純愛SS『其の3』

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764左と右を繋げた影は ◆Z.OmhTbrSo :2007/07/01(日) 01:08:09 ID:pxfKyo/o
以上で「左と右を繋げた影は」は終了です。

純愛がどんなものかよくわからないところがあったので、模索するつもりで書いてみました。
最初は、みのるにはアタックをさせず、2人が仲良くする姿を見て我慢するという話にするつもりでしたが、
やはりこちらの方がいいかもしれないと思い直したので、このようにしました。

それではみなさま、しばらくの間付き合ってくださいまして、本当にありがとうございました。


ノシ



765名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 05:00:35 ID:V43wEwey
いやー。良かったんじゃない?
あおいもいいけどみのるの一途さと健気さに泣けてたよ・・
766名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 06:34:51 ID:EA36+iPh
99%の俺がキュン萌え死にした。いや比喩なんかじゃなくマジで。

今までサンクス。そして神GJ!
767名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 16:25:40 ID:RJbAfhQ2
んー、イマイチ。
なおきは優柔不断だし、みのるは急にいい人になっちゃうし、
あおいは物分り良過ぎだし・・・・熱い想いとか切なさが感じられなかった。
768名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 03:08:25 ID:a79X6E+0
保守
769名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 01:57:59 ID:99xDVg/p
新しい投下待ち
770名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 02:44:05 ID:844K1kl1
ってか題名がいかにも婦女子っぽくてキモイ
771名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 01:46:54 ID:ztIOVlMU
純愛好きだ。書いてみる。
オリジナルで、時代設定は戦国時代くらい。
忍者とドジっこ奥さんの話。途中で少々流血表現あり。
772茜の里:2007/07/11(水) 01:49:10 ID:ztIOVlMU

かあかあと、間の抜けた鳴き声をあげながら、夕焼け空を鴉の群れが
渡っていく。
町の入り口にあたる、細い橋の上を歩きながら、群れの先へと目をやる。
夕日に照らされこんもりと黒く浮かぶ、小さな森が見えた。
町外れにある、社の鎮守森だ。あそこに巣があるのか。
この時期なら親と同じ、真っ黒な七つ子が、狭い巣の中で同じように
せわしなく鳴きながら、帰りを待っているのだろう。
茜色に染まったいわし雲の下を、上へ下へと重なるように飛んでいく
幾羽もの黒い群れを見送ってから、私も背中の荷を背負いなおし、再び歩き出した。

埃だらけの乾いた道は、夕暮れ時とあって、家路を急ぐ人でいっぱいだ。
人も馬も、一様に忙しなく、前ばかりを見て急ぎ足で歩いていく。
流れに押され、私の足も自然と速まった。
空を群れ飛ぶ鴉のように、前へ、前へと誰もが進んでいく。
自分の家と、そこで待つ人を目指して。



大通りから町外れへ向かう、緩やかな坂を下っていると、途中で近在の女房と出会った。
あらまあ久しぶりだねえと目を丸くするのに、隠れ蓑代わりの穏やかな笑顔で
挨拶を返す。
「二月ぶりかね。商売はうまくいったかい」
「はいお蔭様で。薬もよくはけまして」
行商の薬売りが、私の表向きの仕事だ。
「今回は随分長く旅に出ていたもんだね。早く帰っておやりよ平助さん。
お妙ちゃんずっと待ってるよ」
若夫婦はいいねえ、とからかうような言葉に、こちらも表情を崩さず笑顔を返す。
だが女房が発した名を聞いた途端、東の空に迫る夜空のような、薄暗い不安が
ポツリと胸に落ちた。
「……いつもお世話になっております。その、あれがまた何か、ご迷惑を
おかけしませんでしたか」
にこやかな笑顔のまま、おそるおそる問いかけると、主婦も笑顔を崩さずうなずいた。

「いやいつもどおりだよ。道で転んだり井戸に落ちかけたり、子どもと遊んでて
迷子になったりさ。そうそう、こないだはおかずが鍋ごと焦げて穴まで開いたと
半べそかいてたから、うちでご飯を食べさせてやったがね。ああ安心しな。
もう鍋は買ってきたようだよ」

「……まことにお世話になっております。今後もよろしくお願いします」
あらこれは内緒にっていわれてたよ、と豪快に笑う主婦に深々と頭を下げ、
私は再び、今度は少々急ぎ足で歩き出した。
早く帰らねば。
鍋ならまだいいが、もしや家が焦げているかもしれない。
しかしどうしてあれはこう、やたらと問題を起こすのだろう。久々に帰ってきたと
いうのに、姿を見る前から気が休まらないことだ。
おかげで、下げたくもない頭を下げてしまった。
ひそかにため息をついて荷を背負いなおす。慣れたはずの重みが、いやに肩を苛んだ。
ざくり、ざくりと足元で、乾いた土くれが音を立てる。

この自分が、たかが町家の女房に頭を下げているところを見たら、同輩や部下は
どんな顔をするだろうか、とふと思う。
きっと大騒ぎだ。己の目がおかしくなったかと疑うものも出るに違いない。
むしろ私がその心境だ。
想像するにつれ、おかしいやら情けないやらでまた一つ、ため息が出た。
773茜の里2:2007/07/11(水) 01:53:39 ID:ztIOVlMU

町外れにぽつんと立った小さな家は、夕日に照らされ燃えるような
茜色に染まっていた。
二月ぶりの我が家だが、すぐには入らず、まずあたりの様子を探る。
この一年ばかりでついた習慣だ。
古びたわらぶき屋根やほつれた暖簾、煤けた壁板や雨戸の枠と
仔細に眺め、二月前と比べてこれといった変化がないのを認めて、
私は無意識に小さく息をついた。

よかった。今日も無事に立っている。

暖簾を分けて中を覗いてみるが、土間にも居間にも、人の気配はなかった。
だが、水場には真新しい鍋のほか、ざるや野菜が散乱している。
さて、夕餉の支度中にまた、どこへ行ったのか。
答えは、再び暖簾を分けて外に出たところでわかった。
「旦那さま!」
夕日に染まる道に響いた甲高い声に、振り返る。
茜色の光の中、町へと続く小さな下り坂の途中に、大根を抱えた小さな影が
立っていた。
小柄な、まだ娘と呼べるほどの若い女だ。
薄暗い光に、ふっくらした頬がつやつやと輝いている。その頬と同じほどに
輝く丸い目や、手ぬぐいを巻いた長い黒髪、汚れた前掛けの下から覗く
細い足へと、私はほとんど習慣で目線を走らせた。
それらにも家と同じく、これといった変化がないことを見定めてから、
また、こっそりと息をつく。

