YUKI アースラの恋模様19:2006/01/23(月) 00:05:28 ID:cfUil/6f

「---------で、私涙が止まらなくて」
「へぇ、クロノ君とエイミィさんが・・・・・キ、、、、、、、、、キス、、してたんだ」
「う、うん・・・」

あれから3日がたち、私はなのは、すずか、アリサ、はやての4人にあの時について話した
あの時私がなぜ涙が溢れたのか、あの時の胸の苦しみの謎を知りたかった

「はぁ〜、で、でもクロノ君とエイミィさんがこ、こ、恋人同士になれて良かったね。」
なのはは頬を赤く染めてお祝いしてくれた

「ねぇ、フェイト。ちょっと聞きたいんだけど、二人がキスしてたのを見て、涙が出てきたんでしょ?」
「う、うん。」
「あんた、その時何も感じなかったの? 胸がこう、、ギュッと締め付けられる感じとか、、、、、、、、、?」

私はドキっとした
なぜアリサがあの時の、私の謎の胸の苦しみを知っているのか

「う、うん・・・・。胸のあたりが、ギュッて苦しかった」
ハァ――――っとため息を吐くアリサ
アリサはこの苦しみの正体を知っているのかもしれない

「えっ?どうしてフェイトちゃんの胸が苦しくなったの?」
なのはもこの胸の苦しみは知らないみたい

「なんや、フェイトはそういうことやったんかぁ」
「えっ!? 何? はやてちゃんはフェイトちゃんがどうして胸が苦しかったか解かるの?」
はやての言葉になのはが驚いている
466YUKI アースラの恋模様20:2006/01/23(月) 00:06:25 ID:cfUil/6f

そんななのはの言葉にすずかは苦笑いしてる

「(なんやぁ、なのはも気づいておらんのかいなぁ)」
「(なのはちゃん、こういうことには鈍いから・・・)」
「(ほんっとなのはもフェイトも、この手に関しては全くの無知なんだから)」

「(ユーノは苦労しとるやろうなぁ)」
「(えぇ、そりゃぁもう、、、、、、、、。見てるとこっちが可愛そうに思えてくるわ)」



なんだろう・・・・? 私となのはを眺めながら3人が目で会話してるような・・・?
なのはも目をパチクリしながら首をかしげてる

「あのね、フェイトちゃん。フェイトちゃんはクロノ君のことどう思ってる?」
すずかの質問の意味がよくわからなくて、私が返答に困ってるとアリサが口を開いた

「すずか、そんな遠まわしな聞き方じゃ駄目だわ。フェイト、はっきり言うわよ。
 、、、、、、、、、、、、、あなたはクロノ君のことが好きなのよ。」


最初は言葉の意味がわからなかった

「、、、、、私が、、、、、クロノのことを、、、、、、、好き、、、、、、、、、、?」


その時はその言葉の意味が解らなくて私たちはそのまま解散した
467YUKI アースラの恋模様21:2006/01/23(月) 00:07:24 ID:cfUil/6f


カツカツカツカツ・・・・
アースラ艦内の廊下に無機質な靴音が響く
「クロノのことが好き・・・・」
アリサ達に相談してからさらに1週間が経った
まだ私にはこの答えが出なかった
あの時の相談で、なのはは自分の家族や友達のことが大好きだと言っていた
でもアリサは、そういう好きとは違う「好き」があるんだと教えてくれた

家族や友達のことが好きだという「好き」と、もう一つの「好き」
私の「好き」はどっちなんだろう・・・

誰かに相談しようとしたけど、アリサは「後は自分の問題」と言っていたから、
きっと相談しちゃいけないことなんだと思って想いとどまった

そんな私の気持ちとは裏腹に、クロノとエイミィはいつもどおりのやりとりを繰り返している

「だから、昨日の料理はちょっと塩加減間違えただけなんだって〜」
「あれがちょっとの範囲か!? 僕は危うく綺麗な景色の向こうの花畑を見るところだったんだぞ!?」
「う〜ん、、、それはクロノ君の耐久力の問題じゃないかなぁ?」
「ほう〜、、、、耐久力ねぇ、、、、、なんなら今夜試してみるかい?」
「えっ!?、、、、、、や、やだっもうっ!、、、、クロノ君いきなり何言い出すのよ?!
 こんなところで、、、、、、」
頬を赤く染めながらエイミィがクロノの肩を思いっきり叩いていた
「い、痛っ!エイミィっ!痛て! な、何を勘違いしてるんだ!?
 僕が言ってるのは今夜の模擬オペレーション訓練のことだ!」
「えっ!、、、、な、なんだぁ、、、、もうっ!クロノ君ったら思わせぶりな発言するんだから」
「何言ってんだ、、、勝手に勘違いしたのはキミだろう、、、、」

