います。
いま一本書いてます。
でも…。
ノシ 待ち続けてます。
>>386〜
>>406 のアリューシアを書いたものです。
前回レスくれた方ありがとうございます。励みになります。
後日談、というか続編です。
前回の「王女様の使い」を読んでないと内容の分からない部分が
多々あるので、出来たら前作を読んでから
こちらを読んで欲しいとあつかましいお願い。
長いのですが一気に投下します。
今回も甘々なので苦手な方はなにとぞスルーよろしく。
それでは、グルドフの雪辱戦…いえ、「最も多忙なる一日」です。
あの日から3週間がたっていた。
グルドフの告白を聞いたアリューシアは心を動かされ、以来、暇さえあれば
二人は人目を偲んで情事を重ね…………という事は一切無かった。
最初はアリューシアも彼との事を気に留めていたのだが、気が付いたら
それどころではなくなっていたのだ。
ある問題が起こり、城内の警護が強化され、第四王女のマルゴットの護衛を務める
女騎士アリューシアもその忙しさは頂点を極めていた。
普通の、といっては御幣があるが普通の深窓の姫君ならいざ知らず、奔放気味と
周囲が呆れるマルゴットの警護の苦労はただならぬものがあった。
もちろん女官達は状況が状況だけに部屋で大人しくされては、と進言するのだが、
当の王女は何処吹く風、今までと変わりなく恋人に会いに行ったり(しかも夜這い)、
供を連れて街に繰り出したりとやりたい放題。
同性という事で王女のお目付け役も任されてるアリューシアは、のんびりと自分自身の
愛だの恋だのにうつつを抜かしている場合ではなかった。
城内で働く女性が消えてしまう、という事がこのところ続発していた。
といっても事件性を疑うほどには数は多くなかったので、最初は仕事に嫌気が差して、
無断で出て行ってしまうのではないか。という考えで片付けられていた。
しかし、女官以下使用人の教育、管理を今一度徹底してもその問題は改善されなかった。
「人さらい」が出るのではないかと言う噂が囁かれ始めた。
城内で人さらいが出るなどと言う噂が広まれば、恥以外の何物でもない。
ましてや今は使用人だけですんでいるが、もし万が一王族に危害が及んだら……
早くこの問題が解決して欲しいものだ、とアリューシアは小さくため息をついた。
──でないと体が持たん。
散策に出たマルゴットに付き従ってアリューシアは庭を歩いていた。
草花の香りがむせ返るような暖かい昼下り。庭で花を愛でながらお茶をしたい、と言う
姫の為に、彼女はいかつい制服姿に似合わぬお茶の道具の入ったバスケットを下げている。
お茶の準備などは本来なら侍女の仕事だが、我侭な姫はこの亜麻色の髪を持つ
美しい女騎士と、水入らずでのんびりと過ごしたいなどと言い出した。
優秀なボディーガードであり、お世話係りであり、話し友達であり………
マルゴットのこの女騎士に対する要求は多大なものであった。
「あら」
東屋に近づくと、姫が声を上げた。お茶をするつもりで来たそこに先客がいたのである。
その姿を見て、アリューシアは息を呑んだ。
「まあ珍しいこと。グルドフではありませんか」
マルゴットはたくさんいる『お気に入り』のうちの一人の姿を見つけ、声を弾ませる。
有能で、背が高く、そして何よりも整った顔立ち──王女のそんな『お気に入り』の条件を
満たしたグルドフは第一王子に仕えている魔法使いだが、戦が無い時は薬師として
働いている男だ。
「これは、マルゴット様。お久しぶりでございます」
薬師は席を立ち特に慌てた様子もなく礼をする。しかし、その両隣にぴたりと寄り添って
いた二人の若い女官が明らかに気まずそうに立ち上がると後ずさり、深々と頭を下げた。
「───両手に華、ね」
手にした扇をばさりと広げ口元に寄せると、マルゴットはちらりと女官達を見た。
うら暖かな百花繚乱のこの時期に、吹雪が来そうな冷たい目線である。
「お前達……もう下がりなさい」
慌ててアリューシアが女官に声をかけた。
マルゴットはかなりのやきもち焼きだ。自分の『お気に入り』の側に意味深な女が
いるのを目にすると、たちどころに機嫌が悪くなる。
火種はさっさと遠ざけるに越したことはない。アリューシアが姫に仕えるように
なってから憶えた、対処法である。
姫の気質は誰もが知るところ。
女騎士の言葉をこれ幸いにと、二人の女官は脱兎のごとくその場を離れた。
「こんな昼間から、お前も罪作りだこと……」
「何のことはありません。薬を頼まれておりました」
やや棘のある姫の言い方に、飄々とした様子で薬師は返した。
「3日前からここに来ているとは聞いていたけど、あの者達の用聞きの
為だったのかしら?」
「マルゴット様もお人が悪い」
嫌味をさらりと受け流しつつ、薬師は彼女の横で話し相手を務め始める。
その側で黙々と茶の準備を進めながら、アリューシアは二人のやり取りを聞いていた。
普段は此処から馬で駆けて一時間かかる離宮にいる彼が、国王の住まうこの城に
来ていたとは初耳だった。
──最も、それを私にいちいち報告する義理もない、と言う感じか。
アリューシアは支度の手を休めずに、ちらりと薬師を窺った。
グルドフは普段どうり、落ち着き払った姿で姫と向き合っている。
こちらに言葉をかけるどころか、視線を向けることさえない。
必要がある時以外は口をきかず、陰になり日向になり姫の側に仕えるこちらを
特に気にする訳でもない、冷淡とも言える態度は以前のままだ。
