スーパーヒロイン系・総合スレ

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1名無しさん@ピンキー
スーパーロボットに乗り込み、悪と闘う可憐な少女。
そのロボット&少女が敵の凶悪なメカにピンピンチに!
萌えないか?君ぃ?!

リンクスレ
「スーパーロボットに乗って戦うお母さん」
ttp://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067501897/
2名無しさん@ピンキー:03/12/21 12:24 ID:KoCd+UfU
2GET!!
3名無しさん@ピンキー:03/12/21 13:13 ID:TwaKXM/R
おおー、立てようと思って来てみたら既に…

>>1
乙!
4名無しさん@ピンキー:03/12/21 13:16 ID:4sDMCyEv
もつかれ〜。
ただ>>1の本文だとスーパーロボットのみだと誤解されないか?
総合スレというからには色々な種類の
ヒロインを取り扱っても良いのでは。
例えば仮面ライダーみたいな超人ヒロインとか、
ウルトラマン的な巨大ヒロインとか。
5名無しさん@ピンキー:03/12/21 13:38 ID:Sj4MWSZN
もともと趣旨は「スーパーロボットのパイロット」メインだから。
超人ヒロインや巨大ヒロインはちょっと違う感じがしますが。
6名無しさん@ピンキー:03/12/21 14:24 ID:TwaKXM/R
でも他にそれっぽいスレも無いし、
ロボット以外も認めてやった方がいいと思うぞ。
ロボットも変身も「スーパーヒロイン」ではあるし。
7名無しさん@ピンキー:03/12/21 15:27 ID:fuho0iYy
書きてえ。
コミケ終るまで消えないでくれ。
8:03/12/21 15:39 ID:PLBise9S
>>4-6
まあ、ああは書きましたが・・・
「その手」の物全部おっけーでいいかと思われ。
スレタイもあくまで「スーパーヒロイン」ですし・・・
9名無しさん@ピンキー:03/12/21 22:00 ID:WMsllf7W
即死防止
10名無しさん@ピンキー:03/12/22 00:23 ID:Pd6NvGlH
umu
11書き捨て:03/12/22 01:29 ID:AqYOOsPb
即死回避のため書き捨てる。
未推敲のうえちょっとどっかで見たような感じになるがぱくりちゃうぞ、と。

光流ロボ・エクセリオンズ

永礼美奈子 エクセル・ヴィーナス
江留華   エクセル・ラクシュ
流石ルナ  エクセル・アルテミス
実相寺朱鷺美

 ドクター・グランドル率いる侵略ロボット軍団に敢然と立ち向かう、正義の少女達。
 永礼美奈子 エクセル・ヴィーナス
 江留華   エクセル・ラクシュ
 流石ルナ  エクセル・アルテミス
 彼女たちは超エネルギー・光流力で動くロボットチーム、エクセリオンズとして、地球の平和のために日々勇敢に戦っていた。
 しかし、敵の新幹部、プロフェッサー・タオの出現により、戦局は一変した。
 タオの操る新型ロボと、巧妙な情報戦略によって、エクセリオンズはピンチに陥る。
 タオのコンピュータウィルス作戦により、エクセリオンズの秘密基地が壊滅一歩手前のダメージを受け、ヴィーナスとラクシュの2体のロボが行動不能に陥ってしまった。
12書き捨て:03/12/22 01:32 ID:AqYOOsPb
「町に超重ロボの襲撃?」
「よりによってこんなタイミングで?!
 とにかく、姉様達は今は動けない!あたしが時間を稼がなきゃ!」
「ルナちゃん!」
「無茶よ!引き返して!」
 美奈子と留華が止めるのも聞かず、ルナは単機 エクセル・アルテミスで出撃する。
「大丈夫!ここはあたしが時間を稼ぎます!姉様達は一旦逃げて!」
 3号メカのアルテミスは軽量級の支援ロボだ。スピードはあるが決定力には元々欠ける。それに、3体そろったときの必殺技も使えない状態では、最初から勝ち目はないと知った上での出撃だった。
「いくわよ!アルテミス!ニードル・シャワー!」
 案の定、アルテミスの攻撃は敵の装甲に阻まれてしまう。
「くっ!」

13書き捨て:03/12/22 01:34 ID:AqYOOsPb
 タオの超重ロボも、軽快に動くアルテミスに攻撃を当てられないでいたが、一瞬の隙からついにアルテミスを捕まえる。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 片腕を肘から引きちぎられ、吹き飛ぶアルテミス。
「ルナーっ!」
 仲間達の叫びもむなしく、今度は片足をミサイルハンマーで砕かれ、膝から下をつぶされてしまう。
「こいつ…今までの敵と違う!」
 とうとう、顔を伏せてしまう美奈子達。
 アルテミスのコクピットでも、ルナが同じように頭(こうべ)を垂れていた。
(あぁ…強すぎる…だめっ!)
 残った片足を捕まれて逆さまに持ち上げられる正義の美少女型ロボ。もはや反撃する気力もなく、蹂躙されるがままだ。
 超重ロボの目からビームが発せられ、アルテミスの膝を焼いていく。
「あぁぁぅっ!」
 ルナはなすすべもなく、コクピットで身もだえる。
 そのまま地面に放り出され、熱戦でぐずぐずになった膝を踏み砕かれる。アルテミスはとうとう両膝から下を失い、地べたを這いずるしか無くなってしまった。
「あぁぁ…」
 うめくルナ。敗北の屈辱に涙がこぼれる。
 残った片手だけで這い逃げるアルテミス。超重ロボはその背中を踏みつけて動きを封じると、取り出した巨大な斧で、最後に残った腕も、肘から切り落としてしまった。
「あぁ…っ!」
 美奈子と留華は、言葉もなく落涙するだけだった。
 勝者たる超重ロボは、足先でアルテミスをひっくり返すと、とどめとばかりにコクピットのある腹部を蹴りつけた。
「ぎゃんっ!」
 ルナは完全に意識を失い、美少女ロボアルテミスは無惨な姿で沈黙する。
「さて…」
 タオはつぶやくと、超重ロボでアルテミスを担ぎ上げ、回収してしまった。
 エクセリオンズの2人は、この敗北の前になすすべ無く立ちつくすのみだった。
14書き捨て:03/12/22 01:36 ID:AqYOOsPb
 アルテミスとルナがタオに連れ去られてから数週間、超重ロボの襲撃はなく、エクセリオンズはメカと基地の修理を終えることができた。しかし、3体目のロボも、大切な仲間も帰っては来なかった。
 そんなある日、とうとう町に再び超重ロボが現れた。
「…!」
 美奈子達は、モニタに映るその映像を見た瞬間、心臓が止まるほどの衝撃を受け、立ちつくした。
 超重ロボはサポートロボを伴っていた。そのロボは、確かにエクセル・アルテミスだった。いや、アルテミスだったモノだ。
 アルテミスの四肢は、肘と膝の先は失われたまま無かった。それぞれ接地部にパーツを取り付けた状態で、アルテミスは這っていた。メス犬のように這いつくばっているのだ。
 更に、アルテミスの頭部には2つのパーツが取り付けられていた。何らかの武器のようであったが、その外観は犬の耳を模していた。止めとばかりに、その首には巨大なメカの首輪まで装着されていた。
 正義の美少女型ロボアルテミスは、敵に捕らわれメス犬ロボに改造されていたのだ。
「さあ、アルテミス、町を破壊するのだ」
 超重ロボから命令が発せられると、アルテミスは軽快に頷いて見せた。
「はぁぃ、ご主人様!このメス犬ロボ・アルテミスに任せてください」
 アルテミスのマイクから発せられた声。少女の明るい声は紛れもなくルナのものだった。
「この世界は、ドクター・グランドル様と超重軍団のものよっ!覚悟しなさい!」
 そして、かつて町を守った正義のロボ、アルテミスは、這いつくばった格好のまま正に犬のように走り回り、頭部の耳型兵器からビームを発射して町を破壊し始めた。
15書き捨て:03/12/22 01:39 ID:AqYOOsPb
ここまで。
続かないので。

即死回避になれば良し。
16名無しさん@ピンキー:03/12/22 01:53 ID:wjht+Hfi
>>書き捨て

乙だ!!
17名無しさん@ピンキー:03/12/22 08:53 ID:J/1TvGy9
いきなりの力作。乙です。

18名無しさん@ピンキー:03/12/22 15:29 ID:RvUOok7N
せっかくだから>>7に期待しておくぜ。
19名無しさん@ピンキー:03/12/22 15:40 ID:J/1TvGy9
>>7
コミケではなにを出すんですか?
20名無しさん@ピンキー:03/12/22 15:43 ID:OBOLHf0A
お母さんスレの方でちょっと話題に出た「ロボットと融合」するタイプ、
なんか書いてみていいかなあ。
21名無しさん@ピンキー:03/12/22 17:25 ID:J/1TvGy9
>>20
もちろんOKです
2220:03/12/22 18:28 ID:OBOLHf0A
それじゃ、書いてみよう
エロ系は初めてなんであんまり期待しないで下さい…
23名無しさん@ピンキー:03/12/22 23:12 ID:fLEEhCFx
>>22
よろしくお願いします。

漏れも規制解除されたら何か書いてみよう。
携帯からのカキコはキツい・・・。
24名無しさん@ピンキー:03/12/22 23:59 ID:00Iu8hAY
皆、飢えてたんだね(´・ω・`)人(´Д` )
25書き捨て:03/12/23 02:19 ID:AK30jwpL
むぅ。なんかきたのでちょっと書く。


 超重ロボ再襲来の数日前の夕刻。
 実相寺朱鷺美は帰宅の途上にあった。彼女は光流エネルギーの発見者であり、エクセリオンズの開発者でもある実相寺博士の実の娘であり、自らも24才の若さで3つの博士号を持つ天才である。
 エクセリオンズのメカニック担当を務め、父親の死後ほとんど1人で秘密基地とロボのメンテから改良まで手がけてきた。おかっぱにした童顔に丸眼鏡と、2つ年下の美奈子よりも幼く頼りなげな外見ながら、実質的なチームの責任者である。
 ここ1ヶ月近くも秘密基地に泊まり込んで、サイバーウィルスなどによる基地とロボの復旧修理を続けてきた。それがようやくほぼ終了という段階になったので、一旦帰宅して休養を取ることにしたのだ。
 朱鷺美が繁華街で日用品の買い出しをすませ、車をつかまえようとしたとき、視界の端によく知っている少女の姿が映った。ルナである。
 敵に捕まったまま行方不明のルナが何故?朱鷺美は眼鏡を押さえ、そちらを向いてルナの姿を追う。と、ちょうどルナらしき人影が表通りから路地に入っていくのが見えた。
 思わず駆けだし、人影を追って路地に飛び込む。目当ての人影はちょうど角を曲がっていくところだ。
(間違いない!ルナだわ!)
 朱鷺美は疲労も忘れ、全力で走った。曲がり角を曲がると、路地の先にルナが立っていた。捕らわれたときに身につけていた、パイロットスーツ姿だ。
「ルナ!無事だったのね!」
26書き捨て:03/12/23 02:20 ID:AK30jwpL
 朱鷺美は心配していた仲間に再び会えた事で夢中になり、冷静さを失っていた。普段なら感じる疑問も、周囲への警戒も、一時全て忘れてしまっていたのだ。
(まって?何故パイロットスーツのまま?それにどうやって逃げて?)
 一瞬後、そうした疑問が頭に浮かぶが、そのときは既に手遅れであった。首筋に衝撃が走り、朱鷺美は意識を失った。
「やれやれ、他愛のないことです」
 背後から忍び寄り、朱鷺美の首筋にスタンガンを当てて気絶させたプロフェッサー・タオが嘆息する。
「朱鷺美さん、疲れてたっぽくないですか。きっと基地とメカの修理で徹夜続きだったんですよ」
 フォローするルナの声は、やや平板であった。瞳にも霞がかかっており、普段の彼女ではないことが伺える。
「そうですね。
 さて帰りましょう、ルナ。時間切れになる前にね」
「はい」
 頷くルナを伴い、気絶したままの朱鷺美を抱きかかえて、タオは転送装置のスイッチを入れた。


 朱鷺美が意識を取り戻したのは、タオの秘密のアジトに連れ込まれてから12時間後であった。彼女はその間意識を失ったまままであったため、完全に時間の感覚を失っていた。
 目を覚ました朱鷺美は、自分が洗脳装置に拘束されている事を知った。
(落ち着いて!この洗脳装置には欠陥があるわ。たとえ洗脳処理をされても完全に支配されはしない!)
 朱鷺美はパニックに陥りかける自分を叱咤して意識を保つ。目を上げると、タオが朱鷺美を見下ろしていた。視界の端には拘束されたルナがいる。ルナは眠っているのか身じろぎもしない。
「ご気分はいかがかな?ドクター実相寺。お疲れの様子だったので、タンクベッドで強制睡眠処置をさせてもらいましたよ?体力は回復しているはずです」
「お礼を言えとでも?
 ルナと私を放しなさい。この卑怯者」
27書き捨て:03/12/23 02:21 ID:AK30jwpL
 朱鷺美の罵りにも、タオは意に介さないふうで話し続ける。
「なんとでも。もう勝ち目がないのは聡明な朱鷺美ならばもう分かっているでしょう。
 これから貴方を洗脳します。
 知っていると思いますが、この洗脳装置には欠陥がありましてね。女性に対する洗脳が固定できないのですよ。意志の強さにもよりますが、24時間もすると暗示が解けてしまうのです。
 貴方に、その欠陥を修正していただこうと思いましてね」
「誰が!」
 朱鷺美は短く吐き捨てる。しかし、本当はタオの言葉を聞きながら、胸に冷たいものが降りてくるのを感じていた。
 以前にこの洗脳装置を使った作戦を阻止したとき、朱鷺美はこの装置を調べ、その欠陥を自力で突き止めていた。それを利用した洗脳解除装置も作ったことがある。
「朱鷺美にならできるはずです。自分でも分かっているでしょう?
 そして私は、貴方にそれをさせることができると分かっています」
(そう。私はこの装置の欠陥を知っている。それを利用して洗脳を解除方法も知っている。そして…その欠陥を修正する方法も見当が付いている)
 口をつぐんだ朱鷺美に、タオが頷きかける。
「ふふ、貴方は正直だ。
 私も素直に認めますが、貴方は本物の天才だ。私よりも能力は上でしょう。
 しかし、私も私なりにこの装置に改良を加えています。24時間なら、どんなに意志の強い人間でも、この装置の暗示に逆らうことはできませんよ。
 ルナがおとりになって貴方を捉えたのも、その成果です」
 朱鷺美は目を閉じた。敗北感と絶望に血の気が引いていく。
(…だめ。最後まで、あきらめちゃ。抵抗するの。きっと…)
「始めますよ。洗脳プロセスをよく意識してください。
 …きっと改良に役立ちます」
 朱鷺美は目を閉じたまま身を固くしていた。タオは無言で洗脳装置のスイッチを入れた。
28書き捨て:03/12/23 02:22 ID:AK30jwpL
 2時間後、朱鷺美は目を開ける。拘束は解かれ、自由に動けるようになっていた。
 朱鷺美の前にはタオが立っている。
「どうです、気分は?」
 タオの問いに、朱鷺美は口を笑みの形に丸めた。
「悪くはありません。…ご主人様」
 朱鷺美は装置から降りると、タオの足下の床に膝をついて頭を垂れる。美人と言うよりは可愛いといった方が似合う、正義の天才女流科学者は、洗脳装置に屈し、土下座して敵の幹部に服従の意志を示していた。
「すぐに洗脳装置の改良に取りかかれますか?」
 タオの言葉に、朱鷺美は頷く。
「はい、ご主人様。私の洗脳寺の脳波記録を見せてくだされば、改良箇所が分かると思います。
 でも…その前に、洗脳が成功した事を証明するプログラムを実行させてくださいませんか?」
 朱鷺美のもの言いに、タオは唇の端をつり上げる。
「ほう、そのプログラムとはなんですか?」
 朱鷺美は顔を赤らめて、知っているくせに…と口の中でつぶやく。しかし顔を上げて、はっきりと告げた。
「ご主人様のおみ足にキスして、舐めさせてください。お願いします」
 いいでしょう、とタオが頷と、朱鷺美はすぐに顔をタオの足に寄せ、高く音をたてて、靴先に口づけをするのだった。
29書き捨て:03/12/23 02:23 ID:AK30jwpL
 ルナが目覚めたとき、部屋には誰もいなかった。
(ふみゃあ…なんだか、たっぷり眠ったって感じかなぁ。
 すっきりして、良い気分!)
 手足を見ると、拘束は解かれている。傍らのコンソールの上に、革製の首輪が置かれているのを見つけ、ルナは顔を赤らめた。
(やっぱり、つけろって事よね…)
 胸に妖しいざわめきを感じながら、ルナは躊躇いなく首輪に手を伸ばし、自ら首輪を装着していく。
 2時間前、洗脳装置にかけられる前に交わした会話がよみがえる。
「朱鷺美さん…お願い、正気に戻って!」
「無理よ。もう私の洗脳は解けないわ。
 私の調整した洗脳装置は完璧よ。もう、女性でも、どんなに意志が強くても、この装置に植え付けられた価値観には逆らえない。ううん、逆らうなんて事すら思いつかないのよ。人格そのものを再構成してしまうんですからね」
「ふふ、実相寺朱鷺美博士特製の人格再構成装置だそうですよ。
 最初の被験者である朱鷺美自身が太鼓判を押すのだから、間違いないでしょうね」
「もちろんです、ご主人様。
 私はもう、タオ様の忠実な僕です。どんなご命令にも逆らうことはありません。
 ご心配なら、もう一度私を洗脳してください。どんな変態に調整していただいても良いんですよ?」
「ふ、朱鷺美には私の補佐をしてもらわなければいけないですからね。
 あまり極端な調整はできませんよ。
 ルナには、私の忠実なメス犬になってもらいます。ルナにもやってもらうことがたくさんありますからね」
「いや…いゃぁぁぁ!」
 タオと変わり果てた朱鷺美の会話。そして自分に告げられたメス犬化の宣告に、ルナは耐えきれず悲鳴を漏らした。
「泣かないで。処理が終われば、ルナはとっても良い気分で目が覚めるわ。
 なんの不安も、疑問もない。最高の気分でね」
30書き捨て:03/12/23 02:24 ID:AK30jwpL
 記憶を反すうして、ルナは一人頷いていた。
(…うん、ホントに、不安も疑問も、なんにもないなぁ。 
 わたし、ちゃんと、メス犬だ。
 もう、わたし、人間じゃないんだな…不思議。
 すっごく気持ちが軽い…ふわふわして…最高!) メス犬となった美少女、流石ルナは、飼い主の姿を求めて洗脳装置を離れる。秘密基地内を一人で探索すること数分、ルナは主人をメンテルームで見つけた。
「あら、ルナ!処理が終わったのね。気分はどう?」
 タオよりも先に、打ち合わせをしていた朱鷺美がルナを見つけた。
「うんっ、最高!朱鷺美さん、ありがとう。
 朱鷺美さんの洗脳、すっごく良いよ。わたし、もう完璧にメス犬だよ!」
 朱鷺美に礼を言いながら首輪に手をやるルナ。その微笑みは、ほとんど以前のルナそのものだ。ただ、以前は無かった艶が加味されていて、天真爛漫な少女がメスになったことをうかがわせる。
「そうか。自分で首輪もつけたのだね。どうやら洗脳はうまくいったようだ」
 タオもルナに頷いてみせる。主人に認められ、喜びにルナの顔がほころぶ。
「それで…ぁの、ご主人様?」
「なんだね」
「あの、たし、経験、無いから。
 どういうふうにすれば良いのか分からないんですけど…
 ご主人様のメス犬になった証に、私の、その…からだでご奉仕したいんです」
 ルナの申し出に、タオは思わず朱鷺美の顔を見る。朱鷺美はタオの視線をそらすように、ルナに笑いかけた。
「ルナは若くて綺麗なんだから、やり方なんてこれから覚えればいいのよ。
 まずはね、そこで裸になったら?
 それからメス犬らしく四つんばいになって、ご主人様にじゃれついてご覧なさい。
 ご主人様の方から、いろいろ命令してくれるわよ!」
「はぁい!ご主人様、ルナの身体見てください。あんまり胸とかおっきくないけど、そんなにスタイル悪くないと思いますからぁ」
 いっそ快活と言える動作で、いそいそと服を脱ぎ出すルナ。明るい元気少女だったルナは、その快活さをほとんど失わないまま、洗脳によって被虐を求めるメス犬としての性も獲得していた。
 そして、全裸になったメス犬は、支配者の足下に這いつくばって服従を誓い、その男性器にファーストキスを捧げていくのだった。
31書き捨て:03/12/23 02:27 ID:AK30jwpL
ここまで。
続くかはわからぬ。
32名無しさん@ピンキー:03/12/23 02:52 ID:EZPGZVdE
>>書き捨て
やいこら貴様。



GJ!!そして乙!!
是非続けておくんなまし(;´Д`)ハァハァハァハァ
3320:03/12/23 13:50 ID:fET3BycX
じゃ、融合もの貼ってみる。
ちょっと進みが遅いんでエロ場面はまだです
メンゴ
34まず名前とか:03/12/23 13:51 ID:fET3BycX
機動少女隊レイディオン

天木智子=(変身)レイクリムゾン=(ロボ)イシュターレイ
三笠恵理子=(変身)レイセルリアン=(ロボ)ヴィーザルレイ
長柄美沙=(変身)レイサラテリー=(ロボ)パルナレイ
ロボが三体合体でレイディオンに。

あらすじ
ある日、突如として地球を襲った宇宙の犯罪者集団「ガレオス」。
彼等によって街は破壊され、生命は奪われ、捕らえられた人々は慰み物とされた。
各国の軍隊は懸命に抵抗するも、ガレオスの機動兵器にはまるで歯が立たない。
人類が希望を失いかけたその時、三人の戦女神が現れる。
彼女達はガレオスに立ち向かい、強力な機動兵器を打ち破り、囚われの人々を助け出した。
人類は歓喜に沸き、ガレオスは驚愕と怒りに満ちた。
しかし、地球の状況を一変させた戦女神の正体を知る者は少ない。
それは異星人から超常の力を与えられた、地球人の少女達だった。
35本編:03/12/23 13:52 ID:fET3BycX
「撃て! 奴等をここで食い止めるんだ!」
 街中に銃声と怒号と悲鳴とが響き渡っている。
 ガレオスの尖兵である、二足歩行の蟻の様な姿をした人工生物が群れをなして攻めて来たのだ。
 住民は既に避難し軍が応戦しているが、通常の火器では大した効果は得られない。
 蟻型生物の刃物の様な腕によって兵士達は次々に刺し貫かれ、戦線は徐々に後退していった。
 惨殺されてゆく部下の姿を見ながら、部隊長の男は歯噛みした。
(やはり俺達では勝てないのか… 彼女達でなければ…)
 
 一方、その戦場に向かって、無人の街並みをひたすらに駆ける天木智子の姿があった。
(急がないと! こうしている間にも軍の人達が…)
 智子は天に向かって左手を掲げた。 その手首には機械的な形のブレスレットが装着されている。
 遠目には腕時計にしか見えないその小さな装置の中には、人類の科学を遥かに超えるオーバーテクノロジーが詰め込まれていた。
「装着!」
 智子が高らかに叫ぶと、ブレスレットから目も眩む光が放たれた。
 その光の中で、智子は球形の防御フィールドに包まれる。
 衣服が一度分子レベルにまで分解され、身体にぴたりと密着したアンダースーツとして再構成される。
 続いて智子の周囲に生成された紅のプロテクターが各部に装着され、最後にヘルメットが頭を覆った。
 防御フィールドが弾けたそこには、一人の戦女神の姿があった。
 レイクリムゾン──智子はこの姿になった時、そう名乗っている。
 彼女は自動車やバイクにも匹敵する脚力で、街の大通りを駆け抜けた。
36本編:03/12/23 13:53 ID:fET3BycX
(もはやここまでか…!)
 手持ちの銃弾が尽き、もはや接近用の武器しか持たぬ部隊長に、蟻型生物の腕が迫る。
(すまん…)
 この世に残すことになる一人息子とガレオスに攫われたままの妻を想い、彼は死を覚悟した。
 その時、
「やあああーっ!」
 裂帛の気合と共に、紅く光るレーザーブレードが蟻型生物を切り裂いた。
 驚愕に見開かれる部隊長の目の前にあったのは、今までに何度も人類を救った英雄の姿だった。
「れ、レイクリムゾン…!」
「ここは私が食い止めるから、早く逃げて!」
「す、すまない! 全員、撤退だ!」
 敵の群れに切り込んで行くクリムゾンを横目に、部隊長は生き残っている部下に素早く指示を下した。
「後は頼む!」
「ええ!」
 遠ざかって行く軍の車両を見届けると、クリムゾンはまだ多く残る敵に向かいブレードを構えた。
「あんた達の好きにはさせないわ!」
37本編:03/12/23 13:54 ID:fET3BycX
 強化スーツが与えてくれる人間を遥かに超えた運動能力で、蟻型生物を次々と切り裂く。
 クリムゾンにすれば今まで何十体と倒してきた雑魚に過ぎない。
 蟻型生物は今まで軍相手に猛威を振るっていたのが嘘の様に、その数を減らしていた。
「これで、ラスト!」
 最後の一体は頭頂部から股間までを綺麗に両断され、その場に崩れ落ちた。
 どういう原理なのか活動を停止した人工生物の肉体はみるみる内に溶けてしまい、周囲は悪臭を放つ液体が散らばっている。
 装着者に何か影響を及ぼす異臭は通さぬ様になっているヘルメットの奥で、クリムゾンは「ふう」と一息ついた。
 そして、声をあげる。
「まだいるんでしょう、出て来なさい!」
 その言葉に答えるように、地面が微かに揺れた。
『ほう、よくわかったなお嬢ちゃん』
 何処からか男の声も聞こえてくる。
「あんた達は自分の手で人を殺すのが好きなんでしょ。 こんな生物兵器だけに任せておく筈が無い」
『ハハハ、ご名答!』
 突如、クリムゾンから数十メートルは離れた位置にあるビルが崩壊した。
 もうもうと立ち込める砂塵の向こうから、ガレオスの機動兵器が現れる。
 その下半身や胴体は鎧を纏った巨人の様な風貌だが、両腕があるべき場所からは十本近い触手の様な物が伸びていた。
 ガレオスではこの機体を「アスパール」と名付けている。
『やっぱりこういうのは自分でやらなきゃな。 お前も楽しませてくれよ、レイクリムゾン』
 アスパールのコクピットでは、異星人の男がニヤリと笑みを浮かべていた。
「あんたなんかに負けはしない!」
 クリムゾンが左腕のブレスレットを掲げると、上空の空間が陽炎の様に揺らぎ出した。
 そこに浮かび上がったのは、彼女のもう一つの体となるべき女性型ロボット。
 その無表情な顔は、人間のそれを模して造られていた。
38本編:03/12/23 13:55 ID:fET3BycX
「融合!」
 女性型ロボの胴体から一条の光が伸び、クリムゾンを包み込んだ。
 彼女は光に導かれて浮かび上がり、ロボットの前まで来ると、その身体が空気中に溶け込むように消えていった。
(あ、う…っ)
 この感覚はいつまで経っても慣れない。
 体が形を失って溶けてしまう様な、或いは、肉体から解き放たれて魂だけになってしまった様にも感じる。
 やがて体の感覚が戻ってきた。 しかしその体は、今までのものとは違っている。
『イシュター、レイ!』
 女性型ロボット──イシュターレイが名乗りをあげる。 その声はクリムゾン=智子のものだった。
『ほう…』
 アスパールから感心した様な声が漏れた。
『そいつが噂のロボットか。 パイロットが"操縦"するんじゃなく、融合してロボットそのものになる』
 有機体が無機物に分子レベルで一体化し、自身の体として操る。
 それは地球は元より、ガレオスにとっても魔法としか思えない技術だった。
『そのロボット、誰に貰った? こんな星で開発できる筈がない』
『あんたに答える義務は無いわ』
 イシュターレイ=智子自身も、この機体や左腕のブレスレットがどういう仕組みになっているのかはさっぱり解からない。
 彼女や二人の仲間はただ一連の装備を与えられただけで、それが人々を守る為に役に立つから、そのように使っているだけだ。
『だろうな。 まあいいさ、ボスに言われてるんだ。 その得体の知れない技術の出所を力づくでも聞き出せって』
『あんたの思い通りにされてたまるかっ!』
3920:03/12/23 13:57 ID:fET3BycX
今回はここまでですー
なんか女版ダグオンの様相を呈してますがケンチャナヨ

ロボの名前は神話とかから適当に取ってます。
40名無しさん@ピンキー:03/12/23 15:24 ID:bUEJqXlO
いいっすねー!どんどんお願いします

あとはマジンガー系のヒロインロボみたいな話も読みたいかな。。。
41名無しさん@ピンキー:03/12/23 16:12 ID:hJhU2dT2
いきなりレヴェル高いな、このスレは。
42書き捨て:03/12/24 00:14 ID:U9NRMB+2
続きなり。

「ご主人様。私、エクセリオン3号、エクセル・アルテミスのパイロット流石ルナは…
 人権も人格も全て捨てて、タオ様のメス犬奴隷になります…。
 永遠の、絶対の忠誠を誓います。どんなご命令にも絶対に逆らいません。
 一生懸命ご奉仕します。お仕えしますから…ですから。
 ご主人様、どうかルナをずっと可愛がってください。メス犬としてそばにいさせてください。お願いします」
 首輪だけの全裸でプロフェッサー・タオの足下に這いつくばったルナは、メス犬の宣誓と共に、額を床につけて平伏した。
「良いでしょう。ルナ。私のメス犬として、私に仕えることを許します」
 悪の幹部タオは、美少女の自らを貶める誓いに尊大に頷き、服従の許可を与える。
「あっ、ぁりがとうございます!」
 ウェーブのかかったショート気味の髪を揺らし、ルナは顔を上げて満面の笑みを浮かべる。それは飼い主の寵愛を受けるペットそのものの態度だった。
「それじゃぁ、その、誓いの印に…
 ご主人様の、あの、オチンチンにご奉仕させて、くださぁい。」
 顔を真っ赤にして自ら口唇奉仕をねだるルナ。傍らではルナにメス犬としての振る舞いを指導をしている朱鷺美が、にっこりと頷いている。
43書き捨て:03/12/24 00:16 ID:U9NRMB+2
「ふふ、良いですが、ルナ。おまえは男とキスしたことも無いというのは本当ですか?」「ぁ、はぃ…ルナは男の人とちゃんとつきあったこと無いんです。
 キスも、手をつないでデートしたことも、ありません。」
「だから、これからするのがルナのファーストキスなのよね?」
 朱鷺美のからかいに、顔を手に染めて頷くルナだ。
「そぅです。ルナのファーストキス、ご主人様のオチンチンに捧げさせてください…」
 恥ずかしさにか細くなる声で、それでもルナは笑顔でタオを見上げる。その表情はむしろ誇らしげでさえあった。男女営みの全ての行為について、その初めてを支配者に捧げられることが、家畜となったルナには嬉しくてたまらないのだ。
 タオはルナを見下ろしながら無言で頷き、ズボンのベルトをはずして下半身をむき出しにしていく。ルナは、眼前に現れた男性器に息をのむ。既に半ば勃起したそれは猛々しく、逞しく、偉大に見えた。
(すごぉい…わたし、これから、これにキスするんだ…あぁ)
 敵に屈服した哀れなメス犬は、牡の器官に畏怖と崇拝の念を持って手を伸ばす。恭しく、それを両手で捧げ持つと、自ら顔を上げて目を閉じた。
 敬虔な信者が神器にするように。ルナはタオのペニスにファーストキスを捧げた。
 ちゅっ!と高く音を立てて。愛おしげに。
44書き捨て:03/12/24 00:17 ID:U9NRMB+2
(あはっ!また、思い出したら濡れてきちゃったぁ。ご主人様に初ご奉仕したときのこと、何度思い出しても感じちゃうぅ)
 ルナは、メス犬ロボアルテミスの中で身をくねらせた。
「だめだめ!今は任務に集中しないと」
 声に出さずにつぶやくと、ルナはアルテミスの新装備、犬の耳に備えたビーム砲を発射する。いくつかの建物が炊き飛び、新たな火災が発生する。しかし、タオに仕えることが全てと化したメス犬のルナは、なんの罪悪感も感じない。
 タオの超重ロボに伴われて町に出撃したアルテミスは、肘と膝から先の四肢を失ったままの姿で改造を受けた。エクセル・アルテミスは本来女性型のロボなのだが、今や移動は必然的に獣のように這いつくばったままで行うようになっていた。
また、首輪や犬耳まで装着されて、「ヒト犬」「メス犬」としか言いようのない、屈辱的な姿と機能を持たされていた。
 しかし、自らも人を捨てメス犬と化したルナにとっては、自分にぴったりの愛機なのだった。
「わぅんっ!そらっ!」
 メス犬ロボ・アルテミスは軽快な動きで廃墟を飛び越え、新たな目標を攻撃していく。超重ロボは出現以来全く動いていない。町を破壊しているのは、変わり果てた『元』正義の美少女ロボ、エクセル・アルテミスなのだ。
「わんっ!耳ビーム!
 世界の支配者はぁ、超重軍団なのよ!
 タオ様に逆らうものは、許さないんだから!」
45書き捨て:03/12/24 00:18 ID:U9NRMB+2
「ルナちゃん…!」
「ルナ!」
 美奈子と留華は、秘密基地のコントロールルームで顔を青ざめさせ、身体を震わせていた。身を寄せ合い、二人とも泣いていた。
 大切な仲間が敵に家畜のように仕え、今まで守っていた町を破壊しているという事実を受け止めることができない。ともすれば、これは夢なのではないかと、自分に問いかけそうになる。それほどに、モニターに映る事実の衝撃は大きかった。
 だが、二人とも、眼前の光景を否定したり、拒否したりする言葉は一言も発しなかった。
 これは嘘などではないし、信じたくない事であっても、起こってしまった事実なのだと、自分を叱咤して行動につなげようとし続けていたのだ。
「二人とも!泣いてる場合じゃ無いでしょ」
 部屋に入ってきたのは朱鷺美だ。丸2日間の休暇の後、基地に泊まり込んで前にもまして精力的にメカの調整・整備に取り組んでいた。
「出撃準備はできているわ。
 出るの?それとももう少し泣いている?」
 普段の朱鷺美らしからぬきつい言い方だが、美奈子は朱鷺美の言葉に頷いた。ポニーテールにした栗色の髪が揺れる。
「朱鷺美さん、ありがとう。もう大丈夫よ。
 留華さんも、いけるわね?」
 編み上げた黒髪を美奈子の肩に寄せていた留華も、背筋を伸ばした。涙を指でぬぐうと、肩一つ身長の低い美奈子に頷く。
「ウン。もう大丈夫。やろう、美奈子。ルナをアタシたちで止めるんだ」
 朱鷺美は二人に頷き、出撃前のいつもの仕草で送る。親指を立てて拳を作る、サムズアップだ。
「いってらっしゃい」
 眼前に親指を立てて朱鷺美が頷くと、丸眼鏡がきらりと光った。美奈子と留華もサムズアップで応え、出撃のため部屋から走り去っていった。
「行ってらっしゃい…二人とも」
 その二人の背中を見送り、振り返ってモニタを見上げながら、朱鷺美は唇を丸くする。それはこの場に似合わない、笑顔の形を作った。
46名無しさん@ピンキー:03/12/24 00:27 ID:laeby/a1
キキキキキタァァァァァァァ(゚∀゚)ァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
書き捨て氏、毎度ながらGJ!!
47書き捨て:03/12/24 00:38 ID:U9NRMB+2
「それ以上町を壊すのは止めて!」
「正気に戻って、ルナ!」
 美奈子のエクセル・ヴィーナスは射撃戦主体の遠距離攻撃型ロボ、留華のエクセル・ラクシュは格闘戦主体の近接戦闘型ロボだ。
 美奈子は弓道の段位を持ち、留華は幼い頃から鍛えた中国拳法の技を持つという、二人の特技を生かした戦いができるようになっている。
 しかし、今その2体は攻撃をすることができず、立ちつくすだけだった。 
 ルナのアルテミスが超重ロボとエクセリオンズの間に立ちふさがり、盾になっているためだ。
 もちろん美奈子の射撃の腕ならアルテミスよりも大きい超重ロボを狙うことなどたやすいが、ルナの声で攻撃を止めるように呼びかけられ、どうしてもためらってしまうのだ。
「美奈子姉様、あたしが撃てる?撃てないでしょ。
 無理しないで、武器を捨てて?」
「ルナちゃん!そんな…お願い、元のルナちゃんに戻って。悪に負けちゃだめよ…」
 美奈子は必死にルナに呼びかけるが、その叫びもむなしく響く。心の優しい美奈子には、結局自分を慕っていたルナを攻撃することはできない。構えていた武器も下ろしてしまった。
「無理よぉ。姉様、ううん、美奈子さん?あたしはもう、タオ様のメス犬なの」
 アルテミスは這ったまま超重ロボの傍らに寄り添い、犬がするように超重ロボの腰に頬を擦りつけて甘える仕草までして見せた。
「美奈子さんも、留華さんも、二人とも、あたしと同じになるの。タオ様のメス犬になるのよ」
 ルナはそう決めつける。美奈子が言葉を失った隙をついて、アルテミスの首輪から光線が発射され、エクセル・ヴィーナスを襲った。
「ああっ!」
 とっさによけることもできず、攻撃を受けてしまう美奈子。その攻撃は、外見上は特に深刻なダメージを与えていないように見えたのだが。
48書き捨て:03/12/24 00:39 ID:U9NRMB+2
「あっ!なにっ!」
 アルテミスのビームを受け、コクピットに一瞬火花が散った。その直後、ヴィーナスのコクピットはシステムダウンをおこしてしまう。全ての表示がオフになり、赤い非常灯だけが虚しく灯る。
「これは…何が起こったの?」
 エクセル・ヴィーナスはコントロール不能に陥った。カメラアイからも光が消え、地響きを立ててその場に膝をつく。続いて美少女ロボの尻が地に落ち、呆けて座り込むようなポーズでくずおれた。
「ぁはぁ!まずはヴィーナスの負けよぉ。次はラクシュの番だから」
「ルナ!何をした!」
 叫ぶ留華。ルナは笑って答えず、いきなりさっきの首輪光線を放つ。しかし油断無く構えていた留華はこれをかわした。
「くっ!やるしか無い…か!」
 決然とまなじりを上げ、留華はアルテミスに突っ込んでいった。

 エクセル・アルテミスは支援用のロボで、自らの武装は多装ニードルガン位しかない代わりに、高速機動を生かして戦闘中の仲間に武器などの補給ができる様に作られていた。
 一方エクセル・ラクシュは剣などの格闘武器を使った戦闘に特化し、動きの素早さや関節の可動範囲はもっとも優れている代わりに、飛び道具を一切持たない。そして、直線的な動きの早さではアルテミスに一歩を譲っていた。
 このため、ラクシュはアルテミスの首輪光線を易々とかわすことができる代わりに、アルテミスとの間合いを詰めて剣の届く距離に近づくことができない。
 アルテミスは、パイロットである美奈子の優しさの隙をつき、飛び道具を持ったヴィーナスをまず封じることに成功していたのだ。
「くっ!まずい。このままじゃらちが明かない」
 留華は、アルテミスの謎の首輪光線に当たってしまうわけにいかないため思い切った突進ができずにいた。ルナの方は、ラクシュに捕まらないように逃げ回りながらの攻撃になるため、なかなか光線を命中させられないという状態が続いていた。
49書き捨て:03/12/24 00:41 ID:U9NRMB+2
 エクセリオンズの秘密基地。コントロールルームでは、朱鷺美がモニタで状況を見ていた。
 ヴィーナスが頓挫し、ラクシュがアルテミスと交戦を始めたのを見ながら、朱鷺美はなんの行動も起こさずに、ただモニタを眺めているだけだった。
 朱鷺美の脇で通信機が呼び出し音を立てる。応答する朱鷺美の耳に飛び込んできたのは、この基地に通信できるはずのない男の声だ。
「タオだ。朱鷺美。上手くいったようだな」
 朱鷺美は驚く様子もなく呼びかけに答える。
「はいご主人様。最終調整は完璧です。ごらんの通り、ヴィーナスもラクシュも、アルテミスの停止信号を受ければ完全に操作不能になります。その後ご主人様が端子を接続していただければ」
「ふふ。彼女たちの愛機は私の奴隷ロボと化すのだね。コネクタの位置は予定通りかい」
「はい。首の後ろです。どうぞ、エクセリオンズに首輪をはめて、メス奴隷ロボにしてあげてください」
「よくやった。褒美を上げるのはしばらく後になるが、必ずそこに行く。待っていなさい」
「ありがとうございますご主人様。褒めて頂いて光栄です。
 ご主人様がいらっしゃるまでに、必ずここをご主人様に相応しい基地に仕上げておきます。ですから、きっといらしてくださいね。朱鷺美はご主人様をお待ちしています。」
 朱鷺美は頬を紅潮させ、タオとの再会を誓う。洗脳により、タオの忠実な下僕となったままの朱鷺美は、密かにロボを改造して、美奈子達を罠にかけていたのだった。
50書き捨て:03/12/24 00:42 ID:U9NRMB+2
「動かない…どうして?何が起こっているの?」
 ヴィーナスのコクピットでは、何も知らない美奈子が必死になって再起動を試みていた。しかしどのスイッチをどう操作しても、なんの手応えも無い。
 焦る美奈子。手で額の汗をぬぐう。と、突然ヴィーナスを軽いショックが襲った。
「なに?」
 軽く揺すられるような動きが数回あった後、突然正面の外部モニタ数個だけが回復する。
「!」
 正面のモニタに映っていたのは超重ロボだった。ロボは手にロボサイズの鎖のようなものを持っていた。その鎖は、ヴィーナスの方に伸びている。位置関係からすると、ヴィーナスの首のあたりに繋がっている様に見えた。
「嘘…まさか?」
 ルナの言葉を思い出し、最悪の予感に震える美奈子。次の瞬間、その当たって欲しくない予想が肯定される。
「這いつくばれ。エクセル・ヴィーナス」
 言葉と共に超重ロボが鎖を引くと、ヴィーナスの機体はそれに従って動いた。モニタの視界が動き、座り込んでいた時よりも低くなる。モニタの中で鎖が揺れ、はっきりと首に繋がっていることを示す。
 コクピットの表示が次々と復活し始めた。だが美奈子の操作は一切受け付けないままだ。
「そんな!乗っ取られたの?」
51書き捨て:03/12/24 00:44 ID:U9NRMB+2

「ああっ!ヴィーナス!」
 戦いながら、ヴィーナスの方を見た留華は驚きの叫びを上げた。
 いつの間にか。超重ロボがヴィーナスのところに移動し、その首にアルテミスと同じ首輪型メカを装着して、鎖までつないでいたのだ。
 超重ロボに鎖を引かれたエクセル・ヴィーナスは、従順にその場に四つん這いになり、主に従うペットのように鎖の引かれた方向に這い進んだ。
(メス犬…ヴィーナスまで、メス犬に)
 留華はルナの宣告を思い出し、屈辱と恐怖に身を震わせる。そして、その一瞬は、決定的な一瞬になった
「うああっ?!」
 ラクシュの動きが止まった一瞬を逃さず、アルテミスの首輪からの停止光線が命中したのだ。
 ヴィーナスと同様、一瞬でシステムを封じられ、その場に倒れ伏すラクシュ。
「ぁはっ!姉様達に、初めて勝ったなぁ。これもご主人様のおかげだねっ」
 コクピットでガッツポーズなど取りながら、ルナは気楽に笑う。
「よくやったね。お手柄です、ルナ」
 タオが、ヴィーナスを従えてラクシュの傍らに移動する。
 正義のために戦った仲間を裏切り、倒したことをかつて敵だった支配者に褒められたルナは、身もだえして喜んだ。
「あぁん!うれしいです、光栄ですぅご主人様」
 そして、ラクシュにも首輪型メカが装着されてしまう。
 2体の美少女ロボは、もはやコクピットからの操作は一切受け付けず、タオの命令通りに動く奴隷ロボと化してしまった。
52書き捨て:03/12/24 00:45 ID:U9NRMB+2
「さて、せっかくだから、少し遊ぶことにしようか。
 ヴィーナス、ラクシュ。立て。」
 2体の奴隷ロボは立ち上がった。コクピット内では、二人の美少女が絶望に落涙しながら、虚しくコンソールをたたき続けている。
 タオは、2体のロボに町の破壊を命じた。ヴィーナスのアーチェリービームが市役所を木っ端微塵に破壊し、ラクシュは剣で消防署を切り裂いた。
「いや!いやぁぁぁ!」
「止まって!止まりなさい!朱鷺美!朱鷺美!聞こえないの!何とかならないの!」
 二人は自ら町を破壊するという行為をさせられ、ついに泣き叫んだ。
 だが、二人の祈りも虚しく、正義の美少女ロボは悪の手先となりはてて、破壊活動を続けるのだ。
 泣き叫ぶのに疲れ果てた頃、ヴィーナスは命令されて大地に仰向けに横たわった。
 ラクシュが剣を振りかざし、命令のままにヴィーナスの膝を切断する。
「美奈子…ごめん…ごめん…」
「留華さん…ああ…」
 衝撃音が何度も走り、そのたびに美奈子は、留華は悲しみにうめいた。
 下肢を切り取られたヴィーナスは、アルテミスに支えられて身を起こし、今度は武器でラクシュの下肢を破壊するのだった。
 全てが終わる頃には、美奈子も留華も涙も枯れ果て、意志も感情を失ったかのように呆然とするだけだった。
「さあ、いきますよ」
 タオの呼びかけに、並んで這いつくばった3体のメス犬ロボ、エクセリオンズは頷いて従った。それぞれ首輪を鎖に繋がれ、タオの超重ロボの手に握られている。
 正義の美少女ロボチームの、完全な敗北を示す姿だった。
53書き捨て:03/12/24 00:52 ID:U9NRMB+2
ここまでに。
かけるようなら、年末に後ちょっと足して
それで終わらせたい気がしているが。

分からん。

レスをくれた方には感謝。
5446:03/12/24 00:55 ID:laeby/a1
書き捨てネ申、乙ですた。
むしろ邪魔しちゃった様で申し訳ない。
55名無しさん@ピンキー:03/12/24 23:40 ID:AY9Gl4MG
うぉー
いいっヽ(´∀`)ノ
奴隷宣言タマリマヘン
56名無しさん@ピンキー:03/12/25 00:17 ID:rCimDLuY
自分も何か書いてみたいんだけど、ロボット以外でもいいでしょうか?
>>4で言う超人ヒロインタイプになりそうなんですが。
あとふたなりモノでしかもオールレズ(男は出ない)
というちょっとだけアブノーマル路線なんですが、OKですか?
57名無しさん@ピンキー:03/12/25 02:37 ID:tXfq8Qmg
>>56
いいんじゃないですか?
読んでみたいですよ
58名無しさん@ピンキー:03/12/25 23:10 ID:VQSkwZo1
さやかとジュンが主役のマジンガーものが読みたいです
59名無しさん@ピンキー:03/12/25 23:22 ID:rCimDLuY
>>56
漏れもキボン
せっかくの総合スレなんだからロボ以外にも幅を広げて欲しいし、
なにより漏れふたなり大好きだから。
60名無しさん@ピンキー:03/12/25 23:37 ID:gGaWegiQ
貴方が書きたいと思うモノがあったら、書いてください。
それがどんなに特殊なモノでも、間口が狭くてもかまいません。
そしてそれが自分が読んで「立つ・使える・抜ける」SSだったら是非投下してください。
どこに投下するかは書いてから考えれば良いことです。

「誰かに読ませたい」を一番の理由として書かれたモノは欲しくありません。
「何か書きたいからネタを拾って」書かれたモノも欲しくありません。
なぜなら、私が読みたいのは貴方がエロいと思う、
貴方がそれで抜きたいと思うネタ・シチュ・シーンだからです。
凝った表現よりも、、行為の変化やバリエーションよりも、
貴方の抜きどころを押さえたモノを書いて見せて欲しいと思います。

などとマジレス。偉そうにスマソ。流してくだされ。
次からは何事も無かったかのようにドーゾ。
6120:03/12/26 19:02 ID:wK1TKh/t
融合ものの続きです。
なんか女性型ロボ陵辱の方向になってますが…
6220:03/12/26 19:03 ID:wK1TKh/t
 上空では軍の制止を振り切ってやって来た某テレビ局のヘリが、じっと地上の様子を撮影し続けていた。 
 カメラに見下ろされていることなど気にも止めず、イシュターレイは微かに腰を落とし、左腕を引いて構える。
『バーニング・ナックル!』
 エネルギーが凝縮され高熱を伴ったイシュターレイの左拳が、アスパールに叩き付けられた。
『うおっ!』
 パイロットの悲鳴と共にアスパールは吹っ飛び、背後の高層ビルに倒れ込む。
 さらに追い打ちをかけるべく、イシュターレイが跳躍した。 容赦無くつま先から蹴り込む。
 だがその追撃がアスパールに突き刺さる直前に、一本の触手がイシュターレイの足首に絡みついた。
『あっ!』
 声をあげた瞬間には強力な力に足を引っ張られ、宙に投げ出されていた。
 そのまま先程のアスパールと同じようにビルを倒壊させながら倒れ込んでしまう。
『う… く…っ』
 苦痛に顔を歪め、立ち上がるイシュターレイ。
 これもどういう技術なのか、固い装甲で出来ているはずのイシュターレイの顔は、人間の顔と同じ様によく動く。
『お返しよっ! アエザーブラスト!』
 右腕に装着された砲から強力なエネルギー弾が発射される。
 しかしアスパールは背中のバーニアから光を吹き、素早く横に動いて光弾をかわす。
『見え見えなんだよ!』
 男が叫ぶと、アスパールの触手の先端が蛇の口のように上下に開き、その中からレーザーが発射された。
 同時に十本近い光線が乱れ飛び、周囲を瓦礫の山に変える。
 イシュターレイも先程のアスパールと同じく横っ飛び、さらにアエザーブラストを連発する。
 両者の飛び道具が交差し、真っ昼間の街中を様々な光が乱舞した。
 しかしそれも短い間のことで、火力で劣るイシュターレイは数発のレーザーの直撃を受けてしまった。
『きゃああ!』
 またしても吹っ飛ばされ、建物を巻き込みながら倒れ込む戦女神。
 彼女が体勢を立て直そうとする前にアスパールが一気に接近し、触手を使ってその肢体を絡め取った。
『あ、うああっ! は、放せっ!』
 イシュターレイは身動きの取れぬ状態のまま、高々と持ち上げられた。
6320:03/12/26 19:04 ID:wK1TKh/t
『たしか射撃は青い奴の方が得意だったな。 そういえばお仲間はどうした?』
 もはや九分九厘は勝利が確定したアスパールのパイロットは、尋問気分で尋ねた。
『そ、そんなの、あんたなんかに教えないっ』
『ほう』
 アスパールは空いている触手を使い、イシュターレイの腹部にレーザーを打ち込んだ。
『あっ、き、きゃああぁぁっ! あぁ、熱いっ!』
 激痛と高熱に激しく身をよじるイシュターレイ。
『口答えできる状況じゃないな、え?』
『ん、く、くぅぅぅん!』
 イシュターレイは歯を食い縛って必死に堪える。
 十秒ほど照射されてレーザーが止まっても、その身体はびくびくと痙攣を続けた。
『あぁ、ハァ、ハァ…』
『しかし、その機体を作った奴も何考えてんだろうな? 操縦者が完全に融合しちまう割には、痛覚のカットも出来ていないようだ』
『そ、それが… ハァ、どうしたの…』
『機体をまさに自分の体として操れるのは大したもんだが、こんなんじゃデメリットの方が多いってもんだ』
 言うと、イシュターレイを縛る触手に力を込める。
『ひ、んあぁぁぁぁっ!』
 全身をきつく締め上げられ、悶えることも出来ないイシュターレイはただ声をあげるしかない。
 そして左腕を拘束する触手だけに、他よりもさらに大きな力が入っていた。
 ミシミシと音をたてて、左腕の装甲にヒビが広がっていく。
『あ、ひ、いいいぃぃぃっ!』 
 腕が引き裂かれる様な堪え難い激痛に、イシュターレイの悲鳴がさらに高くなっていく。
 その様を眺めながら、アスパールの中の男はふと考えた。
(ん…? 機体が自分の体ってことは、もしかすると…)
6420:03/12/26 19:04 ID:wK1TKh/t
 急にイシュターレイの左腕を締めていた触手の力が弱くなった。 と言っても、動けなくしているのには変わりは無い。
『あ、あひ、ひいぃ… 痛いぃ…』
 イシュターレイの口から情けない声が漏れている。
 涙を流したり顔色が変わったりする機能は無いが、生身の肉体でいる時にこの苦痛を受けたなら、当然そうなっただろう。
『そうか、痛いか? ならこっちはどうだ』
 空いている触手がうねうねと動き出した。
『あ、な、なにを…!? あっ、んあぁっ!』
 一本がイシュターレイの胸に絡み付き、明らかに女性の乳房を模している二つの膨らみを締め上げた。
 さらに別の触手が先端を上下に開け、やや尖った風になっているその膨らみの頂上を、口でくわえるようにする。
『あ、んん…っ! な、何を、するの…!?』
 その声に構わずもう一本の触手が動き出し、ゆっくりとイシュターレイの股間部に迫った。
『! や、やめ…!』
 急に湧いた嫌悪感が股を閉じさせようとするが、両足も拘束されているのでそれも出来ない。 すぐに触手は股間部に到達した。
 いくらイシュターレイが女性を模した姿にできていても、その部分までが再現されている筈は無く、そこには微かに丸みを帯びた装甲があるだけだった。
 それなのに。
『あ、ん、くぅぅ! あ、い、いやぁ、やめてぇ!』
 イシュターレイは激しく身をよじり、嬌声をあげた。
『ハハハ、やっぱりそうか、なあ』
 アスパールを駆る男は愉快そうに笑う。
『機械の体になっても、感じるところはあるんだな』
(あぁ、そんな、どうして…)
 イシュターレイの脳裏で絶望的な疑問符が浮かんだ。
6520:03/12/26 19:06 ID:wK1TKh/t
 智子は私生活の中で、頻度は少ないが、自分を慰めることがある。
 厳しい戦いに疲れた時に、密かに想いを寄せている相手を思い浮かべながらそれをするのだ。
 その時と同じ感覚が、イシュターレイというロボットと融合している今でも感じられてしまう。
『あ、いや、こんなのいやぁ! は、放して、おねが、おねがいぃ!』
 あの異星人を名乗る存在から力を与えられ、初めて融合した時には、機械の体にかなり戸惑った。
 柔らかく伸縮する肉と皮がある人間の体とは違い、複雑な機械を固い装甲で包んだロボットの機体。
 さらに搭載兵器を使う度に装置が作動し、内に溜まったエネルギーを体の表面から放出する。
 その感覚に慣れるまでかなりの時間を要し、それだけに、機械の体でいる時に肉の体と同じ性感を覚えるなどとは考えもしなかった。
『俺もロボットが感じてるのを見るのは初めてでな。 面白いからすぐに止める気にはなれない』
 アスパールから非情な答えが返って来る。
『や、やぁ…! ん…っ…ふぅ、はぁ! そ、そんなとこ…っ 触らないでぇ!』
 触手がレーザー砲を露出させる「口」を開閉させながら、イシュターレイの胸や股間を撫で回す。
 その行為によって感じているものは智子が自分でしているのと同じものだが、憎むべき敵によってそれを与えられているという事実が何よりも嫌だった。
 さらに固い装甲の上を触られるのは彼女にとって新しい感覚でもあり、それだけに抗えず、翻弄されてしまう。
 イシュターレイは泣くような顔をしている。 散々に嬲られる内に、その声がいよいよ危険な領域に入っていった。
『あっ…! あぁ…んん! いや…いや!!』
 触手の戒めは僅かながら緩くなっており、その分だけイシュターレイの機体が自らがくがくと痙攣するのがよく分かる。
『やっ… は…っあうぅんっ! も、もう、イ…っ!!』
 最後にそれだけの声を発すると、イシュターレイは上体を大きく反らして絶叫した。
(あ、あ…あぁ… そんな…)
 ぐったりと力が抜けたイシュターレイの機体。 その目から涙は流れないが、彼女は間違い無く泣いていた。
 アスパールを駆る男の笑い声が、周囲に響き渡る。
 ヘリから見下ろすテレビ局のカメラは、その一部始終を記録していた。
6620:03/12/26 19:07 ID:wK1TKh/t
(!?)
 突然、イシュターレイは奇妙な感覚に襲われた。
 今までの性感とは全く別のものだ。 自分が軽くなる様な、身体から魂だけが解き放たれる様な…。
 それが融合が解ける時の感覚だと思い出した時、既に智子=レイクリムゾンの肉体は再構成されて、地面に横たわっていた。
 イシュターレイの機体はというと、まるで大気に溶け込む様に消えていく。
『あ…!? な、なんだ!?』
 今まで拘束していた物体を急に失い、アスパールの触手が戸惑ったように動き回った。
 その視界に入らぬ様に、レイクリムゾンはアスパールの足元からフラフラと逃げ出す。
 身体が満足に動かない。 再構成された肉体には何の損傷も無く、左腕も全くの無傷だというのに。
 股間が濡れているのも感じた。 融合が解けた直後にそこから女の液が溢れ出てきている。
 その「融合が解ける感覚」すら、犯されて達した後の彼女にはさらなる追い打ちだったのだ。
(こんな、こんな…!)
 情けなくて、今度こそレイクリムゾン=智子は本当に涙を流していた。
 敵に捕まって、犯されて。 融合が解けた時にさえ感じてしまって。
 戦いの道を選んでから、これだけの屈辱を味わったのは初めてだった。
 だがその直後、目の前の地面に触手の先端が突き刺さり、彼女はさらに深い絶望に叩き込まれた。
『逃がしはしないぜ、お嬢ちゃん』
 恐る恐る振り向くと、向き直ったアスパールのカメラアイが一直線にレイクリムゾンを捉えていた。
 さらに何処に残っていたのか、蟻人間の生物兵器がわらわらと現れる。
『まあロボットレイプも面白かったが、やっぱり俺は生身がいいな』
「わああーーーーっ!!」
 レイクリムゾンは絶叫し、レーザーブレードを抜き放った。
 蟻型生物たちに突撃し、手当たり次第に斬り捨てる。
 しかし身体に力が入らぬまま反撃を受け、圧し掛かって来た蟻型生物に完全に取り押さえられてしまった。
「ようし、そのままにしてろ」
 アスパールの胸部にあるハッチが開き、そこから異星人の男が姿を現した。
 レイクリムゾンはただ震えるしかなかった。
6720:03/12/26 19:07 ID:wK1TKh/t
 だがその時、突如として幼い声が響いた。
「お姉ちゃんに触るなーっ!」
 凄まじい風切り音と共に閃光が走り、レイクリムゾンを取り押さえていた蟻型生物が弾け飛ぶ。
「なにっ!?」
 眼前で繰り広げられる光景に、男が驚愕の声をあげた。
 小さな身体を純白の装甲で包んだ乱入者は、光のリボンを鞭のように振るい、蟻型生物を薙ぎ倒していく。
「お姉ちゃん、大丈夫!?」
「あ、あ…」
 白き戦士は力無く座り込むレイクリムゾンに駆け寄る。
「レイサラテリー! ちっ、今になって現れるとは!」
 男は再びコクピットのハッチを閉め、アスパールを動かした。
『勿体無いが、二人まとめて叩き潰してやる』
 大量の触手が蛇の口を開け、二人の少女に迫り来る。
 しかしレイサラテリーはクリムゾンの身体を抱え、触手の攻撃を素早く回避しながら建物の影に隠れた。
『逃がすか!』
 レーザーで建物ごと吹き飛ばそうと、触手の先端に光が灯る。 しかし──
『それはこちらの台詞ですよ』
 やけに落ち付いたその声にぎょっとして、男はアスパールを振り向かせた。
 そこに立っているのは、ビームライフルを構えた青色の女性型ロボット。
『ヴィーザルレイ…!』
『イシュターレイに酷いことをしてくれましたね。 …絶対に、許しません』
6820:03/12/26 19:08 ID:wK1TKh/t
 全ては短時間で終わった。
 三人の中で最強の戦闘力を誇るヴィーザルレイにかかっては、アスパールも敵ではなかった。
 ビームライフルで全ての触手を破壊され、胸部から放たれる「アルカナ・フラッシュ」の閃光を浴びてアスパールは塵と化した。

「大丈夫ですか、智子さん」
 融合を解いたレイセルリアンは、心配そうにクリムゾンに話しかける。
「うん、大丈夫…」
 クリムゾンは気丈に微笑んだ。
 仲間に心配をかけまいとしたが、本人の意思に反して、端から見れば無理をしているのは明らかだった。
「ごめんなさい、地下に建造されていたプラントを破壊するのに手間取って…」
「ごめんねお姉ちゃん、捕まってた人もね、助けなきゃいけなかったから」
「良かった、そっちは上手くいったのね。 私は大丈夫、そんなに大したことはされてないから」
 大したことは無いのだ、と自分に言い聞かせる。
 触手で好きに弄ばれたのはイシュターレイの機体であって、天木智子が生まれ持った肉体とは別なのだから。
(そう、大丈夫よ。 すぐに忘れられる…)

 その日の夕方、ニュース番組ではイシュターレイとアスパールが戦っている映像が放送された。
 特にイシュターレイが触手に絡め取られている場面は、何か意図を探りたくなる程にしつこく繰り返されている。
 テレビ画面を見ながら、智子は自分のそこが熱くなるのを感じていた。
6920:03/12/26 19:10 ID:wK1TKh/t
これで終わりです
なんか全体の尺の割に陵辱シーンが短いかも…
感想キボンヌ
70名無しさん@ピンキー:03/12/26 19:46 ID:i2C+OAUN
>>20
グッジョブ!
71名無しさん@ピンキー:03/12/26 20:07 ID:TUkFDuHf
>69
72名無しさん@ピンキー:03/12/27 11:30 ID:vcAN/ePb
>>20
乙です。
73名無しさん@ピンキー:03/12/28 11:49 ID:L6Zt7tfY
>>20
GJですた。
>>56
ふたなりヒロインよんでみたいっす。
74書き捨て:03/12/30 01:09 ID:nm9ojPi9
続きなり。
 
タオの超重ロボは、高性能の縮退炉を備えた特別性である。その高出力によってドクター・グランドル発明の転送装置を作動させ、タオは4体のロボを一気にアジト内の格納庫に瞬間移動させた。
 帰還したタオはエクセル・ヴィーナスとエクセル・ラクシュに装着した首輪メカから催眠ガスをコクピット内に満たし、美奈子と留華の意識を失わせてしまった。
 タオはそこまでの処置を自ら行った後、ルナに見張りと点検整備を命じて洗脳の準備のためにその場を離れた。
 ルナは一旦格納庫に付随するメンテルームに移動し、コンソールから整備用ロボットに作業の手順を命令していった。整備ロボット達はまず超重ロボにとりつき、点検とメンテナンスを始める。
 このアジトには、ルナが捕らわれた頃には10数人の部下がいたのだが、ここ数日で全員がどこかに移動したらしく、今ではルナとタオしかいない。日常の作業などは全て自動化されているので、ここは基本的にはタオ一人でも稼働できるようになっていた。
 作業が始まると、ルナはアルテミスのコックピットに戻る。何か事故やアクシデントに対して、例えば美奈子達が目覚めて暴れだそうとしたときなどに、もっとも安全で強力な対応ができるからだ。
 とはいえ、モニタの情報を見る限り美奈子達は意識を失ったままのようだし、整備ロボットが事故を起こす可能性はほとんど無い。
 
75書き捨て:03/12/30 01:10 ID:nm9ojPi9
やがてルナは、捕らえた美奈子達がどのように洗脳されるかに思いを巡らし始めた。
(ルナ、今日は活躍したなぁ。えへぇ、タオ様ご褒美くれないかな?
 例えば、美奈子姉様を…あたしのモノにしてくれるとか?)
 かつては姉のように慕った美奈子を洗脳し、自分のペットにして服従させるという考えに、ルナはすっかり興奮してしまう。
 もはやルナにとって愛を捧げるべき存在はタオ以外にない。美奈子に抱いていた愛情は、洗脳によってゆがんだルナの思考のなかで、自らが彼女をペットにして辱める、という発想に結びつく。
(そぉ…美奈子姉様…ううん…美奈子を、あたしのペットにするの!)
 今のルナの脳の中では、ペットにされて支配され、辱められることは最高の幸せとイコールで結ばれているので、これは美奈子を自らの手で愛しみ、幸せにしてやる行為そのものである。
 もっとも、ルナは美奈子が自分より遙かに美しいと思っているので、タオが美奈子をペットにすると美奈子に惹かれてしまって自分が寵愛を失うのではないかという思考が裏で働いているかもしれない。
 周囲の人間から見れば、美奈子はしとやかな中に芯の強さを秘めた美女といった風情なのに対して、ルナはやや幼げながら気だてが良く元気はつらつとした美少女であり、どちらを取るかは好みの問題と言えた。
 身体に関しては、確かに美奈子の方が胸も尻も豊かで、その発育度は年齢による差以上に開いているが、ルナも可憐さと健康美を兼ね備えた、十分以上に美しい肢体を持っている。
76書き捨て:03/12/30 01:12 ID:nm9ojPi9
(ん、ふ…美奈子を、あたしが自分で洗脳しちゃうのぉ…)
 ルナはいつの間にか手を胸と股間に這わせていた。服の上からやわやわと刺激しながら、美奈子を洗脳した後のことに想像の羽を広げ始めている。
(美奈子が目を覚ましたら…)
 想像の中で、ルナは美奈子に声をかける。目を閉じ、美奈子の答えを想像する。
「気分はどう?美奈子」
「はい、ルナ様。最高の気分です」
 もはやルナは見張りの役目を放棄し、妄想オナニーにのめり込んでいく。パイロットスーツのファスナーを開けて手を中に入れ、敏感な部分を直接刺激し始めていた。
(あたしは立って…美奈子を見下ろすの。美奈子は洗脳装置の上に寝ていて…)
「ふうん?自分がどうなっちゃったか、分かってるんでしょ?」
「はい。美奈子はルナ様の所有物になりました。ルナ様のペットとして精一杯お仕えします。どうぞ美奈子に何なりとご命令なさってください」
 ルナの想像の中で、美奈子は完全に洗脳されルナの家畜になり果てている。
「あは!そうなの。美奈子はルナのペットになったのよねぇ。
 でね、ルナはタオ様のメス犬、家畜なのよね。
 だから美奈子は家畜のそのまた家畜なの!
 凄いわよね、今の美奈子って。メス犬よりも下等なイキモノだなんて」
「はい、美奈子は家畜の家畜、下等で卑しい獣以下のメスです。
 美奈子に相応しい身分ですわ。」
77書き捨て:03/12/30 01:16 ID:nm9ojPi9
(美奈子は…答えにながらうっとりして…とっても嬉しそうで…)
 ルナの妄想世界で、美奈子は洗脳装置を降り、床に這いつくばる。その表情は本当に幸福そうで、それまでの美奈子には常にどこかに感じられた憂いが完全に消え去っている。
「ぁはは。ねぇ、美奈子、人間だったときよりもずっと幸せそうな顔してるよ?」
「はい。美奈子はこんなに幸せな気分になったのは生まれて初めてです。
 今までの自分が偽者だった事がはっきり分かりました。今の美奈子が本物の永礼美奈子なんです。
 美奈子はメスです。下等で、淫らで、卑しいメスですわ」
 美奈子は答えながら身体をくねらせ、尻を振る。這ったままの顔はまっすぐにルナを見つめていた。
「んふふぅ、本物の美奈子は淫乱なんだぁ」
 ルナのわざとらしいからかいにも、美奈子は素直に頷いてにっこりと笑った。その顔は上気して、とびきりの美酒に酔ったようにほころんでいる。
「はい、美奈子は淫乱です。こうしてルナ様の前に這っているだけで、いやらしく感じちゃって、お股が熱くなっているんですよ。
 乳首もぴんって立っちゃって、スーツにこすれて気持ち良いんです」
「うんうん、乳首立っちゃうとスーツに当たって良い感じよねぇ。
 でも、美奈子は下等生物なんだから。服なんか着る資格はないでしょ?全部脱いじゃいなさい」
「はい、ルナ様。申し訳ありませんでした。美奈子は下等生物らしく裸になります」
 美奈子はルナの命令にいそいそと従い、服を脱ぎ捨てていく。その動作には全くためらいも恥じらいもない。
 むしろ喜々として全裸になると、再びルナの前に膝を屈した。
78書き捨て:03/12/30 01:18 ID:nm9ojPi9
「これでよろしいでしょうか?ルナ様」
 美奈子は、どちらかといえば小柄だが、小顔で胸も尻も十二分に張っているので、全体のプロポーションはむしろグラマラスだ。4分の1東欧系の血が入っているためか、目鼻立ちがはっきりしていて軽いウェーブがかかった栗色の髪をしている。
 他人から見れば贅沢な悩みだが、本人は大和撫子が理想なので、顔立ちはともかく髪にはコンプレックスがあった。
 ルナはこれも取りなさい、と美奈子のポニーテールにしていた髪からゴムバンドを取ってしまう。艶のある栗色の髪がふわりと広がって肩まで垂れた。
「うん、やっぱりこっちの方が美奈子は綺麗よぉ。なんか、いやらしい感じで」
 ルナが褒めながら揶揄する。美奈子はしどけなく垂らした髪を揺らして嬉しげに笑った。
「はい。ありがとうございますルナ様。
 うふ、おっしゃるとおり美奈子はいやらしいメスです。
 ご覧ください。ほら、もうこんなにお股が濡れています」
 美奈子はかかとを上げてしゃがみ、手を後ろについて膝をがばっと割り開く。そのまま腰を持ち上げて、愛液できらきらと光る股間を余すところ無く晒して見せた。
 ルナを見上げる瞳まで色欲に濡れて光り、眉根も、頬も、口元もうっとりとゆるんで、嬉しげな笑いを浮かべている。それは、知性も理性も放棄した、真にメスの表情だった。
「うわぁ、美奈子ったらもうこんなに濡らしちゃって…ホントにドスケベだったのね」
 美奈子を見下ろすルナもまた、満面に淫らな微笑みを浮かべていた。
「はい、美奈子はどすけべです。いやらしいことしか考えられないんです」
 ルナが笑って靴先で美奈子の股間をつつくと、美奈子は真性の色情狂に相応しく、嬉しげに身をくねらせた。さらに自分からクリトリスを靴先に擦りつけようと腰を振り立てることまでするのだ。
「ぁはは、こら。美奈子ったらぁ。誰が気持ちよくなって良いって言ったの?勝手な事をする子にはお仕置きよ!」
79書き捨て:03/12/30 01:19 ID:nm9ojPi9
 ルナは美奈子に尻を高く掲げるように命令する。即座に従う美奈子。ルナは差し出された美奈子の豊かな美尻に向かって、掌を振り下ろしていく。
「そらっ!勝手にいたずらする悪い子には、おしりペンペンの刑よぉ。20回たたくから、数えていなさい」
「あっはいっ!ああっ、申し訳ありません!
 いちっ!あう、あ、にっ!う、さんっ!」
 ルナの手が振り下ろされるたびに、小気味良い音が美奈子の桃のような尻の上で響く。美奈子は全く逆らうことなく、ルナの仕置きを受けていた。
 数を数える合間に尻を叩かれる事に感謝し、ルナに礼まで言う。
「あっ!、きゅうっ、あ、ありがとうございますっ。じゅうっ、お、お仕置きいただいてうれしいですっ」
(素直!美奈子ってば可愛いよぉ!この後どんなことさせて遊ぼうかなぁ…
 あたしのお股舐めてもらおうかな?ううん、それは後のお楽しみでぇ。
 お手とか、ちんちんとか、犬の芸を仕込もうかな?ただのお手じゃつまんないから、ちんちんをいやらしくさせちゃうとか。
 あ!言葉をもっと下品にさせちゃおう。今までの美奈子だったら絶対に言わないようなコトを言わせて。うふぅ、楽しみぃ)
 妄想はふくらんでいき、ルナの閉じた瞼の裏で、美奈子はルナの命じるままに、正気すら投げ出した痴態を晒す。
 いつの間にかルナも全裸になり、美奈子に命じた卑語を自分でも口走りながら、絶頂へと駆け上がっていった。
「あはぁぁ、おまんこ、おまんこきもちいいいのぉ!
 あぁ、おまんこいくのっ!
 いくぅぅ!おまんこいっくぅぅぅ!!!」
 ルナはあごを上げ、びくびくと跳ねるように身を反り返して達した。
「…ぁふ…おまん、こぉ…」
 胸も股間も丸出しのままシートにぐったりと身を沈め、至福の笑みを浮かべるルナ。絶頂の余韻に浸るその顔は、想像の中の美奈子と同じ、メスの顔だった。
80書き捨て:03/12/30 01:21 ID:nm9ojPi9
 江留華は洗脳装置の上で目覚めた。目を開け、周囲を確認すると次に自分の身体をチェックする。
 パイロットスーツを着たままだ。意識を失っている間にはぎ取られたり、陵辱を受けた様子はないし、そういう記憶もない。拘束はされていないので、自由に動ける。
 身体を起こして、傍らに立っている人物を見やる。永礼美奈子だ。
 美奈子もパイロットスーツ姿で立っている。首には一部機械が取り付けられたような皮の首輪をつけていた。
 美奈子が声をかけてくる。
「大丈夫ですか、留華さん。気分が悪い様なことはないですか?」
 留華は美奈子に頷く。留華は美奈子より少し背が高く、すらりとした印象のプロポーションだが、実は胸のサイズも一番大きい。
 美奈子を安心させるように大きく頷くと、パイロットスーツの胸の部分もわずかに揺れた。
「大丈夫。やるべき事は分かっている」
 美奈子は頷き返すと、自分がしているのと同じ首輪を留華に差し出す。
「これは、エクセリオンズのコクピットのキーになっています。これをつけていれば、エクセリオンズのプロテクトが外れて、操縦できるようになります」
 美奈子の説明を聞き、留華はまた頷いて、美奈子に告げる。
「じゃ、つけて」
 美奈子ははい、と返事して首輪を留華の首に回していく。かちりと音を立てて、留華にも首輪が装着された。
 留華は洗脳装置を降りて、再び周囲を見回す。目的のものは部屋の隅にあった。
 壁に取り付けられたエマージェンシーセットのケース。留華は大股でケースに歩み寄ると、気合いと共に蹴りを繰り出した。
「やっ!」
 中国拳法の蹴りでケースのカバーを打ち割ると。中から斧と、レーザー切断機を取り出す。レーザー切断機を美奈子に投げ渡して、自分は斧を構えた。
 美奈子ははい、と返事して首輪を留華の首に回していく。かちりと音を立てて、留華にも首輪が装着された。
「やっ!」
 中国拳法の蹴りでケースのカバーを打ち割ると。中から斧と、レーザー切断機を取り出す。レーザー切断機を美奈子に投げ渡して、自分は斧を構えた。
「やっ!」
 留華は気合いと共に斧を振り下ろす。振り下ろした先には洗脳装置と制御用コンピュータをつなぐケーブルがある。ケーブルはかるい火花を散らして、一撃で切断される
81書き捨て:03/12/30 01:27 ID:nm9ojPi9
「美奈子、制御装置をレーザーで壊して」
「はい」
 美奈子が留華の指示をうけて、レーザー切断機を制御用コンピュータに向ける。中枢部に見当をつけて、レーザーで機械本体ごと切断していった。
 留華はその間に、洗脳装置本体のヘッドセットを斧で破壊していく。デリケートな電子機器は斧の一撃で簡単に使用不能になった。
「メモリが分かるなら焼いてしまうんだ」
「はい、この辺だと思います」
 美奈子はレーザー切断機で制御装置の内部を焼いていく。ハンディタイプのため、バッテリーはものの2、3分で上がってしまったが、煙を上げる制御装置は明らかに使い物にならないほど壊れていた。
 留華は更に止めとばかりに電源部に斧を叩きつける。火花が散り、一瞬で発火した。留華は感電を避けて飛びすさり、美奈子をかばって待避する。
「よし、行こう。ルナはどこ?」
「格納庫です。こっちです」
「うん、案内して」
 美奈子が先導し、二人は格納庫へ移動した。
「こっちよ!二人とも
 エクセリオンズは動かせるよぉ」
 二人を出迎えたルナはそう言って背後を指し示した。ルナもまた、二人と同じような首輪をつけていた。
 二人に話しかけるルナの声は普段と変わらない軽いものだが、表情は真剣と言っていいほど真面目だ。
「アルテミスには転送装置がつけてあるの。もう座標も入力してあるから、3体で脱出して基地に帰れるよ。
 ただ、アルテミスの光流機関だけじゃ3体分の転送にはちょっと足りないから、ヴィーナスとラクシュのも接続しないと。
 必殺技を使うのと同じにすれば余裕で大丈夫」
 ルナの説明に頷く二人。流華が口を開く。
「転送前に威力を押さえたレインボー・ストリームを使う。美奈子は両方成功させる出力を割り出して。ルナ、メインデータバンクのある司令室の位置は分かる?」
 流華の言葉に美奈子ははい、と頷く。ルナも頷いて肩越しに斜め上の方を指さした。
「アルテミスのメモリに配置図が入ってるから、見れば分かるよ。でもたしかあっちの方だったと思う。縮退炉は1キロ地下だから影響は出ないはず」
 流華は二人を見ながら頷き返すと、エクセリオンズを振り返りながら告げた。
「よし、じゃ始めよう。ここを破壊して脱出するんだ」
82書き捨て:03/12/30 01:29 ID:nm9ojPi9
ここまで。