廊下でそんなやり取りを繰り広げている二人をじっと眺めてる私に二人がようやく気付いた
468YUKI アースラの恋模様22:2006/01/23(月) 00:08:50 ID:cfUil/6f


「あ、フェ、フェイト、今学校の帰りかい?」
「う、うん。ただいま、兄さん、エイミィ・・・」
「おかえり〜フェイトちゃん」
「二人は仲良いね・・・・」
「えっっ!?」
「えっっ!?」
二人は息を合わせたかのように同じ反応をしてみせた
「ま、まぁ、、。コンビ組んで長いしねぇ・・・?ね、クロノ君、、、、、?」
「あ、あぁ、、、、。そう言えば結構長いこと一緒の仕事してるしな、、、、、。」
「そうだよね、二人は恋人同士だもんね」

私の感情を感じさせない言葉に二人は固まる

「ごめんなさい、、、、私疲れたから少し部屋で休むね、、、、、」

私は走って自分の部屋へと駆け込みベッドに突っ伏した
なぜあんな言葉が出てしまったのか解らない
でも、なぜか私はあの場所に居たくなかった
あの二人が仲良くしてるところを見るのが辛かった

また涙が溢れた
そして止められなかった
469名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 02:47:23 ID:CpdEADXb
>>YUKI氏
GJ&乙です
(´;ω;`)フェイトカワイソス
470YUKI アースラの恋模様23:2006/01/23(月) 16:30:41 ID:cfUil/6f
>>469
感想ありがとう御座います

ついにこの話も最終回を迎えます
始めた当初はどうしようか迷い続けましたが、なんとかここまで書けました。
みなさんの応援のおかげです。ほんとに有難うございました。



私はクロノの部屋の前で悩んでいた
夕方のやりとりの時の、私のあの一言が心に今でも消えなかったから
冷たい一言だった
あの時の二人の困ったような表情がいつまでも頭から消えなくて

でも謝らなくちゃ、、、、、
コンコン
「クロノ、起きてる?」
少ししてから
「フェイトか?開いてるよ」

私はクロノの許可がおりたので部屋に入る
クロノの部屋に入ると今までと何かが違った
何だろう、、、何かが、、、、

それが、エイミィが使ってるシャンプーの香りだと気付いたのは部屋を出て、エイミィとすれ違った時だった

「ん?どうした?フェイト?」
入り口で考え事をしていた私にクロノが声をかける
「えっ、、あ、何でもない、、、」

「どうした?何か相談事か?」
クロノはコーヒーの入ったカップを私に差し出しながら聞いてくれた
「ん、、、えっと、、、その、、、あ、、、謝りたいことが、、あって、、」
「謝りたいこと?僕にかい?」
「ん、、うん、、、、クロノとエイミィに、今日廊下で、、、」
「あ、、、、、あ〜、、、あのことか、、、」
「ご、ごめんなさい、、、、私、二人にその、、、」
「もういいよ。」
クロノはポンッと私の頭に手を乗せて優しく微笑んだ
「フェイト、、、でも、、、その、、、なんで、、、僕とエイミィのこと知ってたんだ、、、、、」

「エッ、、、、、、え、、えと、、、、その、、、クロノが怪我した時、、、、」
471YUKI アースラの恋模様24:2006/01/23(月) 16:32:25 ID:cfUil/6f
「僕が怪我した時、、、、、、? ・・・・あっ!ま、まさか、、、、フェ、フェイト」
「僕の部屋にエイミィが来た時、、、、き、キミは部屋の外に居たのかい、、、、?」
「う、、、、うん、、、、、」
頬を染めながら私は答えると、クロノは頭を抱えながらしゃがみこんだ

