気の強い娘がしおらしくなる瞬間に… 第4章

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1名無しさん@ピンキー
勝気だったり、高飛車だったり、男勝りだったり、
そんな幼馴染みが、委員長が、お嬢様が、お姫様が、女上司が、
ふとした瞬間に垣間見せる弱々しさ、しおらしさ、素直さ、
そんなギャップに萌えるスレです。

あるいは、レイプされ、屈服させられて従順になってしまう鬼畜展開もOKです。

SSの投下は、オリジナル・二次創作を問わずに大歓迎。

(過去スレ)
気の強い娘がしおらしくなる瞬間に…
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1065173323/
気の強い娘がしおらしくなる瞬間に… 第2章
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1090474137/
気の強い娘がしおらしくなる瞬間に… 第3章
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1119542810/

(これまでに投下されたSSの保管場所)
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.arings2.com/
2前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:06:31 ID:31Yr+eSm
≫1乙です

前スレの続き落とします
3彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:07:38 ID:31Yr+eSm
次の日の朝、いつもの目覚ましで目が覚めた。ん?何故か顔が痛いな……右手も痛い。何でだ?
ふと横を見ると隣に寝てた彩と目が合った。
「お、おはよう、拓にぃ…」
ん?彩、少し顔が赤いな…寝起きだからか?
「ああ、おはよう、彩」
オレは挨拶してベットを出る……いや、待て待て。ついこの間似たようなシチュエーションあったぞ?
何だったかな?……お、思い出した!ますみちゃんだ…酔ってますみちゃんとした時だ!まずい!今度は彩と…
オレは慌てて布団をめくった。オレはジャージ、彩はお泊り用のパジャマだった。
(おお!オレも彩も寝巻きだ!よかった…ホッとした…)
「どうしたの、拓にぃ?急に布団取ったら寒いよ…」
両手を抱きかかえて震える仕草をする彩、かわいいな…よし、オレが暖めてやろう。
…んん?待て待て待て!なんで『よし、オレが暖めてやろう』なんだ?何考えてんだ、オレ!
「どうしたの?大丈夫?そういえば拓にぃ、昨日頭打ったからね…クスッ、まだまだ受身がヘタだね」
可愛く微笑む彩。ヘタで悪かったな!けど寝技は上手いぞ。お前に決めてやろうか?夜の寝技を……
……セイセイセイ!待て待て待て!なんなんだ夜の寝技って!おかしいぞ?今日のオレ!
「ちょっと顔洗ってくる」
混乱してるオレは冷静になるために顔を洗いに行く。ここにいたらヤバイとオレのカンが告げる。
「じゃ、朝ゴハン作るね。…チュッ」
そう言ってオレの頬にキスして台所に行く彩。……え?ええ!何で?何で『チュッ』なんだ?
ますます混乱したオレは落ち着くため洗面所で顔を洗う。…んん?右手包帯巻いてるぞ?何なんだ?
(訳が分からない…っていうか口の中も痛いな。…んん?差し歯が折れてる!なんだ、何があったんだ?)
思わず鏡を見るオレ。そこには顔に何箇所もあざがあるオレがいた。

「うお!なんじゃぁ〜こりゃ!」
洗面所から聞こえてくる叫び声、拓にぃだ。…はぁ、やっぱり昨日の事覚えてなかったのか…様子変だったモンね…
昨日ますみ達が帰った後、結局拓にぃは起きなかったのよね…しばらく待ってたんだけどね。
仕方がないからアタシは散らかった部屋の後片付けをしてからシャワーを浴びたの。
そして拓にぃをベットまで運んで一緒に寝た…はぁ、なんで気絶なんてしてんのよ!
それになんでアタシがベットに運ばなきゃいけないの?逆でしょ逆。普通は男が抱っこして運ぶんじゃないの?
それにねぇ…アタシが横に寝てんだよ?普通は手を出すでしょ?ますみには手を出したくせに……
せっかく念入りに身体を洗ったのに…ほんと使えない男ね……アタシは拓にぃだったら……いつでも……ポッ。
けど、キスもまだだし…でも早く拓にぃの物になりたいし…や〜ん、アタシどうすればいいの?
……そういえばアタシ、エッチのやり方よく分からないわ。どうしよう…いきなり迫られたりしたらどうしよう…
そうだ!ますみに聞いてみよう。ますみならきっと勉強してるはず…悔しいけど拓にぃとの事も聞きたいし…
どうやったら拓にぃ喜ぶかも聞いてみよう。ますみ知ってるかな?
教えてもらったらそれを拓にぃにしてあげて……や〜ん、はずかしい!
そんな事考えて包丁振り回してたら拓にぃに声掛けられたの。
4彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:08:13 ID:31Yr+eSm
(何でボコボコなんだ?こんなの高校以来だな。昔はよくこんな顔になってたなぁ…って懐かしがってる場合じゃ
ないだろ!よく思い出せ…昨日確か…ますみちゃんといるところに池田達が来て…それで…)
そうだ、池田だ。あいつに殴られたんだ…ますみちゃんの事で。その後確か…おお!思い出してきたぞ!
池田達から話を聞いたんだ。麗菜さんがオレに嘘ついてた事…オレがいつも違う女の事考えてた事…
思い出した…全部思い出した。オレ、彩が好きだって気がついたんだ。
そうだ、それでなぜか彩が家に来てオレにドロップキックを…何でだ?何でドロップキックなんだ?
…まあいい。で、朝起きたら同じ布団に寝ていて今に至るってわけだ。
(そうだ…彩だ…彩が好きなんだ。愛しているんだ!やっと自分の気持ちに気づいたんだ!)
全てを思い出したオレは彩に気持ちを告げるため台所へ行く。
「彩!」オレの声に赤い顔して包丁振り回してた彩はビックリして
「ふぇ?」と変な声で返事をした。
(か、かわいい…)たまらずオレは後ろから抱きついた。
「た、拓にぃ?」驚く彩。オレは彩の耳元で囁く…
「彩…驚かずに聞いてほしい…オレ、お前の事が…好きだ。ずっと好きだったんだ。昨日やっと気がついたんだ。
いきなりこんな事言ってビックリさせてしまったと思うけど…これがオレの本当の気持ちなんだ…愛してる、彩」
オレは彩を強く抱きしめる…彩が震えてるのが分かる。イヤなのかな…
「拓にぃ……遅いよ、なんでもっと早く気づかないの…ずっと待ってたんだよ…この鈍感拓にぃ…」
彩…泣いてるのか?…ゴメンな、待たせて…ゴメンな、鈍感で…
オレ達は正面から抱きしめ合いそして見つめ合う…徐々に顔が近づいていく…その時携帯が鳴る。
この曲は…『スピニング・トーホールド』ザ・ファンクスの入場曲だ。池田か…なんてタイミングなんだ。
お前どっかで見てるだろ?思わず噴出す彩、オレもつられて笑い出す。なんかこういうのってオレ達らしいよな。
変な納得をして電話に出るオレ。
『静馬か?池田だけど。お前火曜日まで出社しなくていいぞ。その顔じゃ仕事ならないだろ?
有給で落とせるようにお願いしとくよ』
確かにこの顔じゃ無理だな。けどやったのはお前だがな。
「すまんな、助かるよ。差し歯が折れてるんで医者にも行かないとだめだからな。ほんと助かるよ」
『なぁ〜に気にするなって。で、どうだった?昨日は燃えたのか?燃え尽きたのか?』
今からだったんだよ!邪魔しやがってこの野郎!そう叫びたいのを抑えるオレ。
「それは秘密だ。お前こそかなえちゃんとはどうだったんだ?」
『…俺は…燃え尽きた灰にガソリンかけられて無理やり燃やされた感じだ…』
「……そ、そうか…今度まむしドリンク1ダース送るよ…頑張れよ」
『それが休み無く続くんだよ…なぁ静馬、バイアグラって効くの…プッ』
怖いので電話を切った……かなえちゃんの誘惑に気づかなくてよかった…本当によかった!よくやった、オレ!
「拓にぃ、誰からだったの?」
味噌汁作りながら聞いてくる彩。おや?さっきまでの流れはどこいったんだ?
「池田からだよ。仕事休めるように手配してくれるってさ…ん?仕事?」
あれ?仕事といえば…彩って今レコーディング中じゃなかったっけ?
「彩、お前レコーディングは?」
「ああ!…忘れてた…テヘッ」
可愛く舌を出す彩。いやいや、忘れちゃダメだろ、お前。

5彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:09:33 ID:31Yr+eSm
結局オレが車で送っていく事になった。右手が痛いが運転ぐらい大丈夫だ。
それより彩と少しでも一緒にいたい…オレってこんな性格だったっけ?
「拓にぃ…今日もマンション、来ていい?一緒にいたいの…」
マンションの駐車場を出たところで彩が聞いてきた。
「彩…あたりまえだろ。オレも一緒にいたいよ。せっかく恋人同士になったんだからな」
これは本心だ。オレは彩と一緒にいたい。
「…嬉しい…好きよ、拓にぃ…」
彩…泣きそうな顔している…なんで今まで彩が好きだと気づかなかったんだ?オレってほんとバカだな。
それから彩が泊っているホテルに着くまでの一時間、今までの事を話した。
麗菜さんやますみちゃんとの事をだ。ますみちゃんとの話では殺気を感じたが許してくれた。
あとでますみちゃんにも聞くって言ってた。胸でしてもらったのは口止めしたほうがいいのかな?
「けど拓にぃ、ますみとエッチして後悔してるっていうのはますみが可哀想だよ…
だってますみ、初めてだったんだよ?好きな人と初めてエッチしてその人にエッチしたこと後悔してる
なんて言われたら…アタシだったら自殺モンだよ?あとでますみに謝っておいてね」
彩に言われて初めて気づいた。オレは自分の事ばかり考えててますみちゃんの事なんて考えてなかった…
ほんと最低だな、オレって。
「…けど拓にぃ、今度ますみに手出したら……コロスからね」
ニッコリと微笑み爽やかに話す彩……もうしませんゴメンナサイ。
「そういえば何時からオレを好きになったんだ?」
話の流れがヤバクなりそうなので話を逸らすオレ。彩はオレを好きになったきっかけを話してくれた。
なんでもオレが実家を離れて寂しくて落ち込んでる時にしたオレからの励ましの電話で気づいたそうだ。
そんな前からだったのか…オレがもっと早く気づいてたらよかったな。長い事待たせてごめんな。
そんなことを話しながらの一時間、あっという間だった。別れ際にオレ達は初めてキスをした。
彩との初めてのキス…キスがこんなに気持ちいいとは知らなかった。
彩…また泣いてる。涙をふき取り再度キスをする。
「彩…今日迎えに来るよ…愛してる、彩…」
ちょっと前のオレなら腹を抱えて笑うようなセリフだ…人間変わるもんだ、感動した。
「…うん。…拓にぃ待ってる。けど今日病院行ってよね。もう拓にぃが怪我してるとこ…見たくないんだ…」
そうだった…高校時代に格闘研究会だったオレが、格闘技の道に進まなかったのは彩が泣くからだった。
練習でよく怪我してたオレを見て泣いてたっけ…懐かしいな。
泣きながら言われたんだよな…もう怪我するようなことしないでって…今思えばあの時かな?彩を好きになったのは…
…あれ?その割には彩にいろいろやられてるぞ?この間はシャイニングウイザードで失神。
昨日はドロップキックで気絶……ま、いいか。すんだことだ。
6彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:10:28 ID:31Yr+eSm
オレは帰りに病院で治療をしてもらい3時頃にマンションに着いた。その時携帯が鳴った。
…ますみちゃんからだ。
『静馬さん、ついに告白したんですね、彩から聞きましたよ』
ますみちゃんの第一声がそれだ。彩…レコーディングちゃんとしてるのか?
『彩ってば、初めてって痛かった?とか、どうやったら拓にぃ喜ぶのかな?とかいろいろ聞いてきましたよ。
お風呂での事に興味を持ったみたいですから教えておきました。私の時みたいに無理やりじゃなく、
やさしくしてあげて下さいね』
「ええ!オレやっぱり無理やりしたの?」
『ええ、凄く痛かったですよ…なのに静馬さん、私じゃなく彩を…私、遊ばれたんですね…シクシク…』
「い、いや、それはなんて言うか…その…」
『ふふっ、嘘ですよ。私から酔った静馬さんを誘ったって言ったじゃないですか。やっぱりかわいい人ですね』
いやいや、心臓に悪いよ、ますみちゃん。
「ますみちゃん…オレなんかを好きになってくれて…初めてをオレにくれて…ありがとう。一生忘れないよ」
ますみちゃん、本当にありがとう。君とのことがあったおかげで彩のことが好きだって気づいたんだ。
『……静馬さん…私、嫌われてるかと思ってました…そんなこと言ってもらえるなんて…うれしいです。
……彩に飽きたら言ってくださいね。静馬さんならいつでもオッケーですよ』
「ま、ますみちゃん!」
『また胸でしてあげますよ。彩には無理でしょうからね。じゃ、また今度彩と遊びに行きますね』
そう言って電話を切るますみちゃん。ますみちゃん…胸かぁ。気持ちよかったよなぁ…
……いかんいかん!こんな事考えてたのバレたら殺されるぞ!オレには彩がいるんだ!
そんなこと考えてたらまた電話が鳴った。
『静馬さん?言い忘れてたんですけど、実は彩…今日、安全日みたいですよ。安全日の計算の仕方教えてたら
今日だって言ってました。彩、静馬さんのことずっと待ってたんですから、安心させてあげて下さいね』
言うだけ言って電話を切ったますみちゃん。あ、安全日?………さてと、風呂にでも入るかな。
念入りに1時間も体を洗うオレ。こんな日に骨にヒビが入った右手が恨めしい。

7彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:11:54 ID:31Yr+eSm
「今日の御飯は奮発したよ〜。なんせあの鈍感拓にぃがアタシの事…好きって告白してくれた記念日だからね!
今日11月5日は一生忘れないよ…アリガト、拓にぃ…」
彩をホテルに迎えに行った帰りに買って来たステーキが目の前にある。
テーブルの上にはお皿に載ったステーキが…これが噂の松坂牛というものらしい。
早く食いたい…こんなのが食えるんだったらもっと早くに告白するんだった。後悔した。
「……ちょっと拓にぃ聞いてる?かわいい彼女が涙浮かべて今日という日を忘れないって言ってるんだよ?
それなのに…何ステーキばっかり見てんの!アタシよりそんなに肉がいいわけ?」
うっ…ごめん、彩。肉に夢中で話し聞いてなかった。反省します。
「ゴメン彩。こんなステーキ食った事ないからうれしくって…彩、ありがとうな」
肉に気を取られるなんて…オレ最低だな。よくこんなオレを好きになったな。
「……その『ありがとう』って…まさかステーキの事じゃないでしょうね?」
彩、怖い顔やめて。そんな目で睨まないで。
「そ、そんなわけないだろ?」彩の横に移動して耳元で囁く。
「お前が俺のこと好きになってくれたことに決まってるだろ?…愛してるよ、彩…」
そう囁いて頬にキスをする。ちょっとズルイかな?
「……ん。ゴメンネ、疑って。好きよ、拓にぃ…」
涙目で唇にキスをせがむ彩。軽くキスをして席に戻るオレ。
「あ、食べる前にちょっと…」そういってデジカメでステーキを写す彩。何やってんだ?
「この写真、告白記念でアルバムに挟んでおくね。じゃ、食べようよ、拓にぃ」
肉をアルバムに載せるの?……ま、いいけどね。
ステーキはすごく美味かった。こんな肉食えるなら毎日告白してもいいくらいだ。
8彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:12:22 ID:31Yr+eSm
「拓にぃ、洗い物してるからお風呂にでも入ってて」
食器を洗いながら言うアタシ。フフ、拓にぃ美味しそうに食べてたなぁ。時々食べさせてあげよっかな?
食器を洗い、テーブルを片付けたらすることなくなっちゃった…そうだ、拓にぃ出てくるまでアルバムでも見とこう。
確かクローゼットに入れてたよね?見るの久しぶりだなぁ。
「クローゼットのどこだったかなぁ?…あ、あったあった」
アルバムを手に取るアタシ。んん?アルバムの下に本がある。なんの本だろ?
「こ、これは……エッチな本?」
た、拓にぃこんな本読んでるんだ…男だから仕方ないよね。うわっ三冊もある…これどうしよう、捨てようかな?
……ちょっと見てみようかな?拓にぃまだ出てきてないよね?ページをめくるアタシ……ドキドキしてきた。
「うわ!…スゴイ…こんなことするんだ…」
ますみから聞いてたけど凄い事するんだなぁ。こんなの入るんだ。痛いんだろうな…けどなんでマンガ本なんだろ?
食い入るように見るアタシ。あれ?よく見るとページに折り目がついてるとこがある。なんだろ?
そのページをめくってみると胸で男の人のを挟んでたり、お風呂で体を胸で洗ってたりしてるシーンばかりだった。
そこにはペンで丸印もつけてある…拓にぃこんなのが好きなんだ…
(ハァ…やっぱり拓にぃ胸、おっきいほうがいいのか…アタシじゃダメなのかな…)
自分の胸を触ってみる…Bカップじゃダメなのかな…やっぱりますみぐらいないとダメなんだろうな…
だから今までアタシにそういうことしてこなかったんだろうな…ため息が出るアタシ…涙も出てきた…
「彩、なにため息なんてついてるんだ?何かあったのか?」
背後から拓にぃの声が…た、拓にぃ、何時の間に出てきたのよ!

夕方に入ったのでシャワーを軽く浴び、風呂から出たオレは彩がいない事に気づいた。どこいったんだ?
探してみると寝室にいた。クローゼットの前で座り込んでる。何してんだ?
近づくと彩のため息が聞こえてきた。なんだ?何かあったのか?
「彩、なにため息なんてついてるんだ?何かあったのか?」
ビックリして振り向く彩、涙目だ。何があったんだ?
「どうした彩。何かあったのか?」
さっきまで機嫌よかったのに…オレが風呂に入ってる間に何があったんだ?
「……拓にぃ…アタシじゃなくますみのほうがよかったんじゃないの?」
……はぁ?何だ、いきなり…ますみちゃんの方がって…何かあったな、彩。
「そんな事ある訳ないじゃないか。オレが好きなのはお前だよ、彩」
抱きしめて囁くオレ。何故だか知らないけど彩、不安になってるな。
「……嘘つき。だってアタシの胸、ますみより小さいし…この本見たら胸のおっきいのばかりに印つけてるじゃない!」
泣きながら本を指差す彩。な、なんだそのエロマンガは!オレ知らないぞ!それより彩、泣いている…
『彩、静馬さんのことずっと待ってたんですから、安心させてあげて下さいね』
ますみちゃんの言葉が頭に響く。そうか…彩、不安なんだ…不安にさせてるのはオレなんだ…彩を強く抱きしめる…
「彩…不安にさせてゴメンな。お前をオレだけのものにするよ…愛してる彩」
オレはさらに強く抱きしめた。

9彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:12:50 ID:31Yr+eSm
「彩…今からお前をオレのものにする…」
そう囁き唇を奪う。舌で彩の唇を割って入り彩の口に中を蹂躙する。
ビックリして暴れる彩を力で押さえつけ、蹂躙し続ける。彩の舌を吸い歯茎をなぞり唾液を飲みオレのも流し込む。
…グチュ…ピチャ…ジュル…
しだいに彩も舌を絡めてきた…寝室にはオレ達が出しているいやらしい音しかしない。
しばらく彩を堪能して唇を離す。彩、肩で息をしている。
まともに立っていられないのかオレに寄りかかる彩。オレは抱きかかえてベットに運ぶ。
「彩…今からお前を抱く…イヤなら言ってくれ」
ベットに寝かせた彩に囁き再度唇を重ねる。今度はさっきより激しくキスする。舌を絡め唾液を流し込み彩を味わう…
「ふぁ、拓…んぷ…ちょ、待っ…」
彩が何かを言うが無視する。ゴメン、もう止める事できない。
キスしながら胸を揉む。ちょっと小ぶりだが関係ない。オレが好きな彩の胸だ。
首筋に舌を這わす…耳を舐めて少し噛む。その度に彩は甘い声を出す。
「あん、やっ、ひぅ!拓…に…待っ、お風…呂、入らせ…あっ!」
上着を脱がせブラを剥ぎ取る…興奮で頭が回らない…夢中で胸にしゃぶりつく。
乳首を舐めて吸い、甘噛みする。
「あっ、ダメッ、お風…呂、いかせ…あぁ!」
彩はオレの頭を抱え込んで感じてくれてる…もっとだ、もっと感じてくれ!服を全部脱がせて全身に舌を這わせる。
首筋、耳、うなじ、背中、お腹、太もも、お尻、ふくろはぎ、足の指まで全てを舌で愛撫する。
(全部オレの物だ…好きだ、愛してるよ、彩…)
再び乳首を口に含み嬲る。その間に左手は彩のなめらかな体を撫でながら下へ下へと下りていく。
そして彩のアソコに到達する…濡れてる、シーツまでグショグショだ。
「彩…ここ凄い事になってるぞ」そう言って指を動かす。
クチュ…クチュ…クチュ…
「あっ、やっ、拓に…やぁっ…ひゃぁ!」
クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ…
「あ、あ、あ、あ、…くぅ…ダ、メ……いっちゃ……きゃぅ!」
今まで以上に大きく跳ねてピクピクと痙攣する彩。イッたんだ…イッてくれたんだ…
全身で息をする彩。目も虚ろだ。初めての体験だろうからな…そんな彩を見たらもっと感じてほしくなった。
彩の足を割って入り開かせる。アソコが丸見えだが彩は気づいてない。
アソコに顔を寄せて舌で舐める…彩の体が跳ねる。小さな突起に吸い付いて舌で転がす。
「ひゃう!あぁ…んあぁ…いっっ…きゃう!」
彩、声にならない声を上げてる…気持ちいいんだな。もっと舐めてやる。
ジュルジュルジュル…チュパッ…レロレロ…ジュル…ズズズズズ……
彩の愛液を飲む。これが彩の味か…夢中で舐めて飲む。その度に彩の体は跳ねて声を上げる。
オレは何度イッたか分からない位まで舐めてから彩を開放した。
彩は体をビクッビクッと痙攣させながら全身で息をしている。目は虚ろだ。やりすぎたか?
「彩!大丈夫か?」
彩の体をゆするオレ。しばらくすると彩は抱きついてきた。
「……バカ……死ぬかと思ったじゃないの……喉、乾いた…」
オレは慌ててスポーツドリンクを取りにいった。

10彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:13:26 ID:31Yr+eSm
ボーッとする頭で飲み物を取りにいく、拓にぃの背中を見るアタシ。…すごかった…力が入らない。
エッチってこんなに凄いんだ…こんなに気持ちいいんだ…上体を起こそうとベットに手をつくアタシ。
ん?シーツが冷たい、なんでだろ?シーツを見ると濡れている…そういえばアタシのもすごく濡れてる…
(…うわ!なにこれ…もしかして、アタシが濡らしたの?)
アタシはシーツを見て愕然とする。地図ができる位に濡れている…恥ずかしい。
(ますみから気持ちいいと濡れるって聞いてたけど…こんなになるんだ…気持ちよすぎたもんなぁ…)
さっきまで拓にぃにされてたこと思い出して赤面するアタシ。
(体中舐められちゃった…アソコも全部見られちゃった…お風呂も入ってないのに…)
どうしよう…汗臭くなかったかな?急にこんなことになるなんて…お風呂に入ってくればよかったな…
でも……すごく気持ちよかった…途中から何されてるか分からなかったもん…拓にぃ大好き…
恥ずかしくて布団に包まるアタシ。そこに拓にぃがペットボトルとコップを持って来てくれた。
「彩、スポーツドリンクでいいか?」
やさしい拓にぃ、大好き。
「うん、ありがと」
コップ注いだジュースを受け取り喉を潤す…ああ、おいしい。
「拓にぃは飲まないの?」
コップを渡して聞くと
「彩のをたくさん飲んだからな」
アタシのって……まさか!顔が真っ赤になるアタシ。はずかしい…なんて事言うのよ、このスケベ!
文句を言おうとしたアタシを抱きしめて拓にぃ囁いてきた…
「彩…オレもう我慢できない…お前を抱きたい…いいか?」
ああ……やっと抱いてもらえるんだ、うれしい…
「うん、いいよ。……ずっと待ってたんだからね…グスッ」
涙が出てきた…拓にぃ、涙をキスで拭いてくれた…うれしい、うれしいよぉ。
アタシは拓にぃにキスをする。自分から舌を絡ませて抱きしめる。
「抱いて…抱いて拓にぃ…お願いだからアタシを抱いて…拓にぃだけの物にして!」
拓にぃアタシを押し倒してきた…

11彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:13:51 ID:31Yr+eSm
オレは彩を押し倒して裸になる。彩の視線はオレのに釘付けだ。
「怖いか?彩」
彩は首を横に振る。
「拓にぃにだったら何をされてもいいよ。アタシは拓にぃの物だから…好きにしていいよ」
彩……オレは彩を抱きしめキスをする。やさしいキスだ。
そしてあそこにオレのを合わせる………いよいよだ。ついに彩と…彩と1つになるんだ…
「彩……いくぞ…」
キスを止めて耳元で囁く。彩は無言で頷く。
ズッ…ズズッ…ズズズッ…
少しずつ入れていく。途中で何かに当たる。きっとこれが処女膜だろう…オレは我慢できなくなり一気に貫いた。
「……ぅきゃあ!…痛ぅ…ぅぅ……た、拓にぃ…好き、好きなのぉ、愛してるの!」
彩…辛そうだ。涙流してる…そんな彩の顔を見たらなぜか今までのことが頭に浮かび、涙が出てきた。
オレの涙が彩の顔に落ちる…なんでだ?なんで涙が止まらない?
「いっ痛ぅ……拓にぃ?泣い…てるの?」
涙に気づいた彩はオレをやさしく抱きしめてくれた…
「ありがとう、拓にぃ…アタシ幸せだよ…拓にぃと出会えて幸せだよ…」
彩はオレがしたようにキスで涙を拭いてくれる。
「彩…オレの方こそお前に会えて幸せだ…ありがとう、彩」
オレも彩の涙をキスで拭きとる。
「彩…動くぞ」
オレの言葉に彩は強く抱きついてきた…痛いんだな、ごめんな。
グチュ…グチュ…グチュ…グチュ……
気持ちいい…彩がオレのに絡み付いてくる…入れるたびに絡み付き、抜こうとすると吸い付いてくるような感じだ。
最高だ、頭までとろけそうだ…オレは夢中に腰を振る。
グチュグチュグチュグチュグチュグチュ……グッチュグッチュグッチュグッチュ…パンパンパンパン……
「あ、あ、あ、あ、う、くぅ…痛ぁ!…や、んん…ふあぁ!」
オレが突く度に、引き抜くたびに声を上げる彩。
「た、拓…好…き、あぁ、好き、大好きなのぉ!」
彩の爪が背中にめり込む…くぅ、そろそろ限界だ…オレも強く抱きしめる…動きを激しくする。
「彩、彩!あぁ…彩、好きだ彩!イクぞ、彩、イクぞ!…くぅおお!」
「あ、あ、あ、あ、拓にぃ、好き、好き好き、好きなの!やっ……ああああ!」
オレは自分を彩の一番奥に突き立てる。その瞬間にオレは今までの思いを全て吐き出すように彩の中に噴出した。

全てを吐き出したオレはつながったまま彩に覆いかぶさる。…最高だ…今までで最高のSEXだった…
しばらく余韻を楽しんだ後、息を整えて彩にキスをして抱きしめる。
「彩…ありがとうな。痛かったか?」
「…凄く痛かったけど……これでアタシは拓にぃの物になれたんだね……うれしい…アリガト…」
彩……こんなオレをそこまで……愛してるよ、彩。
彩の言葉にたまらずキスをする。彩も舌を絡めてきた………い、いかん、入れたままの愚息が…復活してきた。
まるでやられてもやられても立ち上がる三沢光晴のようだ…
「んあ?……拓にぃって……スケベだね」
し、しまった!彩にばれてしまった!恥ずかしい…これは恥ずかしいぞ…静まれ、静まれオレ。
願いは届かず全開になる愚息。どうしよう…顔が赤くなるのが分かる。
穴があったら入りたい…って入れてるじゃん、オレ。いかん!ギャグ考えてる場合じゃない!どうするオレ?
「クスッ……いいよ、拓にぃ。アタシももう一度抱いてほしいし……」
えっ?…彩、いいのか?……
「拓にぃ…もう一度抱いて…」
その言葉にオレの理性は吹き飛んだ……
12彼女は〇〇〇 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:15:01 ID:31Yr+eSm
「すまん、本当にすまん!」
オレは彩に土下座してる。何故かって?理由は2回戦じゃ済まずに3回戦まで休みなしにしてしまったからだ。
……しかし抜かずに3回戦なんて……すげえな、オレ。感動した。
「2回で終わると思ったのに…なんで3回もするの?アタシ初めてだったんだよ?痛くて歩けないよ…シクシク」
彩…うそ泣きだと分かってるけどこっちが悪いから強く言えない。ごめんね。
「……けど許してあげる。今日は二人の記念日だもんね。告白記念日に初エッチ記念日。11月5日は忘れられないよ
………11月5日?あれ?なにか大切なことがあったような……」
機嫌が直ったみたいなのでベットで考え込んでる彩の横に入るオレ。
「今日なにかあるのか?もうそんなのいいだろ?」
髪を撫でながら肩を抱き寄せる。彩の髪ってサラサラで触ると気持ちいいんだな。
「……ああ!思い出した!拓にぃじゃま、どいて!…ゴスッ」
エルボーでオレを振り払う彩。あれぇ〜なんで?さっきまでのは何だったの?殴られた頬を押さえてうずくまるオレ。
彩は慌ててパソコンに駆け寄り電源を入れ、なにかを調べてる。何するんだ?っていうか、歩けないんじゃなかったの?
「……やったぁ!取ったぁ!」
ガッツポーズする彩。何を取ったんだ?訳が分からず聞くオレ。
「彩、何があったんだ?」
オレの言葉に彩は睨んできた。
「ハァ?…本気で言ってるの?今日は田上明がベルトに挑戦した日でしょ!こんな大事なこと忘れるなんて…
最低ね、拓にぃ!」
ああ、そうだった…彩とのことで頭が一杯になって忘れてた。
「結果はねぇ…ついにチャンピオンになりました!やったわ、今日11月5日は田上明の日に決定ね!」
嬉しそうな彩……っておいおい、さっきまで11月5日は告白記念日に初エッチ記念日と言ってなかったっけ?
呆れ顔のオレを見て彩、からんできやがった。
「ちょっと拓にぃ!嬉しくないの?田上がチャンピオンだよ?」
はぁ〜そうだよ、これが彩だよ。これでこそオレの好きな国生彩だよな!
文句を言ってる彩を抱きしめキスをする。
「彩…愛してるよ」


今、オレの目の前にいる彼女、国生彩はオレの最愛の人であり、カリスマロックシンガーのsaiでもある。

そして熱狂的なプロレスファン…そう、『彼女はプオタ』なんだ。どうだい、最高だろう?


   
           彼女は○○○   終 わ り
13 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/06(火) 00:18:29 ID:31Yr+eSm
以上で終わりです

香織さん待ちの間のつなぎのつもりで書き始めた駄文に付き合っていただきありがとうございました

リクエストがあれば続き考えるかもしれません

では名無しにもどります
14名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 00:32:56 ID:z/vCP9tc
超GJです!
感動です!できれば名無しに戻るなんて寂しいこと言わず、是非是非書き続けて欲しいです!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
神最高!!
15名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 01:01:00 ID:/6eceGnM
>1乙です

新スレそうそうGJ!
16名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 01:40:14 ID:z/zzTslB
>1
こっ、こんなスレたてるなんて よっぽどの変態ね!
そんなへ、変態に新スレ乙なんて言ってやらないんだからっ!
……えっ? あ、違うのっ! 本気でそう思ってる訳じゃないの!

うぅ〜……めんと向かって言うのがはずかしいからヤなんだけど……
みんなの為に新しいスレ建ててくれて……あ、あり…がと……

あっ! 今っらしくないとかって思ったでしょ!
言い訳したって、顔みれば分かるんだから! 何年見てきてると思ってるのよ!
こんな事もう一生言ってあげないんだからっ。
17名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 02:01:24 ID:oGZ2NWFn
>1乙です。

>◆k8fXz6W8GA 氏
GJです!是非続きを書いていただきたいです。
18名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 20:42:22 ID:PwzNlwa5
GJ!!
19名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 20:52:40 ID:WY8aFM1t
http://f21.aaa.livedoor.jp/~more/enq4/enq.cgi?

創作の参考のため、アンケートいただけましたら幸いです。
「おんなのこでも感じるえっちな小説」
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111913198/401-500
より。
20名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 23:13:05 ID:/6eceGnM
>16ツンデレキターって思ったらフラレタのかよ!
21名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 23:56:55 ID:oGZ2NWFn
>>19
いったい何処でアンケートをしているのか疑問。上のサイトは飛べないし。
22名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 00:09:38 ID:YwtkJ0lE
>527氏
GJ! 量がすごいですわ。完結まで約1ヶ月って結構なハイペースだったみたいですね。
おまけとかで彩たんのカリスマシンガー部分が見たいとか思ったり。

>20
リアル彼女はココまでツンデレじゃなかったので安心(?)してくり。
よくわからんけど、AVは許せてもエロゲはだめらしいよ? 連絡取れなくなっちったお orz
エロゲは見つからんトコに隠しておけと。
23名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 01:01:07 ID:IvikF6bN
それはエロゲの量が問題なんじゃぁ…
24名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 01:15:09 ID:wXFTewt4
◆k8fXz6W8GA 氏
密かに楽しみにしていた甲斐があったと言うもの。
正直言って、これだけの技量があるのだから、
もっともっと作品を書き続けて欲しいです。

ただ、複数のキャラの独白でストーリーを進めるなら、
誰の心理描写なのかをもう少し分かり易くしても良いかも?
一応、その都度、誰が心境を語ってるかは分かりましたが、
独白が誰の物かを悟らせない演出で無い限りは、
そこの所はもう少し親切にしても良いのでは?と思います。

随分と生意気な意見をぶちかましてしまいましたが、
俺としては、もうあなたはこのスレに必要な職人と思っているので、
名無しに戻るなどと言わずに、職人であり続けて欲しいです。
25 前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/07(水) 09:51:15 ID:fBsrg6/r
おお!みなさんありがたいお言葉ありがとうございます!

しばらく他スレで腕を磨いてまた戻ってきます!では…
26名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 17:53:14 ID:iD9lSv/i
頑張るんだぞ。いつか必ず帰ってこいよ。
27名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 18:55:56 ID:Yr6E5btZ
>>25
他スレで腕を磨くのも良いけど、ここで腕を磨いて欲しいと思うのは俺だけ?
もっと前スレ527 ◆k8fXz6W8GA氏の作品が見たいです。
28名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 20:11:25 ID:PC+DivKc
》22
実写かアニメの違いじゃないかな?

》527氏
いつか帰ってきてください、お待ちしています
29名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 23:11:46 ID:KbmwQYKh
さようなら前スレ527 ◆k8fXz6W8GA氏。
再会を楽しみにしているよ。
(それでは ご機嫌よう。)
Auf Wiederseh.
30名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 00:32:54 ID:qrLwvapQ
職人がいなくなりピンチになりそうなので保守
31名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 09:46:14 ID:a/mLtz+o
>527氏
武者修業ですね
ココと俺たちファンは待ってからナ
32名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 00:16:27 ID:dLzM8QPX
>527氏
GJ!!!!!!!
彩かわいかったけど、かなえちゃんにもちょっと萌えました

>527氏も一段落したし香織さん来ないかなぁ…(´・ω・`)
33名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 10:03:54 ID:h246U/Pm
ちとせさん待ちアゲ
34名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 18:38:05 ID:UBScNh1j
35名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 00:08:35 ID:qK2/QrVO
お願いですから香織さんの続きを!!
36名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 00:14:13 ID:9Y1XyKVc
今のオレには香織さんが足りない
37名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 00:23:23 ID:qK2/QrVO
おぉ同志よ!!
東京に行ってそのあと二人はどうなるんだあぁぁっっ!!
38名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 01:00:17 ID:DxSyjIaZ
みんなで呼ぶんだ!

香織さぁぁぁん!!!
39名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 01:06:06 ID:qK2/QrVO
香織すわぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁいうぁあうおいぅぇおぅあん!!!!!!!!!!!!!
40 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/11(日) 10:33:28 ID:Fvf30FSm
「おはよ」
「ん」
 仁の顔を笑顔で覗き込むちとせ。
 昨夜、お互いの気持ちを打ち明け、眠りについた二人。
「早起きだな」
「目が覚めちゃって。仁のあどけない寝顔を見てた」
「寝言とか言ってなかった?」
「大丈夫だったよ」
「そっか」
 普段と違う朝の普段通りの二人。
 素直な気持ちをぶつけった二人には、変わる様子は無かった。
「朝飯作るから適当にしてて」
「うん。ぁ」
 仁が布団をめくるとちとせが小さな声をあげる。
 昨夜のままの姿。つまり、二人とも何も身に着けていないのだ。
「仁のエッチ」
「昨日の今日でそんなこと言っても意味ないだろ」
「ぶぅ」
 仁はベッドを出て服を着る。
 ちとせは、布団に包まってそれを眺めていた。
「トーストとスクランブルエッグでいいよな」
「うん」
 シャツとジーンズ姿の仁がキッチンで調理を始める。
「ねぇ」
「ん?」
「何も聞かないんだね」
「何が?」
「昨日のこと」
「大体察しついてるし。大方、待ち伏せしてたあの男に捕まって、自分にはもう彼氏いるからとか言って俺の名前だしたんだろ?」
「仁ってエスパー?」
「普通はそう考えるだろ」
「そっか」
 トーストとコーヒーの香りが部屋に漂い始める。
「結構本気で怒ってくれたよね」
「まぁな」
「私が好きだから?」
「う……」
 顔を赤くしてうつむく。
「ありがと」
 ちとせが微笑む。
「ねぇねぇ。いつから、私のこと好きだったの?」
「気になりだしたのは、初めて会ったころから。ちとせと一緒に居たいって思ってた。ちとせと一緒にいるとさ、気持ちが楽になるんだ」
「一緒にかぁ。えへへ、悪くないなぁ」
「はい、お待ちどうさま」
 仁がスクランブルエッグとトーストの載った皿をテーブルに置く。
「じゃあ、本格的に好きになったのは?」
「俺がちとせのこと好きだって気づいたのは、あの日の後」
「あの日?」
「酔って………で、その後にちとせが彼氏だって男つれてきた日」
41 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/11(日) 10:34:39 ID:Fvf30FSm
 仁がちとせを好きだと認識するきっかけを作った日。
 夏休みもあと2日で終わりとなった日。
「はぁ。ごめんね」
 水を飲んで一息つき、仁の方に向かって言う。
「いや……いいよ」
 夜遅くに遊びから戻った仁を待っていたのは、アパートの階段に座っていたちとせだった
 手にはバックと缶ビールを持ち、泣いていたのか目を真っ赤にしていた。
 以前から酔って部屋に乱入はよくあった。
 今回も同じだろうと思い、仁はちとせを部屋に招いた。
「大丈夫か?まだ目が赤いぞ」
「平気平気」
 ちとせは手でパタパタと自分の顔を仰ぐ。
 そして、そのままベッドへ倒れこむ。
「でも、仁くんが早く帰ってこないから、外でビール3本もあけちゃったじゃない」
「俺のせいかよ。部屋の鍵でも無くしたのか?」
「うぅん。かばんの中にあるよ」
「なら、自分の部屋いればよかったじゃんか」
 ちとせは枕をぎゅっと抱きしめると、上目遣いで仁の方を見る。
「一人で居たくない日もあるの。一緒にいて」
「え?」
 仁の返事も聞かず、ちとせは起き上がるとバックから一本の透明なビンを取り出す。
 はられたラベルには泡盛の字が書かれている。
「さ、のも。仁くん、明日はお休みだよね」
 そう言って、手近にあったコップに泡盛を注ぐ。
「酒は」
「初めて?」
「じゃないけど。あんまり強くないし」
「大丈夫。飲みやすいから」
 先ほどまでの暗い表情から一転して笑顔のちとせ。
 別なコップにも注ぎ、自分で持つ。
「じゃあ、乾杯。ほら、コップ持って」
「か、乾杯」
 半ば押し切られるかたちで酒宴ははじめられた。
 酒を飲みながら他愛のない話をして、ほどよく酔いが全身に回ったころ、ちとせがポツリと言った。
「お見合いってしたことある?」
「お見合い?まさか」
「だよねぇ。私さ、この夏休みに両親のところに帰ったのね。そしたら、急にお見合い話もってきてさ。
 親の面子だってあるし、、嫌だったけどお見合いに出席することとなったの」
 コップの酒を一気にあおる。
「そしたらね!相手の男って、なんかチャラチャラしててお見合いなのにアロハ着てくるのよ!!
 こっちは美容室行って、服だって結構高いの買ったんだから。
 しかも、なんかエロい話ばっかりしてくるし。最悪だったの。だから、持ってたカバンで引っ叩いたのね。
 そしたら、鼻血吹いちゃって。ママに言いつけてやる!!とかなんとか言っちゃってさ、傑作だったわ」
 爆笑しているちとせ。
 仁もなんとなく、ちとせの立場や心情がわかってきて、階段に一人でいたのがわかった。
「電話したらお父さんには怒られるし、もう、どうにでもなれって感じでさ」
「それでヤケ酒?」
「ヤケにはなってないけど。でも、そうかもね。ごめんね。私なんかにつき合わせちゃって」
「俺は構わないけど」
「ありがとう」
42 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/11(日) 10:35:33 ID:Fvf30FSm
 ちとせが立ち上がり仁の隣に座りなおす。
「お見合い相手が仁くんなら、よかったのになぁ」
 そう言って、しなだれかかってくる。
 仁の鼻腔をくすぐるちとせの甘い香り。
 襟元から見える白い肌とふくらみ。
 酒のせいも相まって、仁の顔が一気に上気していくのがちとせにはわかった。
「ふふっ。どうしたい?」
「………抱きたい」
 それだけ言うと、仁はちとせを抱きしめた。
「いいよ……やさしくしてね」
 仁がちとせの胸をたどたどしく揉み始める。
 乱暴ではないが、どこかぎこちない。
「仁くん。ひょっとして初めて?」
 ちとせが耳元でつぶやく。
 仁は照れ隠しのように、ちひろの服の中に手を入れて、直に胸を揉み始めた。
「っん。ちょっと痛いよ」
 仁は言葉に従うまま、包むように揉む。
 いつの間にか、ちとせの服はめくれ上がり、白い乳房とそれを覆い隠すブラジャーが外気にさらされていた。
「仁くん。ブラジャーとって」
「え。えっと」
 外し方は知っていたが、片手で外そうとしたのと酒のせいでなかなか外れない。
「じゃあ、ちょっと離れてて」
 ちとせは少しだけ仁を離すと、自分で手を背中に回しホックを外す。
 ブラジャーはストンと床に落ち、形のいい乳房のすべてがあらわになる。
「どう?」
「綺麗」
 その言葉に満足したのか、ちとせは笑みを浮かべる。
 そして、自分の乳房を手に持ち首を下げて自らの乳首を吸う。
「仁くんも吸いたい?」
 小さくうなずき、子供のようにちとせに抱かれながらその乳首を口に含む。
 両手のあいたちとせが、仁のペニスを握る。
「んっ」
 一瞬、仁がのけぞる。
 それが気に入ったのか、ちとせは握ったそれを丹念にこすり始めた。
 仁も胸を貪るように攻め立てる。
 お互いの息が荒く、熱くなってくる。
「ちとせ」
「いいよ。挿れても」
 仁はちとせの体をつかみ反転させる。
 四つん這いになったちとせのお尻をつかみ持ち上げる。
 後背位と呼ばれる体位だ。
「いくよ」
「うん」
 仁は自分のペニスを握りちとせの体にあてがう。
 勘だけを頼りに入れるべき場所を探しあて、腰に力をこめる。
「ぁっ。仁くん、そこ、ちが」
 ちとせの声は仁には届いていない。
 あくまで喘いでいるようにしか見えては無い。
「キツ」
 奥に入れようとしても押し返される、そんな感覚を仁は味わっていた。
 仁はさらに力をこめる。
 ゆっくりと奥へ奥へと侵入していく。
「ゃぁっ。ダメ、ヘンな………感じ」
 仁の腹がちとせの尻を打つ。
 完全に奥まで入った。
43 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/11(日) 10:36:16 ID:Fvf30FSm
「はぁ、はぁ………ちとせさん」
「うぅぅ……馬鹿。ちゃんとよく見てよ」
 振り向いたちとせの目には涙がたまっている。
「え?」
「仁くんが入れてるの、私のお尻だよ」
「あ。ご、ごめん」
「ぅぅ。まさか、お尻の初体験を奪われるなんて思わなかったよ」
「痛い?」
「今はそれほどでもないけど。なんか、気持ち悪い」
「今、抜くから」
 仁が腰を引いて抜こうとするが、狭くきついために一気に抜くことは出来ない。
 ゆっくりとゆっくりと腰を引き抜く。
「ひゃん」
 ちとせの背がのけぞり、明らかに痛みや気持ち悪さとは違う声がこぼれる。
「ひょっとして気持ちいい?」
「そ、そんなわけないじゃない」
 仁が少しだけ奥へと腰を動かす。
「はぅっ」
 ちとせの口からは吐息交じりの声が漏れる。
「ちょっと」
「ここを一緒にいじればもっとよくなるかな?」
 右手をちとせのヴァギナのあたりへと這わせる。
 そして、手触りでクリトリスを見つけ、それを指でつまみあげる。
「ひっっ」
 先ほどよりも大きくのけぞる体。
「どう?」
 仁の問いに、ちとせは何も答えない。
「ぇ。ぁぁ。やぁ、ダメ」
 ゆっくりと腰を動かし始める仁。
 前後運動を繰り返しながら、クリトリスとヴァギナを手で攻める。
 何度か出し入れを繰り返している間に、徐々に摩擦が少なくなり腰の動きが速くなる。
「はっ、んっ、はっ、はっ………」
 ちとせの声も明らかに変わった。
 快感を感じ始めている証拠だ。
「ちとせさん」
「んっ、ちとせでいいよ。仁、ね、ん。もう、ダメ、あ、あ、あ、あっ」
「ちとせ」
「仁」
 力を入れ、ちとせの体を持ち上げてペニスを奥まで押し込み、体内に一気に精子を放出する。
 同時に、ちとせも震わせ脱力した。
 ちとせはそのまま後ろに倒れこみ、仁がちとせを仰向けで抱きかかえる形となった。
 萎縮したペニスが抜けると、アナルからは精子と腸物が混じったモノが流れ出てきた。
「はぁはぁ………」
 息を整え、見詰め合う二人。
 何かを話たかったが、限界を超えた仁の体はそれを許さなかった。
 暗転する意識。
 仁が次に目覚めた時は部屋には誰もおらず、布団だけがかけられていた。
「あれ」
 テーブルの上に書置きがあった。
『先に寝ちゃうのは男としてどうかと思うよ。でも、結構気持ちよかったから許してあげよう』
 それだけが書かれていた。
 それから1週間ほどは顔も合わすことが無く過ごし、久しぶりに顔を合わせた時には彼女の隣には仁の知らない男が居た。
44 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/11(日) 10:37:07 ID:Fvf30FSm
「結構ショックだったんだけどな。あれは」
「ウソ」
「ホントだって、顔に出さないようにするの大変だったし」
 トーストを口に含みながら話す。
「だったら言ってくれればよかったのに」
「ん?」
「だったら、それならそうだって言ってくれれば………私だってさ。本当はねあぁやって男の人と一緒にいたら妬いてくれるかなって思って」
「へ?」
「だって、私は仁のことずっと好きで、あの夜もすごく嬉しくて。でも、仁はあの夜、一回も好きだとか言ってくれないし、キスもしてくれないし」
 半ば愚痴のような感じでつぶやき始める。
「だから、ちょっと反応を確かめるためにしたのに、全然平気そうな顔してるし」
「あ〜……やっぱ、言葉にしなきゃダメってことだよな」
「そう。だね」
 仁がちとせを横から抱きしめる。
「ごめん。俺が不甲斐ないばっかりに……好きだ。愛してる」
「私も。同じ気持ち。好きよ」
 二人は口付けを交わす。
「ねぇ」
「ん?」
「前に言った好きな人のなぞなぞってどういう意味?」
「あぁ。ちとせは近くにいるけど、千歳って場所は北海道だから遠いだろ」
「………寒い。寒いよ〜」
「悪かったな」
「でも、実はそうだったらいいなって、思ってた」
45 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/11(日) 10:38:41 ID:Fvf30FSm
「そういうちとせはいつから俺のことが?」
「え?……教えてほしい?」
「うん」
 ちとせが明らかに明後日の方を向く。
「こら」
「だって。恥ずかしいし」
 ちとせが立ち上がる。
 その腕をつかんで引き寄せる仁。
「最後までしてくれたら……教えてあげる」
 ちとせが目をつぶり、口を差し出す。
 唇を合わせ、仁はちとせを抱き上げる。
「……やさしくしてね」
 あの夜と同じ台詞。
 仁はちとせをベッドの上におろし、ゆっくりと着ているものを脱がす。
「ちとせ……愛してる」
「うん」
 ちとせのヴァギナに手を伸ばす。
 そこはすでに湿り気を帯びており、滑り気のある液体が指につく。
 仁はそこに顔をつけ、薄く開かれたソコに舌を這わせる。
「んっっ」
 たったそれだけの行為で、中から愛液があふれ出てきた。
「仁。あのね、もう、大丈夫だと思う」
 指を入れてみると、すんなりと入っていく。
「ひゃっ」
「うん。じゃあ、挿れるよ」
「うん」
 仰向けのちとせを上から覗き込む。
「今度は間違えないでね」
「大丈夫」
 自分のペニスを握り、慎重にヴァギナへとあてがう。
「ここ?」
「うん。そう」
 ゆっくりと、ちとせの中へと押し込む。
 先を入れただけで絡みついてくるような感覚が仁を刺激する。
「奥まで。最後まで」
「わかった」
 腰に力を入れ、押し入れる。
 小さな抵抗を感じたがそれを力で押し破る。
「ぁっっっ」
 ちとせの目から涙がこぼれる。
 口は歯を食いしばり、手はシーツをギュッと握っている。
46 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/11(日) 10:39:16 ID:Fvf30FSm
「ちとせ」
「大丈夫」
 仁が下を向き、その結合部を見ると、微かにシーツに血がにじんでいた。
「ちとせ。初めてなのか?」
「うん。えへへ。大学生にもなって初めてって、最近じゃちょっとヘンだよね」
「どうして」
「言ったよね。私は仁のことずっと好きで。仁にしかあげたくなったから」
「でも、俺たちって今年会ったばかりなんじゃ」
 ちとせは微笑む。
「ううん。仁、この近くの三小行ってたでしょ」
「え。うん」
「私もね、小学校のころまでこの近くにいたの。
 私が6年生のある日。友達がね、犬にほえられてて。私も助けに入ったけど、結局友達と二人で足がすくんじゃって」
「あ。あの時の?」
「へぇ。覚えてたんだ。うん。助けてくれたよね……あの時は本当に仁が王子様に見えたんだよ」
「そっか。あの時の上級生って、ちとせだったんだ」
「えへへ。驚いた?」
「うん。でも、そのときから俺を……やば、すごい嬉しい」
「高校のときとか、何回も当時の彼から迫られたりしたんだけどね。そのたびに、あの時の仁が思い出されちゃって
 でも、今は、そのときにしてなくてよかったって、思ってるよ」
「うん」
「ねぇ。もう、痛み……ひいてきたら、動いていいよ」
「え?でも、初めてなんだから、もう止めた方が」
「大丈夫。ちゃんと決めてたから、初めての時も仁を気持ちよくさせてあげようって」
「ちとせ……わかった」
 仁がゆっくりと腰を引く。
 ちとせからは愛液が溢れ出ているにもかかわらず、全くと言って滑らないほど膣壁が絡み付いてくる。
「んっっっ」
 ちとせが痛みに耐え、シーツを握る。
 仁は少しでもそれをやわらげようと、体を倒して口付ける。
「んっ」
 舌をからませ、唾液と唾液が混ざり合う音が二人の耳には届く。
「仁ぃ」
「愛してる。ちとせ」
 仁は腰の動きを少しだけ速くする。
「うん。私も。ぁぁっ」
「んぅぅ。ちとせ、俺」
「うん。中でも大丈夫。安全日だから」
「んっ。ぁぁぅ」
 小さな声とともに、仁の体が一瞬震え、そのまま中に精子を注ぎこむ。
「ぁぅ」
「ちとせ」
 仁はちとせの上に倒れこむ。
「あは。何か幸せ」
「俺も。初めてだ。こんな風に、誰かといると幸せだって思ったの」
「私も……かも」
 お互い見つめ合い、微笑み、口付けを交わした。

「ねぇ。仁」
「ん?」
 ベッドで並んで寝ている二人。
「これからも一緒にいてくれる?」
「うん。小学生の時から待たせた分……ずっとな」
「へぇ。仁にしてはかっこいいこと言うじゃん」
「うあ」
「冗談。うん。ありがとう……大好きだよ」
47 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/11(日) 10:42:24 ID:Fvf30FSm
遅くなった上に、長くなってしまいました。
一応ちとせ編終了。そのうち、続きとかも書きたいなって思ったりなかったり。

次は、小太刀の別な話をしようかなって思ってます。
48名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 11:46:48 ID:ot8KQhm2
>>47
GJ!!続編楽しみにしてます
49名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 14:08:27 ID:qK2/QrVO
GJ!!!抜きますたよ!!!
後は香織さんを待つのみか
50名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 15:30:01 ID:DxSyjIaZ
ちとせさんグゥゥゥゥジョブッッッッッ!!!!!

香織すぅわぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁうぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!
51名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 17:18:32 ID:qK2/QrVO
↑それなんて舞−HIME?
52名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 21:00:44 ID:xAaKO4DQ
香織さんマダかな?マダかな?
ワクワクテカテカ
53名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 23:20:04 ID:qK2/QrVO
お願いですから香織さんの続きをっ!!
職人さぁぁんっ!!
54名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 00:01:49 ID:csf4MhjR
>>47
スゴイ萌えさせて頂きました
続き楽しみに待ってます
55名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 02:05:44 ID:eE2N7tTW
>>47
GGGGGJ!!!
萌えた萌え尽きたよ!!続き勝手に期待させていただこう!!!
56名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 02:34:00 ID:aSA/3rih
GJ!!続編もかなり期待してます!
57名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 06:05:42 ID:uMiYU2zo
香織さん期待age
58 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/12(月) 20:34:38 ID:oCCzahEL
感想ありがとうございます。

次回は小太刀編の前に、小太刀編に出すもう一つのカップルのお話です。
なんか、また男ツンデレぎみではありますが、明日の20時に投稿予定です。

その後、小太刀編もとい3カップルが入り乱れる長編になる予定です。
59名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 22:36:23 ID:aSA/3rih
予告乙!
明日を楽しみにしてますよ!
60名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 23:09:39 ID:eE2N7tTW
>>58
予告乙です!
楽しみ〜
61   :2005/12/13(火) 00:31:12 ID:04ziHu2S
予告キタ━(゚∀゚)━!!

あの…小太刀ってなんて読むんですか?
62名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 00:57:13 ID:DVW040aY
こだち?
63 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:42:40 ID:a+cOds67
 人間誰しも嫌いなヤツはいる。
 ひとつの学校、ひとつのクラスをとってみても30人以上が一緒にいるわけで、ソリの合わないやつだって必ずいる。
 もちろん、それは俺も例外ではなく、クラスでただ一人だけ、嫌いなヤツがいた。
「みなさん。おはようございます」
 教室に入ってくるヤツ。
 クラスのほぼ全員がヤツを見、そして挨拶をする。
 柊美冬。政財界にも権力を持つ柊家本家の一人娘。
 成績優秀・眉目秀麗。性格も温和で、あまり運動は得意でないというまさに大和撫子。
 1年の頃から生徒会に所属。2年になった今では生徒会長に就任していた。
 俺はその柊を嫌っていた。いや、はっきりと嫌悪している。
「おはようございます。白河さん」
「あぁ」
 柊は俺の隣の席だ。だからこそ、毎日が息詰まる思いで生活だった。
 ちなみに俺は白河亮。ごくごく平凡な家庭に生まれた平凡な高校2年生。
 出来れば卒業までそのままですごしたかった。誰も嫌わずにのんびりと。
 俺が柊を嫌う理由。
 それは、今のヤツが本性ではないと知っているからだ。
 一ヶ月ほど前にあるキッカケで柊の本性を知った。
「あら?白河さん。どうなさいました?わたくしの顔に何かついていますか?」
「別に」
「ふふ。おかしな白河さん」
 口に手をあてて微笑む柊。
 それもこれもすべてヤツの芝居だ。
 俺は別に柊がどんな人物だろうとそれはしったこっちゃない。けど、クラスみんなを騙している。それが許せなかった。
 もっとも、普段はこうだが、柊自身も俺のことを嫌っているのを知っている。
 嫌っていてみんなの前ではこうなのだ。それがさらに俺の怒りに拍車をかけていた。
「あ。そうですわ。白河さん。1限目が終わりましたら科学準備室にお付き合い願えませんか?」
「ん」
 柊は生徒会長兼クラス委員を務めている。だから、教師から授業の準備なども頼まれる。
 もっとも、どうせそれは建前。いつものように俺に言いたいことでもあるのだろう。
 断ればあとで色々言われかねないから素直に従ってはおく。
「ありがとうございます。白河さんはお優しくて本当に助かりますわ」
 俺は特に返事もせずに外を見る。
 一番窓際の席だから、空がよく見えた。今日は本当に雲ひとつ無い晴天だった。
64 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:43:12 ID:a+cOds67
「で、俺は何をすればいい?」
 科学準備室。1限目終了後に俺は柊と来ていた。
「これとこれを運んでいただきたいのですが」
 柊は小さな二つのダンボールを指差す。
 この程度なら柊でも十分に運べると思うのだが。
「あと」
「ん?」
「……以前から無視はしないでくださいとお話していた思いますが」
 柊の目が俺を睨みつける。
 普段の人畜無害な瞳からまるで獲物を狙う獣の瞳へと変わっていた。
「無視はしてないだろ。返事はしてるし」
「空返事も同じです。貴方がそういう態度をとると、クラスのみなさんから変な風に見られます」
 激情家で人の目を気にする猫っかぶりお嬢様。それが柊美冬の本性だった。
「はいはい。なら、俺に構わなければいいだろ」
「そうは行きません……一応貴方のお席はわたくしの隣なのですから」
「あぁ。もう。うざい」
「な!?なんですって」
「うざいって言ったんだよ。別にいいだろ。俺は俺、柊は柊。俺にまで芝居を強要するな」
「芝居……」
 一瞬、柊の顔が暗くなる。
「わたくしは。ただ……」
「どうせみんなに嫌われるのが嫌なんだろ。だから、誰の前でも外面のいいお嬢様でいなきゃいけない」
「違います!」
「違わないね。ま、別に俺は柊の本性をクラスのやつらに言うつもりはねぇよ。だから、俺には構うな」
 俺は荷物を持つと科学準備室を出る。
 柊は………出てはこない。まぁ、いいか。
65 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:43:42 ID:a+cOds67
 俺が本性を知ってからと言うもの、毎日のように俺に突っかかってくる柊。
 俺もあいつに合わせてやればいいだけなのかもしれないが、それは性に合わん。
 特に本性を偽って誰彼構わずに愛想振りまいているようなやつとの言うことを聞くのは特にだ。
 そういや、今日は柊に何も言われなかったな。あきらめたか?今日はさっさと帰ろう。
「うへ。雨だ」
 季節は秋から冬に向かっているそんな時期
 雨はかなり冷たい。
「うぅ。傘なんて持ってきてないぞ」
 かなりの土砂降りだ。まさにバケツをひっくり返したような雨。
 俺が駅までの道を走っていると、すぐそばに黒塗りのリムジンが止まる。
 こんな車に乗ってる知り合いは……・・・いるか。
「白河さん。どうぞ」
 窓が開き、思ったとおりの人物が顔を現す。
「いや。俺は」
「春香」
「はい」
 奥のドアが開き、そこから黒いスーツの女性が出てきた。
 髪は後ろでくくられ、すらっとした顔立ち。かなりの美人だ。
 美人さんは柊の座席の前のドアを開く。
「さぁ。どうぞ」
「だから。俺はべつに走って帰るし」
「白河さん。白河さんが乗ってくださらないと、春香はずっと雨の中ですよ。それもよろしいのですか?」
 美人さんは眉ひとつ動かさずドアを開けた姿勢で待っている。
「わぁったよ。でも、シートぬれるからな」
「気になさらないでください」
 俺は開いたままのドアから中に入る。
 シートに座るとドアが閉まり、先ほどの美人さんが逆のドアから入ってくる。
 俺の対面には柊が座っていた。何がおかしいのか微笑んでいる。
「どうした?ぬれた俺がそんなに面白いか?」
「あ。いえ。こうしてお友達を車に乗せて家に連れて行くのなんて初めてなので」
 友達だぁ。ったく。学校ではろくに話もしないくせに。
 どうやら家でも猫かぶりらしいな。
「て。家!?」
「はい。わたくしの家で制服をかわしてから帰った方がいいのではないですか?」
「いや。駅でいいから」
「そのような格好で電車に乗られたら周りの方が迷惑なさるのでは?」
 う。まぁ、確かにそうだけど。
「もう、連絡はしてあるので、着いたら代えの服に着替えていただいて、乾かしている間わたくしのお部屋で宿題でもしましょう」
 優等生の柊と宿題をやればあっという間だろう。
 俺の中の天秤は明らかに宿題に傾いていた。
「ん〜……しゃぁないか。電車で嫌な顔されるのもsやだし」
「では。決まりですわね」
66 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:44:24 ID:a+cOds67
「どうしました?」
「いや。どうしたといわれても」
 着替えをすませ、俺が通された一室。
 てっきり客間かどこかだろうと思ったが、どうも柊の学習部屋らしい。
 いや、学習部屋がと呼ばれる部屋が別にあるのはいい。いいのだが。
「広すぎて落ち着かない」
「そうですか?」
 30畳以上は軽く見積もってもあるな。
 しかも、机とテーブル。それに辞書や参考書の入った本棚しか物はない。
 畳張りの和室で四面は襖で囲まれている。
「さぁ、宿題をやりましょうか」
「あ。あぁ」
 宿題をやりはじめて30分。途中、何度か柊にヒントをもらいながらなんとか終了。
 一人でやってたらどれだけかかってたかわからないけど。
「お茶、いれてきますね」
 柊が部屋を出る。
 ふぅ。この屋敷の大きさや外観にも驚いたが、家の中も負けじとすごいことになっている。
 廊下に無造作に飾ってある壷や絵画。素人目にもわかる。あれは高い。
 はっきり言って俺には程遠い世界だよな。
「はい。お茶がはいりました」
「ありがとう」
 柊からお茶を受け取る。
 ん。やっぱり葉っぱが違うのだろうか。コンビニで買うのとはわけが違う。
「うまかった」
「おそまつさまでした。お代わりはどうします?」
「あ〜。うん。お願いするよ」
 柊はポットから急須にお茶を注ぐ。
 それをゆっくりかき混ぜ、湯飲みへと深緑の茶が注いでいく。
「はい」
 お茶を俺に渡す柊。
 その顔は笑顔だった。
 今まで学校では見たことの無い、本心の笑顔。
「なぁ」
「はい?」
「今日はずいぶんご機嫌じゃないか?」
「そうですか?」
「あぁ、学校にいるときとは違う雰囲気。それは演技か?それとも地なのか?」
 俺は柊の本心……本性がわからなくなっていた。
 あの悪態をつきわめき散らすのと、今の優しい笑顔。
 この笑顔も、作り笑いでも演技でもない。俺にはなんとなくそれがわかった。
「………わたくしはただ……白河さんと」
『美冬さま。ご学友のお召し物が乾きましたが』
 部屋の外から声がする。
「あ。はい」
「白河さん。部屋の外の者に聞いて服を着替えてきてください」
「あぁ」
 俺が部屋を出ると、一人の女性が立っていた。
67 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:45:07 ID:a+cOds67
「あれ。さっきの」
「春香と申します。美冬さまの身の回りのお世話をさせていただいていおります」
 俺は春香さんに案内され、先ほど着替えをした部屋に行く。
 そこには乾き、綺麗にプレスされた俺の制服が掛かっていた。
『白河さま』
 部屋の外から春香さんの声がする。
『お召し物はいかがでしょうか』
「…あ、はい。ありがとうございます。クリーニングに出したとき以上の着心地です」
 そういうと、春香さんが部屋の中に入ってくる。
 俺の周りを一回りし、細かいゴミなどを取ってくれた。
「ありがとうございます」
 もう一度礼を言う。
「白河さま」
「はい?」
 春香さんが後ろでに戸を閉める。
「ご連絡先を教えていただいてよろしいですか?」
「へ?」
 ま、まさか。
「美冬さまのご学友として、何かあった場合に連絡できるかと思いまして」
「あ、あぁ。なるほどね」
 淡い期待を抱いた俺が馬鹿だった。
 俺は携帯番号を教える。
「あと。あの……できれば……もう少し砕けた感じでお話できませんか?」
「え?あ、えぇ。俺は構いませんけど」
「…ふぅ。よかった。こんな仕事してると息抜きできる友人って少なくて。白河くん。これから美冬さま共々よろしくね」
「あ。はい。よろしく」
 俺は春香さんの豹変した態度におどろいた。
 いや、息抜きといっていたし、これが地なのだろう。確かに、あんな話し方を続けてたら疲れそうだ。
 そういう意味では柊も……
「といっても、今日はもう帰るよね。はい、これ。私のプライベートアドレス。電話はいつでもでれるわけじゃないけど、メールは時間かかっても返すからね」
 黒い名詞を渡される。
 そこには橘春香と言う名前と電話番号とメールアドレスが。
「一応恋人募集中。いい人いたら教えてね。出来れば年上がいいかな」
 あらら。本当に期待を崩してくれる人だなぁ。
「白河くん」
「はい?」
 真剣な表情の春香さん。
 仕事中に見たあの表情とは違った意味の真剣さ。
「美冬さまのこと。貴方はどう思っていますか?」
「柊の………」
 どう思っている。ただのクラスメート?お嬢様?クラス委員?
「俺は……好きにはなれません……あいつのことは」
「それは嫌いということ?」
「……はい」
 そう言ったとたん、俺の胸が締め付けられるような苦しさを覚える。
 なんだろう。この辛さは。
 確かに嫌いだ……嫌いなはずなのに。
「そう……貴方なら…………」
「え?」
 俺が聞こえなかった最後の部分を聞き返そうとしたとき、誰かが部屋の外にやってくる。
『春香。終わった?』
 柊だった。
「はい。ただいま終わりました………白河くん。本当に、美冬さまをお願いします」
 最後の言葉は俺に向けて。小さな声だった。
68 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:45:33 ID:a+cOds67
 その日は俺が初めて柊の家へ行ったときくらいに土砂降りの雨だった。
 もっとも、今日はちゃんと傘を持ってきてるから問題は無い。
「ふぅ」
 俺が柊の家におじゃましたあの日以来、一度も柊とは口を交わしていない。
 挨拶程度はするが、それまでだ。
「ふぅ」
 本日何度目かわからないため息。
 ここ数日、柊のことが気になってしょうがない。
『………わたくしはただ』
『白河くん。本当に、美冬さまをお願いします』
 あの日見た、柊の悲しげな表情と春香さんの真剣なまなざし。
 それが脳裏から離れないのだ。
「俺は」
 駅で電車を待ちながら物思いにふけっていると、俺の携帯電話が着信を伝えてきた。
「春香さん?」
 ディスプレイには柊の世話役の春香さんの名前が。
「もしもし」
『あ、白河くん?美冬さまはそばいる?』
「え?柊?いや、いないけど」
『そう……』
「なにかあったのですか?」
 春香さんの声は明らかに暗く、そして微かな焦りすら感じられる。
『実は……車から飛び出してしまって』
「え!?この雨の中?」
『はい。美冬さま、白河くんに嫌われたとずっと落ち込んでて。それで』
「どこでですか」
『え?』
「どこでいなくなったんですか!」
 俺は無意識の内に改札を出ていた。
『あ、この前白河くんを車に乗せたあたり』
「わかりました。また連絡します」
 俺は電話をポケットに入れると雨の中駆け出した。
 傘は邪魔だから駅のゴミ箱に投げ入れた。
「あの馬鹿が!」
 嫌われた。あぁ、俺はずっと嫌ってたさ。
 本性を知る前から好かないやつだった。けど………
 無性にあいつの……あの笑顔が見たくなっていた。
69 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:46:02 ID:a+cOds67
「くそ。どこだ!」
 俺は走り回った。雨が視界をさえぎり先がはっきりと見えない。
 これほど人探しが困難な日もそうそう無いだろう。
「こっちか?」
 俺は柊のいきそうな場所なんて知らない。
 俺は柊のこと………何も知らないんだよな。
「あ。いた」
 場所は大通りから少し入った小さな商店街。
 柊は雨の中、傘もささずに立っていた。
「柊」
「………白河さん」
 振り向いたその顔。
「泣いているのか?」
 大きな黒い瞳には涙が浮かんでいた。
「雨……です。雨とはこんなにも冷たくて寂しいものなのですね」
 柊の瞳から涙がこぼれる。
 それは、すぐに顔を滴る雨と交わり消える。
 だが、彼女が泣いている。その事実が消えるわけではなかった。
「ごめんなさい。ごめんなさい」
 手で顔を覆い、そのまま泣き崩れてしまう。
 俺はそんな柊がとても小さく壊れてしまうのではないかと、錯覚を起こした。
 そして、無意識のうちに彼女を抱きしめていた。
「ぁっ」
「柊。こんなに冷えて」
 俺は柊を雨から守るように、そして、暖めるように抱きしめた。
「白河さん………わたくし、わたくし」
「いいよ。俺は大丈夫だら」
 柊の嗚咽が聞こえる。
 そして、嗚咽に混じり彼女の謝罪の言葉も漏れる。
「でも……わたくし……しら…かわさんに………ごめんなさい…ほんとうに」
「もういいよ。さぁ、帰ろう。風邪……ひいちゃうよ」
 俺は彼女の冷たくなった手をとって歩き出す。
 ゆっくりとしたペースではあるが、確実に歩み進める。
 大通りでタクシーを拾う。運転手に彼女の家を伝える。
「白河さんは」
「俺は………さすがに行けない。春香さんに連絡しておくから大丈夫だよ」
「白河さん………わたくし、息が詰まりそうです」
「柊」
「わたくし、白河さんのことを……白河さん………わたくしと一緒に」
「運転手さん………お願いします」
「あ」
 タクシーのドアが閉まる。
 走り出す直後まで彼女は俺のほうをじっと見ていた。
 あの目は、何を物語っていたのだろう。恨み?憎しみ?それとも悲しみ?
 俺はタクシーの行ってしまった方向をみながら、携帯電話を操作する。
「…………あ、春香さん。えぇ……だから、タクシーで家まで………はい。あとはよろしくおねがいします」
 俺は携帯電話をしまう。
 春香さんに連絡もとったし、あとは俺の出る幕ではない。
 ないはずだが………なぜだろう。俺がずっと嫌悪していたのは彼女だったはずだ。けど、今は………
『白河さん………わたくしと一緒に』
 あの最後の台詞。それを受け入れられなかった、自分自身が一番嫌いだった。
70 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:46:29 ID:a+cOds67
 その日。俺は寝付けなかった。
 柊の瞳と声が、俺の脳裏に焼きついて離れない。
 いつからだろうか。柊のことが気になりだしたのは。
「やっぱ、あの日か?」
 あの笑顔を見たとき。
 いや……違う。
 もっと前。もっと前から俺は柊を。
「そうか」
 あの本性を知った日。あの日から俺の中で柊は特別な存在だったんだ。
 たとえそれが嫌悪だろうとも。
 それまでのお嬢様としての特別ではなく、一人の女の子として。
 そしてそれは俺の中で。
 突然、携帯電話から着信音が鳴り響く。
「え?」
 ディスプレイには昼間と同じ春香さんという文字。
「もしもし………え?………」
 俺は携帯電話を落とした。
「柊が重体?」
71 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:47:02 ID:a+cOds67
「春香さん。柊は!」
「落ち着いて」
 俺は黒塗りのリムジンに乗っていた。
 家に戻った柊は、タクシーから降ろされ、そのまま春香さんに身を任すように気を失ったらしい。
 そのとき、すでに高熱が彼女の体を蝕んでいたと言うのだ。
「熱が下がらないのと、肺炎になりかかっていて、呼吸も乱れていて。かなり厳しい状態よ」
「そんな」
「くそ。俺がもっと早く見つけていれば」
「それは私の責任よ。白河くんは悪くは無いわ」
「……柊、息が詰まりそうだって。それほどに苦しむまでにどうして」
 春香さんは黙っている。
「春香さんは知っていたんですか?柊が……演技で本心を押し隠していたことに」
「知っていたわ」
 春香さんはポツリとつぶやいた。
「…私も、旦那様も奥様も。美冬さまが柊家の子供を演じているのを。
 美冬さまがまだ小学生だった頃。一度だけ旦那様に逆らったことがあったの。でも、その時、旦那様は美冬さまを怒られて。
 旦那様も奥様もそして、使用人たる私たちも誰も美冬さまと言葉を交わすことを禁じたの」
「あの広い家で誰も……」
「丁度夏休みだったこともあって、学校もなく友達が尋ねてくることもない。美冬さまは悲しさと寂しさで毎晩泣いていたわ」
「当たり前だ!小学生だったんだろ!そんなこと耐えられるわけがないだろ!!」
「えぇ、だから3日ほどたった日、美冬さまは旦那様と奥様に謝まったの。そして、ずっといい子にしている。そう誓って」
 柊の過去。
 柊の家は古くから伝わる由緒正しき家系。厳しい教育を受けているのだろうとは思っていたが。
 そうだったのか。それで、柊は演技を。
「……白河くん。貴方は美冬さまにとって唯一心を開いて接することの出来る人よ」
「え?」
「学校であった出来事、特に貴方に関することは以前からよく美冬さまに聞かされてたの。それはもうとても嬉しそうに」
「柊が俺のこと」
 俺は嫌われているわけではなかったのか。
 でも。
「白河くん。貴方は美冬さまをどう思っているの?以前、聞いたように嫌い……なの?」
「俺は」
 俺はどうなんだ。
 嫌いなのか?
 いや……自問するだけ時間の無駄……だな。俺は。
「俺は柊のこと」
 言いかけたところで、車が停まる。
 外には大きな病院が見える。
「ふふ。さぁ、ついた………ここの10階、1003病室。個室に美冬さまはいるわ」
 俺は開いたドアを飛び出した。
 この病院に柊が。
 俺はエレベータに乗って10階を押す。
 エレベータが10階につくと同時に俺は病室を確認する。
「ここだ」
 目の前には1003の札と柊美冬のプレート。
 間違いない。
 俺は小さく深呼吸し、ドアを開ける。
72 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:47:34 ID:a+cOds67
「ひいら……ぎ?」
 …………
 俺はベッドの上の人物と目があった。
「あ?」
「は、はやくドアを閉めて外に出なさい!!」
 俺はその声で我に返る。
「ご、ごめん」
 ドアを閉めて廊下に出る。
 が、俺には今の光景が目に焼きついてはなれない。
 柊がベッドに腰掛け、上半身裸になり、タオルで体を拭いていた。
 もちろん、そこには、二つの……あ〜。だめだだめだ。ったく。
「てか、どういうことだ」
 俺は春香さんを探して、左右を見渡す。
 いない。それどころか、ほかのSPの人も誰も居ない。
 柊も自分で体を拭いていた。
「そういえば、春香さん……俺が車から降りるときに降りてない?いや、その前に、あの時……笑ってた?」
「あの」
「うぉっ。あ、柊。すまん」
 病室のドアが開いてそこから柊が顔を覗かせていた。
「あ、いえ。わたくしこそ……怒鳴ってしまって。入ってくださって結構ですよ」
「あ。じゃあ。おじゃまします」
 俺はなるべく柊の顔を見ないように部屋へと入る。
 広い。家の俺の部屋よりもずっと広い病室。
 柊は「失礼します」といってベッドに入って横になる。
「あの。どうしたのですか?こんな時間に」
「はっ。あぁ、そ、そうだ。柊。体は大丈夫なのか?熱が出て肺炎になりかけてるとか」
「熱?……たしかに、少しありますけど。37度2分くらいですよ」
「へ?」
 たしかに。別に咳き込んでるわけでも、苦しそうでもない。顔色だっていたって平常だ。
「俺、春香さんから柊が重体だって聞いて。あれ、春香さんも間違えたのかな」
「わたくしがですか?いえ、先だって白河さんにタクシーで送られたあと、すぐに春香がやってきて。父のところに行きましたが?」
「そのときは?」
「今と同じ感じです。少し熱があると言ったら、父がここに運んでくれて。そのとき春香も一緒でしたので、私の病状が軽い風邪であるのは知っているはずです」
 えっと。それはつまり。
 春香さんが俺に嘘をついた?なんで?
「どうしました?」
「あ。いや。そっか。でも、軽い風邪ってきいて安心したよ」
「心配してくださったのですか?」
「え?あ。うん。かなりね」
「………うれしい……あ、ではなくて。心配をおかけして申し訳ありませんでした」
「いや。それは別にいいんだけど」
 お互いにうつむく。
73 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:48:03 ID:a+cOds67
「あのさ」
「はい」
「………柊のこと聞いていい?」
「わたくしのことですか?」
「うん。なんか、ここ数日で一気に柊のこと……俺、間違って見てたんじゃないかって思ってきててさ。だから、ちゃんと知りたいんだ」
「ぁ………はい」
「春香さんに聞いたけど、小学生の頃に怒られて誰とも口をきいてもらえなかったときがあったって」
「はい。その一件で私は」
「人に無視されるのが嫌になった」
「え?いえ。人に好かれて生きるのがもっとも楽だと知ったのですが?」
「へ?」
「もともと、父も母も忙しくて私と会話なんてしない人でしたし、家に来てくれるような友達もいませんでした。
 ですから、話をするのは使用人やSPの方々。その方々もお話をしてくれなくなってさすがにあの時は困りました」
「困っただけ?」
「はい。でも、みなさんわたくしが真面目に可愛らしくしていると、父に内緒でまたお話してくれるようになったのです」
「でも、それじゃあばれたら」
「怒られました。でも、わたくしの周りのみなさんがかばってくださって。父も、これだけ人の心を動かせるなら柊家としても安泰だとゆるしてくれました」
「…………ちなみに、春香さんはそれは」
「一番最初に話をしてくれたのが春香でしたが?」
 また騙された!!
 あの人。顔に似合わず人を騙すのが得意だな。
 てか、あの人が一番演技上手なんじゃ。
「白河さん?」
「あっ…あぁ。うん?」
「あの。覚えていますか?私が……その悪口を言ってた……あの」
「え?あ、もちろん」
 誰も居ない教室。
 柊が悪態をつきながらクラス委員のプリントの集計を行っていた。
 そのときは、柊でもやっぱりあぁいう一面もあるんだとそう思っただけだったのだが。
「ものすごい悪口だったもんな」
「あ、あの時はたまたま、機嫌が悪くて。それに」
 プリントの提出者一人一人の悪口を次から次へと。
「しかも、俺が見つかって」
「……うぅ。やっぱり忘れてください」

