【モツ】カオシックルーンエログロスレ3【炸裂】

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1愛の伝導師朔間ケイタロー
出てくる野郎はフリークス!(確率80%以上)僕は紳士だけどね♪
出てくる女はとりあえず皮剥いて喰う!(確率50%以上)
チャンピオン屈指の変態漫画カオシックルーンのド外道鬼畜スレ!
ビバエロ!グロバンザイ!そのうえ萌える!
本能のおもむくままに発車オーライ!ヨーポッポォ!
もはやグロくなくたってなんでもオーライ!
SS、画像、その他マンセー!!
さあ、そこの君も僕と一緒に苺狩りに行かないかい?!


前スレ
【キチガイ】カオシックルーンエログロスレ2【フリークス】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1062318224/l50
頭スレ
【賊は】カオシックルーン【24にょ界の野獣】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1068990332/
標準装備
ttp://member.nifty.ne.jp/qbic/sv/svtop.htm


2名無しさん@ピンキー:03/11/26 22:11 ID:UxvSokEx
2げと
3名無しさん@ピンキー:03/11/26 22:29 ID:ya6937F4
乙顔
4名無しさん@ピンキー:03/11/26 22:34 ID:ryjw4udy
此処の1が何故ケイタローなのかと小一時間。
とにかく1モツ。
5名無しさん@ピンキー:03/11/26 22:58 ID:x9yLmWES
そんな標準装備いらんから↓の貼っとけ。
カオシックスレ@お絵描き掲示板
ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp

まぁとにかくモツ
6名無しさん@ピンキー:03/11/26 23:05 ID:CqziyoHo
3巻発売記念乙。

とりあえず即死回避カキコ。
7名無しさん@ピンキー:03/11/26 23:27 ID:x9yLmWES
こっちまで護身なのか?
ただ単に住人が少ないだけなのか・・・
8名無しさん@ピンキー:03/11/26 23:46 ID:oKYqcqJm
即死回避してから護身しますね
9名無しさん@ピンキー:03/11/26 23:50 ID:ya6937F4
>>7
護身中なんじゃないの?
漏れはチャンプ&単行本フラゲ完了してるからいいけど。
10名無しさん@ピンキー:03/11/27 00:18 ID:WVpaJQ53
即死阻止
11名無しさん@ピンキー:03/11/27 00:47 ID:InBYZzaj
そろそろチャンピオンがコンビニに並ぶな、と思ってコンビニに
出かけてきた。腹が減ったな、と思っておでんを買ってきて、
熱々のチクワをかじりながらチャンピオンを買い忘れてきたことに気づいた。

そして俺が何が言いたいかというと、ただ即死を少しでも
回避したかっただけなんだ。本当にそれだけなんだ。 じゃ。
12名無しさん@ピンキー:03/11/27 01:01 ID:WVpaJQ53
コミックス
    師匠のおっぱい
        いいおっぱい

              亀漫
13名無しさん@ピンキー:03/11/27 01:46 ID:AiYMaee7
                   ,. -‐ 、
                  '´  _,..ヾ;、 -- 、.,,
              , -_‐、   ,ィ'::::;.::.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:`丶、
                l し ノ、 .,:':::;へ/´\lヽ、::.:.ヽ:.ヽ  つ    いっちにぃ さんしぃ
               ヽ/:.:.〉、/:::/‐ァミ`   -;:<ヾ::l::ヽ::゙,  っ     >>1さんだいすきっ!
               ゙、/:.:/:::/{ {::ソ   イト_::ハ`'i:::::',:::!    r‐ 、-、 
               〈:.:.:.:/:::;′ `´ __  ゙ー′ !:::::l:::l   ,..-'、ー'  l   にぃにぃ さんしっ
         / /     ヽ:.:l::::人    l  ヽ     |::::,'}/,.-''´ヽ:.:.゙、__ノ   >>1さんだぁいすきっ!!
         / /__.   ヽ:'´:.:.l:丶、 ヽ- '   u ,.|::/-':.:.:.:.:.:.:.ヽ:.冫
         ,. - ''/´:.:.:.:.:`丶、ヽ:.:.:l:.l:./ヾ、、 __,.. -:7:.:l/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
      ./:.:/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:.ヽ,.l:.l:ム-へ-‐ '´/:.:/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
      /  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. ... :.. :.:', l:.:.:.:.○:.:\./:.:/:./:.:.:.:.:.:.:.:./
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   〃:./:.:.:.;ィ:.、:::.ヽ::::::::::::::::l::::l:::! :.○:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l´
   {!レl::/ l:ノ丶、::\::::::::::r 、:::| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
   `  l::`ヽ    `` `'>─<`丶、 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
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14名無しさん@ピンキー:03/11/27 04:41 ID:WMU6aMl2
はやく
    3巻
        見たい

              亀漫
15名無しさん@ピンキー:03/11/27 06:06 ID:8HHkwgdf
朝一で逝ったら単行本売ってなかった_| ̄|○
16名無しさん@ピンキー:03/11/27 07:24 ID:cwBNDImA
             __
     _  _,. -''´:.:.:.:.:.:.:.:.:``丶、
    /⌒`メ:.:.:, :.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.
   /   /::::`/、::::::ト、::::::::ヽ::::::::::::::::::::ヽ
      /,ィ:::::/ \:l∠\::::::\::::::::::::::::::ヽ  
     '´ /::::ム `´l;:} ̄ゝ ヽ:::::Y-、::ヽ:::::::ヽ   >>1
        レ::::l;|`   `ー'   ヽ::::`! }:::::l::::::::::ヽ  ちょ、ちょっとだけなら
      ,':::{"" _"""  u ヽ:::レ'::::::l:::::::、:::ヽ     触ってもいいぞ・・・
       l:::ハ  ヽ ヽ       ノ:ノ::l::::l、:::ト、`'ーヽ 
        !:/::lヽ、 ` ′    /イ:::/l:/ ヽ;| `
      l/ 'ル'´\_ -‐ '´ |、/ l'
           ,.イ、|    レヽ-、
          //  \  /  l \
         /   ̄ ̄` ー'-、   |   ヽ
17名無しさん@ピンキー:03/11/27 11:58 ID:UNzMqWDM
単行本描き下ろし師匠の背景が
ネアの吸盤〜〜〜
やっぱりヌッチョスッチョするのか!!
(;´Д`)ハァハァ
18名無しさん@ピンキー:03/11/27 18:47 ID:5Fox8Any
お前らΑΩって小説読んだ事ある?俺っち読んでないけど。結構おすすめ。
19名無しさん@ピンキー:03/11/27 19:48 ID:Jfno52QK
エロいのかグロいのか
どっちで奨めているのか気になる。
20名無しさん@ピンキー:03/11/27 21:39 ID:VnlACK/d
>>17
例の、ネアがクマリを責めてる絵を思わせますな!
(;´Д`)ハァハァ
21名無しさん@ピンキー:03/11/27 23:52 ID:x3shuBDp
ヌッチョ(・∀・)スッチョ!
22名無しさん@ピンキー:03/11/28 00:27 ID:o7fGQQ6D
>>18
確かにカオシックの序盤は、かなり「ΑΩ」の影響受けてるっぽいな。
飛行機事故の生き残りが怪物の力を得て他の怪物と戦う点とか。
山賢か、他のスタッフが読んでたと思う。

読んでない人に説明すると
初代ウルトラマンのストーリーをリアルな考証加えて
エログロ要素で構成したような小説。

23名無しさん@ピンキー:03/11/28 12:10 ID:P1dRybps
へ(略)さんが、カオシックのドジンシを描いてるそうだ。
しかもクランたんダルマ本、ハァハァ。
24名無しさん@ピンキー:03/11/28 19:19 ID:GHrh8duB
>>23
詳しい情報キボンヌ
25名無しさん@ピンキー:03/11/28 22:50 ID:wRh2O23c
>>24
しゅーまっはのまは、丸山シルビアたんのドジンシ出してた人。
サークル名は、兄貴帝国。スペースは、テー25aだそうだ。
26名無しさん@ピンキー:03/11/28 23:59 ID:7vBUHorQ
ソースキボン
27名無しさん@ピンキー:03/11/29 00:10 ID:ioxZrNlq
「看板娘大往生」でぐぐれ
……ってか本人のページ見ても書いてないぞ?
28名無しさん@ピンキー:03/11/29 01:39 ID:2ZfTeKk2
しゅーまっはスレに本人が来てた。見てみ。
29名無しさん@ピンキー:03/11/29 02:43 ID:kTYeEOHF
これですね

900 :ヘ(略) ◆6TKirikafs :03/11/26 11:18 ID:210umBTP
お久しぶりであります。
現在クランさん@カオシック本作りちぅ。

ちとグロ方面ではありますが。
今回のお題は四肢切断で。 ;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
30名無しさん@ピンキー:03/11/29 22:39 ID:saKe2LFH
たしかこの人一番最初にエイケンの同人誌を作った
人なんでなかったか。
絵柄がイマイチ好みでないのが惜しい。
31遊戯王風カオシックルーン第五話@:03/11/30 00:10 ID:w5W/19mO
*この物語は、見かけは幼女の16歳『棗クラン』が
 カードゲーム『カオシックルーン』を通じて
 次々と現れるヘンタイやキチガイ達と戦い成長していく話です。

最近、街では真昼間から爆音轟かせ、走り回る謎の暴走集団があった。

むき出された脳みそ。
クチバシを象徴したような変なマスク。
甲殻類を連想させるデザインの服。
まるでセミ。
そのバイクもかなり改造されているようで、セミの男達と一体化してるにも見える。

パラリラ パラリラ パパァー!

運転手「うわっ。な、なんだこいつら!?」
運転手「ま、またこいつらか!うわっ!!」
ガシャン!
金属バットが走行中の車のサイドミラーを破壊。
他車に対しても次々と威嚇行為を繰り返しながら、あっという間に道路を占拠。
見事なまでの無敵の未成年っぷりを見せ付けている。
かけつけたパトカーにも全く臆さない。
警察「くそっ!ヤツらめ今度こそ捕まえてやるぞ!」
警察「じょ!上官、横!」
警察「はっ!うわぁ!」
ガシャン!
パトカーの窓ガラスを破壊。
その破片が中の警察官に突き刺さる。

ヴォオオオオオオオオオオオオ

そして自慢の300キロのスピードで一気に駆け抜けていく。
そう、彼らこそが町で噂の『串刺し特攻隊』なのであった。
32遊戯王風カオシックルーン第五話A:03/11/30 00:12 ID:w5W/19mO
時刻は朝の8時過ぎ。
いつもの商店街、たまたま登校中のハカナを見つけたハナコ。
ハナコ「おはよーハカナ!」
ハカナ「………」
ハナコ「ハカナ!?」
ハカナ「あっ………おはよう………ハナコ」
今日のハカナは、少し様子が変だ。
ボーとして周りが見えてない様に思える。
ハナコ「ど、どうしたの?顔色悪いよ?熱でもあるの?」
ハカナ「う…ううん………別に………何でも………ないよ…」
にっこり微笑むハカナ。しかし、それもどこか無理してるかのような笑顔。
と、そこに
ザッ!
ハカナ「?」
ハナコ「きゃあ!」
突然ハカナ達を取り囲んだのはセミのような格好の3人組みの男達。
ハカナ「な…なんなんですか?あなたたち?」
男「よぉ!お姉ちゃん達。俺たち金に困ってるんだ。
  ちょっとばっかり貸してくんねぇか?ゲヘゲヘ」
男達は品の無い笑いを浮かべている。
しかし、こんな人気の多い場所で恐喝行為とは大胆なやつらだ。
ハナコ「や…やばいよ…ハカナ。この人たちの格好…串刺し特攻隊の連中だよ」
ハナコはすっかり怯えてしまい、ハカナの腕にしがみつく。
33遊戯王風カオシックルーン第五話B:03/11/30 00:14 ID:w5W/19mO
「まぁ、何かしらあの子たち」
「カツ上げされてるのね」
「ま〜怖い。かわいそうに」
見て見ぬふりする世間は白状だ。

ハカナは気丈な態度を崩さない。
ハカナ「あなたたちに渡すお金なんてありません」
男「ンだと!?テメェ?」
ハカナ「ハイハイ邪魔よ、どいて。
    行こうハナコ!」
ハカナの態度に男もカチンときたようだ。
通り過ぎようとしたハカナの肩つかむ。
ハナコ「や、やめなさいよ、あなたたち!人が見てるわよ!」
勇気を振り絞ってハナコが講義。
男「うるせぇぞ!このブス!黙ってろ!」
強烈な平手打ちがハナコを襲った!
ハナコ「きゃああ!」
ぶたれたハナコは地面に倒れる。
ハカナ「あ、あなたたち!女のコの顔になんてことするの!」
倒れたハナコに寄り添おうとするハカナだが、すぐさま髪の毛をひっぱられてしまう。
ハカナ「や、やめなさい!あなたたち!」
男「暴れてんじゃねェぞ!テメェも殴られてぇのか!!」
ハカナ「キャア!」
男は手を上げ、ハカナは悲鳴を上げた。
男の手がハカナの頬をぶつ、まさにその瞬間!
ボグゥ!(金激)
突然、男の体が沈む。
ハカナ「!?」
クラン「女の子を殴るなんてサイテーだナ。キサマ」
沈んだ男の後ろに立っているのはクランだった。
男「かは………あッ………!」
男は股間を押さえて苦しそう。
34遊戯王風カオシックルーン第五話C:03/11/30 00:17 ID:w5W/19mO
ハカナ「ク、クランちゃん!!」
クランの救援に感激するハカナ。
男は、なめきった様子でクランに顔を近づける。
男「なんだ〜?この幼女は?
  お嬢ちゃん、痛い目にあいたくなかったら、あっちいきな」
クラン「だ、だれが幼女だ!死ねっ!!」
クランは幼女扱いされるのが大嫌いだ。
そんなわけで2人目ボグゥ!(金激)
男「こ!この幼女がッ!」
3人目の男が飛び出して捕まえようとするのだが、
クランは軽快に動いてひょいひょいかわす。
スキを見て3人目ボグゥ!(金激)

クラン「まったく。手ごたえのないやつらだ」
ハカナ「クランちゃん!あぶない!後ろ!」
クラン「えっ!うわっ!」
少し油断したクランを後ろから何者かがいきなり襲ってくる。
スパッ!
間一髪かわしたクラン。
ハカナ「クランちゃん!」
クラン「大丈夫だ!」
しかしクランの上着はパラッはだける。
クラン「いやぁ(丸文字)」
両腕で服と露出した胸を押さえつけ、涙を浮かべるクラン。
ハカナ「キャア!クランちゃん!」
襲ってきたのは一番最初に金激をくらわせた男だった。
こともあろうに、男はナイフを取り出している。
男「こ、殺してやるぜ。この幼女」
他の男「お、おいっ!それはやべェぜ」
男「うるせェ!」
その口調から察するにどうやら男は完全にキレてしまったようだ。
35遊戯王風カオシックルーン第五話D:03/11/30 00:19 ID:w5W/19mO
ギラギラと光るナイフがクランの方へと向けられる。
ハカナ「ク、クランちゃん!逃げてェ!!」
青ざめたハカナが絶叫するも、クランはその場に立ちつくしたまま動かない。
ハカナ「クランちゃん!?ど、どうしたの早く逃げて!」
クラン「………」
逃げるように促すハカナ。
しかしクランは依然として動かず。
よく見ると小振えしてしまっているようだ。
ハカナ(クランちゃん?
    ま、まさか恐怖で足が動かないんじゃ!?)
しかし、そんなことはおかまいなしにキレた男は突進をしかける。
ハカナ「クランちゃん!い、いやぁ!」
ハカナはもう見ていられない。
両手で目をおさえ、顔をそむけてしまう。
クラン「………よくも…」
男「あ?」
クラン「………………よくも…」
ハカナ「ク、クランちゃん?」
クラン「よくも私のレアカードをぉぉぉ!!」
クラン、突然の叫び。
ハカナ(え?)
よく見ると、クランの足元には両断されたカードが一枚。
先ほどの攻撃で服と一緒に切られてしまったようで、そしてどうやらレアカードらしい………。
で、クランはそれをずっと見ていたと…。

クラン「ブッ殺してやるッ!」
クランの目つきもナイフのように鋭さを増した。
36遊戯王風カオシックルーン第五話E:03/11/30 00:21 ID:w5W/19mO
男はナイフを振りあげてクランに襲い掛かる。
それに対し、クランは上着をおもむろに脱いで、男の顔へと投げつける。
キレた男(な、なんだ!?目くらましのつもりか?こんなもので!!!)
ズバッっと飛んできた服をナイフで一刀両断。
男(へへっ!どうだ!!?
  うぉ!?)
切った瞬間、クランの服から大量のカード広がって男の視界を奪う。
男(み…見えない…?)
クラン「キサマのおかげで………
    レアカードに傷がついたわッ!!」
ボグゥ!(全力で金激)
男の体が少し浮いた。
キレた男「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
男は凄まじい形相で地面へと沈んでいった。

地面に倒れて痙攣している男を見下ろすクラン。
その目には大粒の涙。
クラン「絶対に許さないっ!」
そしてさらなる追い討ちを開始。
ギュギュギュギュ
倒れた男のモノを上から全体重を乗せグリグリ踏みつけるクラン。
キレた男「うぎゃああああああああ」
悲鳴を上げても、まだまだクランは許さない。
他の男(ひ…ひでぇ………)
このままだと、つぶれてしまいそうだ。
37遊戯王風カオシックルーン第五話F:03/11/30 00:23 ID:w5W/19mO
ようやくハカナとハナコが止めに入った。
ハナコ「棗さん。やりすぎよ!私のことはもういいからッ!」
ハカナ「く…クランちゃん………それ以上やったらこの人の………モニョモニョが!」
クラン「止めるなっハカナッ!」
二人掛かりで暴れるクランを押さえつける。
ハカナ「あ、あなたたち!私たちがクランちゃんを抑えてる間に早く逃げなさい!」
男「ひ、ひぃ!」
男「お、覚えてやがれ!!」
クランの残虐ファイトにすっかり怯えてしまったようだ。
倒れた男に肩を貸し、すぐさま逃亡。
踏まれ続けた男は泡をふいて白目を向いている。
クラン「ああッ!ま、待て!逃げんなー!!
    私のカード弁償しろぉーーーッ!!!」


男「オラッ見てんじゃねぇ!どきやがれ一般人共!」
人ごみをかきわけ逃げていく男たちだったが、突然でてきた肉の壁にぶちあたった。
ガシャン!
デブ=レックス「お…オデのカツ丼が…許せん」
男「えっ?…な、なんだ?このデブ?どこ見て歩いてやがる!」
ピクピク…
デブ=レックス「フンガァァァァーーーーッ」
デブ=レックスの逆鱗にふれた模様。
男の体をわしずかみ。
男「おぐっ!」
デブ=レックス「ぬんっ!モガァァーーーーッ!」
暴走を開始したデブ=レックスに結局ボコボコにされる三人組だった。
38遊戯王風カオシックルーン第五話G:03/11/30 00:24 ID:w5W/19mO
一方、やっと落ち着きを取り戻したクラン。
クラン「あっ?そうそう。大丈夫か!ハカナ!!」
ハカナ「(あっ?そうそうって………)
    あ、ありがとう。クランちゃん…ゴメンなさい…わたしのために…」
クラン「ん?こんなのどうってないよ!」
しかし、クランの上半身はすっかり裸だ。
女生徒「うわぁ、なにかしらあの子」
女生徒「やだ。あれ?うちのクラスの棗さんじゃないの?」
男生徒「えっ?まさかあの棗さんがあんな格好で………?」
それを聞いたクランは蒸気が出そうなほどに顔を赤くしてしまう。
ハカナ「も、もう、クランちゃんのバカっ!」
プンスカしながらも着ているブレザーを貸してあげるハカナ。
クラン「あ…ありがと………ハカナ…。エヘヘ」
それを抱きしめクランはちょっぴり苦笑い。
クラン「しかし、最近ここらも頭の悪そうな連中が増えてきたなぁ」
ハナコ「棗さん!
    今の串刺し特攻隊よ!!
    あなたとんでもないことしちゃったわよ」
クラン「串刺し特攻隊?何だそれ?」
ハナコ「串刺し特攻隊ってのはねぇ。
    この附近を縄張りする暴走族よ。
    逆らうやつはミナゴロシ………。ある人は全身骨折で即入院。
    ある人は某湾にコンクリートづめにされて沈められ、
    また、ある人は全裸でチームの旗に括り付けられたまま
    夜中じゅう暴走行為の見せしめされたとかなんとか…
    とにかくスッゴクヤバイらしいの」
クラン「…ぜ、全裸で括り付けて暴走…!?」
クランの顔がこわばった。
ハナコ「とにかくしばらく目立つ行動はやめといたほうがいいわよ」
クラン「う…うん。そうする………」
クラン(………けど、あいつらの格好どっかで見たことあるんだよなぁ…
    なんだったかなぁ………気になる)
39遊戯王風カオシックルーン第五話H:03/11/30 00:26 ID:w5W/19mO
朝の事件も終わって、ようやく登校。

その日、学校では緊急の全校朝礼が開かれ、全校生徒は体育館へと集められていた。
朝礼の内容は最近この区内で力をつけてきた暴走族『串刺し特攻隊』が
昼夜問わずで激しく暴れまわっており、その被害が続出しているということだった。
そしてその隊員はセミのような格好をしているらしい。
どうやらさっきの連中だ。

朝礼が終わっても1時間目をつぶして、クラス内で緊急HRが開始されることから
学校側でもかなり緊迫しているのを伺える。

ロンゲの先生「………というわけで、
   最近の1週間の暴れようは過去に例を見ないほどのものだ。
   すでに被害にあった生徒も少なくはなく、
   ウチのクラスの人間まで被害がでてしまっている」
クラスメートはその話を聞きながらクランの方をチラチラ見ている。
ハカナのブレザーはクランにはちょっぴり大きめ。
ロンゲの先生「………部活で帰りの遅い女生徒は特に気をつけてくれたまえ。
   決して人通りの少ない道を歩いたりしないように。
   ではこれで朝のHRも終了する。あとの時間は自習だ」
話もやっと終わったようだ。
生徒達もこんな事態になって不安でざわついている。
クラン「ふ〜ん。朝のあいつらがやっぱりそうなのか…どうしようハカナ」
ハカナ「………」
クラン「ハカナ?」
ハカナ「えっ?何?」
クラン「ハカナ。………なんだか今日は調子悪そうだな」
ハカナ「え?…そ…そう見える?
    なんでもないわよ。私はいつものように元気だよ」
クラン「そ…そう?だったらイイんだけど………」
ハカナの白々しい態度にどこか不満気なクランだった。
40遊戯王風カオシックルーン第五話I:03/11/30 00:29 ID:w5W/19mO
ハカナのことが気になりつつも、平然と時間が過ぎて4時間目。
この時間はロンゲの先生の数学なのだが、ここでハカナに異変が起こる。

ロンゲの先生「………のグラフでx=1(a1=1)のときのyの値を求めると、
  a2の値が分かり、さらに,a2、a3、a4…と限りなく求めていくためには…(略)」
クラン「ぼそぼそっ(オイッ…ハカナ。何いってるかサッパリわからん
    通訳してくれ…)」
数学はちょっぴり苦手なクランは
いつものように席が隣のハカナに教えてもらおうとするのだが。
クラン(ん?………ハカナ?)
なんと、ハカナが倒れてぐったりしている。
クラン「お、おい!ハカナ大丈夫か!気分でも悪いのか!!」
ハカナを揺さぶる、クラン。
ハカナはピクリとも動かない。
ロンゲの先生「どうした棗?」
クラン「先生!ハカナの容態がおかしいんだ!
生徒達「ざわざわ」
クラン「私、保険室につれていくから!」
先生の許可も下りないうちからハカナをおんぶするクラン。
小さい体でハカナを担ぐのは大変そうだが、そんなことは微塵も感じさせない。
ロンゲの先生「あ…ああ」
そのままクランは保険室へと直行。
生徒達「ざわざわ」
生徒「大丈夫かなぁ夏樹さん…」
生徒「心配だなあ…後で見に行かなきゃ」
ロンゲの先生「こら、お前達!授業中だぞ!静かにしろ」
41遊戯王風カオシックルーン第五話J:03/11/30 00:31 ID:w5W/19mO
保険室にたどり着いたクラン。
しかしそこに保険医はいなかった。
とりあえず、ハカナをベットに寝かせる。
クラン「ああっ。どうしよう。
    もし、悪い病気だったら…う〜ん。救急車呼んだほうがいいのかなぁ…」
医者でもないクランはどうすればいいのかわからない。
その場をオロオロと歩き回る。
クラン(そうだ!とりあえず保険医を探してこよう!)
ハカナ「う…う〜ん」
クラン「ハカナッ!?」
駆け寄ると、ハカナはなんだか胸をおさえて苦しそう。
あわててクランはハカナのカッターシャツとブラを脱がせる。
にゅっとハカナの生乳があらわに。
思わず見とれるクラン。
が、すぐに頭をブルブルと振って気をもちなおす。
服は折りたたんでハカナの頭の横に。
上から布団をかけてクランは再び保険医を探しに行こうとするのだが
ハカナ「…う…う〜ん」
クラン「ハカナ!?どうした!?」
ハカナ「み…みず…」
クラン「水が欲しいんだな!わかった!!」
早速クランは保険室から駆け出していった。

ハカナ「う〜ん。……ゴーヤ嫌いなのぉ〜………
    水がないと食べらんないよぉ〜〜〜………ぐぅぐぅ」
42遊戯王風カオシックルーン第五話K:03/11/30 00:34 ID:w5W/19mO
廊下に飛び出たクラン。
クラン(どうしよぅ…生水なんか飲ませるわけにはいかないし…
    ウォータークーラでくんでくるかな…
    あぁ…でも水筒がないなぁ…
    しかたない、外の自販機まで行くか…)
クランはハカナのために外まで全力疾走。
ここで授業終了のチャイムが鳴った。


一方、保険室
ハカナが目を覚ます。
ハカナ「う…う〜ん。ここは?私いったい
    あれ…私寝ちゃったのカナ…」
外がガヤガヤしている。
ハナコ「ハカナ!大丈夫?
    突然倒れたなんて聞いてびっくりしちゃった!」
ハカナ「ハナコ?」
クラスの人間達も心配して来たようだ。
ハカナ「み、みんな?」
ガバッと起き上がるハカナ。
掛け布団がハカナの胸からはだける。
男子生徒「うひょ」
ハナコ「ハ…ハカナ………」
ハカナ「えっ…」
ぷるん。
ハカナの巨乳がクラスの人間達の前でぷるぷる踊っている。
ハカナ「キャアッ(丸文字)」
43遊戯王風カオシックルーン第五話L:03/11/30 00:37 ID:w5W/19mO
と、そこにクランも帰ってくる
なんだか保険室は異様な盛り上がりだ。
ハカナが起きてみんな喜んでるんだろうとクランは思った。
クラスメートを割り切ってクランがハカナに近づく。
クラン「ハカナ!よかった目を覚ましたんだな?
    大丈夫か!なんだか顔が赤いぞ!!」
ハカナ「ク…クランちゃん…
    あの…ちょっと聞きたいんだけど…」
クラン「なに?」
ハカナ「ひょっとして、私の服脱がせたのって…クランちゃん」
クラン「うん。そーだよ(苦しそうだったからね)」
ハカナ「そう…やっぱりそうなんだ………」

ゴゴゴゴゴゴ

クラン「えっ…は…ハカナ」
後ずさりするクラン。
ハカナ「クランちゃんのバカァッ!!!」
バチーーン。
保険室中に強烈な平手打ちの音が鳴り響いた。
ハカナ「もうクランちゃんなんか大嫌い!」
服を抱きしめて、怒ったハカナは駆け去っていく。
クラン「???」
なんだか分けのわからないクランはハナコに問う、
クラン「オイッ。何があったんだ?」
ハナコ「そ…それは…」
ハナコは多くを語らない。
男子生徒「棗さんは神です」
クラン「?」
クランの頬にはハカナの手形がくっきり残っている。
44遊戯王風カオシックルーン第五話M:03/11/30 00:41 ID:w5W/19mO
教室。
ハカナは自分の机に座っている。
クランもその横の自分の机におそるおそる座る。
よくわからないけどハナコに言われたので謝ることにするクラン。
クラン「ゴメンなさい。ハカナ」
ハカナ「プイッ」
クラン「な、なんだよ!その態度!」
クランの言うことなんて聞く耳もたないといった感じだ。
ギュ!
クラン(いたっ!)
しかも机の下でクランの足を踏みつけるハカナ。
クランもお返しとばかりに踏み返す。
クラン「せっかく朝、助けてやったのに!」ギュ!
ハカナ「そういえばそのブレザー私のだよね!早く返してくんない?」ギュ!
クラン「傘かしたままだよな!」ギュ!
ハカナ「このまえ私のエビ天とった!」ギュ!
クラン「人が楽しみにしていたプリン勝手に食べた!」ギュ!
ハカナ「貸したCDに傷がついてた」ギュ!
クラン「お気に入りのアクセサリー、ドブに落としたよな!」ギュ!
ハカナ「いつも数学教えてるの誰でしたっけ!」ギュ!
クラン「英語教えてやってるのは誰だ!」ギュ!
ハカナ「こないだ海に行ったとき、私をおいていったよね」ギュ!
クラン「カードいっぱいやったよな」ギュ!
ハカナ「何よ!このカードオタク!」ギュ!
クラン「いつもトロトロしやがって」ギュ!
ハカナ「なによ!このペタンコ!」ギュ!
クラン「お化けみたいな乳しやがって!」ギュ!
ハカナ「まだ毛もはえていないお子様のくせに!」ギュ!
クラン「ぶ、ブッ殺してやるバカヤロー!」ギュ!
ハナコ(あちゃ〜なんだか険悪な雰囲気)
机の下では足を踏み合いを続けるハカナとクラン。
やがていつもはくっついている机も50センチは離れてしまった。
45遊戯王風カオシックルーン第五話N:03/11/30 00:42 ID:w5W/19mO
そんなこんなで6時間目は体育の時間。
更衣室中での着替え中。
たまたま目があうハカナとクラン。
ハカナ「フンッ!」
クラン「フンッ!」
ハナコ(もう、二人とも…)
これに見かねたハナコがなんとか和ませようと二人の間に入る。
ハナコ「きょ…今日はハンドボールだよね。
    お互い同じチームだから頑張ろうね♪」
クラン「せいぜい足ひっぱらないようにしろよナ」
ハカナ「あ〜ら。前みたいにキャッチできずに
    顔面に食らうなんてボケはかまさないでね」

ゴゴゴゴゴゴ

2人はさらに険悪ムードを増してしまった。

クラン「フンッ!」
ハカナ「フンッ!」
ハナコ(あらあらあら…)
46遊戯王風カオシックルーン第五話O:03/11/30 00:43 ID:w5W/19mO
一方そのころ
爆音轟かせて、真昼間から走り回る暴走集団

ヴォオオオオオオオオ

串刺し特攻隊だ。
一通り町で暴れ終わった串刺し特攻隊は、ふとクランたちの学校の前で止まった。

串刺し特攻隊「おおっ?なんか体操服の女がいっぱいいるなぁ」
串刺し特攻隊「そろそろ道路で遊ぶのもあきたよな」
串刺し特攻隊「じゃあ今度はこっちの遊びにでもいくか?」
串刺し特攻隊「ヘヘヘ。そうだな」

ヴォオオオオオオオオ
学校に突入を開始する串刺し特攻隊。



運動場では生徒達が準備運動でグランドを走ってる。
スッっとハカナの横を抜くクラン。
抜く瞬間にハカナに一言。
クラン「遅いんだね。大きいなりして。プッ」
ハカナ(ムカッ!)
足をひっかけるハカナ。
クラン「うわっッ!」
地面に転ぶクラン。
ハカナ「あ〜ら。ボーとしてちゃだめよ棗さん」
クラン(こいつ!今、わざと足ひっかけやがったッ!!)
ハナコ(まだやってる…)
47遊戯王風カオシックルーン第五話P:03/11/30 00:46 ID:w5W/19mO
グランドに整列しているハカナとクラン。
ハカナ「フンッ!」
クラン「フンッ!」
その時、いきなり学校内に目も覚めるような騒音が響き渡る。

ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

生徒達「ざわざわ」
クラン「な、なんだ?この耳障りな騒音は…?」
耳を押さえるクラン。
それでも爆音は脳みそまで響きわたって離れない。
ハカナ(この音…あ、あいつらだ!)
クラン「……ッ……ぃ………ぉ………!!!」
クランが何か叫んでいるようだが、まったく聞こえない。
それほどまでにこの騒音はひどい。
爆音と煙をたてながら、串刺し特攻隊が運動場に乱入してきた。
クラン(な?何だ?こいつら!!?)

ヴォオオオオオオ

生徒「わぁああ」
突然現れた串刺し特攻隊は生徒達全員を取り囲むようにグルグルと円を描いて回りだす。
この事態に生徒達は怖がるもの、悲鳴を上げるもの、
何が起こっているかまだ理解できないものなどそれぞれだ。
串刺し特攻隊はグルグル回りながらそんな生徒達を観察しているようだ。
クラン(やっぱりこいつらどこかで見たことある…)
クランは魚の骨が喉につっかえたような気分。
48遊戯王風カオシックルーン第五話Q:03/11/30 00:48 ID:w5W/19mO
ヴォオオオオオオオオ
串刺し特攻隊の一人が円形を崩して、生徒達に特攻してきた。
クラン「…!!」
クラン前で急ブレーキをふみ、運動場の水溜りのドロを浴びせてくる。
クラン「うわっ!」
ビシャ!
クランの服や体は髪は泥まみれにされてしまった。
串刺し特攻隊「ヒヒヒ!」
再びバイクは円の中に戻っていった。
クラン「ブッ殺してやる!!!」
一歩前にでたクラン。
と、その時別のバイクが真っ直ぐクランへとつっこんでくる。
今度のバイクはブレーキをかける様子は全くない。
クラン「!」
突然の事態にクランはまったく動けない。
ハカナ「あ、あぶない!」
ハカナがクランをかばって危険をかえりみない横っ飛び。
ドシャ!
かろうじてクランは助かった。
串刺し特攻隊「チッ!」
あのままだとクランは確実に跳ね飛ばされていただろう。
地面に倒れたハカナとクランは、すぐに立ち上がる。
ハカナ「大丈夫?クランちゃん!!?」
クラン「す、すまないハカナ!!」
耳元で大声を叫ぶことで、やっと会話は成立している。
49遊戯王風カオシックルーン第五話R:03/11/30 00:50 ID:w5W/19mO
生徒「いやぁ、な、なんで私がこんな目に」
恐怖に絶えられなくなった生徒が一人、スキを見てそこから逃げだそうとする。
ハカナ「ま、まって!ダメよ!むやめにとびだしちゃ!」
しかし、その声はまったく届いていない。
生徒「はっ!」
グシャ!
串刺し特攻隊は逃げようとした生徒を容赦なく跳ね飛ばした。
宙を舞い地面へと落下。
跳ねられた生徒の足は明後日の方向を向いている。
他の生徒「きゃあああああああああ!」
それを見た生徒2〜3名が、我を忘れて逃げようとするのだが、やっぱり跳ね飛ばされる。
グシャ!グシャ!グシャ!
地面に大量の肉塊が転がった。
後に残された生徒は、すっかりおびえて縮こまってしまった。
串刺し特攻隊はグルグル回りながら、上機嫌に笑っているようだ。
そう、生徒達をおびえた表情やリアクションこそが
串刺し特攻隊にとっては最高の笑いのスパイスなのだ。

それに気づいたハカナとクラン。
ハカナ「ゆ…許せない。こんなことして喜ぶような人たちは…!!」
クラン「やっと思い出したぞ。あれは機界モンスター『人二輪』だ」
ハカナ「えっ?モンスター?カード?
    あのバイクはカードを3D表示させたものだっていうの?
    じゃ、じゃあ、どこかに召喚者が…?」
クラン「召喚者はあいつら自身だ!
    『人二輪』はプレイヤー自身をモンスターに変化させるという
    少し変わった性質をもつカードなんだ!!
    その力をゲーム以外で悪用すれば、こうゆうことだってできる!!」
ハカナ「!!!」
50遊戯王風カオシックルーン第五話S:03/11/30 00:51 ID:w5W/19mO
既に事態は学校中に広まっており
多くの生徒達が校舎窓から運動場を見ている。
しかし肝心の助けはやってくる気配はない。
おそらくは、教師達も縮こまって警察の到着を待っているのだろう。

ヴォオオオオオオオオオオ

串刺し特攻隊は生徒一人も逃がす気はないようだ。
個人的な恨みとかそういうのではなく、
ただ楽しくてやってるようなのでなおさら性質が悪い。
このままだと全員跳ね飛ばされるのも時間の問題だ。

ハカナ「くっ…私達もカードさえあれば、あんなやつらになんか」
しかしそのカードは今は更衣室の中…。
そこまで無事に辿り着くことができるだろうか?
ハカナ「クランちゃん、早く更衣室にデッキを取りに行かないと!」
クラン「その必要は無い!」
ブルマの中からデッキを取り出すクラン
ハカナ「!」
クラン「カード使いたる物、いついかなる時もデッキを手放してはいけないのだ!」
ハカナ「は…はぁ………」
デッキの中からカードを1枚かかげたクラン。
クラン「でろーーーーーー!ヴォルボックス!」
串刺し特攻隊「うおっ!」
串刺し特攻隊「な、なんだありゃ!!?」
ヴォルボックスが生徒達を守るようにしてズッシリと現れた。
51遊戯王風カオシックルーン第五話21:03/11/30 00:54 ID:w5W/19mO
ヴォルボックス背中のいつもの指定席からクランが叫ぶ。
クラン「やいっ!おまえら、こんなことするのはやめろ!」
ヴォルボックスの登場に足を止めた串刺し特攻隊。
串刺し特攻隊「まさか、あいつも『魔法のカード』を持っているのか?」
ざわつく串刺し特攻隊。
クラン「決闘で決着をつけてやるからデッキを出せーーーーッ!!」
串刺し特攻隊「デッキ?なんだそれ?」
クラン「…えっ!?デッキを知らないのか?
   (じゃあ、カードの使い方を知ってる誰かが、こいつらに人二輪を与えたのか?
    と、とにかくこいつらを止めないと…)」
ヴォルボックス「ジャオッ!」
ヴォルボックスが動き始める。
クラン「とにかく!こんなことはやめてここから去れッ!」
串刺し特攻隊員「うるせぇ!その玉みたいな化け物をひき殺してやるッ!」
串刺し特攻隊は再びエンジンを吹かして殺る気満々。
ヴォルボックスに果敢に向かってくる串刺し特攻隊。
クラン「な、なんとか動きを止めないと…」
ヴォルボックスはその手で人二輪を掴もうとするが、動きが早くてまったく捕らえられない。
その間次々と体当たりを受けて、ぐらつくヴォルボックス。
ハカナ「ク、クランちゃん!!」
心配そうに見守るハカナ。
いくらデッキを持ってるとはいえ
ルール無用で襲ってくる悪党どもが相手では分が悪そうな感じだ。
ハカナ「クランちゃん!ブラストよ!」
クラン「だめだ!ゲーム以外でブラストを使えば、
    どうなるかわからない!」
ハカナ(!)


その様子を遠くから陪観するロンゲ。
ロンゲの先生(やれやれ。甘いな)
52遊戯王風カオシックルーン第五話22:03/11/30 00:56 ID:w5W/19mO
ハカナ(このままじゃクランちゃんがあぶない!なんとかしなくちゃ!)
串刺し特攻隊がクランの相手をしている合間を見て更衣室へと走るハカナ。

ガリガリガリ
ヴォルボックスの体力がどんどん削られていく。
クラン(だめだ!これ以上はもたない!!)
串刺し特攻隊「あひゃひゃ!この玉ッころ。図体だけで全然トロいぜ!」
クラン「くそっ!どうすれば!」
そこに戻ってきたハカナ!
ハカナ「クランちゃん!」
クラン「ハ、ハカナ!あぶない!」
一台の人二輪がうかつなハカナを襲う!
ハカナ「キャア!」
クラン「くっ!ソニックプラス!」
クランの召喚したソニックプラスが間一髪ハカナを救う。
ハカナは体操服をつかまれたまま空へ。
クラン「ハカナ!大丈夫か!!?」
ハカナ「クランちゃん。ありがとう!!私も戦うわ」
ソニックプラスに引っかかったままのハカナが示しているのはポカポカのカード。
ハカナ「クランちゃん!あれをやろう!」
クラン「そ、そうか!!よしあれでいくぞ!」
53遊戯王風カオシックルーン第五話23:03/11/30 00:58 ID:w5W/19mO
ハカナがかかげたカードは二枚。
まずはポカポカを召喚。
そして、増殖のカードでポカポカの数増やす!!
クラン「よし!いくぞ!ブラストォー!」
ヴォルボックスがポカポカたちを爆破する!
そしてポカポカの腐食性の体液が辺り一面に散布される。
ビショ!
串刺し特攻隊「な、なんだこりゃ!?お、おれたちのバイクが………溶けちまう?」
ドロッ
溶けて制御を失った人二輪は、それぞれ壁や校舎に激突して自滅していった。
串刺し特攻隊はあっという間に全滅だ。
クラン&ハカナ「どうだ!ポカポカボンバー大作戦!」

しかし
ドロッ
ハナコ「いやぁっ!ナニコレェ!?」
生徒「私の服がぁ」
生徒「いやぁ」
ドロドロドロ。
ポカポカの体液はついでに周りにいる生徒達の服も全部溶かしてしまった。
たちまち女子高生の裸祭りが開催。
校舎の窓からは多くの男子生徒の歓声が聞こえている。
生徒達「キャー!」
54遊戯王風カオシックルーン第五話24:03/11/30 01:00 ID:w5W/19mO
クランは、串刺し特攻隊の一人の頭をわしづかみ。
クラン「オイッ。キサマ!」
串刺し特攻隊「ひ、ひぃ!助けてくれ!」
クラン「頭つぶされたくなければ私の質問に答えろッ!
    オマエたちの、そのカードは誰から受け取った!!?」
串刺し特攻隊「三剣リュウセイさんです」
クラン「三剣リュウセイ!?誰だそれは!?」
串刺し特攻隊「ヘ…ヘイッ!!
   俺たち串刺し特攻隊の隊長でして。
   魔法のカードだって言って100000円で譲ってもらってんです!!」
クラン「(すごいボッたくりだなぁ)
    ………そうか…じゃあカードを置いてさっさと失せろ!」
ここで、脳みそを離してやる。
串刺し特攻隊「ひいいっ!」

串刺し特攻隊は裸足で逃げ出していった。

ヴォルボックスをカードへと戻す。
クラン(三剣リュウセイか…
    カードの力をこんな風に悪用するヤツは
    許てはおけないな…!!)
55遊戯王風カオシックルーン第五話25:03/11/30 01:03 ID:w5W/19mO
ハカナ「クランちゃん!」
クラン「ハカナ!」
その場で抱き合う二人
ハカナ「ごめんねクランちゃん。わたしわたし」
クラン「こっちこそゴメン。私も意地になってたみたい」
ハカナ「やっぱり私たち2人いないとダメね」
クラン「うん」
どうやらようやく仲直りできたようだ。めでたしめでたし。



と、そのとき背中から大量の殺意が。
生徒達「ちょっと!お二人とも!!!!
    中の良いとこ悪いんだけど!私たちの服どうしてくれんのよ!!!!」
ハカナ「えっ?」
服を溶かされた生徒達の憎悪が全て二人に向けられている。
クラン「えっ…いや…そ………それは………!!!」
ジワジワ壁においつめられていく二人。
クラン「おまえがポカポカを使えなんて言うから…!」
ハカナ「なによ!せっかく助けてやったのに!」
生徒達「二人にはみんなで、一生懸命おしおきのメニューを考えて
    私たちの事件が霞むぐらいの羞恥を受けてもらわなくちゃあね。
    ンフ、ンフフフフ」
ハカナ&クラン「いやぁ!いやぁ(丸文字)」
56遊戯王風カオシックルーン第五話26:03/11/30 01:15 ID:w5W/19mO
放課後…

ここは学校裏の山奥にある旧校舎。
今では誰も寄り付かない場所に一人の男が立っている。
ロンゲの先生だった。

ロンゲの先生「串刺し特攻隊か…。
   カードの力を利用した犯罪行為…。
   機界も関わっているとすれば
   やはりこのまま、ほおってはおけんな…。
   ………あの御方をお呼びするか………」

裏でなにやら動き始めた様子のロンゲの先生。


一方学校
生徒「フー。あの二人どこに逃げた」
生徒「こっちにはいないわね…」
生徒「どうせこの学校内からは出られないわ。あっちさがしましょ」
鬼棍棒もった生徒達が徘徊している。

                    第五話 終わり
57名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:20 ID:atir9WLY
(・∀・)イイヨイイヨー
58名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:28 ID:lyH9GG7V
乙ー!
相変わらず良い出来ですね。
本スレのネタを絡めてるあたりも面白いです。
ところで・・…



鬼棍棒とは股間に装着するもの(ペニスバンド)ですか?(@ @;)
59名無しさん@ピンキー:03/11/30 03:36 ID:UviJXLF9
まぁお約束なんだろうが
>クラン「キサマのおかげで………
>    レアカードに傷がついたわッ!!」
激しくウケますた。

エロあり、ストーリーあり、本編ネタありで最高。
でもハカナンとクランタンには仲良くしててホスィ
60名無しさん@ピンキー:03/11/30 03:45 ID:wDNGL3uQ
おお、帰ってきたのか。待ってたよ。いつもながら乙。
61名無しさん@ピンキー:03/11/30 12:06 ID:k6mgtEZi
いいなあ!!乙。本編と絡めてる辺りにテクを感じます。
欲張りを言うなら、生徒達にクランたんとハカナんが捕まっててくれれば・・
とにかく良かった。
62名無しさん@ピンキー:03/11/30 14:25 ID:w5W/19mO
>57-61
貴重な感想のほどありがとうございます・゚・つд`)・゚・

>58
>鬼棍棒とは股間に装着するもの(ペニスバンド)ですか?(@ @;)
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

>59
ハカナンとクランタンは仲良くさせますね………なるべく

>60
待っててくれてありがとうございます・゚・つд`)・゚・
実はサイズが512Kを超えそうだったので
3スレ目が立つまで待っておりました。

>61
>欲張りを言うなら、生徒達にクランたんとハカナんが捕まっててくれれば
朝起きて、そっちの路線の方がよかったと後悔しております。
本来ならオチだけでも書き直したいところですが………。

でわ、第6話は早めに上がると思います。たぶん
63名無しさん@ピンキー:03/11/30 16:55 ID:MNa4gc21
職人さんお疲れ様でした!
前スレで「ブルマからデッキ」ネタを出した者です
本当に使ってくれるとは…超嬉しいっす(つ∀`)

この調子で6話期待しています
6463:03/12/01 03:08 ID:g4voL+23
グロではないけれど職人さんへのせめてものお礼です

ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/chaosic/data/IMG_chao000064.jpg
65名無しさん@ピンキー:03/12/01 19:59 ID:H+XO9Psq
クランたんハァハァ……
あースク水クランたんをローションでヌルヌルにして
マットプレイしたいぜ
66名無しさん@ピンキー:03/12/01 22:35 ID:cXqwLNCz
職人さんいつもいつも乙です。

つか
>この物語は、見かけは幼女の16歳『棗クラン』が
>カードゲーム『カオシックルーン』を通じて
>次々と現れるヘンタイやキチガイ達と戦い成長していく話です。

成長譚だったのかyo!
67名無しさん@ピンキー:03/12/01 23:10 ID:z7LBlJ66
>>64
グロい
68名無しさん@ピンキー:03/12/02 00:29 ID:JRPnGWbt
>>66
身体は成長しません!
69いつもの人:03/12/02 12:13 ID:FgRDueDf
またひとつ描いたんですが
今回は最初からお絵かき掲示板にうpしました。
とくに問題がなければ、今後もそうします。

ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp/
70名無しさん@ピンキー:03/12/02 13:12 ID:ovYNxaAC
ハカナはノーパンなんですね(*´Д`)
いつもの人最高でつ
71名無しさん@ピンキー:03/12/02 22:44 ID:0cUfiNE5
>63-64
魂(イノチ)が共鳴しました。
スク水の質感からして只者じゃないとお見受けしましたが…。

>66
>成長譚だったのかyo
ま、まぁ、いちおう。

>68
>身体は成長しません!
ええ、もちろんです!
ただし縮むことはあるかもしれません。

>69
か…神!
いつもの人の絵は大好きです。
同人本ホスィ。

第6話は明日張ることにしますね。
今までで一番長いです。40ぐらいになりました。
72名無しさん@ピンキー:03/12/02 23:59 ID:nb9wDd6A
>>71
仕事が早いですね。
嬉しいのですが、無理しないでくださいね。
73名無しさん@ピンキー:03/12/03 09:43 ID:FsoVclJH
お絵描き掲示板が盛り上がってまいりました!

文字ネタ、画像ネタともにヒートアップで
幸せだなあ僕ァ。
74名無しさん@ピンキー:03/12/03 22:31 ID:tXlpb6ut
予言通りに貼ってきます。
75遊戯王風カオシックルーン第六話@:03/12/03 22:32 ID:tXlpb6ut
*この物語は、見かけは幼女の16歳『棗クラン』が
 カードゲーム『カオシックルーン』を通じて
 次々と現れるヘンタイやキチガイ達と戦い成長していく話です。

前回までのあらすじ

今、クラン達の住んでいるこの区域は未曾有の危機に瀕していた。
突然、力をつけだした暴走族『串刺し特攻隊』が暴れだしたからである。
強盗、殺人、誘拐、麻薬、破壊工作、恐喝、窃盗、放火、ありとあらゆる犯罪行為を繰り返す。

そして、ある時クランの学校にまでも乱入。
運動場に出ていた生徒が多数襲われるも、
ハカナ、クランの活躍によりなんとか撃退。
生徒達は守られた。

さて、連中がカオシックルーンのカードの力を悪用していると知ったクランは?
76遊戯王風カオシックルーン第六話A:03/12/03 22:33 ID:tXlpb6ut
ハカナとクランの活躍から数日が過ぎていた。

放課後 保険室

ベットの上に倒れているハカナ。
それをクランが心配そうに見つめている。

ハカナが目を覚ました。

ハカナ「う…うーん…。あれ?………クランちゃん?」
クラン「よかった。気分はどう?大丈夫?」
ハカナ「ご…ごめんなさい。私、また倒れちゃったのね」
クラン「そ、そのままにしてて。今リンゴむいてあげるから」

なれない手つきでリンゴを切り出すクラン。

ハカナ「クランちゃん、わたし…」
クラン「うん。わかってる。ハナコから聞いたよ。
    家の前が串刺し特攻隊の巡回コースに入ってて
    一睡もできないんだって」
ハカナ「………」
クラン「大丈夫!きっとすぐ警察がなんとかしてくれるよ」
しかし、ハカナにとってはこのクランの励ましは気休めにもならない。
串刺し特攻隊の悪行はエスカレートしていくばかりで、一向に静まる気配は無いのだから。
言葉がつまったクランは、リンゴを差し出した。
なんともガサツなリンゴの形。
ハカナが試食。
ハカナ「………おぇ………血の味がする…」
クラン「うわぁ………ご…ごめん」
クランの指からは血がでていた。
77遊戯王風カオシックルーン第六話B:03/12/03 22:34 ID:tXlpb6ut
ハカナは、やつれた病人のようだ。
いつもの元気はまったくない。
なんとか元気を取り戻してほしいと考えるクランは。

クラン「そ、そうだ」
クランがカバンの中を探り出す。
そこからノートを探し、それをハカナへ差し出した。
ハカナ「えっ?」
クラン「こ…これ午後の授業のノートだよ。…貸してあげる。
    ………き、汚い字で読めなかったらゴメンね…」
少し照れくさそうな感じのするクラン。
ハカナ「あっ…ありがと………クランちゃん」
ありがたくうけとるハカナ。
クラン「あ…。
    ………ノ…ノートぐらいなら…私がとっててやるから…
    ハカナは学校にいる間ぐらいは、ゆっくり休んでてもいいんだよ………
    い、いろいろ大変だとは思うし………だから…その……あの…」
クランは舌をかみながらも、一生懸命にしゃべり続けた。
そんな不器用なクランの姿を見たハカナは…。
ハカナ「そ、そんなわけにはいきません!
    授業はちゃんと受けます!」
急にキリッとするハカナ。
クラン「………えっ…そ…そう」
あっけにとられるクラン。
ハカナ「さぁ!もう帰るわよ!クランちゃん!」
クラン「ま、待ってよぉハカナ!」

なんだか知らないが元気を取り戻してくれてクランも安心する。

ハカナ(クランちゃんに心配かけないためにも私が頑張らなくちゃ!)
78遊戯王風カオシックルーン第六話C:03/12/03 22:35 ID:tXlpb6ut
下校中。
最近クランはハカナを家まで送っていくのが日課となっている。
もちろん、ハカナがいつ倒れてしまわないかと心配だからだ。
わざわざ遠回りさせてしまってるハカナとしては申し訳なさでいっぱいだ。

ハカナ「ゴメンね。クランちゃん最近決闘もしてやれなくて」
クラン「そ、そんなの全然にかまわないよ。ハカナ最近疲れてるみたいだから………」
ハカナ「明日は絶対やろうね」
クラン「うん」

口調こそハキハキしているが、ハカナの顔はまだ青白いまま。

クラン(ハカナはもう限界だな…。
    よし、やっぱし例の計画は今晩実行しよう)
一瞬何かを決意めいたクランの表情をハカナは見逃さなかった。
ハカナ「クランちゃん。
    私のために何か危険なこと考えてないよね?」
クラン「(ドキッ!!!!)
    えっ!?
    なななななな、なにを言ってるんだいハカナ!?」
この反応だけでクランが大体何を考えているか想像がついてしまう。
ハカナ(クランちゃん…ま、まさか………?)
79遊戯王風カオシックルーン第六話D:03/12/03 22:37 ID:tXlpb6ut
ハカナを家まで送り届けた後、、
一人ちびっこ公園にやってきたクラン。

公園のベンチに座りながら、自分のデッキを取り出して、
何のカードが何枚入ってるかを確かめるクラン。
何度も何度も気が済むまで確認を続けてる。
そうやって自分の心も落ち着かせているようだ。

パラサイト=マニュバーのカードに願掛けするクラン。

クラン(ごめんなさいお兄ちゃん…
    違法プレイヤーにだけは絶対に手をだすな………っていう。
    お兄ちゃんの言うことやぶります。
    けど、お兄ちゃんならきっとわかってくれるよね)

夜もだんだんふけてきた。

クラン「よし…いくか………」
クランが動いた。
80遊戯王風カオシックルーン第六話E:03/12/03 22:38 ID:tXlpb6ut
時刻は21:00。

最近はこんな時刻ですら、もう誰も町を立ち歩いていない。
串刺し特攻隊の連中を除いては…。

ここは串刺し特攻隊が溜まり場にしているコンビニ。
コンビニのシャッターは閉じられている。

串刺し特攻隊「でさーー。あんまりウぜーからそこで火炎瓶ぶつけてやったんだ」
串刺し特攻隊「ひゃひゃひゃ!マジで?」
串刺し特攻隊「また、指名手配レベルがアップしちまったよ。
   まっ、警察なんていくら来ても全然怖くねーけどさ」
町の支配者のように我が物顔の串刺し特攻隊。

そこに人影が。
クラン「オイッ!キサマら!」
現れたのはクランだ。

串刺し特攻隊「ん?なんだこの幼女!?」
串刺し特攻隊「お嬢ちゃん迷子でちゅかぁ?」
久々に一般人を見かけて、さっそくからかいにやって来る。

近づいてくる串刺し特攻隊に対し、クランは1枚のカードを掲げた。
クラン「でろぉ!ヴォルボックスーーー!!!」
81遊戯王風カオシックルーン第六話F:03/12/03 22:40 ID:tXlpb6ut
串刺し特攻隊の正面にクランの召喚したヴォルボックスが立ちはだかった!

串刺し特攻隊「な、なんだーーーァ!?」
クラン「ブラァストォーー!」

ドドドドドドーーーーン!

ブラストによる打ち上げ花火を高々と揚げる。
これがクランのとっての宣戦布告。

串刺し特攻隊「う、うわあっ!化け物だぁ!」
逃げだそうとする串刺し特攻隊の一人を捕まえるクラン。
串刺し特攻隊「た…助けて」
クランが本気であることが、串刺し特攻隊にも十分伝わっているようだ。
クラン「オイッ!お前達のアジトに私をつれていけ。
    さもないとこの場で粉みじんにするぞ」
串刺し特攻隊「ひ…ひぃ」
命令に素直に従う串刺し特攻隊。

串刺し特攻隊はカードを使用し、人二輪へと変化した。
その後部座席に乗り込んで、男の頭に蹴りを入れ、クランは腕組み。
クラン「よし、とっとと行け」
その時、後ろからよく知ってるあの声が!
ハカナ「クランちゃん!!!」
クラン「えっ?」
驚いて振り向いた先には、ハカナが心配そうな顔で立っている。
予想だにしないハカナの登場にクランは目を丸くした。
クラン「ハカナ…なんでここに?」
82遊戯王風カオシックルーン第六話G:03/12/03 22:41 ID:tXlpb6ut
ハカナ「心配でついてきたらやっぱりこんなこと………」
    クランちゃん。バカなことはやめて帰ろうよぉ!
    私のことは平気だから」
一緒に帰るように説得するハカナ。
クラン「いやだ!!
    それに三剣リュウセイがカードを悪用しているなら、許してはおけない!!!」
だが、クランの決意は固い。
ハカナ「だったら私もいく」
クラン「えっ!?」
またしても予想外の一言。
ハカナ「クランちゃん一人行かせるなんて…いやよ。私も一緒に闘うっ!!」
新調したデッキを取り出すハカナ。
しかし、クランとしてはハカナを巻き込みような真似だけは絶対にしたくない。
クラン「ハカナっ…あんなヤツ等相手じゃオマエまで…」
ハカナ「いやっ!絶対行く!
    クランちゃんに何かあったら私もう耐えられないよ!」
    お願いっ!クランちゃんと一緒に闘わせてっ!」
目に涙を閏ませながら決意を示してくるハカナ。
ハカナのそれもクラン同様か、それ以上に固いようだ。
クラン「………………………
    わ…わかったよ。
    そこまでいうなら………二人で行こう」
ハカナ「ありがとう!クランちゃん!」
涙を振り払って、ハカナも後部座席に乗り込んだ。
クラン「よし!いけッ!」
串刺し特攻隊「ヘ、ヘイ」

ヴォオオオオオオオオオオオ

こうして二人は串刺し特攻隊のアジトへ向かっていった。
83遊戯王風カオシックルーン第六話H:03/12/03 22:45 ID:tXlpb6ut
人二輪で走り続けること少一時間。
ようやくアジトにたどり着く。
どうやらここは既に封鎖された廃工場らしい。
そして、かなり敷地は広そうである。

串刺し特攻隊「お、俺はもう逃げるぜ。案内したなんて知られたらブッ殺されちまう!」
2人を連れてきた串刺し特攻隊はあわてて逃げてしまった。

クラン「いこう」
ハカナ「う…うん」
門をよじ登って進入を開始するハカナとクラン。
工場内は意外と静寂としていて逆に不気味な感じが漂っている。

ハカナ「ほ…本当に、ここが串刺し特攻隊のアジトなのかなぁ?
    物音一つしないよ…」
クラン「わからない。でもじっとしてても始まらない。
    と、とにかく三剣リュウセイってやつを探さなきゃ」
ハカナ「う…うん」
クラン「私のカンだと建物の中が怪しいな…」
十分に警戒しながら建物内に入っていく二人。

そんな二人に物陰から視線が。
(お兄ちゃん。こんなところに女と幼女が来たよ)
(バカなやつだ…クモの巣に入る蝶。この例え分かる?)
(さっきのヤツの仲間かなぁ…?)
(どうでもいい。こっちはこっちで楽しもうぜ…)
(女は僕がヤるぜ。ハァハァ)
(じゃあ。幼女の方は僕がヤっていいんだね。ハァハァ)
84遊戯王風カオシックルーン第六話I:03/12/03 22:46 ID:tXlpb6ut
工場内部。
進入した二人は唖然としていた。
建物内部のいたるところで人二輪と化した串刺し特攻隊が
煙を出しながら倒れているからだ。
うめき声だけが建物内に響いている。
クラン「な、何かあったのかな………?」
ハカナ「仲間同士でケンカでもしたのかな?」
クラン「だ、だったらいいんだけど
    …なんにしてもデッキだけは絶対に放すんじゃないぞ」

ヴォオオオオオオオオオ

クラン「はっ!」
突然の二人の背後から人二輪が襲ってきた。
クランはさっと交わしたが、
しかし体調が万全でないのか、反応が遅れたハカナが人二輪に捕まってしまう。
クラン「ハ、ハカナ!」
ハカナ「キャア!クランちゃん!助けて!」

ヴォオオオオオオオオオオ

そのままハカナは建物の奥へと連れて行かれてしまった。
クラン「ハ、ハカナ!」
85遊戯王風カオシックルーン第六話J:03/12/03 22:49 ID:tXlpb6ut
すぐさまハカナの後を追いかけていくクラン。
しかし、新手のカード使いがクランの行く手を塞いだ。
現れたのは人二輪3体と
腕にクモやドクロ…他にも様々なイレズミをしたオールバックの男だった。

ケイジロー「やぁ。僕、朔間ケイジロー。
      朔間兄弟の次男で
      青い果実がとっても大好きなナイスガイさっ!
      こんなちっちゃい子がこんなとこで何やってんのかな〜?
      カワイイねェ。トシいくちゅ?」
ハカナがさらわれて多少興奮気味のクラン。
クラン「どけ!」
ケイジロー「どくぅ?誰がぁ」
ベロ。
クラン「いやあああっ!(丸文字)」
まずはクランの顔を味見するケイジロー。
ケイジロー「いけないヨォ。子供がこんなとこにきちゃ。
      だ・か・ら・僕が大人にしてあげる。
      分かるぅ?この例え」
舌を出しながら、その指をいやらしく動かすケイジロー。
クランにこの例えはよく分からないが、
これまでの挙動で彼が真性のヘンタイであることだけは理解できたようだ。

クラン「このヘンタイがぁ!ブッ殺してやる!」
半泣きでデッキを取り出すクラン。
同時にケイジローもデッキを取り出した。

決闘開始。
86遊戯王風カオシックルーン第六話K:03/12/03 22:51 ID:tXlpb6ut
ケイジロー「さぁ!僕の先行ターン!
      潤滑竜グリスカントを守備表示で召喚だ!
      ターン終了!」
クラン(ハカナがあぶない!こんなやつに時間をかけてる暇はない!)
クラン「ヴォルボックスを攻撃表示で召喚!
    ブラスト!」
ケイジロー「甘い!」
グリスカントの触手がヴォルボックスを襲う!
シュコン!
制御棒が引っ込んだ。
クラン「し、しまった!
    私としたことがこんな単純なミスを犯すなんて!」
ケイジロー「フンッ。ただの湿ったカンシャク玉になっちゃったねェ。
      さぁ今だ!!人二輪達。やっちゃえ」
クラン「エッ?」

ヴォオオオオオオオオオオ

待ちきれないかのように、
横で見ていたニードル付きの人二輪がクランに対して襲いかかってきた。
クラン「あぶない!」
クランはそれをかわすも、制服に切れ目が入る。
もう少し反応が遅れていれば、身ごと切り裂かれていただろう。
この仕打ちにクランも激昂。
クラン「おい!キサマ!ふざけてるのか!ルール違反だぞ!」
ケイジロー「ルールゥ?そんなもんどうでもいいよ」
クラン「な、なに!?」
ケイジロー「お兄ちゃんは丸ごと食うのが好きらしいけど、
      僕はちゃんと剥いてから食う主義なんだよ。
      分かる?この例え?」
クラン(エ?エ?エ?何を言ってるんだコイツは?)
クランにはこの例えは、やはり分からない。
87遊戯王風カオシックルーン第六話L:03/12/03 22:55 ID:tXlpb6ut
続いて、第二第三のバイクも襲い掛かってくる。
クラン「うわっ!」
再びかわすも、また制服に切れ目が入る。

さらに休むことなく人二輪達はクランへの攻撃を続けていく。
シュパッ!シュパッ!シュパッ!
クランの服にどんどん切れ目が。
クランも、そろそろ異変に気づき始めてきた。
どうやら人二輪共は、意図的に制服だけを狙って切っているようだ。

しかもクランの皮膚には傷一つつけないことから、
かなり優れたバイク操作の技術をもっていることがわかる。

こんな高度なことができるのなら、もっと別のことに使えよというのは、
素人の考え方らしい。

ケイジロー「ううん。いいよいいよ。その調子。
      仕上げは僕がやるから、適当に切り身だけいれてね。
      けっしてパラしたりなんかしちゃだめだよ
      そこ、もうちょいスカートにも切れ目をいれてよね」

上機嫌で指示をだすケイジローはまるで監督だ。
88遊戯王風カオシックルーン第六話M:03/12/03 23:02 ID:tXlpb6ut
クラン「いやぁ(丸文字)」
ついにクランも悲鳴をあげてしまう。
串刺し特攻隊「いいぞ!ハァハァ」
串刺し特攻隊「もっともっとそのカワイイ叫び声を聞かせてくれーーー!ハァハァ」
クラン「ああっ!いやっやあっ!(丸文字)」
クランが丸文字の悲鳴を上げてくれて串刺し特攻隊もとても満足な御様子だ。

そろそろクランの本能が最大級の警戒信号を発し始めた。
このまま、ここにいるのはまずい!

クラン「く、くそ!覚えてろヘンタイ共!ヴォルボックス!煙幕だ!」
パンッ!
辺りを煙が覆う。
ケイジロー「あっ。逃げちゃだめだよ青い果実ちゃん」
珍しく逃げに入るクラン。

タッタッタッタッ

クランは全力でその場を離れた。
息を切らしながらも決して足は止めない。
その制服には、既に大量の切れ目が入っており、走るだけで細かい部分がパラパラと落ちる。
後ろから人二輪はヴォンヴォン音を鳴らしながら追ってくる。

クラン「はぁはぁはぁ」
角を曲がって、建物内部の、とある一室に逃げ込んだクラン。
クランは息を殺して、影にひそんでヘンタイ達が通り過ぎるのを待った。
89遊戯王風カオシックルーン第六話N:03/12/03 23:07 ID:tXlpb6ut
クラン(く、くそぅ…まったく、なんてヘンタイ達だ…)
周りが静かになってきた
クラン(な、なんとかやりすごしたかなぁ?)
そっと部屋を出ようとしたとき。

カッ!

人二輪のライトがクランを照らす。
クラン「うわぁ!」
部屋の外で待っていたようだ。
ケイジロー「さぁ、もう鬼ごっこは終わりだよ。青い果実ちゃん」
満面の笑みを浮かべながらケイジローもやってきた。
クラン「い、いやぁ!こ、来ないでェ!!(丸文字)」
クランの恐怖を煽るように、ケイジローはゆっくりとゆっくりと近づいてくる。
後ろずさるクランの後ろはいつの間にか壁で、もう逃げられない。
いつもの気丈な様は見る影もなく、泣き叫ぶことしかできないクラン。
ヘンタイ、ケイジローの放つオーラがクランの本能にそうさせるのだろか?

ケイジロー「さぁ、もう観念しなよ。青い果実ちゃん」
クランの制服に手をかける。
クラン「やめてェ。お、お願い(丸文字)」
しかし抵抗するクランの腕にはまったく力はない。
ケイジロー「大丈夫だよ。
      たまねぎの皮みたいに、あっという間に剥いじゃうからね」
バリバリバリッ!
クラン「いやぁ…いやぁ………(丸文字)」
クランの制服を強引にやぶるケイジロー。
90遊戯王風カオシックルーン第六話O:03/12/03 23:12 ID:tXlpb6ut
クラン「やああ。みないでえ(丸文字)」
今度は逃げようとするクランのスカートに手をかける。
これも一気に破り捨てる。
クラン「うあっ(丸文字)」

クランはライトの光から逃れ、壁際の暗がりへと逃げる。
制服とスカートをやぶられたクランの体はもう………。
そんなクランのあがく姿がヘンタイの性欲をさらに駆り立てていく。

ケイジロー「無駄だよハァハァ。そんなとこに隠れても。
      もうおとなしくしなよ出ておいでよハァハァ」
ガチャガチャとベルトをゆるめて、息と同様に股間までも荒ぶらせていくケイジロー。
もう、果実を成熟させる準備は万全のようだ。

暗闇の中で両腕で胸を隠して内股で座りで、ガクガクと震え続けるクラン。
頭の中には既に最悪の事態までもが想定されている。
クラン「いやぁー!
    た、助けてお兄ちゃん(丸文字)」
ケイジローがクランにつかみかかって騎乗体制に!
ケイジロー「さぁ。果実ちゃん。
      今、とびっきりの栄養剤を注入してあげるからねェ…ハァハァ」
クラン「いやああああああ(丸文字)」

カッ!