よかった。今日も無事に立っている。

安堵の息をつくと同時に、女の手から大根が転がり落ちた。
いや、投げ出されたというべきか。
高々と宙を舞い、夕日を弾き、輝きながら落ちていく大根の行方に
気をとられた瞬間、今度は女が走り出した。
なだらかな坂道を、文字通り転がるように走ってくる。
走るなといっても聞かないのはわかっているので、こちらも駆け寄りながら
両手を伸ばした。同時に腰を落として息をつめる。
「旦那さまー!!」
砲弾でも受け止めたような衝撃と共に、一瞬、片足が宙に浮いた。
げふっと変な息が漏れる。
いくら小柄で軽いといっても、転びかけの勢いのままつっこんでこられては
受け止めるのも容易ではない。毎度のことながら、厳しい。
坂どころか普通の道でもすぐ転ぶのだから、外ではなるべく走るなと、
この一年、いつも言って聞かせているのだが、私の姿を見ると走り出すのを、
この女は何故か、決してやめようとしない。
いったん跳ね返って離れかけ、だがすぐ小さな手が、しゃにむに私の体を抱きしめてきた。
精一杯の力が、背中の荷物ごと私の体をぎゅうぎゅうと抱きしめる。背負子がみしみし
音を立てた。何度言っても加減を覚えぬ奴だ。
仕方なく抱き返した腕の中で、小さな顔がひょいと上がった。

やっと私の胸ほどの場所から、丸い大きな目が、喜色に溢れて私を見上げている。
ふっくらした唇をむずむずと動かし、またぎゅっと私の胸に顔を埋め、匂いをかぐように
ふかぶかと息を吸う。
またすぐ上がった顔は、耳まで真っ赤に染まっていた。
774茜の里3:2007/07/11(水) 01:55:53 ID:ztIOVlMU

「旦那さま、お戻りなされませ!」
「ああ」
いつもながら、でかい声だ。
「今日あたりお戻りかと、妙は一月前から毎日、ご馳走を作ってお待ちしておりました!」
「そうか」
毎日。
まさか、残してはいるまいな。
「野菜のお煮つけですとか草もちですとか、岩魚の塩焼きですとかそれから……」
「……妙。ところで大根は」

さりげなく話をそらすと、丸い目がぱちくりと瞬いた。
あっと小さく呟き、慌てたように振り返って、先ほど道に落ちた大根に目をやる。
坂の途中の地面に落ちた衝撃で、見事に半分に折れたそれは、折れ口まで
土くれだらけになっていた。
「申し訳ございません……」
先ほどまでの笑顔が見る影もなく、しょんぼりしょげ返る。うつむいたまま、
妙はそろそろと私から離れた。

宵の風が胸元を、ひどく冷たく吹き抜ける。残り香だけが手の中に残った。

しゅんとしてきびすを返す妙を追い、また走り出さないように、さりげなく
その帯を掴む。犬の仔のようだとふと思った。
掴んでしまえばどうしようもないので、私もそのまま一緒に歩き出した。
「夕餉の支度中にわざわざ、大根を買いに行ったのか?」
「お味噌汁を作ろうと思ったら、使い切ってしまっていて……」
「味噌汁の具など、何でもよいだろう」
「駄目です。お味噌汁は大根でなくては!」
そこだけ変に力をこめて首を振る。
まあ、それは同感だが。
「それに大根のお味噌汁は、旦那さまの好物でしょう」
お戻りに間に合って、本当にようございました。
そっと振り返り、にこりと笑って、またてくてくと歩いていく小さな足を、
ぼんやり見つめる。
市はとうに終わっている時刻だ。大根一本求めるために、この女はきっと、
遠くの農家まで走ったのだろう。
ほつれたわらじの中で、小さな足は泥だらけだ。
暮れていく日の中、薄汚れていても白い甲が、そこだけひどくまばゆく光って見えた。

そんなことをよく知っているな、と呟けば、だって妙は旦那さまの妻ですもの、と
なにがおかしいのかまた、嬉しそうに笑った。



夕餉の飯は、粥だった。
少しほっとした。
水加減を間違えました、と必死に頭を下げる妙をなだめて、粥と魚の干物の夕餉を終える。
少々腹の中が水っぽいが、芯があったり炭と化した米よりは、はるかに食べやすい。
腕を上げたものだ、と感心した自分の考え方のおかしさに、気づいたのは食後の茶を
飲んでいる最中だった。
いささか愕然とする。思わず茶碗を運ぶ手が止まった。
「旦那さま、どうかなさいましたか?」
囲炉裏の向かいで、破れた私の足袋を縫っていた妙が、不思議そうに顔を上げた。
表情には出さなかったつもりだが、読まれたか。この女にはこういう、不思議に
鋭いところが時々ある。
なんでもない、と呟いて茶碗を置き、私も仕事道具の手入れに戻った。
775茜の里4:2007/07/11(水) 01:58:24 ID:ztIOVlMU

くない、しころ、手裏剣。小刀、まきびし、そして表の商売品とは違う、数々の薬。
どれも己の命を守るものだ。日々の手入れは欠かせない。
こればかりは妻にも任せられない。いや、もとより妙には恐ろしくて渡せないが。

とくに追求もせず、そうですか、と呟き、なにがおかしいのかにこっと笑う。
それから妙は、縫い上げたものを傍らに置き、新しい足袋へと取り掛かった。
何をやらせても抜かりばかりなのに、妙は何故か、縫い物だけはうまい。
たまに前掛けを一緒に縫ってしまう程度だ。
「今日も足袋の繕いがたくさん。随分歩かれたのですね」
「それが仕事だからな」
「此度は、どちらへ?」
答えずにいると、はたとこちらを見上げ、申し訳ございませんと頭を下げる。
そうして妙は、また小さく笑った。

囲炉裏の中でぱちぱちと、高く低く薪がはぜる。
夜の明かりに照らされる妙の顔は、昼間の子どもじみた様とは違い、
陰を含んでどこか妖しくさえ見える。
昔の影がよぎるのだろうか。
頬も、額も、目元も、夕暮れ時に比べてひどく暗く、奇妙に艶やかで。
けれどその表情は、今もやはりあけっぴろげに、嬉しそうだった。

ふと気づくと、囲炉裏の向こうで縫い物の手を止め、妙がじっとこちらを
見ていた。
視線が気になり、何だ、と問いかければ、鼻の頭を赤くして、ひどく嬉しそうに笑う。
「旦那さま。お戻りなされませ」
「何度目だ」
「だって嬉しいのですもの。旦那さまがここにおいでなのが」
「……それはいるだろう。私の家だからな」
「はい。それが嬉しいのでございます」
この女のいうことは、時々さっぱりわからない。
首をかしげ、作業に戻る。妙は気にした様子もなく、にこにこと笑いながら
今度は小さく頭を下げた。
「旦那さま。ありがとうございます」
「何が」
「私のようなものをもらってくださって」
答えに窮した私を、ひたむきな顔がじっと見上げてくる。
囲炉裏の火よりも赤く、頬が染まる。黒々とした瞳が、潤んだように輝いた。

「いつもいつも、感謝しております。旦那さまに拾っていただけなければ、
妙はきっと生きてはおりませんでした。妙が今あるのは、すべて旦那さまのおかげです。
旦那さまがおいででなければ、妙は生きていけません。私を救ってくださって、
妻にしてくださって、本当にありがとうございます」
776茜の里5:2007/07/11(水) 02:01:13 ID:ztIOVlMU