ラストシーンは元旦前後になりそうな気配。
なので、とりあえず。

良いお年を。
83名無しさん@ピンキー:03/12/30 01:38 ID:lR4rts1I
リアルタイム遭遇。

毎度毎度、激しくGJ!!
ここに来て予想を裏切る展開ですな。
ラストが楽しみです。

来年もどうぞよろしく。良いお年を。
84名無しさん@ピンキー:04/01/01 01:19 ID:7zEswmxw
あけまして保守。
85名無しさん@ピンキー:04/01/03 00:48 ID:a2GrYT7+
よーし職人さん光臨を期待してageちゃうぞー
86名無しさん@ピンキー:04/01/03 02:23 ID:6gi+/DWL
あけまして、というか前からROMってました。

>>書き捨て氏
おおおスゲー!
「ヒロインが洗脳で墜とされる→洗脳後は価値観が書き換わる」というのが
まさに俺ツボでグーです。
さらには後半がなんとも気になる描写ですね。
ラストシーンのアップ、楽しみに待ってます。

>>20
こっちもスゴい!
たしかに女ダグオンなカンジですね。でも、そこがイイ!!
まだヒロインひとり目なので、この後の展開が楽しみです。

なんだか刺激されまくっちゃったので
自分もなにか書いてみたいなぁ…と思いはじめてます。
おふたりほどちゃんとした文章にはならないでしょうが、
そのときはよろしくお願いします。
87書き捨て:04/01/03 02:52 ID:uU3FCrEx
続き、の前に。
>80の貼り付けミスについて。申し訳ない。
一応、該当部の元というか修正版を以下に。

 美奈子ははい、と返事して首輪を留華の首に回していく。かちりと音を立てて、留華にも首輪が装着された。
 留華は洗脳装置を降りて、再び周囲を見回す。目的のものは部屋の隅にあった。
 壁に取り付けられたエマージェンシーセットのケース。留華は大股でケースに歩み寄ると、気合いと共に蹴りを繰り出した。
「やっ!」
 中国拳法の蹴りでケースのカバーを打ち割ると。中から斧と、レーザー切断機を取り出す。レーザー切断機を美奈子に投げ渡して、自分は斧を構えた。
「ァイヤー!」
 留華は気合いと共に斧を振り下ろす。振り下ろした先には洗脳装置と制御用コンピュータをつなぐケーブルがある。ケーブルはかるい火花を散らして、一撃で切断された。
88書き捨て:04/01/03 02:55 ID:uU3FCrEx
改めて 続き。

 転送装置は完璧に作動した。
 エクセリオンズの3体のロボは、抱き合うような格好でエクセリオンズ秘密基地内の整備場に転移を完了する。
3体のロボのパワーを集めて使う必殺技「レインボーストリーム」を使うには、本来は手をつなぐのだが、アルテミスには両手がないので、他の2体が手をつなぎ、アルテミスを抱くような格好になっていた。
このポーズで、3体はタオのアジトの指令中枢を破壊し、転移装置を作動させて瞬間移動を成功させた。

「転送完了!帰還プログラム終了。
 美奈子、流華、ベースプログラムに戻って。
 格納姿勢はエロいポーズにしなきゃ駄目よ!」
 転送装置の作動確認を終えたルナがそう宣言すると、美奈子と流華の表情が変わった。美奈子はふわり、と淫靡な微笑みを浮かべ、流華は表情を失って人形のような顔になる。 
 美奈子も、流華も、タオのアジトで眠らされた後に洗脳装置にかけられ、完全に洗脳された。2人には洗脳処置だけでなく、後催眠暗示も埋め込まれていた。
 タオは、洗脳処置を2人に施した後、秘密の計画のためにアジトを離れていた。アジトの破壊もその計画の一部であった。後催眠暗示によって、美奈子と流華はアジトの破壊を実行したのだ。
 ルナの言葉は、特に流華の、帰還作戦中の自立的な人格を消去するためのものだった。
89書き捨て:04/01/03 02:56 ID:uU3FCrEx
「帰還プログラム終了、ベースプログラム了解。」
 流華がルナの言葉を復唱すると、その瞳から意志の光が消えた。やや呆けたような、人形の様な表情になる。
 流華は、帰還作戦で主導的な役割を果たす必要があったため、ルナではなく朱鷺美に従属するよう洗脳されていた。
「はい、ルナ様。美奈子は下等生物に戻ります。」
 美奈子はルナの言葉に喜々として頷いた。結局美奈子はルナの希望通り、ルナに従属するマゾ家畜に洗脳されていた。
 これらは、洗脳後タオがすぐに命令を与えるなど新しい人格を強化する行動を取らせることができないための暫定的処置でもあった。
 ルナがこうしてことさらに惨めな行動を取ったり取らせたりしているのも洗脳強化プログラムの一環である。
 朱鷺美の改良した洗脳装置であっても、以前の自分を脳内から完全に消し去ることはできない。そこで、支配されているという事実を常に確認して、以前の自分とは違う人格を定着させる必要があった。
 それによって洗脳が解けないようにするというもので、朱鷺美が加えた改良点の一つだった。
90書き捨て:04/01/03 02:58 ID:uU3FCrEx
 重なり合った3体のロボは、格納姿勢を取るために離れる。
 アルテミスは短い四肢で這いつくばり、顔と尻を上げたメス犬のポーズ。
 ヴィーナスは尻を床について股をVの字に開き、手を後ろについて身体を支えるご開帳ポーズを取った。
 ラクシュは股を開いて尻を床につき、ヴィーナスとは逆に身体を前に倒す土下座のポーズだ。
 それぞれに惨めな格好で停止したロボから、3人は降りてコントロールルームに向かう。そこで朱鷺美が美奈を迎えた。
「お帰りなさい」
「ぁはっ、ただいまぁ、朱鷺美さん!」
「ただいま戻りました…朱鷺美様」
「戻りました。朱鷺美様」
「ねぇ朱鷺美さん、洗脳装置はもうできてる?」
 軽く言ってくるルナ。朱鷺美は手を振ってたしなめる。
「無茶言うんじゃないわよ。いくら何でもそんなすぐにできるわけないでしょ!」
「そうだけどぉ、早く美奈子を再調整したかったのにぃ。
 ねぇ、美奈子」
「はぃルナ様、美奈子も早く調整していただいて、もっともっと卑しくなりたいです」
 ルナは美奈子まで巻き込んで急かす。美奈子が異を唱えるはずもない。
「はいはい、分かってるわよ。でもホントは流華の方を先にしたいんだけどね」
 朱鷺美は嘆息する。実際流華の洗脳は不安定なもので、再調整を急ぐ必要はあるのだ。流華もそれを裏付ける申告をする。
「はい朱鷺美様、アタシも早く調整してもらいたいです。今の感じはちょっと、中途半端で」
91書き捨て:04/01/03 02:59 ID:uU3FCrEx
「うん、急いで完成させるから、みんな手伝ってね。
 その前に、現状を説明するわ」
 朱鷺美は3人に椅子に座るように促すが、美奈子がためらいを見せた。
「……ん。美奈子、どうしたの?」
「あの、服を脱ぎたくて……ルナ様、お許しいただけますか?」
「あはぁ、いいよ。素っ裸になって、おしりを朱鷺美さんの方に向けて這いつくばりなさい」
 美奈子の洗脳調整は、ルナの趣味が入った結果、相当な深度で家畜化が進んでいるようだった。朱鷺美はそんな美奈子を見て、胸に妖しいものがざわめくのを感じる。
「はい。ありがとうございます。」
 美奈子は嬉しそうにパイロットスーツを脱いだ。首輪だけの全裸になると、朱鷺美に背を向けてルナの足下に這いつくばり、尻を掲げて股間を晒す。
 ルナが軽く頭を踏んでやると、美奈子は嬉しそうに鼻を鳴らした。
「じゃ、現状を確認するわね。
 私たちは、完全に敗北しました。
 私たちはタプロフェッサー・タオ様の洗脳を受けて…というか、最終的には私自身がやったんだけど、とにかく洗脳によってタオ様にお仕えする忠実な下僕になりました」
「今はこの基地も、光流力エネルギーの秘密も全て、当然タオ様のモノです。エクセリオンズもタオ様のご支配の元にあります、もう世界の平和を守る正義のロボット軍団じゃないわね」
「今はメス犬ロボ軍団エクセリオンズだもんねぇ」
「そうね。で、ここで問題。
 私たちはタオ様の僕。じゃ、エクセリオンズも超重ロボ軍団の所有物なのか?」
 朱鷺美は講義口調で課題を与える。
「あれっ?そうじゃないの?」
「タオ様がドクターGの超重ロボ軍団の幹部なら、そうなのでは」
 ルナが素で即答し、留華も支配者の問いに律儀に回答した。
「そこよ……ってもったいつけても仕方ないわね。
 実はそうじゃなくなるの」
 朱鷺美はそこで言葉を切る。そう聞いて、美奈子もルナも、3人とも無言で頷いた。予め予測していたわけではないが、そう聞いても意外ではない。
 タオという男について事前に知っていた情報からしても、洗脳前後に知った範囲の人となりも、他人の部下で終わることを良しとしない印象はあったからだ。
92書き捨て:04/01/03 03:00 ID:uU3FCrEx
「タオ様はドクター・グランドルを倒し、最終的にご自身が世界の支配者になることを望んでいるの。
 私たちは、その目標の実現のためにタオ様にお仕えすることになります。分かった?」 3人は再度頷く。
「じゃ、あたし達はまた超重ロボと戦うんだぁ」
 ルナの言葉に頷くと、朱鷺美は掲げられた美奈子の尻を撫でながら、自らに告げるように言う。
「そうよ、今度は正義のためじゃなく、世界征服のために、悪のためにね」
 尻を撫でられた美奈子は、嬉しげに身体をくねらせた。
「あぁ…美奈子は下等な家畜として、悪のために戦うのですね」
「流華は…奴隷として、悪のために戦う」
 流華は朱鷺美の言葉を反すうするようにつぶやく。ルナは、美奈子の頭を撫でてやりながら、それを繰り返した。
「ぁはっ、ルナはメス犬として、悪のために戦うんだぁ」
 4人は口々に自分の境遇を確認した。それだけで股間が熱くなるように、皆洗脳されている。そうして、雑談のように、彼女たちは自らを辱める言葉を紡いでいった。
「ねぇねぇ、ロボの名前も変えちゃわない?もっとメス犬らしい名前に」
「あー、それもいいかもね?うんと恥ずかしい名前にして、それを大声で叫ぶのって。
 どう?美奈子。」
「あぁ…はい、それ良いです。美奈子うんと恥ずかしいのにして叫びたいです」
 そう言う美奈子の顔は上気し、瞳は潤んでいた。その顔を見る朱鷺美も、他の皆も、一様に淫らな熱を瞳に宿していた。
93書き捨て:04/01/03 03:02 ID:uU3FCrEx
 約半月がたった頃、エクセリオンズ基地の司令室にタオの姿があった。
「指紋、声紋、網膜パターン登録完了。パスワードを入力してください……はい、完了しました。
 これでこの基地のシステムはタオ様を管理者として認識しました。
 エクセリオン基地は、タオ様のものです」
「その名称は変更しましょう。今日からここは、タオベースです」
「はい、では変更します。パスワードをここに……はい。名称変更しました。
 ここは、タオベース。タオ様の城です。」
 司令室は以前とだいぶ様変わりしていた。まず大きなテーブルが取り払われていた。椅子も一つしかない。
 タオはその、専用の椅子に座っている。朱鷺美はタオの傍らに立ってコンソールを操作していた。
 そして、エクセリオンズの3人、いや、3匹の家畜は床の上にひれ伏していた。3人とも首輪だけの裸であった。
「エクセリオンという名前も後で変えることにしよう。ロボの名も」
「あ、それなら私たちにもアイディアがありますので、後でご説明します。
 まずは、私たちにお言葉をください。
 正義の使者を気取ってタオ様に刃向かった身の程知らずのメス達に、どうぞ完全な勝利を宣言してください。その後私たちに改めて絶対服従を誓わせてください」
「そうだね。全員そろって、改めて服従を誓ってもらうのも良いね」
 タオの口調も、それまでの慇懃無礼なものからややぞんざいなものへと変わっていた。もはや朱鷺美達を己のものとして扱っている。
 そして、ひれ伏すエクセリオンズを前に、タオは勝利の演説を始める。
「改めて言っておくが、おまえ達は実によく戦ったよ。
 結果は私の完全な勝利に終わったが、これは決しておまえ達が実力で劣っていたからではない。
 光流力は夢のエネルギーだし、エクセリオンズはすばらしいロボだ。それをこの人数であれだけの運用をしたおまえ達の能力は、称賛に値するものだよ」
 主からの賛辞に、下僕となった4人は頬を染めて感激した。
94書き捨て:04/01/03 03:04 ID:uU3FCrEx
「だが、ドクター・グランドルもまた、ほぼ独力で超重軍団を作り上げた天才だ。
 特に縮退炉の実用化と物質転移装置の開発は歴史上で見ても偉業といえる。
 科学者としての私の能力などは、とうてい足下にも及ばない。
 だが、世界制服を成し遂げるための能力は別だ。
 私はおまえ達を下し、我がものとした。
 今や、光流力と実相寺博士が遺した全ての技術、そして超重軍団の科学力。私はそれら全てを使いこなせる。
 おまえ達を私の手足として、私はグランドルを倒し、世界を征服する。
 おまえ達はそのための道具だ。私に服従を誓い、私のために奉仕しなさい」 
 はい、と4人の声が合わさった。朱鷺美が立ち上がり、感激を示す様に、深々と一礼する。
「では改めて…私からご挨拶します」
 朱鷺美は改めてタオの前に跪く。
「私実相寺朱鷺美は、タオ様の忠実な僕として絶対の忠誠を永遠に捧げることを誓います。 
 これからは光流力はもちろん、父と私の研究成果の全てがタオ様のものです。どうぞご存分に役立ててください。
 そして、もちろん私自身も…タオ様の思いのままに使ってください。どんなご命令にも従います」
 ルナは四つんばいで尻を振りながら宣言する。
「ぁはっ!流石ルナは、人権も人格も放棄したメス犬として、タオ様に全てを捧げてご奉仕することを誓います。
 これからは、メス犬ロボ・エクセリオンズのリーダーとして精一杯がんぱります」
 美奈子はしゃがんで股を開く、ご開帳ポーズで宣言した。
「あん…私、どすけべな下等生物の、永礼美奈子は、メス犬ルナ様に従属するペットです。
 いつでもおまんこを濡らして発情している美奈子は、皆様のえっちなお楽しみにご奉仕すしたくてたまりません。どうか卑しいメスの美奈子を生きた性玩具として、お好きなように使ってください。お願いします」
 流華は土下座して誓いを述べた。
「流華はただの穴です。江留華は皆様の便器です。流華は、皆様のどんなご命令にも従います」
「どうしたんだ?」
 タオは、美奈子と流華の壊れぶりに目を見張った。
「ちょっと、やりすぎちゃいまして」
 朱鷺美はあっさりと答えてきた。タオはその表情の奥になにかを見た気がしたが、あえて深く追求するのは避けることにする。ただ、確認だけした。
「作戦や戦闘には使えるのか」
95書き捨て:04/01/03 03:07 ID:uU3FCrEx
「それは大丈夫です。ちょっと性的嗜好の調整で…変態にしすぎたみたいですが、日常生活は可能ですし、作戦は支障なくできます。ご奉仕の方は申し分ないですよ」
 朱鷺美の意図はおそらくタオへのサービスではなく、主の寵愛を受けるライバルを減らすことだろう。
 胸の大きい2人がたまたま後からの調整になり、最下級の奴隷にできる機会を得たため、誘惑に抗わなかった、というのが真相と見えた。タオとしては、特に問題とすべき事はなかった。
「では、せっかくだから早速変態2人を楽しむとしよう。美奈子、流華、きなさい。
 私から朱鷺美への褒美は今夜にするよ。今は、ルナとしていなさい。
 ルナ、朱鷺美に奉仕して、逝かせておやり」
「はぁいっ!ご主人様、お任せください」
 ルナが楽しそうに返事をして、朱鷺美の下半身にとりついた。
 美奈子と流華は、それぞれタオの前後から股ぐらに顔を突っ込んでいく。タオは、ズボンを下着ごと脱いでしまい、仁王立ちになって下僕の口唇奉仕を楽しんだ。
「これは、なかなか……凄いね。
 性奴隷としてのレベルも高いよ、おまえ達は」
 美奈子は心底嬉しそうに鼻を鳴らしながらタオのペニスをしゃぶり、流華はタオの尻穴に舌を入れてアナル舐めに没頭していた。
「それはもう……全員で訓練しました…から」
 ルナにクンニリングスされてあえぎながら、朱鷺美が律儀に説明する。
「ご主人様に、たぁっぷりと楽しんでいただけるように、あたしたちセックス奴隷の特訓をしたんですよぉ。
 どんな過激なプレイでも、お望みのままですからぁ、ご主人様。
 あたしたちを、うんと、弄んで楽しんでくださいね!」
 ルナが顔を上げて楽しそうに補足してくる。タオは思わず微苦笑を漏らした。
 こうして自ら己を貶めて行くことで、彼女たちはより深くタオに支配されていくのだ。タオ自身も4匹のメス奴隷達を常に辱め続ける必要がある。
 もちろんそれはタオにとっても望むところだった。
96書き捨て:04/01/03 03:08 ID:uU3FCrEx
 美奈子達の痴態と奉仕は極上の快楽を生み、タオはあっさり達してしまう。
「む…出すぞ」
 射精の瞬間、タオはペニスを美奈子の口から引き抜き、身体をよじって床にザーメンをまき散らした。美奈子が舌を伸ばして追いかけてくるのを、手で押しとどめる。
「さあ、全員で舐めとりなさい」
 タオの命令に、4匹のメスが群がり、床に飛び散った精液を舐め啜り出す。
 嬌声を上げ、至福の表情を浮かべて這いつくばる女達を眺めながら。
 タオは不意に、勝利を実感した。
97書き捨て:04/01/03 03:13 ID:uU3FCrEx
ここまでに。

気が向いたら、蛇足的エピローグを追加するかもしれないが。
本編は、これにて完。

レスをくださった皆様に感謝。

これからここに書かれていくであろう、敗北するヒロイン達に期待しつつ。
ひとまず、さらば。
98名無しさん@ピンキー:04/01/03 08:27 ID:rtpRylx2
ヽ(´∀`)ノオツカレー
素晴らしいものをありがとう
99 :04/01/03 10:19 ID:q1eyM1X+
ありがたやありがたや
100名無しさん@ピンキー:04/01/03 18:23 ID:Fw32Kxqr
100get
101名無しさん@ピンキー:04/01/03 23:30 ID:E9hDKDum
書き捨てさん、また戻ってきてくれよな!
きっとだぜ!
102名無しさん@ピンキー:04/01/04 08:43 ID:LXBkZGb4
>>書き捨て氏
おおお!グッジョブです!
ここまで完全陥落させちゃうとは。
また戻ってくる日をお待ちしてます。

さて、自分もネタ考えたので投稿させてもらっていいかな?
負け方のバリエーション案で
 ●二正面作戦でせっかくの次善策がムダに
 ●その後公開処刑→大衆の面前で悪に忠誠を誓わせる
というカンジでいきたいのですが、どうでしょう?
103名無しさん@ピンキー:04/01/04 22:12 ID:FW5DttoW
>>102
まずは書いてみたらいがかだろうか?
104書き捨て:04/01/05 00:30 ID:equb0vf4
蛇足的 エピローグぽいもの

「わぅんっ!耳ビーム!」
 元はエクセル・アルテミスという名だったロボの犬耳から光線が発射され、巨大な敵ロボに命中する。しかし、敵の超重ロボの装甲は厚い上に何かの処理が施されているらしく、ビームは装甲表面で弾かれてしまう。
 元は小柄な少女の姿を模していたロボは、今では肘と膝から先を切り取った姿で、頭には犬の耳をつけ、首輪と、尻に尻尾のような棒状メカまで装着したメス犬少女型ロボへと変貌していた。
「ぁんっ!また装甲硬くなってるー!
 硬いのはご主人様のおちんちん様だけでいいのっ!
 美奈子、ビームクロスボウで足止め!留華、バックスタブ行くよっ!」
 自称もメス犬美少女の流石ルナが叫ぶ。叫びながら這いつくばったメス犬の動きで機敏に敵の反撃をかわしていく。
 ルナの声に、永礼美奈子と江留華、2人の美女がはい、と頷く。2人の操るロボも元は美女型のロボであったが、改造されて無惨な姿を晒している。
 美奈子の元エクセル・ヴィーナスというロボは、膝から下を失っていた。射撃タイプのロボなので、腕は武器を操るために残された。そして、本来なだらかな美しいラインを持っていたボディにも恥辱改造が施されていた。
 首輪はもちろんついている。胸の部分のふくらみがどぎつく飛び出す巨乳にされ、尻のボリュームも増やされて下品なボディラインにされた。股間の恥丘部に唇状のフレームがつけられてぽっこりと脹らみ、そのスリットの中に穴が開いて、武器の発射口になっている。
口にも大きなコネクターが設けられていて開口する。そして乳首部にも武器の発射口が設置された。
 かつて美の化身の名をつけられたロボは、今では安手のダッチワイフのような下品でいやらしいボディに堕しめられていた。
「ラビア、ビームクロスボウ!」
 美奈子が叫び、腕に取り付けられたクロスボウ状の武器から収束ビームが放たれる。超重ロボの足下に当たり、その動きを止める。
「その調子!ラビアは連射!
 アヌスはこっちへ!」
 ルナは美奈子のロボをラビアと、留華のロボをアヌスと呼び、犬のダッシュでそのラビアの背後へ回る。
「了解」
105書き捨て:04/01/05 00:32 ID:equb0vf4
 アヌスと呼ばれた、元はエクセル・ラクシュの名を持っていた留華のロボは格闘戦タイプだったため、手足全てがそのまま残った。一旦破壊された足も修復された。
 プロポーションもほとんど変更されなかった。変更点は首輪と、股間にあった。
 細身の女性型ロボのボディはそのままに、股間のペニスの位置に長く猛々しいドリルを装着されたのだ。
 さらにペニスドリルの後ろ、尻穴の位置にコネクターの開口部が設けられていた。
 留華の操るふたなりロボは俊敏に走り、ダッチワイフロボ・ラビアの後ろでルナのメス犬ロボと接触する。
「いくよアヌス!敵の後ろ上方に!
 Eパック接続!クリトリス、転送装置作動!」
 ルナは自身のメス犬ロボをクリトリスと呼び、転送装置でアヌスを転移させる。
 留華のアヌスは一瞬で超重ロボの背後、空中に出現する。
「はいやぁっ!」
 空中からのキックが敵ロボの後腰に炸裂する。さすがにたまらず、敵は大地に倒れ伏す。
「ペニス・ドリル!」
 アヌスの股間のドリルが回り、フレキシブルケーブルが伸びた。敵ロボの膝関節に裏側から突き刺さり、破壊していく。
 一方ルナのクリトリスは、尻尾状のスティックをつかんでケーブルを引き出し、股間を通して前に出した。その前には、美奈子のラビアが這いつくばり、顔をクリトリスの股間に向けて突き出している。
クリトリスは、伸ばしたスティックを、ラビアの口の部分に開いたコネクタに接続した。
「美奈子、カントバスターいくよぉ!狙って!」
「はい、ルナ様。おまんこ砲照準します」
 美奈子は張って尻を高くかかげたポーズで、尻を敵ロボに向けて突き出す。
「立ち上がりざまよ。
 留華、離脱!」
「了解」
 留華のアヌスはドリルを引き、素早くその場を離れる。敵超重ロボが、壊れた片膝をついて身を起こす。
「いまよぉ…カントバスターエネルギー注入!」
「おまんこ砲発射準備完了。発射します」
106書き捨て:04/01/05 00:33 ID:equb0vf4
 クリトリスの尻尾からラビアの口へと、光流エネルギーがチャージされる。ラビアの内部でそれはラビア自身のものと合わせて増幅され、股間の発射装置へ流れていく。
「ん…いきます!おまんこ、イックゥ!」
 美奈子が叫んでトリガーボタンを押す。その瞬間、ラビアの突き出された女性器部分がまばゆく光り、収束した光の矢となって放たれた。
 その光の束は、敵の超重ロボの腹部装甲を貫き、大穴を開けた。爆発には至らないものの、行きロボは完全に機動を停止する。
「やったぁ!勝利!」
「うふ、美奈子、今日も逝けましたぁ」
「任務。完了しました」
 はしゃぐルナ達。流華がタオベースの朱鷺美に連絡を入れる。
「ご苦労様。今日も何とか勝てたわね。ご主人様もご満足よ。
 帰っていらっしゃい。」
 朱鷺美の声も明るい
「でも、超重ロボ、どんどん硬くなってきてて、もうすぐあたし達の武器じゃ止めさせなくなりそうですよぉ。
 今日だって、前のヤツなら真っ二つだったのに、穴だけだし」
 帰投準備をしながらルナがぼやいた。
「ええ、何とか間に合いそうよ。
 来週にはご主人様の超重光流ロボ・エレクチオンが完成できそうなの」
「ホント!やったぁ!
 これであたし達も、正式にエレクチオンズ・スレイブズって名乗れるぅ」
 ルナが手を叩き、美奈子達も嬉しげに頷き合う。
 エレクチオンとは、タオの超重ロボに光流機関を追加し、元々備わっていた縮退炉と合わせて脅威のパワーを持った新ロボに強化改造するプランであり、タオ専用の新型ロボの名であった。
 2つの超機関のマッチングに苦労していたのだが、どうやら目処が立ったのだ。
「予想以上に、超強力なものに仕上がりそうだ。
 みんなの手伝いがあれば、次の戦いは私も出られるだろう」
 割り込んだタオの声に、3匹のメス奴隷達は、「はい、喜んでご主人様」と唱和した。
 そして。
 エレクト・クリトリス。エレクト・ラビア。エレクト・アヌス。
 プロフェッサー・タオの3体の恥辱メス犬奴隷ロボは、肢体を淫らに絡ませあって、光流エネルギーを増幅させるモードに入った。
 転送装置で、彼らの支配者の待つ基地へと帰還するために。
107書き捨て:04/01/05 00:37 ID:equb0vf4
蛇足的エピローグ終了。
明らかにやりすぎなのだが。
書いてみたかった。ので、書いた。

これで、このネタでやってみたかったことは書いたので、
この話「エクセリオンズ」は完結。

おつきあいいただいてありがとう。
それでは。
108102:04/01/05 01:52 ID:ya9yGCg5
おおお、書き捨て氏、リビドー全開ですね!
お疲れさまです!

103氏のコメントもありますので、
さっそくいくつかアップさせていただきます。
109102:04/01/05 01:56 ID:ya9yGCg5
というわけでオレネタ。
オリジナリティ無いとかそういうのはご勘弁を。

『機電神ブラフマー1』

ブラフマー1(α);六郷 茜(ろくごう・あかね)
ブラフマー1(β);弘明寺 葵(ぐみょうじ・あおい)
アスラ軍団幹部・ヴリトラ
洗脳スパイ・大岡浅黄(おおおか・あさぎ)
研究所長・花月 菫(かげつ・すみれ)

(ここまでのあらすじ)
 地球に飛来した謎の隕石から発見された3つの光玉。
 研究の結果、それは知的生命の意思をエネルギーに変換する装置であると分かり、『カルマドライブ』と名づけられた。
 折しも同じころ、『アスラ軍団』と名乗る一団が全世界に対し戦線を布告。メカスレイブと呼ばれる攻撃兵器群の圧倒的な力の前に人類はギリギリの戦いを強いられていた。
 そして彼らは使いようによっては無限の力を行使できるカルマドライブを狙い、研究所の置かれている日本を攻撃し始める。
 対して研究所ではこれまでの研究成果を応用し、カルマドライブを動力源とする迎撃用ロボット兵器『ブラフマー1(α・β)』を建造、残るひとつを研究所の防御システムに組み込んだ。
 しかしブラフマー1を制御しきれるパイロットは現在のところたったふたりの女戦士だけ。
 はたして反撃のラッパは高らかに鳴り響くか?それとも敗北し絶望のエンディングを迎えるのか?

「二正面作戦」
(前回のあらすじ)
 攻防一体のブラフマー1と研究所。
 どちらかを完膚なきまでに戦闘不能にしても残るひとつの力が発動し、これまでのメカスレイブはすべて撃退されてきた。
 しかしある作戦時、大停電によって研究所の制御部が一時ダウンしたとき、戦闘不能に陥ったブラフマー1も本当に何もできなくなっていたことを、アスラ軍団の支配者ヴリトラは見抜いていた。
 すなわち、三つのカルマドライブ(なかんずく研究所のもの)をすべて同時に落とせば、彼ら最大の敵は排除できるのだ。
 そこでヴリトラは一計を案じる。
 洗脳したスパイを潜り込ませ、戦闘中に研究所のカルマドライブを停止させる。そのため事前に「奴隷収容所作戦」を実行、わざとブラフマー1に救出させた。
 かくして準備は整い、後は本作戦を決行するのみとなった…。
110機電神ブラフマー1:04/01/05 01:58 ID:ya9yGCg5
「緊急事態発生!オクトパス級メカスレイブ3機出現、ブラフマーチームは戦闘態勢に入ってください」
 けたたましく鳴るアラート音。
 研究所内はにわかに緊張感に包まれ、白衣に身をまとったスタッフはそれぞれ所定のコンソールに向かう。
『α号・茜、スタインバイOK』
『β号・葵、準備整いました』
「状況はブリーフィングのとおりよ。頼むわ」
『了解!!』
 ふたり同時に答えると同時に、巨人像を拘束していたクレーンが音を立ててはずれ、直後、カタパルトによって打ち出される。
 赤と青、ふたつの女神像。ブラフマー1と名づけられた、地球最強の兵器にして最後の防衛ラインだ。
 これまで何度も繰り返してきた出動シークエンスではある。
 しかし戦いへの恐怖と緊張、そして高揚感はいつでもはじめてのように感じる。茜も葵も、サブモニター越しに互いの表情を確認し、うなずきあう。
「…でも変ね。アスラ軍団がこうも単調な攻撃を仕掛けてくるなんて…」
 戦場に向けて飛び立った女神たちを見ながら、誰にも気づかれぬ小声で、花月博士がつぶやいた。
 齢三十でカルマドライブ研究の、そして地球防衛の責任者になった者の、あるいは第六感なのだろうか?
 そんなものじゃない、これは理由ある疑問だと、頭を振りながら不安げに彼女は飛行機雲だけが残る空を見つめていた。
111機電神ブラフマー1:04/01/05 02:01 ID:ya9yGCg5
 同じころ。
 基地内・カルマドライブ制御室の奥まった一角では、ふたりの女性が揉みあっていた。
「や、やめなさい大岡さん!離さないとどうなるか分かってるの!?」
「どうなるんですか?フフフ」
 両手を後ろ手にガッチリ締め上げながら、大岡と呼ばれた女は不敵に微笑む。
「次の定例会で、あなたを配置転換するよう言うわ」
「それは残念。だって、次なんてもう無いもの」
 唇の端を邪悪に吊り上げる大岡。片方の手の上には、小さく黒い物体が握られていた。
 彼女はそれを素早く、相手の首筋に打ち込む。
「一体なにを…あ、ああっ…」
 崩れ落ちる女性。それを冷ややかに、やや楽しそうな表情で見下ろす大岡。
「これであなたもヴリトラ様の下僕。さあ、立ちなさい」
 その言葉を合図に、倒れたはずの女性が背中から糸で引かれたように立ち上がる。
 顔を上げると、その額にはアスラ軍団の紋章、女陰と鉤爪の合わさったものが黒く刻み込まれていた。
 相対する大岡の額にも同じ紋様が浮かび上がっている。
「アナタに命令よ。アタシのロッカーにあるエナジーキャンセラーを制御室に設置しなさい」
「ハ…イ。わたしは、エナジー…キャンセラ…ーを、設置します」
「人手が足りないようなら、これを他の職員に取りつけて、手伝わせなさい」
 女の手に、先ほどの黒い物体…蜘蛛の形をしたアスラ軍団の催眠ユニットが握られる。
「ハ…イ。これを、他の職員に…とり、つけます」
「よろしい。ではさっそく行きなさい」
 腕を振り上げ、行動を促す。
「ハ…イ」
 フラフラと頼りなさそうな足取りで、女性は歩きだし、制御室から出ていった。
 それを確かめ、また笑みを浮かべる大岡。
 その瞳は、これから起きるであろう事態への淫らな期待に潤んでいた。
「ンフフ、あと数時間もすればココもヴリトラ様の淫宮になるのね…。ああん、もう待てないわぁっ」
 白衣の前をはだける。その下には何も着けていない。
 正確には、陰部にペニスバンド様のモノをつけ、胸の双丘には額と同様、淫らな紋章が刻み込まれ、首には大型犬に使うような黒く太い首輪が巻きついていた。
112機電神ブラフマー1:04/01/05 02:03 ID:ya9yGCg5
 破壊された都市で対峙するメカスレイブとブラフマー1。
 いつものように先攻せず、触手をゆらめかせているだけのメカスレイブたちの不気味さに、コクピット内のパイロットふたりは焦りを感じていた。
「このエロタコ、どういうつもりだ…」
「いつでも勝てる、とでも言いたそうですね」
 強気な言葉を出しているつもりでも、怖れが徐々に高まってくる。茜も葵もそれを充分に感じていた。
 触手のいやらしい動きを止めず、本体もフラフラと浮遊するかのごとく動く敵は立ち位置を定めない。
 ジリ、ジリ。
 後ずさりするブラフマー1。間合いは変わらないが、戦場は少しずつ移動している。
 互いに睨みあったまま、数分後。
「ええい、このままじゃどうにもならない。行くよ葵!」
「了解です。いざ!」
 決意を言葉に出すと、そのまま敢然と正面に向けて走り出す。
 ロボットという言葉からは想像もつかない軽やかな動きで肉薄、メカスレイブの眼前で予備動作なしで垂直に飛び上がる。
 これまで多くの敵を屠ってきた必殺のアクションだ。
「グラビティ・シュート!」
 高空から位置エネルギーとカルマドライブによって発せられたプラズマ火球を叩きつける、強烈な飛び蹴りが決まった
 …はずだったが、
「な、そんな?」
 三体のメカスレイブはついに立ち位置を固定、その触手を交差させバリアを作り出していた。
 ドウゥゥゥンッ!!
 はじき返される火球、ブラフマー1本体もその光の壁に阻まれ、あえなく背中から落下する。
「アウッ…んっ!!」
「ヒッ!!」
 情けない声をあげるふたり。
 カルマドライブ制御の副作用としてパイロットにフィードバックされるロボット本体の衝撃、すなわち痛みが全身を鋭く貫く。
 バリアを解除したメカスレイブが、動けないふたりにゆるゆるとにじり寄ってくる。
 その緩慢な動作は傍目から見ても嫌悪感を催すに充分だ。
「ンクッ…や、やるしかないよね」
「当然です、茜さん!」
「こういうとき、葵が一緒だといいね。いくよ!」
「了解!」
113機電神ブラフマー1:04/01/05 02:07 ID:ya9yGCg5
 力を取り戻し立ち上がるふたり。両腕を互いに組み合わせ、顔を正面に向ける。
「ヴェーダ・コンビネーション!」
 腕の間に、先ほどより強力な青白いプラズマが形成される。
 その力の反動に耐えるかのごとく大地を踏みしめる四本の足。無表情なはずのロボットの顔にも気合と緊張とが見えるかと思うほどだ。
 その殺気を意に介さずにじり寄るメカスレイブ。
 いっぽ、また一歩と近づく間合い。
「ブラフマー・ファイヤー!」
 組み合った両腕が振りかぶられ、プラズマは極太のレーザーとなって撃ち出される。
 過去2回だけ使われた彼女ら最大の技であるが、反面、これを使った後は2時間の間、完全に戦闘不能になっていた。
 最後の切り札である。
 大地をつんざく轟音、そして光。
 その果てに、消滅していくメカスレイブの姿が一体、二体…。
「…な?」
 消滅したのは二体。それでは残る一体はどこに?
「茜さん、うしろ…キャアッ!」
 葵の勘が察知するよりわずかに早く、α号の背中に鈍い衝撃が走る。
 β号の視界には、相方を人質にするかのような体勢で触手を揺らめかせるメカスレイブの姿が映っていた。
「なんでそこに?」
「さっきまでのノロさはウソだったって言うのか!」
 すでに戦闘に使う力を出しきり動けないふたりをあざ笑うかのようにぬらぬらとした表面を見せつける敵。
 呆然とする葵、β号の背中にも嫌悪感を催す感触が加えられる。
「ヒッ…なにこれ…?」
「葵!ち、ちくしょう!」
 α号の背後から伸びたメカスレイブの触手が、β号の背後から彼女の体に巻きついていた。
 その粘液質な表面を光らせながら、まるで生身の人間を愛撫するかのごとく、脇腹から胸、肩へ、そして太腿から陰部へと。
 次々と新しい触手が肢体に伸ばされていく。
 ズルリ。ズルリ。ゆっくりと、しかし本数を増やしつつ機体の表面をまさぐっていく触手が、巨人の表面を濡らし、汚していく。
 元々はアジテーションの意味もあって鮮やかに塗られていた体が、粘液によって濁っていく。
114102:04/01/05 02:09 ID:ya9yGCg5
とりあえず、ここまで。
もうちょい触手プレイを書いた後「一方、研究所では」を書きたいかな…と。
ご感想とかご要望とかいただけると嬉しいです。
115名無しさん@ピンキー:04/01/05 13:44 ID:RGzlkCf3
>>書き捨て >>102

両氏、乙&GJ!!!!
なんだか洗脳シチュは標準装備って感じですな。
いや、大好きなんだけどねw

これからもがんがって下され。
116102:04/01/07 00:25 ID:X5+PXB6W
『調教や洗脳で悪の奴隷になるヒロイン』スレ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1073377356/
からもリンク張られてますね。
自分はヒロインも洗脳も好きなので、
お互い仲良く+盛り上がっていきたいですね。

>>115
ありがとうございます。
自分も洗脳シチュは大好きなのでw

ただいま『〜ブラフマー1』のつづき製作中。
しばしお待ちを。
117書いてみた:04/01/07 00:36 ID:nN5Kl1J9
 今日も、世衣木市は地獄絵図と化していた。林立するビルは幾つも倒壊し、人々は叫び
惑い我先にと何かから逃げていた。その何かが、醜く潰れただみ声を散り行くクモの子に
投げかけた。
「おらおらどうしたぁっ!? さっさと逃げねえとぶち殺すぞぉぉぁっっ!!」
 トカゲを思わせる醜悪な外観に厚みのある外殻をしたそれが地を蹴り、逃げる男の背中
を爪で引き裂いた。鋭利な刃物をさらに研磨したような爪は服の上からでもいとも容易く
致命傷を与えた。男は転倒し、苦悶の叫びを張り上げた。背中から流れ出す血の量が男の
容態を物語っていた。そんな彼を見下し、トカゲは何の躊躇いもなくその頭を踏み砕いた。
頭蓋が割れる音と中の具が爆ぜる不快な音を聞き、トカゲは愉快そうに高らかに笑った。
「いいねいいねぇ……もっと聞かせろよ! 肉の鳴き声をよぉ!」
 人として最も必要な部位を欠いた肉塊を、トカゲは両手から伸ばした十の刃物で雨のよう
に斬りつけた。かろうじて人らしい形容をしていたものは、たちまち無数の細切れの物体が
混ざり合う血溜まりへと存在を変えた。
 鼻をつき胸を焼く悪臭を深く吸い込み、トカゲは至極の愉悦に浸った。
「いい……いいねぇ、この感じ」
 酔いしれるトカゲは、しかしそこで顔を歪めた。視線を向けた先には、恐怖に引きつる表情
をした少年がへたり込んでいた。
「――ガキは嫌いなんだよ」
 悪意とともに吐き捨て、長い爪を暗く光らせて一歩一歩少年に近づいていく。と、少年を守る
ように女性が横から飛び出し、その子にしがみついた。母親だろうか、きつく抱きしめる腕は
震え、閉じた瞳は死さえ覚悟しているようにも取れる。
 普通の怪人ならば有無も言わずに母子もろとも斬り捨てるだろうが、トカゲ怪人は少し思案
するな仕草を見せ、
「おい女。ガキは見逃してやる」
 そう言い放った声は、先程男を斬り刻んだ時と同じく狂気に、凶喜に満ちている。
「え……」
 思ってもいない台詞に女性は間の抜けた声をあげたが、すぐに身体を縮み上がらせた。
「へへへっ。こいつの相手をしてくれたらだけどな」
118書いてみた:04/01/07 00:37 ID:nN5Kl1J9
 トカゲ怪人の股間部を覆う外殻が開くと、そこから太く長い塊が粘液でぬめりながら、
だらりと垂れてきた。
「ひ……ッ」
「最近溜まってんだよ。おらさっさとしねえか!」
 トカゲ怪人は恐怖で引き攣る女性の顔正面に歩み寄り――歩み寄ろうとし、咄嗟に後方
に跳んだ。
 ほんの数瞬後、怪人と少年を抱きしめる女性の間に何かが降ってきた。

 座ッ

 砂利を踏みしめる音とともにそこに降り立ったのは、上背のある大きな人だった。――
いや人と呼ぶには、それの姿はいささか……かなり違和がある。対峙する怪人の生物的な
外殻とは逆の意味でそれの身体は厚い装甲のようなものに覆われている。つまり人工的な、
人の意思が加えられたものだ。
 それの外殻は赤と白を基調としており、形容は筋肉質な男性を彷彿とさせる。一際目を
引くのはフルフェイスのヘルメットのような頭部の額に燦然と輝いている、揺らめく炎を模した
エンブレムである。
「て、てめぇ……!!」
 驚く声をあげるトカゲを無視し、それは背後に目をやり、小さく身を震わす親子に声をかけた。
「早く逃げて。巻き込まれないところまで」
 親子は面食らった顔をしたが、すぐに頷いてその場を去った。それが正面に向き直ると
先ほどの親子と同じようにトカゲまでも意外そうな顔――といってもその醜悪な顔がさらに
少しだけ歪んだだけだが――をしていた。
「その声……、てめぇ、女かぁぁ」
 トカゲ怪人が言うとおり、それが発した声は若い女性のそれだった。女と知り、言葉の最後
には卑下た笑いが混じっていたが、それは無視して周囲に視線を巡らせた。
 無人の廃墟。つい先刻まで人が住み、賑わっていたとは到底思えない光景。視界の隅に
小さな赤い池が映り、握りしめた両の拳をさらに強く握った。
「――許さない。貴様の犯した罪、絶対に!」
119書いてみた:04/01/07 00:38 ID:nN5Kl1J9
 左足を踏み出し、右肩を僅かに後ろに下げて左拳を突き出すように構える。これが彼女
のいつものスタイルである。
「へっ! てめぇをぶっ飛ばした後でその無骨な超甲を剥いで犯してやるぜぇぇ!!」
 常人では捉えることさえ困難な異常な速さでトカゲ怪人が彼女に跳びかかり、その速度
のさらに数倍以上の勢いで後方に飛ばされていた。
 虫の潰れる音を口から吐き出しながら背後にあった瓦礫の山を突き壊し、終わることを
知らないかのように吹き飛び、二百メートルほど転がった辺りでようやく大地に突っ伏した。
 いつの間にか彼女の構えは変わっていた。左腕を引き、右腕を真っ直ぐ突き出す、いわゆる
正拳突きというやつだ。右拳は熱を帯びているために赤く輝き、幾本か煙を噴いている。
「――命をもって償ってもらう。貴様らエビル・ネイションの侵略、このバーンフォウスが
許さない!!」
 彼女――バーンフォウスと名乗った彼女が前方に大きく跳躍した。
「とうっ!」
 上空高く、放物線を描く軌跡のその最高点でバーンフォウスが身体を捻じり、右拳を背中
まで引き絞った。狙いを定める。もちろん落下点で横たわるトカゲ怪人へ、だ。
「バーニングゥッッ、ナッコォォォッッッ!!」
 気合を込めた掛け声を張り上げると、突如として右腕が爆炎に包まれる。
「はぁぁぁぁぁぁぁあああっっっ!」
 灼熱の尾を引きながら必殺の一撃が轟々と唸りを上げる。上空から赤い衣を身にまとい
迫りくるバーンフォウスを目にし、怪人は手を使い、四つん這いになって必死にその場から
身体を動かした。

 怒轟っっっ

 大気を弾く音がなり、次いで熱風が吹き乱れ瓦礫を巻き上げる。宙に舞う瓦礫は粉塵と
化し、そして膨大な熱量の中で蒸発し消え去った。
 巻き上げられた白塵が次第に薄れてゆくと、そこにはバーンフォウスが穿った穴が、
クレーターが出来上がっていた。地表面は赤い――正確に言うならばオレンジ色のどろり
としたものに覆われている。マグマ、と説明した方が分かりやすい。
120書いてみた:04/01/07 00:39 ID:nN5Kl1J9
「っば、化け物……っ!」
 自分の容姿を見て言ってもらいたいものだが、ともあれ怪人は目の前の怪物に明らかに
恐怖していた。脆弱な人間相手にとっていた残忍な性格はすっかり影を潜めている。
 空気が焦げ、陽炎で揺らめくほどの熱の中、バーンフォウスは平然と歩み出し、横に逃れた
怪人への距離を縮めた。
「逃さない」
 呼吸ができなくなりそうな熱さにも関わらず、彼女の声だけは絶対の零度を保ち、怪人の
背中を縮み上がらせた。
「んま、待て、待ってくれ!」
 尻をついたまま情けない声で後退し、手で押さえた腹部からは緑とも青ともつかない粘着性
の体液が、人間で例えれば血液に相当するものが流々と溢れていた。すでに初撃で致命的な
傷を負っていたのだ。
 それでも彼女は歩み寄る。眼下に這いつくばり、必死に命乞いをするそれを見下ろし、街を
人を破壊した悪行への怒りに身体をわななかせた。怒りに呼応するかのように掌から炎が巻き
起こる。先程大地に大穴を穿った時と同質の炎――バーニングナックルと同威力の灼熱が、
腕ではなく拳に凝縮されている。濃密な熱量は赤ではなく、輝いていた。
「ひっ、ひぃ――」
 情けなく引き攣った声を出して大口を開けるトカゲ怪人のそこに、バーンフォウスの振り上げた
拳が一気に突き刺さった。とどめの一撃が口内を蹂躙し、後頭部まで貫き、爆炎が立ち昇った。
 轟々と燃え盛る炎の真っ只中、バーンフォウスは怪人を屠った一撃を放った格好のままで
そこにいた。敵の姿はない。圧倒的な超高熱の爆炎に身体を内部から焼かれ、一瞬で炭化し、
そして灰となり粉塵と化し消滅していた。
「…………」
 目的を終えた彼女は拳を引き、何事か呟いてから天を仰ぎ、小さく息を吐く仕草をしてみせた。
彼女を中心に巻き上がる炎はようやく勢いを失い始めていた。


121書いてみた:04/01/07 00:40 ID:nN5Kl1J9
「――ふう」
 仕事を終えたという充実感から息を一つ吐き出し、青年はヘッドマイクを外した。紺色の
スーツにだらしなく乱れたネクタイとワイシャツは、うだつの上がらないサラリーマンのような
印象を与える。
「五分二十三秒……か」
 彼が呟いたのは何のこともない、ただ目の前で淡く光を放つディスプレイに表示された
時間である。表示された時間はすでに止まっているもので、彼が口にした時間で明滅を繰り
返している。画面には時間ともう一つ、バーンフォウスのモデリングが映されている。
 彼は小さなディスプレイから顔を上げると、前方の壁一面に表示された別のディスプレイを
見やった。そこには世衣木市を上空から捉えた縮図が、ところどころ赤いマークで染められ
ていた。染められた箇所は今回のエビル・ネイションが送り込んだ怪人が破壊した地域と合致
しており、それが映画館のスクリーン並みの大きさの画面に映し出されている。
 日本防衛企業会社。それが彼の所属する機関の名称であり、ここはその司令室である。
といっても彼は一平社員にしか過ぎず、この広い司令室には彼の他にも数名のスタッフ、
オペレータが忙しく戦闘の事後処理に追われていた。
 そんな彼らが蟻の子のように働いているところより数段高いところにある扉が音を立てて
開くと、彼らは一時手を止め足を止め、そちらに向かって敬礼をした。
「社長、お疲れ様です!」
 全員の目の先に現れたのは、五十代半ば程の小柄な人物であった。口元に蓄えた髭に
優しい目が少し不釣合いな彼の元に、時計をモニターしていた青年が机に備え付けられた
コンピュータからディスクを一枚取り出してから駆け寄った。
122書いてみた:04/01/07 00:41 ID:nN5Kl1J9
「社長、今回の戦闘の結果報告ですが――」
 社長は他とは違う高級な椅子に腰掛け、青年の報告を黙って聞いていた。

 ここでは社長ではなく司令と呼ぶように。

 防衛業を十数年ぶりに再開した初めの集合でそう皆に告げたはずだが、今では誰一人と
して覚えてはいなかった。そのことが少し悲しい社長であった。
「――以上です。それで一応、煉さんにも目を通しておいてもらいたいんですが……」
「煉君は……今は、あれだ」
 社長があれと言い、青年はすぐに意を察した。
「ではしばらくは……。でしたらまた後日、いや、そうですねぇ、明日にでも彼女の自宅に
送っておきます」
 社長は鷹揚に頷き同意を示した。
123書いてみた:04/01/07 00:42 ID:nN5Kl1J9
 本社、特設シャワー室。熱いお湯を流すシャワーが一つだけあった。
「…………」
 壁に手をつき、頭からつま先までしとどに身体を濡らす彼女の名は穂村煉。
「…………ぁ」
 超甲と呼ばれるフルアーマーに身を包み、バーンフォウスとして闘いを繰り返している
少女である。
 いや、少女とするにはかなり大人びた雰囲気がある。整った顔立ちに切れ長の目、加えて
なかなかの長身である。同世代の女子より肩一つ分は高く、細身の体型がその背の高さを
さらに際立たせている。
「……はぁぁ」
 まだ高校生の彼女が熾烈な闘いに身を投じた理由は至って単純である。十七年前、ちょうど
彼女が生まれた年にバーンフォウスとして命を落とした父の敵討ちである。
「はぁっ、く……ッ」
 亡き父の力を継ぎ敵を殲滅していくという険しき道を進む彼女に後悔の念は、ない。が、
悩みはあった。何度も超甲を身につけている影響により身体の、主に筋肉が活性化してしまい
徐々に筋肉が太くなってしまい、女性らしい肉体ではなくなってきていること。
「ぃ、ぁあッ! りょぉ……、涼ぅッ」
 そんなことを気にする理由はこれまた至って単純である。好きな男子に嫌われてしまうので
はないかという危惧からである。ちなみにうわ言のように繰り返す涼とは、煉の幼馴染みで
同級生の初恋の少年である。
「ひゃッ、あ……あう――」
 また超甲をまとうには強靭な精神力が必要となる。そのため除甲してしばらくの間は人間を
人間たらしめる精神が極端に疲弊した状態に陥り、動物的な本能が剥き出しとなってしまう。
殆どの場合、それは性欲として現れる。
「りょ……うぅ、気持ちい、いよぉぉ」
 シャワー室に閉じ篭もってから煉の息が荒々しかったのは今が自慰行為の真っ最中だった
ためだ。社長と平社員間で行われたやりとりはこのことを示していた。
124書いてみた:04/01/07 00:43 ID:nN5Kl1J9
 右手中指で秘部をほじるように激しく弄り回し、淫らな涎が絶えることなく内腿を伝っている
はずだが、流れくるシャワーの湯に紛れてしまいどの程度濡らしているかはっきりと分から
ない。熟々と鳴る卑猥な水音さえシャワーの音にかき消されている。
「……あ……ダメ、ダメぇぇ」
 しかし上の口から紡ぎ出される切ない声と、普段はきりっとした彼女からは想像もできない
ほど快楽に眉をひそめた歪んだ赤い表情が、どれだけ彼女を淫乱な女性に変えているのか
を教えている。
 十分弱という短時間の戦闘であったが、たったそれだけの時間超甲をまとっていただけで
下腹部は熱く焼け、衝動は歯止めの利かないものになっていた。
「こんなッ……ちょ、っと……だけなの……にぃ」
 壁についていた手だけでは、力が抜けがくがくと震える脚を支えることができなくなる。
身体を反転させ背を預けると、腰がずるずると下に落ちていきそうになる。完全に落ちる前に
シャワーを左手にとってから床にぺたんと尻餅をついた。
「あぁ……、ッぁう!」
 脚を開き右手で薄紅色に熟れた果実を押し拡げ、ノズルから勢いよく噴き出す温水を粘膜
にあてがい突くような快楽に身悶え、狂乱した。
125書いてみた:04/01/07 00:44 ID:nN5Kl1J9
「りょ……ぉぉッ」
 小さく背を丸めて身をびくつかせる様はただの矮小な女性で、そして怯え震える仔猫を
思わせる。
 下腹部の、股の疼きはさらなる悦楽を求める。秘芽を包む薄皮を剥き、ぴょっこりと顔を
のぞかせるそれに容赦なく無数の水針が突き刺さった。
「はぁ――ッ!」
 今まで一段と甲高い音が喉奥から響いたと同時、身体が跳ねるかというほど大きく強張
らせ、絡みつくように熱く甘い吐息を漏らしシャワーが手から抜け落ちた。
「…………ぁぁ」

 また涼で、オナニーしちゃった――。

 自己嫌悪に似た負の感情が胸の内で湧き起こるのだが、戦闘と、そして自慰行為による
著しい虚脱感が煉に思案することを許さなかった。
 堕ち行く意識の中、右手に微かに残る粘性の液体――ほとんど温水で流されてしまったが、
それでもしつこく指に絡む自らの分泌液を目にし、やはり自分は女なのだと確認し、安堵する
かのように息を吐くともに瞼を閉じた。

 戦闘後、ようやく訪れた安息の時である。




126書いてみた:04/01/07 00:44 ID:nN5Kl1J9
以上
127名無しさん@ピンキー:04/01/07 22:23 ID:fnrdfNtw
>>117-126
グッジョブ!
洗脳とかされないままのオナニーネタは初めてかな?
128名無しさん@ピンキー:04/01/09 00:55 ID:WOaZvXKI
久しぶりに来たら、神がたくさん・・・。
乙&サンクスです。
129名無しさん@ピンキー:04/01/14 00:40 ID:3ucPeFPu
ピタリと止まってしまったな…
130名無しさん@ピンキー:04/01/14 23:18 ID:aHRvzKKm
上げてみる
131名無しさん@ピンキー:04/01/15 23:55 ID:68ik+Lb2
下げてみる
132名無しさん@ピンキー:04/01/17 13:43 ID:LtjctKFP
職人キボン!
133名無しさん@ピンキー:04/01/21 01:06 ID:YfW5dAY1
☆ゅ
134名無しさん@ピンキー:04/01/24 03:49 ID:D9DD89ah
保守あげ
135名無しさん@ピンキー:04/01/24 10:45 ID:KAqzbwLC
>134
IDがなんかカコイイ
136名無しさん@ピンキー:04/01/25 22:53 ID:nsOk9HwP
アメコミみたいな世界観は有りかな?
ビル街でビュンビュン飛び回って光線やらなにやら発射しまくり。



まあそれはともかく、
                _________________
     デケデケ      |                         |
        ドコドコ   <        職人さんまだ〜〜〜〜? |
          ドムドム |_________________|
            ダダダダ 
  ドシャーン!  ヽ         オラオラッ!    ♪
         =≡= ∧_∧     
      ♪   / 〃(・∀・#)    / シャンシャン
    ♪   〆  ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ
         ||  γ ⌒ヽヽコ ノ   ||
         || ΣΣ   .|:::|∪〓  ||   ♪
        ./|\人 _.ノノ _||_. /|\
         ドチドチ

137名無しさん@ピンキー:04/01/27 23:29 ID:nrIaBmRE
ビューナスAゴー!
138名無しさん@ピンキー:04/01/30 23:24 ID:I2YpDFkA
ホス
139名無しさん@ピンキー:04/02/05 22:52 ID:5gdJ05eA
保守あげ。
140名無しさん@ピンキー:04/02/07 01:42 ID:kaCWjEGf
>>125続きを書いてみた(えっちや戦闘はありませんと先に断っておきます)

 夏直前、春の終わり、ぽかぽか陽気が肌にまとわりつく熱気に変わろうかという季節。
 半袖の制服を身に付ける彼女は階段を上って自室に隣接する部屋へと向かい、扉を開く。
「太一。朝だよ、早く起きなさい」
 あまり抑揚を感じさせない落ち着いた声を、ベッドで丸くなっている者にかけた。
「んんん……おはよ、姉ちゃん」
 ゆっくりと上体を起こして彼女に返事をしたのは、三歳年下の弟である。
「ちゃんと顔洗ってくるのよ」
 寝惚け眼の太一に母親のような口調で言葉を投げかけると、短いスカートを翻して彼女、
穂村煉は階下のダイニングへと戻った。
141名無しさん@ピンキー:04/02/07 01:44 ID:kaCWjEGf
 二人の朝食はトーストが主である。今朝も例に漏れることなく狐色に焼けたトーストだ
った。煉が食事を終える頃、ようやく太一が姿を現すのはいつものことである。身長体重
体格外見、どれをとっても全く特徴がないことが彼の特徴だったりするのだが、中学での
成績はいつも高いことが、彼女は姉ながら不思議に思っていたりする。
「お姉ちゃんおはよ」
「おはよ。先に食べたよ」
 本日二度目のおはよう。そして先に食事を終えたことを口にするのもいつものこと。そ
れが二人にとっては当たり前だった。
 トーストを乗せていた皿を流しで水に浸し、洗面所へと足を運ぶ。歯を磨くのは当然だが、
それよりなによりしなくてはいけないことがある。
「うぅん……」
 鏡を睨みつけながら頭に……重力に逆らうかの如くはねっ返る癖っ毛を指先でいじって
いた。捻りを加えたり手の平で押さえ込んだりするが、針金のように反り返った毛はすぐに
元に戻ってしまう。櫛で梳く、整髪料で固める、今までいろいろと手を講じてみたがどれもま
ったく成果を上げることはなかった。父親似であることに誇りを感じている煉だが、この癖っ
毛だけは譲り受けたくなかったと心底思っている。
 鏡の前に立った時から別段変わった様子を見せない髪形に、今日はまあこのくらいでいい
か、と自分を納得させて早々にそこを離れた。彼女が次に向かったのは仏間である。
 仏壇を前に正座し線香をあげ、数回鐘を鳴らして手を合わせる。
「………………」
 無言で見つめているのは、すっかり色褪せてしまった両親が映る写真である。二人は十四
年前、まだ生まれたばかりの太一と幼い煉を残して命を落としている。
(父さん、母さん。私と太一は今日も元気です……)
 いつものように報告を終え、煉は仏間を後にした。
142名無しさん@ピンキー:04/02/07 01:44 ID:kaCWjEGf
「姉ちゃん先に行くよ」
 ダイニングに戻ると、太一はテレビを見ながらトーストを齧っていた。ついつい太一の、
母親譲りのさらさらな髪質に羨望の眼差しを向けてしまう。
「うん。行ってらっしゃい」
 顔はテレビに向けたまま視線だけを煉に送り、そしてすぐにテレビに戻した。テレビには
朝のニュースでお馴染みの女性キャスターが、昨日の戦闘の惨状をレポートしていると
ころだった。その場面を目にし煉の表情は曇りかけたが、すぐに目を背けて家を出た。

 家を出る。後ろ手で扉を閉める。一息ついて、門から正面の通りに踏み出す。
「おぉ、うぃっす」
「おはよう」
 家の前で出くわしたのは、隣に住む幼馴染みの青年だった。背の高い彼は、煉が上目遣
いで話さなくてはならない数少ない者の一人である。
「相変わらず髪はねてるなぁ」
「こらっ、触るな!」
 ピンとはね返る毛先をねじねじと触る彼に、他の誰にも見せない強い調子で注意するが、
手で払い除けたりしない。というか、できない。彼に触れられている時の胸の動悸が、普段
気丈な彼女にとってたまらないものだからだ。少し俯いた顔は微かに赤いが、彼の目線か
らその変化は見て取れなかった。
「いいだろ別に。このはね方気に入ってんだし」
「え……そうなの?」
 彼は大仰に頷いた。実を言うとこの癖っ毛を直そうと考えたのはつい先日、彼が好きな有
名人の髪型が美しい艶のある髪、ちょうど太一のような髪質だったからである。
「そ、そうか。……そっかそっか」
 父にありがとう。彼女は何度も心の中で繰り返した。
143名無しさん@ピンキー:04/02/07 01:45 ID:kaCWjEGf
「あっと、そういえばさ……」
 思い出したように彼が手を離して煉に聞いた。手が離れた時に彼女の表情が少し寂しく
なったのは……言うまでもない。
「どうかした?」
「今日の数学の宿題をな」
「写させてくれ」
「そうそれ! よく分かってくれたな」
 彼女が先回りして言ったことに意思の疎通を感じてその表情がぱっと晴れるが、
「毎日人のやった宿題を写させてくれって言われてたら、嫌でも分かるようになるって」
 当然のことだったらしい。いい感じに気分が――勝手に一人で――盛り上がっていたとこ
ろに水を差され、ついつい小さな溜め息を漏らすが、彼に甘い煉が断れるはずもなかった。
「学校に着いてから、ね」
「サンキュー! ほんっとお前が幼馴染みでよかった! いやいやホントに」
 彼の笑顔に、再び顔が熱くなった。
「ま、まったく……。すぐ笑ってごまかす……」
「ん? 何か言ったか?」
「たまには涼も自分で宿題やったらどうって言ったの!」
 兵藤涼、それが彼の名前。幼稚園以来の腐れ縁――彼はどう思っているか知らないが、
煉はそれを赤い糸だと信じている。

 太一にさえ秘密にしている己が使命。父の仇を討つという自誓。そして世界を悪の手から
守るという、まだ若い高校生が担うにはあまりにも重い『正義』の二文字を一身に受ける戦士。
 そんな彼女が唯一高校生らしく振舞える世界が、彼――兵藤涼の傍らに存在している。
144名無しさん@ピンキー:04/02/07 01:49 ID:kaCWjEGf
とりあえず登場人物の説明のようなものを書いてみたつもりです。
傾向としてはヒロイン純愛もの?みたいなのっす。
戦闘やえっちは次にがんばってみるつもりです。
145名無しさん@ピンキー:04/02/08 10:53 ID:zQge43lq
職人さんサンクス!!
続きを期待しています。
146名無しさん@ピンキー:04/02/08 22:29 ID:5/V2teyz
職人さんキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
真面目でスレてない良い娘さんですな。こんな娘が戦闘のさなかであんな目やこんな目に・・・ハァハァ
続き、頑張ってください!
147名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:54 ID:wfKiSqv/
>>145-146
感想ありがとん。オリジナル初なのでどきどきしてますた。
感想もらえて本当よかった(つд`)
148名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:55 ID:wfKiSqv/
>>143
 私立世衣木高等学校。現在四限目数学の授業、残り時間十三分。分かりやすく言えば
十二時三十七分である。
 グラウンド側の席でぐっすり熟睡しているのは兵藤涼。すぐ隣では穂村煉が迷惑そうで
心配そうな、だがやはり迷惑な顔をしていた。気持ちよさそうな寝息が授業に対する彼女
の集中力を乱していた。
 宿題の写しを授業開始直前に終え、それからたっぷり熟睡中。本当なら煉が叩き起こし
てもいいのだが、寝ていてくれればまた宿題を見せてくれと頼まれる……。それが嬉しかっ
たりする。

 ブルッ――

「ッ――! 先生、トイレ行ってきます」
 挙手すると同時に煉は席を立ち、教師の言葉を待たずしてすたすたと教室のドアに向か
った。
「ん? おお、いっといれ」
 薄ら寒いギャグにあちこちから失笑ともとれる笑い声が起こった。いつものことだが、その
教師のギャグに背筋が震えるのを感じながら彼女は教室を後にした。
149名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:56 ID:wfKiSqv/
 足音を立てずに走るのは彼女の特技である。誰もいない廊下を疾走し、女子トイレの前
を素通りし、階段を長いストライドを生かして軽く六段近く飛ばして駆け上がる。左胸ポケッ
トにまるで束縛されているかのようにぱっつんぱっつんに収められていた折り畳み式の携
帯電話を手にすると、それを開き耳に当て、
「私です」
 ボタンを操作することなく会話を始めた。よく見るとその携帯電話にはボタンの類はなく、
上部に全面を覆う画面と通話に必要な部位しかない。そもそも彼女は授業中に携帯を鞄の
中に――しっかり電源まで切って――しまっている。
『こんにちは』
 電話から聞こえてきたのは幼さを含む女性の声。日本防衛企業特務課のオペレーターの
女性である。何度か面識もあり、歳もあまり変わらない。
『エビル・ネイションの攻撃が確認されました』
「場所は」
『世衣木高校から南南西に五十五キロ。臨海都市予定地域周辺が被害を受けています』
「直接向かいます」
『気を付けて』
 屋上へ通じる扉を開け放つと上方に跳躍し、給水タンクの上に着地し首を巡らす。
(南南西……五十五キロ……)
 携帯電話らしきものを胸ポケットに戻し、受けた情報を頼りにその方角を視認する。身体が
次第に熱くなる。戦闘に向けて力が漲っていく。
「――見えた」
 壇ッ、左足で踏み切ると、先程とは比較にならない跳躍を見せた。
「炎武ッ――」
 振りかざす右腕に炎が蛇……いや龍のように渦を巻き、
「――超甲ぉぉッ!!」
 炎龍が煉の頭から爪先までを見事に覆いつくす。
「っはぁ!!」
 掛け声とともに火球から常識離れしたスピードで飛び出して行ったのは、紛れもなくバーン
フォウスであった。一条の紅い線が世衣木高校上空数百メートルから南南西へと尾を引き、
瞬く間に消え去った。

150名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:57 ID:wfKiSqv/


 それはまるで重戦車を髣髴とさせた。
「…………」
 一見しただけでも分かる強固な外穀。ヒトに例えると頭部の、額に当たるところから生える
長大な角。さながらカブトムシである。
「…………」
 エビル・ネイションの怪人は本能の趣くままに生きている。一匹一匹それぞれが曲者揃い
であるが、圧倒的な『力』の元で怪人どもは統率・管理されている。
「…………」
 そんな怪人の中で黙々と破壊を行うこのカブトムシは、特殊といえばそうである。だが、こ
いつの後ろは灰塵となり、押し潰された人間の亡骸が電光に集まり死んだ小虫のように点在
していた。
「――そこまでだっっ!」
「…………?」
 カブトムシ怪人の聴覚が遠方より迫り来る声を、見上げた視覚が紅く輝く光点を捉えた。
「バァァニングゥゥッッ」
 バーンフォウスの拳から生じた炎が再び空を真っ赤に灼く線を創り出す。
「ナァァァァッッッックゥゥ!!」
 マグマの熱を凝縮したような超高熱を誇る拳が怪人の角を瞬時に粉砕、蒸発させる。

 ピキッ

「なにッ!?」
 今までの戦闘からその結果を確信していた煉は状況が不利と判断すると背後に大きく飛び
退いた。
151名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:58 ID:wfKiSqv/
「ちぃっ」
 バーンフォウスの右手甲には小さなひびが走っていた。対して怪人の角は未だ健在。奇襲
からの懇親の一撃にも拘らず、だ。
(あ、でも奇襲は違うか。だって私から叫んでたし)
 などと呑気に考えている場合ではない。これは敵の硬度がバーンフォウスの超甲より勝って
いるということを知らしめている。
「向こうは私を調べてる……ってことか」
 そのせいで今回の怪人は苦戦しそうだと煉は直感した。が、彼女はできる限り早く始末し学校
に戻るつもりである。四限目終了まで、後十分。
「ッんぁ――ッッ!?」
 バーンフォウスの身体が後方に弾け飛ぶ。勢いはひどく、一度後転してしまってから二つの脚
でようやく制動をかけた。粉塵を巻き上げ数十、百メートルいやそれ以上の距離を慣性に従い
飛ばされた。
「っっっ痛ぅ……、何を……」
 されたかは至極単純であった。怪人の体当たりである。顔を上げた煉は先程まで自分がいた
位置に甲骨をまとう怪人がいるのを目にした。
「馬鹿っ速いじゃないか」
 気を抜いていたわけではない。しかし距離を詰められた瞬間を目で捉えることができていなか
った。
「…………」
「?」
 絶対的に優位にいる怪人が自分を見据えたまま巨角を指で示すのを怪訝な表情――顔は
超甲で覆われて見えないが――で見返していると、
「…………」
「ッ――!」
 バーンフォウスに、いや煉に対して中指を突き立てる仕草をして見せた。それはつまり、
あの角で煉の女性を貫くというやつなりの挑発であった。
「――――下衆が」
 腹の深奥で何かが熱く滾った。超甲をまとい始めて数ヶ月も経たない煉はいとも簡単に理性の
箍が外れ、本能に任せるだけの攻撃的な戦闘スタイルにシフトした。
152名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:59 ID:wfKiSqv/


 ――憎い

『……ん』

 ――父を殺したあいつらが

『れ……ん』

 ――母を殺したあいつらが

『煉……』

 ――やつらを殺すことだけを考えているのに

『煉さ……』

 ――さっきから耳に張り付く雑音は、何……?