さらにクランを人二輪のライトが照らした。

ケイジロー「な、何ィッ!?」
串刺し特攻隊「こ、これはぁ!」
しかし次の瞬間に驚愕したのはヘンタイ達の方だった。
91遊戯王風カオシックルーン第六話P:03/12/03 23:16 ID:tXlpb6ut
クラン「いやあっやだぁうあっやめてぇ(丸文字)」
ケイジロー「こ…こいつ…ッ!せ、制服の中に体操服、着こんでやがるッ!」
恐れおののく、ヘンタイ ケイジロー。
クランは体操服にブルマ姿だった。
串刺し特攻隊「な、なんて邪道な………ガクガクブルブル」
串刺し特攻隊「ぎゃにー!スカートの中にブルマはくなんて信じられねェ!」
串刺し特攻隊「僕達汚れなき青少年の夢をぶち壊しやがって!!ウワァァァァン」
串刺し特攻隊「………テメェには人間の心ってもんはねェのか!」
クラン「エ?エ?エ?」
なぜか怒り狂ったヘンタイ達はクランに罵声、罵倒、顰蹙の嵐。
どうやら彼らはかなりの制服フェチで体操服なんてもってのほからしい。
どうやら一気に萎えたようだ。
ヘンタイ達が去り始める。
クラン「お、オイ!まてっ!ど、どこにいくキサマら!?」
ケイジロー「うるせェ!クズ!死ねっ!」
クラン「そ、そんな!わ、わたしとの決闘は?」
ケイジロー「そんなもんもうテメェの勝ちでいいよ!
      もう興味がなくなったから失せろ!ボケッ!」

なんだか、わけの分からないクラン。
しかし、クランの怒りは一気に頂点へ。
クラン「こ!このヘンタイ共が!ブッ殺してやる!ブラスト!」
ヴォルボックスを召喚し、ブラストで天井を破壊。
落ちてきた工場物資がケイジローおよび串刺し特攻隊を押しつぶす。
ぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃ
ケイジロー「ぎゃぴ!」
ヘンタイたちをやっつけた。

クラン「まったく何考えてんだコイツら………ぷんぷん」
頬をふくらませ、ふくれっ面になるクランだった。
92遊戯王風カオシックルーン第六話Q:03/12/03 23:17 ID:tXlpb6ut
かろうじて貞操の危機を回避したクラン。
クランは中途半端に残った制服をやぶって捨てる。

クラン「ん?あれは?」
ケイジローの近くにカードが落ちている。
ルーンカード『摩擦0』だった。
クラン(こいつに持たせてても、どうせろくなことに使わないだろうな…)
クランは、それを拾う。
戦利品としてゲット。

クラン「そうだ!ハカナだ!ハカナを探さなきゃ!」
気をとりなおして、クランはそのまま建物の奥へと進んでいった。

クラン(大丈夫かなぁハカナ…
    パラされたりして、泣いてなきゃいいけど………)
93遊戯王風カオシックルーン第六話R:03/12/03 23:21 ID:tXlpb6ut
一方そのころハカナは…
建物内部の一室でクランと同じように制服を………パラされていた。

ハカナ「キャァーッ!(丸文字)」
串刺し特攻隊「うひょ」
ケイサブロー「ヘヘヘヘヘ」
すっかり全裸にされている。
手で胸と股間を押さえつけてへこんでるハカナに
イレズミの男と人二輪3体がとり囲んでいる。
どうやら、ハカナは決闘で負けてしまったらしい。

ハカナ「いやぁ!助けてクランちゃん!!!(丸文字)」
ケイサブロー「叫んでも誰も来やしないよ!
   おっと、ところで僕の名前は朔間ケイサブロー。
   朔間兄弟の三男さ。
   お兄ちゃん二人は青い果実が大好きなヘンタイだけど、
   僕は成熟した果実しか食べない紳士だから安心してね」
股間の紳士もこんにちわ。
ハカナ「キャアーーーッ!!!!(丸文字)」
すでにフルチャージ済だった。
あわてて逃げ出すハカナ。
ケイサブロー「ムダだよ」
グリスカントの触手が逃げるハカナの足元を襲う。
ハカナ「あっ」
ツルッ!
その場に倒れるハカナ。
ハカナ「なに………コレ?滑る………」
ケイサブロー「君の足下の摩擦を0にした。
   滑って立てないだろ?
   逃げようなんてしちゃダメだよ。成熟果実ちゃん」
ハカナ「イヤァ!イヤァ!(丸文字)」
94遊戯王風カオシックルーン第六話S:03/12/03 23:23 ID:tXlpb6ut
ハカナの腕をがっしり捕まえるケイサブロー。
ハカナ「いやあっやだぁ!(丸文字)」
ケイサブロー「恥ずかしがらなくてもいいんだよハァハァハァハァハァハァハァハァ」
嫌がるハカナをむりやり引き剥がそうとするケイサブロー。
ハカナ「いやっ!やめてぇおねがい(丸文字)」
ケイサブロー「イキがいいねぇ。じゃあさっそく両手を上にあげちゃおっかなぁ?」
ハカナ「やああ!そんなのいやあー(丸文字)」
いやいやそぶりで必死に抵抗するも、男の力にはかなわない。

シュパッ!

その時、どこからともなくソニックプラスが飛んできた。
ケイサブロー「なんだこの鳥公は!いて、いてて!」
腕に喰いつくソニックプラス。
ケイサブローの手がハカナの腕から離れた。
ハカナ「そ…ソニックプラス…?クランちゃん?
    クランちゃんなのね?」
ハカナの瞳がキラキラ輝いた。
ケイサブロー「チクショウ!だれだ!!!」
周りをキョロキョロ見回すも、誰もいない。
コートの男「どこ見てる?テメエ等の相手はこっちだ」
その声は男達の頭上からだった。
ケイサブロー「!!」
積み上げられたダンボール箱の上に座っているのは
ガクラン上にコートを着込んだ男だった。
95遊戯王風カオシックルーン第六話21:03/12/03 23:27 ID:tXlpb6ut
コートの男はハカナの方をじっと見ている。
ケイサブロー「アハ………あんたもひょっとして仲間に入りたいの?
   けどさあ…あの子は僕の獲物だからね。その辺のことは理解してよ。
   まぁ僕の食べ残りだったらくれてやってもいいよ」
コートの男「………」
ケイサブローに視線を移し、デッキをとりだすコートの男。
ケイサブロー「やる気まんまんだね?
   なに?そんなに一番乗りが欲しいの?
   アンタ………欲張りだねぇ。
   ちょっぴり痛い目みないとわかんないんだね」
デッキを取り出すケイサブロー。
ケイサブロー「ほい。僕の先行ターン。
   グリスカントを守備表示で召喚!
   言っとくけど守備表示になったグリスカントは、
   摩擦を0にしてどんな攻撃も効かないぞぉ。
   何のモンスターを出したって同じことだよ」
コートの男「………」
ケイサブロー「なんだいその目は?
   あ…そう。こんだけ説明してやってんのにまだ分かんないんだね。
   そんなに死にたいんなら」
コートの男「出ろーーーー!デス=レックス!!!」
ゴガガガガガガ
96遊戯王風カオシックルーン第六話22:03/12/03 23:31 ID:tXlpb6ut
ケイサブロー「な!なんだコイツは!!うわぁあああ」
コートの男の召喚したのは、他の竜の何倍もあると思われる巨大な竜。
全身が鮮血のように真っ赤なカラーリングをしており
口と思われる部分の先にはドクロ顔。
まるで死神。
その巨大な竜がプレイヤーに対しての直接攻撃でケイサブローに一気に襲い掛かった。
ケイサブロー「えっ?あれ?」
串刺し特攻隊「ぎゃあああああああ」
串刺し特攻隊「うわぁあああああ」
コートの男「下手者共!せめて美食家のデス=レックスに食われることを光栄に思え!」
バクッ!
グチャ!
ケイサブローだけでなく、周りの串刺し特攻隊ごと全てを噛み砕くデス=レックス。
ガブッ ゴリゴリゴリィッ ゴクン

ハカナの目の前にケイサブロー腕だけが落ちる。
ハカナ「キャアアアアーーーーーッ!」
恐怖で叫び声をあげるハカナ。

デス=レックス「つまらんものを食わすな!」
ピシッっとデス=レックスはカードへと戻る。
コートの男はダンボールの山の上からは降り立ってきた。

ハカナ「ひ…ひぃ」
目の前で人が喰われるという、そのあまりに壮絶な光景に
助けられたはずのハカナまでもおびえている。
97遊戯王風カオシックルーン第六話23:03/12/03 23:40 ID:tXlpb6ut
コートの男は無言でハカナに近づいてくる。

ハカナ(いや…いや…来ないで…)
ハカナの方も恐怖で声がでない。

腰をぬかしながらも、必死に後ずさりをし、コートの男から逃げようとする。
しかしそんなハカナを容赦なく追ってくるコートの男。

ついにコートの男がハカナの前へと立った。
ハカナ(いやぁ。助けてぇ)
縮こまって震えるハカナ。
目からは涙が止まらない。

コートの男「…と…とにかくそのカッコなんとかしろ…」
コートの男の第一声はそれだった。
ハカナ(え?)
コートの男は少しあせった感じの声だった。
ハカナ「あっ…」
自分の体を見て全裸だったことを思い出す。
我を忘れて体をまったく隠していなかったことに気づいたハカナは、
急に恥ずかしくなってしまい、あっという間に態度が豹変。
ハカナ「キャー!イヤー!バカァ!エッチィーーーッ!」
コートの男に背を向けてその胸を隠す。
ギャーギャー騒ぐハカナに対し、コートの男が次の一言。
コートの男「とりあえず俺のコート着ろ!」
98遊戯王風カオシックルーン第六話24:03/12/03 23:41 ID:tXlpb6ut
コートを受け取ったハカナ。
ハカナ(も…もろに見られちゃったよ………うわぁぁぁん)
あまりに恥ずかしくて、立てないハカナ。
乙女の受けた精神的ダメージは絶大だった。

キョロキョロ。

ハカナ(あ?あれ?あの人は?)
そんなことを考えているうちに男はハカナをすっかり置いてきぼり。
いつの間にか遥か遠くに行ってしまっている。
ハカナ「いやーーーっ!ま、待ってェ!置いていかないでよぉ!」
あわててハカナはコートを抱きしめ、前だけ隠しながら必死に男を追っていった。
99遊戯王風カオシックルーン第六話25:03/12/03 23:43 ID:tXlpb6ut
一方そのころクランはハカナを探していた。
あれから敵には遭遇していない。
道なりに進んでいくクラン。

クラン「おーい!ハカナ。どこだー。」
しかし、何の返答もない。
クラン「うーん。どうしよう…
    本当にどこ行っちゃったんだろうハカナ…」

道なりに歩いていくと大きな門があり
それを開けると、再び建物の外へと出た。

クラン「ひ…広いな………ここは中庭か?」
ギギギギギ
クラン「えっ!?」
クランが建物の門から出た瞬間、門が自動的に閉まって開かなくなる。
どうやら退路は閉ざされたようだ。
カッ!

クラン(うっ!)
次の瞬間、強烈なライトがクランを襲った。
クランは腕で目を光からガードする。

ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオ

正面には大量の人二輪が横一線に並んでおり、
一斉にクランをライトで照らしていた。
クラン(な、なんて数だ…)
どうやら待ち伏せされていたらしい。

串刺し特攻隊「よおーっよおーっ見せ付けちゃってくれるねェーーーー!!」
串刺し特攻隊「新手のコスをお楽しみかい?幼女ちゃん」
串刺し特攻隊「ヒューヒュー」
体操服ブルマ姿のクランをからかう串刺し特攻隊。
クラン(まったく!どいつもこいつも幼女扱いしやがって!
    ブッ殺してやる!)

そう思うのもつかの間、
クランがその目を移したのは
人二輪達の背後にそびえる
他の数倍の大きさがあろうかと思われる巨大ツノ付きバイクだった。
そして、その上に立つ白い特攻服の男。
あきらかに他のセミ男達とは別格の男。
クラン(まさか、こいつが…)

                    第六話 終わり
101名無しさん@ピンキー:03/12/03 23:51 ID:tXlpb6ut
長くなるので、修正して二話構成にしました。
102名無しさん@ピンキー:03/12/04 00:33 ID:Uq/MEevD
リョウガちん登場!
もしかして今回はリョウガちんも脱がされるのだろうか…
103名無しさん@ピンキー:03/12/04 10:22 ID:LT/1T9bD
遊戯王風の人乙〜。
制服にコートのリョウガが出たなら、師匠もそろそろ登場するんだろうか。
剥かれる師匠と女界モンスター4人(?)組…(;´Д`)ハァハァ
104名無しさん@ピンキー:03/12/04 13:33 ID:KnfSY+7w
最高だ〜!!朔間兄弟マンセー!!
リョウガの、デス様美食家発言にワロタ。
どういう展開になるのか?一応グロスレなんだから、もしかしたら
三剣ニードルでグサッなんていう展開にもなったりして・・・
とにかく神!!
10563:03/12/05 17:20 ID:V2q+/uIy
お絵描き掲示板にコスプレクランたんをあぷしました

ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp/
106いつもの人:03/12/05 19:29 ID:8l97OJCM
>>105
くそぅ、負けん、負けんぞおぉぉ!
(現在作画中です)
107名無しさん@ピンキー:03/12/05 19:51 ID:E+d35ZeM
>>105
おつかれさま〜
何気に心の中で応援してます。
ところで「17:14 」てマジですか?
108名無しさん@ピンキー:03/12/05 19:52 ID:E+d35ZeM
なんだってー!!!
見間違えでした・・・
17分で書いたのかと・・・スマソ
109名無しどん:03/12/05 20:31 ID:V2q+/uIy
>>106
私ごときと張り合わんで下さい(´Д`;)
とりあえず,次回作期待してます!

>>107-108
応援どうもです(^^
実は紙に書いた下書きから含めると8時間以上かかってますw;
110名無しさん@ピンキー:03/12/06 08:04 ID:eAXaC4yt
SS職人さんに絵師さん、乙です。
…ところであれって何のコスプレ?
無知でスマソ
111名無しさん@ピンキー:03/12/06 12:00 ID:5UAWn8fJ
>102-104>110
レスありがとうございます。
>三剣ニードルでグサッ
わかってらっしゃる

>105
あいからわずいい仕事してますね。
くそぅ、負けん、負けんぞおぉぉ!
112遊戯王風カオシックルーン第七話@:03/12/06 12:01 ID:5UAWn8fJ
@
*この物語は、見かけは幼女の16歳『棗クラン』が
 カードゲーム『カオシックルーン』を通じて
 次々と現れるヘンタイやキチガイ達と戦い成長していく話です。

前回までのあらすじ

前略。
カードの力を悪用するヤツ等を許しておけないと、
たった二人で串刺し特攻隊の本拠地に乗り込んだクランとハカナ。

しかし
敵の激しい攻撃の前に、ついに二人ははぐれてしまう。

ヘンタイ達に捕まり、窮地に陥るハカナ。
ヘンタイ「いただきまぁ〜〜〜す」
ハカナ「あっやあ(丸文字)」
そんなハカナの前に忽然と現われたのは、
デス=レックス「やはり我なら丸ごと喰らうな」
ヘンタイ「アンタ仲々分かってるよ」
ハカナ「いやぁいやあ!ま、また新しい変質者がーっ!」

一方クランは、
制服をパラされたり、スカート脱がされたり、貞操の危機を迎えたりしながらも
ついに串刺し特攻隊の頭『三剣リュウセイ』の元にたどりつくのであった。
113遊戯王風カオシックルーン第七話A:03/12/06 12:03 ID:5UAWn8fJ
中庭。

体操服ブルマ姿のクランに、ライトの光が一斉にあびせられている。
前面には、すさまじい数の人串刺し特攻隊。
ヴォンヴォンとマフラーをふかして、今すぐにでも飛びかかってきそうだ。

しかし、今クランの眼中にあるのは、人二輪達の背後にそびえる巨大バイク。
その上に立つ白い特攻服の男だった。

男が怒鳴りつけるように叫んできた。
三剣リュウセイ「俺たち”串刺し特攻隊”のアジトに
   一人で乗り込んでくるとは良い度胸だなっ!
   幼女ちゃんよぉっ!」
それに負けじとクランも叫び返す。
クラン「お、おまえが三剣リュウセイかっ!」

ヴォオオオオ!

巨大バイクが前面に飛び出してきて、クランの前で静止する。
威圧的に見下ろしてくる特攻服の男。
睨み合う両者。
三剣リュウセイ「出してみろよ!テメエのデッキを!
   この三剣リュウセイのニードルビット=シケイダーが
   テメエごとアスファルトのシミにしてやっからよおっ!」
巨大バイクに飾り付けられている自慢のツノがギラリと輝く。
クラン「望むところだ………!
   その決闘!受けて立ってやる!!!」
クランもデッキを取り出した。
さぁ、決闘開始だ。
114遊戯王風カオシックルーン第七話B:03/12/06 12:05 ID:5UAWn8fJ
一方そのころハカナは。

まだ工場内部をさまよっていた。
正確には、目の前にいる学ランの男の後について歩いているだけなのだが。

この学ランの男、先ほどヘンタイ達に襲われていたハカナを救った人物。
今ハカナの体を唯一隠しているこのコートも、もともとはこの男のもの。

ハカナは、かつてある事件に巻き込まれた時にも、
この男に助けられたことがあり、助けられたのは今回で二度目のこととなる。

この男が何者なのかは、わからないが
それでも2度も助けてくれたこの男が悪人なはずがないとハカナは信じていた。

道中、ハカナは次々と疑問を投げかける。

あなたは誰?
どうしてこんなところにいるの?
建物内にいた串刺し特攻隊は全員あなたが倒したの?
あの巨大な竜は何なの?食べられた人はどうなっちゃったの?
名前は?年齢は?どこに住んでるの?学校にはちゃんといってるの?
その変なもみあげは何?

しかし、どれもろくな返答が帰ってこなかった。

それでも、ハカナは質問を続けていく。
115遊戯王風カオシックルーン第七話C:03/12/06 12:06 ID:5UAWn8fJ
ふと、今まで前しか向いてなかった男が急に足を止めた。
ハカナの方に振り向くと、目をじっと見つめてくる。
ハカナ「な…なんですか…?」
何故か胸がドキドキしてきたハカナ。
学ランの男「おいっ。いいかげんしろ。
      仮にもここは敵地だぞ」
静かな声、だが厳しい叱咤。
ハカナ「ご、ごめんなさい」
学ランの男はハカナの声を聞きとげないうちに、再び振り返って歩き出していた。
ハカナ「………ねェ…私の友達もいるの。助けてよ…」
学ランの男「………」
忠告を無視するハカナを置いていこうとばかりに歩調を早めていく学ランの男。
ハカナ「あっ!ま、待ってよぉ!」
ハカナも一生懸命ついていく。

その後、無言のまま建物内を歩き続ける二人。
ハカナ(な、なんだか転向してきたばかりのクランちゃんに似てるなぁ…
    そうだ、カードの話でもしてみよう。
    クランちゃんともそれで通じ合えたんだしね)
116遊戯王風カオシックルーン第七話D:03/12/06 12:07 ID:5UAWn8fJ
ハカナ「ねェ!あなたもカード使いなんだよね」
学ランの男「………」
そんなわかりきったこと聞くなとばかりに、うっとおしそうな様子だ。
ハカナ「ね…ねえっ?じゃあ今度カードで遊ぼうよぉ?」
学ランの男「あそぶ?遊ぶとは決闘するということか」
初めてまともに返事が返ってきた。
ハカナはテンションをあげる。
ハカナ「うん。
    見てみて。これが私のデッキだよ」
半場強引に自分のポカポカデッキを押し付けるハカナ。
学ランの男はデッキの中身を微妙な表情でパラパラとみる。
ハカナはニコニコしながらそんな男を見つめているのだが…

学ランの男「ハハ〜ダメだね!てんで初心者!俺の相手にはならないよ!」
ポイッっとハカナのデッキを捨てる学ランの男。
ハカナ「いやぁ!な、なんてことするんですか
    (クランちゃんから貰ったカードが!)」
ハカナは落ちたカードをせっせと拾い集める。
学ランの男「…クソカードばっか」
ハカナ「な、なんですって〜!!」
さりげなく言った一言をハカナは聞き逃さなかった。
学ランの男「ま…最低でも一万枚集めてから声をかけてくれよ………フフフ」
男は不敵な笑いをあげて。再び足を進めていった。

急にクランが恋しくなってきたハカナだった。
117遊戯王風カオシックルーン第七話E:03/12/06 12:09 ID:5UAWn8fJ
いっぽうそのころ
中庭では族達が取り囲む中で、
クランとリュウセイとの決闘が始まっていた。

クラン1ターン目。
クラン「私の先行ターンだ!ヴォルボックスを守備表示で召喚してターン終了」
いつものようにヴォルボックスを召喚するクラン。

リュウセイ1ターン目。
リュウセイ「俺のターンだ!ドロー!!突攻機ニードルビットシケイダーを守備表示で召喚!」
クラン(で、でたな!!角突きバイク!!)
リュウセイ「そして、ルーンカード『騎乗』を使ってモンスターに乗り込むぜ!!」
ニードルビット=シケイダーの上に飛び乗るリュウセイ。
クラン(も、モンスターに乗り込んだ!?)
リュウセイ「心身共に一体化!
      ゲェーヘヘヘエ!
      これで俺(プレイヤー)に対する直接攻撃はできなくなったぜ!」
クラン「フンッ!
    でもその代わり、シケイダーに対する攻撃が、
    そのまま直接プレイヤーのダメージにも繋がるんだぞ!」
リュウセイ「わかってねェなぁ。
      テメエのモンスターなんかじゃ、
      このニードルビット=シケイダーには
      指一つ触れられネェぜ」
クラン「な…なんだと?」
リュウセイ「さぁ、俺のターンは終了だ!
      テメェのターンだ!さっさとしやがれェ!」
クラン(そんな自信!すぐにへし折ってやる!)
118遊戯王風カオシックルーン第七話F:03/12/06 12:13 ID:5UAWn8fJ
クラン2ターン目。

クラン「私のターンだ!ドロー!出ろっーーーーーサイロックス!」
カードから飛び出した骨の手がクランの腹部に紋を開きだす。
サイロックスの召喚だ。
リュウセイ「おっと待ちな!!その瞬間ニードルビット=シケイダーの特殊能力が発動するぜ!!
      『急加速!』」
ヴォオオオオオオオオオオ
ギャギャギャギャギャギャ
突然ニードルビット=シケイダーがクラン目がけて突進開始。
クラン「!」
ドボォ
巨大なツノがクランの召喚の紋、つまりは腹部に突き刺さった。
クラン「ゲホォッ!!」
本当に突き刺さったわけではない。
ゲームの表現上、あくまで突き刺さっているように見えるだけなのだが、
それでもクランの腹部は、まるで巨大な鈍器で殴られたかのような激痛が走る。
ズブッズズズズズ
ズボッ!
ニードルビット=シケイダーのツノがクランの体から引き抜かれると
クランはその場に倒れて、腹部を押さえもだえ苦しんでいる。
クラン「うぐっ!!!がはっ!!うがっがあぁあ!げほ!げほっ!」
男の股間同様に、女にとって腹部は急所。
痛みで地面を転げ回るクラン。
普段から男の股間を蹴り回してきた因果往復なのだろうか?

体操服腹部にはポッカリ大きな穴が空いてしまっていた。

ボッ!
とにかく今の串刺しでクランのデッキにも少量のダメージ。
119遊戯王風カオシックルーン第七話G:03/12/06 12:14 ID:5UAWn8fJ
やっと、痛みが治まり始め、クランはヨロヨロしながら立ち上げる。
立ち上がるまでの間、リュウセイはずっと待ってくれていたようだ。
しかし、それは紳士的に待っていたというわけではではなく、
地面を這いずり回って悶え苦しむクランの姿をじっくり鑑賞するがためだった。

クランの場にはサイロックス現れていない。
どうやら紋が塞がれたせいでサイロックスは出るに出られなかったようだ。

リュウセイ「ひゃははははは!
      プレイヤーが『騎乗』しているニードルビットシケイダーが守備表示で待機してる限り!
      テメェはモンスターを召喚することはできねぇんだよ!
      やろうとすれば、急加速による串刺しアタックが炸裂するぜ!」
クラン「しょ…召喚封じか…」
クランも噂ぐらいでしか聞いたことのない戦術。
リュウセイ「それよりも。
      痛かっただろぅ?俺の串刺しアタックは。
      でもこれから、もっともっとひどい目にあわせてやるぜぇ。
      二度と俺達串刺し特攻隊に逆らう気が起きねぇぐらいになぁ!
      クェーーヘヘヘヘヘヘ!この決闘、楽に負けられるとおもうなよ〜」
その独特の笑い声が響き渡る。
それに呼応するかのように、まわりの人二輪達もゲヒャゲヒャと笑いはじめた。
串刺し特攻隊「さすがリュウセイさん!シビレるぜーッ!」
串刺し特攻隊「もっとその幼女を痛めつけてください!ーーーーっ」
串刺し特攻隊「あっあっあっあっ」
典型的なサディストたちだ。

クランの背中にも寒気に似たものが走るが
クラン「ま…負けるもんか………」
腹部を押さえたままクランはそうつぶやいた。
120遊戯王風カオシックルーン第七話H:03/12/06 12:16 ID:5UAWn8fJ
召喚行動を封じられてしまったクランは。
リュウセイ「さぁ!召喚フェイズは終了だぜ?どーすんだおい!」
煽るようなリュウセイの口調。
クラン「だ、だったら………」
うつぶせていた、クランの両目が見開く。
クラン「ヴォルボックスでブラストしてやる!」
ヴォルボックスは制御棒を外すと、攻撃態勢に移り、バシュバシュとブラスト弾を飛ばす。
リュウセイ「フンッ!甘いぜェ!ルーンカード『350km/h』!!」
クラン「ブラストォー!!な、なに!?」
爆発範囲にすでにリュウセイはいなかった。
すさまじいスピードで離れてしまったようだ。
誰もいない空間でヴォルボックスのパーツは爆発する。
ボッ!
自爆攻撃によってクランのデッキにさらにダメージ。

クラン「あ、あたらない!」
絶望気味のクランの表情。
リュウセイ「どうだよ!!
      最高時速350km/hになったニードルビットシケイダーには、
      そんなトロいモンスターの攻撃じゃあ当たらないぜ!!!」
その声は背後からだった。
クラン「くっ!」
振り返るクラン。
リュウセイ「さて!もう俺のターンでいいんだよな!ドロー
      さぁーて!また痛ぶってやるぜぇー」

悪魔のようなリュウセイの表情に固唾を飲むクラン。
クランの目にはシケイダーのツノが、よりいっそう大きく見えている。
121遊戯王風カオシックルーン第七話I:03/12/06 12:17 ID:5UAWn8fJ
リュウセイ2ターン目。
リュウセイ「ニードルビット=シケイダーを攻撃表示!
      さて、攻撃の当たらない弾ッころモンスターなんてほっといて
      プレイヤーに対し直接攻撃をしかけるてやるぜ!
      串刺しアタックだ」
クラン「つ、突っ込んでくる!」
串刺し特攻隊「やっちまえ!リュウセイさん!」
串刺し特攻隊「また悶えさせてやってください!」

突撃してくるシケイダーに対し、クランが一枚のカードを掲げた!
クラン「そう何度も同じ手はくわない!
    アイテムカード『省略召喚』を使用する!!
    ソニックプラスを守備表示で省略召喚だ!!」
ソニックプラスを省略召喚。
さすがの召喚封じも省略召喚のカードの前には無効のようだ。

召喚したソニックプラスの救助能力を発動させる。
シケイダーの串刺しアタックに対し、クランの服を掴んで空へ。
リュウセイ「ちっ!」
シケイダーが通った場所には既にクランはいなかった。
串刺し特攻隊「ず、ずるいぞ!空に逃れるなんて」
串刺し特攻隊「ブーブー」
壮絶なブーイング。

ソニックプラスのおかげで、かろうじて難を逃れたクラン。
クラン「…ありがとうソニックプラス」
ソニックプラス「キュエ!」
リュウセイ「ちっ!ニードルビットシケイダーに滞空攻撃の能力はねェ!
      しょうがねェ、ターン終了しといてやるぜ!」

リュウセイはあまりくやしそうではなかった。
122遊戯王風カオシックルーン第七話J:03/12/06 12:19 ID:5UAWn8fJ
クランが地上に降りてきた。
ソニックプラスにはクランつかんだまま、ずっと空にいるだけの耐久力はない。
せいぜい一回分の攻撃を守るぐらいが限界だ。
しかし、串刺しアタックに対してだけなら、それだけでも十分。

クラン3ターン目
クラン「私のターンだ。ドロー!」
シケイダーを見つめるクラン。
クラン(押され気味だな。なんとかしないと…
    シケイダーが攻撃表示の時には召喚封じは発動しないはず………。
    しかし、そんなに簡単に召喚させてくれるかな………
    なんだか嫌な予感がするけど………)
リュウセイ「どうした!早くしろ!」
クラン(まぁ、もしもの時は、またソニックプラスに助けてもらえばいいか…)
クランが行動を開始する。
クラン「今度こそサイロックス召喚する!!」
再びクランの体に紋が開き始めた。
リュウセイ「甘いぜ!
      ルーンカード『スピードアップ』を使用したニードルビットシケイダーは
      既に攻撃表示時の時でも召喚封じが可能なってるんだゼ!急加速!」
特攻してくるシケイダー!
クラン「ソニックプラス!」
再びソニックプラスの救助能力を発動させる。
しかし、それを2度も許すリュウセイではなかった。
リュウセイ「バカめ!!
      そんな鳥公の対策なんて、とっくに手札にあるんだよ!
      アイテムカード『鳥かご』使用する!」
ガコンッ!
ソニックプラス「キュエ!キュエ!」
クラン「うわぁ!ソ、ソニックプラスがカゴの中の鳥にッ!!!」
ソニックプラスは突如として現れた鳥カゴで捕らえられてしまった。
123遊戯王風カオシックルーン第七話K:03/12/06 12:21 ID:5UAWn8fJ
リュウセイ「『鳥かご』はサイズの小さい飛行系ユニットを1匹を捕らえるカード!
      これでもうそのニワトリに助けてもらうことはできねェぜ!」
クランにシケイダーの串刺しアタックが迫ってくる。
クラン「うわああああ!!」
サイロックスはもう頭まで出てるのだが…。
クラン「ぐぼぉっ!!」
先ほどの穴が開いた位置に、もう一度シケイダーのツノが突き刺さる。
くの字になってクランは吹き飛び、そのまま建物の壁まで激突。

ボッ
クランのデッキに再び少量ダメージ。
そしてサイロックスは現れなかった。

クランは地面に膝を突いて四つん這い。
苦悶の表情。
クラン「う…うぇ………ゴホッゴホッ!
    うっ…ゲホッ!………オ、オゲッオエッ」
胃の中のものを全部吐き出してしまうクラン。
口の中にすっぱいものが広がる。

その様子に、串刺し特攻隊もたいそう興奮。

串刺し特攻隊「エヘヘ。いいよいいよハァハァ」
串刺し特攻隊「だめだよ。そんなとこで吐いちゃあ。ハァハァ」
串刺し特攻隊「だ、だめ!もう、でちゃう…ピュ!」
124遊戯王風カオシックルーン第七話L:03/12/06 12:22 ID:5UAWn8fJ
クラン(ううっ…痛い!痛いよ…お兄ちゃん………)
クランは涙を浮かべていた。
そこにニードルビット=シケイダー。
リュウセイ「オイオイ!泣くのはまだ早ェゼ。棗ちゃん。
      まだまだ始まったばかりじゃねぇかよ」
からかうような口調。
なめられないようにクランは懸命に痛みをこらえる。
クラン「う………うるさいキサマ!…こ、こんなことして
    ウグッ!…ぜ、絶対に…許さないからな!!!!ゲフッゲフッ!」
虚勢を張ってヨロヨロと壁にもたれつつも立ち上がるクラン。
涙も必死にこらえる。
リュウセイ「ふぅーん。まだまだ元気じゃねーか。
      そうじゃねぇと、痛ぶりがいねえからなぁ!
      クェ〜ヘヘヘヘヘヘ!」
クラン(く…くそっ。
    このまま、こんなヤツの思い通りなんかにさせてたまるか!
    で、でも………どうしよう………ヴォ…ヴォルボックスの攻撃はあたらないし。
    ソニックプラスは鳥かごに封じられてしまった。
    そして他のモンスターは召喚すらできない)
颯爽、クランは手詰まりだ。
クラン「くそっ!ゴホゴホッ。こうなったらヴォルボックス守備表示でターン終了…」
むせ返りながらも、クランはターン終了を宣言。

恐怖のリュウセイのターンが始まる。
125遊戯王風カオシックルーン第七話M:03/12/06 12:35 ID:5UAWn8fJ
リュウセイ3ターン目
リュウセイ「俺のターン。ドロー!!
      ニードルビット=シケイダーを攻撃表示!
      まだまだいくぜぇ!プレーヤーに対して串刺しアタックだ!」
串刺し特攻隊「ひゃほ〜」
クラン(いやぁ!これ以上あんなのくらったら死んじゃうよぉ)
既に今ある激痛だけでも、相当なものだ。
この上にもう一度あれをくらってしまえば………。

クランに向かってシケイダーは猛スピードで突撃開始。

クラン「ヴォ!ヴォルボックス!お願い守って!」
やむなくヴォルボックスを盾に宣言した。
しかし、足の遅いヴォルボックスでは、
今のシケイダーの攻撃速度にはまったく追いつけないので
クランをかばうことすらもできないようだ。

        ズ ブ ッ !

クラン「げぶっ!うぐ!んがっ!がっ!んああああっ!」
ついに3度目の串刺しアタック。
さすがのクランも、もう痛いどころの騒ぎではすまない。
しかし今回はこれだけで終わりではなかった。
シケイダーはクランを突き刺したままのそのツノを壁にへと激突させる!!
クランを壁に押し付けながら、そのツノを深く深くめりこましていく。
それが、クランの痛覚を倍増させていく。

リュウセイ「どうだ?ニードルに貫かれていく感想は?」
耳を傾けるリュウセイ。
クラン「うぐっあああああっ!いたぁぁぁぁいッッ!!!痛いよぉおお!お兄ちゃん!」
リュウセイ「う〜ん。実にナイスな返事だ」
126遊戯王風カオシックルーン第七話N:03/12/06 12:37 ID:5UAWn8fJ
シケイダーが壁から離れるが、ツノには依然としてクランが突き刺さったままだ。

クランの体はピクピクと痙攣している。
口からは逆流した胃液と唾液と血が混ざったものが、よだれのようにだらしなく流れている。
どこかうつろ目なからは、涙があふれて止まらない。
そんなクランを串刺し特攻隊の取り巻く中心で、見せしめとばかりに宙吊りに。

クラン「ご、ごほっ!ゲホッ!ゲフッ!」
もう、口からでるものは何もない。
リュウセイ「オイッ!おれのシケイダーに汚ねぇもんつけてんじゃねェぜ」
シケイダーはマフラーをふかし始めた。
リュウセイ「まさか、これで終わりなんておもってねぇよなぁ、棗ちゃんよぉ?」
びく、とクランの体が震える。

リュウセイ「人二輪ども暖気はできてるな!!」
クラン(な………何をするの…?………まさか、まさか………)
必死に体に突き刺さったツノを抜こうとするも、腕には全く力が入らない。

リュウセイ「ニードルビット=シケイダーの特殊能力で両プレーヤーのフィールドを強制変更!
      このニードルビット=シケイダーについて来いっ!
      真夜中の狂い咲きサンダーロードをどこまでもなっ!!」
串刺し特攻隊「うおおおおおおおお」
宴の始まり。
狂信的なまでの歓声と爆音がその場を包む。

ヴォオオオオオオオオオ

クラン「うわあああ。わぁああああああ!」
180度回転。
悲鳴を上げながら振り回されるクラン。
リュウセイ「つきあってもらうぜ!地獄のドライブに!」
127遊戯王風カオシックルーン第七話O:03/12/06 12:38 ID:5UAWn8fJ
ハカナと学ランの男は、もうすぐ近くまで来ていた。
学ランの男「!!」
ハカナ「な、なんなの?この音?」
扉を開けると中庭。
ハカナ「えっ!あ…あれ?クランちゃんじゃないの!?」
ハカナの目にニードルビット=シケイダーに串刺しにされているクランの姿がうつる。
ハカナ「いやぁあああクランちゃん」

クラン「いやあ!いやあああああああ」
クランを捕らえたままニードルビット=シケイダーは急加速!
工場外に向けて発進を開始する。
ハカナ「ク、クランちゃん!」
クラン「ハカナ!た、助けてェ!うわあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
しかし、その泣き声はすぐに遠くに消えてしまった。

串刺し特攻隊「隊長につづけえ」
串刺し特攻隊「オウッ!」
シケイダーの後に人二輪達も次々と続く。

その場に呆然と立ちつくすハカナ。

ハカナ「何よこれ!いくらゲームでも、こんなのやりすぎよ」
学ランの男「いや、ルールだ。
   見ろ、足の遅いヴォルボックスは
   ニードルビット=シケイダーのスピードについていけない。
   速さが一定以下のモンスターを全て振るい落として
   戦線離脱させという特攻機の特殊能力!
   発動条件は相手プレイヤーを捕らえたときにプレイヤーが宣言することで………」
ハカナ「そんなこと聞いてない!」
128遊戯王風カオシックルーン第七話P:03/12/06 12:40 ID:5UAWn8fJ
ハカナ「ど、どうしよう。このままじゃクランちゃんが!」
オロオロするハカナに、あくまで学ランの男は冷静だった。
ハカナ「ちょっと何とかしてよ!…あれ?」
学ランの男はまたしても瞬間移動。

串刺し特攻隊「俺も行くぜッ!」
グッ
串刺し特攻隊の脳みそをわしづかみ。
学ランの男「頭潰されたくなけりゃあ俺を乗せてけ!」
串刺し特攻隊「ヘ…ヘイ」
学ランの男の放つ『凄み』を前にし、串刺し特攻隊はいきなり従順になってしまった。
後部座席に乗り込む学ランの男。
追いついてきたハカナ。
ハカナ「わ、私も!」
学ランの男「おまえはもう帰れ!」
ハカナ「イヤです!」
むりやり後ろに乗り込んだハカナ。
むにゅ。
学ランの男「!」
学ランの男はそれ以上何も言わない。
よくわからないが、同行を許可してくれたらしい。
三人乗りでクランの後を追っていく。
ハカナ(クランちゃん!待っててね!)

むにゅむにゅ。
人二輪がゆれるたびに
後ろにのりこんだハカナの巨乳が学ランの男の背中でパイずり。
129遊戯王風カオシックルーン第七話Q:03/12/06 12:41 ID:5UAWn8fJ
いっぽうニードルビット=シケイダーにつれていかれたクラン。

ファーーー。ファーーファーーーー。ファーーーーーーーー。
道路中で車のクラクションが鳴り響いている。
串刺し特攻隊が暴走行為を行っているからだ。
運低手「ま、また串刺し特攻隊か!!うわぁ!」
串刺し特攻隊が走っているのはなんと対向車線。
衝突など全く気にしないかのように、直進を続けるシケイダー。
リュウセイ「オラァッ!ドンドン行くゼエっ!!クェーヘヘヘ」
対向車がシケイダーを避けて、クランのすぐ真横を通り抜けていく。
運転手「!?え!?い、いま!?人がぶらさがってなかったか!!!?」

クラン「う、うわああああぁぁぁぁ!」
ツノにクランをぶらさげたまま
爆走続けるニードルビット=シケイダーおよび串刺し特攻隊。

クラン(いやぁ!こ、こんなの。死んじゃうよぉッ!
    た…助けて…誰でもいいから…助けて…!
    ………ハカナ…………お………お兄ちゃんーっ!!)
震えながら涙ぐむクラン。
もう完全に戦意は喪失したようだ。

ヴォオオオオオオオオオ

串刺し特攻隊はバイパスを駆け上り、自動車用の専用の高速道路へと突入していく。
さらにスピードを上げていくシケイダー。
リュウセイ「200km/h 250km/h 300km/h 350km/h 350っ!!」

激しい風速が、クランの体温をどんどん奪っていく。
130遊戯王風カオシックルーン第七話R:03/12/06 12:44 ID:5UAWn8fJ
リュウセイ「どうだ!楽しいか?棗ちゃんよぉ!クェ〜ヘヘヘヘヘヘヘ!」
リュウセイが挑発をしかける。
クラン「お…お願い…もう許して………うわああああん」
クランはただ泣き叫ぶだけだけだった。
リュウセイ「はんっ!きこえねぇなぁ〜?クェ〜ヘヘヘヘ」
その形相、まさに鬼畜。
クラン「うっ…うえぇぇん。うわぁああん。ぐすっぐす」

リュウセイ(ちっ。まったく、しょうがねェなー。
      骨があるかと思ったが、やっぱり所詮はガキんちょだな。
      まぁいいか。幼女相手にこれ以上痛ぶるのもなんだから、
      もう少し走ったら、許してやろう)
一応この男も人間としての心が残っていたようだ。
リュウセイ(だけど、二度と俺達に刃向かわないようだけはしとかないとなぁ)
スピードはそのままで、クランに最後の脅しに入るリュウセイ。
リュウセイ「はははははは!どうだ!俺達串刺し特攻隊の恐ろしさがわかったかぁ!!
涙と鼻水を流しながら、必死に首を縦に振るクラン。
リュウセイ「じゃあ、もう二度と俺達に逆らうんじゃねェぞ!!!」
      クェーーーヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ!」
リュウセイは爽やかな気分を象徴した勝利への雄叫びをあげた。

そんなリュウセイが開いた大口に、何か水のようなものが数滴飛び込んできた。
ゴクン。
リュウセイ(あ?なんだ?雨でもふってきたか)
しかし空は、雲ひとつない晴天。
顔にも、その謎の水滴が数滴ついている。
リュウセイ(クンクン………うっ、こ、この匂い?………ま…まさかッ!)
目の前には、顔が涙ですっかり濡れてぐしょぐしょになっているクラン。
ついでに下半身から流してる涙が、いつの間にかブルマをぐしょぐしょにしていた。

リュウセイ「コナゴナになるまで引きずり回してやるっ!」
131遊戯王風カオシックルーン第七話S:03/12/06 12:46 ID:5UAWn8fJ
クラン「いやぁあああああ」
ジグザグ走行で、体をあちこちに振り回されるクラン。
クラン「いやぁああああ。やめてええええええええ」
リュウセイ「クェ〜ヘヘヘヘヘ」
クランは完全にリュウセイのおもちゃとして弄ばれてしまっている。
その時、一台の人二輪が迫ってきて、クランのすぐ横へとピッタリくっついた。

リュウセイ「なんだぁ?」
クラン(な…今度は、いったい何なの?)
その人二輪の上には、何者かが直立していた。
学ランの男「フッ、無様な姿だな棗クラン!
      だが、貴様のような雑魚は釣られて引き釣り回される姿がお似合いだぞ!
      ワハハハハハ」
クラン(えっ?)
とっさに、その顔を上げるクラン。
男の顔を見たとたん、涙が止まる。
クラン「………み、源リョウガ!」
クランがぼそりとつぶやいた。
リュウセイ「なんだぁ?あいつは?」
顔をしかめているリュウセイ。

ハカナ「クランちゃん!大丈夫?」
しかし、クランにハカナの声は聞こえていない。
学ランの男「なんなら?この俺が助けてやろうか?」
クラン「キ………キサマッ!よ、よくもこの私の前に出てこられたものだ!
    ………コ、コナゴナにしてやるっ!」
学ランの男「そうか。
      ならば、そのままくたばるがいい
      ククク・・・雑魚とはどのくらい息がもつものかな………」

学ランの男の立つ人二輪はクランの側から離れていった。
ハカナ「ちょ!ちょっとどうゆうことよ!助けてくれるんじゃなかったの!」
プンプン怒り出すハカナ。
学ランの男「今ヤツ等は決闘中。
      ならば、この俺の出る幕などあるまいっ!」
ハカナ「な!」

学ランの男の奇行に、あっけにとられた感じのリュウセイ。
だが、すぐさまクランの方に気を戻す。
リュウセイ「オイッ!」
クラン「黙れッ!!」
リュウセイ「な?何?」
クラン「もうキサマなどに構ってる暇はない!」
リュウセイを睨み付けるクラン。
その目はキチガイだけが持つことができるグルグル目に。
再び燃え上がった闘争心の中には殺気のようなものまで感じられてくる。

少し威圧された感じのリュウセイ。
リュウセイ「ハッ!いきがったところで
      今のテメェに何ができるってんだ!」
クラン「これだ!」

やっとクランが4ターン目を開始。
クラン「ドロー。ヴォルボックスッ!鳥かごを破壊しろ!!」
リュウセイ「!?」
クラン「目で確認はできないが、おそらく工場の方ではヴォルボックスが鳥かごを破壊。
    開放されたソニックプラスがこちらに向かってきているはずだ。
    ターン終了だ!」
リュウセイ「フンッ!今さら、あがいたところで。
      もう何をやってもムダだぜエ!」
リュウセイ4ターン目
リュウセイ「じゃあ、俺のターンだな!ドロー!
      今引いたこのカードでたっぷり地獄を味合わせてやる!」
      ルーンカード『激震ニードル』!」

ジィーーー。ジィーーー。ジィーーー。

シケイダーの後部座席がセミの鳴き声のような音を立てはじめる。
バババババババババ
クラン「うわあああああああ」
アイロンにでもあてられているかように熱く、脂肪が溶けていくような感覚が
ツノを通じてクランの体を襲ってきた。
今まで最大級のクランの悲鳴。
ハカナ「いやぁ!ク!クランちゃん!!」
リュウセイ「高周波振動だよ!このまま分解されちまえ!!」
ババババババババババ!
クラン「ぐあああああああああ」
電子の波動が身体を覆い皮膚を通じて内蔵までも連続的に刺激していく。
衣服にもプツプツと大量の穴が開ていき。
クランのデッキもガリガリと削られていく。

ハカナ「な、なんなのよお!あのカードは!」
あまりに普通の決闘ではありえない光景におびえてしまうハカナ。
学ランの男「ほぅ。あれは禁じられたレアカード。『激震ニードル』。
      以前 シミュレーターであのカードの効果を人体実験をしたことがある…
      その結果 どんな人間でも数発で発狂してしまうことがわかったよ…」
口ぶりからすると、かなりの数の貴い生命があのカードで失われたらしい。

やっと高周波振動が収まった。
クランの体はところどころが露出して、チリチリと煙を上げている。

リュウセイ「ターン終了だ」
クラン「んぐっ!く…くぅ………うが…」
既に全身に激痛が走り回っている。
それでも必死に意識を保つ。
ハカナ「クランちゃんお願いだからもうやめて」
必死に訴えるハカナ。
しかしクランは応じなかった。
クラン「わ、私のターンだ…!」

クラン5ターン目。
クラン「うっ!まだ、ソニック…プラスはこないのか………
    ならば!ドローして………タ……ターン終了だ………!」

リュウセイ5ターン目。
リュウセイ「じゃあ俺のターン。すっかりまいってるみたいだが『激震ニードル』は
      プレイヤーを捕らえている限りその効果は永続するぞ!
      このターンの分をもう一度くらいやがれ!!!」
ババババババババババババ
容赦なく二度目の高周波振動がクランに攻撃。
その残虐超人っぷりをあらわにするリュウセイ。
クラン「うわああああああああああああああああああああああっ!!!!」
クランもついに発狂。
衣服の穴もさらに大きく広がっていく。
ババババババババババババ

ハカナ「ひどい!ひどすぎるよこんなの」
学ランの男「ククク。素人の分際で
      本当のカオシックルーンの戦いに手をだすからこうなるのだ!」
学ランの男はまったく助ける気はないようだ。
高周波振動がおさまった。
クランは意識を失ってしまい、ダラリと宙吊りにされたまま何の反応もない。
体操服は襟と袖ぐらいしか残されておらず、
ブルマにも大量の穴が開き、左半分がずれてしまって、
風圧で切れたパンツがめくれるたびに秘所部の割れ目がチラチラと見える。
そんなクランの衣服同様、デッキも残りあとわずか。

リュウセイ「さぁて!このターン終了。次で最終ターンになりそうだな!!」
      でも、もう起きそうにないから
      ルール通りに後3分で強制的に俺のターンってことにさせてもらうぜ。
      クェヘヘヘヘヘヘ」
勝利を確信したかのようなリュウセイの笑い声。

学ランの男「所詮凡骨はどこまでも哀れなカード使いよ!ひ弱な雑魚!ワハハハハハ死ねぇ!!」
何気にひどいこと行ってる学ランの男。
ハカナが学ランの男につかみかかった。
ハカナ「お願いだから助けてあげて」
学ランの男「ならば地に這いつくばるがいい!!」
学ランの男はどこまでも高慢だった。
ハカナ「もうあんたなんかに頼まない!」
ポカポカデッキをとりだすハカナ。
学ランの男「お、おいっ!あんな目にあいたくなければ、やめておけ」
ハカナ「ほっといてよ!
    クランちゃん!待ってて!今助けてあげるからね」

ヒュン
ハカナ「え?」
ハカナの横を何かが通り過ぎていった。
ソニックプラス「キュエ!」
ハカナ「あ、あれはクランちゃんの…ソニックプラス?」
リュウセイ「ん?なんだ?」
戻ってきたソニックプラスがクランを頬をペチペチとはたいている。
ソニックプラス「キュエ!キュエ!」
リュウセイ「ん?あの鳥公?
   クェーヘヘヘ!そうか、ご主人様がくたばる様でも見に来たってか!」
クラン「う…うん?」
はたかれたおけげで、なんとか目を覚ましたクラン。
クラン「ぐっ…んぐっ………痛ッ!!
    はっ!ソ、ソニックプラス………よ、よく戻ってきた!」
ソニックプラスを抱きしめるクラン。
しかし、安心するのはまだまだ早い。
リュウセイ「ハンッ!そんな鳥公が1匹で何をするつもりだ!
      クェーヘヘヘ!俺の走りを止められるもんなら止めてみな!!」
クラン「だったら死ぬまで走ってろ!」
リュウセイ「何!?」

クラン6ターン目
クラン「ドロー!
    ルーンカード『フリクション0!!』を発動するっ!」
ガパッ
ソニックプラスの口から触手が飛び出す。
ニュ。シュルッ!ピシッ
リュウセイ「なに!!!」
シケイダーのタイヤの摩擦係数が0に!
リュウセイ「タイヤがすべるなんなんだコレ!」
シケイダーの制御がまったくできなくなり、あせりだすリュウセイ。
そして地面を滑ったまま目の前の壁へとぶちあたった。
その衝撃で突き刺さっていたツノがすっぽりと抜けて、クランの体が宙を舞う。
それをソニックプラスがナイスキャッチ。
クラン「あ…ありがとう………助かったよ………ソニックプラス!」
ソニックプラス「キュエ!」
リュウセイ「せ、制御がきかねぇぞコンチクショー!」
一方壁で跳ね返ったニードルビットシケイダーは猛烈にスピンを続けている。
串刺し特攻隊「うわぁ!リュウセイさんこっちこないで!」
串刺し特攻隊「ぎゃあああ!」
ドガガガガガ!
次々と人二輪を巻き込んでいく。
クラン「摩擦0になった………ニードルビットシケイダーは
    ………このターンは行動不能だ!
    『騎乗』しているプレイヤーも同様に行動できない!」

リュウセイ6ターン目は摩擦0によって行動不能。

地面に降り立つクラン。
ズキッ!
クラン「うぐぁああ!痛いッ!!!」
全身の細胞が悲鳴を上げて、もう立っているのもやっとという感じである。
シケイダーの攻撃は極限までにクランの体力を奪っていた。
それでもクランは決闘を続ける。

クラン7ターン目。
クラン「再び私のターンだ!………ドロー!」
最後の力を振りしぼるクラン。
クラン「このターンで一気に決めてやる!いくぞ!夫婦竜(♀)を攻撃表示で召喚する!」
夫婦竜(♀)を召喚。
同時に夫婦竜(♀)の特殊能力によって、もう一枚の夫婦竜(♂)がクランの手札から召喚される。
クラン「そして!!アイテムカード!『どこでもゲート』で
    工場に取り残されたヴォルボックスをこの場に、呼びだすっ!!」
上空に現れたどこでもゲートから
ヴォルボックスが現れてズシンと高速道路に降りたってきた。
これでクランの場にはモンスターが四体。
クラン「いけぇ!
    ヴォルボックスのブラストと夫婦竜(♂)の砲撃攻撃だ!」
二頭の竜の砲弾がニードルビットシケイダーめがけて発射する。
リュウセイ「ヤベェ!あっちにはヴォルボックスがぁ
      方向が変えられねェ!!」

ドドドドドドドーーーン

制御できないシケイダーに対して直撃。
スピードのついてる分だけ威力も倍増しニードルビット=シケイダーは大爆発!
リュウセイも派手に地面に転がった。
ボッ。
一気にデッキが燃えていく。
リュウセイ「………が……いてェ…ぞ…コンチキショウ」
リュウセイの足は折れ曲がっている。

すかさず次の攻撃を宣言するクラン。
クラン「そして夫婦竜(♀)の体当たりと
    摩擦0にして貫通力を増したソニックプラスで
    プレイヤーに対して攻撃をしかける!!!」
リュウセイ「ま、まって!や、やめてくれェ!」
すでに足を骨折し動けないリュウセイに対し、まずは夫婦竜(♀)が突進をしかける。
バキッ!
体当たりでリュウセイを吹き飛ばして壁に激突させる。
リュウセイ「うぐぉ!」
壁にもたれかかって倒れているリュウセイに対し、
さらにソニックプラスがリュウセイに追撃。
リュウセイ「う、うわあああああ!」
ドスッ!
リュウセイの胸を一気に貫通。
ガクッ
リュウセイはその場で気を失ってしまった。
クラン「ハァー。ハァー。か、勝ったのか………」
リュウセイのデッキは確かに全て燃え尽きていた。
この決闘、クランの勝利だ。
だが、勝利を確信すると同時に、
全ての力を使い果たしたかのようにクランもその場に倒れてこんでしまった。

リュウセイの散り際を見ていた串刺し特攻隊は。
串刺し特攻隊「ま…まさか!あのリュウセイさんが…あんな幼女に負けちまうなんて!」
串刺し特攻隊「夢だ。これは悪い夢に違いない!」
串刺し特攻隊「うわぁああ。に、逃げろぉ!」
ちりぢりになって逃げていく。

しかし道路の出口にはすでに警察が防衛網をはって待ち構えていた。
警察「串刺し特攻隊を全員捕まえろ!」
   これ以上やつらの横暴を許すなッ!
串刺し特攻隊「ひぃぃ」
頭を失った串刺し特攻隊は、まとまりがなく
あっさり取り押さえられいった。

これで串刺し特攻隊もおしまいだろう。
ハカナ「クランちゃん。クランちゃんしっかりして」
倒れているクランの元にハカナが駆け寄ってきた。
抱きかかえたクランの姿を見ると、本当にギリギリ勝ったという感じがよくわかる。
おそらくは、もう指一本動かす力も残されてないだろう。
クラン「ハァー…ハァー…ハァー…ハァー」
クランは呼吸が荒く、かなり危険な容態である。
すぐにでも病院につれていかなければ…。

しかしクランは、まだ休もうとはしなかった。
クランの目の前には学ランの男が。
クラン「…………み………源リョウガ………!!!」
ガバッッ
呼吸が荒々しいままクランが立ち上がって、学ランの男につかみ掛かった。
ハカナ「ク、クランちゃん!?」
いきなりのクランのこの行動にハカナは驚きを隠せない。

しかし、学ランの男はクランの腕をつかむと、柔道でいうところの背負い投げ。
クランの小さな体が受身もとれずに地面に猛然と叩きつけられた。
クラン「がはっ!」
こんなクランに対しても、一切加減無しだった。

学ランの男「フンッ!スクラップ寸前の凡骨カード使いめが」
乱れた着衣を整える学ランの男。
ハカナ「クランちゃん?何?いったいどうしたの?
    しっかりして!ねェ!」

クランに背を向けその場を立ち去ろうとする学ランの男。
クラン「ま…まて…!」
その言葉で学ランの男の足が止まった。
クランが再び満身創痍の体を押して起き上がってきた。
どうあってもこのまま、帰そうという気はないらしい。
ハカナ「クランちゃん!もうやめて!
    じっとしてなきゃだめよ!!!」
これ以上無理したら本当にクランが死んでしまいそうだ。
いったい何がクランの体をここまで動かすのだろうか?
今のハカナにはわからない。

クラン「ハァー………ハァー………ハァー…………。
    こ………殺してやる!源リョウガァ!!!。
    ヴォルボックスーーーーー!!!!!」
ハカナ「クランちゃん!?」
クランの背中に立つヴォルボックスが攻撃態勢に。
クラン「やれっ!ヴォルボックス!」
ハカナ「ダメよ!クランちゃん!いったい何をする気なの!?」
クラン「止めるなっハカナ!!こいつを!こいつをブラストでコナゴナにしてやる!」
ハカナ(!)

生身の相手に対しては絶対にブラストはしないと言い続け、
串刺し特攻隊相手ですらそれを守ってきたクランが、
今、目の前の学ランの男に対してブラスト弾を発射しようとしていた。
ハカナ「だねよ!クランちゃん!やめてェ!」
だが、ハカナの静止は一切きかない。
クラン「死ねえっ」
学ランの男「デス=レックスーーー!」
学ランの腹からデス=レックスの両腕のみが現れ、一瞬でクランを体をわしずかみに。
クラン「!」
学ランの男「闘いの生態系!!闘いの食物連鎖!!
      だが、雑魚は誇り高き死竜王に喰われることすらできないことを教えてやる!」
雑巾を絞るようにクラン体ををねじりあげる。
ボキボキベキ。
鈍い音がその場に響き渡った。
ハカナ「いやあああああ!」
クラン「ぐあっ!ガハッ!ゲヘッ」
デス=レックスが手を放すと、クランは頭からアスファルトの地面に倒れこんで激突。
今度こそ本当にピクリとも動かない。
クランの頭部から血の水溜りが広がっていく。
ハカナ「クランちゃん!クランちゃん!しっかりして!」
ドボドボ
ハカナが抱きかかえると、クランは頭からはものすごい量の血を流していた。
バリバリバリバリ
そこに、何故からか戦闘機が到着。
どうやら学ランの男の自家用ジェットらしい。
戦闘機から釣りはしごが落ちてきて、学ランの男はそれに捕まる。

ハカナ「ま、待って!あなたはいったい!」
クラン「………ま…まて…キサマ………!!!」
ハカナ「クランちゃん!ま、まだ?」
体をゆさぶってハカナの腕から落ちるクラン。
両腕両足は粉砕されたのだろう。
クランは地面を芋虫のように体を這いずりながら、まだ学ランの男に向かっていく。
すでに体はボロボロだが、学ランの男を睨み付ける眼光だけは決して衰えていなかった。
しかし、学ランの男はそんなクランを嘲笑。
学ランの男「ゲームの世界に兄妹の「情」などというくだらないモノは無いことを知れ!
      それに気がつかぬ限りお前は永遠に負け犬だ!棗クラン!
      ワハハハハハハハハハハハハハハ!」
そのまま上空へと消えていった。

ガクッ
今度こそ完全に気を失ったクラン。
顔面蒼白。
全身のいたるところから流血。
ハカナ「クランちゃん!クランちゃん!しっかりしてェ!」
必死にゆさぶるも、クランにはもう何の反応もない。
抱きかかえたハカナの手はクランの血で真っ赤にまみれた。
ハカナ「クランちゃん!お願い目をさましてよぉ!!」
クランの体を泣きながら必死に抱きしめるハカナだった。

この後、クランは3日目を覚まさなかった。

                    第七話 終わり
144名無しさん@ピンキー:03/12/06 13:30 ID:GL94v6xj
さ・・・最高出るハアハアハアハアURYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
145105:03/12/06 14:07 ID:imemMEUK
>>110
「もえたん」でぐぐって下さい

>>111
遊戯王風の人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
いつものほのぼのエロ路線から一変してバイオレンスになってますね
クランたん重症だよ(つДT)
そんで入院して勉強が遅れて、ハカナに英語教えてもらうんだ
ハカナ「クランちゃん、まずはこれに着替えて」
クラン「これは一体何?」
ハカナ「英語を勉強する時の 正 装 よ!」
と言って後ろに隠し持ってるのは『選ばれた受験生の為のハイブリッド英単語集』(お前はそれがいいたいだけちゃうんかと(ry

tu-ka、何故に私に張り合おうとするのでつか(´Д`;)
146名無しさん@ピンキー:03/12/06 14:31 ID:Dg5yStUT
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
描写もさる事ながら、戦法と言うか作戦と言うかが凄すぎる!!
健気なクランたんハァハァ。
学ランは一体何を考えているのか?!リュウセイにしても、
いつもあなたはキャラを本編より数段魅力的に見せてくださる!!
これからも是非ガンガ!!
147名無しさん@ピンキー:03/12/06 14:56 ID:eAXaC4yt
リョウガ基地外キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
やはり基地外は偉大だ! 基地外バンザイ!
148いつもの人:03/12/07 00:05 ID:qD2asTWx
文字ネタの猛攻が続く!
負けん、負けんぞおぉぉ!

ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp/

それで出来たのがコレ… スマン。
149107:03/12/07 00:58 ID:oWmBJyV4
クランは恐怖していた。
三日も物置に吊るされた状態で放置され、栄養分を摂取する事ができずに衰弱し
やがては死に至ってしまう、と言った死に対する恐怖ではなく
イケナイ自分が兄から嫌われてしまい、もう二度と自分の目の前に現れないのではないのか
と言う孤独に対する恐怖であった。
所属の欲求は動物も有しているものではあるが、人間のそれはより一層強い。
両親を早くに無くし、また他人との付き合いが苦手な彼女にとっては
一番身近な存在、唯一自分と接してくれる人間である兄が消えてしまったら
自我の崩壊、レーゾンデートルを失うのに等しかった。

年端もいかない兄と妹が、たった二人で生きていくのには
厳しいという言葉では表しきれない程のものであったが
どんなにつらい時でも、兄が守ってくれたために何とか今までやってこれたのだった。
兄は自分の事を一番に考えてくれて、時には厳しく当たる事もあったが
それでもちゃんと良い子にしていれば、とても優しい兄であり
クランは安心して信頼できる人間として兄を慕っていた。
そんな兄がもう二度と自分の前に現れる事が無い
そう思うと、クランは悲しいと言う気持ちを通り越して、もはやそれは恐怖の域に達した。
人間は想像したものに恐怖する生き物である。
それがまだ経験していないものであろうとも、それに恐怖する事ができるのである。
なんとも不思議なモノだ。
こういう現象が起こるのは伝達する手段があるからであり
その伝達手段は集団の絆をより強固なものとし、支配欲を高めるモノとなり
文化を築き上げ、そして現在に於いては地球を破壊しつつある。
クランは兄が存在として消えてしまったこれからの未来を想像したのだった。
ココで重要なのは「兄が居ない状態が必ずである」と言う仮定を立てた事だ。
或いは兄が帰ってくると言う仮説であるのならば
例:良い子と言う状態を継続する事で今回の罪が許され、兄が戻ってくる。
クランは恐怖しなかった事であろう。
むしろ明日にするべき事が決まり、生きる活力すらみなぎって来たかもしれない。
例:猫耳メイド服で料理洗濯をする。
150107:03/12/07 01:00 ID:oWmBJyV4
ガラッ
外から閉められていたドアが開き、部屋の中に光が差し込んできた。
それは、ようやく部屋全体の状態を確認する事くらいしかできない光であったが
3日ぶりに可視光線を浴びたクランにとっては手を翳さなければならないくらいまぶしく感じた。

汚物の臭いとカビの臭いで、警察官はその場で吐きそうになった。
そしてその臭いの中で衰弱しきった、今にも死にそうな少女を発見したのであった。
「いやぁあれは酷いなんてモンじゃないですよ。
 家畜?それより酷いですよ。もう最悪の状態って言うのはああいうのを指すんでしょうね」
明日の天気は晴れるであろう。
そしてクランは兄の乗っていた飛行機が墜落した事を知る事になる。
151107:03/12/07 01:03 ID:oWmBJyV4
前々から何か書こうかなぁーとか思っててコレかよ・・・って言う感じの。
105さんに触発されました、駄文すいません。
たぶん明日は雨です。
そして僕の心は曇りです。でも生きようと思います。
あ、電波板のノリじゃん・・・スイマセン
まぁ、何はともあれスイマセン
もっとカオシック勉強します。
毎晩読んでる本をパプワ君じゃなくてカオシックにします。



                                               404
152名無しさん@ピンキー:03/12/07 11:34 ID:pT9+PMnQ
>毎晩読んでる本をパプワ君じゃなくてカオシックに
なんて微妙なチョイスなんだ(;´Д`)
153名無しさん@ピンキー:03/12/07 13:14 ID:90VkFAdE
>>148
(;´Д`)ハァハァいつもお世話に…ッウ
154名無しさん@ピンキー:03/12/08 14:56 ID:5Lo0c+dk
ここはリョウガの部屋。
リョウガは今デッキ構築の真っ最中だ。
リョウガ「やっぱデス=レックスは上級者として入れておくべきだな」
    「サイロックスみたいなコモンは使えないね」
独り言を言いながらカードを並べている。

コンコンッ

窓を叩く音がする。しかし、カードに夢中のリョウガは気が付かない。

コンコンッ

再度窓を叩く音がするのだが、リョウガはまったく気が付かない。

「「ブラストォォォーーー!」」
ドッカーーーーン

激しい音と共に窓が粉々に吹き飛んだ。

リョウガ「な、なんだ!?」
???「おい貴様、私が窓をノックしているのにシカトするとはどういう了見だ」
偉そうな口調の少女が窓(だった場所)から部屋の中に入ってくる。
リョウガ「あんた誰だ!つーか壁が無くなってるじゃないか!」
???「うるさい!ノックに気づかないお前が悪いんだ!窓が吹き飛んだのは全部お前の所為だ」
勝手な言い分である。
???「やい源リョウガ。貴様最近カードゲームにうつつを抜かして勉学がおろそかになっているな」
155名無しさん@ピンキー:03/12/08 14:57 ID:5Lo0c+dk
リョウガ「た、確かに成績は下がってるけど…って話しをすり替えるんじゃねー!
     窓だよ、窓!どうしてくれるんだ。大体あんた何者だ!」
???「一々細かい事を気にするな!
    いいか、よく聞け!私は今度からお前の家庭教師をしてやる…魔法少女パステルクラン様だ!」
リョウガ「はぁ?魔法少女が家庭教師?
     冗談は胸だけにしろよ。大体お前中学出てるのか?
     今日び中学生だってこんな更地じゃないぞ」
と言ってクランの胸を指でつつく。

ぶち!

クランの中で何かが切れた。
クラン「『ぼるぼっくす』!」
クランが叫ぶと、突然何処からともなくファンシーなバトンが現れた。それをバットのように構えると力任せにリョウガをどつく。
クラン「「ブラストォォーーー!!」」
ボッガーーン!!
リョウガにヒットした瞬間、大爆発が起こる。

爆発が収まると、壁に叩き付けられて変な姿勢で気絶するリョウガの姿があった。
部屋はメチャクチャに破壊され、いつの間にかクランの姿は消えている。

クラン「ああ〜ん、こんな筈じゃなかったのに〜(丸文字)」
と泣きながら魔法のバトン『ぼるぼっくす』に跨って空を飛んでいるのは、リョウガ家から逃げ出したクラン。作戦は大失敗だ。
クラン「ううん、大丈夫!
    次はきっとうまくやるもん(丸文字)」
頑張れクラン、リョウガとラブラブになれるその日まで!