真っ赤な顔で一息に言い切り、これ以上があるのかと思うほどさらに頬を染める。
湯気でも出そうだ。
「……そうか」
「はい!」
きらきらと輝きながら、食い入るように見つめてくるその目に気圧され、
実は私はときどき、お前を妻にしたことを後悔しているのだが、とは言い損ねた。
胸の中の言葉は飲み込み、重ねてそうか、とだけ呟く。
今度は言葉もなくうなずき、そうして妙は子供のような顔で、にっこりと笑った。
「お邪魔をして申し訳ございません!……あの、あの、では、お風呂を炊いてまいります!」
真っ赤な笑顔のまま、慌しく立ち上がり、土間へと駆け下りていく。後ろから見ても、耳が赤い。
あれはあれで恥ずかしいのだろうか。
囲炉裏の中の薪がひときわ大きく、ぱちんとはぜた。
土間の隅から聞こえてきたけたたましい騒音に、炊く前に風呂を燃やさなければいいが、と
少し、不安になった。



一年半前、妙を拾ったのは、旅の途中で寄った田舎の宿場町だった。
そこの最下層の宿で、妙は飯盛り女をしていた。
その頃私は仕事をしくじり、ひどい怪我を負って行き倒れていた。それを物好きにも
拾い、朋輩に笑われながらも、自分の飯まで割いて助けたのが、妙だった。
拾われたのは、私が先なわけだ。
とはいえ、傷が癒えれば、飯盛り女の気まぐれなど気にする必要もない。
おかしなことに妙は、私の枕探しもしようとしなかった。だからその分、多少の礼金でも
置いていけば、それで終わるはずだった。
だから何故あの時わざわざ、あの女を拾って連れて行ったのか、今思い返しても
実はよくわからない。

誰でもよいから女を囲い、拠点を作れと頭に言われていたからか。
妙には身内もなく、いなくなっても誰も気にせぬ身の上なのが、ちょうどよかったからか。
私に怪我を負わせた仕事の標的を、倒せたのが妙の助けによるものだったからか。

その頃から、何をやっても手抜かりばかりの妙は、不思議と朋輩には好かれていたが、
主には疎まれていた。
だからひどい客ばかりをあてがわれていたのだが、その中に、私をすぐには死なない程度に刻んで
放り出した、標的の男がいたのだ。
お妙ちゃんがおかしな客を取らされている、と、仲間の飯盛り女があわをくって駆けつけてきたのは、
私が宿を抜け出す直前だった。
その特徴が、標的のものと同じと気づいた時、すでに妙が客を取って半刻が過ぎていた。

妙の上で、夢中になって腰を振る男を刀で刺したとき、私は本当は妙ごと貫くつもりだった。
そのほうが、確実に止めをさせる。
それに、抱かれながら少しずつ肉を刻まれ、血まみれで横たわる妙は、とても息をしているとは
思えない状態だったからだ。

何故あの時、妙ごと貫かなかったのか。
何故逃げもせず、生きているとも思えないあの女を、わざわざ介抱したのか。
何故死んでいないとわかったとき、邪魔になるだけのはずの妙を連れて行ったのか。
今でも、よくわからない。
777名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 00:05:34 ID:LLcsmYNO
wktk
778名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 00:47:35 ID:ZLFoMiuX
ドジっ子奥タソ、可愛いよ〜
時代ものスキーなので、続き楽しみに待ってます。GJ!!
779名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 06:17:19 ID:nxHSp54x
期待作ktkr!GJ!続き期待してるぜ。
780名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 14:15:33 ID:UnpMJiVg
781名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 00:02:28 ID:jvpCbVM3
そういやもう450k超えてるね
782名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 02:52:01 ID:hBxQWNCF
保守
783名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 02:15:25 ID:zzD3tK1o
保守保守
784名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 04:46:36 ID:DGXcwKNa
再び活気を取り戻せるのか・・・
785名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 12:00:23 ID:i4L4eU8/
>>521
なんのゲームか教えてください
786名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 23:57:07 ID:McXou9ea
ほしゅ
787名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 04:34:48 ID:a/nTgWo2
保守
788名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 11:38:52 ID:KPYfJFpk
789名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 04:40:26 ID:K4NKtr8p
すまん、聞きたいんだが。
一作できあがったので投下しようと思うんだが、
投下途中でスレ容量が500kいきそうなんだ。

途中まで投下して新スレに続きを落とすか、
それとも新スレが立つのを待って落とした方がいいのか。
どっちにしたらいいんだろう?
790名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 19:17:25 ID:ZovtAgXQ
>>789
>途中まで投下して新スレに続きを落とす

に  ノ
791785:2007/07/31(火) 20:45:51 ID:aR53WjrR
>>788
トンクス
792名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 04:35:08 ID:/YWJb5cA
>>789
>>790に同意。期待してますぜ。
793789=前スレ669:2007/08/01(水) 21:59:45 ID:TEPTwWdt
>>790
>>792
おk。投下します。

