2 :
関連スレ:2005/06/13(月) 02:48:44 ID:Z5FJl+Km
>>2 スレ立て乙です。
これで続きを心置きなく投下出来ますね・・・数日内に投下します。
一応、即死回避も兼ねて既投下分をコピペしておきます。数日内には完結させますのでしばしお待ちを・・・。
876 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:33:37 ID:J2OsCT/m
「緑が目にしみるなぁ〜。」
大石知明は山道を歩きながらそう嬉しそうに呟いた。
彼が今いるのは鳥広山、都心から電車で1時間半最寄駅まで乗り、そこから更にバスで30分ほど行った所にある山で、少し奥まった所にあるがその良好な自然環境から評判は高く、週末ともなれば家族連れや中高年で賑わう名所である。
都内の会社に勤める知明もここへ遊びに来た1人であった、久々に取った休みを利用してここへ気分転換を兼ねて遊びに来たのである。
そんな彼が楽しんで歩いていると、しばらく先の地点をノロノロと進む中高年の団体が目に止まった。
彼らは年のせいにのかは知らないが、山に登りに来たと言うのに一向に話を止める事は無い、時には登るよりも話す事に夢中になってしまい、他の登山者にとっては一体何をしに来ているのかと思いたくなるほど、迷惑極まりない存在となる事すらある。
"うわっ厄介だな・・・・どうしたものか、追い越すだけの道幅は無いし・・・。"
知明はその場に立ち止まると、持参した地図と前方とを見比べて思案した。確かどこかに今は使われていない古い登山道があるのを記憶していた彼は、地図上を丁寧に見てその位置を探していると、
すぐに現道からの分岐点が今いる場所から数百メートル先にある事に気が付いた。
877 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:35:16 ID:J2OsCT/m
"前の様子は如何かな・・・。"
前を見上げれば、ちょうどその集団はノロノロとした動きは相変わらずではあったが、着実に前進しており、追いつかない様に歩いていけば、あの集団に気が付かれる事無く旧道へ入れると予測するとゆっくりと歩き始めた。
気が付かれる事、それは最悪な事であった、何故ならそれは自らが望んでもいないのに勝手にその集団に引きずり込まれ、全ての計画を断念せざるを得ない可能性を秘めているからである。彼はそのままやり過ごして、そっと旧道へと身を隠した。
「ようやく静かになったか・・・しっかし、荒れ放題だな旧道は・・・。」
旧道へ踏み込んだ知明は急に表情を明るくし、そしてその荒れ具合に目を見張りつつも楽しげに、その荒れて雑草の生い茂るその痕跡僅かに止めているに過ぎない旧道を歩き始めた。
予定よりも山頂への到着が遅れのは致し方ない、そう割り切って耳を澄ますと草を踏む音が辺りへ響き渡り、鳥の鳴き声やそよ風の音が静かに聞こえてきた。
そして、時折張られているクモの巣には難儀しつつも、それを差し引いた所で十分な満足感を我が物にする事が出来たのであった。
878 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:36:18 ID:J2OsCT/m
「ひまだわぁ〜。」
その頃、知明の歩いている旧道からそう遠くない谷の奥まった場所にある社の中で1人の少女が暇そうに大欠伸をしていた。
何でこんな山奥に少女が?と思うがその姿は巫女装束であり、この社に務める巫女さんである事はすぐに知れるものの、どうした事か周りに人の気配は無い。
その境内を見るとすっかり荒れ果てたもので、正面へと続く石の参道以外はすっかり枯れ草と新たに芽生えてきた若草とに覆われている。
879 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:38:24 ID:J2OsCT/m
さて、その少女を良く見てみると、本来耳がある場所には耳が無く長く伸びた黒髪に覆われた頭頂部から2つの三角が、そして背中の腰の辺りからはフサッと程よく伸びた灰色をたたえた尻尾が飛び出ている。
コスプレにしては妙にリアルであり、コスプレに付き物の不自然さと言ったものがあろう事か全く感じられない。
それどころか時折、ピクッピクッと動く始末、その動きは到底機械や何かで現せるものではなく、何より彼女自身がその事に何ら関心を払っていない事に注目すべきであろう。
以上の事から導き出される結論はただ1つ、彼女は人では無いと言う事だ。
事実、彼女は人ではなかった、獣でも無かった、彼女の正体はこの山を代々治めてきた山神の子孫であり狼の血筋を引いている。そしてその姿は幾つかある姿の内の1つに過ぎなかった。
880 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:40:01 ID:J2OsCT/m
「散歩でもしましょうかね・・・。」
そう呟いた次の瞬間、彼女の姿は社の腰掛けていた階段から忽然と姿を消した。そこにはほんのりと温かい春の日差しが降り注いでいる。
社を飛び出した彼女はそれまでとは打って変わって素早く、一陣の風の如く森の中を駆け抜けていた。
その姿は先程までとは違い、一匹の比較的小柄な灰色の毛並みの狼であった、三角耳をピンと立てて前を見据えて疾走して行くとふといつもとは全く違う気配を嗅ぎ取った。
"何の匂いかしら・・・?いい匂いなんだけど、覚えが無いわね・・・。"
彼女の鋭敏な鼻が嗅ぎ取ったのはこう何とも言えない仄かないい匂い、一嗅ぎですっかり心が落ち着くという森の木々と同じ系統の匂いではあったが、森の木には無い熱のある肉体を持つ者特有の匂いを持つその香りに、彼女は非常な興味と関心を抱いた。
そしてそう思うまでも無く、彼女の足は鼻を頼りにその匂いのする方向へと向っていた。
881 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:41:22 ID:J2OsCT/m
ガサガサガサ・・・
調子よく旧道を歩いていた知明は、ふと自分の動きに沿って隣の藪の中から何か音がするのに気が付いた。
試しに何も知らない振りをして止まって見るとその音は止み、再び動き出すとまたしだすという何とも不思議な音に彼は興味ではなく、不気味さを感じた。
"何だ、この音・・・動物・・・じゃないないだろうな、だとすると・・・ストーカー?そんな馬鹿な事がある訳無い・・・と言うか、こんな荒れ果てた旧道で男を追っかける奴がいるとは思えんが・・・。じゃあ、何なのだ?"
目に見えぬ音だけのその何かに少しの恐れを抱きつつも、前へ進もうとしたその時、旧道であった地面には自然の陥没による窪みがあった。
そして、そこに見事足を下ろしてしまった知明は派手に転んで、道脇にある藪の中へと倒れてしまった。
882 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:42:36 ID:J2OsCT/m
"これがこの匂いの元なのね・・・。"
一方、それからわずかに前の事、猛スピードで狼体型で森を横断してきた山神の少女サキは少し息を切らしてはいた。
それでも。そっと草叢の影から目の前を二足で歩いている生き物を見詰めていた。二足で歩く生き物、それは人間であり知明の事だ。
だが、これまでずっと山の中で育ってきたサキは人間の事を良く知らない。それが故にこれ程までに純粋に興味を持ったのだろう。彼女は知明の動きに合わせて、草むらの中を静かに歩いていた。
883 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:43:53 ID:J2OsCT/m
"何処へ向っているのかしら・・・優しそうな方ね・・・どこの山神様なのかしら?"
彼女はすっかり知明の事をどこか他の山の山神であると誤解していた、見た所特に種族を主張する物が見当たらないので、彼女は然るの血筋を引いた山神だと勝手に決め付けていた。
"猿はちょっと範囲外だけど、この方は何だか普通の猿とは違うわ・・・なんかこう、凄く優しそう・・・是非お話してみたいな・・・。"
とまで思った矢先、普通に歩いていた筈の知明、サキにしてみれば猿の山神が不意に倒れた。慌てて近寄って見ると呼吸はしていた、匂いも尚発せられている。
これは生きている事の証左であり、これを感じ取ったサキはホッと胸を撫で下ろしたが、一向に彼は目を開こうとはしなかった。体も呼吸をする以外では動きはしない、どうやら頭を打った事で気を失ってしまったらしい。
サキはここに放って置く訳には行かないと咄嗟に判断すると、その小さな体には余りある知明の乗せて、高速で社へ向けて元来た道を駆けて行った。
884 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:45:29 ID:J2OsCT/m
社に到着したサキはすぐに人型へと戻ると、布団の上に彼を寝かして必要と思われる処置をしてその枕元に付き添った。
目覚めるまでこのままでいようと誓っていたサキは、夜はそこに布団を持ってきて寝て、食事もそこで摂りとにかくずっと付き添い続けた。
しかし、何時まで経っても目覚めようとしない彼に業を煮やしたサキはふとある物の存在を思い出した。
"そうだわ、確かお母様がお父様に差し上げていたお薬があったわね・・・あれなら目を覚ますかも。"
そうして彼女はすぐにその薬を取りに入った。かつて母親が父親に事ある毎に渡していたその丸薬を飲んだ父親は、どんなに疲れていてもすぐに元気になったものである。
それを見ていた記憶のあるサキはすぐに取って戻ると、母親のしていた様にまずその薬を自らの口の中で溶かして、そっと開いた彼の口の中へと注ぎ込んだ。
885 名前: 981=982 ◆inOC5z1B.A [sage] 投稿日: 2005/05/15(日) 01:47:15 ID:J2OsCT/m
"これでいい筈・・・早く目を覚まさないかな。"
彼女はニコリと笑って再び枕元にて付き添っていた。
その頃、知明は夢を見ていた。何だかよく分からない面白さのその夢を楽しんでいると突然、何かに意識が引きずられた様な気がした。
"何だろ・・・うん?何だか熱いなぁ・・・熱いぞ、急にあっ・・・。"
「うをあっ!?」
夢を失うと同時に彼は現実へと意識を引き戻された。突然の事に思わず叫び声を上げて、上半身を起こし上げる。
「あれ・・・ここは一体・・・。」
「気が付かれましたか?」
「え・・・はっはい・・・何とか・・・。
すぐに冷静になって自分が思いも寄らぬ所に寝ている事に気がついた知明は、そっとかけられたその声にまた冷静さを失った。
何故なら慌てて首を声がした方向へと向けると、そこには見慣れぬ1人の少女が自分を見詰めて正座していたのだから。
即死回避の為の既投下分投下終了です。それでは数日中にまたお会いしましょう。
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>>1 乙
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14 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/13(月) 17:47:46 ID:FNyv8wMb
スマソ。下げます・・・
エビフリャー乙
「いばらの王」5巻に獣化と他者強制獣化っぽい話があった。
本人の意思残ってなさそうだったり獣化シーンそのものの描写も無かったりしたけど。
ただキャラ背景や話が結構ムゴいので、萌えるんだけどハァハァするには良心の呵責が…orz
メスメスな話とか
オスオスな話はここじゃないよね?
どこだっけ
>>19 そこでオスオス投下しようとしたらダメだって言われた記憶が
こっちでも注釈入れとけばOKじゃない?
と言うわけで頼んだ。
がんばる
爬虫類系(♂♀共に)は好きですか?
>>22 好き嫌いは人それぞれ。
とりあえず自分が書きたい物を書けばイイんジャマイカ?
こんな時間に投下開始。
「ささ、お茶にしましょうか。」
あれから数十分が経った頃、ようやく事態を飲み込んだ知明は彼女のお茶に呼ばれていた。
「はぁ・・・どうもすみません。」
「いえいえお構いなく・・・さぁどうぞ。」
と彼女が、サキが差し出した茶碗を手に取り、淹れられたばかりのまだ湯気の立つ熱いお茶を一思いに飲み干す。かなりの熱さに慌てて飲んだ事を後悔しつつ、サキに勘付かれない様に何とか堪えて静かに彼女を見詰めた。
自らをこの辺り一体を統べる山神だと言うその少女は、背の高さは150センチかその程度、顔は小顔で目鼻立ちは確りとして意志の強さを感じさせる。
"耳は髪の中に隠れているのだろうな・・・。"
と耳が見当たらない理由を勝手に想像して、残ったお茶を飲み干し元の場所に返そうとしつつ不意に視線を上へと上げたその時だった。
彼女の頭の上には、これまでにも何度も見ていたと言うのに全く見知らぬ物・・・恐らく、熱いお茶を一気に飲んで意識をハッキリさせたからだろうか。そこにはピクピクと時折小さく機敏な動きを見せる、本来ならば有り得ないはずの物が付いていたのである。
"あれって・・・・いや、まさかねぇ・・・。"
しかしそれは紛れも無い耳、犬か狼の耳だった。綺麗に整った三角形をしたその耳は、全く違和感無くその髪と頭に馴染んでおり、彼の常識以外では全く違和感を感じる事は出来なかった。
"と言う事は・・・やっぱり・・・。"
耳があるならばと知明はすぐに視線を彼女の腰の辺りへと移した。するとそこには予想通り、身に纏われている巫女装束の背後よりだらんと床の上に横たわる灰色の尻尾があったのだ。
「あれ?どうかされましたか?」
「い、いや何でも無いです。いや、美味しいお茶ですねぇ・・・ハハハ・・・ハハ。」
サキからの指摘によって正気に戻った知明は、笑いも交えて何とか取り繕ってその場を凌ごうとした。しかし、恐らく意識はしていないのだろうが結果として彼女の方がやや上手であったのは間違いない。
「そうですか、それなら安心ですね・・・ところで、正明さんはどこの山神をしているのですか?私の知り合いには猿の方は居りませんもので、是非とも色々と教えて貰いたいものなのですが・・・。」
「や、山神ですか?あの僕はそんなおおそれた者ではないのですが・・・。」
彼は慌てて彼女の言を否定した。するとサキは自分の想いが否定された事に驚いて切り返して来た。
「え・・・?だって、あなたは猿の山神なのでしょう?」
「いやいや、違います違います。僕はただの人間ですよ、山神なんてものではありませんよ。そもそも・・・。」
知明は口と目を丸くしてただ驚いているサキに向けて、先程の話で感じていた疑問点も含めて今の思いを一気に捲くし立てた。
その勢いに当初はただただ圧倒されるだけであったサキも、次第に勢いに上手く乗り始めて話の要所毎に、その疑問に対しての彼女なりの答えやその場で感じた疑問を逆にぶつけるまでに最後はなっていた。
そして、互いの感じていた多くの疑問の殆どを解消してようやく静かになった時、2人の間には不思議な高揚感と連帯感が育まれ、出会ったばかりの頃には考えられない様な砕けた口調で会話をしていたのだった。
そして、事件が起きたのはそれからまもなくの事であった。
2人して議論を交わしている間にすっかり時間は進み、最早蝋燭の光の灯された社以外は新月の晩のどこまでも深い山の闇に包まれていた。
それだけ時間をかけた結果として自然な関係を築いていた彼らは、まるで長年の知り合いであるかのように事を進めて一晩知明はここで一泊する事となった。
夕食を摂り、風呂に入って知明が戻ると社の中の神の祀られた神前の唯一の部屋には、2枚の布団がサキの手によって綺麗に敷かれていた。
布団を敷き終えて迎えてくれたサキの姿は、これまでの見慣れた狼耳姿ではなく、人の体に狼と言ったいわゆる獣人の姿になっていた。彼女に言わせるとこの姿が一番楽らしい。
「いや、どうもすみませんね。今日知り合ったばかりだと言うのに、こんな事までさせてしまって・・・。」
「そんな事無いわよ、大丈夫よ。私もね、お父様とお母様が亡くなってからずっと1人でここに居たものだから、誰かと寝るのは本当久し振りの事で凄い嬉しいの。
それに人間と寝るなんて初めてだし・・・だから気兼ねする必要は無いから。あら、似合っているじゃないその寝巻き・・・それお父様が愛用していた物なの。何だか懐かしいわ・・・。」
「そ、そうかい?それは良かった・・・所で、サキのお父さんはどんな人だったんだい?良かったら教えてくれないかな?」
「良いわよ、お父様はそうねぇ・・・背格好はあなたと同じくらいで綺麗な灰色の毛、私よりも鮮やかな毛並みをしていたわ。力が強くて頭も良くて、色々な事を教えてもらったし・・・あぁ、いけない。何だか涙が・・・ちょっとごめん。」
とそこまで言った所でサキの目頭から一筋の涙が零れ落ちる。どうやら思い出す内に懐かしさの余り感極まってしまった様で知明は、涙を拭いてから更に続きを話そうとするサキを押し止めて話を終わらせると、そのまま布団に潜り込んだ。
程無くしてサキもそれに続き、蝋燭の火が落とされて静寂と暗闇が社を包み込み、ミミズクの鳴き声が後には響いていた。
「なぁお前、どう思う?」
「いい事じゃないでしょうか?あの子ももう大人ですからね・・・。」
「あの薬も飲んでいる事だしな・・・相手の方が人間とは言え。」
祭壇に祀られている神像の表面が青く光って、その両目から2つの狐火が飛び出てきたのは2人が寝付いてからしばらく、深夜の刻をまわった頃の事だった。
そして部屋の中に響く、2人の男女の声とその声に合わせて空中を付かず離れず動く狐火・・・仮にその場でサキが目を覚ましたら絶句する事だろう。何故ならその声は、彼女の亡き両親のものであったからである。
数分ほど空中を巡りに巡った2つの狐火は、何かを互いに了解した様に分かれるとすっかり眠っているサキと知明の体の中へと消えた。
"何だか息苦しいなぁ・・・。"
知明が体に息苦しさを覚えたのはそれとほぼ同時であった。
それと共に襲ってくる熱さによって、何だか体全体が圧迫されているような気がしてならなかったが、そのまま布団の中で横になっているとその気にも慣れて再び安眠を貪っていく。そして、再び熱がぶり返して来た時何かが始まった。
今度ばかりは知明は異変に気が付きはしなかったものの、もしその光景を見れたとするならば戦慄していたかもしれない。
寝苦しそうに布団の中で体をくねらせていると、とうとう耐え切れなくなったのか彼は布団の上掛けを跳ね飛ばして、汗まみれのその体を外気へと曝け出した。
だが、一時は良くなった熱もすぐに元通りになり再び体をくねらせ、手を服の間に入れては体を掻く。
そう言った度重なる動きによって服は次第に乱れて行き、やがて右肩から寝巻きが外れて皮膚が露わになると、そこには汗まみれの鯖の様に照っている肌と共に一種見慣れぬ白い部分、白い毛の塊が姿を現して首筋から下顎、右の乳首の辺りまでを覆っていた。
「う・・・うむ・・・。」
暑さと息苦しさで知明が唸る、と共にその毛は場所によって灰色になりつつ全身へと骨格の変化と共に広がって行った。
比較的大柄である彼自身の全体的なものにそう変わりはなかったが、より一層筋肉質になってわずかながら大きくなる。
顔は顎が前へ伸びて鼻先が黒く湿り、全体としてはサキの顔と似てそれよりも逞しさの感じられる形態へと変化していく。
体が一回りしうつ伏せになると、その衝撃で寝巻きの紐が外れて尻尾の先端が垣間見える。手や足の甲には肉球が出来、半開きになった口からは歯牙と共にダランとした長い舌が垂れる様になった頃、ようやく変化は終わると共に彼はその目蓋をそっと開いた。
「ふむ・・・上手く行った様だな・・・。」
立ち上がった知明は寝巻きを脱いで脇に避けると、彼とはまるで違う地の底から響くような低い声を出して体のあちらこちらに目を向けた。
「あなた、お久し振りね・・・こう言った形は。」
その様にしている知明に取り憑き、その体と中身を変えた者の前にもう1つの影が布団の中から立ち上がった。その布団はサキの眠っていた布団であり、知明と同じくその寝巻きは脇に寄せられている。
「あぁ、本当だな・・・これほど愉快な事だとは思わなかったよ。本当、あの時のままだな、サトお前は。」
「あなたこそ、そのままの姿ですよ。本当、肉を持っていた頃が懐かしいわね・・・。」
「そうだな、まぁそうだ早速久し振りに楽しむとするか?」
「そうね、そうしましょう。朝が来るまでに、あの子達に体を返すまでに。」
「承知しているさ、では何時も通りに。」
「分かったわ・・・じゃあ早速・・・。」
そう言って、2人の狼人の内の片方、乳房のあることだから女は膝を下ろすと目の前に立っている男のペニスを口に咥えた。
男にとって久々の懐かしい刺激がペニスに走り、既に半ば臨戦状態にあったそのペニスはますます硬さを増し、舌が走り唾液と先走りとが交じり合う淫靡な音が微かに響き、間も無く果てる。
サトはそれを受けて飲み、喉を揺らすもわずかに漏れてサトの黒い毛に一筋の白い線を走らせた。
「相変わらず・・・良い味・・・だったわ・・・一段と濃くて・・・。」
互いの舌を絡ませながらサトが途切れ途切れに呟く。
「それはそうさ・・・なにせ溜めに溜まった・・・ものだから・・・な・・・。」
ハチも同じく呟き、自らの精液の残滓と互いの唾液の混ざり合った液体を、舌先で感じて弄り合う。練ってこねて、練ってこねて・・・切り離された時、それは1つの橋となって切れた
「キャウ・・・そこ、そこよ・・・。」
ワギナをハチの舌が走る。2つの行為によってすっかり熟れて、辺りの毛はすっかり湿って独特な芳香をハチの下へと漂わせていた。
サトの喜びそのままに尻尾が激しく動いて、ハチの額と耳を叩くも気にはならなかった。むしろそれは彼を満足させて、刺激して更に舌の動きを細かく密にしそのままサトは果てた。
すっかりワギナの緊張が取れたのを見たハチは立ち上がってペニスをそこへ宛がう。先端が、クリトリスに触れて微妙な刺激が電撃となってサトの背筋を走り軽く体を振るわせた。
尻尾はいよいよ激しく振られ、その最中に無言でハチは割れ目へとそっと挿し込んだ。
久々に通す膣は狭くなっており、かつてよりも濃厚にペニスを包み愛撫してくる。入れる所まで入れると、一息吐いて彼は腰を戻してピストンを始めた。
入れては出し、入れては出し・・・緩急つけてのそれをサトのワギナは快く受け入れ歓迎し、もてなすので彼も相応のお返しを彼女に与えた。
激しい息遣いと喘ぎ声、そして互いの肉と毛とが触れあい叩きあい擦れる音が社の中を満たし尽くす、それに匂いも追随し神聖であるべきその空間は真に対照的な場所に位置すべき空間へとなれ果てた。
とは言うもののそこで交わっているのは山神であるサキと一介の人に過ぎない知明、正確には出来心でそれに憑依して姿を変えさせて、一時的にその肉体の主となっているサキの両親で前の山神であるハチとサトだった。
久々の肉の悦びに燃え上がったハチとサトはその体が、娘であるサキと偶然何らかの縁でそこにいた知明の物である事を、一時はすっかり忘れて激しく交わりあっていた。
様々な体位を楽しんだ挙句、ようやく辺りが白み始めた頃2人は互いの体を剥がし、やや名残惜しくはあるもののその体を勝手に使っていた事をサキと知明にばれぬ様に場所と共に清めて、全く元通りに寝巻きを纏い布団の中に潜らせてから体より離れた。
当初現れた時よりも幾分、青白い狐火は更に濃さを増しており、まるで久々の夜遊びに満足している事を誇示するかのようにしながら元出た神像の中へと戻ったのだった。
「おはよう、知明。よく寝れたかしら?」
「はいお陰様で・・・おはようです・・・。」
数時間後目を覚ました2人は全くその事に気が付いては居なかった。ただどこか、何時もより体の調子が良いなぁと感じる以外は・・・。
そして、2人の別れも間も無くに迫っていた。
「山神様の楽しみ」 完
これで投下完了です。少し分かり難くなってしまったかも知れませんが、お付き合いの方、ありがとうございました。
それでは、また。
乙。別れちゃうんだ・・・
>>25-39 乙!なんだか後を引きそうな展開ですなぁ。
結局なんだかんだ言って中出s(ryはしたのだろうか……
しtのだったら……こdm(ry……ゲフンゲフン。
もし続きが書けるのなら……
書いてみたい気もするけどそれはまた別の話。
……人居ないのか。
前スレ末は容量消費に遠慮して書きこんでないのかと思っていたが、実際に減ってるのか?
それとも、ネタ出しの雑談も無しに、最低限の保守さえしておけばそのうち神が降臨するとでも思ってる?
まぁ逆にやたらキボンヌ厨とかが出てきても鬱陶しいけど。
とか愚痴だけで終わるのもアレなんで
獣化ネタ(;´Д`)ハァハァ 自分の変化に困惑する子とか、本能に抗えなくなったりするのとか萌え。
狼の夫婦(かもしくは狼×犬)でなんか書いてみたい。
狼って確か伴侶を決めたら一生一緒に居るっていうらしいから、愛する妻に対する夫の一途な愛とかいいなぁ…
ってことでどうよ?
犬だとしたら、妻は何犬?
うちはコリーとかどうだろうかと。
優雅な犬がいいかな
46 :
43:2005/06/20(月) 16:35:28 ID:LQO+NqSl
>44
じゃ、頑張ってみるよ。
あんまり期待はしないで頂戴 ノシ
>45
俺の中では大型犬。
とりわけ、ゴールデンレトリバーとか獣人にしたら巨乳になりそうな犬。
しかし、コリーのような華奢な美人さんもいいかと。
47 :
44:2005/06/20(月) 18:17:37 ID:9nA7unhS
>46
ども。そこであえてバーニーズ・マウンテンドッグを推薦ですよ。
体格良し、きょにう良し、性格温厚の三点セットでまったり嫁さんも乙なものかと。
執筆がんがって下さいまし。
48 :
43:2005/06/20(月) 22:59:14 ID:LQO+NqSl
>47
レスどうもです。バーニーズもいいなぁ…しかし、コリーや白狼、ゴールデンの奥様も捨て難い。
ということで、一途な狼の夫の愛情より先に何だかそういった犬の人妻達の話が出来そうです…
犬の種類によって、プレイも変わるのだろうか?
ドーベルカンとチワワの亜人だと結構違いそう。
小型犬の幼妻とか(・∀・)イイ!
ランドセルとか背負わせての小学生プレイとか(´Д`)ハァハァ
年上だけど外見が幼いとかツボにくるぞい!
で、夫はシベリアンハスキーとかジャーマンシェパード、ドーベルマンのように
凛々しいけれど、体の小さな奥さんには常にベッドの上では主導権を握られるとか。
犬夫婦で、奥さんが双子(複乳だともっと多いかも)の赤ん坊に授乳させているのを夫がじぃっと観察。
夫はそんな赤ん坊に滅茶苦茶ジェラシーを抱く。それで夜は母乳プレイ…ってか俺しか妄想書いていない。
何か虚しい…(´・ω・`)ショボーン
なんか急に更新が無くなったねこのスレ…
作家の方々は何処へ
53 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/26(日) 19:00:12 ID:3tdhr1zW
作者取材のため休載
作者急病の為休載
持病の為ジャネーノ?
……なんてな。嘘だ。
>>49-50のでどんな小説ができるかなーと考えてみたんだが
やり手の会社員の夫(ドーベルマン)と幼妻っぽい姉さん女房(チワワ)
いろいろ振り回されて、
妻と一緒に遊園地行ったら警察捕まりそうになって(ぇ
その後ベットでも主導権握られる夫。
ってのを妄想した。
保守
漏れも保守
作者さんカモーン!! 新参者でもいいから
2chのスレだとdat落ちしたりするからイヤだな
何処かに拠点作らない?
拠点を作るとはどこかに専門サイトでも立ち上げると言う事?それともどこか2ch以外の掲示板を借りるのか?
いい考えだとは思うが・・・。
避難所とか?
前スレより。ここじゃいかんのか?
889 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/20(金) 16:32:34 ID:ChHS9VmO
こうゆうスレより何処かに専用サイト作った方が良い希ガス
890 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/20(金) 17:25:30 ID:X0/rsLU9
>>889 自サイト作った人はいる
そっちはそっちで結構盛況
891 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/20(金) 22:36:07 ID:5sY9pZG9
うん。更新しなくても、なぜか1700HITいってるとことかあるしね
(シサクジエン)
892 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/21(土) 23:50:45 ID:+Sm1RyOW
参考までにサイトのアドレスを貼っておく。
http://fuyukaze.h.fc2.com/ http://tukiyo.muvc.net/
>>60 百合,やおいはスレ違いだしな・・・ちと無理っぽいのでは?
>>61 新しい獣人・獣化コミュニティを作りたいって事?。
>>62 んや、とりあえず現状維持でもいいかな、と。
神をまつべし、かな?
神が居ないなら、自分が神になればいいじゃない。
百合は良いけど薔薇はダメだとか言っちゃった基地害がいたしな
職人が少ないんだからどっちもいいと思うんだけどな。
神はみんな人間以外スレやオカルトスレや猫耳少女スレに行っちゃうんですよ
あっちの方が活気あるからなぁ・・・・
人外スレは人気あるけど漏れ触手苦手なんだよね……。
(おかずにはできるけどいまいち萌えない)
やっぱり獣だよ。
もれは正直、フタナリ・TSが苦手ですな・・・其れが無ければ彼のサイトは更に神なんだが・・・
野郎は野郎、ねーちゃんはねーちゃんの方が個人的には萌えるかな?
かなり古い考え方かもしれないけどね・・・
野郎同士 姉ちゃん同士じゃないとなかなか萌えれない俺は
ナリは結局女の子+ちんぽが基本だしねぇ…
ふた×巨ちん雄とか好き……
(*´∀`)
>>70 普通の獣化モノはなかったっけ?
比率としては少ないけど
ふた×巨チン雄のセックルなんてよさげ
>>73 ども。この頃はふた若しくはTSが主流でつ(´・ω・`)ショボーン
やっぱり古い考えなのかな?漏れ・・・(因みにleo氏から獣化萌えの世界に入りますた)
とはいえ、彼のサイトはやはり神でつよ(*゚∀゚)=3ハァハァ
スマソ。
>>70はあくまで身体的特徴のことでつ。絡みじゃ無いでつ・・・
スタンダードに野郎×ねーちゃん派でつ。
久し振りに覘いて見ましたら何やら賑やかですねwどの様な話題でも賑わっている事は嬉しい事です。
>>70 フタナリ・TS云々と言う事だから、自分のサイトであると仮定してみます。違っていましたらすみません。
まずは、サイトの方を毎度御覧下さいましてありがとうございます。
なるほど・・・実を言いますと、そう言った感想こそがサイトを運営し、小説を書いていて最も求めているものなのです。
如何してかと言いますと、まず自分は人が作る物で完全な物は何一つ無いと考えています。
完璧であると言われる物でもよくよく見れば何かしらの形で、欠点や欠陥が存在するのは当然な事でしょう。
それなのに自分の小説はどうして全てが良いとしか言われないのか、世間で認められている作家達の最上とされる作品でさえ、ここは良いがここはイマイチ等と言われると言うのに、ただ趣味で書いているに過ぎない未熟な自分の小説に無い筈がないのです。
確かに余りにも多くの批判ばかり浴びせられたら書く気も萎えます。しかし、逆に良い評価ばかりが続く事も、最終的には書く気を萎えさせます。
そう言う訳で硬軟両混ぜの感想こそ、勝手な奴だと思われるかもしれませんが、書いている身としましては喉から手が出るほど欲しい物なのです。
よって、この様な事を書き込んで下さった
>>70さんには改めて感謝致します。
今後の参考とさせて頂きますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。
他の皆様もサイトの掲示板なり何なりへ、どうぞお気軽に書き込んで下さいませ、可能な限りその意見に添える様努力致します。
あと、自分のサイトで良いのならば幾らでも受け入れますよ。一応、借りスペースですが容量の限度はありませんし、特に内容についても規制はしていません。
あんまりにも読むに堪えない物は別ですが、その様な物はまずありえませんし・・・かなりハードな内容でも大丈夫です。
で、そのサイトのアドレスが変更になりましたので書いておきますね。
http://kemono.cc/fuyukaze/index.html それでは・・・。
ふと思ったんだが、ケモホモはよくあるのにケモ百合は全然見ないね。
雄々しいイメージが強いしね、ケモノ
雄々しいのに惚れるんだよね。うん。
あとニンゲンより強度あるとことかさ。
あ、旧スレ2がいよいよDat落ちしますた。お疲れ様です。
983でdat落ちか・・・こちらが賑わうのは何時になるんだろうな・・・。
まぁ、このスレは波があるから、また新作&続編ラッシュが必ず来るさ…。
其れが正しいみたいに
繰り返し繰り返し言ってんだ
かなり今いい気になってる
何がいい気に?
ダニロフ!よせ!
とりあえず導入部だけ書いてそのまま、な前スレ616とか855とか続きマダー?
……いや、書けないなら書かないでも良いけど…無理に書いてもらっても悪いし。
ただ打ち切るならそう言っておいて欲しい。生殺し('A`)
>>85 ここのSSてどうしても前振りが長くなるからな…
頭書いてるうちにノッてた気分が落ちてくるのかな。どうしても長文になるし。
書き上がりさえすれば、溜めた後は獣化シーンとエロのダブルで山が来るんだけど。
屈辱系のブタ化が読みたい・・・
>>85 未完成作品の続きを別の作者が書くってダメ?
まぁもうこのスレ見てないとかそういうのだったら
それでもイイのだが。
意思確認できないからなぁ……メンドorz
次スレからある程度の期間、前振りだけで続きの書かれていない作品は誰かが勝手に続きを書いても良い事にして見るか?
>>89 同意
もし書き主が現れたら意見を出してもらうみたいな感じでいいと思うな
91 :
88:2005/07/20(水) 20:37:47 ID:JocRyXdA
ある程度の期間、とすると、どれぐらい?
十日から二週間位でどうだろ?
それじゃあ短い希ガス。
まぁ確認のカキコをして2、3週反応がなければokぐらいかなぁ…
保守
95 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 03:48:26 ID:6kk9LjF5
/.`;、 ,ヘ,
,;' i `'、 / i ゙!.
.l゙ ::l ゙'、 ,;''´_`>,, _ ,;'" i! ゙',
.i! ::| `;イ.i'´ ,;' ,;´)) / i;;;::.. `;,
,〉 ::i! ' ヾン´ ´゙`´-,_ / 、 '、;;;:,. l!
'i '_;;- ,; ー~ ´` 、 、 `".、、 i! ,ヽ;. |
./ソ,_∠,_/ 、 \ ヽ, '、´`'''-",;'ー-‐'i
iヘ`-;; / , " ,,i、 ゙.、';, | ';, i! \~'´;,′
, |. ゙ ,;' / ,ノl .‐ / l! .ヽ 丶 l 、 | 、 ' /
';, ゙ i!´ ,"/ │!i'~!、.| ´ゞ L",! .゙ヽ ! i.ノ´/、
_ノ | i'´ .l,!、 ,レイ ヽ ,| !, -‐_ !`' 'レ' ´,`´\,,
/ / /i!' " ``' ;,、 ゙;,/ .,/ _.,; '´~ `'!′ `く、
∠, ,j '';, ‐ ー==-、 !,/ ,;==!‐,-、 ゙ヽ、,フ
'` ,,". ` イ,l`‐'.:;;| ` "!;;;;':i! li ゙; ,`ヾ´
ィ"..フ ヽ,;;::;;! ',, :;;.lノ 、 ';,彡
";イ、 ., - _ ,ミ'';;' !、._
ノ´ イフ、ヽ `-、 o _,., -'_`,;'´;" _,`;っ あげ
⊂ニニ、`ー'っ ' '"´゙゙' :、, ,,,,、 t'^´`'ー` (=='"~´ノ
.゙';,.__.,.,~ノ ,-ー, | |'"''-、 `' - ー'´
_..' -'~´´,ー ⌒−、 ̄´~`';;、
,;' ,;';; " ,,:ヽ'''゙"´ ヽ
_<~,;′ ./;;;;,-"――--、;;`i _ li 'i,
`ヽ/ /(,'-,‐'' `  ̄´."ー- ゙i_ ~'~ト-ー'゙'、
,ト‐ー;'/:::ヽ;;;:;' , ,=;у;::`'、i',,:,-ー'|
! レ'.::::::ヽ,'; ;; ;' ::;;;::(( ノ::::::::::ノ;;' /ヽ,
確認カキコ後、一ヶ月が目安でいいのでは?
で、実際そのルールが適用されたとして
俺がこの作品の続き書いてやる!みたいなのってあるか?今んとこ。
自分の作品を放置したままでいいのであれば、書けるかもしれない。
でも、自分の作品にケリつけたいって言う気持もあるから…
私的には初スレの作品を完結させてみたいな。
別に自分の作品を放置していても良いのではないかと・・・。
他の人の続きを書く事で調子が出て来て、放置していた自分の作品をも書き上げると言う事も有り得る話ですし。
要は自分の作品の続きにしろ、他人の作品の続きにしろ小説投稿がある事が重要なのではないでしょうか?
個人的には、既に完結した作品の続きも可なら書いてみたい物がちらほらとありますね。
正直、初スレの最後の辺りで百合禁止だとか周りの雰囲気に流されて唱え、重複かどうか確認もせずにスレを立てた事を今更ながら後悔しています・・・。
続きを書きたい、という気力でオリジナルの作品を作ったらどうよ?
もしくは出来かけの作品のアナザーストーリー(本編は○×□だけど○×△みたいな)とか
未完成の作品の続編を書くのはやっぱり作者の許可が必要でしょ
そういえば百合禁止だったなぁ…書き終わった今になって気が付いた。orz
個人的には凄く見たい。姉妹スレに落とすのはどうか。
関連サイトに投稿するのも一計ではないかと…。
投下がダメなら、うpろだにうpしてアドレスを貼り付ければいいじゃない。
>102-104
流石に姉妹スレや関連サイトに投稿までしたいとは思わないけど、うpロダならばいいのかな?
しかし、801が駄目なのは分かるが何故百合は駄目なんだ?
要は初代スレ末期に一部の反百合・801主義者のペースに皆が流されてしまったのがそもそもの発端。
確かに801はともかく百合禁止なのはおかしいな。一応参考までに
>>99も参照のこと。
俺は百合苦手だし、正直止めて欲しいんだが
うpろだでいいじゃん。嫌な人は見なくて済むし。
俺は正直見たい。
うpろだに流すのはOK問題ないですよ
ここに直接貼るのは辞めて欲しいですが
ただうpろだはログが・・・
投稿者は名前に百合とかって入れておいて、嫌いな人はNG指定じゃだめかな?
これだけ百合キボンヌが多いなら、
>>106の板で百合用姉妹スレ立てればいいんでない?
両方好きな人は両方見る、百合嫌いは見ない、それじゃダメ?
ここでも問題ないと思うが。
そっちはなんでもアリのようだ
なんでもあり といいつつ801は 801板行け言われててワラタ
そしてまたSSが一つ消えたのであった。
俺は獣人、獣化なら百合でも801でもバッチ来いなんだけどさ…。
ここに百合や801投下反対てのは、別板があるから分かるんだけど、逆におkて言ってる方はなんでおkなん?
別に煽りとかそんなんでなくて、この辺ハッキリしとかないと、投下する神の方が穏やかでないと思う。
こうやって揉めたり、もし投下して板違いとか叩かれでもしたらと思うとやっぱりやりにくいよな…。
最初に何絡みか入れてれば問題ない気もするんだけどね
むしろいちいち801氏ね腐女子氏ね百合氏ねって突っ掛かってる奴が餓鬼にしか見えない
専用のうpろだとかないの?
>120
残念ながらない。どこかのうpろだに上げるしかないかと。
てか>101はいずこへ行ったんだ?
122 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 01:14:48 ID:0kYC0FFB
だめっこどうぶつage
こういうのって童貞でもかけるの?
多少なら書けるんじゃね?
>124
童貞でもエロ小説とエロ動画があれば多少なり書けるハズだお
>>101 うp希望
一部の若い(特に女性)絵師や作家は、むしろそういうことを実際に体験すると、
現実に失望…というか「なんだこんなもんか」みたいな気分になって
今まで描けてたエロ話やラブストーリーが作れなくなる、ということもあるそうだけど。
つーかそもそも獣人相手の性体験や獣化してのエロ経験のある奴なんて世界に何人居るんだよ('A`)
んなこと言ってたら誰も何も書けないよ。
一部の若い(特に女性)絵師や作家が実際に獣人相手の性体験や獣化してのエロ経験を体験すると、
現実に失望…というか「なんだこんなもんか」みたいな気分になって
今まで描けてたエロ話やラブストーリーが作れなくなる。
( *゚∀゚) ハァハァ…
うpろだの件だけど、無難にSS保管庫さんとこでいいんでない?
先方にもこちらにも、801等注意事項の併記をお忘れなく。
無数のジャンルを網羅するコミケでも獣化系は無いんだろうな…
ダークヒーロー系ならともかく、獣メインでエロとなると…
その上狼男とかのカッコいい肉食系の動物以外となるともう絶望的か。
まぁ商業ではまず有り得ないケモノ・獣人系本があるだけでも感謝すべきなのだろうけど。
132 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 00:47:06 ID:WiQ9eHRU
泣きそうなくらい怖い夢を見た
これをホラー小説にしたら売れると思うそのくらい怖かった
だが俺はこれを文章化できない
なぜなら夢の中で文章化した奴が殺されていたからだ
>>131 毎年、サークル数をある程度以上確保できる保障でもない限り
わざわざ細分化してジャンル分けさせることはないだろうね>コミケ
一応現在は3日目にケモエロ・ケモホモ・ケモショタが固まっているけど
(有名どころの商業作家さんは男性向の壁扱いになるし、
非エロは創作オリジナルだから日付違い?)
せめて申込書のサークル内容詳細のところに
共通して「獣化」と書くサークルが複数あれば、獣系のシマの中で
お隣さん同士で固めてくれたりぐらいはするんでない?
現状で獣系のシマは小さいので一般参加側は全部回れば済む事。
他ジャンルに散らばったサークルまでは知らんけど。
自分たちが申し込み時にハッキリ書かなかったのが原因だろうし。
134 :
131:2005/08/15(月) 19:30:51 ID:SoyF35Gx
>>133 いや別に「獣化系が一ジャンルとして確固たる地位を確立しないだろうか」とか大層な事考えてた訳じゃなくて
(まぁそうなれば願ったり叶ったりだけど)
「コミケくらい獣化系メインのハァハァできる本が一冊くらい無いもんだろうか」って思ってただけなんだが…
137 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 07:14:08 ID:17iAIIob
おっきしそうなくらいエロい夢を見た
これをエロ小説にしたら売れると思うそのくらいエロかった
だが俺はこれを文章化できない
なぜなら夢の中で文章化した奴が叩かれていたからだ
獣化系か。
エロエロではないけど創作系のイベントでそういうの見たよ。
俺は最初から獣じゃないとダメなので買わなかったが。
コミケならもっとありそうな悪寒。まったくなかったの??
初めに獣ありき、の先入観で探すからじゃないかな。
獣系に縛られず探すと意外にあったりする。
保守
⊂二二( ^ω^)二⊃ブーン
♡
使えるか?
おし。
夜中エロパワー溜めて一気に書き上げよう。
猫の恩返しもなかなか
145 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/26(金) 23:30:06 ID:tvzJTGCt
No.10 NAME : トーン / TIME : 2005/08/21 (Sun) 00:25
「アニキぃ…も、カンベンしてくださ〜い……」
「ダメじゃい!あと3発!!」
クソ暑い中汗ダラダラ垂らしても服は着たまま。
コス好きなマンコ絵師って不自然な801絵描くのがホント好きですね
No.11 NAME : シバ / TIME : 2005/08/23 (Tue) 23:57
ゴンとミケはとても仲良さそうにしています。
犬と猫の体格差が好き。デカイ方が幼いければなおさら。
ウケ猫のケツ穴がありえない位置についてますが
これが噂の801穴ってやつですか。801マンコは妄想の達人ですな
だが801マンコ絵をゲイ用絵板に貼るのはいただけませんよ?
No.12 一番好きなお年頃 NAME : bb / TIME : 2005/08/23 (Tue) 00:50
ペンタブを購入したのでデジタルデビューですー
よろしくお願いシマスm(_ _)m
挨拶はどうでもいいからキモイ絵貼るのは勘弁してください
頭は犬科なのに尻尾は猫科?犬猫合成が趣味なんですか
マンコ絵描きは頭おかしい人が多いんですね
No.13 キョウチクトウ NAME : Sho / TIME : 2005/08/23 (Tue) 21:48
毒があるよ?
お題の植物もそうですが
こうまではっきりマンコ絵とわかるのを堂々と貼り付けて得意になってる
おたくさんの性格にも毒々しいのがありますね ゲイ絵板荒らしは
楽しいですか?
No.14 NAME : HOME / TIME : 2005/08/24 (Wed) 04:27
陰陽終わったら木曜日がさびしくなるな
ランゲツ様厨のマンコ絵師にしてはなかなかの出来ですな
これでこのスレ荒らす癖さえなんとかしてくれれば
例外的にマンコのあなたにも滞在を許してあげましょう
No.15 NAME : HO / TIME : 2005/08/26 (Fri) 01:23
ツールが増えていろんな事が出来そうなのに・・・
ツールとか余計なこと考えなくていいから
どうみても801マンコ好みのウケ少年の顔と
タチ虎のきもすぎる髪型と顔なんとかしてください
ほかのマンコ絵師は
もっとちゃんとケモホモの勉強してから描いてるみたいですよ?
男のフリするならするでもっと工夫しないと。簡単に見破られても
楽しくないでしょ?
ケモ人的に「みみけっと」はどうよ?
行った事ないので憚るけど、
耳キャラだけでなくケモナーな作家さんも出てるみたいだね。
公式サイトから参加サークルリストとか見て判断できそう。
最近書き込みがめっきり無くなったな。テラサミシス(´・ω・`)
SSでなくてすまんが、保守代わりにネタを。
南米ではジャガーが神の化身と崇められているが、古代オルメカ文明では、
ジャガー人間(ジャガーと人間のアイノコ?)を祖先神として崇めていたそうな。
古代神話を表したのか、実際にそのような儀式を催したのかどうかは知らんが、
ジャガー♂と人間♀の交合している像が出土している。
獣相手だから後背位かと思いきや、正常位だったりするところが面白い。
この写真が載ってる本が家にあったはずなんだけど、探しても見つからなかった。
古本屋に出したかな。
有名なミノタウロスも、その昔巫女が神の化身の牡牛と交わる神事の名残と
言う説もある。
古代人すごいな。
ネタ候補の冒頭はすいすい書けるのに、
途中ダレてしまうという自体が頻発中。
ぐふぅ。
そういえばユキヒョウの写真を某サイトでみたんだけど
結構カッコイイね。
>151
白い獣って、神々しいよね!
白いトラ(シマシマはあった方がいい)とかも素敵。
白いライオンの実物はいまひとつ。
やはり柄があった方が映えるか。
神の化身の白い動物にその身を捧げる・・・・。
いかん、なぜか仏様に食べさせるのに焼身自殺するウサギの話を思い出してしまった。
あのウサギは白くないってば!
パロディじゃなくてもいいんならレイープネタが…
SS途中までになるやも分からんが投下するかも
今のところネタもないし頼んだ。
155 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 22:57:22 ID:jx0kwWrS
hosshu
早く続編が見たい小説があるんだけど、職人さんまだかなワクテカ
急に人気がなくなったよなここ。何かあったのか?
>>156 職人さんが作ったホムペが結構盛況。
投稿も結構あるし、そっちに人が流れたんでは。
久しぶりに行ってみたけど、どうもそうっぽいね
俺の期待してる職人さんは移動してないみたいだけど、気長に待つよ
明日の午前中にSS投下予定。
SS!SS!
_ ∩
( ゚∀゚)彡
⊂彡
今から即興でSSを書いてやる。
初投稿だからクオリティは低いと思うが大目に見てくれ。
内容は狐×人→狐で逝くからな。
出来るだけ今日〜明日早朝までには書き上げるようにする。
スグ書いて投稿せずに一日ぐらい置いた方がいいかもよ。
少し経ってから読み返すと色々気付くこと増えるし。
まぁそんなに焦らなくていいって話ですよ
164 :
161:2005/09/18(日) 02:04:26 ID:rN0pTgh5
>>162-163 板に活気が無いから、変に頑張ろうと思った。
ちょっと時間をかけても良いのならじっくりさせていただこうと思う。
質で頑張らせてもらいます。
165 :
159:2005/09/18(日) 13:20:04 ID:gKdgoybz
空を見上げる。今夜は月がきれいだ。
ろくに前も見ずにアルは帰路を辿っていた。
黒い毛並みである彼は暗闇に溶け込んでいる。
月夜に猫はよく似合う。そう思いながらただただ足を動かしていた。
しばらくすると大きな旅館の前で足を止め、彼は中へ入っていった。
引き戸を開くと今までの闇ととって代わり、明かるい空間が目の前に広がる。
もう夕飯の時間なのだろう、煮物のにおいが漂っていた。
「いらっしゃいませ… あら?アルじゃないの。お帰りなさい」
美しい黒猫が彼の前に現れた。彼の妻であり、この旅館の若女将であるアサミ。
「いまひと段落着いたのよ。ちょうど良かった。」
アサミはいつも通りにアルを奥の部屋へと招く。夫婦の為の少し小さめの二部屋。
畳の上の座布団にどっかりと腰を下ろす。彼女が寄り添うように脇に正座した。
「さっきっから和食のにおいが凄いな、今夜はそんなに人が多いのかい?」
「あら?和食はお嫌い?それじゃあ私と一緒に生活できないわよ?」
アルは東方の女性と結婚したい、と言い、わざわざ東に越してきた。
そして初めてとまった宿、それがこの旅館だった。
アサミは時計を見ると「そろそろ貴方も御飯にする?」と聞く。
その時奥の部屋で赤ん坊の泣き声が聞こえた。
慌てた様子でアサミは部屋を出て行く。泣き止む気配はない。
泣き声はだんだん大きくなる。アサミが赤ん坊を抱いて部屋に入ってきた。
166 :
159:2005/09/18(日) 13:21:01 ID:gKdgoybz
「今日はねえ、この子あんまりお乳を飲まないの。大丈夫かしら…」
赤ん坊に乳を飲ますべく着物を肩から下ろして乳房を出す。
「ん?なんだい、ちゃんと飲んでるじゃないか。
まあ少しぐらい少ないからって心配する事はないよ」
母親の乳を懸命に吸っている我が子を目を細めて見ながら言った。
「そうかしら?…よしよし、いい子ね…」
やはり両親が黒だけに赤ん坊も黒い毛並みであった。
黒い子猫は乳を吸い終わると再び眠りに就いた。
「おやすみ、坊や…」
頭を撫でるとアサミは奥の部屋に赤ん坊を寝かしに行った。
まもなく戻ってくると部屋の障子を閉め、アルの横に座った。
「ねえ、どうする?先にお風呂入っちゃう?お客さんが入る前に。それともいま御飯にする?」
顔を覗き込みながらアサミが言う。
アルが考え込んでいると、アサミはアルの首に腕を回しもたれかかってきた。
「私っていう選択肢もあるわよ…?」
「じゃあそっちにするかな」
アサミが微笑む。アサミが唇と合わせようとする。
アルも顔を近づけると唇を合わせ、舌を這わせる。
舌を絡め合い、二人の唾液が混ざる。唇を離すと舌と舌の間に唾液が糸を引いた。
アサミの帯を解き、着物を肌蹴させる。大き目の乳房があらわになる。
乳房を上から軽く押すと乳が染み出てきた。
167 :
159:2005/09/18(日) 14:19:48 ID:gKdgoybz
一応ここまでです。エロ少な目ゴメソです…
乙です
黒猫好きな俺にはもうたまらん
続きはまったり頑張ってください
書き込み規制キター
携帯からしか書き込めん…
>>165たん。激しくがんがれ
170 :
161:2005/09/22(木) 18:17:49 ID:L6E//CI6
狐×人→狐SS
ここはどこだろうか?
確か、俺は山で脚を踏み外したはずなのに・・・体が所々痛くて動けない、ここはどこかの家の中だろうか?
「あら?目が覚めたの?もう少し寝ていたらいいのに。」
声のした方に首を向ける。
「あ、あんたは!?」
そこには、狐とも人とも取れない中間の狐人が立っていた。
「山で倒れてた所を助けてあげたのに、そんなリアクション取らなくてもいいじゃない?」
「存在しないはずの狐人を見たら、誰でも驚くと思うけどね。」
「そりゃそうよね。はい、これ薬よ。」
竹の節で作ったと思われるコップの中には透明な液体が入っている。女狐さんは、薬が飲みやすいようにと上体を起こしてくれた。
何の疑いも無く、その液体を飲む俺・・・。
ドクン、ドクン・・・
「何だ?これは・・・体が熱くなっていく。」
「ごめんなさい、貴方を助ける為にはこれしかないのよ。」
女狐はそう言いながら、俺の服を脱がせていくのだった。
171 :
161:2005/09/22(木) 18:23:08 ID:L6E//CI6
エロなしスマソ
続きは20時あたりに投下するから待っててください。
172 :
161:2005/09/22(木) 20:28:48 ID:L6E//CI6
目の前の女狐は無言で、服を脱がせていく。その間にも体はどんどん熱くなっていく。
「・・・自分で脱ぐから、ちょっと退いてくれないか?」
「え?ええ。」
体はありえないくらい熱く、痛さなんてどこかに吹き飛んでしまっていた。
「ぐぅぅぅ!熱い。」
上の下着シャツを勢い余って破ってしまう、早く全部脱がないと気が狂いそうだ。何も考えずに下の長ズボンも,下着も脱いだ。俺の一物は、はちきれんばかりに起っていた。
「さぁ、始めましょう。」
女は俺の一物を銜え、舌で亀頭を弄ぶ。
「今,そ、そんな事をしたら。あんたの口の中に出しちまうぞ。」
「ええ、貴方を私の口の中に出して。」
普段は余裕で耐え切ることが出来るのだろうが、今の俺にとってはとても耐え切れる物ではなかった。
どしゅ・・・
普段の射精とはとても考え難いほどの量を、彼女の口の中にぶちまけた。
その途端、ザワザワザワ・・・とした感覚と共に、体中から茶色の毛が生えてくる。手や足は真っ黒な毛なんだが・・・。
「はぁ、貴方の・・・おいしかったわよ。」
俺の精液を垂らしながら笑っている彼女。
「何で、やっただけで獣毛が生えてくるんだ?それにまだ起ってるし。」
「貴方ね、全身の骨が逝っちゃってて本当なら死んでたのよ。」
「ならなんで助けた?」
「一目惚れって奴かな。」
「はぁ?」
「さぁ、まだまだやりましょう。」
彼女は自分にお尻を向けた後、両手足をついた。
「さぁ、貴方の一物で私のおまんこをぶち抜いて。」
「その前に、君も逝ってもらわないとね。」
「え?」
173 :
161:2005/09/22(木) 21:50:46 ID:L6E//CI6
俺は、彼女の尻尾の根元を優しく握り、すぅ・・・と、じっくりゆっくりと手前に引いていく。
「あぁぁん。」
やはり、尻尾は彼女の性感帯みたいだ。そのまま彼女のスポットに顔を近づけて舐めた。もうアナルも関係無しに舐めていく。
「あぁぁぁぁ!逝っちゃう、逝っちゃうよぉ。」
彼女が完全に逝ってしまう前に、一物をぶち込む。彼女の中は暖かく、適度に締め付けられる。
「さぁ・・・共に逝こうか。」
ズドッズドッ・・・
「あん・・・あん・・・ところで、なんっであなたっが私と・・・同じ様になったのか・・・。」
「そんな事、もうどうでもいい・・・出すぞ!!」
「あぁぁぁぁぁぁ!!」
同時に体中の骨が軋む・・・
ゴキゴキゴキ・・・
「ぐぅあああああ!!」
その間にも前後の運動は止まらない。
彼女と同じ様に尻尾が生えてきて,耳も頭の上に,顔は前に出てきて・・・その空間には2匹の狐人が混じり合う姿しかなかった。
「さぁ、第2ラウンドといこうか。」
俺は彼女と永遠とも思える一日を過ごしたのであった。
174 :
161:2005/09/22(木) 21:55:52 ID:L6E//CI6
スレ汚しごめん。
これ以上表現が出てこないっす。
やっぱり俺には18禁は無理だったorz
>>174 よくがんがった。萌えますた!有難う!!
作品キター-------(・∀・)-
177 :
163:2005/09/23(金) 20:05:08 ID:OQmgXTDt
>>161氏
GJです。
女狐エロイよエロイよ女狐。
178 :
161:2005/09/23(金) 20:43:46 ID:aq3YfLP1
>>175-177 リアルで忙しくて、結局は1時間即興になってしまったのだが・・・気に入ってもらえたみたいですね。
ありがと。
次も思い浮かんだら、いつかまた書くから。その時はまた頼みます。
保守
最近獣化でも獣人でもいいからなんか漫画とかないかな
>>180 アニメ終わっちゃったね
(´・ω・`)
職人さん達、やっぱりあっちの方に行っちゃったのかな…
>182
エロいネタが思い浮かばんだけと違う?
もう少し待ったら?
心のオアシス保守
ザビアツタ保守
時を越えて保守
187 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 23:24:10 ID:ULHhpj08
楽しかった保守旅行ー
野獣の如く保守
明鏡止水の境地で保守
愛と!!怒りと!!哀しみのォ!!
保守!!
何この流れ
保守しか能が無いのです。1000レス目まで保守で埋めさせてあげてください。
ネタ出しも雑談もしないスレにある日ひょっこり神が現れて作品投下してくれる、なんてあるわけが無いのにね。
自虐?
194 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 20:17:34 ID:4FPvMCFA
>>192 だったら何かネタの一つくらいは出してみせろよ。
そういえば、キングダムハーツUで動物変身があるらしいが…ありきたりすぎる上にエロいネタじゃないかごめん。orz
195 :
192:2005/10/21(金) 21:45:07 ID:0hbJIPre
>>194 いや、あまりのクレクレ乞食っぷりに、いっそこのままスレ落としたほうが良いんじゃないかと俺は思ってる。
一行でも良いからネタを書いて見たらどうかと思う、そうすれば少しは展開が変わるかも・・・。
個人的にはレイープ非推奨が納得できん
獣×獣の強姦輪姦は触手スレじゃスレ違いだし
えっここはレイープ非推奨だったの?初めて知った・・・。
>>1には臨機応変とあるから、気にする必要は無いかと思うけどねぇ。
とにかく、物は試しに書いて投下してみたらどうかと思う。
それで反応が良かったら良しにすれば良いし、悪かったら非推奨のままで行けば良いし・・・。
何なら最初はどこかのロダを借りてアップするとか、反応悪くても書き続けたいならば職人さんの作ったホムペに投稿するのも良いのではないかと。
ネタ出すと言っても過去のスレで出し尽くしたような。
……というレスを前にもした覚えが。兎と狼のシリアス物書いてた人は今どうしてるんだろ。
コテ有りでカキコミするのも何だかなぁとおもったし、
近頃はコテ無しでカキコミしてました。
>>201 一応このスレは定期的にチェックしていますが、
リアルで就職やら何やらでてんわやんわです。
作品については書いてもフィニッシュまでいけないものが多いので、
いまHDDの中に眠ってます。
何時更新されるかわかんない作品でもよろしいのであれば、
こちらかサイトに投下させて貰う、って手もあるでしょうが。
とりあえず何らかの動きはしたいので。
ご意見いただければ。
ん?サイト持ちだったの?
>>203 おまいはテンプレも読めないのかと小一時間(ry
保守
保守ばかりじゃあ面白くないだろうと思うが…保守。
何か書いてほしい獣×獣(もしくは人→獣)があるならば、一言書いてみたらどうかとマジレスしてみる。
んー きまぐれにSSでも投下するか
おながいすまつ
明日の夜当たりいくかもしれない
とりあえず皆の衆に質問。獣化ネタにて、ダークかつスプラッタ、惨殺(娘が)という展開は
萌えの範疇に入るんだろうか?教えてエロい人。
それともそういうのに嫌悪感がある漏れがパープーなのか・・・?
>>211 俺も流血沙汰が絡むと燃えはともかく萌えとしては抵抗があるタイプ。
しかし獣化ネタにて「うへへ今更何を恥ずかしがるのか。貴様はペットだ家畜だケダモノだー」
とばかりに人権剥奪な羞恥陵辱ネタばかり妄想しているので、
外道っぷりではヘタな流血スキーより悪質っぽ…。
>>211 燃えとしてなら好み。獣化するのが女性ならまさに理想。
というか惨殺入ると雰囲気的に萌えは難しいと思う。
ダリナンダアンタイッタイ
しかしマジな話、今このスレに住人はどのくらいいるんだろう。
点呼とってみたいが、10人以下とかだったら凹むかも。
2!!
218 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/03(木) 01:38:38 ID:rh3uqlY5
ノシ 3
ROM専でも良いか?
4!
フォーーーーゥ!!!
重複か?では6番の俺が通りますよ…
…って番号だけじゃ結局「保守」だけの時と変わらんだろうが!
「あー○人くらい居るのねふーん」で終わりで話も続かんわ!
どういうのが好きか趣味ぶち撒けるくらいしろよ!
…野性的なのも良いですが小動物的な柔らかくほのぼのした可愛い系が好きです。
でも発情エロはもっと好きです。
獣化ネタも好きで、むしろエロ無しでも他者強制獣化なシチュエーションにハァハァします。
おはようございますROM専ですが。つ(7)
種族ごとの特徴を活かしたのが好みだなぁ。毛とか。
ROM専8
…なんでここでまでアドレス晒されてるんだか
ケモい特徴が描かれてるのが好きですね
シチュで言えば
身長(体の小さい)の低い年上が身長の高い(体のデカい)年下に甘えられるのが好きです
ノシ9
10
ノシ11
前スレで書いた事があるヘタレで御座います・・・
獣化えちぃネタならスタンダードに犬、狼が萌えますなぁ・・・
ついでに言うと野郎受け・ねーちゃん攻めの感じで。
ノシ12
エロのLv低いSS書きなのでこの板全体で修行中ですが(´・ω・)
ノシ13
14
ROM専ですが・・・
獣5(15)!!