『……あら。どなたですか?』
『俺だけど』
『あらあら。白河さんじゃありませんか。どうなさったんですか?』
『部活終わって、忘れ物に気づいたから』
 俺は自分の席へと行く。
『どうなさったのですか?』
『いや。柊も悪口とか言うんだなって思って』
『聞いてたんですか?悪趣味ですね。盗み聞きだなんて、将来いい大人になれませんよ?』
 普段のおっとりとした話し方からはてんで想像も出来ない言葉。
『柊?それが本性なのか?』
『本性?本性ってなんですの?わたくしはわたくし。それ以上でもそれ以下でもありません』
 柊は早口でまくしたてる。
 俺もさすがに頭にきて言い返した。
『普段は猫をかぶってたってわけか。まんまと騙されたよ』
『騙してなどいません。貴方たちが勝手に私に理想を押し付けて』
74 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:49:21 ID:a+cOds67
 …………あれ?
「理想を押し付ける?」
「はい?」
「いや。あのときのことを思い出してたんだけど。柊、俺に理想を押し付けてって」
「えぇ。でも、それは白河さんだけに言ったのではなく、父や母もそう。柊家の娘ならとか」
 あれ?それじゃあ……ひょっとして。
 なるほど。なんだか、パズルのすべてのピースが埋まったような気がする。
 初めて。柊美冬と言う人物。それを本当の意味で見つけた気がした。
「そっかそっか。あれも柊だし、俺の前にいるのも柊」
「どうしたんですの?」
「いやいや。なんでもない」
 俺はどうやらとんでもない思い違いをしていたようだ。
「なぁ、演技するのって辛いか?」
「いいえ。大変ですけど、みなさんがそれで笑顔になってくれるのでわたくしはそう思ったことはありません」
 柊は自分のために柊美冬を演じている。けど、それは同時にみんなのためでもあったのだ。
 周りが笑顔になる。ただそれだけの理由で。
 あの日も押し付けられてと辛辣な言葉を発したのも機嫌がわるかったせいなのだろう。
 証拠に、ここで話をしてくれている本心の柊自身がこんなにも笑顔じゃないか。
「今までにも私を無視したりする人はいっぱいいました。一応、こんな家柄ですし恨まれたりもしますから」
「恨まれる!?」
「えぇ。大体はわたくしには関係ないところでですけど。お金持ちだとかそういう理由で。私は別に万人に好かれようととは思っていません。
 私を切りたい人は私から切ります。それくらいの心得はちゃんと持っています」
「そうか………あれ?でも、ならなんで俺にはあんなに?」
 俺に対しては明らかに敵意のようなものを感じたこともあった。
 俺もそれに反発してたし。柊にとって俺を切る条件は揃っていたと思うんだが。
「え?あ。あの………えっと、ですね……お話をもどすのですけど、あの日、わたくしが悪口を言ってた相手は」
 柊の顔が見るまに赤くなっていく。
「うん」
「…………し、白河さんに……クッキーをあげた人………なんです」
 そういえば、確かにあの日は女子は調理実習があってクッキー作ってて。俺も何人かからもらってたっけ。
「てか……え?」
 ちょっとまって。俺にクッキーをくれた子に悪態ついてたって。
 しかも、ひょっとしてそのせいであの日は機嫌が悪かった?
 まさか。
75 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 19:49:45 ID:a+cOds67
「……白河さんには嫌われたくはなかったんですけど。機嫌が悪くなってあたってしまって。逆効果だったみたいですね」
「逆って?」
「白河さん。以前お友達とお話になるのが聞こえたんです。『俺が好きなのはありのままの女の子だな』って」
 確かにそう言った覚えはある。
 じゃあ、俺に演技ではない素の状態を見せてたのって。
 この、うつむいてしまってか弱い少女が精一杯、俺に………柊なりの解釈で俺に……
「柊」
「は、はい!」
「気づいてやれなくてごめんな」
「あの。わ、わたくし」
「あ。うん。これは俺から言わせて。いまさらって言われるかもしれなけど……」
 俺は一呼吸おく。
「柊。俺がここに来たのは柊が心配だったから、柊が重体って聞いて血の気が引くくらいに……そして、遅かったけどそれでわかった。
 俺は柊美冬が……好きだ」
 柊は口元を両手で多い、涙を流している。
 夕方の寂しい瞳ではなく、明るくやさしい瞳から。
「白河さん」
「うっと」
 柊が起き上がり抱きついてきた。
 女の子ってこんなに軽くて小さくて……甘い香りがする。
「わたくしも……わたくしも、ずっとお慕いしておりました」
 柊の涙が俺の胸にしみこむ。
 あたたく心地よい涙だった。
「柊」
 俺は柊の顔に手をあて、自分の方に向ける。
 目を瞑り、穏やかな顔となったその顔は、今までは決して見ることが出来なかったほど可愛い顔だった。
 俺はその顔に引き寄せられ。甘く柔らかい唇に触れた。

 あのあと、俺は春香さんに送ってもらって帰った。
 やっぱり春香さんは全て知っていたのだ。
 だからこそ、俺を炊きつけ、時には嘘までついた。ホント、主人想いの最高の世話役ですよ。
 その後、学校にやってきた柊はもちろん周りにはあのままだった。
 が、少しだけ変わった。
 調理実習で女の子が俺に何かをあげようとするのを見ると、すぐに止めに来るのだ。
「白河さんに勝手に食べ物を与えないでくださいませんか?」
「俺は犬か」
 おかげで、俺と橘が友達以上の関係であると知れ渡るのに、それほど日数はかからなかった。
「白河さん。はい。お弁当です。今朝はわたくしが作らせていただきました」
76 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/13(火) 20:02:31 ID:a+cOds67
3カップル目。終わりです。思った以上にながくなってしまいました。

一応。キャラの名前と特徴を書いておきます。
東俊之(あずま としゆき) 高2 男子テニス部部長。身長183 比較的無口。年寄り気味な言動。
木ノ下小太刀(きのした こだち) 高2 女子テニス部部長。身長143 幼児体型。短絡的思考。
牧村仁(まきむら じん)高1 身長170 比較的常識人間。ただ流されやすい。俊之には逆らえない。
種田ちとせ(たねだ ちとせ)大1 身長168 能天気。スタイル抜群。Eカップ。
白河亮(しらかわ りょう)高2 男子テニス部副部長。身長174。感情にながされやすい。思い込みが激しい。
柊美冬(ひいらぎ みふゆ)高2 身長155 お嬢。白い肌と長い黒髪。

といった感じです。次はこの6人全員が出てくるお話になる予定です。
では。
77名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 21:17:23 ID:Bexhe6Ml
ウフォー!美冬さん!同じクラスになりてぇ!
次は6人でてくるんですか!大変と思いますが頑張ってください!
GJ!
78名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 21:24:52 ID:e689JJsi
GJオッケ〜〜〜〜イ!
次のお話も期待してます







香織さんマダかな
79名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 21:37:22 ID:SPrQfXcN
◆iYpdzeKy5k氏GJです!

80名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 22:26:44 ID:PZfhV0gN
>>76
激しくGJです!!6人全員が出てくるという次の話も心待ちにしてます。
81名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 23:01:09 ID:SLM3KRIb
GJです
しかしふと思ったんだけど三組のなかで初めに書かれたはずの俊之小太刀が一番簡単に書かれたような…

三度目の絡みだったみたいですが一度目の時とかは省略してしまったんでしょうか?
82   :2005/12/14(水) 00:58:08 ID:tkGpyrUh
不覚にも春香さんにも萌えてしまった
もちろん美冬さんも好きだけど

春香さん次も出てきますか?(´・ω・`)
83名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 01:00:39 ID:tkGpyrUh
忘れてた…orz
◆iYpdzeKy5k氏G・GJ(グレイト・グッジョブ)!!!
84 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/14(水) 19:52:04 ID:K8oL8axF
感想どうもありがとうございます。
誉めていただくと各気力が倍増です。

>しかしふと思ったんだけど三組のなかで初めに書かれたはずの俊之小太刀が一番簡単に書かれたような…
初めての投稿だったうえに、設定とか書きながら決めてしまって。
今はかなり細かいところまで設定あるので、書き直したいくらいですよ。
そのうち、過去二回の回想も含めて結末編を書きます。

>春香さん次も出てきますか?(´・ω・`)
いちおう、美冬行くところ春香ありなので。出ます。
けど、今のところはほんの少しだけの予定だったのですが。
ひょっとしたら出番増やすかもしれません。
85名無しさん@ピンキー:2005/12/15(木) 11:48:36 ID:p9e1EASd
美春キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
86名無しさん@ピンキー:2005/12/15(木) 15:13:12 ID:BZs/50Ay
よりによってシグルイかよ・・・。
スゲー。
87名無しさん@ピンキー:2005/12/15(木) 19:21:35 ID:p9e1EASd
>>85
所々「美冬」になってたな
88名無しさん@ピンキー:2005/12/16(金) 16:14:34 ID:yamO107L
それは言わない約束ですよ!
89名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 00:40:03 ID:xEoHKoNT
香織すわぁ〜ん!
早く来てくれぃ!!
90名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 11:34:54 ID:YEmPyxAs
香織さぁん(´Д`;)
91名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 12:10:20 ID:PKDQwsfW
香織さぁぁ(´Д`)ぁぁぁん!!
92名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 22:11:38 ID:MSLqxznB
職人さぁぁ(´Д`)ぁぁあん!!
93名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 16:15:54 ID:rRsZq5V4
美冬さんアゲ
94名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 23:04:23 ID:exhRXB6c
今更ながら前スレ落ちたな
95名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 00:21:48 ID:jgTZrWvU
本当に今更だなw
96名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 17:44:38 ID:D127JDf3
香織さんの作者様のまとめサイトってどこだっけ?
97 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/19(月) 19:35:47 ID:vohFQIYS
「うわ〜……山がみんな真っ白だ!!」
 体を隠そうともせずに立ち上がって外を見回す少女。
 木ノ下小太刀。小学生並みの体型と思考の持ち主。あたりまえだがスタイルは3人の中で一番子供だ。
「んふふふふふ。ぇぇい!!」
「ひゃぁ」
「よいではないかよいではないかぁ」
 ゆっくり近づき小太刀の胸を揉みしだいている女性。
 種田ちとせ。今回の旅行のメンバーの中ではもっとも年長で大学1年。女性にしては高身長とモデル並みのスタイルの持ち主。
「ふぅ。温泉は露天にかぎります」
 体にがっちりとタオルを巻いて完全防備の少女。
 柊美冬。この旅館のオーナーの娘。白い肌と碧の黒髪が日本人としての美を象徴している。
 3人ともタイプこそ違えど、かなりの美人には違いは無い。
「今日は誘ってくれてありがとね」
「うん。でも、お礼は美冬に言ってよ。タダで泊めてくれたんだから」
「特に礼を言われるほどでもありません」
 気にするなと言いたげな美冬を前に、小太刀とちとせは顔を見合わせる。
「ん〜。でもねぇ」
「でしたら、この温泉と食事を堪能してください。それで皆さんがよろこんでいただくことで十分ですから」
「そういうことなら……よぉし、今日は食べるぞ」
「お〜!!」
 ちとせの決意表明に呼応し声を上げる小太刀。
 美冬はそれを微笑ましく見ていた。
98 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/19(月) 19:36:38 ID:vohFQIYS
すみません。97は投稿ミスです。無視してください
99 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/19(月) 19:37:57 ID:vohFQIYS
 2006年1月1日。
 新年明けて間もない今日。のんびりと露天風呂につかっている男が3人。
「ふぅ。極楽極楽」
 頭にタオルをのせ、どっかりと浴壁代わりの岩に背中を預けている長身の青年。
 東俊之。この旅行の提案者。
「東先輩。年寄りじゃないんですから」
 湯船のど真ん中で正座している、まだ少しだけ幼さの残る少年。
 牧村仁。実は彼女とデートしているときに東に会い、強制的に連れてこられた。
「ま、それが俊之だからな」
 上半身を湯船からだし、雪景色の山を眺める青年。
 白河亮。この旅行の幹事。正確には彼の彼女がこの温泉旅館のオーナーの娘という理由で幹事をやらされたのだが。
「あの。東先輩」
「ん?」
「この旅行って、東先輩と木ノ下先輩の二人で来る旅行だったんじゃないんですか?」
「ん〜。人数が多いほうが楽しいからな」
「そんな理由で」
 神妙な顔つきになる仁に亮が言う。
「まぁ、気にするな。木ノ下もみんなが来るって聞いて喜んでたみたいだしな」
「はぁ。そうなんですか?ならいいんですけど……あと、お金は」
「それも気にするな」
 旅行の面子で一番の年下。なおかつタダで連れてきてもらっているため仁はかなりの負い目を感じている。
「気にするな。俺も払ってない」
「えぇ!?東先輩も?」
「俺は払うと言ったんだが、美冬の親父さんが受け取ってくれなくてな。まぁ、オーナーがいいと言うんだからいいんだろ」
「……あの。柊先輩って、白河先輩の彼女なんですよね。そんなにすごい」
 仁が全てを言い終える前に、突然、垣根の向こう側が騒がしくなる。
『いっちば〜ん』
 声とともに水が跳ねる音が聞こえてくる。
『にば〜ん』
 再度の水音。
『小太刀さんも種田さんも。あまりご迷惑なるようなことは避けたほうがよろしいですよ』
『えぇぇ。でも他に誰もいないしさ』
『そうそう。こういうときは好きなようにするのがストレス発散にいいんだよ』
 噂をすればなんとやら。
 どうやら隣の女湯の方には彼らの相方たちがやってきたようだ。
100 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/19(月) 19:38:34 ID:vohFQIYS
「うわ〜……山がみんな真っ白だ!!」
 体を隠そうともせずに立ち上がって外を見回す少女。
 木ノ下小太刀。小学生並みの体型と思考の持ち主。あたりまえだがスタイルは3人の中で一番子供だ。
「んふふふふふ。ぇぇい!!」
「ひゃぁ」
「よいではないかよいではないかぁ」
 ゆっくり近づき小太刀の胸を揉みしだいている女性。
 種田ちとせ。今回の旅行のメンバーの中ではもっとも年長で大学1年。女性にしては高身長とモデル並みのスタイルの持ち主。
「ふぅ。温泉は露天にかぎります」
 体にがっちりとタオルを巻いて完全防備の少女。
 柊美冬。この旅館のオーナーの娘。白い肌と碧の黒髪が日本人としての美を象徴している。
 3人ともタイプこそ違えど、かなりの美人には違いは無い。
「今日は誘ってくれてありがとね」
「うん。でも、お礼は美冬に言ってよ。タダで泊めてくれたんだから」
「特に礼を言われるほどでもありません」
 気にするなと言いたげな美冬を前に、小太刀とちとせは顔を見合わせる。
「ん〜。でもねぇ」
「でしたら、この温泉と食事を堪能してください。それで皆さんがよろこんでいただくことで十分ですから」
「そういうことなら……よぉし、今日は食べるぞ」
「お〜!!」
 ちとせの決意表明に呼応し声を上げる小太刀。
 美冬はそれを微笑ましく見ていた。
101 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/19(月) 19:39:57 ID:vohFQIYS
「ねぇ」
「はい?」
「なに?」
 ちとせに声をかけられ美冬と小太刀は彼女を見る。
「二人とも、エッチってどんなことしてる?」
 恥じることもなくちとせが聞く。
「へ?あ……あの。えっと」
 美冬の問いに小太刀は真っ赤になって顔半分を湯船につける。
「あれ〜。小太刀ちゃん、こういう話苦手?」
「……うん」
 小さくうなずく。
「へぇ。結構好きそうなのに。ん〜。もう、このギャップがたまらないなぁ」
 小太刀はますます真っ赤になって今度はちとせに背を向けてしまった。
「ふふ。美冬ちゃんは?」
「してませんよ」
「へ?……じゃあ、キスは?」
「い、一度だけ」
 美冬は先ほどの小太刀同様真っ赤になる。
「一度!?」
 その答えには小太刀も驚いた。
「なにか、おかしいでしょうか?」
「おかしいというか」
「ねぇ」
 きょとんとしている美冬を前に、小太刀とちとせが顔を見合わせる。
「美冬ちゃんの家ってひょっとして籍を入れるまで操を守れとかそういうタイプ?」
「いえ。そんなことはありませんが」
「ならなんで?」
「は…恥ずかしくて……ちとせさんも小太刀さんも経験はあられるのですか?」
「私はほぼ毎日してるよ。お互い一人暮らしだし、まぁ、今は仁のとこに半同棲生活みたいなものだしね」
「わ、私も……週に1回くらいは」
 スラリと言うちとせと、言って真っ赤になる小太刀。
「そうなのですか。やはり、変……なのでしょうか?」
「ん〜。年頃の男の子だからね。モタモタしてると他の女に取られるよ?」
「でも私は白河さんを信じてます」
「その時点でおかしい。彼氏を苗字でさん付けなんてさ。信じる信じない以前の問題」
「そうでしょうか?」
「そうなの。ちなみに白河くんは美冬ちゃんのこと何て呼んでる?」
「え……美冬です」
「ほら。やっぱり美冬ちゃんが他人行儀なのがきっと白河くんにも距離を置かせる原因なのよ」
 美冬だけじゃなくて小太刀もちとせの言葉に聞き入る。
「ってわけで。泊まる部屋はそれぞれ2人ずつ別々。いい状況じゃない。決めちゃいなって」
「え。でも。あの」
「まず手始めに、名前で呼んでみようか。さ、練習練習」
「り……りょ……う……さん」
 それを言うだけで真っ赤になる。
「ん〜。まぁ、最初はさん付けでもいいとしても、ちゃんと名前で呼んであげないと」
「あ。はい……りょうさん……りょうさん………亮さん」
「うんうん。言うたびに顔が真っ赤になるのを直せばそれでいいよ」
「あ、ちーちゃんちーちゃん」
 ちとせが美冬の訓練を終えたのを見計らって小太刀が声をかける。
「なに?」
「えっと……セックス……のこと」
「ほほう。なんでもお姉さんに聞いてごらん」
 小太刀は美冬に負けないほど真っ赤になってちとせに耳打ちする。
「マジ?」
 コクリと頷く。
「あ〜。それはね……」
「亮さん。亮さん。亮さん……」
 ちとせと小太刀の性教育と美冬の呟きは、3人がのぼせかけるまで続いた。
102 ◆iYpdzeKy5k :2005/12/19(月) 19:42:27 ID:vohFQIYS
投稿ミス申し訳ありません。

今回はまだ全然進展がありません。次回は結構エロエロになると思います。
波乱も考えてますので、お付き合いお願いします。
103名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 23:00:17 ID:X1sCWGqP
やった〜(^O^)
待ちに待った三組共同旅行だ〜
続きが気になる!
104名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 00:07:05 ID:gko9/Jee
GJ!!続きが烈しく気になります!
105名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 01:18:18 ID:gko9/Jee
>>96
ttp://awam.exblog.jp/

もしくは「量産型うに」でググるとトップに出てくるよ。
106名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 02:04:00 ID:N84LrK9E
>>105
サンクス!お気に入り登録しといた
>>102
超GJ!楽しみ
107名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 22:12:27 ID:L7mr1q/y
GJ!マジでGJですよ〜。続きかなり楽しみにしてます!
108名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 22:30:12 ID:7qUb4+uu
期待あげ
109名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 19:53:33 ID:25gLa8w6
香織さん!香織さん!
110名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 20:09:15 ID:RGAjANdz
いいかげんに香織さんコール止めてくれませんかね
期待するのはわかるけどしつこい
111名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 20:45:47 ID:dUsrsAEH
>>110
禿同
香織さんコールをしたいなら作者様のサイトでやってくれ。
アドレスは>>105にあるから。
112名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 22:18:25 ID:u91BSHMx
香織さん期待あげ
113名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 22:37:25 ID:IjEj//uB
>>110-111
というか作者さんがやる気なくすかプレッシャーに潰されるとオモ
こんだけやられれば…
114前スレ527   ◆k8fXz6W8GA :2005/12/22(木) 23:08:41 ID:WBEAn54m
お久しぶりです前スレ527です
近いうちに里帰りで一つ投下したいんですがいいですかね?
ネタは彩と静馬のクリスマスネタなんですが…
115名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 23:11:22 ID:5zk0uObp
断る理由などない。好きにすればいい。







てゆーか投下してください。お願いします。
116名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 23:19:27 ID:RGAjANdz
別スレのやつも見てますよ
あっちはものすごい事になってますが
是非投下してください
117名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 05:16:44 ID:Ee9GFo+7
香織さんの薫り期待あげ
118名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 09:28:54 ID:aiXAl9Rg
>>113
既にフェードアウトしてるなこりゃ
なんだ?この過剰な期待レスは?嫌がらせか?
119名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 10:36:29 ID:pwLdZKff
>>114
是非投下してください。禿しく楽しみにしてます。
それと別スレでも描いているようですが、是非その別スレがどこか教えてください。
120名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 10:45:25 ID:LK5wS0/3
>>119
「女性上位で優しく愛撫される小説ver.4」。
このシリーズ以外のSSもなかなか良作揃い。
121 ◆/pDb2FqpBw :2005/12/23(金) 11:22:25 ID:baD/VKV7
「・・・大体そもそも私は京介さんに当然の事を言っているだけであって
 別段気が強い訳ではないのですが・・・。」
と、東京に向かう汽車の中で両手に映画情報誌を握り締めながら香織さんは呟いています。

その頃東京ではサーシャが寅太郎の膝に乗りながらお付のお手伝いさんとはお婆さんに違いない。
と、トイレに近い部屋を香織さんにあてがおうと思案しています。

さいらは飴を舐めています。


@@

プレッシャーとかはないですがのんびり派なので待っていただけると嬉しいです。
というか姉妹スレに浮気してました。後私生活が年末で火を吹いて。

間口の広い書き手にも書きやすいスレですし、2chのスレッドは1人の書き手だと持ちにくいですし、
他の方にもガンガン書いてもらって皆にガンガン感想書いてもらって
いろんなパターンの気の強い娘でどんどんスレが盛り上がっていくと読んでてきっと楽しいんじゃないかな-と思います。
個人的には徹底的ツンを読んでみたいです。
122名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 12:49:02 ID:8t7oqC8W


のんびり待ちます

良いお年を!
123名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 14:07:13 ID:Ee9GFo+7
キテタァァ──(゚∀゚)──!!!
124名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 15:27:12 ID:pwLdZKff
>>120
ありがd。早速逝ってくる。
125名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 23:48:20 ID:FEgVh+wF
>>120
俺は>>124じゃないが、行ってみた。
別アングルからの話って感じで、
向こうもなかなか良かったな。

◆k8fXz6W8GA氏には是非とも、
個人サイトを立てて頂きたいものだ。
126めりくり。:2005/12/25(日) 00:25:41 ID:kOLX07w9
「なぁ、今日が何の日か知ってるか?」
「久しぶりに会えたと思ったら……いきなり何よ。バカにしてるの?」
「いや、そういう訳じゃないんだが。で、さっきの答えは?」
「12月25日と言ったらクリスマス以外ないじゃない」
「そうだ。そんな日位、そっと寝かせろ。…大体こんな時間に、まして一人身の男の部屋に訪ねるなんて常識的に」

「そんな話をしてどうしたの? あっ!もしかして私にプレゼントでも」
「欧州のサッカー選手のようなスルー技術だな。……言っても無駄か、しょうがない。君にはコレを差し上げよう」
「あ、ありが…って。何ですかこの油ギトギトのチキンは」
「バイト先の残り物。昨日貰ってきた奴だから良い感じに油が浮いてる訳だ。多分うまいぞ?」
「嫌がらせかっ。いや、貰うけど。…あれ? あんた確か、引越しのバイトしてなかった? バイト変えたの?」

「……いや、そっちもやってるよ」
「ふーん。ところで。こんなおいしいモノを私に食べさせて一体どうするつもり!?」
「なんか、この時機が来る度に聞いてる気がするよ。そのセリフ。つーか、これ以上痩せる必要ないと思うぞ?」
「えっ本当? ……はっ。そういう甘言吐いて、私をブクブクと太った豚にして嘲笑うつもりね!恐ろしい子!」
「いやいやいやいや。今日はどうした?テンションがいつも以上におかしいぞ?」

「そっそんな事ない! というか普段もおかしくない! きっと!」
「……まぁ別にいいけど。 お前さ、他に誰か出歩く相手居ないの? 去年も一昨年も俺んちで寝てたけど」
「勘違いしないでよね! たまたまっ! そうっ、たまたま暇なだけなんだからっ!」
「おー、そっかそっか。 それより何か俺にプレゼントとか持ってきてないの?」
「も、持って来て……ない。」

「デジャヴュか? 毎年ソレも聞いてる気が。まぁいいや。はい、本当のプレゼント」
「何これ? ……指輪?」
「うん。バイト増やして金作って買った」
「…うれし」
「って、彼氏でも無い奴からこんなの貰っても気持ち悪いだけだよな。」

「なっ、人の話聞かないで何言ってるの!」
「ごめん、やっぱそれ返し」
「やだ! もうっ! 人の話を聞けっ!」
「へ?」
「……私も、毎回毎回、渡そうと思っていた、モノが、あって」

「え? ちょっ、おまっ、何脱いでんのっ? はうあ! 黒なんて大胆な!」
「よかった……4年前に、あんたの、ために…恥ずかしい、思い、して買った甲斐が、あったわ。」
「うおっ? ほんとに一体どうしたのだね? おちついて!おちついて!おっ、おれの下半身もおちついて!?」
「ブクブクは、太ってないけど……もう、少し。すりむな体を、あんたに見せ、たかったん、だけど」
「待て待て待て待て。思考が追いつか」
「ぷ、ぷれぜんとは、あっ、あたし、とか、言って、みたり、して……」
「!」

「さめない、内に、めしあがれ?」


――――メリー、クリスマス。
127名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 00:41:38 ID:mSPytcfk
いいよいいよー


ただ


逆にちょっと悲しくもなった(´・ω・`)
128名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 01:53:36 ID:D/IrE3LN
2点
129名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 04:05:49 ID:rz/iWr2X
そんな娘ホシス(´・ω・`)
130名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 16:03:53 ID:Ih3RD7mV
桐野の喜多の続き読みたい(´・ω・)
131前スレ527   ◆k8fXz6W8GA :2005/12/25(日) 16:20:44 ID:NqtT6frb
>>125
ありがたいお言葉ですがそういう知識がないもので無理なんです

この間レスしたクリスマス物落とします

彩と恋人になってから初めてのクリスマス…なんていい日なんだろう…恋人と二人きりでのクリスマス…
ああ、なんて素敵な響きなんだ!ビバ!クリスマス!正直感動した。
「なぁ池田よ。お前もビバ!クリスマス!だよな?」
隣で青い顔してブツブツ言っている同僚の池田に話し掛ける。
「なにが素敵なホワイトクリスマスにしてね、だ。なにがあたしにいっぱいあなたの白い雪をかけて、だよ…」
……頑張れよ、池田。お前にプレゼントでバイアグラをあげたくなったよ…
「プレゼントかぁ…」
彩に渡すつもりのプレゼント。これでアイツをメロメロにしてやる!
そして今夜は…まさしく性なる夜になるはずだ!
「おい静馬。お前ホントにやるつもりか?普通に渡して頼んだほうがいいと思うけどな」
「普通に頼んでも面白くないだろ?」
「まぁそうだかな…しかしお前等はいいよな、まだ初々しくて。そのうち彩ちゃんもかなえみたいになるんだろうな。
知ってるか?最近かなえ、彩ちゃんとますみちゃんを集めて勉強会してるらしいぜ。
もちろん夜の技術を伝授するためにな…そのうち彩ちゃんもあんなことするようになるんだろうな…
最初は痛いから気を付けろよ?」
な、なにが痛いんだ?というかコイツ、かなえちゃんに何をやられてんだ?…なんで恍惚の表情してんだよ!
仕事帰りの電車の中、お互いの恋人の話をする。去年までは二人で風俗に行くのが当たり前だったのにな。
彩、喜んでくれるかな……喜ぶ彩の顔を思い浮べるオレ。……念のためコンドーム一箱買っておこう。

拓にぃと恋人になってから初めてのクリスマス。去年までは拓にぃ、池田さんと飲んでから帰ってきてたもんね。
『オレは仏教徒だから関係ない!』ってね。
今年は早く帰ってきてくれる…いきなり抱き締められたらどうしよ?シャワー浴びたほうがいいかな?
けど拓にぃ、一緒に入るの好きだしね……アタシも好きだけど。
ダメよ、まずは二人で乾杯してからよね。ケーキやメイン料理は作ったし、後は簡単な料理を作るだけ…
拓にぃ、料理作ってるアタシにイタズラするの好きだしね…今日もそのままされちゃうかも?
…アタシも好きだけど、今日はダメよね。せっかくかなえ先輩に教えてもらった作戦があるんだからね。
いつ着替えようかな?着替えて玄関でお出迎えしようかな?
…そしてそのまま玄関で興奮した拓にぃに無理矢理押し倒されて……はっ!ダメよダメ!
最近かなえ先輩に毒されてるわね…お風呂入ってからでいっか…プレゼント喜んでくれるかなぁ…
拓にぃ、何くれるのかなぁ…

「ただいま〜。彩、帰ったぞ〜」
う〜ん何度言っても感動してしまう。我が家に愛する人がいるって、最高だな!
「お帰り拓にぃ!」
彩が小走りで走ってきて抱きついてきた。
三日ぶりに会う彩。いつもならディープなキスをしてそのまま寝室へと行くところだが今日は軽いキスで我慢だ。
「彩、おばさん元気だったか?」
彩は週に三日はこっちに泊まる。昨日のイヴは実家に帰っていた。
「母さんは相変わらずよ。…昨日はゴメンね。せっかくのイヴに来れなくて…」
オレの背広を受け取りながら謝る彩。お前はなんて可愛いんだ!ギュッと力一杯抱き締めてしまう。
「イタタ…拓にぃ、うれしいけどちょっと痛いよ」
彩……好きだぞ彩!興奮してもっと力を入れて抱き締めるオレ。
「た、拓にぃ?痛いって、イタタ……ちょっと!痛いって言ってるでしょ!」
グシャ!……思いっきり足を踏み付けやがった!痛さのあまり彩を離すオレ。
「うごぉ!い、痛てぇ!なにするん……」
ゴシャ!…あごに走る衝撃!これは…うん、エルボーだな。やっぱり彩のはキクなぁ…
「なにカワイイ彼女にベアハッグかましてんのよ!信じらんないわ!」
エルボーはいいのか?てゆうか倒れたオレを蹴りまくるのはヤメテ。死んじゃうから。


(しまったなぁ…つい力入れすぎて怒らせてしまった)
彩は料理を作ってる。けど後ろから抱き締めようとするとソバットを食らった。まだ怒ってるみたいだ。
う〜ん、こうなると彩の機嫌治すのって結構大変なんだよな。
しかたない、ここは一つ巧みな話術で機嫌を取りラブラブになるか。
料理が出来たので無言でテーブルに運ぶ彩。怒っていても作ってくれるのはカワイイよな。
それにしてもスゴく豪勢な料理だな。彩、クリスマスだから奮発してくれたんだ。
「彩、さっきはゴメン。お前があまりにもカワイイからつい抱き締めてしまったんだよ」
頭を下げるオレ。まずは会話できるようにならないとな。
「……ふん!ウソね。どうせベアハッグでアタシを弱らせて、エッチなことするつもりだったんでしょ!」
オレの皿に料理を盛ってくれながら怒る彩。顔は照れてるのか赤くなってる。なんてカワイイやつなんだ!
「確かに今夜はとんでもなくエッチなことするつもりだよ。けどお前が嫌ならするつもりはない。
ゴメン、嫌だったんだな…お前の気持ちを考えずにオレ、はしゃいじゃって…彼氏失格だよな」
かわいさのあまりについイジメたくなったので思ってもないこと言ってしまった。
「……そ、そんなに怒ってるわけじゃないわよ…」
彩、顔真っ赤だ。これは機嫌治ったな。というこはとんでもなくエッチなことしてもいいんだな。
オレは席を立ち、彩の後ろに回り込み抱き締めて耳にキスして囁く。
「そんなに怒ってないのか?じゃあとんでもなくものスゴいエッチなことしてもいいんだよな?」
我ながらよくこんな事言えるなぁ。
「……うん」
小さく頷く彩。いよっしゃ〜!ビバ!クリスマス!性なる夜に乾杯だ!
さらに彩をその気にさせようとプレゼントの第一段が入った封筒を渡す。
「はい、クリスマスプレゼント…好きなところ選べよ」
実は今夜の目的はエッチなんかじゃないんだ。そりゃしたいけど、それ以上に……
「……なにこれ?ふざけてんの?」
封筒の中を見た彩がキレた。
あれ?ちょっと予想外のお言葉。少しは怒るかなと思ってたけど…激怒ですか?
……もしかして第一段階にて作戦失敗か?

(とんでもなくものスゴいエッチなことって…なにされちゃうんだろ?)
後ろから抱き締めてくれながら囁く拓にぃの言葉にもう怒りなんてどっかに消えたわ。
そこに渡されたクリスマスプレゼント。封筒だった。ちょっと開けて中を見ると何かのパンフレットみたいなものが
入ってた。これはまさかアタシが一番して欲しいもの…あれが入ってるの?
慌てて中を見ると……教習所のパンフレットだった。
アタシが欲しかったのは、結婚式場のパンフレットだったのに……期待させやがって……ブチッ!
「……なにこれ?ふざけてんの?」
乙女の純情を踏み躙りやがって……
「恋人になってから初めてのクリスマスだよね?」
なんで教習所なの?しかもこのマンションの近くばっかり…アタシの家からは無理じゃないの……
「嫌がらせ?なんでこんな嫌がらせするの?」
拓にぃ、アタシの事嫌いになった?
「すっごく楽しみにしてたのに…」
せっかく拓にぃと恋人になって二人でのクリスマス……夢が叶ったと思ったのに…
「……アタシ帰るわ」
何で嫌われたのかな…何でかな……涙が出てきた……
玄関に向かうアタシを、拓にぃ無理矢理抱き締めた。


(しまった!完全に作戦ミスだ!やっぱり池田の言う通りに素直に話したらよかったか?)
彩が泣きながら帰ろうとしてる。オレは抱き締めてそれを止める。
「彩、オレの話をよく聞いてほしい」
「離してよ!こんな嫌がらせされたのに話なんて聞くわけないでしょ!」
暴れる彩。ゴメン、オレがバカだった。
「教習所のパンフレット…ここの近くところばっかりだろ?それには理由があるんだよ」
「もういいわ!聞きたくない!離してよ!」
「このマンションから通ってほしいから選んだんだよ!」
オレの言葉に動きが止まる彩。
「どういうこと?なんでなの?」
……緊張してきた。どうやって彩に言うかずっと考えてた。考えすぎて変な風になったけどな。

「彩、お前にここに住んでほしい…一緒に暮らしてくれ。彩、オレと同棲してくれないか?」

(同…棲?アタシが、拓にぃ…と?)
拓にぃの言葉に頭が真っ白になり混乱するアタシ。
え?ええ?ど、同棲って一緒に住むってことよね?毎日会えるってことだよね?
「彩、ずっと考えてたんだ。お前とどうしても一緒に暮らしたくてな。考えすぎて変な言い方になってしまったけど
彩、一緒に暮らしてくれ。毎日お前を抱き締めたい」
拓にぃ……返事なんて、決まってるじゃないの…
「拓にぃ…ホントに毎日抱き締めてくれる?」
「当たり前だ」
「…毎日キスしてくれる?」
「当たり前だ!」
「…毎日…愛してるって…言ってくれる?」
「当たり前だ!!」
全ての質問に即答する拓にぃ。
た、拓にぃ……う、うっく…ヒック…うぇぇぇん!涙が止まらないよぉ…うれしい…うれしいよぉ…愛してる、拓にぃ!
「ヒック、大事にしないと、ヒック、出ていっちゃうからね!」
泣きながら返事をするアタシ。断るわけないじゃない!
「彩…もちろん大事にするよ。愛してる……」
ギュッと抱き締めてくれる拓にぃ……たまらずキスするアタシ。こんなうれしいプレゼント、初めて貰ったわ!


「実はな、彩。お前との同棲の事、おばさんにはもう話してあるんだよ」
アタシが母さんにどう言えばいいか考えてたら、ケーキを食べながら拓にぃが言ってきたの。
「ホントに?母さん、なんて言ってたの?」
「『拓ちゃん、決めるの遅かったわね。彩が高校卒業した時にすればよかったと思うけど?
おめでとう、大事にしてあげてね』こう言われたよ」
か、母さん…知ってたから昨日『きっと素敵なプレゼント貰えるわよ』って言ってたんだ……アリガト、母さん。
「ホント大事にしてよね。拓にぃにはこんなカワイイ彼女、もうできないよ?」
「分かってるよ。お前以外の女と付き合う気なんてないから安心しろよ」
ああ…なんだろこの感じ…これが幸せっていうのかな……自分の中で何かが満たされていくのが分かる。

「彩…その…いいか?」
アタシが幸せ感にひたってたら拓にぃ、抱き締めてきた。
「まだダメ…アタシがお風呂入ってから。拓にぃ、先にお風呂入ってね」
明らかに肩を落しながらお風呂に行く拓にぃ。…付き合いだして分かったんだけど拓にぃって相当スケベだよね。
……でもアタシだけのスケベでいてね。
食事の片付けをすませてかなえ先輩と作った服を出す。う〜ん、セクシーね。
これ着たら拓にぃ、野獣になりそう…ちょっと恐いかも?
その服とプレゼントを袋に入れて、拓にぃが上がってくるのを待つアタシ。
かなえ先輩に教えてもらった作戦…成功するかな?拓にぃ、喜んでくれるかな?

オレは彩が入ってくるかも?そう思って長湯した。入って来なかった…少し凹んだ。
風呂から出ると彩が待っていた。
「…先にベットで待ってて…」
彩、顔が真っ赤だ!ベットの上で正座して待つオレ。今日は彩もやる気満々だろ、期待が膨らむなぁ〜。
……違うところも膨らんできた。オレ、まるで思春期の中学生だな。
…しばらくしたらドライヤーの音が聞こえてきた…
おっとコンドーム用意しなくちゃな。今日買ってきたコンドームを枕元に置く。
準備完了!後は彩を待つだけ…え?………おおおおぉおぉぉ!!!あ、アヤァァァァッァ!!!
風呂から出てきた彩……超ミニスカサンタのコスプレしてる……生足だ……

ビバァァァ!!クリスマスゥゥゥ!!!生まれて初めてクリスマスに感謝した!


(は、恥ずかしい。…こんなので拓にぃ喜ぶのかな?かなえ先輩は絶対に喜ぶって言ってたけど…)
サンタのコスプレはクリスマスには街中にいる。違うのはアタシが超ミニスカで生足だってこと。
着替えて鏡を見ると……拓にぃすっごく喜びそう!けどアタシ、凄い事されそうな気がする…
拓にぃに渡すプレゼントをこのコスプレで渡すのがアタシと先輩の作戦。
先輩もするって言ってた。けど先輩のはもっと布地が少なかった。
(先輩のこういう知識って凄いよね。ますみも感心してたもん。池田さん、もう先輩無しには生きれないんじゃないの?)
鏡の前でポーズを取りながら先輩に感謝するアタシ。拓にぃ、これ絶対喜ぶよ!
けど靴下はどうしようかな?先輩、履いてるほうが興奮する人いるって言ってたしね。
池田さんがそうだって言ってた。なんでこんなので興奮するんだろ?ま、履かなくていっか。
ドキドキしながら寝室へ行くと拓にぃ唖然としてる。え?失敗なの?
「あ……アヤァァッァァァッァァ!!!!!」
きゃぁぁぁ!と、飛び掛ってきたぁ!……このヘンタイがぁぁぁ!
うなる右足!死ね!変態!グシャッ!
決まったわ!必殺のブラジリアンキック……キャアァァァ!と、止らない!何なのよ!
押し倒されるアタシ。ま、まずいわ!
「やんっ、だ、ダメ。まだダメよ……あん、拓にぃまだダメ…」
太ももに顔を擦り付ける拓にぃ。拓にぃって足好きだよね。やんっ足舐めないで……
「ちょっと待って、まだダメよ……まだだって言ってるでしょーが!!」
ガードポジションからがっちり決まる三角締め。……なんで嬉しそうなのよ!
「なんで我慢できないの!アタシのこと大事にするって言ったでしょ!この変態!」
怒りながら締め上げる。足掻く拓にぃ。ふっ、残念ね。完璧に決まってるから逃げれないわよ!
………あ、落ちちゃった。

(……ん?オレ何してたんだ?)
目が覚めるとベットで寝てた。今の時間は……夜10時か。
なんか顔が痛いし首も痛い。何があったんだ?
「やっと目が覚めたみたいね。…拓にぃ、大丈夫?」
彩が心配そうな顔で覗き込んできた。ん?なんでコートなんか着てるんだ?
「いや、すまんすまん。風呂上がりに寝てしまったみたいだな。せっかくのクリスマスにゴメンな」
貴重な時間を寝てしまうなんて…なんたる不覚!
…彩、なんでそんな可哀想な人を見るような、哀れみの眼差しでオレを見るんだ?
ま、いいか。それよりプレゼント第2段を渡さないとな…
「彩、免許取ったらいつでもオレの車乗っていいぞ。コレやるよ」
今日のために作っておいたスペアキーを渡すオレ。
「気が早いね、拓にぃ。なくさないようにしなくちゃね、アリガト。あれ?拓にぃ、これって…」
そう、スペアキーは演出の一部。本命はスペアキーにヒモでくくりつけた指輪だ。そんなに値段はしないけどな。
「まぁ、安物だけど受け取ってくれ。リハーサルだよ。本番にはもっといいヤツを渡すからさ」
「アリガト拓にぃ!教習所だけかと思ってたわ!…ところで本番ってなに?」
ヒモを解き、嬉しそうに指に指輪をつけながら尋ねる彩。
「本番には給料の三ヶ月分のやつ渡すよ」
本当なら同棲じゃなく結婚したい。けどオレにはまだ彩を幸せにする自信がない。彩の気持ちは分かっている。
自信がつくまで待っててほしいんだ。この指輪はいつか必ずプロポーズするという約束みたいなものかな?
「……その本番っていつなの?アタシ、そんなに長く待てないよ…」
「まぁ当分先かな?…しばらく待たせるかと思うけど…待っててくれ、彩」
ゴメンな、彩。待たせてばかりだよな。けど今はオレ、自信もないけど金もないんだよ。
「……分かった。待ってる…ずっと待ってるからね……」
彩、目に涙を浮かべながら微笑んでる。この笑顔のためなら何だって出来る…そんな笑顔だ。
「拓にぃ、素敵なプレゼントありがとう…今度はアタシのプレゼント、受け取ってね」
そう言ってコートを脱ぐ彩。……ミ、ミニスカサンタ!しかも生足!
……オレ、生きててよかった…生まれてよかった!感動した!
「…泣くほど喜んでくれるのは嬉しいけど…プレゼントはこれだよ」
そう言って右腕を差し出す彩。腕には男物の腕時計がつけてある…うお!オレが欲しかったやつじゃないか!
これって30万ぐらいするんだぞ?
「彩!こんな高い時計貰っていいのか?」
「うん。プレゼントだから受け取って…国生彩サンタ付き腕時計…」
え?彩付き腕時計?どういうことだ?…彩、顔赤くしてる……そ、そうか!分かったぞ!
「彩…プレゼントありがとうな、大事にするよ。…ところで貰ったもの好きにしていいのかな?」
彩の腕から時計を取り外して聞くと、彩は真っ赤な顔で頷いた。
やっぱりそうか、思った通りだ…彩もプレゼントだから彩を好きにしていいんだな。
コンドーム一箱買っててよかった!ホントによかった!!
「もう一つプレゼント……今日、安全日なの…」
真っ赤な顔で俯きながら言う彩。
お母さん!生んでくれてありがとー!感動したー!!!


彩を抱き締め唇を貪るようにキスをする。舌で彩を味わう。何度味わっても飽きることのない味だ。
「ん…チュ…チュル…クチュ…チュパ…あぁ…好き…拓にぃ好き…」
オレの舌は彩の唇を、舌を、歯茎を蹂躙し唾液を流し込み、彩の唾液を飲み込む。
彩とのキスを堪能したオレは前からやって見たかったことをすることにした。
「彩、少し待っててくれ」
彩をベットに残し寝室を出る。冷蔵庫からスポーツドリンクを取出し、そして…スポーツタオルを持って寝室に戻る。
「…それで縛られちゃうの?」
彩、不安そうな顔で尋ねてきた。
「縛ってほしいのか?」
「ううん…かなえ先輩が男は縛るのも縛られるのも好きだって言ってたから…拓にぃもそうかなって…」
…池田、縛られるのが好きなのか…あいつらどんなことやってんだ?一度見てみたいな。
「違うよ。縛るのも縛られるのも興味ないよ…いや、縛るほうは少しあるかな?けど今日は違うよ」
オレはスポーツタオルをベットの端に結び付ける。
「プレゼントを好きしていいんだよな?」
再度の確認にも頷く彩。
「…じゃ、そうさせてもらうよ。安心しろ、彩。そんなに凄いことするわけじゃないから。
ただ…このベットに結んだタオルを放さずにずっと両手で持っててほしいんだ」
「……?それだけ?離さなかったらいいの?」
首を傾げる彩。そう、それだけなんだけどな…グッフッフッ…
「そう、絶対に離さないでくれ。…離したらお仕置きだからな」
オレの言葉に頷く彩。ベットに寝かせタオルを握らせる。
「絶対に離すなよ?」
その言葉を合図にオレは彩の胸を揉みながら首筋に舌を這わす。
「あん、拓にぃ…ムネ激しすぎ…あぁ…んん!」
彩はタオルを握っているため手を使えない。
手を離しても別にいいんだが念を押したためか離さずに体をよじらせて感じている。
「手を離すなよ……」
太ももに手を這わす…引き締まったオレが大好きな足だ…実はオレって少し足フェチが入ってるみたいだ。
大好きな太ももに舌を這わす…彩の体が少し跳ねる。ふと前を見ると彩の下着が見えた。…黒だ。
「黒い下着なんていやらしいな…エッチなことされるの期待してたんだな。このエッチなサンタさんは…」
オレは足に舌を這わし続ける。太もも、ヒザ、ふくろはぎ、足首、足の指全てに這わす。
視線の先には彩の黒い下着が見えている。なんて興奮するんだ!
「あ、やん…拓にぃ…拓にぃ…」
体をよじらせて喘ぐ彩。さて、次に行こうか…


「彩、四つんばいになれ。手は離すなよ…」
素直に応じる彩。手はタオルを握ったままだ。
オレの目の前でミニスカサンタが四つんばいに…凄い光景だ。
「は、恥ずかしいよ…」
彩の抗議を無視してお尻を撫でる。
「さぁて、今からお尻をいっぱい舐めようかなぁ。手を離したらお仕置きだからな」
その言葉どおりにお尻に顔を近付け舌を這わす。下着越しにも濡れてるのが分かる。
「や、あん!…拓にぃの…ひゃう!…へ、ヘンタイ!」
そう言いながら彩は手を離さない。結構頑張るな。少しキツク攻めるか…
下着を膝まで脱がして後ろから顔を埋める。アソコに舌を這わす。
「あん!やだダメェ!ひィっ…い…あぁ…」
頭を振り乱し感じてくれてる…なんていやらしいんだ。
「ペチャ…ジュル…ズズッ…ふふ、相変わらず美味しいな…こっちはどうだったかな?」
後ろの穴に舌を這わす…前は指を入れてかき混ぜる。
「ヒッ、ダメ、そこだめ!汚い…汚いのにぃなんでぇ……あ、あ、ああ…いい!…んん!……ひゃうん!」
大きく体が跳ねて倒れこんだ彩。イッタんだな…肩で息してる。
オレ、もう我慢の限界だ…まだ動けない彩の腰をつかみ後ろから何も言わずに入れる。
「へ?ちょ…アタシまだイッタばっかり…ひゃう!あ…ああ!くぅ…ひゃん!」
グジュグジュグジュ、グッジュ、グッジュ、グッジュ、パンパンパンパン…
「ひ、あ、あ、んん、くぁ、い、いい!た、拓…ひゃ、おねが、あ、顔、ん、見たい…んん!」
パンパンパンパン…寝室にはオレが後ろから腰を打ち付ける音が響いている。
「彩…ああ、気持ちいいぞ…手、離すなよ。離したらこっちに入れるからな」
そういって後ろの穴に指をねじ込む。
「きゃうん!そ、そこ、ちが…ダメ…ああ!」
…凄い光景だ。ミニスカサンタが後ろからはめられてお尻を弄られて、感じすぎて髪を振り乱しながら喘いでる…
「やだぁ…やだやだやだ!ああ…くぅ…拓にぃの…ひぃ!…顔見て…んん!…イキ、たい…」
彩……分かった、オレもお前の顔を見たい!
体位を正上位に変えてさらにスピードを上げ腰を打ち付ける。
「あ、あ、あ、あ、好きぃ…んあ…愛してるのぉ…ふ、んん、んちゅ、ちゅちゅ…」
タオルから手を離しオレの頭を抱きかかえキスしてくる彩。
「ああ、彩、彩、彩……アヤぁぁぁ〜!」
「い、いい!いっくぅ、いっちゃ…ひぃ!きゃぁぁぁ!」
ドクン!…ビュク!ビュク!ビュビュ!……
彩の一番奥で叩きつけるように吐き出してしまった……最高だ。彩、愛してるよ…

彩に持って来ていたスポーツドリンクを渡す。
「ん、アリガト…拓にぃ大好き…」
「すごくよかったよ、彩。特にタオルを離すのを我慢してる顔がいやらしかったな」
「このヘンタイ!……アタシ、手、離しちゃったね。ホントにお尻でするの?」
んん?そういや離したらお仕置きでお尻でするって言ったな。
「はは、冗談だよ。ちょっと苛めてみたかっただけだよ」
俺の言葉にホッとした表情を浮かべる彩。
「そうなんだ。かなえ先輩が男はお尻にするのもされるのも好きだって言ってたから、
アタシもされちゃうのかなって思っちゃった」
……池田、されちゃってるんだ。池田がオレの知らないどこか遠くに行ったような気がした。
「…最高のクリスマスだったよ、アリガト拓にぃ。…これからもよろしくね」
ああ、そうだ。これからは一緒に暮らすんだ。彩と…オレの最愛の人と暮らすんだ!
「オレも最高のクリスマスだったよ。…はは、去年までとは大違いだな」
そうだよな、去年までは池田と風俗だったもんな。
「そうだよね。去年まではアタシが家にいても池田さんと一緒だったもんね」
「そうだよ…お前が家で待ってたのに毎年池田と風俗なんて行ってたもんな」
……あれ?なんか急に寒くなったぞ?これは…殺気?
「…アタシが健気に待ってる時に…風俗行ってたの?確か飲みに行ってたって言わなかったっけ?」
立ち上がる彩……彩、まだサンタのコスプレしてるけど…赤い服が返り血の色に見えるよ。
「じょ、冗談だよ、彩。お前がいるのにそんなことするわ……」
グシャ!…いやな音がオレの耳に聞こえる。そりゃそうだ、彩の蹴りがオレの顔を打ちぬいた音だからな。
「こんのぉ浮気者がぁ〜!一回死んで来〜い!」
彩が右足を大きく上げて振り下ろそうとしている。踵落としか…そうきましたか。
彩、ミニスカだから丸見えだよ?しかも下着脱いでるだろ?はしたないと思う……
ゴスッ……頭に衝撃が走り意識が薄れていく……
薄れ行く意識の中でオレ、尻に敷かれるんだなとなんとなく思った。
けど彩のお尻にならいいかなって思ってしまった。
彩、お互い頑張って力を合わせて暮らそうな。幸せになろうな。……出切る事なら少し手加減してね。
明日から始まる2人での生活に期待と少しの不安を感じながら意識を失った。

こんな始まりでいいのか?オレ達の同棲生活?

141 前スレ527   ◆k8fXz6W8GA :2005/12/25(日) 16:29:55 ID:NqtT6frb

では、また修行に出てきます

142名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 16:50:24 ID:v2G3X46t
GJ!!
143名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 17:07:01 ID:kOLX07w9
>前スレ527氏
GJ!
びっくりした。 え、えろえろですね。
向こうの話も楽しみにしてまつ。
144名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 17:22:10 ID:81sR1Wul
フォォォォォォォォォ(゚∀゚)ォォォォォォォォォウ!!!!


…………失礼、ヘンなテンションになってしまった。
いやー、ここまでラブラブっぷりを見せられると悲しくなってくるなぁ。
悲しい喪男俺('A`)

でもとてつもなく G J ! ! です。
あっちのスレの方も応援してますので、頑張って下さい。
145名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 17:23:04 ID:D/IrE3LN
GJたよGJ!
146名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 21:42:47 ID:Ih3RD7mV
(´・ω・`)ますみさんの方も幸せにしてやってください
147 前スレ527   ◆k8fXz6W8GA :2005/12/25(日) 22:20:33 ID:NqtT6frb
皆さん感想アリガトウございます!

