ときめきトゥナイトのエロを語るスレ Part8

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1名無しさん@ピンキー
【本文】
ここは池野恋先生の少女漫画「ときめきトゥナイト」が好きな人が
ストーリーの背景を大切にしながらキャラのエロネタを楽しむスレッドです。
エロ無しの作品・新しい作家さんの登場も歓迎しています。

関連リンク、お約束詳細、作品掲載についての注意などは
>>2-3のあたりにありますので、こちらも是非ご覧ください。

前スレはこちら
ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part7
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1047123533/l50
2名無しさん@ピンキー:03/06/29 01:23 ID:ZuC0q3ht
ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ避難所
http://garuru07.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/tokimeki/bbs/

まとめサイト T.T.S.S.
http://garuru07.hp.infoseek.co.jp/

君も逝こう!煩悩の世界へ!(・∀・)イイ! ■過去ログ at 少女漫画板
ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part1(倉庫逝き)
http://salad.2ch.net/gcomic/kako/985/985500292.html

ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part2 (倉庫逝き)
http://salad.2ch.net/gcomic/kako/993/993954576.html

ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part3 (倉庫逝き)
http://comic.2ch.net/gcomic/kako/998/998101635.html

ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part4(HTML化待ち)
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1006581619/

■過去ログ at エロパロ板
ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part5
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1017/10175/1017577906.html (倉庫逝き)

ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part6
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1032/10320/1032076079.html (倉庫逝き)

3名無しさん@ピンキー:03/06/29 01:24 ID:ZuC0q3ht
■お約束詳細
・sage推奨→メール欄に半角文字で「sage」を入れる。
・常識的マナーの範囲で、萌え話・作品発表・雑談などご自由に。
・無用な議論を避けるため、萌えないカップリング話であっても
 それを批判するなどの妄想意欲に水を差す発言は控えましょう。
・荒らしは徹底無視をお願いします。
・議論が長期化しそうな場合は、避難所(>>1参照)へ誘導して下さい。
・SS職人さんだけでなく、原点に戻ってみんなで妄想を書き込みましょう。

■作品掲載について
・カップリングは基本的に原作通りをキボン。
・苦手な方もいるので、激しい性的内容を含むものはその旨タイトルに明記を。
・連載の場合は巻頭に通しナンバーを書き、「>○○」という形で前作への
リンクを貼ってもらえると助かります。
・また、「今日はここまでです」等との発言があると、書き込みのタイミングを迷う人の助けになります。

4名無しさん@ピンキー:03/06/29 01:27 ID:ZuC0q3ht
>前スレ784

支援のつもりで書き込みをしていたら、書き込めなくなってしまいました…
住人の皆様ごめんなさい。
次スレ立てましたので、許してください…。
回線切って(ry
5夏になる前に2:03/06/29 01:35 ID:ZuC0q3ht
逝く前にオチだけ…



 人差し指で、江藤の背筋を辿る。
 白い陶器のように滑らかな肌を、俺の無骨な指が走る。
 「ひゃん!」
 肩を竦めて、自分を抱きしめる江藤。体を丸めれば丸めるほど、無防備
な背中が露になっていく。
 ゴクリ、と喉が鳴った。
 肩から外れそうなワンピースの紐。思わずそれに手をかけそうになったとき、
江藤が顔を上げた。
 「もう!くすぐったいからやめてよぅ!!」
 くすぐったいだけなのか…。
 ちょっと残念に思ったが、俺としてもこれ以上は暴走できない。
 俺の腕を掴みながら、顔を真っ赤にしてポカポカと叩く江藤に、
 「悪かった悪かった」
 と笑って、そっと抱きしめる。
 …体が熱いのは、俺の気のせいか?
 そう思いつつも、潤んだ目元に、キスをした。


 江藤を送った帰り道。
 俺は、自分の手を見た。
 江藤に触れた指。手の平。
 体が酷く熱くなった。
 もっと触れていたい。
 彼女の全てが欲しい。
 正直にそう言えば、彼女は俺のものになってくれるだろうか?
 それとも、否定されてしまうだろうか。
 その答えは、これから迎える夏と、彼女だけが知っている。
6名無しさん@ピンキー:03/06/29 01:38 ID:ZuC0q3ht
本当にすいませんでした…
素直に、後はROMに徹します。
あぁ、首吊っても氏似きれない…
7名無しさん@ピンキー:03/06/29 01:44 ID:b5GTdTZD
おおおっっ
8名無しさん@ピンキー:03/06/29 01:45 ID:b5GTdTZD
あせって載せてしまつた。スマソ
9名無しさん@ピンキー:03/06/29 03:06 ID:w4NOABeS
スレ立て乙華麗*・゚・*:.ヽ(゚∀゚)ノ.:*・゜゚・*。
可愛いお話もありがd!
迷子になる人いるといけないのでageときまつ!
10お持ち帰り・・・1:03/06/29 17:21 ID:7upTJpbw
新スレ乙です〜。ROM専に戻らんで下さい。
あっという間に8なんでつね。
最近忙しくなかなか来れず、毎回浦島太郎状態でつ。
先日マッ○で食べてるときに、どうしてるんだろう
と思った疑問を話にしてみまつた。
上にならってageときまつ!
新スレからこんなんですみませんが・・・。 350より


ボーっと外を眺めるオレの正面に、どっかり座る気配。
「お待たせ〜」
トレイにはハンバーガーの包みと揚げたてと思われるポテトのいいにおい。
腹減った。
「冷めないうちに食べちゃお」
「ああ」
「いただきます♪」
江藤はビック○○○だった。
細いくせによく食う奴だ。
太っても知らねーぞ。
オレはアツアツのポテトをつまみながら、大きく開いた口に飲み込まれようとするそれを見ていた。
・・・かじっ

「あっっ!!!」
このバカ!
周りは誰も気付かなかったが、オレの目の前にいた女は姿を消す。
トレイの上には散らばったハンバーガーの中身。

・・・クソ!どれだ・・・?

オレは歯噛みしながら片目をギュっと瞑って目を凝らす。
トレイから落ちそうなピクルス・・・
パン・・・パン・・・パンとその間の肉・・・
11お持ち帰り・・・2:03/06/29 17:22 ID:7upTJpbw
どれだ・・・
わからん・・・・

オレは仕方なく店員に持ち帰るからと袋をもらって、散らばったハンバーガーを詰める。
人がいるところで戻すわけにもいかねーしな・・・

そのまま2つのカバンと1つの袋を持って家まで走った。

アパートのドアの内側から施錠をし、袋の中身(もはやハンガーガーと言えた物ではない)
を全部出して、全部にコショウをぶっ掛ける。

「はっくしゅん」

どれだったのかわからないが、江藤の姿が視界に戻る。
「お前・・・気をつけろって何度も言ってるだろ」
ついきつい口調で言ってしまう。
「・・・・ごめんなさい」
しゅんとして俯く江藤のほっぺたにはケチャップがついていた。
よく見るといたるところについている。
走るときに振っちまったかな。
とりあえずメシの続きだ。
オレはほっぺたのケチャップを舐めとりながら腕を掴んで畳に押し倒した。
マスタードがちょっと混ざっていたようで、ピリッと辛かった。



これで終わっときまつ。
12名無し@ピンキー:03/06/29 23:33 ID:TLSbTzrm
>前スレ784様
『本当はガキ扱いでもしなきゃ、俺の方が困るということを知らないんだろう。
 てか、きっとお前も困るんだぞ。』
画面の前でうなずいちゃったー。
これ、すっごく真実だと思います。照れ隠しとゆーか。
首吊らないでまたかいてください!


>350様
最後の一文がいいっすね…。
文章を締めてますよ!!うまいなぁ…(*´A`)ハアハア
しかしまきゃべくん、食欲とせー欲いっしょくたですな?

遅ればせながら新スレ乙です〜〜!!
また良スレに育ちますように…。
浮かれついでにうpします!
(しかし350タンの後ってーのが…うはぁ)
13わるいのは〜その後1:03/06/29 23:35 ID:TLSbTzrm
真壁くんのアパートで初めて…のあの日から、彼はわたしを避けるようになった。
自分でも情けないとは思うけど、お約束のように落ち込んでしまう。
(嫌われちゃったのかな…)

「念願かなった嬉しさと、ブレーキ効かなかった反省と、
あとは癖になっちまいそうでこわいってーのが本音かなっ」
「よしなさいよ克っ。気にしなくて良いのよ、あなたはいつも通りで」
なぜか全てお見通しの日野くんとゆりえさんにそれぞれの励ましを受けて
「……ご心配お掛けしてスミマセン……」
恥ずかしさに身がすくんでしまう。
でもそれだったら…
「ゆりえさんっ。古文のノート貸してくれませんかっ!?」

(負けるもんかっ)
という自分でもよくわからない闘志を燃やしながら、その日の夕方、
真壁くんのアパートを訪ねた。
「ゆりえさんに古文のノート借りたの!明日の小テストの勉強しよ?」
「………」
わざと何も無かった様に明るく押しかけた私に、真壁くんは驚いたよう。
黙って部屋へ入れてくれる。
嫌われているわけではないみたい…だけど、何を考えこんでいるんだろう。
いつもそうやって一人で悩むのは、真壁くんの悪いクセ…だと思う。

しばらく二人で黙々とノートを写した。
やっぱり会話が続かなくて、珍しく勉強に集中してしまう。
その時突然、いつもにない集中のタマモノか…(?)、頭の中に声が響きだした。
(傷をつけた)(まだ責任も取れないのに)(自分の快感だけで)(痛かっただろうな)
(汚いと、思われただろうか)(もうしない)(もうちゃんと…するまで手は出さない)
14わるいのは〜その後2:03/06/29 23:38 ID:TLSbTzrm
指輪も無いのに、真壁くんの思考が次々と流れ込んできたみたいだった。
思わずノートに伏せていた顔を上げる。
その拍子に机の下でひざがふれた。
「…!!」
真壁くんがびくりと身を引く。
ついまじまじと見つめると、顔を赤らめ、目を合わせようともしない。
(今度こそおれが、我慢しなくては…)
頭の中が真っ赤になった。口が勝手に動く。
「こっ…こわれものみたいに扱わないでっ…!
わたしっ…よっきゅーふまんで死んじゃうよ!!?」

呆然と目を見開いた彼。はた、と気づく。
(何言ってんの何言ってんの蘭世―――っっ!!??)
顔をあわせていられなくて、あわてて立ち上がりかける。
が、転瞬、強い力で腕をつかまれて引き戻された。
勢いあまって倒れこんでしまう。

「頼むぜ…お前…」
うめくように彼が言った。
見上げても、長い前髪と逆光で、真壁くんの表情がよく見えない。
あきれた顔を、しているかな…。
そっとゆびで前髪を払ってみる。
照れたように微笑んで
「こわしちまうぞ」

乱暴な言葉とは裏腹の優しい優しい瞳。やっぱり…大好き。
おなかの底のほうで、ぞろりと何かが目を覚ましたように感じた。
15わるいのは〜その後3:03/06/29 23:39 ID:TLSbTzrm
キスの間に下着が降ろされ、前回は慌ただしく彼のあれだけを受け入れた場所に
指が滑り込んできた。
「…う…っん…」
「痛いか?」
心配そうな声に首を振る。違うの。分かって。
「や…。なんで見るの…?」
「お前も、そういう顔するんだな。声も…。いやらしくて、すごくイイ」
「やぁあ…」
「ほらその声。もっと出せよ…」
胸に顔を伏せながら囁く。指は容赦なく動き続けていた。
彼は胸の先端を吸い上げながら、その口の中でざわりと舌で撫でる。
「あ…っあっあっ…」
「ほら…ほら、ほら…」
いつも間にか増やされた指が中で折り曲げられ、粘膜を掻き撫でる。
「やぁ…っやっ…だめ…っっーーー!!」
宙に放り出されそうな感覚。そのときいきなり熱い塊が押し入ってきた。
「…ひぁ…っっ…」
「あっ…すげ…っ」
「やあああああ!!」
昇りつめるその瞬間に叩き入れられた。全身が引きつるように強ばる。

そして究極の緊張の後の弛緩。引いてゆく波にさらわれるみたいだった。
「ああ…あああああ…」
「江藤…」
動き始めた彼に揺られ、もう声を抑えることも忘れていた。
「あんっあんっあんっあんっあああっはんっああんっ…」
腰が入るたびに恥ずかしい声が出てしまう。
体の中であれが硬く反り返ってくるのが分かった。
「っ…く…ぅ…」
やがて真壁くんが震え、熱い液体が流し込まれ、わたしの中で広がっていった…。
16わるいのは〜その後4:03/06/29 23:41 ID:TLSbTzrm
「痛かったりしないか…?」
「うん。大丈夫」
逞しい裸の胸に顔を伏せる。
…と、
「真壁くん、ひざ擦りむいてるっ」
「ああ、夢中で気づかなかった。畳に擦っちまったな。ひざで体支えてたからな」
「…痛い?力で、早く治して…?」
「いや、いい。」
「どうして?」
「別に痛くもねぇし…男の勲章」
そう言ってぺろりと舌を出してみせた。

翌日は、前みたいに真壁くんはわたしを避けたりしなかった。
さらに表情が少ぉし優しくなった気がする…のは気のせいかなっ。
それから。
「真壁く〜ん、名誉の負傷ってやつ?」
やはり何故かすべてお見通しの日野くんに、部活で表にさらされたその傷について
二人してからかわれ倒したことは言うまでもないのデシタ…。



おわりです。長くなってしまってすんまそん…。
さらにおやじなまきゃべくんですんまそん…。
しかも中出(ry
ほかの作家さんのゴムつけるシーン好きなんですけどねー…。
自分じゃうまくデキンカッタ…。
17名無しさん@ピンキー:03/06/30 11:58 ID:l4ZmSNFc
1さん乙彼
part8もマターリしましょ
18名無しさん@ピンキー:03/07/01 09:29 ID:YDkvcDrs
必死でさがしました・゜・(つД`)・゜・

次スレ誘導くるかと思ってたから…
おいおいおい・゜・(つД`)・゜・
えぐえぐえぐ・゜・(つД`)・゜・
19名無しさん@ピンキー:03/07/01 12:39 ID:MTQr43ti
自分も何で急にカキコが止まったのかと。。。
20名無しさん@ピンキー:03/07/01 16:15 ID:OHLBHS+F
避難所とかまとめサイトとか自分で探しなよ。
スレ立てしてくれたひとにお礼も無しで勝手じゃない?
21名無しさん@ピンキー:03/07/01 16:22 ID:YYIuqO4l
もしかして次スレ立ったかもと思ったら
検索してみれ
Ctrl+F ぐらいは知ってるよね?

>1さん 乙でした
22名無しさん@ピンキー:03/07/01 17:56 ID:SznMy1XP
探したってだけで被害者気取りかよ。おめでてーな
>1さん達がどれだけ頑張ってくれて、どれだけ気に病んでるか知ってるのか?
23名無しさん@ピンキー:03/07/01 18:11 ID:zQ+kmgxE
1タン乙です!!
もう Part8 なんですね。
これからも沢山の神々が降臨することを
楽しみにしてます!

24名無しさん@ピンキー:03/07/01 19:08 ID:uKSsfMnA
>>1さん しモツカレ〜でした。


(´・∀・`)で、君達なんでそんなに乱暴な言葉なの?
マターリ注意すればいいじゃん
25名無しさん@ピンキー:03/07/01 20:29 ID:kHAfISaA
1さん、乙華麗!

>24
(゚_゚)(。_。)(゚_゚)(。_。) ンダンダ
26名無しさん@ピンキー:03/07/01 22:10 ID:aYzkmPMt
>24
そ、そう…?ここ2chですよ。
ふつーに2chの口調だし、しかも当たり前のこと言ってませんか?
>22、24
に同意。
1さんほかスレ立てにかかわった人のコメント思い出すと
ナヨナヨした注意でお茶濁すのは気分悪い。
27名無しさん@ピンキー:03/07/01 22:30 ID:Y3dVa+IS
俺が思うに、次スレへの誘導したほうが、みんなついて行きやすいと思うのだが…
全員が全員、避難所や某サイトを覗いているわけでもないし


作品ウpしようと思ったけど、なんとなくそんな雰囲気じゃないので、少しやめておきますわ(´Д`;)

28大バカ1:03/07/01 23:11 ID:OLL+MLbj
なんだか皆様の賛否両論を招いたようで大変申し訳なく、
冥界の片隅で縮こまっている1です。
今回の話について、こちらでも顛末を書かせていただきます。

「前スレが500KB越えたら次スレ」という話が避難所で上がっていましたので
(dat落ちしにくいから、500KB超えを目指して、SSをうpしていました。
が、前スレの最後をうpした時点で、かちゅからもIEの方からも
「512KB超えたのでうpできません」と表示がきてしまったのでした。
(実際の表示は501KBで止まってます。
私のマシンでは、他の言葉を書き込むの不可でした。
そこで、勝手ながら新スレを立てさせていただいたのが、今回です。
前スレの都合上、誘導できなかったことはお許しください。
しかもスレ立て処女なので、他の誘導の仕方がわからず、>9様や350様に
ageていただいてました。避難所の方には、どなたかが貼り付けして
くださいました。まとめサイトの方には自分で貼り付けました。
このスレを楽しみにしておられる方々や住民の皆様にご迷惑をおかけした
こと、重ね重ねお詫びします。

最後に、華麗コールありがとうございました。
大泣きさせてしまった方々、申し訳ないです。
長々と失礼しました。それではこれより↓、再びマターリとお戻りください。
>27様
是非是非SSキボンヌ。
それでは、名無しにもどって回線切って(ry
∧‖∧
29名無しさん@ピンキー:03/07/01 23:13 ID:SznMy1XP
30名無しさん@ピンキー:03/07/01 23:59 ID:Y3dVa+IS
>>1タンのせいじゃないべさ
気にすることなかとよ
これからもガンバよ〜
31あぼーん:あぼーん
あぼーん
32名無しさん@ピンキー:03/07/02 08:26 ID:jFlfnayr
1さん乙

2chだから乱暴な言葉遣いが許される…って
未だに2ch信仰にしがみついてる人いるんですね(プ
33名無しさん@ピンキー:03/07/02 08:36 ID:PZ8xC/zn
>>32
激しく同意

34名無しさん@ピンキー:03/07/02 09:13 ID:SDYWtsZu
≫32
2ch信仰って何…?
おまけに(プとかさ…。
ネタニマジレスてかんじですよ。
はずかし。
35名無しさん@ピンキー:03/07/02 11:23 ID:/+o6oJ1N
もういいでしょ。今回のことはイレギュラーだったんだし。


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職人さんドーゾ
36名無しさん@ピンキー:03/07/02 11:36 ID:PZ8xC/zn
がむばって書いてますので、ちとお待ちを…〆(。。 )゛゜・
37名無しさん@ピンキー:03/07/02 13:19 ID:PMk8oc8R
昼間からエロ小説をシコシコ書く自分(´Д`;)
ヘタレなので苦手な人スルーしてください。
38名無しさん@ピンキー:03/07/02 13:20 ID:PMk8oc8R
 白いシーツにうねる碧の髪。
 小さな顔は恍惚とした表情を浮かべ、俺の中の欲を更に掻き立てる。
 最近肉付きの良くなった乳房に、その中心に色づく芽。きつく責め立てても歓喜するようになった。
 俺とこの行為をするようになってから、彼女は艶っぽくなったと思う。
 学校の奴らも彼女──江藤蘭世を好奇の目で見るようになった。
 細くバランスの良い肢体に、コロコロとよく変わる表情。
 元々愛らしい顔から男子生徒にも人気があったが、ここ最近の彼女への評価はまさに鰻上りだった。
「ま…かべくぅん…好きぃ……」
 何度も呟かれるこの台詞。聞くたびに優越感に浸たれた。
「好きだけか? ん?」
「あっ、あん!愛、して…るのぉ〜。あぁぁ…っん」
 ご褒美というように淡い茂みに隠れている下の芽を摘んでやると、俺を受け入れてる部分が波打つように締まった。
「や、だぁ…摘んじゃ、ダメぇ〜」
「ん?どこを?どこを摘んじゃ駄目なんだ?」
 耳元で囁いてやると、首筋に鳥肌を立てながら首をイヤイヤした。
「言えよ。じゃないとやめるぞ?」
 ジュプというイヤラシイ音を立てながら腰を離していく…
「あ!まって!動いちゃ…だめぇぇぇぇぇ!」
 俺のが彼女のGを引っ掻いたらしく、激しい収縮をと痙攣を起こし、達してしまった。
39名無しさん@ピンキー:03/07/02 13:22 ID:PMk8oc8R
「いっちまったのか?」
「だ…だって…」
 息の荒いまま、上目遣いで俺を見た江藤のこめかみに唇をあてる。
「まだできるか?」
 問うと、うん。と恥ずかしそうに頷く。
「えっち」
 笑いを含んだ声は自分の声だとは思えないくらい優しいものだった。
「ばかぁ〜」
 うっすらと微笑んで江藤は俺の唇を受け入れた。
 そのまま突き上げるとくぐもった声のまま喘ぐ。
 しとどに濡れそぼった江藤の中は滑りがよく、俺も一気に加速した。
「中に出すからな」
「あ…うん、あぁ!き…気持ちいい!」
 江藤も再び快感を得ようと自ら腰を動かしていた。
 その艶かしさが目から脳、そして自分自身へ伝わり限界を指し示す。
「あん、もう──っ!」
「くっ……ラン、ゼ…」
 俺は欲望を数回に分けて吐き出した。
40名無しさん@ピンキー:03/07/02 13:23 ID:PMk8oc8R
 まさに精も根も尽き果てた状態だった。
 江藤の負担にならないように、覆いかぶさり大きく息をつく。
 シーツに広がった髪からよい香りがする。
 乾いた口内を唾液で潤し、飲み込んだ。そしてもう一度大きく息をつく。
「重くないか?」
「うぅん、全然。真壁君の体温が気持ちいい…」
 鼓動はまだ早いものの、落ち着いてきた。
 腕を伸ばして取ったティッシュの箱から数枚抜き取り、まだ繋がっている部分の下にあててから引き抜いた。
 俺のモノとティッシュが薄い紅色に染まっている。
「おい、血が出てるぞっ」
「え!嘘!?」
 江藤はティッシュを急いで取り、俺が出て行ったところを抑えた。
「シーツ汚れちゃったかな…」
 上体を起こし、腰を浮かしてシーツを見る。シーツは無事だったが、俺の理性が無事ではなかった。
 ティッシュで抑えたまま腰を浮かせた姿がやけに扇情的で、落ち着いていたモノが鎌首をもたげかけている。
「傷ついちゃったのかな…。あ、そうだカバンの中に予備のアレが入ってた…」
 カバンの方に体を捻った姿に俺の理性は完全にキレた。 臍の下に手を沿え、完全な四つん這いにさせる。
 ナプキンを取り出した江藤は、焦って声を上げるが今の俺には何も聞こえない。
 そんなものに頼らなくたって、俺が止まるまでなめていてやるよ…。
41名無しさん@ピンキー:03/07/02 13:24 ID:PMk8oc8R
 ──その後一旦は血は止まったのだが、夜には本格的に生理が始まった。
 腹痛でべそを掻く江藤をなだめながら自宅まで送り、
 アパートに帰った俺を待っていたのは、血に染まったシーツだった。
 今日はシーツなしで寝るんかよ…
42名無しさん@ピンキー:03/07/02 13:25 ID:PMk8oc8R
長々と糞小説のせてすみませんでした…

タイトルはとくにありませんです、はい…
43名無しさん@ピンキー:03/07/02 16:25 ID:SDYWtsZu
ストライクなエロパロですた…。
ごちです。
44名無しさん@ピンキー:03/07/02 17:22 ID:kJaQ/I7/
ではわたくしもおこちゃま文章で申し訳ないですが
懲りずに2度目の投稿させていただきます・・・。
45名無しさん@ピンキー:03/07/02 17:23 ID:kJaQ/I7/
「真壁君いつだってそうよ!!!」
泣きながら俺に対しての抗議。
わかってくれ・・・

彼女の両手首をつかみ壁に押しやって口封じ。
強く強く抱きしめる。
「ここに・・・いてくれ・・・」


真壁くんの痛いほどの気持ちが伝わってくる。
それでも、「嫌よ!!!私も一緒にいく!!!」
と 泣きじゃくりながら今度は蘭世から背伸びをして口付けした。
返すような俊の唇。
どんどん深いキスに足ももつれ、立っていられなくなった二人。
バランスを崩して倒れ込んだ。