(見事な復活ぶりだな)
それが、アリューシアが感じた印象だった。
あの日の名残はグルドフから片鱗もうかがい知れない。
あの日も今日と同じ、日差しのきつい汗ばむような陽気の日だった。
薬がきっかけになったとはいえ、最後のほうはそんな事どうでもいいと思えるほど
さんざん彼と愛し合い、ずっと胸に秘めるつもりでいたという彼の甘い告白を受けた。
情事を終えた後、グルドフはすぐさま机に向かった。
実験の結果でレポートをまとめて、王女に渡す薬の注意書きを作成するという仕事が
残っていたからだ。
アリューシアは出された茶菓子をつまみながらその出来上がりを待っていたのだが、
退屈する事は無かった。
黙々と仕事をこなしていたグルドフであったが、
時々思い出したかのようにぴたりとペンの動きが止まり、
「はあぁ〜〜あああぁ─────」
と、ため息ともなんとも付かぬような声を上げたりする様を眺めるのが、
なかなか面白かったからである。
普段は冷静沈着な彼の、そんな悶々とする後姿を楽しく──いや、親しみを込めて
眺めていたのだが、今はそんな親しげな気配は微塵も残っていなかった。
彼にとってあの日の出来事はどう位置付けされているのか、疑問が湧き上がった。
はっきりとさせてみたい気もする。だが、この様子ではその機会さえあるかどうか。
(まあ、いいか。それならそれで)
彼がこういう態度である以上、こちらからそれを持ち出してどうにかしようと
言う気持ちにはなれない。いや、問い詰める資格が有るほど自分の気持ちが
まだ定まっていないと言うのが正直な感想だ。
こうも何事も無かったかのような顔をされると、少し寂しくもあるのは事実だが。
「お茶の支度が整いました」
「ありがとう。そうだわ、グルドフ、お前も一緒にどう?」
グルドフは二人分しかない食器に目をやる。気まぐれで人を誘うのはマルゴットの常だ。
「せっかくですが、またの機会に」
そう言って礼儀正しく挨拶をして立ち去る彼を見送りながら、アリューシアは何気無い
様子を装い、疑問をマルゴットに投げかけた。
「あの薬師はどうしてこの城に滞在しているのですか?」
「まあ、そんな難しいことを長々と話していたら、お茶が不味くなってしまうわ」
求めていた答えに応じる事なく、彼女はするりと腕を絡めてきた。
「もっと楽しいおしゃべりをしましょう? 二人で」
そう言うと切り替えの早い姫は、お気に入りの女騎士に甘えるように身を傾けた。
*
その日、仲間と交代してアリューシアが仕事から解放されたのは真夜中も近い時間だった。
警護の者を除いた住人達はほとんどその日の勤めを終え、寝静まっていた。
ひっそりとした城内をほっとした気分で自室に向かう。
と、その時、一瞬庭を横切る影が視界の端に映った。
(こんな時間に、不審な)
ふと、今頭を悩ませている事件の事が頭をよぎる。
嫌な胸騒ぎがして、アリューシアはひらりと窓から外に降り立つと、その影を追った。
誰かにこの事を告げて出ればよかった、歩きながらアリューシアはそう後悔していた。
もう一時間は歩いたというのに、影は一向に立ち止まる気配がない。
僅かな月明かりだけを頼りに、影──男を追う。
いくつもの林を抜け、時々周囲に気を配るそぶりを見せながら、男は明かりを持たずに
森の中に入る。やがて、以前貴族が別荘に使っていた小さな館が見えてきた。
今はもう打ち捨てられ、寂れたままになっているはずのその一室から明かりが漏れている。
男がその中に入っていった。
アリューシアは息を潜めて、窓から中を窺う。
そこには、今入っていった者を含めて4人の男と、部屋の隅に身を寄せるように蹲る
2人の女の姿があった。
彼女達は見覚えのある顔だった。時々王女の衣装の支度に顔を出す侍女だ。
後を追っていた男の横顔がちらりと見えて、女騎士は眉をひそめた。
(こういう事だったのか)
城内の使用人の管理を担当するズーラという名の男だった。
(まさか、人さらいの犯人が城内で働く者だったとはな)
アリューシアは中の状況をすばやく把握する。
男達が座っているテーブルには酒と食料が盛られて、今も一人が酒をあおっている。
すぐにどこかに移動するという雰囲気ではなさそうだった。
仲間を呼びに行っても、馬で戻って来れば手遅れになるようなことはないだろう。
一人で入り込んで危険を冒すより、複数で取り囲み確実に犯人を捕らえたほうが賢明だ。
そう判断して、急いで来た道を戻ろうと振り返った。
だが、中から聞こえた悲鳴がその足を留める。
「いや! 止めて」
「いいじゃないか、少しくらい。なぁ」
「おい、大事な商品だ。乱暴にするな」
「へへ……挿れなきゃいいんだろ?」
「…………助けて!」
女の声が恐怖に引きつっている。
───仕方ない。
アリューシアに躊躇いはなかった。
剣を抜き、扉を蹴ると、疾風のように中に突進した。
「誰だ!」
一人が叫ぶ。
その声を聞いて女に抱きついていた男が慌てて立ち上がった。
だが、誰もが不意をつかれて体勢が整わないなか、振り返りざま男の目に映ったのは
至近距離で自分に剣を振り下ろす、目付きの鋭い女騎士の姿だった。
血飛沫が上がり、盾にした左腕を押さえ男は呻きながら
よろよろと仲間の元に後ずさる。
「お前は……!」
ズーラが青ざめて、驚愕の声を上げた。
「命が惜しければ降伏しろ。武器をテーブルに置いて手を床につけるんだ」
女達を庇うようにその前に立つと、アリューシアはズーラを睨み付けた。