これを糧にしてもう少し上手く書けるようがんばります!
148名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 22:33:09 ID:KI/Q51fN
GJ!!
ただ、池田がどんな目に遭っているか
気になる・・・。
149名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 23:43:09 ID:kOLX07w9
527氏が来てくれてよかった。
クリスマスだし、暇だし、保守ついでに、よーしパパSS書いちゃうぞーなんて意気込んで投下してみたら、
微妙な空気にしちまいまして。
しかも、推敲した方を投下したと思ったら改稿前のをコピペしてて、所々訳分からんトコあるし。あたふたあたふたですよ。
本当にどうしようと、くまったトコに527氏が! 後光が差してたね。うん。まじで助かりました。
おいらも、どっかで勉強して、技術と自信がついたら、もっかいココに投下してみるよ。
……527氏よりも数倍頑張らなあかんけど。 ではっ ノシ
150名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 19:12:14 ID:6uDTHz8p
>>148
そうだね。池田の話が外伝としてあったら面白いと思う。
前スレ527氏、書いていただけませんかね?
151名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 20:11:53 ID:vQvK+Tgn
池田外伝を、池田氏視点で、つまり池田氏が記す文体で書くとする。

略して記池外。

152名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 20:37:45 ID:jg01ccb1
>>150
俺も読みたい。が、そのまえにますみ姉さんの方を完結してもらわないと。
続きが気になって夜も寝られないので昼寝てる
153名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 20:58:27 ID:3w95WLQa
◆k8fXz6W8GA氏、又良い物を読ませて頂きました。
この二人のドタバタラブラブ恋愛劇、もっと読みたいです。

…そうだなぁ、彩のアイドル面にスポットを当てて、
謎のアイドル・saiの陵辱を目論む連中に誘拐されるも、
自力で戒めを解いて大暴れして、連中を全員返り討ちにして、
「史上最強のアイドル」として更なるカリスマになる…、
なんてのはどんなもんでしょう?
154名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 13:21:42 ID:uSUYqlHC
保守age
155前スレ527 ◆k8fXz6W8GA :2005/12/27(火) 22:29:50 ID:ktaCLwhn
>149氏 お互い頑張りましょう

予想外の池田人気に戸惑ってます。今は他のスレの続きを書いてるところなので池田の話を書くかどうか分かりません
いいオチが浮かんだら書くと思います
156名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 02:17:26 ID:IhXz3Quc
かなえ先輩のキャラがよすぎる
てか淫乱すぎw
池編期待しながらまってま〜す
157名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 12:42:21 ID:0rC8LASn
古い漫画で恐縮だけどツルモク独身寮のレイコを思い出した。
158 前スレ527   ◆k8fXz6W8GA :2005/12/28(水) 21:11:52 ID:+v1C4nlK
こっちに書き込んで大変申し訳ないんですがむこうのスレに続き落としたら容量超えたみたいで
新スレ立てようとしても無理でした
どなたか優しい人お願いしたいんですが……申し訳ございません!
159名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 22:20:11 ID:KGVgMyyn
>158
立てときましたよ。スレ番間違えたけど
160 前スレ527   ◆k8fXz6W8GA :2005/12/28(水) 22:57:43 ID:+v1C4nlK
>>159
ありがとうございました!
161名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 20:42:45 ID:vBJHlHFf
保守age
162名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 21:17:04 ID:tDnfFtw0
小太刀達の旅行ワクテカしてまってます
163名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 16:27:36 ID:Aiy4hhI1
喜多ーーーー!
マサカ大晦日に更新するか普通。
164名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 17:37:52 ID:KJMcBA3Y
あーあ。言っちゃった。
また、
喜多さんキター!→喜多さんマンセー→ぽまいらそろそろウザイ→別に良いじゃねーか→(´A`;)ウヴォア

って展開になって、俺が困るの知っててやってるだろー
165名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 18:08:51 ID:Aiy4hhI1
あ、IDが「愛、ヤホーーィ」。
166名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 20:22:41 ID:wE8CQQ44
馴れ合いウザイ
167名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 21:16:23 ID:dUPU3Uil
喜多さんのサイトがわからない…
誰か親切な椰子お助けを!
168名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 22:55:50 ID:7TlAZQtt
>167
つtp://ashigaru.f-adult.com/
169名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 00:42:36 ID:TElr9KhF
源三はヘルシングの読者だったのか……。
170名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 18:09:35 ID:W8/60vic
>168さん
ありがとうございます!
171名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 07:40:23 ID:Z1p/Ok1y
フロントミッション5のリンが激しくイイツンデレですよ!
主人公の幼馴染にして現在上官、常に命令口調で話すけど実は部屋は主人公の写真でいっぱい

こんな男臭いゲームでこんないいツンデレに出会えるとは・・・
172名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 07:49:29 ID:5+SX1MlB
美冬さんの温泉旅行待ち
173名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 22:07:38 ID:V3q2f8YQ
まったりほしゅ
174名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 10:00:20 ID:zhxXMkAo
フロントミッションにまでツンデレが…
ツンデレはスクウェアエニックスまで動かしたのか
175名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 11:43:34 ID:b1plerod
フロントミッション5か……。
探してみるか。
176名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 23:37:04 ID:xUaXVVlR
177 ◆gpm4cwgdx. :2006/01/06(金) 12:01:42 ID:5v2sp/rC
事故死した親友の残した一人娘を引き取って、義理の娘に…
その子がとってもツンデレで…

てのを書くって漏れが言ったらどうするよ 
178名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 12:48:29 ID:grJ2thIv
wktk
179名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 13:28:25 ID:wKrMij/5
>>177
まず間違いなく手を出したら親友に呪われそうだな… (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
180名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 13:32:23 ID:aL49qAxL
>>177
女の子が、夜中に両親の事故のことを夢に見て主人公のベッド
に入ってくる・・・・


何てことを妄想した
181名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 13:49:27 ID:qmJUpY5S
親友が夢枕に立って…

『いやぁ、なんかワリイな…あの娘あんなキツイ性格だけどさ、一回気を許せば人が変わるから。
いやマジで。そうなったら手ェ出しても俺は構わんぜ?ま、精々頑張れや』

こう言ったりするんですか?わかりません!
182名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 15:40:29 ID:r8litvHP
>>177
かなりワクテカ。
183名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 18:10:12 ID:OraGIwkh
>>177
THE待ってる
184名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 19:08:40 ID:EVhEuPDt
「別にな、出来もしない料理なんか無理にしなくたって良いんだ。作ってくれようとしたその気持ちだけで俺は十分だから」
「ち、違うもん。ただお腹が空いたから何か作って食べようと思っただけよ!!」
「食いもんならその辺にお菓子でもカップ麺でもバナナでもなんだって在るだろう?」
「しゅ、趣味の一環よ!!」
「趣味で料理するヤツはもっとうまく出来るもんだ」
「う……」
「まぁ、それはともかく。おかずが一品だけじゃ食卓も寂しかろう。なんか作るから、ちょっと待ってな。」
「うん……」
185名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 19:09:39 ID:EVhEuPDt
「よし、それじゃあ食うか」
「「いただきます」」
「それじゃあ、これからいただくか」
「あ、それは食べちゃだめ!!」
「だって、せっかく作ってくれたんだろう」
「でも、ゼッタイ美味しくないもん!!」
「ならばこれから練習すれば良い…………うっ!」
「う、上手くなれるかな?」
「……多分、お前さんが大人になれる頃には上手くなってるかもな」
「そしたら、お嫁さんになれる?」
「ああ、良いお嫁さんになれるさ」
「……エヘヘ」

>>177
こうですか?わかりません!
186名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 00:32:37 ID:QHdYXh9x
も、萌え死ぬ……(*´д`)
187名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 01:23:10 ID:Is3pO814
逆転の発想だ!!
ツンデレならぬデレツン
子供のころはデレデレと甘えてきたのに成長するにつれてツンと冷たくなってく!!
……あれ、何このニッポンのパパ。
188名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 10:32:31 ID:kqxxWRPD
いまこそデレツンデレだ!
最初は甘えてきたのに、あるときから突然冷たくなり
その後は前にもまして甘えるようになるという…
189名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 11:28:43 ID:3RXHKaMp
こうですか!?わかりません!>>188

↓「パパだーいすき!」(幼少期)
↓「見てパパ!うまくできたよー」(成長期)
↓「いいよ、そのぐらい自分で出来るから」(黎明期)
↓「うるさいっ!親父は黙ってて!!」(反抗期)
↓「あ……ううん、なんでもない……」(冷戦期)
↓「今迄、ゴメンね、お父さん」(和解期)
↓「ねぇ、昔みたいにパパって呼んでいい?」(親愛期)
↓「パパ、今迄有難う。あたし幸せになるね。」(結婚期)

ちなみに、
反抗期と結婚期の間に娘の連れてきた男との決闘シーンが入ることを
付記しておく。
190名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 12:32:21 ID:HutfA2Hb
>>189
そうすると、幼少期から黎明期までの間に北斗神拳を継承して、
以後、娘の連れてきた男をすべて薙ぎ払っておけば、
最後の結婚期が
「あたし、これからずぅっとパパといっしょにいるね」(蜜月期)
に変わるということか。
191名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 19:03:58 ID:kRoJTvyH
それ、なんてプリンセスメーカー?
192名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 19:47:34 ID:rIt99Dx9
ゆめみる救世主
193名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 20:35:36 ID:6oezoLhO
小太刀旅行が気になる…
194名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 21:36:36 ID:5csI37hg
温泉旅行待ちアゲ
195名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 22:39:10 ID:mXHGuHv4
「アゲ」とか「保守」だけじゃ駄目なのでしょうか野郎共
196名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 03:02:31 ID:M14fZPDM
とりあえず何か投下すればいいと思うよ。
197名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 23:02:51 ID:tLuNNJph
ほしゅ
198名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 10:24:51 ID:m3elI9wX
うにさんサイト更新

チラシ裏
喝!勝つのは公!
チラシ裏終
199名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 00:44:06 ID:lYCmTFry
うにさんって誰ー?何処ー?
教えてくれなきゃ宣伝乙って言うぞ(´・ω・)
200名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 00:57:32 ID:3+NhHl5P
>>199
スレを>>1から読めば
自ずとわかるよ。
201名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 01:00:58 ID:aKO3bZ1r
結婚オメ
202名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 13:07:38 ID:efgdccHV
サンキュー(・o・)ノ
203名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 17:00:55 ID:WDIWfbuy
温泉旅行マダ〜?
204名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 23:23:53 ID:BN9J4C90
良スレ保守
205名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 21:33:11 ID:io1r4RWz
ちょっと寂しくなってきましたね
206名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 22:46:59 ID:C/M55SxJ
栄えあれば衰退もあるさ
207名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 22:51:13 ID:Zuh5vriq
美春さん更新されてますよ、と燃料投下してみる。
208名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 23:11:08 ID:AYU/odl7
美春さん、良い部下に恵まれたなぁ。
209名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 23:27:15 ID:zf5FBCse
どこで更新されてんの?
詳細キポンヌ
210名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 23:46:24 ID:ttJ6uxl1
べっ別にあんたのためにおしえるわけじゃないんだからねっ

つ http://ashigaru.f-adult.com/
2111/3:2006/01/16(月) 00:03:45 ID:w4VZmxZm
僕はマゾである。
と、いうのがわが友人の出した結論だ。
あの大場浩美に惚れるなど重度のマゾヒスト以外にはありえない。
どうか友達よ目を覚ませ。
生き急ぐには早すぎる。

しかしそう言われたところでもう結論は出てしまったのだ。
星野勇司は大場浩美に恋をしている。
これはもう動かしようのない事実。
だから僕は9ヶ月に及ぶ片思い期間に別れを告げ、
この恋に決着をつけるべく行動を起こした。

一度腹をくくれば簡単なことだ。
生まれて初めて書く彼女への手紙にはただ場所と時間だけを書き、
「本文」となるべき部分を自分の口で伝えるため僕はこの戦場に踏み入った。

雨上がりの冬の空。
日は沈みかけていて薄暗く。
冷たい風が吹く校庭の片隅で、僕は人生最大のヤマ場を迎えていた。
世界中の時計の針は止まり、
世界中のあらゆる音は鳴り止んでしまった。
2122/3:2006/01/16(月) 00:04:37 ID:1Quj8hUA
僕の視線は彼女の唇に釘付けされ
僕の首筋には北風のナイフが突き立てられ
僕の背中はどんな軍人よりまっすぐに伸びていた。
僕の耳が彼女の声だけを待っていたのは
10秒間だったのか1時間だったのか。

「あたしと……、このあたしと、付き合いたいだって?」
「そうです」
「冗談だったらキレる」
キレる、というどこにでもありふれた言葉も、彼女が使えば凶器になる。
ナイフが2ミリ分深く進んだ。

「嘘じゃないです。本気です」
「あたしなんかのどこがいいと思うの」
つばを喉に落とし、両のこぶしを石のように固め僕はしゃべりだした。

「一目見て、なんて綺麗な人なんだろうと思いました。
 そしてなんてあたたかく、透き通った声なんだろうと思いました。
 凛々しい目元が好きです。
 つややかな黒髪が好きです。
 困っている友達をほうっておけない優しさが好きです。
 誰にも屈さない強さが好きです。
 ぼうっと景色を眺めている時のゆるんだ表情が好きです。
 体育の時間に颯爽と……」
「もういい」
2133/3:2006/01/16(月) 00:05:39 ID:w4VZmxZm
彼女は抑えた声で簡潔に僕の言葉を切った。いや、斬った。
僕はいよいよ自分の命運が尽きたことを知った。
まぶたを閉じ、これから起こる惨劇を覚悟した。
こうなることはわかっていたのだ。

彼女の気配が接近した。
突きだろうか。蹴りだろうか。あるいは頭から地面に落とされるか。
僕はマゾじゃない。
僕は痛いのは嫌いだ。
僕はただとてつもなく強い女の子を好きになってしまっただけなのだ。
だけど、もういいのだ。

柔らかい攻撃だった。
暖かい体当たりだった。
まるで子犬に抱きつかれたような感触。
目を開けると、彼女は僕の鎖骨に顔をうずめていた。

「……ありがとう……」
消え入りそうな声で。
「ありがとう……」
二度繰り返した。

時計の針は動き出したようだった。
僕は彼女の背中に手を回し、だけどそれきりなにも出来なかった。
何か言おうとしても、何を言おうとしても、
言葉は口の中で溶けるだけ。

これで流れ星でも出たならば、
もう一度時間は止まってしまうだろう。

そしてそのまま動き出さなくても構わない。

ずっとこのままで構わない。
214名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 00:08:39 ID:1Quj8hUA

さて、いきなりくっついちゃったわけですけど、
一応構想としては続きがあります。
なるべくスレタイに沿った展開にするつもりですが、
至らないところもあるかもしれませんので生暖かく見守ってください。
それでは。
215名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 00:14:04 ID:sIspeSnE
GJ

彼女不良じゃないですよね?
216名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 00:17:45 ID:sWPFWDX7
うおお〜!新人さんキター!
めっちゃGJです!すげー続きが楽しみです!
217名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 02:16:07 ID:yxPTpwMV
新職人キタ━━━(゜∀゜)━━━!!

( ゚∀゚)。彡゚GJ!GJ!
218名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 05:38:55 ID:wpWj4NsT
早起きは三文の得

新職人さん、キター!
いい感じの文章GJ!
心理描写やら臨場感やら巧みです
219名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 17:06:01 ID:onlBH0fg
新しい職人さん降臨!GJです!
続きをワクテカして待ってます。
220名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 23:11:08 ID:FVDEu39m
栄えてきましたな
221名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 17:43:41 ID:9ghY5yGF
新職人さまも現れてくれたし、これで温泉旅行の続きと香織さんとsaiが戻ってきてくれて
喜多さんが更新されたら完璧な布陣ですな
222名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 22:40:38 ID:bRrc4Yf+
俺的にはsaiはもどって来てほしい
向こう文句言う奴おおいもん
223名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 23:41:43 ID:wq5/nsju
まぁまぁ。
そういう事は思っても表に出さない方がよいよー。ムダに荒れる原因になってまうからね。
それに、あっちだって、ちょっと前まではそこまで殺伐としてなかったんよ。ほんとに。
見てたんなら分かると思うけど、なんか変な粘着君に居座られちゃって。
冬休みは終わったから、徐々に落ち着いてくると思うよ。きっと。
224名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 03:09:02 ID:9AjVb3mR
>>223
分かりました。もう言いません
225名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 21:22:30 ID:Jc9xb03H
だれか〜(゜Д゜;)
いないのか〜(゜Д゜;)
226名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 00:15:27 ID:xplX18DK
>>220
過疎ってきましたな。
227名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 00:17:23 ID:+WOefFJM
ここに…いーるよー♪
228名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:32:02 ID:47fNrpGg
えーと、2回目の投下になりますが、
ここで主人公の名前に変更があります。
勇司→龍治ということでよろしくお願いします。

では>>213の続きで。
229名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:33:00 ID:47fNrpGg
あの大場浩美に彼氏ができた、というニュースは
殺人ウィルスにも勝るスピードで瞬く間に広まっていたようだ。
朝、僕がいつもと変わらぬ時刻に教室に入った時、
クラス中の視線が一斉に注がれたことは言うまでもない。

「ねえ星野君、大場さんと付き合いだしたって本当?」
「マジなのか星野よ!?」
いきなりの質問攻めだ。
どこで知ったんだお前ら。

……まあ、考えるまでもない。
昨日あそこで僕と彼女が会うことを、
そして告白することを知っていた人間は世界で一人しかいない。

「ちょっといいかな下田君」
精一杯嫌みったらしい声で長い顔のクラスメイトに声をかける。
「おお〜〜〜星野よ〜〜〜!
 やったなお前、いやホントに良かった!
 オレとしても最大限の祝辞を贈らせてもらうぜ!」

下田の長い顔は無邪気に笑っていた。
「まあオレもさ、もしお前が大場さんに殺されそうになったら
 助けてやろうぐらいの気持ちで覗いてたんだけどさ、
 まさかなー」
「下田、頼むから」
話をややこしくしないでくれ。
そう言おうとしたその時、教室の空気が変わったのを感じた。
僕がうしろを向いた時には大場さんは既に教室の中。
僕と大場さんの目が合う。

ほんの一瞬の沈黙。
230名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:34:22 ID:47fNrpGg
「おはよう、龍治」
冷静きわまる表情から放たれた、
先制の、そして決定的一打。

教室中がこの瞬間、蜂の巣をマシンガンで襲撃したような騒ぎになった。
あの大場浩美が男子を下の名前で呼んだ。
呼び捨てで呼んだ!

実は僕だってこう呼ばれるのは初めてだ。
昨日は結局すぐに別れ、もちろん電話だってしていない。
だからこれはまったくの不意打ち。
狙撃手に撃たれたも同然だ。

「お、おはよう大場さん」
僕がそう返すと大場さんは左を向いて自分の席に歩いていく。
リボンでくくった長い髪が、少しだけ弾むように揺れていた。

席に着いた大場さんの後ろ姿は少しも動じる気配がなく
凛として美しい姿勢を保っている。
それに引き換え僕の心臓は16ビートを激しく刻み、
きょろきょろと視線を泳がせ不審な動きが止まらない。
われながら何やってんだろう。

「……お前さ、彼氏になったわりにはビビリまくってんのな」
「う、うるさい。まだちょっと慣れてないだけだ」
当分慣れそうにない。
231名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:35:40 ID:47fNrpGg
「え、と……大場さん、ちょっといいかな」
「なんだ」
昼休み。弁当を鞄から出した大場さんの横に立ち、
僕は蚊のような小声で話しかけた。

「ここじゃなんだし……どっか別の場所で食べない?」
周囲の視線が注がれまくっているのを
背中で感じながら話を続ける僕。
大場さんは眼球だけをこちらに向け冷静に答えた。

「君と二人なら構わないけど」
他の奴らが混じるのは許さん、と言外ににじませる大場さん。
またしても教室の空気が変わった。
いちいち顔は見えないけど、きっとみんな目を丸くしてるんだろう。

「よし! そういうことならさっさと行こう!」
これ以上注目され続けるのを嫌った僕は、
外を指差して大場さんを急かした。
大場さんは実に落ちついた態度でゆっくりと立ち上がる。
それから弁当を小脇に抱えて歩き出した。

「で、どこで食べるんだ」
「食堂……は余計人目につくか。
 部室は誰かいるだろうし……」
「なんだ、考えてなかったのか」
「ご、ごめん! とにかくあの場から離れたくて、その、
 やっぱりじろじろ見られるのは嫌だし……」
232名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:37:11 ID:47fNrpGg
大場さんはあごに親指を乗せうつむいた。
どうやら何か考え事をしているらしい。
約3秒止まったあと目線を前に上げた。
「なら屋上にしよう」
「え?」

そこは町の景色を一望できる、校内屈指のデートスポット(?)だった。
ただしそれは春夏秋の話であり、
こんなクソ寒い真冬に屋外で飯を食うバカはまずいない。
この季節はほとんど無人のはずだ。

「寒いけどいいの?」
「一向に構わない」
「僕も全然大丈夫だよ、うん」


強がってはみたもののしかし、寒い。
どこまでも広がる青い空と白い太陽は
見かけだおしで全然あっためちゃくれないし、
働き者の北風はまったく容赦がない。
そんなに僕が嫌いか。

「君のそれは母親が作ったものか」
正座で弁当の包みを開けた大場さんが口を開いた。
「うんそうだよ、大場さんのは?」
「これは自作だ」
そう言って蓋を開ける。

いかにも和風といった趣きの弁当箱の中には、
だし巻き卵やアスパラのベーコン巻といった
定番の品々が所狭しと並んでいた。
それはとても色鮮やかで、何よりもおいしそうな宝箱。
233名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:38:17 ID:47fNrpGg
「凄い、ホントに? 大場さん料理上手いんだ!」
「腕っ節以外ではこれぐらいしか取り柄がないからな」
そうつぶやく大場さんの表情も口調も、まったく普段と変わらない。
謙遜ではなく本心ということだろうか?

「そんな……それはないよ、でもホントにおいしそうだ」
「食べるか」
大場さんはまっすぐ前を向いたまま冷静にそう言った。
僕は息をするのも忘れ固まってしまう。

「え、と……いいの?」
「嫌なら構わないが」
僕は首を力の限りダイナミックに振り全力で否定した。
「いる!!」

まずは基本から、とばかりにだし巻き卵を箸でつかむ。
自然と肩に力が入るのを感じ、小さく深呼吸をした。
他ならぬ大場さんの作った料理を前にして、
唾液がいつもと違う味になっているような気がした。

口に入れる。
噛む。
そして噛む。
それから噛む。
しつこく何度も噛んで、それから飲み込んだ。

……おいしい。
「……おいしい」
「本当か?」
本当に、本当にお世辞じゃなくて、これは紛れもなくおいしい。
「本当に、本当にお世辞じゃなくて、これは紛れもなくおいしい」
234名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:39:30 ID:47fNrpGg
「そうか、それなら良かった。
 なにぶん家族以外の人間に食べてもらうのは初めてなんだ」
「いやでもこれは凄いよ。毎日自分で作っているの?」
「基本的にはそうだ」
大場さんはいつもと同じく感情を抑えてしゃべっていたけど、
それでもきっと喜んでくれているんだろう。
勘違いかもしれないけど、ほんの少しそれが声に出ているような気がした。

「そうか〜。ひょっとして今日だけ僕のために作ってくれたのかな〜、なんて。あはは……」
大場さんの小太刀のような目が僕を刺した。
「なぜ」
一瞬で背中に寒気が走る。膝の裏辺りまで。
「あ、いや、その、ええと……」
「なぜあたしが君のために弁当を作ったと思った」

「え、とその……一応、付き合いだしたから……」
何が大場さんの気に触ったのかさっぱりわからない。
僕はとにかく本能で危険を感じ混乱してしまった。
「そうか、そういうものかもしれないな」
そう言って大場さんは前を向く。
「へ?」
「いやなに、やはり男は女の料理が食べたいものなんだな、と」
「そりゃあもう!」
僕は身を乗り出して声を張った。

「毎日だって食べたい!」
僕のやかましい声に対し、大場さんはしばらく沈黙を保っていた。
なんか、冷静に考えるとプロポーズみたいなセリフだったような……。
「そうだな」
大場さんが口を開いた。
235名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:40:58 ID:47fNrpGg
「気が向いた時には君の分も作っておこう」
頭の中にドラクエのカジノで大当たりした時のファンファーレが鳴り響く。
とにかくもう、嬉しすぎる大誤算だった。
「ほんとに!?」

――その時の僕の浮かれっぷりといったら、
ウエストポーチに登山道具一式詰め込むかのごとき容量オーバーと言える。
僕は自分でも気付かないうちに
大場さんに抱きついていた。

「わっ」
驚いた大場さんは小声で叫び、
次の瞬間僕はみぞおちにとんでもない衝撃を喰らった。
食ったものが全部飛び出してくるかのような。
一拍置いて僕はコンクリートにキスをする羽目になった。

――うん、そうだな、人生であれほどのダメージを受けたのは、
8才のとき自転車に正面衝突して以来だと思う――。

「す、すまない大丈夫か!?
 急に襲ってくるから思わず肘が出てしまった」
「ゴホッ、コッ、……はぁ、はぁ。
 お、襲うだ、なんてそんな、コホッ、大げさな……」

僕の必死の抗議に対し、さすがの大場さんも謝って
「しかし元はと言えば君が悪い。
 いくら思春期なりの性欲があるといっても事を急ぎすぎだ」
くれなかった。
236名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:44:18 ID:47fNrpGg
「べ、別にそんなんじゃなくて……」
「とにかく急に抱きついてくるのはやめてくれ。
 心の準備ができていない」
「はい……」
昨日は自分から抱きついてきたのに、と小声でつぶやく。
聞こえないように言ったつもりだったのだけど。

「あれは気の迷いだ。忘れろ」
「え?」
「いいから忘れろ」

そう言う大場さんの耳がいつもより赤くなっていたのは
多分気温のせいだけじゃない。
でも声の強さは相変わらずで、
僕はまったくもって逆らえそうになかった。

これから当分こんな雰囲気が続くんだろうか……。
ちょっとそれもいいかも、なんて思ってしまった自分は
やっぱりマゾじゃないのかと思ってしまった。
237名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 02:48:03 ID:47fNrpGg


と、いうわけで今回はここまでです。
あれですね、最初の一話は勢いだけでなんとかなりますけど、
そっから先はなかなか大変ですね。
まあ気長にやっていきたいと思います。
他の職人さんの降臨にも期待しつつ。

それでは。
238名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 04:15:12 ID:vnLchn7P
GJです!屋上で弁当なんて羨ましい!
初々しい二人の今後に期待です!
239名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 11:41:32 ID:lziABqRk
早くしおらしくなった姿が
みてみたいっす・・
240名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 18:29:54 ID:xplX18DK
>>237
続きが楽しみです。
241名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 21:25:47 ID:l0/1nV90
喰いタンの緒方刑事のツンデレ具合いに萌えた
242名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 00:39:17 ID:t1XGJojl
男口調の女の子を見ると素直クールと思ってしまう俺はどう見てもVIPPERです
本当にありがとうございました
243名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 00:19:58 ID:ttCGEV5Q
続きよみたいっす
244名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 16:03:29 ID:eb/gdh71
なら大人しく待てばいい
2451/6:2006/01/24(火) 01:52:55 ID:W+tdIYZM
この世は実に不平等だと思う。
別に差別するわけではないが、女性がか弱いだなんて誰が言った。
最近は女性の身を守るために色々と工夫されているそうじゃないか。
男は必ずしも強い者ばかりではない。
女に罵られる男だっているのだ。
そう、極々普通の生活を送りたいだけの俺のように。

冷え込んでいる朝。
寒さの所為で布団から出られず再び夢の中へと直行しかけた。
ふ、と隣に住んでいる幼馴染みが俺を起こしに来る事を思い出す。
それは10年くらい前からの日課なのだ。

しかしどこぞの純愛ゲームのような優しい起こし方ではない。
ねぇ起きて、と困った顔で言いつつ体を揺さぶってくるわけでもない。
そんな可愛らしく起こされるのは大歓迎だ。いつでも受け入れられよう。
なんて思っている傍から地響きが伝わってきた。

ドシドシと階段を上ってくる足音は
徐々に大きくなり、遂に部屋のドアの前で止まった。
部屋に鍵なんてものはなく、俺は布団を頭まで被って身を隠す。

「−−こらぁ! いつまで寝てやがんだ!」
「おい、何すんだ! 布団返せ!」

勢い良く捲られた布団。大工の親方のような口調。
この暴君っぷりで俺の中の幼馴染みのイメージは一瞬にして抹消される。
俺の幼馴染みである桜井椿は可愛い方だ。
半殺しにされるから口には出せないが胸は小さい。多分Bくらいだろう。
しかしスタイルは悪くないし、結構整った顔立ちをしている。
肩まで伸びた焦げ茶色の髪は地毛だ。

俺、椎名司はコイツといつも一緒だった。
幼稚園も小学校も中学校も、そして現在通っている高校までも。


2462/6:2006/01/24(火) 01:54:16 ID:W+tdIYZM

「返したら二度寝するだろ。早く学校行く準備しろよ」

腕組みして見下す目つきで睨んでくる。
それよりも紺色のブレザーとチェックのスカートが眩しい。
決して優等生という言葉は似合わないが不良でもないだろう。
けれど俺から言わせてもらえばゲームに登場する炎の魔人のようだ。
その怒りは周囲を焼き払い、一度暴れたら手が付けられない。

「椿、そんなに俺のことが……」
「黙れバカ!」
「ぐぇっ!」

腹を踏まれて俺は奇妙な呻きを発した。
仰向けの体勢で腹部を圧迫させられることには慣れている。
痛みと苦しみには慣れないが。
慣れてしまってむしろ気持ち良くなったら確実に変態だ。

だが踏まれた時に見てしまった。それは全くの偶然。
足を上げたことで椿の短いスカートが捲れ
健康な色をした太腿の付け根から覗く純白の……
いや、皆まで言う必要は無い。

視力が優れていたことに感謝しよう。
うっすらとした縦筋と弾力がありそうな花弁が下着を通して見える。
滅多に見ることの出来ないものに、ありがたや、と心の中で拝んだ。

「お前、なに見て……って、あぁ!? てめっ、この変態!」
「そっちが勝手に見せ……−−ガハッ!!」

その時、俺は初めて臨死体験というものをした。

2473/6:2006/01/24(火) 01:55:08 ID:W+tdIYZM

いつもの通学路をいつもの薄汚れた自転車で駆け抜けていく。
ペダルを漕ぐのは毎回俺で彼女は毎回後ろに座っている。
それくらいは許容範囲内だ。
しがみついてくれるから密着度も増すし。
……こいつも黙っていれば可愛いんだけど。

ちらりと振り返ると、前見て運転しろ、なんて低い声で脅される。
こんな野蛮な奴に惹かれているなんてどうかしているかもしれない。
確か俺の好みは椿とは思いっきり正反対の、物静かで素直で可憐な女の子だ。
しかし正直今まで何度椿で抜いてしまったことか。
罪悪感を抱いても完全に止められることは出来なかった。

「……い……っ」

ああ、男って案外楽じゃないよな。
自慰は健全な男子ならほぼ行うが本命で抜くのってどうなんだ。

「おいっ!」
「わっ!? い、いきなりそんな大声出すなよ!」
「さっきから呼んでたっつぅの! もうここで下ろせっ」
間抜けな声を上げている間に彼女は自転車から降りてしまう。
幼馴染みのちょっとした心境の変化に俺は気付かなかった。
彼女が自転車を降りた意味すら深く考えずに訪ねる。

「え、だってもうすぐ着くぞ?」
「……付き合ってるって噂になってるだろ、私たち。これからは別々な」
「そんなデタラメ、言わせておけばいいじゃないか」
2484/6:2006/01/24(火) 01:55:41 ID:W+tdIYZM

「お前のために言ってやってんだよ」
そう言い捨て、彼女は走り去っていった。
残された俺と後ろが寂しくなった自転車はただあいつの背中を見ていた。
俺のため、と椿は言った。何故別々に登校することが俺のためなのか。
それは教室に入って席に着いたときに明らかになった。


「よ、司。お前と桜井が一緒じゃないなんて珍しいなぁ」
「ほっとけ」
ヘラヘラと締りのない顔で話し掛けてきたのは後ろの席の鈴木正悟。
どっちかというと彼は軽い男で女好き。つまりは俺と正反対ってことだ。
……まぁ近いものはあるがな。

「でも別れて良かったんじゃねぇ? 性格キツイし女らしくないし」
「別れるも何も、付き合ってないって。何回言わせんだよ」
お前に椿の何が判る。
いくら乱暴なあいつでも俺しか知らない良い所は沢山あるんだ。
幼馴染みの悪口を言われても全然面白くない。ていうか腹が立つ。
同時にあの言葉の意味が分かってしまった。
生徒達に恐れられている彼女には常に悪い噂が付き纏っている。

万引きは当たり前だの、
暴走族の頭で恐喝や喧嘩ばかりしているだの、
実に根も葉もない噂だが信じている生徒がいる限り語り継がれるだろう。
そんな彼女と登下校している俺を冷やかす者や心配する者は少なくない。
だから椿は自ら身を引いたのだ。俺がからかわれないように。
きっとそうだ。
2495/6:2006/01/24(火) 01:56:22 ID:W+tdIYZM

斜め前に座っている椿を見やる。
窓の外をぼんやりと眺めている彼女は浮いている存在だった。
近寄りがたい雰囲気があるため誰も寄っていこうとしない。

「勿体無いよな。性格がああじゃなかったら彼女にしたいくらいだぜ」
「何だよ、正悟は彼女いるだろ。それって失礼じゃないか?」
「なにマジになってんだよ。冗談だよ、冗談」

こういう友人に限って不思議と縁が切れないものだ。
ははは、と笑う正悟に苦い顔をしながらも椿のことが気になっていた。
席が近いこともあって話は聞こえてしまったであろう。
正悟が半殺しにされてしまうのでないかとハラハラしていると
椿は急に椅子を引いて立ち上がり鞄を片手に教室を出て行ってしまった。

その表情は本当に微妙だがいつもより強張っている気がする。
クラス中が静まり返り、皆が正悟を憐れむように見たのは言うまでもない。

「えーと……オレ、言い過ぎた?」
「あぁ、たぶん明日お前死ぬぞ」
「やばいなぁ…。司、頼む! オレの代わりに謝ってくれ!」
「何で俺が。自分で蒔いた種だろ」
「オレ、まだ人生楽しみたいんだ! 後で缶ジュース1本奢るから!」

――安い取引だなオイ。
結局は正悟も彼女を恐れていたんじゃないか。

はぁ、と溜息をついて席を立つと応援のエールが耳に届いた。
まるでこれから生きては帰れない戦地に赴く兵士を見送るようだ。
幸い授業が始まるまで時間はある。
彼女が行きそうな所といったらあの場所しかない。
2506/6:2006/01/24(火) 01:57:00 ID:W+tdIYZM

階段を一段跳ばしで屋上へと歩を進めた。
ドアを開けると冷たい風が肌に当たり、既に帰りたくなってくる。

しかし手すりの上に腕を乗せて
景色を眺めている椿の後ろ姿を見つけたのでそうはいかない。
気付かれないようにそろそろと歩み寄って肩に手を置いた。
瞬間、鋭く引いた肘が腹部を直撃する。
死霊の呻き声に近い声を発して地に膝をつく俺を見るなり椿は息をついた。

「なんだ、司だったか」
「先制攻撃しておいて「大丈夫?」の一言も無しかよ」
「だって打たれ慣れてるだろ、お前」
あっけらかんとしている誰かさんのお陰でな。
……っと、いけない。先程の攻撃で本題を忘れる所だった。

「あのさ、正悟がお前に謝っておいてくれって」
「ふうん。……で?」

まずい。非常にまずい。
もはや蛇に睨まれた蛙の状態だ。
何で俺が自分より背の低い女に恐れなければならない。
やっぱり不平等だ。

「あー……アイツの言ってたこと、気にすんなよ」
「……別にもう気にしてないけど」
「え、じゃあ少しは気にしてたんだ」
「んな訳ねぇだろ! ――うわっ!?」
バランスを崩して手すりから身を乗り出してしまった椿。
気が付けば俺は彼女の名を呼び、体を引き寄せるように抱き締めていた。
251名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 02:01:39 ID:iPxRuhqM
これは新作ですか?続きが楽しみです。
252名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 02:01:52 ID:W+tdIYZM
初投下。
長くなってしまったのでまだ続きます。
では。
253名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 03:18:41 ID:qam+8Ek5
なんか頭の中で自然とcv小林由美子に変換されてた
254名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 07:44:07 ID:XUEciF2N
期待しているぜ。
255名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 11:57:54 ID:oCJlKysp
kita-
256名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 12:26:51 ID:wFGeWlCN
GJ!!!
続き期待してますよ〜
2571/6:2006/01/24(火) 21:24:53 ID:W+tdIYZM
驚いたことに肩は小さく華奢な体つきだった。
それにさらさらの髪からは良い匂いが漂ってくる。
細身な事は分かってはいたがこうなるまで正直実感が湧かなかった。

しかし椿はちっとも大人しくしてくれない。
腕の中でじたばたと暴れるものだから下手すれば二人揃って落ちてしまう。
なので彼女には申し訳ないが最大限の力を込めて細い手首を掴み押し倒した。
その拍子に後頭部を打った椿の瞳に涙が浮かんでいて
慌てた反面、見たこともない表情に胸が高鳴り思わず息を呑んだ。

「椿……」
「な、ななな何っ、早くどけよ! どけってば! ぶっ殺すぞ!」

特に最後の一言が非常に可愛くない。
良心がある男なら多分退くだろう。
だが俺は退かずに彼女のぷるんとした唇に自分のそれを重ねた。
つまりは衝動で彼女のファーストキスを奪ってしまったのだ。

ふるふると震える唇を味わった後に口内に舌を入れた。
逃げるように動く舌を貪りつくように
捕らえている内に椿の抵抗が弱々しいものへと変わっていく。

「んぅぅ……! んっ、ぇぅ……んんっ」

そっと瞼を開けると、ぎゅっと目を瞑った椿が映り込む。
目尻には若干の涙があって居た堪れなくなったが欲望の方が勝った。
あれほど適わず敵無しだった幼馴染みが
自分の手によっていとも簡単に押し倒されキスに翻弄されている。
ゾクゾクと快感に打ち震える俺は紛れもなくサディストだろう。

2582/6:2006/01/24(火) 21:26:04 ID:W+tdIYZM

「らめっ、ん……っ、ん、ん……!」

彼女は気付いているのだろうか。自ら舌を絡み始めてきたことに。
現に抵抗もしなくなっている。
つい調子に乗って制服の上から胸に触れた。
一瞬彼女の体が跳ねて感じてくれたのかと思いきや、再び腹部に蹴りを入れられた。

「ぐっ、ごほっ……椿……」

痛みに耐えて顔を上げる。
ぼろぼろと涙を零している彼女にぎょっとした。
言葉に詰まって何も言えなくなる。
その隙を突いて椿は駆け出し、屋上を去っていってしまった。


すごすごと教室に戻った俺に皆の視線が集まった。
まるで異形の者を見るかのような目つきだ。
何だか嫌な予感がする。

「おい、司。他のクラスの奴が目撃したらしいんだけどさ、
 桜井が泣きながら帰ったのって……もしかしてお前が原因か?」
「……うん、まぁ……そう、だな」

驚く正悟を見るのは久しぶりだった。
もはや笑うしかない。
かくして俺はあの桜井椿を泣かせた男として学校中に知れ渡った。
ああ、出来ることなら登校拒否したいものだ。

学校に居たくないのもあったが
それよりも椿が気掛かりで仮病を装って早退した。
しかし彼女の家を訪問しても彼女は出掛けてしまったらしい。

2593/6:2006/01/24(火) 21:26:44 ID:W+tdIYZM

仕方なしに隣の自宅に帰り、重い足取りで部屋へ通じる階段を上る。
ドアを開けた途端、視界に生脚が映り込んだ衝撃でドアを閉めてしまった。

――何だ? 今のは何だ?
さては人形か? びっくりするじゃないか。
終始考えた結果、おそるおそるドアを開けて部屋の様子を窺う事にした。

「……ぅええっ!?」

思い掛けない展開に素っ頓狂な声が上がる。
何と彼女が俺のベッドで、
俺のシャツを抱き締めながら眠りに就いていたのだ。
一度家に帰ってから来たのだろう、ブレザーを脱いでいるだけの制服姿だった。
奇声に目を覚ました椿が虚ろな表情で起き上がって辺りを見渡す。
そこに俺の姿を見つけるや否や、目を見開いてシャツを放り投げた。
皺だらけのシャツがばさりと無残な形で床に落ちる。

「なな、なっ、何でお前がここにいるんだよ!」
「や、あの、ここ俺の部屋なんだけど……てか、俺のシャツで何してたの?」
「な、何もしてないぞ! 決してお前が好きだからとかそんなんじゃ……」
「え?」
「あ……!!」

2604/6:2006/01/24(火) 21:27:22 ID:W+tdIYZM

「俺のこと、好きでいてくれたの?」
「誰がお前みたいな軟弱な男……っ!」

ひゅっ、と椿の喉が鳴る。
突然抱き締められて身体が石のように硬直した。
本気で殴るなり蹴るなりすれば逃げられるが
そうしないのは心の何処かで彼を受け入れてしまっているからだ。
屋上と同様に身体が熱くなってゆく。

「……俺は好きだよ。椿のこと」
次は椿が奇声をあげる番だった。
彼女の顔を覗き込むと信じられない様子で口をぱくぱくしている。
頬を朱に染めたまま何も言い返してこない。

「う、ぅぅう嘘言ってんじゃねぇ! どうせアレだろ、
 お前のことだから私をからかってるんだろ!? それに何で私なんだよ!」
「からかうものか! ずっと前から好きだったんだ!」

ぜぇぜぇと互いに息を荒くさせながらの告白ではムードの欠片もない。
軽く咳払いをして「椿はどうなんだ?」と問う。
そうだ。まだ両思いと確定したわけではない。

「ど、どうって言われてもだな……」
「好きか嫌いか選ぶだけじゃないか」
「ああもう! お前と同じ答えだ!」
口が悪いのはは相変わらずだ。
ただいつもより可愛く見えてしまうのだけは除いて。

「良かった。嬉しいよ」
宥めるようにキスを贈ると椿はとろんと恍惚な表情を見せた。
こんな表情を目の当たりにして理性が崩れないほど俺は大人ではない。
健全な男子学生なのだ。興奮してしまうのが性だろう。
名残惜しく思いつつ唇を離すと細い糸が引いた。
2615/6:2006/01/24(火) 21:28:01 ID:W+tdIYZM

そのままベッドになだれ込み、熱を帯びた耳朶を咥える。

「ぁんっ」

聞いた事のない椿の喘ぎに雄の中心が熱くなっていった。
耳に舌先を突っ込んでねっとりと掻き回す。
時には言葉も囁き、その度に彼女はびくびくと震えて反応してくれた。
シャツのボタンをプチプチと外して胸を曝け出すと罵声が飛んでくる。

「ちょ、ちょっと待て!」
「え? なに?」
「……す、するのか?」
「どうしても嫌なら我慢するけど」
だがここまで来ておいてオアズケは辛い。
ちらちらと視界に入ってくる形の良い乳房と突起が逐一性欲を煽る。
仰向けになっても形が崩れない胸に
今すぐにでもしゃぶりつきたいのを堪えた。

「嫌じゃないけど……むっ、胸はダメだ」
「どうして?」
「お、男は大きい胸が好きなんだろ? 私は小さいから……」
そう呟いた椿は自らの胸を両手で覆い隠してしまう。
十分魅力的な体だということに気が付いていないのだろう。
手を胸から引き離して双丘の間に顔を埋めた。

「まあ、好みは人それぞれだけど俺は椿の胸が一番好き」
「へっ変態……ぁっ」
肌を一舐めするだけで声があがる。
小振りな乳房を包み込んで突起を指の腹で撫でた。
2626/6:2006/01/24(火) 21:28:39 ID:W+tdIYZM

爪でくにくにと転がすだけでも突起は硬くなる一方。
にも関わらず彼女はあまり嬌声を聞かせてはくれない。
正確に言えば堪えているのでくぐもった声や吐息ばかりなのだ。
こういうのも男心を擽るが、それでは物足りない。

「椿、もっと声出せよ。その方が興奮する」
「ぜっ、絶対、ゃだ……ッ、んん!」
「意地っ張り」
それじゃあ、と突起を舌先でちろちろと舐めた。
もちろんもう一つの突起も人差し指と中指で弄り続ける。

「はっ、ぁ、やぁっ……あぁっ、ぁんっ!」

こんな声、何処に隠し持っていたのだろう。
椿はうっすらと汗ばんだ喉を反らせ、初めての感覚に困惑していた。
それと同時にひ弱な印象しかなかった司に押さえ付けられ
されるがままに弄ばれていると思うと胸の鼓動が早鐘を打った。

硬く尖ったピンク色の突起をちゅうちゅうと吸い、
些か肋骨が浮き出たへこんでいるお腹に手を這わした。
滑らかで柔らかな肌は撫でているだけでも心地良く感じる。

「気持ちいい?」
「ぅあ……ぁ、ぁんっ、なんか、変だ……っ」

変、か。
それは気持ち良い感覚と取っていいのだろうか。
しかし息を乱れさせて頬を上気させている
彼女の顔からは快感を表しているようでそう受け取ることにした。

263名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 21:30:17 ID:W+tdIYZM
長くてすみません。
次で終わります。
cv小林由美子にワロタww
264名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 21:57:12 ID:z5itbA/5
長いのいいよー
楽しみにしてます
2651/7:2006/01/24(火) 23:40:03 ID:W+tdIYZM

丹念に愛撫しながら手を下降させてゆく。
そしてスカートのホックを外して引き下ろし下着姿にさせた。
今朝見た純白の下着に変化がある。
中央がじんわりと染みていて秘所の形がくっきり浮かんでいるのだ。

「椿、もう濡れてる」
「やっ、やめ……! 見るな!」

強引に脚を開かせて染みをまじまじと観察し、
誘われるように鼻を近付けて秘所特有の匂いを嗅いだ。
誰にも見せたことのない場所を見られた挙げ句、
匂いまで嗅がれてしまい椿は恥ずかしさで泣きそうになった。
だが脚を閉じることさえも許されない。

「ん、ふぅ……やぁ、だ……っ」
眺めているうちにまた染みが広がってきた。
明らかに椿は見られているだけで感じてしまっていた。
最後の砦である下着を脱がして露になった秘所に顔を埋める。

「毛、あまり生えてないんだな。椿って」
「ッ!! お、おおおお前っ……!」

まるで中学生みたいな薄い恥毛に指を絡めて弄ぶ。
最後に椿のあそこを見たのは確か幼稚園の時だったっけ。
俺にあるものが彼女にはなくて、ただ純粋に不思議がっていた。
もう殆ど大人の体になってしまったかと
思っていたが毛は薄いわ胸は小さいわでまだ幼い少女のようだ。
しかし胸はこれから俺が直に揉んで大きくしてやればいい。


2662/7:2006/01/24(火) 23:40:53 ID:W+tdIYZM

花弁を指で広げると皮に包まれている小さな蕾が芽を出した。
舌先で舐め上げて彼女がどう反応するかを試す。

「ぃ、あぁぁっ! あぁっ、そこぉ……やっやぁぁっ!」
「ここ、そんなにいいんだ?」
だらしなく垂れている愛液を指ですくい取って
壊れ物を扱うくらい丁寧に蕾をつついてみたり、きゅっと指で挟んでみた。
悲鳴に似た嬌声に征服感を覚える。

「らめぇ……やめろよぉっ、ひぅっ……もっ、やめてぇぇっ……!」

もはや呂律が回っていない椿は近付いてくる何かに
言い知れぬ恐怖を覚えて司の頭を押さえ何とか止めようとした。
だがそれは無駄な抵抗に過ぎず、
敏感な所を重点的に舌や指で責め続けられる。

ぬるぬるとした液体が次々と零れていく。
初めて愛液を口にしてみたが何とも言えぬ味だ。
けれど好きな人の液だから美味しく感じてしまう。
もっとぐちょぐちょになるくらいに溢れさせてやりたい、とも思う。

唾液や愛液にまみれた蕾を優しく摘む。
身を捩って喘ぐ椿からはいつもの男勝りなイメージが消えていた。

「ひゃっ、あぁっ……あ、あぁぁあぁっ!!」

嬌声と共により多くの愛液が溢れ出てきた。
大きく跳ねた身体はシーツの海へと沈み、彼女は懸命に肩で息を整えている。
2673/7:2006/01/24(火) 23:41:32 ID:W+tdIYZM

「イッちゃった?」
「分からない……急に、頭が真っ白になって……
 何も考えられなくなって……すごく、気持ちよくなったんだ…」

これ以上にないくらい顔を真っ赤にして告げる椿。
抱き締めたくなったが、そろそろ己の欲望も限界だ。
罵られるのを覚悟で彼女を見つめた。
椿は何が何だか判っていないようで眉尻を下げて見つめ返す。

「椿。その、何だ……俺も気持ち良くしてもらえると嬉しいんだけど……」
「え、ぁ……!? おま……っ!」

すぐに理解してもらうように
硬くなった己自身を彼女の太腿に擦り寄せた。
多少よろめきながらも身を起こした椿は初めて見る男のそれに
一旦視線を逸らすが気になってしまってチラチラと見てしまう。

何となく知ってはいるものの、椿の性に関する知識は低い方だ。
やり方も分からず、反り立つペニスと睨み合いが続く。
しかし悠長に待っていては萎えるのも時間の問題だ。
というより視姦されている気分で恥ずかしくなってくる。

「ええと……触って、優しく握ってくれる?」
「う、うん……――それでどうするんだ?」
「上下に扱いて」
「しご……?」
「ああ、ごめん。動かしてってこと」
本当に優しい握り方だった。
不慣れな手つきでゆっくりと扱いてくれるが焦らされている風に思える。
椿はすっかり熱を帯びて固くなっている
ペニスの感触に戸惑いながら時折上を向いて司の顔色を窺う。
2684/7:2006/01/24(火) 23:42:01 ID:W+tdIYZM

「もうちょっと速く扱いても平気だから」
「痛くないのか?」
「全然。むしろ咥えてくれたらなー…なんて」

渇いた笑いが部屋に虚しく響いた。
思わず本音を口にしてしまった途端、
それまで上下に扱いていた彼女の手がぴたりと止まってしまう。
しかもつむじしか見えないからどんな顔をしているのか、
何を思っているのか全然予想出来ない。
何て誤魔化せばいいか悩んでいる合間に何かが俺のモノを包み込んだ。
暖かくて柔らかい、何かが。

「ん、ぁむ……こう、か?」
「!! つ、椿ッ!?」
まさか口でしてくれるとは思ってもいなかったため、
大胆な彼女の行動に少なからず動揺を隠せない。

「んんぅ、ん……はぁ……お前の、大きくて苦しい……っ」
「ご、ごめん」
何でサイズが大きくて謝ってるんだ、俺は。
むしろ喜ぶべきじゃないか。
咥えながら手でぎこちなく上下に扱いてくれるものなかなか良い。

早くも零れてきた先走りの液体に椿は驚いて眉を顰めた。
だが健気にも先端から零れる汁を追いかけるようにツーッと舐め、
また口いっぱいにぱくりとペニスを頬張る。

「んぐ……ん、んっ、んん……」
「ぅ……っ」
「ぅん、はむ……ふ……」
途中、彼女の頬や口にかかる髪の毛を梳いた。
無意識なのかそうではないのか舌先が先端の窪みを擽ってくる。
柔らかい唇に包まれただけでもイッてしまいそうなのにこれは危ない。
2695/7:2006/01/24(火) 23:42:40 ID:W+tdIYZM

「あ、ありがとな……でも、もう挿れたい……」
不規則に乱れた息をつきながら欲を吐き出すことに
堪えて一生懸命頑張ってくれている椿の身体を引き離した。
そしてベッドに組み敷き、膝裏を持って脚を外側に開かせる。
てらてらと濡れ光っている秘所に生唾を呑んだ。

「っ……や、やっぱり無理に決まってる!
 こんなデカいの、入るわけないだろっ……!」
「は、入るって! 充分濡らしたし……力抜いてろよ」

腰を落として潤った窪みを探る。
先端が蕾や花弁に刺激を与えてしまい、
椿は身体を強張らせながらも小さな嬌声をあげた。
クッ、と狙いを定めてゆっくりと侵入させるが
狭い膣内はそれを拒むように異物を追い出そうとする。

「く、ぁぁあっ……! や、ぃ、抜いてぇ……っ」
「無理言うな……っ」
「あ、あぁっ! やぁあぁぁあっ!」
ほぼ強引だが一気に腰を進めてようやく根元まで納まった。
あまりのきゅうきゅうとした締め付けに苦しささえ覚える。
しかしそれよりも彼女の方がもっと苦しくて痛い思いをしているのだ。
必死に空気を取り込んでは苦悶の表情を浮かべる椿の髪を撫でてやった。

すると彼女は目に涙を浮かべながら
ぎこちなく微笑んで震える手を伸ばしてくる。
その手は俺の頬をそっと包み、無性に愛しくなって小さな手に自分の手を重ねた。
2706/7:2006/01/24(火) 23:43:19 ID:W+tdIYZM

一度納まりきったものをぎりぎりまで引き抜いて再び突き入れる。
「ぃあっ、ぁっ……ぅく……!」
顔を歪めて破瓜の痛みに耐えている椿は
爪先が白くなるほどシーツを掴み、痛みが去っていくのをひたすらに待った。
こんな痛いものだとは考えもしなかった。
だが出し入れを幾度も繰り返されている内に
痛みとは違う感覚がようやくやってきたことに気付く。

「ぁ……あ、ふぅ……んぁ、ぁっあっ……」
「気持ち良くなってきた?」
「う、ん……っ」
「そう……じゃあ少し激しくするからな……」

肌がぶつかり合う音と液体の音が艶かしく聞こえる。
締りのいい膣内は潤いが増し滑りも良くなった。
理性も無くなってきてただ獣のように行為に没頭する。
快感を訴える喘ぎもまた欲を奮い立たせ、一層激しく打ち付けていた。

「ひゃ、あぅっ、あっ、あぁん……っ!」
「はぁ……椿……くぅっ」
「あっあぁ……! や、んぁっ……あぁ、ひぁっ!」
今目の前に居る彼女のことしか考えられない。
それは椿も同じ事だった。
生理的に流れる涙が耳まで伝ってシーツを濡らす。
最中にその涙を優しく拭い取ってくれる司に甘えるように縋り付いた。

そうして何度も何度も深く挿入していると徐々に限界が近付いてきた。
司は中に射精してしまってはまずいと思い、己を引き抜こうとする。
だが知らず知らずの内に足を絡めていた椿が離してくれない。
我慢しようにも限界は待ってはくれず、
甲高い嬌声をあげた椿と共にそのまま中で果ててしまった。
2717/7:2006/01/24(火) 23:43:58 ID:W+tdIYZM

−−−−−−−−−−

あれから彼女が変わったのかというとそうでもない。
起こしに来るときの蹴りは健在だし、
相変わらず良くない噂が付き纏っている。
そして誰も彼女を恐れて話し掛けることはない。
しかし彼女は大して気にも留めず、自由奔放な生活を送っている。

だがベッドの上ではほぼ別人と化す。
というか形勢逆転だ。
シーツを頭まですっぽり被って真っ赤になりながら
半泣き状態で威嚇してくる彼女を俺は立って見下ろしていた。

「いや、だから、どうかなって」
「そんな物騒なモノ持ってくるんじゃねぇ!」
「物騒とはヒドいな。ただのバイブじゃないか。
 これを椿のあそこに入れたり敏感な所をぐりぐりしてみた……」
「いっぺん死んでこい! 変態!」

椿もいじめられてイッちゃう変態のくせに、と言い返そうとしたが
本気で泣かれてしまっては困るので喉まで出掛かったその言葉を呑み込んだ。
結構自分たちはソリが合うかもしれない。
そんな事を思いながら彼女の身体から
シーツを引き剥がして太腿にバイブを当てた。

「椿。気持ちいいこと好きだよな? 最初は恐いけど慣れたら気持ちいいよ」
「わ、私はそんなものよりも……司の、でイキたいんだ……」
頬を紅潮させつつ蚊が鳴くような声で言った彼女の言葉に耳を疑った。
もう一度聞きたいが俯いてしまって聞きづらい。
誰も知らない椿の素顔を知っている優越感に浸りながら
苦しくない程度に彼女を抱き締めて甘く激しい時間を過ごした。


終。
272名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 23:48:25 ID:W+tdIYZM
連投スマソ
今まで読むだけでしたが勢いで書いてみました。
職人さんの投下を期待。
それでは。
273名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 23:55:58 ID:H48GyAx/
GJ!!
椿かぁいいな!!

また気が向いたら投下してくれ!!
274名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 00:32:36 ID:ssPE6aTO
エロパロ板でこんなこと言うとは自分自身でも思わなかったが

エロ無い方が良かった
275名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 04:37:54 ID:ui43c+Cn
なかなかよかったですよ!

ただかなりの直球勝負だったので、もう少し読者を焦らすような展開があってもよかった気がします。
次回作も期待してますよ。
276名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 08:22:34 ID:VFNdnMzK
劣化喜多さんだな
277272:2006/01/25(水) 08:29:51 ID:nZGXl02g
最初の投下で期待させてしまってごめん。
客観的な意見に感謝。とてもタメになった。
ありがとう、もっと経験を積んで頑張る!
278272:2006/01/25(水) 08:57:05 ID:nZGXl02g
>>276
ごめん、ずっと読んではいたもののこのスレから知ったので
喜多さん?が分からない。
作中に出した娘は自分が思い描いてる気が強い子なのですが
キャラ被りで喜多さんを汚していたらすみません。

一度喜多さんを知ってしまうと余計に意識して
書けなくなってしまいそうなので個性が出るように精進する。
本当に申し訳ない。
279名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 11:15:49 ID:UTJ7Xlgd
劣化喜多さん…
そこまでいってやらんでも…
>>278氏へ

>>210
に張ってある自サイトにのってる喜多さんがそうです
凄い面白い作品なので見てみたらいかがでしょう
280名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 11:50:44 ID:0BdbKtW5
いや、謝る事ないさ
結構良かったと思うよ
281名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 15:07:03 ID:jObCMyH+
>>276
幾らなんでもその言いようは失礼だと思うが……。

>>272
気にしなくていいと思うよ。
俺はそんな事欠片も思わなかったから。
GJですた。
282名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 18:25:55 ID:VFNdnMzK
>>276は勘違いだ。脳内でなにか誤変換起こしたみたいだ
今改めて読んだらなぜそう思ったのか自分でもわからん
安易に書き込むもんじゃないですな
>>272さん本当にごめんなさい
283名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 17:03:04 ID:jtfbmwcM
気の強い>>282がしおらしくなる瞬間に…
284名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 17:49:19 ID:qLfY8YK5
な・・・何よ・・今のは間違いよ・・・・

ね、ねえ・・・・・・そんなに怒らないでよ
私が悪かったって言ってるでしょ?


い・・・行かないで!

わたし・・・

わたし・・・・アンタがいなくなったら・・・・・・
285名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 17:53:52 ID:qLfY8YK5
馬鹿な事考えてすみませんorz
286名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 18:13:35 ID:ojT1sfHF
不覚にも(ry
287名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 19:15:39 ID:vlUbvdv1
モエs(ry
288名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 19:39:11 ID:wYdCk1hC
u(ry
289名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 17:17:51 ID:cRaFKjaQ
「悪かったって言ってるでしょ!?」って一旦強気になってほしかった

だが十分
290名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 20:22:18 ID:KlI33mFH
あげとくよ
291名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 23:10:58 ID:0hlD4VTw
誰か>>284のやつで書いてくんない?
292名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 16:07:53 ID:FDmO8roO
↑シチュは?
293名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 19:06:58 ID:vcQZ91r9
彼女のあまりにも横柄な態度に彼氏がいいかげん疲れて別れ話をだす
294名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 17:56:36 ID:/cbzUxpd
>>293
おもしろそうだったから考えてみた。
で、よりを戻すタイミングがまったく考えつかなかった。
スマン逝ってくるorz…誰か後は頼んだぞ
295名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 21:14:03 ID:NcK59M5E
>>294
リレーなら書けそうな気がする
296名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 22:10:58 ID:WYi/S7IY
「俺達、別れよう…もうついていけないよ…」
彼はそうきりだした。
297名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 23:20:15 ID:kW/e/z1d
「な、何いきなり言ってるのよ!そんな冗談面白くないわよ!」
彼女は困惑しながらも言った。彼が本気でそんなことを言ってるとは夢にも思わずに。
298名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 23:46:51 ID:H49HhVaJ
俯いて首を振り、彼女は笑って顔を上げた。
「…ははぁん分かったわ。そうやって、私の気持ちを試そうって言うのね?
 アンタってほんと駄目だ駄目だと思ってたけど、やだ、可愛いところあるじゃない」
あはは、と軽やかな声でさらさらの髪を指先で弄る癖を出す。
299名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 00:05:43 ID:welvKGqq
彼女の言葉に、彼は震える声で答えた。
「もううんざりなんだよ……。
お前の我が儘に付き合わされるのも、お前が勝手に決めた事に従わされるのも……。
今まで何度も別れようと言おうと思ったさ……。
それなのにお前は俺の話も聞かずに俺を振り回してきた……。
良い機会だから言わせてもらうよ……。
俺は、もう、お前の我が儘には、ついていけない。」
300名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 00:32:57 ID:MyMVFo7U
今まで聞いた事の無い、彼の真剣な声。
それでも彼女は心の中に湧き起こる微かな真実を受け止めたくなくて、何故か笑ってしまう。
しかしその笑いは先ほどまでの軽いものではなく、どこか引きつった感じのするものだった。
「あはは、何言ってんの?今なら冗談で済ませてあげるわよ?」
ドンッ!
「俺は本気だ!」
やや怒りと悲しみを帯びた口調でまるで自分を制するかのように机を叩く彼。
緊張した空気が2人を支配する。
301名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 00:47:47 ID:SD9gblzH
、i`ヽ                        ,r‐'ァ
 `ヽ::                      ::´
   ヽ ヽ        , -‐--、         / /
    ヽ \      I:::::::I_      _ / /
     ヽ  ヽ    i,(;;;ノI、;;;)l    ,,/  , '
      ヽ  ` ー 、.,,ゝ´ヮ`,ノュ_, - '   r'
        ` 、_ /::: `山':::::    /
         ヽ:::::::::::|::::::::"",r‐'
          〉::::::::|::::::::::¨/
         /;;;;;;;/;;;;;;;;;;/     ──────
        /;;;;;;;/:::::::::::《    ──────
     (( <;;;;;;;《:::::::::::::ヽ  ))   ──────
      /   ヽI,r''"""^~ヽ
     /   ,/ ヽ    ヽ
302名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 00:57:59 ID:kj5oVIy6
長い沈黙の後、彼女はようやく口を開いた
「わ、わがままなんて言った?」
その声にいつもの勢いはない、それにさっきから彼女の髪を弄る回数が多くなっている
この癖は彼女が動揺したときに出るものだということを彼はよく知っていた
「自分で気付いてないのかよ」
彼はチッと舌打ちをした
303名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 21:21:22 ID:k7OQny4o
その舌打ちを耳にすると、彼女の手が不意に髪を梳く仕草を止める。
変わって血の気が引いていく感覚が痛いくらいに感じ取れた。
「………おい、お前な!
 何か言いたい事あるんならはっきり言えよ!」
彼女のその煮え切らない態度にイラついたのか強い口調で攻め立てる。
その彼の言葉には、過去の優しさが一切消えていた。
今までだったら、自分がどんな態度を見せても
穏やかな顔を見せていた彼の姿はここにはない。

本気……だったのだ。

「………」
彼女はその後の言葉が続かなかった。
俯き、ただただ下を向くその姿は、
今の彼女の心境を表すかのように小さく何処か頼りないものに見えた。
304名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 19:18:22 ID:Jo3ltE+W
GJ!!
305>>296:2006/02/01(水) 21:52:16 ID:7SnSHdyU
ちょwww適当にノリで書いたのにこんなに続いてるwww
306名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 01:31:52 ID:gTykb9tM
いや、彼が本気だということはわかっていた
ただ彼は本気ではないと思い込みたかっただけだ
今まで彼に言ってきたこと、それは単なるわがままだったことも自覚している
でもなぜそんなことをしたのか、その理由は自分でもわからない
ただ一つわかっていることは、彼女の心は彼に依存してしまっていることだ
307名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 14:19:32 ID:XUnstViU
それは、はたから見れば彼女が彼に甘えきっているだけだと看破できたろう。
しかし、彼女は自分が異性に甘えていると自覚するには幼すぎたし
彼もそれを受け止め、抱擁し続けてやるには未熟すぎた。そう、この時までは。

彼は、いつもの闊達さを失い、小さく頼りなく見える彼女の姿に、ちくりと胸の痛みをおぼえる。
(言い過ぎたかな…でも…)
後悔が胸を掠めても、一度口にしてしまった別れの言葉を、今更取り下げることなどできない。
(これ以上、こいつに振り回されるのはもうゴメンだ)
「じゃあな」
返事が来るのを諦め、彼は教室を去ろうと彼女に背を向ける。
その背中に小さく、今まで聞いたことのないような、彼女のか細い声が聞こえた。
「ま…間違いよ…こんなの…」
声は、今にも泣きそうに掠れ、ふるえていた。
308名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 15:45:00 ID:C1e0v4nD
そう、間違いだ。間違いに決まっている。

自分の言葉に慄然とする。
間違い?何が?はっきりと今自分の耳で聞いたではないか。
「間違い・・でしょ?」

遠ざかる背中は止まらない。彼の手が教室の戸に掛かった瞬間、私は叫んだ。
309名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 16:47:30 ID:o5kVEOJv
i`ヽ                        ,r‐'ァ
 `ヽ::                      ::´
   ヽ ヽ        , -‐--、         / /
    ヽ \      I:::::::I_      _ / /
     ヽ  ヽ    i,(;;;ノI、;;;)l    ,,/  , '
      ヽ  ` ー 、.,,ゝ´ヮ`,ノュ_, - '   r'
        ` 、_ /::: `山':::::    /
         ヽ:::::::::::|::::::::"",r‐'
          〉::::::::|::::::::::¨/
         /;;;;;;;/;;;;;;;;;;/     ──────
        /;;;;;;;/:::::::::::《    ──────
     (( <;;;;;;;《:::::::::::::ヽ  ))   ──────
      /   ヽI,r''"""^~ヽ
     /   ,/ ヽ    ヽ

「私しおらしくなるフォ〜〜〜〜〜!!」
310名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 17:25:25 ID:vJXacCE/
そ・・・そうよ・・ま、間違いよ・・・・
「ね、ねえ!・・・・・・本当はそんなに怒ってないんでしょ?」

彼はそれを聞きやっぱりもう駄目かと思った。そして教室のドアを開けた。
そしてそのまま彼が呆れて教室を出て行こうとした時、
彼女は蚊の鳴くような声で言った。一縷の望みを懸けて。
311名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 23:06:50 ID:c/RXsk1N
何を言えば振り返ってもらえるのかどうしても分からなかった。
彼が自分のどこに怒っているのかも分からなくて彼女は、
それでも怒っている相手に許してもらうための言葉を必死で思い出した。
「ご、……ごめんなさい」
背中が遠ざかるのをやめる。
―ああ、これで間違いなんてなくなった。
安堵のあまり息をほころばせ胸元を握る。
しかし振り返った彼の顔つきは彼女の期待していたものとは少し違った。
312名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 23:38:21 ID:nz95aZHP
>>309ちょwwwwwwラーメン吹いたw
313名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 23:54:18 ID:3iHpTczD
Σ遅かった、このまま帰ってもらおうかと思ったのにorz
314名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:40:30 ID:K8vw61t3
振り向いた彼は、やはり彼女が期待していたいつもの彼ではなく
ただむっつりと押し黙って、冷たく彼女を見ている。
再び彼女の胸にのしかかる不安。
「ね、ねえ……そんなに怒らないでよ」
普段の彼女とはかけ離れた声は、怯えるような響きさえこもっている。
だが、彼はその声にも表情を動かす事はなく、黙ったままだ。
彼女は思わず、不安と苛立ちを彼にぶつけてしまう。
「な、なによ……私が悪かったって言ってるでしょ!?」

「……処置なしだな」
それを聞いて、彼の顔にはっきりと失望の色が浮かんだ。
怒りでも苛立ちでもないその表情に、彼女の背中からスッと、冷たく血が引いていく。
(……ち、違うの。私が言いたかったのはこんな事じゃ……)
「本当にもうこれっきりだ。サヨナラ……」
彼女の目の前で、ガラッと教室のドアが閉ざされる。
なすすべもなく彼女は呆然と、その場に立ち尽くしていた。
315名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 03:25:06 ID:InnX6tzw
一人残された教室。
「な・・・何よ・・今のは間違いよ・・・・ 」
彼女はただただ、紡ぐ。
「ね、ねえ・・・・・・そんなに怒らないでよ 」
甘え、怯え、怒り、羞恥、絶望……どれともつない言葉を。
「私が悪かったって言ってるでしょ? 」
懇願は彼の元に届くこともなく―――、
「い・・・行かないで! 」
呟きを耳にする者は彼女しかなく―――、
「わたし・・・ 」
壊れたレコーダーのように、繰り返す。
「わたし・・・・アンタがいなくなったら・・・・・・ 」
取り戻せない言葉と想いを、暮れ行く教室で彼女は―――。
316今までのまとめ:2006/02/03(金) 23:31:43 ID:m350Cq8C
俺達、別れよう…もうついていけないよ…」
彼はそうきりだした。
「な、何いきなり言ってるのよ!そんな冗談面白くないわよ!」
彼女は困惑しながらも言った。彼が本気でそんなことを言ってるとは夢にも思わずに。
俯いて首を振り、彼女は笑って顔を上げた。
「…ははぁん分かったわ。そうやって、私の気持ちを試そうって言うのね?
 アンタってほんと駄目だ駄目だと思ってたけど、やだ、可愛いところあるじゃない」
あはは、と軽やかな声でさらさらの髪を指先で弄る癖を出す。
彼女の言葉に、彼は震える声で答えた。
「もううんざりなんだよ……。
お前の我が儘に付き合わされるのも、お前が勝手に決めた事に従わされるのも……。
今まで何度も別れようと言おうと思ったさ……。
それなのにお前は俺の話も聞かずに俺を振り回してきた……。
良い機会だから言わせてもらうよ……。
俺は、もう、お前の我が儘には、ついていけない。」
今まで聞いた事の無い、彼の真剣な声。
それでも彼女は心の中に湧き起こる微かな真実を受け止めたくなくて、何故か笑ってしまう。
しかしその笑いは先ほどまでの軽いものではなく、どこか引きつった感じのするものだった。
「あはは、何言ってんの?今なら冗談で済ませてあげるわよ?」
ドンッ!
「俺は本気だ!」
やや怒りと悲しみを帯びた口調でまるで自分を制するかのように机を叩く彼。
緊張した空気が2人を支配する。
長い沈黙の後、彼女はようやく口を開いた
「わ、わがままなんて言った?」
その声にいつもの勢いはない、それにさっきから彼女の髪を弄る回数が多くなっている
この癖は彼女が動揺したときに出るものだということを彼はよく知っていた
「自分で気付いてないのかよ」
彼はチッと舌打ちをした
その舌打ちを耳にすると、彼女の手が不意に髪を梳く仕草を止める。
変わって血の気が引いていく感覚が痛いくらいに感じ取れた。
「………おい、お前な!
 何か言いたい事あるんならはっきり言えよ!」
彼女のその煮え切らない態度にイラついたのか強い口調で攻め立てる。
その彼の言葉には、過去の優しさが一切消えていた。
今までだったら、自分がどんな態度を見せても
穏やかな顔を見せていた彼の姿はここにはない。

本気……だったのだ。
317今までのまとめ:2006/02/03(金) 23:33:52 ID:m350Cq8C
「………」
彼女はその後の言葉が続かなかった。
俯き、ただただ下を向くその姿は、
今の彼女の心境を表すかのように小さく何処か頼りないものに見えた。
いや、彼が本気だということはわかっていた
ただ彼は本気ではないと思い込みたかっただけだ
今まで彼に言ってきたこと、それは単なるわがままだったことも自覚している
でもなぜそんなことをしたのか、その理由は自分でもわからない
ただ一つわかっていることは、彼女の心は彼に依存してしまっていることだ
それは、はたから見れば彼女が彼に甘えきっているだけだと看破できたろう。
しかし、彼女は自分が異性に甘えていると自覚するには幼すぎたし
彼もそれを受け止め、抱擁し続けてやるには未熟すぎた。そう、この時までは。

彼は、いつもの闊達さを失い、小さく頼りなく見える彼女の姿に、ちくりと胸の痛みをおぼえる。
(言い過ぎたかな…でも…)
後悔が胸を掠めても、一度口にしてしまった別れの言葉を、今更取り下げることなどできない。
(これ以上、こいつに振り回されるのはもうゴメンだ)
「じゃあな」
返事が来るのを諦め、彼は教室を去ろうと彼女に背を向ける。
その背中に小さく、今まで聞いたことのないような、彼女のか細い声が聞こえた。
「ま…間違いよ…こんなの…」
声は、今にも泣きそうに掠れ、ふるえていた。
そう、間違いだ。間違いに決まっている。

自分の言葉に慄然とする。
間違い?何が?はっきりと今自分の耳で聞いたではないか。
「間違い・・でしょ?」

遠ざかる背中は止まらない。彼の手が教室の戸に掛かった瞬間、私は叫んだ。
そ・・・そうよ・・ま、間違いよ・・・・
「ね、ねえ!・・・・・・本当はそんなに怒ってないんでしょ?」

彼はそれを聞きやっぱりもう駄目かと思った。そして教室のドアを開けた。
そしてそのまま彼が呆れて教室を出て行こうとした時、
彼女は蚊の鳴くような声で言った。一縷の望みを懸けて。
何を言えば振り返ってもらえるのかどうしても分からなかった。
彼が自分のどこに怒っているのかも分からなくて彼女は、
それでも怒っている相手に許してもらうための言葉を必死で思い出した。
「ご、……ごめんなさい」
背中が遠ざかるのをやめる。
―ああ、これで間違いなんてなくなった。
安堵のあまり息をほころばせ胸元を握る。
318今までのまとめ:2006/02/03(金) 23:36:25 ID:m350Cq8C
しかし振り返った彼の顔つきは彼女の期待していたものとは少し違った。
振り向いた彼は、やはり彼女が期待していたいつもの彼ではなく
ただむっつりと押し黙って、冷たく彼女を見ている。
再び彼女の胸にのしかかる不安。
「ね、ねえ……そんなに怒らないでよ」
普段の彼女とはかけ離れた声は、怯えるような響きさえこもっている。
だが、彼はその声にも表情を動かす事はなく、黙ったままだ。
彼女は思わず、不安と苛立ちを彼にぶつけてしまう。
「な、なによ……私が悪かったって言ってるでしょ!?」

「……処置なしだな」
それを聞いて、彼の顔にはっきりと失望の色が浮かんだ。
怒りでも苛立ちでもないその表情に、彼女の背中からスッと、冷たく血が引いていく。
(……ち、違うの。私が言いたかったのはこんな事じゃ……)
「本当にもうこれっきりだ。サヨナラ……」
彼女の目の前で、ガラッと教室のドアが閉ざされる。
なすすべもなく彼女は呆然と、その場に立ち尽くしていた。
一人残された教室。
「な・・・何よ・・今のは間違いよ・・・・ 」
彼女はただただ、紡ぐ。
「ね、ねえ・・・・・・そんなに怒らないでよ 」
甘え、怯え、怒り、羞恥、絶望……どれともつない言葉を。
「私が悪かったって言ってるでしょ? 」
懇願は彼の元に届くこともなく―――、
「い・・・行かないで! 」
呟きを耳にする者は彼女しかなく―――、
「わたし・・・ 」
壊れたレコーダーのように、繰り返す。
「わたし・・・・アンタがいなくなったら・・・・・・ 」
取り戻せない言葉と想いを、暮れ行く教室で彼女は―――。
319>>284:2006/02/04(土) 00:23:56 ID:3bVbnwvI
参加しようと思ったけど傍観していて良かった。
皆の熱き魂に感動した。
でも元ネタな方にはすまないと思っているorz
320名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 01:34:19 ID:iYiFb1HB

    |┃三     , -.―――--.、
    |┃三    ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
    |┃    .i;}'       "ミ;;;;:}
    |┃    |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
    |┃ ≡  |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_  i;;;;|
    |┃    |  ー' | ` -     ト'{
    |┃   .「|   イ_i _ >、     }〉}     _________
    |┃三  `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、 .!-'   /
    |┃     |    ='"     |    <   話は全部聞かせて貰ったぞ!
    |┃      i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {     \  >>319はシベリア送りだ!
    |┃    丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ     \
    |┃ ≡'"~ヽ  \、_;;,..-" _ ,i`ー-     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃     ヽ、oヽ/ \  /o/  |    ガラッ
321名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 01:57:51 ID:MXxCOkmR
彼女は手近の椅子をひき、すとん、と腰を落とした。
窓の外に広がる、禍々しく感じられるほどに赤い夕景に、視線が吸い寄せられる。
しばらくすれば、眼下を彼のちいさな背中が通過する筈だ。
きっと、ひとりきりで、しょぼくれた影をひきずるようにして、彼は校門へ向かうだろう。
いつも俯きがちな彼が、今日は一際悄然として背を丸め、処理しきれない鬱屈した思いを後生大事に両手で抱え込み、
よたよたと覚束ない足取りで、下校する生徒の黒い群れの中に消えるだろう。
彼を止めなければならない。自分のもとへ引き戻さなければならない。
今、だ。今引き止めなければ、彼と彼女は決定的に隔てられてしまう。彼は薄闇に呑まれるように消え、
二度と彼女の前に現われないだろう。
何もせずにいれば、翌朝、この教室で出会う彼は、彼女の知らない少年になっているだろう。
そう、彼女は確信している。大切なのは、行動が必要なのは、今、この瞬間だ。
どうしよう、と彼女は力なく呟く。どうしたらいいのだろう。どうすれば彼は許してくれるのだろう。
……だが、そうだ、彼女はそもそも彼が何故ああまで真剣に怒っているのかがわからないのだ。
何かきっかけがあった筈だ。彼女に対するこれまでの不満が、こういう形で爆発する事になる、きっかけが。
焦りを押し殺しつつ、彼女は考える。これまで気にもしなかったような、冗談半分の悪ふざけを、彼の視点に立って見つめなおそうと努力する。
そして彼女は思い出す。自分の鈍感さを呪いながら思い出す。
このまえの日曜日のことを。
遊びに行った彼の部屋。彼が後ろ手に隠した大学ノート。
いつもに似ず必死な顔の彼から奪い取ったそれを、自分がどう扱ったかを。
322名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 05:13:11 ID:n1lgcJqQ
そのノートはそう、私と彼が付き合いだした当初、お互い初めての恋人だったため何から初めていいのかわからず、
ふたりで考え、共有の何かを持とうということになって、その結果できたのがこの交換日記だった。
いつの日か自然に終わってしまったが、私はその日記を書くことが楽しかったのを憶えている。
あの日、彼の部屋で…

「まだこんなの持ってたの〜?」
彼の隠したノートを無理矢理奪い取って言った一言だ
「いいじゃないか、良い思い出なんだし」
私は心の中では嬉しかった、いつの日か交換されなくなった日記。
その原因も私の照れ隠しのつもりで言った
「めんどくさいからもういいよ〜」と言う一言が彼を怒らせたのを今でもはっきり覚えている。

今回も照れ隠しだった…
本当は日記を大切に持っててもらって、思い出を大切に抱きしめてもらえているようでとても嬉しかった
しかし、私は言ってしまったのだ


「こんなボロボロのノートなんか捨てちゃいなよ〜」
そういって、投げ捨ててしまった…
323名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 09:07:19 ID:QFR5ZIyf
そりゃ、怒るわ
保守
324名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 13:06:44 ID:mh9GLtmt
気が強いっていうか
性悪なだけだろ
325名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 15:52:32 ID:Zc+aFbu2
今度の女は性悪じゃない。
チョイ悪だ。
326名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 16:17:35 ID:vQK8/4t9
まあ、これからどれだけ
「しおらしく」なるかだ。
おとなしく、かわいらしく・・・
327名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 16:58:12 ID:0C9XifNr
http://o.pic.to/4sbt5
雪だるまー
328名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 16:59:15 ID:0C9XifNr
誤火暴スマソ
orz
329名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 17:27:03 ID:QjOommh9
萌えたぜ、雪だるま
330名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 18:19:03 ID:PrqT/jjC
とにかく職人さん続きよろしくお願います

俺?ヤダヨ
331名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 02:30:53 ID:LyAwPeC2
リレーいいけど
大場さんと香織さんもщ(゚д゚щ)カモーン
332名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 10:28:18 ID:cGBburDM
無限ループがしたいのか
333名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 21:08:49 ID:LyAwPeC2
な、なによ私が悪いって言うの!?