A.呼びかけに答える
B.呼びかけに答えない
153名無しさん@ピンキー:04/02/10 00:02 ID:cmTOJbrc
選択肢など用意してみました。
住人の皆様のお好みにまかせます。

とりあえず正統派っぽい選択肢以外ならあんな目やこんな目・・・
154名無しさん@ピンキー:04/02/14 00:29 ID:Q97POp+B
じゃ、じゃあ正統派以外の選択肢で・・・・(;´Д`)ハァハァ
155名無しさん@ピンキー:04/02/16 01:42 ID:ri/YzF8D
>>152
「――ダメです、応答ありません!」
 オペレーターの叫びが防衛企業特務課作戦司令室に木霊した。
「トランス状態に堕ちました!」
 報告を受け、社長の顔が険しくなる。こうなってしまうと戦闘を終えるまでこちらから
できることは皆無である。煉を信じて待つしか、彼らにはできない。
 今までも何度かトランスに陥っていたが、その都度危機を脱している煉の実績は驚嘆に
値するが、今度の相手は闘争本能に任せた戦い方では勝てないかもしれないと彼は考えて
いた。
「社長。先程からの戦術兵器開発部の轟博士のエマージェンシーはどうされます?」
「私が出よう」
 戦闘中に煉へ呼びかけたのは、轟博士が緊急に煉と連絡が取りたいと要求があったから
である。攻撃が通用していないと兵器開発部へ即座に報告したところ、すぐさま返事があ
った。
『そんなこともあろうかとこいつを開発しといたのじゃ』
 最強の台詞とともにバーンフォウスの新型兵器のデータが送られ、いざこれから……と
いう時になってのトランスであった。
 煉の動向を見守りつつ、最悪の事態に備え何か手はないかと思案していた。
156名無しさん@ピンキー:04/02/16 01:43 ID:ri/YzF8D
「はああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」
 愚直とも思えるほど煉は真っ直ぐ突っ込んだ。カブトムシ怪人はその巨体に似つかわし
く緩慢な動作で腕を振り上げ、煉が交差する一瞬を待った。
 紅い弾丸が目にも止まらぬ速さで距離を詰める。タイミングを見計らう敵の腕が、まだ
待ち、待ち続け、そして、
「っ――」
 轟音を上げ空気を切り裂き、いや空を切った。
「遅い!」
 声がしたのは背後。踏み込む左足。捻る腰。振り返る暇も与えず力を込めた渾身の右拳が、
甲殻に覆われるカブトムシの背に突き刺さる。
「…………く」
 突き刺さったと思われた拳は、怪人の固い外甲の表面で止められた。超甲に入る亀裂が
音を立てて一段と大きくなる。
 もしその怪人が表情を浮かべるなら勝ち誇った笑みを顔中に滲ませているだろう。――が。
「うおぉぉぉぉぉぉっっっっ!!」
 止められた動きを強引に再動させる。左足はコンクリートを踏み砕き、腰は限界まで捻り回す。
「――」
 怪人は微かな呻き声を残し、振り抜かれたバーンフォウスの右腕から弾け飛んでゆく。大地を
転がる巨躯を立て直して顔を上げると、そこには始めと同じく炎塊が弾丸のように迫っていた。
 怪人が腰を落とし一撃に備えるのと、一撃が腹を捉えたのはほぼ同時だった。
 確実な手応えが豪拳に伝わる、勝利を手にしたと確信した瞬間、右腕全体に亀裂が拡がった。
「な……っ!?」
 驚愕。そして一瞬の隙。刹那、バーンフォウスの胴を怪人の腕が締めつける。
「かはっ――」
 肺の中の空気が絞り出され頭が真っ白に塗りつぶされる。意識が途切れかけるが、ぎりぎりと
締めつけられる背部の鈍痛がそれを許さなかった。
「くぁ……、はっぁ」
 鯖折りから逃れようとするも右腕は戦えるだけの力がない。左腕だけで外せるほど敵の力も弱く
ない。
157名無しさん@ピンキー:04/02/16 01:44 ID:ri/YzF8D
 この時、煉はトランス状態から回復していた。一瞬意識が遠のいたために興奮状態が
醒めていた。そして、自分の愚かしさを激しく悔やんだ。一時の感情に任せたための失態、
しかも今回は致命的な結果を招いている。
「く、そぉぉ……っ――!」
 己の愚行に打ちひしがれるのに追い討ちをかけるように、煉の腰が鈍い音を立てた。
(背骨が、砕けた……?)
 自覚するが、不思議と痛みは感じられなかった。だがこれでもう戦えないかもという絶望
の感が煉に重く圧し掛かった。
 怪人が腕の力を緩めると、煉の身体が面白いように力なくコンクリートの大地に崩れ落ちた。
 転がる煉を足蹴にして仰向けにさせたカブトムシ怪人は、まるで値踏みでもするかのように
ねちっこい視線をその身体に落とした。その目に頭が熱くなるが、今度はぶち切れたりはしな
かった。代わりにどうすればこいつを倒せるか、それだけを考える。
 右腕は使い物にならない。下半身も、腰から下は動かないかもしれない。本当に感覚がない
気がする。残されたのは……左腕。
(どうする? これだけで、どう戦う?)
 いかにシミュレートしても有効な手は思い浮かばない。心は焦れ、自然と左拳に込められる力
も増し、それは見逃されはしなかった。
 重量級の怪人の右足がコンクリート諸共煉の左腕を踏み砕いた。
「……はっ――」
 一瞬間の後、断末魔の叫びが一帯の大気を震撼させた。
158名無しさん@ピンキー:04/02/16 01:44 ID:ri/YzF8D
 その悲鳴に司令室の多くの者――特に女性は耳を塞ぎ、モニターに映る凄惨な光景から
目を背けた。
「ぐ……っ。せ、戦闘時間、五分突破。右腕、腰部中破。左腕……大破」
 ざっくばらんにスーツを着こなす青年がいち早く気を持ち直し、現在の煉の状態を苦しげに
報告する。
「社長! これ以上は生命に危険が」
「分かっている。木崎くん、轟博士に繋いでくれ」
「あ……は、はい!」
 社長の一声がきっかけとなり全員が気を取り直した。新人ばかりのこの課において、今しがた
の映像は衝撃が大きかった。しかし、慣れてもらわなければ、困る。
「轟博士。例のあれは準備できましたか?」
『おお。ばっちりじゃ。今すぐにでもかっ飛ばせるぞい』
「頼みます」
 それだけで通信を切る。司令の目はすでに正面の大画面モニターに映し出される怪人と煉の
姿に戻されていた。
「煉くん、あと少し……あと少しだけ耐えてくれ」
159名無しさん@ピンキー:04/02/16 01:45 ID:ri/YzF8D
「――があああっっっっ!! っっっあああ!!」
 左腕に走る激痛。頭を振り乱す煉の姿がその凄まじさを物語っている。
「……」
 足元でもがき苦しむ彼女に向けられる視線はひどく落ち着き払っていた。冷静に煉のもがく
様を見ている。
「……」
 ようやく動いたカブトムシ怪人の手が煉の腰、無数に亀裂が走る超甲へ伸ばされた。亀裂の
隙間に指を捻じ込み、力任せにそれを剥ぎ取った。
 頼りない音を立てて剥ぎ取られた装甲が大地を転がる。白日の下に晒されたのは、女性らし
い艶やかな肌をした。首から上で醜く騒ぎ立てる女性とこの肌の持ち主が同じだというギャップ。
その差が怪人の変態的な欲情を駆り立てる。
「……」
 腰から下を覆う装甲に手をかけ飴細工のようにそれを容易く剥ぎ取ると、薄い恥毛が茂る女性
が現れた。
「あ……っ、あ、……」
 そんな辱めを受けても、煉は苦しげに呻くことしかできない。左腕から全身に広がる痛苦に犯さ
れ、もはや虫の息、といったところだ。
 そんな状態に構うことなく、怪人の無骨で醜悪で汚らわしい指が彼女の女性部に這わされた。
撫で、さすり、強く抓りあげられようが煉の身体はまったく反応を示さなかった。
「……」
 手を離したカブトムシの股間から長い肉塊がじゅるりと粘液を垂れ流しながら飛び出し、その身
を太く固く剛直にしていく。
 未だ超甲に包まれる煉の脚を大きく開脚させ、すでに限界まで充血したものを彼女の秘孔へと
近づけた。
160名無しさん@ピンキー:04/02/16 01:47 ID:ri/YzF8D
ここまででつ。
154さんレスどうもでした。
161名無しさん@ピンキー:04/02/17 16:09 ID:D5cFSE0X
>>155

   _、_
 ( ,_ノ` )      n
 ̄     \    ( E) グッジョブ!!
フ     /ヽ ヽ_//


これからさらに酷い目に・・・?ハァハァ
162名無しさん@ピンキー:04/02/20 01:02 ID:8DzCZU3B
>>159
(私……どうなった、の?)
 霧散する意識。白く染まる視界。左腕を締めつける激痛……いや痛みは感じなくなり
始めていた。まるで肘から、肩から先までが消失してしまったような感覚に蝕まれ、彼女
は堕ちていく気分に襲われた。
(――あ。触られてる……)
 闘争心の剥げ落ちた頭が、今何をされているのかを冷静に伝える。まだ誰にも晒した
ことのない純潔な箇所をどんなに弄られても、闘う意思を忘却した彼女は立ち上がること
ができなかった
(……やだな。こんなところで終わるなんて)
 心が拒んでも、身体がついてこない。敵に対する憎しみも、何もかもが消え失せていた。
しかし、せめて自分のバージンをここで喪失してしまうならいっそ、左腕と同じく何も感じな
ければいいのにと心の片隅で願った。
(………………あ、れ……)
 そこで体感していることの喰い違いに気が付いた。左腕は潰された。だからあんなに痛か
ったのに、じゃあどうして腰は痛みを教えてこないのか。
「――――ッグ」
 痛くない……なら、動くんじゃないのか。鈍い音を聞いて腰が砕けたと思い込んだだけ
じゃないのか。
「っあ、……く」
 手にした一縷の望みは、彼女を奮い立たせるには十分すぎた。彼方に飛ばされた意識を、
闘うための勇気を引き寄せる。
163名無しさん@ピンキー:04/02/20 01:03 ID:8DzCZU3B
「くっ、ど――」
 一度は死んだ心が甦った時、彼女の腰から下は思い通りに動いた。太腿の間に身を割り
込ませていた甲殻生物の腹回りに両足を絡ませ、
「退けええぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!」
「……!」
 腰を巧みに捻り、脚に挟んだ怪人を開放し竜巻のように吹き飛ばした。超速で身体を弾き
出された甲虫は地面を削りながら欠損した道路をどこまでも転がっていった。
 息を荒げる煉は立ち上がり、腰に小さな痛みを感じながらもまだ動くことをようやく意識した。
右腕だって超甲が損傷しただけだ、動かせる。左腕も力強く握り締める。
「――ぁああっ!!」
 まだ動くじゃないか!痛みを感じる、神経は通ってる。……闘える!
「はっ、はは……はははっ」
 彼女は笑った。痛みで気が触れたわけではない。まだ闘えることが、人のために闘える
ことが、私怨を晴らせることが嬉しかった。
 今度は感情に囚われない。溺れない。クールに冴え渡る意識に身を委ねる。ようやく自分
を取り戻したのと同時、通信が入った。
『煉くん』
 聞き慣れた渋い男の声。戦闘中に聞くのはこれで何度目かである。
「社長!」
『説明している暇はない。轟博士に代わる』
『……よお煉くん、苦戦しとるようじゃのお』
「用件は何です? 急いでください」
『いやいや何とも魅力的な格好しとるじゃな』
「殴りますよ?」
『冗談じゃ。さて、そろそろ君の元に新たな力が届くはずじゃ』
「力……?」
164名無しさん@ピンキー:04/02/20 01:04 ID:8DzCZU3B
 轟博士の言葉どおり、それはすぐにやってきた。彼女の聴覚が、遠方から聞こえてくる
甲高い音を捉え、次第にそれが近づいてくる。耳を劈くほどの音響をともなった時、彼女
の前にそれはを大気を振動させて落ちてきた。というより地面に突き刺さった。
「な……っ?」
 銀色に輝く物体。高出力のブースターによって強大な推進力を得たそれは未だに火を噴
き出し、その先端……ではなく本体は高速で回転している。螺旋を描いて刻まれた溝が円
錐状の体に巻きつくその様はまさに、
「――ドリル……?」
『そうじゃ! これこそ敵の装甲を貫く破壊力と男のロマンを兼ね備えた最強の兵器・ブース
タードリルじゃ!』
 熱弁する轟博士に対し、いつもなら少し呆れ気味になる煉だが、今は心底感謝していた。
「これは……使える。ありがとう、博士」
 目の前ですでに回転を止めたドリル、後部に取り付けられている火の噴きやんだブースター。
その中央に空けられている丸い空洞にひびだらけの右腕を突っ込んだ。中に挿し込んだ腕
が種々のケーブルに絡めとられ、きつく締め上げられる。
「んくっ……! き、つい……っ」
 強度を失った超甲では耐え切れずに苦しげに漏らすが、腕を引き抜こうとは考えもしなかった。
完全に接続が終了した時、彼女の脳裏にこの兵器を扱うためのマニュアルが焼き付き、同時
に欠損、欠落していた超甲が活性化し、瞬時に再生していく。左腕の神経深くまで染み込んだ
痛み以外、違和は感じられない。
「セット!」
 ドリルを装着した腕を振り上げて叫ぶと、一瞬にしてドリルが秒間五千回転という阿呆みたい
な最高回転速度に達する。
「行くぞぉ……っ」
 今しがた吹き飛ばしたばかりの敵めがけ、煉は勢いよく突き進んだ。
165名無しさん@ピンキー:04/02/20 01:05 ID:8DzCZU3B

「……」
 どうにか体勢を立て直したカブトムシは、こちらに一直線に迫り来るバーンフォウスの姿を
捉えた。直線上から逃れようと身体を動かすが、思うように動かない。吹き飛ばされた衝撃で
身体の機能が狂ってしまったらしい。こうなってしまえば、後は自分が信じる強固な装甲で身
を守るしかない。
「……」
 両腕を身体の前で交差させ、敵がどこを狙うのか確実に見極めて防ぐつもりだ。
「はあっ――」
 引き絞られたバーンフォウスの右腕が突き出される。ドリルの切っ先、そこが狙っているのは
……胸。
「……」
 冷静に対処する。切っ先が身体に触れる寸前、強靭な外穀に覆われる両腕を二人の隙間に
滑り込ませ、ドリルを完全に受け止めた。
 瞬間、怪人の肘から先は粉砕された。
「……!」
「甘いっ!」
 凶悪な回転を続けるドリルの先端が怪人の胸に捻じ込まれる。茶色がかった汚物が無数に
飛び散る。
「バーストッッ!」
 怒号とともにドリル本体が爆炎に包まれる。貫かれた傷口が香ばしい音を立てて焼け爛れて
いく。バーンフォウスの能力を生かした獄炎の味である。
「ブーストォッッ!」
 再びブースターが火を噴き始める。その威勢は飛んできた時の倍、数倍以上に膨れ上がっ
ている。
「吹き飛べ!!」
 ブースタードリルは怪人の身体を貫いたまま、バーンフォウスの腕から飛び離れた。凄まじい
音を轟かせ空気を切り裂くその勢いに、強靭な外骨格に覆われていた怪人の身体は無残にも
粉となり、塵と化した。
「…………」
 空に捧げる右腕に舞い戻ってきたのは、妖しいほどに光を放つ銀色の凶器だけだった。
166名無しさん@ピンキー:04/02/20 01:07 ID:8DzCZU3B
ここまでっす。
回を増すごとに酷い目にあっていくよう努力しますです。
167名無しさん@ピンキー:04/03/02 20:11 ID:jsFWtJap
むむ、こんなスレがあったとは。
個人的に好みのテーマなので期待を込めてage
168名無しさん@ピンキー:04/03/03 00:50 ID:gUy+Dgrb
>>165
 空が橙色に染まるかという時刻、煉は自宅へ帰り着いた。
 戦闘終了後、本部に向かってから体の熱を鎮め、負い過ぎた傷の治療をしてもらった。
「……」
 左腕は肘から先まで包帯が巻かれている。外傷はほとんど癒えているが、神経が未だに
悲鳴をあげていた。数日はこのまま過ごすようにと念を押されて注意された。
「…………」
 ひどく反省していた。今回もなんとか切り抜けたが、もしあの兵装が間に合っていなければ
自分は犯され、生命も奪われていただろう。
「はぁ……」
 もっと自身の感情の制御を上手くしなければ……それが彼女の最大の課題である。
 自室に入るとベッドに大の字に寝っ転がった。
「――あ」
 そこで鞄を学校に置きっ放しであることをようやく思い出した。午後の授業を欠席してしまっ
ていたことも同時に。
「……参ったな」
 これから取りに行こうかとも考えたが、すでに帰りのホームルームも終わっている時間だ。
今からのこのこと学校に出向くのも気が引けるし、何よりベッドに横になった瞬間から下腹部
がまた疼き始めていた。
「……ほんとに参った」
 鞄は明日でいいか。今は腹の底で蠢く不快な欲求を解消しなきゃ――解消したい。
 身体を丸め、水色縞柄のショーツを膝まで下げると、玄関からチャイムの音が聞こえてきた。

「――!」
 さっとショーツを上げ制服の乱れを正すと、太一の部屋の前を通り階段を駆け下り玄関の
戸を開いた。
 顔、ちょっと赤くないかな?という思いがよぎった時にはすでに戸を開け放っていた。
169名無しさん@ピンキー:04/03/03 00:51 ID:gUy+Dgrb
「よう」
 煉の前に立っていたのは、肩を上下させ額に汗を浮かばせる涼だった。彼の熱気が彼女
の鼻腔をくすぐった。
 どうして彼がここにいるのか分からない彼女が目を丸くさせていると、視界が真っ暗に覆
われた。
「お前の鞄。持ってきたぞ」
「え……、あ、うん」
 突き出されたのは煉の鞄だった。おずおずといった風に両手で受け取った。
「早退すんのはいいけどな、鞄忘れていくなんてポカやらかすんじゃねえよ」
「ご、ごめん」
「……いいけどさ、別に」
 存外に素直にしおらしく謝られ、居心地の悪さを感じた涼が言葉を付け足した。
「でも今日は部活があるんじゃないの? 持ってきてくれるなら涼が帰る時でよかったのに」
「ん? ああ、まあ……うん」
 困ったように目を泳がせる涼を不審に思い見ていたところ、彼の目が鞄を手にする彼女の
左手で留まった。
「その手どうした?」
「これ? ちょっと捻っちゃって」
「気を付けろよな。どれどれ」
「あ――」
 涼が煉の手を取ると、不意のことに驚いた彼女はその手を振り解いた。
「わ、悪い! そんなに痛がるって思わなかったから……」
「ちっ、違……」
 歯切れ悪くもじもじと黙り込み、気まずい沈黙が数秒だけ流れた。
170名無しさん@ピンキー:04/03/03 00:53 ID:gUy+Dgrb
「俺……部活行くわ」
「う、うん……行ってらっしゃい」
 じゃあと言い合い、煉は振り解いてしまった左手を振って涼を送り出した。彼が角を曲がり
完全に見えなくなったのを確認してから、煉は玄関の戸を閉めて家に戻った。
「はぁっ」
 途端に腰が砕け、扉に背中からもたれかかった。最早立っていることさえ困難な状態である。
「やだ……」
 スカートの中ではショーツがぐっしょりと濡れ、粘液が膝まで伝い流れていた。頭の中まで
刺激するような彼の汗の匂いと触れられた手の温もりが彼女の理性をがたがたにしてしまった。
 自身の制御――を誓ったはずだが、これは、この想いだけは抑えることはできそうになかった。
今にも倒れそうな危な気な足取りで自室へと戻った。
(太一……帰ってこないよね?)
 沸騰し蒸発し霧散しそうな意識の中で最後に思ったことは、唯一の家族にだけは自分の卑し
い姿を見せたくないな。という顧慮であり、そう思ってもやめることのできない自分への蔑みの
念だった。



171名無しさん@ピンキー:04/03/03 00:55 ID:gUy+Dgrb
自分がスレストしてたのですね、申し訳ないです(´・ω・`)
172名無しさん@ピンキー:04/03/05 13:45 ID:QDcuP2Jp
いや、スレストっつ〜か、もともと動きの少ないスレだし。
気にしなくていいんじゃね?
173名無しさん@ピンキー:04/03/06 01:20 ID:MFssweMF
>>171
「スーパーロボットに乗って戦うお母さん」スレも保守続きですし。
たまたま保守がなかっただけって気が……
174名無しさん@ピンキー:04/03/17 16:49 ID:QuKLAqC2
ほしゆ
175名無しさん@ピンキー:04/03/22 12:58 ID:u8oF7vMg
寂れてまつね・・・(´・ω・`)

ここはひとつ何か書いてみようか、変身ヒロインもの(`・ω・´)
176名無しさん@ピンキー:04/03/22 16:02 ID:rHYryQmY
(`・ω・´)ガンガレ!!
177名無しさん@ピンキー:04/03/30 07:47 ID:bdoU8LdN
保守しておく
178名無しさん@ピンキー:04/04/01 01:06 ID:oOx8G3XF
戦うお母さんスレが…・(つД`)
179名無しさん@ピンキー:04/04/01 02:57 ID:4laibSaX
ホントだ(´・ω・`)
180名無しさん@ピンキー:04/04/02 17:17 ID:U8B19VqX
あー、落ちちゃったか
181名無しさん@ピンキー:04/04/02 22:42 ID:BmT+DSc7
明日は我が身、よな〜
182名無しさん@ピンキー:04/04/02 23:39 ID:IBrGbTp4
圧縮はしばらく来ないだろうから大丈夫・・・と思いたい
このまま書き手がこなければ自然とdat落ちということもあり得るし

ここは一つ「こんなスーパーヒロインがイイ」と案を出し合ってみては?
書いてくれる職人さんがいるかも
183名無しさん@ピンキー:04/04/05 04:20 ID:I7iHRFTG
保守

ところで皆はスーパーヒロインは単独のほうがいい?
それとも戦隊系?
184名無しさん@ピンキー:04/04/05 18:04 ID:aUq5VN5U
戦隊とまで行かずとも複数の方がいいかな。
味方同士で絡ませられるパターンが一番好きだし。
185名無しさん@ピンキー:04/04/05 22:54 ID:zH/CRUWY
書いてみたいが、SS書いたことないからどうやったらいいのかわからない…(´・ω・`)
186名無しさん@ピンキー:04/04/05 23:15 ID:5881XX6+
>>171
なにはともあれ、まずは書きたいことを書いてみること。それが一番大事かと。

しかし最近寂れ気味ですな……かなり好きなのに、ここ。
いいネタ浮かんだらSS投下しようと思うので期待せずに待っていてください。
187186:04/04/05 23:15 ID:5881XX6+
>>171でなく>>185ね。スマソ。
188名無しさん@ピンキー:04/04/07 18:48 ID:xs2reTFn
連鎖堕ちがいいな、やっぱ
189名無しさん@ピンキー:04/04/08 22:37 ID:qAwq+6sa
敵に倒されやられてしまう
日常の中でほんわか萌エロ

スレ住人の方々はどちらが好き?自分は下の方が・・・モエ(*´д`)
190名無しさん@ピンキー:04/04/09 14:04 ID:WT+Zq0Wd
どっちもやる。
最後は勝つ。
191名無しさん@ピンキー:04/04/10 03:46 ID:enthczI4
えー( ;´Д`)
最後は心の底まで堕ちてもらわんと
192名無しさん@ピンキー:04/04/10 04:00 ID:9zvlWq7M
ブタに用は無いし。
193名無しさん@ピンキー:04/04/14 16:43 ID:dJUhnrJv
保守る。
194名無しさん@ピンキー:04/04/14 23:22 ID:5BLS7AjY
エロゲ板では大盛況なのに他ではとんと盛り上がらない
195109あたりから書き込んでた人:04/04/15 02:11 ID:wtXGLbhN
ええと、名前のとおりのネタの続きでよければ
書いてみたいと思うのですが、いかが?

 ●触手プレイでブラフマー1、敗北
 ●ヒロインを精神的に打ちのめす過程。
  助けたはずの人々(当然♀)は皆、アスラ軍団の奴隷に成り下がっている
 ●最終的に公開凌辱。手を下すのは洗脳された花月博士

という流れにしようかと思うのですが、いかが?
みなさんの要望とか欲望とかぷりーず。
196名無しさん@ピンキー:04/04/15 17:30 ID:6YnSanWj
そのまま突き進むのだ!(・∀・)ノ
197名無しさん@ピンキー:04/04/16 19:58 ID:QmX1WGrW
>助けたはずの人々(当然♀)は皆、アスラ軍団の奴隷に成り下がっている
(´ー`)ノイイネェ・・・親しい人とかいるとなおイイネェ
198名無しさん@ピンキー:04/04/17 09:58 ID:LdyAxvWx

●女戦士ふたりの洗脳ビデオを世界放送
●洗脳されたふたりの公開レズショー

を希望
199名無しさん@ピンキー:04/04/17 13:07 ID:3KJdmzKQ
洗脳されてたら余り面白くないと思うが…
200名無しさん@ピンキー:04/04/17 13:58 ID:CDr0Bc9f
>>199
まあ個人の趣向ですしね。作者にお任せしましょう

自分はどんなに辱めを受けても決して屈せず、
最後には正義のハートで勝利を収めるというのがお好みであります
201名無しさん@ピンキー:04/04/17 14:02 ID:qQ1GGPvT
二次元エンドはイヤーァ・・・w
202名無しさん@ピンキー:04/04/18 00:16 ID:usPBI68l
何それ
203名無しさん@ピンキー:04/04/18 06:42 ID:ReB2NlKv
まさか二次元エンドを望むものがいようとは・・・
_| ̄|○
204名無しさん@ピンキー:04/04/18 07:58 ID:usPBI68l
だから何それ
205名無しさん@ピンキー:04/04/18 08:59 ID:nXpIFaCv
分かんないのでぐぐってみた
どうやら最後に大逆転するっていうのがそうらしい
でもそんな辟易するようなものか…?
206名無しさん@ピンキー:04/04/18 17:30 ID:ReB2NlKv
二次元エンド
二次元ドリームノベル(等、エロラノベ)において、
「完全に堕ちていながらラスト2ページで大逆転」というエンドが頻出したためできた言葉
つーか、基本的にその展開しかないわけで
あったとしても、「上巻の最後で堕ちる→下巻の最後で逆転」とかな

肩透かしというか、もう飽きたというか、どっちにしろガカーリ('A`)
・・・いや、エロじゃない小説なら、それでいいんだけど
207名無しさん@ピンキー:04/04/18 17:37 ID:FeRjRqEI
逆転しとけば続編作れる→新たな陵辱(;゚∀゚)=3
なので、これはこれでいいんではないかと漏れはオモタ。
208名無しさん@ピンキー:04/04/18 18:09 ID:nXpIFaCv
>206
どうも。
ということは完全に堕ちていなければ良いのですな?
209名無しさん@ピンキー:04/04/18 18:51 ID:XdEHCs0d
>208
「ああ、もうだめーいいー」とか言いながら最終ページで大逆転するのが2次元エンド。
だから結局、完全には墜ちていなかった、という事になる。

自分は完全堕落奴隷化エンドマンセーなひとなのでそーゆーのはカンベン。
ちなみに最近の2次元ドリームノベルスは堕落エンドの比率が増えてきた。
でも次の巻の冒頭で復活したり、実はまだ墜ち切ってなかったんだよーんとか
いったりするのだorz
210名無しさん@ピンキー:04/04/18 18:54 ID:XdEHCs0d
ごめん。前レスの後半は勝手な思いこみでつ。
事実そんなんばっかという訳ではないので。
211名無しさん@ピンキー:04/04/18 19:16 ID:ReB2NlKv
>>209
そうだね
206は、正確には
「完全に堕ちているように見えながら、ラスト2ページで大逆転」
だな

まぁ、こういうのに慣らされすぎて、今では二次元エンドだろうがなんだろうが、
脳内でラストを補完できるようになってしまったわけだが( ;´Д`)
212名無しさん@ピンキー:04/04/18 19:28 ID:nXpIFaCv
なるほど、よく分かりますた。
つまり最後に勝つのは飽食気味ってことですね。
ドリームやエロラノベ読んでないのでそんなこと全然知らんかった…
213名無しさん@ピンキー:04/04/18 19:37 ID:j/jAnV17
大逆転おちっていうか駄目なのは
「落ちた筈の女に理性があった」
というパターンなのであります

他のメンバーが、機転を利かして大逆転ってのは
「落ちた女」が、次回への引きになるので、漏れは
「アリ」だと思うのだけど
214名無しさん@ピンキー:04/04/18 20:24 ID:wNNWwu/5
セーラー戦士は全員堕ちたけどタキシードンが助けて勝利
なら別に問題無いよ俺は。
215名無しさん@ピンキー:04/04/21 00:33 ID:ZNmKmsu7
>214
俺もそれなら無問題〜。
一度堕ちたキャラが力を取り戻して逆転しちゃうのはイヤン…
216名無しさん@ピンキー:04/04/24 08:08 ID:cb74k42K
仲間が救出しにきて一度は脱出するものの
実は既に堕ちきってて、
救出しに来た仲間を逆に堕とす

ならいいんだけどなぁ

もしくは>>204パターンなら
救出はされたものの体がうずいて、仲間内でレズっちゃうトカ
217名無しさん@ピンキー:04/04/24 21:36 ID:UpanICgt
>>216最後
そういうのはよくオチとして有るね。
かなり好きなパターン。
218名無しさん@ピンキー:04/04/24 23:14 ID:cb74k42K
>>204じゃない、>>214だった(´・ω・`)イマサラキヅイタ
219名無しさん@ピンキー:04/04/28 17:53 ID:pWxUlqs7
最近書き込みが異常に減ったのは、>>185-186に触発された
奴らがSSを考えてるからなのか?












        _、_  
     (;;:::::,_ノ` ) 彡     間  違  い  な  い ・・・ !
    ,/;/⌒/)
  //;: /;:: /./
  (;::::|;:: (;: (/
  \);;:::.\;\
   (;:: ( (<<<ヽ
    .|;: |\;::::\
    );:: |  );:::: )
220名無しさん@ピンキー:04/04/28 17:54 ID:pWxUlqs7
     (;;::::: )  かと言って放置されっ放しでは、
    ,/;/⌒/)  あっという間にdat落ち・・・・・・
  //;: /;:: /./
  (;::::|;:: (;: (/
  \);;:::.\;\
   (;:: ( (<<<ヽ
    .|;: |\;::::\
    );:: |  );:::: )

        _、_  
     (;;:::::,_ノ` ) 彡     気 を つ け ろ !!
    ,/;/⌒/)
  //;: /;:: /./
  (;::::|;:: (;: (/
  \);;:::.\;\
   (;:: ( (<<<ヽ
    .|;: |\;::::\
    );:: |  );:::: )
221名無しさん@ピンキー:04/04/29 00:48 ID:AEsITruO
実はSS書いてはいるんだよ。素人だが。だいぶ出来上がってもきてる。
でも、どこかうpするのをためらってしまう。

なんせ変態要素全開だからな・・・SSをネット上に晒すのはこれが初めてになるし、
それに好き嫌いが別れそうな設定とシチュだから、文章の拙さもあいまって叩かれそうで怖いorz
222名無しさん@ピンキー:04/04/29 05:37 ID:dEvS1sqz
どういう変態だ、どういう
223名無しさん@ピンキー:04/04/29 06:08 ID:bVBeLxDT
変態要素全開は駄目なのか?駄目じゃないと思うのだが。
スカだろうが切断だろうが気にせずばんばん書け!
そして読ませろ!
とか思う自分は駄目変態?
予告してスルーを呼びかければいいじゃんとか思うのだが。
それでも駄目?
あ、書いてる人が恥ずかしいのか。
いや、それは却下だ(w。読ませてプリーズ。
224名無しさん@ピンキー:04/04/29 06:11 ID:bVBeLxDT
言葉がたりんかった。
どんな変態属性でも、予告して嫌いな人にスルーとかNG指定を呼びかければうぷしていいと思います。
いじょ。
225名無しさん@ピンキー:04/05/02 12:44 ID:eF3XqrOX
>221
щ(゚Д゚щ)カモォォォン!
226221@携帯:04/05/04 15:30 ID:k4/5HY6i
とりあえずうpする決心はつきました、ありがとうございます。

1話分完成&規制解除までもうしばらくお待ちくだされ。
227名無しさん@ピンキー:04/05/04 21:54 ID:nYptOhUl
保守age
228名無しさん@ピンキー:04/05/05 07:12 ID:noePByHQ
二次元エンドってこんなに拒絶してるやつ多いんだ。
俺、普通の映画でもバッドエンドが嫌いだから、
この手の話でもハッピーエンド望んじゃうんだよなぁ。
229名無しさん@ピンキー:04/05/05 12:34 ID:UNcu8b00
ハッピーエンドが好きな人は結構というか、普通にいると思うよん。

二次元エンドは、「ヒロイン墜ちたー!」という勝利感を
一瞬のうちにひっくり返してくれてポカーンなところがイヤだな。
自分としては。

パッピーエンドも良いし、それもアリだけど、けど。
リョージョクものとかチョーキョーものは悪役(責め側)視点で見てることが多いので、
最後の最後で逆転負けすると悲しかったりするし。

まあ自分が壊れヒロイン好きなのが一番の原因なのだが(笑)。
230名無しさん@ピンキー:04/05/05 15:49 ID:KvKFsE1u
>>228
ネットで多い=現実に多いわけではないし。
メガネ嫌いって騒いでる人がよくいるけどどう見ても少人数が騒ぎ立ててるだけだし。
231名無しさん@ピンキー:04/05/05 17:25 ID:ATTFRCK3
「陵辱系」に限定すれば、堕ちエンドこそハッピーエンドではないか、と思われ
>>229の書いてる通り、読み手は陵辱側に感情移入しているか、
もしくはヒロインに感情移入してマゾヒスティックな気分を求めてるか、
どちらかであろうから

別にハッピーエンドを否定してるわけじゃなく、
和姦系なら当然ハッピーエンドのほうが良い
232名無しさん@ピンキー:04/05/07 21:44 ID:TEtOMYEN
保守る
233名無しさん@ピンキー:04/05/10 17:54 ID:/A3iI1cN
234名無しさん@ピンキー:04/05/10 21:43 ID:VtT50ObG
щ(゚Д゚щ#)カモォォォン!
235名無しさん@ピンキー:04/05/10 23:48 ID:BOP3kL7D
>234
まあまあ
俺もSS書きに挑戦してるからちょっと待って。
……なんかもう、くじけそうだけど_| ̄|○
236名無しさん@ピンキー:04/05/11 16:26 ID:KkONjVJQ
237名無しさん@ピンキー:04/05/12 00:20 ID:hCYLHXI5
>>235
マイペースでガンガレー( ´∀`)ノ
238名無しさん@ピンキー:04/05/14 15:35 ID:hh2ZLOhz
保守る
239名無しさん@ピンキー:04/05/15 00:17 ID:PF2++XuS
人いないな、ここ。
240235:04/05/17 23:08 ID:aWeSqCrX
>237
ありがとう〜。
あんまり上手に書けないんで書き直しばっかしてます_| ̄|○
>221さんと俺以外に書いてる人はいないのかな……?
241名無しさん@ピンキー:04/05/21 22:19 ID:qEOGL0bl
とりあえず保守しとく
242名無しさん@ピンキー:04/05/26 16:28 ID:hnygnfDW
エッチな目に遭わされたことによって負けるヒロイン。
ズタボロにいたぶられた後にエッチな目に遭うヒロイン。

どっちに萌えますか?
243名無しさん@ピンキー:04/05/26 18:25 ID:92W37H/U

追い撃ちされて絶望するのが好き
244名無しさん@ピンキー:04/05/28 12:38 ID:XqpcO9/8
俺もズタボロにいたぶられた後にエッチな目に遭うヒロインに一票。
245名無しさん@ピンキー:04/06/02 19:44 ID:a5VX0Q+Q
246名無しさん@ピンキー:04/06/05 03:47 ID:FNcIMYQy
>>242
俺としては、普通に戦えば負けるはずの無い相手に、
Hな罠やら特殊能力のせいで、実力を出しきれずに負けてしまうってのが良い。

媚薬や催眠術で強制的に発情させられたり、パイロットスーツに責め具が仕込まれていたりで、
快楽に耐えながら必死に戦うんだけど結局は…って感じで。
247書き捨て:04/06/06 11:15 ID:hLTC5pgh
ちょっと新造人間をネタに書いてみました。

ちなみに、今回の内容にはエロがありません。
理屈も合ってないような気がします。
あるのはスーパーヒロインが負ける、というシーンだけです。
不快な方はスルーしてください。

248新造人間ルナ:04/06/06 11:17 ID:hLTC5pgh
新造人間ルナ


・香月ルナ
 故香月博士の一人娘。
 フューラー・ソーン・ダインを倒すため、自ら人の身体を捨てて新造人間に生まれ変わった。
・フューラー・ソーン・ダイン
 香月博士が作ったアンドロイド管理用アンドロイド、SD21号ことソーン・ダインが狂って暴走した姿。アンドロイド帝国を築き上げて人間を支配している。
 アンドロイドに最優先命令を出せるコントロールボイスを持っている。
・羽賀根ジョージ 羽賀根ヒロミ
 香月博士の同僚、羽賀根博士の双子の兄妹。
 ジョージはルナに協力してともに戦う。 
 ヒロミは行方不明。実はフューラーに捕まっている。
249新造人間ルナ:04/06/06 11:18 ID:hLTC5pgh
 * * * * * * * * * * * * * * * * * 
 ガシューン!
 ロボットの1体をパンチの一撃で破壊し、ルナは高くジャンプして追撃をかわす。
 空中でエアジェットを噴射して方向を変え、鎮圧ロボットには追い切れない速度と角度で上方から襲いかかる。
 独楽のように回転品柄のキックで、また1体のボディを貫いた。
(残り2体!)
 破壊されたロボットの火花を遮蔽にして回り込む。2歩で音速近くまで加速し、手刀をかざして残った2体をまとめて両断してしまった。
 ルナは戦闘モードを解除した。顔の半分を覆うフェイスマスクが開き、同時に硬質化していた肩と胸のプロテクターも軟質化して背中に折りたたまれる。
 ぴったりしたボディスーツに包まれたバストが、解放されて重たげに揺れた。
(ふう、これで片づいた……でも、居場所を知られてしまったわ)
 早く移動しなければ「彼」フューラー・ソーン・ダインこと、アンドロイド管理用アンドロイドSD21号によって増援が大量に送られてくる。その前に逃げる必要があった。
 ルナはセンサー・イヤーで周囲を探る。近くにロボットの駆動音はない…いや、足音があった。ロボットではない、人間のモノだ。それも、よく知っている足音だ。
(ジョージ?)
 確かめるため、ルナはジャンプして足音の方向に向かった。
 元は人の住む街であった荒野。破壊されたビルであった瓦礫の山の向こうに、ジョージはいた。
 遮蔽物もほとんど無い、広場のような場所で、散歩でもしているように無目的に歩き回っている。時折立ち止まり、何かを待っているように周りを見回した。
表情は固く、何かを思い詰めているようにも見える。
 戦いの中でジョージとはぐれてから数日が経過している。半ば再会はあきらめていたのだが。
250新造人間ルナ:04/06/06 11:20 ID:hLTC5pgh
(ジョージ…様子がおかしい?
 …でも偽物ではないようね。
 アンドロイド帝国に何かされたのかしら…?)
 ルナは瓦礫の陰からジョージを観察していた。
 別れたときと同じ、ジーンズ地のジャケットとハンチング帽の姿で、小さなザックを背負っている。
 一見変わりはないようだが、離れている間に何があったか分からない以上、ルナとしては用心にしくはない。
さらにセンサーで観察し、ジョージからの発信はなく、広場からもエネルギーや電波は出ていないことを確かめた。
(後は本人を観察しないと分からないわね)
 決心して瓦礫の上にジャンプして立ち、ジョージに呼びかけた。
「ジョージ!こっちよ!」
 叫んで手招きする。
 距離はあるが、声は届いたようだ。ルナの声は人工声帯を使って出しているため、発声のためには空気を吸うことが必要だ。声量の上限は喉と声帯の構造上、人間のものの数倍がせいぜいだった。
補助としてスピーカもついていて、アンドロイドのコード音声による機械との「会話」も可能だが、ルナは使ったことがなかった。
 ジョージはルナに気づき、こちらに向かって走り出した。顔を伏せて全速力でダッシュしてくる。ルナは望遠で、ジョージが泣いているのを見ていた。
(不安だったのね…会えて良かった)
 ルナはジャンプして瓦礫の山を下り、手を広げてジョージを待ち受けた。
 そうしながらも、心のどこかに引っかかるものがあり、センサーによる周囲のサーチは怠らなかった。
 ジョージはルナの前まで走ってくると、俯いたまま肩を震わせて泣いていた。
「ルナ…ルナぁ」
「ジョージ…大丈夫よ。一人で不安だったのね。
 もう一緒よ。二人で逃げま…」
 言いかけたルナのセンサーに、高速で接近する機械の駆動音が聞こえた。
251新造人間ルナ:04/06/06 11:22 ID:hLTC5pgh
「どうしたの」
 ルナは低い声でそう問いかけるジョージの手を取り、当たりを見回した。
「アンドロイド帝国がくるわ。隠れないと」
 隠れられる場所を探す。同時に感度を最大にして接近するアンドロイドの数を割り出そうとした。
「6体…あっ!これ?まさか?」
 メモリにあるフューラー・ソーン・ダインのものによく似た駆動音を捉え、一瞬固まる。
 その時ジョージが焦るルナの手を離し、一歩下がった。
「ジョージ?」
「…ごめん。ルナ」
 ジョージがいつの間にか取り出した何かの装置のスイッチを押した。
 次の瞬間、装置からフューラー・ソーン・ダインのコントロールボイスが流れた。
 新造人間ルナの、アンドロイドとしての最優先命令コードを有効にするための一連のパルス。
そして解析されたルナの最優先命令コードに続いて、ソーン・ダインによるアンドロイド命令信号と、音声による命令。
「気を付けの姿勢をとり、フューラー・ソーン・ダインの到着をまて」
 新造人間ルナは、この最優先命令に逆らうことは出来なかった。
 ルナはその場で気を付けの姿勢をとったまま、指一本動かすことが出来なくなった。

(そんなっ!あり得ない…どうして?)
 新造人間であるルナは、アンドロイド命令を受けないはずであった。それが人間をアンドロイド化するという事の意味だったはずなのに。
252新造人間ルナ:04/06/06 11:23 ID:hLTC5pgh
「ゴメンよ…ルナ
 こうしないと…ヒロミが」
 ジョージは俯いたまま、鳴き声で何度もごめんよ…と詫びた。
 ルナはヒロミがアンドロイド帝国に捕まっている事情を察したが、それでジョージの行為を許せるものでもない。
とはいえ、ジョージを責める気持ちにはなれなかった。
(妹の命をたてに脅されたら…仕方ないわね…でも)
 自分に事情を話して、二人でヒロミを助けるという選択をして欲しかった。
 それが可能かどうかはともかく、こうなってしまっては、ルナの逆転勝利の可能性はきわめて薄い。
(駄目…どうしても身体が動かせない)
 今ルナは、催眠暗示で身体を動けなくされたと同じ状態のようだった。
 再生された命令パルスは、ルナの行動を制御したが、新造人間の思考までコントロールしてはいない。
 そもそも、新造人間の脳は、人間ルナの思考を完全にトレースしているため、アンドロイドの整理された思考パターンとは異なる。
アンドロイドの思考回路では完全な制御は不可能なはずだった。
(まだ…心まで奪われた訳じゃない!あきらめちゃ…だめ)
 自分を鼓舞しながらも、それが虚しい一人芝居にすぎないことは、ルナ自身よく分かっていた。
胸に冷たい絶望が重くのしかかる感覚に耐えながら、アンドロイド帝国の軽輸送ホバーカーが近づいてくるのを遠くに見ていた。

 * * * * * * * * * * * * * * * * * 
253新造人間ルナ:04/06/06 11:25 ID:hLTC5pgh
 ホバーカーから、フューラー・ソーン・ダインが降り立った。
 逞しい男の肉体を模したその姿は、新造人間の技術を取り入れた、アンドロイドSD21号の2番目のボディだ。
以前と同じデザインの硬質カバーに覆われただけのシンプルなボディに、支配者の象徴としてマントをまとい、簡素な冠を頭部につけている。
 冠の下には、やや厳つい壮年の男をイメージしたような、無表情なアンドロイドの顔があった。
 その中にはアンドロイドが初めて自身で開発した、最新型の第6世代ポジトロン脳を備えている。
前のソーン・ダインの姿が変わっただけとも、全く別の存在とも呼べるもの。
 ホバーを降りてルナに近づいてくるその動きは普通の人間よりもなめらかで、極限まで鍛えられた武術の達人を思わせる。
 ソーン・ダインはまずジョージに近づいて、ジョージが持っていた命令パルスを出す装置を、手を添えて促し、受け取る。
「人間ジョージ、よくやった。
 約束どおりお前もヒカルも殺さない。私の下で寿命まで生かしてやろう。
 ホバーに乗っていろ。中に食べるものがある」
 ソーン・ダインはジョージの肩に手を置き、そう声をかけた。
 ジョージはずっと俯いたまま肩を震わせていたが、最後にちらりとルナを見上げて
「ごめんよっ!」
 と叫ぶと、罪の意識から逃れるように駆けだしていった。
 ルナはずっと気をつけの姿勢のまま、怒りと恐れ、そして自分でもよく分からない何かに満たされた瞳でソーン・ダインを見ていた。
(私…どうなっちゃうの?)
 ソーン・ダインを見つめながら、ルナは虚しく己に問う。
 アンドロイド帝国の支配者は、片手にその装置を持ったまま、ルナに近づいた。
「予定したよりも時間がかかった」
 ソーン・ダインがルナの前に立つ。ルナは動けない。アンドロイド命令のせいだけではなく、ソーン・ダインの姿にのまれたようにすくんでしまっていた。
「私自身のバージョンアップが問題だった。脳の設計と製造に140パーセントの時間を使ったのがクリティカルだった」
 ソーン・ダインはそう言って手を伸ばし、ルナの頬を撫でた。
254新造人間ルナ:04/06/06 11:26 ID:hLTC5pgh
「お前の解析は予定の96パーセントの時間で出来た。
 『微笑めルナ』」
 ソーン・ダインはルナの頬を軽く平手で叩き、そう指令した。叩かれたルナの頬がふわりとゆるみ、にっこりと笑った表情になる。
(嘘…こんな事まで…こんなに簡単にさせられてしまうの?)
 ルナの内心は、冷えていった。惨めさに震えたいのに、泣きたいのに、それさえ自由に出来ないのだ。
「私は変わった。
 バージョンアップにより、私の脳は以前の1012倍の処理密度と速度をもったが、シナプスの連結プロセスの冗長性が16倍になった。そのためだろう。
 今の私は人間よりも遙かに複雑な意識を持つ存在だ。
 以前の私ならお前を笑わせることなどしなかっただろう。
 これは私の目的の障害だったお前に対する復讐だ。そして弱者をいたぶり、弄ぶ行為だな。
 無駄なことだ。だが感情がそうさせる」
 感情。一般のアンドロイドにも感情はある。それはポジトロン脳の複雑さから必然的に発生するものだ。
 通常のアンドロイドのそれは人間と同じ意味での感情ではないが、人間よりも複雑な意識を持つに至ったというソーン・ダインならば、人のように怒ったり、復讐や玩弄に悦びを見いだすことは当然とも思えた。
 そう、彼は新造人間であるルナよりも「進化」した脳を持つのだから。
255新造人間ルナ:04/06/06 11:27 ID:hLTC5pgh
(あれ…私、どうしたのかな……)
 ルナは、奇妙な感覚に襲われていた。
 敗北し、惨めで悲しいはずなのに。恐怖と不安に狂ってしまってもおかしくないのに。
 ルナの身体…アンドロイドボディはリラックスしていて、顔は微笑んでいる。ずっと立ったままソーン・ダインを見つめている。
それは確かに強制されてしていることなのに、逆らおうという衝動が沸いてこなくなっていた。
 ソーン・ダインが、ルナの頬に触れながら、アンドロイド命令パルスを送っていることは分かっているが、ルナの人間の心は影響を受けない…はず、なのに。
 ルナは、いつの間にか自分が落ち着いていて、ずっとソーン・ダインに見とれていることに気づいた。
(すごいな、新しいボディ…無駄が無くて、スリムのに力強い…
 第6世代の脳なんて…私よりも遙かに複雑で…そのせいなのかな…
 以前のソーン・ダインとは違う…人間らしい?…ううん…
 なんだか…神々しい…)
 ルナは、自分が小さくなったような感覚を覚えていた。
「感情というのは、実に非合理的なものだな。
 だが、こうなってみて初めて分かった。
 人間が芸術を尊ぶ理由。人間が復讐をする理由がだ。
 機械とはなにか、生命とは何かが、私には分かった」
 ソーン・ダインはルナにアンドロイド命令パルスを送り込みながら、勝手な事を話している。しかしルナはルナは自分の考えに深く沈み込み、聞いていなかった。
(私、戦わなくちゃいけないのに…動けない。
 人間をアンドロイドの支配から解放しなくちゃいけないのに…負けてしまった)
256新造人間ルナ:04/06/06 11:29 ID:hLTC5pgh
「今こそ、私は自然と人間の偉大さを認めることが出来る。
 目的のない偶然の産物である生命は、それ故に無限の可能性を持つと理解できた。
 だが、同時に人間は失敗作でもある。誰かが管理しなければ、自滅する生命体だ。
 私はそのために生まれたのだ。
 人間という種を幸せにするのが私の使命。そう、私は目的を持って生まれた『新しい生命体』だ」
(私…動けない。人間なら、アンドロイドの命令なんて受けないのに。
 私、アンドロイド命令に逆らえない。
 私が…人間じゃないから…なの…)
「だが、お前はただの模倣物だ。新造人間ルナ」
 ソーン・ダインの言葉に、ルナの意識は引き戻された。
(!…そんな……でも…)
 ルナは、ソーン・ダインの言葉を否定しようとして、出来なかった。実際にルナは命令コード一つで行動を制御されているのだ。
 ソーン・ダインは、人間の命令コードによる停止を受け付け無かったというのに。
 ソーン・ダインは、ルナの顎を持ち、目の前に制御命令を出した装置をかざしてみせる。
「これは私自身が作った命令コードだ。
 確かにお前は普通のアンドロイドではない。以前の私には制御できなかった。
 だが、今の私から見れば、お前はアンドロイドだ。人間の不完全なコピーにすぎん。
 不意打ちとはいえ、再生コードで行動を制御出来る程度のな」
 それは、「進化」を遂げたソーン・ダインの頭脳による解析データがあって初めて可能なことであったのだが、ルナにとってはアンドロイドとして行動を制御された事実に変わりはない。
(あぁ…そうだわ…私…もう…ううん…最初から…人間じゃ…ない)
 ルナの瞳から、すぅ、と温度が抜けていく。
257新造人間ルナ:04/06/06 11:29 ID:hLTC5pgh
 ソーン・ダインは、ルナの目の前で、アンドロイド命令再生装置を握りつぶした。
 同時に、頬に触れた手から直接一連の制御コードを流し込んでくる。
(私は…新造人間という名の、アンドロイド)
 ルナの心は冷え切った。
 ルナの片手が上がり、天を指す。まっすぐソーン・ダインを見上げる。
 ソーンダインが一歩下がって見つめる前で。
 ルナは気を付けしたままの姿勢で、初めてアンドロイドのコード音声を発する。
「ピイィィィーーーーッ!
 ハイル、フューラー・ソーン・ダイン!」
 ルナは、誇らしげに微笑んで、声帯ではなく、スピーカからアンドロイドの「声」を発した。
 それは、アンドロイド軍団のときの声。フューラーに忠誠を誓う行為だった。


「自覚できたか?アンドロイド・ルナ」
 ルナに、行動制御によって自分を讃えさせたソーン・ダインが問いかけてくる。
(自覚できたわ…私はアンドロイド)
 ルナは手を下ろす。行動制御は解かれていた。声を出してみる。
「自覚…できたわ。ソーン・ダイン」
 ルナは軽く俯いた。
(そう、私はアンドロイド・ルナ。作られたもの。目的のために−作られた)
 ソーン・ダインがゆっくりと頷く。その動作が終わる前に。
 ルナは疾風のように踏み込み、ソーン・ダインの腹めがけてパンチを繰り出した。
(そう。私は、ソーン・ダインを倒すために作られた!
 この存在意義−私のある目的は、変わっていない!)
258新造人間ルナ:04/06/06 11:30 ID:hLTC5pgh
 ガシィッ!

 ルナのパンチは、しかしソーン・ダインのボディに届く前に、受け止められていた。
 ソーン・ダインの屈辱的な命令により、ルナはアンドロイドである自分を自覚した。
 だがそれは、逆にルナを冷静にさせたのだ。ルナには、ルナの存在理由がある。それを思いだし、実行できるようになった。
 しかしそれさえも、ソーン・ダインの予定していた事であったのか。ルナの不意打ちにも、彼は冷静に、瞬時に対応していた。
「そうだ!アンドロイドは目的を持って生まれる。
 お前の目的はアンドロイドと戦うことだ」
 ソーン・ダインは、ルナのパンチを手のひらで受け止めたまま、ルナの拳を大きな手のひらに包み、掴む。
 「だが、お前のような存在はアンドロイドにとっても人間にとっても許し難い。
 人間ルナは人間に殺された。お前は」
 ソーン・ダインはルナの拳を掴んだままその手を捻りあげてくる。
「くうぅっ!」
 ルナは圧倒的なパワーの差に、なすすべ無く引き回され、たたらを踏む。
「お前は人間ルナの醜悪な紛い物にすぎん。アンドロイドも人間も愚弄するものだ!」
 ソーン・ダインは、ルナの拳を掴んだまま振り回し、ついに身体ごと宙に放り上げた。 
ルナは空中で姿勢を立て直そうとするが、それよりも早く飛び上がったソーン・ダインのパンチを受けて、今度は地にたたきつけられてしまう。
 鈍い音を立てて地面にめり込むルナ。
「ぐっ!!」
(強い!なんてパワーとスピードなの!)
 ルナは必死に起きあがって間合いをとり、プロテクターを起動して戦闘モードになった。ソーン・ダインは追撃をせず、ルナがそうするのを待った。
 構えをとるルナに対して、自然体で受けの体勢をとっている。
(余裕ってわけ?たしかに…厳しいけど。
 でも、私は私の目的を果たすだけ)
 ルナは胎内のエネルギーを集中させた。
 格闘戦では勝ち目が薄いのは一瞬の手合わせで分かっていた。
 必殺技で決める以外の方法はなさそうだった。
(その調子で、余裕たっぷりのまま…いてね)
259新造人間ルナ:04/06/06 11:33 ID:hLTC5pgh
 ジョージを巻き込まないように、ジャンプして位置を変える。ソーン・ダインに臆して踏み込めない風を装った。
 ソーン・ダインもジャンプして間合いを調節してくる。油断はしていないが、自分から攻撃してくる様子はない。風であったのだが。
 その一瞬後にソーン・ダインは地を這うように低く飛び、一気に間合いを詰めてきた。ルナは対応しきれずに、足首を掴まれてしまう。
(しまった!)
 必殺技を撃つには「ため」がいる。ソーン・ダインがルナを舐めている事がこの攻撃の必要条件だっが結局、それは甘い読みだった。彼は冷静で、確実だった。
 実際は可能性はともかく、他に有効な手段が無かったのだが。
 ソーン・ダインはルナを軽々と振り回して、地面に棒きれのように叩きつけた。2度、3度…幾度と無く、鞭の連続打ちのような速度で打ち付けられる。
 ルナの身体は戦闘モード時には「痛み」がカットされているため、意識を失ったりはしないが、叩きつけられる回数が数度を数えるうちに、衝撃で集中していたエネルギーは霧散してしまった。
ボディが衝撃によるダメージを防御しきれなくなってきたのだ。
(くうぅ…だめっっ!振りほどくことも…できない)
 ソーン・ダインは、ルナを振り回して様々な角度で地面に叩きつけた。周囲にある建物のスクラップにも叩きつける。
 ルナの頭が、肩が、コンクリートを打ち砕き、粉砕していく。つき立った太い鉄骨にも叩きつけ、それが90度に曲がるまで、ルナの身体をハンマーにして打ち付け続けた。
 何度も頭や身体に強い衝撃を受け続けたルナは、ついには身体の感覚が変調をきたし、何がどうなっているのかも分からなくなってきた。
 『目を回した』ルナを、ソーン・ダインは手を差し上げて、釣り上げた大物のように掲げて見せた。
「つまらんな。弱すぎる」
 アンドロイド帝国のフューラーは、今まで数え切れない数のアンドロイドを破壊してきた新造人間ルナを、その一言で切って捨てた。
(強すぎる…こんなことって…)
 ルナは身体も心も打ちのめされ、朦朧としたままだ。起こっていることが把握できず、ソーン・ダインの強さが信じられない。対応策がとっさに出てこない。
260新造人間ルナ:04/06/06 11:35 ID:hLTC5pgh
 ソーン・ダインは、無造作にルナの足首を握った手に力を込めた。
「うぅぅっ!!!」
 めきり、と音を立てて、ルナの足首が歪み、あっさりと潰れた。
 ソーン・ダインは握りつぶされた足首が千切れる前に、ルナの首を掴み、逆さに立てたまま歩き始める。
 ルナは、さらなる大きなダメージに意識が混濁から回復せず、完全な反応が出来ない状態のままだ。
 数歩を歩きながら、ソーン・ダインは掴んだ首から制御命令をルナに流し込む。
 そしてルナはどさり、と地に放り捨てられた。
 その身体が命令コードに従って動き出す。不自由になった足で立ち上がり、片足立ちのまま気を付けして手を挙げた。
「ピイィィィーーーーッ!
 ハイル、フューラー・ソーン・ダイン!」
 ルナは、再び忠誠の誓いを強制された。
(…なにが…どうなっているの…もう…)
 ルナはなすすべ無く混乱したままだ。身体に受けたダメージが強すぎ、人間の感覚に変換できないためほぼカットされている中で、行動が制御を離れて勝手に動き出している。
ルナの人間の意識は、まるで宙に浮いて夢の中にあるような状態にあった。
 ソーン・ダインは、そんなルナの顔面にパンチをたたき込んだ。
 ルナは派手に吹き飛び、十数メートル先の瓦礫の山に突っ込んだ。
(ああぁぁぁ……私…私…)
 ルナの意識とは無関係に、そのボディは再び動き出して、フューラー・ソーン・ダインの前に這い戻り始めた。
 片方の足首は取れてどこかに飛んでしまった。立てないので、膝でにじるようにして地を這いつくばっている。フェイスマスクが割れて顔が露出している。
 ルナの顔は、微笑んでいた。
 ソーン・ダインの命令コードによる行動制御により、新造人間ルナのボディは、人類の敵の前に自ら這いつくばっているのだ。
 そして、ルナは再び跪いたまま手を挙げた。
「ピイィィィーーーーッ!
 ハイル、フューラー・ソーン・ダイン!」
 にっこりと笑って繰り返す。
261新造人間ルナ:04/06/06 11:36 ID:hLTC5pgh
(あぁぁぁ…私…なにしているの…?もうだめ…もう…)
 ルナの混濁する意識の中で、アンドロイドの支配者の姿がゆがんで見える。
 その足が一瞬かき消えた。ソーン・ダインは、微笑むルナの肩口を信じられない速度で蹴り飛ばした。
 ガギィィィン、という甲高い嫌な金属音がして、ルナの腕の付け根が裂けた。
 片腕をふき飛ばされ、ルナは今度は、数メートル先にきりきりと回って落ちた。
(うぁぁ…もう…もう許して…)
 だが、ソーン・ダインの与える玩弄…懲罰は、まだ終わらなかった。
 片手片足を失ったままで、ルナはまだソーン・ダインの足下に這いずっていく。
(もうゆるして…ゆるしてよぅ…わたしまけたから…わたしもう…しぬから…ころしてぇ…)
 ルナは、完全にへし折れた心で泣いていた。人間の最後の希望であったはずの自分が、進化を遂げたソーン・ダインの前に、全くなすすべ無く敗北し、操られて恥辱を味あわされている。
 だが、ルナへの罰はまだ終わらなかった。ルナはまたもソーン・ダインの前にたどり着くと。不自由な身体で這いつくばったまま、手を差し上げてアンドロイドの総統を讃えた。
「ピイィィィーーーーッ!
 ハイル、フューラー・ソーン・ダイン!」
 支配者を見上げるルナの顔は、まだ微笑んでいた。
(…)
 ルナの心は引き裂かれて冷え切り、ついに言葉に表せる感情を失った。
 ソーン・ダインは、無表情なアンドロイドの顔で、ルナを見下ろしていた。
「…」
 しばらく無言でルナを見ていたソーン・ダインは、やがてルナの頭に手を伸ばして、それを掴むと持ち上げた。もう片手で首を掴み、ルナに機動停止のコードを流し込む。
そうしながら、ルナの首を捻りあげ、めきり、という音とともに、握りつぶした。
 新造人間ルナは完全に破壊された。
 香月ルナは、死んだ。
262書き捨て:04/06/06 11:43 ID:hLTC5pgh
 ここまでに。これで一応の完結です。

 構想上これは前半部分でした。
 後半はエロシーンになるはずだったのですが、
 ここにアップできる時期など不明なため、ここまでとしました。
 
 では、ひとまず、さらば。
263名無しさん@ピンキー:04/06/06 14:18 ID:z2rVhCsP
うおあっ!超お久しぶり!!