「く、クロノ、、、?」
「え、と、、フェイト、、キミはどこまで僕たちを見ていた、、、、、?」
「え、、、ふ、、、二人が、、、き、、、キスしてたところ、、、、、」
私の胸がまたギュッと苦しくなった

「そ、、そこまでか、、、?」
「うん」
「そうか、、そうか、、、、そこまでか、、、、」
クロノは少しホッとしたようだった

「く、クロノ、、、私、、あの時聞いちゃったの、、、クロノがエイミィと先に約束してたこと」
「わたしとの訓練を優先しなければ、クロノは怪我すること無かったんだよね」
「フェイト、それは違うぞ。あれは僕が訓練中に余計なことに気を回したことが原因だ。
 決してフェイトのせいじゃない」
「で、でも、私が訓練をお願いしなければ」
私の口をふさぐように、クロノが私を抱きしめた
「もういい、、、もういいんだよ、、、、」

「く、クロノ、、、?」
「フェイトが気に病むことなんて何処にも無い。あれは僕の不注意だったんだから」
「う、、、うん、、、、、、、、。」
クロノの暖かくて、包み込むような体温が心地よくて
私はやっと自分の中の「好き」がわかったような気がした

「クロノ、、お願いがあるの、、、」
「ん、、?なんだい?フェイト」
「私と勝負して欲しい、、、、」
「勝負?!」
「うん、、、私と訓練じゃなくて、本気で戦って欲しいの、、、」
「何故、、、、?僕と闘いたいんだ?」
「私、、、、、クロノのことが好き。」
472YUKI アースラの恋模様25:2006/01/23(月) 16:33:28 ID:cfUil/6f
「えっ、、、?」
「クロノのことが好きなの。兄としてじゃなくて、1人の男の人としてクロノが好き」
「・・・・・・」
「でも、クロノはエイミィのことが好きだから、私の想いは叶わないから、クロノとエイミィのことが私は好きだから、自分の気持ちにケジメを付けるために、、、、、、」

どれくらい抱きしめてくれてたんだろう
無言の時間が痛いくらい長かった

「、、、、、、そうか、、、わかった、、、、その申し出、、、、受けるよ」
「ありがとう、、、クロノ、、、、」


私はそのあとクロノの部屋を出た
部屋を出る時、クロノが「ありがとう」と言っていた
その一言が嬉しかった


10分後 エイミィの部屋
「そういうわけでエイミィ、トレーニングルームの準備を頼む」
「う、うん。解った。、、、で、でも、フェイトちゃんどうしていきなり、、、、」
「フェイトの覚悟とケジメの現れだろう。」
「そうか、、う〜ん、、、フェイトちゃんがライバルだったのかぁ、、、」
「エイミィ」
「何?、、、って、きゃっ!、、く、クロノ君?」
突然クロノがエイミィを抱きしめる
と、いってもクロノの身長では抱きしめるというより抱きつくようになってしまうが
「僕はフェイトに何をしてあげられるんだろう」
「クロノ君、、、、」
「僕はフェイトの気持ちにこたえることは出来ない」
「うん」
「でも、フェイトにやっと生まれた人として大切な感情を傷付けたくない」
「うん」
「僕は、、どうしたら、、、、、、」
「クロノ君。クロノ君はフェイトちゃんの申し出を受けたんでしょ?だったら、全力でその気持ちに答えなきゃ」
「全力で?」
「そう。クロノ君は一切手加減せず、全力でフェイトちゃんと戦うんだよ」
「そうやって、僕が勝ったら、フェイトは、、、」
「うん。傷つくと思う。、、、、、でも、手を抜いて戦うことの方が、もっとフェイトちゃんを傷つけることになるよ」
「だから、全力でフェイトちゃんと戦ってあげることが、フェイトちゃんが一番望むことなんだよ」

「、、、、そうか、、、、そうかもな。、、、、、、、ありがとう、、、エイミィ」
「うん。クロノ君、お兄ちゃんとして頑張ってね」
473YUKI アースラの恋模様26:2006/01/23(月) 16:34:21 ID:cfUil/6f

さらに2日後
「じゃぁ、エイミィ、準備を頼む」
「OK!、、、トレーニングルーム内異常無し! 準備完了!」
「じゃぁ、フェイト、今から始めるぞ」
「うん」
覚悟によって引き締められた顔が凛々しく、もう迷いは無かった