スマソ
334名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 19:17:00 ID:XZnvbEt6
つ旦~~ マァ、ノミナ
335名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 20:46:53 ID:A+zr9W5J
足軽さんのサイト更新キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


ってここで言うのはダメなんだっけ?
336名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 21:33:59 ID:+xuaVBpX
キター!ーさーン!
337名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 00:42:57 ID:0ZQkpjM8
スレへの投下量も、
好況から不況に変わりつつある (あくまで量の話であって、質は以前と変わらず高水準だと思う) し、いいんじゃまいか。

喜多さんはやっぱ強烈だなー。美春さんもかわいいし。
338名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 01:50:57 ID:PLYy7+kv
もう更新しないのかな?
(´・ω・)ヤダナ-
339名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 23:15:50 ID:Gejwhjr4
age
340 前スレ527   ◆k8fXz6W8GA :2006/02/13(月) 23:27:49 ID:j/2Q9uZS
お久しぶりです、前スレ527です

少し電波を受信しましたので投下します
2月14日…呪われし日、バレンタインデー…

日本中がお菓子会社の戦略に踊らされる日

男子に淡い期待と…辛い現実をつきつける日

バレンタイン…そう、それは呪いの言葉……

オレはこんな日を認めていなかった。幸せそうな奴らに呪いの言葉を吐いていた。そう、去年までは……

「なにニヤついてるんだ?彩ちゃんに蹴られすぎてパンチドランカーにでもなったのか?」
去年までオレと同じくバレンタインデーを呪っていた池田に言われた。おっと顔に出てしまったか。
「いや〜、チョコのこと考えたら…顔もニヤけるぞ」
「お前等まだチョコぐらいでドキドキできるのか…羨ましいよ」
オレの言葉に池田は力なく呟いた。
「俺だってチョコは嬉しいさ。けどな…ホワイトデーってなんなんだよ!
ホワイトなんてつくのはホワイトクリスマスだけでいいだろ?俺、まだ死にたくないよ……」
…そういえばコイツ、クリスマスの次の日休んだっけな。確か休まず6回戦だったっけ?
「た、大変だな。まぁ頑張れよ」
「他人事だと思って軽く言いやがって…」
涙目で睨んできた池田。いやいや他人事だし。

仕事帰りの電車での会話。去年まではこんな話をするなんて考えられなかった。
まぁ彩からは毎年手作りチョコ貰ってたけど今年は違う!
なんせ彩と恋人になってからの初めてのバレンタインデーだからな!ビバ!バレンタインデー!正直感動した。

(どうしよ?先輩の言う通りしたほうがいいのかな?)
テーブルに置かれた先輩から渡されたチューブ入りのチョコを見つめるアタシ。
(う〜ん…やっぱりヤメとこ。恥ずかしいからね)
そうよね、本命チョコケーキはもう作ったしね。それに先輩の作戦って…ヘンタイだよ。
でもやっと拓にぃに本命チョコだって分かってもらえるんだよね。
毎年本命で渡してたのに気付かないんだもんね。拓にぃらしいって言えば、拓にぃらしいよね。
…なんかムカついてきた。なんで気付かないの?義理で手のこんだ手作りチョコ渡すわけないでしょうが!
わざわざ実家から通って渡したってのにホント鈍い男ね。普通、義理じゃそこまでしないよ?
…けどその鈍さがあったから他の女に取られなかったんだよね。う〜ん、結果オーライかな?
昔のことを思い出しながら拓にぃの帰りを待つアタシ。拓にぃ早く帰ってこないかなぁ…

「ただいま〜。彩、帰ったぞ〜」
オレの言葉に小走りで駆け寄ってきて抱きついてきた彩。
「お帰り拓にぃ!…チュッ」
おお!出迎えのキスか!感動した!
「うう〜寒い。外は寒いぞ〜、ほらっ」
オレは彩を抱き締めて冷えた頬を彩の頬に当てる。
「わっ、冷たい!拓にぃ冷たいってば!」
オレの頬の冷たさにビックリした彩が驚きの声をあげるが無視だ。
「手も冷えてるぞ。ほらっ」
そう言って彩の服のなかに手を入れる。
「ひゃっ!ちょっと拓…むぐ…んん!」
彩の背中、お腹、お尻と冷えた手で撫でながらキスで口をふさぐ。いかん、やりたくなってきた。
前から一度玄関でのSEXしたかったんだよな、いい機会だからやっちゃおうかな?
「彩、あまり大きな声だすなよ。外に聞こえるからな」
耳元でそう囁きながら胸をもむ。彩は必死に声を殺している。
「ん、ん、んん!た、拓にぃここじゃヤダ…ひゃう!」
嫌がる彩の言葉にますますやる気が出てきた!耳を甘咬みし、ブラの中に手を滑り込ませ直接もむ。
空いている手でお尻を撫でまわす。彩は抵抗するのを諦めたのか必死に声を殺して抱きついてきている。
いよいよショーツの中に手を入れようとしたその瞬間

『ピンポーン』

…誰だ邪魔をするのは!思わず手が止まるオレ。
その隙をついて彩がオレの手から逃げて受話器を取りインターホンにでる。
(くっ、逃げられたか!あと一歩だったのに…)
天を仰ぐオレ、無念だ。
「ますみが遊びに来たから拓にぃさっさと着替えてね」
凹んだオレに彩が声をかけてきた。えっ?ますみちゃんが遊びにきたの?こんな時間に?

(助かったわ。あのままだったらアタシ…ポッ)
ピンチの時に来てくれるなんてさすが親友ね。でもなんで急に来たんだろ?
ますみの突然の訪問…なんだろ?なにかイヤな予感がするなぁ…
拓にぃを着替えてくるように寝室に押し込んだ後に乱れた服を直す。ホント拓にぃってスケベなんだから…
「おまたせ!どうしたのますみ?急に来るなんて珍しいじゃないの」
玄関を開けると少し赤い顔をしたますみが立っていた。うわっ、外寒いなぁ〜。
「急に来たりしてゴメンね彩。ところで静馬さん帰って来てるかしら?」
「拓にぃ?帰って来てるけど…!ますみアンタまさか…」
よく見るとますみの手には小さな紙袋が。その紙袋には有名なケーキ屋さんの名前が書かれている。
「ああこれ?彩、そんなに睨まないでよ。せっかくのバレンタインだから練習でチョコ作ってみたの。
義理だから安心しなさいよ」
ますみは最近料理を勉強しだした。真面目な性格だから腕をメキメキ上げているの。
「もう、そんなに睨まないの!チョコあげるくらいいいでしょ?それに作ったといっても簡単なものだから安心してよ」
ジト目で睨むアタシ。う〜ん、ホントかなぁ…
「ふふっ、もう彩ったら疑い深いわね。親友の彼氏を奪おうなんてしないから安心しなさいな」
…そうよね、ますみに限って裏切るなんてことしないよね。
「ますみゴメンね、ちょっと疑っちゃったわ。外寒いでしょ?中に入りなさいよ」
部屋に招き入れるアタシ。…迂闊だったわ。アタシとしたことがますみを甘く見ていたわ。

「いらっしゃいますみちゃん。こんな時間に珍しいね、いいお酒でも手に入ったのかい?」
笑顔であたしを迎えてくれる静馬さん。やっぱり静馬さん優しいのね、彩が羨ましいわ。
「今晩は静馬さん。今日は渡したいものがあって来たんです。…これ、受け取ってください」
そう言って紙袋を手渡すあたし。彩、また睨んできたわ。
「えっ?なんだろ…おお!これってまさか!」
袋から中身を取り出して驚く静馬さん。彩も驚いているわ。ゴメンね彩、簡単なものってウソなのよ。
あたしの自信作のチョコケーキ。あまりにいい出来だったから自慢したくて来ちゃったの。
「これは…凄いな。ホントに貰っていいの?」
「もちろんですよ。あたしが生まれて初めて作った本命チョコケーキですからちゃんと食べてくださいね」
「おお!ありがとう!うれしいよ。…本命?ま、ますみちゃん、本命ってなに?」
「え?本命っていうのは女の子が好きな人にあげるチョコのことですよ」
ニッコリほほ笑みながら言うあたし。彩が鬼のような形相で睨んでるわ。
「ちょっとますみ、どういうことよ!拓にぃにちょっかい出そうとしてんじゃないでしょうね!」
あら?彩怒っちゃったわ。ま、当然よね。
「大丈夫よ彩。あたし静馬さんも好きだけどあなたの方がもっと好きなのよ。だから安心して、彩」
あたしの言葉に青ざめる彩と静馬さん。
「ま、ますみちゃん?まさか…いや、確かに一度はそういうのを生で見てみたいと思ってるけど、
知り合い同士でってのはちょっと…」
「た、拓にぃ何言ってるの!ますみ!あんたも訳わかんないこと言ってんじゃないわよ!」
え?あたしなにか変な事言ったかしら?

「ビックリさせないでくれよ、ますみちゃん。オレてっきりますみちゃんがレズ…うごおっ!」
変な事を言いそうになる拓にぃを黙らせるアタシ。今夜の右ストレートは冴えてるわ。
「ゴメンね彩。なにか誤解させちゃったみたいね」
拓にぃに止めのケリを入れて寝室へと運ぶアタシ。もちろんますみにも手伝わせるわ。
「ホント誤解されるようなこと言わないでよ、ビックリするじゃないの」
アタシもますみがそっちに走っちゃったのかと思ったわ。
「ホントにゴメンね。…あたしまだ静馬さんが好きなの。でも安心して、あなたから奪おうなんて思ってないから」
「なに堂々と宣戦布告してんのよ!アンタケンカ売ってるの?アタシはいつなん時誰の挑戦でも受けるわよ!」
「うふふ、嬉しいわ。そんな嫉妬深い彩も大好きよ。これ以上お邪魔虫になりたくないからあたしは帰るわね。
彩、静馬さん捨てるときはあたしに言ってね。あたしが引き受けるわよ」
「うっさいわね!さっさと帰んなさいよ!」
ますみを追い出すアタシ。まったく何しに来たのよあの子は!

ますみが帰った後に改めてますみが作ったケーキを見る。うっ、アタシのより美味しそう…
ま、まずいわ!同じチョコケーキでしかもますみのほうが手が込んでて美味しそう。アタシの負けみたいじゃないの!
どうしよう…ますみのケーキ、捨てちゃおうかな?…ダメよね、そんな卑怯な事できないわ。
でもこのままだったらアタシの負けみたいよね。どうしたらいいの?
「おい、彩」
うう〜、こうなったら先輩の言う通りに…
「お〜い、彩さ〜ん」
でもあんなこと恥ずかしいからアタシには出来ないし…
「もしも〜し、聞いてますか〜」
どうしよう…このままだと拓にぃがますみに走っちゃうかも…
「彩、いったいどうしたんだ?」
「うるっさいのよ!少し黙っときなさい!」
人が考え事してるのにうるさいわね!いったい誰よ…って拓にぃ?
「た、拓にぃ!い、いつの間に復活したの?」
気づかないうちに背後に立っていた拓にぃに驚くアタシ。ビックリさせないでよ。

「で、なんでますみちゃんのケーキを見てブツブツ言ってたんだ?なにかあったのか?」
オレの言葉にも彩は俯いたままだ。
「彩、何か言ってくれ。じゃないと何がなんだか分からないよ」
俯きながら冷蔵庫からお皿に乗ったケーキを取り出す彩。
「お?彩これってもしかして…バレンタインのチョコケーキか?」
頷く彩。…そうか、ますみちゃんと被ったからケーキを見てブツブツ言ってたのか。
「ありがとう、彩。うれしいよ」
早速食らい付くオレ。うん、ウマイ!
「美味いぞ彩。うん、程よい甘さで美味しいな」
「…べつにお世辞なんていいよ。ますみのほうが美味しそうじゃない!」
涙目の彩。なんだよ、そんなこと気にしてたのかよ。
「なあ、彩。オレな、どんな有名パティシエが作ったのよりお前がオレの為に作ってくれたこのケーキが好きだよ。
お前が作ってくれるものが世界で一番好きなんだよ」
彩の髪を撫でながら話すオレ。
「ますみちゃんには悪いけど、お前のケーキに勝てるケーキはこの世にないよ。
だからさ、これからもオレの為に美味しいケーキを作ってくれ、彩」
オレの言葉に泣き出す彩。
「ヒッ、ありがと拓にぃ。ヒック、好きよ、大好き拓にぃ。愛してるわ!」
抱きついてきた彩を強く抱きしめる。
「オレもお前が大好きだよ。愛してるよ、彩」
耳元で囁き彩を抱き上げる。食べかけのケーキを残して寝室へと移動しようとする。
「拓にぃ、少し待って。…先にベットで待ってて」
そう言って冷蔵庫へと向かう彩。なんだ?飲み物での取って来るのか?
ベットに座り彩を待つ俺。寝室に入ってきた彩の手には…なんだ?なにかのチューブみたいな物が握られてるぞ?
真っ赤な顔でそれをオレに渡す彩。なんなんだ?

…チュッ…ペロッ…チュバッ…レロレロ…
「彩、美味しいよ。お前の味とチョコの味がミックスされて最高だよ」
オレの舌が彩の体を這う。
「あ、あ、ああ!ん、拓にぃ…やっ、も、ダメ…」
うん?もう全部舐めてしまったか。チューブからチョコを搾り出して彩の体に塗る。
そう、彩が持ってきたのはチューブ入りのチョコレート。
真っ赤な顔で「これで好きにしていいよ」って言ってくれた。
多分かなえちゃんの発案だろうけど…ナイスだ、かなえちゃん!
「彩、最高のチョコレートだよ。こんなチョコなら毎日でも食べたいよ」
…ペロ…ペロペロ…チュパッ…レロレロ…チュチュ…
彩の胸に塗ったチョコを丁寧に舐め取る。お腹に塗ったチョコも、太もものチョコも、お尻のチョコも全部舐めとる。
「ああ〜美味しかった。…彩、そろそろいいか?」
息も絶え絶えな彩にキスをして囁く。
「はぁはぁ…ダメ。まだダメよ」
え?なんでダメなんだ?正直もうチョコレートは舐めすぎてちょっと…
「チューブ貸して…拓にぃ横になって」
え?えええ!ま、まさか…彩がしてくれるのか?ついにオレのを…うを!
チューブから出したチョコを真っ赤な顔でオレの愚息に塗りだした彩。うう、気持ちいい…
「は、初めてだからヘタかもしれないけど…我慢してね」
そう言ってオレのを手に取り口を近づけていき…
…ちゅっ…ちゅちゅ…ペロッ…ペロペロッ…
う、うう…つ、ついに彩が…彩がフェラチオをしてくれた!感動した〜!

(ん、ん、んん!好き…拓にぃ好き!)
アタシは夢中で拓にぃのを舐める。さすがにそのまま舐めるのには抵抗があるからチョコをつけさせてもらったの。
(ん、スゴく熱くなってる…こんなに硬くなるんだ。拓にぃ気持ちいいのかな?)
拓にぃの先っぽを舐めながら上目使いで様子をうかがう。目を瞑って息が荒い。…気持いいんだ。
アタシは嬉しくなって夢中で舐める。チョコが無くなっても舐め続けた。
(う、なんか変な味がしだした…なんだろ?)
拓にぃの先っぽからなにか透明な液体が出てきた。あ、これがカウパー氏腺液ってやつかな?
これが出てるって事は…やっぱり気持ちいいんだ。アタシが拓にぃを気持ちよくさせてるんだ。
(確か先輩は咥えるって言ってたけど…こんな大きいの口に入るのかな?)
手に握ったままジッと見つめるアタシ。……うん、女は度胸よね!思い切って咥えてみよう。
確か歯を当てちゃダメって言ってたよね?で、咥えてから口の中で舌を使って…ヨダレを潤滑油にして…
「ん、ん、んん!」
じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ…
く、苦しい…けど拓にぃが気持ちいいなら…んん!
ジュッポジュッポジュッポジュッポ…
先輩に教わった通りに咥えたまま顔を前後に動かす。唇を窄めながら口の中では舌で拓にぃのを舐める。
うう、ますますカウパー氏腺液が出てきたわ。どんどん出てくるカウパー氏腺液を飲み込む。
しばらく咥えたままで顔を動かしてたら拓にぃが頭に手を添えてきた。どうしたの、拓にぃ?
「う、うう…彩、もうだめだ!」
え?…拓にぃが苦しそうにそう言った瞬間、口の中一杯に熱い物が広がったの。うう、不味いわ!
(ん、んん!これが拓にぃの精液…アタシが拓にぃをイカせたんだ…)
どんどん出てくる拓にぃの精液。アタシは精液がこぼれない様に少しずつ飲み込む。
(ううう〜、なんでこんなに不味いのよ!拓にぃ変なもの食べてるんじゃないの?)
先輩の言いつけ通りに飲み干すアタシ。ああ〜、不味かった。でも拓にぃのだから嬉しい…かな?
全てを飲み込んで拓にぃのを離すアタシ。わっ、拓にぃ抱きついてきた!
(う、うおお…彩の…彩の口でイってしまったんだ…口に出してるんだ)
彩の拙いが一生懸命なフェラチオでイってしまったオレ。咥えられたまま彩の口に中に出してしまった。
(さ、最高だ…彩がついにオレのを…んん?彩、まさかオレのを飲んで?)
オレが絶頂に浸っている間に彩がオレが出したのを飲み込んでくれている。
「あ、彩…アヤァァァ〜!」
オレは力いっぱい抱きしめる。彩、ありがとう!
「彩、ありがとう!オレのためにこんな事までしてくれるなんて…愛してるぞ、彩!」
ギュッと抱きしめキスをするオレ。…う!オレ、彩の口に出したばっかりだった。
…けど関係ない!彩はそんなオレのを飲んでくれたんだ!
「ん、ん、んん!…ちゅ…ちゅちゅ…チュパ…はぁはぁはぁ。拓にぃ、キス激しすぎるよ」
強烈なオレのキスに戸惑う彩。
「何言ってるんだ、彩のせいだろうが。彩がオレをこんなに愛してくれたからだろ?」
そう言って軽くキスを交わすオレ。
「ありがとうな、凄く気持ちよかったよ。…今度はオレの番だよな?」
「……うん。拓にぃの好きにしていいよ」
真っ赤な顔で頷く彩。その言葉にオレは獣になった。

「あ、あ、ああ!…ひゃ!そこダメ!ちがっ、そこ違…ああ!」
チュパ…チュル…チュチュ…ジュルルル!…くちゅくちゅくちゅ…
オレの舌が彩のアソコの小さな突起を嬲る。唇で挟み軽く吸い上げる。
空いている手は後ろの穴をマッサージする。時折小指を入れてみる。
チュルチュル…ズズズズ…ジュルズズ…チュパチュパ…レロレロ…
オレの舌が突起を舐めるたびに彩の体が跳ねる。吸う度に甘い声を出す。
感じてくれ、彩。もっと感じてくれ!
「ダ、ダメェ〜!あ、あ、ああ!…も、いっちゃ…おねが、拓に…も、アタ…シ…イ…クゥゥ!きゃうぅ!」
彩の体が大きく跳ね、そして脱力した。…彩、イッタんだな。
彩は全身で息をして目は虚ろだ。そんな彩を見るとオレの愚息は復活し全開になった。
ゴムを被せてそっと彩のアソコに添える。
彩はまだ絶頂の余韻に浸ってるのか気づいていない。
グチュ…ズチュチュ…ズズズ…
「ヒッ!た、拓…ああ〜!」
…ズッチュズッチュズッチュズッチュ…
何も言わずに彩に入れたオレ。徐々に動きを激しくする。
グチュグチュグチュグチュグチュ…パンパンパンパンパンパン!
オレがつく度に、引き抜く度に彩が甘い声を出す。
「ヒッ…あ、あ、あ、んん!…拓に、ああ!すご…んん!」
オレがつく度に、引き抜く度に彩がオレのを締め付ける。
「うっくぅ、凄くいいぞ…彩、気持ちいいぞ!」
パンパンパンパンパンパンパンパン!
夢中で腰を打ち付ける。その度に彩は髪を振り乱し喘いでる。
「ひゃ、拓に、あ、ああ!も、アタ…イク、イっちゃう〜!」
全身を反らし痙攣する彩。うう、凄い締め付けだ。たまらずオレも絶頂を迎える。
「彩、イクぞ彩。彩イクぞ…アヤァァァァ〜!」
ドピュ!ドピュビュピュ!…ピュ…
つながったまま彩に倒れこむオレ。…ああ、最高だ。彩、最高だよ。
「たく…に……あい…てる…すき……」
朦朧とする意識の中でオレに愛を告げている彩。ああ…オレも好きだ、愛してるよ彩!
朦朧としている彩を抱きしめてキスをする。オレ、お前が好きでよかったよ。好きだ、彩!

……どうしよう。愚息がまた復活してきた。彩はまだ朦朧としてるし…どうしたらいいんだ?
っていうか、なんで今日はこんなに復活が早いんだ?これもバレンタインデーだからか?
「か、かなえ…もう勘弁して。もういいだろ?4回もしたら満足だろ?」
俺の言葉にかなえはニッコリほほ笑み、何かのチューブを俺に突き出した。
「直樹、これ食べてみて。バレンタインだからチューブ入りチョコよ」
なんだ?なんでわざわざこんなチョコを渡すんだ?…さては何かあるんだな?
「かなえ、なんなんだよこのチョコは?なにかあるんだろ?そんな罠には引っかからないぞ!」
チッ!っと舌打ちするかなえ。何があるんだ?このチューブチョコには…
「よく気づいたわね、さすがあたしの直樹ね。それにはねぇ…精力剤が入ってるのよ!」
「せ、精力剤?お、お前、なんてもんを食わせようとしてるんだよ!」
「そんなに怒らないでよ直樹。よくあたし達の作戦見破ったわね。ご褒美あげるわ」
舌舐めずりしながらにじり寄るかなえ。俺はまるでヘビに睨まれたカエルだな。…あたし達?
「か、かなえ?あたし達ってなんだ?誰と組んでるんだ?」
「うふふ、彩にも一本あげたのよ。…あっ、そういえば彩にはこれに精力剤が入ってるって教えてないわ」
「そ、そりゃ大変だ!さっそく俺が教えに行って来る…ふぐう!」
逃げようとする俺の頭を抱きかかえて胸を押し付けてきたかなえ。や、やわらかい…
「逃がさないわよ〜。直樹、あと3回は頑張ってね?せっかくのバレンタインデーなんだからね」

イ、イヤだ〜!バレンタインなんて…嫌いだ〜!


「ゴメン!ほんっと〜に、ゴメン!」
ベットの中の彩に土下座して謝るオレ。
何故かって?オレにもよく分からないんだが何故か今日のオレは絶好調で…その、つまり…2回しちゃったんだよ。
意識朦朧としてる彩にあの後2回やっちゃたんだ。そんなオレに彩は御立腹なんだよ。
「このスケベヘンタイ!なに考えてんのよ!信じらんないわ!」
うう…ごもっともです。私はスケベヘンタイです。
「もう、足に力が入らなくて立てないじゃないの!どうしてくれるのよ!」
「ゴメンな、彩。なんでも言う事聞くから、許してくれよ」
「…なんでも聞いてくれるの?」
「ああ、お前の言う事ならなんでも聞くよ」
「…じゃ、今度の休みに2人で温泉に行きたいんだけど、いいかなぁ?」
「ああ、分かった。温泉だな?」
「ホント?嬉しい!アリガト拓にぃ!」
抱きついてきた彩。よかったぁ〜、温泉ぐらいで機嫌が直るなんて助かったよ。
それに彩と2人で温泉に…ぐっふっふ、夢と股間が膨らむなぁ〜。
ホッとしてる俺を尻目に携帯を掛け出す彩。どこに掛けてるんだ?
「あ、ますみ?アンタ今度の土日空いてるの?…空いてる?じゃ、温泉行かない?拓にぃの奢りよ。
…うん、アタシ達2人で旅行ってした事ないじゃない、だからいい機会だと思うんだけど?
…OK?よかったぁ〜。じゃ、場所決めたら電話するね。…うん、じゃ、またね」
…へ?ど、どういうことだ?
「あ、彩?なんでますみちゃんに電話したんだ?ますみちゃんと2人で旅行ってなんだ?」
動揺するオレを尻目にPCに電源を入れてさっそく温泉宿を調べだす彩。
「はぁ?だれも拓にぃと行くなんて言ってないわよ?」
「で、でもお前2人でって…ああ!ま、まさか…」
「そうよ、確かに2人でって言ったけど、なにも拓にぃとは言ってないわよ?…あ!ココいい!ココにしよっと」
唖然とするオレを尻目に予約のメールを入れる彩。ふと画面を覗き見ると…一泊3万円?
「あ、あああアヤさん?ひ、1人3万ってことは…まさか6万円?」
「当たり前じゃない。あ、車で行くからガソリン満タンにしていてね。あとETCカードも借りるからね」
は、ははは…お、オレの2ヶ月分の小遣いが…ははは…
「ふんふふ〜ん。ますみと2人で温泉に行けるなんてラッキーね。いいバレンタインデーだったわ」
ご機嫌な彩を尻目に涙が止らないオレ。やっぱりオレにはバレンタインデーは鬼門なのか?
落ち込んだオレはますみちゃんから貰ったケーキを食べる。
くそ!涙で味がショッパイぜ…ってホントにしょっぱい!これ砂糖と塩間違えてるよ!
(な、なぜだ?なんでこうなった?最高のバレンタインになるはずが…なんでこうなんだ?)
塩辛いケーキを食べたため胸焼けがしだしたオレ。そうか…全部バレンタインのせいなんだ。

(ちくしょ〜!バレンタインなんて…大嫌いだ〜!)

心の中で叫ぶオレ。まるで負け犬の遠吠えみたいだな…
348 前スレ527   ◆k8fXz6W8GA :2006/02/13(月) 23:40:49 ID:j/2Q9uZS
今回は以上です
時間軸が少し戻ってますが気にしないでください。っていうか見逃してください
あと精力剤入りチョコなんて物はあるかどうか知りません。多分ないでしょうね

一応この2人の話の完結編を考えてるんですが電波を受信しないためなかなか進みません
そのうち書き終えると思いますのでその時はぜひ読んでくださいな
349名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 00:16:41 ID:K7/EGqD6
ガラナぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
350名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 16:38:15 ID:2CtKgsGa
あげぇぇぇぇぇっっっつ!!!
351名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 16:39:08 ID:nN+RkCZ6
ぐじょぉぉぉっぉおぉっ!!
352名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 21:32:25 ID:Vm2t/19p
おぉ、よくぞ帰ってきて下さった!
偉大なる勇者、◆k8fXz6W8GA氏にGJ!!
353名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 01:19:45 ID:CG+9oAWN
>>前スレ527氏
GJです!是非頑張って電波を受信してください。続きも期待してます!
354名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 02:58:48 ID:1JRniOsH
今更ながらに初めてここに北。
喜多さんの話ってもう続編書いてくれないのかな…
355名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 19:01:51 ID:HS1me9kK
大場さん待ってる。
356355:2006/02/17(金) 20:56:38 ID:HS1me9kK
あげちゃった、スマソ。
357名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 21:38:59 ID:5uQ0oKsW
三組合同温泉旅行待ちです
358名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 00:52:41 ID:sQuv1XJl
あ、人いますか? 居たら返事してくれたら嬉しいです。
今日一日SS書いてて、今やっと一本書けたんだけど(まだ推敲はしてないですが)、
途中が強姦チックで尚且つ結構痛い話になってしまったのですよ。しかも長めで。
けどけど、ハッピーエンドだし、落差も激しくないから鬱にはならないと思うのよ。抜き目的には使えそうにないですが。
そんな話は需要ある?無いよね。どう見ても無いですね。本当にごめんなさい。
359名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 00:54:11 ID:ATHgASc5
>>358
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___,,,,... /´ ̄`フ r='゙ニエニつ          / ,l,..、_
       ,ニ=  ,! ,二 (_・_N_         /、_,ノ i `'ー、
       l   '    '=ニ_゙^´`゙丶、    ,ィ'  ,ィ l  l l!
   _,,,, ..⊥,,.. -く´ ̄ヽt7゙`i'     'r'⌒"T (i二rぅt,,l‐ '"
ジ´l,     ヾ:.:.:.:ミー-<フ´イ:l    ,r /   ヽヽ` ̄jノ l
,ヽ tミ、   /ヾミ:.:.:l:.:.:.lニ='ヽ、  /ィ' ,r   〈 `ー ' /
ー-ヾユ,   l     YT<  ○l  /frア,/  ,.ゝ、,_,,.ノ
   ヽ   l ○  /:.l:.:l    l  tr''"^⌒`'´
    ヽ.  l   〈:.:.:.:ノ     ,'
     ヽ  l   Zエ}」   O; ゙i
      ヽ l O       /イ l
       ∧      /,ノ l/}
      / ヽ     /| ''" / ,l
      /  ヽ    / !  /  li,
     /   ヽ   /  ゙'-'′ l l
  \_,ノ    ヽ,_,ノ       l l,   ,ィ
                   | l  //
                   ヽ_ノ /
          里犬         l
          ハヽヽ        l
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             -|/|          l
          ,/|  し        し,
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            ヽヽ/        l
             /         'ーァ
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いいから投下しなさい
360名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 01:00:54 ID:7JtjOJSg
誘い受けやめたほうがいいよ
あんまり卑下しないで欲しい
絶対に需要はあるんだから
361名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 01:16:07 ID:sQuv1XJl
すまないっす。
そうですね、書いたと言われたらどんな物であれ、とりあえず見ておきたいと思うのが人間ですもんね。
レス止まってたし、時間が時間だし、居ないかなと思ってたので、ちょっとびっくりしたよ。
今から直しに入るんで、ちょい時間が掛かります。上手く行けば朝までに投下できますが、無理そうです。
今日の夜には全部投下する予定なので、宜しければまた夜にでも覗いてくださいな。
362内弁慶のなき所 1/8:2006/02/20(月) 01:37:37 ID:sQuv1XJl
朝。窓の外を見るが、春はまだ来ない。
温暖化と言われていても、やっぱり冬は寒いものだ。起きられなかったのかもしれない。
低血圧の所為か寝不足の所為か分からないけれど、眠りから覚めた後しばらくは気だるさが取れない。頭もぼーっとしている。
まだ布団から出たくないと訴える身体を動かし、いつものように窓の傍に立って、まだ人気の無い早朝の街の風景を見続けた。
今日は、昨日とは違うといいな。そんな事を思いながら。


……いくら走っても頭は正常に動かない。
日課であるランニングから帰ってきた俺は、テーブルに用意された白米と味噌汁を食べていた。
両親は共働きで、朝は俺が外を走っている間に出勤してしまうし、帰ってくるのは早くても10時を回ってしまうので一緒に食事をする事は殆ど無い。
幼い頃からそうだったがこれといって寂しく思わなかったのは、隣の家に世話になったおかげだろう。
今日は月曜日。土日でだらけたという事以外の原因もあって今日は学校をサボりたかったが、そういう訳にはいかない。
使った食器を洗った後、着替えを済ませ家を出た。――右ポケットに入っているナイフの重みを感じながら。

学校に着き、自分の教室に行くと悪友である鈴木が待ち構えていた。
「おーい伊坂、先週の金曜ロードショー見たか?」
先週はジブリの虫がウヨウヨ出てくるアニメがやっていて、見たことはあったが何故か俺は見ていた。
「ああ見た見た。何度見てもやっぱりジブリは最高だなぁ」
と答えると、鈴木は鼻をフンフンと荒くしはじめた。
「そうだ!姫様の乳は最高だ!! 彼女を生み出した功績は余りにも大きい」
「話を勝手に作るな! 俺はそんな事一言も言ってないぞ」

鈴木は中学からの付き合いだが、未だに彼の趣味は分からない。
昨日は聞きたくないと言ってるのに「ブルマは国が保護しなければならない!」とか何とか延々と5限の授業に食い込んでまで語っていた。
もう、どっちかに絞れと言いたい。二兎を追う者は一兎も得ないのだと古人も言っているじゃないかと。
「だがしかしっ、しかしだ!」
鈴木は声を張り上げたかと思うと、ニヤニヤしながら俺の耳に手を当てて、
「伊坂は胸のでかい女が好きだろう?高橋先輩ばかり見ているのは知っているのだよ」
と呟いた。不意に言われた言葉に思わず目を見開く。図星だったからだ。
「高橋先輩は良いよなー。巨乳で、三つ編みで、メガネ! 現代の三種の神器だ!!
 三つ編みでメガネという清楚や真面目なイメージを抱かせる事象に反する巨乳という性的な対象を併せ持つ事で、」
反応に困って何も言う事の出来なかった俺は始業を告げるチャイムの音を聞いて胸を撫で下ろし、まだ喋り続ける鈴木の頭を一発殴ってから自分の席に戻った。

今日の授業が全て終わり、帰宅部なので帰る準備をする。
朝の後も鈴木は話しかけてきたが、それ以降は「高橋先輩」の話題は出さなかった。
その辺の気遣いが、友達の少ない俺が彼と交流を続けている理由なのだろう。何だかんだいって彼は人間が出来たいい奴なのだ。
いつもは鈴木と一緒に帰るところだが、彼は寄る所があるそうで先に帰ってしまったので一人で自宅へと向かう。
校門を過ぎる時、前を歩く人々の中の一人に目が止まった。その人は友達らしき女の子と笑いながら話していた。
現代の高校生には、というよりもそれ以外でも珍しい黒く長い背中の中ほどまで伸びた三つ編みの髪を揺らしながら歩く後ろ姿。
間違いようが無い。高橋六花 (りっか) だ。彼女を見つけてため息をついた。帰るまで彼女の後姿を見続けなければならない。
なぜなら彼女は、俗に言う、お隣さんという奴だからだ。
363内弁慶のなき所 2/8:2006/02/20(月) 01:50:43 ID:sQuv1XJl
「ここ、間違っているよ。」
ずれたメガネを上げながら、六花はそう言ってノートの一部分を指差した。あ、単純な掛け算を間違えているじゃないか。
俺は指摘された部分を直し、さっきまで解いていた他の問題へと移った。
「…まったく。こんなトコロで間違えて、こんな調子で君は本当に大丈夫なの?」
確かに、と思う部分もあったし口答えをしても無駄なので、彼女の淹れてくれたお茶を飲みながら黙って小言を聞くことにする。
彼女は学校では大人しい性格で通っているが、実際の所は結構キツイ性格をしている。内弁慶という奴だ。
帰ってきた俺は彼女と俺の部屋で勉強をしていた。と言っても、彼女は俺の勉強をみているだけだが。

彼女は外見の印象と違わない成績優秀な学生だ。進学校である俺たちの通う学校の試験でも順位はだいたい一桁で、二桁になった事は中学の時の一度しかない。
3年は受験科目以外の勉強を怠る人もいるので定期テストは当てにならないが、予備校の模試でもかなり良い評価を出しているので彼女の実力は本物だろう。
それに対して俺は勉強が出来ない。壊滅的とまでは行かないまでも、用語やら年号を勘違いして覚えていたりケアレスミスを犯す事が多くて成績が悪い。
予備校でも入れようかと親が悩んでいた所に隣の家の彼女の親が話に入ってきて、いつの間にか彼女に勉強を教わる事が決まっていた。

「君はドコの大学を狙っているの?ちゃんとした目標も決めないで惰性で勉強していたって何も意味が無いよ」
志望する大学はあるにはあるのだが、彼女にどういった反応されるか分からないので言わない事にした。
行きたい所が俺の成績では高望みどころの話ではない。まぁ、それだけなら彼女の言う事は予想はつくのだけれど、それ以外にも問題がある。
昨日の夕方の事があって本当にそこに入りたいのか、俺には分からなくなっていた。
ミニスカートと、薄着のセーターを羽織り、三つ編みを解き髪をアップにして纏めてきた彼女を横目に見ながら昨日の事を考え始めた。


昨日の勉強は、彼女が自分の家でやろうと言い出して、彼女の家でやる事になった。
彼女の家の呼び鈴を鳴らし、オートロック式の玄関を開けてもらい中に入った。
「こんにちはー」
「いらっしゃい。六花なら二階にいるわよー」
彼女の母に挨拶を済ませ二階の彼女の部屋に向かおうとすると、
「襲ってもいいけど、静かにやるようにね?」
という、冗談にしてもきつ過ぎる声がムフフという含み笑いと共に聞こえてきたが、軽く無視して階段を上る。
普段、俺の家で勉強を教えてもらっているのはこの人がいるからだと言ってもいい。
こういう人が居るから家では集中できないと彼女は言って、隣の家では夕飯をご馳走になる以外には上がらせて貰えないのだ。

彼女の部屋の前まで来た俺は部屋のドアを4回ノックし、そのままノブを回してドアを開けて――
「え?あっ!だっだめっ!」
紺色の物体を投げつけられたので直ぐに閉めた。着替え中だったようだ。意外にも下着は黒だったという事を俺の目は逃さなかった。
1分位して、中から彼女の許しを得てようやく部屋に入った。
「もうっノックしても返事があるまで入っちゃダメじゃないのっ!」
頬を赤く染めながら声を荒げる彼女は、制服からTシャツとデニムのスカートに着替えていた。長い髪は下ろしていてウェーブが掛かっている。
「って、君はっ! 何を持っているのっ!?」
ああ、そうだった。投げつけられた紺色のモノを手に持ったままだ。よく見るとそれは制服のスカートじゃないか。
「そんな物を持つなんて、まったく君って言う人は……」
ぶつぶつ言う彼女に、投げたのはアナタじゃないですかと反抗すると、
「うっ、うるさいっ。君は勉強でもしてなさいっ」
と言って右手に握っていたスカートをぶんどられた。華麗な手つきだ。盗賊の篭手を装備しているに違いない、なんてどうでもいいことを考えた。

「ここ、どうやってやるか分からないんだけど」
「どこ?見せて。……公式を当てはめるだけの問題じゃない。まったく」
机の上に乗る彼女の胸にももう慣れたのだが、先程あんな事があったので自然と目が行ってしまう――
「わっ、あっ、ふあっ。……うぅー」
――のだが、気付かれてしまい、その後は顔を赤らめ睨み付けてくる彼女の視線に耐えながら勉強する事となってしまった。
364内弁慶のなき所 3/8:2006/02/20(月) 02:06:59 ID:sQuv1XJl
しばらくして彼女は出かけたが、そのまま隣で夕飯を食べさせてもらう事になったので彼女の部屋で勉強を続けていた。
途中で飽きが来て、彼女の部屋を漁ってみる事にした。小さい頃から彼女が毎日欠かさず日記をつけている事を知っていて、それを見たいと思ったのだ。
中学上がる前くらいから見せてくれなくなって、先月なんて日記をつけている彼女の後ろから内容を覗こうとしたら思いっきり怒られた。
彼女は個人的な物を見られるのがよほど恥ずかしいらしく、少し前に彼女の家で勉強した時も手が離せない彼女の代わりに家に届いた宅配物を受け取ったら怒られた。
いや、それは包みを開けようとした俺が悪いか。

そんな事を思いながら彼女の部屋を探索していると、いつぞやの宅配物のダンボールが。
中を見てみると、…ローション? それが一本入っていた。包みの大きさからして何か他にも買ったのかもしれない。一体何に使うのだろう。
彼女に彼氏らしき影は見たことが無いし、彼女がアレ方面に使う事は決してない筈だ。これは断言できる。
……もし彼女にそういう相手が出来ていたなら喜ぶべきなのだろうか? …考えてもしょうがないか。
ローションは取り合えず置いといて、俺は他の所を探り始めた。そして、ようやく日記を見つけることが出来た。そして、俺はそれを読み始めた。


10月22日。
 今日は明石さんと公園でやっちゃった(はぁと
 外なのに、明石さんの太いアレ(*≧∇≦)p キャー に何度も突かれて、何度もいっちゃった。。。
 その後、わたしは明石さんに抱えられたまま おしっこさせられちゃって恥ずかしくてしにそぅだった。。。(//∇//)

僕はそこに書かれている事実が信じられなかった。彼女が書いたとは思えなかった。
背中から汗がジトリと吹き出るのを感じながらページを捲っていった。

12月3日。
 明石さんとホテルのお風呂場でえっちしちゃぃました。気持ちよかった。。。(*/。\*)
 明石さんがローションプレイっていうのかな? それをお願いしてきて、
 断りきれなくて、やっちゃったんだけど、ぬるぬるするのがすごい良くて、ぃっぱぃ感じちゃった(∇ *)
1月15日。
 幼馴染に勉強教えてるって言ったら、明石さんがバイブを付けて教えてやれって命令されてその通りにしちゃった。。。
 教えてる最中にいっちゃって大変だった。。。
 あと、今日はじめて気付いたけど、わたしSっ気があるかも。彼を馬鹿にするのは気持ちよくて、それだけで結構ぃぃ。。
 バレてないかな?ないよね?ばれてたらしんじゃぅ(*ノノ) 。。。
1月18日。
 15日のことを明石さんに説明してみろって言われて実演しながら説明(*/∇\*)
 フェラが上手くなったねと褒められてゴホービもらっちゃって。。。気絶しちゃった(*≧∇≦*)
 もう明石さんなしじゃ生きてけないかも(///∇///)
2月4日。
 明石さんに明日会おうって言われちゃった。。。うれしぃ。。。
 けど、明日はショッピングに行こうと思ってたのにな〜
 またブラが合わなくなっちゃって。。。明石さんせいかな。私のおっぱぃ大好きみたいだから(∇ *)

汗でシャツが張り付く。昨日までの日記を読み終え、前の日記を取り出して読んでみる。
明石との出会いから徐々に惹かれていく彼女の心理と痴態が書かれていた。
僕が彼女にしてみたいと思って、でも絶対に出来ない事をその男は行っていた。
一通り読み終えて、僕の身体の中は今まで我慢していたモノや新たに生まれたモノがごちゃごちゃと駆け回っていた。
そして、目の前が真っ暗になる感覚を覚えながらも、ズボンの下で窮屈そうに今までに無いほど勃起したソレを見て自己嫌悪に陥った。

夕飯を隣の家で食べてる最中、帰ってきた彼女の方には一切目を向けず、食べ物を流し込んでいった。
おばさんの作るコロッケは、小さい頃から好きだったけれど、何の味も感じられなかった。
いつもなら食べ終わった後もしばらく居座ってお茶の間で談笑しながらテレビを見て、その後帰るのだけどその日はそんな気分じゃなかった。
家に帰って、街を走った。街灯がやけに明るく感じた。前は少なかったけど今はこういう電灯の数も増えた。
走れば走るほど俺が今まで我慢していた事も、こうして走っている事も何の意味も持たなくなったような気がして、どんどん惨めな気分になっていった。
365内弁慶のなき所 4/8:2006/02/20(月) 02:15:17 ID:sQuv1XJl
「ねぇ! ちょっと、話聞いてるかな?」
だいぶ思考が飛んでいたようだ。嫌な事を思い返したせいか、昨日の感じた気持ちが膨れてくる。
心なしか頭がボーっとしてきた。考えるのが億劫になってくる。理性が崩れていく代わりに怒りだとか、そういった負の念で心が満たされていく。
「いつもぼけーっとしてるけど、今日は一段とぼけてるよ?本当にしっかりしてよねっ」
なんで俺はこんな事をしているのだろう。ああ、僕は何を我慢していたのだろう。どんな皮を被っていようとも、目の前にいるのはただの牝じゃないか。
「黙れよ。」
「え?」
ぽかんとする彼女の胸を、鷲掴みにした。
「いっいやっ、な、何やってるの?冗談だよね?」
「うるさい」
「い、いたっ」
彼女の胸を思いっきり握る。感触がおかしい。もしやと思い、服を剥ぎ取る。
「あっ、きゃっ何するのっ」
彼女の下着は黒だった。が、普通の形状とは違って、オープンバストと言うのだろうか、カップの部分が無い物だった。
「こんな下着つけるなんて本当に変態だな」
「うっ、だっだめっ」
…あんだけ色々やっているのに今更恥ずかしいフリしたって。それとも僕には見せたくないって事か。
慌てて胸を隠す彼女の腕をおさえ、その大きな胸を揉む。

「ふっ、はっ、やっめっ」
彼女の声を無視して、そのまま揉み続ける。大きく柔らかい彼女の胸はムニュムニュといやらしくその形を変え続ける。
「ごめっ、なっさいっ、ふぁっ」
なおも一向に揉み続ける。手の平から汗が吹き出る。そこだけじゃなく、顔や背中からも出ているのが分かる。
彼女の胸を十分に堪能した後、スカートの中に手を伸ばした。
「おねがっ、やめ、ふっ、て」
そう言いつつも、彼女は抵抗しない。はっ、はっ、と息を荒げる彼女の顔は赤く色づき、目はどこかぼんやりとしている。
その目を見て、前にも何処かで見たこと有るなと思った。そういえば勉強中にも何かしていたと日記に書かれていたな。多分その時見たのだろうと思った。
日記の内容を思い出し、スカートに伸ばした手を引っ込めた。そしてそのままズボンのジッパーを下げてアレを外気に晒した。
なんだかんだ言って勃起しているソレを見てまた自己嫌悪に陥ったが、今回はそれ以外の感情が強すぎて気にならなかった。

「しゃぶれよ」
僕は彼女に命令した。
「えっ、っで、むっむりっで」
渋る彼女の頭を掴んで無理やりしゃぶらせた
「ふぐぅっ、うっ」
苦しそうな彼女を見て一瞬、僕は何をやっているんだろうと思ったがその思考は直ぐに何処かへ消えていった。
「うえっ、ぶっ、あぅっ」
彼女の舌は稚拙で、苦悶の表情と相まって全然気持ちよくなかった。
僕は彼女の口からソレを取り出し、またスカートの中へと手を伸ばした。
366内弁慶のなき所 5/8:2006/02/20(月) 02:24:07 ID:sQuv1XJl
彼女の下着は……濡れていた。乱暴に胸をもみしだかれ、強引に僕の物を咥えさせたのに。
もう、僕の知っている、彼女は、いないんだ。そう思うと、悲しくて堪らなかった。
彼女の下着を取り彼女の両足を開く。
「あっ、みっ、みないでっっ」
顔を手で隠す彼女。彼女の秘部は思った以上にビラビラしてなく、綺麗な桃色をしていた。
そこに人差し指を入れ、前後左右に動かす。
「いっ、やっだっ、ったいっよっ」
目に涙を浮かべる彼女の顔を見ないようにして、行為を続ける。
彼女の中はぬるぬるで前戯の必要性は感じられなかったので適当なところで終わらせ、彼女の膣に自分のソレをもっていった。

「あっ!ったっいい!」
突き入れた瞬間、彼女は大きな声を上げた。彼女のナカは異常に狭くて、逆に痛い位だった。
歪んだ顔が苦しそうに見えて思わず声を掛けそうになった。けれど直ぐにどす黒い感情に塗り替えられて、結局しなかった。
奥の方と入り口付近では濡れ具合が違って進み辛かったが、それでも気にせずに無理やりに押し込んでいく。
「あっ、だっ、だめっ、ふぅんっ」
僕の思い違いで無ければ、彼女の口から甘い声が漏れ始めている。けれどこの声も、もう他の誰かが聞いている。
「そこっ、はぁっ、いっ、つっ、んんっ、あん」
この胸も、僕の知らない誰かの手で、散々形を変えられたのだろう。
彼女が他の誰かとそういう事をしていると想像して、昼に食った物が食道を這いずり上がって来た。

吐き気に耐えた。どうしようもなく、気持ち悪かった。
喘ぎ続ける彼女の声も、異様に赤くなった彼女の頬も、彼女の体から滲み出ている汗も、
思わず噎せ返るような彼女自身の甘い匂いも。こんな盛った牝の臭いをいつも発していたなんて気付かなかった。気付きたくも無かった。

吐き気に耐えた。どうしようもなく、気持ち悪かった。
こんな彼女を精巧な硝子細工を扱うようにしていた今までの自分も、延々と心の中で彼女を罵り続ける今の自分も、
打ちのめされて今すぐに嘔吐しそうなくせに、彼女を肢体を弄び続けるだろうこれからの自分も。
そうする事でしか、体を蠢く怒りとも悲しみともいえない感情を吐き出すことは出来ないと思った。
そしてそう考える自分にまた吐き気を覚えた。
目に涙が滲んできた。それは決して吐きそうだからというだけじゃない、と思う。

突然、彼女は僕の背中に回して、ぎゅっ、と力を込めた。
これが、真実を知っていなかったなら、どれだけ嬉しかったことだろう。
けれどこれは、幻だ。僕だからじゃない。彼女は僕以外の誰かでもそういう反応をしていたにちがいない。
「ごめっ、んっねっ、ふっ、だまっしっ」
ごめん?何に対して謝ってるのか分からなかった。
けど、どんどん惨めになっていくのは分かった。
それを振り払うかのように、それこそ馬鹿みたいに彼女の肢体に腰を打ちつけた。何度も、何度も。
そうして、いつの間にか、彼女の中で果てた。
視界がぼやけても、思考が薄れていっても、その感覚だけはクリアだった。
367内弁慶のなき所 6/8:2006/02/20(月) 02:40:46 ID:sQuv1XJl
……ここはどこだろう?大きな木が立った芝生の上。庭?
そこに一人の少年が、いや違うか。短い髪をしているけれど女の子だ。女の子がこっちを見て立っている。
昔通っていた幼稚園の制服と同じものを着て、猫バスのキーホルダーがついた黄色い鞄をさげている。
「りっかちゃん!あーそぼっ!」
変声期を迎えてない高い声。昔の僕だ。木が大きく見えるのは僕が小さいからか。
いつの間に眠ってしまったようだ。しかし随分と昔の夢を見ているなぁ。
目の前の少女は六花か。長い髪のイメージしかなかったので分からなかった。
家から少し離れた幼稚園に通っていたので、家に帰ってからの遊び相手は六花だけだった。
「かなこちゃんのことずっと見てたでしょ!きみはいやらしいな」
この頃から六花は年上風を吹かせまくって僕の事を「きみ」呼ばわりしていた。
「えっ、そんな事ないよっ!」
かなこちゃんとは、その頃僕と仲の良かった女の子で、今の彼女のように髪が凄く長い子だった。
「もしかして、あーいう子が好きなの?」
「ふぇっ!?ええ?な、何言ってるのりっかちゃん」
あ、叩かれた。
と思ったら、僕のことはそっちのけで彼女は考え事をし始めた。この頃から彼女は暴君だったのだなぁとしみじみ思った。


場面が変わった。どこだ?家の中?あ、彼女の家だ。夕方かな。結構暗い。
視界が左右に揺れる。どうやら殴られているらしい。ああ、これなら何度も見た。中学の頃の話だ。
僕は軟弱な少年だった。彼女の家でくつろいでいた時、いきなり入ってきた二人組がする事を止める事が出来なかった。
その頃から胸が大きく贔屓目を抜きにしても十分に整った顔立ちだった彼女は、性に貪欲な頭の狂った奴らの標的にされてしまった。

殴られて意識を無くした僕は詳しく知らないのだが、騒ぎを聞きつけた近所の人がやってきて犯人の二人組は捕まった。
前科や余罪があったらしく犯人は今も刑務所から出ていない。が、そいつら以外にも近辺で同じような事をする奴がいたので、犯罪防止の為に街には街灯が増えた。
彼女の家に当時は最新のオートロック式の扉が導入されたのも、この事件のせいだ。街灯が増えた事も関係しているのか、街は犯罪が減った。
けれど彼女の状態は変わらず、酷いままだった。学校に来れないとか、それ所の話じゃなかった。
僕はおろか彼女の父親が肩に触れただけでも過呼吸や吐き気、錯乱状態に陥っていた程だ。
今でも彼女は男と接触しただけで体が動かなくなる事があるし、あの日の夢を見るそうで、カウンセリングを定期的に受けている。
だから僕は今まで彼女には触れなかったし、彼女とは細心の注意を払って接してきた。彼女を傷つけないように。

夢の中はまだ殴られ続けている。ぶれる視界の中で彼女の虚ろな目を見たときに思ったんだ。
僕が彼女を守るんだと。僕が強くなってもう二度とこんな顔にはさせないと。そう心に決めて生きてきた。
一人称に「俺」を使うようになったのも、体を鍛え始めたのも。ナイフを携帯するようになったのもこの時からだ。
異常かもしれないけれど、僕は彼女を守る為ならそれを使っても構わないと思っていた。いや、今も思っている。
……虚ろな目。そうか、この時に見たんだ。何で忘れていたんだろう。…これじゃあ奴らと一緒じゃないか。
彼女が体を許すことの出来る相手が出来たのならその事を喜んでやればよかったんだ。相手がどうであれ、まず祝福するべきだった。
日記を見た時に気付くべきだった。いや認めたくなかったのか。けど理解するべきだった。
彼女を守る役目は僕じゃ無かったって事を。
……今更分かったって遅いか。僕は取り返しのつかない事をしてしまった。嫌いじゃなかった彼女の嫌味も、もう聞くことは出来ないだろう。
ごめんなさい。許してください。何を言ったって無駄だろう。……ああ、何でこんな事をしてしまったんだろう?

夢の中は温かくて、心地よくて。できればこのまま眠っていたい。けど、それは逃避でしかない。
謝り続けよう。と思う。彼女が顔も見たくないと言っても謝り続けようと思う。彼女は今度こそ生きているのかも分からない人形のようになってしまっているかもしれない。
それでも僕は謝り続けようと思う。それが僕に出来る唯一の事だろう。
まぶたに光を感じる。新しい朝が来た。
368内弁慶のなき所 7/8:2006/02/20(月) 02:53:34 ID:sQuv1XJl
「おはよう」
彼女の声が聞こえて眠気がすっ飛ぶ。幻聴かと思った。横には恥ずかしそうに目をそらす彼女の顔がある。今度は幻覚だと思った。
温かいと感じたのは彼女の豊かに実った乳房だったようだ。僕はそこに顔を埋めていたらしい。
どうなっているんだ?僕はまた夢を見ているのだと思った。夢というよりも、都合のいい妄想か。
「どうしたの?」
首を傾げる彼女。こちらがどうしたのと問いたい。僕の頭はどうしてしまったのだろう。
あまりのショックで狂ってしまったのだろうか。いやもしかして今までのが夢で、
――と一瞬考えたが、微妙に震えている彼女の肩を見てそれは無いだろうと思った。
そして、昨日の事は現実だと再認識して、また吐きそうになった。
「ごめんね」
吐き気をこらえる僕に彼女が申し訳なさそうに言う。……あやまるのはこっちの方なのに。
「日記読んだんでしょ?あれ、嘘なの」


……はい?

どういうことだ? 僕には彼女の言っている事の意味が分からなかった。
「私があの、中学の時の事で、こんなになっちゃったから、髪型を変えたり、わざと露出の高い服着て誘惑しても、
 責任感を感じている君は何もしてこなくて、私は……君が、その…す、好きだから、なんとか気を惹きたくて……
 通販で買った興奮作用のあるっていう香水付けてみたり、昨日カウンセリングに行ったときに、
 精神を高揚させるお薬を貰って、それを少し、ほんの少しだぞ?2回分なんて入れてないよ?…君に淹れたお茶の中に混ぜたりして」

独白を続ける彼女の言葉を回らない頭で懸命に整理した。どさくさに紛れて告白された気がする。
「日記もあの日、わざと見つかるようにして、内容も君の神経を煽るような文章を書いたの。
 あの位の事を書かないと君は動かないだろうと思って。
 君の趣味を知るために、わざわざ君のベッドの下の、その、えっちな本を、読んでりして勉強して……
 昨日は慣れない化粧もして、結構厚くしたのでもしかしたら君は変に思ったかもしれないけど、それから君の家に行ったの。
 案の定というか、過呼吸も起こしちゃって。きっとお化粧してなかったら死人みたいな顔色をしていたと思う。
 私が騙すような真似をしたのがいけないんだけど、本当に昨日の君は恐かったし、痛かったんだからっ」

痛かった?どういうことだ?って、さっきからそればっかりだ。つーかエロ本見られてたのかよ。もうお婿にいけない。
「初めてだったんだからねっ。ア、アソ、コ……には買っておいたローションをいっぱい付けてみたけど、
 君が乱暴にするから痛みを耐えるの大変だったんだから」

初めて?布団を捲る。血の海だ。その時まず思ったのは、彼女はあの時に永遠に残る傷を付けられていなかくて良かったという事だった。
その後、こんな風な初体験を経験させてしまって申し訳なく思った。すっかり落ち込む僕に彼女はメガネを掛けながらこう言った。
「恐かったけど、痛かったけど、嬉しくもあったんだよ?
 その、君のアレが……入れられた時、君は私を気遣おうとしてくれたでしょ?
 その後もずっと悲しそうな、謝るような、やるせない顔をしていて。
 正気を失っていても、やっぱり君は君なんだと思って、痛みも恐さも少し和らいで。
 だから、思わず、ぎゅっと……いや、そんな事はしてないし考えてもないのだけどっ」

彼女は赤い顔を更に赤くして顔の前で手をぶんぶんと振った。振った手が掛けたメガネに当たって床に転がり、慌てて取る。
取り乱した自分を見られて恥ずかしいのか、メガネを掛けなおす手の間から見える顔はまた更に赤くなっている。赤いだけあって3倍速で動いていた。
369内弁慶のなき所 8/8:2006/02/20(月) 02:58:04 ID:sQuv1XJl
「……あー、こほん。まったく。私をキズモノにしたあげく、中に出してくれた、いやちがう、お出しになった、あっ、ちっ、ちがう!
 ……中にだしてしまった責任は当然とってくれるのだろうね?」

照れ臭そうに、そっぽを向く彼女のその言葉に僕は大きく頷いた。

「……これからもよろしくね、春ちゃん」

懐かしい響きだ。君と呼ばれる前、僕と彼女はお互いの名前をちゃん付けで呼び合っていたのだ。
声のする方には普段の内弁慶はいなくて。笑顔を浮かべる彼女がいた。黒いつやのある髪が名前の通り、雪の花のように日の光に照らされてきらきらと綺麗に光っていた。
大きく振り過ぎたためか、窓の外の日の光にやられたのか、はたまた彼女の眩しさにやられたのかは分からないが、
頭がくらっときたので、まだ頷きの途中で振り下げている最中の頭を重力に任せてみた。
そうすると、ちょうど彼女の胸に顔がめり込んだ。

――ゴンと変な音が頭の中で響いて、僕の視界は真っ暗になったが、それも悪くない気がした。


(内弁慶のなき所/了)
370内弁慶のなき所 蛇足:2006/02/20(月) 03:08:49 ID:sQuv1XJl
「そういえば何で明石なんて名前にしたの?」
「いやね、君の名前をもじったモノにしようと思って、苗字をローマ字にして逆から……
 って、そんな事言わせないでよ!まったく、君は乙女の恥じらいってモノを知らないんだから……」
「そうですね。はいすみません」
「なんか適当だなー。まぁいいけど」

平謝りしつつ僕は単語を必死に覚えていた。彼女にはまだ言えないけど、彼女が行く大学に受けようと思っている。
僕一人の力じゃいけないかもしれない。けれどその先に彼女がいるなら行ける気がするんだ。というか、行く。

あれ?そういえば受験生なのに最後の追い込みかけなくていいのか?というか、ほぼ毎日勉強を見てもらったけど彼女は大丈夫だろうか?
そもそもなんで引き受けたんだろう。それを彼女に尋ねてみると、
「それは私が無理を言って申し出た……という事は、ないよ?全然。本当に。というかそんな事聞かないでよ!まったく」
と言われて、殴られた。


(本当に終わり)
371名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 03:13:12 ID:gEi5wXbT
リアルタイムで読ませて貰った

……GJ

俺は日記から疑ってたが
372名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 03:25:17 ID:bBF65GIP
>>370
ヒヤホウィィッィ!!!!

いいねえいいね。こういうのがツボです。キました。
六花さん策士です。イカス!
373名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 03:52:33 ID:ATHgASc5
GJ!普通に面白かった。
374名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 10:19:56 ID:sj3OYwFq
>>370
面白かったです。
375名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 11:32:28 ID:oiTzKnkl
>俺は日記から疑ってたが
俺はまったく気づいてなかった……OTL
いや、話の流れに呑まれちゃって、すごくよかった、GJ!!
376名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 12:48:55 ID:LjO6+LeN
せっかく投下してもらったものにケチをつけるのは大変忍びないのですが…

>362

>今日は月曜日。

>昨日は聞きたくないと言ってるのに「ブルマは国が保護しなければならない!」とか何とか延々と5限の授業に食い込んでまで語っていた。

日曜日も授業がある学校なのでしょうか。
気になります。
377名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 14:51:31 ID:oiTzKnkl
>>376
察してやれよ
378名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 16:02:18 ID:RK/eBdvw
>>376
「昨日は」という日が同日(月曜日)だとは一言も書かれていない。
その間に行間があるでしょ。
そこで日付が変わってるんだよ。
もう、なんでそんなことも分からないのかな、君は。
379名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 19:29:54 ID:sQuv1XJl
358です。
 >371
あんがとぅ。 >日記から疑ってたが
ま、前フリでハッピーエンドって言っちゃったし、先を読まれてたって全然落ち込んでないんだからっ。…次書くときはもっと頑張ります。
 >372
真夜中というのにテンション高いレスをどうもです。ツボでしたか。そう言ってもらえるとこちらも嬉しいです。
 >373,374
ありがとうございます。良かった。面白いと思っていただけたらこちらも本望です。
 >373より前の方にレスして下さった方と、リアルタイムでROMしていたという方
週の初めの月曜の三時過ぎまで、しかも投下し終えるのに二時間も掛かってしまったというのに付き合ってくれてほんとにありがとう。
 >375
>俺はまったく気づいてなかった
やりー。展開を読めちゃった、という方がいて正直へこんでいたので375を見てかなりキました。もうアレですよ、小躍りしたい気分ですよ。
 >376
次回それが伏線となる予定なのですよ、という事はありません。
ごめんなさい、私の読み直しが足らないばかりに変な所でひっかかってらせてしまって。本当は昨日じゃなくて先週にするつもりだったんですよと言い訳。
誤字やら同じ言葉を使ってるトコとか、指摘して下さった様なミスを書き込みボタンを押した後に気付いて、どうして私はこうなのだろうと今日一日うな垂れていました。
 >377
察してくれてありがとう。
 >378
!! 新事実! よ、よし、それでいこう!と思ったけど、そうすると他の色々な所で辻褄が合わなくなってしまいました。
そこだけ火曜日とすると一応は合うのですが、物語の流れが不自然になってしまって何だかだめぽでした。
分かりにくい書き方をしてしまって申し訳ないです。行間一つを空けた所は、読み易くする為に区切る目的で使っていただけなのです。
件の所の前後は同じ時間軸(月曜日の話)です。惑わせてしまってごめんなさい。

 >どうでもいいことですが私のことを少し。
前回クリスマスに書き込んだ話が初投稿で、その時になんだか変な空気にしてしまったので、すげー凹みまして。
今までエロやら萌えは気にせずに、ずっとショートショートを書いては消してを繰り返してました。
今回は、なんだか色々と好意的なレスも沢山貰えて、かなり喜びました。もうね、思わずガッツポーズかましてしまった位です。
なんか書いたらまた投下しようと思ってますので、その時はよろしくお願いします。 ではノシ
380名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 20:20:39 ID:ATHgASc5
>>379
長ぇよwwでもお前いい奴だな
381名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 20:21:58 ID:whvpJf4t
とりあえず一言だけ。
GJ!
382名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 21:58:41 ID:KgAO1hJR
全レス
383名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 22:00:13 ID:lrGJfSEp
>379
本来レイプ・陵辱モノの話、またはそういった描写は大嫌いな俺だけど、この話は抵抗無く読めた。
何より男の精神の葛藤が描かれてたから、問題無く受け入れられたんだろうな。
レイプ・陵辱モノって大体が
「男が好き勝手絶頂にヤリまくって、女は傷ついて廃人」
っつーエンドだし、俺はそれが嫌だから読まない(モットーは「みんなで幸せになろうよ。」)。
この話は男が罪の意識を持っている&ハッピーエンドっつーのが俺の心の琴線を激しくかき鳴らしてくれた。
つまり何が言いたいかと言うと、 激 し く G J ! ! と言う事。
愛してる。
384名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 22:15:17 ID:CRrco76b
GJ!!!!!!!!!!11111
おっきしたおwwww
また何か書いたら投下してください。
385名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 23:38:16 ID:q5qkl35U
お世辞と思われるかもしれないが、俺はこういう話はすごく好きだ
何より主人公の自分の弱さとかそういうのがなんてーか、感情移入できるというか
とにかく、今ままで読んだSSより激しくGJでした
386 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/02/20(月) 23:59:03 ID:C2MqAC/d
前スレ527改めツクバ薪割りです。コテハン名乗ることにしました

>>379氏って126氏だったんですね!メチャクチャ面白かったですよ!
自分は日記に騙されてしまいました、GJです!

