ドラゴンクエスト官能小説Part7

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1エロパロの戦士たち
前スレ
ドラゴンクエスト官能小説Part6.1
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1050741274/

【過去ログ】

DQ官能小説スレッド
http://piza.2ch.net/ff/kako/985/985891159.html
ドラゴンクエスト官能小説Part2
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1000/10004/1000480987.html
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ドラゴンクエスト官能小説Part4
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1012/10125/1012554597.html
ドラゴンクエスト官能小説Part5
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1028045517/l50

小説保管サイト「FF・DQ千一夜物語」(過去ログもあります)
http://www3.to/ffdqss

【お願い】
・男×男の小説は801板でお願いします。
2てんちょう:03/12/17 18:44 ID:V8SmQU1Q
2げとー
3名無しさん@ピンキー:03/12/17 18:51 ID:np7PWLcD
即落ち防止で前スレのレスをこっちに書いてみる。

>神の子供達
かっちょいー魔法使いですね。
相変わらずオリジナリティある世界が素敵です。
エロもエロいw

>帝王と勇者
ポルトガ王、そうきましたか。
女勇者と仲間たちとのやり取りが好きだ。
4名無しさん@ピンキー:03/12/17 18:54 ID:NpgF3Ml/
>1
お疲れー!
即落ち解除になるのは30KBだっけ?
先は長いな……。

>改名さん
2作品も! 乙です。
よかったよー。ライトカコ(・∀・)イイ!
5名無しさん@ピンキー:03/12/17 19:03 ID:EAh1laPD
>>1
乙〜
たまには6でなんか書きたいなあ
6名無しさん@ピンキー:03/12/17 19:43 ID:mleJb7ah
即落ち防止協力カキコ
7名無しさん@ピンキー:03/12/17 21:49 ID:j9vNj32+
かきこ。
8名無しさん@ピンキー:03/12/17 21:55 ID:E4pTBPqP
女ホイミンとライアンのエロエロ小説はあった?
あるなら過去ログ捜してくる
9名無しさん@ピンキー:03/12/17 22:16 ID:5F1X4c8I
さすが改名さんだ……ため息しか出ない。
リアもバリーちゃんもやっぱし大好きです。
10名無しさん@ピンキー:03/12/17 23:34 ID:xd4O+bPT
即落ち防止に協力します
11名無しさん@ピンキー:03/12/18 00:01 ID:PKyjLlNv
さらに強力
12名無しさん@ピンキー:03/12/18 00:09 ID:5wQ4KKC5
>>8
どこかに人間女ホイミンとライアンのがあったと思う。
なんかいいところで、職人さんが消えちゃって未完ではあるけどね。
エロエロというより萌え萌えだった。
13名無しさん@ピンキー:03/12/18 01:49 ID:lke2dYDI
即落ち防止協力。

それにしても、連載途中の方々はどこに行かれたのかのう。
14名無しさん@ピンキー:03/12/18 02:10 ID:Cy6EKKsI
改名きもい
15名無しさん@ピンキー:03/12/18 03:05 ID:UuRpOIHE
5萌えしながら協力パピコ。

>>1さん乙!
16名無しさん@ピンキー:03/12/18 04:27 ID:lJlY5BDq
ここってものすごく書きにくいスレだよね。
書く人をいつも上から見下ろしている感じがする。
人気キャラを書けば腹いっぱいと言われ
完結まで一気に書けば長文ウザイと言われ 
続き物書けばスルーされ
たまに投下があればわざわざその直後に別のサイトの人の話をはじめ
投下伺いがあれば「よっぽど自信があればどうぞ」といわれ……

どんなに、下手糞でも
書いているうちに上手くなるかもしれないし
今までに書き古されたような話でも
一文、台詞の一言まで同じではないだろうし……

なんとかならんか
17名無しさん@ピンキー:03/12/18 05:59 ID:6jQbRUJ7
>16のように、突然、いきり立って長文書いて、ますます
職人さんを引かせるヤシもいるしナー。

マジレスすると、2ちゃんで自分以外のレスをコントロール
しようとしても無駄。反発喰らうだけ。
スレの雰囲気を変えたいと思うのなら、積極的に感想つけたり、
萌え話したり、まず自分が盛り上げる努力をしないとね。

確かにこのスレ住人の反応は大人しいが、むやみやたらと
叩くだけのレスが少ないだけマシとも言えると思う。
18名無しさん@ピンキー:03/12/18 06:22 ID:W7uGSDVL
>>16
うーん・・・そうでつかね?住民の多い今ならそんなことはないと思うけど
それに投下直後に別の話題がはじまったりするのはこのスレに限ったことではないし、
単に人がいなかったりするだけだと思われ。第一ここはネタ半分の2ちゃんねる匿名掲示板
ウザイだのヘボイだのと言い捨てて行くだけの一言居士は気にしなくてもよろし
どーせ何読んだって自分の思い通りにならなきゃ気に入らないって香具師らだから

連載作品については、改名先生たちのレベル高い作品は感想書くスキがない
でも文学作品に対して乙や(・∀・)イイ!!で済ませるのはかえって失礼・・・
小説スレの住人というのも楽じゃないでつ(´・ω・`)

>書く人をいつも上から見下ろしている感じがする
一切構わない。職人を褒めちぎって馴れ合ってばかりいれば私物化スレと化してしまうし、
よほどの天賦の才がない限り、小説のウデは読書量と推敲の繰り返し、読者からの批評で育つもの
職人候補生に必要なのは、人に見せるだけの覚悟と批評を受け容れるだけの度量でせう

>今までに書き古されたような話でも一文、台詞の一言まで同じではないだろうし
こればかりは、読者側とすれば作品読んでみないとわからない。書き手の読書量によるわけだし
ただ一つ言うと、やりつくされてパターン化された惰性ネタを読むのは辛いし痛い
(例:「男が女に別れを告げて旅に出る」→「男を好きだと気付いた女が追う」→「ハッピーエンド」)
上と重複するけど、ありきたりだマンネリネタだと叩かれてモウカカネエヨ!!と叫ぶような香具師は職人にはなれない

とまあそうゆーわけで、どなたか新スレ記念、あるいはクリスマス記念で作品おながいしまーす
19名無しさん@ピンキー:03/12/18 06:49 ID:lJlY5BDq
うん、17,18さんの言わんとしていることはわかるけど、
下手糞だとか
重複が読まないと判らないから辛い、痛いなら
黙ってスルーさればいいのでは?

スルーは、普通にスルーすればいいだけのことで
それは他の作品のスレでもよく見るからなんとも思わないけど
わざわざ、投下直後に閉鎖サイトの話をして
「あの人は良かった」っていいだすのだけは辞めて欲しい。
前スレで3回もあったよ。
同じ書き手への、そのタイミングでのラブコール。
書き手ではないけど、見ててあっちゃーだ。
過疎スレなんだから、雑談タイミングなんて幾らでもあるだろうに
わざわざ狙ってやっているように思える。
20名無しさん@ピンキー:03/12/18 08:14 ID:hZ4raNuj
即死阻止のためにも便乗カキコ。

(>書く人をいつも上から見下ろしている感じがする)
>一切構わない〜職人候補生に必要なのは、人に見せるだけの覚悟と批評を受け容れるだけの〜
これはちょっと違うのでは。
他人からの指摘等で書き手の文章力が育つってのは確かだけど、
ココはそこまでして「批評を与えて育てるスレ」なのかなぁ、と。

イイ職人になってもらいたい、そして職人は育つモノだとしても、
読み手としてはムリに育てようとするのではなく、
来るまで待つ、というのが基本姿勢だと思うんですけどね。
期待からプレッシャーかけて、結局書き手がいなくなったらそれこそ本末転倒ですし(; ´Д`)

より高度に、高度にと求められる商業作品、またハナっから「文章を評価するスレ」ならともかく、
何が何でも批評せねばならない、細かい部分まで(自分の好みを重ねたりして)指摘せねばならない、
そうやって追い立てれば、書きたい物を書く、という書き手の根本的なやる気を削いでしまう気が。
様々なレベルの作品を匿名で自由に持ち寄れる、
こういう単品スレはもともとそういう雰囲気で作られてきたのでは?

自分としちゃあ、よほどの事(描写が必要以上に残酷等、スレの雰囲気を壊すような)や、
文法上これだけは、というもの(全く改行がない等)でない限り、
>>19と同じく、読み手個人の好み云々、多少の文章レベル云々で、
自分に合えばレスつけ、合わなけりゃスルー、
それぐらいでいいと思うてます。
長文&微妙にスレ違いスマソ。
21名無しさん@ピンキー:03/12/18 10:39 ID:aURn2gPO
ああ、前スレ901と919ね。
あれは意図があるでしょ。
22名無しさん@ピンキー:03/12/18 13:41 ID:/PBfKJdV
言っていい?
長文ウゼー

自己主張を声高に言い立てて、スレの雰囲気を壊している点では
どっちもどっち。
んなものダラダラ書き綴っているヒマがあったら感想のひとつでも
書けと。ID変えて4つ、5つ書くぐらいの根性を見せろと。
常接だって、1日に1個ずつは書けるんだからさ。
自分から変えようとしない限り、スレは変わらないよ。
23名無しさん@ピンキー:03/12/18 19:05 ID:/ETIzXIc
>>22
だから、即死防止って言っているでしょ
24名無しさん@ピンキー:03/12/18 21:07 ID:Ude3LgSC
>>22
ROMってても、意見を交換してるだけのように見えるが、
それでも長文ウゼーで片付けて健気に待つ>>22萌え。

荒らしてるでもなし、作品間隔の合間にいくつか感想以外の意見が出るぐらい、
別にあまり気にもせんがね。
むしろレスした者同士(それか他のROMでも)が違う見方に気付けば、
それはそれで無意味とも思わん。
さすがに今後、20も30もレスが続けばどうかと感じるが。
25名無しさん@ピンキー:03/12/18 22:14 ID:FmbGecU3
まず22が率先して実行するべきだ。
それから言え
26名無しさん@ピンキー:03/12/19 01:16 ID:fsKJ2CRR
まだ安全圏じゃないからまあ、好きなこと話しててもいいとは思うが
書き手が投下しやすいスレにするってのも大切なことだとか思ったり。

ということで、お前らの好きなシチュエーションとか聞いてみる。
漏れは女の子が快楽に堕ちるような、ちょっと鬼畜系入った展開が
好きだ。リアルに痛いのはダメだけどさ。
敵に捕らわれた女勇者があーんなことやこーんなことされるのに萌える。
27KINO ◆Nq.KINOKeY :03/12/19 13:31 ID:3s5UxcDL
改名さんを待ちながら、保守と。
官スレはエロパロの中でも敷居は高いと思う。個人的見解だけども。
書いたとしても排出されることもおおい。確かに書き手を育てるのは読み手だけれども、
始めから排他的だと誰も書かなくなるんじゃないんだろうか?と。
ここに久しく投下してない自分が言っても説得力はないけども。

官スレは書き手が沢山居たはず。
改名さんを始めとして。
そして自分の様に改名さんに影響されてSSを書き始めた香具師もいます。
時間があれば自分もまた投下したいんですけどね〆(゚▽゚*)
28名無しさん@ピンキー:03/12/19 15:03 ID:bReXWk3l
正直言って、改名至上主義で書きにくい。
改名氏だけが今までのこのスレを育てて来たんじゃないだろって
思うけど、何かというと名前を出す人がいるよね。
本人はもうあまり余計なことを書き込まなくなったけど
至上主義者は変わりませんな。

ま、そんなことを思いながらここを見てるヤシもいると
ちょっと思っておいて欲しいってことで。
29名無しさん@ピンキー:03/12/19 19:06 ID:sFpqfZw9
改名氏はなあ…書くものが俺設定満載なのは個人の好き好きだから
いいとしても、

801板だったかで「漏れのSSパクった」って他の人に言いがかりつけてたのが痛杉
あの時はさすがにこのデムパさっさと自サイト作って引っ込めと思った。
まあこういうヤシもいるって事で。
30名無しさん@ピンキー:03/12/19 19:27 ID:ZbHum6ce
確かにあれは電波だったな。改名氏のは漏れは話が好きだからいんだが
そのあとの余計なレスはいらんな。

>27の言うことも分かる。
このスレは書き手には結構辛辣なスレだから。
そして>28も。
ただ、改名氏だけがスレが引っ越してもコンスタントに投下してるってのは事実だしな。

だれか盛り上げにSSを投下してくれないものだろうか?
>27、>28、も書き手ならばSSをよろしくだ。

これで30で即死回避になるか?
31名無しさん@ピンキー:03/12/19 19:40 ID:/5xInuaG
レスくれた方ありがとうございます。今は一部の方にレス返します。

>14 思い当たる事が多すぎます。住人様方すみません。
>28 私は自分の事を汚れだと思っているので、つい書き込みが多くなってしまいます。
書く量が多いから名前を挙げやすいんだろうと思ってますが。
>29
“あの時”と過去にしてくれていて幸いです。あの事は私だけが忘れずにいればいい事だと思って
ますので。

前スレ893さん、ブライとても良かったです。是非また書いて欲しいです。
32帝王と勇者 :03/12/19 19:42 ID:/5xInuaG
即死防止に
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1050741274/917
の続き

勇者と戦士はその女戦士サブリナと時を忘れて語らう。
魔王バラモスに挑み敗れ、カルロス昼は馬の体にされた。サブリナも単身バラモスに挑む。
バラモスはサブリナを侮らず、彼女は恋とも取れる尊敬を魔王に抱き始める。
しかし勝ちたいので色仕掛けで迫ったら、夜は猫になる術を掛けられた。
猫になってもサブリナは魔王を挑発し、バシルーラでポルトガへ飛ばされ帰って来た。
サブリナとカルロスの術はまだ解けない。
「結界を張っているらしい。異常な緊張だ。古い魔法も解けない状態だろうな」
男戦士がバラモスの事を話してくれた。アリアハンの近衛兵だっただけあって詳しい。
女が、猫になって床にストンと落ちた。
33名無しさん@ピンキー:03/12/20 02:24 ID:V3JXdGZE
連載書いていらっしゃる方におながい
「今回の投下終了」をきちんと明記していただきたい
34名無しさん@ピンキー:03/12/20 16:03 ID:s0ijtzze
どっちかというと改名氏はこのスレで育ってきた人だから、
愛着がある人が多いんだと思うが。
作品数も多いから、話題が多くなるのも仕方なかろう。
それでも、他の作品が投下されて放置されるわけでなし、
無問題だと思う。

ていうか、このスレの問題点はどっちかというと放置連載が
多すぎることだと思うが。
だからこそ、連載を放置しないでゆっくりペースでも書き続け
ている職人さんを大切にしたいという意識が働くんでないの。
35名無しさん@ピンキー:03/12/20 18:33 ID:apJMTSth
なんでそこまで書き手を「職人」扱いしなくちゃならん?
使い古されたネタ、放置された話・・・・
そんな奴等を「何が何でもマンセーして育ててあげる」ことが大事か?
36名無しさん@ピンキー:03/12/20 23:25 ID:MHlUN9DK
1年ぐらい前にちょこっとだけ投下したことある者です。
その時は書きたかったから書いた。本当はその続編を書くつもりでいたけど、
忙しかったのと、上手くまとまめることが出来ず現在に至ります。
でも未だに書くつもりでいるよ。

もちろん誰かに読んでもらえたらいいなと思うから投下する訳だけど
基本的には自分が書きたいから書いているから、マンセーして欲しい訳でもないし、
職人と呼んでくれる必要もない。
感想や批評がちょっとあればそれでいいよ。
37名無しさん@ピンキー:03/12/21 12:13 ID:y0t9ZbDy
いやそういうことではなくて、今回の投下はこれで終了と明記してくれないと、
そのすぐ後で投稿する人がいた場合、割り込みになってしまうんじゃないかと
気を揉む事になりそうだから33はそう言ってるんじゃないの。
38名無しさん@ピンキー:03/12/21 18:22 ID:Yshm2qc8
>37

36は34-35に対するレスでは?
39名無しさん@ピンキー:03/12/23 01:47 ID:d+sqqM8g
ぶっちゃけ、面白かったらマンセーするし、つまんなかったら
スルーする。それだけのことなのだが。
40名無しさん@ピンキー:03/12/23 02:03 ID:N9xidBNp
これで40か
41名無しさん@ピンキー:03/12/23 22:32 ID:96f6kexd
あまり長いこと放置されると、どんなにおもしろかった話も新たに続き書いたところで
色褪せて見えるね
42名無しさん@ピンキー:03/12/23 23:32 ID:Vt+bQFlp
それならそれで、昔はいなかった住人も
新たに読めていいのでは?
(確かに逆もあるけど)
そんなに高飛車にならなくてもいい気がする。
輝くために書き手さんも書いているわけではないだろうし。

「読んでやってる」「書いてやってる」ではなく
「読ませてもらう」「読んでもらう」にならんかのぅ。

って40レス越えてこんな話か。
43名無しさん@ピンキー:03/12/24 08:04 ID:UvkglY8+
書き辛ぇ〜
44名無しさん@ピンキー:03/12/24 08:15 ID:4elWeCcu
書いちゃえ書いちゃえ!
外野は気にするな!
45名無しさん@ピンキー:03/12/24 12:33 ID:ptCxJwsS
そろそろSSモード発動させましょ
というわけで…


なんでもいいから、DQのエロいSSが読みたいんだYO!!
46名無しさん@ピンキー:03/12/25 03:09 ID:/XAbuygS
ひとつのSS投下で雰囲気も変わるものです
47名無しさん@ピンキー:03/12/25 23:35 ID:FwKXhhH/
前スレ落ちたねー。
48名無しさん@ピンキー:03/12/26 00:07 ID:uAp/q8+a
なんでスレストされてんの?
49名無しさん@ピンキー:03/12/26 03:25 ID:TDGMS0Zv
>>48
 ★ 倉庫格納 ★ 
http://qb2.2ch.net/test/read.cgi/saku/1047244816/379

という依頼が出ていて、スレストになった。
次スレが誘導付きで立っていて、なかなか1000あるいは容量オーバーに
ならない場合はここで依頼すると前スレを停止してさっさと倉庫送りにしてもらえる。
50名無しさん@ピンキー:03/12/26 10:58 ID:j6oiNlWN
どちらにせよ1000まで埋め立ては意味ないよ。
余計に負担がかかるだけなのでさっさと倉庫行きにした方がいい
51名無しさん@ピンキー:03/12/27 01:01 ID:NJ/pkH2p
age
52名無しさん@ピンキー:03/12/27 20:20 ID:SzFWtKT4
>31 >書く量が多いから名前を挙げやすいんだろうと思ってますが。
×名前を挙げやすいんだろう → ○名前挙げた方が便利な(話が早い等)時もあるだろう
失礼しました。
53名無しさん@ピンキー:03/12/27 20:21 ID:SzFWtKT4
>18 >感想書くスキが…
前に、読んでくれた方の言われるままに(様々な意見の中間を取る形で)
話の形を変えていった事があります。(アリーナとクリフトの話)
あれ書いてて楽しかった。
連載物と言うのはそうした楽しみを放棄している形でもあるんですよね。
>27 
KINOさんの非常に読みたい。待ってます。
>28
私は“嫌い”“読まない”なんて言われているから
逆に“面白い”とか“好き”とか言い易い所もあったと思いますよ。
>30 
余計なレスを付けないと乗せられない文が多いです
>33 
あ、どうもすみません。
>34 
>どっちかというと改名氏はこのスレで育ってきた人だから
地力の能力が上がった訳では決してありません。だから“育った”とは言えません。
ただ、自分がこのスレで一度書いた物と似たようなのは書きたくないと最初からずっと思い続けているし、
このスレで何かを見て“ならば今、このスレでこう書こう”と書く事はありますけど。
そして私は、一人の人間の成長も良いけど、沢山の人間が書く事に見出したい所があります。
54帝王と勇者:03/12/27 20:23 ID:SzFWtKT4
>>32 続き

イスに座る戦士はテーブルにサブリナを乗せて、酒場の武闘家に紹介した。
「バリーの気配もするけど、居ないな…」
「すごいねあんた」
「ん?何か言った」
勇者の声が聞こえたと武闘家は思った。サブリナとは別の猫が静かに酒場のすみに座っている姿が見える。
(雰囲気のあるヤツだな)
子猫や子犬が彼女(猫)を見に来出して、その猫は尻尾で犬猫の子供等と遊んでいる。
(なんだあいつ…)
武闘家は自分も遊んでもらいたくなって猫を見詰めた。猫と見詰め合った。
(お前、好き)
男の心の声を聴いているのかいないのかそっぽを向き、猫は尻尾だけをフリフリ。

アッサラームで劇場のテントや踊り子の体にペイントする作品とは違う。
鑿を持たせると勇者は違う。
戦士は事によっては城に居る彼女を呼びに行かなければならないとも思っている。
長剣を持つ時に出るあの勇壮さが、鑿を持っている時も出ている。
誰にも真似出来ない、見るまでは想像も付かない、彼女だけの壮快さ爽やかさだった。
戦士は宿屋の扉をドン、ドンと叩いた。「おぉい」
その声に武闘家は返事しない。戦士が扉を開けると部屋には誰も居ない。
しかしベッドのシーツが隆起している。昼寝かとその膨らみを覗くと
「どう言う事なんだ」
といきなり美人に腕を掴まれた。
サブリナは豊満で瑞々しい乳房をシーツで隠しながら、ガックリとうな垂れた。
武闘家が途中で居なくなってしまったらしい。
部屋に大人しいモンスターが入って来たから追い出す事にして…抱えて持って部屋を出て、それから武闘家瑠璃は帰って来ない。
「あんた恋人が…」「だって」
服を着ろ。顔を落として彼女から反らし男戦士は言った。それが女から見て色っぽかったので
「一年なんもないの。それにあの人…嫌だね」
55帝王と勇者:03/12/27 20:24 ID:SzFWtKT4
堪えられないのは自分の欲求不満よりも、あの武闘家の猥褻さにだろうか。
男は何もしていないのに、声が良く、風情が艶めかしいので女の方が誘いこうなった。
今もサブリナは刺激された。戦士も良いからベッドにわざと隠れていたのだ。
「服を着ろよ」
「帰らないで」
この姿を見られた上で帰られた方が恥かしい。そしてこの欲望を何とか果したい女戦士である。
「あたし駄目?」
抜群のスタイルで相当の美人だ。しかし男戦士は女勇者が好きなのだった。
アリアハンの内乱。
分裂した二派を抑える事が出来るのは、オルテガの実父である老魔法使いしか居なかった。
その大道士に影と付き従う戦士が現われた。忍びの如く神出鬼没、その強さに誰も触れる事が出来ない。
その青い鋼の鎧の戦士と、戦士ブラックは対峙した。アリアハンの歴史に残る傑闘。
鍔鳴りと同時に一合、瞬く間に次の構えになっており、互いの剣閃は急流の打ち合い、さばき…
青い鋼の戦士は大道士に呼ばれたらしい。姿を消した。
(ああ、男に惚れたか…?)
純粋かつ危険な感情をブラックはずっと意識下で封印していたが、バリーに出会った時あの影の正体が彼女と知ってホッとしたのだ。
バリーの方も鋼の鎧を着つつ、あの内乱に命を掛けている男がいると思って居なかったので驚いていた。
バリーは彼と同じ様に見詰め合った事を後から思い出し、異性と解っている彼女の場合少し艶めかしい妄想も花開いてしまったりしたが、
(あんな人と結婚したい)
と、乙女らしい要望に清く正しく修正した。
(でも兜被ってたね…)
兜は男振りを上げる。脱いだ姿は思っていたよりずっと美男であった。四角く男らしい顎が彼女は好きだ。
戦士は兜を着けていたバリーを男としか思っていなかった。
強力な魅力を放つ妖しい戦士。兜を取ると少女だったのである。
汗一つかかずしかし鎧の中で体を熱くし、うなじの後れ毛を乱す、見る者を何やら総毛立たせる艶めかしさの処女だった。
当時13才の勇者の処女を持って行った僧侶の少年は、プライドの高い男で女の上に立ちたい男で、彼女の包容力や生き方、考え方に“敵わない”と痛感するとそのままズルズルとは…居られずアリアハンから遁走。

「あいつは、強いから」
好きだと言う。戦士の主君だと言う。
56帝王と勇者:03/12/27 20:25 ID:SzFWtKT4
「傷を作らない」
この世界を、人々を救う勇者が“ヒーコラヒーコラ”と
“こんなに苦労して、頑張って、この世を救います”との姿をすると
救われる方、見ている方はシンドイのだ。
バリーは自分が世界を人々を救えるものかと思っているが、父の名誉の為それらしくしている。勇者らしく。
バリーは人々に平和と快感をくれる勇者である。
心配されない、同情されない。それは人々の為のもの。彼女を見ている人々の為。
その愉快さと、保たねばならないある程度の孤独。
そんな中壊れそうな細さを見せない。実際打たれ強いのだろう。強いも強い、強靭だと戦士は思う。
あいつはなにで出来ているんだと思う。
彼女の行動の理由、その大体が愛情による物である。愛情で動く。
少なくとも千年は人々に、後世の勇者達に愛される女勇者と、戦士は旅をしている。
勇者を慰める事のできる人間は勇者かも知れない。(でもそれだけじゃない筈だ)
好奇心旺盛で色々な人間が好きなあの女勇者を信じたい。
彼は彼女を愛し過ぎている。彼女の事ばかり考えている。

「一緒に戦える女はバリーだけだ。他は嫌いだよ」
傷付くからだ。女の傷は嫌いだ。
サブリナに誘われながら、勇者しか抱きたくない事を思う。
バリーに色々教えて貰いたい抱かれたい所もある。童貞なのだ。
「嫌だねぇ…勇者じゃない女だって戦うさ。それにあたしを舐めると怪我するよ」
女戦士は鍔を鯉口から離しその抜き身を少し出すと
「サブリナっ」
男戦士が女戦士に伸し掛かって来た。「わ!」
女は男の両腕にガッシリと抱かれ
「美しい…」
(人間に試した事は無かったけど…)
誘惑の剣はこの男に効いてしまったらしい。男の髭が肌に刺さり、女は狂乱した。
57帝王と勇者:03/12/27 20:34 ID:SzFWtKT4

戦士はサブリナの太腿の内側のキスをした。
男の唇が女戦士の陰毛に触れ、舌が襞を滑った。
「待って、やめて、…やぁん」
サブリナは涙を零し始めた。女戦士は「あぁっ」と叫んでその後痙攣する。
サブリナは恥かしくて顔半分と涙を枕に押し付けた。快感に嬉し涙まで流し、一気に果ててしまった。
男戦士は“君が気持ち良いなら良かった”と言う顔をしている。このまま帰ってしまいそうだ。
「あんたは似てる」
アリアハンで酷い死に方をした女戦士である。
目元の凛とした美女で、長身の豊満な肉体、暖色の鎧、紫の髪。
(抱けない…)

「その感情のまま打っ棄って…納得する女戦士に会わず終いなのかい。あたしは強いよ」
「バリー程か」
「あの子は相手を一瞬でねじ伏せる。あたしはあんたと同じ、体力勝負でぐずぐずと…でも死なない」
「でもあんたは俺より弱い」
「女戦士があんたの中では死んだ存在なのが嫌なの」
(すまなかった…)戦士は死んだ女戦士と、サブリナに謝った。
(解かってるんだけど…嫌なんだもう、あんな姿)
「ねぇ」
「いや、俺は」
童貞だ。そして最初の相手は
「こ、心に決めた女(ヒト)が…」
「情けない事言うんじゃないよ、ほら」
(こう言う所も似てる)あの死んでしまった女。
サブリナに服を脱がされて行き、胸が鳴った。誘惑の呪いは一層深々と効いて身に染む思いがする。
「ちょっと待て」
それだけは嫌なのだった。口での愛撫。噛まれた事がある。
58名無しさん@ピンキー:03/12/27 20:35 ID:SzFWtKT4
一気に乗っけたかったけど、それは長すぎで出来ませんでした。今回はこれで終わりです。

前スレ893さん。ブライ良いと言いましたが
DQ4以外、4でも二章以外の作品も読みたいと思ってます。
59名無しさん@ピンキー:03/12/29 10:54 ID:uFxxxhiw
改名さんそろそろちゃんとキッャプ付けてください。
せめて名無しでは書かないでください。
60名無しさん@ピンキー:03/12/29 17:22 ID:09qtPb5p
↑嫌がらせ?
6159:03/12/29 20:41 ID:sE58AHqz
嫌がらせじゃなくて、忠告。
わかっていると思うけど、改名さんは色々あった人だから
騙りや煽りを防ぐためにも、ぜひキャップをつけて欲しいということ。
それと名無しで書いたら訳の解らなくなるタイミングや
時間がたってからレスを入れる癖があるようなので、気をつけてほしいということ。
名無しでも文体で特定されてしまうのは、あまりいいことではないと思う。
62名無しさん@ピンキー:03/12/29 21:21 ID:qxQBGyTA
>>61
 あ、自分も思ってた。
 名無しで書いてるのに、以前に自分が書いた内容とかに触れられてると
「名無しでも自分が誰だかわかってるだろ?」臭がしていやんだった。
改名氏がそんな思い上がった(?)つもりじゃないのはわかるんだけど、
(自分もこのスレに長いんで改名氏の発言はいろいろ見てるし)
初めて書き込み見た人間にはそう見えるだろってことで。
63名無しさん@ピンキー:03/12/30 19:36 ID:f4SvKRqx
ケツの穴の小さいヤツが多いな。
アナルセクースでもして、広げておけよと。
64名無しさん@ピンキー:03/12/30 22:12 ID:eOCoYq6O
さて、続きを書くか。

しかし何の続きだ?
65名無しさん@ピンキー:04/01/01 03:28 ID:Uv7z6dZG
今年もよい年になりますように
66 プリンス羊:04/01/01 05:48 ID:dVYQzTmF
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67名無しさん@ピンキー:04/01/01 22:23 ID:kYeM8BcV
どのカプが狙い目なのかな。
クリフト×アリーナ以外で頻出のカプってある?
68名無しさん@ピンキー:04/01/01 23:42 ID:l3LraxMj
6って他のに比べると少ないっていうか無い気がする。
69名無しさん@ピンキー:04/01/02 00:10 ID:JJ46h0k3
6ならテリー×ミレーユ読みたいな。
職人さん、気が向いたら是非…
70名無しさん@ピンキー:04/01/02 06:49 ID:2T3qyvKJ
トルネコの留守中、レイクナバの住民一同がネネをリンカーソ
もしくは、鬼畜ライアンが人妻フレアをハァハァ
71名無しさん@ピンキー:04/01/03 22:18 ID:a2h4ED34
官スレのみなさん、あけおめです
今年も(;´Д`)ハァハァを職員さんに祈願します

6かあ・・・主ミレ書きたいけど問題は何のネタもないという点で
あ、だったら書き込むなですか、そうですか
72名無しさん@ピンキー:04/01/03 22:47 ID:3iwKtA7X
ミレーユ人気ですね。
自分も好きなんでミレーユネタあれば書いてみたいけれど。
73名無しさん@ピンキー:04/01/04 12:54 ID:f1nNxwGY
ミレーユネタか…
ギャグなら思いついたんだけど(^^;
幸宮チノの4コマが元なんだけど、姿が見えないことを良いことに
ミレーユの着替え、入浴、トイレ、オナニーなんかを調子にのって覗いてて、
最後のオナニー見ながら自分たちもイったらミレーユに
「もういいかしら?」
と言われて、全部見られてたのを知った上で見せていた…ってオチ。
エロシーンはミレーユのオナシーンだけで絡み無しなんだけど(w
74名無しさん@ピンキー:04/01/04 15:24 ID:Y8JeCkBB
ttp://adultfan.nexcess.net/aff/story.php?no=9501

どなたかこれ(少し下にスクロールするとあるやつ)を訳してくれませんか。
花嫁選びの前の晩、ビアンカとフローラが主人公の部屋にきて二人で…
75名無しさん@ピンキー:04/01/05 18:45 ID:v5GYhNzp
>74
翻訳サイト使え
76名無しさん@ピンキー:04/01/06 21:24 ID:jSLpa5Nm
age
77名無しさん@ピンキー:04/01/09 03:40 ID:vmIZGEaG
なんか急に下に来た気が…
78名無しさん@ピンキー:04/01/09 21:32 ID:SheAbmP4
ならばあげてやろう
79名無しさん@ピンキー:04/01/13 14:11 ID:nTem1utX
ここはTSものはOK?
サマルトリアが女だったらって奴とか。
80名無しさん@ピンキー:04/01/13 14:46 ID:Iys4QxDQ
IDがDQ記念カキコ
81名無しさん@ピンキー:04/01/13 15:44 ID:j7b20AH+
氏ね
82名無しさん@ピンキー:04/01/13 22:29 ID:wQKz99FZ
魔法剣フレア
83名無しさん@ピンキー:04/01/14 04:46 ID:fEicieq/
>>79
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1073735277/
もし本当に書く気があるんだったらこっちのスレの方を勧めとく
84名無しさん@ピンキー:04/01/15 00:04 ID:Yy74F4JE
女体化クリフトとアリーナで百合はあり?
85名無しさん@ピンキー:04/01/15 02:00 ID:/Bn6c9xE
なし
86名無しさん@ピンキー:04/01/15 03:19 ID:BYIiJZXc
DQ世界には「変化の杖」と言う便利な物がある
87名無しさん@ピンキー:04/01/15 09:53 ID:81iALgdQ
>>86
Σ( ゚Д゚)
88名無しさん@ピンキー:04/01/18 07:05 ID:NM/k8q5W
確かにあったな
89 ◆nnhp2Q5d4w :04/01/18 19:29 ID:huYXK50O
>>53 >“好き”とか言い易い所もあったと
私に対する感想や意見とは別で、スレの雰囲気を考えたフォローとして。と言う事です。
何にしても有り難いです。

>59、61 わざわざ言ってくれるなんて悪い事をしました。
>癖 気になるかも知れませんね。その行為の理由はしょうもないです。 
>特定 特定は意識の外です。

>62 私はいつも私のレスを初めて見る人を意識しています。しかし不親切なのは確かですね。

>3-4、9 ありがとうございます。DQ3の事を色々思い出して下されば幸い。

>18 (名指しの部分があるので…)読み方に気を使ってくれてらして有り難いと思ってます。
90 ◆nnhp2Q5d4w :04/01/18 19:31 ID:huYXK50O
誰に?とサブリナが聞くとさっきの女戦士と言う。
「可哀相に…」「止めろ」
二人の女に犯されている思いの男。サブリナは男を傷付けない様に大事に扱ってくれる。
彼を所有したいから、アリアハンの女戦士は悔しい事があって彼を噛んだ。
刺激されて男は肩を竦める。
(あぁ…)
確かにこんな事されては“良くない”。だが20才と16才で合った時からあの人だけ。

女勇者はポルトガの市で買物。楽しい一人の時間だったが、仲間の武闘家を昨日の酒場で見付けた。
「なにしてるの?」
「猫を探しに」
昨日、尻尾を振ってくれた猫だと言う。
「あれあたし」
変身するサブリナと一緒に居たら勇者も猫になってしまっていた。
「そうか」

終えて、萎えても大きさのさほど変わらない“彼”を見て居る女戦士。
「綺麗だね」「…端正さは色気を乏しめると言うか…」
戦士は仲間の武闘家と勇者を思った。武闘家は変った顔をしていてイヤラシイ女や美女にモテた。勇者の美貌は女っ振りに注目されて余り目立たない様である。
サブリナは短く哄笑して
「色気だけが人生じゃないよ、あんた」
「そうだ、そうだよなぁ」
そう話をしつつも、男女は深く目を閉じて互いの唇を貪り合った。
戦士同士豪快である。淫らな音も気にせず時折二人は小さく唸りながら快感を得ていた。

「尻尾は?」
と武闘家は女勇者の臀部を上からムニュと触った。
「わぁっ」
「遊ぼう」
「遊ぶって?」
勇者は声が潤んでしまう。「しまったな」と思ったが凛として
「具合悪いんじゃない?宿屋に帰ろう」
91帝王と勇者 ◆nnhp2Q5d4w :04/01/18 19:36 ID:huYXK50O
90は >>57の続きです
−−−−
しかしなんだか子供の様な武闘家は、その長い腕を伸ばして勇者を抱いた。
「瑠璃」
「バリー」
美声は彼女の銀色の髪を顎で掻き分け、彼女のこめかみ辺りに優しいキスをした。
「あっ…」
その女の声に酒場に居る男数人が振返った。
酒場に居る人間達が、この男女を見出して誰も邪魔はしない。
「やめて。恥かしい…」
「ごめんね」
低く囁く男は酷く艶めかしい。勇者は少し焦っていて可愛いだけの女になっていた。
艶めかしい男とちょっと困って可愛い娘の様子を取り巻きの人間達は思い思いに見ている。
(嫌だよぉ…こんな所で)
男の顔と向き合ったと思った途端、唇を唇で触れられていた。

唇を離しても男戦士と女戦士の吐息と脈は上がったままだった。
糸を引きつつ離れて行く唇だが、それと逆に体が熱くなって行く。
男は手が艶めかしく、女は乳房が艶めかしかった。それを見ただけでも欲情出来た。
男は女の太腿の内側に手を伸ばし、サブリナは泣きそうな声でまた震えた。
男女は全裸だった。脈打って相手を誘う男女の“それ”を互いに手で愛撫し合う。
「ねぇ…」
眩暈がしそうな程欲情したがやはり童貞、女の足を掴んで開かせながら緊張した。

触れ合って、擦り合わさっただけの口付けだったが、女勇者は武闘家の前で悩ましくなっていた。
「俺の部屋においで。駄目ならお前の部屋に行く」
「ん…」
「どうか」
女勇者が良い返事をすると、乳房によって隆起した旅人の服の胸へ男は顔を埋め、少し動かし揺さ振った。(あっ…)

愛液によって瑞々しく光っている花弁に男戦士は捕えられている。
92帝王と勇者 ◆nnhp2Q5d4w :04/01/18 19:38 ID:huYXK50O
強く欲求する。男は若く、健康だった。
股を割っただけでサブリナは「あっ…」と言う。(可愛い…)逞しく端正な体付きの女だが可愛いものは可愛い。
「舐めて…」
男はサブリナの乳首を舐める。結局どこでも嬉しい。サブリナは男の舌を感じる度、少女の様に高い嬌声を上げた。
「勝負しようか」
女戦士の震えていた乳首を軽く咥えながら男は言う。戦士同士、体力勝負の様である。恐らく先にイッた方の負け。
「うん、しよう」
と吐息の熱い女戦士はクイと腰を男に近付け、吐息の熱い男を喜ばせた。
挿入の時になり、立ち膝の女戦士の腕が座る男戦士の首に回ると(わっ!)
男は慌て、ついでに“その”先がクリトリスの先に合わさって擦れてしまった。
「あん…」
とサブリナを喜ばせ、自分の下半身も喜びつつ男戦士はベッドから飛び降りた。
「剣の所為とはいえ…」
「なに、元に戻ったの?」
「悪かった……そしてアホかお前は!」
「あんただってなに途中で止めてんだ!」
二人の戦士は咆哮の様に言い争う。男戦士がどれだけ女勇者を思って居るか感じた。
「でも恋もあるんでしょ?恋なんて飽きるもんだ」
それを聞いた男戦士は女勇者の事をさらに話し出した。

武闘家は立てなくなった。「背負おうか」勇者は武闘家に眠りの呪文を掛け、男は薄く眠る。
彼女の背に大男の体は余ってしまった。時折三つ編みの黒髪が地面に擦れてしまう。
(あっ、駄目)勇者はその長い髪を自分の首に引っ掛け垂らした。長い腕も困ったものだ。
勇者は男に余計な刺激を与えぬ為、滑る様にそして速く歩く。
大男を背負う娘のその様子は可笑しい。近付く男は「手伝おう」等と彼女を誘惑する。
(あんたが調子悪いと、あたしも調子悪い)
武闘家の調子が良いと、勇者も調子が良いのだ。

サブリナは俄然楽しそうになって
「あんた良い男だねぇ。戦士同士仲良くしよう」
93帝王と勇者:04/01/18 19:40 ID:huYXK50O
なかなか力自慢のサブリナに首根っ子を掴まれ又ベッドに引きずり込まれた。
「しようよ、良いじゃない」
体力自慢で、こんなにしつこくて爽快で魅力的な女戦士には会った事はないのだが
「離れろ、はなれ……」
「ニャー」
(舐めるな!)猫に舐められている姿を誰かに見られては誤解されてしまう。

この戦士が遊び人の血を引いて居ようと、女の装飾品で無理してしまった。取れないのだ。
白い毛と耳の内側、皮膚に見立てた鮮やかなピンクがこの男に良く似合っている。
バリーに会えた時喜びか、ウサギ型の耳はピクンと動いた。
武闘家の横たわる宿屋のベッドの両脇にイスが一つずつあり、それぞれに戦士と勇者が座った。
武闘家の不調は気の良いモンスターの放ったマホトラによる物と思われる。
(記憶障害で)思い出せなかったろうが魔法力のある男の様だった。魔力は気力と直結している。
「会心の一撃と言う奴がそもそも魔法染みてるんだ」
戦士は何やら愚痴っぽい。しかし素直にこう褒めた。
「武闘家って奴は気位の高い奴も多い。しかしこの先生は何か違って、良い風格があるな」
「何でそんな人があたしと旅してるんだろ。……貴方も」
バリーは自信がないのか。
絶対の忠誠を誓っていても機動力がある。そして間違わずに動くとこの戦士の事を言う。
「俺はお前の戦士として居る」
バリーが信じているのは祖父、父、友人、母……そして出会ったばかりだが仲間の男二人も。
それは戦士に取って嬉しい事だったけれど、自分自身こそを信じる自信を
「もっと持って良い。持って欲しい」
大臣に仕えた戦士、今は勇者に仕えている。
「憶えていてくれ、自分の戦士と思って貰いたい」
その事を今始めて言った。ウサ耳がきゅうと丸くなっている。
「……うん、わかった」
そう答える勇者は凛として雄々しく、いや、男でも女でもない落ち着いて荘厳な輝きを見せた。
それでいて、明るく爽快であった。
ウサギ型の耳がその風に吹かれた様にそよそよとはためいた。
94帝王と勇者:04/01/18 19:43 ID:huYXK50O

「デートの用意だ」勇者の事を武闘家に説明する戦士だが、ウサ耳は装着中。「うわぁ」
言えたのは耳のおかげだと戦士は言った。彼はバリーの戦士だそうな。
王との密会を前に、この瑠璃と言う男はバリーに何を言うだろう。
武闘家として一緒に仕事出来る唯一の女。妻の一人にすると特別な面倒が多そうだ。
妻達と、平和の好きなこの武闘家に取ってバリーは妻としては見えもしない女であった。
勇者の気配がして、武闘家は先程までの子供に帰った行為を恥かしがって一声掛けたが
スレンダーライン、赤いロングドレスの女の迫力に男二人の言葉は消えて行った。
高価な装飾品をさり気なく身に付け、華美ではなく。左だけの幾筋もの長い鎖状の耳飾り。両肘に巻き付け、両腕に掛かる薄い生地のストール。
「王に会うとなるとこれ程か…」
戦士の言葉に勇者は強い妖しさで柔らかく笑った。
深いスリットも、大きく開いた胸元も上品である。元より品良く、持ち前のワイルド、ダイナミックさと深く相まって
「かっこいい…」
武闘家は美声で短く笑った。笑うしかない時のある女である。
ドレスは王に貰った物。立ち居振舞いと雰囲気の端正な王であった。
昔とても強かったと言う。いまだに国随一の戦闘員である力強さを感じた。重戦士の肉体が立派な半島の王である。
しかし人を見下す訳ではなく、穏やかで権威を感じさせない人だった。
ただたまに悪い癖が出る。その癖も通じ合う所あり、バリーとはすぐに仲良くなった。遊び癖である。
「私の代わりにこの国を治めてくれるな?」「いいえ」「そう言わずに治めてくれるな?」
嫌がったバリーを何とか説得出来たのは友情の成せる所。
この時の衣装も仲間の二人を驚かせた。彼女の洗練された若々しさを見事に表に現し得た寒色の傑作。
二つの深いスリットが動き易そうなドレスは勇者らしさを感じさせ、銀と青の女王は美しかった。
夜になると彼女の寝室にロマリアの兵士達が色めいて訪れ、女王のバリーは走った。
(王様に逢いたい)
ロマリア王の勇者への思いに色恋は無いと思われていたが、どんな人間にも隠し通した王の心を当のバリーだけは感じてしまった。
女王の姿の時カンダタ子分に犯されてしまった勇者である。そのヘロヘロの時、格闘場の王を見付けた。
95帝王と勇者:04/01/18 19:44 ID:huYXK50O
ロマリア王は絶大な強さを持っていたのに、自分より弱いカンダタに金の冠を奪われた。
情けなかったが、落ち込む隙も無い程の早さで女勇者はそれを取り返して来てくれた。
勇者に感謝もしようが、目まぐるしい思いもして、王は少し執務から遠ざかった。
しかし目の前の女王は何やらへこたれている。
カンダタ軍団に凌辱された王と勇者。先に踏み出す足は
「王様、遊ぼう」
勇者の目は少しだけ潤んでいた。王は悲しい話をさせたくないなとは思ったけれど
「辛くなったら言うんだよ」
「うん」
大臣の姿をした王と、女王の姿の勇者が人目を気にせずのん気に買物である。
その時貰ったのが赤いドレスである。
「あなたの魅力をな、世界中の人々に見せてみてごらん」
勇者は貰ったドレスを持ちながら、送り込まれる戦闘員の様な心持ちでドキドキと胸を鳴らした。

「朝まで居ると良いよ。王様の誘いだろ」
その武闘家の言葉に勇者は傷付いたが
「でも帰って来いよ」
美声の本音は意外な程強く、傷付いたすぐ後の勇者を掻き立て狂おしくさせた。
「うん、朝にポルトガ出よう」
「そんな風なら行かなきゃ良いじゃねぇか」
と戦士にウサ耳のバンドを付けられてしまった。
「あっ!」
折角綺麗に整えた頭にしっかりとはまった。無理矢理剥がしたらしく戦士は少し流血している。
勇者だか女であり、商い経験と遊び人ぽさも有るバリーはバンドに気に入られてしまった。
(取れない…)外れそうで外れない。戦士が言う
「それが嫌なら断って来いよ」
「でも可愛いよ」
武闘家に可愛いと言われて嬉しく耳が動いた勇者だが、下唇を噛みつつ戦士を睨んだ。
戦士はフンと横を向いている。

夜の木陰でひっそりと待っていた王は彼女の艶めかしさ、装いの艶やかさを楽しんだが、
96帝王と勇者:04/01/18 19:46 ID:huYXK50O
勇者は頭に巻いたストールに手を掛けた。肉厚の、柔らかそうなウサ耳がスルーッと顔を出す。
開放され、人を沢山(4人)見た喜びか、ウサ耳はピクピクピクと動いた。装着する人の心に似るらしい。
「お招きの場所へは参れません」
勇者は焦りながらもしょんぼりした顔で目を伏せた。
ウサ耳はしかし王に向って伸びようと微かに動いている。「ハハハ」
「可愛らしい…、ハハハハハッ」
笑い過ぎて涙目になった顔を王は隠そうともせず
「行けないのなら我が城へ」
王の笑い声(と隠れた遊び人の才覚)にびっくりしたバンドがポロリと取れた。
勇者は笑い飛ばしてくれた王の配慮と心根に、恥かしさを置いて従った。
会食の場所は高級ではなく、市民も気軽に入る大きな料理店の地下であった。
しかし地下はポルトガ王だけのもの。供の者を扉の外に立たせ、設えの高級な石畳の部屋に王と勇者が座り、時に慣れた料理長が恭しく出入りする。
「庶民の料理は酷く美味い」
唸る王に勇者は笑った。「城の食材は高級だが口にする時いつも冷えていてね」
熱した鉄板で茸を焼き醍醐(バターオイル)を加え、その黄梅の焦げ目が付いた上に細かく砕いたパセリをふりかけるのである。
塩味も溶け合い、それは美味であるけれど
「もう一つ何か欲しくはないか、アクセントを」
胡椒である。薫り高く味わい深い黒い刺激が欲しい。
「胡椒は食材の保存料だと聞いていました」
「粒を挽いてそのままでも楽しめるのだと」
想像力の豊かな王は、万能で未知なる香辛料の味まで読んでいる様だ。
「毒味役が必要ありませんか」
私等どうだろう、旅の途中で試してみますと勇者は言う。
勇者は仲間の男二人以外とは、“デート中に異性の前”で食事するのは初めてである。
恥かしいのだ。しかし実に美味しそうに物を食べる。
バリーが口を動かすと「や、その美味しそうな物は何かね」と見ている方は探す。
探し当てて食べると快感。時に味より彼女の食べ方の方が美味しい時もある。ポルトガ王もはまった。
子供の頃から店で飲食していると、客なのに客を呼んだ。(出来たらあの娘と同じ物を)
人間の社会が“人前で食べる行為”より“人前で生殖行為”の方が至極当然だと仮定してみる。
97帝王と勇者:04/01/18 19:47 ID:huYXK50O
バリーの身に起る事は同じだ。「あの女…」「あの女を…」
つまり道で売春でもしよう物なら、いつの間にか行列が出来て壮観である。
この勇者は美味しそうに食べ、穏やかに眠り、気持ち良さそうにSEXする。
人を、他人を、生きると言う方向にフと目を向けさせた。
さらに勇者はただの人類オリジナル、マテリアルに留まらず、ポルトガ王がグッと来る程高貴であった。
低い声の話りに惹き込まれた。ノアニール、エルフの隠れ里の女王を一夜にして人たらし、否、勇者たらしにしたと言う事実の本物を見た。
さて、その赤も似合う黒い肌の、美しく、精悍で高貴な女(ひと)が
「毒味する」
なんて野蛮な事も時折交ぜて話すので、可笑しく、見事とまで思い王は笑った。

店を出て、整然と舗装されたポルトガの道をまた歩く。美しい石畳の道、男色のつがいが傍らを歩いて行く。
自由で新しくて、強くて優しい国であり……。バリーは優しくなかった。厳しく温かい。
「ポルトガも何か足りない」
この国に厳しく温かい人間、自分を脅かす程の指導者を捧げたかった。
これから勢いに乗り、栄光へ走って行く筈の国である。だからこそ危惧する王は最高の王と言えた。
不健康でも男色でもなく、しかし恋も出来なかった奇人ポルトガ王はエルフにも好かれた。
性交の天才である王を前に、エルフの女王は日向の飴の如く頼りない事になったが
王の体を欲し、情が移った態で、娘が人間に攫われた事件から女王は王と疎遠になる。
人間への心を無くした女王を一夜にして虜にした女がいたと言う。
慈母の様でありながら慈父の温もりがあると。漢気があるのだが確かに妖艶な女だと。
女王は女勇者バリー(ロト)にありったけの心を捧げてしまっていた。

人に取って大事な物は何か。その順番は。彼女から溢れている物を得たい。
ポルトガ王がバリーを欲しがるのは国の為だけではない。
人間として生きていきたいと思った時、この人だけが欲しかった。
抱きたいと思った(妻にせねば治まらん…)一度や二度では治まらない。ここは純然たるこの男の下心である。
王が受け止め切れない艶めかしさの黒い魔弾。夜風に当たり少し寒そうに見えた。
王は軽く勇者を抱き締め、勇者は快感に戦慄する。(ん…)漏れ出る声を押し止めた。
98帝王と勇者:04/01/18 19:49 ID:huYXK50O
“正妃として”とは言わなかったが後宮に来て欲しいとはもう言ってある。
胡椒を持った彼女に「貴方が座らねば永遠に空位」と自分の正妃の座を公表する王である。
「見ています…人が」
口付けする直前に勇者が囁いた。王の供三人が見ている。
「いつもだ」
こうして?「そう」
「行こう。王様」
勇者は王の手を取って走った。
供の者は追う。あの勇者その気になれば王を片手で捻り殺せる。二人切りには出来ない。
王も走り出すと勇者は二歩ほど後ろに下がって王に従った。
王が振返ると女勇者は微かにニコッ…と笑ってついて来ている。
豪華な衣装が勇ましく音を立て、彼女が何者なのか教えてくれている。それは勇者恥かしがって笑っている。そうした笑顔も見せる。
王はこの人に何度も恋した。

廃屋のテラスは風光明媚な海と港を望めた。「綺麗」勇者は喜んでいる。
「ベリーダンスの事、王様」
は、ベリーダンス?「御存知ですか、由来を」
その昔、王の気を引きたくて後宮の女達が生み出した艶めかしいダンスである。
「あぁ…聞いた事がある」
「どうして冷たくしたの?」
何だ、…あ「…忘れていた…」
アッサラームは友人のホビットのノルドに合い行く時に立ち寄る町なのだ。
その時疲れて居たり、自分が王である事を忘れていたりする。
「ハハ…そうだ、私はあの時も王だった。これは嫌われてしまった」
「駄目よ。忘れちゃ」
この女(ひと)に乱れて、ただの雄に落ちたいと思っていたのだ。
どんな女と寝ても、目を閉じて、眠りに落ちる寸前まで王子であって、王であった。
「踊れるか?」「少し」「見せてくれ」
勇者はちょっと腰を動かして見せた。
足首までスラリとゆったりと流れている赤いドレスが揺れる。その中にある丸い腰も。
「少し、違うぞ…」ベリーダンスはもっと…“本番”さながらの筈だ。勇者はゆっくりと踊っている様子。
両腕をスルリと上げた。ストールが艶めかしく彼女の腕に絡み、肩まで落ちて行く。
99帝王と勇者:04/01/18 19:50 ID:huYXK50O
「綺麗だ。よく見ると綺麗だな」
勇者はニッコリ笑った後、恥かしかったのか王の懐にコロコロと入って来た。
「二人切りでしたね」
勇者は王の下唇を、唇でカプッと咥えた。(あっ)驚く彼を尻目に勇者はチュッと王の唇を吸う。
上唇にも軽く触れ、全体に一度吸い付き、男の唇に女の唇を滑らせた。
楽しそうに擦れ合う唇を離した後の男女の吐息が、余りに熱く艶めかしい。
廃屋には地下があって、上品な貴族の中年が出て来た。帰る様子の男女を見付ける。
「憐れ愛し合う二人は引き裂かれたと言うのに…」
サブリナとカルロスの事を言っている。
眩しい程の美男と美女…いや、美と言う言葉は弱さを連想させるのでこの二人には相応しくない。
王のカリスマは言わずもがな。女の方には人の心を惑わしてしまう力もある様だ。
異様な魅力である。異国の女(ヒト)か?艶めかしくて可愛い。猫の様に素敵…
(あっ、サブリナか!?)
誘惑の剣を受け継いだ女戦士が猫になったとはこの姿の事かと。
しかしこれではカルロスに新しい喜びを与えてしまうだろう、夜に。

「ただいま」
真っ暗の中、少し身体にシーツを掛けベットに座る可愛い娘が居た。
同じ部屋で寝ている巨漢をベッドごと持ち上げ、コソコソこのベッドとくっ付けていたらしい。
先に目が合った男に勇者はキスする。戦士は完全に寝惚けながらも目を閉じ、正体不明の快感に酔った。
戦士は半分夢を見ながらこの女が誰か解って嬉しい、慣れた口付けを続けた。
勇者は王との口付けをちょっと後悔していた。早く帰って来たかった。死んだ様に眠りを貪る戦士が愛おしくて、勇者はその男の胸の近くで静かにしていた。
横になってシーツを掛ける女の身体、その胸が丸く浮き立っている。仰向けになってもシーツを上に押し出す乳房の所為だ。
厚く瑞々しい唇は……女の色々な部位を想像させ、妄想に落とさせた。
「おかえり…」「起きてたの?」「何してるんだ…」
この武闘家もやられてしまった。勇者は許しを請う「今日だけ…」

勇者の気だるい女っ振りを、誤解しつつ女戦士は見た。自分より大きな乳房を見て、
「お上と、会ったってね」「うん…」
羨望と嫉妬と苛立ち、しかしこの女は憎めずサブリナは優しく乳房を掴んだ。
触わられてないよ、と弁明する勇者だが女の動きは優しく気持ちが良い。(やだよぉ)
100帝王と勇者:04/01/18 19:51 ID:huYXK50O
「サブリナ後宮に行けば良いじゃない」
後から揉んでいたサブリナを見返って勇者が言う。「え?あたしが?」にわかにときめく女戦士だが
「女に入れ込むお上が嫌なんだ。例え相手があたしでもね」
「サブリナきっと喜ばれるのに。綺麗だよ。王様の好みと思う」「本当かい?」
カルロスの事をすっかり忘れている女二人である。
扉が鳴ると女二人は咄嗟に武器を構えた。扉を開ける男を「かっこいいな、おい」と言わせる。
その武闘家は勇者が部屋を出るとサブリナに手を振った。この美声が忘れられなくて辛い。
(あっ、いっちゃう)
遠ざかるあの背を追わなくて良いものか(あぁっ)
サブリナは自宅を出てすぐ二十歳の戦士と擦れ違った。(あらあんた元気?)としどけなくなる女戦士はその年下の戦士に「ちょっと…」と、呼ばれた。
男戦士のブラックはインテリ眼鏡を掛けた。女戦士を狂喜させる。「あんた、良いね。凄く良いよ」
今からその姿で犯してくれないかと思う。似合っている。掛けた方が良い。
褒められた頭脳明晰の戦士は穏やかに少し笑ってくれた。(キャー)
誘惑の剣を抜いてくれと言う。「え…」「大丈夫」
スラリと刀身を全て抜くと、戦士はジッとその閃きを見据えた。サブリナは男戦士に感服している。
本当は頭が良くなった分、妄想力発想力も敏く逞しくなってしまって、剣を抜かれた時目の前の女戦士は男戦士の脳内でとんでもない事になっていた。
「元々頭良いよね」初めて会って話した時から思ってたんだと、女戦士は戦士を褒めた。
「サブリナも。奔放だけど」「あんたの所の勇者もさ。天衣無縫だね」
「何かが見抜かれたんだね…。あたしが持っててもしょうがない。この剣あげるよ」
戦う必要が無くなれば。それまではお上の為、この国の為に戦うと言う。
ポルトカ王(今上)の目で世界を見たいと思っている人間達の国だった。国が王に惚れている。
「あたしも世界を見るんだ。この国と一緒に」
「あんたがバリーに掛ける理由も好きだよ。あたしがポルトガの人間じゃなきゃ、あんたと同じだね。
今上が惚れたバリーとも思ってさ、あたし戦えると思ったけど駄目だ。離れられないよ」
「命を賭して仕える甲斐ある主君か」
サブリナは強く頷いて敬礼した。
「俺もそう」
101帝王と勇者:04/01/18 19:53 ID:huYXK50O
「俺もそう」
戦士が指の長い美しい手を伸ばして構える。
「さよなら」
「あぁ。勝つんだよ」
別れの哀しくない相手と言うのは居る。別れていても、離れていても、繋がっている解り合っていると思える存在が人間には嬉しく、必要な事がある。
眼鏡の逞しい男はアリアハンの最敬礼で、ポルトガのそれを示す女戦士に答えた。
きっと、バリーの目でこの世界を見る事は出来ないと戦士は思う。だからこそ
(そばに居る)
お前を助けたい、力になる事ならなんでも。しかしこれでは今少しバリーの夫ではない。
彼女がこの男に泣いてしまって、夫となる証明はまだ先、リムルダールの宿屋での事である。

バハラタの武闘家の妻達は美女であったり、可愛かったり、艶婦だったりと、そして心根の良い女達であった。戦士は紹介される度に呆然自失としていた。
勇者は第一夫人である穏やかで美しくも可愛らしい彼の妻を覗き見た。そして彼を見た。
あんな様子の良い、人の夫を人の父を見た事があるか。
(あの人は私のものじゃない…)
私の物とかそんな事を思う女ではない。しかしこの男に対しての喪失感、悲しさは
(私と血の繋がりがあるんじゃないか)(この人勇者じゃないか)とさえ思っていたからか。
自分の他、オルテガ意外に勇者が居たと。(それが遠い存在でもいいじゃない)
しかし勇者は泣いた。あんあん泣いた。
(勇者が泣いても笑われるだけだ…)
それでも悲しい時は思い切り泣く。バハラタの聖なる川の流れだけが彼女の泣き顔を見ていた。
102帝王と勇者:04/01/18 19:54 ID:huYXK50O

14才の隊長は主君も、家も、財産も失った。何が欲しいか?目標である。
大臣は全く、自分の生きる糧であった。それを失ったのが何より深刻であった。
これからが暗く、見えない。
信頼出来る人間に大道士の住まいを尋ねてみた。「南西の森を訪ねてみなされ」
弟子を取らない事で有名なオルテガの父。(言葉を下さるだろうか…)
「隊長」
老師ライトはブラックの事を知っていた。「光栄です」「ご用向きは」
「道を、お示し下さい」

「田舎者は帰れ、帰れ」
エジンベアで戦士は八面六臂の活躍。
レムオルの呪文で仲間二人も消してくれ、不正に蝕まれた検問所を突破。王に婉曲的に物申してくれた。
肥え太り弛緩し、死臭を放ちそうな王に勇者一向は嫌われたが、可愛い15才の王女は一行を気に入って
「聞いちゃった」
たまには女の子と遊びなよと言う事で女勇者は戦士と武闘家を夜、開放し、自分は散策を許された王室のまわりを何気なく探検していた。
103 ◆nnhp2Q5d4w :04/01/18 19:55 ID:huYXK50O
終了です。何レスか続きます
104名無しさん@ピンキー:04/01/19 00:33 ID:Z+zO4gcF
前スレで4の勇者とミネアの話書いてた人いたじゃん。
あの人ってまだいる?
俺、あの人の話すげー好きだったんだけどさ。
105名無しさん@ピンキー:04/01/19 10:21 ID:nS7mZSa8
>>104
なんつーか、あからさまだね。
前スレで投下直後に某サイトがどうのこうの言ってたの
あんただろ
106名無しさん@ピンキー:04/01/19 15:00 ID:J+Y7qcGP
104にどれだけの悪意があるかは勿論わからないけど、このタイミングは
某サイトにも、104の言う「書いてた人」に対しても失礼で、迷惑になりかねん罠。
107名無しさん@ピンキー:04/01/19 19:55 ID:r1aoOB0J
悪意なんてねーよ。
俺、去年の12月頃からネットと無縁の生活してて、最近ようやくまた繋がったんだよ。
純粋にあの人の話が好きで、それでまだいるのか聞いただけだよ。
108名無しさん@ピンキー:04/01/19 20:49 ID:D4kPqTg1
>>103
お疲れ様です
面白いです
これからもがんばってくださいw

他のみんなはギスギスしないの
楽しくいこうぜ
109名無しさん@ピンキー:04/01/19 22:47 ID:eXt9zzze
age
110名無しさん@ピンキー:04/01/20 11:47 ID:3cxg/M9r
つまらん
111名無しさん@ピンキー:04/01/21 19:50 ID:TaI7PMmH
ひどい空気だなおい
マターリいこ
112ケフカ:04/01/21 22:48 ID:01Dua8Z7
まったくその通りだよ、もう
113名無しさん@ピンキー:04/01/22 06:51 ID:o1/K7VdK
過疎なんだし雑談くらい好きなタイミングでしてもいいって
結論出てなかったっけ?
なんでたまたま雑談が割り込んだくらいで
糾弾されるのか判らん
114名無しさん@ピンキー:04/01/22 07:19 ID:D73hAT3q
雑談はいいが、荒れはかんべんって事さ
スルーできる人間ばかりじゃないから
それに別に糾弾する気もなし
ちゃんとした話ならついていくし楽しむけどねw
115名無しさん@ピンキー:04/01/22 15:42 ID:bMZfgmk4
SSが投稿された直後それと何にも関係ないレスを打つのは、
「空気が読めない香具師は半年ROMれ!」
条項に違反すると思うのだが、いかがか?