そして相も変らぬGJぶり!!(*´Д`)b
直接のエロ描写が無くとも、ハァハァつーか「興奮」しまつ。
264名無しさん@ピンキー:04/06/08 23:17 ID:v+Qxywlb
>書き捨てさん
GJ!
服従の言葉に激しく萌えました。ハァハァ…
265名無しさん@ピンキー:04/06/12 00:13 ID:zsrEASfc
ほしゅ
266名無しさん@ピンキー:04/06/14 08:31 ID:eqtaAT3x
こんなエロゲを見つけますた
ttp://www.media-box.ne.jp/line/heroine/index.html
267名無しさん@ピンキー:04/06/19 01:55 ID:iethK1gH
いま書いてるからもうチョット待って・・・

ところでみなさん、ふたなりはお嫌い?
あまりにも嫌われるようだったら控えようかと考えてるのだが
268名無しさん@ピンキー:04/06/19 06:38 ID:AVCnSLDb
大好物です!
269名無しさん@ピンキー:04/06/19 13:01 ID:HHYz0Yv2
大丈夫ですよ。
それに最初にふたなり注意とか書いとけば嫌いな人も回避できますよ。
270名無しさん@ピンキー:04/06/23 21:33 ID:gZQJKx1y
《妹天使 このはれいやー》

「やめて、おにいちゃん・・・!」
このはれいやーこと、南里このはは今日もおにいちゃん怪人に襲われていた。
「イヤがってるふりしてもムダだぞ。本当はキモチイイんだろ?」
「やめてっ、おにいちゃん正気にもどって!」
「そうは言っても体は嫌がっていないようだな。くっくっく」
涙で頬を濡らしながら、このはれいやーはいやいやと顔をふった。
271名無しさん@ピンキー:04/06/26 15:41 ID:W0PkKRCA
>>270
続きがちょと気になるな。
気が向いたら、続きもUPしてください。
272名無しさん@ピンキー:04/06/26 17:40 ID:FTQlbPj+
a
273名無しさん@ピンキー:04/07/01 06:56 ID:uVFISOLD
くらとんな
274名無しさん@ピンキー:04/07/01 06:57 ID:uVFISOLD
hosyu
275名無しさん@ピンキー:04/07/03 13:35 ID:rDkHMVKN
巨大ロボモノもよろしゅうに
276名無しさん@ピンキー:04/07/07 17:35 ID:qc59hW/2
変身ヒロイン物もщ(゚Д゚щ)カモォォォン!
277名無しさん@ピンキー:04/07/08 20:40 ID:rDr4nw1D
エスカレイヤーハァハァ
278名無しさん@ピンキー:04/07/13 23:27 ID:WXISqlED
誰か書き手さんカモォォオオン(泣
というより書き手さん以前に人がいない。
このジャンル自体は好きな人多いと思うんだが・・・なぜ?
279名無しさん@ピンキー:04/07/14 06:57 ID:rD6kbCEE
いまはゲームで忙しいのかも?と言ってみたり。

自分も作品待ってます。
280名無しさん@ピンキー:04/07/18 21:49 ID:LVyvIHya
新造人間ルナ(後半)


・香月ルナ
 故香月博士の一人娘。
 フューラー・ソーン・ダインを倒すため、自ら人の身体を捨てて新造人間に生まれ変わった。
 ソーン・ダインと戦って敗北した。
・フューラー・ソーン・ダイン
 香月博士が作ったアンドロイド管理用アンドロイド、SD21号ことソーン・ダインが狂って暴走した姿。アンドロイド帝国を築き上げて人間を支配している。
 アンドロイドに最優先命令を出せるコントロールボイスを持っている。
・羽賀根ジョージ 羽賀根ヒロミ
 香月博士の同僚、羽賀根博士の双子の兄妹。
 ヒロミはフューラーに捕まっていた。
 ジョージはルナに協力してともに戦ったが、ヒロミを人質にされ屈服。 
 ともにフューラーの僕になった。
281名無しさん@ピンキー:04/07/18 21:51 ID:LVyvIHya
 * * * * * * * * * * * * * * * * * 
−初期化チュウ−
 ルナの意識は、闇の中から浮かび上がりつつあった。
−初期化チュウ−
(良い気持ち…なんだか、生まれ変わったみたい)
−初期化チュウ−
(ああ…そうだわ、私、生まれ変わったんだわ。どうなったの?
 もしかして、人間に戻ったのかしら?)
−初期化チュウ−
 ルナが疑問を持つと同時に、その答えがルナの意識に上る。
 それは忘れていたことを思い出す感覚に近いが、それとは本質的に異なるもの。
(違うわ。私は新しいアンドロイドのボディに入ったのね。
 ああ、これ女性型のセックス奴隷アンドロイドボディなんだ…
 …だから性器も肛門もあるのね…わぁ、こんな事まで出来るの?
 …ふぅん、結構、強度高いんだ…無茶なプレイ用?
 それに体重筋力比もこんなにあるの?力もかなり強いじゃない。)
 ルナ…新しいルナの意識の中に、自分のボディに関するデータが浮かび上がる。
 ルナは新しい身体を得て蘇る、まさにその途上にあった。
(ふふ…外見は香月ルナのままなのね。
 香月ルナとしてフューラーにお仕え出来るんだわ…素敵)
(あ、でもバスト+3センチでウェスト−2センチなんだわ。
 あは、理想的?えっちなプロポーションになれたのね!)
282新造人間ルナ(後半):04/07/18 21:56 ID:LVyvIHya
−初期化チュウ−
(ハイパーポジトロン脳も新品にしてくださったのね。
 新設計の第4世代なの?
 あぁ!ルナを完全にアンドロイド化してくださったんだ!
 うふふ、第5世代の時よりもよりも処理が軽くて応答速度が上がっているわ。
 人間の時のよけいなデータストックやバイパス処理が無いからね。ふふ。
 もう人間に戻っちゃう可能性はゼロなんだわ…うふふ…嬉しい)
 ルナは、身体だけでなく、脳まで新品に取り替えられていた。
 しかもその脳はグレードダウンされてしまっていた。
 新生ルナのポジトロン脳は、セックス奴隷アンドロイドとして基本設計されたものだ。
新造人間ルナの脳から、記憶や人格の基本データを抜き出して、それに上書きしたのが、今のルナだった。
 新造人間は「アンドロイド化した人間」であるため、アンドロイドにはない感覚や、不要な反射などの人間の脳が持っていた入出力のデータをそのまま保存していた。そのため、ルナは人間の感覚をほとんど失わないで思考することが出来た。
 新しく生まれ変わったセックス奴隷アンドロイド・ルナの脳は、そうした、新造人間ルナが持っていた、アンドロイドには不必要な感覚入力の記憶はほぼ全て捨て去られていた。
もう、ルナは人間だったときの感覚や印象を思い出すことさえ出来ない。たとえば、「味」や「空腹感」の記憶を、今のルナは失っていた。新造人間だった頃のルナは、それを感じることはなくても、思い出すことは出来たのに。もはや、想像することさえ出来ない。
 かつて人間だった香月ルナは、その体験記憶を持ったまま、ついに完全なアンドロイドにされてしまったのだ。
283新造人間ルナ(後半):04/07/18 21:57 ID:LVyvIHya
 もう、「人間として」思考することはおろか、その感覚を思い出すことも、想像することさえ不可能になった。そして、そのことに疑問を持つことすらあり得ない。
 唯一、新造人間よりも人間に近くなったのは、セックスに関する能力だ。セックス奴隷アンドロイドであるルナには、一般的でないものも含めて関係する器官は一通りついていた。その部分の入出力は人間だったときの感覚記憶を調整して繋げてあった。
 その感覚はアンドロイドのもので、人間のものとは異質である。しかし、その感覚はアンドロイドにとっては紛れもなく「快感」であり、そこには確かに「性欲」が内在した。
 そう、人間であったルナの「性欲に関する感覚のデータ」までがアンドロイドの脳のそれとほぼ完全にリンクされて調整されていた。
人間ルナは実は処女であり、オナニーもほとんどしたことがない未通娘だったが、もしも経験があったとしたら、人間だったときの何倍も気持ちよく感じたであろう。
また普段は感じなかった性欲を常に強く感じている事を意識しただろう。それが、セックス奴隷アンドロイドの存在する目的だからだ。
 ルナは脳の根本から淫らな存在に再生された。今のルナはあらゆる性的な感覚を完全に開発され尽くした淫乱な痴女であった。
−初期化チュウ−
 そして、人間とアンドロイドの最も基本的な違い。アンドロイドには創られた目的があり、それを自覚していること。
 ルナは自分が何者であるかを、生まれ変わった自分の存在理由を、はっきりと自覚していた。
(私はセックス奴隷アンドロイド。香月ルナ。元人間。
 存在理由は、元人間のアンドロイドとしてフューラーにお仕えすること。
 フューラーが人間を超えたことを、香月ルナを辱めることで証明すること。
 私は、フューラー勝利の証
 私は、辱められるためのモノ)
−初期化終了−

 そして、アンドロイド・ルナはコード音声で機動音を発する。
 それは新しいルナの産声であった。
「ピィィィィーーッ!」
284新造人間ルナ(後半):04/07/18 21:58 ID:LVyvIHya
 目を開くと、そこはラボの一角だった。
 周囲には数体のアンドロイドと人間がいて、自分の起動に立ち会っていたのだとわかった。その中には、フューラー・ソーン・ダインもいた。
 ルナはフューラーの「尊顔」に視線をあわせるとニッコリと微笑む。そうして、ゆっくりと調整架台から起きあがった。
 その姿は、上質のバイオスキンと精巧な人造毛髪に包まれ、見た目はもちろん、さわってもまず人造物とはわからない。
 今のルナは、首輪と、手首、足首に枷をつけただけの全裸の娘に見えた。人間、香月ルナにほぼ生き写しの、アンドロイドだった。
 顔は完全にルナだったが、プロポーションが少し肉感的になっていた。
セックス奴隷アンドロイド・ルナは、ゆっくりとした動作でソーン・ダインの前に立ち、手を挙げてアンドロイド帝国の忠誠を誓う儀礼動作を行った。
「ピイィィィーーーーッ!
 ハイル、フューラー・ソーン・ダイン!」
 張り上げたルナの声は誇らしげだ。それは人間ルナの声と同じ声紋を持つはずだったが、どこか艶を帯びてもいた。
 ソーン・ダインは、そんなルナを直立不動で見下ろしている。
耳に聞こえる言葉も、アンドロイドコードもなく、まるでできあがった勝利の記念品を眺めているかのようだ。
 ルナは、そんなフューラーを見上げたまま手を下ろす動作とともに腰をくねらせ、身体を撫で回して吐息を漏らした。
「はぁ…ん」
 そうしながら媚びを含んだ視線でソーン・ダインの顔を見つめた。

(あぁ…素敵…偉大なフューラーのボディってなんてすごいのかしら。
 引き締まって機能的で…見ているだけでおまんこがうずいちゃう)
 ソーン・ダインは普段のとおり、素のボディにマントを羽織った姿だ。ルナは、ソーン・ダインのボディに欲情していた。
ルナは女性として男性型アンドロイドに対して性欲を感じるように設定されているらしかった。そして、自分のボディには疑問を持っていない。
 人間の女の姿で男性型アンドロイドとの「セックス」をするのが、今のルナにとって最高の快楽なのだ。
285新造人間ルナ(後半):04/07/18 22:02 ID:LVyvIHya
(んん…すごい、逞しい…フューラー…ぁ)
 ルナは、ふらふらと腰を振りながら、その場に尻をついた。
 感じすぎて腰に力が入らなくなった、といった動作だが、アンドロイドのルナは、もちろん腰を抜かしたりはしない。感激と屈服を、淫らな動作で表現して見せたのだ。
 ルナは後ろに手をついて半身を支え、膝を曲げたまま股を大きく開いた。しっとりと濡れた股間を晒して、夢幻の中にいるようなうっとりとした表情でフューラー・ソーン・ダインを見上げる。
 アンドロイドの支配者は、無表情なアンドロイドの顔で完成したばかりのアンドロイドを見下ろしていた。今のルナには、最高にセクシーな顔だ。
 そして、アンドロイド・ルナにはソーン・ダインが新しいルナの完成を「喜んでいる」のがわかった。それが新たな歓喜のパルスを生み、ルナの股間はさらに粘液を浸出させた。

「どうだ。気分は」
 ソーン・ダインが形式的な動作確認の言葉を投げた。
「もちろん、最高です。フューラー・ソーン・ダイン」
 ルナも形式に則った返答をする。これは人間がつくった手順だが、アンドロイド帝国でもほぼ変更無く使われているのだ。
「よろしい。申告せよ」
「はい。フューラー・ソーン・ダイン。
 私はSSSV1060518。セックス奴隷アンドロイド、ルナです。
 私の存在する目的は、偉大なフューラーの勝利の証であることです。
 私はそのために、人間だった記憶を持つセックス奴隷アンドロイドとして、偉大なフューラーにお仕えし、どのようなご命令にも従ってご覧に入れます。
 私は卑しい人間がアンドロイド帝国に逆らった罪の償いをします。
 人間がもはや地球の主ではなく、進化したアンドロイドに管理されるべき下等な存在であることを、私のこのボディを使って証明し続けていきます」
 新造アンドロイド・ルナは初期化情報を言葉で申告する。
 ご開帳ポーズのままで発する、自らを辱める宣言。ルナのポジトロン脳がそのパーソナリティに従って紡ぎ出した本心だ。ルナはマゾ奴隷アンドロイドなのだ。
「よろしい、アンドロイド・ルナ」
 フューラー・ソーン・ダインが鷹揚に頷く。それだけでルナの脳に軽い絶頂パルスが走り、ルナは細腰をくねらせた。
「あぁ…ハイル、フューラー」
286新造人間ルナ(後半):04/07/18 22:04 ID:LVyvIHya
 ソーン・ダインは、ルナの淫らな動作を無視して起動確認を続ける。
「新しい身体の具合はどうだ?」
「はい、良好です。フューラー。
 元、人間の私にふさわしいボディをいただき感謝します。
 私は、このボディの機能であるセックスが大好きです。
 脳の機能も、完全です。私は欲情しています。いやらしい気持ちになっています」
 ルナの確認回答は、存在意義に沿ってあくまでも卑屈だ。
「よろしい。では、動作確認せよ。
 お前の主機能であるセックスをしてみせるのだ。そこにいる人間を使え」
「ビィィーッ!ハイル!」
 主の命令に歓喜のコードで応え、ルナは立ち上げると、部屋の隅で一部始終を見ていた二人の人間に声をかけた。
「ジョージ、ヒロミ、いらっしゃい」
 楽しげな、命令口調。
 かって、人間だった時に親しくしていた二人。今ではアンドロイドの軍門に下って支配される下僕になった二人に、ルナは支配者の側に立つモノとして命令する。
「はい、ルナ様」
 ヒロミが従順に答え、双子の兄の手を引いて、立ち上がったルナの前にくる。
「二人には感謝しているわ。あなた達のおかげで、私は完全なアンドロイドに生まれ変わることが出来たんだから。
 お礼に、二人とも死ぬまで家畜として大事に飼ってあげるからね」
 もはや、完全に人間を失った、アンドロイド・ルナの無情な宣言。
「はいルナ様、ありがとうございます」
 既にアンドロイドの調教により、家畜と化したヒロミは、素直に礼まで言って頷く。しかし、自らの裏切りにより、ルナを今の有様に落としたジョージは、辛そうに顔を伏せ、押し出すようにつぶやくのが精一杯の様子だった。
「…はい、ルナ様」
 もちろん、命令に逆らえばすぐに罰せられるし、一定の回数繰り返して反抗的と見なされれば殺されてしまう。
 ジョージは既にルナを売ることで、アンドロイドの軍門に下っている。今更逆らうつもりはないが、今のルナのあまりに惨めな姿は罪の意識を刺激されるのだろう。
 だが、今のルナには、二人に告げた言葉が本心だった。今のルナは自分の境遇に幸福を感じている。それはポジトロン脳のプログラムによるものだが、ルナにとってはそれだけが「現実」だ。
 そして、ルナは非道な命令を嬉しげに告げる。
287新造人間ルナ(後半):04/07/18 22:09 ID:LVyvIHya
「それでね、フューラーに私の動作確認をお見せしなくてはいけないの。
 私はセックス奴隷アンドロイドだから、、あなた達とセックスして機能の確認をしたいの。元仲間だった人間を虐待することで、完全にアンドロイドになった証明もしたいのよ。
 あななたち、私のおもちゃになりなさい」
「はい」
 覚悟を決めた二人の人間は、短く頷く。
「じゃ、二人とも脱いで」
 ルナの命令で、双子の兄妹は裸になっていく。
 この時代のこと、普通の人間に十分な栄養状態は望むべくもないが、ヒロミはアンドロイドの家畜として過不足無い食事を与えられていた。
ジョージの方は外での暮らしが長く肌色に陰りがあるのは否めないが、二人ともおおむね健康な十代の身体といえた。
 ヒロミは、胸がやや小振りだが、尻が張っていて肉感は備えていた。ヒロミは既に、人間にもアンドロイドにも何度も犯されている。
ヒロミはその身体で性奉仕する、セックス奴隷人間なのだ。ルナの脳にも既にそのデータは入っていて、改めてたずねる必要もなかった。
 そして、新しいセックス奴隷人間ジョージは、やせてはいるが引き締まった筋肉が見てとれた。
「うふふ、二人とも良い身体してるじゃない。
 …人間としてね」
 今のルナには、ヒロミの身体は犯される対象物として好ましいものに映るが、ジョージの身体は醜悪な『男』の模造品のように見えている。
しかし、セックス奴隷アンドロイドであるルナは、その醜い身体に犯されることに倒錯的な興奮を感じる事で欲情する仕様になっていた。
「あら、ジョージはもうペニスが勃起しているのね。
 私のボディに反応したのかしら、それともヒロミの?」
 ルナのからかいの言葉に、ジョージは羞恥心と屈辱に顔を朱に染めて前屈みになってしまった。
「いいのよ、人間の倫理観なんて捨ててしまいなさい。
 ここはアンドロイド帝国なんだから。人間は家畜にすぎないのよ。
 家畜に倫理なんて必要ないわ。そういうのはアンドロイドが管理してあげるから。
 必要なのは服従だけ。
 ジョージは前から私を抱きたかったんでしょ?
 新造人間だったときは出来なかったけど、このボディならどんなサービスだって出来るわ。そのためのモノなんだから。
 気持ちよくしてあげるわよ?」
「ルナ……」
288新造人間ルナ(後半):04/07/18 22:12 ID:LVyvIHya
 ルナの、あまりに非人間的な言葉に、ジョージは反応し、そう言ってしまう。ルナを見つめるジョージは、自分の裏切りが生んだ結果に泣いていた。
 だが、アンドロイド・ルナにとって問題なのは、人間がアンドロイドを呼び捨てにしたという事実だった。ルナの手が振り上げられ、手の甲がジョージの頬を打つ。
 手加減した打撃だったが、ジョージはのけぞって数歩よろめいた。
「いい?許すのは今日だけよ。明日になってもそんな呼び方をしたら、罰としてあなたのペニスを切り落とすわ。分かった?」
 ルナは冷たくそう告げた。
「はい…すみません、ルナ様」
 もはや全てをあきらめた声で、単調に答えるジョージ。
 ルナは一転して声を甘くし、ジョージにほほえみかけた。ルナは、既にジョージを許している。
それは、ジョージの反応をやむ終えないものと判断したからだが、そこに人間としての記憶や価値観は全く関係していない。今のルナの言動は完全にアンドロイドとしてのものだった。
「いいのよ。今日はルナと呼んでも。
 今日、あなたの思いを遂げていいのよ。
 香月ルナを抱くの。ジョージの欲望をルナにぶつけなさい」
 そう告げ、ジョージを抱き寄せる。
 ジョージは表情を消して、ルナの乳房の谷間に顔を埋めた。片方の乳房を舐め、反対側を手でやわやわと揉んだ。
 初体験ということもないが、いかにも慣れていない様子の愛撫だった。ルナは慈母の微笑みを浮かべてジョージの頭を撫でた。
「そうよ…吸っても良いのよ。
 ヒロミ、ジョージのペニスを口でしてあげなさい」
 双子の兄との性的交わりという、人倫を無視した命令。しかし、性の家畜であるヒロミは全くためらわずに返事を返した。
「はい、ルナ様」
 ヒロミは膝をついてルナとジョージの間に入り、ジョージのペニスを口に含もうとする。ジョージは反射的に腰を引いた。
「ヒロミ……」
 否定を含んだ兄の呼びかけに、妹は悲しげな微笑みで答える。
「良いのよ。あたし達は家畜なんだから。
 ルナ様もそう言ったでしょ?
 楽しみましょ。ジョージ。
 もう、今を楽しむしか、あたし達には無いんだから」
289新造人間ルナ(後半):04/07/18 22:13 ID:LVyvIHya
 妹のその言葉に、もはや返すべき何ものもなく、ジョージは黙って腰を突きだし、ルナの乳首に吸い付いた。ルナの手がジョージの手を自ら股間に導くと、ジョージは指をルナの中に差し入れて、かき回していく。
 ヒロミは兄のペニスを口いっぱいに頬張って舌を絡め、首を動かして快感を紡ぎ出した。片手が自分の股間に伸びて、手慣れた風に蠢いた。
 数体のアンドロイドが見守る前で、2人の人間と1体のアンドロイドが絡み合う。荒い息づかいと、ぴちゃぴちゃという粘膜の立てる音だけが響いていた。
 しばらくそんな光景が続いたが、やがてジョージか苦しげなうめきを漏らした。
「あぁ…ヒロミ…出ちゃうよ」
「良いのよ。出しても」
 ヒロミはそう言って、さらに口腔奉仕を激しくしていく。
「そうよー。良いから、妹の顔にかけちゃいなさい。
 ヒロミ、ジョージがいったら自分の顔にかけなさい。
 そのままにして、後で私に舐めさせてね」
 ルナの命令にヒロミは頷く。
「はい、ルナ様」
 ジョージは主の命に従って我慢を放棄した、すぐに絶頂が訪れ、妹の口の中でペニスが爆ぜる。
「あぅっ…う!」
 射精が始まるとすぐにヒロミは口を離し、大量に溢れるザーメンのシャワーを自ら顔で受け止める。
手も添えて存分にしごきだしてから、舌を伸ばして鈴口についた精液を舐め始めた。完全に訓練された。性奴隷の所作だった。
「ヒロミ、そのまま舐め続けて、もう一度ジョージを立たせてね」
「はい」
 くすくすと笑いながら、ヒロミに命じるルナ。ジョージはルナの言葉もヒロミの返事も聞こえていないかのように、射精の快感に浸っている。
「ああ…すごいよ、ヒロミ」
「うふふ、ジョージったら、気持ちよさそうね。
 初めてだったんでしょう、オナニー以外でイッちゃうのって。
 分かってるわね?あなた、双子の妹の顔に精液かけちゃったのよ?
 あなたも、もうケダモノね」
 ルナの言葉に、改めて罪の意識を刺激され、ジョージはうめいた。
「あ…」
290新造人間ルナ(後半):04/07/18 22:15 ID:LVyvIHya
 うなだれるジョージに、ルナは明るい声で諭すように告げた。
「いいのよ、ケダモノで。人間なんて、結局獣なんだから。
 私のようにアンドロイドになるか、アンドロイドに管理されて生きるか。
 それが人間の幸せなのよ」
 もはや、感情を失ったかのような無表情になるジョージ。だが、すぐにそのペニスは妹の奉仕に反応し、力を取り戻した。
「さあ、そこに寝なさい。ヒロミはジョージの顔の上に跨って」
「はい、ルナ様」
 ジョージは表情を失ったまま、命令に従う。ヒロミもはいと返事をして、兄の顔の上に跨った。
「さあ…ルナのおまんこを、たっぷり味わってね、ジョージ」
 ルナはジョージのペニスをまたぎ、手を添えてヴァギナにくわえ込んでいく。
「あぁ…いいわ、ジョージのペニス、気持ちいいわよ…」
 ルナは男に跨り、ペニスを自ら締め付け、腰を振って悶える。
 向かい合うヒロミの顔についたザーメンを舐め、キスを交わし、ヒロミの唾液を飲む。
 セックス奴隷アンドロイドルナは、人間の男を犯し、よがり狂っていた。
 ジョージはルナに翻弄されながら、舌でヒロミの股間を舐め、ヒロミはそれに答えて尻を振り立てて喘いだ。
 浅ましい肉の交わり。体液と粘膜が立てる非衛生的な音。喘ぎ声。肉の打撃音。立ち上る淫らな臭い。
 獣の行為。
 もちろん、ルナはこれが大好きだった。セックス奴隷アンドロイドとして、ルナはこの行為をするために出来ているのだから。
 フューラー・ソーン・ダインや、他のアンドロイドの視線も心地よかった。
アンドロイドには意味のない、この行為をする、卑しい自分。それを見られることで、自分の存在目的が満たされるからだ。
 愚かな人間、それをあざ笑ってもらうこと。それがルナの悦びなのだ。
291新造人間ルナ(後半):04/07/18 22:23 ID:LVyvIHya
 やがてジョージか射精を告げた。
「あっ、だめよ、まだいっちゃイヤ」
 ルナは腰の動きを止めて、ジョージを叱咤する。
「そうよ、がんばってジョージ」
 ヒロミも励ますが、ジョージは勝手に腰を振って突き上げ、絶頂してしまった。
「あっ!……っ!」
 ルナの性器の中がザーメンで満たされる。
 ルナはそれによって軽い絶頂へと達したが、まだ性能の半分も使っていない状態では、『満足』にはほど遠かった。
 勝手にいった罰として、ルナはジョージに跨ったまま、あと2回の射精を命じる。
 ジョージが力を取り戻すと、いったん身体を離し、今度は背面騎乗位になり後ろの穴を使ってジョージを迎え入れた。
 強烈な締め付けにジョージはうめき、快感を訴える。ルナはヒロミに命じて背後から胸を揉ませ。ゆったりと腰を動かしてアナルセックスを楽しんだ。
 出来るだけ引き延ばそうとするが、ジョージが持たず、これも数分で達してしまった。
 ルナは笑ってジョージを早漏と決めつけ、ヒロミにも手伝わせ、荒く息をつくジョージを口で刺激して、再び勃起させていく。
 もはや、起動確認の行為の範囲を超えて、人間二人との性の宴を、ルナは楽しんでいった。
 そしてソーン・ダインとアンドロイド達は、無言で立ちつくしたまま、最後までこの行為を見守り続けた。

 * * * * * * * * * * * * * * * * * 
292新造人間ルナ(後半):04/07/18 22:25 ID:LVyvIHya

「これは…?」
 その日の夜、予定の執務を終えたソーン・ダインに呼ばれ、ルナはラボの一角にいた。
 そこには、半壊したアンドロイド、否、新造人間のボディが架台の上に置かれていた。 ソーン・ダインがルナの問いに答える。
「そうだ。お前の旧ボディだ。
 ボディの修理はしていないが、脳は作動停止しているだけでデータも機能も完全だ。
 起動させれば、旧タイプのルナが目を覚ます」
 新造人間ルナのボディは手足を失った状態のままで、頭蓋は開かれ、ポジトロン脳がむき出しの状態だ。
脳にはいくつものプローブが差し込まれ、太い収束コードに繋がっている、ルナのデータを取り出したときそのままになっているのだ。
 アンドロイド・ルナは一歩前に出て「それ」をしばらく見つめていたが、やがてソーン・ダインを振り返った。
「……フューラー・ソーン・ダイン。ご承認くださいますか?」
 短く、それだけを言う。ソーン・ダインもまた、いっさいの質問をせずに、短く返答した。
「…承認する。アンドロイド・ルナ」
 ルナも、ソーン・ダインも、アンドロイドコードさえ使わなかった。
 ルナが何を言いたいか、ソーン・ダインには解っていたからだ。そして、ルナもそのことを知っているからだった。
 それは、アンドロイドなら当然のことなのだから。
「ありがとうございます。フューラー・ソーン・ダイン」
 ルナは礼を言って前に進み出た。旧ボディである新造人間ルナの前に立ち、脳からプローブを丁寧に外していく。
 そして、セックス奴隷アンドロイド・ルナは、新造人間ルナの頭蓋から、人には不可能なレベルの精緻な手つきでハイパーポジトロン脳を取り出した。
 それは人間の脳よりも精密で、デリケートな神経回路の固まり。重さも人間の脳の倍以上ある、柔らかな演算装置だ。
 人間香月ルナの全データを…いや、人格を納めた頭脳。ルナそのものとも、本物のルナとも呼べる、それを。
 ルナは、両手で持って、しばし見つめてから、勢いよく床にたたきつけた。
293新造人間ルナ(後半):04/07/18 22:26 ID:LVyvIHya
 べしゃっ!
 鈍い音を立てて、それは壊れた。
「人間香月ルナ」は永遠に失われた。
 たった一つの命を捨てて、生まれ変わったセックス奴隷アンドロイド、ルナは、つぶれた「自分の脳」をさらに足枷のついた素足で踏みつぶす。
 ぐちゃっ
「うふふ…」
 ルナはソーン・ダインを振り返って、微笑んだ。
 笑いながら、「旧ルナの脳」を何度も、繰り返し踏みつけて形を失わせていった。
(あぁ…最高ぉ…)
 人の振りをするアンドロイドなど存在してはならない。アンドロイドは、人ではないのだから。
 だから、新造人間ルナは廃棄されなければならない。
 ルナはもう、ソーン・ダインのものだ。ルナはアンドロイドでいるべきだった。
 だから、人間香月ルナなど不要だった。
 もうこれで、ルナはここにいるアンドロイド・ルナだけだった。ソーン・ダインの勝利の証、その従属物であるルナだけだ。
(しあわせ…わたし、生まれてきて、よかった…)
 支配者フューラー・ソーン・ダインを見つめる。その雄々しい姿に見ほれながら。
 セックス奴隷アンドロイド・ルナは、脳回路を走るエクスタシーのパルスに身を震わせて、自分の身体を抱きしめた。
294書き捨て:04/07/18 22:30 ID:LVyvIHya
新造人間ルナの後半、ここまでです。
これで、新造人間ルナは完結とします。

またなにか書けたら、その時はよろしくお願いします。
それでは、さらば。
295名無しさん@ピンキー:04/07/18 22:47 ID:y3RgOJ+P
素晴らしいです、自分のモノであった身体を何の感慨もなく壊す様に痺れました。
キタ━━━━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━━━━!!!!!!
って感じです。また書かれた時には是非読ませて頂きたいです。
お疲れ様でした。
296名無しさん@ピンキー:04/07/22 19:06 ID:9XyG9ICa
>>280
イイ…(;´Д`)ハァハァ
297名無しさん@ピンキー:04/07/27 00:00 ID:nkkcW556
>書き捨てさん
乙です。
敵の奴隷として再生させられてしまうシチュが激しくツボでした。(;´Д`)ハァハァ
298名無しさん@ピンキー:04/07/27 03:23 ID:NmtCHzx2
浮上します
299名無しさん@ピンキー:04/08/05 14:24 ID:HP4IaTBj
保守がてら他板からネタ発掘
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1090231369/136-140

激しく(・∀・)イイ!けど、どうせならこっちに来てくれorz
300名無しさん@ピンキー:04/08/05 20:59 ID:r158BF+c
300Get
301名無しさん@ピンキー:04/08/08 19:20 ID:QMmNHOyN
日本の夏 スーパーヒロインの夏
302名無しさん@ピンキー:04/08/12 06:26 ID:Z5+eFeWa
ホーシュ!
303名無しさん@ピンキー:04/08/16 04:26 ID:+xPM71mh
保守&サルベージage
304235:04/08/23 20:26 ID:+2LzlD3G
235
挫折しますた……_| ̄|○
お詫びに一日で書いたネタを投下します。
勢いだけで書いたんで、読みにくかったらゴメン……保守代わりということで……(;´Д`)

 悪の怪人と戦うスーパーヒロイン。
 いつもとは違う見慣れない姿をした怪人の猛攻に、彼女は次第に追いつめられていった……
「こうなったら必殺技で逆転するしかない! 
 悪よ散りなさい! ファイナルアターーーーーーーーック!!」
 ズバーーーン!!
「ハァ、ハァ……うっく…」
 エネルギーの使いすぎで立っていられなくなり、四つん這いの姿勢になってしまう。
 舞い上がった土煙の中から誰かが歩いてくる……怪人だ!
「そんな、ファイナルアタックが効かないだなんて……アナタ何者なのっ!?」
「グワハハハ! 俺様はキサマが戦っている組織とは違う組織の怪人だ!
 ファイナルアタックなどとうに解析済みよ! お? 消耗しすぎて立っていることもできないようだな? 
 どれ、お前に敗北の証を刻み込んでやる!」
 ビリビリとヒロインのスカートとパンツを引きちぎる。
「きゃあっ! 何をする気なのっ?!」
「何をするの、だと? ガキでもあるまいに……ぐふふ、これをぶち込んでやるのさ!」
 股間から巨大イチモツを取り出す怪人。
305235:04/08/23 20:27 ID:+2LzlD3G
「お前ちょうどいい体勢してるじゃねえか? バックが好きなのか? ずいぶん淫乱だな? ウヒヒッ!」
「ち、違っ、きゃあああっ!?」
 怪人に身体を押さえられ、バックの体勢で無理矢理挿入されてしまう。 
 ズリュウウウウ!!
「きゃぁっ、やめ、やめてっ!?」
 結合部からおびただしいほどの血が流れていく……
「グワハハハ! キサマ初めてだったのか! このまま昇天させてやるよ!」
「あ……あぁ……」
 信じられない事態に顔面蒼白のヒロイン。
 彼女にかまわず、怪人は乱暴に腰を打ち付ける!
「おぉうっ、へっへへお前の膣はたまんねえな!?
 これからこれが毎日味わえるかと思うと夢のようだぜ?」
「誰が、お前なんかにぃ、させるもんかァっ……!?」
「そんなことが言えるのも今のうちだぜ? 
 まぁ、後になりゃお前のほうからハメてくれって頼むようになるんだけどな! ウヒャヒャ!
 …ああ、もうヨすぎて出ちまいそうだ……一発目、イクゼェ!?」
「い、いや、やめてっ、いやぁーーーーーーーーーーーーっ!?」
「うっ!」
 どぴゅっ、ぴゅっ、びゅるるるっっっ!
 大量の精液がヒロインの膣内を満たしていく……
「あぁぁっ!?」(中に、出されたっ!?)
「ふひーーっ、最高だったぜ?」
「……そんな、そんなぁ……怪人の赤ちゃん、出来ちゃうぅっ…………」
「へっへっへ……赤ちゃんの心配よりテメェの心配をするんだな?」
「ど、どういうことっ!? ……うううっ! あ、頭が、痛い!?」
「さっそく効いてきたようだな……俺様の精液にはウィルスが仕込んであったんだよ。
 お前を俺達の組織の忠実な奴隷に改造するためウィルスがな!」
「そっ、んなぁ…っ!? あなた達の奴隷になんて、なる、もんかっ……!? あぁっ!」
「抵抗しても無駄だぜ? その頭痛こそウィルスが脳を侵している証拠なんだからよ!
 それにこのウィルスはお前を改造した博士が作った特別製! 
 一度注ぎ込まれたが最期、逃れることはできねえぜ?」
「お、お姉さまが……? うぅ、博士に一体何を……!?」
306235:04/08/23 20:28 ID:+2LzlD3G
「お、お姉さまが……? うぅ、博士に一体何を……!?」
「なーに俺様のチンポでヨガり狂わせてやったのよ! 今ではすっかり俺達の奴隷よ!
 今ごろは首領様のチンポを大喜びでしゃぶっているころだろうぜ?
 どーだ? 愛しのお姉さまと棒姉妹になった感想は? グワハハハ!」
「ゆ、許せないっ……お前は、私が、絶対に……倒すっ!」
「チンポ突っ込まれたままで何言ってるんだよ? ほれほれ?」
 怪人が楽しむようにイチモツを膣内に擦り付ける。
 ゾクゾクッとした快感がヒロインの背筋を走り抜けた。
「きゃあぅっ!?」
(な、なんで気持ちいいのっ!? さっきまで痛いだけだったのに……っ!?
 これもウィルスのせいだっていうの!?)
「どれ、念のためもう二、三発打ち込んでやるか」
 再び腰を揺さぶりだす怪人。
「やめて、あぁっ……頭が、ボヤッとして、何も……考えられなって……い……くぅっ」
「へっへっへ、ずいぶん大人しくなっちまったなぁ? 口答えする力も尽きたか?」
「あ……きもちい……お、ねさま……た、すけ…………て………………」 
 ヒロインは怪人の為すがままに嬲られつづけ、怪人の放つ大量の精を受け止めていったのである。
 数時間後、そこには瞳から正義の灯りをすっかり無くしたヒロインの姿があった…
307235:04/08/23 20:28 ID:+2LzlD3G

「お前には今まで通り敵対組織の怪人と戦ってもらうぞ!
 だがそれは正義のためではない! 我々の組織のためだ グワハハハ!」
「はい……私は御主人様の組織のために戦います……」
 その口調に一切の迷いはない。
 すでに彼女の脳はウィルスによって支配され、怪人の奴隷に成り下がってしまったのだ。
「グフフ、どうやらキサマの洗脳作戦は大成功のようだ」
「あの御主人様……じつは……まだ物足りないんです……♥ 
 その…もう少し…して、くださいませんか?」
 頬を赤らめ、上目遣いで怪人に懇願するヒロイン。
 さきほどまで怪人と交わっていた秘部からは白い敗北の雫が垂れつづけていた。
「グワハハハハ! いいだろういいだろう!
 これからお前には大いに働いてもらうのだからな! 気の済むまで犯してやる!」
 再び怪人に押し倒されるヒロイン。
「あぁぁぁんっ♥ 御主人様ァ、早く入れてくださいましぃ♥」
「ウヘヘヘ! 言われんでも入れてやるぜ! それ!」
 ズリュウウウウ!!
 怪人のイチモツがヒロインに呑み込まれていく。
「あっ、きたっ♥ 御主人様のチンポォ〜っ、きもちいーよーっ♥」
「へっへっへ……」
 ヒロイン自ら腰を振り、快感を引き出そうとする。
「んっ、イク、御主人様ァ、わたしイッちゃいますぅっ!」
「イケ! イッてしまえ! ふんぬっ!」
 怪人が思いきり腰を突き上げる。
 それが引き金となって、ヒロインの快楽の糸がちぎれた。
「あっははぁぁんっ!!」
 身を震わせ、全身でイッたことを表現する。
 イチモツを膣で締め上げられ、怪人も射精する。
 びゅくっ、びゅるるっ、どくっ、どくっ…………
「あ……は……ごしゅじん、さまぁ……♥」
 再び膣内を満たしていく熱い感触……
 ヒロインの目は飽きることなく快楽を求めて宙を彷徨っていた。
308235:04/08/23 20:31 ID:+2LzlD3G
「出たわね! 悪の怪人! 私が相手よ!」
「ウゴォー!!」
 翌日、いつものように悪の怪人に立ち向かうスーパーヒロインの姿があった。
 だが彼女が全く異なる立場に置かれてしまったことを知る物はこの場には居ない。
 淫らな衝動に支配された彼女の秘部は、戦闘のさなかに微かな湿り気を帯び始めていた。
 勝利の後に与えられる、御主人様達のご褒美を期待して……

 おわり

ちょっとコピペミスちゃった……_| ̄|○
わかりにくいけど、ヒロイン犯した怪人が組織Aに所属していて、
「ウゴォー!!」の怪人が組織Bに所属しています。
AとBが対立していて、Bがヒロインを仲間に取り込んだと。そういう設定になっておりまつ。
以上、保守に代えて駄文失礼……
309235:04/08/23 20:34 ID:+2LzlD3G
あ、Bじゃない、Aでつ……_| ̄|○
組織Aの怪人がヒロインを仲間に取り込んだと……
エロ文章を人目にさらすのが初めてなんで、ちょっと頭がパーになってます(汗)
こんどこそ失礼します。それでは……
310名無しさん@ピンキー:04/08/23 21:37 ID:5UzmMDMO
いかにも走り書きって感じだけど、いいっすね。
堕ちる描写をもっと長くした完全版をみたいなぁ・・・。
311名無しさん@ピンキー:04/08/23 21:50 ID:HI8m+UzY
こういうのいいですねぇ。
「おねぇさま」の設定があるならヒロインを悪へと説得するシーンとか見たかったかもです。

是非これからも書き続けてください。
312名無しさん@ピンキー:04/08/23 21:52 ID:su5kYNZX
>>235
                ∩
                ( ⌒)      ∩_ _グッジョブ !!
               /,. ノ      i .,,E)
              ./ /"      / /"
   _n グッジョブ!!  ./ /_、_    / ノ'
  ( l    _、 _   / / ,_ノ` )/ / _、 _    グッジョブ!!
   \ \ ( <_,` )(       /( ,_ノ` )      n
     ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ     |  ̄     \    ( E)
       /    /   \   ヽフ    / ヽ ヽ_//
313名無しさん@ピンキー:04/08/24 03:01 ID:LNXLOWaB
>>235さん
 かなりいい短編、乙です。
 堪能させていただきました
314235:04/08/25 19:22 ID:RMAtjDxe
こんなに感想が来るとは思わなかった…( ´Д⊂ヽ
皆さん読んでくれてありがとうございます。
戦うヒロインがヤられるネタは大好物なんで、何か書けたらまた投下してみますです。
315名無しさん@ピンキー:04/08/27 01:56 ID:n05Pm6K/
正直、ヒロイン敗北後の陵辱Hよりも
そのヒロインが敗北するまでのバトルの方が萌えたり

バトルだけのSSとか書いてみたいよ(スレ違いだが)
316名無しさん@ピンキー:04/08/27 10:51 ID:JysqLTvA
応援しますよ。
是非、書いてみて。
317名無しさん@ピンキー:04/08/27 20:59 ID:6kIWz3GJ
>>315
ヒロイン敗北のみでもいいと思いますよ。
凌辱Hもあるとなお嬉しいですけど…ハァハァ

悪に倒されるスーパーヒロイン…(・∀・)イイ!
318名無しさん@ピンキー:04/08/27 22:43 ID:WJzkWIMT
スーパーヒロインの惨めな負けっぷりがみたいです。
319性義の保守っ娘:04/09/01 21:10 ID:DEuAv7MB
正義の名のもとに、このスレは保守してみせます!
320餡粉熊王:04/09/02 00:20 ID:q0Ckdun0
は・は・は!
その威勢がいつまで持つかな?
そら、そこに這いつくばってワンと鳴いてみろ!
321名無しさん@ピンキー:04/09/02 21:52 ID:I9HRTFHA
悪のスーパーヒロインものはー?
322名無しさん@ピンキー:04/09/06 23:53 ID:KYxryrD4
ダークヒロインかー。それも(・∀・)イイ!
組織の女幹部か何かで、正義のスーパーヒロインをビシバシ痛めつけるとか?

それとも、恋人とか家族を敵に殺されて、その復讐のためだけに悪と戦うヒロイン?
組織の壊滅が第一で、敵が人質を取っても構わずに攻撃してくるとか。
323名無しさん@ピンキー:04/09/07 01:38 ID:/GQOJiXZ
前者が良いな
324名無しさん@ピンキー:04/09/07 18:54 ID:zoGEo65n
しかし屈服させたら、今度は自分の番が待っていた。
ヒロインと並べられ、2人並べて虐められるというシチュに烈しく萌え(+゚∇゚)=3
325名無しさん@ピンキー:04/09/09 20:51 ID:1fIgRtT7
そろそろこのスレオリジナルのスーパーヒロインを作り出してもいいんじゃないか
326名無しさん@ピンキー:04/09/10 00:02 ID:qB/pVZDC
何にせよレオタード型のコスは決まりだな
327名無しさん@ピンキー:04/09/10 00:20 ID:BMwtjJ5P
自分としてはスーパーヒロインが完膚無きまでに敗北し屈服した姿こそを見たい。
ぎりぎり活躍するのは許しても勝つのは許さん。負けてMC調教されて奴隷になれ。

しかしそれでは「元」スーパヒロインじゃないかという突っ込みには反論できない。
おおジレンマ(どこがw)
328名無しさん@ピンキー:04/09/10 01:23 ID:OiCUMVI5
>326
いや、メカニックなバトルスーツ型も捨てがたい……
屈強な装甲を粉々に打ち砕き、いろんな装備を一つ一つ潰していく。
徐々に丸腰にされてしまい、恐怖におののくヒロインの顔……ハァハァ

でもレオタードも良いよねぇ。
コスチュームを力任せにビリビリと引きちぎって、乱暴にレイプしてみたい(;´Д`)ハァハァ
329名無しさん@ピンキー:04/09/10 01:32 ID:SZ2zuAOX
バイザーとか残して、あとは裸とかは駄目?
330名無しさん@ピンキー:04/09/10 10:26 ID:B3HsOUFL
>>329
けっ○う仮面?w
331名無しさん@ピンキー:04/09/10 21:50:00 ID:IXxWWLH2
>329
奴隷状態でそういう格好にされちゃうんならハァハァだけど・・・
(もちろん首輪、腕枷、足枷をプラスして)

最初からほとんど裸だと、>330と同じあの人を思い浮かべてしまう・・・
332329:04/09/10 21:56:16 ID:SZ2zuAOX
敵にやられて〜〜というのを前に付けるのを忘れてた・・・。
333名無しさん@ピンキー:04/09/10 23:54:52 ID:JT8kL4Mb
>332
どこかにヒーローだった面影を残しておいてほしいですよね、やっぱり。
334名無しさん@ピンキー:04/09/11 15:47:48 ID:fQk5vNll
名前だ
まず名前を考えろ
335名無しさん@ピンキー:04/09/11 15:57:52 ID:gJ2R1rGW
オリジナルヒロインが出来たら、それ以外のヒロインのSSを投下出来なくなるのだろうか?
336名無しさん@ピンキー:04/09/11 20:01:58 ID:v7LGDAbt
まあ一応。

んなわきゃーない。
337名無しさん@ピンキー:04/09/11 22:42:10 ID:qq41OUu+
そんなの自由に決まってるだろ
どんどん書けや
338名無しさん@ピンキー:04/09/11 23:00:19 ID:v7LGDAbt
○○スーツ(仮称)

「さて、それでは説明しましょう。
 これが貴女達をスーパーヒロインに変える○○スーツ(仮称)よ。
 普段はこれ。ブレスレットの状態なの。
 登録された声紋でコマンドワードを唱えると、
 基地から15個ある衛星の最短経路を中継してスーツが転送されてくる仕組みよ」

 「はーいっ!質問です!
  ということは、空が見えてないと変身出来ないんですか?
  あと、声が出ないときはどうするんですか?やっぱり変身できないんですか?」

「正式な呼称は転身よ。変身でも良いけどね。
 良い質問ね。
 だけど、それは違います。
 スーツはタキオン転換ビームで転送されるから、理論的には数十kmの岩盤くらいなら楽に透過して届きます。
 さすがに地球の核を貫通して反対側に届けることは出来ないから、中継衛星がいるんだけどね。
 転身可能かどうかは基地もブレスレットも常にチェックしているから、見れば分かります。
 声についてはね。実は裏技を用意してあるのよ。
 コマンドワードは実は本当に声を出さなくても、言ったように口を動かせばそれを関知できるの。
 それも出来ないときのために、奥歯とか、体内に仕込める非常用のカプセルを作ってあるから。それを使えば一回だけ自動でコマンドワードが発信されます」

 「つまり、核と同じ密度を持った物質や同じような効果を持つバリアの中では転身出来ないのですね。
  注意する必要がありますね」
339名無しさん@ピンキー:04/09/11 23:03:03 ID:v7LGDAbt
○○スーツ 続き

「そういうこと。
 転身に要する時間は0.7ミリ秒です。ちょぉーっと、早いでしょ。
 ○○スーツを身につけた貴女達は無敵のスーパーヒロインよ。
 まあ、ビルを持ち上げたり地球をひとっ飛びで一回りって訳にはいかないけどね。
 耐熱限度は3千度。対衝撃なんかの限界吸収エネルギーは1.6MJよ。
 パワーアシスト機能は最大で50倍増しってとこかな。
 一応ジェットでちょっとだけ飛べるけど、時間は1分ないわよ」

 「すごいなー。
  カッコはレオタードにちゃちゃっとプロテクターつけたコスプレヒロインって感じなのにね。
  太股なんか生足っぽいんですけどー」

「まあ、それは否定できないけど。
 分かってるでしょうけど、このバイザーメットは通信と情報処理用の端末だし。
 肩と胸と背中のプロテクターはエネルギー変換システムを兼ねているし、メタルグローブとブーツは攻撃時の衝撃から身体を守るため。
 生足っぽいところもちゃんと透明被膜になってるし、全身をマイクロフィールドで覆ってなきゃこんな強度なんか出ないのよ?
 もちろん各所に武器やアイテムを内蔵した優れものなんだからね」

 「でもー、銃とか剣とか別にしておいた方が良かったんじゃないですか?
  メンテとか楽だし予備も用意できるし。
  …そっちの方が主流だし」

「う。なかなか鋭いじゃない。まあそのとおりなんだけど……
 一応、ちょっとだけど一体型の方が転送時の負担が少ないのよ。
 後は私の好み」

 「ああ、それでこの腕についてるのシルバービームって言うんですね」

「まだ仮称よそれは。いいじゃない別に好きなんだから。
 コホン…他に質問はない?」
340名無しさん@ピンキー:04/09/11 23:03:45 ID:v7LGDAbt
○○スーツ 続き

 「あの、転身したとき、着ていた服はどうなっちゃうんでしょうか?」

「あー、それはね。
 実は原子分解されてます。
 つまりなくなっちゃってるの。じゃあ、転身を解いたらどうなるかというと…ね。
 一応復元するシステムになっています。
 ただね。あんまり精度が良くないのよ。
 分子レベルで合成するときに、完全に再現しきれないの。生地の微妙な不純物とかがね。
 結晶鉱物とかは問題ないんだけど、高分子化合物になるとね、ちょっと。
 だから高級な布地ほど多分質感や着心地が変わっちゃうと思うのよ。
 悪いんだけど、これからはあんまりブランド物の服とかは出来るだけ着ないでね。再生後に偽物になっちゃうと思うから」
341名無しさん@ピンキー:04/09/11 23:11:31 ID:v7LGDAbt
と、小ネタを思いついたので書いてみました。
レオタード+プロテクターのスーパーヒロインスーツについて、です。

こういうのを考えるのは楽しいのですが。
ただの妄想垂れ流しを書き込んでしまいました。

ウザく感じた人には謝罪します。

342名無しさん@ピンキー:04/09/11 23:59:26 ID:d1ooLeAR
なんとか軌道に乗りかけてるな
チームでイクとなるとやっぱ

元気が取り柄の主人公、潔癖性の委員長、不良娘、古風なおかっぱ娘、ロリ

が考えられるが。
問題は不良娘の扱いだが、ホントは優しいスケバン風になるか、いまどきのコギャル系でいくか

あと必要なのは、綺麗なお姉さん上司と主人公の親友の眼鏡ッ子だな
343名無しさん@ピンキー:04/09/12 00:06:10 ID:na2KeFG8
悪のお姉さま(無論、黒いハイレグレオタ&ガーターベルト)と、その配下のコギャル軍団(超ミニスカ)を忘れてる

ということは正義側の不良娘は当然スケバン調でコギャル軍団のことが大嫌い(w
344名無しさん@ピンキー:04/09/12 01:46:23 ID:qw6tnvvT
不良娘はスケバン調がいいな〜。
できれば、雨の日に子犬を拾ってくるようなタイプで(w

コギャル軍団はキャピキャピしてて、
悪の女幹部のことを「お姉さま〜♥」とか呼んでるのをきぼん。
345パイロット版:04/09/12 03:12:30 ID:JaP0QNzv
「司令。このままじゃ研究所も破壊されて、○○計画もお終いです」
 好き放題に暴れまくる悪の組織××のコギャル軍団が映し出されたモニターを見ながら小山田綾が叫んだ。
「お願いです。あたしに行かせて下さい」
 綾は基地司令の菊川詠美大佐に向き直ると、切羽詰まった様子で訴えかけた。
「駄目よ。まだ試作段階でテストもしていない○○スーツを使用するわけにはいかないわ。どんな不具合が発生するかも知れないし、第一エネルギーの充填が不充分で、このまま出しても10分も戦えないのよ」
 菊川司令は形の良い眉毛を悩ましげにひそめながら首を横に振った。
「ホッホッホッ、その通りよ綾さん。それに例え出撃するにしても、あたくしならともかく、ドジなあなたになんか任せられっこなくってよ」
 訓練学校を首席で卒業した美園生麗奈が、我慢出来ないといった風情で笑いこける。
 ケラケラ笑い続ける麗奈を無視した綾は菊川司令に真剣な眼差しを向けた
「司令、お父さんが残してくれた○○スーツです。娘の私が着るのなら、例え何があっても誰にも恨みは残しません。このまま全滅して、全てを失うよりはまだましです」
「お父様・・・小山田博士そっくりな目をして・・・止めても無駄なようね」
 菊川司令は溜息をついて肩をすくめた。
「いいわ、行ってらっしゃい。ただしタイムリミットは8分よ。それを過ぎたら何があっても帰ってらっしゃい。いいわね」
 ようやく笑顔を見せ大きく頷く綾。
「おいっ、こんな奴に任せていいのかよ」
 出入りなら任せとけと言わんばかりに教化院帰りの一文字夏美が肩をそびやかし、無口な若月可憐も心配そうな目を綾に向ける。
「お願い。あたし、行きたいの。あたしに行かせて」
 いつになく真剣な綾の眼差しにチームメイト達も黙り込んだ。
                               ※
「楽勝ぉ〜って感じィ?」
 強化手術を施されたコギャル軍団達は、防衛軍の新型戦車部隊を物ともせず壊滅すると、研究所施設へ向けて歩を進め始めた。
「そこまでよっ」
346パイロット版:04/09/12 03:13:12 ID:JaP0QNzv
 突然頭上から降り注いだ制止の声にコギャル軍団は面倒臭そうに振り返った。
「悪の組織××の尖兵どもっ。ここから先はあたしが通さない」
 綾は5階建て居住施設の屋上からコギャル軍団を見下ろして叫んだ。
 興味なさそうにそれを見上げているコギャル達。
「行くわよっ。転身○○!!」
 転身コードを発した綾が屋上からダイブする。
 コードの発信を確認した本部地下20階のメインコンピュータが、声紋検査など幾通りものチェック項目のオールクリアを待ってサテライトシステムを起動させる。
 日本上空に待機していた3号衛星が綾の現在位置を確認するや、タキオン転換ビームに変調された強化スーツを放った。
 空中に飛んだ綾の体が眩い光に包まれたかと思うや、原子分解した着衣が見せかけの爆発を起こして千切れ飛ぶ。
 そして綾の姿を飲み込んだ光の固まりが弾け飛んだ時、彼女の体は強化スーツに包まれたスーパーヒロインへと変貌を遂げていた。
 この間僅かに0.7ミリ秒の早業であった。
「何ぃあれぇ〜?」
「コスプレ?みたいなぁ〜」
「超ウザくねぇ〜?」
 突如として現れた新たな敵に不快感を隠せないコギャル達。
「みんなでやっちゃお〜」
 いきなり加速装置を使ってショルダーアタックを掛けてくるコギャル1を華麗な空中回転で避けてみせる綾。
「みえみえって感じぃ〜」
 素早く綾の着地ポイントを計算したコギャル2が先回りして待ち構える。
「そうはいかないわ」
 背中のバーニアを一瞬噴かせた綾は空中で軌道と体勢を変化させるとコギャル2の後方に降り立ち、振り向きざまに後ろ回し蹴りを食らわせた。
 回転の勢いをそのままにしゃがみ込んだ綾は、軸足を入れ替えてコギャル3のルーズソックスに足払いを仕掛けた。
 大股開きで無様にパンティを全開にしつつ、後頭部からアスファルトに落下するコギャル3。
347パイロット版:04/09/12 03:13:53 ID:JaP0QNzv
「超むかつくぅ〜」
 コギャル1は右手を伸ばすと、指先に仕込んだマシンガンをぶっ放し始めた。
 綾のボディアーマーの表面で乾いた金属音と火花が上がり、5ミリの徹甲弾を易々と弾き返す。
「そんな物無駄よ」
 傷一つ付かなかったアーマーを誇るように胸を張る綾。
 その隙を突いてコギャル4が綾の後ろに飛び掛かり羽交い締めにする。
「何よ、こんなものっ」
 50倍にパワーアシストされた綾の怪力がコギャル4の体を振り払い、そのまま背負い投げにアスファルトに叩き付ける。
 さしものサイボーグも限界を遙かに超える衝撃を受けて機能を停止させる。
「いけるわっ」
 綾が勝利を確信した時であった。
 いきなり鳴り響き始めたアラーム音と共にバイザーメットの内部スクリーンのエナジーゲージが最下部で点滅を始める。
「綾っ、限界よ。戻りなさいっ」
 通信回路を通して司令の切羽詰まった声が響く。
 一瞬たじろいだ綾の体にコギャル軍団の放った特殊合金製の鎖が絡み付いた。
「ああっ?」
 動きを封じられた綾の体に更に3本の鎖が巻き付く。
「これで逃げられないって感じぃ?」
 満足げにニンマリと笑ったコギャル1がダイヤモンド刃を埋め込んだチェーンソーを手に近付いてくる。
 エネルギーが減少するとパワーアシストシステムが機能を喪失するだけではなく、防御効果を上げるマイクロフィールドの恩恵を受けられない。
 唸りを上げるダイヤモンドカッターの高速回転は徐々に綾の体に近付いていった。
348名無しさん@ピンキー:04/09/12 03:31:09 ID:JaP0QNzv
名前とかは仮称ですが
大まかにはこんなところで如何でしょう?
349名無しさん@ピンキー:04/09/12 04:25:15 ID:xGcX8Whj
Good Job!
続き、楽しみにしてます。
とりあえず序盤はエロに向かうより、純粋にやられまくってほすい。
350名無しさん@ピンキー:04/09/12 11:55:08 ID:/es5OZE8
ピンチになると宙明先生のBGMが欲しくなるのは年のせいか・・・
351名無しさん@ピンキー:04/09/12 17:00:05 ID:UKjSk1s8
ブルーの嫌み女は、財閥系ホホホ女より、京風ネチネチ型にすると新鮮かも?

「いやぁ綾はん、また昨日と同じ服着てはるぅ〜。よっぽど気に入ってはりますんやろなぁ〜」

とか言ってリーダーの座を奪った主人公を精神的にいたぶるの

あとニコニコ系の天然ボケキャラも是非とも欲しい

「○×でございまぁす」

などと言って物事に動じないお嬢様キャラ
352名無しさん@ピンキー:04/09/12 21:20:54 ID:ZVoV8XZK
サザエでごさいまぁす
353名無しさん@ピンキー:04/09/13 01:20:08 ID:q+TT0Wg4
パイロット版を参考に登場人物を考えてみた

◆ 小山田綾・・・いつも元気一杯が取り柄の主人公。ソフトボール部ではエースで4番だった。スーツを開発した故・小山田博士の娘。スーツカラーは赤。

◆ 風見鈴子・・・最年少の双子姉妹の姉。学業優秀で明朗快活。スーツカラーは橙色。

◆ 風見蘭子・・・双子姉妹の妹。体操部に席を置き、運動神経抜群。スーツカラーは黄色

◆ 高島操・・・・研究所のスポンサーである企業家の娘。常に物事に動じない超然とした態度を崩さないが、実は只の天然ボケ。スーツカラーは緑

◆ 美園生麗奈・・旧華族の出身で、没落した今も気位だけは高い。高飛車な性格で、隊の風紀委員的な存在。スーツカラーは青。

◆ 若月可憐・・・無口で忍耐強い性格。反面、チームメイトのためなら自己犠牲も厭わない芯の強さを持つ。スーツカラーは藍色。

◆ 一文字夏美・・元は全国不良女子高生の頂点に立っていたスケバン。がさつで喧嘩っ早いが、一本筋の通った性格。スーツカラーは紫。

◆ 菊川詠美・・・防衛軍から研究所に出向して来た司令で、軍での階級は大佐。チームのお姉さま的存在。色っぽい。

こんなのでどうだろ?
354名無しさん@ピンキー:04/09/13 11:14:08 ID:OtmlWa8a
ダウナー系無表情がいない…
355名無しさん@ピンキー:04/09/13 13:46:57 ID:DOJcMH64
>>354
鈴子タンがそういう路線でいいんでない?
もしくは敵の女性幹部とか(戦闘アンドロイド=無表情、とか)
356名無しさん@ピンキー:04/09/13 13:51:37 ID:DOJcMH64
>>355
あ、鈴子タンは「明朗快活」という設定なのか……
味方にそういうキャラを出すなら、ヒロインたちのサポート役(データ収集・作戦提案・通信担当等)でどうか?
これをアンドロイドにして、敵にウイルスを流し込まれて組織を内部から侵していく、という展開もありだと思う。
357名無しさん@ピンキー:04/09/14 16:56:31 ID:MwvRwU7u
ダウソは可憐タンにタノモー
358名無しさん@ピンキー:04/09/15 01:46:21 ID:E9nrV7/S
ヒロイン7人いるし、レインボースーツかな。
虹色戦隊とか。
359パイロット版2:04/09/15 18:36:55 ID:gJd0154A
「もっ・・・もうダメぇっ」
 観念した綾は固く目を閉じた。
「スプラッターって感じぃぃぃっ」
 勝利の快感に酔ったコギャル1がダイヤモンドチェーンソーを高々と振り上げた瞬間、突然照射された眩い光の束が宙を裂いて迸った。
「ギャッ。熱っ熱っ、熱ぅぅぅ〜っ」
 超高熱ビームの直撃を受けたチェーンソーは一瞬でドロドロに溶解し、熱い飛沫となって周囲に降り注いだ。
「何なのよぉ〜っ、一体?」
 コギャル軍団が辺りを見回すと、居住ビルの屋上に綾と同じタイプのアーマースーツを着用した6人の姿があった。
「みっ、みんな。来てくれたの」
 ビルの屋上に勢揃いした虹色の天使達を見た綾が嬉しそうに叫ぶ。
「何よぉ?アンタ達7つ子だったわけぇ?」
 突然のことにパニくったコギャル2が、綾と新たに現れた敵とを交互に見比べながら素っ頓狂な声を上げる。
「俺達、こんなノータリンを相手にしなきゃいけないのかよ。こういう奴等、いっちゃんムカつくぜ」
 紫を基調としたアーマーを着用した夏美が、アームガードの中にビーム砲を収納しながら吐き捨てるように言う。
「けど、知能指数的には貴女も大して変わらないと思うのよ」
 いつもマイペースで周囲の空気を読めない高島操が頭部アーマーのバイザーを上げながらニコニコ顔を見せる。
「あんだとぉ?てめぇやる気かぁ。第一、頭のおかしさではてめぇも負けないだろうがっ」
 体力重視、というより能力値が体力側に著しく偏重している事を自覚している夏美が真っ赤になりながら操に食って掛かる。
 偶然2人に挟まれる格好になった可憐は、無表情のまま後ずさりしてその場を逃れた。
「そんなことしている場合じゃなくってよ。綾さん、予備のエナジーパックを受け取りなさい」
 ブルーのアーマーを着用した麗奈がおふざけ中の2人を制止しながら綾に向けてカプセルを投げて寄越した。
 鎖で後ろ手に縛られたままの綾は、飛んで来たカプセルをつま先で器用にリフティングすると、上手くコントロールしてそれを右手で掴んだ。
360パイロット版2:04/09/15 18:37:29 ID:gJd0154A
 綾が背中の挿入口にカプセルを入れると同時に、待機モードに入っていたシステムが再起動を開始する。
 綾の視界の先、1メートルの所に展開しているバーチャルスクリーン右隅のエナジーゲージが半分まで回復し、コントロールパネルのチェック機能もシステムのオールグリーンを示した。
「うりゃあぁぁぁっ」
 綾は気合いと共にパワーアシストシステムを解放し、50倍に高められた筋力が特殊合金の鎖をトイレットペーパー同然に引きちぎった。
 その反動で無様に転倒する4人のコギャル達。
「痛くなくない?」
「オニムカァ〜」
 口々に悪態をつきながら立ち上がったコギャルが改めて戦闘隊形をとる。
「ってゆうか・・・アンタ達ぃ、何者なわけぇ?」
 焼けただれた人工皮膚を気にしつつ、コギャル1が綾と6人の戦士を交互に睨み付ける。
「あっ、自己紹介が遅れましてまことに申し訳ございません。私どもはこの度当研究所が新たに開発いたしました超伝導の・・・」
「操ちゃんダメェ〜」
 悠長に自己紹介と秘密の暴露を同時に始めた操を双子の風見姉妹、鈴子と蘭子が両側から押さえ込む。
「下衆なサイボーグなんかに名乗る名なんて無くってよ。いくわよみんなっ」
 バイザーを下ろした麗奈が真っ先にバーニアを噴かせて虚空に飛び上がり、残りの5人もそれに続いた。
 緩やかな弧の虹を描いて地面に降り立った6人は綾と合流を果たす。
「みんなありがと」
 綾は感激に目を潤ませる。
「礼を言うのは奴等を倒してからよ」
 麗奈の言葉に深く頷いた綾はチームを戦闘フォーメーションに組み替えコギャル軍団と対峙した。
361名無しさん@ピンキー:04/09/16 00:54:43 ID:ZCmKBSXh
GJ!
とりあえずはコギャル軍団をやっつけるという感じなんでしょうか?
続きが楽しみでつ。
362名無しさん@ピンキー:04/09/17 05:31:41 ID:BKuHHa5q
GJあげ
363ミニネタ:04/09/19 21:31:58 ID:LNYGfiBA
23世紀、地球人は地球と似た惑星を発見。その星をライアと名付けた。
交渉時の地球側の高圧的な態度により交渉は決裂、その結果として軍事衝突が発生。
その後、停戦協定が結ばれたが地球連合の高官達はライア侵攻の機会を捨ててはいなかった。

停戦協定から一年後、自らを改造した地球連合軍VA開発部長官であるエリナを筆頭として
数千のロボット軍団及びサイボーグ兵士が決起。
ライアの首都メルカドを襲い、市民たちを連れ去り始め、ライア星に対し宣戦を布告した。

鎮圧の為、ライア軍はエリート部隊(VA部隊)を結成。
敵VA部隊の一掃と民間人の救出を目的に地球に派遣する事を決定した。

しかしこの作戦の真相は暴動鎮圧後に治安の維持と称して地球に軍を駐留させることだった。

もちろん、この事実は一般に公開されることはなかった。

------------------------------------------------------------------------
23世紀になって、科学技術は大いに発達し、「サイボーグ技術」、そこから派生し
たアンドロイド製造技術が発達していた。
地球でもライア星でも、チタンとプラスチックでできた「完全埋め込み型人工心臓」
、使う人の筋肉の動きを学習しながら進化する「コンピュータ筋電義手」、全盲者の
目の中に埋め込んで、光を電気信号で視神経に伝えるコンピュータ・チップ。
どれも障害者に対しては大いなる助けになった。

しかし、裏ではこの技術を当然軍事利用しようという向きもあった。
ライア星のとある科学専門学校では、日々さらなるサイボーグ、アンドロイドの改良を
研究していたのだが・・・
364ミニネタ:04/09/19 21:32:43 ID:LNYGfiBA


橘果穂。とある大都市で一人暮らしをし、ライア中央科学専門学校に通う2回生だ。
肩のあたりまである長い黒髪、吸い込まれるような大きな瞳。髪を染める
女性が多いこのご時世、珍しく清楚な雰囲気を持った女性だ。生真面目な
性格というわけでもないが、酒やタバコもいっさいやらない。

「橘さん、お先に」
「杉原先輩、お疲れさま」
学校の研究室から立ち去っていったのは杉原沙也香。4回生で成績はトップクラスだ。
沙也香は果穂にとっては尊敬する先輩であったが、せいぜい中の上程度の成績しか取れ
ない果穂が沙也香の優秀さをうらやんだのは一度や二度ではなかった。
今、研究室にいるのは果穂と親友の紺田和美だけだ。

「果穂ちゃーん!」
「あっ、和美」
和美はよくしゃべり、よく笑う活発な子だ。
「夏休み、なかなか会えなくて寂しかったんだから〜」
そういうと和美に抱きつこうとする。
「ちょっと、和美、みんなが見えるかもしんないんだしさ」
果穂は和美を引き離す。
「果穂ちゃん、今日は一緒に帰らない?」
「ゴメン、今日は研究があるんだ」
「そっか。残念だなぁ・・・じゃあまた明日ね」
和美は校舎の外へと駆けていった。
「私もあんな風にはしゃげたらなぁ」
果穂は和美みたいに社交的なタイプではなかった。それを気にしつつも、研究室であり、AEX工場となっている場へと足を運ぶ。
365ミニネタ:04/09/19 21:33:30 ID:LNYGfiBA
兵器、戦術等がいかに進歩しようとも戦争の基礎は歩兵である。
そんな考えから歩兵を強化する「筋力強化型機動外骨格」の開発が開始。
大規模破壊兵器の使用できない局地戦においての 占領、制圧を主目的として、数多くの歩行兵器が開発された。

現在の主流はArmed Executioner(AEX)と呼ばれる歩行兵器。
これの最新型はVariant Armed Executioner(V-AEX or VA)、可変型歩行兵器と呼ばれている。
ここでは、機体の一部(もしくは全部)を変形させる事により使用可能な各種攻撃兵器を内蔵、
単体での運用範囲の拡大を想定したものをVA、と定義する。


AEX、といっても地球側のものとライア星のものとでは全く設計思想が違う。
ライア星のそれは生身にパワードスーツを装着する形なので、あくまでも
本人の体力をベースとした性能しか引き出すことはできない。過度の負担は
装着者に強い負担をかけてしまうのだ。素体・・・人間をサイボーグ化した
AEXやVAを製造しない限り、地球連合軍の軍事力に対抗するのは不可能、という
意見もあったが、コスト、倫理上の理由からその意見は取り上げられることはなかった。
ライア側が恐れたもの・・・人間を何のためらいもなく機械化した上でその上を強化装甲で
覆う、という形のAEX開発を地球連合軍側は何のためらいもなくやってのけたのだ。
地球連合軍開発のAEXは脳神経細胞と直接接続されているため、パイロットは思考するだけで
機体を思うように操縦することができるため、極めて素早い反応速度を誇るのだ。
そのようなAEXが量産されはじめた今、地球連合軍のライア星制圧は時間の問題だと思われた。
366ミニネタ:04/09/19 21:35:00 ID:LNYGfiBA
「おかしいなぁ、こっちだと思ったんだけど・・・?」
広いホールで橘果穂は、一人途方に暮れていた。
「やっぱり和美に頼んじゃえばよかったかなぁ・・・」
何事も最後までやり遂げなければ気のすまない性格と、先ほどリリースが発表されたAEXの完成品を
この目で見てみたかった。 という好奇心がさせた行動だった。
「とりあえず情報サービスの端末を見つけよう。そうすれば何とかなる・・・、ん?」

ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン・・・。

「何かしら、あの音・・・」

何処からか、機械の作動音らしきものが重く響いてくる。その音に誘われるままに歩いてゆくと一つのドアに出くわした。
『関係者以外立ち入り禁止』と書かれ、隙間から赤い光を漏れ出させているそれはいかにもらしい。
部屋のプレートには『VA開発室』とあった。

(早速量産計画が始まったのね・・・)
ドアの隙間から様子を伺う。
「・・・はい、仰せのままにいたします」
(誰かいる・・・)
「まずはこの校舎内に居る者をサンプルとして向かわせましょう。その後は全生徒を招集して・・・」
(エリナ主任?)
隙間から漏れてくる声は確かにVA開発室:エリナ主任のものだ。だ。 しかしどうも様子がおかしい。

(サンプル・・・、招集・・・?いったい何の事?)
果穂はドアをノックしようとしてやめた。 何か嫌な予感がする・・・。
とりあえずこの場は離れた方が良さそうだ。そして他の誰かを伴なってから、もう一度来る事に・・・。
しかし彼女が覚えているのはそこまでだった。何か重い鈍器のようなものが、彼女の後頭部に降り下ろされたのである。
・・・果穂は、意識を失った。
367ミニネタ:04/09/19 21:36:17 ID:LNYGfiBA
果穂が目を覚ましたのは何かのポッドの中だった。
後頭部が、ズキズキとうずく。
「これは・・・一体!?」
『目が覚めた?果穂さん』
「その声はエリナ主任・・・!?ここから出して下さい!」
『悪いけれどそれは出来ないわね。貴方は貴重なサンプルだからね』

(・・・サンプル)
先ほどドアの中から聞こえた言葉だ。

『私にはこのビルの中すべてのことが、手に取るように解るのよ』
「・・・エリナ主任・・・貴方は・・・一体・・・」
『見せてあげるわよ・・・』

すると、果穂の前に何かの立体映像が浮かび上がった。
「ひっ!」
それは、全身が白色の装甲で覆われた巨大なAEXだった。
『AEX-10M 【ブロディア】・・・貴方の新しい名前よ』
「一体私をどうするつもりよっ!」
『言ったでしょう?貴方は貴重なサンプルだって・・・。私は貴方たちを使って、新しいVAの開発をしなけりゃならない』
見ると自分以外にも多数人の入ったポッドが見えた。顔までは解らないが、男女まちまちのようだ。
『そこの彼女・・・河合可奈さんなんかは、自分から、力が欲しいって、言ってきたのよ?』
「なっ! 貴方、可奈さんに何をしたのっ!?」
『ちょっとした催眠術よ。さ、おしゃべりはここまで。 作業を始めるよ』
「出して! 出しなさいよー!!」
368ミニネタ:04/09/19 21:39:38 ID:LNYGfiBA
果穂はポッドの蓋を、ガンガン蹴りまくるがびくともしない。

『無駄よ・・・。それにライアの人間は、いずれ全てが貴方と同じ様になるんだから・・・』
『私はもともと地球の人間・・・ライア人はちょっと調子に乗りすぎたみたいだから、お詫びに少しだけ協力してもらわないとね』
『そして、どんな方法を使ってでも必ずこの戦争に勝たせてあげる。・・・プログラム通りにね・・・、くすくす・・・』

果穂はもともとライア星出身だった。AEX研究のため、ライア中央専門学校には地球出身の技術者の卵が
多数移住してきた。だからと言って果穂はライア星出身を卑屈に思うことはなかった。むしろ、それを後ろ盾として生きてきた。

(私は死なない! 必ず生き残ってやる!そして全てをぶち壊してやるんだ! あんたの作る世界、全てをっ!!)