387名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 23:59:04 ID:sQuv1XJl
>379
誤字ありまくりですね。orz 大きな間違いを直させて下さい。373より前の〜は374よりの間違い。373の人、四時近くまで起きてたのにごめんなさい。
>380
ごめwwwって、へ?あ、ありがとぅ。
>381
どうもです。一言だけでも胸に沁みてくるもので、かなりありがたいです。
>382
気分がハイになってて、全レスしてしまったのですよ。…今までのレス読み返してみると、香ばしすぎですね。何だかんだいって書いてる本人がイタイ。
>383
個人的な趣味嗜好として、うじうじした話と寝取られが好きなんですが、それ以上にベタな甘い話が好物でして。
気に入ってもらえた様で本当良かったです。…って、あっあいしっ・・・、そんな事言われたってカウパーしか出ないんだからっ。
>384
まじすか。一応ながらエロ目的で書いたので、そういうレスは素直に嬉しいです。
>385
今までときましたか。そこまで言われるとかえって恥ずかしいですが、これからも頑張ります

今日のみですが全レスさせていただきました。容量の無駄遣いごめりんこ。ちょっとまた新しいの書くまで名無しに戻りまつ。ラ・ヨダソウ・スティアーナ
388名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 00:04:06 ID:sQuv1XJl
て、おぉーい!!ツクバ氏にレスし忘れてるよ orz
コテハン名乗られる事にしたのですか。氏のSSは脳内家族でいつも楽しく拝見しています。
まだまだこちらは勉強中ですが、お互いこれからも頑張りましょう。
389名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 07:08:50 ID:4/LK6IE8
なんていうんだろう。
うん、スルーするのが正しいんだよね。
趣味の問題だしね。
390名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 07:18:45 ID:z4F6ZmLg
うん。
そうだね。
好みは人それぞれだしね。
391名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 13:57:04 ID:8SAvdDhg
だが酷すぎないか
392名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 09:05:17 ID:UOnMAn9b
なぁにかえって免疫力がつく
393名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 18:56:05 ID:0+j7Jp06
香織さん…もう何ヶ月アナタに会えない日々が続いてるのでしょう
私はいつまでも待ちます。ええ、待ちますとも。
ですが、それでも不意に切なくなります。たまにはアナタに会いたいです。
394名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 19:30:05 ID:sZvfihML
>>393
香織さん、
今俺のとなりで寝てるけど?
395名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 21:38:12 ID:7eeDObWL
>>394
殺 し て で も 奪 い 取 る !
396名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 23:21:21 ID:OVANXTkG
>>383
亀レスだが

よう俺。
397名無しさん@ピンキー:2006/02/24(金) 23:52:22 ID:HrgvxufM
hoshu
398名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 18:31:17 ID:hMiH+TMj
あげ
399名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 20:01:43 ID:qcdEdEEy
香織さんとsai待ちアゲ
400名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 22:29:27 ID:rWBe9SrG
香織さんは、もう夏ぐらいまで投下ないんじゃないんかな?
うにさん、結婚式とかで忙しいみたいだし
もちろん俺はそれまで待つけどね( ´ー`)y-~~
401名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 00:55:02 ID:7fQti0mq
待つけどねもなにも、
もしおまいが待てなかったからといって
あの作品が投下される訳ではないだろw
402名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 01:02:15 ID:F+9ZxTo8
>>401
なに言ってんだ?www
>>400は投下されるまで待つけどねって言ってんだろwwww
403名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 01:49:15 ID:QPrxdkAy
まぁまぁこんな悪しき流れは断ち切って素直に待ちましょう
404名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 07:34:55 ID:DMlxNcM7
あたしまつわ!
405名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 14:31:43 ID:xGkqpEVQ
あちしだって負けないわよぅ!香織さんがいない淋しさにも耐えてみせるわ!
406名無しさん@ピンキー:2006/02/28(火) 16:20:47 ID:QZnG5FhA
ふん!香織なんて別に会いたくないわ!
さ、淋しいなんて、ちっとも思ってないんだからぁ!
407 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/02(木) 02:19:21 ID:/qeaJC5z
前スレ527改めツクバ薪割りです。

書けましたので投下します
アタシは小さな一羽の小鳥

優しいあの人に見てもらいたくて

アタシを認めてもらいたくて高く飛んで鳴いた

飛び続けたアタシはいつしか他の鳥より高く飛び、大きな声で鳴けるようになった

他人がアタシを見上げて凄いと騒いでいた。でも一番見てほしかったあの人は見てくれなかった

けどそれは違った。見てくれてなかったんじゃない、普段のアタシをずっと

雛鳥の時からずっと見守ってくれていたの。アタシは無理に飛ばなくてもよかったんだ

今アタシはあの人の肩にとまっている。ここがアタシの求めていた居場所

他人は高く飛んで鳴いてるアタシを見たいと言う。アタシも期待に答えようと飛ぼうとした

けどアタシは飛べなくなっていた。どんなに高く飛ぼうとしても飛べなくなっていた

理由は分かっている。アタシはあの人を求めて飛び続けていた。あの人のためだけに飛び続けてた

あの人の側にいることでアタシは満たされた。満足し、満たされてしまった

もうアタシには高く飛ぶことができない。だから辞める。飛ぶのを辞める

アタシは籠に捕われた一羽の小鳥。あの人に捕われた小さな小鳥

これからはあの人のためだけに鳴こうと思う
『《カリスマロックシンガー》saiがそう言われたのは一年前の話だ。
今の彼女の歌からは前のようなパワーが感じられない。彼女の歌には人を引き付ける力があった。
しかし今はどうだろう?ここ最近の歌っているものは彼女らしくないラブソングばかりだ。
彼女がカリスマと言われた理由は若者の気持ちを代弁してくれた歌詞とそれを歌う彼女のパワーだ。
今の彼女はどうだ?ラブソングなんてsaiじゃなくても聞けるし、彼女の甘い歌声なんて聞きたくもない。
最近町では「saiはもう終った」との声をよく耳にするようになった。
ついこの間までsaiを支持していた若者達からだ。もうsaiは終ったのだろうか?
よく考えたら彼女は今まで全力で走ってきた。きっと走ることに疲れてしまったんだろう。
私は疲れたsaiの歌なんて聞きたくない。きっと他の人達もそうだろう。
今回のアルバムを聞いて、私は一つの時代の終りを感じた』

ビリッ!ビリビリッ!

(なにが終っただ!好き勝手に書きやがって…彩は終ってなんかねぇよ!)
職場での昼休み、saiの事を書いている記事があったので読んでみたら批判記事だった。
オレは怒りに任せて読んでいた雑誌を破いてしまった。
「ちょっと静馬先輩!なんで破くんです?あたしまだ全部読んでないんですよ!」
しまった!これかなえちゃんが買ってきたんだった!
「ゴメンゴメン。ちょっとムカつく記事があったからつい破いちゃったよ。あとで弁償するから」
「まぁ読みたいところは読んでましたからいいですけど…あとで缶コーヒーでも奢ってくださいね」
そう言ってむくれ顔の彼女の名前は池田かなえ。会社の後輩でオレの彼女の彩の大学の先輩でもある。
ホントゴメンね、かなえちゃん。
「なんだ?どうした静馬、ジャイアント馬場は弱かったとでも書いてたのか?」
かなえちゃんに頭を下げるオレを見て、笑いながら話し掛けてきたコイツの名前は池田直樹。オレの同僚だ。
…てめぇ今なんつった?
「おぉコラ池田!てめぇ死にてぇのか?その小汚ねぇ顔をボコボコにしてやるよ、表出ろ!」
プロレスの神様の馬場さんをバカにするやつは……殺す!
「ちょ、ちょっと先輩落ち着いて下さい!直樹の冗談ですよ。あなた!あなたも変なこと言わないの!」
池田に襲い掛かろうとするオレを止めながら池田を叱るかなえちゃん。
「悪い悪い、冗談だよ冗談。お前、こんなことぐらいで怒るなよ。
ジャイアント馬場をバカにされたぐらいでキレるヤツなんて普通いないぜ?」
カッチーン!本当にアタマきた!オレの神様をバカにするとは…コイツ天罰を与えてやる!
「おい池田、お前最近よく道場に通ってるらしいじゃないか。綾崎君が言ってたぞ
『直樹先輩教えに来てくれるのはいいけど女性にしか教えなくて困ってます』ってな。
しかもお前、自分は独身だと言ってるらしいな。こんな素敵なお嫁さんがいるのになんでウソつくんだろうなぁ?」
そう、ついに池田とかなえちゃんは結婚した。アツアツの新婚さんだ。
「ば、バカかお前は!オレには愛する妻がいるのに口説こうとするわけないだろうが!」
池田よ…お前自分で口説くなんて言葉出すなよ。かなえちゃんの顔が鬼のようになったぞ。墓穴を掘ったな。
「ふ〜ん。口説こうとしてたんだ。愛する妻がいるのに…口説こうとしたんだ」
淡々と話すかなえちゃん。その表情は鬼を通り越してまるで修羅のようだ。
池田は小刻みに震えている。ざまあみろバ〜カ、馬場さんをバカにするからだよ!
「まあまあ落ち着いて、かなえちゃん。もう昼休み終わりだからあとは家で続きをしたらいいと思うよ」
「……そうですね、同じ家に住んでますから逃げる場所なんてないですしね」
クスクス笑うかなえちゃん。…ゴメンね池田、お前多分トンでもない目に合うよ。
「なに涙目になってるんだよ、お前まだ泣き足りないのか?披露宴であんなに号泣してたのにな」
笑いながら池田をからかう。コイツ披露宴の時、男の癖に号泣しやがったんだよ。
隣に座っていたかなえちゃんがそれを見て
『直樹が泣きすぎるからあたしは泣けなかったじゃないの!』って文句言ってたぐらいだ。
そのせいで会社では池田の事を『泣き虫のほうの池田さん』って呼ぶようになった。
「うるせえ静馬!どうせお前も泣いちまうんだよ!っていうかサッサと結婚しろ!そして苦しめ!」
「……そうなんだ、あなたはあたしと結婚して…苦しんでるんだ」
ホントに池田はバカだな。
「だったら今晩…もっと苦しもうね?……うふふふふ」
不適に笑うかなえちゃん。なんだ?この言いようのない恐怖は?
…本当にゴメン!スマン池田!死なないでくれよ、お前がいなくなると仕事忙しくなるから。
池田は青い顔でブツブツ言っている。それを見た周りは慣れたもので無視をしている。
でもクサレ記事を読んでイライラしていた気分が池田夫婦のおかげでスッキリした。
しかしsaiが終ったなんてふざけた事書きやがって…こんなくされ雑誌、二度と読まねえぞ!
…けど確かに彩の歌はラブソングばかりになった。一度彩にその事を聞いてみたら
『当たり前でしょ。だって…拓にぃの事想って歌ってるんだからね!どう、嬉しいでしょ?』と言われた。
確かに嬉しかったが世間の評価はあまり良くなかったみたいだ。
ファンが彩に求めているものとまったく違っていたからだ。
ネットでの書き込みも最初は好意的なものが多かったが最近は否定的なものばかりだ。
それを見て彩も悩んでるみたいだ。オレの前ではそんな素振りも見せないがますみちゃんからは
『静馬さん、彩とケンカでもしたんですか?最近彩、元気がないんですよ。一体彩に何をしたんですか?』
と言われてしまった。…はぁ、自分の女が悩んでるのに気がつかないなんて、オレ最低だな。
「…パイ、ねぇ静馬先輩ってば!一体どうしたんですか?」
彩のことを考えてたオレは名前を呼ばれているのに気がつかなかったみたいだ。
「…へ?おお、悪い悪い。少しぼ〜っとしてたよ。で、かなえちゃん何か用でもあるの?」
「ホントにどうしたんですか?彩も最近元気ないし、先輩まで様子が変だし…
もしかしてケンカでもしてるんですか?」
いつの間にか隣に来ていたかなえちゃんに睨まれた。
「ははは、してないしてない。そもそもケンカなんてしてたらオレが無事な訳ないだろ?」
「まぁそうですけど…彩、最近ずっと元気ないですから慰めてあげてくださいね」
「ますみちゃんにも同じ事言われたよ。ゴメンな、オレが気づかないといけないのにな…」
「ホントしっかりして下さいよ?…そうだ、ますみのことですよ。先輩、今晩空いてますか?」
…へ?なんだ急に。ますみちゃんのこと?

森永ますみ…彩の親友でオレと一度だけSEXをした事のある優しくて…巨乳な女の子。
今は同じ大学の後輩の綾崎湧一と言う年下の好青年と付き合っている。
この二人が付き合い出す時にちょっとした騒動があったが今はいい思い出だ。
「ああ、大丈夫だけど…ますみちゃんがどうしたの?」
「じゃ、彩と一緒にあたし達の行きつけの居酒屋に来てくださいね。場所は彩が知ってますから」
「ああいいけど…で、ますみちゃんがどうかしたの?」
「それは…夜まで秘密です。ちなみに彩に聞いても無駄ですよ?彩も知らないですから。
彩にはあたしから言っておきますね」
そう言ってニコリと笑うかなえちゃん。これはなにか企んでる顔だな。
池田は知ってるかもしれないと思い池田を見てみると…ダメだ、まだブツブツ言ってる。
コイツさっきから何言ってるんだ?気になったので聞き耳立てて聞いてみる。
「どうしよう…お仕置きだからって何時間も放置されるのは嫌だ…あんなの入んねぇよ、裂けちまうよ…」
……池田、お前等なにしてんだ?かなえちゃん、彩に変な事教えてないだろうな…教えてないですよね?
気がついたらオレまで震えていた。
「二人とも何時まで震えてるんですか!さ、仕事しますよ!」
かなえちゃんの元気な声で我に返るオレ達。
オレ達は嫌な事を忘れるために一心不乱に働いた。気がついたらもう夕方だった。
「じゃ、オレ、彩と合流してから行くから。二人は先に行っててよ」
そう言って池田夫妻と別れるオレ。ますみちゃんのことで集まるって…何があるんだ?
彩も知らないなんて信じられないな。あの二人の仲で隠し事なんて今まで聞いたことないぞ?

そんな事を考えながら彩との待ち合わせ場所に急ぐオレ。遅れたら怖いからな。
(はぁ〜、せっかく晩御飯作ってたのにいきなり来いだもんなぁ…先輩強引すぎるよ)
拓にぃの大好物のカレイの煮付を作ってたらかなえ先輩に呼び出された。
拓にぃも一緒らしいからいいけど、今はあまり外で御飯は食べたくないんだよね。
多分先輩は元気のないアタシに気を使ってくれてるんだろうけど…
はぁ〜、アタシってこんなに弱かったのかなぁ。
…そっか、もう弱い女でもいいんだ。だってアタシは……saiはいなくなるんだからね。
saiとしてのアタシ…国生彩としてのアタシ…もう両立させるのは無理なんだよね。
今考えるとアタシがsaiとしてやってこれたのは…心が飢えていたから。
その心の飢えを叫びにして歌ったのがsaiだったんだよ…
その叫びに同じく飢えていた人達がついて来てくれたんだ。
でも今のアタシは…満たされてる。拓にぃによって心が満たされてしまったんだ。
……なのになんであの男はのほほんとしてんのよ!普通は元気がない彼女を励ますでしょ?
『最近元気ないけど、どうしたんだ?…ごめん、オレのせいだったんだな。責任…取るよ。
彩…オレと結婚してくれ。オレの子供生んでくれ』とか普通言うでしょ?
まったく…いつまで待たせる気よ!アタシは拓にぃと早く一緒に……ポッ
…子供の名前は何にしようかなぁ?男の子なら強い子になってほしいから明がいいかな?
「彩、おまたせ。遅くなってごめんな」
やっぱり健太かな?う〜ん、迷うわね…拓にぃとも相談しないとね。
「どうした?なにニヤニヤしてるんだ?」
女の子なら…彩子で決まりね。これは決定事項よ、文句は言わせないわ。
「お〜い彩さ〜ん、聞いてますか〜?」
ハッ、そうだわ!子供の前にまずは結婚式を何処でするかよね。
「帰って来〜い、彩さ〜ん!」
ディファ有明って式とか出来るのかな?どうせするならそういうとこでしてみたいな。って……
「アンタ!さっきからうっさいのよ!邪魔すんな!死ね!」…グチャ!
さっきから話しかけてきてるウルサイ男の急所に膝をぶち込む。さっきから邪魔なのよアンタは!
「フンッ、アタシの邪魔をするからよ…って、拓にぃ?」
そこにはアソコを押さえ崩れ落ちてる拓にぃがいた。ア、アタシのせい…よね?

「二人とも、急に呼び出したりしてゴメンなさいね。…どうしたんですか?静馬さん顔色悪いですよ?」
遅れて来た静馬さん、なぜか青い顔をしている。座敷に入るなり倒れるように寝転んだわ。
「あ、あははは…い、いろいろあったのよますみ。ところでいきなり呼び出すなんて何かあったの?」
彩が何かを誤魔化すように聞いてきたわ。…この子、また静馬さんになにかしたのね。
「はぁ……彩、あなたまた何かしたでしょ?いいかげんにしないと静馬さん、壊れちゃんわよ?」
「ほっといてよ!…そ、そんなことより今日の集まりは一体なんなの?」
彩の言葉に先輩と一緒に来ていた池田さんも頷く。
「ゴメンね、湧一さんが来るまでもう少し待ってね」
「なんだ?綾崎も来るのか、珍しいな。いつもはいくら飲みに誘ってもついて来ないのにな」
「ええ、私が止めてますから。池田さんと一緒だとすぐにいやらしい店に誘われるって、
湧一さん言ってましたからね」
私の言葉に青い顔になる池田さん。反対にかなえ先輩は赤い顔になったわね。
この二人…もう完全に先輩の天下ね、いわゆる鬼嫁ね。…私の場合は湧一さんを立てるわ。
湧一さんって意外に男らしいところあるし、頼りになるしね。
これからは先輩たちを反面教師にして湧一さん達のために頑張らないとね。
思わずお腹に手がいく私。ふふふ、これはまだ先輩にも言ってないから驚くだろうなぁ。

(先輩、ますみどうしたんですか?さっきからニタニタしてて気味悪いですよ)
(確かに気味悪いわね。それより彩、静馬先輩に何したの?やっぱりあなた達ケンカしてるの?
そういう時はね、こうしたらいいのよ…ごにょごにょ)
(……せ、先輩!そ、それは…恥ずかしい…ホントに拓にぃ喜ぶんですか?)
(男は絶対に喜ぶわ。間違いなく、ね。あたしもたまにするから保障するわ)
(先輩の年でそれは……)
(ゴスッ!……なんか言った、彩?)
(うう…な、なんでもないです…)

(早く湧一さんこないかなぁ…ふふふ、彩達凄く驚くだろうなぁ)
彩の驚く顔を思い浮かべながら笑みを浮かべる私。彩、ビックリするかな?

「皆さん本日はお忙しい中、お集まりいただき有り難うございます!」
遅れてきた綾崎が頭を下げながら挨拶した。なんだ?堅苦しい挨拶だな。
「おいおい堅苦しいぞ、まるで披露宴の挨拶だな」
笑いながらヤジを入れる俺、復活した静馬も言い出した。
「綾崎君、披露宴なら号泣しないとな。『がなえを〜ずぇったいにぃ〜幸せにぃじばずぅ〜』ってな」
わははは、と笑う静馬におしぼりを投げつける。
「うるせえ!お前も絶対そうなるんだよ!」
チクショウ、いつまで言われ続けるんだよ。…あれは一生の不覚だ!
「あなた、ウルサイわよ?…少し黙ってなさい」
………ハイ。かなえに睨まれた。
「さ、綾崎君、ますみ、続けていいわよ」
「かなえさん有り難うございます。え〜実は、僕達、綾崎湧一と森永ますみは……結婚することになりました!」
………はい?
「ますみさんが大学卒業したら籍を入れて夫婦になります」
綾崎の突然の結婚宣言に唖然とする俺達。彩ちゃんなんてポカンと口開けたまま驚いてる。
「あともう一つあるんです」
ますみちゃんが赤い顔しながら話しだした。手は綾崎とつないでる。
「実は…私妊娠してるんです、子供が出来ました!」
…………はいぃぃ?なんですとぉ?妊娠だってぇ?
「に、妊娠?そんな話聞いてないわよ!」
驚きの声を上げるかなえ。
「すみません先輩。驚かせたくて黙ってました。今3ヶ月なんです」
嬉しそうにお腹をさするますみちゃん。ほ、本当なのか?
「ますみさんが妊娠したと知った時は驚きましたが、僕達二人でこの子について話し合ったんです。
そして大変だけど僕達二人で力を合わせて立派に育てようと決めたんです。
皆さんには何かと力を貸していただく事になるかもしれませんが、よろしくお願いします!」
頭を下げる二人。なんか綾崎が大人に見えてきた。
「…ま、二人が決めたことならいいんじゃないかな?これから大変だろうけど、おめでとう、二人とも」
そう言って拍手をする静馬。
「う〜ん、綾崎に先を越されたのは悔しいが…ま、頑張れや。おめでとう」
俺も手を叩く。
「ちょ、ちょっと待ちなさい、あなた達生活はどうするつもり?二人ともまだ安定した収入ないでしょ?
愛だけでは子供を育てることはできないわよ」
驚きから復活したかなえが二人にキツイ言葉をぶつける。確かにそうだな、何をするにも金は必要だしな。
「それについても話し合いました」
かなえに向き合って話し出す綾崎。コイツ男らしくなってないか?
「恥ずかしい話なんですが…僕達の親が僕が大学を出るまでは援助してくれることになりました。
もちろん僕もバイトを増やして働きます。ますみさんは身重の体だからあまり働けませんが…」
「ま、ますみ!あんたホントに結婚するの?なんで黙ってたのよ!なんでアタシより先なのよ!」
綾崎の言葉を遮り、今頃復活した彩ちゃんがますみちゃんに文句を言い出した。
「ゴメンね彩。だってもう妊娠してるし…」
「に、妊娠?誰が?ますみが?……ええ!あんた妊娠してんの!」
ますみちゃんの言葉に彩ちゃん、また口開けて動かなくなったぞ。
「……という訳よ。彩、分かった?」
かなえちゃんが彩に今までの流れを説明してくれてる。
ますみちゃんが結婚すると聞いて驚きのあまりにその後の話が耳に入ってなかったらしい。
彩、驚くのは分かるが驚きすぎだろ?
「…ねぇ綾崎。アタシ、あんた達が付き合いだした時言ったよね?ますみを泣かすようなことがあれば殺すって…」
かなえちゃんから全ての話を聞いた彩が、綾崎に言葉をかける。おいおい、そんな事言ってたのかよ。
「二人を幸せにしないと…ますみと赤ちゃんを幸せにしないとアタシがアンタを殺しに行くわ。これは本気よ」
綾崎の胸倉を掴みながら言う彩。
「そんなのあたりまえです。じゃないと僕が生きてる意味が無いですから」
彩の言葉に即答する綾崎君。なんかカッコいいじゃないか。
「…そ、分かってるならいいわ。…おめでとう二人とも。おめでとう、ますみ!」
綾崎から手を離し、ますみちゃんに抱きつく彩。
「よかったね…ホントによかったねますみ!」
彩は泣きながらますみちゃんに抱きついている。やっぱり二人は親友なんだな。
「ありがとう、彩。私幸せになるから…次はあなたの番ね」
ますみちゃんの言葉にピタリと泣き止む彩。ほぉ〜、涙ってすぐ止めれるものなんだ、便利いいな。
「た・く・に・ぃ?…本番の指輪、いつくれるのかな〜?」
にじり寄って来る彩。手にはビール瓶が…ま、ますみちゃん、余計な事を…な、殴らないで!
「私のほうが先輩より先に子供が出来るなんて思ってもみませんでした。
子育てについてはあまり勉強してませんので、先輩いろいろ教えてくださいね」
その言葉を聞いたかなえちゃんが池田ににじり寄る。
「あ・な・た?後輩に先越されちゃったじゃないの…覚悟しててよね、今までのように甘くしないから」
その言葉に震えだす池田。恐怖心からか綾崎君に向かって文句を言い出した。
「あ、綾崎!お前のせいだぞ!お前がますみちゃんを妊娠さすから…死ねこのヤロウ!」
「そ、そうだ!綾崎君が結婚とか言い出すからだ!ふざけんな!」
綾崎君に襲い掛かるオレと池田。
「ちょ、直樹せんぱ…うごお!…し、静馬さ…い、痛ててて!う、腕が折れます!折れる〜!」
オレが元新日本のプロレスラー木戸修並みの脇固めを掛けてる所を池田が蹴り上げてる。
もちろん本気じゃない、オレ達流のお祝いだ。
「お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで…」
一心不乱に蹴り続ける涙目の池田。…あれ?池田さん?もしかして本気ですか?

「ますみちゃん、今のうちに思いっきり遊んどこうな。お腹が目立ってきたらあまり遊べないもんな」
あの後オレ達はカラオケに来ている。もちろんオレ達社会人組みのおごりだ。
綾崎君を蹴りながら暴走していた池田はかなえちゃんが耳元で何かを囁いたら止った。
オレには『手錠』という単語しか聞こえなかった…いや、何も聞こえなかった事にしよう。うん、それがいい。
池田が暴走したおかげで今、微妙な空気が流れてる。
綾崎君とますみちゃんは池田を睨んでるし当の池田は震えてる。
オレは悪い空気をかえようと歌のリクエストを出した。
「そうだ!かなえちゃんsaiの歌上手かっただろ?歌ってくれよ」
彩に歌ってほしいけど彩の声には特徴がありすぎてsaiだとばれてしまうかも知れない。
だから彩はカラオケではあまり歌を歌わない。歌うにしても洋楽ばかりだ。
「え〜、saiですか?最近の曲、あまり良くないから飽きちゃったんですよね。もうダメでしょ、saiは」
「はぁ?てめえ今なんつった?saiが終わっただ?てめえにsaiの何が分かるってんだ!」
saiを馬鹿にされた俺は思わず叫んでしまった。あまりのオレの剣幕にビックリして言葉の出ないかなえちゃん。
「おい、静馬。お前かなえにケンカ売ってんのか?俺が相手してやるよ!」
上着を脱ぎ立ち上がる池田。オレも上着を脱ぎ受けて立とうとしたら彩に止められた。
「……もういいよ、拓にぃ。……saiはね、もうダメなんだよ。歌、作れなくなったんだ…」
ま、待て彩!今ここで言ったら…
「だからね…もう歌うのやめるんだ。…saiは、アタシは引退するの。ゴメンね、相談せずに決めちゃって」
「あ、彩…そうか、歌うのをやめるのか。…けどいいのか?せっかくここまで頑張ってきたじゃないか」
「……いいんだ。もうsaiと国生彩を両立出来なくなっちゃったんだよ。これも全部拓にぃのせいなんだからね?
拓にぃが…拓にぃがアタシを弱くしたせいなんだからね………好きよ、拓にぃ」
泣きながら抱きついてきた彩。…ゴメンな、オレが彩を歌えなくしたんだな。
「彩…オレも愛してるよ」
彩を抱きしめるオレ。彩、震えてる。こんなになるまで悩んでたのに…オレはなにやってたんだよ!
「………あの〜先輩、二人で盛り上がってるとこ悪いんですけど、話聞けたらな〜って思うんですけど…
もしかして…彩がsaiなんですか?本当にsaiなんですか?」
………し、しまったぁ〜〜!全部聞かれてた〜!ど、どうする?口封じするか?殺ってしまうか?
「あ、彩?ま、まさかあなたがsaiだったの?ね、ねぇ彩、そうなの?」
驚きを隠せないますみちゃん。そりゃそうだよな、自分の親友が実はsaiだったんだからな。
「ますみさん…saiってなんですか?」
……綾崎はどうでもいいや、ほっておこう。
「彩ちゃんがsai?嘘だろ?ホントか静馬、なんで黙ってたんだよ水臭いじゃないか」
池田よ、お前に言ったらすぐに広まるだろうが。
「ご、ゴメンね彩。悪気があって言ったんじゃないから。そ、そのなんていうか…」
慌てるかなえちゃん。そうだよな、けなした相手が目の前にいたんだからな。
「みんな今まで黙っててゴメンね。…そうなんだ、アタシ、saiって名前で歌を歌ってたんだよ。
でも…もう歌、作れなくなったから引退するんだけどね。内緒にしててゴメンね」
彩の告白に皆は騒然としてる。そうだよな、仲のいい友達が超有名人だったんだからな。
とうとうバレてしまった、彩がsaiだという事が…そしてsaiの突然の引退宣言。これからどうなるんだオレ達は?

今、俺の隣に座っている女性、国生彩はプロレスオタクであり、オレの最愛の恋人である。
そして彼女はロックシンガー…そう、『彼女はsai』なんだ。


大変な事になってきたな…けど、オレが側にいるからな、彩。
416 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/02(木) 02:29:20 ID:/qeaJC5z
今回は以上です。いつもながら誤字脱字は勘弁してください

では、電波を受信しに行ってきます
417名無しさん@ピンキー:2006/03/02(木) 02:59:06 ID:hbZyR0Vl
>>416
wktk
418名無しさん@ピンキー:2006/03/02(木) 07:57:48 ID:f7ltyhJl
>>416
(*´∀`)wktk
419名無しさん@ピンキー:2006/03/02(木) 09:18:28 ID:aNCdoLGh
エロなしだけどイイ
続き待ってます
420名無しさん@ピンキー:2006/03/02(木) 12:30:31 ID:c3JGCJEs
wkwktktk待ってます。
421名無しさん@ピンキー:2006/03/02(木) 23:08:51 ID:cIvThFMC
>416
ワクテカしながら待ってます。
しっかし綾崎青年も良い漢になったモンだ。
422名無しさん@ピンキー:2006/03/03(金) 20:56:11 ID:x/2+cslI
かなえ先輩から彩への耳打ち気になる・・・(;´Д`)
423 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/03(金) 21:04:27 ID:NX/AXd1l
皆さん感想有り難うございます!

さっそく続き考えてますが…エロが難しい!

期待せずに待っていてください
424名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 09:50:49 ID:pZDy+ps/
よおっしゃあ、◆k8fXz6W8GA氏がコテハン付けて、
新作引っさげて戻ってきてくれたぁっ!!
バンザ〜イ、バンザ〜イ、バンザ〜イ!!
425名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 12:27:27 ID:+fw/IPVB
>>423
wktk
426名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 19:32:42 ID:IvBxf+tC
wktkだけど、「勇一さん」と「あなた」に違和感が…
427 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/06(月) 00:25:37 ID:ElkKLBBB
電波受信終了!投下します
「今日はビックリすることばかりだったわね。ますみは妊娠してるし…彩があのsaiだったなんてね」
本当にビックリしたわ。妊娠を黙ってたますみもそうだけど…やっぱり彩ね。
あの子、よく今まで秘密にしてたわね。言われてみれば歌声なんてsaiそのものだしね。
「彩には騙されたわね。あなたも静馬先輩には聞いてなかったのよね?」
あたしは右手に持ったオナホールを上下に動かしつつ直樹に話しかける。
けど直樹はあたしの問いかけにも答える事ができないみたい。
「あ・な・た?返事はどうしたの?」
うふふ……返事なんて出来るわけないじゃない。それどころじゃないもんね。
「は、はひぃ…もうゆるしてくらさい…」
うふふふ…ビクンビクン痙攣しちゃって…見てるあたしまで感じちゃうじゃないの。
「許してほしいの?…あなたは一体どうしたいのかしら?」
「ぬ、抜いてほしいですぅ…か、かなえに出したいですぅ…もう気が狂いそうですぅ…」
手足を手錠でベットに固定されている直樹は泣きそうな顔であたしを見つめている。
うっふっふっふ…どうしようかなぁ?もっとかわいい直樹見ていたいけど…これ以上は可哀想かな?
「あたしに出したいのね?…素直な直樹は大好きよ」
直樹のペニスにはめているオナホールを取る。けどペニスを縛っているゴムバンドはまだ外さない。
「あなた…もう浮気しようとしないって誓う?他の女を口説こうとしないって誓いますか?」
そういいながらアナルバイブのスイッチを強にする。
「ひゃう!ち、誓います!誓いますぅ〜!」
あぁ〜凄いわ…直樹の体がビクンビクン跳ねてるわ。はぁぁ〜、感じちゃう…
「うふふふ…いいわ、許してあげるわ。さ、あたしにいっぱい出してね?」
バイブのスイッチを切り、そっと引き抜く。あはぁ…抜く瞬間の直樹の顔ってすっごく可愛い…
「じゃ、入れてあげるわね?…ん、あ…んん!」
動けない直樹に馬乗りになり迎え入れる。あん、すっごく熱いわ。
「ん、あん!…ゴムバンド外してあげるから…んん!あ、あたしにいっぱい出してね」
ペニスを縛っているゴムバンドを取り外す…その瞬間、熱いものがあたしに流れ込んできた。
「あ、あ、あああ〜!か、かなえぇ〜!」
「な、なおきぃ!い…っくぅ!あぁ…すご…」
ビュクン!ビュル!ビュビュ!ドクン!ドクドク…ビュク…
あたしの中に大量に流れ込んでくる直樹の精液。その熱い精液を感じる事であたしも登りつめてしまう…
「あ…はぁぁ……な、おき…愛してる…」
つながったまま倒れこむあたし。つい目の前にある直樹の顔にキスの雨を降らせてしまったわ。
「ねぇあなた、彩のこと他人に絶対に話しちゃだめよ?ただでさえあの子、今落ち込んでるんだからね」
俺の腕を枕にしながらかなえが話しかけてきた。
「ああ分かってるよ、俺もそこまでバカじゃないよ。でも彩ちゃんが落ち込んでるのは誰かさんのせいだろうけどな」
ニヤリと笑う俺にかなえは真っ赤な顔で文句を言ってきた。
「だってしょうがないじゃない!まさか彩がsaiだなんて思いもしなかったんだから…
けど、どうしよう?もしかしたらあたしが変なこと言ったから引退とか考えちゃったのかな…」
「それは違うだろ?彩ちゃん最近元気なかったんだろ?多分ずっと1人で引退を考えてたんだろうな…」
さっきまで俺に使われていた手錠を手に取りながら話す俺。
「多分そうだろうけど…静馬先輩も知らなかったみたいだしね。あの子なんで相談しようとしないのかしら?
あたしが何のための先輩だと思ってるの?…で、あなたは何で手錠を?」
ガチャ、ガチャリ。かなえの右手首と右足首を手錠でつなぐ。
「ちょ、ちょっとなにする…」
ガチャ、ガチャリ。同じく左手首と左足首もだ。
「あ、あなた?」
その状態でかなえをベットにうつ伏せに倒す。
「さ、かなえ、口をあ〜んって開けてみ?」「え?え?ええ?」
混乱してるかなえは素直に口を開けた。そこにSM道具のセシュター(ピンポン玉に穴が開いたような物)をはめ込む。
「ん〜!んん〜!」「ははは、何言ってるんだかなえ。全然分かんないぞ?」
四つんばいのかなえを後ろから見ると…さっき俺が出した精液が溢れ出してきている。はっきり言ってエロイ!
「おお〜!精液がいっぱい溢れ出してるぞ。溢れ出すのはもったいないから蓋をしないとな」
そう言って俺は、引き出しからバイブを取り出す。普通のやつとアナル用の2本だ。
さっきまで俺に使われてた奴はさすがに夫婦といえど使えないだろう。
「ん〜んん〜!」
「ははは、なんだかなえ、そんなにお尻を振って…慌てなくても今入れてやるよ」
ズ、ズズズ…ズボッ!
「ふっぐぅ!んん!」
前のほうに入れてSM用のテープ、ボンテージテープでバイブが抜けないように固定する。
かなえは体をそらして喘いでる。んっふっふ、感じてやがるな?
「おいおい、そんなに焦るなよ。今尻にも入れてやるから」
そういってお尻にもアナル用バイブをはめる。もちろんテープで固定する。このテープ高かったんだよな。
「う〜ん、いい眺めだな。…じゃ、かなえ、俺セクキャバ行ってくるわ」
スイッチオン!目隠しセット!
「ふぐ?ん、ん、んん〜!」
バイブのスイッチを入れて服を着替える。
「じゃ、留守番頼むぞ。一応玄関の鍵は開けとくから。…誰かが入ってこないこと祈っとけよ?」
「はおひ!はおひぃ〜!ひや!ひやひやひや!」
「はっはっは、そうかそうか。そんなに嬉しいか。じゃ、ゆっくり楽しんどけよ?」
そう言って暴れてるかなえを置いてドアを開けて玄関から出て行く…ふりをする。
そう、こんな状態のままかなえを置いていくなんてするわけないだろ?
これはさっきまで俺がされたことに対する仕返しだ。さっきのは流石にやりすぎだろ?
後はしばらくかなえの悶えっぷりを観察するってわけだ。
やられっぱなしは嫌だからな。んっふっふっふ、思い知れ、かなえ!

「誰かが入ってこないこと祈っとけよ?」
そう言って直樹は外に出て行った…直樹ちょっと待って!
(直樹!直樹!なおきなおきなおき!こわい!怖いよ、なおきぃ〜!)
いくら暴れても部屋にはあたしの喘ぎ声と無機質なバイブのモーター音しか聞こえない。
(な、んん!なおきぃ…あ、すご…なんでぇ…)
目隠しまでされてすごく怖いのに…すごく嫌なはずなのに何故か感じてしまうあたし。
まるで直樹にしてもらってるみたい。
(な、なおきぃ…あ、あたしもう…もういっちゃうよぉ…くぅぅ!)
ビクンビクン!体中が痙攣するあたし。…けど直樹はここにはいない。セクキャバに行くって言ってた。
気持ちいいのに…感じちゃうのに…イッてしまったのに…涙が流れ出して止らない。
(なおきぃ…いやぁ、嫌なの。直樹じゃないと嫌なのに…ん、んん!)
押し寄せてくる快楽の波に抵抗できないあたし。
「はおひぃ…はおひぃ〜!ひやぁ〜はおひぃ!」
いるはずのない直樹の名前を呼ぶあたし。こんなのでイクのなんてイヤ!あたし直樹でイキたいのに……カチッ
(…え?バイブが止った?電池切れなの?)
ビリ!ビィー!ズボッ!ズボッ!
(!!……だ、誰なの?誰がいるの)
突然バイブが停止した。そしてテープが剥がされバイブを2本とも抜かれたの。
だ、誰かがこの部屋にいる?な、直樹助けて!

「はおひぃ…はおひぃ〜!ひやぁ〜はおひぃ!」
悶え泣きながら俺の名前を呼ぶかなえ。…俺、いったい何してんだ?
大事な人を、守りたい人に俺は一体……俺はバカだ!
ゴメンかなえ!俺がバカだった!
慌ててバイブのスイッチを切り、かなえから抜き取る。セシュターを外し、手錠も外して目隠しを取る。
「いや!いやぁ〜!直樹助けて!なお……え?な、直樹なの?」
暴れていたかなえは俺を見て泣きながら抱きついてきた。
「なおきぃ〜、なおきなおきなおき!…怖かった、凄く怖かったんだからね!」
「ゴメンな。かなえ、ホントにゴメンな」
俺に抱きつきながら泣くかなえ。
「前にした時はお前、気持ちよさそうだったからさ。今回もいいかなって思ってな」
俺の言葉にキッと睨みつけてきたかなえ。
「いいわけないじゃない!なんでドア開けたままにするのよ!すっごく怖かったんだからね!」
か、かわいい…涙目で怒るかなえ、すっごくかわいいぞ。
「なにニヤついてるのよ!そんなにいじめて楽しいの?……4回ね」
「ゴメンゴメン、あまりにお前が可愛かったから………4回?」
「さ、明日仕事だからさっさとするわよ!」
ま、まさか…4回って…
「さっさと脱ぎなさい!あたしをいじめたんだからね?覚悟は出来てるわよね!」

あ…あ……あああああああああ〜〜〜!!!
「彩…落ち着いたか?大丈夫か?」
風呂上りの彩の滑らかな黒髪を撫でながら耳元で囁く。
ますみちゃん達の婚約発表会でのアクシデント、ついに彩がsaiだとバレてしまった。
彩はかなえちゃんがsaiはダメだと言ったことがそうとう効いたのか、かなり凹んでいる。
「ねぇ拓にぃ…アタシ頑張ったよね?ずっと頑張ってきたよね?」
「ああ、ずっと見てたオレが保障するよ。お前は頑張って皆に歌を…想いを伝えてきたよ」
「アリガト。……でもね、アタシ拓にぃに伝わっただけでも満足なんだ。アタシそれだけで満足だよ」
涙目で微笑む彩。なんてきれいな…寂しげな笑顔なんだ。
「はぁ〜あ…春からすること無くなっちゃうな。大学も卒業だし、アタシは就職決まってないしね…」
そう、彩は春から本格的に音楽活動するつもりだったんだ。
「まぁ、しばらくはゆっくり休めよ。それに春先にはますみちゃんの子供が生まれる予定だしな」
オレの言葉に彩は軽くほほ笑んだ。
「ビックリしたなぁ〜。ますみ、結婚しちゃうんだもんなぁ。子供まで出来たって言うし……いいなぁ」
グサリ!心に突き刺さる彩の呟き。無意識だろうけど…オレだっていろいろ考えてるんだよ!
「拓にぃ、別に焦らなくていいよ?アタシはそばに入れるだけで幸せだから…それだけで満足だから。
………でもね、拓にぃ…イヤだったら別にもう何もないアタシと、無理に付き合うこともないんだよ?」
な?……あ、彩、お前……パシンッ!
「バカヤロウ!お前オレをなめんな!オレが好きでもない女と一緒に暮らすと思ってるのか?
オレがそんな器用な男なわけないだろうが!」
思わず彩を平手打ちしてしまった。
「た、拓に…う、うぇ…ひぅ、拓にぃ〜!」
泣きながら抱きついてきた彩。まるで昔の彩を…オレ達が出会った頃の彩を見てるみたいだ。
「ご、ごめ…拓にぃごめんなさいごめんなさい…好き、拓にぃ好き!アタシ拓にぃ好きだから!
拓にぃの為だったらなんでもするから!だから一緒にいて!」
オレは泣きじゃくる彩をギュッと抱き締める。
「彩…安心しろ。オレにはお前しかいないんだ。お前しか見えないんだよ」
頭を撫でながら強く抱き締める。しばらくすると少し落ち着いてきたみたいだ。
「さ、もう寝ようか。今日はいろんな事があったから疲れただろ?」
オレの言葉に彩は頷き、着ていた寝巻きを脱ぎ、裸になろうとする。
「彩、脱がなくていいよ、SEXは無しだ。それより今日はこうしていたいんだ」
ぎゅっと抱きしめたままベットに入る。
「今日は結構冷えてるからな。特製人間湯たんぽだ。温かいぞ、彩」
オレの言葉に彩はやっと笑顔を見せる。
「なによそれ?アタシが湯たんぽだって言うの?」
「そうだよ、オレだけの特製品だ。この湯たんぽを抱いてると、体も温まるけど…心の方が温くなるんだよ」
「拓にぃ…ヒック、ヒッ…ゴメンね、アタシ泣いてばかりだね。ぜ、全部拓にぃのせいなんだからね?
……ねぇ、明日車借りるね?母さんに話しに行ってくるから…」
おばさんに?そうだよな、おばさんにも話さないと心配するだろうしな。
「ああ、分かった。オレは行かなくていいのか?大丈夫か?」
「うふふ、アリガト。大丈夫だよ。実家から取ってきたい物もあるし、アタシ1人で大丈夫だから」
「そうか…なら早く寝て明日に備えないとな。寝不足で事故なんてよしてくれよ?…おやすみ」
彩の額にキスをして目を瞑る。しばらくすると彩のカワイイ寝息が聞こえてきた。
手はオレの寝巻きをギュッと握り締めたままだ。
(カワイイ寝顔だな。…この寝顔を守るためならなんだってしてやるよ。彩、愛してるぞ)
再度キスをして眠りに付く。おやすみ、彩…
「しっずま先輩!おっはようございま〜す!」
出社したらいつもより元気なかなえちゃんに挨拶された。なんだ?テンション高いな。
「おはようかなえちゃん。今日は一段と元気だね。肌もツヤツヤしてるし…なんか美味しい物でも食べたの?」
「うふふ…お腹の中いっぱいにしてもらったんですよ!今日のあたしは働きますよ〜」
なんだ、あの後池田と二人でなにか食べにでも行ったのか?よく食うな。
……え?『お腹の中いっぱいに』?お腹いっぱいにじゃなくて?
池田を見る。絞りかすみたいにカサカサだ。かなえちゃんを見る。何かを接種したみたいにツヤツヤだ。
池田、カサカサ。かなえちゃん、ツヤツヤ。カサカサ、ツヤツヤ……さぁ仕事するか。

「先輩、昨日のことなんですけど…彩、怒ってませんでしたか?」
昼休み、池田夫妻と昼食をとっていたらかなえちゃんが聞いてきた。
「少し凹んでたけどもう大丈夫だよ。今日は実家に帰っておばさんに話すそうだ」
オレの言葉にほっとするかなえちゃん。そうだ、大丈夫だとは思うけど口止めしないとな。
「二人とも…昨日のことは絶対に秘密にしてくれ!頼む、この通りだ!」
二人に深々と頭を下げるオレ。そんなオレにかなえちゃんは
「先輩、頭上げてくださいよ。彩が誰であろうとあたしのかわいい後輩ですから。
あたしは後輩が困るようなこと、絶対にしませんから」
……ありがとう、かなえちゃん。
「あなたも絶対に話しちゃダメよ?もし話したりしたら……10回ね」「じゅ、10回?」「そ、一晩でよ」
妖しく微笑むかなえちゃんに青い顔で頷きながら涙を流す池田。…ま、これなら大丈夫だろ?
「あ、そうだ。先輩、これ彩に渡してくださいね」
そう言って何かが入った紙袋を渡してくるかなえちゃん。
「ああいいけど…これ何?」
「あたしが昔来ていた服ですよ。昨日知らなかったといえ彩にヒドイ事言っちゃったから…そのお詫びです」
「そんな気にしなくてもいいのに…でもありがとう。きっと彩も喜ぶよ」
妙に小さい紙袋を受け取るオレ。服が入ってるにしては小さいな。何が入ってるんだ?トレーナーかな?
「で、先輩。詳しい話って聞いていいですか?」
目が輝いているかなえちゃん。
「いいけど…また後でな。ここじゃ話せないからオレの家にでも来たらいいよ」
「じゃ、今晩早速遊びに行きますね?ちょうど彩に料理教えてもらおうと考えてましたしね」
「オレはあんまり興味ないからなぁ。道場にでも行って綾崎をイジメ…いや、鍛えてくるわ」
池田よ…さては綾崎君に八つ当りするつもりだな?ま、強くなるにはボコボコにされないとな。
オレも館長によくやられたもんな。路上でいきなりケンカ売られて一方的にボコボコに…
後日仕返しに道場に乗り込んだらもっとボコボコにされたっけ…そこで池田と知り合ったんだったな。
まさか同じ会社に入って友人になるなんてあの頃は思いもしなかったな…
「なにニヤついてんだ?とうとうパンチドランカーにでもなったか?」
「いや、ちょっと昔を思い出してな。お前と始めて会った時のことをな」
「あぁ?あん時はお前が総合をしてるとは知らなかったから不覚を取ったんだよ!なんなら今から再戦するか?」
「ほぉ〜面白い。また一つ黒星をつけてやろうか?」
立ち上がるオレ達。
「なんだ、まだ元気あるんじゃないの。…次からは6回はいけそうね。それにしても彩もだらしないわね。
しっかり満足させないと男は外で暴れるって教えてるのに…教育が必要ね」
青ざめるオレ達。それを見て微笑むかなえちゃん。…この子には勝てない、オレは本能でそう悟った。
「お帰りなさい拓にぃ!先輩、いらっしゃい!」
あら?思ったより元気じゃないの。昨日あんな事言っちゃったから心配してたんだけど…心配して損したわね。
「おじゃまします。彩、今日はいろいろ聞かせてもらうわよ?その前に…はい、これ」
先輩に預けていた紙袋を彩に渡す。
「?…なんですか、これ?」
首をかしげる彩。
「昨日居酒屋で言ってた物よ。今じゃあまりないから大事にしなさいね」
あたしの言葉に思い出したのか真っ赤になる。この子…いつまでたってもホント初々しいわね。
「なんだ?あまりない物って…何かのビンテージ物なのか?そんな高そうな物貰ってもいいの?」
うふふふ…静馬先輩、ある意味ビンテージ物ですよ?最近じゃ見なくなったしね。
「そんなに気にしなくていいですよ。きっと彩には似合うと思いますから、後で見せてもらったらどうですか?」
「せ、先輩!さっさと料理作りますよ!今日は料理の勉強に来たんですよね?ビッシビシいきますからね!」
真っ赤な顔であたしの手を引きキッチンへと連行する彩。
(彩、そんなに照れる事ないじゃないの。ところで…あれは実家から持ってきたの?)
(せ、先輩!…取って来ましたけど…やっぱりアタシ恥ずかしいですよ)
(騙されたと思って一度してみなさいな。…ちなみに綾崎君は獣になったそうよ)
(あ、綾崎が?…分かりました。拓にぃのためだもんね…アタシやってみます!)
(そ、そんなに力入れるような事じゃないわよ?あなたも楽しんでやりなさいな)
ホントにこの子って静馬先輩のために必死ね。
ちょっと力入れすぎな気がするけど…ま、それがこの子のいいところかな?

「ええ?saiのデビュー曲ってこの部屋で出来たんですか?すっごいですね!ここって伝説の部屋じゃないですか!」
先輩は拓にぃにアタシの話を聞きながら目をキラキラさせてる。けどアタシはそれどころじゃない。
ど、どうしよ?やってみるって言ったけど…もしかしたら嫌われちゃうかもしれないよね?
拓にぃが池田さんと同じだとは限らないし…やっぱりやめようかな?
「えええ?最初はあそこの駅前で歌ってたんですか?あの駅あたし時々使いますよ!
もしかしたら生のsaiの歌を聴けたかも知れないんですよね?あ〜ん、くやしぃ〜!」
け、けど綾崎も獣に……ま、ますみに聞いてみようかな?
「えええ!あの発売中止になったアルバム、まだ残ってるんですか?聞いてみたいです!先輩貸してくださいよ〜」
あ!…大変な事に気づいたわ。…持ってきたはいいけど着れるかどうか分からないじゃないの!
アタシ太ってないよね?胸は少し大きくなったけど…大丈夫よね?
「なんでダメなんですか〜?彩、少しだけ聞かせてよ?……彩?どうしたの?」
先輩に肩を揺すられて我に帰るアタシ。
「へっ?べ、別にアタシ太ってなんかないわよ?」

……なに?なんなの?なんで二人ともアタシをそんな目で見るの?
「お邪魔しました静馬先輩。彩、あなた太ってないから安心しなさいよ?」
「せ、先輩!もう忘れてください!」
「ふふふ…じゃ、静馬先輩失礼します。彩、頑張んなさいね」
妖しい微笑を残してかなえちゃんは帰っていった。彩、なにを頑張るんだ?
「さぁ〜ってと…風呂でも入るかな。…彩、一緒に入るか?」
「た、拓にぃ目が怖いよ?今日はダメ、先に入ってね」
ちくしょう顔に出てしまったか。まぁいいや、夜は長いしな。
彩もだいぶ元気になってきたし、今日あたり…ぐっふっふっふ…念入りに洗わないとな。
手をわきわきさせながら風呂に入るオレ。最近、彩の元気がなかったからしてないんだよな。
心のコミュニケーションだけじゃなく、体のコミュニケーションも取らないとな。
このままじゃコミュニケーション不足で夢精してしまいそうだもんな。

(拓にぃ、手をにぎにぎしてた…今日は抱いてもらえるんだ…)
ここ最近、抱いてくれなかったからね…アタシがいけないんだよね、アタシが沈んでたからだよね。
アタシのせいで拓にぃに我慢させてたんだよね。…こんなことじゃ嫌われちゃう!
……イヤ、絶対にイヤ!拓にぃに嫌われるなんて…死んでもイヤ!
…よし、先輩の言う通りやってみよう。拓にぃが喜んでくれるなら…なんでもする!
だってこのままじゃ…何もないアタシなんかじゃきっと嫌われちゃうよ…
先輩に貰った服を下に着込んで実家から持ってきた服を着る。
ドキドキしながら鏡の前に立つ。…うん、大丈夫、イケてるわ!
鏡には高校の制服姿のアタシが映ってる。似合ってるじゃない。
(けど先輩ってまだこんな格好してるんだ。男ってこんなので興奮するんだ…)
ドキドキしながら拓にぃが出てくるのを待つアタシ。
大丈夫かな?拓にぃ嫌がらないかな?…嫌われたりしないかな?
お風呂から出てきた拓にぃはアタシを見て…フリーズした。

「彩〜、風呂出たぞ〜。いい湯だった…ぞ?」
風呂から上がればそこは不思議の国でした。
なんで高校生…制服姿の彩がいるんだ?オレ、夢でも見てるのか?
顔を一発殴ってみる。…うん、痛い。顎がガクガクする、力入れすぎたな。ってことはこれは現実か?
「た、拓にぃ?なんで顔叩いたの?大丈夫?」
心配そうにオレの頬を撫でる制服姿の彩。
「あ、彩?なんでお前そんな格好を……ゴクリ」
か、かわいい。昔は全然気づかなかったけど…制服姿もいい!
息が荒くなるオレ。そんなオレの様子を見た彩が赤くなりながらオレの足元にしゃがみ込んだ。んん?どうした彩?
「こ、この格好先輩が教えてくれたんだよ。拓にぃが喜ぶって…最近心配ばかりかけてゴメンね?だから…」
ズボンの上からオレの元気な息子を撫でる彩。…お、おお!
「今日は…アタシが頑張るから。…一生懸命頑張るから」
オレのズボンを下ろして真っ赤な顔でオレを見上げる。
「アタシのこと…好きでいてね?…チュッ、チュチュッ」
う、うう…ひ、久しぶりのフェラチオ。き、気持ちいい…

女子高生姿の彩にフェラをされてる…夢なら覚めないで!
「あたひのこと…ん、んん…嫌いにならはいで…ん、んん!」
口一杯に咥えた、拙いけど一生懸命な彩のフェラチオ。
「すき…すきなの…ん、んん…」
ジュッポジュッポジュッポ…ジュルルズズズ、ゴクン…ジュッポジュッポ…
「う、くおぉ…いいぞ彩、気持ちいいぞ…はぁ…はぁ……うう!」
彩の柔らかい舌がオレを一生懸命舐めている。口元は涎とオレの我慢汁でもうベトベトだ。
女子高生姿の彩が、一心不乱にオレのをしゃぶっている。オレはその姿を見てるだけで一気に登り詰めた。
マ、マズイ!このままじゃ…
「あ、彩ゴメン、オレもう…」
「いいよぉ…んん、出していいよぉ…ジュルルル!気持ちよくなって拓にぃ…」
オレの言葉に一段と激しい攻めをしてくる彩。す、スゴイぞ…うう!
ジュッポジュッポジュポジュポジュポッ……ドピュ!ドピュドピュ!ドクン!ドクドク…ドクン…
「う、あ…あぁぁ…彩スゴいぞ…くあぁ…」
「ん〜〜!…んっく、んくんくんく…ゴクン。っはぁ!はぁはぁはぁ…」
あ、彩…飲んでくれたのか。
「あ、彩…凄く気持ちよかったぞ、ありがとうな彩」
大量に出したオレの精液を一生懸命飲み込んでくれた彩。口の端からは飲みきれなかった精液が少し流れてる。
「拓にぃ気持ちよかった?……うれしい」
口から溢れた精液を指ですくい、舐め取る彩。無意識でしているんだろうけど…エ、エロイぞ!
「あ、彩!べ、ベットに行こうか?」
息荒く彩の手を取るオレ。こんな姿見せられたら仕方ないよな?
「うん、その前に制服シワになっちゃうといけないから…」
シュルシュルと制服を脱ぐ彩。………!!!!!ま、まさか!こ、これはぁぁぁ〜〜〜!!伝説のぉぉぉ!!
「このカッコ恥ずかしいけど、先輩がこれくれたから…?拓にぃ?どうし…きゃぁぁぁ〜!」
「あ、あやぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!」
その場で襲い掛かるオレ。理性は完全に飛んでしまった!しかたないだろ?
だって制服を脱いだ彩は……体操服にブルマー姿だったんだからな!
「た、拓に待って!イヤちょっとま……待てって言ってるでしょうがぁ〜!」
グチャ!下半身に走る衝撃!うごぉ!金的かぁ!
思わず前かがみになったオレの脇にすばやく入り込む彩。
「このヘンタイが〜〜!」
オレの脇に手を回しバックドロップの体勢で持ち上げて高さが頂点になったところでオレの喉に左手を添える。
あとは重力と腕力を合わせてそのまま垂直に頭から床に叩き付ける!……ドゴシャ!!
これぞ元全日四天王の1人であり、第十五代三冠ヘビー級王者、そして第八代GHCヘビー級王者。
ダイナミックTこと田上明の必殺技『オレが田上』(変形ノド輪落とし)だ!

強烈な一撃はオレの意識を完全に奪い去った。
「ひっ、ご、ごめ、ひっく、ごめんなさい…拓にぃごめん、グスッ、嫌いにならないで…」
目が覚めたらオレに泣きながら謝る彩がいた。なんだ?何があったんだ?
「どうした彩?なんで泣いてるんだ?何があったんだ?」
……なんでブルマーなんだ?………ゴクリッ。
「ア、アタシが…ひっく、拓、ひっ、ゴメンねぇ、ひっ、嫌わないで…」
ダメだ、何があったか知らないけど彩、かなりナーバスになってるな。
「オレがお前を嫌いになる訳ないだろ?もう泣くなよ…オレはお前の笑顔が一番好きなんだよ。
彩に涙は似合わないよ。…愛してるよ、彩」
ギュッと抱きしめて頭を撫でる。彩のいい匂いがする…
「拓にぃ…ゴメンね。アタシ暴力ばっかりだね…こんな女なんてイヤだよね?」
彩…ということはオレ、彩に何かやられて気を失ってたんだな。
「ははは!何言ってるんだよ。お前からプロレス技を取ったらお前じゃなくなるだろ?
オレが好きな…オレが愛してる国生彩じゃなくなっちゃうじゃないか。
オレはな、そういうところも全部好きなんだよ。そういう国生彩が好きなんだよ」
「た、拓にぃ〜〜〜」
オレの言葉に涙が止らない彩。オレの胸で泣きじゃくっている。
「彩、もう泣くなよ?…よし、仲直りの……お風呂に入ろうか?」
「……お風呂?」
突然の提案に涙を止め首をかしげる彩。頭には?マークを浮かべてる。
「そ、お風呂。一緒に入って嫌な事洗い流そうな。…そこでお願いなんだけどいいかな?」
「うん、拓にぃの言う事なんでも聞くよ!」
その言葉に思わずニヤリと邪悪な笑みが浮かぶ。
「う……なんか凄い事するの?」
「違うよ。ただ…その格好で入ってほしいんだよ」
そう、彩は今、体操服でブルマーだ。ブルマー姿の彩とお風呂……これはスゴイぞォォォ〜〜!
「………ヘンタイ!…けどいいよ。アタシ、拓にぃがしたいならなんでもするから」
「ほんとか!ありがとう彩!あ、そうだ下着は脱いでてくれな」
「…ホントにヘンタイだね。こんな事するのアタシだけにしてよ?」
そう言って下着を脱ぎに寝室へと向かう彩。よかった、彩、元気になったみたいだな。

けど彩…かなり不安定になっている。引退を決めてからだよな?
なぜだか知らないがオレに嫌われるんじゃないかと不安になってる。
どうする?前倒しにするか?…いや、こんな形ではダメだ!プロポーズはこんな形でしたらダメだ…と思う。
指輪はもう用意している。プロポーズの言葉も考えている。あとは時期が来るのを待つだけなんだが…
立ち直ってくれ、彩!オレは落ち込んだお前じゃなく、元気な彩にプロポーズしたいんだ!

「おまたせ拓にぃ。…先輩が髪型もこの方がいいって言ってたから…変かな?」
彩の声に我に返るオレ。でも彩を見て我を失った。だって彩…髪型おさげなんだもん。
体操服・ブルマー・おさげ…完璧じゃないですか?古きよき体育の授業って感じじゃないですか?
「な、泣くほど嬉しいんだ…ヘンタイだねぇ」
「い、いいから入るぞ!…オレがじっくりしっかり洗ってやるからな」
ヘンタイで結構!かなえちゃんありがとう!感動した!
「う、うん。…優しくしてね?」
真っ赤な顔で頷く彩。もちろんやさしくじっくりしっかりねっとりするよ。

その日の夜は体のコミュニケーションに励んだオレ達。
けど、今の不安定なままじゃ、彩、いつか壊れちまうぞ?
どうすればいい?彩をどうすれば立ち直らせることが出来るんだ?

それはある人の言葉だった。その言葉で彩は、自分を見つめ…武道館ライブに向けて走り出したんだ!

『私ね、いっぱい子供生みたいの。実はもう名前も考えてるのよ?長女はね…『かなえ』
次女はね…『彩』そう、あなた達の名前よ。あなた達みたいに育ってほしいの。
あなた達みたいに強くて…やさしい子に育ってほしいの…』

437  ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/06(月) 00:36:17 ID:ElkKLBBB
今回は以上です。毎度の事ながら誤字脱字は勘弁してください

では電波受信に行ってきます
438名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 00:57:50 ID:dHKK6NsI
乙です
439名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 01:36:44 ID:oiXsO4ie
えろい!エロイのに!!
なんだこの寸止め感!
受信期待してます
440名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 09:41:06 ID:LB18ogfc
GJですた!!
441名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 14:34:05 ID:kp6EcOff
発言がアレなら
SSもアレですね

GJです
442名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 17:01:01 ID:BGeQ8WGJ
耳打ちの正体はこれだったのか…モエシグ(;´Д`)

これからも期待しております。
作者さんの電波受信場が気になる…
443名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 01:31:40 ID:dHctYsJX
オレが田上ワロス
444名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 02:54:24 ID:N+uj0sZk
GJ!アンド保守
445名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 02:59:09 ID:Znt673em
GJ!
女の子なのに良く俺が田上ができるなぁ・・・w・・・そろそろ垂直落下式パワーボムだろうか。
446名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 16:58:10 ID:5/aUTNrR
いや、タイガードライバー91だろう
447名無しさん@ピンキー:2006/03/09(木) 03:16:59 ID:VTsiB8mM
バーニングハンマーかもわからんね。
448名無しさん@ピンキー:2006/03/09(木) 08:00:38 ID:ccHqSH74
ピープルズエルボーが良いな(´・ω・`)
449名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 01:16:31 ID:EPBcOe9j
そうか、次はきっと男色ドラ・・・
えっ、あっ、ちょ、フゲっ・・・・(マルティネーテ炸裂)
450名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 19:33:16 ID:llg0zROx
ソル・デ・レイ・ケブラーダがくることを信じてる
451名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 20:19:34 ID:JMIyAfWf
いや、ベランダから場外への断崖ブレーンバスターだろ?
452名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 23:33:09 ID:rbfvKTp2
453  ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/11(土) 00:12:44 ID:9ek5U3UI
皆さん感想ありがとうございます!

けっこうなプオタの方々がおられるみたいで嬉しいです!