同じくROMです
16
少女の強制獣化が一番好き。
さらに言葉責め等で羞恥心を刺激しまくる展開なら最高。
17。
あまあまで激しいのが好き。
チカラの限り犯す雄にアンアンいってる雌がいい。
>>226 いいネタだ。
野郎がもじもじしてるのに凄くたくさん出すのとか
ねーちゃんが最初せめてたのにその野郎みてなったりとか恥ずかしく
そういうのが好きだ
思ったより多いな。正直4、5人だと思ってた。
18。
激しいの好き。 ROM専だけど。
文才がほしい。
19。ROM専。
普通のヒトとは違ったスタイルで描かれていればエロ無くても満足です(*´∀`)
獣人っぽく激しいエロだったら万々歳です。
20。
一個書いたがあれ以上無理…。
>>235と同じで激しいのが好きです。
ROM人多いな〜
・・・書こうにも文才のカケラもない
俺が言うことじゃないけどな・・・
239 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 11:01:28 ID:rIKTbPmq
ところで今更の低レベルな質問なのだが、
人間が獣化する際って女性のロングヘアってどうなるんだろう?
人間→狼(ともに♀)の小説を書こうとしてその辺で躓いて没にした経験があるのだが…。
ROM専で21
砂吐くらい甘いのが大好物です
ロングヘアは好きにすればいいのではないかと
長いままでもいいし吸収されて短くなるのでもいいし
描写しないという手もあるし
痛い表現入りの小説でもかいてみるか
明日午前中をつかって少し練ってみるべ。
本人が痛い目にあうか、家族が痛い目にあうか…
どうしよう すこしネタ募集
>>239 ん・・・海外では微妙に同化してる傾向ありですな。個人的にあんまり萌えませぬが・・・
微妙に人間であった時の名残が残ってる方がわしゃ萌えますです。
名残いいねえ。衣服が全部破れた後もネックレスやチョーカーだけ残ってるとか。
ウーム。チョイトネタ投下してみたり。獣化する種はお好みで・・・
生贄の代わりとなった冒険者のネーチャンの前に現る討伐対象の獣人(遺跡内)
てっきり普通の娘と思いきやいきなり戦闘突入>ネーチャン敗北
氏なされると思いきや、「じゃじゃ馬だな」と軽くいなされた上ハァハァされる>ネーチャンも獣人へ
ありきたりの予感・・・orz
そういえば昔冒険者の話があったような。
結構好きだったのだけど、未完で終わってたのが残念。
遅ればせながらROMで22。
狼ってかっこいいよね。
同意。ここらで燃えるシリアス系を読んでみたい。
いや甘々でもそれはそれで好きだけど。
251 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 09:01:11 ID:PwYdRXPU
んじゃついでにだれか801もたのむ
マイナーネタをわざわざ細分化して過疎化を進める意味があるのか?
254 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 20:12:42 ID:mdmOjc/4
エロエロなスレに救世主が!!
∧_∧
ふーーヽ|´_ゝ`|ノ ーーん
.|__| 兄者マン
| |
まあ過疎化も何も1ヶ月以上スレが機能してなかったし、変化はむしろ歓迎。
荒れる原因になりかねない問題が未然に解決されたと思えばいいんでない?
ここ5日ぐらい暇さえあれば構想を練っているが
文と文がつながらないと(冒険ものを書くのはは)ムズカシイ
前に百合百合あんなに騒いでたのがいたのに
いざスレ立ってみると全然なんだなorz
亜人スレ共々盛り上がってほしいものだが…
>>253みたいな声もあるし
こんな調子だと801(♂×♂)は一部住民に嫌がられたとしても
分裂せずにこっちの方がいいんだろうか…
>>257 そ、それだけは勘弁してぇーと、燃料に引火しますた
でも何もネタなしというのもアレだし。
そういや元人だった名残として、どういう名残が皆の衆は萌えますかな?
因みに漏れは目・髪・オパーイですな。
微妙なところなんだが、声とか、全体的の雰囲気かなぁ…
恐る恐る声を聞くと彼女の声だったとか…
そもそも801のスレあったっけ
胸。たまに複乳化を見かけるが、アレはちょっと勘弁。
>258
目。後は、場合によっては髪や装飾品(ネックレスとか)ってところかな。
獣人化はともかく、獣化の場合は人間時の容姿からかけ離れてる方が興奮するもので……。
>>261 場合とやり方にもよるな。
そら乳房がいくつもブラブラしてたら人を選ぶだろうが、異形化の強調って面で見たらありかもしれないし。
ただ俺もそういう複乳は萌えんが
「外から見るとフツーに一対しかないが毛皮をかきわけたら小さいポッチが」程度ならかなり萌え。
>>258 >>262 やはり目と髪の毛やね。あと衣服。獣化で体型が変わって破れかけててもいいかも。
作家さんがいないじゃないか!
あまりにもいないと俺が書いちまうぞ!
267 :
161:2005/11/15(火) 01:34:52 ID:57eEUKJL
板汚しになるかもしれないけど…書けたら貼ってもいいですか?
ネタは
>>246あたりを使わせてもらいます。
ダメならダメ言ってね。書けたら遠慮せず投下しますので。
てか、投下しなかったらフランスパン(パンわたり1m)で殴る。
お、おいっ…おまいモチツケ。
そんなことしたらみみ垂らしながら「くぅ〜ん」とか言って可哀想ジャマイカ
と、取りあえず投下お待ちしております。
期待sage
獣化もいいけど、元から獣人同士の交わりも見たいな
ああ、俺に文書の才能があったらな
>>271 ノーベル文学賞だの文章で歴史に名を残すだの目指してるならともかく、エロパロ程度で才能て。
ラノベの一つでも読むなり、ドラクエやったあとに小説版ドラクエ読んで
「文章でこういう風に表現するのかー」って意識すりゃそれなりのものはすぐ書けるわ。
そりゃ表現する語彙の豊富さや描写の細かさ等の表現技法とかはじっくり育てるしかないけど、
そもそも書かなければそれ以前に良し悪しもわからん。
つーか「スポーツ選手が体格に恵まれる」とかならあるが、文章に才能はほとんど関係なかろうよ。
近頃の少年漫画の影響か「才能ってのを持ってれば初心者の頃から上手くてぐんぐん上達する」ってイメージがあるようだが
それってほとんどの場合才能じゃなくて要領が良いだけ。
基礎的な技能を極めた後で、既存の世界の限界を打ち破ったりまったく新しい発想したり、そういうのが真の才能。
「円周率を○桁まで覚えた天才数学少年!」って触れ込みで目立つ子供は何人も居るが、
そのうちどれだけが歴史的な数学者になれるものか。
……って亀獣人のおじいちゃんが言ってた。「とにかくまずは書いてみろ」だってさ。
273 :
2kB:2005/11/17(木) 18:27:59 ID:fzzyVquc
緑色の四輪駆動車が煙を引きながら走っていく。
よほど使い込んでいるのであろうか、ところどころへこみ、さびている部分がある。
凹みに差し掛かるたびにさび付いたナンバープレートががたがたと音を立てる。エンジンが唸る。
しばらくすると荒野の先に切り立つ崖が見えてきた。
崖のふもとまで行くと四輪駆動車は止まり、中から金髪の女が出てきた。
年は16、7であろうか。まだ顔に幼さが残るが、その肩にはライフル銃が担がれている。
少女は紙を片手に辺りを見回し、何かに気づくと目を輝かせそちらに歩み寄った。
輝くの視線の先に、割と広めの洞窟がぽっかりと口を空けていた。洞窟の入り口には轍ができている。
一旦四輪駆動車に戻ると少女は紙を広げ中の構造を確認した。
「…大丈夫ね。」
一人つぶやくと少女はヘッドライトをつけ、洞窟の中へ四輪駆動車で入っていく。
普通は車で洞窟へ入るものではないが、目撃談によると、中へ車が入り30分ぐらい経つとでてくる、
という話であった。周辺では強盗が多いためか盗賊の隠し倉ではないか、とのうわさが立っていた。
今回の少女の目的は一攫千金、まさにその隠し財産であった。
しかし、洞窟へ入った者は未だに一人も帰ってこない、という気味の悪い事実もある。
これで成功したら絶対に名前も売れるであろう。少女の夢は大きかった。
274 :
2kB:2005/11/17(木) 18:28:50 ID:fzzyVquc
中は薄暗く、ヘッドライトで照らされた部分のみが分かるほどの暗さである。
少し上り坂気味であるが、少女はお構いなしに車を進める。相変わらず轍は続いている。
しばらく走ると開けた空間にでた。少女は窓から懐中電灯で足元を照らし、降りられるかどうか確認した。
おもむろにドアをあけ、外に降りると辺りを照らす。ただただ広いだけで何も無い空間である。
ドアを閉めるとバン、という音が洞窟内に響いた。
独特なにおいがたちこめているが、排気ガスがたまってきたかな、と感じただけだった。
背後で石が転がるような音がした。少女はばっと身を翻し、懐中電灯を向けライフルを構える。
…誰も居ない。その空間にはライトがつきっぱなしの四輪駆動車と少女が居るばかりである。
気のせいか、と思ったが少し気味が悪いので少女は車に戻ると、再び奥へと車を走らせる。
まもなく、車一台が通れるような通路に木の扉が現れた。
車を降りると少女は扉に耳を当て向こうの様子を伺う。水滴がたれる音がするが、後はなんの音もしない。
試しに扉を押してみた。すると扉は軋みながらも簡単に開いた。
中を覗いて見てもヘッドライトに照らされた特に変った物は無い。よし。先へ進もう。
少女はアクセルを踏んだ。四輪駆動車は力強く敷居を踏み、扉の中へ進入する。
多少の恐れの為か猫背になりながらハンドルを握っている。相当長い洞窟である。
ぴったり車一台分の幅、そして轍。明らかに人為的に作られた洞窟だ。
この先に何があるのだろう、少女は胸を躍らせながら四輪駆動車を進める。
しかし、少女との期待と裏腹に奥の方に光が見えてきた。外へつながっているようである。
どこか広い空間へ抜けて、なかに金塊や札束が山のように積んである、そんなイメージだったのに。
275 :
2kB:2005/11/17(木) 18:29:25 ID:fzzyVquc
外へでると、いきなり目の前に崖が立ちふさがった。
窓から辺りを見回すうと少女はその異様な光景に目を丸くした。
360度全てを切り立った崖に囲まれている。外へ出られそうな階段もなく、出入り口は今の洞窟ぐらいだ。
崖の中腹から滝が流れ落ちており、端の方の池に流れ込んでいる。
しかし水は何処へ流れ出ているのだろうか。この閉鎖的な空間に逃げ場はない。
地面には緑が広がり、木造の小さな家が何件か建っている。まるでおとぎ話の妖精の村へ来たようだ。
しばらくのあいだ呆気にとられて辺りを呆然と見回していたが、少女は我にかえると車に飛び込み
ライフル銃に弾を込めた。こんなわけの分からないところ、何が起こるか分からない。
車から身を起こし振り返ると、少女はその場に凍りついた。もう既に遅かった。
to be continued...
獣化は次。すこし待って。今夜中には書き込みたい。
神降臨じゃ!がんがれー!!
久々の神がキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
278 :
2kB:2005/11/17(木) 22:22:50 ID:fzzyVquc
今日中は無理だけど近日中にまた投下します
279 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/19(土) 15:24:44 ID:evqtBPVQ
(┛^^ω)┓わぎな┏(ω‘‘)┓わぎな
(´・ω・`)ダレモイナイ・・・
281 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 14:55:45 ID:71bvailu
(#^ω^)エッチな子ならいますよ
エッチな子(♂)ならいますよ
獣化はありだけど、虫化は駄目なん?
新仮面ライダーみたいにエグイ変身の仕方とか。
チョイト萌えられないような希ガス。
とはいえ、もしネタを投下できるのであれば人外の方?
まぁ盛り上げるためには良いかと思う自分がここにいる。<虫化
個人的には中々興味があります・・・。
つーか【亜人】人外の者達の絡み【異形】の方で既にやってなかったか。虫化。
まぁ本来なら過疎っていて細分化できるほど人の居ないこの状況ではなんでもオッケーにするべきなのかもしれんが
しかしホモレズ禁止をはじめ、とかく線引きに厳しいこのスレ住人が許すかどうか…。
「過疎ってるからこの際同性愛でも虫でも無機物でも人比率高くても良いだろ」って言うわけじゃないが
どんなに腹減ってても好きな食べ物以外には手をつけようとしない連中の集まりだから、投下するならそれを覚悟の上で、な。
ネタ切れだなぁ。ネタさえあればどうにかなるかもしれんが。
良さそうなシーンが思い浮かんでもどうもって行くかが問題でやんす。
(執筆中ですが)
過程は気にせず、とりあえず書きたいシーンだけ書いてみるのが良いと思う。
止めるのは体に悪い。整合性は後からどうにでも繋げられるし。
そこで海洋哺乳類獣化を提唱してみたり・・・って、人と共有できる部分が殆ど無い。
名残が無いのは・・・orz
皆の衆はどうですかな?
ここでいきなりですが、30分で書き上げた駄作を投下させていただきます。
くだらないだろうが、他の作品の繋ぎ程度になる事を期待する。
・・・ホントくだらない駄文だろうが我慢してくれ。 ・・・以上
犬♀×人→犬♂SS
私のご主人様はいつもいつも帰りが遅いの。
ご主人様が休みの時にはいつも私の相手をしてくれるんだけど、短すぎて全然つまんない。でもね、でもね、こうしてご主人様を待つのもペットの仕事だもん。…ほら、ご主人様の足音が聞こえてきた。玄関で待たなきゃ。
「ただいま、エリー。」
(おかえり、ご主人様)
「あはは、いつも待ってくれてありがとうな。」
(そんな事無いです。これが私の仕事ですから)
ご主人様は撫でながらシャツのボタンを外していく…なんでだろう、とってもセクシーに見えちゃう。おかしいな、犬の私が人間のご主人様に対してなんか発情しちゃってるよ。
「どうしたんだい、エリー?」
(なんでもないです、なんでもないですよ)
私のわずかな表情から変化を読み取るなんて…さすがです、ご主人様。
「ふぅ…今日は疲れた。明日休みだし、このまま布団に入るか。」
(ご主人様、いけません。裸で布団に入ったら風邪ひいちゃいます。ご主人様ったら)
「ははは、エリー。心配してくれているのか? エリーがいたら風邪なんてひかないさ。」
(もぅ、ご主人様は……)
毎日、ご主人様と同じ布団で寝かせてもらっているが、ご主人様が裸で寝るのは今日が初めてだ。
「エリー…気持ちが良いよ。」
(私もです、ご主人様)
私の中で何かが熱くなっていく…このままで終ったら、気が狂いそうだ。
「!? エリー、何を…あぁ……。」
私は何も言わずご主人様の一物を舐めまわしていた。そうして、軽く咬んだり、舌で弄んでいるうちにご主人様のモノが大きく太くなっていく。
そして次の瞬間、私の口の中で熱いものが放出される。気がつけば、ご主人様の全身から私と同じような毛がいっぱい生えてきていた。
「あ…あ…あ……。」
ご主人様の骨が軋む様な音を立てて変形していく、よくよく見れば手や足に肉球ができてきていた。
「ああああぉぉぉぉぉ!!」
ご主人様は声高らかに遠吠えをあげる。と、同時に顔の変形も終っていた。
「はぁぁぁ、はぁぁぁ。エリー。」
「ご主人様……。」
「僕が犬になった理由が分からないけど…ものすごく君とやりたいんだ。」
「私もご主人様が欲しい、全部欲しいの。」
「だったら話は早い。入れるぞ……。」
「えぇ…入れて……。」
その日の夜…犬の遠吠えが夜明けまで続き、近所の人の大半は騒音で眠れなかったとの事です。私? 私は犬になった、ご主人様と共に一夜を過ごした後…次の日に人間に戻ったご主人様と一緒に散歩しました。
後から誤字脱字に気がつく俺がいる…。orz
スレ汚しスマソ…もっと修行してきます。
GJ!
書いたと言う感じが伝わってきた。
そしてご主人様は毎晩毎晩犬にな(ry
昼間、十分な温もりと光を与えてくれた太陽は、ずうっと前に沈んでしまっている。
灯りの無い、寂しい道。
しかし星や月の灯りは美しく地を照らし、幻想的な明るさを作り出している。
そんな景色の中を、のんびりと歩く少女、雪。
両親と喧嘩し、家出をしている最中だ。
喧嘩の原因は、最近出来た恋人『健』の事。
余所者を嫌うこの地で、他の土地からやってきたばかりの男と『結婚したい』などと言ってのけたのだから無理はない。
雪の事も健の事も散々に言いのめされ、激怒して家を飛び出したのだった。
「はぁ……これからどうしよう…」
勢いで出てきたのは良いが、行くあてなど全く無い。
友人も居ない事はないが、健の事で何を言われるか分からない。
大きな溜め息をついて、空を仰ぐ。
満天の星空。淀んだ雲は見あたらず。
雪は、何故か健に会いたくなった。
顔が見たい。
声が聞きたい。
そう考えたら、もう体は止まらない。
雪は、冷たい夜道を駆け出した。健を求めて――――
スレ汚しゴメソ、しかも今日は続きが書けないの(・ω・`)
>>298 今日から漏れらはワクワクテカテカの日か!がんがれー
300 :
297続き:2005/12/02(金) 00:03:35 ID:H4orp6ZC
雪は、健の家を知らない。しかし雪には、能力が有った。
ふと、雪は立ち止まる。鼻先を空へ向け、すぅ、と一つ息を吸い込んだ。
―――健の、匂い。
雪は健の匂いを、様々な匂いの中から探り当てた。
こっちだ。健はこっちに居る。
『匂い』で探している対象を見つけ出す能力。雪はその能力に秀でているのだ。
健、健―――
雪が駆け行くにつれて、健の匂いは濃くなる。
雪は、健の優しい、銀の眼差しを思い浮かべた。
雪の白い体は、駆けながらも喜びに震える。
吠えた。
吠えながら駆けた。
健の居る場所。近い、もうすぐだ。
愛しい健が、私を抱きしめてくれるのだ。
――雪は、大きな洞の前に立っていた。
健の匂いが立ち込める、洞。
「健……」
雪は、静かに歩を進めた。
301 :
297:2005/12/02(金) 00:08:12 ID:1TmKjJlZ
>>299 応援dクスです(´∀`)
いやはや初書きなものでベテランの職人様やネ申様程の傑作には到底及ばないでしょうが、一生懸命がんがります!
どうぞ気長に待ってて下さいまし(`・ω・)
302 :
297:2005/12/02(金) 02:52:23 ID:5QDTqNfP
あ…皆さんにお聞きしますが、この後の展開は如何致します?
1・獣化
2・獣人化
1
ここで2と言ってみる。どちらにせよ頑張れ超頑張れ。
305 :
300続き:2005/12/02(金) 13:46:09 ID:iJQz0dPa
シュンッ――…
何かが、目の前を横切った。
そして、低い唸り声。
「健…?」
「………グルルル……ガアアァッッ!!!」
一匹の獣が、雪に飛びかかってきた。
「キャアァア!!!」
雪よりも一回り大きな銀色の塊が、雪の体にのしかかる。
「誰だ君は…何しをに、来た…?」
銀色の瞳が雪を見下ろす。
「健…離してっ……!」
「僕の名前を………?」
半ば泣きだしそうな声をあげ、自分の脚の下でもがいている獣の顔をじっくりと見つめる……
「!!!!! ゆっ 雪!!?」
たった今自分が倒した相手が恋人である事に、健は漸く気付いた。慌てて飛び退く。
「ごご ごめん!」
「ひどいわ、健!」
上体を起こして、雪は健をキッと睨みつけた。
「寝ぼけて悪い奴かと思っちゃったんだよ……本当にごめん!」
さっきまでの威勢の良さとは打って変わって、只々雪に平謝りをする健。
その健の何とも情けない姿に、雪が噴き出した。
「クスクス…分かった、もういいわよ健?」
「う うん…」
しょんぼりと肩を落としている健。
雪は彼の体に優しくすり寄った。
「会いたかった……健…」
「僕も……来てくれて有り難う……」
触れ合う互いの毛皮。雪は健の確かな温もりを感じて、喜びに小さく震えた。
洞の中に集めた草の上に、二匹は一緒に寝そべった。
洞窟に僅かに差し込む、柔らかい月の光。
滴る水の音。
苔の優しく匂い。
ふと、雪は思った。
『コノママ、イッショニ…ワタシノ、ゼンブヲステテ、カレトイッショニ…』
306 :
297:2005/12/02(金) 13:52:44 ID:iJQz0dPa
ミス発見…
×→何しをに
○→何をしに
×→苔の優しく
○→苔の優しい
もう何がしたいんだYO……o...TL=3
更に更に引っ張ってばかりで申し訳有りません!!。゚。(ノД`)ヴアァァァァン
お疲れ様です、続きが中々に楽しみですね。頑張って下さい。
個人的には2の獣人化が好みです。
>>297 折衷案として1と2の中間(基本骨格>獣。但し二足歩行可能)はどうだろうか?
デモ、ドチラニシテモ、オパーイハ、ヒトノママガコノミデアリマス
311 :
2kB:2005/12/02(金) 23:52:25 ID:8z+G8rPX
四輪駆動車を囲むように黒い影が立っている。ライフル付きで。
6人、いや7人であろうか。しかも"人"であるかどうかさえもあやしい。
しまった…こいつらいつの間に…?
少女は後悔と恐怖の入り混じった感情に襲われた。しかしすぐその感情はとび、疑問が浮かび上がった。
犬?狼?とにかく顔は人間の者ではない。
顔だけといわず手も毛むくじゃらである。しかしライフルを持っていることから手は人間と同じものであろう。
自分もライフルをとろうとするが、サイドブレーキに引っかかり上手く取れなかった。
あせっているうちにもドアが開き、引き摺り下ろされボンネットに顔を押し付けられた。
こめかみには狼人間のライフルが光り、もはや抵抗はできない。
武器を持っていないかどうかチェックをしているのか体中をべたべたさわる
「さ、触るな…このバケモノ!」
言っては見るものの相手が聞き分けるわけは無い。しかし言葉は通じるらしく顔を見るとニヤリと笑う。
動物の表情をはじめてみた少女は顔をゆがめ、気色悪い、と顔を背ける。
探検用の作業着、そして防弾ジョッキまでもをはずされ、少女は短パンとシャツ一枚、という
余りにも無防備な姿になってしまった。これから何をされるのか。
ボンネットから身を離され四輪駆動車の前に立たされる。クラっと立ちくらみがする。
するといきなりエンジンがかかった。まさかひき殺されるのか?
少女はあせるが身を動かせば何をされるか分からない。
四輪駆動車を手馴れた操作してるのもやはり狼顔であった。
そのままバックさせると奥の小屋へ車を動かし中へ入れているのが見える。私の車が。
周りを見回すと、5人の狼が囲み、こちらをじっと観察し、1人がライフルを突きつけている。
312 :
2kB:2005/12/02(金) 23:52:46 ID:8z+G8rPX
しばらく狼とにらめっこが続いていたが、不意に声をかけた者が居た。
「あら、大量ねぇ。女の子一人に四輪駆動車のおまけ付きなんて。」
小屋のうち一番大きな小屋からまた狼人間が出てきた。
自分と同じように短いジーパンにTシャツ。胸の大きさと声の高さから多分女、いやメスだろう。
そういえばここに居る狼人間、何故か頭部の部分だけ毛が多くまるで人間のようである。
毛並みはほとんどのものが灰色であるが、髪は黒、茶、金、銀…さまざまである。
狼女は髪を振り分けながら近づいてくると、手に持っていた袋を置き少女の前に立ち腕を組んだ。
「んー…若い子ねぇ。16、7ぐらいかしら?うふふ、頼もしいわぁ…」
美しい狼だ、と一瞬思ったがそんなものはすぐに吹き飛び、女狼に吼える。
「ちょっとアンタ、一体なんなのよ!?今からどうするつもり!?此処は何処なの!?」
威勢のいいのねぇ、と目を細め笑う女狼。
「質問には後でゆっくり答えてあげる。別にいいじゃない、あせる事は全くないんだから。
でもまぁ少しは説明しておくべきねぇ。此処は別に盗賊のアジトでも金庫でもないのよ。
私達の住処。隠れ里って言うとわかりやすかもねぇ。私達はウォーウルフ族。
見ての通り狼獣人族よ。ここ半世紀すっかりへっちゃって今はこれしか居ないのよ。
で、そこでアンタに頼みたいことがあるのよねぇ。」
何?訳わかんない。と少女がにらみつける。
「放しなさいよ!誘拐して金とろうったって私身寄りないから!」
バタバタと腕を動かしてみせるがライフルがガチャリというとその動きを止めた。
「別に誘拐なんてもんじゃないの。むしろ勧誘、ねぇ。」
うふふ、と妖しく笑うと少女に近づき顎をクイと持ち上げる。
「要するにね、私達は今絶滅寸前なの。分かる?まぁ人間のせいなんだけどね。環境破壊とか。
だから人間に責任とってもらおうって言うわけ。あぁ別に殺すとかそういうんじゃなくてね。」
責任を、というところで少女が恐怖に顔を引きつらせると女狼が念を押した。
「人間と私達って体の構造が似てるのよ。DNAをちょっといじくるだけで私達みたいになれるの。
だからぁ、人間を改造してウォーウルフ族にしちゃって、繁殖するって言うのに協力してもらおうって事。」
313 :
2kB:2005/12/03(土) 00:15:17 ID:E/uZ833J
話が終わると少女は呆気に取られた顔をしていたが、意味を解すると顔が青ざめた。
「わっ 私に何する気?あんたらみたいになれって事!?そんなのいやよ!」
声を荒げてみるが足はすでにガクガクである。女狼は相変わらず笑みを浮かべ、
「そう、今からアンタも私達の仲間になるのよ。ふふ、大丈夫よ、結構慣れるといいものよ。」
そういうと座り込み袋のなかをゴソゴソと探っていたが、あったあったと顔をあげる。その手には注射器が。
「このお薬を打ち込めばあなたもすぐに仲間入りできるわよ。別に薬で死ぬ事もないし。
これ、どんな病院にも必ずおいてあるぐらいのお薬なの。あらあら暴れないで。
暴れてあらぬところにささっちゃったら痛いからねぇ。」
ライフルを突きつけていた狼人が少女を押さえつけ、腕をあらわにする。
ギャーギャーわめき暴れる少女の腕に上手く注射器を刺すと、ポンプをすこしずつ押していく。
気が抜けたように少女は暴れるのを止め、注射器を涙目で見つめる。
「あ、でもこの薬だけじゃぁ変身できないのよ。これだけだったらいまごろ町中ウォーウルフ族だらけね。」
よっと注射器をはずすと袋に戻し、少女は草の上に寝かされた。
何故か興奮気味に息を荒げ、うつろな目を女狼に向ける。女狼は優しく微笑み返し、
「あなた途中洞窟の空洞で車降りたわね?あの時変なにおいがしなかったこと?
あの時空間にガスを入れたのよ。まぁ車で入ってきたぐらいだし貴方の事はすぐ分かったわ。
全く馬鹿ねぇ。車から降りなければいいものを…」
やれやれ、と女狼は少女をお姫様ダッコすると元来た小屋へ歩き出す。
314 :
2kB:2005/12/03(土) 00:31:15 ID:E/uZ833J
頭が痛い…
少女が目を覚ますと、ベッドの上で寝ていた。綺麗なシーツ、そして木の縁。
体が熱い、なんだかボーっとしている。少女はフラフラと上半身を起こすと部屋を見回す。
窓から日が差し込んでいる。部屋にはタンスが2竿とイス4つとテーブルがおいてある。
そのうちの一つにさっきの狼女が座っている。そしてその手には赤ん坊が抱えられていた。
赤ん坊もどうやら狼人のようだ。狼女は赤ん坊に乳を与えているらしい。
手がシーツの上ですべり、手が縁にぶつかりガタンと音をたてた。
狼女がこちらを振り向き、おきた?と近づいてくる。
「…ここは?」
少女が細々と尋ねると狼女はいすを引きずってきてベッドのすぐ脇に座った。
「ここは私の家よ。正確には私の夫の家かしらねぇ。」
子供を抱きかかえたまま狼女が答えた。日差しが眩しい。
抱きかかえられた子供を見る。見た目はただの子犬に見えた。
「ん?この子?」
少女の視線に気づき、赤ん坊を揺らしてみせる。
「ふふふ、可愛いでしょう?名前はまだ無いのよ。生まれたばっかりで。ねー、坊や」
子供の頭を撫でると少女を見る。
「貴方も随分きれいな子ねぇ。羨ましいわ。」
今更何を、と目をそむけ、顔を手で覆おうとしたそのとき、少女は異変に気づいた。
315 :
2kB:2005/12/03(土) 00:32:05 ID:E/uZ833J
なんだこれ?顔が飛び出してる?べたべたと自分の顔を触ってみる。
そしてその過程で見えた自分の腕をみて少女は驚きの余り言葉を失った。
「…ぁあ…」
言葉にならない叫びを上げる少女に狼女は手鏡を渡す。
手鏡をひったくると少女は自分の顔を凝視した。以前のような金髪。そして… 狼の顔だった。
銀色の毛並み。口は割け、飛び出している。あぁなんて言う事だろうか。
「貴方綺麗ねぇ。すぐにお婿さんが決まるわよ。幸せになってね。」
人事のように少女の顔を見て微笑む狼女に唖然とし、そのまま倒れこむと顔を覆い泣きはじめた。
「まぁそのうち気にならなくなるわよ。私だってそうだったもの。」
子供を乳房から離すと抱えなおし、泣いている少女の背中をさする。
「私もここへ貴方みたいに一攫千金!って来たのよ。もう4年前かしら。
でもね、こんな姿になっちゃったけど、私今の生活がとっても幸せなの。
此処の空間特殊だから。すぐなんとでもなるわ。」
少女は絶望に襲われた。此処を脱出できたとしても外の世界では生きていけない。
これからどうすれば…少女の口から言葉が漏れた。
「これからって、だからお婿さんを迎えて子孫を残してもらうの。そう、たくさん。
まずは数を増やさなきゃどうにもならないでしょ。私はこの子で3人目よ。」
少女に優しく答えるが、少女は反対側を向きすすり泣いている。
「いい?この一週間ぐらいはこの状態が続くと思うわ。体は大切にしなきゃね。
それとしばらくこの家で生活してもらうわね。お婿さんが見つかるまでは。」
忙しくなるわ、と狼女は腰を上げ、ベビーベッドに子供を移しキスをすると奥の部屋へと入っていった。
少女は何がなにやらさっぱり分からず、ただただ絶望に泣くしかなかった。
to be continued... 次回獣人プレイの予定です。
316 :
297:2005/12/03(土) 03:03:40 ID:mUNYtlW1
>>311 流石の文章力ですね。
続きがとても楽しみです。
2作品が入れ替わり立ち替わりすると混乱しそうなので、少し間を空けてから書かせて頂きますね。
潤ってまいりました。
>>310 戦友、ナカーマ(・∀・)人(・∀・)
神々の皆様GJで御座います
319 :
297:2005/12/03(土) 19:10:30 ID:X9221V+v
どうやら
>>311様が獣に近い獣人みたいなので私は獣か人に近い形の獣人ということで…
何この皆さんGJとしか言いようの状況。
321 :
2kB:2005/12/03(土) 22:10:00 ID:E/uZ833J
米dです。
>>316殿。
いえいえお気になさらずにお願いします。続き楽しみしてまーす。ではでは。
ワクテカワクテタ*+゚∩・∀・0 ∩゚+*
322 :
305続き:2005/12/04(日) 00:03:19 ID:Ojsqz8OK
「健―…」
健の顔をじっと見つめる雪。月の光が白い雪の顔を照らし出す。淡いクリーム色の輝きと、何かを訴えかけている瞳。
一種幻とも言える様な、はっとする美しさ。その中に潜む艶やかな表情。
互いに見つめ合い、触れ合おうとした時――
…ン……アオォォ―…ン…
聞き覚えの有る、遠吠え。
「父さん…母さん…!?」
雪の両親が、家を飛び出した雪の事を探しているのだった。
「君のご両親かい?」
「…ええ」
「あの様子だと、かなり心配してるみたいだね。今日の所は家に帰った方が…」
「イヤよ!」
雪は首を横に振った。
「雪?」
「父さんも母さんも嫌いよ!健が余所者だからって毛嫌いして…私と健は一緒になっちゃいけないって……!」
雪は声を荒げる。
「それは仕方のない事だよ。今は、ね。その内皆も解ってくれ」
「そんな訳ないわ」
健の言葉が終わらない内に、それを雪は否定した。
「健…お願い。私と一緒に逃げて」
「え…?」
「このままじゃ私達はずっと一緒になれないわ。この地を離れて、二人で暮らしましょう」
あまりにも唐突な雪の意見に、健は驚いた。
「で でもそれじゃ君のご両親が心配するよ!」
「いいの…。私、父さん達より健と一緒に居たい。身勝手だって分かってるわ。それでも…」
「……。」
「私、貴方に会って間もないけど…貴方の優しさだとか強さが好き。私を守ってくれるって約束してくれた時から、貴方と一緒になるって決めたの。でもこのままじゃ…」
雪の瞳には、強い意志が宿っていた。
愛する雪にここまで言わせておいては健も引き下がれない。
「辛くても帰りたい、なんて言わないでね…?」
念を押して尋ねる。
ゆっくりと頷いた雪。
「……行こう、雪。二人で幸せになれる場所に。」
雪と健は洞を飛び出し、獣達の遠吠えとは逆の方向へ…『幸せになれる場所』へと駆け出した。
323 :
297:2005/12/04(日) 00:04:58 ID:Ojsqz8OK
未だに1と2どちらにしようか迷っていますorz
次か次々くらいにeろ突入の予定です。
ワクテカ維持!GJ!!
ここの住人はかなり「デビルマンレディー」が好きと見た!
最終回で抜いた。
ビデオに撮ってある
ネイラがシャランドの村に急いで戻ろうとしていた頃、既にシャランドは地獄絵図と化していた。
再び村に戻ってきたシーロンとベイツが片っ端から村人を虐殺していたのだ。
「天然モノってのは弱いねぇ」
シーロンが振り払った槍が若い女性の首を勢いよく斬り飛ばす。
「う、うわっ、た、助けてくれーっ」
走って逃げ出そうとする若い男性をベイツは見逃さない。
「人間」とは思えぬ跳躍力で飛ぶと、相手の首根っこを掴み、そのまま一気に下方向へと力を込める。
鈍い音とともに、男の首が折れる音がはっきりとベイツの耳に聞こえる。
「終わったのか?」
殲滅を一通り終えたベイツがシーロンに尋ねる。
「いや、まだあの家がある」
ベイツは家屋にも手当たり次第放火していたが、シーロンがまだ1軒無事な家を見つけたのだ。
家の洋服タンスの中には、トールが隠れていた。
家々が燃える音、人々の断末魔はもちろんトールにも聞こえていた。
だが、ここで迂闊に家を出たら自分まで殺されかねない。
今のトールが出来ることは、ただ災難が過ぎ去るまでじっと待つことだけだった。
だが、その期待も無残に裏切られることとなった。
「やけにきちんと整頓されてるわね、この家」
洋服タンスの外をシーロンがウロウロしている。
「良い服ないのかしらね、全く」
シーロンが洋服タンスに手をかける。そして・・・
「うわああああっ!」
扉が開くと同時に、トールが外に転げ落ちてしまう。「獲物」を見つけたシーロンが
悪魔のような笑みを浮かべる。
「また遭ったわね、坊や」
「お、お前は・・・」
「なぁに、すぐに殺しちゃあ面白くないからねぇ。私に『ご奉仕』してくれたら助けてあげてもいいんだけど」
トールにはシーロンの「ご奉仕」の意味がすぐには理解できなかった。
「ご奉仕・・・?」
トールがおそるおそるシーロンに尋ねる。
「おーや、そんな事も分かんないの?アンタってウブねぇ」
シーロンはトールのズボンに手をかける。
トールはうすうす「ご奉仕」の意味を理解しつつあった。
「さっさと脱ぎなさい」
シーロンはトールのズボンを勢いよくずらす。飾り気の無い白いブリーフが露わになった。
「最近の男の子はトランクス派が多いって聞いたんだけど、ま、いいわ」
「な、何すんだよっ!」
トールが顔を赤らめて懸命に抗議する。
「言ったでしょ。ご奉仕したら助けてあげてもいいって。それとも、今ここで死にたいの?」
恐怖の2択を迫るシーロンに対して、トールはすぐ答えられなかった。いや、選択権など
無い、という方が正しかった。
スルスル、とトールのブリーフが脱がされる。まだ小さな男根と、さほど濃くない茂みが
露わになった。ここまで来ると、トールも流石に自分がこれから何をされるのか理解した。
男として最も大切な、そして恥ずかしい部分が晒されている・・・・
=続く=
>>247を受けて、「冒険者ネイラ」を1年ぶりに再開してみますた。
まだ覚えてる人はいまつか?
>>329神
オカエリナサイ
思う存分発揮してくださいまし
シーロンはトールの男根を手に取ると、しげしげと眺める。
「やっぱりウブねぇ、アンタ。でもこれから本当の楽しさってのを教えてあげる」
トールの男根がシーロンの手によって激しく揺り動かされ始めた。
ブルブルブルブル・・・という感覚がトールの身体の奥底にまで伝わってくる。
「ちょ、な、なんだこれ・・・」
シーロンはさらに速度を速める。徐々に男根が堅くなっていくのを見つめ、ニヤリと笑う。
しばらくすると、シーロンは手を止め、男根を下にクイッと指で押した後、ポーンと離す。
既にしっかりと勃起し、弾力性を持っていた男根が、元の位置に戻るまでにいきおい良く揺れる。
「ふふっ、随分エッチな事考えちゃってるのね」
シーロンは今度はトールの男根の先の皮を剥く。中から綺麗なピンク色をした「中身」が出る。
「もっともっと気持ちよくさせたげる」
シーロンの舌がトールの先端に触れる。先端をひとなめしただけで、トールの身体がピクンと跳ねた。
「うっ・・・」
「微妙に嫌がってるみたいだけど、結局感じちゃってるじゃないの」
彼女のテクニックは絶妙で、一舐めごとにトールの快感は高まっていく。
やがて、シーロンはトールの男根を根本までくわえ込んだ。
グチュ、グチュ、グチュ・・・
いやらしい水音が、シーロンの口の間とトールの男根の間から響き渡る。
「くっぅぅ・・・おかしく、なっちゃうよ・・・」
トールは自分の意志を保とうとはしているが、快感によって視界はボヤけつつあり、
男根に加え、どこから身体の奥底からわき上がってくる快感にひたすら耐えてきた。
(で、出る、おしっこが出ちゃう!)
トールは男根の先端に熱いものが集まるのを感じていた。いや、それは実は
小便ではなく、別のものも含まれていた。
ピチャ、ニチャ、クチャ、クチャ・・・
トールはもう目の前で行われていることを正視できなかった。目を閉じ、額に汗を浮かべ、
ただただ快感に流されまいとしていた。
シーロンが上目遣いでトールを見る。その表情から、彼女は限界が近づいていることを悟った。
何度目だろうか、シーロンがトールの性感帯を刺激した瞬間、
「う、うわああ、出、出ちゃうぅぅぅ!」
トールの絶叫と共に、男根から小水と、白い液体がシーロンの口の中に吐き出された。
シーロンは黙ってそれを受け止めている。
ゴクン、という音がシーロンの喉から響く。2度、その音をさせると、シーロンはようやく口を離した。
ツゥ、と白い糸がシーロンの唇の端から落ちていった。
トールは涙目になり、ハァハァと息をしながら必死に身体を落ち着かせようとしていた。
334 :
297:2005/12/08(木) 16:47:01 ID:pqIrl+9Q
>>332 GJ、流石ですね。
今私カゼひいてて体調不良、その上仕事が忙しい事この上なくって続きが書けないんですorz
体調整えてからまた書き始めたいと思っています…。
トールの頭から生えている狐の耳も身体の震えと連動してピクピク震えている。
男根の先端からまだ白い液体が僅かではあるが垂れ、床に落ちている。
「さてと、二回戦といきましょうか。後ろを向いて四つんばいになってくれない?」
シーロンはトールの「穴」を開発しよう、というのだ。
「こう・・・?」
トールはシーロンの言われるままに四つんばいになり、尻を突き出した格好になる。
当然、トールの菊門がシーロンの目に入る。
「いや、いやだっ、こんな格好、恥ずかしいよっ!」
「今更気付くなんて、本当にアンタって子供ね」
トールのアナルがシーロンの指によって左右に開かれる。
中からは綺麗なピンク色をした肉の襞が現れる。
シーロンが顔を埋め、肉の襞をペロリと舐めた。
「そんなとこ、汚いよ!何やってるのさ!」
必死に抗議するトールは恥ずかしくてたまらなかった。アナルなど、親や姉にも見せた
ことが無い場所だ。まさか他人に見られるとは思わなかったのだ。
そんなトールに構わず、シーロンは穴を舌で突き始める。
「いぅっ!?ううう・・・」
トールが身体を震わせると、それと連動して尻から生えている狐の尻尾も揺れ動く。
ふさふさとした毛がシーロンの鼻をくすぐる。
ぴちゃ、ぴちゃ・・・
いやらしい水音が響き渡り、その音によってもトールの快感が再び高まり始める。
「もう・・・やめてよ・・・」
ピクン、ピクンと尻尾が跳ね上がる尻尾を見たシーロンは、悪戯っぽい笑みを浮かべ、
尻尾をクイっと引っ張った。
「あううっ!」
快感以上の苦痛がトールの全身に走り、トールは全身を痙攣させた。
両腕で身体を支えられなくなり、バタンと床に倒れてしまう。
「・・・痛いよぉ」
「あらら、それだったらゴメンね、キツすぎたかしら」
そんな口調とは裏腹に、シーロンはまったく悪びれる様子がない。
「ほら、さっさと四つんばいになって」
シーロンはトールに再び四つんばいの姿勢になるように命令する。
(なんでこんなことされなくちゃなんないのさ・・・)
トールの顔は紅潮し、恥ずかしさと屈辱感で涙も流れていた。
ポタ、ポタと、頬からこぼれ落ちた滴が床を少し濡らすが、シーロンは勿論意に介さない。
「前フリが済んだから本番よ」
トールが我慢してきた今までの恥辱は「前フリ」に過ぎず、それを思い知らされたトールは
もはや絶叫したい気持ちになりつつあった。
「まずは軽ーく、と」
シーロンの唾液で潤ったトールの穴に、シーロンは右手の人差し指を第1関節のあたりまで入れる。
にゅぷ、という音がして、シーロンの指が穴に入っていく。
「うあああああっ!」
今度は苦痛がトールを襲う。シーロンにしてみれば愛撫か何かのつもりなのだろうが、
今のトールにとってはただの凌辱行為に過ぎない。
「んん・・・結構カタいわね」
ギチ、ギチ、ギチ・・・メリ、メリ・・・メリ・・・・
シーロンの指が締め付けられるが、それにも構わずシーロンの指は奥に入っていく。
トールの尻の肉が少しづつ、しかし確実に引き裂かれていく音がする。
肉の粒がはじけるような感覚がトールに伝わり、一裂きごとにトールは苦悶の表情を浮かべる。
「い、い、あぎゃ、ああああ!」
トールは必死に歯を食いしばり、全身に汗を浮かべてこの責め苦に耐えている。
シーロンの指は第二関節の手前まで埋まりつつあった。
くいっ、とシーロンが指を曲げ、トールの内部をかき乱す。
「やだ、やだ、いやだ、いたいいいいいい!!」
「ここを我慢しなきゃ気持ちよくなれないのよ」
シーロンは思い切って指を一気に突っ込む。
ジュブジュブジュブジュブ!!!
指が第二関節よりも先まで入った。
「ぎゃあああああっ!!!!」
トールが絶叫したのも無理はない。予期せぬ責めに遭ったのだから。
本来何も入っていないはずの場所に棒状のものが突っ込まれている異様な感覚に、
トールの精神がいつまでも耐えられるわけがなかった。
「いい加減・・・いい加減にしないと、怒るぞ・・・」
トールの頭から生えている狐の耳がピクピクと動く。
シーロンに対する激しい怒りが、痛み、そして屈辱感を少しばかりの間ではあるが振り払う。
「こっちが黙っていりゃ好き勝手なことばかりしやがって・・・」
トールの態度の変化に気付いたシーロンも口調を変える。
「何よ、今までせっかく優しくして上げたのを何だと思ってるのよ」
「お前だけは・・・お前だけは絶対に許さない!」
トールの全身がブルブルと震え始める。今まさに、トールの肉体の変貌が始まろうとしていた。
実は、次回作を予定しております(主人公は女の子です)。
連載中の作品よりもう少し流血シーンが多く、「萌え」というよりは「燃え」が多そうですが。
「冒険者ネイラ」よりもう少しスケールを大きく?して、少しテーマ(というには大げさかも)も持たせてみようかな、と。
GJ!!
>>332 い、いよいよトール変身か……ん?トールって狐だったか?
失礼だけど……マジゴメン、過去ログ読んだら尻尾が豹だったんだけど
錯覚かな……orz。
まぁ、それはそうとしてマジトールの変身がきになるので
よろしくおねがいします(平伏)
トールの肌のあちこちに黒いシミが浮かび上がってくる。
震えが止まらず、黒いシミとともに獣毛も生え、筋肉量も増加していく。
ググ・・グググ・・・
トールの着ていたシャツが悲鳴を上げ始める。
爪も伸びていき、トールの両手両脚は完全に豹のそれに代わる。
尻尾もさらに長く、太くなっていく。
「随分と元気のいいこと!」
シーロンがトールの尻を蹴る。その蹴りが合図にでもなったのか、
トールの着ているシャツが完全に散り散りの破片となり、獣人となった
トールが憎しみに燃えた目でシーロンに飛びかかった。
二人の身体が床を転がり、カギのかかっていなかったドアを突き抜けて屋外に飛び出る。
「お前なんか、お前なんか殺してやる!」
声こそトールのものだったが、既に本能は獣のそれに支配されていた。
シーロンは組み伏せられそうになったところをどうにかして振りほどく。
トールは獣の俊敏さで素早く立ち上がったが、
立ち上がって再び襲いかかろうとしていたトールの股間に、シーロンは仰向けに倒れた状態から
トールの急所に蹴りを食らわせる。
「うっ・・・」
豹になろうが元は人間だ。急所の周りに激痛が走り、トールの身体が
まるで時間が止まったかの如くピタリと止まる。
ザワザワザワ・・・
シーロンの身体にも獣毛が生えだしていた。
「あんたみたいな奴が豹だなんてね・・・」
シーロンはトールの身体に覆い被さり、地面に押し倒す。
その間にもシーロンの身体は膨れあがる。
ブチッ、という音がして、シーロンの尻からズボンを突き破って豹の尻尾が飛び出した。
トールは目の前でシーロンの顔が人間のものから豹のものに代わっていくのを正視できなかった。
「ああああっ!」
獣人になったシーロンの爪がトールの肩に食い込む。鋭く尖った爪が、肉を裂き、血を噴き出させる。
「さぁて、どこの筋から使い物にならなくしてあげようかねぇ」
トールは悪魔のような笑みを浮かべるシーロンを押しのけようとするが、
完全に押さえ込まれていて腕でのけようにも動きが取れない。
「いああ・・・いあっ・・・」
ブチブチッ!
何かが裂ける音がする。トールの両肩の筋が何本か裂かれたのだ。
「ああああああぁぁーーーっ!」
トールはあまりの痛さに身をよじるが、シーロンはがっちり身体を捕らえて離さない。
(このままじゃ・・・そうだ!)
トールははっと気付いた。何も武器は手や脚だけじゃない。
シーロンが牙でトールを噛み殺そうとしたのか、それとも唇を奪おうとしたのかどうかは分からなかったが、
顔を近づけようとしたシーロンに、トールは思い切って頭突きを食らわせた。
不意の一撃にシーロンが込めていた力が弱まる。
「今だ!」
トールはシーロンをはねのける。はじき飛ばされたシーロンの身体が地面に転がる。
「お返しだ!」
トールは鋭い牙でシーロンの顔面に噛みついた。
もちろん今度はシーロンが悲鳴を上げる番だ。
(このまま噛み砕いてやる!)
トールは腕でシーロンの身体を掴み、一気に骨まで砕こうとした。
だが、トールの両肩は何本か筋が切られている。そんな状態でも腕を動かせたこと自体、
シーロンに対する憎悪がいかに強かったかの証左でもあった。
もう少しでかみ砕ける!というときになって、トールの腕の力が弱まってしまう。
やはり肩の傷が影響してきたのだ。
ブン!とシーロンがようやくトールの牙から自分の顔を解放する。
美しかったであろう顔面は一面血まみれになっている。その朱にまみれた顔で、
シーロンはトールを睨み付ける。
「私の顔によくもこんな傷を・・・」
今度はシーロンの逆襲が始まる。
常人では到底反応できぬ速さのハイキックがトールにヒットする。
骨が砕けたかのような衝撃を受けたトールがよろよろとよろける。
そこを逃さず、シーロンがトールの身体を掴むと、膝蹴りを一撃、二撃と
正確にトールの腹に入れる。
「おご・・・ぐはっ!」
トールの口からゴバっと胃液が吐き出される。身体の中のものが全て
逆流して出てきそうなほどだった。
「アンタは獣人失格」
さらにトールに肘打ちを食らわせたシーロンは、懐に潜り込むとトールの腕を
掴み、一気に投げ飛ばした。
トールの豹の身体が一回転して、地面に叩きつけられる。背負い投げだ。
受け身を取ることもできなかったトールは声にならぬうめき声を出している。
シーロンは倒れているトールを引き起こすと、右手で首筋をひっ掴み、
ネックハンキングの姿勢にさせる。
シーロンの右手に力がこもる。腕一本で人を吊り下げられるというのはやはり
獣人故のパワーであろうか。
ドスッ!ドスッ!ドスッ!
トールの腹にシーロンのボディーブローが容赦なく入る。
一発入るたびに、トールの顔が苦痛に歪む。
「さぁ、どんな死に方がいいの?アンタに特別に選ばせてあげるわ」
そんあ問いにもトールはもはや答えられる状況でない。
「じゃあこっちが決めてあげるわ。血まみれという野蛮な方法は好きじゃないから、
関節か骨を砕いてあげる方法でいくわ」
シーロンは一旦トールを地面に下ろすと、背中の側から上に持ち上げた。
シーロンの肩の上にトールを仰向けに乗せ、あごと腿をつかむ。
シーロンは自分の首を支点として、背中を弓なりに反らせ始めた。
当然トールの背骨が痛めつけられるのは言うまでもなかった。
緊迫した状況…
シーロンが勝つのか…?
アルゼンチンバックブリーカーの態勢を取るシーロン。
「んしょ、んしょ、んしょ」
背をのけぞらせる度に、トールの反った身体から骨が潰れそうな音がする。
「いいい・・・」
トールの声にならぬ声が漏れる。
(僕は・・・ここで死ぬのか・・・?)
あと数十秒も経てば背骨を折られてしまうだろう。
トールの目の前に白いもやのようなものがかかり、視界が狭くなる。
(でも、こんな奴に殺されたくない!)
トールの思いが死の淵からいったんは彼を救う。
「うああああああ!」
トールの四肢の筋肉が盛り上がり、その力がシーロンにも伝わる。
「!?!?!?」
シーロンの力が緩くなり、その隙に振りほどくことに成功したトールの身体がドッと地面に落ちる。
獣の本性をムキ出しにしたトールがシーロンの尻に噛みつく。
もはやシーロンが女性であるとか、そんな事はどうでも良かった。
殺さなければ自分が殺される。今のトールを支配しているのはそれだけだった。
牙が尻に食い込み、鮮血が飛び散る。
ブチっ!
何かがちぎれた音がした。トールの口にシーロンの尻尾があった。
完全にブチ切れたシーロンが、トールに飛びかかり、鋭い爪で何度も何度も胸ぐらを引き裂く。
トールも負けずにシーロンに殴りかかる。
二匹の壮絶な戦いはいつ終わるとも知れなかった。
まるでそこだけ時間が止まったかの如く、二人の戦いが続く。
二人の筋肉ははちきれんばかりに盛り上がり、眼は血走り、腕は青筋が立つほど盛り上がる。
徐々に疲れが見えだし、双方気力のみで戦い合う。
だが、年上ながらシーロンの気力の方がわずかに勝った。
トールの腕の振りが鈍ったのを見逃さず、左胸に裂帛の突きを入れる。
シーロンの右腕はトールの左胸を貫通していた。血に染まった右手が背中から突き出ていた。
ズブズブという音とともに、シーロンの右腕が引き抜かれると、トールの身体は
スローモーションがかかったように地面に倒れていく。
だが、シーロンも戦う気力は残っていなかった。その時だ。少女の声が響いたのは。
「トール!トール!」
村の異変に驚愕したネイラが倒れているトールの方にかけよってくる。
「・・・遅い、遅すぎるわよ」
獣人となっているシーロンが血まみれの身体でネイラを見る。
「アンタが・・・アンタが全部やったの!?トールは、トールはどうなったの!?」
ネイラは身体の奥底からわき上がってくる怒りを抑えきれない。
「トール・・・誰よそれ・・・アンタの恋人なの・・・?」
「別に恋人っていうわけじゃない・・・でも、どうなったのよ!」
ネイラは半分涙目になっていた。その時、
「ネ・・・ネイラ・・・」
倒れている豹人からかすかに声が聞こえてくる。
それだけで、ネイラは全てを理解した。獣人となったトールが必死になって自分の身を守ったことを・・・
地面に血まみれになって倒れているトールがネイラに顔を向ける。
「ぼ・・・僕はいいから・・・アイツを・・・」
トールが最後まで言い終わらないうちに、ネイラの蹴りがシーロンの横っつらに入っていた。
傷ついていたシーロンは避けられない。
駒のように身体を回転させ、次々と回し蹴りを繰り出していくネイラにいいように蹴られる。
ネイラの身体がフッと宙に浮く。両脚の間にシーロンの頭を挟み、そのまま身体をねじって
地面に引き倒したのだ。
ゴキ!という音がしてシーロンのどこかの骨が折れた音がした。
「アンタなんて変身しなくても十分」
倒れたシーロンがネイラを睨みつけるように、最期の一言を吐く。
「私を倒したって・・・ベイツが・・・工場に・・・」
それだけ言うとシーロンの首が垂れる。
シーロンの最期を確かめると、ネイラはトールの元に駆け寄る。
トールはもはや息も絶え絶えだった。二人の間に残された時間は僅かだった。
「ネイ・・・ラ・・・」
「トール!しっかりして!トール!」
もうトールが助からないと分かっていても、ネイラは少しでもトールが長く生きて欲しいと思っていた。
「何も・・してやれなくて・・本当に・・・ゴメンな」
トールがハァハァと息を吐きながら懸命に言葉を絞り出す。
「ゴメンと言わなければならないのはこっちよ。こんなわたしを助けてくれて・・・ありがとう」
二人の目には涙が溜まっていた。
「僕は・・・幸せだな・・・こんな僕でも・・・傍にいてくれたなんて・・」
「何言ってるの!トールは人間よ、わたしと一緒、どんな格好になっても人間よ」
「あの・・・女は・・・?」
「倒した!わたしが確かに倒した!」
それを聞いたトールの表情がゆるむ。
「良かった、これで僕も安心して・・・」
「何言ってるの!まだ死んじゃダメ!」
「・・・・」
トールの眼がゆっくり閉じられていく。
「声が聞こえないの!返事をして!トール!トール!」
トールはもはや何も答えなかった。
「トール・・・・」
ネイラの眼から流れ出た涙がどんどん地面を濡らしていった。
地面についた両手がわなわなと震えていた。
(わたしが・・・わたしがもう少し早く戻っていたら・・・)
ということで、もうすぐラストです。
戦闘シーン描くの難しいなぁ・・・
更新乙!
バトルはごり押しが基本だし、勢いが大切だと思う。
ベイツとゲイツはにてるよn(ry
乙!
トール殉職カナシス・・・(´・ω・`)
せめてネイラだけでも・・・と思う所存であります。
乙です。毎回楽しみにしてます。
いつだったかガブとメイってキャラが出てくる小説が
このスレであったよな
あれってやっぱり元ネタは「あらしのよるに」なのか・・・
あらしのよるがすごい萌える
なんかこう罪悪感も…orz
今度見に行くけど
>>351 たしか職人さんはそう言ってた
あれは狼×羊だった気がするけどハァハァした
>>352 その罪悪感・・・決して手放さないでください
ちょっと上げますよ
メイがお尻を振って歩くシーンはよかった
それよりこういう話が苦手な俺は涙腺をこらえるのに必死でした
「なんでオオカミとして生まれてきちゃったんだ・・・」の辺りで
(ノД`)∵
どうでもいいが「なんでオオカミに産まれてきちまったんだよー」だった希ガス
そういえばこのスレにあった(はず)
>>351の言ってる小説は何処へ?
俺も一度読んで内容覚えてるけどさ、もう一度見たくて探してるけどないよ・・な
>>359 >>1 あらしのよるにの公式サイトで予告ムビ見たらそれだけで泣きそうになった俺ガイル
あらしのよるにはDVDも買って一人で泣きながら見たい
hosyu
あらしのよるに系のって需要あるのかな・・・
メイがメスで
>365
|∀・)ノ
上にもでてるけど、随分前にもあらしのよるにが元ネタのやつがあったし、
どんとこい。
まだ完成してないんだけどね。
というかこんなにもエロが難しいなんて思わなかったよ
出来たら是非とも投稿してください。それと、がんばってください。
俺的熱烈歓迎。もうメッチャ食べられちゃって下さい。あらゆる意味で。
でも俺は原作のみでアニメ版を見たこと無いからなあ。あれって話違ったりしないよね?
なんか期待されてる・・・OTL
こちらもいろいろやらなきゃならんことがあるので、投下するときはかなり後になるけど
そのときはよろしくお願いします
あれ、獣人じゃなくて獣のままだけどいいのかな・・・
問題ないメビウス
>>371 是非書いてくれ。戦後には英雄が必要だ。
本来は食べる側と食べられる側の二匹の動物、狼「ガブ」と山羊「メイ」が群れから離れ、「緑の森」にたどり着いてから二回目の満月がすぎた頃。
メイは、ガブが最近よそよそしくなっているのに気づき始めていた。
夜中に頻繁にトイレに行ったり、会話をするとき真っ直ぐメイの顔を見なくなったり、気づいたら目を伏せ逸らせていたり・・・。
ガブに何かがあったに違いない、とメイは考え、ガブの行動をガブには内緒でこまめに確認するようにしたのだった。
しかし、一向に成果はでず、結局理由の解らないままに二度目の新月を迎えてしまう。
「もう遅いですし、今日は真っ暗なので早めに寝ましょうか。」
「・・・と、その前においらちょっとトイレ行ってくるっす。」
「あ、はい、行ってらっしゃい。月が無いので気をつけて下さいね。」
まただ、とメイは思った。ガブはこうして二日か三日に一度は夜にトイレに行く。はじめの頃はそんなことは殆ど無かったのに。しかも、ちょっと何かおかしい口調にも聞こえたし。
ガブが、二匹が月を眺めた真下にある小さな洞穴から出て行くのを確認してすぐ、メイも気づかれないようにガブの黒い大きな影を追った。
黒い影は繁みの影の中に音を立ててとけ込んだ。その奥は確か近くの森だったはずだ。メイも、こちらは極力音を立てないように、暗くて何も見えないその繁みの中を前に進む影が作る音を頼りに進んでいく。
途中、伸びてきている若葉がいきなり顔にあたりくすぐったくて少し笑ってしまったが、ガブも同じタイミングで大きなくしゃみをしたのでその声は聞こえなかったようだ。
数分経ったろうか、何度か見失いそうになるくらい真っ暗な森の中、少しだけ開けている(ように見える)部分にたどり着いた。そこが確かに開けているならメイが二匹は並んで眠れるほどのスペースだろう、そこにガブはメイに背を向ける形で座り込んだ。
手前にある大きな樹からメイは身を乗り出す形でガブの背中を覗いているのだが、ガブはそのことを勿論知らない。
「ふぅ・・・」
ようやく目的地にたどり着いたというのに、用を足す気配もなく座り込んだままガブは何かごそごそ動いていた。何をしているのか、真っ暗で何も見えない。
トイレと言ってこっそり狩りをしているわけでも無いみたいだし、例えばそこに何か大切なものが埋まっていて、こっそり掘り出しているわけでもなかった。
目をこらしよく見てみると、足で何かをやっていたが、やはりはっきりとは見えなかった。
「ん・・・メイ・・・」
ガブが私を呼んでる……?思わずガブに近寄りそうになったが、動物的直感がメイを引き留めた。なぜか止めてはいけないような気がする。何故だろう?
「メイ・・・良いっす・・・んん・・・くぅっ・・・」
ガブの声色は、普段メイと話す時とは全く違っているように聞こえた。それはとても……恍惚そうで。はっと、メイは気づいた。
まさか──まさか、私のことを考えて……ガブが?