「ズーラ、面が割れた以上もう逃げられぬぞ。観念するんだな」
無論、こんなことを言っても素直に従うとは思わない。
相手は4人。一斉に切りかかられても勝算はある。アリューシアはそう踏んでいた。
改めて4人の男を見回した。じりじりと後ずさる文官のズーラは剣を提げてもいない。
切りつけた男ともう一人は傭兵崩れの盗賊、といったところか。そしてもうひとり──。
「うっ──」
部屋の一番奥にいるひげ面のマントの男と目が合った時、
衝撃を感じアリューシアは声を上げた。
いや、上げようにも、咽が絞られた様に声が出なかった。
一気に血の気が引くのをアリューシアは感じた。
(体が、動かない)
その様子を見たズーラがにやりと笑って、マントの男を返り見た。
「もう大丈夫か?」
「ああ、うまいこと掛かった様だ」
そうか、と呟くと先ほどのおびえた表情から一転、ズーラは卑下た笑みを浮かべながら
アリューシアに歩み寄った。
「残念だったな、アリューシア。さすがのお前も魔術に掛かっては形無しだな」
これが彼らのやり方だった。
ズーラが男達を城に忍び込ませる手引きをし、狙いをつけていた女の体の自由を魔術で
奪い、城外に担ぎ出す──
「おい、その女は知り合いか」
傭兵崩れが興味深そうにアリューシアを見た。
「名物王女のお気に入りの女騎士だよ。なぁ?」
ズーラはいとも容易く彼女の手から剣を引き抜き、肩を押した。
自分では指一本動かすことが出来ないのに、アリューシアは操り人形のように
壁まで押しやられた。
「気が強そうだが、いい女じゃねえか」
「思わぬ収穫だな。一番高く売れそうだ」
口々に男が言い、品のない笑いがこぼれる。
「売るだけじゃもったいない」
ズーラはアリューシアの咽元に剣の先を突きつけた。そしてそのまま刃先を下に移動する。
ブツ
刃先が当ると、制服の一番上のボタンが小さな硬い音を立て、床に転がった。
「おいおい、商品に乱暴をするなと言ったのはお前じゃないか」
笑いを含んだ野次がズーラに掛かる。
「こいつは狼みたいに気性の激しい女なんだぞ」
ズーラが剣を動かすと、二つ目のボタンが転がり落ちた。
「飼い慣らして、少し従順にさせないとな」
3つ、4つ、5つ……制服のボタンを全て切り落とすと、口の端を吊り上げた彼は
刃先で制服の前を捲った。
「ほぉう、着やせするタイプだったんだな」
ぎらぎらとした目つきで、白いシャツを押し上げるアリューシアの胸を眺める。
「前から思っていたが、その制服は体型を隠しちまうな。──今度はもっと
体の線がはっきりするデザインの物を用意してやろう」
そう言うと、次はシャツの一番下のボタンを切り落とした。
「もっとも、その頃にはお前は奴隷として働いているだろうがな」
その言葉に悪寒が走る。だがこの状況をただ眺めるだけで、微動だにすることも出来ない。
腕は貼り付けられたかのように壁に押しやられていた。
アリューシアが悔しさに怒りをたぎらせていると、突然心の中で声が響いた。
『苦戦しているようですね』
それは、聞き慣れた薬師の声だった。
『グルドフか! 今、何処に居る』
声が出せないので心の中で叫ぶと、反応があった。
『そちらに向かっているところです』
シャツの3つ目のボタンが落ちる。
『頼む。変な術にかかって身動きが取れないんだ。早く来てくれ』
『……馬鹿をやりましたね。魔法使いとは目を合わせるなと以前お話ししたでしょう』
『こうなってしまっては仕方がない。それよりも、早く!』
ブツリ。4つ目。
『では、術を解いてあげましょうか?』
『出来るのか?』
『出来ますよ。その代わり、一つ条件が』
『この期に及んで何を言う!』
全く切迫感のないグルドフの声に苛付いてアリューシアは叫んだ。
残りのボタンは2個。
『褒美を頂きたい』
褒美? 確かにこいつらを捕らえたら王から褒美が出るだろうが……
『どうです?』
『分かった。褒美なんていくらでもくれてやるから早く何とかしろ!』
胸のボタンに刃先が触れる。
『──では、私の言う通りに唱えてください』
相変わらずゆっくりとした口調で薬師の声が響いた。
胸のボタンが転がり落ちた。
シャツの間から、胸の谷間の白い肌が覗く。ズーラはごくりと咽を鳴らした。
期待に表情を下品に崩しながら、最後になる襟元のボタンに剣を定めた、その時。
おもむろに、ぐい、とアリューシアの手が剣の鋭利な刃をじかに掴み上げた。
「ひぇ」
驚きのあまり、ズーラは咽の奥に張り付くような声を上げた。
アリューシアが彼を睨みつける。
いつもは澄んだ藍色の女騎士の瞳が、今は怪しげに赤く光っていた。
「───この女に触れるな」
彼女の口から出たのは、地の底から這い上がってきたかのような暗い声。
瞬時に剣が燃え上がり、焼けた鉄の固まりに変わった。
赤く燃え滾ったそれがジュゥゥ…と音を立て、柄を握っていたズーラの手を焦がした。
肉の焼ける嫌な匂いが充満する。
ズーラは絶叫をあげ、焼け爛れた掌を空に突き上げながら転げ回った。
「まさか──魔法使いか!」
マントの男が慌てて立ち上がった。
慌てていくつかの術を女騎士めがけて繰り出すも、何の変化も起きない。
「……いつの間に」
術を封じ込められているのに気が付き、男はわなわなと体を震わした。
剣の刃を握り締めていたアリューシアは平然とした仕草で、何事も無かったかのように
柄の部分を握りなおした。
『もう、いいですよ』
その声が心の中に響くと同時にふわりとアリューシアの体が軽くなる。
(やった!)