では投下します
454  ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/11(土) 00:13:28 ID:9ek5U3UI
「へぇ〜、知りませんでした!saiって凄いんですね。彩さん、よく今まで秘密にしてましたね」
湧一さん、ホントにsaiを知らなかったんだ。まぁ、湧一さんらしいかな?
「ホントね。私にも秘密にしてたしね」
そうよね、いくら私達の仲でも言えないことの一つや二つはあるわよね。
「ますみさん?どうしたんですか?少し元気ないみたいですけど…」
「…少しのぼせちゃったみたい。さ、湧一さん、もう上がりましょ?」
はぁ〜、情けないなぁ。彩に秘密にされてたことがこんなにショックだなんて…
もちろん静馬さんは知ってたのよね?…悔しいわ。
「ますみさん…その…え〜っと…」「?…湧一さん?どうし……」
もう、湧一さんもやっぱり男ね、お尻に湧一さんの元気なのがあたってるわ。一緒に湯槽に入ったらこうなるわね。
「ダメよ。赤ちゃんには今が大事な時だから…」
もう湧一さん、なんて顔してるのよ。しかたないなぁ〜
「SEXは出来ないけど…胸と口、どっちがいい?」
私の言葉に赤い顔で「胸です」と呟く湧一さん。うふふ…かわいいなぁ。
「あんっ、じゃ、胸で、んっ…してあげるわね…」
ホント、湧一さんって胸が好きなのね。湯槽の中で後ろから抱き抱えてくれてる湧一さん。手は私の胸を揉んでいる。
「じゃ、湯槽のふちに座ってね?…うふふ、もうこんなにしちゃって…チュッ」
湧一さんを湯槽のふちに座らせて元気なアソコにキスをする。
「湧一さん…いっぱい気持ち良くなってね?」
「あっ、ますみさん、やわらかいです…うう、気持ちいいです」
胸で挟んでしごきながら間からでている湧一さんの先をペロペロと舐める。カウパー液がいっぱい出てきたわ。
湧一さん、感じてるんだ…
「これからは毎日してあげる。朝は口で、夜は胸でしてあげるわ。だから…ね」
動きを止めて湧一さんを見上げる。湧一さん、急にしごくの止めたから泣きそうな顔になってるわ。
「浮気したら…殺すから」
私の言葉に湧一さん、ビックリしたみたい。
「浮気なんて絶対にしません!僕にはますみさんしかいませんから!」
「…佐藤いづみはどうなの?湧一さんにちょっかいかけてるじゃない。ホントに何もないの?」
そう、佐藤いづみよ。湧一さんと同じ年に入学した私より一つ年上の女。
私と付き合う前の湧一さんと一度だけエッチなことしたみたいなの。この女が湧一さんにベタベタと付きまとってるのよ!
「いづみさんは僕のリアクションで遊んでるだけですよ!それにいづみさん、付き合ってる人いますしね」
えっ?あいつに彼氏なんていたの?あんな人格破壊女に?
「実はいづみさん、館長と付き合ってるんですよ」「館長?館長って誰?私が知ってる人?」
あんな女と付き合うなんて…その人、頭壊れてるのね。
「池田館長ですよ。僕も初めて聞いた時はビックリしましたけど…館長は本気ですよ」
「えっ?池田館長って…あの池田さんのお父さまの?」
確か年令60才ぐらいじゃなかったかしら?…元気なのね。
「ええ、そうです。なんでも直樹先輩達の結婚式が付き合うきっかけになったそうですよ。
最近は毎日のように道場に来てますよ」
ふ〜ん、そうなんだ。遺産目当てかしら?あの女ならやりかねないわね。
「あ、あの、ますみさん…その…今のままじゃ生殺しなんですけど…」
「え?…あっ、ごめんなさいね。…こんなに大きくなって、もう我慢出来ないのね?うふふ、いいわよ。
いっぱい…いっぱい出してね?」
胸の先端で湧一さんのアソコを刺激する。…んっ、んん!感じちゃう…先輩の言う通りね、気持ちいいわ。
「どう湧一さん、気持ちいい?…ふふ、ほら、凄いわよ?」
見せ付けるように胸で挟んだアソコに唾液を垂らす。…こんな事でホントに湧一さん、興奮するのかしら?
「はぁはぁはぁ…い、イヤらしい、凄くイヤらしいです!…あぁ、ますみさん!」
…ホントなんだ。先輩なんでも知ってるのね、やっぱり凄いなぁ…
「ま、ますみさん、そんなにしたら…もうだめで…あぁ!」
唾液で滑りがよくなったから攻めるスピードを上げたら、湧一さんもう限界みたい。
「出して…いっぱい出して!出すところ見せて!」
「で、出ま…あぁぁぁ!」「湧い…きゃあぁぁ!」
ビュク!ビュクン!ドピュ!ドプ…ドクン…
もう、顔にかかったじゃないの!なんでこんなに元気なのかしら?
静馬さんはこんなに飛んでこなかったのに…あ〜あ、髪にまでかかったのね、洗い直さないと…どうしたの、湧一さん?
「はぁはぁはぁはぁ…ま、ますみさん、もう一度いいですか?」
目が血走ってるわね…顔にかかったのを見たら興奮するってホントだったんだ、先輩の言う通りね。彩にも教えないとね。
「かなえちゃん、少し時間いいかな?相談したい事があるんだけど…」
仕事が終わって帰ろうとしてるかなえちゃんを呼び止める。
「いいですけど…あたし、もう予備は持ってませんから。場所教えますんで自分で買いに行ってくださいね」
「は?何言ってるの?」「え?だってブルマ…フガガ!」
とんでもない事を口走ろうとするかなえちゃんの口を押さえて黙らせる。
「違うよ、それはそれで教えてほしいけど…今回は彩のことなんだ」
口を押さえたままロッカー室へ連れ込む。
「はが?はががほががひがが?」
「実は彩、最近ナーバスになってて…オレに嫌われると思ってるみたいなんだよ」
「はががひ、へがはがぎがひががひ」
「かなえちゃん、なにふざけたこと言って…ゴメン、口塞いだままだったね」
慌てて手を離すと睨まれた。
「はぁはぁはぁ…困りますよ先輩!あたし直樹になら窒息プレイされてもいいですけど、先輩はイヤです!」
プイッっと横を向くかなえちゃん。…お前等どこまで行くつもりなんだ?
「かなえちゃん、冗談じゃないんだよ。彩、今のままじゃホントに壊れるんじゃないかって…怖いんだよ」
「…なんで先輩に嫌われるって思ってるんです?どう見ても捨てられそうなのは先輩なのに…
彩が捨てられるって思い込むようなことが何かあったんじゃないんですか?」
「何かあったって言われても思い当たるような……あっ!もしかしたら…」
あれか?昔、彩がオレに聞いてきた事があるけど…あれなのか?
「先輩、何か思い当たる事あるんですか?」
「多分な。…オレ、彩が中学生の時になんで彼女を作らないのかって、聞かれた事あるんだよ」
「そんなのモテなかったからでしょ?」「そうだけど…凹んじゃうから即答しないでくれない?」
うわ〜、かなえちゃん容赦ないな。イ、イカン、昔を思い出したら泣きたくなってきた。
「先輩なに凹んでるんです!それより彩になんて答えたんですか?」
「え?ああ、『オレはカッコいい女としか付き合わないんだよ。かっこよくて強い女がタイプなんだ。
それ以外は眼中にないね』って言ったんだよ」
そう、適当な理由を作って誤魔化したんだ。憧れてた女性ロック歌手のポスターを指差しながらそう言ったんだった。
作らないんじゃなくて、作りたいけど作れないんだよ、なんて恥ずかしくて言えなかったからな。
「…凄い言い訳ですね。先輩、選べる立場じゃなかったでしょうにね」
……かなえちゃんの言葉に泣きたくなってきた。
「でも、原因はそれでしょうね。確か彩って中学からギター始めたんですよね?
きっと先輩にカッコいい女として、見てほしかったんでしょうね。…ホントにカワイイ子ですね」
そ、そうなのか?彩、オレの為にギターや歌を始めたのか?
「強い女になるために格闘技も勉強したんでしょうしね。…先輩のせいで彩、ああなったんですね」
彩…強い女の意味を間違えてるぞ。
「きっと彩、歌を辞める事でカッコいい女じゃなくなるから嫌われるって感じてるんじゃないんですか?
多分、無意識でそう思ってるはずですよ。どうするんです?」
多分そうだろう。歌を辞めると決めたことで彩は今、オレに嫌われるかも?という漠然とした不安に悩んでるんだろう。
だからオレに媚びるように…クソッ!
「…かなえちゃん、オレに出来る事なんて一つしかないよ。…彩を好きでいることしか出来ないんだよ。
何を言っても…プロポーズをしても、今のままじゃあいつ、いつかきっとダメになる。
オレは彩を信じて待つしかないんだよ。…あいつは強いんだ、きっと立ち直るよ。なんせ俺が好きな国生彩だからな」
オレに言葉に目をウルウルさせながら見つめてきたかなえちゃん。なんだ?なんなんだ?
「先輩…プロポーズするんですね?ね、ね、どんな言葉です?なんて言うつもりなんですか?」
うっ…かなえちゃん、この手の話好きだからなぁ…けど秘密だ。
「それは……秘密だ。教えられないよ。あとで彩から聞いてくれない?」
「え〜?そんなぁ教えてくださいよぉ〜」
腕に抱きついてきたかなえちゃん。胸…やっぱり彩よりあるよな、やわらかいなぁ〜。胸の感触を楽しむオレ。
その時ロッカー室のドアが開く音がした。誰だよ、今、いいところなんだから邪魔しないで……
「コソコソコソコソと、いったい何をしてるかと思えば……静馬ぁ〜、人の女に手ぇ出すとは…死ねや!」
…へ?鼻の下を伸ばしていたオレのアゴに衝撃が走った。その瞬間…意識が暗転した。
「ま、ますみ!…それホントなの?」
久しぶりの彩の家での料理勉強会…と言う名の夜の報告会。お風呂での事を教えたら身を乗り出してきたわ。
やっぱり食いついてきたわね、ホント彩って静馬さんの為に必死ね。…負けてられないわね。
「ホントよ。湧一さんをなだめるのにその後2回も頑張ったんだから」
「2、2回?…妊婦になにさせてんのよ、あのバカ!…どうするますみ?懲らしめようか?」
彩、指を鳴らすのは止めなさいね。指、太くなるわよ?
「そんなことしなくて結構です!口と胸でしてあげただけだしね、浮気防止よ。もっと搾り取るわよ?うふふふ…」
「そ、そうなんだ。…でも胸でされるって気持ちいいのかな?」
自分の胸を触りながら呟く彩。ちょっと優越感を感じるわ。
「いいと思うわよ?だって静馬さんも気持ちよさ……」
しまった!これは禁句だったわ!……うっ、彩、怖いわよ?なんで何も言わずに立ち上がるの?
こ、こっち来ないで!
「これ?これで拓にぃを…こんなのが気持ちいいのかぁぁぁ〜!!」
ひ、んん!あ、ダメよ…あん!そ、そんなに揉まないで…ヤダ!ブラに手入れないでよ!やん!
後ろに回りこんだ彩に直接胸を揉まれる私。……うそ?ちょっと気持ちいい?なんで?
「こうかぁ?こうかぁ?奥さん、拓にぃのもこうされた……ちょっと!なに変な顔になってんのよ!
…こっちが恥ずかしいじゃないの」
ブツブツと文句を言いながら手を離す彩。普通文句を言うのは私だと思うんだけど……
「ゴメンますみ。謝るから…もうしないから…そんな目で見ないでよ!……アタシそっちじゃないからね!」
む!なにそれ?人を同性愛者みたいに……うふふ、いい事思いついたわ。ちょっと悪乗りしちゃおうかしら?
「はぁはぁ…ねぇ彩。…責任取ってよ。あなたがこんなにしたんじゃない。責任取って気持ちよくしてよね…」
そう言って上着を脱ぐ私。うっふっふ、彩、凄い顔してるわね。
「さぁ揉んで…揉んで気持ちよくして…」
あ〜や、そっちに逃げても行き止まりよ?うふふふ、覚悟なさいな。
「ん、そこよ彩。もっと強く…ああ、気持ちいいわ。…あなた上手いわね、才能あるわよ」
リビングに響くますみの声。アタシが出させてる。実はアタシって結構上手いのよね。
「ここ?ここがいいの?…こんなに硬くしちゃって…我慢してたのね。今日はアタシがいっぱいしてあげる」
こんなに硬くしちゃって…いっぱい気持ちよくなってね、ますみ。
「あ、彩?ちょっと痛いわ。…イタタタタ、あ、あんまり強くしちゃダメよ!」
「ちょっと痛いくらいがいいのよ。やっぱりあんた、肩こり凄いわね。その胸は伊達じゃないのね」
今アタシは上半身ブラ一枚のますみの肩を揉んでいる。
ブラ一枚で迫って来られた時はビックリしたわ。こんな古典的なことに騙されたとは…やるわね、ますみ!
「それにしても彩、なにが『アタシは拓にぃだけの物なんだから触らないで!』よ。聞いてたこっちが恥ずかしいわ」
「ばっ…だってあんたが潤んだ目で迫ってきて怖かったんだから!…仕方ないじゃないの」
くぅぅ、くやし〜!…にしてもますみ肩こり凄いなぁ。大きい胸あると大変なんだ。
「彩、ありがとう。凄く気持ちよかったわよ」
「もういいの?じゃ、最後の絞めに…よっと」
ますみの細い首に後ろから手を回し、きゅっと絞め上げる。
「おまけのスリーパーよ。これは頚動脈をし絞めて落とす技なの。落ちる瞬間気持ちいいんだって」
アタシをハメた罰よ!苦しみなさい!
必死にアタシの腕をタップするますみ。お?タップ覚えたんだ、さすがに物覚えいいじゃないの。
「ちょっと彩!最後の絞めって…ホントに絞めないでよ!」
「あっはは、ゴメンゴメン。ちょっとした冗談じゃないの。そんな怒んないでよ」
ますみと騒いでる時は最近感じてる嫌な不安…拓にぃがいなくなるんじゃないかという不安を忘れる事が出来る。
「それよりますみ、あんたあれ飲んだ事ある?先輩の言う通り、すっごく喜ぶよ?」
「ええ!彩、あんなの飲めるの?よくあんな不味いの飲めるわね」
「やっぱりあんた飲んでないの?…愛が足りないわね。ふっ、勝ったわ」
「ちょっと!愛が足りないってどういう意味よ!私は湧一さんに全てを捧げてるのよ?…もちろんお尻もね」
「げっ?ますみお尻でしたことあんの!どんな感じなの?気持ちい……ゴメン、電話だわ。ちょっと待ってね」
うう〜、まさかますみがお尻でしてるなんて…拓にぃもしたいのかな?どうなんだろ?
そんな事を考えながら電話を取るアタシ。拓にぃかな?
『もしもし彩?落ち着いて聞いてね?今からそっちに静馬先輩連れて行くから。静馬先輩、会社で倒れたのよ』
受話器から聞こえた先輩の言葉に目の前が暗くなる。絞め落とされたらこんな感じなのかな?
遠くからますみの声が聞こえたような気がした次の瞬間…アタシの意識は暗転した。
(どうしよう…つい勢いで嘘ついちゃった。お尻でなんてしたことないのに…どうしよう?)
しまったわ…このままだと彩、間違いなく静馬さんに迫るわね。嘘だとバレたら…どうしよう?
恐々彩を見てみる。え?顔、真っ青じゃない!
「彩?どうしたの?何があったの?」
私の言葉に返事もなく、その場に倒れこんだ彩。あ、彩?しっかりなさい!
『彩?どうしたの彩?返事なさい!』
(え?この声は…先輩?なんで先輩が?)
彩に駆け寄った私に聞こえたのは先輩の声。彩が持ったままの受話器から聞こえてきてる。
「先輩?ますみです。彩になに言ったんですか?彩に何かあったら…いくら先輩でも許しませんよ!」
彩の手から受話器を取り思わず叫ぶ。私の親友になにかあったらいくら先輩であれ…許さない!
『彩に何かあったの?ますみ、あなたまで混乱してどうするの!少し落ち着きなさい』
先輩の言葉に我にかえる私。そうだわ、まずは彩をベットで寝かせなきゃ…
「す、すみません先輩。彩が急に倒れたもので…彩になに言ったんですか?」
そう、彩は電話に出るまで元気だった。ところが電話に出たとたん倒れた。きっとなにか言われたんだわ。
『そう、彩まで倒れたの。実はね、静馬先輩が会社でちょっとしたアクシデントで倒れたのよ。
今タクシーでそっちに向かってるから。彩が起きたら気を失ってるだけだから安心してって伝えてね』
そう言って電話を切る先輩。静馬さんが倒れた?いったい何があったの?それより彩を寝かせなきゃね。

あれは…彩?何故泣いている?これは…ああそうだ、これはオレが高校一年の時だな…
練習で頭を打って病院に運ばれた時だ…この時に彩が初めて『もう怪我するような事しないで』って泣いたんだっけ…
この頃の彩はまだおとなしくて内気な子だったんだよな…
あれから何度泣かしたんだ?ゴメンな、彩…これからはお前が笑えるように頑張るよ…
彩…好きだ彩…愛してるよ……

ゴスッ!……ドコッ!……ゴンッ!…

「う、んん…っ痛ぅ…イテテテ。顎イテェ…な、なんで顎がこんなに痛いんだ?」
何かの音で目が覚めた。あれ?ここは…寝室?おお!我が家じゃないか、いつ帰ってきたんだ?
それにしても顎が痛てぇ。これじゃあしばらくは硬い物食えないぞ。
「それにしても…さっきからゴンゴン何の音だ?」
なんか懐かしい夢を見てた気がするけど…それよりこれ何の音だ?
リビングから…だよな?なにが起きてるんだ?恐る恐るドアを開け、リビングを見る。
そこには池田がうつ伏せに倒れていて、必死に立とうとしていた。
そこを彩が天龍源一郎並に顔面にケリを入れている。
その度に池田は倒れ、彩は池田が起き上がろうとするたびにケリを顔面に入れている。
「なんだ、彩が池田の顔面を蹴る音か…って、なんだってぇ!」
予想外の展開!なんで池田がオレの家で彩にしばかれてるんだ?訳が分からんぞ?
「あっ、先輩起きたんですね。大丈夫ですか?」
「か、かなえちゃん、落ち着いてる場合じゃないだろ?彩を止めないと…」
「静馬さん大丈夫ですか?彩、すごく心配してましたよ」
なぜか落ち着き払っているかなえちゃんにますみちゃん。
「オレは大丈夫だから彩を止めないと…って、何で二人ともオレの家にいるの?
っていうかなんでオレここにいるんだ?何時帰ってきたんだ?なんで池田がボコられてんだ?」
なにがなにやら訳が分かりません。確かオレは…なにしてたんだっけ?
「はぁ〜、やっぱり先輩記憶飛んだんですね。まともに顎、殴られましたもんね。先輩、直樹に殴られたんですよ。
ロッカー室で先輩と話してたんですけど、それを見た直樹が先輩があたしに手を出したって勘違いして怒ってね」
「オ、オレ池田にやられたの?…彩、オレがやるからどけ!…ってもう終わったのか」
彩の足元で動かない池田。こいつ空手やってるから打たれ強いんだけど…やっぱり彩はすごいな、感動した!
「た、拓にぃ?…ヒック、ヒッ…拓にぃ〜!」
オレの顔を見て泣きながら抱きついてくる彩。肩が震えている。
「ゴメンな、心配かけたみたいだな。…もう大丈夫だから心配すんな!」
「ヒッ、グスッ、ホント?大丈夫なの?もう痛くない?」
オレの顔をなでながら涙目でオレを見上げる彩。こ、これはカワイイな…
「二人の世界に入ってるところ悪いんだけど…彩、これで許してあげてね。直樹にも悪気はなかったんだからね。
まだやり足りないって言うのなら…あたしが相手をするわよ」
ニッコリほほ笑むかなえちゃん。手には何故かフライパンが…なんでフライパンなの?
459名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 00:18:37 ID:+Ghxh8rE
このスレはツンデレスレだろ!
正直言いえよ!
「静馬先輩、ホントに大丈夫ですか?先輩が気絶した後、大変だったんですよ?」
かなえ先輩が静馬さんに説明している。その間も彩は静馬さんにべったりとくっついてる。
「直樹の誤解を解くのも大変でしたし、彩に連絡したらショックで彩も倒れるし…」
彩、いったいどうしたの?なにか様子が変よ?私と二人で話してる時はそうでもなかったのに…どうしたのかしら?
「気絶した先輩連れてきたら、彩が『先輩、いいですよね?』っていきなり直樹を蹴り倒すし…」
なぜそんな顔で静馬さんを見てるの?…なぜそんな不安げな顔しているの?
「あれだけボコボコにしたんですからもう許してあげて下さいね?」
ホントに彩、どうしたのかしら?まるで何かに怯えてるみたい。
「ねぇ彩、あなたさっきから様子が変よ?いったい何があったの?まるで何かに怯えてるみたいよ?」
「ますみ!あなた黙ってなさい!」
え?なんで怒られるの?あたし何か変な事言った?
「……アタシが…怯えてる?ますみ…アンタ何言ってんのよ!なんでアタシが怯えなきゃならないの?
アタシはそんな弱い女じゃないわ!アンタとは違うのよ!」
彩……こんな弱々しい姿、始めて見るわ。いったい何に怯えてるの?
あなたには助けてもらってばかり…今度は私が力になるわ!
「先輩、静馬さん…彩と私、二人きりにしてもらえませんか?」
「…そうね、それが一番いいかもね。…彩、ますみはあなたに全てを打ち明けたわ。
あなたも…あなたがますみと友人でいたいなら…全てを打ち明けなさい。分かったわね、彩」
そう言って彩の肩を叩いて先輩は外に出て行った。
「彩、オレも外に出てくるわ。…何があろうとオレはお前が好きだからな」
静馬さん彩を抱きしめて囁いてる。
「じゃ、ますみちゃん…彩を頼んだよ」
静馬さんも出て行った…これで私達だけね。
さあ彩…何があったか話してもらうわよ?

先輩達が出て行き、しばらく時間が経ってから彩が重い口を開いたわ。
「ふ…ふふふ…笑っちゃうね。…なにが強い女よ。…なにがカッコいい女よ。…アタシ、情けないよね」
「…いったいどうしたの?何があったの彩?」
俯いてる彩の顔からは涙が落ちている。
「アタシが歌、歌うの辞めたら…きっと嫌われちゃうんだ。拓にぃに嫌われちゃうよ…」
そっと彩の頭を抱きかかえる。…彩、震えてるわ。
「何故嫌われると思ってるの?私には静馬さん、彩にベタ惚れしてるように見えるわよ?」
「だって拓にぃ、カッコよくて強い女が好きだって言ってたもん…」
はぁぁ〜…まったく何言ってるの?自分では分からないのかしら?
「彩、その条件…そのままあなたに当てはまるわよ?」
「……アタシもそう思ってた。だってそうなるようにアタシ、頑張ったんだよ…いろいろ努力したんだよ?
頑張って拓にぃの好みの女になったつもりだったのよ…」
抱きしめながら震えてる彩の髪を優しくなでる。
「でもね…saiを辞めるって決めてから…怖いの。どうしようもなく不安なの…
もしかしたら拓にぃ、アタシじゃなくて…saiを見てたんじゃないかって。
歌を歌ってるアタシ…saiが好きなんじゃないかって。普段のアタシなんかなんとも思ってないんじゃないかって…
そう考えだしたら怖くて…不安でたまらないのよ」
そうだったのね…彩にとってsaiは強くてカッコいい女のイメージだったのね。
そのsaiを辞めるって事は強くカッコいい女じゃなくなる…そう考えてるのね。
でもね彩、それは違うわ。あなたはsaiなんかより強くて素晴らしい女性なのよ。

「…彩、私ね、前から考えてる事があるの。これはまだ湧一さんにも話してない二人だけの秘密よ?」
私の言葉に顔を上げる彩。
「私ね、いっぱい子供生みたいの。実はもう名前も考えてるのよ?長女はね…『かなえ』
次女はね…『彩』そう、あなた達の名前よ。あなた達みたいに育ってほしいの。
あなた達みたいに強くて…やさしい子に育ってほしいの…」
(ア、アタシの名前を子供につけるの?ええ?な、なんでアタシなの?)
相談に乗ってくれてたますみが突然言い出した子供の名前。なんでアタシなの?
「ま、ますみ?なんでアタシなんかの名前を?…きっといい子に育たないわよ」
「あら?彩、自覚してたのね。…確かにお転婆で手のかかる子になりそうね」
幸せそうにお腹を撫でながら話すますみ。
「でもね…お転婆でもきっと優しくて、とても強い女の子になると思うの。私はそんな子に育ってほしいのよ。
彩、あなた達みたいに育ってほしいの。どんな事があっても友人を助けるような強くて…優しい子にね」
ますみ…けどアタシはもう強い女じゃ…
「彩…私はあなたに2度救われてるわ。1度目はあなたから静馬さんを体を使って奪おうとして…失敗した時。
2度目は…私が静馬さんとの子供を流産した事をあなたに告白した時。
あの時、彩がなんで1人で我慢するのって顔を思いっきり叩いてくれた事…一生忘れないわ」
ま…すみぃ…
「あの時にあなた達…先輩と彩がいなかったら私、流産したことに耐え切れずに…もう一度自殺したと思うわ。
ねぇ彩、あの時私を救ってくれたのは…私の顔を思い切り叩いてくれたのは…あなたなのよ?
歌手のsaiじゃなく国生彩っていうプロレス好きでお酒が弱く、少し胸が小さくて気の強い…
私の無二の親友のあなたが…国生彩が救ってくれたのよ?
あなたはね…国生彩はね、私にとってはsaiなんかより強くてカッコいい女性なのよ!
だから彩、自信を持って!じゃないと…生まれてくる子供に彩おばさんって言わせるわよ?」
「ま…すみぃ…ア、アリガト…ますみ、有り難う…アタシ、頑張る!
あんたの子供に恥ずかしくない名前になるように…アタシ頑張るから!」
有り難うますみ!あんたのおかげで頑張れる気がするわ!けどね…
「でも…彩おばさんはないんじゃないの?」
「うふふ…そう呼ばれたくなかったら頑張んなさいな」
「はん!言われなくても分かってるわよ!まずは…saiを完全に卒業するわ!…そうよ卒業ライブよ!」
「彩、完全復活ね!それでこそ私の好きな国生彩よ」
「…前から思ってたんだけどあんたってレズの要素あるわね。行くならアタシじゃなく先輩に行ってよね」
「あら?私は彩がいいのに……ぷっ、っくくく!」
「ぷっ、あっはっははは!」
まさかこんな風に笑いあえるなんて思ってもなかったわ。…ありがとうますみ!
あなたの子供の名前に恥じないように…アタシ頑張るわ!
「拓にぃ…今までゴメン!ウジウジしててアタシ鬱陶しかったよね?
…アタシがsaiを引退したら拓にぃのタイプの女じゃなくなるかもしれないけど…アタシはアタシだから!
拓にぃの事が大好きなアタシだから!…だから、その…一緒にいていいかな?」
彩!立ち直ったのか!…ますみちゃん、ありがとう!
「当たり前だろう?オレが好きなのはsaiじゃなく、国生彩って言う気の強くて我が侭な女なんだよ!」
「拓にぃ…ありがとう、愛してるわ!」
抱き合うオレ達。よかった…ホントよかった!
「はぁ〜、これで一件落着ね。ますみ、あんた何言ったの?」
「それは…彩と二人の秘密です!…まぁそのうち分かると思いますよ?」
「二人とも…迷惑かけてゴメンな。今度なんか奢るよ」
彩を抱きしめたまま二人に感謝する。ホントにありがとうな!
「別にいいですよ。カワイイ後輩の為ですから、先輩として当然ですよ。…あ、そうだ。あれ、言い忘れてましたね」
あれ?なんだあれって?なにかあったっけ?
「彩、あなたが中学のときに聞いた静馬先輩の好みのタイプってあれ嘘よ。
強くてカッコいい女がいいなんて、モテナイ男の悲しい言い訳よ」
うっ!なんでキツク言うのかなぁ…オレのハートが傷つくだろ?
「……ホントなの?拓にぃそれホントなの?」
「ん?まぁホントだよ。お前にモテナイから女と付き合ってないとは言えな…がふっ!」
股間に走る衝撃!な、何故に金的を?
「あんたのその嘘のせいで…アタシがどれだけ苦労したか…どれだけ悩んだか……死ね!」
金的で前かがみになっているオレの両腕を脇から手を回し、オレの背中で固定して頭を足の間に入れる。
これは…タイガードライバーか?よし!それなら受身でなんとかなる!
彩は両腕をロックした状態でオレを上に持ち上げる。
ヘタに逆らったら肩が外れるので逆らわず流れに任せる。あれ?これはタイガードライバーじゃ…ない?
ま、まさか…WWEスーパースターズのトリプルHの必殺技の『ペディグリー』か!
ま、待て彩!これは受身が取れな……ゴスン!!

「先輩、迷惑かけてすみませんでした!」
「彩、ライブするって張り切ってましたよ?saiの卒業ライブだって言ってました」
「え?ライブするの?あたしにチケット頂戴ね?ね、ね、絶対よ?」
「あたりまえですよ!あ、そうだ、今から歌の練習がてらにカラオケでも行きませんか?」
「いいわね。ますみも行くでしょ?今日は奢ってあげるわよ」
「もちろん行きますよ、御馳走になりますね、先輩!」
「じゃ、行くわよ。彩、ますみ!」「「ハイ、先輩!」」


「なぁ静馬…お互い悲しい立場だよな。…愛ってなんなんだろうな」
俺はピクリとも動かない静馬に話しかける。かなえ…俺を置いて行くなよ…
「けどよかったな。彩ちゃん完全復活じゃないか。…ホントによかったのか?」
この惨状を見るととてもそうは思えない。
「せめて毛布か何か掛けてやれよ…食らってみて分かったが彩ちゃんのケリって凄いんだな。最初のは見えなかったぞ」
だからコイツ、俺の蹴りを捌くの上手いのか。コイツ、毎日が実戦か…
「さてと…かなえ達が帰ってくるまでもう一眠りするかな?おい、またベット借りるぞ?…って聞こえないよな」
俺は床で伸びたままで動かない静馬に毛布を掛けてベットに入る。
今日はいろいろあったな。まぁ終わりよければ全てよし!だな……終わりよかったっけ?
首を捻りながら目を瞑る。静馬、彩ちゃん、もうケンカすんなよ?
俺は絶対に無理な願いを思いながら眠りに付いた。
今回は以上です。

では電波を探しに行ってきます
464名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 00:43:44 ID:+o0sTPps
GJ!マジでGJですよ
465名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 02:28:37 ID:yXyhNJI5
GJ!

ペディグリー・・・南無。
タイガードライバー91じゃなくて良かった。
466名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 03:46:11 ID:hboDvVps
いや、弟と知人が遊びでぺティグリーをベッドの上で敢行したことがあったんだが……。

今そのベッド、真ん中で割れてる。
467(´c_,` ):2006/03/11(土) 04:52:43 ID:AeUdqpw5
俺、ペティグリーよりもハンマーのほうが好きだぜ。
468名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 08:35:34 ID:ILn5Phvt
大場浩美さんに会いたい。
469名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 08:44:57 ID:Y2j9mknW
>>459
ただのツンデレスレなら多分頻繁には覗いてない
470名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 15:05:04 ID:8zjlHMi2
まさかこのスレのSS読んで涙を流すとは夢にも思わなかった。
GJ!!  つД`)・゚・。・゚゚・*:.。
471名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 18:53:18 ID:dHt9mvnp
>>467
ゲームの王様がキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
472名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 22:12:53 ID:KYGoIpst
>>466
俺プロレスさっぱりなんだけど、そんなに危険な技なのか……。
ベッドって結構強度あるよな?それが真ん中で 割 れ る って……。
静馬が病院に担ぎ込まれてないか心配だ……。
473名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 00:17:03 ID:pCmEQw0s
>>472
どんな技にしろ、プロレスってのは攻め手と受け手の両方が上手いと危険じゃない。
そりゃ紛れも起こるし、重ねれば怪我もするが。
パイルドライバーだって間違えれば首が折れるが、きちんとすればそういう事も無い。
素人は真似をするなって事だ。
実際、その技を使うレスラーが所属してるWWEは放送前に「素人、子供は真似をするな」ってテロップ流すしね。
474名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 00:26:45 ID:s28L5vLj
ここはプロレス雑談スレになりますた
475名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 13:14:07 ID:BOXDefdS
猫缶しか思いつかない俺。
……ドッグフードだっけ?
476 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/13(月) 19:57:41 ID:wKdCLbcU
皆さん感想ありがとうございます!

続きは書いてますが電波の受信が悪く、少し遅くなるかもしれないです

皆さんの感想を糧にがんばりますね
477しろでー。  ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/14(火) 00:21:34 ID:5ilydtZR
「なぁ、先月の今日が何の日か知ってるか」
「……知らないわ」
「いやいや知ってるだろ。バレンタインデーだ。そして今日はホワイトデー。略してホワデー。どちらも恋人が相手に尽くす日だな」
「そうだったの? 初耳だわ。 ぼりっばりっ。 つーかあんたホワデーって。んな芳香剤みたいな略称聞いたことない」
「渋谷じゃ皆使ってるぞ?…多分。 コンビニのバイト先に新しく入った子なんて、若いのに彼女の為に深夜は土木工事のバイトやってるってさ」
「はいはい。そりゃーすごいわね。 ごりっ、ごりっ」

「ああ、一度でいいから尽くされてみたいなぁ。つか、ちょっと、それ食うのやめれ。生のニンジンがりがり齧ってる光景にはいつまで経っても慣れない」
「……悪かったわよ。けど、ニンジンはしょうがないじゃないっ、 ぼぎっ、 あんたが調理してくれないんだからっ」
「あのさ、本当に悪いと思ってる?」
「思ってるわよ!」
「……お前さぁ、俺のことどう思ってるの?」

「はぁっ!? あ、あんた、いきなり何言いだすの!」
「俺にはいつもこんな態度だし。チョコは貰えないし」
「チョコって……何よ、チョコあげなかった事を根に持ってるの?」
「別にそんな事はないけど」
「じゃあどうしてよっ!」

「そういう態度が嫌だっつってんの」
「え?」
「もっとさ、お前、仮にも付き合ってるんだからさ、なんとかなんないかな、それ」
「え、な、何が?」
「そうやってさ、毎度のように怒鳴り散らして。お前がうるさいから隣の人に苦情言われた事あるし」
「……」
「黙り込んでないで、なんとか言ってくんない?」

「…………うっ、ふぅっ、んぐっ」
「え? うわっマジで!? ちょっ、泣くなよ」
「自分でも、かわいくないな、って思うんだけど、何年も、ひくっ、こう、いう、友達みたいに、っうく、過ごしてきたから、ぐずっ、かえられないの」
「ごめ、俺も言い過ぎたよ、悪かったって」
「男なんて、あんた以外とは、しゃべった事も、数えるほど、しかないから、どうすればいいかわかんないし」
「大丈夫か、ほら、別に本気で言ったわけじゃないから」
「チョコだって、作ろうとね、したんだよ? けど、ほら、私ぶきっちょだから」
「そうだなぁ。お前は物凄いぶきっちょだよな。だからこそ生で食ってたんだし」
「にんじんはっ、生でも、いぐっ、おいしく頂けるのっ。ってちがうよっ、チョコっ、いまはチョコの話だよ! ひっく、全然、うまくいかなかったの、そんで」
「うんうん、それで?」
「クリスマスに、えぐっ、あんな良い物、もらっちゃっだから、こんなのあげても、あんたが、喜んでくれないと、」
「思ったのか」
「うんっ、そうっ。思ったの、ふくっ、でも、へたでも、あんだに、あげれば、ずっ、良がったね」
「そうしてくれたら一番良かったんだけど、今日その事話してくれたから別にいいって」

「ほんとに?」
「ほんとに。 なんだかんだ言ってもさ……そんなぶきっちょな性格も含めて、す、好きだから」

「…………私も、あんたのこと……だ、だいすきだよ」


――――ホワイトデー、か。
478名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 00:43:09 ID:5SgQWoR2
もう少しツンツンしてて欲しかったな

ホワイトデー・・・ね
479 ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/14(火) 01:22:35 ID:5ilydtZR
すみません。またエロ入れられませんでした。つか、評判悪かった方の続きを上げてどうするよ orz

>478
読み返してみると、何を血迷ったのか、男がツンデレみたいですね。orz  次回頑張ります!
この二人の話をバレンタインデーに投下しようと思ってグーグル先生で検索かけたのが三月の初めのことです。とっくに過ぎてました。 orz


前回ので不快な想いをされた方もいらっしゃったみたいで、穴があったら入りたい心境でしたが懲りずにノコノコと出てきてしまいました。
私には行間を読む力も読解力も無く、レスが悪かったのかそれとも物語に問題があったのかは未だ分からないままなのですが、
どちらの方にも自分の出来る範囲内でですが誠意を持って対応したいと思います。
レスが嫌だった方。
後で自分のレスを読み返してみて、自分で書いた事ながら余りにも気持ちが悪かったので、自戒と謝罪の意味を込めて、478さんに返したのを最後に、これからはレスを自粛します。
物語が嫌だった方。
書きたい事が2、3出来てしまったので投下を直ぐに自粛するという事は申し訳ないですが出来ません。
ですが、NGワードに指定できるようトリップ付けました。専用ブラウザ使ってないという方はすみません。脳内あぼーんしてください。
あと、稚拙な文章が嫌だった方。
完全に私の力量不足です。ごめんなさい。 誤字脱字は今後ゼロを目指したいと思います。

今回投下した方は来月に投下する分 (量は3レス分) で一応終わりです。内弁慶の方は、来週と来月末位の、あと2回で終わりの予定です。
あと、もう一つ書きたい話 (短めので全6回位) が出来てしまったので、それを9月入る前に終わらせてその後は当分こちらで何かを投下するのは控えようと思ってます。
前回褒めてくださった方も、そうでない方も、もうちっとだけ付き合って頂けたら幸いです。 容量の無駄遣いすみませんでした。 ではノシ
480名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 02:51:00 ID:RjMqS7j/
誰か>>322の続き書かないかなぁ。。。

と呟いてみる。
481名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 02:56:42 ID:HhZ1vs9r
たまには普通の学園ラブコメなんかも読んでみたいね
482名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 07:21:13 ID:7kliCvCG
>>479
彼女が段々東北弁になるところがワロタ!
オイラは面白かったよ〜
続き待ってるよ!
483宮城県民:2006/03/14(火) 10:09:21 ID:HzNQ/im9
>>482
マジレスすると、厳密には「東北弁」っつー物は存在しないよ。
東北六県(青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島)でそれぞれイントネーションや単語とかが違うし、さらには地域ごとにまた少しずつ違ったりするし、全く違う言葉もある。
例えば、青森県民と福島県民を方言で会話させたら、多分どっちも相手が何喋ってるか分からないと思う。
フィクションなんかで、東北地方出身者ってキャラがいたりするけど、そいつの出身地(とされるところ)の方言と喋ってる言葉が全く違っていて萎えた事がある(映画のスウィングガールズや戦国BASARAのいつきなど)。

以上の点を踏まえて、彼女は泣いてるんだから嗚咽混じりに話してるんだっつーのがわかる。
長々失礼。
484名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 10:11:51 ID:VRYI11oQ
>>483
んだな
485名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 10:47:23 ID:s/IHSL2i
>>483
大学のとき、津軽の人と八戸の人が「津軽弁のほうがきれいだ」「南部弁のほうが(ry」で
言い争ってたのを思い出して少しワロタ
486名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 13:54:31 ID:N11lULEQ
>>485
青森県は同じ県内でも方言に激しく差があるらしいからな
487名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 15:44:08 ID:Kd07ATA1
江戸時代は津軽藩と南部藩で別れてたからかね?
それに東西でも違うって聞いたこともある。(弘前市と青森市)
488名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 22:19:42 ID:J190/gZu
>483
えーそう?それほど感じなかったが<スウィングガールズ
むしろ山を挟んだりしてるせいで町単位で微妙に方言が違うから出身県だけでも判断しにくいと思。

方言で啖呵きったりおろおろしたりする女の子は萌える。
489名無しさん@ピンキー:2006/03/15(水) 17:44:01 ID:xemm1eiY
というか戦国BASARAで突っ込むところはソコなのか?
490名無しさん@ピンキー:2006/03/15(水) 23:10:45 ID:IOC9Fh48
なんで東北弁でこんなに盛り上がってるんだ??
491名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 00:46:26 ID:Mh6wrhK/
>489
だってアレ以外は諦めるしかないじゃん。ツッコみきれんよ。
492名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 23:27:17 ID:shtEasgk
>>485-487
実際のところ、県内ならどっちも通じる
493メキシっ娘:2006/03/17(金) 17:12:36 ID:/xGxOOIL
どう? 勝ったわよ。
試合前は「絶望的」とか「望み薄」とか言いたい放題言ってくれちゃって。
少しは感謝しなさいよっ!

えっ?「とても感謝してる。ありがとう」ですって?

ふんっ!
べ、別にアンタの為にがんばったわけじゃないからねっ!
・・・そ、そう、ちょっと試合中に納得いかない事があってそれで奮起したというかなんというか…
(もう! そんなに素直に感謝されるとリアクションに困るじゃない!)
と・に・か・く、アンタは私に勝ったんだから胸張って準決勝に進めばいいのっ!!





(おめでとう。私の分までがんばってね)
(////)
494名無しさん@ピンキー:2006/03/17(金) 19:12:43 ID:3M1qEwUO
嗚呼…
VIPPERの波がこんなところにまで……
495名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 00:45:14 ID:8yS8wbie
>>493
ツンデレ国家ですか……
これで次勝てば完落ちだろうなぁ。

ていうかあの審判殴りたい。顔の形が変わるまで殴りたい。
496名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 01:27:51 ID:6QO6FAxA
奴、準決勝決勝にまた出てくるかもしれんそうだ。







あー、なんか男を誘拐したくなったのは初めてだ。
497名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 03:34:50 ID:4GsumYKb
東北弁やWBCについて語るスレはここですか
498名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:15:27 ID:mIl9rOiU
ええ、ここですよ。
ここで気の強い娘がしおらしくなる瞬間を語ることは許しません。
住人がそれを望んでいないのですから。
499名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:54:01 ID:dtf3su4Z
>>493 モエス
500うちべんけいとおせんべい ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/19(日) 21:55:50 ID:otWq1L9T
「りっかちゃん、あーそーぼっ」
お家の外からはるちゃんの声がきこえた。はるちゃんを待たせないように、私は玄関まで、とたとたと音をたてて走る。


            うちべんけいとおせんべい


「大きな声を出して。まったく、きみは『ごきんじょめいわく』ってものを知らないのかなっ」
口から出るのはいつもいじわるな事ばっかりで、自分がいやになる。
けどしょうがないのだ。私は『おねーさん』なんだから、しっかりしないといけないのだ。
はるちゃんにはもう、なさけない姿なんて二度と見せられない。
「だって、チャイムには、僕はちっちゃいから、手がとどかないんだもん」
うじうじしながらそんな事を言うはるちゃんはとてもかわいらしい。
……だめだ。頭をなでてあげたい。
けど、『おねーさん』なのでそんな事はくやしいけど、いや全然くやしくないのだけど出来なくて、
「まったく、きみはちっちゃくて、本当にたんそくだな」
と言ってしまう。けど、かみの毛をいじりながら言う私は『おねーさん』っぽいにちがいない。

私より一つ上のかなこちゃんは、キレイな長いかみをしていて、大人っぽくて、おしとやかな子なのだ。
はるちゃんが『年上の女のいろけ』というモノにやられてしまうのもしょうがない。
なので、私も大人っぽくなるために髪を伸ばしているのだ。今は肩よりちょっと下くらいまでしか伸びてないけど、
ゆくゆくは、かなこちゃんみたいな『サラサラのろんぐへやー』を手に入れて、はるちゃんをめろめろにしてしまう予定なのだ。

「あ、おばさん、こんにちはー。おじゃまします」
「春君こんにちは。どうぞ上がって下さいな」
野望にもえる私の後ろには、いつの間にかお母さんが立っていて、はるちゃんを中につれて行ってしまった。
あわてて私も追いかける。お茶の間ではるちゃんとお母さんは、おせんべいをばりばり食べていた。

「りっかちゃん、おせんべいおいしいよ、いっしょに食べよ?」
つぶらなひとみをかがやかせながら、一口食べたのか、三日月の形をしたおせんべいを私にさしだしながら言うはるちゃん。
むしろはるちゃんを食べたいなんて思ったことは絶対に言わない。
「まったく、食べかけのものをさしだすなんて、きみは『てーぶるまなー』がなってないんだから」
おぎょうぎ良くしないと、うちは大丈夫だけどよそのお家に行った時に、はるちゃんがダメな子だと思われてしまうじゃないか。
そういう風にきびしく言ってみると、はるちゃんはガックリと肩をおとして、
「ごめんなさい、じゃあ、こっちをどうぞ」
と、欠けてない方のおせんべいを渡してきた。けど、私は最初に渡された方のおせんべいを食べた。
「出されたものは、えんりょせずに食べないといけないのだよ。」
なんて、もっともらしい理由をつけて食べているけど、本当は、はるちゃんが口をつけたから食べたかったのだ。
などという理由では決してない。絶対にちがうのだから。『かんせつキス』をしてみたかったなんてやましい理由じゃないんだから。
私がおせんべいをがりがりと良くかんで食べていると(これも30回かんで食べるのがけんこうに良いからで、他の理由はない)、
お母さんが口を開いた。

「あらあら、六花ちゃんとお母さん、間接キスしちゃったわねぇ」

な、なにを、
「お母さんが一口齧ったおせんべいを春君にあげて、それを六花ちゃんが食べたから、」
「お、お母さんっ! た、食べかけのものをあげるなんて、おぎょうぎが悪いんだからっ!」
な、なんてことだ。べつに私は、お母さんと『かんせつキス』したかったわけではないのだ。
いや、もちろん、はるちゃんとしたかった訳でもないので、別に、おちこんでは、いないのだけど。ほんとに。

その日お母さんと一言も口をきかなかったことも、おせんべいのこととは、かんけいはない。……たぶん。
501 ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/19(日) 22:15:27 ID:otWq1L9T
内弁慶の方は、ちょいと量が増えてしまいました。 orz
今回のは前回言ってた、来週投下分とも来月投下予定分とも別のモノです。
で、このシリーズは来月投下予定分の前に、もひとつ掌篇をいれて、全5回になりそうです。
伸びちゃってごめんなさい。でもそれ以上はきっと伸ばしません。 ではノシ
502291:2006/03/20(月) 01:44:37 ID:Y1wHFZHd
乙乙!!
ほのぼのしてて好きだ
503名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 01:47:25 ID:Y1wHFZHd
―――>>291さんとは関係無いです。消し忘れてましたorz。失礼!
504名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 02:46:34 ID:+uDf/lyP
>>493に吹いたw
そして萌えた(´Д`)ハァハァ
505 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/21(火) 20:37:15 ID:RYFrQODn
やっと続き書けました〜

では投下します
「あれ?彩ちゃんめずらしいね、会社に来るなんて…あっ!新しい曲でも書けたの?ちょっと見せてよ」
お世話になっているレコード会社にsai引退の報告に来た。
いくらインディーズで専属契約してないといっても話は通さないとね。
それにsai引退ライブのことも協力してほしいし…ちょっと虫が良すぎるかな?
「新田さん…実は話があるんです。saiについてなんです」
新田達夫さん…saiを担当してくれてる明るいおじさん。
以前は大手レコード会社に勤めてたけど嫌になって辞めたんだって。
なんでも売れそうな曲しか作らせてくれないのに嫌気がさしたんだって。
「なになに?春からの音楽活動のこと?さすがにsaiだね、いろんな所からの問い合わせが凄いよ。
いよいよsaiが動きだす!って雑誌やテレビ局からの問い合わせが殺到してて、対応に忙しくて大変だよ。
前の会社の時は僕をゴミ扱いしてたヤツ等がペコペコ頭下げてきたのには笑っちゃったね」
ハハハと笑う新田さん。どうしよ?辞めるなんて言いづらいなぁ…なんて言ったらいいんだろ?
「彩ちゃん…なんかすっきりした顔してるね?ついこの間まで暗い顔だったのに…
ま、大体分かるよ。今日来たのはアレだろ?…sai辞めるんだろ?辞めちゃうつもりなんだろ?」
いきなり言い当てられてビックリ!なんで分かったの?
「な、なんで分かったんです?」
「なんでって言われてもなぁ…しいて言うなら経験かな?前の会社でさ、そんな顔の子…たくさん見てきたからね。
歌いたくもない歌を作らされて、売れる歌を作れって脅されて、どんどん歌が嫌いになっていく。
辞めたくても契約で縛られてて辞められないって子達を見てきたからね。ああいうのは辛いよ?
歌を作りたくないヤツに無理矢理作らせて、たいした歌じゃないのに過去の名前で売る。売れなくなったらポイ捨て…
悲しいね、歌で商売するもんじゃないね。この間までの彩ちゃん…その子達みたいな顔してたからね」
ハハハと笑う新田さん。アタシ、そんな顔してたんだ…
「まぁ歌で商売してる僕が言うセリフじゃないか?ハハハ!…彩ちゃん、歌を嫌いになって辞めるんじゃないんだろ?
嫌いになって辞めるなんて悲しいからね、大好きだった歌が嫌いになるなんて…寂しいからね」
寂しそうに呟く新田さん。そんな悲しい辞め方した人を、いったい何人見てきたんだろ…
「新田さん…アタシ、歌は好きです。歌うのが大好きです!…ただsaiとしての歌を作れなくなったんです。
アタシはもう満たされたんです…手に入れたんです、求めてたものを手に入れたんです!
心の飢えを歌ってたsaiにはもう戻れないんです。もう、ファンの皆が求めてるsaiには戻れないんです…」
アタシの言葉をジッと聞いている新田さん。うんうん頷きだしたわ。
「…そっか。ま、歌を嫌いになって辞めるんじゃなかったら万事オッケーよ!
あとはおじさんに任せなさい!春からのことも『本格活動予定』って話で通してたから大丈夫!
予定は予定であって確定じゃないからね。ほらっ、予定は未定ってよく言うじゃん?
このアバウトさがインディーズのいいところだよね」
はははと笑う新田さん。そんないいかげんでいいのかな?
「ただね…sai本格活動開始記念の初ライブするつもりで会場押さえてんだよね。
…え?言ってなかったっけ?ははは、まぁいいじゃないの、気にしない気にしない!
でさぁ…そこのキャンセル料払ってくれる?僕が払うとなると首くくっちゃわなきゃならなくてね」
やっぱりこの人マイペースだなぁ……ええ?ライブ会場押さえてるの?渡りに船ってこの事ね!
「新田さん、アタシsaiの引退ライブやろうと考えてたんですよ!そのライブハウス押さえててもらえますか?
…で、いつ押さえてるんです?」
「おお!ライブするの?人前で歌うのってデビュー前に駅前で歌ってた時以来なんじゃないの?
よし!やっちゃおう、sai引退ライブ!最初で最後のライブだから派手に行こうよ!
いちおう3月の末に取ってるんだよ。彩ちゃんが大学卒業してからなんだけど…卒業できるよね?」
「当たり前ですよ!こう見えても頭はいいんですよ」
「オッケー、燃えてきたぁ〜!よし!絶対成功させて伝説にしようよ、武道館ライブ!」
よかった〜、ライブハウス探さなくていいんだ。新田さんも協力してくれるって………ぶ、ぶぶぶ武道館?
「新田さん?ぶ、武道館って…あの武道館ですか?」

アタシの…sai、初にして最後のライブが決まったのはいいけど…武道館!ど、どうしよう…
オレは今、猛烈に怒っている。
何をって?…気絶から目覚めたら夜中3時。
もう11月になろうかとするこの時期に、冷たい床の上で毛布一枚だけで倒れてたらそりゃ怒りたくもなりますよ?
しかも掛けてくれたのが池田だって言うし…愛が足りないよな。
結局彩達は朝になっても帰ってこなかった。なんでもカラオケの後、かなえちゃんの部屋に泊まったんだと。
気絶してた亭主をほったらかしでカラオケに行くかなえちゃんもどうかと思うよ?
池田も愛が足りないって嘆いてたし…おお!心の友よ!…またオレ達の友情パワーが上がったような気がする。
で、今オレはリビングでムッとした顔で彩の帰りを待っている。
仕事から帰ってきて彩に文句を言ってやろうとしたが出かけてるので帰りを待ってるという訳だ。
池田も今夜は凄い説教をしてやるって燃えてたし……ぐっふっふ。早く帰って来い来い、彩さんよ。
オレは彩をどう攻めるか妄想しながら帰りを待つ。
……ヤベッ、立ってきた。マムシドリンク3本は飲みすぎたか?

「ただいま拓にぃ!拓にぃ、話があるんだけ…ど?」
玄関を開けたら拓にぃが凄い顔で睨んできた。…え?なんで?
「お帰り彩。地獄へようこそ…」
うっ…なんで邪悪な笑みを浮かべてるの?ど、どうしたの?
「た、拓にぃ顔怖いよ?どうしたの?」
「…気絶したオレを捨ててのカラオケは楽しかったですか?捨てられた恨み…晴らさずにおくべきかぁぁ〜!」
あっ、そういえばそうね。忘れてたわ。
「そ、そんなに怒んなくていいじゃないの…拓にぃ、心が狭いよ?アントニオ猪木の良識より狭いよ?」
かわいく首をかしげて言ってみる。あれ?顔色が赤くなった、なんで?
「…テメェこのヤロウ!オレを猪木と一緒にすんな!オレは猪木が大っ嫌いなんだよ!説教だ!」
し、しまったぁぁ!拓にぃ馬場派だった!それに新日本に対しての猪木のやりたい放題に怒ってたんだった!
「ご、ごめん拓にぃ!謝るから…こ、来ないで!……近寄るなって言ってんでしょーが!死ね!」
不気味な笑顔で手をにぎにぎしながら近づいてくる拓にぃ。不気味だから近寄るな!
アタシは顔を目掛けてハイキックを繰り出した!……んだけど、拓にぃ本気だ。
あっさりとかわされてタックルで倒され、床にうつ伏せに押さえつけられた。
「あやぁぁぁ〜…身も心も冷え切ったオレの恨み、体で分からせてやるぅぅ〜」
耳元で囁く拓にぃ。…拓にぃちょっとコワイよ?
「せ、せめてベットで…床じゃヤダ!」
アタシの言葉を無視して攻めてくる拓にぃ。
「オレを床に置いたままで遊びに行った奴がよくそんな事言えるなぁぁ〜〜」
た、拓…やん!耳舐めないで!
「こ、こらっ拓にぃ!いいかげん…に?」
な、なんか硬いものがお尻に当たってる。…これってアレだよね?
「今夜は小橋のマシンガンチョップ並に腰を振ってやる〜」
「こ、このヘンタ…あん!あ、ダメ、そんなに胸揉まないで…んん!」
うつ伏せに押さえつけられたまま拓にぃに触られてるアタシ。
拓にぃの手はブラやショーツの中に入って来て、好き放題に動いてる。
その手が動くたびにアタシの力が抜けていき、抵抗できなくなったきた。
「あやぁぁ〜覚悟しろぉぉ〜」そう言って上着を脱がす拓にぃ。
力が入らず抵抗できないアタシにそれを見て不気味に笑う拓にぃ。な、なんか凄い事されそう…

(ふっふっふ…もう抵抗できないようだな。ちょっと可哀想だけど…いい機会だからな)
そう、オレは前からしてみたかったSEXをしようと思う。前に一度頼んだらローキックを喰らった。
まぁそんなにひどい事じゃないから大丈夫だろ?我慢する彩の顔と声も聞きたいしな、ぐっふっふ……
「お、お願い…何されてもいいからベットでしよ?」
オレが何かを企んでると悟った彩が話しかけてきた。
「ダ〜メ!これは復讐なんだから…玄関でするの!」
「あん…げ、玄関?…あ、くぅ!なんで、んあ…そんなトコで…んん!」
指を動かすたびにクチュクチュと音がする。彩、感じてるんだな。
「何故って?さぁ何でだろうなぁ〜?」
服を脱がしてショーツだけになった彩を後ろから抱きかかえるように持ち上げて玄関先まで運ぶ。
その間も指は止らない。ドアを距てた向こうはマンションの廊下だ。
「なぁ彩。このドアの向こうはなんだろうな?」
「…はぁ、んん!あ、ああ…い、いきそ…拓に…」
「おいおい、あんまり声出すなよ?外に声が漏れて誰かに聞かれたらどうするんだ?
…静馬さんところの綺麗なお嬢さんはあんなエッチな声出すんだって噂になるぞ」
オレの言葉に彩は声を殺して我慢しだした。
「た、拓に…謝るからベットで…ひっ!ダ、ダメ…んん!」
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ…
両手をドアにつかせて後ろから彩のを指で攻める。う〜ん、いい眺めだ。
玄関には彩のアソコから愛液がポタポタとたれている。んっふっふ…メチャクチャ感じてるな、彩。
「ここじゃ声を出したら外にまる聞こえだな。もしかしたらもう気づいてる人、いるかもな?」
ぐちゅぐちゅと指で攻めながら言葉でも攻める。彩はさらに濡れてきて玄関を汚している。
「ん〜んん〜!…んんん…ふっく…んん!」
右手で口を押さえ必死に声を止めようとしてる彩。いい!凄く興奮するぞ!
膝はオレの執拗な攻めでガクガクと揺れている。もうイキそうだな。
「あ〜や?指とオレのとどっちでイキたい?」
オレの質問に答える事ができない彩。そりゃそうか、容赦なく指で攻めまくってるんだからな。
「う〜ん、どっちか分かんないな。…じゃ、両方しようか?うん、そうしよう」
元からそうするつもりだったけどね。オレの言葉に彩は顔を振り向かせ目を見開いた。
「た、拓にぃ…なんで…ひぃ!ダ、ダメェェ!」
右手を口から話した瞬間、彩の一番敏感な小さな突起を摘み上げる。
「ダメダメ!もうダメ、イッちゃうぅぅ!…ひぃ、くぅぅぅ〜!」
ビクン、ビクン、と痙攣する彩。おお、派手にイッたな。

オレの指でイッてしまった彩は、玄関に力なく座り込んだ。息は荒く、表情も虚ろだ。
(う〜ん、しばらく休憩さしてあげたいけどお仕置きだからな。…なによりオレが我慢できん!)
オレは下半身裸になりコンドームを着ける。彩は余韻に浸っていて気付いていない。
オレは彩の腰に両手を回して持ち上げ無理矢理立たせる。
「…ふぇ?拓にぃなにする…ひぃ!くっ…あ…すご…ああ!」
パン!…パン!…パン!
オレは彩に何も言わずに後ろから入れる。ギリギリ抜けそうになるまで腰を引き、深く強く打ち込む。
そのたびにパン!と腰とお尻がぶつかる音がして、彩は声を上げる。
「ひっ…ああ!た、拓…も、ダメ…また…アタシまた…」
あれ?彩、もうイッてしまいそうなのか?こんなに感じさせるなんてオレって凄いな、感動した。
「彩、どうした?そんなエッチな声を出して。玄関でするのがそんなに気持ちいいのか?
…ここだと彩の喘ぎ声、外に丸聞こえだろうな。もしかしたらこのドアの向こうで誰かが聞いてるかもな」
そう言いながらも腰を強く打ち込む。
「くぅ!あ、あ、んん!…も、もう許し…んん〜!」
彩はヒザをガクガクと痙攣させながら必死に声を押し殺そうとしている。
実はこのマンション、防音がしっかりしてるから外に声が漏れることはないんだ。
そもそもマンションを買う時、彩がギターや歌を大声で歌っても大丈夫なようにここにしたんだからな。
今の彩はそこまで頭が回らないみたいだ。必死に声を出さないように我慢している。その様子がまたいい!
オレは彩の表情をじっくり見たくて一度抜き、体位を変える事にした。
正面に向き合い、彩がドアに背中で寄り掛かるようにする。
彩は少し抵抗したがキスで黙らせる。その隙に片足を持ち上げて一気に突き入れた。
「かはぁ!…あ、く、あぁぁ…」
オレの首に両手で抱きついてきて喘ぐ彩。彩は今、片足で立たされてドアとオレに挟まれる事でどうにかに立ってる。
そしてアソコはオレので貫かれている。ぐちゅぐちゅと音を出しながら腰を使う。
彩は必死にオレに抱きつきながら声を殺している。その我慢してる顔がいい!
玄関でのSEX…オレの夢がまた一つ叶った!感動した!
「彩、くっ…いい表情してるぞ。はぁはぁ…とてもいやらしくて…いい表情だ」
ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!
下から突き上げるように腰を振る。そのたびに結合部からはいやらしい水音が聞こえる。
愛液は彩の太ももを伝って玄関の床まで達している。
もっとじっくりと楽しみたいところだがオレがもう限界だ。一気にスパートをかけることにした。
「彩、はぁはぁ…声出すなよ?…くぅ!外に聞こえるからな。…絶対に出すなよ!」
ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!
彩の体が持ち上がるんじゃないかというくらいに深く、激しく突き上げる。
「イケ、イケよ!彩、イッてしまえ!ぐっ…あ、あやぁ〜!」
「ん、ん、んん〜!んん!んん!…いっ…きゃぁぁぁ〜!」
ドピュ!ドピュドピュ!…ドクン!ドク…ピュ…
オレの最後の力を振り絞っての一突きで彩は声を上げ、体全体を震わせ絶頂に達した。
それと同時にオレもゴムの中に大量に射精した。

玄関でのSEX…最高だ!こりゃクセになりそうだな。
全てを出し終えたオレは彩から抜き取る。すると彩はオレに倒れかかってきた。ん?失神したのか?
「なんでこんなとこで…ヒッ、拓にぃ以外に…グス、声聞かれちゃったよ…ヒック…もう外歩けないよ…グスッ」
あちゃ〜、いじめ過ぎたか。けど泣いてる彩もかわいくていいな。
「大丈夫だよ、安心しろ彩。このマンションは防音がしっかりしてるから声は漏れてないよ」
やさしく頬を撫でる。額にキスをしてからギュッと抱き締める。
「ゴメンな、一度こういうことしてみたかったんだよ。けど彩もヒドイ事したんだからこれでおあいこだろ?」
オレの言葉に泣きやんだ彩。自分がヒドイ事をしたと自覚があったのかな?
しばらくして落ち着いたのか、彩がおねだりをしてきた。
「……ここじゃ寒いからベットに行きたい。…拓にぃおんぶで連れてって」
おんぶ?めずらしいな。いつもはお姫さま抱っこなのにな。
「ああ、分かった。おんぶだな?」
彩に背中を向けて屈み、乗るように促す。オレの首に両手を回す彩。
「拓にぃ……一度死んでこい!このヘンタイがぁ〜!」
ぐえぇぇ!は、謀ったな彩!彩の細い両手が首を締め上げる。チョ、チョークスリーパーか!
「このヘンタイ!ヘンタイ!ヘンタイ!」
彩がヘンタイと連呼しながら首をグイグイと締め上げてくる。
目の前がぼやけてきて力が入らない。意識が暗闇に落ちていくのが分かる。
(落ち込んで…おとなしい彩はイヤだが……もうちょっと…しおらしく…なって…く……れ……)

「ゴメンね、拓にぃ。…まだ怒ってる?」
俺の腕の中で謝る彩。あの後オレは彩のスリーパーで絞め落とされて、気がついたらベットの中だった。
その時はどうしてやろうかと考えたけど、彩から仲直りのお風呂に入ろうと提案されたので許す事にした。
「ん?べつに怒ってないよ、あれが彩だからな。…あれこそがオレが好きになった彩だからな」
ベットの中で抱きしめて囁く。
「ん、好きよ拓にぃ…」
オレの言葉に涙目になりながらキスをしてきた彩。普段ならここでSEXへとなだれ込むところだが今日はもういい。
玄関・お風呂・ベットと3回もしたからな。これ以上はちょっとキツイ。
回数をしてみて分かったけど…池田ってスゲエな。アイツこれを毎日か…ちょっと尊敬した。
「彩、新田さんに引退の事話したんだろ?すんなり引退できそうか?」
そう、すんなり引退できるか、それが不安なんだ。一時期よりは人気が落ちたといってもあのsaiだからな。
普通ならそう簡単に引退はさせてくれない。もしかしたら引き止められたかもしれないな。
「新田さん?……ああ!そうだ!た、大変なのよ!拓にぃ大変なの!」
うがぁ!み、耳元で急に叫ぶな!こ、鼓膜が…
「ぶ、武道館なの!…神聖な武道館のリングなのよ!」
…なんだ?武道館がどうしたんだ?…なにか大きい大会あったっけ?
武道館武道館と慌てる彩。なにかのタイトル戦でも決まったのか?

「ア、アタシが武道館のリングに立っちゃうの!拓にぃどうしよ〜?…どうしたらいい?
神聖なリングに素人のアタシが立つなんて…そんなの出来ないよ」
慌ててる彩を落ち着かせて話を聞いてみたらこう言われた。…なんだとぉ!
「当たり前だろうが!素人が神聖なる戦いのリングに立とうなんて…絶対に許さん!断って来い!」
まったく何考えてるんだ!リングはレスラーが命を掛けて戦う場所だ!それを素人が立つなんて……あれ?
「そうだよね、アタシがリングに立とうなんてありえないよね。…明日にでも新田さんに断りの電話入れるわ」
「なぁ彩、なんでお前がリングに立つなんて話しになったんだ?訳が分からんぞ?」
そうだよ、なんでいきなり武道館でリングに立つなんて話になったんだ?
確か今日は新田さんに引退の報告とライブのことを相談しに行ったんだよな?
「だって新田さんが3月に武道館押さえてるって言ったんだもん。派手にライブしようって…ありえないでしょ?」
「……どこがありえないんだ?武道館でのライブだろ?…彩、武道館ってのはな、ライブでも使うんだよ。
お前なに勘違いしてるんだ?」
なんだよ、よく話を聞いてみたら彩の勘違いかよ。てっきり彩が女子プロデビューでもするのかと…ぶ、武道館ライブ?
「あ、そっか、そうだよね。アタシ、武道館って聞いたらプロレスしか頭に浮かばなくて…勘違いしちゃった。
そうだよ、ライブのことよね。ああ〜よかった、てっきりプロレスデビューしなきゃいけないのかと思っちゃったわ」
自分の勘違いに気づきホッとする彩。え?ホッとできるの?あの武道館だぞ?
「お、おい彩、武道館でのライブはいいのか?あの武道館だぞ?」
動揺するオレ。歌を歌うものなら一度は夢見る武道館でのライブ。
それを駅前でしか歌ったことのない彩がいきなりするってのは…ちょっとキツクないか?
「え?アタシはべつにいいよ。だって一度きりのライブだからね!最後だからたくさんの人に歌聞いてほしいし…」
凛々しい顔で語る彩。さっきまでプロレスデビューかと騒いでいたとは思えない。
「新田さんアタシが引退するって言ったら笑って許してくれたんだよ。…新田さんのためにも絶対に成功させるわ!」
ああ…なんて綺麗な顔なんだ。これが…これこそがオレの好きな彩だよ、惚れ直したぞ。
「拓にぃ?なにジッと見てるの?…アタシ、顔に何かついてる?」
オレの視線に気づいて慌てて顔をさわる彩。ははは、こういうかわいい彩も好きだぞ。
「彩、好きだぞ。愛してる」
抱きしめてキスをする。…ヤバイ、頭の中で4ラウンド開始のゴングが鳴ってしまった。
「…ん、ちゅっ、アタシも好きよ…愛してる。…んん!え?ま、まだするの?…あん!ちょっ、あ、ダメ…」

……結局その日は第五ラウンドで彩が失神、オレのKO勝ちだった。

ライブについてはほとんど新田さんが手配してくれる事になった。まぁあの人はそういうことの専門だからな。
そこでオレは新田さんにちょっとしたことを頼む事にした。プロレスではこれっていうものだ。
彩にとっては最初で最後のライブだから思い出に残るものにしてやりたい。
彩がプオタだと知っていた新田さんは、オレの提案に快くOKを出してくれた。彩、驚くだろうな。
sai引退ライブは発表されると瞬く間に広まり、チケットはプラチナチケットになった。
彩はライブのリハーサルや歌の練習などで忙しく走り回っていた。生き生きした表情の彩、惚れ直した。
そんな慌しい日々を過ごしていると、saiの最初で最後のライブの日はもうそこまで迫っていた。

そう、オレにとっても人生で一番緊張するであろう日が、すぐそこまで迫っていた。

512 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/21(火) 20:49:35 ID:RYFrQODn
今回は以上です。
しばらく見ていなかったら東北弁やWBCの話題でもちきりだったみたいですね
祝日本優勝ですね!

◆Q5T7.vLXfo氏、GJです!
自分はホワイトデーネタを書くの忘れてました、失敗しました
内弁慶シリーズwktkで待ってます!
513名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 21:05:12 ID:QG7Y6bUJ
キタ!
GJ
まだ読んでない!
今から読む!