終わり
156名無しさん@ピンキー:03/12/08 15:29 ID:B5okN2dK
(´∀`)イイ!
157名無しさん@ピンキー:03/12/08 19:02 ID:i/6wN2pY
(´∀`)次回はリョウガの反撃を!
158名無しさん@ピンキー:03/12/08 22:51 ID:OeXhZ36p
漏れはこのスレでグロさにハァハァするべきなのか萌えにハァハァするべきなのか(w
とにかく107と154に心から賛辞を送りたい。モツカレー。
159名無しさん@ピンキー:03/12/09 01:33 ID:r1R34noU
俺もパステルクラン先生にお勉強を教えて貰いたかった……
そしたらもうちょっとまともな人生に……
160名無しさん@ピンキー:03/12/09 02:16 ID:Y8PW4S4r
めちゃめちゃ・・・GJじゃねーかっ!
モツー。
161105:03/12/09 10:24 ID:QA+IvRlI
ども、105です
154-155は自分が書きました
皆さん感想どうもです

なんか妙な電波を受信してしまったんで、つい勢いで書いてしまいました
SSなんて初めてだし、次からの展開なんてまったく考えてないんですよね
なんせ元が絵描きなんで(^^;
誰か続き書いてくれると嬉しいです(コラ
162名無しさん@ピンキー:03/12/09 21:58 ID:XeOarC4a
>>161
まぁ、そう言わず。
ガンガン書いてくださいな。
期待してまってますから。
リョウガ「くっそ〜!!あのパステルクランとかいう幼女!!
家を滅茶苦茶にしやがって・・!!今度会ったら許さねェからな!!」
ここは元リョウガ家。
クランの『ぼるぼっくす』によって半壊してしまったリョウガの家(廃墟)で
リョウガは一人目覚めたのだった。
  

リョウガ「あれっ?」
リョウガの腰の辺りに何やら感覚が。
リョウガが踏みつけていた物はカードデッキだった。
リョウガ「おおっ!!すっかり燃え尽きちまったかと思ってたが、
何とか無事だったのか・・・。でもな・・・今更カードだけあったって・・・」
再び絶望の底に追いやられるリョウガ。
クラン「あ〜どうしよう〜!!」
一方こちらは、魔法のほうきにまたがり、空を飛んでいるクラン。
「昨日壊しちゃったリョウガの家で、今週の
破壊許可件数をオーバーしちゃったよ〜。神さまにバレたら『ぼるぼっくす』が
取り上げられちゃう・・・。」
大切な『ぼるぼっくす』が取り上げられるかも知れないと思い、
いつになくしおらしくなるクラン。
クラン「『ぼるぼっくす』はお兄ちゃんの大切な形見なのに・・・
それだけは絶対いやぁっ(丸文字)」


リョウガ「くそ〜・・・寒いったらありゃしねェ!!」
家に穴が開きまくり、隙間風に凍えるリョウガ。
リョウガ「雨なんて降ったら・・・あれはっ?!」
ふと開いた穴から空を見上げたリョウガの眼に、ほうきにまたがって空を飛んでいる
クランの姿が眼に入った。
リョウガ「おいっ!!そこの!!」
リョウガが力一杯叫ぶ。
クラン「えっ?」
クランがそれに気づく。
クラン「あれはリョウガ・・・私が家壊しちゃったんだよね・・。
丁度謝ろうと思ってた所だし・・。」
空を飛んでいたクランは一気にリョウガの方に急降下。
クラン「家を壊した人にも、ちゃんと謝れば神さまも許してくれるかもしれないし・・。
っていうか、私をわざわざ呼んでくれるって事はもしかして・・?!」
様々な妄想に胸を膨らまし、笑顔で降り立つクラン。
その笑顔を見て、リョウガの怒りは爆発した。
クラン「おいキサマ、何の用だ?」
心の中では笑顔でも、決してそれを表には出さないクラン。
リョウガ「おいパステルクラン!!」
リョウガが怒鳴る。
クラン「な、何だ・・。」
急に名前を呼ばれ、クランはビクつく様な、嬉しい様な・・。
リョウガ「なんだじゃねェ!!人んちブッ壊しといて、なんだよその態度はッ!!」
リョウガにそう言われ、確かに自分が家を壊したのだから
心の中とは言え、喜んでいては駄目だと思い、無理にリョウガを睨みつけるクラン。


リョウガ「パステルクラン、俺とカードバトルをしろッ!!」
仕返しをしようとリョウガは決闘を仕掛ける。
クラン「なっ・・そんなの嫌だぞ私はっ!!」
リョウガと和解しようとしていたクランは、睨み顔のまま決闘を断る。
リョウガ「決闘を・・・受けないだと?!」
クラン「そ、そうだッ!!」
話を自分のペースで進めようと、強気に言うクラン。
リョウガ「大体、なんで家を壊したお前が怒ってるんだよ?!
怒りたいのは俺の方だぜッ!!」
相変わらず睨み顔のクランにリョウガがキレる。
クラン「わ、私は別に何も怒ってなどいないぞ!!
ほら!!心の中ではこんなにニコニコ・・。」
リョウガ「何がニコニコだ!!ボケェッ!!」
キレた勢いで凄い言葉づかいのリョウガ。
クラン「嘘じゃないもん!!前にもキサマには言っただろう?!
私は夢と希望に胸を膨らませる、魔法少女パステルクラン様だ!!(決まった!!)」
リョウガ「はぁ?」
リョウガはクランのあまりの変貌ぶりにキョトンとしている。 


クラン「だ・か・ら!!私は夢と希望に胸を膨らませる・・・」
リョウガ「何が夢と希望に胸を膨らませるだ!!何やってもお前みたいな幼女の胸は
膨らまねェよ!!魔法少女さんよ、得意の魔法で膨らませてみるか?
ま、どんな魔法でもそれだけは無理だろうがな!!」
リョウガがクランの胸を突っつきながら、皮肉めいて言う。
キレたリョウガは時々自分でも信じられない事を言ってしまう。
ブチッ!!
クランの中で何かがフッ切れた。
クラン「・・・ブツブツ・・・」
リョウガ「おい?一体どうし・・」
クラン「『ぼるぼっくす』!!」
クランが叫ぶと、前の時と同じファンシーなバトンがどこからか現われた。
リョウガ「あ・・・あれはこの前と同じ・・!!この展開はもしかして・・」
クラン「ブラストォーッ!!」
リョウガ「ま・・・待ってくれ私にはまだローンが!!」
ボッガーーン!!
『ぼるぼっくす』の爆発弾がリョウガに命中し、今度こそリョウガの家は全壊し、
リョウガは爆風でどこかに吹き飛ばされてしまった。



クラン「どうしよう〜!!失敗どころか、周りの家も壊しちゃったよ〜!!
このままじゃ・・・」
意識不明のリョウガをよそに、こちらは空に逃げたクラン。
今度も大失敗をしてしまい、大切な兄の形見『ぼるぼっくす』とクランの運命は?!
頑張れクラン!リョウガはもう君しか見えない!(藁
それから三日後、爆張で意識不明で重体の男子高校生が発見されたというのは、
また別のお話・・・
169名無しさん@ピンキー:03/12/10 12:19 ID:fEFxE8ex
いかがだったでしょうか。
最初に書いてたのとは違う人だけど、初めの人が誰か続きを書いてくれ!
と言っていたので、普段からSSとか書いてる自分が書いてみました。
続きはもし好評だったら書くかも・・・(ぉぃ
170名無しさん@ピンキー:03/12/10 13:41 ID:jhor5xxy
>>169
本当に2話作って下さったんですねw
おつです

初めに考えてたのと全然違う展開になっててびびりました
しかしこれはこれでむっちゃ面白いんですが(笑)

以下に初期プロットまとめてみました。

棗クランは(自称)16歳の女子高生。最近同級生のリョウガが気になってしょうがない。
でもリョウガには幼馴染のハカナがいつも一緒だ。
ハカナと遊ぶ事にかこつけて、リョウガにアプローチするクラン。
しかし、ハカナにいつも邪魔されてしまう。(ハカナに悪気は無い)
しかもリョウガの前では照れて、つい乱暴な口調になってしまう。いつも失敗ばかりのクラン。

ところがある日、道で行き倒れているカスミという女性を拾う。
なんと彼女は魔法の国「女界」から来た大魔法使いだというのだ。
クランは彼女から助けてくれたお礼にと魔法のバトン『ぼるぼっくす』をもらう。

クラン「よし、魔法の力でリョウガのハートをゲットするんだから!(丸文字)
    ごめんねハカナ、恋の前に女の友情なんて脆いものなの」

という学園魔法ラブコメを目指してました
171名無しさん@ピンキー:03/12/10 19:45 ID:VM4kCULa
>>163-168
ふもっ
172名無しさん@ピンキー:03/12/10 22:07 ID:CAfgNRHU
乙です。
リーマンの魂が乗り移ったかのようなリョウガの台詞に笑わせていただきました。
173名無しさん@ピンキー:03/12/10 23:41 ID:sFtpmcuZ
>>163-168
ふもっふもふ
174名無しさん@ピンキー:03/12/11 01:03 ID:zG1CJuCJ
>「決闘を・・・受けないだと?!」
この時のリョウガのヘタレた顔を思うとウケル
175名無しさん@ピンキー:03/12/11 10:29 ID:j772ZsPn
>>170
おー喜んでくれて、どもです。初めはそういうラブコメを目指してたんですか。
それはそれで、面白そうですね。

>>171-173
こらっポカポカ!いたずらしちゃダメじゃない!!

>>172
狙ってやりましたです、ハイ。

>>174
貴重な感想、ありがとうございましたー。

好評なようなので、続き書こうかなぁ・・・・
ラブコメにならないかも知れませんが、よろしいでしょうか?
ま、いいよね。(おい!
リョウガの家破損事件から一日後・・・
ここはとある病院の一室。
リョウガ「・・・・う・・・・あれ・・?ここは一体・・・」
リョウガが意識を取り戻したようだ。
リョウガ「そうか・・・俺は確か、パステルクランって奴にブッ飛ばされて・・・・」


ハカナ「ここでいいのかなぁ・・・・」
一方こちらは、ニュースを見て駆けつけたハカナ。
ハカナ「爆張総合病院・・・・うん、ここだよね!待っててリョウガ!!」
今日は日曜日。リョウガが爆張で発見され、この病院に入院させられた事を聞いて
やってきたのだった。


リョウガ「う〜・・・頭がガンガンする・・・・」
ガラッ!!
リョウガ「?!」
ハカナ「リョウガっ!!」
リョウガに抱きつくハカナ。
リョウガ「////!!ハ・・ハカナ・・?!なんでここに・・うっ!いてェ・・・」
ハカナが抱きしめた事によって、傷に響いたようだ。
ハカナ「あっ、痛かった?ゴメンね・・・・」
リョウガ「それより、どうしてここに・・・?」
ハカナ「あ・・・えっとね・・」
『うわああ〜ん!!』
雲ひとつない青空に、泣き声が響き渡る。
クラン「私の『ぼるぼっくす』が〜!!(丸文字)」
『ぼるぼっくす』を奪われてしまったクラン。
一応魔法少女なので多少の魔法は使えるが、『ぼるぼっくす』がないと力は半減。
クラン「うう・・ひっく・・神さまのバッカヤロォォ〜〜ッ!!」
クラン「いいもん!!『ぼるぼっくす』がなくたって、
私は夢と希望に胸を膨らませる・・・・あっ!!そうだ!!リョウガだ!!
どうなったんだろ・・・アイツ・・。リョウガの家に行ってみよう!!」


リョウガ「じゃあ・・・お前は俺を心配して・・・?」
ハカナ「あったりまえじゃない!!」
リョウガ「悪いな・・心配ばかりかけちまって・・・・」
ハカナ「あ〜!!リョウガの悪いクセ〜!!何でも自分のせいにする!!」
リョウガ「・・・プッ。アハハハハハッ。」
ハカナ「アハハハハハッ。」
何がおかしいのか。二人して笑ってしまう所は、
何と言っても幼馴染みである。
一方、リョウガの家に着いたクラン。
クラン「あっちゃ〜・・・滅茶苦茶だな・・・」
自分でやっといて、驚くクラン。
クラン「壊れた物ばかり・・・リョウガもいないみたいだし・・・ん?なんだコレ?」
音を感じ、クランが見てみるとそこには、たまたま壊れなかったテレビが。
クラン「なんだ・・・テレビか・・。」
『どーもっ♪二見坂コトミの、三時のニュースで〜す!!
先日、爆張で発見された意識不明で重体の男子高校生の件ですが、
その後の調査により、詳しい事がわかりました。名前は源リョウガ (16)
渋屋に住んでいた模様です。現在は近くの爆張総合病院に入院された、との事です。
それでは次のニュース・・』
クラン「!!!爆張?!あのケータイの町と言われる爆張か!ここからすぐじゃないか。
待ってろリョウガッ!!」
リョウガ「ハカナはもう帰っていいぞ・・・ずっとここにいたって・・うッ!!」
ハカナ「ほら!!駄目じゃない、無理しちゃ!!私の事はいいから!!」
ベットから倒れそうになったリョウガを、支えるハカナ。
リョウガ「あ・・・ありがとう・・・。」
ハカナ「これ位当然よ!」
すっかりドラマ並のシーンを演じているリョウガとハカナ。


クラン「ここか?!爆張総合病院というのはっ!!」
病院に到着したクラン。
クラン「えっと・・・源リョウガ・・・源リョウガ・・・」
病人の名前が書いてある札を見て回るクラン。
リョウガの所にたどり着くのも時間の問題のようだ。
ハカナ「私ね、りんご作ってきたの!!」
嬉しそうに言うと、ハカナはバックからウサギりんごを取り出した。
リョウガ「なっ・・・なんでウサギにするんだよ・・・」
ハカナ「だってリョウガ好きだったじゃない。よく、私が作ったのを美味しそうに
食べてたじゃない。」
リョウガ「そ・・・それは昔の話だろ・・////」
ハカナ「はいリョウガ!あ〜ん!」
リョウガ「ちょっ、馬鹿!!そんな事恥ずかしくてできるかよ!!
自分で喰うから・・・あうっ?!」
ハカナ「だから、無理しなくていいって。
私が食べさせてあげるから。はい、あ〜ん・・・」
母性むき出しのハカナ。
怪我人のリョウガは、コレに従うしかない。
ガラッ!!
そこにクランが到着。
クラン「リョウガ!!大丈夫か?!・・・・・!!!!」
クランの眼に映ったのは、イチャつくリョウガと悪女ハカナだった。
リョウガ「!!お、おいハカナ!!あいつだ!!」
ハカナ「え?あの子がどうかしたの?」
クランに歩み寄るハカナ。
ハカナ「あなた・・・誰?リョウガの知り合いなの?ねぇ・・・聞いてる・・?」
ハカナが尋ねるが、クランは反応を示さない。
クラン「私のリョウガを・・・許さない!!『ぼるぼっくす』!!」
リョウガ「!!危ない!!逃げろハカナッ!!」
ハカナ「えっ?」
が、クランの叫び声は狭い病室にこだまするだけだった。
クラン「あ・・・そう言えば『ぼるぼっくす』はなかったんだっけ・・・」
愕然とするクラン。
リョウガ「クククククッ!!」
その様子を見て、リョウガが腹を抱えて笑い転げている。
ハカナ「何?どうしたの?!」
事情が全くわからないハカナ。
ハカナ「えっ?!それじゃあ、あの子がリョウガをこんなに・・・!?」
リョウガ「ああ・・・・俺の家も壊されちまった・・・もうカードも残ってない・・!」
クラン「あの女・・!!普段からリョウガと一緒にいるのは知っていたけど・・・!!
私のリョウガをよくも・・!!こんな所でイチャつい・・」
ハカナ「そこの幼女!!」
クランの一人言を切り裂いてハカナの声が響く。
ハカナ「よくもリョウガを痛めつけてくれたわね・・・」
クラン「なっ・・・!!オマエこそ、どういうつもりか知らないけどリョウガと
イチャイチャしやがって・・・!!」
リョウガ「・・・・。」
かなり険悪な雰囲気である。
ゴゴゴゴ・・・!!病院の一角で今、火花が飛び散っていた。
クラン「バチバチバチッ!!」
ハカナ「バチバチバチッ!!」
リョウガ「ハカナ・・・気をつけろよ・・・そいつは何をするか・・・・」
ハカナ「で、でもその『ぼるぼっくす』とか言うのは今は持ってないんでしょ?!」
自分より頭二、三個分背の低い幼女(外見)を相手に、ハカナは余裕の笑みを浮かべる。
クラン「ぼ・・・ぼるぼっくすがなくたって・・・おらぁッ!!」
クランが、ハカナのマ○コを蹴りあげる。
ハカナ「!!!うっ、あうっ!!いやぁ!!痛いぃッ!!」
倒れ込むハカナ。
リョウガ「ハカナ!!大丈夫か?!」
ハカナ「けほっけほっ・・・何とか・・・。あなた・・!!」
珍しくハカナもグルグル眼になる。
クラン「ふんっ!!今更睨みつけたって、怖くなんか・・・」
ハカナ「ポカポカッ!!」
ハカナが叫ぶと、変な生き物がどこからか現われた。
リョウガ「そ・・そうか・・。カードのモンスターは召喚する事もできるんだったな。」
ハカナ「やっちゃえポカポカ!!」
ポカポカと呼ばれた生き物は、口から緑色の液体を吐き出し、それをクランにかけた。
クラン「いやぁ!!(丸文字)何これぇ!!服が溶けていく・・・!!」
クランはあっという間に裸になってしまった。
クラン「くっ、くそォッ!!私の魔法を喰らえッ!!
かの敵をなぎ払え!!ファイアリィー!!」
クランの手から出た炎が、ハカナの服を焼き尽くした。
ハカナ「きゃあっ!!」
クラン「よくも私の・・・私のリョウガを!!今日の所はコレで勘弁しといてやるがな、
次は覚えてろよ!!」
クランは大事な部分を手で押さえて病院から逃げていった。
ハカナ「ねえ・・・私のリョウガってどういう事?」
リョウガ「俺は知らねェッ!!あいつが勝手に・・・」
ハカナ「本当にィ・・・?まさかリョウガ・・・あの子と・・・」
ハカナは怒りの炎を発している。
リョウガ「絶対違うってば!!それよりハカナ・・・お前そんな格好で・・・」
リョウガに言われて見てみると、ハカナの服は殆ど焼け落ち、裸に近い状態だった。
ハカナ「いやぁーッ!!バカ!ヘンタイ!エッチ!スケベ!!エロオヤジッ!!
もう知らないっ!!」
パーン!!
リョウガを殴り、ハカナも病院から出て行ってしまった。
リョウガ「・・・誤解だぁ・・・ああ・・体のあちこちが痛い・・・・」
この世で最も不幸な男、源リョウガ。頑張れリョウガ、負けるなリョウガ!!
生きていれば、きっといい事ある日が来るさ!・・・・多分・・・。
185名無しさん@ピンキー:03/12/11 12:04 ID:j772ZsPn
どーも。人気があったようなので、嬉しくてついつい速攻で作ってしまいました。
次回は、『ぼるぼっくす』奪還編になるかも知れません。
クランの魔法、わかる人にはわかる・・・?
また感想下さいです。それではまた。
186名無しどん:03/12/11 13:57 ID:LIawzQeY
>>185
おつー
仕事早いですなー
ハカナとリョウガのやり取りはこっ恥かしくてまともに見れませんです、はい(/ω\*)

それにしてもパステルクランはプリ○ミかマジカ○テみたいなポジションを確立しつつあるような…
187名無しさん@ピンキー:03/12/11 19:56 ID:3jZe8QLA
>185
ふもっ!(職人さん乙。感動しました。
たった一日でこの仕上がりは本当にすごいです。
リョウガ。うらやましいヤツめ
この調子で第四話も楽しみにまっています)
188名無しさん@ピンキー:03/12/12 00:30 ID:KV1BZijk
…………
………遊戯王風を待っている俺はどうすればいいのだろう…………
とりあえず全裸待機。
189名無しさん@ピンキー:03/12/12 03:15 ID:lni39fV1
盛り上がってるようで何よりですわ。
こっちは沢木アカネSS考えてたのにあの一件でお蔵入り決定なので落ち込んでるよ。
190名無しさん@ピンキー:03/12/12 07:38 ID:6A07n7/Q
>>189
何も気にせずビシビシ書くべし。
191185:03/12/12 20:45 ID:3FRBX+np
SS書くのは疲れるので、お絵かき板の方に絵描いてきますた。
ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/chaosic/bbsnote.cgi
192185:03/12/12 21:06 ID:3FRBX+np
お絵描き板の絵、二重投稿になってしまってる!!
すいませぬ・・・
193遊戯王風の人:03/12/12 22:48 ID:CJljiqg3
>145-147
読んでくれただけでなく
感想まで頂きありがとうございます・゚・つд`)・゚・

>148
そ、それには…勝てません・゚・つд`)・゚・

>188
全裸待機なんかしないで
コタツでゆっくりミカンでも食いながら、
またーりと、お待ちください。


パステルクランとても面白いです。
次回も楽しみに待ってます。
(でもクランたん、なんでリョウガにそこまでベタ惚れなんだろう?)
194名無しさん@ピンキー:03/12/13 00:09 ID:jxE3rnVc
本スレのネタの「死ねない」師匠イイなぁ…
死ねない身体と闇竜王の槍状触手って相性イイよな。
穴も穴じゃない所もずぶずぶと触手で…
その状況でもわずかに呻くだけで悲鳴をあげようとせず睨みつける師匠…ゾクゾクするなぁ…
195名無しさん@ピンキー:03/12/13 02:13 ID:Lu4RL19s
>194
同士よ。
でも、前の穴だけは塞がずに残しましょうね。
気丈に振舞うのも良いけど、
最終的には猟奇プレイがくせになって欲しい気もする。
196遊戯王風の人:03/12/13 12:37 ID:sEAr56JB
はりますね
197遊戯王風カオシックルーン第八話@:03/12/13 12:38 ID:sEAr56JB
*この物語は、見かけは幼女の16歳『棗クラン』が
 カードゲーム『カオシックルーン』を通じて
 次々と現れるヘンタイやキチガイ達と戦い成長していく話です。

三剣リュウセイとの激しい決闘により大きく傷ついてしまったクラン。

決闘後、すぐさま病院に担ぎ込まれたクランであったが、既にその意識はなかった。

串刺しアタック、激震ニードル等による打撲や裂傷、火傷も相当なものであったが、
もっとも大きな傷は学ランの男によってコナゴナに粉砕された両手両足だった。

なんとか奇跡的に一命をとり止めるも、
クランは死んだように眠り続けたままだった。
198遊戯王風カオシックルーン第八話A:03/12/13 12:40 ID:sEAr56JB
学校

ハカナ「ゴメン!ハナコ!今日、私もう帰るから」
ハナコ「棗さんのお見舞いね」
ハカナ「う…うん」
ハナコ「そんな顔しなくてもいいよ。
    最近全然会いに行ってないんでしょ。
    まったく。本当は誰よりも心配なくせに」
ハカナ「う…」
ハナコ「ハカナの分は後は私がやっといてやるから、ほらよこせ!
    とっとと行ってこい!」
ハカナ「あ、ありがとうハナコ!」

クランが入院している病院に足を急がせるハカナ。
最近は学校行事の方が忙しくて、なかなか会い行くことができなかった。
実に会うのは一週間ぶりのことだった。

クランの病室。

ハカナ「クランちゃーん。いい子にしてたかな?」
しかし、いつものベットにクランはいない。
ハカナ「………あ、あれ?」
とりあえず途中で買って来た花を飾る。
周りは何だかあわただしい。
ハカナ「検査にでも行ってるのかなぁ?
    まっ…まさか、容態が悪くなって集中治療室のほうにっ!
    いやいや、ひょっとしてもう既に棺桶の中なんてことは…!?」
どんどんハカナ考えは悪いほうに向かっていく。
そして今のクランには十分現実的な話だった。
ハカナ(ど、どうしよう。私がほっといたりなんかしたから?ごめんなさいクランちゃん)
不安と罪悪感で胸が押し潰されそうだった。
いても立ってもいられないハカナは、すぐさま近くを通りがかった看護士の一人を捕まえた。
199遊戯王風カオシックルーン第八話B:03/12/13 12:41 ID:sEAr56JB
ハカナ「あ、あの!ここにいる棗クランちゃんっていうちっちゃいコはドコに!?」
真剣な眼差しのハカナを不信な目で見つめてくる看護士。
看護士「ん?あなたあの子のお姉さん?」
ハカナ「えっ?…ま、まぁ、そんな感じです」
その言葉を聞いた途端、看護士は怒りをぶつけてくる。
看護士「まったく!お宅の家庭はどうゆう教育してるんですか!」
ハカナ「え!?」
その迫力に思わずたじろぐハカナ。
ハカナ「…な…何が…でしょうか?」
看護士「あの子勝手に病室抜け出すんです。
    これで何度目だと思ってるんですか!
    もう、死んでも知りませんからねッ!!」
ハカナ(えっ)
軽く目まいを起こすハカナ。
看護士「私達だって暇じゃないんですから………」
ハカナ「わ、わかりました。すいません!
    わ、私も探しますからっ!
    あの、ところでクランちゃんの容態は…そんなに悪いんですか?」
看護士「絶対安静です!」
ハカナ(ぜっ…絶対安静!?)
大きく目まいを起こすハカナ。
看護士「御両親の方からも、きっちり叱るように言ってやって下さいよ!
    まったくもう………ガミガミクドクド!」
ハカナ「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」
ペコペコ謝るハカナ。去っていく看護士。
ハカナ(ク、クランちゃんーーーーーーーっ!(怒)
    ………さて、どこを探そう…。
    ………クランちゃんの行きそうな場所…?
    そっか…ひょっとしてあそこかも…)
200遊戯王風カオシックルーン第八話C:03/12/13 12:44 ID:sEAr56JB
病院の屋上

クラン「ぽかぽか、あったかい」
クランは病院屋上のベンチに寝転んで日向ぼっこ。
頭、右目、両手両足、その他、至るところに包帯が巻きつけられおり、
見ているだけでもかなり痛々しい状態だ。

まったりとしているクランだが、
そこにハカナがものすごい形相で駆けつけてきた。

ハカナ「クランちゃんーーーーっ!!」
クラン「げっ!ハカナ!どうしてここに」
今まで心配した分が反比例したかのようにハラワタが煮えくり返ってくるハカナ。
ハカナ「こんなところでいったい何やってんのよ!!」
珍しくグルグル目。
クラン「え…えーと…それは」
クランは両手のひとさし指をあわせながら愛想笑い。
クラン「だ、だって………退屈なんだもん」
それを聞いたハカナはさらに激怒。
ハカナ「もうっ!絶対安静だって言われてるんでしょ!
    それに何度も病室を抜け出してるって聞いたわよ!
    他のみんなも心配して探しているのよ!
    だめじゃない、みんなに迷惑かけちゃ!ガミガミクドクド」
クランの耳を容赦なくひっぱり上げる。
ハカナ「戻るわよ!クランちゃん!」
クラン「ええ〜やだっやだぁ!(丸文字)」
まるで駄々っ子のようなクランを引きずっていく。

ハカナ「まったくもう!このコは…!」
クラン「わぁああん。いやぁいやぁ(丸文字)」
頭をプンスカと噴火させる今のハカナは、クランの駄々など全く聞くよしもなかった。
201遊戯王風カオシックルーン第八話D:03/12/13 12:45 ID:sEAr56JB
病室に戻った二人。
迷惑かけた看護士の皆さんに、二人でペコペコと謝る。

クラン「ぶー」
クランはふくれっ面。
クラン「だってハカナ。ぜんぜん来てくれないしーーーーっ」
ベットの上で手足をジタバタさせるクラン。
それに飽きると今度は横になってゴロゴロと転がり、全くおちつきがない様子だ。
ハカナ「そんなことやってちゃ、いつまでたっても退院できないわよ!」
クラン「何を言うんだ!来週からはちゃんと学校に行くからな!」
ハカナ「なっ!」
クランの返答は一瞬であった。
今日は金曜日なので、どうやら本人はあと2日で退院する気満々らしい。
ハカナ「バ、バカなこと言ってないでじっとしてなさい」
クラン「だって暇だ!退屈だ!こんなとこにいたら、本当に死んじゃうよぉ!!」
ますます暴れ続けるクラン。
元気があり余ってる様を見せつけるかのようだ。
ハカナ「まったく。
    本当に何考えてるのかしらこのコは…ハァ」
ハカナも頭を傾かせてため息。

ハカナ「じゃあ、これいらないのね」
クラン「わぁい。私のデッキだ」
デッキを受け取ろうとする瞬間、ハカナは腕をひっこめた。
ハカナ「クランちゃんがおとなしくしないと、あげない!」
クラン「え…ええー。ええーーー。
    ………う…うん。わかった。静かにする…」
しぶしぶクランは言うことを聞いて、枕を抱きしめ静かになった。
202遊戯王風カオシックルーン第八話E:03/12/13 12:47 ID:sEAr56JB
ハカナ「じゃあ、私そろそろ帰るからね」
クランが思った以上に元気だったので、安心して帰ろうとするハカナだったが。
クラン「えーーーーーー。か、帰っちゃうの?」
急に泣きそうな表情になるクラン。
いきなりベットから飛び降りる。
ハカナ「ク、クランちゃん?」
クラン「痛ぁっ!!!!」
降りたとたん足に激痛が走り、その場に倒れる。
バタンと倒れて芋虫のように床を這いずるクラン。
ハカナ「まったくもう!」
ハカナはクランを抱きかかえてベットに戻す。
クラン「やだーハカナ。帰っちゃやだー!」
さらに暴れ続けるクラン。
何を言ってもいっこうに言うことを聞いてくれない。
ワガママいっぱいのクランに対し、ハカナもとうとう本気で怒ってしまう。
ハカナ「クランちゃん!いい加減にしなさい!
    私あなたのお姉さんじゃないのよっ!」
クラン(!)
ハカナの怒号にクランが暴れるのをやめて、目を潤ませる。
ハカナ「クランちゃんがそんなんだと、御両親だって心配するわよ!!!」
クラン「そんなのいないっ!!!」
ハカナ(え?)
クランがヤケクソ気味に放った一言がハカナの胸に深く突き刺さった。

しかし、今のハカナにそれが何故なのか聞くだけの勇気はなかった。

ハカナ「あ、明日は休日だから、朝から来てあげるから………ねっ?」
クラン「う…うん。絶対だよ…約束したからね………ぐすんっ」
なんとかあやかすと、指きりしてハカナは帰っていった。
203遊戯王風カオシックルーン第八話F:03/12/13 12:49 ID:sEAr56JB
その夜。夏樹家

ハカナはあの日のことを思い出していた。
クランがこの病院に担ぎ込まれた日のことだ。

ハカナはその日、意識が戻らないクランの側にずっと寄り添い
『クランが早く目を覚ますように』と、ただひたすらに祈っていた。

その時はクランのことばかり考えていて気にも止めなかったのだが、
今思い出せば奇妙なことに、あの日クランの家族は誰一人として現れなかったし
少なくともハカナが寄り添っていた間(1〜2日)はやって来なかった。

ハカナ「ねェ。お母さん。
    もし私が交通事故にあったら、すぐに病院にきてくれる」
母「あたりまえじゃない。どうしたの急にそんなこと聞いて?」
ハカナ「う…ううん。別に」

もしハカナが同じ目にあえば、家族は心配してすぐにでも飛んで来てくれただろう。

その夜ハカナは、床についてもなかなか寝付けなかった。
人様の家庭のことだから、何かハカナにはわからない事情があるのかもしれない。
それに踏み入れるような野暮な真似もしたくない。
しかし、クランの泣きそうな表情が頭から放れない。

ハカナは友達として聞くべきか聞かぬべきか、一晩中悩み続けた。
204遊戯王風カオシックルーン第八話G:03/12/13 12:51 ID:sEAr56JB
次の日。

約束通り病院に訪れたハカナだったが、またしてもベットの上にクランの姿はない。
そして、ベットの上には「探さないで下さい 棗クラン(丸文字)」という紙切れが………。
どうやら看護士達に心配かけないように、彼女なりの気遣ったつもりらしい。
しかし、それで済むはずもなく、またしても看護士にガミガミと叱られてしまうハカナ。
ハカナ(ク、クランちゃんーーーーーっ(怒))

ハカナが猛スピードで目指す場所は屋上だった。
案の定クランがそこにいた。
クラン「あっ。ハカナ。来てくれたんだね」
ハカナの気も知らず、とても嬉しそうなクラン。
ハカナ「クランちゃん!
    あなたどれだけ人に心配かければ気がすむのよっ!!」
さっそくクランを怒鳴りつけるのだが、クランは聞いていなかった。
クラン「見てみてハカナ!私もうこんなに歩けるようになったんだよ!」
ギクシャクしながらヨロヨロと歩くクラン。
ハカナ「ちょ、ちょっと危なっ」
予想通りにパタンと倒れてしまった。
クラン「い…痛ぁぁーーーい!」
クランは再び芋虫状態。
ハカナ「あぁ………本当になんなのよこのコは…」
怒りを通り越して、とうとうハカナもあきれはててしまった。

抱きかかえたクラン病室へと連れ戻そうとする。
クラン「いやぁいやぁ!病室なんかに戻りたくない!!(丸文字)」
ハカナ「………しょうがないなぁ…」
ベンチに座る二人。
クラン「わぁい。ありがとうハカナ」

やけに聞きわけがいいハカナだが、
それは彼女の胸に人前では聞けないことがあったからだった。
205遊戯王風カオシックルーン第八話H:03/12/13 12:53 ID:sEAr56JB
お花畑にいっぱいの屋上のベンチでクランとハカナは楽しくおしゃべり。

いつになく積極的に話してくるクラン。
寝てる間に話たいことがいっぱいあったのだろう。
めずらしく今日はクランが話のペースを握っていた。

薬が苦いとか注射がイヤだとか、看護士の誰々が怖いとか、レントゲンがどうのこうの
少しだけ歩けるようになってきたとか、そんな感じの話をどんどんふってくる。
それを、うんうんと優しい表情で聞いてあげるハカナ。
ときに「えらいね」とか「頑張ったね」等と褒めてあげる。

しかし、ハカナの頭の中は別のことでいっぱいだ。

やはり、クランの家族のことだった。
結局昨日一晩考えた結果、聞く決心、覚悟のようなものを決めていた。

今までの楽しい雰囲気を打ち破るかもしれないが、
ついにハカナが口を開く。

ハカナ「ねェ…クランちゃん」
クラン「何?ハカナ?」
ハカナ「ク、クランちゃんの両親っていったい?」
クランの顔が真面目なものに変わった。
206遊戯王風カオシックルーン第八話I:03/12/13 12:57 ID:sEAr56JB
ハカナは話を続ける。
ハカナ「ここに来て、まだ一度もあったことないけど………」
クランは先ほどまでとはうって変わって、貝のように口を閉ざしてしまっている。
顔をそむけて、表情こそ全くわからないものの、握られた両コブシはたしかに震えている。
周りの空気は張り詰めて、そして重い。
時間が凍りついたかのように静寂だけがその場を支配している。

クラン「お父さんとお母さんは…」
ついにクランがぼそぼそと語り始めた。
その小さな声を聞き逃さないように、息を飲むハカナ。

クラン「私が小さいころに私たちを捨てて………………失踪したの」

ハカナは胸が貫かれるかのような壮絶な感覚を受けた。

最悪の予想はしていた。
既に御両親が亡くなってるのではないかという予想は。
しかし、このクランの口から発せられた言葉はその想像を遥かに超えて衝撃的な内容。

ハカナは何も言えなくなってしまった。
考えてきた言葉も、頭の中が空白になってしまったかのように思い出せない。
何より、口が金縛りにあったかのように動かなかった。
今どんな表情をしているのかも自分ではわからなかった。

おそらくクランが一番言いたくないことをムリヤリ言わせてしまった、
ハカナの心には罪悪感が重くのしかかっている。
207遊戯王風カオシックルーン第八話J:03/12/13 12:59 ID:sEAr56JB
親に捨てられた子供は何を考えるのだろうか。
何を頼ればいいのだろうか?

幼いクランが一人で生きていくには、
家族に囲まれ幸せいっぱいに過ごしてきたハカナなどには
想像もつかないほど多くの苦労があったのだろう。
それでも、そんな苦労を微塵も見せず、天真爛漫に振舞ってきたクラン。

ハカナはやっと言葉を口にした。

ハカナ「クランちゃん………
    小さいのに大変だったのね…」

必死に涙をこらえてたクランだったが、
そんな風に慰められると、おもわず感情が高ぶってしまった。

クラン「う…うう…。
    子供あつかいするなあ!こう見えても16なんだから!
    うわぁ〜〜〜〜〜〜ん!!バカヤロォ〜〜〜〜〜〜〜!!」

本当はずっと辛かったのだろう。
今までこらえていたものを、全てはきだしたかのように号泣するクラン。
今は優しく抱きしめてあげるハカナ。
胸でクランの顔を隠して、気が済むまでめいいっぱい泣かせてあげるのだった。
208遊戯王風カオシックルーン第八話K:03/12/13 13:01 ID:sEAr56JB
クランの涙が枯れ果てたころ。

初めて他人に両親のことを打ち明けられたクランの胸は
逆に隠し事がなくなって、スッキリした気分になっていた。
もう、いつものクランに戻っている。

クラン「でも、両親なんかいなくても寂しくなんかなかったよ。
    お兄ちゃんが両親が失踪した後もずっーーーっと……
    私の面倒をみてくれたの……。
    私の側にいて、いつも私のことを一番に考えていてくれたから」
お兄ちゃんを語るクランの姿はハキハキとしており、とても嬉しそうだった。
ハカナ「ふーん。とってもいいお兄ちゃんなんだねェ。
    棗さんのお兄さんって」
クラン「うん。
    わたしの自慢のお兄ちゃん。
    とっても強くて優しくてカッコいいんだぞ。
    小さいころから体が弱くて、よく両親がいないのを理由に、
    イジメられてた私をいつも助けてくれたんだ」
ハカナ「ふーん。クランちゃんイジメられっ子だったんだ…。
    あっ!そっか!それで転向してきたころはあんなに肩肘はってたんだね」
クラン「もちろんだ!
    イジメられない為には最初になめられないようにしないとな。えっへん」
何故か自慢気なクランに、何かが違うと思うハカナだった。
クラン「今だから言うと。
    始めオマエが近づいてきた時、絶対にイジメっ子だとおもったぞ」
ハカナ「えーーーー。ひ、ひどいよクランちゃん!」
クラン「い、いや!も、も、もっもちろん、今はそんなこと全然おもってないから」

ついつい本音を暴露してしまい、あせってしまうクランだった。
209遊戯王風カオシックルーン第八話L:03/12/13 13:03 ID:sEAr56JB
ハカナ「あっ、そうだ。せっかくだからお兄ちゃんの思い出話とかあったら聞きてみたいなぁ…
    (クランちゃんがどんな子だったのかも話も聞いてみたいし)」
クラン「えっ?き、聞きたいの?」
待ってましたとばかりに目を輝やかせるクラン。
ハカナ「うん」
クラン「う〜ん、う〜ん。ど〜しよっかなぁ〜♪」
何故かじらす。
ハカナ「き、聞きたいよぉ」
その気にさせるハカナ。
クラン「よしっ!」
その気になったクラン
クラン「うーーーん。でもでも、何から話そっかなーー。
    言っとくけど私お兄ちゃんのこと話し出したら1週間あっても足りないよ。
    そ、そうだ!」

デッキを取り出し、その場にカードを並べるクラン。
ハカナの眼前には、大量のカードが広げられた。
ハカナ「?」
クラン「私のデッキはただ戦略だけで組んだものじゃないんだ。
    このカード1枚1枚に、お兄ちゃんとの思い出がたくさんつまってるんだ」
ハカナ(カードに………思い出がつまる?)
クラン「さぁ、どれでもいいから好きなの選んでみて」
ハカナ「えっ?選ぶ?
    なんだかよくわからないけど…じゃあヴォルボックスで」
クラン「うん。
    ヴォルボックスはね、
    いつもイジメられて泣いてる私にお兄ちゃんが初めて買ってくれたカードなんだ。
    ………私の一番大切なカード」

クランが目をつぶり、お兄ちゃんとの思い出を語り始める。
210遊戯王風カオシックルーン第八話M:03/12/13 13:04 ID:sEAr56JB
〜ヴォルボックスのエピソード〜

それはクランが幼稚園小組の時だった。
お兄ちゃんの迎えを待ちながら、一人園内の砂場で遊んでるクランにイジメっ子達がよってくる。
年端もいかないクランに対し幼稚園らしく言葉攻め。

イジメっ子「オマエがイイ子じゃないから親に捨てられたんだ」
イジメっ子「この前オマエのお父さんがクランが大嫌いだって言ってたぞー」
イジメっ子「や〜い。や〜い泣き虫クラン」
クラン「うえぇぇん。うぇぇぇん」
そこに先生が駆けつける。
先生「こらっ!何やってんのあなたたち」
イジメっ子「ちっ!先公だ!やべぇずらかるぞ!」
先生「だ、大丈夫?クランちゃん」
クラン「うえぇぇん。うわぁぁぁん」
そこに一人の中学生がやって来た。
クランのお兄ちゃんことマモルだった。
マモル「ど、どうしたんだ、クラン?
     な、何を泣いてるんだ?」
クラン「………」
マモルが来るとクランは泣くのをこらえて、何も言わなくなってしまった。

帰宅中。
クランとマモルは手を繋ぎながら一緒に帰る。
その途中、突然クランの足が止まった。
マモル「クラン?」
クラン「ねぇ。お兄ちゃん。どうしてお父さんとお母さんは
    私達を捨てていっちゃったの?
    私がイイ子にしてなかった捨てたって本当?
    お父さんが私のこと大嫌いって言ってたって本当?」
マモル「えっ…そ、それは…………」
クランの質問はあまりにも唐突だった。思わず言葉が詰まってしまうマモル。
211遊戯王風カオシックルーン第八話N:03/12/13 13:06 ID:sEAr56JB
クランの目が涙で潤んできた。
クラン「やっぱりそうなんだ。私が悪いんだ。うわぁああああああん」
マモル「そ、そんなことあるわけないじゃないか…お、おいっ泣くなよクラン」
なんとか慰めようとするマモルだがクランは一向に泣き止まない。
クラン「お父さんとお母さんに会いたいよ。うわああああああああああん」
マモル(こ、困ったなぁ…)
なんとかしようと周りを見回し、とある店に視線が移るマモル。
マモル「そ、そうだクラン。ちょっと待ってろ」
クラン「?」
急いで店の中に入っていくマモル。
数秒後、戻って来たと思ったらクランにあるものを差し出しだすのだった。
差し出したものは、カオシックルーンのブースターパックだった。
クラン「?」
マモル「ほらっ。クランにこれをやるよ」
クラン「な…なにコレ?」
マモル「クランの大好きなモンスターがいっぱい入ってるんだぞ」
クラン「…あ、あけていい」
封を開けるクラン。
一番上に入っていたのはヴォルボックスのカードだった
クラン「………」
微妙な表情のクラン。
クラン「キャア。カワイーーッ!」
マモル(ほっ)
クランの機嫌がよくなってマモルも一安心。
クラン「このコ、ぼるぼっくすっていうんだね」
マモル「クランはカタカナが読めるんだね。えらいな」
クラン「エヘヘ」
マモル「カワイイだけじゃないぞ。ほらっ。こうしてこうすれば。ヴォルボックス召喚」
マモルが何かをすると、カードから骨の手が飛び出してクランの腹をガッシリつかむ。
クラン「わぁ!!」
212遊戯王風カオシックルーン第八話O:03/12/13 13:08 ID:sEAr56JB
クラン「お…お兄ちゃん…?何コレ?」
クランの腹部にできあがった紋からヴォルボックスが飛び出した。
ヴォルボックス「ジャオ!」
クラン「わ、わぁスゴイ!」
マモル「どうだ…スゲェだろ!」
ヴォルボックスがクランの体を尻尾でつかんで、背中にのっける。
クラン「キャッ!キャッ!」
大満足のクラン。
マモル「よかったなぁ。ヴォルボックスもクランをとっても気に入ったみたいだぞ」
クラン「ぼるぼっくすの背中。とってもあったかいヨぉ」
マモル「これからは、イジメっ子がきてもヴォルボックスに守ってもらうんだぞ」
クラン「うん」
バシュバシュバシュッ。
マモル(えっ?なんでブラスト弾が?)
クラン「え〜と。なんて書いてるんだろう。わたしちゃんとカタカナぐらい読めるよ」
マモル「や、やめろ。クラン!」
クラン「ぶらすと(丸文字)」
ドドドドドーン。
デッキをもってないので、そのダメージはプレイヤー本人に直接やってくる。
バキャ!
ボト!
幼いクランの右腕がもげ落ちた。
クラン「いやっあああっ!!いたぁぁいッッ!痛いよぉお兄ちゃん!」
マモル「うわぁぁぁ!ク、クラン!」
ヴォルボックス「ジャオ」


ハカナ「そ…それは大変だったねぇ」
クラン「あはは。その時ブラストがどうゆう意味かわからなかったからねっ
    それに、当時のヴォルボックスの攻撃力は今より高めに設定されてたんだ」
ハカナ「でも、その後はイジメられずにすんだわけなのね?」
クラン「えっ?えと、そ、それは…」
213遊戯王風カオシックルーン第八話P:03/12/13 13:09 ID:sEAr56JB
〜ヴォルボックスのエピソードの続き〜

今日もイジメられているクラン。
イジメっ子「やーい。やーい。泣き虫クラン!」
クラン「うわぁあん」
石を投げつけてくるイジメっ子達。
周り助けてくれる人は誰もいない。
クラン「そ、そうだ。こんな時はヴォルボックスで!!…う…うーん。取れないヨぉ………」
ポケットに手を入れカードを取り出そうとするクランだったが、
あせってしまってなかなか取れない。
やっと取れたと思ったら今度は地面に落としてしまい、
それを、イジメっ子に拾われてしまった。
イジメっ子「なんだ〜?このカード」
クラン「いやぁ。か、返してェ」
イジメっ子「あ、これ知ってるぞ。テレビで宣伝してた。たしかこうしてこうすれば!」
なんと、イジメっ子がヴォルボックスを召喚してしまった。
ヴォルボックス「ジャオ」
クランに対して牙をむくヴォルボックス。
クラン「いやああ!」
イジメっ子「よしっ。ヴォルボックスそいつを喰いつくせ!」
ジャカッ!バシュバシュバシュ!
ヴォルボックスが制御棒から黒い球状形の口だけモンスター、
通称『ブラックパックン』を発射してきた。
クラン「いやぁ!いやぁ!ヴォルボックスやめてェ!(丸文字)」
ガブ ゾブ ガフッ ガフ ガフッ
グチャ ブチ ブチ ガシャ ゴリ
ガッ ガッ グチャ ボキ ガッ ボキ
服だけ食べられて全裸にされるクラン。
イジメっ子「ふぅん。女って本当にチンチンついてないんだな」
クラン「いやぁいやぁ!(丸文字)」

〜ヴォルボックスのエピソード終わり〜
214遊戯王風カオシックルーン第八話Q:03/12/13 13:12 ID:sEAr56JB
ハカナ(だ………だめじゃん)
クランはちょっぴり恥ずかしそうに照れ笑い。

クラン「ま、まぁ。次のカードを選んでよ」
ハカナ「カードに思い出がつまるって
     そうゆう意味だったのね。
     うん、わかったよ。
     じゃあ、次は何にしようかなぁ?」

楽しそうに次のカードを選ぶハカナ。

ハカナ「面白そうな話がいいなぁ。
     じゃあ、次はこれで」
クラン「おっアイテムカード『金属バット』だね。
    これは公園で悪いやつらにイジメられてた私を
    たまたま通りがかったお兄ちゃんが
    ヘルトラマンみたいにカッコよく助けてくれたお話だよ」
ハカナ「おっ。
    兄妹の絆とか期待できそうだね。
    私そうゆう話、大好き!」

ハカナが期待する中、
クランが目をつぶり、お兄ちゃんとの思い出を語り始める。
215遊戯王風カオシックルーン第八話R:03/12/13 13:14 ID:sEAr56JB
〜金属バットのエピソード〜

それはクランが幼稚園大組の時だった。

今日は公園でイジメられているクラン。
イジメっ子「棗っ!オマエ気持ち悪いんだよ!みんなが遊んでんの」
イジメっ子「いつも黙ってジロジロ見やがって」
イジメっ子「ここには来るなっって言ったろ!?このヤロっ!」
イジメっ子がバズ=ゴックスを召喚する。
クランのヴォルボックスに対抗して、おねだりして買ってもらったようだ。
さっそく、切れ味の実験台にされるクラン。
シパッ ジャラ ジャラ ジャラ ガシャン
パラッ!
星組の服をパラされた。
クラン「いやぁ(丸文字)」
泣き出すクラン。
イジメっ子「うひょ」
イジメっ子「じゃあ今度は、ぱんちゅもパラしちゃおうぜ」
クラン「いやぁやめてぇ!(丸文字)」
子供なのでその辺の性的配慮は全くないようだ。
絶体絶命の危機にたたされたクラン。
イジメっ子「やっちゃえバズ=コックス」
両脇のチェーンソーがクランを襲う。
そこにマモルがさっそうと現れた。
自慢の金属バットを召喚し、バズ=コックスの刃を受け止める。
クラン「あっ。お兄ちゃん………!!(丸文字)」
マモル「オイ!俺の妹に何するんだよ」
    ええ!?コラぁっ!」
ゴッ!
イジメっ子「ブゲッ」
有無も言わさずその顔面へと金属バットが振り抜かれた。
イジメっ子の鼻の骨は間違いなく折れただろう。
216遊戯王風カオシックルーン第八話S:03/12/13 13:15 ID:sEAr56JB
マモル「なんとか言わねェか!!」
バキッ!ドカッ!
妹を羞恥させられ完全にブチ切れてしまったマモルは、
倒れたイジメっ子に対してなおも金属バットで叩き続けた。
全身から血をふきだすイジメっ子。
イジメっ子の仲間達はマモルを恐れて逃げ出してしまった。
クラン「あ…………………………」
さすがにクランも止めに入った。
クラン「お兄ちゃんもうやめてェ!死んじゃうよぉ!」
振り返ったマモルの顔はイジメっ子の返り血で染まっている。
マモル「オマエのためにやってんだぞ!ナニ止めてんだよ!
    なめてんのかこのチビ!!」
ガッ!
クランの顔面に金属バットが炸裂!
その余りある怒りは、あろうことか今度はクランへ叩きつけらてしまったようだ。
クランは吹き飛ばされて地面に転がる。
グシッ!
さらに、倒れたクランの頭を踏み潰すマモル。
マモル「そんなんだからオヤジやオフクロにも捨てられるんだよ!
    オマエ俺にも捨てられたいのかっ!?」
鬼気迫るマモルの表情。
クラン「ごめんなさい………お兄ちゃん捨てないでぇ…」

ハカナ「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ったーーーっ!!」
クラン「ん?」
ハカナ「そ、それじゃあ、お兄ちゃんが悪い人みたいよ!!!」
クラン「あ、あれ?おかしいなぁ…?」
ハカナ「…き……聞かなかったことにするから別の話にしましょうね…はぁ…はぁ」
クラン「…ちぇ!これからがいいとこなのに………お兄ちゃん体操が………ぶつぶつぶつ」
話を中断させられて不服そうなクラン。

〜金属バットのエピソード未完〜
気をとりなおして
次にハカナが選んだカードはアイテムカード『ガラクタ人間』だった。
ブラストで誘爆させ強力な全体攻撃にするのはクランの十八番のコンボだ。

クラン「お兄ちゃんは普段はとっても優しいけど
    時にはとっても厳しいときもあったんだ。
    悪とか不正とか、そうゆうのだけは絶対に許せないんだ」
ハカナ「ふーん。ヘンタイとか変質者を許せないクランちゃんの
    アイゼンティティもそこからきてるのかもね」
クラン「私も悪いことしたときは、よく怒られてたりしたなあ…
    お兄ちゃんが親代わりだから私がいい子になるように
    厳しく躾けなきゃいけないってね」
ハカナ「な、なんだか嫌な予感がしてきたわ」

ハカナの心配をよそに
クランが目をつぶり、お兄ちゃんとの思い出を語り始める。
〜ガラクタ人間のエピソード〜

それはクランがピカピカの小学校1年生の時だった。

棗家。

マモルにルールを教わって
その日初めてデッキ組みに挑戦したクラン。

クラン「お兄ちゃん。みてみて私のデッキ」
出来上がったデッキを見てもらうクラン。
マモル「よくやったなクラン」
クラン「お兄ちゃん………」
大好きなお兄ちゃんに褒められて、幸せいっぱいのクランだったが…。
バキッ
突然マモルの狂拳がクランを襲う。
クラン「ブッ!!」
ドサッ
口から血を吐いて倒れるクラン。
さらに間髪いれず、今度は強烈な蹴りがクランの腹部を襲ってくる。
ドボッ
クラン「う………げぶぅっ!」
床を転がるクラン。
タンスにぶつかり、やっと動きが止まった。
痙攣して倒れてクランにマモルがゆっくり迫ってくる。
マモルから発せられる怒りエネルギーのようなものは凄まじく、
クランの肌までピリピリと伝わってきた。

マモル「だけどなクラン…お兄ちゃんはオマエになんて言った?
    同じカードは”3枚”までって言ったろぉ。
    なんでガラクタ人間が”4枚”もはいってるんだよ!」
その顔、まさに般若!!
マモル「お兄ちゃんの言うことをきけないならまた一人ぼっちにするぞ。
    いいのかそれで?」
低くドスの聞いた声。
圧倒的な迫力。
眉間によられたシワ。
コメカミに浮かぶ血管は今にもキレてしまいそうだった。
クランは恐怖した。
それは殴られる恐怖ではなく、孤独に対する恐怖。
両親を早くに失い、他人との付き合いが苦手なクランにとって
今ここで唯一自分を理解してくれるマモルにまで見捨てられてしまったら、
クランは本当にこの世で一人ぼっちにされてしまう。
クラン「いやぁ…!!
    ごめんあさい…お兄ちゃん…(丸文字)
    今度はちゃんと言うこときくよぉ………」
心の底から反省し、必死になって謝るクラン。
ギュ…!
兄のズボンに、しがみつく。
クラン「だから…お願いもう一人にしないでえ…」
静止がきかない涙。
すがるようなクランの眼差し。
そんなクランを兄マモルは優しく頭をなでてやる。
クラン「!」
マモル「置いていくもんか!オマエはたった一人の肉親じゃないか。
    ぶったりして悪かったなクラン。大丈夫か?」
傷ついたクランを優しく抱き上げるマモル。
先ほどまでの怒りが嘘のようだ。
クラン「うん。全然平気だよ!!」
マモルに許してもらえて、クランの顔にも笑みが戻った。
マモル「よし、じゃあ、お兄ちゃんもデッキを組むのを手伝ってあげよう」
クラン「うん」

〜ガラクタ人間のエピソード終わり〜
ハカナ(ひょ…ひょっとして………ク、クランちゃんって…
    ぎゃ…虐待されてたの…?)
ハカナは茫然自失としていた。
クラン「おい?ハカナ?ちゃんと人の話聞いてるの?
ハカナ「いやぁ。十分感動したわ!(棒読み)」
クラン「まったく失礼なやつだな!
    ま、真面目に聞かないならもう話してやんないぞっ!」
クランはちょっぴり不機嫌になってプンプン始めた。
ハカナ「ご、ごめんなさいクランちゃん」
ハカナ(そうだよ!きっとクランちゃんの誇張表現よね!
    そんなこと『あろうはずがない』わ!)

ハカナ「じゃ、じゃあ、もっと心温まるエピソードが聞きたいなぁ」
クラン「それはハカナの選ぶカードしだいだね」
ハカナ「う、う〜ん。じゃあこれで」

次にハカナが選んだものは、何故か潤滑竜グリスカントだった。

クラン「あっ。それはね
    小学校になってもまだイジメられてた私に
    心配したお兄ちゃんが護身用にくれたんだよ」
ハカナ「えっ?ヴォルボックスが守ってくれてたんじゃなかったの?」
クラン「ヴォルボックスは威力が強すぎるから危くてね。
    生身の人間をブラストするわけにもいかないだろ?」

クランが目をつぶり、お兄ちゃんとの思い出を語り始める。
〜グリスカントのエピソード〜

それはクランが小学校2年生の時だった。

棗家。

夜遅くマモルが帰宅。
クランとヴォルボックスが待っていた。
マモル「ただいまクラン」
クラン「あっ。お兄ちゃんおかえり。
    晩ご飯、今できたところだよ。
    お風呂とご飯どっちにする」
マモル「出来立てが食べたいからご飯にするよ。
    クランの学校の話もたまには聞いてやりたいし………なっ!!?」
マモルの顔が真っ青に。
居間に入った、マモルの目に移ったものは、
全身ところどころに絆創膏を張っている痛々しいクランの姿だった。
マモル「ど、どうしたんだクラン。ま、またイジメられたのか!」
クラン「う………うん」
マモル「オイッ!ヴォルボックス!テメェ何やってんだ!
    ちゃんとクランを守ってやらねェか」
ヴォルボックスに蹴りを入れるマモル。
ヴォルボックス「ジャオ!」
転がっていくヴォルボックス。
クラン「でも、でも、ブラストなんかしたら、みんな死んじゃうよぉ。ぐすっ」
どうやら相手を傷つけることを恐れてブラストできないらしい。
そんなクランに心を打たれたマモル。
マモル(………オマエはなんて優しいヤツなんだ。
    よし、じゃあ、もっと安全なカードを………。
    何がいいかな…………………そうだ!)
クラン「お、お兄ちゃん?このカードは?」
マモル「潤滑竜グリスカントだ、摩擦を0にするすごい竜だぞ。
    いいか!これからは、そのカードでヘンタイ共をブッ殺してやれ!!」
クラン「あ、ありがとうお兄ちゃん」
もらったカードを抱きしめるクラン。
クラン(でも『まさつ』ってなんだろう?)
小学生のクランには摩擦の意味はよくわかっていない。

次の日の学校
教室で休憩時間

どこからともなく1匹の白ウサギがやってきてクランの側によってきた。
クラン「わぁ。かわいいウサギさん」
しかし、なんだかケガをしているのか、ところどころが赤く染色している。
そこにイジメっ子達がドタバタとやってくる。
小学2年生らしく、どうやら小動物をイジメていたようだ。
なんと、その手には注射器がッ!?
クランの足に隠れガクガクブルブルする白ウサギ。
イジメっ子「おいっ棗っ!そこどけよ」
クラン「やめろっ!こんなことしちゃウサギさんが可愛そうじゃないか!」
小動物を守るため、果敢に立ち向かうクラン。
イジメっ子「なんだと棗のくせに生意気だ!」
イジメっ子「じゃあウサギの代わりにオマエをイジメてやる」
さっそくスカートずらされるクラン。
クラン「いやぁ(丸文字)」
イジメっ子「エヘヘ。今日も白パンツか」
クラン「か、返してェ!」
ヴォルボックスを召喚するクラン。
イジメっ子「ヘヘヘ!撃てるもんなら撃ってみな!弱虫クラン!」
クランが撃てないとわかってるからイジメっ子は全然怖がらない。
クラン(そ、そうだ。こんな時こそお兄ちゃんから貰ったあのカードで!)
ヴォルボックスをカードに戻す。
クラン「グリスカント!」
今度は全身から触手が生えた竜を召喚する。
イジメっ子「へへッ。モンスターなんかだしても、
      どうせ何もできないんだろ?」
イジメっ子「ほらほらー。やれるもんならやってみなー!」
攻撃態勢に移るも、クランは躊躇してしまう。
クラン(えーと。『まさつ』ってなんだろう…。
    お兄ちゃんのことだから、殺しちゃうような過激な能力かもしれないなぁ。
    『ブッ殺してやれ』とか言ってたし…。
    そうだ、とりあえず自分の体で効果を確かめてみよう!
    何かあってもデッキがあるから大丈夫だよね)
まず攻撃対象にしたのはクラン自身だった。
グリスカントの触手がクランを襲う。
スルッ
パンツが摩擦0になってしまった。
クラスメートが注目している中で、クランの下半身は丸出しに。
クラン「ああっいやっやあっ(丸文字)」
イジメっ子「うひょ」
突然パンツが落ちて、クランはなんだかわけがわからない。
そして、はきなおそうとしても滑ってしまって、はくことができない。
どうすればいいのかわからなくて、そのまま立ったままで泣いてしまうクランだった。
そんなクランにイジメっ子たちは祭りのような盛況ぶり。

担任「な、棗さん!あ、あなたそんな格好でいったい何やってんの!!!?」
担任は気絶してしまった。
クラン「うわぁぁん。先生!まさつがーっ!まさつがーーっ!!」

〜グリスカントのエピソード終わり〜
クラン「………」
ハカナ「………」
クラン「ハカナ…あんまり変なカードばかり選ばないでね…」
ハカナ「う…うん…ごめん………」

気をとりなおして、ハカナは次のカードを選択した。
そろそろまともなカードを選びたい。
選んだカードはアイテムカード『人間爆弾』だった。

クラン「あっ。それはね。
    お兄ちゃんが私の誕生日にくれたカードだよ」
ハカナ「おっ。今度はまともそうな話」
クラン「お兄ちゃんは、どこで働いてたかはよく知らないけど、
    新しいカード作るお仕事をしてたんだ!
    で、お兄ちゃんの作った第1号がそれなんだ」
ハカナ「ふーん」
クラン「そのカードはね、いつもイジメられてる私のために
    どうすれば、イジメられずにすむかって
    一生懸命考えて作ってくれたんだ」

クランが目をつぶり、お兄ちゃんとの思い出を語り始める。
〜人間爆弾のエピソード〜

それはクランが小学校3年生の時だった。

棗家。

今日はクランの誕生日。
ケーキの上にはロウソクが9本。
クラン「フッ!」
パチパチパチ
マモル「誕生日おめでとうクラン」
クラン「お兄ちゃん…ありがとう」
大好きなお兄ちゃんに祝ってもらえて幸せいっぱいのクラン。
マモルもとっても上機嫌だ。
マモル「ほらケーキ。イチゴがいっぱいのってるトコだぞ。
    おいしいか?」
クラン「うん」
マモル「クランのケーキなんだから好きなだけ食べていいんだよ」
クラン「ワーイ」
あんまり、あわてて食べるもんだからクランの口にはクリームやキジが口についている。

マモル「なあクラン ロウソク消した時、何をお願いしたんだい?」
クラン「ナイショだもーーん!いくらお兄ちゃんでも教えらんないよぉ(丸文字)」
クランもたまにはお兄ちゃんにイジメルを言ってみたいお年頃。
マモル「そんないぢわる言ってる子はプレゼントいらないのかな?」
クラン「ええ〜〜〜っ!?やだっやだぁ!(丸文字)」
マモル「ハッハッハッ冗談だよ。クランお誕生日おめでとう」
プレゼントを差し出すマモル。
クラン「開けていい?わぁ………」
期待に胸を膨らませクランはさっそく箱をあけた。
クラン「お兄ちゃん……コレ………?」
たいそう大きな箱の中には、見たこともないカードが一枚。
マモル「それがお兄ちゃんからのプレゼントさ。
    そいつは、お兄ちゃんが会社で企画して作ったアイテムカードの『人間爆弾』だよ。
    それをつけたプレイヤーがダメージをうけると自動的に爆発する。
    50m四方の物は塵一つ残さず消滅するすごいヤツだ。
    しかも一度取り付ければ誰にもはずせない。
    これがある限り誰もオマエをイジメられない。
    もちろんお兄ちゃんに逆らっても即ドカーンだ。
    さぁ、もしもの時のためにさっそく起動させようか。ンフフフ」
上機嫌なマモルはさっそくクランのワンピースを脱がして裸にすると、
その小さなお胸にとりつけてあげるのだった。
クラン「あ……ありがとう………お兄ちゃん……」
マモル「フフフ…ククク…」
クランの胸に嬉しそうに顔をうずめるマモルに、ちょっぴり照れてしまうクランだった。

そして次の日。

イジメっ子「オラオラ!なんだか知らねぇが悪いことしちゃうぞ」
最近、誰に影響されたのか金属バットを振り回すイジメっ子。
周りの生徒にもところかまわずヤツあたり。
小学3年生らしく反抗期なのだろう。
危なくて手がつけられない。
そこにクランが立ち向かう。
クラン「コラッ!みんなが迷惑してるじゃないか!やめろ!」
イジメっ子「なんだと!この!棗のクセに!」
クラン「言っとくけど、私を殴ったりしたら胸の爆弾が………」
イジメっ子「うるせぇぞ!このブス!」
バキッ!
説明する間もなく、さっそく金属バットが炸裂する。
激しく床に倒れるクラン。
カチッ!
クラン(ああっ!)
ダメージを受けたので人間爆弾がスイッチが入り作動開始してしまった。
爆発まであと3ターン。
クラン(ど、どうしようっ!)

クランが悩んでいる間にも、イジメっ子はまだまだ暴れ続けていた。
関係ない女生徒まで手を出し始めて被害は増していく一方だ。
クランはみんなのために意を決してもう一度飛び込んだ!
クラン「やめろーーー!」
イジメっ子「うわっ」
バタン!
激しい体当たりをくらさせて、イジメっ子を床へ押し倒した。
そして、その上から体を押さえ込む。
イジメっ子「何しやがる!テメェ!コラッ!放しやがれっ!」
クラン「こうなったら私……オマエと死ぬっ!」
イジメっ子に抱きついて心中を図ろうとするクラン。
しかしイジメっ子の体に比べてクランの体はあまりにも小さすぎる。
二人はもみくちゃになって床をころがり、
イスや机にクランの体が叩きつけられる。
それでもクランは決してイジメっ子の体に抱きついて放そうとはしなかった。
イジメッ子「て、てめぇ!いいかげんにしないとっ!!」
クラン「よんっさんっにいっいっち!ゼロ!」
ドオーーーーーン
教室中は爆発につつまれ、イスや机は全て吹き飛んだ。
ざわざわと人が集まってきたが、教室中はまだ煙につつまれたままだ。
クラン(うぐっ…い…痛いよッお兄ちゃん!)
全身に激痛が走っているがクランは泣かずに我慢。
イジメっ子「………いたいっ!いたいよーー。ままーーー。びええええええぇぇぇん」
逆にイジメっ子は号泣していた。
クランと違って痛みに慣れていないイジメっ子に、この激痛は耐えられないようだ。
そこにいつもの悪ガキの威風はまったく感じられない。

どうやら心中は大成功したようだ。
日ごろの恨みを晴らしてクランはなんとなく満足感につつまれた。
クラン(やったよ。お兄ちゃん)

煙が引いてきた。

廊下から生徒たちが、ざわざわと騒いでいる。

イジメっ子「オーーイッ棗!なにエッチなことしてんだよ!このヘンタイ!」
廊下からイジメっ子の仲間がクランに叫んだ!
クラン(えっ?)

爆発により、二人の服は全て消し飛んでいた。
クランがイジメっ子にガッシリと抱きついたまま状態で、
お互い顔が向き合ったまま地面に倒れており、クランが上でイジメっ子が下だ。
イジメッ子のまだ小さいナニは、ちょうどクランの秘所部あたりで押しつぶされている。
まるでクランがいやがるイジメッ子をムリヤリ犯してるように見えるかのような光景だった。

さらに、押し倒されたイジメっ子は助けを求めて泣き叫んだ。
イジメっ子「な、棗が俺の体にこんなひどいことぉ!!
   うわぁあぁん。もうお婿さんにいけないよぉー!」
クラン「なっ!?」
イジメっ子の仲間達が呼応する。
イジメっ子「うわぁ。棗の変質者!」
イジメっ子「オマエそんな趣味があったんだ」
面白がってクラス外まで噂を広め始めるイジメっ子。
クラン「やぁ、やめてぇ(丸文字)」
噂はたちまちに学年をこえて広がってしまい、野次馬達がよってきた。
生徒「やぁねぇ」
生徒「棗さんのえっちぃ」
生徒「ああゆうの『れいぷ』っていうらしいよ。姉ちゃんがいってた」
生徒「ちがうよ、あれセックルっていうんだよ」
クラン「いやっいやぁ!(丸文字)」
クランはダメージが大きくて、上からどこうにも体がまったく力が入らない。
クランが必死に体をゆすると二人の体に挟まれている
イジメッ子のペニスにちょうどいい感じに刺激が入っていく。
イジメっ子「あうっ。や、やめて棗ハァハァ」
クラン「な、なんなの!?何か硬いものが膨らんで、は、入ってくる!?」
小学生のクランにその意味はわからない。
担任「キャア!クランちゃん!あなたいったい何を」
クラン「あっ!せ、先生助けて!?」
状況を見た担任はあっというまに即倒した。
次に男の教師達がやってきた。
イジメっ子「先生!棗がいきなり僕の服をぬがして、こんなこと。びぇぇぇぇぇえん」
教師「な、な、棗ェェェ!!!!」
クラン「いやっ!ちがう!ちがうよぉ(丸文字)」
生徒達が注目するなか、生徒指導室に強制的に連れていかれるクランだった。

その後しばらくクランは同級生の間であだ名がヘンタイとしてさげずまれるようになった。

〜人間爆弾のエピソード終わり〜
ハカナ「………」
クラン「………」
クラン「オマエ………なんだか恥ずかしい話ばかりさせるな………
    ひょっとしてわざと選んでないか?」
ハカナ「そ、そんなこといわれても」

クランはコメカミをヒクヒクさせてかなり不機嫌な様子。

ハカナ「ごめんね。へんなことばかり聞いて」
クラン「ううん。別にいいよ。
    でもそろそろまともなの選ばないと
    本当に怒っちゃうからね。エヘヘ」
その目は笑っていない。
ハカナ「………」

ハカナが次に示したのはアイテムカード『改造手脚』だった。

クラン「あっ!それも、お兄ちゃんが私のために作ってくれたカードだよ」
ハカナ(え…なに?この悪寒は!?)