傭兵崩れの二人が形相を変え、剣を抜いてこちらに向かってくる。
───体が動けばこちらのものだ。
自由が戻ったアリューシアは、足元でのた打ち回るズーラのわき腹を
恨みを込めて力の限り蹴り上げむこうにやると、男達に挑んだ。
「こんな……馬鹿な」
マントの男は目の前の信じられない光景に絶句する。
目の前では術が解かれた女騎士が二人の男の剣を同時に受けている。
自分以外に魔術を使う者の気配は何処にも無い。それなのに、である。
おまけに、自分の仲間達が劣勢であるのは明らかだった。恐ろしい気迫と洗練された技で
体格のいい二人の大男が追い詰められていく。
あえて急所を外しているのは、おそらく口の聞ける状態で生け捕りにしたいが為だろう。
マントの男は、壁伝いにそろそろと出入り口に向かった。魔術を封じ込められては
成すすべも無いが、今のうちに姿を隠してしまえば、自分だけでも助かる。
扉に手をかけ、外に転がり出ようとしたその時。
「──逃げるのか?」
扉の外に立ちふさがった背の高い男、グルドフの冷たい声にマントの男は悲鳴を上げた。
「このような事に力を貸すとは、魔法使いの風上にも置けないな」
男は、自分の力を奪い取った強い魔力を持つ相手が誰であったかをようやく悟った。
グルドフが僅かに口を開いて短く何かを唱えると、その男の体がふわりと浮いた。
次の瞬間、弧を描くようにして男は吹き飛び、背後の壁に激突した。
「グルドフ」
彼が気を失ったマントの男を縛っていると、アリューシアの声がした。
「こちらにも縄をくれ」
見れば、二人の男を足元に倒した勇ましい女騎士が、息を乱すことも無く
彼の方へまっずぐに手を差し出していた。
*
男どもを縛り上げ、囚われの女達の縄を解くと、アリューシアは力を抜くように
ふぅーと大きく息を吐きだした。
「ありがとう、お陰で助かった」
すぐに表情を引き締めて、グルドフを見上げる。
「お前にあんな力があるとはな」
「まあ、こちらが本業ですからね」
グルドフは苦笑いした。
そういえば、こいつは魔法も使える薬師ではなくて、薬も作れる魔法使いだったか。
そう考えながら、アリューシアはてきぱきと次の行動を指示する。
「では、私はこれから城の者を呼びに行ってくるから、お前はその間ここで見張りを頼む」
「そんな事は後回しです」
「何だと」
外に向かおうとしたアリューシアが足を止めた。
「そら」
グルドフがすっと手を上げると、今まで聞こえていた呻き声がぴたりと止んだ。
「………何をした」
「眠らせました」
え?と聞きなおし、納得のいかない表情を見せる彼女に対し、言葉は続いた。
「正確に言うと、朝日が昇るまで意識がない状態にしておきました。外部の──私達の
声も聞こえていないはずです」
見れば、今まですすり泣いていた女達も折り重なるように倒れていた。
「何故こんなことをしたんだ?」
「何故って、さっき約束したでしょう」
相変わらずの淡々とした口調で、彼はアリューシアの顔を覗き込む。
「褒美をくれると」
「褒美?王から頂いた後だ」
アリューシアは訝しげに眉を寄せた。
「…………そんな事は誰も言っていませんよ。王から賜るものなど、あなたが全て
収めればいい」
と、言うことは──
「────こ、ここでか?」
その言葉の意味をようやく理解して、アリューシアは慌てた。
「そうです」
「いや、ここはちょっと……」
いくら意識が無いとは言え、これだけ大人数が居る部屋では……と考えていると、
ひょい、と体を担がれた。
「では、隣の部屋に移りましょう」
「ちょっと待て、グルドフ」
彼の予想外の行動に戸惑いながら言葉を続けた。
「今日は疲れているし……その、明日にしないか?」
「ダメですね」
あっさりとそう言いながら彼は次の部屋に入り、扉を閉める。
隣からの明かりが遮断され、月光も僅かばかりで部屋の中は一気に薄闇に支配された。
「何でだ、私は約束は守るぞ」
体を下ろされた彼女は不服そうにグルドフを見た。
「たぶん明日になったら、この約束は無効にされそうですから」
どういう意味だ?と聞こうとしたアリューシアだったが
抱き寄せられ、そこで唇を塞がれた。
唇の隙間から舌が入り込んだ。アリューシアの舌を捕らえると、
小さな音を立てながら滑らかに動き回る。
「グルドフ……。一度、きつく抱きしめてくれるか」
一旦顔が離れたとき、濡れた唇のアリューシアが囁いた。
返事は無かったが背中に回された腕の力が強められ、抱擁は息苦しさを感じる程になる。
「……落ち着くな」
胸の鼓動を聞きながら呟くと、髪を撫でられる感覚があった。
「──怖かったですか?」
「………」
「もう大丈夫ですよ」
再び唇が重なり、舌が口内を撫でた。アリューシアは彼に応えるように舌を絡めた。
「う……ん」
唇を重ねたままで、押されるように数歩後ずさった。
テーブルにぶつかり、そこに軽く腰をかける体勢になる。
ビッ…
シャツに残っていた唯一つのボタンが千切れる小さな音がした。
制服とシャツをまとめて肌蹴られ、肩を露にされる。