ちなみに私、前スレで『海の日』とかを投下した者です。
初めましての方は初めまして。
憶えてらっしゃる方はお久しぶりです。


今回の投下作は『海の日』と同じシリーズです。
前スレを見ていない人もいると思いますが、
別に前の奴を知らなくても大丈夫ですので。

前回の分も見てやるか、と思ったら>>2の保管庫をご覧下さい。
作品名は『海の日』と『バナナの日』です。

それでは、投下。
あ、8月1日は・・・
794花火の日  01:2007/08/01(水) 22:02:17 ID:TEPTwWdt
「じゃ〜〜ん」
それは暦が文月から葉月へと変わり、ここ数日続いていた、うだるような暑さが少しだけマシになった、とある日のこと。
いつものごとく俺が扇風機の恩恵を受けながらハードカバーを開いていると、美由紀がそんな声と共に登場した。
また何か変なこと考えたんじゃないだろうなと思いつつ、チラリと目を向け――ページをめくる指が止まった。
まだ日も高い最中、彼女が着ていたのは青地に牡丹をあしらった、
「浴衣?」
「ぴんぽ〜ん。せいか〜いっ」
いや、誰だって見ればわかる。俺が聞きたいのはそういう事じゃない。
「しかしまた何で」
そこまで言ってから、俺は一度口の動きを止めざるを得なかった。何故なら――
「じ〜〜〜〜〜〜〜〜」
彼女の視線を感じたからだ。それも、ものすごく期待のこもった眼差しだった。たとえるならば散歩に出かける前の犬のような。
もし尻尾があったなら、ぱたぱた左右に振れていたに違いない。
「わくわくどきどきそわそわ」
ええい、擬音を口に出すな。
俺はそっとため息を吐いてから、視線を微妙に逸らす。美由紀の望んでいるものが手に取るようにわかってしまった。
そういえばつい十日ほど前、同じようなことがあったなと思い出す。このまま何も言わなければ、あのときと同じ展開を辿るだろう。
仕方ない。俺は照れくささを強引に押さえつけながら、どうにか言葉を絞り出す。
「あー、うん、似合ってるんじゃないか」
「ありがと。えへへ〜」
彼女の顔にパッと花が咲き、後ろ姿までご覧あれとばかりにその場で一回転。
背中まで伸びた髪が、ふわりと揺れた。
しかし隣の部屋で何かごそごそやっていると思ったら、こんな物を用意していたのか。
今日の朝早く一旦自宅に帰ったのは、これを取りに行っていたんだな。
まぁ、そんな理由でもないと家には戻らないか。夏休みだからこっちに入り浸りだし。
というか普段から入り浸りなんだが。一週間まるまる泊まっていくときもあるし。いや、むしろそっちの方が多いな。
今まではこの現状を『ほぼ』同棲状態と認識していたが、『ほぼ』を除いてもいいような気がしてきた。
……って、そんなことはどうでもいい。
俺はズレの生じた思考を振り払うと、中断していた素朴な疑問を再開する。
「しかし何でまた浴衣なんか着ているんだ?」 
「たーくんやっぱり忘れてる〜」
彼女は昔から一向に直そうとしない愛称で俺を呼び、カレンダーを指し示した。
「今日は、何の日でしょう〜?」
つられるように、本日の日付を確認する。一ヶ月刻みのカレンダーはめくられたばかりで、予定を書き込まれていない。
先月は夏休みが始まったということもあって、結構遊びに出かけたんだけどな。海にも行ったし。
あれからもう十日以上経つのか。何だか一年以上前の出来事のような錯覚があるが。
「8月1日って何かあったか?」
頭を捻る。この時期、浴衣を着るような行事といえば……。
「……花火大会か」
「当たり〜」
美由紀がぱちぱちと拍手してくる。
「そうか、そう言えばそうだったな」
この日、少し離れた港町で、毎年花火大会が開かれる。この近辺では規模が一番大きく、なかなかの数が打ち上がる。
付き合いだしてからは二人で欠かさず見物に行っていた。
「で、行くのはいいとしても、どっちにする?」
俺達が花火大会に向かうとき、場所の選択肢が二つある。
直接会場に赴き間近で見物か、近所の高台に建てられている神社で楽しむか。
もちろん間近で見た方が迫力はあるが、その分人も多い。
今から家を出ないときちんと花火が観賞できるような場所は陣取れないだろう。
美由紀は少しの間考えて、
「う〜ん、去年は近くで見たから、今年は神社にしよ〜」
決断を下す。人混みが苦手な俺に異論があろうはずもなかった。
「そうだな。……それでだ、美由紀」
「なに〜?」
「時間までずっとその格好をしているつもりか?」
「大丈夫〜。出掛ける前にきちんと着付け直すから〜」
「…………」
ちなみに今は午後一時である。俺は黙って、クーラーのリモコンを手に取った。
795花火の日  02:2007/08/01(水) 22:04:13 ID:TEPTwWdt


日が傾き始めると、涼しい風が街に吹き込むようになった。
紅く染まる住宅地を、からんころんと下駄の音を響かせながら、ふたり肩を並べて歩く。
彼女は楽しげに鼻歌など歌いながら、手に持った巾着を前後に揺らしていた。
足を進めるたびにふわふわ動くその髪を見て、ふと尋ねる。
「そう言えばお前、ほとんど髪型は変えてないんだな」
時折すれ違う浴衣姿の女性達は、大半が髪を結い上げていた。それを見ての感想だったのだが、美由紀は不満そうに頬を膨らませる。
「ちゃんと浴衣に合わせて変えてるもん〜。たーくん全然気付いてくれてない〜」
「いや、浴衣用にしてたのは気付いてた。だから『ほとんど』って言ったろ?」
今の彼女は緩くウェーブがかかった髪を、左右一房ずつ三つ編みにして、前に垂らしている。
結び目は小さな花をあしらった髪留めでとめていた。
普段は何の細工もないロングヘアーなので、違いはすぐにわかっていた。