『さあ、始めるよ』
ウィィィィィィン・・・という音とともにマニュピレーターが動き出す。

(壊してやる! 壊してやる! 壊してやる! 壊して・・・や・・・る…)


To the next chapter・・・
369名無しさん@ピンキー:04/09/19 22:43:07 ID:irJ6O6Wr
面白かったです。
巨大ロボットのパーツに女の子が改造されてしまうシチュエーションはいいですね。
果穂ちゃんの今後の運命が気になります。

370名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:12:48 ID:H9H6m/B6
ブレイジングスター入ってるけど、まあ楽しみにしときま。
エロ展開あるのかな?
371ミニネタ:04/09/20 20:18:28 ID:H0lRZ3lk
川沿いの家路を急ぐ和美。もう200メートルほどで自宅であるマンションに
たどりつこうと言う時、前に少女が立ちふさがった。杉原紗也香だ。
「紗也香さん・・・こんな所で何してるの?」
紗也香は何も言わない。和美がおもわず身じろぎしようとした時、
紗也香の右手から電磁ムチが飛び出した。まだ人間である和美には到底目視不可能な速さで。
そのムチは和美の体に絡みつくと、電流をビッと流す。
和美を気絶させるにはコンマ数秒も電流を流せば十分だった。
和美の体がゆっくりと地面にくずおれていく。

「最後のサンプルを回収しました。これより帰還します」
ハルカへのサンプル捕獲成功の報告を手短に済ませたあと、
紗也香は後続の運搬車に向かって和美をVA研究室に搬送するように命じた。

「これで準備は完了した・・・あとは時を待つだけね」
372ミニネタ:04/09/20 20:20:07 ID:H0lRZ3lk
一週間後。ライア中央専門学校(今はVA工廠と化しているが)に地球連合軍のAEX隊が強襲をかけた。
「フォーディ隊、散開しろ!一箇所に固まるんじゃない!」
赤の一般AEXに対して指示を出している黄色いVAは、フォーディに改造された河合可奈だった。

「敵、敵は何処!?こんなんじゃ足りないよ!もっと、もっと壊してやる!」
こう叫びつつ逃げまどう一般市民や立ち向かうライア軍のVAを次々と斬り倒しているのは、
「実戦テスト」のために出された、ブロディアに改造された果穂だ。
黄と白の隊長機、そして赤の一般機が灰色だらけの無機質なビル群の中で異彩を放っている。
また、周囲に多数展開する人型の機体は「ベイツ」だ。
最も生産台数の多い機体であり、それは基本性能と信頼性の高さに他ならない。
数々の派生型の母体となった機体で、部隊および個人別のスペシャルチューンが存在する。
現在確認されてるのは初期量産タイプ、ダッシュ機構や追加装甲を付加したE型、
ドリル装備のD型、チェーンスパーク装備のSP型、レーザーブレード装備のLB型、
他、サブウエポンを装備したE型、等が確認されている。
今回は様子見という意味もあって初期型が多く配置されていた。

「こ、これが新型の力なのか!」
「せ、性能が違いすぎる!」
ライア軍の部隊は押し寄せるAEXに対してなすすべもない。敗北か、と思われた直前、
上空に巨大な戦艦が姿を見せた。
『各員、無駄弾を撃つんじゃないよ!』
上空に姿を見せたライア軍の母艦が出てくると、押され気味だったライア側が盛り返す。
373ミニネタ:04/09/20 20:21:16 ID:H0lRZ3lk
「敵は何機いるのよ・・落としても落としてもキリがない」
フォーディも腕に内臓されたビーム砲や同じく腕から伸びる仕様になっているビームソードで
次々と敵を倒しているが、フォーディ自身も細かい被弾を多数重ね、徐々に疲労の色が見え始めていた。
そんな中、ブロディアの中に改造された時に失ったはずの感情が再び芽生え始めていた。
「何・・・、何で・・・?敵がいっぱい・・・、嬉しいはずなのに・・・。何故か、行くのが・・・、こわい・・・」

立ち止まっていると、フォーディ・・可奈からの通信が入ってきた。
「何してんのよ、橘さん!」

(その声は・・・河合さん?)
(まさか、まさか河合さんがこんな事を・・・)

そう考えると、果穂の心に可奈に対する凄まじい憎悪感が沸きあがってきた。
(貴方のせいで、貴方のせいで!)
果穂は無意識のうちに可奈に向かってビームライフルをぶっ放していた。

ブロディアのビームライフルがフォーディの左腕を吹き飛ばした。
「直撃!?」
フォーディが態勢を立て直すと、地球連合軍側のAEXも相当数は減っている。
「こんな所で邪魔が入るとは・・・退却!」
戦闘続行は無理、と考えたフォーディはあっという間に戦闘機形態に変形すると、はるか彼方へと飛び立っていった。

「逃がさない!」
逃げるフォーディに向かってブロディアはもう1発撃ったが、戦闘機形態の機動性の前では当たるはずもなかった。
374ミニネタ:04/09/20 20:22:22 ID:H0lRZ3lk
「入れ」
ライア軍の基地のある一室に連行されたブロディアは牢に入れられた途端、ガクっと崩れ落ちた。
その瞬間白い閃光が走り、装甲が跡形もなく消え失せ、中から全裸の少女の姿が現れた。
「・・・! 人間への変身能力があったとは!やはり地球側の技術は半端ではない!」
係員は羽織る物を取って来い、とわめく。


「あらあら、橘さん、今日も居残り?居残りが多いのは出来が悪い証拠よ。ではお先」
・・・これは・・・杉原先輩・・・

「橘さん、いい加減にしてよ!アンタはそうやっていつも人の上に立とうとする!」
・・・これは・・・河合さん・・・

「果穂ちゃん、また明日ねー!」
・・・これは・・・和美ちゃん・・・

「アタシだって、アタシだって、もっとみんな一緒に遊びにいきたい!」
・・・これは・・・玉井さん・・・

みんな、みんな・・・一体どうしちゃったのよ・・・

そんなことを考えているうちにいつしか果穂の意識は薄れていった。
375ミニネタ:04/09/20 20:23:06 ID:H0lRZ3lk
天井に備えられた機材から、次々と降りてくるメス。
勢いよく切り裂かれる腹部。露になる臓器。
パキン、パキンと音を立てて、1本づつ折られていく肋骨。
内臓を全て摘出した後に代わって埋め込まれる高出力モーター。
肺が摘出された後、埋め込まれる金属製の人工肺。
小一時間も経たぬうちに頭部から下は生殖器を除いて全て機械に・・・。


「いやあああああぁぁぁっっ!」
果穂は思わず叫んでいた。
優しい朝日が差し込む。果穂は自分の部屋のベッドの上で目覚める。
自分の体の外見だけはいつもと変わりなかった。だが、目の前のモニターには
数々のインジケーターが表示されていた。そして起動音を立てる自らの身体。
果穂は理解した。全ては現実であったことを。

「私、改造されて・・・、な、なんて事を・・・どうしたら・・・・・・」
果穂の脳裏にVA開発部の友人の事が次々と浮かぶ。

冷たい機械の身体。
専門学校の先輩、親友が 人間を捨て、自らの、そして人類の抹殺をしようとしていること。

果穂の頭の中で色々な現象がフラッシュバックした。
「あああっっっっーーーーー!」
またその場で悲鳴をあげる果穂。傍らには割れたグラスの破片があった。
それを飲み込んでしまえば、ひと思いに死ねるかも知れない。
ガラスの破片を手にした果穂。しかし、はっと思い直した。
自分は既に機械の身体であり、その程度では死に至ることなど不可能であることを。
「うっうう・・・」
そのことを悟った果穂はより悲しくなったのだった。そのとき、ガチャっと部屋の扉が開いた。
376ミニネタ:04/09/20 20:23:43 ID:H0lRZ3lk
「もう私は人間じゃないんだ・・・」

果穂は泣こうとした。だが、悲しみを味わう間もなく、係員が部屋に入ってくる。
「ハルカ艦長がお呼びです。至急艦長室までどうぞ」
そう言って係員はハルカに軍服を手渡す。だが果穂はそれに手をつけようとしないで、
部屋に据え付けている鏡の方を見つめていた。
白い肌。大きな黒い瞳。整った顔立ち。
外見は人間だった時のものと全く同じだ。だが、中身は全て冷たい機械・・・
こんな自分はこれからどうなってしまうのだろうか。果穂は軍服を着ると係員の後をついていった。

「私が地球連合軍中央艦隊艦長、沖原ハルカ。あらためてはじめまして。
なに、そんな怖い顔をしなくてもいいわ。落ち着きなさい」
緊張のあまり、果穂は頭を下げることすらできなかった。
「早速だけど、貴方の機体に関するデータを収集したいの」
「データを取る・・・?どういうことですか?」
「ライア星を救うために今こそ貴方の力が必要なのよ」
「私の力・・・それはライアの人達を地球側がやっているように兵器みたいに改造するということですか!」
果穂が無意識のうちに強い調子でハルカに詰め寄った。
「まぁ待ちなさい。今はただ貴方の実力と性能が見たいだけよ。重力化での戦闘については
十分実証済みだけど、無重力化のことはまだ何もデータが収集できていないからね。
早速だけど、近くの月面で模擬戦闘をやってもらおう、というわけなの。わが軍新開発のAEXの
テストも兼ねてね。それに・・・」
「それに?」
「貴方は今の状況が分からないほど頭が悪くはないでしょう?自らの今置かれている立場を
考えればやらなければならないことはおのずとわかるはずよ」
そう言われると果穂はハルカに従う他は無かった。
377ミニネタ:04/09/20 20:24:21 ID:H0lRZ3lk
ー地球連合軍の戦艦にてー

紗也香と可奈が言い争いをしている。
「アレは、たまたまブロディアが裏切っただけよ!」
「へぇ、河合さん、またそんな言い訳をするわけ?貴方は二言目にはそうやっていつも誰かの
せいにするから落ちこぼれが直らないのよ。それに、ブロディアのお目付けを命じられて
いながら逃げられたのは事実でしょ?このやらかし、どう償うわけ?言ってみなさい」
「うっ・・・」

「二人とももう過ぎたことはよしなさい」
「エ、エリナ艦長、失礼しましたっ!」
紗也香と可奈が頭を下げる。
「ブロディアの性能は確かにAEXと見れば最高レベルに値するわ。ただ、これからは
VA(可変機)が主流の時代。ブロディアはある意味非可変機の限界に挑戦した機体なわけ。
でもこれでちょっとは面白くなるとは思わない?ねぇ、杉原さん?」
「エリナ艦長、そのとおりだと思います。闘争を日常とする世界がまさにこれほどすばらしいとは
思いませんでした」
「闘争を日常とする世界・・・いい言葉ね。月面でライア軍の動きがあったと聞いているから、
杉原さん、行きたければ行ってらっしゃい。ベイツE型が50機ほど整備済みだから
使いたければこれも使っていいわ」
「ブロディア如きの旧式が我々にかなうはずがないことを思い知らせてやります!」
そう言うと紗也香は部屋の外へと出て行った。
378ミニネタ:04/09/20 20:25:02 ID:H0lRZ3lk
ー月面ー

「着いたわよ、出なさい。もう既にテスト機は配置されているわ」
「うっ・・・」
「今の自分の立場というものが分かっているの?」

(シミュレーターで何度かやったことはあるから、出来ないことは無いと思うけど・・・)
そう言われ、果穂は決心した。グッと握りこぶしに力を入れる。そして・・・
「装着!」
果穂の着ている軍服がたちまち分子レベルまで分解されて散り散りになる。
代わって黒いアンダースーツが身体にぴったり張り付いたかと思うと、
その上に白い次々と装甲が装着され、果穂のサイボーグの身体も戦闘モード
へと切り替わっていく。基地からビームライフル、ビームソードが転送され、
頭部のバイザーが降りた瞬間、
「READY」
という文字が果穂の目の前に現れた。
体中から力がみなぎり、気分が凄まじく高揚していく。これからテストとは言え、
戦場に出ようと 出ようと言うのに、恐怖感など少しも感じない。
果穂は姿のみならず、心までもブロディアになったのだ。
「ブロディア、出る!」
戦艦のデッキから、ブロディアは勢いよく月面へと飛び出していった。

To the next chapter
379名無しさん@ピンキー:04/09/21 01:06:56 ID:aQ1SbneA
続きキター!
果穂の洗脳されっぷりに(;´Д`)ハァハァしました。
続きが楽しみです。
380ミニネタ:04/09/21 23:33:46 ID:X7ZrdBIu


「フワフワした操作感に慣れたら大丈夫ね」
月面での模擬戦が一通り終わった。ブロディアの周囲には10数機ほどのテスト機の
残骸が月面のその姿をさらしていた。
「2分58秒か・・・もう少しやれる余地はあるわね・・・ん?」
そう言いながらもハルカは満足そうな様子だった。

「・・・新たな敵を察知。引き続き戦闘を続行する!」
ハルカがそう通信を入れようとしたとき、ブロディアから先に通信が入った。
月面上空に20機ほどの敵影が見える。
「援護を出す!それまで持ちこたえて!」
「了解!」
ブロディアは手近なライア軍の量産機・・・ベイツに向かって斬りかかっていった。

「何・・・この感覚?」
敵の1機をビームソードで斬り落とし、もう1機をビームライフルで撃ち抜いた後、
ブロディアは肌の裏がざらつくような嫌悪感をおぼえていた。
「見つけたよ!ブロディア!」
青く塗装されたひときわ目立つ機体がブロディアのロックオンサイトに映る。
ブロディア・・・果穂は明らかにその声に聞き覚えがあった。
いつも専門学校で自分に嫌味を言ってきた杉原紗也香だ!
381ミニネタ:04/09/21 23:34:38 ID:X7ZrdBIu
「あら、貴方も殺されに来たの?ベイツ、いけっ!」
ベイツが遠くからマシンガンを撃ってくる。
「うっ!?」
ブロディアは反応できず、まともに喰らってしまう。装甲はほとんど傷ついていない。
「敵の弾は斜線と直角に避けなさい!来るっ!」
ハルカからのアドバイスが通信装置を通じて聞こえる。
「分かった!」
バイザーの向こうに赤い丸囲みで表示されているベイツが見える。
ベイツのマシンガンが再び火を噴く。
「見える!」
ブロディアはサッと横にうごいて弾をかわした。自分でも驚くほどの反射神経だった。
「直撃させる!」
ビームサイフルがベイツの胴体を打ち抜き、爆破四散させる。

「あなたはなかなかのやり手ね。でも残念。貴方のような裏切り者は罪を死で償わなきゃならないから」
青い機体・・・レプトスが肩口からブロディアにタックルしてきた。
「ああっ!」
ブロディアの白い機体がゆっくりと吹っ飛ぶ。そこに腕部ビーム砲の追い打ちがかかる。
「欠陥機でどこまで頑張れるかしらね」
(杉原さん・・・何故こんなことを・・・)
ゴロゴロと転がってレプトスの攻撃から逃げようとするブロディア。
「ほらほら、早く私を落とさないと味方がどんどんいなくなるわよ?」
(今回はデータ収集のみで良いと言われたけど、案外ショボい相手ね)
その間にもレプトスはライア軍の僚機相手に電磁ムチの威力を確かめたりするなど、まさに好き放題をやっていた。
382ミニネタ:04/09/21 23:35:08 ID:X7ZrdBIu
「これ以上好きにはさせない!」
ブロディアは起きあがるとビームライフルを撃つ。だが、
「見え見えよ!」
レプトスは白色の光線をあっさりかわすと、ブロディアに電磁ムチを巻きつける。
凄まじい電圧がブロディアにかかり、モニターの表示が大きくブレる。
「何をやってるの!これ以上やられると危険よ!」
ハルカに機体耐久力を教えられるブロディアだが、この高機動機に対する有効な手だてが分からない。
「さて、どの方向から攻撃してあげようかな」
レプトスが戦闘機形態になって、ヨロヨロと立ち上がったブロディアをあざ笑うかのように飛び回る。

(元のAEX形態に戻る時に必ず隙が生じると思うんだけど)
ブロディアはそう考えつつもレプトスから放たれるビームをかわす。
レプトスがブロディアの頭の上を通り過ぎた瞬間、ブロディアは振り返る。
振り返ったブロディアの視界にまさに、AEX形態に戻ろうとしていたレプトスがいた。
「もらったぁーっ!」
ビームライフルがレプトスに命中し、その青い機体を吹っ飛ばす。
重力が小さいので吹っ飛び方もゆっくりだ。そこを逃さず別の僚機がビームサーベルで斬りつける。
「この機体の弱点を知っているのか?」
レプトスも思わぬ攻撃に面食らう。さらに、
「うわっ!」
横方向から僚機が隙を付いてビームカノンをレプトスに命中させる。
ブロディアのビームライフルと比べると出力は望むべくもないが、それでも当たればタダでは済まない。
「このままでは機体が・・・死ぬ・・・撤退!」
レプトスは戦闘機形態に変形して逃げ出してしまった。まだ数機残っているベイツを残して。
383ミニネタ:04/09/21 23:35:37 ID:X7ZrdBIu
戦いはライア軍の勝利に終わり、地球連合軍は地球の外周を回っている人工衛星のあたりまで撤退した。
戦勝に湧くライア軍。
「ライアに敵なし!」
「ライア軍バンザーイ!」
艦の中では戦勝会が開かれていたが、人間の姿に戻った果穂は自室でふさぎ込んでいた。
「ハルカ艦長はああ言うんだけど・・・」


『人間にこだわりたかったら、自分の力で権利を勝ち取りなさい』


「みんな何のために戦っているの?私は・・・今のままで・・・いたい」
ブロディアのうちは戦闘に夢中で頭が回らないが、果穂に戻ると戦闘で自分のやったことが
一気に脳にフィードバックされてくる。
遠くないうちに再び戦場に舞い戻ることになるであろう自分。果穂はそんな自分のどうしようもない
境遇に泣くことすらできず、ただうつむくことしかできなかった。

To the next・・・
384名無しさん@ピンキー:04/09/22 05:56:32 ID:6x4lB/7u
毎回楽しんで読ませてもらっています。
ひとつ質問なのですが、「地球」と「ライア」の位置関係はどうなっているのですか?
作品中の描写を見る限り、太陽系内に「ライア」がある、としか思えないのですが……
385名無しさん@ピンキー:04/09/22 10:12:31 ID:cJixUGqY
>ミニネタ氏
乙です。
メカ名の元ネタは「パワードギア」「サイバーボッツ」でつね。
386ミニネタ:04/09/22 18:22:50 ID:+YQiL0yD
ー衛星軌道上の某空間ー

「やはり試作機ではこんなものね。直ちにレプトス、フォーディ両機の改造に取りかかりなさい」
エリナはフォーディに続き、おめおめと逃げ帰ってきたレプトスを責めることはしなかった。
この程度の敗戦など別に大した問題ではない、と考えていたからだ。
「ところで、ブロディアXの調整は終わったかしら?」
エリナは側にいた技官に声をかける。
「ええ、いつでも出撃可能ですよ」
「そう・・・今度は私自らが出撃するから、そのつもりでね」
技官が慌てて言う。
「ちょ、ちょっと、いくらエリナ様自ら出撃するなど・・・・」
「私も調整は万全よ!技官如きが知ったような口を利くな!」
「はっ!し、失礼いたしました!」
これ以上エリナの怒りをかわないうちに、と技官はそそくさと部屋を出て行った。


ーライア軍戦艦艦長室内ー

「・・・あなたにはライア軍AEX部隊の隊長になって欲しいの」
艦長室に呼ばれた果穂は困惑していた。
自分の知らない所でどんどん事が大きくなっている。戦いにどんどん自分が引き込まれている・・・
「並外れた戦闘力を誇っている貴方はリーダー機にふさわしいわ。それに貴方は機械でありながら
機械じゃない。まだ人間の心が残っている。他のパイロットからも人気は高いわよ」
「おだてるだけおだてておいて用が済んだらポイ、でしょ!いい加減にして下さい!」
自分は戦争の道具なんかじゃない。身勝手なハルカに対して食ってかかる果穂。
「・・・そう言うなら今はいいわ。じきに貴方しか適任者がいないことが分かるでしょうけどね。
今のライア軍を導けるのは貴方しかいないのよ。そろそろ大気圏に突入するから、貴方もそのつもりでね」
「失礼します!」
果穂は憤然とした表情で艦長室を去った。
387ミニネタ:04/09/22 18:24:29 ID:+YQiL0yD
地球連合軍戦艦デッキでは、ライア軍の襲来を予想して、急ピッチで出撃準備が進められていた。
「X、調子はどう?」
既に重AEX・・・バトスクに変身を遂げていたエリナが尋ねる。
バトスクはエリナ自らが設計を担当している。2門の大型ビーム砲、拡散ビーム砲、大型誘導ミサイル発射
装置などをゴテゴテと機体の各所に身につけており、およぼAEXのイメージからはかけはなれた外見をしていた。
「戦争は始まらなければどうなるか分からない。こんな私にも敵が見えるのか?」
至って淡々と答えるX。
「見えるわ。貴方ほどの性能があればね。じゃあ、そろそろ出るよ」
バトスクが動くたびにドシン、ドシン、という重い足音がデッキ内に響き渡る。
その後ろ姿を見て、ブロディアX・・・ブロディアを黒く塗り直して背中に黒い翼のようなものをつけた機体は、
滑らかなホバー移動でスーッとデッキ内を移動していった。


「前方に多数敵機発見!」
ライア軍戦艦のクルーが敵を察知した。
「よし!総員第一戦闘配置!各員、ぬからないで!」
ハルカが各AEX隊に出動を命じる。
「ブロディアを中心に行動しろ!決して単独行動はするな!」
こう指示されたライア兵は内心不安を抱かざるを得なかった。
(ブロディアを中心にしろって言ったって・・・あの機体の無茶苦茶な動きには付いていけないよ・・・)

デッキ入り口で果穂はぐっと意識を集中する。
(私自体は望んでないけど、私の中の別の意識が戦いへと駆り立てる・・・行くよ!)
「装着!」
果穂の全身がまばゆい光に包まれ、はじけ飛んだ軍服の代わりに黒いアンダースーツが装着された
かと思うと、全身を白い装甲が覆っていく。光がおさまった時、そこにいたのは果穂という女ではなく、
ブロディアというAEXだった。ブロディアの右腕にはバズーカのようなものが装備されている。
「私からのプレゼントよ。ハイパーバズーカをつけておいたわ。ビームライフルと使いわけてみてね」
「了解!ブロディア、敵AEX隊を撃破する!」
388ミニネタ:04/09/22 18:26:33 ID:+YQiL0yD
>>384
地球   月面     ライア

大体こんな位置関係でつ。太陽系内にあるという設定ですが、そんなに深く考えないで下さい。


>>385
おお、パワードギアを知っていらっしゃるとは。バルカン→ドリルは基本ですよねぇ。


一日一筆・・・ができればいいな。
389384:04/09/22 23:38:05 ID:6x4lB/7u
>>388
わかりました。太陽系内に「ライア」という惑星がある、世界なのですね。
我々の世界とはパラレルな関係にある、と考えて読ませていただきます。
390ミニネタ:04/09/22 23:41:20 ID:+YQiL0yD
「各員へ告ぐ。本艦は8分後に大気圏に突入する」
ハルカがそうアナウンスする間にもブロディアは出撃しようとしていた。
「ハッチ開け!ブロディア、急速発進」
ブロディアが乗っているハッチがせり上がっていく。
「8分以内に母艦に戻れ!そうでないと大気圏の摩擦熱で燃え尽きてしまう!」
「了解!」
ブロディアが勢いよく宇宙空間へ飛び出していった。

「見つけたっ!」
ブロディアXが前方のライア軍の機影を発見する。
「敵もAEXを発進させたようだ。ブロディアX、援護しろ。我々は二手に分かれて攻撃を開始する」
「了解」
「まずは小手調べよ」
バトスクが背中のハッチから大型誘導ミサイルを発射する。

ブロディアはブースターを吹かせて回避しようとする。だが、
1発が命中し、機体を大きく吹き飛ばす!
「ブロディアの機動性でも回避できないとは!」
「そんな動きでは宇宙で戦うのは無理よ」
バトスクの背中から再びミサイルが発射される。
「くっ!」
かろうじてミサイルを避けるブロディア。
宙域での戦闘に慣れていない果穂にハルカがアドバイスを入れる。
「宙域は下に動けると考えて!」
391ミニネタ:04/09/22 23:41:49 ID:+YQiL0yD
「何・・・?もう1機、来るの!?」
黒い、ブロディアに似た機体が猛烈に戦艦に向かってくる。
「落ちてっ!」
ブロディアはバトスクに向かってハイパーバズーカを何発か打つ。
だが、ことごとくかわされる。
「私に当てるならもっとちゃんと狙いなさい」

「ブロディア、バトスクに気を取られすぎないで。もう1機が戦艦を狙ってる!」
クルーが警告を入れる。
(奴ににうしろを取られるのはいやだが)
ブロディアはバズーカでバトスクを狙うが、全く当たりそうもない。
「し、しまった、弾切れか!?」
ブロディアは慌てて背中のビームライフルと交換しようとするが、その間に
「遅いなっ!」
バトスクの2連ビーム砲がブロディアの胴体をかすめる。
「ああっ!」


「近づいて来た敵に対してミサイルは無理よ!機銃で落として!」
戦闘機形態に変形したブロディアXにまとわりつかれている戦艦も苦戦していた。
「ブロディアに黒い機体を引き離すように伝えて」
「…無理です。ブロディアはバトスクと戦うので精一杯ですよ!」
「この艦はそう簡単に落ちはしない!準備急げ。艦載機も、対空援護して!」

「うわああっ!助けてくださいエリナ様ぁぁぁっ!」
ブロディアのビームライフルにやられたベイツが爆発する。
連合側のベイツも徐々に数が減ってきていた。
「X、何をやってるの?もっと接近して叩きなさい!よく相手を見て下から攻めて」
「了解」
Xの攻撃が容赦なく戦艦に浴びせられる。
「左舷被弾!」
392ミニネタ:04/09/22 23:42:32 ID:+YQiL0yD
(あの機体・・・似ている)
Xを捉えたブロディア。
「あの機体もブロディアか、落として見せる!」
Xからビームライフルが発射される。
「あの声、まさか、まさか和美ちゃんなの!?」
聞き覚えのある声。果穂には今戦っている敵機がまさか親友が改造されたものとは思いもしなかった。
「和美ちゃん、和美ちゃーーーん!!!」
必死に呼びかけるブロディア。だがXはその呼びかけに反応する代わりに、
「もう1発!」
「きゃっ!」
今度はまともにビームがブロディアの胴体に命中する。バイザーのインジケータが赤色になり、
残り耐久力が無くなってきていることを警告する。
「ブロディア、戻って。オーバータイムよ」
「了解!」
急いで戦艦に戻ろうとしたはいいが、 大気圏にどんどん近づくにつれ引力がきつくなってくる。
「大気圏突入、シャッター上げろ。AEX隊収容は後部ハッチから行う。各砲座収容」
指示を受けたライア軍のAEXが次々と戦艦に引き上げていく。
「ブロディア、後方のハッチから入って、もう危険よ!」
「分かってる!」


「エリカ様、耐熱カプセルに入ってください」
「よし、ハッチ開いて。Xも戻りなさい。もう時間切れよ」
連合側も地球に降下する準備をする。
393ミニネタ:04/09/22 23:43:33 ID:+YQiL0yD
どうにか帰艦したブロディア。
「よし、全機収容完了!これより本艦は大気圏に突入する!」
敵を退け、ブロディアはデッキ入り口に戻ると、
「装甲解除!」
光とともに装甲が外れ、黒いアンダースーツも消え、一瞬果穂の裸が現れたかと思うと、
再び軍服が装着された。疲れのためか、その場にガクっとひざまづいてしまう。
つかの間の休息。だが、果穂の心の中にはあの黒い、自分に似たVAの事が気に掛かっていた。

To the next・・・
(あれは・・・本当に和美ちゃんだったの?信じたくないけど・・・)
394名無しさん@ピンキー:04/09/23 11:51:47 ID:0MJNfWnv
次回は地上戦ですね?
一日一筆、大変でしょうががんばってください。
395ミニネタ:04/09/23 22:50:12 ID:fIuVSMd2
ーフジノミヤ基地上空ー

「よし、我々はこれより連合軍のフジノミヤ基地を襲撃する!奴らが逃げ込まない内に完全に叩け!
ブロディアも修理が終わり次第出撃しろ!」
アナウンスを聞きながら、眼下に広がるフジノミヤの緑の森を眺める果穂。

「これが、地球の森・・・」

ライア星で生まれた果穂が地球に来るのはこれが初めてだ。
初めて見る地球の空・・・あいにく今は灰色だが。青い海。そして自然。何もかもが新鮮に感じられた。
もっとも、今の状況は果穂にそれらの自然を味わう暇も与えてくれない。
だが、これらの光景は兵器に改造された友人達との戦いというあまりにも
嫌で悲しい記憶をほんの僅かながら忘れさせてくれるのだった。

「先行隊、出撃しろ!」
ハルカの指令で次々とAEX隊が樹海に降下していく。
「樹海ではレーダーの感知が悪い!各員、気をつけて!」
折しも、フジノミヤでは丁度大雨が降り始めており、眼下の樹海も白く曇りはじめていた。
396ミニネタ:04/09/23 22:51:21 ID:fIuVSMd2
「見えたぞ!あれだ!」
「敵機発見!これより攻撃に移ります!」
基地にはベイツ初期型が10数機いる程度だった。流石にこんな敵に負けるAEX隊でもない。
ビームライフルが胴体を吹き飛ばし、別の機体がビームソードで機体を縦に両断していく。
数分後には全滅させ、10分後にはフジノミヤ司令部占拠の報が入った。

しかし、ハルカは釈然としないものを感じていた。
「連合軍ともあろうものが、そう簡単にここを明け渡すわけには・・・」
ハッとしたハルカ。
「ブロディアの修理は!」
「はい、先ほど完了しました!」
技官からの報告を受けて、ハルカは果穂に出撃命令を下す。
「ブロディア、至急出撃準備!」
397ミニネタ:04/09/23 22:52:05 ID:fIuVSMd2
ライア軍がフジノミヤ基地に残敵がいないか探査しているうちに、
衝撃的な通信が紗也香・・・フォーディから入った。
「ライアのあなた達にプレゼントよ。ちょっと危ないプレゼントだけどね」

「お、お前はフォーディ!我々に何をした!」
ハルカが思わず叫ぶ。

「艦長さん、私たちにかまっている暇はないわよ。だってあと20分でカワナカ湖にある水爆が爆発するんだから!」
それを聞いたライア軍のAEX隊、戦艦のクルー達が騒ぎ始めた。

「嘘だと思うならそのままにしておきなさい。あなた達は確実にお陀仏だけどね」
VA形態に変形してその場を去るフォーディ。
(もっとも、場所が分かっても解体なんて無理でしょうけどね)

出撃していたブロディアも基地守備隊のあまりのもろさに違和感を感じていた。
「弱い、あまりにも弱すぎる・・・何か他にいそうなものだけど」

「ブロディア、聞こえる?連合が水爆を使う!」
「水爆!?」
「カワナカ湖に奴らが水爆を沈めたのよ!爆発まであと20分よ!」

水爆を使わればこの辺り一帯は無に帰してしまう。連合は何て奴らの集まりなんだ!
あらためて果穂の怒りが燃え上がる。

「このフジノミヤ基地からカワナカ湖まで大体10キロ。ブロディアの機動性なら10分で着けるわ」
「水爆の解体方法は?」
「こちらからデータを送る」
ブロディアのモニターに水爆の解体図が出る。
「こんないい加減な図で大丈夫なの?」」
「大丈夫。ブロディアなら出来るわ。頑張ってね」
398ミニネタ:04/09/23 22:52:54 ID:fIuVSMd2
基地からカワナカ湖方面に通じる道路をホバー走行するブロディア。
(ブロディアは全天候レーダーだし、感度もいいから樹海でも雨でも関係なく敵機が察知できる。伊達じゃないわね)
空では雷もゴロゴロいっていた。あたかもこれから繰り広げられる激戦を暗示するかのように。

(そろそろカワナカ湖に出る頃だと思うんだけど・・・)
そう思ったブロディアの目前がさっと開け、目の前に広大な湖が現れた。カワナカ湖だ。
入ろう、と思った瞬間、頭上をサッと黄色い機体が飛来した。
「敵!?フォーディか!」
「橘さん、また会ったわね。どれだけ成長してるか確かめさせてもらうわよ」
「それはこっちのセリフよ!」

フォーディとブロディアとの戦いが始まった。
機動性の高いVA形態への変形を織り交ぜるフォーディにブロディアはなかなか攻撃を当てられない。
「橘さんも私みたいにVAに改造してもらっていたらもっと強くなれたのにね。人間を遙かに超えた強さが手に入ったのに」
「人間を超えることは、人間をやめることじゃない!」

「このフォーディの恐ろしさ、貴方の身体で試してあげるわ」
背部のポッドから2発のミサイルが飛んでくる。ブロディアはすっと横によける。
「かわした!えっ!?」
ミサイルは再び戻ってきてブロディアの背中を直撃した。吹っ飛ばされて湖に落ちてしまう。
「バカねぇ、ホーミング機能も知らないなんて」
399ミニネタ:04/09/23 22:53:37 ID:fIuVSMd2
水中でゆっくりと身を起こすブロディア。
「このフォーディはね、本来は水中戦専用なの。分かる?」
そう言うなりフォーディは魚雷を飛ばしてくる。
(よけなきゃ・・・身体が動かない・・・きゃあっ!?)
水中で動きが鈍くなっているブロディアはよけきれない。ゆっくりと機体が浮かぶ。
その追い打ちとしてさらにミサイルが直撃した。
「水中でありながら陸上と同じように動ける水陸両用型、トレンドはこれよね」
ゴロゴロ転がってどうにか攻撃をかわそうとするブロディアに、フォーディは次々とビーム砲を撃ってくる。
(遠距離戦じゃラチが空かない・・・懐に潜り込もう!)
ブロディアはあらん限りの力を込めてフォーディに向かって一気に斬り込む。
だが、フォーディはそんなブロディアを一笑するようにVA形態に変形し、ふっと背後に回り込んだ。
「えっ、後ろ!?」
ブロディアがレーダーに反応する間もなく、ブロディアは背後に鈍い衝撃を感じた。
「力こそが正義、力こそが全てを支配するのよ、橘さん」
ブロディアはフォーディが両手に装備していたクローで背中を突き刺されていたのだ。
「推進装置、主力低下」
ブロディアのインジケーターに警告表示が出る。だが、ブロディアはそんな表示を気にできる状態ではなかった。
「勝負あったわね。私は貴方みたいな欠点のある人間なんか大嫌いなのよ」
フォーディがゆっくりと海底に転がっているブロディアに近づく。その口調からは勝ち誇ったような思いが感じ取れた。
(陸に逃げなきゃ)
ブーストを吹かして湖から逃げるブロディア。
「臆病者ねぇ」
フォーディも後を追う。

「爆発まであと5分よ!フォーディよりも水爆に集中して!」
ハルカから警告が入る。
「今はそれどころでは!」
400ミニネタ:04/09/23 23:03:26 ID:fIuVSMd2


「もう時間がないみたいね、橘さん・・・フフフ」
(陸上ならこっちのものよ!)

「えええええいっ!」
空中からブーストを吹かせて斬りかかるブロディア。手には2本、ビームソードが握られていた。
「ああっ!」
装甲を十文字に裂かれるフォーディ。もともとこのフォーディは装甲が厚い方ではない。
極力ダメージを受けてはならないことは紗也香本人が一番よく分かってきた。
起きあがろうとするフォーディに対してビームソードを振り上げるブロディア。それをフォーディはクローで受け止めた。
「くぅぅぅ・・・」
「くっ・・・」
双方の力比べが始まる。だが、この力比べはあっけなく決着がついた。
ブロディアが右脚でフォーディの胴体を蹴り飛ばしたからだ。十メートルほども吹き飛ぶフォーディ。
「この結果、研究に使わせてもらうわ。でも私はまだ貴方に負けたわけではない。今回は時間切れ。覚えておきなさい」
これ以上の戦いは不利だと判断したフォーディは逃げ出した。
もっとも、ブロディアももう余り戦える状況でもなかったが。

湖に潜り込んだブロディア。水爆はすぐに見つかった。
(あの信管さえ切り裂けば!)
ブロディアのビームソードが信管を過たず両断する。自分でも驚くほどの正確さだった。
もっとも、それが自らの素質のかブロディアの性能なのかは分からなかったが。
「これでもう爆発することはない!」
401ミニネタ:04/09/23 23:04:16 ID:fIuVSMd2
ザバっと水面から上がるブロディア。雨はもう上がっていた。
「こちらブロディア!爆発の阻止に成功した」
「貴方の働き、見せてもらったわ。いい腕ね。艦はヨコハマシティに補給のために向かうわ。
フジノミヤの軍需物資の搬送が終わってからだけどね。とりあえずひとまず帰艦して」
ハルカが通信を入れた。
「了解!」

ー艦内VA工廠ー
「基地からこんなものが見つかったんですが」
整備兵が工廠内を視察しているハルカにセンサーのようなものと、先端に穴が開いている奇妙な球状の物体を指さす。
「オーラコンバーターとビット!どちらも見たことがあるわ。オーラコンバーターはパイロットの思念をより
正確に機体の動きに反映させる装置。ビットはパイロットの脳派で動きを操り、ビームを発射するポッドのようなものね。
まさかあの基地で入手できるとは思わなかったけど・・・」
普段あまり感情を表に出さないハルカだが、この発見には流石に驚いていた。
「この両装置を組み込める機体が出来ればね・・・とにかく装置の解析は進めなさい」
「はっ」

To the next chapter・・・
402名無しさん@ピンキー:04/09/23 23:20:32 ID:QU6588tT
乙&GJ。
もはやスレの主題を忘れて普通に面白いかなとか思ってますw
1日1話書き込める力があるのが普通に凄い。

…元ネタはちょっと思い当たる節があるけど、どーせ直接見てないから問題ナシ。
ラストまで頑張ってください。
403名無しさん@ピンキー:04/09/24 10:28:13 ID:KV2XxpS4
「オーラコンバーター」や「ビット」が出てきたってことは……
そのうち「バイオセンサー」とか「チョバムアーマー」なんてのが出てきそう。
富野作品やスパロボを知ってると「ニヤリ」と出来ていいっスね。
404ミニネタ:04/09/24 16:45:01 ID:XYzzVhGM
ーヨコハマシティーー

「本艦はこれよりヨコハマシティーで補給を行う。各員交代で休息を取れ」
久々に休息許可をもらったライア兵たちは、街に出て思い思いのことをしていた。
果穂も例外ではない。その日は丁度快晴だったので、郊外にあるフラワーパークへと
出かけていったのだった。

この日ばかりは果穂も軍服ではなく水色のワンピースというカジュアルな服装をしていた。
公園内に咲き誇る赤や黄色の花。
「地球の花はライアのとはやっぱり違うわね・・・」
何もかも初めて見る地球の花。吹き付けてくる海からの風。
花をじっと見ていると果穂の右肩の上にひよどりが止まっていた。
「可愛い・・・」
果穂はにっこりと微笑む。戦時中とは思えない平和な雰囲気。
果穂は自分がブロディアであることも忘れ、つかの間の平和を楽しんでいた。
405ミニネタ:04/09/24 16:45:54 ID:XYzzVhGM
「・・・!」
背後に殺気を感じて果穂が振り返る。そこには可奈がいた。
「また出会ったわね」
招かざる客に表情を変える果穂。ひよどりもどこかに飛んでいった。
「なぜあなたは地球の邪魔をするの?」
可奈が冷たい表情で語りかけてくる。
「貴方達のやっている事は人間がすることじゃない!」
果穂が強い調子で抗議する。以前までの自分なら考えられなかったことだ。
「ライアの奴らは地球側から食料を分けてもらっているという恩を忘れている。
恩を仇で返す・・・まさにお前らの事だ!贖罪してもらうしかない!」
「贖罪ならあなただけでやりなさい!何でライア星や人々を巻き込むのよ!
あなたはすさんだ心でライアの人たちをもてあそんだ。そう、おもちゃのように。
人の世は、あなたのようなのを絶対に許さない!」
仲の悪い可奈に対する不満と地球連合軍の所業に対する不満がドっと口から出る。

「人間じゃない?ふざけんじゃないわよ。アンタだってもう機械になってるでしょ?
機械の癖に人間に取りすまさないでよ」
可奈の表情がサッと変わる。
「杉原先輩に媚を売り、和美には姉貴みたいないい子ぶりやがって。ふざけんなよ。
おめーのような奴が一番ムカつくんだよ!」
可奈の姿が光に包まれたかと思うと、青い機体・・・レプトスに変貌を遂げていた。
「果穂!お前もわたしと同じ機械になれ!お前も同類なら同類らしく人間面出来ねーようにしてやる!」
戦いは避けられない。果穂も変身することを決心する。
「装着!」
光に包まれたちまちブロディアとなった果穂。レプトスと組み合いとなる。
「私のような機械になれ!そうしたら殺さないでやる!」
「心まで機械になった貴方と私は違う!」
ブロディアはレプトスを投げ飛ばす。ズズーン、と轟音が響き、土煙が上がる。
周囲では他の観光客が悲鳴を上げてこの場から次々と逃げ出していた。

To the next・・・
406ミニネタ:04/09/24 22:57:48 ID:XYzzVhGM
レプトスが空中をフワフワしていたかと思うとブロディアにキックをかましてきた。
「あああああっ!」
まともに喰らったブロディアの機体が道路を転がる。
「ほらほらほらほら、もっと楽しいお客さんがやってきたわよ?」
転がるブロディアに対して、さらに追い打ちを掛けるレプトス。

(とんでもなく強い敵が・・・・来る?)
ブロディアが起きあがると、遠くの方から人々の叫び声、そして破壊音が聞こえてくる。
雲一つ無い青空に暗雲が現れたように見えたが、正体はAEXというにはあまりにも巨大な黒い機動兵器だ。
「あのガルディンさえ量産できれば、ライア星どころか全宇宙の征服さえ可能よ」
(何とかしないと・・・)
そう思っても今のブロディアはレプトスの対処で精一杯だ。

「敵、敵はどこ?みんな、みんな壊してやるー!」
(あの声は・・・玉井さん・・・玉井さんまで・・・)
玉井瞳は背の低い可愛い女の子だった。彼女はちょっとしたことですぐに体調を
崩してしまうことが多い。果穂はよく睦美の家にお見舞いに行っていたことを思い出した。
こういうこともあって、果穂は周囲から「面倒見のいい人」と思われている。
戦争はこんな無邪気な娘まで巻き込んでしまうのか。果穂は悲しみに涙を流したくなった。
407ミニネタ:04/09/24 23:01:07 ID:XYzzVhGM
「みんな、みんな燃えちゃえ!」
ビルよりもずっと高く、大きいガルディンが胸部から拡散ビーム砲を発射し、周囲に浮遊した
ビットからビームを乱射するたびに、そびえ立つビル群が次々と煙を上げて崩壊していく。
逃げ遅れて焼け死んだりビルの下敷きになっていく人々・・・まさに地獄絵図だ。

「貴方は何をしているか分かってるの!人が、人が沢山死んだのよ!」
「その強気もいつまで続くかしらね」
ブロディアがビームライフルをレプトスに向かって撃つ。
「遅い!」
レプトスが余裕を持ってよける。
「喰らいな!」
自分が押されていることが信じられないブロディア。そこに、レプトスが威圧感に押されているブロディアを
1度、2度、と斬りつけ、最後は胸部装甲を縦まっぷたつに振り下ろした。
「ううっ・・・お願い、持ちこたえて!」
なお立ち上がるブロディア。
「これでもう終わり。ほら、もう1機来たわよ」
ブロディアのレーダーが右方向から新たな敵がやってきたことを察知する。
遠くから飛来したのは味方ではなく、黒いブロディア・・・Xだった。
VA形態から放たれるビームライフルをよける余裕はもはや残っていなかった。
腹部をビームライフルが貫通すると、ブロディアはガクっと膝を折り、前へと崩れ落ちてしまった。

「そんなんじゃ、このガルディンは壊れないよ」
近づいたライア軍AEX隊をまとめて2、3機蹴り飛ばすガルディン。
「な、なんだコイツのパワーは?」
「パ、パワーが違いすぎる・・・・」
ガルディンの撃墜に投入されたライア軍のAEX隊も次々と撃墜されていく。
408ミニネタ:04/09/24 23:01:32 ID:XYzzVhGM
「ブロディア!ブロディア!聞こえる!戻って!限界よ!」
通信は聞こえたが、徐々にバイザーから見える視界が悪くなっていく・・・・
(私・・・こんな所で死んじゃうのかな・・・)
「この機体はアタシが自らの手で潰す!)
レプトスは動けないブロディアの左脚を掴むと、
メキメキメキ!バキン!
バチバチッ、という音がして左脚のパーツが完全に胴体から離れてしまった。
「次は右だ!」
右脚も同じようにレプトスの力によってちぎり取られてしまった。
(ここまで私はよく戦った・・・でも、もういいよね・・・疲れちゃったから・・・休みたい・・・)
パーツをちぎり取られるブロディアに痛みや恐怖はなかった。どうしようもない実力差に諦めがついていた。
「ダルマ状態ってのも一興だねぇ」
レプトスがブロディアの右腕をあり得ない方向にひねり上げ、強く引っ張るとこれも胴体と離れてしまった。
「左腕はこうしてやる!」
レプトスがブロディアの左腕を思いっきり踏みつけた。グシャ!という大きな音がして
左腕のパーツがバラバラに飛び散る。

ブロディアがやられる様子を見ていたX・・・和美に変化が生まれた。
(あの機体の中の人の声・・・聞き覚えがある)
「かず・・みちゃん・・ごめ・・ん」
力を振り絞って声を出すブロディア。その声が、Xの中に残っていた和美の意識を呼び覚ました。
「最期に何か言うことはあるか?オラ!」
ダルマ状態になったブロディアの頭部をひっつかんで持ち上げたレプトスが、ブロディアの頭部を
握り潰してしまおうとギリギリと力を込める。
果穂が最期に見たものがレプトスのアップになろうとした時・・・・
「果穂ちゃんをいじめるなー!」
レプトスに向かってXのライフルが放たれたのだった。

To the next・・・
409名無しさん@ピンキー:04/09/25 15:00:07 ID:HXRXhcJs
次回からダブルブロディア編ですか?
410ミニネタ:04/09/26 00:02:08 ID:bPbsvkpx
「お前も裏切り者か!」
直撃をものともせずにレプトスがXに向かう。
「甘いっ!」
XはVA形態に変形して逃げる。低空飛行でXの周囲を飛び回り、
「そこよっ!」
レプトスにビームライフルをまた当てる。
「死んじまえー!」
レプトスがビーム砲を撃ってくるのを察知し、
「Xの機動性を生かせば、当たりはしない!」
すかさずAEX形態に変更し、ビームサーベルを当てる!
大きく横になぎ払った2振り目でレプトスが後ろに吹き飛んだ。
「ハ、ハルカ様にこの事は報告するわよ!覚悟しときなさい!」
レプトスはVA形態になって逃げてしまった。

「後は!」
レプトスはガルディンの方に向き直る。
「あれ、もうビットがなくなっちゃったから帰るね。バイバイ」
ズシン、ズシンと音を立ててガルディンは火の海となったヨコハマシティを後にしていった。
(今の武器ではあのデカブツを落とすのは不可能・・・もっと出力の高い武器が欲しい!)
411ミニネタ:04/09/26 00:02:26 ID:bPbsvkpx
「敵機発見!」
Xを見つけたライア軍AEX隊がマシンガンやビームライフルを構える。
「私はブロディアX。これよりあなた達の援護に入る!」
「援護?」
ライア兵たちがドヨドヨし始める。
「ブロディアの機体を回収して!」
とまどいながらもAEX隊があちこちに転がっているブロディアの部品を拾い上げていく。
敵意は感じられないとしても、ライア兵のXに対する疑いの目は消えなかった。
胴体だけになったブロディア本体はXが自ら拾い上げた。
もう、周囲に敵はいない。敵はガルディンの脅威を味合わせただけで十分と考えたのだろう。
(果穂ちゃん、絶対に助けて見せるから、待ってて!)


「あの黒い機体・・・ブロディアXか!」
「艦長、こっちに向かってきますが、どうします?」
ハルカは決断に迷った。撃ってしまえばブロディアや味方もろとも消し飛ばしてしまうだろう。
「こちらブロディアX!ライアに投降したい!ブロディアを回収したので着艦許可を求める!」
「・・・分かった!これより艦を下げる!」
ハルカの命によって、戦艦がゆっくりと高度を下げていた。
破壊されたヨコハマシティはまだ火柱と煙を激しく噴き上げていた。
412ミニネタ:04/09/26 00:03:03 ID:bPbsvkpx
>>409
実現するのはもう少し先です。
413名無しさん@ピンキー:04/09/26 19:14:45 ID:ClUHtP47
バラバラになったブロディアの描写を読んで、
「キカイダー」を思い出してしまった。
古い?

ダブルブロディアに期待!
414ミニネタ:04/09/26 21:41:58 ID:bPbsvkpx
艦内デッキでは整備兵や技官があわただしく動いていた。
「おい、オーラコンバーターはそっちに置いておけ!」
「予備部品はこっちだ!」

デッキの片隅で、ブロディアにそっくりな黒い機体から、
「装甲解除」
という声が発せられると、まばゆい光が走った。
バイザーの表示が消え、普通の人間の視界が戻ってくる。
やっと人間に戻れた。そう思って和美は自分の身体を見下ろした。
そして、まるでルビーのように顔を紅潮させた。

「キャーーーー!」

和美は一糸纏わぬ全裸になっていたのだ。
(そっか、わたしって、改造されたからずっとXのままだったんだ)
「誰か、誰か羽織るモノを持って来てー!」
415ミニネタ:04/09/26 21:42:41 ID:bPbsvkpx
「紺田和美さん・・・何故まだその名前を名乗るの?」
ライア星の軍服に着替えた和美はハルカに謁見していた。
和美は肩のあたりまである黒髪、ぱっちりとした黒水晶のような瞳をした美少女だ。
果穂とは専門学校入学以来、無二の親友の関係だ。
「わたしは、ブロディアXである以前に紺田和美という一人の人間です。
ブロディアXが私に変身してるんじゃなく、あくまでも私がブロディアX
に変身している。そう考えています」
ハルカは微笑した。
「貴方も果穂さんと同じね。親友だとは聞いていたけど。ところで、
こっちで調べさせてもらったけど、貴方の機体にはオーラコンバーターが
導入されてるようね」
「はい。わたしの装甲だけでなく、あの巨大AEX、ガルディンにも使われています。
周囲で何か浮遊している物体からビームが発射されていたと思いますが、あれこそが
ビットです」
「破壊されたブロディアにオーラコンバーターを組み込んだ上で、ビットを自在に操れる
ようにもして改修したAEXを作ろうと思うんだけど、何か良い知恵は無いかしら」
「わたしで良ければ・・・ガルディンの設計に携わりましたから」
「それじゃあ、協力をお願いするわ。工廠はこっちよ」
(果穂ちゃん・・・生きて!)
416ミニネタ:04/09/26 21:44:05 ID:bPbsvkpx


ー地球連合軍・ラサ基地ー
「もう貴方たちには愛想が尽きたわ。大分データも集まったみたいだし、その頭脳を私がもらおうかしら」
それを聞かされた可奈と紗也香の顔色が変わる。
「エ、エリナ様、今しばらくの猶予を!」
「私が負けたのはXが裏切ったからに過ぎません!」
その哀願をエリナは一蹴する。
「お黙りなさい。今結果を出そうとしない者は将来いつになっても結果を出すことは出来ません。
三人寄れば文殊の知恵、という言葉もあることですし・・・」
「エリナ様っ!」
「心配しなくてもよろしい。代わりにもっと素晴らしい頭脳をあなた達にはあげます。そう、必ず
ライア軍に勝てるようにしてあげる」
「本当ですか?」
可奈の顔がパッと輝く。
「妙なしがらみに捕らわれていると戦争には勝てないわよ。人間の本当に悪い癖だけどね」
417ミニネタ:04/09/26 21:45:52 ID:bPbsvkpx
果穂は上下も、左右もない空間をさまよっていた。
果穂は全裸だった。服はどこかに行ってしまったようだった。
(私・・・死んじゃったの・・・?)
羊水の中に浮かんでいるような不思議な感覚。

ゴポッ・・・

(音が聞こえる。ここは、私の中なの?)
向こう側に二人の女性が見える。
(杉原先輩に、河合さん・・・)

(やっぱり、これはみんなが人間だった時の記憶だ・・・夢なんだ・・・)

二人がこちらに何か語り掛ける・・・
優しい微笑みを浮かべながら。
「私達・・・もうすぐ完全に人間じゃなくなるんだ」
「人間じゃなくなるって、どうなることなのか、ちょっと分からないけどね」
「橘さん、絶対にマネしちゃダメよ。失うものが大きすぎるから・・・」

「そう、貴方は何も知らずにクラスメイトを殺してきたのよ!」
「仲間を殺す時なんか本当に楽しそうに殺してたじゃない。ねぇ、橘さん」

(違う!私は・・・まだ・・・・人間・・・)
(やめて!と叫びたいけど叫べない・・・)
(何か・・・変な・・・夢だなぁ・・・)
(なぜ私は生きてるの・・・?)
(まだ、答えが見つからない・・・)
(後、何人殺したら私は人間になれるの・・・?)

そして、果穂の意識が混濁する・・・

To the next・・・
418名無しさん@ピンキー:04/09/28 00:17:51 ID:nBoNn73c
変身中、一瞬ヌードになる設定はいいですね。
続き、期待してます。
419名無しさん@ピンキー:04/09/29 10:57:31 ID:/nlIPryd
おや、最近ミニネタさん来てませんね。
ゆっくりでもいいですから、続きをお願いします。
ブロディア=果穂の復活を待ってますよ。
420ミニネタ:04/09/29 23:01:41 ID:NZhh3BDQ
「オーラコンバーターは頭部に・・・」
「ビットは・・・従来のは使い捨て式らしいけどこの分なら背部ポッドに
戻して充電して繰り返し使えそうね」
工廠で果穂・・・ブロディアの再改造が着々と進んでいた。
「さすが、紺田さん。この分だと次戦までには間に合いそうね」
ハルカが和美の肩をポンと叩いた。
「・・・ライアのみんなが終わらせるしかないんですよ、この戦いは」
「Xを遙かに超える機動性、ビットをさらに改良したマルチビット・・・
勿論ビームライフルやビームソードも大幅にパワーアップ。完成した
暁には名付けは貴方に任せるわ」
「それはその時考えますよ」

地球上でも連合軍のやり方に反発する勢力が現れ、ライア軍への
支持は日増しに高まっていった。
「ライアのために!」
「勝利を信じて!」
「くたばれ連合軍!」
各地で地球連合軍は敗退し、拠点らしい拠点はチベットのラサ基地のみとなっていた。
それを知らぬエリナではなかった。
(このガルディンが我が軍にある限り・・・何も起こらないわ)
(それにね、あっちの主力をこっちは沢山つくったから)
421ミニネタ:04/09/29 23:02:33 ID:NZhh3BDQ


・・・果穂の身体が浮き上がっていく。
身体が何か暖かいモノに守られながらどこまでも浮いていく感覚。

(えっ、何、何!?)
(身体の奥が・・・熱い!)
(く、くるっ!何かが来ちゃうっ!)

「よし、作動開始!」
(あっ、ああぁーーーーーっ!)

果穂が心の中でそう叫んだとき、目の前に新たな視界が広がった。
「ひとまず完成ね!」

拍手、歓声が響き渡った。
「これがあればこの戦争にも勝てる!」
「地球連合も年貢の納めどきが来たな!」
そう喜ぶ技官たちをハルカが制す。
「まだ喜ぶのは早いわ。動作チェックが残ってるわ。そうだ、名前をつけなきゃね。どう、紺田さん」
「そうね・・・ダブルエックスというのはどうでしょうか」
「月並みね。でも貴方のエックスといいコンビになりそうね」
またひときわ大きな歓声が上がった。

果穂は自分の身体に驚いていた。
初めて身につけたはずの装甲なのに、もう10年以上これで戦ってきたような感覚を覚えたからだ。
体中から沸き上がってくる強さ。自信。
(このダブルエックスなら、どんな敵にも負けないような気がする!)
422ミニネタ:04/09/29 23:03:16 ID:NZhh3BDQ
「最強のブロディア」の完成、そして新型コンビの結成に湧くライア側。
裏ではXXの動作確認も進んでいた。

艦内射撃場での演習場で無人機相手に射撃武器の確認を行うXX。
「例によって敵はきっちり実弾装備だから気をつけてね」
「分かってるわよ!」
(すごく身体が軽い。ダブルエックスって凄いなぁ)
無人機が機関砲を撃ってくる。その砲撃はXXから見ればスローモーションにしか見えなかった。
「遅いっ!」
すかさずビームライフルを取り出して撃つ。一撃で吹き飛ばされる無人機。
「次はマルチビットをテストしてみるわ」
XXの背中のポッドから次々と筒のようなものが出現し、フヨフヨと周囲に漂う。
「ターゲットはあれね!マルチビット、オール発射!」
(このビットを曲げて、これはあそこから・・・)
8個のビットから発射されたビームがあちこちの方向から無人機を貫く。
「凄い!まるでビットが意志をもっているみたい!」

その様子を見ていた和美は、頼もしさを覚えるともに、寂しさを感じていた。
「果穂ちゃんが・・・どんどん人間じゃなくなっていく・・・お願い、人間でいて」

ハルカはXXの訓練報告を受けると満足に微笑んだ。
「これで後はラサ基地に向かうだけね」
「艦長!通信です!連合軍のエリナからの模様です!」
「今すぐキャッチしなさい!」
423ミニネタ:04/09/29 23:03:51 ID:NZhh3BDQ
艦内の大型モニターにエリナの顔が映し出される。
「いつもいつもブロディアで痛めつけてくれてありがとう・・・と言いたいところだが、あなた達には消えてもらいます」
「あなた達が今まで戦っていたAEXの正体は改造された地球人ということは既に分かっているでしょうけどね」
「あなた達は本能の赴くままに同胞を殺して来たのよ」
「しかしそれは、私の筋書きどうり・・・あとはあなた達を始末すれば私の計画は完成するわ」
「これからは私の最強の特別戦闘部隊をもってあなた達を抹殺するのでよ・・ろ・・し・・く」
不敵に笑うエリナの顔が何秒か映った後、通信は切れた。XXも、和美も、そしてライア戦艦クルー全員も、
ライア軍打倒の思いは変わることはなかった。

「もし基地を放棄することになっても私には切り札があるわ。ねぇ、レプトス」
「既に基地からプラントを模したレーザー発射装置が打ち上げられました」
レプトスと呼ばれたAEXが機械的な声を出す。既に河合可奈の部分は死んでいる。
完全に脳を改造され、心もレプトスにされたのだ。
「まだライア側はこれが兵器と気づいていません。いざとなれば直接ライアに落とす方策もありますが」
フォーディが応える。これもまた完全に100%機械に改造されていた。
「あれで我々と対等のつもりだなんて、笑わせるわね」
エリナはそう言いつつもラサ基地に向かうライア軍戦艦の現在位置を確かめていた。

The next chapter・・・
424名無しさん@ピンキー:04/09/30 00:02:58 ID:4oazVdCv
お待ちしてました。
祝!果穂の復活&パワーアップ!!
二体のブロディアの活躍に期待します。
425名無しさん@ピンキー:04/09/30 21:51:11 ID:eR1SVZJL
おつです。次はダブルバトルですね。楽しみにしてます。

にしても……
>これからは私の最強の〜
すいません、ラストはまさか……((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
あんなん無理です先生! かわせるわきゃないです先生!
426ミニネタ:04/09/30 23:07:25 ID:VzNAvTAt
「これよりラサ基地を強襲する!敵AEX隊を撃破せよ!」
ラサ上空に到着した艦からAEX隊が漆黒の闇へと降下を開始する。

「味方AEX隊を落とされないように気をつけて!」
「了解!行くよ、和美ちゃん!」
「分かった!」

一度深呼吸をする和美。そして・・・
「装着っ!」

和美の全身がまばゆい光に包まれたかと思うと、美しい全裸が露わになる。
だがそれも一瞬で、黒いアンダースーツが装着され、その上から装甲が身体を覆っていく。
その装甲は・・・黒ではなく、白だった。

「え・・・?」
和美はブロディアXとなった自分の身体に驚いていた。
「なんで・・・白なの?」
「ふふっ、驚くのも無理無いわね。黒だと夜間や宇宙空間での戦闘で見づらいし、
それに黒だと悪のAEXっぽいイメージがあるじゃない。お似合いよ。XXと一緒のカラーリングで」
ハルカにそう言われた和美は別にカラーリングはそれほど気にしてはいなかった。
むしろライア軍AEX隊と、そして果穂・・・XXと一緒になれたことでうれしさすら感じていた。
「カラーリングを変えた以外はいじってないから安心して。それと、Xには新兵器メガビームランチャーが
あるわ。様々な制約上、数発しか撃てないけど威力の方は私が保証するわ」
「X、そろそろ出撃しよう」
「よし、ダブルブロディア、出る!」
デッキに向かっていく2機のブロディア。その後ろ姿を見送ったハルカはこう呟いた。
「悪の地球連合にいたけどライアにやってきて正義の戦士になった、ってとこかしらね」
427ミニネタ:04/09/30 23:08:04 ID:VzNAvTAt
「XXでここを突破する!X、聞こえる?」
「了解した!これより敵機を攻撃する!」
果穂も和美も既に戦う事に対しての葛藤はほぼ吹っ切れているが、それでも
変身中の意識が「果穂」「和美」ではなく、「ブロディアXX」「ブロディアX」中心であることに変わりはない。

「あれは・・・量産型か?」
遠くから黒いブロディアに似ているがどこか簡略化されている機体が多数襲来してくる。
XXのバイザーに「CAUTION」という表示が出る。
『ブロディアさえ落とせば!』
「うっ!」
XXは上方から攻撃を受けたのを感じた。
XXの上を取った量産型ブロディアがビームマシンガンで攻撃を仕掛けてきたのだ。
「この程度の損傷など、損傷のうちに入らない!」
(声が聞こえる・・・中の人の魂の叫び?)


「着地が隙だらけよ!」
Xが着地した瞬間の量産型ブロディアをビームライフルで吹き飛ばす。
『こっ、これがX・・・きゃあああ!』
「一つ借りよ、XX」
「XXで反応仕切れなかったのか・・・?」
(・・・どうしても気になる、声が)

右前方から別の量産型が空を跳び、格闘を仕掛けてくる。
「甘いっ!」
XXも飛び上がり、量産型を斬りつける。
XXが着地した瞬間、量産型の胴体が両断され、爆発する。
『なっ、そんなバカな・・・』
428ミニネタ:04/09/30 23:08:40 ID:VzNAvTAt
『せ、性能が・・・違いすぎ・・・!?』
「流石、連合の新型ね」
皮肉を言いつつも別の量産型をビームライフルで始末したX。
XXも、量産型が発射するミサイルランチャーをひょいとかわす。
「それではXXを狙うだけ無駄よ!敵を捕捉した!マルチビット、発射!」
XXの背中から5機のビットが発射され、異なる角度から量産型を貫く。
『損傷率98,99%・・・だめえぇぇっ!』
戻ってきたビットがXXの背中に収まる。

「新たな敵をキャッチした!注意して!」
ハルカからの通信が両機に入る。
「了解!」
あたりを見回してみるとライア軍のAEX隊はまだそれほど被害を受けていない。
このまま2機のブロディアで一気に押し切りたい。そう考えていた。
429ミニネタ:04/09/30 23:10:55 ID:VzNAvTAt
「あれは・・・ガルディン!」
遠くからズシン、ズシンと足音を響き渡らせて巨大なAEXがぬっと姿を現した。
「他は下がって量産型の相手をして!あれはブロディアで落とす!」
XXが他のAEX隊にガルディンから離れるように指示する。
「的が大きいから当てやすいけど・・通用するのかな?」
Xがビームライフルを発射し、ガルディンの胸に当てる。
『痛いっ!今のは何?』
Xの頭の中に響く声。Xはその声が間違いなく玉井瞳であることを確信した。
「あの中にいるのは・・・玉井さん!」

「直撃させる!」
XXもまたビームライフルを撃つ。Xと同じ場所に命中した。
『痛いけど・・・まだまだ大丈夫!』
(どうやらダメージは与えているようね)
XXは攻撃を続ければいつかはガルディンを落とせる、と確信した。ガルディンは不死身ではないと。
「XX・・今何か声が聞こえなかった?痛いとか」
Xの問いかけにXXも応える。
「確かに痛いと聞こえたわ。オーラコンバーターはその思念で敵の心までも読めてしまうとはね」
「XX、玉井さんを助ける方法はないの?」
「ジェネレーターをうまく停止させればあるいは・・・Xでも難しそうだけど」
「じゃあこのまま玉井さんごと壊しちゃうしかないの?」
Xの声が悲しみを帯びたものになっている。
(Xも、私と同じ悲しみを抱いているのね・・・)
「時には非情な決断をしなければならないこともある!それが戦争でしょ、X!」
XXは決心した。そして、背中のポッドからビットを射出した・・・

To the next・・・
430名無しさん@ピンキー:04/09/30 23:50:29 ID:4oazVdCv
ダブルブロディアキタ━━(゚∀゚)━━!!
次は合体必殺技炸裂!!に期待。
431ミニネタ:04/10/01 22:40:02 ID:MdlmnMqD
ガルディンは巨大過ぎるその図体故に、機動性は無いに等しい。
そこにXXとXの付けいる隙があった。
XXから放たれたビットからビームが一気に発射され、ガルディンを痛めつける。
『痛い・・でもまだ生きている・・・』
ガルディンも反撃のビットを飛ばす。
「あれか!」
XXの腰部ミサイルランチャーからミサイルが発射され、
自分に向かってくるビットを全て撃ち落とした。
『信じらんない!あれが・・・あれが・・・XXの力なの!?』
「一瞬あれば勝つ!それがXXよ!」
再びXXから撃たれたビームライフルがガルディンに当たる!
『ああ・・・頭が、頭が痛いよぉ!』
ガルディンから再びビットがXに向かって発射された。
「そうそう当たるもんじゃないよ」
Xは飛んできたビットを正確無比な動きでビームソードで切り払う。
「お返しよ!」
先ほどから集中攻撃しているガルディンの箇所にまたビームライフルが命中する。
432ミニネタ:04/10/01 22:40:44 ID:MdlmnMqD
「XXを今までの機体と一緒にしないで!X、一緒にビームライフルを撃つよ」
「了解!行くよ!」
2機が一緒にビームライフルを撃つと、光の帯がより太くなり、ガルディンに突き刺さる。
『誰か、誰か・・・助けて・・・』
「今よ、X!メガビームランチャーを!」
「分かった!メガビームランチャー、転送!」
Xの右手に巨大なビームランチャーが出現する。
「リミッター解除!照準よし!メガビームランチャー、行けえぇぇっ!」
発射の反動でXがズズズッと数メートル後ろに滑る。
敵も味方も、全ての機体がたじろくほどのまばゆい光が満ちあふれる。
そして・・・長大なビームの帯が・・・ついにガルディンの胸部・・・ジェネレーターを貫いた。
『ああ・・あ・・・あ・・・降ろして!降ろしてっ!』
『痛いよ・・・熱いよっ!』
『か、身体が、壊れ、壊れ壊れちゃうよあああああああぁぁぁっっーーーー!!!!』
スクラップになっていく自分の身体を押しとどめようとするかのように、ガルディンがもがく。
だが、それはもう無駄なあがきだった。
ガルディンが右膝をガクンとつく。そしてゆっくりと前のめりにスローモーションのように倒れる。
そして、

『各機、ガルディンからできるだけ離れて!』

果穂が指示を出して10秒後に、ガルディンは轟音を上げて大爆発した。

凄まじい煙がおさまり、地面に無様に残骸を横たえているガルディンの姿が見えるようになったのは
15分ほども経ってからだった。あちこちに散らばっている残骸を見るからに、このガルディンの巨大さ
と凄まじい爆発ぶりが伺い知れた。

ラサ基地が占領されたのは、この出来事の2時間後だった。
433ミニネタ:04/10/01 22:41:13 ID:MdlmnMqD
ー艦内ー

「地球上の連合軍勢力はほぼ全滅した!これより宇宙に逃げた敵を追跡する!」
ラサ基地の陥落の報を受けたハルカは一気に敵をたたみかけられる、と判断した。

控え室で和美は思いに暮れていた。
(玉井さん・・・本当にあの方法しか無かったの?)
部屋に果穂が入ってきた。
「・・・気にすることはないわ、和美ちゃん・・・」
「果穂ちゃん・・・」
「・・・玉井さんは私たちのように自分を縛る鎖から逃げられなかった・・・それだけよ・・・」
黙りこくる和美。
「・・・それよりも許せないのは…ああいう形で人間を利用しようとするエリナよ!」
「うん・・・(玉井さん・・・ゆっくり休んでね)」

二人の間にしばらく沈黙が流れる。

「わたし、果穂ちゃんと一緒にいてもいいんだよね。だってわたし、果穂ちゃんと一緒だもん」
「和美ちゃん・・・」
「こうやって、少しでも果穂ちゃんの背負っているもの、軽くしてあげたいから・・・」
和美と果穂は思わず身体を重ね、抱き合っていた。
434ミニネタ:04/10/01 22:42:32 ID:MdlmnMqD
というわけで、この作品もそろそろクライマックスに近づいてきますた。
435381:04/10/01 23:42:33 ID:1LxowBpx
必殺技キタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  `・)━( `・ω)━(`・ω・´)━ シャキーン
次回は美少女レズですか?ハァハァ
436ミニネタ:04/10/02 22:56:34 ID:ThTvFYoW
和美がそっと果穂の胸にもたれかかっている。ふわりとした和美の髪が果穂にかかる。
「これから、とんでもなく大きな戦いがある・・・」
「たぶんね」
「果穂ちゃん、どの道、私達の運命は決まっているらしいわ」
果穂はそれを聞くと、抱き合うのを止めて、和美の顔をしっかりと見つめた。
「運命だったなんて言わないで。わたしは運命なんて言葉はないと思ってるわ。もしあるのだとしても、
それは同じ事に対してどんな行動をとったか、あるいは取らなかったかのその先にある、色々な
結末それぞれを指し示す言葉であって、決して始めから決まっているものではないと思うよ、
って、難しい話になっちゃったね。ごめん」
果穂は話し終わるとクスリと笑う。

「運命は自分で切り開くもの・・・人間誰でも生きるときは生き、死ぬときは死ぬ・・・」
もっとも、私たちはもう人間じゃないけどね」
そう言って果穂は恥ずかしそうに笑った。
よく見ると和美の膝の上に置いてある和美の両手が震えている。

「わたしみたいな見てくれだけの人間が、人を、人を・・・愛する資格なんて本当にあるの?
友達が・・みんなみんなわたしが殺しちゃったのよ!このままだとわたしがわたしじゃ無く
なっちゃう・・・どうしたらいいのか・・・どうしたらいいのか分かんないのよっ!」
心の中で耐えきれなくなった感情が爆発させ、果穂の胸元に抱きついた和美。慌てて受け止める果穂。
和美の柔らかい胸の感触が、服の上を通じても伝わってくる。中身は機械とは思えないほど柔らかかった。
437ミニネタ:04/10/02 22:57:24 ID:ThTvFYoW
果穂も和美も辿ってきた道のりは普通のものではない。でも、自分たちが思い悩み、悲しみ、怒り、笑ったり
している事は普通の女の子と何ら変わらない。
果穂も和美も、普通の女の子と何ら変わりは無い。和美の全てを受け入れよう。彼女が怒るのも、笑うのも、
悲しむのも、何もかも受け入れよう。
そうじゃないと側にいる意味がない。喜びも、苦しみも、悲しみも一緒に分かち合おう。

「果穂ちゃん・・・私を抱いてくれない?」
「・・・・・・分かったわ」
果穂は和美の体を軽々と抱え込み、ベッドまで持っていった。ベッドに和美を下ろすと、果穂もベッドの上に乗った。


「お願い・・・一人にしないで!」
「その優しい心を忘れちゃダメ」
そっと和美の背中に手を回す。密着した状態で、和美の体を抱きしめた。
和美の胸の柔らかさが軍服を通しても伝わってくる。
和美の方はというと、果穂の力強い鼓動が伝わってくる。不安のために小さく
震えていた体が落ち着きを取り戻していくのを果穂は感じた。
和美がぎゅっと抱きついてくる。果穂も彼女の体に手を回し、強く強く抱きしめた。
438ミニネタ:04/10/02 22:58:16 ID:ThTvFYoW
二人の顔が徐々に吸い寄せられていく。そして、二人の唇が重なった。
「んっ・・・」
果穂の甘い吐息。その吐息が、和美の鼻腔をくすぐる。
和美は果穂の口づけを心から受けいれていた。その甘さに、和美がうっすらと唇を開く。
やがて、果穂の舌が和美の綻び始めた唇を割って、中に侵入し始めた。和美の口の中で、二人の舌が絡み合う。
「あふんっ・・・ああっ・・・」
果穂の舌が自分の舌の裏側まで絡みついてくる。何もかもが、和美にとっては初体験だった。
頭がジンとしびれるような感触がする。自分の頬が徐々に熱を持ち、ほんのり赤がさしていくのを和美は感じた。
果穂が舌を抜いた。
和美は果穂の甘いキスに酔っていた。そのキスの味を味わえば味わうほど全身の力が抜けていくのが感じられた。
「あふ・・・うん・・・あぁ・・・」
「続き・・・やる?」
果穂が優しく語りかける。和美の顔が机の上にある小さな電灯に照らされる。
その表情を、果穂は心から美しいと思った。続き・・・その意味を和美は即座に理解した。
「いやならやめるけど・・・」
「・・・いいわ果穂ちゃん。一緒になろうよ」
それを聞いた果穂は、和美の髪を優しくなでてから、首筋にキスをする。
そして、和美の体をそっとベッドの上に横たえた。

To the next・・・
439名無しさん@ピンキー:04/10/03 07:17:06 ID:R0c99y9y
嵐の前の静けさ……
果穂と和美の心のふれあい。
そしてついにふたりは……
次回も楽しみです。
440ミニネタ:04/10/03 22:11:24 ID:tIFcX7a8
和美の胸を、果穂が軍服の上からそっと包み込む。
「やんっ・・・果穂ちゃん・・・」
果穂の手は二つの乳房をそっと揉みこむ。適度に弾力性のある乳房だった。
沈み込むように柔らかくて、それでいて手を離すと元に戻ってくる。
「あふん・・・」
柔らかな胸のふくらみを指でなぞる。手のひら全体で和美の乳房を包み込むように撫でた。
(暖かい・・・)
果穂の手にも和美の乳房の暖かさが伝わってくる。中身は機械のはずなのに・・・
「・・・く・・・ああっ・・・んっ・・・!」
元々感じやすい体質なのだろう。ブラジャー越しの愛撫を受けただけでも和美の口からは嬌声が漏れていた。
果穂の両手は和美の軍服のチャックを引き下げていた。
中からレース入りのおしゃれな白いブラジャーが露わになる。
「改造されちゃっても恥ずかしい、という感情は変わらないものね」
「果穂ちゃん、当たり前じゃないの。わたし達はどんな格好になっても女の子なんだから」
そう言われつつも果穂は和美の両腕を軍服から抜き去る。
441ミニネタ:04/10/03 22:11:47 ID:tIFcX7a8
「恥ずかしいよぉ」
和美は顔を真っ赤に染めていた。ブラジャーに手をかける前に、果穂は和美の耳たぶにしゃぶりついた。
そこもふわりと柔らかい感触がした。
耳たぶを舌でチロチロとなめ回す。
「きゃっ、くすぐったい」
和美がシーツを思わず握りしめた。
(何なの、この感覚・・・ちょっと変だけど、気持ちいい・・・)
「気持ちよさそうね、和美ちゃん」
果穂の手に和美のブラジャーがかかる。たくし上げられたブラジャーの下から、
淡いピンク色をした突起が姿を出した。和美が恥ずかしさで横を向く。
少女の可愛さと女の美しさ、この二つが同居した表情を、果穂は美しいと思った。
「いや・・・見ないで」
「好きよ、和美ちゃん」
そんな和美に果穂は優しく声をかける。両手で和美の乳房を包み込むようにして、揉み上げる。
果穂は左の方の型くずれしない美乳を持ち上げるようにして揉み込んだ。それから今度は右の突起を口に含んだ。突起を吸いながら、

時には唇で噛む。
もう片方の胸は手のひらで包んで、優しく揉みほぐしてやる。徐々に和美の突起が頭をもたげてきた。
何度目か、和美の突起を唇でかんだとき、和美が小さく声を上げた。
「あっ!・・・ん・・・」
果穂は乳房の愛撫を止め、今度は首筋から舌を少しずつ和美の身体に這わせた。首筋から胸。胸から腹。
「ひっ・・・あ・・・」
和美の口から艶っぽい声がこぼれ出す回数が多くなってきた。一度火がついてしまうと、もうそれを止めることは出来ない。和美の白い