蘭世をつぶさないように腕で自身の身体を支える格好となったが、
俊のすぐ眼科には顔を上気させた蘭世の顔があった。

しばらく見詰め合う。
このまま離れがたい、離れたくない。
46名無しさん@ピンキー:03/07/02 17:26 ID:kJaQ/I7/
もう一度、そのままの姿勢でキスをする。
今度はそれだけではすむはずがない。
だんだんとアゴの下 首 鎖骨 舌が這っていく。
ブラウスのボタンに手がかかり、
プツ・・・プツッ・・・
本当は獣のように引きちぎりたい衝動をおさえ丁寧に丁寧に外していく。
現れた胸元に刻み付ける。
うっすらと白い肌に浮かぶ刻印。
俊のいたわるような愛撫にだんだんと意識が身体が集中してしまう。
ここで応じてしまったら彼のいうことを受諾する事と同じ。
なのに身体が言う事をきかない。彼にこうされることを喜んでしまっている。
俊のいたわる様な愛撫には太刀打ちできないということか・・・。
彼の手が最後の砦にたどり着く。その時完全に蘭世は彼の言葉も行為も受け入れてしまった。

「あぁんんっ・・・」

蘭世の反応を確認した俊はジーンズのなかで隆起していたものを蘭世の中に沈める。
増々蘭世の反応は高まりそれでも少しの理性で彼一人で行かせたくないとばかりに
必死にしがみつく。
どれぐらいの時間がたったのか。
やっと蘭世が白く華奢な背をそらし高みに達する。それを見届けまた俊も
蘭世の中で果てた。
47名無しさん@ピンキー:03/07/02 17:27 ID:kJaQ/I7/
これが最後とは思わない。
ただほんのひと時でも離れるのが怖い。


危険な目にあわせたくない。
すべて俺が解決してみせる。



そのまま動けなくなった蘭世にベッドから薄手のものをかけてやる。
ぴくっと反応を見せるものも何も言わない。
このまま黙って行くか。ドアのノブに手をかけふっと振り返る
うつろな瞳で空を見ている彼女

「おまえはここで俺が帰るのをまっていろ」

そういってドアを閉め江藤家出陣隊の元へと向かった・・・。
「蘭世は?」
「残ってもらいました・・・」
48名無しさん@ピンキー:03/07/02 17:29 ID:kJaQ/I7/
以上!
ごむぇんなさい・゚・(ノД`)・゚・
49PMk8oc8R:03/07/02 18:18 ID:PMk8oc8R
>>43
感想ありがとうございます。
そのお言葉を糧に精進してまいります(ほろり)
50名無しさん@ピンキー:03/07/02 18:19 ID:ny+hTEIG
44さん乙でした。
原作テイストで楽しめましたよん。ただ1箇所
 >俊のすぐ眼科には・・・
この変換ミスで視力検査する真壁くん想像してしまい
笑ってしまいした。
Gさん、まとめサイトでの訂正よろしこ
51PMk8oc8R:03/07/02 18:26 ID:PMk8oc8R
>>44-48タン
乙です!!
続きキボンヌ!!状態です。

暇なときに続きを…(´Д`;) ハァハァ
52名無しさん@ピンキー:03/07/02 20:54 ID:MpRFdSiS
>44
いいですなー原作テイスト!!
(゚Д゚)ウマー
53G ◆GARURUyZ5s :03/07/02 22:51 ID:qxOv6JHV
>44,>50
(゚◇゚)ノ
54PMk8oc8R:03/07/03 22:47 ID:301KXikd
シコシコ書いてます(o`Θ´)o
もう少しでアプできそう…
55名無しさん@ピンキー:03/07/03 23:02 ID:rNUsxxsz
PMk8oc8Rタンの前にコソーリ投下いたします…。
PMk8oc8Rタン待ってますよー。
56名無しさん@ピンキー:03/07/03 23:03 ID:B8alP6u8
>54
楽しみにまってまつ。
57わるいせんせい1:03/07/03 23:03 ID:rNUsxxsz
情事の後、事切れたように自分の腕枕で眠る蘭世を横目に、俊は悩んでいた。
(これでこいつは本当に気持ちいいのか…?)
体の関係を持つようになってまだ日が浅い。
つい自分の快感に溺れがちで、愛する蘭世をちゃんと満足させられているか、
イマイチ自信のない俊であった。
満足しているからこそ、彼女は今すやすやと眠ってしまっているわけだが…。
(男と違って勃ったり出したりがわかりづれぇんだよな…)

「まぁまだ若いしな。…相変わらずウブいやつ」
天上界からこっそり地上を覗いていたカルロが呟いた。
天上界で心穏やかな時間を過ごす彼だったが、なんといっても人間界では
ギャングのボスとして波乱に満ちた日々を送っていたのである。
少々退屈してしまっていた。
「ふふん。暇つぶしを思いついた」

一方俊は、ぐっすりと眠っている蘭世につられ、ついうとうととしてしまった。
その夢の中にカルロが現れ、告げた。
「俊。私がレクチャーしてやろう」

(いやにリアルな夢だな…。レクチャーって何のことだ?)
俊が目を覚ますと、隣で蘭世も目を覚ます気配。
眠気の残るとろりとした目つきで見上げられ、俊の胸が高鳴る。
いや、腰の一部が高まってしまった。
「…?真壁くん…?あっ…ん…」
俊は夢のことを頭の片隅へ追いやり、有無を言わさず第二ラウンドに突入していった。
58わるいせんせい2:03/07/03 23:04 ID:rNUsxxsz
「あ、あ…んっ。あ…」
俊の指が蘭世の濡れた部分を探っていた。
(「違う。もう少し上だ」)
「!?」
俊は、突然頭の中に響いた声に手を止めた。
「…?ま…かべくん…?」
「あ、いや…。なんでもねぇ」
手を進める。
(「そう、そこだ。指の腹を使って」)
「あっあああっ」
声のとおりにすると、蘭世の声がひときわ高くなった。
(レクチャーって…カ、カルロ…これのことかーーーっ!?)
「あんっ真壁くん…っ。だめ、しびれちゃうぅ…っっ」
カルロとのあんまりな再会(?)にがっくりとした俊だったが、
蘭世の反応の顕著さに、早くも立ち直ってしまった。
(…おもしれぇ)
素直に百戦錬磨の男のアドバイスに従ってみることにする。

(「胸をなめるときは両腕を上げさせると感度が上がる」)
(「中のざらつくところがアレだ…そう、そこ」)
(「耳も結構感じるのを知っているか?」)
(「入れながら背中を触ってみろ。背骨をなぞるように」)
(「入れたらすぐに激しく突け。その後一旦緩やかにして…」)
59わるいせんせい3:03/07/03 23:05 ID:rNUsxxsz
「まっ…真壁くん待ってぇ…!そんなにしたらだめぇ…っ!!」
次々と繰り出される、俊の(カルロの?)妙技に息も絶え絶えに感じまくる蘭世に、
俊は深く満足していた。
「おねがい、もう、気絶しちゃいそう…」
蘭世がたまらない台詞を吐く。
(「もう限界だろう、私は退散する。さて俊、何か言うことがあるんじゃないか?」)
(………ご指導ありがとうございました)
(「ふふ…」)
微かな笑い声とともにカルロの気配が消えた。
「ね、真壁くんも気持ちよくなって…?」
「ああ」
俊は蘭世の求めに応じて改めて行為に没頭し、こころゆくまで己を解放した。

その日のアドバイスがきっかけで俊のテクニックが飛躍的に伸び、
俊と蘭世の仲はますます深まったのは言うまでもない。
天上界ではカルロがそんな二人を、苦笑いを浮かべて見守っていた…。


おわり
60PMk8oc8R:03/07/03 23:23 ID:301KXikd
 今日、江藤が学校を休んだ。
 元気の塊のようなやつだから少し心配になる。
 学校で預かったプリント等を持って俺は江藤家を訪れた。
「あら、真壁君。いらっしゃい。お見舞いに来てくれたの?」
「こんにちは。江藤の具合どうですか?」
 いつでも若い江藤のおふくろさんはニコニコと笑って俺を江藤の部屋に案内した。
「直接、会った方が口で説明するよりいいでしょ。すぐお茶もって来るわね」
 ウィンク一つサービスしてそそくさと部屋を出て行った。
 窓が少し開いているらしく、そよそよと風が流れている。
 ベッドには氷嚢を額に乗せた江藤が寝ていた。
 熱があるのか、いつもは白い肌が桃のように紅潮していた。
 そっと頬に触れると睫毛が震え、潤んだ瞳が俺を捉えた。
「…ま、きゃべ…きゅ…」
「しゃべるな、おとなしくしてろ」
 俺の声にふんわりと笑い頷いた。
 ──か…かわいい…
 心臓がどくんと跳ねた。
 いつもと違う江藤に、俺は不甲斐無くときめいてしまった…。
61PMk8oc8R:03/07/03 23:23 ID:301KXikd
「ぐ…具合はどうだ?」
「何か飲むか?」
「プリントもって来たぞ」
 ベッドのそばに腰を下ろして、俺は一人で喋っていた。
 江藤はただ、「うん」と笑って頷くだけだった。
「あら、なぁに、蘭世。サナトリウムにいる節子さんみたいよ?」
 けらけらと笑っておふくろさんがお茶を持ってきた。
「真壁くん悪いんだけど、蘭世にゼリーでも食べさせてくれるかしら?
 それとこれ新しい氷、これも変えておいてもらっていいかしら?」
「わかりました」
「じゃぁ、よろしくね〜」
 氷嚢をとってから、江藤の背中にクッションを入れて体制を変えてやり、
ゼリーをスプーンですくってやった。
(な…なんかはずかしい…)
 戸惑っている江藤の心を読んで、男らしくリードした。
 たまにはこういうのもいいな。
「今日は俺に任せておけよ。江藤、ほら」
 スプーンを近づけると、硬い桜の蕾をようやく開いてそれを受け入れた。
「冷たいだろ。もっと食うか?」
「…うん…」
(えへへ…真壁君今日は優しいや)
62PMk8oc8R:03/07/03 23:24 ID:301KXikd
 桃色の頬を更に染めながら江藤が微笑む。
 自然に体が動いて、額に口付けしていた。
 うっすらと浮かんだ汗を味わって、こめかみ、頬、そして唇へと移っていく。
 唇への口付けはさっと一瞬だった。ちょっと不満そうな顔で見る江藤に
「お前の風邪が治ったら、な」
 と、言い聞かせ俺は帰る準備をはじめた。
「もう帰っちゃうの?」
 問うた声が少し鼻にかかっていた。
「これからバイトなんだ。お前の顔も見たし、安心してバイトにいけるよ」
 背中のクッションを抜いて寝かせてから氷嚢の氷を変えてやった。
 そのまま頬にお別れのキスをする。
「早く直せよ」
「うん。今日は、ありがとう。嬉しかった…」
 江藤の笑顔に見送られて俺はそそくさと部屋をでた。これ以上一緒にいると何するかわからない。
 後ろ髪引かれる前に、早く帰ろう。
 ちゃんと持って出てきたお盆をおふくろさんに返して、俺は江藤家を去った…。


続くらしい
63名無しさん@ピンキー:03/07/04 00:05 ID:Bnbv3Nm4
■マナー

1 自分の好きなカップリングが全く無くても職人さん達に噛みつかない。
2 自分の性癖に合わない作品に文句を言わない。
3 お互いの好みは尊重し合い、受けつけられない作風の作者を批判するのはやめましょう。
4 個人的にとても許せないカプがあっても黙認しましょう。
  その職人さんに向かって吠えたてるなど論外!
64PMk8oc8R:03/07/04 00:43 ID:iFQiUvmU
書き忘れてた…
ID:rNUsxxszタンの後に何も言わずにいきなり始めちゃってスマソ…
混乱した方、申し訳ないでつ…(´・ω・`)
65名無しさん@ピンキー:03/07/04 01:15 ID:6uEGHrpS
>わるいせんせい
カルロ先生のレクチャー、激しくワロタです!w
情景が目の前に浮かんできて、すごく面白かったです!

>PMk8oc8さま
いやーん。この二人は、既成事実後の設定ですか?
それともまだ…ですか?続き待ってますー!

今回の2作、どちらも好みで嬉しかったです♪♪
66名無しさん@ピンキー:03/07/04 17:45 ID:jin+excM
  ((((()))))
  (*´∀`) ラブラブ…ポワーン
  ( つ ̄| ̄o
  ⊂_)  ̄)  ̄

     ,
   ヽ      プチ プチ
  ((〃(()゙)),
´ (*´∀`)ヽ ……
  ( つ ̄| ̄o
  ⊂_)  ̄)  ̄


 、゛,、´ `
     ,、     ブチブチブチブチ
   ,゛゙゙゙〃、、
 ,゙(*´Д`;)、゙ ハゲルーゥ ハゲチャウーゥ
  ( つ ̄| ̄o  アァン モエモエ ハァハァ
  ⊂_)  ̄)  ̄

お二人とも面白かったでつ 
PMk8oc8さま、続編キボンヌ
67名無しさん@ピンキー:03/07/05 00:58 ID:BsCLD/xE
>わるいせんせい
実生活で参考になるテクが φ(.. )メモメモ
68名無しさん@ピンキー:03/07/05 22:13 ID:YLCudvTQ
「わるいシリーズ」は同じ作家タンでつか?
どの作品も萌え〜
次のワル作品を楽しみにしててもいいでつか(*´Д`)
69ワルさくしゃ:03/07/05 23:11 ID:UPLycrmP
>64=PMk8oc8R様
ID:rNUsxxszです。
やはり、割りこんじゃったよーですんまそん…(´・ω・`)
そんなこと言いつつ「…ま、きゃべ…きゅ…」に激萌でした。
ンモーヤッチマエ!マキャベキュン!(…すんまそん逝ってきます…)
皆さん同様、続編熱望しとります。

>65、66、67、68様
ありがとうございます〜!わーい。
66タン、ハゲナイデ〜!(笑
68タン、「わるいシリーズ」同作家です。
「ワル作品」…ナイスネーミングありがとうございます(*´∀`)b
名前欄にいただいてみました。
また頑張ってみます。
70名無しさん@ピンキー:03/07/05 23:50 ID:fb4rHc3m
1週間も新スレに気が付かなかったよ。

71名無しさん@ピンキー:03/07/06 00:28 ID:kn8wTnqR
今さらで悪いけどどうしても言いたい。

スレ移動の件で、
500kbが近いから気をつけようってカキコをして(漏れが)
誰かが、テンプレ作ってるからスレ立て待って、って言ってて、
ちゃんと誘導したいからそういう事をいっているのに
長いSS投下するのって、どうかと思う。
(いい作品なら次スレでいいから切れずに読みたい)
ホストによっては立てられない事だってあるのに
避難所は有志の人がやってくれててあくまでも2chではないから
「避難所見れ」はちょっと違うと思うし。(この部分は人によって考えに差が出るだろうが)
ここは2chだから自分で探せって言うんなら結局ローカルルールなんて
いらないでしょう。
次スレにスムーズに移行するために何人かは努力してたと思う。
スレ立てた人がタイトル間違えてたててたりなんかしたら検索だって、難しいよ
前回もほぼ同じスレ移行の状態だったよね。
72名無しさん@ピンキー:03/07/06 00:46 ID:eQlschwm
71タンが誘導してあげればいいのでは?
2.3行書けばいい事だし。
所詮は2チャン、他力本願ではなく自力でやるって事が前提だと思う。

長いSSは新スレで読みたいのは禿胴。
73名無し@ピンキー:03/07/06 01:10 ID:UCK6K4i7
避難所で出た話。

500kb近くになったら、
「次スレ立てます」と断ってから次スレを作成。
作成後はURLを貼り付けて誘導。
残った人が埋め立て。
こういうルール作ってみたらいかがでしょうか。

だいたい、460kbを超えたら、次スレを作って見ては
いかがでしょうか。もしホスト弾かれたら、報告して。
テンプレは今回で少し変わったので、しばらく
変えなくてもいいのかも?

皆様のご意見をお聞きしたいですが、職人さんが書きづらくなっては
ショボーン(AA略)なので、避難所に書き込んで下さるとありがたいです。
74名無しさん@ピンキー:03/07/06 01:22 ID:gKVUhUfG
で? >71は >4と >28であれだけ謝ってる1サンにまだ謝罪してほしいのか?
文脈からいってそうとしか思えん。個人叩きもいい加減にしる。
大体今更ってわかってるなら避難所に書き込みなよ。
正しいこと言ってるとしても人目に付く所で自己主張したがる厨にしか見えない。
75名無しさん@ピンキー:03/07/06 08:23 ID:uN2GSjDK
>74タンに禿同。
続きは避難所で。

職人さん達、流れは気にせずにSS投下してくだちぃ。
76名無しさん@ピンキー:03/07/06 10:13 ID:KKtpJVaz
折角マターリしてたのに何で今更な話題で止めるかなあ。

最近好みのSSの連続で真昼間から張りきって覗いてしまいますた。
職人さん方の次の作品も期待しておりまつ。
77PMk8oc8R:03/07/06 11:40 ID:HE+NMEYK
すいませぬ〜

まきゃべきゅんの続きですが、
ちょっと自分で納得がいかない部分があるので、
もう少し手直ししてうpします。もう少々お待ちくだされ(o`Θ´)o
78名無しさん@ピンキー:03/07/06 11:49 ID:ME6kePAr
>>77
いつも荒れ気味な後に投下させる結果になってしまって申し訳ないす。
楽しみに待ってますよ〜!
79PMk8oc8R:03/07/06 12:06 ID:HE+NMEYK
>>78
暖かい言葉ありがとうございます。
自分のへたれSSで流れが元に戻ればと頑張っております。
これからもよろしくお願いします。
80名無しさん@ピンキー:03/07/06 12:18 ID:4oDTRLL6
>69タン
>そんなこと言いつつ「…ま、きゃべ…きゅ…」に激萌でした。
>ンモーヤッチマエ!マキャベキュン!(…すんまそん逝ってきます…)
に禿同。69タン、ワタシも一緒に逝きます!ε=ε=ε=( ^o^)/マッテーー!
81PMk8oc8R:03/07/06 12:45 ID:LTqZvPcv
>>69>>80タン
戻ってきてくださーいw
82名無しさん@ピンキー:03/07/06 12:54 ID:4oDTRLL6
>80
スミマセン、69タンじゃなくてワルさくしゃ様ですね。
わるい〜、も大好きです!
わるい〜わーるどへも一緒に連れっててぇーーー。
83ワルさくしゃ:03/07/06 14:40 ID:SZlMBLBH
≫82様
ありがとうございますー。
69でオケーすよヽ(・∀・)ムシロイイスウジ…。
「わる」も今がんがってます。
ミナサンヤサシクテウレシイ…(*´∀`*)

てゆーか
≫PMk8oc8R様ー
戻ってくるのでまきゃべきゅんおかわりくださーいw
84大きな・・・・・・1:03/07/06 16:18 ID:CgXHird3
蘭世は動じることもなく、大きな手によって身に纏う物を1枚ずつ剥かれていった。
ふわふわと感覚がないが、今自分が産まれた時の姿を曝け出そうということに
多少の恥じらいは拭いきれない。
でもこの心地よさには身を任せてしまいたい・・・
自分の肌を滑るこの大きな手は、全てを許してしまいたくなる。
・・・・真壁くんになら・・・・
目を閉じてそう思う。
他には何も考えなかった。
頭を支配するのは、愛する人が自分を求めてきたことに対する喜びと戸惑いだけ。
近づいてくる愛する人の顔は良く見えないが、それが誰であるかはわかっている。
やわらかい唇がゆっくりと重なろうとしてくるのに
身長差からなかなか唇に届かないのがもどかしくて、自分から背伸びをした。
手を彼の首に廻そうと身を伸ばし・・・

ゴン!

顔から床へ落ちた。
「あいた〜〜」
寝ぼけ眼をこすりながら、ちょっと向けてしまった鼻の頭とアゴのコブを
細く冷たい指で確かめる。
そしてベッドの横の床に這いつくばっている自分に気付く。
・・・・夢・・・だったんだ・・・

85大きな・・・・・・2:03/07/06 16:19 ID:CgXHird3
ベッドの淵によっかかりながら思い返す。
・・・ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜なんて夢見ちゃったの
顔から火を噴きながら、両手で覆う。
・・・あまりリアルな夢じゃなかったけど、真壁くんにあんな事される夢見るなんて
私・・・変よ変よ変よ。ぜ〜〜〜〜〜〜ったいヘン!乙女じゃない!

1人で悶えながら頭をかきむしっていると
「蘭世?遅刻するわよ。もう起きなさい」
とシーラがドアの向こうから叫ぶ声が聞こえた。
「は・・はーい」


学校へ向かう途中、いつもは俊となんとなく待ち合わせている角を見て
蘭世はとっさに電柱の影へ身を隠した。
さっきからあの夢が頭から離れないのだ。
・・・そんなの真壁くんにばれたら死んじゃう!!
そう思いながらも頭の中はそのことでいっぱいで全然消えない。
・・・やめてやめてやめて!!!
再び自分の頭をかきむしりながら、蘭世はいつもと違う道を選んで学校へ向かった。
とても今の状態では顔を合わせられないし、あんな夢見たなんて絶対知られたくない。

「蘭世どうしたの?顔が真っ赤だよ。鼻の頭剥けてるし」
1時間目が終わってから隣の席にいるクラスメートが声をかける。
「ああっいえっ大丈夫なの!ちょっとだけ熱があるみたいなんだけど大丈夫なの!」
「ふーん・・・具合悪いんだったら無理しないでね」
クラスメートは蘭世のそぶりを怪しみもせずに心配そうな顔を見せた。
86大きな・・・・・・3:03/07/06 16:20 ID:CgXHird3
蘭世の心の中はまだまださっきの夢のことでいっぱい。
・・・ヤバいよ〜。私これじゃぁ真壁くんに顔合わせられない・・・・
更に赤くなりながら、机に顔を伏せる。
少し頭を冷やそうと、ハンカチを濡らしに席を立った。
廊下を歩く人の顔をチェックしてから早足で赴き、同じ事をしながら教室へ戻る。

そうやって一日を過ごした。
俊と顔を合わせないように、極力教室から出ないで
部活も今日は調子が悪いから休むと曜子に伝言し
俊のいる教室の前は絶対に通らないようにした。
やっと放課後を迎えて脱力する。

・・・本当は会いたいんだけど、あったら夢のこと読まれちゃうから・・・
蘭世はそんな夢を見た自分と好きな人を避けざるを得ない事に憤慨しながらも
また蘇ってくる夢の内容に、顔が沸騰してしまう。
朝からそれの繰り返しをしていたせいか、少しくらくらしてきた。
そのまま机に頭を預けてしばらく目を閉じて、取りとめなく思考を巡らせる。
・・・そうだ・・・サリに相談しに行こう。
・・・サリだったら夢を見なかったことにする方法とか知ってるかも・・・
・・・早く真壁くんに会いたいよ・・・
・・・でも今会ったら絶対嫌われちゃう・・・
・・・そんなのヤダよ・・・・
・・・真壁クン・・・
閉じた目から、熱いしずくが一筋流れた。

「よし!行って来ちゃおう!こんなことしてたらずっと真壁くんの顔見れないもん!」
急にふっきった蘭世は1人で立ち上がり、残っていた数人のクラスメートがびっくりする。
家まで全速力で走って帰り、ただいまも言わずに魔界へダッシュし
サリの家を訪ね歩き、望むままの処置をしてもらい、家へ戻るまでに約3時間。
87大きな・・・・・・4:03/07/06 16:21 ID:CgXHird3
家の窓から見える景色は夕焼けになっていた。
「あら・・蘭世・・・早かったのね。真壁くんが来てるわよ」
通りがかったシーラに言われる。
「ええっ??真壁くんが??」
もう夢のことは記憶にない蘭世は、いつものように素直に喜んで行く。

「真壁くん、どうしたの?」
「どうしたのはお前だ。調子悪いの治ったのか?」
「あ・・・えーと・・・そうだったかなぁ・・・・」
今日の記憶があいまいな蘭世は心当たりがなくて言葉を濁す。
「今は元気みたいだな」
俊は多少残念に思いながらも、やっと顔を見れた満足からそれもよしとする。
「うん」
何も考えていない蘭世は、帰ると立ち上がる俊を見送りに玄関までついていく。
「今日は顔が見れてすごく嬉しい。寄ってくれてありがとう」
「・・・・・・・」
何気ない蘭世のそのセリフに一瞬黙った俊は一言耳元で囁いた。
「嫌わねーのによ」
きょとんとする蘭世にちゅっとだけ口付けて、向けた鼻の頭をピンと指で弾き
俊は広い背中を見せて足早に立ち去っていった。
その後姿をボー然と見送りながら、蘭世は意味がわからないままつっ立っている。

帰る道すがら、一度だけ江藤家を振り返った俊は
「おまえ考える声がでかすぎんだよ。朝っぱらから筒抜けだっつーの」
と赤い顔をしながらも苦虫を噛み潰したような表情でつぶやいた。
88350:03/07/06 16:26 ID:CgXHird3
昨日エチーな夢を見て思ったことを話にしてみまつた。(よく見るんだよな・・・欲求不満?おいらだけ?)
書き終わってから「・・・ガイシュツネタか・・・?」と思いまつたが
ぱっと思い出せないので思い切ってうpしちゃいまつた。
ガイシュツだったらスマソ。