頭のてっぺんから足の爪先まで、メイの体はみるみるうちに赤くなっていく。
そう思っただけで、恥ずかしくて。
そう思っただけで、体がびりびりして。
そう思っただけで、自分でも体が熱くなって。
そんなことにもガブは気づかず(気づくわけもないのだけど)その行為を続けている。とても恥ずかしくて、でもとても嬉しくて、自分の秘所もしっとりと濡れている事に気づくのには時間がかかった。
自慰や性交は勿論まだ未経験だし、あまり良くは知らないのだけど、それが示す意味はちゃんと─二つの意味で─知っていた。メイはお年頃だし─まぁ、同じ年頃のミイに無理やり聞かされた知識なのだけど(それにしても、何故ミイは知っていたんだろう、そんなことを?)。
こんなところ、普段は触ったりはしないんだけど──
ガブと同じように、自分でもおそるおそるそこを弄くってみる。びくっと、いきなり電気が走ったような初めての快感がメイを襲い、思わず声を─喘ぎ声を出しそうになったが、必死に堪えて。
「メイ、メイ・・・」
(私は、ここに居ますよ……)
気持ちいい……メイは素直な気持ちでそう思った。気づいたら、いつのまにかそこには既にだらだらと液が滴っている。足をそこから離してみると、液は糸を引いて垂れた。ちょっと舐めてみると、しょっぱかった。
なるべく音を立てないように─それでも体はびくんと跳ねてしまうのだけど─行為を続ける。割れ目を擦っているだけでこんなに気持ちいいなら、中にいれられたら、ガブとしたらどんなに気持ちがいいんだろう─ぶるぶると頭を振るい、ちょっとだけ自分を恥じた。
そんな事を思っては、ガブに失礼だよ。 頭の中でメイの声が響いた。
でも、ガブだってメイの事考えてしてるんだよ? 同じメイの声がまた響いた。
どちらが正しいのか、メイには解らなかった。解るのは、それでも私はただし続けること…
いつだったか、二人きりでいるときにミイが言っていたことがぼんやりと思い出される。
──エッチはね、自分がいっちばん好きな、愛してる人とするから気持ちいいんだよ。メイはそういう人、居る?
あのころは、まだそんな人は居なかったな(タプには別に特にそういう感情は抱いていなかった)。
やっぱり私は、ガブの事が大好きなんだなぁ。行為を続けたまま、それだけは唐突に理解して。
だんだんと気持ちよさと、ぬるぬるする液体が増えていく。びくびくと、体が反応する回数もだんだん多くなっていく……
ガブ、私たちってほんっと、良く似てますよね。
お互い隠れてこんな事してるんですから──
「んあっ、んっ、メイっ、メイっ」
(ガブ…もう、私‥‥‥っ)
全く同じタイミングで、新月の森の中に二匹分の小さな叫びのような声が響いたのだが、それは誰にも聞こえなかった。
腰の抜けた状態の真っ暗な森の中、どうやってガブより早く洞窟に戻れたのか。それはメイも覚えて、いない。
376 :
370:2006/01/03(火) 22:32:13 ID:ioRCt21a
えーと、とりあえず完成したので投下をば。
前に言ったとおりエロは初作品なんでいろいろとおかしいところがあるかもです
希望があれば続き(最初にこっち作ったんですけどね)を書きますが、できればその前に感想や改善したほうがいい点など教えてくれれば幸いです。
新たな英雄の誕生だ・・・!
370氏GJ!
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!
GJ!
ほのぼのエロスしててよかったです。
初にしてこのシチュとはエッチな子ですね!
勝手なことなんですが
ガブがトイレと言うところにちと違和感
原作では「おしっこ」と言っていたので。
しかもその方が自分は萌えるっていうh(ry
しかし執筆お疲れさまでした。
そして続き希望!!!!!11
次はセクロス11111
380 :
370:2006/01/05(木) 01:00:28 ID:/7Dt/MXU
>>377-379 感想?ォクスです。
>>379 大か小か解らないじゃないですかt …こちらのミスです、というか知りませんでしたというのが正解か・・・
次はセクロスさせるつもりでは居ますよ、ええ
381 :
370:2006/01/05(木) 01:06:11 ID:/7Dt/MXU
ついでに言うと次回でもミイは余計な…重要な事をメイに吹き込んでいたりします
>>370氏
あ、あと一文が長文になってしまった場合は
文節で改行すると見やすいかと
あとは句点、句読点などで改行すると
もっと見やすくなって直したりするときとかにも
便利かもしれません
押しつけがましくて恐縮ですが……ι
>>383 ありがとうございます
参考にさせて頂きます
お〜いお茶のオマケで
とりあえずガブとメイをゲットした俺は勝ち組
387 :
297:2006/01/10(火) 12:02:44 ID:0BkU4khn
お久しぶりです。
『あらしのよるに』のお話で盛り上がってるようですね。
流れを切ったら悪い気がするので
322の続きはまた今度にしましょうか。
そ、そんなことイワナイで、投下してくださいっ。orz
389 :
370:2006/01/10(火) 21:12:08 ID:GH2qYFCa
えーと・・・・思いの外長くなる可能性が高く、こちらも来週から私事が異常になってくるので完成するのは先かもで
ちみなに現時点ではまだセクロスシーン無い状態でおよそ二〜三倍でしょうか。
メイは してるんですけどね、既に。
なので297氏はがんがん投下しちゃってくださいな。
390 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 18:47:01 ID:APDoD4gP
391 :
322続き:2006/01/11(水) 23:27:04 ID:ajzZv3p9
二人は新しい住処を探すものの、そう簡単に見つかる筈はなかった。
食べる物が少なかったり、敵が多かったり。
何処へ行っても必ず余所者扱いを受ける。
以前から放浪の身であった健は冷たい視線に慣れているが、雪の方はそうもいかない。
長い旅の中で雪は心が疲弊してきているようだ。
健が夜中目を覚ますと、時々一人で泣いている。
今日も余所者扱いを受け、追いかけ回され、今やっと敵のいない洞で夜をしのぐ事が出来る。
すっかり暗い顔をした雪は、洞の隅で座り込んでいる。
「辛いかい?」
健は声をかけてみる。
雪は無言で首を振った。
「本当に?」
「…大丈夫…」
必ず弱音を吐こうとしない。
「両親の所に帰りたいとか…」
「そんな事ない!私は大丈夫だって言ってるでしょう!?」
雪は怒ったような口調で吠える。
「涙…」
強がりを言う雪の目には、うっすらと涙が浮かんでいる。
「こ これは違…」
「別にいいよ、雪。苦しいなら泣いても。君が隠れて泣いてるのは見たくないよ。」
「……」
「余所者扱いされて一人ぼっちになった気分、なんだよね?」
「……」
「でも君は一人じゃないよ。他の皆が君を嫌いでも、僕は君が好きだから。言ったよね?君を守るって…君を一人ぼっちにはしないよ」
「健…」
「苦しい時は僕を頼ってよ。ね?」
白い体を健に押し付けて、雪は泣き出した。
その体を優しく舐めてやる。
突然、雪の耳の内側を舐める。
「ひゃっ!?」
健に舐められるままになっていた雪は、毛の薄い敏感な部分を刺激されて小さい悲鳴をあげた。
さっきまでグズッていたのが吹き飛んでしまったようだ。
「な 何する…」
視線の先に有ったのは、舌を出したまま悪戯っぽく笑っている健の顔だった。
甘々ハァスハァスw
393 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 15:20:09 ID:P08J8JMS
今まで馬鹿らしくて誰も考え付かなかったアイディア…。
『魔法先生ネギま!』の麻帆良学園中等部2-A全員を獣化させる2次小説。
最後はネギがオコジョにされるというオチ。
(ロボットと幽霊はどうするのか? という、ツッコミは勘弁)
>>391 GJ、劇甘超大好きです!
>>393 カモの陰謀ならありえそうだな
そしてなすがままにネギを弄りまくる2-Aの生徒達……ハァハァ
395 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 21:36:51 ID:cF+iPcG/
続き期待age
「あらしのよるに」の予告ムービー見るだけで涙が・・・
ヤギ肉…( ´д`)
399 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 10:03:28 ID:YktKkJ0w
作家降臨待ちage
400 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 09:00:23 ID:24b8kcxc
今日の「キム・イン・ポッシブル」はせっかくサル化エピソードだったのにビデオを録らなかったのは無念だ。
猿じゃなぁ…
モンチッチは萌える事が出来ぬ、か?
とりあえず猿獣人のネーチャンを構想する。
顔>微妙にケモノ
体>体毛増加、手足が微妙に変化、場合によっては尻尾付き。
結論>ケモノ率が他種より低めなので後は気合と妄想力でデコレーションするしかないな。
毛さえふさふさだったら文句言わない
猿は猿でもDBの大猿化とかは萌えるけどな
ゴリラ系なら萌えれるってことだと思う
俺は猿より豚のほうが萌えれないなあ・・・
霊長類はどうしてもこう…人間に近すぎるから、なんかただの毛深い人間相手みたいな…
俺は逆に豚萌え。単体ではアレだけど、精神的陵辱に重きを置いた強制獣化ネタのお題としてはたまらん。
「家畜の身に堕ちちゃった…」って感じが。
豚獣人は大概胸辺りが更にむっちりしててそれはそれでイイ!な。
皆の衆は海洋哺乳類の獣人はどうだろうか?
イ・ル・カ! イ・ル・カ!(AA省略)
俺は断然アザラシだね
最初は興味無かったが陰陽大戦記のタンカムイに萌えた。
あと「獣人」とは言えないがTORのシャオルーン。
410 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 15:19:10 ID:jyNMbsiE
今だから思うところだが、「狼女の香り」はビデオして保存しておけばよかったと思う。
>>410 俺も保存しておけばよかったと後悔してる。
最後に見た話は料理屋やってる魔女がムカつく客に
魔法をかけた料理食わせて魚や虫に変える話だった・・・
>>410 確かに。だが狼女の獣化及び獣化後の姿が(´・ω・`)だった記憶が・・・
そういやイイ!と思った獣化ねーちゃんが出たTV/映画って近頃あったっけ?
獣化とかマクゴガナル先生。
もれなく猫に変身します。
俺♀獣化より♂獣化のが萌えるんだよな
特に家畜系に弱いんだけど♂の家畜化ってあまりないよな
狼の眉の情報じゃ少ないし。
だれかおせーて
キャベツロバとかオデッセイアのキルケーの島とか♂の家畜化だな
たしかこてんぐテン丸の漫画版に人間を家畜に変えるマジック妖怪がでてきてたような
俺も家畜化な話見たいけれど、家畜化って意外にエロと絡めにくいからスレでなかなか出ないんじゃないかな。
話の流れ的には
「♀が薬や呪いで家畜系獣人にされる→仕組んだ張本人が動物に犯される♀を見ながら嘲笑」とか
そんな感じが一般的だと思うけど、「獣×獣人」ってこのスレの範疇に含まれるのかな?
それに、♀主体ならこういうわかりやすい図式が出るけど、♂主体だとイマイチ思い浮かばん…
何か良いネタある?
たしかに雄は食用以外用途ないからな。
あっても競争馬とか希少動物に獣化→繁殖用に だもんな
しかし神は何処に在りや。
とりあえず♂×♀でどなたかネタを下さいまし・・・
あらよるネタならもうじき完成できるかも…。
ついでにネタも二つ思い浮かんできたり。
メイはまだか――――――ッ
>>417 ブタ化ならポーカーで負けた相手をブタにする話とか
三食昼寝つきの農場のバイトに採用されたが
そこは♂を家畜に変えて種♂として飼いならす魔女の農場だったとか
色々考えた時期が俺にもありま(ry
精液が必要で男を豚に変えて精液の補給口にするってSSどこかで見たこと有るんだけど
>>423 「どこかで」と言うかこのスレの1スレ目です。
…と言うか俺が書いた文だったりします…。
ぶっちゃけタマ付きの種豚は98%イノシシそのまま
まさに家畜の皮を着た野獣
生半可に獣化させたら、100kgオーバーの体重が乗ったタックルと
ドスの如きキバで返り討ち必死
調教なんてマジお勧めしない
とそのSSの投下直後に似た様なことを書き込んだ気がするオレガイル
でもそんな事言ったら
「猫獣人なんて、可愛いと思う以前に人間サイズの肉食獣ですよ!?」とか
「兎も一見か弱く見えて、その歯は凶器であり
共食いや子殺しもためらわない恐ろしい生き物ですよ」
とかキリが無くなりそうな気が。
ある程度はイメージ優先でも良いんじゃないかな。
>>424 あの猫のネタで今一度キボンしたい
俺の中で妄想が膨らんで もう かゆ うm
このスレではスターフォックスとかはアウト?
少年少女じゃないだろう、あれは
少年少女じゃないけど獣人だから可だよ。
…まぁ、♀キャラひとりしかいないのはいただけないが
♂同士でもいいじゃんこの際
>>431 ルールは守ってこそだと思われ。荒れる元はイクナイ!
♂同士なら新しく作るべきか。
まもる君ネタ激しくきぼんぬ
>>424 元々キルケの話は好きだったけど、あなたの話には萌え死にました。
俺もあの猫ネタで猫♀×豚♂キボンしたいです
>>373-375の続きようやく完成…
だけどもクソ長くなってしまった…OTL
しばらく推敲せねば
♂どうしならどこに投下するのがベターなんだ?
腐女子向けというよりホモ向けに仕上がったから同性愛系か?
>>427 >>434 元々一発ネタのつもりで書いたので続かせ方に悩んでいる。
反抗するブタ君におしおきしたりブタ扱いの羞恥プレイやら調教やらそういう方向で行こうかと思うのだが
実際にどういう風にしようか良いネタが浮かびません。何か案があったらお願いします。
>>435 激しく期待。
>>437 逆にブタ君がぬこ子をしっかり尻に敷く(結果的に)のもいいかも
ブタといったらなんとなくSMネタになっちゃうよね
時々人間だったときの記憶が甦ってしまうようになったブタ君が
ブタの本能とのハザマで揺れるってのは前のでもうやったようなもんか。
結構難しいね
職人さんたちの凄さに改めて気づくなあ・・・
>>435 ktkr
いいよーいいよー長いのいいよー
俺は獣化ならやっぱ肉食獣がいいけどなぁ
喰われる・・・ていう緊張感が溜まらんね。
でもエチーの時にはいつの間にか補食される側が主導権握ってたり。
>>437 「どんなに拒んでもあなたは既に豚なのよー」ってことを認識させるために
雌豚(獣人とか元人間とかじゃなくてフツーの動物の)に種付けさせるとか。
最初は拒んでるんだけどその内本能に抗えなくなって腰を振り始め…
で、その光景を後からビデオだか水晶玉だかに映して見せてねちっこく精神攻撃を、とか。
…どちらかと言えばやっぱり対♀陵辱用っぽいがな。
それに「獣人×獣人」でなくて「獣人×動物」「動物×獣人」ってアリかわからんし。
今日改めて全レスを読み返しました所、
>>41の書き込みにムラムラッと来ましたので
唐突ですが以前に載せた
>>25-39の続編を書こうかと思います。
とは言うものの、今別の物を書いておりますのでこれが書き上がり次第着手しますから
実際に載せられるのはそこそこ遅れる見込みです。
載せられる目途がついたら、また書き込みますのでそれまでお待ち頂ければ幸いです。
445 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 14:48:31 ID:lehCcvtf
txtファイルうpして注意書きって手もある、が
まあ
>>1に♂×♀って書いてあるからスレ違いは認識汁
推敲するにも長すぎて推敲する気にならない…
だからといってこのまま投下しても個人的に納得できないしな…
448 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 21:17:59 ID:hpBD+jZn
とりあえず、投稿してそこで住人の意見を聞いて書き直すという手もある。
↑のほうで家畜化系の話がでてるけど、
家畜化系のなにがいいかって言ったらやっぱり牛とか豚だとか
醜いケダモノに墜ちてしまったって言う精神的陵辱もあるけど
慣れない蹄になってしまうってことにも良さがあると主張したい!
>>449 とてもいいですね!
三回は余裕で抜ける
<< いいぞ メビウス
>>449! やっちまえ! >>
>>449 GJ!
テラエロスぅ
しかし途中で思わず股間を押さえてしまったw
>>451-453 お褒めの言葉どうもです。推敲と書き換え殆どしてないんですがね…。
さて、残りのネタ二つも書ききらないと…。
>さて、残りのネタ二つ
海より深く期待しているぜよ。
二つとも書き出しが定まらない…
>>449 すまんがダウソしようとしたらファイルが消えてた……。
読みたいんだがエロパロ倉庫のあぷろだつかってくれまいか……?
ダメだったらそれでもいいが、きになるorz
そ、そんなものがあるのか…
うん?エロパロ倉庫のアプロダって
>>1にある倉庫のテンプレですかな?
リンク切れなのかは知りませんが使えないようで。
そうなのか…。とりあえず掲載期間の長いうpろだにしてもらえると助かるんだけどな;
おろ、本当だ…運が悪かっただけか。
というわけで再度upしてみました。
なかなか二つのネタの書き出しが思いつかず、そしてもうひとつネタが…OTL
投下するのがいつの話かわからないのでネタだけ置いておきます。
1つ目はガブ鬼畜、ガブメイの絡みです。みどりのもりでガブが記憶を失っている時にメイを無理やり犯します。
2つ目はみどりのもりでメイが腐った木の実を食べて酔っ払い、ガブを押し倒します。
3つ目はビッチとザクの絡みですが、決して同性愛では無いです。
ザクは実はメスだった、というのにバリーが気づくという話です
>>465 2つ目はガチでみたい
メイが攻めってのも斬新
はいみんな聞いて聞いて聞いて〜〜〜!
>>465 俺は 1 がいい。
あっごめん。
ハロゲンワロスwwwww
1か2keyboneですはい
469 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 02:47:27 ID:sKt5SlEy
>>469 「異形化・蟲化」というスレタイや一作目から飛ばしてるのを見ると、
変身ネタにしても結構ハードめな印象受けるんだがどうなのだろうか。
獣化・獣人化もそっちでやるべきなのか?個人的にはわざわざ移らなくても…と思うのだが。
472 :
469:2006/02/08(水) 09:55:36 ID:rhEDPC6l
こっちの関連スレがいつの間にか立ったいると思って知らせただけです。
「蟲化」だと微妙に被る気がしたし…。
これって童貞でも書けるんだろうか
むしろ童貞のほうが想像力があると思
これで作者が増えてくれればいいんだが。
このスレがフィーバーしてた時代は……orz
「はじめてのはつじょうき」ってネタで書いてみたんだけど
貼っちゃっていいものかしら。
478 :
476:2006/02/10(金) 14:25:05 ID:hZRMde+6
お言葉に甘えて。
初えろなので至らないところがあるかもしれませんがご容赦ください。
登場人物は猫系のイメージで書いていますが、本文中で外見にあまり触れていないので
お好みのモフモフ系獣人に脳内補完で読んでくださいな。
479 :
476-1:2006/02/10(金) 14:26:23 ID:hZRMde+6
春だよ。
なんかモモの足の裏みたいな色したお花がいっぱいさいてるよ。
きれい。モモの足の裏の。きれい。
どっか行こうって。モモが手ぇひっぱってもクロ寝てばかり。
春だよ。
モモの2回目の春だよ。もっと花いっぱいのとこ行こうよ。
……いいもん。
モモ一人で行くんだから。クロなんかもう知らない。
お花いっぱいのとこ。おひさまあたるあったかいとこみっけ。
クロも寝るんだったらこういうとこ来ればいいのに。
のびして。毛づくろいして。さあ。お花見ながら寝るの。
しやわせ。
夢、見た。
よくわかんない夢。なんかもぞもぞしてる夢。
目を覚ましたらもう暗くなってて、モモ怖くなったよ。
なんか変な感じ。からだが熱いよ。
はやくおうち帰らなきゃ。
はやくクロのとこかえらなきゃ。
からだ、あつい。
なんか、へん。
急いでるのにうまく歩けないのよ。
知らないひとが見てる。モモを見てる。
こっちくるよ。やだ。
くっつかないでよ。においかがないで。やだ。やだ。
すごくいやなのに。モモ、動けない。力はいんない。
480 :
476-2:2006/02/10(金) 14:27:11 ID:hZRMde+6
舐めちゃやだ。だめ。そんなとこ。
足のあいだ。やだ。顔つっこまないで。やめて。
いやなのに。からだ、溶けちゃいそう。
クロ。クロ。たすけて。
クロじゃなきゃやだ。そういうのクロじゃなきゃだめなの。
モモはクロじゃなきゃ、いやなの。
「クロ!」
やっと声が出た。
「クロ! クロ! クロ!」
さけんだ。いっぱいさけんだ。
「おまえな、そんなやらしい匂いだしてたらこのへんのオトコ全部寄
ってくるぞ」
クロだ。クロだよ。クロきたよ。
知らないひとは逃げてった。
クロ強いから。このへんで、モモが知ってるひとの中でいちばん強い
から。
飛びつきたいけど、モモ立てないの。
だからクロがおんぶしてくれたよ。
モモがもっとちっちゃかったときみたいに。
クロの背中、あったかい。クロの匂い。
クロのうしろあたまにモモ、ほっぺたこすりつけちゃう。
クロの匂い。クロの匂いだ。
クロの耳、舐めた。
短くてやわらかい毛が生えてるクロのとがった耳。
モモ、へん。どんどん、へん。
クロの匂い。あれ。ちょっといつもと違う匂い。
481 :
476-3:2006/02/10(金) 14:28:06 ID:hZRMde+6
「やばいな」
って、クロ。声もいつもと違うよ。
息、荒い。モモ、重かったかな。
「モモ、ちょっと下りろ」
柔らかい草の上。
クロはちょっと離れて大きく息をしてる。
モモ、ちょっと確かめる。
うん。大丈夫。もう立てる。
クロのとこ、行く。
「バカ! こっちくるな!」
クロは怒るけど、やだもん。クロにくっつきたいの。
クロ、ちょっと泣きそうな顔?
「我慢できないだろ」
「モモは、クロがいいの」
背伸びして、クロの鼻を舐めた。
クロが泣きそうな顔のままモモの鼻舐め返す。
モモ、調子に乗っていろんなとこ舐めちゃうよ。
首も、耳も、腕も、胸も、おなかも。
クロのいつもと違う匂いのとこ。みっけた。
匂い、かぐ。モモ、へんになりそう。
ここ。匂い、かぐ。舐める。固い。
クロも、へんに、なってる。
482 :
476-4:2006/02/10(金) 14:28:56 ID:hZRMde+6
「モモ……」
固いとこの先から出てるの舐める。ちょっとしょっぱい。
舐める。とまんないの。
クロ、モモの匂いでへんになっちゃってる。
へんになっちゃったクロの匂いで、モモ、もっとへんになる。
モモ、また力抜けちゃった。ひざ、かくんって。
モモの足のあいだ、なんか。へんなの。すごくへん。
固いとこ、届かない。舐められない。
クロがかがみこんで、モモの鼻舐めた。
もう泣きそうな顔じゃないね。
クロ、モモのからだ舐めてる。匂いかいでる。
クロの舌。ざらざらできもちよくてしやわせ。
さっき、やらしい匂いだって言ってた。
へんになっちゃったモモの、たぶんいちばんへんになっちゃってると
この匂い。
足のあいだ。
クロが匂いかいでる。
舐める。
え? え? え?
モモ、体中がびくんって。あたま、いきなりまっしろ。
なんか叫んじゃったかもしんない。
たぶん、叫んでる。
でもわかんない。
ものすごくわかんない。
わかんないの。モモ、死んじゃう?
483 :
476-5:2006/02/10(金) 14:29:34 ID:hZRMde+6
「ちょっと痛いの我慢しろよ」
わかんなくなってるモモの耳に、クロの声。
わかんないまま、モモうなずいたよ。
いっぱいうなずいた。
足のあいだに、固いの。あたってる。
クロの。固いの。
モモに入って……!
痛い! 痛い!
痛いのクロ、ねえ痛いよ。
逃げようとしたら、抱きしめられた。
ぎゅーって。
頭なでられた。涙舐められた。
痛いけど。
痛いけど、しやわせ。
クロの匂いに包まれて。
モモの外にも中にもクロがいて。
痛いのがおさまったら、今度はまたわかんなくなっちゃって。
モモの中のクロが大きく、速く動いて。
モモ、何回も何回もまっしろになっちゃって。
おひさま。
寝てるクロにだっこされたまま、おひさま見上げる。
足の裏のお花、こんどお庭に植えよう。
今度の春も。その次の春も。
モモがへんになっちゃうときは、クロと一緒にへんになるの。
もう決めたの。絶対なの。
484 :
476:2006/02/10(金) 14:32:32 ID:hZRMde+6
改行おかしくなっちゃってすみません。
リアルタイム乙です。
全体としてほんわりとした所と猫娘の視点から見た流れが、その戸惑いや心情を良く表していて読み易かったですね。
モモの一途な所が良いです、毎年繰り返されていくのか・・・と思いますと非常に萌えますw
ああくそぅ!雰囲気はほのぼのしてるのに動物的な描写が凄まじく活きててストライクだ!
こんな萌える和姦もの書かれたらイマイチな陵辱ネタ書いてた俺の立場が無ぇじゃねぇか!
…いやホント凄いです。GJ。
エロだけじゃなくて精神的な描写も細やかで、これで初えろっていうのが驚嘆。乙です。
こ・・・これがほのぼの・・・イイ!
476氏GJ!
おっひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
489 :
476:2006/02/11(土) 10:48:21 ID:jYVXRUbc
萌えていただきまして、まことにありがとうございます。
考えてみたら、えろだけでなくSSというものを書くのが初めてなのでした。
読み返してみると直したい所だらけだったりします。
……もっと推敲するようにしなきゃだ。以後気をつけますです。
短い文章の中めいっぱいに喜怒哀楽が詰め込まれてて、
まるでお手本のような、小学校の国語の教科書に出てきそうな(出てきちゃ不味いが)
文章に惚れた。
そして、どんなにエロいテクニックよりも純粋で素朴な愛撫の方がエロいと気付かされた。
グッジョブ!
491 :
297:2006/02/14(火) 16:28:19 ID:1YvQi8J/
「どう?悲しいのは無くなった?」
笑顔のままで優しく尋ねる健に、何となくだが全てを預けられる気持ちになる。
安心する。
「もうっ…馬鹿…」
しばらくは、お互いの体を舐め合い、じゃれ合った。
顔や背中。
健に耳の敏感な部分を舐められると、雪は不思議な感覚に襲われた。
「んっ…」
しつこいまでに舐めまわす舌が、雪の秘部へ回った。
本能的に、伏せた状態から動かなくなった。
舐める、というより雪の秘部から溢れだした透明な液をすくう感じだ。
「やだっ……」
何とも言えない快感を得て
ヒクヒクと小さく痙攣する秘部からは、大量の液体が分泌される。
健はそれを一滴も落とさんというばかりに、夢中に舐め取る。
「んっ…あっ……」
抗い難い快感に、普段出さないような声が漏れる。
普通の神経ならば
それは恥ずかしいのだろうが、今はそれを考える事は出来なかった。
満足したのか、健は雪を舌で責める事を止めた。
快感を受け続けた秘部は、たとえ外部からの刺激を失おうとも
絶えず液体を滴らせる。
健が上に覆い被さった。
猛り狂った自身を、枯れない泉のような部分にあてがう。
「いいかい?」
言葉の代わりに、小さく「キュン」と鳴いた。
それを待っていたかのように、一息に雪を貫いた。
492 :
297:2006/02/14(火) 16:51:13 ID:8fJvkqzG
「あああぁぁっ!!!」
入り口だけであった快感が、結合部を中心に数倍に跳ね上がり全身を襲う。
雪の内部すみずみを守っている液体は、強欲な侵入者を暖かく迎え入れる。
肉の内壁がまとわりつき、健の細部まで探ろうとじらじら動く。
何も考えずに、激しく腰を降る。
「いいっ!!いぁっ!!」
雪を打ち殺さんばかりの腰の動きは止まる事を知らず。
激しい摩擦は絡み付く液体に痛みを吸収され、ただただ快感のみを二人に提供する。
「あぁっ!!ぃゃっ……だめぇっ!!!」
雪の奥の奥。
突き入れるだけでなく
グリグリとそこを刺激すると、狂ったように泣き叫んだ。
同時に、激しい締め付け。
涎を垂らしながら泣き喚く姿は、ただ健の興奮を煽る。
結合部から入り込んだ空気と溢れる液体が混じり、グチャグチャと卑猥な音を立てる。
交わりの音と悲鳴、液体の醸し出す艶やかな匂いは狭い空間に充満する。
最も激しいたかぶり、雪の体を破壊せんばかりの腰の突き上げ。
最後の嬌声を上げ、今までで一番強い、雌の締め付け。
ぐぅ、と低く呻いた雄の獣は、自身の子種を雌の内にたっぷりと注いで果てた。
493 :
297:2006/02/14(火) 16:53:22 ID:8fJvkqzG
何かいろいろとゴメンナサイ的な雰囲気満載orz
秀作の後にお目汚し投下してスマソ…
でも時間無いんで許して下さい(´・ω・`)
次ラストでつ
よくぞ此処まで・・・!
ラストがんがって下さいまし。GJ!
_ ∩ ツヅキ! ツヅキ!
( ゚∀゚)彡
⊂彡
濃厚な描写がたまらないです。
「くぅっ・・・うっううぅぅっ・・・はぁっはぁっ・・・。」
静寂に包まれた冬の夜、すっかり雪に覆われた人の世界から遠く離れた
山奥の一角にある社の中から静寂を破る声が漏れていた。いや声と言うよりも
苦痛の喘ぎであろう、激痛に喘ぐ声が漏れ流れている。一体何の騒ぎだと言う
のだろうか、その尋常とはとても取れない喘ぎ声は、社の中に敷かれた一幅の
布団の上にいる者から発せられていた。
発している者の姿は人ではない、人と獣の要素をあわせ持った存在であった。
そしてその者は女なのだろう。臨月を迎え膨らみきった腹が今彼女の身に何が
起きているのかを、この喘ぎと共に雄弁に物語っていた。大きく開かれた口から
は舌が垂れ荒い息が吐かれる、尻尾は大きく振られて目も半ば白目になり掛け
ていたその時何かが現れた。途端に彼女を襲っていた産みの苦しみも消え
大きく息を吐く、そして間髪置かずに体勢を切り替えると紐の様な物を・・・
臍の緒を噛み切った。
彼女が一息ついたその時から先程の喘ぎを凌ぐ泣声が響き渡っていた、
それは半ば絶叫しているそれは新たな生命が健全に生まれた事の表れであった。
その泣き叫ぶ赤ん坊から彼女は羊膜を舐め取りつつ、閉じられた彼女の目蓋の
目尻には喜びの表れとも取れる涙が浮んでいた。
「あの・・・すみません。」
「あぁっはいはい・・・何でしょうか。」
その時、窓口に詰めていた若い駅員は客が来た事に全く気が付いてなかった。
内心では慌てつつも表向きは平静を装って、急いで向き直した所で再び駅員は
大きく驚かされたのだが、それとは対照的にその客は淡々と必要な事柄だけを
口にしていた。
「・・・までの切符を大人1枚。」
「えー・・・までですね、2560円です。すぐに使いますか?」
無言で首を縦に振りながら金額通りに差し出された代金、駅員は確認して
切符に判子を押してそのまま渡した。すると客・・・まだあどけない様子の
残る客は、一礼してホームへ続く地下道を下って行った。
"今時珍しい・・・コスプレじゃないだろうしあの感じは・・・驚いたな。"
とその後ろ姿を窓口から顔を突き出して見送るのだった。
「ではお先に失礼します。」
「あぁっご苦労さん。」
その日、バイト先を出ると外はすっかり夜になっていた。
見渡す限り澄みきった雲一つ見られない空には銀色をした満月だけが、
寒さを象徴するかのように煌々と輝いている。
思わず目を奪われてしまいそうなその光の中を自転車を漕いで家路を急ぎつつ、
心なしか何処か気分が何時にも増して良いと感じながら走る事20分余り。
自宅に帰り着くと、裏の勝手口の脇に何時も通りに自転車を止めて敷地を
回って表の玄関へ向う。
"あぁ今日も疲れたな・・・早く風呂に入って寝よ。"
生あくびをかみながら玄関の鍵を挿し込んだその時、ふと脇から妙な気配が
感じられた。そっと視線を向けたその顔はすぐに驚きの表情を浮ばせる事となる。
そしてつられて体もそちらを向き、ためらい無く差し出された手の先には
一匹の子犬と思しき生き物の姿があった。
「かわいいなぁ、寒いだろうから中に入れちゃおうかな・・・。」
と呟くとそのままそっと抱き抱え、抱えられた子犬も特に動じぬまま玄関の扉は閉められる。
そして家の中に明かりが灯る・・・満月の煌々と輝く冬の晩、2人が初めて出会ったのはそんな晩だった。
>>444で予告したように
>>25-39の続きが少し書けたので投下しました。
続きは出来次第順次投下しますが、改行がおかしくなってすみません。
>>499 お疲れ様です。
楽しみにさせていただいてますので、もうすこしまとまった分量で
投下していただけるとうれしいです。
ちょっと生殺し気味。
>>499 ま、マジ!?マジで続き!?
また悶々とした日々を漏れに与えようとしているのか!?
感想ありがとうございました。
本来なら逐次投下で行く所ですが、ここ数週間ロクに小説が書けない状況なので
続きを投下するのはちょっと遅くなりますのでご了承願います。
猪の酒(いのししのさけ)
【粗筋】
旅人が地酒の噂を聞いて、年寄りがやっている宿に泊まることになった。猪鍋
が出されたので食うと、これがうまい。肉が新鮮なのだ。山で取るのかと尋ねる
と、
「この辺りにも現れるので、待ってるんです。今お前さんが食べているのも、昨日、
お前さんが座っている座布団にチョコンと座っていた猪で。そこの木槌で目と目の
間をコンとやると、痛みも何もなくすーっとお陀仏する。それを料理しているのだ
から、これより新しいのはありませんよ」
地酒の噂があるのだから珍しい酒があるのだろうと催促すると、出して来たの
が「猪酒」。旅人は「猪酒」という名が付いた理由を推理して……
「猪鍋は体が温まるというので、この酒も体が温まるから」
「シーシーというので厠が近くなるから」
「シシの16で、16度の酒だから」
など並べるが全部外れ。酔いが回って来ると、温まるどころか体が熱くなって
体に毛が生えて来ている。訳が分からぬまま寝入ってしまうと、年寄りは木槌を
取って……コン。
……
「これは新鮮な肉やなあ」
「はい、昨日お前さんが座っている座布団にチョコンと座っていた猪で、……と
ころでお客さん、珍しい酒がありますが、お飲みになりますか」
落語にこんな話があるんだけど、これも立派なTFものだよね?
ってかこの話アレンジして何か書けないかな・・・
メイ「これはいい鍋ですね」
ガブ「昨日獲れた獲物をダシにしてるんす。
ちょうどメイが今座ってる所にチョコンと座ってた(ry
ひ・・・ひいぃぃぃ!
それは擬似カリバニズムじゃあ!!
心配するな。この手の話は昔話でわりとポピュラーだ。
(例:カチカチ山)
近年の幼児向け絵本では、おじいさんがばば鍋を食わされることも
狸が溺れ死んだりすることもなく、腰を痛めただけのおばあさんの元へ改心した狸がやってきて
真面目に働いてみんななかよく暮らしましたとさ、とかそういうヌルい話になってると聞くが。
どうなのだ改竄は。ゲームにしてもとうとう18禁規制がはじまるというし、これではやがてかつての検閲・焚書時代が到来するぞ。
子供に悪影響を与えると言うが科学的・統計的根拠も無いし、自分の育児の失敗をメディアに責任転嫁したいだけなのではないか。
むしろそういう悲惨な話を親と子が語り合うことで子は善悪というものを学んでいくのでは無いのかと(ry
あ、ひょっとして編集者が狸萌えだったのか?そうか。それなら仕方無いな。
昔話は適度にグロテスクなほうがいいよな。
改竄、というか改作なら構わんと思うが、改作した旨を表示すべきでは?とか
どんどんスレの内容から遠ざかっていくな。
一時期「本当は恐ろしいグリム童話」とか流行ってなかったか。
あー、スターウォーズ作り終えたルーカスが「ウィロー」を現代のCG&特撮技術でリメイクしないものかなー
映画だと「ダーククリスタル」あたりが萌えツボです。獣ではないけど。
獣化だったら「レディーホーク」とか。
狼男モノは多すぎるな。最近だと「アンダーワールド」あたり?
しかし狼女モノ・・・いや、獣人女モノなんて
近頃あったっけ?
野郎ばっかじゃチョイト悲しいぞ・・・
マンガならあったな。狼女。
ちょっと調べてみました。
映画データベースで「狼女」を検索。
「狼女の香り<TV>(1990)」、「狼女の伝説<未>(1977) 」、「謎の狼女<未>(1946)」の
3本が登録されてました。どれも国内未公開……。
たしか名作「ハウリング」と、名作「狼男アメリカン」の続編の駄作「ファングルフ」には
狼に変身する女性が登場していたはず。
でも女性は猫系に変身するのが圧倒的に多いですね。
「キャットウーマン」とか「キャットピープル」とか。
「キャットウーマン」は獣化シーンはなかったですが。眼が猫目になるだけ。
>514
『狼女の香り』は日本テレビの深夜でやってたよ(93年)。
やっぱりメジャーな媒体での獣化物語は狼か猫科に落ち着いちゃうのかな。
かっこよさも可愛らしさも恐ろしさも表現できて、展開の自由も利くから。
例えば牛や豚や猿だとコメディにするしかなさそうだし、
馬だと変身後は野外を走る以外の行動が取れなさそう。
516 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 10:09:40 ID:pHfaHn/7
>>514 >>410-412 ちなみに主人公の声を水谷優子が当てていたのと、ホラーなんだけどノリが明らかにお笑い系だったことが思い出される。
最近だと、NHKでやっていた「ハイスクールウルフ」もある。
ところで、獣人において動物の鳴き声ってどんな位置付けが良い?
人狼とか肉食系のバトル絡みっぽいのになると吠えてることが多いけど。その他のタイプは。
・動物と獣人は似て非なるものなので、人間がサルの声ださないのと同じく鳴かないと思う
・「〜だワン」「〜だニャア」とか語尾変化系
・普段は普通に人語だが、「そういう時」とか感情が高ぶると「…くぅん」「ふにゃぁ…ん」とか鳴き声っぽいのを出す。
・むしろ本来ワンワンニャーニャー鳴いてるのを和訳・吹き替えしてるだけ
獣化モノ好きだと「人間の言葉が発音できなくなって困惑」も萌えなのだが、
それだと描写やら意思疎通やらが難しくなりそうで…悩む所。
>>517 世界観とか獣人の種類によると思います。
獣から直立歩行に進化した場合、それによって発声器官がどんな影響を受けたか、とか
魔法やマッドサイエンティストによる改造で獣人化した場合、どんな設計思想だったのか、とか。
そんなことをボーっと考えるのが楽しくてSSの筆が進みません。
でも楽しい。
>>516 クスルウーという単語が俺の目に飛び込んできた。もうダメだ。窓に(ry
>>517 コミュニケーションなんか気にするな!言葉なんか無くったって、
女の子が顔を赤くして頷いたら、どういう意味か分かるだろッ!
>>518-519 すんません質問が悪かった。正解を求めてるわけではなくて、どんなのが好きか聞いてみたかったんです。
>>520 好きか嫌いかだったら、雰囲気に合ってれば好きですよ。
語尾変化はちょっと苦手ですけど。
>>519 顔にも毛が生えているので、赤くなってるかどうかわかりません。
目の付近や耳なら毛が薄いから判断出来るよ
>>522 言われてみれば。
ほっぺた赤らめてうなずく狼娘とかを想像して違和感だったのです。
>>517 上から3番目。人語そのままだと獣の意味がないと思うので。
525 :
437:2006/03/01(水) 05:57:15 ID:rShP5Ibj
口が、舌が、指先が…そっと僕の身体をなぞる。
抵抗しようにもベッドの四隅に括り付けられたロープで両手両足を縛られ、
大の字になったまま身動きがとれない。
幼ささえ感じさせる小さな舌や指と裏腹に熟練したその手つきに、
恥ずかしい声を出さないよう必死で歯を食いしばる僕の努力も虚しく、息が漏れてしまう。
「…んっ、…ぶ、ぶぅっ…ぶひぃ…」
………ああ、恥ずかしい。こんな声。
「ん…恥ずかしがることないのにー。可愛い鳴き声じゃないですかぁ。ふふっ」
ぺろぺろと僕の首筋に這わせていた舌を離してキリィが意地悪に微笑む。
「やらぁ…やだ…っ、こんな、ぶぅっ、ぶたみたいな…」
呂律が回らず変な声が出る。平時ならば苦も無く喋れる人間の言葉を忘れてしまったみたいだ。
この体は時折本能に支配されて、言うことをきかなくなる。今もまさにそうだった。
「みたいな、じゃなくて、豚でしょ?ブ・タ・さん?」
僕の体の上に寄りかかりつつキリィが投げかける屈辱的な言葉を、なんとか否定しようとする。
「ひがっ、違ぁっ…ぼくは、にんっ、にんげんで…」
「ふぅん、人間、ですかぁ…人間ってのは…」
むにっ
「ぶっ!?」
「こんな大きく広がった耳とか…」
ぎゅっ
「ぶひっ!?」
「こんなくるんと丸まった尻尾とか…」
ちゅ…っ
「ぶ…ぅ…」
「…こんな大きく突き出した鼻とか、あるものなんですかぁ?」
耳をつまみ、尻尾を握り、鼻先に軽くくちづけたキリィがにやにやしながら言う。
それらの箇所に触れられる度にぞくっとした快感が走って、
思わず鳴き声をあげてしまった僕はぐうの音もぶうの音も出ない。
526 :
437:2006/03/01(水) 05:57:53 ID:rShP5Ibj
キリィによってこんな姿にされてしまってから、体が勝手に動いてしまう時がある。
例えば…その…欲求不満と言うか何と言うか…その…
……「発情」してしまった時、とか…
両手がヒヅメになってしまったので自分で処理することもできず、意識が朦朧として…
気が付くと四つん這いになってたり、口が勝手に鳴き声をあげてたり。
「ん…ぶひっ、らめ、だめぇ…」
だから、これも同様に、僕自身の意思には関わりないことで…
「ぶぎっ、やだっ…ぶ…んんッ!」
僕が悦んでるわけではないし、僕が求めてるわけでもないし…
「んぁっ、あ…そこはっ、んぶっ、ぶぁあ!」
…僕の…意思では…
「ぶぅ…ぶぅう…!」
……駄目。もう駄目。
「ぶ、ぐぅ…きっ…キリ…ぃ…い」
「んー?どうしたんですかー?」
耳をぴくんと立て、ざらざらした舌で乳首を撫でまわすのをやめてキリィがとぼける。
「……やる、なら…はやく…し、てぇ…」
「えーと、なにをですかぁ?」
あくまで知らないふりをするキリィ。
屈辱で顔に血が集まるのを感じつつ涙目で睨み付けると
「あー…ひょっとして、これ?」
と、白々しく尻尾の先で指し示す。
…はちきれんばかりに膨れ上がった、僕の「ソレ」を。
今日のキリィは今までとは違って、ソレに触れようともしなかったのだ。
僕がいつものようになんとか逃れようとしていると、
蛇のように自ら動きまわる魔法をかけたロープをけしかけて、抵抗もむなしく両手両足を絡め取られて
ベッドの上に仰向けに縛られて…
でも彼女の手はソコには伸びなかった。
乳首、耳、尻尾、首筋…体のすみからすみまで舌や手や尻尾で愛撫しながら、
ソコにだけは少しも触れなかった。
敏感になった体は、皮膚がぴりぴり痛いほど緊張して
彼女の黒く柔らかい体毛と擦れただけで快楽を生み出すほど発情してしまっているのに…
衝動的に押し付けようと思わず腰を浮かしてもタイミング良く避ける。
飢えや渇きにも等しい快楽の真空部分。熱く熱く疼いて、ソコの周りの空気まで感じられるほど。
今までなら、前戯もそこそこに発情したと見るやすぐに精を搾ろうとしていたのだが、
何故か今回はそんなまだるっこく拷問のような…
「んー…どうしましょうかねぇ…」
そう言いながら、太股や下腹部を撫でる。
「んぁああっ!」
更に焦らされるような、柔らかい肉球が体毛の上を滑る感覚にがくがく震えながら悲鳴をあげる。
「へぇ。豚ってこの辺りが性感帯だって聞いてたけど、本当なんですねぇ」
…実際にそうなのかも知れないけど、ここまで焦らされたら体のどの部分も性感帯になっちゃうだろ…
そう思ったけれど、もう言い返す余裕も無かった。
「…して欲しいですか?」
キリィが薄笑いを浮かべて言う。でも、瞳孔を細めた猫の目には冷たい光が灯っていた。
…あ。
ようやく、悟った。キリィの狙い。
「精、搾って欲しいんですか?」
僕が、自分から求めるように仕向けて…自分から受け入れるように仕向けてるんだ…
「交尾、したいんですか?」
……「僕が、豚である」という事実を。
「…ね、ブ・タ・君?」
酷薄な響きで、確認として「豚」と呼ぶキリィの声に
僕は恥辱で顔が真っ赤になるのを感じながら、涙ながらにこくんとうなずいたのだった。
527 :
437:2006/03/01(水) 06:00:24 ID:rShP5Ibj
…希望があったので例の奴の続き書いてみたんですが、以降の展開が浮かばずここで行き詰まってます。
意見・要望あったらお願いします。
つーかそれ以前にブランク空いてて文変わってて要望に沿えるものになってるかどうか不安。
>>521-523 いやそこは本題ではないというか言葉が無くても気持ちが伝わるというか。
「潤んだ瞳で見つめてくる」とか「鼻筋をうなじに擦りつけてくる」に読み替えても良いけど。
>>527 ドエロGJ!
>>527 ナイス恥辱。
豚さんが何か希望っぽいものを与えられて打ち砕かれたり、そういうの希望。
>>527 陵辱イクナイ!が・・・
ナイスエロス!!
おいおいこの勃起したものをどうしてくれるんだ
以前のと区別化するために猫のほうも痛い目あって欲しい希ガス
今日あったケロロ軍曹はケモ+裸エプロンがッ!
>>534 獣化ネタとしては禿萌えだったな。あのネタで誰か書いてくれるのをキボンしたいくらいだ。
しかし四つ足ってこのスレの範疇に入るの?
>>535 妄想内では二足歩行して裸エプロン着てたが「獣人」ではないな・・・
かといって異形化スレ行きってほど濃ゆいわけでもないし。
・・・俺は好きだけどねああいうのも。交尾ネタ見てぇ。
>>537 それでもファングルフの人狼よりはまし・・・かも。
あれは【地底猿人】じゃよorz
>>538 追い詰められたヒロインが自分に薬品投与して獣化、ってシチュは良かった
造形は全く擁護できんが
540 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 12:28:31 ID:CLWiFpqD
541 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 21:54:27 ID:WjOLWSKc
先週の「ケロロ軍曹」でケロロが夏美を犬に変身させて恥ずかしい事をやらせようという話だった。
犬に変えられた夏美が犬の本能を必死で抑えようとしているところはなかなか傑作だったが、
作品の性質上ケロロの野望は失敗しなければならないので、物足りない結末にならざるを得なかったのは惜しかった。
>>541 そこで妄想の出番ですよ、
てかケロロ軍曹見てて立っちまった俺って…orz
ほ
545 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 20:15:18 ID:eP0D545l
っちゃん
だいす
547 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 11:27:47 ID:m1HO/oar
き…なんて、言うか!
能登かわいいよ能登
ネタは御仕舞い
まぁ・・・アレだ。
エロい獣化シーンがある映画って何かあったっけな?
>>549 >>510-516 エロイかどうかは知らんが。
放映前はドラマ西遊記に妖怪変化とか特殊メイクとか期待してたんだが何だあの学芸会レベルは。
>>550 あれはスマスマのコントに毛が生えたようなものだから。
・・・…そういえば平成版西遊記ってもう一つあったよね。
一個前のやつ。
553 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:12:26 ID:ZYGfteNK
ジャンプで打ち切られたアレ?>552
そういえばそんなんあったな。その作者の一つ前の作品が鮫人の話だったような気がする。
その人の短編で動物変身系の話もあったような…?
>555
SF物で死刑囚の娘がカイコの昆虫人に惚れるやつか
アイヌ神話がベースでフクロウ娘と狼憑きが出てくる話かな?
念のために言うとワイルド・ハーフは別の作家だよ
あの人、今にして思えば
よくジャンプであんなの描けたなあ…
思くそ読む人を選ぶ話だろうに
(まあ打ち切りっぽく終わってた気もするけど)
いや、アニメとか漫画じゃなくて、ドラマのやつ。なかったっけ?
ジャンプで打ち切られたほう・・・…「三獣士」か……。
最近立ち読みしたんだが、あれはスコかった。
打ち切りばっかり描いてた作者って印象が強いな;
ワイルドハーフは犬耳イケメンで下半身犬だったから、
ウケられたのか?
三蔵法師を宮沢りえがやったのがあったような
結構やってるんだよね。西遊記って。
自分もそんなにみてないけどな
>>553 これで思い出したが、
山本弘の本によると、「西遊記」を見てフジテレビに「峰倉かずやの『最遊記』のパクリだ」というアホな抗議をした腐女子がいたそうな。
むしろ、悟空道をパクろうとしてパクれなかったという気がする。
>>562 あー……いるんだ、そういうの。
「Zは種のパクリ」発言といい
腐女子の常識は時空を超えるのか……
テイルズアビスにベヒモスって敵が出てきて
FFのパクリかよwwさすがオタゲーだなwww
とか行ってた子が居たな
どうやら神話はFFのパクリらしいよ
FFはナナキとキマリにハァハァしてたな。
ちょっとスレ違いになってきた気がするな。ブラッディロアでもやってハァハァするか。
ベヒモスだと元ネタ知らない人もいるんじゃない?
それなりに有名…と思うのは趣味の所為なんだろうか
ベヒーモス、ズー、リヴァイアサンがメソポタミア?神話の陸海空の魔獣の王で
ベヒーモスとバハムートは実は同一種
これであってる?
FF12はストーりーはよさそうだが、キャラに萌えない。
(ビエラのねーちゃんにはちょっとハァハァしましたが)
ここの住人でナナキスレみてるやつが何人いるかはわからないが
ベヒモス♀×ナナキっちゅーのがあったな。
あったな
個人的にはバンガとガリフ萌え
ビエラは閉鎖過ぎて性格面でアウト
フランとか一部のビエラは良いんだけどね
ガリフのあの友好的で開放的であの見た目が萌えた
FF12内でモンブランに会って感涙しかけた俺は元FFTAエロパロスレ住人。
あのスレも結構人外あって良かったんだがなー。
ああ、よかったねー
FF総合スレとに吸収されてみたら住人が腐りきってて職人さんみんな居なくなったけど
>>574 腐ってると言うか…あくまで一般大衆向けのFFスレに「人外で同性愛ネタ投下してもいいですかー」とか言ったら
帰れと言われるのは仕方ないことだと思いますよ。それは逆恨み。
合併を許容した時点で認めてる物でしょうよ
レズ物マンセーしといてホモ801帰れはバイとしては本当腹立たしい
でも腐ってるってのは、そのことで言ったんじゃないよ
他の面でもあそこの住人は・・・
まぁ他のスレの事は他のスレと言う事で・・・そろそろ続き書かないとなぁ(滝汗
>>527 亀レスだけど、GJ!
このブタくんとヌコ話で毎回おっきさせてもらってます
>>573 引っ越した先で「モーニ×モンブラン鬼畜モノですが投下してよいでしょうか?」
って言った先であの結果だからなぁ・・・。
むしろ俺が
むしろ投下してください。大歓迎です。
俺も投下楽しみにしとるよっ!
あぁ、確かにいいねそれは
SSなんて書いたこと無いが、そこいらの官能小説を丸写ししていれば
そのうち感覚をつかめてくるかもしれない。
良い経験にもなるだろうからやってみようかな
・・しかし
>>1には「百合,やおいはスレ違い。」
って書いてあるけどいいの?
>>582 このスレ全部呼んだか?ろだにあげたりとかしてうpしてるヤシだっているんだ。
是非投下の乏しい過疎スレを潤してくれ。
お ま い な ら で き る。
584 :
582:2006/03/27(月) 14:17:56 ID:IlrWZA/v
>>583 了解しました。
なにぶん初めての試みなので完成がいつになるやらわかりませんが
随意に製作を奮闘したい所です。
・・それにしてもエロパロ小説を作ろうの後スレ(名前忘れた)
で、本来のモー×モンの作者が作品内容について何か言っていたようなきがするけど
なんだったっけなぁ・・。
手ほどきとかなんとか言ってたような・・うーん気になる
スレは道具に過ぎない。読みたい奴が読んで、書きたい奴が書く。
読み手はNGでもスルーでも出来るのに、それらの手段を使わず文句垂れる奴はキティ。
但し、書き手側もアブノーマルな描写が含まれる場合は、先頭にその旨を書いておいて欲しい。
お互いこれだけの譲歩で、衝突することもなく平和に暮らせると思うのだけど。
>>586 軽く見てみたけど、既存の人外キャラとか半獣半人のキャラとの
同性愛小説とばかりみたいだが。
とりあえず
>>1見て出直して来い。
くっそ、良く見りゃgayって書いてあるし…… orz
周期的に話題に出るホモレズ作品は
確かにルールに反するけど
どっか適当なうpろだにあげて
注意書きしとけばいいとおも
どうでもいいけど、「ホモはダメだけどレズはOK」って状況が時々あるよね
ホモは大丈夫だがレズは苦手な俺にとってはちょっとアレな話なんだけど
なんでなんだろうな…やっぱそういうところは男が見ている事が多いからかな
なんでもOKな俺はどうなる
>>589 レズは男性(大半の2ch閲覧者)からみて異性同士=背徳感漂いハァハァ
フォモは男性(大半の2ch閲覧者)からみて同性同士=超キモッ
以上からみてもレズがOKになる事が多いようだ
(ただし板、スレにより例外あり)
漏れ?漏れはどっちでもいいよ?
片方がガッシリしてて逞しければね。
ネットの男女比率って何で起こるんだろうな。
俺は典型的な男型(レズOKホモ無理)なんだけど。
ただ投下されてもスルーはすれど文句は言わんぞ。
まぁ結論として
>>588が順当やね。
ふと思ったが獣化時の人物の精神状態について、皆の衆は
一 本能全開イィーヤッホーゥ!!
二 本能と理性のせめぎ合い
三 至ってそのまま(但し初めての場合は混乱?)
四 その他
どれが一番萌えるのだろうか?
1か2かな。
>>594 1〜3のどれでも萌える俺がいる。
ただ片方が理性飛んでるなら相方は冷静な方がいいかも、と言ってみる。
個人的には2が一番萌える。
そして獣化すのが女性で、羞恥心と本能の鬩ぎ合いだと、なお良し
2のち3かな。
それだけで耐え切れない
どれもまるっとイけるけと 2>1とか3>2>1とかやや萌え。
>>584 あぁ、それたぶん俺だわ
PCクラッシュして全部吹き飛んだのよ
キーボードも買い換えたばかりで全然慣れてないから
俺には期待しないで
それで確か内容は・・・覚えてないなぁ
モーニ・マーシュ・エゼル・モンブランがメインなのは覚えてるけど
601 :
584:2006/04/02(日) 01:59:13 ID:s9uLO2ac
>>600 驚きのあまり声も出ない、というのが今の心境です。
ここの住人でもあったとは・・
・・今の所自分はFFTAのドラマCDを聴きながらちょくちょく書いているんですが
なかなかうまくいかず最初っからやりなおすことのほうが多いです。
うーん、うまくいかないもんだorz
600さんもキーボードに慣れましたら、是非ともSS書いて欲しいです。
結構このスレ、にぎわってた頃は住人多かったからね。
……売ることもできずに塗装がはげた白い限定版SPだけ残ってる(FFTAは売った)
また買い直そうかな。
いきなり係長(25才の独身女性=私と同い年)から残業を頼まれ、一緒に……二人きりで仕事をしてしまった。
なんでこう、毎回毎回私ばかりに残させるのか、気が気じゃない。
私の妻は嗅覚が良いから、他の女の匂いもすぐかぎ当ててしまうというのに。
まぁ、私は就職してからと言うもの、いっきに昇進続きで(今は部長)期待しているのも分かるのだが。
……とまぁ。こんな訳で、今私は、自転車で帰路についている。
妻が「貴方もそろそろおじさまの仲間入りなのだから」と、自転車通勤をすすめてきた
(というか強制した)おかげで、今ではそこそこ良いプロポーションを保てているようだ。
まぁ、人間の雄の体つきの話など、いま目の前にいる読者の諸君には興味ないだろうが。
今日は冬と春の境目ということで、よほど寒くはないが、星が綺麗に見れる。
この空を眺めて自転車をこいでいると、『あぁ……こんなに落ち着くなぁ』とおもうのだが
こうしていられるのは今の内なのだな、と思うと、なんだか惨めで、情けなくなってくる。
……一般的に言うと他の男からしてみれば、『うらやましがられる』とは思うけれども。
地方都市ということで、安く手に入った大きめのマンションの扉を開けると、目の前には私の妻が出迎えてくれていた。
「貴方が帰ってくる頃だなって、おもったの……動物の勘、って奴かしらね」
妻はとても可愛く笑うと、私にキスを求めてきたので、それに答えてやる。
フレンチキスでは物足りないと、妻の方から率先して、舌を差し入れてくる。
私も負けじと、妻の舌へ自分の舌を絡め合わせた。
『このままベットにいきましょう?)』とでも言っているかのように誘っている妻の瞳を見つめながら……
あぁ、またこうやって、私はこの女に墜ちていくのだなと、そう思いかけていたとき。
ギュルルルル……と、腹の音がする。
唇を外し、私は消え入りそうな声で
「……すまん」と言う。
これじゃあ、ムードぶちこわしというか……なんていうか。
それでも妻はというと、全く気にもとめていない……いや、少しにやついた笑みを浮かべつつ
「ふふ。貴方には沢山してもらわないとならないもの、ご飯にしましょう」
と、そういって、私の鞄と上着をもって、すたすたとリビングの方へと向かってしまっていた。
はぁ。つくづく情けないな、私は……。どっちが上なのか……「今」は私が下だろうな。
さっと飯を済ませると、先に妻にシャワーを浴びるように言った。
「貴方も一緒にどう?」なんてウィンクしてきているのだが
一緒に浴室に入ってしまってしまおうものなら、耐えきれなくなってしまう……と直感し
「いや、少しやることがあるから、先に入ってくれ」と、少し申し訳なさそうに言った。
「そういうなら……仕方ないわね」と妻がシャワールームに行くのを
私は視線だけ向けて見送った。
後悔はしてない。するはずがない。
私の人生の中で最も私好みの躯を持ち、最も私を愛してくれる、そんな我が妻に不満はない
ただ、彼女の持っている「癖」にちょっと難があるだけで。
それ以外を除けば、本当に申し分ない妻である。
私はこれから起こる事態を想像しながら……それを振り払おうと、ビールを喉に流し込む。
……ああ。段々テレビの音がはっきり聞こえなくなってきた。
疲れからだろうか。一気に視界が暗転し、意識は暗闇へと墜ちていった。
……さて、反応をみさせていただきます。
続きは明日以降に。
>……さて、反応をみさせていただきます。
偉そう
608 :
606:2006/04/03(月) 21:12:08 ID:8PvZmbhm
即レスありがとう……
っていうかマジデゴメンナサイorz
ワシャとりあえず獣化、エロスを基準に反応するもの也
・・・期待値が増大しますた!
わくわくてかてか
大神っていうゲームもわくてかん
続きはまだ?
>>612 焦らずに。;;;
私も期待しております。てか私が書く前に書いて欲しかった。^^
@仕事場です……きのうはずっと爆睡してましたorz。
だれかボスケテ。
投下する分はあるので。
>>613 まさかこのスレをチェキしてるとはおもわんかった。
書いてほしかったっていわれても、貴方の文を読むまで思いつかなかったの。
>>614 私はその筋では超○○な奴として知られております。;;;
いつもググって「変身 動物」「変身 人魚」で検索
しておりますので逃す訳が....。(^^;
超先生?
>>616 なぜに...(^^;
超オタとか超キモとか超変態とかなら慣れているのですが。(^^;
中京のひきこも(ry
618 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 01:57:20 ID:7umemPrv
2ch初心者なのですがSS投稿してもよろしいでしょうか?
いいんじゃないの?sageさえすれぱ
場になれてないと少し難しいかもね。止めはせんけど。
とりあえずエロパロ板の主要スレと保管庫を覗いて、様子をつかんでみるのはどうだろ?
621 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 02:33:27 ID:UsBoEFUs
アドバイスありがとうございます。一応過去の作品は読んでみました。イイ作品ばっかりで自分も書きたいと思い書きました。自分が書いた駄文は前フリがながいし初めてなのでヘタクソです。こんな物を投稿してもいいでしょうか。(というかのせたいです)
>>621 とりあえずE-mail (省略可) : の横の書き込み欄に【sage】と、入れましょう。マナーの一つです。
SS,楽しみに待ってます。
あー、その時点で無理。
自分の作品を貶したり謙遜したりする人は敬遠される傾向にある。
極端な話、どんなに良い作品でも空気読めてなかったら叩く馬鹿がいるからね。
(自分で下手くそって言うなら投稿するな、とか。あくまで例)
逆に言えば、どんなに貶されようが魅せてやるぜ!って根性がないと。
とりあえず俺的には少しの期間読むだけにして、場の空気になれる方が良いと思う。
とりあえず、「sage」と「コテ」と「トリップ」を覚えてから、だと。
それって何?って聞いても教えない。調べるのも勉強のうち。
すみません出直してきます。
がんばれよー。
いやあの誤解しないで欲しいんだけど、
目の前の小さな収穫を見送って、長期的な収穫を目論もうかなーというか、
未来の大作家が小さな煽りでへこたれるのは見るに忍びないというか、
いやマジデ応援してるから頑張って。
627 :
625:2006/04/11(火) 06:08:37 ID:86UchFwo
キモ…
……ちょwじぶんでなにいってんのww
まぁ……ドンマイ。
>>628 他スレより
325 :名無しさん@ピンキー :2006/04/11(火) 06:10:11 ID:86UchFwo
死ねよ
625がキモイという意味らしい。
=============================
股のあたりがむず痒い……というか、「あれ」の辺りが……ジョリジョリと
うすら瞼をあけると、目の前に………ナニカを舐める………妻の顔が写る……。
すこし赤黒く変色した………私の………ナニ。
認識が完了すると、明かりが付いたの如く一気に意識が覚醒し、私は無意識に起き上がった。
「うっ……ねっ、寝ている間を狙うなんて酷いじゃないかっ!」
私はまだ呂律が回らない口を必死に開き、声を上げた。
……ベットの上で、私は全裸にされてしまったらしい。
妻はクスリと笑って、もう一度私の肉棒を舐める……。
寝起きだと言うこともあってか、私のモノは完全に勃起しているようである。
「だって、最近残業残業で、貴方はちっとも私の相手してくださらないし」
すねた声で私のそれに頬ずりする……た、たまらん……じゃなくてだなっ!