アマ作家、とくにオンライン作家というのは、
スルーされるくらいなら罵詈雑言浴びせられたほうがマシだと思う種族なので、
(あくまで「思う」であって結果どうするかは別)
「ヘボ!もう書くな!」でも「乙!でも今時間なくて読めない」でも「ヒマだね〜」でもいいから、
何かしら「反応」示して、構ってあげたよ宣言をしてほすい
でないと、職人がスレから消えるのみならず、職人の荒らし化という悲惨な状況にもなりかねない
荒らしならしかたがないが、>>107みたいに住人面してる奴がこれをやると、スレの価値がどーんと下がる
えっ、お前こそ空気嫁?ここは2ちゃんねるだ、だと?鯖が違うでしょ

リメイクDQ5の発売日が決定。忙しくなる前に何か書き上げてみたいなあ
116名無しさん@ピンキー:04/01/23 02:44 ID:KMq2Iu+2
2ちゃんねるだ。
117名無しさん@ピンキー:04/01/23 05:57 ID:KcsorDcH
>115
全面不同意。
私も書き手だけど、書き手だからこそ読み手は自由に
レスして欲しいと思う。スルーも感想のひとつだしね。

あなたが感想を絶対に欲しいと思うなら、それもいいと思う。
だけど、書き手代表みたいにして語るのはやめれ。
しかも、感想のない職人が荒らし化するなんて脅しは卑劣
だし、他に何百といるまともな書き手に失礼だ。
半年ROMれ、と2ちゃんねるの掟を持ち出しておいて、最後に
ここは2ちゃんねるじゃないと逃げるのも卑怯だと思う。

あなたも書き手なら、書き手としてのプライドを持って欲しい。
118名無しさん@ピンキー:04/01/23 09:49 ID:cPJFDdRu
ここが寂れて職人がいなくなるのも納得だよ
119名無しさん@ピンキー:04/01/23 17:22 ID:kXS+c+8L
>115は今後トリップを付けて欲しいな。スルーするから。

スレが寂れるのは職人がいなくなるせいだけじゃない。
感想を強要すれば、読み手だっていなくなる。
書き手&読み手がいない→感想が少ない→職人がいなくなる
                ↓
                感想を強要する→読み手がいなくなる
のデススパイラル。
結局、ギスギスしたスレには誰も近寄りたくないわけで。
>107みたいなことがあっても、噛みつかずにスルーして
SSの感想言うなり、萌え話するなりしてりゃよかったのにと思う。
120名無しさん@ピンキー:04/01/23 18:57 ID:5RPkvtfN
こういう文句とかだけはみんな達者でSSはこないと…

人が来ないのもわかるね、こりゃ
121名無しさん@ピンキー:04/01/23 21:36 ID:S3M6yGLx
もう完全に投稿作品そっちのけだしな
122名無しさん@ピンキー:04/01/24 01:39 ID:XtD1eh93
新参者です。
主ビア落とします。
ちょっとずつですがご了承下さい。
123名無しさん@ピンキー:04/01/24 01:40 ID:XtD1eh93

晴れ渡り、風も穏やかな空の下、どちらを見ても陸らしきものは見えない海の真ん中に一隻の船。
甲板にはキラーパンサーを筆頭に、スライム、キメラ、腐った死体と魔物のオンパレード。
普通の船が傍を通りかかったら、魔物に乗っ取られた船だと判断し、すぐにその場を離れるだろう。
しかし、この船の主は普通の人間であり、その彼は今、妻と二人で船の奥の浴室に居た。

「ちょっと、リュカ。まだ動かないでよ」
「えー……でも、もういいだろう?」
「まーだ。まだ、だめ……」
「だって、これ以上切ったらおかしくなっちゃうよ」
「そんな事ないって。だいたい、リュカは髪を伸ばしすぎなの」
そう言いながら、ビアンカは左の人差し指と中指でリュカの前髪を挟んで揃え、右手に持っていたはさみでじょきりとその髪を切り落とした。
硬い質の黒い髪がぱさりと乾いた音を立てて浴室の床に落ち、リュカがその髪の束に目を落とした。
「ねぇ……今の、絶対切りすぎてない?」
「……そんな事ないと思うよ?」
同じ様に足元に目を向けたビアンカはさも何も無かったかのように答えたけれど、裏返った声は隠せなかった。
ちらりとリュカの額に戻された視線がすぐにどこかへ逃げて行く。
「鏡見せて」
「さすが私ね。リュカ、男前よ」
リュカの言葉には応じずに、ビアンカは笑顔を作った。
不自然極まりない笑顔にリュカは「そう」とだけ返すと自分から手鏡に手を伸ばした。
「あっ!だめ!」
「やっぱり切りすぎたんだ」
その手を制そうと慌てたビアンカの姿に笑みが漏れそうになるのを堪えつつ、リュカはわざと口を尖らせて鏡を手にした。
124名無しさん@ピンキー:04/01/24 01:41 ID:XtD1eh93
「…………」
「あの、やっぱり、怒ってる?」
鏡を見た瞬間、眉根を寄せてしまったリュカの顔を、ビアンカは恐る恐るといった感じに覗き込んだ。
リュカの前髪は右が眉より少し下にあるのに対して左は眉より上、と明らかにバランスがおかしくなっていた。
しかもどう見ても直線ではなく、でこぼこ道か何かの断面図の様になってしまっている。
「あ、あのっ……みっ右、もう少し切ろうか」
引きつってしまった笑顔ではさみを動かし、切る仕草をして見せるビアンカに、リュカはわざとらしく溜息をついて首を左右に振った。
髪についていた切り屑がはらはらと白い旅装束の上に落ちる。
「いいよ。そんなことしたら、今度はこっちがもっと短くなりそうだからね」
「あの……怒ってる?」
普段の歯切れのいい物言いはどこへやら。
ビアンカはすっかり気落ちし、はさみを戸口にそっと置き、泣き出しそうにさえ見える顔でリュカを見た。
彼女が滅多に見せることのないこの表情がリュカの嗜虐心に火を灯した。
「怒ってはいないけど……これじゃぁ、ちょっと恥ずかしいよなあ……
陸はまだ当分先みたいだから、人には会わなくてすみそうだけど、 みんなには笑われちゃうよね」
リュカはビアンカに向けていた目を逸らし、浴室からでは見えない壁の外へと目を向けた。
「うん……ごめん、ね」
「んー……別に、そんなに怒ってはいないけど、俺だけ、っていうのはちょっとずるくない?」
「……え?」
細められたリュカの視線に、ビアンカは思わず自分の右肩に乗せてあるみつあみを両手で握り締めた。
「大丈夫、それは切らないよ。ビアンカの髪、大好きだし」
少し照れたように言いながら、リュカはビアンカの手に自分の手を重ねた。
「ホントに?」
「うん。でも……」
「でも?」
笑みを作っている筈の目がビアンカに得体の知れない恐怖感を与える。
優しく触れている手も、どこか取って付けた物の様にさえビアンカには感じられた。

(続)
125名無しさん@ピンキー:04/01/24 02:10 ID:ILk49l8Q
期待
126名無しさん@ピンキー:04/01/24 02:13 ID:nXeE14G2
キタ────(゚∀゚)────!!!!
けど、リュカって誰?
122の主人公の名前?
127名無しさん@ピンキー:04/01/24 02:24 ID:xHSRT4iQ
どこかのマンガだったと思ふ>リュカ
128名無しさん@ピンキー:04/01/24 02:33 ID:q8btXsCj
GJ!
129名無しさん@ピンキー:04/01/24 02:35 ID:e2U0UHwd
リュカは小説の主人公の名前だよね。
確か久美沙織だっけ?
130名無しさん@ピンキー:04/01/24 03:29 ID:xh/dOb9o
久美沙織設定?
萎え
131名無しさん@ピンキー:04/01/24 03:38 ID:tgvoHne6
>130
萎えって、久美佐織にたいしてなんだろうけど
タイミングを見れないかね
132名無しさん@ピンキー:04/01/24 03:44 ID:02ID+vc6
>>122
期待の新星!できれば3月25日までに完結させとくれw
>>130
CDシアターでも「リュカ」
天空三部作でなぜか唯一、小説とシアターで名前が同じなためとても便利
>>131
まあまあ。住民へのお説教タイムは容量オーバー寸前になったときにでも
133名無しさん@ピンキー:04/01/24 07:21 ID:xh/dOb9o
なんで感想への注文が多い?
そんなんだんから住人が減ったと苦言があったばかりだろう?
134名無しさん@ピンキー:04/01/24 10:42 ID:XsuO5Wf4
21歳以上とは名ばかりで、実際はここ中学生しかいないんですよ。
仕方ありません
135名無しさん@ピンキー:04/01/24 15:31 ID:AvpX85hh
みんな厨房
なかよしこよし
136名無しさん@ピンキー:04/01/24 18:28 ID:Wg8gZjID
ただ単に荒らしたい厨房が粘着してるだけだと思うんだがな
137名無しさん@ピンキー:04/01/24 22:54 ID:oYGxXyVQ
荒らしたい厨房の粘着レスにいちいち絡んだり、正論(ただし自分の中だけの)
振りかざして長文レスつけたりする方が問題かと。
んで、職人ほったらかして場外乱闘。おめでてーな。




オレモナー
138名無しさん@ピンキー:04/01/25 04:13 ID:lYVfWGus
>職人ほったらかし
ただ書きたいやつが書いているだけなのに
職人なんてもちあげるから
ややこしくなっているってそろそろ自覚したら?
139名無しさん@ピンキー:04/01/25 13:35 ID:p2B+AUbw
主ビア期待sage
140名無しさん@ピンキー:04/01/25 15:19 ID:CAOTxazX
おsage
141名無しさん@ピンキー:04/01/26 02:12 ID:H27ggmO7
ゲームスタート直後、山出しの世間知らずな4の女勇者が1人で
旅していてゴロツキにレイープされるSSキボン。
あんなエロい格好してたら狙われて当たり前だしな(;´Д`)ハァハァ
142名無しさん@ピンキー:04/01/27 10:59 ID:SIZeoBoA
勇者とアリーナってあんまり需要ないの?少ないよね。
俺の中ではデフォのカップルなんだけどなぁ。
いい話を知ってる人がいたらぜひそこへ俺も連れて逝ってくれ。
143名無しさん@ピンキー:04/01/27 21:21 ID:KUbkS/TI
そのカプは初めて聞いたなあ・・・
144名無しさん@ピンキー:04/01/27 21:42 ID:t4MXnMaJ
勇者にはシンシアがいるし、アリーナはPS版でクリフトと両思いだからな。
カプを組み替えて書こうって人が居ない限り難しいんじゃないか。
145名無しさん@ピンキー:04/01/27 21:49 ID:Lms1ANOM
たまにクリアリサイトで書いている人はいるよね。
146名無しさん@ピンキー:04/01/27 21:49 ID:tdexm4rJ
釣りかなあ…。

>142
千一夜サイトに勇者アリーナあるよ。
そこそこ見かけるカプだと思う。
147名無しさん@ピンキー:04/01/27 21:50 ID:tdexm4rJ
146の釣りは>144に向けてのものです。
148名無しさん@ピンキー:04/01/27 22:29 ID:ucaDBAFz
なに釣りって・・・?
何か>>144に問題が?
149名無しさん@ピンキー:04/01/27 22:44 ID:qOjkf0Xr
>>144
PSでクリフトと両想いっていうより、
クリフト→アリーナがあからさまなだけじゃw

>>146 またーり行こうぜ!
150名無しさん@ピンキー:04/01/29 05:41 ID:rs351iVs
俺もアリーナは特にクリフトのことは気にしてないと思う。

それよりもPS版4の天空の城で「○○(勇者名)は地上に帰るんだよね」
と言うのが萌える。
151名無しさん@ピンキー:04/01/29 14:57 ID:ajpaoZGK
「私と○○(勇者名)は出会ったときから大親友よ!」
てのもありましたな。
でも出会った時のアリーナの台詞は確か
「ふーん、弱そうな人たちね。」
152名無しさん@ピンキー:04/01/30 12:40 ID:8lETU9kM
122です。
リュカという名前はどなたかも仰っていた様に久美沙織さんの小説でのDQ5主人公の名前です。
呼びやすかったので使わせていただきましたが、断りを入れずにすみませんでした。

以下、>>123-124の続きです。
153名無しさん@ピンキー:04/01/30 12:41 ID:8lETU9kM

それでもようやく近頃馴染んで来た肌に触れられれば、身体は正直に反応する。
みつあみを握り締めていた指から伝わるリュカの指の感触に、ビアンカが小さく息を吐いてその指から力を抜いた。
「リュカ……?」
「なに?」
「……なんでもない」
『でも』の続きが気になって口を開いては見たものの、何を言っていいか解らず、ビアンカは結局口を閉じた。
リュカが何か企んでいるのは察することが出来ても、それが何かが解らないせいでビアンカは戸惑いが隠せないようだった。
一方、リュカの方はそれと知りつつ、ビアンカの手を自分の方へと引き寄せてその甲にゆっくりとしたキスを落とし、口を開いた。
「ねぇ、ビアンカ?」
「……なに?」
「俺だけ恥ずかしい思いをするのって、不公平だよね?」
「えっ?……あ、やっ」
その言葉に思わず身体を引いたビアンカだったが、リュカに強くてを引かれ、
バランスを崩して丸椅子に腰掛けていたリュカに倒れ込んだ。
リュカはビアンカの細い腰にすかさず手を廻して抱き寄せ、自分の開いた脚の間に立たせると、
彼女の柔らかな胸に鼻先を埋め、視線を上に向けた。
その先には、先ほど以上に困惑の色を濃くしたビアンカの顔があり、リュカの中には、もっと彼女を困らせたいという思いが沸きあがった。
154名無しさん@ピンキー:04/01/30 12:43 ID:8lETU9kM
胸の谷間に服の上から鼻を押しつけ、大きく息を吸い込んで、リュカは、
「んー。いい匂い……」
と溜息を漏らした。
「せっけんの、匂いじゃない?昨日、洗った、ばっかり、だし……」
服を隔てて伝わるリュカの熱い吐息と、尻をまさぐる両手にビアンカの呼吸が早くも乱れ始め、
ビアンカはそれを隠すために必死で話を逸らし誤魔化そうとした。
「そう、かなぁ?ビアンカの……匂いだと思うんだけど……特にこういう時の」
それをさせまいとするかの様にリュカの指が、言葉と一緒になってビアンカの脚の隙間へと更に伸ばされた。
「や、あっ!」
ビアンカの腰が逃げたが、リュカに抱き寄せられているせいで、結果的に、先ほど以上に彼に身体を近づけてしまうだけだった。
「あれ、まだ……?」
指に乾いた下着の感触が触れると、リュカは片手を一度離し、今度は胸へと移した。
数度、痛みを与えない程度の力をリュカが指先で彼女の胸に与えるとビアンカの頬はすぐに紅潮した。
「んっ……ぁ……」
時折零れる溜息に甘い声が混ざり、伏せられた瞼が切なげに震える。
服ごしにも判るほどに硬く尖ってきた胸の先をリュカが摘み、その度にビアンカは押し殺した嬌声でそれに答えた。
155名無しさん@ピンキー:04/01/30 12:44 ID:8lETU9kM
しばらくして、体温を増した胸をリュカに押され、ビアンカは少しだけリュカから身体を離した。
既に力が入らなくなって来た身体を保とうと、手はリュカの肩に置いたままだったけれど。
「ねぇ、濡れて来た?」
普段のリュカならばこんな事は滅多に聞いてこないし、
ビアンカもこんな問いは突っ撥ねて誤魔化すが、今日は負い目があるせいか、珍しく素直に頷いた。
リュカはリュカでそれが面白いのか、今度はスカートを自分で上げるように要求した。
「な、なんでっ……」
「だって、本当かどうか解らないじゃないか」
「……ホントだもん。リュカが、いっぱい、触るから……」
「だったら見せられるだろ?」
「べ、別に見なくても……」
「見ないでどうやって判るのさ」
「さ、わる……とか」
「触って欲しいの?」
「もうっ!なんで今日はそんなに意地悪ばっかり言うのよっ!」
恥ずかしさに耐え切れず、ついにビアンカは声を上げた。
けれどリュカは怯まない。
片手で腰を捕らえたまま、もう片方の手のひらでスカートの上からビアンカの脚を撫で、それだけで短く息を吐き出すビアンカに、口の両端を上げてにんまりと笑って見せた。
「ビアンカがはずかしそーーな顔するから」
「リュカが恥ずかしい事させようってするから…………ぁ……」
そこまで言ってビアンカははたと思い当たり、目を見開いてリュカの顔をまじまじと見つめた。
「さっき言っただろ?俺だけ恥ずかしい思いをするのはずるい、ってさ」
「だ、だけどっ」
「いいじゃない。ビアンカはみんなに見られたりしないんだからさ。
今日は俺に思いつく限りの恥ずかしい事、いっぱいするからね。はい、スカートめくって見せて」
「や……」
有無を言わせないリュカの物言いに、ビアンカはそれでも抵抗を示した。
しかし、今日のリュカはいつも以上に頑固で、そして意地悪くなっていた。
「じゃぁ、触ってあげない」
そう言って、またビアンカの乳房を弄び始める。
「ま、待ってよ。解ったから……でも、あんまり、変な事はしないでね」
ビアンカはリュカの肩に添えていた手を離し、自分のスカートの裾をつまむと、それをそっと持ち上げた。
156名無しさん@ピンキー:04/01/30 12:45 ID:8lETU9kM
続きます。
157名無しさん@ピンキー:04/01/30 16:59 ID:6MZjBVJd
続きキタ────(゚∀゚)────!!!!
こういうのを待ってたんだよ。
バカップルっていうか、見てて微笑ましいやつ。
158名無しさん@ピンキー:04/01/30 18:29 ID:NOMx49SJ
主ビア萌え(;´Д`)ハァハァ
自分は小説での名前のリュカは問題ないです。
続きを楽しみにしてます。
159名無しさん@ピンキー:04/01/30 18:35 ID:hCPBYzWq
ビアンカ萌え(*´Д`)
160名無しさん@ピンキー:04/01/30 21:54 ID:+ji6h9Le
イイ…GJ…!!
161名無しさん@ピンキー:04/01/30 23:05 ID:q/sihgzY
ビアンカかわいい。
今後もご活躍を期待。
162名無しさん@ピンキー:04/01/31 02:57 ID:tGdTL1yd
(・∀・)イイヨイイヨ-

ここでビアンカ(幼少)をキボンヌしてみる
163名無しさん@ピンキー:04/01/31 08:04 ID:vBGjB/6Q
主ビア可愛いなぁ(*´Д`)
続き期待してますw

>>162
(*´∀`)σ)д`)
164名無しさん@ピンキー:04/01/31 08:06 ID:h4W1s44Q
素人画像が見れます。
ttp://cyberx.h.fc2.com/adults/daijiten.htm
165 ◆nnhp2Q5d4w :04/01/31 16:35 ID:SAXvowbW
>>100-101 「俺もそう」は一個多く誤り。

2のモンスターは“くびかりぞく”です   166から >>102 続き
166帝王と勇者 ◆nnhp2Q5d4w :04/01/31 16:37 ID:SAXvowbW
足を組んで頬杖を付き、王座に腰掛ける豪胆な紳士がいた。ダンディ、ノーブル、極めて冷静。
しかし王室の石柱の影から首狩り武者の様な女に覗かれているを知って、弾かれた様にその席を立った。
背凭れの大きな王座に隠れると、見慣れた兵士がその肌の黒い娘を追って現われる。
娘は兵士の目を逆方向に引き付ける牽制をし、進退窮ったその紳士を助けてくれる。
「そこへ行ってはいけない」
注意する兵士と注意される娘とは言葉が通じないがなんだか上手くやっている。
紳士は上手く隠れて回り道をし、何も無かったかの様に後ろから
「勇者様の案内か、御苦労」「は」
「先程見られた事は、御内密に」
アリアハンの言葉で流暢に喋る大臣に、女勇者は笑顔を見せる。
「代わりに良い事をお教えしよう」  
眠らせた兵士を勇者は起してしまったと言う。大臣の魔法は完璧で、兵士は自分が寝ていた記憶がない。
王室からの夜景を見、玉座に座って思案する。大臣は2分程の間それがしたかっただけだ。
大臣は滅多に失態を起こさない男の様で、慌てた姿は女勇者をドキリとさせた。
一瞬バーサーカーの様に見えた勇者だが、やはり「あなたは可愛いな」
ナイフ、刀の切っ先の様な美貌の大臣は女勇者を褒めた。
洗練され好奇心を刺激する物に溢れた大臣の部屋。圧倒されながら勇者は楽しそうに目を配っている。
勇者はおじ様と楽しむ。男との遊び方を色々教えてもらう。西の大陸の木に囲まれた小さな草原の話も聞いた。
「酔っている貴方の方が好きだ」
キャッキャッと漏れ出る女の声を、先程の兵士は大臣の部屋の前で聞いていた。
あの大臣は2、30人程女を部屋に入れて一人でその女達と遊ぶ事もある独身であった。
大臣に比べて、勇者は自分を犯した男さえも(生きてるかしら…)とたまに思い出す。
机の上、ワンピースの様な女勇者の旅人の服、その裾を大臣は押し上げていた。
下半身の服も脱がされ、下着と太腿が出ていると気にして視線を下に投げる勇者を
冷静で少し嗄れた端正な美声が誘う。裾は乳首をギリギリ隠す所で止まっている。
下半分が出ている勇者の乳房を大臣は下から揉み拉く。
「お年の割には柔らかい。16でいらっしゃる筈」「うん、…」「声が良いな、貴方は…」
43才の大臣は勃起したが…この男もいつかは体全てで(熱くなる時があるのかな)と女は想像した。
167帝王と勇者:04/01/31 16:39 ID:SAXvowbW
まだ成長している乳房は「あ、やはり芯は固いな…」「痛い…」「あぁ、すまない」
「失礼」と言われた勇者は乳房を半分出したまま上体を上げる。「そのまま」と大臣は部屋から出てしまう。
先程の兵士が大臣に連れられ部屋に入って来た。
乳房、腹部、太腿、ふくら脛も出ている女が彼等を見詰めている。
(あっ!)と兵士は顔を反らし「見ろ」「私には妻子が居ります、あの様な女子は…」
三日程夢に出て来そうだ。肌の黒い女の魅力を初めて見た。大臣も初めて触わった。
「この女(ひと)は男を知っている…自分が人の目を惹く事もな。抱いて見たら…」
兵士が見ると、瑞々しい女がコロンと丸くなって男達の言い合いを見ている。(あぁ、可愛い、なまめかしい)そして危険で、どことなく爽やか。
「お許し下さい、閣下」「何?」
この大臣に睨まれて、無事で居られた者など居ない。兵士は実際その鋭い眼光の仄めきを見た。
「…話しをさせて下さい、言葉が…」「いいともいいとも」
兵士は勇者をひょいと抱き上げた。「あっ」と勇者は逞しい男の腕でベッドに運ばれる。
たぶん抱けと言われて困っているんだなと言う事を、勇者は気付く。
勇者は黙って、自分に覆い被さる姿勢の兵士が帯びている刀を抜き取った。
「こら、あぶない」
勇者は今日、この兵士に注意されてばかりいる。
目の前から影の様に消えたり、見えていると目線の自由を奪われたりする。勇者は自分の服の乱れを直し、剣をクルクルと回しながら
「私を抱きたくないの」
と聞くので、訳して貰った兵士を驚かせた。
「貴方が…魅力的だとは、思っています」
「いいよ…あたしの言う事聞いてくれる?恥かしいから出てて」「は、…あ、いや」
刀を置く勇者は大臣に服を剥がされ、豊満な乳房が全部プルンと出た。
(あっ)と兵士も程なく勃起する。
「母上の郷がテドンだとか。乳房を見られるのは平気でしょう、あの兵士にも」
「テドンは、滅んだと御存知ですか」
「なに…」「魔王が攻めて来たの。次は私この国だと。特徴あるから」
「勇者殿」
エジンベアを脅すつもりか。大臣の静かな怒りに勇者はホッと惹かれた。兵士が
「男を誘惑して楽しむなど、頼りない女勇者だ」
168帝王と勇者:04/01/31 16:41 ID:SAXvowbW
と言う。勇者は言われたぁと参った。その男の言葉には続きがあったが、勇者がバッと力強く天井を見た。
(お祖父様、結界が!)

アリアハンの自宅で息子(オルテガ)の嫁と、ポルトガの胡椒などに囲まれながら朝食を取っていた勇者の祖父は(ムッ)と立ち上がり家の屋上へ
「おじいちゃんっ!」
何よぅ、ちゃんと食べてと勇者の母は何も知らずのん気だ。

「何と言う数…」と怪物達の気配を感じた大臣は身に魔力を溜めている。
「待って。旅人や商人達が国に増え結界が急に弱まった様です。復活を暫く」
人々の住む城、町、村などが凶悪な怪物から守られているのはこの結界の成せる業なのだそうで
「貴方は…まさか、その為にこの国へ」「エヘ、私も入国から掛けていました」
「これは、人の手に寄る物だったのか」「はい。ある魔法使いが世界中を」
「誰だ!?」
(お祖父様…)祖父の韜晦(とうかい)は徹底している。自分が彼の意向を損ねる事は出来なかった。
武器を装備し始める武闘家と戦士。戦士が空を見上げ
(素晴らしい…)まるで生き物の様にこの国を包んでいく青い光りを見た。
邪悪なモンスターを遠ざける力は人間誰しも持っていると言う。その力を引き出す作業をしているだけだと、勇者の祖父は言っていた。
これはエジンベアの力なのだと。彼は強力な魔力を放ちながらそう言う。
走る勇者が仲間二人を見付けた。彼女は自分が丸腰なのに気付く
「貸して」「こ、これ」また兵士に注意される。
結界にへばり付き食い破ろうとしている怪物達が、エジンベアの人々を恐怖させた。
勇者は兵士の長剣をスルリと抜いて、モンスター達に重い歩調で近付いていく。
長剣を、何時でも捌ける様に構える。力強く別世界の様な静けさ。眼光の恐ろしさ。
モンスター達は目に見えてパラパラと去って行った。一匹も見えなくなった。
威嚇は戦いを避ける為にある。これが女勇者バリーの最大、最強の武器だった。
戦士も彼女の威嚇だけは胸を(悪く)騒がせずに見る事が出来た。
戦う彼女に射られる様に焦がれるとは、悲しさに射られていたのである。
彼女の威嚇以外の戦いでは、男戦士は武器を振るう彼女を見る自分の悲しみから恋していた事に気付いていた。
さて、大臣は(この女の力を私が扱えるだろうか)と色々と思案し始める。
169帝王と勇者:04/01/31 16:43 ID:SAXvowbW

あの時はただ…貴方が勇者である事を思って欲しかったのです。立派な方と思いましたから。兵士は失言を謝った。
「しかし…結界の強さを図る為に…我々エジンベアの者と居たんですね」
いいえ、あなたに押し倒された事や大臣様の手が楽しかったと…言わせる気なの?
意地悪ねとばかりに女勇者は笑って拗ねる。大臣はこのお二人怪しいなと思った。
二人切りになった時、つい乳房を触わってしまって止まらなくなった。
戦闘態勢から開けた快感から、男女は興奮気味。大臣のベッドに横たわり絡み付く魚の様になってしまった。
男の愛撫は一人一人違うな…と女勇者は思う。この男は乳首をすぐに触わって来て柔らかく、いやらしく指で愛した。
この国を守ってくれた女(ひと)、自分よりも強い女性、それが自分の手の中にあるのがこれ程興奮すると兵士は思っていなかった。
(う…)男の身体の中が不意に盛り上がってガクリと力が抜けていく。
勇者は憔悴しているその兵士を覗き込む。服の中に叶えた男は恥かしくて離れる。
「私は…あなたの様な人とこんな…その、無い事だと思ってたから…ありがとう」
仲間の戦士が兵士の別れの言葉を伝えてくれ、勇者は
「あなた男らしくて素敵よ。でもちゃんと家に帰ってね」
と背伸びして兵士の頬にキスした。

「王様が太ったり痩せたりしているのは、大臣の威光と権力に押されているストレスと言う噂です…悪い王様じゃないんでしょ?私もそう思う。大事にして」
「当然だ」
昨夜の様に乱れる事は私もないのだと大臣は言う。勇者を求めなかったのも
「あなたと繋がってしまうのは、勿体無い気がしてね」
お互い老いて人生を振返りながらしみじみやろうと言う。女として息が長いかどうかは一晩付き合えば大体解ると言う。中年になった女勇者が楽しみだと。
「また会いましょう勇者様」「バイバイ、大臣様」
嫌と言う程格好の良い大臣は、洗練された挙措、絵から抜け出て来た様な美しさ、笑顔で女を送った。
バリーは食事が恥かしい。「美味しそうに食べるねぇ」とは、イヤラシイおじさんに
「ほら…、こんなになってるよ」と言われるのと同じ種類の爽快感と恥かしさを得る。
デートして大臣とは食事出来たかもと思う。勇者として(利用されそうだわ…)とも思う、危険な男だった。
170帝王と勇者:04/01/31 16:45 ID:SAXvowbW

勇者の祖父が階下に降りて朝食を続ける。「冷えちゃったわ」勇者の母は義父が自身の命を支える(食)と言う行為を置いても何かに懸命なのを可愛く責めた。

自分の傘下に入れる事は出来るだろう。しかしこれ以上の力は今の所要らない。
「男であり女であると言う事は…」
いきなり色っぽい事から話始める大道士にブラックは緊張しつつも驚いた。
──そのまま──と言う言葉が14才の心に残った。道が解らぬなら探しなさいとも。
道士は全く、本質の所に触れてくれない。
「注意して見よ。人の身体に起る一瞬の事が、些細な事が、人の人生を一生を現している事の何と多い事か」
道士の思想の一端を解り易く書いた児童書があった。「児童向け」悟りの書に認定されたこれは面白く目から鱗がボロボロと落ちる様で14才の戦士ははまった。
祖父が書き、母が子供も読める様に物語にしてくれている本。これを捧げられた子(オルテガの子)とはどんな子だろう、どんな人間になるのだろうと戦士は楽しくなった。

もうすぐ18才になろうかと言うバリーはもう、母親になっていた。
アレフガルドへ向おうとした頃、ポルトガへ忍び城の浴場で王と再会した。
従者には勇者だと知れずに済む。王が二人きりに成りたがるのは珍しい事と、従った。
「なぜ、来たのです」
と言う王だが、夢中で人妻に口付けていた。「デートは、ここで会う予定もあったでしょ」
懐かしい。あの時貴方は舞ってくれたと感慨深い王の前で、勇者は衣服を脱ぎ出す。
(あっ)と王が目を反らした隙に、薔薇色の湯の中へ勇者は身を沈めていた。
「王様」おいでようとばかりに勇者は湯の中へ誘う。
(酷い人だ…まるで)自分を男と思っていない様な振る舞い(こんな酷い事があるか…)
「私が、貴方の事をどれ程思っているか…」
「だから」
ザッと勇者は湯から立ち上がった。濡れた陰毛までスッキリと見えている。
瑞々しい彼女の乳首は、白い肌には淡い桃色に見えたろうが、彼女の黒い肌には白く浮き立って見えた。
目印の様な白い染み…大きな声では言えない様な“白い染み”に見えた。
(勇者殿、見事だ…)エロティックさが。
こんなに激しく誘惑して来る体を、王は見た事がなかった。
「私も未練です」「未練…」
「こんな思われ方されたのあたし、あなただけ」
171帝王と勇者:04/01/31 16:48 ID:SAXvowbW
彫り師としてここまで引き立ててくれ、生涯見捨てずに居てくれそうなのもこの王だけ。
この王も特別な男だった事をバリーは素直に白状した。
「あたし、夫も知ってる事だけど良くないの、Hなの」(失礼だが、私も知っている…)
「あなたに体を見せたくなったのよ」
勇者はちょっと両手を広げる。
「この体も死んでは無くなってしまうし」
王の心は澄んで行くのに、それに反して体は熱く男のそれとなる。勃起を隠さぬ所か王も全て脱いで湯に入った。肩幅の広い立派な体格である。
彼女が笑った時、乳房が微かに揺れていた。
「バラモスさんは良い王様。でも闇の世界の魔王は只の者ではありません」
他言無用の魔王の事。しかしポルトガ王には話せた。
魔王に挑み、氷の刃がその体を突き抜き左手(ゆんで)でも引き千切られるか。
何と言う世界に居るのだ。私はオルテガの娘。
「王様はちゃんと寝られなくて可哀相」
私にも、牢獄がある筈だと勇者は思っている。壮絶に獄死したあの勇者の様に。
(あの人と一緒なら)同じなら幸せ。
王は勇者に触れて来る。「この国に居てくれ」
女18才、男30才。二人してすっかり子供らしさの取れた裸の男女はグッと近付いた。
この王がエルフに嫌われる様になってしまったと言う。バリーに会ってからだとノルドから聞いた。
(あなたを変えてしまった事を私…後悔しています)16の時は夢中になりそうな自分と相手を感じて後悔したものだ。自分が危うくなり、相手も傷付けそうだと。
(あたしは勇者。あなたは王様)
「迷ったら新しい道を選べ。勇者か、彫り師の自由を得るか。
迷った時はまだ自分の得ていない方を選ぶべきだ。あなたにはそれが出来る強さがある」
「勇者として新しい幸せも、あると思っています」
ポルトガ王はと言うとやはりどうしても、王を止めて勇者の旅の仲間にはなれない。
「あくまで王様ね。そう言う男の人好き。あなたは沢山の人に愛されて素晴らしい。あたし、夫が待っています」
彼女が夫の言葉によって今までに無い幸せに抱かれるのは後もう少し。

以前から、一つの価値観に向って驀進する事に疑問を持っていたポルトガ王である。
ポルトガは怪物の襲来を受け「暫く、殿下!」「戦える者が戦場に立つべきだ」
と王子がイオラを炸裂させていた。焼け焦げた怪物達を
「食え、無駄な物を作るな」
172帝王と勇者:04/01/31 16:50 ID:SAXvowbW
焼けたマタンゴがこれまた美味である。しかし戦況は悪化しつつあった。(我等は弱い!)
一つの価値観に向って驀進する事に疑問を持っていたポルトガ王太子である。
その時緑の法衣を見た。天の神か?と思う美貌の老人(神頼みか、私も情けない)
王子が自責の後、青い光りが凄まじい勢いで天に向い伸びた。
「竜顔拝謁奉り…」「今の、今の光りは」「結界です。あの峰の所まで…」
老人が去ると、巨漢の戦闘が見えた。肌が黄、髪が黒。サマンオサのサイモン。
「殺してはいけません。結界の外へ出すのです」
一度聞くと忘れられない様な美声で、その男がこの戦いを終わらせた。
サマンオサは地の利が悪い。高い山脈に阻まれこのモンスターの多い世では船で入国する事は無理である。港の王太子は焦れた。

サイモンは大変な美声で、勅諚を読み上げたり、サマンオサの声の仕事を沢山仰せつかった勇者でもある。歌も歌い、曲も書く。
「サイモンよ。結界を張って下さって居るお方はどなたか、そなたでも解らぬか」
サイモンは結界を張った魔法使いに似ている所があった。魔法使いとその韜晦も敬い、沈黙である。
女がとても好きと言う所は勇者オルテガにもその魔法使いにも似ていない。それでもサイモンはサマンオサでは妻どころか、恋人も一人も居ない。恋をしていない。
「なぜこの国に居を構えんのか…」
王に寵愛されている自分がこれ以上幅を利かせる事は出来ないのだ。人の恨みや嫉みははじめ起こさせない事が肝要だ。
「バハラタへ…帰るのか…今夜は居ておくれ」
勇者がその言葉に艶めかしい疑惑を抱き、王に視線を投げる。
「歌が聴きたい」
勇者はいつも通りに答えたが、宴が引けると…求められるまま初めて王に諸肌を見せた。
逞しい男らしい身体だが、非常に肉感的な刺激を持つ。
男も女も…下手をすると哺乳類、モンスターも彼の肉体を見て性的欲求を刺激されるか。
「男は…こんな体に生まれる事も出来るのだな…」
か細い、か弱い王がヒョロヒョロと立ち上がり、堪能していた男の背を後から抱いた。
彼の若く、発達した腹筋を、老い始めて来た王の細い指が撫でた。
(いけないな…)と思う男勇者だが軽く目を閉じ王を咎める事は無い。
「私が女であったら…お前だけを見よう、お前だけに抱かれ、お前の子だけ産んでいたのに…」
173帝王と勇者:04/01/31 16:51 ID:SAXvowbW
「陛下、私は一介の戦士に過ぎません。身に余る思いが致します」
「その様な声で…冷たい事を言うな…」
「私は昨今出過ぎとお思いになりませんか」「お前の腕に抱かれて眠れたら私は…」
勇者は帰った。しかし心配になって戻った(王の寝室に忍び込んだ)
王は華が咲いたように喜んで、勇者に添寝されその腕に抱かれるとポロポロと静かに泣き出した。
サマンオサ王は彼と二人きりの時等まるで女である。鼻筋の通ったその「美貌」はしかし一番の特徴ではなかった。
痩せぎす。皺の深さ多さ。腕力の無さも哀しい程だったが若者並の体力があった。我慢強い男なのである。
その人徳、可笑しな強さ情けなさ可愛さで、女性に非常にモテた王だが妻だけを愛した。
勇者は眠りに落ちない様に気を付ける。寝返りでもして王を息苦しくさせないよう。
女勇者バリーの一行が死霊のサイモンをサマンオサに連れて来ると
「生きていたのか…生きていた…」
と地下室に監禁され今にも死にそうな王がサイモンにすがり付いて泣いていた。

バリーの旅での仕事は、父親のオルテガを探し出しその進退いずれかを援護する事と
世界の結界を細部まで確認して回る事(場合によりエリアの拡大)にあった。
「地味だな…」「地味好き。女だものそして。コソコソするよ」
戦いは本業にあらず。
「慎ましやかで好きだよ。バリーさん」
武闘家に抱き締められて勇者は嬉しそうに笑っている。
「魔王を倒すとかは…」「うぅん…魔王って人間に倒せるの?」
バリーは魔王とは何か最近良く見えて来ているらしい。面白い話になって来たなと、武闘家が聞き耳を立てる。
「まず、お前が倒さないと」
戦士が言うと勇者は「ふぅん…」と言い、
「魔王がね、倒れたとしよう。その後の事を考えなきゃ。だから俺お前と旅してるよ」
と武闘家は言う。その後の平和の事こそを考える武闘家と、後も大事だが勝利する事の方に熱い戦士。
バリーが熱い恋心を抱き、その人への温かい愛情に泣いたのは武闘家の方であった。
この武闘家の誇りは“平和の為に戦う事”にあった。だから女勇者バリーの側がこの上ない。

バークの町で商売の勉強をしていた魔法使いのライトは、町にバリーが来たと知って友人の家のイスから立ち上がった。(友人は町を作ったスーの老人)
「茶くらいゆっくり飲んで行きなされ」
174帝王と勇者:04/01/31 16:54 ID:SAXvowbW
飲み切って帰る支度を始める。自分の顔を見てバリーに里心が付くのを嫌ったのだ。
バリーは元気そうだ。彼女から少し離れた所にのどかで色っぽい死霊がいた。
ライトに気付くと死霊は目を見開いて、大きな体で笑顔でこちらにやって来る。
ライトの初孫のサイモンは祖父の腕の中でたまにあくびしながら静かに寝ていた大人っぽい嬰児であった。
その嬰児は26才になると祠の牢獄で殴打され体がバラバラになって死んでいた。
ライトは人生であの時程悲しかった事はなかったが、今、笑顔で向って来る。
魔王を倒す為甦ったか。しかも脂の乗り掛かった30代の男になっている。(なんと言う…)
嬰児の彼を見て(あぁ、俺より強い)とライトはすぐ悟ったものだ。
足に力を入れぬと何やら座り込んでしまいそうだ。男勇者の包容力と執念、
死に行く男勇者に。
アレフガルドと言う闇の世界で魔王に挑むオルテガ。キングヒドラと間もなく対峙するそのオルテガにも死はゆっくりと忍び寄っていた。

(お祖父様みたいになりたいな)蔓延る悪と言う言葉がある。何時の間にか根を張り広がる平和もあるのだと言う事を、祖父には見せてもらった。
でもバリーはオルテガ程ではないが、少し似てしまって派手な所がある。
「下がって!」と人を非難させているのに逆に怖がらせてしまった事がある。雷が落ちた爆裂音の様で、格好良い声とも言われたが幾人かに怖がれた。
「戦いを知らぬ人」の心は一瞬凍てついて離れた。(しっかりしなくちゃ…)
彼女には、世の中の矛盾や下らない事を吹き飛ばしてくれる魔法使いの祖父が居た。大きな父である彼に育てられた。
お花畑で女友達と遊んでいるバリーを呼ぶのは気が引けた。
しかしバリーの方が気付いて友達と別れ祖父の方へ駆けて来る。
9才の少女は魔法使いの術で今日も吹き飛ばされてしまうのだろう。しかしバリーはライトの手を取り、木の枝振り回しながら口笛を吹き始めた。
「行儀が悪いぞ」「ュー、はい」
(俺もお前に育てられた…)祖父は思う。世界最強の魔法使い、肉体の盛りを疾うに過ぎた男は思う。
ライトは勇者バリーの最高の、生涯の仲間。

元近衛兵の夫が死霊オリビアと浮気をした時、妊娠していた女勇者は実家に帰った。
元王宮の戦士で、亡くなった妻が女勇者の祖父が居た。最適の話し相手である。
175帝王と勇者:04/01/31 16:55 ID:SAXvowbW
「凄い可愛い人で、肌がね、吸い付いて来る…」あの人ったら、その人を…。
「昼間からそんな話を…」大体バリーの唇が動く(喋る)だけで艶めかしい。
「この子は元気か?…お、竜顔有り」
彼女のお腹に手を当てて言う。「えぇ?」「解るのだ」祖父の戯れかも知れないけれど、
「王族になるって事?」「王や女王も立派なものではないか」「でも忙しそうだから…エヘヘ」
勇者がやっと楽しそうに笑った。

女勇者のバリーが初めて仲間の前で涙を零したのは、滅んだテドンの朝を見た時である。
女のどんな顔に欲情するかと言うと“泣き顔”の武闘家を興奮させた。
バリーはとにかく泣いて、涙を拭いて、拭かなかったりして武闘家を興奮させた。
そして武闘家瑠璃は久し振りに訪れたイシスの、その女王の側近に捕まってしまった。
有名な女王の大恋愛がある。相手はこの武闘家。
女王はイシスから離れてくれるな云々と…(子供みたいな事を言って…)
困るよと面白い程深酒になって、仲間の戦士が心配した。
「俺、…王族の男に…目を掛けられた事あった…」「…その人を思い出せない…」
武闘家は本当に辛そうにした。「男?」「一人だけ居た。そう言う事無いかお前も」
戦士はアリアハンの故大臣を思い出したが「男はいけない。駄目だ」「………そうだな…罪だ」
女勇者を探し始めて席を立った武闘家に戦士はギクリとした。
この夜、泥酔している男二人に勇者は…最初戦士に抱かれ、最後に武闘家の硬く大きな物の進入を感じた。
武闘家は勇者の上に被さる様になって、グイと腰を進める。勇者はびっくりしつつも程無く身体を熱くした。
瑠璃は声も艶めかしく、身体も、受ける快感も刺激的。女達が彼を忘れない筈である。
戦士は執拗。軽く狂いそうになる。勿体振るし
(大っきい…)
男戦士が女勇者に入り、快感を得る。摩擦して彼女にも与える。気持ちの良い時に口付けられると嬉しい。
女を初めて抱く男の喜びを初めて見た。嬉しそうなのが幸せだった。
終わって「良かった」と戦士が抱いて来るので(ウフフ…)と勇者は男と濃厚なキスをした。
「ぅ…ん」
男二人は嬌声を褒めてくれる。(やぁん…)逞しい男に突かれて快感を貪りながら
(どっちかを、選ばないで良いのかしら…)と女勇者は思った。
176帝王と勇者:04/01/31 17:00 ID:SAXvowbW
男達は別段、男二人に体を許している勇者になにも言わず(今日は慰めてくれてるの?)
と気付いた(男の体で慰められると思われてるの、あたし)なんだか情けない様な気がしたが
この二人とそれぞれ一つになると嬉しいし、自分に出たり入ったりしているのを見せられると軽く叫びたくなる。
「ぁっ…そこ…」と誘ってどちらかの男を喜ばせ
(イキそう…)だけれど、どっちの男に与えられているのか判別し辛い。裸の自分の乳房が揺れているのが見える。
(二人とも私の胸…好きかな…)
遊ばれている訳ではないと思うので、勇者は男二人の行動に目を閉じる。

武闘家と戦士は妙にスッキリしながらも、呆然としていた。
武闘家と戦士は女勇者に曲をあげる事にした。
武闘家は軽快で明るい曲、戦士は魅惑的で妖しい曲を作った。
戦士の曲はピラミッドから流れ出しそうな曲であり、武闘家の歌は遠い未来にどこかの町で歌い継がれた。
「嬉しい…」
明らかにやつれて喜ぶ女勇者に(酔って二人で彼女を苛んだ)男達は恥かしさと嬉しい様な思いで堪らなくなった。

自分の地位を心を脅かす女に初めて会った。(バリー、母御前…)
恋して居るのか。
恋。
「フフフ…」
ワハハ!王は自嘲気味に笑った。(何を思う、我がアレフガルドの王!)
「ロトを、バリーを消し去れ」
それが死の床に付くラルス一世の最後の言葉であった。 

天界のゼニス王はバリーが来るとなると、色めきたって、城や自分を小奇麗にし
「いや、ロトの名を貰う様な女勇者は凄い倍率だろう、強くて美しいだけの人かと思っていた。しかしどうしてどうして」
女勇者バリーが次男に光の鎧を着せて、自分はスカートを動き易い様に引き裂いた光のドレスを着て現われた。
王者の剣を片手で操り、両肩に重々しく乗せてパーティーに指示している。
「母御前!バリーさん!勝てよ!」
ご機嫌麗しくと女勇者は礼をした。(うぅん、エロス!)
「行かれるのですね。ご武運を」
その天界の兵士もゾクゾクとさせた地上の女。息子に熱い湯を飲ませている「熱い!これは熱い!」
177帝王と勇者:04/01/31 17:01 ID:SAXvowbW

バリーが母親になるとテドンの人々は彼女を「ママ」と呼ぶ。「ママ、お出かけかい」老人、老女も。
「うん」「綺麗だなぁ」
やはり、年頃の男女は「ママ」と呼びつつ、女として彼女を見ている事多く「俺送ろうか?」「ありがとう」
長男の次に女の子が生まれたと勇者ロトはロマリアに遊びに来た。
あの時カンダタ子分に犯されたのよと王に勇者は言う。ロマリア王は巨大な剣を抜き
「許さん、斬る」と静かに怒り狂った。
「その男死にました」
ポルトガ王の感情はいきなり停止する。
「皆、死にますね」
そして生まれたばかりの娘のこめかみに勇者はキスしている。
ふう…とロマリア王は刀を収めた。
「その男亡うなったから、儂に話したのだろう」
この女は、この女は、と王が珍しくおどけて勇者に掴み掛かって来た。母御前の勇者がギクリとする。
ポルトガ王が来たと言う。ロマリア王と勇者ロトは居住まい正した。勇者等この場からお暇である。

力強い半島の大王は、港の奇抜の大王に押されて負けてしまうのだろうか。
ポルトガ王に付く形を取っているあの気高い小国の狡猾、老獪な大臣は…
「あの兵士、息子だった」「え!?」「お互いに最近、初めて知ったよ」
襲って来るあの兵士は素敵だった。ちょっと恐かったけど(そう言えば顔似てるね)
「どんなに力を持っていようと、一人ではどうにもならん成り行きがあるな。
一人が国や世界を動かす事など有り得ない様に。
おぉ。こんな美しい赤子を見た事がない。大きくなったら貴方も私と仲良くしてくれますか?」
この男達の威嚇と相克は、勇者ロトにさえ口出し出来ない事が多かった。
かつて恋した男達のパワーは怒涛。

帝王達は彼女の厳しさに痺れ、温かさに酔い、
可愛らしさ、生意気の加減、のびのびとした娼婦の様な大胆さにかなりHな気持ちにもなったのだ。
バリーの温かさはまるで自然の物であり、当たり前の特徴なのだ。
最高位である王達がどこかで帰りたいと望んでいる姿だった。
178帝王と勇者:04/01/31 17:05 ID:SAXvowbW

勇者バリーの黒い肌を、青と表現する事もある。彼女は纏う衣類を紫に変えてしまう事があった。
青い肌に紫の衣を纏い、その爪は鉄をも引き裂き、吐き出す炎は岩をも溶かす。
有史最強の王、空前絶後のアレフガルドの名君はそう言われた。ロトの剣を自らの城に携え、その子孫と戦った。
その王の父は800年前アレフガルドから光を奪った魔王であると言う、噂。

「実に不愉快じゃ」
竜王の曾孫はロトの子孫達に自らの鬱憤を話し始めた。
戦い終えた大王達に友達になろうと言った。ローレシアの王、サマルトリアの王子、ムーンブルグの王女は心良く竜王に手を伸ばした。

ゾーマは女勇者バリーの丸い臀部、瑞々しく張った乳房、香しい薫りが
何の為なのか意味は解るが、良さが身に染む事はなかった。
そうだ、ゾーマは生き物ですらない。
だか彼女の眼差しの強さの意味は解る。凄まじさの重圧、圧迫。
ゾーマはバリー(勇者ロト)を初めて見た時、その漲る力に感じたのは恐怖ではなかった。
焦りである。
ゾーマを倒す事の出来るオリハルコン、その鍛冶師ジパングの賽が居た。
女勇者バリーに会えばその女に命も懸けたろう、しかしその女勇者を見る事もなくこの世を去る。
女賢者である実子に王者の剣の事を託せざるを得なかった。
賽は闇にゾーマに労りを尽され愛されている事に気付いたのだ。相容れてなるものか。
その自決は高潔な矜持でもあったが、彼の未来がゾーマの存在に負けたのだ。
オルテガが闇を恐れたのも闇を愛したくなかったからだ。愛しそうだったから。
折角愛情深い男なのに、了見の狭さがこの大勇者の首を絞めている。ゾーマへの憎しみも深い。
そこで女勇者バリーが居る。ゾーマはこの女にすぐにも抱かれてしまう事を恐れた。
この者の境地にまで上り詰めなければならない。
見れば見る程、語り合えば合う程、彼女の凄まじさに魔王は焦れた。
ゾーマの言葉を女勇者はフムフムと聞いていた。
その小さい光の鎧は包容力と言う青い海だった。穏やかな凪。
この女を仲間にしたかった。だからゾーマは待っていたのである。
だが自分が既に負けていたとは思わなかった。
179帝王と勇者 ◆b1.k4QsxdA :04/01/31 17:06 ID:SAXvowbW
滅んだテドンの人々を生き返らせると、女勇者は華の様に喜んだ。
この女を仲間にしたかった。そうしたら
彼女本人に会って、それは逆となる。殺せたら良い。とにかく今はそれだけで良い。
まずは急がねばならない。テドンを蘇らせたのは、お前の命と引き換えだ。
(困ったな…)
ロトはその頃、乳房が張って仕方が無かった。実子に乳を飲ませられなくてションボリしていた。
(その肉体は滅んでも、お前を忘れん)
ゾーマは走った。
緊張なら、魔王の方である。静かな青の中、暖色の衣が挑む。
橙色の魔王、青の勇者。鋭い魔王の爪が勇者を捕えようとした瞬間
(来い、勇者)
そう思ったのはロトの方だった。
もっともっと、明るい方へ魔王は行こうとしていた。モンスター達の為でもあり、世界の為でもあった。さすが、世界を震撼させた魔王なのである。
待ち構えている女は王者の剣を抜いて、最高の回復呪文で仲間達を癒す。
(さぁ、もっと近くへ)
体全てで受け入れ、呼ぶ。呼ばれたゾーマは夢中でロトへ踏み出した。
180Another Star:04/01/31 17:09 ID:SAXvowbW
「男であり女であるってのは大変な事なんだよ」
勇者サイモンは勇者バリーに言った。
「お前が男だったら、仲間になってなかったろうね」
こんなに深く繋がり、仲が良いのは勇者が女だからである。男だったら骨肉相食む好敵手となった筈だ。
ゾーマもひたすら倒す相手となろう。

アープの塔はロープで張り巡らされている。
「ガルナの搭を応用すんのね」ホイホイと三人パーティーはロープから降りやまびこの笛を手に入れた。
181 ◆nnhp2Q5d4w :04/01/31 17:11 ID:SAXvowbW
続く 海賊団の男(商人、盗賊の様な男)が出ます。

性転換の話がでてましたが、私の書いてる男戦士は女遊び人を男にした感じです。
巻き毛ではない短髪、大男にして鎧着せたイメージです。
182181:04/01/31 19:08 ID:SAXvowbW
>>179
もっともっと、明るい方へ  →  もっともっと、美しい方へ

訳あって名無しですが、訂正します。
183名無しさん@ピンキー:04/02/01 17:42 ID:0adiX3pz
GJ!
184名無しさん@ピンキー:04/02/02 04:31 ID:mFxg6Rc2
イラネ
カエレ
185名無しさん@ピンキー:04/02/02 09:23 ID:QaOT/QAO
保守
186名無しさん@ピンキー:04/02/02 22:31 ID:TEBgPSv/
>>166
正直、今までとっつきづらい文章という先入観があって、ほとんど
読まなかったんだけど、ふとしたことでしっかり読み込んでみたら
結構おもしろかった。
これからも頑張ってください
187名無しさん@ピンキー:04/02/06 18:14 ID:R2Pc47lk
サンチョ…あんなモミアゲだったのか
188名無しさん@ピンキー:04/02/07 01:28 ID:Ii7rJ8xj
ag
189ピアノ:04/02/07 04:57 ID:qVRR1Pv5
既に多くの方が執筆されているカップリングなのですが、
クリフト×アリーナを書かせていただきます。
お時間のある時で結構ですので、読んでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします。

ちょっと前置きが長いのですが、エロは5個目からです。
190ピアノ:04/02/07 05:00 ID:qVRR1Pv5
■■スウィート・プリンセス■■1
「…ダメよ……っ!」
 少女はまるで雛鳥のように、その面妖な感触にびくりと身体を震わせた。
 すっかり慣れ親しんだ彼の指先。
節のしっかりしたしなやかで長い指は、彼女の柔らかい耳たぶをすっ…と撫で、愛くるしい巻き毛を掻き分けながらその華奢な首筋に触れる。
男らしく硬質なその指先は、限りない優しさと、時に驚くほどの甘やかさをもって。
少女の身体は彼から与えられるいつもの淫らな心地よさに酔い、苺色の唇は、頭上の木々の間から零れ落ちる優しい日の光に艶やかにきらめきながら熱い吐息を漏らした。
思わず快感と期待に流されそうになった意識をどうにかつなぎとめると、アリーナは上気した頬で深く息をつきながら、自分を抱きしめようとするその腕を精一杯押し返そうとした。
 しかし、
「何故ですか?」
少女のそんなささやかな抵抗はものともせずに、クリフトは優しく微笑んだ。
……もっともこのお姫様が本気で嫌がって抵抗しているのなら、腕力的にも話は別なのだが。
「この間集落に立ち寄ってから、もう、月が2度も満ち欠けを繰り返してるんですよ。その間何度、こうして姫様に触れたいと思っていたか……」
 そう言ってクリフトは、アリーナの豊かな亜麻色の髪を首筋からかきあげる。そっと優しく、幾度も首筋に触れながら。
「姫様も同じだと思っていましたが、よもや私の思い過ごしだったのでしょうか…?」
 そう言ってクリフトは、一つ深いため息をつく。哀しそうな表情、いつも皆と居る時よりも少し低く掠れた声。こういう時のクリフトに、アリーナは弱いのだった。
「そりゃあ…あたしだって……、でも……」
191ピアノ:04/02/07 05:01 ID:qVRR1Pv5
■■2
「でも?」
 小さく呟くアリーナの髪を一房すくい上げると、クリフトはそっと口づけた。
「町に着いて早々、二人っきりで宿を抜け出して…みんなから変に思われるよ……」
 するとクリフトはコホンと小さく咳払いをし、取り澄ました顔でアリーナを見る。
「それでしたら先ほどブライ殿に言付けて参りました。町を散策してくる、日が落ちるまでには戻る、と。
それに姫様にとっては『早々』かもしれませんが、既にミネアさんと常備品の買い物は済ませましたし、
トルネコさんと武具も整えておきました。姫様がお部屋でマーニャさんとおくつろぎになっている間に」
 アリーナは少し頬をふくらませて、優しく閉じ込められた腕の中でクリフトを見上げた。
「…それって、お説教?あたしが怠けてるって」
「違いますよ」
 クリフトは言った。
「パトリシアの世話は当番のライアンさんがやってくださってますし、ユーリルも買い物に行くと行っていました。
姫様は余計な事を考えずに、ここでこうして私と一緒に居ていただけると言ってるんです。
…勿論、姫様がお嫌でなければの話ですが」
 多少言い訳くさかったが、アリーナはそんなことには気づかず小さな声で呟いた。
「嫌だなんてあたし…っ」
 クリフトは微笑んだ。仲間達と一緒に居る時とはちょっと違う、ゆっくりとした動作で目を細める。
「…それでは、私のことを許してくださったと理解いたしますが、よろしいんですね?」
 にっこり微笑むクリフトにじれったそうに、アリーナは不服の表情で、
だが彼の法衣の端をしっかり握り締めてその胸に顔をうずめた。
「………クリフトの馬鹿」
192ピアノ:04/02/07 05:02 ID:qVRR1Pv5
■■3
 そんなアリーナに人知れず満足気な笑みを浮かべると、クリフトは再びそっと髪を撫でてやった。
「馬鹿とはまた随分とつれないお言葉ですね。お嫌でしたらそう言っていただいて構いません。
二度とこのような無礼な振る舞いはいたしませんから…」
 そんな言葉とは裏腹にクリフトの大きな手は、優しく、優しくアリーナの髪を撫で続ける。
そして、その大きい掌は耳を滑り、頬へ伸び、アリーナの身体の芯まで心地よく溶かしてゆく。
 アリーナの身体はもう、クリフトを拒むことができなくなっていた。
「…クリフトは大馬鹿だもん。あたしなんてちっとも女らしくなくてさ、花冠もひらひらのドレスも似合わないしさ、
戦闘だって先発メンバーでボコボコ殴っちゃうのにさ」
「えー…、姫様」
すっかりおとなしくなって自分の腕の中におさまるアリーナをあやしながら、
クリフトはわざと眉間に皺を寄せてみせた。
「もとより、乳兄弟として幼少のみぎりより姫様のお傍にお仕えする身といたしましては、
姫様にしとやかで思慮深い面を求めるのは無理だということくらい、身に染みてわかっておりますれば」
 アリーナは、いっ、っと口を横に開いてクリフトを睨んだ、が。
二人は見つめあった。相手の瞳に自分の姿が確認できるほどの距離で。
そしてどちらからともなく笑みを零し、互いの身体に腕を絡ませ合って、
木々のざわめきと草花の香りを運ぶそよ風に身を任せた。
 姫と従者という身分の違い、繰り返される魔物との闘いの旅、その合間の密やかなる休息だった。
クリフトはアリーナの前髪をそっとのけると、その日焼けした肌に口付けた。
すると、くすぐったそうに目をつむって微笑むアリーナは、唄うように詩のように、言葉を紡いだ。
193ピアノ:04/02/07 05:03 ID:qVRR1Pv5
■■4
「今も昔も、あたしはあたしである事に誇りを持ってる。お父様や城のみんなだって、絶対助け出す。
その為なら、危険を厭わず敵をぶちのめしてみせるわ、この拳が砕けるまで」
「砕けるなんて縁起でもない」
 言いながら拳を握り締めるアリーナに、クリフトは少々渋い顔をして十字を切った。
「んも〜、ブライみたいな顔しないでよっ。まったくクリフトってば若年寄なんだから!」
「わ、若年寄…ですか……」
「まあいいわ、とにかくそんなあたしでも」
 するとクリフトはアリーナが言い終わらないうちに、人差し指と中指を彼女のぷっくりとした唇に宛てて黙らせた。
 アリーナはクリフトの考えを察するとにっこり笑って、神に祈りを捧げ多くの人々を癒してきたその指先に、
小鳥のさえずりのような音を立ててキスをした。
「…そんな貴女だから私はお慕いしているのですよ、姫」
 クリフトは掌をそっとアリーナの頬に沿わせた。それで、アリーナは一瞬目を細めてぴくりとしたが、
それもいつものこと。そのまま指先を滑らせ、再びアリーナの熟れた野苺色の唇に触れた。
アリーナは熱くなる胸を押さえながら、熱病にかかったかのようにのろのろと視線を上げた。
そこで、クリフトの優しい、けれど熱い視線にぶつかる。
「………イヤ。」
 クリフトは、ちょっと寂しそうな困った顔をした。
「イヤ、ですか?」
「イヤよ」
 アリーナはそうきっぱりと言って、悪戯っぽい笑顔を覗かせた。
「いつまでもそんな堅苦しい敬語を使うクリフトはイヤ」
194ピアノ:04/02/07 05:05 ID:qVRR1Pv5
■■5
「ん……。ねぇ…、こんなところで本当に大丈夫なの…?」
 落ちかけた陽の紅いひかりに身を染めながら、アリーナは言った。
「…人、来たりしない?特にユーリルなんて…ぁっ、町に出てるんでしょ?…ぁっん……」
 クリフトは優しく微笑みながら、腕の中に収めたアリーナのやわらかな胸の感触を愉しんでいる。
「…ここなら周りからは茂みに隠れていますから…。それに、邪魔が入らないよう、
あらかじめ地図で調べておきましたので、大丈夫ですよ」
 こういう時のクリフトは、いや、クリフトはいつもそうだが、ぬかりがない。
「……クリフトのえっち」
 アリーナは上目遣いでクリフトを睨むが、クリフトはものともしない。
「えっち、で結構です。姫様は余計な心配をなさらずに、
…そう、そうして可愛いお声を上げていればいいんですよ…」
「あっん……。クリフトの手、優しい……」
 アリーナはもう目を開けることもままならずに、クリフトの与える愛撫に身を任せていた。
 クリフトに後ろから抱きしめられる格好で、背中をその広い胸に預けている。
「優しいだけですか…?」
 クリフトは言いながら、服の上からでもわかるくらい堅くなったその先端を、
丁寧にさすり、摘んではまた撫でた。
「あん、あっ……やぁん、クリフトぉ…」
 まだその行為に慣れていないアリーナは、自然とクリフトの与えるその快楽から逃げようと
身体をよじるが、クリフトのもう片方の腕が、それを許さない。
「姫……気持ちいいんですか?ここが?…じゃあ、こうしたら…」
 クリフトは少し強くその先端を摘みあげた。
「やあぁっっ。ぁ…はんっ……」
 その優しい手によって思考を閉ざされてしまったアリーナは、もはや熱のこもった息遣いになっている。
「姫……」
 耳元で囁かれるクリフトの低く優しい声に、アリーナはぞくりと身を震わせる。
195ピアノ:04/02/07 05:07 ID:qVRR1Pv5
■■6
「姫……アリーナ姫……。少し大きくなりましたね?ほら、こんなに……」
 そう言ってクリフトは、アリーナのワンピースの胸元を大きく開けた。
すると、小振りだが形のよい双丘が、斜陽に照らされてなんとも愛らしく空気に触れた。
「やだっ…恥ずかしい……!」
 必死にもがいて隠そうとするが、いくらアリーナが修行を積んで並の少女よりはるかに…
…いや、既に一般的な女性と比べる事自体が間違っているのだが……力強くなっていても、
こういう時のクリフトのそれには到底敵わない。
ささやかな抵抗はあっさりとクリフトの左手によって押さえつけられ、
とうとうその可愛らしい双丘は露わになった。
「ヤだってば……!」
「ダメですよ」
 優しく掌を、指を動かし続けながら、クリフトはまた耳元で囁いた。
「あんまりおいたをするのであれば、こうですよ……」
 クリフトは、アリーナの短いスカートの中にそっと手を差し入れた。
 ゆっくりと、太腿を撫でながら、だんだんとその手はスカートに入りこんでくる。
「く、クリフト……」
 アリーナは来るべきその感覚に身を縮こませたが、その手は中々欲しい部分に触れてくれない。
 思わず不服そうに身をよじるアリーナに、クリフトはくすりと笑みを零す。
「どうしました?触って欲しいんですか…?ちゃんと、言わなきゃわかりませんよ、
だって私は馬鹿なんですから……」
 クリフトの右手は焦らすように太腿を撫で、左手は、抵抗できなくなったアリーナの乳房に
直に触れて優しくその柔らかさを愉しんでいる。
「……意地悪…っ……!」
 うらめしく睨むが、既に快楽に身を委ねているアリーナのそんな表情は、
艶を含んで可愛らしいものでしかない。
「言わないんですか?じゃあ、これで終わりにして宿に戻りますか……」
 すっ…と、腿を撫でていたクリフトの右手が肌を離れる。
196ピアノ:04/02/07 05:08 ID:qVRR1Pv5
■■7
「…いやぁ……もっと…ちゃんと……」
「ちゃんと、なんですか?」
 クリフトは意地悪く微笑んだ。胸を揉みしだく手を更に細やかに動かして、
ころころとその突起を転がす。
「はぁん…クリフト……」
 アリーナが潤んだ瞳で訴えかけても、クリフトはまだアリーナの触れて欲しい部分に手を伸ばさない。
「ほら、言えないともう終わりにしちゃいますよ…?」
 いつもはただ優しいだけのクリフトが、こういう時だけ少し意地悪で、
それがまた気が狂いそうになるくらい胸を……そしてアリーナのオナカの奥の方の部分を熱くさせる。
 アリーナは荒げた息遣いの合間に、搾り出すように、言った。
「ちゃんと、そこ、触って………あ、あん!あっ!…あぁんっ!」
 クリフトの右手はアリーナが懇願するのと同時に一気にスカートの中、最奥に差し入れられ、
既に濡れているそこを、下着の上から撫でまわした。
「…言えるじゃないですか…。イイコですね……もう、こんなに濡らして……」
 その妙に優しい指技から与えられるなんとも言い難い面妖な感触に、
アリーナはクリフトの服の端を強く握りしめてよがった。
 クリフトの指先が、アリーナのその部分をそっとなぞり、押し、最も敏感な部分を摘みあげる。
かと思うと少し離れ、アリーナが知らず欲しがって腰を動かすと、
またぴっとりと吸い付いてきて、今度は貪るようにいじられる。
くちゅくちゅと耳を塞ぎたくなるようないやらしい粘着質の音が響く。
 アリーナは完全に、クリフトの指の愛撫に堕とされていた。
「はぁん…あ、ぁ……ゆ、び……」
「なんですか?」
 クリフトの顔は、アリーナからは見えない。
もたれかかった胸から響くように、普段からは想像もできないような甘く低い声が響いてきた。
「クリフトの…ぁんっ……指が欲しいの……」
197ピアノ:04/02/07 05:20 ID:qVRR1Pv5
もう遅くなってしまったので、今日はここまでにさせていただきます。
拙い文章ですが、もう少しお付き合いいただけますでしょうか…。
それでは。
198名無しさん@ピンキー:04/02/07 08:04 ID:INwWcChf
続き待ってますーーーーーーーー
199名無しさん@ピンキー:04/02/07 09:46 ID:FAIgBXTj
クリアリキタワァ*・゜゚・*:.。..(n‘∀‘)η゚・*:.。. *!!
続き期待してます。
200名無しさん@ピンキー:04/02/07 13:38 ID:+OhlwXNY
200σ・∀・)σ ゲッツ
201ピアノ:04/02/08 02:19 ID:KyLHhfea
ありがとうございます。
続き、上げさせていただきます。
202ピアノ:04/02/08 02:23 ID:KyLHhfea
■■8
 その言葉を待っていたかのように、クリフトは下着の隙間から、
アリーナの中へと指を挿入させた。
「…あ、ぁあんっ!!」
膣内の抵抗をぐぐぐっとかき分け、完全にアリーナの中に埋もれゆくクリフトの長い指先。
そして、見えないその奥深くでぐちゅりぐちゅりと淫靡な音を立ててアリーナを犯す。
クリフトの指がアリーナを犯すたびに、更なる快楽を求めて自然とアリーナの腰は動いてしまう。
「あ、ぁ、あ…っ!!」
 初めのうちはそれでも声を抑えていたアリーナだったが、
もう、そんなことを気にすることもできず、ただ本能のままに淫らな表情で喘いだ。
「姫様……ほら、こんなに。こんなにぐちょぐちょになって……。
気持ちいいんですか?ん?ホラ、ここは…?」
 クリフトの長く堅い指が、アリーナの柔らかい膣内(なか)を激しく犯す。
やがてその指先は膣内の、少し堅い部分を探り当てると、執拗にそこを責め立てた。
優しく、強く、撫で回すようにしてまた激しく探る。
アリーナのそこは、もう、むせかえるような甘い香りと淫らな液にまみれていた。
「うっ…ん、気持ち、イイ…。気持ちいいよぉ、クリフトぉ……!も、我慢できないよぉ……!」
 アリーナは激しく腰を動かしながら、挿入されたクリフトの指先を食んでいた。
「我慢……?しなくて、いいんですよ……。もっと…もっと気持ち良いカオ、見せて…姫……!」
 指先でアリーナを犯しながら、左手で自分の服を緩めにかかるクリフト。
ベルトを外すと、そそり立ったクリフトのその先から、透明の液体が一滴、竿を伝ってしたたり落ちた。
「我慢…できないぃ……。頂戴、クリフト……。クリフトが、欲しい……」
203ピアノ:04/02/08 02:25 ID:KyLHhfea
■■9
 涙ながらにそう訴えかけるアリーナは、相変わらず幼さを残してはいるが、
快楽を知ってしまった、女の表情をしていた。
 しかしクリフトは、そんなアリーナを見ると、更にいじめたくなってしまうのだ。
「わたし、が、欲しい……?どうして?もうあげてるじゃないですか…
…ホラ、姫が欲しいって言ったから、指……」
 クリフトが挿入していた指を2本に増やすと、アリーナの身体は跳ねるように強く反応した。
 先程の倍の太さの異物がアリーナを犯す。
アリーナの膣内では2本の指が暴れ馬のようにあちこちを責めたて、
アリーナはまるでクリフトの指に女を捧げているかのごとく、限界まで両の脚を広げて、懇願した。
「やあっ…!ぁん、あん、もうダメ…!お願いぃ…頂戴…!いじわる、しないでえ…!!」
204ピアノ:04/02/08 02:26 ID:KyLHhfea
■■10
 クリフトも、もう、自身をアリーナの膣内に入れたい衝動を押さえきれなくなっていた。
 アリーナの言葉に弾かれたように勢いよく指を引き抜く。
「あんっ!!」
 アリーナが思わず両の目を強く瞑ると、クリフトの膝の上で後ろから抱きしめられた格好のまま、
すぐさま今度はもっと大きく、もっと熱いものがゆっくりと挿入されてきた。
「……っっ」
「あああっっ!!クリフトぉっ…!!イイ、イイ、イイよぉ…!!」
 下からつきあげ、掻き回されるその感触。それは耐え難いものだった。
 ぐちゅん、ぐちゅん、とその一つになった部分から二人の擦れる、
混ざり合った液の音が酷く淫らに響くが、それを気にできるほどの余裕は二人にはない。
自分でそうと意識しないままに、アリーナはクリフトと最も深く交われる角度を求めて
地面に伏せった。
まるで動物のような格好で…脚を開いてお尻を突き出し、
その秘所を日の下に露わにしてクリフトに深くを求め喘ぐ姫。
その姫の桃のようなお尻を眼前に、その腰をしっかり掴んで限界まで貫き犯す従者。
 緩急をつけて ぐ り ぐ り と 膣内を責め立てたかと思えば、
ずんっ ずんっ と激しく抜き差しを繰り返してアリーナの奥を突きつづけるクリフトは、
まるでそれ自体が意思を持っているかのごとく大きく堅くなっていき、
執拗にアリーナを追い詰める。
205ピアノ:04/02/08 02:28 ID:KyLHhfea
■■11
「クリフトっ!あんっ!ぁ、あ、あぁっ!!」
 大きくなったクリフトの熱い部分が自分の膣内で激しく動く、
その快楽にアリーナは我を忘れて喘いだ。
 またクリフトも、夢中でアリーナを犯す。空いた両手はその両の乳房を激しく揉みしだく。
 もはや二人は、王女と従者などという身分のことは忘れ、
互いをその熱い部分で貪り合う動物そのものだった。
「く…クリフトっっ…イ…っちゃうよぉ…!か、顔が…見たいよぉ…」
 クリフトは額の汗もそのままに、一旦自身を引き抜くとアリーナを草の上に横たえ、
間をおかずにアリーナの上に覆い被さり、また挿入した。
 今度はアリーナを気遣うことすらできず、一気に根元まで埋め込んだ。
206ピアノ:04/02/08 02:28 ID:KyLHhfea
■■12
「あ…っは、っん!!やあぁ…あ、ああん!!」
「くっ、は……は…っ!」
 最中に殆ど声を上げないクリフトが、耐えかねて荒い息遣いと共に
搾り出すように低くうめくと、激しく腰を前後に動かした。
アリーナの、快楽に喘ぐ愛らしい顔を間近に見ながら。
「く、クリフト…クリフト……!!」
 懇願するような苦しそうなアリーナの声にハッとすると、アリーナは目を開け、
熱い瞳でクリフトを見つめていた。
「っ…く……、姫……?」
 もしやあまりの気持ちよさに少々手荒くしすぎてしまったのかと一瞬蒼くなったが、
そうではなかった。
「あたしのこと…『アリーナ』って呼んで……!」
207ピアノ:04/02/08 02:30 ID:KyLHhfea
■■13
 クリフトはそのあまりに愛しい願いに応えるかのように、
下敷きにしているアリーナをきつく抱きしめ、その名を呼んだ。
「アリーナ…アリーナ!!」
 その間も休むことを知らないクリフトの腰の動きに、アリーナはもう限界だった、
そしてまた、それはクリフトも同じこと。
「…っ、クリ、フト…!!…あ、あ、あ、あ、……!!」
 最後の瞬間をクリフトと共にするために、アリーナはその首に腕をまわし、必死に耐えた。
「アリーナ…アリーナ…愛してる、愛してるよ…!!」
 アリーナの腰も、クリフトの腰の動きに拍車をかけて、
クリフトという快楽を求めて激しく動き続ける。
「うん、クリフト、あたし、も…!あ、も、ダメ、イッ…ちゃうよぉ…!クリフトぉぉ…!!」
「いいよ、一緒に、イこう…、あ、アリーナっ、アリーナっ…!!」
「…っあ、あああああ!!あ―――――っ!!!」
「っく、あっ…!!!」
 クリフトはその瞬間、急いでその限界まで大きくなった自身をひき抜いた、
と同時にアリーナのぴくぴくと脈打つ身体の上で、たくさんのそれを勢いよく放出した……
208ピアノ:04/02/08 02:31 ID:KyLHhfea
■■14
 まだ意識の朦朧としているアリーナに服を着つけ、自分もまた服装を整えて腰を下ろすと、
クリフトはアリーナを膝枕にしてやった。
 陽は最後の茜の一筋を名残惜しそうに、アリーナ達の居る小高い丘に投げかけている。
「姫様……」
 クリフトは愛おしそうに、膝の上で力尽きてまどろむアリーナの頭を撫でた。
「その……、大丈夫ですか?」
「…大丈夫って……」
 アリーナはけだるそうに、しかし幸せそうに微笑んだ。
「心配するようなイケナイコトをしたの、クリフト?」
 そう悪戯っぽく微笑むアリーナに、ちょっと後ろめたいような困った笑みを零しながら、
クリフトは申し訳なさそうに言う。
209ピアノ:04/02/08 02:32 ID:KyLHhfea
■■15
「いえ……ちょっと、無理をさせてしまったかなと思いまして…。
何しろ久しぶりでしたし、私も抑えることができなくて…。
それに、まだ姫は回数をこなしているわけでは…ぐふっ**」
 血を吐くのではないかというくらい激しいパンチを胸にくらい、クリフトはゴホゴホと咳き込んだ。
「そんなストレートに言わないでよっ。恥ずかしいじゃないっ!」
「姫…これが恥ずかしいっていう仕種なんですか…うぅ、げぇほげぇほ」
 必死に訴えるクリフトの様子にくすりと笑みを零しかけて、ふとアリーナは怪訝な顔をした。
「『姫は』って、じゃあクリフト、あなたはあたしよりも経験値が高いってこと?
つまり、あたしの前にも、誰かと…」
「わ――!!ち、違いますよ!ただ、男の私と女性である姫様では、
身体への負担のかかり方がおそらく大分違うのではないかと…ぐふっ**」
「だからストレートに言うなって言ったでしょ!」
「そんな…言わないとまた怒るくせに……でもそうですね、
コトに関して色々研究している分だけ私の方が経験値は高」
「なんか言った?!」
「…イエ、ナンニモ」
「よし」
 アリーナは膝の上で満足そうな笑みを浮かべる。
「じゃあ、本当にお身体に差し障りはございませんね?」
 むせて涙目にまでなりながらも安堵の表情を浮かべるクリフトに、アリーナは優しく微笑んだ。
「…うん……。ほんと言うと、ちょっと、キツイ…かな…?こう、オナカの奥のあたりが……」
「え」
 途端に蒼くなるクリフト。
210ピアノ:04/02/08 02:32 ID:KyLHhfea
■■16
「あ、でも!なんていうか心地いい感じだから、多分大丈夫!前より軽くなったし、慣れると思うから!だから…その…」
 もじもじと言い辛そうに口ごもるアリーナに、クリフトはほっと息をつく。
「申し訳ありません。では、次は…つ、次っ?!…コホン。ご無礼は承知ですがっ、次はもっと気をつけるようにしま…」
「違うの!」
 慌てて両の掌を振って、アリーナは否定した。
「そういう意味じゃなくて、その……あ、あたしは大丈夫だから、あたしが慣れるようにまた…その……。あ〜〜もう、あたしに言わせないでよ!!」
 真っ赤になって顔を覆うアリーナに、クリフトもつられて真っ赤になるが。
「…はい。仰せのままに、姫。大丈夫ですよ、また、しましょうね」
 照れたように微笑むと、顔を覆った指の隙間からちらりとクリフトの瞳を見つめて、アリーナも微笑んだ。
「……うん。」
「辛い旅ですが、姫様の身はこのクリフト、命に代えてもお守りいたします。ですから…」
「馬鹿!」
211ピアノ:04/02/08 02:36 ID:KyLHhfea
■■17
「え?」
 再び飛んだアリーナの叱咤に、何かまずいことを言ったのかと考えをめぐらせる暇もないうちに、アリーナの掌が、優しくクリフトの頬を包み込んだ。
「『命に代えても』、じゃ意味がないの。クリフト、あなたが死んだりしたら、ましてあたしを守って死んだりしたら、あたしは一生あなたのこと許さないわよ」
 アリーナは強く、しかし潤んだ瞳でクリフトを見つめた。
「…そうですね。訂正いたします。姫様の御身は、何十年も先、お歳を召されて幸せな永き眠りにつかれるまで、このクリフト、お傍でお守りいたします」
「……うん。それでいいの」
 そして二人は微笑み合い、そっと…キスを交わした。
「あぁっ!」
「今度は何ですか!!」
 既に泣きそうなクリフトに、アリーナは真剣は表情で言う。
「……今日、キスするの初めてよ!キスもしないでえっちしちゃったなんて!も〜!!こうなったらその分ちゃんと取り戻さなきゃ!!」
 そうして勢いよく飛び起きてクリフトの首に抱きついて何回もキスをせがむアリーナ。
「ダ、ダメですよそんなっ!そんなことしたらまた私……!」

陽はとうに落ちて、あたりにはまばゆいばかりの星空が広がっていた。
その日、宿の夕食に二人が間に合ったとか間に合わなかったとか。

212ピアノ:04/02/08 02:43 ID:KyLHhfea
終わりです。長くなってしまってすみません…。
このスレは大好きなので、これからも他の方の小説を楽しみにしていますね。
読んでいただけた方々、どうもありがとうございました!
213名無しさん@ピンキー:04/02/08 02:55 ID:8klG/g9y
>>212
ピアノさん乙ですた
いつも通りのクリアリでホッと(;´Д`)ハァハァしますた
次回作、期待しとりますです
214名無しさん@ピンキー:04/02/08 10:13 ID:O82a0hrv
GJ!…(*´Д`)ハァハァ
これからも頑張ってください。
215名無しさん@ピンキー:04/02/08 17:10 ID:scoyl2Mm
萌へーーーー
上記に禿同ーーーー
また待ってますー!
216名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:39 ID:8MUgUYYl
クリアリやっぱ萌えですね。
ピアノさんお疲れ様でした。是非またクリアリ書いてください。
217名無しさん@ピンキー:04/02/10 04:26 ID:a0gG6ZAX
しばらく見ないうちに長編が上がっててびっくり。
ピアノさんZです。面白かったですよー。(ハァハァ)
クリフトが意外にキリッとしてしっかりしてて新鮮でした。
また気が向いたら書いて下さいね。