とりあえずGJ!
514名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 09:15:31 ID:hh2imcEZ
GJ!今回は派手な技なしですか
515名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 07:08:01 ID:deKU+YCV
スコッティ2ホッティのワームを使ったら神認定w
516名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 21:27:30 ID:eiqmmJcZ
普通に考えれば、インディーズの、しかもフリーの人間が最初で最後とは言え、いきなり武道館なんて有り得ないよなぁ。
まぁ、有り得ないなんて事は有り得ないって言った男もいたしな。
それだけ支持を得ていたという事かな。
517名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 02:06:34 ID:O3IqfHic
>>516
YOUは雅ってインディーズのバンドを知ってるのかな?
それにそんなの気にしてたら物語なんか読めませんよ。
518名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 04:01:11 ID:OEyO6qMF
>>515
いや、ワームはありえないからwwwww

あと、スピニングトゥホールドって脹脛を痛めつける技だったんだな……。
519名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 07:30:33 ID:xoY79SER
ただ武道館とかそこまで話を大きくする必要があるのかどうか
考えなしだとちょっとモニョ
520名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 12:12:24 ID:ITH5d8Ys
そこまでsaiの歌に込められた魂の叫びが凄かったってことだろ
521名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 12:28:35 ID:xoY79SER
うわぁ
522名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 13:53:40 ID:St5PB0Q7
一言も「日本武道館」とは言ってないことに注意

東京武道館(足立区にある)かもしんないじゃん
523名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 19:39:40 ID:JRZwnVym
よーわからんが俺はwktkして待ってるよ。
524内弁慶とみかんとかの汁 1/6  ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/26(日) 22:20:47 ID:uuZt9Gbe
「ぐず、みっ、みないでよっ」
「わっ、ご、ごめ」
「まったく、でりかしーってものが、えぐっ、ないんだから」
「そんなぁ、ゆるしてよー」
「そう、かんたんには、ひっ、ゆるさないん、だから」
「ど、どーすれば、いいの?」
「何でもしてくれる?」
「うん、ぼくにできることなら」
「ほんとだね? ……じゃーねぇ……」


            内弁慶とみかんとかの汁


朝。三月に入り徐々に暖かくなってきたとはいえ、まだ寒い。
寝起きの辛さは寒さの所為だったのかもしれない。最近は目を開けた直後でも心なしかすっきりしている。
ぐうーっ、と腕を上に伸ばしながら背中を反らし、いつもとは違う部屋を見渡しながら、いつもと同じように窓の傍まで歩く。
よし、ゴミ一つない。綺麗に片付いている。昨日の晩に模様替えは済ませ、掃除機を二度もかけたのだから当然だけれど。
……後は、彼に見てもらうだけだ。
窓の外に目を向ける。朝の明るい風景とは対照的な、アスファルトの上に伸びた春の黒い影がとても綺麗だった。


日曜の朝。休日も忙しなく働いている母が、今日は珍しく家でのんびりしていた。
棒状のスナックを、じゃがりこじゃがりこ音を立てながら食べている。正直うるさい。
ランニングから帰って来た俺はというと、日頃せっせと働く母親をねぎらう、
なんて事はせず、隣の家に行く為に汗臭いウェアを脱ぎ捨て普段着へと着替えをしていた。

なんでも、四月から大学に行くので心機一転する為に部屋の模様替えをするらしい。昨日の勉強の時にそれを繰り返し言っていた。
要するに手伝えという事だろう。
別に行かなくてもいいのだが、タンスや机を動かすのは大変だったとか後で言われるに決まっている。
損ねてしまった彼女の機嫌を直すのは結構めんどくさい。アレが食べたいだのドコに行きたいだの駄々をこね始めると止まらないし。
そんな事を考えていると、ダンボールを持った母が目の前に立っている。
「あー、あんた。これ持っていってちょうだい。高橋さんによろしく言っといて」
そう言って、みかんがいっぱい入った箱を持たされて俺は家を出た。

「いらっしゃい。……ふふ」
隣の家に行くと、いつもの如くおばさんに迎えられた俺は抱えた箱を渡し二階へと上る。
二月の事は直ぐにばれてしまった。
まぁ、娘が俺の家に行ったきり次の日の夕方まで帰ってこない(気を失って目が覚めたら夕方で、彼女はずっと付いていてくれた。
けど、学校に連絡まではしてくれなかったので自由登校となっていた三年の彼女はともかく、俺は無断欠席してしまった事になり教師やら両親やらに怒られた。)
のだから当然の結果とも言える。彼女の親は寛大な精神の持ち主で、後日彼女との事を言いに行った時には「娘をよろしく頼むよハハハ」と、
そんな感じで歓迎された。殴られる位は覚悟していたのだけど。……寛大というよりも楽天的なだけかもしれない。
それからおばさんは顔を合わせる度にニヤニヤしているし、
そこに彼女が居合わせれば何も言わずに真っ赤になって俯いて、彼女と二人になった時に八つ当たりされるし、本当に大変だ。
……それが嫌ではないと感じる所が一番大変だ。
525内弁慶とみかんとかの汁 2/6  ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/26(日) 22:30:02 ID:uuZt9Gbe
コン、コン、コン、コン。彼女の部屋のドアを叩く。
彼女の部屋に行ってみると既に模様替えは終わっていたようで、部屋に置いてある物の配置が随分と変わっていた。
「遅いっ! まったく、君は来てくれるのは良いけどもう少し早く来てくれないと。もう大体は片付いてしまったよ」
名前で呼んでくれたのはあの朝の一度だけで、やっぱり普段は「君」がデフォルトみたいだ。
もう一回名前で呼んでくれないか頼んでみた事があるけど、俺の耳に入ったのは名前を呼ぶ声ではなく拳だった。幸いな事に、鼓膜に異常は無かった。

南には群青のカーテンが掛かった大きな窓、西には擦りガラスの小さな窓、北にはドアと押入れがある彼女の部屋。
西側の壁にはどちらも黒が強い灰色のタンスと本棚が置かれていて、東側には高さは無いけれど横幅がある暗い緑の棚があり、その上に十四インチ位のテレビが乗せられている。
彼女は「日本人なのだからやっぱり布団でないと。ベッドなんて使って、まったく、君は布団の良さを全然分かってない!」などと言って布団を敷いて寝ているのでベッドはない。
しかし床はフローリングの上に青灰色の絨毯が敷かれてある。
そして真ん中に据えられた正方形の、一辺に二人はギリギリ入れない位の大きさの薄い青色の布団の掛かった木製のこたつに彼女は入っている。
三月も半分が過ぎたというのにこたつがあるのは彼女が寒がりだからだ。
それなのに勉強を見るときだけ露出の多い服を着ていた彼女の心境を考えて、顔がにやけてしまうのはしょうがない事だと思う。
そんな俺の顔を見て彼女はふぅ、とため息をついてしまうのもしょうがない事だ。
「きみは何を考えているのよ。……まぁいいよ。どうぞこたつにでも入ってください」
こたつを挟んで彼女と向かい合う形になる位置に座る。
今日の彼女は使い慣らしてくたびれたジーンズに部屋着として使っている長袖Tシャツを着て、長い髪はポニーテールというのだろうか、後ろで一つに纏めている。
「で、どうかな?変じゃないかな」
部屋の構図を聞かれたって、専門家でも無いしセンスも無いし分からない。そんな事を彼女に言うと、
「君に聞いてもそういう答えしか返ってこないと思っていたよ。こういう時は、良いねとかさすがだよとか、君はかわいいねとか、
 こんな美しい貴方を彼女に出来て僕は世界一の幸せ者だよとか、そういう事を言っておくものだよ。」
と言われたので、その通りに言ったらこたつの中の彼女の足が俺の足を抓ってきた。理不尽だ。
時折、いや結構短い間隔で攻防をしつつ(といっても俺は防戦一方だけど)しばらく当たり障りの無い話をしていると、おばさんがお盆に入ったみかんを持って入ってきた。
「これでもおやつに食べてなさいな。って言っても、さっきお隣さんが下さったものだけど」
これは良い機会だと思い、俺は攻勢に出た。


「ふふふ……朝からアツアツね」
おかあさんがニタリと嫌な笑みを浮かべながらそんな事を言ってくる。
「う、うるさい! 早くそのみかんを置いて出てってください」
反射的に言葉が出てしまう。彼にも彼以外の人にも、もう少し柔らかい口調を使いたいのだけど上手くはいかなくて、私はどうしてこうなのだろうと心の中でうな垂れる。
けれど、今回はしょうがないかもしれない。早く出て行ってほしい。まったく、彼には困ったものだ。
「まぁ、昔はそんな事を言う子じゃなかったのに。
 あなたが幼稚園生だった頃は、帰ってくれば春ちゃんの笑った顔が可愛かっただの、あの子とばっかり話していて悲しいだの、
 素直に一日の事全部を喋る良い子だったのに、ドコで育て方を間違」
「あー!あー!そっそんな、勝手に話を作らないでよ!まったく。んっ」
わざわざこんな時に言わなくてもいいのに!顔に熱を帯びているのが分かる。多分真っ赤だ。
ばれてないかな?と私は内心ひやひやしている。声が出ないように気をつけよう。
「はいはい。恋する二人の邪魔は出来ませんからね、早く出ますよ。あ、春君。勉強はどう?頑張ってる?」
「あ、はい。まー、ぼちぼちですよ」
「君も普通に返事してないでっ、んっ、なんか、言いなさいっ」
彼は何も関係なさそうな涼しい顔をしている。まったく、こっちの気も知らないで……。
「あらあら、しかしまー、我慢の足りない子ね。そんな事で四月から大丈夫?」
「大、丈夫よっ」
そっぽを向き、目を瞑る。母は変な所で鋭いので、表情を見られていたら気付かれてしまうかもしれない。
その後も母は部屋にいたのだけど、何とか堪えることが出来た。けれど、その後少しして、私は我慢の限界が来た。
「早くっ、でっ出ていってよぉっ!」
526内弁慶とみかんとかの汁 3/6  ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/26(日) 22:35:05 ID:uuZt9Gbe
おばさんが出て行った後、困った。彼女が泣き出してしまったからだ。
取り合えず足の指先の湿りをこたつの上のティッシュで拭いて、窓を開け、後始末をし始めた。
おばさんが部屋に来て、これはチャンスだと思って、こたつの中の足を彼女の下腹部へと伸ばし、指先で刺激し続けていた。
そのせいで彼女は、その、おもらしをしていまい、泣き出してしまったのだ。
「えぐっ、ずずーっ、ごめんねっ」
鼻をすすったり、メガネをずらして目をこする彼女を宥めつつ、布にシュシュッと消臭剤を吹きかけて行く。
床の絨毯はクリーニングに出さなければならないので端に畳んでいき、途中で絨毯に落ちていた物を見て驚き、それもそうだなとポケットにしまう。
こたつの布団は被害が少ないので消臭剤で済ませる事にした。これなら除菌も出来るので衛生面も安心できる。
こんな事態にはうろたえずに手際よく片付けられる自分は一体何なのだろうと思いつつ手を進めていく。
「こんな歳にもなって、ぐしゅっ、おしっこもらすなんて、はるちゃんイヤだよね?きらいになっちゃったよね」
下を穿き代えさせた後、彼女はまだ泣き続けてしかも、いつになく弱気になっていた。
大丈夫だよ、そんなこと無いよ、と声を掛けつつ、鼻が出ていたのでティッシュを彼女の鼻へ持っていく。ちーん、と素直に彼女はかんだ。
「いつもは年上ぶって、えらそうにしてるくせに、ほんとに、ダメな子でごめんね」
なかなか治まらない。こんないじらしいというか、幼い彼女は見た事が無く、新鮮でこれはこれで良いけど調子が狂う。
「あっ、そーだ!」
ぽんと彼女は手をたたき、
「お詫びに何かしてあげるっ」
と、言い出した。一応考えてみたけど何も浮かばなくて、部屋がしんとする。
そのうち彼女が覚悟を決めたような顔をしてこう言った。
「よしっ、胸でしてあげようじゃないかっ」


「いや、いいよ、やらなくて。というか、やらないで。やめて下さい」
「やるのっ、大丈夫なのっ」
意気込む彼女と、逃げ腰になる自分。普通は逆では無いかと思う。
こうやって拒むのも理由があって、彼女が中学生のあの時にやらされたのがソレなのだそうだ。

――僕だから、僕だけは大丈夫とか。そういった都合のいい話は、ある訳が無くて。

前にソレをしてもらおうとお願いした事がある。その時は、彼女が僕の物を胸で挟んだ瞬間に、彼女は胃の中の物を全て吐きだした。
二月のあの後、彼女と行為に及ぼうとした事もあった。
彼女は大丈夫だと言うけれどその身体の震えは止まらなくて、僕は何も出来なかった。
わざわざ傷口を抉るマネはするべきではない。そんな荒療治する事はない。
先程のこたつの一件も迂闊すぎた。少しずつ慣れていけばいいのに、欲望に駆られてあんな事をしてしまって。
そんな風に頭の中がどんどん後ろ向きな思考で埋まっていく。と、視界が揺れた。彼女が僕にのしかかってきたのだ。

彼女は既に上着を脱ぎ、ブラを外しており、僕の物はその豊かな胸を見て反応してしまう。
そちらに気をとられている間に彼女は手際よく僕の物をズボンから取り出し、ソレに胸を押し付けた。
乳房を手に持ってソレに擦り付ける様に動かしていく。
彼女の胸は温かくて、柔らかくて、気持ちよかった。その感触に意識がトびそうになる。
そして、いつの間にか僕のソレは彼女の二つの胸の間に持っていかれ、挟まれた。
彼女の胸と胸がぶつかり合ってその形をむにゅむにゅと変えていく様は、感覚と視覚の両方を刺激していく。
僕のソレはぷよぷよと歪み続ける乳房の間からたまに顔を覗かせていた。
そして今度はたわわな胸に挟みつつ僕のソレに桃色の唇を近づけた。
527内弁慶とみかんとかの汁 4/6  ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/26(日) 22:37:02 ID:uuZt9Gbe
「んっ、んうっ、はうっ、じゅるっ、れろっ」
ぺろぺろと舐めた後、けして大きくは無い口を最大限に開けて僕のソレを咥える彼女。メガネの奥の瞳はまた涙を滲ませている。
「んんっ、じゅぽっ、ふうっ、んっ、んっ」
吐き気を堪えているのかもしれない。眉間に皺を寄せながら、それでも口に含み続ける彼女が健気で、愛しくて。
気付けば僕は手を彼女の頭に持っていき、艶やかな髪を撫でていた。
ゴムで一つに縛られた髪は、これだけ長いと傷みそうなものだけどとてもなめらかで、とても触り心地が良かった。
「えへへっ、んっ、んっ、あんっ、」
髪を撫でられるのが気に入ったようで、彼女は苦しそうだけど微笑んでいるように見えた。
「ごめっ、口離して、もうっ」
耐え切れなくなって、僕はそう言ったのだけど、彼女は離してはくれない。むしろ激しく動き出して、
「んっ、んんんんうっ、ふあっ!」
僕は彼女の口の中で精を吐き出し、そのあまりの勢いにびっくりした彼女はようやくソレを口から離した。
そして、射精は止めようと思っても止められるものではなく、白濁の液体が彼女の綺麗な顔や白くてキメ細かい胸を汚していった。

「え゛ほっ、げふぅっ」
口に絡まった精子にむせ返る彼女。そんな姿を見て、やっと自分を取り戻した。
「大丈夫っ? ごっ、ごめん。ここに口の中の物吐き出して」
彼女の口元に左の手の平を差し出して、右手はこたつの上のティッシュを2,3枚取り、彼女の体や顔を拭いていく。
メガネのレンズも擦るのだけど、なかなか上手く行かずレンズに薄く白く残ってしまった。濡れタオルを持ってこなければ駄目だろう。
メガネは一先ず頭の隅にやり、他の彼女の体にかかった所を拭いていく。すると、
「んんっ、」
ごくっ、と文字通り喉が鳴り、彼女が目尻を下げながらこう言った。
「ふー。おいしくないね。
 けど、きみのだから、のめたよ」
彼女は褒めてくれと言わんばかりなのに、それでいて、凄く嬉しそうな顔をしている。
そんな彼女を見て。
「えへへ…。って、ふあっ」
戻って来た理性は、またどこかへ旅立っていった。


畳んだ絨毯の上に彼女を押し倒した僕は、彼女の足の間に体を押し入り秘所に指をかける。
「ふぅんっ、あっ、んっ、」
彼女の口から漏れる吐息を聞きながら彼女の入り口を撫でていく。
「んんっ、えぅ、はぁっ」
そして、先程のお礼とばかりに秘部に顔を近づける。くんくんと臭いを嗅いでみる。少しアンモニアの臭いがした。
「いやっ、やめ、におい、ん、かいでは、だめ、ひぅっ! なのっ」
顔を真っ赤にして首を左右に振り、甘い声を交えながら制止の声を上げる彼女を無視し、今度は舌を這わせていく。
「ああんっ、や、そこ、ふぅっ、きたな、」
顔を手で覆う彼女。普段では見れない反応に気を良くし、どんどんと舐めていく。
「ひぃっ、ああんっ、ふぅーっ、ふぅーっ」
秘部に舌を挿し込み上へ下へ右へ左へ動かし、次に淫核を口で器用に皮から出して舐めていく。
「そ、そこっ、ふああっ、ひぅうっ、だめっ」
周りを舐め、舌で弾き、遊ぶように転がして続ける。
「ほんとっ、んあっだ、だめなのっ、むぅんっ、ねぇっ、おねがいっ、やめっ」
なおも舐める。ベチョべチョしているのは唾液だけでは決してない。
「ふぅんっ、ふぁっ、だめなのっ、だめっ、だめっ、だめっ」
そしてトドメに淫核を歯で軽く噛んだ。
「ぁああああーー!」
ちょろちょろ……と水の滴る音がした。
528内弁慶とみかんとかの汁 5/6  ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/26(日) 22:52:34 ID:uuZt9Gbe
「ふぇぇぇ。だから、もう、やめてって、ふぐっ、いってるのにっ」
高ぶって、また漏らしてしまった彼女は今度は泣きながら拗ね始めた。
「まったく、ぐすっ、きみは、ほんとに、ずずっ、もう、きらいなんだからっ」
そんな彼女を見て、なぜか異様に欲情してしまい、僕のソレは今までに無い位にいきり立った。
さっき後始末をした時に見つけたモノをジーンズのポケットから取り、ソレに着けて彼女の秘部へと突き入れた。

「ふああっ、ちょっ、はなし、きいてないでしょっ、ふぅっ」
彼女の中へ入るのは二度目で、やはりというか、まだ動きにくい。
「あんっ、もうすこし、ゆっくり、んぷっ!? んんー!」
動きを緩めながら、彼女の唇を奪う。精液をもろに受けたそこは独特の臭いと味が残っている。
彼女の口内を掃除するように、歯茎から歯の裏まで、まんべんなく舐めていく。
舌と舌を絡ませながら、こんなの良く飲めたなぁと思っていると、さっきの彼女の言葉が頭によぎる。
――けど、きみのだから、のめたよ。
彼女の言った事を反芻して、一度自分のソレが大きく反応してしまった。
「ぷふぁっ、いま、なかで、きみのが、びくんっ、て、んむぅっ」
その事を指摘されて、なんだか恥ずかしくなり彼女の口を塞ぐ。
「んふぅ、んむっ、ぺちゃ、ふぅっ、だめ、いきが、んっ、もたな」
口を離し、今度は彼女の大きな胸を両手で揉む。パリパリした、角質のような物が少し付いている。
ティッシュのみでは拭ききれなかったようだ。けれど、彼女の肌はすべすべとしていて、柔らかいけど弾力性もあって、すごく気持ちいい。
「んっ、はぅっ、きもちいいよ。んあっ、」
満足するまで揉んだ後、彼女の屹立した乳首をつまむ。
「きゃっ、ふぅんっ、やっ! つっ、つまんじゃ」
大きな乳房に反して小さいそれは感度が良いようで、軽く引っ張ってみたり、こねてみたり色々として、彼女の表情を楽しんだ。

彼女の胸を弄りながら、腰を少しだけ早く動かす。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
彼女の膣内は、挿し込む時は侵入を拒むかのようにきついけれど、引き抜く時は纏わり付いて離さない。
こんな所まで彼女は意地っ張りで、なんだか微笑ましい。
「んっ、な、なによ、ひぃっ、いきなり、はぁっ、にやにやして」
何でもないよと言いながら腰を彼女へ打ちつけていく。
「ふぅんっ、ひぅっ、んあっ」
そろそろ限界だ。まだ彼女の中にいたいのに、体の動きは速くなる。
そしてもう一度彼女に口付ける。べちゃべちゃと音を立てながら口内を犯していく。
彼女の舌は柔らかくて、彼女の半分はむにゅむにゅした柔らかい何かで出来ているのではないかと思った。
「んんっ、あぷっ、えぅっ、れろっ、ぷはっ、も、もっと、」
鼻で吸えば良いのに、息が続かなくなった彼女は一旦顔を離し一息呼吸をした後、今度は彼女が僕の口を貪る様に舌を入れていく。
「キス、好きなの?」
「ぅんっ、すきぃっ、んんっ、ぇろっ、ぴちゃっ、ちゅっ、ぁうっ、」
口内を撫ぜていく彼女の舌の感触を味わいながら、絶頂が近い事を悟っていた。
「ふぁっ、ふぁっ、いっちゃうの?」
彼女の問いかけには答えず、胸を両手で握りながら、前後に大きく腰を動かし続ける。
「はんっ、いって、っいいよっ、ふあっ、あああっ!」
深く突き入れ、彼女の奥で僕は果てた。
529内弁慶とみかんとかの汁 6/6  ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/26(日) 22:54:38 ID:uuZt9Gbe
「ごめん!本当にっ、ごめんなさい!」
「もう、いいよ、最初から、別に怒ってなどはいないのだし」
俺達は後始末を終え、こたつに入っていた。彼女はみかんの白いすじを一つ一つ丁寧に取ってぱくぱくと食べている。
俺はというと、こたつに手と頭をつけていた。
前回は色々と流されてもしょうがない原因があったけれど、今回はただ欲望に身を任せてしまっただけなので本気で謝る。
彼女はそう言いながら絶対に怒っているし。あー、そっぽ向かないでください。
「こんな誤りは二度と起こさないから」
誠心誠意をもって頭をヘコヘコ下げる。すると彼女はやっぱり怒っているようで、顔を赤くして、
「あー、……誤りなら、もっと起こしてくれたって……構わないのだけど……私、頑張るから……」
小声でぼそぼそと言った。小さい上に聞き取りづらく喋るものだから、
『あやまり』『もっと』『してくれ』しか分からなくて、かなり怒ってるんじゃないかと思い、
すみませんでした、もう勘弁してくださいなんて事を言いながら謝り続けたけど、
謝罪の気持ちは届かなかったようで「もういいよ!まったく!」という具合に火に油を注いでしまったようで、とても話しかけられる空気ではなかった。


みかんの房の中の小さな粒々を一つ一つ歯で潰していく。ぷちぷちと、酸味と甘味が口の中に広がる。
最近のみかんは甘いだけで酸味が足りないと嘆いていた彼女の不満もこれなら解消されるだろう。
みかんマジおいしい。口にすると苦味しかない皮でさえ、お風呂に入れてあったまればポカポカだし。みかんに死角は存在しないんじゃないだろうか。
しかし、これは本当にうちから持ってきたみかんなのか?この、すっぱさと甘さの絶妙なバランス。こんなの家では食べた記憶がない。
というか、そもそも、みかんを見た覚えがない。そういえば、菓子類は勿論の事、果物類まで一切見たことない。
あれ、おかしいな、今朝は母親が菓子を食っているのを見たじゃないか、どういうことだ?
……そんな、どうでもいい家の事情を考えてしまうくらい、しばらく無言でみかんと食べ続けた。

「けど、その、……できたね。私達」
沈黙を破って、彼女が体をもじもじさせながら言った。そうだねと返しつつみかんをほうばる。
今回は、彼女の状態がいつもとは違ったのでその所為だろうと思った。
――きっと、また拒絶反応を起こしてしまうだろうと。
そういった事は、嬉しそうな彼女に向かっては、口に出来ないから。頭の中だけで留めておく。
「……後で気付いたのだけど、君、こ、こんっ、こんどーむなんてモノを持って。……そういう事ちゃんと考えていてくれたんだね……」
飛び出た単語に口の中のみかんを吹き出しそうになる。どこかおかしい気がしたけど……まぁいいか。
「……別に私は、構わないのだけど、……君の気遣いは、すごく、うれしい、よ」
最初の方はもごもごと不明瞭に言われ、何を発したのか分からなかった。
いつもはハキハキと喋るのに今日の彼女はおかしいな。
「なんだか暑いね。……あっ、窓開けてないじゃないか。まったく、空気も入れ替えておくべきだよ」
彼女は窓を開けるためにこたつから出る。
手にみかんの皮を持っているのは立ち上がったついでにゴミ箱に捨てるのだろう。効率のいい人だ。

彼女は西側の、本棚とタンスに挟まれた小さな窓を開けた。気付けばもう夕方で、黄色い太陽が空を燈色に染めている。
「やっぱり、暗くなってくると風が冷たいね。
 ……まったく。君が動いてくれたら私はこたつでぬくぬくと出来たのに」
不満を言う彼女の声。
だけど。それとは反対に。
夕日に逆光となって彼女の顔は見えないけれど、彼女が微笑んでいるように、思えた。
だから、無意識のうちに、
「綺麗だ」
と、呟いてしまうのもしょうがない事で。
「へ? ……きゃっ」
そのまま彼女に抱きついてしまうのも、しょうがない事で。

――彼女の方から、ぷしゃっという音が聞こえてきてしまったのも、しょうがない事だ。

(内弁慶とみかんとかの汁/了)
530内弁慶とみかんとかの汁 蛇足  ◆Q5T7.vLXfo :2006/03/26(日) 22:58:10 ID:uuZt9Gbe
抱きつかれた彼女は「きゃっ」と声を上げて驚きの表情を作る。が、その顔は一瞬で見えなくなってしまう。
彼女の手が、俺と彼女の間に入ったからだ。その手には、みかんの皮。その皮を彼女は指で折り曲げた。
燈色の表皮を外に出されて歪んだみかんの皮はそこから汁を飛ばしていく。
気付いた時には遅かった。放出された酸性の液体が目蓋を閉じる前に角膜へと辿り着く。
……ムスカの気持ちが分かった。


「まったく、君は油断も隙もない男だな」
彼女はこたつに戻りみかんを食べているのを細目で見た。
目が沁みるので洗面所に行って来ると告げると、
「き、君が、悪いんだからなっ。はやく目を洗ってきなさい」
心配そうな声で言われた。
彼女の部屋を出て廊下の突き当たりの洗面所へと向かう。蛇口のハンドルをひねり水を出し顔を洗う。
「はいどうぞ」
と、タオルを差し出され、それで顔を拭かせてもらった。
ありがとうと言って顔を上げると、そこに居たのはおばさんだった。てっきり彼女かと思ったんだけど。
おばさんはいつもの様にニヤニヤしながら俺に話しかける。
「お節介かと思ったんだけど、やっぱり使ったみたいね。置いておいて良かったわー」
よく意味が分からなかったので詳細を訊くと、
「だから、コンドむうっ」
おばさんの口を慌てて手で塞いだ。何を言い出すんだあなたは。つーかアレ、あなたの仕業ですか。
「はぁっ、はあっ、春ちゃんったら、大胆ね」
うっとりした表情でそんな事をほざくおばさんを冷たい目で睨み付ける、
「そうそう、あんまり激しくしちゃダメよ?」
が、その一言に凍りつく。

「ねー、なんか音がしたけど大丈、夫……」
そこに彼女が部屋からやって来てしまった。何故かとろんとした目のおばさんが彼女に喋りかける。
「あら六花ちゃん。春ちゃんにね、いじめられてたのぉ」
猫撫で声というのだろうか、そんな声で喋るおばさん。
「……ふーん、そういうこと。いいよ別に。そんなにお母さんが良いのなら、そこでいつまでも見つめ合ってなさい」
「いやいや、確かにおばさんを見ていたけど、見つめ合っていたわけじゃ」
「う、うるさい! ……君は言い訳なんてする子になってしまったのか。
 まったく、小さな頃の素直な君はどこへ行ってしまったのだろうか。幼い君を知る近所のお姉さんとしては悲しい限りだよ」
「お母さんは素直な六花ちゃんの行方を知りた」
「う、うるさいなお母さんはっ! ちょっと黙っててよっ」

へそを曲げた彼女の機嫌が直すのに、それから三日かかった。

(本当に終わり)
531名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 01:56:46 ID:/zw9KeKX
…終わってるよね?

ぐっじょぶ!!
萌えたぁー!!!
532名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 12:26:56 ID:+7l0Uq5D
ナイスこたつプレイ!GJ!
533名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 01:43:14 ID:muSXWOpz
GJあげ
534名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 12:06:31 ID:PAJCwlPa
素直にGJといえない俺ガイル
535 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/32(土) 00:31:49 ID:Ri/847rC
やっと書けました〜!
書いた後に大変な事に気づきました。…エロがない!
エロ無しになってしまいましたが投下します
「では…可愛い女子大生、森永ますみちゃんを在学中に孕ませた綾崎君の男気溢れる鬼畜さと、
これから始まるであろう…いや、始まってほしい地獄の結婚生活に、カンパイ!」
池田の乾杯の音頭でグラスをあわせるオレ達、そして照れながら頭を下げる綾崎君。いつまでたっても純な子だな。
オレと池田は綾崎君の結婚祝いの飲み会を開いてあげた。もちろん男だけの集まりだ。
女子は女子で集まるみたいだし…男だけのほうが楽しい事もあるしな。
今日は綾崎君の独身最後の日。そうなんだ、二人は明日籍を入れるらしい。
前からますみちゃんが卒業したら籍を入れて夫婦になるって言ってたもんな。
ますみちゃんと彩、二人は無事にこの春に大学を卒業した。
大学生活ではかなりお腹が目立ってきたますみちゃんを彩がキチンとフォローしてたみたいだ。
はた目から見たら彩がますみちゃんを妊娠させたんじゃないかってぐらいに世話してたらしい。
そのせいで二人はレズで、ますみちゃんは綾崎君とカモフラージュのために付き合っているって噂が広まったぐらいだ。
子供だけを作って綾崎君は捨てられたと噂されている。
しかしそれはない!なぜなら彩には昨日の夜、卒業式での袴姿になってもらい…ぐふふ。
おっといかんいかん、思い出したら顔がにやけてきた。
まぁとにかく彩がレズじゃないってのは体で確かめているからな。…袴は時々着てもらうとしよう。
「ついに綾崎も結婚か…予定では来月だっけ?かなえが出産には立ち合いたいって言ってたぞ。
そういや男か女、もうどっちか分かってるのか?名前は決めたのか?なんなら俺が名前をつけて…」
「直樹先輩、それはお断わりします。性別はこの間調べてもらったんですが女の子らしいんですよ。
ますみさんと二人で話し合って名前はもう決めました。まだ秘密ですけどね」
ほぉ〜、女の子か。この二人の子供ならかなりカワイイ子になりそうだな。
「ま、これからが大変だろうけど頑張れよ、綾崎君。オレ達も協力するしな」
「静馬さん、ありがとうございます!いつも彩さんにはお世話になってますし…これからもよろしくお願いします!」
オレに頭を下げる綾崎君。ホントに今時珍しい好青年だな。
「まっ今日は堅い話は無しだ!独身最後の祝いで2次会は美味しい店に連れてってやるぞ!なぁ静馬!」
「おお、もちろんだとも!…なぁに金の心配はするな!オレ達が奢ってやるからな」
妖しい笑みを浮かべるオレと池田。それを見て焦る綾崎君。
「ど、どこに連れて行くつもりなんですか?…ふ、風俗ですね?イヤです!ぜったいに行きませんから!」
大声で叫ぶ綾崎君。おいおい、そんな大声で叫ぶなよ。まったくここが個室でよかったよ。
「はっはっは、お前が行きたくないとかは関係ないんだよ。なぁ静馬よ」
「おうとも池田よ。綾崎君、君がいることに意味があるんだ。君の意思は全く関係ない!」
逃げ場を探しキョロキョロしてる綾崎君。はっはっは、出口はオレの後ろだから逃がさんよ!
「どこにする?オレ、久しぶりにセクキャバがいいんだがな。お前はどこがいい?」
鞄から風俗雑誌を取り出して池田に渡す。
「俺はイメクラがいいな。…でも綾崎はいつも母乳プレイしてるだろうから今日は辞めとくか。
よし!まずはセクキャバに行ってからヘルスに行くか!」
「おう、そうだな!セクキャバでたぎった欲望をヘルスで収めるとするか!」
オレ達の会話を青い顔して聞いている綾崎君。はっはっは、いいかげんに覚悟を決めろよ。
「ふ〜ん、やっぱりそうなるんだ…ほら見なさい彩、やっぱりあたしの言った通りでしょ?」
突然オレの後ろの扉が開き聞き覚えのある声がした。……で、出口はどこだ!逃げ道はどこだ!
キョロキョロと見逃げ道を探すオレと池田。
「湧一さん…私、信じてたわ!やっぱり私の湧一さんね!」
こ、怖い…怖くて後ろを見れない。池田もうつむいている。
「……ナニ考えてるのよ……1回死んでくる?」
地獄の底から聞こえたような声の持ち主が後ろから手を伸ばし、テーブルの上に置かれていた空ビール瓶を手に取る。
「…この浮気もんがぁぁぁ〜!…ゴスンッ!」
頭に走る衝撃!あ、彩…なにもビンで殴る事ないだろ?
倒れるオレ、そこにボディーへの追い討ちのキックが……ドスンッ!
ゆ、許して…も、もう蹴らないで…
「なぁ、もう怒らないでくれよ…オレが悪かったから。彩、もうしないから許してくれ!」
あの後、皆でますみちゃんと綾崎君をお祝いして解散となった。
池田はかなえちゃんに手を引かれて連れていかれ、ますみちゃんと綾崎君は仲良く肩を抱き合い帰っていった。
で、今オレは家に帰ってきて彩に土下座している。よっぽど怒っているのか目も合わせてくれない。
確かに風俗に行こうとしたがお祝いなんだからいいんじゃないかと思うんだがな。
「……アタシじゃダメなの?アタシじゃ満足出来ないの?…ヒック、アタシの、グスッ、何がいけないの?」
えっ?…彩、泣いているのか?
「最近ライブの準備が忙しくて、そういう事あまり出来なかったから…拓にぃ、アタシを嫌いになった?」
「ば、バカ言うなよ?オレがお前を嫌いになる事なんてないよ。オレにはお前だけだよ。
ゴメンな、綾崎君の独身最後の記念にって軽い気持ちだったんだよ…もう二度としないよ。
オレの女はお前だけだ、愛してるぞ…」
彩を後ろからギュッと抱き締める。…オレはバカだ。なんでこんなにバカなんだ!
彩はオレだけを見てくれてる。なのにオレは…
「拓にぃ…ホントに?もうエッチな店に行こうとしない?」
俯きながら呟くように言う彩。
「ああ、約束する。オレはお前以外の女とはもう一生しないよ。約束だ」
オレの手にそっと手を重ねて「うれしい…」と呟く彩。その仕草に思わず抱き締める力を強くする。
こんなオレをここまで愛してくれるなんて…彩、愛してるぞ!

(こんな拓にぃは初めてね。う〜ん凄い効き目…ますみの言う通りね)
ますみから教えてもらったウソ泣きの仕方をしてみたら…大成功!
ウソ泣きはちょっと卑怯な気もするけど…効果は絶大ね!
でもますみってやっぱり策士よね。きっとあの手この手を使って綾崎を虜にしてるんだ。
…きっと妊娠もますみの策略ね。でもそんなことしなくても綾崎はますみ一筋だと思うんだけど…
きっと不安なんだろうなぁ、アタシも不安だもん。
拓にぃがアタシを好きでいてくれるか…今でも時々不安になる。あ〜あ、早く安心させてほしいなぁ…
「彩…ため息ばかりつかせてゴメンな。…オレ、情けない男だよな。好きな女を悲しませてばかりで…
オレ、最低だよな」
えっ?アタシため息なんてしたんだ。アタシのため息を聞いた拓にぃが凹んでしまった。
「そ、そんな事ないよ!拓にぃがいてくれたから…拓にぃがそばにいてくれるからアタシ頑張れるんだよ。
…頑張ってこれたんだよ」
アタシの言葉に強く抱き締めてくれる拓にぃ。ちょっと痛いけど…うれしいな。
「拓にぃ…ヒドイ事してゴメンね?だから…仲直りのお風呂に入ろうよ」
アタシの提案に息荒く、アタシの胸を揉みながら同意する拓にぃ。…さっきまでのはなんだったの?

ますみ達の結婚祝いの飲み会から3日が過ぎ、先輩の一声で久しぶりに女3人で集合することになった。
渡したい物あるからちょうどよかったわ。けど先輩なんの用なのかな?
「先輩、ますみ、はいチケット。自分で言うのもなんだけど、プラチナチケットだからなくさないでね」
二人にアタシの…sai最後のライブチケットを渡す。…あれ?先輩珍しく元気ないなぁ。どうしたんだろ?
(ねぇますみ、なんで先輩元気ないの?まるで凹んでるみたいね。なんか知ってる?)
先輩に聞こえないように小声で話す。
(それがね、子供ができたんだって)
ふ〜ん、子供ができたのかぁ。それで凹んで…ええ!先輩妊娠したの?
「先輩おめでとうございます!妊娠したんですね!黙ってるなんて水臭いですよ〜」
「ちょっ、彩!人の話は最後まで聞きなさい!」
アタシが先輩にお祝いの言葉をかけたらますみに止められた。なんで?
あれ?辺りが急に寒くなったような気がする。……な、何で先輩から殺気が?
殺気に気付いたますみが震えだした。気が付いたらアタシは鳥肌がたっていた。
「フ、フフフフ…彩、有難うね。そうなのよ、直樹に兄弟が出来るのよ。お義母さまが妊娠したんだって…フフフフ…」
な、なに?なんなの?お義母さま?いったいなんなの?
(彩、実はね…池田さんのお父さまが恋人を妊娠させたのよ。それで先輩と池田さん、ショックを受けてるの)
えええ〜!池田さんのお父さんって池田館長でしょ?60近い歳じゃなかったっけ?そ、それはショックよね。
あれ?確か恋人って……ま、まさか!
「お義母さまにも…いづみにもお祝い言ってあげてね。…フフフフ」
やっぱり佐藤いづみなのね。ますみの天敵の女で今は池田館長と付き合って…お義母さま?
「驚いたでしょ?あたしと直樹も昨日の夜に聞かされたのよ。後輩がお義母さまになるって…
しかも先に妊娠されたなんて……ウフフフフ」
なんか物凄く複雑な家族構成ね。…失敗したなぁ、アタシ触れてはいけないものに触れたのね。
「彩、チケットありがとうね、楽しみにしてるわ。さ、貰うもの貰ったし二人とも行くわよ。
今夜は付き合いなさいよ、たまには飲まないとね」
うわぁ…やけ酒につき合わされるのやだなぁ。でもますみがいるから大丈夫かな?
「先輩すみません。私このお腹だから…今日は遠慮しますね」
お腹を撫でながら断るますみ。そうよね、妊婦だもんね、当たり前よね。
「先輩、アタシはライブが4日後にあるんで…」
「じゃあ前祝いしなくちゃね。ますみは残念だけど仕方ないわね。彩、今日は朝までいくわよ!」
はぁ〜問答無用なんだ。拓にぃに電話しないと…ええ!朝まで飲むの?
先輩命令に逆らえず凹んでるアタシにますみが小声で話し掛けてきた。
(彩、ビールをストローで飲まされたら酔いが回るの早いから気を付けなさいよ)
………アタシどうなるんだろ?家に帰れるのかな?
「…ええ、やるなら最初ですね。saiの名前をコールして彩がステージに立った時にやりたいんです。
出来そうですかね?」
今日彩はかなえちゃんに呼び出されての飲み会らしい。オレも池田から聞いたけど…スゲエな館長!感動した。
『う〜ん、出来ることは出来るけど…前の方の席しかステージに届かないよ?
…まぁ一人三つぐらい投げてもらえば数はいけるかな?色は赤でいいんだよね?』
で、今オレは電話で新田さんとsaiのライブ演出について話している。
「ええ、赤でお願いします、彩もビックリすると思いますよ。新田さん有難うございます!」
新田さんが話の分かる人でよかった。普通なら部外者のオレの意見なんて聞いてくれないからな。
『ははは、そんな照れること言わないでよ。お礼はそうだね…君たちの結婚式に招待してよ』
「当たり前ですよ。祝儀、はずんでもらいますからね?覚悟してて下さいよ」
『うわ〜、僕、薄給なのにこりゃ大変だ!…てことは近々結婚申し込むの?』
しまった!誘導尋問か?…見事にやられたな。
「彩には黙ってて下さいよ?長いこと待たせたんだからビシッと決めたいんですよ」
『どう決めるの?ちょっと教えてよ?…じゃないと口が滑るかもね?』
前言撤回、この人面白い事が好きなだけだ。
「絶対に言わないで下さいよ?ライブの後に言うつもりなんですけど…
『これからの人生、オレと同じコーナーに立ってくれ。一緒にベストタッグを目指そうじゃないか。
彩、この調印書にサインしてくれ』と言って婚姻届を渡すつもりなんですよ。どうです?完璧でしょ?」
ふっふっふ、どうだこの完璧なプロポーズの言葉!どんな女もイチコロだろ?
『…静馬君。君、頭イッてるね〜。そんなこと言ったらフラレるよ〜。君に彩ちゃんを任せるの不安になってきたよ』
「そ、そんな馬鹿な?三ヶ月もかけて考えたんですよ?」
ウソだろ?これのどこがダメなんだ?三ヶ月も考え抜いたんだぞ?
『まぁ君達がプロレス好きなのは知ってるけど、それとは離して考えた方がいいよ。じゃ、頑張ってね』
電話を切られた。マ、マジかよ?もうライブまで4日だぞ?どうする?先にのばすか?
…いや、今までずっと待たせたんだ、それは出来ない。
それに彩が大学を卒業したら結婚を申し込む、ずっと前から決めていたことじゃないか。
そうだ、一度かなえちゃんにも聞いてもらおう。そうだよな、きっと新田さんがズレてるだけだよな。

次の日、二日酔いのかなえちゃんに聞いてもらったら容赦のないダメだしをされた。ど、どうしよう?

「…でね、この間の飲み会で先輩ってばストローで無理やり飲ませるんだよ?…死ぬかと思ったわ」
ライブ前日の夜、彩との取りとめもない会話を楽しむ。
「オレはストローで中ジョッキ3杯連続で飲んだぞ?まぁ確かに酔いが回るのが早かったけどな」
「さ、3杯も飲んだの?凄い!拓にぃ凄いよ!…そうだ、凄いと言えば池田館長だよ!あの人なに考えてんの?
あの年で子供作るって…とんでもない親父よね〜」
今日の彩はよく喋るな。…ライブ前だからテンション上がってるのか?
「しかも結婚するんだよ?自分の子供より年下と!…ホント、ビックリするよね〜」
「彩、もう寝ようか。夜更かししたら明日に響くぞ」
いつの間にか時計の針は1時を過ぎていた。さすがにもう寝ないとな。
「え?…そっか、そうだよね。ライブ、今日だもんね。身体休めないとね」
そう言ってため息をつく彩。表情が暗い、なぜか沈んでるように見える。
「彩…不安なのか?…大丈夫だ、お前なら出来るよ。オレが保障する、絶対に成功する!」
オレの言葉に抱きついてきた彩。
「…大丈夫かな?みんな楽しんでくれるかな?…ブーイングされたりしたらどうしよう…」
「彩…ブーイングなんてしたい奴にはやらしておけばいいさ。お前は自分自身を貫き通したらいい。
他人の目なんて気にするな!それにな、武道館でのブーイング…悪役レスラーみたいでカッコいいじゃないか」
「……ぷっ、そうだね、ブーイングされたらポーズでも決めるよ」
そう言って蝶野正洋ばりのポーズを決める彩。なんか似合ってるな。
「…アリガト。おかげで何とかなりそうな気がしてきたよ。じゃ、寝ようよ拓にぃ!」
そう言ってベットに座っているオレを押し倒してきた。
「うを!彩、お前なに…むぐ!」
オレを押し倒した彩はキスで口を塞いで舌を入れてきた。せ、積極的だな。
「ん、んん!んちゅ…ちゅる、ちゅ…ん、ちゅっ……ん、えへへ。エネルギー補充完了!拓にぃおやすみ!」
そう言ってベットに潜り込む彩。彩…お前のせいで火のついたオレのこの煮えたぎる欲望はどうしてくれるんだ?
…さすがに今日するのは無理だよなぁ…はぁ、オレも寝よ。


「チケット買うよ〜。兄さん余ってない?あったら買うよ〜」
ダフ屋ってのはどこにでもいるんだな。ちょっと感動した。
ついに彩のライブ…sai最初で最後のライブの日を迎えた。彩を除いたオレ達全員が一緒に武道館に来ている。
九段下の駅を降りた瞬間から凄い人だ。これは超満員になりそうだな。こんな中で彩、大丈夫か?
「ますみ、あなたやっぱり止めたほうがいいんじゃないの?お腹に悪いと思うわよ?」
かなえちゃんがますみちゃんを気遣う。そうだよな、臨月を迎えようとしてる妊婦なんだからな。
お腹に悪いからと彩も止めたんだけど絶対に行くって聞かなかったんだ。
「いくら先輩の言うことでもイヤです!この子にも彩の歌声を聞かせたいんです。
きっと元気な子になってくれると思いますからね」
お腹を撫でるますみちゃん。元気な子にはなるだろうけど…彩そっくりになったら大変だよ?
「で、どうするんだ?楽屋に励ましにでも行くのか?お前なら楽屋まで通れるんだろ?」
搾りかすみたいな池田が聞いてきた。おいおい、お前大丈夫か?
なんでも昨日の夜、ライブ前日でテンションの上がったかなえちゃんに捕食されたらしい。
弱肉強食ってすげえな!…自然の摂理に感動した!
「いや、彩はライブに集中したいから来ないでほしいんだと。それよりさっき話したことしっかり頼むな?」
「静馬先輩、それって席に置いてあるんですよね?」
「ああそうだよ。saiのコールで彩がステージに立つからそのときに頼むよ。説明文も一緒に置いてる筈だから」
上手くいくだろうか?一応新田さんがネットでも情報を流してくれてたけど…上手くいってくれ!
神に祈るオレ。ライブに来る皆さん協力してくれ!
「武道館に入るのって初めてです!すごく広いんですね!」
「ははは、今度一緒に武道館でのプロレスでも見に行くかい?ますみちゃんも一緒に行こうよ。彩も喜ぶよ」
初めて武道館に入った綾崎君が目を輝かせて喜んでいる。
今度プロレスを見に連れてきてやろう。で、彩とオレとで徐々に洗脳してプオタにしてやる!
手始めにオレ編集の小橋建太ベストバウト集を見せてやろう。全日時代からノア絶対王者時代まで揃ってるからな。
で、次は初代タイガーマスクのビデオを見せれば完璧だろ?逃がさないぞ〜、綾崎君!
オレの企みを察知したのか、ますみちゃんが綾崎君にストップをかける。
「ダメよ湧一さん、静馬さん達と来たらプロレスオタクに洗脳されちゃうわよ?
彩と出会った頃に彩からプロレスについて熱く語られて、もの凄く大変だったのよ」
昔を思い出したのか、ため息をつくますみちゃん。…さすがだな、オレ達の行動を読んでやがる。
「で、ライブってお酒の売り子とかいつ来るんだ?」
池田はライブを野球と同じように考えてるな?
「あなた…あまり恥ずかしい事言わないの!黙って歌を聞いてなさい!」
かなえちゃんに怒られ、背筋を伸ばして座る池田。う〜ん、尻に敷かれてるな。
「あ、そろそろ始まるみたいね。…緊張してきたわ。彩、大丈夫かしら…」
照明が落ち、場内が暗くなる。バンドのメンバーがそれぞれの配置に付いた。
オレ達の席はアリーナ最前列。だから暗くてもステージ上の動きが見える。彩はまだステージに立っていない。
……いよいよだ。ついに彩の…sai最初で最後のライブが始まるんだ!


『皆さん、本日はアタシ…saiのラストライブに来てくれて本当にありがとう。
…saiは今日をもって歌うのを辞めます。今まで応援してくれた皆には感謝の気持ちで一杯です。
せめてもの恩返しのつもりで、今日は…燃え尽きるまで歌います!みんな!アタシのライブ、楽しんでね!』

前もって録音しておいたテープが流れた。いよいよだ、ついに最初で最後のライブだ…
今、ステージではバンドメンバーの紹介が始まっている。普通はメンバー紹介の前に何曲か歌うんだけどね。
だけどアタシが皆に挨拶をしてから歌いたいって我が侭言ったの。最後だからね、キチンと挨拶してから歌いたいの。
『最後はボーカル!…皆のカリスマ!皆の気持ちを歌い続けた伝説のアーティスト…sai!』
(……よし!行くわよ!)
頬を両手で叩いて気合を入れてステージに飛び出したその瞬間、客席からステージに赤い架け橋が架かったの。
…ううん、違うわ。これは……赤い紙テープ?皆が私の為に…応援するために投げてくれたの?
……こんなに綺麗なんだ。アタシはいつもリングに向かって投げてばかり。
投げてもらうのってこんなに嬉しいんだ。……皆と赤い橋でつながった様な気がするわ。
「みんな…ありがとう!そして始めまして!アタシがsaiです!我が侭言って引退するアタシにこんな嬉しい事…
みんな、アリガト〜!」
頭を下げて周りを見渡す。…武道館が一杯だ。みんなアタシに会いに来てくれたんだ!
アタシなんかの為に…みんな、本当にありがとう!
「おお〜、綺麗なもんだな。静馬、大成功じゃないか!」
よかった!みんな協力してくれた!…彩も嬉しそうだし…大成功だな!
「静馬先輩、どこでこんなアイディア思いついたんです?凄くいいじゃないですか!」
かなえちゃんに褒められた。なんかうれしいぞ。
「かなえ、調子に乗るからあんまり褒めるな。紙テープを投げるなんて…どうせプロレスからのパクリだろ?
…まぁそれがお前等らしくていいけどな」
「二人とも黙って!彩がなにか喋るわ、邪魔するなら出て行ってください!」
……ますみちゃん、ちょっと怖いよ?かなえちゃんもビックリしてるぞ。…後でどうなっても知らないからな。
周りを見渡していた彩が口を開く。その様子を見ていた観客達は口を閉じ彩の言葉に集中する。

『…アタシ、引退を決めてからロックってなんなのかってずっと考えてたの。
ロック歌手として歌ってきたけど、ロックってなんなのか考えた事なかったんだ…だから考えてみたの。
アタシのロックってなんだろうってね。なかなか答えは見つからなくて…でもね、昨日ある人にこう言われたの。
『自分自身を貫いたらいい』って。それを聞いて分かったの。アタシのロックとは…自分自身の考えを貫くこと。
そう、例えどんな事でもいいの。家族の為に一生懸命に頑張って働く事…それもロックだと思うの。
夢に向かって頑張るのも、好きな人の為に頑張って料理したりするのも、自分自身の考えなら…それはロックだと思う。
人に流されたりしないで自分の考えでしっかり歩いていけたら…それこそがロックだと思うの!
そんな考えはロックと違う!って人はもちろんいると思う。でも100人いたら100通りのロックがあると思うの!
…アタシはこれからもアタシのロックを続けていくつもり。皆も自分自身のロックを見つけて下さい。
…長々と話してゴメンね?…みんな今日はおもいっきり楽しんでいってね!』

彩の話が終わり、デビュー曲の前奏部分が流れ出す。ああ、そうだ。この曲だ。
この曲を一緒にあーだこーだ言いながらオレのマンションで作ったんだ。
そんなことを考えていたら彩と出会ってからの事が頭に浮かんできた。
隣に引っ越してきた引っ込み思案のかわいい女の子。おばさんに頼まれて嫌々遊び相手になったのが始まりだったな。
そのうちオレと同じくプロレス好きになって活発な子になっていったんだった。
オレが就職する時は泣きじゃくってなかなか離してくれなかったよな。
彩が高校に行くようになったらオレの部屋に遊びに来るようになって…ははは、おかげで何度引っ越ししたか。
大学生になったらよく泊まっていくようになったんだよな。saiとしてデビューしたのもこの頃だったな。
そして今はその大学も卒業して…saiも卒業しようとしている。
オレは目の前で熱唱している彩の歌声を聞きながら腹を決めた。
彩が話していたロック…自分自身の考えを貫くこと…オレのロックは彩への気持ちだ。
この気持ちを貫こう、一生ロックで生きていこう!彩、愛してるぞ!
ライブは3度のアンコールもあり、大盛況で幕を下ろしたわ。
ライブの後、武道館に来てくれた皆は口々に「俺もロックするぞ!」と盛り上がってたみたい。
アタシの言葉が他人の生き方にまで影響するなんて…ちょっと責任感じちゃうけど、うれしいな。
で、今はライブ後の打ち上げも終わって拓にぃと家に帰り着いたところ。もう夜中2時を回ってるのね。
「はぁぁ〜、つっかれたぁ!」
ソファーに倒れこんで伸びをするアタシ。ホントに疲れたわ。
「お疲れさん、マッサージでもしましょうか?」
そう言って手をわきわきさせてる拓にぃ。…このヘンタイ!
「彩、ライブ凄かったな。かなえちゃんとますみちゃん、二人とも泣いてたぞ」
「ん〜?二人だけ?おいっかしいな〜、ますみからは号泣していたのが1人いたって聞いてるんだけどな〜?」
「…すみません、私も泣いてしまいました。感動いたしました」
そう言って頭を下げる拓にぃ。うん、正直で大変よろしい。
「じゃ、泣き虫君はアタシの肩でも揉んでくれる?…もちろんエッチな事は無しよ」
素直に従う拓にぃ。あれ?珍しい、いつもなら絶対に何かしてくるのに…なんかあったのかな?…ま、いっか。
優しく肩を揉んでくれる拓にぃ。あぁ〜、気持ちいいわ。
ライブを乗り切った達成感と肩もみの気持ちよさで気が緩み、思わずこれからの不安を口に出してしまう。
「あ〜あ、これでsaiも卒業かぁ…大学も卒業したし、することなくなっちゃったな…これからなにしようかな…」
ため息が出るアタシ。だってなんにも決まってないからね。
「おいおい、なに言ってんだよ。まだ卒業しなきゃならないのあるだろうが。ほらっ、卒業証書に記念品」
封筒と何かが入った小さいケースを渡してきた拓にぃ。
「は?拓にぃ何これ?」
「なにこれって…国生彩の卒業証書と記念品の指輪だよ。もちろん給料三ヶ月分だ」
え?まさか…震える手で渡された封筒を開けてみる。中には婚姻届が入っていた。拓にぃの名前は記入済みだ。
「彩、国生彩を卒業して静馬彩になってくれないか?愛してる。結婚してくれ、彩」
夢…じゃないよね?これホントだよね?ケースを開けてみるとそこにはダイヤの指輪が入っていた。
「た、たく…ひっく、拓にぃ!愛してる!愛してる愛してる愛してる!…うれしいよぉ〜、やっと拓にぃと…ぐすっ」
拓にぃに抱きついて泣きじゃくるアタシ。夢なんてオチだったら許さないんだから!
次の日の朝、いつもの目覚ましで目が覚めた。ふと横を見ると隣に寝てた彩と目が合った。
「お、おはよう拓にぃ…」
ん?顔が赤いな、どうしたんだ?
「あ、朝ごはん作るね?ちょっと待っててね」
そう言ってあわててベットから起きて台所へと向かう彩。なんだ?よく分からんな。
ふと枕元に置かれた封筒が目に入ったので中を覗いてみた。
そこにはオレと…彩の名前が書かれた婚姻届が入っていた。
(そうか、これに名前を記入したから照れてたんだな。まったくカワイイ奴め)
納得したオレは顔を洗いに洗面所へと向かう。
鏡を見るとそこには顔から首にかけてキスマークだらけのオレが映っていた。
「…あやぁぁぁ〜!オレが寝てる間にお前なにしてんだ!仕事に行けないだろうがぁぁぁ!!」
オレのあまりの剣幕に驚き、逃げ惑う彩。
「ご、ゴメンってば、そんなに怒こらないでよ。…我慢できなかったんだからしょうがないじゃないの」
こ、この…チクショウ、カワイイじゃないか!
「ダメだ、許さん!…お返しでオレもつけてやる!」
「ええ?ちょっ、ダメだって!拓にぃ仕事が…あん、だ、ダメ…んん!」
押し倒すオレにイヤだといいながらも抵抗をしない彩。
「彩、今日は仕事休むよ。一緒に市役所に行こうな」
耳元で囁くオレ。真っ赤な顔で頷く彩。
「……うん。でも拓にぃ、その顔じゃ無理だとおもうけど…」
「あ、そうだよな。誰かさんが付けたキスマークが消えるまでは外に出れないよな」
そう言いながら彩の首筋にキスマークをつける。
「…もう!アタシまで外に出れなくなるじゃないの!」
嬉しそうに言いながらほほ笑む彩。
「彩…愛してる。オレにとってのロックはお前だよ。お前と一緒に幸せになる事だ」
「あら、アタシと同じじゃないの。…幸せにしてよね。好きよ、愛してるわ」


今、オレの腕に抱かれている女性、国生彩はプロレスオタクであり、元ロックシンガーのsaiでもある。

そしてオレの最愛の妻になる女性…『彼女は静馬彩』になるんだ。どうだい、最高だろう?


 彼女は○○○2nd 終

545 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/03/32(土) 00:43:45 ID:Ri/847rC
以上でこのシリーズは終わりです

最初に思いついたのがプオタのロック歌手が武道館で紙テープを投げ入れてもらい引退するっていう設定でした

まさかここまで話が広がるとは思ってませんでした

長々と駄文を投下してしまい申し訳ありませんでした

次からはもっとスッキリしたssを書けるよう努力します

最後に少しのおまけを投下します。では…
「おや?彩ちゃんこんなところでどうしたんだい?……またケンカしたのかい?
はぁ〜、いい加減にしないと嫌われちゃうよ?……さ、一緒に来なさい。また仲直りのチューするんだろ?」
仕事から帰ってきたら玄関先に座り込んでいた彩ちゃん。またケンカをしたらしい。

「ただいま〜、かなえ帰ったぞ〜」

「お帰りなさいあなた。あら?後ろのかわいい子は誰かしら?」

「ははは、またケンカしたんだとさ。竜平はどこだ?」

「今お風呂に入ってるわよ。…あ、彩ちゃん待ちなさい!」

「やれやれ、名は体をあらわすって本当だな。ますみちゃんも苦労してるらしいぞ?綾崎が言ってたぞ」

「ねぇあなた知ってる?彩ちゃんが竜平とケンカする理由。…仲直りのチュー出来るからだって」

「ホントか?竜平は俺に似てプレイボーイになりそ……なんてことはないよな!わっはっは!」

「……今日は久しぶりにしましょうね?…どこの誰とプレイボーイなことしてるのか体に聞いてあげるわ」

「と、ところで正平君はどうしたんだ?静馬達から預かってるんだろ?」

「かなえちゃんが持って帰ったわよ。今から浮気しないように教育するんだって」

「綾崎の家か、なら安心だな。しかし子供達は女の子が強いな。っていうかますみちゃんの子供が強すぎるな」

「尻に敷かれるのがちょうどいいのよ。静馬先輩のようのにね」

「あいつ等なぁ…子供置いてプロレス見に行くなよな。あの二人はホント変わらないよな」

「そうよね。…あら?彩ちゃん仲直りできたの?……そう、よかったわね。ケンカはして帰らなくていいの?
……明日ケンカしに来るの?そう、じゃ、おやつ用意して待ってるわね。お母さんによろしくね」

「じゃ、俺、家まで送ってくるわ。綾崎に書類渡すの忘れてたしな。…あいつはまだまだかなえの域には達してないよ」

「そうなの?まぁ綾崎君も頑張ってるんだから鍛えて上げなさいな。彩ちゃん、またね」


(仲直りのキスをしたいからケンカをするなんて…カワイイ発想ね。ホントに名は体をあらわすね。
…ということはかなえちゃんは頭のいい子になりそうね。息子共々成長が楽しみだわ)


547名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 02:47:36 ID:uAVGzUju
最高に楽しませていただきました。
いい最終回だった。GJ
548名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 08:05:03 ID:dUKXooPq
GJ。長い間お疲れ様でした
549名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 09:53:44 ID:vz6ng/S3
GJ!ですた。
550名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 18:43:45 ID:I0Y7TfCW
超GJ&お疲れ様でしたGJ&萌えたよGJのトリプルGJ!!!!!!
ただ、>>543>>544の間にエロ入れそうじゃないすか?
やっぱエロないと淋しいっす。てな訳で更なる補完話をばキボン!
 
…ダメっすかね?
551 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/02(日) 22:58:33 ID:gvThWrim
皆さん感想ありがとうございます!

最後にエロを入れれなかったことが心残りですがそこは勘弁してくださいね

では、しばらくは名無しに戻って次回作を考えます
552名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 14:33:29 ID:1yg1DPiF
遅れちゃったけどGJ!
553名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 14:54:26 ID:SUV6jF1b
こちらも遅れながらGJ!!
554名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 21:31:25 ID:4C1wHibC
遅ればせながらGJ!!!
555名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 22:30:43 ID:aZ7pN6S4
さらに遅れてGJ!
556 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:32:12 ID:nrk9m7J5
皆さん感想ありがとうございます!

しばらく名無しに戻るなんて言ってましたが急に電波を受信したので一本書いてしまいました。

ただ…ここのスレに合っているかどうか微妙な気がします。

一応投下してみます。
557私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:33:20 ID:nrk9m7J5
午前7時、起床。一時間ほどのランニングで汗を流す。
健康維持のために始めた毎朝のランニング。おかげで昔とスタイルは変わってない。
朝食はしっかり取る。私は昼に食事を取らない。時間を無駄にしたくないから。
朝食を取り、シャワーを浴びる。最近肩凝りがひどくなったので、肩に熱いお湯をかけて自分でマッサージする。
この肩凝りも今の仕事(仕事と呼ぶにはおこがましいが)を始めてからの付き合い。
シャワーを出て鏡を見る。疲れた顔…そんな自分の顔にため息が出る。

午前9時、ジーパンにジャンバーを羽織り、帽子を深く被って職場に向かう。
途中ですれ違うサラリーマンに負い目を感じながら…

午前9時30分、職場に到着。店が開くまでの間に途中のコンビニで購入した雑誌で情報を仕入れる。

午前10時、開店。まずは目当ての台の釘をチェックする。昨日から変わっていない。…よし、勝負になる。
ペットボトルで台をキープして他の台のチェックに入る。全体的に釘をいじってない。
…甘い店だ。しばらくはここで食べていけそう。他の客もおじさんおばさんばかりでロクに釘を見ようとしない。
そんな状況に少し安堵し、ハンドルを握り玉を打ち出す。目標は日当3万円以上。
そう、これが私の仕事。いわゆる……パチプロ。

私の名前は保科恵(ほしな めぐみ)。23才女。この生活を初めて3年になる。
きっかけは大学時代に生まれて初めて付き合った男の保証人になったこと。
その男が私に借金を押しつけて逃げた。借金400万円。学生には支払い不可能な金額。
生まれて初めての男の頼みとはいえ、考え無しで保証人を引き受けた自分に腹が立つ。
親に頼ろうにも実家は貧しく、大学も無理して入ったから頼めなかった。
その借金を返すために大学を辞め、風俗で働くことを一度は決意をした。
でも風俗店での面接の前に気晴らしで入ったパチンコ店が、私を風俗行きから救ってくれた。
素人だった私がビギナーズラックでの5万円勝ち。こんなにお金が稼げるんだったら借金もすぐに返せるんじゃないか?
そう考えた私はパチンコを勉強した。雑誌で釘の見かたを勉強し、実戦で釘を見る目を養った。
時折稼ぎのいいパチスロにも手を出したが、借金を返済した今はゆっくり打てるパチンコで生活をしている。
普通の生活に戻ろうとした時期もあったが、大学中退の元パチプロの女なんて雇ってくれる会社はなかった。
田舎に帰ろうかとも考えたが、大学を勝手に辞めた事で勘当された。
両親からすれば、必死に働いて仕送りしていた大切なお金を男に貢ぎ、挙句の果てに借金まで背負わされた馬鹿な娘。
そんなバカな女は私達の娘ではないと言われた。…私でもそう思うだろうし、勘当されて当たり前だろう。
厳しい現実に私はパチプロを続けていくことを決めた。それが半年前の話。
私の生活のリズムはパチンコが中心で回っている。そうしないと食べていけないから。
けど最近そのリズムを崩すヤツがいる。……またメール。…あいつからだ。
『鍋の美味しいお店を発見!今夜食事に行きません?』だって。
鍋ごときで私を誘うなんて…アキ坊のくせに生意気。ま、せっかくの誘いだ、奢らせるとするか。
『了解』とだけメールを打ち、台に集中する。千円あたり26回転…上出来、かなりの優秀台ね。
あいつと食事に行く日は仕事は16時までと決めている。それまでに日当を稼げればいいが…
558私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:34:14 ID:nrk9m7J5
15時40分、100回の時短を終わらせ今日の仕事を終わりとする。
店員を呼び出し玉を流す。……約8500個。30個交換だから…2万8千円ちょっとか。
投資が8千円だから今日の日当は約2万円。…はぁ、この釘ならもっと稼げるのに…アキ坊のせいだ。
換金を終えて急いで家へと帰る。あいつはタバコの臭いが余り好きじゃないらしい。
私は吸わないが店にいるとどうしても臭いが付いてしまう。私も最初はイヤだったが、もう慣れた。
だからあいつと会う日はシャワーを浴びて服を着替える。
……今、気がついた。何故私が気を使わなくてはいけない?…アキ坊のせいだ、お酒も奢らせよう。

17時30分、シャワーを浴び終えて軽く化粧をした私は、最近買った服を着て待ち合わせ場所に向かう。
以前にいつもの姿で行ったら『メグさんは素材がいいのそんな服装じゃダメです!』と注意されたことがある。
それ以来あいつと会う時は服装にも気を使うようになった。
……今、気がついた。何故私が服装にまで気を使わないといけない?…アキ坊のせいだ、お土産も買わせよう。

18時、待ち合わせ場所に着く。あいつはまだ来ていない。それもそのはず、時間まであと30分もある。
その間に私はこの近くのパチンコ店の様子を見る。
今通っている店がいつまでも使える訳がないので、常に何軒かは稼げそうな店を把握しておく必要があるからだ。

18時30分、3軒を見てまわり待ち合わせ場所に行くと、スーツ姿のあいつがキョロキョロと私を探していた。
「あっ、メグさんこっちです!」
そう言って手を振るアキ坊。かなり目立っている。…はずかしい、来るんじゃなかった。…アキ坊のせいだ。
「おまたせ。じゃ、行こうか」
そう言って歩き出す。
「メグさんこっちですよ。ははは、どこに行こうとしてるんです?」
「……家だよ。たった今気分が悪くなったから帰るところなんだ」
アキ坊のくせに私を笑うなんて生意気。少し顔が赤くなったのが分かる。
「ええ?だ、大丈夫ですか?僕、家まで送りますよ」
私の嘘にも本気で心配するアキ坊。…こいつは変わらないな。
「ふふ、嘘だよ。君はすぐ人に騙されそうだな。私みたいにはなるなよ?…何をキョトンとしているんだい?
君がその美味しい鍋の店に連れて行ってくれないと、私は場所を知らないんだよ。ほら、さっさと歩く!」
いつの間にか私より頭一つ大きくなったアキ坊の頭を小突く。
「あ、こっちです。7時に予約入れてるんですよ。今日の鍋は…ボタン鍋です!
会社の先輩に教えてもらったんですけど、花を鍋にするって珍しいでしょ?楽しみですよね」
…大きな声で恥ずかしい。……周りからの視線が痛い。
冗談を言っているのかと顔を見てみた。残念な事に、楽しみでたまらないといった顔だ。
「…そうなんだよ、ボタン鍋って言うのは世にも珍しい花をメイン食材にした世界に誇る日本の鍋料理なんだ。
…どうだい、勉強になっただろ?」
こうなればもうヤケだ。その会社の先輩の話に私も乗ろうじゃないか。
周りがクスクス笑っているのが聞こえている。…アキ坊のせいだ!
「へぇ〜、知りませんでした。世界に誇る料理なんですね、勉強になりました。さすがはメグさんですね!」
「勉強になっただろ?この事はしっかりと孫の代まで語り継ぐようにな。じゃないと恥をかく事になるぞ」
「分かりました!じゃ、行きましょうよ。すっごく楽しみですね!」
「ああ、鍋を見たらきっと驚くと思うよ。…私も楽しみだ」
そう言って早足でこの場を去る。この場所にいるのが居た堪れない……アキ坊のせいだ!!
559私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:34:55 ID:nrk9m7J5
アキ坊…正式名称を橘彰俊(たちばな あきとし)22歳男。私より一年年下。
去年専門学校を卒業して就職し、今はプログラマーとして働いている。
性格は…見ての通りの素直でまじめな優しい男。昔は身長もここまで高くなく、150cm程だった。
半年前に偶然再会したときは驚いた。大きくなっていて最初誰だかわからなかったから。
今は180cmを超えているらしい。私より20cmも高くなっている。…アキ坊のくせに生意気。
4年間会わなかったらここまで人は変わるのかと痛感した。…アキ坊も私を見てそう思っていることだろう。

中学高校と剣道部の後輩で、背が小さかったことから皆にアキトシ坊や…アキ坊と呼ばれていた。
私の大学進学でその関係も終わったはずだったが、あいつの就職先が偶然にも私が住む町だった。
で、私が通っているホールへ偶然来たことから今の関係になった。
最初はまたナンパか、と相手にしなかったが(パチンコ店では女性に声をかけてくるヤツが多い。悩みの種だ)
アキ坊だと分かった時は唖然としたものだ。私が知っているアキ坊じゃなかったのだから…
ま、それは外見だけで中身は変わっていないことに気がついたときは、何故か安堵した。
…フフフ、体はいろんな意味で男になっていたけどね。

「はぁ、まだ怒っているのかい?君が無知だから悪いんだよ。…悪かったよ、謝るからそんな目で睨まないでくれ」
ボタン鍋が運ばれてきた時のアキ坊の驚いた顔といったら…いつ見ても楽しいものだ。
「…まぁすんだことだからいいですけどね!」
拗ねながら料理をがっつく。…フフフ、まるで子供だな。
「アキ坊、確かにこの鍋は美味しいな。ビールも進むし…こんな美味しいものをご馳走になるなんて何だか悪いな」
「…まぁ最初から奢るつもりでしたからいいですけど…ちなみに財布は持ってきて……ないですよね?
いえ、期待した僕が悪いんです」
「なんだいその態度は?…私は君の誘いに乗ったために日当を稼げなかったんだよ?
それに無職の私にお金を払わそうなんて…ひどいわ、ひど過ぎるわ!…シクシク」
「メグさん、似合わないからそんな小芝居やめて下さい」
オシボリを口にくわえての泣き真似をしたがあまりお気に召さなかったらしい。
私がここまでしてあげたのに喜ばないとは…アキ坊のくせに生意気。
アキ坊との食事は部活での思い出話などを話し、いつもあっという間に時間が過ぎてしまう。
楽しい時間ほど早く過ぎるもの…この時だけは昔の私に帰ることができる。
パチンコ玉を淡々と弾く機械のような私ではなく、人間としての私に……

「ねぇアキ坊。…私チェリーが食べたい。無性に食べたい!」
店を出たところでアキ坊に我儘を言ってしまう。…少し飲み過ぎたな、酔ってしまったかな?
「は?チェリーですか?そんなことを急に言われても…分かりました、探して来ます!」
そう言って走って果物屋さんを探しに行こうとするアキ坊の手を握り止める。
「違う、私が食べたいのは元チェリーだ。二ヵ月前に私がおいしく頂いたものだよ。また味わいたくなってね」
私の言葉に顔を真っ赤に染めて、アワアワとしだしたアキ坊。
フフフ…本当に君は変わらないな。
560私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:35:53 ID:nrk9m7J5
「さ、遠慮せずに入りなさい。ま、何もない部屋だがね。…感謝しなさい、君が初めてのお客さんだよ」
これは私の病気みたいなもの。二、三ヵ月に一度はこうなってしまう。
男に裏切られ、家族からも拒絶され、社会からも見離された私は、一人で生きていこうと決めた。
でも一人で生きていくには私は弱すぎた。弱いから時折無性に人肌が恋しくなる。
……今までは適当なナンパ男と肌を合わせていたが…二ヵ月前にアキ坊とした。
私のSEXテクニックは凄いらしい。私に借金を押しつけて消えた男に鍛えられたから。
今思えば最初から借金を押しつけて風俗で働かそうとしていたのかもしれない。
だから私にSEXのテクニックを身につけさせたのだろう。フフフ、まるでピエロだな。
で、二ヵ月前アキ坊にそのテクニックを披露したら終わった後に号泣された。
三回もしてあげたのに何故泣く?そう思い尋ねたらチェリーボーイだったとのこと。
「メグさんとはこんな形でしたくはなかった」と号泣された。
私としたのにその言い方は何?…アキ坊のくせに生意気。
アキ坊とした次の日、私は連絡が来なくなるだろうと考えていた。
しかしなくなるどころか週に一度は食事の誘いがくるようになった。
最初は私の体に味をしめ、食事の度に求めてくるのだろうと考えた。
私もSEXは嫌いじゃない、だから応じるつもりでいた。
しかし今日までそういったアプローチはなかった。だから私のほうがしびれを切らした。
まぁ誘う勇気がなかっただけだろうが、私からアプローチをさせるなんて…アキ坊のくせに生意気。