「だって、最近残業残業で、貴方はちっとも私の相手してくださらないし」
すねた声で私のそれに頬ずりする……た、たまらん……じゃなくてだなっ!
「仕方がないだろう!?係長直々の頼みを断れるはずないだろう?」
「……そうかしら」
すうっ、と彼女の目が細くなり、鋭くナイフのような視線を、私に向けた。
それはとても冷たく、私をすぐにでも切り刻んでしまいそうな……そんな視線で。
とてもゾクゾクしてしまう……いや。確かに怖いことには変わりないのだが
「貴方はお洒落だけれど、女物の香水なんて付けるはずないでしょう?だけど、こんなに匂ってるもの」
と犬のように私の躯を嗅ぎ回る。
嫌と言うほど鼻を押しつけ……時に舌を這わせる。そんな彼女の愛撫にもにた拷問を
私は感じてしまうのだ。
とっても……エロいです。
妻は言葉を続けた。
「私、時々貴方の様子を窓側からみるのだけれど……」
「知ってる」
良くカナリヤのような小鳥が、よく窓際のデスクの前に座って、私の方を見ているのを知っていた。
他の男なら分かるはずも無いと思うが、私のほうをずっと見ている視線が、妻のそれと似ていると言うことも。
「よく、あの係長?の女が……貴方の肩を叩いたり、体を近くに寄せて資料を"魅せたり"しているのよ」
「……嫉妬、してるのか?」
段々妻の声が荒くなっていくのを直感し、私は恐る恐る尋ねてみた。
まるで、感情を抑えるかのように。妻は言葉続ける。
「嫉妬……?無論、貴方がそんなことをしないというのを分かっているわ。貴方はとても素敵な方ですもの。
私の事を見ていてくれると、わかってる。でも……でもね」
私はその妻の言葉を聞きならがら、真っ直ぐ目の前の顔をみる……。目を潤ませて、泣きそうな顔をしている。
「でも……?」
「悔しいっ!。凄く悔しいの!」
そういって私の胸に、妻は顔を押しつけてきた…・…。
「……」
「貴方はなにも思っていないことは分かってるけど、あの女はずっとずっと貴方のそばにいれるのに
私は小鳥の姿で眺めるしかないでしょう!?……今にでもあの女を切り裂いてやりたいのに!!!」
……時々、女の嫉妬は怖い物だな、という事を耳にするが、
私の妻の嫉妬心もとてつもないことだと思う。
「……そんなことしたら、お前が捕まってしまうだろう?」
「貴方が沢山沢山慰めてくれるのは、とっても嬉しいの……もう死んでしまいたいぐらい……でもね
そう思えば思うほど、この気持ちが止まらないのよ……。」
どうしようも出来ずに、立ちすくんで泣いている子供のような顔で、妻は涙を流した。
私は彼女を抱き寄せ、優しく撫でた
「寂しかったんだな」
「うん……」
「そうか……ごめんな」
思いきり穏やかな声で、謝る私。いつも笑顔で迎えてくれた彼女が、
まさか……まさか、ここまで追い込まれていたとは。
「どうしたい……?」
「……貴方……」
「……いいよ。お前の好きにして。お前が気持ちよくなりたいならそれで良いし。
私を気持ち良くさせたいのなら、それでもいい。……好きにして良いよ」
そういってもう一度力強く抱き寄せる。
「あなた……」
涙でにじんだ顔を、私の胸板でぬぐう……。
私はもう一度、妻の頭を撫でてやり、そして背中をさすってやった。
「今日は……貴方を気持ちよくしてあげたい……」
それが、君の願いなら……
「ああ……いいよ」
このままだとNANAみたいなプチエロラブロマンスだな。とおもいますたorz
他スレで文章を読み直すことの大切さがちゃんと指摘されてた人がいたけど
漏れはそんな時間NEEEEEEE!
ってことで続きはまた今度
>>635 激乙! リアルで書き込み拝見しますた!
小説経験から言うと、書き直しもOKだと思います。その時の
書きたい気持ちを大切にしましょう。
楽しく気持ち良く変身するシーン激希望! ぴくぴく気持ち良
さそうにけいれんしながら次第に両脚が...
>>635 いい嫁さんだなあ・・・続編キボンで御座います
>>618-628 の話の流れで思ったんだが。
2chじゃなくても投稿受け付けてるとこってあるじゃん?
そゆとこで文章落としたりしつつとりあえず落としてみるのも言いと思う。
てか。せっかくのネタを眠らせとくほうがよっぽど損。
掘り返してスマソ。
今週のジャンプのテイルズの紹介にハァハァ
>639
kwsk
15歳♂狼獣人
45歳♂狼獣人
たぶんナムコ的には♀獣人も
入れたいだろうし♀もくる
最新作のテイルズオブテンペストって作品で、獣人化するキャラが出てくるのな。
そんで今週その獣人化後のイラストが発表されたってわけ。ちょっと燃えだった。
まあ二人いるうちの二人とも男なんだが。
ヒロインも獣化来ると思う
いつものFFパクリで来るならウサギ獣人
王道で来るなら猫
しかしテイルズはリバースの時も獣人種族ガジュマなんて設定あったのに
メインキャラの♀ではアガーテしかおらずその上耳尻尾ケモ手止まりだったし…
萌え主導でライト層大衆に売り出す事を目的としたテイルズだと♀は期待できないかもな。
仮に獣化してもケモ度薄そう。
テイルズ厨は相変わらず な
まえ2ch獣にいたユージーンが♀化してる絵に萌えてしまったよ。
そういうキャラキボンヌ
>>645 FF厨とポケモン厨も相当だよ
絶対数が多いだけこっちのが厄介
DQって厨少ないよなねなんでだろ
厨だの信者だのはどうでもいい。少なくともこのスレ的には獣人・亜人が出て萌えられればいい。
ファン層と作品は関係無いし。
DQといえば2の犬姫や8の馬姫は獣化ネタやね。獣「人」ではないが。萌える?
シーケンスがあれば神だった。まあ萌えるには萌えるんですが。
福岡の人は福岡安全・安心防災フェアのポスターは見た?
天神のダイ●ーの階段で見た時、軽く衝撃を受けたけど、
福岡にはケモ好きが多いのか?
>>649 確かにシーケンスがあれば神だよなぁ・・・
日本で獣化系でシーケンスなんてあるのかいな?
久しぶりに書いてみました。
わりと長いです。
>>479-483同様、登場人物は猫系のイメージで書いていますが、
本文中で外見にあまり触れていないので
お好みのモフモフ系獣人に脳内補完で読んでいただければと思います。
少しだけですが残酷系、陵辱系の描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
芋虫みたいに不気味に動く指が、あたしの毛の感触を楽しんでる。
あたしの自慢だった毛並。
白に薄く、でもくっきりと入ったグレーの縞。
ほかのコよりちょっとだけ長くて柔らかい毛。
みんなが褒めてくれるのがうれしくて、毎日ちゃんと手入れをしていた。
その毛並が、今、汚されている。
かき混ぜられ、逆立てられ、絡められ、毟られる。
嫌だ。
でも、抵抗できない。身体があたしのいうことを聞かない。
息が熱い。
足のあいだが疼く。
まるで“サカリ”のときみたいに。
でもちがう。これは“サカリ”なんかじゃない。
“サカリ”のときの幸せな気分がどこにもない。
あの臭いのせい。
あいつらが、草のようなものを燃やして出す臭い。
身体だけを無理やり“サカリ”にする臭い。
心と身体をばらばらにする臭い。
全身を撫で回す大きな手に、身体が勝手に反応する。
足の内側の毛がべとべとになっていくのがわかる。
突然しっぽの根元近くを乱暴につかまれて、身体が大きく跳ねた。
気持ちよくなんかない。
ぜんぜん、気持ちよくなんかない。
悲鳴を上げたい。
でも喉から出るのは、甘い声。
あのときにしか、出したことのないような甘い声。
あたしじゃない。
あいつらの馬鹿でかい“アレ”を舐めて、喉を鳴らしているのはあたしじゃない。
うつぶせのまま腰を高く上げて、あいつらを誘っているのはあたしじゃない。
ねじ込まれた太い指を締め付けて、腰を振っているのはあたしじゃない。
こんなの、あたしの身体じゃない。
あいつらは散々あたしを弄んだあと、冷たい石の床に放り出して出て行った。
部屋の外、壁にはまった格子の向こうから、何を考えているのかわからない
眼でこっちを見る。
あれは、たぶん逃げようとしたあたしに対する罰だ。
ここから逃げることなんかできないって、あたしの身体に教え込むための罰。
あいつら、“毛のないヒト”は、大きくて乱暴で、嫌な臭いがする。
背の高さはあたしの倍ぐらい。
あたしの知ってるいちばん大きなオトコのヒトでも、たぶんあいつらの
胸ぐらいまでしかない。
そのぶん動きが遅いから、うまくすり抜ければ逃げられるはず。
そう思ったんだけど。
そんな簡単なことじゃなかったみたい。
あの嫌な臭いで身体の自由を奪われて、あっさり捕まってしまった。
臭いの効果は、もう切れたらしい。疼くのは止まってる。
ただ、身体が重い。寝返りをうつのすら、つらい。
体中からあいつらの嫌な臭いがして、吐きそうになる。
ここにつれてこられてから何日たったんだっけ。
昼と夜を3回までは数えたけれど、そこからさきは数えるのをやめた。
数えてもしょうがないことだって気づいちゃったから。
手が届かない高いところにある小さな窓から、暗い空が少しだけ見える。
目を閉じる。夏の空を思い出す。
いちばん幸せだったとき。
大好きなヒトに抱かれたときのこと。
薄茶の毛が日に透けると金色で、とても綺麗なヒト。
大きくて強い、大人のオトコのヒト。
あたしから、誘った。
あたしはまだ“サカリ”が来るようになってから日が浅くて、うまくできるか
不安で。
でも、どうしたらいいかわからないぐらいそのヒトに憧れてて。
半分泣きながら、震えながら誘った。
いっしょにいたもっと年上の女じゃなくて、あたしの誘いを受けてくれたのは、
かわいそうに思ったからなのかもしれない。
すごく、やさしかった。
耳とか、しっぽの付け根とかを舐められるのが、あんなに気持ちがいいなんて
知らなかった。
あたしの中で熱いものをはじけさせながら、次の春には仔を作ろうって
約束してくれた。
お前はまだ若すぎるけど、仔を作れるぐらい大人になったらまた抱きたいって。
オトコのヒトが、どのオンナにも同じことを言うっていうのは知ってる。
でも。
お前の匂いがいちばん好きだって言ってくれた。
いい匂いがするって。
……あたしの匂い。
あいつらに汚された、あたしの匂い。
あの夏の日には、もう、もどれない。
誰か、いる。
小さな気配。だらしなく倒れてるあたしの、すぐ隣。
優しい、感触。
ざらざらした、ヒトの舌。
あたしを舐めている。
乱暴にされてすりむいた傷、乱された毛並、涙。
優しく、いたわるように舐める。
まだ小さい、コドモの舌。
夢だ、きっと。
春に産むはずだった、あのヒトとの仔の夢。
くすぐったくって、目が覚めた。
あたしのおなかの横あたりで、コドモが丸くなって眠っている。
乳離れしてるかしてないかぐらいの小さな仔。
真っ黒なつやのある毛のオトコの仔。
あの優しい舌は、この仔だったのかな。
母親と間違えたのか、あたしの乳首を咥えてる。
くすぐったいはずだ。
あたしは少しだけ穏やかな気持ちになる。
こんなところに閉じ込められて、さんざん弄ばれて、この先あたしに
そういう機会なんて望めそうにないけど。
母親になるのって、いいなって思った。
目を覚ましたオトコの仔は、あわててあたしに謝った。
「ごめんなさい。おれ、かあさんの、夢見てて」
緑色の綺麗な眼を大きく見開いて、しっぽの毛を逆立てて。
顔に比べて、バランスが悪いほど大きな耳を倒して。
そのあわてかたがあまりにかわいらしかったので、あたしは久しぶりに
声を出して笑った。
本当に、久しぶりだ。
「気にしなくていいよ。それより、あたしが倒れてたとき、ずっと舐めて
くれてたのはあんた?」
オトコの仔はためらいがちにうなずく。
「ありがとう。あれでずいぶん楽になった。あたしはギン。あんたは?」
「クロ。……ギンは、東の草原から連れてこられたヒト?」
「たぶん」
あたしはあの草原しか知らないから、あそこが“東の草原”って場所なのか
本当のところは知らない。
ここがどこなのかもよくわからない。
ただ、小さいころ母さんに“いたずらすると西から毛のないヒトがさらいに
来るよ”みたいな脅され方をしたのを覚えている。
何か悪いことをしたから、さらわれちゃったのかな、あたし。
「この部屋につれてこられるとき、あいつらが話してるの、聞いた。こないだ
東の草原で捕まえたのは、いい毛並みのが多かったって」
「あいつらって……。コトバ、わかるの? 毛のないヒトの」
「どんなこと言ってるかは、だいたい。わかんないのも多いけど」
信じらんない。思わずクロの顔をまじまじと見てしまった。
たしかに賢そうな顔はしてるんだけど。
毛のないヒトたちのコトバはあたしたちのとぜんぜん違う。
口のカタチが違うから真似することも出来ないし、複雑な音を聞き取ることも、
あたしには無理だった。
「おれ、ここで生まれたから。ずっと聞いてたら、ちょっとずつわかるように
なった。かあさんにも、いろいろ教わったし」
ここで生まれて、育つ。あいつらの近くで。
嫌な臭いの中で、閉じ込められて。
見たくないものもいっぱい見てきただろう。
でも、この仔の眼は濁っていない。
それが救い。
「なんでクロ、この部屋に連れてこられたんだろね。……クロの母さん、
きっと心配してるね。引き離されて」
クロは、あたしに背を向け自分のひざを抱えた。
「かあさんは、……もう死んじゃった」
背中がかすかに震えてる。悪いことを聞いてしまった。
あたしはクロの隣に座り、肩を抱き寄せる。
「ごめん。知らなかったから……」
泣いてるのかと思ったけど、鼻筋にちょっとしわを寄せて耐えている。
強い仔だ、と思う。
「この部屋につれてこられて、ギンが倒れてるの見たとき、……このヒトも、
死んじゃってるのかと思った。かあさんと同じで、ぼろぼろになってて」
クロ、少しだけあたしに体重を預ける。
「でも、ギンはあったかかった。うれしかった」
クロの眼の端の、滲んでしまった涙を舐めとる。
まだ産毛が抜け切れていない、幼い毛並。
本当なら、母親に守られて幸せな夢を見ていられるころなのに。
背中を優しくなでる。
指先に、何か当たった。クロが少し身を硬くする。
傷? 指でたどる。
肩からしっぽの付け根まで、斜めに走る長い傷。
もうふさがって肉が盛り上がっているけど、かなり深い傷。
「これ……。ひどい。あいつらにやられたの?」
「ちがう。かあさんが、つけた」
「なんで自分の仔に、そんなことしなきゃならないのよ」
「だって、この傷なかったら、おれ今生きてない」
そして、クロが語ったのは、ここの過酷な現実。
覚悟はしていたけど、それ以上に悲惨なあたしたちの行く末。
「オトコは、殺されて皮をはがれるから。……大きい傷あれば、いい毛皮に
ならない。この傷は、そのため。……キレイに治るまでは、生きていられる」
あたしは息を呑んだ。
そして、なんであたしたちが狩られたのか、やっとわかった。
“毛のないヒト”は、身体にいつも何かつけている。
頭とか、顔の一部にしか毛が生えてないから、寒さを防ぐのに必要らしい。
もうすぐ冬だ。
あたしたちの毛皮は、暖かい。
「……東の草原で捕まったヒトたちも、もう、いっぱい殺されてる」
「草原のオトコたちは強いよ。そんな簡単には殺されない」
クロは目をつぶって首を振る。
「あいつらは、変な臭いの草を使う。それの臭い嗅ぐと、動けなくなる。
どんなに強くても」
変な臭いの草。
あたしの身体を“サカリ”にした、あの臭い。
逃げようとしたあたしを動けなくした、あの臭い。
動けなければ、強いオトコたちでも、死を待つだけ。
気が遠くなる。
あのヒトも捕まったんだろうか。あたしの大好きな、金の毛の。
うまく逃げられたかもしれない。
きっと、逃げて、生きてる。
そう信じようと思う。無理やりにでも。
「ねえ、クロ。あたしはなんで殺されないんだろ」
「オンナは……違うこと、される」
クロが搾り出すような声で言ったこと。
その言葉のかけらを集めて、私が理解したこと。
“毛のないヒト”たちには、“サカリ”の季節がない。
1年中、いつでもヤることができる。ヤりたがっている。
仔を作るためじゃない。欲望を満たすのが目的。
相手は“毛のないヒト”のオンナじゃなくてもかまわない。
つまりあたしたちは、代用品。
あいつらのものはそのままじゃ入らない。身体の大きさが違いすぎる。
だから、あいつらはあたしたちに仔を産ませる。
仔を産んだオンナの“アソコ”は、あいつらのがギリギリ入る程度
広がるようになるらしい。
でも、長くは持たない。身体も、心も、壊れる。
あいつらは、あたしたちが壊れていくのを楽しむ。
そして、使い捨てられる。
クロのかあさんは、腹の中を破られて血だらけになって死んだ。
最期は心も壊れきっていて、手を握っているのが自分の仔だってことすら
わからなくなってた。
クロは、そんなことを舌っ足らずな幼い口調で、淡々と話す。
あたしは、クロを抱きしめて泣いた。
自分の身にこれから起こることも怖かったけど、それよりも、こんな
小さな仔が見てきたひどい世界のほうが悲しくって、やりきれなかった。
「あたしに仔を産ませるために、クロ、この部屋に入れられたのかな」
「……たぶん」
「それって、へんだよね。クロはまだ、仔を作れるほど身体が出来上がって
ないもの。……2年もたてば、すごくいいオトコになりそうなんだけどね」
ウソじゃない。毛並はきれいだし、身体の大きさのワリに手足が太い。
大きくて強くて、美しいオトコに育つはず。
あたしがあいつらの年齢をわからないように、あいつらもあたしたちの年齢が
わからないのかもしれない。
それにしても、クロはここで生まれたんだし、わかりそうなものだけど。
「あいつら、バカなのかもしれないね」
そう言って、クロの眼を覗き込んで微笑む。微笑もうと努力する。
失敗してる。きっと。
それからあたしたちは、いろんな話をした。
クロは、見たことがない外の世界の話を、眼を輝かせて聞いていた。
夏の草原を渡る風の匂い。
おいしいサカナのいる川。
大好きなヒトと一緒に見た朝日。
あんな美しい世界を、クロにも見せたい。
逃げられるかどうかについても、話し合った。
ここのことは、この部屋の外のことをほとんど知らないあたしより、クロの
ほうがずっと詳しい。
この部屋があるのと同じような、石でできた建物は5つある。
それともうひとつ、大きい建物。あいつらは、そこに住んでいる。
小さい建物のひとつは、たぶんオトコたちが皮を剥がれるところ。
強い血の臭いがして怖かったそうだ。
この建物に閉じ込められているのは、今のところあたしたちだけ。
部屋はあと3つあるけど、誰も入れられていない。
ほかに捕まっているオンナがいるとしても、別の建物だ。
力を合わせて逃げるのは無理そう。
あいつらが、全部で何人いるのかはわからない。
クロが同時に見たことのあるのは、12人。
それよりは多いということか。
この建物の中にはいつも見張りがいるけど、外にはあまりあいつらはいない。
クロは、外にさえ出られれば逃げることができるかもしれないという。
外なら。風があれば、臭いの影響も少なくなるだろう。
見張りに捕まらずに外に出ることはできるだろうか。
この部屋の高いところにある窓。空が少しだけ見える、あの小さい窓。
あたしは無理だけど、クロならあそこを抜けられるかもしれない。
問題は、どうやったらあんな高い窓に届くのか。
見張りの目を盗んで、試してみた。
あたしの頭の上にクロが立って、思いっきり飛び上がる。
結局窓には届かず、落ちてきたクロをあわてて受け止めることになって
しまったけど。
なんとかして、逃げる方法を考えよう。
話し疲れて、あたしにもたれて眠ってしまったクロを、撫でながら思う。
まだ逢ってから半日しか経ってない。
でも、この仔のおかげでなにか変わった。
ひとりだったらきっと、もうあきらめてた。
クロがいるから、少しだけ、強くなれる気がする。
部屋の外が騒がしくなった。見張りの数が増えている。
窓から逃げようとしていたことがばれたんだろうか。
でも、部屋に入って来る様子はない。
またあたしの身体を弄り回すのかと思ったけど、違うらしい。
あの臭いがする。
あたしを“サカリ”にする臭い。
でも、前に嗅がされたときよりはずっと弱い。
ゆっくりと、でも、ほんとうの“サカリ”よりは強引に、身体が変わっていく。
何かを期待するようにあたしとクロを嘗め回す、あいつらの視線。
ああ。そうか。
なんとなくわかった。
あたしは力がぬけかけた身体で、眠っているクロを抱きあげる。
起こさないように気をつけて、部屋の隅に移動させる。
そして、クロがいるのと逆側の隅に座り、身体を縮ませる。
あいつらはわかっていたんだ。
クロが、そういうことをするにはまだ幼すぎるってこと。
わかってて、こんなことをするんだ。
身体が熱くなる。
息が荒くなる。
疼く。疼く。疼く。
変化がゆっくりなせいか、心が身体に引きずられている。
欲しくなる。
だめ。
あたしは脚をきつく閉じた。
あたしたちオンナの身体は、本当なら季節を感じて“サカリ”になる。
オトコたちは、“サカリ”になったオンナの匂いで“サカリ”になる。
クロに、今のあたしの匂いを嗅がせちゃいけない。
あいつらが見たいのは、あたしたちが壊れていくところ。
あたしがクロを守りたいと思ったこと。
クロがあたしにくれた暖かい気持ち。
そういったものが崩れていくところ。
あたしたちは、見世物。
残酷だ。
ただ、こういうことをさせるだけなら、クロをこの部屋に入れたときに草を
燃やせばよかったのに。
あたしとあの仔の心が触れる前に。
腰が緩む。
気が遠くなる。
耐え切れず、身体を壁にこすり付ける。
広がってしまいそうな脚を交差させる。
だめ。これは、……刺激。
脚がびくんと跳ねる。
身体の中に溜まっていたものが流れ出た。
脚のあいだが濡れる。あたしの匂いが立ち込める。
あわててしっぽを巻き込んで押さえる。
だめ。もう、だめ。どれも、刺激。
もう、何をしても、甘い疼きに飲み込まれる。
息が、声が、漏れる。
こらえなきゃ。
クロが起きてしまう。
腰が勝手に動く。
脚のあいだに挟んだしっぽに、あの部分を強く押し付ける。
こすり付けてる。すべる。……水音。粘つく、水音。
我慢、しなきゃ。だめ。
クロが寝ているあいだに臭いが尽きれば。
あいつらが飽きれば。
だから、だめ。
声を出しちゃ、だめ。
腕を噛む。血の味がするほど、噛む。
耐える。耐えてたのに。
「ギン?」
クロの、声が、した。
起きて、しまった。
「ギン、だいじょうぶ?」
「だ、だめ。こっち、クロ、きちゃ、だ……めッ」
声を出したとたん、それが来た。
頭の中が爆発する。
身体がのけぞる。ふるえる。
足が痙攣する。
声が。声が止まらない。
「ギンっ」
クロが駆け寄ってくる。
あたしの身体に触れる。
思わず、あたしは吐息を漏らす。
触られるだけで、あたしの身体は震える。
もう、おしまい。
クロの鼻があたしの匂いをとらえて、ぴくりと動く。
クロの匂いが変わっていく。
仔の匂いから、オトコの匂いに。“サカリ”の、オトコの匂いに。
「ギン、ギン、おれ、なんか、へんだ。匂い。すごく」
クロは、横たわるあたしのとなりにぺたんと腰を下ろす。
かすれた、つらそうな声。身体が変わることに戸惑っている声。
クロに、謝らなきゃ。まだ、そうなるのには、早いのに。
あたしが悪いのに。あたしが我慢できてれば、クロはそんなことに
ならないのに。
……そう思うのに。
あたしの眼は、クロの、オトコの匂いを放つ部分を見ている。
ふだんは柔らかいおなかの毛に隠された、小さいけど、硬そうな。
眼を、逸らせない。
身体を起こす。もっと近くで匂いを嗅ぎたい。触れたい。
手を伸ばす。
その手を、クロが、とった。
優しい舌。
噛み傷。さっき、あたしが自分でつけた噛み傷を、クロが舐めてる。
“サカリ”が来たオトコなら、舐めたい場所はほかにあるはずなのに。
なのに。クロは、あたしの傷を舐める。
そうだ。あいつらの思い通りになる必要なんて、ないんだ。
あたしたちは壊れないですむ。
あたしはゆっくり起き上がって、クロを抱きしめた。
震えてる。
ヒゲが触れ合っただけでも、身体がびくりとする。
無意識のうちに、おたがい身体をこすりつけあってる。
「おれ、どうなるのかな。ギンに、ひどいこと、しちゃう?」
心細そうな声。
クロにとって、こういうことは、ひどいこと。
クロのかあさんを殺した、ひどいこと。
でも、違う。違うんだ。
あたしは、返事の代わりに小さな鼻をなめる。
小さいクロ。あたしより頭ふたつぶんも小さいクロ。
でも、あたしより、ずっと強い。ずっとやさしい。
クロの耳に口を寄せる。ささやく。
「オトコはね、オンナの誘いを断れないものなの。だから、クロは悪くない」
クロの耳をなめる。あの夏の日、あのヒトに教えてもらった気持ちいいところ。
クロが喉を鳴らす。
「あたしも悪くないことにしてくれる? あの臭いにはどうしても逆らえない」
首筋をクロの頬にこすりつける。クロがうなずくのを感じる。
「クロは、あたしのこと、好き?」
クロは何回もうなずく。
「よかった。あたしも、クロのことが好き。だ……から」
そろそろ、ギリギリ。うまくしゃべれなくなってきた。
吐息が混じる。
「これ、恋に、しちゃおう。に、臭いに負けて、欲望だけでするん……んっ
じゃ、なくて。好き、だから、するの」
クロが、あたしの首筋に顔をうずめる。
熱い息が毛並にこもる。
身体の、密着してるところが全部、ぴりぴりする。
「ん……クロには、まだ早すぎて、き、季節、も、狂ってる、けど、好き、
だから……す……好きなっ……んんっ」
首筋を甘く噛まれる。コドモの、尖った歯。
もう、限界。お互いの顔を舐めあいながら、あたしたちは床に倒れこんだ。
でも、もうひとつだけ教えとかなきゃ。
“好きなヒトとするのは、とても幸せなことなんだ”って。
それであたしたちの心は、もう、壊されない。
とりあえず、今は。
おなかのところに、クロの硬さを感じた。
クロは、夢中になってあたしのいろいろなところの匂いを嗅いでる。
あたしは身体をずらして、クロの、オトコの匂いを嗅ぐ。
舌先で触れる。
クロの身体がぴんと伸びる。かわいい、オンナの仔みたいな声。
こういうふうに、硬くなるのも初めてなのかもしれない。
少し、うれしい。うれしがっていいものかわからないけど。
舌を這わす。先のほうににじんだ、透明な汁を味わう。
そのむこうにある、柔らかい毛に包まれた、ふたつのかわいい玉も、舐める。
そのたびクロは身をよじらせる。
横目でクロの顔を見る。涙がにじんだ眼。ちょっとだけ怒ったような顔。
クロはあたしのおなかに顔をつっこむ。乳首を舐める。
今度はあたしが声をあげる。
寝ぼけて咥えられたときは、くすぐったいだけだったのに。
すごく、すごく気持ちのいい場所に変わってる。
水音。クロが仰向けに寝たあたしの、足のあいだを舐めている。
そのあたりの毛が全部肌に張り付くほど、あたしは濡れてる。
もう、欲しい。
欲しくてたまらない。
ずっと、欲しくてたまらなかった。
息も絶え絶えにされながら、どうやってクロを受け入れればいいのか悩む。
今まであたしを抱いたのは、みんな、身体の大きいオトコだった。
あたしを背中から抱いて、あたしの中に入ってきた。
でも、身体の大きさが違う。クロに、それはできない。
……だったらこのまま。抱き合って。
「クロ」
名を呼ぶ。クロが顔を上げる。
抱き寄せる。顔を舐める。
クロの顔、びしょびしょになってる。ちょっと恥ずかしい。
片手をクロの硬くなってるところに添える。
その先で、あたしの入り口を教える。
「ね、ここ」
クロがうなずく。腰を前に突き出す。
叫んだのは、ふたり同時。
名前を呼び合う。
締め付ける。
突き上げられる。
腰が動く。
震える。
そして、崩れ落ちる。
あたしたちは、まるでじゃれあうように、愛を交わし続けた。
格子の向こうで、耳障りなけたたましい声。
「あいつら、笑ってる」
クロが、つぶやく。あれは笑い声だったのか。
「なんて、いってるの?」
あたしは半身を起こしてクロに聞く。
「下品な、冗談みたい。あんな小さいのじゃ、あれは満足していない、とか。
自分が、慰めてやる、とか」
ひどく後悔した。聞かせるべきコトバじゃなかった。
怒り。強い憤り。
格子の向こうをにらみつけた。
この部屋を覗いていた連中は、ひとり、またひとりと建物の外に出て行く。
残ったのはふたり。まだ、笑ってる。
油断してるんだ。
あたしたちが疲れ果てて何もできないと思っている。
ひとつ、思いついた。
クロを、逃がす方法。
あいつらを、利用する。
手を伸ばして、クロの大きな耳を優しく折り曲げる。あたしの声しか
聞こえないように。
そして、ささやく。
「あんなのは、ウソ。クロは素敵だった。大人になったら、絶対、もっと
素敵になる」
クロの額に、自分の額をこすりつける。
「だから、ねえ、クロ。ここから逃げたら、まず生き延びることを考えて。
あたしを助けに来ようとか思わないで。大人になって。強い、いいオトコに
なって」
「でも、ギンも、一緒に逃げるんだよね?」
「今逃げるのはクロだけ」
口答えしようとするクロの口を舐めて、黙らせる。
「あたしは仔を産まされるんだよね? だから、それまでは、殺されない。
時間がある。だから。クロは大人になって、あたしと、あたしの仔を
……あいつらに捕まってるヒトたちみんなを、ここから連れ出す方法を
考えて」
クロの眼が潤んでいる。涙が、流れ落ちる。
あたしは立ち上がって、格子に近づいた。
あたしの背中を見ているはずのクロに、語りかける。
ささやき声ではなく、あまえるような声で。
「ここから出たら、ずっと東に走って」
格子に身体を擦り付ける。“サカリ”のときのように。
見張りのひとりがあたしに気がついて、寄ってくる。
クロは、わかってくれるはず。
あたしから、今、“サカリ”の匂いはしないから。
「今の季節、東から西に向かって風が吹いてるから、風に向かって走って」
格子の隙間から舌を突き出す。
あたしの顔の前にあるのは、見張りの腰。
さっきまでのあたしたちを見て膨らんでいるもの。
舐める。届かない。これは計算のうち。
「東の草原より、ずっと東にある丘。草原よりたくさん、ヒトが住んでるって
聞いたことがある」
熱い眼で見張りの顔を見上げる。もう一度、舌を突き出す。
見張りの息が荒くなるのがわかる。
あと少し。思い切り、甘い声を出す。
「そこにいけば、助けてくれるヒトたちがいるかもしれない。草原から逃げた
ヒトたちがいるかもしれない」
扉を細く開けて、見張りが滑り込むように部屋に入ってきた。
あたしは身体を見張りの足にこすりつける。
息を荒げて見せる。そして、部屋の奥に、誘い込む。
「しっぽで合図したら飛んで」
見張りが腰につけていたものを脱ぐ。
硬く、大きくなったものが飛び出して、あたしの顔を叩く。
あたしは、少し背伸びをしてその先端を舐める。
こみ上げる吐き気を押し殺しながら、横目でクロを見た。
クロはわかってる。賢い仔だ。
乱暴に口の中に突き込んでこようとするのを、手で押さえる。
丁寧に舐めながら、誘導する。位置を調整する。
そして、しっぽを大きく振り下ろす。
一瞬の出来事。
クロはあたしを踏み台にして、見張りの身体に登る。そして、窓へ。
絶望的な高さだった、あの窓に飛び移る。
クロが窓に飛びついたのを確認して、あたしは今まで舐めていたものに
噛み付いた。
悲鳴。
「ギン、おれ、……絶対」
「行って!」
クロは一瞬ためらったあと、窓の外へ、あたしの視界の外へ消えた。
笑顔で見送る。
仲間の悲鳴に駆けつけたもうひとりの見張りに壁に叩きつけられても、
あたしは笑い続けた。
何日か前、あたしは仔を産んだ。
オンナの仔。
父親はわからない。
気がついたときにはもう、おなかが大きくなっていた。
最近ではもう、あたしがあたしでいられる時間は少ない。
あの仔を逃がした罰なのか、噛み付いた罰なのか、強い草の臭いを毎日
長い時間嗅がされるようになったから。
身体だけじゃなく、心まで侵されるようになったから。
あたしの心が消えてるあいだに、あたしの身体は死を待つだけのオトコたちに
与えられた。
仔ができるまで、何度も、何度も。
終わったあと、オトコたちはあたしの目の前で殺され、皮を剥がれた。
あたしは泣いただろうか。
よく思い出せない。
思い出し方がわからない。
頭の中が凍り付いてる。
仔を産んだときと、そのすぐあとされたことは、覚えてる。
どっちもすごく痛くて苦しかったから。
後産を処理して、仔に乳を吸わせているとき、またあの臭いを嗅がされた。
腰を抱えられて、今までは舐めるだけで許されていた巨大なものの上に
降ろされる。身体の奥まで貫かれ、激しく揺さぶられる。
心が逃げたのか、痛みで気絶したのか。
そこからさきを覚えてないのは、きっと幸せなことなんだろう。
仔はかわいい。
あやしながら乳を含ませてると、まだ生きてていいのかもしれないって
気持ちになる。
元気に育っている。
ほとんど自分を失ってても、乳を飲ませることや下の世話は忘れないもの
らしい。
あいつらの白いドロドロした汁を足のあいだから垂れ流しながら、あたしは
仔の世話をする。仔を愛する。
身体がやり方を知っている。
この仔の未来に何があるかはわからない。
ひどいことばかりかもしれない。
現に、ここには嫌な出来事しかない。
でも、あたしが草原であのヒトと過ごしたときのような。
このひどい場所であの仔に逢えたような。
そんな幸せなときがあるかもしれない。
願う。
ちっぽけなあたしの存在すべてをかけて願う。
この子が幸せになれますように。
仔の乳を吸う姿が、あの夜のあの仔と重なる。
あの仔はうまく逃げられただろうか。
ちゃんと大人になれただろうか。
この仔がいやな目にあう前に、助けに来てくれるといいな。
……あたしがまだあたしであるうちに。
あの仔の顔も名前も、もう思い出せないんだけどね。
以上です。
忌憚ないご意見、ご感想いただけるとうれしいです。
抜けねーよ、とか。
スレ見直して思った。やっぱり長すぎる。
いっぺんに投下するものじゃなかったですね。
以後気をつけます。
文章の書き方が独特で、ギンの心境がまじまじと伝わって来た。
エロも充分エロいし、それ以上になんだかきちんとした文学とかそういう観点から見てもいいSSだったと思う。
つうか泣いちゃったよ!
スゲーゼGJ
さいっこうですた
うほっ!!
愛しさと切なさが溢れそうですコンチクショウ。GJ……。・゚・(ノД`)・゚・。
ストーリー展開のグロテスクさ(褒め言葉)にティプトリーJrを思い出した。
「我ら夢を盗みし者」だったっけか?
すげーよ、なんかGJとしか言えないけど乙。
感動した。感動したが
ごめんよー。俺強制発情とか奴隷ペットな鬼畜ネタ大好きなんだよごめんよー。
俺のような趣味の奴が居るばかりにこの娘が不幸になったんだごめんよー
と懺悔したくなる心苦しさがある俺ガイル。
まぁそこまで感情移入させるだけの作品ってことでGJ。
まもるくんのHなSS書いてー!
ご感想ありがとうございます。
>>670 文章もエロもまだまだ修行中なので、励みになります。
ありがとうございます。
>>674 次は“心強さ”に力を入れたいと思います。
>>675 アリスたん大好きなので、うれしいというより恐れ多いです。
影響は、たぶん死ぬほど受けています。
実は前回書いたもののプロットを相方に話したところ
「それなんて『愛はさだめ さだめは死』?」という返事が。
出来上がったものは月とスッポンなのですが。
>>676 現実世界でケモノ娘にそういったことをしなければ問題ないと思います。
ギンの救済の物語もうっすら考えてはいるのですが、エロのはいる余地が少ないのと
遅筆なのが……。
とりあえず、ギンの娘は思いっきりしやわせな獣人生を送っている模様です。
そのほかのかたがたも、読んでいただき、ありがとうございました。
以前投下した
>>479-483は、加筆しまくり修正して
ttp://jam.pandora.nu/に 保管してあります。読んでいただけるとうれしいです。
ギンたんがこのまま壊れていく方を期待する俺少数派
681 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 20:43:04 ID:ZMuTPKmr
ほ
682 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 11:49:55 ID:DIAIfyWV
っち
683 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 00:06:01 ID:DIAIfyWV
ゃん
まもるくんのHなSS書いて下さる方はいないのかしら?
後れ馳せながら泣いた。GJ!
かなしすぎるしつらすぎるんだけど、
ギンたんが強気でさばさばした感じだからまだ救いが。
何より、「恋にしちゃおう」のあたりが本気で泣けますた…!
でもごめん濡れた
あの少ない情報量でまもるくんのHなSS書いて下さる方はいないのかしら?
貴方がお書きになればよろしいんじゃなくて?
タイが曲がっていてよ
まもるくんの導入部分ならかいたな……。
エロは…あの忍者の彼女となら出来そうだが、っちゅーかまもるくんイクツ?
小○生5,6年くらいじゃね?
>>693 あら、なんか厳つk……逞しくなっちゃって、
って
ちがあああああああああああああああああああああうっ!
まもるくんに掘られますた
若奥様は…… ◆nWGcrqn3AM
続きが読みたい。どうしてるかな?
あの少ない情報量で私めが書くんではなくてまもるくんのHなSS書いて下さる方はいないのかしら?
労力や想像力以前に、あの少ない情報量で書いたりしたら、
オフィシャル無視で脳内のオリジナル設定を垂れ流し暴走する妄想同人厨っぽくてよ?
なにをおっしゃるの、エロパロって妄想同人ではなくて?
パロディなんだから仕方がない。
パロディ・二次創作にしても、原作のイメージを大事にする人や元のイメージから膨らませて作る人が居るのに対し、
原作完全無視で独自設定やらオリジナルキャラやらばっかりで
原形とどめなくなってるような奴のことを妄想同人厨と言ってるのだろう。
既存キャラ出しても全く雰囲気が違って「顔が同じなだけの別キャラ」化してることもあるし…
「そんなに原作無視したかったら二次創作じゃなくてオリジナルでやれよ…」と思うような作品は確かにある。
まぁエロパロも、本来健全な作品でエロしたりしてる時点で多少は原作無視なんだが、程度問題だな。
まもるくんの場合はイメージを膨らませる以前にその元となる情報が無いので、
これで話書けるような奴は確かに(良くも悪くも)原作を気にしない妄想厨みたいな人しか居ないだろう。
「まもるくんに『よく似た』オリジナル作品」くらいを書くのがまだ無難なセンじゃないか?
おいおい、いいのか、そんなこと言って
俺はノンケだろうがそこらの犬猫だろうが構わず食っちまうんだぜ?
それノンケとか関係な(ry
空気読まずに投下しておk?
ふさふさなんだけど妖。雄雌だけど雌がふたなり。変身ものだけど変身前後どちらもエロあり
某怪談からの妄想垂れ流しなんだけど…
むしろ投下してください。
おけ、今から投下
「こっくりさん」
「こっくりさんこっくりさん。お願いです、帰ってください!」
「もう、私やだぁっ!」
「ちょ、手を離したら…!」
『ひとりつれていく あとは ころす』
「やあああああああああああああっっっ!!!」
「うわあぁあっっ!!」
「おい、やめ、――――!
暗い。
冷たい。
目を開いて、初めての感想はそれだった。
あまりにも暗く、そして広い。
僕は目を開いて、周囲を見渡そうとする。しかし、起きたばかりなのでよく見えない。暗い上にぼやけた視線では、それは当たり前だった。
落ち着いてから、もう一度眼を凝らす。けれども見えたのは暗い空間。何処までも広がる暗さと、板張りだった。
「おーい」
声を出してみるが、返事はない。どこまでも広がって、木霊するだけだ。
けれども、それで少しは望みが出てきた。
ここには壁がある。暗いここは、しかし何処かの部屋なのだ。
ゆっくりと立ち上がって、僕は一方へ歩いて壁を探す。
此処は何処だろう。そして何故、僕は此処にいるのだろう。
考えて、思い出して。そしてはっとした。
僕は夜中の学校に集まって、いつもの仲良しの五人でこっくりさんをやっていたのだ。それが、途中で変なことになって、見つからないように消していた電灯の代わりの蝋燭が消えて。
こっくりさんが何かを言って。
そして、それからの記憶がない。僕の頭の中にあるのは、悲鳴と、異様な寒気と、第六感が告げる恐ろしさだけだった。
しかし今、それは此処にはない。しんと静まった空気が流れているだけだ。
不思議な感覚だった。これだけ暗くて、静かで、冷たくて、何もないのに、怖くも寒くもなかった。
僕の中の何かが麻痺してしまったのだろうか。きっとそうだろうと思う。いつもの僕なら竦んで立てないまま、無意味な時間を過ごしていただろうから。
ひた、ひた、ひた。
軋みもしない床は、フローリングと言うよりもしっかりと作られた和風建築のようだった。畳は敷かれていないが、しかし綺麗に磨き上げられているようで、靴下が滑る。
「本当に、何なんだろう…」
そう思いながら歩く。思わず口に出てしまったのは、不安に思う気持ちの表れだろう。
と。
「此処は私の家さね」
女の人の声が、丁度僕の真後ろから追いついて、抜けた。
それは若い声ながら、時代劇のような古くささを感じさせる口調。この場にはあまりにも会いすぎていた。
「何時は我の贄として連れてきたのじゃ」
僕は躊躇わずに、振り返った。
そこにいたのは淡く、白い光を放つ女だった。くびれた身体に、豊満な乳が揺れ、尻は締まっていた。
あまりにも美しすぎる、まるで僕の中の理想の女性を作り上げたような身体、そして整った顔だった。
「汝はは贄じゃ。我の玩具であり、物じゃ」
瞬間、それまで無かった何かが僕の中で込み上げる。
そこの言葉で思い出してしまった。
こっくりさんの告げた言葉を。
『ひとりつれていく あとは ころす』
連れてこられたのだ。
僕が連れてこられてしまったのだ。
「思いだしたかぇ」
突如、その女性の身体が次第に膨らみを増す。僕の腰が抜けたことで、ようやく思い出したことを彼女は悟ったのだった。
その足が、手があるべき位置に戻り、四肢を初めとして全身に放たれていた色と同じ淡い白の毛が生えていく。その目はよりつり上がり、僕の理想の女性は崩れていく。
代わりにそこへ現れつつあるものは、獣。尾がまるで中から溶け出すように現れ始め、一本、二本、三本、
計、六本の尾が僕の前で扇子のように広がった。
「九尾の……狐…?」
僕は呟いて、へたりこんだまま後ずさりしようとした。だが、力が入らない。磨き上げられた床は、僕の抵抗を拒むようにつるつると汗で滑るばかりだった。
「たわけ。我の尾が九本に見えるのかぇ?」
違う。六本だ。
けれどもそれが僕の知っている現実の範囲内でないことは、明らかだった。
「九尾の方は我の憧れる者だ。と言っても、下級の獣でもない」
その時代を感じる口調からも、それは理解できた。だが、結局の所僕にはどうでもいい。
「お願いします。二度とあなたのような高貴な方を呼んだりしませんから、僕を帰してください!」
僕は生まれて初めて土下座をした。みっともないことだと思った。
けれども、僕にはそれくらいしかできなかった。
とにかく帰ること。それが先決だった。
「汝は本当にそれが叶うと思ってるのかぇ?」
既に狐のそれになった顔が、口の端を、眼を細め広げ、そして笑った。ぼくがこれまで見たこともないような残酷で、無邪気で、そして恐ろしい笑みだった。
「汝らは我を愚弄した。油揚げか、神酒でも用意していればおとなしく帰ったものの。汝らはそれすらも用意してはいなかった」
僕は、泣きそうだった。
「お願いします」
「無理じゃ」
即答されて、僕は背筋が凍るような圧力を受けていることに、ようやく気が付いた。
「どうせもう、人間界に汝の居場所などない」
言われて、恐る恐る顔を上げる。
目と鼻の先に、美しい狐の鼻が笑っていた。
「それって…どういう……?」
「分からぬか? 汝と我は契約をしたのじゃ。汝の存在はもとより人間界になかったことになり、未来永劫我の忠実な下僕じゃ」
そう言った彼女は尾をそれぞれ翻しながら、じわじわと僕との身体の距離を詰めていく。
僕は動けず、ただただ震えるだけだった。近づいていく姿に、しかしもう諦めることしか出来ず、呆然と目の前の彼女に見入るだけだった。
「我は汝が気に入った。これまで見た中でも良質の魂をしておる」
「……僕のことを……魂を食べるんですか?」
彼女の言葉に、恐る恐る返す。彼女はけたけたと笑って、今度はその完璧ですらある造形の黒い鼻を僕の鼻にくっつけた。
「それもよかろう。じゃが、気に入ったと言ったろう。汝は我の下僕じゃ。永遠に我に尽くすのじゃ」
その獣臭い息が、僕の鼻に掛かる。けれども何故だろうか。それが不快には感じない。
「最早汝は戻れぬ。汝と共にいた者達は死んだし、汝の居場所は最早消え失せた」
金色の眼が、僕を覗き込む。吸い込まれるような感覚を受けて、しかしそれから目を逸らせなくなる。
「皆が……死んだ……」
「そう、殺し合ったのじゃ。我の妖力を帯びて、気が狂ったのじゃろう」
目が細められ、彼女は笑う。逸らすことの出来ない視線だけが、僕と彼女を繋ぎ止めていた。
「じゃが、汝は選ばれた。その清純な魂を持つが故にな」
その口が開き、赤い口が現れる。中から伸びた桃色の舌が這い出して、
僕の頬を舐めあげた。
僕の心臓が急に脈動し始める。
恐ろしさと、悲しさと、他の何かが混じり合って、僕が僕でなくなってしまうような浮遊感に襲われた。
「嫌だ……僕は…!」
なんとか掴んだ床を滑りながら、後ずさる。だが彼女はいとも簡単にその距離を詰め、そして先程と同じ体勢を作り出す。
「逃げられはせぬ。死ぬか、我が下僕になるか。まあ、死んでも魂は我のものじゃがな」
その言葉に僕は愕然とするしかなかった。眼前の妖孤は、死しても僕を離すつもりはなく、永遠にその手に留めようと言うのだった。
恐ろしい。あまりにも。
僕に抵抗することは、もう出来はしなかった。
顔を上げると、そこにはやはり彼女が笑う。その金色の眼は僕を見据え、そして眺めていた。
「汝は我が下僕じゃ」
獣の吐息が、その匂いが先程と同じように鼻を突く。
吸い込まれるように僕の頭の中に響く。
「僕は……あなたの下僕…」
心地よかった。あまりにも心地よくて、それが狐であることを忘れてしまうような浮遊感に包まれて、その吐息にとろけるような艶美さを感じていた。
その横で灯が点り始める。青い炎。狐火が僕達を包むように数個、ゆっくりと浮かんでいる。
照らし出された部屋は、神社のようだった。堂になっているその中心で、彼女は僕に覆い被さるように鼻を利かせる。
奥に飾られていたのは金色の狐の銅像。彼女を象っているのだろう。恐ろしく忠実であり、美しさも正にそのままだった。
「さて、そろそろ始めるかぇ」
妖孤は笑んだ。はじめて歯を見せた後、それを閉じて、軽く口を開ける。
僕はその光景にとろんと目を開いたまま、彼女の動向を見守っていた。
ふうっと、その口から吐息が漏れる。僕は逃すまいと反射的にそれを吸う。
飲み込んだ瞬間、僕の中の何かが溶けていく。柔らかく。温かく。
「さあ、飲むがいい」
彼女が差し出したのは、大きめの杯に入った一杯の水。否、漂う匂いは酒のそれだった。
霞のかかった思考でそれを眺めている間にも、彼女はついとそれをよこす。紅く塗られたその中で、酒はとぷんと揺れていた。
「汝の汚れを落とす神酒じゃ。全て飲むのじゃ」
既に、僕には抵抗する力もなく、それをゆっくりと手に取る。
そして躊躇いすらなく、それを一気に飲み干した。
苦い。
始めに感じたのはそれだった。だが、それは咽せる程の辛さではなく、むしろ酒の中では甘い方なのだろう。
喉を通ることにはそれは甘露のような甘さに代わり、僕の口を濡らしていった。
飲み込んだ大半は、喉から急速に熱を増して、酒精を燃やしていく。甘くても、かなり強い。身体が火照り、吐息がその匂いを孕んでいた。
暑い――いや、熱い。身体の芯が燃えたぎっているように熱い。
「どうじゃ。気分がいいじゃろう?」
猫なで声で言った妖孤の声は、僕の耳に何とか届いてはいたが、しかし先程よりも僕に影響を与えるような強さを持ってはいなかった。
「…ぅ……ぁっ……」
床に叩きつけられ、そこで初めて自分がのたうち回り、自ら倒れている事に気が付いた。
「そろそろ頃合いかぇ……」
急にはっきり聞こえるようになった彼女の声は、透き通るように美しかった。
ゆっくりと、倒れ、意識の朦朧とし始める僕に彼女は近づいていく。
「そのような余計なものは着けなくてもよい。熱いのじゃろう?」
黒く、鋭い爪が僕の服を裂いていく。胸元から、繊維の避ける音が部屋中に響き渡って、その根本まで達する。はらりとそれを剥いで、露わになった僕の身体に彼女のふわりとした美しい体毛が掛かった。
だが、もうそれにすら僕は抵抗を感じてはいなかった。熱くて堪らなくて、その行為になすがままになっていく。
ぴちゃと、僕の胸に温かく湿った何かが触れ、つうと嘗めていく。それが彼女の舌であることが分かる前には、既にそれが途轍もない快感を僕にもたらしていた。
「っっぁああっ!!?」
びくんと跳ね上がった僕の上半身は、しかし彼女に強く押さえつけられて再び床へと落ちる。ごつんと重い音がしたが、しかし痛みは微塵にも感じない。むしろ、そこが熱くなるだけで、苦痛といったものは彼方へと葬り去られてしまったようだった。
「その神酒はな、汝の獣を呼び起こす秘酒じゃ。我等が妖孤に代々から伝わる妖酒じゃ」
首筋を這っていく彼女の愛撫にその言葉が混じり、僕を更なる快感に誘っていく。僅かな振動が僕に伝わり、そのまま快感へと変換されていく。
「ほれ、見てみぃ。汝の物が痛い程に勃ちあがっておる」
彼女が膨らんだズボンのジッパーを口で挟んで開くと、弾けるように僕のものが現れる。
最早硬く、限界まで怒張したそれは、今まで嗅いだことのない様な濃い雄の匂いを放っていた。
その先端からは涎のようにとろりと透明な汁が溢れ、竿を伝って落ちていく。
「立派とは言えぬが、なかなか熟れておるではないか」
愛おしそうに眺める彼女は、それを眺めながらすんすんと匂いを嗅いでいた。
泥酔状態になりながらも、僕はその行為に恥辱を感じて顔を覆っていた。だが、彼女がそうしていることは変わらず、そして遂にズボンと、下着までその鋭い爪で引き裂き始めた。
「やめっ……」
言おうとして、飲んだ時と同じような強い浮遊感と、目眩が僕を襲う。抵抗できずに、そのまま視点が深い闇になっている天井を向いた。
びりっびりりりっ
布を裂く音と、外気に触れる感覚で、遂に全身を剥かれてしまったことが分かった。だが、抵抗も出来ず、僕はされるがままに力を抜き、愛撫を受け入れていった。
「ほれ。嫌がっている割には抵抗がないのう」
意地悪げに言った彼女の肉球のついた前足が、僕の性器を焦らすように揉みほぐしていく。それだけで度々していた自慰程度は軽く凌駕する快感が走り、それまで無理矢理押さえつけられていた、神酒を飲んだ時からの高揚が一気に爆発した。
「んぁ……お願いです…。早く…っ…」
とろんとしたあたまで、それだけをようやく紡いで口にする。だが、彼女は不満足な面もちで僕の顔を眺めていた。
「汝は我が下僕と言ったじゃろう。下僕が主人に懇願する時には相応の言い方があるものではないか?