ところで、DQ4のSSを読んでて思うんですが、
クリフトってのはいじり易いキャラなんでしょうかね。
218名無しさん@ピンキー:04/02/11 20:33 ID:y1L3xQIV
age
219名無しさん@ピンキー:04/02/13 01:00 ID:DKkGFE0K
クリフト×アリーナはもう飽きた
220名無しさん@ピンキー:04/02/13 03:20 ID:KQBfsfV/
じゃスルーすればいいじゃん
221名無しさん@ピンキー:04/02/13 03:36 ID:J4LuK6hq
>>219
それならば、読まなければいいだけだろう。
書き手さんが書きたくなくなるような事をいちいち書くなよ。
222名無しさん@ピンキー:04/02/13 04:32 ID:kGifehOo
保守
223名無しさん@ピンキー:04/02/13 23:19 ID:wpZAjdAb
ほしゅ
224名無しさん@ピンキー:04/02/14 10:37 ID:JDghx2aD
漏れはクリアリに飽きたというより、単にラブラブなクリアリに飽きた。
一番の萌えカプでもないせいもあるが、クリアリはあまりにも数が多いので
同じようなネタやシュチでは書き手さんのちょっとした文章自体が
目を引かないかぎり読む気がしない。
225名無しさん@ピンキー:04/02/14 11:19 ID:cpYa15i+
時代はブラアリ
226名無しさん@ピンキー:04/02/14 13:05 ID:wd7jnqt2
Σ(゚Д゚;)
227名無しさん@ピンキー:04/02/14 21:00 ID:ZOlcCSjE
いやむしろクリブラ。
228名無しさん@ピンキー:04/02/14 21:35 ID:mJGFgLCX
それともトルブラ。
229名無しさん@ピンキー:04/02/14 22:20 ID:O/8fuIs1
>>228
そこで「あの」伝説のスレですよ。
230名無しさん@ピンキー:04/02/14 22:21 ID:xPzgE2Zb
さてと・・・嫌な流れになったところで
231名無しさん@ピンキー:04/02/14 22:31 ID:zqAmrPIH
主×ビアの続ききぼん。
232名無しさん@ピンキー:04/02/15 20:39 ID:cmWuyBg3
アルス×グレーテをキボン
233名無しさん@ピンキー:04/02/15 21:54 ID:4GF+q7Cy
ブライが幼い姫さまに悪戯するところを想像し、
ちょっとハァハァしてしまったのは秘密。
234名無しさん@ピンキー:04/02/15 22:02 ID:SMye1V6F
ブライとアリーナの秘め事を覗いてしまい、怒りをおぼえながらも勃起してしまうクリフトであった
235名無しさん@ピンキー:04/02/18 09:42 ID:gT3cmOcB
主ビア>>123-124>>153-155 の続きです。
236名無しさん@ピンキー:04/02/18 09:43 ID:gT3cmOcB
スカートの下から現れた白い下着には、ビアンカが零し始めた雫が染みてきており、
腰を覆う部分と脚の境を覆う部分とでは明らかに布の色が違っていた。
「ホントだ」
リュカがそこをじっくり眺めてからビアンカに視線を向けると、彼女は赤くなった顔をそっぽに向け、怒ったような泣きそうなような表情を作っていた。
少し可哀相かなと思いはするものの、それを上回る高揚感に乗せられて、リュカはビアンカの下着のふちを指で辿り始めた。。
「ビアンカ、ホントは意地悪言われるのが好きなんじゃないの?」
「そっ…そんな事、あるわけないじゃないっ」
指の動きにビアンカは抗議の声が僅かに震わせ、つまんでいたスカートを握り締めた。
それでもリュカは加減する事なく続ける。
「そうかなぁ。だって俺にはいつもより濡れてるみたいに見えるよ?まだちゃんと触ってないのに」
「だって、さっき……」
「胸、触ったくらいでこんなに?」
リュカは湿った箇所に指を触れさせた。
しかし、その触れ方はビアンカに刺激が伝わるようなものではなく、ビアンカの身体は指を感じ取ろうとして感度を上げた。
「ふ……」
切なく口の端から落ちた彼女の声に身体の芯の疼きが増すのを感じたが、リュカはあくまで平静を装う。
「ねぇ、ビアンカ。そろそろ脱いだら?」
「えっ!?」
「これ」
反対側の手の指を臍の下にかけるリュカ。
「や……」
「脱がせてほしい?」
「そういう事じゃなくてっ」
「じゃあ、濡れたままずっと履いてるの?」
ビアンカの抗議を受けてようやくリュカが指を強く押し付けた。
237名無しさん@ピンキー:04/02/18 09:44 ID:gT3cmOcB
「ひあっ!」
急に与えられた刺激にバランスを崩した身体を支えようと、ビアンカはとっさにスカートから手を放し、リュカの肩に手を突いた。
「ね、脱ぐとこ見せて」
それでも首を横に振るビアンカを見てリュカは頑固だなぁと呟いて口を尖らせた。
「……髪の毛はホイミでも元に戻らないのに……」
「わ、わかったわよっ……バカっ」
涙目になりながらもビアンカはリュカの肩から自分のスカートの中に手を移した。
ビアンカがスカートを降ろす様子をじっと見つめるリュカ。
言っても無駄と諦めたのか、いまいちおぼつかない膝のまま、ビアンカは濡れた下着からどうにか片足を抜いた。
下着と身体の芯を透明な橋が繋ぎ、リュカの喉がこくりと鳴る。
身体を支えようと片手をリュカに伸ばしたビアンカの目にリュカの顔が映った。
視線は一箇所に注がれ、頬は紅潮している。
気のせいか息も荒くなっているようにビアンカには思えた。
そしてなにより、彼女の視界の端では彼の分身がその存在を主張していた。
「リュカだって……」
「え?」
リュカがビアンカの言葉に顔を上げると、彼女はまたそっぽを向いてしまったが、
リュカはそれだけで彼女の言わんとした事を理解し、口元に嬉しそうな笑みを浮かべた。
「そりゃ、ビアンカがかわいいからだよ」
「何がよ……」
怒る気力も失せたのか、ビアンカは溜息混じりに呟くと、はい脱げました、と下着を丸め、それを持ったまま両手を後ろに組んだ。
次は何?とばかりに膨れるビアンカ。
そんな開き直った態度が気に入らず、リュカは普段はこういう事には使わない頭を懸命に稼動させ、
その結果、ひとまず何の前触れも無くビアンカのスカートを持ち上げてみた。
238名無しさん@ピンキー:04/02/18 09:57 ID:gT3cmOcB
「きゃ…やっ!」
リュカの予想に反して過剰な反応を示し、ビアンカは一歩下がり、捲くられたスカートを抑えようとした。
おかしい訳でもないのに笑みを零す口元を懸命に押さえながら、リュカはスカートの裾を摘まんだまま、再度ビアンカに顔を向けた。
「すっごい濡れてたね」
「なんでそういう事、言うのよっ」
「ホントの事言っちゃダメなの?」
「そ、そうじゃないけど……そんなじゃ、ないもん……」
語尾を消えそうに細くして、ビアンカは俯いた。
それだけの事なのに、リュカの下半身の血の巡りが加速する。
一方では早く抱いてしまいたいと思うのに、一方では滅多に見られない弱気になったビアンカをもっと見たいと思ってしまう。
しかしかなり近くなってきていた限界を堪えるのはどうにも辛く、それでもあくまでそっけなくリュカは口を開いた。
「そうか、ビアンカばっかりはずるいよね」
「え?」
「俺のも見ていいよ」
「……み、見たくないもん。別に」
半分は本心から、半分は期待しているとリュカに思われたくないために、ビアンカは極力嫌そうに唇を突き出した。
リュカの方も半分本気、半分は悪ふざけで多大にショックを受けた顔をしてみる。
「そっか……そうだよね、見たくないよね。俺のなんてさ……」
「そういう訳じゃ……」
ほんのちょっとの事で狼狽するビアンカをリュカが視線だけで見上げると、
ビアンカは、そういう訳じゃないんだよ、ともう一度小さく呟いてその場に膝をついた。

(続)
239名無しさん@ピンキー:04/02/18 10:08 ID:TmUHyy8d
バカップル更新キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キッ!(   )キタ(.  ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━
ビアたんも読者も生殺しとは・・・やるな

「零す」は仮名で書くか、表現を絞ったほうがいいと思われ
240名無しさん@ピンキー:04/02/18 10:20 ID:ZBROyqpD
主ビアキタY⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
続き待ってまつ。がんがってください!
241名無しさん@ピンキー:04/02/18 12:57 ID:jafuiFFP
ありがとう更新(*´Д`)
242238:04/02/18 23:53 ID:HHhBaqh8
>>239
今まであまり意識しないで使っていました。
これからは気を付けたいと思います。
ご指摘ありがとうございました。
243名無しさん@ピンキー:04/02/19 08:31 ID:/nKjaQpH
GJです。
この時点で結構満足してしまっている自分がいる。
244名無しさん@ピンキー:04/02/21 02:39 ID:7/GpgxE6
だれか鬼畜も書いて
245 ◆hMHMkhRwLk :04/02/21 05:59 ID:laAdC/wr
>225 >233 >234 を受けてブライ書こうとしましたが断念。

名前変えました
>>166 
×武者の様な女に見られているを知ると 
○武者の様な女に見られているのを知ると
 
>>174 ×人を非難 ○人を避難
246うつせみ 1/4 ◆hMHMkhRwLk :04/02/21 06:03 ID:laAdC/wr
宵の口、ライアンは逞しい大女と共に過していた。
「んぅ、ん、…」
可愛いと思いながら戦士は自分の上で果てる女を見た後、自身も大きな喉仏を少し反らして果てた。
鞭の様にしなやかで痩せたライアンの傍らに、餅の様な大女が倒れた。
目を閉じて少し談笑していた男女に小さな影が忍び寄る。サッと女に茶を差し出した。
あら気が利くね、とそれを取る女は気付く。
やたらと厚着して目だけ覗かせている子供である。その目がニコッと笑った。
「子供に覗かせるなんてどう言う教育してんだっ」
大声にびっくりして子供は飛ぶ様に居なくなった。
「子ではない。連れなのだが…あいつ…」
自分より身長が高く、体重も重い女に背中をバンと叩かれたのでライアンはビリビリと細かく振動した。
美しくはなく大概の男を圧倒する巨躯だが面白い女で、ベッドの中に入ると、彼女自身の中に入ると…。
“男”よりも“雄”に喜ばれる体を持った良い女であった。そこもモテそうな女である。
やんわりと一度果てただけで逃がしてしまった。今度は自分が上になって強く攻めたかった…などと。(やれやれ…)
「ホイミン…びっくりさせては可哀相ではないか」
「ごめんなさい…」
お茶を出してあげようと言う優しさも勿論あったろうが、このホイミスライムは好奇心が強かった様子だ。興味があったのだろう。
「ライアンさんはあの女の人が好きなんだ」
「逃げてしまったよお前が来て。人間はああした事を嫌う」
珍しく戦士はホイミスライムを強く咎めた。
「逆に好む輩も居るが…」
なかなか憎い経験をしているライアンである。「難しいなぁ」ホイミンは混乱した。
「ごめんよ、許して…」
柔らかい触手を彼の髭に伸ばし撫でて、ホイミスライムは戦士を宥めた。
247うつせみ 2/4 ◆hMHMkhRwLk :04/02/21 06:08 ID:laAdC/wr

また別の夜は痩せた若い美人と。
痩せていても服を脱ぐとムチムチとしていて、抱き(挿入)応え、歯応えのある体と肌。
この前の事が合ったので最初から飛ばし、女は何度もイッてしまった。
最中に恥丘を自分の指で触る様に言い、そうさせ、耐えられなくなった女は自身から手を離し夢中で戦士の手首を掴み又イッた。
体勢が変り、女が上の形になるとホイミスライムがそれをまた覗いていた。
終わるとホイミンは又人間の振りをして出て来た。
きゃっと一声上げて、女は服を着出した。逆にホイミンは無言で服を脱ぎ出す。
「お姉さんライアンさんが好き?」
ホイミスライムが現われて、女は声も無くなった。
「この子…この子は…」
「連れなんだ…何だホイミン…」
女はえぇ、えぇ、とスライムに生返事をして、真っ青の顔で部屋を出て行った。
「どうしたんだ」
ライアンは怒りもがっかりもせず、ただホイミンを心配した。
「だってあの人、ライアンさんの事好きだよきっと。
ライアンさんを好きになった人には僕の本当の姿を見せたかったんだ」
「あぁん」
とホイミンは泣き出した。
「ごめんよ、ごめんよう、ライアンさん」
素っ裸のライアンの首根っこに飛び付いて、しがみ付いて、えぇんえぇんとホイミンは泣いた。
「私こそすまなかった。お前の考えを知らずに…」
「ライアンさんごめん」「わぁん、あぁん」と、ホイミスライムは泣く。
「ホイミン、服を着させてくれ」
うっうっと涙を拭くホイミンの柔らかく温かい触手がライアンのとんでもない所に触れる。
「こらっ(そこは…)」「わぁ?ごめん」
248うつせみ 3/4 ◆hMHMkhRwLk :04/02/21 06:11 ID:laAdC/wr

翌朝イムルの宿屋から出発する一人と一匹。
「ボク、もしかして人間の女の子になっちゃったらお嫁さんにしてね。ライアンさん」
「お前は…私にあんな事をされたいと思うか?」
「でも…一緒に居ようよぅ」
確かに、ライアンも嫌だなと思いつつ、他の男が女のホイミンを抱くのは嫌だ。
「そうだなぁ。そうなってしまえばの話だが…」
ホイミンはウキウキとした顔で喜んだ。(婚約してしまった…)ライアンは生真面目に、盛りの男の不安を少し覗かせた。
「ホイミン」「うん?」
「お前はモンスターであるのが嫌で人間になりたいのか」
「違うよ。変装は人が怖がるのを見たくなかっただけ。今日は少し止めるよ」
「お前は強いな」「そう?」
「誇りも優しさもある。どんな姿で生きようとも、大切な事だ」
「?褒めてくれてるの?」「滅茶苦茶に」「へへ…そうか」

「なに作ってるの?」
「子供にお菓子をね。…あら?」
ホイミスライムが扉の開いている民家を覗き込んでいた。主人の女は、
「あんた可愛いねぇ。これあげるよ」
「わぁい」
ホイミンはお菓子を噛りながら去り、その半分をライアンに食べさせたくて帰って来た。
「あの大きな女の人はボクが変装してなくても平気みたい」
「何?民家へ一人で行ったのか」
(やはり面白い女だ…)そして子供が居たとは驚いた。良い体の母親である。
「美味い」「美味しいよね」男達は菓子を頬張る。

学校に行くとホイミスライムは子供等に揉みくちゃにされた。
249うつせみ 4/4 ◆hMHMkhRwLk :04/02/21 06:12 ID:laAdC/wr
「なんだお前」「なんだこいつ」
ホイミンは子供が可愛いと思ったので、彼等にホイミをかけて逃げたり、遊んだりしている。
昨日の若い女に出くわした。学校の先生だった。
「こんにちは」「こんにちは」
ホイミスライムは挨拶を返した。
「昨日はごめんなさい。びっくりして…」「んーん、こっちもびっくりさせてごめんね」
「昨日貴方が聞いたの、答えはね…大好きよあの人」
ライアンはホイミンとその教師の仲の良さそうな様子を、遠目で見ていた。
ホイミンが、校長と話し終えたライアンの元へ帰って来る。戦士と女教師は遠くから会釈だけをして別れた。
「あのね、ライアンさん」
学校で遊んだ事などを話すホイミンだが、あの女教師の言葉だけは何だか伝えられなかった。
自分が聞いた事なのにヤキモチやいたのだと気付いたのは、すぐだった。

戦士は草原を一人と一匹で征く。
「ホイミン」「?」
「私は洞窟で呼んでいたのがお前と気付いた時、お前が仲間になった時、
“俺はモンスターに好かれるのか”とだけ思っていたよ」
「そうじゃなかった。お前が人に好かれるんだ。お前だったんだ」
ホイミンは頭が真っ白になって…。素晴らしい瞳のライアンを見詰め返した。
「やめてよ。ライアンさんも好かれてるよ。人にも動物にも、きっと天界にいる竜とかにだって」
「そう言う事もあって、縁あってお前と私がここに居るのかも知れない。しかしお前には敵わない」
俺は俺はと、自分の事ばかり考えて恥かしかったと、ライアンは凛とした目で微笑んだ。
「そんな事ばかり言うと、もうホイミかけてあげないよ」
ホイミンは顔をくしゃくしゃにして恥かしがり、クルクル回りながら晴れた空へ浮上して行った。

彼等が夫婦となるのは遥か未来であり、二人の勇者の祖父母となり、
現人(うつせみ)の世では引き裂かれても最後まで信じ合って永遠に結ばれる強靭な夫婦となる…かも知れない。
250 ◆nnhp2Q5d4w :04/02/21 07:22 ID:laAdC/wr
レスくれた方ありがとうございます。
>>249 
天空の勇者二人の祖父母
に訂正します。すみません
251名無しさん@ピンキー:04/02/23 15:01 ID:9I0iQE3r
ホイミン(・∀・)イイ!
252名無しさん@ピンキー:04/02/28 04:01 ID:E0wKE58O
保守
253名無しさん@ピンキー:04/03/02 00:06 ID:ZCPwTcJR
ホイミン×ライアン
お疲れ様でした。
遅レスですが:::
まったりサイコGJ!
254 ◆hMHMkhRwLk :04/03/04 00:32 ID:DC3+O6gW
>>245 ×見られている   正しくは >>166 の通り“覗かれている”です。
255土   ◆hMHMkhRwLk :04/03/04 00:35 ID:DC3+O6gW
勇者、ライアン、アリーナの三人組みには三人だけの特別な空気が流れている。
剣に生き、拳に生きる者として…しかし長閑で仲が良くて朗らかである。
アリーナが混乱して手が付けられなくなった時、ライアンが「失礼」と彼女を羽交い締めにした事があった。
勇者、クリフト、トルネコ、ブライよりも女性的な体のライアンである。
流石に筋肉の付き方は随一であるが、鎧姿もひょろひょろとしなやかだった。
それが後ろから捕えられるとアリーナさえビリッとも身動ぎ出来ない。
元気なアリーナは良く死ぬ。ライアンは死んだ事が無い所か体力がいつも余っている。
しかしライアン、素早さと会心の一撃の回数なら彼女と比べるべくも無い。
勇者は魔法過多の戦士で、ライアンがアリーナが傷を負うと、
「大丈夫かよ〜、嫌だよぉ」
とホイミ掛けながら涙目になる男である。クリフトがザキを連発すると怖がる。
自分の村が焼け落ちた時、数日間泣き続け、衰弱した体が呼吸困難になって今にも死ぬかと言う所を木こりに助けられた勇者である。
パーティの中で一番優しく、悲しい男だった。強さの異常さも一番。
悲しみと言う感情のみで、強靭な体の生命活動を止めてしまえる男である。普通人間の悲しみはこんなに強く出来ていない。
そしてそこから豊かな愛情で立ち直れる強さもあった。誰かを愛する本物の心を持って居る者は誰も憎む事は出来ない。
文字どおり天使かと思わせた。口の片端を上げて笑うのが不敵に見えるが朴鈍とした男だ。
木こりと別れる時、勇者は無言で笑顔で小さな彼を抱き締め彼の足を宙に浮かせた。「やめろ!ケツが痒い!」
しかし、死や怪我に決して慣れないのは相手への緊張であり尊敬であるので良いとして、戦場で泣くのだけは、流石にどうだろうと思ったライアンである。
「ライアンはもっと上にって言うね」
今までライアンを見て来た勇者は言った。質朴で鈍重だが頭のスッキリとしている勇者である。哲学を感じさせる男だ。
届かない空の高さよりも、近くの土が好きな勇者である。
確かに空が、一度彼から全てを奪っている。
そんな事とは全く関わりなく、運命や未来よりも今ある仲間が好きな勇者である。自分の所為で犠牲になったけれど自分を守ってくれた村の人間の全てが好きだ。
これが我等の勇者と思うとライアンは嬉しい。
256 ◆hMHMkhRwLk :04/03/04 00:38 ID:FZROTzEA

ライアンは見掛けに寄らず惚れっぽい。仲間が全員好きだ。
無理矢理男の目で見ると、考えが大胆で女らしさが乱暴なアリーナはお気に入りだが若すぎ。
マーニャは近衛兵の紳士様ライアンさんに好印象の様だが、男らしい体付きが好きらしい。
ミネアは静かで艶めかしい。しかし毒を感じた。語り合うとその凄まじさを更に感じた。
「仇討ちと言う考えは嫌です。大切な人を亡くした思いを戦う理由にしたくありません。私に取って父はもっと大切な存在ですの。
そして戦うには強くなくてはならないのに、憎しみは自分個人を慰め守る為に生まれる感情に過ぎないんですもの」
強靭でありたいと思い、それを成すミネアだが、支えがあった。
「私の分の憎しみを、姉が持っていて下さってる様なの。私がどうしても捨て切れない部分を…
私それが心苦しい事ですけれど、だから私の姉はほら、あんなに美しいでしょう」
これはまた、凄まじい姉妹である。マーニャの魅力は勿論解る。
しかし男ライアン、今は聡明で弱さも見せるミネアに煽られる。
しかしミネアもここだけは弱った顔を見せた。姉と同じ男を好きになってしまったと言う。勇者である。
だがミネアは、自分に興味を示しているライアンから目を反らさない様子だ。
ライアン回れ右。(姫君、立合いしましょう)

凄みのあるミネアも、好きです好きですと近付く少女の王女アリーナもライアンにはちと濃い。
いい女ばかりだが“ちょうど良い女”が居ない。女の事を考えるのを戦士は止めた。
途端にホイミンの顔が頭に浮んで「ライアンさん」と呼んだ。
(お前は俺の女房か?)可愛いホイミスライムの存在と、自分自身の思考回路を戦士は(バカ者)と明るく詰(なじ)った。
一人剣を磨き出す戦士は嬌声を聞いた気がした。隣の部屋に勇者とマーニャが居る。
向こうが聞かれて構わないのだからと…聞き耳立てる男ではない。ライアンは宿屋の自分の部屋から出た。

ブライに捕まる。アリーナよりも不良で好奇心旺盛。後の賢宰、静かな迫力のある粋な暴漢である。
ライアンはブライについて行ける程頭が良くない。戦士をハラハラさせる老魔法使いである。
257土   ◆hMHMkhRwLk :04/03/04 00:41 ID:DC3+O6gW
王女アリーナの立太子を夢見ている。アリーナ本人もブライが大臣、クリフトが大神官なら女王になりたいと乗り気。
ブライは勿論、アリーナとクリフトと同様サントハイムを愛しているが、王女アリーナが他国の一兵卒に恋した事が楽しい様子。
良縁だと言うブライの凄まじい押し。温厚なライアンが大概愁眉に至る仲間である。
「姫君に聞いてみないと」「白々しい」
と笑われる。
トルネコが現われてくれると渡りに船でかわせるし、二人寄らば何やらの知恵で何とか対抗出来る。トルネコは頭の回転が早く、びっくりする程気さくなオッサンだ。
中年と老人三人の集まりに怪訝そうなクリフトである。
若き権力者のオーラを放つ後の大神官、法の世界で最高位にまで上り詰める男である。
ミネアはクリフトにはピンと来ず、ブライ(彼は仲間の女性全てを魅了した)の事は好き、トルネコとはマーニャと一緒によく遊んでいる。
クリフトはアリーナにフラれ、それでもこの旅に着いて来ている。
胆が太く賢い隠れた野心家。ライアンはアリーナに惚れられたと言うだけの理由で面倒な男に嫌われたものだ。
何だか騒然となってしまう宿屋のロビーを余所に、人の分の憎しみまで抱いて戦う修羅と穏やかな天使が抱き合っていた。
今その事を知っているのはライアンだけ…。彼は頭の芯がクラクラして来た。変に欲情する。
「トルネコ殿、あの剣鍔の所が少しおかしいのだ」
気を紛らわす為に言ったのだが
「大変だ、すぐ見ましょう」
と肥えた体が信じられないスピードでライアンの部屋へ走る。
「待ってくれ!」
仲間達はライアンの鮮烈な声を久し振りに聞いた。
ライアンの部屋は女の嬌声やら、ベッドの音やら大変な盛上がりを隣の部屋から頂戴していた。
「これはまた…」
赤らめた両頬を両手で押さえて、可愛らしく恥かしがるトルネコである。
眉間の辺りに曲げた指を翳して、下を向くライアンに言う。
「これは居られませんね。二人とも遠慮をしない所があるし、そこが良いのだし…」
“あのオジサン(ライアン)は清潔そうに見えてエロの物分りは良い”とあの若い男女に思われているのかも。
そして今ここ(隣の部屋)に人が来た事も気付いている筈だ。
しかし中年二人の会話の中に音楽の様に、話し掛ける様にマーニャの声が流れる。
258土  ◆hMHMkhRwLk :04/03/04 00:45 ID:DC3+O6gW
「しかし見事な声だ」
ライアンはちょっとHなんだなと知ってトルネコは狼狽した。目付きと声がいつもと違う。
中年二人はお互い(部屋から出ましょうよ)と思っているが、マーニャの声から逃れる事が出来ない。
あの女なぜ俺を見ないのだ、フとライアンは初めて腹が立った。
腕力に物言わせ、腕尽くで来られたらそれに敵うべくもないトルネコの貞操(処女)は…。
怒りを遠ざけたライアンと、妄想した由無し事をライアンに謝りたいトルネコの二人は勇者とマーニャの会話を少し聞いてしまった。
「マーニャとはきっと子供出来ないよ」
「なんでよ」
「勘。俺天空の“男”だから」
マーニャは勇者の強さと優しさと儚さに一瞬言葉を無くした。
確かに、天空人で地上の人間との間に子が出来ると証明されているのは女性だけである。
ライアンとトルネコが知る筈のない未来も天空からはきっと“花嫁”が…。
地上の人間を愛しても、夫婦となれるだけで子が授からないとしたら
(なぜこの人にこうまで試練を与える?)
苛立ちと悲しみで戦士は燃えたが、
「ライアンは上を見るんだね」
勇者の言葉が閃光の様に思い出された。子供を授からないのは寂しい事の一つかも知れない。
しかし夫婦となれる事がまず素晴らしいのである。ライアンは顔を赤らめて恥じた。
259土 5/5 ◆hMHMkhRwLk :04/03/04 00:48 ID:DC3+O6gW
ライアンとトルネコは馬鹿みたいに廊下を走り、ロビーで勇者を待った。
「ライ(勇者)さん、とにかくなんだか頑張りましょう」
興奮して逞しさを見せるトルネコである。
「天空もお前の一つの故郷だ。俺達とそこまで行って、全てを見て、その後で故郷を選ぶなりしてくれ」
あくまで勇者に可能性を説くライアンである。勇者は眩しい向上心だなぁとライアンを尊敬していた。
自分に無い物を沢山持ってる仲間達を頼り、愛していた。
ライアンも興奮してか「俺」だの「お前」だの言っている。
「あんた達、さっきのあたし等の話聞いてたね」
中年二人はギクリとする。
「…スケベ」
艶めかしい顔を見せるとマーニャは踊る様にルーラを唱えカジノへ出掛けた。

天空での生活を選ぶと言う事は仲間達との別れを意味するかも知れない。
しかし選択するのは彼だ。選ぶ余地、可能性があるのなら大事。と思うは又もライアン。
「自由の問題だ、マーニャ殿」
「そりゃそうだけどさ…」
意外と可愛いマーニャである。ライアンの前で拗ねた。
「ライの事思いながらあたしがクリフトさんと遊ぶ自由もありと思う?…エヘ、あの人ちょっと気になるの」
「ん?」
と冷静な顔を見せながら、ライアンは内心(可愛いけど、恐い)と子犬の様だった。
「ライが天空を選ぶとは思えないけどな…あたし」
旅が終わったら勇者の故郷に皆で行かないかとマーニャが誘う。村作ってしまおうかと。
「私が役に立てる仕事があるだろうか…」
と思案し出すライアンに
「軍隊作ってよ、軍隊」
やはり少々物騒な所のある女である。
「皆を守んのよ」
この仲間達が引き裂かれる事はないだろう。眩い空や秘法を見ても、皆土の上に生きた。
260 ◆hMHMkhRwLk :04/03/04 00:51 ID:DC3+O6gW
投下はしませんでしたが“土”の男勇者、ブライを書いたのはアリーナ×クリフトを投下した頃でした。
ピサロ×ミネアはライアン×ロザリー投下した頃書いたものです。

ピサロさまピサロさま!

あ──!鬱陶しい!!

顔の割りに目の大き過ぎる、しかし美を感じさせる妖しい鋭いモンスター。
ある町で一番の女を探す。
踊り子に心引かれたが、やはりあの占い師が良い。
客を装い、しかし装おう意味もない。すぐ黒く厚いフードを取りモンスターの顔を見せた。
占い師は顔色を変えない。
「人間の女の事を…」
「好きになったのですか?恋の占い?」
「いや、殺してみようかと…」
「恋人を探しに来たんでしょう?」
ピサロは心を読まれていた。(私はそんな…)しかし未来を見る占い師を前に、
(うーん、この女を気に入ってしまう様だな私は…腹の立つ女なら殺そうと思っていたが)
人間の女など大抵は気に入る筈もないとピサロは思っていた。
ピサロはミネアの手を掴んだ。ミネア程ではないがピサロにも予感と言う物がある。
「処女だ」
ミネアは少しテレたが
「恐いの?女の血の穢れが…」
と紫に輝く髪をもう男の体に落としている。
「モンスター相手に、お前は」
「あなたもまだ小さな光」
「なんだ?」
「あなたの事は前から知っていたの。水晶によく写っていた。好きよ」
「な…なぜ」
「貴方が何をしようとしているか知らないけれど、野心の有りようが好きなの。これも良く解らないけれど辛い目にも合ってるわね」
「同情はよけいだ」

「貴方も初めて?」「ち…違う」
こんな素っ裸の女は初めてなのだ。

悪魔が創造したとは言え、もう少し容赦願いたい快感である。
「ミネア!」
両手で彼女の顔を包む。頭を落として腰を打ち付ける。
「好きだ!」
好きにもなろうこの快感は。
こんなに男に喜ばれるとは、ミネアは痛みと共に何だか眩暈がする。
人の男と寝た時落差に驚くかも知れない。どちらが彼女の好みになるかは今の段階では知りようもない。
地の底から渇きを拒む様な、低く、低く、嗄れたそれは声だった。彼女だけを求めて吼える。

「縁起が悪いだけさ。体に障りはない」
ピサロについた自分の血を拭っている処女を捨てたミネアより、体を拭かれているピサロの方が明らかに衰弱している。
(素晴らしかった…)
メチャクチャに男の体は喜んでしまった。
「私と共に来ないか」
綺麗で、つり上がったミネアの目に誘われるままピサロは口を開く。
「何でもやるぞ。私の出来得る限り全てを。そうだ“あれ”を手入れたなら…
おぉ、まず人間を止めろ。お前が人間で私の側に居ると、私の行動に色々と矛盾が出来てしまう」
「自分の分を越えている事だわ」
「貴方の今しようとしている事は失敗するわ。誰かに操られて貴方はお終い」
女の鋭さに気圧されながらも、男は怒髪天を衝く。
「そんな物では何も手に入らない。失うだけよ」
しかしこの女の迫力に本当に気圧される。
「貴様勇者か!?」
「いいえ、違います」
「この私を気力で圧するとはな、殺してやる!」
ミネアを縊(くび)り殺す姿をピサロは取る。
ミネアは黙っている。
「何でだ……」
「ずっと貴方に言いたかった事を言ってしまって、ホッとして、力が入りませんわ。
もう貴方に会えなくても後悔しない」
「会えなくなるのはお前が死ぬからだぞ」
「そうね…」
「怖くないのか、死ぬのは」
「死んでみなければ解らない」
「死にたいのか…まさか」
「そう言う訳でもないけれど…」
ピサロの頭の回路は別の所へ滑り込んでしまった。もう男を知ってしまったミネアは押し倒されて「あぁ」と慣れた声を出した。

(この女は自分がどうしたいのか言わない)ロザリーとは全く違う。
(言ってくれ、何か一言で良いから)
ピサロに揺らされ、汗を落とされながら
「貴方が好きよ」
半開きの唇は薄く閉じた瞳と共に語る。

ミネアは踊り子の姉と旅立つ前に夢を見た。
あの男を思って水晶を見た時、あの男は女の亡骸を腕に抱いていた。結局失ったのだ。
夢の中でピサロと会話が出来た。水晶のミネアが覗いているのに気付いているようだ。
「こいつが生き返るのを待っている」
「そうね、ずっと待っていると良いわ」
「オレがお前の事を好きなのは知っているな。お前もオレの事が好きだったな」
「同情含んで好きと言うなと言われたけれど…」
ミネアはこの男をちゃんと見ているし、それがこの男にもちゃんと伝わっている。
「さらば、許せミネア」
永遠の様な冷たく熱い男の顔はもう…振り向かずに行くべき所へ驀進する。
ミネアは水晶越しに彼を優しく抱き締めた。

                                 FIN
264 ◆hMHMkhRwLk :04/03/04 01:03 ID:FZROTzEA
>251 >253  ありがとうございます。
265酷く不十分でした ◆hMHMkhRwLk :04/03/04 17:05 ID:FZROTzEA
>>255
×誰かを愛する本物の心を持って居る者は誰も憎む事は出来ない。
○誰かを愛する本物の心を持って居る者は誰をも憎む事は出来ない。

勇者が「誰にも憎まれない」と言う意味でははく、
勇者の側が「誰の事も憎めない」と言う意味です。すみません。
266名無しさん@ピンキー:04/03/12 21:28 ID:hZFawPNp
ほしゅっとこうか
267掛け替えの 1/3  ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 01:24 ID:rckMKftZ
「見てアレクス、あれが私達の星よ」
しかし振り向くと人は居なかった。
(あら、私ったら恥かしいわ…)
この、バトランドのフレアの様子を見ていたのはホイミスライムのホイミンだった。
とっさに天井の梁の上まで登り、存在を悟られずに済んだ。
前にライアンに注意されたし、覗きは悪いなと思ったのでホイミンは部屋を出ようとする。
その時部屋の明りが消え、アレクス、フレア夫婦の動きが妖しくなった。(あれ?)
フレアの胸の辺りがモソモソと動いている。
ホイミンは(あ、ダメ)と思いつつ見続けてしまった。若妻の乳房が出て、夫がそれに顔を埋め気持ち良さそうに溜め息を付いている。
しばらくするとベッドに倒れて夫婦はお互いを愛撫し始める。
(あん、もう、ライアンさんならもっと…)
もっとHな方が良いよ、仲良くしなよ、とホイミスライムは夫婦の前戯に夢中。

シーツも肌蹴て、全裸の男女のたけなわが始まってしまった。
(いやぁん、H)
ホイミンは自分の瞼を自分の触手で押えて目を閉じた。出て行こうとウロチョロするけれど、男女に一べつを投げると又夢中になってしまった。
男の満足も、女の満足も見てしまって、ホイミンは(勉強になった)とお礼に二人にホイミを掛けて、窓をほんの少し開け部屋から出た。
夫婦はにわかに元気になった体をお互い不信に思いながら、キスすると又どうしようもなく…。

「どこへ行っていたんだ」
「あの、あれからアレクスの所にずっと居たの」
お前、とライアンは驚いた様だった。
「何していた」「あぁー…最後に話し掛けようとしたら戻れなくなっちゃって」
「覗いたんだな」
「あれ?」
なんで外に出て居たライアンが知っているのか。
「…窓から見えた」
暗くしようとカーテンもせずに、不自然な動きをすれば戦士は気になる。“始まって”しまうとはライアンも思わなかったし、すぐ目を反らした。それでも、
「わぁ、ライアンさん」
ドスケベと言う顔をホイミスライムにされた。ライアンも“お前も冗談は顔だけにしろ”と言う顔をした。
「お前、ホイミスライムなのになぜ人間の行為に興奮出来る」
268掛け替えの 2/3  ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 01:33 ID:rckMKftZ
「生き物は皆同じだよ。ライアンさんだってホイミスライムの見たら“グッ”とくるよ」
両性有具で、気分次第または気温、条件次第で雄雌を決めるホイミスライムである。ホイミン基本は男の様だが雌にもなれる。
「ほぉ…」
「ボクもそろそろお年頃なんだけど、人間の男の人か女の人になる事で大人になる事にしたいんだ」
「ホイミスライムの関係も面白そうではないか」
「やぁっ、ボクは人間になるんだ」
誘惑に負けない男だ。人間には興味津々だけれども。
「ライアンさん」
「ライアンさん」
「ん?」
「エヘ…呼んでみただけ…」

バトランドの北部に大きな川が流れている。ホイミンは子供達の救出を成功した今、今がチャンスだと思った。ここで行かなければ戦士とずっと居てしまう。
ホイミスライムはいきなり行動に移った。ライアンは最近ホイミンが変だなと思っていたので心の準備はあったのだけど、
「この川を渡るよ」
「ライアンさん、勇者さんを見付けて守ってね」
青の体、黄色の手がどんどん遠ざかる。
(大丈夫か?)
その体で浮けば良いのに人間らしく船を漕ぐので、船は遅々と進んだ。
(私が居なくて大丈夫か?)
ライアンはもう川に足を浸からせて心配する。
「ボクは人間になる」
「ライアンさんは世界を救ってね」
黄色の手をプンプンと振って来た。
「バイバイ」
遠くから大きな声で、人間の子供の様な声でホイミスライムは言った。
ライアンは手を振ると、別れを認めてしまう気がして…もう会えない気がして躊躇した。
しかしホイミンが余りに健気だったので、思い切り手を振った。
「また会おう」
「うん」
269掛け替えの 3/3  ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 01:39 ID:rckMKftZ
しばらく経つとホイミスライムは川面に浮ぶ豆の様に小さくなっていた。
そのホイミンが置いて行った道具袋の中をライアンが覗く。
いつの間に摘み取ったのかギッシリと薬草が詰まっていた。
戦士はとても嬉しいけれど、
(お前の代わりになるものか)
道具袋を担ぐと微かに温もりがあった。

戦士はバトランドへ戻り、長旅の支度を始める。街路を行く戦士の特別な雰囲気が町人フレアの目を引いた。
「兵士様、何か御座いました?」
フレアは一度、ライアンと二人旅をした親しさで聞いて来る。昔自分は今のライアンの様な顔をしていたと記憶している。
心配と期待と落胆。
更にアレクスを探していた当時のフレアには“最近していない”女の色気がどうにも隠しようが無く溢れていた。
戦士はたぶん何度か興奮した。しかし二人で洞窟や草原を進んだ仲だけれど手さえ握っていない。
ライアンはイムルで少々開放的になり、それを女共々ホイミンに覗かれたものだ。
「友人と別れて」
「女性ですか?」
ライアンは否定しなかった。“ボクが人の女になったら…”“いいよ”と婚約しているので微妙に大嘘でもない。
「今度は私が何か助けて差し上げたいのに、私にはその力がありません」
悔しゅうございますとフレアは自分自身に苛立っている様子。色っぽくても清楚でも、バトランドの女はやはり勇猛だ。
その懐かしさから少し離れた時こそ、バトランドの男の本領は発揮される。

キングレオ城の緋色の戦士。
「ライアンという名前……。やはり運命の導きなのかしら」
美しい占い師が呟いた頃、戦士は武器を踊らせて敵を戦意喪失としていた。
痩せた戦士は無傷のまま、少し破った壁の向こうの青々とした獣王に武器を構え、低い声で獣王の色を無くさせた。
「狼藉者。これへ直れ」
人の気配がして振り向くと、緑の髪の青年がライアンを見詰めていた。大柄で気の良さそうな、ちょっと普通の人間でないような。
彼の緑の髪や瞳を見ているうちに、ホイミンの言葉が不意に思い出された。
「ライアンさん、世界を救ってね」

END
270 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 01:45 ID:rckMKftZ
ピサロ×ミネアの話はFC版で読んでもらいたい“とも”思ってます。PSは未プレイです。
ライアン×ロザリーの時、勇者は女でした。
男勇者で書くと「ロザリーはライアンより勇者の方が好き」と言う選択肢が出て来てしまっていたからです。
271 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 01:54 ID:rckMKftZ
しんか


ピンクのレオタードが一枚ある。
勇者は「マーニャが着ろよ」と言うが、マーニャは「ミネアに」と。
ミネアは恥かしがって「姉さんが着て」
艶めかしい姉妹がお互い恥かしがっている様子はパーティの男達を良い気分にさせた。(どっちでも良いから着るんだ!)と言うのが顔がそれぞれにだらしなく緩む男達の本音。
ライアンは(目の毒だな…)と困ってもいる。
ミネアが着る事になりそうだ。“珍しさ”は良い刺激である。そこへアリーナがやって来た。
「アリーナちゃん着なさい」
マーニャが華やいだ。「そうよアリーナさん」ミネアも艶めかしい顔を楽しそうにした。
勇者が反対する。「Hだ」アリーナの白い肌はいけないと。ブライも同意。トルネコも「お兄さん方には毒でしょう」
「何かあたし等毒でも薬でもないみたい」「いやねぇ」と姉妹が色っぽく拗ね出した。
クリフトはアリーナの事に関しては終始無言である。一番アリーナに心を寄せているクリフトなのだが何も言わない。
アリーナ本人はレオタードが嫌だった。(だってライアンが…)今のアリーナの装備が良いと褒めてくれたからだ。しかし
「着て御覧なさい」
と言う唯一の男性はライアンである。
「どうして?」二人切りになった時、特別に聞き返されてライアンは困った。
「強い防具ですよ」
「ライアン男でしょ、私…その…」
「私が男だからこそ、とは」
「きゃっ」「失礼、お許し下さい」
アリーナは嬉しいけれど
(ライアンは私がHな格好しても、「H過ぎる」って困りはしないんだ)
アリーナはちょっとマーニャとミネアを見てみる。
「やなの。二人とも男男してない?」
ライアンにちゃんと女と見られていて嫌。
「アリーナちゃんだってライアンさん大好きじゃないの」
「私はライアンが男じゃなくても、今とそんなに変らない」
「本当に?」「うん…」
272 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 01:57 ID:rckMKftZ
「それにライアンさんが女だったら剣を持たない人と思うわ」
「でもきっと、戦う人だよ」
アリーナの、眩いばかりのライアンに対する寵愛である。
それを知ったクリフトは故郷を無くしたかの様に落ち込んだ。しかし故郷を無くしてもポツポツと踏み出す神官。
アリーナを守る為のザキ。恐ろしいけれど、マーニャはクリフトが気になっていた。
恋をなくしたクリフトに近付くマーニャ。それを見たミネア(姉さんたら)
ミネアは、初恋を覚えたあの男のにも負けない程勇者が好き。
自由こそがジプシーである。でも
(でも好きな人って一人だわ…)
マーニャもきっとそうだろうとミネアは思った。
もう死んでしまった男だ。モヤシが謝っている様な男だった。
強さに執着し自分の弱さを知っている撫で肩の虚弱体質。そして悪であった。
善悪の提議。自分の他に迷惑を掛けるのが悪、掛けないのが善とする。
バルザックは自分自身の強い意志で動いたのはたったの一度切りである。
その一度切りの局面でエドガンの方を選んでいたら…。
バルザックは弱くただ、完璧な聖人君子のエドガンや秘法の強さに引かれ、マーニャに惹かれた男だった。
逞しい大男でムチムチと艶っぽいオーリンと乾いた細い枝の様な小男バルザックは仲が良かったし、何とも妖しい少女のミネアとも普通に親しんだ。
ミネアもオーリンもバルザックを嫌いではなかった。エドガンが殺されてもどこかで(嘘でしょ?)と思えた。
人殺し。
クリフトのザキは異種族でしかも挑んで来るモンスターに対する物で全く次元が違う。
ミネアはクリフトの強さを思うとモンスターと友達だったライアンをフと思ってしまう。(本当に夢みたいな人…)
そしてミネアの好きな男の背が見えた。ミネアは口を開きかけただけなのに
「話し掛けるな」
後ろ姿のピサロは言った。ミネアは黙って従う。

はぐれメタルの鎧がライアン、クリフト、トルネコ、ミネアの手に入った。
四人だけの喜び。しかしミネアだけは(鎧って慣れないわ…)
クリフトは神官だが戦士と言っても良い程戦えるので、鎧もそつ無く着る。
戦闘後にまごまごしているミネアをライアンが発見。(おや)
「ミネア殿、一度着付けて差し上げようか」
273 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:03 ID:rckMKftZ
「見抜いてらしたのね、恥かしいわ。……宜しくお願いします」
でも、皆の前では恥かしいから二人の時にとミネアは言う。
皆が寝静まった夜。宿屋の一室…これでミネアと二人切り、彼女の体に挑む(着付ける)のだ。どうしても艶めかしい。
「そんな、ズルイ」と言いたく成る程、鎧の着方にはコツがあった。
「ハハ、全部教えますから」
「はい」
男女は笑いながら二人、一つの部屋に居た。その笑い声を聞いた男がいる。
最初は初めて女に鎧を着せる緊張から、ちょっとHな動きだったライアンの手は次第に楽しそうになって、今は少し真剣。
やはり鎧を扱うライアンは素敵だ。気付いたらミネアは自分に着せてくれるライアンの顔ばかり見ていた。
「ウフ。いや、ライアンさん」
彼の髭がミネアの肌に触れ、彼女はくすぐたがった。
「ん?あぁ、すまない」
やはり早い。簡単に出来てしまった。
「ありがとうございます」
ミネアは鎧姿で喜ぶ。
お礼のキスは短い。しかし合図も無しに部屋の扉を開けた男の目には酷く長く感じた。
怒り心頭のピサロが、堂々と廊下と部屋の中間に立っている。
怒りの波動は悪の波動であり、部屋を震わせた。悪魔は戦士を睨み付けようとしたが目に映ったのは慄然としたミネアだけ。
波動を跳ね除け、戦士は男の目の前にいきなり躍り出た。
「静かに」
鯉口から既に少し刀身を見せている戦士がピサロに言う。
ピサロは戦士を睨み尽して無言のままその意思を伝えた。
(力強い)
ピサロのおどろおどろしい眼光にライアンは思った。
モンスターのピサロはライアンに引き付けられる所もある。
流石は小さなホイミスライムが彼を「最高の喜び」と思って、口笛吹きたくなる気持ちにさせた戦士である。
ライアンは刀を収めて、ミネアに部屋に居るよう手で合図をしたのだが、ミネアは黙ってライアンに着いて来た。
「ピサロさま」
異様な雰囲気にロザリーも着いて来た。どうしたの?と言う疑問はライアンに尋ねるロザリーである。
心配ない。と笑顔だけで戦士はロザリーに答えた。
274 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:07 ID:rckMKftZ
夜の空の下に出る。
「お前とは、どちらが上か下かをはっきりと決めておく必要がある」
そのピサロの言葉にロザリーは
(こんな戦いで勝っても負けても、相手を上に見たり下に見たりしない人よ)
とライアンの事を思う。少し話した事があるのだけれどロザリーはライアンの事がかなり好きだった。
「下になる覚悟はあるのか」
そうライアンが刀身を抜き出す。
「私がお前に負ける事はない」
互いに刀を抜き間髪を容れず相手に突進した時、「やめろ!」と勇者の声がした。
(もう遅い)とピサロもライアンも思う(いま少し、せめて一合)男二人の思いは同じ。
緑色の髪が目前に割り込んで来て、ライアンは必死で剣を止めた。
ライアンの剣は勇者のその髪さえ傷付ける事は無かったが、ピサロの剣は勇者の瞼を深く斬った。
「仲間に迷惑掛けないって、約束だろ」
顔から血を溢れさせている勇者がピサロに言った。ピサロは勇者に謝りもしないが戦いを続ける事もしない。
勇者の言葉に頷く事もないが、首を振る事もない。馴れ合いはしないが何の曇りも無い尊敬。晴れやかな好意。
この勇者の村を襲撃した時、変身したシンシアではなくこの男本人に出会っていたら、ピサロはあの村への殺戮、勇者の殺戮を止めていた。
優しい人格を妖精以上と思う。
異様な傾倒だが、男色の色恋などが入る隙もない輝く程の憧れの情。
ロザリーが勇者に駆け寄り傷を手当てする。ロザリーヒルで初めて会った時から彼女も勇者がとても好きだった。とても優しいので人間の友達の中で一番好き。
ミネアも勇者の手当てを手伝う。
「ありがとう」
勇者は天使の様な男。だけれど(わぁ、二人とも可愛いなぁ)エロに奔放。
痛みを感じると(皆痛かったんだろうな)と悲しくなるけれど、勇者はピサロに傷付けられると実は嬉しい。(皆と一緒)死んだ村の人々と。
この嬉しさは誰にも言っていない。「自虐的だ」と嫌な思いをさたり、仲間を心配させたりするかも知れないと思ったからだ。
勇者はそして口元に少し麻痺がある。口の端片方が時々上がらない。泣いて泣いて死に掛けた時から出来たものだ。
後遺症とは死を覗いた事のある人間の凄みである。
(皆が着いて来てるみたい…)自分の口を見て勇者は思う。自虐的かも知れないが彼の喜び。

ミネアが勇者のその笑顔は麻痺だと知ってしまう。
275 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:09 ID:rckMKftZ
「治せたら…私が治しましょうか」「え?」
どうしよう、ミネアなら良いかな…と勇者は思案し始めたが、彼は自分でも思わず涙を零した。
ミネアがギクリとして、勇者本人はびっくりした。「あれ?へへ…」
「ミネアはなんで鎧なんて着てるのさ」
困った様子の彼女を見た勇者は気付いた。誰かに着せられた鎧、ライアンだろうと。
「あー、そうか」
夜中にミネアに鎧を着せるライアン…Hだなと勇者は思う。
「二人でコソコソしてたんだな」
「二人でと言ったのは私の方で、ライアンさんは応じてくれただけです」
「見られて恥かしい事じゃないよ。コソコソするから恥かしい。オレが脱がしたって別に…」
ミネアの肩の部分を外そうとする。その時剥がし過ぎてミネアの右の乳房を見てしまう。
「あっ」
ミネアの声に一度は目を反らした勇者だが
「やっぱり大きい…胸」
男の下半身は小さく爆発を起こしたかの様に喜んだ。
ミネアを押し倒した。もう切なくて。
「ごめん、こんなつもりじゃなかったんだけど」
「まって…まって…」
豊満な乳房を片方出したミネアが小さい声で言う。水晶を取り出し、そこに映る女性を見せた。
「シンシア」
「最近見るようになって気になっていたの、蘇るのかしら」
勇者は喜び、エロどころではなくなった。(よかった事…)
勇者がどうしてもと自分を求めて来たなら拒まないだろうけど、ミネアは自分は勇者と結ばれてはいけないと思っている。

マーニャはクリフトの元から、服を乱したまま宿屋の廊下に飛び出した。
(変な事言っちゃったわ。ちょっと怒ったね。格好良い人だわ)
ロビーに居るブライを発見。
「あらブライ様」「あの魔物の所為で寝られんよ」
波動で起きてしまったらしい。アリーナが起きて来ないのが不思議だ。
「御寝かせした」
276 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:11 ID:rckMKftZ
ライアンとミネアの様子をブライは見たからだ。ブライが実に珍しく、自信無さげに口を開いた。
ライアンはアリーナの事を…「大好きでしょう」マーニャが言うと「そうか…」
アリーナに子守り歌を唄って寝かせたトルネコが来た。
「いやぁ、おっかなかったですねぇ」「ネコちゃん遊ぼう」
ピサロは荒ぶるし、クリフトとは今だ何もしてないし、マーニャは面白くない。

ピサロはやきもちをやいたのだ。ミネアと居るライアンに。
そしてライアンと睨み合い多少溜飲を下げたが、今度はロザリーに見られている勇者に妬いた。
わがままなピサロは八方塞がりである。さらに、
「この頃、私と距離を置いてらっしゃるのは何故ですか」
ピサロはロザリーに触れない。あの勇者の家族を奪ってしまった事がとても苦しくて、自らの喜びは絶ちたい思いである。
人間を滅ぼすと決めた時、ロザリーに中々会えなくなったのもどこかピサロの意識がそうさせていた。自分は喜んで良いのかと。
「貴方はいつも、私より大切な物が御有りです」
「埒も無い事を…」
「私より、勇者様の事が好きなのでしょう」
ピサロの胸はギクリと鳴って、その不安から中々戻れなかった。
「奴は男ではないか」
「え?」
男だから駄目などと…男勇者相手に色恋の事まで考えていたのかと、ロザリーは驚いた。
彼女の驚いた顔にピサロは驚き、「違う」人間との恋の経験はミネアだと、言いはしないがこの男。

「貴方も勇者様も皆、大事にならなくて良かったですわ」
「殺し合いにはなりませんでしたよ。しかし傷も嫌がる勇者殿には敵いません」
あの人だけを傷付けてしまった…とライアンは自分の対決の仕方その至らなさを反省した。
「貴方に殺める気が無いのは解りますけれど…向こうもそうでしたか?」
「微かに…慰めを欲しがっていた様に思えました」
ホイミスライムが泣いて飛び付いて来た事があったのだが、あの時ピサロもそのスライムの様な目をしていた。
だからライアンは慰めようと。この剣で。
行動を共にしているのだから荒ぶられては困るのだ。特に女に対して。
「特に人間ではミネア殿を気に入っている様子です。気を付けてください」
277 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:15 ID:rckMKftZ
「そう見えますか?」
ミネアはほんのり華やいでしまう所だった。だから、
「私勇者様が好きです」
なぜいきなりそうなるのか、こうも凛と言うのかライアンには解らなかったが、
「姉上と勇者殿の事は良いんですか?」
「私ね…」クスクスとミネアは楽しそうに笑顔を見せた。
「一度、姉さんと間違われた事が」
勇者はバレまくって居たものの「間違えた」とは言わずその晩はずっとミネアと居た。
Hな事をしてしまえばもっと失礼ではないのだろうけど、微妙な所で勇者は留まった。
添寝し、語り明かし…その時ミネアは“する”よりよかった。心の体も。
「私それだけで…」「…そうですか」
「なにもせずにか。楽しいかも知れませんな」
「楽しいですよ。だったら…」
鎧の脱ぎ方も教えて貰いたいし、そのまま今日も添寝するかも知れない。ライアンから旨い酒が有る云々と話が出た。
「ウフフ…」
足並み揃えて男女は猫背になって一つの部屋へ。

上昇志向のあるライアンとクリフト。人間が似ていて、ここぞと言う時に頷く所と首を振る所が大体同じである。
しかしアリーナを愛してしまう様に、クリフトは自分より強い物を自分の心に占める事が多い。
これは生まれ持って天賦の腕力体力を与えられた男と、そうでもない男との差であろうか。
ライアンは情けない物や、自分より弱い物に心奪われたりする。
父性の問題かも知れぬ。クリフトは永遠に“素敵なお兄さん”かも知れないが…。
ライアンの魅力は元々解っていたし、アリーナが惹かれた事で更にもう解り過ぎる位に。
しかしクリフトはライアンよりもアリーナが好きなので不和は仕方がない。
ライアンが光り差す強さなら、アリーナは輝く強さであった。戦場を支配する武闘家。大気を味方にして会心の一撃を連発する。
(姫の方が、凄い。戦闘力だって…)
そんなアリーナが惚れた男なので、嫉妬の激しさは憎しみにも似た。
それでもクリフトの成長と共に時も流れて、ライアンとは徐々に親しくなっていった。
278 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:19 ID:rckMKftZ
ライアンに影響されてクリフトは戦士らしくなって行く。
「金打!」
と武士の証である刀と僧の証である鉦を打ち鳴らした時の興奮。バトランドのかたい約束、誓いの合図である。
男二人はこうして戦場に出た事があった。バトランドの勇壮さに、男クリフトはすんなりと入って行った。
親しくなって来てその上、ピサロの存在で人間の仲間内で嫌いだの何だの言ってられなくなった事も手伝った。
クリフトは勿論、ライアンは好きな女が惚れている男と言う理由で気に食わないだけで、ピサロの事は大嫌いだ。
(よくも勇者様と旅が出来るものです)
しかしクリフトはピサロが勇者の事を愛しているのを知らない。
「自らを汚す所が、ピサロにはある様です」
「そうですか?傍若無人と思いますけど」
ライアンの言葉にクリフトは素直に返した。ライアンは沢山モンスターを見て来たが
「あんな寂しがりも居ない」
ブライさえもホォと感心するライアンの知識の一、モンスターへの造詣である。
ホイミンは相手も自分の傷付けない様に心して、それでも前に前に進むモンスターだった。
そして目標、夢が強大だった。(人間になりたいとはどう言う事なのだ?)世界を救うのとどちらが難しいのかライアンには既に解らん世界だ。
(よい漢(おとこ)だった。又会いたい)
命が果てて何度転生してもきっといつか。
人間のホイミンは顔をベールで隠して目だけを覗かせていたと言う。
「ホイミンがとても感謝していたと…」
感謝なら自分で言いにくる奴だった。何故顔も見せずに消えたのか。
(男になったのではないか?)
端正であか抜けていて爽やかだったと。
モンスターだったのである。優しい雰囲気の奥に人ならぬ鋭さ迫力を持っていて酷く魅力的だったと。
意志の強そうな顔を見せ走り去ったと言う。
(まさか俺に惚れたのか、本当に)
お互い彼は女になるものだと思っていたので、男になったとしたら不思議な失恋と言って言い。
出会った時モンスターだったのが特別過ぎる事であった。人間ホイミンが少女でも老女でも恋したろうと思う。
どこかの村でアイドル的な存在になっていたとしても攫ってしまうかも。
279 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:30 ID:rckMKftZ
(ミネア殿の様にはいかんなぁ…)
しかしライアンは最高の伴侶を予見していた事に気付いていなかった。
たぶん。天空の花嫁と多くモンスターに愛される人間の男の母、偉大な愛しい妻を。

キングレオを後ろに走りながらホイミンは泣いていた。男になってしまった悲しさか、新しい仲間と遠くに行ってしまう戦士の邪魔はせぬと決めた餞(はなむけ)涙か。
別れの憂いを含んだ顔で今の仲間達全員に出会ったため、女達の心をいきなり掴んでのライアン参戦だった。

(この男(ライアン)を御することは出来んかも知れん)
スマートなブライだが人間臭さ、衰えない若者の感覚を持っていた。
アリーナ女王の話をすると「器です。なられますとも」と言うライアンと共にときめいた。
ブライは自分の賢さを誇っていたが、賢さではクリフトの方が彼の上を行っている。しかし優しくて柔軟な賢さなのでライアンはブライよりクリフトの方が喋り易い。
「閣下」
とライアンはクリフトを呼ぶ。ブライの事は老公。サントハイムだろうとバトランドだろうと国家の高位を敬う兵卒である。
だがバトランドの兵士。その複雑さが面白くてブライはアリーナとライアンにときめく。
つがいは違えば違う程、子は良く強い。了見の狭いのはブライは嫌い。
アリーナの初恋の相手はブライである。それを告白され「一緒に旅をすると辛いからサントハイムに帰って」と言われた時は流石に
(姫、やり過ぎじゃ)
と思った。老人に何を言うか。アリーナの自由さを受け止め切れるのはやはり年齢からもライアンか。クリフトもずっと年下なら面白かった。

いつもと変らず、馬車から四名が出てパトリシアと共にパカパカと進む。
勇者に次いでライアン、その後方にピサロが居た。
ライアンは背中の下辺りに熱さを感じた。ピサロに刺されていた。
「私が寂しいだと…油断で刺される醜い戦士が!」
多量に出血しながら戦士は剣を抜いて構えた。ピサロの剣には自然に毒も込められていて、熱さだけでなく痺れもあるのだがライアンはスッとまっすぐに立っている。
「バカ!」
勇者が初めて激した。言われたピサロの顔が微かに崩れる。その顔に向かい勇者は鞘を思い切り殴り下ろした。
ピサロはクリフトのザキにより一瞬で倒れた。精神的にガンガンイッてる状況のクリフト。やはりマヌーサ等を掛けないのは“らしい”。
280 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:40 ID:rckMKftZ
「ライアン」「ライアン」
呼ぶ度に、ベホマを唱える勇者だがライアンは何やら回復し切らない。
クリフトがライアンにキアリーを唱える。そして勇者が又ベホマを唱えるのでライアンは回復し過ぎて胸がいっぱいになった。
「余計な事を言ってしまいましたな…」
同行する者の内で起ったこの事件が勇者は悲しそうだ。そして自身を反省し気にしていないライアンを惚れ直している。
「誰がピサロに伝えたのでしょうか」
そんなのは気にならないとライアン。勇者は調べるの?と不安そうだ。
「致しましょう。ピサロは恐らくロザリー様から耳にするでしょうから、最近彼女と話した者から」
「閣下」
「刺されたんです。貴方は不用意だったと反省している様ですが話す相手を選びました。他にも落度を追求せねばなりません」
「暫く、…」
ライアンは考えた末に口を開いた。
「私が聞きましょう。心当たりの方がお一人居られます」
「私が言い出した事です。この私が…」
いや、いや、私しか聞けぬ内容になりますので。とライアンはスタスタ馬車へ向った。
「待って下さい、そんな」クリフトは追った。

「御老公、ロザリー殿に私が言ったピサロの話をされましたか」
「ああ、したが。どうした」
「これを」
ライアン後が血塗れである。
「あぁ、そうであったか」
「お恥かしい話です」
「いや、悪かった」
「いいえ。しかし少々驚きましたね、私も年でしょうか」
「ピサロと比べてか?貴方とピサロを同じ比較の土俵に上げる気にはなれんな」
「どういう意味ですか」「儂は貴方を尊敬しているのだよ、だからこそ嗾(けしか)けたのだ」「酷いお方だな」
ハハハと男二人はもう笑っている。
「過激な事は、勇者殿が心配しますから」「ピサロなど隙を見て斬って捨ててしまえ」
クリフトはショックだった。言葉を漏らしたのはサントハイムのブライだった。
281 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:47 ID:rckMKftZ
「誰から漏れたのか、追求しようとしたのは私です」
ライアンが怪我した云々、クリフトは怒鳴り続けた。この戦士の礼節に云々。
サントハイムを出てから初めてクリフトはブライに激昂し、食って掛かった。
(謝ったじゃろうが、冷や(ヒャド)すぞこら!)
サントハイムの男二人は衣服が擦れ合う程の近距離で睨み合った。

「昔からあの利かん気だ」
少年の頃もたまに爆発した。その場で終わるからブライもクリフトも男っぽいのだけれど。
「良い気迫です。貴方から目を反らさないとは」
「それも昔からだ。豆の様に小さい頃から恐れずにこちらの目を見る」

クリフトはロザリーにも注意にいった。ルックスがお見事なクリフトはロザリーと仲が良く、彼女のアイドルの様なのだけれど今日は恐ろしかった。
ピサロを倒したと言うのも恐かったし、静かに怒る人間を初めて見て血の凍る様な思いである。しかしこの男は怒っているのではなく叱っているのである。
温かくて優しい男と言う印象を残せる神官なのだった。
ピサロを目覚めさせたのもクリフトで、ロザリーの様子を見て勇者は安心してしまって、
「クリフト凄い」
と彼のこめかみにキスした。「うひゃぁ」と女の様な悲鳴を上げるクリフトに勇者がニッコリ笑って来る。
「やめてください。やめてください」
一緒に寝ようぜぇと誘って来るので命懸けで神官は逃げた。

勇者にキスされた事も、一緒に寝た事もあるとライアンが。
「勇者殿は変態じゃありませんから大丈夫ですよ」
ただしやたら密着してくる。「私が女だったら、まぁ、そう言う事になるんでしょうか。デカイ男から妙に良い匂いがするのも嫌ですね」ハハと戦士が笑い、
「うぅ、気持ち悪い…」神官は嘔吐催す。しかし勇者の寝顔は可愛い。意識不明なら可愛いものだ。
「ライアンさん、勝手です」
先程のブライへの行為、言動。
「すみません」
恭しく、この戦士は頭を下げるのだ。所作が美しい。
「言い出した私が何とでも致しましたのに……しかし刺された事、戦士の貴方に言わせてしまって、広める事になってしまって…短慮でした、許して下さい」
282 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:54 ID:rckMKftZ
「恐縮です。貴方は誇り高いお方だ」
他人の誇りを守ろうとするのだから。ライアンにそんな事を言われるとクリフトは息苦しくなる。
この戦士は“仲間を詰問する事”でクリフトが汚れるのを避ける為自分で動いたのだ。
クリフトはアリーナとライアンをよく比べて来た。アリーナの方が良い…アリーナの方が…。
これはライアンに捕われていると言う事だ。ライアンの存在の強さをはっきりと認めている行為だ。
悪、善、好き、嫌い、も自分とは逆の、自分に相容れない強い物を見せられて自分の所属と嗜好を知る人間の、確かめるの人間の何と多いことか。
賢いクリフトは全てわかっていた。
「腹が減った。ピサロ殺して儂が食っても良いかな」と勇者に言うブライである。勇者は笑顔で「美味しいの?」ブライも勇者と特別な関わり方をする。
ブライのバイキルトはタイミング抜群で憎い。竜に変り戦いだけを続けるマーニャ。
攻撃呪文の二人組は性格も荒っぽいけれど、
「冷やすぞ」「燃やすわよ」
スックと敵に立ち塞がり凛々しい。恋人同士の様なこれも特別な二人だ。
「お嬢どうだ」「はいブライ様」
(強いとは)
どう言う事なのか。小さい頃からブライの目を見ては探すのがクリフトの癖だった。
トルネコは父親で、よく息子を妻を思い出している。
占い師のミネアは人の心を一つ一つ解きほぐして癒す。見えない未来さえ癒す。
全知を良しとするクリフトには見えて来ていた。見える程、仲間達を思うと涙が出そうになる。
(私の弱い事…)
ライアンと言う具体的に目の前にその人が居られると更に泣きたくなる。
「閣下と言うのはやめてくれませんか」
「心苦しかったですかな?失礼を…」
「貴方はなぜ、そう頭を下げるんです。恥かしいです、私は貴方からそんな事を受ける人間ではありません」
「先程の件にしても、私の事に関わって激してくれて光栄です」
そのライアン言葉にクリフトは赤面してしまったと思って、悟られぬ様顔を落とした。
「閣下と呼ぶしかない方に成られるでしょう貴方は。バトランドにも権力者と名の付く者がいましたが貴方の様な方が居られたかな?」
いかにも大物の風格だ。と、褒める褒める。クリフトは本当に恐縮で泣くかと思った。
283 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 02:58 ID:rckMKftZ
ライアンが他国サントハイムをしっかりと見るように、
バトランドに生まれていたらクリフトは戦士になっていただろう。武士なら武士として将軍、いや、総帥の器か。
クリフトは必死で「あぁ、そう言えば」と話を反らす。「昔貴方が旅したと言うお仲間の方、どうやら私と容姿が似ていると言う話ですよ」絶対に話が変ると思った。
一言で、空気が変った。
「…目…しか見えなかったんですけど…私よりずっと端正だったと、私は記憶しているんですが…」
「こちらを」
向くように、戦士は言う。
ライアンのこんな目を初めて見た、と言うより、クリフトはこんな目で人から見詰められた事はない。
(人間になったのだ…よかったなぁ…)
ライアンは男らしく美しい指をクリフトの頭に伸ばして、初めて彼の髪に触れた。
触れると目を閉じて、また開く。
(そんな目で見るのはやめて下さい。私はその人ではない…)
途方も無い夢を追って、それを掴んだその人ではないのだ。
(そんな夢を追う力さえ、私にはない…)
こんな凄まじい瞬間に何故自分が居るのか解らない。心臓は動悸とは逆に止められたかの様な緊張である。
「うん…そうですか…」

「あんまり圧迫しないで下さい、息が出来ない…」
アリーナも、ブライとライアンを今のライアンの様な目で見た事がある。
「ハハ…あいつを見たのはキングレオでしたね?初めて会った時の私の様子を憶えていますか?」
「何だか暗かったですね。私は貴方は既婚者だとも思っていました」
「婚約者と別れた時でした」
ハハハとライアンは哄笑した。この男二人、共にずっと失恋中だったのだ。
“会った事の無い女”と婚約して、そして破約となるかも知れないのがライアン何とも諧謔。
284 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 03:12 ID:rckMKftZ
シンシアは勇者の恋人で普通の人間では無かった。天空人か?エルフか?
知らない。と勇者も言う。伸びやかな勇者はシンシアと一人前の関係であった。
シンシアは勇者の子を産めるのだろう。つまり彼はもうすぐ父親になれたのかも知れなかった。
人生で一番の悲しみは子に先立たれる事。類ない。
勇者は確かに“優しいお兄さん”より、“気の良い父さん”。
様々な仲間達を下から支えるお父っつぁん、パトリシアが引く馬車の様な体をしている。逆三角形で大きい。
クリフトは勇者がザキを怖がるのを知ると使うのを控える様になる(優しい人…)
ミネアはライアンを(夢みたいな人)と思ったがクリフトにも(優しい人)と。
面白味のある男である。その男とマーニャはいつか踊れるのだろうか。
サントハイムから出てももう歩める男なのだろう。クリフトはすごぶる若い。やっと始まり出した。

クリフトはピサロが大嫌いだ。激しい嫌悪感は勇者の為。大嫌い、その思いが転じてロザリーの事は好きなのである。
「人間とキスした事はありますか?」
いきなり大胆なクリフトである。ロザリーは首を振った。
「してみましょうか?」「そんな…」
なかば強引に彼女の唇に唇を合わせた。
音を鳴らし不動のロザリーにゆっくり進入し、吸い付いて彼女を震わせた。
神官は酷く欲情して来た。彼女の腰に手を当てると荒れ狂う自身の体の昂ぶりを感じた。
(まずい)
今、彼の体が考えている事は一つだ。
服から見えている彼女の瑞々しい胸の谷間へ指が伸びてしまう。しかし、触れなかった。
「すみません。お休みなさい」「いえ、…いえ、…」
汗を掻いてロザリーはやっと声を出していた。
(何をしている私は)
ピサロの女を奪うのか。勇者でさえ同行させているピサロの恋人を。
(何と言う浅ましさだ!!)
クリフトは勇者の元へ走った。彼の元の外、何があろう。
285 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 03:15 ID:rckMKftZ
「殴って下さい、私を」
「えぇ?」「思い切り」
なんだ、なんだと「パーティアタックはなかなか回復しないよ」と言う勇者だが、
「回復など要らない」
真剣な彼を見て「わかった」パーティで一番逞しい大きな体が閃光の様にクリフトまでの空を駆る。
半ば死を見たクリフト5時間倒れた。

モンバーバラは美女ばかりの町だった。コーミズ村も。エドガンは完全無欠の美男であったし、黒髪で黄砂色の肌のオーリンの色気と言ったらなかった。
バルザックも細面で折れそうな体と言ってもしっかりと整った清らかな容貌であった。
この地方は混血が進み、魅惑的な人間が多く目についた。
人間の進化は簡単に起る。自分に無い物に引かれ、愛し合えばそれだけで前の世代より強くなる。
はっきり言って見世物の気合も入らない。ただ町を歩いただけで、畑の小道を行くだけで、心ときめく様な美女にゴロゴロ出会うのだから。
舞台の賑わいを復活させたのはマーニャである。彼女の魅力と美しさは群を抜いていた。
そして人を楽しませる事、面白がらせる事がどういう事かを良く知っていた。
ピサロが初めて惹かれた人間はマーニャであった。劇場に入り込み、人間の女の生き生きとした踊りを彼は見た。
(どうだい?あたしは美しいでしょう)
(あぁ…綺麗だ)
何度かステージと客席で見詰め合った後、しかしピサロは劇場から消えた。
「すごい良い男が居た!」
「いや、あれ人間じゃないよマーニャちゃん。恐ろしくてゴールドが取れなかった。
この町であれと戦えるのはマーニャちゃんしか居ないと思ったし」
あの客席と舞台は即席の戦場にされる所だった。
「いやぁねぇ。ちゃんと堪能して帰ったもんきっと」
ピサロもマーニャと抱き合う、語り合う等したらお互い爆炎を撒き散らしての闘争に成ると思ったから会うのを止めた。
意志と覇気の強さ、ピサロが覗き込み切れない目を彼女はしていた。

レイクナバと言う小さな狭い村で妻を娶り、一人息子の居るトルネコ。マーニャと良く遊ぶ。
酔うと彼の体にちょっと胸が触れても気にしない。だから少し危うい感じになった事が。
マーニャとトルネコは一番遊ぶ。けれど“Hな事をしようとして顔を合わせると吹き出す”関係ではない。
マーニャはドキッとして、トルネコは少しスキャンダラスな雰囲気。
286 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 03:19 ID:rckMKftZ
男の性を知っている男勇者は休憩の町をよく、トルネコの妻が居るエンドールにした。
「トルネコ、頑張れ」
「やめて下さいよぉ」
勇者が気合入れて送るのでトルネコは少し興奮するやら、全部見られている様で恥かしいやら。

男は女の腕を掴み、ベッドへ押し付ける様に倒した。
男はその女の全裸を初めて見た。
「お許し下さい…」
女の瑞々しい肩を果実を頬張る様に、唇で愛撫する。
「あっ、あっ…」
そうして揺れる女の乳房を初めてこうも堪能している男だが、指を少し滑らすだけで腰を動かし女を求めに行った。
自分を押し上げてくる、撫でさせるその男の脈。女は自分に進入してくる男を感じた。
「あっ!」
久し振りの熱さに女は叫んだ。
生々しい音の中男女は快感を、快楽を、喜びを貪った。
男は揺れる大きな両の乳房を掴んで、その突起を啜りながら、腰の圧迫は止めなかった。
「あっ!……あぁっ…ピサロさま…」
(私は、愚かだ)
熱い悦楽の中、あの地獄の底に落とされる様な感覚が久し振りに来た。悪魔のピサロが生まれて来た理由(ワケ)と言っても過言ではない程の凄まじい快感。
天地が逆さになり、呼吸は止まる。
「うあ!」
鮮烈で大きな叫びでも上げないと死んでしまいそうである。胸は高鳴り続け、汗はなかなか引かない。
もう思い出せない程久し振りに、ピサロとロザリーは口付け合った。

ベッドに全裸のその肢体を投げ出すピサロは先刻レオタード姿のミネアを見てしまった。
あの体が懐かしくて、あの柔らかさ、温もり…。小さな悪魔が彼の頭の周りを何匹か飛んだ。
「情けない…」今夜は久し振りの事だった。せめてミネアはもう抱かない。ロザリーだけ。
しかし彼が喜び、慈しむ女がどうせ居るなら、人間の女こそ良いとは言えないだろうか。
そう言えば人間を滅ぼすと決めてからピサロは人間の女しか抱いていなかった。ミネアしか抱いていなかった。
287 ◆hMHMkhRwLk :04/03/17 03:22 ID:rckMKftZ
人間を見て居たかったのだ。お前は本当に滅ぶのかと、どこかで問い掛けて居たかった。
しかし、ロザリーが死んでピサロから女と言う概念が消えた。迷いも愛も消え、ただ自分の道だけが綺麗に残った。
人間、人間。しかしピサロはまだ彼等に何か見せて貰いたかった様だ。そこで勇者と出会う。
勇者は優しい。ピサロには既に謎の域だ。勇者の友ライアンに近付いてもピサロは勇者に守られる。
「全てを奪って置きながら、あの男の仇になってやる事も出来んとは」
ピサロは泣いた。
ロザリーは“自分が勇者の立場だったらピサロはこうまで泣いてくれるだろうか”と思った。
しかしロザリーは女だ。ピサロは男相手にしかこんな涙を見せない様に思えた。
(貴方は私よりも大切な物がお有りです)
人間よりモンスター、自分に近い物、似た物。同性もやはり特別。
こんな姿を見せてくれるなら、私の事も特別に思ってくれているかしらとロザリーは思った。
彼女はモンスターではなくエルフである。この男と生きたい。生きれるかしらと。

「お前私を嘗めておるだろう」
俺に対する警戒が一番無い。嘗めていると、ピサロはライアンに言う。
「警戒を続ければこちらの体に殺気が増してくる。そんな俺に…殺されたいのか」
「旅も全う出来ずに死にたい思いがあるなら、勝手に死ね。この旅が終わればいつでも相手をしよう」
「自分で死ぬ事は出来ない。命は自分の物の様でそうでもない」
ロザリーの為か?と戦士は思ったが、確かに“誰かの為”にピサロは死ねなかった。
モンスターの言葉は解り易く、強い。
ライアンはピサロを見ても、もっと沢山のモンスターに会いたい、もっと知りたいと思うのであった。

マーニャとピサロは目が合うと、即戦闘と言う殺気を交換し合っているが勇者の為に互いが押えている様子である。

「今度会う時は敵かも知れんがな」
ピサロの別れの言葉である。
敵になってやりたかった。
人間は苦難の時、「敵」と言う存在が目の前に居ると救われると言う事を、ピサロは知っていた。
完膚なきまでに私を倒せ。多少心の平穏もあろう。そしてお前の怒りの顔を又見たいとピサロは勇者に思った。
(お前の全てを愛す)ピサロの真実はいつも遅い。

しんか END
288名無しさん@ピンキー:04/03/17 23:06 ID:+waPSeYr
289名無しさん@ピンキー:04/03/18 04:52 ID:d2lEotUZ
290名無しさん@ピンキー:04/03/18 08:51 ID:PZy500YL
ああ、入院してる間に「人大杉」に…
やっとこれた
291 ◆hMHMkhRwLk :04/03/18 13:59 ID:9jqlCqaX
>>268
両性… → 具有です。
牡蠣(カキ)みたいな類、感じです。
292名無しさん@ピンキー:04/03/21 09:58 ID:GSg4WdML
保守
293名無しさん@ピンキー:04/03/21 18:24 ID:hx5rS/gY
もうすぐ5が発売されるというのに、なんだこの閑散ぶりは・・・
294名無しさん@ピンキー:04/03/21 18:26 ID:hx5rS/gY
前の方のスレは全く読んでないけど、ここっていつもこんなに人少ないの?
295名無しさん@ピンキー:04/03/22 02:31 ID:gAX0+o5L
専用ブラウザだとまったく気づかないが、
人大杉状態で人がいないのではないかと。
いや、普段からそんなにはいないが。
ビアンカの続き読みたいが、専用ブラウザ持ってないのかな。
296 ◆hMHMkhRwLk :04/03/22 02:41 ID:1VCPqnU1
>>278
×相手も自分の傷付けない様に心して
○ 相手も自分も傷付けない様に心して

>>279  
餞涙 → 餞の涙

>>245 で言ってたブライ×アリーナです。
「故郷を無くしたかの様に落ち込み」は“しんか”に出て来た物のままですが、こっちがオリジナルです。
297 ◆hMHMkhRwLk :04/03/22 02:44 ID:1VCPqnU1
幼いアリーナは恋をした。
サントハイムの女達に「憎い人」と噂される颯爽とした男。
(でも年の差が…)
離れている。永遠に冷めぬ初恋を抱えたアリーナは当時困っていたものだ。

ブライはアリーナの教育係。しかし本音はその王女に興味が無い様に思えた。
アリーナはよくよく彼を見た。何だか世の中の殆どに興味のない男なのか?と思える。
それを思ってアリーナは更に恋心を深める。
(ブライ、見てごらん。世の中は素敵よ)
しかし。
アリーナは自室の壁をぶち破って外で遊んだ事があるが、彼女に関わる殆どの人間が驚いたり、嘆いたり、怒ったりする中ブライだけが
「なる程、こんな物ですか」
とボソリと言った。この程度かと、そう言った。
15才で旅立つ(出奔する)アリーナ。一人旅かと思ったらブライが走って来た。
「貴方に着いて行ける者は儂くらいです」
抱きたい衝動を抑えて、王女は両手で彼の衣服を掴んだ。
「違う、あんたの方が不良だもん。あんたに振り回されてる暇ない」
優しげな少年も二人を追って来た。アリーナはクリフトの存在だけは大反対。
「見所のある男ですよ」
(あんたが言うから嫌なのよ!)
あんな可愛い男がブライに見出されるとは不憫である。この優しげな男は恐ろしい死の呪文の使い手となり、腕力あり、HP、MP上々と言う頼れる男となって行く。
ブライの心眼には驚かされる。まさかクリフトが頑健な長身になるともアリーナは思わなかったのである。

旅を初めてすぐ、クリフトが自分に恋してる事など全く知らないアリーナはブライの部屋を訪れた。
「これから旅は長いと思うんだよね」
「そう言えばお上には予知能力が…姫にも有りましょうか」
「はっきり言っとくけど…あんたの事好きなんだ」
298女王の恋 2/3  ◆hMHMkhRwLk :04/03/22 02:50 ID:1VCPqnU1
「好きでなければ旅など出来んじゃろう」
「そうじゃなくて」
ブライはキセルをきゅっと吸ってアリーナをジロと見た。
「あんた帰って。居なくなってよ」
「儂をいくつだと…」
「関係ないでしょ」
「貴方は相変らずおかしい。帰りませんよ私は」
「命令よ」「ではお互い譲歩を」
そんな、事は、アリーナ考えもしなかった。(え、でも…)
「お邪魔じゃないかしら…」「こちらが言い出した事だから」
クリフトがその部屋の前を通りかかった。小さなノックの音はギシギシと言うベッドの音で掻き消され偶然にも若い神官は見てしまった。
アリーナが緊張の面持ちでブライのベッドの中に入っている。
何かの儀式なのかと思ったが、若い女がクリフトが見ても“男”と感じる老人と寝所を共にしている。
神官は音もなく扉をしめて、宿屋の自分の部屋へ戻った。(なんだ、あれはなんだろう)
あの光景を思い浮かべて、若い男の手は自分の体にスルスルと伸びる。
(いけない、いけない)

好きなら一緒に寝てみるかと行ったのは老魔法使いの方である。
過失で、老人の細い指がその乳房に触れ、下着を着けていない突起に遊んでしまった。
(おや、すまん)
薄い服を纏っている王女はフッと絶頂の感覚を味わい、他の部屋では本当に絶頂を迎えている男が居た。

本当は熱い男である。幼い王女が自分に恋をしていたのは知っていた。王女の前で冷たい男を演じたり、煽って見せたり、ブライはともかく格好つけた。
この女性にその価値があるから。女王だからなどではない、この人の魅力にその価値があった。
299女王の恋 3/3  ◆hMHMkhRwLk :04/03/22 02:54 ID:1VCPqnU1
「貴方の生まれた時から、貴方を知っています。可愛くて小さくて元気で強くて、サントハイムの女王になると思いました。今でもその思いは変りません」
「ふうん、そう」
アリーナは明るく失恋する。ブライの事なんかもう思ってないと生涯演じる事になる。
幼い頃に乗ったブライの背を憶えている。叱られた事も。それで彼女は幸せだ。
(このまま時間が止まれば良いのに…)
ブライにハラハラして、クリフトを見てホッとする。この旅を永遠に。
「私が女王になったらブライを大臣にする。クリフトは大神官になってほしい」
「ハハ、サントハイムは三人の支配ですか?」
「駄目になったら私とブライは諸共よ」
「昇る時は一気にどこまでも昇りましょう。落ちる時も一緒に」
「…うん」
「ついて行っても良いですか」
「うん」
“自分が国から離れない”と言う未来がこんなに楽しみなのは、アリーナ初めての事。

まさか本当にサントハイムが三人の国になるとは、思っても見なかった。
誰も居ないのだ。消えてしまった。
「この国の人間有っての、我等であった」
ブライのその言葉にアリーナとクリフトは無言で頷いた。
最初からこの国を離れる等、アリーナには出来なかったのだ。この二人とも。
辛い時も楽しい時も一緒だった。王女はもう離れない。

アリーナは勿論サントハイムを忘れはしないが、新しい旅で緋色の戦士に恋した。
クリフトは故郷を無くしたかの様に落ち込み、
ブライは好奇を楽しみその他国の戦士と、相変らずお転婆なアリーナに笑顔を向けた。
300 ◆hMHMkhRwLk :04/03/22 02:59 ID:1VCPqnU1
>>295
ビアンカの続き… 同意
301名無しさん@ピンキー:04/03/22 08:30 ID:87R1H1eh
アベルとデイジーの小説キボンヌ。
302名無しさん@ピンキー:04/03/22 23:41 ID:KEopVBBA
>>300
たびたび投下してくれてお疲れ様。
面白いですよぉー。
表現とかが意外と気に入ってますのでがんばって下さい。
ピサロの心の変化とかも意外とすきかも?