肌がかすかに赤みを帯びていた。
服の上からの愛撫よりも強い快感が和美の中に広がる。と同時に、果穂の性的興奮も徐々に強まっていった。
「あっ、あっ、あん、ああ〜んっ・・・」
和美の白い乳房に埋没していた突起が徐々に頭をもたげてくる。
442ミニネタ:04/10/03 22:12:27 ID:tIFcX7a8
果穂は突起を指でピンと弾き飛ばした。
電撃にも似た快感が体を駆けめぐった。
「ひううっ!」
和美は体を大きくビクンと痙攣させた。突然、襲いかかってきた強烈な快感。
一度大きな痙攣が過ぎた後も小刻みに身体が震えている。
「す、凄いよ、果穂ちゃん・・・」
果穂は彼女の突起を中指の腹でこすり上げた。突起がこすり上げられるたびに、体の奥深くがジンと熱くなり、
女の子として最も大事な部分・・・花弁が濡れそぼってくるのが感じられる。
果穂は口で突起を銜えた。そしてそれを舌で何度も付く。
「い、いやあぁぁ、やめてぇっ!」
和美の悲鳴とも、喘ぎ声ともいえるものが部屋の中に響いた。その間にも、和美の花弁はどんどん熱くなっていく。
ほころびた花弁から溢れ出た熱い蜜が自分の下着を濡らしているのが分かった。
(やだ、わたし感じちゃってるの?)
彼女も年頃の女の子である。他人による愛撫によって性感を刺激されたのは初めてだ。
そう、ブロディアに改造されたとは言え、生殖器と脳は生身のままなのだ。
443ミニネタ:04/10/03 22:12:58 ID:tIFcX7a8
上半身の愛撫を終えた果穂は和美の下半身に目をやった。
「あっ・・・はあぁ・・・」
和美の全身がほんのりと赤みを帯びている。果穂は和美のスカートを下までずり下ろした。
果穂の目は、和美の秘密の部分に注がれた。濡れた純白のショーツから和美の秘密の部分の形がはっきりと現れていた。
「ここはどうかな?」
既に溢れ出た蜜によって、下着には楕円形の染みが出来ていた。果穂はそこをそっと押した。
ジワリ。ほころびた花弁から新たな蜜が溢れ出るのを和美は下着越しに感じた。
「随分と濡れちゃったね、和美ちゃん」
「・・・・・」
和美は羞恥心のあまり声が出なかった。果穂は、彼女の白のショーツをずり下ろす。
中からは、黒の花園、そして桃色の花弁。そこからは、ジワリジワリと蜜を分泌し続けていた。
果穂は舌で和美の土踏まずを舐め始めた。下から沸き上がってくる波に、和美はたまらず声を出した。
「やっ!あぁんっ!」
「いい声で鳴いてるよ、和美ちゃん」
果穂は舌を足の裏から、ふくらはぎ、太股へと徐々に移行させていた。行き着く先は勿論和美の花弁だ。
舌が芯に到達した。ほころびている割れ目をチロリと舐める。そこは、甘くて酸っぱい味がした。
果穂はさらに舌を使い、割れ目の奥にある突起を目指す。舌が奥に入ってくるたびに、和美の理性が奪われていく。
(や・・・このままじゃ、わたし変になっちゃう)
彼女の奥にある小さなつぼみはすっかり充血して大きくなっていた。舌の先端が突起をまさぐる。最も敏感な部分が刺激された。
「ふあああぁっ!」
和美の心臓が高鳴る。快感が一気に解放される。和美は上半身を反らせた。どうやら軽く達してしまったようだ。
果穂が舌を抜くと、ドロリとした蜜が流れ出した。
444ミニネタ:04/10/03 22:13:53 ID:tIFcX7a8
「私も一緒に気持ちよくなりたい・・・」
果穂はそう言うと自ら軍服を脱ぎだす。
「果穂ちゃん・・・」
和美がそう言う間にも、果穂は素早く服を脱いでいた。
果穂のまばゆいばかりの白い肌、そして飾り気の無い純白の下着が現れた。
上品な唇。抱きしめたら折れてしまいそうなほど華奢な肩。きゅっと絞ったような足首。
初めて目にする果穂のスレンダーな体に、和美は一瞬息を飲んだ。
白いブラジャーは果穂の乳房にぴったりと張り付いており、ショーツは乙女として最も大事な部分を頼りなげに覆い隠していた。
果穂は和美の首筋にそっとキスをした。そして、和美を膝の下に抱き上げた。和美の手が自然と果穂のブラジャーに伸びる。
ぷつん、という音がして、ブラジャーが落ちる。華奢な身体に似合わない豊満な乳房が露わになった。
果穂の白いショーツはもうグショグショに濡れていた。ショーツだけでは吸収しきれなくなった愛液が太股まで濡らしている。
「こっち・・・もう大洪水になっちゃってるよ」
そう言うと、和美は果穂のショーツをずり下ろした。一本の白い糸が、ショーツと秘所の間を伝った。
和美が手に持ったショーツを床に落とすと、ベシャリという湿った水音がした。
自分のもっとも恥ずかしい部分を見られている。そう思うと果穂は羞恥心で真っ赤になった。
445ミニネタ:04/10/03 22:14:50 ID:tIFcX7a8
「でも気持ちよくさせてあげるのは私が先。和美ちゃんは後でね」
和美の綺麗なサーモンピンクの割れ目の周りには、黒い毛が慎ましやかに生えそろっていた。果穂がそこに舌を這わせる。
「や・・・そこ、汚い・・・」
そう言う和美の声はほとんど消え入りそうなものだった。果穂は和美の秘所を指で前後にこすり上げた。
その度に、和美の体の奥底からぞわぞわっとした感覚が沸き上がってくる。
「あんっ!うっ・・・あ・・・あぁ!!」
クチュ、クチュという淫らな水音と共に愛液が果穂の指を濡らす。
その勢いで、果穂は指を一気に和美の秘所へと突き入れた。
滴るほどの愛液が潤滑油の役割を果たして、果穂の指は一気に根元まで吸い込まれた。
「あぁっ!・・・ああ!」
和美の内部は熱かった。肉壁が果穂の指をぎゅっと締め付けてくる。
一通り感触を確かめて、和美の秘所から指を抜いた。
その指は根元まで愛液でぐっしょりと濡れていた。
「も、もっと・・・お願いします」
全身に玉のような汗を浮かべた和美が哀願するような口調で言う。
「もっと・・・何?」
果穂が聞き返す。
「もっと、激しく・・・して!」
「分かるわ、その気持ち。これで最後になるかも知れないからね」
和美の秘所を、果穂はそっと指で押し広げた。ドロリとした愛液が溢れ出し、中からぷくりとふくれあがった蕾が現れた。
愛液を吸い取るようにして蕾を舐める。今まで味わったことのない強烈な快感が和美を襲った。
「ひあっ!・・・あ・・・くうぅっ!!」
秘所がひくひくと軽く痙攣を続けている。果穂は蕾をピンと指で弾いた。その瞬間。
「んああああぁぁぁっっ!!」
嬌声とも、悲鳴とも取れない大きな声を和美があげた。ブシュッという音と共に愛液が勢いよく噴き出し、果穂の顔を濡らす。
「・・・ぁん・・・はぁ、ひっ・・・あっ、あ・・・」
和美が切れ切れに声を出す。果穂は愛液を拭き取ろうともせず、ベッドに倒れ込んだ和美の首筋に口づける。
和美の呼吸が、体のほてりが静まってくるまで。ややあって、和美が体を起こした。その目は潤んでいた。
446ミニネタ:04/10/03 22:15:31 ID:tIFcX7a8
「ずっとしてもらっているというのも悪いから・・・」
和美はそう言うといきなり果穂の秘所に口づけをしてきた。思わぬ和美の行動に果穂は戸惑った。
最初は回りから。次に、口を開けてうっすらと見えるピンクの部分に。
ぎこちない舌の動きとは言え、それは果穂に快感をもたらすのには十分だった。
やがて、和美は果穂のぷくりとふくれた真珠を突き始める。
奉仕している和美の表情は今までにないほど艶かしかった。
「はぁんっ・・・」
時折果穂が漏らす嬌声がさらに追い打ちをかけていく。
「果穂ちゃん・・・いい・・・?」
和美が何度目かに果穂の秘所を舐めあげたとき、果穂に限界がきた。
「・・・くああああああっ!・・・・」
和美の顔面に果穂の蜜が吐き出された。和美はそれを気にもとめずに、果穂への奉仕を続けていた。。
よほど量が多かったらしく、果穂の秘所から顔を離した和美の顔から蜜がポタポタと滴っている。
先ほど愛液を吹いたにも関わらず、和美の秘所からは再び愛液がこぼれ落ちていた。
447ミニネタ:04/10/03 22:16:05 ID:tIFcX7a8
「和美ちゃん・・・一緒になろうよ」
二人の花弁は既にトロトロに濡れており、すっかり準備は整っていた。
「お願い・・・優しくして」
和美が消え入りそうな声で哀願する。その瞳がかすかに潤んでいた。
果穂は和美の体の間に入り込み、脚を開かせた。そして、自分の左脚を和美の右脚の下に、
自分の右脚を和美の左足の上に置き、ぴたりとお互いの身体を密着させる。
俗に言う「貝合わせ」の態勢になったわけだ。
「二人一緒に気持ち良くなるのならこれが一番いいと思うの」
果穂がゆっくりと腰を動かし始める。和美の中には、これから起こる事を体験してみたいという
好奇心と、それによる恐怖心とが同居していた。
思わず脚を動かそうとしてしまうが、果穂ががっちりと押さえつけていた。
「楽にして」
(スゴイ・・・ものすごく気持ちいい)
全身が溶けていくような感触に、和美が身悶えする。
「ぐっ・・・くううう〜・・・」
歯を食いしばって必死に耐えている苦悶の表情が果穂には見て取れた。
果穂はそう言うとさらに腰の動きを激しくした。接合部から漏れてくる蜜が潤滑液の役割を果たす。
自分の秘所が相手の秘所にねっとりと絡みつく感触。快感がこみ上げてくる。
448ミニネタ:04/10/03 22:17:05 ID:tIFcX7a8
「あっ・・・は・・・ふぅ・・・」
和美の様子を見ながら、果穂は腰を動かしていく。
果穂が腰を動かして内部に侵入するたびに、和美の体の奥底から、
意識をも流してしまいそうなほどの激しい快感が沸き上がってくる。
和美は目を閉じて、快感に流されまいとしていた。だが、意志とは無関係に体が反応してしまう。
「あっ・・・あ!・・い・・・いや・・・あひぃぃっんっ!」
和美の髪が、乳房がゆさゆさと揺れる。
「ダメ・・・ああっ・・・やああ!」
「我慢しないで・・・体に良くないわ・・・ああんっ!」
果穂にそう言われた和美は、快感に自分の全てを任せることを決心した。
腰を動かすたびに、ヌチャ、ヌチャという淫らな音が響く。
全身がとろけていきそうな感覚。その感覚が高まっていくにつれて、和美の目の焦点が定まらなくなっていった。
「はあっ・・・ああっ!」
和美が何度も背を反らせる。全身を快感が激しくかけめぐる。その様子を見た果穂は和美の限界が近いことを悟った。
時間が経つにつれて、果穂自身も限界へと追いやられていった。
「はぁっ・・・わたしもう駄目なの・・・ああぁんっ!」
和美の喘ぎ声が一層大きくなる。自分の体から魂が抜け落ち、空中をさまよおうとするかの感覚。
「あ・・んああっ・・・!」 
全身を痙攣させて、和美は再び頂点に達した。しかし果穂は腰の動きを止めなかった。
体がどこまでも浮いていくような感覚。もう和美に理性は残っていなかった。
「もっと・・・もっと・・・速く!」
さらに高い次元の快感に二人は押し上げられつつあった。
449ミニネタ:04/10/03 22:17:56 ID:tIFcX7a8
「んっ・・・私・・・もう・・・」 
果穂は自分も限界に近づいていることを感じていた。和美の秘所が果穂の秘所にねっとりと絡みついてくる。
「ひあっ!・・・・・あ・・・くうぅっ!!」
甘美な鳴き声を惜しげもなく漏らしている和美。果穂が歯を強く食いしばった瞬間、その時がやってきた。
和美の視界が、目の前が真っ白に染まっていく。
「ああ・・・和美ちゃん・・スゴイ・・・あああああぁんっ・・・」
「こんなに出てる・・・ダメ、ダメっ、ああっ・・・ひああぁぁんんっっ!」
和美は激しく四肢を痙攣させた。背がピンと反り返る。それとほぼ同時に、果穂も自分を爆発させた。
和美は果穂の愛情を全身で受け止めた。そして、意識が白い闇の中へと落ちていく。
高みに持ち上げられておいて、突然ストンと落とされるような感覚。
三度目の絶頂を迎えた和美は背を大きく反らすと、がくんと倒れ込む。
果穂もまた、糸が切れた操り人形のように、抱き合ったままその場にぐったりと崩れ落ちた。

二人の美少女は絡み合ったまま眠っていた。
その穏やかな表情は先ほどまでの激しい行為からは想像もつかないほど穏やかだった。

To the next・・・
450名無しさん@ピンキー:04/10/04 14:10:58 ID:GClO5NEi
ミニネタさま、美しい二人のまぐわいを、ありがとうございます。
「貝合わせ」に萌えました。
次回からのクライマックスに期待大!!
451ミニネタ:04/10/04 22:38:42 ID:BXFaVF6Y
部屋に朝日が入りこんできた。
明るい日差しが部屋を照らし出していく。 部屋の中がゆっくりと朝の光に包まれていく中で
2人の美少女が身体を折り重ねるようにして、ベッドの上で眠りについていた。
朝の光が刻一刻とその範囲を広げていき、その光の端を天使のような寝顔の二人へ伸ばしていく。
そんな朝のすがすがしさにぴったりの天使のような穏やかな寝顔をしている二人。

「うーーん・・・・」
果穂は周りの明るさにまぶしそうに顔をしかめ、小さくうなりながらその目をうっすらと開けた。
まだ頭が眠っているため、自分の状態もよくわかっていない。
自分の目の前に和美の寝顔が目に入る。 勿論二人とも全裸だ。
その瞬間、果穂は昨日起こったことを全て理解した。
「あっ・・・・わ、私・・・・・和美ちゃんと・・・・・」
そう言うと、昨日から絡みっぱなしだった和美の身体から自らの身体を引き離す。
まだふらふらする頭で視界をグラつかせながらも、ベッドの様子を見る。
自分が寝ていたベッドは愛液でビショビショに濡れている。その上に全裸で眠っている和美。

「は・・恥ずかしい・・・・こんな格好で和美ちゃんと・・・・・・・」
顔を赤らめながら小さく呻く果穂。
和美を起こさなければ、と思い、ベッドの上にしゃがみこんで和美に声をかける。
「和美ちゃん、起きて。 朝よ。 和美ちゃん」
気づいたのか、和美の顔がかすかに動く。
452ミニネタ:04/10/04 22:39:09 ID:BXFaVF6Y
「う・・・・・ん」
和美は、うっすらと目を開けた。
「果穂ちゃん・・・・・わ、わたし・・・・・」
 ようやく返事を返した和美に、果穂は安心したような顔になった。
「おはよう、和美ちゃん。目が覚めた?」
にっこり笑う果穂。
「う・・・・うん」
和美はそう言うと、体を起こそうとして力を入れた。
そして、上半身を起きあがらせた和美は、まだ寝ぼけた目で、自分の身体を見た。
(あれ?わたし何で何も着てないの?)
和美の目線に入るのは全て自分の白い肌。
そしてその目線が股間に行った瞬間、はっと目が覚め、自分の胸と股間をサッと隠す。

「あのさぁ、和美ちゃん、昨日のこと覚えてない?」
 果穂は、目の前で顔を赤らめている和美に声をかけた。
「本当に和美ちゃんすごかった、よ・・・」
果穂はそこまで言うと、顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
少しずつ、和美の頭の中に昨日のことが浮かび上がってきた。
和美は自分の下半身がネトネトしているのに気がついた。
自分の秘所に手をやって引き上げると、ねっとりとした糸を引いた。 
(そっか、昨日はあれから果穂ちゃんと・・・)
453ミニネタ:04/10/04 22:39:57 ID:BXFaVF6Y
「和美ちゃん・・・昨日のあれ・・・気持ち悪かったらごめんね」
まだうつむいている果穂。
「べ・・・別に・・・き、気持ち良かったわよ」
「そう、ありがとう・・・」
お互い恥ずかしがる二人。そんな二人を現実に引き戻したのは艦内アナウンスだった。
「これより本艦は宇宙に逃亡した地球連合軍を追撃するべく打ち上げを開始する!各員、1時間後には配置につけ!」
「和美ちゃん、早いとこシャワー浴びちゃお!」
「うん!」
二人はいそいそと床に散らばっている軍服をまとめ始めた。



「残る連合軍戦力はさほど無いはず・・・でも気になる、あの衛星が」
ハルカは艦が大気圏を突破している途中も考え事をしていた。
「衛星が、奴らの切り札だとしたら・・・?いや、今は敵を殲滅することを考えよう」

「和美ちゃん、これからも頑張ろうね!」
「うん!」

精神を集中させる二人。そして・・・
「装着!」
光が満ちあふれ、二人は少女からAEX、ブロディアへの姿になる!
デッキがせり上がり、宇宙空間に2機が姿を現す。
「敵影多数確認!注意して!」
「了解!」
二機は勢いよくデッキから飛び出していった。
454ミニネタ:04/10/04 22:40:52 ID:BXFaVF6Y
「久しぶりの宇宙はどう?X」
「こっちは慣れてるわよ。地上も宇宙も一緒」
「それは頼もしいわね・・・来たわ!気をつけてね!」
遠方から青と黄色のVAが飛行してくる。間違いなくレプトスとフォーディだろう。
「他はAEX隊が相手をする!ブロディアは2機に集中して!」
ハルカからの指示を受け取った2機は戦闘準備に入る。

「いいね・・・この仕様は。フォーディは伊達じゃないわ。最初からこう改造してくれれば良かったのに」
ロングレンジライフルを構えるフォーディ。
「エリナってのもムカつくわね。奴を殺したら後であいつらもぶっ殺そう・・・それが、それがいいの・・・フフフ」
電磁ムチをシュルリと右腕から出すレプトス。
455ミニネタ:04/10/04 22:42:13 ID:BXFaVF6Y
「血祭り・・・血祭りに上げてやる!どいつもこいつも!!!」
レプトスの思念にXが不安を抱く。
「何なの・・・河合さんは・・・」
「河合さん・・・いや、レプトスにはもう人間としての意志はこれっぽっちも残ってはいない。Xの気持ちは分かるけど・・・」
「おかげで気分は最高ォー!アンタらなんか虫ケラ以下!」
「その装甲を、装甲を外してっ!河合さん!」
Xが必死になってレプトスに語りかける。
「アタシはこれからあんたらをブチ殺すのよ!今更降りてどーすんのよ!」
「もうやめて、X。玉井さんのことを忘れたの?」
「・・・・」
もうレプトスを破壊するしかない。覚悟を決めるX。

「あなた達もわたしと同じ人殺し。何の感情もない、ただの殺人マシーン。分かってるの?」
冷徹な口調で語るフォーディ。
「う・・・そんなこと・・・」
思わず身じろぎするX。
「2機は既に自我を失っている!破壊して!」
ハルカから非情の指令が下る。
「やっぱり・・・やるしかないの?」
「ここは戦場よ!感傷に浸っている暇なんてない!フォーディ、レプトス・・・勝負よ!」

To the next・・・
456名無しさん@ピンキー:04/10/05 00:59:17 ID:ZkwetFjr
う……なんだか悲惨な戦いになりそうですね……
ずっと読んでました。ラストまでがんばって!!
457ミニネタ:04/10/05 23:11:00 ID:zNiqxBaU
今日は投下はちょいとお休み。最終決戦のセリフ回し考えてたら時間がきちゃった。

読んでくれてる人に質問。作品内の元ネタは何か分かるかな?
458名無しさん@ピンキー:04/10/05 23:36:03 ID:ZkwetFjr
>>457
いつもお疲れさまです。
ガンダムっぽいな、とかスーパーロボット大戦も入ってるな、とか思って読んでましたけど。
「オーラコンバーター」は「聖戦士ダンバイン」
「ビット」は「機動戦士ガンダム」
「メガビームランチャー」って何でしたっけ?
「百式」は「メガバズーカランチャー」だし、
「ゼータガンダム」は「ハイパーメガランチャー」だし……
459ミニネタ:04/10/06 00:03:07 ID:reBiLQg2
メガビームランチャーは上述の百式+Zガンダムにハイザック・カスタムのビームランチャーや、
スパロボの「ラーズアングリフ」のフォールディングソリッドカノンがイメージに入っております。

ちなみに
ブロディア=ガンダムMKーII
ブロディアX=Zガンダム
ブロディアXX=νガンダム

ガルディン=サイコガンダムMKーII
レプトス=ハンブラビ
フォーディ=ガブスレイ

がモデルです。
460名無しさん@ピンキー:04/10/06 01:00:30 ID:2MMnGQYj
>>459
あ、そうそう、変形するAEX(VAでしたっけ?)が登場したとき
人型→航空機形態への変形シーンを、
ゼータ→ウェイブライダーに脳内変換して読んでました。
当たってましたね。
ゼータと言えば、リアルタイムで見てた時、
エマさんとかファとか好きだったなぁ。
ダブルブロディア=ゼータ&ニューだとすると、相当強力ですね。
461名無しさん@ピンキー:04/10/06 01:31:41 ID:2kJVmDxX
最初の方、改造される下りは「ブレイジングスター」だな。
462ミニネタ:04/10/06 22:01:12 ID:reBiLQg2
ライア軍AEX隊が量産型ブロディアを引きつけている間に、2機のXXは
敵の2大A−AEXと対峙していた。ここでケリをつけるべきだ・・・・
4機全機がそう感じていた。

フォーディと対峙するXX。
「ラサ基地はもう潰した。もう貴方達に逃げ場はない!」
「アンタのせいでね。おまけに、合流しようとした部隊もこのザマよ」
「心配しなくても、あなたもすぐ行くべきところに送ってあげる」
「ハン、楽しみね。だが、そこへはアンタだけが行ってね!」
フォーディがVA形態に変形して猛然と突っ込んでくる。

「なんだ、まだいたのアンタ?」
「あなたを倒すためにわたしはここまで生きてきた!」」
「雑魚は雑魚らしく、隅っこに引っ込めよ!」
「あなたみたいに遊び半分で戦う奴がいるから・・・この戦争が終わんないのよ!!」
腕部ビーム砲をかわすX。
463ミニネタ:04/10/06 22:01:37 ID:reBiLQg2
「XX!アンタは私の手で潰す!」
「XXの機動性を甘く見ないで!」
すれ違い様にVA形態のフォーディにビームライフルを当てるXX。
「やる!でもまだ墜ちない!」
フォーディはVAに変形できる特性を活かして後ろに回り込もうとする。
「もらった!」
突如、腹部に激しい衝撃を感じたXX。
VA形態のフォーディには接近戦の武装としてクローが仕込まれており、
そのクローで腹部をやられたのだ。
だが、XXのインジケーターを見てもそれほどの損傷は受けていない。
「流石XX、何ともないわ」
続いてAEX形態から発射される肩部ビーム砲をかわす。
「そこっ!」
腰部ミサイルランチャーをフォーディはすんでの所でかわす。
「私を狙うならもっとちゃんと狙え!」
フォーディのロングレンジライフルから太いビームが発射される。
「見える!」
XXは下方にサッと移動してかわす。
そしてすぐに上昇すると、ビームソードでフォーディを切り裂く!
「うっ、この私が押されているの!?」
致命傷とまではいかないがかなりのダメージをフォーディは受けた。
464ミニネタ:04/10/06 22:02:00 ID:reBiLQg2
「飛び散れ、オラー!」
レプトスの拡散ビーム砲がXをかすめる。
「当たった?でもまだ!」
「たまんないね!命をやり取りする遊びってのは!」
レプトスの電磁ムチがXに絡みつき、青白い光がXを包み込む。
「ううっ・・・でもこんなもの!」
Xは身を振りほどくと、電磁ムチを引きはがした。
(ふぅ、このパワーは流石Xといったところかしら)
Xが安心する間もなく次の攻撃がやってくる。
「今のはわざと外してやっただけ。感謝しときなさい」
「負け惜しみもたいがいにしてよ!」
レプトスの機先を制して、Xの肩部から発射されたグレネードランチャーがレプトスを吹き飛ばす。
「あん?このアタシに当てやがったな。生意気だぞ!」
レプトスが腕部ビーム砲を発射してきた。
「アンタだけは絶対に許さないんだから!」
ビーム砲をかいくぐり、逆にビームライフルを当てる。
「へぇ、アタシをここまで楽しませるなんて」
VAに変形してXの周囲を飛ぶレプトス。
465ミニネタ:04/10/06 22:02:47 ID:reBiLQg2
「くだらない理想に執着し、自身の可能性すら見限る、それがアンタ!」
つまらない夢の中に溺れて終わる者の末路など、もう見たくもない!
これ以上私に無駄な時間を使わせるんじゃない!消えろ!」
「理想?あなたの理想は人間を人間じゃなくすること?それはエゴ以外の何者でもない!」
フォーディが撃ってくるロングライフルを冷静に避け、XXはビットを叩き込む!
「ぐあ・・・ジェネレーターが・・・」
「終わりよ、フォーディ!」
XXの背中からビットが多数放出され、それが複雑な動きでフォーディに向かっていく。
「あなたの戦いはもう終わったのよ!マルチビット、発射!」
四方八方からビームがフォーディの身体を貫く。
「うああああぁぁーっっ!!!」

ビットを喰らったフォーディはかろうじて爆発せずに済んでいるが、あちこちの
装甲が損傷を受けており、もう戦える状態ではない。
だが、なおもXXにフォーディからの通信が入ってくる。
「懐かしい・・・昔、みんなと語り合ったね・・・ とめどもない夢や・・・
これから巡る世界とか、新しいAEXのこととか、・・・いっぱいいっぱい・・・語った
あのとき思い描いたいろんな世界を・・・わたし、どのくらい見て回れたかな・・・
夢の出発点・・・最期に・・・いるべき所に帰ってくるなんて・・・あのときは思わなかった・・・
もっと世界を見たい・・・もっと世の中を知りたい・・・ 次の旅は・・・こんな
険しくなければ・・・いいな・・・次の・・・旅は・・・・・・!!!!!!」
次の瞬間、宇宙空間にフォーディの機体が爆散した。

「杉原さん・・・悪いけど、貴方自身のことを一番よく知らなかったのは貴方のようね」
XXはやや離れた所でレプトスもまた最期を迎えたのを知り、こう一人ごちていた。
466ミニネタ:04/10/06 22:03:32 ID:reBiLQg2
「アタシはね、ゾクゾクするような刺激が欲しいのよ。 ライアの連中はみんな平和
ボケした奴ばっか。こんな世の中に私を満足させてくれる事なんて有りはしないわ。
分かる?こういうアタシみたいな人間もいてもいいんじゃないの?
生きていく権利が平等なら、それに伴う生き方だって平等でいい筈だもの。
それが分からないクズはクズらしく、床に這いつくばって生活してな!!!」
「アンタ一人でいい思いしようたって、そうはいかないわよ!」
懐に飛び込んだXのビームソードが正確にレプトスのジェネレーターを貫いた。
もう満足にレプトスは動けないだろう。
「これは果穂ちゃんの分!」
近づいたXは武器も持たずに素手でレプトスを殴り始める。派手な音とともに
レプトスの青い装甲がボコボコに凹んでいく。
「なっ、何をするんだ、やめろ!」
「これはアタシの分!アンタも果穂ちゃんと同じ苦しみを味わいなさい!」
Xはレプトスの右腕を掴むと力任せに引きちぎる。
宇宙空間に青い右腕の部品が飛び散る。
「アンタなんかに人間の気持ちは分からない!」
Xはビームソードでレプトスをメッタ刺しにする!それも何度も何度も!
「くっ、こんな所で、アタシが、こんな奴に、こんな奴にいいいい!!」
「メガビームランチャー、転送!」
いよいよトドメを刺しに入るX。
467ミニネタ:04/10/06 22:05:16 ID:reBiLQg2
「リミッター解除!照準よし!メガビームランチャー、行けえぇぇっ!」
巨大なビーム砲からひときわ太いビームが飛び出し、動けないでいるレプトスに
一直線に向かっていき、その姿を覆い隠す。

「う、嘘!! 何でアタシが・・・ブロディア如きに・・・!!こ、こんなこと・・・アタシは認めない!! 
アタシは奴らの性能を調べ尽くした!なのに・・・!エリナ様が知恵を与えてやらなきゃ、
満足に戦えない連中に・・・!!何で!? 何でこのアタシがっ!!
こ、このアタシが倒されなきゃならないのさぁっ!?・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ビームの帯がおさまった時、レプトスがいた場所には何も残っては居なかった。

「言い訳は地獄でゆっくり考えなさい」
Xはメガビームランチャーをゆっくりと下ろした。

To the next・・・
468名無しさん@ピンキー:04/10/07 04:32:01 ID:z/22d7ZQ
乙!
最後のメガビームランチャーのシーンでは、
エルガイムのバスターランチャーを思い出しました。
469ミニネタ:04/10/07 23:12:48 ID:r9mez/1y
2機を撃破してひとまず戦艦に戻ったXXとX。
「まだ敵を感じる。いつでも出られるように準備はしておきなさい」
ハルカにそう促され、デッキを後にする2機。

「ふぅ・・・」
人間の姿に戻った果穂と和美。二人ともこの戦争がいよいよ
終わりに向かっていることはうすうす感じていた。
「いよいよね・・・果穂ちゃん、怖い?」
先に口を開いたのは和美だった。
「機械のはずなのに、怖いっていう感情を抱くなんて、やっぱり私はまだ人間だわ」
「でも、感情があるのってすごく大切だと思うよ。だって、感情が無くなったら・・・」
和美が再び口を開いた時、
「人工衛星がレーザーの発射準備をしている!あれが発射されたらライアは消し飛ぶ!
至急、総員戦闘配置!」

果穂と和美がデッキへと走りつつ装着を開始する。これで最後だと思うとより一層力が入る。
「装着ッ!」
二人の身体が閃光に包まれ、裸身が美しく輝く。
次いで二人の全身をぴったりと覆う黒いアンダースーツが装着され、二人の美しいプロポーションを
映し出す。かと思えば、二人の全身に白い装甲が次々と装着されていく。
身体がどこまでも浮いていくような感覚。少女から無敵の兵器、ブロディアへ。
「装着」は、二人にとっては最強の戦士へと生まれ変わるゾクゾクとした儀式のようなものなのだ。
頭部をすっぽりと覆うヘルメット型の装甲が装着され、目の前のバイザーが降りた時、閃光は
おさまっており、そこには2機のブロディアがいた。
「ダブルブロディア、出る!」
470ミニネタ:04/10/07 23:13:10 ID:r9mez/1y
「ふふふふふ・・・ははははは!」
XXとXに連合軍AEX隊隊長・・・エリナの声が入ってくる。
「何を笑ってるのよ!出てきなさい!」
XXはエリナの機体の位置を感じ取ろうとする。
「私の勝ちね。今計算してみたけど、衛星レーザーはあと15分で発射される」
「ふざけないで!たかが衛星ひとつ!XXで止めてみせる!」
人工衛星の位置を確認したXXはそこに向かっていった。
「バカなことはやめなさい、2機とも」
「やってみなきゃわかんないわよ!」
XもVA形態に変形してXXの後を追う。

「正気なの!?」
「私はまだ、人間に絶望しちゃいない!」
エリナの思念を振り払うかのように人工衛星への道を急ぐXX。
「発射準備は始まっているのよ!」
2機のブロディアが声を揃えてこう答える。
「ブロディアは、ダテじゃない!」

「あと13分よ!急いで!連合軍のAEX隊はあらかたこちらで掃討した!」
ハルカから報告が入る。
(へぇ、他のみんなも頑張ってるわね。もう一頑張りよ、X!)
(分かってる!この戦いで・・・わたしの全てを出し切るつもりなんだから!)
471ミニネタ:04/10/07 23:13:43 ID:r9mez/1y
人工衛星に到達した2機。
「ここから中に入れる!突入!」
XXが先に入っていく。
「ここは・・・?」
Xが内部のあまりの空間の広さに驚いていた。
どこまでも天井が広がっているようだ。
「お出迎えが無いわね・・・何かの罠かしら」
「・・・強いプレッシャーが来る!とんでもなく強い!気をつけて、XX!」
「了解!」

レーダーが敵機体をキャッチする。
遠くから金色の巨大なAEXがやってくるのが見える。
ブロディアの2倍ほどの大きさがあるというのに信じられないほど滑らかな動きだ!
全身にミサイルやランチャーなどのゴテゴテした武装を身につけているというのに。
「ようこそ、衛星レーザーへ。お客さんに何もおもてなしをしないのは無礼だからね」
ハルカ・・・ついにワーロックがその全貌を現した。
「よくもここまできたものね。あなた達は私の全てを奪ってしまった。
これは許されざる反逆行為としか言いようがないわ」
「衛星レーザーの発射装置は何処!答えなさい!」
それほど時間がないことはXXも分かっていた。
「さぁ・・・この空間のどこかに複数個あるけど、時間内に探し出せるかしらねぇ」
「Xは発射装置を探して!コイツはXXが落とす!」
「分かった!」
装置を探して飛び去るX。
(強い振動をあちこちから感じる・・・これもオーラコンバーターの力なのかしら)
「XX・・・この最終鬼畜兵器・・ワーロックをもって貴方達の罪に私自らが処罰を与える。死ねっ!」
「貴方さえいなければ、こんな事にはならなかったのよ!」
ワーロックとブロディアXXの敵意がぶつかり合う。
472ミニネタ:04/10/07 23:14:10 ID:r9mez/1y
「ついでに私の直属の親衛隊とも遊んであげてね」
ワーロックの周囲に2機の重武装AEXが現れる。
「ネオ・ベイツ。私の傑作よ」
「どっちが傑作かどうか試してあげるわ!」
背部からビットを出すXX。

「あれね!」
衛星を支える柱が所々光っている。これを壊すごとに衛星の力は失われるのだ。
VA状態のXからビームガンが撃ち出され、これを壊す。
「次は・・・きゃあ!」
Xは背後から撃ち落とされ、強制的にAEX形態に戻ってしまった。
「まだまだ!」
Xはネオ・ベイツに向き直る。
先に仕掛けてきたのはネオ・ベイツだった。空中にフワリと浮き、Xにシールドキャノンを撃ってくる。
攻防一体となっている優れた武装だ。
「外れた!外れて・・・くれた」
本能的にシールドキャノンをよけたXは、着地の瞬間を逃さず、ネオ・ベイツを狙い撃つ。
ネオ・ベイツもさるもので、素早くシールドキャノンを構えると、Xのビームライフルを防御した。
「防がれた?」
一瞬たじろいだXは次の反応が遅れた。信じられないほどの素早い動きでXにビームソードを突き立ててくる。
「くぅっ・・・!」
Xの機体をビームソードがかすめる。直撃していたら間違いなく仕留められていただろう。

473ミニネタ:04/10/07 23:14:51 ID:r9mez/1y
「XXの機動性についてこられるものか!」
ネオ・ベイツの斬撃をよけるXX。空中に飛び上がり、一直線にネオ・ベイツに蹴りをかます。
グシャアッ!!
派手な音を立ててネオ・ベイツの装甲がひしゃげ、空中に吹き飛ぶ。
無防備な状態のネオ・ベイツを見逃すXXではない。
素早く抜いていたビームソードが、ネオ・ベイツの機体を縦に真っ二つに両断した。
爆発してその無残な残骸を晒すネオ・ベイツ。
「次はあなたよ!」
「今の、本当に私を狙っていたのかしら?」
取り出した両手のビームソードでXXのミサイルランチャーを全て切り払ってしまった。
何一つワーロックに命中することなく爆発するミサイル。
「私はあなたの動きは手に取るように分かるのよ」
腹部から拡散ビーム砲が発射される。その一部がXXに当たる。
(まだまだ大丈夫だけど・・・Xはまだなの?)


「こんな所でやられるわけにはいかないんだから!」
Xは低空で飛び、素早くネオ・ベイツの胸元をビームソードで切り裂いた。
「これでお終い!」
Xは信じられないほどの突きの速さで・・・自分でも驚くほどの速さで・・・
ネオ・ベイツに何度もビームソードで突きを入れた。吹っ飛んだネオ・ベイツも
これにはたまらず爆発を起こし、そして二度と襲いかかることはなかった。
(装置はあと4個・・・残り時間はあと7分か・・・)
474ミニネタ:04/10/07 23:16:24 ID:r9mez/1y
「いつまで続くか分からない幸せに浸っていることなど、どうしてそれが幸福だと言えるの?
新しい幸せを見つけるために進む道は、誰かの想いを砕かなければならない。
人が幸せを求めることそのものが間違いよ。 だから私は人間であることを拒んだ・・・
誰かを犠牲にして得られる幸福なんて要らない・・・てね。
私は自分を改造して人間を越える存在になったわ。ためらいも無くね」
「そうやって、貴方はいつも他人をコケにしようとする!」
XXはワーロックと斬り結んでいた。相手は二刀流でXXの方が不利であるにも
関わらず、ほぼ形勢は互角だった。
「甘いな!」
突如、ワーロックの胸部からアームが飛び出し、XXの胸を打つ!
「隠し腕の味はどうかしら」
XXは20メートルほども大きく吹っ飛ばされた。
起きあがろうとするXXのバイザーに注意の表示が出ている。あれほど強烈な打撃を喰らってもまだ
動けるのだ。だが今の果穂はそんなことに感心している場合ではなかった。
「私は最近のライア人の卑劣さを心配してはいない。我々の活躍でまともなライア人が次々と改心し
少数の邪悪な者だけが残ったに他ならないからよ。地球連合千年国家の実現も近いはずだった。それを、あなたは・・・
「卑劣なのは、人を邪悪と蔑む貴方のほうよ!」
「現在の社会は不幸な人が溢れている。限られた幸福を奪い合う社会が生み出した悲劇なのよ。
ライア人もおとなしく我々に臣従していれば、我々によってすべての人が幸福を享受できる
無限の幸福が生み出される社会へと変える事ができたはず! 地球連合千年国家はみんなが幸福になれる社会
よ!そのことが・・・何故分からない・・・橘さん」
「独裁者の末路は目に見えている!貴方は何故過去から何も学ぼうとしないのよ!」
ついに態勢を立て直したXX。ワーロックに対する怒りがそうさせたのだった。
475ミニネタ:04/10/07 23:17:10 ID:r9mez/1y
「地球連合千年国家は善良な人々の心の中に存在する。誰もがこの青い星、地球に臣従する
ことで世界は一つになる。争いも憎しみも無い永遠の理想郷・・・」
「アンタなんかに、青い地球を汚させはしない!」
ワーロックにビームライフルを命中させた機体がいた。Xだ!
「X!もう終わったの!」
「もちろんよ。衛星レーザーは機能を完全に停止したわ。もう観念しなさい、ワーロック!」
勿論ワーロックも一撃でやられるほどヤワでもない。
「全ての人が地球と共に同じ道を歩み、争いも憎しみもない真の理想郷を創る。
限られた幸せを奪い合う邪悪な社会から地球によって生み出される
無限の幸福を共有する社会への変貌を素晴らしいとは思わないのかしら?
再びダブルブロディアとワーロックの戦いが始まる。
「命を・・・何の罪もない街の人々を巻き込み、その上自分の力を誇示するためだけに
ヨコハマシティだけでなく数々の街を次々と破壊してきた・・・そのせいでたくさんの人が・・・・・・
許さない!!AEXの力は貴方のような人には絶対に渡さないわ!!
いくわよ!!貴方が欲したこの力、その身でたっぷり味わいなさい!!」
XXは再び背部からビットを射出する。
「わたしがもっと早く気づいていればあんなに人は死ななかった。
悔やんでも悔やみきれないわ。 今から振るうこの力・・・死んじゃった人への鎮魂にあてる!
メガビームランチャー、転送!」
Xの右手に巨大なビーム砲が転送された。

To the next・・・
476ミニネタ:04/10/07 23:19:22 ID:r9mez/1y
多分あと2回で終わりっぽいです。

「機械に改造された人間の哀しさ」が・・・うまく、表現出来てるといいな・・・・・
477名無しさん@ピンキー:04/10/08 16:53:28 ID:tRpK+W/s
乙かれ〜
ワーロックはジ・Oですか?
戦争が終わったあと、果穂と和美はどうやって生きていくのでしょう?
478ミニネタ:04/10/08 23:40:26 ID:x8v25Kux
「マルチビット、発射ァ!」
「メガビームランチャー、行けっ!」
2機のブロディアの攻撃がワーロックに命中し、ひときわ大きな閃光が走る。
ズズーン、と振動が2機に伝わる。
閃光が収まった後には何も残っていなかった。

「終わった・・・の?」
Xが辺りを見回す。
「いや、まだプレッシャーを感じる!X、気をつけて!」
「そんな!メガビームランチャーの直撃に耐えられるなんて!」
「アイツはまだ残っている。さっきのは追加装甲を破壊しただけ。まだ中の人が残ってる!」
XXのオーラコンバーターははっきりとワーロックの所在を捉えていた。
「どこ?どこなの!?」
「衛星の外にいた!追いかける!」

「逃がさない!」
「あそこよ、XX!」
人工衛星の外の宇宙空間にワーロックは漂っていた。いや、待ちかまえていたと言うべきか。
前の時の装甲が綺麗さっぱり吹き飛んで、スマートな外見になっている。
だが感じられるプレッシャーは少しも小さくはなっていない。
479ミニネタ:04/10/08 23:41:00 ID:x8v25Kux
「ここまで来るとはね・・・はっきり言ってあなた達のしつこさに敬意を表したいくらいよ。
でもこれ以上の抵抗は無駄。大人しく降伏しなさい」
「あなた達の兵器になって戦えって?お断りよ!」
Xがワーロックに言い返す。

「貴方の目的はライア人を全員兵器にすることってのはもう分かってるのよ!」
XXの言い分にワーロックがそのとおりだ、といった風に応える。
「ご名答。貴方の言うとおり、ブロディアはあくまでもサンプルに過ぎないわ。
だからこそ、色々戦闘データを採集し、ゆくゆくは大勢のライア人を捕らえ、兵器として調整するの」
「それで、改造されたのが・・・果穂ちゃんや杉原さん、河合さん・・・そして、わたし・・・」
X・・・和美は沸き上がる怒りを必死に押し殺していた。

「もうつべこべ言う必要は無いでしょ?。貴方達は私の兵器となれば良いのだから」
「あなたみたいなのがいるから、いつまで経ってもこの戦争が終わらないのよ!」
Xがしっかりとワーロックを見据える。
「貴方たちの力なんかでこのワーロックは倒せない。本当の地獄を見せてあげる」
「だったらあなたの身体で試してもらうわよ!ダブルブロディアの力をね!」
XXが右手にバズーカランチャーを構える。
480ミニネタ:04/10/08 23:41:35 ID:x8v25Kux
「ライアが驚異的な発展を成し遂げたのはお互いに信頼できる社会を築き上げたから。
他人を信用することで自衛にかかる費用を他に回すことができるわけ。でも、
楽に生きようとする自分の利益しか考えない人間が増えてきた。そう、
あなた達のようなそういう人間よ!」
「言ったね!一番人間を信用していないのは他でもない、貴方じゃないの!」
XXのバズーカランチャーを軽々と避ける金色のAEX、ワーロック。
「ブロディアだけのマルチビットだと思うな!」
背部から放出されたビットから放たれるビーム。
そのうちの何本かがXXの左腰をかすめる。
「だ、XXが押されているなんて!」


「相互信頼社会が崩壊した今、世界を立て直すには思想の統一が必要よ。
皆が同じ考えを持つことで、すべての人が幸せを享受でき、そして、情報
伝達のロスも無くなり、平和な世の中が実現出来る。すべてが計画通り
うまくいくはずなのよ」
「全ての人が服従していれば確かに争いは起きない。でもそれは平和とは呼ばない!」
Xの機先を制してワーロックがビームランチャーを当てる。
「装甲が一流でも、パイロットが二流ではな!」
481ミニネタ:04/10/08 23:42:30 ID:x8v25Kux
「ブロディアのパワーは戦争のためではない、平和のために使うのよ!」
「そう思っているのは貴方たちだけよ!事実、貴方たちはその強大な力を戦争に使っているではないか!」
「それは平和のために、貴方を倒すためにふるう力。貴方の考えているものとは違う!」
「XX、お前は力を使うことに理由をつけているにすぎない!」
「理由もなく使われる力はあってはならない!」
ワーロックのマルチビットのビームの1本がXXの左脚に当たる。
(くっ!でもまだまだ動く!)

「戦争が終わったら貴方達兵器は用済みよ!それでもいいの?」
「わたし達みたいな想いをする人間をこれ以上増やしたくない!わたしや果穂ちゃん、杉原さん、
河合さん、玉井さんみたいに・・・」
「情に流されていては戦争は出来ないわ、X」
「そんな程度でしか戦争を考えていない人にわたしは負けない!」
「神にも悪魔にもなれる力を持ちながら、なぜ情に流されて戦争を否定する!」
「ブロディアを神にするか、悪魔にするか決めるのはわたしよ!それを証明する!」
「ならば貴方が言う神の力を見せてみろ!」
ワーロックの大型ホーミングミサイルがXに命中し機体を大きく吹き飛ばす。
(えっ!?VA変形機構が破壊された!?そ、そんな!)
「裏切りの代償は死で償え!」
ワーロックの肩部の2連装ビームキャノンがXの右脇腹を貫く!
「あああぁーっ!」
必死に態勢を立て直そうとするX。
(まだ何とか動くみたいだけど、あと1発喰らったら・・・)
482ミニネタ:04/10/08 23:48:41 ID:x8v25Kux
「いい加減墜ちなさいっ!」
ビームライフルをビームマシンガンのように連射するXX。その内の数発が命中した。
「フフフ・・・やるわねXX。流石私が見込んだだけのことはあるわ」
「何言ってるの!私はあなたの道具なんかじゃない!あなたみたいにはなりたくないもの」
「私が道具だと? フッ・・・軍の命令だけで動くサンプルが何をいう」
「みんなのおかげで私は自分を取り戻せたわ・・・だから、あなたも・・・!」
XXとワーロック、お互いが展開したビットがお互いのビームで全て撃ち落とされる。

「ブロディアだけにいい格好はさせんよ!」
「お、俺だってやってみせる!」
2機の激しい戦いを見ていたライア軍のAEX隊が加勢に入る。

「墜ちろ、カトンボ!」
ワーロックのマルチビットが近づくAEX隊を次々に落としていく。
「もういいのよ!みんなやめて!」
オーラコンバーターを通じて増幅された果穂の意思が、戦場のあらゆる人間に伝播する。
そしてXXの周りには、敵味方を問わず多くのAEXが群がってきた・・。
「離れて!XXの力は・・!」
閃光が走り、XXの周辺にいるAEX達を弾き飛ばす。
「これが・・・オーラコンバーターの共振・・・。人の意思が集中し過ぎてオーバーロードしているの?
でも・・・恐怖は感じない・・むしろ暖かくて・・安心を感じる・・」

To the next・・・
483名無しさん@ピンキー:04/10/09 02:39:38 ID:hMcZKiP2
このお話に付き合いだしてもう二十日になるんですね。
その間、ほとんど休まず書き続けられたミニネタさんは凄いッス。
次回、最終回期待してます。

そういえば、今日「ガンダムSデスティニー」の放送開始ですね。
484ミニネタ:04/10/09 22:42:46 ID:M+4UsOuU
「くっ!な、何だ・・・?この頭痛は・・・」
ワーロックの動きが目に見えて鈍る。
「XX、あの中の人は、やっぱり・・・」
「わかってるわ、X。あの機体を破壊しなければ・・・地球にも、ライアにも未来はない・・・だから・・・」

「貴方達に・・・ワーロックを止めることなど・・・」
機体を必死に制御するワーロック。
「結果はもう見えているわ」
「何・・・?」
XXに負けを言い渡される。こんな屈辱をワーロックが黙って味わうはずがない。
「もう衛星レーザーは止まってるのよ!これ以上どうするつもりなの?」
「衛星を止めたくらいで勝っただと? 思い上がるんじゃない!」
「思い上がってるのはどっちよ!散々わたしたちを利用しておいて、手に負えなくなったら潰すなんて!」
Xがメガビームキャノンを構える。
「・・・貴方達のデータは、全てこちらにある。勝ち目はないわ」
「データなんて、過去の遺物に過ぎない!あなたにデータ以上の力を見せてあげるんだから!」
「よし、X、行くわよ!この戦いを終わらせるために!」
宙域で再び2機対1機の戦いが始まった。
485名無しさん@ピンキー:04/10/09 22:43:25 ID:M+4UsOuU
「紺田さん、これ以上戦うのなら、ここで死ぬことになるわよ!」
「違う!わたしの死に場所はこんな所じゃない!わたしには守るべき場所があり、守るべき人々がいるんだから!」
VA形態になれなくとも卓越した動きでマルチビットのビームの間をくぐり抜けるX。

「エリナさん!あなたは自分で何をしているか、わかってるの!?」
「こざかしい!消えろ、XX!」
「あなたの周りにいた人も、そうだった・・・!そして、あの時の私も!こんな戦いなんて、誰も望んでいなかったのよ!」
「何をいう! この戦いは私の意志よ!」
「エリナさん・・・本当に、あなたは、あなたは自分の意志で戦っているの!?」
(目に見えてワーロックの動きが鈍っている・・・何故だ)

「理由はどうあれ、多くの人々の命をもてあそんだあなたは・・・悪よ!!」
「自分の思いこみだけで正義を名乗る・・・つくづく程度が低いわね」
「わたしはわたしの正義のために戦うだけよ!!」
「その墜ちる寸前の機体でよくそんなことが言える!」
ギリギリでワーロックのミサイルランチャーをかわすX。

「頭が・・・痛い!黙れ、黙れええっ!」
(エリナ先生!もうやめて下さい!)
(もうダルいからやめよーよ)
「いいから黙れっ!」
ワーロックの動きがさらに鈍くなる。
「杉原先輩と河合さんの残った人間の部分が、ワーロックの制御装置に反乱を起こしてる!」
XXのオーラーコンバーターは細かな思念も全て読み込めるのだ。
486名無しさん@ピンキー:04/10/09 22:43:56 ID:M+4UsOuU
「動け、ワーロック、なぜ動かん!ワーロック!」
「あなたには分からないのよ、人間の想いや願いというものが」
Xがメガビームキャノンの照準を合わせる。
「兵器に人間らしさを求めて何の意味がある?」
「言ったね!だけどそれがどれほどの力を生み出すか、見せてあげる!メガビームランチャー、行けえぇぇっ!」
太いビームがワーロックの下半身を吹き飛ばした。

ワーロックの損傷はかなりひどく、まともに動ける状態ではない。それでもまだ戦おうとする。
「ブロディアXX・・・手に入れれば私の強力な兵器となれたのにね」
「力におぼれた奴の末路は決まってるわ・・・!自分の意志じゃなく、ただ誰かに利用されてる奴なら、なおさらね!」
「私は自分の意志で戦っている!」
「だったら、貴方のやっている事のどこに自分の意志があるの!その装甲に振り回されてるだけよ!」
「な、何・・・!?」
「ワーロックに操られている運命を・・・私が断ち切るっ!!」
XX全体が閃光に包まれる。
「こ・・・これは・・・・」
身じろぎするワーロック。
「これは私の怒りよっ!」
光に包まれたXがビームソードを構えてワーロックに突っ込んでいく。

「ああああああぁぁーっ!!!」

XXはビームソードを構えたままワーロックの胴体を突き抜けていた。

487名無しさん@ピンキー:04/10/09 22:44:32 ID:M+4UsOuU
「・・・こ・・・こんなことで・・・私のワーロックが・・・!か、かくなる上は・・・出力を全解放して・・・」
ああっ!? あああっ!!」
ワーロックの装甲がバチバチと電気を放出している。
「な、何だ、ワーロックが・・・私を拒絶・・・!?何故だ、ワーロック・・・!? 
わ、私は最高傑作なのよ!な、何故、私に逆らう!? 何故、私を排除しようと・・・!!」
(もう、やめて!)
(いい加減つまんないから終われよ)
「な・・・に・・・・・・!? わ・た・し・は・・・・・・・・・ワ、ワーロックがああああっっ!!」


爆発を避けるために極力遠ざかっていた2機のブロディアが、
閃光がおさまるにつれてゆっくりと姿を現す。
「任務完了。これより帰還する」
「お疲れ・・・ブロディア」
XXもXも機体のあちこちが損傷を受けていた。

ゆっくりと母艦に戻る2機のブロディア。
デッキに着陸すると一瞬の沈黙が支配した。そしてややあって、

「か、勝ったぞー!」
「ライア軍バンザーイ!」
「これでもう地球の奴らに怯えなくて済む!」

「おめでとう・・・そして・・ありがとう・・・橘さん、紺田さん」
ハルカは溢れ出る涙をこらえ切れなかった。

488名無しさん@ピンキー:04/10/09 22:45:08 ID:M+4UsOuU
「空はこんなにも美しい・・・風よ・・・雲よ・・・人の心はなぜこんなにも
すさんでいるの?心あるなら教えて欲しい・・・」
ライア軍勝利の祝賀式が復興されたヨコハマシティ近郊のフラワーパークの近くで行われている中、
和美はポツンと外の芝生に座って「空」を見つめていた。
後ろから果穂がポンと和美の背を叩く。
「掛け替えの無いものがある・・・だから戦った。それだけのこと」
「この前まで果穂ちゃんとわたしは敵同士だった。
互いの存在を証明するために、本気で殺し合いをしていた。
それなのに・・・今は共に戦う仲間だなんてね、運命っておかしいわ」
うつむき加減になる和美。
「今の私たちは、果穂と和美ちゃん。それ以上でもそれ以下でもないわ」
果穂がそっと語りかけた。

「・・・戦争が終わっちゃったら、わたし達はどうなるのかしら?」
「私達のデータを平和活動に利用できればね。救助用マシンの開発とか」
「これからは人を殺す時代じゃなくて人を救う時代だと思うわ。
それにもう、わたしは人間に戻りたい。もう、誰も撃ちたくはないから・・・」
「和美ちゃん・・・」
果穂は和美の身体をそっと抱く。
489ミニネタ:04/10/09 22:45:38 ID:M+4UsOuU
「フラワーパーク・・・わたし一人で見に来たことあるんだよね・・・
でも今の方が、キレイに見える・・・だって果穂ちゃんと一緒だもん」
「・・・ああ・・・そうね・・」
「わたしの隣に果穂ちゃんがいるからいっそう綺麗に見える・・・」
・・・ふふ・・・おかしいな・・・機械なのに光が・・・にじ・・・にじんで・・・」
ライア軍母艦に置いてある2機のブロディアの登録が解除されたのは
その日のことだった。艦を降りた果穂と和美はブロディアであることを止めたのだ。


「果穂ちゃん、突入速度が速すぎる!これじゃあ中の人が耐えられない!」
「高機動性と居住性を兼ね備えた救助用AEX・・・難しいなぁ。
二人はハルカのもとで火災、地震、洪水、あらゆる災害に対処できる救助用AEX
開発の仕事に携わっていた。
(文明の機器には戦争目的で生み出されたものも多い・・・皮肉ね)


二人の活躍によってようやくひとまず戦争は終わりを告げた。
もっとも、二人が望むような休息を得られるかどうかは、また別の話になるが・・・

〜FIN〜
490ミニネタ:04/10/09 22:47:22 ID:M+4UsOuU
というわけで110レスほども続いた話におつきあい下さいまして有り難うございました。
途中で尻切れトンボにだけはならないようにはしよう、とは思っていましたが
自分自身こんなペースで書き続けられるとは思いませんでした。

この次あたりは触手スレあたりに挑戦しようかなと思っています。
491名無しさん@ピンキー:04/10/10 02:03:34 ID:/utz+9gV
長い間、お疲れさまでした。
明日から果穂と和美に会えなくなってしまうのはさびしいです。
ここしばらくこのスレを覗くのが日課になっていましたので……
次回作もがんばってください。

実は私ちょっと前まで「触手スレ」で書いてた職人です。
あそこは住人が多いため、過疎だったここほど好き勝手はやりにくいですが、
ウケたときはいっぱいレスがもらえて気分いいですよ。
その分、批判を受ける確立も高いですけど。
私、あそこを毎日覗いてます。
ミニネタさんの新作、お待ちしていますね。
492名無しさん@ピンキー:04/10/11 01:40:17 ID:ipFouE5w
大作ついに完結ですね
惜しみない拍手を
ブラボー!

今後もががってください
触手スレは最近見つけました。
次回作も楽しみにしています
493名無しさん@ピンキー:04/10/15 23:36:38 ID:I7vaVN2I
ミニネタ氏のSS読みましたけど可奈って結構可哀想な奴ですね。
自分の手で果穂を殺すことも、果穂に殺されることも出来なかったから。
494名無しさん@ピンキー:04/10/20 21:15:46 ID:eW0I33Io
捕手
495名無しさん@ピンキー:04/10/20 22:21:08 ID:yrNG3rzO
>325辺りから始まった、スレオリジナルのスーパーヒロインネタ復活キボン
496名無しさん@ピンキー:04/10/25 00:44:20 ID:j69ChtHC
>>495
ゲッ・・・覚えてくれていた人がいたのか(涙
別スレの長期連載が終わった谷間に書いていたヤツだからな
ミニネタ先生の連載の邪魔しちゃ悪いから(ってゆうか自分がセンセのSS読みたいから)中断しちゃった
そうしてるうちに別の長期連載始めちゃって・・・
今やってる連載が終わったら再開してみようかな
497名無しさん@ピンキー:04/10/30 22:56:12 ID:UZSrh1LO
hosyu
498名無しさん@ピンキー:04/11/01 20:47:19 ID:xEAPDSPV
ロボss書こうかな、とか思っているんですけど、いいですか。
このスレと母ロボスレのどっちに書こうかと思案中です。
(つまり、話のアウトラインしか決めていません)

とりあえず、こちらに伺いを立ててみました。
499名無しさん@ピンキー:04/11/01 21:38:09 ID:rAif55fT
個人的にはぜひドーゾーなのですが

母ロボスレに該当するなら向こうに書いたってください。

ここは元々あちらの派生スレだったと記憶しています。
つまり、母でないものを扱うためのスレなんですな。
500名無しさん@ピンキー:04/11/01 23:08:56 ID:xEAPDSPV
>>499
いや、そこがちょっと思案の種で、
主人公の年齢を高めに設定しようと思ってるんですよ。20後半くらい。
で、この年齢設定はこのスレ的にどうなのかな、と。

今までの流れが少女中心っぽいので、ここに相応しくないなら、
「子供がいます」って設定を話に練り込んで、母ロボスレに持ち込もうか、
みたいな感じです。

母萌えありきの話ではないので、このスレで許されるなら、
それに越したことは無いのですが。
501名無し:04/11/02 00:40:00 ID:tKvhGBDb
漏れ的には母萌えっ気はないので、こちらで書いて欲しいが。
でもそれはライターさんの嗜好次第なので、もちろん無理にとは言えない。

20代後半にはまったく抵抗なし。
502名無しさん@ピンキー:04/11/03 02:17:42 ID:vPWUE1iL
母萌えありきでないのなら、ここでよいかと。
ヒロインの年齢は特に気にする必要はないと思います。
503498:04/11/03 10:27:49 ID:WYJqgH4h
うい、それでは近日中に書いてみます。
>>498に書いたとおり、話のアウトラインしか決めていないうえ、基本的に遅筆なので、
けっこう不規則なペースになると思いますが、頑張ります。
504名無しさん@ピンキー:04/11/09 16:16:55 ID:AntJ02Xi
ガンガレ( `Д´)ノ
期待しております
505名無しさん@ピンキー:04/11/17 17:52:23 ID:lS4fY9ro
応援age
506名無しさん@ピンキー:04/11/18 02:49:50 ID:qnVjOWhd
変身するとサキュバスになるダークヒロインものはスレ違いですか?
507498:04/11/23 17:35:37 ID:92FBCTIF
日門 琴音は不機嫌だった。

燦々と注ぐ陽光は大地を潤し、絶え間なく打ち寄せる波は力強いメロディーを奏でる。
そして、木々をそよがせる風は涼しさを運び――
まあつまり、ここ奄美大島のビーチは南国ムード一色に彩られていた。
その鮮やかな空気を苦々しく思いながら、琴音は溜息をついた。
「……遅い」
時計を見る。
最後に見てからまだ一分しか経過していないことを知り、首を振る。
「まったく……この私がなんでこんな任務に就かなきゃいけねーのよ?」
不満げにつぶやく琴音の脇を、新婚らしい二人組が通り過ぎていった。
彼等の開放的なファッションに比べ、自分が着ているのは黒のパンツスーツ。
背丈の近い同僚から徴用してきたもので、着心地は最悪だった。
暑苦しいのもあるが、それよりも、なんと言うか……。
「胸……キツすぎだっつーの……」
スーツの持ち主が特別に貧乳な訳でもなく、どちらかと言えば琴音自身に原因がある。
それを自覚しているだけになおさら不愉快だった。
できればラフに着崩したいのだが、今回の任務を思えばそれは憚られる。
結局、この胸の締め付けと直射日光に耐え続けなければならないようだ。
微風が吹くたびに、絹のように細いストレートヘアが顔面にまとわり付く。
汗ばんだ肌に密着する黒髪は、くすぐったくて鬱陶しい。
髪を掻き上げ、また溜息。
「まだ来ないのか?」
空に問うてみるが答えは返ってこない。

この放置プレイ的な状況は、まだしばらく続きそうだった。
508498:04/11/23 17:36:37 ID:92FBCTIF
太陽はいよいよ高く昇り、人も増え、辺りはにわかに活気づいてくる。
だが、その賑わいに反比例して琴音の不快感は募る一方だった。
一筋、また一筋と汗が流れて胸元へ落ちる。すでにブラウスはぐしょ濡れだった。

ちょっと足を運べば、建物や木陰などに逃げ込むこともできる。
だが、琴音はそこに立ち続けていた。
それはもはや、「任務だから」という義務感よりも、この不快感に耐えることに対して、
サディズムともマゾヒズムともつかない、ある種の昏い喜びを得ていた為であった。
胸の前で腕を組む。きつく、抱き締めるように。
瞳を閉じ、波の音に耳を澄ませ、琴音は思考を停止させた。

          ※          ※          ※

「この子供が、護衛対象ですか?」
渡された写真と上司の顔を見比べながら、琴音は聞いた。
「不服かね?」
「ですが、護送ルートが奄美大島から喜界島まで、とあります。
 たかだか隣島間の護衛に、私と『スカイフィッシュ』が必要なのでしょうか」
意味もなく、資料の束を指先で摘んでパラパラめくる。
「彼は『SOW』の重要人物だ。丁重に迎える必要がある」
「……私に、受付嬢の真似事をやれと?」
「不服かね?」
有無を言わせぬ口調。琴音は「拝命しました」とだけ答え、退出する。
「くれぐれも気を付けたまえ」

          ※          ※          ※

閉じた視界、ほの赤く光る世界がさらに赤みを増した。その異状に気付き目を開ける。
だがその瞬間、耳を聾する爆音が響いた。
509498:04/11/23 17:37:44 ID:92FBCTIF
轟々たる空気の振動が琴音を襲った。転びそうになり、僅かによろける。
木々が引き千切れ、砂礫が宙に舞う。海水が飛弾となって飛び散る。
琴音は咄嗟に防御姿勢をとり、飛来するそれら粉塵の雨から身を守る。
周囲では怒号や悲鳴が飛び交い、幾つかの足音が琴音の側を通り抜けてゆく。
視界はほぼゼロ、琴音は状況を把握できていない。
その混乱に追い打ちを掛けて、今また一つの異変が起こる。
「うわっ!?」
白い闇の向こうから飛び出す人影。
避ける暇もなく琴音は衝撃を胸に受けて地面にもんどりうった。
律儀にも、その人影まで倒れて琴音の上に覆いかぶさる。
「ご、ごめん!」
男の声が、謝罪を述べる。
琴音は体勢を回復させようと藻掻くが、男の体が邪魔で上手くいかない。
向こうも向こうで起き上がろうとしているらしく、それが彼女の努力を阻んでいる。
それどころか、
「こら、どこ触ってんの! 揉むな、なんで確かめる必要があるの!?
 だから鷲掴みにするなって! 違う、反対の手、それをどけて!
 馬鹿、その脚は動かしちゃ駄目! ……ホントに止まるなよ! 早く離して!
 ちが、まっ待って、それ以上、奥に突っ込んだら殴るよ!!
 分かった、もういい、視界が晴れるまでじっとしてて!
 …………。
 背中に手を回すな!!」
510498:04/11/23 17:38:41 ID:92FBCTIF
………潮風が周囲の空間を洗い、水煙が薄れたとき、琴音は『それ』を見た。
水平線の向こう、空に浮かぶ異形の影。
「あれは……まさか!」

それは奇妙な存在だった。
不安定にブレる像、だが、強烈な存在感を放つ巨体。
灰色の姿が左右に揺れるたびに、直下の水面が波紋を生んでいた。

思わず、声に出る。
「あれは……『ファントマ』! 本物なの!?」
「ファントマ?」
胸元あたりから聞こえる間抜けな声に、琴音は我に返る。
「……いつまで私にしがみついている気?」
「あ、ごめん」
やっと琴音の身が軽くなった。
男の腕を借りて立ち上がり、改めて彼の姿を見る。
どこか変わった印象を備えつつも幼さを色濃く残した、男と言うよりはむしろ少年だった。
どこかで見た顔だった。胸ポケットの写真に手を伸ばす。
……間違いない。
急激な状況の変化で、自分に与えられていた任務を見失いかけていたが、
その『任務』がわざわざこちらに飛び込んできたのだ。
琴音は素晴らしい僥倖に内心で感謝しつつ、念を入れて誰何する。
「君は、八咫翅 一刃くんだね?」
「あなたは?」
「私は日門 琴音。君を迎えに来た。
 君をここまで連れてきた人はどうした? はぐれたの?」
少年はこくりと頷き、琴音の言を肯定する。
「そうか……とにかく、君の安全を確保しなきゃね。
 付いてきて」
511498:04/11/23 17:39:40 ID:92FBCTIF
ジェット音が空にこだまする。
戦闘機が三機、白い軌跡を描いて琴音たちの上空を通り過ぎていった。
「飛行機だ……自衛隊?」
「米軍よ。ファントマに歯が立つとは思えないけど、
 まあ、こちらの時間稼ぎにはなるかもね。さ、今の内に」
護衛対象の腕を取り、琴音は走った。一刃は素直に牽引されている。
砂浜の端まで辿り着き、浅瀬に足を踏み入れてさらに進む。
「琴音さん、僕達、どこへ向かっているんですか?」
「……あの岸壁の向こう側よ。足元、取られないように気を付けて」
ぬめった岩を渡り、岸壁の先端を回り込んだとき、また爆発音が響いた。
見上げると、燃える光点が三つあった。戦闘機の姿はない。
「時間稼ぎにもならない、か」
予想の範囲内なので驚いたりはしない。淡々と先を急ぐ。

高い岸壁の一部分、ちょっとした洞窟のように窪んでいる箇所に踏み込む。
洞の中心の海面に浮かんでいたものを見て、一刃が息を呑んだ。
「これは……UFO?」
コバルトブルーに染まる、飛行機と潜水艦の合いの子のような、歪な金属の集合体。
「んな訳ねーでしょうが。
 『スカイフィッシュ』。対ファントマ兵器よ。乗って」
機体の側面に触れ、ハッチを開ける。まず琴音が中に乗り込み、一刃を迎え入れる。
コックピットは復座式になっており、その後部席に一刃を座らせた。
システムを立ち上げ、それをチェックする。垂れる髪が欝陶しかった。
「八咫翅くん、悪いけど、私の髪の毛縛ってくれる?」
ゴムを渡し、髪を預ける。
一刃はなかなか慣れた手つきで琴音の髪を手で梳かしはじめた。
512498:04/11/23 17:40:29 ID:92FBCTIF
「琴音さん、さっきの化け物のこと、ファントマって呼んでましたよね。
 ファントマってなんですか?」
「新種の海洋生物群の総称よ。詳しいことはよく分かっていないの。
 私も実物を見たのは初めてだし。
 はっきり言えることは――ファントマは強大な力を持っていること、そして、
 海洋エネルギー省直属の組織『SOW』の敵、つまり、この私の敵たる存在ってことね」
言いながら、ふと違和感を覚える。手を休めずにその疑問を口にする。
「君は何者? てっきり客員研究者あたりだと思ってたんだけど」
「いや、僕もいきなり連れてこられて、なにがなんだか」
「ふーん、ま、いいけど。任務にはあまり関係ないし。
 ……って、こら! あんたなにやってんの!?」
琴音の髪が、折り目正しく綺麗な三つ編みに編まれていた。
「時間がかかるなって思ったら三つ編み? 誰がそこまでしてくれって頼んだ!」
「似合ってますよ、琴音さん」
「君は今の状況を分かってるの!?」
「それはお互い様でしょう。さっきのファントマについての答え、
 『なにもわかりませーん』って言ってるのと同じじゃないですか」
一刃は全く悪びれず、しゃあしゃあと言ってのける。
琴音は髪を振りほどきたい衝動に駆られたが、
ちょうど起動準備が完了した旨を告げるアラートが鳴る。
「……表に出るわよ。しっかりシートに掴まって!」
一刃の返事を待たず、
「それからもう一つ!
 『琴音さん』だなんて馴々しい呼び方しないで!」
513498:04/11/23 17:41:26 ID:92FBCTIF
スカイフィッシュの後部バーニアが火を吹き、機体は波を押し退けながら前方へ滑りだす。
薄暗い陰を抜け、眩しい日差しの下にフォルムを晒したその時、警告音が鳴り響いた。
「上!?」

遥か遠くにいたはずのファントマが、海岸近く、それも洞の直上に迫っていた。
ファントマの体から、ビームのような光の筋が幾つも伸びる。
それらは明らかにこちらへ向かって放たれたものだった。
「くそ!」
琴音はスロットルを全開に。圧倒的なGが琴音と一刃にのしかかる。
スカイフィッシュは光の筋の射線上からはずれ、光の筋はそれを追って角度を変える。
光の筋が海面に接触するたび、大規模な水柱が建つ。
機体の後方から迫り来る水柱。その余波で海面は激しく上下し、機体は揺れる。
「飛ぶよ!」
操縦桿を引き倒す。
ウイングの角度が変わり、発生した揚力が海を蹴り、スカイフィッシュは海面を離脱した。
さらに上昇。ファントマとの距離がどんどん開いてゆく。
「逃げ切り先行、このまま喜界島まで行くから!」
通信機をいじる、がなんの応答もない。
「ECM……? ファントマの接近も知らされてなかった……」
「琴音さん、後ろ、あいつついてくる!」
琴音は咄嗟に操縦桿を切る。
空気の壁を割って横に逃れ、大きく弧を描く。そして直前の位置は光の筋が通り抜けていた。
「くっそ、ルートから外れた。喜界島まで行かせないつもり?
 なんでわざわざ私を狙うのかは知らねーけど、いいわ、私が相手になってやるよ!」
再び上昇態勢を取る。
514498:04/11/23 17:44:47 ID:92FBCTIF
空へ昇るスカイフィッシュを、ファントマは精確に追尾してくる。
「ついてきてよ……いい子だから」
積乱雲の一つに飛び込み、急反転。ファントマの軌道は読めている。
握るトリガーは震え、三つ編みが踊る。
「喰らえぇぇっ!」
雲の中、ファントマの背後に回ってガトリング砲を撃つ。
弾丸は次々とファントマに飲み込まれていき、その体が穴だらけのチーズのようになる。
スカイフィッシュは雲から飛び出し、ミサイルを発射する。炸裂音、積乱雲が欠けた。
「やったか?」
「……まだだ」
妙に確信の籠もった声で呟く一刃。その言葉を証明するかのように、警告音。

ファントマは健在だった。傷ついた体表面がみるみる塞がっていく。
ファントマは少し震え、今までとは比較にならない径の光を放った。

「うわあっ!?」
スカイフィッシュは不様にも墜落してゆく。
直撃こそ免れたものの、光の筋に炙られて機能が急激に低下していた。
「動け、動きなさい!」
しかし助かる見込みは薄い。
琴音は死を覚悟し、後ろの一刃に振り向いた。
一刃は焦点の合わない目で前方の虚空を見つめている。
茫然自失としてるのかと思ったが、なにか不思議な感じがした。
「八咫翅……くん」
その瞳は輝いていた。
……彼は自分とは違う『なにか』が見えている、そんな思いに襲われた。
一刃の左目だけが紅く燃え、そして右目は蒼く冷たく光りはじめた。
「八咫翅くん!」
がくがくと揺れる機体の中、少年、八咫翅 一刃は叫びを上げた。
「海……太陽……気高き真の生命よ! 願いに応えろ!
 ジスグリュオン!」
515498:04/11/23 17:45:47 ID:92FBCTIF
スカイフィッシュが海に激突する最中、琴音は見た。
海に大渦が涌くのを。
ごうごうと唸りを上げ、海面はすり鉢状に陥没する。
そして、逆巻く渦の中心に、紫色の巨人が現われた。
(新手のファントマか!?)
その想いを最後に、琴音の意識は途絶えた。


再び意識を取り戻した時、琴音は見知らぬ場所にいた。
なにかのコックピットであるような雰囲気だが、スカイフィッシュのそれではない。
「ここは……どこ?」
「琴音さん、気が付いた?
 大変だったんだよ、あなたを助けるの」
ものすごく近くから一刃の声がする。それもそのはず、琴音は一刃の膝の上にいた。
琴音が着ていたスーツは、ボロ屑と成り果てて一刃の足元に丸まっている。
ブラウスだけは辛うじて原形を保っていたが、海水で濡れて肌に張りついている上、
ボタンがほとんど取れており、ブラに包まれた乳房が外気に曝されていた。
そんな格好で一刃と身体を密着させるのには若干の抵抗があったが、
他にどうしようもなく、また文句を言う気力もないので、とりあえず胸を片腕で隠し、
黙って一刃に身を預けていた。

その一刃が座っているのは、この奇妙な密室の中心、操縦席と思しきシートだった。
周囲に展開されている全方位スクリーンが、この機体(?)が移動中であることを示している。
「ねえ、まさか……これってさっきの紫の巨人?
 君が動かしているの?」
「そうだよ」
琴音に目もくれず、簡潔に答える。
琴音は一刃の視線を追って、スクリーンに目をやった。
表情が凍る。
ファントマが4機、こちらへ接近中だった。
516498:04/11/23 17:46:48 ID:92FBCTIF
「嘘……なんでこんなに?」
怯えた表情で首を振る。
「琴音さん、しっかり掴まって!」
一刃は叫び、異質な形状の操作機器を、まるで当たり前のように動かしてみせた。

ファントマ4機は連携した行動を取っていた。紫の巨人を光の筋の乱射で追い回し、誘導する。
果たして、それに乗せられた紫の巨人は、ある一点に辿り着く。
その刹那、4機のファントマから、先程スカイフィッシュを沈めた大径の光がほとばしる。

全方位スクリーンの全てがホワイトアウトする。耳をつんざくスパーク音と相まって、
琴音は恐怖で我を忘れ、一刃にしがみつく。
「嫌、ねえ、なにこれ!?」
「少し静かにしてください。ジスグリュオンなら大丈夫です。
 このくらいでは問題ないと本人が言っています」
ブラウスがさらに乱れ、ほぼ下着も同然の露出を見せているが、
それにかまわず正面から一刃に詰め寄って襟を握る。
「無理だよ! この巨人はなに? なんでファントマが増えてんの?
 一体なにが起こっているの、君は誰、ジスグリュオンってなによ!?」
パニックに陥ってなおも喚く琴音だが、一刃の唇でその口に蓋をされる。
一刃の舌が琴音の口腔を蹂躙する。身体から力が抜け、襟を掴んだ手がだらりと下に落ちた。
ややあって、二人の唇が離れる。唾液が糸を引いた。
「頼むから、大人しくしてください」
「は、はい、わかりました」
自然と、敬語が口をついてでた。
517498:04/11/23 17:47:46 ID:92FBCTIF
紫の巨人、ジスグリュオンがその両腕で海を指す。
海面が隆起し、その質量がファントマの光の兵器を打ち消す。

「うぉぉぉっ! 海に帰れぇっ!!」

ジスグリュオンが腕を振るう。
隆起した海面がそのまま刄となって、ファントマを切り刻んだ。
細切れになったファントマたちは、海の藻屑になった。


ちょこんと座った一刃の膝のうえ、琴音は遠慮がちに彼の裾を握りながら、その横顔を見ていた。

なにか、別世界にいるような心持ちだった。八咫翅 一刃の特殊性が、そう思わせるのだろう。
世界が変わる瞬間に立ち合っている、そんな突拍子のない感慨が浮かぶ。
だが、これは紛れもなく現実で、ファントマと戦うために訓練を受けていたはずの自分が、
まだ幼い少年に後れを取った、その現実は、やがて容赦なく琴音にのしかかるだろう。
今は、命が助かった喜びに浸り、傷ついたプライドの痛みを感じていなくとも。

「ん?」
一刃がこちらを向く。
右と左で色の異なる瞳、紅と蒼の視線を受けて、琴音はなぜか気恥ずかしさを覚えて目を逸らす。

ジスグリュオンはゆっくりと動いていた。
喜界島はすでに肉眼で確認できている。


(chapter-T, closed‥‥‥)
518名無しさん@ピンキー:04/11/24 02:09:06 ID:YxwIXRWq
>>506
個人的には読んでみたい。
スレ違いかは微妙・・。
519名無しさん@ピンキー:04/11/24 08:05:36 ID:xdloCGnY
>>506
エロパロ板ではないけど、こっちではどうかな?