新しいお話がいっぱい出てきてて嬉し〜でつ。
PMk8oc8Rタンのまきゃべきゅんも
ワルタン(この名前が妙に気に入ってしまいまつた)
のカルロ様もマジで萌え萌えさせて頂きまつた。
これからもイパーイ書いてくだちい(祈

89名無しさん@ピンキー:03/07/06 17:58 ID:adtvevNi
ネ甲降臨キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
禿げ萌えなお話ありがとうございまつ〜 (*´Д`)ハァハァ
90ワルさくしゃ:03/07/06 21:29 ID:V7PaX88Q
350様キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
>乙女じゃない!
がりぼんテイストを醸しててヨカタです。
>「嫌わねーのによ」
…やはり、やはり真壁くんはおいらの初恋キャラですた…!!カコイー!!
この一文で再確認させていただいたでつ。ごちでつ…(T∀T)

「ワル」というと、自分のことを「ワル」だの「一匹狼」だのと
言っていたチョトイタ恥ずかしい初期真壁くんを思い出しますねw光栄っす。
ではではちょーしのっておいらもまた投下します。
(実は350タンの直後投下って二度目です…(;・∀・))
91わるいあそび1:03/07/06 21:31 ID:V7PaX88Q
神風高校との試合前にやられた俊の右手が完治していない。
「ゾーンのことも解決して魔界も落ち着いたしっ。ちゃんと治そうねっ真壁くん!」
将来もボクサーとして右手を使うことを考え、周囲が平穏なうちにきっちり治して
おくことにした。
なるべく右手を使わないよう気を使うため、俊はやや欲求不満気味だが、
彼の世話を焼く機会に蘭世は上機嫌である。
今日も俊のマンションで洗濯やら食事の支度やらに精を出していた。
(こいつ、俺が今ナニもできねぇからって安心してるな?)
「江藤、頼みがあるんだ」
「なになにー?何でも言って♪」
「風呂入るから頭洗ってくれねぇか?」
「まっかせて♪右手使えないもんね。…って…はっ??!えええっっ??!!」
「自分でも洗ってるんだがちょっと今日は手が痛むんだよな…」
「…わかりました。やりましょう」
俊が意地悪そうに舌を出したのを、覚悟を決めて準備を始めた蘭世は知らない…。

蘭世は濡れてもいいように俊のTシャツと短パンに着替えて髪を上げ、
意を決して浴室の扉をそっと開ける。湯煙の中で、俊はバスタブに浸かっていた。
「後でシャワーで流せばいいから、このまま洗ってくれよ。
その方が見えなくていいだろ?」
「あ、う、うんっ」
湯には蘭世があらかじめ湯色の透けないタイプの入浴剤を入れておいたのである。
おそるおそる俊の背後から、湯に足を入れる。
思い切って足を開いて、彼の胴体をはさむようにバスタブの縁に腰掛けた。
早速服が濡れたが、もともとあとで洗濯するつもりだ。
俊の髪を濡らし、シャンプーを泡立てて洗い始める。
92わるいあそび2:03/07/06 21:32 ID:V7PaX88Q
蘭世の細い指が俊の髪の中に潜り、優しく掻き回し始めると、
普段にない感覚に、知らず、俊の背に鳥肌が立った。
一方蘭世は気恥ずかしさにも慣れ、段々楽しくなってきたようだ。
(真壁くんの頭を見下ろすなんて、しんせーん♪)
「お痒いところはございませんかー?なーんて」
「ばーか」
軽く戯れながら、今度はシャワーで泡を流す。
前髪を流すために俊が上を向くと、閉じた瞳の長い長い睫毛と、
珍しく額の現れた端正な顔があらわになる。
(わ…やっぱりかっこいい…)
忘れていたこの状況の気恥ずかしさが蘇ってくる。
「ん?どうした?」
蘭世の動悸を感じて、俊が洗い流された頭を、そのまま彼女の胸元にもたれかけさせた。
「きゃっ」
「どーせ濡れてるんだからいいだろ…ん??」
もたれた蘭世の胸元に違和感を感じて思わず振り向く。
「み、見ちゃだめっっ」
濡れたTシャツが張り付いたその胸は素肌だった。
蘭世は慌てて両腕で胸を覆ったが、見えるはずの肩紐の部分も見当たらない。
…ということはやはり
「お前…下着着けてねーのか…?」
「だっ…だって濡れちゃったら替えがないものっ…」
俊はくるりと体の向きを変え、蘭世に向き合う格好になる。
「もしかして…こっちもか…?」
短パンの足口から指を滑り込ませる。そこに彼女の布はなかった。
「やんっ。だめったら…!」
片腕で胸を押さえ、もう一方の腕で足の付け根から忍び込んでくる手を押さえようとする。
しかし俊の欲情までは押さえようがなかった。
「来いよ…」
腰掛けていたバスタブの縁から蘭世を引き寄せた。
93わるいあそび3:03/07/06 21:34 ID:V7PaX88Q
湯に入り、俊の前へひざ立ちするような格好になる。
口付けを受けると、依然彼の体をはさむように開いたままの太ももの内側に、
入浴剤で見えない湯の中で硬いものが当たった。
「あっ…」
戸惑う蘭世をよそに、俊は手早くびしょ濡れのTシャツを捲り上げた。
ちょうど目の前にある果実にしゃぶりつく。
手は、傷めているとは思えない早業で湯の中で揺れる短パンの中に潜り込んでいた。
「あっ、やっ…ああ、はぁ…んんん…」
俊はそこをしばらく嬲り、やがて湯だけではないぬめりを短パンの中に確認した。
短パンを蘭世の足から抜き取る。
濡れそぼったTシャツは、頭から抜くときにまとめていた髪を崩した。
そのままTシャツは腕を戒めたままにし、その布以外は何もまとわない体が
濡れた黒髪を乱して目の前でくねる。
「や…っ、あっああああああぁん」
彼女のひざを落とさせるだけで、俊は侵入を果たした。
ずるずると擦れるそこから、目のくらむ快感がやってくる。
「のぼせちゃう…っ」
「そうだな」
荒い息を吐きあう唇を塞ぎ、湯を波立たせながら激しく突き上げ、解放を目指した。
最早湯にのぼせているのだか、相手の体にのぼせているのだか判らなくなっていた…。

やがて風呂から上がった二人は、互いにぐったりと力の抜けた体をどうにか拭き、
そのまま居間の床に倒れこんだ。
冷えた畳に心地よく目を閉じながら、蘭世はふと思い出した。
「…ね、トリートメントしてないよ…」
同じくぐったりと横たわったりながらも、俊は笑って言った。

「じゃあ、それはまた次回だな」



おわり
94名無しさん@ピンキー:03/07/06 22:05 ID:adtvevNi
ワルたんキタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ !!!

まきゃべきゅん、なんてワルいシトなんだ(*´Д`)…ハァハァ
95名無しさん@ピンキー:03/07/06 22:08 ID:CgXHird3
(≧∇≦)ノ彡もっっ萌えた〜!
蘭世の胸で濡れた頭を拭き拭きするまきゃべくん萌え〜
ワルタン最高でつ。
96名無しさん@ピンキー:03/07/06 22:09 ID:CgXHird3
( ̄□ ̄;
IDそのままやった・・・(鬱
逝ってきまつ
97名無しさん@ピンキー:03/07/06 22:11 ID:mGVTSC+r
遅れ馳せながら、新スレおめ。
98PMk8oc8R:03/07/06 22:34 ID:fsOqOCpj
350タン
ワルタン
乙でした〜。
萌え萌えですよ、ほんと(*´Θ`)シアワセ

二人の小説が完璧なので、
自分の細切れ小説を載せるのを躊躇っております…鬱
99ワルさくしゃ:03/07/06 22:58 ID:V7PaX88Q
>94.95様
ありがとうございます。
350タン逝かないでー(゚Д゚)
IDハード(*´Д`)ステキデシ…

>PMk8oc8R様
なにをゆーとります。
神350タンの直後にバンジージャンプしたですよ!おいら!
あとはおとなしくまきゃべきゅん待つです…。
100名無しさん@ピンキー:03/07/07 00:16 ID:TGEMMGTM
初めまして。
このスレを見付けてからかなりロムってましたが、お仲間にいれて欲しくてカキカキしてみました。
みなさんステキッ。
私も近々…なんて考えてみたりして(^_^;
101名無しさん@ピンキー:03/07/07 01:46 ID:sEGFRUsD
>>100
書き込む前に>>3を100回声をあげて読んでちょ。
理解してもういっかい来てちょ。
102100:03/07/07 02:57 ID:luFYP0S8
>>101さん
どうゆう意味ですか?何か悪いコトしましたかね?
初心者なのでわかりません。
103名無しさん@ピンキー:03/07/07 06:19 ID:c7U0ac+p
>100 タン
sage進行でよろしこ。ってことでしょうね。マターリマターリ
104100:03/07/07 08:51 ID:x36Xk1Cw
>>103さま、ありがとうございます
それって、メール欄にsage推奨で…とかゆうやつの事でしょうか?
ここでする質問じゃないとは思いますが教えて下さい。
難しいんですね…2チャンは…
105名無しさん@ピンキー:03/07/07 09:39 ID:Ym2ni1q4
>104
その通りでつ

  が

初心者ならまず始めて初心者板へ逝け

ここで教えてチャソは嫌われまつ
106名無しさん@ピンキー:03/07/07 11:59 ID:c7U0ac+p
>100
ここで「sage」辺りを読んでみなされ。
http://www.media-k.co.jp/jiten/

初心者が安心して質問できるスレッド20(初心者板)
http://etc.2ch.net/test/read.cgi/qa/1057498240/l50

どんなスレッドでも、>1には必ず目を通しておきましょう。スレのお約束が載ってますから。
SS投下してもお約束から外れてると歓迎されませんよ。
107PMk8oc8R:03/07/07 12:36 ID:kfkI5Fs4
もう少し
(´・ω・`)


待ってくれると
(´・ω:;.:...


うれすぃ…
(´:;....::;.:. :::;.. .....
108名無しさん@ピンキー:03/07/07 14:16 ID:47LwD7l6
≫100
大勢の掲示板なので、色々気を使うことはあるけど
がんがって〜。
新作お待ちしてまつでつよ。
109PMk8oc8R:03/07/07 17:51 ID:Tyd7FoIc
しこしこ書いたんだけど…
エロ度低いです。
110PMk8oc8R:03/07/07 17:52 ID:Tyd7FoIc
 次の日、校門の前で江藤が待っていた。
「あ、真壁君!」
 俺に気付いた江藤がにっこり笑って駆け寄ってくる。
「もう平気なのか?」
「うん!昨日真壁君がお見舞いに来てくれたから、すっかり良くなったよ」
 ほのかに赤い江藤の額を軽くつっついた。触れた指先は熱く、そのまま帰そうかと思ったが、
江藤の気持ちを考えて、無理だけはしないよう釘を刺すだけにした。
 勿論俺が無理だと判断したら速攻帰すつもりでいる。
「ほら、鞄もってやるよ」
 俺とは違い綺麗に使われている鞄を小脇に抱え、さっさと歩いていった。
「あーん、待ってよぉ」
「転ぶなよ」
「転ばないもーん」
 江藤が追いかけてきてくれると安心する俺だった。
111PMk8oc8R:03/07/07 17:54 ID:Tyd7FoIc
 教室についたらすぐに江藤は、周りの女子に先日のノートを借りていた。俺じゃないところが賢明だ。
 彼女の机に鞄を置き、俺には少し小さすぎる席におさまった。
 江藤に意識を集中させて、いつでも対応できるようにしていたが、
彼女の呼吸もあまり乱れることなく、すんなりと一日が終わった。

「今日はやけにあの子のことみてたんじゃない?」
 変な笑みを浮かべて神谷が忍び寄ってくる。
 普段なら相手にするのは面倒だったが、今日は神谷には頼みがあったのでこれ幸いに話に応じた。
「…別に普通だぜ。それより神谷、悪いんだが…」
「わかってるわよ。ちゃんと私が送って行くって言いに来たのよ。
昨日休んだから今日は部活休めないものね。バイトはどうなの?」
「今日はバイトは休みだ。昨日……いや、なんでもねぇ」
 口が滑っても、昨日江藤への邪念を振り払うように我武者羅に仕事してたら、ボスに今日のバイトを免除してもらったなどとはいえない。
「ふぅん、まぁいいわ」
 と意味深な含み笑いに冷や汗を掻きながら、二人を送り出した。
 俺はやばい奴に変な借りを作ったかもしれない…
112PMk8oc8R:03/07/07 17:57 ID:Tyd7FoIc
 その日の部活もハードだった。
 近々対抗試合があるので、部員の気合が凄まじい。
 俺はうまく力を抑えながら、スパークリングをこなしていった。
 学内敵無しの俺は部活の後必ず強力な敵と戦うことになっている。
 その為にも体力は余裕を持って残さねばならない。


 ぎゅるるるる〜〜〜

「あぁ…腹減った…」
 凹んだ腹を押さえつつ、気力だけで俺は歩いていた。
 俺の強敵…それは勿論空腹だ。
 家に帰れば江藤のおばさんにもらったラーメンがあったはず…
 体が資本のボクサーの食事としてはいまいちだが、背に腹は変えられない。
 部屋の前まで来て、漸く俺の部屋から光が漏れているのに気付いた。
「おかえりなさーい」
 ドアを開けるなり、素晴らしくいい匂いが俺の鼻から入って胃に直撃した。
 その匂いにすっかり怒気という毒気を抜かれてしまう。
「先にお夕飯にする?お母さんが作ったのを暖めただけなんだけど…」
「じゃぁ先に食べるか」
「うん!」
 朝よりもずっと顔色がいい。
『病は気から』
 持ち前の明るさでここまで回復したようだ。
 江藤は良く喋った。寝ていて相当暇だったのだろう。
 俺は昨日とは逆に相槌を打つだけにおさまった。
113PMk8oc8R:03/07/07 18:18 ID:Tyd7FoIc
 食事が終わって洗物をしてる最中も、ずっと喋っている。
「江藤」
「ん? なぁに?」
「こっちきて少し休めよ」
 手招きで呼んで俺の隣に座らせた。
 ちょこんと人形のように腰を下ろし、俺が肩に手をやるとそっと凭れ掛かった。
 そのまま頤を持ち上げて口付けをする。浅く、深く、江藤からため息が漏れてもやめなかった。
「ン…ァハ…」
 ここのところキスの技術が格段と上達したようで、江藤をそれだけでぐったりさせるようにもなった。
「ま…かべく……」
 江藤の膝がもぞもぞと動いた。
 無意識に手が膝を割ってて、足の付け根に触れてた。
 秘部を覆う布がしっとりと濡れていた。
「ヤ、だ…やだ! 触らないで!」
 暴れる江藤をぎゅっと抱きしめた。
「最近駄目なの。真壁君にキスされると、体が言うこときかないの…」
 恥ずかしさのあまり、瞳の端から熱いものがこぼれていた。
そっと唇で受け取りそのまま耳元で優しく言ってやった。
「泣くなよ。お前が大切だから俺は我慢してる。本当のことを言えば、今この場でお前を抱いちまいたい。
でも、将来の保障がない今、済し崩しに抱いてしまえばお前を不幸にしてしまうかもしれない。
 俺の我侭かもしれない。だけど…」
 耳が熱くなる台詞の途中で、江藤が嗚咽を漏らしながら抱きついてきた。
 肩口に何度も顔を擦り付けて、俺の言葉を制した。
「私待ってる!私、待ってるから…。私も真壁君に相応しい女になるから…。頑張るから、だから…」

 必ず迎えに来て──
 
 俺たちはお互いをきつく抱きしめ愛を誓い合った。
 温もりに安堵する。決して失えない大切な人。
 彼女を一生懸けて守っていこうと、改めて決意した七夕の日であった。
114PMk8oc8R:03/07/07 18:23 ID:Tyd7FoIc
【その直後のプチ話】


「好き、好き」と何度も言葉にしてくれる江藤に、俺はちょっとしたお願いをしてみた。
 江藤は一瞬きょとんとした顔をしたが、とろけるような笑顔に変わり、俺の方に手を回してこう言った。

 ──まきゃべきゅん、大好き──
115PMk8oc8R:03/07/07 18:25 ID:Tyd7FoIc
すみませんでした
(´・ω・`)


回線切って
(´・ω:;.:...


逝ってきまつ
(´:;....::;.:. :::;.. .....
116名無しさん@ピンキー:03/07/07 19:03 ID:c7U0ac+p
純でいいっすねー。さらにその後のプチエロ話きぼん…
117あぼーん:あぼーん
あぼーん
118あぼーん:あぼーん
あぼーん
119名無しさん@ピンキー:03/07/07 22:18 ID:yLgXYi1V
>江藤が追いかけてきてくれると安心する俺だった。
そんなこと考えそうだね〜
キスの上達したまきゃべきゅん・・・(;´д`)ハァハァ…
120G ◆GARURUyZ5s :03/07/07 23:00 ID:8tfWE3+x
>PMk8oc8たん
う〜んエッティに辿り着かない話もいいっすね〜〜!
(もいら達が)焦らされてる感じがして萌えるっす、、、(;´д`)ハァハァ
ぜひ、たくさんの作品を読ませて下さい!


萌々な所ごめんなさい、ご相談です。避難所の6さんいらっしゃいまつか?
もしご無理でなければ、避難所の管理をおながいできないかなあと思うのですが、、、

仕事としては、不適切な書き込みのあぼーん位なのですが(笑)、

おながいする理由としては、
一人でも多くの方に直に関わって頂けたら、という事と、
おいらの仕事の関係で、長期的にネットにアクセスできない期間がありうること、
でつ。

これ以上の話は避難所でさせて頂きたいと思うのでつが、
6さんが作家さんの場合はちょっと頼めないので、
避難所管理に興味ある方がいましたら、避難所に来ていただけると嬉しいです。
スレ汚しすまそでし。。。
121あぼーん:あぼーん
あぼーん
122あぼーん:あぼーん
あぼーん
123名無しさん@ピンキー:03/07/08 21:33 ID:TVDvxzQ0
PMk8oc8Rタン(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)キタキタキタキタ━━━

まきゃべきゅん、ちゃんとゴムすればだいじょぶだから
やっちゃえYO!!
…というおいらにこのピュアなお話はまぶしすぎる…。
心配なら蘭世もピル飲めばいいから!!モウヤメトケジブン…
124PMk8oc8R:03/07/08 23:04 ID:Lrjk3Smx
書くの遅い上にエロくなくてスマソ…


実はこっそり続き書いてます…
エロじゃないからどうしようか悩む…

直接Gさんの所におくってみようかしらん(´ー`)
125名無しさん@ピンキー:03/07/09 15:36 ID:xsNn/W0Q
関係ないけど、おばあちゃんちに置いてあって
子供のときに使っていた枕がときめきトゥナイトだったなぁ
126ワル:03/07/09 21:20 ID:AbvkqPjL
91〜93「わるいあそび」の続編うpします。
127わるいあそび・後日談1:03/07/09 21:21 ID:AbvkqPjL
「そういえばいつかの約束のトリートメント、してもらってねえよな」
風呂上りの俊が、濡れた髪にタオルをのせたまま蘭世に声をかけた。
俊の手はすでに医者から完治の太鼓判をもらい、今日も再開したハードな練習で
汗だらけになった体を、アパートに戻るなりシャワーで洗い流したのだった。
「お風呂でするのはすっごく疲れちゃうから、もういやです!」
「…する、なんて言ってないぜ」
「あ、いじわる!!…トリートメントはしないけど、髪拭いてあげる…座って?」

座った俊の前にひざ立ちになり、頭にかかったままのタオルでわしわしと拭く。
「ちゃんと拭かないと風邪ひいちゃうのよ、俊くん!…なーんて、こともあったねー」
蘭世がにこにこと話しかける。
(でもあの頃はもっと頭も小さくて、立ったまま髪を拭けるぐらい背も小さかったっけ…)
蘭世が思い出に浸る一方、俊はおとなしく髪を拭かれながらも内心穏やかではなかった。
自分の幼い頃なぞを思い出されても気恥ずかしいだけである。
「『俊くん』もね、髪をちゃんと拭かなくて。パジャマの衿とか枕が濡れちゃってね…」
「もういいだろ」
たまらなくなって遮った。
ついでに、俊の髪を拭いているため無防備な蘭世の胸に、ぽふ、と手を置いてみる。
「きゃあっ!だめよ俊くん!…あ」
「……………」
思い出話の延長でつい飛び出た昔の呼び方に、互いの言葉が止まってしまった。
俊は蘭世の胸に置いた手を、今度は彼女の腰にまわして抱き寄せる。
ひざ立ちしていた彼女の胸はちょうど目の高さで、俊はそこに顔を埋めた。
「蘭世おねえちゃん」
「まままままかべくんっっ!やめてぇっ…」
「お前が先に言ったんだぜ」
「きゃー!!ごめんなさいぃーっっ」
腰をしっかりと抱きかかえて胸に顔を埋めたままの俊から逃れようと、蘭世が身をよじる。
もちろん、俊がそんなことを許すはずがなかった。
「蘭世おねーちゃん、お仕置きだな」
同じ呼び方でも、幼かった彼からは想像も出来ないような台詞を続けて。
彼は器用にスカートの中へ手を入れながら、大切な『おねえちゃん』を押し倒した。
128わるいあそび・後日談2:03/07/09 21:22 ID:AbvkqPjL
体の中にもぐり込んだ長い指が、そこを押し広げるようにゆっくりと動いていた。
下着は取り払われてしまっていたが、スカートは乱されながらも身に着けたままだ。
捲り上げられたサマーニットからこぼれた胸はすでにしゃぶりつくされ、濡れている。
「蘭世おねえちゃん」
「や…もうっ…やめてよぅ…」
「お前より年下の俺ともこんなコトしたかったか?」
「『俊くん』はそんなコトしません!!!」
「ふうん…」
(十二の頃から『蘭世おねえちゃん』に欲情してました、なんて言ったら、こいつ
ショック受けるんだろうなぁ…。)
「私、真壁くんのお母さん代わりだったんだから…。お母さんでお姉さんで…」
「頼りない妹みたいで、バカな友達みたいで?」
「もうっ…あっだめ、そこっ…」
「いつの間にかこんな風に…恋人、で…あとは……」
突然声が小さくなる。
蘭世は驚いて体を起こしかけたが、俊にいきなり挿入された。
「な…!?…あっ…ぅ…」
「蘭世」
今度は『おねえちゃん』は付かなかった。
「あとは…わかってる…よな……?」
腰の動きを早めながら、突き上げてくる快感に荒くなってゆく呼吸の合間で囁いた。
「あっああっ…うっ…んっ…」
蘭世は揺さぶられながらもがくがくと首を縦に振った。
俊の唯一の女性。
今は広くなった肩に縋り付いてくるその愛しさに、やがて彼の自制が飲み込まれていった。

いつも間にかアパートの窓の外はすっかり暗くなっていた。
かつてのおさな子は、ぐったりとなった蘭世の乱れた服をなおしてやりながら、
(やっぱり広い風呂がある家がいいよな…。あと防音と換気と…)
ちゃっかりオトナの将来設計を立てていたのだった。

おわり
129名無しさん@ピンキー:03/07/09 22:35 ID:dj+XCatx
キ…(-_-)キ(_- )キ!(- )キッ!( )キタ(. ゚)キタ!( ゚∀)ワルタンキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

12歳の俊くんのお話も是非うPキボンヌ!!!
130あぼーん:あぼーん
あぼーん
131あぼーん:あぼーん
あぼーん
132ワル:03/07/10 21:49 ID:FjschSW8
127,128「わるいあそび・後日談」の別バージョンうpします。
133わるいあそび・わるい後日談:03/07/10 21:50 ID:FjschSW8
「…覚えてるよな?約束」
俊はそう言って試供品のトリートメントを蘭世に見せた。
以前手を傷めた俊の髪を洗ったときについ蘭世が口にしたトリートメントのことが、
いつも間にか約束になっていたらしい…。
俊は普段トリートメントは使わないし、手のほうもやがて完治したのでなしくずしになっていたのだが。
「…わかりました」

今日は前回と違い、ちゃんとバスタブの外で向かい合って座った。
さらに蘭世は、前回せめてもと身に着けていたTシャツと短パンもあきらめていた。
ええあきらめましたとも。
俊は腰にタオルを置き、蘭世はバスタオルを体に巻きつけていたのが最後の砦である。

試供品のトリートメントは量が多めで、ましてや短髪の俊には、全部使うと髪の先から
体へ流れていってしまうほど余った。
しっとり、しんなりとした俊の髪を、オールバックにするようにかき上げる。
俊の目は、もちろん閉じたままだ。
(うーん、やっぱりいいなあ)
前回のシャンプーのとき同様、あらわになった美しい男の顔に蘭世は見とれた。
正面から照れずにこんなにまじまじと見つめられる機会など、滅多に無いのだ。