>>301
だれそれ?
303名無しさん@ピンキー:04/03/22 23:58 ID:2OXI00u1
>>302
アニメ版「ドラゴンクエスト」の主人公×女戦士。
懐かしい名前だ。
304名無しさん@ピンキー:04/03/23 00:01 ID:UOu9o06O
アニメのアベル伝説に出てきた主人公と女戦士だっけ?(うろ覚えだ)
305名無しさん@ピンキー:04/03/23 06:09 ID:e9ObGrvK
やはり多いのは「4」以降だよね。
「3」は保管庫にもあまり無いんだよなー
306名無しさん@ピンキー:04/03/23 06:33 ID:ovy0Batc
>>305
3は名前を持つキャラがいないからなー。
名前もだし、キャラの性格づけも大変だよねー。
1・2はそもそもキャラの絶対数が足りない。
307名無しさん@ピンキー:04/03/23 18:41 ID:crF78O4l
でも一番売れた6(だよな?)が少ないんだが…
3なんかはいれようと思えば入れれるぞ
1、2だって意外と多い(1は微妙かな。大体王女しかいないし)
308名無しさん@ピンキー:04/03/24 03:19 ID:eU5pho6F
一番売れたのは7だな。
309名無しさん@ピンキー :04/03/25 02:08 ID:m1XyS3Wl
5の発売日だな
あと二週間ほどしたらきっと5モノが大盛況って事になるはず
310名無しさん@ピンキー:04/03/25 04:19 ID:xH61Nd6Z
>>305-307
過去ログが見れば
その作者方が萌え話してる現場が見れるのに
311名無しさん@ピンキー:04/03/27 17:52 ID:E47iWDGn
http://fukucat.web-zz.com/cgi-bin/enq/enq.cgi?

結婚アンケート実施中。
精度を上げるために大量投票求む。

ちなみに俺はビアンカ
312名無しさん@ピンキー:04/03/27 19:43 ID:LjdU4rbG
ヘンリー×マリアが読みたくなった
313名無しさん@ピンキー:04/03/27 20:17 ID:2kzYBfyu
リメイクが発売されたのに人が少ないな・・・
314名無しさん@ピンキー:04/03/28 13:32 ID:SW+QODbM
発売されたから人が少ないんだろ
315笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:28 ID:LN/bofte
神官は倒れてしまった。アリーナは必死で特効薬のパデキアを探しに。

「治り切ってすぐ…」
……と良い。らしい。ブライが本を片手に変な事を言うと、新しい仲間の耳にも入ったようで、
「アリーナちゃん奥さんなの?」
「まぁ」
「いや、これは又若いご夫婦なんですね」
「何するの?」

「聞いてクリフト!」「な、なんですか?」

「アリーナ〜」
「ライ」
「クリフト大丈夫か?」
勇者のライはちょっと鈍臭い。
「デカいガキ何泣いてやがる!泊って行きやがれ!」
と小男で怪力の木こりに、死に掛けの体を担がれる事で彼の旅は始まった。
「大丈夫よ。強いもん」
「これやるよ」
髪飾りをアリーナにつけてくれた。
「可愛いな」「……何?」
アリーナはちょっと胸を鳴らす。
「クリフトと今日は一緒だ?綺麗にしなきゃ」
「あんた覗く気!」
「ちがうよ。ちがうよ」言いながら勇者は大きな体で吹っ飛んで行った。

翌日。アリーナはクリフトの側を離れず、余り寝ていないのでちょっと疲れた顔だった。
「情けない」
ポンとブライに杖で小突かれた。(ブライかっこいーなー……)
回復した長身のクリフトは紳士的に登場。晴れて二人は仲間の前で恋人同士の発表を…
(でも…)
「クリフト大人になってくな…」「フーン…」
316笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:31 ID:LN/bofte
「可愛いって感じだったんだよ」
「好きなんだなアリーナ、ごめん。からかうつもりじゃなかったんだ。この前」
「あなた可愛いね」「へ…何だよ」
「クリフト天使みたいって思ったけど…これからはどうかな…」
「嫌なの?」「男の人って感じ。あんたは本当に天使みたいね。きっと一生そうなんでしょ?」
「?……あ、天使って裸で羽根のある奴だろ。あんな格好やだな」
「はは。あんたがあんな格好したらお巡りさんに捕まるわ」
「うん。よく知らない人に裸を見せるのは良くない」
「そうかな。そればっかりでもないわ」アリーナは酔っていた。

アリーナの乳房が勇者の胸に当たっている。
勇者はアリーナの背を抱き持ち上げ、立ち姿で二人は堂々とキスした。

「奥まで、ぁ、あついっ」
「アリーナ、このまま」
「きて、ほしいっ」
戦闘中の様な勇ましく凛々しい瞳と唸り、体の動きで勇者は果てた。

ベッドの上で勇者は鳴咽し出した。人の肌に触れると、人に愛しさを覚えると堪らなく押し寄せる忘れられない過去がある。
後からアリーナは勇者を抱いた。それにしても両者真っ裸である。

「きゃっ」隣で勇者が寝ている。「わぁ、私ったら」
「私たちの事…皆には内緒ね」「うーん…ぅうん」寝むそうな勇者は健気に頷いた。

出会ったばかりのマーニャ、ミネア、トルネコには上手く話すアリーナだが、
「クリフトとはもう?」
この仲は終らせるとクリフト本人とブライに明言した。
アリーナには内緒だが、大神官となるだろうクリフトと女王になるだろうアリーナの、公私混同してしまいなさいと言う旅でもあったのだ。
「友情を結び、男女の親しみも結ぶと良い」と言う大人達の思惑も含む物であった。
アリーナは決められたレールを避けたい人だと言う事をブライは知っていたが、当の二人が恋し愛し合っていればこちらの思いなどと関わりのない事だろうと。
アリーナはまた自由気まましたくなったのだろうとブライは思った。クリフトと何度でも別れると良い。きっと一生の付き合いなのだから。
317笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:34 ID:LN/bofte
「理由は?」
「勇者を、勇者と私…」
クリフトとは顔合わせられないわと、アリーナはしょんぼりした。
ブライは驚いていた。城の部屋の壁をぶち破っても顔色一つ変えなかった彼が。

まだ三人で旅していた頃、エンドールへの旅の扉は夜の雨に打たれそうだった。
曇り空の夜は月もない。その闇の中にスッと立っている戦士が居た。
この戦士は、いやこの戦士が明かりの様だった。
モンスターの子供でも現われたらその月明かりの中で小躍りしてしまう、ダンスしてしまうのではないかと思える戦いの光、勇壮で静かな光。
アリーナは格闘家達に太陽と言われ続けている。夜でも輝いていた。
その輝きに、闇に差込むだろうその光が近付いて来る。
ブライ、クリフトとの関係とは異質。その生命の全てにおいて戦いを命じられた二つの光りであった。
アリーナに近付く戦士の顔には不思議な昂揚が見て取れた。
(勇者…女子か?)
二人の、男女の戦士が並ぶとブライはアリーナに、
(あぁ、若い)
と落胆と言うか悔しさを感じる。
闇夜に清潔な黒髭と、橙色の溌剌とした女の髪。
「私はバトランドのライアン」
「サントハイムのアリーナと申します」
二人を見ると熾烈な運命も感じた。
ライアンと別れる。恋した顔をブライとクリフトに見られるのは嫌だったが、
「ほっぺ抓ってよ」
と二人に頼んだ。あの男が夢の様に思えたのだ。正気に戻してくれないと歩めない。
ブライは後に勇者との事には驚いたが、あの戦士は良い様なのだった。
アリーナを一人前の女とは見ていない様だが、短い出会いを喜んで居り…男として楽しむの目の光も多少なかったか?とブライは見た。
こうも思った。明け透けな怪力で美しいアリーナ、神秘的で強靭なライアンに、明るく温かく闇を照らせ。

(強い!強い!)
ライアンはこの時程対峙した人間の戦闘力を認めた事はなかった。
そしてこの時こそ、アリーナこそが生涯で最高の、一番のそれとなった。
318笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:35 ID:LN/bofte
この時はひたすらに、この世の広さに感服していた。(後に狭さに感服)
その相手が少女だとは“フハッ”と体の力が抜けそうだ。
更に勇者でもないのだ。既に爽快感と、みぞおちを圧迫された様な可笑しな苦しい驚きである。
そして久し振りに“白い肌の女も良いな”と思い初(そ)めた。
中年は心の中で少女に謝り、だが“いや、良い人だった”ともう会えないだろう彼女の、少女なのに生意気にも扇情的な魅力を褒めた。

ピサロと一番喋るのはアリーナだ。
警戒はしていて武闘家はすぐにも戦闘態勢に入れる。しかし二人での時間を良く作る。
一生懸命喋るアリーナをピサロは見詰める。
ピサロは人間の、心がどれだけ醜いか美しいかが興味だった。
しかしアリーナは美しさも醜さも超越してただひたすら元気だ。
スライムやホイミスライムの子供、まだ目も開かない赤子はこんな感じだ。戦士タイプの大人の指のまわりでクリクリ跳ねるのだ。その可愛さは言い尽くせない。
(こんな人間も居るのか…)
喋る彼女の頬にピサロは指先で触れた。アリーナは人の男の様だと彼を思う。いや“人の女を知っている”と言うべきか。

アリーナの行動を皆訝しんだ。モンスターを良く知るライアンが一番ケロッとしている。
「姫君はお変りない」
ミネアの方が怪しい。彼女から「昔モンスターに恋した事がある」と聞いた時、ライアンはとても納得いった。
「アリーナよ。姫よ」
変な呼び方をするのはピサロである。いつも通り飄々と魔物に近付くアリーナだが、ピサロの言い様のない興奮を悟った。
夜に興奮し、宿屋の屋根裏に闖入し月明かりの元の男女だが、
「えっ」とピサロの頼みにアリーナが衝撃を受けた。しばらくするとウンと頷いて
「わかった」
「さて、いつ?」「旅が終わったらすぐ」「すぐとはいつ?」「決められた時に決められた事すんの嫌なの。すぐったらすぐよ」
「お前は…私の事を忘れてしまうのではないか?」
「ちょっと、ちょっと」
エンドールの武術大会からの名前だ。あの頃からの人殺し。
「“どうでも良い”と思ってしまうのではないか」
アリーナの自由さをちょっと解っている様だ。
319笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:38 ID:LN/bofte
「そんな事ない」
「お前の事は信用しているのだオレは。私を忘れぬ証しはあるか、どうだ」
魔物は武闘家に近寄って来る。
「顔(かんばせ)に…私が死なねば消えぬ傷でもつけようか…」
ピサロの愛する勇者の為。その男の真の仲間なら傷を負っても協力せよとアリーナに。
「そんな事したら、今すぐここでやっつけるよ」
この男は傷で存在を確かめようとする。憎しみこそが確かだと思っていたからこそ、勇者を愛するのだろう。ロザリーの事を愛している男でもあるのだから。
「よし、よし」
とピサロはアリーナに口付けた。

トルネコの頭上でゴトッと音がした。(おや)上を見ると天井を壊してアリーナとピサロが落ちて来た。
「わかっておるのか、この」
トルネコが、そんな事を言ってアリーナに被さるピサロを真ん丸の目で凝視している。
「トル、…さん」
ジタバタしているアリーナによって、ピサロは商人の存在を知った。咄嗟にアリーナから離れ、エロではなく戦いだったと言いたげに左手に魔力を溜め出した。
トルネコはピサロに近寄り…ピサロは宥められて帰っていった。
「すごい…」
たまに、ライアンに「助けて」と寄って来るモンスターがあるのだがトルネコが宥めて帰すのだ。
「この人は君のお父さんではないのだよ」
チイチイと納得してモンスターは帰って行く。「遊ぼう」と近付く者とはオッサン二人掛かりでよく遊ぶ。
「この旅ももうすぐ終わりですね。しかし…ピサロとだけは、私達どうなるんでしょうね」
この商人は勘が良い。まるで屋根裏の武闘家と魔物の会話を聞いていたかの様だ。対決を約束する会話を。
ドカッと、何かが倒れた音が宿屋の一階、ロビーから響いた。
宿屋の天井を主人と直し終えたトルネコとアリーナだが、倒れたのがピサロ、倒したのがライアンと知るとアリーナは一階に駆けて行った。
武闘のプロに自分の肉弾戦の迫撃を見られたかも知れないとライアンは恥かしかったが、そのアリーナは彼の蹴撃を見ていない様だった。
「ライアンが蹴ったんなら私は剣使おう。…うーん重い」と、様々に言葉交わす武闘家と戦士だが、
「大人しくなりませんね、この男は」「そうね…」
320笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:40 ID:LN/bofte
他のモンスターと照らし合わせると、やはり悪漢である。
ただ勇者の村に深く関わったので、この状態である。
勇者がピサロを見てみたいと言うから。それにライアンが乗った。しかし
「ライアン…でもこの旅が終ったらやっぱり…」
「そうですね」
と、戦士はフとアリーナの顔を見て表情を変えた。「姫っ」
その時ピサロが飛び起きた。
「そうとも、我等は契りを交わした」
大きな虎の様にピサロはアリーナを後ろから抱いた。そして人の様な唇でアリーナの頬にキスした。
「あっ」
とライアンにも聞こえそうな程の大きさでアリーナは熱い息を漏らす。そしてアリーナは持っていたライアンの剣でピサロの耳をサクッと切った。
「痛いな」
と今にも腰を振り出しそうな野蛮さだが、
「他言は無用だぞ。忘れるな」
と言い、そのアリーナの元からピサロはスタスタと去って行った。
「契り…」
「約束ね」
「あの者と約束交わしたのですか」
彼女の目の中に居座りはじめている魔物を、ライアンは見た。
「私…戦うよ。ピサロと戦う」
「姫、貴方には女王になって欲しい」
ピサロとさえ普通に語り合う女神でははく、アリーナには人と生き、人の上に立つ女王になって欲しいと。
ライアンの思いはブライのクリフトの思いも乗せて、三人の男に攻め込まれている様な圧迫をアリーナは得る。
ブライはアリーナと勇者との関係にさえ眉を顰めた。彼に少し神の領域を見たのだろう。
ピサロとはまた逆の、ブライからは遠い世界。
(儂のそばに、姫)(うん)
ブライも業が深いと言うか、わがままな男である。
アリーナは頷く。今ブライの心に応え得る男に恋して居るのでその事でも幸せだ。
321笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:43 ID:LN/bofte
「ライアン」
と言うとアリーナは目を瞑って口を少し突き出した。
「え?」
「魔除けしないと。魔除けして」
戦士は宿屋の一階の狭い廊下で、辺りを少し見回すとアリーナの両脇を抱き上げてキスした。
「良くお成りに」
魔除けは効いた。アリーナは顔を真っ赤にして「ライアンとキスしたの初めて…」
戦士は少し笑って、その場を後にしようとした。アリーナも従って少し歩いたが、
「まだ、もう少し」
と、前を行く戦士のマントを掴む。
壁を背にして俯いているアリーナに今度は余り辺りを気にせず戦士は口付けた。
口付けの合間、戦士の深い吐息を初めて聞いて、アリーナの胸は跳ね上がった。
唇が離れると、
「ライアン」「はい」
とお互い呼吸を乱したまま、女は呼んで、男は返事する。
第一の戦闘員で魔法の使えない二人。体一つで戦って来たお互いの歴史が交情からも生々しく伝わって交差する。
アリーナは交わっている最中目を開けた。ライアンも丁度薄目を開けていて目が合った。
口付けしながら二人でクスッと吹き出す。
その後唇が触れた時、擦れた時、アリーナは「あっ」と切ない声を漏らした。
ライアンの動きは強くなって、深く、アリーナの唇を下から突き上げる様に繋がった。
(あん、イッちゃう…イッちゃうよぅ…)
「んんっ…」
と、嗄れて濁り、そしてどこか潤んだ女の声がして、止むと男は離れて行く。
男女の気迫が運でも呼び寄せたか、廊下で堂々と口付け合ったが誰にも見られなかった。
「すごい気持ち良かった…」
ライアンの胸の下でアリーナは恥かしそうに肩を竦めて言った。
こんな調子では、この男と抱き合った場合どうなるだろかと、アリーナはドキドキした。
「死んじゃうっ」とか言って気絶するかも知れない。
(なんか、腰抜かしそう)
まともに歩いて行けなさそう。狂ってしまう、気も漫ろと言うのはいけない事なんじゃないかとアリーナは思った。
322笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:47 ID:LN/bofte
(今、サントハイム大変な時だし)
「ライアン、好き」
ん?と戦士はアリーナを覗き込んだ。アリーナはとても悲しそうに泣くのだった。
(駄目だ、ライアンとはきっと駄目だ)
あんまり悲しそうなので
(どうした、可哀相に)
とライアンはアリーナを抱き締めた。
アリーナは懸命に下から腕を伸ばして、その戦士の背を抱いて泣いた。
「ライアン」

彼は夕方から寝出した。体のある部分が鉄の様だ。下半身全体がカタく感じた。寝たい。
(何なのだ、この硬度は)
体と心は真っ二つだ。心は平和である。
しっとりと大きいマーニャやミネアの乳房と比べ、取って付けたようなアリーナの乳房である。大きめでガラス玉の様に丸い。
抱き締める等して触れてしまった事があるが、ポンと押し返される程張りがあった。
普通の心と言っても…女達の乳房の事を考え出したのは失敗だった。下の体だけでなく目も眠気から遠ざかる。
「もう寝た?子供みたいだなぁ」
ライアンの事で笑う勇者の声が廊下から聞こえて来た。

戦士が一眠り終えた頃、勇者がその部屋に来た。
「髭に寝相付いてる」勇者は笑う。前々から「ライアン好き」と公言していたアリーナはポーッとしているし、ライアンは寝てしまった。何かあったなと、勇者は見ていた。
「いいなぁ。オレも早くオジサンになって女の子にモテたい」
「あなたが中年になったらモテるだろうな」「エヘヘ」
「しかし思いの人が定まってあるなら、何時だろうとその人だけを見る事だ」
「は、はい」
勇者はライアンのペースに良くはまる。でも今日は流されるだけではない。
「オレもね。結婚したい」「マーニャ殿と」「あいつ相手にしてくれるかな?ライアンに娘さんが生まれて大きくなるまで待とうかな」
「む?」「父さん。結婚して、オレ花婿だ。ライアン父さんになって欲しいなぁ」
モテたい結婚したい…等、彼らしく女絡みであるが、取り敢えずこの勇者が未来の事を、願望を語るなど珍しい事なのだ。
旅も終わりが近いなと、ライアンは感じた。
323笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:49 ID:LN/bofte

ピサロ、アリーナ、勇者が興奮している。
この旅が終った時「あぁ私は俺は何を言い、行動してしまったのだろう…」と唖然とするのではないか。
曲げた片足を堂々と上げて横臥し、窓の中の夜空を見ていた戦士はまた訪問を受けた。
「一緒に寝よう…」
薄着のアリーナが闇の中からやって来た。ライアンは上体を起こしベッドに座る形になった。
「いけません」
ライアンの声には男らしい色が付いていた。アリーナは(眠たそうで素敵)とのん気だ。
ベッドに入り込むアリーナの丸く元気な乳房が男の目を捕えた。男は寝返りを打ってアリーナに背を向ける。
「明日にしてくれませんか」あのキスの後でこれはいけない。
「寝るだけよ」
「姫、お体を労わって下さい」
若い娘の胸は、微かに脅して来る男の声に鳴った。
男は背を向けるのを止めてアリーナの肩を押して来た。押し帰そうとする。
「お帰り下さい」
「ライアンの自由にしてて良いから、出て行く以外なら言う通りにするから」
戦いの中でお互いを高め合う武闘家と戦士であった。戦いの世界で語り合える唯一の女。
王女でない方が近衛兵として男として、ライアンは多少嬉しかった。
「私の事好き?」マーニャが自信を持てと言っていた。
「貴方の様に女性に惹かれる事は、貴方以外にないでしょうね」
「ライアン」「でも貴方は人間で、武闘家なのに、私は貴方が王女である事に捕われています」
ライアンは王位に侍う。端正な性格で忠義の侍である。だからこそキングレオの如く乱れたると「成敗致す」と乗り込む。えんえんとアリーナは小さく泣いた。
ライアンの背中に、アリーナは抱き付いた。男の背中に乳房がニュッと…
「あっ、何よ」
「技掛けましたね」「掛けてないよ」「関節技で私に勝てるとお思いですか」「あん、こんな技無い、H」
ちょうど、アリーナの両手をライアンがベットに押し付けて、二人で何だか笑ってしまった時に、部屋に勇者が現われた。
「うわぁ、ごめんなさい」
ライアンとアリーナが喧嘩していると思ったからだ。しかし思いも寄らぬ肉体関係の組み合わせに勇者は燃えた。
ライアンが笑った。「オレ邪魔しちゃったんじゃ…」「いいえ」低い声で戦士は笑う。
「ライアンって意地悪なのよぉ」
と涙目のアリーナを久し振りに見て勇者は興奮した。
324笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 06:59 ID:LN/bofte
楽しそうだからオレも寝ようと、勇者が侵入するとベッドは狭い。(デカイ)とライアンは思う。
彼が寝ていた時はもっと大きく見えたろうベッドは小さく見えた。
勇者はアリーナをぎゅうと抱き「きゃあ」と言わせた。
「いや。バレるのいや」
小さい声で一生懸命アリーナは言った。
「大丈夫だよ。オレはアリーナの事好きになったの頑張って忘れたし」「えっ」
シーツの中で交わす男女の微かな声。
「アリーナ、いいから」
と楽しそうな大きい男と、まごまごしている武闘家の娘がシーツから出て来た。
「ライアン来いよ」
デカイ男に戦士は引き摺り込まれた。
「狭いよぉ」「むう」「わ、暑い」
「姫、この男危ないです」とライアンはふざけてアリーナを胸に抱いた。勇者も負けじと彼女に密着して来た。
アリーナは「ぎゃあ」と言い、中年と青年は笑う。

朝、戦士の腰に女の美しい足がトンと乗っかって来た。戦士の足に巻き付いて来る。
(これが…姫の足か?)
ライアンの隣で寝ていた女の肌は黒かった。
「おはよう。おはよう」
と歌う様にマーニャはライアンに口付けて来た。
(あっ、髭!)と感触に驚いたマーニャは離れる。
「ごめんなさい…」
赤くなってシーツに隠れつつ、こちらの様子を覗っている。容姿は洗練された美女だが可愛い娘である。
「いえ…」
「…ライアンさんとキスしちゃった。あの、ごめんなさい」
赤くなって、嬉し恥かしと言う態の踊り子である。
いつの間にかライアン一人に割り当てられたこの部屋で、このベッドで、四人寝ていた。
「なんか、大丈夫かなぁと思って」
領地の過不足なく不服も不満も心の準備もなく、四人で良く寝られた物である。流石選ばれた仲間達の凄みと言う訳だ。
「しかし…寝惚けて私に襲われても良いんですか」
325笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 07:04 ID:LN/bofte
「抱かれたい。あたし」
「では今日の夜」「え?」「ハハ。私とマーニャ殿は疎遠でしたね」
「…昔ね、痩せてる男に酷い目に合って。その所為かな。フフ、御免遊ばせ」
「バルザック」とライアンは低い声で言った。
「あたしの嫌な記憶の全てがバルザックと言う訳じゃ…」
「私は人を殺した事ありませんよ」
ライアンは、勇者とアリーナが健やかに寝ている横、マーニャの目の前で服を脱ぎ出した。
朝日はカーテンで遮られ、まだ薄明かりの部屋だったがその男は頑健であった。肘を曲げると上腕がグッと盛り上がる。
「わぁ、全然違うよね」
鞭の様にしなやかでも、戦って来た体であった。古傷も見受けられる。
踊る様に動きマーニャは着替え終えたライアンの胸に顔を埋めた。
「本当に、今日行こうかな」
マーニャは勇者と熱愛中。トルネコとも良いと思ったけど妻子持ちだから悪いし、クリフトとは徐々に親しくなってきた。
ブライとは何度となく同衾した。彼と何かあったのかは(ひ・み・つ…)
「素敵な人に会うと、あたし嬉しくなっちゃって」
(あたしあんたに絶対負けない)
あんたよりあたし達、オーリンやミネアやあたしの方が父さんを愛していたと。エドガンと言う人を愛して居たと。
彼女はだから生きて恋する。勇者に出会ってから、会う男会う男皆夢の様だった。
しかしバルザックも夢の様な男だった。
凄まじく確かなエドガンへの愛情、だが悪と言う一つのベクトルの最高峰。負けてなる物かと。

勇者とアリーナはまだ寝ている。カーテンを開けるのは悪いかなと思っている立ち姿のライアンを、アリーナは見た。
アリーナが起き、勇者が動いたので戦士はカーテンを開けた。勇者は日光にうぐぅと言う。
ライアンは伸びやかだとアリーナは思った。アリーナが羨ましく思う程。
“女神は駄目”と言うのだからこの男もやはり人間で、自分が“神様みたいになりたい”とはさらさら思って居ないだろう。
そう思いながら日差しの中の黒髪、黒髭をアリーナは見た。
「あ…ライアン」
「?」「あなた王様になるのかな」
さて何れの国の。言われた本人の頭は真っ白でひたすらポカンとしている。
(王様って、姫…)
326笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 07:06 ID:LN/bofte
比喩表現かも知れない。夜の王様とか“そっち”系。
「うーん…うーん…なんとなく」
アリーナの予知は、ミネアの予知より大雑把だが凄みがある。ライアンが子犬の様にたじろぐ程。
ライアンは心も行動ものびのびしていた。王になっても妻を攫われたら探す旅に出てしまうだろう。
確かな事は、王であっても侍であっても、自由で機動力のある父なる男であろう。



この四人寝より以前、ライアンは生まれたままの姿のパトリシアの体を洗っていた。
パトリシアは勇者を夫の様に思い、ライアンを恋人の様に思っていた。
夫と恋人を得、女の冥利と円熟を楽しむパトリシアである。
ライアンは恐らく雄には施さない指の滑りで、その指で「今日も綺麗だ」と無言のうちに挨拶するから、パトリシアはライアンがそばに居ると常に「あっはん」状態であった。
その良い男と良い女の長閑な空間の中に、一匹の魔物が入り込んで来た。
「父上!」戦闘でも有ったか狂っているらしい「抱いて賜れ!」
(たもれ!!)
!?とライアン驚き、腰を抱かれて草の上に押し倒された。
「父上、父上ー、わたくしの迷いを支えて下さいっ、このままの私を」
ライアンはともかく体勢が悪いので、抱こうとした訳ではなく、ピサロの背を掴む様に触れるとピサロは鮮魚の様にビクリと、豹の様にしなやかなその体を跳ねさせた。
「どこを触って居るか!」
とライアンの頬を拳でガッツリと打った。とんでもなく敏感な性感帯らしかった。
「男を抱くなら腰であろうが!」
人間の男に対しては嫌な注文である。
そう言えばホイミンが過失でライアンにムニュッ…と触れ、
「こらっ」「わぁ?ごめんなさい」
と言う事があった。同じくライアンがホイミンの背に触れた時、
「や、や、ライアンさん」
と跳ねていた。「なんだ!?」「ひゃあぁ、いやぁだぁ」悶えていた。
乱暴なピサロの手を、パトリシアが長い鼻筋でペンペンと押して諌(いさ)める。
ピサロは優しくパトリシアの鼻を押して弱く抵抗した。
ピサロは馬が好きなのだった。
327笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 07:10 ID:LN/bofte
このモンスターには二つの心があると、この事件でもまざまざと見せられた。
もう無言でライアンに拳を振るうピサロだが、二発目は空を切った。
ピサロのみぞおちに、地響きの様な衝撃が走った。彼の骨までもがメキッと音を立てる。
獅子がぐずる様な「ギュウゥゥ」と言う声を出して、ピサロはライアンの拳から離れる。
「ライアン」
初めて戦士の名を呼んでピサロは倒れた。その首筋に戦士は剣を構える。
巨悪。しかし二つの心を持った魔物。二つの心の可能性を、その命を、ここで狩るのか。
そこへパトリシアが。剣を持つライアンの鎧の腕を食み食みと口先で噛んだ。
旅を全うするまではこの魔物と同行すると言う、勇者との約束。
そしてパトリシアの制止。その二つにライアンは溜め息をついた。
(やれやれ…)
パトリシアの鼻筋に顔を寄せて戦士は少し目を閉じた。

混乱して正体不明だったが記憶のあるピサロは数日間、ライアンと目が合うと酷く恥かしそうな顔をしていた。ピサロは興奮すると薄気味の悪い肌の色になる。
この事で嘲笑するとか弱みを握るとか、ライアンはしない様なのだった。誠実な武士(もののふ)だとピサロは一息つく。
しかしピサロの二面性は仲間達に良く伝える戦士である。戦果は報告である。
ただしうっかり「寂しがりだ」と口を滑らせ、ピサロに伝わり刺された。
ピサロが人を愛せると言う事位、初めて目を見た時からライアンは知っていた。
アリーナはピサロ本人から知らされるが、ライアンアリーナの両者、仲間に伝えるまでにはまだ至っていない。



「情が移らない?」
とベッドの上のアリーナはライアンに聞いた。ピサロは仮物でも仲間ではないか。
仮とは、永久でないこと。間に合わせ。
「そうです。仮です」
「仲間と思えるんですか?」ライアンは逆に聞いて来る。
「私は…」その時勇者がムクリと起きた。二人の会話など耳に入るだけで理解はしていない状態だ。
「おはよう」
と片方の口の端が上がらない笑顔で言う。悲しみ泣いて神経をおかしくしたのだった。
328笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 07:12 ID:LN/bofte
死んだ皆が着いて来てるみたいと勇者は思っている。皆の死に泣いて出来た麻痺なのだから。
「お前はこんな顔にされて…」
「?、?」
ライアンの慈しみのオーラからは、流石の勇者も抜け出せない。寝起きでいきなりびっくりしたけど、
勇者は口の両端を上げた笑みで答えた。ライアン目を開いてオッとなる。
「上がらないのはたまになんだぞ」
「良い顔だな」
ライアンは不意に言ってしまった。この勇者の笑顔は幻でない事を願った。

「あなたモンスターと、ホイミンさんと、友達だったんでしょ?」
(ホイミンさんだと。一人前ではないか)
ライアンはホイミンへのアリーナの言葉を貰い、ウキウキとした。
「私、猫のミーちゃんがお城に居るんだけど、ずっと遊んでたから他の猫に悲しい事があっても悲しいよ。ライアンもそう言う事わかるよね?」
「勿論」
でもあいつはこう言いました。“悪には容赦するな”
そうなのである。─ボクと同じホイミスライムが出て来ても情けをかけちゃダメだよ─。
「あいつの強さと、誇りに答えねばならん」
ライアンは、ピサロが仲間に入る前からその後に掛けても心で彼を見続け、ずっと思いを変えずに居た不惑の人であった。
ライアンは人。しかし人もモンスターもどちらも仲間。
ただ、正義へ力強く進行し、それに向かいまだまだのびやかに成長している。
あの者(ピサロ)には負けられない、と戦士は力強い。
「対決の時は私をお連れ下さい」
言われたアリーナ、少しまごまごしていると
「俺が連れて行こうか」
鎧に中からの、アリーナを見下ろすライアンの目。アリーナの心は憧れと畏敬で小鳥の様にチイチイ彼に甘えたいのだが、
「待って、今は今日勝つ事よ」「応」
今日は戦場にアリーナと出る。戦士と武闘家は拳と拳を力強く弾かせた。

アリーナは勇者とピサロが似ていると思う事がある。両者傷を意識する。
だが悲しみに、ピサロは真っ白になるらしいが、勇者の傷は深く、長い年月を掛けた重厚で鮮烈で優しい悲しみだとアリーナは思う。
329笑え  ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 07:14 ID:LN/bofte

勇者はジイサンになってからいきなり“ああ、俺は〜の為に旅をしてたんだな”と思うかも知れない。
彼に取って村の人々を奪われたり、新しい仲間と旅をするのは物凄い衝撃であったのだ。
すぐに生きる答え、この悲しみの答えなど出ないのである。
すぐに解決しない。
伝説の勇者の様に子供の頃からその血筋さえも宝と扱われ、心の定まったサラブレッドではないのだ。
ただ、愛情だけは彼は何時でも確かだ。今も。今も仲間達が居る。
優しく温かく儚い勇者の、それは喜びであった。

「ライアン、何だよその目」
「こんな調子はよくあるのだぞ。よく見ておいてくれ」
勇者はともかく、正義でも悪でも強い力が荒ぶるのが嫌なのだ。
過激な事、乱暴な事が悲しいのだ。
「お前はまた哲学的な」
「笑え、ライアン。連れて行かないぞ」
“この男にだけは調子を崩されない様にしないと”と戦士は深く息を吸い吐き出した。
「笑えよぉ」

END
330 ◆hMHMkhRwLk :04/03/29 07:17 ID:LN/bofte
5のパパスとマーサにちょくちょく触れましたが、
アリーナ(4)はやはりヘンリー(5)を意識します。ピサロはゲレゲレ。クリフトはマリア。

>302
ありがとうございます。
変化していくピサロの行き着く先の一例として、キラーパンサーが良いと勝手に思っています。
331名無しさん@ピンキー:04/03/30 03:50 ID:LhYywW7E
上の方で投下されてるビアンカモノ良いな〜
もし人大杉が原因ならば、神様がこのスレへたどり着けますように…。
332 ◆hMHMkhRwLk :04/03/30 15:01 ID:tYaKW0ae
>>331
今後こう言う事を少なくする為にも、ちょっと書かせて頂きます。
ttp://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071654054/
のread.cgiの部分を→ r.i に変えると読む事も書込む事も出来ます。

このスレ、この板に限った活用法ではないので、知らない方への連絡の意味でageて書き込みます。

>>323
×キングレオ…乱れたると
○キングレオ…乱れると
333名無しさん@ピンキー:04/03/30 20:38 ID:NbmDhP/s
なんかよくわかんないけど長文乙
334KINO ◆Nq.KINOKeY :04/03/30 21:42 ID:7VyQ1K+X
>改名さん

個人的に連絡を取りたいので、千夜一夜保管庫のBBSに連絡先をちょっとおきますね。
お時間のあるときによろしくおねがいします(゚▽゚*)ノ
335名無しさん@ピンキー:04/03/31 20:28 ID:b2Vsfyt8
くそ文
336名無しさん@ピンキー:04/04/03 11:06 ID:1FjZP670
オーリン×マーニャに需要はある?
保管庫にもないので自家発電しようと思うんだけど……
337名無しさん@ピンキー:04/04/03 17:20 ID:hccxOXFT
需要ありまくりです
338名無しさん@ピンキー:04/04/03 18:40 ID:zFoJDUgE
お願いいたします
339moca:04/04/03 18:59 ID:PwztwglX

オーリン×マーニャ。
手元にゲームがないので、かなり想像で書いてます。
昔読んだ久美さんの小説版が参考書。エロは後半だけ。
初投下なんで不備があったら指摘してください……

1
ハバリアの夜は長い。
キングレオ城からの締め付けが苦しくなっているとはいえ、
港町の活気溢れる猥雑な空気はまるで変わることを知らないようだ。
宿屋の2階の窓から、マーニャはぼんやりと夜景を眺める。
宝石箱のきらめきをばら撒いたような街は、酔っ払いの喧騒、
歌姫の甘く、少し淫らな歌、娼婦たちの客引きの声で騒がしい。

普段なら、一つあたしもミネアとオーリンと
街へ繰り出そうって思うところだけど、今日はそんな気分にはなれないね。
340moca:04/04/03 18:59 ID:PwztwglX

明日、キングレオの城に向かう。
火薬壺もアッテムトでの散々な苦労の末手に入れた。
そして休む間も惜しんでハバリアに戻り、武器や薬草もそろえた。
明日、全ての決着はつくだろう。
あたしもミネアも、オーリンも。モンバーバラを出てから相当強くなった。
メラミっていう強力な呪文も覚えたし、
ミネアの力は姉の私も目を見張るものだ。回復呪文もよりパワーアップしてたし、
オーリンなんて、あのキングスライムを一撃でやっちまうんだ。
バルザック……父の仇。
負けるわけない。負けるはずがないんだ。
父さん、天国で見ててね。父さんの無念を絶対晴らすよ。
マーニャはこぶしをぎりぎりと固く握り締めた。

だけど、何でこんなに怖いんだろう。

畜生、おかしい。このあたしが、恐怖で震えてる。
そんなはずないんだ、怖くなんてないはずだ。
ずっと……待ち焦がれていたバルザックとの対決だ。
狂おしい憎悪に支えられ、半年間この大陸を彷徨った。
それも全て、あの男の首をとるため。
あいつはバックに強力な闇の力をつけているらしい。
おそらくあたし達が今まで戦ってきた雑魚なんかとは桁違いの強さだろう。
勝てるのか?
あたし達に勝てるのか?
何度も脳裏に浮かぶ言葉を振り切って、あたし達はハバリアに戻った。
二人も何も言わないけど……本当は怖いはずだ。
お告げ所の女の言葉が、ずっと心の奥に突き刺さっている。
絶望の向こうに新しい旅がはじまる?
それは……まさか。
そんなことはありえない。
341moca:04/04/03 19:00 ID:PwztwglX

「ありえないんだ」
つぶやいた自分の声が、酷く大きく聞こえて自分でぞっとした。
マーニャは自分の剥き出しの肩を抱く。
どうしようもない恐怖と憎しみと、感情を抑えきれない自分への怒りで。
ふと、ドアがノックされた。

「マーニャ様、私です」
隣の部屋で休んでいるはずのオーリンの声だった。
にじんでいた涙を指先でぬぐい、マーニャはうわずった声を上げた。
「ああ。オーリンか。……あけるよ」
かんぬきをはずすと、影のようなたくましい巨漢がぬっと立っていた。
手には酒のボトルと、二つのグラス。
「明かりが見えましたので。いかがですか」
「ああ……気が利くじゃないか。丁度眠れず困ってたんだ」
微笑んで彼を部屋に招き入れる。
オーリンは静かに部屋へ入った。彼のほうから宿の部屋に来るとはめずらしい。
いつも人一倍あたし達姉妹に気を遣って、敬うように接している彼が。
皆おかしくなっちまったのかね。
マーニャは心の中で呟いて、彼は木椅子に、自分はベッドに腰かけた。
「あのこは?」
「強行軍でお疲れでしたから、もうお休みのようですよ」
342moca:04/04/03 19:01 ID:PwztwglX

「あいつ、普段はあたしと違って寝付きが悪いのにね」
くくっと笑って、マーニャはほっそりした指先でオーリンのグラスへ
酒を注いだ。そして自分のグラスにも。
「私が」
「無礼講だ。……最後の酒になるかもしれないんだから」
オーリンの表情が強張った。
「マーニャ様。私がそうはさせません」
彼の声は大きく、どこか焦りが感じられる声だった。
やっぱり、あんたも感じているんだね。多分、避けられない絶望を。

「オーリン」
薄紫の髪の毛をかき上げながら、マーニャは言った。
「あんたも怖いんだろ」
「怖くなどありません。目の前でエドガン様を殺されたとき、
 既に私の心は死んでいます。
 私にはお嬢様達を守ることと、奴を討つという二つの使命しかないのです」
「死に急ぐことはないんだ」
グラスに唇をつけて、マーニャはうめいた。
「あたしは怖い。待ちわびていた時が来るってのに……怖くて仕方ない」
「マーニャ様……」
343moca:04/04/03 19:02 ID:PwztwglX

沈黙が続いた。
きまずい空気を打ち破るため、マーニャは気を取り直した。
「あんたは何を話に来た」
「……」
彼は答えない。もとより寡黙なオーリンだったが、今日の彼には
どこか思いつめた不自然な目をして、ますます寡黙だった。
何か腹の奥に溜め込んでいるような、もの言いたげな目。
その目に、何かが脳裏にちらつく。
その目を、マーニャは良く知っていた。
劇場の踊り子だった時、男達……気弱な、口下手な男達がマーニャに向けた、
あの視線だ。
伝えられない思い……劣情を秘めた、どこか性の罪悪に戸惑う目。
「オーリン」
この奥手な男愛しくなって、彼の名前を呼ぶ。
それを、錬金術師の男は咎めのように受けとったらしい。
グラスをテーブルに置き、彼は宿の薄汚れた床に這いつくばってうめいた。

344moca:04/04/03 19:02 ID:PwztwglX

「マーニャ様。お許しください」
「ちょっと、ちょっと……」
慌てて彼を抱き起こそうと立ち上がりかけたが、彼の大きな手がマーニャの
手首を掴んでそれを止めた。
「私はずっとこの気持ちを抑えてきました。……私は、エドガン様の弟子として、
幼い頃のあなた達を兄となり、使用人としても見守り続けてきました。
それはずっと変わらない敬意としてあるべきだったのに。
あの日を覚えていますか。モンバーバラからお戻りになったお二人と
コーミズで……再開した時」
「ああ、覚えているとも」
足元でひざまずく彼の頭をそっと抱きながらマーニャは答えた。
バルザックにずたぼろにされた彼を手当てし、容態が落ち着いた頃、
姉妹はモンバーバラへ出稼ぎに向かった。そして体力の回復を待っていた
オーリンと、数ヶ月ぶりにコーミズで再会したのだ。
その時姉妹はいくつかの冒険をくぐりぬけ、戦いの技も魔法も進化していた。
「さあ、行くよ、とりあえずキングレオに向かってみよう」
明るくマーニャは叫んだ。憎しみに歪んでいく心を隠すため。
345moca:04/04/03 19:03 ID:PwztwglX

そして姉妹はオーリンと共に復讐への旅路に出たのだ。
彼が言っているのはそのときの再開だろう。
「私はその時から、マーニャ様に抱いてはいけない思いを持ち始めていた」
「……」
「あなたはお気づきになっていなかったでしょうが、変わっていました。
戦いの中で、今まで以上に美しくなっておられました。
私は自分を抑えていました。我が師匠エドガン様のお嬢様だ……。
私の思いはゆがんでいるのだと自分に言い聞かせ、私はずっと、この思いと戦っていた。
ですが、どうしても……伝えずにはいられなかった。
私を蔑んで下さい……愚かな男だと。哀れな男と」
そして私を嫌いにはならないで下さい。これが本当の私なんです。
彼の言葉には涙が混じり始めた。
「オーリン」
彼の髪をなで、マーニャはそっと彼を自分の胸の中で抱いた。
暖かい。この体温を最後感じたのは何時だろう?子供の頃、
遊び疲れて、彼に抱きかかえられて帰った時かな?
彼はいまや30代の半ば。ジプシーの家族と死に別れ、
そして父と出会った時の年齢を超えている。そんな年齢の彼が、
年下の娘にひざまずき、狂おしい思いに泣いているのはどこか妙な気がした。
可哀想に、あんたはがんじがらめだね。
346moca:04/04/03 19:03 ID:PwztwglX

「おいで」
オーリンの顔を上に向かせ、マーニャはそっと彼の唇に、自らの
唇を重ねた。
彼の驚きと困惑が伝わってくる。だがそれはやがて熱っぽいキスへと
変わり、彼の腕はマーニャの背中に回された。
彼の舌がむさぼるように口腔に入り込んでくる。
「ん……」
久しぶりのキスだった。マーニャの男性経験は数だけ考えるとそう多くない。
遊んでいるように思われる踊り子だが、根は真っ直ぐなマーニャだ。
一人の男と付き合っている限り、その男に操を立てる。
もっとも、今彼女には恋人と呼べる男性はいないのだが。
復讐の旅に出る前、全ての関係は清算済みだ。
背筋をぞくぞくと快感のうねりがかけていく。
半年以上のごぶさただ……身体はあっという間に快感の刺激を
欲して熱くなる。
「オーリン……もっと……」
離れた唇で、マーニャはささやくように言った。
彼女の艶っぽく濡れた瞳に、オーリンは息を呑んだ。
「マーニャ様……」
ためらう彼の頬をなで、マーニャは浅黒い肌を少し上気させた。
347moca:04/04/03 19:05 ID:PwztwglX

「なに、しゃっちょこばってんだよ……あたしだってちょっとは恥ずかしいんだ。
でも、今は……もっと先もしたい……」
オーリンは耐え切れなくなったようにマーニャの体をベッドへ押し倒した。
そして元から半裸に近いマーニャの身体にキスの雨を降らした。
柔らかな首筋、鎖骨、そして豊かな胸に。
金属製のビキニを、彼の指先がむしりとるようにはずした。
「あッ……」
少しだけ痛かったが、それ以上に快感が大きかった。
彼の大きな身体に組み敷かれる快感。たくましい体つき……彼の
身体からは砂埃や汗、油、香油……男のにおいがする。
今までは考えもしなかったが、彼も一人の男なのだ。
「綺麗だ」
オーリンは心酔しきった様子で、マーニャの乳房をそっと握った。
「あ……ん」
身をよじってマーニャは声を出した。彼の唇が乳首をちゅっと吸い上げる。
「はあ……」
反射的に身体をのけぞらせるが、彼の手が押さえつけて動けない。
「ずっと……こうしたかった」
まるで執りつかれているかのように男はマーニャの身体をむさぼる。
彼の指は、マーニャの太ももの辺りまで降り、そっと秘部へと進んでいく。
「あっ……だめ」
348moca:04/04/03 19:06 ID:PwztwglX
10
「だめ、ですか」
反射的に上げた声に、オーリンはさっと夢から覚めたように青ざめた。
「オーリン、違う……もう濡れてるから恥ずかしいだけ」
なんて恥ずかしいことを言わせるんだろう。マーニャは耳まで赤くなった。
「いいんですか……本当に続けて」
戸惑い身体を起こしかけたオーリンを、マーニャはまどろっこしくなり
抱きすくめて押し倒す。
「リラックスしな。……してあげるよ」
「マーニャさ……うっ」
彼の下穿きの上から、硬くなったモノに触れた。
オーリンは呻いて、熱い息を吐く。
「こんなになってる……あんただってしたいだろ」
彼の首筋に抱きついて、耳元でささやく。
「……したい」
夢魔に犯されたように、オーリンは首を縦に振った。
マーニャはいいこだと呟き、彼のベルトをはずし、ズボンごと
下着も脱がした。
そこにははちきれんばかりにいきり立った彼のペニスがあった。
「大きい……大人の男だね」
今まで関係した中で一番大きいかもしれない。
マーニャはたまらず、彼のペニスを口に含む。
「んむ」
「ああ……マーニャ様!」
オーリンのうわずった声が愛しい。マーニャの口技で、彼は身もだえして
快感に狂う。
349moca:04/04/03 19:07 ID:PwztwglX
11
舌先で亀頭をなめまわし、唇で先端をしゃぶるように咥える。
そして手で彼のサオをつかみ、しごき続ける。
にじみ出る透明な液体もなめとり、続いて奥までペニスを咥え込む。
そして頬をすぼめて吸い上げると、オーリンは悲鳴めいた声を出した。
「ああ……もうだめだ!放してください……」
マーニャは咥えたまま話さなかった。
オーリンは震え、マーニャの口の中に射精した。
断続的に注がれる精液を全てマーニャは受け止め、静かに飲み干した。
「マーニャ様……」
口の端についた精液を人差し指でぬぐい、扇情的なめつきでなめとる。
「良かっただろ、オーリン」
「……そういじめないでください……どうして」
「本当はこうしたかったんだろ」
マーニャはグラスに手を伸ばし、口の中に残った違和感を取り除く。
「正直にいいな……」
彼のペニスは、一度性を放ったのにもかかわらず萎えていなかった。
そのペニスを指先でもてあそびながら、彼の胸にもたれかかる。
「今まで……どうやって処理してきたの?」
「マーニャ様……うう」
ペニスをしごく手つきを早められ、オーリンは声を上げた。
「いいなさい。今までどうやって出してたんだ」
「自分で……しておりました」
350moca:04/04/03 19:08 ID:PwztwglX
12
息を荒げ、オーリンはマーニャのほっそりした身体をだきすくめる。
「何を考えながら?」
意地悪な質問だ。望みの答えを導きだすための質問。
マーニャはサディスティックな快感に震えながら、彼の耳朶をそっと噛む。
「ゆってよ」
「……ああ。お許しください」
快感と羞恥に震えながら、オーリンは呻く。
「だめ、言うんだ……もっと先に進みたいなら」
「マーニャ様の事を想像しながら……しておりました。
私の下で悶える……淫らなマーニャ様を想像し……自分で……
しておりましたっ……うっ」
期待通りの答えに満足し、マーニャは彼の首筋をぺろりと舐めた。
「いい子だ。ちゃんと言えたね……。さあ」
彼の手をとり、その甲にくちづけをする。
「しなよ……あんたがしたかった通り……なに遠慮してるんだ」
「マーニャ様」
オーリンは踊り子の身体を組み敷き、再び激しい口づけをかわす。
そして彼の指は、踊り子の服の腰布を外し、濡れそぼった
マーニャの割れ目に触れる。
すっかり潤んだそこは、彼の指先をたやすく飲み込んでいった。
「ああ……!」
くいくいとオーリンが指をうごめかせると、マーニャは腰をゆすって悶える。
久々の快感は思った以上に凄まじい。
351moca:04/04/03 19:09 ID:PwztwglX
13
「オーリン……」
「すごくきつい……」
オーリンはその締め付けを確かめるように指を動かす。
そして、そっと身体をずらして、マーニャの股の間に顔をうずめた。
熱い吐息にマーニャは思わずのけぞった。
オーリンの舌が、クリトリスの先端に触れた……全身がどっと汗に濡れる。
「ふああ……ん」
「マーニャ様……」
オーリンの舌が、敏感な蕾を転がすようにねぶり、指先はぬるぬると
割れ目に出入りする。
「ん!んん〜っ……だめ、だめ、オーリン」
今度は彼は手を止めなかった。
挿入する指先を2本に増やし、空いた片方の手であがく足を押さえつけ、
熱心なクン二を続けた。
ぷちゅぷちゅと粘液のこすれる淫らな音が響く。
執拗にクリトリスをいじくられると、マーニャはすっかり蕩けてしまった。
「や……だめぇ……それ以上されたらいっちゃう……」
マーニャは絞り出すような声で言った。
オーリンがクリトリスをそっと上下の唇で挟んだとたん、
マーニャは絶頂に達した。身体を大きく痙攣させ、入った2本の指を
きゅうきゅう締め付ける。
「はあぁ……」
オーリン……すごい上手いじゃない。奥手そうに見せて。こいつ。
352moca:04/04/03 19:10 ID:PwztwglX
14
わななくマーニャにかまうことなく、オーリンは身体を足の間に
割り込ませる。
「まだ、だめ……!まだ、敏感で……」
マーニャの静止を彼は無視した。
今の彼はエドガンの弟子でもなく、姉妹の護衛でもない。一人の男だ。
「マーニャ様、お許しください」
その言葉には悲しい色があった。
彼は自らのペニスを、マーニャの中に押し入れた。
イッた直後の敏感な粘膜を刺激され、マーニャは悲鳴に似た声を上げる。
もちろん快感の悲鳴だ。
濡れたそこは、たやすく男を受け入れたが、
大きな彼のペニスにはきゅうくつだ。
「ああ……すごい」
オーリンはぎゅうぎゅうとペニスを締め上げる柔らかな肉にくるい、
腰を何度かグラインドさせる。その感触を味わうかのように。
「うあ……はあっ」
マーニャは身体をのけぞらし、突き上げるセックスの快感に酔った。
「オーリン……気持ちいいよ」
「マーニャ様……」
抱き合い、唇を重ねる。
そしてオーリンは大きくマーニャの足を開かせ、太ももの裏側辺りを
押さえ込んで腰を動かした。
深くめり込むペニスの感触に、マーニャはよがった。
「いいっ……オーリン!」
353moca:04/04/03 19:13 ID:PwztwglX
15
「マーニャ様……あなたの中は……熱い。締め付けてくる……」
オーリンは激しくマーニャを突き上げ、抱いていた欲望を存分に
ぶちまける。
そして一度ペニスを引き抜くと、マーニャの身体を四つん這いにさせた。
「あ……オーリン」
快感の中断にマーニャは、とろけた目で振り返る。
彼は、獣のように残酷な視線でマーニャを見た。
「どうして欲しいですか……」
さっきのゲームの再開だ。今度はマーニャが詰められている。
太ももをこすり合わせ、マーニャはねだる。
「欲しい……」
「何がですか。何が欲しい」
彼の指が荒っぽくマーニャのヴァギナにめり込んだ。
「ふうっ……!ああん……」
だが、ペニスの味を覚えたそこは、指だけで満足できるはずがない。
自らも腰をゆすって指先を出し入れしたが、マーニャはたまらずに言った。
「おちんちんが……欲しいよ」
「どこに?」
頬が熱い。だがそれ以上にあの快感が欲しい。
「おまんこ……オーリンの、太いのが欲しいよ」
オーリン、入れて、ゆすって、あたしを狂わせて。
「いい子ですね…昔からあなたは」
354moca:04/04/03 19:15 ID:PwztwglX
16
オーリンは微笑み、ペニスをそこにあてがう。
早く早く。マーニャはお尻を振っておねだりをするが、オーリンはすぐに入れようとはしない。
しばらくペニスの先で、ぬるぬると濡れた股の感触を味わう。
「ぬるぬるだ……マーニャ様は予想通りの淫乱だ」
「オーリン、は、はやく……いれて。我慢できない」
ずるっ。ぷちゅ。ペニスの先端が入った。
マーニャはたまらず腰を突き上げ、それを奥まで導く。
頬が熱い。だがそれ以上にあの快感が欲しい。
「おまんこ……オーリンの、太いのが欲しいよ」
オーリン、入れて、ゆすって、あたしを狂わせて。
「いい子ですね…昔からあなたは」
オーリンは微笑み、ペニスをそこにあてがう。
早く早く。マーニャはお尻を振っておねだりをするが、オーリンは
すぐに入れようとはしない。
しばらくペニスの先で、ぬるぬると濡れた股の感触を味わう。
「ぬるぬるだ……マーニャ様は予想通りの淫乱だ」
「オーリン、は、はやく……いれて。我慢できない」
ずるっ。ぷちゅ。ペニスの先端が入った。
マーニャはたまらず腰を突き上げ、それを奥まで導く。
そして快感の悲鳴を上げて、行為に狂った。オーリンもまた激しく
腰を動かし、存分に濡れたヴァギナをこする。
「やあ!あん、あん……もっと激しくして!」
オーリンはぐりぐりとペニスで奥を突く。
「だめ……いく、いっちゃう!」
「ああ……マーニャ様!」
せり上がる快感の波に二人は押し流され、同時に果てた。
熱い液体が子宮に注ぎ込まれる。マーニャは律動するペニスを感じながら、
シーツに頬をうずめて少しだけ泣いた。
可哀想なオーリン。オーリン。オーリン……。

355moca:04/04/03 19:16 ID:PwztwglX
これが最後の情交になると、二人は悟っていた。
翌朝、何事もなかったかのように顔を合わせ、キングレオ城に向かう。
そこで悲劇の別れが訪れる事を知らず果断としていた……。


以上です。
356名無しさん@ピンキー:04/04/03 19:20 ID:TZegJnOW
リアルタイーム!
357名無しさん@ピンキー:04/04/03 19:21 ID:XJ0cQP+p
俺も。お疲れさーん。ハァハァできますた(*´Д`)
358名無しさん@ピンキー:04/04/03 19:22 ID:xo5nOJh9
リアルタイムキタ━━━━(゜∀゜≡(゜∀゜≡゜∀゜)≡゜∀゜)━━━━!!!!
また書いてください(*´д`)ハァハァ
359moca:04/04/03 21:00 ID:Tcq4dsxh
皆さんありがとうございます〜。
また暇ができたら同じカプで書かせて頂きたいと思います。短めに。
360名無しさん@ピンキー:04/04/04 02:22 ID:AnI/NExG
うひょー、次も期待しますよ!
361 ◆hMHMkhRwLk :04/04/05 00:04 ID:KbxVipmj
>359 乙です。終わりを待って書込もうと思ってたバルザック×マーニャです。
362資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/05 00:09 ID:KbxVipmj
コーミズと言う小さな村に、若者が二人辿り着いた。
「着いた」「着いた…」
痩せた方の男は座り込む。
大きくはないが整然としていてそれ自体が静域のオーラのあるエドガンの家から、小さな少女がピョンと現われた。
少女と言っても清楚であるのに、体が良く利くらしい。疲れ切った男達にびっくりしてそれを少し見詰めた。
「すまない、エドガン先生の研究所を探しているのだが」
「ウチです。私むすめです」
と少女は少し慌てて男達の荷物を持つのを手伝った。
「どうぞ」
ヒョイヒョイと少女は家に案内してくれた。
「お前より力強いんじゃないか」
美声の方が痩せた男に言った。「可愛い娘だなぁ」バルザックは子犬でも見る様な朗らかさで言ったのに、美声のオーリンはもう少し、若干男っぽく“可愛いな”と思っていた。

前の師匠は「錬金術は継いでくれるな」と言い残し死んだ。さて弟子達は散り散りばらばら。組んで新たに出発を決意したのはこのオーリンとバルザックだけだった。
「最高の」「世界最高峰の錬金術とお伺いしました、エドガン先生」
「君らの師匠は正しい」
ビシッと言い切った。溢れる聡明さを持ち、腰を抜かしそうな程の美男のエドガンだが話すと可笑しい男である。(おおぉ、弟子か。私も弟子を取るのか、緊張するな)
「最高峰と言っても、錬金術をやるのは私しか居ないからさ」
すっとぼけている。そして若くもあった。
「出来ないよ。錬金なんて」
それより良い事を教えてやろうと若者二人を書庫に引っ張って行った。エドガンが書いた蔵書も含んでおり、
「ここの一角を全部読んで、私の今の活動を理解してくれたら弟子に取ろう」
勉強好きな男二人は飛び上がりたい程喜び合った。
娘のマーニャが、書庫から出て来る公的な父にドキッとしたが、
「父さんも先生になるのか、いや緊張する」
いつもよりも父はずっと子供の様だった。
363資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/05 00:12 ID:KbxVipmj

本が好きなバルザックはまさに本の虫となったが、実験好きなオーリンは外で派手にやる。
オーリンはモテモテ。とにかく色男でモテた。もう女に少し足を踏み込んでいた姉のマーニャは「意地でも惚れるか」と笑いながら思っている。
そんなに「惚れたくない」と思ってると言う事はもう好きだ、と言う事だ。姉の為に、清楚な妹の少女ミネアは、遊びと評してオーリンを占った。
「ううん…苦難と出ます」
「はぁ…」少女の小さな唇から、懸命な言葉が出ると妙な昂揚である。
「でも、多くの希望に支えられた苦難です」
おお、良い方ですね。良い方ですよ。となごやかだったがバルザックを占うと、
大凶、大凶。
「どうしてなんだぁぁ」
と若者二人は大笑いしたが、ミネアは焦ってしまった。私の占い方が悪いんじゃないかと。しかし謝ってはかえって不安を増すだろうから、
「大凶と言うのは、これより良くなるしかないしかないと言う事です。転じて大吉なんですよ」
「はい。ミネアさんは優しいね」
「また、見てね私の占い」
バルザックは笑って、ミネアの頭を撫でた。ミネアは痩せた美貌バルザックの笑顔が好きだった。なにか崇高な物を見た様な感動であった。

キングレオ城へオーリンとバルザックはお使いを頼まれた。あの城の中にもエドガンの研究所があり、「まぁ、ついでに勉強しておいで」と。
「連れて行って」
と小さなミネアがバルザックに頼んだ。「お土産持って来るから、待ってて」「ご本が良い」
「あたしお酒」とマーニャも密談に参加した。
「マーニャさん」「おねがい」とマーニャはバルザックにキスするが、
「駄目です」「じゃあ(キスを)返してよ」
不埒な未成年をまいてバルザックは駆けた。
「ミネアさんが見てるぞ」「わっ、本当だ」「お前の足じゃ追い付かれるぞ」「洒落になってないよ」
オーリンのモテる所も、逞しい体も腕力体力も、バルザックは羨ましいとは思わない。
それ所か、あぁそれはそれで大変そうだ。と思っている。(案外奥手なオーリンは女関係では本当に困っている事もあった)
ただ、羨む所はオーリンの、エドガンの軽快さだ。「これが駄目なら次がある」とサクサク行ってしまう。
(そんなに…急がないで…)
「過去の汚物と言う訳ではないのだからさ」
とオーリンは錬金術を言う。「頑張りが無駄になるなんて事はない。お前は結果に拘り過ぎなんだよ」
364資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/05 00:13 ID:KbxVipmj
「錬金術は錬金術だ。他に変えられないじゃないか…。でも良いんだ、先生との研究の方が大切だ」
「なんだよお前は」
ただ、切り替えが早いのが羨ましくあったのだと言う話であった。オーリンには言わないけれど。
「オーリン」「なんだ」「疲れた」「お前はどうして男なんだよ」
腕力体力、女以下である。

キングレオ王子もまた見目麗しい美男であった。小柄だが雄々しく押し出しが良く、オーリン、バルザックに近付いた。
慎重に話す、大変な話であった。進化。進化の秘法。
オーリンは猿に糞でも投げられた様な驚きに頭を振って、ほぼ中座した。
「意味がわからん、意味が」
進化の事は勉強をして、オーリンもバルザックも解りはじめた、掴みはじめていた頃であった。
「何故わからん。夢物語と言う気もしなかった」
「現実だからなんだ。手を付けよう等とよく思うものだ」
「放って置いても誰かが始める研究だろう。ならば私達が初手を」
「何であろうと、あの王子とは組まん」
「先生と…先生となら」「おい、………そうだな。出来るだけ資料を」

「驚いたな…」
しかしエドガンは驚いただけであった。「しかし、発見もされていない物か。よし、探そう」
コーミズにあると言う噂であった。その実体を知っているのは人間ではエドガン、オーリン、バルザックだけだ。
「先生が、探される。あぁ。私は又キングレオに戻ります。あの王子を拘束してみせますよ」
バルザックが珍しく積極的だ。「頼んだよ。バルザック」「はい」
「先生、それを…見付けて城へ?」
「いいや、封印する」
あぁ…それで良いのだ。とオーリンは師匠の言葉に救われ、昂揚し、畏敬を持って心の中で何度も平伏した。
365資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/05 00:15 ID:KbxVipmj