肩のなだらかな丸みを撫でながら、グルドフは彼女の首筋や鎖骨に唇を這わせていった。
相手の表情もおぼろげな暗闇の中。体をさぐる度に立つ衣擦れの音と、二人の息使いが
いやに鮮明にアリューシアの耳を攻めた。
慣れた仕草でズボンのボタンが外され、脱がされると、太腿の間に手が滑り込む。
「う…うぅん……」
指の動きに応えるように触れられた部分が熱を帯びていく。
中を蕩けさす指の動きはそのままに、舌と片手は味わう様に彼女の体をなぞっていった。
首筋から胸、滑らかな腹、柔らかな茂みのある下腹部──。
彼女の中を蠢いていた指が抜かれ、内腿を押し広げるように添えられる。
濡れた部分に、息が吹きかかる程グルドフは唇を寄せた。
「あっ……。そこは嫌だ」
察したアリューシアは上半身を起し、慌てて腰を引いた。
「なぜ?」
「何故って………。この前はそんな事しなかったじゃないか」
「今日はしたい」
「い……嫌だ。何でこんな事をするのか、理由が分からない」
意外にも女騎士は不安そうな表情を浮かべ、うろたえる様な声を上げた。
「理由?もしかして……」
グルドフの口調に楽しむような微かな笑いが含まれた。
それ以上逃げないように腰を捕らえる手に力が篭る。
「経験が無いのか?」
アリューシアは泣きそうな顔になり、頷いた。
「……それはいい」
彼女の必死に訴える視線を無視して、グルドフが柔らかな内腿を舐め上げた。
「教えてあげますよ」
「あっ。ちょっ……やっ!」
アリューシアはそれを聞くやいなや、彼の頭を鷲掴みにした。
「こらっ。止めろ、グルドフ!───本気で怒るぞ!」
顔を紅潮させ、必死でそれを押し留めようとする。だが、顔色も変えずに、抗う女騎士の
手を封じ込むとグルドフはついに切り札を出した。
「……褒美」
「うっ!」
一瞬言葉を失いひるんだその隙に、彼はアリューシアの下腹部に顔を埋めた。
「くっ……ん…」
アリューシアは思わず声を上げた。
唇が押し付けられ、舌が女の部分の形をなぞる様に動いていく。
そこまでは晒け出せない──。
そう思いながら、自分の太腿の間で男の頭が小刻みに動いているのを目の当たりにして
アリューシアの心を耐え難い羞恥が乱した。
生暖かい舌の感触が敏感な部分を這い回る。
「い…嫌だ……だめ………う…ぅう…ん」
両手で彼の暗い焦げ茶色の髪を掴み、そこから引き離そうとする。
だが、初めて受ける行為の快感はいとも容易く指先の力を奪い取った。
男と体を重ねた経験は過去に何度かあったが、
その行為自体を楽しむという余裕も考えもまだアリューシアには乏しかった。
舌はその体に女の喜びを刻む為に、時に柔らかく肉色の花弁を這いずり、
時に固く尖り入り口から奥へと侵入しようとした。
「ふっ……あ、………いやぁ………あっ……」
恥ずかしいのに、抗えない。その戸惑いが彼女を翻弄していく。
体を小さく震わせて、目を伏せたアリューシアは息を乱した。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ…と水音を立て、彼の舌が滴る蜜を舐め取り始めた。
「だめ………こんなの……」
吐息を漏らすように出る自分の声が、まるで見知らぬ誰かのものの様にひどく弱々しい。
自分の体と彼の舌が触れ合う度に立つ、ひどく淫らな音に気が狂いそうだった。
「良いのでしょう?」
秘密を暴かれるようなグルドフの囁きに、アリューシアは顔を赤らめた。
「こんなに濡らして」
「いや…だ……あぁ………」
はあ、はあ、とその口から漏れる息が速くなる。
両脚は無防備に押し広げられ、彼の前に曝け出されたそこを貪るように舌は蠢めいた。
体の奥から溢れてしまう蜜が繰り返し掬い取られていく。
「あっ、あっ……あっ………ああっ」
尖った舌先で一番敏感な部分を捕らえられ、そこを執拗に攻められるとアリューシアの
体が撓った。快楽の振動がさざ波のように忍び寄り、その体を蹂躙しようと企む。
「い…いやあぁっ!……グルドフ……だっ、だめっ……あっ……あぁ!」
片手は腿を抱え込み、片手は質感を楽しむように柔らかな胸を揉む。容赦の無い攻めに
湧き上がる甘い痺れに耐えられず、アリューシアは泣きそうな声を上げた。
「くっ……くぅ…ん」
ついに彼女は頂点にまで押し上げられる。
体の奥が脈打つように収縮し、無意識のうちにアリューシアは腰を揺らした。
「──可愛いですよ」
グルドフが体を離し、苦しげに息をするアリューシアを見下ろした。
「ず…ずるい」
体を起すことも出来ない程にこんなに乱されてしまった自分に対し、それを満足気に
眺める彼が至極冷静なのを知り、得体の知れない敗北感のようなものが
アリューシアの気持ちを逆立てた。
「私だけ…………こんな風にするなんて……」
肌蹴たシャツから覗く胸を悩ましげに上下させながら、潤んだ瞳で恨めしげに
グルドフを睨みつけた。
「いつか仕返ししてやる。……憶えていろ」
「それは楽しみだ」
グルドフは彼女の体を起すと机から下ろして、向きを変え机に両手をつけさせた。
背後から密着するようにその体を抱きしめ、形のいい胸を揉みながら