「バルディッシュ。クロノは今までの相手の中で間違いなく最強だよ。最初から全力で行くよ!」
「「OK. Master」」

「それじゃぁ。二人とも準備は良い?」
「うん。いいよ。」
「僕もだ」
「それじゃぁ、始め!!!」
けたたましいブザー音と共に二人の掛け声が飛び交い光の矢が飛び交う・・・・・・



「はぁはぁはぁはぁ、、、、、、、、わ、、、私の負けだね、、、、」
トレーニングルームの床に、四肢全てを投げ出すように寝転がる私の声にクロノが反応する
「、、、あぁ、、、そうだな、、、僕の勝ちだ」
「立てるか?」
「うん、、、大丈夫、、、、でも、。もうちょっとこうしてる、、、」
「そうか、わかった。、、、少し休んでからメディカルルームに行くといい」
「うん、ありがとう」
「エイミィ!勝負は終わりだ!部屋に戻るから手を貸してくれないか?」
「あ、、、、う、、うん!今準備するね」
474YUKI アースラの恋模様27:2006/01/23(月) 16:35:22 ID:cfUil/6f
「フェイトちゃんあのままでいいの?」
「あぁ、フェイトは大丈夫。少し1人にしてあげよう」
「うん。あれでフェイトちゃんは自分の答えを出せたかなぁ、、、、」
「フェイトは僕らが思ってる以上に人として成長してたんだよ、、、」
「そっか、、、でも、クロノ君苦戦してたね〜(笑)」
「く、苦戦じゃない!戦況を把握しながら勝利の機会をはかってただけだ!」
「ふぅ〜ん、、そのわりにはココとか痛そうだよぉ」
そう言ってクロノのわき腹をつつく
「イッ!!イテテテテ!え、エイミィ!!触るな!」
「あはははは、やっぱりやせ我慢してたんだ」
「ふ、、ふん!」
「まぁまぁ、そんなに膨れないでよぉ」

そんなやりとりをしながら二人はクロノの部屋へと消えていった

「バルディッシュ、、、負けちゃったね、、、」
「「Sorry, master」」
「ううん、バルディッシュが悪いんじゃないよ?」
「クロノはそれだけ強いってことだよ」
「あ〜ぁ、、、負けちゃったなぁ、、、クロノを好きって気持ちもこれで区切らないとね」
「これで、、、、、、こ、、、、うう、、、、、うああああああああ〜ん」
私は泣いていた
大きな声で、涙をたくさん流して
もう誰にも遠慮は要らないから


2日後 翠屋
「それで、、、、、、、もう落ち着いたの、、、、?」
「うん。さすがに2時間も泣き続けたから」
「え、えと、クロノ君のことをフェイトちゃんが好きで、クロノ君はエイミィさんと恋人同士で、え〜とバルディッシュが、、、、、、」
「こらこら、なのは混乱しすぎや」
「フェイトちゃん、その後クロノ君とはどう?」
「うん。兄さんともエイミィとも上手くやってるよ。やっぱり二人が仲良くしてるのを見てると私も嬉しいの。」
「そう、それなら良かったわ。、、、となると、次はこの混乱娘ねぇ、、、」
アリサがなのはを呆れ顔で見ている
「ユーノの気持ちはいつ報われるのかしら」
「当分難しそうやなぁ」
「なのはちゃんだし、、、、」
「そっか、なのはとユーノもまだ、、、」

私たちの間には、まだまだ解決できない問題が山積みみたい
でも、、みんなとなら、これからも大丈夫
475YUKI :2006/01/23(月) 16:45:38 ID:cfUil/6f
これで終わりです。
最後はどうしようか迷いましたが、できればフェイトの成長を描きたかったのでこういう形にしました。

また機会があれば別の話を書きたいと思っています。

ではまた。
476名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 17:17:14 ID:J9dNLGoY
>>YUKI氏おつかれさまです。
話の展開上、ファイトの扱いが難しかったでしょうがうまくまとまっていたと思います。
今度は話の最後にも触れていたなのはとユーノの補完話が読んでみたいです^^
477名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 17:18:15 ID:J9dNLGoY
すいません、ファイトじゃなくとフェイトでした^^;
478名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 21:45:14 ID:IJxDujJF
>YUKI
乙です!フェイトがちょっとせつない感じがするけど、冷静に見れば付き合いの長いクロノ×エイミィの可能性が
一番高いんですよね。エピローグでもいい感じの二人だったし。
フェイトはこれで大人の階段を一つ昇ったんですね。