キングレオの政権交替、いや政権の転覆か。そんな噂はバルザックの耳をそそらない。
(先生がこの国に来る。それで解決だ)
バルザックが一番精力的に動いている頃、マーニャが14才になっていた。踊り子としてモンバーバラへ行くと言う。
「マーニャさん…大丈夫ですか」
「あんたと同じよ。モンバーバラとキングレオでバラバラだけど、この家にはしょっちゅう帰るんだから」
「マーニャさん…好きだ」
ボソっとバルザックは呟いた。「え?」とマーニャはわざと聞き返す。
「好きです」
表情は相変らず力無く情けないのだけれど、声と雰囲気は重厚な男のそれであった。
マーニャは大人の男に好きと言われたのは生まれて初めてだった。
(あたし、女になったのかな…)
一人で働き出すのよりよっぽど慄き、緊張した。
「好きなら…?」「え?」
14才の少女に対し“そう言う思いで…満更でもない”のはちょっと恥かしい事じゃないかと男は思ったが、少女が続けた言葉に「はい」と頷いた。

マーニャは茹だった様な赤い顔をして
「変になっちゃう…」
と少し泣いた。激しい快感も濡れた事も初めてで、恐いような悲しいような不思議な気持ちだった。
「大丈夫だよ、マーニャさん」
ただ、激しく何か求めているのも確かだった。この男の元で確かに思った。
「イクってわかる?」「聞いた事あるけど…」
「頭が真っ白になるとか、無重力の感覚だとか、体が浮くとか言われるけどね。地面深く落ちて行く感覚もあるかな。とにかくまともに息が出来ない感じ」
「そんなの、その後どうなっちゃうのさ」
涙目の涙声で、弱く拗ねる様にマーニャは聞く。
「別に体に悪い訳じゃないよ。恐い?」
「よく…わからないから…」
「緊張しないで。わかると思うよ」

「あ!あ!」
足を開いて、マーニャはバルザックの指に女の体の全てを許していた。
366資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/05 00:21 ID:KbxVipmj
「やぁあ、もう」
とマーニャは男の指が動き回っている自分の局部に手を伸ばして隠した。男の動く手や手首に触れる。
「見ないで…」
バルザックはもう、マーニャが可愛いのでちょっと指を挿入した。
「ぁ、入ってる…」「うん」男が低い声で頷く。
「マーニャさん、ここが、良いんだね。もっと触ってて良い?」
「うん、もっと…」
その言葉に男は動きを強めて、マーニャはハッと息をついた。
体が緊張して肩をすくめて
「ん…」
目を強く閉じて、バルザックの肩を強く押していた。

「死ぬかと思っちゃった…」
「気持ち良かったねぇ、マーニャさん」
「なによ」
と恥かしがっているマーニャにバルザックは口付けた。
男の指がまた動くと、マーニャは快感で眉をしかめた。そして何か待っている様に彼を見詰めた。

「よし、じゃあ…」
と何とも消極的な合図で、男は女のそれにそこを合わせた。
「いたい…いたいっ」
「うん…じゃあ、ちょっと後になって」
「や、やだよ後なんて」
初めてなのに(顔見たいじゃない…)
「そうか…」
バルザックは諦めた。
余り快感と言う感情を顔に出さない彼が気持ち良さそうにしていたので、マーニャは惜しい思いと申し訳ない思いが立った。
「大丈夫だから、あたし」「…焦らなくても」
「じゃあ、口でしようか」「え」
「あたしがしたいの。初めてだけど」
マーニャの柔らかい両の唇に彼は挟まれた。囲まれた。彼を食んだ。
367資質 続く  ◆hMHMkhRwLk :04/04/05 00:24 ID:KbxVipmj
「あ、ちょっとマーニャさん」
これは苦いモノだとか、男の感じる場所だとか、知識はあったのかマーニャの舌の動きは戦慄モノであった。
「ここ?」
低い声で尋ねるのは、今度は女である。
コクリと頷くのは男。
「強いのと優しいのどっちがいい?」
「(なんか、もう…)両方、どっちも良いです…」

激しい緊張の後、立ち姿の彼はちょっとフラついた。
男は懐紙を出して、マーニャに口の中の物を出させようとしたが。
口を閉じたままマーニャは笑った。
バルザックはこの女の卑猥さに顔を赤くして、彼女に出させた。
「口の中のもの、出すの見られるの恥かしい。飲んじゃいたい」
「マーニャさん」
バルザックは顔の赤みが引かない。こんなにHな娘だとは思っていなかった。
とても嬉しい様な、恐い様な、後悔する程エロかった。
「行かないで下さい。モンバーバラ」
この手から離したら、どうなるだろうか不安で。
「あのね、あたしあんたにしか抱かれない。決めたわ」
「え?」
「遠くに離れても、あんただけよ」
マーニャはとても楽しそうに言う。
「…じゃあ、落ち着いたら私がモンバーバラに行きます」
「待ってます」
ペコとマーニャは頭を下げた。


最近バルザックは自信も付いて見えて、仕事を精力的にこなす。堂々として見える…
ミネアはちょっと変わって行くバルザックに寂しい思いをした。
バルザックがマーニャの事を好きらしいのも、ちょっと寂しかった。
368名無しさん@ピンキー:04/04/05 01:52 ID:mtoxo3Up
(・∀・)イイ!!
369名無しさん@ピンキー:04/04/06 00:20 ID:e5/55Z56
 (*゚∀゚)=3ハァハァ
370名無しさん@ピンキー:04/04/07 21:51 ID:oXz7wNZC
         ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・) <  5主人公×ベラマダー?
             \_/⊂ ⊂_ )   \________
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        | .愛媛みかん.  |/
371名無しさん@ピンキー:04/04/08 08:18 ID:U3ijsDsM
      ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・) <  5息子×娘マダー?
             \_/⊂ ⊂_ )   \________
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        | .愛媛みかん.  |/
372名無しさん@ピンキー:04/04/08 10:11 ID:wabEzddH
         ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・) <  5主人公(幼年)×ビアンカ(幼年)マダー?
             \_/⊂ ⊂_ )   \________
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        | .愛媛みかん.  |/
373名無しさん@ピンキー:04/04/08 16:42 ID:ekfN8dqr
         ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・) <  5主人公×ビアンカマダー?
             \_/⊂ ⊂_ )   \________
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        | .愛媛みかん.  |/


374名無しさん@ピンキー:04/04/08 18:53 ID:okqxJEON
         ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・) <  5主人公×フローラマダー?
             \_/⊂ ⊂_ )   \________
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        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        | .愛媛みかん.  |/

375名無しさん@ピンキー:04/04/08 21:16 ID:dzaGR6gY
         ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・) <  ビアンカ(独身)×5息子マダー?
             \_/⊂ ⊂_ )   \________
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        | .愛媛みかん.  |/

376名無しさん@ピンキー:04/04/09 01:14 ID:3eV07fac
         ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・) <  ヘンリー×マリアマダー?
             \_/⊂ ⊂_ )   \________
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        | .愛媛みかん.  |/

377名無しさん@ピンキー:04/04/09 02:33 ID:tc3mJgrt
         ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃 
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\      
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        | .愛媛みかん.  |/
378名無しさん@ピンキー:04/04/10 01:09 ID:di0leKUT
◆hMHMkhRwLk って改名なの?
それとも改名の文体をマネてる人なの?
独りよがりの展開と文体で、話がよくわからない…。わかったら
おもしろそうなのに。
379名無しさん@ピンキー:04/04/10 16:39 ID:mRdh0GsC
うん、ちとわかりづらいよね。
魚喃キリコのまんがとか好きそうだなぁ、この人。
380名無しさん@ピンキー:04/04/10 23:21 ID:b6pNdIOH
発情したオークキング等の獣人系モンスに犯されるビアンカキボン
381名無しさん@ピンキー:04/04/11 00:27 ID:SHyfkZck
4でピサロ×アリーナが読みたいです
女勇者相手は見るけどアリーナ見たことなくて…
ダレかかける人いませんか??
382名無しさん@ピンキー:04/04/11 00:51 ID:x6A6gwR6
人外が人間に欲情するか?
お前らだって犬とか猫のメス見ても興奮しねーだろ。
それと一緒じゃねえの。
ありえない。萌えない。
383名無しさん@ピンキー:04/04/11 02:31 ID:pR3pFPMe
クリフト×マーニャ読みたい。
384名無しさん@ピンキー:04/04/11 10:48 ID:0fXQj2Mm
         ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・) <  何でもいいからミネアタンまだー
             \_/⊂ ⊂_ )   \________
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        | .愛媛みかん.  |/

385名無しさん@ピンキー:04/04/11 16:54 ID:2cbq6h3v
         ☆ チン     マチクタビレタ〜
                         マチクタビレタ〜
        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・) <  5主人公×ベラマダー?
             \_/⊂ ⊂_ )   \________
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        | .愛媛みかん.  |/
386名無しさん@ピンキー:04/04/11 18:11 ID:tmL+WJ1X
発情したモンスに犯されるビアンカきぼん
387名無しさん@ピンキー:04/04/11 23:50 ID:lb7mLZoa
4勇者×シンシア
ピサロ×ロザリー
クリフト×アリーナ
は動かしようの無いデフォだから書く気しないよねえ・・・。
うまい職人さんや色んなSSサイトで既出過ぎだしね。

トルネコは妻帯者、ブライはジーさんだし、ライアンは漢過ぎて書けない・・・。
うわ、もう男いねーじゃん・゚・(つД`)・゚・
書くものがあるとしたら、世界平和後にクリフトの一人旅くらいだよな・・・。
結論、DQWは書きようがねえ。

何書くかねえ・・・。
388名無しさん@ピンキー:04/04/12 00:04 ID:G3ahkeEN
ミネアさん・・・
389名無しさん@ピンキー:04/04/12 00:22 ID:/P9oqAPZ
ヘボでよければ、4なんか書くよ。
390名無しさん@ピンキー:04/04/12 00:35 ID:ZsoQiIoX
5主人公×ビアンカきぼん
391名無しさん@ピンキー :04/04/12 01:10 ID:NH3Ia6qI
パパス×マーサきぼん
392名無しさん@ピンキー:04/04/12 01:20 ID:/P9oqAPZ
5はやってないのでした。
393名無しさん@ピンキー:04/04/13 00:55 ID:scD7aDo6
>>382
ロザリーはエルフですが何か

犬猫では無く猫耳の獣人だったりしたら激しく萌えまくる人種だって
それこそ数多く棲息しているのが2ch
例えば陵辱やらスカやらだって
現実には滅多に起こらない事だから萌える側面
云わばファンタジーとして捉えている場合もあるという事を
まず知ってやってくらさい
394KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/04/16 22:48 ID:s3Om3h3C
3は投下OKですか?
395名無しさん@ピンキー:04/04/17 00:08 ID:m0UowuLI
つーか、カモンですよ
396名無しさん@ピンキー:04/04/17 00:27 ID:Kv5MRif4
来たいsage
397ピアノ:04/04/17 00:40 ID:wwNo04IH
主人公×フローラを書いています。
ちょっとフローラの一人遊び的要素が高くなりそうですが、よろしいでしょうか?
丑三つ時あたりまでに幾つか上げられると思うので、よろしくお願いします。
398名無しさん@ピンキー:04/04/17 00:48 ID:mg3+S4yJ
隙見て4投下して良い?
まともなエロは初めてなのでお見苦しい点もあるとは思いますが。
399ピアノ:04/04/17 00:51 ID:wwNo04IH
私はまだもう少しかかりますから、398さんお気になさらずにどうぞ〜
楽しみにしてますー!
400ピアノ:04/04/17 01:53 ID:wwNo04IH
398さんがまだのようなので、お先に失礼させていただきますね。
ちょっと書いたことのない分野なので上手くできるか心配ですが、
内容や、改行など表記の面でも何かご意見ありましたらお願いいたします。
401ピアノ:04/04/17 01:54 ID:wwNo04IH
王妃様は気持ち良いことがお好き

■■1
グランバニア王妃フローラは、非常に困惑していた。

時は真夜中。
山々に囲まれたグランバニアの夜は静寂に包まれ、微かに聞こえるのは、
平地よりも早い冬の到来を思わせる冷たい風が森の木々を凪ぐ音ばかりである。
決して華美ではないが質の良い調度品に飾られた室内は、
サイドテーブルに置いたランプの仄かな明りだけを残し、暗く影を落としていた。
壁にかけられた、拙いけれど一生懸命描かれた肖像画。
幸せそうに寄り添い微笑む夫妻の肖像は、別室に眠るその作者達と共に、
静かな寝息をたてているようにひっそりと息づいている。
繊細な刺繍と最高級の布地で仕立てられたそのベッドは、
キングサイズの名の通り、グランバニア王リュカと愛妃フローラの常床である。
 そしてここに、その豪奢な布団にくるまれてやすらかな寝息をたてている青年が一人。
偉大なる先王パパスとマーサ妃の一粒種にして現王、リュカその人である。
 フローラは、激務に疲れ子供のようにすやすやと寝息をたてる夫を起こさぬようそっと掛布を持ち上げて、
ベッドに滑り込んだ。
慣れない王位に就いて早2年。
魔王との戦いを経て王都に帰還してからというもの、リュカ王とフローラ妃は、
あたたかい民衆や城の者達、赤子返りをしたかのような甘えたい盛りの双子の王子と王女に囲まれて、
幸せの内にいっそう愛を育んできた。
 しかし、やはり王の公務は、冒険の旅とはまた違う疲労を伴うものだった。
このように、つい先ほどまで語り合っていたのに、フローラが鏡台で髪を梳いているその僅かな合間に
リュカが眠りに落ちてしまうこともままあるのである。
もっともそういった日の翌朝のリュカは、悪戯がバレた子供のようにバツの悪い顔をして謝るのだが……。
 フローラは、眠る夫の頬を微笑みながら撫で、労りのキスをその額にすると、
自身もふかふかのベッドに身を埋めた。
402ピアノ:04/04/17 01:55 ID:wwNo04IH
■■2
しかし。一向に眠れないのである。
それどころか、時間が経つにつれフローラの意識は研ぎ澄まされていくようだった。
幾度めかになる寝返りを打ち、夫に背を向けて胎児のように身体を縮こませながら温かい布団にくるまれる。
しんと静まり返った室内でつく僅かなため息が、まるでこの世の終わりを憂れう嘆きのように響く。
(どうしよう………)
 フローラは、今、非常に困惑していた。
ここ数週間、激務に追われたリュカとフローラは、夜を共にしていないのだ。
疲れきった身体に寝心地の良すぎるベッドは毒だ。
愛を語らいたくとも強烈な睡魔に襲われてしまい、朝までぐっすり。
そして爽やかな朝を迎えるのだが……
フローラがその身体に異変を感じ始めたのは数日前のこと。
それから毎晩甘い疼きに耐えてきたのだが、今夜という今夜はもう限界だった。
身体の芯は熱く、手足の先までじんじんとその痺れを伝える。
頭は冴えているのに、少しでも気を抜くと、どこか夢を見ているような朦朧とした意識に飲み込まれそうになる。
 フローラは下腹部からくる、じん、とした疼きに耐えかねて強く目を閉じた。
 しかし、振り払おうとしても甘やかに脳裏に広がるのは、夫との激しい夜の事。
普段は温厚で少年のように無邪気に笑う夫が、逞しい体躯でフローラにのしかかり、
とろけるような口付けと妖しい指づかいでフローラを翻弄し、そして……
(やだ、私ったらはしたないわ……!!)
 フローラはかぶりを振った。
そんないやらしいことを考えてしまう自分が卑しく思えて、しかしその身体の甘い痺れに抗うことは酷く困難で。
 殆ど無意識のうちに、薄い夜着の上から、自身の両の乳房に触れた。
403ピアノ:04/04/17 01:55 ID:wwNo04IH
■■3
(ああ……!!)
フローラは目を閉じて一つ大きな溜息をつき、リュカの掌の感触を想像した。
いつも穏やかに優しく微笑うリュカ。しかしその身体の全ては、立派な戦士のそれ。
大きくたよりがいのある掌は豊かな胸を下方からたっぷりと掬い上げ、
その柔らかさをフローラ自身に伝えるかのように優しく揉みしだく。
リュカの掌の中で、たぷたぷと形を変えるフローラの豊かな二つの膨らみ。
そしてリュカの硬く長い指。その指先は……
フローラは、細い指先で自身の胸の蕾に触れた。
(…ぁっん……)
驚くほど優しく、フローラの、早々に敏感になっている蕾を捉える。
愛しそうに円を描いて転がすと、堅くなった先端がピンッ、ピンッ、っと弾かれてぷるぷると震えた。
(あっ、あっ、だめあなたっ、あんっ)
 フローラは声にならない声を必死で抑えながら、少女のような愛らしい顔を快楽に歪ませた。
グランバニアの天空と讃えられる空色の美しく長い髪は、枕の上で乱れ、
汗のせいでフローラの頬や首筋に張り付いている。
小さく華奢な白い掌で、幼い顔立ちには不似合いなほど豊満な胸を揉みしだくフローラ。
そして、薄い紅色に彩られた爪を持つ細く白い指先は、フローラの蕾を執拗に攻める。
きらめく宝石を拾い上げるかのようにそっと摘み上げ、人差し指と親指の腹で挟んでくにくにと弄ぶ。
もはや彼女の指先は、彼女の想像の中では夫リュカのものだった。
フローラは、リュカからされる愛撫を想像して、身悶えしながらどんどん快感の深みにはまってゆく。
404ピアノ:04/04/17 02:03 ID:wwNo04IH
とりあえず今日はここまでで…。
それではおやすみなさい。
405名無しさん@ピンキー:04/04/17 09:04 ID:5Rd9kJga
キタワァ・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!
ピアノさん続き楽しみにしてます!
406名無しさん@ピンキー:04/04/17 13:38 ID:/Vy4oTIC
(;´Д`)ハァハァ
407名無しさん@ピンキー:04/04/17 18:24 ID:HoeBjhQA
生殺しキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

こんな良い所で切られるとは・・・_| ̄|○

408ピアノ:04/04/18 02:51 ID:2eE5+8KL
■■4
 ひとしきり蕾をいじめるとフローラは、足首まで長さのあるたっぷりとした夜着を
無意識のうちに喉元までたくし上げる。
もはやフローラの肢体は、掛け布の中で、完全に露わにさらされていた。
 そうして今度は掌全体を使って、堅くなった蕾に触れるか触れないかのぎりぎりのところでなぞる。
夫が彼女にそうするように。
「……ぅ……ぁ、ぁ、ッはぁ……」
その焦らされるような動きにフローラは、抑えきれない苦しげな声を漏らしてしまう。
 脳裏に浮かぶリュカに、
(もっともっと、もっとちゃんと、たくさん触って!たくさんいじめて!!)
と懇願してしまうフローラ。
 普段のフローラは、夫との最中にこんなことを言わない。
あくまで本物のリュカに言っているのではないという安心感のおかげか、
フローラは普段到底口にすることができない淫らなセリフを、想像のリュカに繰り返し投げかける。
(…もうダメッ…焦らさないでお願い……あなた…アアッ!!)
 フローラの指先はついに再びその蕾を強く摘み、ぐりぐりと擦るように練った。
フローラは堪えきれずに
「っぁん……」
と声を漏らしてしまってから、びくりとして目を開け隣を窺うが、規則的な寝息を立てる夫が起きる気配はない。
 ホッと息をつきながらも、指先は止まらない。
409ピアノ:04/04/18 02:52 ID:2eE5+8KL
■■5
 ……リュカは……ここをいじってくれている時にどんな表情をしていただろうか…
 フローラは再び目を瞑って思い出した。
 フローラが堪らなく気持ち良さそうにすると、リュカはそれを面白がるかのように意地悪くにやりと微笑み、
いっそう蕾をいじくりまわす。
 時に強く、時に弱く。
 そして蕾から離れ、掌で胸全体の柔らかさを愉しむように揉んだかと思うと、
フローラの息が整ってきたのを見計らって、再び蕾を摘み上げるのだ。
(ん、ん……あっ、はぁっ……)
 フローラは、無意識のうちに夫の手つきを忠実に再現しながら、自身の疼きを慰めていた。
野苺を思わせる両胸の蕾は、いやらしく堅く天に向かって勃ち上がって、その存在を主張している。
その苺は、フローラの自身の華奢な指先によってひっきりなしにこねくりまわされているのだ。
 卑しい、と、フローラは頭の片隅で思った。
しかし、圧倒的な快楽と愛するリュカの面影の前には、そんな自責の念は何も意味を為さない。
 そしてフローラは、手を休めることのないまま、いつのまにか自分の唇をぺろりぺろりと舐め上げていた。
ぷっくりと愛らしく弾力のある薔薇色の唇を、まるでそれ自体が生き物であるかのような舌が
なめらかに這い回る。
右に左にうごめくフローラの舌は、妖しくなまめかしく唇を濡らしていた。
 静寂の中で、微かに、しかしひっきりなしに響くフローラの肌を擦る音。
(あなた……ぁン、気持ち…気持ちイイ……!!…あぁ、わたし…あぁ……)
 もはや自らの織り成す快楽に飲み込まれたフローラは、疼きを我慢していた分一気にタガが外れてしまい、
遠慮せず思いのままに淫らな快感に堕ちていた。
 隣で眠る者の寝息が止んだことにも気付かずに。
410ピアノ:04/04/18 02:54 ID:2eE5+8KL
■■6
(あぁ、あなた……早く、早く舐めてください……!早くぅ…!!)
 想像の中のリュカは、フローラの胸の膨らみの稜線に唇を落とし、その白い肌を食むように愛撫してゆく。
フローラが蕾を口に含まれる事を望んでいるのを知りながら、
リュカはわざと焦らすように蕾の周囲のみを刺激する。
フローラは思わず心のままに物欲しげな表情で目を潤ませてしまうのだが、
そんな愛妻の様子を凝視するリュカの瞳はいやらしく熱を帯び、
彼女が欲しがれば欲しがるほど、中々その蕾には触れないのだ。
 その身悶えするほどのもどかしさといったら。
 フローラの豊かな胸なら不可能ではないはずだが、
まさか自分で自身の胸を舐めるなどということを思いつかない彼女は、
指の幾本かを口に含み、だ液でべとべとにするように舐めまわした。
自身の指を舐める感触は夫のモノに奉仕する感触を思い起こさせ、
フローラは想像の夫の存在をより確かなものにしてゆく。
夫の舌に敏感な蕾を舐めとられる様を想像して期待にうち震え、思わず甘く疼く腰をくねらせてしまうフローラ。
両膝と腿を擦り合わせ、柔らかい肌触りの布団がもぞもぞと音を立てた。
 そうしてついにフローラの濡れた指先は、ランプの仄かな光にてらてらと滴るものを映しながら、
再び胸の蕾に到達した。
(…あぁ………!!あなたが舐めてくれてる……!!)
 あたかも「触って欲しい」と懇願するように突き出ている蕾を、
フローラは夫の舌に見立てた自身の濡れた指先で撫で上げた。
411ピアノ:04/04/18 02:56 ID:2eE5+8KL
■■7
(あッ、ぁあッ!!)
 その艶かしい感触にびくりと身体が反応し、フローラの瞑っていた瞳にはぎゅっと力がこもる。
 リュカは、フローラをより一層感じたいと言って、よく舌を使ってフローラを愛撫してくれる。
リュカの充分に湿った柔らかい舌は、ざらざらした感触でフローラの蕾を舐め続ける。
勢いをつけて一気に舐め上げると豊かな乳房はプルンッと揺れ、
堅くそそり立ったその中心はプルプルと名残惜しそうな余韻を残しながら細かな動きを見せる。
リュカが蕾を舐めるとフローラはいつも、両の膝をしっかり突き合わせて、
腰を引き目にぐっとその快感に耐える。
しかし、舌が触れる度に膝には力が入り、腰は悩ましげにくねってしまうのだ。
 そんなフローラは、快感を与られる度にそのふっくらとした愛らしい唇を淫らに半開きにして、
苦しげにせわしない吐息を漏らし、艶を含んだ喘ぎ声――そう、喘ぎ声!
「サラボナの白薔薇」と呼ばれた奇跡のように美しく純真な令嬢が、
リュカから与えられる快感を我慢しきれずに、心のままに淫らな声を絞り出すのだ!
 そんなフローラを前にリュカが理性を保っていられるわけがない。
昼間見せるたおやかで従順な姿からは想像もできないほどに、
卑猥で美しい様をさらけ出した愛妃のその痴態は、
まるで「お願い、もっと気持ち良くして!」と訴えかけているようにも、倒錯したリュカは感じてしまう。
 その上フローラは、恥かしいのか純白のシーツを強く握り締めて声を出すまいと必死に耐えるのだが、
しかし本能に抗えずに嬌声を漏らしてしまう。
優しく語り掛けるためにあるフローラの唇は、淫らで熱のこもった喘ぎ声を紡ぐ。
フローラ本人は意識しないまでも、健康な二十台半ばの青年であるリュカの表情を一変させ、激しすぎるほどにフローラを攻めたて、焦らし、狂わせる獣のごとくに変貌させるには、充分の媚薬なのである。
 フローラは、自身の手で自身を慰めながらも、
優しい面影を残しながらも獣の如く変貌し男の顔を見せるリュカを、心も身体もとろけそうに求めていた。
412ピアノ:04/04/18 02:57 ID:2eE5+8KL
■■8
 フローラの指先は、縁取るように蕾の側面に沿ってぐるっと一周這うと、
再びその先端を優しく撫でつけてから、今度はぐりぐりと、蕾を埋め込むように強く細かく振動を与える。
そしてまた蕾全体をゆっくり撫でまわしてその堅さを確かめてから、集中的に一点を攻め込む。
だ液という滑活油を得たフローラの指先は、白く豊かな両のふくらみと、
紅色に染まった愛らしい蕾をだ液でべちゃべちゃに濡らしながら、
休むことなくなまめかしく這い回り、フローラを更なる快感へと高めるのだ。
 フローラは、夫が甘噛みをしてくれることを想像しながら、軽く爪を立てた。
(っん……!!)
 軽い痛みを伴う刺激は、フローラがリュカから与えられる愛撫の中でも、最も好きなうちの一つだった。
勿論そんなことは、恥ずかしくて夫には言えないのだが……。
(あなたっ……そんなにいじめないで……!!)
 フローラは、夫に愛撫されていることを想像しながら、必死で自身を貪った。
 そうしているうちに、片方の手は自然と秘所へ伸びていった。
413ピアノ:04/04/18 03:00 ID:2eE5+8KL
■■9
 疼きの中心である、下腹部の奥の方からの痺れ。
もうその疼きは限界といっていいほど切羽詰ったものになっていた。
 フローラの指先は、華奢な腰伝いにそろりそろりと伸びてゆく。彼女の夫が、いつも彼女にそうするように。
(私…どうしよう、何してるのかしら、ひとりでこんな…ああでも、もう……)
 ひんやりとした感触と、疼きに迫ってゆく期待感で、フローラはもう我を忘れていた。
(あぁ、でも触りた………ぁ、ぁ…!!)
 フローラの白魚のような繊細な指先は、ついに柔らかな茂みに到達した。
(…ん、あなた、あなた……フローラ、あなたにここを触って欲しいの……ッ!)
 そこはもう、しっとりと露を含んでいた。
固く閉じていた膝はゆるゆると開かれ、指の侵入をたやすく受け入れる体勢を整える。
(…ッ!!)
 とうとうフローラは、熱く濡れた秘所を探り当てた。
 薄い茂みの奥、二つに割れた境目を、フローラの指先はゆっくりと往復を繰り返す。
そこに溢れかえるねっとりとした愛液は、フローラ自身の指によってクチュクチュと淫靡な音を立てる。
(…ぁ…も、もうわたしおかしくなっちゃう……!!)
 ぬめる指先が、柔らかい秘所を這い回る。
フローラは、そうと知らないうちに腰を動かし始めていた。
414ピアノ:04/04/18 03:10 ID:2eE5+8KL
レスくれた方々、ありがとうございます。
進行が遅くてすみません。また明日以降に続けさせていただきますね。
萌え…られますでしょうか…?
もしご指摘などありましたら、今後の参考にさせていただきますのでお申しつけください。
意欲はあって、どうにかハァハァ(´д`;)するものを書きたいと思ってはいるのですが、
まだ至らない点が多くあると思いますので…。
それではおやすみなさい。
415名無しさん@ピンキー:04/04/18 05:30 ID:AjCQ+NTU
ピアノ氏乙ー。
フローラがエロくてもう・・ 続き待ってますよ。

ベタな設定だが大神殿脱出後の樽の中で、というのを書いてます。
ピアノ氏の作品アンド再プレイして5萌え・・
416名無しさん@ピンキー:04/04/18 23:20 ID:1QSlnfAV
(*´д`)ハァハァ

>>415
待ってます!!
417ピアノ:04/04/19 01:49 ID:0Zr3wI/e
■■10
 フローラは、人差し指と中指でねっとりとした蜜を溢れさせる入口周辺を繰り返しなぞりながら、
親指で堅くなった豆の部分を探り当てた。
(あっぁん、イイの……!!あ、も、もう私……!)
 驚くほどの快感。
そこから身体中に電気が走るような気持ち良さを得て、フローラの指先は執拗にそこをなぶった。
蜜をしたたらせた指は、ぬめり、敏感になった部分を面白いようにこねくりまわす。
 既にフローラの息遣いは、そうとわかるほど荒くなっていた。
 淫豆はどんどん堅さを増し、皮を脱ぎ捨ててそそり立ってゆく。
(あぁ……あなたが、欲しい…早く……!)
 淫豆を激しく擦りながら、溢れんばかりの蜜で待ち受ける入口は、フローラの指を待ち受けていた。
入口周辺で指を遊ばせていたフローラは、強く閉じた目じりに涙をにじませた。
(ももう、が、我慢できなぃ……!!)

 く ぷ ん っ
418ピアノ:04/04/19 01:50 ID:0Zr3wI/e
■■11
(……ッ………!!!)
 その指が、やっとそこに入りかけた瞬間、フローラは勢いよく首をのけぞらせて、ランプの光に白い喉元を晒した。
 フローラの後頭部は白い枕に深々と埋もれ、乱れてからまった空色の髪はふわりと広がった。
(…あ、あなた……!!)
 ず、ず、ず……
 フローラの唇は大きく開けられ、どうにか喉元で止められた声は、色を殺して熱い吐息を中空に溶かす。
 自分の指が、自身の膣内を犯す。
膣内は柔らかくぬめり、夫が自分を狂わせるように、フローラの指はその中のあちこちを、
揉みしだくようにうごめいている。
激しく、時にねっとりと蜜を絡ませながら、フローラの指は根元までそこに埋め込まれ、
ぐちゅぐちゅと淫靡な音を立てている。
 そうしてフローラはついに探り当てた。
自分がいつも求めてやまない、膣内の堅くなった部分。
夫がG(ゴールド)オーブと呼んでいるそこに指を強く押し当て、ぐりぐりとこねくりまわすと、
(…ぅ、あぅ……ッ)
足の先から頭までを突き抜けるような快感があった。
 フローラは、無我夢中でその部分をこねくりまわした。
グチュグチュという水音は、グニングニンという擬音を思わせるような快感に伴って、
いっそう激しくフローラの腿にしたたってゆく。
 その両脚は、爪先までがピンとつっぱっている。
(あ、あ、あなた……リュカ……!!)
 フローラは強く目を閉じながら、愛する人の名前を呼んだ。と、その時……
「可愛いよ、フローラ」
419ピアノ:04/04/19 02:01 ID:0Zr3wI/e
今夜は中途半端に少なくてすみません…
415さん、416さん、お気に召していただけたみたいで嬉しいです。
ありがとうございます。がんばります!
まだもう少し続きますので、お付き合いいただければ幸いです。

>415さん
樽の中という狭い密室の中でなんて…楽しみにしてます!
誰と誰なのかも非常に気になるところです(´д`;)ハァハァ

ところでこのスレで前出の主人公×ビアンカの続きを待ちわびております。
人大杉になったから来れないのかな…?
420名無しさん@ピンキー:04/04/20 21:00 ID:v60Pp1pi
期待sage
421名無しさん@ピンキー:04/04/20 21:05 ID:9sLIWDZZ
(*´д`*)ハァハァ
422樽の中 1:04/04/20 22:25 ID:sTWLHTLc
落下したときの衝撃で気を失ってから、つぎに目覚めるまでに昼夜が三回巡った。
樽の中にはむっとした熱気がこもっていたが、燃料が切れたように眠る三人には関係ない。
マリアは兄と故郷の野に遊び、ヘンリーは豪華な晩餐を独り占めしていた。
そして残る彼は、夢のあまりの生々しさに息を飲んで跳ね起きた。
(…!)
甘い匂いと、やわらかいものを掴んだ感触。なぜこんなときに、と彼は自分が恥ずかしくなった。
熱をもって脈打つ性器は、早く刺激してほしいとばかりに硬くなっていた。
いつものようにはできない、よりによってこんなときに…彼はためいきをついた。
423樽の中 2:04/04/20 22:26 ID:sTWLHTLc
やりかたを教えたのはヘンリーだった。
「へんな気分になったら、こうしろってさ」
自分の身に起こる変化にとまどう姿を見かねて、ヘンリーに欲望の処理法を教える者がいたのだ。
ヘンリーは試し、兄貴分ぶって早速彼にも教えた。
「な、すっきりするだろ」あっさり、排泄と同じレベルでヘンリーはそれをする。
だが、彼はどうしてもそうできなかった。出す瞬間、うしろめたくて逃げたくなるのだ。
ヘンリーに比べ、自分はおかしいくらい我を忘れてしまう。
出すとすっきりするどころではなく、もっと、激しくしたくなるのだ。
彼が自分はおかしい、と決定的に悟ったのは、マリアが鞭打たれるのを見たときだった。
ヘンリーが怒って駆け寄ったが、彼はとっさに動けなかった。痛いほど勃起していたのだ。
マリアの細いももと胸元に浮かぶ紅い筋から目が離せなかった。
目尻に涙を溜める、身を竦ませる、その動作がいちいち彼を煽った。
そして今、マリアは膝を抱え安心しきっている。
彼ら二人が兄の前で「マリアに手を出さない」と誓わされたことも知らず。
そして、誓ったにもかかわらず欲情をそそられ葛藤している彼がいるとも知らず。
424樽の中 3:04/04/20 22:28 ID:sTWLHTLc
彼は息をつめて服の下に手を入れ、興奮し強張るそれをにぎりしめた。
すこし揺らしただけで、たちまち反りかえってしまう。
ゆっくり撫でているだけなのに鼓動が異常なまでに早くなる。
芯がじんと痺れて、自分でも危ないと思うぐらいの快感がじわじわ上がってくる。
目を閉じた彼だったが、いきなりなにかが股に当たって驚き目を開けた。マリアの手だった。
寝返りをうった(狭いため向きを変える程度だが)彼女の手が当たったのだ。
服ごしとはいえ、手の重みと指の感触ははっきりわかる。彼は興奮を抑えられなかった。
425樽の中 4:04/04/20 22:28 ID:sTWLHTLc
息をぎりぎりまで吐かないようにし、彼女の手が先に当たるようにする。
そして極力ゆっくり、腰を使いはじめた。
短いにもかかわらず爪が微妙な角度でくびれにひっかかっているのがわかる。
その小さな爪に極力なすり付けるようにして、彼は腰を動かす。
マリアの寝顔を見据えながら、倒錯的な快感に彼は息を荒くしていった。
布に彼の分泌液が染みを作る。最初は滲みだったが、いまはてらてらと亀頭を赤く光らせるほどである。
二人を起こさないように、と思いながらも、はっ…はっ…と息が上がって荒くなってしまう。
426樽の中 5:04/04/20 22:33 ID:sTWLHTLc
限界まで細かく腰を揺すり、脱力した指にすりつけるうちに、下から射精感がせりあがってくる。
と、突然、マリアの指が夢見心地に動き、きゅっとくびれを締め上げた。
これ以上ないタイミングで、戦慄に近い快感が湧き上がった。
「……あ、……あぁっ」
急な、しかも絶妙な締め付けにびくびくっと痙攣すると、制御しがたい快感が一気に噴き出してくる。
そのまま彼は苦しげに腰を震わせ、ドクッ、ドクッと熱い液を吐き出した。
白濁した精液は衣服をじんわり濡らし、腿から樽の底板にどろりと落ちていく。
最後、背中を反らし、性器の芯をピクピク震わせて液を出しきったとき、彼は自分が狂うかと思った。
427樽の中 6:04/04/20 22:34 ID:sTWLHTLc
はあ、はあと喘ぐように息をし、相変わらず安らかな二人の寝顔を見る。
だが、彼はマリアの頬が赤く、まぶたが不自然に強く閉じられていることに気付いた。
…修道院に流れ着くまで健全に過ごすには、この樽はあまりに狭すぎた。二人には。


――神の塔の扉がきしみながら開いていく。
そのとき、ヘンリーに気付かれぬよう二人は一瞬目を見交わした。
(神も、あれくらいならお見逃しになるのね)と言いたげにマリアが彼にほほ笑む。
共犯者めいた笑みだった。
428422:04/04/20 22:36 ID:sTWLHTLc
終わりでつ

ピアノ氏グジョーブ。これから主人公のお仕置きプレイが!?
429名無しさん@ピンキー:04/04/21 22:04 ID:KLZOPnVF
本家が1週間から10日ほど停止なんで、ここにどれだけ集まってくるかちょっとだけ楽しみ
430名無しさん@ピンキー:04/04/22 02:45 ID:P2zX/+pX
千夜一夜スレにSS投下したあと、読んだ人がいたかどうかもわからないまま停止。
復帰してももう過去の作品。

正直、死ねる。_| ̄|○
431名無しさん@ピンキー:04/04/22 05:00 ID:/GkGc1fa
>>430
安心しる。読んだよ
文句のつけようがない書き方と表現だったけど、
読み始めて思った「ああまたこの話か」というのが最後まで抜けなかった
ありがちなのは構わない。けど、そのありがちの話を読ませるには、もう少し新鮮な何かが必要だと思われ

ああ漏れも何か書きたくなってきたなあ・・・
432改名  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 09:57 ID:YsvR3bHw
>>378-379 ありがとうございます。すみません。

5はゲーム以外知りませんが、主人公×ベラです。
433僕の国  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 09:59 ID:YsvR3bHw
「あなたがサトチーだって事はすぐにわかったわ」
ベラはそう彼に言いながら(あなたは大人になった。私は昔のまま…)と思う。
「20年振りね。今度来るのも20年後なの?その時サトチーおジイさんね」
「20年後じゃ、おジイさんにはならないよ」
少年だった彼がこの妖精の村を訪れてからもう20年経つ。グランバニアのサトチー王となり、今26才になっていた。
しかし肉体は10代後半である。石像生活8年。その間彼の成長、代謝は止まったままだった。
双子を儲けたが、8才の二人の子を「私の実子です」と人に言う度、(いくつの時の子だよ)と変な目で見られる可哀相なお父さんだった。
石像にされてしまった後、人に鑑賞され喜ばれるだけあってサトチーは素晴らしい肢体をしている。
手足が長過ぎるが、スタイルの良い長身と良く合って欠点とは言えそうにない。そして太腿が妙にセクシーな男である。
ベラは(仲良くしたいの。子供の時みたいに)と思う。サトチーは大人になってしまって、女性ならただ一人フローラを愛していて(いやん)
あんなに好奇心旺盛で多くの物を珍しがってキョロキョロしていた小さな彼ではなくなっていた。(いやよ)
ベラはサトチーの娘と遊んで、フローラの事を彼女から色々聞いた。
「お母さんの事?うーん……サンチョさんや皆に聞いた事しかわからないの。私、赤ちゃんの時から会ってなくて。探してるの」
(あら、大変な事になってるのね)

ベラはモシャスを覚えたので、フローラの姿になりサトチーに会いに行った。
「サトチーさん」
宿屋で彼は寝ていた。遊びたいベラは思い切って彼を起した。
「フローラ?なんでここに」
「不思議ね。私にもわかりません」
(ハハァン、これは夢だな)とサトチーは判断した。(夢だと思ってるのね、サトチー)とベラは感じた。
「抱いて」
夢と思われて居るならと、ベラは大胆になった。
「うん」と低い声で答えると、サトチーは夢の様なフローラを抱いた。
「8年振りだけど、離れていた気がしないな君とは」
「そう…(絆の深い夫婦ってそんなものかしら)」
434僕の国  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 10:00 ID:YsvR3bHw
ベラはサトチーに口付けた。愛しがって何度も吸い付いた。
(ようし、来なさい)
悠々と構える男はキスしながら自分から仰向けに倒れて行った。
サトチーはフローラの服を取ってその豊満な乳房を見た。
思えば…石像になってしまった彼は品物として売買され、買い取られた家の色っぽい若奥さんしかこの8年間、女の刺激がなった。
彼女のパンちら、干された下着、大胆な時の夫婦の営みを見てしまう云々。切ない日々であった。
今正に眼前にある妻の肢体が眩しい。彼の持ち前の余裕は薄れて行った。
「フローラ」
その興奮を、口調だけで伝えられる憎い男である。
「本当に久し振りね…。あなたの自由にして。好きにして欲しいの」
喜びが溢れそうな男からベラは口付けを耳に受ける。
(大人の遊びって気持ち良いのね…)
ベラは熱い溜め息をついた。「ん…」もう乳房に口付けを受けていてベラは声を漏らす。
「…、あん…」
(私から触りたいな…)とベラは思って、彼の背を抱いた。(太腿とか、触りたい…)
(もっと仲良くしたいの、サトチー)
と思うと、ベラはフローラの体のまま性器に愛撫を受けていた。
「ぁ…ぁ…」
切ない程に高い声が出る。(気持ち良い…気持ちいい…)もうどうにか成りそうである。
「フローラ」「サトチー」
ベラと呼ばれない事が、彼女は悲しくなって来た。(なんか、違うよね。こんなの)
ピクッとサトチーは何か感じた様である。隣の部屋から子供達の声がしたのだ。
「起きちゃったか…」「ねぇ、サトチー続きをしようよ」
ベラはもうすっかりフローラに成り済ます事を忘れている。それで良いのだった。なにしろサトチーは(夢だからな)と言う状態で不条理がまかり通る。
「来て」「んん?」
男女はベットから、部屋から出た。
「ベラ、なんて格好だい」
と宿屋の主人にはバレた。(オジサン、だまってて)とベラは主人に会釈だけしてサトチーと共に宿屋を出る。
(ベラだって?あぁ、暗がりで見たら似てるかもなフローラに)そして(まぁ夢だからな)
435僕の国  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 10:03 ID:YsvR3bHw

「綺麗だなぁ。変わってないやここは」
妖精の村の森の中、星空を見てサトチーは言った。
「ここが…好き?」「うん」
20年前と変わらない池もある。ベビーパンサーだったゲレゲレが落っこちたものだ。
モンスターの彼はこの池の水が痛痒くて仕方なかったらしい。ギャアン、ギョォンと言いながら、あっぷあっぷと溺れていた。
「ゲレゲレ!今助けるぞ!」
6才のサトチーはボチョンと飛び込み、足が吊って一緒に溺れた。
「ひゃー。ゲレゲレぇ、でもボクにつかまれぇ」
「ギニャー」
この時はベラに助けられた。そして濡れ鼠の男達の友情が何やら深まった。
そのゲレゲレも恐るべきデカさとなって格好の良い男となっている。
「雪の女王は強くてひっくり返ったよ」
幼いサトチーはその氷の館で滑って滑って本当にひっくり返っていた。ずっと滑ってゲレゲレと共に壁に激突していた。
そしてその頃は、家に帰ればあの人が居た。
(父さん…今天国のどの辺ですか?)
空は大きいのでどこを向いたら父が居るかな…と顔を上げて彼は思う。
父は彼の目の前で、敵に攻撃を続ける事なく死んで行った。
「一歩でも動いて見ろ。息子の命はないぞ」
と言われて、体の動きが止まってしまったあの時の父の気持ちが、父親になった今とても良くわかる。
(もう一度、会いたいです。夢でも幻でも良いから)
「そう言えば、夢でもフローラとは会えたね」
(違うのよサトチー、私は…)
父を心配する事は、サトチーは無かった。父が死んだ今でも。きっとまだどこかで自分を見守っていてくれてる気がする。
(僕は甘えん坊だ)
父の存在は絶大であった。サトチーがどんな所でも生きた目の強さ輝きを褒められるのは、あの父に育てられたからだと思う。
(母さんに似た目らしいけどね…)あの父が居なければ彼の瞳の魅力は半減したろう。
「父さんが守りたかったものを、僕も守りたい」
「サトチー…私…」
「フローラ、今度会う時は夢じゃないと良いね」
今度はサトチーからキスされた。ベラは思った(私どうしてこの人の家族じゃないの?)
そう思うと…甘んじてキスを受けて…森の中で自分から服を脱いで行った。
436僕の国  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 10:05 ID:YsvR3bHw

「あぁぁ…」
体の全てで、ベラは彼を感じた。自分の奥で彼は脈打っている。
切り株の上に腰掛ける形の男に、挿入されたベラは何度も突き上げられた。
「あぁん、ぁあぁん、私の事…、忘れない、で」
(何言ってるんだフローラ)
夢と言うのはハチャメチャだと思う夫である。しかしこのはっきりとした快感は異常だなと思い始める。
男は紫色のマントを脱ぎ出した。快感が高まって来るととにかく脱ぎたくなる男である。
メダパニで混乱しても「あっつ!」と服や鎧を脱いでそれをぶっ飛ばす。
脱ぐ物が何もない場合、自分の黒髪を結んでいる紐を解いたり、結んでいない場合は逆に結び直したりする。
とにかくなんかする。彼がイきたくなった証拠である。
「ハァ、ハァッ」
と息を乱していると、目の前で跳ねている女の乳房が少し浅黒くなってる事に気付く。フローラよりも小振りだが、至極形が良く、自分の目の前でプルンプルン元気に跳ねている。
(ん!?)
しばらく乳房ばかりを見ていた青年だが…ソロリと彼女の顔を見てみた。
「ベラ!」
「サトチーっ、好きだよぉ」
「え!?、なにこれ!?夢!?」と、サトチーはベラの腰を掴んでその動きを制しようとする。
「夢じゃ、ないの…あぁ…気持ちいい…」
ベラは彼の手に負けず、丸い腰をクルンクルン回し、そして上下に動かし彼に吸い付き続ける。
女性器が、人間じゃない。ひだひだと細かな凹凸の応酬。
そして小さな蛇の様な物が中に居て、彼の敏感な部分に巻き付いて来たり、滑って優しく愛撫して来たりする。
「ベラッ」
サトチーは彼女を咎めようとしたが「フッ」と鼻から艶めかしい空気が抜ける。
「もう、駄目だ」
「気持ちいいよぉ、サトチーっ」
とベラは彼の頭を掻き抱いて、その男の顔に自分の乳房を軽く押し付けた。浅黒い乳房が男の顔に擦れて跳ねた。
彼女の中に何か注ぎ込まれる。「あん…熱い…」
男が女の中でズルリと滑る。「あぁ…」
「ハッ…ッ…ベラ、ベラなのか?」
437僕の国  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 10:07 ID:YsvR3bHw
「うん。そうなの…あん…(抜かないで…)」
「…どうして…」「…っ」と、男は女から自身を抜き去った。
「あなたと…もっと仲良くなりたかったの」
フゥと男は自分の黒髪の中に手を突っ込んで目を閉じた。
(ごめんなさい。サトチー…)
その時、
「お父さぁん、お父さぁん」
サトチーの息子と娘が、彼を探しに来た。
(こんな夜中に、あの子らはっ)
しかし今自分はだらしなく下の服を脱いで、色っぽい太腿が最高に色っぽい体液達によってメトメトになっていた。
(子供に見せられるか!)
親父は走る。そして長い腕と足を美しく伸ばして真夜中の池に飛び込んだ。
子供達はザァァンと言う激しい水の音を聞く。二人が池に到着すると服を着たベラが下半身を池に浸からせていた。
「ベラさん、さっき音…」
「そうなのよ。お父さんが落ちてしまって」
ベラは大人の理由で慌てふためいていたが、子供達に“お父さんが池に沈んだからびっくりしてんだ”と思い込ませる事が出来た。
「お父さぁん」「お父さんっ」
「やぁ」ザッと、父は池から顔を出した。
「大丈夫?」「うん。落ちてしまえば気持ちが良いぞ」
彼はいつも誰かの為に池に落ちている。

屋外で交わってサトチーはとっても(激しかった…)
子供の時と変わらない部分を持ちながらも男らしく求めて来た彼に、ベラはとても満足し興奮した。
(ベラに…あぁ…)男は悶々とした羞恥で顔が赤くなってしまう。
あんなに互いの“あの箇所”を熱くし、剰(あまっさ)え射精とは。
「大丈夫かい?ベラ」
人間との交渉は平気なのかサトチーはベラを心配した。
「大丈夫…」
ポッと頬を染めながらベラは頷いた。
次にサトチーは目を閉じて
「ベラ」
彼女を叱った。
438僕の国  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 10:09 ID:YsvR3bHw
「ごめんなさい…」
それは宿屋の中での出来事だった。外に出て居た娘に宿屋の中の彼が窓から見えた。
(お父さん誰かを叱ってるわ)
父が叱る時、おっかないのであった。誰が叱れているのか彼女にはわからなかった。

妖精の村からサトチー達は出発する。その道すがら、森の中で娘がボソと言った。
「あ…ベラさん泣いてる」
その言葉に息子も「…そうかも知れない」と言う。
大人になってしまったサトチーには妖精ベラの声は聞き取りにくくなっていた。
息子も父サトチーも妖精の村を振返ったままなので、娘は父がどんな顔をしているか見えなかった。
息子が歩み出しても、父はまだ村の方を向いたままだったので子供達は心配そうに黙って父が歩み出すのを待っていた。
その雰囲気にサトチーはハッとして踵を返し歩み出す。
この子供ら二人は、人から変な目で見られてちょっと困っている若い父をとても心配してくれていた。
(僕は父さんを心配した事なんてなかったっけ…)
サトチーの父パパス。小僧の神様だった。

幻でも良いから会いたいと願ったパパスにサトチーはその後会う事が出来た。
時を越えて、亡くなる少し前の彼と、6才の自分に会いに行けた。
「僕です。サトチーです」
パパスはなんと、それを信じている様だった。言葉では、
「勇者の父になった?未来から来た?ハハハ、わかった。そなた予言者だろ」
と言っているが、大人のサトチーをサトチーとして信じてくれていた。(父さん…)
父はそれでも、自分の体と心の信じるままに。不自然な事はしない男である。
「父さん」
「私の妻に…よく似た目をしている。私の身を案じてくれた忠告は憶えておこう」
「そのしるしに挨拶をしような」
とパパスは剣を抜いた。サトチーは杖を取った。
「忘れないぞ」「僕もあなたを忘れません」
「泣くな、命懸けの約束の合図だ」「はぃ…」
「金打!」
声を揃えて、男二人は武器を打ち合った。
439僕の国  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 10:12 ID:YsvR3bHw

サトチーは大人になった。大人の目でパパスを始めて見た時、
あんな男が小さな村に来たらそりゃ騒がれるだろうと思った。格好良いのである。
父を第三者の目でも見る事が出来るようになっていた。
それでも、その上でも、母マーサの血を受け継いでいるサトチーはパパスの事が大好きだった。そこも母に良く似た。
パパスはグランバニアの王だった。妻のマーサをモンスターに攫われてしまい、一介の戦士となってモンスターと、天空の勇者の世界に挑んで行った。
マーサを救えるのは天空の勇者だそうで、パパスの旅はマーサと勇者を探す旅となる。自分が勇者だったら…と彼は期待する。
(私がマーサを救い出す。必ず)
エルヘブンの民でありその地の偉大な能力者であった(その為にモンスターに攫われた)マーサと、よそ者のパパスの結婚はエルヘブンに酷く反対されていた。
「良くないよ」「不幸が起こってからでは遅いよ」と言われた。なる程、現にマーサは攫われた。
(しかし妻にも息子にも、我々の結婚は後悔させない)
その為に自分のありったけの能力と、人生を掛けても惜しくない妻である。その子である。
彼は王位を弟に渡した。若くして勇退である。弟オジロンは慌てふためいた。
「陛下、陛下」
「私と、マーサが居てそれで些か…、それで小さな国だったのだ。その国を守れなくて大国を守れようか」
不安そうな弟の為に、パパスは人知れずグランバニアにチョコチョコと使いを出す事になる。
「サトチー殿下」
父は息子を呼ぶ。「ぁっ、ぁっ」
「私のそばが安心だぞ。参ろうか」「ぅぁー」
赤子の息子を抱いて、パパスは召し使いのサンチョと旅立った。
父はそれから6年間、自らの言葉に恥じない力で息子を安心させ、守り抜いた。

グランバニアの王として返り咲く事のなかったパパス。
しかしマーサとサトチーと言う小さな国を守る王としては、亡くなった今もなお君臨し続けている。
息子と妻に“「私達生き抜こう」と思う強い力”を、死して面影となった今も与え続けている。
「どんなに辛い事があっても挫ける事はないよ。君にはいつでもお父さんが居る。ゲレゲレも」
「うん。ボク負けないよ。ゲレゲレ行こっ」
440僕の国  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 10:14 ID:YsvR3bHw
自分同士、精悍で優し気な青年と強くて可愛い6才の戦士はこうして別れた。
彼は未来に戻り、小さな彼は妖精の村へゲレゲレと忙しそうに征く。

可笑しな者、可愛い者、凛々しい者、賢い者。モンスターも様々だ。
ゲレゲレは野生的だが優しい男だった。ちょっとセクシー。色気はベビーパンサーの時からである。
サトチーがフローラと結婚した当初、(なんでビアンカじゃないんだ)と大人の目線をサトチーに投げ掛けて来た。
(わざわざ女を“これ”と思って選んだのか。“男”として。フフ…)
(やめろゲレゲレ)子供の頃から爽やかな友達だったゲレゲレにHな目線を投げ掛けられるのは恥かしくて仕方無い。
(ゲレゲレめ、あー恥かしい奴だ)(そっちがね)
フローラはキラーパンサーゲレゲレのしなやかな肢体と精悍な(精悍過ぎる)風貌に溜め息ものである。
ゲレゲレは“人間の女”に対するちょっとしたHな挨拶や悪戯もフとした時にフローラにやってこなす。
「やぁん、ゲレゲレさん」「ガオッ」
気品ある男なのでなんとも許されてしまう。そしてゲレゲレは
(サトチー)(おや)
フニャアア……と彼に甘える時がある。デカイ体で。
沢山のモンスターと旅して、サトチーは皆と一緒に眠った。共に戦った。
これはパパスにもマーサにも出来ない事である。
サトチーの守っている小さな国。それは少しパパスの物より定員が多い。人間も居る。モンスターも居る。
(これは僕が父さんより頼りないって事も、一因してるな)
守るべき者に、守られる率は高いからだ。
しかしパパスの魂に「お前は私と、マーサをも超えた」と言わしめ、
仲間の皆は彼を父と慕った。「坊ちゃん」と呼びつつサンチョまでも。

フローラはサトチーの普通の夢にちゃんと出て来た。もうすぐ再会が叶うのだった。
ほのぼのとして、面白い彼女。不条理な夢の中でもやはりフローラはフローラだった。
しかしその夢の中でHな事は出来なかった。男は少々身悶え。
男サトチーはフと、父の女関係に思いを馳せた。
女友達に上手い事されて“そんな事”になってしまったり、上手くかわしたり、「私には妻が居るのだ」と言ってその女達を叱る事くらい……あったかも知れない。
441僕の国 了  ◆hMHMkhRwLk :04/04/22 10:16 ID:YsvR3bHw
(父さんごめんなさい)
息子は謝った。余りに妄想がリアルに展開したからだった。男の性がわかる今、当時の父の気持ちが良くわかる。
そして一人の女性だけを愛する楽しさと喜びも痛い程に。

妖精の、長生きのベラ。彼女に取ればサトチーはあっと言う間に死んでしまうのだろう。でも、
(僕の国に君の席がある。自由に来て欲しい。僕に取っては君も家族だ。そう思わせて欲しいよ)
寂しくて一人泣いていたベラの元に、その彼の思いは温かく届いたようだった。
442名無しさん@ピンキー:04/04/23 01:09 ID:GGvt5NQX
>431
ありがとうございます。
意外と早く復帰したので助かりました。
なるほど、新しい要素ですか。
あまりSS読むほうじゃないんですが、たしかに4の面子ではいろんな事やりつくされていそうですね。
うーむ。難しい。
443名無しさん@ピンキー:04/04/23 08:05 ID:C60ZbSDH
(・∀・)イイヨイイヨー!!
444名無しさん@ピンキー:04/04/26 02:42 ID:5/AfEY77
さて、game6鯖がこのまま復帰しないようだったらエロSSうpしますよ・・・
双子スレフカーツギボンヌ
445ピアノ:04/04/26 02:49 ID:2RkE+0Pj
>>418からの続きです

■■12
 フローラは一瞬、何が起こったのか全く理解できなかった。
しかし次の瞬間状況を察して背筋が一気に冷たくなり、秘所をかき回していた右手も、乳房を責め立てていた左手も、固まってしまった。
「すごく…可愛い……。こんなフローラ、初めてだ……」
 声も出せずに、ハァ、ハァ、と苦しげな息をつくフローラ。
(見られた)
 目尻に溢れた涙は、つと一滴、頬を伝った。
(こんなあさましい、はしたない姿をあなたに見られた……!!)
「…ゃ……やぁぁ……!!」
 フローラは恥ずかしさのあまり、悲鳴を上げながら掛け布を頭までかぶった。
 夫リュカは、布団に潜り込んで悲痛な声を漏らしている愛妻を後ろからそっと抱きしめ、苦しそうに息をついた。
「ごめん…僕が眠ってしまったから、淋しかったんだね…?」
 フローラは求めてやまないあたたかく広い腕にくるまれて、幼子のように頼りない気持ちに還った。
(こんなことをしてしまうなんて…こんなところを見られたなんて……消えてしまいたい!!)
 夫の優しさが嬉しくて、けれど急に怒涛のように恥ずかしさと淋しさが蘇る。
口を開けば嗚咽を漏らしてしまいそうで、涙を零しながら、ただただ何度も大きく頷いた。
「でも、今の君、とても可愛かった。素敵だった……!!」
 そうしてリュカは、フローラを抱く腕に力をこめた。
「…ぁ………」
「ん?」
「…ぃ、ぃや…こんな、こんなはしたないの、私……」
 リュカは掛け布をのけると、顔を覆って大粒の涙を零すフローラの頭を、そっと撫でてやった。
「はしたなくなんてないさ」
 大きくかぶりを振るフローラ。
 すると。
「ダメだよ」
 リュカはフローラの両手を顔から引きはがした。
446ピアノ:04/04/26 02:51 ID:2RkE+0Pj
■■13
 そうしてリュカは、恐怖にも似た表情でしゃくりあげる愛妻フローラのその可憐な唇に、優しく口付けた。
 フローラは一瞬びくりとして、しかしそのあたたかさと優しい夫の匂いに安心して、
そっと、ランプの淡い光を受ける夫の顔を見上げた。
 その面は冒険者というにはいささか整いすぎ、王というにはあどけなさの残る、
フローラが愛してやまないいつもの夫だった。
しかしその表情はとても真剣で、澄んだ瞳には抗いようもない強さが込められていた。
 リュカのその表情は単に自身の興奮からくるものなのだが、激情で混乱するフローラにはそれがわからない。
「君は僕の妻なんだから、君の全てを僕に見せなくちゃいけない」
 そのあまりにも過酷な宣告に、フローラはただ涙を流すばかりだった。
「…ぅっ、くっ、だって…あなた……」
「泣かないで、フローラ。僕も、君には僕の全てを知ってもらいたいから」
 そうして彼は、フローラの右手を自身のモノへと導いた。
 驚いて、濡れた目を見開くフローラ。
 そう、そこは既に堅く大きく、そそり立っていたのだ。
447ピアノ:04/04/26 02:56 ID:2RkE+0Pj
私事がたてこみ、飛び飛びの投下になってしまってすみません。
一応最後まで書けているのですが、推敲がまだできていませんので、
完成した部分から徐々に出させていただきたいと思います。
もう少しだけ…続きますので、よろしくお願いします。
取り急ぎご報告まで…
448うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/04/27 13:31 ID:ISUt1Ez9
レヌール城の秘密(1)

「な・・・なによ・・・あたしは、こんなの怖くないもん!」
ビアンカはそう言いながらも、震えていた。
「ほんと?じゃあ、先に進もうよ。」
僕が先に進むように促すと、ビアンカは僕の腕を引っ張る。
「待って!あたしを一人にしないで!」
「怖いの?」
「い、いや、そうじゃなくて、ねっ!ただ、あんたが一人で先にいっちゃうと危ないから、ねっ!」
「やっぱり怖いんだ。」
「ち、違うわよっ!あたしがこんな・・・」
その瞬間、いきなり足元の床がなくなり、僕たちは一階下に落ちた。
「いてててて・・・。ビアンカ、大丈夫?」
「こ、怖くないよう・・・ふええ・・・」
尻もちをついたビアンカの下の床が、次第に濡れてきた・・・
「こ、これは、おもらしじゃないんだからっ!」
「じゃあ何?」
僕はわざと意地悪な質問をぶつける・・・。
「え、えーとこれは・・・そ、その・・・えーと・・・」
「ねえビアンカ、無理しないで。怖くなったら、僕を頼っていいんだよ。」
「う・・・、う・・・、うわああああんっ!」
ビアンカは僕にしがみついて、泣きだした。
「早くおぱんつを脱がないと、風邪引いちゃうよ?そうだ!僕が脱がしてあげる!」
僕はビアンカのスカートに両手を突っ込んで、おぱんつを引きずり降ろす・・・。
「きゃあっ!」
ビアンカの悲鳴をものともせずに、僕はビアンカのスカートの中に首を突っ込んだ。
449うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/04/27 13:45 ID:ISUt1Ez9
レヌール城の秘密(2)

「わあ・・・、女の子って、こうなってるんだ・・・。」
僕はビアンカの股間を眺めた。なぜだろう?すごくどきどきするよ・・・。
「でも、おしっこを出したばかりでまだ汚いね?そうだ、僕がきれいに拭いてあげる。」
僕はポケットの中を探ってみた。あ、あれ?ハンカチがない!
続いて袋の荷物を探ってみる。やっぱりない。
「うーん、どうしよう・・・?」
このとき、僕はお父さんのことを思い出していた。
『息子よ、怪我をしたときは、こうすればいいんだ。』
確かお父さんは、僕が怪我しちゃったとき、舌で舐めて消毒してくれたっけ。
まあ今は怪我じゃないんだけど、消毒が必要なのは同じだから・・・
「じゃあいくよ。えいっ!」
僕はビアンカの肌色のつやつやな股間に、思いっきり口を押し付けた。
「いやっ!いやあああああああっ!」
ビアンカが悲鳴をあげる。
そうか、そんなに痛かったんだね・・・わかった。今日は念入りに、じっくりと消毒してあげる。
僕は舌を思いっきり押し付けて、上下に動かした。
「ひああああああああっ!ひゃああああああっ!」
ビアンカの悲鳴がますます激しくなる・・・。
大丈夫だよ、僕がしっかりと消毒してあげるから、ビアンカは心配いらないんだ。
ビアンカは顔を真っ赤にした。
「違うのっ!痛いんじゃないの!恥ずかしいの!」
僕は顔を上げて、ビアンカの顔を見た。
「恥ずかしい?何を言ってるの?僕とビアンカの仲じゃないか。遠慮はいらないよ?」
ビアンカの反論を聞く前に、僕はビアンカの股間に顔を埋めた・・・。
「だからっ!違うって・・・ああっ!・・・あああああんっ!」
ビアンカの言葉は、僕の舌によって遮られていく・・・
あれ・・・?おかしいな・・・?
いくら拭き取っても、どんどん出てくる・・・
450うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/04/27 14:02 ID:ISUt1Ez9
レヌール城の秘密(3)

僕の舌が上下に動くと、ビアンカはいっそう股を大きく広げた。
ぺろぺろ・・・ちゅぱちゅぱ・・・くちゅくちゅ・・・
「あああああっ!もっともっとおおおおっ!」
いつのまにか、ビアンカは自分の両足を自分の手で持っている。
そして、身体を左右にぶんぶん振ったり、思いっきりのけぞらせたりして悶えた。
「う〜ん、いくら拭き取っても、きりがないや・・・そうだっ!蓋をしてしまえばいいんだねっ!」
僕は再びポケットの中身を探ったが、やっぱり蓋になるようなものはない。
「ないか・・・。よし、こうなったら、これで・・・」
僕はぱんつを脱いで、おちんちんを取りだした。
「うん、これなら、ちゃんと蓋になってくれるよ。じゃあ、蓋をするからね。えいっ!」
僕は思いっきりおちんちんをビアンカの股に押し付けた。
「いやああああんっ!」
よかった!ちょうどぴったりに蓋ができた!でも・・・
おちんちんが気持ちよくって、今度は僕のほうがおしっこが出ちゃいそうだよ・・・
「お願い・・・もう、離して・・・」
「えっ?・・・う、うん、わかった・・・」
僕が離すと、僕とビアンカは二人で僕のおちんちんを眺めた。
次の瞬間・・・。
ちいいいぃぃぃーっ・・・
おしっこが出てくる・・・

「あたし、もうお嫁にいけないよぅ・・・」
ビアンカは僕の肩につかまって泣きだした。
「大丈夫だよ。そうだ!僕がお嫁にもらってあげるね!これならいいでしょ?」
「うん・・・、約束よ!絶対だからね!」
10年後、この約束は、現実のものとなる・・・
451うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/04/27 14:21 ID:ISUt1Ez9
レヌール城の秘密(4)

10年後、山奥の村・・・
村の奥にある、大きな建物のすぐ傍に、お墓があった。
僕の想い出の中にいるかわいい女の子は、今どうしているだろう・・・?
お墓の前に、一人の女性がひざまづいて、祈りをささげている・・・
あの髪の色・・・ビアンカかな?
もう少し近づいてみよう・・・。
あの瞳の色・・・そして、顔つき・・・どことなく昔のビアンカに似ている・・・
ということは、やっぱり・・・ビアンカだっ!
でも・・・祈りに集中している彼女は僕に気づいていない。

「君はもしや・・・パパスの息子!?そうだ!間違いない!」
大きな建物の中にいた、初老の男性が声をかけてきた。僕もこの人に見覚えがある。
そう、ビアンカのお父さん・ダンカンさんだ。
ダンカンさんは懐かしそうに微笑んだ。
「ビアンカなら、もう少しで帰ってくるから、待ってるといい。」
そして、戸が開いて、あの女性が入ってきた・・・。
「ただいま〜♪あれ、その人・・・」
ダンカンさんが声をかけた。
「ビアンカ・・・、お前の幼馴染みの・・・がわざわざ訪ねてきてくださったんだ。」
ビアンカはやや疑いの目で僕を見ている。
「本当・・・?なら、証拠を見せて!」
証拠・・・?
僕はふと、10年前のレヌール城でのことを思い出した。
「わかった。」
452うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/04/27 14:31 ID:ISUt1Ez9
レヌール城の秘密(5)

僕はつかつかとビアンカに歩み寄ると、足元にひざまづいた。
そして目にも止まらぬ早業で、スカートをめくり、ショーツを下に引きずり降ろした。
「な、何するのよ!」
ビアンカが叫んだ瞬間、僕は思いっきり彼女の股間に口を押し付けた。
10年前とは違い、彼女の股間は大人の形に花開いている・・・。
僕はしきりに舌を動かした。すると、またたく間に彼女の蜜があふれだす・・・
「こ、この舌使い・・・間違いないわ・・・ああん・・・やっぱり・・・逢いたかった・・・」
ビアンカの目に、涙が光る・・・
僕は顔をあげて、ビアンカの顔を見つめた。
「ビアンカ・・・迎えに来たよ・・・」

おしまい
453名無しさん@ピンキー:04/04/27 14:50 ID:+wt8/Mpm
(・∀・)イイ!!
454名無しさん@ピンキー:04/04/27 16:21 ID:j2IkeJin
エロイし笑えました(w
うほっ ◆.lt5gYzbQ.氏イイ!(・∀・)
455 ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 20:55 ID:Wav/F3X7
>452
やっとギャグが。イイ。

落ちましたがライアンスレで感想くれた方ありがとうございます。あのスレを見てライアン+ホイミンの話書き込もうと思いました。
そして女ホイミンを示唆してくれて良かった…と言ってくれたので、“しんか”と言う話では人間ホイミンが男でも女でも良いと言う風に書きました。
しかし“資質”と言う話では人間ホイミンを男として書きます。すみません。もう見て居られないとは思うけど。
456資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:00 ID:Wav/F3X7
>>362-367 の続き

キングレオはモンスターの軍団と組んでいた。
バルザックは元帥のデスピサロの名を聞き、参謀のエビルプリーストとは直に対面した。
冷たさ静けさが特徴で、頭が良いのだろう。人間を侮らない荘厳な悪魔であった。
魔王と言う存在がこの軍に無い。何か大きな悲願があってこの軍団が形成されているとバルザックは見た。
そしてその悲願に進む際、隠れて私腹を肥やそうと動く黒幕だと……バルザックはエビルプリーストを一発で見抜いた。そして自分の方が頭が切れる事も悟った。
この世界が何か根こそぎ変わって行くのだとバルザックは感じた。
変わって行くその時、人類が取り残されぬ様にと彼は動く。
人類の未来の為の戦い、研究。
これがバルザックの意向、強い意志であった。
バルザックはエドガン、オーリン、ミネア、マーニャの事が好きだった。そして自分と同じ様な喜びを持っている人間も居るだろう、だから彼は人を守るのだ。
(先生を守らなくては)
バルザックはモンスターの中に入って行った。愚かな人間、使える人間と思い込ませて、エドガンの研究を侵陵せしめようとするキングレオに長く滞在した。
その侵攻計画は本格的になって来ている。
しかしエドガンはモンスターに襲撃されても「何だね君らは?」とその賢さで切り抜けてしまいそうだ。そんな師匠の颯爽とした風情も見たいけれど(守りたいんです、先生)

エドガンは秘法を発見。その時はバルザックと二人切りで深い喜びを重ね合った。
「先生が、秘法を活かしてくれると思って私はこれまで…。秘法が危険になるのは、黄金の腕輪を使う場合です」
バルザックは腕輪の存在さえも探り当てていた。エドガンも秘法には何か足りないと思っていたから話は早い。
「腕輪を使わなければ危険でないと、証明出来る物はあるか」
バルザックは自分の体で秘法を試した。
「わぁ、でっけぇ手」
エドガンは進化したバルザックの体に呟く。現状と余り関係無い言葉を挟むエドガンにバルザックは吹き出す。
「何も心配要りません。完璧ですよ。普通の人間に戻る事も簡単に出来ますし」
その証拠の資料もエドガンに見せて、バルザックは師を納得させる。
「いかがですか」
思案顔のエドガンからの答えを待って、バルザックは胸を鳴らした。
457資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:02 ID:Wav/F3X7
「これからは人間とモンスターを合わせた様な、新しい肉体を持った者が世を動かして行くんです。その者達の寄辺となって欲しいんです。先生」
エドガンは台風や津波から何万と言う人間を救った事がある。エドガンの“人命に対する偉業”はこうしたタイプだ。
人間の体に挑んだ事はない。
人の体を解剖したり、実験して行こうと思った事がない。
「君は勇気があるよ。ずっと尊敬してた」
言われたバルザックの胸は爆発しそうだったが、
「君の研究にしなさい。私は黄金の腕輪を解体する術を探そう」
「そんな」バルザックの落胆は凄まじかった。
だが今はまず、キングレオ王子が三日後にエドガンを殺しにやって来る事を伝えた。
「!バルザック守ってくれね」
進化の形態を深められるバルザックは強かった。いくらモンスターでも黄金の腕輪を使用し進化した体でないと彼に勝てない。
エドガンもバルザック本人もその事を知っている。大らかで賢い男二人はそんな強さを得てもほのぼのとしている。
「勿論、お守り致します。しかし何が起るかわかりません。先生、御自身の身を」
強くしろと。「この秘法で」
エドガンの答えは既に意味不明である。バルザックはまた吹き出した。
エドガンもマーニャも、可愛らしさの中に可笑しさがある。可笑しさの中に可愛らしさがある。
バルザックはこの父子が大好きだった。
マーニャの時の様に、「大丈夫だよ、おいで」と宥めすかして連れて行きたい。