亜麻色の髪のほつれる肩に何度も口付けを施した。
「うう……ん」
彼女の唇から悩ましげな甘い声が零れる。
上半身を倒して腰を突き出させると、グルドフは既に硬く憤っていた自分の物を
一気に彼女の中に挿し入れた。
「───あっ」
アリューシアが短い声を上げた。
「アリューシア……」
一度最奥で動きを止め、今度はゆっくりとした速さでぎりぎりまで腰を引く。
「は……あっ」
じれるような速度のまま抜き差しが繰り返され、自分の体を出入りする太くて硬い
生々しい男の感触にアリューシアは蕩けるような吐息を漏らした。
内側を擦る様にしながら往復する緩やかな動き。
アリューシアの体を揺すりながら、腰を掴んでいた手が動いて制服の上から
背中や肩を撫で、前に回り胸を柔らかく掴む。
「あっ……あん…」
両手で二つの豊かな膨らみを受け止めるように撫で上げ、桃色に色付く先端を
指の間に挟みさすった。その刺激にアリューシアは身悶え、体内は包み込んでいる物を
さらに奥まで咥え込もうと反応する。
上気した肌に亜麻色の長い髪を乱れさせる彼女の扇情的な姿を眺め、甘くくすぐるような
声を耳で楽しみながら、絡みつき、締め上げる甘美な肉の誘惑をグルドフは堪能していた。
「こんな、格好……獣みたいだ」
汗ばむ体で背後から何度も突き上げられ、アリューシアは切れ切れに喘いだ。
「獣、か──」
荒々しい律動を続けながら、グルドフが絞り出す様に答える。
「二人にはぴったりだ」
「あっ……ぁあんっ……は、あっ…ん、あっ、あっ……」
最奥よりもさらに奥へ押し込もうとするかの様な腰の動きは徐々に激しさを増し、
その度ごとに、アリューシアは虚ろな表情で切ない鳴き声を上げた。
獣──本当に獣になってしまいそうだ。
体中を舐められて、こんな風に後ろから……
快楽の只中で、彼女はぼんやりとそう思った。
アリューシアの細い腰を力強く掴み、奥深くまで挿し貫く動きが早くなる。
腰を打ち付けるその動作にはもう容赦が無くなっていた。
「あっ…ぁあ…ん……あっ…あっ、──あ、あ、ああっ!」
闇の中に浮かび上がる象牙色の柔肌を鮮やかに紅く上気させ、
アリューシアは体を撓らせた。
痺れるような快楽が二人の繋がる所から背中を駆けぬけ、彼女を限界に導く。
頂点に達して膣内が何度も収縮した。荒い息を吐きながら、アリューシアの体は
受け入れていた物をしごき上げるように締め付け、彼を同じ所へと誘い込む。
誘われるままに、身を屈め彼女の体を囲い込むようにしながら、激しい快感の果てに
彼は熱い体液を彼女の中に放った。
*
「……城に戻って知らせないと」
机の脚に寄りかかって座るグルドフに体を預けるように、アリューシアは
彼の胸に蹲り、熱を冷ましていた。
「もう少し後にしたらいいでしょう」
「そう言う訳にもいかない」
何とはなしにシャツの前を掻き合わせながら、アリューシアは続けた。
「罪人は一刻も早く突き出してしまわないと気持ちが落ち着かん。
それに、私も黙って城を出てきた。同僚が気付いて、心配をかけているかも──」
そこまで言って、あくびを一つする。
「では、仮眠を取ってからにすればいい」
「……」
「少ししたら起してあげますよ」
「……いや」
弱々しくアリューシアは反論した。
「行かないと……」
言葉はそこで途切れた。心地よい温もりが、徐々に緊張感を奪っていく。
行かないと──そう思いながらも、日頃の疲れが一気に出たアリューシアの体は
緩やかに睡魔に飲み込まれていった。
*
「アリューシア。おい、アリューシア?」
肩を揺すられているのに気が付きアリューシアは目を開けた。
目の前に心配そうな顔で覗き込む男の顔があった。
「よかった。やっぱり寝ているだけだったんだね。」
「あ……ラインハルト?」
アリューシアは同僚の名前を口にして、体を起した。
いつの間にか床の上でごろ寝していたらしい事に気が付く。
名前を呼ばれたラインハルトという制服姿の男はほっとした表情を浮かべた。
「お手柄だったね。君が無事なようで、安心したよ」
「どうしてお前がここに?」
「どうして……って、これを書いたのは君だろ?」
少し呆れたように微笑を浮かべて、同僚は一枚の紙切れを差し出した。
「詰め所の机の上に置いてあったのを見つけたんだ」
その紙切れには、短くこう記されていた。
人さらいの件、至急応援願う。
北西リンドの森、旧ファルツ公爵別荘
確かにそこに書かれているのはアリューシア自身の文字だったが、全く覚えが無い。
(彼が?──)
アリューシアは勢いよく立ち上がると、驚く同僚を避けて隣の部屋に飛び込んだ。
夜明け間近の淡く明るい室内では、何人もの警備兵がいて、罪人たちを
引きずるように外に運び出している。
その様子を眺めていると、背後から同僚が声をかけた。
「彼らはこれから取調べを受ける。この問題もやっと解決だね」
「グルドフは?」
「グルドフ?」
アリューシアが尋ねると、同僚は首をかしげた。
「第一王子付きの魔法使いだ」
「ああ、あの薬師ね……彼もここにいたのかい?」