♪少女だったと いつの日か 思う時がくるのさ〜

479名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 22:01:29 ID:ek9dIc7y
>YUKI氏 GJ!
初恋はほろ苦い味〜♪

何気に480KB越えてるけど、
圧縮直前だから待った方がいいんかな。
480名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 22:05:26 ID:SmgRcn53
恭也とフィアッセみたいでクロノ×エイミィはうけつけない俺
だが>>YUKI氏乙&GJ

>>476-478
連続でageるのはやめようぜ
481名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 23:42:39 ID:DeIN1E3S
レス数よりKBが高いとは…
482名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 01:57:30 ID:w5mag6Fv
>恭也とフィアッセみたいでクロノ×エイミィはうけつけない俺

同意。なんかいい意味でも悪い意味でも姉弟にしか見えなくて妄想しづらい
個人的にクロノ×フェイトのが恋愛やらせた時にしっくりくる気がする
単にこの二人の組み合わせが好きなだけかもしれんが
483名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 02:25:09 ID:cIVDNyL/
二次創作でカップリングに不平を言うのは野暮ってもんですぜ
484名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 03:24:47 ID:SVZ61Czx
姉弟にしか見えない気持ちは分かるが>>483の言うとおり不平をいうのは野暮ってもんだ

とりあえず、新たな作品の投下をwktkして待とうぜw
485名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 06:10:59 ID:k871WmQX
ユーノとフェイトの男女間の友情ものキボンヌ
486名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 10:35:41 ID:05IGr4Rl
それはそれとしてそろそろ次スレ?
487478:2006/01/24(火) 10:49:27 ID:VU9pSIf+
>480
ごめん。指摘されるまでageてることに気づかなかったorz

>486
まだ500も行ってないんだけど・・・
488549 ◆51nyTkmf/g :2006/01/24(火) 11:03:58 ID:eg9VysNN
>>478
DATの大きさが480KBを越えるとDAT落ち対象になって、
500KBを越えると書き込み不可。
いま490KBより少し前くらい?
自分はいま無理なんで誰かお願い。
489名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 12:27:15 ID:05IGr4Rl
立てた。

☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第五話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1138073204/l50
490476-477:2006/01/24(火) 18:55:08 ID:k2sc4d6z
>480ご指摘ありがとうございます^^;
ただ、自分は掲示板にコメントを書き始めて日が浅いがために「連続でageる」の意味がわかりません^^;
何かマナー違反をしたんだなということはわかるのですが今後失敗しないためにも何がいけなかったのか良かったら教えていただけないでしょうか?
491名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 19:29:36 ID:SVZ61Czx
>>490
別にageるのはマナー違反ってわけじゃないけど、
ageるとスレッドの最上位に来るのでいろんな人に発見されやすく、
荒らされやすくなってしまうので、できるだけ頻繁にはageずに行こうと>>480はいいたいのかと。
ちなみにageない方法はメール欄にsageと書けばOKです。
492476-477:2006/01/24(火) 21:08:07 ID:k2sc4d6z
>>490情報ありがとうございます^^
なるほど荒らし防止ですか^^;今後気をつけます。
493名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 01:15:59 ID:8x3Nuwv8
^^;は謝ってるように見えないと思うのは俺だけなんだろうか。
494名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 02:24:24 ID:Ivl4Ekbo
2chに来るようになってからは顔文字も、携帯のメールでの絵文字も、全然使わなくなった。
495名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 08:15:47 ID:EQGnnfbA
とりあえず絵文字なしには禿同
496名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 19:28:34 ID:+qEEzFPN
絵文字って、あんまり好まれないの?
497名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 20:25:20 ID:EQGnnfbA
なんと言うか、2chみたいな絵文字抜きのしゃべりに慣れると絵文字使わなくなっちゃうんだよね…