肩から胸へ、たっぷりとあったトリートメントが流れてしまっている。
「真壁くん、ぬるぬる、ね」
「…もういっぺん言ってみろよ」
「え、『ぬるぬる、ね』?」
(こいつが擬音つかうのってやらしいな)
ON。今日の俊のスイッチはそこだったらしい。
134わるいあそび・わるい後日談2:03/07/10 21:51 ID:FjschSW8
俊は髪をシャワーで流されながら、蘭世のバスタオルを取り去った。
抱きしめると体に残ったトリートメントがぬめり、互いの肌を滑らせる。
俊の腕の中で蘭世が身をよじると、その感覚はますます明らかになった。
「いやぁん…ぬるぬるするぅっ…」
俊は蘭世の手を自分の中心に導きながら、自らも彼女の温かい秘所を探った。
「こっちも…トリートメントしたんだったか?」
「や…いじわる。知ってるくせにっ…」
襞をかき分け嬲りながら乳房をつかむと、そこもやはりぬるんと弾力を持って滑った。
「ああ…ん…はぁっ…」
出しっぱなしのシャワーの水音のおかげか、蘭世があまり声を抑えることなく喘ぐ。
しかし湯気で少し息苦しくなってきた。
(あまり長いとまた後がやばいよな…)
前戯はそこまでにして、座位のまま体をつなげた。
ぬめりに助けられ、ぎこちなく蘭世が動く。
しばらくそうしていたが、俊がそれを下から突き上げると蘭世の声が変わった。
「あっっいやっ!!」
…当たるらしい。
リズムをつけて激しく突く。
「いやあっだめ、やめて…っあんっあんっあんっ…」
きつくきつく締め付けてきた。やめてたまるか。ひたすら突く。
高みが近付いてきた。
「ああっだめっ来る……いっちゃうっ…ああ…あーっっ」
「…!!…っく…ぅ…」
俊までもが追い詰められた。
ぎゅうと締め付け、びくびくと痙攣するそこに、耐え切れず搾り取られてしまった…。

シャワーでイロイロなぬめりを流し、結局今日も口もきけないほど疲労して居間に倒れこんだ。
(これで約束果たしたし…もーお風呂に一緒に入るのはやめよう…)
(さて…、次はどんな口実で一緒に風呂に入るかな…)
二人は相反する思いを抱きつつ、睡魔に身を任せていったのだった。

おわり
135ワル:03/07/10 21:55 ID:FjschSW8
連投になりますが…
129様のネタ、いただきまつ!
エロなしなので1レスでまとめます…。
136わるいこ:03/07/10 21:56 ID:FjschSW8
魔界の王子である(らしい)おれは、8歳から突然12歳に成長した。
ようやく自分の生い立ちや現在の状況を理解し、身長も伸びて、今まで見上げていた
彼女の目線がほぼ同じ高さになった。
それなのに
「いい子ね」
なんてにっこりとおれに笑う。
腹が立つのは子供扱いされることだけにじゃない。

12歳に成長した時、16歳のおれに戻ったと勘違いした瞬間の、彼女の瞳。
16歳の自分になら、あの瞳をいつも向けるのだろうか。
16歳の自分なら、彼女を抱きしめて包み込む肩幅があるだろうか。
強引にキスなんかできるような腕力を持っているだろうか。
それに、それ以上の…なにか…をできる程、「男」になっているのだろうか。

「16歳のあなたに会いたい…」
…わかってるよ…。

いい子になんかじゃなくていいんだ。
早くおとなになりたい。わるいおとなでもいい。
腹立ち紛れにスカートをめくってやる。
白いレースが見えて、未知のうずきをじわりと感じた。
「きゃあっ!もうっ、いい子って言ったの取り消し!わるい子!」
まあ少しましか。
ついにやりと笑ってしまった。
彼女がそんなおれを見て目を丸くしている。
自分でも子供らしくない表情だったなと思った。

待ってろよ。生き残っておれが元に戻ったときには…。


おわり
137名無しさん@ピンキー:03/07/10 22:53 ID:pt9cDzwW
わる×2
二杯も頂きました。まんぷくでつ。
でもすぐに腹減ってしまう貪欲なわし
138名無しさん@ピンキー:03/07/10 23:36 ID:E1jswG6Z
御馳走二つもありが?でつ ムッハ-!( ゚∀゚)=з
あぁん12歳の俊くんかわええ(*´Д`)…ハァハァ
139G ◆GARURUyZ5s :03/07/11 01:42 ID:o2ybu1Bb
>124 PMk8oc8たん
>エロじゃないからどうしようか悩む…
亀レスでしが、おいらは
今回変わった>1にそって、ココに灯火でいいと思いまつ☆
140名無しさん@ピンキー:03/07/11 02:11 ID:hS48HVd/
http:d-jupiter.net
無修正DVD・淫乱美女のもろ見え画像どこよりも早くお届けします

141PMk8oc8R:03/07/11 16:57 ID:bVg9fvTS
>>139 Gさん
今ひたすら官能小説的続き書いてますので、
こちらにうpしちゃおうと思いますですw

>>ワルたん
ワルたん最高ですわ〜
ワルたんの作品読んでるとハァハァして、
つい自分でも何か書こうという気になってしまいますw
真壁君とお風呂入りたい…(´Д`;) ハァハァ
142ワルさくしゃ:03/07/11 22:32 ID:OFJvEbbs
≫137・138様
ありがとうございまつ。
連投でさすがに息切れしてまつ(wモチツケジブン。
チョト休憩します。
他の神々のSS読みたいですじょーーー!!!

≫PMk8oc8R
ありがとうございます。
というわけで官能、楽しみにしてます。
ぐへぐへぐへ。
143あぼーん:あぼーん
あぼーん
144あぼーん:あぼーん
あぼーん
145ワルさくしゃ:03/07/12 08:17 ID:FcihF0uL
≫PMk8oc8R様
す、すんまそん!142で様付け忘れてましたです!
逝きまつ…。
146あぼーん:あぼーん
あぼーん
147あぼーん:あぼーん
あぼーん
148名無しさん@ピンキー:03/07/13 15:12 ID:y73bUtRm
望里&椎羅の続きはいつ読めるんでしょうか・・・。
待ってます!
149あぼーん:あぼーん
あぼーん
150あぼーん:あぼーん
あぼーん
151新婚作者:03/07/13 20:10 ID:y9Gxiu4A
久しぶりに投下します。

なんだか、雨で家におこもり中なので・・・。
152とけない呪文ー雨の日は傍にいて―(1):03/07/13 20:12 ID:y9Gxiu4A
外は雨、彼はきっとジムでトレーニング中。
ランニングに出かけたりはしないだろう。
でも、行ったりしない。邪魔になるから。

外は雨、あいつはきっと家でくつろいでいる。
俺が普通の男ならばこんな日はどこかへ連れ出すのだろう、
でも、行かない。俺には出来ない。

窓の向こうはしとしと降り止まない雨。
指先でかちゃんと音を立てる鍵。
彼女の視線がそこに落ちる。
・・・行ってみようか・・・・

帰宅途中、いつものように簡単に食料を買って帰る。
視線の先には一人帰るアパート。
電気もついていない、寂しい部屋。

鍵を開け、いつものように無口に靴を脱ぎ捨てる。
濡れた傘が目に入る。

部屋の真中に置かれた小さなテーブルに
うたた寝する彼女。
その前に置かれた夕食。

彼はそっとその彼女の黒髪に手を触れる。
しっとりと湿り気を帯びているところを見るとまだ着いて間がない。
作ってきた夕食を並べて、待っているうちにというところだろう。

やさしい瞳で彼は彼女を見つめた。
ただ、見つめた。
いつもは見せないやわらかい光を帯びた視線で。

ふと気配を感じて目を覚ます彼女。
これ以上無いほど極上の笑顔を彼に向ける。
少しだけ寝ぼけまなこだけど。

「おかえり、真壁くん。」

そんな日常の一言。
そんな普通の会話。

照れくさそうに頭を掻きながら、
「ただいま、江藤。」
そういった瞳はありがとうを告げている。

そんなあたりまえの日々がいとおしい二人。

せわしげに立ち上がって食事の支度をしようとする蘭世を俊は抱きとめる。

「食事より・・・・・」

耳元で呟く。

「お前の身体の方が冷えてる。」

抱きしめた手に力を込める。抗い、そしてその腕の中に身を委ねる。
「真壁くん、髪の毛、濡れてるよ。」
蘭世の手が俊の髪の毛に触れる。そのまま唇が降りてくる。
熱く、甘い口付けが二人の間に見えない呪文を投げかける。
・・・愛しています・・・

どちらの言葉だったかなどは知らないけれど。

解けない呪文、やさしい鎖。二人を包む空気が祝福をくれる。

少しだけ湿った布越しに互いのぬくもりが強く伝わってくる。俊の指先が蘭世の服のボタンにかかる。
一瞬の躊躇い。

「いやか?」

愛する男の懇願に蘭世は心を決める。震えながら小さく首を横に振る。いつかは来る二人だけの時間。
それが少しだけ早くなっただけ。
ぎこちない手つきで俊は蘭世の服を脱がせていく。

真白き素肌が、狭い部屋のなかで明るく瞬く。目を閉じたままの蘭世を抱きしめる。
その腕の強さが蘭世に安心をくれる。

「寒く、ないか?」

俊のその言葉に彼の緊張を知る。そっと目を開け俊を見つめる。
愛する彼の目に映る自分は、どうだろうかと・・・探るように。
彼女の不安に気がついたように俊は再度緩やかなキスを深く与える。

「俺もだぜ。」
自分だけではない、不安。
同じ想い、同じ・・・・。

ぎゅっと握った互いの手のぬくもりを忘れないように。
触れ合った肌の熱さを覚えていくように。

時間をかけて開かれていく彼女の身体、負担をかけないように、想いをこめて彼女を愛していく。

素肌に感じられる彼のぬくもり、想い。
自分を受け入れようとする彼女の心。

その瞬間はまるで宝石のように二人の心に焼きついた。

二人確かめ合うように、抱き合い、眠る。


外は雨。
土砂降りの雨が二人だけの世界を作る。

また、雨の日がきたら今日のことを思い出す。

だから、いつも心はそばにいて・・・・・。


Fin
156新婚作者:03/07/13 20:15 ID:y9Gxiu4A
たまには短編、メインのエロなしで
書いて見ましたが・・・

う〜〜ん。
どうだろう。
157名無しさん@ピンキー:03/07/13 23:43 ID:zg6LoTgf
雨の日はこんな話が沁みまつね。
バックミュージックに尾崎豊のI LOVE YOUが欲しい気分だよう
新婚タン・・・エロナシでもイイ(・∀・)vv
158PMk8oc8R:03/07/14 15:23 ID:0Mt/lWu7
新婚タンのあとにうpするのは気が引けますが…
毎度毎度長くてすんません…
159PMk8oc8R:03/07/14 15:23 ID:0Mt/lWu7
 お互いの気持ちを確かめ合った後日、蘭世は真壁とデートを楽しんでいた。
 季節の変わり目で、急に雲行きが怪しくなってきて、二人は早々に真壁の部屋に引き揚げてきた。
「お天気変わっちゃったけど、楽しかったー。やっぱりウィンドショッピングって楽しいな〜」
 貧乏性の蘭世は買うより、見て触って想像するのが好きだった。
 表情の豊かな蘭世を見ているのが真壁には楽しかった。
 美術館で絵画を見るよりも、ずっと有意義だと思ってる。
「コーヒーお待たせ」
 簡易ドリップしたコーヒーだが香りも味も中々だった。

「今度の試合応援行くからね」
「別に来なくたっていいさ」
 応援席でキャーキャー言われると気が散る。
 そう言われて、蘭世は頬を膨らませた。
「その変わり、必ず勝って帰るから、旨い飯作ってくれよ」
 これは真壁の飴と鞭。
 表情一転でパァっと笑顔を作り、大きく頷いた。
 高校の部活動でも、体重の管理はしなくてはならない。
 ボクサーって大変なのよね。
 蘭世は将来のことをついつい考えてしまった。
 レースのエプロンをつけた大人の蘭世が、大人の真壁の為に一生懸命ご飯を作っている。
 ぽわわんと妄想が膨らんだ。
(やっぱり、『あなた、あーん♪』とかやっちゃうのかな…きゃーーーーー!)
 脳内お花畑になっている、蘭世の思考を思わず読んでしまった真壁は、
溜息をついて、暴走を止めた。
「江藤、ちょっとこっち来いよ」
「え…?あ、やだ、今の…」
 トマトのように赤くなった蘭世が、これ以上さっきのことを口にされたくないので
いそいそと傍に寄ってきた。
160PMk8oc8R:03/07/14 15:24 ID:0Mt/lWu7
「まず帰ってきたら玄関先でアレしてくれよ」
 少し優しい表情で真壁が蘭世の顔を覗き込む。
 蘭世は赤い顔のまま目を伏せ、おかえりなさいの言葉は二人の間に飲み込まれた。
 静かな室内に二人の吐息だけが響いた。
「少しだけ先に進んでもいいか?」
 最後まではしないから。耳朶を軽く甘噛みされて蘭世はコクコクと頷いた。
 口付け合いながら、小振りの胸に手を置く。
 恥じらいが吐息になってる。そのまま優しく揉みしだかれ、
ジーンと足指の先がしびれるような感覚が起こった。
 ブラウスのボタンを外すと、純白のブラが現れ真壁は少し興奮した。
 熱い眼差しが蘭世の体を熱くした。心臓の鼓動がどんどんと高鳴っていく。
 太いがしなやかな指で後ろのホックが外され、白い乳房が空気に晒された。
「やだ、恥ずかしい…」
「見てるのは俺だ…」
 そう言って真壁は柔らかい双山に顔を埋めた。
 揉んで摘んで、突起を吸う。
 好きな人に見られていることが恥ずかしいと思っていた蘭世は、
そのことを思う暇も無いほど、真壁のまだ拙い技術に敏感に反応した。
「あ…やん…」
 短いスカートを手が割り、下着越しに秘部に触れた。
 この前触ったときよりももっと濡れており、上下にこするだけで、中でイヤラシイ音がする。
 下着を隙間から直接触れたとき、全身が発火するのでは、と言うくらい真壁の体が熱くなった。
 そんな真壁にも負けないくらい、熱くなった泉が彼を迎えてくれた。
161PMk8oc8R:03/07/14 15:24 ID:0Mt/lWu7
 鼓動が早まる中、真壁は愛する人の秘部を指でなぞっていった。
「ひ…あっ」
 二人とも始めての感覚に戸惑っている。
 小さな下着を一気に引き摺り下ろす。
 ボクシング部員が部室で話していたY談を必死で思い出し、それを実行する。
(たしかこの辺にポイントが…)
 蘭世から溢れたヌルヌルを伴って、どんどんと上へ指を滑らしていく。
「きゃ…うん!」
 真壁の指が突起に触れた瞬間、悲鳴のような声を上げて蘭世の体が跳ねた。
 摘んでコリコリと揉んでやると痛みを訴える。痛くないようにするのはどうしたらいいのか。
無意識に体が動いて、突起を舐めあげていた。
「あぁん、あん。ちょっと、待ってぇ…ん。あぁぁぁん」
 舐めあげるたびに、体がぴくぴくと動く。
 感じてるのだろうか、真壁は舌の動きを微妙に変えながら攻めていく。
 愛液がしとど溢れてくる穴に指を入れてみた。ぬめりに助けられてすんなり入っていく。
中は熱く、生き物のように蠢いていた。
 ごくりと喉が鳴る。
 内壁をそっと擦ってみると蘭世が大きく喘いだ。
「いやぁ…ん。何か、体があぁぁぁ」
 擦られたところが熱い。蘭世は狂ったように頭を振った。美しい黒髪が淫らに蠢く。
 色々と擦っていくと、ザラッとした部分に行き着いた。
 これはなんだろう。不思議に思いそこを擦ってみる。
162PMk8oc8R:03/07/14 15:26 ID:0Mt/lWu7
「いやいやーーー!」
 蘭世が首を持ち上げて、必死で訴える。
 痛いのかと思いやめようとすると、内壁が中へ中へと指を誘い、締め付けて離さない。
 こういう時にどうしたらいいのだろうか。わからないまま強引に指を引き抜いてしまう。
「あああああぁ!」
 指を引き抜いた場所は、ひくひくと動き、再び真壁を呼んでいたが、
 蘭世は荒い呼吸のまま目を硬く瞑ってぐったりしている。
「大丈夫か?」
 言葉を発しようにも、あまりの疲労感に何もいえない状態だった。ただ首を振っている。
「悪い、無理させたな。ここにいてやるから、少し休めよ」
 タオルケットを優しく掛けてやって、自分も蘭世の横に滑り込むと、
子供を寝かしつけるように、手をリズミカルに体へ落す。
 真壁の足の付け根も先ほどの蘭世の姿に熱くなっていたが、
このまま一緒に眠ってしまえばそれも静まるだろう。
 愛する人を満足させる日は一体何時になるのだろうか。
(ここで考えても仕方ねぇか)
 数をこなせばのうち勝手が分かって来だろう。

 やがて聞こえてきた寝息に、真壁の瞼も次第に落ちていった。
163PMk8oc8R:03/07/14 15:30 ID:0Mt/lWu7
言葉ぎっしり…

見辛ければスルーしちくり…
164名無しさん@ピンキー:03/07/14 19:54 ID:U/b9Lf+3
具体的にエロいですね…ウフ
165PMk8oc8R:03/07/14 21:45 ID:j6evkBl5
宣言通り官能的…にはなりきれませんでした(´Д`;)

文才ないよぉ!
ウワァァン!ヽ(`Д´)ノ

亀でつが、>>145のワルたん、
戻ってきて、オイラをハァハァさせてくだちゃい!
様なしでOKだよ!
166名無しさん@ピンキー:03/07/14 22:02 ID:v6x/CQkL
>PMk8oc8Rタン

乙ですー。
数をこなせばなんてまきゃべくんたら・・・イヤン
できれば真壁でなくて俊で書いてもらえると
もっと萌えなんだけどなーなんて思ったり。
167PMk8oc8R:03/07/14 22:24 ID:j6evkBl5
(・∀・)ソウシヨウ!

ではGさまにおながいしてみようかしらん

でも多すぎて嫌だって言われそう…(´Д`;)
168山崎 渉:03/07/15 11:07 ID:7GpObfWE

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
169名無しさん@ピンキー:03/07/15 15:53 ID:5Ps1+2yk
最近作家さんが沢山出てきてるのに、
読み手の方が少ないのかな?

170名無しさん@ピンキー:03/07/15 18:48 ID:vRyGRS8m
ずっとロム専なのですが…
 作家さんたちの豊かな想像力で何倍にも楽しい<ときトゥナ>
 おとなになって物足りなくなった私の心にしみこんできます。。。
 いつも、楽しい作品を読ませて頂いてお礼ができないけど
 みなさんいつもありがとう
と一言いわせてくだちぃ
171あぼーん:あぼーん
あぼーん
172G ◆GARURUyZ5s :03/07/15 22:58 ID:uWi94Uvm
避難所管理の話題です。
今作家さんが2人参加して下さっているのですが、
他にやりたい方、いませんでしょうか?
難しい事ではないので、SSは書けないけど私も何か、という方、是非。
`)ノ
173あぼーん:あぼーん
あぼーん
174名無しさん@ピンキー:03/07/17 23:50 ID:bqzNGzBj
読み手が少ないのでは・・って事で一応。

オイラもロム専です。
一粒で2度美味しいときめきが実感出来る
このスレを見つけて、かなりハマッテます。
作家さんいつもありがとう!!
これからも楽しみにしてまぷ。
175名無しさん@ピンキー:03/07/18 00:26 ID:KMOI8foG
書き込まないからROMというのであって、
実はこのスレ、ROMはけっこういるのでは?
176名無しさん@ピンキー:03/07/18 02:45 ID:golBsnhS
前スレだったけ?点呼とってたけど、20人以上いた気がする。
いつもすごい楽しみにここ見てるんだけど
つい感想書きそびれてしまう。

自分も感謝の言葉を一言…
ほんといつもいつも素晴らしいSSが読めて幸せです。
作家さん方これからも頑張ってください。
177名無しさん@ピンキー:03/07/18 12:45 ID:ApOCO65j
はじめまして。私も基本的にはろむせんです。
1日何度も訪れてるんですけどね〜、カキコは苦手で。申し訳ないでし。
でも大好きなスレだから、盛り上げて行こっと♪
作家さん方、いつもいつも素敵な作品ありがとうございまつ。
これからも楽しみに待ってまつ!

178名無しさん@ピンキー:03/07/18 18:57 ID:IhEeoj53
チョトSSのうpが止まっているようなので…
アロンの話ですが、書いてみました。
エロなしでラブラブもなしなので…自己満足かも。スマソ…。


STEP

想いヶ池のほとりに、四季のない魔界の穏やかな風が吹いていた。
その風に乗ってやわらかく花の香りが流れてくる。
足元の池はあくまでも静かで波音も立てず、さわやかな冷気を漂わせていた。
アロンはもう何時間もそこに立ち尽していた。

この池のほとりに出る細い小路があるが、彼はずっとそこに目を向けないようにしていた。
緑に包まれたその小路に今日蘭世が姿をあらわすことはないだろう。
諦めかけていたが、やはりそれを確かめたくはなかった。

明日はアロンの新王としての戴冠式のやり直しと、結婚式である。
今ごろ城はその準備で大騒ぎをしているはずだ。
しかしアロンはそれを抜け出し、朝から一人でこの場所へ来ていた。
側近達も、ついに明日大きな節目を迎える彼を気遣ってか口出ししなかった。
179STEP2:03/07/18 18:58 ID:IhEeoj53
いつの間にか、元は月だった魔界の太陽が、頭上を少し過ぎたようだ。
人間界で言うところの昼過ぎぐらいの時間か。
今日のことを蘭世に告げたときを反芻する。
『式の前日に、二人きりで会いたい』
ヘンな気を起こしたりはしない、とも言った。
それでも万が一何かされたらと心配なら、場所はすぐに帰られるよう想いヶ池のほとりに、
と指定した。
しかし誰にも、俊にも、言わずに来てくれと頼んだ。
自分の兄と彼女の恋の成就を今は素直に祝っているし、美しく献身的な婚約者を心から愛している。
けれどこの日は蘭世と二人きりで会いたかった。
なにか彼女の足跡を、王になる前の自分に残したかった。
会ってどうするかなどと考えてはいなかったが。

元々、異種族混血の娘を王妃になどできるわけがなかった。
現在の自分が、無邪気にそれを望んだ過去の自分に苦笑する。
けれど。
初恋だった。
今はもうその日が遠い。

太陽が傾いてゆく。
彼女は来ないだろう。
最後の思い出さえ許してはくれないか。
風がひんやりと頬にあたった。
オレンジ色に染まり始めた雲を見ながら、その甘い哀しみをアロンは味わった。
180STEP3:03/07/18 18:58 ID:IhEeoj53
いい加減に城に戻らないと、明日の段取りの最終確認も残っている。
諦めて最後に池の周りを一周しようと歩き出す。
暗くなり始めた池のほとりを、咲き乱れる美しい花を踏まないよう避けながら半分程歩いた所で、
ひときわ大きく花を咲かせている一輪の根元に白い封筒が落ちているのに気付いた。
何の気もなく拾い、開いてみると、淡いピンクの小さな便箋に文字が綴られていた。

『明るいところ。
 少しわがままだけど、憎めないところ。
 感情が豊かなところ。
 その表現も豊かなところ。
 やさしいところ。
 心が強いところ。

 そういうところ、すごく好きです。
 ――――――――――――ありがとう。お幸せに。R』

前日にでもここへ来て置いて行ったに違いない。
蘭世の筆跡は知らないが、これは彼女からのものだとアロンは確信できた。
彼はしばらく動けないまま文面を凝視した。
静寂の中やがて日が沈んでゆき、手元を暗くする。
文字が見えなくなるにしたがって、自分の中で何かがすう、と消えていく。
蘭世への恋心ではなかった。それはもうとうに消えていた。
ただ彼女は、いや彼女への想いは、アロンの少年の日々そのものだった。
彼の少年期、青春と呼ばれる時期が今終わるのだ。
目を閉じ、ああ、終わったと、その事実をかみしめた。
不思議とそれまでの哀しみは感じなかった。
181STEP4:03/07/18 19:05 ID:IhEeoj53
ゆっくりとその便箋を裂いて、想いヶ池に沈めた。
想いの完結したこの手紙は、何処へも行場もなく、水の中を漂うだろう。
かの小路の木陰に、長い髪の影が見えた。
一瞬の期待の間もなく、それが金髪だと気付いた。
明日妻になる人物が、全てを察して佇んでいた。
「ずっとそこにいたの?」
フィラは言葉もなくうなずいた。
アロンが少し苦く微笑む。
「かっこわるいとこ見せちゃった」
必死に涙をこらえ、首を横に振る彼女が愛しかった。

「さあ、戻ろうか」
歩き出す。大きな使命が彼を待っていた。
空には月が昇っている。
水面に映った月の姿に包み込まれるように、ゆらゆらと紙片が水に溶けてゆく。
けれどアロンは、もう振り向くことはなかった。