クランが目をつぶり、お兄ちゃんとの思い出を語り始める。
〜改造手脚のエピソード〜

それはクランが小学校4年生の時だった。
放課後の教室。

学校
イジメっ子「や〜い。棗!キチガイ棗」
イジメっ子「ついでにオマエのお兄ちゃんもキチガイ!キチガイ!」
クラン「ブッ殺してやる!」
そろそろ言葉使いも悪くなってきた年頃だ。

大好きなお兄ちゃんをバカにされて、すっかり頭に血に上ってしまったクラン。
やっとこさ小学校低学生並の小さな体で、
発育が良く、中学生はあろうかといういじめっ子に戦いを挑む。

イジメっ子「いでいでで」
ブラックパックンのように噛み付くクラン。
イジメっ子「こ、このアマーーーー!」
怒ったイジメっ子がクランの後頭部に金属バットを炸裂させる。
クランの頭は割れてドクドクと血が流しながらその場に倒れて動けなくなってしまった。

動けなくなたクランにイジメっ子達は次々と蹴りこんでくる。
イジメっ子「オメェの兄ちゃんはキチガイなんだよ」
イジメっ子「キチガイ兄!キチガイ兄ぃ!!」

その光景を止めるものは誰もいなかった。

クランの体はすっかり痛めつけられ、ボロボロの青あざだらけになってしまった。
イジメっ子「ヘヘヘ。ざまあみやがれ」
イジメっ子「俺様達に逆らうからこうなるんだ。クソが。ぺッ!!」
クランの頬にタンを吐き出し去っていくイジメっ子達。
その夜の棗家。
絆創膏だらけのクランがマモルと一緒に夕食。
マモル「オイックラン。
    どうでもいいけどお前も、もう10歳なんだから、
    もうそろそろ、やんちゃもやめて、少しは女の子らしくなってだな………」
クラン「おかわり!」
マモル「きょ………今日はよく食うな…もう4杯目だぞ?」
クラン「ガリガリガリ!」
あっというまに食べつくすクラン。
クラン「寝る!」
マモル「まだ7時だぞ?」
クラン「寝るったら寝るの!!」
そう言ったとたんにクランは席を立って、2階の自部屋に走っていくのだった。
マモル「オ!オイ!クラン!?」
ただ事でないクランの様子に心配したマモルが追いかけた。

クランの部屋の前。
マモル「な、なんだこりゃ!?」
驚愕するマモル。
部屋の外にはヴォルボックスが番人のように立っており、
床には一面にびっしりブラックパックンでうめつくされている。

近づこうとするマモルに対しブラスト弾をバシュバシュ飛ばしたり、
ガブリガブリと噛み付いたりしてくる。

それは誰も寄せ付けない今のクランの心の壁を象徴したかのようだった。

あきらめたマモルはしょんぼりしながら去っていった。
クランは部屋で布団に包まりながら独り言。
クラン「いっぱい食べて、たくさん寝て。早く体を大きくするんだ。
    そうすれば、あんなやつらに絶対お兄ちゃんをバカになんかさせないんだから。
    ううっ。ぐすん。
    うう、うわぁああああん。うわぁああああああああん」

大好きなお兄ちゃんをバカにされたまま、
何もできなかった無力な自分が余りに悔しくて、
枕をぬらすクランだった。

その様子を、いざという時のために作っておいた覗き穴からこっそり見守るマモル。
マモル「ク、クラン…!
    お兄ちゃんが絶対なんとかしてやるからな!!」

そして次の日。
一時間目が体育なので体操服姿のまま家を出るクラン。
クラン「行ってきます」
マモル「待て!クラン!」
玄関にはマモルが待ち構えていた。
クラン「お、お兄ちゃん?」
一枚のカードを差し出す。
各辺が丸いそのカードは、まだ製品化されていないカードの証。
マモル「俺が開発中の改造手脚。
    プレイヤーの手脚をカッチョイイよくする、すごいカードなんだ」
クラン「また新しいカードなんだね。すごいねお兄ちゃん」
マモル「じゃあ、さっそくとりつけてみようね」
クラン「えっ?いいの?製品化してないカードは普段からあんなにダメだって言ってたのに…?」
マモル「きょ………今日はクランが日ごろから良い子にしてるから特別だ!」
クラン「?」
さっそくクランの体操服を脱がして上半身を裸にすると、改造手脚をとりつけてやるマモル。
カチャ カチャ ウィーーーン カシュ
改造終了。
クラン「…」
マモル「…」
クランの両腕は一見シャープだがすごく頑丈で、
がっしりと安定した四脚の脚になってクランの体を支えている。
右足は鋭い刃物が装備され、左足は蟹バサミ形のアームとなった。
足と腕が逆転してなんだか変な感じのクラン。
だが、その姿にマモルは震えている。
マモル「カ、カッコイイぞクラン!」
大興奮のマモル。
彼の美的感覚のツボにはまったようだ。
クラン「そ…そう?」
ちょっぴり困った表情のクラン。
マモル「さぁ!その手脚はもう俺の言うことしかきかない!!
    オマエの意思なんて関係ないぞっ!さあ行けえっ!
    イジメっ子をブッ殺してこい!」
ギシャギシャ
クラン「わ、わぁ!体が勝手に」
マモル「ヒャヒャヒャ!」
クラン「いやあっ!!やだぁーーーっ
    お願い!止めてよぉーーーーーー!!」

異形の手足で上半身裸のブルマ姿のまま飛び出していくクラン。

近所の人「あらやだ?あの子何やってんのかしら?」
近所の人「あら奥さん。また棗兄妹ですよ」
近所の人「あんな子に話かけないようにウチの娘にも注意しとかなきゃ」

クランの意思とは関係なく改造四脚は街中を走り抜ける。
一般人「な、なんだ?あれ」
生徒「あれ?何あれ?棗さんじゃないの?」
クラン「いやあっ!止めて!止めてよぉお兄ちゃん!」
そのまま学校にたどりついたクラン。
イジメっ子はすでに登校済みだった。

イジメっ子「ケケケ!また棗が変なことしてらぁ」
面白がってよってくる。
クラン「逃げろ!早く私から離れろっ!」
マモル「ヒャヒャヒャ!バカが自分から近づきやがった」
さりげなくついてきたマモル。
すっかり悪ノリしてしまっているようだ。
さっそくクラン左足のカニ形アームがイジメっ子の首がガシッとつかむ。
イジメっ子「ぐっ!」
そのまま、右足の刃物でイジメっ子の背中をザックリと突き刺した。
イジメっ子「いてぇ!いでぇ!し、死ぬぅ!」
血で服がにじみだす。
刃物はイジメっ子の背中から引き抜かれると、再びザックリ。
イジメっ子「うぎゃあ!!!!!」
クラン「い、イジメッ子!大丈夫か!?」
生徒「キャアアアアア!」
平和だった教室は一気に地獄と化した、あたりは悲鳴で包まれている。
イジメっ子「ごめんよーーー棗。お、俺が悪かった。
      もう絶対イジメたりしないから。ゆ、許してくれ。びぇぇえええん」
イジメっ子は泣いて謝り始めた。
それでも無常に右足の刃物はイジメっ子の背中を何度も何度も突き刺し続ける。
クラン「いやぁーーーーー!!」
グシャ!グシャ!グシャ!
生生しい音が辺りに響く。
マモルはたいそう満足。
すでにイジメッ子は白目を剥いていた。
これ以上刺し続けたらイジメっ子の生命の危機だ。
マモル「さぁ!改造手脚!トドメをさせっ!!」
クラン「お…お兄ちゃん………やめてぇーーーーーー!
    お願い!止まれ!止まってェ−−−−−−っ!」
ガシャン!
クランが叫んだ瞬間改造手脚が止まった。

マモル「なんだっ!何が起きた!?」
予想外の出来事に動揺を隠せないマモル。
どうやら、まだテスト中で不完全だったのが幸いしたようだ。
しかし、これぐらいでマモルはくじけない。
マモル「クソがぁっ!いい気になんなよ!
    俺のオモチャはクランだけじゃねェんだよ!!バーカがぁ!
    ブッ殺せェッ!ガラクタ人間どもぉーーーっ!」
クラン「ヴォルボックス!
    そいつを喰いつくせっ!」
ヴォルボックス「ジャオ!」
ブラックパックンがマモルを襲う。
マモル「ま、まて!クラン!?お兄ちゃんはオマエのために!!
    うぎっ!ひゃべひいい!」

惨劇の後の教室。
中はイジメっ子とお兄ちゃんの二人の血で染まった。
ただ一人たたずむクラン。
クラン(さよなら………お兄ちゃん)

その後、クランに近づくものは誰もいなくなり
ますます孤立化を進めていくクランだった。

〜改造手脚のエピソード終わり〜
ハカナ「………」
気が遠のきそうなハカナ。
クラン「オイッ!ハカナ!!!」
ハカナ「ハッ!ク、クランちゃん!?」
クラン「キサマ!人がせっかく話してやってるのに
    寝てるとはどうゆう了見だ!!!!」
ハカナ「ごごご、ごめんなさい!!」
クラン「あぁ…もうイライラする。
    今度そんなことしたら私はもう帰るからな!!」

心臓に悪い話はもう結構な、
ハカナが次に手にしたカードは『電磁メス』だった。

クランが目をつぶり、お兄ちゃんとの思い出を語り始める。
〜電磁メスのエピソード〜

それはクランが小学校5年生の時だった。
そろそろクランもお行儀が悪くなってきたお年頃だ。

棗家。

クラン「うん。このプリンおいしいね」
マモル「コラッ!クラン!歩きながら食べるな」


クラン「おしっこ言ってくる!!」
マモル「食事中のそんな言葉はくんじゃねェ!
    う、うおおおおぉ!ご飯にハシが突き刺さってーーーッ!!」


クラン「この番組つまんないよぉ」
マモル「俺が見てんだよ!ゴルァ!!あ、足でリモコンを操作してんじゃねェ!」


クラン「ガリガリ ボリボリ ムシャムシャ」
マモル「寝転がりながらお菓子食べてんじゃねェ!」
バタバタ
マモル「さらに、足までバタバタさせてんじゃねェ!!」


クランのお行儀の悪さに、そろそろマモルも我慢の限界だった。
マモル「クラン!お兄ちゃんの言うことが聞けないのか!!」
それはマモルの最終警告。
クラン「いいじゃんか別にお兄ちゃんのケチ!」
ブチッ!
ついにマモルもマジ切れだ。
マモル「そうか……オマエまで
    俺に逆らうんだな………ククク…」
マモルのパラサイト=マニューバーが怪しい動きでクランを襲う。
ビュ! ビシッ!ビシッ!
クラン「!」
クランの体に触手が絡みついた。
マモル「そうゆうワガママはお兄ちゃん許さないぞっ!」
ググー
触手がクランの体を上へ上へと持ち上げていく。
クラン「あっ!!」
ビリビリビリッ!
さらにクランの服を全部引き裂いて丸裸にしてしまう。
実の妹の裸にして興奮するマモル。
こうなってはもう手がつけられない。
クランは恐怖におびえだす。
クラン「ああっやあっ…!(丸文字)」
マモル「悪い子だナ。クランは!!
    そういうききわけのない手脚はお兄ちゃんがチョン切ってあげよう」
マモルは静かに語りだした。
ジジジジジ
パラサイト=マニューバーの新機能、電磁メスがクランにゆっくりと近づいていく。
クラン「いやぁ!やめてお兄ちゃん」
必死に叫ぶクラン。
しかしこれで許すようなマモルでないことはクランが一番よく知っていた。。
ビュ ビシッ ビシッ ググーッ ジィーーッ
クラン「うああっ!やあっ……!痛ぁいっ!」
ボト ボト ボト ボト
クラン「あああーっ!」



クラン「そして嫌がる私にお兄ちゃんの電磁メスが四肢切断…」
ハカナ「いやぁ!も、もうやめてーーーーーっ!!」

〜電磁メスのエピソード強制終了〜
クラン「で、いいかげんそろそろ本当に
    まともな話がしたいんだけどナ?」
今にも大爆発しそうなクラン。

クランとしては、
本当は大好きなお兄ちゃんのいいところだけを話したいのに
なんだか悪いとこばかり伝わってしまっている。

たまたまハカナが選ぶカードが悪いだけかもしれないが
こうも連続で変な話ばかりさせられれば
わざとそうゆうカードを選んでるのではないかと、不信感を抱いている。
もちろんハカナに悪気はない。
ハカナとしても、もう虐待話や陵辱話はお腹いっぱいなので
そろそろ慎重にカードを選ぶことにした。
ハカナ(う、う〜ん。
    …『アル=マー』と『バズ=コックス』は論外ね
    …『ネア』と『シーラニクティス』は
    …………なんだか絶対に選んじゃダメな気がするわ!
    …『スク水首輪』………選びたいけど。ダメェ!絶対ダメェー!
    どうしよう。選ぶカードがないよぉ………)
クラン「早くしろ!」
クランはうずうずイライラしている。
ハカナ(ひぃ…そ、そんなこと言われても)
なんだか拷問させられてる気分になってきたハカナ。
ハカナ「そ、そうだ!
    じゃあソニックプラスで!」
クラン「………」

クランが目をつぶり、お兄ちゃんとの思い出を語り始める。
〜ソニックプラスのエピソード〜

クラン小学校6年生の時だった。

クラン「空を自由に飛びたいな」
マモル「ハイ!ソニックプラス」


一人商店街を歩くクラン。
目の前は人ごみでいっぱいだ。
クラン「くそっ。何かのイベントでもやってんのかなぁ…?
    人が多くて通れないよ」
入り込もうとしても、体の小さいクランは跳ね除けられてしまう。
クラン「ここ通らないと家に帰れないのに………。
    そ、そうだ。ソニックプラスに運んでもらえばすんなり通れるね」
最近カードの力を有効利用することを覚えたクラン。
クラン「ソニックプラス召喚!」
ソニックプラス「キュエ」
クラン「ソニックプラス!私を掴んで、あっちまで連れて行って!」
ソニックプラス「キュエ」
クラン(うん。私ったら頭いい!)
自画自賛のクラン。
ギュ!
クラン「こ、こらぁ!!このバカ鳥!
    ど、どこつかんでんのよ!」
ソニックプラスはなんとクランの下半身、
つまりスカートとパンツをつかんで持ち上げ始めた。
人前で半ケツ状態にされて赤面するクラン。
ソニックプラス「キュエ?」
クラン「だ、だから、つかむんだったら腕にしろといってるんだ!!」
クランがジタバタと暴れ始めるとクランの体が逆さまになってしまい
スカートとパンツが一気に足からずれて落ちてしまった。
ドシャ
クランはそのまま地面に激突。
クラン「い、いたい。ん?」
大衆達がクランのお尻を見ている。
クラン「いやぁ!(丸文字)」
クランもそろそろ人に見られるのも恥ずかしくなってきた年頃だった。
しかしその瞬間、何者かがクランの両腕を掴みんで持ち上げた。
なんとソニックプラスだった。
今度はクランの前まで丸出しに。
大衆「うひょ」
クラン「いやぁ!(丸文字)」

どうやらソニックプラスは、
先ほどクランが言った腕をつかめという命令を忠実に実行しているようだ。
そして、そのまま、ゆっくり浮かび始めてる。
足先が浮いて、クランの秘所部は大衆達に露出中。
クラン「いやああ!や、やめてえ。(丸文字)
    やめて!止まれ!降ろせ!ソニックプラス」
泣きながら命令するクラン。
ソニックプラス「…」
ソニックプラスはその場で何故か停止。
クラン「えっ?どうしたのソニックプラス」
クランの足先は数10センチ浮いた状態のままだ。
カードはもともと、ゲームに使うものだ。
ゲーム以外の使用は基本的に禁じられているし
仮に召喚しても複雑な命令を実行させるのは不可能である。
もともと、そういった風には作られていないからだ。

にもかかわらず、クランは私用で召喚。
その上、連続で命令しすぎたのでソニックプラスは壊れてしまったようだ。


クランの両腕はソニックプラス掴まれて上につり上げられた状態で
足はダラリとして、足先は地面から数10センチ浮いたままのクラン。
どんなにジタバタしてもソニックプラスは決して手を放さないし
このままでは逃げることも地面に座り込むこともできない。

一般人「うひょ。スゲェぜ」
クラン「いやぁ!いやぁ!お願い見ないでっ!」
その場で、大衆達にピンク色の秘所部を見られ続けるクランだった。

この陵辱は、クランがソニックプラスをカードに戻せばいいと気づくまで続くのであるが、
小学生のクランには、それに気づくにはまだまだ時間がかかるのであった。

クラン「うわぁああああああ。ソ、ソニックプラスなんて大キライだぁ!」
ソニックプラス「キュエ?」

〜ソニックプラスのエピソード完〜
ゲームオーバー。
クラン「ハ、ハカナなんて、もう大嫌いだ!顔も見たくない!」
クランは顔をトマトのように真っ赤にさせて怒っている。
最後までカード運のなかったハカナだった。
ハカナ「ご、ごめんなさいクランちゃん!!」
ハカナが謝るも、クランは聞かない。
泣きながらその場から全力で離れて行く。
が、また転んでしまう。
もう、モゾモゾとしか歩けない。
クラン「う、ううっ………」

ハカナ「ク、、クランちゃん!」
ジタバタするクランに近づてきたハカナ。
クラン「うるさい!オマエの手なんか借りるか!!
    一人で起きれる!
    寄るな!触るな!近づくな!」
大好きなお兄ちゃんを完全に誤解されてしまってクランは大激怒。
完全にハカナを嫌ってしまった。

そんなクランをハカナはなだめた。
ハカナ「わ、私は兄弟いないからよく分からないけど………。
    いいお兄さんがいて幸せだね。クランちゃんは。
    あぁー。私もそんなお兄ちゃんが欲しいなぁ」
クラン「そ、そう…。
    そ、それさえ、わかればいいんだ」
クランはたちまち機嫌を戻した。
クラン「ハカナがお兄ちゃんの良さをわかってくれて私も安心したよ」
ハカナ「うん。今度是非会って見たいなぁ…」
クラン「………」
ハカナ「私気に入ってもらえるかしら?」
クラン「う………うん。………ハカナだったら絶対気に入ってもらえるよ」
しかし、クランの顔は何故か暗い。
ハカナ「本当?よかった」
クラン「で、でも………もう、無理だよ」
ハカナ「えっ?」

しばらく間が開いた後、クランが言葉を続けた。

クラン「だって。お兄ちゃん………一年前に事故で死んじゃっただもん」
ハカナ(!)

ハカナの胸に再び衝撃が走った。

クラン「…」
ハカナ(そ、そうか…
    親を亡くして、今度は大好きなお兄ちゃんまで………
    もう、本当にクランちゃんは天涯孤独に…)
クラン「うっ…ううっ」
もう、十分泣いたはずなのに、再びクランの目に涙がたまり始めてきた。
しかし今度は、ハカナはクランが泣き出す前に抱きしめた。
クラン「ハ…ハカナ?」
ハカナ「じゃあ、これから私がクランちゃんのお姉さんになるわ!」
クラン「えっ!!?」
あっけにとられたようなクランの表情
ハカナ「私…1人っ子だからクランちゃんみたいなカワイイ妹がいたらなあって。
    クランちゃんがお兄さんの話をしてる時、
    こんな妹がいて羨ましいなって思ってたの」
クラン「………」
ハカナ「だから、クランちゃんはもう一人ぼっちなんかじゃないよ」
クラン「ハ…ハカナぁ」
クランは目にいっぱい涙を溜めている。
しかしそれは悲しいからではなかった。
ハカナも、すでにクランの涙をうけとめる準備は万全だ。
しかし突然クランが豹変。我に返る。
クラン「………………………
    バ…バ…バカにするな!
    な、なんで同級生のオマエがお姉さんなんだ!
    こ…子供扱いするな!!」
ハカナ「えっ?」
クラン「も、もう帰るぞ!しゃべりつかれた!」
ハカナの腕から飛び降りるクラン。
クラン「痛いッ!」
やっぱり地面に倒れるクラン。
まだまだ歩くのは無理のようだ。
今度は背中におぶってあげるハカナ。
クラン「じ、自分で歩けるっ!」
ハカナ「もう、クランちゃんたら。暴れないでよぉ」
クラン「だっ!だれがクランちゃんだ!子供扱いするなと何度言わせれば!!ギャーギャー!」

ハカナ(ああっ。おっかしいなぁ…。
    本当ならあそこで抱きしめあって。感動のシーンだったのに………)
ガッカリした感じのハカナ。
しかし、ハカナの方からは見えないが、背中におぶられたクランの顔はとっても幸せそうだった。
クラン(ハカナの背中…大きくて暖かい…
    まるで、お兄ちゃんみたいだ…)
背中をギュッと抱きしめるクランだった。
病室に戻る道中。
階段を下りながら。

思い出したようにクランが口を開いた。
クラン「あっ。そうだ!」
ハカナ「なぁに?クランちゃん」
にっこり微笑んで答えてあげるハカナ。
気分はすっかりお姉さんだった。
クラン「カードの数だけお兄ちゃんの思い出があるの」
ハカナ「?」
クラン「私のカードはまだまだあるから
    ま た 、 い つ で も 聞 い て ね
    絶 対 だ よ !
    ………ンフフフフ……」
不敵な笑いを浮かべるクラン。
ハカナ「うん。クランちゃん」
背中に寒気が走るハカナ。


ハカナ(いやぁ…もう聞きたくないよぉー!!)
第八話 終わり


小ネタ集のつもりだったのに
長くなりすぎて、すいません○| ̄|_
250名無しさん@ピンキー:03/12/13 14:34 ID:R2zP/RNU
うおおおおおーーー!!モツカレーー!!
リアルタイムで見させていただきました。
あなたのセンスは最高でつね。自分はパステルクランの方書いてる者なんですが、
やっぱり自分とは才が違うなぁー・・・・と思いました。
でも、めげずに逆に触発されました。よーし、書くぞーー!!
そーらーを自由に、飛びたいなー♪ には笑いました。
次回も期待してまする!!
251名無しどん:03/12/13 14:40 ID:55RTo7tS
>>249
お疲れ様でした〜
漏れもリアルタイムで読ませて頂きました
相変わらずGJ!

よーし、私もそろそろ絵を描くぞー!
252名無しさん@ピンキー:03/12/14 00:43 ID:7IOCf2Wn

な、長い…
読むのに小1時間ほどかかったよ。
書くのには一体何時間かかったのだろうか?
激しく気になる。
253名無しさん@ピンキー:03/12/14 01:09 ID:T2o9DsHP
すげ…良くこれだけのものを。

>195
んじゃ科学とかはおいといて本来ならば死んでしまうような苦痛を受けながらも、
精神的な死である発狂も死も迎えられずにいる内に過剰な脳内麻薬によって快楽に支配される、という方向で。
254名無しさん@ピンキー:03/12/14 01:26 ID:mZ0mMGJ3
>>249
 _n  グッジョブ!!
 ( l     _、 _ 
  \ \ ( <_,` )
   ヽ___ ̄ ̄ ノ
     /  / 
いつもご苦労様です。

ところで、ゲビルたんは腰の骨の部分が性感帯と思うんだがどうか?
タツミんに爪でカリカリやられたりして悶えるんだよ、きっと。
255パステルクランの人:03/12/14 01:36 ID:Ts/5bSmY
それでは、投下しまっせ。
リョウガを見舞いに行ったも、『ぼるぼっくす』がなかった為にハカナに
やられてしまったクラン。
クラン「くそ・・私にも『ぼるぼっくす』さえあれば・・・!!」
何度もそう思いはしても、神さまに逆らう訳にも行かず、動くに動けない状態のまま
『ぼるぼっくす』が失われてから一週間が過ぎてしまった。
クラン「そうだ!!」
何か思いついた様に手をポンと叩くクラン。
クラン「元々『ぼるぼっくす』はお兄ちゃんに買ってもらったんだった!!
まだ売ってるかも知れない!!どこで買ってもらったっけ・・・たしか・・・
爆張のデパートだ!!」
爆張のデパートへと急ぐクラン。
一方、こちらはハカナ。
ハカナ「はぁ〜・・・リョウガ、いつになったら退院できるんだろう・・・。」
放課後、リョウガの事を考えながら公園でブランコに揺られるのが、ここの所の
ハカナの日課になっている。
ニュッ!!
後ろから伸びてきた手が、ハカナの胸をわしづかみにする。
ハカナ「きゃあっ?!」
ハナコ「やっほ〜♪」
なんと、後ろから現われたのはクラスメイトでハカナの大親友のハナコだった。
ハカナ「なんだハナコ・・・おどかさないでよ!」
ハナコ「何こんな所でブランコなんか・・・・またリョウガ君の事でも
考えてるのぉ?」
ハカナ「ちっ、違うわよ!!それより何の用?!」
からかわれてハカナはご立腹である。
ハナコ「そんなに怒らないでよ。今日はいいお知らせがあるんだから♪
ちょっと待ってね・・・」
そう言うと、ハナコは鞄の中をあさり始めた。
ハナコ「ジャーン♪」
ハナコが取り出したのはケータイのチラシだった。
ハカナ「ケータイ・・?どうしたのよケータイが?」
ハナコ「聞いて驚けっ!!今、爆張でケータイの無料配布やってるの!!
しかも最新機種の!!」
ハカナ「えっホント?!」
ハナコ「うんうん♪ハカナも一緒に来てくれるよね?」
ハカナ「当たり前よ!私達、親友じゃない!!」
そろそろケータイを買い換えたいと思っていたハカナは、ハナコの誘いに
喜んで乗った。
ハカナ「でさ、爆張のどこなの?」
ハナコ「デパートよ。爆張デパート!!そこのフロアホールでイベントをやってるの!」
騒ぎながら爆張デパートへと向かうハカナとハナコ。
そして、こちらはリョウガ。
リョウガ「くそ・・・・いつまでもこんな所に入院してられるかよ!!
って言うか、本当の所金払えねーよ!!まだローンもあるのに・・!!
くそッ!!それもこれも、全部あのパステルクランとか言う幼女のせいだ!!」
かなりいきりたっているリョウガ。
リョウガ「そうだ!!こういう時は・・・ひとまず退却ッ!!」
運良くリョウガの病室は一階だったので、窓を開けてリョウガは外に出た。
リョウガ「とは言え・・・家も壊されちまったし・・・・どうしようか・・・。
一応少しは金は持ってるけど・・・なんか食い物でも買うか。」
お腹の減っていたリョウガは駐車場を挟んで隣の爆張デパートに行く事にした。
ハカナ「やっと着いた!!ここのフロアホールだよね・・・。」
デパートに着いたハカナとハナコ。
ハナコ「私知ってるから。ここ、よく来るし・・・着いてきて!」
フロアホールへと向かう二人。
クラン「はぁ・・・はぁ・・・着いた・・・。」
クランもデパートに到着したもよう。
クラン「『ぼるぼっくす』・・・・まだ売ってるかなぁ・・?」
不安になりながらもデパートの中に入っていくクラン。
リョウガはと言うと、まだ病院の前に立っていた。
リョウガ「この病院とも今日でお別れか・・・。」
なぜか別れを惜しんでいるリョウガ。
看護婦「あっ!!あなたは確か・・・105号室のリョウガ様!!なぜこんな所に?!」
リョウガ「げッ?!やべェ!!」
草むらに隠れてやり過ごしたリョウガ。
ハカナとハナコは、ケータイももらい終わって帰る所だ。
ハナコ「あっゴメン!!私用事あるんだった!!じゃあね!!今日は付き合ってくれて
ありがと!」
フロアホールでハナコと別れたハカナ。
ハカナ「バイバーイ。」
駆けていくハナコの後ろ姿を見送りながら手を振るハカナ。
手に入れたばかりのケータイをいじりながら、デパートから出ようとしたその時。
ゴンッ!!
クラン「うっ?!(丸文字)」
ハカナ「きゃあっ!!」
何かにぶつかった。
起き上がったハカナがスカートをはたきながら声をかける。
ハカナ「いててて・・・大丈夫・・?」
ハカナはまだ相手が誰だかわからない。
クランがなんとか立ち上がる。
ハカナ「小学生なのに、泣かないなんて偉いわね!!僕何年生?」
ハカナはクランを男の子と勘違いしているようだ。
クラン「死ねッ!!」
クランがハカナの手を払いのける。
ハカナ「!?あ・・あなたはこの前の・・・」
クラン「誰が小学生だ!!!私はこう見えても16だぞ!!ブッ殺してやる!!」
小学生扱いされたクランは完全にイッてしまっている。
ハカナ「ええ?!あなた16だったの!?」
クラン「・・ただでさえ『ぼるぼっくす』が見つからなくてムカムカしてたのに・・!!
許さない・・・絶対許さない!!」
ヤバい雰囲気である。
クラン「こうなったらこっちのバトンで・・・・」
クランが予備のバトンを取り出す。
ハカナ「!!ポカポカっ!!」
それを見たハカナはすぐさまポカポカを呼び出す。
クラン「はッ!(丸文字)」
クランのバトンでポカポカが真っ二つになる。
ハカナ「馬鹿ね!!ポカポカは切っても分裂するだけよ!」
ポカポカは二つに分かれ、体液が飛び散る。
クラン「うわッ?!」
それをかわすクラン。
クラン「・・馬鹿?・・・私が?」
ハカナ「偏差値の低いフレーズが馬鹿の証拠よっ!!」
クラン「私を怒らせて冷静さを奪う作戦だな・・・・
そんな見え見えの作戦に、私が乗ると思っているのか?!
でも・・・やっぱムカついたからキレちゃおう!!」
クランの眼がグルグル眼に。
クラン「切って駄目なら、突くまで!!」
クランのバトンがポカポカを貫く。
二つにはなっていないので、ポカポカは分裂する事ができない。
ハカナ「いやぁ!!ポカポカぁ!!」
クランはポカポカの突き刺さったバトンを満足そうに振り回す。
クラン「串刺しアタック!!どうだ!!」
何に影響されたのであろう。
そのままクランはバトンを持って走り出す。
ハカナ「待って!!」
ハカナがクランの後を追うが、足の速いクランには追いつけない。
クラン「ついて来れるならついて来いッ!!真夜中の狂い咲きサンダーロードを
どこまでもなッ!!」
キレてしまったクランは手のつけようがない。
クランはバトンを持ったまま失踪。
ハカナも見失いそうになったその時。
ゴンッ!!
クラン「きゃあッ?!(丸文字)」
何かに激突。本日二回目だ。
リョウガ「ぐ・・・ん?!確かお前・・・!!」
クラン「・・・あっ!!」
クランがぶつかったのはリョウガだった。
ハカナ「リョウガ!!何でこんな所にっ?!」
リョウガ「ハカナ!?・・・もう俺なら大丈夫だから・・・」
ハカナ「もう退院したの!?」
リョウガ「ま・・・まぁそんな所だ。」
ハカナ「そうなんだ・・・よかっ・・きゃっ!?」
ハカナが急に吹き飛ぶ。
何か飛んできたようだ。
リョウガが振り向くと、そこには怒りに震えたクランが立っていた。
ハカナ「う・・・」
ハカナが起き上がると、足元にはポカポカ付きのバトンが転がっていた。
リョウガ「ハカナ大丈夫か!?・・・おいお前・・!!」
クラン「リョウガぁ・・・ブッ!!」
リョウガの腕がクランを吹き飛ばす。
クラン「う・・あう・・・げふぇッ!!」
更にリョウガは倒れたクランの腹を蹴りつける。
リョウガ「お前・・・遊びのつもりでやってるなら許さねェぞ!!」
クラン「・・いやぁ!!ごめんなさいリョウガぁ!!(丸文字)」
リョウガ「今回だけは許さねェぞ・・・!!皮を剥いてから食べてやるッ!!
デス=レックス!!」
???「やはり我なら丸ごと喰らうな。」
リョウガが叫ぶと、どこからともなく巨大な竜が現われた。
そう言えば、リョウガにはリョウガの両親を喰い尽くし、異常なまでに巨大化した
縁日で買ったトカゲ『デス=レックス』(リョウガ命名)がいたのだ。
前の時は負けてしまったリョウガだが、クランは『ぼるぼっくす』を失い、
こちらにはデス=レックスがある。今回は勝てそうだ。
クラン「・・わぁい、怪獣ガネゴンだぁ♪悪い怪獣はこのヘルトラマンが倒してやる!
喰らえっ!!ヘルトラレーザ・・・ぐえッ!!」
クランを尻尾ではたき飛ばすデス=レックス。
クラン「い・・いた・・・ひぎッ!?」
倒れこんでいるクランをすぐに持ち上げるデス=レックス。
デス=レックス「戦慄しろ!今より汝の身に起こる恐怖に!!」
デス=レックスが軽く腕をひねると、クランの体から鈍い音が鳴り響く。
ボキッ、ベキッ、グシャ。
ハカナ「いやぁ!!!」
その音を聞いたハカナは駆け足で逃げてしまった。
デス=レックス「フンッ!!」
デス=レックスがクランを地面に叩きつける。
クラン「う・・・あ・・・ああ・・・・・・。
か・・・勝てない・・・あんな・・・化け物・・・。」
すっかり戦意を失ったクランは地面を這っている。
デス=レックス「どこへ行く?!まだ食事は終わってないぞ!!」
クラン「いやあっ!!(丸文字)」
男「やめろよお前!!」
女「ほんとよ!!可哀相に・・!!」
それを見ていた周りの人々が止めに入る。
リョウガ「喰らい尽くせデス=レックス!!」
女「いやああああ!!」
因果喰いが炸裂。
男「う・・うわあああ!!くそッ!!これでどうだ!!バズ=コックス!!」
その男もカードを持っていたらしく、機械系のモンスターが現われた。
グチャ。
デス=レックスが一瞬で踏み潰す。
リョウガ「こんなオモチャが1両600万ドルですか。まさに国費の無駄使いですね。」
男「ぎゃああっ!!」
潰れた男を見て笑い、クランの料理に戻るリョウガ。
だが、その時には既に回りは包囲されていた。
警察「そこを動くなッ!!」
リョウガ「何ッ!?」
誰かが通報したようだ。
リョウガ「やれデス=レックス!!」
デス=デックスがパトカーを食べた。
警察「パ・・パトカーを喰った・・・・?!」
デス=レックス「つまらぬ物を喰わすな!!」
その勢いで警察を殲滅するデス=レックス。
辺りはもう血の海である。
リョウガ「ハハハ!人がゴミのようだ!!」
クラン「うあ・・・・」
恐怖のあまり足がすくんでいる上に骨が折れ、逃げられないクランは
未だにその場にいた。
クラン「お願い・・・助けて・・・」
リョウガ「今更何を・・・」
クラン「やあッ!!」
一瞬の隙をつき、クランはお得意の魔法で回復。
リョウガ「なッ・・・?!」
クラン「リョウガのバカッ!!」
クランはリョウガのチ○コを蹴り上げると逃げてしまった。
リョウガ「ぐ・・うう・・・あの幼女・・!!」
リョウガは涙目でクランの後ろ姿を睨みつけた。
その後、クランは周囲の人々や警察によって無事保護され、
リョウガはそのまま警察に取り押さえられ、署まで連行された。
警察「お前を殺人暴行、及び器物破損の容疑で逮捕する!!」
リョウガ「ちょっ、ちょっと待ってくれよ!!やったのは俺じゃなくてあの竜だろ!?」
警察「でも、あの竜はお前が召喚したんじゃないか!!お前の味方じゃないのか?!」
リョウガ「違うんだ・・・わかんねェ・・なんであの竜が俺に着いてくるのか
わからねェんだ!!」
警察「・・・・・」
リョウガ「俺も、あの食いしん坊のおかげで色々困ってきた・・・・
俺も被害者の一人なんだ!!俺はあの竜の謎を突き止める・・・・
だから、それまでは捕まれないんだ!!」
警察「・・・わかった。君がそこまで言うのなら、信じてみるとしよう。
だから、今後は極力あの竜を見張って、何もしないよう管理してくれ。わかったな?」
リョウガ「はい・・・。すいませんでした。」
上手く言い逃れたリョウガ。
リョウガ「ちッ・・・あの幼女、逃がしちまったじゃねェか・・・
サツもウゼェな・・・。」
いつからこんなに怖いお兄さんになったのだろう。
デス=レックスの登場により、さらに激化したパステルクラン編!!
クラン、リョウガ、ハカナ・・・・この三人の戦いはまだ終わらない・・!!
265パステルクランの人:03/12/14 01:45 ID:Ts/5bSmY
えー・・・遊戯王風に感化されて一気に仕上げてしまいましたが・・・
どうでしょうか?一応いつもより長めなんですが。
第五話も頑張りますよぉ!!
266名無しさん@ピンキー:03/12/14 09:32 ID:chQoCAN5
キャラの中に別の人(ゲイリーやら機界サラリーマンやらリュウセイやら)が
乗り移ってるのにワラタ。
リョウガ、ハジけすぎ。
どんどん黒くなってるし。

ハッ!?実はそうゆう話だったのでしょうか!?
267名無しどん:03/12/14 11:34 ID:1O8KsadH
>>265
おつー
話しが予想もしなかった方向に(゚∀゚;)

>>266
私が考えてた時はそういう話ではありませんでしたw
268パステルクランの人:03/12/14 18:37 ID:Ts/5bSmY
またまたいくぜぃ!!
デス=レックスによって右腕の骨が折られてしまったクラン。
爆張デパートの事件以来、クランは『ぼるぼっくす』を失った上に
人間界で恥をさらしたという事ですっかり『落ちこぼれ』のレッテルを貼られてしまい、
魔法界にいられなくなってしまった。
そこで人間界で暮らす事を決めたクランは、リョウガ達のいる渋屋区立中央高校に
転校してくる事になった。
キーンコーンカーンコーン!!
今日も、授業開始5分前のチャイムが鳴る。
ここはハカナのいるクラス。
ハカナ「でね、それでこの前ハナコと別れた後・・・・」
ハナコ「え〜!?リョウガ君に会ったの!?良かったじゃない!!」
ハカナ「それはそうなんだけど・・」
ガラッ!!
教室の扉が開き、先生が入ってきた。
皆「おはようございま・・・えっ!?」
先生の後ろに、右腕に包帯を巻いた物陰があるのだ。
先生「えー・・コホン。この子は、今日からこの学校で皆と過ごす事になる
転入生の棗クランさんだ。腕を痛めているから、気をつけてやってくれ。」
おぼつかない足取りでクランが教室に入ってくる。
クラン「・・・・・。」
ハカナ「えっ!?・・・あの子・・」
先生「・・・ほら、自己紹介して。」
クラン「えっ・・・あ・・・私は棗クラン・・・。今日からここで皆と一緒に暮らす事に
なるから、仲良くしてください・・////。えっと・・得意な事はお兄ちゃん大好き体操!
好きな物はお兄ちゃんです!!」
し〜ん・・・。
急に教室が静まり返る。
先生「・・・・と、とりあえずあの夏樹さんの隣に席が空いてるから座って。」
ハカナ「・・ジロジロ・・・」
ハカナが隣に来たクランの様子をうかがう。
クラン「フンッ」
ハカナ「ムッ!」
二人の視線が、空中でぶつかっては見えない火花を散らせている。
先生「それでは、1限目の授業を始める。礼!」
そうして、1限目の授業が始まった。
先生「教科書の42ページを開いて・・・・」
ハカナ「バチバチバチ・・・・」
クラン「バチバチバチ・・・・」
二人は授業どころではない。
キーンコーンカーンコーン!!
そうこうしている間に、1限目の授業が終わってしまった。
ハカナ&クラン「「バッ!」」
二人は授業が終わるが否や同時に立ち上がった。
ハカナ「・・とりあえず廊下に出ましょう。」
クラン「・・わかった。」
廊下に出て行く二人。
ハナコ「どうしたんだろ?転入生の子と二人っきりで・・ハカナ知り合いなのかな?」
廊下に出た二人。
ハカナ「あなた・・・棗クランさんって言うのね・・・」
クラン「そうだ・・。」
ハカナ「どうしてこの学校に来たの!?リョウガがいるからっ?!」
クラン「ち、違うよぉ!!魔法界から・・・追放されたんだよぉ!!(丸文字)」
涙目のクラン。
ハカナ「魔法界・・・?」
クラン「そう・・私は魔法界の住人・・だから魔法が使えただろ?!
でも、ここの所失敗ばかりして追放されちゃったんだ。」
ハカナ「そう・・なんだ・・・。でも、あなたリョウガとどういう関係なの?!」
クラン「そっ、それは・・・・・」
クランは恥ずかしながらも、人間界をうろついている内にリョウガに惚れてしまった事、
だけど気持ちが伝わらない事、全て洗いざらい話した。
ハカナ「・・・・。」
ハカナは複雑な気持ちだった。
ハカナ「でも、この前リョウガはあなたにこんな酷い事を・・」
クランの右腕に巻かれている包帯を指差しながらハカナが言う。
クラン「これは自業自得だから・・・・リョウガが入院してただろ?
あれ、私のせいなんだ。」
ハカナ「ええっ!?」
クラン「だから、リョウガにちゃんと謝りたいんだ。」
ハカナ「・・・私も協力してあげる!!」
クラン「本当!?」
ハカナ「うん!」
リョウガに謝りたいと願うクランに、謝るだけなら、と思い、
協力してあげる事にしたハカナ。
リョウガのクラスは、ハカナ達の隣のクラスである。
ハカナ「じゃ、放課後謝りに行こう!」
クラン「うん!」
ハナコ「二人とも!!早くしないと、2限目始まっちゃうよ!?」
ハカナ「あっ!!そう言えば次は体育だ!!早く着替えないと!!」
手早く着替え、体育館へと向かう三人。
先生「こらっ!!遅いぞ!!」
ハカナ&クラン&ハナコ「すいませ〜ん・・・。」
キーンコーンカーンコーン!!
丁度チャイムが鳴り、授業が始まる。
先生「それでは、2限目の授業を始める!!礼!」
先生「まずは準備体操だ!!1,2,3,4!!」
クラン「お兄ちゃん大好きっ!!」
皆「・・・は?」
クランの特技、お兄ちゃん大好き体操が炸裂してしまった。
クラン「あ・・・う・・・わ、忘れてくれ!!」
一方、こちらはリョウガ。
2限目はリョウガの嫌いな物理である。
リョウガ「く〜・・・眠い・・。それに、まだあちこちが痛いし・・・!!
あの野郎・・!!」
リョウガの机の中に入っている針でグサグサに刺された人形には、
「パステルクラン」と大きな字で書いてあった。
リョウガ「早く終わんねェかな〜・・・かったりィ。」
先生「では、塩化アルミニウムと酸化硫黄を混ぜると、どのような化学反応が
起こるでしょうか。」
リョウガ「わかるかボケェッ!!」
ガリガリガリガリ!!
わからない腹いせに、机の中のパステルクラン人形を
シャーペンで引っ掻き回すリョウガ。
そして時は流れ・・・今日も全ての授業が終わった。
ハナコ「ねえハカナ、今日私の家で一緒に宿題しない?」
ハカナ「・・悪いけど、私今日ちょっと用事あるんだ・・・ごめんね。」
ハナコ「じゃあ、私もう帰るね。バイバーイ!」
ハカナ「バイバーイ。」
ハナコを見送るハカナ。
ハカナ「・・それじゃあクランちゃん・・・」
クラン「な、棗さんと呼べ!!」
ハカナ「え・・・じゃあ棗さん、リョウガの所行こっか。」
クラン「・・・うん・・ありがと・・////」
ハカナのやさしい態度に、クランも思わず照れてしまう。
リョウガの教室を覗く二人。
リョウガ「・・・やっと終わったぜ・・・」
クラン「・・あ、あのっ!!」
クランが教室の中に入る。
リョウガ「パステルクラン?!」
クラン「もう私はパステルクランじゃない!!今日からは棗クランだ!!」
リョウガ「どっちでもいい。棗クラン、この前あんだけボロ雑巾みたいにやられといて、
まだ懲りてねェのか?!」
ハカナ「違うのリョウガ!!」
ハカナも教室に入ってくる。
リョウガ「ハカナ?!なんでお前まで・・・」
ハカナ「棗さんは、今日からこの学校に転入してきたの!!」
リョウガ「何だと!?」
リョウガが眉をひそめる。
リョウガ「クラン・・・お前のようなウジ虫は、この学園から捻り出さねばならない!!
他の生徒にも悪影響だからな!!」
どこかで聞いたような嫌な教師っぽいセリフを吐くリョウガ。
リョウガ「デス=レックス!!」
また、巨大な竜が現われた。
生徒「きゃああ!!」
それを見た生徒達は、教室から出て行ってしまった。
クラン「・・!!」
クランも予備のバトンを出す。
ハカナ「ちょっ・・・待ってよリョウガ!!戦うつもりじゃないの!!」
リョウガ「何だよハカナ?お前まで邪魔するのかよ?」
ハカナ「・・・リョウガの馬鹿っ!!ポカポカ!!」
ハカナがポカポカを呼び出す。
ハカナ「ポカポカは、倒しても二つに分かれるから攻撃しても無駄なの!
だから大人しく棗さんの話を・・・」
リョウガ「そんなカバ公、喰っちまったら終わりだぜッ!!デス=レックス!!」
デス=レックスがポカポカを飲み込んだ。
ハカナ「ああっ!!」
リョウガ「ハカナ、お前はもう帰って・・・・っておい?!デス=レックス!?」
デス=レックスの口から、大量のポカポカが溢れ出てきた。
そのままポカポカは、デス=レックスの目や鼻、口に進入!!
デス=レックス「もがああぁぁぁッッッ!!!!」
その場に倒れ込むデス=レックス。
その衝撃で、リョウガの机からパステルクラン人形が落ちた。
リョウガ「あ・・・・」
クラン「・・!!酷い・・・これが私・・?!」
パステルクラン人形は、ペンで突付かれすぎて中の綿が脳のように出ている。
ハカナ「リョウガ・・・・いくらなんでも、これはあんまりよ!!」
リョウガ「うるせェ!!俺はもう帰るぞ!!」
リョウガがバックを持った瞬間、バックから何か落ちた。
クラン「ん?・・・・・それは・・!!」
リョウガ「やべェ!!」
なんと、リョウガのバックから落ちたのは、『ぼるぼっくす』であった。
クラン「な、なんでそれをキサマが・・・・・」
リョウガ「ちっ!!病院の外に落ちてたんだよ!『ぼるぼっくす』って書いてあったから
お前のだとわかったけど・・・」
クラン「そんな?!私の『ぼるぼっくす』は確か神さまの使いに持っていかれたハズ・・
間違って落としたのかも・・・リョウガ、それを返してッ!!」
リョウガ「やだねったら、やだね♪」
クランの手の届かない高い所に『ぼるぼっくす』を持ち上げるリョウガ。
クラン「おねがい返して!!それは亡くなったお兄ちゃんの、大切な形見・・・」
リョウガ「あっそ」
グシャ!!
地面に落とした『ぼるぼっくす』をリョウガは踏みつけた。
ハカナ「リョウガ!!なんて事・・!!」
プチッ!!
クランの方から、何か危ない音がした。
クラン「・・・・もう許さないッ!!リョウガなんか死んじゃえ!!はぁッ!!」
クランのバッシュがリョウガのチ○コに命中する!!
リョウガ「ぐふぇッ!!」
リョウガが吹き飛ぶ。 
その隙に、クランは『ぼるぼっくす』を取り返す。
ハカナ「よかったわね!クランちゃん!」
クラン「棗さんだ!まあ、でも今はいいよ。『ぼるぼっくす』も取り返せたし。」
クランも上機嫌だ。
リョウガ「くそ・・・」
ハカナ「リョウガ!!棗さんに謝りなさいよ!!」
リョウガ「なんで俺が!!」
クランは、初めは謝ろうと思っていたが、『ぼるぼっくす』もリョウガが隠していて、
おまけにあんなパステルクラン人形まで見てしまっては、謝る気など失せてしまった。
リョウガ「いい加減にしろよ・・・俺の家まで壊しておいて・・・
二人して・・!!『あるまー』!!」
リョウガが叫びながら道具箱からカッターを取り出した。
ハカナ「!!ポカポカっ!!」
ポカポカが飛び出すが、『あるまー』が切り裂く!!
ハカナ「ポカポカは二つに分裂するのよ!!」
ポカポカはハカナの言う通り二つに分裂したが、体液は飛び散らなかった。
ハカナ「え?!」
リョウガ「体液が腐食性の竜か・・・使い方がなってないな。
血が飛び散るようなトロい切り口じゃないんだ、俺の『あるまー』は!」
クラン「そ・・そんな凶器なんか振り回しやがって・・・!!」
リョウガ「うるせェ!!お前の『ぼるぼっくす』だって似たようなモンだろ!」
クラン「うぐ・・・・」
すっかりリョウガが優勢。
ハカナ「リョウガに一度痛い目みさせてやりたいけど・・・そうだクランちゃん!
ちょっと耳貸して!」
ハカナが何か思いついたようだ。
クラン「・・・・わかった!」
リョウガ「作戦タイムはおしまいか?」
ハカナ「ポカポカッ!!」
ポカポカがリョウガの体にへばりつく。
リョウガ「だからなぁ・・効かねェって・・・」
クラン「ブラストッ!!(丸文字)」
リョウガ「な、なに!?」
クランが『ぼるぼっくす』でポカポカをすかさずブラストし、
リョウガはかわしたものの『あるまー』にポカポカの体液がかかった。
ハカナ&クラン「やったぁ!!」
クラン「見たか!私達の、ポカポカボンバー大作戦!!」
リョウガ「俺の大事な刃にキズつけやがって・・楽に死ねると思うなよ!
この幼女が!!」
リョウガの『あるまー』がクランの服を切り裂く!
クラン「いやぁ!(丸文字)」
リョウガ「刃が傷んでるせいで綺麗に切れなかった・・・お前らのせいだぞ。
どうしてくれる・・・・・どうしてくれんだよおぉッッ!!」
リョウガが発狂。
『あるまー』を振り回している。
クラン「ブラストッ!!(丸文字)」
リョウガ「ぐえ!!」
クラン「もう止めろ!!キサマに勝ち目はない!!」
ハカナ「そうよリョウガ!!棗さんは、リョウガに謝ろうと思ってたんだから!!」
リョウガ「え・・・?」
それを聞いてリョウガの態度が一変。
リョウガ「どういう事だよ・・・?」
ハカナ「棗さんは、リョウガの家を壊した事をずっと謝ろうと思っていたの!」
クランがリョウガの事が好きだった事はあえて言わないハカナ。
リョウガ「・・・・」
ハカナ「だけど!!リョウガだって棗さんの『ぼるぼっくす』を隠してた・・・
だから同点よ!!もういいじゃない?!私達、本当は仲良くなれるハズだよ?!」
必死に説得するハカナ。
リョウガ「謝ろうとしてたって・・・本当なのか?・・・クラン・・・?」
クラン「・・・うん・・・。」
リョウガ「そうだったのか・・・・。じゃあお互い様だ!!」
男らしくキッパリと『あるまー』をしまうリョウガ。
『ぼるぼっくす』と家とでは、全然レベルが違うという事は
本人達には言わない方がいいのであろう。
ハカナ「じゃあリョウガ・・・・」
リョウガ「ああ。もう許してやるよ。でもなぁ・・・俺家ないからな・・・」
クラン「そうだ!!」
クランが何かを閃いたようだ。
クラン「リョウガの家を壊しちゃったのは私なんだし、私の家に来ればいいよ!」
ハカナ「ちょっと!!」
リョウガ「え・・・でもいいのか?」
クラン「大丈夫!!私の家、私以外誰もいないし・・・・来てくれた方が嬉しいよ!」
リョウガ「そうか・・・じゃあ悪いけどそうさせてもらうか。
それにしても悪かったな。お前に両親もいないなんて知らなくて俺・・・」
クラン「ううん、そんなの全然いいよ!」
憧れのリョウガと同棲(?)できる事が決まって嬉しくてたまらないクラン。
リョウガ「実は俺にも両親がいないんだ・・・」
クラン「えっ?!」
リョウガ「実はな・・・」
同じ境遇の者同士、思い出話をしながら帰るクランとリョウガ。
夕日に照らされる二つの後ろ姿を、明らかに暖かいのとは違う眼差しで見つめる人が
ここに一人・・。
ハカナ「・・・・クランちゃんのバカあぁぁぁーーーーーー!!!!!」
トゥービーコンティニュー・・・・・・

     終わりッス。
280パステルクランの人:03/12/14 18:48 ID:Ts/5bSmY
いやぁ、敵キャラ出さないと書きにくいったらありゃしない。
今回で一応クランとリョウガ和解した事だし、次あたり敵キャラ出してみますか。
ではでは、第六話も頑張りますんで。じゃ。
281名無しさん@ピンキー:03/12/14 19:41 ID:chQoCAN5
す…すげぇ。
いい意味で全く展開が読めねぇ…w

>血が飛び散るようなトロい切り口じゃないんだ、俺の『あるまー』は!」
どんなカッターなんだw

>リョウガ「俺の大事な刃にキズつけやがって・・楽に死ねると思うなよ!」
吹きだしました。

次回もすごく楽しみにしてます。
それにしても仕事早いですね!
282名無しさん@ピンキー:03/12/15 12:11 ID:Iza7Xopg
なんかここ最近はリョウガが倒した相手の存在を肩代わりするネタでも流行ってるのか?
キレ過ぎだぞ(w
283名無しさん@ピンキー:03/12/15 15:46 ID:PUg7eidS
てか、今度は黒ハカナんが出てきそうでガクブル
次回も期待してます。
284名無しさん@ピンキー:03/12/15 23:08 ID:gyVrZFRs
漏れは遊戯王風の久々に登場したマモルタンにハァハァした
285パステルクランの人:03/12/16 18:12 ID:oT8BAtO9
いくぞヴォルボックス!!
クラン「おーい朝ご飯の準備ができたぞー!!」
新妻らしく(?)裸エプロンのクラン。
リョウガ「おう!!サンキュ!」
そう、リョウガはクランの家で暮らす事になったのだった。
お互いに両親がいないという事を知り、急に仲良くなった二人。
リョウガ「ってなんだこれ?!これが朝ご飯か?!」
クラン「うん!!私の大好きな苺のケーキ!!よくお兄ちゃんが
買ってきてくれたなぁ・・・」
思い出をしみじみと語るクラン。
ボゴオッ!!
クラン「はぐっ?!(丸文字)」
裸エプロンに容赦なく蹴りを入れるリョウガ。
リョウガ「朝ご飯は白米と味噌汁と魚の煮物!!そんな日本人の常識もわからんのかァ!
そんな奴は日本人などやめてしまえっ!!」
クラン「・・ひっく・・・ごめんなさいリョウガぁ・・・
私が悪かったよぉ・・!!」
リョウガ「わかればいいんだ。さっきは蹴ったりして悪かったな。もう大丈夫か?」
クラン「うん。平気だよ♪」
リョウガ「そうかそうか。じゃ、そろそろ学校に行こうか。」
クラン「うん!」
急いで制服に着替えるリョウガとクラン。
今日も地獄へと出発だ。
ハナコ「・・それで、私言ってやったのよ。」
ハカナ「・・・・・・」
ハナコ「・・聞いてる?!今日のハカナ変だよ?!」
ハカナ「・・・・えっ・・あ・・ごめん・・・・」
一方こちらは、同棲生活を始めたリョウガとクランが気になって仕方がないハカナ。
ハナコ「大丈夫?表情が晴れてないけど。」
ハカナ「大丈夫よ!!失礼ね!!」
ハカナは妙にピリピリしている。
そろそろ学校が見えてきた。
ハカナ「・・・あっ!!あれは・・・・」
何かを見つけたようにハナコを置いて走り出すハカナ。
ハナコ「ハカナどうしたんだろう・・・あの先に何か・・ってリョウガ君じゃない!!」
リョウガ「大丈夫なのか、その右腕・・・・」
クラン「気にしなくていいよ。キサマだってこの前まで怪我だらけだったじゃないか。」
ハカナ「リョウガっ!!」
リョウガ「!!・・・なんだ、ハカナか。」
クラン「おはようハカナぁ」
ハカナに対し、何の敵意も持っていない所か、この前協力してもらったと思っている
クランは滅多に見せない笑顔でご挨拶。
ハカナ「ギロ」
が、ハカナに睨み返される。
ハカナ「ど、どうなの?生活の方は?」
リョウガ「どうって言われても・・・昨日の今日だしなぁ・・・。」
ぼんやりとした回答にハカナは苛立つ。
クラン「別に問題ないよ。リョウガも優しい所あるし・・・」
ハカナ「ギロ」
リョウガ「ま、それなりだ。じゃあなハカナ!」
クランを連れて行ってしまったリョウガ。
ハカナ「ムカムカムカムカ」
ハナコ「・・はぁっ・・・はぁっ・・・・どうしたのよハカナ・・?急に・・・」
ハカナ「ギロ」
そして、昼休み。
リョウガとクランは仲良く屋上で昼食。
リョウガ「・・あっクラン、待ったぞ!!」
クラン「ごめんごめん、人が多くて・・・」
不器用なクランはカレーの王子様ことリョウガとは違い、いつも購買部で買っているので
遅れてしまうのだ。
リョウガ「で、何買ってきたんだ?」
クラン「ナイショだもーん。(丸文字)」
リョウガをからかうクラン。
リョウガ「そんなワガママ言う子は、俺のウインナーがいらないのかな?」
クラン「そんなのいやいや!!パンケーキだよ。」
袋からパンケーキを取り出すクラン。
ドカッ!!
クラン「ひゃあっ!!(丸文字)」
リョウガの足によって転がるクラン。
リョウガ「はしを使わずして喰う物飯とは言わん!
はしを使わずして喰う者人とは言わん!そんな事もわかんねェなら、人間やめちまえ!」
クラン「あう・・・もうしないよぉ・・・」
リョウガ「そうか・・・。ならいいんだ。ほら、俺の弁当一緒に食べよう!」
右腕が折れているせいでなかなか立ち上がれないクランを起こしてやるリョウガ。
クラン「あのねリョウガ・・・・話があるんだ・・・。」
リョウガ「ん?」
リョウガ「ハカナに嫌われてる気がする・・・?」
クラン「うん・・・・」
リョウガ「そんな・・・まさか。」
クラン「気のせいだといいんだけど・・・・・」
その頃のハカナ。
ハカナ「ふぅ。ご飯も食べたし、図書室にでも行こうかな・・・・」
ハカナは借りていた本を返そうと図書室に向かっていた。
ハカナが渡り廊下を歩いていたその時!
ハカナ「・・・!!あれは・・・・」
渡り廊下の窓から、屋上で一緒にご飯を食べているリョウガとクランの姿が眼に入った。
ハカナ「まったく・・!!ぶつぶつぶつ・・・・きゃっ?!」
曲がり角を曲がろうとした瞬間何かにぶつかった。
トウマ「うっ?!どこ見て歩いてんだテメェ!!・・・ってハカナか!」
ハカナ「いてて・・・・トウマ?!」
トウマ「ったく気をつけろってんだ!!こっちはただでさえ先公に呼び出し喰らって
胸クソ悪いのによォ・・・・ちッ!こんな時にリョウガの野郎がいれば
丁度いいサンドバッグになるのに・・・!!」
このトウマという男は、ボクシングを習っていて喧嘩っぱやさでは校内1の不良である。
ハカナ「トウマ」
トウマ「ん?」
ハカナ「リョウガなら屋上にいるわよ。」
トウマ「なに?!嘘じゃねェだろうな。」
ハカナ「そう思うなら行ってみれば?」
トウマ「・・・わかったよ・・それにしても、なんでお前がそんな事教えやがるんだ?」
ハカナ「さてと。図書室図書室っと。」
そのまま素通り。
トウマ「・・???」
一方屋上では・・・・
リョウガ「そうか。その『ぼるぼっくす』はお兄さんに買ってもらったんだな。」
クラン「うん!これがないとブラストできないから困るんだ。」
ブラストできないと困るというクランの私生活に問題はないのだろうか。
クラン「『ぼるぼっくす』を買ってもらったのは・・・」
クランがしんみりしながら『ぼるぼっくす』を振っていると、手から離れて
転がっていってしまった。
転がっていた『ぼるぼっくす』が男子生徒の足に当たって止まった。
リョウガ「ああ、悪いけどこっちに投げてもらえないか。」
トウマ「おらよッッ!!」
全力投球。
リョウガ「ぶへッ?!」
『ぼるぼっくす』の先についている可愛い(?)湿ったカンシャク玉のオブジェが
リョウガの頬骨をどつき飛ばす。
リョウガ「いって〜・・・・一体何すん・・・ってお前!!」
そこに立っていたのはトウマだった。
トウマ「よおーっよおーっ!!見せつけちゃってくれるねェーーーー!!
ハクい女とお楽しみかい?色男!」
リョウガ「トウマ・・?!」
トウマ「こんな昼間っからラブシーンとはいい度胸だな!
デス=レックス使いの兄ちゃんよォ!俺は今チョーご機嫌ナナメなんだ。
ちょっと付き合ってもらうぜェ。」
リョウガの飼っている人食いトカゲことデス=レックスは学校でも有名である。
クラン「キサマ・・・・私の『ぼるぼっくす』とリョウガに何するんだ?!」
トウマ「おいリョウガァ。せいぜいその幼女を守ってやる事だな!!・・・・」
クラン「なっ誰が幼女だ!!どいつもこいつも幼女扱いしやがって・・・」
トウマ「テメェと一緒に、アスファルトのシミにしてやっからよォ!!」
リョウガ「クラン・・・よく見てろよ・・・・俺の闘いを!」
トウマ「とは言っても、ここは屋上。重量的にデス=レックスは使えねェよなァ?
お前はカード遊びなんかつまんねェって言ってたけど、そのカードの恐ろしさを
体で覚えさせてやるっ!!エクス=マンティス!!」
トウマの頭からカマキリのモンスターが現れた。
リョウガ「な・・・お前そんなカードどこで・・?!」
トウマ「ブースターパック」
リョウガ「・・・・・」
絶体絶命!!デス=レックスの使えないリョウガなんて飛べない鳥!!
どうなってしまうのか・・?
トウマ「おら!!エクス=マンティス、カマカマ乱舞!!」
エクス=マンティスの巨大なカマが、クランの制服をパラす。
クラン「いやぁ!(丸文字)」
リョウガ「お前・・!!」
トウマ「へへっ。彼女パラされてブチ切れかい?まあ、こんな幼女パラした所で
こっちは何にも楽しくないワケだが・・・・」
クラン「ブッ殺してやる!!ブラストォーッ!!」
トウマ「おっと!!」
エクス=マンティスがトウマを守る。
リョウガ「お前は右腕折れてんだから無理するな。」
クラン「うう・・」
左手で『ぼるぼっくす』を持っているが、右腕は使えないので
パラされた制服をよせる事もできない。
トウマ「おいおい。隠さなくていいのかよ?モロ見えだぞ?」
クラン「う、うるさいっ!!やったのはキサマだろう!!」
とは言ってもパラされたのは制服だけなので、シャツが見えているだけだ。
リョウガ「くそ・・・デス=レックスが使えねェなんて・・・そうだ!!
俺には『あるまー』があったじゃねェか!!」
ポケットから『あるまー』を取り出したリョウガ。
トウマ「・・こっちにはモンスターがいるんだ!!今更カッターなんて何でもねェぜ!」
リョウガ「奈落へ落ちろッ!!」
そんなトウマにリョウガが有無を言わさず突進。
トウマ「!!エ、エクス=マンティス!!」
エクス=マンティスの硬い皮膚で『あるまー』が止められる。
トウマ「何すんだよいきなり・・・」
クラン「ブラスト!!(丸文字)」
トウマ「げぇッ!!」
エクス=マンティスを『あるまー』に使っている隙にクランのブラストが炸裂。
リョウガ「今だ!!」
リョウガが『あるまー』をペロリと舐める。
トウマ「ちょっ・・・ちょっと待ってくれ!!流血騒動はよくねェって!!
流血はヤバイって、な?!お前だって問題になるの嫌だろ?!」
リョウガ「あいにく俺の『あるまー』は血が飛び散る様なトロい切り口じゃないんだ。」
トウマ「(な・・何を言ってるんだコイツは?!なんかやべェぞ!!
なんかコイツすげェやべェぞ!!)」
トウマのDNAが危険信号を発している。
トウマ「う、うわああああああ!!」
なんとかリョウガの『あるまー』をかわしたトウマ。
トウマ「く・・くそォ!!」
トウマは近くにいたクランを抱えて逃走。
クラン「リョウガあぁ!!」
リョウガ「あッ!!この野郎!!『あるまー』!!」
キレたリョウガが逃げるトウマに『あるまー』を投げつけた。
ザクッ。
深く刺さりはしなかったが、『あるまー』が頬をかすった。
クランの。
クラン「いやっやあっ!!痛いよぉお兄ちゃん!!うわあああーーーー(丸文字)」
トウマ「お前バッカじゃねーの?!」
トウマに逃げられた。
リョウガ「クランーーーーー!!」
つくづく役に立たない男だ。
ハカナ「・・・ふぅ。」
ここは午後の教室。
図書室での用事済ませたハカナは、リョウガ達の様子が気になっていた。
ハカナ「ちょっとやり過ぎちゃったかなぁ・・・。
トウマ喧嘩っぱやいし・・・リョウガ達大丈夫かな・・・。」
心配になったハカナは屋上に見に行ってみる事にした。
ハカナが屋上への階段を上っていると、屋上の方から何かが走ってきた。
トウマ「どけどけどけェッ!!」
女子生徒「きゃあああ!!」
クラン「いやああ!!ハカナ助けてぇ」
ハカナ「クランちゃん?!」
猛スピードでハカナの横をトウマが駆け抜ける。
その後ろからリョウガも走ってきた。
リョウガ「ハカナ!!聞いてくれ、クランが・・!!」
ハカナ「わかってる!私も協力するわ!」
リョウガとハカナの二人でトウマを追跡。
トウマ「くそ!!この幼女が邪魔で上手く走れねェ!!」
クラン「幼女ってゆーな!!ひぎッ!?」
クランが邪魔になったトウマはクランを投げ飛ばした。
投げ飛ばされたクランは壁に激突。
クラン「うあっああっ!!痛ッ・・・ひゃあああ!!」
そのままクランは階段を転げ落ちた。
ハカナ「クランちゃん!!」
リョウガ「クラン!!」
二人が倒れている所を発見。
こうして、学校全土を巻き込んだ幼女誘拐事件が幕を下げた。

リョウガとハカナに発見された時には、クランは気を失いかけていた。
そのまま保健室へ直行。
ハカナ「クランちゃん!!クランちゃん!!」
薄れた意識の中でハカナの声が聞こえる。
クラン「う・・・ん・・・・」
リョウガ「大丈夫か?!」
クラン「あ・・・そっか。あのトウマとか言う奴に連れ回されたんだっけ・・。」
ハカナ「全くトウマったら・・・!!」
ハカナは責任感0のようだ。
クラン「あッ・・!!右腕が・・!!」
元々折れていた上に階段を転げ落ちたりしたのでひどく痛むらしい。
リョウガ「俺、トウマ探してくる!」
ハカナ「クランちゃんは私が見てるから!」
リョウガ「任せたぜ!」
リョウガはトウマを探しに行ってしまった。
クラン「うう・・」
ハカナ「大丈夫?まだ腕が痛むの?」
クラン「うん・・・。」
ハカナ「元はと言えばリョウガが悪いのよね!!この包帯もリョウガのせいだし・・
今日だって、ちゃんとトウマから守ってあげればよかったのに!」
それとなくクランの中のリョウガの株を下げようとするハカナ。
クラン「悪いのはトウマだ!リョウガは悪くない・・・」
あくまでクランはリョウガをかばう。
ハカナ「クランちゃんはさ、リョウガの事・・好きだったんだよね?」
クラン「うん。」
ハカナ「で、でも!一緒に暮らすようになってからは、好きとかどうとか言うよりは
家族って感じなんじゃない?」
クラン「えーでもまだ家族って程じゃないよ。」
ハカナ「そ、そうなんだ・・・(イライライライラ)」
クランの微妙な反応にハカナは苛立つ。
ハカナ「さ、クランちゃん怪我みせて。」
クラン「はい・・・」
慣れた手つきで薬を塗るハカナ。 
よくリョウガの傷の手当てをしていたのですっかり慣れてしまったのだ。
そしてそれから30分。
クラン「もう手当てもしてもらったし、帰ろうよ。」
ハカナ「そうね・・リョウガはどこ行ったのかしら・・」
クラン「大丈夫だと思うけど・・・私家おんなじだから帰ってきたらわかるよ。
そしたら電話するから。」
ハカナ「そう言えばそうだったわね・・・同棲・・?」
ハカナの手には力が入り、握っていた毛布にシワがよる。
クラン「どうしたのハカナ?」
ハカナ「ううん、なんでもない。じゃ、帰ろっか。」
ハカナとクランは交差点でわかれると家へと帰った。
一方・・・・
トウマ「やめてくれえェェ!!俺はちょっとした悪戯気分で・・」
リョウガ「やあトウマくん。これが何だかわかるかな?」
リョウガが『あるまー』を突きつける。
トウマ「ひっ、ひえええッ!!カ・・・カッターですぅ・・・」
リョウガ「違う。こいるはな・・・『あるまー』だ!」
トウマ「うああああああああああ!!」
次の日、体育館裏でボコボコにされたトウマが発見されたとかしなかったとか。



第六話終了。
誰かさんの予想していたとおり黒ハカナん(黒と言うほどでもないかも)が出てきました。
それじゃ。またね〜(丸文字)
298遊戯王風の人:03/12/16 20:06 ID:FmlSb3Tk
>250-254>284
今回本当に長かったのに読んでくれてありがとうございます。

>書くのには一体何時間かかったのだろうか?
まぁ、10時間以上は…(構想時間除く)
………何やってんだろ…おれ…○| ̄|_

パステルクラン、あいからわず良いですねぇ。
読んでると心がなごみます。
でもクランたんには優しくしてあげてください・゚・つд`)・゚・

こっちも負けないように頑張らなくては…。
299いつもの人:03/12/17 17:11 ID:0gIRPQfk
SSが盛り上がってるけど
お絵描き掲示板も盛り上がってるのじゃよー!

ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp/

というわけで私も新作うpしました。
300名無しさん@ピンキー:03/12/17 18:59 ID:ns3JIXS+
いつもの人最高でつ!!
やっぱりハカナは穿いて(ry
301名無しさん@ピンキー:03/12/17 22:57 ID:4FO0QpMb
すごくワガママ書かせてもらうと
パステルクランは魔法少女のままでいって欲しかったなあ。
なんか、だんだん遊戯王風と差別化がなくなってきたような気がして…
魔法少女クラン、カンバーック!
302パステルクランの人:03/12/17 23:26 ID:XdTfUL5j
>>301
そうですか・・・・ただ、魔法少女って設定だとどうも魔法中心になってしまい、
カオシックじゃなくなってしまうような気がして・・・・
『ぼるぼっくす』がある限りブラストは使えるんだからいっか。とか思ったんですが・・・
というか、最大の悩みのタネはカード使えない事ですかね。
ヴォルボックスはバトンになっちゃったし、デス=レックスはトカゲにしちゃたし・・・
クランたんの戦力が不足している・・・ハカナはポカポカあるし、あんました戦わないから無問題。


・・・・ってこんなトコで悩みを打ち明けても仕方ありませんね。長レススマソ。
魔法少女復活の方、考えときます。
303名無しどん:03/12/17 23:26 ID:PupPGXCR
いつもの人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
クランたんの腰布がブルマ(´Д`*)ハァハァ
304名無しさん@ピンキー:03/12/18 01:39 ID:SCE8Vr0K
>>302
あまり悩まず書いてくだちい。
305名無しさん@ピンキー:03/12/18 02:06 ID:nEsEkKbI
魔女っ子に必要なのは、
やはりかわいいマスコットキャラのパートナーかと。
クランのパートナーとしてデス様とかエレとかを希望してみたりして
306名無しさん@ピンキー:03/12/19 00:19 ID:oLLB6od9
デス様はカワイイマスコットキャラではないような……
そうだ!
普段はかっての魔力が失われていてぬいぐるみみたいになっているのはどうだろう。
クランたんにデスちゃんと呼ばれて怒る。
長く関西にいたため関西弁になっている。
307名無しさん@ピンキー:03/12/19 05:21 ID:io99CCwT
ワイなら丸ごと食うでー
308名無しさん@ピンキー:03/12/19 07:05 ID:0rAoUHge
カードキャ(ry
309名無しさん@ピンキー:03/12/19 11:53 ID:wMW7aiik
見た目はかわいいぬいぐるみだが実は分解されて散り散りになったパーツを探させる為にクランを利用している腹黒いデスちゃん
そして、魔法少女パステルクランの裏タイトルは(パーツ)コレクタークラン・・・_| ̄|○
310パステルクラン第1話の人:03/12/20 03:00 ID:hj5uTxvz
えと、とりあえず2話を製作中なんですが見たい人っています?
311名無しさん@ピンキー:03/12/20 04:45 ID:stkFMkw2
>>310
ハイ、ハイ、ハイ!
凄く読みたいです!
312パステルクランの人:03/12/20 10:01 ID:1/bNGkwc
ぜひぜひ!!始めの設定の方も面白そうなんで読んでみたかったんです。
313遊戯王風の人:03/12/20 18:17 ID:e/e4o/l7
>>310
私もぜひぜひ読みたいですね。
314遊戯王風の人:03/12/20 21:26 ID:e/e4o/l7
では55回ほど連貼します
315遊戯王風カオシックルーン第九話@:03/12/20 21:29 ID:e/e4o/l7
*この物語は、見かけは幼女の16歳『棗クラン』が
 カードゲーム『カオシックルーン』を通じて
 次々と現れるヘンタイやキチガイ達と戦い成長していく話です。

さて、
クランがいつも使用している
モンスターを召喚できる不思議なカード『カオシックルーン』。
かなり特殊なものだと思われがちだが、実は案外普通のお店で売っている。

カードにはモンスターの絵柄のほかに『竜』『機』などのマークが刻まれており、
プレイヤー達それを『属性』と読んでおり、属性はカード製造元の会社によって決まる。
現在の所、主に4つの属性が存在しているので、つまり4社の開発メーカーが存在していることになる。

スターターパックには属性は混同して入っているが、
ブースターパックは『竜界パック』『機界パック』など、
属性ごとに別にして売られているため
各界の人気は、そのままブースターパックの売上に範例されている。
316遊戯王風カオシックルーン第九話A:03/12/20 21:30 ID:e/e4o/l7
次に4つの開発メーカーについて。

まず、市場で一番人気なのは竜界社『竜界パック』。
初心者から上級者まで安定して使いやすいと評判だ。

次に、竜界についで人気がある機界社『機界パック』
ややクセがあり、またモンスター死亡時のデッキダメージも高いので、
どちらかといえば玄人、マニア向けのパックだ。

女界社『女界パック』
モンスター死亡時にデッキダメージが無いという優れもの。
そのかわりプレイヤーの命令を聞かずに勝手に動くことがある。
また、召喚エフェクトに難ありで、主な購買層である男たちは敬遠しがち。
そういうわけで滅びかけ(倒産寸前)。
だが、市場に出回る数少ないカードはコレクターにとっては真のレア。

そして最近新たに市場に出回りだした新興勢力、魔界社『魔界パック』

カオシックルーンの2大メーカーとは『竜界』『機界』のことであり
両社は他の異界に比べ、圧倒的な人気と売上を誇っている。
双方、相手会社と負けるものかと、新カードの研究開発、営業、宣伝に力をいれ、
結果として競い合うことによって発展し、今日の人気につながった。

しかし、時には利益衝突することも少なくはなく
いつの間にか竜界と機界はお互い火花を散らし、非常に仲の悪い関係となっていた。

その理念は社員にまで伝わっており
竜界社員と機界社員が顔を会わせようものなら、
いつ殺しあってもおかしくない殺伐とした雰囲気となるのである。

では、そろそろ本編開始。
317遊戯王風カオシックルーン第九話B:03/12/20 21:31 ID:e/e4o/l7
今日は学校が早めに終わったので、
入院中のクランの様子見に訪れたハカナ。
ハカナ「さーて、クランちゃん元気にしてるかな?
    あら?どうしたんだろう?クランちゃんの病室に子供達がいっぱい」
床に四つんばいになった子供たち10人ほどが輪になって賑やかそうにしている。
何かに夢中になっているようで、入ってきたハカナには気づいてないようだ。
のけぞった子供の一人がハカナの足にぶつかった。
クラン「あっ。ごめんね」
ハカナ「ううん。こちらこそ、ごめんなさい」
ハカナはそのままクランのベットへ移動する。
クラン「…」

ハカナ「あれ?おかしいなぁ?
    また、どこ行ったのかしら?」
クラン「…おい」
ハカナ「えっ?あれ?今クランちゃんの声が?」
しかし、辺りを見回しても子供達以外は誰もいない。
ハカナ「おかしいなぁ…?」
クラン「おいっ!!」
ハカナ「えっ…?たしかにクランちゃんの声が…」
やはりどこを辺りを見回してもにクランの姿はなかった。
ハカナ「………わ…私疲れてるのかなぁ…」
クラン「キサマーっ!!わざとやっているのかっ!!!」
怒鳴り声。
今度ばかりはハカナも流石に気づいたようだ。
なんとクランは子供達の輪の一部だった。
そこは盲点だったようで、ハカナもたいへん驚いてしまっている。
ハカナ「ク、クランちゃん、そんなところに!?
    子供達に完全に溶け込んで、全く違和感なかったから全然わからなかったわ」
クラン「ブッ殺してやる!」
318遊戯王風カオシックルーン第九話C:03/12/20 21:32 ID:e/e4o/l7
ハカナ「で、いったい何をやってるの?
    あっ…カオシックルーンだね?」
子供「うん。クランちゃんがくれたんだ」
子供「クランちゃんとっても強いんだ」
子供「ボク達にルールとかいろいろ教えてくれたんだ」
子供「クランちゃん大好き!」
ハカナ「ふーん。大人気だね、ク・ラ・ンちゃん。クスクス」
クラン「………うっ。…た、ただ退屈しのぎでやってるだけだっ!
    そうじゃなければ誰がこんなガキ共と…ぶつぶつ」
クランは顔を真っ赤にしていた。
ハカナ「カードもいいけど、でも勉強もしっかりとね。
    ほーらっ。1週間分たっぷり持って来てあげたわよっ!」
クランの目の前にドッサリと参考書の山が置かれた。
クラン「ええー。ええーーー!勉強キライ(丸文字)」
丸文字で駄々っ子ぶりを見せるクラン。
ハカナ「クランちゃん。みんなが見てるわよ」
クラン「うっ…」
子供たちの熱い眼差しがクランに向けられている。
ハカナ「16歳なんだから、みんなの見本にならないとね。
    ク・ラ・ンちゃん」
クラン「うっ…うう」
周りの子供たちの中では最年長(ただし外見は一緒)、
そのプライドに賭けて、無様な姿は見せられない。
クラン「じゃ、じゃあ。
    私、このお姉ちゃんとお勉強があるから」
子供「ええー。クランちゃん行っちゃやだ」
クラン「お、お勉強は大事だからナ。
    オマエたちもちゃんと親に迷惑かけず勉強するんだぞ」
子供「うん。クランちゃん。じゃあまたね」
クラン「棗さんだ!じゃ、じゃあね」
2人はそのまま部屋を去った。
319遊戯王風カオシックルーン第九話D:03/12/20 21:33 ID:e/e4o/l7
病院内の図書館。
キレイで立派な作りだが、意外にも人は少なく
ここなら落ち着いて勉強ができそうだ。

ハカナ「ところでクランちゃんの容態もだいぶよくなったみたいね」
クラン「うん。足の方はもうすっかり治ったよ。
    腕はまだまだ完治まで時間がかかりそうだけどね」
クランの言葉のどおり、腕には包帯がまかれたままだ。
クラン「でも、もうすぐ退院はできると思う」
ハカナ「ふーん。
    じゃあ、そろそろクランちゃんの退院祝いも考えとかなくちゃね」
クラン「えっ?本当っ?絶対だよ!約束したからね!ハカナ大好き!」
ハカナの言葉でクランは大喜びだ。
ハカナ「さーてっ。話をそらさずクランちゃんの大嫌いな数学から始めましょうか!
    今日はみっちりと教えてあげるからね」
クラン「うっ!」
ハカナはニコニコしている。
世話好きのハカナにとって至福の一時なのだが、クランにとってはありがた迷惑な模様。

二時間後。

クラン「あんっ…もう。三角関数なんて…ぜんぜんわかんないよぉ…」
ハカナ「だから、こことここに補助線を引いたらサインθが、どうのこうの」
クラン(だいたいこんなの覚えても、生きてて何の役に立つんだ………。
    ………ああ…早くわたしもカードで遊びたいな…うずうず)
ハカナ「クランちゃん。ちゃんと勉強に集中してよね」
ニッコリ、ハカナは微笑んだ。
優しい顔をしているが、クランの目には鬼のように見える。
クラン「ううっ………ハ、ハカナなんか大キライだ………」
頭のリハビリを余儀なくされるクランだった。
320遊戯王風カオシックルーン第九話E:03/12/20 21:35 ID:e/e4o/l7
一方そのころ病院の廊下。

歩いているのは、スーツとネクタイを着こなした、サラリーマン風の中年男。
その男の右手には、とても頑丈そうな銀色のジェラルミンケースが装備されている。

男がある部屋に入った途端、卑屈そうな男が駆け寄ってきた。
卑屈そうな男「おおっ。あなたはっ!
   お待ちしておりました。お久しぶりでございます」
卑屈そうな男の腰は低い。
機界社員「いえいえ」
このサラリーマン風の男……機界社員は物腰のよい紳士的な態度だった。
卑屈そうな男「で、では、早速ですが、れ、例のカードは」
機界社員はジェラルミンケースの中から一枚のカードを取り出す。
とりだされたのはコレクターが喉から欲しがる機界のレアカードだ。
機界社員「非常に苦労しましたがバッチリ入手いたしましたよ」
     今回は特別価格、5万円でお譲りしましょう」
卑屈そうな男「ははー。いつもいつもありがとうございます。
   病気の息子も喜びます。
   あの、それで次はすみませんがこのカードを…」
卑屈そうな男はカードのカタログを差し出す。
機界社員「ふーーーーむ。これはまた大変レアカードですねぇ
     これは難しいかも知れませんねぇ」
卑屈そうな男「そ、そこをなんとか」
機界社員「まぁ、いいでしょう。なんとかしましょう」
卑屈そうな男「ありがとうございます。
   あ、あと今日は20パックほど買わせていただきます」
機界社員「はい。1万円ですよ」
卑屈そうな男「ははー」
何度も何度も卑屈そうに頭を下げている。
321遊戯王風カオシックルーン第九話F:03/12/20 21:38 ID:e/e4o/l7
用がすんで、その場を立ち去ろうとする機会社員だったが

卑屈そうな男「あの………実は息子がいつもカードを提供してくれる方に
    ぜひともお礼が言いたいとのことで、
    あ…会ってやってくれませんでしょうか?」
機界社員「ええ。いいですよ」
機界社員は美しいスマイルで返答した。

少し場所を移動して息子の病室。
どうやら足の病気のようだ。
息子「握手。握手」
機界社員「はいはい」
ギュ!
卑屈そうな男「よかったなぁ。
   ほらっ。これおまえの欲しがってたカード」
息子「うん!ありがとうパパ!」
レアカードを貰った子供はとっても幸せそうだった。
機界社員「ふむ…機界のレアカードに毎日お願いすれば、すぐに元気になりますよ
     では私はこれで………(ん?あれは?)」
機界社員はテーブルの上に1枚だけおかれてあるカードに興味を移した。
竜の紋が刻まれたカード。
それは竜界のカードの証だった。
機界社員は血が逆流するようなもの感じる。
機界社員がそのカードに興味を示しているようなので、
ここぞとばかり子供がその竜界のカードを手にとり、しゃべりはじめる。
息子「このカードはねぇ。
   最近知り合った同じ年ぐらいの女の子がくれたんだ」
父親「なっ?オマエ!お、お金はどうしたんだ」
息子「お金?何のこと?タダでくれたよ。これやるから元気だせってね」
父親「そ、そうなのか。ま、まぁどうせコモンカードなんだろう?」
息子「でも僕にとってはどんなレアカードよりも一番大切なカードなんだ」
機界社員の顔がゆがんだ。
322遊戯王風カオシックルーン第九話G:03/12/20 21:38 ID:e/e4o/l7
息子「で、その子。
   からかうと『私は16歳だ!バカにするな』とか言ってとっても面白いんだ」
カードを手にとって語る子供の顔はとっても嬉しそうだ。
この笑顔が何よりも病気に対する薬になるのだろう。
機界社員「…一つだけ聞きます…
     『どんなレアカードよりも一番大切』って本当ですか?」
その声は静かに重い。
息子「うん!」
機界社員「今、貰ったレアカードよりも?」
息子「もちろん!!」
クワッ!
機界社員の顔が恐ろしいものへと変わった。
機界社員「いけません!そのカードは大変危険です!」
子供の手からカードを奪い取ると、さっそく破り捨ててしまった。
息子「!!!」
卑屈そうな男「!!!」
息子「わぁ、何をするの!?わぁああああんん」
大切なカードを目の前で破り捨てられ、子供は泣き出してしまった。
卑屈そうな男「ちょ…ちょ、ちょっとそれは…」
機界社員「あのカードは厄害振りまく悪魔のカードです。
     手元においておくだけで息子さんの病気がどんどん悪くなりますよ!!」
卑屈そうな男「そ…そうなのですか……はぁ………」
機界社員「まったく!感謝してもらいたいものですね…ぶつぶつ」
機界社員は堂々と部屋を去っていく。

息子「うわぁあああん」
卑屈そうな男「お…おい泣くな。
   …ほ…ほらレアカード」
息子「こんなカードいらないっ!!わぁああああん」
カードと共に、子供の心までやぶられてしまったようだ。
323遊戯王風カオシックルーン第九話H:03/12/20 21:40 ID:e/e4o/l7
不機嫌そうに廊下をズシズシと歩いている機界社員。
機会社員(くそっ!竜界の犬畜生共がッ!
     この病院に生息する竜界のカードはすべて排除しなくては!)

女「こらこら!病院内を走っちゃだめよ」
機会社員「ん?」
どこからともなく声が聞こえてきた。
機界社員の目の前から、まだ5歳ほどの幼児が走って来る。
おそらくは今注意された子供だろう。
幼児「あっ…」
案の定、幼児は転んでしまい手に持ったカードをばら撒いた。
散らばったカードは全て竜界のものだった。
機界社員「!!!!!!!」
幼児はすぐに散らばったカードを拾い集めだした。
機界社員「………」
腹の中で胃液が逆流していく。

機界社員は周りに誰もいないのを確認し、そして
グシャッ!
残虐にも幼児を踏み潰した。
機界社員「通行のジャマだ!」
幼児「うわぁあぁぁああん」
顔を見られないように頭を地面に押さえつけたまま、
ついでに散らばったカードも次々と踏みつけるのであった。

幼児「うわっうわああああああああ!」
泣き叫ぶ幼児。
324遊戯王風カオシックルーン第九話I:03/12/20 21:41 ID:e/e4o/l7
その泣き声を聞いて、誰かがやってくる気配がする。
機界社員(チッ。人がきやがった)
今度は倒れている幼児をサッカーボールのように蹴り飛ばす。
バキッ!
幼児は鼻から壁に激突して倒れた。
機界社員は角を曲がり、そのまま何事もなかったのに廊下を歩いて行くのであった。

それと、入れ違いでやってきたのは、
勉強を一時休憩して、病院内をぶらついていたクランとハカナだった。
幼児は鼻血が止まらなく、顔から下は赤く染まっている。
クラン「お、おいっ!オマエ大丈夫か!?」
ハカナ「た、大変。この子、ケガを出してるよ」
その場で止血しても鼻血はまったく止まらない。
何か血が止まりにくくなるような病気なのかもしれない。
ハカナは医者か看護士を呼びいこうと提案。
クランに幼児をまかせて、走っていく。
クラン「………困ったなぁ………あやかすなんてできないぞ…」
幼児「うあぁああん。うわぁああああああん」

周りには無残にも踏みつけられて、折れ曲がり赤色になったカードが散らばっている。
そこから感じられるのは、あきらかに人為的な悪意だった。
クラン「お…おい…泣くな…。
    く、くそっ。本当にひどいヤツがいるもんだな」
カードにつけられた足跡が、あきらかに大人サイズなのに気づくと、
腸が煮えくり返ってくるクランだった。
325遊戯王風カオシックルーン第九話J:03/12/20 21:42 ID:e/e4o/l7
幼児虐待で、少しだけスッキリした機界社員はまだ病院内をブラついていた。
今はクランの病室前を歩いている。
クランの病室内には、たくさんの子供達がカードで遊んでいる。
それをを発見した機界社員は、カモ発見とばかりにさっそく入っていくのであった。
子供「へへっ。アルマーの攻撃で10ダメージ。俺の勝ちだね」
子供「くそっ。もう一回だ!」
ヌッ!
子供を多く黒い影。
機界社員「おやおや、君たちもカードが好きなのかい?」
子供「ん?あんた誰?」
機界社員「私もカードが大好きでね。
     フフッ!このゲームは見てるだけでも楽しいね」
ニコッと笑う機界社員。
まずは子供達に加わり軽く様子見から始める。

機界社員(ちっ。こいつらも、よく見たら竜界のカードばっかりじゃねーかよぉ!)
機界社員の眉間にシワがよる。
子供「?どうしたのおじちゃん?怖い顔して?」
機界社員「(おっと、いかん、いかん)
     おじちゃんのカードもちょっと見せちゃおっカナー?」
そういって子供たちの前でジェラルミンケースをガバッと開ける。
中からは大量のレアカードが黄金の光彩を放ちながら現れた。
子供「す、すごい。レ、レアカードがこんなにたくさん!?」
ゴクリと息を呑む子供達。
その好奇心を煽るような感じで機界社員は巧みに舌を動かしていく。
子供達がその話術に取り込まれるのには、あっという間だった。
326遊戯王風カオシックルーン第九話K:03/12/20 21:43 ID:e/e4o/l7
すっかりレアカードに心を奪われた子供達。

機界社員「そうだ。今なら特別価格で売ってあげてもいいよ」
子供「う、うーん欲しいけど。でも僕達お金なんてもってないよ」
機界社員「何を言ってるんだい?親におねだりしたらいいじゃないか。
     病気のキミ達がおねだりすれば、親は絶対嫌なんて言わないよ」
子供「じゃあ、俺さっそくお父さん達よんでくる」
子供「お、おれも」
子供「いいなぁ…わ、私も呼んでこよっ!」
その場にいた子供たちは、我先にと部屋を飛び出していった。
機界社員(フンッ。ちょろいもんだぜクソガキ共ッ!)
腹の中でほくそ笑む機界社員。

機界社員「ん?」
1人の子供だけがその場に止まっていた。
なにやら物欲しそうな目つきをしている。
機界社員「おや?キミは親を呼びに行かないのかい?」
子供「う…うん。だって僕両親いないから………」
今この場には機界社員とその子供しかいない。
機界社員「あっ…そう。
     (こいつも竜界のカードばっかだな………)
     そうだ。じゃあキミの持っている、そのカードと交換でもいいよ」
子供「えっ?でもこれは………」
機界社員「キミの持っているカード20枚につき、機界パック1個と交換してあげるよ。
     機界のカードはとっても強くてカッコイイんだよ」
子供「えっ…でも…1パックって10枚いりだからそれって損だよね………?
   それに、僕やっぱり竜界のカードのほうがスキだから」
機界社員「あっ?」
機界社員の右目が引きつりだした。
327遊戯王風カオシックルーン第九話L:03/12/20 21:45 ID:e/e4o/l7
機界社員「うるさいんだよ!!」
バンッ!
機界社員のジェラルミンアタックが子供に炸裂!
子供「痛いっ!!!」
もう正気ではないようだ。
ムリヤリ子供からカードを奪う機界社員。
そして子供の目の前で奪ったカードを次々とやぶり始めた。
子供「や、やめてェ!それは友達からもらったカードなんだ」
必死に機界社員にしがみつくが、所詮は大人と子供、簡単に振り払われてしまう。
機界社員「俺のスーツに汚ねェ手垢つけてんじゃねェ!このクソガキが!」
機界社員の凶暴な足が子供を襲う。
子供「う、うわぁあああ!!」
目をつぶる子供。
ドガッ!
機界社員「ぬ!」
しかし、機界社員が踏み潰したのは床だけだ。
間一髪で子供の危機を救ったのはソニックプラス。
機界社員「そ…ソニックプラス!?」
クラン「やめろ!!」
召喚したのはクランだ。
子供「あっ。クランちゃんだぁ。
   こ、この人がクランちゃんから貰ったカードを無理やり…」
クラン「わかってる!」
クランはすでにかなり怒っている。
機界社員(『クランちゃんから貰ったカード』………だとぉ?
     そういえば、さっきのガキも『最近知り合った同じぐらいの年の女の子がくれた』
     とか言ってたよなぁ…
     ………まさかこいつが!?)
両者の火花が空中でぶつかりあう。
328遊戯王風カオシックルーン第九話M:03/12/20 21:46 ID:e/e4o/l7
クランの後ろには、先ほど親におねだりに行った子供たちもいた。
どうやらクランが説得したようだ。
クランは折れ曲がっって血の付着したカードを見せ付ける。
クラン「さっき幼児にひどいことしたのもオマエだろ!
    絶対に許さないっ!」
機界社員「なっ!なんだこのガキは!偉そうにッ!?
     誰に向かって説教たれてんだァ!コラッ!」
クランの胸倉をつかんで持ち上げられる。
まだ包帯だらけの外見幼女のクランに対しても、決して穏やかではない態度。
徐々にこの男のドス黒い本性が現れてきたようだ。
子供「うわぁあああ!クランちゃん!」
後ろからひょっこりハカナも現れる。
ハカナ「まぁまぁ。お、落ち着いてください。クランちゃんも、言いすぎよ。
    別にまだこの人が犯人だって決まったわけじゃないんだから…」
しかしクランもまた感情を抑えきれないようだ。
さっきの幼児虐待の犯人も、この男だと完全に決め付けている。
まぁ、実際当たりなのだが。
クラン「うるさいっ!
    だいたいなぁ!病気の子供にレアカードを金で売りつけようなんて
    足元見るのもいい加減にしろっ!この悪党めっ!」
機界社員「ククク…とんでもない。
     病気の子供達を救済するためレアカードを提供する
     私が悪党のわけがない。
     私は子供たちに希望を与えているのです。
     レアカード1枚に1万円ぐらい、それを考えれば安いもの。
     非情にリーズナブル。良心的価格でございます」
クラン「な、何だと!キサマ!?」
クランの怒りはますます高まり、その足は今すぐにも機界社員の股間へと飛びかかりそうだった。
機界社員「そうだ!!
     なんだったらカード使いらしく決闘で決着をつけるってのはどうですか?」
クラン「!?」
329遊戯王風カオシックルーン第九話N:03/12/20 21:48 ID:e/e4o/l7
クラン「ほぅ!この私に決闘を挑むとは良い度胸だ!」
ハカナ「だめよ!クランちゃん!
    そんな体で決闘なんて出来るわけないじゃない!」
クラン「黙ってろハカナ!
    じゃあ私が勝ったら二度とこの病院には近づくなよ!」
すっかり無鉄砲な爆弾幼女クランになってしまっている。
こうなったらハカナの言うことなど、まるできかない。
機界社員「フムッ!では私が勝てば、そうですねぇ〜。
     その子供たちのもつ竜界のカードを、全部焼き払ってもらいましょう!!」
クラン「!!!?
    ………なっ!なんだとー!!」
機界社員「では、その条件で決闘ということで」
クラン「ま…まて!」
機界社員「ん?どうしました?まさかイヤとは言いませんよね?」
クラン「うっ」
脅迫じみた口調。
だが、今回ばかりはクランもそう簡単に了承はできない。
基本的に自分の体のことなら、どうなっても構わないのだが、
他人のことが条件、しかもカードを破られる子供達のことを思えば、
誰よりもカードを愛するクランだからこそ、この決闘の了承だけはできないのであった。

機界社員「だったら、私のやることに口を出さないでほしいですね…ククク」
クラン「うっ…うう」
クランは何も言い返せなかった。
機界社員は勝ち誇ったように部屋を立ち去ろうとする。
クランはくやしくて両拳に力を入れると、両腕がズキズキと痛みだした。

子供「クランちゃん!」
子供「僕達その条件でもうけていいよ」
機界社員(!?)
クラン(えっ?)
330遊戯王風カオシックルーン第九話O:03/12/20 21:50 ID:e/e4o/l7
子供達は出口に固まって機界社員をこのまま帰す気はないようだ。
クラン「お、おまえたち…?何言ってるかわかってるのか!?」
機界社員「おいおいっ?キミ達どいてくれないかな?
     おじちゃん仕事で忙しいんだよ」
子供達は断固としてどく気はない。
クラン「………」
子供「クランちゃん!お願い戦って」
子供「こんなやつから逃げちゃだめだ」
子供「僕達負けても後悔しないから!」
クラン「うっ…うう」
ハカナ「落ち着いてよクランちゃん!
    そんな体で決闘したら、せっかく治りかけたクランちゃんの体がっ!」
クラン「………」

ずいぶんと考えた後、クランはついに決断を下した。
クラン「わ…わかった。おまえたちの魂(カード)私が預かる!
    その決闘うけてたつ!」
ハカナ「クランちゃん!?」
『してやった』とばかり機界社員はニヤける口元を隠す。
機界社員「ふむ。いいでしょう。
     しかし、私もデッキを構築するそれなりに準備がいりますので、
     勝負は3日後でどうでしょうかね?」
クラン「…い………いいだろう」
機界社員「じゃあ場所と正確な時刻は、後日報告ということで。
     決闘場は、そうですね………大きな会場を用意させてもらいますよ…。
     私の華麗な勝利と、あなたの無様な姿を多くの方に見てもらいたいですからね。
     では、私は色々と準備がありますのでこれで。ククク」
めいいっぱい脅しをかけると、不敵な笑いと共に部屋から去っていく機界社員。
クランの胸には、今まで感じたことの無いほどの大きな重圧がかかっていた。
331遊戯王風カオシックルーン第九話P:03/12/20 21:51 ID:e/e4o/l7
ハカナ「クランちゃん。あんなこと言っちゃって!!
    鉛筆だって持てないくせにどうやって戦うのよ!」
心配するハカナを尻目にクランは久しぶりデッキを持ってみる。
しかしデッキの重みですら今のクランの腕にとっては激痛だった。
ズキン!
クラン「いっ…痛っッ!」
思わずカードを床に落としてしまった。
ハカナ「ほーら見なさい!」
クラン「け、けど全く動かないってわけじゃないんだぞ。
    動かしたら『ちょっと』痛いだけで」
ハカナ「『ちょっと』って、どのくらい?」
クラン「す…すごく」
静まりかえる室内。
ハカナ「そんなんで決闘できるの!?」
クラン「決闘まで時間あるから、それまでになんとか治してみせるよ」
ハカナ「そんな短絡的な………
    やっぱりやめましょうよ!今からでもわたし言ってくるよ…!」
部屋から出ようとする、ハカナの腕を即座につかむクラン。
この動作だけでも相当痛いはずなのに。
ハカナ「クランちゃん!?」
クラン「………ハカナ…!
    ここにいる子供たち…みんな足が悪いって事に気づいてた?」
ハカナ「えっ?」
急に真剣な表情になったクラン。
よく見れば、子供達はみな足に包帯を巻いている。
クラン「足が悪くて動けない子供達は、遊びたくても満足に外を歩くこともできない!
    そんな子供達が唯一遊ぶことができたのがカードだったんだ。
    だから足の悪い子供達にとってカードは希望であり宝なんだ!」
ハカナ「…」
クラン「でも、それを利用して金儲けをたくらむ人間がいる。
    そんなヤツをカード使いとして絶対に許してはおけないんだ!」
ハカナ「ク…クランちゃん………」
332遊戯王風カオシックルーン第九話Q:03/12/20 21:53 ID:e/e4o/l7
クランの必死の説得にハカナの心も動いたようだ
ハカナ「な、なんだかクランちゃん。変わったね」
クラン「え?」
ハカナ「初めてあったころのクランちゃんは。
    他人の身に何かあっても、我関せずって感じだったわ。
    でも、今はこうして、みんなのために戦おうとしている」
ハカナは逆に嬉しそうだった。
クラン「な、な、な…何いってんだ…。
    わ、私は昔から自分で言うのもなんだが心優しくていい子だったぞっ!」
ハカナ「そんなことないよ。昔は怖くて近寄りがたい印象があったよ。
    でも、今はこうして、子供たちもなついてくれてるし。
    ………クランちゃん………ちょっとだけ優しくなった」
クラン「…」
ハカナ「やっぱり私も強力するわ!
    これポカポカのカード。クランちゃんならうまく使えるでしょ
    私の思いと一緒に戦って!」
クラン「………あ、ありがとうハカナ
    これでポカポカボンバーも使える!」
子供「クランちゃん!絶対負けないでね」
子供「僕達も一生懸命応援するから」
子供「ぼ…ぼくも」
クラン「お…オマエ達…。
    わ、私も頑張ってケガを治さなきゃな………。
    よしっ!この戦いみんなの力で絶対勝つぞ!」
一同「おー」

クラン「うん。本当は不安で胸が押しつぶされそうだけど…私がんばってみるから」
ハカナ「大丈夫よ、クランちゃんなら!
    だって、それ以上胸がへこむなんて、ありえないもの!」
クラン「ブッ殺してやる!!」
一言多いハカナだったが、
クランも先ほどまで感じていたプレッシャーのようなものはなくなったようだ。
333遊戯王風カオシックルーン第九話R:03/12/20 21:54 ID:e/e4o/l7
クランは念の為医務室に向かい、
来るべき決闘にそなえ両腕をギブスでしっかりと固定してもらった。
決闘までもう絶対に動かすつもりはないようだ。
クラン「これで、どこまで治るかはわからないけど………。
    少しでもがんばって治さなきゃあな!
    でも、まだ痛みが残るなぁ…。ん?あれは?」
クランの目に入ったのは神経内科、神経外科の看板。
クラン(そ…そうだ。鎮痛剤でも使ってみよう!)

神経科の室内

医者「で、腕はどれくらい痛いんだい?」
クラン「普段からズキズキしてるけど…。
    力を入れると涙がでるほど痛い。
    あと、物を持ったら死ぬほど痛い。
    だから、なるべく強力な薬をくれ」
医者「ふむ…じゃあモルヒネでも渡しておこうか?」
クラン「お、おい待て!そ…それ!ま…麻薬じゃないのか!?
    じょ…冗談じゃないぞ!」
クランの反応に医者はクスクスと笑う。
医者「おいおい。キミはいつの人間だね?
   モルヒネは19世紀から使われていた
   使用方法さえ間違わなければ非常に優秀な鎮痛剤なんだぞ」
クラン「ほ…本当に、だ…大丈夫なのか…?
    中毒とか幻覚見えたりしないのか…?」
医者「ハハハ。ちゃんと医者の言うとおり使用すれば大丈夫だよ。
   まぁ人によっては便秘、嘔気、嘔吐、眠気、呼吸抑制、
   ふらつき感、めまい等の副作用がでることもあるけどね」
クラン「は………はぁ…」
未知の薬を前にクランは少し心配だ。
334遊戯王風カオシックルーン第九話S:03/12/20 21:55 ID:e/e4o/l7
薬をうけとるクラン。
クラン「ふーん。これ飲んだら痛みが止まるのか?」
医者「まずは少なめに渡しとくからね。
   でも、まだ痛むようなら、少しづつ量を増やしていって
   痛みが完全に消えたなら、それがお嬢ちゃんの適量だから。
   あと、必ず8時間に1回飲んでくれよ。
   以前の薬が切れる前に飲む。これ重要」
クラン「…わ…わかった。
    今日から飲んだほうがいいの?」
医者「もちろんだ!痛みは我慢するものじゃないからね」
クラン「じゃあ、そうする。
    ところで、後ろにある『スーパーモルヒネX』という薬が気になるんだが」
たちまち医者は嬉しそうな表情に。
医者「あれは痛み止めの注射用の用だ。
   うてばあっという間に痛みが快感に変わるという曰くつきの薬だよ」
クラン「ふーん」
医者「大きい声では言えないけど、実は未承認薬なんだ。
   まったく。日本以外じゃじゃバンバンと使ってるのに
   厚生省が許可しないから日本じゃ使うことも許されない。
   そんなことがあっていいんですか!」(2P見開き)
クラン「………。
    頼めば、うってくれるのか?」
医者「ここに治験用の患者になりますってサインしてくれれば、いつでもうちますよ」
クラン「おっ、じゃあ決戦前にうってくれ」
医者「ぼそっ(けど、あの薬うつと、成長が止まるって噂があるんだよねぇ)」
クラン「いやぁ!絶対いやぁ(丸文字)」

結局モルヒネだけもらって帰るクランだった。
一方、日本支社に戻った機界社員は余裕の表情。

機界社員(フンッ!
     こっちのデッキは、なっている人(プロ)が構築してくれるんだ。
     その気になればレアカードだって無限に生産できる。
     開発者が本気を出せば、一般プレイヤーがなんか勝てるわけなんかねェだろ。ククク
     さ〜て。早く場所を決めてバンバン、ポスターはってイベントの宣伝しなきゃ!)

そんなこんなで、決戦前前夜。
子供達「クランちゃん!これあげる!」
クラン「こ…これは…『爆導索』のカードじゃないか」
それはヴォルボックス使いには喉から手が出るほど欲しがるカードだった。
しかし、意外なことにクランは持っていなかったのだ。
クラン「ほ…本当にもらっていいの?
    これ、けっこうレア度高いんだけど」
子供達「うん。クランちゃんに使ってほしいんだ」
クラン(み…みんな…ありがとう)
カードを胸にあてて感謝するクラン。

ハカナ「クランちゃん。
    私は明日は学校でこれないけど無茶はしないでね」
クラン「そういうときは『頑張って』だろ?」
ハカナ「ううん。私が言わないでも頑張ちゃうんだから『無茶しないで』だよ」
流石にハカナはクランのやることはよく分かっているようだ。
クラン「………。
    と、とにかく明日は絶対に勝って、華々しく退院して
    明後日からは学校だ」
ハカナ「うん!その意気!その意気!」
そして、ついに決戦の日。

ここは病院のリハビリ室にある会場。
普段、市民の音楽隊や公共団体等が
病院の患者の為にいろいろ公演するためのイベント会場だ。
けっこう広く、かなり多くの人間が入れるようになっている。
今からここが決闘場と化す。

すでに決闘場で待ち構えている機界社員。
一番前の席に座っているクラン派の子供たち。
宣伝の効果か、見物人も立ち見がでるほど多数のやって来ている。
もちろん機界のサクラも混じってる。
カメラは3台設置済み。
放送時間になれば、後ろの巨大テレビへと反映されるようだ。

子供「わぁーーー。テレビ!テレビ!」
頬をカメラレンズにすりつける子供達。
機界社員「ゴルァ!そのTVカメラ高いんだぞ!!!」
すぐにレンズを拭きだす機界社員。
子供「ねェ。これどこのチャンネル?」
機界社員「ケーブルテレビに機界が経営する専用のチャンネルがありまして。
     そこの生放送枠を一時間ほどもらいました」
子供「機界チャンネル?知ってる?」
子供「知らない!」
機界社員「ち、ちなみに契約しないと見れませんので
     契約はお近くの機界社で」

決闘開始まであと10分!
未だ、クランの姿はない。
決闘の時間が来て放送開始。
番組名『今日の決闘』。
オープニングの音楽が流れ始めた。
後ろ巨大テレビにこのイベント会場がが映し出され始める。
子供「イェイ!イェイ!」
カメラの前にでて子供達がピース。
機界社員「やめんかっ!」
この番組は本来、玄人達の決闘を放映するものらしい。
きっとカードマニアぐらいしか見ない低視聴率番組なのだろう。
それにしてもクランは現れない。
機界社員(………たくコレだから女は…。
     まぁいい。オープングが終わるまでには現れろよ…)

20分経過
番組は会場が映し出されたまま、何の変化もない。
まるで、深夜の明け方ごろにやっている、
ビルの屋上から道路状態を映し出してるだけの番組並にひどい状況だ。

機界社員「おそい!何やってんだ!あの幼女!!」
約束時間を過ぎても一向にクランが現れる気配がない。
とぉるるるるる
機界社員のケータイに緊急の電話。
機界社員「ハイッ!もしもし!お疲れ様です。え、営業部長!!?
     も…申し訳ありません!!少し手違いがありまして…!
     えっ…大事な放送枠をどうしてくれるんだって支社長がお怒り?
     幼女がこないのは私の管理ミスだから、もうボーナスはでない…ですって…?
     ………そ………そんなぁ………」
ガチャ!
機界社員(くそーーーーーー。幼女ぶっ殺す!)
そのころ、クランはギブスを外してもらっていた。
随分硬く固定したので、外すのに手間取っていたようだ。
クラン「グー。パー。グー。パー」
手の感触を確かめた後、デッキを持ってみるクラン。
痛みはないが感覚は十分にある。
副作用もなく、あのモルヒネはクランによく合っているようだった。
クラン(うん。鎮痛剤もよく効いてるみたいだ!!
    これなら戦える!!)
医者「ところでスーパーモルヒネXは使わないの?」
クラン「絶対いやぁ(丸文字)」
医者「ち」
とりあえずデッキを持つことは可能になった。
クランはいつもの制服に着替えると、念のためいつもより多めにモルヒネを飲んで
ついに決闘場へと向かっていった。

そのころ学校では
ハカナ(今頃、決闘が始まってるころかなぁ…
    クランちゃん無茶しないでね…)
心の中でエールを送るハカナ。
すでに約束の時間から30分以上も経過していた。
機界社員「遅いっ!遅すぎる!
     あの幼女いったい何をやってんだ!」
クラン「だれが幼女だ!子供扱いするなっ!!」
子供「あっクランちゃんだ!」
やっと現れたが、すでに機界社員にっては遅すぎた。
しかし、そんなことはクランは全然知ったことではない。
クラン「な…なんだこのカメラ…」
後ろの大画面のテレビにはクランが映し出されている。
クラン「………?」
頬をカメラにすりつけるクラン。
やることは子供と同じらしい。
機界社員「ゴルァ!」
画面にはクランのつぶれた顔がアップで映し出されている。
子供「クランちゃん。生放送中だよ」
クラン「えっ!?こ、これ放映されているの?
    ふ…ふーん。
    やっほー。ハカナぁ見てるぅ?」
機界社員「いいから、早く立ち位置に戻れ!!!」
楽しんでるクランに機界社員は大激怒。
クラン「ちぇ…ケチ………」
しぶしぶ決闘位置に戻るクラン。
機界社員「ところで、わかってますよね?
     私が勝てば、子供達のもつ竜界カードを全て焼き…」
クラン(や、やだ…跳ね毛の角度大丈夫かな…。
    髪の毛ボサついてないかなぁ…。
    ああん。もっと良い服きてくるんだった………。そ、そうだ!)
クラン「オイッ!あと30分ぐらいで戻ってくるから。ちょっと待っててくれ!」
機界社員「却下!!」
しょぼんとするクランだった。
クラン「とにかく私が勝ったら、二度とこの病院に近づくなよ!」
機界社員「ククク。まぁ一応約束しますよ。
     子供が大人に勝つなんて…そんなことは、まずありえませんがね」
クラン「フンッ!外見で判断すると痛い目にあうぞ!!」
機界社員「まぁ軽く揉んであげましょう。
     ………ん?………おっと失礼。揉むような胸は無いんでしたっけ?」
クラン「ブッ殺してやる!」

こうして多くの観客が見守る中、やっと二人の決闘が開始した。
まず、先行はクランからだ。
クラン1ターン目。
クラン「(うんっ。手札の周りはいいようだな)
    私の先行ターン!ヴォルボックス守備表示で召喚だ」
機界社員1ターン目。
機界社員「ふむっ。では私のターンですね。ドロー!
     (ちっ!クズカードしかねェなぁ)
     アハト=アハトを攻撃表示で召喚します!」
機界社員の頭から現れたのは巨大な戦車形のモンスターだ。
クラン(機界の量産型か!)
機界社員「88mm砲とパワーアームがメインウェポン!
     寒冷地、砂漠ブッシュ使用など、様々なバリエーションが存在します!」
こんな時でも自社製品の宣伝は欠かさない。
自慢の大砲がクランに対し照準セット。
機界社員「悪く思うな!これも仕事なんでね!
     88m砲ってェーーーーーっ!!」
クラン「アイテムカード『即時召喚』で手札から夫婦竜(♀)を守備表示で召喚する!」
グキュ!ズンッ!
硬い甲殻に守られた竜、夫婦竜(♀)が現れた。
ガンッ!
夫婦竜(♀)に88m砲が炸裂するが、砲弾は全く見当違いの方向へとはじく。
アハト=アハトの攻撃はノーダメージだ。
機界社員「ぐっ…竜ごときがアハト=アハトの砲弾を防いだだと!!!」
クラン「そしてさらに夫婦竜(♀)の特殊能力が発動!
    夫婦竜(♂)も同時に現れるぞ!」
さっそくクランの場にはモンスターが3体並ぶ。
クラン2ターン目
クラン「私のターンだ!ドロー!
    夫婦竜(♀)は守備表示のままで!
    夫婦竜(♂)を攻撃表示!!」
夫婦竜(♂)は口からミサイルのようなものを発射して砲撃攻撃。
ドゴッ!
アハト=アハトに突き刺さり、爆発。
一撃でアハト=アハト撃破。
機界社員「ひっ!」
デッキにもモンスターのコスト分のダメージ。
クラン「そして無防備になったプレイヤーをヴォルボックスでブラストする!」
ドドドドド!
機界社員「うげっ!!」
機械社員のデッキを大きく削る。
クラン「よしっ!ターン終了だ」

機界社員(ぐぬぬぬぬ。まさかこの私にダメージをあたえるとは………
     ………機界のカッコよさを見せ付けながら余裕で勝利をするはずが…。
     なんという失態!なんという屈辱!………)
機界社員「ゆ…許せんッ!!!!!!!!!!」
機界社員の狂ったような怒りに周りは少し引いている。
機界社員「(おっといかん。冷静さを忘れていた。BE COOL…BE COOL……)
なんとか冷静さを取り戻した機界社員。
機界社員2ターン目。
機界社員「私のターン!パイル=ガーシム守備表示で召喚しターン終了!!」
クラン「で、でかっ!」
機界社員「機界の中級モンスター!パイル=ガーシム!!
     全長50mの機械拠点用マシン!右腕のパイル=バンカーは戦車の装甲をも貫通。
     足には155m砲!」

クラン3ターン目
クラン「ドローカード!
    そんなやつ!すぐに倒してやる!
    ヴォルボックスと夫婦竜(♂)で同時攻撃だ!」
パイル=ガーシムに激しい爆発を叩き込んだ。
しかし、パイル=ガーシムは全く無傷。
クラン「な、何!!………こいつの能力は!?」
機界社員「ハハハー!悪あがきはよすんだな!
     パイル=ガーシムの装甲は火炎、爆発攻撃などはねかえす!
     いたくもかゆくもねえんだよ!」
このパイル=ガーシムは火力を中心としたクランのデッキにとっては天敵のようなモンスターだった。
クラン「くっ!」
機界社員「驚いているようだが、
     私にはまだ上級モンスターが後に控えている!
     いっそパイル=ガーシムごときモンスターは
     早く葬ってもらいたいぐらいさ!さて、私のターン」

機界社員3ターン目
機界社員「ドロー!
     (それにしても手札の引きが悪すぎるな…)
     ええぃ!しかたない!!このままターン終了だ!」
クラン(やつの手札はかなり悪いらしいな…
    今のうちにあのパイル=ガーシムなんとかしないと………)

クラン4ターン目。
クラン「私のターンだ!ドロー!!
    んっ!?このカードは………やっぱり今日はついているみたいだ!」
    再生竜ポカポカを召喚!」
ポカポカ「ふもっふも!」
いかにも弱そうな竜が召喚されたが、それを見た途端機界社員の背景に電撃が迸しる。
ドクン☆
機界社員「『ポカポカだと』!!竜界カードの中でもベスト5に名を連ねるレアカード!
     そんなカードを持っていたのか!」
クラン「いくぞ!ポカポカの溶解液でパイル=ガーシムの守備力を落とす!」
ピュピュッ!
ポカポカの口からお汁が飛び出す。
ビチョ!ビチョ!
ポカポカの溶解液によりパイル=ガーシムの厚い装甲が一気に溶けた。
クラン「いまだ!防御力が落ちたところに夫婦竜(♂)砲撃攻撃だ!」
溶けた箇所から装甲内部へと突き刺さり脆い内部から爆発。
パイル=ガーシムはその巨体なわりにあっけなく轟沈。
機界社員「!!!」
クラン「そして無防備になった本体にブラストだ!!」
機界社員「ひっ!!」
ドドドドドドドド
機界社員「うぬぬっ!」
クラン「よしターン終了だ!」
機界社員のデッキはもう残り半分ほどまで減ってしまっている。
しかも場にはモンスターはいない。
機界社員4ターン目。
今、機界社員の手札の中にもモンスターはいなかった。

機界社員(な、なんだよ!このデッキ!クソ弱ぇーじゃねーかよぉッ!
     作ったヤツは何考えてるんだよぉ!
     さっきから一枚もレアがこねーじゃねーかよーーーーっ!)
それは機界社員の誤解だった。
そのデッキを作ったのは間違いなくプロであったが
それに安心した機界社員は自らのデッキの確認を怠たってしまった。
また、実践投入するのも今回が初めてな為、あまりにもデッキに不慣れすぎており、
つまりは、そのデッキの本当の力を十ニ分に発揮できないでいた。

機界社員(く…くそ…このままだと俺の分が悪い…。
     たしかに俺のデッキには上級レアモンスターは何枚かは入ってはいるが…
     次に引きあてる確立はかなり低い…。
     だが!ひとつだけ確実に勝つ方法がある……。
     フフ……このデッキにはないが いざという時のために
     俺のポケットの中にかくし持ってるレアカード達!!!
     この切り札を出せば……俺の勝ち…だ!!
     さて、問題はいつすりかえるかだが…)

クランは先ほどからずっと釣り目で睨みつけており全くスキがない。
子供「いいぞぉ!クランちゃん」
クラン「ん?」
少し余裕がでてきたクランは子供達に手を振った。
その一瞬。誰も気づかれないように
機界社員は手札をポケットの中のカードと全部入れ替える。
ニヤリとする機界社員。
機界社員「私のターン!ドロー!!
     幼女ちゃん なかなかやるね!
     私のデッキをここまで削るとは正直おどろいたよ!
     今度大会にでてみては…」
クラン「お世辞はいいから早く行動しろ!」
機界社員「ーーだがここまでだ!くらえ!」
機界社員が何かの薬をヴォルボックスに振りまくと、
ヴォルボックスの体が紫色に光り始めた。
クラン「!?な…なんだ?今何をした?」
機界社員「いずれ分かるさ。ククク。
     そして最高の切り札を発動!!
     そのカードはアイテムカード『ガラクタ人間』!」
クラン(な、何だって!?そ、それは、そのカードは)
4体のガラクタ人間がどこからともなくやってきた。
クラン(お兄ちゃんの作ったカード!!)
機界社員「ブッ殺せェッー!ガラクタ人間どもぉーーーーっ!」
ガシュンガシュン!
クランの場へと張りついた。
機界社員「そいつらは、次の私のターンの開始時に大爆発を引き起こす
     非常に強力なレアカードです!
     そしてパイル=ガーシムを再び守備表示で召喚してターン終了だ」
クラン(くっ…まずいな。
    こいつらガラクタ人間はヴォルボックスや夫婦竜(♂)で倒した瞬間誘爆してしまう…!
    どかせるようなカードもない…!
    このまま爆発したら、私の場のモンスター達はまず生きていられない…!)
クラン5ターン目
クラン「………私のターン。ドロー!」
機界社員「ククク!」
クラン(パイル=ガーシムは今の倒せるうちに倒さないと
    あとあとやっかいになりそうだ。ここは攻撃だ)
    まずサイロックスを守備表示で召喚する!
    そして、ポカポカの溶解液でパイル=ガーシムの守備力を落とした後
    夫婦竜(♂)で砲撃攻撃だ!」
先ほどのターンの再現する。
再びパイル=ガーシムは爆発炎上する。
クラン「そして!ヴォルボックスで無防備のプレイヤーに攻撃をしかけるぞ!!」
ドドドドドド!
機界社員「ぐふっ!
     (………撃ちましたね…ブラストを…)」
クラン「よしっ…これでターン終りょ…」
ブシュ!
クラン「えっ…?」
子供「うわぁ!」
突然クランの右腕上腕の血管が破裂して、肉が裂け皮を破って鮮血が飛び出した。
クラン「んぐっ!」
強烈な痛みが右腕から全身に駆け巡ってくる!
クラン「うっ…ぐぐぐ!い…痛い!!な、何よこれ………」
機界社員「ククク…。
     この日の決闘のために新開発したカードを使用させてもらいました。
     名前はまだありませんが、
     モンスターの中枢神経を刺激し、痛みを倍増させてしまうカードです。
     つまり今のヴォルボックスは全てのダメージが通常の2倍になっているのです!」
クランのデッキは普段の2倍近い自爆ダメージをうけていた。
機界社員「あとですね、そのダメージはモンスターだけでなく
     プレイヤーの自身にも伝わるように頑張って調整しましたよ!!」
クラン「な、何だと!」
クランの顔が青ざめた。
ジジジジジ。
ガラクタ人間達が赤い光を放ちだしている。
クラン「!」
機界社員「さて、私のターンの開始ですよ。まずは爆発タイムからだ。
     みんな吹き飛べ!」
クラン(や、やばい!今のヴォルボックスがもし攻撃をくらったりなんかしたら…っ!)
血ダルマになって倒れる自分の姿を想像するクラン。
クラン「(ヴォ!ヴォルボックスだけは絶対に守らなきゃ!)
    守備表示にしている夫婦竜(♀)でヴォルボックスを!
    同じく守備表示のサイロックスで私自身を守る!」
ドゴゴオオオーーー。
大爆発。
あれだけいたモンスターは全て消し飛んで
残ったのは、モンスターを盾にしたクランとヴォルボックスだけだった。
しかし、並みのモンスターなら盾にすらならなかったかもしれない。
一気にクランにデッキも倒されたモンスター分のデッキダメージ。
機界社員「フフフ。やっとデッキが減ってくれましたねぇ」
クラン「く…くそっ…。
    (さすがお兄ちゃんの作ったカード…。恐るべし威力だ…)」
しかしガラクタ人間の恐怖はそれだけではなかった。
クラン(まさか、お兄ちゃんのカードが敵になるなんて…)
呆然としているクランに突然上空から何かが遅いかかってきた。
ビシャ!ビシャ!
クラン「えっ…?な…何…この液体…?」
ジュー。ドジュー!
クラン「!!!」
クランの服が溶け出した。
それは、爆発したポカポカの体液だった。
クラン「やああ!(丸文字)」
観客「おおおおお!!」
ポカポカボンバーを自分自身にうけてしまったクランは
瞬きする間に服が溶け、靴下と靴だけ残して全裸になってしまった。
クラン「いやっ!やぁ(丸文字)」
決闘中にも関わらず大事な部分を手で隠し座り込んでしまうクラン。
予想もしなかった追加ダメージの発生で機界社員もたいへん満足している。
機界社員「アハハハハ。良い格好になりましたねぇ」
クラン「やあ!いやあ(丸文字)」
観客「うひょ〜。見えた見えた」
観客「ううっ。見に来てよかったよ」
クランの姿に観客達も大歓喜。
クラン「うっ…うう………なんでいつも私ばっかりこんな目に………はっ!」
カメラが三大クランの方向を向いて、画面には全裸のクランの姿が移し出せれている。
クラン「いやぁ!やだぁ!こんなの放映しないでェ!(丸文字)」
さらに体を縮こませ必死に隠す。

機界社員「ふぅ。それにしても、このガラクタ人間。
     便利なカードですが、作ったやつはろくなヤツじゃなかったなぁ…」
クラン「!」
機界社員「頭がイカレてて、ロリコンでキチガイでインポ野郎で、
     本当にろくでもない上司だったぜ。ああ、思い出しただけでもムカムカする。
     まぁ、死んじまってセイセイしまたしがね…ククク」
クラン「!!!!」
機界社員「いや、まぁ、あんな人間のクズみたいなのが作ったカードでも
     役に立つこともあるんですねェ。アハハハハハ!」
大好きなお兄ちゃんを侮辱され、クランの目がグルグル目になっていく。
クラン「キ………キサマ……ッ!
    ………い………今なんて言った!!!」
機界社員「ん?どうしたんだ?
     ひょっとしてあのガイキチと知り合いだったのかね?」
ブチッ
クランの中の何かが切れて、さっそうと立ち上がる。
機界社員「!?」
うつむいたまま身を震わせているクラン。
クラン「キサマ…………キサマだけは………絶対に許さないっ!
    ヴォルボックスで粉みじんにして肉片も残さないからな!!」
ゴゴゴゴゴゴ!
機界社員(な…なんだ…?なんなのだ!この幼女から放たれるオーラは…!?)
クランの謎の気迫におされ、おもわず足を2、3歩引いてしまう機界社員。

機界社員「フ…フンッ!いくら強がったところで、いきなりカードが強くなるわけじゃないですよ!
     それに、キミ一つ大事なことを忘れていないかい?」
クラン「なに?」
機界社員「服が全部脱げてるってことをさ」
クラン「………!?」
巨大テレビを見ると、クランの生まれたままの姿がそのまま画面に映し出されている。
生放送がゆえに、何の修正もなしだった。
それを見たクランは、少し間をあけ我に返る。
クラン「………………。
    いやああああああああああ(丸文字)」
クランが座り込むとほどよく番組のエンディングテーマが流れ出した。
機界社員(ちっ、番組終了かよ…)

とぉるるるるる
機界社員に緊急電話が届く。
なんと支社長自らだった。
やはりお茶の間を濁したことによる抗議の電話でもかかってきたのだろうか?
クランはうずくまってわんわん泣いている。
クラン「うわああああん。もう街中歩けないよーーーーっ!!!!」
全国に痴態を晒してしまったクランの傷はあまりにも重かった。

機界社員「ぼそぼそ
     (は、はい…す…すいません…つい調子に乗ってしまいました…。
      えっ?そうじゃない?
      放送枠を伸ばすからこの路線でガンガン突き抜けて欲しいですって?
      …はぁ…わかりました。支社長がそうおっしゃるならば…
      えっ?視聴率が上がればボーナス通常の2倍出してくれる?
      わかりました、私めにお任せください!)

放映「この時間は、『ニ見坂コトミの3時のニュース』の放送予定でしたが
   『今日の決闘』の放送時間を延長します。後の番組は延長ぶんだけ繰り下げれますので…」
クラン「ブッ殺してやる!」

流石のクランももう恥ずかしすぎて耐えられないようだ。
決闘さえなければ今すぐにでもこの場から逃げ出したいところだろう。
しかし、そんなクランに機界社員は張り切って追い討ちをかける。
機界社員「じゃ、あと10秒で私の勝ちでいいですかね?」
クラン「な…なに?」
機界社員「カオシックルール。第2条。
     両の足で立てなくなったプレイヤーはその場で即、敗北を意味する!」
クラン「!!!」
もともとは危険状態での決闘を避ける為のルールなのだが。
クラン「そ、そんな恥ずかしいことできるか!!!」
観客達「立ーて。立ーて。立ーて。立ーて」
一緒になって煽る観客達。
機界社員「10・9・8・7」
クラン「オ…オイッ!!」
子供「クランちゃん負けちゃヤダーーー!」
誰もクランの声を聞いていなかった。
クラン「!!!!!(赤面)
    ああっ!もう!
    わかったよ!立てばいいんだろ!立てばっ!」
観客「うひょー」
左手に持つデッキで股間を隠しながら半分ヤケクソ気味に立ち上がるクランだった。
クラン(ううっ…何で私がこんな目に…)

カメラはまずは無防備な後ろから
クランのフニフニとしてやわらかそうなお尻を移している。
クラン「う、後ろからうつすなっ!!このヘンタイカメラッ!!!」
それでもクランは座り込むわけにはいかなかった。
クラン(ううっ…こんなことになって、ゴメンなさいお兄ちゃん………)
天国の兄に心からお詫びを入れるクラン。

唯一の救いは周りはクランのことを小学生だとおもっていることだった。
もし16歳だと知られてしまえば、クランにとってこれ以上の屈辱はない。

機界社員「いやぁ!それにしても16歳とは思えないほど貧相な体ですね!!(大声で)」
クラン「ブッ殺してやる!」
機界社員5ターン目
機界社員「さーて、私のターン!!ドロー!
     ふむふむ。やっと私にも運が向いてきたようですね。
     機界の上級モンスター!バズ=ゴックスを守備表示で召喚します!ターン終了!!」

クラン6ターン目
観客「クランたんハァハァ」
観客「クランたんハァハァ」
観客「クランたんハァハァ」
観客達は文字通りの立ち見。会場は異様な熱気に包まれている。
クラン(くそっ…このヘンタイ共め…人の体をジロジロと…
    と、とりあえずこの格好をなんとかしなくては…決闘に集中できん…!)
クラン「私のターン!ドロー!(痛ッ!)」
ブラストで傷ついた右腕がまたもや痛みだす。
クラン(…ん?この引いたカードは…お兄ちゃんの!?
    そうかありがとう…やっぱりお兄ちゃんは私の味方だね!
    フフフッ。ヘンタイ共のくやしがる姿が目に浮かぶなぁ)
引いたカードをさっそく掲げるクラン。
クラン「まずはアイテムカード『スク水首輪』を使用する」
パッ
観客「!」
まるで魔法のようにクランの体にスクール水着と鎖つきの首輪が装着される。
興奮していた会場は、一瞬で静まり返ってしまった。
観客「…」
観客達はみな唖然としている。
クラン(フフフ!ザマーミロ!)
観客「その姿もそそるからいいよーー」
観客「うひょー。クランたん最高」
観客「クランたんハァハァ」
クラン「えっ!?ええーーーっ!?」
さらなる歓声が巻き起こってしまった。
スクール水着+首輪を装着し気をとりなおしたクラン
クラン(おそらくヤツのデッキは残り少ない。
    バズ=コックスさえ倒せばもう終わるだろう…)
機界社員「ククク………いちおう言っておきますと。
     バズ=コックスはデッキ構築者の推薦モンスターでしてね…
     非常に硬い装甲を持ち、普通の攻撃では傷1つつけることが…
クラン「ゴチャゴチャうるさいっ!ヴォルボックス!攻撃だ!!」
バシュバシュ!
ドカドカ!
ブラスト弾がバズ=コックスへと突き刺さった。
クラン「ブラァストッ!!」
子供「クランちゃん自爆攻撃はダメ!!!」
ドドドドドドドドド!

ブシュ!
今度はクランの左腕だ。
クラン「ぐっ!」
だが、これには耐える。
スク水首輪のおかげで痛みは軽減されている。
クラン「…どうだ…倒したか…?えっ?」
ヴォルボックスのブラストが完全に炸裂したはずのバズ=コックスは微動だにしない。
全くの無傷で立っていた。
クラン「な…なんだと!?」
バズ=コックスの影からひょっこりと現れる機界社員。
機界社員「なってない。まったくもってなってないぞ(byデッキ構築者風)
     その程度じゃこのバズ=コックスのハードスキンは傷もつかんぞ」
クラン(ブラストですらダメージ0なんて…
    こいつの固さはサイロックス以上だっていうのかっ!!)
機界社員の6ターン目。
機界社員「では、今度は私の番ですね。ドロー!
     アハト=アハト召喚!そしてアイテムカード『ツインカノン』を装備!
     プレイヤーに対して攻撃をしかける!」
ガシャン!
アハト=アハトがツインカノン装備によって2砲門にパワーアップ。
クラン「!」
ドッゴォォ!
狙ったかのように2発の弾丸がそれぞれクラン両腕へと炸裂。
ドゴ!! グチュ! メリメリ! メリィ!!
クラン「!!!!」
傷口に塩を塗ると言う言葉があるが、
弾丸はブラストにより破裂した傷口をえぐり取るようにして突き進んでいく。
そこから来る強烈な痛みを歯を食いしばって耐えるクラン。
ブチ! ブシュ! ビシャビシャ! ビシャア!
クランの肉辺が辺りに飛び散った。
クラン「があああっあああああーーーーっ!」
大量に飲んだ痛み止めですら、もう全く効いていない。
それでも、なんとかその痛みに耐えた。
クラン「ハァーーーーハァーーーー」
機界社員「わが社の社員が開発した120ミリ対戦車砲っ!!
     象100頭も木っ端微塵!熱さ3センチの鉄板も貫通だ!!」
クラン「ぐぐぐ…」
子供「ク!クランちゃん大丈夫!?」
クラン「だ、大丈夫だ…心配するな!」
なんとか笑顔を見せるクランだが、流れ落ちる汗だけは止められない。
機界社員「ククク。なかなかがんばりますねェ?
     地獄の淵でせいぜい友情ごっこを演じて見せるがいい」
クラン「ぐっ………」
機界社員「さて、バズ=コックスは守備表示したままターン終了ですよ」
クラン7ターン目。
クラン(…ハァハァ………
    モンスター守備表示の利点は2つ…1つは単純に防御量がアップ。
    もう一つは盾として他のモンスターをかばうことができること………。
    おそらく、これからの私の攻撃は全てバズ=コックスを盾にして防御する気だろう…。
    でも、やつのデッキはバズコックスさえ倒せば終わりなんだ…………。
    なんとかバズコックス倒す攻撃力を出さないと………。
    やはり、あの時ポカポカを失ったのはまずかったなぁ………)
機界社員「ククク!無理ですよ。
     たった1匹のモンスターだけでこのバズ=コックスを倒すことは不可能です!
     せめてあと2、3匹はいれば違うものの」
クラン「く…くそっ…ドローカード!」
クランの引いたカードは
クラン(こ…これは…このカードは!?
    うっ………しかし…今のヴォルボックスでこれを使えば………)
引いたカードを見て何かを躊躇するクラン。
機界社員「どうやらバズコックスの圧倒的な防御力の前に成すすべなくなったようですね」
クラン「余裕だな…
    だが、もうすぐその余裕もきっとなくなるぞ…」
機界社員「ほぅ。何かいいカードでも来たのですか。
     だったら使ってみたまえよ。そのカードを!!
     ワハハハハハ!」
クランは子供たちの方を見つめた。
子供達は必死な眼差しでクランを見つめている。
クラン(やるしかない!みんなのためならっ!…我慢してみせる…!!」
クランは強い決意と共に引いたカードを掲げた。
クラン「行くぞ!『爆導索』を発動する!」
ヴォルボックスから尻尾が飛び出した。
ビュン!ビシッ!
尻尾がバズ=コックスにまきついて外れた。
機界社員「な!何!それは!
     ヴォルボックスの攻撃でファイナルブラストの次に威力をあると言われる
     爆導索のカードか!!?そ、そんなカードまでもっていたとは!!!!」
これには機界社員もたまげたようだ。
機界社員「おっおい!待て!待ってくれ!
     わ、わかっているのか!!!
     今のヴォルボックスでそれを使えばおまえの体も!!」
クラン「覚悟の上だ!!」
ジャカカカカカカ
機界社員「よせっ!や…やめろぉぉおおお!」
クラン「キサマを殺すためなら私の命なんて惜しくない」
機界社員「うっ…うわああああああああ!!」
クラン「ブラストっ!!」
ドドドドドドドドドドド
ガラクタ人間と同様かそれ以上の大爆発が巻き起こる。
機界のモンスターたちは爆発の中に消えた。

ブシュッ!ブシュッ!ブシュッ!
しかし同時にクランの五体もいたるところで血管が破裂していく。
さすがのスクール水着も穴だらけに。
クラン「うっ…………うがぁああーーーっ!!」
子供「クランちゃん!」
その場に倒れてしまうクラン。
クラン「んっ…んあっ…うううっぐああああああああーーーっ!!」
その尻尾爆発からくる激痛はクランが想像以上のものだった。
子供「すごい傷だよ…そ…そんなにも、血がでてる…」
クラン「だ…大丈夫だよ…ハァハァ………うっ…」
なんとかギリギリ耐えることができた。
クラン「それより…バズ=コックスは…」
バズ=コックスの装甲の破片が周りにドスドスと落ちてくる。
機界社員「ひぃ…そんな…バズ=コックスが…」
膝をついて信じられないような表情の機界社員。
クラン「や…やったあ!どうだ私達の友情の勝利だ!」
機界社員「なんちゃって!それはどうですかね!?」
機界社員の態度が裏返る。
クラン「!!な、なんだと!?」
煙の中からは無傷のバズ=コックスが現れた。
機界社員「フハハハハハ!その程度の攻撃でやられちゃうバズ=コックスじゃないですよ」
クラン「そ…そんな…どうして…?
    ヴォルボックスの最大級の攻撃なのに…!!
    バズ=コックスの防御力はそこまであるっていうの?」
機界社員「いえいえ!
     たしかに、あのままだと確かにやられていたでしょう
     しかしアイテムカード『通勤用装甲』装着!!ヨーポッポ!!
     これでバズ=コックスの防御力をさらに頑丈にパワーアップさせたのです!」
クラン「!!!」
機界社員「機界の科学力は世界一ィィィィィィィィィィィィィィィッッ!!!
     できんことなどないィィィィィィィィィィィィィィィッッ!」
クラン「くっ…」
機界社員「さて!では私の7ターン目!!ドロー!
     アハト=アハト攻撃だ!ツインカノンっ!」
ドッ!
メリメリメリメリメリィ
クラン「!!!!ぐわぁあああああ!!!」
弾丸は倒れたままのクランに両腕に炸裂、傷口の奥深くへとめりこんでいった。
クランもついに両手からカードが離してしまった。
叫び声をあげながら地面を転げ回り体全体で痛みを表現しているようだ。
機界社員「おやおや。
     またもやうっかりして怪我してる場所にあてちゃいましたね…ククク
     あ〜あ。その腕じゃあもう決闘はできないかなぁ?」
その表情はあまりにも残忍だった。
クラン「ッッッ!!!!」
両腕は、腕全体に針を突き刺されたかのような鋭い痛みが走っていた。
なんとかカードを拾おうと、少しでも腕に力を入れると
さらなる痛みが走りだし、もうどうにかできるレベルではない。
クラン「グッ…………ああああああっ!」
クランは苦悶の表情を浮かべたまま脂汗と血をダクダクと流す。
それでも頑張ってカードを拾おうとしてももう腕には何の力も入らない。
機界社員「おや?なかなか頑張りますね〜見上げた根性ですよ。ですが」
クランの手のヒラを踏みつける機界社員。
ボキベキベキ!
クラン「ぎゃああああ!…」
手の骨は間違いなく折れただろう
機界社員「でも、いくら頑張ってもカードをもてなきゃ、もう勝負にはなりませんよね。
     つまり!この勝負私の勝ちだな!」
グリグリグリ。
クラン「うぎゃああああ!」
子供「クランちゃん!」
子供「クランちゃん!!」
子供「クランちゃん!!!」
クラン(…み、みんな…ごめんね。…わたしもう…。
    こんな私になんかにカードをかけさせてごめんね………)
クランは最後の涙がこぼすと、気が遠のいていくのを感じた。
子供「クランちゃん!がんばって!」
クラン「!?」
子供「そんなヤツに負けちゃヤダよ…」
子供「お願い。クランちゃんからもらったカード奪われたくないよー!」
泣きながら声援をおくる子供たち。その声がクランの意識をつないだ。
クラン(お…オマエたち)
機界社員「ククク。あがいても、もがいても無駄無駄無駄ァ!!」
クラン「うわぁあああああああああああああああああ!」
子供達の声援に後押されるように、クランは叫びをあげながら立ち上がった。
なんとか立ち上がるも、力の入らないその両腕は以前としてダラリとしたままだ。
だがその目はまだ死んでいなかった。
機界社員「ほぅ?立ち上がって何をする気かな?」
クラン「………
    ……………ちょ………ちょっとタイムだ!!」
機界社員「?」
クラン「す、すぐ戻ってくるから絶対に待ってろよ!」
クランは泣きべそかきながらその場から逃げるようにして去っていった。
機界社員「…?
     これは、私の勝ちってことでいいんですかね?」
子供「バカヤロー!何言ってんだ!」
子供「クランちゃんは逃げたりしない!」
子供「すぐに戻ってくるっていっただろ!!きっとションベンにでもいっただけだ!」
機界社員「アハハハ!帰ってなんかくるもんですか!
     あの幼女は痛いのがイヤで、キミ達を捨てて逃げちゃったんだよ」
子供「そ、そんなことない!」
機界社員「まぁいいでしょう。そこまで言うなら、あえて10分だけ待ちましょう」
ここでCM。放映時間はさらに延長された。

観客「おれ、今のうちにカメラを買ってこよ!」
観客「おれもビデオのバッテリー入れ替えなきゃ!」
何かを期待してそなえる観客達。
病院内を穴あきスク水首輪+全身血まみれのクランが走っている。
クランの向かう場所は神経科だった。

神経科 室内。

クラン「おいっ!!」
医者「ど…どうしたんだい?お嬢ちゃん。…ひどいケガじゃないか」
クラン「そんなことはどうでもいい!
    オイッ!オマエ!あの薬!スーパーモルヒネXを私にうってくれ」
医者「な、なんだって〜!
   そんなことをしたら君の体は、
   それ以上成長できなくなってしまうかもしれないんだよ!?」
クラン「かまわん!」
クランの形相はすごく必死だった。
医者も声を低くする。
医者「いいのかね。本当に?
   例え一生そのままということが無くても、少なくとも確実に成長は遅れることになるんだぞ」
クラン「もう覚悟は決まった!」
医者「………」
クラン「………お願いします!」
医者「…そうか………」
医者の声は重かった。
医者「じゃあ、この契約書にサインをかいてね」
口で鉛筆を持ってサインするクラン

医者「じゃあ、次に上着を脱いで…そこのベットに」
クラン「えっ…脱がなきゃ…ダメ…?」
医者はコクリとうなずく。
クランはしかたなくスク水首輪をカードに戻し全裸になった。
ルール上、はずした装備は捨て山に…つまりスク水首輪はもう使えない。
ベットに横たわるクラン。
医者「そうそう。横になってエビみたいに丸くなってね。
   筋肉注射だからちょっと痛いかもしれないけど…」
チクッ
クラン「んっ!」
クランの背中の脊髄に注射が突き刺さる。
でも、これぐらいの痛みなら今の両腕に比べれば痛みにくらべ遥かにマシだ。
クラン「うっ…」
医者「どうだね?」
クラン「あ………
    すごい…!う、嘘みたいに痛みがない。
    こ、これならまだ戦える」
拳を握るクラン。
医者「いつでもいいから成果はちゃんと聞かせてくれよ…」
クラン「ハイッ!ありがとうございました」
クランは再び決闘場へと戻っていった。
機界社員「そろそろ10分か…」
子供「うっ…うう。クランちゃん…」
子供達は泣きそうだ。
機界社員「さぁ、観念してキミ達の持つ竜界のカードを渡しなさい!
     流石にかわいそうだから機界パックを1枚ずつあげるから」
子供「やだっやだぁ!」
クラン「まていっ!!!」
そこに戻ってきたクラン。
会場にいる人間全員が注目した場所には、靴下と靴以外一糸まとわぬクランが仁王立ちしている。
先ほどまでとはうって変わって、まったく隠くつもりはないようだ。
観客「うおおおお!!」
すかさずクランのその姿を目やカメラに焼き付ける観客達。
薬によって完全に覚醒したクランは、羞恥心とかそういったものは完全に消えてしまっている。
子供「あっ。クランちゃんだ!」
子供「クランちゃーーーん!」
機界社員「おや?戻ってきたんですか?」
クラン「ああ!まだまだ勝負はこれからだ!」
観客「うひょ〜。クランちゃんこっち向いてよぉ〜」
クラン「うるさい!このヘンタイ共!見たけりゃ勝手に見ろ!」
いつもの元気というよりは、もう何かが吹っ切れたようなクラン。
さっそく、四つんばいで後ろからついて下さいと言わんばかりの格好で落ちたカードを拾い集める。
腕は十分に動いていた。