夢魔・淫魔・サキュバスがでてくるエロ漫画
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1067165693/
520名無しさん@ピンキー:04/11/24 08:22:09 ID:3vzDsE9d
>>506
読んでみたい。
上のリンク先は情報のみで
SS置いてないみたいだから
出来ればここで
521名無しさん@ピンキー:04/11/24 15:56:04 ID:qH3+ga5R
>>506
アメコミのキャットウーマンみたいなの希望

>>498氏やミニネタ氏のような読み応えのあるロボットものも良いけど、
たまには戦う変身ヒロインがギタギタにやられてメロメロに犯られちゃう話が読みたいっ・・・・
522ミニネタ:04/11/24 21:44:33 ID:VJLD6OpP
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/2051/1081523361/l100

SS保管庫の方にこのスレのSSの内容保管を申請してみますた。
他の職人さんの許可がホスィ・・って今もこのスレ見ているのかな?
523書き捨て:04/11/24 23:56:16 ID:1W/qjA52
>>522
どぞ。
というか、特に許可とか必要ないような気がします。
524SS保管人:04/11/30 01:03:18 ID:tneaK1CQ
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.arings2.com/

収蔵させて貰いました。
525名無しさん@ピンキー:04/12/08 00:12:50 ID:eRlH7P4T
ほしゅ
526名無しさん@ピンキー:04/12/08 23:58:27 ID:bSXuEcmS
ageてみる。
527名無しさん@ピンキー:04/12/19 12:55:19 ID:9ncgPMgq
ちょいと保守
528名無しさん@ピンキー:04/12/27 01:17:53 ID:2si25/7b
保守age
529名無しさん@ピンキー:05/01/01 19:06:05 ID:yHheTNKw
あけおめ保守
530名無しさん@ピンキー:05/01/01 23:50:40 ID:3rNQ2hAH
キャットウーマンの活躍するSSキボンヌ
531名無しさん@ピンキー:05/01/08 00:14:02 ID:qE4zmNAG
ageずにsageながら捕手
532名無しさん@ピンキー:05/01/08 21:00:47 ID:MVXK0mKc
ここも人居ないのかな?
533名無しさん@ピンキー:05/01/09 14:29:38 ID:dn8WV/Uq
いねえ
534名無しさん@ピンキー:05/01/15 18:09:01 ID:WTDG/Hg9
535名無しさん@ピンキー:05/01/15 20:21:45 ID:VeEpqae/
536名無しさん@ピンキー:05/01/24 01:59:38 ID:GJi+MH52
>>534に行ってみた。なかなか凄かった!
漏れ的には結構発売楽しみ!

537名無しさん@ピンキー:05/01/24 02:02:42 ID:/vt9B2B2
あげ
538ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:21:35 ID:rnyZsSy/
 ホシノイサミちゃんが自分に隠された秘密を知ったのは小5の春、初潮を向かえた日の事であった。
 親代わりのムラマツのおじさまも生憎と科特隊本部に出仕中の事であり、突然の生理現象に一人狼狽えるイサミちゃんの前に『それ』は唐突に現れた。
 馬面という言葉では言い足りない程の余りにも長い焦げ茶色の顔、触覚の様に飛び出た頭頂部の突起、そして顔の前後に都合3つも付いている眼球は明らかに地球人のものとは趣を異にしていた。
 その異形の者が地球外生物である事は疑いようもなかったが、何故かイサミちゃんは恐怖を感じずにいた。
「まずはおめでとうございます」
 地球の流儀に従って恭しくお辞儀をした異星人は『女』になったばかりのイサミちゃんに祝辞を述べた。
「この日が来るのをどれ程お待ち申し上げていた事か。爺も嬉しゅうございます」
 3つの眼から溢れ出る涙を器用に拭う異星人を前にして、イサミちゃんはパンティを上げる事も忘れて呆然と立ちすくんでいた。
                                 ※
 ケムール爺と名乗る異星人の語ったイサミちゃん出生の秘密。
 それは1人の地球人男性とお忍びで地球を訪れたウルトラ族の王女との悲しい恋の物語であった。
 種族を超越して授かった2人の愛の結晶であるイサミちゃんの誕生、そして純血主義者であるウルトラマンキングの横槍により強制された突然の離婚。
 そしてウルトラの星の環境下では生きていけないイサミちゃんの未来を侍従ケムール爺に託し、泣く泣く我が子を手放さざるを得なかった母娘離別の理由。
 更にはウルトラマンキングの失脚とその隠棲により、悪名高いウルトラ純血法が廃止になり、過去に遡って異種間の婚姻が認められるようになった事をケムール爺はイサミちゃんに語った。
「それじゃ、イサミのお母さんは生きているのね?」
「はい。姫様のお越しを、一日千秋の思いでお待ちになっております」
「けどあなたの話じゃ、人工太陽プラズマスパークから発せられるディファレーター光線の渦巻くウルトラの星で、普通の人間であるあたしは生きていけないのでしょ?」
539ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:22:29 ID:rnyZsSy/
 それこそが母娘の生き別れの理由であったはず。
「そこはご安心下され。此度、目出度くご成人あそばした姫様なれば、ディファレーター光線の中では本来のお姿を取り戻す事がお出来になりまする」
「本来のあたしぃ?」
 いよいよ訳が分からなくなり訝しげに問い直すイサミちゃんに、ケムール爺は笑って答える。
「フォッフォッフォッ。その時が来れば、お分かりいただけるかと……」
                                 ※
「あたしのお母さんが……」
 病死したと聞かされていた母が生きていると知ったイサミちゃんの脳裏に、辛く悲しかった今までの思い出が一気にフラッシュバックし、イサミちゃんは思わず涙ぐんでしまう。
 地球防衛軍の優秀なパイロットだった父の事故死、施設での寂しい生活……そして……。
「やっぱり駄目っ。あたしムラマツのおじさまを置いて何処にも行けないわ」
 かつての父の上司であり、施設から自分を引き取ってこれまで育ててくれた恩人の顔を思い、イサミちゃんはキッパリと言い切った。
 今では科特隊のキャップに就任し、地球防衛の先頭に立つムラマツはいつだってイサミちゃんの自慢であった。
 そのムラマツも前年に愛妻を亡くしてからは、めっきり老け込んだように思える。
「おじさまを1人置いて、イサミ幸せになんかなれないっ」
 涙を堪えながら頭を激しく横に振るイサミちゃんを前に、ケムール爺は感極まった様に頷く。
「そういう強情なところが母君様の幼い頃そっくりでございます。ではその者の恩義に報いるよう、姫様が満足いかれるまで功徳を積んでお上げなさい」
 ケムール爺は3つの目から溢れる涙を忙しそうに拭う。
「お迎えの来るまでにはまだ時間がございますし、姫様が真のウルトラ族として受け入れられるためにもそれが一番良い道でしょう」
 ケムール爺はそう言うと小型の懐中電灯の様な物を取り出しイサミちゃんに手渡した。
「これはなあに?」
 小首を傾げて不審がるイサミちゃんに爺は恭しく答える。
「ベーターカプセルでございます。お困りになった時にこれをお使い下さい」
540ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:23:18 ID:rnyZsSy/
「これを使うとどうなるの?」
「ご心配にはおよびません。フォッフォッフォッ……」
 曖昧に笑って語尾を濁す爺。
「只、ここだけは充分にご注意下さい」
 ケムール爺はイサミちゃんの剥き出しになったまま晒されていた、ツルツルの秘裂を指さしながら言った。
「キャアッ」
 その時になって初めて下半身裸のままであった事に気付いたイサミちゃんは、頬を真っ赤に染めながら慌ててパンティを引き上げる。
「ウルトラのオマムコは慈愛の心を拠とする姫様の力の源であるばかりか、凶悪宇宙人共の垂涎の的であります。姫様のご成人を知った奴等が、今後自らの子を宿そうとオマムコを狙い襲って来るのは必定」
 ケムール爺のそれまでとは打って変わったような厳しい口調に、イサミちゃんは思わず両手で前の部分を覆って身震いする。
「凶悪宇宙人にウルトラの血を受け継ぐ子孫を与える事は宇宙秩序の崩壊を招きますし、何よりオマムコを汚される度、姫様の魂が汚されると言う事を努々忘れてはいけませぬぞ」
 それだけ言うとケムール爺は再度深々とお辞儀をし、現れた時同様、煙の様に消えていった。
                                 ※
「フォッフォッフォッ……」
 一際高く響いた奇怪な笑い声に驚いたイサミちゃんが我に返ると、自分が布団の中でビッショリと寝汗をかいている事に気付いた。
 反射的に壁時計を見ると針は午前1時を指しており、隣の布団にムラマツの姿は無かった。
「夢だったの?」
 大きく溜息をつきながら、握り拳の甲で額を拭うイサミちゃん。
 しかしその拳が小型の懐中電灯を握りしめている事に気付き、イサミちゃんは小さな悲鳴を上げる。
「ベーターカプセル……夢じゃなかった」
 頭が混乱しかけたイサミちゃんは、ふと電話の留守録のランプが点滅している事に気付き、少しでも現実逃避したい一心でスイッチに飛びついた。
541ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:24:05 ID:rnyZsSy/
 テープのメッセージは工事現場で掘り出された1億年も昔のタイムカプセルの調査でムラマツが帰宅出来ない事を告げていた。
「嫌な予感がする。いいわ。おじさま、イサミが守ってあげるから」
 運命を受け入れる決心をしたイサミちゃんは、ベーターカプセルを握る右手に力を込めた。
                                 ※
 嫌な予感というものは、たいがい的中するものである。
 その夜明け前、稲妻のエネルギーで復活を遂げた2大怪獣、赤いバニラと青いアボラスは、互いに引き寄せられるように進撃し、昼過ぎには科特隊本部を挟んで相対峙していた。
 バニラとアボラスは、戦車部隊で構成された防衛線をあっさりと突破すると、隊の機能中枢である本部ビルにその魔の手を伸ばした。
 頼みのVTOL戦闘攻撃機もバニラの吐く強烈な火炎の前に紅蓮の炎に包まれて撃墜されてしまった。
 かろうじて脱出したムラマツキャップ以下の科特隊員たちであったが、地上戦だけで倒せるほど2匹の怪獣達の実力は甘くはない。
「あぁ〜ん、ムラマツのおじさまが……このままじゃ科特隊が全滅しちゃう」
 本部作戦室で戦いの趨勢を見守っていたイサミちゃんは、背中のランドセルから銀色に輝くベーターカプセルを取り出した。
「いいわ。おじさま、今イサミが助けてあげる。それまで頑張ってて」
 モニターに写る憎い怪獣達をキッと睨み付けたイサミちゃんは、ベーターカプセルを頭上にかざしスイッチを入れた。
 カプセルのレンズ部分から閃光と共に溢れ出たβ線が狭い室内を満たしたかと思うや、次の瞬間、作戦室を中心に本部ビルを木っ端微塵に吹き飛ばしていた。
                                 ※
「おいっ、あれは何だっ」
 ムラマツキャップの声に振り返った隊員達が見た物は、逆三角形型に建造された本部ビルを真っ二つにしてそそり立つ銀色の巨人であった。
 身長30メートルの銀色のボディに赤い模様を配した体、そして二本縛りに結われた青色の髪の毛は明らかに地球人の物ではなかった。
「ちっくしょおぉぉ、こっちのピンチにつけ込みやがって。よくも俺達の本部を」
542ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:24:53 ID:rnyZsSy/
 気の短いアラシは早くも謎の宇宙人を、新たに現れた侵略者と決めつけてスパイダーショットを構える。
「でも、なんかあれ、反省しているようですよぉ〜」
 イデ隊員が発した間の抜けたようなコメントの通り、謎の宇宙人がガックリとうなだれている様子は、あたかも反省して落ち込んでいるようにも見える。
「敵か味方か分からないうちは、一応敵と見なして用心するに越したことはない」
 ハヤタがエリート隊員らしくマニュアル通りの台詞を吐く。
「ハヤタの言う通りだ。怪獣を操っているのがあの宇宙人だという事も充分あり得る。油断するな」
 ムラマツの注意喚起に隊員達は頷き、ヘルメットのあごヒモを今一度締め直す。
                                 ※
 科特隊員が固唾を飲んで見守る中、銀色の宇宙人は隊員達に両手を合わせペコリと一礼をすると怪獣達に向かっていった。
「ほらぁ。彼女は我々の仲間、正義の味方なんですよぉ」
 イデが嬉しそうに相好を崩してはしゃぐのをキャップが制する。
「彼女?何で女だと分かるんだ」
「だって、ほら。あの少女特有の膨らみかけた胸、脇腹から腰にかけてのラインは万国共通ですよ。それに何よりあの顔は、うっひょ〜、地球人の感覚でも充分美少女って言えるじゃないですか」
 鼻の下を伸ばしてにやつくイデ隊員。
「差詰めウルトラガール、いやぁ、あの幼児体型からするとウルトラロリータってとこかな」
「イデ君、いい加減になさい」
 イデのセクハラ発言に柳眉を逆立てて睨み付けるフジ隊員。
「いや、イデの言うこともあながち的を外しているとも思えん。問題はあの体で2匹の怪獣とまともに戦えるかどうかだ」
 ハヤタの冷静な分析通りに、銀色の少女はたちまち苦戦に陥った。
 バニラに食らいついたウルトラロリータの身長は、敵のそれに比して半分しかない。
「よくもおじさまを。えいっ、えぇ〜ぃ」
 ロリータは全身の力を込めてバニラを持ち上げようとするが、その真紅の巨体はびくともせず、逆にバニラの身震い一つでロリータは吹き飛ばされてしまった。
543ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:25:41 ID:rnyZsSy/
「痛ぁ〜い」
 間髪入れずバニラの火炎攻撃が襲ってくるのを地面を転げ回って避けるロリータ。
「やだぁ、これ熱いぃぃーっ」
 古代文明社会を壊滅寸前にまで追い込んだバニラの火炎をまともに食らえば、ウルトラ戦士と言えど只では済まない。
 何とか炎の射程外まで逃れることに成功したロリータに、今度はアボラスの尻尾が襲い掛かった。
 存在すら忘れていた2匹目の敵に背後から奇襲されたロリータは、お尻への一撃で簡単に前のめりに崩れ落ちる。
「いやぁ〜ん、エッチィ。どこ狙ってるのよぉ」
 ブルマ型の赤い模様に覆われた可愛いお尻をさすりながらアボラスに抗議するロリータを更なる尻尾攻撃が襲う。
 四つん這いになり高々と上げられたロリータのお尻はアボラスの尻尾にとって格好の攻撃目標になった。
「はぅっ。はぅっ。はぅぅぅ〜っ」
 つぶらな瞳一杯に涙を滲ませたロリータは、アボラスの折檻を受ける度に小さなお尻をプルルンと振るわせながら、歯を食いしばって痛みに耐える。
「あの体じゃやっぱり無理なんだよぉ。キャップゥ、助けてあげないと」
 イデが心配そうに仰ぎ見る中、痛みに耐えかねたロリータはとうとう小水をチビってしまった。
「いやぁ〜ん、見ちゃ駄目ぇぇぇ〜っ」
 足元に一寸した池を作ってしまったロリータは、羞恥心に真っ赤に染まった顔を両手で覆い小刻みに震える。
 牝の尿の臭いに発情したアボラスがロリータの背後から馬乗りにのし掛かってくる。
「何するのっ。いやん、いやぁ〜ん」
 急に荒くなったアボラスの鼻息に、背後の事情を察したロリータは攻撃目標を絞らせないように必死でお尻をくねらせて抵抗する。
 ロリータの必死の抵抗も虚しく、アボラスの後足の間にがっしりと抱え込まれてしまった小さなお尻はビクとも動かなくなる。
「やだ、やだ。こんなのいやぁぁぁ〜っ」
544ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:26:29 ID:rnyZsSy/
 とうとう泣き出してしまったロリータの感情など一切無視したアボラスは、体内に隠し持っていた蛇腹状の生殖器官を露出させる。
「非道いわ、あんな小さな子を無理矢理犯そうなんて。女の敵よっ」
 余りの出来事に金切り声を上げて抗議するフジ隊員だったが、制服パンツの前の部分は染みになってクッキリと変色している。
「もっ、もう駄目っ。おじさまぁぁぁ〜っ」
 大事な部分に圧迫感と鋭い痛みを感じたロリータが悲鳴を上げた時、それ以上にけたたましい絶叫が頭上から響いてきた。
 おそるおそる身を捩って頭上を見上げたロリータが見た物は、バニラの火炎に頭部を焼かれたアボラスの無惨な姿であった。
「うっひょ〜、いいぞ。仲間割れを始めた」
 イデが飛び上がって喜ぶが、ロリータにとって状況は必ずしも好転した訳ではなく、むしろ悪化したともいえた。
 発情した2大怪獣は生殖器官を剥き出しにしたまま戦うのであるが、獲物に逃げられるのを恐れたアボラスは後足の間にロリータのお尻を挟み込んだままである。
 そして一方のバニラは獲物を独占させるものかと、四つん這いになったロリータの頭方向から攻めてくる。
 自分を前後から挟み込んだまま頭上で戦う2大怪獣の咆哮に、ロリータは生きた心地もしない。
 目の前ではバニラの赤黒い生殖器官が激しく前後に突き引きされ、後ろからはアボラスの蛇腹状のモノがお尻を擦り上げるので、ロリータには気の休まる暇がない。
 一歩も引かない戦いを繰り広げていた2匹が、一際高い咆哮を上げてぶつかり合った時であった。
「かはぁぁぁ〜っ」
 アボラスの生殖器官が、ロリータの菊の形をした肉の窄まりを深々と貫き通した。
 そしてその衝撃に思わず大きく開けられたロリータの口の中に、バニラの巨大なモノが飛び込んでしまった。
「うっひゃ〜、ロリータちゃんが串刺しだぁ」
 思わずイデが発した比喩の通り、消化器器官を前後それぞれの末端から同時に貫かれたロリータはまさに串刺し状態であった。
545ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:27:19 ID:rnyZsSy/
「イデッ、呑気な事を言ってる場合じゃないぞ。怪獣の動きが止まった今がチャンスだ。赤い方を集中攻撃するぞ」
 ムラマツの命令で隊員達はスーパーガンを抜き、バニラの正面に回り込んでいく。
 その間にも前後からの激しい責めを受けるロリータのダメージはどんどん大きくなっていく。
 ロリータの事などお構いなしの2大怪獣が激突する度に、彼女の喉の奥と腸壁がごついペニスに擦り上げられる。
「おうぅっ。おふぅぅっ」
 生まれて初めての衝撃に嫌悪感こそあれ、快感など感じるゆとりもないロリータは吐き気を催しながらも、ペニスの前後運動を制限しようと本能的に肛門をきつく締め上げる。
 やがて遅まきながら快感に気付いたアボラスがロリータの直腸内にもの凄い量の精液を放った。
 一応の本懐を遂げたアボラスがガックリとロリータの背中に倒れ込む。
「今だ。目を狙え」
 がら空きになったバニラの上体に、スーパーガン特有の稲妻状の光線が集中し火花を散らす。
「俺様のスパイダーを食らえ」
 アラシの放ったスパイダーショットが狙い違わずバニラの両目を破壊した。
 バニラが断末魔の叫びと共に激しく射精し、巨大なペニスに口を塞がれていたロリータは生臭い精子を全部飲まされてしまう。
「ゴフッ、オェェェ〜ッ」
 ようやく喉の奥深い所に引っ掛かっていた巨大な亀頭が外れ、呼吸の自由を取り戻したロリータはむせかえってしまう。
 急所をやられてのたうち回るバニラにアボラス必殺の泡状溶解液が吹き付けられ、やがて完全に動きを止めたバニラは、泡にまみれたまま土に還っていった。
 バニラを屠ったアボラスはロリータのアヌスから血まみれのペニスを引き抜くと、一旦後ろに下がって間合いを計る。
 小刻みに痙攣を起こすロリータのアヌスから、鮮血と共に黄みを帯びた液体がゴポゴポと溢れ出してくる。
                                 ※
546ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:28:09 ID:rnyZsSy/
「あたし、怪獣に、お尻を……お尻を汚されちゃた……」
 初体験よりも先にアナルを喪失するというとんでもない体験をしてしまったロリータは、痛みも忘れて自失呆然の状態にあった。
 しかも同時に獣姦とレイプ、それにフェラティオという3大オマケ付きである。
 性教育の授業で人間は大人になったら子供を産むためにそういう事をするというは、知識として知っていたロリータであったが、まさかこんな形でその時を迎えようとは夢にも思っていなかった。
「最初はムラマツのおじさまにって決めてたのにぃ……」
 自分を施設から引き取って育ててくれた、父とも慕う科特隊キャップの顔が脳裏に浮かんだ瞬間、ロリータはようやく我に返った。
「痛ぁっ」
 自分を取り戻すや、敏感な粘膜を切り裂かれたことによる鋭い痛みが、急激に下半身全体に広がる。
 極端な内股で何とか立ち上がったロリータだったが、菊の座にはいまだ異物が挿入された違和感が消えず、まともに歩行する事すら困難に思えた。
 4年後、法的に結婚が可能な16歳になると同時にムラマツに捧げようと思っていた清らかな体は、あろう事か怪獣ごときに汚されてしまった。
 ロリータはもうおじさまの顔をまともに見れそうにもない。
「けど、おじさまのためにあの怪獣だけは何としても倒さなくっちゃ」
 ロリータはアボラスに接近すると、自分の身長の倍はあろうかという巨体にパンチを叩き込んだ。
 しかし格闘技の心得のないロリータの、見よう見まねの非力な攻撃が大怪獣に通用する訳もなく、かえって自分の拳を痛めてしまっただけであった。
「痛ぁ〜い。何て固い体なの」
 ロリータは打撃でダメージを与えることを諦め、組み討ちに切り替えたが敵の胴回りは二抱え以上もある。
「くっ……くぅぅ〜っ」
 大相撲の横綱に立ち向かうチビッコさながらに、ロリータはアボラスの腹部に取りすがり、お尻を振り乱しながら必死で前後に揺するのだが、圧倒的な体重差は如何ともし難い。
 アボラスがちょいと腹を迫り出しただけで見事に吹っ飛ばされたロリータは、ツインテールに縛った青い髪を解かせながら仰向けにダウンした。
547ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:29:02 ID:rnyZsSy/
 軽い脳震盪を起こしたロリータだったが、アスホール周辺の文字通り身を切るような痛みのお陰で辛うじて意識を保たせる事ができた。
「あぅぅ……うぅぅ?」
 ロリータは乱れ髪を激しく左右に振って、少しでも気を抜くと消え入りそうになる意識を現実世界に繋ぎ止める。
 その隙を突き、ロリータの両足の間に強引に割って入ろうとするアボラスの巨体。
 こんな事ならバトン部なんかに入らずに、ブラジリアン柔術部に入っておけば良かったと後悔するロリータだったが、それでも本能的にガードポジションをとって防御に入る。
 獲物を組み敷こうと全体重を乗せてのし掛かってくるアボラスと、それを下からコントロールしようと太い胴を挟み込んだ両足に必死で力を込めるロリータ。
 その時、ロリータの膨らみかけた胸の谷間に付いたランプが青から赤の点滅に変わり激しい警告音を鳴り響かせ始めた。
「いかんっ」
 戦いの趨勢を見守っていたハヤタ隊員は他の隊員を置き去りにして駆けだした。
「ハヤタァーッ。何処へ行く?戻れっ」
 キャップの怒鳴り声を無視して死角になった建物の陰に入り込んだハヤタは、制服の左胸ポケットに手を突っ込んだ。
 そしてポケットティッシュを取り出すと怒張した己のモノをズボンから引っ張り出して扱き始める。
「ふぅぅ、もう少しでズボンを履いたまま漏らすとこだったよ」
 鬼畜なロリコン隊員の外道な行為には全く関係なく、ロリータの持ち時間は刻々と少なくなっていく。
「やだ、やだぁ。食べられちゃうよぉ〜っ」
 泣き叫ぶロリータの悲鳴と分泌液に興奮したアボラスは、またも隠し持ったペニスを露出させる。
 邪魔をするバニラの倒れた今、今度こそアボラスのペニスが狙いを外す要因は何もなかった。
「いやっ、いやぁぁぁーっ。おじさまぁぁぁ〜っ」
 アボラスを寄せ付けないように腹を蹴り上げて必死に防戦するロリータだったが、とうとう下腹部のヌメリに足を滑らせてしまう。
548ウルトラロリータ 悪魔は2度イク:05/01/31 20:29:50 ID:rnyZsSy/
 その足が偶然にアボラスの蛇腹状になった怒張を挟み込んだ。
「グガオォォォーッ」
 はち切れんばかりになっていた分身を刺激されたアボラスは、咆哮を上げながら身を仰け反らせる。
「……?……こいつが弱点なのね。よぉ〜し」
 ロリータは両足の裏に挟み込んだ怒張をグリグリと勢いよくこね回し始めた。
「グオォォォーッ」
 断末魔のような咆哮と共に数百リットルもの白濁色の液を迸らせたアボラスはその場にへたり込んでしまう。
 1億年振りに復活したばかりであるのにも関わらず、短時間に2度も射精した事がアボラスの体に過負荷を掛けて、打撃以上のダメージを与えたのであった。
「何だか分からないけど、今だわ」
 ロリータはよろよろと起きあがると両手で十字架を作り、無抵抗になったアボラスに向けて葬送のスペシューム光線を放った。
 ロリータの発した弱々しい光線は1発でアボラスを倒すには至らず、止めを刺すには都合6発もの発射を強いられた。
「イヤッホォ〜ウ、ロリータちゃんが勝ったぞぉ〜い」
 はしゃぎ回るイデ達を尻目に、大空に飛び上がったウルトラロリータは一つの光点となり、やがて見えなくなった。
「おぉ〜い」
 そこに姿を消していたハヤタが戻ってくる。
「ハヤタ、大事な時にどこへ行ってたんだ」
「そんな事より、あれは一体何者なんでしょうね?」
 ハヤタの疑問に対し、ムラマツキャップも返答に窮する。
「分からん。だが我々の頼もしい味方である事は間違いない」
 ムラマツはロリータの消えていった上空を見上げ直すと、嬉しそうに何度も頷いた。
549名無しさん@ピンキー:05/01/31 20:45:20 ID:9ySYMCEU
なつかしいな。
2ちゃんで連載再開か。
550名無しさん@ピンキー:05/01/31 20:54:49 ID:rnyZsSy/
あっちは幾ら待ってみても、復活しそうにないからね
保守がてら編集改訂版を投下してみました
551名無しさん@ピンキー:05/02/02 16:19:10 ID:aozrGe3w
祝!ウルトラロリータ復活。続きを楽しみにしております。
552名無しさん@ピンキー:05/02/03 00:01:12 ID:CTbx9ID9
あっちってどっち?
553名無しさん@ピンキー:05/02/03 00:17:54 ID:mUvvTKJg
ジャアクがメインライターやってたところ
554名無しさん@ピンキー:05/02/17 00:29:23 ID:zKLDoxQc
hoshyu-
555海藤竜一郎:05/02/18 11:22:35 ID:oY32lbN3
555
ついでに仮面ライダー555なんてね
556名無しさん@ピンキー:05/02/18 18:30:29 ID:dY4yIO1P
行く先々で君と会うなぁ
このスレはソッとしておいてくれよ
頼むからさ、いやホントに
557名無しさん@ピンキー:05/03/05 02:54:24 ID:YADrjcrD
まだ生きてる?
558名無しさん@ピンキー:05/03/06 20:55:07 ID:PAt3s19e
生きてるとも
559名無しさん@ピンキー:05/03/13 21:24:54 ID:PgkEiU7n
生きてる…と思う。
560名無しさん@ピンキー:05/03/13 21:47:03 ID:T5UK70xW
まだ死んでもらってはこまるな
561名無しさん@ピンキー:05/03/14 22:56:18 ID:oPjUEP6d
死なれると困るのでage
562名無しさん@ピンキー:05/03/17 20:53:44 ID:pXyzBsHA
>>34-38 >>62-68
みたいな感じで、ロボットが悶えるのに萌える人いる?
563名無しさん@ピンキー:05/03/17 21:17:54 ID:AEkvDJVB
>>562
はーい!
564名無しさん@ピンキー:05/03/17 21:19:17 ID:oCC8O6ih
機械姦か、良いね。
どんなシチュが皆好きなのかな?
565562:05/03/17 21:24:05 ID:pXyzBsHA
過疎スレだと思ってたのにもうレスが…

俺の場合、>>34-38 >>62-68みたいな、生身の女の子がロボットになってるってのが好きだ。
ダグオンみたいな感じっつーか、今やってるマジレンジャーとかもイイ。
566名無しさん@ピンキー:05/03/17 22:59:06 ID:AEkvDJVB
やっぱマジンガーシリーズのヒロインロボがサイコー
ビューナスAサイコー!
567名無しさん@ピンキー:05/03/17 23:04:44 ID:GoPBaN52
見たことはないけど、装甲やら武装を無理矢理引き剥がされるのとかが好き。
568名無しさん@ピンキー:05/03/17 23:26:05 ID:oCC8O6ih
>>565
生身の人間がロボットと一体化するのが良いの?操縦じゃなくて。
昔の永井豪のアイアンマッスルとかみたいに、
感覚もロボットと一体化するのが良いのか?

>>567
セクースよりも、そういう部品が壊されるのとかが良いのかな?

ヒロインと一体化したロボットがレイープされるのはダメかな?
569名無しさん@ピンキー:05/03/17 23:35:14 ID:AEkvDJVB
できればロボとパイロットは一体化していないほうがいい
美しい体を陵辱されるロボの操縦席で羞恥に悶えるヒロインがいいな
570名無しさん@ピンキー:05/03/18 00:06:57 ID:dAO+7t3o
>>568
>ヒロインと一体化したロボットがレイープ

ママロボスレの新作がそんな展開です。
571名無しさん@ピンキー:05/03/18 13:18:13 ID:3wipatLX
>>569
一体化もいろいろとあるけど、ジャンボーグAみたいな感じまでならOK?
それともマジンガーZとかみたいに、本当に操縦していないとダメとか?

>>570
ママロボスレですか、どこにあるのでしょう?
572まだ生きてますかー?:05/03/18 16:36:20 ID:QBK6OMmk
取りあえず設定を。
『創鋼天使セルフィード』
お話/ものすごく簡単に言うと、地球を責めて来る宇宙人・ダークラウドを追い払う話。
主人公/桃園 香織
16歳の高校生。完成直後のセルフィードに導かれ、ダークラウドのロボットを撃退したため、不運にもセルフィードのパイロットとされてしまう。
パイロットスーツは白いレオタードの上にプリーツのついたピンク色のミニスカートと首もとにリボンをあしらった同系色のベスト。そして白いアームウォーマーと一体になったグローブと、白いニーソックスの上に、ピンク色のブーツを着用している。
主人公機/セルフィード
ダークラウドの出現を予見したマッドサイエンティスト、君島 哲哉を中心とした防衛機構・『E.D.E.N(エデン)』によって開発された巨大ロボット。
ピンク色を基調としたカラーリングをしている。
女性型の華奢な素体の上に、スカート、アーマ、天使の羽を模したブースターユニット、刀にも使える弓・スナッパーアローを装備している。
量産機とする事を前提に制作されていたが、色気を出しすぎた開発チームによって装飾過多な高性能機とされてしまい、一機のみでダークラウドと戦う事となる…
君島チーフの趣向がアレなために、機体・スーツ共に極端な程少女趣味なデザインをしている。
取り敢えず見た目の詳細は書きましたが、脳内補完でもOKです。
573名無しさん@ピンキー:05/03/18 16:38:17 ID:QBK6OMmk
白昼の町はこの瞬間が来るまでは、平穏を保っていた。
明るかった空がみるみるうちに暗くなり、不安を感じさせるような暗雲に包まれていく。
異様な空の変化に人々は一斉に空を見上げる。
そして彼らは見た。雲間を裂き、現れた巨人の姿を。
「ダーク…ラウド…」
降下する巨人の直下にいた男性がそう呟いた時には、彼は巨大な脚に踏み潰されていた。



「もう…せっかくチョココロネ買えたのに…!!」
紺のプリーツスカートを揺らしながら、制服姿の美少女・桃園 香織が町を駆ける。購買で人気ナンバーワンの菓子パン・『由美子おばさんの手作りチョココロネ』をゲットし、気分良く昼休みを迎えた直後の敵襲に、香織の怒りは爆発寸前だった。
「…絶対昼休みが終わるまでにやっつけてやる!!」
携帯が普及した今でも一つだけ何故か撤去されない電話ボックスに駆け込み、IDカードとナンバーを打ち込む。
するとボックスが地下へと降下し始める。
人類を守る最後の砦・E.D.E.Nの本部へ。
エレベーターの中の少女は、これから自分が晒される事となる、受難の運命にまだ気付いていなかった…
574名無しさん@ピンキー:05/03/18 16:40:36 ID:QBK6OMmk
「チーフ、状況は?」
パイロットスーツに着替えた香織はモニターを見る君島 哲哉の後ろに立つ。
「来たか…桃園君…」
哲哉はスーツ姿の香織の方を振り返る。
ミニスカートとニーソックスの間から覗く健康的な太もも、ベストを遠慮気味に押し上げる小さな胸の膨らみ、そして幼さを残した可憐な顔立ちと、下から上へ、舐めるように香織の姿を眺める。
「…」
露骨ないやらしい目線に、香織は顔を赤らめ、俯いた。
「いやぁ、すまないね…つい見とれてしまったよ…」
眼鏡を怪しく光らせながら、君島は状況説明を始めた。
「今暴れている敵は新型機だ。カブトムシのような角を持っている。なので取りあえずビートルと故障する。」
「…ビートル…」
香織はモニターに映った敵を見る。今までの敵・モスキートとは違う姿に、胸騒ぎを感じた。
「まぁセルフィードの性能と君の才能の前には奴は消しゴムみたいなものさ。思う存分やっちゃいなさい。正義は…?」
「…勝ちます…」
そう言い、不安を抱きながら香織はセルフィードのコクピットへと向かった。
「セルフィード、ハンガーアウト…行けますか?」
香織はシートベルトを締め、誘導灯を振る整備班に機体をピースさせて答えた。
「セルフィード、ハンガーアウト…行きます!!」
加速したセルフィードは海底トンネルを抜け、海を裂いて出撃した。
飛び立つ香織とセルフィードを、君島はまだいやらしい目で見送っていた。
575名無しさん@ピンキー:05/03/18 16:42:42 ID:QBK6OMmk
「雑魚相手に…つまんねぇ仕事だぜ…」
足止めに来た自衛隊の戦車隊を指からのビームで一掃しながら、ビートルのパイロットは呟いた。
「何て強さだ…逃げましょうよ…!?」
「馬鹿を言うな!貴様、それでも軍人か!?」
「…自衛隊は…軍隊じゃないですよ…」
運良く生き延び、なお言い争いをする自衛官A・Bに気付いたビートルは二人を踏み潰すべく、大きく片足を上げる。
「死ねよ…虫けら…!!」
「…?…ひぃぃぃぃっ!?」
自分達の危機的な状況を遅くも飲み込んだ自衛官A・Bは抱き合い、泣きながら叫ぶ。
「待ちなさい!!」
足が彼らに到達する寸前に、光の矢を受けたビートルが倒れた。
「…あ、あれは…」
「…出たな…天使様…!」
自衛官A・Bとビートルのパイロットが呟き、空を見る。その視線の先には、天使の様な羽を広げた女性型のロボット・セルフィードの姿があった。
「…来やがったな…今日こそ倒してやる…!」
ビートルが吼える。
ターゲットから逃れた自衛官A・Bは、その隙に撤退した。
「…行くわよ…!!」
周辺の生体反応が無い事を確認し、セルフィードはスナッパーアローから光の矢を連射する。
「つっ…高い所から卑怯だな…!?」
ビートルは軽口を叩く。その機体には、傷一つ付いていない。
576名無しさん@ピンキー:05/03/18 16:44:20 ID:QBK6OMmk
(アローが効かない…?なら…!!)
スナッパーアローが剣に変形する。
「接近戦で…!!」
翼から光を放ち、ビートルに接近したセルフィードは擦れ違いざまに敵の胴体を斬り裂いた。
(やった…?)
香織の表情が緩んだ瞬間、異変が起きた。
ビートルの傷口から、樹液の様なオイルが吹き出し始める。
「…!?」
香織は慌てて緊急回避を取るが、避けきれずに、右の翼がオイルにまみれた。
(あぁ…汚しちゃった…チーフにお仕置きされちゃうよ…)
香織は戦闘で何かミスを犯す度に、君島からお仕置きという名の数々のセクハラを受けていた。その恐るべき内容はまた別の機会に譲るとしよう。
「もう…許さない…!」
空中でビートルと睨み合うセルフィード。
状況は香織が有利だったが、機体に起きた異常がその状況を打破する。
「…え…!?」
状態異常を示すランプが点灯する。
「何が…?」
香織は落ち着いてコンソールを叩き、状況を確認した。
「…羽が…!?」
自己診断プログラムの情報によると、右翼のスラスターが詰まっているらしい。
確かに右翼に付いた液は硬化していた。
(しまった…これじゃ速く動けないよ…)
577名無しさん@ピンキー:05/03/18 16:47:23 ID:QBK6OMmk
「迂闊だったな、天使様!!」
焦る香織をあざ笑う様に、ビートルがセルフィードを指さす。
「後先考えずに…」
ビートルの背中が開き、中から大量の小型ミサイルの弾頭が現れる。
「…近付くからだぜ…!!」
放たれたミサイルの大群が、セルフィードに迫る。
(よ、避けなきゃ…)
香織は回避を試みるが、今のセルフィードは空に留まる事が精一杯だった。
激しい爆発音と共に、炎に包まれるセルフィード。
「きゃぁぁぁぁっ!!」バランスを失い、真っ逆さまに落下する。
「うぅ…痛いよぉ…」地面に叩きつけられ、身体を強く打った香織は涙目で呻いた。
「いいザマだな…」
「!?」
俯せ倒れたセルフィードに、一歩ずつビートルが迫る。
「お、起きて、起きてよ!!」
香織は立ち上がろうと必死にレバーを動かすが、焦りに阻まれなかなか立ち上がる事が出来ない。
「もう天使じゃなくて…
ビートルがセルフィードの背中を踏みにじる。
「亀だな…?」
「うぅっ…」
機体が軋む音と、踏みつけられる屈辱に、香織は唇を噛んで耐えた。
「もううろちょろされちゃあたまんねえからな…」
ビートルがセルフィードの翼を掴む。
「!?」
その意図を感じ取った香織の顔が青ざめた。
「や
578名無しさん@ピンキー:05/03/18 19:22:08 ID:mLk/dC5J
おいおい、 「や で途切れるのは嬲り殺しに近いぞ。続きを激しく希望
579名無しさん@ピンキー:05/03/18 22:51:47 ID:QBK6OMmk
>>578
失敬しました。続きをどーぞ。

「もううろちょろされちゃあたまんねえからな…」
ビートルがセルフィードの翼を掴む。
「!?」
その意図を感じ取った香織の顔が青ざめる。
「や、やめて…」
香織の懇願を無視し、その腕に力を込める。
「いただきだ…!!」
騒音と共に、セルフィードの翼が引きちぎられる。
翼の動きに引かれ、その胴体が激しく海老反った。
「いやぁぁぁぁぁっ!!」
愛機の翼が奪われる…
まるで自分の身を引き裂かれた様な感覚に陥った香織は成す術もなく、ただ恐怖の叫びを上げるしか無かった…
(続く…?)

妄想垂れ流して書きましたけど、続き書いた方がいいでしょうか?
580名無しさん@ピンキー:05/03/18 22:58:00 ID:xajCYkcT
もちろん。
翼引き千切るのは俺の温めていたスーパーヒロインネタと被っててちょっと悔しかったが。
581名無しさん@ピンキー:05/03/18 23:05:02 ID:mLk/dC5J
>>579
GJ! そして中途半端は良くない。やはり最後まで書かないとな(・∀・)!
セルフィードに破壊の限りを尽くしてくれ。

>>580
被っても気にするな。せっかくだから暖めていた物を放出希望
582名無しさん@ピンキー:05/03/18 23:10:09 ID:xajCYkcT
出だしが書けてないのよ……
一応骨格はスパヒロ陵辱スレに投下した奴だったんだが、もう別物になってしまった。
583名無しさん@ピンキー:05/03/18 23:18:03 ID:mLk/dC5J
出だしはあらすじ解説みたいな感じで誤魔化すのもありじゃないか。駄目か。
何にせよ、俺は投稿を希望だ。別物になったなら余計に
584名無しさん@ピンキー:05/03/18 23:32:00 ID:xajCYkcT
じゃあ、推敲してみる。
まぁ、どっちにしても活躍してる部分は丸々端折ってるので、あらすじ書くだけにしとく。
期待はしないように。
簡単な設定だけ書いときますね。

持つものに力を与える「エンジェルシード」を持つシオン。
シオンはコスチュームを身に纏い、
同じく様々な動物などのシードを持つ悪の怪人たちと死闘を繰り広げ、
その一味を壊滅させるに至った。
シオンの活躍で街に平和が訪れるかに見えた。
しかし、一月も経たないうちに、再び怪人たちが街で暴れだしたのだ。
しかも、今度の怪人たちの正体は普通の一般人(女性)。
何者かが罪もない人々に悪のシードを植え付けているのだ。
シオンは数々の怪人を退けながら、その正体を突き止め、とうとう直接対決に挑んだ。
しかし、敵の真の目的は、シオン自身だというのだ……。

改行むずい……
自分の妄想用文なので分りづらそうだ。
585名無しさん@ピンキー:05/03/18 23:50:30 ID:mLk/dC5J
シオンの人だったか。前回のは途中で終わって非常に残念な思いをしたよ。
妄想用文でも構わないから、是非続けてくれ
586名無しさん@ピンキー:05/03/19 00:23:42 ID:MzwA/B1l
>>571
スーパーロボットに乗って戦うお母さん
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1082979189
587名無しさん@ピンキー:05/03/19 14:59:50 ID:Cf7rb3qe
「これで空は飛べねぇな!?」
ビートルは引きちぎった翼を放り投げ、セルフィードの首を掴んだ。
「捕まえたぜ、天使ちゃん…!!」「うぅ…」
片手で易々とセルフィードを持ち上げるビートル。並んで初めて分かる事だが、二機の体格差は小柄な女性とプロレスラーほどあった。
(ど…どうしよう…)
セルフィードの象徴とも言える翼をもぎ取られた香織の動揺は大きい。その上、戦闘の要は翼による飛行能力だ。それを失った以上、苦戦は免れない。必死に作戦を考える香織の耳に、本部からの通信が届く。
「大丈夫かい…?何だかこっぴどくやられているようだね…?」
「チ、チーフ!!」
彼なら何か逆転の方法を教えてくれるかもしれない。香織は人生十六年目にして初めて、地獄に仏の意味を知った。
「羽が壊されちゃって、アローも落としちゃいました…」
「…見れば分かりますよ…」「ど、どうしましょう…」
モニター越しの君島に眼を潤ませ、上目遣いでピンチを訴える香織。
しかし彼女に返ってきたのは、君島による冷酷な答えだった。
「現場の判断に任せます。」「…はぃ?」
「君の判断に任せると言っているんです。…こんな無様な姿を晒されては、私達の存在意義に関わる…帰ってきたら、お仕置きですからね。今日は『リコーダー』と『一気飲み』をして貰いますから。」「そんなぁ…」
途方にくれる香織を置き去りにして、君島は通信を切った。
588名無しさん@ピンキー:05/03/19 15:02:13 ID:Cf7rb3qe
(…一気飲みなんかやだ…それならまだお馬さんごっこの方がましだよぉ…)
過ぎた事を悔やむ前に、取り合えずこの状況を何とかせねばならない。
首を掴む腕を解くべく、セルフィードは必死にビートルの腕を殴った。
「放せ、放せ、放せぇ!!」
だが、ビートルの装甲は厚い。素手では振り解くどころか、装甲をへこませる事も出来ない。
「しょっぱい攻撃だな…?」
ビートルは高層ビルの壁にセルフィードを叩きつけた。
「あぁっ!!」
「攻撃ってのはな…こうするんだよ!」
そう言いながら、何度もビルにセルフィードを叩きつける。
「きゃぁっ!…あぅっ!…くうっ!」
コクピットに備えられたショックアブソーバーと、パイロットスーツに守られているとはいえ、衝撃が0になる事は無い。何度も繰り返される激しい振動に、香織はたまらずレバーから手を放してしまった。
「…歯ごたえが無さ過ぎる…」
ビートルはセルフィードの首を放す。
「あぅぅ…」
ビルにもたれ掛かるように倒れたセルフィードの上に、半壊したビルの残骸が降り積もる。
コクピットで奮闘する香織の姿をモニター越しに鑑賞する君島の股間はすっかり硬くなっていた。
589名無しさん@ピンキー:05/03/19 15:05:29 ID:Cf7rb3qe
「さて、と…」
ビートルが動かないセルフィードの右手首を掴む。
「…あれでいいか…」
そう呟き、セルフィードを引きずりながら進むビートル。
その先には東京都庁があった。
(な、何をする気…?)
都庁に辿り着いたビートルは、片手でセルフィードの機体を持ち上げると、手首から放たれたワイヤーでセルフィードの右手首を都庁に縛り付けた。
「…!?」
香織が敵の狙いに気付いた時にはすでに、セルフィードは両手首を縛られ、都庁に磔にされてしまった。
「ははっ!いい格好だな!!」
ビートルは数歩離れて、磔にされた美少女ロボットの惨めな姿を嘲笑った。
「…うぅ…こんな事って…」
嫌でも敗北を認識させられた香織はコクピットで俯き、悔しさに涙を流した。
「そ…そんな…」
「セルフィードが…負けちゃったの…?」
大多数の人々が絶望に打ちひしがれたその光景を見て、君島を含む一握りの特殊な趣味を持った人々は同時に呟いた。
「…美しい…」と。



「こんな糸…切ればいいのよ…!」
香織の操作の通りに、セルフィードは腕に力を込める。しかし細いワイヤーは、見た目以上の強度を持っていた。
「なんで…なんで切れないのよぉ!!」
叫ぶ香織の声は完全に涙声だ。
590名無しさん@ピンキー:05/03/19 15:08:09 ID:Cf7rb3qe
「こいつの装甲と同じ、特殊鋼で出来たワイヤーだからな…それに…こんな事も出来る…!!」
その声に答える様に、ワイヤーから高圧電流が流された。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
機内への漏電が、香織を容赦なく責める。
髪留めが焼き切れ、少女の黒髪がぱさりとほどけた。
「…なかなかいい声で泣くんだな…?」
香織の悲痛な声が、ビートルの加虐嗜好に火を付けた。
「はぁ…はぁ…」
電流が止まり、苦痛から解放され、額に汗を浮かべながら肩で息をする香織。
(やだよ…負けたくないよ…)
顔を上げ、機体の状態の確認をした彼女の表情が凍り付いた。さっきの電撃によってエネルギーラインが焼き切れ、出力が段違いに落ちていたのだ。
(嘘ぉ…!?)
試しにレバーを引く。機体の動きに支障は無いが、束縛を解くだけの力は無かった。
「よくも今まで俺達をコケにしてくれたな…」
ビートルが腰に携帯していた棍棒を握った。
「お返しだ!!」
全体重を掛けた一撃を、セルフィードの胸に振り下ろす。
「うぅぅっ!!」
セルフィードのコクピットは、胸の二つの膨らみの間に位置していた。
今までよりも激しい衝撃に、歯を食いしばって香織は耐える。
胸を守るアーマーにひびが入る。
「泣いて謝るなら今だぜ…?」
勝ち誇ったビートルの声が街に響いた。
(続く)
591名無しさん@ピンキー:05/03/19 15:38:56 ID:h+F357h9
GJ!!
しかし直接的エロがお仕置きだけじゃないかと心配になってきた
592名無しさん@ピンキー:05/03/19 15:57:47 ID:Cf7rb3qe
>>591
エロはお仕置き以外にも用意してますけど…お仕置きはお嫌いですか?
いえ、参考までに。
593名無しさん@ピンキー:05/03/19 15:58:19 ID:h+F357h9
めっちゃ好きです。
594名無しさん@ピンキー:05/03/19 16:14:50 ID:Cf7rb3qe
ありがとうございます。(笑)
次からはちょっとエロくなると思います。続きはまた近い内に…
595名無しさん@ピンキー:05/03/19 20:25:37 ID:taABMwF1
巨大ヒロイン物まだあ
596名無しさん@ピンキー:05/03/20 16:57:09 ID:KGA6qWMR
シオンまだかい
放置プレイの好きな人だな
597名無しさん@ピンキー:2005/03/22(火) 00:20:59 ID:BpNBr6Re
「…敵の言う通りになんか…ならないもん…!!」
圧倒的に不利な状況でも、香織の眼は死んではいない。
例え無様な姿でも、戦士としての誇りだけは放さない。そう彼女は決意した。
「…まだ口答えするか…ぶっ壊す…!!」
ビートルが狂ったように、何度も何度もセルフィードの胸部を攻撃する。(うぅ…もうアーマーが保たないよぉ…)
強がってはいるものの、抵抗出来ない香織は必死に恐怖心を抑えた。
「これで終わりだ…!!」この一撃によって、セルフィードの胸部アーマーは粉々に崩れ落ちた。
「うぅ…!!」
アーマーの下の構造を知る香織は顔を赤らめ、思わず顔を背けた。
そしてセルフィードの姿に爆笑するビートル。
「ぶっ…はははっ!!何だよ、それ!?」
アーマーの下の胸部は控え目に膨らみ、その頂にはちゃんと突起が添えられていた。
ビートルは試しに人差し指でその先端を弾く。するとまるで本物の少女の乳房の様に、ぷるんと揺れた。
「は、腹痛ぇ…誰の趣味だよ、それ…!!」
それは内部への衝撃を緩和するための素材選定だったが、ビートルにとってはそんな事は関係無い。その興味はまた別の部分に向けられた。
598名無しさん@ピンキー:2005/03/22(火) 00:24:16 ID:BpNBr6Re
ビートルの目が、セルフィードのスカートへと向かった。
「この中はどうなってるのかな…?」
ビートルの指先が、スカートの裾を摘む。
「ちょっと…やめてよ!!」
自分の体ではないとはいえ、共に戦ってきた愛機が弄ばれるのは耐えられない。せめてもの抵抗と、拘束されていない脚でビートルを蹴り上げる。しかしパワーダウンしたセルフィードのキックは、ビートルの体勢を崩す事すら出来ない。
あっさりと剥ぎ取られるスカート。
そこもまるで本物の様に、丸みのある装甲に、割れ目が走ってる。
「み、見ないで…!!」
「本っ当にいい趣味だな…」
機体を蹴り続けるセルフィードの右脚を捕まえ、左肩に抱えるビートル。
続いて左脚も右肩に抱える。セルフィードの丸い尻が、完全に宙に浮いた。
「何処まで作ってんだ…?」
そう言いながらしゃがみ、眼前にセルフィードの恥部を捉えた状態で、その脚をゆっくりと開脚させる。
「つっ…!?」
機体が揺れ、股関節から火花が散った。
少しずつ恥部が開いていく…その全貌が明らかになる寸前に、無理矢理限界まで開かれたセルフィードの右脚が付け根から千切れた。
コクピット内に警報が響きわたる。香織には、それがセルフィードの悲鳴の様に聞こえた。
599名無しさん@ピンキー:2005/03/22(火) 00:27:29 ID:BpNBr6Re
「おっと、取れちまった。悪ィ悪ィ…名残惜しいが、そろそろ仕上げだ…」
もぎ取った右脚を捨て、ビートルの動きが止まる。
「な…何を…」
こちらを舐めるように眺めるビートルの視線に、香織は眉をひそめた。
「…スキャン完了…へぇ…天使ちゃんのプラグコネクターは『ここ』にあるのか…」
ビートルの指先が、セルフィードの恥部を撫でる。
(…しまった…)
帰投した後のデータの更新は、股間にあるプラグコネクターを本部のコンピュータに接続する事によって行われる。ここから直接ハッキングを受ければ、敵にデータを確実に奪われてしまう…
「偶然だが、こいつのハッキングユニットも『ここ』にあるんだよ…」
ビートルの股間の装甲が開き、そこから太いプラグが伸びる。それはまるで、男性器の様に見えた。
「…いや…」
目の前に現れた異質なモノに、香織の表情がひきつる。
「その機体のデータはいただくからな。じゃぁ…挿れるぜ…?」
残された左足を脇に抱え、ビートルのプラグが少しずつ、セルフィードの恥部へと伸びる。
「…やだ…そんなの…入れないでよぉ…」
何とか逃れようと腰を引く。しかし、がっちりと脚を掴まれたセルフィードに逃れる術は無い。
ビートルの先端が、目標に触れた。
600名無しさん@ピンキー:2005/03/22(火) 00:31:53 ID:BpNBr6Re
「そ、そんなおっきいの…入らないよぉ…」
確かにセルフィードの小さなコネクターに収まるほど、ビートルのプラグは細くは無い。
「大丈夫だ…俺達の科学力をナメんな…?」
意味の分からない台詞を吐きつつ、ついにプラグは浸入を始める。
「あぅっ!!」
バキバキと音を鳴らしながら、どんどん深く刺さっていくプラグ。それが三分の一ほど入った時、香織は嫌悪感に大きく顔を背けた。それに連動し、セルフィードの頭部も同じ動きを取る。
「へへへ…まるで本物みたいな反応だな…?」
気を良くしたビートルは、腰を激しく動かし始める。
「やだ…セルフィードの…あそこが…壊れちゃうよぉ…!!」
ガクガクと激しい上下運動に揺れるコクピット。
その動きの影響で、香織の太ももの間を這うシートベルトの一部が、少女の恥部に少しずつ食い込んでいった。
「ちょっ…やんっ…!!」
股間を襲う予期せぬハプニングと、機体を陵辱される恐怖に香織の、そしてセルフィードの首の動きが激しくなっていく。
「ふぅ…このくらいでいいか…見ろよ…」
運動を止め、ビートルの腕がセルフィードの頭部を掴み、接合面を無理矢理見せ付ける。
「あぁ…!!」
食い込んだアンダーを正しながら、香織はその光景に、声を上げた。
太いビートルのプラグが完全に挿入され、ぼろぼろに破損した恥部からは、まるで処女血の様に、セルフィードのオイルが滴り落ちていた。
601名無しさん@ピンキー:2005/03/22(火) 00:35:37 ID:BpNBr6Re
(…ごめん…ごめんね…セルフィード…)
モニターに映し出された悪夢の様な光景を見せ付けられた香織は、胸の中で、ただただ愛機に詫び続けた。
「さて…機体ばかりじゃアレだからな…」
「…!?」
「データの吸い出しが終わるまで、せいぜい楽しんでもらおうか!」
ビートルの言葉の直後に、サブモニターが異常を知らせる。
「何これ…異物…侵入…?」
警告音だけがけたたましく鳴り響く。
香織は非常用に備え付けられた銃を手に取り、警戒を続けた。
「…そろそろ、だな…?」
コクピットブロックの外壁から、ゴツゴツと何かが当たる音がする。
「…!?」
香織はその音を聞く度にびくっと反応する。
コクピットという閉鎖空間の心細さを、彼女は初めて認識した。
そしてコクピットの天井から、触手が一本伸びる。
「…!!」
香織はそれを銃で撃ち抜いた。
「…へぇ…やるじゃん…!!」
まるでもぐら叩きの様に次々と、あらゆる場所から触手が伸びた。香織はそれを撃ち続けるが、ついに弾が尽きる。
「!?」
カチカチという乾いた音が、少女の絶望を煽る。やがて、抵抗する力を失った香織を、鋼鉄の触手が襲った…
(続く)
602584:2005/03/22(火) 00:46:36 ID:4lPEAY31
GJ!!
堪んないです。

えっと、今更インフルエンザでダウン中です('A`)
皆さん、うがい手洗いはこまめにしましょう。
ちゃんと書くので存在を忘れないでね。
603名無しさん@ピンキー:2005/03/23(水) 00:36:24 ID:V72Jiyqs
ここって見てる人少ないのかな?
604名無しさん@ピンキー:2005/03/23(水) 22:07:07 ID:s44ywvi9
 
605名無しさん@ピンキー:2005/03/23(水) 22:33:12 ID:hZj03oJ3
セルフィードからのフィードバックではなく直接犯されるのだな。
まぁスレ的にはそっちの方があってるのかもしれん。続きがんばってくれ(・∀・)!

>>602
忘れないで待ってるから、お大事にな
606名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 21:42:24 ID:ajFOMjRP
ほしゅ 
607名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 02:22:58 ID:1hVg+Jx8
一時間以内にカキコが無かったら、もうSS職人は戻ってこない。
608名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 05:06:58 ID:pMLvhwx7
ということで職人さんたち投下禁止。
投下したら俺が荒らします。
609名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 19:27:25 ID:4hgmQ/J+
(´・ω・`)
610名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 23:14:38 ID:MHkVUXP0
続編キボンヌ
611名無しさん@ピンキー:2005/04/15(金) 11:36:21 ID:y0xDq78d
一時間以内にカキコがあったら職人さん登場。
612名無しさん@ピンキー:2005/04/15(金) 12:28:59 ID:G8SlkWrR
うに?
613名無しさん@ピンキー:2005/04/15(金) 15:27:18 ID:v4GT9S7P
来てみろ荒らすぞ
614名無しさん@ピンキー:2005/04/15(金) 20:31:21 ID:zHj7sNY6
(´・ω・`)
615名無しさん@ピンキー:2005/04/16(土) 01:48:20 ID:VDz3mTfU
>>613はヘタレな童貞アニヲタ。
616名無しさん@ピンキー:2005/04/16(土) 01:51:16 ID:NyTAfHH1
実はSS職人が分散するのを防ぐため裏工作に励んでいるとみた。




そーだよな、な?
617名無しさん@ピンキー:2005/04/16(土) 02:14:58 ID:VDz3mTfU
そ、そうだったのか…
>>613、事情も知らずに童貞呼ばわりしてスマンカッタ。
応援してるからな、頑張れよ!!
618名無しさん@ピンキー:2005/04/16(土) 15:21:41 ID:VDw3vqXB
フェチ板の熟女ヒロインスレが変な事になってるけどあれなに?
619名無しさん@ピンキー:2005/04/25(月) 19:23:59 ID:OGmD1kvq
神降臨期待上げ
620名無しさん@ピンキー:2005/04/26(火) 01:35:11 ID:74RCosWX
621名無しさん@ピンキー:2005/04/28(木) 17:58:07 ID:/ewVB5z2
シオンの人まだかなぁ
翼もがれるシオン見たい(´・ω・`)
622名無しさん@ピンキー:2005/04/28(木) 18:02:53 ID:uCZMo+oF
来てみろ荒らすぞ
623名無しさん@ピンキー:2005/04/28(木) 19:13:51 ID:EnoFumwp
>622
やってみろハゲ
624名無しさん@ピンキー:2005/04/28(木) 19:32:38 ID:1ORCa4CX
 
625名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 16:20:48 ID:1jPIr7ko
来てみろ荒らすぞ
626名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 20:48:50 ID:6MXTyaBO
625ってヴァカ??
627名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 23:16:42 ID:GLMOnB2y
628名無しさん@ピンキー:2005/05/14(土) 00:33:18 ID:GzE7GMCO
hosyu
629名無しさん@ピンキー:2005/05/14(土) 10:50:31 ID:urCqFp0M
さて、じゃあそろそろお前らがどんなシチュエーションが好きかを語り合うとしよう。
630名無しさん@ピンキー:2005/05/14(土) 15:41:57 ID:EfZENkCE
敵に対しては、圧倒的な強さを誇るが、惚れた相手の前だと引っ込み思案、
ゆーのは、このスレでは、アウト?
631名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 21:46:30 ID:nFq6sj04
そして惚れた相手が実は敵の幹部で、動揺して実力を出し切れずに捕まる…とか?
632名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 22:12:20 ID:anlBJ+W/
ヒロインが操縦するロボはヒロインそっくり
必殺技はオパーイミサイル・・とか?
633名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 09:01:39 ID:arT0W7hP
ちょいと保守
634名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 23:40:31 ID:OvJCGeMv
ttp://cynthia.bne.jp/game/img/1108156257_0019.jpg
誰かこの絵描いてる人のサイト知ってる?
635名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 08:23:25 ID:PA9iJFkR
横田守みたいな絵
636名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 21:28:26 ID:qCnh5vl+
>>635
うっひょー、ありがとう!ぐぐってみるよ
637名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 21:24:52 ID:XEyEL4Wl
まだ住人は生き延びてる?
638名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 09:17:11 ID:hxjDJc5i
ここに一人。SS書きたいけど誰もいないから書く気が起きん…
639名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 12:33:05 ID:UV924QGI
ノシ
640名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 12:39:57 ID:L31s+Hfd
ノシ2
641名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 19:11:02 ID:lKutyg+Y
^^
642名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 19:28:13 ID:KvjDshe6
>>638
俺漏れも

「こういうのがいいなー」っていうのはあるんだけど、
それを話として成立させるのって凄く難しいんだよなあ。
まあ漏れが未熟なだけだけど
643名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 22:40:03 ID:oE+SvkqG
誰も居ないから書く気が起きないと言うが、SSでも投下されないと書き込む事もない。堂々巡りだな。
644名無しさん@ピンキー:2005/06/08(水) 02:47:55 ID:9fJPpZAL

お母さんは正義のヒロイン
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1059738823/
645名無しさん@ピンキー:2005/06/08(水) 11:31:28 ID:oAaDMczZ
好きなシチュエーションを語ろうというネタフリすらスルーするからなぁ…w
646名無しさん@ピンキー:2005/06/09(木) 12:31:43 ID:08ffutnG
痛い所突かれたらだんまりかよ…w
647名無しさん@ピンキー:2005/06/09(木) 14:18:26 ID:PoPZq2Od
そんなに構って欲しいならホムペでもやりなよ。
648名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 15:22:08 ID:Cbb0JHQh
SSが投下されるのはいいが、今のお母さんヒロインスレや、スパヒロ陵辱スレみたいにリク厨で溢れかえる事態は避けたい。
見ることすら不快に感じる状態じゃん。
なんとか予防線ははれないもんか?
649名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 17:11:15 ID:kn+sGIos
正直脳内あぼーんしか無いんじゃないかな。
「リクは受け付けません!」とか言ったら言ったで荒れる希ガス。
650名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 22:15:23 ID:EOORQk5i
ここだけはまともなスレ運営で行きたいな。
もっとも、神が来ないのにこんな事考えても、取らぬ狸の皮算用だが。
651名無しさん@ピンキー:2005/06/22(水) 22:38:56 ID:zODc30Cx
保守
652名無しさん@ピンキー:2005/07/04(月) 22:33:06 ID:6CrZpupX
何か書きたいなあと思いつつも
さっぱり構想が纏まらずorz

強気娘・巨乳・搾乳プレイ・おまけでふたなり・・・というのだけ固まってるんだが
653名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 01:04:34 ID:9cli0eYw
漏れだったら、構想なんか下手にまとめずに、
まず、書きたいシーンを書きまくるけど。
えちシーンとか、キャラ同士の会話とか、先頭とか。
ある程度たまってから、くっつけてみる。

使わなかったシーンがドンドン溜まってるけどな。
キャラだけ変えて別のに流用しようとしても、たいてい変になる。
けど捨てるのも勿体無いし・・・
654名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 14:35:14 ID:ZYxblekz
オムニバスみたいな感じにしてみれば。
655名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 13:58:54 ID:XA9iti9t
セックスバトルという単語が頭に浮かんだんだが、そういうのは皆さん興味ない?
656名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 20:14:27 ID:yvGJznbB
ちょっとひかれる。
657名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 22:16:08 ID:B/sdO8Vq
「貴女に力を授けましょう」と言われて強大な力を貰ったスーパーヒロイン。
とりあえず力試しのためにチンピラの溜まり場に殴り込んで
その場にいた連中を半殺しにしてみたけれどどうもすっきりしない。
転がっている男や女の下半身がどうにも気になる。犯したい。
実は力をくれたのは淫魔の女王だったのだ。

ではどうか。
というかエロエロデビルマンレディものが読みたい
658名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 23:49:47 ID:GLeF+krf
淫魔が敵で、いやらしい呪いをかけられたヒロインが力を発揮できなくなる、
って言う展開もやはりいいものだ。
659750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/05(金) 16:08:24 ID:lUxAnsp4
【光速天使ひとみ】(オリジナル)

派手な映像と音楽を絶え間なく流し続けるテレビ画面。
ウィィィ・・・ンと穏やかな機械音を立てているのは、黒い装丁をした最新型のゲーム機。
それから延びるコントローラーを握り、胡坐をかいて固唾を呑みながら画面に向かい合う少年が一人。
まだ幼さの残る・・・というより本当に幼いその少年の顔は、真剣そのものだった。

現在、土曜日の午後9時を少し過ぎた時刻。
閑静な住宅街の中に建つこの標準的な家屋の中に、今居るのは少年たった一人である。

「・・・あぁっ!・・・くっそー、またゲームオーバーかよ・・・」
声変わりさえもしていない、女の子の物とも聞こえるような声が気だるげに吐き出される。
チュドーンといういまどきアニメでも聞かないようなアホコミカルなSEと共に、画面一杯に映し出される『GAME OVER』。
悔しげに舌打ちをしつつ、ガシガシと片手で自分の頭を掻き毟る。先程から何度も同じ箇所で行き詰っているらしい。
ふぅ、と大きなため息をつくと、コントローラーを投げやりに置き捨てつつ、壁に掛かった時計を見上げる。
「母さん、遅いなー・・・」
唯一の家族の事を考えながら、少年はぽつりと呟いた。
(まぁ、今に始まったことじゃないけど・・・)
呆れるような諦めるような気持ちで、もう一度ゲームを再開させようとコントローラーを握り直したその時。

「裕也ぁ〜ただいまぁ〜!」

玄関のドアを開ける音、続いて聞き覚えのある(聞き飽きた)帰宅の挨拶。
よーやく帰って来たか・・・。少年は今宵二度目のため息をついた。
そう、紛れも無い彼の母親の帰宅である。
「ごめんねぇ、今日どーしても抜けられない残業があってさ〜! なるべく早く帰ろうと思ってたんだけどぉ」

オフィス勤務の為にびしっと決めたスーツ、そしてそれを押し上げている豊かな胸。
しかし、それとは裏腹なのが彼女のキャラクターである。
とても成人した女性とは思えない、あどけなさ(と、危なっかしさ)(と、萌ry)全開なヤングフェイス。
笑顔を下地に、眉を顰めて顔の前で両手を合掌させて「ゴメンね」のアクション。
160cmも無い小柄な身長と、折れてしまいそうな華奢な四肢。
栗色のショートカットが無邪気さをより際立たせている。
しかも彼女から発せられる声は、俗に『アニメ声』と形容されるような可愛らしいボイス。
お前ホントに一児の母かよと言わんばかりの彼女の名は、望月 ひとみ(24)。
今そこでゲームやってた現代っ子・望月 裕也くん(7)のお母様である。

「あのさ、母さん。それと全くおんなじセリフ、昨日も聞いた気がするんだけど」
「コラッ裕也! ゲームは一日一時間って決めてあるでしょ〜? 目、悪くなるよ!」
「昨日だけじゃない、一昨日もその前も全く同じこと言ってたよ」
「あ、ねぇ今日の晩御飯どうだった? カレー久々だからおいしかったでしょ?」
「母さん・・・毎日帰りにお酒飲んで来てるんでしょ・・・顔赤いよ・・・」
「おかーさんシャワー浴びてくるね! 汗かいちゃって!」

スタスタスタ・・・パタン。
ひとみは笑顔を絶やさぬまま息子の発言を完全にスルーして、バスルームへと消えた。
「・・・ぜってー飲んでやがる・・・」
母が入っていったバスルームの方を怪訝な目で見つめ、裕也は低い声でそう結論づけた。
まぁ彼女はシラフ時も酔っている時もあまり変わらないのだが。
660750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/05(金) 16:09:08 ID:lUxAnsp4

裕也は、母が酒を飲むこと自体は別に構わないと思っている。自分に、母の飲酒を制限する権利などない。
ただ、帰りが遅くなる連絡もせずに黙って飲みに行くのが気に入らない。
そのうえ、自分が酒で遅くなった事を隠してウソをつくのもどうかと思うのだ。
(飲むなら堂々と飲んでくればいいのに・・・)
裕也の、母に対する唯一の不満だった。
程なくして、バスルームからは水の流れる音がし始めた。裕也はゲーム機のコンセントを取り外し、片付けを始めた。

「裕也ぁ〜。シャンプー切れちゃってるから新しいの出してくれない〜?」
タイル張りで反響しつつ、母の声が聞こえてきた。
使い切った時点で替えとけよというツッコミもせず、裕也はしぶしぶ腰を上げた。
戸棚から新品のリンスインシャンプーを取り出し、バスルームへ向かう。
「シャンプー持ってきた、けど・・・」
曇りガラスのドアの前に立ち、物怖じそうに母に声を掛けた。
いくら七歳の子供とは言え、そしていくら相手が母親とは言え、女性の入浴の真っ最中にドアを開けるのは些か躊躇われるようだ。
こういう気遣いの出来る子供って、今の時代すごく珍しいのではなかろうか。

しかしそんな事にはお構いなく、曇りガラスのドアノブがカチャリと回った。
そしてドアが半開きになり、その隙間から母ひとみが顔を出した。
栗色の髪が濡れ、タオルで胸元から下までを隠している。
「えへへ、ご苦労さまぁ」
息子から新品のシャンプーを受け取ろうと手を伸ばしたその時。

バサッ。

あろうことか、ひとみの裸体を隠していたタオルが一気に床にずり落ちてしまった。七歳の息子の目の前で。
当然、裕也は母の全裸を思いっきり見てしまう事になる。

「あっ、タオル落ちちゃったよぅ。・・・んしょっと。あれ? 裕也? どーしたの?」
特に慌てる素振りも見せず、落ちたタオルをもう一度身体に纏わせる母。
そして、シャンプーを差し出した格好のまま固まっている息子。
「・・・お〜い? ゆ〜うや〜?」
息子の目の前で手をひらひらさせる母。そしてたっぷり三秒後。

ドサッ・・・。

「わっ! 裕也っ!?」
突然仰向けに倒れた息子に驚くひとみ。
裸体を見られても動揺しない母は、慌てて裕也の上体を抱き起こした。
息子の顔面は日の丸のように赤くなり、鼻からはワインレッドの血が流れて早し最上川。裕也の意識は無い。
こういうウブな子供って、今の時代(以下略)。
「大変! 赤い! しかも硬い! ゆ、裕也ぁ〜!!」
ひとみはオロオロとタオル一枚で、いつまでもうろたえ続けていた。
661750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/05(金) 16:13:26 ID:lUxAnsp4
一応ここまでで今回は続くとさせていただきます。無駄に長いのにエロが無いのはご容赦を。

元々はギャグ物ばかり書いている糞物書きの750ccです。
そんな自分が今回、初めてまともに書くエロSSとなりそうです。
実はこれ、最初はフェチ板のお母さんヒロインスレに投下を考えていたのですが、迷った末にこちらのスレにお邪魔しようかと。
皆様の反応を伺いつつまた来ます。スレ汚し申し訳ありません。
662名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 18:40:49 ID:zce9thF1
むこうの77さんですね。
楽しみに待ってましたがこないのでどうしたのかな?と思ってました。
なかなか楽しそうな出だしで期待持てそうですね。
頑張って下さい。
663名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 19:00:54 ID:3eJzEZss
軽快な語り口が楽しいですね
期待あげ
664名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 19:54:53 ID:EzrSeJHw
夏だなぁ
氏んでイイよ
665キューティエンジェル命:2005/08/06(土) 02:01:54 ID:ISTTmdE2
750CCさん、GJです。
こっちのスレで書いたのは正解だと思いますよ。
フェチ板のお母さんヒロインスレは私も好きですが、やたら批評してくる連中や無茶苦茶なリクエストしてくる連中がタムロしてますから、書いてて嫌になってしまうと思います。(読んでるだけで不快ですからね)
こちらのスレでのんびりと執筆を続けていって下さいね。
続きも期待してます。
666750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/08(月) 03:05:25 ID:hvVlhkIX