いや、まだ正式に契約は済んではいないな。我とまぐわうことで、汝がここで我が忠実な下僕になると言う誓いを立てることになるぞ」
その顔を近づけて、彼女は言い放つ。僕はもう何も考えられず、思いついた言葉を口にするしかなかった。
「ご主人様っ…お願いします。僕をっ…あなたの下僕にしてください…」
抵抗など、最早出来るはずもない。神酒の所為で理性という物が取り払われた僕は、彼女からの愛撫を求めて、永遠の忠誠を誓った。
「よいよい。それでよいのじゃ」
にこやかに笑んだ主人は、顔を尻を向けたまま僕に覆い被さっていく。
むっと熱気が顔に掛かる。眼前に突きつけられたのは桃色をした女性器。じわりとは濡れてはいたが、まだ準備が整っていないように見える。
雌の匂いが強くそこから放たれ、僕を更に彼女へと酔わせていく。
彼女は何も言わなかった。それでも、僕は彼女が促したことを理解し、獣のそれであることにもなんの躊躇いすら持たず、むしゃぶりついた。
本来なら抵抗するべき行為を、僕は望んでいた。麻痺した思考で彼女の花弁に口付けをし、涎で湿気を孕んだ舌で淫核を刺激する。その刺激が心地よいのか、喘ぎ声こそ無かったが愛液が孔を濡らし始める。それを味わいながら、僕は舌をそこへと突き刺していく。
くちゅくちゅと刺激すると、使い込んでいるのだろう、初々しい反応ではなく、官能的な腰の振りを見せる。
更に続けていこうと僕は舌を伸ばそうとするが、しかし腰を上げた彼女にそれを憚られた。
「もういいじゃろう」
それまでの体勢を変えて、今度は主人の性器を僕の性器に押し当て、胸を押しつけ合う形になる。
「もう、逃げられはせぬ」
そう言ってゆっくりと、しかし確実に僕のいきり立った肉棒を、彼女は飲み込み始めた。
「ぁっ……ぁあっ!」
刹那、あまりの快感に僕の身体がびくんと跳ね上がった。
痛い程に勃起していたそれがご主人の中に入った瞬間、しゃくりをあげ、更にその中に入っていくことを促進してしまう。だが、その刺激があまりに強すぎて、僕は身体をくねらせ、逃げ出したい衝動に駆られてしまう。
だが、滑らかな絨毛に包まれた彼女の胸が僕の胸を鼓動が聞こえる程に強く押さえつけ、離さない。
「逃げ出すことは出来ないと言ったじゃろう」
怪しく笑んだ彼女の中に、僕の肉が埋まっていき、そして遂に根本まですっかりと飲み込んでしまった。
「あっ…たか……い」
その感覚があまりに凄まじくて、涎を垂らしながら歓喜の声を上げる。
「まだ挿れただけじゃろう。これからじゃ」
ゆっくりと腰を動かし始め、更に膣を締め付け始める。
「理性が壊れる程に乱れるがよい」
射精感が未だに込み上げてこないことに、僕は苦痛すら覚えていた。
ご主人が腰を持ち上げ揺すりながら僕を刺激するたびに狂ってしまいそうな程の快感が押し寄せる。それが断続的に続き、正に僕は肉人形にされてしまったかのような心地でそれを受け入れ続ける。
くちゅっくちゅっくちゅっ
互いに多少は湿っていた性器ではあったが、獣の交わりを始めるうちに更に潤いを増していく。
それが音を立て始め、生臭い空気と匂いに更なる淫猥さを加えていく。
「ぁっっぁっっぁっっ」
それが繰り返されるたび、僕は嬌声をあげる。獣に犯されて、感じてしまう自分が情けないようでいて、逆に彼女と一つになれることが嬉しくもあった。
僕はどうなってしまったのだろう。どうなってしまうのだろう。
その不安すら、目の前のあまりの快感に塗りつぶされていってしまう。
身体が、僕が、彼女が脈動する。その度に神酒によって引き出された獣は微細な刺激すら快感に変えて、僕を覆い尽くしていく。
狐火によって照らされる堂は似つかわしくない程に広く、その行為はあまりにも場違いだった。しかし逆に、それが八百万の神の前で犯されているような、異様な快感に変換されて僕に刻み込まれていった。
腰を振り、胸を押しつけながら、彼女は尾のうちの一本を僕の頬に擦りつける。
「どうじゃ、神々の前で犯される気持ちは」
それはおかしくなる程に気持ちがよかった。いや、実際僕はおかしくなってしまっているだろう。でなければ、無数の神に視姦されていることを悦んだりはしない筈だ。
それがいるかは分からない。だが、彼女の存在がそれを現しているのだと示していた。だから、僕はそう思ったのだ。
ちゅっちゅっっくちゅっ
濡れた音が次第に大きくなり始め、更に僕の肉棒は彼女の中で肥大し始める。まるで自分の物ではないかのように硬く、強く彼女を刺激し、絡みつく彼女の刺激を逃すまいとしているようだった。
だが、それも束の間だった。
ぞくりと背筋が冷たくなる。
込み上げてくる何かが一瞬理解できなくて、恐ろしい程に背筋を仰け反らせる。
それが射精感だと理解できたのは、彼女が妖艶に笑んで、膣を動かした瞬間だった。
「あっ…ぁあああっっ!!」
一際大きく声を上げる。
そして、堂に声を響かせながら、僕は達してしまった。
びゅくっっびゅるるるっるるっ
ご主人の中に、僕の精子が注ぎ込まれていくのが分かる。
焦らされた分、その量と快感は凄まじく、先端から吹き上げる奔流はあっという間に彼女の中を満たして、僕の股間へと溢れ出てきた。
だがそれでも射精は止まらない。自慰程度しかしたことがない僕にとって、それはそれまでしてきた中で最も長く、最も気持ちのよい射精だった。
「―――――!!」
既に声にもならず、仰け反り、主人の中で肉を暴れさせる。それはあまりにも淫らで、あまりにも情けない姿だっただろう。だが、もうそれを気にするような自尊心は僕の中には微塵も残ってはいなかった。
びゅるるっっっ
遂に絶頂が終わり、仰け反った身体が床に落ちてごとんと音を立てる。痛覚は快感の余波で消え去ってしまった。
肩を上下させて絶頂の余韻に浸る僕の意識は、既に殆ど消え去っていた。
だが、ご主人がその身体を掴む。
「我の中にこれだけ出しておきながら、自分だけ達せると思っていたのかぇ?」
その言葉の意味が分からず、僕はゆっくりと彼女を見つめる。
その刹那。
ちゅぷっ
彼女の口が僕の口を塞ぎ、ゆっくりと僕の口の中を貪り、犯していく。ねっとりとした長居したが、逃げ場を無くすように動き回り、唾液を流し込んでいく。
その獣臭さは、先程息を吹きかけられた時など比べ物にならず、しかし明らかに僕を麻痺させ、彼女の虜へと変えていく。
舌を押しつけるように絡ませ、鼻から漏れる吐息を感じ、僕は幸福の頂点にいるような感覚に陥っていた。
とろけるようなその行為に恍惚とした僕の表情を確認した彼女は、満足そうに口の中を嘗め回し、自らの涎を流し込んだ後に、銀色の糸を引きながら口を離していった。
僕はもう、彼女の愛撫が愛おしくて堪らず、あれほど射精した筈なのに再び肉棒をいきり立たせてしまっていた。
だが、彼女は自らの膣にそれを導くような行為はしなかった。
「さて、汝にも注いでやるかぇ」
そう言ったご主人を僕はぼんやりとしたまま見た。
怪しい笑みで、彼女は自らの股間へと視線を向けるように、促していた。
そこには何か、影になって見づらいものが存在していた
しかし太く、長い。それまで無かったその存在を、僕は何も考えられずに見つめることしかできなかった。
「立派じゃろう。汝には見覚えがあると思うのじゃが」
妖しい笑みを浮かべ続ける彼女の妖気が、そして鬼火が近づくことによってはっきりと形を現し始めた股間のそれから放たれる香りが、僕の神経をかき乱し、更に淫らな世界へと誘おうとする。
そして僕はそれに対して、既に抵抗力を失ってしまっていたのだった。否、抵抗すらしたくはなかった。
「自分ばかり心地よくなれるとでも思っていたのかぇ?」
それは恐ろしく、そして美しい笑みだった。悠久の年月を思わせるその瞳が僕だけに向けられ、それだけでも清浄な判断力を奪っていってしまう。ましてや、先程の神酒と、交尾で彼女に身を任せてしまっていた僕に、最早それを拒むことは不可能だった。
目の前に迫ったのは、雌であるはずの彼女の股間に生えた雄の象徴。目の前に突きつけられたそれに無言の意志が込められていることを、僕は感じ取っていた。
そして僕はそれに従う。
本能であるかのようにそれにすり寄り、そしてそれに鼻を突きつける。すんすんと嗅覚を限界まで研ぎ澄ませると、ご主人の肉棒の、雌であるのに雄の、据えたような匂いが僕の鼻を突き抜けて、脳髄まで到達してきた。
頭がくらくらして、しかしそれでも何とか体勢を保とうとする。そんな折りに彼女の前足が僕の頭を押さえつけて、半ば開いた口にそれを無理矢理――しかし僕はそれに対して献身的に――突っ込んだ。
「んぐぅっ」
匂いとは違い、恐ろしく濃い風味が広がる。それすらご主人の物だと思うと愛おしくなり、とにかく僕は舌を這わせた。味わうように嘗め、吸い、彼女の命じるままに刺激を与えていく。
自我という物は、既に僕の中には存在していなかっただろう。ただ彼女に従う獣。それが僕だった。
その香りに、彼女に口を突き上げられることに、僕は快感を覚え、更に自らの物を硬くしていく。視認することは出来なかったが、感覚で先端から先走り液が垂れていることは容易に想像できた。
「いいじゃろう。腹をみせい」
彼女が命じる。
肉棒を吐き出すと、僕は彼女の言葉のままに仰向けに寝転がった。
先ず触れたのは彼女の肉球だった。
次に舌。先程愛撫された時に殆ど嘗め尽くされてしまってはいたが、今度はもっと深く、涎の増えたような、ぬめりとした感触があった。
刹那、その部分がぞくんと僕の感覚を逆撫でする。形容することが出来ない、極上の快感と嫌悪感を同時に体験しているような、全身が震えるような愛撫だった。
「ん……ぁあっ…」
思わず声が漏れる。それで僕が感じている事を確認したご主人は、僕のいきり立った肉棒に擦れるか触れないかの所でそれを弄る。それが堪らなくて僕は腰を動かすのだが、それを全て把握しているように手を退ける。
「そう簡単に達せるとは思っていないだろうが、しかし我慢できぬだろう?」
猫なで声は、僕の耳元で囁かれる。甘い声が僕をとろけさせ、そして壊していく。
虜となった僕は、彼女の嘗めた部位から広がっていく違和感に対して、遂に疑問を抱く。
気持ちいいのか、嫌悪するべき物なのか。それすら僕には判断基準をもつことは出来なかった。
ちらりと目を向ける。首筋を甘噛みされた時、快感に喘ぎながらも薄く開いた目に、狐火に照らされて僅かに青く見える金色の、芸術品の様に一本一本が細い獣毛。それが、僕の腕から広がり、全身を覆い始めている異様な光景だった。
だが、僕ははっと彼女の瞳を見る。酔わされた思考で手が前足に代わり、股間の勃起しきった逸物も獣のそれに変わる、その絶対的な快感を彼女の瞳から肯定するべき物だと刷り込まれてしまっていた。
そして、僕は狐へと変化していく肉体に、幸福感を覚えていた。
「どうじゃ。獣へと堕ちる快楽は?」
彼女の口から漏れる吐息の匂いに酔いしれ、快感に身をよがらせ、神酒の酒精によっての泥酔状態になった所為で、目をとろんとさせながら涎すらくちから垂れる僕は、ただ彼女の問いかけに肯くことしかできなかった。
「ここも大分変わってきたようじゃ」
妖艶な笑みで僕の股間に口を近づけていくご主人に、しかし僕は抵抗できない。そしてご主人の舌が僕の尻に到達した刹那、僕の中で何かが弾けたような感覚が走り、そして一気に身体が跳ね上がった。
「んぁあっ!!?」
そして身体から沸き上がる不思議な感覚。
その一瞬のうちに、それまで僕の表面を駆けめぐっていた快感が、僕の全てを走り去った。
「んはぁっいぁ!!」
呂律が回らない。まるで内側から溶けていってしまうような、奇妙な感覚が僕の中を一気に駆けめぐっていく。
汗腺から全身の水という水が抜けきってしまうような脱力感。
一方で、至る所の筋肉がより強く結びつき、膨らんでいく感覚。
目を明けている余裕もなくなり、身体を仰け反らせて、彼女が与える刺激と、肉体と精神の両方を駆けめぐっていくあらゆる感覚に堪えていた。が、しかしやはり堪えきれるはずもなく、天井を見ていた瞳を遂に硬く閉じてしまった。
刹那、遂にこれまでの中で最も強い衝撃が僕の中心から放射状に、一気に広がった。
「げっ!!」
言葉にならない呻きが喉の奥から漏れる。同時に、僕の胃の中に入っていただろう吐瀉物が、衝撃によって横向きに寝そべる形となった僕の口から飛び出し、冷たい床を濡らした。
と、それを境にゆっくりと、僕の中から苦しさが逃げていく。少しずつ楽になっていく身体に、ようやく気を抜いて、僕は身体から力を抜いた。
「どうじゃ、辛かったか?」
彼女の言葉に対して、僕は素直に肯いた。
あまりに苦しくて、僕の目からは涙が零れていた。それが感覚で分かる。
そして彼女はそれを嘗めた。もぞもぞとした感覚が身体の何処かであったが、その行為でそれも気にはならなくなっていた。
「じゃが、もう大丈夫じゃ。ほれ、見てみい」
激痛で勃起も治まってしまっていた僕に、彼女は神前に供えられていた神酒を中空へ流す。その非現実的であり、そして鬼火に照らされて流れる美しい光景に僕は目を奪われる。
寝っ転がった僕の上にそれが溜まり、一つの長方形を形作る。そしてその水の反射率が上がり、僕の姿を照らし出す。
其処には腹を見せ、縮んでしまった肉棒を股間に持ち、尻穴を彼女に見せる淫らな格好で寝ころんでいる僕の姿が映っていた。
禁色のきめ細やかな体毛に、柔らかな尻尾を持った、一匹の狐となった僕の姿が。
その姿に愕然とする以上に、幸福感と異常な程の興奮が込み上げてきたことに僕は驚きを感じていた。
生きながら畜生に堕とされた筈なのに、それを幸福と思う自分が居た。
それはきっとご主人が居たからだ。
ご主人の手に因ってのことだったから、僕は悦びに打ち震えたのだ。
痛みが快感に変わっていく。僅かに見えるご主人の顔が、少しだけ快感に歪む。
一方で僕は、薄れていく自我の中で何とか自意識を保とうとするが、彼女のそれが突き入れられるのに比例して、次第に彼女の肉を受け入れる器に過ぎなくなってしまっていた。
美しく、愛おしい肢体。獣に変わってしまったためか、彼女の身体がより完璧な存在のように思えた。
「っぁああ!!」
声が漏れる。そして遂に彼女の身体が僕の尻に付く感覚。
「全部埋まったぞ。どうじゃ、主の物を全て受け入れた気分は?」
想像以上の圧迫感。年月を重ねた、太く長い性器は僕の中を貫き、そして淫らに腰を振り始める。
自分本意な行動。だが、主人のその行為に僕は既に痛みなど感じない。絡みつくような感覚と快感を尻穴から感じながら、肉棒を勃起させ、彼女に無防備な姿を見せるだけだった。
「ふむ、なかなか心地よいぞ」
ねっとりとした声で彼女が僕に耳打ちする。恥ずかしくてみみがぴくぴくと動くが、彼女はより恥辱的な台詞を口から吐いてくる。
そして言葉を脳内で咀嚼するたびに、僕の中で恥ずかしさが快感に変わる。
「言葉で感じるなど淫乱じゃのう」
玉を揉まれながら言われ、そして言葉の意味を理解できたのなできないのかも分からないまま、強く性器を押し込まれたことで更に勃起する。
「んぁあっ」
息が荒くなる。尻穴からの刺激で霞がかかった思考に、膜が張ったように更なる脳の痺れ。
彼女の愛撫は続き、そして僕の存在が遂に壊れていく。
「あっあっあっあっ」
次第に彼女の腰の動きが断続的になり、一方で僕の中の一点を貫き始める。
そこを突かれる度に僕の身体には電撃が走ったような快感が抜ける。それを見てより一層加虐心を刺激された彼女は、何度も何度も其処を突き上げる。
「なんじゃ。初めての雄穴で、言葉でも感じて。此程淫らな存在を我は終ぞ見たこと無いぞ」
涎を垂らし、頬を赤らめ、彼女行為に異常な程の興奮を覚えている僕に、厳しく、そして異様な程に優しい言葉をかける。僕の中の自虐心が更に開花し、彼女からの行為を受け入れる。
双方ともが長い間その行為に没頭する。彼女の腰が突き入れられるたび、僕は淫らに喘ぐ。
正に獣の交わりは、僕の意識が飛んでしまう程に、より激しくなっていく。
頬を紅潮させ喘ぐ僕に、彼女はさらに動きの速度を増していく。
脱げてしまった服に先ほど放出した精液で染みになってしまっているのが目に入ったが、瞬時にどうでもよくなってそのまま快楽に没頭していった。
「あっあっあっ」
涎を垂らして。狂ってしまうほどの快感に耐えながら。彼女に弄られながら。僕はより淫らな獣に堕ちていく。
そして遂に、先端が熱くなってくる。
彼女が激しく腰を振りながら、一方で優しく僕のそれを握った。
刹那、込み上げる熱さ。
「あぁあっ――――!!!」
我慢しきれずに声を出して、彼女にされるがままになっていく僕を、他に見る者がいればどう思うだろうか。
そう考えるだけで羞恥心が増していく。そしてついにそれも考えられなくなってくる。
余裕がなくなって、真っ白になっていく頭の端に彼女の顔。端麗なそれが目に入って、そしてさらに僕は淫らに喘いだ。
いつもの僕だったら。あのこっくりさんをして、ここへ来る前の僕だったら、きっとご主人の立場だっただろう。けれども、淫らな受動の快感を知ってしまった今、二度とそこへは戻れない。戻ろうとなどできない。
尻穴を締め付けると、彼女が気持ちよさそうに呻く。さらにそれによって僕の前立腺が刺激されて、肉棒から透明な汁が床へと落ちて、弾ける。
僕が僕でなくなってしまい、僕が僕になる。
表現できないほどの快感が背筋を駆け抜けて、全身が痙攣する。肉棒が膨張して、尿道を通り、鈴口から一気に何かが迸るのが分かった。溶けて、弾ける。僕という存在がそれとともに放出されていくのがわかる。
人間としての最後の自我が、白濁液と共に僕の中から消え去ってしまっていくのが感じられた。
びゅくびゅるるびゅくびゅびゅっっ
「ぅぁっ…………」
漏れる言葉は、もう僕のものではないような気がした。
そして僕が絶頂に達したと同時に締め付けられた括約筋が、彼女の肉棒を刺激。それによってご主人も無言で絶頂に追いやられる。
穴の中のご主人のものが膨れ、中に熱いものが流れ込んでくる。
人間ではありえないほど長く、そして心地よすぎる射精感と服従の悦び。未だ続く二匹の射精は長く、強烈で、僕の中で何かが書き換えられていくような幸福感。
そして、ご主人のものが白濁液を吐きながらより深く僕の奥に潜り込んだところで、僕の意識は尽きてしまったのだった。
「気分はどうじゃ?」
優しく語りかけてくる声。
僕はゆっくりと目を覚まして、慈母のようなその体に鼻を擦り付けた。
暖かく、悠久の時を感じさせる香り。香と混じって、太陽の香りもする。
いつから匂いひとつでこれだけの情報が分かるようになったのだろう。考えて、しかし思い当たらないので考えないことにした。そんなことをしているよりも、ご主人のそばで寄り添っていたほうが気持ちがよいことに気づいたからだ。
障子の外は、森だった。深い深い、緑色の森。僕が眠っていた神殿はその中央に位置していたようで、そのためか思った以上に建物は大きかった。
こうして、もりの少しはずれから考えてみれば、あの神殿のために森が作られていたような、そのような感じも受ける。
とにかく、僕は今この時間がとても幸せなようなものだと思えた。
「気持ちいいです」
「この陽気じゃ。まどろむのも仕方なかろう」
ご主人の言うとおり、ぽかぽかと照らす光に僕は眠気を覚えていた。暖かな香りと、光。そして深い草の中、ゆるりとした時間だけが流れていく。
ご主人の眷族しかいないという森には、鳥のさえずりもない。耳に入るのは葉と枝のさざめく音だけ。それが僕の少し垂れた耳に入って、そのまま寝入ってしまいそうになってしまいそうになる。
「じゃが、ほれ。毛繕いの途中じゃろう。起きぬか」
言われて、僕は前足で目をこすった。ぼやけた視点にご主人の姿が捉えられる。
「んぁ、はーい」
「主、初めてここに来たときの緊張感は消えうせてしまったようじゃな。……まあよい」
ご主人が呆れた声で言うのを、僕は二股の尻尾を振りながら聴く。
その表情がいつか見たような恐ろしいものではなく、どこか困ったような柔らかな表情だったことに安堵したからだ。
僕はとろんとする目を一度ぎゅっと閉じて、そして眠気を振り払う。ご主人はそれを見ながら、母のように微笑む。
そういえば、僕の母はどのような者だったか。思い出すことができない。
けれども、別に思い出さなくてもいいような気がした。むしろ、思い出してしまってはこの幸せな時間が崩れ去ってしまうような気がして。
僕は再び彼女の毛繕いに戻る。
そこには悠久に続く妖の時間。僕はそれを噛み締めながら、
陽光の下で眠ってしまった。
水辺は風に揺らめいて波紋を作る。
その風はどこから来て、どこに吹くのか。そのような疑問すら生まれてしまうほどに、人間の目からすれば木々が生い茂り、それがどこまでもどこまでも続いていた。
木々がざわめき、時折幾つかの尾を持った狐が通り過ぎて、水を飲みに来るだけだ。
そこは久遠の世界。
決して人間の手の入らない、妖の世界。
木々の狭間から光が漏れる。その下、湿った地面に苔が生え、その僅か上に草が生える。
その森の奥に、似つかわしくない大きな神社があった。
あまりにも広すぎる堂は磨く者もいないのに姿を映すほどに綺麗であり、がらんとしたその場所のその神前には美しすぎるほどの稲荷が像として祭られていた。
供える者もいないのに、神前には神酒と稲荷寿司が用意される。
そして、その神殿から離れた森の外れで、新たに眷属となった者と共に、像と寸分違わぬ美しさの妖孤が惰眠を貪っていた。
一方、人間の世界。ある学校の教室で、凄惨な事件が起こっていた。
夜中に学校に忍び込んでいた学生たちが翌朝、警備員によって発見されたのだ。
部屋の中央の机には「こっくりさん」をしていたらしい形跡があり、そして五人の遺体がその傍らに転がっていた。
その五人分の遺体は、それぞれが刺しあったような傷をしており、もともと仲の良かったとされるその男女の集団自傷事件として警察は片付けることにした。
しかし。
面白半分で録られたであろう録音が現場で見つかった。
そこには六人分の声。「こっくりさん」を始める前からそれぞれの名前を呼び合っていた声。
だが、遺体となった彼ら以外のもう一人の名前は、彼らをよく知っていた友人、保護者に聞き込みをしても、誰も知らないと答えたという。
そして自傷の動機、録音の内容、謎のもう一人など、幾つもの解けない不明点を残して、警察の捜査は難航。闇に葬り去られることになったという。
<了>
終わりでつ
むらむらしてやった
妖ならなんでもよかった
後悔はしてない
なんかどっかで見たこっくりさんの怪談考えてたら思いついた
素晴らしい。作品を書き溜めることが出来るなら一冊本に出来るよ。
うっひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
俺も連れて行かれてeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!
GJ!!
最近長めの良作が多くてうれしいね。
730 :
◆ENWE8LQqfU :2006/05/10(水) 01:18:44 ID:oCJ1d4HY
気に入ったトリのつもりだったのに間違えてた_| ̄|〇
ありがとうございます
本はいつか出してみたいでつ。長編は終わりが見えなくなるので投下とかムリポですが
まだまだ精進です
素晴らしい・・・GJ!!
一気に目が覚めました・・・(驚
>>730 転載乙
ケータイサイトのよりもこっちの方が先進んでるね
連載をケータイで読んでたけど完結楽しみだったよ
GJ!
幸せで、うらやましすぎる……>主人公
とにかくGJです。とにかくGJです。
いい・・・獣化としてはいいんだが
主人公は確かに幸せなんだろうが友人の仇でもあるけつね様に
完全隷属して・・・見てる分にはカナーリ複雑だな。
しかし作者の上手さは凄い。GJ!
感想、本当にありがとうございます(´・ω・`)
最近ようやく自分の買ったので、時間見ながらまた違うものを投下させて戴くかも知れません
>>732 知ってくれている方がいるとは(´・ω・`)
ネットは広いのに……
>>730 超GJ!
……2chは恐ろしいよ?ほんとにw
>>730 俺携帯だけど画面メモに全文保存したよ
GJ!!!
別の話を現在書いてたりしますが、思った以上にきついな
今週中には終わらせたいですが、そのときの投下場所はここでいいでつか?
>>736 晒されるのが一番怖いかもしらんです
/\___/ヽ
/'''''' \
i´`Y´`Y`ヽ(⌒) / (●), ''''''\
ヽ_人_.人_ノ `~ヽ ./ ノ(、_, )ヽ (●) .| NHKの集金に来ました
\___ \ |. / ̄〉 .|
\_ 〉 \ /ー-〈 (⌒) ./
. `ニニ´ ノ Y`Y´`Yヽ
(´ ̄ .i__人_人_ノ
` ̄ヽ /
` ̄ ̄ ̄´
>>738 見てくれる人が増えると思えば別に気にならないと思うんだが。
超糞な小説でなきゃ叩かれる心配無いと思うし……。
まぁ、どうしょもない小説はしらんがな。
742 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 02:29:24 ID:dy4mbAW1
まもるくんとテイルコンチェルト同じ会社だったのか……!知らんかった。
テイルコンチェルト2が出てもおかしくないっすね
どういう理屈だそれはw
744 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 04:11:34 ID:aaA1ncvc
CC社といえば弟が買ってきた.hack//G.U.とゆうゲームを横で見てたんだが
簡単に説明するとネットゲームのプレイヤーが主人公とゆう設定のゲームでな
その中で掲示板も見たりするんだが…そこにケモナーとゆう文字があって驚いた。
a
ゴメンあげちゃった
スタッフに頭の悪いケモナーが居るからな
だ が そ れ が い い ! ! ってやつだ。
そうか。
あ、「頭の悪い」じゃなくて「気持ち悪いテンションの」に訂正しとくね。
俺は逆に公式サイトのそれらしき人の発言にある意味敬服しちまったがな。(トテモマネデキネ
「ふーん、で?」としか言いようの無い話題だな。
重要なのは中の人がどうの発言がどうのじゃなくて、
結局ゲーム中に萌える獣人・亜人が出てきたかどうかなのだが。
752 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 10:53:35 ID:RtcccNDe
>>738 貴殿の作品の水準なら住人と関係のない荒らし以外に叩かれる心配は無いと思う。
.hack//Rootsなら猫耳のタビィがヒロインで出てますが、あ、ちなみにこれはアニメです。
ゲームなら無印でミア、アニメのSIGNだとマハって猫もいるな
GUは設定の割りにメインキャラにはやや少ないっぽい。
今EDまで見たけどguは♂ケモしか出てないな…
しかもマズル無いから萌えない・・・黒豹の皮被ったマントヒヒだよあれ
親愛なる職人様各位
――そろそろSS読ませていただけると嬉しいです
耳&尻尾とケモの間とゆうかミスラとかがOKかどうかが境かな。
>>757 私が書くと荒れる。w
それより、
>604 :若奥様は…… ◆nWGcrqn3AM :2006/04/03(月) 20:55:53 ID:8PvZmbhm
続きが読みたい。w
わけあってクッキー消したから酉変えたお
>>752 自分で自分の評価ができない人間だから、不安だった
要望あったら晒させてもらうお
>>759 続きが読みたいのところ禿同
御伽草子の浦島太郎ってTFだったのかw
>>759 >>760 お久しぶり、かな。
制作難航中っていうか浮気しています。漂流女子なんとかに。
若奥様のあれは
今夜ストック分を放出しますのでしばしお待ちを。
プロット読み返して書かなきゃ;
さてと、仕事の区切りをつけないとね。
続き物書いてる他の職人さんたちもどこかに浮気中なんだろうか
764 :
437:2006/05/26(金) 22:53:47 ID:bstQUxhL
>>763 こちらの場合は単純に行き詰まってるだけです。
しかし何も書かないよりは一旦保留にして新規のでも書き進めたほうがまだ良いのだろうか…
ところで書いてる人はやはりトリップ付けた方が良いんでしょうか?
765 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 03:29:10 ID:VVl6djft
新人ですが。
牝馬×触手で強姦で性描写は淡白。短編ですが投げ入れてよいですか?
>>765 皆さん身を震わせて喜びますよ。是非アップして下さい。
どうかよろしくお願い致します。m(_ _;)m m(_ _;)m m(_ _;)m
>>765 期待しているぞ
でも「sage」を忘れないでくれ
768 :
765:2006/05/27(土) 04:06:23 ID:VVl6djft
よし。sageもマスターした。これで遺憾はない。
早速アップするわけにはいきませんな。ちょっと文章が稚拙で、萎えるかもしれないからもうちょい推敲します。
ちょうど一週間後ぐらいになると思います。
焦らすのは常套手段。
セクースしたことないと想像にしか頼れないから不利だな・・・。
アゲ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
>>769 バ━━━━(゚∀゚)━━━━カ!!
でも、そんな藻前が好きだ。
>>764 >>437って何書いた人だっけ・・・?
と思ってログ読んでみたらヌコとブタ男の神隠し書いた人やんかー!!
酉つけるかつけないかは自由じゃないですかね?
続編でも新作でも期待してます!できる範囲で頑張って下さい〜
推敲が案外楽でした。すぐ終わりましたよ・・・。
分類分け:触手×牝馬 強姦 潮吹きシーンあり グロエロ(のつもり)
注意書き:本物がどんなのか知らないので明らかな過剰な表現が含まれていると思われます。しかも前置きが長い。
では投下。
競馬界では、桜花賞や皐月賞の話題が持ちきりになるこの季節である。
北海道南部に位置する大手競走馬育成牧場「ナルサムファーム」にもようやく桜が咲いた。北海道の桜は晩成である。
広大な芝の世界。四月の暖かな空気の中で、麗しい牝馬は草に体を委ねていた。
大柄な彼女は流星のように美しい葦毛の持ち主で、特に鬣の流麗さは言わずもがな、である。
目はくりくりと丸く、黒目の部分は栗色に光る。少女の目だ。
名は、「ミルセルピアン」。どこか高貴な響きがする、綺麗な名前だ。
あだ名は「ミル」で、ファンや牧場の人々から親しみを持って呼ばれていた。
このように美しい体躯のおかげか、彼女は一躍アイドルホースとなった。
十二月の粉雪の日に開催された「阪神ジュベルナイルフィリーズ(通称、阪神JF)」で、白い妖精の中を彼女が流れるように走った時、ファンは大歓声を上げた。
もともと馬主は駄目元でそのレースに出走したのだが、その時期の彼女は全盛期であったこと、彼女以外に追い込み馬がいなかったこと、レースがハイペースで展開したことなどが上手く噛み合って、レースでは彼女はハナ差で優勝した。
こうして、彼女は良い血統、好運に恵まれて阪神JF勝ち牝馬になったわけだが、残念ながら極端な早熟馬で、そのレースで勝ってからは黒星ばかりだった。
ついにはオープン戦七着という屈辱を喫し、阪神JFの三ヶ月後、つまり三月の下旬に引退し、繁殖上げにされた。
ついこの前までは、繁殖馬ではなく競走馬としての生涯を送っていた彼女の体は未だ筋肉質で、太股の筋肉(ヨロ)は十分に隆起し男勝りにも見えた。
腹部もがっしりとしており、首は人間の腕一回りほどはある。見かけだけは、立派な競走馬だった。
彼女は、その丸い目を細めて、鬱々した様子で遠くの雀を眺めていた。
……疲れた。
引退後、繁殖馬として、生殖の器械にされてしまった彼女は、三月末に一回、四月前半に一回、合計二回種付けされたのだが、血が濃すぎたせいか、どちらも不受胎。彼女には交配の疲労だけが残った。
そもそも、彼女と肉体的関係をもった二頭の牡馬は、どちらも競争能力が高いだけのブサイク男で、彼女は嫌というほど拒み、抵抗したのだが、男の力には敵わず、強姦されたのである。そのため、精神的な疲労も蓄積され、彼女は一日中ぼーっと過ごすようになってしまった。
そんな彼女の元に、一頭の牡馬が後ろから近寄ってきた。
『……ミル?』
その牡馬は心配そうに呼び掛け、彼女の注意を向けようとした。
ミルの耳がぴゃん、と動き首だけをそちらに向ける。
『シヴ……』
彼女はあまり気の無い声でその牡馬に答えた。
牡馬はミルとあまり大きさの変わらない馬だった。だが、体がほっそりしているので、ミルよりも体重は軽そうに見える。
名を、シヴライアンという。
は、ミルと同じくナルサムファーム出身の元競走馬で、今年、つまり五歳になってから種牡馬として生き始めた。
ミルと同じ騎手が乗っている事から、二頭はお互いの事が気にかかっていて、たまに放牧時期が重なった時に、よくくっちゃべった。
甘い栗色の体に、ほんのそよ風でもなびく黄金の鬣と尾。昔から、美馬として褒め称えられるタイプの毛色だ。
鼻梁(人間で言えば鼻にあたる)に走る白い線はまったく歪む事なく真っ直ぐ走っており、顔そのものも細く整っている。
体躯も、元競走馬とは思えないような細さで、川の流れを思わせた。足は地面を踏みしめていると言う感じではない。
地についているはずなのに、少しだけ浮いているような、そんな神々しさが漂う。
ガラスで出来ているかのような透明感が、シヴの周りには漂う。おませでお年頃なミルは、そんなシヴに恋心のようなものを抱いていた。
彼女が好意を抱くのは、見た目のためだけではない。
シヴは、見た目こそ脆弱そうに見えるが、その実は物凄く強靭なのである。
レースの実績を上げると、三歳時、ダービー、宝塚記念、菊花賞、有馬記念。四歳時、天皇賞・春、天皇賞・秋、ステイヤーズステークス、そして有馬記念(二回目)を制して引退した。
GT七冠である。ただの馬ではない。長距離においては無類の強さを誇る馬だ。勝利したレースも、二千メートル以上しか無く、それ未満の距離のレースにおいてはさっぱりである。
「何百年かに一度のステイヤー」と言われた事もある。ステイヤーと言う点では、名実共に、彼は最高級の牡馬だ。
ただ、これだけでは強靭である事の裏付けにはならない。が、彼にはその裏付けになるものがある。
四歳時の阪神大賞典。
これは、六十キロを背負って走ったのである。六十キロは馬にとって大きな負担だ。普通なら、レースを回避するほどの斤量であるが、馬主は敢行。
その期待に見事応え、二着の好走。その後の天皇賞・春へ向けて上手くローテーションを組み、優勝した。観客や専門家の度肝を抜かされたわけである。
そんな強さの上に美貌があるから、ミルはシヴに限りない魅力を感じるのだ。
シヴみたいなのになら、いくらでも乗られていいのに……。
ミルは、体の左右さえ対称でないブサイク馬を思い出して、溜め息をついた。
『……疲れたんだろうな』
シヴはミルの隣に伏せた。お互いの体が触れるから触れないかという距離まで近づく。
ミルは恥ずかしいような不思議な感覚に少しだけ見まわれたが、シヴが隣にいるのはとても嬉しい事なので、その感覚を無理矢理殺した。
『疲れたって、何の事?』
ミルは、何にも知らない様子でシヴに訊いた。おそらく、『ブサイク馬に犯されて辛かっただろうな』と言ってくれているのだろうが、そうは思いたくなかった。
シヴ以外に犯された事は、シヴに対してとても悪い気がした。
シヴは正面の何にも無い空間を見据えたまま、ミルに答えた。
『お前の泣いているような嘶き、厩舎の中で聞いたよ』
『えっ……』
そんなに大きい声で泣いたっけ……。ミルは不安になった。
『かわいそうにな……。こんな綺麗なのに……』
シヴは、すらりと長い首を曲げて、ミルの目を見つめた。
シヴと目が合って、ミルは自分の顔が熱くなっていくのを感じた。
ミルがどぎまぎしているのを知ってか知らずか、シヴは顔をどんどん近寄らせる。
『申し訳なく思わなくていいさ。お前は何も悪くないんだから……』
シヴは囁きかけるような声でミルに語る。どこか艶かしいように感じて、ミルは内心狂騒状態だった。
『ミル……』
シヴはミルの目を悩ましく見つめ、
『何? シヴ……』
ミルの首筋を愛咬した。
『え? ちょ、ちょっと、シ、シ、シフ、シヴ、シヴシヴ!』
唐突なアタックにミルはその口から逃れようとしたが、すぐに思いとどまった。今までにない、阪神JFを勝った時の喜びさえも遥かに勝る感情が、首からミルの全身へと駆け巡った。
二度三度、慈しむように優しく噛み締め、シヴは口をほどいた。
『ミル……』
シヴは少し不安なような、懇願するような、感情が複雑に混ざり合った目でミルを見た。
ミルは、心臓が高鳴っているのを悟られないように、呆けたような顔をしてみせた。
シヴが、恐ろしいほど艶容な声で言った。
『応えてくれるか……?』
ミルには、それが神から授かった言葉に思えた。
一瞬世界の全てが停止し、すぐさま本来の時間軸に戻る。そして、世界が徐々に輝き出して、薔薇のように高尚な世界へと移り変わって行く。
ミルの目には世界がそう見えた。
ミルは、すっ、と立ちあがった。
『あっ……』
シヴが全てを失ったような声を出した。ミルが、断ったのだと思ったのだろう。
もちろん、ミルはそういうつもりで立ったのではない。
ミルは、少し歩いてUターンし、シヴの真正面に止まって、胴を落とした。
お互い見つめ合う格好になる。
ミルは、喜びが隠しきれず、思わずニヤけながら言った。
『いくらでも応えようと思う』
ミルがそう言った瞬間、シヴの顔が輝いた。
『ミ――う』
ミルは、シヴの言葉を妨げた。
シヴの首筋を噛んだのだ。
真正面から相手の首を噛む事。これは、馬にとって最上級の愛情表現である。
さっき、シヴはミルの横から首を噛んだが、真正面から噛むのと比べれば意義が軽い。真正面から噛むのとは比較にならない。
いわば、肉体の関係を許したようなものだ。
自分がした事よりも大きな事をされたシヴはミルにされるがままだった。不意を突かれて呆然としているのかも知れない。
だが、彼が正気を取り戻すのに時間はそれほど必要でなかった。
シヴは、口角に笑みを浮かべて、ゆっくりとミルの首に口付けした。
お互いがお互いの首を噛む格好となる。
ミルは、シヴは自分にやり返してくれたのを神経で感じ取り、安堵に似た喜びと、彼の優しさに対して甘えたい衝動が起きて、今までの辛い凌辱の過去に、涙を流した。
首を食みながら、嗚咽混じりにシヴに訴えかける。
『な、なんで、私があんなやつらに、乗られなきゃ、ならな、かった、の……?』
『……辛かっただろうな、ミル。いつか俺が慰めてやるから……』
シヴは、下手にミルに答えず、自分の体を与える事を約束した。
人間界では、唐突過ぎる発言だが、馬にとってはそうでもない。お互いの首を真正面から噛んでいれば、肉体関係が保証されたようなものなのだから。
『ほ、ほんと、に……?』
ミルは嘆願するように訊く。
『約束する』
『……あ、あなたの女に、なったら、もう、大丈夫、かな……?』
『……ああ』
それ以上、二頭の間に言葉が介入するのは許されなかった。
ミルは、いつかお互いに激しい愛を交わす妄想を抱きながら、首筋を愛撫した。濡れるほどの性感を得るには全然足りなかったが、今はそれだけでも幸せで幸せで天にも昇る思いだった。
太陽がやや傾き、十六時になっただろうか、というころ。
二頭は聞き慣れた足音を聞き、咄嗟に口を離した。ミルから見て右側、シヴから見て左側に、二頭とも顔を向ける。
やや遠い所に、牧場のマスターがこちらに歩みを進めてきていた。
マスターのまとう雰囲気は、一種異様だ。他の人間の男とは一風違った、沈着な雰囲気。マスターの隣にいると、何故か自分が強くなったような気がする。
シヴに対して抱く安心感の縮小版といったほうがいいだろう。
もちろん、マスターに対して恋愛感情を抱く事はない。興味本位で犯したくなる事はあるが。
と言うのも、人間と馬だったら、馬の方が体力的に勝っている事は彼女も理解しているので、攻める事ができるかな、とたまに思うのである。
受けるのはもう十分経験したつもりである。
彼女も根にはエロスがはびこっている。相手次第で、積極的に受け入れる事もあれば、積極的に拒む事もある。要は、限定的淫乱馬なのだ。
……補足説明すると、馬の世界は人間の世界と違って、性に対する規制がゆるい。ある馬が二頭以上の異性馬と交わっても、あまり責められる事はない。
彼女も、自分の意思で犯したなら、シヴは許してくれるだろうと思っているのだ。
それに、シヴがミル以外の牝馬を犯した事は、ミルも知っている。それは種牡馬と言う地位上仕方ない事なので、彼女は笑って飛ばして許してやった(シヴだけ)。
それなので、もし、ミルがマスターを襲った事に対してシヴが責めたとしても、『お互い様』と言う最強の言葉の武器がある。
それに、シヴは、不倫をされたぐらいで絶交するような矮小男ではない。
ミルがそうこう思考をめぐらせている間に、マスターは二頭のすぐ近くまで歩み寄ってきていた。
マスターは、いつもの微笑を浮かべながらしゃがみ、ミルの手綱を取った。
シヴのは取らずに。
それはつまり、ミルだけが連れて行かれるということである。ミルは軽い喪失感を抱きながら、手綱のままに立ちあがった。
『ミル……』
後ろでシヴが呟いたがミルは、振り返って一瞥をやるだけに留めておいた。
それ以上をやると、手綱を振り切ってしまいそうに思えたからだ。
失ったものは仕方が無い。今はマスターしか無い。ミルは割り切って、マスターに注意を向ける事にした。
「ミル。シヴの事がそんなに好きかい?」
マスターは深みのある趣深い声でミルに話しかけた。何度聞いてもいい声だな、と思う。
この声を聞いていると、心の中にある不浄な物が全て抜けていくような、そんな清涼感を受ける。
意味はわからないが、心地良いので、ミルは耳を傾ける。
「そんなにシヴの事が好きなら、もう一度チャンスをあげようか?」
マスターはミルの目を流し目で見ながら言う。
「ちょっと無理のあるスケジュールだけど、ミルなら、この程度の事はできると思うんだ」
マスターはミルが競走馬時代の時の調教スケジュールを根拠に言っている。
ミルは根性の足りない馬だったため、併せ調教を何度となく重ねたが、他の馬たちよりも長持ちしたのである。
「……当て馬をあげるから、シヴと愛しあいなよ。――あ」
マスターはミルに呟いてから振り向いた。ミルもそれにつられて後ろを見てみた。
シヴが微妙な距離を保ちながら後ろを付いてきていた。どうしたらいいのか分からないらしく、取り敢えず付いてきていたようで、ミルとマスターが立ち止まると、その場でたたらを踏んだ。
ミルは、シヴに求められている事が分かってまだ嬉しさを感じた。
マスターは、ミルの手綱を離して、シヴのほうに近寄っていった。
おろおろしているシヴの顔に優しく手をかけ、柔らかく撫でる。
もしマスターが女だったら、ミルは嫉妬してマスターを蹴飛ばしていたかもしれない。
「……付いてこないでくれるか」
マスターは語りかけるようにシヴに言い、軽く顔をはたいてミルの元へ戻っていった。
顔をはたくのは、待機の命令。
シヴはいよいよ困った顔をして、もどかしそうにその場を歩き回った。
ミルも寂しかったが、どうせ明日会えるし、マスターの命令だったら仕方が無い。
マスターに手綱を引かれる直前、ミルはシヴに微笑みかけた。
ミルがマスターに連れてこられた小屋は、いつもの厩舎と違っていた。
外とは一つの扉を挟むだけで、ただ四角いだけの殺伐とした部屋。床はウッドチップでふかふかしていて、壁は灰色で、鼻を押し当ててみると軽くめり込んだ。
寝るのには理想的な部屋だが、いつもの慣れた厩舎とは違うので、やはり緊張してしまう。
マスターが部屋の扉を閉めてからあと、ミルは床に伏せて味気ない壁をぼぅっと見つめていた。
マスターとも別れてしまった今、もっぱら考えているのはシヴの事ばかりである。
あのようにして肉体的関係も許してしまったことだし、シヴとの仲はより親密なものになるだろう。
喜ばしい事だし、望んでいた事だ。
しかし、そうなると、こうして一人でいるのがとても辛く感じる。
私のどうでも良い話も真面目に聞いてくれるシヴ。私が傷ついた時は慰めてくれるシヴ。いつも私の事を思ってくれるシヴ……。
今までは単なる憧れだったものが、現実になって、その甘美な味を覚えてしまった。シヴがいない時、とりわけ一人の時は、心がむせび泣く。その泣き声で、胸が締め付けられる。
……はずだがなんだかくすぐったい。
ミルは思わず笑ってその不思議な感覚をちょっとだけ楽しんだが、すぐにとんでもない事に気付いて目を見開く。
胸の下に、何かがいる!
ミルはその健脚で一気にその場から部屋の隅まで飛び退り、自分の胸が押し潰していた所に目をやる。
そこには、細長い何かがいた。
それは、ウッドチップを押しのけて床から発生しているようで、牡馬の陰茎より一回り太い。ほんの少し頭を覗かせている。半透明の粘液を垂れ流している様子は、つるんとした巨大みみずのようだった。
ミルは本能的に感じた。――殺される!
人との生活で鈍っていた野生の血が突如として煮えたぎり、その触手のようなものからなるべく離れようと、体を壁に押し当てる。
触手は、床から這い出て、その長躯を顕にした。
薄い桃色に、ところどころ血管のような紫色の線が走っている。触手の高さはミルの体高を遥か凌駕しており、もう少しで天井に届きそうなまでに伸ばされていた。
ただの棒のような物であるはずのそれは、相応でなく重圧感があり、それこそ押し潰されそうな錯覚を呼ぶ。
ミルは柔らかい壁にますます体を押し当てた。
触手はその長い体を醜悪になびかせて先端をミルのほうに向けた。
先端から流れ落ちる粘液が、彼女におぞましい何かを思わせたが、そんな事はすぐに脳裏に追いやり、意識の外へ飛ばす。
今意識すべきは、如何に生き延びるか――。
彼女の切迫した視線を知ってか知らずか、触手がミルにずり寄ってきた。粘度の高い液体が動く音がする。
もしも触手が届いたら、もうおしまいだ。
ミルは息をする事も忘れてその触手を凝視していた。
今の今まで床の下に隠れていた触手も、どんどん地上に現れてくる。大蛇か何かが這うような不気味だった。
もしや、触手は無限に現れるのだろうか……。
恐ろしい考えがばかりが浮かんで、狂ってしまいそうだ。彼女は正気を保つだけで必死だった。
だがそれも終わる。
触手がこれ以上伸びなくなったのだ。
『……はぁ……』
ミルは思わず息を漏らした。
触手の先端はあと少しという所でミルに触れる事ができず、ミルの目の前でもどかしそうに頭を振るわせた。
なんとか、死ぬ事だけは逃れた……。
ミルは警戒が一気に解けて、安堵が体に満ちていくのが分かった。
そしてその安堵は間もなく弾ける。
『ぅんっ……!』
突然、下顎にぬらりとした感触が走り、悲鳴を上げようしたらその感触が顔中に巡っていって、それが締めつけてくるのを感じた。そのせいで、口が開けられずに叫びはくぐもった声となった。
彼女は悟った。壁から、二本目の触手が現れた事を。
戦慄が血管に飽和していき、恐慌の念が脳髄を支配していく。彼女は、必死で体をもんどりうって触手から逃れようとした。
が、触手は彼女を逃がすまいと更に力をこめて顔を握る。
徐々に痛覚が訴えてくる。彼女は体を動かすのを止めて、触手の成すがまま体を委ねるしかなかった。
《シヴゥっ……》
死を覚悟し、彼女は最愛の者を思い出した。
涙が彼女の目から溢れる。
顔にまとわりついた触手は、彼女を部屋の中心へと引っ張っていった。
荒々しく引っ張られ、顔に鈍い痛みが走り、唸りながら彼女は触手の命令を従順に聞いた。荒く手綱を引かれてるのよりも更に辛く、マスターの優しい手綱使いが遥か昔の事に思えた。
顔の触手は、床から生える触手まで彼女を導いた。
床から生える触手は、どこか待ち望んでいたようにその長躯を震わせ、彼女の周りをいとおしむようにうねりまわった。
私はここで死ぬんだ。
ミルは思った。
私は、全身締めつけられて、血を吐きながら、食われるんだ……。
彼女はもう覚悟を決めていた。触手には勝てない。だから、出来るだけ触手に屈服せずに死にたかった。
不意に顔にまとわりついていた触手が緩んだ。
彼女ははっとして、考えるより先に脚が動いていた。思考が追いついてくる。
触手の右側を走って、扉にぶち当たれば、扉が開くかも知れない。そうすれば助かるかも知れない。
僅かに生まれた生存の希望。彼女は追い込みの脚を発動し、そこに向かって狙いを定める。
だが圧倒的な力の前には、彼女はあまりにも無力だった。
前足で地面を踏んだ直後、床の触手に捕らえられ、そのまま地に横倒しにされた。体がウッドチップを擦り、茶色い破片が舞い飛ぶ。
焼けるような痛みが、右半身を埋め尽くし、彼女は嘶いた。
あまりにも呆気なく希望は潰え、彼女は己の無力さを呪い、己の運命を呪った。
触手は無慈悲である。哀憐に満ちた彼女の体を這い、床に押し付けるように縛ってきた。
背筋が凍るような気色の悪い感覚が腹を襲い、吐き気がするような鈍痛が彼女を苛める。彼女にとって、こんな得体の知れない物に殺されるのは、一つの生き物としてどうしても嫌だった。
ゆっくりと、腹に触手がめり込んでくる。それに伴って、痛みが増す。息が苦しくなる。目を瞑らなければ、痛みに耐えられない。
だが、その痛みはある程度の所で急に止まってしまった。
力の増大が突然止まってしまった事に、彼女の意識が連いていっているわけではない。ただ彼女は苦しさと被侮蔑に苦渋の声を漏らすだけだった。
彼女は今、自分が死に近づいていると思っているのだろう。
だが、そういうわけではないことが、即座に証明された。
どろ。
強い粘り気を持つ液体が零れる音と共に、部屋の床と言う床、壁と言う壁から、無数の触手が飛び出してきた。
それらは一様に似た姿で、長さも太さも変わらない。いずれも巨大みみずのような物。
ミルは、音で目を開け、そして見たおぞましい光景に恐怖した。
触手たちは、緩慢な動きでミルに近寄る。
まさにみみずのように蠢くそれらは、ミルの胸、首、顔に巻きついてきて、粘液で彼女を濡らし、より拘束を強烈なものにしようと力をかけた。
ミルの下腹部から上は、触手に埋め尽くされてしまっていた。
辛うじて触手がのしかかっていない左目。そこから部屋の天井を覗き、視界の中で蠢く触手を眺め、彼女はパニックと恐慌に陥り、唯一動かせる後ろ足と尾を訳も分からずばたつかせた。
そうするのを止める事は到底できなかった。
だが、それさえも触手が禁じる。
下になっている右後ろ足は床から現れた触手に捕らえられ、上側の左後ろ脚は壁から現れた触手に捕らえられ、尾は床から現れた触手に捕らえられた。
自然、後ろ足を開いて、尾を反らせる格好となる。内部構造が見えそうなほど、陰部は曝け出されていた。
今は、その姿勢を恥じている暇はない。奪われるかもしれない命を守るのが先決である。ミルは触手から逃れようと、全身で力んだ。しかし、触手はその度強固な力で締めつけるので、ただ体力が奪われるだけだった。
『くはっ……』
一際大きな力に、彼女の肺に入っていた空気の大半が押し出された。
体力も無い。抵抗する力も無い。彼女はもはや抵抗する力を使い果たし、怠惰な諦めが彼女に囁きかけた時だった。
彼女の太股の付け根辺りから触手が勢い良く飛び出してきて、粘液を飛び散らせた。その粘液は、ミルの腹や、陰部、臀部を湿らせた。
ミルはその様子が見てとれないが、感覚で変な物が体に付いた事は分かった。一瞬下腹部が痙攣した。
その触手は彼女の下腹部にその体を下ろした。
《ひっ……》
その触手だけは他と違って異常に冷たく、下腹部から熱を奪われた彼女は気味の悪い感覚に喉を震わせて声を出そうとした。
嫌悪感にさえ苛められて、彼女は自殺願望さえ抱いた。
無論、触手のいたぶりがこれで終わるわけが無かった。
下腹部に到達した触手は、その後に続く体を這わせながら、ミルの体を登っていく。
左足の外側を舐め、後ろのほうへ回ってもう一度腹に戻る。
少し陰部に近づいた。
感覚から触手の動きを察知しようとしていたミルは、触手の動き方があまりにも淫猥なのに気が付いて心臓が止まりそうになった。
まさか……。
触手は、腹から陰部を目指しだした。
《あぁっ……いやっ……》
陰部に近づくにつれ、ミルの神経も過敏になっていく。未だ触手が考えている事を信じたくなかったが、この動き方をされたら、もうそれにも抗えなくなってしまう。
そして、それは現実となった。
触手の先端が陰部に少し触れた。
《うぅっ……》
過去に犯された時の感覚とは違う、どこか甘く、そして痺れるような感覚が駆けた。思わず、愛液が出てしまう。
体はそれをひたすら求めていた。気持ち良かった。もっと欲しかった。
だが、心はそうでなかった。
《……いや……こんなのに犯されるなんて……》
生き物かどうかさえ怪しい物に犯されるなど、屈辱と恥辱の限りだ。女として、それは嫌だ。更に、彼女にはシヴと言う愛でる男もいる。そんな者がいるから、こんな怪物に犯されるのは絶対に嫌だった。
だが、抵抗するだけの筋力も体力も気力も持ち合わせていない。
《このままやられるしかないの……》
ミルは、自分を殺したくなった。この場で死にたくなった。
それさえも出来ない。
触手はかまわず彼女を凌辱する。
陰部の上を舐めるように這う。
《ぅ、ぅあ、ぁぁあ……》
この上ない最悪の感情が胸中で渦巻いているはずなのに、それでも甘美な感覚が陰部で吹き荒れる。愛液は、心に関係なく吹き出て、淫らな音を放つ。
最悪の感情と、最高の快感では、後者の方が勝っていた。
彼女の陰部は、たちまちのうちに愛液で濡れて、挿入されるに適した状態となってしまった。
《感じたくない……感じたくないっ……!》
彼女は必死に陰部の感覚を遮断しようとするが、触手が更に苛烈に攻めを展開する。
焦らすように、先端を少しだけ挿入した。
《くぁうっ……!》
ガラスが弾けるような猛々しい感覚が体を貫き、彼女の思考は一瞬停止した。それはまたすぐに動き出して、一瞬でも快感にさらわれてしまった自分に恥を知らしめさせる。
《どうしてこんな奴に感じてるのっ……! うっ、くふぅっ……》
感じる事を禁じようとするが、触手が陰部で動き回り、膣をあまりにも強く刺激するので、感じざるを得なくなった。
彼女の心の隙を見て、触手は膣の奥へ奥へと進んで行く。
《くぅぅ……》
触手が粘液で湿潤になっているからだろうか、馬の陰茎と違い、痛みが全く無い。そのため、快感が直接体躯を焼き、考える事を妨げる。
恥は、意識の外へ外へと追いやられ始めた。
《あぁ……ふぅ、ん……》
触手は飽くまでも彼女の嬲ろうとせず、優しく膣の内部を刺激する。
在りし日の二頭のブサイク馬と違って、純粋な快感が背骨を伝わって、脳までも焼いてしまう。意識が飛びそうな感覚が、常に襲ってくる。
《うぅ……もぅ、だめぇ……》
彼女は本能を理性で拒むのに耐えきれず、ついに官能に体を任せた。
まさにその途端だった。
今まで攻めらしい攻めはしなかった触手が、突然獅子のように荒々しく激動し、膨張しながら彼女を刺し貫いた。
《くはぁぅうっ!》
前兆も無しに快感の強さと範囲が急激に膨れ上がり、彼女の意識は一瞬、虚空に消えてしまった。
生来、初めてのオルガスムス。
気付けば、今まで冷たかったそれは白熱した鉄のように熱くなっており、膣を焼いていた。今になって、触手は壊れたように射精し出した。
《うぁぁああ……!》
触手の本体を凌ぐ熱が止めど無く膣の奥にぶち当たり、壁を伝って、外へ流れていく。
無限かと思われるほどの量が。
《……ぃ……》
息が出来なくなるほどの肉感で、彼女は心中で叫びを上げる事さえ出来なくなってしまっていた。
彼女の体は、完全に乗っ取られてしまった。
もう抵抗する事は出来ない。
体にまとわりついていた触手もそれを悟って、縛りを少しずつ弱めていき、全身を愛撫していった。
《ふぅぅ……ぅ》
彼女はオルガスムスどころか、もはや気絶する寸前で、どこかで猛烈な快感が脳に侵入している事を自覚する事しかできなかった。
濃霧がかかった、楽園にいるような感覚だった。
が、突然楽園が崩れだし、濃霧も晴れ出した。
触手の射精が終わったのだ。
全身を取り巻いていた触手も彼女を労わるように離れていく。
徐々にはっきりしてくる意識の中、結局自分が触手に体を任せてしまった事実に気付き、羞恥心が号泣するのと、全身が疲労困憊しているのと、膣液が未だに出ているのとで、彼女はぐったりと横たえ、静かに涙を流した。
こんなのに辱めを受けて、歓んでしまうのは、女として失格だ……。
彼女は、一頭の牝馬として、自分の存在を情けなく思った。
一声悲嘆を上げる。
地平線をものともしないほど遠くまで響きそうな声。それが部屋の中で反響して、何頭もの彼女が同時に同じ声を上げているような状況が生まれる。
声を上げると、胸のわだかまり幾分解けて、全てが終わったと思った。
意識の下で、もう触手に襲われる事はないと思っていた。
目を閉じていたから、今周りがどうなっているか分からなかった。
『……ひぁっ!』
彼女の巨躯は突然持ち上げられ、空中に浮いた。彼女の体から、精液やらなんやらが滴り落ちる。
驚きで彼女は眼を開いた。
そして今までの自分の思いを破壊されている事を知った。
彼女の体は触手によって持ち上げられていて、その浮いている体の周りを無数の触手が見ていた。
おそらく、胴体に巻き付いているのだろう。前肢の付け根辺りと、後足の付け根辺りに、二本。
彼女は世界が半回転するのを見た。
天井が腹の下へ。床が頭の上へ。
『何?! 何?!』
彼女の体は、空中で仰向けにされていた。
彼女の鬣や尾の毛が直立するように垂れる。
触手はなおも彼女を弄び、彼女の体を好きなように動かしていた。
頭は下へ。尻は上へ。
彼女の頭と臀部を結ぶ線が、地面に対して三十度程の角度をつけて、彼女の体は止まった。
『何? 一体何が起こるの……!』
ここまでくれば、もう答えは知れたものだ。
触手が、彼女の膣を狙っている。
本来挿入に適した距離を逸脱した距離から。
わけがわからなくて四肢をばたつかせるミル。その動きに伴って膣の左右の弁が擦れる。
そのあいだ目掛けて、触手は猛進した。
完璧な狙いだった。
触手は雨に濡れた桃色の花弁の間に体を押しいれ、膣を強烈に擦りながら奥まで進んだ。その奥の壁にぶつかってもその更に先を目指し、壁を遥かに前方に押し出した。
彼女の腹に、棒のようなシルエットがくっきりと浮かび上がった。
受ける激痛を軽く消し飛ばしてしまうほどの快感が、飛び火のように彼女の体を巡り、彼女は本能的に叫びを上げた。
喉が千切れそうなほど、絶叫した。
性の快楽。それが膣に多くの愛液を分泌させて、膣の中は触手と愛液と充満する。触手が膣口を塞いでいるので、大半の愛液は膣の中に留まるしかない。
彼女の腹が、液体によって膨らんでいく。
触手は壁を向こうに押し出すのを止め、今度は引っ張り出す。膣を逆撫でしながら打ち震え、己の体を思いきり抜き取った。
自然、滞ってた愛液が、膣の外へ出ようと殺到する。
愛液は、彼女の膣から噴き出た。
それは鯨の潮吹きのように凄まじく、有りえない勢い、有りえない量で放物線を描いて部屋を横断し、壁に激突し、不気味な音を立てた。
愛液によって膣の壁は擦られ、新鮮すぎる快感が彼女を殴る。
彼女は醜怪な声を上げて、体中痙攣させ、眼球が飛び出そうなほど目を見開いた。
もう「考える」などといった悠長な事は全く出来なかった。
太古の昔から引継がれてきた快楽が、彼女に覆い被さる。
抗えるはずもなかった。
触手は射精して膣を撃ちながら、幾度と無く彼女の体内へ侵入していった。
ミルの腹がせり出す。
絶叫を上げる。
触手が膣から抜き出る。
愛液が飛ぶ――。
……それを何本もの触手で輪姦され、数え切れないほど刺された。
正気が彼女の体に入ってきた時、部屋中が彼女や触手の愛液に濡れていた。
もうそこらに触手は無く、膣を痙攣させて横たわる彼女以外に、部屋には誰もいなかった。
膣は未だに性欲が尽きていないらしく、未練がましく愛液を垂らしていた。
彼女は、床の所々に自分の愛液が溜まっていて、今現在その中に自分がいる事がわかった。
と、涙が滂沱と溢れてきた。
こんな有りえない事に、自分がここまで感じて、ここまでやるとは思ってもみなかった。
有りえない。情けない。恥ずかしい――。
シヴに会わす顔が無い……。
彼女は、自分の全てを否定し、悲観し、とにかく泣く事しか出来なかった。
哀れな声を上げながら、哀しみに染まった涙を流すその姿は、強制的に辱められた女性そのものであった。
それから間もなく。
彼女の涙が尽き始めたころだった。
部屋のドアが、開いた。
彼女はなけなしの体力を振り絞って、そちらに顔をやる。
そこにいたのは、スタッフに率いられるシヴの姿だった。
足を踏み入れるや否や、彼女の惨状、何か水溜りのような物を踏んだぱしゃ、と言う音、その他に驚きまくり、たじろぎにたじろいだ。
スタッフはその背中を押して彼の部屋の中に押し込む。シヴは、とてて、と情けない歩調で部屋に入ってきた。
ドアは強く閉められた。
シヴは、床や壁がぬるぬるした物でびしょ濡れなのと、ミルもまたびしょ濡れで、涙していて、しかも愛液を噴いているのを見て、素直にミルに近寄ってはこなかった。
足でその場を踏む。
彼女は、最愛のシヴがきてくれて、ようやく救済の手段を得たと思った。
今だ。私を彼に渡すのは。
今しかないんだ。
彼は、痙攣する膣を無理矢理無視して、ほとんど機能しそうにない足をなんとか働かせようと、体重を移動させた。
生まれ立ての仔馬になったような気分だった。足をがくがくさせながら、なんとか立ちあがろうとする。
シヴはその様子を見守る事しか出来なかった。
だが、ミルはあまりにも疲労し過ぎて、立つほどの体力を持ってなかった。中途半端に持ち上げられてた体が地面に打ち付けられ、愛液が散る。
シヴは思い出したように慌てて彼女の元に駆けより、そして初めて言葉をきいた。
『ど、どうしたんだよ、ミル……?』
ともすれば裏返りそうな声だった。動揺が露骨に出てしまっている。愛でる方の凄惨な状態を見れば、誰でも動揺してしまう。
訊かれて、彼女は言葉を交わす手がかりを手に入れた。
『シヴ……』
彼女は地面に体を委ねたまま、シヴに話しかけた。
『私を犯して……』
ミルの視点からだと、シヴの、男としての根が飛び上がったのが良く見えた。
シヴの顔がみるみる紅潮していく(栗毛なので変化は地味だ)。血管が浮き彫りになり、鼻息も急激に荒くなり、シヴの尻尾はわっさわっさと左右に打たれていた。
あわわ、というような声でシヴは言う。
『どどど、どうして突然……』
『いいから……』
ミルは必死だった。もうシヴ以外の誰にも犯されたくない。シヴ以外には私は渡さない。
だから、体をシヴに捧げる事にしたのだ。
そのためには、早ければ早いほどいい。
また涙が溢れ始めて、ミルは訴えた。
『早く! 私を犯して……。私が体を許すのはあなたしかいないの。だから……』
シヴは、ミルの超劇的告白に、ますます顔を赤らめた。耳の先端まで真っ赤。栗毛でもはっきりと分かるほどだった。
伏目がちに、シヴは訊く。
『い……いいのか?』
『やってくれなかったら後で蹴る』
ミルは強烈に答えた。
シヴはまた何かを言おうと口をぱくぱくさせたが、ミルは煩わしくなってそれを制した。
『私が死にそうに疲れているのは気にしないで。優しくしてくれたら……』
シヴの(精神的)優しさは、こう言うところで躊躇を生み出してしまう。もちろん、そう言うところも含めて、ミルはシヴが大好きなのだが。
未だ決断しきれていないシヴに、必死に、しかし冷静に、論理的な攻めでミルは畳み掛ける。
『あなた男でしょ?』
『はい』何故か丁寧語。
『男だったら、女とあんな事やこんな事したいでしょ?』
『はい』
『好きな女とだったら、ますますでしょ?』
『はい』
『私の事は好きでしょ?』
『はい』
『私をやりたくはない?』
『やりたいです』
『なら迷う事はないじゃない』
『はい』
ここまで弁舌して、ようやくシヴは吹っ切れたようで、地面に伏せた。這うようにミルに近づく。
『かわいそうにな……』シヴは何かを察したのか、ミルにそう囁きかけた。
ミルは二重の喜びがやってくるのを感じた。ようやくシヴとやれる。愛する男と、激しく(今回ばかりは優しく)愛し合える。そして、体をシヴに預けられる……。
新たな喜びの到来と、凌辱からの避難ができる、彼女にとって最高の交合が始まるのであった。
『ミル……』
シヴは、彼女に痛みを与えないよう、ゆっくりとミルの下半身に乗った。
ミルが、真の快楽に声を上げた。
その様子をカメラごしに見る男が一人。
マスターだ。
シヴがミルに乗る瞬間、マスターはモニターから目を離して、煙草の煙を吐いた。
ここはナルサムファームの事務所である。時刻は午後六時三十二分。事務担当の女性がパソコンとにらめっこをしているが、それ以外の人々はもう帰宅した。夜になれば、もうする事はない。
マスターは、専門的なDVDレコーダーの取りだしスイッチを押して、中からDVD‐ROMを取り出した。
この中には、ミルと触手の強姦の様子が全て撮られている。
午後四時ごろから六時ごろまでぶっ続けでやっていた彼女と触手の様子を激録した。
ミルの後足が開かれたシーンでは、上手いこと陰部にズームを向け、ミルが官能に声を上げるシーンでは、技術を投資してエコーがかかるようにしている。
そこそこ手の入ったものだと、マスターは自負する。そんなDVDを世のグロエロ好きケモナーたちに安値(千二百円・税込み)で売るのである。
生画像二時間収録! 一分あたり十円!