「ただ、アップにしている奴が多いからな。お前はやらないんだなと思っただけだ」
先程コンビニの前ですれ違った若い女性グループを脳裏に浮かべながら美由紀に目をやると、彼女は真剣な表情でこちらを見返してきていた。
思わず立ち止まると、呼応したかのように一歩踏み込んでくる。
いつもの緩んだ雰囲気が引き締まり、わずかだが圧されてしまう。美由紀は真摯な光を瞳に浮かべたまま、
「もしかしてたーくんってうなじフェチ?」
俺は脱力のあまり崩れ落ちそうになった。
「……何でそうなる」
「だってこの前見た雑誌に書いてあったもん〜。『浴衣姿のほつれ毛に意中のカレはドッキドキ』って」
ドッキドキ……。またえらく古い表現を使う雑誌だな。
美由紀はしばらく難しい顔で考え込んでいたが、やがて何か閃いたらしく手を打ち合わせると、くるりと後ろを向いてうなじを強調してくる。
「どう〜?」
「どうと言われても」
「ドッキドキ?」
「…………ああ、そうかもな」
自分達の会話が急に馬鹿らしくなってきて、取りあえず投げやりに答える。
「でも美由紀には長い方が似合ってると思うから。俺はアップにするよりそっちの方がいいかな」
何気ない――本当に何気ない言葉だったのだが、美由紀は嬉しそうに表情を輝かせた。
「えへへ〜」
足取りも弾むように軽快なものへとなり、第三者から見ても浮かれているのは丸わかりだった。
そんなに喜ぶようなことだったか、と尋ねた俺に、美由紀は締まりのない顔で返してくる。
「だってたーくん、昔と同じこと言ってる〜」
「そうだっけ?」
記憶にない。
「美由紀は髪が長い方がいいって。小さい頃、褒めてくれたよね〜」
彼女は指先で髪を梳きながら、微笑んだ。過去の言動を思い出し、唐突に顔面に血が上ってきた。
「あ、あれはだな……」
「嬉しかったよ」
からかいなど欠片も含まれていない、純粋な喜びだけを映した瞳。
そんなものを向けられると、誤魔化そうとする意志さえ霞のごとく消えていく。
そういえばあの時、俺が彼女の髪を褒めたときも、こんな風に笑ってくれた気がする。
「じゃあ、そろそろ神社にれっつご〜」
美由紀が俺の手をぎゅっと握りしめて、ぐいぐい引っ張っていく。
いつの間にかたどり着いていた神社へと続く長い階段を、急かされるように二人で上る。
手を握るなんていつもやっていることなのに、先程までの会話のせいかお互い照れくさい。
美由紀の肌も、夕日色でほんのり染められている。
これ以上赤くなっても困るので、見せてくれたうなじが結構色っぽかったことは、言わないでおくことにした。
796花火の日  03:2007/08/01(水) 22:05:24 ID:TEPTwWdt
感情を誤魔化すように早めたその足で、階段を上り、上り、ひたすら上り、境内へ辿り着く。
立ち止まった俺の全身からは、うっすらと汗が滲んでいた。
「ようやく、頂上か、はぁ……」
ここの神社は小さな山の上にあるので、上り切りさえすれば少々離れている街の花火も見られるのは利点だが、今は感謝する気にはなれなかった。
Tシャツとジーンズが肌に張り付いて、少々不快な感触になっている。
「たーくん、汗浮かんでるよ〜」
一方美由紀は俺が途中から引っ張る形になっていたためか、さして疲労していないらしい。
呑気な声と共にハンカチを握った手を伸ばしてくる。
不意を付かれたため制止も出来ず、俺は黙って額の滴を拭われることになった。
幼い子供が母親に甘えているみたいで恥ずかしいんだが。美由紀はというと、心なしか楽しげな様子。
こっちの心情をわかっててわざとやってるのか、珍しく俺がなされるままに身を任しているのが嬉しいのか。
こいつの性格を考えるに、多分後者だろう。
「たーくん照れてる〜。かわいい〜」
「ていっ」
デコピン攻撃炸裂。
「う〜。ひどい〜。暴力反対〜」
前言撤回。両方らしかった。
「馬鹿なことやってないで、さっさと場所取るぞ」
彼女にそう促して歩き出す。やっぱり手は握ったままで。
美由紀はすぐに表情を明るくして足並みを揃えた。
境内には俺達と同じ目的の家族連れやらカップルやらが、そこそこ集まっている。さすがに夜店までは出ていなかった。
もう腰を下ろした人々の間を縫うように、二人でめぼしい場所を探す。
そうしてさまよう俺達の足下を、男の子と女の子が笑い声を上げながら駆け抜けていった。
そんな子供の姿に、不意に昔の自分達を重ねてしまう。
子供の頃、この神社は俺達の遊び場だった。
美由紀や他の子供達と一緒に、鬼ごっこやかくれんぼを飽きることなく繰り返した。
そんな日々がいつまでも続くと信じながら。
「ね、たーくん。ここでいいんじゃないかな〜」
「あ、ああ。そうだな」
成長した彼女の声が、俺を記憶の海から引き戻す。
思いを巡らしていたのは一瞬のつもりだったが、予想以上に時間は過ぎていたらしい。
しっかりしろ、俺。ノスタルジーに浸るのはいつでも出来るが、花火大会は一年に一度しかないんだから。
軽く自分を叱咤して、準備に取りかかる。
持ってきていたビニールシートを地面に敷き、四隅を固定。そしてコンビニの袋から、飲み物を取り出した。
「言っておくが、アルコール類はそれひとつだけだからな。後買ってるのはは全部ジュースだぞ」
「わかってる〜」
本当にわかっているのか。というかお前は一本だけでも危険だがな。
まぁ酔っても他に迷惑を掛けるわけでもないので、良しとするか。
そんなやり取りをしていると、ピピピッと携帯電話のアラームが時刻を知らせた。
「そろそろだな」
二人一緒にカクテルの蓋を開け、缶を打ち合わせる。
「かんぱ〜い」
ドンという音と共に、空に大きな花が咲いた。
797花火の日  04:2007/08/01(水) 22:07:01 ID:TEPTwWdt