機界社員「ふ〜ん。何をしてきたのかは知らないが。
     でもルール上。3分以内に行動しなければ
     ターンは強制終了というのは適用させてもらうよ」
クラン「わ…わかってる」
クランの8ターン目はドローとスク水首輪だけ脱いで強制終了。
機界社員の8ターン目。
機界社員「じゃあ、俺のターン。ドロー!」
機界社員「召喚モンスターはなし!
     アハト=アハトで攻撃!!!ツインカノン!!!!」
再びクランの腕が標準に。
機界社員(また、すぐに泣かせてやるぜ!!
     もう今度こそ絶対に立てなくなるほどになっ!ククク!)
今度はクランの左腕だけを集中的に攻撃をかける!
2初の弾丸がクランの肘関節へと直撃。
バキッ!
関節が外れてしまった。
子供「うわぁああああ!」
絶叫する子供達
クランの手はブラブラとしている。
機界社員「アハハハハ!無茶するからこうゆう目にあるんですよ!!!」
しかしクランは微動だにしない。
クラン「今、何かしたのか?」
機界社員(な、なんだと!?やせ我慢をっ!)
クランは強引に骨をはめだした。
メキィ!メリメリ
バキボキベキ!
ベキバキ!グシャグシャ!
クランの腕から生生しい音が室内に響き渡る、
メキメキ!ベキバキ!ベキ!ボキメキ!
観客「ひ…ひぃぃ」
見ている観客がだんだんと青ざめていく。
賑やかだった辺りは、すっかり騒然としてしまい、
クランの腕の音だけが聞こえている。
クラン「あれ?」
クランの腕は変な方向に折れ曲がってしまった。
クラン「お…おかしいなぁ…」
バキボキベキベキメリ
ゴキメチャベキバキバキ
機界社員「あ…あの………もしもし?」
やはり素人がカッコつけてやるものではなかった。

骨を直そうと、何度も繰り返していくうちに
ついに肘は青紫色になって通常の2〜3倍ほどまで膨れ上がってしまった。
腕はありえない角度に曲がり、
肘からは折れて針のように突起した大小様々な骨骨がクランの皮膚から飛び出して、
そこから骨髄や透明な体液がボトリボトリと床にしたたり落ちている。
皮下細胞は折れた骨が突き刺さりグチャグチャになって他の体内組織と混じりあっているようだ。
それでもクランは腕を直そうとして、まだまだ腕をゴリゴリと動かす。
ベキバキボキゴリゴリゴリメチャ
さらに腕は異質なものに変わっていき、もう人間の腕だったものではなくなってしまった。
メリグチャグチャバキリブシュ
その様子に吐き気をもよおした観客の半分以上が部屋から去っていった。

とぉるるるるる
茫然自失としている機界社員に緊急の電話。
支社長からだった。
機界社員「えっ?抗議の電話が殺到してるから、この路線を何とかしろって…?
     い…いや…で………ですが…そうは言われましても…」

クラン「ああっ。もう!いいや!!
    片腕だって決闘できるもん!」
クランは開き直ってついにあきらめた!
機界社員「あの…この勝負。引き分けで手をうちませんか?」
クラン「ダメダメ!!」
クランの左手を見ているだけで、機界社員までも吐き気をもよおしてきた。
クラン9ターン目
クラン「いっくぞー!私のターンだ!!ドロー。
    おっ!いきなりカードがきたな!」
機界社員の背中に凍りつくような悪寒が走る。
クラン「アイテムカード『タフマリンR』を使用だ!」
ムキィーーーーン!
ヴォルボックスはヴォルボックスマッスルへとパワーアップ!
クラン「そして前のターンで引いたルーンカード!『全弾発射』を使用する!」
ヴォルボックス「ジャオ!」
ヴォルボックスマッスルは制御棒を全てはずし
全ての制御棒からブラスト弾の一斉射撃を開始した。
ブラスト弾までマッスル。それは南国のヤシの実ほどの巨大なものになっていた!
それが隕石のように、弾丸の嵐となって機界社員を襲ってくる!
機界社員「う!うおおおバズ=コックスを盾にする!」
襲い掛かる弾丸は、アハト=アハトぐらいなら簡単に鉄くずしてしまうほどの超高威力だった。
バズ=コックスのハードスキンもさすがに少しだけへこんだ。
機界社員「や…やっと、やんだぜ…」
クラン「おいっ…もちろんこの後、私が何を叫ぶかわかってるだろうな?」
びくっとする機界社員。
機界社員の足元や、バズ=コックスに刺さっているブラスト弾は
普段の十数倍のサイズ、おそらくはその威力も当然恐ろしいものに………。
そんなものを、くらえば機界社員の命の保障はない。
機界社員「ま、まて!や、やめろ!やめてくれ!」
しかしクランは躊躇もせずに、あの言葉を口にするのであった
クラン「ブラスト」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

さすがのバズ=コックスのハードスキンもこれには耐えられず爆発炎上した。

爆風で壁へと吹き飛ばされた機界社員。
バズ=コックスが盾になってなんとか一命はとりとめたようだ。
機界社員「うっ…ううっ…な、なんて威力だ………」
機界社員のデッキはなくなった
この勝負クランの勝利だ。
勝つことはできなかったが、なぜかほっとした感じの機界社員。
しかし機界社員の悪夢はまだまだこれから。
ドスッ!
機界社員「ぐっ!」
その時、機界社員の首に高速で飛んできた『何か』が突き刺さった。
その大きく膨れ上がった紫色の物体、ところどころが突起した骨、
それは間違いなくクランの左腕だった。
機界社員「ひ…ひぃぃ!!!!」
膨れ上がった部分は骨折熱によりかなりの熱量をもっているが、その指先は驚くほど冷たかった。
機界社員は喉にヒンヤリとしたものを感じる。
喉には指が深くくいこんでいて、力を入れても全く抜けてくれない。
機界社員「ハッ!」
ザッザッザッ
クランがゆっくりと歩いてくる。

クランの左腕はやはり、ちぎれ飛んでいた。
もげおちた左腕の細胞がむき出しになった場所は、
波うった海面のようにでこぼこになっており、まさにちぎれ飛んだという感じだった。
その表面に見える細胞質はドス黒い静脈の血で浸って潤っており、
ちぎれた大きな血管から地面に向かってドス黒い血液が流れ落ちている。

右腕も、半分以上はちぎれてかかっており、
多少の肉片だけでなんとか繋がっているだけで、
腕の先はミシミシと音を立てながら、重力に引かれブラリブラリと振り子運動を繰り返している。
ちぎれて細胞が見える部分からは、動脈の鮮やかな赤い血の色が勢いよく噴出されていた。

右腕の下腕は、肉が裂けた箇所が亀裂のように走っており
いたるところの皮と肉が削げ落ちて、破裂した紫色の細胞が見えていた。
場所によっては骨まで見えている。
手首は180度逆に折れ曲がり
指先も千切れ飛んだり、粉みじんになったり、折れて骨だけ飛び出していたりしている。
機界社員「うわっ…うわああああああ!!化け物だぁあ!!!!!!」
     た、助けてくれぇ!」
クランの姿に恐怖した機界社員は、大切なジェラルミンケースも忘れたまま
何度も倒れながら部屋の出口に逃げ出していった。
その間、決してクランの方に振り向くことはなかった。
クラン「おいっ。オマエわたしの手が刺さったままだぞ…」

よく見ると観客はもう誰もいなかった。
クランは右腕から血を撒き散らしながらも、決闘に勝って嬉しそうな笑顔。
さっそく子供と喜びを分かち合いにいく。

途中、カメラに気をうつす。
クラン「はっ!そうだ!くそっ!私の体を全国に放映する悪いカメラめ!!
    こうしてやる!」
クランは左腕の断面をカメラのレンズにグリグリと押し付け
自分の血と体液でレンズを汚していく。
本来ならば死んでしまうような苦痛をなのだろうが
過剰な脳内麻薬によって快楽に支配されている。
画面にはクランの細胞が活動する様子、つぶれる様子等が
リアルタイムで映し出されている。
つぶれて跳ね返った細胞がクランの顔や体にもピチャピチャと付着していく。
体液と細胞にべっとりと汚されたレンズは使いものにならなくなった。

2台目のカメラは動脈から激しい血をふきつけてお陀仏に。
3代目のカメラは、右手の拳を何度も撃ちつけレンズごと破壊。
その際クランの拳もぐちゃぐちゃにつぶれて、拳は赤黒い血と突起した骨だらけになって割れた。

気が済んだところでクランは再び子供達に向かっていく。
クラン「みんなぁ。わたし勝ったよ!(丸文字)」
ゾンビのように向かってくるクラン。
子供「いやぁ、こわいよぉ」
子供「うわぁ!うわぁあああああ!」
子供「お、お願い!お願いだから来ないでぇーーー!」
子供「お母さーーーーん」
子供達は泣き叫んで固まって、決してクランの体を見ないようにしている。
逃げようにも、足が悪くて逃げられない。
なにしろ、腰もぬけている。

クラン「どうしたの?みんな(丸文字)」
血にまみれながらも笑顔のクラン。
子供達に動脈から発射される血が降り注ぐ。

と、そのときハカナがやってきた

クラン「あっハカナだぁ(丸文字)」
クランの興味はハカナにうつったようだ。
ハカナ「な…なによこれ…」
惨劇の現場をあらわにしたハカナは、あっというまに血の気が引いていく。
そんなハカナにクランが走り寄ってきた。
ハカナ「く…クランちゃん?」
ただごとでないクランの体に、ハカナの頭の中は真っ白になった。
クラン「ハカナぁ!私勝ったよ(丸文字)」
クランが喜んで両手を挙げながらやってくる。
右手をつないでいる細胞はどんどんちぎれていく。
バキッ!ボトッ!
ハカナの目の前につくと、ついに右手までもがボトリと落ちた。
ハカナ「!」
落ちた手はまだビクビクと動いている。
それを直視したままのハカナは息が止まった。
クラン「えへっ。
    両腕もげちゃった
    痛いよハカナぁ(丸文字)」
ハカナの胸にとびこんでゴロゴロ甘えるクラン。
事態を把握したハカナは、とりあえず気絶することにした。
クラン「ハカナ!?ど、どうしたのハカナ!?
    ねェったらねェ!!」
クランはむき出しの細胞で倒れたハカナの体をゆすった。
クランのぐちょぐちょになった腕細胞からしたたり落ちる液が
倒れたハカナの制服を容赦なく汚していった。

クランの退院はまだまだ先になりそうだ。

なお、この決闘の番組は、次週突然の打ち切り。
データも全て焼き払われたが、
偶然にも録画していたビデオは希少品として
ごく一部に人間達の間で高額で取引されたという。

                    第九話 終わり
370パステルクランの人:03/12/20 23:05 ID:1/bNGkwc
えっと・・・こんな事いうのも何ですが、今回は酷すぎると思います。
前、僕のSS見て「クランたんは大事にしてやってください」とか言ってた人と
同一人物とは思えません。
クランたんはみんなのヒロインであり、ある程度は苦しんだり、可哀相な目にあうと言うのは
僕も賛成です。でも、物には限度ってがあります。
貴方の文才は凄いものだと思いますし、尊敬できる部分も数多く持ってるんだから
これからは程度というものを考慮してその力を活かしていって欲しいです。
それでは最後に・・・・・
モツカレー!!


スレ汚しスマソ。これからもガンガッテ下さい。批判する時だけ名無しって言うのも
格好悪いので、パステルクランの人のまま言わせてもらいました。
371名無しさん@ピンキー:03/12/20 23:25 ID:stkFMkw2
>>370
しかし、ここはエログロスレだし……。
人それぞれ愛し方は違うわけだからねえ。

そこは踏まえて、仲良くしてくださいな。
372名無しさん@ピンキー:03/12/20 23:37 ID:9M9z8pMn
エログロスレにおいてグロはエロは善、グロは正義也。
ていうかまだ読んでないけど。これから読むんで。
まあ、納得できるor読んでて萌える(一部の人々が)グロなら
いいと思うけど。
何、グロキライ?流血ダメ?………そんな奴がこんなスレに
くる訳……ない………よね…?
373パステルクランの人:03/12/20 23:44 ID:1/bNGkwc
ちょっと言いすぎたようです。以前、僕が通っていた所では
批判しあって成長していった人が数多くいたので、思った事は言った方が
いいのかと思って・・・まぁ、遊戯王風は元々好きですから。
応援してますよ!
374名無しどん:03/12/21 00:02 ID:BydnW7ju
遊戯王風の人乙カレー
なんつーかすごい展開になってますな(^^;A
それにしても千切れた腕の描写とかすごい…
ここがエログロスレだったという事を改めて思い知りました

この調子で次回も期待しています!
375名無しどん:03/12/21 01:16 ID:BydnW7ju
なんか遊戯王風の人の後に貼るのははばかられるようなできですが…
とりあえずぺたぺた
376名無しどん:03/12/21 01:18 ID:BydnW7ju
クラン「さあ、勉強を始めるぞ」
腕を組んで仁王立ちするクランの前には、蜜柑箱の上に問題集とノートを広げてリョウガが正座している。
前回失敗しているので今回はなんとか挽回したいクランだ。
リョウガ「どうでもいいけど、お前本当に中学でてるのか?」
クラン「やかましい!次言ったらブラストだからな
    言っておくが、私の授業は厳しいぞ」
リョウガ「まあいいや、付き合ってやるよ
     そっちはお前の連れなのか?」
リョウガの視線の先には、くわえタバコの女性とバンダナの男が勝手にお茶菓子を食っている。
クラン「タバコが師匠でバンダナがコウジだ
    師匠は魔法の国『女界』から来た大魔法使いだ
    コウジはその辺で拾ってきた、食って寝るだけだから気にするな
    つべこべ言わずに勉強を始めるぞ」

コウジ「うっひょー!
    デスレックスがこんなに…流石源の旦那っすね!」
リョウガ「ったりめーよ、デスレックスはデュエリストの実力の証だからな」
クラン「…集中しろ」
リョウガ&コウジ『すいません』
クランの一睨みで大人しくなる2人。

師匠「おーい飲み物が切れた
   リョウガとか言ったな、チャイ買ってこいチャイ」
リョウガ「お、俺が…」
クラン「邪 魔 す る な」
師匠「す、すまん
   おいコウジ!
   …ってあいつ何処行った?」
377名無しどん:03/12/21 01:26 ID:BydnW7ju
何かと邪魔してくる師匠とコウジを黙らせ、リョウガに勉強を教えるクラン。
問題集に集中しているリョウガを見つめて、顔が緩んでいる。
リョウガ「ここの訳がわからねえんだけど…
     Saying science anyhow, the problem is whether to be able to drop pants or not.」
クラン「そこの訳はねぇ
    『科学はどうでもいい、問題はパンツが落とせるかどうかだ』だよ♪
    Exciteで訳したから間違いないよ(丸文字)」
リョウガ「…お前そんな喋り方もできるんだな」
クランの可愛らしい喋り方に驚いたリョウガが余計な事を言う。
クラン「ううう、うるさい!そんな事より問題に集中しろ!」
いつもリョウガの前では照れてしまいきつい口調になってしまうクランだが、リョウガに見とれてついつい地が出てしまった。
照れ隠しに怒鳴るものの、あの可愛い喋り方をした後では威厳の欠片も無かった。

その後師匠による妨害があったものの、やがて飽きた師匠は1人で帰ってしまった。
それからはリョウガの勉強は順調に進み、クランもリョウガと2人だけの時間を満喫していた。
クラン「ふん。まあ貴様にしては頑張った方だな、今日はこのくらいで勘弁してやる」
    (名残惜しいけどこんな時間になっちゃったし…)
正座させられる事数時間、ようやくクランが終わりを告げた。
リョウガ「ふいー、やっと終わりかよ
     まったく、勉強なんてやってられないぜ
     さあ、デッキ組むか!」

378名無しどん:03/12/21 01:27 ID:BydnW7ju
リョウガのその態度を見たクランの眉が吊りあがる。
沸点の低い娘だ。
クラン「む 今日は初めてだったから手加減してやったんだぞ!
    いいか!大体貴様そんなんで受験戦争を生き残れると思ってるのか」
リョウガ「いや…そう言われても」
クラン「大体今の貴様は戦場にでても動く的が良い所のFuckin' New Guyだ!
    大学受験に失敗して、浪人するくらいなら専門学校に進学!
    卒業したはいいが、ろくな就職先も見つからずフリーターになって将来路頭に迷うのが関の山だ!」
リョウガ「ぐっ…言い難い事をはっきり言いやがるな…」
クラン「その腐った性根を叩き直してやる!そのまま動くな!
    『ぼるぼっくす』!!」
またしても何処からとも無くファンシーなバトンが現れる!
リョウガ「うげぇ!?」
必死で逃げようとするリョウガ。しかし何時間も正座した足は痺れて言う事をきかない。
リョウガ「くそっ こうなったら、やられる前にやってやる!」
そう叫んでクランに飛びかかる。
クラン「ブ ラ ス 」
リョウガ「だああああ!」

ドッシーン!

リョウガの何時間も正座した足は最後まで言う事をきいてはくれなかった。結果として飛び掛ったリョウガはクランを押し倒した形になった。
クラン「いった〜い(丸文字)
    …っ!?
    いやああーーー!!!(丸文字)」
なんと倒れた拍子にリョウガはクランの股間に顔を埋めてしまっていた。しかも驚いたクランが足を閉じてしまった為にリョウガの頭はクランの太股に挟まれてがっちりホールドされる。
クラン「きゃあーーーー!!(丸文字)
    へんたい!リョウガのヘンタイ!!(丸文字)
    このっ 死ねっ 死ねっ(丸文字)」
『ぼるぼっくす』の柄でリョウガの頭を容赦なしにガツガツとどつくクラン。
379名無しどん:03/12/21 01:28 ID:BydnW7ju
クラン「離れろーーー!!(丸文字)」
リョウガ「ふがふがが」
細い足からは想像もできない強い力で極められいて、クランのホールドから離れられないリョウガ。その間も『ぼるぼっくす』の猛攻は続く。
クラン「もうっいやーーー!!!(丸文字)
    ブ ラ ス ト ォ ー !!(丸文字)」

ち ゅ ど ー ー ー ん ! ! !

爆発の煙が収まるとそこには頭にこぶを作ったリョウガが気絶している。その顔はどことなく幸せそうだ。
魔法少女パステルクランの姿は当然の事ながら消えている。

クラン「うえーーん!リョウガの馬鹿ぁーー!もうお嫁にいけなーーい!!」
泣きながら『ぼるぼっくす』で逃げ出したクラン。またしても失敗だ。折角二人きりでいい感じになったと思ったのに…
だが今日の失敗をバネに頑張れクラン!

第2話 完
380名無しさん@ピンキー:03/12/21 04:04 ID:eOwgh5Fr
魔法少女キター!

>>Saying science anyhow, the problem is whether to be able to drop pants or not.」
>>クラン「そこの訳はねぇ
>>    『科学はどうでもいい、問題はパンツが落とせるかどうかだ』だよ♪

勉強になるなぁ
381遊戯王風の人:03/12/21 17:47 ID:XKa8vDeC
>376-379
ほのぼのしてて心が洗われました。


>370-374
今回は私の心無い文章により
全国のクランたんファンの人たちに不快な思いをさせてしまい
申しわけありませんでした。

SSの内容も酉の市の熊手のように、
回を増すごとに過激度が増してきてしまったのは
本人もうすうす感じてた所でございました。

>373
>ちょっと言いすぎたようです
いえ、そうゆうことはどんどん仰って下さい。
私は調子にのると歯止めが効かなくなり、
空気が読めなくなるタイプの人間なので、
もしここで言わなければ、
次はもっとたいへんな事態になっていたかもしれませんので。

続きは書こうかどうか迷うところですが、
パステルクランの人の仰るとおり
程度を考慮して抑え目に書いていこうかとおもいます。

では長文失礼しました。
382名無しさん@ピンキー:03/12/21 19:08 ID:eAy7xZev
乙です
コウジも師匠もまったく役に立っていない気が……
なんで連れて来たんだろう……
そもそもコウジはクランたんに飼われているのか?
おのれコウジ! あな口惜しや!
383名無しさん@ピンキー:03/12/21 19:34 ID:7xqlY2iJ
遊戯王風の人、パステルクランの人、乙です。
正直、久しぶりにここがエログロスレだということを思い出しました。
384名無しどん:03/12/21 21:17 ID:iUnXgxLU
感想どうもです
この調子で続きを…書けるか微妙だったりw;

ちなみに英語はexciteの翻訳で出したので怪しいです(笑)
師匠とコウジは…本当,何しに出てきたんでしょうね?
出した本人が一番謎です(コラ
385名無しさん@ピンキー:03/12/22 01:10 ID:r3wItYzU
グロといってもああいうノリだとひどいとも思わんかったが。
て言うかむしろ物足りない。

前半の羞恥プレイのが燃えますた。
嬉々としてスク水首輪装備するし。
386名無しさん@ピンキー:03/12/22 01:37 ID:b9pa9Jh5
>>384
実は最初の一単語で躓いてる。
そこの訳は個人的には
Sciencd is not needed, a matter is whether it is possible to remove shorts.
とかそういう感じかな。
excite翻訳は「いい」とかの言葉で引っ掛かりやすいから言い回しは考えた方が正確にいくよ。
387386:03/12/22 01:41 ID:b9pa9Jh5
あ、最初のSciencdは当然Scienceのことね。

ところで>>381もしかして改蔵ネタ?
388名無しどん:03/12/22 03:38 ID:FotSQyBS
>>386
なるほど、やっぱり間違いなんですね=□○_
exciteを使うときは気を付けます
389パステルクランの人:03/12/22 14:43 ID:tnfavp1d
今回は色々と皆様の意見を参考にしてみました。
さあ、貼りますよ!!
学校でトウマに襲われたもののクランも無事救い出し、ハカナの嫉妬心は弱まって解決。
トウマをこらしめに行ったリョウガだが、帰りが遅いので
先に帰る事にしたクランとハカナ。
クラン「ふぅ・・・疲れた・・・。」
家に帰ると、時刻は六時を回っていた。
クラン「リョウガのやつ、何してんだろ・・」
居間でぼんやりテレビを見ながら、クランはそんな事を考えていた。
クラン「晩ご飯作って待っとこう・・・」
クランは台所に立つと引き出しからカレーのルゥや人参、ジャガイモなどを取り出した。
ガッガッガッガッガ・・・・
みじん切りの音だけが部屋に響き渡る。
クラン「痛っ!!指切っちゃった・・・ぺろ」
不器用なクランはよく指を切る。その度に子犬の様に傷口を舐めるのだった。
その時。
ガチャ。
リョウガ「おーいクラン、いるのか?」
クラン「リョウガぁ」
リョウガの帰りを待っていたクランは、満面の笑みで出迎える。
クラン「今カレー作ってたんだ。」
リョウガ「カレーか!!よしよし、俺も手伝ってやろう!!」
珍しく好みが一致した二人。
リョウガ「カレーにはなぁ、隠し味でハチミツとかリンゴとか入れるんだぜ!」
クラン「ふぅん・・・」
カレーの事にやけに詳しいリョウガ。カレーの王子様のあだ名は嘘ではないようだ。
リョウガ「それで・・・」
スゥ・・・・
リョウガがカレーの説明をしていると、天井をすり抜けて何かが降りてきた。
???「クラン・・・棗クラン・・・」
クラン「!?オ・・・オマエは・・・神さまの使い・・?!」
使い「そうだ・・・」
リョウガ「な・・・なんでそんな奴がここにいるんだよ?!」
使い「クラン、お前を神さまが呼んでおられる。」
クラン「えっ?!私は魔法界から追放されたハズじゃ・・・」
使い「それでも呼んでいるのだ。いいからついて来い。」
そう言うと、神の使いはクランを片手で抱えた。
リョウガ「まっ待てよ!!クランを何処につれて行くつもりなんだッ!!」
使い「なんだお前は・・?クランとどういう関係なのだ?」
リョウガ「どういう関係って・・・・その・・」
使い「・・・・まあいい。貴様も来るがいい。」
リョウガ「うわっ!!」
リョウガが持たれる。
使い「ディープ=ハンマー!!」
使いが叫ぶと、足元から現われた鮫の様なモンスターが神の使い達を乗せ、
天井をすり抜けて天へと上っていってしまった。
使い「着いたぞ。」
リョウガ「こ・・ここは・・」
???「ごくろう。もう下がっていいぞ。」
使い「はい。」
クラン「ここは魔法界最深部・・・神の間・・?!」
???「いかにも。」
使い「この方こそ、魔法界の神、カスミ様だぞ!!」
カスミ「今回クラン、お前を連れて来させたのは他でもない。」
クラン「なんで・・・私は追放されたんじゃ・・」
カスミ「そうだ。確かに私はお前を追放した。だが、それはお前が失敗を重ねたからで
あり、お前の才能自体は優れたものなのだ。」
クラン「才能・・・?」
カスミ「ああ。そこで私は、お前にチャンスを用意した。上手くいけば、お前は再び
魔法少女の地位を取り戻す事ができるぞ!」
クラン「で・・でも私は・・・リョウガもいるし・・」
カスミ「心配する事はない。魔法少女に戻った所で、魔法界で暮らさなければ駄目だと
いう決まりはどこにもない。魔法界からすれば、優れた才能の持ち主が
魔法界の住人だというだけで誇りになる事なのだ。」
クラン「・・・それなら・・・」
リョウガの方を見るクラン。
リョウガ「やって来いよ!本当はやりたいんだろ?」
クラン「・・でも・・・チャンスって言っても何をすれば・・・」
カスミ「そこで、だ。私が若い頃修行した伝説の世界、『女界』に行ってこい!!
その最深部にあるヴォルボックスのカードを手に入れてここに戻ってくれば合格だ!」
クラン「ヴォルボックス・・・?!それって私のバトンと同じ・・・」
カスミ「お前のバトンには、湿ったカンシャク玉のオブジェがついてるだろ?
そいつの事だよ。実際にヴォルボックスってモンスターがいて、それをオモチャにして
商品化したのが、お前の持ってた『ぼるぼっくす』だ。
店で売ってた位なんだから、もちろん威力も数倍弱くしてある。モノホンの
ヴォルボックスはもっと強いし、迫力もすごい!!そのヴォルボックスがカードに
封じ込められたのが女界の奥にあるんだよ。」
クラン「・・・すごい・・!!」
カスミ「よし、この扉の向こうが女界だ。」
カスミが座っていた椅子をずらすと、扉が現われた。
リョウガ「じゃあ、頑張ってこいよ!!」
カスミ「ちょっと待ったぁー!!一人で行かせる気かい?」
リョウガ「え・・・保護者同伴OKっすか?」
カスミ「あたぼうよ!!ああ、あとエレ!!」
エレ「はーい♪お姉さま何ー?」
カスミの横にいた機械のような装甲を着込んだ少女が元気に返事をした。
カスミ「ついて行ってやりな。」
エレ「えー!!お姉さまと離れるのヤー!!」
カスミ「エレちゃ〜ん?私の言う事がきけないって言うの?」
エレ「・・ききますぅ。」
どうやら、このエレという機械少女もついて来るらしい。
リョウガ「(大丈夫か・・・コイツで・・?)」
クランとリョウガとエレの、ドキドキワクワク女界編!!始まり始まり〜!!
カスミに案内され、女界に辿り着いたクラン達。
扉から出てきたそこは、人間界とは全く違う雰囲気で、、ピンクの霧が立ち込めていた。
クラン達の足元からは、ずっと向こうまで一本の道がのびている。
リョウガ「最深部って言ってたけど・・・奥ってこの道の先か?」
エレ「そう・・・だと思うよ。」
クラン「・・・ま、まぁ歩いてれば自然に着くって!な!」
道なりに歩き始めて十五分。
クラン「・・・なぁ、おかしくないか?」
リョウガ「何がだ?」
クラン「わざわざ試練として用意した上に、リョウガやエレまでついて来させるって事は
何か危険があるのが普通じゃないか?ただ歩くだけなら試練にもならないし・・・
ましてや一人で充分だよ。」
リョウガ「そう言われてみればそうだよな・・・・おいエレ、お前何かわからないか?」
エレ「さぁ・・・お姉さまの考える事はわかりませんからねぇ。」
そうして歩く事五分。
クラン「なぁ・・・そろそろいい加減に・・・なんだあれ?!」
クランが指差した方向には、温泉のようなものがあった。
リョウガ「なんだ・・・美人の湯?」
温泉には立て札が立ててあり、そこには『美人の湯』と書いてあった。
クラン「美人の湯・・・?女界というだけの事はあるな。
でも、今はそんな暇・・・」
女「あらあら・・・いーのォ?ここにつかれば、お姉さんみたいにボインボインに
なれるのよォん?」
温泉につかっていた女性の一人が胸を振りながらクランに言う。
クラン「な、何を言っている!!そんな湯につかった所で・・・」
女「ナイチチの幼女には、この温泉の素晴らしさがわからないのですわ!!」
女「そんなだから、いつまでたっても『幼女』なのよ!!あははははは!!」
クラン「・・・誰が・・・っ!!」
ここまで言われると、さすがのクランも気になってしまう。
リョウガ「・・疲れてるんだろ?別に入ってもいいんだぜ?」
クラン「・・・フン・・!!ちょっとだけだからな!!」
そうは言うものの、クランは一向に温泉に入ろうとはしない。
エレ「・・なんで入らないの?」
クラン「・・////・・・脱ぐからあっち行ってよっ!!」
リョウガ「!!」
言われて気づいたリョウガは急いで茂みに消えた。
クラン「さてと・・・」
服を脱いだクランは、自分の発展途上な胸に手を当てながら温泉に向かっていった。
クラン「ホントに・・・あんなに大きくなるんだろうか・・・・」
チャポ・・・
クラン「冷たっ!!」
クランの小さな足が温泉につかったその時!!
温泉の中から手が出てきてクランの足を掴み、中へと引きずり込んだのだ!!
クラン「わっ?!・・ゴボゴボゴボゴボ・・・げふっげふっ!!」
女「やっほー♪そこのつるぺた幼女、私達と一緒に遊ばない?
あと魂ももらえっと、かなりウレシーな」
急に温泉の中心に渦ができ、クランを巻き込もうとする。
クラン「げぼっげぼっ・・・うっうわあああっ!!」
その悲鳴を聞き、リョウガとエレが駆けつける。
エレ「一体どうし・・・・これはっ?!」
クラン「いやっいやっ!!溺れちゃうよぉ!!(丸文字)」
リョウガ「クラン!!なんなんだ・・・この渦は?!・・・あれは!!」
リョウガの眼に入ったのは、温泉の中にいる竜だった。
女「気づいたのね!!それはラグーン!!出現した場所を湖に変え、触手で
人を引きずりこんで溺死させるモンスター!!」
リョウガ「ラグーンだと?!確かそれは竜界のモンスターのハズ・・・・
女界って言ったら、あの滅びかけの幻の世界の事なんじゃ・・?」
女「それは本物の女界!!ここは、カスミの造った女界をかたどった訓練所!!
だから竜界のカードだろうが機界のカードだろうが何でもアリよ!!」
リョウガ「・・・どうりで怪しいと思ったぜ!!女界の奥に竜である
ヴォルボックスのカードがあるなんてよ・・・・!!」
リョウガ達が喋っている間にも、クランは渦に巻き込まれていっている。
クラン「いやああああっ!!死んじゃうよぉっ!!(丸文字)」
リョウガ「・・・・ハァハァ。」
エレ「・・・あの・・・助けなくていいの・・・?」
リョウガ「ハッ!!」
エレの言葉で正気に戻ったリョウガ。
リョウガ「お前らッ!!渦を止めろッ!!」
女「やーよォ。だってこれが仕事だし・・・・そうだ!!
引き返すって言うなら助けてあげてもいいわ!」
リョウガ「クラン・・・」
リョウガがクランの意思を確かめる。
クラン「うっげへっがぼっ・・・・・で、でもっ・・ヴォルボックスを手に入れるまでは
帰れな・・・げほっげほっ・・!!」
リョウガ「・・・俺達は引き返さない!!何が何でもクランを助けだす!!」
女「やれるもんなら、やってみなさいよ!!」
リョウガ「ようし!!エレ、お前も協力してくれるのか?」
エレ「もっちろーん!!お姉さまの命令、守るが絶対!!」
リョウガ「やるぜッ!!」
女界とは名ばかりの訓練所!!リョウガ達と女達の熱い闘いが、
今そこで繰り広げられようとしている!!

クラン「あう・・・水一杯飲んじゃっ・・・けほっけほっ!!」
リョウガ「・・・ハァハァ。」
リョウガ「デス=レックス!!」
リョウガが叫ぶと巨大なるトカゲ、デス=レックスが現われた。
女「・・そ、そんな竜いたかしら?!」
リョウガ「フフフ・・・・こいつは普通の竜じゃねェんだぜ。
俺の自家製のトカ・・・いや、竜だ。」
女&クラン&エレ「トカ・・・?!」
その言葉を聞いて皆唖然としている。
女「そんな口だけの竜に負ける私達じゃないわよっ!!ペクトラル!!」
女は召喚したペクトラルの上に乗って温泉、つまり湖の上を移動し始めた。
リョウガ「関係ねェ!!デス=レックス!!喰らい尽くせっ!!」
デス=レックス「いくぞっ!!」
が、デス=レックスの口は明らかにクランのを向いていた。
デス=レックス「ぬうううん!!」
クラン「いやっああっ!!お願い食べないでぇ!!(丸文字)」
リョウガ「ちょっ・・・どこ向いてんだよ!!敵はそっちじゃねェ!!」
デス=レックス「黙れ小僧!!貴様は所詮、我の食欲を満たす為の道具に過ぎんのだ!!
我は美食の道を究めし者!!幼女の肉しか喰わん!」
リョウガ「いつから美食家になったんだよ!!爆張デパートの時は普通に
パトカーとか喰ってたクセに!!・・・ちっ・・・これだからトカ・・・いや、竜は!」
女&クラン&エレ「トカ・・・?!」
女「な、何でもいいけど、こっちの番よ!!ペクトラルGO!!」
ペクトラルというサーフボードの様な竜がヒレを刃に変え、女を乗せたまま
デス=レックスに向かっていった!
デス=レックス「・・・・。」
リョウガ「おいっ!!デス=レックス!!喰えよ!!お前死にたいのか?!おいッ!!」
女「無駄よ!!その竜は食べないんだしょ?それならこっちの・・・へげっ?!」
が、次の瞬間女の右足がもげ飛んだ。
女「ひいいっ!!いやああっ痛いぃぃぃっ!!」
デス=レックス「喰わずとも殴り飛ばすわ。」
リョウガ「やったぜ!!」
女「いやあああっ!!ひど・・・くうっ!!」
女がペクトラルから落ち、仲間の女に助けられる。
女「よくも私の仲間に・・・・!!」
リョウガ「・・いや、あの・・・もしかして人間の皆さんですか?」
女「当たり前よっ!!」
見た所二十いくかいかないかの女ばかりだが、リョウガはその戦いっぷりから
人間型モンスターと決め付けていたのだ。
リョウガ「それなら話が早い!!俺はお前らを殺しに来たんじゃねェんだ!!
クランさえ離せば何もしない!!」
リョウガが提案する。
女「・・・わ、わかったわよ。これでどう?」
女は渦を止め、クランを差し出した。
エレ「やったやったぁ♪」
リョウガ「よし!大丈夫かクラン!!」
クラン「リョ、リョウガ・・・ごぼっごぼっ・・・」
クランは水を飲んでいて上手く喋れないが、それでも何かを伝えようとしている。
リョウガ「何て?」
クラン「あ・・危ないっ!!私から離れてっ!!」
ドッカーン!!
リョウガ「うぐッ!!いってェ・・・一体何が・・・」
リョウガは右腕に傷を負いながらも辺りを見回した。
クラン「痛いよおおおっ!!うう・・・・くく・・あああ!!(丸文字)」
見ると、クランはあちこちに傷を負っており、一つ一つは擦り傷の様なものだが、
この数では相当の痛みであろう。
女「どうよ私の戦略!!発動させちゃったのよね〜。人間爆弾♪」
女「やるわね〜!!」
女「きゃはははは!!」
リョウガ「おい・・・!!」
立ち上がったリョウガの眼はグルグル眼だった。
女「ひいっ!」
リョウガ「おいエレ!!」
機械装甲のあるエレは、唯一無傷である。
エレ「何ですかぁ?」
リョウガ「やれ!!」
エレ「アイアイサー♪いっきまーす!!電磁スピアー!!」
エレの放った電撃は湖の水を通っていき、女達はたちまち感電してしまった。
女「ひゃぎいいいいいっ!!」
リョウガ「やった!!」
エレ「ブイ!!」
女達は死んではいないようだが、感電して気を失い、湖の上には
全裸の女が無数に浮いている状態だ。
クラン「ありがとうリョウガ、エレ!!」
リョウガ「さ、行こうぜ!!」
渦は消え、湖の中心に浮かんでいたクランをリョウガが救出。
クラン「ねぇリョウガ・・・この女の人達死んでるの・・・?」
リョウガ「いや、死んではいないハズだ。気を失っているだけだろ。」
エレ「エレの手加減のおかげ〜♪」
リョウガ「それにしても、気なんか失って浮かびやがって・・・
丸見えじゃないか・・・ハァハァ。」
クラン「!!」
女達は気を失って浮かんでいるので、ピンク色の秘所部が丸見えだ。
動かない女達の手は、大事な所を隠そうともせず、だらしなくダランと垂れている。
クラン「リョウガの馬鹿ぁッ!!死んじゃえっ!!(丸文字)」
クランの金蹴りが炸裂。
リョウガ「ふごッ!!じょ、冗談だってば・・!!」
クラン「全く・・・・フン!!」
クランは気分を悪くして先に進んで行ってしまった。
リョウガ「待ってくれって!!」
何とか困難を乗り越えたクラン達。これから彼女達を待ち受ける運命とは・・・?!
無事、温泉の罠を切り抜けたクラン達。
リョウガ「まだ何か・・・あれは!!」
リョウガが指差した先には、何か祭壇のようなものがあり、その上に何かが
置いてあるようだった。
クラン「あれだ!!きっと、あれがヴォルボックスのカード!!」
嬉しくなってクランはリョウガとエレを置いて走り出した。
クラン「わ〜いヴォルボックスだぁ!!(丸文字)」
???「ちょっと待ちな!!」
はしゃぐクランをよそに、祭壇の物陰から何かが現われた。
クラン「誰だキサマっ?!」
エレ「お姉さま?!」
カスミ「遅かったじゃないか。」
そこに現われたのは、試練を課した張本人カスミだった。
クラン「どうしてここに・・・・」
カスミ「ほら♪」
カスミに言われて見てみると、祭壇の後ろに何やら扉がある。
リョウガ「何か書いてあるな・・・・神の間--女界最深部 直通ルートぉ?!」
カスミ「そうだ。それはともかく、このヴォルボックスカードが欲しけりゃ
私と闘って勝つ事だね!!」
リョウガ「え・・・約束が違うんじゃあ・・・・」
カスミ「私はこのヴォルボックスカードを手に入れて
戻ってきたら合格って言っただけだよ?何も約束と違わないじゃないか!!」
クラン「くっ・・・」
リョウガ「こ、こうなったら力ずくで奪ってやる!!エレ!!」
エレ「・・・・」
リョウガ「おいエレ・・・?」
エレ「だめェ〜!!お姉さま撃てない〜!!」
カスミ「ヘン。」
リョウガ「大変お行儀の良いお子様ですこと!!やけくそだ!!デス=レックス!!」
どこからともなく巨大な竜が現われた。
リョウガ「いけデス=レックス!!トカ・・・いや、竜の底力見せてやれっ!!」
クラン&エレ&カスミ「トカ・・・?!」
デス=レックス「まあいい。今回は出血大サービスで、このまずそうな女も
喰ってやるとするか・・・!!」
カスミ「まずそうで悪かったね!!うりゃ!!」
カスミは腰に巻いていたロープをほどき、デス=レックスの首に巻きつけた。
デス=レックス「!!!」
カスミ「こなくそっ!!」
カスミがロープを一気に引くと、デス=レックスはその場に倒れ込んだ。
デス=レックス「ぐぬぬぬぬ・・・!!」
カスミ「どうだい!!自慢のお口も、開けなきゃ意味ないよなぁ!!」
リョウガ「そんな馬鹿な・・・!!」
クラン「ええい!!」
クランがカスミのマ○コを蹴り上げようとするが、かわされる。
カスミ「効かないってば!!」
リョウガ「うおおおーーーーーー!!」
そこにリョウガの『あるまー』が飛んでくる!!
カスミ「うわっと!!危ない危ない・・・。」
カスミは間一髪で『あるまー』をかわしたが、手に持っていたヴォルボックスカードを
落としてしまった。
クラン「今だ!!・・・あうっ?!」
落ちたヴォルボックスカードに手を伸ばそうとするクランの手を、カスミのハイヒールが
踏みつける。
クラン「痛いっ!!」
カスミ「危なかっ・・・・」
リョウガ「デス=レックス!!」
カスミはカードに気を取られ、すっかりロープを握る手がゆるまっていたのだ。
デス=レックス「ぐごおおおおッッ!!!」
カスミ「こ、降参!!カードはやるから、その竜を引っ込めな!!」
リョウガ「竜じゃなくてトカ・・・いや、わかった・・。」
クラン&エレ&カスミ「トカ・・・?!」
リョウガは言われた通りにデス=レックスを引っ込めた。
カスミ「ホラ!これが約束のヴォルボックスカードだよ!!」
クラン「わぁい(丸文字)」
リョウガ「じゃ、帰るとするか。その直通ルート使っていいんだろ?」
カスミ「まぁ、本当は私専用なんだけど・・・ま、いっか。」
クラン達は直通ルートを使って神の間へと戻った。
カスミ「では、本日より棗クランを、魔法少女パステルクランとする!!」
エレ「おめでとー♪」
クラン「////」
カスミ「ついでだから、そのカードはお前にやるよ。」
リョウガ「よかったな!『ぼるぼっくす』より数倍強いらしいじゃねェか!!」
クラン「よーし!じゃあ、早速使ってみよっと!!出ろヴォルボックス!!」
ヴォルボックスが現われた。
エレ「おっきい・・・」
リョウガ「すげェ・・・これがヴォルボックス・・」
クラン「じゃ、みんな離れといてね。いっくよー♪ブラス・・」
カスミ「ちょ、ちょっと!!そのヴォルボックスは召喚者に・・・」
クラン「ト」
チュドーーーーンッ!!
その夜、渋屋総合病院が賑わった事は、言うまでもない。
ハカナ「リョウガが帰ったら電話してくれるって言ってたのに・・・
どうしたんだろ・・・クランちゃん・・・リョウガ・・・」


          終わり
406パステルクランの人:03/12/22 14:59 ID:tnfavp1d
どうもッス。・・え?なぜ女界モンスターがエレしか出ないのかって?
・・・・それは・・・漏れがコミックス派だからだよ!!
って事で、ゾアたんやらネアたんやらクマリたんやらの出演を期待していた皆様、
なにとぞご了承下さい。(藁
クランたん、魔法少女に戻しましたよ!
407名無しさん@ピンキー:03/12/22 22:18 ID:r3wItYzU
温泉に居たのはやっぱデス子に近い茶髪に日焼けの娘達なんだろうなぁ…
ウェットスーツじゃなくてよかった(w
408遊戯王風の人:03/12/23 16:22 ID:0uhxqD+p
>406
乙!
リョ…リョウガがいい人になってる!?
ヴォルボックス入手で危険度アップ。
これからの展開が楽しみですね。

>383
>正直、久しぶりにここがエログロスレだということを思い出しました。
ほっ。

>385
できることなら、385ほどの達人の背筋を凍らせるような
グロをかける様になりたいですが、夏休みレベルぐらいはないと無理ですかねぇ…。

>387
>ところで>>381もしかして改蔵ネタ?
YESです


では、私もはってみます。
409遊戯王風カオシックルーン第十話@:03/12/23 16:25 ID:0uhxqD+p
学校
朝の8時20分
校門前

ハカナ「ハア…」
今日もハカナのため息は重かった。
ハカナ(あれから三日間か…
    結局クランちゃんは病室に閉じこもったまま…
    一体どうなっちゃうの?
    でも私は信じてるよ。クランちゃんは絶対元気に帰ってくるって…)
ズイッ
そこに待ち構えていたかのように
一人の長身の男がハカナの前に立った。

トウマ「よう。ダルマクランは帰ってきたか?
    んん?」
ハカナ「トウマ………」
この男の名はトウマ。
ありとあらゆる格闘技に精通していて校内1の危険人物であり、
いつもハカナにちょっかい出してくる不良。
特にクランがいなくなってからの嫌がら様は目を見張るものがあった。
トウマ「やっぱアレじゃん?
    激痛に耐えかねて………自殺とかしたんじゃねェか?
    へへへへ」
今日も朝から、からかいにきたようだ。
いつもは無視するのだが、ハカナにだって機嫌が悪い日ぐらいある。
ハカナ「毎日毎日つまんない嫌がらせしてホントあなたってガキね!」
ピクッ
朝から低血圧のトウマのコメカミに血管が浮きだった。
410遊戯王風カオシックルーン第十話A:03/12/23 16:27 ID:0uhxqD+p
トウマ「ンだとぉ…いい度胸だなあっ!」
喧嘩っ早いトウマは、乙女のハカナとて容赦なくその暴拳を振るう。
さっそくその拳がハカナに飛んだ!
ボフッ!
しかしトウマが殴ったものはハカナではなく、
突然目の前に現れた、座布団のようにふっくらとしたカバンだった。
ハカナ(えっ?)
見覚えのあるカバン。
そして、そのカバンをかかげているのは…クラン?
驚いたトウマの動きが一瞬止まる。
ビュ!
ドボッ!!
ガードの甘くなったところに金激!
トウマの股間に電撃が走った。
トウマ「はがっ!」
股間を押さえ体を身震いさせるトウマ。
トウマ「つっ…は…はあ………」
クラン「女の子を殴るなんてサイテーだナ。キサマ!」
ハカナを救ったこの幼女。
その小さな背中はクラン以外にはありえない。
ハカナ「クランちゃん……クランちゃんだよね!
    クランちゃんなんでしょ!?」
クラン(はっ!)
ダッ!
ハカナに気づいたクランはあわてて逃げ出していった。
ハカナ「待って…ねェっ!」

あっという間にクランらしき幼女の姿は消えてしまった。
ハカナ(間違いない…あれはクランちゃんだった……
    ……でも…どうして何も言わずにいっちゃうの?)
釈然としないハカナだが、とりあえず教室に向かうのだった。
411遊戯王風カオシックルーン第十話B:03/12/23 16:28 ID:0uhxqD+p
いつもの学校。
いつもの朝礼。
いつものようにロンゲの先生が入ってくる。
しかし、ロンゲの先生の後ろにコソコソと隠れている幼女だけは、いつものものではなかった。
ハカナ(え?ク、クランちゃん!?)
ハカナは目を丸くして席を立った。

両腕はギブスで固定され、三角巾にぶらさがったままだが、あれは間違いなくクランだ。

ロンゲの先生「今日からまた一緒に勉強することになった棗クランくんだ。
   見ての通り両腕をケガをしてるから、みんなも気をつかってやるように」
ハナコ「ぼそぼそ(ちょっとハカナ!水臭いなぁ。
    退院するなら教えてくれればよかったのに)」
しかし、誰よりも驚いているのはハカナだった。
ハカナ(クランちゃん…い、いったいどうして!?)

ロンゲの先生「ほら、挨拶」
クラン「………。
    見ての通り両腕は使えない状態だ。
    だ、だけど、調子に乗るなよ!
    腕なんか無くっても私にはまだ二本の足が残ってる!!
    ちょっかいなんかだして来たら、すぐに金玉ぶっつぶしてやるからな!!」
静まりかえる教室。
クランは戦意高揚だ。
ロンゲの先生「えー。コホン…とにかく席に…」
挨拶もすんで席に戻るクランに、ねぎらいの言葉がかかってくる。
生徒「棗さん。治ってよかったね」
ギロリッ!
生徒「ひっ!」
クランは睨み付けて生徒を一蹴。
412遊戯王風カオシックルーン第十話C:03/12/23 16:29 ID:0uhxqD+p
席についたクランは不機嫌そうにふんぞり返っている。
その様子を見ているハカナの頬にも汗が伝わる。
おそるおそる声をかけた。
ハカナ「あ…あのクランちゃん………?」
クランはハカナの方に目を移すと、
はりつめた緊張がとけたように顔がほころんでいく。
クラン「あっ。ハカナ、また隣の席なんだね。
    ”な”つき と ”な”つめ だから近いんだよね。えへっ」
にっこり笑うクラン。
ハカナの拳に力が入ってきた。
ゴツン!
クランの頭に鉄拳制裁。
クラン「な、なにするんだハカナ!!」
クランはちょっぴり涙目だ。
そんなクランの耳をひっぱり廊下にでる。

廊下

ハカナ「ちょっと何なのよ!あの挨拶は!!!」
クラン「な…何をいうんだ!
    こうゆうケガしてる時こそ一番あぶないんだぞ!
    普段から恨みを持つヤツ等が、チャンスとばかりに一斉に襲いかかってくるからな!
    (お兄ちゃんが言ってた!!)
    だ、だから、まず先制攻撃でなめられないようにしとかないとナ!ワハハハハ!」
ハカナはあきれて閉口した。
413遊戯王風カオシックルーン第十話D:03/12/23 16:31 ID:0uhxqD+p
ハカナ「それにしても、あの傷でもう退院なんて…?」
クラン「ん?何を言ってんだオマエ?
    もうすぐ退院できるって前々からずっと言ってただろう?」
ハカナ「そ…それはそうだったけど」
ハカナがチラチラと見ているのはクランの両腕。
確かに以前の決闘で、千切れてもげてしまったように見えたのだが…。
果たして、今、目の前のあるこれは本当にクランの腕なのだろうか?
実は機械の腕じゃないかとハカナの胸に不安がよぎる。

ハカナは何気ないフリして、クランの右手を握手するように握ってみた。
するとクランは飛び上がって絶叫。
その場に倒れ、その身を痙攣、震わせる。
やっと痛みに耐えて立ち上がった。
クラン「な!何するんだ!バカヤローーーーーっ!」
涙をボロボロ流し、まだ足もガクガクと震えている!
ハカナ「ご…ごめんなさいクランちゃん!」
ハカナも流石にやりすぎたと反省するのであった。

しかし、『痛い』ということは間違いなくクランの腕なのだろう…。
そうなるとハカナに別の疑問が…
ハカナ(ど、どうやってくっつけてんだろう…腕の先までボロボロだったはずなのに)
あの出来事はハカナには鮮明な記憶として残っており、
思い出すだけでも吐き気がした。
ハカナ(そ、そうか!あれは夢!私の夢に違いないわ!
    あんな決闘。本当はなかったのよ!うんきっとそうよ!)
なんとかハカナは納得したようだ。
クラン「あっ…そうだ…これポカポカのカード。
    ありがと…たいへん役に立ったよ…」
ハカナの顔が凍りつく。
クラン「ん?どうした?」
ハカナ「な…なんでもない」
ハカナは頭が痛くなるので、もう深く考えないことにした。
414遊戯王風カオシックルーン第十話E:03/12/23 16:33 ID:0uhxqD+p
そして放課後

こうして2人で帰宅するのも久しぶりのことだった。
クラン「あーあ。まずは家に帰って掃除からしなきゃな。
    家賃も払わなくちゃ」
ハカナ「ねぇクランちゃん?
    そのことなんだけど、もしクランちゃんさえよかったら私の家にこない?」
クラン「………えっ?」
唖然とするクラン。
ハカナ「………ずっと考えてたの。そんな腕じゃ何かと不便だろうし、
    私の家だったら、いろいろ面倒見られるし」
クラン「………」
あまりに急な話なので表情に困るクラン。
クラン「………で、でも…そんなの悪いよ」
ハカナ「いいのいいの!家族のみんなには前々から説明してるんだから」
どうやらハカナの方の準備は万全らしい。あとはクランの気持ち次第なのだが。
クラン「………」
しばらく考え込む。
クラン「ふ…服とかはどうするんだよ…
    泊まる用意なんかしてきてないよ!」
ハカナ「あっ!その辺は大丈夫よ。私の小学校のころの服があるから………ハッ!」
クラン「ブッ殺してやる!!」
プライドを傷つけてしまったようだ。
ハカナ「ご…ごめんなさい…。
    でもクランちゃんのことが本当に心配なのよ!」
クラン「うっ………う〜〜〜〜ん」
大いに悩んで、ついに決断。
クラン「ハカナが…どうしてもって言うんなら
    行ってやってもいいよ………」
ハカナ「よかった!」
クランを抱きしめるハカナ。
クラン「い、痛い!!腕に当たってる当たってるっ!!」
415遊戯王風カオシックルーン第十話F:03/12/23 16:34 ID:0uhxqD+p
ハカナの家の玄関。
クラン「ハカナの家だ…
    玄関までは来たことあるけど、本当に入ってもいいんだな…
    どうなっても私、知らないぞ」
ハカナ「どうぞどうぞ」
クラン「じゃ、邪魔するぞ」
クランの心拍数が高まっていく。
友達の家に入るのは実は生まれて初めてのことだった
クラン(こ…これがハカナのお家………し、失礼のないようにしなきゃな!)
頬をパンパン叩き、気合を入れるクラン。
ハカナ「おかーさーん………。
    あれ?買い物にでも行ってるのかな?
    まぁいいや…じゃ、まずは私の部屋に行こっ!」
クラン「う、うん」

二階、ハカナの部屋。
クラン(こ…これがハカナの部屋)
殺風景なクランの部屋とは段違いで、非常に女の子らしい部屋だった。
クランはキョロキョロとして落ち着きがない。

ハカナ「はーい、これ!クランちゃんの服よ」
いつの間にか私服のハカナが。
クラン「えっ…あ、ありが…
    ………な!なんだこの可愛らしい服は!
    こ、こんなもの着れるか!」
それはランドセルしょってる子供が着そうな服。
ハカナ「えっそう?絶対似合ってるのに…?」
クラン「ブッ殺してやる!」
ハカナ「で、でも、他に服がないから、これで我慢してね」
クラン「やだ!やだっー!あっ!やめて(丸文字)」
嫌がるクランをすぽーんと脱がし、ハカナはムリヤリ着替えさせた。
416遊戯王風カオシックルーン第十話G:03/12/23 16:39 ID:0uhxqD+p
白いワンピース。
腰附近にどでかいボタン(?)のような装飾がされている
同じく白色のオーバーニーソックスが膝上ぐらいまで覆う。
赤いリボンがワンポイントの茶色の上着。
本当は下腕部の装飾服もあったのだが、それは残念ながらギブスで着れない。

それらを着衣したクランはとても16歳には見えなかった。

ハカナ「わぁクランちゃんかわいい!」
嬉嬉しいハカナ。
クラン「ぐっ!!!
    …な、なんで私がこんな格好に…
    こ、こんなの着てられるか!ぬ、脱ぐぞ!!!」
ハカナ「ままま、待ってよ。
    じゃあ次の土曜日!!
    その日にクランちゃんの服を買いにいきましょ…
    それまでの間だけ我慢して…ねっお願い!」
クラン「ぐっ…」
屈辱にまみれるクラン。

ハカナママ「ただいまー」
ハカナ「あっ。お母さんだ!行こう、クランちゃん!」
クラン「おっ…おい…手をひっぱるな!
    (こんな格好で挨拶させる気か!?)」
417遊戯王風カオシックルーン第十話H:03/12/23 16:40 ID:0uhxqD+p
一階の居間
ハカナ「おかえりなさい。お母さん!」
ハカナママ「ただいま。あら?その子は?」
クラン(ハ、ハカナそっくりだ!?)
ハカナ「紹介するね。この子、私の友達の棗さんよ」
クラン「は…始めまして…」
カチコチしているクラン。
ハカナママ「あっ。この子が『クランちゃん』ね。
      ふーん。おもった通りの子だわ」
(ピクッ!)
ハカナママ「あっ、その服ハカナのお古ね。
      ハカナが『小さいころ』を思い出すなぁ」
(ピシッ!)
ハカナママ「ハカナからクランちゃんのことは聞いてるわ。
      『妹』ができたみたいでとっても嬉しいって」
(ムカッ!)
ハカナ「やだっ!お母さんったら。
    クランちゃんは『これでも』16歳なのよ」
(カチンッ!)
ハカナママ「でも年齢より『若く見える』っていいよねー。クランちゃん」
(ブチ!ブチ!ブチ!)
クラン「ブッ殺してやる!」


ハカナママ「とにかくハカナのこと、これからもよろしくねクランちゃん」
クラン「…ま…まかされてやる」
少しテレ気味のクラン。
418遊戯王風カオシックルーン第十話I:03/12/23 16:42 ID:0uhxqD+p
なんだか安心したら、クランはモゾモゾしてきた。
ハカナ「どうしたのクランちゃん?」
クラン「………と…トイレ…」
夏樹親子「!!!!!!!」
ハカナママ「大変よハカナ!そんな腕じゃお手洗いにもいけないわ!!!」
クラン「うん、でも安心してクランちゃん!私達が手伝ってあげるからね!!!!!!」
何故か気合をバリバリ入れる二人。
クラン「一人でやれるっ!!!!!」

トイレ

スカートとパンツを下ろして座るクラン。
クラン「………ふーむ。どうも人の家のトイレは落ちつかな…………ん?」
気になって扉をあけると、二人がドアに聞き耳を立てていた。
クラン「ななななな、何やってんだお前等っ!!!!!」
ハカナ「い…いや…クランちゃんが心配で」
ハカナママ「そ…そうよ。やましいことなんて何ひとつ」
クラン「ち、散れっーーーーーーーっ!!!!」
クランの一喝。
二人はトボトボ居間に帰っていった。
クラン「まったく何考えてるんだ…あいつら…」
誰もいなくなったのを確認し、改めてトイレに入っていくクラン。

WC中ですよ。

なんとか無事、用をすませて帰ってきたクランに
鬼の首をとってきたような勢いで夏樹親子が寄ってきた。
ハカナママ「クランちゃん大丈夫!ちゃんとできた!!!?」
ハカナ「お漏らしなんかしてない!!!?」
クラン「バ、バカヤローーーーーッ!」

しょぼんとする二人。
419遊戯王風カオシックルーン第十話J:03/12/23 16:43 ID:0uhxqD+p
ハカナママ「じゃあ、お母さん
      クランちゃんのために腕を振るってご馳走作っちゃおうカナー!」
ハカナ「じゃあその間、私たちは上で遊んどくからね」
クラン「お…おい…
    私もなんか手伝ったほうが」
ハカナ「クランちゃんは自分の家だとおもってゆっくりしていいのよ」
クラン「そ…そうは言われてもな…」
ハカナ「じゃあ、行こうクランちゃん」
クランの手をひっぱり部屋に戻るハカナ。
クラン「痛い!痛い!腕もげちゃう!」

ドタバタバタ

ハカナママ(フフッ。ハカナったら本当に嬉しそうね。
      昔から妹が欲しいって言ってたものねぇ…)
台所へ向かうハカナママ。
420遊戯王風カオシックルーン第十話K:03/12/23 16:44 ID:0uhxqD+p
ハカナの部屋。

何か面白そうなものが無いかと、ガサ入れしているクラン。
クラン(デスノートでも隠してないカナ…)
ハカナ(クランちゃん。そんな変な物は無いわよ)

クラン「おっ…アルバム発見!…見てもいいか?」
ハカナ「うん」
クランは興味津々に開いた。
クラン「ふーん。ハカナってこうゆう感じの女の子だったのか…」
ハカナ「そんなにジロジロ見られると照れちゃうな」
クラン「………。
    なんだか、昔は救急箱持ってる写真が多いいナ…」
ハカナ「私、幼馴染の男の子がいてね。
    その子ったら小っちゃい頃からケガばっかしててね
    だから私、その子のお母さんからいつも救急箱持たされてたの」
クラン「幼馴染か…。ふーん、そうゆうのいいなぁ…」
ハカナ「うん。でも中学校入る時だったかな。
    その子引っ越しちゃったのよねー」
ハカナの声はさびしそうだ。
クラン「ひょっとしてそいつのこと好きだったとか?」
ハカナ「な、何言ってるの、バカ!!」
顔を真っ赤にさせるハカナ。
ハカナ「やーい。ハカナったら照れてる!」
ハカナ「も、もう!クランちゃんったら!」
珍しくクランにからかわれてしまった。
421遊戯王風カオシックルーン第十話L:03/12/23 16:46 ID:0uhxqD+p
クラン「その幼馴染ってのがどんなヤツか気になるなぁ…写真のってる?」
ハカナ「2人で写ってる写真、たくさんあると思うよ」
クラン「ん?なんだこの写真?」
ぺらぺらとページをめくるクラン。
クラン「これもこれも…?」
ハカナ「どうしたの?」
クラン「いや…なんか写真が切り抜かれてるんだけど…」
ハカナ「えっ!?」
驚いてハカナが駆け寄ってくる。
たしかに、ところどころ切り抜かれていた写真が。
しかも怪奇なことによく見れば、その幼馴染の子の顔の部分だけが切り取られいた。
ハカナ「なっ!何よこれーーーっ!!」
ハカナは泣きそうな声になった。
しかし、クランは表情は冷ややかだ。
クラン「オマエ…実はその幼馴染キライだったんじゃないのか?」
ハカナ「そ、そんなことないよ!」
ページをめくるもめくるも、やはりその幼馴染の顔だけが切り取られている。
卒業写真までも、その幼馴染の顔だけキレイに切り取られている。
結局、まともに写ってる写真は最後まで一枚もなかった。
ハカナの暗黒面を目の当たりにしたクラン。
クラン「オマエ…いくらその幼馴染キライだからってコレはないだろ………
    あぶないやつだな…わ、私の写真も切り抜いたりしてない?」
ハカナ「そ、そんなことする私がするはずないでしょ!
    もう、誰よ…こんなイタズラしたのは…!!!」
アルバムだきしめハカナはプンスカ怒っている。
クラン「しかし、小学校のころから、そいついつも学ランなんだな…
    そういえばそいつの名前は…?」
ハカナ「え…えーと…………な…なんだったかな…あれ?あれ??
    お、思い出せない…?」
クラン「…………オマエ………やっぱり………」
ハカナ「ち!ちがうよぉ!つい昨日までは覚えてたのにーーーーっ!!」
422遊戯王風カオシックルーン第十話M:03/12/23 16:49 ID:0uhxqD+p
クラン「ふーむ。人間は真実より奇なり」
ハカナ「だから違うって言ってるのにーーーっ!」

奇怪な写真はおいといて
なんとか昔話に花に話をそらしたハカナ。
クラン「ふーん。ハカナって意外と普通の人生だったんだな…」
ハカナ「そりゃまぁ…………………いつも裸で歩いてたクランちゃんに比べれば…」
クラン「ブッ殺してやる!」
ハカナママ「ごはんですよー」
ハカナ「あっ。もう七時なのね。行こっクランちゃん!」
クラン「う、うん」

テーブル一面に豪華な料理。
あとカレー。
クラン「ご…豪華だな」
ハカナママ「クランちゃんのために作ったんだから好きなだけ食べていいのよ」
クラン「ワーイ!」
さっそく手をだすクランの手を、ハカナママのハシが襲った。
クラン「痛ッ!!!(う…腕に響く…死ぬっ!)」
ハカナママ「まず、『いただきます』でしょ!」
クラン「うっ…いっただっきまーす」
ハカナママ「よろしい」
にっこりするハカナママ。

クラン「このカレー美味しい…」
ハカナ「カレーを食べると。あの子を思い出すよね」
ハカナママ「そうそう、昔、近所の子にカレー王子様って呼ばれる子供がいてね…、
      その子の作るカレーってとっても美味しいって評判だったのよ」
クラン「ふーん。さっきいってた幼馴染のことかな。
    カレーの王子さまか…一度会ってみたいもんだなぁ…
    (顔が気になる)」
423遊戯王風カオシックルーン第十話N:03/12/23 16:51 ID:0uhxqD+p
クラン「あ…あれ」
スプーンを落としてしまったクラン。
指がまだうまく動かないようだ。
ハカナ「クランちゃん。無理しないでも私が食べさせてあげるからね」
クラン「エヘヘ…ごめんね」
クランの手の代わりになって、次々と料理を口へと持ってきてあげるハカナ。
ハカナ「ちゃんと噛んで食べるのよ」
クラン「うん」
ハカナ「じゃあ、次はこれ」
突然クランの口が閉じた。
ハカナ「どうしたのクランちゃん?」
クラン「…ブロッコリ…キライ…」
ハカナ「!?」
ハカナママ「好き嫌いはダメよ!クランちゃん。
   ハカナ!クランちゃんの口をこじ開けてやりなさい」
ハカナ「うん」
クラン(!?)
クランの口をムリヤリ開けるハカナ。
ジタバタしても体の小さいクランは、ハカナの力にかなわない。
開いた口にお皿いっぱいに大量のブロッコリが迫ってきた。
クラン「ひゃ!ひゃめほうっ(や、やめろーっ!)」
ガバガバガバガバッ!
クラン(や、やだっ!やめて!流し込まないで!!)
全部流し込むと、今度は吐き出さないように口をめいいっぱい抑えてあげるハカナ。
クラン「んぐっんぐっ!んぐっ!!」
ハカナ「美味しいクランちゃん?」
クランは涙をボロボロ流しながら苦笑い。
クラン(おっ、覚えてろよこいつら!!!!)
424遊戯王風カオシックルーン第十話O:03/12/23 16:53 ID:0uhxqD+p
食事終了。

クラン「うーん。もうお腹一杯で動けないヨォ」
ソファーで寝転んでネコのようにごろごろしているクランは幸せそうだ。
ハカナ「わたし、お風呂いれてくるね」

ハカナがいなくなったところで、クランに近づいてくるハカナママ。
ハカナママ「そうだ。クランちゃんちょっといい?」
クラン「ん?なに?」
ハカナママ「ねェ。クランちゃん。ハカナのことなんだけど
      あの子普段はとってもいい子なんだけど、学校ではどうなの?」
クラン「別に、今と変わんないぞ」
ハカナママ「でも、あの子、たまに制服切れて帰ってくることがあったの。
      裸とコートだけで帰ってきたことも二度もあって
      何か悪いことに巻き込まれて無いかと、親としてはとっても心配なの…」
クラン(ふーん。親ってそうゆうの気にするんだ…)
ハカナママ「ねェ…クランちゃん。何か知らない?」
クラン「そんなの私はしょちゅうだぞ」
ハカナママ「エ?」
適当に返事をしてしまったのをあせったクランはすぐに前言を撤回する。
クラン「あっ…いや…っ!!
    だ、大丈夫。ハカナの身に何かあっても私が絶対守るから!」
ハカナママ「あらあら…これは小っちゃくてカワイイボディーガードさんね」
クラン「ち、ちっちゃいってゆーな!」
425遊戯王風カオシックルーン第十話P:03/12/23 16:55 ID:0uhxqD+p
ハカナママ「もう、お風呂は入りましたよ。
      クランちゃん、一番に入っていいわよ」
クラン「そ…そう…?なんだか悪いけど」
ハカナ「いいのいいの。本当に気にしないでね」
クラン「じゃ、じゃあ先に入らせてもらうね」
ハカナ「ハイッ。これパジャマ」
クマさん模様のパジャマ…と子供用パンツ。
クランは不服な表情だ。
クラン「も、もっと大人の下着がいい…」
ハカナママ「アハハ!」
クラン「わ!笑うなっ!!!!」
クランはプンプンしながらも風呂場に向かった。

ハカナママ「悪いことしちゃったかな?」
ハカナ「いいのいいの。
    あんなこといってるけど、どうせ子供パンツしか着ないんだから」
クラン「聞こえたぞーーーっ!!」
クランの耳はデビルイヤー。

ハカナ「ねェお母さん。ところで、
    さっきのカレーの子の話なんだけど。あの子名前なんて言ったっけ?
    どうしても思い出せなくって…」
ハカナママ「………もうハカナったら、昔あんなに一緒に遊んでたのに。
      …………………???
      あれ、そういえばあのカレーの子。なんて言ったっけ…?」
ハカナ「喉まででかかってんだけどなぁ………」
ハカナママ「う〜〜ん。まあそのうち思い出すんじゃないかなぁ?」

ハカナ(あっ…そういえば…
    クランちゃん…手をケガしてるのに頭洗えるのかしら…?)
426遊戯王風カオシックルーン第十話Q:03/12/23 16:59 ID:0uhxqD+p
クラン「フンフーン」
鼻歌まじりで湯船につかっているクラン。
クラン「さーて。そろそろ出ようカナ」
ガラッ
ハカナ「やっほークランちゃん」
全裸のハカナが入ってきた。
クラン「ぶっ!」
クランはすかさず腰にタオルをまいた。
クラン「ななななな!何用だ!」
ハカナ「クランちゃんが体洗えないで困ってないカナーって思ってね」
クラン「そ…それはいいけど…オマエ…タオルぐらいまけよ…」
顔を赤らめ指で目を隠すクラン。
ハカナ「いいじゃない。女同士なんだから
    さぁ座って座って」
クラン「うっ…うん。う…腕だけは痛いからさわらないでね…」
ハカナ「うん。わかってるよ」
座ってハカナに背中をむける。
自分の胸にボディーソープをつけ始めるハカナ。
クラン「………?」
ハカナ「それじゃいっくよおーーーー!」
ヌルゥ〜〜〜〜〜〜〜〜。
クラン「うひゃっ!!(丸文字)」
ハカナの巨乳が背中から押し付けられ、その感触がクランの全身を駆け巡っていく。
おそるべし破壊力。あっという間にクランの力が抜けてしまった。
ハカナ「どう?クランちゃん?気持ちいい?」
クラン「ハ…ハカナぁ…な………何考えてるんだぁ…(丸文字)」
ハカナママ「やぁ。十台の肌はスベスベでいいわね」
ハカナ「あれ?お母さん!」
クラン「!!!!!」
ハカナ「私達でクランちゃんの体を一生懸命キレイにしてあげるからね」
クラン「お、おまえらいったい…………何考えてんだーーーーっ!!!」
427遊戯王風カオシックルーン第十話R:03/12/23 17:01 ID:0uhxqD+p
クランは逃げようとしても、もう逃げられなかった。
風呂場はたちまち泡プレイに。

クラン「いや!いや!やめてお願い!くすぐったいよお!(丸文字)」
ハカナ「クランちゃん、暴れちゃだめヨ!」
クラン「あっ!ダメ!おしりの中はダメぇ(丸文字)」
ハカナママ「もう、照れなくてもいいのよクランちゃん」
クランは完全に二人のおもちゃに。
クラン「いやっ!ああっやあ(丸文字)」
嫌がるクランを押さえつけクランの体を済みから済みまで丁寧に洗っていく夏樹親子。
ハカナ「クランちゃんの胸って、ペタンコでとってもかわいいね」
クラン「やっ…やめてェーーー!前は自分で洗うよおーーー(丸文字)」
ハカナママ「遠慮しなくてもいいのよクランちゃん」
夏樹親子はさらに悪乗りを続けていく。
クラン「いやあああ!そ、そこはお兄ちゃんにも洗われたことなかったのにーーーーっ(丸文字)」
ハカナママ「クランちゃんって本当にとってもかわいいなぁ」

グチャ!