その頃踊り子マーニャと占い師ミネアは、モンバーバラからコーミズへの帰り道で馬車に揺られていた。
バルザックは忙しい合間を縫ってモンバーバラに良く来てくれた。
マーニャは人気の踊り子だったがケチが付いていた。肌の露出がとても少ないからだと。
「いやだよぉ。あんたにしか見せない」
バルザックは顔を赤くし、幸せだった。でも
「それじゃあ劇場を追われてしまう事はないかい?」
「いいの。あたし踊れたらどこだって良い」
この女は本物だとバルザックは思う。
“踊り子である事”より“バルザックと言う人”の方が好きな部分も大いにある様だ。
一番好きな人が自分の事をこれ程思ってくれている事も彼は幸せである。
「ねぇ、あの星名前とかあるの?」「あぁ。あれはね」
458資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:05 ID:Wav/F3X7
父とは違う切り口で、新しい知的な刺激をマーニャにくれる博識の男。
彼が父をとても尊敬していて、父の事を大好きな所も、マーニャがバルザックを愛している理由の一つだった。
この男女、“子作り”はしない。
「結婚してからにしよう」
マーニャとエドガンに対し、恥かしい事はしない。バルザックは落ち着いて思いやりのある大人の男だった。
ひょろひょろで表情も雰囲気も頼りないのだけれど。別れる時はいつも辛い。
「あんた素敵よ」
別れの後マーニャが言う。バルザックは顔を真っ赤にして道行く女に笑われる。居た堪れずに走り去る。
(あ、逃げた逃げた)そんな事で楽しむマーニャは明日も元気に働ける。
マーニャは馬車の中、雨模様の空を見詰める横顔を妹のミネアに見せていた。
バルザック一筋であった。「あんたはイイ男よ」と生涯操を立てる事でもマーニャは彼に伝えたい。
既に女として“熟れた幸せ”を持っている姉をミネアは羨ましく思って見詰めた。

エドガンは軽やかだった。羽根があったらどこかへ向って飛んで行きそうな生き生きとした背。
その背の左肩の下部分を、バルザックは触れていた。
「おぉ、おぉ」
声を張るものの、エドガンは穏やかな声で驚いた。彼の左半分が鮮血で真っ赤になった。
思いも寄らない光景に、エドガンもバルザックも驚いている。
「先生、秘法を使いましょう、世界を導いて良いのは先生の様な方だけです」
「困ったね、お前は…」
傷は思ったより深くもう間に合わない。この状態で秘法は使えなかった。バルザックはエドガンを薬草で癒しはじめる。うまく喋れる程に回復した。
「この事はお前、隠しなさい…。私が生きても死んでも隠して、マーニャと結婚しな。この家をあげる」
フゥとエドガンは息を吐いた。顔が青褪めて来る。
「オーリンには私の一番大きな研究所…洞窟の研究所をやろう。二人で、仲良く」
これは遺言だった。
エドガンはたまに目を閉じる。青褪めた横顔の美しさは例えようもなかった。
そして自分の血に溺れる様な声で娘二人の名を呼んだ。
それを最後にエドガンは言葉を無くす。
しかしまだ生きている様なのでバルザックは焦る。薬草を持った。間に合わなかった。
エドガンは死んだ。

バルザックはエドガンに、世界の王となって沢山の人を、モンスターさえも導いて欲しかった。
459資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:07 ID:Wav/F3X7
まだ若者だったエドガンは沢山の命を救った。
しかし最初の頃はやはり権力が必要だった。キングレオ王位の命令だからこそ多くの人間が避難出来た訳である。
今はもう人々はエドガンの仕事だった事を知っている。尊敬されても感謝されてもエドガンはただ照れくさがるだけだった。
エドガンは自分自身に対し(酔って気が大きくなった時などに)“俺って凄いな”と思うのはジプシーの女と結婚した事位だ。
“いやぁ、俺は面白い事をしたぞ”と酔っていた。
可愛らしい所もあって可笑しくて凄みがあるHな妻にびっくりする生活であった。
妻もエドガンの賢さ、優しさ、美しさ、全部好きだったが、どこに惚れたのかと聞かれた時は決まって“笑わせてくれるから”と。
死んだ妻にそれぞれ似ている所がある二人の娘を見ているのが彼の喜びだった。
まだ若いのに新しい恋も忘れて二人の娘の父だった。
彼からずっと発せられて来たその喜びも、今全て終った。
そこへオーリンが来た。

バルザックはエドガンに、マーニャとミネアとオーリンの為に嘘を付き続けろと言われている。
バルザック一人が苦しむ形だが、エドガンから与えられた罰だが、
(出来ませんよ…)
正義がなかった。だからバルザックはオーリンに全てを語った。
「先生には最高の体で…自由な時間を生きて欲しかった…。指導者にもなって欲しかったし」
それを「うん」と言わないならば。(言わないならば……)
オーリンは剣を持ってバルザックに向った。だが進化した腕にオーリンは引き裂かれ吹き飛ばされた。
「オーリン」
手加減したが、押しても引いても岩の様だった彼があんなに飛んで行くとはバルザックは思わなかった。
バルザックはエドガンの口から研究に対し「出来ない、恐い」などの言葉を初めて聞いた。
弱腰の彼を初めて見た。才能のある人間がこうでは人類は浮ばれない。
先生が世界の王でない世界など嫌だった。届く所まで来たのに。
興奮した彼は「待って下さい先生」………その時自分の腕力を忘れていた。
「もう行くよ」
「待て」オーリンは血を吐きながら驚いている。「お前、生きるつもりなのか」
不可抗力と思って良いとオーリンは判断したので、自決を見守るか、彼がバルザックを殺そうと思っていたのだ。
「どうしても思い残しが…。死ぬ時が来たら先生の事を思う。約束するよ」
460資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:10 ID:Wav/F3X7
「お前が生きたらどうなるか…。マーニャさんとミネアさんに仇討ちなんてさせるな。あの二人にお前を殺させるな」

「こんなのは怪我のうちに入りません。それより今、先生一人なんです。皆で家に行って会って下さい」
言われるままエドガンを見に行ったその西の隣人の叫び声を背に、オーリンは歩む。
駆けつける東の隣人の老人には自分の行き先を告げる。
(先生の遺言の中に、何かこの事件のヒントが…)
オーリンは西の洞窟を目指した。そこに何があるのか(魔力を押える静寂の玉か…)
バルザックとオーリンの対決を望むエドガンでは決してない。しかしもしもの時バルザックと一番戦いたいのはオーリンである事をわかってくれていた師匠であった。聡明な人だった。
死の苦しみと戦いながらバルザックを冷静に見ていたエドガンの目があった。オーリンは泣いた。
ミネアとマーニャが、そろそろコーミズに到着する。


オーリンとミネアとマーニャ。三人は共に旅を始める。
オーリンは自分が至らなかったと思っているが、精力的に自分のやるべき事に邁進して行った。
彼の鍵のこじ開けっぷりにはミネアもマーニャもその瞬間瞬間に(抱かれたい)と華やぐ。
嗜好と言うものをオーリンは一切しなくなっていた。「飲みましょう」と酒も飲めるようになっていた可愛いミネアに負けて、折れる形で…夜に悲しい美声は酷い酒となった。
「私はバルザックと同じ所から来た。あいつを連れて来た」
「同じ所から来たからこそ、あなたが味方で居てくれるのが嬉しいです」
オーリンとミネアは語らい、そして口付け合った。
その次の朝、マーニャはオーリンを探していた。彼はミネアの部屋で寝ていた。
「オーリンさん、おはよう」
とマーニャはミネアの声色でベッドの上のオーリンを起す。するとオーリンはマーニャをベッドに押し倒して口付け、胸当ての中に手を突っ込んでその乳房に触れた。
マーニャは、様子を見に来たミネアの背に「助けてぇ」とばかりに隠れてしおしおと弱っている。
「姉さんオーリンさんに用事があったんでしょう?何だったんです?」
「忘れちゃった…」
オーリンの力強さにびっくりして、目も潤んでいる。あら姉さん可愛いと、妹さえもドキッとした。
何とか起きたオーリンの前に座り、マーニャは涙目で少しオロオロしていてとても(Hで可愛い)
461 ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:13 ID:Wav/F3X7
「ごめんね、オーリンさん。びっくりした?」
しかし先に謝ったのはマーニャの方だった。「すみません」男女はスラスラと謝り合った。
マーニャは変わってしまった。踊り子の服も着るようになった。そしてオーリンはミネアの事が好きだった。
それでもオーリンはこの姉妹を決して抱かずに、キングレオ城まで行く。
バルザックがエドガンを殺したと言う一つの事で、男オーリンと女マーニャの関係、また女ミネアとの関係、全て終った。

バルザックは五体満足な若い娘達をキングレオ城から逃がしていた。
逃げた娘達はこの痩せた学者の言う事を良く聞き、城の事は外で一切語らず、自分の古里にもしばらく帰らなかったから“キングレオから生きて戻った娘は居ない”と言われた。
バルザックの配慮で多くの娘は救われた。そんな事を知らないモンスターの学者は
「また殺したのかバルザック、この人殺しめ」
「申し訳ありません」
キングレオ、元エドガンの研究所で大きな顔をしているこの学者にバルザックは使われていた。
ある日その学者が娘を乱暴に扱って実験しようとしたので、バルザックは泣き叫んでいた娘を落ち着かせ眠らせた。
「この術は術そのものよりも、被験者の体と心の状態が肝心なのだ」
そう語るバルザックは秘法の設計を密かに書き換えたりしていて、実の所この研究所を支配していた。
「貴様…正体を現したな」
「そろそろ時期が良い」
とバルザックの低い声の後、モンスターの学者の頭に魔法の聖水が掛かって熔けた。
「そう、私は人殺し。お前を殺せないと思ったかね」

「前の先生が完璧な研究を残してくれましたので、私はそれに従うだけです」
嘘。そしてバルザックは研究所の主任となった。学者の死は不慮の事故として疑われなかった。
“エドガンを殺した”事で、バルザックはモンスターの中での出世を許されている。
彼の人生の中で一番辛かった時期である。
しかし、バルザックはキングレオに居る心の有るモンスターと殆ど友達だった。
「バルザックは沢山人殺して平気なのかよ」「そりゃ嫌さ」
セクシーなドラゴンライダーはオーリンを思い出せて懐かしいのである。ところでバルザックはエドガンしか殺していない。
「でも実験がしたいからね、僕は」「お前は冷たいなぁ、はっきりしてるなぁ」
462 ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:14 ID:Wav/F3X7
ドラゴンライダーは人間の女を抱く。具合は「まぁまぁだな」と言う。
「今日は様子良いの(女)が二人来たぜ。ジャガイモみたいな男も一人いたけどな」
その言葉に、研究所主任兼、帝王バルザックは王室に駆けた。

王室でマーニャがキングレオを燃やしていた。自分の放った炎で焼かれる元王子の後ろに、マーニャは痩せた王を見た。
「バルザック!」
叫ぶ。マーニャはバルザックを一番愛し、一番憎くんだ。何でも一番だった。
(マーニャさんだ…)好きな人に会ってバルザックは緊張している。
バルザックもマーニャが一番好きだった。
バルザックがその炎に一瞬隠れたと思うと次の瞬間、彼は人間の姿をしていなかった。
「ほほう。その方等は確かエドガンの娘達。父親の敵討ちに来たと言う訳か。いかにも私がバルザックだ。
エドガンは偶然に発見した進化の秘法を闇に葬ろうとしたのだ。愚かな事だ。
その秘法さえあれば世界の王にもなれるものを……。
見るがいい!私の力を!この素晴らしい進化した体を!」
(そう、皆これから秘法で進化した敵に会うかも知れない。その時の為にこの戦いを憶えておくんだよ)
講義の如き戦いが始まった。バルザックの丁寧さと大胆さを、三人は体全てで受けた。
戦いを伝えたいバルザックには本気があった。キングレオ王子はそれを狂気と疑わない。好都合。
バルザックはモンスターの世界の中で何かやりたい事がある様だ。
自分の弱さと、強さも知っている男である。“賢さ”“意思の強さ”“勇気”でこの世と戦って行ける男だった。この所腕力も手に入れて向かう所敵なし。
そしてエドガンを殺した自嘲と、更にオーリン、ミネア、マーニャと断絶となった今、彼を止められる者は居なかった。
その男が何か慎重に計画をしている。
オーリンの持っていた静寂の玉でバルザックは倒れる。遺言に隠されたエドガンの洞察力に初めて気付いた。
この戦場にはエドガンも居る。「しかたない男だねぇ」とあの先生はバルザックを思って居るかも知れない。
(先生…)バルザックはエドガンに動きを封じられた。
「不覚を取ったものよバルザック!まあよい。まだお前を死なせる訳には行かぬ。
エドガンの娘と申したな。さあ来るがいい。私が相手だ」
キングレオが出ると酷い戦いとなった。オーリンなど死んでしまった。
463資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:16 ID:Wav/F3X7
バルザックは気絶しているマーニャとミネアの魅力をその低い声で切々と語った。王子は久々に人の体に戻って、艶めかしい恋の予感に興奮気味。
(失礼)(申し訳ない)と挨拶してバルザックは女体を担ぎ上げた。胸をドキドキとさせて、久し振りに触るマーニャと肉感的に成長したミネアを牢獄に連れて行った。
死体のオーリンを運ぶのはデカいブルデビル。

オーリンが牢獄で生き返った。マーニャは喜んでブルデビルにキスした。
モンスターの術により蘇った事をオーリン自身は不安がっている。
「ザオリクはザオリクだよ。お姉ちゃん(キスが)気持ち良かったよ」
何だか良い男である。バルザックの友達だった。そのブルデビルが王室に戻るとバルザックはひたすら乗船券を捜していた。
「あった!これ三人に届けてやって。頼むよ」
「ああ、それならもう行ったよ。隣の牢屋のジイサンが券持ってた」
脱獄だー!と城は騒ぎとなった。キングレオはのん気に入浴中。
バルザックは城の党に登りその一部始終を見た。
「バルザック!!」
党の窓から上半身を覗かせる、輝く程に美しい銀色の王の名をオーリンは呼んだ。
「オーリン。先生の事、後悔してるよ」
その言葉にオーリンはホッと肩の荷が下りた様な感動を得た。
「お前が抱いてる、気絶してるその娘、僕が研究を叶えられた唯一の人だ。進化してるんだ」
えぇ!とオーリンは娘を覗き込んだ。普通の人間だ。
「良い子を産むんだ。神様みたいな。エドガン先生復活するかな。オーリンが父親だったらもっと良い。研究手伝ってくれ」
オーリンは顔を赤らめた。「好みだろ、好きだろ、この野郎」「うるせー、死ね!」
「さよならオーリン。頑張れ子作り」
バルザックは手を振る。キングレオの兵士に追われるオーリンは物凄いスピードで駆けて行った。
(モンスターに囲まれて柄が悪くなってるなあいつ)
子作りとか、好みとかは置いても、彼女は本当に秘法で進化した人間なのか?そうだとしたしたらその後の様々な対処は?知識を持ってして見守れる人間はもうオーリンしか居ないのだった。
464資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:22 ID:Wav/F3X7

バルザックは牢獄の老人を尋ねた。「これを」と学者は老人に乗船券を渡す。
「最初は、なんとしてもこの国から出ようしたのだが、この通り病だろう。
今はもう、この国から離れたくない。あの王子と共に滅びようと思っている」
この牢獄から、外の景色が望める様にしたのはバルザックだった。食事も毎日運せていたのも。この老人の治療も出来る限りをしていた。
老人の前ではいつも人間の姿だったが、立場上モンスターに近いこの男に。
「フフ…そなたと話すのは楽しかった」
「ハハ。勿体無い、お恥かしい事です。でも私よりさっきの姉妹の方が良いでしょうね」
「それは当然だな」
ハハハと、清潔な二人の美男は笑った。モンバーバラ、コーミズは勿論、キングレオも地理的に混血の歴史が深く、美男美女が多かった。
偉大な進化と、偉大な王の匂いのする大陸だった。進化の秘法、かつてのキングレオ、そしてエスターク───。


モンスターの会議。バルザックは失態したと言う事で、サントハイム城知事に。
バルザックは隠していた望みが叶って静かに喜んだ。彼の友達はなぜ空城のサントハイムを与えられて喜ぶ彼なのかわからなかった。
バルザックは愚物です。そう言われ続けても全く信じる事が出来ない男は言う、
「ではなぜキングレオの殆どのモンスターがサントハイム行きを希望する様になった」
そのデスピサロは、デスパレスの会議場にバルザックを呼んだ。
あの男はひ弱そうでひ弱そうで、適当な風の様に爽やかで、人殺しの凛々しさがあって、モンスター好きする男だった。可愛いスライムを寄せ付けている。
(人間風情が)
しかしデスピサロはバルザックの風格を見た。
「進化の秘法は今や我々の手にある。魔王エスタークもまた、コーミズ近くの大陸に寝むるらしいと言う報告があった」
魔王の事を語りながら、ピサロはバルザックの存在感が恐ろしかった。
元帥デスピサロ、その人間男を呼び付け直答を許した。
「この度はサントハイムを賜りまして」
「貴様、一人でこの軍に挑み英雄気取りか。我等を滅ぼすつもりなら私がここで相手をしても良いぞ」
「私は、不束ながら研究を生業にしています。秘法のあるこの世界で働きたいそれのみです」
英雄に成りたい訳でも、モンスターを根絶やしにしたい訳でもないバルザックの言葉は本物だった。
465資質 続きます  ◆hMHMkhRwLk :04/04/27 21:25 ID:Wav/F3X7
モンスター達はバルザックと楽しそうにデスパレスからキングレオに帰って行く。
デスピサロはもう、バルザックと不仲になれない所にまで追い込まれた。バルザックもピサロと不仲になりたくない理由がある。
デスピサロは恋人の占い師ミネアから聞いた言葉をフと思い出した。
「あなたは誰かに利用される」
(いやだ、人間にこの軍を渡すのはいやだ!人間に支配されるのは嫌だ!)

ミネアはピサロの名前も知らなかったが、彼を気にしている言葉を占い師の仲間何人かに残していた。ミネアは旅立ってモンバーバラにはもう居なかった。
ミネアを抱きにモンバーバラに来たピサロは、「ミネアが心配していた」と伝えてくれた占い師を激しく抱いた。
そして人間の女の甘い匂いが取れないその日のうちに、勇者の村を滅ぼした。


「マーニャ」
エンドールで、今日会ったばかりの男勇者にマーニャはキスされた。
「きゃっ」
とマーニャはちょっと逃げる。(かわいい…)勇者はマーニャを襲った。「やっ、なによぉ」
男に慣れて大胆に見えるのに、恥じらう人だった。まるで少女、処女のように。
勇者は体中が熱くなって切なくなって、マーニャに触れた。
そこは…マーニャはバルザック以外に触らせた事がない。
こんな体の大きな男に、初めて許した。(ちょっと恐い…)
マーニャの体がビクッと跳ねた。片方だけ胸当てから開放されていた乳房がプルン…と揺れた。
「ここがいい?」
「うん…そこ…」
言われると勇者はマーニャのそこを一しきり触り、彼女を仰け反らせた。
466名無しさん@ピンキー:04/04/28 17:04 ID:eYOtmjR+
微妙
467名無しさん@ピンキー:04/04/28 20:54 ID:F3ujawn/
栗太×アリーナ がイイ。
468名無しさん@ピンキー:04/04/29 15:23 ID:y7OnnJYi
>資質氏
常々思っていたのですが雰囲気としてはラテン系とかですか?
ルパンなんかはホームズを徹底的にネタ役にしてて
そういう役があんまいない(バルザック本人か?)のが違うけど

つか、ろくに知らんのにこんな偉ぶった事言ってスマソ
要するにどういった辺りの影響を受けていたのか
聞いてみたかっただけなんで
469名無しさん@ピンキー:04/04/29 17:38 ID:QPN4dkGc


 えと、ここの小説って駄目なものあるの?
 レズとかふたとか。

  書きかけの小説が3、女勇者×女賢者になってるんだけど・・・
  どうなん?
470名無しさん@ピンキー:04/04/29 18:13 ID:fmk34ZOD
モンダイナーイ
471名無しさん@ピンキー:04/04/29 18:16 ID:cQ6kv7ME
いいよ、いいよー
472469=玲:04/04/29 23:08 ID:ugupOOgZ


 とりあえず導入部分を張ります。肝心のところは今書いていますのでもう少しお待ちください。
473:04/04/29 23:10 ID:ugupOOgZ

 いつから、彼女のことを想っていただろうか。
 

 彼女・・・ルーンは世界を闇から救う勇者。私には手の届かない存在だった。
 彼女がルイーダの酒場にやって来た時、私は絶対選ばれないだろうと思っていた。

 
 その時の私は"遊び人" "役に立たない職業"と、世間では言われている職業だ。

 他の・・戦士や僧侶や魔法使いやらの誰かだろうと思っていた。

 しかし。彼女は私を選んだ。

 "何故私を?" 私はその時問い掛けた。

 "あなたが澄んだ瞳をしていたから・・・”彼女は苦笑しながらそう言った。

 私はただ意味も分からず、頷くだけだった。
474:04/04/29 23:13 ID:VpyXAjap
旅を始めてからは苦難の連続だった。
 私一人が足を引っ張って他の3人の負担を増やし続けていた。

  私だって彼女の役に立ちたかった。
 何の役にも立てず足を引っ張ってばかりいる自分が、惨めに思えた。


  そんな時、ダーマ神殿とかいう転職が出来るという場所にたどり着いた時、
 私は転職の神官にこう尋ねた。


 −−−一番旅の役に立てる職業は何か−−−

 「ふむ。ではお嬢さん、賢者になってはどうかな?
   私が見たところ賢者の資質が君にはあると感じる。
  回復も攻撃も出来る・・・これなら十分役に立てるはずだが。」
475:04/04/29 23:14 ID:VpyXAjap

そして私は賢者となった。  
  これで私も彼女の役に立てると。
  だけれども、何か違う気がした。


   賢者になってから確かに戦闘の役には立つ様になった。
  でも、心の奥深くにある小さなまた別の想いが日々に大きくなってきた。
 "役に立ちたい"とは違う何かが。
   
   旅が進むにつれ、彼女の重い宿命がさらに明らかになっていく。
  そのことを思うにつれて、私の別の想いがさらに大きくなった。

 
  −−−"彼女の役に立ちたい" じゃなく"彼女の支えになりたい "−−−
 

 
 
476:04/04/29 23:16 ID:VpyXAjap

とりあえずここまでです。
 ゴールデンウィーク中に何とか仕上げますのでよろしくお願いします。
 期待しないで待っててください。

 ヘタレ文章でごめんなさい。
477名無しさん@ピンキー:04/04/29 23:59 ID:2ZzWN5YO
ガンガレ

でも、書きあがる前に作品を卑下してしまうのはほどほどで
期待しにくくなるし反応も鈍くなる
478名無しさん@ピンキー:04/04/30 00:12 ID:84qAoGaa
>>477の言う通りだね。俺は決して悪くないと思う。がんがって
479 ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:00 ID:omBenMXX
>>468
影響を受けたもの→「これだ」と言うのはありません。
触発なら、小説書く時は小説以外の物から受ける事が多いです。

ただしパロディ好きで、既存の物、人物から自分なりに書き出す事は好きです。
DQと言う「余白が多々ある作品」のパロディは面白い。
ネタ→DQ4の設定、展開ありきで、「○○をこう見る」系の今回。
ピサロの場合、“ひいてはいけないカード”で初めて書いた時から「人間好きで人間恐い」です。
480資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:05 ID:omBenMXX
>>362-367 >>456-465 続き
―――― 
男が彼女の足を愛撫すると、彼女は驚きその男の指を見詰めた。
一瞬、初めて何か好奇な物を見た子供の様になるマーニャに、勇者の胸はドキリと強く鳴った。
女に慣れた勇者の指の動き。(気持ち良いな…)彼女の太腿の裏にキスした後、彼は下半身を彼女の下半身に近付けた。
「ほら」と男は潤んだ声で、その先を女に当てた。「あっ…」
「いい?」
自分の唇の端に手をやっていたマーニャは頷いた。

「はぁっ」と熱い息を付いた後勇者は、
「マーニャ、初めて?」
たぶんそれで良いんじゃないかと思う、少し痛そうな彼女は頷いた。
「いたい?」「少し…」「強くしないから」「うん…」
勇者は驚きと、快感と、嬉しさで、胸をドキドキさせながら彼女を優しく求めた。

マーニャはちょっとイッた。しかし緊張と痛み。
(さっき初めて会ったんだもん、だって…)
(バルザック…ごめんね…)
そう思ったマーニャはハッとしてすかさず父を思う。
心の中で言い訳を始めると父の笑顔が浮かんで来る。しかし、今自分は裸だった。
(いやん、父さん、今は恥かしい)忙しい女である。
「俺、世界を救う勇者なんだって。信じられる?」
仰向けで勇者はベッドに体を投げ出していた。マーニャはその男の肩に顎を乗っけて「うーん」と言い、
「皆が言うならそうなんじゃないの?ミネアも言ってたし。あの子の言葉当たるよ」
と言うとマーニャはパッと体を起して
「そんな勇者様からお情け頂戴致しまして…わたくし」
ペコリと深く頭を下げた。恥かしそうにエヘヘ…と笑っている。
(この娘はなんか笑っちゃうな)と勇者は思って彼女をもっと好きになった。
勇者は人を好きになる度、暗い過去を思い出して泣いた。この人は一味違う。
最愛の夫に父を殺される等…勇者さえ想像がつかない経験をしているからか。
自分(勇者)の膿を取り、そして足りない所を補い、支えてくれる人だと思った。
481資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:09 ID:omBenMXX
「マーニャ、俺のそばに居て」
万感の思いで、勇者は言った。

「結婚さ…俺と」勇者はガンガン来る。モサッとした男なのだが。
「シンシアって人は?旅が終るまでは婚約しないで頑張って見ません?」
プリプリのお尻を勇者の瞼の裏に残し、マーニャは勇者の部屋を出て行った。


「バルザック」「何だ」「こっちを見て…」「何だよ」
キングレオの研究室、サントハイムに行く支度をしていた深夜のバルザックに、ドラゴンライダーが言い寄っている。
モンスターは両性具有だ。彼は雌になっていた。女になると肉感的でミネアに似ていた。
赤い鎧から白い肌が溢れ出しそうになっている。
「あなたと一緒に居ると…男になってられない…」
賢くて、精神の逞しいバルザックに彼女は参っている。(こんな強靭な男が居るのか?)
女は赤い兜を取って長い黒髪をなびかせ、研究所のイスに座る彼の銀髪に落としていた。
そのイスはエドガンのイスでは勿論無い。安くてギシギシ音がなる。
白衣の若い学者に、椅子に座ったまま犯されたいと女は思った。またはいつも彼が研究をしているその机の上に倒されて思い切り。
「男なんでしょ?あなたはこう言う事逞しそう…」
銀髪は女を少し見詰めて来る。なかなか色気のある男である。(あんた良い男だねぇ…)
「抱いて。サントハイムに連れて行って。ずっと女で居る。あたし、男の成り方なんて忘れてしまった」
「私には、好きな人が」
「あたしだって、あなたの事好きよ」
「ありがとう…。帰りな。おやすみ」
断言する男の唇に、女は吸い付いた。粘膜が絡み付いて音が鳴る。男はその柔らかさを振り払った。
横を向いて女を受け入れない。
その頬のそばに女は刃を突き立てた。男の頬は切れて流血する。
「抱いて」
赤い鎧を肌蹴させて、白い両の乳房が、時折桃色の乳首がプルンと男の瞳に写る。
女は、血を流す男にハッとして、その頬をペロペロと舐めて一時的に血を止めた。
「悪かったね…」
と女はもう一度だけバルザックに口付けた。彼の興奮を、その吐息から少し感じた。
482資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:15 ID:omBenMXX
「もう良い。ちぇ、恥かしくてサントハイムには行けねぇよ」
男の姿となってドラゴンライダーは研究室を辞した。これが別れとなった。
バルザックはエドガンを殺してからこっち陰萎、つまり不能となっていた。秘法の副作用ではない、精神的な物である。
もう女は抱きたくないと思い、あまり生きようと思わなくなった彼の一種の証明にさえ見える。
だが、今は反応した。ミネアに似ていたからだろう。あの子はHであった。
(さて)
と着崩れた白衣を直し、研究室でバルザックは最後の仕事を始める。
その学者を(わぁ、宝石みたいだなぁ)と思って見詰める男が居た。
白衣を着て忙しそうに動く銀色。肌も精気がなく白くて銀色に見える。でも輝いていた。
白衣を纏い、研究室と言う薬品臭い所で戦う、これも戦士なのだとその男は思った。
その柔らかい触手で研究室の窓を外からペシペシと叩く。
バルザックが音の方に目を向けると、ひのきの棒を持ち、それに道具袋を縛って下げているなんか可愛いホイミスライムが空に浮いていた。早速バルザックは窓を開ける。
「なんだい。君は見掛けないね」
「うん。ボク魔王の軍団のモンスターじゃないの」
「じゃあやっぱりお客さんだ。お茶を入れよう。私はバルザック」
「あ、お構いなく。ボクホイミン。今はホイミスライムだけど、人間になるのが夢なんだ。
ねぇキングレオの学者さんだよね?ボクに進化の秘法の事を教えてよ」
バルザックは可愛い声から漏れ出る凄まじい言葉に、お茶っ葉を半分引っくり返した。

バルザックは実験用の大きな台の上にホイミンを乗っけて、彼の体を色々と調べ出した。
ホイミンは恥かしがって、時に笑って「なにするんだよう」
「う〜ん…君は、今まで人間になる為に色々として来た?」
「うん。色々勉強した。進化の事も調べようと思ってここへ」
美味しそうにお茶を飲みながらホイミスライムは言う。
君はああで、こうだと、ホイミンの体の事をバルザックはズバズバと見抜いていく。
「うん。そうなの。すごいなぁ。ボクお医者さんとかに掛かった事がないから、自分の体の変化にそこまで気付かなかった」
483資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:18 ID:omBenMXX
「もう、君は人間に近付いてるよ。君は秘法その物だ。君の様な存在と出会えるなんて…よく、この研究所に来て下さいました」
バルザックは深々と頭を下げた。ホイミンはアタフタした。
「もう、勉強しなくても君は人間になれるよ」「本当に?」
「今まで習慣と、志を忘れない事だよ」
「バルザックは、凄いね。何でも解るんだ」「ペーペーだよ。僕は」
27才だそうで。そして、ホイミンからある種の疑惑が消えなかった。初めて見た時から。
「バルザックは…血の匂いがする」
「あぁ、さっき顔を切ってね」
そうじゃないよとばかりに、ホイミンはプンプン顔を振った。
「……君は、武士みたいな事を言うね」
「大好きだった人を、殺したんだね」
バルザックは声が無くなった。(なんでわかるんだ)
「バルザックの気持ちが、ボクの中に入って来た…凄く悲しいね」
ホイミンはポロポロ泣き出した。
バルザックは泣いて泣いてその場から立ち上がれなくなった。
バルザックはエドガンを、ホイミンはライアンを。大好きな人間のある男達は通じ合って泣いた。

バルザックは秘法の書かれた真本を、ホイミンだけに渡した。
「勉強してごらん」「ありがとう」
「ボク、バルザックの気持ちが解るんだよ。たぶんボクのやろうとしている事と、バルザックのやろうとしてる事がどっか似てるからかな」
「君の様な存在に僕はなれないけどね。君は奇跡だ」
ムニュゥと顔をしかめて恥かしがるホイミンに、バルザックは口付けた。
(わぁん、キスだ、ライアンさんにもされた事ないのに)
「ホイミン君、人間の女の子になりたいんだろ」「えぇん」「願掛けだよ」
本当はホイミンは可愛いからだ。(こんな可愛いのに会ったのはマーニャさん以来だ)
モンスター達に「僕の前では出来れば雌になって下さい」と頼んでいるバルザックである。戦闘が資本の彼等に取ってはなかなか聞き入れにくい頼みである。
「この研究室の屋根裏にこっそり住みな。雨風は凌げる」
とホイミンに言い残し、バルザックは肩にスライムを乗せてサントハイムに去った。
484資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:22 ID:omBenMXX

「ホイミン君と旅した人は、王家の近衛兵だったらしいね。だから彼も武士みたいなのかな。侍って実際あんなに格好良いのかね」
「ホイミンは勇敢で優しいけどね。きっと人間を沢山助けるよ」
「やっぱり彼が本物なんだな」
キングレオから連れて来たスライムと、サントハイムで語らうバルザックである。
「ニャー」「あっ猫が住んでるのか」「ミーちゃんて言うの」スライムは猫と友達の様だった。


ホイミンはキングレオに実験台としてやってくる人間を逃がす事、そして学者達の研究を失敗させる事に忙殺されていた。牢獄の老人にもよく会いに行ったが、彼は亡くなった。
(寝れないなぁ)彼は疲れてある日、寝入ってしまった。そして目が覚めると人間になっていた。
(わぁ!)潜んでいた屋根裏がミシと音を立てる。
研究室に、初めてはしごを使って下りた。自分の手を動かして見る。
(よし、戦える)
この頃キングレオ城は物騒だ。ホイミスライムだった彼は得意の武闘を披露した事が多々あったのだ。
今日はキングレオが荒れている、モンスター達が騒いでいる。その中に静かに昂ぶる壮漢の気配がした。城中の気力がその男に集結している。モンスターが騒ぐ筈である。
(ライアンさんだ!)
ホイミンは立派な二本足の体で回廊を駆けた。しばらくすると赤いマントが見えた。バトランドの赤である。
ホイミンは彼の集中力を乱してはいけないと思って隠れる。しかしライアンは
「ホイミンか!?」
戦闘態勢に入っている彼の集中力は、懐かしいスライムを姿も見えないのに探り当てた。
(一緒に戦いましょう。ボクも、強くなったんだよ)
ホイミンは喜んで出て行こうとしたが、向こうから緑の髪の青年が来た。
(あ…勇者さんなの?)
自分より強い人達がワラワラとやって来て、ホイミンは引っ込んでしまった。
そしてライアンが捜し求めていた勇者。(ライアンさんの仕事だよね…)
「ボクはホイミンと言う旅の者です。どうかお城の中のライアン様をお助け下さい」
皆一瞬“この男がライアンか、強そう、噂より若い”と思ったのだが違った様だ。
(ギャア。良い男)とマーニャは喜び、その女に慣れ親しんでいる風のブライ老人はホイミンに、
「来ないか。相当の武術のレベルとお見受けした」「そうだよぉ」と勇者も誘っている。
485資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:26 ID:omBenMXX
「いえ…今体が少し思わしくなくて。足手まといにはなりたくないんです」「そうか」

導かれし者達揃ったので、ホイミンは笛を吹いて8人に曲を作って送った。
ライアンは遠くから聞こえる勇ましい曲に何故かバトランドを思う。
バトランドへ一人訪れた時、ホイミンは音楽を習い笛を貰っていた。
既に国の英雄であったライアンには曲が作られていて、聴くと勇壮でのびのびとしていて寂寥感があって…ライアンにぴったりの曲であった。
ホイミンはキングレオを去り、一人彼を偲んでその曲を吹くと涙が止まらなくなった。
普通に友人として合える日が来るまで、ライアンとは会わない事を決めた。


バルザックはデスピサロの機嫌を取る。目的はサントハイムから消えた人間達を閉じ込めている空間の利権が欲しかったからである。
今ピサロがサントハイムの人間達を監理していた。バルザックはその監理の実権が欲しいのである。
ロザリーヒルの動物達を進化させた事に、バルザックは一役買った。ピサロは徐々にバルザックを見出して行く。
人間を頼った方が良い時もある事を、ピサロはわかって来た。人間と戦いたいなら尚更。


アリーナは久々に訪れたサントハイムの異変を見る。
「キキー!ここサントハイムの城はオレ達魔物が頂いた!この城の王はバルザック様だ!」
モンスターしかいないけれど、彼等は城下町のサランを襲う事もなく話も出来る。
「キキー!俺様は腹が減ってるのだ!なんせバルザックの奴がこき使うものだからな。
怨むならバルザックを怨みな!キキー!」
と、たまに挑んで来る者も居るが、宥めると落ち着く者も。「キィ」
「にゃんにゃんにゃん」(あ、ミーちゃん)
「バルザックの奴いい気になりやがって……。デスピサロ様の命令じゃなきゃあんな奴の元で働きゃしないのに……キッキッ」
と、表情と言葉の合っていない者や
「ボク悪いスライムじゃないよ」
「バルザック様の命令で宝を守っている。立ち去れいー!メラメラ」
なんだかのん気である。アリーナは城の屋根裏へ行くとひょこんとした細い男が居た。
486資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:29 ID:omBenMXX
その銀髪の男は平伏して、
「サントハイムの王女、アリーナ姫様ですね」
「あなたは?人間ね。こんな所に居て大丈夫なの?」
バルザックは久し振りに、人間の女を見た。そしてまたお人形の様な美少女である。そのくせ胸が大きい。
バルザックは美しく力の強い女に犯されて童貞を失った過去がある。女数人に輪姦されたが少年は全員にちゃんと射精したので感心された。
ひ弱な、あるいは可愛い美男によく起こる事件である。
バルザックもホイミンも男色に喜ばれる感じではないが、女が問題である。
マーニャと言う人と幸せな時間を得られたのは、彼に取って楽しい事であった。
アリーナの乳房を見て、今はこうして興奮も出来る。
しかしアリーナを前にしての興奮の理由、本物の所は他にある。
「私は故あってモンスターの世界で活動している人間です」
(あぁ、バルザックみたいなもんね)
「サントハイムの方々はご無事です。王女様」「本当に!?」
「はい、貴方をずっと、待って居ました。……今、事もなく助け出せます。
ついては、今デスピサロと言う魔物が不穏な動きをしていますので私と共に、戦いませんか」
「あなたと…」「はい」
「この日を待っていました。最強の人間である貴方と、私と仲間のモンスターを合せて、新しい戦いをしましょう。その後もきっと平和に。サントハイムに栄光を。
待ち望んでいました、貴方が世界の王となられる日を」
この男の気迫は何なのか。そして恐しいと思った。
この男がサントハイムの重鎮となってしまうのか。ブライが居る内は良い。しかしブライは年寄り、この男は若い。ブライが亡くなったら…。
アリーナは自分が傀儡の女王となる事を恐れた。この男は恐ろしいと思った。
(国が平和なら、そんな辱めも耐えられるかしら…)
アリーナは物分りが良過ぎる所がある。この男の語る平和にも興味があるし。
「名前を」「はい」「聞かせて…」
「バルザックと申します」
ピリッと、アリーナは緊張した。(この人が…人殺し?)見えない。この世はわからない物である。
「まさか…コーミズの研究者だった…あの」「え?」
バルザックの胸は、コーミズと言う単語に張り裂けそうになった。
「どうして、その事を…」
487名無しさん@ピンキー:04/04/30 17:29 ID:NlFoOEgC
age
488資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:31 ID:omBenMXX
「勇者は生きているのよ。私は、勇者と旅をしていて、仲間に…マーニャとミネアが」
アハハハハ!とバルザックは弾かれた様に笑った。
「成る程、そうですか」
ハハハ、と彼は笑い死にそうである。
「今の話は無かった事に、姫様。マーニャさんとミネアさんと勇者が仲間なんて…もう何の心配もない」
と言った刹那、彼の肌は青色に変った。
「では王室で」

一足先に王室に行っていた勇者達7人。窓から逆さにぶら下って登場したバルザックに皆びっくりした。
「やっぱり来たか!マーニャさん、ミネアさん。再びこうして会い見えるとは。
バルザックです。もはやデスピサロも私に及ばない。
進化の究極ってありますけど…それは戦う為の体じゃないです。神に近い。
ホイミンと言う方に可能性が。彼は素晴らしいです。
僕は愚かでひ弱で、皆さんとどれだけ戦えるかな」
バルザックの青い手はフと王座に触れ様としたが、クリフトとブライとアリーナの手前、サッと自粛した。
勇者を呼びつつ回廊を走ってアリーナが現われた。
「あの人と、戦うの?本気で?」
ミネアとマーニャにも聞いて来る。アリーナは又変な事を言って…と言うムードになる。
「だって…」
勇者が冷静にアリーナを見ている。
「よし。ライアンとクリフト、ブライ爺とアリーナは下がって」
何でだ、何でだ、サントハイムの為に戦わせろと騒ぎ出しても良さそうだが、事前にアリーナが宥める。サントハイムを買ってくれた男とはなるべく戦うまい。
そしてクリフトとブライも、王座の前で変な動きをした時から(ん?)とバルザックを思っていた。
ライアンも刀を収めた。バルザックは友達の友達の様である。
「トルネコ、こっち」
と、勇者は武器商人を呼ぶ。「私?おっ!」ライアンがトルネコに要らなくなった刀を渡した。装備の交換である。
489資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:33 ID:omBenMXX

ミネアは思い出していた。初めてバルザックと戦った時、
(ミネアさん、迷っちゃ駄目だ)
と彼は目で叱っていた。エドガンの為に戦おう。今はひたすらに。

バルザックの動きが止まった。視力の急激な衰え。
(マーニャさんが見えない…)
フラフラと歩み出した。伸ばした手は空を切る。デスピサロに恐れられる事よりも、英雄になるよりも、大切な物が彼にはあった。
(マーニャさんと……幸せ……)
進化さえも要らない。マーニャと子供を(僕は父さんに……)
バルザックはもう、人間の姿をしていた。もう人間の死だ、とライアンは思う。
「終焉だ!もうよせ!」
ライアンの声が、マーニャに届いた。
マーニャの前で、バルザックが倒れた。
「先生が、世界の王と思ったけど…死んだからって、アリーナ姫に浮気を…すみません」
「先生なら、秘法を活かしてもっと行った。私よりもっと……」
「バルザックさん!」
仰向けに倒れているバルザックに、ミネアはすがって泣いていた。
「ミネアさん。泣くな」
とバルザックは彼女の髪に触れ、肩に触れた。
バルザックの死に顔も、恐るべき美しさであった。エドガンのそれも驚くべきものであって。
あの大陸で生まれ、美しさを持って生きた美男の意地、気迫の様なものが二人の臨終に共通して有った。
「ミネア、泣くんじゃないよ」
「私も、人殺しです」
父の仇を討たずには居られなかった。しかしこうして奪い、別れとなるとミネアは泣き崩れ、声は慟哭となっていた。バルザックに恋したし、愛していたし、ミネアの知っている唯一の父の友人だった。
年が離れていても弟子と言う感じではなかったのである。
フウと溜め息をついて、マーニャも横になろうとした時、トルネコのお腹にボヨンと当たってしまった。
「ネコちゃん…」
その腹の温かさにマーニャは涙ぐんだ。トルネコはマーニャの髪にそっと手を置いて撫でるので、
「違うよ、慰めないでよっ」
とポヨンとその温かい腹から抜け出した。
490資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:36 ID:omBenMXX
そして下を向いて歩くとライアンにガシと肩が当たってしまった。
「あなたに何がわかるのさっ」
マーニャは泣いている。ミネアも泣いているし、(あぁ、惜しい男を亡くしたんだな)とライアンは思った。
「でもね、アリーナちゃんが女王になるなんて、あたしらの方がずっと先に知ってたよね」
「はい」「ねー」
ブライが聞いていた。アリーナの即位の話とは、このサントハイムで何と縁起の良い男女だろうと、
「そなた等、結婚しろ。めでたい奴等だ」
きゃ、恥かしいとマーニャはブライの背に隠れた。そして小声でライアンに「宜しくお願いします」とポソと言ってもっと隠れた。
ブライのマントに顔を当てているうち、マーニャは涙が止まらなくなった。
あぁ、あんなに好きなる男に、もう出会わないだろうと思って泣けて来た。自分をあれ程思ってくれる男にも、会うのだろうか解らない。
そして仇討ちが終ると、やっぱりエドガンはもう居ないのだと思った。喪失感が強まった(お父さん、お父さん)
ブライの後で鳴咽し続け、
「お嬢、なんだ」
と向き合って来たブライにマーニャは「ブライ様」と、抱き付いた。
薄着のマーニャは横からハミ乳の状態で、クリフトにしっかり見られた。様々な緊張が重なって、クリフトは面白いくらいに勃起した。
(うわぁ!)
青年は座って誤魔化す。しかしなんとマーニャが彼にちょっかい出しに来た。(ひええ、そしてごめんなさい)
初めて刃毀れを起したまどろみの剣を幅広の鞘にしまいながら勇者は、仇討ちの爽快感と虚しさを、じっと見続けた。
そして自分の大切な人を奪ったのが人間である、だからこその遣り切れない憎悪を見た。

アリーナはバルザックに王の素質を見た。
あの男支配者の器だった。
あの時もし、冗談でもサントハイムの王座にバルザックが座って居たなら、アリーナの拳が一番最初に振るわれたろう。
限りない怒りと、少々の焦りで。
491資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:38 ID:omBenMXX


デスピサロはバルザックの死を聞いた際、笑った。
(あぁ、死んだ、死んだ)
そしてしばらくすると泣き出した。
(バルザックが死んだか)
ピサロは心の奥では人の死が悲しくて、(なんで人と戦わなければならない)と嘆いていた。
(ム) と思った。(誰が奴を殺した?殺せた?)
勇者だそうだ。そんな噂が頻りだ。
あんなに、村を襲撃したのに生きていたのか。生きていたとしたら、心も腐らずに仲間と旅が出来る程か。
あんなに殺したのに、まだ。まだ生きている。また殺させる。
(全て滅ぼすぞ)
人間に対する恐れから来る疑心暗鬼から、本当の魔物へ。デスピサロは末期(まつご)へ着実に進む。


旅を続ける勇者達は、一匹のドラゴンライダーと対峙した。大男は女房のドラゴンから降りて、瑞々しい美女に姿を変えると、
「抱いて!」
とライアンに猛進して来た。ライアン馬車へ逃げる。
「俺は無視かい」勇者はガッカリ、馬車はバッタンバッタン上下する(あまり変な事はしていない)
「あたしを仲間にして頂戴」
少々憔悴しているライアンに抱き付きながら、半裸の女は言う。
トルネコは彼女を宥める。「いやいや」と女は可愛い声を出して聞き分けない。
ライアンも彼女を宥め出した。彼の声は低く、いつも風邪を引いた様に鼻に掛かっていてとてもセクシーだったりする。女は恍惚としている。
「結婚すればぁ?」と勇者は半分ふて腐れて、鼻をほじりながら言う。
492資質  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:43 ID:omBenMXX

旅が終ってマーニャがコーミズに帰ると、父の墓に花をたむけている青年が居た。
エドガンの墓は彼に命を助けられたとか、子が親が助かった云々と訪れる人が多く、その人々が黙って掃除をして帰るのでいつも綺麗だった。
「僕は先生の研究から沢山学んだんです。亡くなっていたんですね」
ホイミンと言うその青年も綺麗だった。
「あなた、覚えてる。あたしはほら、ライアンさんと旅してたマーニャって言うのよ」
わぁ、元モンスターだ、と思ってマーニャは緊張した。Hな事を考えて悪いけど、やっぱり野生的なのかしらと。
しかし人間に憧れる心を持った優しさがあって…何だかマーニャは無くしていた物を取り戻したかの様な感動である。
「デートしましょう」「え?」
童貞ホイミン、マーニャの浅黒い肌と少しはみ出た乳房に目をチカチカさせていた。
ライアンさんもこの喜びを得ていたのだろうかと、ちょっと興奮。
(この喜びを…)

マーニャはライアンと…旅ももう終ると言う時一回だけあった。
良かった。幸せを感じた。
国も生まれも違う男達は様々に違った。女の扱いがそれぞれに違って、トルネコとは……(色っぽい事してない)
493資質 終わり  ◆hMHMkhRwLk :04/04/30 17:47 ID:omBenMXX
ああ言う田舎育ちの男も思いも寄らぬ動きをして新鮮なものである。
そして一番一般的な人間に見えて、戦闘では豹変した。
商人軍団を呼んでモンスターをボコボコにする。あるいはその軍団と共にモンスターと商談を始める。(トルネコはモンスターの言葉を喋れる)
そのモンスターの言葉で駄洒落を言う。ピサロさえ吹き出す。
転ぶと会心の一撃になる。足払い、砂を掛けて、大声を上げて敵の動きを封じる。
力を溜めると強くなる。指を回して敵を混乱させる。妖しく踊ってMPを奪う。
腹の立つモンスターからは宝箱を奪う。相手の口を塞いで呪文を封じる。
物凄い美声で子守り歌を歌う。ピサロさえ眠る。
魔物を良く宥める。そして敵から襲われそうな、仲間を庇う。
誰も彼を止められない。
あの太った体が空高く飛翔すると、あの軽やかさを知っていても皆一々びっくりした。
ライアンやアリーナが高く飛ぶのはまだ良いが、トルネコが見えなくなるくらい高く飛ぶとそれだけで可笑しい。もう何がなんだかわからん。
「トルネコが飛んだー!」「わー!」「きゃー!」
勇者は彼の戦いが大好きで珍重した。

ミネアは好きな人の為に彼(か)の地で働けて幸せ。トルネコもそばに居るし。トルネコはエドガンに似ている。
顔も。エドガンは逞しい中肉長身の美男でトルネコは美男ではないが、似ている物は似ている。
マーニャはトルネコとずっと遊んで来た。これかも会う度遊び続けるだろう。

「マーニャさん、バルザックを知ってる?」「知ってるわ」
「ホイミンさんもライアンさんをどれだけ知ってるかしら」「知ってるよ。友達だって言ってくれたし」
そして彼には彼の、彼女には彼女の、新しい生活が始まるだろう。
494うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/04/30 18:00 ID:Uj19sCba
究極の選択(1)

風薫るお日さまのあたたかい日・・・
僕はルドマンさんの屋敷に呼ばれた。
いよいよ今日は運命の選択。
ビアンカか・・・フローラか・・・?
結局、最後までどっちか決められずに朝を迎えてしまった・・・
ビアンカ・・・
とびきり明るい美人で、幼なじみで気心も知っている・・・
フローラ・・・
おしとやかなお嬢さまで、実家は大金持ち。しかも、気立てもよく、優しいと評判。
う〜ん・・・

そうこう考えているうちに、僕は屋敷の玄関をくぐった。
早速広間に通されると、中央にルドマンさん。そして、その両脇にビアンカとフローラが控えている。
ルドマンさんが口を開いた。
「昨日はきちんと眠れたかね?うむ、その顔だとほとんど寝ていないようだな。無理もない。結婚とは、
一生に一度の一大イベントだ。」
話が進むにつれて、僕の額に汗がにじむ。
「本音を言えば、うちの娘を選んで欲しいが、ビアンカさんも魅力的な女性だ。どっちを選ぼうとも、わしは
決して恨みには思わん。そして、式もまかせなさい。」
ルドマンさんの瞳がぎらりと輝くと、僕はごくりと息を飲んだ。
「さあ、選びたまへ。」
495うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/04/30 18:24 ID:Uj19sCba
究極の選択(2)

僕の鼓動だけが、その場に響いているように感じる・・・。
緊張の一瞬。
どき、どき、どき・・・

「ムススコ(主人公の名前)・・・」
ぽつりとビアンカがつぶやいた。
僕はビアンカのほうを向く。
たわわに実る大きな胸、そしてその下には驚くほど細い腰・・・
メリハリの利いた抜群のスタイル。
そのビアンカの眼差しが、まっすぐに僕を見つめる。
そして、やや短めのスカートのすそを手に持って、チラッとめくった。
「おおぅっ!」
そこから見えた、母なるふるさとに、僕の男も思わず反応する・・・
顔を真っ赤にしながらちらりちらりと僕の顔を窺っている・・・
思わず彼女の名前を呼びそうになったとき、今度はフローラが僕の名前を呼ぶ。
「ムススコさん・・・」
続いてフローラのほうを見た。
ごくり。
ビアンカに負けずとも劣らない穏やかな、母性を強く感じさせる胸・・・
その下の腰も、やはり細い。
そのたたずまいは、年頃の女性らしい、匂いたつような雰囲気を醸し出している・・・。
ふと、僕は彼女の長いスカートを見た。
その中央部、ちょうど股間のあたりか・・・
その部分が、じわりと濡れているのに気づいた。
うっすらと湯気を放つその謎の液体・・・
僕の視線に気づいたらしく、彼女の顔もかあっと赤くなった・・・
496うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/04/30 18:43 ID:Uj19sCba
究極の選択(3)

「ムススコ・・・」
再び僕の名前が呼ばれた。ビアンカだ。
ビアンカはミニスカートなので、僕の目にはそのむちっとした太股がまぶしく映る・・・。
僕はその太股が濡れているのに気づいた。
そのしずくは彼女の股間から伝わってきているらしい。
ごくり。
年頃の男性には、たまらない光景。
顔を赤らめながら、上目づかいで僕の様子を窺うそのしぐさも、たまらなく可愛い・・・。

「ムススコさん・・・」
今度はフローラが僕の名を呼ぶ・・・。
顔を真っ赤にしてうつむく彼女の周りが、なぜか熱い。
うっすらと薫る女性の汗・・・
その水分が、フローラの白いドレスをやんわりと濡らす。
そして、その胸の先から、イチゴのように赤い二つのボタンが透けて見えた。
ごくり。
す、すごいものを見てしまった。
彼女は僕の視線が胸に集中しているのに気づいて、自分の胸を見た。
途端に彼女の顔がますます赤くなる・・・。
それにもかかわらず、なぜか隠そうとはしない・・・なぜだ?
497うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/04/30 18:49 ID:Uj19sCba
究極の選択(4)

「・・・・・・。」
僕は黙りこくってしまった・・・。
おそらく世界でも最高クラスの、素敵な女性二人。
そのどちらかを選べというのだ。
思わず頭を抱え込んでしまう・・・。
彼女たちのプライドを考えると、
「二人ともください。」
なんてのは、絶対のタブーだ。
(私だけを、ずっと愛して欲しい・・・)
その想いがひしひしと伝わってくるからこその、この悩み。

「どうした?早く選びたまえ。」
ルドマンさんが僕を促す。
ここでいいかげんな気持ちで選んでしまうと、きっとこの先、僕は一生後悔することになるだろう・・・。
僕は・・・どっちを選べばいいのだろう?

おしまい
498名無しさん@ピンキー:04/05/03 11:02 ID:j7n8E5jc
バーバラ物はあまり見かけない
499名無しさん@ピンキー:04/05/03 14:01 ID:MxHQrRyd
>>238>>446の続きキボンヌ
500名無しさん@ピンキー:04/05/03 18:52 ID:WbR+/vjx
DQ5の双子の話をキボンヌ
501名無しさん@ピンキー:04/05/03 22:08 ID:qcjx9drX
>>500
結構ネタにできそうだけどね。

「だめっ!お兄ちゃんのお嫁さんにはわたしがなるんだもん!」
502名無しさん@ピンキー:04/05/03 23:45 ID:x+HskoWa
>>500
DQ5双子のリアルセックルSSスレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083594682/

こちらを作成しました。某所より優良な書き手がくれば、よいのですが。

よろしく・・・。

503名無しさん@ピンキー:04/05/03 23:51 ID:WbR+/vjx
>>502
重複だからこっちで書くそうですね・・・
504名無しさん@ピンキー:04/05/03 23:52 ID:6B8NI0eZ
重複はいかんよ…
505名無しさん@ピンキー:04/05/04 02:52 ID:X8okJysq
>うほっ氏
最近脂のってますなー
ここで見るとは思わなかったが。ワロタよ
506うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/05/04 11:53 ID:lVCX8RC4
どうも、サンチョでございます。

ムススコ(Xの主人公)様がいなくなられてから、私めは遺された王子様と王女様の面倒を任されております。
まあ、このお二人は、大変に仲がよろしくて、あまり私も手間がかからない・・・
と思いきや、そうでもないのでございます・・・。

「さあ、マゴス(うちの王子)様、マゴメス(うちの王女)様、お風呂にいたしましょう。」
「はーい」
マゴス様とマゴメス様はどうやったのか、ぱぱっと服を脱ぎ捨て、たちどころに裸になったのでございますが・・・
「王子様!王女様!脱いだ服はきちんとたたまなければいけません!」
しつけに厳しくしておかないと、後でぼっちゃま・・・いえ、王様やビアンカ様がご帰還あそばされたときに、何を言われる
かわかりませんので、ここは何としてでも聞いていただきますぞ!
「は〜い」
お二人はしぶしぶ脱いだ服をきちんとたたんだのでございます。
そしていよいよ浴室でございます・・・。

「さあ、マゴメス。体を洗ってあげるよ。」
「うん、お兄ちゃん。」
マゴス様はそうおっしゃられて、両手に石鹸をたっぷりと塗りたくりました。そして、マゴメス様のお体を、丁寧に撫でまわすのでございます・・・。
「い、いけません!マゴス様!マゴメス様!」
私は大慌てでお二人を引きはがしにかかります。
「いやっ!離してよ!」
マゴメス様のこのお言葉は、マゴス様に向けられてものではございませんでした。
無理矢理肩をつかんだ私めに向けられたものでございます。
「いいじゃん、僕達は兄妹なんだから。」
「そうよそうよ!」
お二人は裸で抱き合ったまま、私めを睨んでおりました・・・。
その姿勢に、思わず私もかっとなり・・・私はお二人の頭の上から、桶に入れたお湯をぶっかけました。
「さあ、あがりますぞ!」
確かに、スキンシップというものは大事なものではございますが・・・やれやれ・・・、これでは、先が思いやられますな・・・
507名無しさん@ピンキー:04/05/04 12:01 ID:/c5OdiAi
(・∀・)サンチョ!!
508うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/05/04 12:13 ID:lVCX8RC4
「さあ、マゴス様、マゴメス様、もうお休みの時間でございますぞ。」
「は〜い」
私がお二人をベッドに寝かせると、お二人はすぐにベッドに入ってすやすやと寝息を立てられました。
やんちゃで元気なお二人でも、寝るときは素直なのでございます。
しかし、ぼっちゃま・・・いえ、王の子供・・・かわいいですなあ・・・
まあ王とビアンカ様の子供なのですから、当然ですがw
さて、このお二人の安らかな寝顔を見ながら、私めも寝るとしますかな・・・

ふわあああああ〜!
おや、もう朝でございますか・・・
ふとマゴス様とマゴメス様のほうを見て、私は心臓が破裂しそうなほどに驚きました。
お二人はなんと、裸のままで抱き合っていたのでございます・・・
「こらっ!お二人とも!何をやっているのでございますかっ!」
私めは思わず怒鳴ってしまいました・・・。
すると、寝ぼけまなこで、マゴス様がこうおっしゃりました・・・
「え〜、いいじゃん、だって僕、マゴメスのこと、大好きだもん。」
そして、マゴメス様も、うっとりした表情でマゴス様を見つめるのでございます。
「そうよ。私も、お兄ちゃん、大好きだもん。」
裸で抱き合ったまま、お二人は熱い、熱い口づけを交わしたのでございます・・・
「い、いけません!あなた達は、兄妹なのでございますよ!」
私めが無理矢理引き離そうとしても、お二人はぴったりしがみついて、離れません・・・
「お二人とも!いいかげん、離れなさい!」
509うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/05/04 12:42 ID:lVCX8RC4
光の教団が倒れ、ビアンカ様も無事に戻ってまいりました・・・。
「ビアンカ様、申し訳ございません・・・!」
私めは両手を床について、額を地面にこすりつけて謝りました。
「ど、どうしたの、サンチョさん?どうか顔を上げてください!」
慌てて私めにお気遣いくださるビアンカ様・・・
「私はあなたに感謝こそすれ、謝られることなど、何一つありませんよ?」
ビアンカ様の両隣には、マゴス様とマゴメス様がしがみついておられますが・・・
「実は・・・」
私めは、打ち首覚悟で、ありのままを話しました。
しかし、ビアンカ様のお言葉は、私めに対する、いたわりと労いにあふれておりました・・・
「仲がいいというのは、とても素敵なことだと思いますよ?」
「いえ、しかしこのお二人の場合は、行き過ぎているというか、その・・・」
ビアンカ様は、両腕にしがみつくお二人に、こう声をかけられました。
「ねえマゴス、マゴメスのこと、どう思う?」
「だ〜い好き!」
「ねえマゴメス、マゴスのこと、どう思う?」
「私も、大好きだよぅ!」
お二人はまたも熱い口づけを交わすのでございました・・・。
「い、いけません!お二人とも!」
私めが引き離しにかかると、何とビアンカ様はお止めになりました。
「ダメよサンチョさん!この二人は、こんなに好きあっているのだもの。それを無理矢理引き離したら
かわいそうだわ。」
このようなお二人を穏やかに見つめるビアンカ様の優しい瞳・・・
不肖このサンチョめも、思わず心が洗われた気分でございました。
「でも、あなた達二人は、まだまだ本当に愛するということを知らないみたいね。
わかりました。今夜、教えてあげるわね。サンチョさんも、ぜひ立ち合ってくださいな。」
「は、はあ・・・」
510うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/05/04 13:10 ID:lVCX8RC4
そして夜でございます・・・

ビアンカ様は、寝室の明かりをかなり多めにつけて、部屋を明るくなさいました。
ベッドの近くにいすが3つ並べてあります。そこに私めが座り、マゴス様、マゴメス様が腰をお掛けになりました。
「集まったわね。」
奥の部屋から現れたビアンカ様を見て、私めは心臓が胸を突き破って、天高く舞いあがってお空の星として瞬きそうになるほど驚きました。
「お、お母さん、きれい・・・」
マゴス様とマゴメス様も、食い入るようにビアンカ様を見つめているのでございました・・・。
ビアンカ様は、何も身につけていらっしゃいませんでした・・・。
これが、これが・・・、数億G・・・いや、数十億Gにも匹敵するといわれる、ビアンカ様の裸体なのでございます・・・
「ただいまから、本当に愛し合うということを、皆さんにお教えいたします。」
やがて、ビアンカ様の後ろから、屈強な筋肉をした男性が姿を現しました。
ぼっちゃん・・・いえ、ムススコ王です。もちろん全裸です。
私めは星になった心臓が、流星として世界じゅうに降り注ぐほどの衝撃を受けました。
ぼっちゃん・・・それ、大根ですか・・・?
ぼっちゃんのその大根に、ビアンカ様は女の悦びを教わったのでございますな・・・

ぼっちゃんはそのまま、ビアンカ様の肩に両手を置くと、ゆっくりと唇を重ね合わせます・・・
「よく見ていなさい。これが本物の・・・キスだ。」
ぼっちゃんの言葉に、マゴス様とマゴメス様はこくりとうなずきました。
ぼっちゃんとビアンカ様の口がわずかに離れると、その隙間から、二人の舌が絡み合っているのが見えました。
生々しく、執拗に幾度もお互いを絡めあいます・・・
511うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/05/04 13:41 ID:lVCX8RC4
そのまま、ぼっちゃんとビアンカ様は、ベッドにもつれるように倒れました・・・
ぼっちゃんとビアンカ様の唇が離れました。
すると、ぼっちゃんはビアンカ様の細い首筋を抱きしめ、そこを舌で撫でまわします・・・
「あっ・・・、ああん・・・」
ビアンカ様の鳴き声が響きます。
やがて、ぼっちゃんの意識は、ビアンカ様の胸へと集中するのでございます。
ぼっちゃんは背中をそっと抱き寄せ、その美しく突き出た乳首に吸いつきました・・・
「お父さんも、お母さんのおっぱいが好きなんだね?」
マゴス様のお言葉に、ぼっちゃんはマゴス様のほうを見て言いました。
「ああ、お父さんは、お母さんのおっぱいが大好きなのさ。お前達もそうだろ?」
「うん!僕も、おっぱいだ〜い好き!」
ぼっちゃんは、唇を離すと、マゴス様とマゴメス様を手招きしました。
「お前達も、吸ってみなさい。」
マゴス様とマゴメス様がそれぞれおっぱいに吸いつきました。
「ああんv」
ビアンカ様は美しく、かわいい声で鳴きました。
「でも、これじゃ、お父さんの分のおっぱいがなくなっちゃうよ?」
マゴメス様のお言葉に、ぼっちゃんはにこっと微笑みました。
「大丈夫。ここにもう一つあるから。」
ぼっちゃんが指差したところに、もう一つ、赤い突起が・・・。
そこは、ビアンカ様の股間にありました。その突起のすぐ下に、大きな大きな洞窟があります・・・
「お前達、これを見なさい。」
マゴス様とマゴメス様は、その洞窟を食い入るように見つめます・・・
「お前達は、ここから出てきたんだよ。」
ビアンカ様も、体を起こして、マゴス様とマゴメス様の頭をそっと撫でました。
「そう、ここが、あなた達のふるさと・・・」
そして、ぼっちゃんは、ビアンカ様のその洞窟の入り口を、舌で優しくマッサージします。
「お前達のふるさとなのだから、きれいにしてあげないとな・・・」
「あふぅ!あはぁ!ひゃああっ!」
ぼっちゃんの舌が踊ると、ビアンカ様は急に体をぶるぶる震わせて悶え始めました・・・
512名無しさん@ピンキー:04/05/04 14:13 ID:/db2eaD5
凄いことになってる(・∀・)
513うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/05/04 14:13 ID:lVCX8RC4
「さあ、お前達は、そろそろ自分の持ち場に戻りなさい。」
「は〜い」
ぼっちゃんが促すと、マゴス様とマゴメス様はふたたび、ビアンカ様のおっぱいに吸いつきます。
そして、下の赤い突起には、ぼっちゃんが吸いつきました・・・
「あああ〜っ!ひあああ〜っ!」
三方から敏感な部分を責められて、ビアンカ様は強烈な叫び声をあげました。
三つの突起から溢れる、濃厚な蜜が、三人の口の中をまたたく間に満たします。
「お母さんのおっぱい、おいしい」
「でも、これじゃ、お母さんの分がないね?」
「かわいそう・・・」
ぼっちゃんは、そんな二人に、優しく声をかけました・・・
「大丈夫。お母さんには、これがあるから」
ぼっちゃんは立ちあがり、ビアンカ様の枕元にしゃがみました。
そしてその大根・・・いや、男根をビアンカ様の口元に持っていきます・・・
「さあビアンカ、大好物だよ。」
ビアンカ様はむくっと起き上がり、ぼっちゃんの男根をゆっくりとつかみます。
思いっきり口を開けて、ビアンカ様は、ぼっちゃんの男根をほおばりました。
むぐ、むぐ・・・
ときおり口を離すと、ビアンカ様はうっとりした目つきで、ぼっちゃんの男根に頬ずりします。
「お母さんもね、お父さんのこれが大好きなの。」

そして今度は男根にまたがり始めました。
「マゴス、マゴメス。今から、あなた達がどうやってできたかを見せてあげる。」
「は、はい!お母さん!」
今度はビアンカ様の上の唇ではなく、下の唇が、ぼっちゃんの大根をのみこんでいきます
514名無しさん@ピンキー:04/05/04 14:20 ID:rr7hUiRS
こんな所にまでうほっ氏の手が及んでいたなんて・・・
支援
515うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/05/04 14:41 ID:2EkZdaZS
この神聖な儀式を、マゴス様とマゴメス様は、固唾を飲んで見守っています・・・
「す、すごい・・・」
あの巨大な男根を根元までくわえこんだビアンカ様の洞窟が、透明な液体をだらだらと垂らしている・・・
ぼっちゃんは、ビアンカ様と抱き合ったその姿勢のまま、マゴス様とマゴメス様に語りかけました・・・。
「どんな攻略が難しいダンジョンよりも、ビアンカのこのダンジョンのほうが、攻略が難しいのさ。
僕なんか、攻略しきるのに10年以上もかかったんだから。」
「へえ〜、そうなのか・・・」
マゴス様はご両親の結合部を見つめながら、こう質問したのでございます。
「で、その中に、どんな宝物があったの?」
「宝物は、お前達だったよ。」
そして、ぼっちゃんは下から思いっきり腰を突き上げました。
「あひいいっ!」
ビアンカ様の鳴き声が響くと、マゴス様とマゴメス様は怒りました。
「お父さん!お母さんをいじめないで!」
しかしそんなお二人を止めたのは、他でもないビアンカ様でございました・・・。
「ち、違うのよ!マゴス、マゴメス、お母さんはね、気持ちいいの〜っ!」
ぼっちゃんの男根の上で激しく腰を振っているのは、ビアンカ様のほうでした。
「ああっ!ああっ!あああああああ〜っ!!!」
よがり狂うビアンカ様・・・、マゴス様とマゴメス様が初めてご覧になる、ビアンカ様の雌としての一面・・・
そう、ここにいるのは王様と王妃様ではありません。一組の雄と雌なのでございます。
そこに、ぼっちゃんの下からの突き上げも加わり、ビアンカ様の雌は、大洪水になってしまいました。
「す、すごい・・・怖いよう・・・」
あれほど興味津々だったマゴス様とマゴメス様が、思わず引いてしまうほどの凄まじさでございました・・・
やがて、お二人の結合部からしみ出る透明な液体に、白く濁った液体が混じりました・・・
ビアンカ様は、力が抜けたようにぼっちゃんにもたれかかりました・・・
「ムススコ・・・愛してるよ・・・」
ビアンカ様はぼっちゃまの耳元でささやきました・・・。
516うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/05/04 14:54 ID:2EkZdaZS
「マゴス、マゴメス?・・・・・・あら・・・・・・」
ビアンカ様がご覧になったのは、部屋の片隅で、壁にもたれかかって尻餅をついて泣きじゃくる
マゴス様とマゴメス様でございました・・・。
「怖いよう・・・怖いよう・・・」
お二人の下の床は、ぐっしょりと濡れていました・・・
「あらあら・・・ふふふ、もう大丈夫よ。」
ビアンカ様とぼっちゃんは、すぐに二人を抱き抱えると、急いで着替えを用意し、新しい寝巻きに着替えさせたのでございます。
「あら・・・この子・・・」
「どうした、ビアンカ?」
「あなたの小さいころにそっくり・・・。この子も成長したら、あなたみたいに、大きく、たくましくなりそうね・・・」
ビアンカ様はマゴス様のおちんちんを見るなりそうおっしゃったのでございます。
「さあ、もう大丈夫だから、一緒に寝ましょうか。」
こうして、親子四人、仲良く眠りについたのでございます・・・。
517うほっ ◆.lt5gYzbQ. :04/05/04 15:10 ID:2EkZdaZS
「マ、マゴス様!マゴメス様!何をなさっているのでございますかっ!」
私めはお風呂に入っているお二人を見て、心臓が宇宙のかなたに飛んでいってしまうぐらいに驚きました。
な、何と、マゴメス様は、うっとりした目つきでマゴス様のおちんちんに頬ずりしているではございませんか!
「私ね、お兄ちゃんのここが、大好きなの♪」
マゴメス様はそのまま、マゴス様のおちんちんにそっとキスをしたのでございます・・・
「ダ、ダメですっ!このようなところ、もし王様に・・・」
「僕がどうしたって?」
私めは心臓がものすごい勢いで魔界へ飛び去り、そのままミルドラースの心臓を突き破ってしまうほどの
衝撃を受けたのでございます。
何と、その奥にぼっちゃんがいたのでございます。
その股間のあたりに、ビアンカ様が取りついておられました。
「ちゅっ」
ぼっちゃんの男根に優しくキスをすると、ビアンカ様は私めにこう言いました。
「私も、マゴメスも、おちんちんが大好きなのよ。ねーっ♪」
「ねーっ♪」
お二人で顔を見合わせて微笑むビアンカ様とマゴメス様を見て、私めはこの国の将来を案じずにはいられないので
ございました・・・。
とほほ・・・。

後日談

それから間もなく、このような発表がありました。
「王妃様、ご懐妊」
次のお子は、まともに育ってくださるとよろしいのですが・・・
やれやれ。

おしまい
518名無しさん@ピンキー:04/05/04 15:47 ID:BpoCMfEj
(・∀・)イイ!!いいよいいよ〜
519名無しさん@ピンキー:04/05/04 15:57 ID:/c5OdiAi
(´∀`)ウホッ

(・∀・)イイ!!