「ん〜〜。ん……たーく〜ん?」
「おはよう」
身じろぎして薄目を開いた美由紀に、起床の挨拶を贈る。ぼんやりとした顔と眠そうにとろんとした瞳は、寝起き特有のものだ。
まだ幸せの中に半分浸かっている彼女の表情は微笑ましくて、このまま鑑賞したい衝動に駆られるが、そういうわけにもいかない。
かわいそうだが、目を覚ましてもらわないと。
「ほら、そろそろ起きないと、本当にこのまま夜を明かすことになるぞ」
「わらし、寝てた〜?」
まだ口調は怪しいものの、自分の力で上体を起こす。だが、身体は左右にゆらゆら振り子のように揺れていた。
「ああ。二時間ほど」
俺の膝を占拠してな。
ちなみに彼女が眠ったのは、最後の花火が打ち上げられて少ししてからである。
よって、花火大会が終わってからずいぶんと時間が経っている。神社にも、もう俺達以外に人の姿はない。
美由紀が寝入ったのはアルコールが原因だろうが……計ったように効いてくれたもんだ。
「ほら、しゃんと目を覚ましてこい」
そう促し彼女を送り出す。この神社には手洗い場と水道が備え付けられている。
話によると二、三年前に作られたらしい。
子供の頃はなくても困らなかったが、大人になった今ではその存在はありがたかった。
ふらふらおぼつかない足取りでトイレへと向かう美由紀を尻目に、唯一片づけていなかったビニールシートをコンビニの袋に押し込め、立ち上がる。
みんなマナーを心得ているようで、辺りにゴミは落ちていなかった。
人がいなくなった途端に広々とした境内をゆっくりと歩きながら、空を見上げる。
黒のグラデーションと月の光に彩られた空には、花火の残映もない。
「夢のあと、か」
祭りは終わる。幸せだった時間は終わる。それは当然のことだ。
日常があるからこそ、イベントは楽しい。わかっている。けれど、寂しさを感じてしまう。
引きずられるように浮かぶのは、幼かった日々。
ここで毎日のように駆け回って、同じ時を過ごした友人達。みんな今はそれぞれの道を歩んでいて。
戻りたいわけじゃないけど、忘れられない。不意に思い出し、懐かしさが胸を占める
「感傷だよな……」
振り払うように首を振り、視線を戻す。そこへ、
「お待たせ〜」
顔を洗って眠気を飛ばした美由紀が駆け寄ってきた。
798花火の日  05:2007/08/01(水) 22:09:04 ID:TEPTwWdt
「じゃ、帰るか」
声を掛けるが、美由紀は動かない。じっと俺の顔をのぞき込んでいる。
「どうした?」
怪訝に感じ尋ねると、彼女は神妙な様子で、
「たーくん、何かあった?」
そう聞き返してくる。変なところで鋭いな、こいつは。
「いや、別に」
俺は何でもない風を装って答えた。
実際たいしたことではないのだから。悩みとも呼べない、ただの感傷。なのに、美由紀は――
「でも、何か寂しそうな顔してたから〜」
それすら、見抜いた。
光源は月しか無く、この暗い場所で、些細な変化なのに、更に感情を隠しまでしたのに。
しばらく言葉が出なかった。それでも、見透かされたことを心のどこかが納得している。
付き合い長いもんなぁ。
俺は苦笑して、先程まで抱いていた感傷を、包み隠さず語る。
「昔、ここでよく遊んだなって思い出してた」
美由紀の手を引っ張って、みんなで集まって、日が暮れるまで、泥だらけになるまで、毎日毎日。
「あの頃が一番楽しかったってわけでもないんだけど、幸せな時間のひとつだったことは確かだから。
もうあいつらと会えないのは少し寂しいかな」
「そう、だね……」
呟いて、美由紀は境内へ瞳を向ける。彼女も俺と同じ気持ちなのだろう。
過ぎゆく時をなごり惜しみ、懐かしく感じてしまうのは、仕方のないことだ。
でも、と彼女は微笑んで、俺の手をきゅっと握る。
「思い出は残るから。
幸せな時間は、過ぎてもなくなるわけじゃないから。
寂しいって感じるのは、その時が幸せだった証拠だから。
そんな風に思える時間をこれからどんどん積み重ねていけば。
胸を張れるくらい今だって幸せなら――」
月の光に照らされた美由紀の顔は、これまで見たどんな表情より大人っぽくて、幻想的なくらい綺麗で、泣きたいくらい愛おしくて。
「――寂しくても、悲しくなんてならないよ」
その姿に、我知らず見とれていた。
「私はたーくんといるだけでいつも幸せだけどね〜」
そう言った美由紀はいつもと同じ緩んだ笑顔に戻ったけど、一旦溢れた愛しさは止まらなかった。
自分でも制御できない衝動に突き動かされるままに彼女を抱き寄せる。
「たーくん?」
「俺も」
残ったひと欠片の理性で、腕の力を彼女が痛がる寸前でセーブする。
「俺も、お前といるだけで、幸せだ」
平時なら赤面物の台詞が、今は素直に口に出来た。
彼女が応えるように、俺の背に腕を回す。
それだけで何かが決壊した。顔を上げた美由紀に、躊躇いなく唇を会わせる。
799花火の日  06:2007/08/01(水) 22:10:31 ID:TEPTwWdt
「美由紀っ」
「ん…………」
深く、長いキス。
夏を彩る虫の音もいつしか止んでいて、静寂が周囲を包む中、お互いに抱いた思いを交換するように、キスを交わし続ける。
でもそれだけじゃあすぐに足りなくなって、もっと美由紀を感じたくなって、小さく開いた唇から、彼女の口腔内に進入する。
「んっ……んふっ…………」
彼女は一瞬だけピクッと体を震わせたが、すぐに舌の動きを返してきた。
「はん……ん……ちゅ……」
遊ぶように左右に逃げたり、抱き合うように絡め合ったり。
くっついて離れなくなってしまったんじゃないか、そんなあり得ないことを考えてしまうくらい、深く深く口づけを交わす。
いつの間にか俺の手は美由紀の後頭部を支え、髪を優しく撫で付けていた。
「んんっ……ん…………はぁ……」
時折触れる、空気を求めた彼女の吐息がくすぐったくて、それがまた触れあっているという感覚を高めてくれる。
「んんん……ちゅ……」
唇を離さず、
「はぁ、ん、んん」
舌を絡ませ
「ちゅ……ちゅうっ………こくっ」
唾液を混ぜ合わせ、
「んんん…………はっ、ん〜」
お互いの存在を、確かめるように、
「はむっ……んむ……ん…………」
キスをする。
ずっとこのままいたい、そんな風に願うものの、
「ん…………はぁ、はぁ、はぁ…………」
それは叶わない。お互いの身体が空気を欲し、自然に離れる。
繋がっていた唾液が名残惜しそうに橋を作って、やがてぷつんと切れた。
「はぁ、は……」
しばらく、二人そのまま肩で息をする。伸縮を繰り返す肺が新鮮な空気を得て、荒くなっていた呼吸を徐々に鎮めていく。
しかし、心臓の高鳴りはいまだ休まることを知らない。
「はぁ……えへへ〜。たーくん」
息を整えた美由紀が、笑顔で俺を呼ぶ。
ただ俺の名を口にしたかったから、そんな意味もない言葉だったのに、それだけで情動がもう一段加速した。
800花火の日  07:2007/08/01(水) 22:12:30 ID:TEPTwWdt
「たーくん、あっ」
今度は彼女の後ろに回り、背後から強く抱きしめる。
戸惑う美由紀の首筋に鼻を埋めると、彼女と、彼女の髪の香りが漂ってくる。
「やっ、たーく、んっ」
身じろぎする美由紀を腕の力で押さえ込み、首筋に吸い付く。
唇とはまた違った味と感触を楽しみながら、何度もキスを繰り返す。
「たーくん吸血鬼みたいだよ〜」
「よりによって吸血鬼かよ」
彼女の間の抜けた言葉に苦笑しながら、首への愛撫を続ける。
その姿は、確かに吸血鬼にそっくりだったかもしれない。存在するはずもない彼らの気持ちが少しだけ分かった気がする。
目の前にこんな魅力的なご馳走があるのに味わわないなんていう選択肢はない。
興奮のせいか赤みを帯びている首筋を見ながら、ふとあの台詞を言ってやろうと思いつく。
今なら夕日みたいになられても、一向に構わない。
「そうだ、忘れてた。うなじ、色っぽいぞ」
「今、言うのは、恥ずかしいから、反則〜」
くすぐったそうな、それでいて微妙に感じている彼女の反応を堪能しながら、唇の進路を上へとずらす。