これがキャッチコピーである。
原材料費その他雑費を差し引いて、最悪の売り上げ、最悪の状況を予想したとしても、純利益は二十万円にのぼる見込みだった。最近のケモナー増大傾向は止まるところを知らない。
これを何度も繰り返せばいずれ……。
汚い事でマスターがほくそえんでいると、卓上の携帯電話が鳴った。
妄想で幸せ一杯になっていた彼は、やかましい音にそれをとざされて鬱陶しそうに受話器を取る。
「ナルサムファームでございます。新規登録でいらっしゃいますか?」
新規登録とは、馬を登録して、牧場側が扶養する義務と権利を得る事だ。
電話の大抵はこの用件である。
だが――。
「あ、今人間界にいらっしゃるのですね」
電話の向こうから、優美な声がして、マスターは顔色を変えた。
声が意地悪そうになる。
「ドラゴンか。何の用だ? 代金は要らないといっただろう?」
マスターは電話の向こうの人物に向かってそう吐いた。
「はい。そうなのですが……」
マスターと電話を交わす人物――ドラゴンがそう返した。
「なら問題はないだろう。俺は忙しいんだ。切るぞ」
「ああ! ちょっと待ってください。どうしても訊きたいことが……」
ドラゴンが切羽詰った声で言う。
マスターはそれに対して何も答えず、ただどっしりと構えるだけだった。
ドラゴンはこう切り出す。
「その……触手性の動物を部屋のようにしてこっちに設置しろとのご用件、達成させていただきましたが、いかがですか?」
「さぁな。まだ結果は出ていない。だが凄い事になるのは目に見えている」
マスターは五十万円の札束が目の前に見えて怪しく微笑んだ。
「お気に召されたようでなによりです」本当に嬉しそうにドラゴンが言う。
「しかしだな、幻想界にいるお前たちがどうやってこっちの世界に上手いことそれを運んでこれたんだ?」
「あれですよ。空間を捻じ曲げて、そこに押し込んで閉じれば簡単です。人間には難しいんですけどね」
「……ふぅん」
「あ、それより……」ドラゴンが露骨に話題を変更した。
「なんだ?」
「その……簡単な事だったので代金はいただきませんが、何故そんな物が必要だったので……です……く……か」
ドラゴンの声にノイズが混じり、突然聞き取りにくくなった。
「ん? どうした?」
「……う……ああ。戻りました」
「?」ドラゴンの言い方にマスターが首を傾げると、
「あの、異世界を隔てて直接通信するのは我々ドラゴンにもとても難しい事なんですよ。だからたまに調子が悪くなるんです」
「……へぇ」空間の捻じ曲げるのよりは簡単であるような気がしてならないが。
ドラゴンがもう一度質問しなおす。
「で、どうしてあんな物が必要だったんですか? どうにも使い様がないような……」
「なんだ。そんな事か」
マスターは、はは、と口先で笑って、
「幻想界の者たちには満たせない物を満たすためさ」
婉曲に言った。
「……?」
ドラゴンは分からないようだったが、
「じゃ」
とマスターは一方的に電話を切った。
マスターがあのような面妖な物を建てた理由は二つ。
一つは、金儲け。
もう一つは、「当て馬」の代わりにするため。
当て馬とは、牝馬の発情を促すための麗し牡馬の事である。牝馬は牡馬の色香にあてられて性交に目覚める。牝馬が興奮してふんふん鼻を鳴らしている状態の間に、麗し牡馬を引っ込めて、種付けのために用意された牡馬を突き出す。
そうすると、牝馬は積極的に牡馬にアピールし、自然な流れで交配が行われるのだ。
だが、この方法だと麗し牡馬を引っ込めるタイミングが難しいうえ、誤って麗し牡馬が牝馬に乗っかられてしまったら、もう引き離す事は不可能だし、ましてそれで受胎してしまったら取り替えしがつかない。
そこで、マスターは当て馬に代わる部屋を用意したのである。
その名も「当て部屋」。
あれほど限り無く恥辱感に満ちた凌辱はそうそう無い。もしあんなのに襲われたら、牝馬はほぼ間違いなく凌辱に泣き崩れる。
そこで種付けのために用意された牡馬を突き出す。
すると、牝馬はなんとかまともな性交相手を得ようと、牡馬を誘う。牡馬は大喜びで牝馬を犯す。
当て馬とはちょっと違うが、結果は同じである。それに、この方法だと誤って受胎する事も無い。その上、もし牝馬が牡馬を誘わなかったとしても、牡馬さえ発情していれば、牝馬が疲労困憊しているのを良い事に易々と犯せる。
こんな万能な物が無料――いや、五十万円×αの札束と一緒に入るのである。お得の域を越えている。
あまりの自分の計算高さに、マスターは自己陶酔しそうになった。
モニターに目をやると、シヴとミルが後戯にお互いの体を舐めあっていた。
マスターは思わず性欲が溢れそうになり、すかさずそれを理性を抑える。
「……いつか俺もミルとやるんだ……」
彼は、性欲の高ぶりで出てきてしまった翼をなでながらいった。
この日のナルサムファームを一言で表せば、「淫乱」だろう……。
終わりました。
……まぁ思ったことは率直にお願いします。誹謗中傷はご勘弁。
796 :
ナムコ:2006/05/28(日) 01:54:04 ID:JaChywBx
なるほど。ここは獣人向けだったのですね。粗相すいません・・・
でも問題なく転向できます。獣、獣人、ともに大好きですww
・・・竜人はありですか?(ふさりゅうで)
乙カレー
ここは人間でないヒト科の雄と雌が絡み合う小説ですからね
一度既出の小説を読めば雰囲気をつかめると思う
大丈夫、君のレベルなら十二分にやっていけるはず
スゲ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
そうなんだよなぁ…完全動物化とか犯される動物とかはスレ定義に抵触しちゃうんだよなぁ……
変身スレの方は蟲化とかかなり濃い目の異形化メインみたいだし、
哺乳類系とかの完全動物化や知識持ち動物絡みのって書く場所ないな。
かと言ってまたスレ派生させても、コレ以上スレ人口が分裂すると維持できなくて共倒れだろうし。
>>799 元々このスレ分離した後、またあっちとくっつけようって
言ってた奴もいたから、
次スレがもし立つならそうするべきだと思うんだな。
これでスレが荒れたら765氏にとっては自殺ものだぞ…
765氏も転向できると言っているわけだから
この事はまだ保留してもいいんじゃないかな?
実際、ある問題を解決する為にスレを分けたのだろうから
何度も変換しては混乱を招くだけだと思う。
まぁ、【亜人】人外の者達の絡み【異形】向きの小説じゃないか?
いや荒れるとか765氏が良い悪いとか別にそんなつもりはなくて、
ただ俺完全動物化も好きなんだがここでは扱えないのかな、何処かどういうの扱ってる場所あるかな、と。
そう思ってスレで扱う範疇を再確認したかっただけ。俺のせいで空気悪くなったんだったらスマソ。
803 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:21:08 ID:bI+hoAi+
・・・なんか気まずいことにしちゃったようですが、ともかく、新しいやつ、一度目のエロシーンまでは書けました。獣人同士の。
とりあえず分類わけをば。
シベリアンハスキー×アフガンハウンドっぽい雑種 和姦
今回かなりエロ色は薄いです。最後に一回やっちゃうだけでそれ以外は出会ったりメシ食ったり。
小説派なのでリアリティを求めすぎる傾向にあり、話に絶対必要なシーンがとても多いですが、とりあえず、序章なので・・・。
では投下します。題して「捕らえられた二匹の鴛鴦(おしどり)」
おそらく省略されるかと・・・。
804 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:27:49 ID:bI+hoAi+
月も無い闇夜、明るい街灯を避けているかのような裏路地で、一人の犬が楽譜の詰まった鞄を胸に、追跡者から逃れるように小走りしてした。
彼女は国立オーケストラのホルン奏者で、駿蓉(しゅんよう)と言う。
彼女は雑種だが、アフガンハウンドの血が色濃く出たらしく、今のように獣人の姿でいると流麗な頭髪が吹流しのように揺れるのだ。
淡い麦色の体毛は細くたっぷりとしており、彼女の華奢(きゃしゃ)な輪郭を覆っていた。
手触りは大変良いもので、慣れない者なら触っただけで恍惚感(こうこつかん)に浸れるほどだ。
金に光る双眸(そうぼう)は少し気が強そうで、彼女全体の印象を引き締まった者にしてくれる。
彼女が今着ているのは、世界唯一の獣の国にて着用が義務付けられている物で、フリル付きの長いワンピースに、それに合わせるように作られた上着だ。上着の袖は手が隠れるほど長く、裾は胸元までしかないほど短い。
獣人が服を着る上で最も問題になる尻尾はワンピースの裾と地面の間でゆらゆらして、そこにも細やかな毛がふさふさと生えていた。
そんな彼女は何者かを憂えるように、体を捻って後ろに目をやった。
途端、後ろから生暖かい手が胴に巻き付いてくる。
「きゃ――」
彼女が思わず鞄を取り落とすと難しい現代音楽の楽譜が暗い路地に散らばった。突然抱き付いてきた後ろの何者かに鋭い視線を送る。
そこにはでれでれの顔で涎を垂らす、豚の獣人がいた。
生臭い呼気を駿蓉の前で吐きながら、いかにも不潔そうな涎を服の上にぼたぼた垂らしている。顔は不細工の典型――。
生理的嫌悪を呼び起こすその風体に、彼女は声を荒げた。
「ちょっと――離して!」
体全体に力をこめて様々な方向へ逃げようとする。今すぐにでもこんな醜い男から逃れたかったのだが、どうしても筋力では女の方が劣る。逃げようとしても腕がきつく巻き付いてくるだけだった。
「……逃げようったって無駄さ」
豚の獣人は浮き立った声で、吐息まじりに言った。性的に興奮している時に出す声だ。彼女は気分が悪くなってきて、豚の足を踏んづけようとした。
彼女が豚の足を踏んづけようとしていると、正面の方からもう一人違う豚がやってきた。彼もまた、駿蓉を捕らえている豚とあまり変わらない不細工である。
「くっそ、この糞ったれ!」
逃げようとするも上手くいかない状況下で彼女は怒り心頭して威嚇するように吠えた。だがそれでも豚たちは手を離そうとしない。
「……嫌よ嫌よは始めだけ」
カビが生えてそうなほど古臭い台詞が、駿蓉の耳元で囁かれた。
「……っ!」
駿蓉もいっぱしの女であるため、こんな胸糞悪くなるような男たちに聖域を犯されたくはない。
たまらず腕に噛みつこうとしたが、生憎(あいにく)届かない。
万事休すか。彼女は嫌な思いが脳裏に浮かぶのを感じてがむしゃらに抵抗した。足をあらぬ方向に振りながら上半身も思い切り振る。
そんな駿蓉の様子を見て見ぬふりをしているのか、目の前の豚は剃刀を手にゆっくりとした足取りで迫ってくる。剃刀で服を裂くつもりだろう。
暗い中、凶悪に光った剃刀を見て、駿蓉は背筋が凍った。
彼女は男に体を許した事が無い。男は所詮性に溺れがちで、えげつなく、配慮がなく、優しさの欠片も無いからである。
今までは性欲をずっと体の根底に溜め続けてきた。自分が体を許すのは、とても大きな意味がある、と言う信念を持って、なんとか性欲に抗い続けてきた。
それが、強姦と言う最悪の形によって、男に体を支配される事になる。これはただの強姦とは訳が違う。恋愛観は勿論の事、人生観までも変えかねない。
豚の男どもはそんな重大な事をしようとしているとは、思ってもいないだろう。
正面の豚男の吐く息が途端に強くなった。いよいよ官能を脳裏に思い描いているのだろうか。
彼女は来る屈辱と戦慄に、思わず涙を零してしまった。
805 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:29:24 ID:bI+hoAi+
だがその涙を無駄に返す者が現れた。
駿蓉の背後で心臓を直接握りつぶしそうなほど重苦しい唸り声が発せられた。女には出せそうにない、男特有の重低音。
豚どもはハッとして声の元へ駆け寄って声の主を確認しに行った。駿蓉はようやく解放され、豚のケツを思いっきり蹴ってやろうと足を上げた――が、大切な楽譜の救助のほうが先決らしく、なんとか思いとどまって散らばった楽譜を回収し始めた。
そうこうしている間に背後で豚どもの会話が行われる。
「い……犬だ!」
「狼じゃないのか?!」
「いや、い、犬だろ?!」
「ど、どうでもいいから逃げるぞ!」
弱虫の豚どもはたったそれきりで会話を切り上げ、情けなさすぎる悲鳴を上げながら走り去って行った。音しか聞こえていないが、駿蓉の方に来なかったと言う事は、左右のどちらかに逃げたのだろう。
「夜想曲より祭」と言う曲目の楽譜を全て回収し、鞄に詰めて後ろに振り返る。
その瞬間、今まで萎えそうになっていた心臓が突然飛び起きた。
豚の会話では獣がいたようだが、目の前にいたのは獣などでは無く獣人だった。化生(けしょう)したのだろう。その獣人が着ているのは、単(ひとえ)に直衣(のうし)。
この国では男物として着用が義務付けられている和服だ。どうして洋服じゃないのかと言うと、ジーンズなど股下が閉まっている物は、獣人と獣間の変身を難しくするためだ。
かと言ってスカートを穿く訳にもいかないので男物は和服なのである。
そんな事は関係ない。彼女が目を奪われてしまったのは、男とは思えないほど清楚で整った容貌のせいだった。
その男の毛は、それこそ銀のようで、こう暗くなければ光りそうなほど美しい銀色の毛で、そんな美麗な毛が粉雪のような細やかさで額を覆っている。
口からはみ出ている牙は長すぎず短すぎず、恐怖も感じなければ、軟弱さも感じられない。いわば理想だ。
黒々とした鼻先はきちんと整っていて適度な湿りを保っており、目は、海かもしくは快晴の空を思わせるほど透き通った蒼色で、男とは思えないほどの神秘さを感じさせる。
豚は狼か犬か分からなかったようだが、狼は絶対にありえない。こうして見た所、シベリアンハスキーだと思われる。それも、由緒正しい純血種――。
こんな綺麗な男がいたなんて――駿蓉は正直驚きだったし、趣味にドンピシャな彼に一挙に恋心を抱いた。
806 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:30:21 ID:bI+hoAi+
男は心配そうな顔をしながら駿蓉に近づき、腰を下ろした。
「大丈夫ですか?」
さきほどはあんなにも恐ろしげな声を出していたのが、今では実に神秘的な、暖かい雪のような声を出す。駿蓉は顔にどんどん血が上るのを感じて、
「あ、……うん……」
と言ったきり顔を伏せてまともにシベリアンハスキーの顔を見られなくなってしまた。
「……あ、あの……」
しばらくの沈黙の後、男のほうが駿蓉に声をかけてきた。駿蓉はドギマギしながら顔を上げ、
「な、何……?」
ぎこちなく返事をした。
「あの、携帯、持ってます?」
何を考えているのか、男は露骨な事を訊いてきた。
駿蓉も相手のメールアドレスは出来る限り捕まえたかったので、これは嬉しすぎる事である。
「え、ええ! 早くよこして……」
そういいながらポケットから携帯電話を取り出し、電源を入れて、赤外線受信の準備をする。
男も携帯を出してプロフィール画面に入り、送信のボタンを押す。
「ねぇ、赤外線どこどこ?」
「ああ、こ、ここ……だけど……」
今まで敬語だった男も、駿蓉が敬語を使う気が全く無い事を悟るとタメ語を使い出し、携帯電話の先っぽを指差す――ではなく爪差した。
駿蓉の携帯電話の赤外線送受信部分は携帯二つに折れる所の境目辺りである。ディスプレイの方を直角に曲げて当てやすいようにする。
待っているシベリアンハスキーの携帯電話に、自分の携帯電話を突き出した。
ほんのちょっとだけ待つと、携帯電話はすぐに受信して、「アドレス帳に登録しますか?」と言う、答えの分かり切った質問をしてきた。駿蓉は勿論、「はい」の方を選んだ。
で、彼の名前が判明した。
「冴曉(ごぎょう)」、である。
「へぇえ〜……ゴギョウって言うんだ。カッコイイね……」
これだけ凝った名前はとても珍しい。その新鮮さも手伝って、彼女は冴曉に惚れ惚れしてしまった。
「いやっ……そうでも」
目を泳がせながら応答する冴曉は照れているのか、耳が前側に垂れている。かわいい一面もあるようだ。
その後、駿蓉は冴曉に赤外線でプロフィールを渡した。ちなみに、彼女のプロフィールの中には、きちんと誕生日まで入れてある。「八月六日」と。
そして、それは今日の事である。
「――おお、今日誕生日なんだ?」
冴曉も受け取ったプロフィールを見たようで、駿蓉の誕生日が今日である事の驚きに素直に詠嘆する。
「間違い無く、生来かつて無いほどの最高の誕生日になった」
駿蓉は少し肩をすくめながら、冴曉に微笑みかけてみせた。冴曉はそれにかなりドキッとしたようで、目を丸くしてから顔ごと視線を反らす。
「な、なんか友達からプレゼントでも貰ったとか?」
分かっているのだろうが恥ずかしさが先に立って率直に言えないのだろう。冴曉はあからさまに、わざと知らんふりして見せた。かわいい一面をもう一つ見つけた。
冴曉が逃げられなくなるように、駿蓉は更に追い詰める。
「付き合いは数分だけど、友達の凄く上を行く存在から、ね」
ムゥゥ……。
冴曉はそう唸りながら、もう赤面しているのが分かるほど赤くなり変な風に笑っている。照れくさくて恥ずかしくて笑うしかないのだろう。かわいい一面、以下略。
もう冴曉は反論できないらしく、口を噤んだ(つぐんだ)ままただ笑っていた。容姿端麗なだけでなく、目の前の強姦を防ぐ正義を通す勇猛な男で、なおかつ奥ゆかしい。
駿蓉は思い立って、携帯電話の予定表を開いた。
明日はオーケストラでの全体練習が無い。オフの日だ。しかも日曜日で予定も無い。敢えて言えば、午前中に自主練習があるぐらいだ。
早速話を持ち掛ける。
「ねぇ、明日、予定無い?」
「明日?」
冴曉は不自然に真面目な顔をしながらこちらに向き直って言った。そして携帯電話をいじった。駿蓉と同様に予定表を開いているのだろう。
「……うん。午後からはすかすかだ」
ぃよっしゃ。
「逢引しない?」
「逢引?!」
冴曉は照れくささを隠していた顔を突然輝かせて、大きな手で駿蓉の手を取った。
「是非!」
熱心に言いながら、手に力を込める。
間違い無い。冴曉は駿蓉に気がある。
駿蓉が誘ってくるまでは非常に大人しかった冴曉だが、ここに来てようやく積極的になった。
それはつまり、相手の事を配慮していると言う事である。
えげつなさとは無縁な男――冴曉を知って、駿蓉はこの人以外は無いと思った。
力がこもってくる手を、こちらもきつく握り返した。
かくして、駿蓉は生まれて初めて男性に対して信頼を預けた。
807 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:31:00 ID:bI+hoAi+
翌日。
生まれて初めて着る服の配色に気を配った駿蓉は、淡く黄色いワンピースに白の上着と言う単純な色の服を選んだ。
この国では、服についての変更は色以外禁じられている。ヘアバンドなどは認められているが、駿蓉は素の髪で勝負する流派だった。ので、ファッションは色しか気にする事は無い。
今彼女は、国の中心にある「アーネスト」と言う大型ショッピングモール――要はデパートである――の一階飲食街、ハンバーガーショップの隅の席で、清涼感溢れる鞄の紐を、たんたん、と机に叩いていた。
待ち合わせ時間である正午の五分前である。彼女はその更に二十五分前からこの席を占領している。つまり彼女がこの席に座った十一時三十分。早めに来た、と言うレベルの話ではない。
しかし、待っているのに変わりはない。彼女は鞄の紐から手を離して自分の長い鼻に手をかけ溜め息を吐いた。
ちゃんと時間通り来てくれるかな……。
遠くの壁掛け時計を見てみれば十一時五十六分。あれから一分しか経っていない。
彼女は上半身を机に預けて、ぐだぐだ待つ事にした。顔は右に向ける。
顔を右に向けると、デパートの東出入口が視界に入り、
その視界の中で灰色の物体がこっちに飛んでくるのが見えた。
次の瞬間には向かいの席で獣人の冴曉が息を切らしながら座っていた。服は昨日の物の色が変わっただけだ。
冴曉は、獣の姿で必死にこっちに走って来て、一気に飛び込んで、空中で獣人に戻る、と言う複雑な行程をこなしたのである。
だがこんな事は非常に普遍的な事である。駿蓉は体を起こして目の前の冴曉に熱い視線を注いだ。
「ごめん待った?」
待ち合わせで先に来られていた時の決り文句である。
「待ったけど遅刻じゃないから安心して」
駿蓉は事実を正確に伝えて、左前方の壁掛け時計を指差した。十一時五十七分である。
冴曉はその指にならって視線をそちらに向け、ぐへーっと机になだれおちた。
808 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:31:47 ID:bI+hoAi+
「良かった〜いや俺の師匠さんが特訓を十分伸ばしてさ、「カルメン」の「闘牛士の歌」振らせやがったんだよ」
……え?
冴曉の口から「カルメン」と言う超有名クラシック曲の名が出てきた。
先述のように、駿蓉はオーケストラに属していて、職業柄クラシックには人一倍詳しい。「カルメン」を知らない訳がない。
呆けた様子の駿蓉を見たのか、冴曉は続ける。
「ああ、俺さ、指揮者志望なんだよ。師匠はマイナーな人だけど、実力だけ見れば十分メジャー級なんだ。俺ももうちょっとでどこかからお呼ばれされるかも知れない」
駿蓉はますます目を丸くした。
今、冴曉の口から、「指揮者志望」と言う言葉が出てきた。
間違い無い。冴曉はおおざっぱに言えば音楽家だ。
駿蓉は、冴曉に自分が音楽家である事を分からせようと、マニアな話をしだす。
「――「カルメン」ってビゼーさんが作ったんだよね」
「お? 良く知ってるね」
駿蓉の事を演奏家だと知らない冴曉は、寝そべったまま感心したように目を向けた。
更にマニアックな話に持っていく。
「私がビゼーさんで好きなのは「カルメン」じゃなくて「アルルの女」なんだよねー。ほら、なんだっけ、「ファランドール」とかさ、ロンド形式もどきみたいな奴。
明るくも激しくてホルンの裏旋律がすっごいかっこよくていいんだよねー。あと「カリヨン」なんかもホルンかっこいいけど、単純なのが玉に傷かな」
駿蓉はこれだけの内容を一気に話してみせた。
今度は冴曉が呆けた(ほうけた)ようで、むっくり起き上がると、初歩的な質問をしてきた。
「職業は?」
「ホルン奏者!」
駿蓉は豊満な胸を張って答えた。
「えええ、じゃストラヴィンスキーとか普通に知ってるんだ?」
冴曉もようやく気付いたようで、語勢を弾ませた。
「当たり前でしょー知らなかったらおかしい!」
「「火の鳥」はやっぱり「カスチェイ魔王たちの凶悪な踊り」?」
「そうそう。でも私が好きなのは……なんだっけ。「ヴィーヴォ」ってやつ」
「「火の鳥」じゃないじゃん」
「でもいいでしょ?! トロンボーンのグリッサンド!」
「まさに現代音楽の真髄とも言えるな。あれは」
「「春の祭典」っていうやつあったよね? あれ今一つ理解できないんだけど」
「あれは確かに難解だよな。聴いていればその内分かるよ」
「でさ、バロック音楽の話だけど――」
……と言う風に素人にはほとんど理解できない会話を三十分もしてのけた。
809 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:32:45 ID:bI+hoAi+
会話が途切れたのは駿蓉の腹の虫が鳴いたからである。
「「クラヴィーア曲集」は……」
と言った所で腹の虫が鳴き、恥ずかしくて駿蓉は俯いてしまった。
冴曉はそれをからかいつつも財布を取りだし、
「何か喰う?」
財布の中からクーポン券を取り出した。
意外とケチ……。
「一応このデパートの飲食店全部のクーポン持ってるからどこでも好きな所でいいよ」
冴曉は手の中でクーポン券をばらっと広げてみせた。およそ二十枚。
ますますケチ……。
これは仕方の無い事である。駆け出し芸術家と言うのは皆一様に貧乏で、そのためか吝嗇家(りんしょくか)ばかりである。仕事の依頼が少ないのが主な原因だが、中には本当にしょーもない腕しか持っておらず、出世の道さえも絶たれていそうな芸術家もいる。
だが「冴曉はしょーもない芸術家である」と、駿蓉の目に映ってはいない。
私も昔はクーポンには目が無かったよなぁ……と昔の自分を懐かしみつつ、貧乏であろう冴曉のために、割り勘を提案してみた。
途端冴曉は侮蔑(ぶべつ)されたような顔をして、
「俺だって一応男なんだから……食事代ぐらい持たせてくれ」
と鼻先をつんと上げながらもじもじ反論し出した。プライドは少々高いようだ。
ので、取り敢えず今のところは、冴曉に甘える事にした駿蓉であった。
そして冴曉は地獄を見る事になる。
810 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:33:32 ID:bI+hoAi+
「臓物破壊激辛ラーメン一つとキムチ一つとチャーハン二つ、ギョーザ一つ、杏仁豆腐一つに唐揚げ一つ!」
中華厨房「赤壁の東南の風(せきへきのとうなんのかぜ)」に来店した駿蓉はこのようなメニューを頼んだ。
冴曉の分はチャーハン一つである。つまり、残り全てを駿蓉が一人で喰うのだ。一般的な女性の域ではない。多すぎる。
ついでに言うと、冴曉は逆の意味で一般的な男性の域ではない。少なすぎる。
愛想よさそうなメイド服を来た三毛猫の獣人が気色満面で注文を繰り返す。
「御注文繰り返します〜! 臓物破壊激辛ラーメン一つとキムチ一つ、チャーハンが二つにギョーザが一つで唐揚げが一つ。杏仁豆腐は食後にお持ち致しましょーか?」
「普通の料理と一緒に持って来て」
「かしこまりました〜では少々お待ち下さいませ〜」
そう言って注文表をメイド服のポケットに入れて尻尾を揺らしながら厨房に入った。
そしてそれまでと全く違う、真っ赤っ赤な声で、
「野郎ども! 激辛ラーメン一にキムチ一、焼き飯二にギョーザ一、唐揚げ一に杏仁豆腐一だ! 杏仁豆腐は食事と一緒に持ってきやがれコノヤロウ!」
ウーッス! と威勢の良い声が厨房から聞こえてくる。
猫はカウンターのような所から水差しをひったくってコップ二つを取り駿蓉たちの元に戻ってきた。
その時の表情はイヤに晴れやかだった。
「お水入れますね〜」
まぁるい声でそう言いながらコップを駿蓉と冴曉の前に置き、水差しを傾ける。
「体質の弱い方で、激辛ラーメンを食べて内臓が破裂した例がありますので、中味をいつでも冷やせるように、コップにお水を満たして待機させて置いてください〜」
本気なのか冗談なのか、演出なのか史実なのか、どっちともつかないおっそろしい事を言いながら笑える猫は不気味だ。三毛猫のフリして実はネコマタとか? いやそりゃないか。
駿蓉のコップには九分ほど、冴曉のコップには七分ほど水を入れて水差しをテーブルの端に置いて猫は他の客の見回りに行った。
「うわあぁぁ」
冴曉は御品書に顔を隠したまま、潰れた悲鳴を上げた。
「どしたの?」
駿蓉はギョーザのタレ用の皿に、ギョーザのタレとラー油を五対五ぐらいの割合で入れた。
黒と朱のコラボレーションが皿に広がる。
冴曉は、明らかに動揺している震えた声で、
「なんでもない……」
死にそうに言った。
この国は、人間界で最も信頼のある通貨、アメリカドルを使用している。
駿蓉が注文した数々の品々の値段を発表すると、激辛ラーメンは六ドル五十セント、キムチは四ドル、チャーハンは二つで十ドル、ギョーザは四ドル、杏仁豆腐は四ドル五十セント、唐揚げは三ドルである。
総計、三十二ドル。一ドル百二十円で考えれば、三千八百四十円である。
ちなみに、冴曉の財布の中には五十ドル三十四セントしか入っていない。つまり、たかが昼食で一気に十八ドル三十四セントに減る事になってしまうのだ。冴曉も御品書に書いてある値段の総計を計算して、自分の財布がより一層過疎化してしまう事に気付いたのだ。
無け無しの五十ドル……。
駿蓉は冴曉の財布の寂寞(せきばく)を感じられるだろうか。
811 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:34:51 ID:bI+hoAi+
「唐揚げ、お待ちしました〜」
先ほどの三毛猫が五個の唐揚げとレタスと塩胡椒が載った皿を二人の中間に突き出してきた。
去ろうとする三毛猫を冴曉で手で制止し、
「あの……チャーハン、一個キャンセル出来ませんか……?」
背に腹は変えられぬ、と財布ではなく自分の腹に我慢してもらう手段を選んだ。
「ちょっと待って。冴曉……」
駿蓉は早速唐揚げを頬張りながら割り箸で冴曉を指した。
冴曉は声も出さずに駿蓉の方に向き直る。
「やっぱり財布が――ゴクン、ヤバいんじゃないの?」
唐揚げを飲み込みながら冴曉のイタイ所を突いた。
冴曉は意地になって無理矢理反論する。
「大丈夫だって! お前はゆっくり喰ってりゃいいんだよ! ほら、こんなに一杯クーポンあるし!」
財布からクーポンを覗かせる。
しかし、そのクーポン券の中で、「赤壁の東南の風」で使える物は、「かに玉半額」だけだった。
だがそんな事言えるはずもない。
駿蓉はかなり冴曉の財布が心配だったが、「後でフォローすればいいか」と思って「そか」と言いつつ二つ目の唐揚げを口に放り込んだ。
獣人の臼歯は、獣の時のそれより発達しているので、何かを噛み潰す事は出来なくもない。旨味がたっぷり詰まった肉汁を堪能する事だって出来る。
「あ、やっぱりキャンセルは無しで」冴曉は三毛猫にそれだけを言った。
「かしこまりました〜では注文通りにお持ちしますね〜」
三毛猫は本当に愛想良くそう言って厨房に行って速効で戻ってきた。
「チャーハン二つ、お待ちしました〜」
…………。
完璧なタイミングで出来あがったほかほかのチャーハンが二人の前に並べられる。
駿蓉はともかく、冴曉の方は非常に複雑な心境になっている事請け合いだ。
812 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:35:52 ID:bI+hoAi+
その後、冴曉がチャーハンを完食するまでの間に駿蓉は、唐揚げ、チャーハン、ギョーザ、杏仁豆腐の順にぺろりと平らげてしまった。
今は左手で顔を扇ぎながら、からーいキムチを口に運んでいる最中である。そんな駿蓉を、冴曉は感心したような顔で眺めていた。
「良く太らないなぁ……」
いつもこれぐらい喰っているのだとしたら、駿蓉は相当基礎代謝が良いと言う事になる。基礎代謝が良いと言う事は、筋力や肺活量が発達していると言う訳で、それはホルンを吹いているからだと思われる。
だが駿蓉の見た目はそうでもない。どちらかと言えば可憐で、風が吹けば倒れるような感じだ。
皿に盛られたキムチで汗をかいている駿蓉が風が吹けば倒れるのはちょっと考えにくい。
いや、可憐なのは間違いない。すらりと美しい輪郭に、流れ星のような髪や毛、そして何より、豊満な胸……。
冴曉は何を考えたのか、横を向いて顔を赤らめてしまった。
キムチと徹底抗戦している駿蓉は、破廉恥な冴曉に気付かない。
と、皿の底が見えるほどキムチを喰った所で、大ボスがやってきた。そしてそれは、例によって例の如く三毛猫によって運ばれて来た。
「おまたせしました! 臓物破壊味覚強奪辛苦地獄激辛殺人ラーメンで〜す」
三毛猫のアドリブによってなんだかめちゃくちゃ長い名前になったラーメンが、ドンとテーブルに置かれた。今までと違う存在感。
そのラーメンは容器から既に違っていた。普通のラーメン皿よりも明らかに傾斜が緩く、ラーメンの入るスペースが圧倒的に広い。容器の外面や内側に施された紋様は、赤い龍が灼熱の炎を吐いている物で、もうその絵を見ただけでも汗をかきそうだ。
だが凄まじい中身を見ればそんな物なんでもない。
醤油か豚骨か味噌か塩かが全く判別不可能なほどに色のついたスープはまるで血のように赤く、本来黄色いはずの麺は血のスープに埋まって血管のようになってしまっている。
キャベツやもやしなどの野菜の影響は特に著しく、ちょっと箸で持ち上げて見た所、芯の部分までスープが染み込んでいるのか、全く緑色は失われていた。
でっかいチャーシューも燃えているかのようで、炎の肉、と言うより、肉のような炎、と形容したほうが適切なように思えた。
全体を眺めて見ると、これだけ辛そうなのに唐辛子の粉が大量にかけられていて、少しずつスープに染み込んで行くその姿は、食べる物を挑発しているようだった。
生姜を入れれば紅生姜になりそうなほど赤いラーメンに、駿蓉は目を奪われ、冴曉は目を見張った。
三毛猫はそんな二人に対して高らかに宣言する。
「このラーメンを二十分以内にスープまで飲み干せば、今回の食事代が無料になります!」
冴曉と駿蓉は三毛猫に注目した。三毛猫は更に続ける。
「このラーメンを食べ切る人があまりにも少ないため、このようなゲームを考えさせていただきました! 題して「赤壁の戦い」! 連環の計や敵軍師の奇術、更には火攻めが襲い来る! この戦いを制するのは舌か麺か!」
ハイテンションで叫ぶ三毛猫の事を聞いて、駿蓉は闘争心を掻き立てられた。腹の収容可能量は十分。辛さに対する耐久力には自信があった。
だがこういう物にはペナルティがつきものである。駿蓉がラーメンとの開戦を宣言する前に、冴曉が三毛猫に訊いた。
「二十分以内に喰えなかったらどうなりますか?」
「代金が二倍になります!」
「そ、それは会計全部の代金?」
「その通りです! ちなみに、一時間以内に食べ切れなかった場合は、更に二倍、つまり元の四倍の代金とさせていただきます!」
つまり、六十四ドル、百二十八ドルと増えて行くのである。下手すれば財布の中身では足りない。
冴曉が言葉を失って顔面に蒼白なり、
「その喧嘩、買った!」
駿蓉が宣言した。
813 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:36:29 ID:bI+hoAi+
「ちょぉっと待ったぁー! 駿蓉! お前こんなとてつもない奴を喰い切れるのか?!」
冴曉はなんとしてもこのゲームの安全性を確保したいようで、必死になって駿蓉を止めようとテーブルから身を乗り出して手を突き出した。
駿蓉は意地悪く口を歪めて笑い、
「失敗したら私が全額お金を払うって事で文句ないでしょ?」
もっともらしい事を言った。
「本当にそれでいいのか?!」
あわわと震えながら駿蓉に訊く冴曉。
「言うまでも無し」
平然と返す駿蓉。
冴曉はもう泣き出しそうな顔をしながら三毛猫の顔を見て、
「じゃぁ……お願いします」
駿蓉にすがるような信用を持った。
「……はい。じゃ私がこのストップウォッチを押したら開始と言う事で」
あまりにも哀れな様子の冴曉を見て三毛猫は一気にテンションを下げてポケットからストップウォッチを取り出した。
「よーいスタート」
おっきな肉球で器用にスイッチを押した。
数字が目まぐるしい速さで増えて行き、もう一秒が経った。
「ぅぉぉおおおお……」
駿蓉は謎の雄叫び(雌だが)を上げながらスープに箸を突っ込み、麺を絡めとり、口にぶち込んだ。
「…………!!」
駿蓉の口中に電撃が走った。
その辛さはまるで剣のように駿蓉の舌を突き刺し、汗腺を膨張させて、一気に汗を噴き出させる。
喰わねばならないと言う義務感が咀嚼を促し、嚥下させる。
喉を通るそれは喉に無数の引っ掻き傷をつけて胃に落ちた。
胃の中でさえ暴れまわるそれは、体温を一気に一度近く上げて、失神しそうな錯覚に見まわれる。
だがこれこそ激辛党(兼激甘党)の駿蓉が求めていた味だった。
「冴曉! コップたくさん持ってきてそれぞれに水を注いで!」
「え? あ、ああ」
駿蓉の真剣な叫びに冴曉は弾かれたように立ち上がり、三毛猫の背中を追いかけた。
コップの水を半分まで飲み、麺を口に入れる。
マゾヒスト傾向にある彼女は、こんな刺激がとても楽しく、麺を飲み込む前にキャベツも頬張った。
冴曉が脇に多くのコップを抱えて戻ってくる――。
814 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:37:39 ID:bI+hoAi+
時は移って、夜。
駿蓉と冴曉は、ネオンサインの眩しい夜の街を歩いていた。
「赤壁の東南の風」から出た後、婦人服売り場でつばの長い帽子を買ってもらった駿蓉はそれを目深に被っておしとやかを気取っていた。
冴曉の財布には今二十ドル十二セントが入っている。
つまり、駿蓉はあの怪物を倒したのだ。
「凄かったね、あのラーメン」
何かにとりつかれたように箸を高速移動させて椀の中味をどんどんと減らした駿蓉は結果としてチャーシューを最後に残して椀の底を見た。
そこには白旗が書かれていた。
「辛い物好きだから。……正直最後の方はつらかったけど」
「無理しなくて良かったのに……」
「冴曉のおごりじゃなかったら無理しなかったかもね……」
「このぉ……」
冴曉は恥ずかしさを隠すように駿蓉の肩に手を回してぐっと抱き寄せる。
しっかりと引き締まった筋肉質な体は、逞しくて(たくましくて)心強い。駿蓉は途端に安心感が心に満ち、少し身長の高い彼に体に押し付けた。
駿蓉がイメージしていた男性像とは全然違う。女性のように繊細な心遣いを持ちながらも、男性特有の包容力がある。しかも容姿は美しく、声は深遠。まるで良いとこ取りしたような完璧な獣人だ。
この人となら……。
「ねぇねぇ。まだもう一つ行きたい所があるんだけど?」
耳をピクピク動かしながら、冴曉の胸の中で駿蓉は艶っぽく(つやっぽく)言った。
「どこ?」冴曉も優しく訊き返してくる。
「こっちこっち」
駿蓉は質問の内容には答えず、冴曉の腕から逃れて、たたっと駆けて行った。
「あ! ちょ、ちょっと……」
冴曉が焦った声を出して、駆け足するのが音で分かった。
駿蓉は、目的地への最短ルートである細い裏道に姿を消した。細い路地の先に見える、点のような光を目指す。途中、鉄の塊があったのはジャンプして避けた。
「いてっ――」
がんがらがっしゃーん、と凄まじい音がして冴曉が痛そうな声が聞こえた。おそらくは冴曉があの鉄に足を引っ掻けたか何かだろう。
普通ならば心配して振り返るが、駿蓉はそんな野暮(やぼ)な事はしなかった。鉄の塊が蹴られた、と言う事は冴曉がこの路地に入ったと言う事であり、駿蓉にちゃんとついて来れている、と言う事である。
駿蓉はお構いなしに光を目指した。後ろで冴曉が何か叫んだ気がするが、気にしない気にしない。
光まで到達した駿蓉は、路地の方に向き直って冴曉の到着を待った。
冴曉の肩幅は広い。駿蓉がすんなり通れる路地でも、冴曉にとってはかなり狭いものになる。冴曉はたっぷり一分ぐらいかけて、息切れしながら駿蓉に追いついた。
「私が行きたかったのはここ!」
つらそうに膝に手を当てて息を切らす冴曉に、駿蓉は目の前の大きなビルを指差した。冴曉は顔を上げる。
815 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:39:09 ID:bI+hoAi+
けばけばしい塗装に、キンキラキンの装飾。そして掲げられた看板には「一泊旅館」と書かれたビルがそこにはあった。
いかにもや〜らしい事が行われていそうなビルである。
冴曉は放心したように上半身を上げて、
「これって……まさか?」
駿蓉のほうを見やりつつ、そのビルを指差した。
「その、まさか!」
駿蓉は元気良くいった。
冴曉は笑いを抑えられないようで「参ったな……」と言いつつも実に嬉しそうにへらへら笑っている。
駿蓉の方も、自分の体を許せる相手を見つけてとても嬉しかったのである。いつか、そんな男が出来たら絶対にここに来ようと、心に決めていたのである。
そして今日、それがようやく成就してたまらなく嬉しいのだ。性欲も発散できる事だし。
ちなみに、獣から派生した獣人たちは基本的に性欲が旺盛である。そのため、初対面の異性とも心を開いて話せるし、気が合えば、出会ったその日に交わる――なんて事もざらにある。
発情期なんかと重なればその傾向は更に顕著になる。何も駿蓉と冴曉が特別淫乱な訳ではない。むしろ奥ゆかしい方である。
唐突すぎる誘いに笑う事しかできずに足が動かなくなっている冴曉の手を、駿蓉はぐいと引いた。
816 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:40:39 ID:bI+hoAi+
「一泊旅館」は、看板に偽り有り、で、旅館ではなくホテルである。
普通のホテルならばロビーがあって正面が受付、となっているのだが、土地が狭い、そんな悠長な飾りつけはいらない、などの事情により、入ったら床は真紅の絨毯、左手にトイレ、右手に受付、そして奥には左右に三つずつエレベーターがあり、
更にその奥にトイレと非常階段、非常口がある、と言った建物だ。
そして、成立後僅か(わずか)一日しか経っていないカップルが、愛の深さを噛み締めようと受付に立っていた。
「本館では部屋のグレードの低い順にC、B、A、スイートとなっております。グレードが高ければ高いほど、ベッドや布団は柔らかく、大きくなりますし、Aからはシャワー室が二人一緒に入れる大きさとなっております」
落ち着いた声でそう言うのはシャム猫の獣人である。猫は滅多に怒る事が無く、声が基本的に丸いので、雌雄(しゆう)共に受付業務を担う事が多い。
冴曉と駿蓉はふむふむとシャム猫の話を聞く。
「お値段は、それぞれ一泊のみのコースで、Cから順に五十ドル、百ドル、百五十ドル、二百ドルとなっております」
それぞれを日本円に直すと、六千円、一万二千円、一万八千円、二万四千円、である。廉価(れんか)なのは、獣人たちの性欲が強くて、需要(じゅよう)が異常に多いからである。
どんな田舎でも、ラブホテル街があるほどである。駿蓉たちが住んでいる首都なんかになると、子供の目の届く範囲にラブホテルがあるほど氾濫している。
そして国はそれを規制しようとしない。
一般的には廉価なのだが、冴曉にとっては手も足も出ない値段である。冴曉はおずおずと駿蓉の方を見た。
駿蓉はそれに視線を返す事も無く、百ドル札を二枚受付に叩きつけた。
「スイートで!」
堂々と宣言した駿蓉に少し目を開いたシャム猫だったが「かしこまりました」お金を受け取ると、パソコンに何かを打ち込み、更に色々と訊いてきた。
「オプションは如何にいたしましょうか」
「「オプション?」」
駿蓉と冴曉の声で見事な協和音が出来あがって、聞こえないはずのもう一つの和音が聞こえてきた――二つの完全協和音がばっちり嵌まる(はまる)と、本来あるべき三つ目の協和音が僅かに聞こえてくるものなのである。
音楽の事を知っている二人はなんだか嬉しくなって、顔を見合わせてにんまりしたが、音楽の事を知らないシャム猫はあくまでも冷静に言う。
「オプションの例を上げさせていただきますと、単純なオプションでは、ローション、ソープなどその他。シチュエーションからは、SMプレイで、三角木馬や縄、鞭など。禁断の兄妹愛で、ゴスロリファッションの服。後は学園シチュエーションで制服……それぐらいですね」
ローション、ソープ、SMはともかく、それ以下は本当にマニアックな領域である。ヲタクなんかにはたまらないシチュエーションもある。夢のシチュエーションもある。
だが二人とも初めての性交である。ノーマルにいくのが一番無難だ。
「オプションは無しで」そう言ったのは冴曉である。正しい判断である。
「では、最後にこちらの契約書にサインと、アンケートをご記入下さい」
シャム猫はそう言って三枚の紙と二つのボールペンを渡してきた。お金を払った駿蓉が契約書に名前や生年月日を記入して行く。冴曉は男性用アンケートに丸をつけていく。
駿蓉は契約書にサインその他を書き終えると、女性用アンケートに丸をつけていく事にした。
〈付き合いはどれぐらいですか?〉
《一ヶ月未満》
《半年未満》
《二年未満》
《それ以上》
〈彼氏が拉致されました! あなたはその時どうしますか?〉
《携帯電話から声を聞く》
《何が何でも自分の手で助ける》
《諦めてもっといい男を探す》
《泣き寝入りする》
……などなど。
冴曉の後に駿蓉が書き終えてシャム猫に渡すと、入れ違いにシャム猫は鍵と、半透明の直方体のケースを渡してきた。
「こちら、十階の一〇四五室の鍵となっております。そしてこちらは、殺精子剤となっておりまして、膣内に挿入してから十五分ほどで溶けます。
シャワーを浴びる頃に挿入するのが良いでしょう。それから五時間は効果があります。効果は絶大ですので、妊娠の心配をするのは杞憂と言うものです。彼氏さんも、遠慮せずに中で出してあげてください」
シャム猫は大体こんな内容の事を、ひじょ〜に涼しい顔で言ってのけた。逆にそれが滑稽(こっけい)だった。
817 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:41:20 ID:bI+hoAi+
冴曉は鍵を、駿蓉は殺精子剤を手に取り、エレベーターへ向かった。
エレベーターを待つ間、冴曉が申し訳なさそうに駿蓉に言う。
「ごめん……お金払わせて」
駿蓉は晴れ晴れとした笑みを浮かべて、
「いいのいいの。あなたが指揮者として売れた時に返すって事にして。金利は零パーセントで」
平気で言ってのけた。
「いや、本当に申し訳ない……」
冴曉は手で耳の後ろを掻きながら言った。このままではそれを引きずってしまうかもしれない。駿蓉ははっきり言ってやった。
「とりあえずそれは忘れて、今からの事に集中して……ね?」
駿蓉はとりあえず首筋に手を当ててさすった。冴曉は曖昧に笑って駿蓉の髪を手で梳くだけだった。
エレベーターが到着した。二人とも手を離してそれに乗り込む。中には狼の獣人がいた。顔の細い、ガラの悪そうな男である。
冴曉が十階のボタンを押して閉ボタンを押した。
早速駿蓉が話題を淫乱な話に持って行く。
「今までに誰かとやった事はあるの?」
「いや……無い」
「ええ、無いんだ」
駿蓉は少し驚きだった。こんな綺麗な男なのだから、誰か女に口説かれる事もあろうに、今まで性交に至った事が無いのは少し腑に落ちない。
「俺、堅いから」
「へぇ……」今時珍しい。
と、冴曉は駿蓉を驚愕させる事を言った。
「俺さ、お前以外にいないと思ったんだ」
駿蓉はその言葉に思わず口を半開きにしてケースを取り落としかけた。落ちようとするケースをなんとか取った。そのケースを胸に当てて、冴曉の顔を見つめる。
818 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:41:53 ID:bI+hoAi+
あからさまに動揺した駿蓉の様子を見て、冴曉は訝しげに駿蓉の顔を見た。
駿蓉は驚きで高鳴る胸を押さえながら告白した。
「その……私も冴曉しかいないな、と思って……」
駿蓉がそう言うと、冴曉もそれは驚いたようで、駿蓉と似たような反応を示した。すなわち、口を半開きにして鍵を取り落とし、床に当たる前に取る、と言った反応だ。
「……じゃ、今まで誰とも……?」
冴曉の問いに、
「うん……」
簡潔に答えた。
気まずい訳では無いが、どこか静かな雰囲気になる。お互いがお互いに異性不信だったと言う事実は、少なくとも駿蓉にとっては異常に複雑な心境だった。
口を開いたのは冴曉だった。
「って事は、お互いセックスについては何も経験ないんだね……」
「そだね……」
お互い何かがおかしくて、照れ笑いする。次に言葉を発したのは駿蓉だった。
「でも、冴曉はAVとか見てるんでしょ〜」
「まぁね」
駿蓉のきわどい問いに、冴曉はしれっと答えた。あんまり普通に答えるもんだから、駿蓉は面食らって次の質問が声にならなくなった。
で、冴曉は言う。
「これからは必要ないな」
駿蓉は途端に嬉しく、なおかつ小恥ずかしくなり、
「もぉ、エロ冴曉!」
肩を軽く押してやった。
それからは前の調子を取り戻して会話が弾み、部屋までわいわい話して過ごした。
819 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:42:50 ID:bI+hoAi+
部屋は普通のホテルのスイートルームとあまり変わらない大きさで、歯ブラシとシャワーに十分な量のタオル、その他の性的道具が箪笥(たんす)の中に入っていた。が、道具を使う気はさらさら無い。
湿度がやや高く、温度は普通。つまり、少し蒸し暑いのだが、無視できる範囲である。おそらく、性交に移ればこの微妙な温度湿度が発汗を促してくれるのだろう。
口臭を完全に消すため、清潔にするために、冴曉が歯を磨いている間に駿蓉はシャワーに入り、今は冴曉がシャワー、駿蓉が歯を磨いている。
本当は二人でシャワーに入りたかったものの、そこでいきなり性欲が暴走して行く所まで行ってしまっては元も子も無いので、二人でシャワーを浴びるのは、明日の朝シャンと言う事になった。
で、駿蓉は冴曉がシャワーに入って十分経ったころに例の錠剤を膣に挿入した。処女膜があったが、それは彼女が勇気と気合いで破った。
それから五分が経った今、彼女は歯を磨いている。膣のほうで何か変な違和感があるが、それは錠剤が溶け出した証拠だろう、と気にしない事にした。
彼女は歯を磨き終えると、入念に口をゆすいで、ベッドに腰かけ、上着を脱いだ。
彼女は、彼を驚かせようと裸で待つ事に決めたのである。
立ち上がってワンピースの中に腕を引っ込めて一気に持ち上げる。
ワンピースが空中で力無くはためいた。
彼女の肉体は顔にたがわず素晴らしいもので、体毛は全体として長く主張が強い。もさもさとした印象だ。
彼女の首はすらりとしており、その下に続く乳房は大きさ、形共に申し分無く、丸々としてとても柔らかそうで、乳首はやや遠慮がちな大きさだったがそれが逆に奥ゆかしくて、男性にとっては興奮の的となる。
痩せすぎず太りすぎず、そんな理想を貫いたかのような腹は男性を受け入れるのに最高であるとも言える。良く見れば筋肉の形がなぞられるのも、悪くはない。
そこから欲望の三角地帯、つまり、股関節の辺りへ続く所の毛は多めで、彼女が禁欲を貫き通してきた事が良く分かる。
太股は適度な肉付きで、足全体はすらりと長い。
言うなればミス・獣人みたいな体だった。
方々に飛んだワンピースと上着をおずおずと拾い上げ、箪笥の中に押し込み、布団の中に潜り込んだ。
820 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:43:47 ID:bI+hoAi+
しばらく待っていると、シャワー室の扉が開く音がした。
「冴曉ー」
駿蓉は長い顔だけを外に出して呼んだ。
「なにー?」
「そのまま! こっちに来てー」
「そのまま」の所を強調してこっちに来るようにいった。冴曉は返事を返さなかったが、床を踏む音が聞こえる。どうやら「そのまま」の格好で来ているようだ。
駿蓉はどきどきしながらシャワー室の方の廊下を見やり――萎えた。
冴曉は確かにそのままこっちに来た。――タオルで体を隠しながら。
冴曉はまだ体を拭き切っていないらしく、顔の毛はおよそ湿っている。それが彼の白銀の体を更に艶やかな物にしているが……この期に及んでアソコを隠すとは何事かっ!
いくら童貞だからと言ってこれはいけない。駿蓉は半ば怒ったように冴曉に叫んだ。
「ちょっと! 何隠してんの!」
「え、だって……っていうかお前まさか、裸?」
冴曉は鼻息を荒げながら答えの知れた事を訊いた。駿蓉はもう馬鹿にされた気分になって無茶苦茶言ってやった。
「論外! 何のために高いお金払って愛し合おうと思ってるのさ! 自由奔放にやるぐらいの権利はあるはずでしょ! んもぉ〜このヘタレ!」
痛恨の一打を放つ。さすがにこれには冴曉もむっとしたらしく、
「なんだと!」
と言いながらタオルを剥ぎ取った。本来ならば隠されるべき所が顕(あらわ)になる。
冴曉の体は快漢(かいかん)のそれだった。腕や胸や腹などはそれぞれの筋肉で鎧のようになっており、胸板などはしっかりとしていて実に雄々しい。
そんな彼の一物はもう既に勃起していた。
彼の陰茎は標準的な獣人のサイズだった。だが、それは人間と比べると十分すぎるほど大きく、腹筋の一段目の真ん中辺りまでは伸びており、見た限りの太さは、冴曉の二の腕ほどはあった。
駿蓉は男性性器を初めて見る。だからどれぐらいが標準的な男根なのか知らないのだが、
「……すごい」思わず嘆息した。
「お前もシーツなんかに隠れてないで出てこいよ!」
ヘタレ冴曉はムキになって尻尾を振り回し、そんな趣(おもむき)の無い事を言った。駿蓉にヘタレと呼ばれたのが相当悔しかったのだろう。それとも、単純に彼女の裸体を早く拝みたいのだろうか。
性格はともかく、肉体は実に漢らしい冴曉に惚れ惚れし、艶容な声で笑ってシーツを払ってベッドの横に降りる。
「…………」
彼女の神々しいまでの裸体を見た冴曉は一気に怒りが失せたようで、尻尾をゆらゆらさせながら歩んでくる駿蓉の陰部に視線を集中させる。彼の陰茎の、血流による規則的な動きはより大きくなった。
「……エッチ」
冴曉の視線を股間に感じていた彼女はわざとらしくそう言って冴曉の体を抱いた。彼の陰茎が腹に密着して、乳首が硬く立ち上がるのが分かった。
821 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:44:26 ID:bI+hoAi+
冴曉は何も反論せずに駿蓉をベッドまで押して行き、優しく押し倒した。
横にずれて二人とも枕元まで移動する。
後はきわどい言葉を囁いて愛撫し、お互い性感が高まって来た所で挿入し爆ぜる(はぜる)……と言うのが一般的なセックスの手順だが、哀しいかな、この二人は無知が故に少しの会話をして、
「……挿入れるよ?」
「うん……」
有りえないほど早い段階で挿入れようとした。が、お互い何かが違う事に気が付く。
「何か違うよね?」
「うん……物足りないって言うか……」当然である。
周りの人々はあれほど性交が好きなのに、自分たちがやるとあんまり欲が満ちないとはどういう事だろうか。二人は寝たまま見つめ合って「正しいセックス」を考える事にした。
「あいぶ……って言葉があったよな」
「あったような……無かったような」
「乳房を吸うだのなんだのの事だったと思う」
「育児の話と間違えたんじゃないの?」
「でも、挿入れる前に大抵は愛撫する、いきなり挿入れてもあんまり心地よくない、って誰かが言ってだぞ」
「……そう?」
「駄目元で、乳、揉んでみようか?」
「……うん。そうして」駿蓉は正直好奇心のためだけに答えた。
822 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:45:08 ID:bI+hoAi+
冴曉はぎこちない仕草で手を駿蓉の乳房に持っていって、それを鷲掴みにして揉んでみた。
「――んんっ?!」
想像もしなかったような、意外な快感が急激に流れてくるのが感じられた。それはあまり強くは無い物だったが、何故だか冴曉に揉まれていると思うとますます嬉しくなってくる。
冴曉の方もこれで性的な興奮が得られたのか、息を荒げた。下になっている左手の方も乳房に持って行って、更に強く愛撫する。
「あぁ……気持ち良い……」
形容しがたい新鮮な感覚に駿蓉は思いつく言葉を口の中で呟いた。
冴曉の方はと言うと、彼女が気持ち良いと言った瞬間、ハァッと息を吐き出して、乳首に噛み付いた。
「う?!」
駿蓉はびっくりしたのだが、噛んでいるとは言えそれが甘噛みである事に気付くと、冴曉の舌の動きが性的快感を生んでいる事に気が付いて思わず声を上げた。
膣が湿ったような感覚も持った。
冴曉は、先ほど言った通り乳房を吸った。
「くぅぅ……」
冴曉の行動が段々大胆になっていくにつれて、駿蓉は快感は強くなっていく。挿入の喜びを知らない彼女は、これでも相当な快楽だった。
冴曉の口が乳房を離れて、腹の方へ移っていき、へそを経て陰部へと移って行く。その行程の中でも、性感が得られる事に、彼女は気付いた。
「う、うぅ……」
冴曉はとりあえず口を体から離して、手の方を膣の方へと向けた。少し冷たさを持った肉球で、膣を押してみる。
「あぁ……?!」
乳房や腹の時を遥かに上回る快感が得られて、彼女に驚きと喜びがいっしょくたに襲ってきて、彼女は声を荒げた。膣液は更に多く分泌される。
冴曉は手攻めを止めて、駿蓉の足の下から顔を通し、膣口を舐め上げた。
「ぅあっ……」
陰部を舐められると言う恥ずかしさと、否応無しに迫る快感が絶妙にマッチして彼女は不思議な感覚に溺れた。
しかしまだ早い。いくら初めてとはいえ、性急である。
冴曉の舌が膣の中に押し込まれた。
「ぁぅう……くは……」
今までで最もダイレクトな愛撫である。彼女は声を上げる事も出来ずに、息を荒げて襲い来る快感に苦しんでいた。冴曉の鼻先が膣液で濡れて行く。
が、冴曉はすぐに舌を引き抜いた。
823 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:46:00 ID:bI+hoAi+
「っあぁ……」
駿蓉が息を吐く。
冴曉は膝立ちになった。駿蓉の腹に、「男」となった冴曉の影が覆い被さる。
「?」
快感で状況把握が上手く出来なくなっている駿蓉はどうして冴曉立ったのか分からなかった。もっぱら陰茎に注目する。
駿蓉の貪欲な体が、冴曉の目に鈍く移った。
「もう……我慢できない」
駿蓉はここに来て、ようやく冴曉が荒荒しく愛そうとしている事に気が付いて、来るべき快感と知らない物の不安に、複雑な表情をした。
冴曉は駿蓉の肩の隣辺りに手を突き下ろすと、陰茎を、その美しい獣人の股間目掛けて突き刺した。狙いは正確だった。
彼の大きすぎる物は、彼女の膣口を押し広げて、そこを埋め尽くして奥へ挿入っていった。
「うあぁ……!」
「うぅっ……」
冴曉は初めて異性の体に侵入し、駿蓉は初めて異性の体を呑み込んだ。
もうそこからは教えられてなくても、考えなくても、本能が突き動かす。冴曉は駿蓉の体にのしかかって野性味を帯びた動作で彼女を激しく突きたてた。
女としての喜びが怒涛(どとう)となって押し寄せ始めた駿蓉は、痛みを帯びた快感に喘ぎ、彼女の方も下から彼を突き上げた。汗と膣液が噴き出すのが分かる。
彼女の腹は、冴曉の物が突き出ているかのように堆くなっていた。
体を密着し合って激しく動き回り、ベッドの軋む音が何故だか淫らに聞こえる。股間辺りのシーツが色々な物で濡れているのが分かったが、そんな事を気にかけている暇は無かった。
駿蓉はシーツを握っていた腕を、冴曉の背中に巻き付けてあらん限りの力を込めて締め付けた。冴曉の体をもっと受け入れて、喜びを広げたかった。
冴曉もそれは同じようで、手を駿蓉の首の後ろに回して、ぎゅっと締め付けてきた。
「あっ、あぁ、あぁぁ……」
最初の爆発の後も徐々に大きさを増しながら波状攻撃をしかけてくる強すぎる快感は、辛く苦しい物だが、喜びと心地よさの方が圧倒的に勝っていた。二人が纏う(まとう)空気が熱気を帯びて行く。
駿蓉がたまらず冴曉の首を愛咬すると、冴曉も駿蓉の首を愛咬してきた。冴曉は強く噛みすぎて、牙が駿蓉の首に少し食い込んだ。血がにじみ出てくる。
「いたぁいぃぃ……」
彼女は無自覚的なマゾヒストだったので、その鋭い痛みさえも快感になってくる。この男の人に体を委ねて、果てて行く体を想像して、その悲哀が快感になっていく。膣と首の痛みに彼女は涙と涎を撒いた。
824 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:46:49 ID:bI+hoAi+
「……うぅっ?!」
冴曉が何かに驚くような声を上げた。何か灼熱する物が陰茎から流れだそうとしているのを感じたのだろう。彼は性交の最期を直感して尾を直立させてより激しく駿蓉を突いた。
「うっ……? あっ、あぁぁあああぁ!」
駿蓉は冴曉の陰茎に異変が起こった事を感じ取った。
膣を埋める彼の男根が一回り膨張したかと思うと、その男根から、熱せられて赫赫(かっかく)と光る鉄かと思われるほど熱い、粘性の高い液体が雨のように流れ出てきた。膣はその量に悲鳴を上げてそれを吐き出し、彼女の太股やシーツを汚した。
そしてそれは一度ではなく、少しずつ威力を弱めながら幾度と無く繰り返された。いくら威力が落ちたとは言え、疲労や快感に嬲られ続けた彼女には強すぎる。彼女は全身の筋肉を痙攣させながら、ひたすらその快感を受けていた。
地獄のような天国の時が過ぎ、はっきりとし始めた意識の中、恍惚とした快楽が視界と心を覆っていた。
「……はぁ、はぁ……」
冴曉は、息切れしながら駿蓉に体を委ねていた。役目を終えた彼の陰茎は、小さくなって既に膣から逸脱していた。
彼女もまた、苦しい快楽と、痛い快感に涙を流し、息を荒げている。だが、辛苦を伴った快楽は今や消え失せ、心を埋め尽くしていたのは、冴曉からもらった愛の甘美さと、自分の愛を冴曉に与えた満足感だった。
決して快調とは言えない呼吸の中、駿蓉は冴曉の耳を食んだ。前戯がある事は知っていても、後戯があると言う事は知らなかった。だが、愛を一心に受け止め、預けたら、その喜びを表現したかった。
「……駿蓉、ありがとう」
駿蓉が耳を食むのを止めると、冴曉が駿蓉に面と向かって礼を言い、彼女の頬に自分の頬を擦り付けた。駿蓉は愛しいその首に手を当てた。
「冴曉もありがと……。また、やろうね……」
駿蓉は後僅かしか残っていない体力を振り絞って冴曉を抱きしめた。
「……あぁ……」
二人は果てて行く体力の中、眠りの世界に堕ちて行き、果たして一夜を共に過ごすのだった。
825 :
ナムコ:2006/06/04(日) 01:48:03 ID:bI+hoAi+
以上、第一章(っぽいもの)終わり。
私が投下するとすごい勢いで流れていく・・・。
ムホ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
>>803 乙!ハァハァさせて頂きました!まだ序章ってことは次もあるって事じゃないですか。ワクテカです!
久々に来たら大作が次々に…。( ;゚Д゚)
>>803 乙っす。あーやばい、自分も書きたくなってきたよ、こういうラブラブなやつ。
重箱の隅突っつくようでアレなんだけど、楽器奏者はあまり辛いの食べないと思ふ。
自分アマの金管奏者で、昔は辛いもん食うなとか言われてた。
…まぁ好きな人は好きで、演奏前に食べる人も居るだろうけどね! 多分!!
>>803 久しぶりに小説でヌけた・・・ありがとうよ(涙)
あと文章が長い物書きは羨ましく感じるのは自分だけだろうか。
特にエロパートのリアリティがスゴ居よかった。
ほめまくりで申し訳ないが。続編も頑張ってくれ。
>>828のこと
小学校の頃トランペットをやっていたが、管楽器を吹くには唇をふるわせなければならない。
ある程度の厚さがひつようだが、熱すぎると逆に吹きにくくなるんだな。
で、辛いモノを食べると当然唇が腫れてしまうからそのせいで厚くなるとちょっと不利かもよと。
まぁ、推測だが。参考にしてみて。
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
G J!