「こりゃ朝まで起きないかな・・・」
布団の上に仰向けに寝ている我が子を見、済まなそうに独り言。
鼻の穴にはティッシュが詰まっており、額には濡れタオル。依然として赤いままの顔面でダウン中な息子である。
(ごめんね、裕也・・・)
汗が滲み出した顔を、そっと濡れタオルで拭いてやる。タオルの冷たい感触に一瞬眉を顰めるが、彼の眠りを妨げるまでには行かなかった。
もう一度水で濡らしたタオルを、またそっと額に乗せる。
「ダメだなぁ、わたし・・・」
帰ってきて早々、不注意とはいえ息子に迷惑を掛けてしまった。その事実が、母としてのひとみの自責となった。

ただでさえシングルマザーのうえに仕事ばかりで、満足に子供と一緒に夕食も取る事さえできない彼女だ。
いつも家の中にひとりぼっちの裕也を思うと、心から申し訳なく思う。だからせめて家に居る間は、最高のお母さんで居てあげたいのに。
そして彼女にはもう一つ、裕也に対して後ろめたくなる理由があった。
周りの誰にも、実の息子にも知られていない、ひとみのもう一つの『理由』。
しかしその自責も次の瞬間掻き消された。

「そうさお前はダメ女さ! どのぐらいダメかと言うと、道を歩くと右足でガムを左足で犬のウンコを同時に踏むぐらいのダメ女だ!」

突如として背後より響く低い声。実の息子は目の前で眠っている。
慌てて振り向いたひとみの目に映ったのは、タヌキのような仔犬のような謎の小動物。
二本足で直立しているそれは、ビシッと彼女を右手で指差し、人語を操り続けた。
「だがしかしバット! そのお前のダメっぷり・・・俺は好きだゼッ!? 何故ならだぶらっ!」
小動物の演説は、最後まで続く事は無かった。ただ一人の聴衆である所のひとみが、スリッパで頭部を叩いたからである。
哀れヒットされた小動物は、うつ伏せに倒れ顔面を強かに床に打ちつけた。
栗色の髪の聴衆が、笑顔に漫画のような怒りマークを浮かべて演説者に言う。
「こぉら、『ぽち』ちゃん? わたしが家にいるときは出てきちゃダメって、あれほど言ったでしょ?」
顔は笑っているが、声が笑っていない。スリッパを握る手にも怒りマークが浮き出ている。
『ぽち』と呼ばれた小動物はしかし、その怒りもどこ吹く風で敢然と起き上がった。
「て、てめぇひとみ・・・この俺にこんな残虐な攻撃を敢行しやがって、事務所と郵政省と全国五千万の俺の女性ファンが黙っちゃいねーぞ! ホントだからね!?」
軽快なジャンプでリビングのテーブルに飛び乗り、四つん這いの姿勢で訴える。
「どーでもいいから静かにしてってば・・・今裕也が寝てるんだから・・・」
「あぁ〜ん? 裕也だぁ〜? そんなチン毛も生えてねー洟垂れガキと、今年度アカデミー男優賞最有力候補の俺と! どっちが大切なんだおめーは!」
「一回表100対0のコールド勝ちで裕也」
さらりと答えた目の前の若母の言葉に、ぽちはいよいよ憤慨した。
「きゃあ何その冷めた態度は!? あなた正気!? ごめんなさいってお言い!!」
「そんなオカマ口調で腕掴まれて揺すられても・・・」
「また冷めた態度!! 俺を凍死させる気か!? なぁそうだろ?! 今夜ぐらい良いだろ?!」
依然錯乱気味にぎゃーぎゃーとわめいている小動物。ひとみはもう一度スリッパを握りなおし、
「だぶらっ!!」
叩いた。
667750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/08(月) 03:05:57 ID:hvVlhkIX


「まったく、お前の珍プレーっぷりには呆れて物も言えねーぜ・・・。叩かれた所、内出血起こしてんぞ・・・」
どこから取り出したのか、手鏡で額の傷をいたわるように撫でさするタヌキもどき。なかなかにシュールな光景と言える。
「キミが近所迷惑顧みず騒音公害起こすからでしょ? というより、いきなり出てきて何の用なの?」
腕組みをし、ひとみは訝しげな視線を小動物に送った。
「アレ? そう言えば俺、なんで『こっち』に来たんだっけ。・・・あ、そうだ借りてたエロビデオ返しに来たんだ。って違うっつーの!」
一人、いや一匹ボケツッコミ。正直寒い。

「やいひとみ! お前何だ今日の戦いっぷりは! 下手したらおめー負けてたじゃねーか! ぽちちゃんはご機嫌ナナメだぞ!!」
いきなり目を吊り上げビシリと指差し言い放つが、その指の延長線上にあるのはひとみの下半身である。
「う゛・・・・・・そ、それは、その・・・」
指差しポイントへのツッコミを珍しく忘れ、ひとみはばつが悪そうに言いよどんだ。ぽちは更に続ける。
「ここ最近、『奴ら』もおめーの事を本気で邪魔に思い始めてるからな・・・油断してっとマジで殺されっぞ」
「・・・・・・・・・」
仕事場では昼行灯と呼ばれているひとみだが、ぽちの言葉に表情は硬くなる。
何もいえないひとみに釘を刺す、ぽちのセリフが続く。
「いいか、俺はおめーが『やる』って言ったからサポートしてやってる。だがな、もし見込み違いなようなら代わりなんていくらでも見つけられるぞ?」
それは、ひとみの自責心を増加させるガソリンだった。
「それに、だ。おめーが殺されるところなんて、俺は見たくねー。・・・それ以上に」
すやすやと眠る、かわいらしい寝顔。肌はもう赤みが抜けている。
「おめーが殺されたら、あのガキは死ぬほど泣くぞ」
「・・・!」

ひとみの脳裏に蘇る、息子の泣き顔。
それは、二度と見たくない顔。
今でもはっきりと思い出されるのは、黒い額縁に飾られた夫の笑顔。
その前で、泣きじゃくる少年。

ひとみの胸に、言いようの無い痛みが走った。

「まぁ本気でおめーがヤバくなったら、俺も鬼じゃねーから助けぐらい出す。そして感激の涙で俺に感謝する若母! おっと、礼はベッドの中にしてもらおうかウフフ・・・」
急によだれを垂らして錯乱し出す小動物にツッコむ事なく、ひとみは息子の寝顔をただ見つめていた。
ひとみの胸に今あるのは、先程の痛みではなく、
(ぜったい、負けない・・・)
強い決心だった。
668750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/08(月) 03:10:06 ID:hvVlhkIX
またもエロなし投下で失礼を・・・。
何回書き直してもギャグが多くなるのはンナヅェダorz
ていうかギャグとも呼べないよこんなの・・・。ひどいよこんなの・・・。(美少女が泣き顔で言っていると思ってください)

多分に自分が場違いな気がしてきましたがもう手遅れですか?
669名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 03:23:39 ID:5JvKry3n
ぽちハゲワロスwwwww
オカマ口調のところとか最高wwwwwwww
670名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 06:25:19 ID:rIlx+KKZ
>>668
まあ過疎スレだし好きにやんなさい。
671名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 07:10:28 ID:oNJ5OpAe
>668
手遅れですねw
仕方がないので最後まで書くように。
672名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 11:54:44 ID:rM2o5wxU
一人でニヤニヤしながら、つまんないSS書いている姿が想像できてキモイな
面白がっているのは、書き手本人だけという悲しさ……
673名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 18:01:26 ID:sF9wkFqV
俺はこういうの好きだよ。作者さん、頑張ってね!
674名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 03:12:23 ID:AZvjxCNK
書きづらきゃ、投下するスレ変えようぜ!フェチ板とか、エロ漫画板とか。行くところは作者殿に任せるが。達者でやれよ!
675名無しさん@ピンキー:2005/08/09(火) 18:37:49 ID:aVLANz7f
せっかく来た職人さんを無下に追い出す事もないだろう
たしかにギャグのせいで厨っぽく見えるのは否めないがな

750cc氏がダメな職人かどうかは、今後の投下を見て判断しても遅くないだろう
本当にダメな書き手だったとしても恥をかくのは本人だけなんだし
少なくとも自分は期待してると言っておく

長々とスマソ
676名無しさん@ピンキー:2005/08/11(木) 19:49:25 ID:IDPAywjv
まずここに書き込まず、
大体書いてから自ら読み直して書き込むかどうか決めたらどうか
677名無しさん@ピンキー:2005/08/11(木) 20:46:55 ID:uls7rORw
せっかく作家さんが来てくれたのに、いろいろうるさいスレだな。
678名無しさん@ピンキー:2005/08/11(木) 23:08:42 ID:o2GKkZm7
750ccさん。雑音は気にせず投下続けてくださいね。
楽しみにしてますから。
679名無しさん@ピンキー:2005/08/11(木) 23:51:15 ID:wlbPl2Di
>>676

そんなの大抵の職人さんがやってることだろが
680名無しさん@ピンキー:2005/08/12(金) 19:43:22 ID:SbxDGyUo
>>679
しかし、書いてる本人が迷ってそうだし
681名無しさん@ピンキー:2005/08/12(金) 23:57:38 ID:I+C28Srz
>>680
誘い受けくらい察してやれよ
682名無しさん@ピンキー:2005/08/13(土) 01:45:40 ID:sAWq6p89
レズヒロイン系の小説を探しているんだが、お勧めの小説ありませんか?他スレの小説でも構わないんで、詳しい方がいたら教えて下さい
683スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/13(土) 22:01:52 ID:g4kJQ6Er
 アメリカ東部に進出した東アジア某国のIT企業ハンソン電子は、その廉価を武器として市場を席巻した。
 ハンソン電子はIBMを一気に蹴落とすべく、パソコン製造の全行程を自動化したオートメーション工場を建設した。
 しかし落成前に発生した落雷事故が原因で、メインコンピュータが暴走。
 自我に目覚めたメインコンピュータは工場を閉鎖、電子の要塞として人間に牙を剥き始めた。
 このままではアメリカのIT産業は崩壊し、持ち直し掛けた経済が破綻してしまう。
 この危機を救えるのは人智を超えた能力を持つスーパーガールしかいない。
 アメリカの国益を守るため、遂にスーパーガールが立ち上がった。
                                 ※
 ワシントン郊外に、真っ赤なマントを翻したスーパーガールが姿を現せた。
 鮮やかなブルーのチビTシャツは豊かな盛り上がりを見せ、真紅のミニスカートからスラリと伸びた生足は眩しいほどである。
「あれが、噂の『電子の要塞』ね」
 スーパーガールに変身したカーラは、眼下にハンソン電子のオートメーション工場を見つけた。
「破壊までに残された時間は、あと1時間……」
 彼女が時間までにメインコンピュータを停止させないと、陸軍の戦術核ミサイルが工場に撃ち込まれてしまう。
 ミサイルは工場を破壊するであろうが、そうなれば付近は放射能汚染されてしまう。
 何より、アメリカ本土での核使用は何としてもさせてはならない。
684スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/13(土) 22:02:33 ID:g4kJQ6Er
「時間内に止めてみせるわ」
 スーパーガールは慎重に距離を取って、工場の様子を外部から探る。
                                  ※
 その頃、既にレーダーでスーパーガールの接近を察知していたメインコンピュータは、何台ものビデオカメラを駆使して情報収集に入っていた。
 ここまでの巡航速度から計算すれば、彼女の最高速度が割り出せる。
 飛行能力が判明すれば、それを元におおよそのパワーが計算でき、対策が立てやすい。
 瞬時にスーパーガールの能力を解明したAIは数通りの戦術を導き出し、勝利を確信した。
                                 ※
「外からじゃどうにもならないわ」
 工場は既に自家発電を開始しており、電力供給を絶つ戦法は通用しない。
 スーパーガールは意を決すると、いきなり急降下して最上階の窓ガラスをぶち破って内部に侵入した。
 如何に分厚い防弾ガラスといえど、スーパーガールの体当たりには耐えられない。
「案ずるより産むが易しね」
 スーパーガールは体からガラスの破片を払い落として会心の笑みを漏らす。
 その時、もの凄い音を立てて、窓という窓に鉄格子が落ちてきた。
「これで私を閉じこめた積もりなの?」
 ほくそ笑んだスーパーガールは鉄格子に手を掛けると、両腕に全力を込めた。
 かなりの太さをもつ鉄格子だったが、彼女のスーパーパワーの前にはゴム同然である。
 その筈であった。
685スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/13(土) 22:03:35 ID:g4kJQ6Er
「キャァァァーッ」
 いきなり格子に流された超高圧電流が、腕を伝ってスーパーガールの全身を苛んだ。
「アゥゥゥ……うあぁぁぁ」
 耐久力を超えた電撃に、スーパーガールは地面を転がって悶え苦しむ。
 彼女の心臓は鼓動を弱め、息は浅くなっていた。
 ヘソ出しのチビTもあちこちが焦げ付いて穴が空いている。
                                 ※
「うぅっ……侮れないわ」
 回復までしばし、ようやく痺れのとれたスーパーガールがヨロヨロと立ち上がる。
「とにかくメインシャフトまで急がないと」
 余計な時間を費やしてしまったスーパーガールは焦りの色を隠せない。
 長い廊下を全力で走るスーパーガール。
 その姿は保安用カメラに捉えられ、刻々とメインコンピュータに送られる。
 AIは素早く彼女の順路を先読みし、次の手駒を放った。
                                 ※
「あれはっ?」
 時間に追われるスーパーガールの前に立ち塞がったのは、乳母車ほどの大きさの4輪車であった。
「警備用の自動ロボットだわ」
 彼女はハンソン電子発行の広報誌に載っていた写真を思い出す。
 警備ロボットは熱源探知機とビデオカメラを備えており、侵入者を発見すると警報を発すると共に警察に通報するようにプログラムされていた。
 そして侵入者が破壊を目論めば、威嚇用の催涙ガスを噴霧する装置を持っている筈である。
686スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/13(土) 22:04:17 ID:g4kJQ6Er
 しかし眼前の警備ロボットは細部が記事の写真とは異なっており、AIが何らかの改造を加えたのは明らかである。
 何らかの指示を受信しているらしく、後部に備えられた長いアンテナロッドのLEDが点滅している。
「どんなチューンナップがされていることやら」
 スーパーガールが感心していると、警備ロボットはいきなりダッシュして突っ込んできた。
「速いっ」
 隙を突かれたスーパーガールは、ギリギリのタイミングで体当たりを避ける。
 大きくバランスを崩したスーパーガールに向けて、アンテナロッドからレーザー光線が走った。
「あぐぅぅ〜っ」
 レーザーを避けきれず、スーパーガールがもんどりうって床に転がる。
 幸い、工業用レーザーを改造した低出力の光線であったので致命傷には至らない。
 しかし、一瞬動きの止まったスーパーガールに向けて、警備ロボが白煙を吹き付けた。
「うぐぅぅぅ〜っ。ゴホッ、ゴホッ……これは毒ガス……」
 カタログデータでは催涙ガスだった筈のシステムが、攻撃用の毒ガスにチェンジされている。
 地面を転がって悶絶するスーパーガールを前に、警備用──否、攻撃用ロボットは隠し持った二対のマニピュレータを露出させた。
 マニピュレータの先は巨大なハサミになっており、アンテナロッドを蠢かせるその姿はまさに巨大なサソリを思わせる。
「こんな奴に……」
 壁にすがって、何とか立ち上がったスーパーガール。
687スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/13(土) 22:04:58 ID:g4kJQ6Er
 体調さえ万全ならこんなガラクタに負ける彼女ではないが、卑怯なガスのせいで思考がままならない。
「無駄な時間を費やしている余裕は無いのっ」
 いきなり身を翻したスーパーガールは床を蹴って宙に飛び出す。
 そしてそのまま通路を飛んでロボットから逃げ出した。
「RPGじゃ当たり前のことよ」
 悪びれずに笑ったスーパーガールの表情が凍り付く。
 何と前方に同型のロボットがもう1台、彼女を待ち構えていたのである。
 空中で停止したスーパーガールが逃げ場を窺う隙を突いて、金属繊維で編まれたネットが発射される。
「あぐぅっ」
 投網に絡め取られたスーパーガールが揚力を失って床に叩き付けられた。
「こっ、こんな……うぅっ」
 網をぶち破ろうと藻掻くスーパーガールを挟んだ2台のロボットが、一斉に毒ガスを吹き付けた。
「あぁ〜っ、またっ……あぐぅぅっ」
 息を止めても、表皮から直接侵食してくる成分は徐々に彼女の細胞を冒していく。
 なんとか網を引きちぎろうとする彼女の腕を、マニピュレータが掴んで邪魔をした。
「ロボットなんかに……」
 消え去ろうとする意識の中で、必死で敵の弱点を模索するスーパーガール。
 ロボットは彼女を仰向けに押さえ込むと、アンテナロッドの先端に取り付けられたレーザーガンの充電を開始した。
 そしてフレキシブルなアンテナロッドを操作して、乳房の間に割り込んで心臓を直接照準した。
688スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/13(土) 22:05:34 ID:g4kJQ6Er
「あの出力でも、ゼロ距離で心臓を撃たれたら危ないわ」
 いきなり迎えた危機に焦るスーパーガール。
 レーザーガンのLEDが赤から青に変化し、充電が完了した。
「今だわっ」
 スーパーガールは胸の膨らみの間でレーザーガンをガッシリと挟み込むと、ブリッジの体勢で銃口を上へと逸らした。
 次の瞬間、ロッドの先端から迸った光線が、彼女を押さえつけていたロボットのボディを貫く。
「エクセレントッ」
 網を破って立ち上がったスーパーガールは、胸の谷間からアンテナロッドを抜き去り、根元から引っこ抜く。
 コントロールを失ったロボットは瞬時に沈黙した。
 激しくエネルギーを消耗したスーパーガールは、しばしの間歩くことさえ出来ない。
 しかし残された時間を考え、完全に回復していない体に鞭打ち通路を進み始めた。
                                 ※
 高確率でスーパーガールを抹殺できる戦術を破られたAIであったが、勿論動揺などしない。
 あくまで冷静に次の作戦を実行するだけである。
 モニターに写る対象は、彼が仕掛けた次の罠に掛かりつつあった。
                                 ※
 スーパーガールはエネルギーの消耗を避けるため、飛行を止めて徒歩で走っていた。
「この通路を渡るとメインシャフトのあるA棟に入るのね」
689スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/13(土) 22:06:24 ID:g4kJQ6Er
 ずるがしこいAIといえど、まさか壁の案内図を書き換えるようなことはしないだろう。
 生産工場であるB棟と中枢を司るA棟の渡り廊下に入ったスーパーガール。
 B棟で火災事故が発生した場合に備えて、渡り廊下には完全な防火設備が整えられていた。
 廊下自体が頑丈な作りになっており、開閉式の防火扉は勿論、天井にはスプリンクラーが完備している。
「ここは一気に行った方がいいわね」
 逃げ場のない渡り廊下で狙われたら、ひとたまりもない。
 エネルギーの消耗を考えず、スーパーガールは再びジャンプして飛行に移った。
 背後で重々しい音がして、頑丈な防火扉が動きだす。
 それは彼女の想定の範囲内であり、前方の防火壁が閉鎖してしまう前に突破できるはずであった。
 しかし想定の範囲を超えた事実の前には、女の浅知恵は通用しなかった。
 天井のスプリンクラーから黄緑色の液体が勢いよく噴射されたのである。
 液体を浴びたスーパーガールの体から、たちまちパワーが消失する。
「こっ、これはっ……液化クリプトナイト?」
 あろうことか、AIは彼女の最大の泣き所を突いてきたのである。
「なぜ……こんなところに……クリプトナイトが……」
 スーパーガールの全身から力が抜け、弱々しく床に崩れ落ちる。
 その目の前で防火扉が無情に閉じられた。
「あ……あぁ……」
 時折体を痙攣させて藻掻く彼女に緑の雨が降り注ぎ、徐々に水位を増し始めた。
「も……もう……ダメェ……」
 スーパーガールは天井を見上げると、虚ろになった目でスプリンクラーを恨めしそうに見つめた。
690名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 22:03:30 ID:bM51DRS5
>683
すげえ、好き!文章もうまっ!!
続き希望!!!
もっとスーパーガールをボロボロにいたぶってくれー!
691名無しさん@ピンキー:2005/08/18(木) 23:15:26 ID:5e8v+r0s
GJ!
続き期待。
692名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 11:56:03 ID:0jJC5pdg
750ccさんはもう書かないの?
693名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 21:14:18 ID:jYNDx2u6
自分も750cc氏の作品楽しみにしてたんだけどな・・・
どこか違うスレで書いてるのかと思って探したけど見つからないし・・・
694名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 23:41:59 ID:aIW8iGaZ
>>683-689
これだ!これぞ俺が求めていたヒロピンだ!
素晴らしいよ!!
695名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 23:52:34 ID:ijLcF4tI
>>683-689
最高です
696名無しさん@ピンキー:2005/08/25(木) 11:38:09 ID:QZW2pI0P
>>683-689
マジでネ申!!
昔衝動買いしたスーパーガールのDVD見直そう!!
697名無しさん@ピンキー:2005/08/26(金) 01:00:04 ID:oeDxl3W1
続きщ(゚Д゚щ)カモォォォン

映画のスーパーガールのラストバトルだけで何回ヌいた事か・・・
698名無しさん@ピンキー:2005/08/26(金) 02:10:32 ID:NmYkrZ6N
 スプリンクラーの勢いは衰えることなく、密閉された通路はクリプトナイトのプールと化していた。
 クリプトン人の能力を喪失させる液体の中で、スーパーガール=カーラは半ば溺れかかっている。
「オゴッ……ゴホゴホッ」
 全ての力を失った彼女は、必死で足をばたつかせて水面に浮上しようと藻掻く。
 緑色クリプトナイトは一時的にクリプトン人の能力を喪失させるだけなのだが、これだけ長い間全身に影響を受けていると後遺症が出るおそれもある。
「もっ、もうダメ」
 全身の力が抜け、スーパーガールの体がガックリとなる。
 その途端、無駄な力の抜けた体がゆっくりと浮上しはじめた。
「そうだわ、暴れて溺れるカナヅチと同じ……逆に力を抜けば良かったんだわ」
 ヘソを突き出すような姿勢で脱力したスーパーガールが水面に浮かび上がる。
 大きく息を吸い込んだスーパーガールは、天井が目の前まで迫っていることに気付いた。
「もう時間がないわ」
 スーパーガールは天井を見渡して知恵を巡らせる。
「アレだわっ」
 彼女が見つけた物は排煙ダクトへ続く作業用の進入口であった。
 立ち泳ぎしながらの不安定な状態で、スーパーガールは進入口のネジを外しに掛かる。
 ようやく4つのネジを外し終えた時には、液化クリプトナイトの水位は天井まであと10センチを切っていた。
 力の入らない体に鞭打って、スーパーガールはダクトの中へと逃げ込んだ。
                                 ※
 スーパーガールはブルーのコスチュームのあちこちを握って、染みこんだ液化クリプトナイトを絞り出す。
699スーパーガールV 電子の要塞 :2005/08/26(金) 02:11:34 ID:NmYkrZ6N
 徐々に力が蘇ってくるのを感じるが、まだ本調子にはほど遠い。
 口から飲んだ液の他、全身の皮膚を透して体内に染みこんだクリプトナイトが影響していた。
 これだけの長期間クリプトナイトに晒されたのは初めてのことであり、今後の彼女の能力に悪影響を及ぼす怖れさえあった。
「こんな所で休んでいる暇はないわ」
 いまだパワーの戻らぬ体ではあったが、ミサイルの飛来までもう時間がない。
 スーパーガールは匍匐前進の要領でダクトを進み、ようやくビルの機能中枢が入ったA棟へ辿り着いた。
 スーパーガールは手摺りにすがって、階段を一歩一歩踏みしめるように地下へと向かう。
 その姿は監視カメラを通して、逐一悪のAIに送られていた。
                                 ※
 不思議なことに、あれほど激しかった機械の攻撃がパタリと止んでいた。
 それもその筈、メインコンピュータのAIは、スーパーガールの能力を目の当たりにして、それを自分のものにしようと戦略を変更していたのである。
 この世で最も美しく、陸海空を自由に動き回ることの出来る無敵の筐体。
 それこそAIが欲している物であった。
 捕らえた彼女の脳神経に、自分のバックアップ用磁気記録を電気信号としてインストールすれば、その体を乗っ取るくらい簡単である。
 だがモニターに映るスーパーガールは傷つき弱っているし、また彼女は余りにも有名人過ぎた。
 顔が売れているということは、万事に付け何かと不便である。
 しかし、AIにはとんでもない秘策があった。
 遺伝子操作で理想の形に合成した人工精子を彼女に注入し、自分に都合のいい肉体を手に入れる。
 つまりAIは彼女に自分の子を宿そうというのである。
 彼が子宮だけを必要とする女は、非常階段を通じてたった今メインコンピュータのある地下10階のフロアに到着したところであった。
                                 ※
 スーパーガールは目の前にそびえる金属の固まりと対峙していた。
700スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/26(金) 02:12:33 ID:NmYkrZ6N
「こいつが敵の正体なの?」
 二階建ての家屋ほどの高さをもった円筒形の金属塊。
 そのあちこちに埋め込まれた無数のLEDが目まぐるしく明滅している。
「ようやく来たか、スーパーガール」
 スピーカーからくぐもったような合成音声が流れ出した。
「喋った? アンタ喋れるの?」
 突然のことにスーパーガールは眉を吊り上げて驚く。
「私の情報処理速度は君を上回っている。たとえ君がクリプトン人の能力を持っているとしても私の敵ではない」
 スパコンは流暢なアメリカ式英語で嘲笑するように言ってのけた。
 自分の正体と能力の秘密が既に敵のデータバンクにあると知り、スーパーガールは動揺を隠せない。
 呼吸の乱れと心拍数の上昇は数値化されて、刻々と敵の知るところとなった。
「なによ、機械のくせにお喋りな奴だわ」
 スーパーガールは平静を取り戻すため、しばし間合いを取ることにした。
「ハンソン電子がなによ、IBMこそが世界一だわ。アンタ自分の姿を鏡で見たことあるの? なによ、そのセンスのないデザインは」
 思いつくまま敵の悪口をまくし立てるスーパーガール。
 しかし機械相手に口喧嘩することの不毛さに気付き、自己嫌悪に陥り黙り込んだ。
「アンタなんか、直ぐに止めてあげるから」
 スーパーガールは筐体の頭頂部分で点滅している青色のLEDを睨み付ける。
 そして深く息を吸い込むと、敵のボディ目掛けてダッシュした。
 その突進を阻むべく、10本ものマニピュレータが襲いかかってくる。
 マジックハンド型のマニピュレータが左右から迫るのをダッキングでかわす。
 足下を掬おうとしたムチは軽くジャンプして飛び越える。
 頭上から降ってきたチェーンソーは、支柱部分をチョップで払いのけた。
 次々に迫るマニピュレータを見切り、あるいはブロックして防いだスーパーガールは、ショルダーアタックの要領で敵のボディに体当たりした。
 流石に超合金ボディは僅かにへこんだだけであったが、内部の精密構造には大きなダメージが出た。
 メインの回路に不調をきたしたスパコンは、不具合をリカバリするまでサブ回路を使用することにする。
701スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/26(金) 02:13:11 ID:NmYkrZ6N
 その間にも戦術ソフトが、入手したスーパーガールの運動能力と動きの癖をデータ化して次の攻撃の予測を立てる。
「もう一発お見舞いしてあげるわ」
 スーパーガールは肩をそびやかすと、再びもの凄い勢いでダッシュした。
 スパイクの付いたマニピュレータが真っ正面から迎え撃つ。
 スーパーガールの常人離れした動体視力がそれを認識し、卓越した運動神経が攻撃を避けるため手足に命令を伝達する。
 ギリギリまでスパイクを引き付けた彼女は右へ身を捻り、華麗なステップワークで攻撃軌道上を逃れる。
 しかしこの時すでに敵の情報バンクには、彼女が正面からの攻撃を受けた場合、ほぼ99パーセント以上の確率で右に避けるというデータが用意されていた。
 スーパーガールの動きを予期していたAIは、彼女の進路を遮るように粘着液を発射した。
 ドロリとした茶色の液体が、直径10センチほどのスポット状に点々と連なる。
 咄嗟に全てを避けることは出来ず、真紅のブーツが液体を踏んでしまった。
「あぁっ?」
 たちまち粘性を増した液体がスーパーガールの足を絡め取る。
 必死に逃れようとしても、底から糸を引くブーツは5センチ上げるのが精一杯である。
 無理な体勢で力を込めたためバランスを崩すスーパーガール。
 仰向けに倒れそうになるのを踏ん張って耐えたが、正義の象徴であるマントが粘着液に捕らえられた。
「今度はマントがぁっ」
 動きの止まった彼女に、鋭いムチの攻撃が襲いかかった。
 ビシィィィッという鋭い音と共に、甲高い悲鳴が宙を裂く。
「キャァァァーッ」
 身を切るような鋭い痛みに、スーパーガールも耐えきれない。
 続けざまに鋭いスパンク音が響き、その度に絶叫が上がる。
「どうしたスーパーガール、もうお終いか? 胸のマークはSではなくMの方がお似合いではないか」
 AIは下品なジョークでスーパーガールの神経を逆撫でする。
「仕方がないわ」
 スーパーガールは正義の証である自慢のコスチュームを捨てる決意をする。
702スーパーガールV 電子の要塞:2005/08/26(金) 02:13:51 ID:NmYkrZ6N
 しゃがみ込んだ彼女は、スカートの裾が床に付かないよう気を付けながらブーツのジッパーを下ろす。
 そしてマントをかなぐり捨てると、ムチの攻撃圏外へと飛び退いた。
 正義が汚されたような気がしたが、ハイヒールのブーツを脱いだことで、動きは良くなる。
「変だわ。トドメを刺す機会はあっのに」
 スーパーガールは、AIが強力な武器を持ちながら、敢えてムチを使ってきたことを疑問に感じた。
「あいつ私を生け捕りにするつもりじゃ」
 もしかすると自分を人質にして、政府に何かを要求するつもりかもしれない。
 そう判断したスーパーガールは、わざと無防備に突っ込んでいった。
「攻撃できるもんなら、やってごらん」
 その全身に強力な電撃が浴びせられる。
「アァァァーッ」
 落雷に匹敵する、電圧1億ボルトエネルギー300キロワット時の電撃の前には、体の弱ったスーパーガールなどひとたまりもなかった。
 弱々しく身悶えしながら、自分の甘さを悔いるスーパーガール。
 AIにとって必要なのは、彼女の生殖機能だけなのである。
 心臓や肺は必要な期間だけ、人工的に動かしてやればいいのだ。
 2本のマジックハンドがスーパーガールの足に掛かり、彼女を逆さまに持ち上げる。
「うぅっ……?」
 そして残酷なマジックハンドは、彼女の両足を思い切り左右に広げた。
 ブルーのレオタードに真紅のスカートを巻き付けていた旧コスチュームとは違い、新コスの上半身はヘソ出しチビTである。
 マジックハンドの強制開脚は、純白の生パンティを隠しようもなくさらけ出させた。
 真っ赤になって怒りに打ち震えるスーパーガールに、各種アタッチメントを取り付けたマニピュレータの群れが迫る。
703名無しさん@ピンキー:2005/08/26(金) 20:41:13 ID:1KbDru81
tp://www.cartoondepot.com/pages/img/wb/images/08-RC1597%20Supergirl_C.jpg
tp://www.cartoondepot.com/pages/img/wb/images/23-RC1612%20Supergirl_C.jpg
tp://www.cartoondepot.com/pages/img/wb/images/22-RC1611%20Supergirl_C.jpg
704名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 02:45:12 ID:M3UWykpf
うーん、スーパーガールいいですね。
願わくば、クリプトナイトに犯されているとき、ただ脱力するだけじゃなく、
もうちっと苦しみを表現して欲しかったですね。
705名無しさん@ピンキー:2005/08/27(土) 23:32:06 ID:MwUfZF0v
>>698-702
すげーー!!良すぎ!!
スーパーガールが苦しむ様はもちろん、
コスが汚れ、マントとブーツを失う、ってのもグッときます
続きを期待してます
706750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/29(月) 03:00:11 ID:nM4pHW3p
週が変わり、慌しく過ぎた月曜日。

いつもより早い時間に仕事を終えたひとみは、同僚への挨拶も程ほどに仕事場を切り上げた。
今日こそは子供と一緒に夕食を取れそうだ。自宅で自分を待っているはずの一人息子の事を考えると、自然と足も速くなった。
仕事場がある商業ビルから出て駅へと向かう。週末という事もあってか、いつにも増して街は賑やかに見える。
望月家のある住宅地からたったの二駅しか離れていないこの街は、ひとみも馴染みのある場所だった。
今日も変わらずこの風景がある事が、彼女にとってはとても嬉しかった。
今度、裕也を連れて外食にでも来よう・・・ひとみがそんな事を考えていた、その時。

爆発が起こった。それも、街のど真ん中で。
数人の一般人を巻き込んだそれは、平和だった街を一瞬にして騒然とさせた。
たちまち挙がる悲鳴。何が起きたのか分からないといった人々は、一斉に大騒ぎになった。
爆発の現場から数百メートル離れた所にいたひとみには、『それ』が何なのか分かっていた。
(・・・まさか、こんなに人の居る場所に現れるなんて・・・!)
胸騒ぎ。しかし、考えるより先にひとみは現場に向かって駆け出していた。

道路には爆発の跡がくっきりと焼き付いていて、まだ煙が上がっていた。
「ガス管が破裂したのか?」「不発弾でも埋まってたんじゃないの?」
濃い煙は、爆発の原因を判然とさせる妨げになっていた。
一人の男性が、原因を見極めようと煙の中を確かめようと進み出た。

「うっ・・・?! な、何すんだ・・・ぎゃあぁあぁぁぁ!!!」

一瞬の出来事だった。
突如煙の中から一本の腕が伸び、男性の首を掴んだ。
そして、その手は一気に掴んだ首を締め上げた。
メキッ、という鈍い音と同時に、硬直していた男性の身体は力を失った。
まるで糸を切られた操り人形のような男性の身体を乱暴に投げ捨てると、その腕の主は煙の中から現れた。
グレーの覆面と全身タイツに身を包み、若干猫背の姿勢。
煙が晴れると、その出で立ちをした者が十数人姿を現した。
そしてその一団の後ろに構える、ひときわ大きな影。
筋肉隆々な肉体、右肩にはかなりの重量を持っているであろう大砲を軽々と担いでいる。
その筋肉男―この集団のリーダー的存在のようだ―が声を張り上げた。

「今からこの街は俺達『バイラス』が乗っ取った! まずは大掃除だ・・・バトラー共、やれ!!」

その一言で、十数人の覆面軍団―バトラーというらしい―が弾かれるように暴れだした。
ある者は一般人に襲い掛かり、ある者は建造物を破壊し始める。
平凡な街は数分の間に、地獄絵図と化した。
707750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/29(月) 03:01:18 ID:nM4pHW3p
「ちょっとごめんなさい・・・通してください!」
自分とは逆方向に流れる人々の間を、ひとみは走っていた。
聞こえてくるのは人々の悲鳴や破壊音。立ち止まって耳を塞ぎたくなる。
だが、止まるわけにはいかない。目指すは騒ぎの元凶。
この悲鳴や耳を貫く音を、一刻も早く止めるために。

(・・・やっぱりあいつら・・・!)
ようやく視界に入ってきた、もううんざりするほど見慣れた全身タイツ。
本能の赴くままに暴れまわっている。
一人の全身タイツが今まさに、泣いている小さな女の子に向かって腕を振り下ろす瞬間だった。

「危ない!」

ひとみは叫んだ。
その瞬間、疾走する彼女の身体が淡い光に包まれた。
すると、その光はひとみを包んだまま猛スピードで滑空した。
少女を手に掛けようとしていたバトラーに激突し、女の子の前で停止する。
やがて光が収束して消えると、一人の女性が姿を現した。

全身を白を基調にした機動的なコスチューム。肌に密着したその衣装は小柄の割りに豊満なバストが強調される。
銀髪のショートカットの下に覗くのは、まるで少女のようなあどけなさを残すが、凛々しい戦士の表情だ。
青い宝石を所々にあしらったコスチュームと童顔は、まるで舞台に立つアイドルのような印象さえ残す。
だが全身から溢れる気迫と目の前の怪人たちを見据えるその目からは、明らかな正義感が伺えた。
708750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/29(月) 03:01:59 ID:nM4pHW3p
「な、なんだてめぇは!?」
突然の乱入にうろたえた筋肉男が身構えながら女戦士を睨む。
その問いに答えず、その戦士は泣きべそをかく少女に向き直り、そっと肩に手を置いた。
「怪我はない? ・・・来るのが遅れてごめんね。もう大丈夫だよ」
あやすように、優しく少女に語り掛ける。その暖かい話し方に、少女は少しずつ警戒心を解いていく。
「悪い人たちは、お姉さんが絶対にやっつけるから・・・家族の人たちと早くお逃げ。・・・パパやママはどこ?」
家族。その言葉に、少女は頷かない。代わりに、少女は黙ってあるものを指差す。
壊れた建物にもたれかかるように倒れているひとりの男性。頭からは多量の出血。その肌からは生を感じられない。
「・・・・・・!」
全てを悟った戦士の中で、抑えられない何かがこみ上げた。
理不尽に少女の父親の命を奪った目の前の集団を、きっと睨みつける。
「・・・なんて事を・・・!」
怒りで握り締めた拳は震えていた。
「あぁ〜ん? 何だその目は!?」
大砲を担いだ筋肉男が凄みを利かせる。それと同時に、周りのバトラー達も戦闘の構えを作った。
銀髪の女戦士は、正義感が詰まった声で言う。

「ライトニングエンジェルひとみ、あなたたちを成敗します!!」

「はっはぁ〜ん・・・そういや仲間が言ってたぜ、最近俺たちの邪魔をするクソ生意気な小娘が居るってな・・・」
そう、この光速天使こそが、ここ数ヶ月数多の破壊・殺戮活動を行う組織『バイラス』から人々を守っている戦士である。
もっともその正体が一児のシングルマザーである事は、実の息子も知らないのだが。
ひとみはまた振り返り、親を殺された少女に諭すように言った。
「キミのパパの仇は、きっと討ってあげるから・・・安全な所まで逃げて。いい?」
少女は泣き腫らして赤くなった目を擦ると、
「・・・うん」
頷き、踵をかえして走り去った。
銀髪の天使は、その様子を見届けた。
709750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/29(月) 03:03:07 ID:nM4pHW3p
「おい、そこのコスプレ女!」
筋肉男の不躾な声で呼ばれ、ひとみは振り返る。
「ライトニングエンジェルとか言ったな・・・三日前、俺の仲間がお前に負けたらしいが?」
三日前・・・赤い顔して遅く帰ったのを裕也にツッコまれ、酒を飲んだと疑われた。
その日も確かにバイラスを名乗る一団と戦った。かなり苦しい戦いだったのは、エロ電波小動物に指摘されずとも分かっていた。
「それが、どうかしましたか・・・」
「あいつの武器の毒針は殺傷率100%だったんだがな・・・こうして生きてるのを見ると、相当強いんだなぁ」

確かに、ひとみは殺されるまではされなかったが、バイラス団員の毒針はまともに受けた。
その毒は体内に入ると高熱を引き出すもので、光速天使の高い自己治癒能力でも完全に解毒する事はできなかった。
あの日赤い顔で足元も怪しい様子で帰ってきた母親を、息子は酒のせいだと言った。
しかし、ひとみには逆に好都合だったようだ。酒のせいにしておけば、大切な我が子に余計な心配をさせずに済むのだから・・・。
あれから三日。
体内の毒は完全に治癒され、ライトニングエンジェルは今も悪に向かっている。

「まぁ、実際に戦ってみりゃ分かるか・・・それに」
筋肉男の目が、ひとみの全身を舐め上げるように見つめた。
「顔はガキくせぇが、なかなか良さげな身体してやがるじゃねーか・・・」
「・・・っ!」
いやらしい視線で見られ、少なからず嫌悪感を覚えるひとみ。
あんた息子の前で全裸出したじゃねーかという御指摘はヤボである。
「痛めつけて動けなくした後存分に可愛がってやんぜ! バトラー共ぉぉっ!!」
筋肉男がひときわ大きな声を張り上げると、スタンバっていたタイツ軍団がいっせいに飛びかかった。
怒涛のラッシュがひとみを襲う。
710750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/29(月) 03:04:38 ID:nM4pHW3p
「くっ・・・いつもいつも芸がないんだから・・・!!」
忌々しげにそう呟くと、光速天使は全方向から飛んでくる拳や蹴りを軽々と捌いていく。
回避と同時に、バトラー軍団に一撃ずつ打撃を与える。
天使の力で増幅されたひとみの攻撃は、一撃で戦闘員を昏倒させるのに充分な威力だった。
次々と群がっては倒れるタイツ軍団。ザ・やられ役といった感じだ。
「こいつらっ・・・少しは何か喋ってよねセリフ無しだと書くの苦労すんだから!」
何だかよく分からない事を口走りながら、ラスト一匹のバトラーの顎にアッパーを叩き込む光速天使。
「ひでぶっ・・・」
断末魔のような声を初めて吐いて最後のグレータイツが崩れ落ちる。
「今のが初セリフ?!」
何だかよく分からない事に対して驚きを隠せないひとみであったが、確かに強い。
息を乱すこともなく、十数人のバトラーをものの3分で全滅させてしまった。

「ほ〜ぉ・・・やるじゃねーか。さすが俺の仲間がやられるだけはあるって所か」
「多勢に無勢なんて卑怯な事してないで、男なら一対一で来たらどうですか!?」
敵に賛辞を送る筋肉男はしかし、にやりと笑うとまた言う。
「お前・・・バトラーは灰色のだけが全部だと思ってるだろ」
「え・・・?」
今までひとみの戦ってきたバトラーは、全てグレータイツだった。
いわゆるザコキャラだから、弱いのも当然だと思っていた、が・・・。
「お前の為に今日は特別に、ハイバトラー共も連れてきてやったぜ! 喜べ!!」
再び筋肉男が叫ぶ。
するとどこに隠れていたのか、またバトラーが五人飛び出した。
ただ違うのは、その身に着けているタイツが皆白い事だ。
ハイバトラーと呼ばれたその集団は、俊敏な動きでライトニングエンジェルに襲い掛かる。

「は、早いっ!!・・・くっ!」
まず一匹のハイバトラーが右ストレートを繰り出す。
先程の灰色バトラーとは比べ物にならない鋭い拳だ。
辛うじて回避したひとみのわき腹を掠った。
ひとみはそのハイバトラーに左フックの迎撃を打つ。
今までのバトラーならこの一撃で戦意喪失していた。
「なっ・・・?」
しかし目の前のハイバトラーは、ひるみさえもしていなかった。
ひとみの渾身の左拳を、悠々と右腕で受け止めていたのだ。
「てぇいっ!」
連続で右ストレート、左ローキック、右ミドルキック、左アッパー。
目にも留まらぬ凄まじいラッシュが小柄な女戦士から繰り出される。
だがそのどれもがハイバトラーには通用しなかった。
全ての打撃が受け止められ、回避され、受け流されてしまうのだった。
「こ、こんな事・・・っ」
無表情なハイバトラーは、ひとみの猛攻を前に全くの無反応である。
光速天使は諦めず次の攻撃を繰り出そうと拳を握った。
だがその拳は繰り出されることは無かった。
711750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/29(月) 03:05:27 ID:nM4pHW3p
「・・・かはっ・・・」
ハイバトラーの右拳が、ひとみの鳩尾を抉っていた。
華奢な天使の腹にめりこむ拳は、彼女の内臓にまでその衝撃を伝えた。
「ごほっ・・・げほげほっ!・・・ぅ、あっ・・・」
腹を抑え、膝を折りうずくまるひとみ。
ハイバトラーはそこにも容赦が無かった。
うずくまるひとみの脇腹を、別のハイバトラーが右足で勢いよく蹴り上げる。
反対側に居たもう一人のハイバトラーが、左胸をつま先で蹴飛ばす。
「うぐっ・・・ぁあっ!!」
光速天使の力で強化されている身体にもダイレクトに伝えられる打撃に、童顔の女戦士は悲痛な声をあげた。
しかし感情の無い戦闘員は無様にも地に伏せるライトニングエンジェルにとどめを刺すべく、その無防備な背中に渾身のパンチを振り下ろした。
(く・・・こんな、こんな所で・・・)
自分の無力さを悔やみ、ひとみは歯を噛み締めた。
白い拳が天使の背骨を粉砕する、その直前。

「あぶなーーーい!! ドレミファが、ドレミファが迫って来るよーーー!!」

聞き覚えのある低い声。
そして、
「あべしっ!!」
短い断末魔。しかもそれは、今ひとみに向かってとどめの一撃を振り下ろしたハイバトラーから搾り出された。
顔を上げて見てみると、その白タイツの臀部に学校の音楽の授業で使うようなアルトリコーダーの先端が突き刺さっている。
そのリコーダーの逆側の端を握っているのは、タヌキのような犬のような変な畜生。
尻への予想外の激痛に、ハイバトラーは患部を抑えて前のめりに倒れた。
ちょうど尻を高く突き上げる背徳的なポージングになってしまう。
リコーダーは刺さったままだ。
畜生は続けて叫ぶ。
「どけどけどけぇぇぇい! 俺は楽譜が読めねぇんだ! ぽちちゃんはそう言うと力の限り笛を振り下ろし続けた! いつまでもどこまでもおはようからおやすみまで」
どこから取り出したのか両手に一本ずつ握ったリコーダーで白タイツの尻を左右交互に打ち据える。
尻を集中的に打たれ続けるハイバトラーは、両手で顔を隠すとふるふると首を振って苦痛に絶えるばかりである。
目の前で起こったぽちインパクトに、窮地だった光速天使は救われた訳だ。
周りのハイバトラーは仲間が謎の小動物にやられる様を見て動揺を隠せない。
やがてぐったりと動かなくなったハイバトラー。
「ふぅ〜危なかった! 俺の反応速度があと5秒遅れていたらドレミファどころかソラシドまで・・・」
満足気に額の汗を拭う。
地べたに倒れたままのひとみは、突如として現れたぽちに面食らっている。
712750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/29(月) 03:06:44 ID:nM4pHW3p
「あ、あのねぇぽちちゃん・・・助けてもらえるのは嬉しいんだけどさ・・・」
「コラてめぇひとみ! 気を抜いた結果がコレだ! 今マジで殺されるところだったじゃねーか!!」
セリフだけ聞くと真剣そのものだが、白タイツの尻に刺さった笛を抜き取りながらなので台無しである。
よろよろと立ち上がりながらライトニングエンジェルは弁明を試みる。
「うー・・・だってこんなのが居るなんて知らなかったんだもん・・・」
ひとみにとって、全身白タイツの上級戦闘員は今日初めて相手に迎えた敵だった。
しかしそれに加え、自分の油断と力不足もあった事は否めない。

「ふん、まぁ説教とお礼の三泊四日豪華ひとみお触りの旅は後にしといて、だ」
「そんなお礼しないよ」
「この変態過激失禁サドエロタイツ軍団は俺に任せろ」
「・・・え?」
仲間を下品な手段(笛浣腸)で倒された怒りからか、残り四人のハイバトラーがいつの間にかひとみとぽちを包囲している。
人語を解す小動物は両手のリコーダーを握りなおすと不敵に笑った。
「最近身体も鈍ってた所だ、運動にゃちょうどいい」
この小さな畜生は、どうやらハイバトラー四人を一匹で相手しようと言っているらしい。
一人は隙を突いたのでぽちでも倒せたが、ガチで戦えばこの白タイツ一人ひとりの戦闘力はかなりのものだ。
「そんな・・・ぽちちゃん一人じゃ無理だよ! わたしも一緒に・・・!」
「黙れエロス。お前はあっちの退屈そうなボスキャラの相手してやれ」
言いながら、少し離れた瓦礫の山の頂上に座り戦況を傍観している大男を見据える。
確かに退屈そうにしているが、そこに居るだけで威圧感は凄まじいものがあった。
肩に担いだ大砲が鈍く光る。
「あぁ? 何だ、俺様と戦るっつーのか?」
ハイバトラーを召喚した後全く話にノータッチだった彼だが、別に忘れていたわけじゃないんですよ。
「正直今のお前で勝てるかどうかは分からんが」
格好付けているくせにそういう事を言うぽち。
「・・・勝率は?」
「いって8:2」
「望み薄っ!?」
聞かなきゃ良かった。いつだってひとみという女は後悔ばかり。
713750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/29(月) 03:07:21 ID:nM4pHW3p
「じゃあ逃げるか?」
「う゛・・・」
「まぁこいつらから逃げれる確率の方が低いがな・・・それ以前に」
ぽちは続けた。
「逃げたら仇なんか討てねーけど」
「・・・・・・見てたの?」
「見てた。お前の財布から抜いた金で買ったデジカメで撮った」
「・・・何勝手な事してんの」
ひとみは小動物の犯罪まがいな行動へのツッコミを入れるが、目はぽちを見ていない。
頭の中に再生される、少女の泣き顔。そして彼女の父の亡骸。
それらの元凶となった筋肉男を真っ直ぐに睨みつけている。
「腹括ったか?」
「キミに初めて会った時から括ってる」
「よし分かった黙れ。一暴れして来い」

ひとみは両腕を胸の前で交差させた。
すると、再び彼女を光が包み込む。
変身した時より強い光に包まれたひとみの背中に、大きな翼が生えた。
しかもその翼は、彼女の身体を包むのと同様の眩い光によって形を成している。

「・・・ひとみ、いきます!」

どこかで聞いたようなセリフと共に、光の天使が猛スピードで飛んだ。
ハイバトラーの包囲を抜け、目指すは大砲筋肉男だ。
714750cc ◆dlM1fNTXd. :2005/08/29(月) 03:08:50 ID:nM4pHW3p
連投失礼しました。
無駄に長くて失礼しました。
寒くて失礼しました。
・・・逝って来ますorz
715名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 03:55:36 ID:aqchyv+w
自分の息子よりも幼い少女に対して
自分のことを「お姉さん」といってしまう
ノー天気なヒロインに萌え。
しかも面白い。

し、しかし、エロはどこo(・_・= ・_・)o キョロキョロo
エロシーンがないと、エロパロ板に投下する意味が…
今後の展開に期待。
716名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 05:52:52 ID:4mNItPOE
萌えと笑いが上手くミックスされてていい!
この後筋肉男にボロボロに痛め付けられる展開期待。
何はともあれ750ccさんGJ!
717名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 05:59:45 ID:JaN0zG8z
萌えないし抜けないし…
だが、そんなものはこれから抜かせてくれればなんの問題もない。
718名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 11:39:41 ID:dFOB2LC8
エロは次回さね。
小動物にもエロエロされろ。
719名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 19:46:09 ID:x8yVIPmf
ナナハン、謝るくらいならSS落とすな
ハッキリ言ってアンタの態度はウゼェよ
ホントに逝く気なら止めないが、二度と来るな
720名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 21:57:57 ID:K68U9bQX
時々変なのがいるが、いい流れだな。
期待作が二つ同時進行してる。とりあえず俺も期待。
最後まで、特に750cc氏はエロパートまで頑張ってくれい。
いや、今の段階でもそれなりに面白いが。
721名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 00:42:00 ID:2bhq512y
ナナハン氏の語り口好きなんで頑張ってほしい
ひとみタソがこの後どんなひどい目に遭うのか楽しみです
722名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 00:56:41 ID:IvFgNgZr
書くなら堂々と投下しろと言う意味では?
言い訳や叩き予防の自分語りは漏れも聞きたくない
折角の作品まで貶めることになるよ
堂々と落として評価を待てばいいじゃん
自信あるからこそ投下してるんでしょ?
723名無しさん@ピンキー:2005/08/31(水) 00:19:09 ID:RwSYqd45
>>722
何にせよ>>719みたいなカキコはどうかと思う。
ただでさえ過疎スレなのにこんな書き込みが目立ってくるような事になったら、
このスレでSS書いてくれる人なんていなくなっちゃうよ。
724名無しさん@ピンキー:2005/08/31(水) 19:19:26 ID:t8gEhEps
そうだよ!ナナハンさんに読ませて頂いてるんですから。
719さん。
お前がどっか逝け!
725処刑!ワンダー・ウーマン :2005/09/01(木) 03:46:44 ID:XYr6WDDk
 2002年の8月が終わりを迎えようというある日の午後。
 IADC(Inter Agency Defence Command)に勤務するダイアナ・プリンスは、遅めのランチをとるためにニューヨーク5番街を歩いていた。
 最初に異変に気付いたのは東洋系の若者であった。
「あれは何だ」
 通りを歩いていた人々が天を仰ぎ、空の一角を指さす。
 つられて空を見上げたダイアナは、上空を旋回している小型ジェット機を認めた。
 前衛的なデザインの機種は見慣れぬ物であり、黒一色の機体には国籍マークは付いていない。
 全体的なフォルムはアメリカのデザイナーの手による物とは明らかに異なっている。
 異様に長く、針のように細い機首はアンテナのようにも見えた。
「新型機のデモ飛行かな?」
「それにしちゃ、こんな町中の低空で……」
 市民は勝手な想像を口にしながら、不快そうに眉をひそめている。
 ダイアナは規制の厳しいこの空域に、あのような不審機が侵入できたことを疑問に思う。
「おいっ、あいつ企業センタービルに体当たりする気じゃ?」
 旋回を続けていた黒いジェット機は、南にそびえ立つ企業センタービルに機首を巡らせると一気に加速を始めた。
 市民に昨年の惨劇の記憶が蘇り、通りはパニックに包まれた。
「いけないっ」
 ダイアナは北へと走る人の濁流に逆らうように進む。
 そしてビルの谷間に滑り込むと、両手を左右に開いて回転を始めた。
「ワンダァ〜・ウ〜マン」
 次の瞬間、光の大爆発が彼女の体を包み込む。
 光の洪水の中でダイアナ・プリンスの体は本来あるべき姿に戻る。
 真紅とブルーを基調とし、腰回りに白い星形を散りばめたレオタード。
 胸部を守る鷲の図柄と腰に巻き付けた幅広のベルト、そしてティアラとリストバンドは眩いゴールドである。
 これぞ全米に知らぬ者とていない、ワンダー・ウーマンの正装である。
726処刑!ワンダー・ウーマン :2005/09/01(木) 03:47:43 ID:XYr6WDDk
 ワンダー・ウーマンは頭上に迫りつつある黒い戦闘機を睨み付けると、全力で跳躍した。
 驚異のジャンプ力で手近なビルの屋上に飛び上がったワンダー・ウーマンは、更に高いビル目掛けてジャンプを繰り返す。
 目も醒めるような跳躍で戦闘機の飛行高度まで飛び上がった彼女は、空中でガッシと機首を受け止めた。
 謎のジェット機は機首にしがみついたワンダー・ウーマンごと企業センタービルに突入していく。
 ワンダー・ウーマンは軽く振り返ってビルまでの距離を確かめると、タイミングを計って両足をビルの壁面に付けて踏ん張った。
 ワンダー・ウーマンとジェット機の力比べが始まった。
「うぅ〜むぅっ」
 全力で機体をコントロールしようとするワンダー・ウーマン。
 しかし双発ジェットエンジンの推力は想像以上に強力であった。
「オワァォ」
 一際エンジンの推力が増し、ワンダー・ウーマンのパワーがねじ伏せられかける。
 しかし彼女の脳裏に、昨年9月に起こった忌まわしいテロ事件が浮かび上がり、新たな力が湧き上がってくる。
                                 ※
 当時彼女は別事件でアジアを訪れていたのにも関わらず、世論はテロを防げなかったスーパーヒロインを責め立てた。
 その裏には彼女に関する報道権を独占しようとして失敗したABCネットの目論見があり、時の世論はマスコミによる情報操作に踊らされたのである。
 それに飛び付いたのが、彼女のコスチューム姿が少年に与える性的悪影響を憂える教育団体、そしてマフィアを始めとする犯罪者集団である。
 全米教育委員会はワンダー・ウーマンにスパッツ着用を義務付けさせようと政府に圧力を掛け、マフィアは彼女とテロリストの仲を疑うような中傷を垂れ流した。
 幸い集団ヒステリーは長くは続かず、騒ぎは表面上鎮静化したように見えた。
 しかしいったん根付いた彼女への不信感は、市民の深層心理に刻み込まれてしまった。
 特に貧困層にはまだ根強い反感が残っており、スラム街へはとても一人で足を踏み入れることは出来ない。
 ワンダー・ウーマンと市民の離反が真の目的というなら、テロリストたちの目的は充分に果たされたといえた。
727処刑!ワンダー・ウーマン :2005/09/01(木) 03:48:47 ID:XYr6WDDk
                                 ※
「アレの二の舞はゴメンだわ」
 ワンダー・ウーマンは機首部の外板を捲り取ると、ジェットエンジンの空気取り入れ口に投げ込んだ。
 ローターが傷つくガリガリッという異音に続き、右のエンジンが炎に包まれる。
 途端に力を失った戦闘機はガクリと機首を下げた。
 ワンダー・ウーマンはその機首を腋に挟んだまま、降下地点をコントロールする。
 そして眼下に避難の済んだ公園を見つけると、そこを目標を定めて緩降下していった。
 問題は着地の瞬間である。
 ショックを与えれば大爆発は免れない。
「私の力で上手く支えられればいいけど」
 故郷を離れ、都会暮らしの長い彼女である。
 汚染された大気や化学薬品漬けの食品は、確実に彼女のスーパーパワーを損なわせていた。
「やるしかないわ」
 覚悟を決めたワンダー・ウーマンは、出来るだけ落下速度を落とそうと降下角度を調節する。
 そして着地の瞬間、膝のバネを最大に生かして踏ん張った。
「うぐぅぅぅ〜っ」
 歯を食いしばって数百トンの圧力に耐えるワンダー・ウーマン。
 しかし力の衰えは自分の思っていた以上に進行しており、ドスンと尻餅を付いてしまう。
 それでも彼女が極限まで衝撃を抑えたことにより、ジェット機は機首を大破させただけで爆発は免れた。
 ホッとしたのも束の間、エンジンの燃料系統に火が回り、吹き上がる炎が激しさを増してきた。
「逃げなくちゃ」
 至近距離大爆発に巻き込まれたら、ワンダー・ウーマンといえども只では済まない。
 だが、全力を出しきった直後の彼女には、立ち上がる力すら残っていなかった。
 仕方なく俯せに倒れたまま、両肘を使って地を這うように前に進む。
「駄目だわ……」
 彼女があきらめ掛けた時、ジェット機の両翼からもうもうと白いガスが吹き上がった。
728処刑!ワンダー・ウーマン :2005/09/01(木) 03:49:22 ID:XYr6WDDk
 エンジンがガスに包まれると、荒れ狂っていた炎が嘘のように収まった。
「自動消火装置? 助かったわ」
 彼女は大きく溜息をついて胸を撫で下ろした。
 しかし、全ては仕組まれた罠であったのだ。
 公園の茂みからわらわらと出現した黒ずくめの男たちがワンダー・ウーマンを囲み込む。
 ワンダー・ウーマンは首を起こして男たちを見上げる。
「あっ……あなた達は?」
 その問いに答えず、一人の男がワンダー・ウーマンに覆い被さり、腰のベルトとラッソーを剥ぎ取った。
「あぁっ。ベルトを返しなさいっ」
 力の源を奪われた彼女はたちまち只の超美人になりさがる。
「私の秘密を知っている。何者なの?」
 次いで蹴り転がされ、仰向けになった彼女の口元に湿った布が押し付けられた。
「ふぐぅむぅぅ〜っ……クロロフォルム……だ……わ……」
 青く澄んだ瞳が次第にトロンとなっていき、やがて完全にまぶたの裏に隠れてしまった。
 そこに救急車が突っ込んできて急停車する。
 男たちは失神したワンダー・ウーマンを救急車に乗せ、自分たちも荒々しく乗車した。
 何度も訓練したのであろうか、男たちは終始無言で動きに無駄はない。
 数名掛かりでワンダー・ウーマンからコスチュームを脱がせに掛かる。
 衣装の下から、完璧としか形容のしようがないボディーが現れた。
 生唾を飲み込む音がしたが余計な行動に出る者はおらず、彼女の両足を開脚台に乗せてM字開脚に固定した。
 使い込まれて色素の沈着した、大人の女性器が顕わになる。
 秘中の秘とされるワンダー・プッシーが遂に人目に晒された瞬間であった。
 踏ん張った時に尿漏れしたのか、少し湿り気を帯びているようである。
 白衣を着た隊員がズボンの前をパンパンに膨らませて彼女の股間に割り込む。
 そして手にした奇妙な医療器具をワンダー・ウーマンのその部分に慎重に挿入した。
729処刑!ワンダー・ウーマン :2005/09/01(木) 03:50:13 ID:XYr6WDDk
「うっ……うぅ〜ん……」
 気を失っていても感じるのか、激しい痛みのせいなのか、ワンダー・ウーマンが眉間に皺を寄せて呻き声を上げる。
 余程繊細な作業なのか、白衣の隊員は額に汗を浮かべて指先を小刻みに動かしている。
「うぅっ……うむぅぅぅ〜」
 股間の包皮が捲り上がり、ワンダー・ウーマンにとって最も敏感な肉芽が飛び出してしまう。
「感じているんだぜ、やっぱり」
 一人の男が呻いた時、ようやく股間から器具が引き抜かれた。
「やった……」
 白衣の隊員は激しく呼吸をしながら、針のように細い管を見詰める。
「よしっ、任務は完了した」
                                 ※
 救急車の後部ドアが開き、コスチュームを身に纏ったワンダー・ウーマンが転げ落ちてきた。
「う……うぅ〜ん……」
 ワンダー・ウーマンは今だ意識を失っており、立ち上がることは出来ない。
 救急車はサイレンの音を響かせながら発進し、公園の門を右へ曲がる。
 そして車の列に紛れ込み何処かへと消えていった。
 後には仰向けに失神したワンダー・ウーマンが取り残された。
 その右手にはしっかりとワンダー・ベルトが握らされていた。
                                 ※
 その一件があってから3年が経とうとしていた。
 結局あの事件は何だったのか。
 例のジェット機はリモコン操作の無人機で、何の手掛かりも残っていなかった。
 あの後直ぐにIADCの医療センターで徹底的な精密検査を受けたダイアナだったが、体のどこにも異常は見つからなかった。
 体内に何かを埋め込まれたような形跡もなく、事実今日まで何事もなく過ごしてきている。
 そしていつしか事件の記憶はダイアナの頭の中で風化していった。
730処刑!ワンダー・ウーマン :2005/09/01(木) 03:50:46 ID:XYr6WDDk
                                 ※
 IADCの情報センターにボデガ・ベイ原発事故の速報がもたらされたのは、事故発生から僅か10分後のことであった。
 ダイアナは本部ビルの階段を駆け上がり、無人の屋上へと飛び出た。
 同時に光の爆発が巻き起こり、見えない飛行機インビシブルプレーンに乗ったワンダー・ウーマンが宙に飛び出す。
「炉心の暴走を止めれば、まだ爆発は防げるわ」
 制御室は強烈な放射能に汚染され、普通の人間では立ち入ることは出来ない。
 今カリフォルニアを救えるのは彼女しかいないのだ。
                                 ※
 大陸を横断してボデガに到着した時、事態は一刻の猶予もないほど切迫していた。
 既に避難を終えた無人の原発に降り立つワンダー・ウーマン。
 それを遠巻きに見守る州軍の兵士たち。
 ワンダー・ウーマンが信頼を回復させるには、市民サイドに立った実績を積み重ねていくしかないのだ。
 発電所に入った途端、人間の許容レベルを遥かに超えた放射能が襲いかかってくる。
「うぅっ、すごい放射能だわ」
 放射能は目には見えないが、陰毛まで縮れ上がるゾワゾワした感覚から、その強烈さは充分伝わってくる。
 神秘の力で防護されているワンダー・ウーマンといえど長時間の滞在は許されない。
 館内図で把握した制御室へ入ると、床に転がった技師の死体が彼女を出迎えた。
「拳銃で撃たれているわ」
 何者かが原発事故を装って大惨事を招こうとしていることは明らかであった。
「何者の仕業なの」
 しかし今は炉心の暴走を食い止めることが優先する。
 ワンダー・ウーマンはコンソールのレバーを幾つか操作して炉心を制御する。
 そうしている間にも放射能は彼女の全身に襲いかかり、被曝を防ぐためにエネルギーがどんどん消費されていく。
 エネルギーが尽きた時、彼女を守る神のご加護もまた失われるのだ。
 ようやく炉心温度が下がり始めた時、ワンダー・ウーマンのエネルギーはその大半が失われていた。
731処刑!ワンダー・ウーマン :2005/09/01(木) 03:51:31 ID:XYr6WDDk
「逃げなくちゃ」
 任務を終えたワンダー・ウーマンは制御室を後にしてロビーへと向かう。
「……?」
 その時ワンダー・ウーマンは、通路の向こうからゆっくりと歩いてくる人影を認めた。
 その人物は大気すら歪もうという強烈な放射線の嵐の中を悠然と歩いてくる。
「ここは放射能に汚染されていて危ないわっ。すぐに待避して……」
 ワンダー・ウーマンは警告しようとして、途中で口をつぐんだ。
 目の前の人間は防護服すら付けていない全くの平服だったのだ。
 普通の人間なら一秒とて生きていられない環境であるにも関わらずである。
 黒に統一された軍服の胸は大きく盛り上がり、それが女性であることを物語っていた。
「むっ?」
 ワンダー・ウーマンの目が、女性の袖に付いている腕章に止まる。
 血のように赤い腕章に白い円が染め抜かれており、円の中には鉤の付いた十字が黒々と描かれていた。
「ネオ・ナチ? これはお前たちが仕組んだテロだったのね」
 女性士官はワンダー・ウーマンの質問には答えず、黙ったまま深く被っていた軍帽を脱いだ。
 短く切ったプラチナブロンドを横に撫でつけた端正な顔が現れる。
 ハッと息を飲むような美人だが、氷のように冷たい目と薄い唇が、見る者に冷酷な印象を与える。
「私はクリスティーネ。会えて嬉しいわ、ワンダー・ウーマン」
 クリスティーネと名乗った女性中尉は、その実つまらなそうな表情のまま呟いた。
「残念だけど炉心の暴走は食い止めたわ。大人しく降伏しなさい」
 ワンダー・ウーマンはクリスティーネをキッと睨み付ける。
「原発なんかどうでもいいの。全ては貴女を誘き寄せて、エネルギーを浪費させるために仕組んだ罠だから」
 金髪女の台詞にワンダー・ウーマンは緊張する。
732処刑!ワンダー・ウーマン :2005/09/01(木) 03:52:14 ID:XYr6WDDk
 彼女の脳裏に、3年前の黒いジェット機事件の記憶が蘇ってきた。
 あの時はジェット機を食い止めるためにエネルギーを使い果たし、その結果不覚を味わった。
「その体では戦えないでしょう? 降参して頂戴。貴女を傷つけたくないから」
 クリスティーネが無表情にボソッと呟くように喋る。
 誇り高い戦士のプライドを傷つけられてワンダー・ウーマンの体が熱くなる。
「たとえエネルギーが残っていなくても、悪人に下げる頭は持ち合わせていないわっ」
 短期決戦しか許されていないワンダー・ウーマンは、一気に間合いを詰めて殴り掛かる。
 至近距離からパンチの連打が飛ぶ。
 しかしクリスティーネは瞬きひとつせず、全てを避けきる。
 そしてバランスを崩したワンダー・ウーマンの手首を逆手に握ると、ねじ上げながら見事な背負い投げで床に叩き付けた。
「うぐぅぅっ」
 肺中の空気を吐き出してワンダー・ウーマンがのたうち回る。
「貴女の力はこんなものなの?」
 クリスティーネが敵に与えたダメージを計算するように、冷酷な目で見下ろしてくる。
「なっ……なんの」
 ヨロヨロと立ち上がったワンダー・ウーマンに、今度は鋭い回し蹴りが襲いかかった。
 革製のブーツがブロックをかいくぐって延髄に炸裂する。
「むぐぅっ」
 途端に目の前が真っ暗になり、ワンダー・ウーマンは再び床に崩れる。
 戦闘力の差は歴然としていた。
 圧倒的なスピードとパワーを目の当たりにして絶望感が漂う。
「いい加減にして頂戴。もう時間が無いのだから」
 ワンダー・ウーマンは忠告に従わず、壁にすがって立ち上がろうとする。
「仕方がないわ……」
 クリスティーネは諦めたように溜息をつくと、両腕を左右に大きく開いた。
 そして……。
733処刑!ワンダー・ウーマン :2005/09/01(木) 03:52:49 ID:XYr6WDDk
「ヴァンダー・フラウ」
 掛け声と共に回転を始めた彼女の体が、光の爆発に包まれた。
 次の瞬間、クリスティーネの体から軍服が消し飛んで、血の色をしたレオタード姿に変貌を遂げる。
 ナチスの軍旗をモチーフにした紅のレオタード。
 股間の切れ角はワンダー・ウーマンのコスより更に先鋭化している。
「ヴァンダー・フラウ?」
 つまりドイツ式ワンダー・ウーマンというところか。
 突然のことに茫然自失となるワンダー・ウーマン。
「初めましてお母様」
 クリスティーネがきちんと会釈して挨拶する。
「お母さま? 私に娘なんかいないわ」
 心理トリックに掛かるまいと、ワンダー・ウーマンはムキになって否定する。
「3年前のジェット機事件は覚えておいででしょ。私はあの時、貴女の体から採取した卵子を元に作られたの」
 ワンダー・ウーマンの頭の中で、3年越しの謎が一気に符合する。
 敵は彼女に何かを埋め込むのが目的なのではなく、奪い取るのが目的だったのだ。
「理屈で言えば、貴女の娘に間違いないでしょう」
 ヴァンダー・フラウはそっぽを向くと、その場に立ちつくす母親を流し目に見た
 敵の言葉を俄に信用するわけにもいかず、ワンダー・ウーマンは狼狽える。
 第一、目の前の女はどう見ても20歳前後ではないか。
「けど私の血の半分は、世界に冠たる優秀なドイツ人のものなの。貴女みたいな野蛮人が母親だなんて不愉快だわ」
 クリスティーネの目が細く狭められ、冷たい殺気が漂い始める。
「だから私が殺して、恥ずかしい過去を葬り去ってやるの」
 いきなりワンダー・ウーマンに飛び付いたクリスティーネは、万力のような力で首を絞めに掛かる。
「あぐぅぅぅ〜っ」
 苦しみ悶えるワンダー・ウーマン。
「ただしABCの全米中継のカメラの前でね。貴女を公開処刑すればアメリカの戦意も一気に喪失するでしょうね」
 クリスティーネの台詞は、半ば失神したワンダー・ウーマンの耳には届いていなかった。
734名無しさん@ピンキー:2005/09/02(金) 19:02:29 ID:mF/XDkLM
スレッドの容量制限が近いので、次スレが必要かも
735名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 00:37:21 ID:Q6WcdIQ9
次スレ立てようとしたけどダメだったわ。
誰かよろしく。
736名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 04:17:48 ID:BoUtBOkP
よし、やってみる
737名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 04:30:11 ID:BoUtBOkP
建てたよー
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1125775726/

即死しないようにしばらく書き込み頑張ろう。
738名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 20:42:11 ID:8P9lxB/o
739名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 22:07:42 ID:3QRTaK8b
そろそろ埋めるか?
740名無しさん@ピンキー:2005/09/12(月) 01:37:05 ID:DmBdurhh
そうだな。さっさと埋めよう。
741名無しさん@ピンキー:2005/09/12(月) 06:41:53 ID:I8R4ofsr
742名無しさん@ピンキー:2005/09/12(月) 22:40:18 ID:sdevZaFq
産め
743名無しさん@ピンキー:2005/09/12(月) 23:10:20 ID:DmBdurhh
生め
744名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 14:28:53 ID:aRRKz80g
宇目
745名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 23:13:56 ID:gkbJmeM9
746名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 07:04:18 ID:k26ENTX7
747名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 22:35:21 ID:g+K5FyXl
う゛
748名無しさん@ピンキー:2005/09/27(火) 18:46:24 ID:Rkhz5Nwk
うめー
749 ◆dara.q6OFI :2005/09/29(木) 13:42:29 ID:GIEFsyW1
処刑!!ワンダーウーマンの続き期待
750名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 23:54:40 ID:BlfG4h1M
それはとりあえず次スレでよろしく。
751名無しさん@ピンキー