おわり


アロン、好きなんです。
王様になってからの、開陸父やメビウスとの絡みのあたりは
よっ名奉行!なんて声かけたくなります。
んでちょっと掘り下げてみてしますた。
182あぼーん:あぼーん
あぼーん
183あぼーん:あぼーん
あぼーん
184名無しさん@ピンキー:03/07/18 23:57 ID:TefwDNak
>STEPさん
最近めっきり寂しくなってたので…新作みれてうれしかったでつ (・∀・)
ここ見るようになってから、
眼中になかったアロンの心情も気になるようになりました…
彼はかなり成長した人物ですなあ。。。
今回のSTEPさんのアロンも大人なセンチメンタルな感じで
ほろ苦い味わいがしました(良く分からん??)
蘭世のアロンに対する反応も大人な感じ。
−以前の蘭世なら素直に会いに来そうだなって思って。
うーん初恋っていいなあ。またお話おねがいします。
私にも書けたらなあ〜
185あぼーん:あぼーん
あぼーん
186名無しさん@ピンキー:03/07/19 15:43 ID:V2FcCh9O
>STEPタソ
乙でし。いいでつね。ちょっと痛気持ちイイ感じ。
アロン好きならば!フィラへ気持ちが向き始めた話なんか書いてみませんか?
…と呟いてみる(テスト

>PMk8oc8Rタソ
亀レスですが、ごちでつ。
数をこなせば…きゃあーーー!どうなるんでせうね?
もうすぐ梅雨明け。蘭世ちゃんの苦手な雷ゴロゴロでつよ。
チャンスだ!王子!>>162
187名無しさん@ピンキー:03/07/19 23:12 ID:VzHTvOdJ
だめだよ、エロを語ってくれないと!
188PMk8oc8R:03/07/19 23:21 ID:H99n2kmd
遅筆作家頑張っております…(´・ω・`)

許して…
ほんと遅いの…・゜・(つД`)・゜・


>>186タン
雷かぁ…そのネタも頂きますw
189350:03/07/20 11:31 ID:TrZ6u2IS
>Gタン
遅くなりまつた、ご注文のブツでし。
また長くなったしまいまつたが・・・。

王子の1人Hが苦手な方はスルーして下ちい。
190真壁くんの長い半日・・・1:03/07/20 11:32 ID:TrZ6u2IS
「帰るぞ」
「ええっ??もう?」
「日が暮れてきただろ」
「そんなぁ・・・もうちょっとだけダメ?」
計算しているわけないが、上目遣いにお願いされるとつい
「あとちょっとだけだぞ」
と許してしまう。
喜んで水と戯れる蘭世の背中を見ながら、つい甘くなってしまう自分を戒めようと思うが
嬉しそうな横顔を眺めてると、多分次も同じ轍を踏んでしまうだろうなと思ってしまう。

今シーズン初めて来たのは海ではなくプール。
なぜなら俊は試合直後で傷だらけだったから。
傷に塩水が沁みるのを蘭世が気にしてプールをチョイスしたのだ。
ガラス部分から差し込む赤みがかった光が夕暮れを匂わせ始める。
それでも大きな滑り台付の有名なプールだけあって、まだまだ若いカップルがひしめいていた。
もちろん同性同士の2人組みやグループもたくさんいて、異性に熱い視線を送っている。
その好奇の目が蘭世にいきはしないかと内心気が気じゃない俊は
入った時から早くここを出てしまいたかった。

しかも今日の蘭世はピンクのビキニだ。
見たときは息が止まりそうだった。
それは初めて拝む裸体に近いシルエットの美しさへの驚愕と
それをいとも簡単に曝け出されてしまうということへの嫉妬からだった。
191真壁くんの長い半日・・・2:03/07/20 11:33 ID:TrZ6u2IS
「かえでちゃんとお揃いなの・・・」
ちょっぴり下を向いて恥ずかしそうに蘭世が言うのを聞いた俊は
・・・あんにゃろ〜!!また余計なことを・・・!
と行き場のない感情を、子悪魔のじみた笑顔で浮かんでくるかえでに空しくぶつけてみる。

他の男どもに「見るな!」と言う訳にもいかないし
自分にできることといえば蘭世のそばについて目を光らせることくらい。
そこら辺の男どものようにベタベタと女にまとわりつくようなマネはできない。
そんなことで独占欲を丸出しにするような醜態は死んでもさらせない。
だから今日はやたらと目つきが悪い。
こんな自分の情けなさに憤慨しながら、今日という一日をそれなりに楽しんでいる矢先だった。

「真壁くん、も〜1回滑り台に行こうよ〜」
蘭世に手をとられて何十回目かわからない滑り台へ連れて行かれる。
順番が廻ってきた所でピンときた俊は
「お前はうしろ」
「えっ?」
今にも滑らんとする蘭世の両脇に手を入れて、自分の後ろへひょいっと移した。
「オレが先」
「もうっ!」
怒る蘭世に舌を出しながら、先に自分が滑り降りていく。
自分が先に下りて、滑り降りてきた蘭世を沈めてやろうという算段だった。

待ち構えていると、ビシビシと水を弾きながら嬌声をあげて滑り降りてきた蘭世は
プールに着水した瞬間水しぶきに隠れる。
俊はその水しぶきに飛び込むようにダイブし、柔らかい蘭世の体に抱きついて水中に潜った。
192真壁くんの長い半日・・・3:03/07/20 11:34 ID:TrZ6u2IS
ゴボゴボゴボゴボ・・・・・
突然のことにもがいて抵抗する蘭世の形相を水中で見て噴出してしまい
俊は自分の方が苦しくなって水面上に顔を出す。
ザバー
「ぶはっ」
「もう!真壁くん!」
続いて顔を出した蘭世は、すぐさま怒って手を振り上げてきた。

どぶーん!
突然俊は蘭世に再び飛びかかって水中へ躍りこんだ。
蘭世は酸素を得る暇もなく沈められ、今度はカナリ本気で抵抗してくる。
・・・バカ・・・大人しくしてろ!!!
テレパシーで呼びかけてもパニックなのか聞こえてない。
実は蘭世のビキニがとれかけて、白い乳が半分くらい露出していたのだった。
周りにいる人間に気付かれる前に水中でと、とっさにこんなことしか出来ず
しかも蘭世は訳がわからないまま酸素を欲しがって暴れまくる。
「・・・・・・!!!・・・・!!!」
がぼがぼがぼがぼがぼぼ!!
・・・もう少しだけ我慢してろ!!
伝わらないだろうとわかりつつも呼びかけて、やむを得ず自らがビキニに手をかける。
ただほどけてしまった紐を首の後ろで結び直すだけなのに
暴れる蘭世の手が邪魔で、たったそれだけの事がなかなかできない。
・・・ええい!!!クソ!!!
こんな時不器用な自分に腹が立つ。
・・・コノヤロ!暴れるな!

そしてこんなことをもたくたとしているうちに
だんだんと蘭世の抵抗は弱々しくなっていった。
・・・・!! ヤベ!!
自分の息が余裕だった為、全然そこまで考えが及ばなかった俊は
紐はしっかり掴んだまま、蘭世と共に水面へ顔を出した。
193真壁くんの長い半日・・・4:03/07/20 11:35 ID:TrZ6u2IS
「ひどいよ真壁くん・・・」
「悪かったな」
半ベソで訴えてくる蘭世に生返事レベルの謝り方をしながら
抱きしめるように腕で囲いながら引き寄せて
やっと首の後ろでビキニの紐を結びなおすことに成功する。
・・・紐だけ掴んどけばこうやって直せたな・・・
あわててこんな乱暴なやり方しか出来なかった自分を反省する。

「もしかして紐が取れてた?」
やっとそこまで考えが及んだ蘭世は見上げて聞いてきた。
俊はそのほっぺたをムニッと引っ張って言ってやる。
「もっと早く気付け」
っっかぁぁぁぁぁぁぁ
両手で赤くなった頬を覆いながら
「もしかして真壁くん・・・見たのぅ?」
「見るかバカ」
・・・・ホントはちょっと見えたけど。
(きゃ〜〜きゃ〜〜きゃ〜〜きゃ〜〜!!!)
蘭世は背中を見せながら、頬を覆っていた手で火の出てる顔を覆った。
「だから見てないって!バカ!帰るぞ!」
ついでのように念願の言葉を告げて歩き出す。
やっとここから出れるとホッとしながら。
194真壁くんの長い半日・・・5:03/07/20 11:36 ID:TrZ6u2IS
15分ほど待たされて、髪の毛がまだ濡れている蘭世と一緒に江藤家へ向かう。
「えへっ。パンフレットもらってきちゃった♪」
嬉しそうにプールのパンフレットをちらりと見せる蘭世。
・・・なんで行ったプールのパンフレットなんか持ってくるんだコイツ・・・
さすがに口には出なかったが、俊の顔は呆れていたらしく
「あっ!真壁くん、呆れてるぅ?」
と蘭世はほっぺたを膨らませてみせる。
「いいもん。真壁くんには見せてあげな〜い」
1人で嬉しそうにパンフレットを見ながら歩く蘭世の足元を気にしながら歩みを遅め
夕焼けに伸びる二つの影はゆっくりと江藤家へと向かった。

シーラから一緒にどうかと誘われた食事を、減量中と丁重に断って
帰ろうときびすを返した背中に
「真壁くん!」
と蘭世が飛びついてきた。
「なんだ」
ここらへんはどうしようもなくぶっきらぼうにしか言えない俊なのだが
蘭世は慣れっこなのか全然気にした様子もなく、俊にパンフレットを手渡す。
「やっぱり見てもいいよ」
「・・・・サンキュ」
短い礼を言って江藤家をあとにした。


誰も待っていない真っ暗なアパートへ戻り
無造作に水着類を洗濯機へ放り込み
洗剤を適当に入れてスイッチを押す。
回り始めた洗濯機に身に付けていた衣類も全部脱いで放り込んだ。
無駄な肉の全くついていない体をさらしながら大股で風呂場へ歩いて行く。
195真壁くんの長い半日・・・6:03/07/20 11:37 ID:TrZ6u2IS
その短い距離の途中で放り投げたパンフレットに気付き拾いあげた。
普段は見もしないで捨てるのだが、蘭世が楽しそうに見ていたのを思い出して
なんとなく見る気になったのだった。
サラッと目を通すだけのつもりで視界に収めた

その瞬間また息を呑む。
今日はこれで2回目だ。
パンフレットには滑り台を滑り降りてくる女性の写真が使われていたのだが
それは長い黒髪をなびかせているビキニ姿だった。
蘭世似ている訳ではないが、数時間前に見てしまった光景がフラッシュバックする。濡れて艶やかに光る髪。
はだけかけた胸元。
全部が見えたわけではなかったが
それは返って想像逞しくさせられてしまうチラリズム。

初めて見た水着姿のシルエットは想像以上にメリハリのあるラインをもち
そこからその先をどうしても想像してしまう。
・・・だめだ!
俊はパンフレットを握り潰してゴミ箱に投げつけた。
胸をはだけた蘭世からただの紙くずになったかたまりは
ガサッと音をたててゴミ箱に収まった。
それを見届けた俊は何かをふっきるように足音を乱暴にたてて風呂場へ入って行く。
シャワーはプールで浴びたのだが、熱を持ち始めた体を冷やしたかった。
自分の方を向いてしまっている分身に腹を立てながら乱暴な手つきで頭を洗った。こうやって自分の想像で蘭世を汚すのは初めてではないが
どうしても罪悪感が拭いきれない。
それは常に単純で純粋な思考の蘭世に対して自分の思考が邪すぎるからだった。
性の対象として見てしまう罪悪感はいつもつきまとい
俊はいつも自分を責めながらそれでも欲望に打ち負けて、後から後悔するのだった。
196真壁くんの長い半日・・・7:03/07/20 11:38 ID:TrZ6u2IS

水のままシャワーを出して高い方へ掛け、顔から浴びる。
・・・わかってるさ。まだアイツを汚してはいけない・・・
泡をのせて筋肉の溝を伝う水の温度を感じながら目を閉じていると
また蘭世がまぶたに浮かんでくる。
小走りによってきた時に弾む胸は、服の上から想像できないほどの震度だった。
思わず走るのをやめさせてしまったほどだ。
目を閉じたままシャワーから出る水に手を伸ばし
柔らかく手のひらをくすぐる水の感触に神経を集中する。
・・・こんな感じだろうか・・・
自分を向いた分身が大きく跳ねた。
もはや収まりがつかないらしい。
溜息をつきながらとりあえず洗ってしまおうと石鹸を泡立てて身体を洗い始める。

堅く引き締まった自分の腕。
・・・江藤は細いけど、腕は驚くほど柔らかかったっけ。
無駄な肉のない自分の胸。
・・・江藤の胸・・・あんなに揺れるなんてな。
絞り込んで引き締まった自分のウエスト。
・・・江藤は両手で包めそうなほど頼り無くほっそりしていた。
自分の堅い足。
・・・江藤の足は細くて白かったな・・・足も柔らかいんだろうか・・・
何を考えても何をしても、蘭世が脳裏から離れない。

自分の下っ腹を叩く分身を洗おうと掴んだ手は
その動きだけそのままに、とうとう洗うということを放棄してしまった。
冷たい水は何の役にも立たない程体は熱くなり、俊は理性を畳んで快楽へ没頭し始める。
197真壁くんの長い半日・・・8:03/07/20 11:39 ID:TrZ6u2IS

分身を上下する手がアイツの手だったらどんな感触なのだろう。
ゴツゴツしたこんな手ではなく、ほっそりと柔らかい手は・・・。
いや・・・柔らかいのはあの弾む胸。
いつか思うがままに揉みしだきたい。
どんな反応を見せるだろうか。
くすぐったがりな所を見ると、反応のよさには期待してしまう。
きっと恥ずかしがるだろう。
ましてや咥えるなんて事は知りもしないだろう。
あの小さな口に収まるだろうか・・・
それに舌も短い。
いつだったか短いんだと見せてきた舌。
その表情は今でも脳裏に焼き付いている程エロチックだった。

いつの間にか俊の回想する蘭世は、俊の前にひざまずいて奉仕を始める。
小さな口に猛りきった俊の分身を咥えて上下し、上目遣いに俊を見上げ
挑発するような視線を投げかけてくる。
俊は息を少しずつ荒げ、握る快楽を強めていった。

全ての感情と思考は快楽によって打ち消されていき
止め様がないまま、俊は降りてくるような痺れの前兆を感じ始める。
198真壁くんの長い半日・・・9:03/07/20 11:41 ID:TrZ6u2IS
・・・ハァ・・・ハァ・・・
風呂場に響く吐息がシャワーの音にかき消される中
俊の中の蘭世は既に組み敷かれ、貫かれて嬌声をあげている。
集中力の素晴らしさ故か、その蘭世は極めてリアルに悶え
破裂しそうなほど昂ぶった分身は容赦なく締め上げられる。
「・・・はぁっ・・・・・うっ・・・・・ぐっ・・・」
堪えきれずに漏れた声と共に、解放された分身は多量の白濁を吐き出し
俊はその痺れに震えながら、しばらくの間放心していた。
シャワーは相変わらず俊を冷まそうと降り注ぐが
燃え上がるような熱を帯びた身体を鎮火させるに至らない。
放心状態から少しずつ現実に戻っていく俊の心には
また充足感と罪悪感と後悔と自己嫌悪が沸々と湧いてくるのだった
ガツッ
風呂場の壁にそれを一発ぶつけて、俊は風呂場を後にした。



ちょうどその頃
「お姉ちゃん、水着絡まってるよ」
蘭世の部屋に来た鈴世が、部屋干ししてあるビキニの結び目に気付いて言う。
「ほどけないんだ〜。変なカタ結びなんだもん」
蘭世は数時間前の失態を思い出して顔を赤らめた。
俊の想いを示す結び目の堅さには微塵も気付かないまま。

おわり
199名無しさん@ピンキー:03/07/20 12:17 ID:lYHkiZyF
350タン ネ申 で つ !!!
この二人は未経験なんでつね!!
罪悪感に苛まれながらもオナってしまうまきゃべくん…。
いいっす!!!喘ぎも!!(*´Д`*)ハアハアハアハアハア
朝から萌えまくりですた…。
200199:03/07/20 12:22 ID:lYHkiZyF
モウ朝ジャネーヨ…自分…(´・ω・`)
失礼しますた。
201名無しさん@ピンキー:03/07/20 12:30 ID:RpupmoAs
350タンの書くお話好きでつ!
原作の雰囲気のまま大人になっていく二人。
蘭世はピンク似合うよね 、ホワホワ〜
真壁くん我慢してるな、偉いけど
我慢はどれだけもつかな〜?
202名無しさん@ピンキー:03/07/20 12:38 ID:TaAO7swR
1人Hということで生々しいのかと思いきや、
綺麗な仕上がりですなあ。日曜の昼からごちですた。



それにしても蘭世のオッパイは、いつ見ても綺麗すね。

………もちろん見たことないけど、
これだけSSを読ませて頂くとすっかりイメージが固まってまつ(w
203名無しさん@ピンキー:03/07/20 14:52 ID:kSQ61/Zy
蘭世ちゃんの可憐なお胸は

王子によってより大きくなっていくと言うわけですな・・・。


しかし型崩れしないようにやってるのかなとちと考えてみる。
204名無しさん@ピンキー:03/07/20 16:43 ID:TaAO7swR
>203
私の中で蘭世のオッパイは永遠に未熟なままでつ(w
手のひらに納まる程度。それがまたいい感じなんだ。
205名無しさん@ピンキー:03/07/20 17:38 ID:cNOOy5pE
350タソ 乙でし a-nd ごちでつ
会社でコソーリと読みました!
王子ってば、ひとりだと喘ぐのねぇ〜(蘭世の前じゃ耐えそう
350タソの書く話はイメージが崩れずにちゃんとエロだから好きーーー。

また楽しみにして待ってまつ(ハァト
206名無しさん@ピンキー:03/07/20 20:11 ID:RpupmoAs
結び目の堅さか‥
いいね、良い表現だ。良い締めだ。
いいぞ 350タン。ありがとう 350タン。
一人の王子もいいぞ。二人の時も頑張れ王子。
207名無しさん@ピンキー:03/07/20 22:19 ID:q/7V+3og
>192 突然のことにもがいて抵抗する蘭世の形相を水中で見て噴出してしまい

ど・・・どんな顔なんだ・・・
208あぼーん:あぼーん
あぼーん
209350:03/07/21 09:22 ID:40KSPq+7
>199-207の皆様
温かいお言葉ありがとうごないまつ〜。
1人エチーは自分が照れてしまって生々しい表現はできんかったよ。
何か思いついたらまた来まつ。

210G ◆GARURUyZ5s :03/07/21 14:31 ID:f2HCsq6e
>350たん
おいらの根暗で変態なリクを宝石アイスのように仕上げて下さり、
誠に光栄でございます。

>自分が先に下りて、滑り降りてきた蘭世を沈めてやろうという算段だった。
「沈めてやろう」を「眺めてやろう」だと素で誤読していたのはおいらだけかと思うのですが、

生々しいバージョンを期待していないかというと、、、
いいや!このまま脳内旅行の方が楽しいかも。。。

葛藤の海の日(代休)でございます。

それではまた、来世で。
211名無しさん@ピンキー:03/07/21 18:14 ID:3bGIxlr9
はじめまして。初めて書き込みます。
待ちわびていた椎羅さんモエー!の続きを勝手に書いてしまいました。
すいません・・・。
興味のある方は読んでみてください。
212名無しさん@ピンキー:03/07/21 18:24 ID:3bGIxlr9
その頃モーリは湖の方へと向かっていた。
そこに若い女性の気配を感じたからだ。
(今夜の獲物は何か特別なものになりそうな気がする・・・)
何故そんなことを感じたのかはモーリ自身にも分からなかった。
だがとにかく湖を目指して足を速めていた。
そしてようやくたどり着き、木立の影に隠れたモーリは思わず息を飲んだ―
月の光を受けて黄金色に輝く長い髪、白くて美しい肌・・・全裸の若い女性が
湖のほとりに横たわっていたのだ。
(これは・・・まるで女神のようだ―私の幻なんだろうか・・・)
女性の裸は見慣れているモーリだったが、これほどまでに圧倒的に美しい裸体は
初めてだった。
近づこうとして木々の間を潜り抜けると、辺りの静寂が破かれた。
「きゃあっ。誰なの?」
若い女性はがばっと起き上がり、そばに置いてあった衣服をつかんで自分の体を
隠した。恥ずかしさのあまり、顔はもちろんのこと、全身まで赤くなり、大きな
青い瞳は更に大きく見開かれていた。
213あぼーん:あぼーん
あぼーん
214名無しさん@ピンキー:03/07/21 18:37 ID:3bGIxlr9
二人はしばらく無言のままお互いを見つめ合った。
シーラは気絶するかと思った。いきなり自分の前に現れたこの男性―
夜の闇と同じように全身に黒をまとって、漆黒に輝く瞳でまっすぐに自分を
見つめている・・・
(何て美しい人なのかしら・・・)
シーラは思わず彼の美しさに見とれた。
そして自分はというと、ドレスでかろうじて隠しているとはいえ、全裸なのだった。
軽いめまいを覚えながらも、シーラはやっとのことで口を開いた。
「・・・あなたは・・・吸血鬼?」
「―ああ、そうだよ。・・・君は?」
それは落ち着いた魅力的な低音だった。限りなく優しい声だったが、その奥底にはどこか
笑いを秘めているようだった。
「狼人間よ・・・」
モーリは軽く笑いながら言った。
「かわいい狼人間さん。君はこんな夜更けに、しかも服を着ずにいったい何を
やっていたのかな?」
「それはっ、その・・・」
「もしかして、恋人と逢引の約束でもしてたのかい?」
シーラは思わずムキになって反論した。
「いいえっ、違うわ!恋人なんていないもの!」
「―そう、それはよかった。で、君には・・・湖のほとりで全裸になる趣味でも
あるの?」
「まさかっ・・・。違うわ。今夜のはたまたまよ。走り疲れたので、この湖で泳いで
体を冷やしていたのよ」
「そうか・・・。今夜たまたまこの湖に来たのが私でよかったよ」
215名無しさん@ピンキー:03/07/21 18:41 ID:3bGIxlr9
「それはっ、その・・・」
「もしかして、恋人と逢引の約束でもしてたのかい?」
シーラは思わずムキになって反論した。
「いいえっ、違うわ!恋人なんていないもの!」
「―そう、それはよかった。で、君には・・・湖のほとりで全裸になる趣味でも
あるの?」
「まさかっ・・・。違うわ。今夜のはたまたまよ。走り疲れたので、この湖で泳いで
体を冷やしていたのよ」
「そうか・・・。今夜たまたまこの湖に来たのが私でよかったよ」
その言葉にシーラは戸惑い、一瞬ポカンと口を開けてしまったが、すぐに自分の
あられもない格好に気づき、顔から火が出る思いだった。
「あのっ、ちょっと後ろを向いていてください。私、服を着たいんです」
モーリはふっと笑みをもらした。「分かったよ。おじょうさん」
お互い無言のまま、シーラが服を着る音だけが辺りに響いた。

216名無しさん@ピンキー:03/07/21 18:49 ID:3bGIxlr9
「さあ、もういいかな?」
「―ええ、どうぞ。」
モーリが振り返ると、シーラは白いドレスを着ていた。だがドレスは水に濡れたまま
乾ききっていなかったため、豊かな乳房はあらわになり、乳首が透けて見えた。太もも
さえもくっきり浮き出ており、その姿は全裸でいた時よりもかえって扇情的だった。
しかしシーラ自身はそのことに気づいていないようだ。
モーリはかろうじて冷静さを装った。
「さ、さっきの話の続きだけど、あなたこそここで一体何をしてらしたの?」
「私?私は―今夜はやたらと喉が渇いてね、若い乙女を探して散歩していたんだ」
シーラはハッとした。
(そうね・・・。この人、吸血鬼だったんだわ・・・)
「若い乙女・・・。血を吸うために?」
「もちろん。」
「それで、私の血を吸うつもり?」
217名無しさん@ピンキー:03/07/21 18:56 ID:3bGIxlr9
モーリはシーラに顔を近づけて、その魅力的な黒い瞳で見つめながら囁いた。
「君は嫌かい?」
モーリに見つめられて、シーラは胸が高鳴った。
「・・・血を吸われたらどうなるの?死ぬの?」
「いや。死にはしないよ。3回吸われたらその人も吸血鬼になる。だけど
これは人間の場合だからね、魔界人の場合はどうなるか分からない。まだ試した
ことがないからね」
「禁じられてるのね?」
「ああ。その通り。」
モーリはシーラの手を取ると、それに口づけた。
「一緒に罪を犯すのはどう?」
シーラは頬が紅潮するのを感じながら言った。
「・・・やっぱり痛いの?」
「最初、ほんの少しね。でもそれを我慢すれば後は甘美な快楽が味わえる」
シーラはほんの少し考えてからはっきりと答えた。
「―いいわ。私の血を吸って」
モーリは驚いた。「本気かい?」
「ええ。構わないわ」と言ってシーラは目を閉じた。
218名無しさん@ピンキー:03/07/21 19:02 ID:3bGIxlr9
モーリは驚いた。「本気かい?」
「ええ。構わないわ」と言ってシーラは目を閉じた。
ほんのたった数分前に出会ったばかりだというのに、シーラはこの長身でハンサムな
吸血鬼にすっかり心を奪われていた。彼にならどうされてもいいと、本気で思っていたのだ。
シーラを抱き寄せてその首筋に牙を立てようとするモーリ。
が、やめてその代わりに、かすかに震える彼女の唇に長く官能的なキスをした。
キスを交わした後、二人の視線が絡み合った。
「―何故・・・?」
「君にはまいったよ。」モーリは軽いため息をついた。
「血を吸うよりも、口づけしたくなったんだ。それに―」