「…………」
アリューシアは口をつぐんだ。
胸に手をやる。
いつの間にかアリューシアの服装はきちんと整えられ、乱れは何処にも残っていなかった。
身に着けたシャツの前のボタンはきっちりと留められている。
そのシャツは確かに薬師がさっき着ていたものだった。
王から賜るものなど、あなたが全て収めればいい──
彼の言葉が蘇る。
(こういう事か……)
窓の外に目をやると、ちょうど朝日が昇るところだった。
窓から光が差し込むと、計ったように意識を取り戻した女達が
まるで眠りから覚めたように目を擦りながら起き上がり、小さく伸びをした。
*
朝起きてすぐにこの一報を耳にしたマルゴットは、早速アリューシアを呼び寄せた。
「お手柄だったわね。アリューシア」
女騎士を前に王女は労わる様に微笑む。
「取り調べにはお前も協力する事になるからしばらくは大変だろうけど、
今日は一日お休みをあげるから、ゆっくりするといいわ」
「お心使いありがとうございます。マルゴット様」
「ええ。でも、グルドフも可哀想にねぇ。あなたにすっかり手柄を取られてしまって」
どういう意味か分からず、アリューシアは驚いて王女を見た。
もちろん褒美を独り占めするつもりは毛頭無いが、あの場所であんな事をしてしまった
後ろめたさで、グルドフがそこに居たという事をまだ言い出せないでいた。
彼は誰にも知らせずにあの場から立ち去ったと思っていたが、そうではなかったのか。
だが、マルゴットが続けた言葉は彼女を疑問を解消する、いや、それ以上の
事実を突きつける物であった。
「今回の事件には魔法使いが関与しているらしいから、衛兵だけでは太刀打ちできない
という事で、彼にこの件を任せていたのよ。お父様(国王)から正式に依頼をしてね」
その言葉を聞いた瞬間、アリューシアは殴られたような衝撃を受けた。
──やられた──!
あの男にまんまと一杯食わされた。
王から正式に事件の解決を依頼されていたのなら、私が『褒美』をやる必要なんて全く
無かったのである。
彼が私を助けたからって、それは彼の当然の仕事、すなわち『義務』であって、
褒美を要求するようなものではない。
それなのに、私が知らないのをいい事に、あの男は恩着せがましくあんな事を──
「どうかしたの?」
アリューシアが俯いて怒りに肩をふるふると震わせているのに気が付き、王女が
心配そうにその顔を覗き込んだ。
「ほら、数日前から彼はこの城に滞在していたでしょう?その為に。──言ってなかった
かしら?」
「姫……………」
アリューシアは目眩を覚えた。
もし、あの時王女が私の質問に答えてくれていれば──。
もし、それを知っていたなら「何が褒美だ、これが仕事なんだろう」と彼の要求を
一蹴できたのに。
褒美をやると約束した以上、彼の要求を受け入れねばと思ってされるがまま、
あんな恥ずかしい事に必死で耐えた、私のあの苦労は一体なんだったんだ。
あの男──許さん。
アリューシアの怒りは収まらない。あの行為への恥じらいがそのまま怒りに直結した。
肝心な事を教えてくれるのを怠った主人を責める訳にもいかず、
その分グルドフに対する怒りはますます加速する。
──だいたい、褒美に体を求めるなど、不謹慎この上ない。
あんなやり方はフェアじゃない。
私が欲しいなら、素直にそう言えばくれてやるのに、
それをしないでこういう事をする、ひねくれたあいつの態度が気に入らん。
ほんとうに、あの男は、あの男は──。
アリューシアも、もう頭のどこかでは分かっているのだ。
そっけない態度を取りながらも、グルドフの前回の告白が本物だったという事を。
昨日までの、彼がどういうつもりでいるのかと言う気がかりは、とっくに解消されていた。
だが、そう、やり方が気に入らないのである。
──そうだ、確かあの男は言っていた。
『明日になったら、この約束は無効にされそうだ』と。
すぐにばれるような嘘だという事を、彼も十分に承知していたのだ。
……後々私の怒りを買うのを承知であのような事をするとは、いい度胸だ。
早々に王女の前から下がり、アリューシアは廊下を歩く。
すれ違う者が皆一様に、女騎士の表情に恐れをなした様子で彼女に道を譲った。
──やっぱりあの男は好きになれん。
無愛想で何を考えているか分からないし、卑劣だし、素直じゃないし……
素直じゃない男など、大嫌いだ。
暇をもらったら、手土産でも持って改めて彼に礼を言いに行こうと思っていたが、
そんな考えはもちろん却下だ。
ああ、本当に腹が立つ。
しかし、一番腹が立つのは──
ころっと騙されて、体ばかりか心までも彼の物になってもいいかもしれない、
などと一瞬でも思ってしまった自分のこの阿呆さ加減だ──。
複雑な乙女心ゆえに怒りを全身に滾らせ、どすどすと荒っぽく歩きながら
美貌の女騎士は廊下を進む。
その行き先が何処であるか、それは誰にもわからないのであった。
(最も多忙なる一日 END)
以上です。
読んでくれた方、ありがとう。
リアルタイムで読んだお。
GJ!!!!!