/ / ポーン!
( Д )
鋳鋼と金柑だったがチゲとか頻発してたけどそれでよかったのかー
そのまえに犬の口でホルンが吹けるのだろうか
それをいったらおしまいですよ。
特製のマウスピースがあるんだよきっと
むしろホルンとかは吹きやすそうな希ガス
逆に動物の構造・生態・行動上で便利なことってどういうのがあるかね?
主にエロ方面で。
犬科はクンニリングスしやすそうだな。
猫科は舌にもペニスにも棘あるからエロには難しそうだな。フェラチオしたあと口の中血まみれじゃん。
「アレはトゲ付きで痛いだけだよ」「あの種族はそもそもピストンしないよ」とか微妙に萎えるリアリティは無かった事にして、
発情とか都合の良い部分だけ利用する。
それが俺のジャスティス。
ていうか獣「人」という時点で獣のイイトコ、人のイイトコを持ってくるのは基本だと思うんだが。
……違いますか?
都合のいい解釈で全面的にOK
禿同
ファンタジーな世界で何を今更
中途半端なリアリティを求めるよりも、いかに萌えを重視するかだろうが……
その点ではナムコ氏は分かっていらっしゃる!
是非とも続編を投下お願いしますm(_ _)m
まぁイヌ科の純愛で「ぬっ抜けない・・・!」
なんてことになったらちょっとげんなりする人いるかもね。
まあおれはちょっとそれもいいかな?なんて思っちゃうけど。
「あ、ごめん……」とかいって顔を赤らめる♂
「じゃあ、もう一回……しよ」とか♀がいってキス
だったらモエス。
頭がフットー(ry な展開になればそれはそれで芳
抜けなくなってそのまま孕むまで射精してイカせ続ける展開も萌え
そもそも声帯が…
848 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:05:59 ID:I4egE/KZ
こんばんわです。なんとか土日に間に合いましたヨ……(厳密には月曜)。
分類:強姦。だけど途中から♀が我を忘れて受け入れまくる。
前回の続編でございます。で、とりあえず返信を・・・。
>辛い物論議
私が中学でプレイヤーだったころはむしろ奨励されたんですよ・・・朝早い本番の日とか。眠気覚ましとして。
それよりも熱い物食うなっていわれました。ラーメンは熱いし辛いじゃないかorz
>楽器吹けるのか論議
無理です。できるわけがない。
でもそれは大丈夫。構成初期からすでに解決済みです。今回で理由わかります。
正直、ご都合主義ですorz
>獣の特質どうたらこうたら
私が無知なだけです。
もう一度いいます。
無知なだけです!
だからリアリティ無視してかけるんですよ・・・。良いのか? これで・・・orz
今回からとんでもない方向に展開していくので萎える人は萎えるかもしれません。だって自分で書いてて「可哀想だな」って思いますものorz
何回orzしたらいいんだよ。俺・・・
これ以上ボロが出る前に投下
849 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:07:14 ID:I4egE/KZ
歳月人を待たず。あの八月の日から四ヶ月と二週間が過ぎ、今は十二月二十五日。聖夜である。
カーテンを払って窓から外を望むと、地面が日の光を浴びて白く輝いていた。前夜に雪が降ったためだろう。聖夜にはお誂え向きである。
窓の外の様子を見た駿蓉は、実に幸せそうな笑みを浮かべ、幸せの源泉を起こしに掛かった。真ん中あたりが膨らんでいる、ダブルベットのシーツをはがす。
シーツをはがしたそこには、ベットの半分は占領しているかと思われるほど大きなシベリアンハスキーが、着物を着崩して丸まっていた。シーツをはがされたのが気にくわないのか、額をしかめて体を縮ませる。
「起きろ〜!」駿蓉は溌剌と言いながらハスキーの体に手をかけてこちらに転がした。ハスキーは幾分目が覚めたようで、眠そうに目を開いた。
で、一言。
「そんな所に触るなんて、猥褻な……」
「朝っぱらから何言っちゃってんの?!」
爽やかな朝に全く相応しくない台詞に駿蓉は顔から火が出そうになった。恥ずかしさ紛れにシーツに力を入れ、引っ張る。ハスキーはシーツに絡めとられ、駿蓉側のベット脇の床に叩きつけられた。ドスン。
「痛って〜……」さすがに目が覚めたようだ。
「ほら、早く着替えてご飯食べて荷物詰めて指揮棒持って! 初指揮でしょしかも国立オーケストラの!」
今日は国立オーケストラのクリスマスコンサートである。このコンサートで、駿蓉はホルン奏者として、冴曉は――シーツを抱きしめているシベリアンハスキー――は新人指揮者として参加する事になったのだ。
駿蓉が演奏するのは当然の事だが、冴曉にとっては初本番である。
初本番の前日は一睡も出来なかったのになぁ……。冴曉があまりにリラックスしているのを見て、駿蓉は中等学校生時代の事を思い出した。あの頃は緊張のあまりトイレで吐いたぐらいである。
緊張しない、と言う点で、冴曉は図太いと言える。単に緊張感が無いだけかもしれないが。
ちなみに、冴曉が獣の姿であるのは故意ではない。寝ているとリラックスしてしまうので、本来の姿に戻ってしまうのが普通なのだ。
850 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:08:07 ID:I4egE/KZ
一向に起きようとしない冴曉は放っておく事にしておこう。駿蓉は踵を返して朝ご飯を作りにキッチンの方へ歩いていった。
駿蓉の家はマンションの一室である。獣人界では著名な会社が経営する高級マンションで、四LDKの広い部屋である。天井も高い。家賃は一ヶ月あたり千五百ドル。およそ十八万円だ。一流ともなればこの程度の住居、住んでいて当然である。
冴曉は少し前まで古アパートで生活していたのだが、駿蓉の強い希望により居候させてもらう事になった。各々の生活費は、原則個人持ちなので、どちらかがどちらかの家計を圧迫する事もない。ので、冴曉が居候するのはお互いに特だった。
そんな生活が始まったのは十月中頃。つまり同居し出してから二ヶ月が立った事になる。普通なら、この時期から相手方の気に入らない所が見え出して、愛はやや萎縮するものである。
しかし二人は性根から合っているのために、気に食わないところはお互い見つからなかった。それどころか愛の炎はますます燃え上がり、仕事や修行中以外はべったりくっついて生活している。
体で愛を表現する事もしばしばで、平均すれば、少なくとも一日一回以上はやっている。やらない日なんてのは、希少だ。
ただ、昨日は体を交えていない。今日の本番の事を考慮して、泣く泣く体力を温存する事にお互い同意したのだ。
冷蔵庫から二つ卵を取り出し、フライパンに油をひく。二つの卵を割ると、一つは双子だった。おかげで三つ黄身があるように見える。
「あ、双子だ」いつの間に獣人になったのか、冴曉が駿蓉の隣に立っていた。手には、人間界から直輸入したアルトバイエルンの袋と小さなフライパンがある。
「……親子みたい」駿蓉は微笑んで、お腹を擦りながら言った。
早く冴曉の子が欲しいな……。駿蓉は、コンロの火をつけながらフライパンにソーセージを放り込む冴曉の横顔を見た。もう眠気とは無縁の顔で、本番の影響だろうかどこか活き活きしていた。
駿蓉は、冴曉の事を考えて子を孕まないのである。今駿蓉が子を持てば、大きな収入源が無くなる。つまり、未だ売れていない冴曉の安月給で生きていかなければならないのだ。
もちろんそんな事は出来ない。そのため、駿蓉としてはなんとしてでも冴曉に今日のコンサートを成功して貰いたかった。
冴曉は鼻歌で「木星」を歌いながらフライパンを動かす。駿蓉はその軽快さでコンサートが進む事を願った。
冴曉の出番が来る、その時まで。
851 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:09:16 ID:I4egE/KZ
獣人たちが楽器を演奏する事は不可能である。
弦楽器は爪で弦を切ってしまいがちだし、吹奏楽器は人間の口に合わせて作られたものなので獣人たちの長い口には合わない。
打楽器はまだなんとかなるが、耳では聞き取れないほど細かく音を連打する奏法(ロールと言う)は、出来ない。
そのため、今日、スプラウトホールで行われている「国立オーケストラクリスマスコンサート」において、観客、演奏者、スタッフ、その他諸々、とにかく全員が人間の姿を取っていた。
コンサートの曲目は、
「惑星より木星」
「サンタが街にやってくる」
「アルルの女よりファランドール」
「交響曲第九番第四楽章『合唱付』」
「スケーターズ・ワルツ」
「美しく青きドナウ」
「くるみ割り人形より花のワルツ」
この七曲である。美しく青きドナウまで演奏が終わったところだ。
852 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:09:51 ID:I4egE/KZ
獣人が人間の姿を取っている時は、常に頭には二等辺三角形が一対ついている。つまり、獣耳がついている。ので、獣人か人間かの区別は容易である。
最後、七曲目。「くるみ割り人形より花のワルツ」ホルンの主題が美しい曲で、チャイコフスキーの名曲である。この曲を、冴曉が振ってコンサートは締める事になっている。
観客たちは皆、音を吸いにくい絹などを材料とした服を着ている。音楽が盛んな所では一般的なマナーである。そして、曲の出来次第で拍手の大きさを変えるのも、一般的なマナーである。
舞台袖から、パリッと燕尾服を着こなした人間の冴曉が堂々と歩んできた。
正直な観客たちの、やや挑戦的な拍手の中、冴曉は指揮台に上り、観客たちに一礼した。観客たちはやや気乗りしない拍手を返した。新人だからと侮っているのだろう。
冴曉は、傍から見ると緊張していないように見える。実にリラックスしていて、顔には自信があるように見えた。普段の生活では感じられないが、どことなく、大物の貫禄が感じられる。
冴曉が演奏者たちの方に向き直った。
彼はホルンの一番奏者――雑種らしいがアフガンハウンドの血が色濃く出ている娘――を一瞥した。ホルンの一番奏者はそれに笑顔で答えた。
冴曉も少し笑い返して、すぐさま真剣な表情になり、きびきびと指揮棒を上げた。
楽器が構えられる音が大きい。
冴曉が指揮棒を優しく振り下ろす。
853 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:10:44 ID:I4egE/KZ
オーケストラは柔らかい響きを生み出し、主題を紡ぐ。ハープがそれに呼応にするように声を上げ、オーケストラがそれに返す。ハープはまた同じように答えを返し、オーケストラは高鳴る胸の喜びを歌い上げた。
ハープが一人で美しい世界を作り上げていく。一面の桜花の中を乱舞しているかのような艶容さ。紅と光の世界が織り成されて行く。
そして、オーケストラがその世界で踊り始める。その温かいリズムの中、ホルンたちがこの世界を称賛するように歌う。クラリネットがそれに同意するように、また美しさを付け加えるような事を言う。
ホルンはそれを聞いてまたも同じこの世界を称賛する。クラリネットはそれをしかと受け止め、更にこの美しさを誇張し、世界の人々へ向けて幸福を振りまいた。
オーケストラがそんな夢のような世界を丁寧になぞっていく。時折起こる可愛らしいハプニングは、木管が全て解決していく。幸せは、ひとたび膨らみ始めると止まらなくなり、やがては天を仰いで全員で笑い合った。
そしてクラリネットも加えてホルンとクラリネットがこの世界を称賛していく――。
854 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:11:32 ID:I4egE/KZ
コンサートは終わり、駿蓉はスプラウトホールの女子従業員更衣室で人間用の服から獣用の服に着替えていた。他の演奏者たちはもう着替えを終えて、更衣室にはいない。駿蓉がただ一人だけでこの更衣室にいるのだった。
ワンピースの襟から顔が出す。その顔には、いかにも満足したような笑みがあった。
「花のワルツ」は大成功だった。冴曉の腕は、国立オーケストラの音楽監督である曹准とあまり変わらない、と駿蓉が思ったほど立派なものだった。
そんな技術を持ち合わせながらも、冴曉らしい優しさと奥ゆかしさが出ていて、演奏している側も非常に気持ちが良かった。
観客からの拍手も素晴らしい物で、冴曉が満足げな笑みで立ち去ろうとすると、すかさずアンコールが来た。
冴曉は足を止めて降りた指揮台に再度上って、アンコール用として取っておいた、「春の声」と言うワルツを演奏した。これも大好評だった。
成功――駿蓉だけでなく、楽員全員がそう確信しただろう。
ワンピースの腰紐を縛り、獣人の姿に戻った駿蓉は、自分のバッグを引っ手繰って、冴曉がいそうな所へ向かった。
駿蓉は、冴曉は曹准の楽屋にいるとの予想をしていた。あれだけの大型新人が舞い降りてきたら、曹准とて無視はできまい。本番後に冴曉を呼んで直々にお話……と言う事も十分に考えられた。
舞台裏の、複雑な廊下を潜り抜けて曹准の楽屋まで行くと、冴曉が、曹准の楽屋の扉の前で、総譜を熱心に読み耽っていた。
総譜とは、一曲の中で使われる全ての楽器の楽譜を一冊に収めた、指揮者用の楽譜の事である。スコア、とも呼ばれる。
「冴曉ー!」駿蓉はたたた、と駆けながら冴曉を呼んだ。冴曉は総譜から目を離して駿蓉を見ると、「駿蓉!」嬉しそうに笑って総譜を脇に収め、両手を広げて駿蓉を受け止める準備をした。
駿蓉は冴曉に辿り着く直前で少し跳び、冴曉の胸に豪快に飛び込んだ。冴曉は勢いで倒れはしなかったものの、受け止めるのが難しかったのか駿蓉の体を宙に浮かせたままその場で半回転した。
良くあるシーンである。良くあるシーンなだけに、カップルには憧れである。そしてその憧れは、このカップル間で実行された。
駿蓉は冴曉の顔を下から覗き、冴曉の指揮を絶賛する。
「すっごいね冴曉! 感動したよ花のワルツの美しさ完璧に表現してホルンにカッコつけさせて観客の心鷲掴みにしてアンコール貰って冴曉本当は新人じゃないんじゃないの?!」
「いや、俺本当に新人だから」冴曉は気迫とも取れるその勢いに少したじたじになった。
駿蓉の褒め攻めはまだ終わらない。
「いやもうホント凄かったよこれでブレイク間違い無しってカンジ。これで私たちの生活は完全に安泰だね!」
「まだ未婚だけどね」冴曉は照れ笑いしながら言った。
獣人たちには戸籍と言う理念は無い。それよりも、身近な人に結婚すると報告する事で結婚が成立する。すなわち、家族や親友などに報告する事が結婚なのだ。
別に報告しなくても、自分たちが結婚したと思っていれば結婚だが、それでは周囲の人々が結婚を知らないので色々と困るのである。
駿蓉は冴曉の「未婚」と言う言葉にカチンと来たのか、急に冴曉の体から離れるとぷいとあちらを向いた。――ただしこれは演技である。
855 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:12:30 ID:I4egE/KZ
「……?」冴曉は何がいけなかったのかわからない。
駿蓉はぶつぶつと呟き始めた。
「もう私たち結婚してもいいでしょ? これだけ愛し合ってるし、長い事一緒に暮らしているし、それでいて未婚? そんな事言われたら寂しいよ……」
拗ねたように言う駿蓉。冴曉は「ハハ」と笑って、小さくなっている駿蓉の体に腕を巻き、ぎゅ、と抱いた。
そして、駿蓉が求めていた言葉を言い放つ。
「分かったよ。結婚しよう。いずれ、子供も持とう。……お前、子供が欲しかっただろ? 俺、頑張るから」
「本当に?」本当なら駿蓉は飛び上がって喜びたかったのだが、敢えてここはいじけている風を崩さずに言った。
「ああ。……約束しよう」
「嬉しい!」
駿蓉は、冴曉に結婚を約束させる作戦が完遂したと悟ると、冴曉の腕から逃れて冴曉の方に向き直り、自分の方から冴曉に抱きついた。顔を冴曉の体にすりよせる。
あまりにも突然機嫌を良くした不自然さに冴曉は戸惑ったようだが、すぐに駿蓉の体を腕で包んでその体を抱擁した。
ひとしきり抱き合った後、二人は取り敢えずお互いの距離を取った。近すぎて行動が制限されるからだ。愛を体全体で受け止めて落ち着いた駿蓉は、冴曉が読んでいた総譜の方に話題を移した。
「ところでさ、冴曉、何を読んでたの?」
「読んでた? ……あぁ、スコアの事か」
冴曉は、駿蓉に潰されてくしゃくしゃになったスコアを脇から取り出し、表題を見せた。
と、そこには駿蓉に驚愕を与えるものがかかれていた。
「夜想曲より祭」。
「ちょっと……これって、人間界の音楽祭に進出するために私たちが練習している曲じゃん!」
冴曉と出会ったあの日、駿蓉が落とした楽譜――それが「夜想曲より祭」の楽譜である。この曲は、来年の大晦日に行われる、「世界古典音楽総集結祭」で演奏する曲である。
この大会では、演奏の秀逸性によって、金賞、銀賞、銅賞がそれぞれの楽団に与えられる。そして最も素晴らしい演奏をした楽団には「最高位楽団賞」が与えられ、事実上世界最高の楽団の称号を得るのだ。
獣人は、人間に知られてはいるが、あまり交友が深められていない。そのため、国立オーケストラの力を利用して、この音楽祭へ出場要請し、晴れて出演が決まったのである。それで、「夜想曲より祭」を任されたのだ。
今日から一月五日までは正月休みで、休み明けから合奏する。それまでは個人で徹底的に楽譜を読み込む練習をしていた。
そして、目の前で冴曉が「祭」の楽譜を持っていると言う事は……。
「任されたの?!」
「そうみたいなんだ」冴曉は困ったように笑った。
856 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:13:26 ID:I4egE/KZ
こんな大事な仕事を新人に任せるなんて、これは相当冴曉に期待していると言う事である。普通では絶対に有りえない。それが有りえていると言う事はこれは普通ではない。
もしや、冴曉は何百年に一人の、奇跡の指揮者なのか?!
駿蓉は目の前に奇跡の獣人がいると思うと、内心平穏でいられず、手元のバッグを握り締めた。
と、冴曉の背後の扉が開いた。
中から出てきたのは獣人の曹准である。国立オーケストラの音楽監督だ。彼は見た目は三十歳ほどの若そうな雄の狐である。毛並みは艶やかで、髭の飛び出し具合も勢いがいい。目には生気が満ちている。
だが本当は、彼は齢三百は越えている霊狐である。知能は異常に高く、難しい謎謎を彼に出題してみると、即効で解いてしまうほどのIQを持っている。
加えて、亀の甲より年の功と言った感じで知識も凄い。何か一つの事について訊けば、それだけで一時間はぶっ続けで説明してくれるだろう。
また、彼は更に物凄い能力の持ち主であるが、これについては実際に見た方が早いので、ここでの説明は省く。
その狐は冴曉の肩に手を置いた。冴曉は当然そちらに目をやる。
「ああ曹准先生」冴曉は普通に言葉を渡した。
「冴曉くん。君の未来は明るい」老年者特有の深遠な声である。若い狐がそんな声を出しているとなんだか変な感じだ。
「はぁ……」言われても困るようで冴曉は後頭部に手をやった。
曹准はまだ続ける。
「もうスコアは読んだね? それじゃあちょっと楽屋に入ってその曲についてどう思ったか聞かせてくれないかね? なに、普通に答えればいい。相当まずい解釈で無ければ、約束通り私はこの曲を君に任せるよ」
「はい! ありがとうございます!」
駿蓉に対する喜びとは違う喜びで冴曉は答えた。駿蓉の方に向き直って、
「ごめん、先に第二出入口で待っててくれないか? すぐ行くから……」
「……うんわかった」これは致し方が無い。寂しくなるな、と思ったが受け入れる事にした。
と、案の定曹准はその様子に突っ込んできた。
「……駿蓉くん。冴曉くんと男女的に関わっているのかね?」
「はい!」これは元気良く答える。「もうすぐ私たち結婚します!」
「ほう、良い事だ」恥ずかしそうにする冴曉を尻目に、曹准は柔和に笑った。そして、
「じゃ、少しの間寂しいかもしれないが、冴曉くんを借りるよ」思慮の深い事を言った。
「はい」駿蓉はトーンを下げて言った。
「じゃあ、冴曉くん、楽屋に入ろうか」
「はい……」二人が楽屋の敷居を跨ぐと、扉は静かに閉められた。
「ホルンでも持って帰ろうかな……?」
なんだか手持ち無沙汰になった駿蓉は独り言を言いながら楽器置き場に歩んで行った。
857 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:14:19 ID:I4egE/KZ
「……遅っそいなぁ」
駿蓉は、スプラウトホールと、背の高いビルに挟まれた細い路地で携帯電話の時計を見た。二十二時十三分。冴曉と別れたのが十一時半頃。この路地に辿り着いたのが二十二時頃なので、十分ほど待っている事になる。
スプラウトホールの、従業員専用第二出入口のこの路地で待っている駿蓉の足元には四角いホルンケースが置かれてある。言うまでも無いが、中味も入っている。
「……もう」
彼女は携帯電話を開いた。冴曉の携帯にメールを送ろうとしたのだ。例え曹准と話し中でも、携帯電話が鳴れば気付いてくれるだろう。
だが、一件のメールが届いているのに気付いて、駿蓉は手を止めた。
冴曉から……?
件名は無し。だが、名前は確かに「冴曉」と書かれてあった。送信日時を見ると、二十一時五十三分。
私がここに来る前に送ってきたのか……。
冴曉は非常識な輩ではない。目上の人と話している間にメールを打つなんて事はしない。
つまり、曹准と離している間にメールを打つような事はしない。と言う事は、二十一時五十三分には曹准と話を終えていたのだ。
どういう事……?
駿蓉は訝しそうに思いつつも、そのメールを開いてみた。
本文は、今まで冴曉から貰ったメールのどれよりも短かった。
『SOS』。
エス・オー・エス。救援を求める信号。
駿蓉は一瞬携帯電話を握ったまま固まった。
しばらくの後、駿蓉の目は今までに無いほど見開かれた。
冴曉の身が、危ない。
反射的に待ち受け画面に戻り、冴曉の携帯電話にかけてみた。焦って上手く番号を打てない。
〇九○五四三八六二一八。
やっとの思いでそれだけを打つと、通話のボタンを押して、携帯電話の中に格納されているイヤホンを引っ張り出し、耳の奥に入れた。
長く続く着信音が残酷に聞こえる。
858 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:14:57 ID:I4egE/KZ
だがその着信音は途切れた。誰かが携帯電話に出たようだ。
「もしもし! 冴曉! 何が起こったの! 今どこにいるの!」
駿蓉は慌てていたため、相手が誰なのかを確認せずにひたすら相手に質問を投げかけた。冴曉の身に何かがあれば、駿蓉も平穏ではいられない。
そのため冴曉の身がどのような状況に置かれているかを早く確認したかったのだ。
だが、駿蓉の問いに答えたのは冴曉ではなかった。
『冴曉の身は預かった』
冴曉のような声では無く、野太くて、荒々しい声だった。似ても似つかない。駿蓉は一瞬呆気に取られたが、すぐに勢いを取り戻して喧嘩腰になりながら叫んだ。
「誰! あんた!」
『それは会うまで言えない』
相手方は、自分が誰であるか教える事を拒んだ。
これで分かった事は二つ。
一つは、相手が黒い奴である事。
もう一つは、冴曉が犯罪に巻き込まれている事――。
だが、この国では、殺人者さえも逮捕される事が少ない。そもそも刑法と言う概念が無い上、目立った治安組織も無いからだ。
この国の文化を人間界の基準で現すと、「発展途上国のトップに立つ国の首都」ぐらいのものだった。国王はとにかく人間の先進国並みまで文明を高めようと、行政以外には全く力を入れていないのである。
そのため、治安は非常に悪い……はずだが、獣人たちは個々の能力が高いため、自分の利を見れば争うのは得策でない。そのため、成人した獣人が犯罪によって命を落とす事は滅多に無いのだ。
滅多に無いのだが――。
駿蓉は、相手が道徳心を持たないものだと悟り、内心恐怖と驚きに包まれながらも、「会うまで言えない」と言うフレーズが特に引っかかり、相手の出方を伺う事にした。
無言の時間がしばらく続くと、相手方は、
『一泊旅館まで来い。こちらは警察が止められるほど弱くはない』
それだけを告げて強引に電話を切った。
駿蓉は、突然切れた携帯電話をしばらく見つめていた。だが、決心したように耳からイヤホンを引き抜きそれを仕舞うと、携帯電話を閉じて荷物一式全て持って、冴曉との思い出の場所へ駆けていった。
一泊旅館と言う淫乱な場所に。
859 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:15:32 ID:I4egE/KZ
青いタクシーは淫猥街の「一泊旅館」の前で止まった。
駿蓉は、財布から五十ドル札を出して、運転手の猫に見えるように助手席に置いた。「釣りはいらない」ともなんとも言わずに、扉から道路に降りた。
駿蓉が荷物を全て外に出すと、タクシーは然も当然のように走り去っていった。まぁ正規の値段より多くの稼ぎが得られたのだから、あちらさんも文句は無いのだろう。
駿蓉は、焦りに肩を怒らせながら、開くのが遅い自動ドアの隙間を無理矢理こじ開け、中の絨毯を踏みしめた。
十歩ほど先に、一人の獣人が、いた。
狼の獣人だった。身長は冴曉よりも少し高いぐらい。体毛は冴曉と同じ灰色だったが、冴曉のように透き通った物では無く、どこか濁っていて荒廃したような灰色だった。
顔は細く、鋭く睨みつける双眸が、ガラの悪そうな感じを強調している。
駿蓉はこの獣人に会った事がある事を思い出した。
「……あんた」
初めて冴曉とここに来た時、エレベーターに乗っていたあの獣人である。あの時は双眸の鋭さがくっきりと脳裏に写ったものである。
狼の獣人は少しだけ駿蓉を見ると、ぷいと背と尾を見せ、奥の方へと歩いて行った。
相手方に背を見せる。これは明らかに油断している事の印である。駿蓉は狼に虚仮(こけ)にされたような気分になって、走り寄ってその背に噛み付こうかと思った。が、止めておいた。
それでは相手の油断につけ込む事になり、自分が非力である事を認める事になってしまうからだ。
駿蓉は、狼からきっかり三メートル離れながらその憎たらしい背を追った。この獣人が冴曉をさらった確証は無いが、この状況ではそう考えるしかない。
受付嬢のシャム猫は、無感情にそれを眺めていた。
狼は、正面の非常口から外に出た。駿蓉も急いで駆けより、同じように外に出た。ホルンも同伴していたため、通るのは少し窮屈だった。
非常口を出ると、そこは隣のビルの一階部分に直接連絡していた。
その部屋はだだっ広いただの空間で、横は十メートル、奥は二十メートル、高さは四メートルほどの直方体の部屋だった。壁や天井や床は、全てが青っぽい白の人工大理石で覆われていた。窓は一つも無く、出入口のような物も、今使った非常口以外に無さそうだった。
そして、その真ん中に、冴曉がうつ伏せに倒れていた。
860 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:16:06 ID:I4egE/KZ
「――冴曉?!」
駿蓉は思わずホルンやバッグを取り落として、ぐったりしている冴曉に走り寄った。近くに跪き、冴曉の体を起こして自分の膝の上に置く。
冴曉の目は閉じられており、体のどこにも全く力がかかっていない。完全に筋肉が弛緩しているのだ。それだけ体力が奪われたのだろう。だがそんな事はあまり問題ではなかった。
冴曉の左肩から腰の右辺りにかけて、血の色が走っていた。それがもう乾いてる所を見ると、それの原因となった傷は浅いようだが、冴曉に対するダメージは大きかったに違いない。冴曉がぐったりしているのはこれのせいだろう。
駿蓉はその生々しい傷から目を離せなかった。
すると、今の今まで目を閉じていた冴曉が目を開いた。
「あ……駿蓉……」
「冴曉っ?!」
駿蓉は冴曉が口を開いたのに驚きと、一分の安堵を感じて彼に呼びかけた。だが彼の声は弱弱しく、もうあまり体力が残っていないような声だった。これだけ大きな傷をつけられたのだから仕方が無い。
駿蓉がしばらく冴曉の顔を覗き込んでいると、冴曉はそのか細い声で、絞り出すように言った。
「に、逃げろ……」
「逃げろ?」
駿蓉は咄嗟に嫌な予感がして、自分が入ってきた扉の方に振り向いた。
向かって右の隅に、さっきの狼が佇んでいた。入ってきた時は視界が捕らえられない位置にいたため、今まで気付けなかったのだ。
駿蓉は冴曉を地面にそっと降ろして、その狼に向かって噛み付くように言った。
「あんた、冴曉に何をした!」
狼は何も言わなかった。だが、答えの代わりのつもりなのだろうか、着物の袖をまくって、隠れていた爪を見せた。
それは血に濡れていた。
つまり、「冴曉の傷は俺がつけた」と言う事――。
駿蓉は体全体をその狼の方に向け、口を裂けさせながら唸った。本当ならすぐに殺してやりたいが、相手には一分の隙も無い。今飛び込んで行ったら冴曉の二の足を踏んでしまうだろう。
「駿蓉、と言ったな」
狼は唐突にそう訊いてきた。狼と駿蓉はお互いに名前を知らないはずだから、ここで駿蓉の名前を言い当てられるのは明らかに不自然な事である。だが激情に流されていた駿蓉はその不自然さを冷静に捉えられず、
「だから何だと言うわけ!」
怒りに任せて声を吐いた。
「社の規則で名乗らなければならなくてな、俺は鴎蓋と言う」
狼は御丁寧に自分の名を名乗ってきた。「社の規則」と言う所が気になるが、今はそんな事を気にかけているべき時ではない。
「で、鴎蓋さんが駿蓉に何の用だと言うの?」
駿蓉は段々体中の血液が滾っていくのを感じていた。獣人たちは、負の感情が限界近くまで昂ぶってくると、獣人の姿を留めていられなくなる。つまり獣の姿に戻ってしまうのだ。
そして、獣の姿に戻る時は、血が沸き立つものなのだ。
駿蓉の肩が一回り膨張した。
861 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:16:52 ID:I4egE/KZ
関節の付き方が獣人のそれとは変わっていき、足が体に対して垂直になっていく。胴体が前にのめり、駿蓉は胴体を支えるために前足を地面に突いた。
駿蓉の体が完全に獣のそれに化生した。
豊かに揺れる毛が体を覆っていても、その体の隆々とした様子は手に取るように感じられ、あまりにも逞しく、力強い。大理石を噛む爪はサバイバルナイフのように鋭利で少しでもかすればそれだけで裁断されそうであった。
憎悪で野獣と化した駿蓉は、鼓膜を叩く咆哮を上げた。
「……駿蓉」
冴曉は、可愛らしかった駿蓉の獣人姿との差に、感慨深くその獣の名を呼んだ。
駿蓉は冴曉に一瞥もやらなかった。
「ほぅ。いい体だ」
狼の鴎蓋は全く動じず、沈着にそれだけを言った。胆力の無い者なら、駿蓉のこの姿を見ただけで尻尾を巻いて逃げ出しそうなものだが、狼はそれほど弱い者ではなかった。
駿蓉の前足の筋肉が激動した。
雷光のような獣が鴎蓋目掛けて飛んでいき、その喉笛を咬み切ろうと紅(くれない)の口腔を顕にしていた。直線的な攻撃。鴎蓋はいとも簡単にさらりと避けた。
獣は大理石の上にその巨体をおろし、慣性に従って滑りながら鴎蓋の方に向き直った。すぐさま足を動かして鴎蓋の方へ猛進して行く。
鴎蓋は避けもせずに、両手を前に出して、意味の無い言葉を叫んだ。
と、鴎蓋の両手から紫電が迸り、高周波の痛い音を辺りに撒き散らしながら獣へ向かって疾駆していった。一瞬の出来事だったので、獣はそれに全く反応出来なかった。
鋼が粉々に砕け散ったような音と共に紫電と獣が直撃し、獣は怪奇の咆哮を上げて地面に倒れ込んだ。
あまりにも呆気なかった。
獣の姿は、駿蓉の麗しい獣人の姿に戻っていった。
彼女が着ていた服のあちこちが焦げていた。
862 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:17:29 ID:I4egE/KZ
「駿蓉!」
駿蓉の惨状に、冴曉があらん限りの声で叫んだ。
獣人の駿蓉は腕や足を投げ出しながらも瞼を開き、その冴曉の声に答えるように喉奥で声を上げた。
だがその声は滞り、冴曉の耳には届かなかった。
駿蓉の脇に、鴎蓋が勝ち誇ったように立った。哀れにも果ててしまった駿蓉の姿がそんなにも面白いのか、嘲笑に顔を歪めている。
「冴曉さんよお、そんなに心配しなくても、こいつを殺しはしない」
狼は明らかに二人を見下した態度で、奢った(おごった)様子で冴曉に言った。
冴曉は半ば自棄になったように一声吠えた。
鴎蓋はそんな冴曉を気にするでも無く、腰を下ろすと、駿蓉の髪を掴んで引っ張り上げた。う、と駿蓉はうめき、鴎蓋の顔を睨んだ。
「駿蓉。お前さんにはこれからある所に収容されてもらう」
鴎蓋は実に楽しそうにそう言った。駿蓉は嫌な予感が走るのを感じたが、それは無視する事にした。
「つまりは、だな、俺がお前を娼婦としてある色里に送還するんだが」
「そうはさせないぞ!」
冴曉がそう叫んだ。この時はさすがに鴎蓋も警戒したようで冴曉の方を向いたが、冴曉は、立ちあがろうと必死に手で地面を押しているだけだった。
何がおかしいのか、鴎蓋は声を上げて笑った。バランスを崩して地面に突っ伏した冴曉の視線が鴎蓋を貫く。
駿蓉は、冴曉のそんな様子がとても痛ましく見えた。
自分のために必死になって戦おうとする男を見たのは、父親以来誰もいなかった。
冴曉のその姿を見ていたが、鴎蓋は無情に呼びかけてくる。
「それで、だ。お前はこれから娼婦になる。一流の娼婦としての訓練が、今、ここから、始まるんだ」
駿蓉はそれの意味をすぐには飲み込めなかったが、それを飲み込んだ瞬間、本能的な嫌悪感が血に流れるのを感じて、全身の筋肉を強張らせた。
鴎蓋は駿蓉を犯そうとしている。――冴曉の目の前で。
863 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:18:08 ID:I4egE/KZ
「いや!」
駿蓉は突発的に叫んだ。出来れば手を振り切ってすぐにでも逃げ出したかったが、体が言う事を聞いてくれない。あの紫電のせいだ。
鴎蓋は駿蓉の髪を離した。駿蓉の額が床に落ちる。
駿蓉は今、うつ伏せになっている。このままの姿勢で鴎蓋に犯されるとすれば、後背位だ。いかにも犯されていると言う体位で、冴曉の前で恥辱を曝す事になる。
絶対にいやだ。それなのに抵抗できない……。
駿蓉は泣き出しそうな感情に囚われた。
「冴曉さんよお、今からこいつは俺が犯す。しっかり見ておけ」
「ふざっけるな!」
冴曉はもう立つ事もせずに地面を這って駿蓉と鴎蓋の元へと移動しようとした。鬼のような形相の冴曉が、地の底から這い出てくるように見えた。
鴎蓋は、下ろしていた腰を上げると、冴曉の額を踏みにじった。
大理石に打ちつけられた冴曉の額から、嫌な音が発せられた。
「ぐっ……」
冴曉はそれだけを言い残して、意識を絶やしてしまった。
「冴曉!」
駿蓉が震えた声でそう叫んでも冴曉は床に突っ伏したままだった。
「安心しな。変な音が聞こえただろうが、骨は折れちゃいない。気絶している所以外はまるっきり健康体だ」
鴎蓋は着物の帯を緩めつつ駿蓉の方へ戻ってきた。
「そういう問題じゃ……」
駿蓉はまるでデリカシーのない狼にこれまでにない憎しみを抱いた。
憎しみを抱くのは簡単だが、それを晴らすのは難しい事も分かった。
鴎蓋の着物が全て床に落ちた。
厚い胸板。はっきりと分かれた腹筋。そして巨大な陰茎――。冴曉の身体的特徴とあまり変わらなかった。体毛の色まで似ているので、冴曉の姿がそれに重なる。
しかし、冴曉のそれとは全く違う。
冴曉は……こんなに息を荒げたりしない。
864 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:18:42 ID:I4egE/KZ
「へっへ……」
鴎蓋はだらしなく顔を緩めながら、駿蓉の視界の後ろ側に消えた。
直後、陰部に冷めた感触が感じられた。
「……」
鴎蓋がワンピースから手を突っ込んで、陰部を指で弄んでいるのだろう。
そうやって愛撫して、駿蓉を興奮させて、それから挿入れるつもりなのだろうが、そうはさせない。駿蓉は得られるはずの快感を意識の外へ追い出して、鴎蓋に弄ばれる屈辱に耐えていた。
だがそれも長くは続かなかった。
鴎蓋は、駿蓉が指では興奮しないと見るや否や、ぐっと膣の中に指を入れてきた。
「……!」
意識の外へ逃がしたはずの快感が、電撃のように脳裏を走った。駿蓉の体はその快感を享受しかけたが、感情がそれを抑制する。
いくら気絶しているとはいえ、冴曉の前で感じるような事があっては、一生の恥だ。駿蓉は感じるわけにいかなかった。
だが指は執拗に責めてくる。
「ん……」
鴎蓋の指が、膣内の感じやすい所を擦りながら奥へと侵入してくる。どれだけ女の体を心得ているのだろうか。鴎蓋の指は駿蓉の閉ざされた心を切り開かんとするほど上手く責めてきている。
ひときわ感じやすい所を積極的に指に嬲られ、駿蓉は声を上げた。
「だいぶ淫乱だな。素質があるぞ」
今まで沈黙を押し通してきた鴎蓋が駿蓉に話しかけてきた。駿蓉はそれで我に帰り、すぐに快感を意識から閉め出した。
「誰が淫乱になるっていうわけ!」
「フン。そういう事は次に耐えられてから言うんだな」
鴎蓋は、ご丁寧に感じやすい所を逆撫でしながら指を引き抜いた。駿蓉は何とか耐えられたものの、もう感じる一歩手前だった。これ以上は耐えられない。
と、服が裂かれる音がした。
「ちょっと、何してんの!」
駿蓉は、ワンピースを引き裂かれていると直感して、鴎蓋に対して抗議の声を上げた。だが鴎蓋をそれを全く気に留める様子もなく、無遠慮にワンピースの下半身の部分を引き裂いていった。
どれぐらい裂かれたか分からないが、もう下半身は丸見えだろう。駿蓉は陰部を隠すように尻尾を丸めたかったが、尻尾にさえも力が入らなかった。
鴎蓋は、整った駿蓉の陰部に鼻先を近づけた。僅かにそこを濡らしている物を、舌で絡め取る。
駿蓉はクンニリングスに弱い。思わずそれで声を上げてしまった。
鴎蓋が駿蓉の足を左右に押し広げて、夢中になって駿蓉のそこを舐め回した。その大胆な舌の動きに、駿蓉は思わず快感を受け入れてしまい、愛液で鴎蓋の鼻先を濡らしてしまった。
だが、まだ舌は膣に入っていない。
鴎蓋は彼女の股間を口で挟み、舌で膣の弁を押し広げて入っていった。
865 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:19:20 ID:I4egE/KZ
「あっ……ああ……」
冴曉の目の前で駿蓉は舌へとの動きを感じていた。蛞蝓か何かのように蠢きながら膣を刺激し、奥へ奥へと入ってくるそれは、陰茎に負けず劣らず感じやすい。彼女は冴曉に対する罪悪感を意識しながらも、快感で膣液を噴いてしまった。
鴎蓋は舌を膣から抜け出し、愛液を舐め取ってから口を股間からはずした。
駿蓉の膣は鴎蓋の舌の責めが終わったにも関わらず、未だに快感に泣いているようで、膣液が細かく噴き出していた。
「へっ。お前やっぱり素質あるぞ」
鴎蓋がそう言ったのが聞こえた。ような気がした。
駿蓉は、気絶して突っ伏したままの冴曉を、朦朧とした意識の中で眺めた。本来、駿蓉が愛を注いでいるのは冴曉であり、鴎蓋などではない。肉体的快感と精神的快感を同時に交換できるのは、冴曉であり、鴎蓋などではない。
彼女は鴎蓋の責めに喜んではいたが、悦んではいなかった。快感を受け入れても、罪悪感がそれを邪魔してしまう……。
目が熱くなり、涙が零れたのが分かった。
しかし鴎蓋はいよいよそれを行おうとしていた。
膣の先に、円柱状の突起の先端が当たった。
「!」
駿蓉がそれを感じた頃には、突起は膣のより深みに沈んでいき、膣のあちこちに強烈な摩擦感を残しながら入ってきた。
鴎蓋の一物が入ってきた――駿蓉は一瞬で沸騰する快感と共にそれを自覚した。
「ぃゃぁ……!」
866 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:19:49 ID:I4egE/KZ
駿蓉は猫が潰れたような声でそう叫んだが、鴎蓋がそんな事で責めを終えるわけがなかった。鴎蓋は全身で淫らに動き、駿蓉の膣に入っている陰茎を突いた。鴎蓋の陰茎は冴曉のより幾分大きく、動く度に膣の壁が余す所無く刺激された。鴎蓋の荒い息遣いが聞こえる。
これほど激しい快感の中では罪悪感など無に等しかった。駿蓉の意識は原始的な感覚を受け入れるためだけの物になり、雄に陰茎を押し込まれている恥辱と快感しか感じ取れなくなってしまっていた。
駿蓉の膣は素直だった。その素晴らしい陰茎に対して喜びの液を多量に分泌して、二人の陰部を濡らした。大理石に液体が流れていき、水溜りのようになっていった。
段々と快感が強く鈍り始めてきた。快感の度合いが強すぎて、駿蓉の意識がその快感を捕らえきれなくなってしまっているのだ。駿蓉の意識には、極楽のような快感の残像が映っているだけだった。
鴎蓋は立てていた上半身を駿蓉の背中に密着させて、口を駿蓉のそこへ持っていった。駿蓉はそれを拒む事無く受け入れて、二人は口からも刺激を求めた。お互いの舌を絡め合わせて舐め回していく。
膣の中で暴れていた陰茎が二段階ほど膨れ上がった。駿蓉はそれを受け入れるのがどんな意味を成すか考える事もせず、鴎蓋の口に己の舌を徘徊させていた。
鴎蓋の陰茎は力が強かった。噴出する精液の威力が高く、膣の奥を叩いて駿蓉を更に快楽の極みへと導いた。そしてそれは一撃では止まらず、二発三発と、なかなか弱まる様子も見せずに駿蓉へ快感を与えてきた。駿蓉は、その粘った熱い液の活動に全神経を集中させていた。
と、唐突に意識が途切れた。今まで快楽が激しく躍動していたのが嘘のように、駿蓉の意識はぷっつりと途絶えてしまった。
867 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:21:11 ID:I4egE/KZ
「……はぁ……はぁ……」
鴎蓋は駿蓉の膣から自分の物を抜いた。
射精した直後、鴎蓋は自分の手を駿蓉の首に当てて、そこから駿蓉の意識を吸い取ったのである。そのため、駿蓉は突如として気絶し、今まで快楽に喘いでいたのが、今は安らかに寝息を立てている。
鴎蓋は自分についた精液や膣液を拭き取り、ほぼ裸体の駿蓉と冴曉の手と足を縄で縛り、部屋から引きずり出して外で待機していた荷車の荷台に乗せ、自分は運転席に座った。
荷車は、粉塵を撒きながらある所目指して走っていった。
868 :
ナムコ:2006/06/12(月) 00:25:09 ID:I4egE/KZ
以上。第二部?終了。
だめだ。どうやら長文減少期に突入したとおもわれorz 最後簡潔なのはわざとだけど。
音楽を文章で表現してみたけど逆にわかりにくいですよね……
うおぉぉぉ!駿蓉が大変な事になっちまう!!
エロエロでいいんですが、なんだか心が痛む展開になってきた…。ですが、GJです!
あと名前を出す時読みがな書いて欲しいです。狼の人とかなんて呼べばいいのか…
もひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
凄いといえば凄い
エロいといえばエロい
でも、読んでて気分悪いわorz
こういう強姦ものはバッドエンドになる確立高いからなぁ
単にケモノを酷い目にあわせることを目的にしているならこのままでも構わないが
ケモノ萌えを自覚しているなら、責任取るよな?
読んでて不快になるならスマソ
ただ、悪が栄えて正義が滅ぶなんて真似はするなよ?
エロパロ板で何言ってんのこの子。
まぁエロ以外の描写の比重が多いストーリーものっぽく書いてる作者さんのやり方が、
単純に「エロけりゃ良いや」と割り切れない読者の反応を招いてるのかもしれないが、
それにしてもなんでこの人はこんなに偉そうに当たり前のように平気で注文をつけているのだろうか。
>>872 気にするな若いの。871は感想だしそれに対して
>それにしてもなんでこの人はこんなに偉そうに当たり前のように平気で注文をつけているのだろうか。
と言ってしまったら君も「何様?」になっちまうぜ。またーり、またーり。
>ナムコ様
エロい・・・が萌えられないかも。心が痛いであります。
されど上手い!GJ!
えろーい
難しい題材だしジャンル的に賛否両論だろうけど
俺はラブラブと同じくらいこういうのも好きです
激しい動物的な感覚的な交わりも獣人ならではの本能とか感じられるし
やっぱ、こういう息遣いまで聞こえてきそうな描写だと勃ちますwwww
調教シーンがどうなるのか、駿蓉はどうなってしまうのか
wktkしながら、続きを待たせていただきます
貴重な獣人作家さんだし、書きたいもの思う存分書いてください
応援してますよ
悪が栄えて正義が滅ぶ文章の何が悪いのか理解できない
>>875 何その極左右過激派思想(って、第三者から見た話だが)
犯罪起こすなよ?w
>>876 またしょうもない釣りを
大体サヨもウヨも悪至上主義じゃねーw
第三者じゃなくて、PTAの無知ヒスオバサンだろ
彼の中では悲劇とか退廃とかを書いた文学作品は無かった事になっているようだ。
無いと思い込んで目を背ければなくなるものでもないよな
なんでこういうヤツ沸くんだろう
陵辱系作品はほかにもUPされているのになんでこれだけ叩かれてたのだろうか
過疎スレに稀にみる神だから過剰反応してるんだよ
>>885 ていうかテンプレの内容ユルくしないとダメだろうな。
シバリがデカすぎる。
888 :
ムジナ:2006/06/18(日) 14:10:03 ID:7wndWhy4
とりあえず空気読まずに投下おk?
TFと同性、ノーマルなエロ重視
なんと言うかシチュエーションよりもエロメインな感じで
・原則として人との絡み(人×亜人,獣人etc),百合,やおいはスレ違い。
この部分もNGだな
スレ違いって、お前はそれらの内容で単独スレを立てろとでも言うのかと
>888
いいんじゃね?
>>891 去年の11月から30しか進んでおらず、しかもその半分は内容のない保守発言で、作品は一つも存在しない
そんなスレに立場とか住民とかあるのか?
893 :
891:2006/06/18(日) 18:38:09 ID:P0T9+1W0
>>892 だったらなおの事百合ネタあったらあっちに投下してあそこを盛り立てないか?
個人的にはここで百合でも何でも読めた方が嬉しいけど
単に先にスレがあったんでどうなんかな〜と思っただけ
そうつっかからんでくれ
でも確かにスレが細分化しすぎだよな…
可能ならまとまった方がいいなとは思う
その点で縛りはゆるやかにした方が良いなと
ここは無駄なスレ消費推奨なインターネッツですね
895 :
ムジナ:2006/06/18(日) 21:30:36 ID:7wndWhy4
てか百合とかやおいとかに限定されると投下できないような話なんだが…
ちょっと用済ませてから投下することにした
896 :
891:2006/06/18(日) 21:52:29 ID:QlgansEi
正直スマソ
つか最近また動物変身スレが立ってたんだな
本当に細分化し杉だorz
ここと異形化スレしか見てなかったから
ここまでぐちゃぐちゃになってるとは思いもせんかったよ…
orzorzorz,,,
>最近また動物変身スレが立ってたんだな
見てきたが、最悪だな。
別にこのスレだって恥辱オンリーってわけじゃないのに
「恥辱は嫌だからあのスレとは別ってことで」とか言って立てて、
しかもスレタイが気に入らないからって複数スレ立て。
>>893 向こうにネタを投下して盛り立てるという事は、こっちに投下する予定だったネタが減るということ
こっちが大盛況ってなら構わないが
899 :
ムジナ:2006/06/19(月) 00:58:13 ID:CVmaHhDH
そろそろ寝るから投下していくわ
20強くらいのレス消費で一時から
そこは暗い、何かに囲まれた空間だった。
そういえばなぜ自分はここにいるのだろうと考えてしまう。
覚醒したばかりで明瞭にならない意識をなんとか奮い立たせるが、しかしどうも思い出せない。腐葉土独特の甘い匂いと、それに加えて僅かに鼻に入る香のような匂いで、思考がぼやけるのだ。
頭痛がして頭を抑えると、ようやく自分が置かれている状況が目に入ってきた。
そこは人の腕ほどもある木々を編んで作られた牢獄。そこ以外は分厚い木のような壁で覆われていて、押しても叩いてもそれらが現在の状況を崩すことはなかった。
ふと、目に入ったのは傍らに置かれた俺の荷物らしき一式。その中の何らかが抜けていたのに気がついて、そして置かれている状況の一片を思い出した。
俺は知り合いの要請で、外国の島の深い森の奥地に足を踏み入れていたはずだった。
「この島は周囲の海流の所為で進むことができないの」
生物学者である友人の頼みは、突拍子のないものだった。
なんといっても、ニートである俺にそんな話を持ってくるのだから救いようがない。はじめ、俺にはそう思えた。
細々とアルバイトをしながら、死んだ両親の保険金で食いつないでいる今の俺にとって、旧友であり、そのような話をしてくる彼女が疎ましくあり、そして滑稽だった。
できることなら無視をしておきたかったのだが、彼の持ってきた話が一応の儲け話だったからこそ、俺は喫茶店の傍らでそれをおとなしく聞いていた。
「この話は他言できないわ。だからこそ、学会なんかとはまったく無関係なあなたに頼みたいの」
彼女と知り合った経緯は面倒くさいから思考で辿りもしない。ただ腐れ縁のようで、学生時代はことあるごとに共に行動していたように思う。
一時期は恋愛対象と見ていたかもしれないが、振られることが怖かったことと、これ以上近づいても彼女を超えることができないという一種の劣等感からその言葉を伝えるのは止めておいた。
そして現在に至る。
「かつてこの島に足を踏み入れたものたちは決して戻らないと言うわ。つまり、周辺の猟師たちはこの島に入る方法を知っている。
けれども、それを教えようとはしないわ」
勝手に進んでいく話に興味を持たえずに、俺は温度差に汗をかいていくグラスを眺めていた。中のアイスコーヒーは俺好みの極甘にしてあった。
「で、俺に何をしてほしいんだ?」
「ボディーガード。確か、虫とか蛇とか全然大丈夫とか言ってたでしょう?」
「いや、そこはガイドとかに頼めよ」
突っ込みは、俺の「とにかく面倒くさいから行きたくない」という考えの表れだった。
なんと言っても、また彼女に対する劣等感を強くしそうで怖かったからだ。
加えて、確かに島育ちの俺だが、未開の地に踏み込むような冒険者ではない。
「もう一度言おう。俺は無職なんだぞ」
「だからよ。無職とは言っても、身体はは鍛え続けてるって分かるし」
俺の上腕二等筋を眺めながら彼女は言った。
「報酬はこれでどう?」
ボールペンを走らせる彼女の手。小切手の上に書かれていく数字。
「やりましょう」
俺はプライドを捨てた。
金で決めた俺と彼女。あと彼女が連れてきた探検のスペシャリストが数人。これでメンバーが決まる。
そして、足手まといのような俺は彼らの指示されて必要な用意を整えて島へ向かうことになった。
その島は地図にそれなりの大きさとして認識されているものの、潮の流れが速すぎて船が近づくことができないとされている場所だった。
例えたどり着くことができても、今度は潮の流れで帰ってこれはしない。飛行機を飛ばしても着陸できるところがない。鬱蒼とした熱帯雨林が島中を覆っているからだ。
「蜘蛛は大丈夫?」
「中学生の頃はタランチュラとか集めてた」
「……そう」
呆れたような彼女の返答。まあ、俺もあの当時はどうかしていたと思う。部屋中での虫かごでタランチュラが蠢いていたのだから。
そして一ヶ月の猶予期間が終わり、遂に出発をする。
熱帯のその島には飛行機と船を乗り継いで数十時間を要する。最寄の港に着くまでで、既に俺は疲弊してしまっていた。
が、翌々日には船と交渉して島に向かうと言う。どうも、彼女の体力は鍛えているはずの俺よりも大分上だったらしい。
ベッドでうつ伏せになっている俺に、特に疲れた様子も見せずに彼女は楽しそうに言う。
「実はね、私たちが行く島には面白い話があってさ」
今更なんだ、と言った感じで振り向くと、彼女の顔。
窓辺から見える海はエメラルドグリーン。恐ろしく青いそれはかつて俺の住んでいた実家の風景のいったんと良く似ていた。
懐かしさを感じながら、俺は彼女の話に耳を傾ける。
「ヒトとは違った進化を遂げた、知能を持つ生物がいるっていう噂があるんだ」
沈黙。
「なんだ、それ?」
「このあたりには――、」
?
??
ここから先は眠気が先行していて、よく覚えていない。
何だっただろうか。彼女の言葉をよく思い出すことができなかった。
いや、上陸してからの興奮のほうが大きくて、忘れてしまっているのだ。
だが、そこは何の問題はないはずだ。
そこから先に繋がっている記憶があるのだから。
そして予定通りの日に上陸して。
僅かにある浜辺で、キャンプを張った後にすぐさま雨林の探索と言うことになった。
町の方とは桁違いの大きさの植物、虫、そして動物。アマゾンの奥に入り込んだような錯覚。否、ほとんどそれとは変わらないだろう。
彼女は目を輝かせて周囲の植物を採取する。他の探検隊は彼女のサポートに徹する。
俺は必要ないんじゃないかと思っていたのだが、しかし彼女の荷物もちと言うことで落ち着いた。
新種のタランチュラを集めて、潰さないようケースに入れたものを俺が持つ。このためだけに呼ばれたとしたら悲しいことだが、報酬に対して遥かに楽な仕事であるため、割り切ることにした。
そう、はじめはその程度だったのだ。
だが、深く入っていくうちに、島の土に含まれる鉱物の影響で磁石が効かなくなる。周りの木々は大きくなり、遂に太陽の光は見えなくなる。
苔を踏みしめて、不安に刈られながら俺たちは進む羽目になった。島自体はそれなりに大きいものではあったが、しかしそれでも島だ。いつか海にたどり着くだろう。そうすれば海を辿って戻ればいいと。
俺の荷物は増え、彼女の手元のデジタルカメラの容量は一杯になっていく。メモリを入れ替えて、更に探索は続いた。
と、俺たちの目に巨大な樹が映る。
それは世界遺産などという規模ではなく、恐ろしく太く、太古より世界を見守ってきたであろう老齢さを感じさせていた。
自然のしんぴに感動しているその最中、濃緑のカバーのついた空から落ちてくる、大きな雨粒。
スコールだった。
とにかく雨宿りを、と探険家が言い、素人の俺たちはそれに従う。丁度その巨木の近隣に地下へと続くであろう大きな空洞を見つけて、そこへと走った。
足元で、瞬時に水溜りとなった雨が、泥を孕んでズボンの裾と靴に染みを作る。荷物を必死で持ちながら、先に着いた者達に続くように、息を切らしてそこへとたどり着いた。
暗く、深い。森林の中は昼でも暗かったはずなのに、それよりも暗い。強力なライトを向けても、その奥までは決して見通すことができないのだ。
まるで地獄の入り口のような闇。
吸い込まれるような感覚を受けると、そこにいることさえ恐ろしくなってきた。
俺はその暗闇の中で振り向く。
そこには深遠の世界。どこが底で、どこが入口になっているのかすら分からなくなりそうな世界。その一端できょうふと戦っていた。
何だろう。ベテランでは分からない恐怖感。慣れている者こそ感じ取ることのできない闇の恐ろしさ。俺はその入り口に立っているのだった。
「寒い?」
俺のてが震えているのに気づいたのだろう。彼女が問う。が、雨が降っているからと言っても、ここは熱帯。寒いわけがない。
顔を横に振ってみるが、身体の震えはとまらなかった。
苔にまみれた岩に腰掛けて雨が止むのを待つ。その時間が、探索をしている時間よりも落ち着かなくて、水筒の中の水を何度も口に運んだ。
と、
「?」
振り向くと、何かが足りないような気がした。
「どうしたの?」
彼女の言葉。と、更に違和感があり、振り向くと、
「あれ、人が足りなくね?」
「トイレにでも行ってるんじゃ……?」
「いや、誰もそんなことは、」
口にした刹那の事だった。
俺の背後に気配。小学生の頃、女の子にもてたいと思ってやっていた空手の経験の延長で、反射的に蹴りを繰り出す。勿論、傍目から見ればおかしな光景の筈だが、俺と会話していた彼女の表情の変化を見れば一目瞭然だった
が、蹴りは空を切る。何の感触もないまま、彼女の目と、そして金色の目が重なって、
そうだ。そこから先を覚えていない。
彼女は何処に行ったのだろうか。ここは何処だろうか。そして何が起こったのだろうか?
疑問が尽きずに、そして頭痛だけが俺を悩ませていた。身体を動かすことができない。と言うよりも力が入らない。手はなんとか動くのだが、膝から下が麻痺してしまったかのようだ。
口の中に入った泥を吐き出すと、暗闇に慣れたのだろう目が、僅かな光を感じ取って脳に映像として送り込んできた。
この牢獄から廊下を挟んで向こう側に、もう一つ同じような部屋がある。
そこで寝転がっている、影。
「おい、誰かいるのか?」
掠れた声しか出ない。が、何もない空間なのだろう。周りの壁を反射して、余韻を持った声が向こう側まで伸びていく。
「あ、生きてた? 大丈夫?」
妙に落ち着いた、彼女の声だった。
俺はその暗闇の中で振り向く。
そこには深遠の世界。どこが底で、どこが入口になっているのかすら分からなくなりそうな世界。その一端できょうふと戦っていた。
何だろう。ベテランでは分からない恐怖感。慣れている者こそ感じ取ることのできない闇の恐ろしさ。俺はその入り口に立っているのだった。
「寒い?」
俺のてが震えているのに気づいたのだろう。彼女が問う。が、雨が降っているからと言っても、ここは熱帯。寒いわけがない。
顔を横に振ってみるが、身体の震えはとまらなかった。
苔にまみれた岩に腰掛けて雨が止むのを待つ。その時間が、探索をしている時間よりも落ち着かなくて、水筒の中の水を何度も口に運んだ。
と、
「?」
振り向くと、何かが足りないような気がした。
「どうしたの?」
彼女の言葉。と、更に違和感があり、振り向くと、
「あれ、人が足りなくね?」
「トイレにでも行ってるんじゃ……?」
「いや、誰もそんなことは、」
口にした刹那の事だった。
俺の背後に気配。小学生の頃、女の子にもてたいと思ってやっていた空手の経験の延長で、反射的に蹴りを繰り出す。勿論、傍目から見ればおかしな光景の筈だが、俺と会話していた彼女の表情の変化を見れば一目瞭然だった
が、蹴りは空を切る。何の感触もないまま、彼女の目と、そして金色の目が重なって、
そうだ。そこから先を覚えていない。
彼女は何処に行ったのだろうか。ここは何処だろうか。そして何が起こったのだろうか?