219名無し@ピンキー:03/07/21 19:06 ID:bl68Yumg
邪魔してごめんなさい。
sageてくれるとありがたいです。
メル欄にsageをいれるだけなので。

それでは続きどじょー
220名無しさん@ピンキー:03/07/21 19:08 ID:3bGIxlr9
「それに?」
モーリはシーラの首筋にすっと長くて優美な指をあてた。
「その白くてあまりにも美しい首筋に傷を作ってしまうのはもったいないからね」
シーラがパッと赤くなったのを見てとると、モーリは優しく微笑んだ。
「だからその代わりに・・・」
今度は彼女の首筋にキスをした。
「あっ・・・」シーラは思わず声をあげた。
噛み付かれた訳でもないのに、ゾクゾクするような痺れを全身に感じた。
そして唇を離すと、モーリは静かに言った。
「さあ、もう家に帰りなさい」
「―でも・・・」
「私が送るよ。私のような悪い吸血鬼が君を狙っているかもしれないからね」
そう言ってシーラの手を取って、二人は暗い森の中を歩き出した。
221名無しさん@ピンキー:03/07/21 19:28 ID:3bGIxlr9
狼人間村までの道のりの間、二人はほとんど何も言わなかった。
ただつながれた手のひらからお互いのぬくもりを感じるだけで充分だった。
狼人間村の入り口まで来ると、「じゃあここでお別れだ」と言って、モーリはシーラの
手を離した。するとシーラは彼に抱きついてキスをした。
「お別れだなんて言わないで。・・・明日もまた会える?」
モーリは少し驚いたが、ニッコリと笑った。
「ああ。明日も同じ所で同じ時に待ってるよ。」
「必ずよ・・・」シーラは名残惜しそうに彼を見つめた。
sage
222名無しさん@ピンキー:03/07/21 19:30 ID:3bGIxlr9
狼人間村までの道のりの間、二人はほとんど何も言わなかった。
ただつながれた手のひらからお互いのぬくもりを感じるだけで充分だった。
狼人間村の入り口まで来ると、「じゃあここでお別れだ」と言って、モーリはシーラの
手を離した。するとシーラは彼に抱きついてキスをした。
「お別れだなんて言わないで。・・・明日もまた会える?」
モーリは少し驚いたが、ニッコリと笑った。
「ああ。明日も同じ所で同じ時に待ってるよ。」
「必ずよ・・・」シーラは名残惜しそうに彼を見つめた。
「約束するよ。あ、それから君も約束してくれる?明日はちゃんと服を着ていて
もらわないと困るな。私も男だからね。自分の理性に自信が持てなくなってしまう」
「・・・ええ、分かったわ。」恥ずかしそうにうつむくシーラ。
そしてもう一度キスを交わした後、シーラは村の中へと入っていった。
モーリは彼女の姿が見えなくなるまでずっと見送っていた。
sage
223あぼーん:あぼーん
あぼーん
224名無しさん@ピンキー:03/07/21 19:35 ID:JSiLtGj9
名前: E-mail (省略可) :sage
こうするんですよ。
そこは本文欄。

ageると広告がウザイので。
225名無しさん@ピンキー:03/07/21 19:38 ID:3bGIxlr9
翌朝シーラは鏡台の前に座って夢見心地のまま、ブロンドに輝く美しい髪を
梳かしていた。ふと見ると、その白い首筋にうっすらと赤いあざが浮かんでいた。
(あっ、昨日のキスの跡・・・)
シーラは昨夜起こった夢のような出来事を思い出して赤面した。
(私ったらあの人に裸を見られてしまったのね・・・)
頭の中は昨日初めて出会った吸血鬼のことで一杯だった。
彼の美しく整った顔を思い浮かべた。漆黒に輝く瞳、さらさらした髪、優しい
笑顔、私を抱きしめた力強い腕、熱い口づけ・・・。
(それに、とっても危険な香りがしたわ・・・)
シーラはふと、彼の名前を聞き忘れたことに気づいた。
(でも、向こうも私の名前を知らないわね。―今夜も本当に来てくれるかしら。
ああ、夜が待ち遠しい)
間違いなく、昨日の吸血鬼に一目ぼれしてしまったのだ。
sage
226名無しさん@ピンキー:03/07/21 19:48 ID:3bGIxlr9
その日の夕方、モーリは棺おけの中からむくっと起き出した。
彼の頭の中も、昨夜湖のほとりで出会った名も知らない美しい娘のことで一杯だたt。
月明かりを受けて白く輝く美しい裸体、黄金色に波打つ長い髪、湖の色のように青く
輝く澄んだ大きな青い瞳・・・。
私に血を吸われてもいいと言い放った、毅然とした表情、キスをした後の赤く染まった頬・・・。
「まいったな・・・」モーリはふと呟いた。
「獲物を求めて出かけたのに、逆にとりこになってしまうなんて・・・」
そんなことを思っていると、ドアにノックの音がして、祖父のトーマスが現れた。
「おい、モーリ。今から一緒に人間界に行かないか?今夜は扉を使っていい日だぞ」
「おじい様。いえ、今夜は私は他に行く所があるんです」
「何?おまえ、昨日はあれほど喉が渇いたと言っていたではないか。一体どうしたんだ?」
「実は・・・昨日美しい娘に出会って、今夜も彼女と会うんです」
227名無しさん@ピンキー:03/07/21 19:54 ID:3bGIxlr9
「なるほど・・・。獲物を見つけたって訳か。んっ、ちょっと待てモーリ。
その娘は魔界人か?」
「ええ、そうです」
「バカッ。魔界人の娘の血を吸ったのか?大問題になるぞ!」
「いえ、血は吸いませんでした。―ただ、キスをしただけです」
「・・・モーリ。分かったぞ。お前、その娘に惚れてしまったんだな?」
「どうやら―そのようです。私としたことが、たった一目で恋に落ちてしまった・・・」
「ふーん・・・。ま、頑張りたまえ。じゃ私は人間界の乙女でも物色しに行ってくるとするか」
トーマスは孫の恋の悩みなどお構いなしに、ルンルンと部屋を出て行った。
228名無しさん@ピンキー:03/07/21 20:03 ID:3bGIxlr9
モーリの祖父のトーマスは非常なプレイボーイで、よく孫と連れ立って人間界へと
若い女性の血を求めて旅に出た。こういった性質は息子のアーサーよりも孫の
モーリに色濃く遺伝しているらしく、モーリも300歳近く生きてきたが
結婚して家庭を持つことなく、フラフラと独身貴族を楽しんでいた。
(もしかしたら人間界の各地に、彼の知らない子供たちが生まれているかもしれない)
だが、吸血鬼村の村長をしている堅実な父からは、早く結婚して落ち着くようにと
毎日のように説教されていた。
「もし狼人間村の女性と一緒になりたいなんて言ったら、どうなるかな?」
モーリはふと、そんなことを考えたことに自分でも驚いた。
「結婚?まさかこの私が・・・?」
229名無しさん@ピンキー:03/07/21 20:29 ID:3bGIxlr9
すみません、今日はここまでです。
書き込みルールを全然知らなくてごめんなさい。
ずっと望里と椎羅の話を書きたいなーと思ってたので、実現できて嬉しいです。
プレイボーイ気味のモーリだけど、多分シーラと結婚する前はこうだったんじゃ
ないかなーと思って書きました。どうでしょうか???
230名無しさん@ピンキー:03/07/21 20:44 ID:qzJjrruP
グッジョブ!(´∇`)b
sageもわかったようだし、何よりプレイボーイなモーリに萌え〜!
トーマスの勝手そうなカンジがすごく原作っぽい!
続き期待!
231あぼーん:あぼーん
あぼーん
232名無しさん@ピンキー:03/07/21 21:22 ID:VgDL/p/u
>229様
カキコの時間から見て、もしや直打ちしてらっしゃる…?Σ(゚∀゚;)
長い文章は別のソフト(Wordなど)で全文作っちゃってから
30行ぐらいずつ分けてコピペすると、連続で書き込みやすくていいですよ。
じゃないといつ感想を書き込んでいいやら迷いまする〜。(´д`;)
あと名前欄か各レス冒頭に話の通し番or「○○(レスナンバー)の続き」など
いれていただけると読みやすいです…。
ほかの作家さんのやり方を見てみてくださいね。
いい話なのに読みづらいともったいない…。

ティクビ透けちゃうヌレヌレ姿が萌えですたヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
233名無しさん@ピンキー:03/07/21 22:54 ID:Vo8UcS8Z
あの話の続き読みたいって思ってた−!嬉し−!
慣れていらっしゃらない様ですが、頑張って下さい。
期待してます!

‥南の島の続き誰か書いてくれないかな
234名無しさん@ピンキー:03/07/22 00:48 ID:tghPh11A
>233
>‥南の島の続き誰か書いてくれないかな
言い出した人が書く事になってます。233さん、よろしく。
235あぼーん:あぼーん
あぼーん
236Sleeping1:03/07/22 21:20 ID:1rgou0y6
棘の森に守られて眠る、彼女の名前は
Sleeping Beauty。
彼女を救い出せるのは、王子様のキスだけ。

そんな物語を思い出す。
俊の前で昏々と眠りつづける蘭世。

何度口付けただろう。
何度呼びかけただろう。
ぴくりとも反応を示さず、ただ、横たわる。

ぬくもりだけはその手の中にあるけれど。


「ふふふ・・・」
「・・んだよ?」
いつまでもにやけている蘭世にちょっと呆れたように声をかける。
「嬉しいの。」
手を前に合わせるようにして、小首をかしげながら蘭世は俊を下から覗き込む。
「何が?」
そっけなく答える俊に、しょげることなく蘭世は続けた。
「こんな風に、二人で、出かけられることが。」
二人にはいろいろなことが多く起こりすぎた、ようやく魔界のいざこざが収まり、アロンが王位を継いだ。
そして俊と蘭世は未来へ向けて二人歩き出したところであった。
あの水辺での約束の口付け。
過去の人々に祝福され、現在の人々に見守られながら始めた落ち着いた日々。
そんなありふれた日常が二人にとってのささやかで、貴重な時間だった。
「・・・・そうだな・・」
分かりすぎるほど分かるその想いだが、あまりにまっすぐな気持ちをぶつけられると元来の性格が表に
出てくる俊は、どうしても無愛想になる。
勢い、言葉も少なくなりがちだ。それでもその想いは互いにそこに通じ合う何かを形作る。
そっと手が触れる、慌てて引っ込めようとする蘭世。
237Sleeping2:03/07/22 21:21 ID:1rgou0y6
「別に・・・いいぜ。」
そっぽを向きながら俊は言う。嬉しそうにその指に自分のを絡ませる。
何気ない、二人の久しぶりのデートの一コマでしかなかったはず。
そんな帰り道
「ねぇ、今日のお店の料理おいしかったね。」
「そうだなぁ・・・」
「今度お弁当に入れてもいい?」
「作れんのか?」
「失礼ねぇ、出来るわよ・・・・たぶん。」
「期待しねぇで待ってるよ。」
「ん、もう!」
ちょっとだけふくれた振りをする蘭世。そんな蘭世を木陰に隠し、樹にもたれさせるとその唇をひょいと奪う。
日に日に長くなっていく、触れ合っている時間。
そこから流れ込んでくる想い、気持ち、すべて。
そっと腕を俊の背中に回す。
ちょっとだけ、いつもより進んだキスをしてみる。唇を開き、舌先で蘭世の唇をつつく。その感覚にほおをさらに赤くしながら
小さく隙間を開けてくる。その隙間に舌先を忍び込ませ同じく小さく開いた歯列の隙間から蘭世の舌を絡め取る。
「ん・・・ん――・・」
熱い吐息―どちらのか分からないけど―が互いの距離を縮める。
蘭世の腰を抱き寄せ、少しでも近くに、身体を寄せる。そして、離れる。
「帰るか。」
「うん・・・」
まだ、火照った頬を両手で包み込み、俊を見つめる。
「どうした?」
「・・・・え・・・・///もう、知らない!」
・・・恥ずかしいんだってば・・・・・
キスするたびに自分の身体の奥に感じる何か。
もっと触れて欲しい、抱きしめて欲しい。そう思う自分がとてもいやらしく罪悪感に捕らわれてしまう。そんな自分が時々嫌いになる。
238Sleeping3:03/07/22 21:21 ID:1rgou0y6
「ほら。」
蘭世に手を伸ばしてくれる俊、その手に触れるととても安心する。
その手に守られている幸せ。
夕日が二人の影を長く伸ばす、道すがらその影が寄り添って角を曲がる。
「じゃ、また明日学校で。」
「ああ。」
繋いでいた手を離す瞬間、寂しさがよぎるのは私だけ?
そんな問いかけをしたくなるほどあっけなく手を解く俊に蘭世は軽く手を振った。片手を挙げてそれに答えると俊はアパートの方角へ
歩いていく。
・・・また明日まで会えない・・・
毎日学校で会えるのに、それでもずっと一緒にいたいと思う女心。でも笑顔で見送らないと彼が困ることを知っている。
「ただいまー!お母さん。」
ドアを開け帰宅する蘭世を家族が出迎えた。

数日後、いつものように俊はトレーニングのため早朝練習に行っている。大概蘭世が簡単な食事を持って登校してくるのが常だ。
その日に限って彼女は俊の所へは来なかった。
・・・調子でも悪いんだろうか?・・・
少なくとも昨日はそんなことはなかった、いつもどおり遅くにはなったが一緒に帰った。そのときも具合の悪そうな様子はなかった。
教室に行く道すがら彼女の姿を探す。ふと見つけた人影に聞いてみる。
「小塚、江藤は?」
「うん、今朝は一緒じゃなかったわ。そっちに行ったと思って先にきたんだけど・・・来てないの?」
「ああ、じゃいい。」
俊は蘭世の思念を探す。
・・・江藤・・・・
席につき、さらに遠くまで探すが見当たらないのだ。
・・おかしいな・・?・・・
蘭世の自宅まで意識を飛ばす。脳裏に見えてくる彼女の部屋、横たわる彼女、心配そうに見つめている彼女の家族。
・・・・なにか・・あったな・・・
俊はすくっと立ち上がる。
「真壁!もう先生来るぞ。」
「わりぃ、今日サボり。」
とっとと荷物をまとめると学校を後にした。
239Sleeping4:03/07/22 21:22 ID:1rgou0y6
「おじさん。」
「ああ、真壁くん。どうしたね?」
「江藤、どうしたんです?」
「あ・・・実は・・」
話をまとめると昨夜は別にどうということもなかったらしいが今朝になっていつになっても起きてこないから部屋に行ってみると
彼女がまだ眠っていたので起こしてみたもののまったく起きる気配がない。
メヴィウスのところへは今使いを出したらしい。
「鈴世は?」
「今日は学校に行かせているよ。心配していたんだがね。」
「彼女に会ってもいいですか?」
「どうぞ。」
ベッドに横たわる彼女は、いつもと変わらなかった。ただ、そのくるくると変わる表情を見せる瞳だけが閉じられたまま。
椎羅が疲れた表情で部屋にいただけ。
「ずっとこうなの。朝から・・・」
「そうですか・・・」
俊がベッドサイドの椅子に腰掛ける、そっと椎羅は部屋を出て行った。
「江藤・・・・」
何があったんだ?
どうしたんだ?
ただ、そこに昏々と眠りつづける彼女。俊は蘭世の手を握る。その手からはぬくもりが確かに感じられた。
人がいないことを確認して、緩やかにその唇に口付けた。
じんわりと繋いだ部分に熱が帯びる。
確かに彼女はここにいるのに。
離した唇は薄くピンク色に染まる。
でも、その瞳は開かない。

240Sleeping5:03/07/22 21:22 ID:1rgou0y6
トントンとノックの音がした。慌てて俊は体を離した。
「真壁くん、コーヒーでいいかい?」
「有難うございます。」
ストレートのコーヒーを望里とともに飲み干す。
「なぁに、大丈夫さ。蘭世のことだ、すぐに目を覚ますさ。」
「そう・・・ですね。」
夕方まで蘭世を見舞うと俊は練習にジムへと向った。
しかし、翌日もその翌日も蘭世は眼を覚ます様子はなかった。俊は毎日練習が終ると蘭世の所へ通うという日々が続いた。
望里がある日とうとう言い出した。
「真壁くん、もしだったらしばらく我が家にいるかい?」
「え・・いや・・それは・・」
「魔界からの連絡も取りやすい。メヴィウスも今覚醒の薬を作ってくれている。」
「・・しかし・・・」
「心配は、みんな一緒だよ。幸いにも部屋はあるから。」
「はぁ・・・」
俊は躊躇いながらも最終的にはそれを受け入れた。蘭世の部屋に程近い客間を示される。
「江藤・・・・・」
・・・俺は・・・何も出来ないんだろうか・・・・
わけもなく、ただ眠りつづける彼女、さすがに少し面やつれしたように感じられ始める。俊は夜半にそっと部屋を
抜け出し、蘭世の部屋のドアを開ける。
「・・・ま・・・かべ・・・く・・ん・・・・」
「江藤!!」
目を覚ましたのか!!
いそいで駆け寄って見るがそうではなかった。ただ、その表情はうっとりとなにか嬉しそう。
・・・俺の・・夢か・・・・
しばらく見つめ、部屋を後にする。
241Sleeping6:03/07/22 21:23 ID:1rgou0y6
何日か後、メヴィウスが薬を届けてくれたので何とか飲ませてみるも覚醒にはいたらなかった。
ただ、眠り続ける蘭世、その表情はあくまでも幸せそうである。
みな、心配そうに蘭世を見守るしかなかった。

夜毎俊は蘭世の部屋にこっそりと忍び込む。何をするわけでもなくただ、彼女の命を確かめるために。
魔界人だから死ぬということはないだろうが、それでも永遠の眠りということにならないとも限らない。
俊一人置いて先に眠りについてしまわないだろうかと、不安に駆られるから。
その夜も夜半すぎ、みなが不安の中寝静まったあと俊は蘭世の部屋を訪れる。
まるで儀式のようにその手を握り締め、唇を合わせる。
温かいことに胸をなでおろす。そのとき、
「・・あ・・・・・」
俊は蘭世のその声に心臓を鷲掴みにされる。いつもより艶めいた聞いたことのないような声。
「・・・ぁぁああ・・・ま・・かべ・・くぅ・・ん・・・」
初めて聞くその声に俊は動揺した。そして自身の身体にストレートに響いてくるそれ。
・・・どんな夢・・・見てんだよ・・・お前・・・・
その夢の中をこじ開けて見たい衝動に駆られながら、俊はその少しだけ開かれた唇に再度自分の唇を押し当てた。
「ん・・・・」
「!!!」
そのキスに蘭世が応えてくる。あわてて唇を離すが蘭世が目覚めた様子はなかった。
・・いったい・・・
俊はそのまま蘭世を見つめた。
闇夜に彼女の唇だけが光を持っているように思えた。

その日を境にして、蘭世の身体が見る間に衰弱の一途をたどり始めた。

「蘭世・・・」
椎羅は毎日泣きながら蘭世を見つめる。そんな妻を慰めながら望里もまただいぶ消耗しているのが分かる。
「お姉ちゃん・・・・起きてよ・・・」
鈴世は涙目になりながら蘭世を揺らすときもある。
俊は昼間はかろうじて学校に行き、身が入らないまでも練習を欠かさないようにしていた。そうして夜は蘭世のもとへ帰り、夜中に
そっと見つめる。
「あ・・・やぁぁぁぁ・・・・」
242新婚作者:03/07/22 21:23 ID:1rgou0y6
今はここまでです。

最近書きたくて仕方がない新婚の駄文です。

苦手な方はスルーしてくださいませ。
243名無しさん@ピンキー:03/07/22 22:05 ID:tkEkd5oG
う〜ん、続きが気になるぅ〜〜〜!

新婚作者さま、続き、首をなが〜く伸ばしてお待ちしておりまつ。
244椎羅さんモエー!続き作者:03/07/22 22:06 ID:0b6RdWC7
続きを少し書いてきました。
今までの所、読みづらいようでスミマセーン。
アドバイスありがとうございます。参考にします。
245椎羅さんモエー!続き16:03/07/22 22:10 ID:0b6RdWC7
―その日の深夜―
シーラは約束の場所へと急いでいた。
深夜過ぎに家の者が皆眠ったのを見計らってこっそり抜け出すのは
なかなか難しく、思ったより時間がかかってしまったのだ。
シーラは一番お気に入りの淡い青色のドレスを着ていた。
この色が彼女のブロンドの髪と青い瞳をよく引き立てるからだ。
袖は可憐なパフスリーブになっていて、胸元は広めに開いている。
あらわになった首元には、黒いベルベットのリボンを結んでアクセントをつけていた。
ふんわりと広がるスカートを翻して、シーラは懸命に走った。
(ああ、このままじゃ約束の時間に遅れちゃう。やっぱり狼になった方が早く着くわね)
はじめからそうすればよかったのだが、モーリに狼になった姿を見られるのは
何となくためらわれたのだ・・・。だが、もうそんなことも言っていられない。
愛しい人が私を待ちくたびれて帰ってしまったら・・・そうしたらもう二度と会えない
かもしれない・・・。
シーラは狼へと変身して湖へと急いだ。
ちょうどその頃、コウモリ姿のモーリもあの湖へと急いでいた。
その日はエトゥール家の親族が集まって、宴が開かれることになっていた日だった。
(もちろん祖父のトーマスだけはそんなことはお構いなしに、今頃は勝手気ままに
人間界で楽しくやっていることだろう・・・)
ちょっと顔を出せばいいだろうぐらいにしか思っていなかったのだが、
父につかまり説教され、なかなか抜け出せなかった。
(隙を窺ってようやく抜け出せたものの、約束の時間より遅れてしまったようだ。
まだ待っていてくれればいいが・・・)
こう思いながら空を飛んでいると、下の方で狼が一匹、猛烈な勢いで駆けているのに気がついた。
(狼か・・・。なんだか随分急いでいるようだな)
何気なくこう思ったモーリだったが、次の瞬間ハッとした。
(ん?狼?もしかしてあれは・・・?)
そう、彼女は狼人間だと言っていた。だからあれは、ひょっとすると
彼女かも知れない。しかし、可憐な彼女が狼になった姿など想像できなかった。
モーリは多少、複雑な思いを抱きつつ、とりあえず先を急いだ。
246椎羅さんモエー!続き17:03/07/22 22:29 ID:0b6RdWC7
湖へたどり着き、モーリはコウモリから元の姿へ戻った。
辺りを見回したが、彼女の姿は見えない。
(帰ってしまったのかな・・・)
そう思っていると、淡い青色のドレスに身を包んだシーラが息を切って駆け込んできた。
「はあっ、はあっ・・・。ごめんなさい。私、遅れてしまって・・・」
「いや、私も今来た所だよ。家を抜け出すのにちょっと手間どってしまって・・・」
「私もよ。ああ、よかった。もしかしたらあなたあきれて帰ってしまったんじゃないかって思ったわ・・・」
「―君、今・・・」
「え?」
「―いや、何でもない」
狼の姿で全力疾走していたのは君かい?と聞きそうになったがやめた―。
狼人間だからって何だというんだ。今はこんなにも美しく愛らしい女性じゃないか。
モーリはさっき見かけた狼の必死に走る姿を思い出すと、彼女をいっそう愛しく思われた。
「ところで、自己紹介もまだだったね。私の名はモーリ・エトゥールという。君の名前は?」
「シーラ・・・。シーラ・クレリーよ」
「シーラ・・・。素敵な名前だね」
「さあ、ここに座ろう」
モーリはシーラの手を取って、湖のふちに並んで腰掛けた。
シーラは湖にその白くてきゃしゃな手を浸し、冷たい水をほてった首筋に少しかけた。
モーリはその様子を黙ってじっと見つめていたが、ふと笑った。
「ねえシーラ。君は今夜も走りつかれたみたいだから、また裸になって泳いでもいいんだよ」
「あなたが見張ってくれるならそうしてもいいわ、モーリ」
二人は声を出して笑いあった。
247椎羅さんモエー!続き18:03/07/22 22:40 ID:0b6RdWC7
モーリはシーラの細いウエストに手を回した。
「とても素敵なドレスだね。よく似合っているよ」
「・・・嬉しいわ。モーリ、あなたの黒いマントもよく似合ってるわ」
「そりゃ、吸血鬼だからね」モーリは微笑んだ。
シーラはふと真面目な顔になった。
「ねえ。吸血鬼ってやっぱり・・・。若い女性の血を吸って生きてるのでしょ?」
「ああ、そうだよ。もちろん毎日じゃないけどね」
「じゃあ、今まで何人の女性の血を吸ったの?」
「さあ、数えたことないよ。大勢いすぎて・・・。何しろ私は300年近く
生きてきたからね」
「―やっぱり、血を吸うだけじゃないのよね?」
「え?」
シーラの目は何かを問いただしている様だった。
吸血鬼が女性の扱いがうまいということはシーラも話に聞いていた。
(こんなにハンサムなんだもの。誰だってその気になるわ・・・。でも・・・。
ああ、いやだ。私ったら知りもしない女の人達にやきもち焼いているんだわ)
シーラの少し不機嫌そうな表情を見て、モーリは愛しさのあまり思わず彼女にキスをした。
「君は素直だね、シーラ」
そう言ってモーリはシーラの首に結んであった黒いリボンに手を伸ばし、巧みにするりとほどいた。
「あっ・・・」
「今夜の記念にこれを私にくれないか?」
「―ええ、あげるわ。モーリ・・・」
モーリはそのリボンをポケットにしまうと、あらわになったシーラの首元にキスの雨を降らした。
そしてそのまま彼女をゆっくりと押し倒すと、とろけるような情熱的なキスをしながら、片手で胸元を愛撫し出した。
「あっ、モーリ・・・」
「・・・シーラは、私が怖い?」
「いいえ。モーリ、ただ―少し不安なだけ・・・」
「大丈夫だよ。私に君の体をまかせてくれればいいんだ」
248椎羅さんモエー!続き作者:03/07/22 22:43 ID:0b6RdWC7
今日はここまでです。
つたない文ですが、感想とか待ってます。
249Sleeping7:03/07/23 00:41 ID:N1G9KuL5
>>241