クラン「痛い!腕!腕、腕、踏んでる踏んでるよぉ!!!!」
火事場の馬鹿力を発動させ、なんとか拷問から逃れるクラン。
ハカナ「まっ!まってよ!まだ洗ってる途中なのに!」
ハカナママ「ご、ごめんなさい。クランちゃん戻ってきて!」
クラン「お、お前達なんか大嫌いだーーーーっ!」
まだ、泡だらけのクランはシャンプーが目にしみていた。
428遊戯王風カオシックルーン第十話S:03/12/23 17:02 ID:0uhxqD+p
風呂から逃れ夢中で駆けるクラン。
ツルッ
クラン「あっ!」
足の裏にまだ石鹸がついていたので、
クランは派手に転んで、尾てい骨をおもいっきり強打した。
クラン「うっ!!!痛ててて!」
腰が痛くてクランは倒れたまま起き上がれない。
ガチャ!
ハカナパパ「ただいまー」
クラン「!!!」
ハカナパパ「………」
クランの足はハカナパパに対し大胆に大股を開いた状態。
そして尾てい骨の強打のせいで腰から下はしびれてまったくゆうことを効かなかった。
クラン「いやあああああああああ!!!!(丸文字)」
クランの丸文字が夏樹家全体に響き渡った。

ハカナ「あれ?お父さん」
ハカナママ「おかえりなさい。あなた」
バスタオルに身をつつんだ夏樹親子が現れるも、時既に遅し…。
ハカナ「ク、クランちゃん!ごめんなさい
    もう機嫌なおしてよ」
クラン「やだっ!絶対やだっ!!」
クランは顔を向けてくれない。
ハカナママ「ごめんねー。クランちゃん。
      お詫びと言っちゃなんだけどイチゴケーキ用意してるわよ」
クラン「!」
クランがよってきた。
イチゴケーキはクランの大好物だ。

ハカナ「ちょっと待った!
    クランちゃん。頭ボサボサじゃない!」
クラン「えっ…あっ。
    風呂から上がってすぐ走り回ったからな」
ハカナ「梳いてあげるからこっちに来なさい!」
クラン「えっ…いつもこんなもんだから別にいいよ(…イチゴケーキ)」
ハカナ「ダメ!」
また腕をひっぱられたくないのでクランはしぶしぶついていく。

ネクタイを解いたハカナパパ。
ハカナパパ「ハカナ。すっかりお姉さん気分だな」
ハカナママ「ええっ」
ハカナパパ「たしか、彼女のご両親って…」
ハカナママ「あ・な・た!間違っても口を滑らせちゃだめよ!」
ハカナパパ「わ…わかってるよ…」
洗面場。

ハカナ「もう、女の子なんだから、ちゃんと髪の毛にも気をつかわないと」
自慢のマイナスイオンドライバーと櫛を使ってクランの髪の毛を梳いてあげるハカナ。
ハカナ「じっとして、鏡だけ見ててね。
    クランちゃん」
クラン「…ご、ごめんね…。
    ………で、でも、他人にこんなことされるの生まれて初めてだ」
ハカナ「えっ?美容院は?」
クラン「散髪は1000円ぐらいの安いとこで済ませてるから」
ハカナ「…」
クラン「自分でやっても、いつも30秒ぐらいですませちゃうしね」
ハカナ「もう…そんなことだろうと思った」

十数分後、いつと全く違うサラサラツヤツヤな髪の毛になったクラン。
クラン「な…なんだか私じゃないみたいだな…
    でも後ろ髪が跳ねてないとなんだか落ち着かないなぁ…」
ニヤけたクランは安心して目を閉じて、ハカナに全てをまかせた。
続いて前髪を梳いていく。

ハカナ「さて、前髪もこれでいいかな?」
ピンッ!
ハカナ「!?」
一本(束?)だけ毛が飛び上がった。
もう一度櫛で梳く。
ピンッ!
ハカナ「!!!?」
何度梳いても、ハカナの意に歯向かうかのように
跳ね毛はピンピンと勢いよく跳ね上がってしまう。
実のところ、ハカナは普段からこの跳ね毛が非常に気になっており、
なんとかしたいと思っていた。

ハカナ「すごいクセ毛だね………クリームでも使おうかしら…」
クラン「んっ?どうしたの?」
目を開けたクランの表情が一気に豹変。
クラン「あっ!ダメェーーー!!」
ハカナ「えっ?」
クラン「その跳ね毛だけは下ろしちゃ絶対ダメェ!!!!!」
クランの瞳は激しく潤んでいる。
クラン「やだーーー!角度がおかしくなってるよーっ!!
    早く元に戻してーーっ!!!!」
ハカナ「???」
なんだかクランは随分必死のようだ。
あわてて、ハカナは跳ね毛を元の角度へと戻した。
ハカナ「えっ?えっ?こ…このぐらい…」
クラン「まだまだっ!全然違うよーーっ!!!」
ハカナ「こ…これでどう…」
クラン「もう、あと2度ぐらい上だよ!」
ハカナ「ど…どう?」
クラン「うん…なんか弧円がおかしくなってる気がするけど、我慢する…。
    も………もう触らないでね…ぐすんっ」
まだクランは泣きそうだった。
ハカナ(…いったい、この跳ね毛にどんな秘密がっ!?)
気になって聞いてもクランは涙でグズグズとするだけで話してくれない。
まあ、クランにだって秘密の一つや二つぐらいあるのだろう。
ハカナは気にせず跳ね毛に気をつけ、髪の毛を梳いていった。

ハカナ「ハイ。クランちゃん。終わったわよ」
クラン「ふーん。ちゃんと梳いたらこうなるんだ…」
居間に戻ってきたハカナとクラン。

ハカナパパ「いやぁ。家に帰るなり、
      イキナリあんなものを見せられるとはおもっていなかったよ。
      ハハハ」
クラン「ブッ殺してやる!」
ハカナパパ「女の子がそんな口を利くのはよくない!」
クラン「ほっひぇしゃひょひゅへふは!(ほっぺたをつねるな!)」
そのほっぺは面白いようにのびている。

ハカナパパ「なんだかハカナが小さいころを思い出すなぁ・
      お前もよく裸で家の中を走り回っていたっけワハハハハ!」
ハカナ「もう、お父さんのヘンタイっ!」
ハカナパパ「まぁ、とにかくクランちゃん。
      私達は大歓迎だから.
      好きなだけここにいていいんだよ」
クラン「………そ…そう………」

雑談は続いていく。
ハカナママ「………って言ってやったのよ」
ハカナ「もう、お母さんったら」
ハカナパパ「ハハハ」
久しぶりにビールを飲んで、ハカナパパも上機嫌。
家族3人で楽しそうだ。
クラン「………」

クランは取り残された気分になっていた。
こうして、みんなと一緒にいても、何故か自分一人だけ孤立しているような感覚。
分厚い壁でさえぎられてるかのように、
目の前のハカナたちの声がずいぶん遠くにエコーして聞こえ、
まるでハカナたちが自分のいる現実とは違う、
遠い世界の住民のようにも思えた。

ハカナ「ク、クランちゃん………どうしたの!?」
クラン(えっ…)
クランはいつの間にか涙をこぼしていた。
みんな心配そうに見つめている。
クランは後ろに振り返った。
クラン「えっ!?な…何でもないよ!
    ちょっと腕が痛んじゃって」
ハカナ「だ…大丈夫?」
クラン「なんだか…ちょっと疲れたから………私、寝るね」
クランはそのまま振り返らずにハカナの部屋まで駆ける。
ハカナ「クランちゃん!イチゴケーキまだ残ってるわよ」
クラン「ハ、ハカナにあげるっ!」
聞こえてくる、その声は涙声だった。
驚いたハカナがすぐに追っていく

ハカナママ「………」
ハカナパパ「………」
ハカナの部屋

グシッ
涙を腕でふき取るクラン。
クラン(おかしいぞ?なんで私泣いてるんだ)
コンコンコン
ハカナ「ク、クランちゃんどうしたの?」
クラン「な…なんでもないヨ。
    自分の部屋なのにノックすることないだろう?」
ハカナ「でも、泣いて…」
クラン「何でもないって言ってるだろっ!
    ぐっ…ううっ!くそっ!」
クランは涙が止まらなかった。
ハカナ「どうしたの?また腕が痛むの!?」
クラン「う、うるさいっ!何でもない!!」
クランの突然の怒号にハカナは驚いた。
ひどく興奮しているようだ。
クラン「………この腕が痛むはオマエのせいだ!!」
クランはグルグル目。
ハカナ「えっ!?」
クラン「なんで、こんなところにつれてきたんだよっ!!
    そんなに両親なんかがいることでも自慢したいのかっ!!」
ハカナ「ク、クランちゃん。私そんなつもりじゃ………」
クラン「うるさいっ!哀れんだ目はやめろ!
    この偽善者め!
    悪かったな!どうせ私は両親に捨てられた身だよ!
    他の人が当然に持ってるものが私にはないんだ!」
ハカナ「…!?」
なぜこんなに突然怒りが沸いてくるのかクラン自身にもわからなかった。
しかし、その口はクランの意思とは関係なく動いてしまう。

クラン「お兄ちゃんまでいなくなって、家に帰ってもだれもいない。
    でも、だからって!こんなのが、うらやましくも何ともないんだからな!!
    私は一人が好きで、一人でいたいんだ!
    だから家族なんていらない!」
ハカナ「!!!」
クラン「………………ハァハァハァ…………」
ハカナ「………」

クランはようやく興奮が収まった。
クラン「…………ご、ごめん………」
我に返ったクランは、もうハカナに対して顔を向けることはできなかった。
ハカナ「………ごめんね。私、無神経だから
    ………クランちゃんのこといつもいっぱい傷つけてゴメンね…」
珍しくハカナは泣いてしまっている。
クラン「………。
    …ハ………ハカナが気遣ってくれてるのはわかるけど…。
    …でも、この場所は私にとってはツライんだ
    ………だから………私やっぱり家に帰る…」
ハカナ「………。
    うん。わかった…でも、今日はもう遅いから泊まって行って。
    あっ…クランちゃんの寝床は…」
クラン「毛布だけくれたら、床でもどこでも寝るよ………」
グスッっと涙をぬぐうクラン。
ハカナ「そ、そんなこと、させられません!!!」
ハカナに案内された場所は畳の部屋に布団が3つ。
なるほど、どうやら普段からハカナの両親が寝てる部屋のようだ。
どうやらクランは寝床は真ん中らしく、両端はすでに両親が寝る準備をしている。
ハカナ「どうしたの?クランちゃん??」
クランは部屋に入るのを躊躇していた。
クラン「…い、いや…二人の愛の巣のジャマをしちゃいけないなって…」
ガツン!
クランの頭にオヤジのげんこつ。
ハカナパパ「子供がそうゆうこといっちゃいけません」
クラン「だ!だれが子供だ!
    まったく、私だって精子と卵子がどうゆうものかぐらい知っている!」
ガツン!
クラン「オマエ!わたしの頭をコブだらけにする気か!
    くそっ!こ、今度やったら、金玉蹴って生殖できないようにしてやるぞ!っ!!」
ガツン
クラン「いやあ!ごめんなさい!!」
クランの目は涙で潤む。
ハカナママ「もう。殴りすぎよあなた」
クランをなぐさめるハカナママ。
ハカナママ「クランちゃん。暴力亭主でごめんね。
      ハイハイ泣かないクランちゃん。痛く無いからね」
クラン「ぐすっ」
ハカナ「じゃあ、私もう行くからね」
クラン「えっ…ええーーーっ!ハカナは?」
ハカナ「私は自分の部屋で寝るから。
    じゃあ、明日も早いからおやすみ!」
クラン「う、うん。おやすみなさい」

ガシャ
明りも消えて暗くなる。
クラン「………」
なれない場所のせいかクランはなかなか寝付けなかった。
ハカナママ「クランちゃん。こっちの布団きてもいいのよ」
クラン「そ…そんな子供みたいなことできるかっ!」
ハカナママ「………そう」
クラン「………。
    で…でもどうしてもって言うなら…行ってやらんでもない」
ハカナママ「じゃあ、どうしても」
クラン「しょ…しょうがないな…」

ハカナママの布団入っていくクラン。
クラン「………」
ギュ!
ハカナママが何も言わずに抱きしめてくる。
クラン「お、おいっ!」
ハカナママ「ハカナも昔はいつもこうして、寝てたのよ。
      あの子、ああ見えてさびしがり屋だったから」
クラン「だ、だから、私のこと子ども扱いするなと何度言えば…」
それは口が胸に押され、とてもか細い声だった。
クランもいつの間にか抵抗をやめる。
クラン(家族か…)
幼少の頃のかすかな記憶をたどり、家族の温もりを思い出していくクラン。
またぐすぐすと泣いてしまう。
今日一日でずいぶん涙もろくなってしまったようだ。
しかし、ハカナママは何も言わずに優しく抱きしめている。
クラン「………ママ…。
    (…生きていれば…いつか私も本当のパパとママに、
    会うことができるのだろうか…?)」
ハカナパパ「おいっ。クランちゃん。ひとりだけずるいぞ」
ジョリ
クラン「!」
クランの背中に鳥肌が
酔ったハカナパパがクランの後ろにひっついている。
ハカナパパ「う〜ん。う〜ん。クランちゃ〜ん
      最近ハカナが冷たいんだ。一緒に風呂に入ってくれないんだ」
クラン(いた!!いたた!!ヒゲ!ヒゲがジョリジョリと!)
口は胸でふさがり、声を出せない。
ハカナパパ「クランちゃ〜ん。チュパチュパ」
クラン(や!やめろ!このヘンタイがっ!!!)
どうやら悪酔してしまう性格のようだ。
体はハカナママに強く抱きしめられ動かない。
無抵抗のクランの体に、吸い付いてくるハカナパパ!
クラン「やあ!いやあ!やめてェーーーーー!!(丸文字)」

その様子をこっそり除いているハカナ
ハカナ(よかったね。クランちゃん)
誰にもばれないように、静かに戸を閉じる。

クラン(いやあ!や、やめろーーーーーーーっ(丸文字))
ハカナパパ「クランたんハァハァ」
ハカナママ「zzZ」
クランの悪夢のような夜は始まったばかりだ!
次の日

ハカナ「どう、クランちゃん。ぐっすり眠れた。
    ど、どうしたの?目にクマが…」
クラン「…べ…別になんでもない………。
    そ…それより明日からは絶対オマエの部屋で寝るからな…」
ハカナ「う…うん?
    (明日から?)あっ。じゃあしばらくこの家にいてくれる気になったんだ」
クラン「う…腕が治るまでの間なら居てやってもいい!」
ハカナ「ぼそっ(じゃあ、一生完治なんかしなきゃいいのに…)」
クラン「オイ!今なんて言った!!」
ハカナママ「さぁ、朝ごはんですよー」

日本風にご飯と味噌汁。
ハカナ「どうしたの?クランちゃん?食べないの?」
クラン「わ…私、朝は食べない主義なんだ。
    胸焼けがするから」
ハカナパパ「それはいかんな。一杯食べないと大きくなれないぞ」
クラン(ひっ!)
びくっとしたクランはあわてて席につく。
ハカナパパ(う〜ん。ずいぶん怖がられてしまったな)
クラン「い、いただきます…。あっ」
カラン、カラン。
まだ、ハシはもてないようだ。
ハカナママ「もう、クランちゃんたら。ちゃんと私が食べさせてあげるからね。
      はい。あーん」
クラン「あーん」
ハカナ「あら。クランちゃんたらずいぶん甘えん坊さんね」
クラン「う、うるさーーい!…し、しかたないだろうこんな手じゃ…!!」
朝から顔を真っ赤にさせるクラン。
一同「アハハハハ」
                    第十話 終わり
440遊戯王風の人:03/12/23 17:34 ID:0uhxqD+p
_| ̄|○ ぜんぜんエロくないし、カードとも関係ないし…
441パステルクランの人:03/12/23 17:37 ID:nXFmjSJM
乙!!リアルタイムで見させて頂きました!!
ほのぼのしてて、いいですねー。でも、何気に夏樹家が狂ってる所に禿藁。
結局どうやって腕は治ったんでしょうか?その内明かされそうなので
あえて今はきかないでおきましょう。
次回も期待してますよ!
442名無しさん@ピンキー:03/12/23 18:19 ID:ZJo0jiXP
遊戯王風の人おつです
今回は萌え分をたっぷり補充させて頂きました(´¬`)
偶にはこんなほのぼのした話もいいですね
443名無しどん:03/12/23 21:25 ID:UqbGDe2f
えびに1枚うpしました

ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp/
444名無しさん@ピンキー:03/12/23 21:31 ID:UBDm0eKL
>>443
うひゃひゃ
スベスベそうな太ももがたまりませぬ
ごっつぁんデス
445名無しさん@ピンキー:03/12/24 00:53 ID:yohoyPFR
パステルクランの方、乙です。
おおっ、魔法少女にもどった。
でもリョウガの方が主役みたいだ(w

遊戯王風の方、乙です。
クランの腕が復活したり理由が気になって
グイグイ読んだのですが、まさか引くとは……

果たしてギブスの下に、どんな腕がついてるのか、
次回が楽しみです。

446385:03/12/24 02:34 ID:eBb3mCfC
>408
単に趣味の問題なんで達人でも何でも…
心を折る陵辱の方が好きなだけなんで。
今回は引きだったけどさすがにこの世界でダルマのままっつーのも無いと思ってたし(w
ともあれいろんな意味で期待はしてるんでがんがってください。

ちなみに夏休みは基本が肉体を破壊する「だけ」なんで余り好みで無い。
447名無しさん@ピンキー:03/12/24 23:10 ID:dDqBBc1c
遊戯王風の方、乙です。

>頬をパンパン叩き、気合を入れるクラン

あんなボロボロの手で気合を入れるクランたんにハァハァ (;´Д`)
448名無しさん@ピンキー:03/12/25 14:42 ID:5yXmBm1c
遊戯王風、いつも楽しませてもらってます。
ところで、ハカナのお古の服がもえたんのそれのような……
何気に小ネタが多くてイイですね

参考↓
ttp://www.moetan.jp/
449遊戯王風の人:03/12/26 21:04 ID:4qEuY2cZ
>441-442
>445-448
ご感想ありがとうございます。
これをバネに、ますますがんばろうと思います

>446
さすが師匠………奥深いお言葉です!!

>448
>ところで、ハカナのお古の服がもえたんのそれのような……
そのツッコミをずっとお待ちしておりましたw


今年中にあと一本ぐらいUPできればいいなと思っております。
ではでは
450名無しさん@ピンキー:03/12/28 22:25 ID:3AwREKbL
何だか静かだ。
みんな戦いにでも行ったのだろうか?
451名無しさん@ピンキー:03/12/29 21:41 ID:hJss5kUj
仕事で逝けないよ・・・
たぶん除く暇無いだろうけど
いつものひと頑張ってね〜








しかし、また買えなかった_| ̄|○
452名無しさん@ピンキー:03/12/30 10:44 ID:5gpgKlIB
戦果報告を期待してます。
ウプはしなくていいですが、
どんなのがあったか教えて下さい。
453遊戯王風の人:03/12/31 15:33 ID:TPHLgnvN
_| ̄|○年末のマターリモードにやられて、もうだめぽ。
454名無しさん@ピンキー:03/12/31 19:48 ID:BDGyi+4e
                   、、、 , , _
     ,. -┬i^i、._     ィ`,、,、,、,、,.、'、
.   /    | | .|=ゞ=、 __l/\ v~/!|
   l.    l l l \\{f‖ミゞ, ,ィ≪:lf^i      もういい…!
 /ヽ.   ノ「,ト、「.lヘ‐iヾ|rー~r〉〉,こlレ'
/    `ヽ//| ト、ヽlイ| |/|{王王王王}ト、
|      レニ| lニゝ冫! l!L_, , ,ー, , , ,_」シ’、    正月くらいっ…
ヽ    __|ーL|┴^ーヽ>'^ヾ二三シ´\\
 ,ゝ,/  .}二二二二二二二二二lヽ.  ヽ \   休めっ…!
l/ |ト、./´\             ||. レ'´ ̄`ヽ
  || !    、\         . . ||. /      :|   休めっ…!
  || |.l l゙!.|i |ヽ)          |l/       /  
  || `ヘ)U'J           /-─   ,イ.|
  ||     _          /-─    / ヽ|   遊戯王風の人っ…!
  ||  r‐-゙=っ`ヽ,.--r-ー ''"´ ̄`ヽ   /   }
  ||. {三二    | │          /   /
  ||.  ヾ=--一'`ーゝ       _,. く   ノ|
455名無しさん@ピンキー:04/01/01 00:54 ID:DQRFuyXH
あけ おめこ とよろ
456パステルクランの人:04/01/01 01:55 ID:3+RY/s6g
今年もよろ〜
457名無しさん@ピンキー:04/01/01 02:36 ID:O5LccTiD
おめでとうございます

とりあえず正月くらいはゆっくり休んでください
458名無しどん:04/01/01 03:41 ID:gfnj1Ka7
)>ALL
あけおめことぐろ

))遊戯王風の人
454氏の言う通り正月くらい休んでくださいw;
459名無しさん@ピンキー:04/01/01 12:41 ID:AnR2JEGJ
みなさんの言うように、ゆっくり休むことにします。
それはそうと
>ALL
あけおめ ことよろ。
460名無しさん@ピンキー:04/01/02 01:50 ID:WIDEa19j
黒沢まで使ってるんだからみんな休んどこうな(w

とりあえず自家生産の黒い妄想を顔疾駆にかぶせてハァハァして持ちこたえとくから。
461お年玉1:04/01/03 20:31 ID:Gq74VsQd

ファンタジー風味なカオシックルーン

村人の平和を脅かすという悪い竜を退治するため
一時的に協力することになった3人の冒険者。
リョウガ「オレは勇者リョウガだ。よろしくな」
ハカナ「私は僧侶ハカナよ。ケガの治療はまかせてね」
クラン「わ…私は魔法使いクランだ」
クラン(はじめてのクエストだ。お兄ちゃんにいい報告できるように
 がんばらなくっちゃ…ドキドキ)
リョウガ「ん?なんだこの場違いな小学生は?」
クラン「だ、誰が小学生だ!」
ボグゥ(金蹴)
リョウガ「かはっ!」
ハカナ「リョウガ!しっかりしてリョウガ!」
クラン「プンプン!」
462お年玉2:04/01/03 20:33 ID:Gq74VsQd
3人は竜界の旅を続ける。
クラン「ところで、オマエ達。年はいくつだ?」
リョウガ「オレは16歳だな」
ハカナ「私も16ね」
クラン「ワハハハハ!私は17だぞ」
リョウガ&ハカナ「な、なんだってー!?」
クラン「年功序列に従いパーティーのリーダーは私で決定だな!
 オマエたち!ちゃんと私の言うこときくんだぞ」
ハカナ「う…うーーーん」
クラン「ぶつくさ言ってないで私の後ろをちゃんとついて来い!!」
リョウガ「だ、大丈夫なのか?こんな小学生にまかせて」
クラン「1 7 歳 だ ! !」
ボグゥ(金蹴)
リョウガ「かはっ!」
ハカナ「リョウガ!しっかりしてリョウガ!」
クラン「フーンだッ!リョウガのバカ!」
463お年玉3:04/01/03 20:35 ID:Gq74VsQd
そんなこんなで摩擦竜グリスカントをついに発見。
グリスカント「ア…アオイカジツ………ダイスキ」
クラン「いたぞ!あれが村人を困らせている悪いモンスターだな。
 よし、あんなやつ私一人で十分だ。
 オマエ達はそこでゆっくり休んでおけ」
ハカナ「は…はぁ」
一人グリスカントの前に立ったクラン。
クラン(よし!私の魔法ヴォルボックスで、こんなやつすぐに爆殺してっ!)
〜〜〜〜〜〜妄想〜〜〜〜〜〜
ハカナ「すごいわクランちゃん!」
リョウガ「さすが俺たちのリーダーだぜ!」
クラン「エヘヘ」
〜〜〜〜〜妄想終了〜〜〜〜〜
クラン「よし。出ろヴォルボックス!ブラス!」
シュパッ!(触手が空を切る音)
シュコン。
クラン「あぁ!ヴォルボックスの制御棒が!!」
グリスカント「タイヘンダヨ。サマツガ0ニナルト」
スルッ!
今度はクランのパンツが摩擦0になって足首まで滑り落ちる。
クラン「いやあ!(丸文字)」
思わず、恥ずかしい声を出してしまうクラン。
さらにグリスカントのエロ触手は動けなくなったクランの体を蝕んでいく。
グリスカント「ツボミノハナ………チラス……ダイスキ」
クラン「ああっ!いやぁ!やめてェ!あっ…んん!あっ!あっ!(丸文字)」
触手が服の中にまで入ってきてしまいクラン大ピンチ。
このままでは本当に大人にされてしまう!
464お年玉4:04/01/03 20:45 ID:Gq74VsQd
クランはもう泣き叫ぶことしかできなくなってしまった。
クラン「あっ!やあ!おねがい…りょうが…た…たすけて…あっ!……あん!あっ!だ、だめっ(丸文字)」
グリスカント「ドウシヨ…ヤッパリ…ムイテカラ………タベヨウカナ」
クラン「ああっ(丸文字)」
ハカナ「リョウガ!」
リョウガ「しょうがねェなあ。でろーーーデスレックス!」
リョウガの召喚したドラゴンは瞬きする間にグリスカントを丸呑み。
グリスカント「エ……アレ?」
バリッ!ボリボリ!ムシャムシャムシャ!ゴクン!
ハカナ「あっ!クランちゃんまで食べちゃだめ!?」
デスレックス「ぺっ!」
吐き出されたクランが地べたに転がる。
クラン「ひぃぃ……う、うわぁぁあぁん!怖かったよーーーリョウガ!」
リョウガに抱きつくクラン。
ハカナ「クランちゃん。そんな格好じゃ風邪引くわよ」
クラン「えっ?」
デスレックスに服を食べられてしまったクランはすっかり全裸だった。
リョウガ「あはは。口では大人ぶっても、体はまだまだ子供なんだなクランちゃん」
クランの股間をパンパンと鳴らすリョウガ。
一気にクランの頭に血が登る。
クラン「ぶ、ブッ殺してやる!ブラスト!」
ドガーーーーン(大爆発)
ハカナ「リョウガ!しっかりしてリョウガ!」
クランはいつの間にかいなくなっていた。

とある町の片隅。
クラン「ううっ…アイツ達…絶対に許せないぞ………ぐすっ。うわぁああん」
終わり
465お年玉5:04/01/04 11:56 ID:cea2tH6Z
それから数日後。
ここは人間界のギルド。冒険者達の溜まり場。
倒したモンスターはカードになり、
カードをギルドに渡すことで、それに応じた報酬金とポイントをもらえるのである。
(ちなみにカードは召喚して使うこともできる)
コウジ「ヘイ。じゃあこれがグリスカントの報酬金500Gだよ」
ハカナ「ありがとう」
コウジ「2人で達成したから、ポイントは2等分にして1人125Expずつあげとくよ。
 これでハカナんはポイントが一定値溜まったからレベル10に昇格だね」
ハカナ「やったぁ」
リョウガ「オレは?」
コウジ「源の旦那は現状維持でレベル11のままだねェ」
リョウガ「そうなんだ…しょんぼり」
そこに、入り口の扉が開く。
クラン「…」
ハカナ「あ、あなたは!?」
入ってきたのは今にも倒れそうなほどボロボロのクランだった。
クランはわき目も触れずギルド員のコウジを目指す。
クラン「…」
ドサッ!
クランがコウジに差し出したのは
ヲタクかばんいっぱいに詰め込まれたカード。
クラン「換金してくれ」
466お年玉6:04/01/04 11:58 ID:cea2tH6Z
換金中
ハカナ「ちょっとアナタ!」
クラン「ん?」
リョウガ「よかった、元気にしてたんだな」
クラン「えっ?あっ…オマエ等は…(源リョウガ…私のあそこをパンパンしたやつ…許せんっ)」
クランの顔が赤くなる。
ハカナ「ちょっと!それよりどうゆうつもりよ!
 前の冒険、あなたのテレポートを頼りにしてたのに一人だけ先に帰っちゃうなんてっ!!
 おかげで私達、行きと同じ時間をかけて帰ったのよ!!!」
ハカナは凄まじいまでに激怒していた。
帰りの食料の計算などしておらず、餓死しかけたのだからそれもしかたないことだった。
クラン「だ…だって…それは…リョウガが…わたしの…」
リョウガ「まぁまぁハカナ。相手は子供なんだから…」
ハカナ「リョウガは黙ってて!」
ハカナの説教は果てしなく続きクランは泣きそうだった。
そんなクランを救ったのはコウジだった。
コウジ「クランちゃん。換金終わったよ」
クラン「そ…そうか」
ハカナ「ちょっと!話はまだ途中なのに…もぅ…」
報酬金を受け取るクラン。
クラン「おい!ふざけてるのか!たったの50Gだと!」
コウジ「だってこいつら全部エクス=マンティスじゃん…
 機界の超雑魚モンスターだぜ。
 こんなやつら30枚で1Gがいいところだよ!」
クラン「ぐっ!で、私のレベルは上がったか」
コウジ「ポイント20Expで現状維持だよ。次のレベルまであと150だ」
クラン「そ…そんなぁ…」
コウジ「レベルは社会的貢献度みたいなもんだから
 エクスマンティスなんか倒しても、せいぜいゴミ拾いぐらいにしかならないよ」
467お年玉7:04/01/04 11:59 ID:cea2tH6Z
床に膝をついて泣きじゃくるクラン。
クラン「うわぁあん。このままじゃ冒険できなくなっちゃうよーーーっ!」
ハカナ&リョウガ「???」
クラン「ぐすっ…うちのお兄ちゃん、私が冒険者になるの反対なんだ。
 それでもなんとかお願いして3ヶ月だけチャンスをもらって
 その間でレベル2ケタにしないと、見込みがないってことで………」
ハカナ「………どうなるの…?」
クラン「箱入り娘にされちゃうよーーーっ!うわあああああん」
ハカナ&リョウガ「!!!」
ハカナ「箱入りって…クランちゃんっていいとこのお嬢様だったんだ…」
クラン「うん…。だから人に裸なんか見せたことなんてなかったのに………。
 ………それなのにパンパンまでするなんて………!
 リョウガのバカ!私の純情返せ!責任とれ!うわあああああああん!」
リョウガの胸を飛び込んで小さな腕でボカスカ殴り続けるクラン。
泣く子と小学生にはかなわない二人。
ハカナ「泣かないでクランちゃん。約束の期限まではもう少しあるんでしょ?
 私達も手伝ってあげるから…」
リョウガ「そうだよ。3人で頑張ればレベル10なんてあっという間だよ」
クラン「ほ…ほんと…」
リョウガ「よし、次の冒険はここしよう。
 レベル10以上にならないと入れない危険区域だけど」
コウジ「ブーーーーーーー!クランちゃんはレベル9だから入れないよ」
ハカナ「私達平均で10あるからいいじゃない」
コウジ「う〜〜〜ん」
クラン「お、お願いコウジ!」
コウジ「しゃーねーな。でも死んでもしらないからね」
468お年玉8:04/01/04 12:01 ID:cea2tH6Z
そんなこんなで今回は機界の危険地域『バズ=コックスの谷』にやってきた3人。
ハカナ「いい。今度は勝手に帰っちゃダメだからね」
クラン「ハーイ。
 あっそうだ!言い忘れてたけど今回も私がリーダだからな!」
ハカナ&リョウガ「ハイハイ」
そんな3人の前に、二匹の縮小版バズ=コックス。通称ミニ=コックスが現れた。
ミニ=コックス「ナッテナイ…ナッテナイ…」
クラン「よし!やれっオマエたち!」
リョウガ「アルマーの刃!」
リョウガの攻撃。サックリとミニ=コックスを一撃で倒す。
ハカナ「ポカポカの魔法!」
ドピュ!
ドローっと溶かして二匹目撃破。
喜ぶまもなく、続いてミニ=コックスの大群があわられた。
クラン「よしここは私にまかせてョ!ヴォルボックス!ブラスト!」
ドガーーーーーン(大爆発)
魔物の群れをやっつけた。
ハカナ「さすがクランちゃんだね」
ボトッ!
ハカナ&リョウガ「!!!?」
落ちたのはクランの右手だった。
クランの右手の断面からは鮮血が噴水のように飛び出している。
クラン「てへっ。ブラストは自爆魔法だから、使うとこうなっちゃうんだ」
リョウガ「うわぁぁあ!ハカナ早く回復魔法を!!!」
なんとかくっついた。
ハカナ「もう、あの魔法は気軽に使っちゃだめよ」
クラン「ハーイ」
そんなこんなで、狩りを進めていく3人。
469お年玉9:04/01/04 12:02 ID:cea2tH6Z
狩り初めてから3日後。
リョウガ「ふぅ…これだけ倒せばもういいだろ」
クラン「………レベル上がるかな」
ハカナ「うん、もう十分だと思うよ」
クラン「やった。これでお兄ちゃんに認められるヨぉ」
ハカナ「よかったねクランちゃん」
リョウガ「でも、オレはお兄ちゃんの意見に賛成だなぁ
 クランに冒険はやっぱりまだ早すぎるよ」
クラン「ええーーー。ええーーーーっ。わ、私って役立たず…?」
リョウガ「いや…そうじゃないけど。
 やっぱり子供は子供らしく家に…。
 そうだな、せめて16歳になるまで冒険は我慢しようよ!!」
クラン「私 は 1 7 歳 だ ! !」
ボグゥ(金激)
最高にいいタイミングで入ったのか、リョウガは倒れたまま起き上がらない。
ハカナ「リョウガ!しっかりしてリョウガ!」
どうやら意識を失っているようだ。
クラン「フンッ!リョウガのバカ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
そのとき突然、不自然に地鳴り。
クラン「な…なんだ?」
地面の亀裂からでてきたのは、バズ=コックスだった。
バズ=コックス「オマエラノ……ダンメン…ミセロ」
ハカナ「きゃああ!」
クラン「どうやら大ボスの登場だな!
 よし!リョウガ!デス=レックスを召喚しろ!」
しかし、リョウガは倒れたままだった。
470お年玉10:04/01/04 12:04 ID:cea2tH6Z
クラン「くそっ!肝心なところで役にたたないやつだ!!
 こうなったら私が!ヴォルボックス!」
ハカナ「クランちゃん!自爆攻撃はダメ!」
クラン「ブラスト!」
チュドーーーン(大爆発)
ボトッ!
やっぱりクランの右手はもげ落ちた。
クラン「ハハハ!どうだ!まともにくらったぞ」
ハカナ「クランちゃん笑ってないで、早く治療を!」
勝ち誇るクランだったが、煙の中からチェーンソーに似た飛び道具が襲ってきた。
シュパッ!
パラッっとクランの服が真っ二つ。
クラン「ああっ!(丸文字)」
しかも煙の中から現れたバズ=コックスは、ほとんど無傷の状態だ。
ハカナ「ポ!ポカポカ!」
しかし、ハカナの召喚した竜はバズ=コックスに近づく間も無くチェーンソーで切断。
バズ=コックス「………ペナルティー…」
両腕から飛び出したチェーンソーが二人を襲う。
パラッ
ハカナは下着だけを残して衣服を切られてしまった。クランにいたっては完全に丸裸に…。
ハカナ「キャア!(丸文字)」
クラン「いやぁ!(丸文字)」
しかし二人に恥ずかしがってる暇はない。
次々とチェンソーが襲ってきて、よけるだけでも精一杯。
クラン「つ…強すぎる…今の私達のレベルじゃ勝てない…
 と、とりあえずあの建物に逃げよう」
後ろには隠れるのには最適そうな建物がひとつ。
かなわないと見た二人は全力疾走でそこに逃れるのであった。
471お年玉11:04/01/04 12:06 ID:cea2tH6Z
建物内を逃げる二人
クラン「ふぅ…ここまで逃げればもう大丈夫だろう…」
ハカナ「ハァハァ…あっ…クランちゃん右腕治療しましょうか?」
クラン「う…うん頼む」
突然足元がパックリと割れる。
クラン「わぁ!」
ハカナ「キャア!」
下の階に落ちてしまい2人は激しく尻もちをついてしまった。
クラン「ううん。いたた…うわっ!!?」
そこにはバズ=コックスが待ち構えていた。
下の階から、直接攻撃してきたらしい。
お尻が痛くて動けない2人に対しバズコックスのチェーンソーが、その柔肌を切り刻んでいく。
クラン「ひぃぃ…」
ジョリジョリ。
体毛を剃り落とされていくハカナ。
ハカナ「キャア!そこはダメェ!(丸文字)」
クラン「ハカナ!く、くそっこのヘンタイめ!!こうなったらファイナルブラストで」
バズ=コックス「ギロッ!」
シュパッ!
クランの殺意に反応したバズ=コックスがクランの左腕をカマボコのように何枚にも切断。
バラバラになったクランの指や腕、杖が床にボトボトと落ちた。
クラン「うわぁぁあ!痛いよぉお兄ちゃん!」
痛がるクランにさらに止めの一撃が襲ってくる!
クラン「うわあああああ!」
ハカナ「ク、クランちゃん!」
クラン絶対絶命の危機。
472お年玉12:04/01/04 12:08 ID:cea2tH6Z
ガッ!
そこに現れたのはアルマーの刃をもったデス=レックス。
リョウガ「ふっ!なんとか間に合ったぜ」
ハカナ&クラン「リョウガ」
ヒーローのように高い位置に立っているリョウガ。
リョウガ「やれ!デス=レックス!!」
ズバッ!
バズ=コックスを一刀両断!
バズ=コックスは断面を晒して倒れてると、カードに戻った。
リョウガ「間一髪だったな」
ハカナ「リョウガぁ」
クラン「リョウガ!きてくれると信じてたヨぉ」
リョウガに抱きつく二人。
リョウガ「まったくオレがいないと何もできないんだからなぁ。
 このお子ちゃま共め」
パンパン!
ハカナ&クラン「!!!!!」
クランは当然だが、バズコックスに剃られたハカナの股間からもハリのいい音がした。
ハカナ&クラン「ブッ殺してやる!」
ボグゥ(W金激)
リョウガ「かはっ!」
さらに倒れたリョウガの頭を、杖でガンガン殴ってくるハカナ。
クランもリョウガの股間を怒りをこめて何度も踏みつける。
リョウガ「ま、まて!オ、オレが悪かった…ゆ、許してくれっ…頼む!!!」

【選択肢】
 しかたない許す
→絶対に許せないっ!

リョウガ「うわぁああああああああああああああ」
夜の荒野にリョウガに悲鳴が響き渡る。
473お年玉13:04/01/04 12:12 ID:cea2tH6Z
翌日。
人間界のギルド。
コウジ「うん。それぞれ400Expだね。これでクランちゃんは一気に2レベルアップだよ」
クラン「やったぁ。レベル11まであがったよ」
ハカナ「よかったねクランちゃん」
リョウガ「おめでとうクラン」
クラン「………」
リョウガとハカナの手をそっと握り締めるクラン。
ハカナ&リョウガ「?」
クラン「あ、ありがとうリョウガ…ハカナ…」
普段のクランには、ありえないほど心のこもったお礼だ。
リョウガ「なんだ?今日はヤケに素直だな」
クラン「う、うるさい!」
リョウガの余計な一言のせいで、またいつものクランに戻ってしまった。
リョウガ「これからどうするんだ?」
クラン「一度お兄ちゃんのとこに報告しに戻るヨ」
ハカナ「また一緒に冒険できるといいね」
クラン「うん」
再開の約束を交わし、クランはその場を去っていった。
なんとか手のかかる小学生を救うことができて自己満足に浸るリョウガ。
リョウガの冒険はまだまだ始まったばかりだ。
終わり。
474名無しさん@ピンキー:04/01/04 16:33 ID:hf4Tqp1S
ハゲシクワラタ、つーか何故リョウガが悟空に(w
いや、それ以上か、生でやってるし。
475名無しさん@ピンキー:04/01/04 21:34 ID:BnXWQPn7
何で気さくに叩いているんだろう?
476過去ログ倉庫:04/01/05 18:21 ID:7TxXL49o
このスレの過去のSSをまとめたページを作りました。
まだ更新の途中ですが、とりあえず公開…

http://www.hayasoft.com/dame/chao_wiki/pukiwiki.php
477名無しさん@ピンキー:04/01/05 23:39 ID:D2GRvIt7
>>476
おお、乙です。
こうして見るとかなりあるんだな。
何気にかなりすごいな…
478名無しさん@ピンキー:04/01/06 00:36 ID:z7/GLMFz
おお、久しぶりにSSが投下されている。乙です。
しかし、リョウガええなあ……
479名無しさん@ピンキー:04/01/06 01:59 ID:gMEFIqF4
>>476
pukiwikiかー。すごいなー。
容量の関係上、何気にそろそろ次スレも見えてきてるので、テンプレに追加キボンヌ。
480名無しさん@ピンキー:04/01/06 02:46 ID:+BsyjaN+
あ〜、結構長文多いからレス数よりも先に容量で逝くか。

>476
こうして改めてみると遊戯王の人の量はもとより山賢と担当シリーズもよく続いてるな。
ともあれまとめ乙でした。
481名無しさん@ピンキー:04/01/09 18:51 ID:zRwGAlhn
少年は拘束されていた。
身体に傷は残ってない、意識を失っている間に治癒カードを使われたようだ。
そして彼のカードは…目の前の男が持っていた。
「いくつか質問しよう。
竜王の名を冠する特殊なカード、それを害するには?」
「…使い手がそれを破る事、だが僕はそんな事はしないしカードを手にした瞬間貴様を殺す」
「ふむ、では次だ。
そのカードが使い手以外の手にある場合は?」
「……」
それは少年も知らない事だった、だが未だそのカードが破られていない事からすれば…
「答えは害する事が出来ない。通常のデッキのカードとはやはり違うということだな。」
予想された答えに表情に出さないまま少年は安堵する。
「続けよう。ではそのカードを手にしたものが使い手たる資質を持っていたら?」
安堵の後の驚愕、流石に少年の表情が変わる。
「まさか…」
482名無しさん@ピンキー:04/01/09 18:52 ID:zRwGAlhn
「そう、答えは…」
ビリィッ
「この通り破る事が出来る」
「貴様ァッ!」
「落ち着け、まだ質問が残っている。
これが最後の質問だ、『元』竜王使いの少年よ」
唇をかみ締め続く言葉を少年は待つ。
「カードを失った君は何者か?」
意表をつく質問に一瞬戸惑う少年。
男は言葉を繋ぐ。
「答えはただの無力な少年だ」
言葉とともに男がリモコンを操る。
ガコォン…
重い音とともに少年の背後の扉が開く、そこにあるのは獣の気配。
「ただの無力な少年の君にプレゼントだ、かわいい犬だよ。
そう、カードから召喚されるモンスターに比べれば本当に可愛いものだ…」
そして男は部屋を出る、後に残されたのは「無力な少年」と「かわいい犬」。

で、某ショタ漫画に続くと。
483名無しさん@ピンキー:04/01/12 14:15 ID:2c2xsrn2
なんだ。
最近のこのスレのさびれようは?
いったい何があった?
484名無しさん@ピンキー:04/01/12 14:26 ID:RWa26EAk
>>483
喪中だから
485名無しさん@ピンキー:04/01/12 14:35 ID:95x2hSqV
俺は容量が少ないという書き込みがあったので
レスつけるの自粛してたんだが、
後どれ位モツんだ?
486名無しさん@ピンキー:04/01/12 17:28 ID:2c2xsrn2
ただいま415KB。
あと97KBは、もちますよ。
487名無しさん@ピンキー:04/01/12 23:10 ID:U4QEsWxM
ンじゃあリクエストしてみよう。

孫悟空のコスしたクランたん(短気だから)、八戒なデス子(大食いだから)、悟浄なコウジ(影薄いから)
三蔵な師匠(わがままだから)、観音様なハカナ(あまり1)、白馬なリョウガ&サイロックス(あまり2)
珍道中な絵キボンヌ
488名無しさん@ピンキー:04/01/13 00:46 ID:lmxgFodH
容量も少ないし、
遊戯王風の人が正月明けに新作ってたから
それ待たず半端なスレの使い方すると
マズイと思っちゃって…
489名無しさん@ピンキー:04/01/13 22:39 ID:mi2YxMS2
     /:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙、
    j::::::/:::::/:::::/:::/:::|:::::|::::::::、::::、:::::、::::::、::゙i
   ;':::::/:::::::/:::::::/::::/::::|::::::|::::、::::゙、:::゙、::::゙、::::゙;::|、
   ;'::::/::::::::;'::::::::/:::/::::ハ:::::ト::::i、:::::゙、::゙、::::i:::::::l::|
 "´l::::l:::::::::;':::;'::::i::/::::/ ゙i:::::| ゙、゙、゙、::::゙、::i::::l::::::l::|
   |:::l::::::::;'::::i:::::l:;'::::/  |:::/  |:| ゙i:、|ヾ、:::|::::|::|
   |:::l:::::::|::::::|:::::|:|:/ー:::/:/ 、,,||;--|-|}}}ヾ:|、/::|       なあ97KBって
   ゙、:l::::::|::::::ハ:::::|:|:三ツ|:/:、 _ ||ニ三フ; /::jノ::/\_       何スレだ?
   ゙、l:::::|::::;'::::l::::|   |' <|-l> ゙、   " //o:/  ヽ~゙、
   ,-;゙、::::|:::|::::::|::゙;゙、  |  |      ノ/;'、::|`ヽ、| | ヽ、_
 ./ :{ ヾ:|::::|::::::|::::ヾ-   ゙、:     /| `|  ,! |   .〉
. /  `、 |:::::|::::::|::::::゙、  ,..........._   / ,     /    ./`i
∧.   ∨|::::|:::::::|:::|:::゙、 ‘==’ / ;'  ;'  /     /  ヽ.
  ゙、 ,/;ィ::|::::|::::::|::::|::::ト\ ‘'''’ / /  ;  /     /    \
   ゙、´./::::|:::::|::::|:::::|::| `、`'ヾ''´  /    /     /
     ∨:::::||:::::|::::|:::::|::|ー-、_  _,. ''ー一 /     /
     |'ヾ、|゙、:::|、::|:::::゙:|   ((oo))    /     /
490名無しさん@ピンキー:04/01/13 22:44 ID:giKdyc5c
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;:、::,、:::::::::::::::::::::;;:、:::::::::::::::::::::::ヽ
   |:::::::::::::::::::::::/::::::::::/:::::::ノ u i:;ヽ;::::::::::::/|/__ヽ:::::::::::::::::;、:::l.   オマエが今つかったのが
   l::::::::::::::::;;;;;;;l:::::::/l;;/=;;,,  ソ i;、:::::/;;r''゙゙゙'ヾゝ::::::;、::ノ ヾ.   2KBだ
.   l::::::::::::l l´T'l::::/::::;'゙;;゙´ ◎`゙゙''''゙ゾl::::/l ◎  >:i::::::ノ|/.
   l:::::::::::l i,,_,゙l''゙::::::::i ゙ ''-−    ソ  l``゙''´::::/::/ ;/.      ホラッ
.   ヾ::::::::`''''/;:::::::::::::ゝ       :::::::,ゝ::....:u:/::く  ヽ.     あと、47回くりかえせば
    >;,:::::::::::l∧::i:::::::l u        ::::::::::::::/l::l`    ヽ、    だいたい97KBになる
.    ''<::::,,;:::::ノ Yヽ;;::ゝ    ,-――, ::::::::/::::::l       `゙'''''''''''''''''''''''''゙´
    ,-/ヾ;;:/、;, '  |ヾ`丶、   ̄ ̄´ :::/、:::;、::/
 /´´/ヽ、   丶、  ::::::::丶    / ヽ`゙''丶、
491名無しさん@ピンキー:04/01/14 13:01 ID:WItoJHEO
95?バイトぽっちじゃ、遊戯王風SSとかだと途中で終わっちゃいそうだから
ささっと埋めて次スレ立てた方がイクはないかな?
492名無しさん@ピンキー:04/01/14 23:52 ID:XeL80lNW
じゃあ500取ったヤツが次スレ立てるということでいいか?
493名無しさん@ピンキー:04/01/15 00:52 ID:wF5jrQJK
agemasu
494名無しさん@ピンキー:04/01/15 18:22 ID:ZkZac1W+
アゲルマドン
495名無しさん@ピンキー:04/01/16 03:29 ID:cdIG9D9v
みんな、どこに行ってしまったんだ…
496名無しさん@ピンキー:04/01/16 05:02 ID:CZw8ZSno
>>492
スレタイは?
497名無しさん@ピンキー:04/01/16 07:21 ID:Ic9uPLo1
>>500に任せればいいと思う。
498名無しさん@ピンキー:04/01/16 22:38 ID:Dmxtc4NT
リョウガはクランたんにオナニー見つかったりしないのかな?
499名無しさん@ピンキー:04/01/17 00:00 ID:/GRWDa8F
リョウガ「ちょっとトイレ行ってくる」
クラン「ああ……(またオナニーか…)」
500名無しさん@ピンキー:04/01/20 18:49 ID:Cb6jo5KV
容量オーバーの前に落とす気ですか?
501名無しさん@ピンキー:04/01/20 18:57 ID:FmUc+ID5
どなたか立てて下さい……
502名無しさん@ピンキー:04/01/20 20:57 ID:ONH+WBwX
スレタイととテンプレを考えてくれたら、俺が立ててみるよ。
とりあえず↓これは確定か。

前スレ
【モツ】カオシックルーンエログロスレ3【炸裂】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1069852056/l50
頭スレ
【さらば師匠】カオシックルーン【盆28還って】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1073566824/l50
カオシックスレ@お絵描き掲示板
ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp
503名無しさん@ピンキー:04/01/20 21:46 ID:vaUqx8+n
今までの流れだと
【モツ】カオシックルーンエログロスレ【ダルマ】
初代語り部:デス子
【キチガイ】カオシックルーンエログロスレ2【フリークス】
2代目語り部:とくになし
【モツ】カオシックルーンエログロスレ3【炸裂】
3代目語り部:ケイタロー

次はお兄ちゃんかな?
504四屍マモル:04/01/21 00:07 ID:bryheiKo
【モツ】カオシックルーンエログロスレ4【萌え】


少年漫画界の魔境「カオシックルーン」。
お上品な本スレで満足できない野郎どもは、俺と一緒に熱いリビドーを
このスレにぶつけてみようぜ。
エロ、グロ、萌え、人体改造、ダルマと、
なんでもありの、このスレではお前たちの欲望を大歓迎だ。
俺のかわいいクランもお前たちに、かわいがってもらいたくて
ウズウズしてるようだぜ。

前スレ
【モツ】カオシックルーンエログロスレ3【炸裂】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1069852056/l50
頭スレ
【さらば師匠】カオシックルーン【盆28還って】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1073566824/l50
カオシックスレ@お絵描き掲示板
ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp
SS倉庫
http://www.hayasoft.com/dame/chao_wiki/pukiwiki.php
2ちゃんねる カオシックルーンスレ過去ログ倉庫
http://www.hayasoft.com/dame/chaosic.htm
505名無しさん@ピンキー:04/01/21 00:43 ID:ZrLJrvPl
おお!いいね。
506名無しさん@ピンキー:04/01/21 00:44 ID:w5FP8hXn
【モツ】カオシックルーンエログロスレ4【萌え】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1074613374/l50

立てました。
テンプレ作成サンクス。
507名無しさん@ピンキー:04/01/21 01:04 ID:w5FP8hXn
誰もいないな。
自分で2getしたい衝動に駆られる。
508名無しさん@ピンキー:04/01/21 01:22 ID:ZrLJrvPl
>>507
509名無しさん@ピンキー:04/01/22 00:55 ID:KkI2zRfJ
スレ容量はまだ422KB。
481KB以上にならないと自動でdat落ちしないぞ。
巨大AAとかSSで埋めようとしても100レスぐらい必要。
510名無しさん@ピンキー:04/01/22 01:08 ID:VXNzJVF5
とりあえずつらつらと妄想でも書き込むか。
511名無しさん@ピンキー:04/01/22 02:04 ID:cDvk3bc+
返り打ちにあいスーツ姿の機界リーマンに輪姦されるショタたん…
512名無しさん@ピンキー:04/01/22 06:09 ID:6XQexab5
今バイト中なんだけど
とりあえず埋め立てる為にえびで絵を描いたんですよ(へたれだけどね)
でも何度やっても投稿できないんでやんの(T-T)
正月もそうだったけど、この店からじゃ投稿できないのかな?
513名無しさん@ピンキー:04/01/22 21:37 ID:8j6KHv0t
次スレにはもうレスしないでください。
24時間書き込みがなければ即死します。
514名無しさん@ピンキー:04/01/23 23:00 ID:C04vC6U7
無事に落ちたみたいだね>次スレ
515名無しさん@ピンキー:04/01/24 00:10 ID:QddNevBJ
何か粘着質なのがいるな。
516名無しさん@ピンキー:04/01/24 01:13 ID:oWrko8rO
結局またここに帰ってくるのか……。
ここが落ちたら次のスレは5になるのかな?
517名無しさん@ピンキー:04/01/24 03:32 ID:/6ix4L0/
4.1でいいだろ
518名無しどん:04/01/24 13:26 ID:AqgmF9/y
次スレを立てるのが早くて削除されたなんてかっこ悪いから
少しでもレスつけて4.1にいけるようにしよう

とりあえず一枚描いておきますね
ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp/
519名無しさん@ピンキー:04/01/24 22:00 ID:2BwUip+u
な、なして立ちションしとるとですか!?
ま、まさかクランたんには鬼棍棒が……
520名無しさん@ピンキー:04/01/25 01:22 ID:D2JNTRWy
クランたんは変態兄貴に女のコと思いこまされ育ったが、実は男の子。
ショタは舐められ無いよう男装しているが、実は女のコ。
521名無しさん@ピンキー:04/01/28 15:49 ID:7AVQsZpP
むう……寂れているな……
522名無しさん@ピンキー:04/01/28 22:12 ID:+9tFdK80
なんだ?この寂れようは…?
523名無しさん@ピンキー:04/01/29 11:24 ID:rC++7cQq
ネタを投下できる神が減ってしまっているんだな、
本誌の展開の問題かね。
また熱い戦闘はじまりゃ少しは人戻るだろ、
ショタとハカナの接触もあったことだし。
524名無しさん@ピンキー:04/01/29 12:38 ID:PR5Z6+cT
次スレをどうするかでしばらく流れが止まっていたからなあ。
多分、誰かが書きだせばまたいろいろSSが来ると思われる。
525名無しさん@ピンキー:04/01/31 00:43 ID:6rxsqufv
今、長文を投入すると
ヘタすると途中でスレが一杯になってしまうので
SS系の職人さんたちが参加しにくくなっているのではないか。

駄文でもAAでも宣伝でも、なんでもいいから
どんどん書き込んでサッサと埋めて、
あらためて次スレを立てたいものだ。
526名無しさん@ピンキー:04/01/31 23:36 ID:iQceCE0L
それじゃあ穴埋めってことで貼っとくか。
             __
     _  _,. -''´:.:.:.:.:.:.:.:.:``丶、
    /⌒`メ:.:.:, :.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.
   /   /::::`/、::::::ト、::::::::ヽ::::::::::::::::::::ヽ
      /,ィ:::::/ \:l∠\::::::\::::::::::::::::::ヽ  
     '´ /::::ム `´l;:} ̄ゝ ヽ:::::Y-、::ヽ:::::::ヽ   
        レ::::l;|`   `ー'   ヽ::::`! }:::::l::::::::::ヽ  
      ,':::{"" _"""  u ヽ:::レ'::::::l:::::::、:::ヽ     
       l:::ハ  ヽ ヽ       ノ:ノ::l::::l、:::ト、`'ーヽ 
        !:/::lヽ、 ` ′    /イ:::/l:/ ヽ;| `
      l/ 'ル'´\_ -‐ '´ |、/ l'
           ,.イ、|    レヽ-、
          //  \  /  l \
         /   ̄ ̄` ー'-、   |   ヽ
527名無しさん@ピンキー:04/02/01 18:11 ID:NO9Qb2Bh
リョウガが行方不明になって三ヶ月後、私は棗さんとハナコともに爆張に出かけた。
もう夏だというのにリョウガの行方はようとしてしれない。
人々の表情はケータイへの期待に満ち、焦る棗さんの汗が太陽光を反射していた。

「ま…待ってくれ。私にはまだローンが!!!」
さっきまで壇上にいたサラリーマンが、命乞いをするようにマントの男に言った。
「リョウガ……リョウガだよね。リョウガなんでしょ!?」
普段は滅多に話に加われない私が、マントの男に向かって呼びかけた。
パラッ「キミらの断面は何色かな?竜界のお嬢さんたち」
通りがかりの顔の長い中年男がそう言って微笑んだ。

一ノ谷コウキはシグマの発信器に感心し、黒光りするディープハンマーを送り込んだ。
「風呂は男のロマン。これからゆっくり始末してやる」
デバ亀の表情で男は言った。

高速道路を串刺し特攻隊が横切っていった。

http://that.2ch.net/test/read.cgi/gline/1060993957/
528名無しさん@ピンキー:04/02/01 18:12 ID:NO9Qb2Bh
「源リョウガ・夏樹ハカナ・我謝コウジらは腹を切って死ぬべきだ。
 また、彼らはただ死んで終わるものではない。
 唯一兄四屍マモルがガラクタ爆弾へ改造する者達だ。
 彼らの支持者も同様だ。
 理由はすべからくクランはオレ様のモノであるべきだからだ。
 詳しい理由は機界広報等で熟知すべし。」

http://that.2ch.net/test/read.cgi/gline/1067650836/
529遊戯王風の人:04/02/01 21:42 ID:0o0m23Cy
だめだ!          ― ○ バシバシ
もう、全然かけねェ!_|  |_ノシ
530名無しさん@ピンキー:04/02/01 22:27 ID:kTXo6iIR
ううっスマネエ、
そんなに苦しんでいたとは……
531名無しさん@ピンキー:04/02/03 15:00 ID:WW9EL2mn
週刊漫画板、死んでやがる・・・。
532名無しさん@ピンキー:04/02/03 16:34 ID:XXn1Ct4i
533名無しさん@ピンキー:04/02/03 19:41 ID:/C7EMeew
>>529
贅沢言って申し訳ありませんでした
534名無しさん@ピンキー:04/02/06 17:39 ID:M8Y55Yq/
お絵描き掲示板のほうは盛り上がってるのになー。
535名無しさん@ピンキー:04/02/09 21:25 ID:ts0p1LBF
このスレに救世主は現れないのか!
536名無しさん@ピンキー:04/02/10 00:13 ID:Q26JGq22
うう、俺も書いてみたいんだが
仕事が忙しくて仕方ねえ…
537名無しさん@ピンキー:04/02/10 04:12 ID:Hs5b317v
わしは書くことが思い付かない。一度SS投下してみたいんだけどね。
538名無しどん:04/02/10 21:26 ID:U66yB0HN
SS書きの皆さん頑張って下さい
私も一枚描いたんで貼っときます

ttp://haikan-d.hp.infoseek.co.jp/
539名無しさん@ピンキー:04/02/12 08:06 ID:2JyVgjls
初めてこっちのスレ覗いたんだけど、意外に面白いスレだったんだんで驚いた。
個人的には遊戯王風のが面白かった。
なんかスランプっぽいけどがんばって欲しい。
プレッシャーになったらスマソ。
540名無しさん@ピンキー:04/02/12 12:41 ID:nDInrJ/E
もしかすると本スレの多くの住人には
夏休み的なグロ満載のスレと思われているんだろうか?
541名無しさん@ピンキー:04/02/12 18:18 ID:owQWKmLu
これは正味な話なんだだけど
今日久しぶりに学校まで足をのばした訳よ
戦闘状況も良かったからね、うん。

それで始業ベル待ってたら廊下でトウマが壁に極太マジックで何か書いてる訳。
何かとついクセで見てしまったのは俺の過ちなんだが、
そのトウマが何を書いてたかって。
笑うよ。おまいら絶対笑うよ。飛ぶよ。かまいませんね?

落書きです。嫌がらせです。いわゆる誹謗中傷って奴です。
「今日、あの人食いリョウガが来るらしいぜ!
来たら、皆でブチのめしてやろうぜ!」
高校にもなって。タバコの火でピアス熱くなって飛び跳ねやがって。
ああ、その頭には何か入っているんですか、と小一時間(ry

恥ずかしいよ。見ているこっちが恥ずかしかったよ。
何が恥ずかしいかって、昨日閉まった後の文房具屋に頼み込んで
極太マジックを買って出てきたお前を見た事だよ!