と、言ってる俺は携帯厨
だってPCないしorz
498名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 20:40:04 ID:3usiI5j8
自分は2ch調でメールはしないし、普段関西弁系なんで絵文字使わないと怖い怖いw
499名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 23:52:38 ID:EQGnnfbA
そりゃ俺だってメールの時は2ch文体にはしないさw
500名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 01:39:51 ID:MIhOQgtc
そりゃわかるわかるw
501名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 02:39:37 ID:ko8r/su3
私は割りと2ch調で知り合いに良く嫌がらせしてるなw
502名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 03:03:21 ID:p214Vs+J
俺なんて今まで顔文字すら使ったことないぜ
503名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 10:28:03 ID:+0jcGSvW
ってか…どんな埋め方だよこれwww
504名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 13:36:38 ID:V1HqGJqZ
⌒*(・∀・)*⌒
505名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 14:28:45 ID:SDxATuOU
「また、スレが終わってしまった。
              一体幾度、こんなスレを繰り返せば……」


  ∠二⌒ヽ lヽ      /!  ノ⌒二フ
<二く 巛 ヽヽ〉´⌒`ヘ'ノ./ 彡 ゝ 二>_ /              _二=─- ' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ─=二_
   く二ノ/> ヽi .ノノ))))〉 レ<ヾ二フ○。 ○。/         二 ̄     ‐´             `ヽ    二
     レ'' ヽ |  l:_゚-ノ|lノ⌒へl  /。  。\―_       ̄=二__/                 二二 ̄
  i⌒i⌒i    .ノ /^)!)x)^つ   ―○    ○― ――― __    / ̄ ̄─────── ̄ ̄ ̄ ̄  \
  '⌒'⌒/ヽ-( ゞ/./__jヽ)))-ヘ  。 ○。 。  。   .――――――――――――――☆            ヽ
     リ, リjjノ /ノx!xjヽl ヾルjソi   /。_ ○  二 二        |                          |
                     。  ○ 。ノ\            |l                        i|
咎人達に、滅びの光を
星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ
貫け、閃光
スターライトブレイカー
506名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 16:34:49 ID:2JpStSHx
あえて荒野に降り立つ淫獣が約一匹