蘭世のか細い叫びが俊を呼んでいるような気がする。俊は思いきって繋いだ手から自分の意識を蘭世の中に潜り込ませる決心をした。
少しづつ、少しづつ俊の意識が蘭世に同調していく。そうしてようやくたどり着く蘭世の心の奥。
そこはあちこちに明るい笑い声が絶えない。それも見覚えのあるものばかり。
二人で出かけた遊園地。
俊が終わるのを待って帰る帰り道の道草。
アパートでの日常。
すべてが二人で積み重ねてきた歴史。
・・・どうしたっていうんだ・・・こいつ・・・
その断片が映画のように流れては消えていく。すべての源が先にあるように思えた俊はさらに奥へと進んでいく。
フィルムが巻き戻るようにある一点に向かって動いている。
その先にはたして、蘭世はいた。
素肌で座り込んでいた。横には抱きかかえるように俊自身がいた。
「真壁くん・・・・」
「江藤・・」
「わた・・・私・・・」
「落ち着けよ。なんだ?」
「あの・・ね・・・もっと・・・真壁くんの近くに行きたい・・の・・」
「ああ。」
そういうと蘭世のそばにいる俊は強く蘭世を抱きしめる。
「私だけ・・じゃないのね?本当に?」
「そうだ・・・」
蘭世が抱き返すとその腕の中で俊が霧になって消えていく。
「ああ!!!」
蘭世の瞳から涙がこぼれてくる。
「私・・・・私・・・真壁くん・・に・・・もっと・・いろんなことして欲しいなんて・・」
自分を恥じて、責めている蘭世。
「私・・変だ・・キスだけじゃ、いやなの・・・」
250Sleeping8:03/07/23 00:42 ID:N1G9KuL5
両手で自分自身を抱きしめながら蘭世は首を左右に振る。
「あの、腕の中でもっと強く抱きしめられたい。そして、もっと・・・」
望むのは、俊との時間。誰にも邪魔されないつながりが欲しい。
「こんな、私なんか真壁くん、きっと嫌いになるわ・・・私・・・汚い・・」
キスされるたび身体が熱く燃え立つ。もっとと望む。一緒に眠りたいと。
「そんなこと・・考える私なんて・・・・」
苛む心が目覚めない眠りを作ったのだろう。俊はそんな蘭世を哀しく見つめた。
・・・・そんな風に思っていたなんて・・・
俊は思い切って歩き出す。蘭世に向かって。
「江藤。」
「真壁くん!!!」
「そうだ、俺だ。」
「え・・あ・・・」
戸惑う蘭世に俊は近づいていく。
「あ・・・真壁くん・・・」
立ち上がり走って逃げようとする。
「行くな!!」
振り返りながら頬を赤らめ、眼をそらす蘭世。俊はそんな蘭世がいじらしかった。
「・・・お前だけじゃ、ねぇから。」
「え?」
「俺だってそうだ。」
「真壁くん・・・」
「俺だって、どれだけお前のことを頭の中で抱いたかわからねぇ。」
「でも・・だって・・・・」
「おまえが自分の事を汚いなんていうなら、俺なんておまえに触れる資格なんかなくなるよ・・・」
自嘲気味に、吐き捨てるよう俊は言う。ふるふると顔を横に振り蘭世は俊を見つめる。その瞳には涙が浮かぶ。
「そんなこと・・・・そんなこと・・・・」
「俺の頭の中のおまえなんか、きっとおまえが考えている以上だ。」
そう、確かに俊だって男だ。そういう衝動に駆られるとき思い出すのはいつも蘭世だった。
海で見た水着姿の彼女を素肌に想像してみたり、悪友に無理やり渡された写真集のヌードの顔を彼女にすげ替えたり。
罪悪感にかられながらそんなことで気を紛らせる。
251Sleeping9:03/07/23 00:42 ID:N1G9KuL5
自身が最も嫌いながら、振り払えなかった妄想。
そっと抱き寄せながら俊は腕の中に蘭世を抱き寄せる。
いつもなら照れていえないせりふでも、今なら言える。真っ赤になって抱かれるがままにいる蘭世がそっと手を背中に伸ばしては躊躇う。
・・・消えてしまわない?・・・
俊は蘭世の両手を自分の背中に回させると、耳元にキスをした。
「俺は、ここにいる。」
そうして続ける。
「だから、これから、一緒にいよう。」
蘭世の両目から涙が溢れ出す。そのままあたりがかすみのように消えていく。蘭世自身も消えていく。
そうして残った俊の腕の中に幼子のように眠りつづける蘭世の心。
それに宝物のように俊はキスをした。
ふわりと揺れ動くその姿が見る間にいつもの蘭世に戻っていく。
俊は安心したようにその世界から自分へ戻していく。

ふっと意識を戻したとき俊は傍らに起き上がる蘭世を感じた。
「真壁くん。」
「よぉ、起きたな?」
「私・・・・」
「ずいぶん長い夜だったな。」
「私・・・・私・・・」
「とりあえず、親父さんたち呼んで来るよ。まってな。」
「待って・・・私・・・」
蘭世の瞳が、俊を射抜く。俊はその視線に真っ向から見つめ返す。
「・・・・・いいのか?」
252Sleeping10:03/07/23 00:43 ID:N1G9KuL5
二人にはただその一言だけで十分だった。俊は蘭世のそのネグリジェに手をかける。蘭世は眼を閉じた。
何度となく思い描いた夜が今現実に始まる。
三日月が細い光を蘭世にあてる。そのスポットライトに浮かび上がる白い裸身は細かった体がさらに儚さを増したよう。
俊はその肌にやさしく触れる。
「・・ぁ・・・・」
小さく洩れる蘭世の声が俊を後押しする。
「江藤・・・・・」
もはや言葉に出来ない。壊したくない最愛の宝物。
「ま・・・かべ・・くん・・・大好き・・・」
月光に煌く蘭世の涙。その涙を舌で掬い取るとそのまま唇を合わせる。
何度も、何度でも、深く甘い口付けを。舌を絡ませるとその動きに合わせて蘭世の肢体が色めく。
想像でしかなかった互いの本当の姿を晒し、二人そのままベッドに倒れこむ。
「江藤・・・・江藤・・・・」
名前を呼ぶ以外言葉が出ない。
・・・・真壁くん・・・
愛しい、いとおしい、すべてが自分のためにあることが互いの幸せ。
蘭世の手が俊の素肌を滑る、その手を捕まえると手のひらにキスをしてそっと蘭世を見つめる。くすぐったそうなそれでいて
嬉しそうな瞳が俊を捕えて離さない。
何度も、数え切れないキスを繰り返す。誓いのように、約束のごとく。
「・・いいか?」
俊の手が蘭世の太ももで止まる。蘭世は頷いたのを見て俊はその指先を隙間に滑り込ませる。
「・・ああ・・・・」
・・・恥ずかしい・・・そこ・・・変に・・・なってる・・・
そこは自分でもわかるほど潤んでいる。その自分自身の身体の変化が恥ずかしいのだ。俊はそんな蘭世を見越してその中心部に
唇を寄せていく。
「だめ・・・・・そんな・・・」
抗うも俊の力にはかなわない、されるがまま唇の熱さをそこに感じ取る。
「・・ぁああ!!」
一気に熱が上がる。蘭世の両手が俊の髪の毛をまさぐる。
「だめぇ・・・・やぁ・・・」
感じているのか、恥ずかしいのか分からない。ただ、そこから感じられる互いの熱さだけが真実。
253Sleeping11:03/07/23 00:43 ID:N1G9KuL5
俊の舌が蘭世のそこを撫でるように蠢くと蘭世の身体から力が抜け快感が突き上げてくる。
声を殺し、恥ずかしさを耐えている姿。
「声聞かせろよ・・・聞きたいんだ・・・」
俊の熱い囁きが理性を押し流す。
「・・ふ・・んん・・・ま・・かべ・・くぅ・・・ん・・・」
甘く切ない喘ぎ声が洩れる蘭世の唇。俊もまたリミットを超える。その濡れそぼった秘部に自身のいきり立ったそれを据える。
「行くぞ・・」
「・・うん・・・んん」
・・・やっと・・・私・・・
俊の先端が蘭世のきつい入口に入り込む。
「ん―――!!!んんっ・・つ・・あ・・・」
黙ったまま、俊は少しづつ胎内に進んでいく。きつく締め付けるそこに少し気を抜くと解放してしまいそうなほど。
擦れる感触が想像していた以上の快感を俊に与え、痛みが蘭世を襲う。
「・・やめ・・るか・・・?」
蘭世の苦痛に歪む顔に俊は狼狽しながらも、それをおくびにも出さずに聞く。蘭世は煌く宝石をこぼしながら首を横に振った。
そして俊に抱きついた。
「・・抱きしめて・・・もっと・・・・強く・・・」
俊はそんな蘭世がたまらなく、折れよとばかりに抱きしめた。
こんな風に抱きしめられたのは初めてだった。
・・・うれしい・・・真壁くん・・・・私・・私・・・
「お・・前・・だけじゃ、ねぇって言ったろ?江藤・・」
俊もまた。同じ気持ちだった。欲しくて欲しくてたまらなかった。いつでも飢えて、いたことに今改めて気がつく。
ようやくすべてを蘭世の胎内におさめると俊は蘭世をもう一度抱きしめる。
254Sleeping12:03/07/23 00:44 ID:N1G9KuL5
これ以上無いほど近くにたどり着く二人。
「真壁くん・・私・・・嬉しい・・・」
「・・・」
俺もと返さない。ただ、そのきつく抱きしめた態度だけで伝える。それだけで分かりあえる。
雲が二人を闇に包むかのように三日月を隠す。その隙間で二人飽きることなくキスをした。
これからの二人のために。

棘に守られた城で眠る彼女を
救い出すために王子は困難な道を
切り開き、ようやく彼女の元へたどり着いた。
そして心をこめてキスをする。

ゆっくりと眼を開けた彼女の笑顔は
王子が一番見たかったもの。

そして二人は手に手を取って城を出る。
そこには棘は見当たらなく

ただ、二人を祝福するかのように花びらが舞っている。
その中を未来に向けて歩いていく。

その先は二人で作る物語・・・・・・。


END
255新婚作者:03/07/23 00:45 ID:N1G9KuL5
終了です。

やはり蘭世ちゃんも抱かれたいなどと思うのかな。というところから
書き始めたんですが、う〜〜ん、うまく表現できなかったかなぁ・・・。


椎羅さんモエーさん、横入りすみませんでした。

ではでは。
256名無しさん@ピンキー:03/07/23 10:10 ID:zmM5WmtR
ひゃあぁああぁぁーーー。
sleeping1番乗り!新婚さま、やっぱりステキ。゚+.(・∀・)゚+.゚イイ!!
病み上がりに、満たされました。ありがとうございます。

めちゃくちゃ亀で申し訳ないけど、
350タソの王子の一人えちーもやっと読みました!
蘭世chanと比較するくだりはなんともステキでした。゚+.(・∀・)゚+.゚イイ!!

あぶあぶ
257名無しさん@ピンキー:03/07/23 11:09 ID:LZm2TuxZ
官能…なのに感動…なのに感応…(ry
マジなきますた。
蘭世ちゃんのいじらしいこと…!
新婚作者さまーあなたってなんて奥深い!
258みう:03/07/23 11:56 ID:3oI+U4Iu
なんども遠回りして、やっとここに投稿します。
あってますか?
259名無しさん@ピンキー:03/07/23 12:03 ID:ZKPOOvlo
>258 とりあえずsageてね。広告うざいから。
メール欄に半角英数でsageと書いてカキコしてね・・・夏だなぁ
260名無しさん@ピンキー:03/07/23 12:19 ID:F20GPpqH
夏厨の季節です。
まぁマターリいきませう
261名無しさん@ピンキー:03/07/23 12:31 ID:vcWNvxkT
>>258
避難所への投稿乙でした。
ここのルールは>>3に書いてあるので、良く読んでください
262蘭世 大人の世界を知る1:03/07/23 12:42 ID:3oI+U4Iu
蘭世は今日はクラスの友達とお泊まり会。俊がバイトとジムで会えない日が多くなり、友達と過ごす日が多くなっていた。
寂しくもあったが、女友達と過ごす時間もそれなりに楽しい。
クラスの友達は蘭世より年齢は2つほど下だったが、だれもそれに気がつかないほどだった。というより、年下の同級生から「蘭世はコドモだから」といわれるしまつ。
それでも蘭世は言い返すことが出来ない。とくに参加者の1人由美ちゃんなんて、たわわな胸に手をあてて、彼との恋愛談をみんなに披露していた。
由美ちゃんの話は段々とディープになってゆく。
蘭世の顔はどんどん「???」となっていっていたのに気がついたのは友ちゃん。
「蘭世、大丈夫?ついてきてる?」ちょっとあきれ顔。
「蘭世、真壁君っていうステキなカレがいるのに・・・ま・さかそういう関係じゃないってこと?」これは由美ちゃんの言葉。
「え・・・・そういう関係って・・・?」
「だから・・・大人の関係よっ!蘭世まさかとおもうけど・・・エッチするってわかるよね?」さすがの由美ちゃんもかなり言いにくそう。
「・・・・えっ・・・っと・・・裸で抱き合うんでしょ・・・?」
263蘭世 大人の世界を知る2:03/07/23 12:43 ID:3oI+U4Iu
「それから?」先をうながす由美ちゃん。
「それから?って?」何を求められてるかわからない蘭世。
その場にいた女の子3人が凍り付いた。
「蘭世、もしかしてあなた、裸で抱き合えば子供ができるって思ってるの〜☆△◇?」
「あなた、小学生の時性教育うけたでしょ〜?」一番童顔のリエちゃんも目を見開いている。
蘭世はなにもいえない。だって小学校には行ってなかったから。
初めて行った学校が中学校で、その頃にはみんな知ってて、蘭世は親から教わることもなく学校から教わることもなく19才になろうとしていたのだった。
興味がなかったわけではない。テレビドラマなどでそういった場面を見ることもあったので、「裸で抱き合う=セックス」という間違った知識を覚えてしまってたのだ。
蘭世はいたたまれなくなってきた。別にその場にいる3人は蘭世を責めているつもりはないが、あまりの驚きに口調が非難めいたものなっただけだ。
友チャンが冷静になる。
「まぁ、そこが蘭世のいいとこなのかも。そんな蘭世だから真壁君が好きなのかもしれないしね」ちょっとフォロー。
でも由美ちゃんが一言ぽそっという。
「でも、真壁君かわいそうじゃない?」
みるみる蘭世の瞳に涙がたまっていく。
あわてて「ご・ごめん。蘭世は悪くないのよ」由美ちゃんがなだめだす。
「ワタシがそういうこと知らないと真壁君かわいそうなの?」涙目で由美ちゃんに質問する。その真意がわからないからだ。
由美ちゃんは奥手で知識のまったくといっていいほどない蘭世に言葉を選んで説明する。あんまり過激なことをいうと蘭世が失神してしまいそうだからだ。
「男の人はね、好きな人だと身体がそういうことを求めるの。女の子もそうなんだけど、男の人は我慢するのが大変なのよ」
「じゃあワタシ真壁君に我慢させてるのかな?」
「それぐらい蘭世のこと大切に思ってくれてるのよ。だから泣かないで。ねっ」
264蘭世 大人の世界を知る3:03/07/23 12:44 ID:3oI+U4Iu
涙がひっこんだ蘭世はおずおずともう1つ質問をする。
「あの・・・・えっと・・・裸で抱き合う後って・・・なにするの?」最後は消え入りそうな声。
さすがに3人ともこの質問には答えようとせず、赤くなって目配せで「あなた答えなさいよ」とお互いにゆずりあっている。
口で説明するには生々しく17才の少女たちにはいくら経験があっても口にはだせなかった。
さすがに蘭世もきいてはいけないことを聞いたような気がして、そのまま口をつぐんだ
。蘭世はだんだん頭がガンガンしてきた。知恵熱状態だ。一気にとんでもない知識を入れられて、頭がスパーク寸前になってきたのだった。
もうそろそろ10時すぎになっていたが、
「ゴメン。わたし帰る。ちょっとクラクラしてきた。」といって帰り支度を始めた。
「送るよ」という彼女達に「大丈夫。近くだから」とそそくさと家路につく。家までの帰り道ちょうど俊のアパートの前を通る。おもわず見上げてしまった。まだ明かりはともってない。
{ワタシ真壁君に我慢させてるのだろうか?それともワタシが子供だから真壁君はそんな対象にみてないのかな?・・・もしかしたら、真壁君はワタシのことそんなに好きじゃないのかもしれない。
由美ちゃんは好きな子には求めるっていってた。真壁君が求めてないってことはワタシのこと好きじゃないってことなの?}
そういうことがどういうことかもわからずに暴走する蘭世。
その蘭世の背後から怒ったような声が聞こえてきた。
「おい、こんな遅い時間になにやってんだ?」
びくっとなってゆっくり振り向くとそこにはバイトをおわったばかりの俊がたっていた。
なぜかわからないが、気が付いたら俊にしがみついて泣いていた。
俊もそんな蘭世にびっくりして思考をよんでみるが、{ワタシのこと好きじゃないの?}やら{そんな対象じゃないの?}やら入り乱れててわけがわからない。
そもそもなんでそんなに不安になっているのか。オレなんかしたっけ?と胸に手を当てて考えてみるが思い当たる節もない。
とにかく興奮している蘭世をひとまずアパートにつれていく。なにやらお泊まりセットのようなものをもっているのもひっかかったが。

265蘭世 大人の世界を知る4:03/07/23 12:45 ID:3oI+U4Iu
部屋に入っても、蘭世の嗚咽はおさまらず、俊はあきらめてコーヒーをいれる。それを蘭世にもっていき
「これでも飲んでおちつけ」とちょっとあきれたような、でも優しい表情で蘭世の髪の毛をなでる。
やっと蘭世が落ち着いてきた。「ごめんね。真壁君」蘭世はいろんな「ごめんね」を織り交ぜてつぶやく。
「いったいどうしたんだ?しかもあれ」俊は蘭世のお泊まりセットの入ったバックを指さす。
「あ・あれはね、今日由美ちゃんちにお泊まりにいったの」
「じゃあなんで今ここにいるんだ?」
「そ・それは・・・・モゴモゴ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・なっ!?」俊はみるみる赤くなり・・・そのまま青くなっていった。なにがあったか理解したが、前々から「こいつわかってんのか?」
という疑問があったがまさかホントにわからないなんて・・・と思うと青くなってしまったのだった。
そんな俊をみて、心を読まれて恥ずかしい気持ちより、やっぱりワタシ変なんだって気持ちが重くのしかかり、
そのままさっきの「真壁君はワタシが好きじゃない」に直結してしまった。
ポタポタ涙を流す蘭世に気づいた俊は
「ばか。そんなこと気にするな、お前はおまえだろ」と涙を唇でぬぐってやった。

しばらくの沈黙のあと、
「真壁君はわたしに求めないの?」消え入りそうな声できいていた。蘭世の中で〔求めない=好きじゃない〕という図式ができあがっていた。
俊は狼狽した。まさか自分の想い人からそのような質問がくるとは思ってもいなかったし、なによりこいつはその行為自体がどういうものなのかわかっていない。
押し倒したいに決まっているのに、どういうことをするのかわかってない相手を押し倒すわけにはいかない。
俊は深呼吸して
「いつも求めている。でもそういうことはゆっくりでいいんだ。お前がどういうことをするかわかって、オレをそういう対象にみてくれた時でいいんだ」
自分に言い聞かせるようにいった。普通の男ならここで我慢できるものではない。しかし俊は蘭世を大切にしたかった。蘭世が望んでないことをする気はさらさらないのだ。

266みう:03/07/23 12:46 ID:3oI+U4Iu
つづきは夜にいれます。
267PMk8oc8R:03/07/23 12:49 ID:vcWNvxkT
>>266
>>3を良く読んで、メール欄にsageって半角小文字でいれてください。
広告が入ってくると、うざいんで
268名無しさん@ピンキー:03/07/23 12:50 ID:vcWNvxkT
IDネームいれちった(−−;
269あぼーん:あぼーん
あぼーん
270あぼーん:あぼーん
あぼーん
271あぼーん:あぼーん
あぼーん
272あぼーん:あぼーん
あぼーん
273あぼーん:あぼーん
あぼーん
274名無しさん@ピンキー:03/07/23 17:07 ID:187FDAOI
≫259、260
胴衣。夏ですね。
275みう:03/07/23 18:13 ID:3oI+U4Iu
sage
俊の言葉をききながら、蘭世は俊の小刻みにふるえる握りしめた拳から彼の我慢を感じ取ってしまった。
その手をとって、自分の頬にあて、やさしく手の甲にキスをした。
俊の我慢も限界に近づこうとしている。このままではヤバイと感じた俊は手を引っ込め背中をむけた。
その背中に蘭世はすかさず抱きつく。
「真壁くん、今まで我慢してくれてたんだね。お願い。教えて・・・」

俊は蘭世を抱きかかえた。そのまま布団に連れて行く。
「もう途中で止めてっていってもとまらねえからな」
「・・・うん」
「裸にするぞ。いいか?」
「・・・恥ずかしいけど、大丈夫」
「体中にキスするぞ」
「・・・うん」
「おまえが想像つかないこともするぞ。いいのか?」
「・・・真壁君だから恐くないよ」