(*´д`*)小説…
520Another Star  ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:10 ID:Uh5IGipJ
>>180 の続き

ガルナの塔。悟りの書。ダーマ、修行の地、大神殿である。
大神官とその弟子が修行の場を開き、多くの求道者が訪れ神殿は人で溢れ返っていた。
しかし追い出されたり根を上げたりして人の顔は移って行く。
その中にまるで女体化したベビーサタンと二体の大魔人が居た。
女は大魔神二人の慰み者かと想像し得たが、彼女がリーダーの様である。低く嗄れた色っぽい声で二人の男をよくまとめた。
ダーマ神殿で群を抜いてエロティック。エロティックな事態である。
ベッドも仕切りもない老若男女が雑魚寝する安い宿の寝所で、その三人は一つの敷布団の上に座り何やら仲良く本を読み出した。
それを見張る見習い賢者(神官の弟子)の男。三人は本について話し、楽しそうに笑っている。
それだけで…話せは解る者達だし…。しかし男女の情けを誘発するだろう。大神官は
「ここは修行の聖地である!」
郷に行っては郷に従え。凛々と本を読み、静かに瞑想する女は人気となった。
さぁ、修行するぞと大神官の元へ行くと
勇者として既に完成していると、旅の道すがら少し成長すれば理想的ではないかと。
修行に興味のあった女勇者はガッカリ。主に悟りの書を読んでいたダーマとなった。
しかし老神官は女勇者と飲んだ。戯ぶれせんとや、生まれけん。賢者の要(かなめ)。
「なんて…戯れより質が悪い…」
と、大神官は女勇者を抱き締めた。
「この事は誰にも…後生です」
「私は老いた。教官として力が尽きそうなのです。こうして勇者の威光を受け…」
温もりを感じつつこの人の力を感じる事が出来る。抱き締められるから女性で良かった。
もう死ぬまで人に教えられる。
男の腕から開放されると、私にも…と酔った女勇者は神官に迫って来た。
「どうか」
と、神官に艶めかしい声を寄せる。修行させてと。自分達が一つに統合されてしまう感覚を神官は得る。
二つの者を一つにするこの女の力…引力……大神官はかなり淫らな気分である。
「何故欲しがる。あなたはもう十分だと言った筈だ」
他の人の能力って素晴らしい事だと思うんです。と女は言う。
521Another Star  ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:13 ID:Uh5IGipJ
「私よりも仲間の二人を頼りなさい。完成された勇者を修行する事は出来ないのです」
「貴方は、世界を救うでしょう。そんな方を修行するなど私には出来ない」
それを人に聞かれてしまうのである。まさか先程の抱擁も見られていたのか?
これは…せめてこの女勇者に大勇者になって貰わねば大神官は立つ瀬がない。
ダーマから三人組が旅立ってしまう時、びっくりしたのだろう恥かしがっている勇者が
褒め過ぎの事で大神官を少し責めた。
「いいや、良いのだ。貴方こそがきっと」
やけくそでもあり、引くに引けなくなった大神官は断言する。
そんな彼を感じた女勇者は、神官のひたい辺りを撫でたくなったが我慢した。

女勇者のバリーは、この旅で自分が勇者の娘である事を極力隠して進んでいる。
「世界を救うのは貴方だ」と言われたのは今までで初めて。何だか嬉しかった。
自分は勇者の血を引いているんだなと思う。
白馬に乗り、アリアハン王の車の横を進む父の嬉しそうな顔を思い出した。
凱旋の行進その主、華やかで美しいオルテガである。太陽の子、神の戦士オルテガ。
幼女のバリーは大人の男からも好奇な目で見られる、丈夫で明るいが静かで髪の長い色女であった。
剣や魔法を見ると胸がドキドキとしたが、花やお絵書きや料理の手伝いも好きな子だった。
そして散歩していたらオジサン達に、変な目線や変な言葉を投げられる。
オルテガが家から消えた時バリーは髪を切る事にした。肩より少し長い程度にする。勇者の母が9才の娘に真摯に言う。
「色っぽさが減っちゃうよ」「そう?」
バリーは大切な物を日常生活の中から失った。勇者である。
少女は不安定になって、歩くとこけそうである。自分自身が勇者に近付こうと決めた。
オルテガが無事に、早く帰れる様にと願も込めて。
(男の子みたいになるかしら…)母の心配を余所に、子供の頃のバリーの色気と言ったら…海賊に攫われた事もある。

今、海原を行く女勇者の髪も肩までの長さ。
ポルトガ王拝領の巨船は、数十体もの人形が漕ぎ出す魔法の船であった。
522Another Star  ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:15 ID:Uh5IGipJ
物言わぬ人形は全て運転手である女勇者に恋しており、目鼻口の無い顔で照れたり、女勇者にキスしたりされたりしていた。
海のモンスターが現われると女勇者を守ろうとしたり、逆に守られようとする者も居る。
かなり個体差のある様々な性格をしており、ポルトガ王もこの旅に付いて来たかの様な賑やかさである。
新しい仲間。しかし女勇者が魔法を解けば、あるいは女勇者が死んでしまえば動きと恋を止める男達。この船は女勇者バリーの物だった。
一蓮托生、嬉しく楽しい。しかし物悲しい木の仲間。
調子の悪い者が居たので、女勇者が彼の鉄の部分に油を指している時、対岸に館が見えた。
あれが海賊の根城か。と甲板の戦士は半裸で歯磨きをしていた。
船内の二名、勇者は人形達を労って、武闘家は鏡の前で少し伸びた口髭と顎鬚を切っていた。
男戦士の白い肌に雌豹の如く近付く一人の女。大帝拝領の船に近付く海賊船。
「あんた海賊じゃないね。良い身分だ、王家の船だろ?王子かい」
女統領の言葉に海賊の男衆は笑った。この戦士は近衛兵だっただけあって上品な所があったが、王族の品格はない。
戦士に呼ばれた女勇者が甲板に出て来た。「良い女!」百人程の男が一斉に驚き騒いだので、勇者もびっくりしてその波動で飛びそう。
そしてとんでもない美女が海賊船に一人居て自分達に話し掛けて来るのを勇者は見る。
何者だ、この辺りに何の用だと言う話しになる。戦士は思案し、(綺麗…)勇者は美女の表情や装いを見ている。
「女勇者が魔王を倒す為と言おうか」
勇者はびっくりした。
「海賊には印象良いだろ。その実力もあるんだし」
魔王を倒せる実力と戦士に言われた女勇者のときめき。
オーブや幽霊船の事で海賊達と話がしたかった勇者達である。
「協力は望めないかも知れないが、争いは避けよう」「うん」
はったり言わないで過したいわ…と思っている勇者の頭上、空高く大きな影が飛んだ。
降下する武闘家が海賊船の甲板に立ち、海賊達を睨め付ける。
「あいつどうしちゃったんだろう…」
戦士は呆然と呟いた。勇者はプックリした厚い唇の口を開けてポカンとしている。
523Another Star  ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:18 ID:Uh5IGipJ
海賊が飛ばしたナイフは侵入者の黒髪も傷付ける事が出来ずマストに突き刺さり、
侵入者の武闘家の手はそれを取り投げ返し、投げ飛ばした男の服を貫いた。
ナイフごと服が対面のマストに刺さっている男の顔が、武闘家の後回し蹴りで拉げ飛んだ。
一瞬の出来事。その武闘家の立ち姿の圧力も凄まじく「人間じゃない」と恐れる者も現われた。
武闘家は統領の女海賊の所へノシノシと歩いて行く。
「近寄るな」
海賊達は統領を守る。こんなムチムチの艶男(つやおとこ)が統領に近付く事も嫌である。
「待て」
2m1cmの武闘家を優に超す大男が、船内から出て来て彼を見下ろした。
上半身が立派で足が短く、清痩のトロルと言った肉体。
武闘家に斧を投げてよこした。鉄の斧を振るう男二人の戦闘となる。
勇者と戦士も海賊船に乗り込んだ頃、勝負は決まった。
仰向けに倒れている山の様な男の顔に、武闘家の大男が斧を突き付けて見下ろしている。
「父親の事を聞いているか」と武闘家が女統領に言う。
お前が統領の親父だとは。緊張から開放された海賊達は大胆に武闘家に挑んで来た。
「止めろ、ハハ」
数十人の男が圧し掛かる下、仰向けで倒れる男はくすぐったくて笑った。
長い黒髪を乱し悶え笑う武闘家に、圧し掛かっている男の数人がドキッとした。
先程の男が「今度は長剣で」と挑んで来た。どんどんと武闘家と言う者に不利な武器を出して来ている様に思える。
だがこの武闘家に取って長剣は得た物で、すぐやられた。
まだまだ…と大男は武闘家にすがり、先程蹴られた男の顔は勇者が薬草で癒していた。
勇者はケツを撫でられ「わぁっ」

統領が父と認めた以上、戦う意味もない。合理的で豪放な海賊団である。
宴になるが、斧と長剣で挑んで来た大男は武闘家に会いに来ようとしなかった。
女海賊と話していた女勇者は、商人達と商談するその大男の様子を遠くから望む。
この海賊団で一番強く、一番気良しと聞いた。
勇者と戦士が、喧嘩が嫌いな武闘家にあの海上の戦闘の事をコッソリと聞く。
この男の愛情は時に牙となる。
「いや良い奴等だな。正義の味方だもの、こっちが恥かしくなった」
524Another Star  ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:19 ID:Uh5IGipJ
愛情だろうと、殺しを思うその瞬間。あの気良しの大男はその一瞬を感じたのではないか。
それで黙っているだろうか。
三人パーティーと女海賊の、旅の話は続いた。男二人は女海賊の部屋にまだ居る。
「三人で居てね」
勇者は謎の言葉を残し、風呂に入り寝室へ引っ込む。
一人で畏れ謹む勇者。今夜はガーターを外さずそこに短剣を仕込んで寝た。
重量の仲間二人よりも重い足音が近付く。勇者がシーツを被る部屋へ合図も無しに入って来た。
少しの沈黙と、大男の動き有って、「ここの酒は口に合ったろうか」
この言葉だけでは勇者に話し掛けているのか武闘家なのか解らない。戦士と思って居るのかも。
大きなベッドに大きな男はギシと座った。
「あんたらの様なのが…堂々と来ても恥かしくない様な事をしてるつもりだよ。あんな力を誇示する様な挨拶はない」
感情的な言葉である。何の為。勇者はつい「ごめんね」と言いたくなった。
この海賊団が武闘家に見限られれば誇示も何も、殺されていた。
愛情深い人なのに…誇りと、何らかの正義の為には娘さえ殺すあの男を思ってすっかり艶めかしく可愛くなってしまった勇者が、海賊にフと触れられた。
「なんでだ」
両手を掴まれベッドに押された。男は相手の鎖骨にキスしようとしたが、肌の深い黒さに、「ん?」
忘れられないも何も、話した事も無いし目が合ったのも今が初めてだ。
「ご、ごめん」「びっくりした…」「間違いないと思ったんだけど…」
シーツから女の太腿とふくらはぎ…しなやかな足が出ていてびっくりした。もう少し子供と思っていたが瑞々しい嬌艶である。
「あ、ナイフ…」「あ、これは…」
「聖なるナイフだ。業物だ」と男は楽しみ出した。女の太腿を真中にして男女の顔は近付く。
艶女から目を離し、武闘家への恋心を海賊スロースは切々と語った。勇者は魂が抜けそうになる。
勇者は武闘家の代わりに戦うつもりだった。彼の「恋」ならナイフで攻撃する様子のない勇者である。
「ありがとう。よし、オーブ持って来てやるよ」
勿論勇者も一緒に行った。二人は暗闇の海へ。男は適当に脱いで海に飛び込む。
勇者はコソコソと水着に着替えた。彼女は危ない水着を露出を少なく改良していた。
海賊はグラッとしたので「お前さんは良い女だな…」と口に出して余裕を見せようとした。
海中を進む女勇者は人魚の様に美しかった。
525Another Star  ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:22 ID:Uh5IGipJ
海を泳がなければ進入出来ない洞窟へ行く。勇者は面白そうなのでついて行ったのだ。
「…濡れ髪が色っぽい」
誘われる様に素直に男の口から出てしまったその言葉にその様子に、勇者は恥かしそうに肩を竦めて
「…ここにあるの」
海から洞窟へ続くこの海中にこそお目当てのオーブが、
「あれ、ねぇや」
一緒に海面に浮かんでいた勇者は商人の胸に頭付きする様に脱力した。自分諸共男を沈めようとする。
「ごめん、わかった、あそこにきっとある」
館へ帰る道、ランプを持つ男は勇者の道具袋と地面を交互に見詰めてウロウロしたと思うとスコップで地面を掘り出した。
大金を掘り当てた。勇者の所持金の半分程もある。
「すごい!」「全部やる」「そんな…」
「俺は金は持ってる。それにお前さんのゴールドが導き出した。たまにあるんだよ。俺掘っただけ」
勇者はやったやったと喜ぶ。
「でもルティナ(女海賊)に聞くわ。あんた(海賊団)の仕事だもん」
「お前さんは欲望に真面目なんだか、軽いんだかわからんね」
男の欲望と言う言葉に勇者は一瞬ギクリとした。
仲間の二十歳の戦士は落ち着いて見えても若いし、32才の武闘家にも青年の荒々しさが少し残っている。
スロースは42才。大人びた16才の色女にとっては話し易いムードを持っていた。
「お風呂に入らせて」
少しいやらしさを醸し出す言葉を女は呟いた。声が少し湿る。
「うん、俺も入る。一緒に入ろか」
男は実は心臓が少し高鳴っている。スイスイと女は消えて行く。

温かい湯が、黒い女の体を蛇の様に絡んで落ちる。
男が好きだと言ったあの男に、女は?言う悪戯な気持ちがあった。
そして男に恋しているのだから…まるで女の前で水着姿になる様な気軽さもあった。しかし彼は男らしい。
そんな男に対し彼女が色っぽく遊ぶ理由はもう無い筈だ。
しかし浴場の中にある曇った鏡を彼女は拭いて、自分の体を見た。
そして乳房の上の所に手を置いて吐息を漏らす。色が付くなら桃色と言うべき溜め息。
自分の体を少し抱き締めて、台に座ってちょっと丸くなった。
526Another Star  ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:24 ID:Uh5IGipJ
「ブラックさん」「はい?」
戦士を仲間にすると決めた時を思い出した。振り向いた彼に酷く緊張したものだ。
今でもあの男は緊張する。
「一緒に行きませんか」「いいですね」
武闘家には、自分の艶めかしい気持ちを見抜かれはしないかとドキドキした。
現に見抜いたかの様に元々Hな顔の男がHな表情をしていた。
この旅はバリー唯一の長い旅であろう。始めから抱かれても良い男しか仲間にしなかった。
この体を知って貰った方が良いだろうなと思っている。色々面倒だろうから。着替えやら、風呂やら、傷の処置やら。
(戦士には体と共に「自分の旅」も奪われそうと感じ停滞中。武闘家は「バリーとはしない事」を大切にする様になり決裂)
(祖父以外で)自分より強い人間と旅をしたかった。男しか、二人しか居なかった。
今の彼女の唇も、仲間二人に初めて話し掛けた時の様に熱い。

女勇者の髪は大胆な切り口で剥いてあって、乾かすとピンピンはねる。
「ワイルドな髪だな。お前さんもワイルドだ似合ってる」
「スロースは…女の子、女の人好きなの?」
女の低い嗄れ声に男は又もビクリとした。
「好きだよ。男とした事ないよ」
「そうなんだ」勇者は目を見開いて謹諾する。
「でも俺は、あの人(武闘家)が好きだから」
スロースの頭の中にフと…統領の顔が過ぎった。(ん?)
綺麗過ぎる、スタイルが抜群の絶世の美女。しかしセックスしたい方はと聞かれるとバリーだ。
(…やりてぇ…)しかし(いかんって)
「バリーちゃんだって、好きな男居るんだろ」
「うーん…他の人が考えられないってわかるけどね」
「お互い女っぽいね」と商人は笑う。
好きな男と聞いて女勇者が真っ先に思い浮かべたのは、仲間の戦士であった。
彼ともし結婚出来たならば、ずっと恋しているだろうと思った。
慣れないからだ。きっと未来も緊張している筈。彼を思い出しただけで胸がチクリと揺れた。
これは後の話だが…緊張するけれど、童貞で可愛かった。

館の裏には小さな林があって、その中で海賊はくんくんと鼻を動かすとレミラーマと言う秘術で大きな岩の下をキラキラと光らせた。
簡単に見つかる。やまびこの笛のペポペポ〜と言う音もイカしていたが、この男にも感動した。そして彼の鼻はオーブを探すだけに限られた力ではない。
527Another Star  ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:26 ID:Uh5IGipJ
「この下にある」と聞くと勇者は岩をヒョイと持ち上げて動かした。
下りる階段を発見。男女は忍の様に歩むが、木の階段は海賊が乗ると崩れ落ちた。
壁に這う蔓に掴まりぶら下がる。その男の腿に女勇者は腕を巻き付かせ、しめる。
彼女は男に負担の掛からぬように自分の体を操り、男の腹にしがみ付く形を取った。
「階段壊れちゃった」「悪い、びっくりさせた」
首を振る勇者が可愛くてキスしたいと思ったが、一応緊急事態なので男女は地下に飛び降りた。
男はコソッと女を抱き締めて、彼女の唇を求めようとしたが勇者はポンと海賊の腹を押し、逃れた。
宝箱を開けると鮮やかに輝くレッドオーブ。
「有った…」
勇者の静かな様子は、まるで無くしていた物を見付けた様な嬉しさめでたさだった。
商人は、こんなに…“自分のアイテム”を持って居る人間を初めて見た。
オーブによって不死鳥ラーミアが蘇る。「ラーミア?女神の名前だよな」
ラーミアは精霊ルビスの下部と言われているが…(そいつは精霊で、あんたは女神なんだ!)
「バリー、女神?」
言われた勇者はキョトンとしている。
女神!こんなにHなくせに、徒手空拳で戦っても俺よりずっと強いくせに!
男は勇者の手を握った。
手の震えを悟られない様に、彼女は手に力を込める。
「バリーちゃん…」
「ん?」
笑顔で、笑うのだけれども、その声には何かを隠したい焦りも感じられた。
「震えてる」
彼女は緊張している。
男の手は今度彼女の頬を包んだ。勇者は目を閉じるがまだ緊張。
そっと男は彼女の背を抱いた。背中のラインが実に滑らか。肌触りも良い。
顔は美しい。しかしコケティッシュな容貌だ。Hな声もうなじも良し、香り良し。
「娼婦になったら高いぜぇ、バリーちゃん」「え?」「ふんだくれるぜぇ」
「やめて。…売り物みたい…」
その横顔に、可愛い声に男の心臓は飛び跳ねた。私を私として見ろとは
(やる気だねぇ)
「わかった。わかってる」と言うと「うん」と笑顔を見せるが何やらまだ元気はない。
528Another Star  ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:30 ID:Uh5IGipJ
震えたり元気がなかったり、それも吸い付きたいくらい可愛いのだけれど、気良しの大男はなんだか可哀相に思った。
(楽しくやろうぜぇ…バリー…)
悲しい雰囲気は御免だ。そこで男は腹話術を始めた。
喋っているのは可愛い顔の書かれた“彼”だ。バリーは笑うものかと、最初堪えた。
しかし“彼”は素晴らしい笑顔だったので笑ってしまった。
「やっと楽しそうになった」
と優しく彼女の肩を押して、海賊は勇者を仰向けに寝かせた。
男はその、“先”の丸い部分に書込まれた顔を、消そうと指で擦った。中々消えない。息が弾んで来る。
「いいか…体の中に入っても問題ないインクだし」
体の中…と言う言葉に勇者の胸は艶めかしく騒いだ。
「バリーちゃん…さっき脱衣所で、あんたのおっぱい見た」
「覗いたの!?」「いや、見えた」
バリーは顔を手で覆ってしまった。
「恥かしいよ」
艶めかしい感情を煽って来る女の声である。
「それでね、やっちゃった…」「ん?」「だから…一人で、ね」
バリーを思って壮絶な自慰をしていたようだ。道理で湯浴みの後、この男がスッキリして見えた訳だ。
(あたしで…)(うん)
バリーはもう声が無くなってしまった。男は彼女の上の服を下から上げて脱がして行く。
「あ…」
これは“あ…見られてしまった”と言う、女の感嘆の声である。柔らかな両の乳房はさらされた。
見えた。初めて見た時から触りたくて仕方が無かった乳房。肌が真っ黒なので、淡い色の乳首は白く見える。
あまりに、可愛いので。男は下半身をムズムズさせながら声もなく大き目の乳房を見続けた。
見られているだけで…彼女の乳首がポッと隆起し始めた。
529Another Star 続く ◆hMHMkhRwLk :04/05/04 16:31 ID:Uh5IGipJ
「あ…」この感嘆は男である。「あれあれ」と低い声で女を煽ってくる。(いやぁん)
「どうした」
と、男は指でピシリと女の乳房を弾いた。女は肩をすぼめて目を閉じる。
男の指は尚も離れず、少し回しながら女の乳首を押して来た。
「んぅん」と、バリーは不平を漏らす様に、少し怒った様に、堪えられない快感に嬌声を漏らした。
と、男が乳房に顔を近付けて来て、口をゆっくり開き乳首を食んだ。
「あっ…ぁ」
両手で掴まれ、彼女の乳房は男の舌と唇に自由を許して行く。
男は体を上げて、その物を彼女の顔の近くに掲げた。まだあの笑顔が消えていない。赤く脈打っている。
するとその男の“先”を、女の淡い桃色の乳首先端に合わせた。
「!」
と女は口と目を、強く閉じる。男は彼女の乳首でそれを擦る。
「あぁっ、あん、まって…」
何が待ってなのか。男の陰茎の先に擦り込まれ、彼女の乳首はプルンプルン揺れる。
もう興奮過多の男は女の胴体を跨(また)いで彼女の厚く瑞々しい唇にそれを咥えさせようとしていた。
女はハァハァと息を漏らし、それを止めて息を飲み込むと、
「あたしと…一緒に来る?」
男の動きが止まる。
「あたしの船に、来ない?」
至極艶めかしい女を前に、男の頭は真っ白になって行った。
530名無しさん@ピンキー:04/05/04 22:10 ID:vuiliFGm
>>499に同意
531:04/05/07 02:30 ID:zVeDICMT

  今から続きをupします。
  少々長いです。
532:04/05/07 02:31 ID:zVeDICMT

 
 
  私ことミラナは、ルーンと2人の仲間、盗賊ミリアと魔法使いライネと共に、魔王ゾーマの城を突

き進んでいた。
 これさえ終われば、世界に平和が訪れると。そして、もうすぐ辛い日々が終わると。
 ルーンの役目もこれで終わるのだと思い、少しだけ気が楽になっていた。

 
 
 しかし、水の流れる通路にたどり着き、少し進んだ時に想像もしなかったことが起こった。


 「ね、ねえ、あれ・・・・・」
 
 突然先頭を行っていたライネが立ち止まり、指を通路の突き当たりの方にしていた。
 その先には 以前私達が戦ったやまたのおろちに似ている、8本の首を持つ紫色の大きな異形の魔物

と戦っている一人の戦士の姿があった。
533パートナー 5:04/05/07 02:33 ID:zVeDICMT

 あまりにも歴然としている力の差の前に戦士はどんどん押されていき、今にも倒れそうな様子だった


 私達も加勢しようと駆け寄ったものの、魔物の繰り出す激しい炎の前に道を妨げられ、
 通ることが出来なくなってしまった。

 
 そして、不意に炎が止んだかと思えば、魔物は戦士への攻撃をやめ、奥の方へと去っていった。
 それと同時に戦士が床に力なく倒れた。

 私達が駆け寄ったところ彼はまだ息があり、私達に気付いたのか息も絶え絶えに話しかけてきた。

 「だ、だれかそこにいるのか・・・」
 「私にはもう何も見えぬ、何も聞こえぬ・・・」
 「も もし だれかいるのならどうか伝えてほしい」

  
 息を飲み、次の言葉を待つ私達に信じられない言葉が浴びせられた。
534パートナー 6:04/05/07 02:34 ID:zVeDICMT

 「私はアリアハンのオルテガ。今、すべてを思い出した。」


  「お、お父さん・・・? お父さんなの・・・?」
  
  オルテガの言葉を聞いた瞬間、ルーンの表情が凍りついた。
  しかし、悲しいことに耳も目も駄目になりわずかな気配のみで私達を察知しているオルテガに、今

目の前にいるのが実の娘であることも分かるはずが無かった。
 そしてオルテガはさらに話を続けた。 

  「も もし そなたがアリアハンにいくことがあったなら・・・。」
  「その国に住むルーンをたずね、オルテガがこう言っていたと伝えてくれ。」

  
  「平和な世に出来なかったこの父を許してくれ・・とな」
  
  そう、言い終えるとオルテガは静かに眠るように息を引き取った。

  「いやあぁぁぁ!!!!」

  静かに聴いていたルーンはオルテガが息を引き取ると同時に悲鳴を上げていた、そしてすぐに魔物

の去っていった方向へ走って追いかけようとした。
535パートナー :04/05/07 02:34 ID:zVeDICMT

 「まちなさい!」
  
  ミリアがルーンの肩を掴んで引きとめようとするも、それでもルーンは行こうとしていた。


  「何するの!離してよ!お父さんを殺したあの魔物を倒しに行くのよ!だから離して!」

 
  ルーンがあそこまで狼狽するのも仕方が無かった。無理も無い。目の前でやっと会えた父親を魔物

に殺されたのだ。正気を保っているだけまだマシなのかもしれない。
  しかし今この状態で奴に挑んでも勝てる確率はほぼ0に等しかった。

  ルーンは今にも振りほどいて魔物に追いつこうとしている。

  少し考えた末に、私は強行手段に出るしかなかった。
  

  「ミリア!あと少しだけ耐えて!、ライネ!ルーンにラリホーを掛けて!」

  「えっ!?」
  「ミラナ、分かったけど一体どうするつもりなのよ!?」

   
  「ゴメン、ルーン、あなたを守るにはこうするしかないの! ラリホー!」
536パートナー 8:04/05/07 02:35 ID:zVeDICMT
 

 私とライネが2重に掛けたラリホーが効いたのか、ルーンは即座に眠りその場に倒れこんだ。
 効いたことを確認すると私達3人は安堵の息を着いた。
   
  「仕方が無かったとはいえ、ちょっとね・・・」
  「ルーンにどう説明しようかしら・・・」

  2人から不安の声が放たれたが、私が彼女達に"私がやったんだし、心配しなくていいわ。後は私

に任せて"と言うと、彼女達はそれ以上何も言わなかった。

    
  今日のところは一度町に帰り体勢を整えるのと、ルーンを落ち着かせる必要もあった。
  この城から出るために私がリレミトの呪文を唱えると共に、淡い青い光が私達を包み、次の瞬間私

達はそこがら消え去っていた。



  

 
   ラダトームの宿屋。
  私達は宿に一度泊まり、ルーンが起きるのを待つことにした。
 2部屋に別れ、私は付きっ切りでルーンの世話をすることにした。
537名無しさん@ピンキー:04/05/07 02:36 ID:zVeDICMT
 
  目の前でベッドに眠っている少女はまだあどけなさが残っている様子である。こんな少女が世界を

 救う勇者であろうなんて、まず誰も分からないだろうと思う。
  しかし、彼女に魅かれ、一緒に旅してるうちに、気付いたことがあった。
 
 −−−−彼女が背負うものが重くなってゆくにつれて、
         彼女の心が少しずつ重圧に耐え切れなくなっていくということ−−−−

   私はそんな彼女と旅をするにつれて、私は彼女の役に立つということよりも、彼女の支えとなることを望んだ。

  彼女の苦しみを少しでも分かってあげられれば−−−


  「う、う〜ん、あれ?ミラナ、どうしたの?ここどこ?」
  不意にルーンが起きてきた。どう反応したらいいのかと私が少し戸惑っていると彼女はこう続けて

きた。
   
  「ああ、そうだ、私はあの魔物を追いかけようとしたら、突然眠らされて・・・・・・・・。あり

がとうミラナ。貴方が私を眠らせてくれなかったら私きっと死んでた。」


  思いもよらない反応にさらに戸惑った私に気付かないのか、さらにルーンはこう続けてきた
538パートナー 10:04/05/07 02:39 ID:zVeDICMT

 「・・・・・・ねえ、私って何のための存在なのかな。勇者として、世界を救う存在として育てられてきたけど、
  それは私が私として、そうなりたいと思ってたんじゃないと思うんだ。
  勇者として育て上げられて来たのだって私の意志じゃなく、
  お母さんや王様やアリアハンの他のみんなの思いが私をそうさせたんじゃないかって・・・・。
  ねえ、ミラナ、私って世界が平和になってもちゃんと私でいられるの

  かな・・・・最近、思ってたんだ、もし世界が平和になったら私の勇者としての役目も終わる。
  そうなったら、私の存在意義があるのかなって・・・・」

  
  私は黙ってその話を聞いていたが、話が進むにつれ、私はある想いを固めていた。
  彼女の話が終わると、私はゆっくりと手を回し、彼女を抱きしめながらこう言った。

 「・・・・そんなこと関係ないよ。私にとって、いや、みんなにとって、今のルーンがすべてなのよ。
  世界を救う勇者だとかそんなこと関係無しに、今ここに貴方がいる。それだけで十分なのよ・・・・」  

  
  私にいきなり抱きしめられ戸惑っているような雰囲気を醸し出しているルーンにさらに私は続けて

私の今までの想いを話した。

  
   「私はルーンが好き。初めてルイーダの酒場で会った時から、貴方の役に立ちたくて、
 貴方の心の支えになりたくて。重い宿命にあなたが押しつぶされないように、私が代わりになりたくて、貴方の

  辛いことはすべて私が受け持ってあげる。だからそんなこともう考えないで・・・」
539パートナー 11:04/05/07 02:40 ID:zVeDICMT

 私は泣きながらそう話すと、彼女を抱きしめる腕の力を少し強くした。

  「私もミラナが好き。ありがとう、私、ずっと一人ですべて抱え込もうとしてた。
   でも、いつもミラナは私のことを考えて、できる限り私をサポートしてくれた。何で今まで気付かなかったんだろう。

   私の一番大切な人は・・ミラナ、あなたよ。」
 
  
  彼女も泣きながら・・・彼女の思いを語ってくれた。
   私達はぎゅっとお互い抱き合い、ゆっくりとお互いの唇を重ね合わせた。
  さくらんぼ色をした唇のやわらかい感触がじんわりと伝わってきていた。





 
  長い長いキスの後に、お互いの唇を離し、
  おぼつかない手つきながらも、ルーンの服を脱がしていく。
  私自身昔は"遊び人"だったとはいえ、女を相手にするどころか、男を相手にした事さえ無かった。
  これがの初めての体験でどう脱がしていいのか余り分からなかった。
540パートナー 12:04/05/07 02:41 ID:zVeDICMT

 そのおぼつかない手つきで少しずつルーンの服をはだけさしていくと、
 彼女の小傷だらけの小ぶりの体が見える。
 今までの戦いの中で付いた傷である。
私はその無数の小さな傷だらけの体を痛々しく感じながらさらに脱がしていく。

  私は彼女の小ぶりな胸にそっとキスをした。
 「あぁっ・・・」  
  か細く彼女の声が漏れる。
  私が胸の頂をそっと触ってみると、今度は声こそ出さないもののわずかに震えた。
  
  軽い愛撫は度々にして、さらにルーンの服を取り除いてゆく。
     
  その合間にルーンも私の服をおぼつかない手つきで脱がしていく。
 二人で服を脱がし終わると、お互いの下着を外していく。
 しかし、私が下の下着を取り払おうとすると、私は目の前の光景に一瞬目を疑ってしまった。


 そこにはそそりたつ、非常に大きな”モノ”があったのだ。
 
 「ルーン・・・それ・・・」

 「うん・・・、私生まれた時からこれが付いてたの、私、半陰陽って体らしいの。・・・・変だよね

。男のコと女の子が一緒にあるなんてね・・・」
541パートナー 13:04/05/07 02:43 ID:zVeDICMT

 私は少し呆然としながらも、恐る恐るその"モノ"に手を触れてみる。
 あったかい感じがする。この暖かさこそがこれが彼女の物であることを実感させる。

 「言ったでしょ・・・・私はあなたのことが好きなの。ぜんぜん変じゃないわ・・・」

  そう言いながら、私は私の秘所が熱く濡れているのを感じた。期待しているのか自分でも分からないが、
  確かなことは私は彼女の物を嫌っていないということだった。
 
  私は片手でそれをゆっくりと上下に、時に激しく、擦り始めた。
  彼女の表情が恥ずかしがる少女のように紅潮していく。
  それにつれて、私はさらに動きを速めていった。


  「はぁっ・・ぅっ・・・」
  「き、気持ちいぃょぉ・・・・」

 だんだんルーンの表情が羞恥と快楽に飲まれてゆく。私はさらに以前何処かで見たように、
  彼女の"男のコ"の部分を胸に挟んで、二つの胸で包みこんで擦り合わせた。

 「はぅっ・・・!!! ミラナ、いったい何を・・・っっ!!」

 私がさらに彼女の先端を口で包んだ次の瞬間、
542パートナー 14:04/05/07 02:45 ID:zVeDICMT

 「あはぁっ、もうらめぇ・・!!!」

 我慢できなくなったルーンの"男の子"の先から熱くて白い粘り気のある液体が大量に私の口の中に発射された。
 その量のあまりもの多さに、少し咳き込んだが、私は彼女のをそのまま飲み干した。
 
 「ミ、ミラナ、ゴメン、大丈夫?」

 「これがルーンの・・・美味しい・・・大丈夫よルーン。」

  彼女の様子を見ると今の射精で光悦の表情になっており、今にも物欲しそうな感じだった。
  
 
  「ね、ねぇミラナ・・・・お願いぃ・・・挿れさしてぇ・・・」

  「わかったわ・・・ルーン、私の・・・中に・・・」


  私はルーンをベッドの縁に寄りかけさせ、彼女の"男のコ"の真上に自分の秘所をあてがい、
 ゆっくりと入れようとする。
  先端が入っただけで、痛みが全身を襲う。彼女のただでさえ大きい物は、
 私の中に入ったら裂けてしまうかもしれない。なおさら処女である私には非常に厳しすぎること。

  だけど、私は彼女の為にすべてを捧げると誓った。
  私が彼女の助けになれれば−−−    
543パートナー 15:04/05/07 02:46 ID:zVeDICMT
  
  私は覚悟を決め、自分の体重に身を任せて、一気に腰を下ろしていった。
  入れると同時に私の秘所からブチっと音を立てて血が流れ出してくる。
 
  「ひ、くぅ・・・・」」

  全身を針で刺されたような痛みが私を襲い、思わず声が漏れ、涙が出る。
  
  「ねえ、ミラナ、痛くない・・・?本当に大丈夫・・?」

  「だ、大丈夫よ、もう、動かしていいわよ・・・」

   
   ゆっくりとルーンが動き始めるにつれて、私の破瓜の痛みは少しずつ治まっていく。

   「気持ちいい・・?、ルーン・・・?」
   「うん・・・・、これがミラナの中・・・あったかい・・・やっと一つになれたんだね・・・私

、嬉しい・・・」
   「私もよ・・・大好き、ルーン・・・。」

   
544パートナー 16:04/05/07 02:48 ID:zVeDICMT

 
   ルーンがさらに動きを速くするにつれて、私の中が熱くなってくる。
   気持ちいい。

   「あ、あはっ、いいよぉ・・・」
   「く、ふ、んんっ・・・・!!!」
   「イイ、いいよぉ・・」   

   その思考がさらに強くなり、それだけしか考えられなくなっていった。


   「あ、あ、あ、イ、イッちゃうぅ・・・ミラナの中に、熱いの出ちゃう!」
   「イイ、私もイッちゃう!出して、私の中にルーンの愛の証、出してぇ!」
   

   不意に激しく振っていたルーンの動きが止まり、私の中にとても多く熱いのが放たれた。
   私も同時に絶頂に達し、体を小刻みに震わせながら光悦の表情を浮かべていた。
    

   「ミラナ、大好き・・・・」
   「私も・・・・ルーン、大好き。愛してる。」
   

    私達は再び長い口付けを交わした。それは甘い、愛の味がした。 
545パートナー 17:04/05/07 02:49 ID:zVeDICMT


   「よし、みんな!ゾーマの城に行くわよ!」
    「行きましょ!今度こそ・・・」


   翌朝。私達は何事も無いように2人と合流し、出発する準備をしていた。
   昨日私達に何があったかについてはライネもミリアも気付いていたようで、
   
   「昨日は激しかったわねw」
   「ちぇ、先とられちゃったか.。私も狙ってたのに。」
   
   朝、冷やかしの言葉などとともに迎えられてしまった。
   
   私達はこれから世界の命運を決めるために奴を、ゾーマを倒しに行く。
   でも、怖くなんかない。

   だって、私の側には最高のパートナーがいつも付いているのだから。
        



       −−−−−私達、ずっと一緒よ・・・・−−−−−

546:04/05/07 02:54 ID:zVeDICMT

 パートナー、これにて完結です。

 番号が5から始まっていますが、>>473>>475の前振りと、>>532を振り忘れたからです。(汗

 ご感想、ご意見などありましたら、よろしくお願いします。
547名無しさん@ピンキー:04/05/07 10:40 ID:6GB1dHVT
つまらん。
548h3dd:04/05/07 10:59 ID:8Rd/RhB8
549名無しさん@ピンキー:04/05/07 16:46 ID:W8RFF9F6
もう黄金厨の時期は終わったはずだが・・・
550名無しさん@ピンキー :04/05/07 19:27 ID:nrjdndlM
>546
乙です。改行が変なのが気になったけど話は良かった。
551名無しさん@ピンキー:04/05/08 05:40 ID:73/zkplH
読みやすくということだろうが、改行は適度にな。
552名無しさん@ピンキー:04/05/08 12:17 ID:NCulB+LY
そういうスタイルなんじゃないの。
以前某SS投稿サイトで改行を使って上手く雰囲気出してた人がいた。
いわゆる“間”ってやつ?
その人はホント凄いと思った。
553名無しさん@ピンキー:04/05/08 21:34 ID:CglqhNT9
この改行には必然性を感じない。
554名無しさん@ピンキー:04/05/09 04:34 ID:MilSz3wq
GWはもう(ry

>>553
おまいは「SS書きの控え室14号室」の902から先を嫁
本気の批評だったら一言でスパッと済ませられるものであって
それが出来ないならおまいは粘着呼ばわりされても仕方ない
555名無しさん@ピンキー:04/05/09 08:08 ID:QM7ZLF+V
>554
意味不明
556偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/09 16:22 ID:xcRPetb0
長編投下します。
前スレ792〜838「承け継ぐモノ」の続き。
勇者×ミネア。
557偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/09 16:22 ID:xcRPetb0

まとわりつくように濃い闇の中、小さな焚き火のたてる音がうるさく響く。
勇者は焚き火の周りを囲んで寝息を立てる仲間達の姿に目を凝らし耳を澄まし
眠っている事を確認すると音を立てないように細心の注意を払いながら馬車へと近づいた。
馬具を外されたパトリシアもぐっすりと眠っている。
勇者が荷台の前に立つと閉じていた幌から待ちかねたミネアが顔をひょっこりと出した。
(寝てる?)
(はい、姉さんもアリーナさんもぐっすり寝てるみたいです)
囁き声で言葉を交わすとミネアは縁に手をかけ足を外に出した。
縁に座ってしまうと勇者に体を抱き締められ、まるで子供のように抱え上げられる。
顔が同じ高さになるように抱きかかえられると体はもう勇者任せになってしまう。
実際にはそれほどでもないのに、随分久しぶりのような気がして
服越しの温もりだけでは物足りずミネアは勇者の鼻に鼻をこすりつけて舌を舐め回した。
「ンっ・・」
静まり返る闇の中、二人の鼻息と唇を唇で愛撫する音が響く。
見張りでもないミネアがこんな夜中までわざわざ起きているのは
勇者が見張りの日のこんな夜中しか二人きりになれないからで
もっといえばこの口付けを貰う為なのだから
少々口付けの時間が長すぎるのも仕方無いのかもしれない。
別に仲間たちに二人の仲を隠している訳ではないのだが
仲間の前で露骨にいちゃつくわけにもいかないので
(また二人ともそのような性格でもなかったが)
今回のように野営が続くと恋人になれる時間は
こんな全員が寝静まった夜中ぐらいしかないのだ。
「ん・・・」
勇者は唇を外すとミネアの体をさらに高く持ち上げ
自らの顔でミネアの豊かな胸を押しつぶし、ぶるぶると顔を揺らし始めた。
「あっ・あっ・・・・」
静かにしないといけないと分かっていても思わず声が出る。
ミネアが静かに悲鳴をあげると勇者は動きを止め、鼻で呼吸し始めた。
558偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/09 16:23 ID:xcRPetb0

(駄目ですっ・・やめてっ・・・)
両腕ごと抱えられて動けない為、ミネアは囁くような小声で抗議した。
初めは勇者が何をしているのかわからなかったミネアも
何をされているのかようやくわかったらしい。
「だめっ・・!だめっ!」
ミネアが宙に浮いた足をバタバタさせるが勇者はとりあわずクンクンと匂いを嗅ぎつづける。
最近は野営続きで随分お風呂に入っていない。
もちろん体は拭いているし、まめに着替えてもいるが
好きな人から「臭い」と思われるのは年頃の純情な少女にとっては何よりも恐怖である。
「だめっ!やめて!」
暴れるミネアの声がどんどん大きくなってきて勇者は胸にうずめていた顔を上げた。
(シーっ)
(だ、だって・・)
暗闇でもわかるほどミネアの顔は羞恥に赤く染まっている。
(明日にはガーデンブルグに着くんですよね。
 だから明日・・・)
(もちろん明日も可愛がってあげるよ。
 ガーデンブルグが無事だったらの話だけど)
微笑んで勇者はミネアの体を地面に降ろした。
(でも、今日も楽しみたかったな)
(ごめんなさい・・・)
キスはして欲しい、だけど抱かれるのは嫌だなんて自分が酷く我がままに思えて来る。
(謝る事はないよ。ただ、明日は今日の分もする事になったから大変だ)
(が、がんばります・・)
勇者の発言の意味する所を悟ると、ミネアは顔の赤さを隠すようにうつむいてしまった。
消えそうに小さい返事を聞いて勇者はコツンとおでこをぶつけ
顔を上げさせるともう一度口付けをした。
互いに背中に手を回しふやける程に口付けを繰り返す。
もしこの時、二人が目を閉じてキスに集中していなかったら
もう少し周りに気を配る余裕があったら
自分達に注がれる視線に気付いていたかも知れず事件は起こらなかったのかもしれない。
559偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/09 16:24 ID:xcRPetb0

遥かなる夢の国。地上の楽園。最後の桃源郷・・・
男が女にみる幻想の数だけ甘い異名を持つ国、ガーデンブルグ。
そのガーデンブルグの城に勇者達が着いたのは
ちょうど太陽が真上に差し掛かろうかという頃だった。
「じゃあこれから行動を別にしよう。
 それぞれしたい事があるだろうから自由にしてくれ」
城の一階に用意されていた宿屋に入るとすぐに勇者は自由行動を宣言した。
訪れる前はガーデンブルグが魔族に占領されているという
最悪の状態も想定していたのだが明らかにそのような様子はない。
そこで各自予定していた行動をとる事になったのだった。
いくら平和そうに見えても冒険者のセオリーとして
初めて来た国の初日に自由行動など避けるべきである。
ましてやガーデンブルグといえば誰もが知っていて誰も知らない国と
詩人どもに詠われるような内情の全くわからない国だ。
勇者も普段ならこのような軽はずみな事は言わなかっただろうし
他の皆も団体で行動する事を勇者に進言しただろう。
この時から既に彼等は罠に嵌っていたのかもしれない。
勇者は人々の生活レベルを見に
ミネアとマーニャは服屋を探しに
トルネコはこの国で行方不明になった商人を探しに
ライアンは武器屋をまわりこの国の兵士と話してみたいと言ってそれぞれ出て行った。
そしてアリーナはブライとクリフトと共に服屋探しである。
といってもミネアとマーニャが探すだろう店と違って
正装に使える服を売っている店を探すのだ。
明日はガーデンブルグ城の女王と謁見を予定しているため、
「姫様をこのような薄汚れた格好で謁見させてはサントハイム王家の恥」
とブライが強く主張したのだった。
アリーナも本当はミネアやマーニャと一緒に可愛い服を探しに行きたかったが
断ればブライがうるさそうだったのと、何より「ミネアと一緒」というのに躊躇ってしまい
「一緒に行く」と言い出せなかった。
560偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/09 16:25 ID:xcRPetb0

ガーデンブルグ城の造りは実に変わっていて
様々な城を見てきた彼等でも想像出来ないような代物だった。
一階部分が人々の生活する空間を兼ねていて
まるで小さな街のようになっていたのだ。
「うーむ。凄いのう・・。
 城の中に店があるなどサントハイムでは考えられん」
「確かにそうですね、城下町と城を一緒にしているのでしょうか。
 それにしても本当にここは女の人ばかりで・・・
 どうにもさっきから目立っているような気がしてなりません」
「ここが城下町代わりというわけか?しかしそれにしては狭いのう。
 一体この国はどうなっておるのじゃ・・」
「ええ全く。しかしなにやら気恥ずかしいですね」
壁や床を見れば城の作り自体は白レンガを多く使い
上品に仕上げた物である事はわかるのだが
城で暮らす人達の生活スペースに使われており
さらに規模は小さいものの商店まであるので
雑多な印象と上品な雰囲気が混ざり合いなにやら不思議な空間を形成している。
それに、違和感を与えるのは城の作りだけではない。
本当に噂どおり女性しか見当たらないのだ。
門番や兵士ですら女性である。
それが逆に、女性でもおかしくない職業まで違和感を感じさせる。
ブライとクリフトはこの物珍しい場所に心が騒ぐらしく
あれやこれやと周りを見てははしゃいでいた。
しかし、アリーナの心はそんな二人をよそに沈んでいた。
いや沈んでいるというより沈んでいいものかわからなくなっているというべきか。
とにかく”楽しい”というような気持ちとは違っていた。
原因の方ははっきりわかっている。
昨夜、見た光景だ。
あれを見たせいで、今朝から勇者とミネアの顔をまともに見れない。
561偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/09 16:26 ID:xcRPetb0

考え事をしていたアリーナに一人の女性が声をかけた。
声をかけられアリーナは、はっと我に帰り声のした方を向く。
「あ、マーニャ・・・あれ?さっきまでブライとクリフトがいたんだけど・・・」
マーニャに言われて見渡してみるとブライもクリフトも見当たらない。
考え事をしている間に置いていかれてしまったようだ。
「どうしたの?元気ないじゃん。
 ガーデンブルグ行くの「あら?アリーナ。一人なの?」
楽しみって言ってたのに」
「・・うん。あれ、マーニャはミネアと一緒じゃないの?」
「服屋までは一緒だったけど今は別行動。
 あたしは服も買ったし一回宿屋に帰るけど一緒に帰る?」
「あ、ううん。ブライ達探してみる。ありがと」
「そ。じゃ、またね」
「あ・・待って!]
荷物を抱えて帰ろうとするマーニャに思わず声をかける。
しかし首だけ振り返ったマーニャの顔を見ると決心が鈍る。
「ん・・ううん。なんでもない。ごめん」
マーニャは少し不思議そうな顔でアリーナを見て微笑んだ。
マーニャと別れるとアリーナは頭に浮かんだ考えを打ち消した。
勇者とミネアが何をしていようと関係ない。
そう思ってブライ達を探す事にした、のだが。
少し歩くとある部屋からこそこそと出てきた男とでくわしてしまった。
「お嬢さん、この部屋の中に入ってみなさい。面白いものが見れるよ」
全く子供騙しな手口である。
いつものアリーナならひっかるはずもない罠だ。
そもそもガーデンブルグで知らない”男”というだけで警戒して当たり前である。
しかし、アリーナの頭に浮かんできたのは昨夜の光景。
こんな所で二人が何かしているはずもないのだが
アリーナは二人がやっていた事の意味を完全に把握できたわけではないのだ。
もしかしてと、こっそりと部屋の中に入ったアリーナを待っていたのは
帰ってきた部屋の主の悲鳴と、泥棒という汚名であった。
562偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/09 16:26 ID:xcRPetb0
一回目の投下終わり。
続きは明日投下します。
563名無しさん@ピンキー:04/05/09 19:58 ID:e4Bq8rhn
ちょうど今ドラクエ4やってる俺としては、非常にいいタイミングでした
564名無しさん@ピンキー:04/05/09 20:55 ID:J57qjT35
お疲れ様です、三角関係勃発ですか?
明日を楽しみにしています
565名無しさん@ピンキー:04/05/09 21:04 ID:4zaZ3V7T
まだ続いてタ────(゚∀゚)────!!!!
これが読みたくてこのスレ通ってたようなもんだから非情に嬉しい。
明日も楽しみにしてまつ。
566名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:37 ID:Jl1iIGwA
続き希望してくださった方々、ありがとうございます。
筆が止まっていましたが、主ビアで
>>123-124>>153-155>>236-238の続きです。
今回は途中までですが、次回で終わる予定です。
567名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:38 ID:Jl1iIGwA
リュカの前に膝をつくと、目のやり場に困りながらもビアンカはリュカのベルトをはずし、旅装束をまくった。
今にもはじけ飛んでしまいそうに見える下着の前を留めているボタンを緊張と羞恥でおぼつかない指先で外してやると、リュカのそれがぬっとその全身を現した。
今までにだって見ているものなのに、身体のほかの部位とは明らかに違う質感と、己を主張するその猛々しさに、ビアンカは思わず息を呑んだ。
ビアンカが揃えた指をそれに触れさせると、リュカは小さく身を震わせた。
ビアンカの指がすべるようにそれを包み込んでいく。
唇を寄せ掛けた彼女は一度動きを止めて、いつも右肩に乗せてあるみつあみを右手で後ろに送った。
その手がリュカの膝に乗る。
リュカはそんなちょっとした仕草にも高揚して、ビアンカの手の中のものがいっそう硬さを増した。
改めて、というふうに一呼吸したビアンカの吐息にもリュカはくすぐられてしまう。
「んっ……」
ビアンカの唇がゆるく押し当てられた。
唇へのキスと同じように、はじめは触れるだけだった唇が、徐々にあちらこちらと吸い付いていき、それにつれてリュカの息遣いも荒くなっていった。
しかし、淡すぎる指使いにもどかしくなってきたリュカは、小さな声で彼女の名前を呼んだ。
名を呼ばれ、ビアンカは一度動きを止めると、口内の唾液を掬い上げた舌を覗かせ、握りを少し強めて、彼自身の頭の部分にゆるりと舌を絡めた。
568名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:38 ID:Jl1iIGwA
「は、ぅっ……」
思わず声を出してしまったリュカに気を良くしたビアンカは、上下動する手の邪魔にならないようにしつつ、ぴちゃぴちゃと音を立ててあちらこちらを舐め始めた。
「ふっ…う、あ……」
ビアンカの舌が動くたびにリュカが両手で装束を握り締める。
ビアンカは最後に根元から頭まで彼の反りに合わせて舐めあげ、そのまま口でかぽりと包み込んだ。
「はっ……!」
「ん…くっ……ぅふう…」
上目遣いにリュカを見上げたビアンカの目が満足そうに笑み、リュカはその視線に物理的な快感とは違う高まりを感じ、また一歩限界に近づいた。
ビアンカもリュカが発する声と唇から伝わってくる熱に浮かされ、身体の疼きが増してきて、無意識のうちに腰を揺らした。
リュカはそれを見逃さない。
「ビアンカも……して、あげようか?」
彼女の頭を押さえ込み、がむしゃらに突き動かしたい衝動をどうにか堪えているリュカが問うと、ビアンカはびくりとして動きを止め、どうして分かったんだとばかりに不思議そうな視線を彼に向けた。
「……ふ、う?」
息を漏らした口の端から幹を伝って唾液が流れる。
「だって、ビアンカ……お尻、動いてる」
569名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:39 ID:Jl1iIGwA
頬を染めていた淡い紅色が耳まで一気に広げ、ビアンカは顔を上げた。
「……っは!やっ、だ……そんなこと……」
「いいじゃない。ビアンカ、俺としたいと思ってくれてるんでしょ?
だから、すごく嬉しい」
そう言って、リュカはビアンカの唇にたっぷりとついた唾液を親指で拭い、その指をぺろりと舐めた。
リュカの言葉に押されたのか、その仕草に押されたのか。
ビアンカの熱を持っていた箇所はひときわ熱い雫を体外に押し出し、それが膝まで流れ落ちる感触に、ビアンカは身体を震わせ、片眉をひそめた。
「っ……」
つられたようにリュカが震え、すでににじみ始めていた白く濁った液体がその量を増す。
「……ビアンカ、あとちょっと……お願い」
痛みを堪えているようにさえ見えるリュカに言われて、ビアンカは頷いて再びそれに顔を寄せ、
「口で……いいからね」
と告げると、口でリュカを包み込んだ。
動かす余裕のない舌をどうにか絡めて、顔を前後に揺らし、口で補えない所には手を使う。
ビアンカが溜まった唾液を飲み込もうとして、上下した舌にリュカの先端が圧迫される。
570名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:40 ID:Jl1iIGwA
「ビっ……ビアンカッ!」
その声に、ビアンカがひときわ強く口の中のものを吸い上げた。
「あっ……くうぅっ!」
ついに耐え切れなくなったリュカがビアンカの口の中で爆ぜた。
喉奥めがけて放たれた精液は飲み干しきれないほど多く、ビアンカの口の端から、白い濁液があふれ出て、ビアンカの胸元にたぱたぱと落ちた。
硬さを失ってしまったものがビアンカの口から離れると、彼女は顔をゆがめて、口の中に残ったものをすべて嚥下して、肩を上下させた。
口の周りについているものを指で掬って舐め取り、目の前の萎えたものを手にして、ビアンカは舌で周りについているものを拭った。
それだけで、リュカはまた軽く勃ち上がる。
「ありがと……」
リュカは椅子から滑り降りるようにしてビアンカの目の前に膝を着き、彼女の口の周りにこぼれた、自分のものを舐め取ると、唇に軽くキスをした。
「すっごく気持ちよかった」
熱が冷めきらない笑顔でそう言うリュカにビアンカも照れた笑顔を返した。
571名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:41 ID:Jl1iIGwA
リュカはまた一つキスをすると、近くにおいてあったバスタオルに手を伸ばし、
「今度はビアンカの番ね」
と言った。
「え……あ……」
「ね」
頬に唇を落としたリュカに、ビアンカが頷くと、彼は両腕をビアンカに廻し、その後ろにバスタオルを広げ、寝て、と言いかけた。
「あっ!ちょっと待った」
バスタオルの上に腰を落としてかけていたビアンカがその動作をやめてリュカの方を見ると、彼はビアンカの腰留めを外し始めた。
「えっ!?なっ、なにっ?」
「服、汚しちゃったからね。脱いで」
「あ……自分で、脱ぐ……」
「ダメ。俺が脱がす」
ビアンカの返事も待たずに、リュカはビアンカの衣類を脱がせてしまい、ビアンカは先ほど、下着を脱いでしまったことを今更思い出し、服を取り返そうと手を伸ばした。
しかしリュカは、彼女の手が届かないよう、自分の後ろにそれを置いてしまうと、片腕だけで彼女を包み込み、まだ苛めモードの抜け切らない意地の悪い笑顔を見せた。
572名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:42 ID:Jl1iIGwA
「服は、要らないよね」
「それはっ……そう、なんだけど……」
「だったら、いいじゃない」
うろたえるビアンカの背中を支え、その場に横にすると、リュカは彼女から身体を離した。
白い身体が窓から差し込む日の光を反射して、滑らかな曲線を描き出す。
リュカは自分の衣服をすばやく脱ぎ捨てた。
その間も恥らって身をよじるビアンカからは視線を外さない。
ようやくすべて脱ぎ終えると、リュカはビアンカの脇に両手を添えた。
手のひらで彼女の輪郭をなぞり、下へとそれを移していく。
「あっ……んっ……」
移動するリュカの手の下で、ビアンカの肢体がくねり、そのたびに甘い声が彼の耳を打ち、リュカは再び自分が高まってきている事を感じていた。
手が膝まで来て、リュカがビアンカの閉じられた膝に手をねじ込むと、ビアンカがか細い声を出した。
「あ……や、やだ……」
「開かなかったら、何にも出来ないよ?」
「でも、ここ……明るいし……」
リュカは一度窓の方を見てから、またビアンカに顔を向け、
「うーん……でも、暗くするのは、無理じゃない?」
口元に笑みを浮かべてそう告げた。
「そう、だけど……」
「まあ、今日は諦めて」
戸惑うビアンカをよそに、リュカは膝を開き、その膝が彼女の豊満な胸につくほど膝を折り曲げた。
573名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:43 ID:Jl1iIGwA
「やあっ!」
とっさに脚を閉じようとしたビアンカだったが、当然リュカの力にかなう筈もなく、ビアンカの濡れそぼった身体の中心はリュカの目の前に晒され、リュカはぬらぬらと光り、ひくんと震えるそこをじっくりと眺めた。
先ほど雫が流れ落ちた事を示す跡を見つけると、リュカはすかさずそこに舌を這わせ、
「ン……膝まで……」
ビアンカに聞こえるような呟きを発した。
「ど……して、そう、いうことっ……」
足先をひくんと跳ねさせながらも、抗議の言葉を口にしたビアンカを上目遣いで、リュカは見上げた。
「だって、本当のことだし?
それに……ねえ?」
前髪のお返しが終わっていないと、柔らかいももを揉みしだき、跡がつきそうなほど強く吸い、上目遣いでそう言うリュカにビアンカは目を見張った。
「うそっ!や……んっ!リュカ、しつこ……っ」
「色々言うけど、ビアンカ、いつもより濡れてない?」
リュカはくすくす笑いながら、湧き出してくる蜜を指で掬ってそれを舐めた。
ビアンカはビアンカで強く首を横に振る。
「そう?なら、ちゃんと濡らさないとね」
リュカの舌がビアンカの身体の入り口に差し込まれた。
574名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:44 ID:Jl1iIGwA
「んあっ!」
ビアンカの背がびくんと反る。
リュカは彼女の脚を押さえたまま、舌でひだを舐め、唇で秘核を甘く食んだ。
「はっ!……あっ、ああっ……んっ、や……」
一つ一つの動きをする度に声と共に雫が溢れ、ビアンカの秘毛はぺったりとその白い肌に張り付いている。
「どう?気持ちいい?」
口の周りを舐めながらリュカが尋ねた。
彼の顔もまた、高揚感でのぼせている。
「……っ、知らないっ!」
「気持ちよくないなら、そう言ってよ。ビアンカのこと、気持ちよくしたいから」
ビアンカの怒った口調に動揺もせず、リュカは彼女の中に指を二本そろえて沈めた。
「ふ、くぅぅ……」
真っ赤に染まった顔のビアンカは眉をひそめて身をよじり、己の中のリュカの指を締め付けた。
言葉とは裏腹に止まることを知らずに、高まっていく彼女の様子とくちゅくちゅという粘質の音がリュカを煽る。
彼女が一番反応を示す場所を押し、親指で周囲の毛並みをいじるうちに、リュカはまた一つのことを思いついて、リュカは少しはなれた所に置いてあった剃刀に手を伸ばした。
575名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:44 ID:Jl1iIGwA
「リュ……リュカ?」
「ここ、きれいにしようか」
剃刀を持ち直し、ビアンカの下腹に刃を当てるリュカにビアンカの顔の色が引いた。
「や、やだよ」
「大丈夫。傷つけたりしないから」
「や……」
「子供の頃みたいにさ……」
調子に乗って笑顔で言うリュカに対して、ビアンカの目からポロリと涙がこぼれた。
「ビアンカっ?」
さすがに慌てるリュカから、ビアンカは目を逸らし、指で涙を拭った。
「もう、知らないっ。
…たし、ちゃんとっ……謝ったのに、リュカ、意地悪ばっかり……」
「あっ……うん、うん。そうだよね、ごめんね、俺、やりすぎちゃったね」
リュカは即座に剃刀を後ろに放ると、ビアンカを折り曲げてあった膝ごと抱え込み、涙の跡がかすかに残る目じりを舌で拭われビアンカの肩が小さく揺れた。
「ごめんね、ビアンカ」
頬に唇を落とすリュカに、ビアンカは顔は横に向けたままで視線だけを向けた。
576名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:45 ID:Jl1iIGwA
「もう……あんなこと、しない?」
「うん、しない」
「ホント?」
「ホント」
「反省してる?」
「もちろん」
ビアンカはようやくリュカの方に顔を向けると、自分の唇をほんの少しだけ突き出して、人差し指でそれを示した。
「ん……」
リュカは小さく頷くと、目を細めてゆっくりと顔を寄せた。
安心したようにビアンカが瞼を伏せ、近づいてきた唇を受け止める。
互いに互いの唇の感触を堪能しながら、どちらからともなく、唇を開き、そこから覗かせた舌で相手の唇を舐め合う。
そうするうちに見つけた相手の舌に自分を摺り寄せ、絡め合う。
口の端から溢れ出た唾液がビアンカの頬へ。
頬から首筋へととめどなく流れていき、唾液を混ぜ合う音が口内から互いの聴覚を刺激した。
鼻から漏れる息、密着しているせいで伝わる鼓動、それらが二人を先ほど以上に高揚させていった。

(続)
577名無しさん@ピンキー:04/05/10 00:19 ID:hWVkH8S1
焦らすなあ(*´Д`)ハァハァ
578KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:32 ID:S4KOFReu
失礼しまして、DQ3で男魔法使いX女勇者投下させていただきます。
駄目なかたはスルーで。
NGワードはkino。

579KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:33 ID:S4KOFReu
◆シュガーベイベ◆





「幽霊船って本当に出るのかなァ?」
船の中でジェシカはそんなことを呟く。
「出るわよ。これあるんだから。ま、今すぐってわけでもないだろうけどね」
糸に括られたのは人間の骨。形からして腕の一部だろう。
指先で弾けば乾いた音。
「何?それ」
ホーリーは真っ赤な唇で笑う。
「船乗りの骨よ。仲間と共鳴しあうって話。だから、船を呼べるのよ。こいつだって
 本体に戻りたいだろうしね。引き合うのよ」
煙草に火を点けて、船縁でレンは呑気に釣り糸を垂れている。
「んじゃ俺は晩のおかずでも釣りますか」
「大王イカとか嫌よ。釣るなら食べれる魚にして」
「あたし、イカ好きだよ」
見張り台からふわりと降りてエースは首を捻る。
「大王イカなんかまずくて食えねぇだろ。つーか、食うって考え捨てろジェシカ」
「ま、これだけ天気もいいんだし。着替えるわよ。ジェシ」
580KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:33 ID:S4KOFReu
ホーリーは片目を悪戯気に閉じて、ジェシカの手をとって消えしまった。
二人が姿を出したのは半刻ほど過ぎてから。
「じゃーん。可愛い?」
揃えたのは短めのビキニ。ジェシカの銀髪は二つに結われ、その結び元には貝殻があしらわれた飾り。
「お前そうやってるといい乳してるよな」
まじまじとホーリーの谷間をレンは見つめた。
「あんたも脱いだら?ついでにその服洗濯しなさいよ」
いわれるままに脱衣所に向かって籠に放り込む。
ついでとばかりに解かれた黒髪。
精悍な顔つきと筋肉質の身体。右肩には三本の傷が走る。
そちらこちらには連戦での激闘の痕跡。
「おっさんいい体してんな〜」
「お前にほめられても嬉しくもなんともねぇな」
そうはいうものの、口元は少しばかり綻んでいる。
のんびりと釣り糸をたれる隣に座るのは法衣を脱いだ女。
「ちょっと、釣れるの?」
「運がよかったらな」
腕を絡ませる姿はなまめかしく、頭上の太陽もどこかに消えてしまいそう。
「エースは脱がないの?暑くない?」
「……おっさんみたいに見せられるような身体してねぇんだよ……」
鷲色の前髪をかきあげて、忌々しい太陽を見上げる。
日に焼けることのない色白の身体。ひ弱なわけではないが男としては少しばかり威厳に欠けていた。
581KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:34 ID:S4KOFReu
(俺だって、気にはしてるんだぜ……恋人ならそれくらい分かれよ……)
少し日に焼けた肌に銀の髪。潮風を絡ませながら彼女は甲板を素足で歩く。
「エース、どうしたの?」
すい、と手が伸びて帽子にかかる。そのままひょいと取り上げてジェシカはそれを被ってしまった。
ぎょろりと大きな瞳が幾重にも描かれたその帽子。
「ちょっと、おっきいかな」
「そうだな。あっち行ってみようぜ。何か面白いの見れるかも」
二組に分かれてすごすのは甘い時間。ロマリアから少し回って内海での後悔。
今夜の寄港は不夜城アッサラーム。それまではこの太陽を浴びながら目に眩しい水着を楽しもうと決めた。





名物のベリーダンスを見ながらこの先の後悔の予定を再確認。
「なぁ、俺さ……ピラミッドもう一回行きてぇのさ」
果実酒を一息に飲み干してレンはホーリーのほうを見る。
「やぁよ。あそこ埃臭いし……大体なんのなのよ。あの屍骸(ゴミ)たちは」
鹿肉のサラダに手をつけながらホーリーは地図を広げた。
アッサラームはロマリア大陸の東。レンの望むピラミッドは砂漠の国イシスの領土。
統括するのは美しき女王。レンの母国の女によく似ているらしい。
一度謁見したきりだが気さくで冗談の好きな女だった。
「そこを何とか。さすがにこれもぼろぼろになってきててよ……」
582KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:35 ID:S4KOFReu
ちらりと袋から覗かせたのは愛用の鉄の爪。
それも連日の戦闘で限界に来ていた。
「ピラミッドの地下に、黄金の爪ってのがあるんだってさ。俺専用だけど……わるかないだろ?」
「レンが行きたいんなら、あたしは良いよ」
「俺も。これこの前買ってもらったしな。おっさんのギャンブルで」
エースがほくほくと取り出したのは理力の杖。かざせば膨大な光を生み出す魔道士にはもってこいの
一品だった。
レンは時折闘技場へふらりと消えては軍資金を倍以上にして帰ってくる。
「あたしもこれ貰った」
大金槌をちょっとだけ覗かせて。
「……あたしも、いろいろ貰ってるけど……ゴミ臭いのって嫌なのよ……」
人ならざるものの声は彼女の耳を悩ませる。
無念を抱いて死んだ者。王家の墓標を守る者。
神官は望まなくてもその声を聞いてしまうのだ。
「……わかったわよ。あたしの負け。明日行きましょ。ピラミッドに」
「さっすが!いい仲間もってよかったぜ」
三十路の男は満足気に笑った。
「その代わり、ここはあんたの奢りね。ジェシカあんたもたまには飲みなさい」
どん、とジョッキを回して酒を勧める。
「わ〜い。いただきま〜す」
「あたし、本当はムオルに行きたかったのよ。ま、また今度でいいんだけどさ」





不夜城の夜は更けて、四人にも束の間の休息。
バスタブにたっぷりの湯。香玉で色をつけられるのもアッサラームならでは。
583KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:36 ID:S4KOFReu
「ジェシ。風呂?」
着替えを抱える少女を後ろから抱きしめる青年。
「俺も一緒にはいろっかな〜〜」
「え〜〜〜?どぉして?」
「いいだろ?俺こういうの好きなんだ」
手早く上着を脱がせれば焼けた素肌が甘く誘う。
「やだぁ……」
照れながら男の手をとってバスタブへと導く。
薄い紫の湯船は、この街の色を写し取ったかのようにほんのりと隠微な色合い。
傷だけの身体なのはお互い様で、唇を重ねあって抱きしめあう。
「……伸びたな、髪」
指の隙間をさらりと抜ける銀の糸。旅立ったときは少年と見紛うほどだったのに。
今はありありと女の色香を醸し出す。
「うん……」
ぼんやりと付いた水着の後。それを指先でなぞれば同じように触れてくる小さな手。
後ろから首筋に、耳に、耳朶に降るのは甘い甘い接吻。
「……ぁ……ん……」
指先はそのまま柔らかい乳房に下がって、その先端の飾りをきゅんと摘み上げる。
ふにゅんと感じるその感触。焼けた肌が銀糸の髪と対を成す。
(結構……エロい気がする……こういうのって)
耳を飾る水晶を唇で外して、頬を甘く吸う。
584KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:37 ID:S4KOFReu
「あ!や……ぁん!」
ぎゅっと掴めばこぼれる吐息。世界を駆け回る勇者も今だけは一人の少女。
この小さき手が剣を持ち、世界の運命を握っているのだから。
「嫌じゃねぇだろ?」
「ん……でも、お風呂でなんて……」
恥ずかしげに染まるのは頬だけではなく、耳まで真っ赤にして彼女は俯く。
「あ!!」
ちゅ…と指先は下がって隠れている弱点をそっと擦り上げる。
転がすように指先を動かして、きゅんと押し上げればそのたびに細い肩がびくんと揺れた。
「……っあ!!エー…ス…ぅ……」
見上げてくるのは潤んだ瞳。指先はそのまま沈んで奥へと忍び込む。
ぬるついた体液が指先に絡みついては、もっと奥へと誘って行く。
指二本を根元までくわえ込ませて、かき回すように動かす。
そのたびにくびれた腰が揺れて。
(やっぱ……顔見てしたい……)
「あんっ!!」
ずるりと引き抜かれて、追いかけるように腰が跳ねた。
(お……開発途上って感じ?)
自分を跨がせて、その腰に手をかけてゆっくりと腰を静めていく。
「!!」
ぐっとつながれて、すくんでしまうのはまだ慣れていないから。
抱き寄せた腰とつながった箇所の甘さと熱さは一匙の砂糖で海をもミルクティーにしてしまうほど。
突き上げるたびに耳にかかる荒い息は、本能を溶かす隠微な呪文。
膝を折って少しだけ身体を斜めにすれば、しがみつくように回る細腕。
同じ年頃の娘の爪は、みな鮮やかで美しい。
けれども、彼女の爪は短く切られところどころかけている。
剣を握るのに長い爪は邪魔だからだ。
その指を取って、根元なら舐め上げていく。
「あ!やだぁ……エース……」
「すっげ……綺麗な指してる……」
それは嘘偽りのない言葉。彼にとっては彼女の指が世界で一番綺麗なのだから。
585KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:37 ID:S4KOFReu
「……嘘ぉ……節くれて……」
「剣を握る手だ。こんな綺麗で素直な手、他に無いだろ?」
手の甲にちゅ…とキスを。傷だらけでも、愛しいこの身体。
ふにゅんと柔らかい胸が重なって、皮膚を隔てて心音が伝わってくる。
もどかしげに揺れる腰を抱いて、下から突き上げていく。
「あ!!…っは……ンッ!!」
くちゅんと絡みつく女の襞は、やんわりと男を絡めとる。
空いた手をそっと薄い茂みに沿わせて、肉芽をく…と押し上げて。
「あァン!!」
「……っ……いきなり締めんなって……」
さわさわと頭をなでる手。
(イキそうになったろ……)
恋人の前では誰だって姫を守る騎士でありたい。
しかしながら現実は、彼女が彼を守るのだ。
大降りの剣を振り回して魔物に飛び掛る姿。それを援護する形で彼はあらゆる魔法を使う。
今だけでも、彼女のための騎士でありたいだけ。
「……口、開けて……」
半開きの唇を吸って、舌を絡める。噛み合って、吸いあって、舐めあって、重ねるキス。
本能を直撃させて、脊髄で感じる接吻を何度も重ねあう。
「……ふ…ぅ……」
「お前って……綺麗な顔してるよな……」
舌先をつなぐ銀糸を断ち切るのは男の細い指。
「……?……」
ずい、と突き上げるたびにぎゅっと閉じる瞳。仰け反る背中を抱きしめてその肩口に跡を残す。
「俺にとっちゃ一番綺麗だ。今も、これからも」
586KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:38 ID:S4KOFReu
「……馬鹿ぁ……っ……」
目じりにたまる涙を払って、そこに触れるやさしい唇。
勇者という名は彼女を縛り付ける重い鎖。
「あ!!あ……ッ!!」
「……ジェシ…腰…使って……」
切なげに振られる細腰を抱いて、無我夢中で突き上げる。隔てる粘膜すら邪魔で……苦しいから。
「あァン!!あああァンッッ!!」
崩れる瞬間だけは一緒にありたいからきつく抱きしめた。
この眠らない街で誰かにまぎれて恋人同士でいられるようにと。