                  ('A`:) アレ?ココドコ?
507名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 19:26:01 ID:pO28yxPS
ふぇいとたんはあはあ
508名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 19:35:59 ID:r8KcyDOD
フェイトが主ということは
アルフはバーサーk
509名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 21:28:22 ID:Xj4ltBO2
                  | |  |  | |
                  | .| | .|  | .| |  .| | .|
                  | |  |  | |
                  ,,,,,,,iiiiillllll!!!!!!!lllllliiiii,,,,,,,
                 .,llll゙゙゙゙゙        ゙゙゙゙゙lllll,
    \埋め埋め/    .|!!!!,,,,,,,,       ,,,,,,,,,!!!!|
. .     ̄V ̄ ̄      |  ゙゙゙゙!!!!llllliiiiiiiiiilllll!!!!゙゙゙゙ .|
      __ ,'⌒ヽ      |     ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       |
    ∠† _(†ヽ彡     .|              |
    又 !从从))))      |.      轟.        .|
   〈y.リ(l|`(フノ|ly〉     |              .|
   〈y⊂^)!†i(^つ!!!!!!!lllllllliii|.      .天        |
    ⊂く ,、,、>         |               .|
      し'           |      .爆        |
                 .|                .|
                 .|      .砕        |
       \\\\\   |                .|.  / ////
         \\\\\ |                .| / ////
          \\\\ |                .|/ ////
            \\\\゙!!!,,,,,,,,       ,,,,,,,,,!!!゙゙////
             \\\\゙゙゙゙!!!!llllliiiiiiiiiilllll!!!!゙゙゙゙////
                 ' ";`゙∵゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;"' ;∵;;"
                    ' ";`";∵;;∵;;"
510名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 13:19:03 ID:QWaQQZJ+
埋めるぞ
                                            ...___
                                           ./     \
                                          ./\ /    .\
                                     _  /.| φ φ     ..|
                                    /:::::::::::::ヽ| )●(       |
                                ,-── ̄\:::::::::::: \ Д      ..ノ
                 | /          _,,,,,/、,,-‐─'''ヽ、 ヽ--- \____/
                                            `―-―-'""ヽ:::::\  
                | /  /     /   \\     \,,,,,,           ヽ:::::\
             \  | /  /    //   ̄   |l     /    ̄  ̄二ニ/ =| \:;ノ
              \,,|丿‐''"ニ,,-‐''''''""'ヽヽ    /、,,,,,-‐l" \             |ヽ/
            \丿   / / /,-''''" ̄ /ノl   /    \   \____/__    ./ ||
           \ノ    __,ゝ‐'",--、-、  /'''""'''"      / \__/::::::::::::::::::::::/'''‐/   | |
           ,,,,ノ   ヽ‐‐'''"""二"_/           /、    |::::::::::::::::::/、 /|   / /_
       ,,-‐'''"~  ,,,      ゝ             /ヽヽ   |::::::::::::/,,/   ヽ /,‐'''\
  ,,,-‐'''''"~  ,,,-‐'''"// /、,,,、ヽ‐\            /   |    >‐"/      |  |
‐''"   ,,,,-‐''"     ///  ヽ|ヽ \       ,,,-‐''"~          /       ヽ_ |
  ,,,,-‐'"         /      |        ,.‐'''""~          ,-'"ゝ、         ─''''"
''~            /      ヽ     /   /      _,,,,/-‐、   \
                        /   /    /  /'''"''ヽ、   ヽ    \──--,,,,,,
                        /  /     /  /\,,, ,,,ノヽ、  \    |    l  ゙''ヽ
                    ,,,-‐‐/ ''ヽ _,,,,,/ /   \‐''"  \  \    |  /      |
                  / ヽ ヽ  / ,-─'''"~       ゙''ヽ 、 "''''   ゙゙'''/)
                          __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙           >>なのは              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
511名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 18:25:53 ID:2c2dN0G1
もうちょっとマシなAAはないのかw
512名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 19:41:41 ID:sd+nUpMc
火力仕様に偏るのは仕方のないことかとw
513名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 20:14:46 ID:P2tKU/y8
なのはが股を開いて、物欲しそうにじっとこっちを見てるAAキボンヌ
514名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 01:13:50 ID:zyAIMuzB
>>510
↓ここでなのはの反撃
515名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 07:56:47 ID:gvRjC30K
 期待に応えます
\___  ___/ ミ'' ''ヽ
      V        ミ   ',
   ヽl   ,、 l/ ミ;ヽ   ミ   ',      |。  
  〃")' ~´ヘヘ)"ヽ ミ; , l\ ::  ',  \ 。○_/             _二=─- ' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ─=二_
  !( ソノ八)ヽ) ソ  '' :,ヽ\:: lヽ   ○。  ○。。        二 ̄     ‐´             `ヽ    二 
    ヾl._゚(フノ!.   .-[/二──_ /   。  \  ―_.  ̄=二__/                 二二 ̄
(二====O===O三二=[!=!●二二二二==- 。 。 ○― ―― __  / ̄ ̄─────── ̄ ̄ ̄ ̄  \
    ./ソ、j、iヾ. ヘゝ. -[\二── ̄ ○   。  。   ―――――――――――――☆>>510         ヽ
    .~(ノ!_j~´    ,,; ,''//::  .lノ /。 。 ○。 二 二        |      ウワアアアアアーーーンンン!!!!!!!      |
           彡 '.l/ ::  ,'  。  ○ 。ノ\            |l                        i|
          彡:;, ノ   彡  ,'     |
               彡   ,'
              彡,, ,,ノ
516名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 10:30:16 ID:58tF5Hk9
あ と 3 k b
517名無しさん@ピンキー
                          __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙            ☆キラン              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ

                                            ...___
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
'''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''


                         轟ッ!!


,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
_________________________________________
                                    /、    |::::::::::::::::::/、 /|   / /_
                                  /ヽヽ   |::::::::::::/,,/   ヽ /,‐'''\
                                 /   |    >‐"/      |  |
                             ,,,-‐''"~          /       ヽ_ |
                           ,.‐'''""~          ,-'"ゝ、         ─''''"
                          /   /      _,,,,/-‐、   \
                        /   /    /  /'''"''ヽ、   ヽ    \──--,,,,,,
                        /  /     /  /\,,, ,,,ノヽ、  \    |    l  ゙''ヽ
                    ,,,-‐‐/ ''ヽ _,,,,,/ /   \‐''"  \  \    |  /      |
                  / ヽ ヽ  / ,-─'''"~       ゙''ヽ 、 "''''   ゙゙'''/)