今度は無防備な耳に標的を定め、ふっと息を吹きかけた。
「あっ! みみ、だめぇ……。よわい、からっ」
美由紀の口から途切れ途切れの吐息が紡がれるが、構わず耳たぶを唇に軽く挟んだ。
「ひゃんっ!」
可愛らしい悲鳴と共に、美由紀がピクッと全身を震わせる。
そっと舐め上げると、彼女は小さく声を漏らしながら、腰に回した俺の腕をギュッギュッと掴んでくる。
もう上半身の力は抜けきっていて、ほとんど俺に体重を預けている状態だった。
光源としては不十分な月明かりの下でも、顔が上気して赤くなっているのがわかる。
しかし、俺は攻撃の手をゆるめない。美由紀が一息つく暇を与えず、今度は反対側の耳を攻める。
「んん……ふっ、あっ」
そして美由紀の意識が耳に集中している間に、そっと胸元へ手を忍び込ませた。
すっかり油断していたのか、進入は難なく成功する。
801花火の日  08:2007/08/01(水) 22:14:23 ID:TEPTwWdt
「あ、たーくん、だめ」
手のひらで触れた彼女の胸は、うっすらと汗をかいていた。
柔らかな心地よい感触はもう何度も体験したものだけれど、この魅力にはいつまでたっても抗えそうにない。
「ブラ、着けてないんだな」
「だって、浴衣、だもんっ」
彼女の言葉が終わるよりも早く、右腕を大きく動かし始めた。
浴衣によって窮屈に押さえ込まれていた二つの膨らみは、そんなことなど微塵も感じさせない弾力で、俺を楽しませてくれる。
「ん、あ、はぁ……」
力を入れれば乳房は沈み込み、力を抜けば元の形に戻る。
しっとりと潤った肌が吸い付くように指に馴染むのが嬉しくて、極上の料理を味わうように、ゆっくりとした動きで胸の感触を堪能する。
というかペースを落とし気味でいかないと、すぐに理性の扉を粉々に叩き壊して強引なだけの愛撫になってしまいそうだ。
「あ、んん、あ、たーく、だめ、んんっ!」
今まで疎かにしていた乳首を指の腹でこすってやると、美由紀は鼻にかかったような甘い声を上げる。美由紀が胸で一番感じる場所だ。
もう何度も肌を重ねているから、お互いの弱点は全て知り尽くしている。
「はぁ、はぁ……、たー、くん……」
軽い前戯でもそれなりに高まったのか、途切れ途切れの声で俺の名を呼ぶ美由紀の肩は、大きく上下していた。
甘えるようにこちらを見上げる瞳は少し潤んでいて、とても色っぽい。
その中に映る感情は、いきなりの行為に対する軽い非難と、外という場所から来る少しの不安、そして控えめな、期待。
そう、お互いの弱点は知り尽くしている。だから美由紀も、こんなもので終わりじゃないってわかっている。
俺は浴衣の胸元を大きく開いて、隠されていた双丘を月光に晒け出した。
解放された彼女の柔肌は汗で光を反射しているためか、うっすらと輝いて見えた。
「やぁ……またおっぱい、いじめるの?」
「当たり前だろ」
「あ、当たり前なんだ〜、んっ!」
俺は彼女の胸を今度は両の手で掴むと、指の間に桜色の蕾を挟み込み、搾るように刺激してやる。
「んっ、はぁ、や、あああっ、ちくび、こりこりって、しちゃ、やぁん!」
本格的に感じてきたのか、艶の出始めた美由紀の声を聞きながら、残りの指で乳房を揉み込んだ。
「はぁ、たーくん、つよい、よぉ……」
「痛いか?」
「痛くはないけど……あっ、ひっぱちゃやぁぁっ!」
美由紀がいやいやするように首を左右に振る。
その赤くなった首筋や耳にキスをしてやると、「あっ」と小さなあえぎ声を漏らしてピクリと体を震わせた。
追い打ちを掛けるように人差し指と親指で胸の先をつまみ、
「そんな、いっぺんに……あああんっ! やぁんっ! あ、あっ!」
きゅっと潰してやる。
「あ、やぁ! たーく、あ、みみ、もぉ、おっぱいもぉ、きもちいっ、ん!」
逃げ場のなくなった美由紀の身体からは力が抜け、もう上半身はほとんど俺に寄りかかっていた。
大きく肩を上下させながら、俺の腕からもたらされる快感を受け止めている。
そろそろ頃合いだろう。
802花火の日  09:2007/08/01(水) 22:16:19 ID:TEPTwWdt
左手の動きは止めぬまま、もう一方の腕で浴衣の裾をめくり、すっかり体温の上がった太股の内側に触れる。
「あっ! たーくんっ」
そこで俺がやろうとしていることにようやく気付いたのか、耐えるように閉じられていた彼女の瞼が開く。
見上げたその瞳は、不安げに揺れながらも熱っぽく、俺を求めているようにも見えた。
「……それ以上したら止まらなくなっちゃうよ?」
美由紀の言う通りだ。これ以上先に進んでしまうと、最後まで止められなくなる。お互いにそれはわかっている。
けど――
「流石にここでおあずけは辛いぞ」
俺の答えに美由紀は拗ねたように唇をとがらせて、
「たーくんのえっち」
そう返す。だがすぐに照れたように微笑んで、
「えへへ〜、実は私もなんだけどね。……私も、たーくんと一緒。したい、な」
俺の腕にそっと手のひらを重ねた。
太股に置いていた指を付け根へと滑らせると、柔らかな布の感触が出迎える。
下着の上から割れ目にそっと触れると、吐息と勘違いしてしまいそうな小さな声を美由紀が上げる。
そのまま前後に擦ってやると吐息は徐々に大きくなり、
「んっ、はっ、んんっ」
はっきりとした喘ぎが混じり込んでくる。
同時に、わずかだが指先に湿りを感じられるようになった。
「胸だけで感じてた? もう濡れてきたぞ」
「違うもんっ、それは、あっ、あせだも、んっ!」
彼女の言葉を受けて俺は指先の感覚を確かめるが、やはり汗ではない特有の粘りがある。
「やっぱり濡れてるぞ」
「ん、それは、今、たーくんが触ってるからぁっ。胸だけで、感じてなんか、あ、ないもん、あ、んんっ!」
バレバレの言い訳に思わず苦笑する。相変わらず、変なところで強情な奴。
ま、だから楽しいんだけど。
「ああ、そうだな。まったくその通りだ」
「信じてない、んはっ、でしょ、ひゃうっ」
疎かになっていた左手で胸をほぐしてやると、美由紀の声のトーンが一段高くなる。
同時にじわりとした湿り気が、更に下着に広がった。
この分なら、もう指くらいは大丈夫かもしれない。俺は下着を横にずらし、
「はぁ、はぁ、はぁ……んっ、んんん〜〜〜っっ」
ツプリと人差し指を彼女の中に侵入させた。
803花火の日  10:2007/08/01(水) 22:18:07 ID:TEPTwWdt
思った通り彼女の膣内は愛液で潤っていて、抵抗はほとんどなかった。
それどころか次から次へと蜜が溢れ出て、指を伝って俺の手のひらに流れ込んできている。
「あ、あっ、ん、んあっ、たーくっ」
続いて中指も入れてみるが、同じようにするりと侵入できた。
ゆっくりと抜き差ししてみるが、
「んんっ、あ、いい、よぉ、んっ」
実にスムーズ。なのでちょっとパターンを変えて、鉤のように指を少し曲げて、クイクイと壁を擦ってみる。
「んんんあっ! たーくん、だめっ、こすっちゃ、ああっ!」
効果覿面だった。そしてそのままぐるぐる指を回転させてやると、
「んんっ、やぁ、ああ、あ、掻き回さないでぇっ!」
「でも気持ちいいだろ?」
「いいけど、だめぇっ。あ、はぁ、ひゃう、ふぅんっ!」
彼女の膣から蜜がどんどんあふれ出し、俺の手のひらからもこぼれ落ちて下着を濡らす。
更にはそれすらも通り抜けて、地面にポタポタとシミを作っていた。
「ん、や、あ、たーくんっ!」
そろそろか、と俺は思いっきり指を奥に差し込み、
「はぁ、はぁ、んんんっ、おく、だめっ!」
指を曲げて掻き回し、
「んっ、あっ、だめ、きちゃ、あっ!」
最後に親指で今まで触れていなかったクリトリスをピンッと弾いた。
「あ…………あああっ!!」
短い悲鳴を上げた美由紀の全身が張りつめ――だらりと弛緩した。
急に体重を預けられるのは予想済みだったので、地面に倒れないようしっかりと支える。
「イった?」
聞くと彼女は恥ずかしそうに、小さく頷いた。
そのまま呼吸が落ち着くのを待つ。冷たい夜風が、火照った体には心地いい。
汗で首筋に張り付いた髪の毛を梳いてやると、美由紀はくすぐったそうに身をよじった。