復讐の日が待ち遠しいww
うまい感想は言えないけど、とにかくグッッッッッジョブ!!
全体的に、上手だなぁ、とうらやましくなりました。マジで。
楽しめたです。ありがとうございました。
これからもアリューシアとグルドフの話を読みたいなあ。
あとお姫さまもね。
おお、またいい話をーーー
会話がセンスいいよね!巧いなあ。
起承転結もあってホント読み応えがあるね。
今回のグルドフはちょっと狡賢くて、
それにアリューシアは振り回されるーなんて
前回の続きものとして作者さんは良く考えておられる!
ここで終わった、て事は続きもあるのかなあ?
できたら希望したい。
うわっ!この二人だ!
前回、後日談を希望した一人としては、すごーーーく嬉しい。
それも、こうあってくれたら良いなあ、と思っていたような二人の関係。好きだ〜。
今回のアリューシアは、有能でサバサバした性格はそのままなのに、凄く可愛い。
これじゃ、グルドフが惚れてるのも納得だw
術を解いた時の「この女に触れるな」の台詞に、彼の本心が見えてますな。
アリューシアにしても、「欲しいなら素直に言えばくれてやるのに」って…w
それなりにそれぞれ過去の恋愛経験があるカップル、という設定も好きです。
更なる後日談「アリューシアの仕返し編」、グルドフと同じ位に期待してます。
GJ、そして乙です。
なんて愛しいキャラ達なのだろうか…
そしてしっかりエロイ。素敵すぎる。
こんな良作がただで読めるとは幸せだ…
ここまでくるとやっぱり自分も続きが楽しみになってきます。
素晴らしい!
期待を遥かに上回る素晴らしい続編でした!
エロもばっちりだし、何より忘れかけていた乙女心が呼び起こされて、胸がキュンキュンしました。
グルドフのツンデレっぷりが最高です。
アリューシアもとても魅力的で可愛い。
なにとぞ続編を・・・!全裸で正座して待ってます!
わ…わしはアズリンも見たい…ぐふっ
あーアズリンもいいねえ。
懐かしい。
職人さん書いてくれないかなぁ……
考えてみれば、↑を次スレとして使ってもいいか。
そのへんどう思う?
うーん。
闘う女性ってところが重要な萌え要素なんじゃないかと思うので
ファンタジー総合にしてしまうには抵抗があるなあ。
下手にタイトルを変えると迷う人もいるかもしれないし、タイトルそのままでテンプレに
>タイトルは「女兵士」ですが、別に女冒険者でも、お姫様でも、女海賊でも、魔女でも、何でも有りです。
とかつけといたらいいんでは?
以下テンプレ案
書き手編
・剣と魔法のファンタジーの世界限定で
・エロは軽いものから陵辱系のものまで何でもあり
(ですが、ひとによって嫌悪感を招くようなシチュの場合はタイトルなどに注意書きをつけることを推奨します)
・タイトルに拘らず、女剣士・騎士、冒険者、お姫さま、海賊、魔女、何でもあり。
・種族は問いません。
・オリジナル・版権も問いません。
もう容量が少なくなっているのか……知らなんだ。
次スレでもまたお世話になります。
自分も「戦う女性」萌えだけど、
それだけだと間口が狭くてSSが投下されにくいというのは
あるのだろうか。
最初のほうでスレ的には
>兵士は推奨だから別にそれには限らない、
って書いてあったけど……
たらたら書いているうちに
>>520の書き込みが…。
いいと思います。
>>520ですが、
「書き手編」というのは間違いです。無視してください。
あと問題が無ければ
「◆◆◆ファンタジー世界の女兵士総合スレpart2◆◆◆」
で俺が立てますが、いいでしょうか?
よろしくお願いします。
>>525 乙!!
アズリンも続き読みたいが
従姉妹殿も待っている!
>>525 乙!
できれば「女キャラ」とか「女戦士」にしてほしかった
と思ったがやっぱり「女キャラ」だとオリジナル要素が弱く見えるし、
「女戦士」だと前線系になって魔術師とかが書きにくいから
べつに「女兵士」で問題ないか
スマソ
「ファンタジー世界の闘う女総合スレ」
なんか垢抜けないな。
「ファンタジー世界の女キャラ」
ならお姫様も美女戦士も美少女戦士も美幼女魔術師もエルフも何でもいけたのになぁとは思う