「メグさん、やっぱりこういうことは…な、なんで脱いでるんですか!わ、わ、ヤメて〜!」
目の前で服を脱いでいくと赤い顔して目を逸らすアキ坊。フフフ…かわいいなぁ。
今までした男にはこんな反応をするのはいなかったから新鮮だ。
「なに可愛いことを言ってるんだい?…フフフ、アソコは狂暴なくせに」
「やっぱりダメです!こういうことは恋人同士がすることです!…ねぇ話聞いてます?」
「ん?すまないな、聞いてなかったよ。今湯槽にお湯を貯めているからしばらく待ってほしい。
この間はお風呂でしなかっただろ?だから今日はお風呂でのSEXをしよう」
口をパクパクさせているアキ坊。君は金魚か?
「フフフ…もちろん君のを念入りに洗ってあげよう。前に君として以来私はしてないんだ。
だから欲求不満気味でね。…クックック、楽しませてもらうよ」
「女の子がそんな顔で笑っちゃダメです!ていうか簡単に体を許したらいけません!」
相変わらず口うるさいヤツだ。いったい何が不満なんだ?
「君はさっきからダメだダメだと文句ばかりだな。何が不満なんだい?
…あ、そうか、私とするのがイヤなのか?そうかそうか、道理で頑なに拒否する訳だ。納得したよ。
私は君となら安心して楽しめると考えていたのだが君の気持ちまで考えてなかったようだ。
すまなかったね、もう二度とこんな事はしないよ」
残念だな。また楽しめると思っていたのだが…アキ坊はこう見えてもなかなか凄いものがついている。
なんせチェリーだったくせに最後には私をイカせてくれたんだからな。
今考えると何故かくやしいな。私をイカせるなんて…アキ坊のくせに生意気。
残念だが他を探さないと今夜は眠れそうもないな、そう考えていたらアキ坊が真剣な目で見つめてきた。
…なんだい?そんな目で見られたら少し照れるじゃないか。
561私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:36:54 ID:nrk9m7J5
「嫌じゃありません!僕だってメグさんとはし、ししししたいです!…でもこんな形じゃないんですよ」
どもりながら私の考えを否定するアキ坊。なら何故だ?何故私としようとしない?
自分で言うのもなんだが、私はかなりのレベルだと自負している。
今まで寝た男は必ず連絡先を聞いてきたり、真剣に付き合おうと口説いてきたりした。
そんな関係はもうコリゴリなので相手にせずに無視していたが、君のように私を拒否するのは初めてだ。何故だ?
「何をどもっているんだい?まるでラッパーだな。私としたいなら何故拒否をする?
どんな形ならいいんだい?正直私は体が疼いてたまらないんだよ。
君がダメなら他を探さなきゃいけないからどうすればいいか教えてくれないか?」
「ダメです!メグさん、なんでそんな事言うんですか?
なんで軽々しく誰とでもいいからセ、セセセックスしようと考えるんです?
ぼ、ぼぼぼぼくが好きなメグさんにそんな事はさせません!」
何故どもる?本当にラッパーなのか?……ん?今何か重要なことをサラッと言わなかったか?
「君、今重要なことを言ったね?私のことを好きだとかどうとか。私の聞き違いかな?」
私の問い掛けにアワアワと慌てだし、口をパクパクさせている。…ラッパーで金魚か。忙しいヤツだな、君は。
「なるほど、君は私が好きなのか。それで私と軽々しくSEXするのが嫌なんだな?」
私の問い掛けに口をパクパクして動揺を隠せないアキ坊。…まったく君は隠し事が出来そうにないな。
「で、君は好きな私を簡単に抱くのは恐れ多いと。…かといって他の男にも抱かれてほしくない。
そういう事だな?ふむ、君は自分で我が侭だとは思わないのかい?」
私の言葉で俯きながら肩を振るわせ始めたアキ坊。久しぶりに泣かせてしまったかな?
「し、仕方ないでしょ?ずっと…ずっと前からメグさんが好きで…好きで好きでたまらなかったんですから!
メグさんのおばさんに今どこに住んでいるのか居場所を聞いて、追いかけてこっちに就職したんです!
メグさんを探してやっとパチンコ屋さんで会えたと思ったら声を掛ける勇気がなくて…どれだけ苦しんだか!
2ヶ月も経ってやっと勇気を振り絞り話しかけたら僕の事誰だかわからなくて…あの時泣きそうになったんですよ?
やっと話せるようになったと思ったら無理やりあんな事を…あんまりですよ!
あの時の事はお酒のせいだと自分を納得させて…最近やっとあれはやっぱりお酒の勢いだと納得しかけてたんです!
なのになんでまたこんな事するんです?…ヒック、あんまりです、メグさん自分を大事にして下さいよ…ぐすっ」
思いを打ち明けて泣き出したアキ坊を見ていたら何故か胸が痛くなる。これは…なんだ?
「…すまなかったね、けどこれが素の私なんだよ。男に抱かれたくてウズウズしているこの姿が…今の私だよ。
君が考えている私はおそらく昔の私だ。そんな私はもういないんだよ、残念だったな」
「今とか昔とか!…そんなのもうどうでもいいんです!僕が好きなのは保科恵です!メグさんなんですよ!
たとえSEXが好きでもいいんです!ただ…寂しい顔をして知らない男と寝るとかしてほしくないんです…
そんな寂しい事しないで下さいよ…僕がいますから!側にいますから!」
「………もういいかい?君の気持ちは十分に分かった。で、どうしたら私とSEXしてくれるんだい?
…正直、もうたまらないんだよ。我慢できないんだ。疼いて疼いて仕方がないんだよ。
今すぐにでも君を押し倒したいんだ。どうしたらいいんだ、教えてくれないか?」
何故だ?何故ここまで体が疼く?何故アキ坊としたくてしたくてたまらないんだ?
何故体中が熱くなってたまらないんだ?…何故だ?
「え?…メグさん僕の話聞いてました?」
「ああ、聞いていた。おかげでこうなった。君のせいだ。責任を取れ!」
「ええ!ちょっ、うわ!ダメで…待っ…」
押し倒し馬乗りになる。そしてブラを外し上半身は裸になる。下半身はショーツのみだ。
これで反応しなければ不能、という事だろう。……フフフ、その心配はなかったみたいだな。
しかしこんな事は初めてだ。何故ここまで疼いてしかたがないんだ?…ま、いいか。
それより今はこのいきり立ったものを治めてあげるとするか。…フフフ、楽しませてくれよ?
562私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:38:26 ID:nrk9m7J5
「ちゅ…ちゅちゅ…んん、どうだい?気持ちいいだろ?…れろ…ちゅる…
フフフ、何本シワがあるか舌で数えてあげようか?…じゅる…ぺろぺろ…」
アキ坊の肛門に舌を這わす。もちろん右手であそこを擦りながらだ。
フフフ、まるで女の子みたいな声を上げているな。抵抗していた割には感じているじゃないか。
「そろそろ出したくなっただろ?…ジュルルル…フフフ、フェラをするには幾つかコツがあるんだよ。
そのうちの一つがこのように唾液を出して滑りを良くすることなんだよ」
アキ坊の顔に似合わない立派なアソコに唾液を垂らす。もちろん見せ付けるようにだ。
男は視覚で興奮すると教えられている。…なのに何故私を見ようとしない?…アキ坊のくせに生意気。
「アキ坊、我慢しなくていいんだよ?私にたっぷりと出してくれ。…あむ、ぐっぽぐっぽぐっぽ…」
亀頭部分を口に咥え、顔を前後に動かしながら唇で締め上げる。もちろん口の中では舌で尿道を舐める。
左手で絞るようにサオをしごき、右手で睾丸を優しくマッサージする。
私が一番最初に教えられたものだ。これで幾度となく男達の精液を口に受け止めたか…
「ん、ん、んん!…アキ坊、我慢するな。少々早くてもかまわないぞ?何回でも出すがいい」
時折、睾丸を口に含み軽く舌で転がす。睾丸からサオを舐め上げて亀頭へ向かい、尿道部分を丁寧に舐める。
そして亀頭を再度口に含み今度はもっと激しく攻め上げる。
「ぐっぽぐっぽぐっぽぐっぽぐっぽ…じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ!はぁはぁはぁ…き、君はなかなかイカないんだな」
さすがに顎がバカになってきた。こいつのはなかなかのツワモノだから咥え続けるのが辛い。
私をこんなに疲れさせるなんて…アキ坊のくせに生意気。
ま、好きな人の為なら苦にならないがね。…そういえば逃げたアイツにしていた時もそうだったな。
………んん?私は今、何を考えていた?借金を押し付けて逃げたアイツの事?いや違う!
『好きな人の為なら苦にならない』そう考えていたんだ。まさか…私が?コイツを?
「……アキ坊、お願いがあるんだがキスしてくれないか?」
アキ坊の股間から顔を上げ真っ直ぐに顔を見つめる。また泣いているのか。
「ヒッ、ヒック…そ、それで満足するんですか?…満足したらもう止めてくださいよ…」
「いいからキスする!…ちゅちゅ…ん、あん…んちゅ…ちゅぱ…あぁ…」
無理やり頭を抱き抱えてキスをする…気持ちいい。こんなに気持ちいいキスは始めてかも?
そういえば前にした時はキスなんてしなかったな。何故こんなに気持ちいいんだ?
……そうか、やっぱりそうなんだな。ならこの体の疼きも納得だな。
「…アキ坊、SEXは恋人同士で…と、まだ思っているのかい?」
「当たり前です!誰とでもこんな事しようなんて…メグさんを見損ないましたよ!」
「君は確か私が好きなんだよな?その気持ちは今も変わってないのか?」
「……そりゃこんな酷い事されたんで嫌いになろうかと思いましたけど…今のキスが…その…気持ちよくて…
やっぱり僕はメグさんが好きだって再確認しましたよ。でも!だからといって意味の無いSEXは嫌です!
もう止めましょうよ。こんなの絶対に変ですよ」
そうか、嫌われてないんだな?よかった…
「止めないよ。いや、意味の無いSEXは止めるが、君とのSEXを止める気はない」
「何訳の分からない事いってるんですか!僕、もう帰ります!しばらくは電話もメールもしませんからね!
反省しててください!」
「それは困る。せっかく両思いだと気づいたのに、それでは寂しいからな」
「はぁ?何訳の分からないこ…とを?な、何て言いました?ぼ、僕の頭がわいてきたんですかね?幻聴が…」
ガンガンと頭をたたき出すアキ坊。フフフ、君はホントに変わらないな、嬉しいよ。
「君は確かSEXは恋人同士がするものだと言っていたね?ところが私は今すぐに君としたい。
さぁ困ったどうしよう?答えは簡単だ。今から私と君は恋人同士だ。愛し合う者同士、SEXしても何の問題もない。
問題解決、という訳で続きをしよう。これで文句はないだろう?」
「え?あ?う?…ええ?ええええ〜!」
「うるさいなぁ、塞いでしまおう…ん、んちゅ…」
フフフ…こんな気持ちは始めてかも?キスとはこんなに気持ちがいいものだったんだな。
563私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:39:43 ID:nrk9m7J5
「あ…んん!そこ、そこいいの…そこもっと…んん!」
アキ坊の指が…舌が…私を攻める。胸の先端にキスをしながら指はアソコの一番敏感な小さな突起を刺激する。
「ちょっ、アキぼ…んん!ど、どこでこんな…ああ!」
「はぁはぁ…気持ちいいですか?前にメグさんにいい様にされてから、ビデオや本で勉強したんですよ。
こんなに早く役に立つとは…感激です!」
私の胸に顔を埋めながら喜ぶアキ坊。…この、調子に乗って…え?んん!そこダメ!
「ダ、ダメ!そこはお尻…ひゃう!」
「ええ?ダメなんですか?本にはお尻も気持ちいいって…あれ?その割には体が少し痙攣してますよ?」
ひゃう!こ、この…いつまで指を入れて…あ、ダメ、声が勝手に…
「あ、あ、あ、くぅ…ひゃ!も、ヤメて…恥ずかしいから…んん!」
私がお尻にするのはいいが、されるのはイヤだ!
「……ねぇメグさん。前にした…いやされた時僕も嫌がってましたよね?…お返しです!」
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ…
アキ坊の意外に太い指が私の…お、お尻に入って来て好き勝手に動いてる。
こんな事、前の男のもされた事ないのに…ああ!なんでこんな…っくぅ!
「ア、アキぼ…も、ダメ…イキそ…こんな…イキたくな…ああ!あ、あなたので…んん!イキた…ひぃ!」
お尻を攻められて訳が分からなくなっていた私の口を柔らかいものが塞いできた。
私はそれがアキ坊の唇だと本能で悟り夢中で舌を絡ませる。
「んん…んちゅ…んあ…ちゅちゅ…はん…んん!」
アキ坊も舌を絡ませてきて私達はお互いを求め合う。…さっきはよくもいいようにしてくれたな?お返しだ。
抱きしめ合いながらのキスを堪能しつつ、私は上のポジションを取る。
「ん…ぷはっ!…フフフ、さぁよくもさっきは遊んでくれたね?イキそうな私を寸止めしてくれたし…
フフフ…いただきます」
青い顔をしているアキ坊の胸に吸い付く。軽く甘噛みをしながら舌でチロチロと舐める。
空いているほうは指の先で優しく撫でる。
「あ、あ、あ、すご…メグさん凄いです…きもち…」
アキ坊の乳首を堪能した私は舌を這わせながら徐々に下へと下りていく。
そしてもう全開になっているアキ坊のアソコにキスをする。
「フフフ…君のは凄いな、かなりの大物だよ。ちゅ…綺麗なピンク色をしているし…レロ…じゅぷ、じゅぷ…美味しいよ。
じゃ、いただきます…あむ」
私の言葉に真っ赤になっているアキ坊を見て満足した私は口を一杯に広げてアキ坊のを向かい入れる。
や、やっぱり大きいな。
じゅっぽじゅっぽじゅっぽ……ドピュ!ピュピュ!ドプ!
軽く咥えて顔を前後にストロークを始めた瞬間に口に熱いものが広がった。…はぁ?何故だ!
「んんん〜!ぐ、ごほ!けほっ、けほっ!…な、なんでこんなに早いんだい?さっきはなかなかイカなかったのに…
けほっ、もしかして期待はずれなのかな?」
口に出すのはかまわない、いやむしろ嬉しい。しかし何故出す前に出そうだと言わない?それがマナーだろう?
少しムッとした。…教育が必要だな。
「ご、ごめんなさい!その…メグさんに咥えてもらってるのかと思うと、我慢できなくて…つい」
「むっ…次からは出そうなときはそう言いなさい。飲んであげるから」
「え?ほ、本当ですか?僕のを…飲んで?…メ、メグさん!僕もう我慢できません!」
私の『飲んであげるから』このセリフでスイッチが入ったみたいだ。興奮して私を押し倒してきた。
「あん!…フフフ、こういう強引なのも悪くない。…今日は安全日だから好きなだけ私に出してくれ。
満足させてくれよ?」
すでに準備万端な私に何度も入れようと試みるアキ坊。…経験不足なのが分かるな。
入り口を探して四苦八苦しているアキ坊に手を添えて私へと導く。
「アキ坊…ここだよ。そう、そこだ。ゆっくりと腰を進めて…ん、いいぞ…んん!くぅ…あ、あとは好きに…ふぁぁ!」
……悲しいかな、ここでも経験不足が露呈した。3回と半分…いわゆる三擦り半だ。
ま、体は満足していないが心が満たされたのでよしとしよう。
そういえば前回、私をイカせたんじゃなかったか?何故だ?精神的なものなのか?…SEXは奥が深いな。
564私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:40:28 ID:nrk9m7J5
午前7時、起床。メールをチェックする。新着メール無し。…一時間ほどのランニングで汗を流す。
ランニングを終えて朝食を取り、シャワーを浴びる。最近は肩こりも収まってきた。
私専用のマッサージ師を手に入れたからな。
シャワーから出て鏡を見る。ふむ、血色もいい。なかなかの健康体だ。

午前9時、ジーパンにジャンバーを羽織り、帽子を深く被り携帯をチェックしながら職場に向かう。
着信無し、新着メール無し。…ま、そんなものだろう。

午前9時30分、職場に到着。店が開くまでの間に途中のコンビニで購入した雑誌で情報を仕入れる。
合間に携帯をチェックする。…やっぱり何もない。…そんなものなのか?

午前10時、開店。仕事に集中するためにまずは携帯をチェックする。…何故何も連絡してこない?
肩を落としながら目当ての台の釘をチェックする。
勝負台を決めて打ち出す。千円当たり24回転か…まぁまぁだな、勝負にはなる。

1万5千円投資したところで確変当たり。大当たりラウンドを消化して携帯を確認。…はぁ、やっぱり新着は無し。
確変5連荘で止まる。携帯チェック、まだ無い。……どういうことだ?なぜ私がこんなにイラつかなくてはならない?

16時30分、食事の誘いが来てもいいように今日の仕事を上がる。今日の日当は2万円。
…携帯を見る。新着アリ!食事の誘いだ。…急いで返信する。
『君のアレは三擦り半と早いのに、連絡してくるのは何故遅いんだ?
おかげで日当まで届かなかったよ、どうしてくれるんだい?とっても美味しいケーキと…チェリーが食べたいな』

すぐに返信が来た。
『…ごめんなさい、努力します。ケーキを用意してお家に伺います。ところで…チェリーってやっぱりあれですか?』
すぐ打ち返す。
『そうだよ、君の自前のチェリーだよ。今日こそはと楽しみにしているよ』
送信して携帯を閉じる。さ、部屋に帰ってシャワーを浴びて料理でも作るか。
少し伸びをしてスーパーへ向かう。今日は少し豪勢にうなぎでも買うとするかな?

私の名前は保科恵。職業はパチプロ。…最近こんな生活も悪くないなと思い始めた。
565 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/05(水) 22:44:25 ID:nrk9m7J5

以上です。こんな感じの考えてるんですがここで大丈夫ですかね?

続きを書くとしたらしばらく間があくと思います。では…
566名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 22:54:35 ID:SUV6jF1b
個人的には無問題、激しくGJ!!
567名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 23:30:52 ID:l0dCPR4Y
問題なくおもろかった! GJ!
568名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 00:53:38 ID:erSBE1iv
GJ!


前作共々名前が藤木節な気がするのは自分の気のせい?
569 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/06(木) 05:54:50 ID:0peDf/v8
感想ありがとうございます!

実は素直クールのところへ投下しようと書いていたんですがこっちのような気がしてここに投下しました。

あと名前が藤木節なのは以前にそこでもでも書いていたのでその名残です。
570名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 10:00:19 ID:G8j49hjy
拓にぃ&彩が終わったと思ったら、今度はメグさん&アキ坊・・・
なんてステキなカップルを次々繰り出すんですか!
オイラも某所でSS投下してるんですが、その才能に嫉妬です
続き楽しみに待ってます
571名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 00:49:44 ID:pMqPuLsI
GJ。スゲぇ上手い。
確実にお約束をこなしながらも独特の色がある文章って感じ。
572名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 14:37:56 ID:HWGCNK/N
正直勃起しただろ
573名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 20:32:28 ID:aCFAveKF
>>572
聞かれるまでもないな
574名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 11:48:30 ID:bGBnVK9w
ほしゅあげ
575名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 08:41:47 ID:9Df1izVR
香織さんとメグさんと内弁慶を期待アゲ
576 ◆95TgxWTkTQ :2006/04/14(金) 00:58:00 ID:A4fBxpKT
季節のアレは以下の投下分で終了です。ヤマ、オチ、イミ、エロ無しですので注意を。


スレ違いだ、『エロくない作品は〜』に行けと思われる方もいらっしゃる事と思いますが、
前にココで予告してしまった以上、ココ以外に書くのはおかしいかなと考えておりまして。

>ツクバ氏
『彼女は○○○2nd』完結おめでとうございます。遅まきながら読ませて頂きました。
読後の余韻に浸りながらスレッドをスクロールさせていくと、そこにはなんと新作が!
執筆速度とネタの豊富さに、ただただ驚嘆するばかりです。


レスを自重するといっときながら全然出来てない事を反省しつつ。 ではノシ
577とうでー。 ◆95TgxWTkTQ :2006/04/14(金) 01:00:34 ID:A4fBxpKT
「そういえば、今日が何の日か知ってるか?」
「え、も、もちろん知ってるわよ。ばかにしてるのっ!? 確認の為に聞くけど、何かあるの?」
「オレンジデーっつって、二人の愛情を確かめて深め合う日らしい」
「……日本の企業も色々と考え付くね」
「……そうだな。その言い草からして、やっぱりお前知らなかったろ」
「そ、そんな事は、無っ、びひー。ぶふー」


            とうでー:君への扉


「お前、大丈夫か?」
「花粉症だから、この時期はしょうがないのよ」
「けど、今年は飛散量が少ないって話だし、ちょっとは楽になって良かったな」
「そうね。前の年よりつらくないかも。けど、あんたが窓なんて開けてたせいで私の鼻の粘膜はべちゃべちゃよ」
「まぁ、俺は花粉症じゃねーから、よく分かんないんだけどさ」
「分からないけど? カンケー無いって事かっ、つーかねっ、口ごもるなっ、言いたい事はさっさと、くっしゅっ」
「うおっ! ちょ、きたね、粘性の何かが俺の顔に!」
「あ、ごめ、いっくちょっ」
「ぬあっ! 顔面が汚染されてく! おま、ちょっ、おっ、おさえろ」
「ごめ、けど、鼻がむずむずして、くちゅっ」
「や、やめ、ほんと俺が悪かったから、ってちげー、俺何もわるくないよっ!」
「窓開けてたでしょっ、てか、喋るなっ、動くなっ、空気が動いて花粉が、ひ、ひっちゅくっ」

「……」
「そう、ムスっとしないで。ね? 機嫌直そうよ」
「お前さ、ほんとに、ひどいぞ」
「だからごめんなさいって。あの時ティシューがなかったから」
「ティシューってお前はアレか、英国貴族か。 お前な、手で押さえるとか、なんか他にあるだろ」
「けど、そんな事考えてる余裕なんてなかったのよっ! そんくらい察しなさいよ。大体なんで窓全開なのよ。外の空気が黄色いのが見えない?」
「開き直りか。……もういいよ、お前なんてコレでもつけて一生花粉と戦ってろよ!」
「なによその言い方っ、て……何これ? ……りっ、たい、マスク?」
「……いつも春は辛そうだから、俺どんくらい辛いのかは分からんけど、ちょっと位は効果あるかなって思って」
「あんたも、けっこう、ぶきっちょじゃない」
「だ、だまれ」
「ふふふ…………ありがと」


……あいつの住むマンションに行ったトコまでは良かったんだけどな。
どうしよう、あいつの部屋に入れない。このドアを開けるだけなのに。くそー何だコレは。顔が熱い。
今年こそと思っても結局大した事も起こらず、毎年ただ騒いで寝てるだけで、今日もどうせダメなんだろうけど、やっぱり期待しちゃうものだ。
だから、あいつと過ごすこの日は毎年ダイエットして(『すりむびゅーてぃー』が好きなんだ、あいつは)、……しょ、勝負下着も、付けていったり、する。
あいつは私のことどう思ってんのかな? ……やっぱり、なんとも思ってないのかな? けど、家に入れてくれるんだから嫌われてはないよね?
……だめだ!ネガティブな思考は良くない! それに、暗い顔はあいつに見せられないし。
すーはー。一回深呼吸して、高校時代からの親友 (そういえばあの子には最近初めての彼氏が出来て、ぶつぶつ不満を言っていたけど幸せそうだった) の言葉を思い出す。
大丈夫、きっと、うまくいく。そう一言呟いて、ドアノブを回し、扉を開いた。


――――君へと続く扉を。
578くろでー。 ◆95TgxWTkTQ :2006/04/14(金) 01:11:01 ID:A4fBxpKT
……またか。


            くろでー。:君への扉


電車に乗って二駅先にある大学。そこから帰ってきて、ふぅとため息をつく。このマンションは騒音が激しいのだ。音漏れと言った方が正しいか。
家賃がお手頃な、防音などという言葉とは無縁の薄い壁のこのマンションに住んでいるのは大体が学生だ。
なので上の階からは毎晩騒いで遊ぶ若い男共の野太い声が聞こえるし、隣の部屋からは恋人達の睦み合う声が聞こえる。彼らは去年の暮れにくっついたらしい。
その前から彼女は頻繁に訪れていたので、痴話喧嘩としか思えない言い争いを耳にしては、こいつら早よくっ付けやと思ったものだ。
けれど、実際そうなってしまうと悲しいものがある。
クリスマスの時にだったか、彼らがやっと彼氏彼女の関係になった時は彼らに向かって、「メリー、クリスマス」と祝福するように壁越しに呟いたものだが、
そこから1月、2月と月日が経つごとに鬱陶しく感じてきて、そして自分自身も素直に祝える立場では無いようで。
八つ当たり混じりに隣に「静かにしてくれ」と言いに行った事もあった。そんな自分の行動を思い返し、つくづく最低な奴だと思う。
バレンタインデーは何も無かったのに、ホワイトデーで甘いイベントを起こされた時は、こいつは死んでしまえと思ってしまうほど、侘しい気持ちになった。

隣の彼女とは、少し、いやかなり面識がある。高校が一緒だった。今でも一緒に街へ買い物に行く位には仲がいい。
初めて壁の向こうから彼女の声が聞こえた時は、ついに幻聴が聞こえるようになってしまったのかと疑ったくらいには、好きだった。
幼馴染の男の愚痴は彼女の口から頻繁に出ていたので、隣に住んでいたのはその彼だったのかと一人納得した。
彼女の事が好きだった。一時は勘違いだと思ったけど、彼女の笑う顔を見る度に胸が痛くなって、これは本物だと理解し、頭を抱えた。
別にそういう趣味があったわけじゃない。……たまたま好きになったのが彼女というだけで。
彼女に胸の内を伝える事はなかった。当時は自分の気持ちに戸惑っていた事もあるし、別に彼女とどうこうしたい訳でもなかったし。
なにより、これは確信を持って言えることだが、彼女が私をそういう対象として見た事は一度も無いのだ。
これからも、想いを告げることは無いだろう。
鬱々と篭り溜まり続ける怨念に近いコレをどうにかして吐き出そうと、彼らの情事の声を聞きながら自慰をしてみた事もある。空しいだけだった。

韓国等の一部地域では今、4月14日の事をブラックデーと称して恋人のいない人たちが慰めあって飯を食べる行事が行われているらしい。なかなか面白い日だ。
毎月14日に恋人達のための慣習があると聞いた時には、さすがにやりすぎだろうと思ったけど。
……恋人のいない寂しい人が、自分を慰める日。彼女を手にいれることの出来なかった自分にぴったりな日なのかもしれない。
壁に寄りかかって独り、物思いに耽っていると、チャイムの音が聞こえた。

覗き穴に目をやる。するとそこには見知った顔があった。
「何の用? こちらから話すことは一つも無いが」
強張って、ぶっきらぼうな言い方をしてしまう。
「ごめん、迷惑かもしれないと思ったんだけど、来ちゃった」
三ヶ月前まで付き合っていた恋人がそう言った。
身勝手な話だが、毎日のように嬉しそうな彼女の声を聞いている内に、一番好きなのはやっぱり彼女だと感じ、別れてもらったのだ。
彼女の事を振り払う為に付き合ったのに、結局、彼女の事を忘れられなくて、振った。
最低な人間だ。
付き合った経緯も別れる理由も彼女の事も全部話して、呆然と立ち尽くした先程まで恋人だった人を置いてその場を去ったのだ。
そしてその後は避けるようにして生活した。目を見るのが怖かったのだ。軽蔑していると思ったから。
やっぱり納得行かない所もあったに違いない。だからこうして、ここまでやってきたのだろう。
このマンションに連れて来た事も無かったので、よく辿り着いたなと驚いた。
大学の知り合いをここに呼んだ事はないので、かなり苦労したんではないかと思う。
579くろでー。 ◆95TgxWTkTQ :2006/04/14(金) 01:12:38 ID:A4fBxpKT
「君とやり直す気はない」
「君が誰を好きでも関係ないんだ。君がどんな性癖を持っていようが関係ない」
口を開いた君はそんな事を言い出した。罵声を浴びせられると身構えていたので、予想外の攻撃に思考が止まる。
……付き合っている当時でさえ、そんな熱い言葉を言われた事は無いぞ。
「君とまた話がしたいんだ。友達だった頃みたいに。まぁ、出来れば、その、恋人同士に戻りたいと思っているけど」
知り合いには「あんなののどこがいいの」と言われるくらいに、オドオドしていてパッとしない人だった。
気弱な人だったけど、優しくて正直な人だった事を思い出す。だから、付き合った。
「僕は、君の事が好きなんだ」

――ああ、やっぱり、最低だ。

彼女の事も好きだけど、君の事も好きなんだ。
私も君も無口な方なので、君と過ごした日々は、何も喋らずに時が過ぎるという事も少なくなかった。
けれど、穏やかで、とても居心地が良かった。
纏う雰囲気とは裏腹の、意外としっかりした手の平の感触は離れてしまった今でも覚えている。
君との思い出が頭に溢れてきて、高鳴る胸を抑えることも出来なくて、どうしようもなかった。

「少しでも、前みたいに話してやっていいと思っているなら、ドアを開けてくれないか。
 何ヶ月も避けられていたから、出来る事ならちゃんと、しっかりと、君の顔を見たいんだ」
やっぱり私は、どうしようもないほど、最低な奴だ。
自分勝手に君と付き合って、別れて、そしてまた付き合おうと思っている。
こんな女に何の魅力があるのか分からない。
君は馬鹿みたいに優しいから、それでもいいよと言ってくれるんだろうけど。
それでは、君が駄目になる。

……私は壁越しに別れを告げた。

「さようなら」




その声は小さすぎて、壁を挟んだ向こうにいる彼女には聞こえないかもしれないけど。
別に彼女に伝わらなくていい。私が彼女への気持ちと決別するという事に意味があるから。

自分でも利己的で本当にどうしようもない女だと思うけど。

君が駄目になっていくと分かっているけど、私はまた君の、見た目に似合わず意外とごつごつしたその手を握って一緒に歩いていこうと思う。
今までと、これからの罪滅ぼしに、君が飽きるまで傍にいようと思う。
いや、それも私が一緒にいたいと思っているだけか。自己中心的な性格は直りそうに無いなと諦める。
優柔不断で寡黙で素直で優しい君は、彼女とは全くの正反対で一体どこが好きなのか自分でも分からないけど、どこも好きな気がする。
不器用で、言葉が足らないから、君に全部は届かないかもしれないけど、それでも君以上の優しさをもって君を愛していこうと思う。
なんたって、今日はブラックデーだ。お互い支えあっていけという、天からのお告げに違いない。
大丈夫、きっと、うまくいく。

私は鍵を外して、ドアノブを回し、扉を開いた。


――――君へと続く扉を。
580名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 02:44:18 ID:9IAmzMAc
GJ、なんだがモノローグがどれが誰のだかわかりにくい…
581名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 06:44:43 ID:4zLRhLuY
うーん、俺も後半のは誰が誰だかわからなかった…
二人とも相手のことを「君」と呼んでいて、自分のことを「私」と言っている人と「僕」と言っている人は別人で、「彼女」と呼ばれているのは隣の部屋で睦みあっている人で…
えっと、共に「彼女」に思いを寄せている二人の女が、思いが実らないので二人でくっついてはみたものの結局別れてしまった。
片方の女は相手に情が移ってしまったが、もう一方の女は「彼女」への思いが捨てきれない…というレズの話?いや有り得ないよな違うと言ってくれ。

すまんが愚かな俺にも分かるように誰か解説してくれorz
面白そうな話だから気になる。
582名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 09:37:42 ID:9IAmzMAc
多分だが、登場人物は以下の四人。

前半
 * 隣の部屋の男 - 自称「俺」
 * 彼女 - 隣の部屋の男の幼馴染で、「私」の親友。

後半
 * 私 - 「彼女」が好きだったがごまかすために「君」と付き合っていた。
 * 君 - 「私」に振られるが、「私」の部屋へやってきた。自称「僕」、「私」を「君」と呼ぶ。

隣の男←彼女←私(女)←君(男)
っていう関係で、「私」が「彼女」を吹っ切って「君」を受け入れるという話だろう。
(説明が間違ってたら申し訳ない)

多分、「君」の二人称が「私」と同じなのが混乱を生んだのだと思われ。
583名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 14:19:24 ID:xz0nhj72
いちいち説明しなきゃわかんないってどうなんだろ
内容もほとんどこのスレに投下するような内容じゃないし
584名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 18:09:38 ID:/TcYuoUc
まあ、暖かく見守ってやろうじゃない。
最初からうまく書ける奴なんていないって。
というわけでがんばってくれい。
585名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 23:37:51 ID:A4fBxpKT
>582さん
分かりやすい解説ありがとうございました。
「くろでー。」の語り手は全て「私」で、それまでの話も(とうでー。の最後のモノローグを除いて)「私」が壁を挟んで聞いていたモノ、という話でした。

>583さん
はうあっ。仰るとおりです。
前回の時も予期せぬ部分でミスリードを招いてしまって、今回もそうでは厳しいレスがついてしまうのも仕方ない事だと思います。

>NGワード設定されている方
そうしていても私の技術不足によって、スレが説明で埋め尽くされたのでは目障りこの上無いですね。すみません。

>生暖かく見守ってやるという方
どうもありがとうございます。がんばります。

576で言ってる事と違いますが、さすがにコレは分かりづら過ぎでマズイだろうという事で、ちょいと出てきました。
レスを返すのはホントにコレで最後にします。SS以外はもう絶対に書き込まないぞと。 ではノシ
586名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 23:44:01 ID:xz0nhj72
>>585
なんというか批判とかちゃんと受け止めてるのはすごいなとオモタ
これから頑張って下さい
587名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 01:30:44 ID:wdmPN7BA
楽しく読ませていただきました。内弁慶も期待してます!
588名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 08:25:56 ID:c/t9LgXS
前回レス返しに批判が出たのは、レスのテンションの高さが原因だと思うよ。
別にレスしてもいいんじゃない?ほどほどなら。
自分が送ったレスに作者さんが応えてくれるの嬉しい人もいると思うしさ。
589名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 01:19:20 ID:3Func33L
>>588
少なくとも俺は好印象持てるな。批判や意見要望、感想にきちんと目を通しているのが分かるし。
590 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/17(月) 00:25:34 ID:AQI7mnGP
>>585
今回も楽しく拝見させていただきました!GJです!
レスしてくれた皆さんにレスしたくなるのは自分もそうです、GJしてもらえたら嬉しくてたまらないですからね。
だからそんなには気にしなくていいと思いますよ?


やっと続きが書けましたので投下します。
591 私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/17(月) 00:26:45 ID:AQI7mnGP
一月…稼働日数25日・稼働時間約250H・投資50万5000円・回収107万6200円・収支はプラス57万1200円。
時給にして2284円。…なかなかの成績。ま、こんなものか。

二月…稼働日数25日・稼働時間約262H・投資66万8500円・回収110万4100円・収支はプラス43万5600円。
時給にして1662円。…物足りないな。疲れていたからな。

三月…稼働日数20日・稼働時間約130H・投資30万5000円・回収50万500円・収支はプラス19万5500円。
時給にして1503円。…アキ坊のせいだ。

はぁ…今年に入ってからの収支を計算していたのだが、ため息が出た。明らかに下がってきている。
特に問題は三月だ。稼働日数のわりに稼働時間が少なすぎる。…まぁ理由はわかっている。
「メグさん、ため息なんてついてどうしたんですか?」
…コイツのせいだ。
「ん〜?時間が短いなと思ってね。…このままではダメだな、対策を練らないとな」
金曜日の深夜、アキ坊の部屋での会話。こんな会話でも楽しく感じる。
アキ坊と恋人同士になってから気が付いたんだが…どうやら私はアキ坊にベタ惚れらしい。
仕事中も気になってよく携帯をチェックする。おかげで止め打ちするのを忘れてムダ玉を弾く事がある。
一日100個として一ヵ月の稼働が20日なら2000個。大当たり一回分以上損している。
換金したら今の店で約6600円。年間でみたら約79200円。…これも全てアキ坊のせいだ!
文句を言ってやろうとアキ坊を見たら何故か凹んでいる。…何故だ?
「…やっぱり僕、早いですよね。僕のなんかじゃメグさん、満足できないですよね?
せっかくメグさんと恋人になれたのに…男として情けないです」
…んん?君はいったい何と勘違いをしている?
「君は何を言っているんだい?私は仕事の話をしていたつもりなんだが?」
「え?パチンコの話だったんですか?時間とか言うからエッチの話だと思いましたよ」
ホッとした表情になるアキ坊。…君は何故ホッと出来るんだ?
「…今まで君が私に出した回数は口に15回、顔に5回、膣に30回。合計50回だ。
恋人になってから一ヵ月にしては多いな。…君はまるで猿だな。
で、膣に出した分でゴム有りが27回、無しが3回。…残念なことに妊娠はしていないよ。
さらに残念なことに君のピストン運動の平均は約20回。ゴム無しにいたっては約5回だ。
このデータのどこで君はホッと出来るんだい?」
私の言葉に口をパクパクさせているアキ坊。あの程度で私が満足をしているとでも思っていたのか?
…一度ツライ現実を突き付けるとするかな?
「ちなみに君と恋人になってから、私が肉体的に絶頂を迎えた回数は……ゼロだ」
膝から床に崩れ落ち、肩を震わせているアキ坊。…言いすぎたか?
「…だが安心しなさい。君とのSEXでは他の男からは味わったことのない、心の快感を得られるんだよ。
だからたとえ君が早漏のままでも私は一向に構わないよ」
…おや?せっかくフォローをしたのに何故泣いている?
「長持ちするように頑張りますから、早漏とかはっきり言わないでくださいよ…
ていうか回数とか覚えるの止めませんか?」
「早漏とはっきり口にしたことは謝るよ、君に対する配慮にかけていたな。
だが君とのSEXを覚えるのは止めないよ。私にとって君との行為は、全てが大事な思い出なんだ。
君との思い出を忘れることなど出来ないよ」

…ん?どうしたんだい?イタタタタ…抱き締めてくれるのは嬉しいが強すぎる、少々痛いな。
592 私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/17(月) 00:29:07 ID:AQI7mnGP
「ちゅ…アキ坊、SEXをする前に…あん!少し話が…んっ…あるんだが…んん!いいかな?」
私を強く抱きしめたままベットへ押し倒してきたアキ坊。私も早く君がほしい。…が、まずは話しを終えないとな。
「なんの話ですか?…メグさんいい匂いです。とっても美味しそうな匂いです…ちゅっ…れろ、ちゅちゅ…」
「ん、あん!…だ、だから話が……こら!いい加減にしないか!」
私の首に舌を這わしながら下着の中に手を入れてくるアキ坊。話を聞かないか!
「でも、僕もう我慢できません!いいですよね?ね、メグさん?いいですよね?」
「んん!…ふぁ、くぅ…ダ、ダメ…少し我慢して…んん!こ、こら!そんなにせっかちだから君は早漏なんだ!」
ショーツとブラの中で小刻みに動いていたアキ坊の指は私の一言で止まった。
「ふぅ、やっと話せるな。……どうしたんだい?何故泣いている?…あ、すまない、また早漏と言ってしま…」
「話ってなんですか!なんなんですか!…ぐすっ」
…ふむ、これは使えそうだな。覚えておくとしよう。
「話とは私達のこれからの交際についてだ。結論から言うと、今までのように頻繁には会えない」
先月までの収支を見て分かった。アキ坊と頻繁に会うようになってから収入が減っている。稼働時間が激減したからだ。
これは深刻な問題だ。私のようなパチプロは、倒れたり病気になった時の保証がない。
そうなってしまったらなんの収入もなく、貯金だけで生活をしなくてはならない。
その時の為に出来るだけたくさんの貯金をしなくてはならないんだ。
特に私は前の男の借金を返済した分、貯金が少ない。パチプロ生活3年でまだ300万ほどしかない。
それに家族からも見放されているので、情けない話だが最後はお金が頼りなんだ。
「そ、そんな…なんでですか!僕の何がいけないんですか?直します!直しますから僕を嫌いにならないで下さい!」
「落ち着きなさい、なにも君の事を嫌いになったわけじゃない。むしろ君を好きになったからこうなったんだよ」
「へ?どういうことです?好きならなんで会えないんです?そんなのイヤですよ…」
頻繁に会えなくなると言われて凹むアキ坊。…カワイイなぁ、ムズムズするじゃないか。
「…これを見てほしい。私が今年稼いだ収支表だ。…見て分かるように先月から収支がガクンと落ちている。
これは君と付き合いだしたからだ。君と会うために稼働時間を減らしたためこうなった。
このままでは生活できなくなる恐れがある。だから君と会う時間を減らそうと思う」
私の渡した収支表を見て唖然としているアキ坊。前月比で20万以上落ちているのだからビックリしたのだろう。
「…な、なんなんですか、この数字は?一月なんて僕の月収の倍以上あるじゃないですか!
ほ、ホントにこんなに勝ってるんですか?…凄い!メグさん天才ですね!」
「そ、そうかい?そこまで褒められると照れてしまうな」
アキ坊に褒められた。…好きな人に褒められるのは嬉しいものだな。
「ホントに凄いですよ。会社の先輩なんか『くやし〜!また負けちゃったよ〜!橘君、御飯おごってちょーだい!』
っていつも御飯をたかって来ますもん。僕はギャンブルしないけど勝つのって難しいんでしょ?メグさん凄いです!」
「そ、そうかな?ははは、その会社の先輩はそんなに負けているのかい?
ま、ギャンブルと言うのはほぼ胴元が勝つようになっているからね。
パチンコパチスロは努力次第で勝つことが出来る数少ないギャンブルなんだよ。
だから私が食べていける。ま、こんな事大きな声で話す内容じゃないがね」
はぁ…こんな話は恋人と話すことじゃない。話題がパチンコしかない私をよく好きでいてくれるものだ。…嬉しいな。
「ホント凄いなぁ…同じ女の人とは思えないよ」
………え?今、なんと言った?
「き、君は今、なんと言った?『同じ女の人』そう言ったのか?…私の聞き違いかな?」
「へ?そう言いましたよ、だって先輩女性ですもん。仕事は出来る人なんだけど、ちょっと人格に問題が…」
な、何だと!わ、私以外の女と…食事に行っただと?……これは詳しく聞く必要があるな。
593 私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/17(月) 00:30:04 ID:AQI7mnGP
「き、きき、君は!…こほん!…君はその、じょ、女性の先輩によく食事を奢るのかい?」
「え?ええ、よく奢らせられますよ。あの人金遣い荒いからいつも金欠なんですよね。ホントに困った人ですよ。
まぁいろいろ世話になってますんで仕方ないですけどね」
せ、世話になっている?な、なにを世話されたんだ?
「ほら、僕達が恋人になった日に食べたボタン鍋、あれを教えてくれた人なんですよ。
…花の鍋だって嘘を吐かれましたけどね」
「そ、そうか、あの店を教えてくれた人なのか。…なら私達の恩人だな、一度会って挨拶をしたいな。
その人と会えないかな?お礼が言いたいんだよ」
私がアキ坊と恋人になれたのは、その女性の先輩がボタン鍋の店を教えてくれたからだ。
あの日に食事の誘いがなかったら、おそらく私は適当なナンパ男を捕まえて心の飢えを満たしていただろう。
お礼を言いたいのもあるが一度この目で確かめないとな。…私のアキ坊に手を出そうとしている、メス犬の顔を!
「へ?なんであの人が恩人なんです?…ええ!先輩と会うんですか?ぜっったいにダメです!会わしませんからね!」
……え?何故ダメなんだ?何故私と会わせない?まさか…二股?ア、アキ坊が二股をかけているのか?
「何故ダメなんだい?わ、私は君と恋人になれたお礼を言いたいだけで、別にやましい事など考えてないよ?
…それとも何か私に会わせる事が出来ない理由があるのかい?」
「大有りなんです!先輩にだけは絶対に会わせませんからね!メグさんを危険な目に合わせたくないですしね。
…さっき人格に問題があるって言いましたよね?実は…」
アキ坊が理由を話そうとしたその時、部屋のドアを叩く音がした。こんな夜遅くに来客?迷惑な客だな。
「こんな遅くにいったい誰だろ?メグさんちょっと待ってて下さい」
そう言ってドアの覗き窓から外を見るアキ坊。外を確認したら慌てて戻ってきた。
「た、大変です!マズイ人が来ましたんで静かにしててください!居留守を使いましょう」
居留守?何故そんな事をしなくてはいけないんだ?いったい誰が来たんだい?
「誰が尋ねてきたんだい?まさか…借金取りなのか?君は私に隠れてお金を借りていたのか!」
「シィー!少し黙ってください!僕は借金なんかしてません!…さっき話してた会社の先輩ですよ。
多分終電がなくなったから僕の部屋に泊まりにきたと思い…うわ!なんでドアが開くんだよ!」
鍵をかけていたはずのドアが開けられた。ドアチェーンをしているから中には入ってくれないが…何故鍵を持っている?
その先輩というのは、合鍵を渡すほどの仲なのか?…やはり二股なのか?
私の不安をよそに少し開いたドアの間からその先輩とやらが大声で話しかけてきた。
「んっふっふっふ…たっちばなく〜ん、あっそぼ〜!ケツ貸して〜!」
「わぁぁぁぁ〜!な、なに変な事大声で言ってるんですか!開けます!今開けますから!」
……なんだ?『ケツ貸して』って言ったのか?何のことだ?
ため息をつきながらドアチェーンをはずすアキ坊。ドアの向こうに立っていたのは…かなりの美人だった。
(こ、こんな美人だったのか…む、胸は私のほうがありそうだな。顔は…好みにもよるが、引き分け…か?
しかし背は向こうのほうがあるな…こ、こんな人がアキ坊のタイプなのか?)
む?向こうも私を見て驚いている。…二股だからか?きっと向こうもアキ坊と付き合っているつもりだったんだな。
「うわぁー!うわぁうわぁ!橘君が女を連れ込んでる!…はっは〜ん、デリヘル?ねぇ値段いくらしたの?
何回抜いた?どこに出したの?…かなりの美人じゃん、どこの店?ちょっと教えてよ」
……いったい何を言っているんだこの人は?デリヘル?それはいったいなんなんだ?
「先輩、恥ずかしいから黙ってください!…はぁ〜、ばれちゃいましたから紹介しますね。
この人が僕とお付き合いしてもらっている保科恵さんです。メグさん、この人がさっき話していた会社の先輩です。
名前は中之井千紘(なかのい ちひろ)さんです。で、こんな遅くに何しに来たんです?用が無いならさっさと帰って下さい。
……っていうかなんで僕の部屋の合鍵持ってるんですか!いつの間に作ったんですか!」

夜中遅くに突然現れた仲之井千紘という女性。コイツがご飯を一緒に食べている先輩か…綺麗な人なんだな。

594 私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/17(月) 00:34:21 ID:AQI7mnGP
「いや〜、適当に男引っ掛けて酒奢らせてたんだけど、終電無くなっちってね。ってわけで今晩泊めてね」
「イヤです、邪魔なんでさっさと出て行ってください。その引っ掛けた男とホテルにでも行けばいいじゃないですか!」
「ダメダメよ〜ん、そいつブサ男だもん。そんな奴のケツ掘っても楽しくないでしょ?
もちろん君とならいつでもホテルはオッケーだよ。だからいいかげんにヤラしてよ〜」
………な、なんだ?この女はいったい何を言っているんだ?私の耳がおかしくなったのか?
「たわ言はもういいですか?どうしてくれるんですか、メグさん引いちゃったじゃないですか!
メグさんすみません、聞いてて分かったかと思うんですけど…この人ヘンタイなんですよ、可哀想な人なんです」
「こら!ヘンタイに向かってヘンタイとは失礼じゃあ〜りませんか?んっひゃっひゃっひゃ!」
そ、そうか、酔っているのだな?だからこんなに変な事ばかり口走っているんだな?
「アキ坊、仲之井さんは酔っているみたいだから、少し休ませてあげたらどうだい?もう電車も無いのだろ?
せっかく君を頼ってきたんだ、無下に断る事もないだろう」
私に提案に仲之井さんは声を上げ喜んだ。
「おお〜!さすがは橘君と付き合うだけの事はある!人間が出来てるじゃないですか、アリガト〜!」
うわっ!急に抱きついてきた!よっぽど嬉しいのか?…かなり酒臭いな、相当な量を飲んでいるな。
…ところで何故この人は私のブラのホックを外そうとしているんだ?何故私の匂いを嗅いでいる?
「いいかげんにしろ!いくら会社の先輩とはいえ度が過ぎますよ!」
仲之井さんに大声で叫ぶアキ坊。叫ぶと同時に拳骨まで落としている。
「いったぁ〜い!…橘君、そこまで怒んなくてもいいんじゃないの?ちょっとした冗談よ、ビックリした?」
「冗談は先輩の人生だけで十分です!言っておきますけど、僕のメグさんに手を出すつもりなら…殺しますよ」
殺すなんて物騒だな。アキ坊、目が怖いぞ?けど…嬉しいな。私のことをそこまで思ってくれているなんて…
んん?何故仲之井さんが私に手を出すんだい?この人は女性だろ?
「アキ坊何を言っているんだい?何故女性の仲之井さんが私に手を出すんだい?」
不思議に思い訊ねたらため息交じりに答えてくれた。
「会社の恥だからあまり言いたくなかったんですが…この人、男性女性問わずにキレイ、カワイイに弱いんです。
そういう人を見つけたら口説きにかかるんです」
………はぁ?という事はこの人は…レズなのか?けど男女問わずに口説きにかかるって…どういうことだ?
「あはは…簡単に言ったらね、アタシは男女両方イケるのよ。もちろん両方ともアタシが犯すの、入れてあげるのよ」
「い、入れる?な、何を入れるんだい?だって貴女には…」
「そ、ついてないよ。だから人口のを入れるの、ペニスバンドをつけてね。ねぇ1回試さな…痛い痛い!」
な、なるほど…アキ坊が私と合わせたくない訳だ、私達の恩人がこんな変な人だったとはな。
拳骨を落とすアキ坊を見ながら納得した。アキ坊は二股なんかしていなかったんだ!
…前の男に裏切られたからとはいえアキ坊を疑うなんて…私は最低だな。
「アキ坊止めなさい、もう十分だろう。…少し仲之井さんと話をさせてほしいんだが」
私の言葉に拳骨を落とすのを止めるアキ坊。仲之井さん涙目になっているな、やりすぎじゃないのか?
「仲之井さん、私は貴女に会ってお礼を言いたかったんです。あなたのお陰で私達は恋人同士になれました。
貴女が美味しい鍋の店を教えてくれたからアキ坊と恋人になれたのです。
あの日、アキ坊から食事の誘いが無かったら私達は恋人にはなれませんでした。
アキ坊が食事を誘ってくれたのも貴女が店を教えてくれたからです、どうも有り難うございました」
頭を下げる私。それを見て何故かニヤリと笑う仲之井さん。何故笑うんだ?
「いや〜、もしかしてアタシって恩人?ねぇ恩人でしょ?…んっふっふ、お礼は何がいいかなぁ?
……よし決めた!橘君のお尻の…痛い痛い!ゴ、ゴメン、冗談だって、怒んないでよ」
…ふむ、こうして見ているとアキ坊とはいいコンビに見えるな。まるで漫才だな。
「いい加減帰ってくださいよ、本気で怒りますよ?…どうせ泊まる気じゃなくてお金を借りに来たんでしょ!
…はい、コレ。5千円もあればお家まで十分でしょ?さっさと帰ってください!」
財布から5千円札を取り出して渡すアキ坊。それをひったくりニタリと笑う仲之井さん。
「毎度あり〜、またの御利用をお待ちしてま〜す。…あ、これ質草で置いてくわ。これで勉強しなさいよ」
そう言って鞄から袋を取り出しテーブルに置き帰っていった。…騒がしい人だったな。
595 私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/17(月) 00:35:16 ID:AQI7mnGP
「ふぅ…なかなか面白い人だったな。君の職場にはあんな人がいるのか。…他の人は大丈夫なのかい?」
仲之井さんが帰っていったドアを見つめて、ため息が出た。あんなのが恩人だったとはな。
「ヘンタイはあの人だけですよ…仕事中はすっごく尊敬できる人なんですけど、職場を離れたら…あれなんですよ」
ため息をつくアキ坊。私には会社勤めの経験は無いが、人付き合いとは大変なんだな。
「いきなりドアが開いたときはビックリし…ああ!合鍵!あの人合鍵持ったままだぞ、アキ坊どうするんだい?
また勝手に入って来るんじゃないのか?マズイんじゃないか?」
私の言葉に頷くアキ坊。
「そうですね、絶対に入ってきますね。明日にでも鍵屋に鍵を交換してもらうようにします。
今度は簡単に複製出来ないのにしますね。予備の鍵を取られたらいけないんでメグさん持っててくださいね」
そうだな、そのほうが安全だな。…え?私が…鍵を持つ?
「そ、それはあれか?あ、合鍵を私にくれるという風に捉えていいのかい?…いいんだな?」
「ああ!しまった!失敗したなぁ…ホントは合鍵と一緒に渡すつもりだったんですけど…これ、プレゼントです」
そう言って小さな袋を私に手渡してくれた。合鍵と渡すつもりだった?プレゼント?え?どういうことだ?
「こ、これは…いいのかい?別に誕生日でもないんだが?」
「受け取ってください、メグさんと付き合いだした記念です。気に入るかどうかは分かりませんが…
言っておきますけどそんなに高価なものじゃないですからね?」
ドキドキしながら袋を開けてみると…ケースとこの部屋の鍵が入っていた。
そのケースを開けると指輪が入っていた。……うっ…ひっく…ぐす。
「ホントはもっとカッコよく渡そうかなって考えてたんですけどね。あ、その鍵はもう使えなくなるんで捨てて…
ええ!なんで泣いてるんです?気に入りませんでしたか?た、確かに3万円ぐらいの指輪ですけど…」
「ひっく…嬉しいんだよ。こんなに素敵なものを貰ったのは初めてだから…ぐす、ありがとう。…一生大事にするよ」
嬉しい…嬉しい嬉しい嬉しい!好きな人からのプレゼントなんて生まれて初めてだ!

「ホントにありがとう。…お礼といってはなんだが…疼いてきたんだよ。今日は私が攻めていいかな?」
私の言葉に真っ赤な顔で頷くアキ坊…かわいいなぁ。そうか、かわいいから仲之井さんがちょっかいを出すんだな?
「そんなに真っ赤になって…フフフ、君はカワイイな。仲之井さんが君に迫るのも分かるよ。…けどこれは私のものだ。
そうだよな?…元気なこれは私の物。フフフフ…」
アキ坊の耳元で囁きながらペニスを撫でる。ズボンの上からでも勃起しているのがハッキリと分かる。
「ちゅっ…フフフ、君は耳を舐められるのも弱いんだな。…さ、上着を脱ごうか。カワイイ乳首を舐めさせてくれ」
耳を舐め、舌を穴に軽く入れる。アキ坊の体がビクッと少し痙攣した。感じやすい子だ、攻めがいがあるな。
「何度見てもキレイな乳首だな…れろ、ちゅちゅ…少ししょっぱいな。けど君の味がする、美味しいよ」
上着を脱いだアキ坊の胸に吸い付く。小さな乳首に舌を這わし軽く甘噛みする。
左手は股間を撫で続け、右手では左の胸を軽く触れる程度の愛撫をする。
「ちゅ…れろ…ちゅちゅ…どうだい?気持ちいいかい?…そろそろ我慢できないだろ?」
乳首を堪能した私はアキ坊の前で屈み込んでベルトをはずし、ズボンをおろす。
「アキ坊、いっぱい出してくれ。一滴残さずいただくから遠慮しないで…ん?どうした?」
アキ坊のペニスに手を添えて口に咥えようとしたらアキ坊に止められた。
「メグさんその…お願いがあるんですけどいいですか?前からしたかったことがあって…」
真っ赤な顔で話し出すアキ坊。…なにをしたいんだい?
「君の望むものならなんでもするよ。遠慮せずに言ってくれ。私に出来る事ならなんでもするから」
私の言葉にたどたどしく話し出すアキ坊。……まったく君はスケベだなぁ。
596 私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/17(月) 00:36:17 ID:AQI7mnGP
「じゅっぽじゅっぽじゅっぽ…んん!あ、あきぼ…気持ちいいかい?…んん!く、調子に乗って…ひゃう!
あきぼ…あまり強くされると集中できな…くぅ!」
今私達はベットの上でお互いの性器を舐めあっている。
私がアキ坊の顔を跨ぐ形で上に乗り、股間を顔の上に乗せながらアキ坊のを舐めている。
そう、アキ坊がしたかった事とはシックスナインだ。私も気持ちよくなれるし異論はないんだが…少し恥ずかしいな。
しかし…アキ坊は舐めるのが上手になってき…ひゃう!
「こ、こら!そこはお尻…だ、ダメ!ひ、ひぃ!」
アキ坊の指がお尻に入って来て暴れだした。アソコの突起を咥えながらだ。
「メグさんってお尻が弱いですよね?じゅる…その証拠にいっぱい溢れてきましたよ?れろ…じゅる…れろれろ」
「あ、ん、んん!くぅ…も、止めて…はずかし…ひゃう!」
ぐちょぐちょぐちょ…ジュルル…ぐちょぐちょぐちょ…れろれろ…ズズズズ…ごくん。
お尻では指が暴れ、アソコの突起は舌で転がされて時折吸い付かれる。だ、ダメ…アキ坊のを舐めれない…
「メグさんの美味しいです。毎日でも飲みたいです。…ズズズズ…ごくん」
ひゃう!…アキ坊に好き勝手にされて私の愛液も飲まれてる…調子に乗りすぎじゃないか?
「ん…んん!くぅ…調子に…ああ!…乗りすぎだ!」
……つぷ!…ぐにぐにぐに…
「うひゃう?メ、メメメメグさ…う、うわぁぁぁぁ!」
調子に乗っているアキ坊のお尻に指を入れ前立腺をマッサージする。
「フフフ…君は私がお尻が弱いと言ったね?…どうだい?こんな事されたら誰だっておかしくなるだろう?
さ、私の口にいっぱい出してくれ。たくさん飲ませてくれ…あむ」
口をいっぱいに広げてアキ坊のを咥える。舌で亀頭を舐めながら唇をすぼめ顔を動かし攻め立てる。
もちろんお尻に入れた指は前立腺を刺激し続ける。アキ坊は私のお尻から指を抜き、声にならない声を上げて感じている。
もう私を攻める余裕も無いみたいだ。…私を攻めるなんてまだまだ早いみたいだな。
じゅっぽじゅっぽじゅっぽ…ぐにぐにぐに…ドピュドピュ!ドクン!ドプドプ…ドク…ン…
「んん〜!…んっくんっく…んくんくんく…ゴクン。っはぁはぁはぁ…」
咥え始めて20秒ほどで大量に射精したアキ坊。私は一滴残らず飲み干す。尿道に残っているのも搾り出して飲む。
何度飲んでも美味しくは感じないが、アキ坊が私に出してくれたのかと思うと嬉しい。
「め、めぐさ…凄すぎです。腰が抜けるかと思いましたよ」
「フフフ…いっぱい出たな。こんなに出たのなら今日はもう出ないんじゃないのかい?」
「……大丈夫です!次はメグさんをイカせます!今日こそイッてもらいますからね!」
そう言って私の上に乗ってきたアキ坊。全開になっているアソコにゴムをつけて私に入れようとしている。
…ええ?もう復活したのかい?
597 私の仕事 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/17(月) 00:37:07 ID:AQI7mnGP
「き、君のは元気なんだな。…何度しても不思議に思うよ」
「それはメグさんのせいですよ。メグさんがキレイだから…メグさんを好きだからです!」
「…こら、こんな時に私を感動させてどうするんだ。…ん、ホントに君のは…んん!す、すご…ふぁぁ!」
大きいアキ坊のが私に入ってきた。あ…くぅ!…いつもの事ながら…んん!…大きいな…ひゃう!
グッチョグッチョグッチョ…グチョグチョグチョ…パンパンパンパン!
「う、う、くぅ…どうですか、気持ちいいですか…はぁはぁはぁ…ううっくぅ!」
「あ、あ、あ、あ、すご…アキぼ…気持ちい………だ、大丈夫だ、気持ちよかったよ。
私は君が入ってくるだけで嬉しいんだ。だから…その…なんというか…」
…今日は17回か。ちょっと…かなり物足りないが、まぁいいか。
私の胸に顔を埋めているアキ坊強く抱きしめる。…私はなんて幸せなんだ。…いつまでもこの時を過ごしていたいな。
「…すみません、今日こそはイッもらうなんて大口叩いて…けど次は!」
そう言って一度私から抜き、新たにゴムを被せる。……ええ?もう復活したのかい?
「ほ、ホントに君は凄いな。何を食べたらこんなに元気に…ん、んん!ふぁぁぁ〜!」

……今日は頑張ったな。ピストン運動の平均が『1』上がったぞ、だからそんなに落ち込まないでくれないか?

結局あの後2回も頑張ってくれたアキ坊。…ホントに君は凄いな。
終わった後に仲之井さんの置いていった質草を見てみたら…HなDVDだった。
興味本位で見てみたら、その…二人とも火がついたわけで…まぁあれだ、私達は若いからこれが正常なんだ。

で、アキ坊とは週に2日だけ会うことにした。土曜日曜と私が泊まりに行くことになった。
そのおかげで稼働時間があがり、収支も上向いてきた。
…毎日会えないのは寂しいが、まぁ仕方がないだろう。私は週末を楽しみにしながら仕事に励むことにした。


……私は浮かれていた。アイツに見張られていた事に全く気がつかなかったのだから。
私にSEXテクニックを叩き込み、借金を押し付け逃げて行った私の始めての男…アイツが帰ってきた。



598 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/04/17(月) 00:39:02 ID:AQI7mnGP
今回は以上です。誤字脱字は見逃してくださいね。

では電波を探しに行ってきます。
599名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 01:50:32 ID:w+xCN8k8
>>598
次回、急展開!?
ワクテカしながら待ってます。
600名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 06:38:58 ID:FDLXHMuk
ツクバ氏のSSはエロいけどなんか和むなぁ
そこが好きだ
601名無しさん@ピンキー:2006/04/21(金) 05:43:52 ID:07HGXAUI
あげ
602名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 18:25:50 ID:xswdUyJi
桐野と喜多の新作が読みたいお。
603名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 18:32:13 ID:5xjiZ0QI
新人さん来ないかなぁ
604名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 23:01:15 ID:hvVUfrxB
そうこう言ってるうちに結構な容量になってるな。
605名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 04:28:21 ID:mPpLiLnW
なぁみんな。

 香 織 さ ん の こ と 忘 れ て な い か ?
606名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 11:13:50 ID:E2jFbGny
別にわざわざスペース空けなくていいから黙ってろよ
607名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 14:08:09 ID:Htqc28m/
>>606同意
wktkしながら黙ってたほうがSS落としてくれやすいと思う。
 てかつツクバ氏GJ
608名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 15:37:23 ID:A7M75GJg
こう、ちょっとヤンキーっぽい女の子を、普通の少年が調教するようなのが・・・
609名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 15:43:58 ID:FZXYlup4
それなんて喜多さn(ry
610名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 19:44:49 ID:0z3OEYip
お姉さんタイプの女性が好きな僕にはたまりませんなあ
611名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 23:53:32 ID:JiU+CLuw
そろそろツクバ氏が来ると予想。まだかな?
612名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 14:22:30 ID:gDyWmLJl
>>611
黙って待ってろ。
613名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 01:40:07 ID:Wl+7FgNd
すこし書いてみたけど性描写むずいなぁ……
614名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 02:04:42 ID:2WCccfB8
投下しつつ学べばいいさぁ。
期待。
615名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 12:11:45 ID:Z6o7DZzA
>613氏、ぜひとも投下して下さい!ところで容量は大丈夫なのかな?
616名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 12:37:03 ID:6fii5mu/
ここは創作オンリー?
同人SSもおk?
617名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 20:11:26 ID:ctL2Kpaa
それを言うなら二次創作じゃ。

該当スレがないならいいんじゃね?
618名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 21:09:30 ID:2WCccfB8
容量が480kいってるから、作品投下する人は注意して下さいねー。
そろそろ次スレの時期かも。
619名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 22:00:47 ID:N2aPK+zB
つうか、そろそろなんて言ってる場合じゃないぞw
次スレ立てないと。
620名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 22:47:14 ID:AhEWYtWV
テンプレは変更無し?
621名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 04:29:22 ID:daIM9S4/
>>620
テンプレそのものは変更の必要はないと思うけど、携帯ユーザーとしては過去スレ一覧なんかは>2に移動させて欲しいかな。そっちのが見やすいんだ。
あと個人的にヘルシングの演説の改変をちょっとやって欲しいところw
ロボット、アンドロイド萌えスレの1がやってて吹いた覚えがw
622名無しさん@ピンキー:2006/05/01(月) 11:53:42 ID:NdpSnj1S
アゲときますね
623名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 04:45:49 ID:tyj3nCqK
:.  / _     ___   、\
       / /   i      \   \\ :.
     :. ,'./       i  ヽ:.   ヽ:.:.. ヽ.ヽ
      ,'/    / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
     :. |i .i i  .i /  ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
       |i .i l  :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
    :. |i∧ ', :{ ,ィjモト \  イjミトイイV :.  な…
       .|  :メヽ.', `ozZ}      izN。ハ::{     なんなんですか?
      :. |  :ヾ_! ゝ "゙゙    '  `゙ ハ.:', :.   ここ、どこですか?
      |  :.:_イ .:.ヽ.   (二フ , イ :.:.:!:.ヽ     なんであたし
   :.  / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:.   貼られたんですか?
      / ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
 :.  / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^`  |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
   / /  ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{   ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
  ./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、  : : : l:.:.: .ハ ',
  { /| .:.:ハ : : :i Y {ヾ`Yヽニン'ノ}: : } : : : :/:.:.:/ }:.}
  V | .:.:/:.:|_,ィ' ̄  ヽ三{ `ー-ノ : イ : : :/:.:i.:{  リ
    ヽ:.:{、.:.V     : : ヘ     : : {: : :/:.::∧|
     ヽ! )人    : : :人      : : : / \! :.
      "  ヽ : : : : :/イ{     :.ノ: : : :.\ :.
       :.  \__///: :\______/: : : : : : : ヽ
           / //: : :|;|: : : : : : i: : : __: : : : ',
       :.     / 、 {;{   |;|   . : i/. : : : : : :|
          / `Y;{. . . .|;|. : : : /i: : : : : : : : :l
624名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 21:18:26 ID:Ft+jzHBv
谷川スレにカエレ!(・∀・)
625名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 22:57:37 ID:K8mJLBou
やっとFF12クリアしました。これから続きを考えます
626 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/05/06(土) 00:33:34 ID:McdaOJ4C
続き今書いてるんですけど、容量が20KBぐらいになりそうです。
ですので次スレに投下になると思います。
ちなみに>>625は自分です。最強の矛はあきらめました。
627名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 11:36:23 ID:UTPimzAO
ツクバ氏期待アゲ
628名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 16:43:45 ID:gi6MrUyz
↓ここはお前の日記じゃないんだのAA
629名無しさん@ピンキー:2006/05/06(土) 22:31:01 ID:jIEYYO4V
布団を敷こう、な!(AAry
630名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 20:05:11 ID:gdhOWAus
保守
631 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA :2006/05/07(日) 22:17:54 ID:rcnd+dOh
>>621
ちょっと考えてみました。こんな感じですかね?



諸君私は気の強い娘が好きだ

諸君私は気の強い娘が好きだ

諸君私は気の強い娘が大好きだ

通学路で 教室で 部活で 帰り道で バイト先で

通勤電車で 職場で 残業で デートで ドライブで

この地上で行われるありとあらゆるツンデレ行為が大好きだ

毎朝一緒の通学途中にカワイイ後輩に挨拶された男を怒鳴り散らす娘が好きだ

机の上に置き忘れた日記を読まれそうになった時の慌てぶりなど心がおどる

諸君 私は地獄のような気の強い娘を望んでいる

諸君 私に付き従う気の強い娘大好き諸君

君達は一体何を望んでいる?

更なる気の強い娘を望むか?

情け容赦のない罵声を浴びせる娘を望むか?

罵詈雑言の限りを尽くすが夜に訊ねてきて目に涙をためながらゴメンナサイを言うような娘を望むか?

『ツンデレ!』『ツンデレ!』『ツンデレ!』

よろしい ならばツンデレだ

我々は満身の力をこめて今まさにss投下を期待してリロードをする住人だ

だがこのエロパロ板の底でssが投下されるもの間耐え続けてきた我々に

ただの小ネタではもはや足りない!!

ssを!! 一心不乱のssを!!  



どないでしょ?あと続き書けたんですけど容量的に無理なんで新スレが建ってから落とします。
632名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 22:39:22 ID:gdhOWAus
最後の方はガンダムみたいになっているなw
633名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:38:19 ID:8+9mnknB
できれば「ツンデレ」を使わないで作ってほしい
厳しいようだったらいいけど
ツンデレで片付けて欲しくないというか
はやりもので片付けてほしくないというか
気の強い娘がしおらしくなる瞬間に・・・・は必ずしもツンデレだけじゃないよという思いがある
しょせんただのスレ住人のたわごとかもしれんが
634名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:38:23 ID:XgA/+nad
>>631
おk、それでいこうw
635名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 07:22:34 ID:jnljP1Ql
>633
ツンデレ無しでも考えたんですがなかなかいい言葉が浮かばなくて妥協しちゃいました

次はギレンで考えましょうかw
636名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 10:13:29 ID:o6rewNx5
「ツンデレ」反対派ノシ
ツンデレは勿論好きだが、それとはまた違った趣がここにはある
637名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 11:30:46 ID:jnljP1Ql
携帯からで分かりづらいと思いますが最初のツンデレの所に「照れ隠し」
次の『』の中のツンデレには「禿同」
最後のよろしいならば〜のツンデレには「気の強い娘がしおらしく」を入れるというのはどうでしょう?

しかし仕事中に何してんだよ、オレ…
638名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 18:14:47 ID:gXX43RWW
別にツンデレがどうかなんてどうでもいい

職人さんが、
このキャラはツンデレなんですよっていえばツンデレになるし
ツンデレじゃないんですよって言えばツンデレじゃないし
639名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 19:45:46 ID:lZR92lwP
>640
次スレは任せた!
職人さんを援護するんだ!
640名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 20:05:37 ID:vrccYeu4
立てますた
気の強い娘がしおらしくなる瞬間に… 第5章
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147086214/
641名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 20:31:41 ID:I6vvDO3r
>>640
642 ツクバ薪割り  ◆k8fXz6W8GA
>>640
乙です。続きを次スレに落としておきます