疑問が尽きずに、そして頭痛だけが俺を悩ませていた。身体を動かすことができない。と言うよりも力が入らない。手はなんとか動くのだが、膝から下が麻痺してしまったかのようだ。
口の中に入った泥を吐き出すと、暗闇に慣れたのだろう目が、僅かな光を感じ取って脳に映像として送り込んできた。
この牢獄から廊下を挟んで向こう側に、もう一つ同じような部屋がある。
そこで寝転がっている、影。
「おい、誰かいるのか?」
掠れた声しか出ない。が、何もない空間なのだろう。周りの壁を反射して、余韻を持った声が向こう側まで伸びていく。
「あ、生きてた? 大丈夫?」
妙に落ち着いた、彼女の声だった。
「なあ、妙な香の匂いがするのは気のせいか?」
「多分、気のせいじゃないわね」
たがいの安否が確認でいた今、ようやく俺も少し落ち着いてきたのだった。
疲れが溜まっているのだろうか。眠いのだが、何とか彼女との会話を繋げていく。
「それにしても暑いな」
「脈絡がないわね。確かに暑いけど」
「なんか、おかしいくらいに」
彼女にもおそらく俺の影しか見えていないだろう。でなければ、騒いでいるはずだ。
身体に触れる感触で、今俺が全裸でいることが分かる。恐らく、俺たちを捕らえた者が脱がせたのだろうが、それでも暑い。動悸が止まらず、変な気分だ。
「ねえ、もしかして……」
「何?」
「いや、なんでもないわ」
多分、彼女も同じ状況なのだろう。が、恥ずかしくて言えないのだと推測できる。
こういうところによく来るのだという彼女の引き締まった身体。それが剥かれた状態で暗闇の先にあると思うと、
「…………」
股間の一物が熱を帯び、硬さを増していく。急激に硬くなったそれに、俺は落ち着けと脳から支持を送るが、しかし留まらず、むしろ更に高度を増していく。
我慢できずに触ると、ここ最近この探検の為に禁欲生活をしていた所為か、異様なほどの感度でそれを受ける。
先からは早くも先走り液を垂らし、射精してしまわないように耐えることになってしまった。
手は止まらない。彼女が見えているかもしれないという危惧も、その快感に夢中になることで脆くも本能に溶けていく。
触れるだけで出してしまいそうな強烈な快楽。それに酔いしれ、身体に触れる僅かな空気の流れすら快感に感じて、俺はすぐに彼女との会話を忘れて、行為に没頭していく。
と、彼女もこちらに話しかけてこなくなったことに、ようやく気がついた。快感に逃げ腰になる身体に手を添えて上下に動かしながら、聞き耳を立てる。
ちゅくちゅくっ
僅かに聞こえてくる水音。それは恐らく俺の想像している通りの音だろう。
「んっ……ぁっ……」
漏れる声は、俺の興奮を更に強くする材料でしかなかった。
俺には何一つ猜疑心を持つことはできず、とにかく自分を追い詰めていくことに没頭していってしまう。
「なあ、妙な香の匂いがするのは気のせいか?」
「多分、気のせいじゃないわね」
たがいの安否が確認でいた今、ようやく俺も少し落ち着いてきたのだった。
疲れが溜まっているのだろうか。眠いのだが、何とか彼女との会話を繋げていく。
「それにしても暑いな」
「脈絡がないわね。確かに暑いけど」
「なんか、おかしいくらいに」
彼女にもおそらく俺の影しか見えていないだろう。でなければ、騒いでいるはずだ。
身体に触れる感触で、今俺が全裸でいることが分かる。恐らく、俺たちを捕らえた者が脱がせたのだろうが、それでも暑い。動悸が止まらず、変な気分だ。
「ねえ、もしかして……」
「何?」
「いや、なんでもないわ」
多分、彼女も同じ状況なのだろう。が、恥ずかしくて言えないのだと推測できる。
こういうところによく来るのだという彼女の引き締まった身体。それが剥かれた状態で暗闇の先にあると思うと、
「…………」
股間の一物が熱を帯び、硬さを増していく。急激に硬くなったそれに、俺は落ち着けと脳から支持を送るが、しかし留まらず、むしろ更に高度を増していく。
我慢できずに触ると、ここ最近この探検の為に禁欲生活をしていた所為か、異様なほどの感度でそれを受ける。
先からは早くも先走り液を垂らし、射精してしまわないように耐えることになってしまった。
手は止まらない。彼女が見えているかもしれないという危惧も、その快感に夢中になることで脆くも本能に溶けていく。
触れるだけで出してしまいそうな強烈な快楽。それに酔いしれ、身体に触れる僅かな空気の流れすら快感に感じて、俺はすぐに彼女との会話を忘れて、行為に没頭していく。
と、彼女もこちらに話しかけてこなくなったことに、ようやく気がついた。快感に逃げ腰になる身体に手を添えて上下に動かしながら、聞き耳を立てる。
ちゅくちゅくっ
僅かに聞こえてくる水音。それは恐らく俺の想像している通りの音だろう。
「んっ……ぁっ……」
漏れる声は、俺の興奮を更に強くする材料でしかなかった。
俺には何一つ猜疑心を持つことはできず、とにかく自分を追い詰めていくことに没頭していってしまう。
ちゅくっちゅくっ
しゅっしゅっ
互いの性器を、自らで刺激していく音と、押し殺した喘ぎ声しか聞こえなくなっていた。が、互いが互いにそれを気にしている余裕はなかった。むしろ、それがさも当然のように一度くらい絶頂に達しても、構わず行為を続けていく。
と言うよりも、行為を止めることができなかった。とにかく快感を味わいたい。それだけが今の俺を突き動かす原材料となっていた。
香の匂いに混じって届いてくる、僅かに甘い香り。そして俺の白濁液から放たれる青臭い匂い。それらが交じり合って、より淫靡な空気を作り出していく。
その空気に刺激されることで、俺たちの自慰行為は更に激しさを増していく。より強く。より激しく。性器を擦り、自らに自らに強い快感をもたらしていく。
「んっんんっ…」
彼女の漏らす声は次第に大きくなっていっていた。一方で俺も恥ずかしさよりも快感を求める方が優位に来てしまい、息を荒げて、達する瞬間に呻き声を漏らす。
おかしかった。いくら禁欲していたからといって、数えているだけでも四回の射精。なのに、俺の肉棒は萎えるどころか、より高度と硬度を増して快感を貪らせるために神経を集めさせる。
まるでそのために生きているかのような心地。だが、それが溜まらなく気持ちが良くて、理性を失うほどに次の射精へと自らを導いていく。
睾丸はパンパンに膨れ上がり、次から次にとどろどろ。と言うよりももこもこした濃い精液を作り出していく。女の中で出してしまえば一発で妊娠するんじゃないかと言う、普段なら馬鹿らしく思える妄想も、今の俺には射精を促すネタとして残っていった。
「んぁああっっ!!」
彼女が達したのだろう。羞恥心と言うものが感じられないその叫びに、俺の興奮は頂点の、更に上へと上り詰めていく。どこか分からない着地点を探すように、俺は自らのものを扱いていく。
「くぅっ」
脳が痺れていくような、強烈な射精。それが次の興奮を呼び、彼女と交わりたい気持ちが俺の中で増大していくのが分かった。
だが、それは叶わない。だから俺は自由な手で自らのモノを扱き、僅かでもそれを充たそうとする。
止まらない。射精の感覚は長くなるどころか、鈍痛と共に短くなっていく。彼女の喘ぎもまた、同じように。
何度目の射精か分からない。
気持ちい、
何度射精しただろうか。暗い部屋の中で、最早二匹の獣と化した二人が長い間自らのものを擦り、互いの存在を感じることで自慰行為を続けていた。
その目は既に自らに与える快感に向けられたものでしかない。感覚は絶頂を迎えるたびに研ぎ澄まされ、深い闇の中で自らをなくしていく。
彼女の方もまた、激しかった。久しぶりの自慰行為にほんの少しだけ耽るだけだったはずなのに、噎せ返るような汗と愛液、そして格子の向こうから流れてくる精液の匂いで我を無くしてしまっていた。
そこに存在するのは最早野生。性本能だけが彼らを突き動かし、夢中にさせていた。
と、それを眺める影。闇に隠れてそれを眺めることしかしないその存在に、彼らは全く気がつかない。
いや、本来の彼らならとっくに気付いていただろう。生物学者の勘。素人空手の気配取り。
しかし、それらは彼らが自慰行為に夢中になることで全く意味を失っていた。
そして闇に紛れる影は、彼らに対して極々簡素な食事を差し出す。
木の実を砕いて作った粉を焼いた、パンに似た食べ物。雄と雌の、交わってはいないが、しかしそれぞれから発せられるいんびな匂いの中に、香ばしいそれが混じる。
それによって、それぞれが食物の存在を知った。だが、それを持ってきた黄金の目を持った何者かの存在には全く気付かず、ただバナナの葉に盛られたそれにかぶりついた。
それこそ、本当に獣に堕ちてしまったかのように。犬と同じ様式で四つんばいになり、自らに刺激を与えながら食物を口にするその仕草は、異常としか思えなかった。
だが、影は満足そうに目を細める。あたかも、それを初めから目論んでいたように。
否、そうなのだろう。でなければ、催淫効果のある香など焚き続ける必要もなく、彼らに必要な「餌」にも、同じような成分の含まれた木の実を混ぜる必要などない。
全ては目論まれたからこそ彼らは捕らえられ、そして影の者達による洗礼を受けているのだ。
一対の黄金が彼らそれぞれを見据えて、そして闇の奥へと消えていく。
しかし不思議なことに、その足音は空洞のはずの闇の中で、しかし全く響くことはなかった。
そして再び盛り始めた二匹の獣を振り向いて眺めると、
その影は再び闇の奥へと消え去っていく。
それから、外の世界では一週間が経っていた。
その間にも彼らは媚薬、興奮剤を混ぜられた餌を食べ、それらの効果を持った香を吸い続けさせられていた。
この頃には最早人間の理性的な行動は見られず、性欲と食欲を満たすだけの動物に成り果ててしまっていた。
裸であることが恥ずかしいとは思わない。むしろ、それが当然であると認識する。それが彼らであり、そして影から彼らを監視する者たちが彼らに望んでいたことだった。
膀胱はぱんぱんに膨れ上がり、クリトリスは鬱血するほどに勃起。しかし、痛がるどころか、むしろ快感として更に自らを追い詰めていく。
それを眺める、影たち。
その口から何らかの交信の手段、会話なのだろう。人間にはできない発音が漏れ、彼らについての会話を進める。
「あっあっぁあっ」
「っ!」
彼らが絶頂に達し、涎を垂らしながら余韻に浸る。
垂れ流しの糞尿は、牢獄に張りめぐった木の根が養分として吸い取ってはいたが、それでもひどい匂いを放っていた。
それを我慢するように、影は話し合いを続ける。その意味を把握するには、そこにいる人間では学が足りず、そして理性が足りなかった。
長い話が続いた。その間にも餌が檻に投入され、獣と化した二人はそれが異常な性欲を引き起こしているとも知らずに、貪り食った。
それを尻目に誰かが発言。それに対する返答が続き、そして数時間が経過した頃、
低い唸り声。それは同意の響きだった。
躊躇いがちに、しかし一度決めたこととばかりに、遂に彼らを牢獄から開放しようとした。
が、今の彼らにはそんなことすらどうでもよかった。ただ、性器を弄り、絶頂を迎えることだけが彼らの幸福だった。
数人がかりで重い格子が開けられ、自慰行為に耽るままの彼らが引き摺り出される。
ちりちりと金属が擦れる音。ひときわ大きな目をした影の存在が引きずるもの達を引率はじめた。
そこに灯される白と黄、赤の光。松明に灯された炎は、そのものたちの影を土壁に映し出す。
揺らめく影が照らし出したのは、ヒトではなかった。
しなやかな体躯、漆黒の毛並み。見開かれた金色の瞳。
黄金の装飾を身に着けた、ヒトと黒豹の中間に位置付けされるであろう者たちが、彼らを光が差し込む方向へと引き摺っていく。
ふと、急速な浮上。
それまでの白濁とした感覚とは打って変わって、五感が明瞭になっていく。
視覚はまだぼやけたままだが、鼻梁から入ってくる情報。何かが焼ける香ばしい匂いと、噎せ返るほどの獣の匂い。僅かに水の匂いと、森の匂いだった。
次に触覚。と、異様なほどに股間が痛い。時々弄りすぎてしまったときにあるような鈍痛が、それとは比にならないほどの強さで俺を襲う。
だが、勃起したそれに触れたいという衝動が襲い掛かり、俺は抵抗できずに手を伸ばそうとした。
そこで手が後ろに固定されていることに気がついた。そして、足も。
身体に触れる感触は風。生暖かい風が俺の肌を撫で、そして抜けていく。
そして遂に、ぼやけた視界が晴れていく。と、同時に耳を通り抜けていく、無数の唸り声。
目を開けた瞬間、強烈な光に目が焼けたのかと言う錯覚に陥った。が、しかし明順応により、次第にそれを受け入れていく。
そして目に入ったのは闇に包まれた森。そしてそれを照らし出す無数に立てられた松明の炎と、横を向くとその合間にひしめく黒い影。その数に比例して対の黄金の瞳がこちらへと向けられ、凝視していた。
「んぁ?」
それが何なのか理解することが出来なくて、俺は何度か目を瞬かせる。
と、その存在が俺が今まで生きてきた中で、テレビ、図書等を通じてすら見たことも無い生物。
黒豹の獣人とでも言うべき者達だった。が、しかし俄かにその存在を俺は信じることが出来ない。
一度深く目を瞑って現実から逃避してみようとするが、しかし次の瞬間湧き上がった咆哮の如き歓声に驚いて目を開けた。
俺は何か、硬い祭壇に寝かされているようだった。周りに歓声を上げている黒豹たちの他に、恐らく格が高いのだろう。黄金の装飾を身に纏った神官らしき者が儀式めいた手順で祈りを捧げている。
と、その傍らにまた別の影が存在していることに俺は気がついた。
「おい!?」
それは彼女だった。が、しかし眠っているのか、こちらの言葉には反応しない。その間にも神官の祝詞は続き、そしてそれが終わるや否や、彼女の目がゆっくりと開かれていく。
「あれ、私?」
「よかった、生きてた」
「一体どうしたの? っていうか、ここは?」
「分からない。だが、ピンチだって事は確かだ」
手足がきつく縛られていることに、俺は気がついた
「オ前達ハ我々ノ住処ニ踏ミ入ッタ」
歓声の中で、はっきりと聞こえる声。神官の横に居た黒豹の娘が黒い獣毛に覆われた豊満な乳を揺らしながら、人間の言葉を紡ぐ。片言なのだが、それでも聞き取れるほどの言語。恐らく獣の生体ではどんなに進化してもこれが限界なのだろう。
一方で隣の彼女はその言葉を聞きながら、自分の行動を悔いているようにも見えた。
「確かに新種はいたわね」
自嘲気味の言葉は、しかしあまりにも的確だった。そこから先の言葉を補完するとしたら、「それが知的生物だということを想定していなかった」だろう。
そして問題はそこからだ。
「俺たちはこれからどうなるんだ?」
恐らく唯一俺たち人間とコミュニケーションが取れるのだろう。黒豹の娘を睨むと、しかし彼女は俺たちが動けないことを知っていて、僅かに微笑んだ。
「貴方達ハ今カラ儀式ヲ受ケテモラウワ。終ワッタトキニハ貴方達ハ私達ト同ジ、神カラ戴イタ肉体ニ生マレ変ワルノ」
その言葉の意図を測り損ねて、俺はただ沈黙する。隣の彼女に反応を求めるが、しかしそちらも同じような反応しか出来なかった。
そんな俺たちを眺めて、黒豹は慈しむ様に俺の頬を撫でた。
「貴方達モ私達ノ仲間ニナルノヨ。終ワレバ分カルワ」
その言葉は妖艶であり、性的な興奮すら呼び起こすような艶やかさを帯びていた。
だが、それでも俺たちにはそれを理解できなかった。これから先なにが行われ、俺たちがどうなるのか。全くの予想をすることが出来なかった。
そして咆哮。神官が唐突に声を上げ、応えるように歓声がより強くなる。獣の唸り声と咆哮。そしてそれを合図に祭壇へと上ってくる屈強な雄達と、艶かしい雌達。
ずらずらと列となって、全裸の黒豹がそれぞれ俺たちの縛られている段を囲んでくる。
「 」
「 !!!」
言葉というよりも寧ろ、唸り声で会話をしているように見える。が、しかし確実に意思の疎通は行われているようで、互いが互いの目を見つめあい、そして俺たちの載った俺たちに跨る。
俺の方には雄が。彼女の方には雌が、それぞれの性器をくっつけるかのように腰と腰を合わせおる。
かなり長い間勃起し続けているのだろう俺の肉棒は、だれんと垂れ下がった重々しい獣のものと擦れ合って先走り液を滴らせる。最後の余裕を振り絞って彼女の方へと向くと、同じように雌の性器を擦り合わせ、そして黒豹の顔の高度が下がってくる。
そして彼女も、俺も黒豹の獣臭い吐息を吸いながら、あまりにも濃厚な口付けをされてしまっていた。
拒もうと舌を動かしてみるが、ざらついた猫科の舌は俺の抵抗を力強い動きで静止し、そのまま歯茎の裏を綺麗に嘗め上げる。
次は舌。擦り合わせるように絡ませ、俺の抵抗をそのまま愛し合う行為のように変えてしまう。縛られているために身体は動かず、そのうちになすがままになってしまっていく。
長い舌が踊る。かき回し、俺の本能を刺激していく。
獣と人間。しかも同性との交わり。一般常識では許されることのない交わりはより激しくなり、そして屹立し続ける俺の肉棒はその行為だけでびくびくと震え上がる。
背筋が震え、くちづけに倒錯していく自分が信じられなかった。が、しかしその事実を俺は拭い去ることはできない。
肩を掴まれ、胸を押し付けられ、獣のにおいが強くなる。が、しかし最早それも気にならず、貪られることだけに神経が集中してしまっていた。
ひとしきり舌を絡ませあい、唾液を交換し合ったあとにようやく口が開放される。銀糸が二人を繋いで、ぼうっとしている間にそれが途切れる。
酸欠になってしまったのか、口の中に流し込まれたねっとりとした唾液すら口から吐き出す気にもなれない。いつしかそれを自然と飲み込んでしまっていたのに気がついたのは、毛暫くしてからのことだった。
頭がまともに働かない。景色が、黒豹たちがどこか別次元のもののように感じてしまい、彼らの動きを眺めることしか出来ない。
俺の勃起した肉棒の周りに集まる雄達。雌のほうも同じようにキスを交わし、恍惚の表情の彼女の性器へと複数の口が群がっていく。
亀頭、裏筋、竿。すんすんとにおいを嗅ぐ音が、俺の恥ずかしさを増徴させる。
顔を歪ませながら彼らの方を向くと、一人が舌を出してそれを鈴口へと近づけていく。
しゃぶりつかれた肉棒からぬるりとした生温かい感触が神経を通じて脳髄を駆け上がる。一匹が俺の乳首に前足を伸ばして肉球のやわらかな感触で弄り始める。他の者達は脇や腹、そして顔を嘗め上げる。
その感触がおぞましく、また何処か快感で、俺はただ仰け反るしかない。全身の性感帯を刺激されているのだ。抵抗することも頭に浮かばなくなってきてしまっていた。
腰を浮かせると、絶頂に近づく。黒豹たちも早く俺を達させるために急速に俺を追い詰めていく。
腰ががくがくと痙攣すると先端から何かが出てきているような感覚。おそらく先走り液だろう。そこまで神経が過敏になったことは今までついぞ無い。そしてそれが人外のものに吸われていく感覚は、異様なほどの興奮と快感を引き起こしてしまっていた。
と、その傍らから神官と同じように豪奢な衣服で身を包んだ一際大きな者が現れる。黄金のちりばめられた装飾品。それらが炎に反射し、俺の唾液にまみれた身体を淫靡に照らしていた。
「んぁあっ」
雁に舌を這わされて思わず呻く。と、その開いた口に何かが進入。それまで俺の顔を嘗めていた者の僅かな圧迫するような影が消えて、より大きな何かが頭上を覆う。
刹那、俺の口に広がるのは生臭い塩味と、汗臭い匂い。見上げると先ほどの偉そうな黒豹の股間の肉棒が開いた俺の口へねじ込むように太いそれが俺の口を満たしていく。
「んぐぅうっ」
声を漏らそうとするが、しかしくぐもったそれにしかならない。そして声が出たとしても助け舟を出してくれるような者はここには存在しなかった。傍らで雌達に犯されている彼女の方も同じように雌の神官の割れ目を口にさせられ、舌で解していた。
その目に意思の光が消えていることに気がついたが、しかし俺の方も最早状況に流されるまま本来なら嫌悪すべき雄の肉棒を夢中でしゃぶり続けてしまっている。
と、俺の股間を貪っていた雄の吸い上げが激しくなっていく。射精間が込み上げ、脳髄がとろけるような感覚に襲われる。が、口がおろそかになっているとばかりに口の中の肉が奥へ奥へと突っ込まれる。咽ながら快感に耐えるが、しかし限界だった。
「んぐぅうぅっ!」
俺の思考が真っ白に染まる。
雄のフェラチオで追い詰められ、遂に俺はその口の中に射精してしまった。
これまで感じたことの無い急激で、激しすぎる射精に全身の力が抜ける。痙攣する下半身に、しかし更なる刺激が加えられていき、思わず口の中に肉棒が入っていることすら忘れてしまう。
しかし思い出させたのは再び進入してくる極太のそれ。追い出そうとしても突き進んでくるものに、最早心すら奪われた俺の口はむしゃぶりつく。
夢中で嘗めるようにして、それに出来る限りの刺激を与えていく。
それに比例するかのように俺の身体を嘗め回していた者達の動きが激しくなる。というよりもより発情し始めたということだろうか。俺が自らしゃぶりだしたことに興奮してそれぞれのものを固く屹立させていた。そしてそれを俺の性感帯、至るところにすりつけ始めたのだ。
そこからは最早快楽との戦いだった。が、しかし俺に勝つことなど出来るはずもない。
涎を垂らしながら肉棒をしゃぶり、虚ろな目で彼らの、人間の世界では決して許されるはずの無い獣と人間の、しかも雄と雄の行為に没頭していく。先走り液が擦り付けられ、潤滑を増す。口の中はしょっぱい汁でまみれ、それが狂おしいほどに俺の中を満たす。
既に俺の中の何かが麻痺してしまっていた。興奮と快楽の中で溺れ、雄同士の交わりを積極的に感じていた。
誰かが縛っていた手足を解く。が、抵抗は無い。
顔を上げたまま反る形になってうつ伏せになる。口の中の肉棒は体制をあえてもなお俺の口を満たし続け、そして一匹の手が俺の尻穴を少しずつ解し始めていく。
最初は指先だけ。次にゆっくりと唾液をつけて一本を沈めていく。
排泄口に今まで感じたことの無い痛みと、しかし異様なほどに快楽に慣らされてしまった身体はそれすら興奮の材料に変えていく。
気付くと俺の周りを無数の黒豹たちが取り囲んでいた。尻穴は時間をかけてほぐれていき、十分に濡れたかと思うといきなり肉棒が突きこまれて俺は激痛に悶える。
俺が俺でなくなり、壊れてしまいそうな感覚。じめんが何処だか分からなくなり、周りの者達は俺が犯されている光景を見ながら自らの肉棒を扱いていく。
天と地が分からなくなってしまう。埋め尽くされた世界は俺を中心に欲望を溜めていく。
雄の匂いが充満し、そして射精したばかりの俺の肉棒が刺激を受けて再び持ち上がっていく。
最早俺が果ててしまうのは時間の問題だった。
びくんびくんと脈動する肉棒を手のひらに握らされ、それを俺はいつの間にか自らの意思で扱いてしまう。後ろの穴も、口も犯され、俺のペニスも肉球のついた柔らかな前足で刺激を与えられていく。
俺を中心とした乱交。その中心である神官の雄のものをしゃぶりながら、押すのにおいに夢中になっていく自分が怖かった。が、それも快楽の波に打ち消されていってしまい、そして遂にその瞬間を迎える。
まず感じたのは口の中の怒張した雁がより膨れ上がっていく感触。刹那、俺の口の中に鈴口から猛烈な勢いで噴射されていく熱い液体。それが口内で迸り、俺の喉を焼いていく。
それが合図だった。次に俺の尻の穴を犯していた者のそれが膨らみ、深く突き込んだ状態で中へと欲望をぶちまける。中が異様に熱く、そしてそこから更に快楽を得ようと彼は中に放ちながらもけんめいに腰を振る。
まわりの獣たちも神官の射精を確認したと同時にそれまでのペースよりも断然早く擦り付け始める。俺の雄の匂いまみれになってしまった身体に興奮のまま欲望を突きつける。
びゅくびゅゅるるびゅくっびゅびゅるるるびゅくっびゅっ
長い長い、そして激しい吐精が続く。中心である俺に向かって放たれるそれは黄みがかっていて、猛烈な精の香りを周囲に放つ。それが俺の興奮剤になり、更に深く突き入れられる感触で俺のものも更に怒張していく。
「ぅっっぁあっ」
声が漏れるが、それも射精の衝撃でかき消されていってしまう。
乱交の中心で俺は淫らに喘ぎ、獣たちと同じように何度も尿道から込み上げてくる射精感に身を任せていく。
壊れてしまう。
そう思ったときには既に次の体勢へと動かされ、そして更にみだらな行為を続けられていく。
そしてその乱交が終わったとき、俺の意識は朦朧としながらかけられた精液を嘗め取りながら、
生暖かく、そして生臭い繭の中で神官が近づくのをただ眺めていた。
一方で雌の方もまた、乱れていた。
雄のほうが白濁液にまみれている間に、彼女達は愛液でぬらぬらとした身体を擦り合わせ、獣毛で覆われた滑らかな身をくねらせる。何匹もの獣が彼女に跨り、雌の悦楽へと導いていく。
「んはああぃいっ」
彼女の喘ぎは最早言葉すらになり得ず、涎を垂らしながら互いの性器を擦り付けあう。
そこから溢れる快楽の証はとめどなく流れ、床を濡らしていく。くちゅくちゅという淫らな音が彼女の耳の中へと入り、そしてその耳にもねっとりとした舌が入り込んで更に追い詰めていく。
もう何度絶頂を迎えたか分からなかった。未だに性器には手を触れられてはいなかったが、性器を擦りつける事で一人と獣たちの共有する快感は彼女にとって極上のものでしかなかった。
ふと、その擦りつけが急に弱くなる。あまりの物足りなさに懇願するように黒豹たちを眺めると、そこには彼女を見つめる雌の神官の笑み。普段なら決して分かることのなかっただろうその表情の変化は、彼女に次のより強い快楽を暗示させるものだった。
そしてその指が彼女の性器へと伸びる。
獣の口が再び彼女の口を捉え、貪っていく。今度は彼女もそれに応えようと舌を絡ませる。別の獣が敏感になった胸をもみしだき、敏感な側面を刺激していった。
彼女の中で突っ張るような感覚。だがそれに全くかまわず獣の指は押し進められ、僅かな抵抗と共に激痛が走った。
処女膜を何の抵抗もなしに一度に破られてしまった彼女の表情が激変し、暴れだす。が、しかしそれを心得ているのか、黒豹たちはそれを押さえつけたまま再び刺激を開始していく。
痛みと快楽の狭間で涙を流し、涎を垂らしながら彼女は必死で喘ぎ続けていた。
雌同士の快楽は妖艶でいて、想像していた男との交わりよりもより痛烈だった。初めてを奪われたことが早くも思考から消えてなくなり、次の瞬間勃起したクリトリスを指で弾かれて、刹那彼女は絶頂に達してしまった。
とめどなく愛液が流れ、雌達を濡らしていく。それを指に絡めとられたものを口の前に持っていくと抵抗なくしゃぶり始める。
最早彼女は完全に堕ちてしまっていた。
ぬらぬらと炎の光を浴びてな表情で淫らな行為を見守る彼女。その中心に自分がいることが信じられないといった面持ちで、しかし次の快感を自ら求めてしまっていた。
腰を振り、中に入った指からの刺激を自ら受けようとする。血の混じった愛液が流れ出て、潤滑を良くしていく。
痛みが脳内で快感に変換されていく。駆け上がっていくそれに耐えながら、懸命にそれを彼女は貪っていった。
と、その指の動きが唐突に速くなる。まるで何かを急ぐように彼女を追い詰め始め、絶頂へと向かう。
神官の指が彼女のものと自らのもの、両者を弄り、そして余裕を失っていく。
彼女がもう何度目になるのか分からない絶頂で仰け反ったかと思うと、しかしその宴はまだ続き、達したまま次の刺激を与えられていく彼女の思考は完全に真っ白になってしまった。
その顔に、自慰によって達した神官の愛液が吹きかかる。
そして雄達と同じように彼女にも周りの雌が同じように愛液を吹きかける。
生臭い臭気と、僅かに破瓜の鉄の香りが彼女を包み込んでいた。
しかし黒豹は決して攻めを止めなかった。寧ろ、その刺激はより強くなる一方であり、涎を垂らしながら呂律の回らない状態で何かを口にしようとする彼女を、より高みへと誘っていっていた。
くちゅくちゅという音と共に溢れ出る愛液を彼女の全身に塗りたくる。痙攣すらしながらそれを甘んじて受け入れ、されるがままの彼女の表情が、そして変化し始めた。
それは自らの内から何かが込み上げるような感覚。悦楽だった。これまで与えられてきた絶頂とは違う種別の、全く新しい未知の快感。何かが突き破るような脈動を見せて、絶頂から更にその上に上り詰めるような極上がそこには存在していた。
「っぅぁああっうっ」
堪えるように声を漏らすが、しかし堪えきれない何かが全身を包み込んでいく。
「 」
神官が何かを耳打ちする。が、彼女にそれは届かない。
そして込み上げるそれと絶頂が重なり、遂に彼女の意識が飛ぶ。
群がっていた者たちが離れ、中心であった二人の人間の体がびくんと急速に跳ね上がったかと思うと、次の瞬間床に突っ伏した。
骨が軋む。全身を駆け巡っていくのは極上の快感と、それと比例して強まる激痛。内部から改変される感覚に、二人は仰け反り、ただ耐えることしかできなかった。
まずは指先だった。
それはまるで鉄が酸化するように、唐突に指先から侵食してくる黒。骨格が変わり、手のひらに肉球が現れ、黒い体毛が生えていく。
足からもその変化が始まり股間まで達すると、二人の意識が快楽に飛ぶ。足が痙攣して激痛を伴っているにもかかわらず涎を垂らして到達したことのない快楽に身を躍らせた。
そこから腹へと向かう途中で遂に変化は内臓に達し、そして急速に筋肉が引き締まっていく。その蠕動が内臓を締め付け、骨格が変わる激痛と共に二人を襲う。しかしそれと共に二人の脳内の興奮物質がそれを和らげ、快感に変換していく。
それは二人にとって狂ってしまいそうなほどの絶頂。長い時間続いたそれは確実に二人の思考能力を奪い、人間としての自意識というものを根底から崩壊させていく。
胸まで達すると変換される一瞬の苦痛が遂に二人の意識を手放させる。
そして首元、口、鼻、目、頭。
全てが終わったとき、二人の元人間は立派なく黒豹たちの同属――獣となってゆっくりと目を開いた。
「んっぁあっ」
まだ余韻が残っているのか、雌のほうが喘ぐ。一方で雄のほうはとろんとした表情で、しかし自らの体の変化に気付かないほどに発情し始めていた。
「今宵、新たな夫婦が誕生した」
それは獣になった今となってははっきり言語として認識される司祭の声。それがしんと森を静まらせ、彼らに視線を注目させる。
「我等が新たなる仲間に名を授けようと思う」
その年を重ねた獣の口が新たな仲間となった黒豹たちの顔を嘗め上げる。くすぐったそうな顔をして、二人がきょとんと神官を眺めた。
何が起こっているのかが理解できていない。人間としての自我が消えてしまったようで、言葉を発しようとはせず、ただ状況と感情に流されるままに発情していく。
ぼーっとしながら、しかし自らの中の何らかの渇きに気付いて、そして二人の視線が衝突。刹那、急激な肉体の変化のための激痛で動かしにくい身体を引き摺って、雄が雌の許へとたどり着く。
「主らはこれからは夫婦だ。アゴグとラヌサと名乗るがいい」
雄と雌。交じり合う元人間を神官が指す。
それを聞いているのかいないのか、二人は腰をくねらせながら互いの股間をこすり付けあう。しがみつくように抱き合い、舌を絡ませ、今度は自らの意思で唾液を交換していく。
二人の鼻からは呼吸が漏れ、互いに吹きかかる。それを吸い上げるようなほどに二人は近づき、そして貪りあっていく。
端から涎が漏れ、先ほどまでの雌の交じり合いの汁の上へとぽたりと波紋を作る。そしてその上に転がるようにアゴグと名づけられた雄はラヌサの名を授かった雌を押し倒した。
そして互いに、最早十分に熟れ、濡れている性器を互いにくっつけ合う。そして発情に任せるまま、アゴグは獣の割れ目の中に自らのものを押し進めていく。
「ぅぁあぁっんぅっ」
ラヌサの口から漏れるのは、人間のときの冷静な彼女からは決して出ることのなかった艶やかで、淫靡な響き。完全な黒豹の獣人と化した彼女は最早なんの躊躇いもなく喘ぎを漏らし、雄を自らの身体に招き入れていた。
沈み込んでいく肉棒は猫科のものというよりも人間の進化を辿ったもの。しかしその大きさはそれまでのものとは比にならず、正に彼の中の獣を体現していた。
そしてそれが本能のままに推し進められていくにつれてそれは更に怒張し、次の行為への期待感でアゴグは更に興奮していく。
涎を垂らし、理性というものから完全にかけ離れた存在。それを中心として、そして儀式を眺める無数の獣たちもまた、触発されたように至るところで交わりを開始していく。
吐息と唸り声が世界を支配し、そして炎に照らされた淫らな獣たちは雌を揺する。一方では雄がオスを犯したり、雌同士が絡み合っている姿すら見受けられる。
その中心となるのは今宵の主役である新たな夫婦。そしてその行為もまた、激しさを増していく。
それまでの、全身の筋肉が軋む激痛からアゴグの体が次第に回復していく。脳内の麻薬物質が興奮により多量に分泌され、それを打ち消していたのだ。
干満だった動きが、しかし少しずつ快感を得るための速さを加えられていく。
ラヌサの股間の割れ目からは透明な粘液が滴り落ち、雌の香りを放っていた。
ぐちゅっぐちゅっくちゅっぐちゅっくちゅっ
二人には湿った音しか聞こえていなかった。激しく腰を振るアゴグと、それに合わせて膣を締め付け、小刻みに腰を振るラヌサ。
二人の眼から人間の光が消えて、ほとんど時間が経っていないにも拘らず、その振る舞いは黒豹たちのそれを同じものになってきていた。
時々アゴグが彼女の乳房を揉みあげ、その度に嬌声が上がる。乳首を弄り、長い舌で彼女の口の中を貪り、耳の中へもそれは進入する。交尾に夢中になっている彼女にはそれがとてつもない愛撫に感じられ、そして結合部の感度が上がったようにも感じられた。
陰部の中に入り込んだ太く長いそれは肉壁を擦り彼女に刺激を与えながら、自らもカウパー液を溢れさせながら彼女の仲を縦横無尽に動き回る。
たまに締め付けが強くなり、達してしまいそうになる。が、それを表情に出して耐え切ることで更に絶頂への期待感を強めていく。
叩きつけられるような音を立てながら腰が振られていく。何度も何度も反復し、そしてその度に二人の身体の熱が上昇していく。
じっとりとした熱気が立ち込め、発情を示す。そして触発されて更に次の動きへ。自ら四つんばいになったラヌサが指で割れ目を開き、躊躇いなくアゴグがそれを貫く。
それは昔から夫婦であったかのような、視線での会話。そして感覚の合致だった。
相手が何をすれば気持ちがいいのか、何処が性感帯なのか、何をすれば二人ともが意識を飛ばすほどの、究極の絶頂に達することができるのか。二人ともが同じように感覚でそれを捕らえ、実行していく。
ぐちゅっぐちゅっぱんっぱんっぱんっ
腰を打ち付けると二人が同時に喘ぐ。とろけてしまいそうな思考が二人を支配し、野生へと二人を還し、そしてより淫猥名獣へと進化させていく。
黒く艶かしい体は濡れそぼり、唸り声を上げながら直接的な刺激を共有していく。
そしてその動きが速くなっていく。
耐え切れないかのように、それまでよりも小刻みな腰の動きでアゴグが腰を振り、追い詰められていくラヌサの表情があまりの快楽に歪む。
「うっぁああぁぐぁがぁあっ!!」
ラヌサの身体が仰け反り、そして強く目が瞑られる。
愛液が噴出し、そしてアゴグを抱きしめる形で彼女は絶頂を迎えた。
だが、アゴグの腰の動きは止まらなかった。
まだ絶頂に達していない彼は彼女の膣が収縮し、締め付けてもなお腰を振り続ける。何度か絶頂に達しそうになるのを止めるのは人間の頃の名残なのか、我慢し、快感を溜め込むように何度も何度も腰を打ち付ける。
それによってラヌサは絶頂が続く狂おしいほどの状態までに引き上げられ、そして苦しげに呻きながら真っ白になってしまった思考で更に膣を締め続ける。
互いの脈動が敏感な部分に伝わる。背筋を駆け上がっていくこれまで異常の性感は、夫婦になった幸福のためのものだろうか。
そんな疑問すら頭に浮かぶことなく、二人は抱き合い、そして更に腰を振り続けていく。
何度も何度も。噴出す愛液で更に潤滑度を増した結合部によって、遂にアゴグは絶頂へと近づいてく。
「ぐぅっ」
呻き声を漏らして、アゴグがラヌサの肩をがっちりと掴み、深く自らの分身を彼女に沈みこませる。
それが彼女の最も感じる場所へと到達したとき、遂にその根元から肉棒が膨れ上がる。
びゅびゅくびゅっるびゅるびゅくくびゅびゅびびゅっ
それまで溜められていたものが全て彼女の中にぶちまけられていく。
その量はあまりにも多く、膣の中に入りきれないものが結合部から溢れ出し、濃く、青臭い匂いを放つ。どくんどくんと脈動しながら輸送されていくそれは獣の欲情が凝縮されたものであり、純白ですらなく、黄味がかったものだった。
「ぁああぁあぁあああああっ!!!」
ラヌサの声が響き渡る。絶頂の絶頂に達してしまい、意識を手放しながら、それでも身体は雄の精を求め続けて膣をくねらせる。
深い口付けが交わされ、荒々しい腰の動きが続けられる。
そして完全な獣へとなった二人は半ば意識を失いながらも交尾を続ける。それは獣の本能であり、人間の常に発情した状態を兼ね備えたようなものだった。
熱を帯びた二人の交わりは一度の絶頂を迎えて、しかし更に続けられる。
恐らく二人が満足するまでその行為は続けられていくのだろう。
完全に人間の理性を失った二人は、
雄たけびを上げながら、更に深く交わりあっていくのだった。だが、アゴグの腰の動きは止まらなかった。
まだ絶頂に達していない彼は彼女の膣が収縮し、締め付けてもなお腰を振り続ける。何度か絶頂に達しそうになるのを止めるのは人間の頃の名残なのか、我慢し、快感を溜め込むように何度も何度も腰を打ち付ける。
それによってラヌサは絶頂が続く狂おしいほどの状態までに引き上げられ、そして苦しげに呻きながら真っ白になってしまった思考で更に膣を締め続ける。
互いの脈動が敏感な部分に伝わる。背筋を駆け上がっていくこれまで異常の性感は、夫婦になった幸福のためのものだろうか。
そんな疑問すら頭に浮かぶことなく、二人は抱き合い、そして更に腰を振り続けていく。
何度も何度も。噴出す愛液で更に潤滑度を増した結合部によって、遂にアゴグは絶頂へと近づいてく。
「ぐぅっ」
呻き声を漏らして、アゴグがラヌサの肩をがっちりと掴み、深く自らの分身を彼女に沈みこませる。
それが彼女の最も感じる場所へと到達したとき、遂にその根元から肉棒が膨れ上がる。
びゅびゅくびゅっるびゅるびゅくくびゅびゅびびゅっ
それまで溜められていたものが全て彼女の中にぶちまけられていく。
その量はあまりにも多く、膣の中に入りきれないものが結合部から溢れ出し、濃く、青臭い匂いを放つ。どくんどくんと脈動しながら輸送されていくそれは獣の欲情が凝縮されたものであり、純白ですらなく、黄味がかったものだった。
「ぁああぁあぁあああああっ!!!」
ラヌサの声が響き渡る。絶頂の絶頂に達してしまい、意識を手放しながら、それでも身体は雄の精を求め続けて膣をくねらせる。
深い口付けが交わされ、荒々しい腰の動きが続けられる。
そして完全な獣へとなった二人は半ば意識を失いながらも交尾を続ける。それは獣の本能であり、人間の常に発情した状態を兼ね備えたようなものだった。
熱を帯びた二人の交わりは一度の絶頂を迎えて、しかし更に続けられる。
恐らく二人が満足するまでその行為は続けられていくのだろう。
完全に人間の理性を失った二人は、
雄たけびを上げながら、更に深く交わりあっていくのだった。
深い森の中、無数の黒き獣たちによっての交尾が続く。
むせ返るようなその匂いは、しかし森の草木が放つ香りにかき消されていく。
そして決して毎夜のその宴は、彼ら以外の者に知れることはない。
「行けば二度と帰ってこない」というレッテルを貼られ、そして畏怖を受ける。ヒトは立ち入らず、小さな犠牲は忘れ去られていく。
森に身を隠し、暗闇の中に息づく獣たち。立ち入った者を自らの仲間に変え、秘密を共有する計略を抱えた者達。
彼の日、調査に出た者達は決して戻ってくることはなかったという。
しかし、その獣たちによって生まれ変わらせられたことなど、誰も知る由はない。
周辺の島々に住む者達はそれを見ることによって、更に島へ近づくことなどなくなる。
独自の進化を齎した、海流に見放された島。
そこでは今日も淫靡な宴が続けられ、
そして立ち入ったものは――、
以上で投下終了です
なんというか良く分からないものになってしまったことは確かですが、もんもんとした感じの権化ということで
補足としては一緒に入った探検隊たちも同じように変化されてます
ただ、この二人の場合一組の夫婦になりえるので盛大な儀式になったわけです
そんな妄想垂れ流しでおやすみなさい
925 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 06:56:51 ID:nyIsO9d9
gj
926 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 07:39:58 ID:qnq274Vk
鯖が!
えーろーいーぞー!
アリガタヤアリガタヤ。gj!
ウホッ、いいエロエロ!
縦貫の♂X♂なんて総スカン喰らいそうなネタをこれだけ神エロ区仕上げるとは、
まさにGJ!!
しかし豹ってえろいね。某天王寺きつねの牝豹にしがみついてすりすりする少年とか、
闇のパープルハートで豹形態で寝そべるヒロインとかでえろすを感じてたのを思い出す
相変わらずうhっひょおおおおおおおお
すみません、書き込むのが遅れました
感想ありがとうございます
>>929氏の縦貫の♂X♂なんて総スカン喰らいそうなネタ、というのはかなり危惧していたのですがww
叩かれずに済んだので少しだけ安堵してます
次の話の構想はあるのですが、ちょっといろいろ別のものとか書く予定があるので投下はもう少し先になりそうです
933 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 10:07:01 ID:2OXCJMZy
934 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 02:07:29 ID:HwECof1c
++☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆幸せのレス☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆+++
これを見れた方は運がイイですw
絶対幸せになりたい!という方はこの文章を3つのスレに書き込んでください。
そうすると、7日後、貴方は好きな人に告白されるでしょう。
ただし、この文章を見たにもかかわらず書き込まなかった場合には貴方の身の回りで
よくない事が起きてしまう事があります。
必ず起こるわけではないのですが、ご注意下さい
935 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 09:29:13 ID:aGInMaEw
保守
936 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 14:19:24 ID:adpIwINh
ネタがないよう。
後3,4日ぐらいで新作来そうな予感。
……根拠は無いけどね。
次スレの心配は…
まだ少し早いか?
939 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/01(土) 13:05:30 ID:TpSkqJYo
レスは940だけど、
480KB超えてるから、ほっとくと落ちるよ。
941 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 08:49:49 ID:jKgZ0ZZk
次スレまでに1〜2作品くらいは保たせられるだろうか?
頑張るしかないというか何というか
そして
>>1の文章も変える方向で
・投下先はここでいいのかどうか、ちょっと考えよう。
・人との絡み(人×亜人,獣人etc),百合,やおいも可。でも叩かれても泣かない。
・「人>獣人」または「人>亜人,異形」後の絡みは大いに歓迎。
ってかんじで?
美女野獣が主食な俺にとって願ってもないことだわ
>>943 >・人との絡み(人×亜人,獣人etc),百合,やおいも可。でも叩かれても泣かない。
「(ただしここはあくまで「亜人獣人に萌える」スレなので
「獣人亜人に犯される人間」に萌えるのを主軸にしたい場合は適切なスレでどうぞ)」
とか追記するのはどうだろうか。
只でさえ狭い客層を更に自ら狭めてどうするのか
ハードコアな内容が嫌ならNG指定でも何でもすりゃ良いだけだろうに
>>943 は「原文の流れはそのままで、なおかつ幅を広げた」感じ。
さらに「投下先はここでいいのかどうか、ちょっと考えよう。」ってのは
『1でユルユルに幅広く募集してるけどヘタしたらスレ違いかもよ?』
という警告
日本語変だけど理解してくれ。
948 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 11:39:32 ID:FfZHosFW
獣化現象に「萌え」の人たちは、その後のエロの必要性に関しては意見が割れる所がある。
じゃあ、絡みありなし関係なしで募集するのか?
っていうかしてもいいとおもう。
だからなんで門戸を狭める方向で行くんだよ。
・○○の場合は注意書きをつけて投下。
好みじゃない場合はスルー。
でいいじゃないか。
>>948 そっち方面萌えの人は異形化スレがあるでしょ?
あっちはあっちで結構盛況だぞ
それにこっちは獣化に限らずの元々獣人(亜人)の絡みだってある訳だし
>>949 絡みの有無は関係あるでしょ
獣化に萌えるのとエロに萌えるのはやっぱり別だと思うし
>>950の言うのとは別の意味でここは分ける所だと思う
前もこんな感じで差別があーだこーだして、分裂したような気がするんだが……
>>951 じゃあおまえの意見を聞かせてくれ。
どうしたらこのスレに最適でなおかつ幅を広げ作品数を増やせる
>>1の文章に出来るか。
……。
>>950の意見を尊重しつつ
>>1をかいてみる
・ママーリand常時sage推奨。とりあえず獣のごとくのほほんと、Hはハゲシク。
・特殊なシチュ(やおい・百合など)の場合は注意書きをつけて投下。好みじゃない場合はスルー。
とか?思い切って2行にしてみた。
>>952 その案に同意
基本門戸広めじゃないと投稿してくれる職人さんの居心地が悪くなる一方だと思うんだ
趣味に合う合わないの思いやりとしては最初に注意書き一筆で充分じゃないかな
どうしても合わなければNGIDでも何でも設定すればいいんだし
つかキーワード決めて名前欄に書いとく、でダメなの?
955 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 11:04:11 ID:yjtvnP3h
956 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 11:05:08 ID:yjtvnP3h
次スレそろそろ・・・
>>957 そうだな。
てか、もう何でもありの自由でいいじゃん。
テンプレは
>>952のでいいでしょ。
こんな議論は荒れるだけでつまらん。
じゃあちょっとスレ立ててくる。
テンプレは
>>952で。
961 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 09:45:28 ID:43S9+Zxu
せっかくなのでこちらのスレも使いきりたいよね。
天外魔境Uの肉助ネタで極楽丸豚化書いたんですが、ここに投下してもよろしいでしょうか?
やおいはないのでこっちでもいいのかな・・・でも少年少女の絡みでもないし・・・。
新スレのほうにいったほうがいいでしょうか?
もう次ぎスレの
>>1が決まったからOKだと思う。
ただし投下前にしっかり注意書きを加えること。
叩かれても泣かない。
>>964 俺個人としては激しく見たい。まぁよほどでない限り注意書きあれば大丈夫だろ。
>>965 返答ありがとうございます。
叩かれても泣かない様、肝に銘じておきます。
え〜とまずは分類分けを。
天外魔境Uの地獄釜の肉助&極楽丸の豚化ネタです。
変化のタイプは人間♂→豚 で エロはありません。
色んな部分が不完全ではありますが、気が向いたらでいいので読んでやってくださいませ。
それでは投下します。
『肉助の野望』
「どうやら先に辿り着いたようだな。ま、はぐれちまった卍丸たちは後から来るだろう」
暗黒城の奥、溶岩の池に挟まれた広い部屋では、肉助が待ち構えていた。
「ようこそ、アタシのおうちへ。待ってたわ」手を広げて、にやりと醜い顔をゆがめた。
「アタシね、この辺の村人どもをブタにして、美味しいトン汁を作ろうとおもっていたんだけど、
やっぱり元々が田舎の貧乏くさい農民ねぇ。ロクな味にならないわ。何かいいダシはないかと捜してたのよ」
極楽太郎の頭に、石見の村の様子が浮かんだ。
鳴き叫ぶ豚たち、絶望した表情で豚を世話する人々。
(それだけじゃねえ・・・ヤツは、絹からシロまでも奪いやがったんだ)
そのせいか絹は暗黒城にきてからずっと押し黙ったままだった・・・・。
「やい肉助ェッ!!石見の村の件とシロの体を弄んだ件を覚えてんだろうな?
忘れたとは言わせねえ!ぶっ飛ばされる覚悟はできてんな?行くぞコラァッ!!」極楽は吼えた!
肉助はワシらを眺めながら楽しそうに続けた。
「アラアラ、威勢のいいことwそんな生意気な口を叩く子にはお仕置きしなくちゃね♪まるまる太った美味しいブタにおなりなさい!!エイッ!!」
しまった!そう思ったときには遅かった。
戦闘態勢に入ろうとしていたワシは、肉助の術にからめとられた。
極楽の手から武器が落ちた。極楽の太短い指がくっついて蹄をつくりはじめていたからだ。
「な、なにぃ!」
膝がガクガク震え極楽は立っていられなくなり四つん這いになった。
すぐさま立ち上がろうと試みるが、手も足も床に吸い付いてしまったかのように離れない。
あっという間に足のつま先もくっついて蹄と化した。
髪はパラパラと抜け落ち全身からゴワゴワとした毛が生えた。耳はより大きく、より長く広がっていく。
鼻はひしゃげ、口とあごとともに前へ引きのばされる。それとともに牙が生え鼻孔が広がっていった。
「フゴッ!」喘ぎとともに鼻が鳴った。
「・・・!!」極楽は恐怖のあまり叫んだ
「プギィ、ブッヒィーーーーーーー!!!(誰か、助けてくれー!)」だがいくら叫ぼうとしても豚の鳴き声しか出ない。
「う〜ん、いい声で鳴くわねw」肉助はニヤニヤ笑いながらその光景を眺めていた。
でっぷりとした腹はさらに丸く大きく膨らんでいき、その圧力によって着ていた服は破けた。
元々巨大だったお尻からはチョロリと丸く縮れた尻尾が生えた。
ついでに股の間から可愛いピンク色の螺旋状のイチモツと大きな金袋が垂れ下がった。
「ブギーッ!ブヒ!ブヒブヒ!」
極楽は一生懸命呪文を唱えたがヨダレが飛び散るばかりで何の効果もなかった。
(一体ワシはこれからどうなるんだ・・・)自分の手、いや今は前足をみつめながら極楽は泣いた、いや鳴いた。
「なかなかいい出来栄えだわ♪96点ってとこかしらね〜いや100点つけてもいいかしら・・・?」
肉助がブツブツ呟きながら、立派な体格の雄豚と化した極楽に向かって喋り始めた。
「さて、と。どうしようかしら?こんだけいい出来だと食べるのが惜しいわね。あなたはどうされたい?アタシに食べられたい?」
「ブ、ブヒ?(な、何だって?)」
「だからアタシに食べられたいの?って聞いてるのよ。」
「ブヒッ!ブヒッ!」
極楽は必死に首、というか頭を横に振った。恐ろしさの余り、鼻水を垂らしおしっこをもらした。
この旅にでてから死ぬことも恐れてはいなかった極楽だが豚に変えられたせいで性格も豚のように臆病になっていた。
「あらあらw可愛いわねえwじゃあアタシの言うことをちゃんと聞けば食べないでいてあ・げ・る!」
「ブヒッブ!」極楽は嬉しさと感謝でお尻をふりながらしきりに鼻を鳴らした。
(フフッ・・・見た目だけじゃなく心も完全な豚にしてあげるわ。火の一族を豚の一族に変えてやるのよw)
「ホーッホッホッッホ!!!!」
暗黒城に肉助の高笑いが響いた。
【続く・・・のか?】
以上です。お目汚し失礼致しました。
それでは。
>>967 ♂の非エロの獣化過程だけでハァハァしてしまう自分はもう末期なんだろうな…
むしろヘタなエロより獣化に萌える。
ともあれGJ!性器変化や性格も変わってしまうのに萌え。続編激しく期待。
鬱なカニバルネタさえ避けられれば、原作と違いカブキまで豚化でバッドエンド一直線も有りかもと思ったり…。
「見た目だけじゃなく心も完全な豚に…」という響きに萌える。
わずかに理性を残しつつ本能に逆らえない羞恥プレイというのも萌えるが。
972 :
967:2006/07/09(日) 19:04:18 ID:2qMvuY0U
感想ありがとうございます
いきなり説明もなしに入ってしまったので天外魔境知らない人には
何がなんだかわかりませんね・・・・orz
また書く機会があったらもっとわかりやすいように描く努力をします。
>>970 自分も獣化過程でハァハァするタイプの人間ですw
この病気は死んでも治らないでしょうね。
性器変化はどうするか迷いましたが、原作通りならば
多分ケモチンになるだろうと思ってドリルにしときました。
カニバルENDは自分でもちょっと引く気がして避けました。
全員豚化=4P!だなんて思いつく自分のスケベさが嫌です・・・
頑張って続き考えて見ます。
>>971 理性と本能のせめぎ合いも好物です。
羞恥までかくか迷いましたが、そんなことやってるうちに卍丸たちが
やってくるだろ?ってことでやめました。
とりあえず今は極楽一人にしぼって羞恥考えるか、絹たちを登場させて絡ませるか迷ってます
どっちのがいいでしょうか?
>>972 俺は天外のゲームはやったことないんだが萌えた。GJ
まぁ獣化ネタが出るってことでおおざっぱな話はチェックしてたがな
試しに「地獄釜の肉助」でググったらセリフや画像もある詳細なプレイレポとかが2〜3個ほど上位ヒットするし
>極楽一人にしぼって羞恥考えるか、絹たちを登場させて絡ませるか
悩むところだな
交尾乱交してこそ動物という感もあるが
人間対動物の調教の図式でこそ羞恥心が煽られるというのもあるし…肉助は人間じゃないけど
まぁお任せします。期待。
974 :
967:2006/07/10(月) 20:51:27 ID:01MfMiMI
>>968の続きを書いてみたんですが、連投になるんで
もう少し時間がたってからのほうがいいですかね?
>>974 >>940で言われてるように放っておくと落ちるのでさっさと投下していいんじゃないかな
あとは埋めるだけみたいなもんだし、早く使いきって新スレ移行したほうが良いのでは
つーか続きモノをずっと待たせるよりは早い方が良いと思うぞ
…うん、俺も続き早く書けるよう頑張る。どれとは言わんが
976 :
967:2006/07/10(月) 23:14:21 ID:01MfMiMI
>>975 返答どうもです。
そうですね。待たせるよりは早めに投下したほうがいいですよね。
では早速投下したいと思います
>>968の続きを書いてみました。
前回に続いて肉助&極楽太郎
♂の豚変身です
(>968で極楽丸と書いてますが極楽太郎の間違いです。ごめんなさい。)
続いて分類分けをば。
♂×♂の調教ものです。
ちょっとSMとスカトロ入ってますので苦手な人はご遠慮ください。
それでは投下します
『肉助の優雅なるレッスン』
977 :
967:2006/07/10(月) 23:26:45 ID:01MfMiMI
「さあ、どうしようかしらね?先にこの子を躾けるか、それとも卍丸ちゃんたちを待ってからまとめて躾けようかしら?」
堂々とした態度や恰幅の良い逞しい体はどこへやら、いまやピンク色の立派な雄豚と化した極楽太郎はその様子を不安そうに眺めている。
肉助は少し悩んだ後、結論を出した。
「やっぱこの子と少し遊んでからでも悪くないわね」
そう言いながら極楽をみつめる肉助の顔には、邪悪な笑みが浮かんでいる。
「この城の仕掛けを使う時がきたようね。卍丸ちゃんたちには一度外に出てもらいましょっと♪」
肉助が手元のスイッチを押すとガチャン!と大きな音が聞こえ、続いて卍丸たちの悲鳴が聞こえてきた。
「さあ邪魔者は消えたし(どーせまた来るだろうけど)調教始めるわよ♪」
「ブヒィ・・・(ワシ、ちょっと怖い・・・)」
これから起こるであろうに出来事を想像して極楽は震えた。
〜1時間経過〜
「じゃあもう一回最初から行くわよ〜!お手!」
「ブヒ!」極楽は素早く右の蹄を肉助の手に重ねた。
「おかわり!」
「ブヒブヒ!」続いて素早く左の蹄を差し出す。
「ヨシヨシ良い子ね〜」肉助はご褒美に頭を撫でてあげた。
「ブヒィ〜♪・・・・・・・ブフゥ」
褒められるとつい嬉しくなってしまう自分が悲しい極楽であった。
「じゃあ次は伏せ!」
極楽はすぐさま伏せた。
「続いてチンチン!」
「!?・・・・・フゴッ」思わず極楽の動きが止まり、ピンク色の顔は真っ赤になった。
「ブ、ブヒィ・・・・・?(ど、どうしてもですか?)」
哀れみを誘う目で肉助をみつめたが、効果はなかった。
むしろ逆効果だった。
「つべこべ言わずにチンチンなさい!焼き豚にして食べちゃうわよ?」
「ブッフォ!!!」
『焼き豚』という単語を聞いただけで極楽の金玉は縮み上がった。
500kgはあるであろう巨体をなんとか動かして前足を前に垂らし、プルプル震えながら股の間のチンチンを肉助に差し出した。
「ヨシヨシお利巧さん。それでいいのよ。」
「ブフフッブフゥッ!」二足だけで立ち上がる辛さと屈辱でつい鼻息が荒くなる。
「なかなかイイモノ持ってるじゃない♪」
豚としてのチンチンをマジマジと見つめられ屈辱なはずの極楽はなぜか快感を感じ始めていた。
その証拠に極楽の口からはヨダレが垂れ、ドリルちんこは少しずつ勃ち始めている
肉助はそれを見逃さなかった。
「フフッwプルプルしちゃってwいいわ!少し休ませてあげる。」
後ろ足に限界がきていた極楽はドスーン!!と地響きをたてながら仰向けに倒れた。
「ブハァーッ!ブヒーッ!ブヒーッ!」
「ハイ、よく出来ました♪ここまでちゃんとついてこれた極楽ちゃんにご褒美をあげるわ♪」
肉助がパチンと太い指を鳴らすと、床から青白い手のようなものがでてきて仰向けになっている極楽の体にまとわりついた。
極楽はちょうど動物がとる服従のポーズのまま拘束されてしまった。
「ブヒッ!?」突然のことに極楽は驚いた。
「さて、まずはマッサージをしてあげましょうか?」
そう言うと早速肉助は極楽の豊満な肉体を揉み始めた。
978 :
967:
「ブィブィ♪」
極楽は気持ちよさのあまりつい鳴き声を漏らしてしまった。
極楽が思った以上に肉助のマッサージテクニックは凄かった。
「あら?これは何かしら?」肉助はわざとらしくとぼけながらピンク色の乳首をつまんだ。
「ブッ!」
「こっちにもあるわね。ちょっといじってみましょうかw」
コリコリと乳首をいじられ、極楽は感じてしまう自分が嫌で拘束から抜け出そうともがいた。
「そんなことしても無駄よw抵抗する子にはもっと刺激を与えなくちゃね!」
肉助がそう言うと、極楽を拘束していた手が動き出し、他の乳首をいじり始めた。
豚の乳は人間と違い複数あるのだ。
極楽が感じすぎて大きな豚の鼻をブヒブヒ鳴らしているところに、ぺロッと肉助は乳首を舐めた。
「ブギィッ」極楽は悲鳴をあげたが、おかまいなしに肉助は舐め続けた
身をよじって肉助から逃れようとするが、体が言うことを聞かなかった。
「ブフッ・・・・ブヒッブヒヒブヒィー(このままじゃ・・・ワシは本物の豚になっちゃうブヒィ)」
「ホーホッホッホッ!こんなによがっちゃってw雄豚というより雌豚かしらw」
(・・・そろそろ頃合いね)
肉助は乳首責めによって、だんだん勃起しはじめてきたドリルちんちんの先端を掴むと絞るように握り始めた。
「ブヒ!」
「どう気持ちいいかしら?」
喋りながらも肉助は手は止めない。
「ブヒィー!!ブギッブギィィー(ごめんブヒ!なんでもするからやめてくださいブヒ!)」
快感でヨダレを垂らし巨体を震わせながら、極楽は鳴いて懇願した。
「あーら駄目よ。こんなところでやめるわけないじゃない。もっともっと激しくよがり鳴きなさい!」そう言う肉助の手も激しく動いた。
「ブヒィイィイブフォッヒィッ!!!!!」
極楽は快楽の渦に飲み込まれていった。
だんだんと、極楽の動きが静かになってきた。
「ブヒィー・・・・」
目をトロンとさせ、口からはヨダレを溢れさせ、ときおりピクピクと耳を動かすだけになっていった。
極楽は快感に抵抗することをやめた、理性を捨て、豚としての本能に身を任せることを決めた。
つまり、とうとう極楽は身も心も豚そのものと化したのだ。
「ブゴォッ!」
豚が一鳴きすると、チンチンから精液がシャワーのように飛び出した。
「んまぁー凄い♪」
ドクドクと飛び出す精液を見て肉助はまた邪悪な考えを思いついた。
「極楽ちゃん、のどが渇いてないかしら?飲み物飲ませてあげるからお口を大きくあけてごらんなさい。」
豚は快楽に酔いしれてまったく話を聞いていなかった。が、だらしなく大口を開けていたので肉助はいまだにビクンビクンしているドリルを持つと豚の大口めがけて精液を飛ばした。
豚の口にビジャーっと精液が流れ込み、豚はそれをおいしそうに飲んだ。
「よく飲みよく食べるのよ♪ついでにアタシからもプレゼントよw」
肉助はズボンを脱ぐと豚の口めがけションベンを飛ばした。
それすらもお構いなく豚はおいしそうに飲んでいく。
オーガズム(性的興奮)が30分も続くという豚にとって、もはやいちいち考えることなどできないのだ。
「ブヒィーッ!ブヒィーッ!」
奇しくも1時間ほど前に極楽が立っていたのと同じ位置に、大きな鼻の穴をますます膨らませながら興奮しているヨダレと精液を垂れ流す豚が一匹そこにいた。
「やっぱり今回はいい出来だったわ♪可愛いペットができちゃったもの♪」
肉助は満足そうに雄豚を眺めた。
「今度はこの子の交尾相手を作ってあげなくちゃね・・・誰がいいかしら・・・?その前に腹ごしらえしなくちゃ!極楽ちゃんおいで!餌の時間よ」
「ブヒー!」
肉助に呼ばれ、雄豚はでっぷりしたお腹を揺らしながら駆け出していった。
【続く・・・?】