欠伸を殺しながらピラミッドの内部へと足を進める。
壁に刻まれたのは古の文字。埃まみれのそこをジェシカの指がなぞり上げた。
先刻から切り倒した魔物は後ろで屍の山に。
「ねぇ、ここから下にいけるみたいだよ」
額の汗をぬぐって、レンは壁の一部を押した。
がこん。と崩れて見えたのは薄暗い階段。
「カビ臭……あたしこの臭い駄目……」
けほけほと咳き込むホーリーの手を引いて、レンは階段を下りていく。
587KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:39 ID:S4KOFReu
「ジェシ」
「ん…………」
少し甘えたように、ぎこちなくだが絡ませてくる腕。
二人の後ろを離れずに一段一段足を下げていく。
最終段を終えて、フロアにたどり着きそのまま前進すれば突き当たりは行き止まり。
顔を見合わせて首を傾げた時だった。
「きゃあっ!!」
「何だぁ!?」
ホーリーのローブの先に噛み付くのは笑い袋。ミイラを包んだ布が魔力を得てしまった結末の魔物だ。
けたけたと笑いながらからかう様に増え始める。
「やぁんっ!!」
今度はジェシカの髪を咥えてけたたと笑い出す始末。
振り払っても次から次に沸いてくる厄介な魔物達。
「破ッ!!」
前方ではレンがついでにと沸いてきたミイラ男を連打でなぎ倒している。
筋骨隆々とした肉体は、同姓が見てもため息がこぼれてしまう。
(おっさん……戦闘してるきはやっぱかっこいいよな……)
女を守る騎士には違っても、力のあるものの戦いぶりは女をひきつけるには十分だ。
比べれば悲しくなるのが己の身体。
(……ッキショ……俺だって……やるときゃやるんだ……)
理力の杖でジェシカにかかる魔物を振り払いながら、神経を集中させる。
(俺だって……男なんだからよ……っ……)
エースの周りの空気がゆっくりとゆがみ、熱を帯び始める。
ざわつきを感じるのか魔物の群れは一斉に彼のほうを向いた。
「我らが精霊ルビスよ、我が願いを!!」
呪文の詠唱と共に生まれ始める熱の塊。
「イオラ!!!」
周辺を包む爆風に飛ばれされないように必死に相手に掴まる。
ぜいぜいと肩で息をしながら、エースは硝煙の消えたあたりを見回した。
588KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:39 ID:S4KOFReu
「……俺、やった……?」
けほけほと咳き込みながら肩をたたくのは女僧侶。
「サンキュ、助かったわ。いつの間に覚えたのよ」
「ま、ちょっとは見直したぜ。坊主」
悪態をつきながらも仲間の顔は嬉しげに笑う。
「ジェシ?」
「……っは……すごいねぇ、エース……」
埃だらけの恋人の顔。煤を払えば、愛しくてたまらない小さな唇。
(キス……したいけどさすがにあれだよな……)
「お前のおかげで……見つかった。俺の最終兵器」
レンが手にしたのは古代文字の書かれた布で包まれた人の腕ほどの塊。
解けば中からは光を放ちながら目当てのものが飛び出した。
「……しっくりくるな……すまねぇ。寄り道させちまった」
「構わないわよ。あんたも満足したでしょ?」
強きものはより強くなるために、己の身体を鍛える。
それは魔道士には足りないことだった。
武器は数多の知識と魔法。武器を使えぬ自分には魔法の通じない相手からは恋人を守れないのだ。
(俺も……強くなりてぇ……)
ホーリーもある程度の武器を使いこなす。いざとなれば素手で猛禽類を殺すくらいの気迫もある。
けれども、魔道士としての修行しか積んでこない自分はろくに剣すら握れない。
どれだけいきがっても、彼女を守るには力が足りないのだ。
589KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:40 ID:S4KOFReu
「なぁ、姉さん」
埃を払うように煙草に火をつける女僧侶。
「ダーマの神殿に寄ってくれねぇか?」
「どうしたのよ、急に」
「俺……賢者になる。もっと強くなりてぇんだ」
少年は恋を知り、男に変わる。その階段を中程まで登った姿。
「…………いいんじゃないのぉ?それはリーダーに聞きなさいよ」
「ジェシ」
「……エースが行きたいんなら、いいよ?」




誰かを守りたいという気持ち。
恋は自分の弱さと向かい合わせてくれた。
この旅の終わりに見える風景を。
この先に得ることのできる景色を。
君と一緒に見ていたいから――――――。
590KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 01:41 ID:S4KOFReu
以上です。現在440kbです。
最近の投下ラッシュ、なんかすごいですね。
また時々持ち込ませていただきます。

次は新スレかな?
それでわ(゚▽゚*)ノ
591KINO@修行中 ◆Nq.KINOKeY :04/05/10 02:11 ID:S4KOFReu
誤字の嵐だ………

大王イカのどに詰まらせて逝って来ます_| ̄|○
592偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:48 ID:Z0FcaIl8
>>561の七行目「あら?アリーナ。一人なの?」
を二行目にあるものと思ってください。
なんであんな場所にあるのか・・・

>>561からの続きです
593偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:50 ID:Z0FcaIl8

さすがに女王の滞在する階だからか床の白レンガはぴかぴかに磨かれ光り輝き
その上に敷かれた赤い絨毯の道が階段から女王の座る玉座まで続いていて
常識的に考えられる”城”である事を主張している。
アリーナが捕まり、その仲間という事で勇者達は全員この玉座の間に集められていた。
突然の事態に戸惑う勇者達とは対照的に女王は冷静に原告の話を聞いている。
それにしても玉座に座っている美しい女王は
どう見ても二十代前半、下手すると十代という事もある。
一国の王としては考えられない若さである。
「……です」
まだ、うら若い女王は原告のシスターの話を聞き終わると
いささかも表情を変えずにアリーナに目をやった。
「こう申しておるがその方、罪を認めるか?」
「あたしは何もしてないわ!」
「嘘です!わたくしのロザリオを盗ったくせに!」
「何を抜かすか、小娘!アリーっんがっ!〜」
興奮してアリーナの正体をばらしてしまいそうなブライの口を勇者がおさえる。
大きく予定が狂ったが、いや狂ったからこそ
アリーナの素性はまだ隠しておくべきと勇者は判断していた。
「お静かに!!」
騒然とし始めた広間にひときわ大きな女王の声が響き渡り
再び広間には静かな緊迫感が満ちた。
シスターは恥ずかしそうに口を閉じ反論しようとしていた
アリーナやブライも我に帰ったのか静かに姿勢を正した。
「・・・しかし、彼女のロザリオが盗まれたのは事実。
 そなたでは無いとすれば誰がそのような事をしたと言うのですか?」
「きっとあの男よ!あたしに部屋に入れって言った奴!」
アリーナがこの場にいない真犯人に怒りを叩きつけた。
594偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:52 ID:Z0FcaIl8

しかし、女王はアリーナの言葉を聞いても心を動かされた様子は無く
表情を微塵も変えずにアリーナの顔をじっと見つめた。
それから、ゆっくりとアリーナの後ろに並んでいる彼女の仲間たちの方に顔を向けた。
値踏みするように仲間達の顔をゆっくりと見渡していた女王が
勇者の顔を見て動きを止めた。
見られている勇者もそれがどのような意味だったのかわからなかったが
淡々と裁いていた女王の変化は場を静まらせた。
女王が勇者を見ていた時間というのは実際はほんの少しの間だったが
女王がいままで無表情だった分その変化がわかりやすく目立っていた。
「よろしい。
 ならばあなた方がその真犯人を捕まえてきて下さい。
 その男とやらが真犯人だとするなら
 顔を見ているあなたが最も適しているでしょう。
 あなたへの疑いがはれたわけではありませんから
 誰かお仲間に残っていただきますが
 それでかまいませんか?」
「寛大なご処置感謝いたします。女王様」
ブライを抑える役をライアンに譲り勇者は頭を垂れて礼を述べた。
旅の間に宮廷での礼儀作法をブライから教わっていた為
なんとかみっともない姿は晒さないですんだようだ。
「ただし、犯人を見つけられなかった場合あなた達全員を犯罪者として処分します。
 ・・・では、下がってよろしい」
女王がそう声をかけると女王の近衛兵達が勇者達の傍にはしり寄ってきた。
彼女らに率いられるまま勇者達は一礼し、その場を退席した。
595偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:52 ID:Z0FcaIl8

「ここだ。誰が入ってもいいが常に一人は入ってもらわなければいけない。
 中に入る人間を交代する時は私に言ってくれればいい」
薄寒い地下に鉄の擦れる音が響かせ女性兵士が牢の扉を開けると
クリフトがアリーナを制して先に牢の中に入った。
顔を青くしていてもアリーナに関する事なら実に素早い。
見張りの兵士が離れたのを確認すると勇者達は鉄格子の前に円状に座り込んだ。
「クリフトごめん」
「当然ですじゃ。姫様が牢屋に入られるなど王家の恥ですからのう」
「やめてよ、もう!特別扱いしないで!今はっっ〜」
アリーナが自分の身分を大声で明かしそうになったので
マーニャが素早くアリーナの口を抑えた。
「「しーっ!」」
むがむがもがいていたアリーナも仲間全員から注意されると
ムッとしながらも静かになった。
「アリーナ、僕達もよくわからないんだが詳しく聞かせてくれないか?」
勇者に問われてアリーナは泥棒と間違われた経緯を話した。
もちろん、勇者とミネアの昨夜のような姿を想定していたとは言えなかったが
誰もアリーナの行動を非難もせず疑問を投げかける事も無かった。
アリーナもそれはそれでまるで自分が馬鹿な事しても当然のようで気に食わなかったが
今は何も言わない仲間達に感謝した。
「たしかにその男が怪しいな」
アリーナの話を聞き終えた勇者の言葉に皆一様にうなずく。
「ただのこそ泥が行き当たりばったりでやったのでしょうか?」
ようやく顔に血の気が戻って来たクリフトが皆を見渡した。
「うーん、どうですかね?
 確かに手段は一見幼稚に見えますが意外にそうでもありませんよ」
「どういう事?」
全員がトルネコの顔を見る。
596偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:54 ID:Z0FcaIl8

「まず、これは失敗してもかまわないように出来てるタイプの罠ですよね。
 もし、アリーナさんがその男の言葉を無視してもその男には何の被害もない。
 ただのまぬけが一人と通り過ぎただけです。
 つまり、罠にかけるつもりでいたなら、また新しい罠を用意できるという事です。
 誰かを罠にかける時は一回しかできない成功率が高い罠をかけるより
 何度も使える幼稚な罠の方が結局役に立つんです」
トルネコの推理を聞き、皆の表情がこわばる。
「その男というのが、僕達を狙ってきたと?」
「その可能性はあるでしょう。
 いや、まず間違いなく、そうだと思います」
「なぜです?」
「このやり方だと私達以外にはひっかけようがないですからね。
 この国の規模から言うとガーデンブルグ国民同士で
 顔を知らないなんて事はないでしょう。
 だからよそ者しかひっかけられません。
 ところがこの国はあの崖崩れのせいで長らく旅人がいなかった。
 今、この国でよそ者といったら私達だけ。
 いくらなんでも偶然じゃないでしょう。
 私達がこの国に来るのを知っていたか、待っていたか。
 どっちかと考えられませんか」
トルネコの推測に感心したように皆が頷く。
「だとしたら、やはり魔族でしょうか?」
赤みのさしてきた顔をまた青ざめさせてクリフトが問う。
「そう考えた方が良いじゃろうな。
 人間だとしても魔族に操られているか
 自らの欲望の為に魔族に荷担する者にきまっておる!」
ブライの怒りに満ちた声が地下に響く。
アリーナを疑われた怒りが蘇ってきたのだろう。
597偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:54 ID:Z0FcaIl8

「問題は誰を狙ってきたのかです。
 私を狙って来たのなら、そこらの下っ端でしょうが
 アリーナさんを狙ってきたのなら、手強い魔物が来たと見るべきでしょう。
 サントハイム城奪還の時に見られてますからね」
「でも、あの時あたし達の戦いを見てた奴から
 あたし達が強いって聞いた弱い奴らが正面から戦うのは不利と思って
 こんなせこい事してきたって事も考えられるじゃん」
「ふむ、確かにマーニャ殿の言われる事も最もですな。
 魔物も恐れをなしたのかも知れませんぞ」
格子の中からライアンが快活に笑う。
明るい笑い声で雰囲気を明るくしたかったのかも知れないが
その試みは地下牢の薄暗い空気に阻まれてしまった。
ライアンとは対照的に不安を隠せず暗い顔をしたミネアが口を開いた。
「でもおかしくありませんか?
 魔物が化けていた、もしくは人間を操っていたとしたら
 なぜ男性だったのでしょうか?
 この国でやるなら女性に化けたり女性を操るべきではないでしょうか?」
「・・・そういわれればそうだな」
「じゃあ、やっぱ魔物関係なし?」
気楽そうに言ったマーニャにミネアは首を横に振った。
「ううん、もしかしたらその男ってデスピサロという可能性はないかと思って・・」
ミネアの言葉に皆がギョッとする。
デスピサロの名がでただけで急激に空気が硬くなっていく。
彼等のうち誰一人姿を見た事は無いが、その名その存在は忘れた事がない。
598偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:55 ID:Z0FcaIl8

「いつもデスピサロは人間の男に化けて出てきてますよね。
 もしかして今回も・・と思ったんです。
 考えすぎでしょうか?」
「わざわざこんなしょぼい事しにあいつが出てくるわけ?」
「ううん。これはすごく重大な事よ。
 もしも、魔族が本格的に侵攻し始めた時に人間の希望である勇者さんを
 人間が処刑していたなんて事になったら人間同士で争いが起こるわ」
ミネアが語る言葉に皆の顔が強張る。
キングレオ、サントハイムと襲われたために警戒はしているものの
いまだに国家間で協力する事も無い。
いくら魔族が襲ってくると言っても
同じ人間の他の国に比べれば危険度は低いと言う認識なのだろう。
「でも、勇者が生きてるって知らないんじゃないの?」
「いや、この間のサントハイム城での戦いを監視していた奴がいた」
デスピサロが関与している、
その可能性があるというだけで皆の緊張感が張り詰めてくる。
恐れているのではない
むしろ倒したいという感情が気負いに変わってしまいそうな程だ。
「も、もしかしてガーデンブルグの女王もキングレオのように・・・?」
クリフトが怯えたような声を出す。
「ふむう、たしかに怪しい奴じゃった。
 まるで感情が無いかのような態度も操られているとすれば察しがつく」
そう考えると今のこの状況は敵の巣穴にいるようにも感じられてきて
冷たい地下牢が一層不気味さを増してくる。
「看守殿!すまんが中に入る人間を交代したい!」
突然ライアンが看守を大声で呼んだ。
すぐにやってきた背の高い女兵士が牢の扉を開けるとライアンはクリフトと交代した。
体の大きいライアンが入ると牢の中が狭くなったように見える。
ライアンが牢の中に入る事に誰も何も言わなかった。
牢の中の危険性を考えてライアンが自ら進み出たのだ、何も言う事は出来ない。
それに一人で戦わなければならないとしたらライアンが最も適しているのも確かなのだ。
599偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:56 ID:Z0FcaIl8

「すいません・・」
「気にしないでくだされ。万が一の事を考えたまでの事。
 捕まえてみれば只のこそ泥にすぎんでしょう」
「そうです!捕まえてみればただのこそ泥ですよ」
わざとらしく明るい声のトルネコに勇者が続く。
「結局、やる事はその男を探す事だ。
 捕まえてから素性を探ればいい」
「ふむ。勇者殿の言う通りじゃな」
「そうですね」
憶測で語ってもきりが無い、やるべき事をやるだけである。
「どっちにしても情報が必要だ。まずは聞き込みかな?」
「そうですね。この国に協力してくれる人がいればいいんですが・・」
「神父さんに聞いてみます。神に仕える者同士信じてもらえるはずです」
「シスターがアレなのに?」
「うっ・・」
「とりあえず動いて見ればこちらを見張っとるのがいるかどうかはわかるな」
「門番がその怪しい男が通った事を認めるか否かじゃな。
 知らん事はあるまい。知らんといえばこの国ごと敵じゃ」
「しかし、魔族っだったら姿変えたり消したりして入ってきたかも」
結局はその男が人間か魔族かという話に戻ってきてしまう。
「魔族が後ろにいるなら拠点が近くにあるかも知れないな。
 そうなると逆に場所はわかりやすいが・・・
 その男が魔族に利用されているだけだったとしたら
 既に消されている可能性もある」
そうなれば当然真犯人がいなくなり勇者達が犯人にされてしまう。 
言葉で雰囲気を明るくしても犯人を捕らえなければ何の意味もない。
空元気の効果も消えようとした時、ミネアが顔を上げた。
「あの・・誰か私をエンドールに連れて行ってください。
 犯人の居場所ならわかるかも知れません」
全員に視線を注がれて少し恥ずかしそうな様子でミネアが言葉を続けた。
600偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:57 ID:Z0FcaIl8

「特殊な占いの道具がいるんですが
 それを使えばその怪しい男の居場所が恐らくわかるはずです。
 何日か時間がかかるし、その男がデスピサロだったら通用しないんですけど・・・」
ミネアの声は最後の方は小さくなってしまったが、その提案は
碌な手がかりが無い状況に光明を射したようだ。
「わかった、それは僕が行く。
 その前にまず作戦をまとめよう」
勇者がそう宣言すると仲間たちが次々とどうすべきかを進言する。
勇者がそれを聞いて作戦を決定する。
いつのまにかそれが彼等の行動の指針を決めるやり方になっていた。
「魔族が後ろにいるなら近くに魔族の拠点があるかも知れない。
 トルネコとマーニャで街の人にその男の事を聞いてみてくれ。
 外から人が来たのは久しぶりだと言ってたからその男も相当目立ってたと思う。
 いざという時はその人達から
 その真犯人らしき男がいた事を証明してもらうしかないかもしれない。
 クリフトとブライはトルネコ達から離れて警戒してくれ。
 この国が魔族に操られているなら僕らを見張っている奴がいるかも知れない。
 アリーナはパトリシアの所に行ってやってくれ。
 もし、組織ぐるみの犯行なら僕らの脚を狙われる可能性がある。
 もし、襲われたら何が何でも倒そうとせずに逃げる事も大事だ」
指示を与えながら勇者は看守の目を盗みライアンにマグマの杖を渡した。
ライアンは瞬時に勇者の意図に気付き、音も無く杖を寝台に隠した。
もし、牢獄にいる時に魔族に襲われたら武器にもなるし
真犯人が見つからなかった場合は鉄格子を溶かして逃げる事も出来る。
最もガーデンブルグがまともな国だった場合はお尋ね者になるであろうが。
「みんな気をつけてくれ。
 こっちを分散させる作戦の可能性もあるから」
勇者が立ち上がり歩き出すと、ミネアはその後をトコトコとついていく。
二人の後ろ姿を皆が見送る中、アリーナだけは複雑な表情をしていた。
601偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/10 03:58 ID:Z0FcaIl8
二回目の投下終わりです。続きは明日投下します。
602名無しさん@ピンキー:04/05/10 05:20 ID:hWVkH8S1
き──────────た、きたきたー!!
勇ミネ(・∀・)イイ!!
らぶらぶであまあまなの期待してまつ。
603名無しさん@ピンキー:04/05/10 07:54 ID:O5PAna7n
レズもの書こうとしたが4は常に供給過多状態だのう
604名無しさん@ピンキー:04/05/10 21:16 ID:SV6++STQ
ネ申がたくさん居るスレはうらやましいでつね
605名無しさん@ピンキー:04/05/10 21:18 ID:byKDvtOy
おぉ、いっぱい来てる(・∀・)

>>566-577
主ビア待ってましタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
606名無しさん@ピンキー:04/05/10 23:34 ID:vVcNTmUi
>偽りの空言氏
おー、面白い。
実はこのスレ初めて来たんだが、保管サイトの過去ログあさって最初から読んでしまったよ。
男勇者のこう言うSSは意外と少ないんで楽しみにしてますー
607偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:48 ID:AHUiR2jK

さっきからずっと心臓の音が聞こえてくる。
勇者と別れてからずっとこの調子で落ち着こうとしても落ち着けない。
もうすぐ、勇者が今日の聞き込みの成果を皆から聞き終えるだろう。
それからの事を考えると不安と期待でミネアの胸は苦しくなった。
『一人でお風呂に入っちゃ駄目だよ。僕が迎えに来るまで待ってて』
別れ際に勇者の言った言葉がミネアの頭の中をぐるぐると回る。
言う事を聞かないで嫌われたくない、だけど臭い、汚いって思われたくもない。
お風呂場に続く扉に手をかけて離す、逡巡した後掴みなおし、また離す。
(一人ではいっちゃ駄目って、やっぱり一緒に入ろうって事よね・・)
一緒にお風呂に入る所を想像すると顔が火照ってくる。
さっきまでエンドールで一緒に買い物をしていたのにもうすでに会いたくてたまらない。
半日二人きりだったぐらいでは全然足りない。
こんな独占欲の強い女は嫌われるんじゃないかと思い不安になるがどうしようもない。
ミネアが風呂場の扉の前で悶々としながらうろうろしていると扉を叩く音がした。
ミネアは慌ててベットに飛び乗って行儀よく見えるように足を折りたたんだ。
「はい。どうぞ」
ミネアの返事の後、少しだけ扉が開くとそこから顔を出したのはアリーナだった。
勇者じゃなかった事に失望を覚え、ミネアはそんな自分を心の中で罰した。
「あの、いい・・・かな?」
「あ、はい、どうぞ」
アリーナは返事を聞いてから恐る恐るといった様子でミネアの横に腰掛けた。
いつものアリーナからは想像できないほど、しおらしい。
「あの・・き、今日はごめんなさい。私のせいで・・」
「そんな事気にしないで。
 悪いのはアリーナさんに罪をかぶせた泥棒の方ですから」
「でも、何の手がかりも見つからなかったし
 結局ミネアの占いに頼る事になっちゃったから・・」
「気にしないで下さい。
 こういう時の為に私はいるんだし、私の力が皆の役に立つのは嬉しいですから」
「ほんと?」
「ええ」
608偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:49 ID:AHUiR2jK

ミネアが微笑むとアリーナはほっとした。やはりミネアはいい人だった。
という事は教えられた通り、悪いのはあいつの方だ。。
こんな優しい人を苦しめている奴を放ってはおけない。
「あのね、ミネア」
「はい?」
「これからは困ってる事があったら何でも言ってちょうだい。
 同じ女の子としてミネアの力になるわ。
 一緒に勇者を懲らしめましょう」
予想だにしなかったアリーナの言葉にミネアは軽くパニックになった。
「こ、懲らしめる?」
「あたし、昨日見たの。ミネアと勇者が一緒にいるところ」
「み、見たって・・」
ミネアの頭の中を色々な言葉が渦巻いていた。
(見た!?見たって見たの!?何を見たの!?
 待って!!落ち着いて。昨日はキスぐらいしかしてないはず・・・
 あ!でも・・いや・・あれは・・・・)
「ミネア?」
空中を見つめたままミネアが固まってしまい戸惑い気味にアリーナが声を出した。
「昨日は、二人が何してるのか分からなかったの。
 見ちゃいけないものを見たんだって勘違いしてた。
 でも、わかったからには許さないわ!二人でやっつけよ!」
アリーナの言葉が耳に入ってくるが、全く意味がわからなかった。
見られていただけでも大変なのに、アリーナは勇者をやっつけるとか言っている。
「や、やっつけるって・・え、な、なんで?」
「なんでって・・・大丈夫、わかってるわ。
 あいつに口止めされてるんでしょ?なんて卑劣な奴なの!
 一時でも信頼してたあたしが馬鹿だった・・・!」
アリーナは一人でなにやら戦闘態勢に入っている。
「待ってください!何の事です!?」
「何って、勇者のことよ。
 昨日、見たんだから!勇者が嫌がるミネアを無理矢理抱きしめていたのを!」
609偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:50 ID:AHUiR2jK

「ねえさん!!」
ノックも無しに勢いよく開いた扉から入ってきたミネアが詰め寄ってきた。
「なあに?怖い顔して・・・」
マーニャはベットに寝転がったままとぼけている。
「とぼけないで!姉さんがアリーナさんに嘘ついたんでしょう!?」
後から入ってきたアリーナがミネアの後ろから顔をだした。
「あたしは嘘なんかついてないわよ。
 アリーナが昨日見た光景の意味がわからないって言うから教えただけよ」
悪びれた様子も無く澄ました顔の姉にミネアの怒りが増す。
「ねえさんが意味わからないはず無いでしょう!?
 誰が脅されてるですって!?誰が女を食い物にしてるんですって!?」
ミネアの声は抑えられているが、逆に抑えられた声が本気で怒っている事を伝えていた。
(これは・・・これ以上からかうとちょっとまずいかも・・・)
長年怒られて来た経験からマーニャはそう判断しベットから身を起こした。
「いやー、ごめんごめん。怒らせるつもりは無かったんだけど・・・」
謝ってもミネアは目を吊り上げたままだ。
「アリーナがさぁ、何にも知らないもんだからついからかってみたくなって。
 アリーナもごめんね。」
マーニャが謝るといまだに事情が掴めていないアリーナはきょとんとしている。
「ごめんって・・・?」
「さっき言ったの嘘。別に勇者はミネアを脅したり力づくでどうこうしたりしてない」
「えっ!?じゃあ昨日のは何だったの!?」
「うーん・・・アリーナってなんだかんだ言ってもやっぱりお姫様なんだねぇ」
「な、なによ!それは関係ないでしょ!」
アリーナはそう言うが関係ない訳ではない。
いや、普通の姫君なら嫁いでいく時の為にそういう事もたしなみとして教えられるのだが
アリーナの場合はいつも勉強をさぼっていた上に姫を溺愛する王やブライ達お城の人と
城下町の人達が「アリーナ様はまだ子供だ」と教えようとはしなかった。
そのせいでアリーナの知識は、男は力づくででも女の裸を見たがったり触りたがるモノ、
という辺りで止まってしまっているのだった。
610偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:50 ID:AHUiR2jK

「じゃあ昨日は何してたの?あたしも知りたい!」
詰め寄るアリーナにミネアはすでに怒りも失せ困惑していた。
考えてみれば嘘をついたマーニャも悪いがそもそも無用心だった自分も悪い。
「でも、お姫様はそういうの知らない方がいいから
 ブライさん達が教えなかったんだと思うんです。
 ですからブライさん達にも悪いですし・・」
そういわれるとアリーナとしてもますます引き下がるわけにはいかない。
「あたし、今は姫じゃなくてみんなの仲間だよ。あたしだけ知らないなんてずるい!」
困ってしまってミネアがマーニャを見るとマーニャは小さな笑みを浮かべてウィンクした。
「わかった、じゃあ教えてあげる。
 アリーナは愛し合う男と女が何をするのか知ってる?」
「・・・結婚」
「うん、そうね。じゃあ結婚式は見た事ある?」
「モニカ姫のならちょこっと見たけど・・・」
「地方によって異なるんだけど私達の地方では
 結婚式で結婚する男女が抱き合って口付けを交わすの」
理解できているのかアリーナは黙ってマーニャの次の言葉を待っている。
「でも、特殊な事情で結婚したいのに結婚式が挙げられない人もいるんだよね。
 そういう人達は結婚式ごっこをやって満足したりするの。
 昨日の勇者とミネアもそれなのよ。
 世界を救うため戦ってる勇者がのんびり結婚式とか挙げてられないでしょ?」
アリーナはいつまでも終わらないモニカ姫の結婚式を思い出しうなずいた。
確かにあんなに時間がかかるものを勇者がやっているわけにはいかないだろう。
「じゃあ、勇者とミネアは・・・・・け、結婚したの?」
なぜか胸がズキッと痛む、訊いてはみたが返事が怖い。
アリーナは自分が何か変な気がしたが何が変なのかわからなかった。
「ううん、まだ結婚式ごっこをやっただけよ。世界を救ったらするんじゃない?ね、ミネア」
「えっ・・そんな大それた事・・私が勇者さんと結婚するなんて・・・」
「あんたまだ、そんな事言ってるの!?
 世界を救った後、あいつが勇者って知れたら他の娘もいっぱい寄ってくるわよ
 盗られちゃってもいいわけ?」
611偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:51 ID:AHUiR2jK

「勇者さんが他の女の子を好きになったらしょうがないじゃない・・。
 私に束縛する権利なんか無いもの。
 先に知り合ったからって独占するのはずるいんじゃないかと思って・・」
マーニャは大げさにため息をつくとアリーナの方を向いた。
「ま、昨日のもきっとこういう事よ。
 勇者が好きだけど好きって言うべきじゃないと思い込んでるから
 結婚式ごっこしてるくせに、嫌とか、駄目とか言ってたのよ」
アリーナはすっかり納得の行った様子ではーっと大きく息を吐いた。
「ま、でもミネアに限らずそういう事ってあるわね。
 こうするべきと思ってる事と感情が違うこと。
 好きだけど怒る、好きだけど嫌いって言う、そんな事もあるのよ」
「うん・・・そうだね。わかるよ。
 あたしも前にお父様に嫌いって言った事あるもん」
アリーナの言葉で三人の心に父の姿が浮かび上がる。
マーニャは部屋の空気が湿っぽくなったのを感じ出来るだけ明るい口調で話を変えた。
「そういやさ、ここの女王って勇者に気があるんじゃない?」
「えっ!?」
「裁判の時、勇者の顔ジーっと見てたじゃん、気があるっぽくない?」
「そ、そんな事はないと思うわ」
「でもそう言われればそうかも。確かに勇者の事ずっと見てた」
「アリーナさんまで・・・気のせいです。
 男性が珍しかったんですよ、きっと。」
「女王も結構美人だったわね。本当に盗られちゃうんじゃない?」
「勇者様はそんな見た目だけで惑わされたりしないですから」
「ほら、なんだかんだ言ってやっぱり独占したいんでしょ。素直にそういっちゃいなよ」
「う・・・」
娘たちの他愛も無い会話はその後もしばらく続いた。
アリーナはマーニャの話を聞いてすっかり大人になった気がした。
ミネアとも打ち解ける事が出来た。
すごく嬉しいはずなのに嬉しさと同時になぜか胸が苦しい。
アリーナはその意味を理解するほどには、まだ大人になれていないのであった。
612偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:51 ID:AHUiR2jK

コンコン
静かに扉をノックして部屋に入ると待ちくたびれたのか勇者は既にベットで眠っていた。
申し訳ないとも思うが、もう少し待っててくれても良いのにとも思う。
占術の準備をするのを手伝ってくれると言ってくれたのだが眠ってしまっては仕方ない。
ベットの横のテーブルに置いてある道具を取りにソロソロと近づく。
規則正しい寝息を立てて眠っている勇者の寝顔を見つめると思わず顔が緩む。
昼間のリーダーとして仕切る時とも夜の恥ずかしい事ばかりさせたがる時とも違う。
どんどんたくましくなっているが、まだ寝顔はあどけない少年だ。
最近は完全に主導権を握られてしまっているが
一応は自分の方が年上だったのを思い出しお姉さんな気持ちにる。
前かがみになってお休みのキスをすると唇が触れた瞬間に抱きしめられた。
「ンんんっ!?」
驚いて体を離そうとするが目を閉じたままの勇者にがっちりと抱きしめられて動けない。
抱きしめる力の強さをは反対に、唇をまさぐる口は優しくてミネアの体は抵抗を止めた。
唇を触れ合わせたまま勇者はゴロンと回転しミネアを敷いた。
「遅かったね。どうしたの?」
息がかかるほど近い距離で話されると声に愛撫されているようで
ミネアの体は早くも疼きだしていた。
「ごめんなさい、アリーナさんと姉さんとお話してたらいつのまにか・・・」
これだけを言うのに随分とエネルギーを使う。
話す事よりも欲望を抑える行為に力を振り絞る。
触れたい、触れて欲しい唇が目の前にあるのにそのどちらも叶わず
口を話す事に使わなければならない事が苦しい。
「そうか・・・。それなら仕方無いかな、友情を深めるのはいい事だしね」
勇者は実は前からミネアが他の仲間達とあまり上手くいってないのではないかと
そしてそれは、自分がミネアを束縛しているからではないかと心配していたのだ。
「いいんですか・・?」
ミネアにまわしていた手を外し体を浮かせた勇者にミネアは思わず声を出した。
613偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:52 ID:AHUiR2jK

「ん?お仕置きして欲しかったのかな?」
いじわるな笑みを浮かべてもう一度勇者はミネアを組み敷いた。
「ぁ・・・・」
ミネアは甘い吐息を浴びて声を出せなくなってしまった。
もっとキスしていたい、触れていたい、ただその事を伝えたかったのだが
それが何故か物凄くいやらしい事に思えて顔が熱くなる。
「そんなにして欲しいならしてあげるよ」
沈黙を自分に都合のいい方に解釈してから勇者はキスでミネアの反論を封殺した。
そしてそのままミネアの体を引き起こす。
「でもまずは占術の準備が先だ。
 じゃあ、服を脱いで」
勇者はそう言うとミネアから離れテーブルの上の荷物を取り出し始めた。
ミネアは今のうちとばかりに素早く寝巻きを脱いだ。
いつも勇者は服を脱ぐ様子をじっくり見て来るので恥ずかしいのだ。
「おいで」
ベットに腰掛けた勇者に言われるまま下着姿になったミネアは
勇者の足に挟まれるように座った。
密着したお尻に固いものが当たり、ミネアは嬉しくなった。
「初めはこれを飲むんだったよね」
勇者はミネアの肩から顔を出し小さな濃い青色の瓶を一つ差し出した。
一応、購入した店のおばさんに手順をきいたのだがミネアに確認する。
「はい」
ミネアはその瓶を手にとると中身を一気に飲み干した。
液体のくせに妙に粉っぽくて口の中、喉と通った所がスース―する。
背中から伝わる温もりが一層暖かく感じる。
「まずいの?」
ミネアのお腹をなでながら、好奇心から聞いてみる。
「おいしいとは言えないです。
 でもこの系統の薬の中ではまだおいしい方・・んっ」
勇者はお腹をさすっていた手を胸に伸ばしミネアの下着を剥ぎ取ると
おっぱいをさするように揉み始める。
614偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:53 ID:AHUiR2jK

「あ、あの汚いですよ。言われた通りお風呂入ってませんから」
ミネアはさっきからそれを気にしていた。
勇者はお風呂に入ったらしく石鹸の匂いがする。
勇者に言われたからとはいえ自分は汗も流していない。
なんだかみじめなような、みっともないよう気になってくる。
「こら。何を言ってるんだ。
 ミネアの体は僕のなんだ。
 ひとの物を勝手に汚いとか言っちゃいけない、怒るよ」
無茶苦茶な事を勇者は少し本気で怒ったように言う。
だが、ミネアはこの無茶苦茶な発言がなんだかとても愛されているようで嬉しくなった。
好きだからこそ独占したくなる気持ちは誰よりもわかるから。
「ずっとっ・・ぁ・持っててくれますか?
 飽きたら他に恋人作られてもいいから・・ずっと持っててください」
胸をこねる手にミネアが手を重ねると勇者の動きが止まった。
「まだ、そんな事言ってるのか・・・。
 何回愛してるって言えば信用してもらえるのかな?」
勇者は胸を揉んでいた手を離すとミネアの腕ごと抱きしめ直した。
「・・・だって、私、普通に出来ないから野営の時とか勇者さんを満足させられないし
 そもそもお尻でしか出来ない女なんて嫌いになっちゃうんじゃないかと・・・」
「好きだよ」
耳から直接声を流し込まれミネアは麻痺したように動けなくなった。
「好きだ」
「愛してる」
「好きだ」
愛の言葉に彩られた優しい吐息がミネアの心を愛撫する。
「あ・・・」
ミネアはどうしていいのかわからず言葉を失ってしまった。
暖かい気持ちがあふれてきて涙に変わりそうになる。
「信用してくれる?」
触れた肌から伝わる温もりがミネアの体に染みていく。
その暖かさに自分がどれだけ甘えていたかを知らされた。
615偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:55 ID:AHUiR2jK

「じゃあ、私も勇者さんを誰にも渡しません。
 勇者さんが他の誰かを好きになっても諦めません。
 ずっとずっと好きです。
 だから浮気しても良いですよ。
 絶対に連れ戻しますから」
力強く宣言するとミネアは顔だけ振り返って勇者の唇を奪った。
「覚悟して下さいね」
にっこりと笑うミネアの唇を勇者が奪い返す。
愛し合う恋人たちは時に永遠の愛を口にする。
それが永遠にならない事が多いのも二人は知っている。
それでも、叶えられないかもしれない未来を約束したいのだ。
叶えられないかもしれないから。
「このまましたいけど、今日は先にミネアの体を綺麗にしないといけないんだ」
勇者はそう囁いて立ち上がるとミネアの体を持ち上げて布団に寝かせた。
あお向けになったミネアの下着に手をかけてずり降ろした。
「ミネア、お尻を綺麗にするから足を上げて」
「えっ!?」
「自分で足を抱えるんだ。
 よく見えないとやりにくいだろ?」
勇者に今まで散々いじわるされたし恥ずかしい事をさせられたが
これほどの行為は無かった。
最も隠したい場所を自分から晒すなど出来るはずが無い。
「ほら、早く。キレイにしたら突っ込んであげるから」
さっきまで愛の言葉を囁いていた口とは思えないほど下品な物言いに
ミネアの体から恥ずかしい蜜が溢れ出てくる。
ミネアは自分の体の正直さに呆れ恥ずかしいと思うが
これ以上、嘘はつけなかった。
616偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:56 ID:AHUiR2jK

ミネアはゆっくりと自分の膝の裏をつかみ持ち上げた。
見られている、あそこを、お尻を、期待に蜜をあふれさせているところを。
恥ずかしい場所を晒して悦ぶ自分を知られてしまう。
いやらしい体を見られる、いやらしい心を見透かされる。
「もっとあげて、よく見えない」
羞恥のあまり頭が真っ白になる。
言われるがまま、さらに足を持ち上げる。
「もっとだ」
膝が肩に当たり、お尻が浮くほど持ち上げる。
恥ずかしさだけではなく姿勢の苦しさで震えるミネアのお尻を
勇者の手の平がゆっくりと撫でさする。
「ミネア、とろとろだね」
勇者は露わになった秘所をたっぷりと目で犯し羞恥に震える姿を楽しむと
秘裂からあふれる蜜を指でぬぐいミネアのお尻の穴になすりつけた。
ギュッと目を閉じているミネアがビクンとするのを見てから
勇者は浣腸器を取り出し手馴れた手つきで素早く注入する。
「まだだよ」
感触で終わったと思ったミネアが足を降ろそうとすると勇者が叱責した。
仕方なくもう一度足を抱えたミネアの恥丘に勇者はクリームを塗りつける。
「毛も剃らないといけないからね」
そう言うと短刀を取り出してミネアの陰毛を剃り始めた。
「ぬるぬるで剃りにくいなあ」
ミネアの体がまたビクッとなる。
「ごめんなさい・・・」
刃物の冷たさ、指の優しさ、粘膜に当たる勇者の吐息、
愛液が溢れ出る泉に刺さる視線、全てがミネアを責め立てる。
怪我させないように慎重に慎重に剃ってくれている事がわかる。
エッチの為じゃなく占術のためにやってくれているのに
分かっているのに、勇者の指が動くたび、短刀が触れるたびに声が出そうになる。
姿勢の苦しさも忘れて快楽に浸っているとお腹がくるくると鳴り出した。
617偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:56 ID:AHUiR2jK

念入りに念入りに痛くなるほどにキレイにしてトイレから出ると
視線を感じてミネアは気恥ずかしさを隠すようにベットまで走っていった。
隣に座ろうとするとお尻をつかまれて胡座をかいた勇者の上に座らされる。
ゆっくりとお尻を勇者の腹にくっつけてからスライドして
入ってしまわないように座る、というより勇者にもたれかかると
ギンギンに硬直したモノを秘裂で抑え込んだような格好になる。
あてがわれたソレは熱くたくましく脈打ち
間を空けたせいで少し醒めた体をあっという間に熱くしていく。
「キレイになった?」
戦いを終えてきたミネアをいたわるようにお腹をさすりながら
勇者はもの凄く答えにくい質問をミネアのうなじに投げかけた。
「・・・はい」
触れ合う体の心地よさと触れているだけのもどかしさに
ジンジンと頭がしびれ恥ずかしい質問にも返事をしてしまう。
「毛が無くなった感想は?」
「えっ・・」
勇者は立てた両膝をまとめていたミネアの腕をはがすと
戸惑う指を掴み彼女のつるつるになった恥丘に持っていく。
無理に触らされたそこは本当に何も生えておらず
自分の体が勇者に変えられた事に卑猥な悦びを感じてしまう。
自分の細い指と勇者の太い指に撫でられて恥ずかしい汁が肉棒を汚す。
「後は何をしないといけないんだっけ?」
「後はぁ・・、キレイになったらお風呂はいって・・・聖水で清めるぅっ・・あっ」
恥丘を撫でさせられていた指を今度は秘裂の下から出ている肉棒に触らされる。
「先にやってもいいかな?お風呂が先の方がいい?」
ミネアを弄んでいたら余裕がなくなってきたのか勇者の息は荒い。
そして、ミネアも熱く主張する物体を女唇に擦り付けられて我慢の限界に来ていた。
「お風呂は・・・後で・・」
ミネアのか細い声を聞くとおもむろにミネアの尻を掴み浮かせると
きゅっと締まり期待に震えている可愛らしい菊座に自身をあてがった。
618偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:58 ID:AHUiR2jK

「座って」
「っ・・くぅ・・」
その声を合図にミネアは力を抜いて体をゆっくりと沈めていった。
硬直した肉棒が女の蜜で十分に濡れていたからといっても
入りにくいはずの穴だというのにスムーズに入っていく。
もはや、そこは彼等にとって性器以外の何物でもなかった。
「あぁ・・」
まだ全てを飲み込まないうちにミネアは軽い絶頂を迎えていた。
しばらく出来なかった事や散々じらされた事があるにしても
あまりにも悦ぶ自分の体がはしたない。
全てをめり込ませるとで勇者はつながったまま回すようにしてミネアの体を前に倒した。
乱れた長い髪が浅黒い背中を飾り、愛したい衝動と苛めたい感情を掻き立てられる。
正座して頭を下げる格好になったミネアのわき腹をつかみゆっくりと引き抜いていく。
ミネアの顔が上がりせつない悲鳴をあげた。
擦れる粘膜が名残惜しそうに締まり出て行く肉棒を引き止める。
逆に突き入れると今度は目いっぱい広がって悦びを表現する。
「くっ」
自分を喜ばせるための動きに勇者はおっぱいを揉む事で感謝を示した。
やわやわと軽く揉み乳頭をやさしくひっかくと乳房全体を強く握りこねる。
ミネアの吐く息が喘ぎ声だけになり満足すると今度は腰を激しく動かし始める。
一切、気など使わない。
ミネアの体で自慰をするように激しく突き入れる。
「ぅあっっ・・ぁんっ・・んっ・・んっっ」
しかし、それでもミネアの中は勇者を悦ばせようと蠢き
またミネア自身も悦んでしまっているのだった。
小さなお尻の肉をパシパシと下腹で打ち叩くと
その度に長い髪が浮いてミネアが息も絶え絶えに喘ぐ。
擦れ合う粘膜同士のいとなみが二人を歓喜の海へと連れて行く。
本日何度目かの絶頂を迎えたミネアの中がキュウッと締まり
勇者は堪らず彼女の尻の奥へ欲望を放出した。
619偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:58 ID:AHUiR2jK

中に収めたまま、息の荒いミネアの背中を撫でながら勇者は悩んだ。
すでにもう一回したくなっている。
しかし、こんな事ばっかりやっているわけにはいかない。
ミネアの体を浄化しなければならないのだ。
仕方無しにミネアの中から引き抜くとドロっと白い液体がこぼれだす。
勇者はスッと布巾を下からあてがうと新たな浣腸器を挿入した。
液を注入してしまうと布巾でふたをして、ミネアをひっくり返した。
あお向けにされたミネアは胸を荒く上下させ宙を見つめている。
勇者は呆然としているミネアの膝に手を乗せ秘所を凝視した。
元々薄かったが完全に無いというのはまた趣があり新鮮で卑猥な光景になっている。
感触を楽しもうと手を伸ばそうとしたら、ミネアが足を閉じた。
ミネアの顔を見ると潤んだ瞳がやめてと言っていた。
勇者はお尻から精液をたらしながら恥らうミネアの姿に
さらに劣情を駆り立てられ覆い被さった。
自らの重みで横に流れているおっぱいに顔を押し付け柔らかさを楽しむ。
「ミネアのおっぱいっていい匂いがするんだよね」
「やぁ・・だめえ」
ぽよぽよと弾ませたりふるふると揺らしたりしながらおっぱいを満喫する勇者の顔に
ミネアの手が伸び行為を妨害しようとする。
しかし、ミネアの力では勇者の行動を阻止できず
結局、勇者はおっぱいを枕にし乳首で耳を掻いたりとやりたい放題だ。
「やっ・・あっ・・」
その上、お尻の方に力を入れなければならない状態では
ミネアの力はさらに弱まり抵抗もままならない。
ミネアの変化に気付き勇者はようやく顔を上げてミネアを見下ろした。
「あ・・おトイレに行かせてください・・・」
今日は、一応エッチ目的で排泄させているわけではないので
簡単に「いいよ」と言うとミネアは顔を輝かせてトイレに向かっていった。
こんな事で喜ぶミネアが可愛くてたまらなくなり、勇者は悩んでしまう。
笑顔も見たいし困った顔も泣き顔もはにかむ顔も怒った顔も見たい。
勇者はミネアがトイレから帰ってくるまで、苛めるか可愛がるか本気で悩むのであった。
620偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/11 01:59 ID:AHUiR2jK
三回目の投下終わりです。続きは明日投下します。
621名無しさん@ピンキー:04/05/11 03:13 ID:FaWLiBpU
(*^−゚)b グッジョブ!!
勇ミネたまらんなぁ(*´Д`)
622名無しさん@ピンキー:04/05/12 01:18 ID:a4YbYn+N
寝るぽ。
起きたら偽りの空言の続きがうpされてますよーに。
623名無しさん@ピンキー:04/05/12 02:28 ID:0UeSD30b
続きが気になる展開だ(;´Д`)
真面目な文体のなかで「おっぱい」が浮いてるような・・・
624名無しさん@ピンキー:04/05/12 02:33 ID:fFndmZ3o
今DQ4をやってる者だが、気が付いたら称号が『うっふんピンク隊』になってたぜ!
そんな訳で空言氏の続きに期待。
625偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:15 ID:MbPwN7Dv

次の日、彼等が出発したのはもう城中の人間が昼食を済ませた頃であった。
占いの準備というのは体から不純物を除き清める事なのだが
あの後、やりすぎたせいで精液がミネアの中から全部出て行ってしまうのに
時間がかかってしまい、全ての準備が終わる頃には明け方近くになってしまったのだ。
本来、一月近くかけて行う体の浄化を無理に短縮した為
ミネアはふらふらになってしまったのだが、占術は成功し犯人の居場所は判明した。
勇者はこの準備というのを短縮する事にリスクが存在する事を教えられておらず
それを知った時はすでにミネアの準備が完了した時だった。
確かに一月もこの国に拘束されているわけにはいかないのでこうするしか無かった。
しかし、どんなに責任を感じていても勇者に出来るのは
歩く事すらつらそうなミネアを支える事だけであった。
何一つ手がかりも無い所から見ず知らずの人間の居場所を特定するというのは
それなりの準備をした上でもかなりの力を使ってしまうようで
ミネアは出発してからずっと馬車の中でぐったりと勇者にもたれかかったままである。
勿論、いちゃついたりする訳も無く勇者は介抱に努めていたが
二人の関係は皆なんとなく知っており冷やかされたりしていた。
占いで場所を特定できたという事でデスピサロ本人という可能性はほぼ無くなり
操られている可能性があるとしてもどうやら犯人の男は人間だとわかったため
全員、多少ではあるが問題解決への意気込みが弱まってしまっているようだ。
そんなこんなで何度かの戦闘と何度かの休憩を経て、空が赤く染まり始めた頃
占いで出た場所に占いで出た通りの洞窟を発見した。
「洞窟はじめじめしてるから嫌」
というマーニャにミネアを任せて勇者は馬車を出た。
パトリシアを守らなければならないので、洞窟に入るメンバーは約半分の四人。
勇者、アリーナ、クリフト、ブライに決まった。
トルネコはガーデンブルグ城に残っている。
もしもガーデンブルグが敵だった場合、人質にされる可能性もあるが
何故かライアンは「それは無い」と確信しており、その意見を尊重する事になった。
そのライアンは馬車を守るために残った。
アリーナは泥棒と疑われた事を根に持っているのか
随分と積極的で勇者達を置いていく勢いで洞窟に入っていった。
626偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:16 ID:MbPwN7Dv

「アリーナ、先行しすぎだ」
勇者の諌める声は後ろから聞こえてくる。
アリーナはイライラした様子で振り返った。
「みんなが遅いのよ。
 犯人が逃げちゃったらどうするの?」
追いついた勇者達に逆に怒ったような声を出す。
「姫様、ここは魔物の巣。
 一人で突っ込んでいけば勝っていても結局は負けですぞ」
「何?勝ってるのに負けって?」
「つまりですな・・」
「あー、もういい。わかったわよ」
ブライの長話が始まりそうになったのでアリーナは慌てて話を打ち切った。
仕方無さそうに三人に歩みを合わせる。
ブライも歳の割に、相当元気な方、いやもの凄く元気な方だが
足場も悪く若い上に体力自慢のアリーナが早足で歩けばついていくのは容易ではない。
アリーナも普段は何も言わなくてもブライに合わせて歩いているし
無理矢理に話を打ち切って不機嫌な態度をとったりしないのだが
今日はなぜか虫の居所が悪いらしく、ずっとこんな調子である。
「姫様、ホイミかけましょうか?」
何を思ったのかクリフトがピンピンしているアリーナにこんな事を言い出した。
「えっ?あたし全然怪我してないよ」
「いや、気分が良くなるかと思いまして」
クリフトとしては大真面目なようだ。
「・・・馬鹿じゃないの」
アリーナの声に温度が無い。
「そんな・・」
「確かにクリフトは馬鹿じゃわい」
「クリフト、MPの無駄使いはよしてくれよ」
洞窟の冷たさが身に染みるクリフトであった。
627偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:17 ID:MbPwN7Dv

それからしばらく後、勇者達は洞窟の最深部に来ていた。
犯人と思われる男はご丁寧にも扉まで付けて
ここが最深部であり、ここにいますと教えてくれていた。
この洞窟に住んでいる魔物はなかなか手強い上に数も多く
最深部にたどり着くまでに思った以上の時間と体力を消費してしまっていた。
しかし、犯人がどういう奴かという予想も飽きるほどしたし
引き返すべきと判断するほどは消耗していない。
準備を整えてから勢いよく扉を開けると部屋の中へと突撃した。
「うわあっ!?!?」
勇者達が中に入ると
部屋の中のベットで寝転んでいた男が頓狂な声を出して飛び上がった。
壁に張り付いて勇者達を見つめるその顔は幽霊でも見たかのような顔だ。
「こいつよ!あたしに声かけて来たの!」
アリーナが鼻息も荒く男に指差す。
「あたし一人でやるわ!手出ししないで!」
アリーナの悪い癖が出た。
相手がどんな敵でも一人で戦いたがるのだ。
「姫様!またそんな無茶な・・」
クリフトの心配そうな声が部屋中に響く。
「大丈夫だって!任せて!」
勇者はブライと一瞬だけ顔を見合わせてうなずいた。
「わかった。ただし、アリーナが負けそうになったら加勢するからな」
「そんな・・姫様に何かあったら・・・!」
クリフトの心配をよそにアリーナは大きくうなずくと男の方に向き直り突っ込んでいく。
「お嬢ちゃん一人かよ。舐められたもんだな」
逃げれそうに無いと判断したのか犯人も戦闘態勢に入っている。
犯人がさっきまで寝ていたベットを蹴り飛ばしアリーナの突進を止める。
しかし、アリーナも雄叫びを上げて飛んできたベットを蹴り返し、戦闘が始まった。
628偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:18 ID:MbPwN7Dv

一方、馬車で待機していた者達も激しい戦闘を繰り広げていた。
相手はたったの一匹。
はぐれメタルだ。
「そっちっ!」
「うわっ!」
はぐれメタルの体当たりがライアンの腹にヒットする。
「いっつも逃げるくせにこんな時ばっかり・・!」
呪文の効かない敵にマーニャが愚痴る。
何故かさっきからこのはぐれメタルは全く逃げようとせず戦いを挑んでくる。
只でさえ戦力が二人だけの上、ボーンナイトやアイスコンドル達と
立て続けに戦闘した後の見計らったかのようなはぐれメタルの奇襲である。
「#$」
はぐれメタルの口から熱線が発せられる。
「ぐぅっ!」
パトリシアをかばいライアンがもろに浴びてしまう。
パトリシアは訓練されていて逃げないから逆に危なくなる事もあるのだ。
「こんのぉ!」
マーニャが放った矢を軽々とかわし、はぐれメタルは憎憎しい笑みを浮かべている。
「ッ・・べホイミ・・・はぁ・・はぁ」
馬車から顔を出したミネアが振り絞るように呪文を唱え、ライアンを治療する。
「あんたは引っ込んでて!」
馬車から降りてこようとするミネアをマーニャの怒声が止める。
ミネアを守れなかったらここに残った意味が無い。
「このっ!」
飛び掛ってきたはぐれメタルを避けて矢を放つがまたも簡単に避けられる。
はぐれメタルの素早すぎる動きにいまだ一撃も与えることができないでいる。
逃げることも考えたがどう考えても敵の方が早い。
少し距離を置いてにやにやしているはぐれメタルと対峙していると
ドクァッドクァッと激しい馬のひずめの音が聞こえてくる。
629偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:19 ID:MbPwN7Dv

「ボーンナイトッ!?」
音の方を一瞬だけ見ると骨の騎士がライアンと切り結んでいた。
最悪のタイミングでの増援に一瞬どっちと戦うべきか迷ったマーニャの腹に
はぐれメタルが体当たりをする。
「ぐぅっ・・・」
マーニャがうめき声を上げてうずくまる。
はぐれメタルの動きは速すぎて見切る事が出来ない。
よろめきながらも素早く立ち上がったマーニャに馬のひずめの音が聞こえて来た。
(またっ・・!?)
突進してくる新たなボーンナイトが槍を大きく振りかぶる。
先に消してやる、と魔力を練り始めたマーニャの目の前に
もう一体を退治したライアンが走ってきた。
ライアンが剣でなぎ払うとボーンナイトの体が粉々になって宙に舞った。
すかさず主を失った凶悪な面の馬に火球を浴びせ倒す。
「ライアンっ」
「遅くなった!」
ライアンはマーニャの横に並び剣を抜きはぐれメタルと対峙する。
新たな戦士の登場に驚いたのかはぐれメタルも睨んだまま動かない。
ライアンは何かを閃いたらしく少し後ずさりながら口を開いた。
「マーニャ殿、呪文を!」
「えっ?効かないわよ、あいつ!」
「拙者の五歩先にイオを頼む!」
そう言うとライアンははぐれメタルに向かって走っていった。
マーニャは仕方なく、効かないと思いつつもライアンの言う通りの場所を爆ぜる。
ライアンを迎え撃とうと突っ込んできたはぐれメタルの体が爆風で宙に浮いた。
「ふん!」
ライアンの剣が一閃。
逃げ道を失ったはぐれメタルは二つになって地面に叩き落とされ消滅した。
630偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:20 ID:MbPwN7Dv

(こいつぅ・・!!)
地上の戦闘が終わった頃、アリーナのいらいらは頂点に達しようとしていた。
自分の方が二倍以上殴っている。
犯人の攻撃なんか大して効きはしない。
それにも関わらずアリーナは追い詰められていた。
理由は明白。
呪文だ。
さっきから犯人は防御力を上げる呪文を使い続けている。
そのせいで殴っても殴っても効いた様子はない。
犯人が地面を蹴り上げ砂埃をアリーナに浴びせ掛ける。
「このっ卑怯者!」
視界を悪くし空気を殴りながらアリーナが怒鳴った。
「何が卑怯なんだか?寝込みを襲ったお前らの方が卑怯だ」
そう言われればそんな気もする。
アリーナは昔から口喧嘩で勝った試しなど無いのだ。
「姫さま・・・」
クリフトは何度もこっそりホイミをかけようかと思ったが
その都度、勇者とブライに止められ心配する事しかできない。
「スカラぐらいは駄目でしょうか?」
クリフトの譲歩した提案にも二人は首を横に振る。
「とりゃァーー!」
舞い上がった砂埃の向こうで犯人が呪文を唱えようとしていた。
呪文が効いている間は殴っても効かない為、
呪文の途切れ目を狙うしか勝ち目は無い。
そう判断したアリーナは一気に間合いを詰めるべく飛び蹴りを放ったが
犯人の動きはフェイントだったらしく素早く避けられてしまった。
目標を失った蹴りは壁に当たり岩を削る。
無防備な状態になったアリーナの背中に犯人は強烈な蹴りを叩き込み
アリーナは地面に転がされてしまった。
631偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:20 ID:MbPwN7Dv

今まで、クリフトを止めていたブライが我慢の限界に来たのか遂に動き出した。
「バイキルト!」
加勢しても良いのだと判断したクリフトが待ちかねた様子で呪文に集中し始める。
「クリフト、ザキはよせ!あいつには聞きたい事がある」
「わ、分かってます!べホイミ」
「スカラ」「ルカニ」
三人が加勢すれば四対一、どんなに頑張っても多勢に無勢だ。
呪文の分の有利を消された男が地面に倒れこむのはあっという間の事だった。
「・・・ありがと・・」
一人で倒せなかった事がくやしいらしく
アリーナの顔は感謝しているようには到底見えなかった。
「アリーナ様、わかられましたか?」
座り込んでいるアリーナにブライが穏やかに語りかける。
「勇者殿やトルネコ殿、ライアン殿に相談したのです。
 アリーナ様は誰にでも一人で勝てるおつもりのようじゃ、と」
うなだれて地面を見ていたアリーナの顔が上がる。
「格闘大会ならばアリーナ様に勝てる者などそうはおらんじゃろうが
 わし等の戦いは勝った者が正しいという戦い。
 卑怯な真似などは言語道断じゃが、全力で戦わず負けましたという訳にはいかん」
「それで、加勢するなと言ったんですか?」
アリーナに回復呪文を唱えているクリフトにブライは頷いた。
「一人で戦う事の限界を知って欲しかったのじゃ。もっと強くなって欲しいからのう」
静かになった部屋にブライの声が染み渡る。
「なぜ私には相談してくれなかったのですか?」
「お主にアリーナ様の事で冷静な判断が出来るとは思っておらん」
不服そうなクリフトをブライは一言で片付けた。
その光景に笑っているアリーナの頬にはきらめく物があった。
いつも説教ばかりでやる事なす事反対してたブライが、
サントハイム家の体裁を気にしてばかりのブライが、強くなろうとする事を認めてくれていた。
それどころかアリーナがどうすればもっと強くなれるのかを考えてくれていたのだ。
胸の中に暖かいものが広がっていくのをアリーナは感じていた。
632偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:21 ID:MbPwN7Dv

「はぁぁ、俺はそのお嬢ちゃんのレベルアップのダシにされたってワケかい。
 ふっふふふ、参ったね」
大きなため息の後、愉快そうに笑いながら犯人の男がそう言った。
「起きてたのか」
「まあな」
気絶はしていなかったようだが完全に戦意を喪失したらしく
男は体を起こしただけで立ち上がろうとはしない。
「聞きたいことがあるんだが、お前は人間だな?」
「へっ、それ以外の何に見えるってんだ?
 大盗賊バコタ様は人間以外の何者でもねえよ」
おどけた調子でバコタと名乗る男は答えた。
「何でアリーナを罠にかけたんだ?」
男は一瞬考えてから
「別に、何となく、面白そうだったから、そんな理由さ」
と言った。
勇者達はその答えを聞いて体から力が抜けそうになった。
魔族だ、操られてるんだ、果てはデスピサロだとまで予想していたら
一番可能性が薄いと言っていた只のこそ泥だったのだ。
「なんで、ガーデンブルグに盗みに入ったんだ?
 もっと裕福な国は他にあるだろ。
 それにガーデンブルグでも十字架よりもっと良いもの無かったのか?」
まだ、納得がいかない勇者はさらにバコタを問い詰めた。
「・・・なんでってなぁ・・・」
今まで、薄ら笑いを浮かべていたバコタの顔から笑みが消えた。
「・・・ガーデンブルグって不思議な国だとおもわねえか?
 女だけの国って、どうしたって人口が増えねえだろ」
一見、関係無さそうな話だがバコタはふざけてごまかそうとする口調ではない。
それにその話は勇者達も思っていた事だった。
ガーデンブルグを目指し始めてから何度もその話をした。
女だけではどうしたって国民は増えない。
633偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:22 ID:MbPwN7Dv

「あの国の女はな、訪れた旅人を誘って孕むんだよ。
 つまり、父親不明の子供が大半ってわけだ」
子供の出来方を良く分かっていないアリーナ以外
驚いたがすぐに納得もいった。
外から来て住み着く女性がそう多いとは思えない。
何も言わない勇者達を見てバコタは話を続けた。
「で、生まれてくる子供は女とはかぎらねえよな」
……嫌な予感がした。
話の向かう方向に不吉なものを覚える。
しかし、話を止める気にはならなかった。
「男が生まれたらどうすると思う?」
バコタがにやりと笑う。
「運がいい奴は旅人に預けられる、売られるのも運がいい方。
 大体は捨てられるんだとさ、ぽいっと」
そういってからバコタはへっと笑う。
「本当か?それは・・」
「さあね、知らんよ」
バコタは聞き返した勇者を馬鹿にしたように答える。
「でも、俺を拾ったおっさんはそういってた。
 もしかしたら、あそこの女に振られて腹いせにそんな嘘言ったのかもしらん。
 だが、おっさんを信じればガーデンブルグってのはそんな国で
 俺はガーデンブルグの近くに捨てられてたらしい。
 んで、最近になってちょっと生まれた所ってのが見たくなったってわけだ」
勇者は声を発する事が出来なかった。
胸がざわつく。
ブライ達も黙っている。
あの国の奇妙さ・雰囲気はこの話に真実味を与えていた。
「いや、別に俺は不幸なわけじゃねえぞ。
 おっさんも善人じゃなかったが親代わりとしちゃ悪かなかった。
 十字架盗んだのは・・・何だろうな
 無邪気に神なんか信じてやがるのが気に食わなかったってとこか」
634偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:24 ID:MbPwN7Dv

バコタはそこまでで言葉を止めて立ち上がった。
「無関係なあんた達には悪い事をした。さ!連れてってくれや」
同情の視線を振り払うように明るい声を出してバコタは四人を見回した。
すると座り込んでいたアリーナがハッと何かに気付いたように立ち上がった。
「聞いてバコタさん、大人はね、良いことするつもりで嘘つくんだよ。
 思ってる事とやる事が違ったりするの。 
 だから、捨てたから嫌いとかじゃないと思う。
 好きだから捨てる、とかそういう事もあるよ、きっと」
アリーナが少し大人ぶってそう言うとバコタはぽかーんとした後、笑った。
きょとんとしているアリーナにバコタは笑いながら礼を言う。
「はっはっは。ありがとよ。
 好きだから捨てるって意味はわかんねえが嬢ちゃんが優しい事はわかったよ」
バコタは笑いながらではあるが、本心から礼を言った。
それが伝わったのかアリーナも笑われて釈然としない様子ではあったが
礼を言われた事でまんざらでもないようだ。
「待ってください」
笑っているバコタに正反対に真剣な表情のクリフトが声をかけた。
「あなたのお母さんを許してあげて下さい。
 もしかしたら本当にくだらない理由であなたを捨てた酷い人間なのかもしれません。
 それでも恨まないであげて下さい。
 子供を育てる事の出来なかった母親ほど悲しいものは無いと言います。
 ならば、育てる喜びを知る事も出来なかった人生はどれほど悲しいでしょう。
 もし、会う事が出来たなら恨む事なくその悲しさから救ってあげてください」
最後に、お願いします、と言って頭を下げたクリフトにバコタは驚き戸惑い……微笑んだ。
「・・・おりゃぁ初めっから恨んじゃいねえよ。
 けど、ま、・・・・・あんがとよ」
まったく変な奴らだよ、とバコタは愉快そうに言いリレミトを唱えるブライに大人しく掴まった。
光の渦が勇者達の体を包む。
「アリーナ、クリフト・・・ありがとな」
呟いた声と共に光の渦に飲み込まれ彼等は外の世界に帰っていったのだった。
635偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:25 ID:MbPwN7Dv

そして、その夜。勇者達がガーデンブルグに戻り女王と謁見すると
女王は裁判の時とはまるで違う人のように愛想良く出迎え非礼を詫びた。
女王は初めから勇者達の正体を知っていたらしい。
正確に言うと、初めは伝説の勇者一行ではなく
魔物を退治して回っているアリーナ姫一行だと思っていたらしいが。
「火山の爆発で崩れた崖をさらに崩して通ってきたというのが
 あなた達のようなパーティなんて、只者じゃない所の話ではございませんわ」
と言って女王は笑った。
力を試す真似をして申し訳なかったと
女王は天空の盾と最後の鍵を勇者達に譲ってくれた。
アリーナへの無礼に対する謝罪は要求していたブライもそれでしぶしぶ納得したようだ。
「女王、実は聞きたい事があるのですが・・・」
勇者はバコタから聞いた話をほとんどそのまま伝えた。
女王は自国の恥部を暴露されているような話を怒る事もなく聞き
バコタがもしも母親を探すつもりなら協力する事まで約束してくれた。
しかし、それ以上の事は何も話してはくれなかった。
ガーデンブルグも色々とあるのだろうし
いくらこちらの素性がはっきりしても全てを話すわけにもいかないだろう。
素性がはっきりしてしまったからという面もあるかもしれない。
ガーデンブルグは他国との関わりを避ける事で争いを回避しているというのだから。
勇者達もあまり深くは突っ込まずにここは引き下がった。
こういっては何だが一つの国の政治などに巻き込まれていられる立場でもない。
ただ、ガーデンブルグの女王の態度に勇者は好感を覚えていた。
勇者が伝説の勇者である事は天空の盾を装備出来た事からも明らかである。
普通ならば恩を売ったり媚びたりしようかというモノだ。
特に、勇者の仲間にサントハイム王家の者など他国の者がいるのだから
負けてられないという発想になってもおかしくは無い。
他国との関わりを避ける事で争いを避ける、その思想の徹底ぶりが潔かった。
では、また出発の際にと挨拶し早々に勇者達は退席した。
部屋でミネアが待っている、その事が勇者の足を速めていた。
636偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:26 ID:MbPwN7Dv

勇者は慎重にスプーンをミネアの口に運ぶとそっとスープを流し込んだ。
膝の上のミネアが嬉しそうに微笑む。
その笑顔を確認してからまたスープをミネアに飲ませる。
ミネアは実はもう体力もほとんど回復していて一人で食事ぐらい難なくできるのだが
優しく労わってくれる勇者に目いっぱい甘えていた。
自分も気持ち良かったとはいえ昨夜は散々苛められ弄ばれ
今日はふらふらになるまで頑張ったのだから甘えたってバチは当たらないと思うのだ。
苛められるのは気持ちいいけど甘やかされるのも嬉しい。
寄りかかったまま勇者のほほに頬擦りして抱きしめてくれている存在を確かめる。
「・・・キスして」
ミネアが目をとじたまま囁くと勇者が怪訝な顔をする。
「ミネア、もしかしてもう治ってる?」
ミネアは何も答えずうっとりとした表情に少しだけ笑顔を混ぜる。
「ま、いいや。甘えなさい」
大仰に保護者ぶって答えると食事の続きをさせる。
たまには甘えられるのも悪くない。
「後で、お風呂にもいれてあげるからねえ」
甘えるミネアをからかおうとして妙に気持ち悪い言い方になってしまい
逆に恥ずかしくなってしまった。
「あ、勇者さん照れてます?」
「そんな事はないよ全然」
そう言いながらも勇者の顔は少し赤い。
「可愛い・・・」
ミネアがつぶやくと照れ隠しか勇者は強引に彼女の唇を奪う。
唇が触れた瞬間、ミネアの頭の中が白く弾け一つの光景が浮かんだ。
「どうしたの?嫌だった?」
勇者の言葉に現実に戻される。
「ううん、もう一度してください・・・」
未来を当てるのは占いの中で最も困難な上、出来ても外れる事が多い。
それでもミネアは優しい口付けに身を任せ暴走した力に感謝するのであった。
637偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:27 ID:MbPwN7Dv

「私はアリーナさんと二人きりで話す事があります。下がってよろしい」
勇者達が退席する際、アリーナだけが引き止められこの場に残っていた。
勇者達がいなくなると女王はすぐに兵士達を下がらせ
自らアリーナのために女王の座の傍に椅子を運んできた。
「アリーナさん、私あなたと話してみたかったの」
二人きりになると女王は随分と砕けた口調で歳相応の表情を見せた。
(ああ・・・この人もあたしと同じ・・・)
女王の仮面を脱いだ目の前の少女に
お城に閉じ込められてた頃を思い出し親近感が湧いてくる。
と、いってもアリーナはどれだけかぶされようとしても王女の仮面を着ける事は無かったが。
「あたしと・・?」
「ええ、私とほとんど変わらない年頃の姫が魔物を退治して回っているなんて
 まるで物語みたいで、いつも凄いなあって思ってたんです」
「そ、そんなあたし全然凄くないよ。
 今日だって凄くない事を思い知らされたんだから」
そう言うアリーナの口調は凄くない事を別に恥ずかしいと思っていない。
ブライが、皆が自分を支えてくれていた事を知った嬉しさが勝っていた。
凄くないなら今から凄くなればいいのだ。
今の仲間達は、王族のくせに、女のくせに格闘などに興味を持つななんて言わない。
凄くなる事を応援してくれているのだ。
「何があったの?」
アリーナは女王に聞かれるままに今日の話をした。
女王はあまり上手とはいえないアリーナの話を食い入るように聞き、ため息をついた。
「素敵ねえ・・・私も冒険できたらいいんだけど・・・」
「けど?」
「女王なんだもん」
悲しそうな表情を浮かべる女王にアリーナは今までの自分を反省させられた。
自分のやりたい事を優先してきた自分と、皆のためにやりたくない女王でいる彼女。
どちらが凄いだろうか。
立場が同じだった者同士、認め合った二人は夜通し語り明かした。
638偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:28 ID:MbPwN7Dv

翌日、早速ガーデンブルグを離れる馬車の中でアリーナは自らの腕を見つめていた。
その腕には不思議な装飾の手甲がはめられている。
サントハイムとの交流が出来ないからこれは秘密にしてね、
と贈られた炎の爪だ。
女王と王女じゃない、ただの女の友情の証。
「どうしたんだ?元気ないぞ」
馬車の幌を開けて勇者が声をかけてくる。
そののん気な顔にアリーナの頭に昨夜の女王との会話が浮かんでくる。
彼女は勇者が格好いいと言った。
付き合っている人がいるのかとも訊いて来た。
その問いに「いる」と答えた時、アリーナの胸はズキッと痛んだ。
『だから、駄目だよ。好きになっちゃ・・・だめだよ』
女王に言ったはずの言葉に自分の気持ちを気付かされた。
勇者なんて嫌いだ。
大して歳変わらないくせにリーダーぶってて
すぐ皆に意見聞くくせに偉そうに指図して
あたしよりちょっと強くて優しくて・・・ミネアにはきっともっと優しくて。
勇者なんか嫌いだ。
嫌いにさせてくれないから
「大っ嫌い!!」
困惑する勇者とふて寝するアリーナを慰めるように
パトリシアの鳴き声がガーデンブルグの空に響き渡った。
639偽りの空言 ◆JBtnEvJis6 :04/05/12 05:31 ID:MbPwN7Dv
これで終わりです。
途中でレスをくれた人ありがとう。励みになりました。
読んでくれた人ありがとう。
待っててくれた人は申し訳ない。
次はなるべく早く書きたいと思います。
640名無しさん@ピンキー:04/05/12 08:05 ID:a/qVqfNF
どなたか次スレを!
641 ◆hMHMkhRwLk :04/05/12 09:08 ID:a/qVqfNF
639
面白かったです。読後感が今までと違って感じました。
正直貴方の文は4以外のを待ってたんですが、もう4だろうと何だろうと次回作に期待しています。
642Another Star  ◆hMHMkhRwLk
>>520-529続き
先々代の女統領に拾われて、ずっと仕事して来て30年になる。その30年と言う時間が、たった3時間、いや30分か、いいや3秒で。
(俺に裏切れと言うのか…)
バリーを初めて見てから一瞬の、瞬く様な時間の為に全て攫われてしまうのか。
この女との旅は(楽しいだろうなぁ)Hな事もして良いらしい。抱こう。抱こう。

──男はそのまま女の唇に咥えてもらい、彼女は吸いついてくれて、その口内で滑り続ける。
髪を掻き上げながら懸命に男を愛そうとするその唇に男は吸い付き、彼女の服を剥ぎ取り、その黒い体を全裸にさせて四つに這わせて後から思い切り…
「あぁっ」
ともう苦しそうな泣きそうな声で快感に悶え、男の腕を後ろ手に掴んで来ようとする可愛い艶めかしい彼女を──

妄想した。
男は頭が真っ白になってからは、彼女から少し離れ妄想が襲っていた。
「引き抜きか」
女勇者まさに一撃必殺の、首狩り族の勇ましさ。
「海賊団からあんたを奪おうって言うんじゃないの。あたしの旅が終るまで手伝って欲しい」
商人を欲しがってる町もある。旅に役立つ色々な道具を、この世界中駆け回って見付け出して欲しいと。
(楽しいだろうなぁ)商人の胸は熱く…痛む程になって来た。
世界を回る。しかも(この女と)
「戦闘に自信がないなら、危ない所へあなたを連れて行かない。お互い会いたい時に会いたい所で会いましょう」

──男は座って、その上にバリーも座って貰って、その座位のまま挿入を繰り返す。
しなやかな体を見せながら小さい声で悶える彼女も──妄想として現われる。

現実の彼女は背中だけは露わなものの、瑞々しい乳房は、剥がされた自分の服で押える様にして隠している。
男はその女の背に、自分の背を合わせた。
勇者は商人の動きを背で感じ、何が行われているか悟った。
地下室の床は薄い土で覆われていて、男は吐き出した物を床と足でもみ消した。
「行けねぇな」
男は旅を断る。
「行こうよ…手伝うだけで恋も適うかも。好きなんでしょ瑠璃が」