と、そこで俺を見上げて、
「……たーくん、おっきいんだ」
いたずらっぽい瞳で、そんなことを口にする。
「まぁ、な」
と言うか胸を触っているときからずっと押し当ててたんだが。もうとっくに気付かれていると思っていた。
そんな余裕もないくらい俺の指で感じてくれていたって事で、嬉しくなる。
その喜びにもう少しだけ浸っていたいが、、もうそろそろ我慢も辛くなってきた頃だ。
「いいか?」
耳元での囁きに彼女は先程と同じように、小さく首を縦に振った。
804花火の日  11:2007/08/01(水) 22:20:37 ID:TEPTwWdt
近くの木陰へ移動して、大きな木の幹に彼女の両手をつかせる。
ちょっとお尻を突きださせて、立ったまま後ろから入れられる体勢になってもらった。
「たーくん……この格好で、するの?」
「今までも何回かこの体勢でしただろ?」
「そうだけど……なんか今日は恥ずかしいよ〜」
それは何となくわかる気がする。俺もいつもより興奮してるし。
多分つい数時間前まで人が大勢いた場所で、しかも神社という神聖な場所でこんな行為に及ぶということが、俺達に背徳感をもたらしているんだろう。
「脱がすぞ」
そう告げて、俺は浴衣の裾をめくり上げ、下着に手を掛けた。
愛液で汚れてしまった可愛らしい下着を太股まで下ろすと、蜜にまみれた秘唇が姿をのぞかせる。
さっきまで彼女の秘部を覆っていた下着と女性器が愛液で繋がって、細長い糸で架け橋を作っていた。
月の光でうっすらと照らされたその光景は、幻想的で、扇情的で、そして……何というか。
「エロイな」
「落ち着いた声でそんなこと言わないで〜」
彼女の抗議に苦笑しながら、ジーンズの前を開ける。
実は全然落ち着いてなんかいない。
むしろ強引にならないよう、いつものペースを保つのに必死だ。
「それじゃあ……」
「あ、たーくん」
入れようとしたところで、美由紀が俺の名を呼ぶ。
それだけで俺は美由紀が求めることを理解して、彼女の上半身を一度起こして抱きかかえ、
「んっ……」
キスをする。
「んん……んふっ…………ぴちゃ……ちゅ」
繋がる前に、美由紀は必ずキスをねだる。
涙を流しながら痛みに耐えていた、初めての夜からずっとそうだ。
「ちゅ……ん……はぁ……、えへへ〜」
そして本当に幸せそうに、笑う。これを見るたび、俺は思うのだ。
――あぁ、俺は心底こいつに溺れているな、と。
再び彼女の手を木につかせ、ペニスで美由紀の秘所を一気に貫いた。
805花火の日  12:2007/08/01(水) 22:22:31 ID:TEPTwWdt
「んんんんんんっ!」
刺激を受けた膣が絡みつき、締め付けてくる。
根本まで挿入したところで一息つこうとしたが、もたらされた快感の前にそんなことは頭から吹っ飛んでしまった。
ゆっくりと腰を動かし、ペニスを送り込む。
「んっ、んんっ、あ、あ、やぁ、あっ!」
入れるときは狭く、なのに柔らかく締め付けて、出すときは逃がさないよう絡みついてくる彼女の膣を味わっている内に、
往復するスピードも徐々に速くなっていく。
「あ、あ、あ、や、たーくん、ん、いつも、うんっ、より、おっき、あっ!」
彼女が発した途切れ途切れの言葉に、俺は少しだけ動きを緩めて反論する。
「そんなことないだろ。いつもよりお前が感じてるだけ」
「ちがう、よぉ。私、いつも通り、だよ……ひぅっ!」
一度だけ奥を強く突いたら、肉襞がきゅっと締め付けてくる。
挿入されたペニスによって膣内から押し出された愛液が太股を伝って、膝の辺りまでずり下がっている下着に染み込んでいった。
そんないやらしい光景に俺の分身がピクリと反応し、その刺激を受けた美由紀がピクッと電流に打たれたように震える。
もはやさっきまでの『どちらが感じているか』なんて議論も、どうでもよくなってきて。
「じゃあ、二人ともいつもより感じてるって事で」
適当に妥協線を提案して、また腰の律動を再開する。
「うんっ、あんっ、ふぁ、あぁ、はぁんっ!」
我慢の限界だったのは彼女も同じらしく、何度も首を縦に振りながら淫靡な声を上げる。
愛液と先走りの汁が混じったものが互いの性器を汚し、てらてら光っている。
目眩がしそうな快感が脳を打ち鳴らしているが、まだ足りない。もっともっと欲しい。
美由紀を全身で感じたい。
俺は腰を支えていた腕を、彼女の胸に伸ばす。
激しい動きの煽りで揺れていた二つの双丘が、俺の手に包まれる。
「あっ、あ、ああっ、やぁん、おっぱいも、いっしょなんて、あ、だめぇんっ!」
のしかかるような体勢になりながら、桜色の蕾をきゅっと掴む。
激しい挿入がしにくくなった分、ペニスを上下左右に動かして、新しい快感をむさぼっていく。
806名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:24:22 ID:uj09BVcd
スレ立てておk?
807花火の日  13:2007/08/01(水) 22:25:35 ID:TEPTwWdt
「やぁ、たーく、はげし、ああっ、ふっ、くぅんっ」
膣内で暴れる陰茎に、先程までの前後運動とは違う刺激を与えられ、美由紀は髪を振り乱しながら、言葉にならない喘ぎを上げる。
腰をぐるっと回すと、俺の分身を包み込んでいる膣壁がきゅっと射精を催促するように締まった。
「あああっ、そんな、かきまわしたらっ、たーく、たーくん、あ、あっ! わたし、わたしぃっ!」
「くっ……俺もっ」
もうお互い絶頂が近い。
俺は彼女の胸を掴んでいる腕にきゅっと力を込めると、ラストスパートに入った。
「あっ、や、や、やぁ! たーく、あっ、あああ、あっ!」
もう強引にならないように、なんて言ってられない。
胸を掴み、揉み、獣のように腰を送り込む。
「あっ、んっ、たーくん、たーく、たーくんっ!」
美由紀は熱に浮かされたように俺の名を呼び続ける。
彼女の手も足もガクガクと震えて、もう力なんてほとんど入っていない。
俺と、膣内にある俺のペニスに支えられて、何とか立っている状態だ。
「たーく、たーく、たーくん、あっ! ああああっ!」
キュッと一際強く、ペニスに絡みつく膣襞。その瞬間、俺は溜まっていたものを解放した。
「あああああああああ〜〜〜〜〜っっ!!!」
ビクン! とペニスが脈動して、白濁液を美由紀の一番奥へ放出していく。
目もくらむような、快感。
「あ……あっ…………あ……たーくん……、すごい、でてる……」
俺の精を胎内で受け止めながら、呆然と美由紀が呟く。
全て搾り取ろうとするかのように膣壁は締め付け続け、また俺のモノも吐き出し続ける。
俺も彼女も思考することを放棄して、ただその時間、もたらされる快感と、お互いの存在だけに集中した。
「はぁ…………」
やがて小さなため息と共に、長い絶頂の時間はようやく終わりを迎え――
808789=前スレ669:2007/08/01(水) 22:27:37 ID:TEPTwWdt
>>806
おk。続きは次スレで
809名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:37:33 ID:uj09BVcd
立ててきました。

純愛SS『其の4』
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185975371/l50

あと、埋めええ!
810名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 21:20:52 ID:N4kSXGUx
( ̄ー ̄)
811名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 22:00:10 ID:Uu0ap1Xs
812名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 12:34:04 ID:ReY1b/mG
うめ
813名無しさん@ピンキー