きっとそれは触れてはならない神の領域。
相手にしてしまった俺が悪いんだね・・・・?
もう何も言うまい。
トウマよ、あしたからも落書きしてればいいさ。
  
ああ、そうそう。水性で書いても意味ないので(藁


http://that.2ch.net/test/read.cgi/gline/1075735749/
542名無しさん@ピンキー:04/02/13 13:20 ID:3jHeVwZ6
ここから先こういう小ネタで埋め尽くす気か。
それもまたよし。
543名無しさん@ピンキー:04/02/14 11:17 ID:xdHdkBTw
>>539
そんなこと言われても
全然かけねェ!    ― ○ バシバシ
           _|  |_ノシ
辺りはすっかり暗くなり、家々の灯りは美しい夜の夜景を作り出していた。
灯火の窓の一つは女子の部屋らしく、キレイに清掃され装飾品やぬいぐるみが飾られており、
ベットの上には青い髪の少女が寝転びながら観光雑誌をめくっていた。
彼女の名前は夏樹ハカナ。まだどこかあどけなさの残る、おっとりとした感じのする少女であった。
「ふふーん。明日どこ連れてってあげよっかなぁー?」
ハカナはベットの上で楽しそうにブツブツと独り言をつぶやいてた。

そこに、バタバタと誰かが階段を駆け上がってきた。
ハカナがそれに気づくと、ベットの中に見ていた雑誌を隠した。
ドアが開くと、そこには茶色の髪の幼女が立っていた。
ハカナは、その幼女の姿を見ると「どうしたの?」と言わんばかりに首をかしげる。

首が隠れる程度にのびた髪に一本だけ昆虫の持つ触覚のように飛び出している前髪の跳ね毛、
両手にガッポリとはめられているギブス、
風呂上りのせいか体からはまだ湯気が出ており、それがこの幼女の活発的な雰囲気を醸し出していた。
下着は一枚しか着ておらず、まだまだペタンコな胸と小さい豆のような乳首、
透き通るような華奢な脚等が露出されているというのに
娘は恥ずかしがっている様子は微塵もなく、自分が女だとという自覚もまだまだ薄いようだった。
彼女はハカナの同級生の棗クラン。
一見したところ幼女だが、本当の年齢は16歳。
この家の居候であった。
「く、クランちゃん…ちょっとそんな格好で何やって…」
「はかなぁー。髪の毛梳いてェー(丸文字)」
クランは甘えた口調の声をだした。
クランの両腕は負傷しており、とても腕を使う作業はできないのだ。
「も…もう。クランちゃんたらぁ」
一緒にお風呂に入っていたママにやってもらえばいいのに、何故自分なのだろうか?
わざわざこんなとこまで裸でやってくるクランにあきれた様子のハカナだったが、
クランにお願いされると断ることはできなかった。
ハカナにとってクランはまるで妹のようにかわいく、大切にしてあげたい人なのだ。

洗面場にたどりついた二人。
さっそくハカナはクランの後ろに立ち、
今日も櫛と自慢のドライヤーを両手にクランの髪を梳いてやる。

「あっ!その跳ね毛は、下ろしちゃダメだからね」
「はいはい。わかってますよ、クランちゃん」
基本的にオシャレに無頓着なクランだが、
どういう理由かこの前髪の跳ね毛だけには相当のこだわりをもっているようで
先日うっかり、この跳ね毛を前髪と一緒に下ろしてしまった時、クランは大泣きしてしまい、
それ以来ハカナはこの跳ね毛だけには万全の注意を払うようになっていた。

クランはハカナに髪を梳かれるときの、まるで撫でられているような感じが大好きだった。
ハカナの優しさに、うっとり心地よさに酔いしれていると
「ハイッ!終わったわよ」
「ワーイ!ありがとうハカナ!(丸文字)」
髪がサラサラのツヤツヤになってすっかりご機嫌。
跳ね毛も自分の意思を持つかのようにピンピン跳ね、
それを見るハカナの顔からも笑みがこぼれた。
本来ならクランは自分の家をもっており、普段は一人で暮らしているのだが、
両腕が使えない今の間はハカナ家のお世話になっているのであった。
ハカナとクランは親友で普段から一緒に色々な話をしている仲だった。
クランに一緒に暮らそうと誘ったのはハカナのほうだった。
クランが喜んでくれるかはわからなかったが、
こうして楽しそうに、はしゃいでいるクランの姿を見ると誘ってあげて大正解だったようだ。

「さぁ、今日からは私の部屋で寝るんだよね」
「うん(丸文字)」
ハカナの問いにクランはに元気よく答えた。
クランにパジャマを着せるやると、二人で元居た部屋まで上がって行った。

「じゃあ、今からクランちゃんの寝るとこ作るから、ちょっと待っててね」
「うん(丸文字)」

ガサゴトと押入れをあさるハカナ。
「よいしょ。あっこれクランちゃんの枕だよ」
取り出した物は、クランには少し大きいぐらいのフカフカの枕。
抱いて寝るとたいへん気持ちがよさそうだ。

「あ、ありがとうハカナぁ(丸文字)」
「ところでさぁ。クランちゃんの寝床はどこだと思う?」
喜んでいるクランにハカナが穏やかに尋ねた。
ベットの上を見つめると、そこには枕が二つ並んであった。
そこからどんな想像をしているのか、クランの頭にどんどん血の気が溜まっていく。
「さあいいわよクランちゃん………ハァハァ………ハァハァ」
ベットに入ったハカナは変に興奮して荒々しい息を出しながらクランの到着を待っていた。
クランは一瞬驚いたような表情を見せると、すぐに困ったように微笑んだ。

「ゴ…ゴメン…。やっぱり下で寝ることにするネ。………エ…エヘヘ」
そう言うとクランは全速力で階段を駆け下りていった。
ハカナ「えっ?ちょ、ちょっと!!クランちゃん!?」
あわてて追うが、もう階段にクランの姿はなかった。
下の階から会話が聞こえてくる。

「あれ?今日からハカナの部屋で寝るんじゃなかったの?」
「や、やっぱりおばさんと一緒がいいっ」
「だ、だれがおばさんですって!このっ!!」
「い、いたいよぉっ!ゴ、ゴメンなさい!ママ!!」

(あんっ!もうっ!クランちゃんったらーーーっ!!)
せっかく用意したクランの枕は、腹いせのサンドバックへと早変わりした。
翌日

「むにゃむにゃ」
クランの大変気持ちよさそうな寝顔がそこにあった。
「クランちゃん起きなさい」
台所からハカナの母親が優しく呼びかけた。
まだまだ夢見心地のクランは、体を声から反対方向にゴロリと寝転がす。
「クランちゃん!!もう朝よ!」
ハカナママがクランの耳の側で呼びかけるが、
クランは頭から布団をかぶる。
このぽかぽかして気持ちいい布団の中から、まだ出たくはないようだ。
ハカナママの声はだんだんと大きくなっていくも、
クランは、布団の中で縮こまったまま動こうとしなかった。
「クランちゃん!!」
煮詰まったハカナママは、とうとう怒りの声をあげだした。
「………や………休みの日ぐらい、ゆっくり寝させてヨぉ…(丸文字)」
「お父さんみたいなこと言うんじゃないのっ!!」
ハカナママが少々乱暴に布団を持ち上げると、
クランは布団の中をゴロゴロ転がり、
「むぎゅう!」とカエルが押しつぶされるような声を上げながら地面にペチャリと落ちた。
つぶれてるクランに目もくれず、ハカナママは布団をベランダに容赦なく干し始めた。
「あっ…ああーーーっ!」
クランは思わず悲鳴をあげた。

寝床を奪われてしまったクラン
「ちぇ…休み日の熟睡は数少ない娯楽だったのに………ぶつぶつ……」
しかたなく起き上がり寝ぼけた声を出しながらも、
顔を洗いにヨロヨロと洗面所へ動き始めた。
朝からドタバタと起こされたせいで、まだ頭はボーとしており
だらしなく乱れたパジャマからも肩がでていた。
洗面所にたどりつくと、ハカナがいた。
「…お、おはよう。ハカナ………ふぁあ…」
あくびをしながらやる気の無い挨拶。
「おはようクランちゃん」
ハカナの方は目覚めがいいようだ。
ハカナは鏡を見ながら一生懸命に髪の毛を整えており、
服も外出用のものに着替えられていた。
「ん?どしたの?お目かしなんかしちゃって?」
「今日は出かけるからね」
「出るって…どこに??」
「遊園地」
「ふーん遊園地か…………………………な、なぬぅ!?」
今まで一の字だったクランの目が一気に見開いた。
「ハナコから割引券もらっててよかったわ。
 せっかくいい天気だから、家族のみんなと遊びに行こうと思ってねェ」
クランは口をぽっかり空けたまま思考が止まってしまっていた。
「も、もちろん、クランちゃんも一緒よ」
あわててハカナが先ほどの言葉を補間すると、
クランの顔が活き活きとしたものに変わり始めた。
「………エ…。わ、私も一緒で………いいのか…?」
居候という立場ゆえに多少遠慮気味だが、明らかに嬉しそうな口ぶり。
「もちろん!」
「ハ…ハカナぁ!」
クランはまるで新しいオモチャを手に入れた直後の幼女のように顔を輝かせた。

…しかし
「………ゴメン。でもやっぱり、いい」
唖然としたのはハカナ。
クランはうつむき、細かく肩を震わせていた。
その表情はカゲがさして窺い知れなかった。
「え?なんで?どうしてよ?」
ハカナはクランの小さい体をゆすりはじめた。
もともとクランのために立てたこの計画。
クランが行かなければ意味がない。
「う…だ…だって………私…お金もってない…」
クランの家計はいつもギリギリいっぱいで、余分な娯楽の費やす余裕は1銭もないのだった。
せっかく誘ってくれたのに、クランは申し訳なささえ感じていた。
「クスッ!」
ハカナはこんなことに悩んでいるクランがカワイイと感じて思わず失笑してしまった。
「な、何がおかしいっ!!」
「もうクランちゃんたら。そんなこと心配しなくても私が出してあげるわよ」
ハカナの優しい声を振り払うかのように、クランはぶるぶると頭を振った。
「で、でも……そ、そんなの悪いよ…。
 ……そ、それに、他人からお金を借りちゃいけないって…お兄ちゃんも言ってた…」
クランは胸が張り裂けそうな思いで語っていた。
本当は誰よりも遊園地に行きたいクランであったが、ただでさえお世話になっている身。
これ以上迷惑をかけられないという思いがクランを踏みとどませていた。
そんな気持ちを察してかハカナはニッコリと微笑んだ。
「いいのよ。これは日ごろからお世話になってるクランちゃんへのお礼なんだから」
「…お…お世話?…私が………?」
考えたことも無い唐突な言葉に驚いたのかクランは黙ってしまった。
「おーい。何してんだ」
「クランちゃん。はやくこないと朝ごはんさめちゃうわよ」
台所から聞こえてくるのはハカナの両親の声だった。
続けてハカナもクランの背中を押した。
「だから行こっ。ねっ。クランちゃん」
「う…」
クランは胸の奥がじーんと温まっていくのがわかった。
「うん!」
クランはようやく天使のような、にっこりとした笑顔を見せるのだった。
空は青く澄み渡り、風もよく、太陽がぽかぽか照っており絶好の散歩日和だった。
車で1時間、ここは某所でもなかなか有名な遊園地。
開園時間が来た瞬間、人が波のように入り口へと押し寄せていく。
「きゅう!」
肉の壁につぶされて悲鳴を上げたクラン。
「大丈夫クランちゃん?こっちよ」
クランは鼻を痛そうにさすっていた。
ハカナに誘導されて、なんとか無事に園内に入ることができたクラン
「………ゼィゼィ」
肩で息をしているクラン。
あやうく人波に飲み込まれるとこだった。
広い園内で迷子にでもなったら大変だ。
「はぐれないように手をつないで歩きましょうね」
「う…うん………」
ハカナママの優しい声に言われるがままに、手を繋ごうとするクランだったが、
すぐにピリピリとした視線でハカナママをにらみつけた。
「…バ、バカッ!……そ、そんな子供っぽいことできるか!」
「まぁクランちゃんたら照れちゃって」
ハカナママは普段三角巾に吊るしてあるクランの左手をもちあげて手を繋ぐ。
クランの頬が赤くなった。
「痛くない?」
「少し痛いけど…少し嬉しい…」
「アハハ」
「クスクス」
「笑うなぁぁーーーーーっ!」
まるで導火線に火のついた爆弾。
瞬間湯沸かし器のようにクランの頭から湯気がたった。
「まったく…」
ぶつぶつ言いながらも、その手はちゃっかりと繋がれたままだった。
クランはキョロキョロと辺りを見回す。
始めてきた遊園地はクランにとって全てが新鮮だった。
(ここが遊園地………夢にまでみた遊園地………)

「クランちゃんの好きなのに乗っていいんだよ」
ハカナパパの声は頼もしく、後光が差して見えた。
クランの胸に喜びの火種がぼうっと燃え上がった。
「ホント?じゃあ、まずあれ乗りたいヨぉ!」
クランが指差したのは、新着ガイド記事にも大きくのってあり
子供から大人まで大人気のジェットコースターだった。
「ジェットコースターかクランちゃんはこうゆうのが好きなんだ?」
「うん。生きてる間に一回でいいから乗ってみたかったんだ!」
はしゃぐクランをハカナ温暖な視線が見つめていた。
(よかった。楽しんでくれて)

一向はジェットコースター待ちの行列に加わった。
クランはこみ上げてくる笑いを隠そうともせず、わくわくしながら並んでいた。
感動しているクランは、並んでる時間ハカナママやハカナパパにあれこれと質問攻めにあった。
クランは珍しく一つ一つ丁寧に答えた。特にお兄ちゃんの説明は熱をこめて。
2人は少し顔を青ざめたようだが、クランは大好きなお兄ちゃんの話ができて嬉しくしていた。
そうしている内に、ついに順番が回ってきた。
クランはぎゅっと拳に力をいれた。
「あー。ダメだよ。ギブス巻いてる人は乗せられないねぇ」
「エー。エエーーー!」
係員の言葉にクランは度肝を抜かれた。
「利用規約にひっかかっちゃうんだよ。ゴメンねお嬢ちゃん」
クランは言葉がでなかった。
「クランちゃん。そんな目しちゃダメよ」
クランは知らない間に非難じみた視線を送ってしまっていたらしい。
一向は、ジェットコースター乗りを断ると行列から放れていった。
クランの期待はがらがらと音をたてて崩れてしまった。
突然クランが泣き叫ぶ。
「うわーーーーん。やだやだぁ。乗りたいよぉーーーーーっ!」
「クランちゃん。駄々こねちゃだめよ」
「うわあああああん」
深い失望感にうちのめされ、
クランは告ぐ言葉すら見つけられないままその場を去っていった。
「ぐすっ。の…乗りたかったのに………」
失望やら無念さやらで、すっかり心は冷え切ってしまった。
「ジェットコースター………私のジェットコースター…ううっ」
どこか疲れたように、クランは足を止め、肩を落とすと、
うるうると瞳をうるませていった。
「そんなに落ち込まないでクランちゃん。腕が治ったらまた来ればいいじゃない」
「………エ!?」
しばらく沈黙。
「ホントに…?また来てもいいの」
どうやらクランは2度目があるなど考えもしなかったようだ。
「うん。クランちゃんの腕が治ったら、今度は完治祝いで来ようね」
クランの顔がゆるんでいく。
「うん!」
機嫌もすっかりよくなったようだ。

「だから、今日はクランちゃんでも乗れる安全な乗り物にしましょうね」
「あれはどうだ?メリーゴーランド」
「だから子供扱いするなと言ってるだろっ!!!」
クランはみるみる顔を真っ赤に染めた。
ションボリとするハカナパパ。
「あ…えと…どうしてもと言うなら乗ってやらんでもない…」

げんなりしながらも、馬にまたがるクラン。
クランの他は小学生や幼児しか乗っていないようだが、
見かけ幼女のクランにはさして問題はないようだ。
ぶつぶつ言いながらも楽しんでいるクランに、ハカナたちも「ほっ」と一息。
「ハイ!クランちゃん。こっちむいて」
回っているクランにカメラのシャッターを切る。
クランのカワイイ笑顔が撮れた。
クランたちは、次々とアトラクションを楽しんでいった。

「ね…ねェ。もういいよ」
申し訳なさそうに呟やいているのはクラン。
ここは射撃場。1回500円で弾は五発。倒した景品をそのままもらえる。
クランが欲しいものは大きなクマのぬいぐるみだった。
それを取ろうと一行は躍起になっているが、3回挑戦しても倒れるどころか、かすりもしない。
クランは既にあきらめているのだが
なんとかクランにお土産を作ってやろうとハカナの両親は必死だった。
それはたいへんありがたいのだが、苦笑いせずにはいられないクラン。
使えない両手がもどがゆい。
「ねェねェ。私にもやらせてヨ!」
そう言い出したのはハカナ。
射撃銃を手に取ってハカナが構えるが、その構えからは素人そのもの。
悪いが期待はできそうにない。
しかし素人の偶然とは恐ろしく、発射した弾はクマのこめかみ部分へと直撃、
ぬいぐるみは大きく揺れる。思わず一行は息をのむ。
クランも心の中で「落ちろ落ちろ」と謎の力を送っていた。
パタッ!
歓声がわきあがった。
「うそっ…。あたっちゃった…」
一番信じられないのは撃った本人のハカナ。
放心状態のハカナにクランが抱きついた。
「ありがとう!ハカナお姉ちゃん!」
「は…ハカナお姉ちゃん!?」
ハカナは素っ頓狂な声を出して、思考がますます混乱していった。
クランは抱きついたまま、ぴょんぴょん飛び跳ねていた。
(お…お姉ちゃん…?私が…!?)
それがだんだん現実だと認識してくると、混乱もようやく収まった。
「ね…ねェクランちゃん。今日から私の部屋で………寝る?…ハァハァ」
「うん。いいよ!ハカナお姉ちゃん大好きっ!」
クランの言葉に、心の中が実に晴れやかになったハカナだった。
気分のいいまま、一行は観覧車にたどり着いた。
クランも乗るのは初めてらしく、とてもワクワクウキウキとしていたのだが
「ねェ。お父さんとお母さんは先に乗ってよ。私達は一つ後のに乗るから」
みんなで一緒に乗ると思っていたクランにとって
このハカナの言葉はあまりに思いがけないものだった。
「エ…エエーーーー?…み…みんなで乗ったほうが…」
ついそう言わずにはいられなかったが、
ハカナは、ぼそっとクランだけに聞こえるように耳うち。
(バカね…気を使ってあげなさい)
「エ?」
ハカナの両親もニコニコ笑っている。
辺りは和やかなムードに包まれている中、クランだけが事態をよくわかっていないようだった。
(観覧車の中………二人だけの時間………ぶつぶつ………)
じっと何事か考えこんだ後、ぽんと手を叩く。
その口元はにやりと愉快そうな笑みが浮かんでいた。
「そうか!大人のエロスを行うわけだな!!」
ガツン!
「ふぎっ!」
クランの頭にゲンコツが落ちた。
「何も殴ることないじゃんか…」
クランが頭のコブを痛そうにさすりながら言った。
観覧車の中にはクランとハカナの二人だけ。
「周りの人みんな笑ってたわよ!」
「いいじゃん、SEXぐらい」
無垢なクランにハカナは思わず頭を抱えた。

「ほらっ。クランちゃん。外見て。外!」
「うわ〜〜〜。高ーーーいっ!」
観覧車の窓から景色を見つめる。
「すごい。人があんなに、ちっちゃくみえるヨぉ」
最上段から見る景色の前では、先ほどのゲンコツによる頭の痛みなどどうでもよくなってきた。
クランはただひたすらに感動していた。
「クランちゃんたら。年甲斐も無くあんなにはしゃいじゃって」
クランは恥ずかしそうにハカナに視線をあわせる。
「それよりおしっこしたい!!」
ハカナの表情が凍りついた。
「ど、どうしてそうゆうことは先に!」
「今………急にしたくなってきた………」
クラン歯をくいしばるが、下半身はガクガク震えていた。
しかし観覧車はやっと最上段で、地上につくまではまだまだ長い時間がかかりそうだ。
地団駄踏み出すクラン。
「も…もれちゃう…」
「ダメよ!ダメ!!!こんなとこでしちゃ絶対ダメ!!!」
だんだんと二人のあせりの表情も強くなっていった。
股間を押さえピョンピョン飛び跳ねるクラン。
ガタガタとゆれる観覧車。
「キャア!クランちゃん暴れちゃあぶないよぉー!」

「何やってるのかしら?あの子たち?」
前の車からハカナの両親も心配そうに見つめていた。
無事おしっこもすんで
クランたちの遊園地の旅はさらに続いた。

「ぎゃああああ!!…わあああ!!ヒィ!ハァハァ…ゼィゼィ………」
お化け屋敷から飛び出してきたのはクラン。
目は潤んで泣きそうだ。
あとから、ハカナたちもゆっくり歩いてきた。
「もうクランちゃん。ひどいじゃない。一人で先にいっちゃうなんてェ」
頬を膨らませているのはハカナ。
「ご…ごめんよぉ………ハァハァ…でも、本当に心臓が飛び出ちゃうかとおもったヨ…」
「ホント…最近のはよくできてるのねェ」
このお化け屋敷は女性陣には少しきつかったようだ。
クランはまだガクガクブルブル震えていた。
そんなクランに、ハカナパパは少しおふざけ。
「クランちゃん知ってるかい。今、係りの人から聞いたんだけど
 でるらしいよ地面から…手が…でてきて…悪い子はつれていかれちゃうんだって」
「な………ッ!
 ハ………ハハハ。そんなことあるわけ………ハハ、アハハ………」
平静を装っているものの、ハカナパパの脅しでクランは汗びっしょりだった。
「ま、まったくバカバカしい」
あくまで強がっているクランだったが。
グワシ!
突然地面から出てきた何かがクランの足首をつかんだ!
「!」
クランの血の気が一気にざざーと引いていった。
あまりの恐ろしさに言葉もでない。
「よっ!」
地面から現れたのはバンダナにメガネとつけた男だった。
「おどかすなぁっ!!」
バキッっとクランの強烈なとび蹴りが炸裂した。
「何でオマエがこんなところにいるんだ!」
「ちょっとしたバイトだよ。バイト」
クランとバンダナの男がぽんぽんと掛け合いをしていた。

「ねェ。だれ?あのバンダナの人…それに今、確かに地面の下から………」
ハカナママがハカナに訪ねる。
「え…えと。まぁ…その、ちょっとした知り合い…みたいなものかな………
 ………地面の下から出てきたのはあんまり気にしないで………」
バンダナの男の名前は我謝コウジ。
ハカナたちが通う学校の近くにあるゲーム屋の店長をしている男だった。
しかし、ハカナにとってあまりいい印象はなく、それ以上何を言っていいのかわからなかった。
ハカナママは言い争っている感じのクランとコウジの間に割り込む。
「クランの母です。クランがいつもお世話になっています」
「ぶっ!」
横から割り込んできたハカナママの言葉にクランは思わずむせ返ってしまった。
意表をつかれたのはコウジも同じだが、さすがにコウジはすぐに対応した。
「いえいえ、こちらこそクランちゃんには日ごろからお世話に」
「クランとはこれからも仲良くしてあげてくださいね」
「ハイ!そりゃもう。それにしてもお若い奥さんで」
「もう、あなたお上手ね」
すっかり和んでいる2人の間にクランが猛烈に割り込んで、
「寝ぼけたことを言うな!
 なんで私がこんなヘンタイと仲良くしなきゃならんのだ!
 オマエも一緒に住んでるからって保護者ぶったりするなぁーーーっ!
 バァカヤロォォォォーーーーーーッ!!」
ものすごい音量での怒りの咆哮。
それもつかの間、クランのつやつやとした頬がおもいきりつねり上げられた。
「クランちゃん。大切なお友達にそんな言い方しちゃダメよっ!
 まったくこの子は口が悪くてすいません」
「いたたたた!痛いよぉ!だってコイツは…コイツはぁ………」
クランはじたばたもがいた。頬はめちゃくちゃ痛い。
「まぁまぁ。ご主人。そのへんにしてあげてください。
 僕は気にしてませんから」
キリッとしてコウジの表情と紳士的な態度に、やっとクランの頬は開放された。
頬はすっかり赤くなってしまった。
「じゃあ、これ渡しとくから、よかったら来てねー」
クランにチラシを押し付けると、コウジは一礼して去っていった。
「あ、おい!まったく何なんだ?」
チラシは折りたたんで、ズボンのポケットへといれる。

「紳士的な人ね」
「しっかりしてそうな人が友達でよかったなぁクランちゃん」

クランは言いたいことがたくさんあったが、
また頬をつねられたりしたらかなわないので、言うのをやめた。
気を取り直したクラン。
そろそろお昼の時間帯だった。
ここは遊園地内にある公園。
「それにしても喉、乾いちゃったな。………いっぱい汗かいたからかなぁ…」
「じゃあ、私みんなの分のジュース買ってくるね」
「じゃあ、一緒に行くよ。一人で持つのはたいへんだろ?」
そう言ってハカナとハカナパパは仲良くその場から放れていった。

「じゃあ、そろそろお昼にしましょ。
 私も荷物置き場からお弁当もってくるから、
 クランちゃんはちょっとの間ここで待っててね」
「ハーイ」
ハカナママも去っていった。

クランは、側のベンチにぴょこんと飛び乗った。
擬似とはいえ初めて家族の温まりのようなものを感じたクランの心は幸せの絶頂にあった。
(ああ、こんな日がずっと続けばいいのに…)
そんなことを考えながら、太陽の日をぽかぽかと浴びていると
ポンッと後ろから誰かが肩を叩いた。
(あっ、ハカナだっ!)
嬉しさがこみ上げてきて、クランは自然にカワイイ声を出しながら振り返った。
「ハイハーイ。クランちゃんですヨぉ。
 ハカナお姉ちゃんでちゅねェーーーー(丸文字)」
振り返るとそこには、唖然とした表情の金髪男と他二名が立っていた。
クランの同級生で、学校でも悪名高い不良のトウマとその舎弟達だった。
クランは硬直した。
金髪の男、トウマは眉間にシワをよせ、ポケットに手をいれたまま、
何も言わずに不思議そうにクランの顔を疑っていた。
その顔は、変なものを見たかのように、たいへん気味の悪そうな表情をしている。
クランは完璧に凍りついて瞬き一つできない。
水分不足にもかかわらず、額からドッと汗が流れていた。
「プッ」
ようやく状況を察したトウマ、他舎弟の二人の口元が緩む。
「ヒャハハハハ腹いてェーーー」
トウマたちは突然おさえきれない様子で、腹を抱えて笑い転げた。
クランの顔が真っ赤に染まり、頭からは再び蒸気が煙をあげた。
学校ではいちおう怖い人で知れわたっているクランにとって
あんなにカワイイ丸文字を聞かれたのは大失態なのだ。
「ヒャハハハハハ!!」
こらえきれずに、うずくまって地面をガシガシたたき出すトウマ。
「うーーー!ううーーーっ!!」
クランはうなるだけで次の言葉が見つからなかった。

「うっ!うるさーーーーーーーいっ!」
クランは半ばヤケ気味になって叫んだ。
「ハイハーイ。クランちゃんですヨぉ(丸文字)
 プッ!ギャハッハハハハハハハ!
 腹いてェーーーーーし、死ぬっーーーっ!!!」
しかし、クランの物真似を開始したトウマ達ご一行は、
さらに笑いのドツボにはまっていった。

「わ、笑うなあぁぁぁーーーっ!」
クランは恥ずかしくて死にそうだった。
クランは顔を真っ赤にしながらも非難の声を浴びせるが、
トウマ達はクランの顔を見るだけでこみあげてくる笑いが止まらなかった。
このままではいけないと、クランは自分の右足に力をいれる。
こうゆう手段は好きではないがこうなったら力ずくで黙せるしかない。
「いい加減にしろ!バカヤローーッ!」
クランの右足がトウマの股間に向かって蹴り上がった。
しかし、精神的動揺のせいでクランの金激にいつものキレはなかった。
トウマが軽快にかわすと、クランの足は頭のてっぺんぐらいまで上がって、
バランスを崩して尻もちをついた。
「ひんっ!(丸文字)」
少し涙がこぼれたクランに、トウマは腰を落とし顔を近づけた。
「ハカナお姉ちゃんはどうしてんでちゅかぁ?
 ク・ラ・ン・ち・ゃ・ん?」
そう言ってクランの鼻の頭にデコピンを一発。
クランは今まで築きあげた権威のようなものは完全に失墜していくのを感じ、
目が一気に潤むと、今まで我慢していたものが一気にあふれて。
「うわぁぁぁぁああん!わぁぁぁああああんっ!」
辺り一面にクランの泣き声が響き渡った。
「ヒャハハハハハ!こいつ高校生にもなって鼻水たらしてやんの。キタネー」
にやりと意地の悪い笑みを浮かべるトウマ。

クランは16歳。そしてもうすぐ17にもなろうというのに、
人目を気にせず泣き叫ぶその姿…これではただの幼女。
「いや、ゴメンゴメン。
 クランちゃんは9歳でちゅもんね〜。生理もマダでちゅもんね〜」
「う、うるさーーーい!黙れ!!!うわっぁぁぁああああん!」
そこに16歳の面影は一片もない。
クランは、この年にもなって、まだいじめられて泣いているのかと思うと
悔しさと情けなさで、余計に涙が止まらなくなってしまった。

トウマの自分に対する暴言…何もできない自分のふがいなさ…
それらが一度にのしかかってきて、クランの小さな胸は張り裂けそうだった。
いたたまれなくなったクランは、そこから逃げ出した。
ハカナ達が戻ってきた。
「クランちゃん?まったく、どこ行ったのかしら」
「迷子にでもなってるじゃないか?」
「おーい!クランちゃーーん」
返事は返ってこない。
ふとハカナは不吉な想像をしてしまった。
「ちょっと私…周り探してくるね」

ハカナが少し歩くと、落ちてるクマのぬいぐるみを発見した
この大きなクマのぬいぐるみはクランが抱いていたものだ。
もらった時には、あんなに喜んでいたのになぜ?
「クランちゃーーーーん」
不安と声は、だんだんと大きくなっていった。
「クーラーンーちゃーーーん」
何も返答が帰ってこない。

胸が詰まるようだった。
遊園地、園内の端。
道から少しはずれた小高い丘は林になっており、普通の客ならまず入る必要のない場所。
そこには一人ぽつんと絶望に打ちのめされたクランの姿があった。

(みんな心配してるのかなぁ…)
クランは体育座りのまま、拾った木の枝で地面にクマの絵を描いていた。
(何やってんだろ私………またみんなに迷惑かけてる……)
ぐぅ…。
腹の虫も鳴り出した。
(おなか…すいたヨぉ………ぐすん)
近くに時計がなく、あれからもう何時間たっているかもわからなかった。

ピンポンパンポン!
それは園内放送の音だった。
「迷子のお呼び出しです。
 ○○区からおこしの、棗クランちゃん、お母様がお呼びです。
 入り口のインフォメーションまでお越しください」
「子ども扱いしやがってェ!バァカヤロォォォォーーーーッ!!」
そのクランの大声を聞きつけて
「クランちゃん!?」
背中から聞こえてきたハカナの声にクランの目が丸くなる。
(ハ、ハカナ…!!)
クランはなんとも複雑な顔をした。
ハカナはようやくクランを見つけて肩が軽くなった。
「よかった。こんなところにいたのね。
 もう…探しちゃったじゃない。
 帰ろう。クランちゃん」
ハカナの声がだんだん近くなって来る。
「………クランちゃん!?」
苦虫を噛み潰したようなハカナの声。
クランの足は知らないうちにハカナと反対方向に動いていた。
「ちょ、ちょっとどこいくの!?」
ハカナが追いかけると、クランはますます足を早めた。

林の中を駆け抜けていく二人。
「ちょっと!走ったりなんかしちゃあぶないよ!」
両腕にギブスを巻いているクランは、体のバランスがとれず
非常にあぶなっかしい走り方で下り坂を走っていた。
(今さらどんな顔して戻ったらいいか分かんないよぉ………)
クランは既に全力疾走で駆け出していた。
しかしこれではますます自分の立場を悪くするばかりで余計に戻りづらくなっていく。
「あ!」
感極まったクランは、足元の石につまづいてしまい、
そのままゴロゴロと転がり落ちていった。

ベキベキバキ!

勢いずいたクランは木片の柵を破壊して―――
バシャン!
落ちた先は水だった。

「アッ…プァッ(丸文字)」
水面でもがくクラン。
それは遊園地内の水を使ったアトラクションの大動脈的な役割を果たしている川で、
川といっても、ダムにも近い深さがあった。
「やあっ沈んじゃうよぉっ!(丸文字)」
泳ぎがもともと上手ではないクラン。
しかも両腕に巻いたギブス重さもあってどんどん沈む。
やっとハカナが追いついたが
川の上からハカナがのぞき込んだときには、
クランの体は完全に川の中に沈んでしまっていた。
「いやぁ!クランちゃーーーーーん!」
水の中からゴボゴボと泡だけが浮いてくる。

クランは水中で呼吸停止の苦しみに襲われていた。
(私が悪い子だからバチが当たったんだっ!
 ごめんなさいハカナぁ)
ピンチになると急に自罰的になるクラン。
脳内の酸素がうすれると、なんだか楽になってきて、
いつだったがお兄ちゃんに悪戯の罰として水攻めにされ
昏睡状態にされたことを思い出すのを最後に
そのまま意識が途絶れた。

………。

「大丈夫クランちゃん!!クランちゃん!!」
(………ここは…)
目を開けたクラン。
気がつくとそこには空気があった。
「クランちゃん!!」
ハカナが必死に何度も呼びかけるが
クランはまだ意識が朦朧としてハカナの声がはっきりしなかった。

ハカナはクランを抱いて泳いでいた。
すでにそこは陸地の近くだった。

やっとの思いで陸に上がる。

助かった。どうにか、死なずにすんだ。
近くの木造りの小屋のようなところまで移動した二人は
たどり着いた瞬間、ガチガチに強張った体から力が抜けていく。
長いため息をつき、くたりとその場に横たえた。
すでに二人ともパンツの中までびしょびしょだ。

クランの意識もようやく、元に戻ってきた。
(ハカナ…まさか…私のために…?)
くしゃくしゃの顔のクランがハカナの胸に飛び込んだ。
「ごめんなさい!ごめんなさいハカナぁ!」
「よしよし」
ハカナはクランの頭を優しくなでた。
「で?クランちゃん?いったい何があったの?」
「トウマがぁ…えぐっ…トウマがぁぁぁ…ううっ。ああんっ!びぇん」
「トウマ?」
顔をしかめるハカナ。
クランは何か言いたいことがあるようだがそれ以上ははっきり言えず、
ハカナの胸の中で、あんあんと泣き続るだけだった。

「ヘヘヘ。どうしたんだい二人とも。びしょぬれじゃないか?」
やってきたのはトウマ達。
言葉のわりには同情など一切こもっていない、いやむしろ楽しそうだ。

トウマの一言で、辺りに不気味な沈黙がおりた。

「な、何…?あなたたちクランちゃんに何をしたの!?」
ハカナは立ち上がるとキッとした表情でトウマを睨んだ。
クランもハカナの腰に隠れながら、一緒に目をつりあげてトウマを睨んだ。

「ヘヘヘ。別にー?何もしてないぜ。なぁ。ク・ラ・ン・ち・ゃ・ん。プッ」
ポケットの手をつっこんだ、トウマが不敵な顔でクランの顔をのぞきこんだ。
「ううっ…ぐすんっ…」
クランは目を潤ませた。
傷心のクランの頭をハカナは優しくなでると、
じゃりっとトウマの前に踏み出した。
「こんな幼い子に嫌がらせして…ホントあんたってガキね!」
「あ?」
今までニヤニヤしていたトウマの表情が硬くなった。
「よーしよし。クランちゃん。泣かないでね。
 たくっ。だいたい、男三人で遊園地に来るなんて恥ずかしいとか思わないのかしら!」
「ンだとぉ…?」
トウマの目つきが一気に険悪になった。
しかし、トウマの様子が変わっていくのも気にせずに、ハカナは言葉を続けた。
「いきましょ!こんなのと居るとバカがうつちゃうわ」
「いい度胸だなっ!!」
トウマは大きく腕を振りかぶった。
その形相はまるで鬼神。今までのトウマとは比べ物にならない迫力だ。
殺意をまとう拳が、ハカナの腹部へ打ち付けられた。
ボフッ!
「やぁ(丸文字)」
クランが顔に冷や汗が流れた。

「ふもっふもっ」
「!?」
ハカナの腹から出てきたのは、ぬいぐるみのような生物。
再生竜ポカポカだった。
トウマのボディーブローからクッションになってハカナを救ってくれたのである。
「なんだぁ?このカバは?」
「やっつけちゃえ!ポカポカ!」
ポカポカは口を空けると、そこから強力な溶解液をトウマへ放った。
バシャ
「な、なんだコレ?ひぃ!」
あっという間にトウマの衣服が全て溶けた。
そしてハカナは大声で叫んだ。
「キャア!ヘンタイよぉ!」
たちまち注目が集まってきた。
「ひ…ひぃ!お、覚えてろ!夏樹ぃ!!」
トウマは股間を両手で押さえると、疾風のように走り去っていった。
「もう大丈夫よ。クランちゃん」
「う…うん…ぐすっ」
トウマの恨みは晴れたもののクランは正直喜べなかった。

その後、両親2人と合流するのだが
「オーイ。どうした何があった?」
しかしクランは、二人の問いに答えない。
何を聞かれても、貝のように口を閉ざしたままだ。
とりあえずハカナは両親に変質者にからまれてしまったと説明した。

「ゴメンねクランちゃん。私が一人にさせたばかりに」
ハカナママはぐずぐず鼻をすすりながらクランを抱きしめた。
しかしクランのほうにそんな発想はない。
ハカナママにそんなこと言われると、クランまで悲しくなってくる。
(………そ、そんなことない…
 私が調子にのってたから…罰が当たっちゃったんだ………)
クランは自分が惨めで、悔しくて、情けなくて肩を震わせていた。
「もう、クランちゃん。
 あんなヤツのことなんて早く忘れて楽しくしようよ。
 せっかく遊びに来たのにもったいないよ」
なんとか空気を変えたいハカナは傷心しているクランを一生懸命励ました。
「クランちゃん。涙は似合わないわよ。
 ほらっ。笑って。笑って」
他のみんなも一緒になって励ました。

(はっ…いけない…私…また、みんなを心配させてる…?)

クランはゴシゴシと腕で涙をふくと
「ゴクゴクゴクゴク」
オレンジジュースを涙と一緒に飲みほすと、無理してでも笑った。
「お、おなかすいた…」
まだ目は乾いていないし、乙女心はざっくりと傷ついたままだが、
クランは周りに心配かけまいと元気に振舞うことにした。
「じゃあ。お弁当にしましょうか。今日はクランちゃんの大好きなイチゴをもってきたの」
「ワ………ワーイ」
「ハイ。クランちゃん。あーんして」
「あーん。もぐもぐ」
クランはイチゴを噛みながら、波打った心を静ませていった。
「次は私の番よ。はい。クランちゃんお口あけてね」
ハカナは、クランの背中をなでながら、その口へとイチゴを運んだ。
クランは黙々と食べ続けた。
「クランちゃんのイチゴなんだから好きなだけ食べていいのよ」
「う…うん」
クランは優しくしてくれる人たちのおかげで、
まだ完全ではないものの、どうにか深い絶望感から這い上がることができた。
(あ、ありがとう…みんなぁ…)
クランの顔にも、自然な笑顔が戻っていった。
「さて、お昼からどうしようか?」
「クランちゃんの好きなトコいっていいのヨ」
「え…えと。どうしよう…。もう行きたいものは
 ほとんど回っちゃたしなぁ…」
困ったクランの短パンから落ちたものは、
先ほどコウジからもらったチラシだった。
(これ………カードのイベントッ!?)
早速クランの好奇心が燃え上がった。
「じゃあ、これ…行きたいっ!!」
一行は、クランが両手で差し出したものに目を移す。
「ふーん。いいんじゃないか?」
「じゃあ、それに行きましょうか」
(な、なんだかイヤな予感がするわ…っ!)
「ん?ハカナ…?…だめ?」
クランが心配そうな顔で見つめていた。
「あっ!ゴメン。うん。クランちゃんが行きたいっていうなら、喜んでいくわ!」
「ありがとう!ハカナ!」

しかし、このクランの提案のせいで
地獄のサバイバルが始まることになろうとは
この時、誰一人として予想していなかったのであった………。

                    10.5話 終わり
574遊戯王風の人:04/02/14 12:20 ID:xdHdkBTw
_| ̄|○ これが今の限界です。エログロくなくてすいません   
575名無しさん@ピンキー:04/02/14 13:17 ID:Ejgnbii4
久々にそして一気に
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
書けるじゃないですか!


それはそうとカオシックにおける溶解液は
服しか溶かさないのはもはや決定事項なのか……
576名無しさん@ピンキー:04/02/14 17:47 ID:rTmjofcl
モツカレー
577539:04/02/15 09:34 ID:TQpNuS97
ありゃ、プレッシャーかけるつもりはホントに無かったんですが…
あんまり自分を追い込まんで気軽に欲望をぶつけてくださいw
ほのぼのとした休日が急転直下でエロくなる?後半楽しみにしてます。

ついでに投下。遊戯王知らんので完全に脳内イメージの第九話42冒頭。
ttp://proxy.ymdb.yahoofs.jp/users/16794121/bc/01/__hr_kuran01.jpg?bchSyfABa22WTcZZ
変なURLだけどヤフブリです。
お絵かき掲示板っていまいち使い方がわからない…
578遊戯王風の人:04/02/15 12:11 ID:F0qbQQnV
>577
うおおおおおおおおおおおおおっ!!
神様ありがとうございます!
イラスト描いてくれるなんて感動で胸が裂けそうです。
おかげでメラメラとやる気の炎のようなものが湧き上がってまいりました。
579名無しさん@ピンキー:04/02/15 15:48 ID:9aK8ueZE
ハァハァ……
俺もメラメラと犯る気がでました。
580名無しさん@ピンキー:04/02/15 16:55 ID:xzmHE/zz
つまり遊戯王風の人のSSに
エログロスレの絵師が挿絵をつけるコラボレート企画発動ですか?
581539:04/02/16 02:09 ID:bGy0AlCT
人大杉規制入ったのか…解除されるのはいつになるやら。

>>578
喜んでいただけたようで一安心です。

挿絵企画、参加してみたい気はするがあんまし時間無いんで無理っす。スマソ。
582名無しさん@ピンキー:04/02/19 03:47 ID:aMdWwnCq
職人様、乙です。
久々の「遊戯王風」萌えるなぁ。
しかしギブスの下は、どんな腕が?
気になります。
583名無しさん@ピンキー:04/02/19 19:11 ID:mDRD05bG
久々に来てみたら新作キテル――(・∀・)―― !!
そんな漏れがもっと萌えたのは後光の差してるハカナパパ。
なんでだ_| ̄|○
584遊戯王風の人:04/02/21 21:04 ID:LzRDk5cy
感想を書いてくれた皆様ありがとうございます。
さて、神々が去ったところで、こっそりと………。
ザッ!ザッ!!
「ハァハァ………な、なんで私がこんな目に…」
クランは草木や木の枝をかきわけながら、
薄暗く茂るジャングルのような森の中をただひたすら突き進んでいた。

その姿は真っ白い下着とクマの絵が描かれた生地の薄い服一枚。
そんな薄着で濛々と生い茂る木々の中を駆け抜けるものだから
素肌は鋭い葉により切り裂かれ、流血がしたたり落ちていた。
それとは別に、縛りつけらたような痕と殴りつけられたようなアザも全身に浮き上がっていた。

しかし今のクランにそんなことを気にしている余裕などなかった。
少しでも…一歩でも遠くに行かなくては………あの恐るべし追跡者から…。

穏やかだった休日。
楽しかったはずの遊園地。
いったいどうしてこんなことになってしまったのだろう…。

クランは思った。
(わ、わたしがあんなこと言わなければ………みんな…ごめん…。ごめんなさい)
懺悔の意味を持つ涙が一粒こぼれる。

そう、すべてはクランの一言から始まった。
多少時間が前後するが…。

その日は休日で、夏樹家の面々は朝から遊園地へと遊びに来ていた。
それに居候のクランも一緒だった。
多少トラブルがあったりもしたが、全体的はとても楽しく和気藹々と過ごしていた。

そしてちょうど食事でお腹を満足させたころの話である。

「クランちゃんの好きなとこ行っていいのよ」
ハカナママが穏やかな表情で訪ねていた。
「う〜ん。でも、もうほどんどまわっちゃったしなぁ。これ以上行く場所なんて………」
返答に困ったクランは、なんとなく短パンのポケットに入れてあったチラシのことを思い出した。
遊園地をまわっている時、たまたま知り合いからもらったチラシであったが、まだ目を通してはいなかった。
クランはベンチの上にそれを広げた。
(カードのイベント…?)
クランの目が輝いた。
「じゃあ、次はこれ!これに行きたいヨぉ」
「なになに?ふーん。今日から開始の新アトラクションか」
「エー?オープン記念で4人で行くと入場料も無料だって…?スゴいわね」
クランたちが絶賛している中、ハカナ一人が蚊帳の外で難しい顔をしていた。
(機界だし、なんだかあやしーな。前もケータイでひどい目にあっちゃったしなぁ…)
そんなことを考えているハカナの目の前にクランがひょっこり顔をだす。
「………だ…ダメ?」
ものすごく残念そうなクランの顔が突然目の前に現れたのでハカナはあせった。
「うっ…!そ、そんなことないわ!ぜ、ぜひ行きましょう!」
「ワーイ!」
クランが喜んでくれるならそれでいいかと、ハカナはあれこれ考えるのをヤメた。
こうしてカードのイベント会場に向け、歩きだしたハカナ達。
しかし、その背後には怪しくうごめく影が三つ…。
(………夏樹のアマめ…俺は執念深いんだ!!このまま生きて帰れると思うなよ!)
影達は恨みオーラを漂よわせながら、ハカナ達を尾行するようについていた。
アトラクションの会場にたどり着くと、
そこには大きなドームが立っていた。
重厚間があり頑丈そうな造り。
これだけでもかなりの費用がかかってるのだろう。
これまで立ち寄ってきたアトラクションとは、明らかに一線を画していた。
クランの視線は釘ずけになった。
入り口には既に大勢の客がつめかけていたからだ。
満席じゃないか?
心臓は高鳴る。
ハカナたちも同じことを考えていたが、
「あわてないで下さい。席はまだ十分ありますので」
それはスタッフの声だった。
一安心するハカナたちだが、この程度のことで気を緩めるクランではなかった。
「何してんの!?早く並ばないと席が無くなっちゃうよ!!」

クランはもともとカードゲームのカオシックルーンが大好きだった。
クランはカードのためなら命を賭けるのだ。
ハカナもカオシックルーンはするが、軽い遊び程度でクランほど熱中したりはしなかった。
「もう!早くぅ!」
クランに手をひっぱられる。
辺りは夏の日差しと詰め掛けた人間達の熱気ですっかり熱くなっていた。
クランは並んでいる間は何も話さず、ひたすらじっと待っていた。
ハカナはささやかな笑みを浮かべクランに言葉をかける。
「ねェ…クランちゃ」
「ナニっ!!!」
「………あっ…いや………何でも…」
「そう硬くならないで」と言いたかったが
クランの睨みつけるような視線と真面目な声色に、つい言葉が尻つぼみになった。
クランは『残り席』のこととか『自分の前で満席になったりするんじゃないか』とか
それだけで頭がいっぱいなのだ。

………そしてハカナたちから5列ぐらい後ろには、例の影達もぴったりとくっついていた。
数分ならんで受付までたどり着くと、ようやくクランの肩も軽くなった。
受付をしているのは穏やかな笑みを浮かべたメガネのよく似合う女性スタッフだった。
そこでは軽い説明が入った。
「こちらのアトラクションでお遊びになるにはカオシックルーンのカードが必要となります。
 なお機界のカード以外は対応しておりません。
 お持ちでない方はこちらで1枚100円で販売しておりますが…」
クランは、ぱちくりと瞬き。
(わたしはお兄ちゃんのカードがあるからいいや…。
 そ、そうだみんなの分のカードも用意したらきっと褒めてもらえるぞ…)
頭を撫でられる自分の姿を想像して口元がにやつくと
すぐに短パンの後ろポケットに手をいれてデッキを取り出そうと思ったが
腕にはめられたギブスのせいと、ピチピチの短パンのせいでそう簡単にはとれなかった。
そうして、もたもたしていると。
「じゃあ、4人分買います」
「………エ…?」
「お父さん。私とクランちゃんはもってるから2枚でいいわよ」
「ありがとうございます。ではこちらの封筒をどうぞ」
「………………あっ…………」
クランが発言する暇もなく、テキパキとカードを買ってしまった。
「どうしたのクランちゃん?」
クランは胸元で指を組み合わせていた。
どうにも納得がいかなかったが、今さら言おうとも思わずちょっぴり損した気分になった。
「封筒は空けずにそのまま持っててくださいね。
 何のカードが入ってるかはゲームが始まってからのお楽しみってことで。
 では、あちらから入り口から入場して、お好きな席へお座りください」
受付子にペコリと礼をして、クランたちは入り口に向かっていった。
(あ〜あ。わざわざ買わなくたって私が貸してあげたのに…ぶつぶつ)
残念そうな顔をしたクランが受付を通りすぎようとした時、受付子のメガネが恍惚に光った。
「あ、あれ?お嬢さん。その両腕………ひょっとしてケガしてませんか?」
クランの全身がびくついた。
クランは脳裏には以前にジェットコースタに乗ろうとして
断られてしまったという壮絶な記憶が蘇っていた。
それは楽しみにしていただけにちょっとしたトラウマになっており、
今回のことともあっという間に関連づいた。
全身から汗が流れ、瞳はどんどん暗く沈んでいく。
どうにも口が開かない。
「ひょっとしてケガ人はダメですか?」
放心状態のクランに代わって訪ねたのはハカナだった
(ウソダ……………ウゾダ…ドンドコドーン)
心の声はオンドゥル語に変換されるほど衝撃を受けていた。
そんなクランの心を見透かしたかのだろうか。
受付子はクスッと笑う。
「いえいえ、このアトラクションはケガをしている人でも安全に遊ぶことができますので
 思う存分お楽しみくださいネ」
「そ!そうか!」
クランはさっと顔色を変え、心の底からホッとした。
今度こそハカナたちは入り口に向かった。

ハカナたちが去ってから、しばらくたって影たちもやってきた。
なにやらゴネてるようだが…。
「エ?あなたたちカードは…?」
「るせぇ!そんなもんいらねェんだよ!!とっとと入れやがれ!」
野太い咆哮をあげ、壁を蹴りつける。
「カードがないと、入場させるわけにはいきません」
受付のお姉さんがパチンと指を鳴らすと警備員達がやってきた。
これには、さすがに影たちもあわてたようだ。
「わ…わかった。じゃあカードを買うから…」
「ありがとうございます」
会場中はただひたすらに広かった。
バッと見た感じでも、何人座れるか検討もつかない。
席に着いたクラン達は、後は開始するのをゆっくりと待つだけだ。
ふと気がつくと、封筒の中の話が始まっていた。
「何が入ってるのかな〜?」
「わくわくするなぁ」
「本当楽しみだわ」
「福袋みたいな感覚だね」
「そうそう。空ける前が一番楽しいのよね」
クランの横耳がピクピクと動いていた。
心はぐらついていた。
「わ、わたしもカード欲しいヨぉ(丸文字)」
「エっ?」
ハカナ達の声がぴったりそろった。
「……あっ……」
つい言葉がでてしまっていた。すぐに口を押さえたがもう手遅れだ。
ハカナ達が白い目で見つめている
クランは目を泳がせた。
他人が持っているものは自分も欲しくなるなんて子供の理論が
恥ずかしいことぐらいクランにだってわかっている。
「な、なんだよっ!」
クランは流れる汗もそのままで怒鳴る。
顔は熟れたリンゴのように真っ赤だった。
「まぁまぁ。いいじゃないかハカナ。じゃあ、クランちゃんの分も買ってきてあげるよ」
言ってくれたのは後光のさしてるハカナパパ。
「ワーイ」
喜ぶクランに、ため息をつくハカナ。
すぐにハカナパパは受付に引き返すと、カードを買って戻ってきた。
「エヘヘ。私のカードだぁ…何がはいってるかなぁ?楽しみだなぁー。
 ハカナも無理せず買ってもらえばいいのにぃー」
クランは買ってもらったカードが入ってる封筒を自慢気にハカナに見せ付ける。
………ハカナはもう一度ため息をついた。
開始時間が来ると舞台に立つスタッフ達から挨拶が始まりだした。
「さて今日はわが社のテーマパーク『DEATH−T』にご来店なさり、ありがとうございます。
 このテーマパークDEATH−Tは100億の巨費をかけてつくりだした、
 我が社の技術の粋をでして、ここに居る全員が一つの世界を共有して遊ぶことのできる
 多人数参加型のバトルアトラクションとなっております。
 カードゲームのカオシックルーンを元に製作しておりますが、
 従来欠点だった安全面においては最大限に注意を払っており、
 リアルさを損なわないまま誰でも安心して遊ぶことができるようになっております」
スタッフの説明にクランの胸は高鳴っていた。
こんな腕でカオシックルーンが遊べることがなにより嬉しいし、
ゲームをするたびに怪我ばかりしていたクランにとって”安全”という言葉は、まさに夢のようだった。
来てよかったと、始まる前からすっかり上機嫌。
これからどんなゲームが始めるのかと想像するだけでワクワクせずにはいられない。
改めてみると、あれだけあった席がうまるほどの人数が参加しており
クランはこのイベントに参加できたことを本当に嬉しく思った。
すっかり夢心地のクランはスタッフの声もあまり聞こえていなかった。
クランの心がジーンと温まっているうちに、
「では初期設定を始めます。
 皆さんカードを手にしっかり持ってください。
 封筒の入れたままでもOKですので」
「ほらっ!クランちゃん。カード!カード」
「………ハッ!…う…うん」
ハカナの一言で我に返ったクランは、買ってもらったカードをギュと抱きしめた。
いよいよゲーム開始のようだ。
「がんばろうねクランちゃん」
「みんな一緒だといいね」
「うん!」
クランは笑顔でにっこりと答えた。
ハカナやパパやママも一緒でこれほど心強いものはない。
「それではネットワークの端末を”脳へ”コネクトします」
「エ?」
会場の人間達の顔色が変わった。
聞き間違いだろうか?
それとも言い間違い?
しかし客席の人々がそれを確認するまもなく。
「接続コード送信!」
シュルシュル
「いやぁ!ナニコレ!」
スタッフの声と同時に座席の中から触手のようなものが飛び出すと体中にまとわりついてきた。
「クランちゃん!」
「やあぁ。なにこれぇ(丸文字)」
何がどうなっているのかわからない。
混乱する会場に人々の絶叫だけが響き渡っていた。
触手は手首あたりにプスプスささると、そこから体の内部に進入してどんどん上に上ってくる。
こうなると先ほどの言葉も悪い冗談でもないようだ。
意識はゆっくり遠きはじめた。
それが自分の体がゆっくり侵略されていく感じだとわかると、ある感情がこみあがってくる。
恐怖だった。

ようやく事態に気づき始めても遅かった。
触手を振り払う前にスタッフの最後の声が響き渡ったからだ。
「接続コードON」
パタッ!パタッ!
号令とともに集まった人々は一瞬電気が走ったようにガクッと背をそらせると、
すぐさま気を失い倒れた。
会場は先ほどまでのどよめきもなく静かになっていた。
「それでは、ごゆっくりお楽しみください」
スタッフの声はもう誰にも聞こえていない。
照明は落ち会場内には全てを塗りこめてしまうような深い闇が降りた。
スタッフ達だけが闇に紛れて闊歩している………。

………。

「ハレ…?」
クランは目を覚ました。
ずいぶんよく眠った気がするが、まだ少ししか眠ってない気もする。
(ここ………ドコ?)
見覚えのない壁。知らない天井。
部屋はやや広く、四角く、なんの飾り気もない。
窓はなく唯一の扉も閉ざされている。
どうやら完全な密室のようだ。
クランはその部屋の片隅の壁にもたれかかっていた。

「やっと起きやがったか」
「たくっ…これだから幼女は眠りが深くて困るぜ」
まだ寝ぼけ気味でぼんやりしていたクランだが、
今の言葉が自分に対する暴言だと気づくと一気に覚醒した。
「だ、だれが幼女だ!ブッ殺してやっ…ってあれ?」
逆側の壁にはなつかしの面々。
とはいえあまり見たくない顔ぶれ。
トウマと舎弟の二人だった。
表にはださないが彼らもまた不安でいぶかしげな表情をしているようだった。

彼等もまた、あの会場で巻き込まれたのであった。
クランの記憶はおぼろげだった。
何故こんなところにいるのか皆目見当もつかない。
記憶を整理しようと、頭の中を模索し始めた。
(えーと。………たしか遊園地で遊んでて
 …カードのイベントでドームに行って…。
 始まったら触手にからまれて、プスプス刺さって、みんな大騒ぎで………)
そこまで思い出すと、クランは急にハッと我に返った。

いったいあの会場で何が起こったんだろうか?
ここはドコなんだろう?
もしかして監禁されてるの?
ハカナはどこにいるの?
一緒にいたパパとママは?
それに、会場にいた他の人たちはどうなっちゃたの?
まさか自分と同じようにどこかに閉じ込められてるの?
なんで?どうして?いったい誰が何の目的でこんなことするの?
もう頭の中は無茶苦茶だった。
困ったクランはある一つの結論に達してみた。
(…そうか。これは夢だ)
そう思って元気よく壁に頭をたたきつけるが、ただひたすらに痛いだけで悪夢からは覚めなかった。
そして、これがどうしようもない現実だとわかった瞬間、
心の中は言い知れぬ不安が一気に広がっていった。

クランの小さい胸は張り裂けそうだったが、泣かずにすむのは妙なことにトウマ達のおかげだった。
クランとトウマは普段からいがみ合っており、事あるごとにケンカばかりしていた。
それというのも、顔を会わせるたびに「幼女」とか「チビ」とか「小学生」といった
失礼な言葉ばかりあびせて来るトウマが悪いのだ。
本来なら顔も見たくない相手だが今だけは話が別だ。
こうゆう状況においては、
誰でもいいから知っている人間が目の前にいるだけで、不思議と心は安らぐものだった。
もっとも、先ほどまでつけていた影の正体が彼等で、心の内で何を考えているかなど、
知らないからこそ、思えることだった。
クランの心は今はなんとか落ちつていた。
もし一人だったら頭がどうにかなっていたかもしれない。
とりあえずこれからのことを考えることにした。
この事件の首謀者が何を考えて自分達をこんな所に閉じ込めたのかは知らないが
何か理由があるなら、そのうち何かしらのアクションがあるはずだ。
状況も全くわからないし、出口もなさそうな感じだ。
動きだすのはそれからでも遅くないだろう。
その時のために今は少しでも体力を蓄えよう。
そう思ってじっと座って待つことにするのだった。

さきほどから誰一人として口を開かなかった。
静寂の中で時はゆっくり満ちていく。

………ギギギ…
扉はしばらく使われていなかったのだろうか。
手ごたえが重く引っかかるような感じでゆっくりと開き始めた。
どうやら、待ち望んでいた時がきたようだ。
人様をこんなところに閉じ込めといて、いったいどんなヤツ出てくるのだろうか………?
しっかりと、そこに注目する。
…開いた扉の向こう側から現れたものは……
「よし。全員揃ったわね」
インテリを気取ったようなメガネ。
鮮やかに着こなす高級スーツ。
はちきれそうな胸元はハカナ以上。
長く艶やかな髪。
片手には書類、まるでどこかの秘書のような感じをうける。
一見したところ真面目で優秀そうな感じをうけるが、その瞳の奥はどこか冷たいものが感じられた。
「では、はじめますか」
ここにいる誰もが固唾をのんで聞いていた。
一字一句聞き漏らさないように全神経を集中させた。
これから言い出すであろう言葉の中には、知りたい答えがあるのだろうか…?
「なにするっつうんだヨ?」
口を出したのはトウマの舎弟だ。
少し余裕のあった感じの口調は相手が女性だったからだろうか?
その疑問を知りたいのはここにいる誰もが同じだった。
わざわざ、こんな部屋まで用意して閉じ込めるからには相当の理由があるのだろう…。
しかし、これからどんなご高説が始まるのかと思えば、
秘書の言葉はひたすらシンプルなものだった。

「あなたたちにゲームをやってもらいます」

クランは唖然とした表情。
他の誰もが困惑した顔色。
漠然としすぎて意味はさっぱりわからなかった。

「…ただし命がけのゲームよ。覚悟をきめてネ」

ただ、その声は真剣で厳格で、確かな現実味がある。
頬を伝って流れ落ちた汗が床に落ちる。
クランはこれからどんな恐ろしいことが始まってしまうのだろうかと
想像するだけでびっしょりと汗をかいていた。

秘書はスーツの内ポケットからあるものを取り出した。
それこそが今回の事件の『鍵』となるものだったが、
それはクランにとってあまりにも身近なものだった。

カオシックルーンのカード。

普段からゲームとして遊んでいるこのカードで
いったい何をさせるつもりなのだろうか?
謎は深まるばかりである。
「ルールは簡単よ。
 あなたたちの持つカードを手札とし、それ使って互いに死力をつくして戦う。
 勝ち残ってカードを4枚集めたものだけがこの部屋から出られる。
 簡単でしょ?」」
秘書の言葉に室内はただ静まりかえるばかりだ…

クランですら、まだそれが何を意味するのかわかっていない。
…が………恐ろしい想像だけはしていた。
(まさか………。そんな…そんな恐ろしいこと…させるはず…ない……よね?)
心臓がバクバク鳴っていた。
普段からカオシックルーンで遊んでいるクランだからこそ、その危険性も知っていた…。
それがただの想像であってほしい………心底そう思った。

そんなクランの不安をよそに
張り詰めた緊張が一気に解けたかのような笑い声が響きわたった。
緊張を解いたのはトウマの舎弟だった。
もう一人の舎弟達も、お腹を押さえて苦しそうにしていた。
青ざめているクランとは対照的に。

「あー。なんだよー。
 何が始めるのかと思えばこれもアトラクションかよ」
「あー。姉ちゃん。役者だねー。思わず途中まで本気でびびっちゃったぜ」

(あ…あとらくしょん?)
クランの跳ね毛がピンと来て、
ふと何が目的でここにやって来たのかを思い出した。
心の中の霧が晴れていくのを感じる。
カードのアトラクションにやってきて、入り口でカードを買って、今ようやくカードゲームを開始。
なるほど!全てが符合した。
順番どおりではないか。
これがアトラクションの延長だとわかれば、もう何も怖がる心配などない。
秘書はとても冗談を言っている雰囲気には見えなかったので、すっかり騙されてしまったようだ。
あの気持ち悪かった触手も、この密室もただの演出に過ぎないわけだ。
最近の遊園地のアトラクションではこれぐらいが普通なのだと、無知な自分に恥ずかしくなった。
先ほどまでビクビクしていた自分がバカのようだ。

今までの不安が反動になっているかのように、ゲラゲラとした舎弟の笑いが続いていた。
舎弟はカードを指で挟んでクルクルと回転させていた。
受付のお姉さんにゲームが始まるまで空けちゃダメだと言われなかったのだろうか?
「サッパ分かんねぇ。だいたいこんなカードでどうやって戦うんだよ?」
非常にだれきった声だ。
一方的にこんなところに押し込められて、その理由がカード遊びなんて、
だれきらずにはやってられないのだろう………。
おそらく細かいルールはこれから話す予定だったのだろうが、
舎弟はもう真面目に説明など聞く気もないらしく、
こんな悪ガキ共が相手で秘書もさぞかしやりにくいことだろう。

(ど…どうやって遊ぶんだろう…?)
この部屋でそれに興味があるのは、どうやらクランだけのようだった。

ようやく和んだかに見えた雰囲気の中。
秘書はやれやれといった感じで下品な笑いを続ける舎弟に近づいた………そして…。
バキッ!
部屋に快音が鳴り響いた。
突然。秘書は右フックで舎弟の顔を殴りつけたのだ。
不意をつかれた舎弟はまともにくらって
ポトリ…ポトリ……と床に鼻血がしたたり落ちる。
鼻は折れ曲がっていた…。
とても女の人の力とは思えない。
笑い声が消え、部屋は異様な静けさに包まれていた。
感情が爆発する前の、張り詰めた沈黙だった。
「…テ…テメェ………」
ワナワナと体を振るわせる舎弟。
カードを握り締めるその手にも力が入っていった。
「ぶっ殺してやる!」
舎弟が秘書に襲い掛かろうとした瞬間。
グンッ!
カードを掴んでいた右手が意思に反して真っ直ぐ伸びた。
「な…何だぁ?」
次の瞬間、骨の手がカードの中から飛び出し舎弟の頭を掴んだ。
舎弟の頭はガッポリと割れた。
そして、ムキ出しになった脳を…骨の手がガッシリと掴むのだ。
「うわっわあっ」
自分の脳がわしづかみにされる感触は、決して気持ちいいものではないのだろう。
舎弟が絶叫するのも気にせずに、秘書は説明を続けだした。
「このカードは人間のもつ原子的な本能に呼応する。
 怒り・恐怖………そして生きようとする心に」
骨の手は、頭の中からゆっくり何かを掴み上げていった。
それは、あきらかに舎弟の体よりも大きかった。
「これを持てば自身の体に小さな”紋”が開く
 そしてその”紋”からカードに描かれている”機械”をこの世界に召喚できるのよ」
ズズズッ!
説明は終わる同時に、それもまた完全なる姿を現した。
舎弟は自分の頭の中から現れた異型のそれを、ただ恐怖と渇望の目で見つめていた。
「バ…バズコックス…!?」
その名をつぶやいたのは当然クランだ。
あまりにもありえない現実。だが、幻覚でもなさそうだ。
「ス…スゲェ…ハハ…ハハハ………。
 こいつオレの思ったとおり動かせんのか?」
「試してみれば?」
使い方は既に頭ではなく心で理解できていた。
「よーし」
ちょうど反対側の壁にいるクランに目を向けると、
「えっ?」
その本能が赴くままの攻撃を繰り出した。
シパッ!
ジャラジャラジャラジャラ!ガシャン!
重厚そうな音をたてチェーンソーが元の鞘へと戻る。
飛び出したチェーンソーがクランの体を一周か二周して戻ってくるまでは、ほんの一瞬の出来事だった。
その間、クランは棒立ちのままだ。
自分の身に何が起こったのかもわかっていなかった。
そのまま数秒たつと…。
パラパラッ!
「エ?」
あまり聞きたくもない音だったが、確認しないわけにもいかない。
視線が下へいくと、短パンが無残に細切れになって足元に散らばっていく様子がよくわかる。
「いやあああああ(丸文字)」
クランのパンツは何の色気もなくまるで子供のようだったが、
それでもいちおう恥じらいはあるようだ。
クランはそのまま下着を隠すようにその場にへたれこんだ。

「初めてでそこまで動かせるなんて、見所あるわアナタ………」
「そ…そうっスか?姐サン!」
秘書におだてられ舎弟は得意になった。
「何するんだ!バカッ!ヘンタイ!!」
座ったままのクランが犬歯むき出しの半泣き状態で怒鳴っているがそれは聞いていなかった。
舎弟は興奮でゾクゾク背中を震わせた。
秘書からうけた右フックの痛みも忘れてしまうほど、すっかり心酔していた。
バズコックスと、それを思うがままに操れる自分に力に。

「それともう一つ、機械が受けたダメージはそのまま召喚者にはね返る。
 機械の破壊がカード使いの死につながる。
 この意味が分かるわよね?」

男達はうなずきこそしないが、すでにルールを理解している目だ。
頭の中には先ほどの秘書の言葉が思い浮かんでいる。

『カードを使って互いに死力をつくして戦う』

「なるほど…!よーくわかったゼ」
「なあ?秘書さんよぉ。マジで殺っちゃってもOKな訳?」
飲み込み早いトウマ達に秘書は満足気にうなずいた。
「好きになさい」

この場で青ざめてるのはクランだけだった。
秘書は役割を終えたかのように入り口へと戻っていった。
入り口前に立つと再び扉が開いていく。
「オ、オイッ!何考えてっ…」
クランが秘書にくいかかろうとするのだが。
「クランちゃん。彼等は初心者よ。なるべく手加減してあげてね」
「えっ?」
散々怒って狂っていたクランだが、この言葉には正直意表をつかれてしまった。
なぜ自分の名前を………?
それだけでなくカードの上級者ということまで………?
しかし、秘書はその疑問に答えることもなく
「では生きてここから出られてたまた会いましょう」
クランが呆然としている間に、そう言い捨てて、ガシュ!っと扉が閉ざされた。
「オ…オイ!」
クランは立ち上がってドアをガンガン叩くが、扉は頑丈に閉ざされてもう開きそうにない。

頭の中にモヤモヤしただけが広がる。
(な、ナニ考えてんだ。いきなりこんな部屋におし込めて、カードの力で殺しあえだって?)

ズシンッ!
だが、それを考える暇もなさそうだ。
何かがぶっそうな物が降り立った音に振り返るクラン。
「スゲェ!本当に出たぞっ!」
もう一人の舎弟が召喚したのは特攻機ニードルビット=シケイダーだった。
「まずお前からだ。死ねっ」
先ほどまでのだれた態度はどこへやら。
むき出しの殺意に狂気に満ちたグルグル目。
その標的は言うまでもなくクラン。

クランの額につっと冷たい汗が一筋流れた。
立ちはだかる2体の機界の強力モンスター。
ニードルビット=シケイダーとバズ=コックス。
その召喚者たちはひたすら残虐な目で、哀れな小動物を見るかのような目でクランを見つめていた。
もうこの殺人ゲームに参加することに、何のためらいもないようだ。
「待ってヨぉ!両腕壊れてるのに!!や、やめてェっ!(丸文字)」
クランが必死に命乞いをするも、舎弟たちはただ残虐な笑みを浮かべるだけだった…。

無抵抗のクランに、彼等は容赦なく攻撃を開始した。
ギブスがまかれたこの腕では、カードをもつこともできなかった。
「いやあああああ(丸文字)」
その絶叫もニードルビット=シケイダーの排気音ですぐに聞こえなくなった。

―――。

戦いは一方的な展開が続いていた。
「むぎゅ………!」
「あうっ」
「ぎゃあ」
「ひぎっ」
オモチャにされるクラン。
「面白い!面白いよコレッ!アハッアハハアハハッ!たまんねェ!」
クランは一方的に痛めつけ、舎弟な残忍な笑いがこだまする。
殴られ、跳ね飛ばされ、吹き飛ばされる。
右の肩ヒモが切れ、右腕のギブスにもヒビが入る。
程よく先だけが割れて、指が飛び出した。
「………よせっ!何の理由も無く殺し合うなんて馬鹿げてるぞっ!」
先ほどからクランは何度も説得を繰り返していた。
いや説得というよりは、お願いに近い。
だが、そんな言葉が通じる相手ではなく
「理由?」
「カード集めが理由だ。ぜんぜんバカげてないじゃん」
狂っていた。

クランは割れたギプスから飛び出た手でカードを握り締めたが、
どうしても戦う気にはなれなかった。
誰が何の目的でこんな殺人ゲームをさせるのかはわからないが、
だからといって自分も戦うなんて、主催者の邪悪な意思に踊らされているようでイヤだった。
なによりカードの力をこんなことに使うのが許せなかった。
カードとの付き合いも長いクランだが、未だにその力を悪用したことはない。
せいぜいヘンタイをこらしめる程度に少し使ったぐらいだ。
人殺しなんて考えたこともない。
それに、誠意をこめて話せば、
今の自分達の行動が、いかに愚かなことなのかわかってくれると
こんな目にあわされてもまだ信じていたのだ。

クランはあきらめずに何度も説得を繰り返した。
すると、ようやく思いが通じたのだろうか、あれだけ激しかった攻撃が止まったのだ。
ようやくわかってくれたのかと嬉しくしたクランは、さらに熱をいれて口を開いた。
もちろん刺激を与えないように言葉には十分注意した。
普段から口が回るほうではなかったが、不思議なことに言葉はポンポン浮かぶ。
クランの演説が終わるのは1分や2分ではすまなかった。
言いたいことがようやく全て言い終わると、自分でもいいことを言ったなあと感心した。
舎弟たちも自分の言葉に感動して改心したに違いないと思っていると…
「そんなことより、棗ェ。下の毛はもう生えてるのかい?」
「はっ?」
いきなり突拍子もない質問に、クランの顔がゆがんだ。
「………そんなのとっくの昔に生えてるに決まっているじゃん…」
「ヘェー」
「………そ、そんなことより…わたしの」
パサッ
「えっ…」
頭の上にヒラヒラと落ちてきたのは白い布。
それには見覚えがあった。
おそるおそる下を確認するとが、下半身は何もはかれてなく、
まだ産毛も生えずにツルツルなままの縦スジがはっきりと見えていた
白い布はクランのパンツだったのだ。
「いやあああああああ(丸文字)」
クランはいつの間にか脱がされていたことも気づいてなかった。
熱をこめた説得していた最中、さんざんそれを晒していたわけだ。

クランはいくら幼児体系とは言え、16歳にもなってまだ産毛一つ生えないことは非常に気にしていた。
この下半身だけは最後のプライドで、他人には知られていけない最大の秘密なのだ。
しかし舎弟たちはそんなこともおかまいなしで、
クランの下半身のあまりの子供っぽさと、恥ずかしがるリアクションに腹をかかえて笑っていた。
「アハハハハ!棗のやつ高校生にもなってまだ生えてねェのかよ」
「パイパンが許されるのは小学生までだよな」
言葉のナイフがクランの心をズタズタに引き裂いた。
クランは体を震わせ、ワナワナとしていた。
秘密を知られてしまい、なおかつこの舎弟たちの暴言。
もう許せない。
頑張って温厚にしていたクランも、もう我慢の限界だ…。
今まで抑えていた感情が火山のよう沸き上がってくる。
秘密を見られたからには、生かして返すわけにはいかない。
そう、とうとうクランの堪忍袋の尾が切れたのだ。
「ブッ殺してやるーーーーーーーっ!!」
露出したままの下半身を隠すことよりも、目の前の敵を消すことを優先させるクランだった。
ザッ!
同時にそれまで静観していたトウマが突如として前にでてきた。
まるでクランが本気になるのをまっていたかのように…。
「ト?トウマ?」
「来いよ!チビ助クラン。相手になってやるよ」
(ままま、またチビっていったぁ!!)
血管が千切れそうなほど、クランは頭に血を上らせた。

トウマは自信ありげにカードを掲げる。
飛び出した骨の手が、トウマの頭を割った。
「ぐあおおお〜〜〜っ」
唸るような声を出しながら。
グワッ!
「なっ!」
トウマの頭からでてくるのは、今までクランが見たことのないモンスター。
散々頭に血を上らせていたクランだが、今度は一気に血の気が引いていった。
バズ=コックスやニードルビット=シケイダーも十分強力なモンスターだが
でてくるこいつは明らかにレベルが違う。
(まだ腕しか出してねェってのにスゲェぞコイツは!!)
トウマもそれが肌で感じ取れ、心の中で確信するのだった。
「へへ…”当り”だぜこのカード」
クランの下半身は震えていた。
喉もつまって呼吸さえままらなかった。

そのモンスターは全身を現すことなく、腕だけ飛び出したところで召喚が止まっていた。
黒光りするその腕は太く巨大で、手首には罪人がつけるような錠がはめられている。
「ワレハホンモノ………ワレハホンモノ………」
そのテープレコーダのように薄気味悪い声は
トウマの口からではなく頭の中から聞こえていた。
「はあ?しゃべれるのか?こいつ…?キモチわりい
 何でもいい。あのチビ助をサクッと殺っちまえ」
ドクン!
クランの心臓がバクついた。
おじけついたり…躊躇している場合ではない。
カード使いとしての本能が最大限の警戒信号をだしていたからだ。
「フザけるなっ!!こんな訳のわからないトコで死ぬもんかっ!」
腕の痛みをこらえ、割れたギブスの中から飛び出した手で封筒を握りしめ、掲げた!
警戒するトウマ達。
ボンッ
封筒がはじけると、煙幕のようなものが広がった。
明らかに今までの召喚とは違う現象だ。
「なんだ!何がおきた!?」
煙はすぐにひいたが、召喚されたはずのモンスターがどこにもいない。
トウマたちがどよめき、きょろきょろと辺りを窺いはじめる。
「おい!見ろ、あ、あれは!」
舎弟が甲高くして叫び、びしっと指出した!
「あれって…」
「ま、まさか!」

クランの右手に握り締められていたものは、なんとJS-808だったっ!

「…」
流石のクランも困った表情。
その場にいる全員が白々として視線を送った。
「プッ!なんだそりゃ!?ケータイ電話かよ!?プハハハハハッヒヒヒ!」
(そ…そんなぁぁ………)
クランも心の中で、手をつき膝をついていた。
「そーか。テメエのカードは、つまり『ハズレ』ってワケか…
 そんじゃサクッっと、ひねり潰してやるゼ!」
クランの表情が絶望したものになった。