その言葉が終わるか終わらないうちに俊は口づけた。始めはいつものキス。それから1度離して耳元でささやいた。
「舌いれるから口開け」
蘭世は真っ赤になって恥ずかしがらない。酔ってるかのように俊にいわれたとおりにした。俊も普段ならけっしていえない言葉を照れもぜずにいう。
2人とも熱に浮かされたようになっていた。
俊の舌が蘭世の口内に入ってきて、始めは戸惑ったが、まるで本能が知ってるように、蘭世も舌を絡めだした。
俊は蘭世の舌を存分に味わった。唾液がとても甘く感じた。
ブラウスに手をかけた。ボタンをはずすのももどかしい。引きちぎりたい衝動にかられたが、力を使ってあっという間に蘭世を下着だけにしてしまった。
蘭世の緊張が伝わってくる。そのまま下着には手をかけず、首筋に唇をはわす。肌が滑るように柔らかく、甘い甘い香りがした。
そのまま唇を二の腕、脇、胸の横のラインにおろして輪郭をなぞっていく。蘭世の口から吐息がもれた。
俊は蘭世をうつぶせにし、今度は背中に口づけていく。まだホックには手をかけない。背中から腰、ショーツの部分を飛び越えて太股に口づける。
蘭世は、身体が、身体の中心が熱くなるのを感じた。胸がはってくるのを感じた。
276みう:03/07/23 18:15 ID:3oI+U4Iu
sage
やっと俊はホックに手を掛ける。また、蘭世の身体を仰向けにした。
蘭世は手で胸をかくしている。俊の目に自分がどう映っているのか不安で仕方がない。
俊はその手をやさしく払いのけ、すでに自己主張している蕾に口づけた。
「きれいだ」蘭世にきかせるためではなく、思わずもれた感想だった。
俊は執拗に胸の突起を愛撫する。舌先で転がし、吸い、手のひらでもみしだく。左手はショーツをさげていった。
ゆっくりと片方だけ太股のところまでさげる。脱がす時間を惜しむほど、俊の指を蘭世の秘所を切望していた。
あっという間に指は飲み込まれていった。
蘭世は身体をふるわせる。ここからは蘭世の想像を超越した世界。
俊は蘭世の耳元でささやく。
「お前のここにオレのこれが入るんだ」
いつのまにか裸になっていた俊が、蘭世の手を、俊の男にあてがった。
「やっ・・・こんな・・・入らない・・・」
俊は蘭世の手をそのまま蘭世の秘所にもっていく。俊の指が入ってるところをさわらせた。
「ここがもっとトロトロになったら痛くなくなる。お前がいいっていうまで入れないから」
俊は指をそのまま上下させた。濡れそぼったそこからは淫らな音がし、それを合図に蘭世が喘ぎだした。
「あっ・・・・はぁ・・・・ぁ・・・ぃぁ・・・」
「痛いか?」
蘭世の快感を知ってて聞いてみる。
蘭世は首を横にふるだけ。俊は「気持ちいい」といわせたかったが、それは今度にすることにする。
277蘭世 大人になる完結:03/07/23 18:16 ID:3oI+U4Iu
sage
俊が優位なように見せていたが、このままでは入れるまえに放出しそうだった。
指を2本にしてみる。さっきよりもきつい。しかし、上下運動をし始めると、愛液があふれてえもいわれぬ刺激を指にからめる。
これでもかというぐらいトロトロにとけていた。
俊は蘭世の足を立てさせ、その間に顔をうずめる。ラブジュースを舐めとれば舐めとるほど、とどめなくあふれてくる。
蘭世のひくついている部分を舌先で転がすと、うめき声とともに痙攣をおこした。
蘭世の秘所からは布団のシーツが冷たくなるほどの愛液がたれていた。
蘭世はもう痛くてもいいと思った。この体中の震えから解放され、この快楽の終着点にたどり着けるなら。
俊の目を見つめて心に語りかける。口にだしては言えなかった。
{お願い、教えて}
俊はまってましたとばかりに、張り裂けんばかりの男をあてがった。あんなに濡れそぼっていたのに、それでも痛みはあった。
蘭世の顔がゆがむ。さっきまでの恍惚の表情ではなくなっていう様をみて俊は不安になった。
腰を引こうとした俊に蘭世がほほえむ。
{お願い。愛して}
痛みは初めだけだったようだ。奥まで行き着くと蘭世から苦悶の表情が消えた。ゆっくり子宮をかき回す。蘭世は2度目のエクスタシーを迎えようとしていた。
蘭世の内部の伸縮が激しくなる。俊の我慢も限界だった。蘭世が意識をなくしたのと、俊が放出したのはほぽ同時だった。

気絶した蘭世をよごした自分の欲望と蘭世の純潔の証を拭いてやる。そのまま胸にしっかり抱いて眠りに落ちた。
278あぼーん:あぼーん
あぼーん
279あぼーん:あぼーん
あぼーん
280名無しさん@ピンキー:03/07/23 18:29 ID:ZKPOOvlo
みう さん、
かきこはとってもありがたいんだけど・・・
sageて下さい!
★こんな風にします★

[書き込む]   名前:みう   E-mail:sage
 (ここに本文が入る)          ↑★半角英数でsageと入力しておく★
     :
     :
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このスレのお約束だからよろしくお願いします!!!
ほかの方もおっしゃってるけど、>>3を読んで!!!
281あぼーん:あぼーん
あぼーん
282名無しさん@ピンキー:03/07/23 19:00 ID:eJ9wp5Cc
>>275
ちゃんと、>>3読んでからカキコしよーうよ!!
せめて全部読んでから、カキコすべき!!
283名無しさん@ピンキー:03/07/23 19:11 ID:eq5qUvzJ
E-mail欄に、 半 角 英 数 で 「sage」と入れましょう。(これ重要!!)
スレが荒れるのを防ぐためのsage進行です。ご協力よろしく。
____       ________             ________
|書き込む| 名前: |             | E-mail(省略可):| sage          |
 ̄ ̄ ̄ ̄        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                              ∧ ∧  。  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                              ( ゚Д゚) / < ここに「sage」(半角)と
                               ⊂ つ    | 入れるとスレがあがらない。
284名無しさん@ピンキー:03/07/23 19:12 ID:eq5qUvzJ
↑これをテンプレに入れましょう
285G ◆GARURUyZ5s :03/07/23 19:43 ID:GhFRjqXA
正直もう、何がまき起こっているのかと。。。
ここまで潔いと笑いを通り越して感動もんですよ。
2ch最強のネタ師もこんな斬新なパフォーマンス、思い付かないっすよ。。

みうさんからメールでのご投稿を頂いたので、
この作品はスレの主旨に合っているので
本スレの方に投稿して下さいと返信したのですが、
もしかしたらみうさんは、2ちゃんねるが何なのかも
御存知ないのかもと、おいら今やっと気付きました(汗)
286名無しさん@ピンキー:03/07/23 19:56 ID:H4HpsWBV
>Gタソ
あぁ、そう言うことだったんですね…
正直、同じようなことが続いたので、
申し訳ないですが、う〜んと思ってしまいました…。
そしたら、避難所の方に失礼なこと書いたかも、私。
お気を悪くされたらごめんなさい。
287名無しさん@ピンキー:03/07/23 20:05 ID:YH6wdj6l
>新婚作者さま
新作、有り難うございます♪ ちょっと興奮してしまった、私。
(実はココではもう長篇は読めないのかなあ、って寂しく思ってた…)
身体の反応に戸惑う蘭世…可愛いのう。
口数少なく耐えてる真壁くん。
きっと翌朝二人はスッキリしたお顔で、御家族に挨拶されるのでしょうね〜v

前回の二人のひとこまを切り取ったような作品も良かったでつ(遅い??)
私の頭の中では、あの風景は止め絵なんです。(ときめき絵本って感じ)

>椎羅モエー続き作者さま
お洋服の描写とか細かくて、好きです。
首ってヤラシくて、リボンはずすのもエロくて…
続き楽しみです。

今日はたくさん読めて幸せだなあ。



288名無しさん@ピンキー:03/07/23 21:25 ID:mXTkpS31
事故ってことですかねぇ…。夏ですし。
そういう経緯なら…仕方ないですか…。
…デモソレデカンソウクレトカイワレルトサ…

しかししばらくは
「あっレスがイパーイ(*´∀`*)新作!?」
       ↓
「広 告 か よ…il||li _| ̄|○ il||li」
ということが続くのですね。ウワーン
289名無しさん@ピンキー:03/07/23 21:57 ID:vB9ohihx
あのさ、ちょっと思ったんだけど・・・
「メール欄にsageって書いて」というより
「メアド欄にsageって書いて」と書くようにしたらどうだろう?

メール欄=メール(本文)を書くトコロ、って勘違いしちゃって
本文にsageって書いちゃうショシンシャタンなのかな〜って思ったので。
290名無しさん@ピンキー:03/07/23 22:54 ID:muxdRW2G
>椎羅モエータン
続き待ってるよ
291名無しさん@ピンキー:03/07/23 23:23 ID:zUFDA0So
ID:eq5qUvzJはスルーでつか…
292名無しさん@ピンキー:03/07/23 23:44 ID:kFsIJ7Yh
そこまでやる必要梨
293名無しさん@ピンキー:03/07/24 00:06 ID:///a/Uo6
一番わかりやすいのは
『【E-mail (省略可)】の右の欄にsageって半角小文字で書いて』
じゃないかな?
294名無しさん@ピンキー:03/07/24 00:51 ID:MF3t9ju7
まぁ、早とちりタンが最初から読むとは限らんしねヽ(´ー`)ノ

以下は避難所にて
http://garuru07.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/tokimeki/bbs/index.html#a3
295名無しさん@ピンキー:03/07/24 09:27 ID:qNmIWD4q
sage覚えてがんばれ。続きまってます<みうさん
296名無しさん@ピンキー:03/07/24 10:15 ID:ndCB2ic5
久しぶりに来たらなんだか大変なことに・・・
ここで爆笑することになるとは思わなかったでつ。
いや、笑い事じゃないんですけど。

投下感謝。めげずにがんばれ(ただしsageでね)>みうさん
297名無しさん@ピンキー:03/07/25 07:01 ID:TrDdHvff
ここは優しい人が多くていいね。
初心者がたたかれちゃう所もあるから
なんかほっとしました。

ヤッパ蘭世の人柄か?
298名無しさん@ピンキー:03/07/25 07:20 ID:mF+4Si0B
>297さん
禿ドゥーイ
マターリと指導、新しい作家さんも訪れやすいですよね〜

そんなわけで、みうさん乙でし(みなさんも…w
299名無しさん@ピンキー:03/07/25 13:32 ID:FANRmYQd
>297 >298
うんうん
他板他スレなら 半年ROMれ! とか (・∀・)カエレ! とかだもんね。
ということで新人さんもお約束読んでщ(゚д゚щ)カモーンでっせ。
300あぼーん:あぼーん
あぼーん
301名無しさん@ピンキー:03/07/26 00:43 ID:z9MZR5V9
ここのスレは温かい人が多くてホッとしやす。
オイラはいつまでたっても文才無し無しのロム専だから
みうさんにはまた新作投下期待してるっす!
302名無しさん@ピンキー:03/07/26 02:40 ID:rSs5tQcA
>>297
元々少女漫画板出身だからな(と言いつつ、少女漫画板のことは良く知らないのだが)。
とはいえ、『ときめきトゥナイト』の作品の魅力によるところが大きい事は間違いないのだが。
303PMk8oc8R:03/07/26 14:32 ID:caZuSOhR
久々に投下しまーす。

ネタのふり方が、ちょっと不謹慎かも…(´Д`;)
304復讐まで何マイル?:03/07/26 14:33 ID:caZuSOhR
 朝から愚図ついた天気だった。
 雨が降ったり止んだりと、安定しない。
 突然、俊が懇意にしていた老人が亡くなり、朝から夫婦で斎場へ詰めていた。
 老人の妻はとても気落ちしており、子供もいなかったことから、二人で夫人を気遣いながら、
 負担が少なくなるように動いていた。
 お陰で滞りなく終了し、骨壷を抱えた夫人が二人に丁寧に礼を言い、
 タクシーから何度も振り返ってこちらを見ているのを、俊と蘭世は手を振りながら答えていた。

 家に帰り着いたとき、雨がハラハラと落ちていた。
 玄関に用意しておいたお清めの塩を、べた付かない様に気をつけながら、お互いに浴びさせる。
 リヴィングのソファに腰を下ろして、大きく溜息をつく。
「お茶いれるわね」
 黒い影がリビングへ動く。
 俊は落ち着いて状態で蘭世を眺めた。
 長い髪を邪魔にならないように束ね、うっすらと化粧をしている。
 ブラウスの袖がうっすらと透けており、細い腕が強調されていた。
「お待ちどう様」
 濃い目に入ったお茶がとても美味しかった。
「それ、いいデザインだな」
「そう? デパートの店員さんが薦めてくれたの。一年中着られて、子供が出来ても大丈夫なようにって」
「子供?」
「最初ワンピースにしようと思ったんだけど、子供が出来た後にご不幸があったりすると、
ブラウスの方がおっぱいあげるのに楽だからって」
 なるほど。俊は納得した。
305復讐まで何マイル?2:03/07/26 14:34 ID:caZuSOhR
 確かに今日の葬儀の時に見た、一般的なフォーマルワンピースでの授乳は困難だろう。
「それに、ワンピースより着易いからよかったわ」
 微笑みながら見た俊の顔に、一瞬蘭世はぎくりとした。
 つまり、脱がせやすいってことだよな…
 目がそう語っていたことに、蘭世は思わず腰を引く。
「だ…駄目よ、俊…。そ、んな不謹慎じゃない…あ、電話! 電話がなってるわ!」
 助かったとばかりに掛かってきた電話に飛びつく。
「ハッ…ハイ、真壁でございます…。あ、奥様! いえいえ、お礼だなんて。
これからも、お力になれることがありましたら──きゃ!」
 いきなりお尻をペロンと撫でられて、不覚にも声を出してしまった。
 夫人が蘭世を心配して、声をかける。
「あ、すみません…しゅ、じんが後ろに居たんで、びっくりして…」
 少々お待ちくださいね、と夫人に一声かけて、蘭世は少々乱暴に受話器を差し出した。
 その隙に自分は違うところへ非難しておこう、と離れかけた瞬間、ボクサーの強靭な腕でしっかりと抱きかかえられ、
受話器を持っているはずの手で胸を弄られた。
 器用に肩と耳で受話器を押さえ、夫人に労りの言葉を述べていた。
(鬼ーーーーー!)
 電話の邪魔にならないように、心の声で俊に伝えると、その言葉に呼応するかのように、
敏感な場所を責め立てる。
 器用にブラウスのボタンを外して、ブラジャーの隙間から指を忍ばせた。
 じらす様に芽を摩ると、溜息がもれてくる。
 スカートのホックとファスナーを”力”で外すと、何の障害も無くストンと落ちる。
 黒のストッキングの下に透けている下着がやけに扇情的だ。
 自分の膝で蘭世の膝を割ると、背中を反らした様な格好になる。
306復讐まで何マイル?3:03/07/26 14:35 ID:caZuSOhR
 足の付け根にそっと添わせた指を、彼女の熱が迎えた。
「ん・・・ふ」
 指でこすると、直ぐに布が湿り始めた。
(駄目よ、俊…)
 声を必死で堪えている顔が色っぽくて、愛撫もどんどん激しくなる。
「そのまま声を堪えてろよ」
 小声で耳元で囁かれると、鳥肌が一斉に立った。
 下着をストッキングごと脱がされ、直接触られると蘭世の我慢は限界に近づく。
 涙が溢れ、ただ頭を振るだけだった。
 蘭世の足に熱いものが触れたと思った瞬間、それが泉の源に押し入ってきた。
 心の準備をしていなかった彼女は、思いも寄らなかったことに「ヒッ」息を呑むだけだった。
 俊の脈動を感じると、その衝撃はいつものとろけるような快感に生まれ変わった。
 
 声を堪えているからか、いつにもまして具合がいい。
 俊は蘭世とともに快感を追いかけた。
 呟く様に終わりが近いことを知らせると、手を口に押し付けて小刻みに頷く。
 蘭世もまた絶頂に達しようとしていた。打ち付けられる腰の動きが大きくなったとき、
「ふぅんん…」と小さな声が漏れた。力が抜けて、立っているのやっとだった。
307復讐まで何マイル?4(完):03/07/26 14:36 ID:caZuSOhR
「大丈夫か?」
 首筋に顔を寄せて、溜息交じりに俊が聞く。蘭世はこの声がちょっと好きだったりする。
「ん…」
 体を預けても、俊はしっかりと抱きかかえてくれてくれる。
 最初は安心していた蘭世だが、ふと疑問が湧き上がってきた。
 両手も顔の位置も確認している。ではあれはどうなったのか?
「────俊…電話は?」
「とっくに終わってたぜ」
 悪びれた様子も無い自分の夫に、蘭世は一瞬我が耳を疑った。
「ひ…ひどーい! 騙したの? 騙したのね?」
「誰も電話が終わったなんて、言ってねぇだろ? そんなに膨れっ面するなよ」
 もはや蘭世は拗ねた子供のように「うーうー」とうなるばかりだった。
 いつまでもこのままでいられないので、電話機の傍にあったティッシュを数枚掴み出し、俊を引き抜いた。
 お互いを軽く吹いてから、蘭世を横抱きにする。
「特別にお風呂で洗ってやるから、機嫌直せよ」
 横尻をポンポンと叩かれ、蘭世は膨れっ面のままそれに従った。
 騙されたショックがまだ払拭できない。

 覚えてなさいよ、見てなさいよ!
 いつか、いつかきっと仕返ししてやるんだから!

 そう心に誓った蘭世であったが、さて、復讐までの道のりは何マイルあるのだろうか。
 


 もしかしたら直ぐ傍まで来ているかもしれない…。
308PMk8oc8R:03/07/26 14:38 ID:caZuSOhR
収拾付かなくなったので投下逃げぇ 

ε-----(o`Θ´)o
309名無しさん@ピンキー:03/07/26 14:38 ID:3edQ8l0+
きゃ〜!!リアルで読めた!
嬉しい、ヤラシイ!恥かし〜い!!デモ、大好き!!

復讐までやたらめったら遠い上に
何度も返り討ちに遭うか?と思ってたら
すぐ傍なんででつね?!>蘭世の復讐。
楽しみでつ〜〜〜〜。
310あぼーん:あぼーん
あぼーん
311椎羅さんモエー!続き作者:03/07/26 20:27 ID:gQIeJoyE
ようやく続きを書いてきました。
なんだか長くなっちゃったけど・・・。
312椎羅さんモエー!続き8:03/07/26 20:33 ID:gQIeJoyE
モーリは体を起こすと、黒いマント、上着、白いシルクシャツを脱ぎ捨てた。
モーリの硬く引き締まった裸の上半身を目の前にして、シーラは胸の高鳴りを覚えた。
モーリの顔がシーラに覆い被さり唇が触れ合うと、モーリの舌がシーラの唇の中に侵入する
シーラは一瞬戸惑いはしたものの、すぐに口を開き自分の舌をモーリの舌にからませていった。
そうしている間もモーリの右手はドレスの上からシーラの乳房をまさぐり、布地を突き破らんばかりに
突起した乳首をつまみ、優しくつねり上げていた。
「んっ…」口づけの合間にシーラの口から思わずため息が漏れてしまう。
モーリの手は次第にシーラの肩に移動し、ドレスの袖口をゆっくりと下に降ろすと、
シーラの美しい豊かな乳房がモーリの目の前に弾み出た。
まだ誰にも触れられたことのない、初々しい可憐な乳房にモーリは思わず見惚れた。
それは見事なまでの半球を形作り、滑らかな弾力な満ちていた。
そして頂きに突き出た可憐な実のような乳首…。
「何て美しいんだ。近くで見ると、一層きれいだ…。」
固く突き立った乳首を舌で巻くようにして舐めまわした後、モーリはいきなりそれを口に含んだ。
片方の乳房をこねあげながら、口でもう片方の乳首をいたぶるモーリ。
「ああっ、モーリ…」シーラは恍惚とした表情を浮かべながら、かすかな悲鳴をあげた。
シーラの乳房はモーリの唾液にぐっしょりと濡れ、ピンク色に輝く乳首は初めて見た時よりも
幾分大きく腫れ上がっていた…。
モーリの右手はいつのまにかシーラのスカートの中をまさぐっていた。
シーラの長い脚がピクッと痙攣する。「あっ、いや…そんなとこ…」
ーラは懇願するようにかぼそい声でつぶやいた。だがそれを無視するかのように、
モーリの手はシーラの脚、太ももを撫でながら上へ這っていき、ついに体の中心に触れ、
繁みを探り当てた。
シーラのそこは火のように熱く煮えたぎり、すでにしっとりと濡れてしまっていた。
モーリの指によって花弁をいたぶられると、体の奥からねっとりとした熱い蜜が溢れ出てきた。
シーラは声をあげそうになって、あわてて手で口を押さえた。
「シーラ…。とてもすてきだよ」
「…私、恥ずかしいわ…」
「君は素晴らしいよ。恥ずかしがらなくていいんだ」
313椎羅さんモエー!続き9:03/07/26 20:38 ID:gQIeJoyE
モーリの唇が優しくシーラのそれをふさいだ。
そしてすでに乱れていたシーラのドレスをゆっくりと脱がし、ペチコートを取り払うと、
彼女の白い裸体が月夜の下に浮きあがった。
大きく弾むような乳房、きゅっと締まったウェスト、なまめかしい腰の曲線、そして
まばゆい黄金色の繁みがあらわになった。夜の冷気の中にいながら、シーラは体が熱く燃えていくのを感じた。
そしてモーリもズボンを脱いだ―生まれて初めて見る迫力ある男性の性器にシーラの目は釘つけになってしまった…。
突然拘束を解かれたモーリの男性自身は、まるでそこだけ別の生き物のようで、信じ難いほど大きく
こわばっていて、生命力に溢れていた。
モーリは愛に満ちた優しい目でシーラを見つめると、再びシーラの上に覆い被さった。
乳房をわしづかみにする一方、巧みな舌先で首筋を這う。
そして、その指先を彼女の熱いぬめりの中に浸して、小刻みに掻き乱した。
「あんっ、モ…リ…」そのあまりにも刺激的で心地よい愛撫にシーラはめまいを覚えた。
女の最も敏感な場所を同時に攻められることの快感に我を忘れ、シーラは身をよじった。
モーリの逞しい分身がシーラの体の上をすべっていく―
この静かな湖の辺では、二人がお互いの口を激しく吸い合う音、乱れた息遣いやうめき声、
シーラの秘所がモーリの指にかき乱される音だけが響いていた。
モーリは忍耐強かった。すぐには交わろうとはせず、シーラの体のあらゆる所を
丹念にゆっくりと愛撫し続けて、彼女の不安を取り除き、体の芯を溶かしていった。
たが、とうとう我慢できずに言った。
「ああ、シーラ。もう我慢できない。早く君の中に入りたい」
「モーリ」シーラは汗ばんだモーリの背中を両腕で強く抱きしめながらつぶやいた。
「あなたが好き…。あなたが欲しい…」
「愛してるよ、シーラ。君は私のものだ」こう言うとモーリは
シーラの悦びの蜜によってねっとりと濡れた指を引き抜くと、彼女の両脚を大きく開いた。
黄金色の繁みの下からはピンクに色づくシーラの肉片が剥き出しにされた。
それは赤みを帯びて腫れ上がり、モーリのこわばりがそれを裂いて侵入するのを待ちわびているようだった。
314椎羅さんモエー!続き10:03/07/26 20:46 ID:gQIeJoyE
大きく息をはきながら、モーリはシーラの肉体を割って入っていった。
シーラのそこは充分過ぎるほど濡れてはいたものの、その狭い入り口はモーリの
長く巨大なこわばりの侵入を簡単には許してくれなかった。
モーリは腰に全身の意識を集中させると、時間をかけて突き立っていった。
シーラは下腹部の中に、熱く硬いものがゆっくりと奥へ進んでいくのが感じられた。
モーリの分身が3分の1ほどシーラの肉の中に消えた瞬間、まるで吸い込まれていくかのように、
全身がそこに埋まりこんでいった。
「ああっ!」シーラは体が裂かれてしまったかと思うほどの激痛に気を失いかけた。
が、それも一瞬の出来事だった。こわばりを溶かそうとするかのようにすっぽりと包み込んだ
シーラの熱い愛液が、こわばりをぬるっと滑らせていく。黒い繁みと金色の繁みが擦れ合い、
混ざり合う。モーリが体の中を深く浅く行き来する度に、シーラは自分の内側の柔らかな肉までも
それと一緒に動き、二人の肉の境が混沌となったように感じた。
「大丈夫?」モーリはどこまでも優しかった。「痛くないかい?」
「もう大丈夫よ…。モーリ、とってもいい気持ち…」
モーリはほっとした表情を浮かべシーラにキスすると、次第に激しく腰を打ち付け、
シーラの肉体の更に奥深い所まで侵入していった。
モーリの動きに合わせてシーラの豊かな胸が大きく揺さぶられる。
肉体が思わず弓なりになり、腰が浮き上がった。
愛しいモーリが自分の中を掻き回している…。
シーラは何度も何度も体が痙攣し、意識が薄れていくのを感じた。
315椎羅さんモエー!続き11:03/07/26 20:48 ID:gQIeJoyE
「ああっ、モーリ!私もうダメ…おかしくなりそう…」
そしてとうとう、モーリがそれまで耐えていたものを放出した瞬間、
シーラの肉壁も小刻みに痙攣して、こわばりを絞るかのようにモーリを締めつけた。
シーラは体の奥深くにモーリの熱いほとばしりが溢れ出ていくのを感じた。
この甘美な瞬間にシーラはうっとりと目を閉じた。二人はしっかりと抱き合ったまま、
身動きもせず、愛の行為の余韻に浸っていた。しばらくしてモーリがシーラの耳元に囁いた。
「シーラ、とってもよかったよ…」
シーラは瞳に涙を浮かべ、愛しい人に口づけた。
「モーリ、ああ、愛してるわ」
(こんな世界があったなんて…)それを教えてくれたモーリにシーラは感謝していた。
モーリのものは濡れそぼち、白くねっとりした糸を引きながらシーラの肉の裂け間から姿を現した。
二人は手をつなぎながら、仰向けになって横に並んで寝そべった。
気がつくともうそろそろ夜があけようとしていた。
急いで服を着ると、狼人間村の近くまでシーラを送り、モーリも自分の村に帰っていった。
316椎羅さんモエー!続き12:03/07/26 20:50 ID:gQIeJoyE
そのような夜が1週間ほど続いた。さすがにシーラの両親は大事な一人娘が夜中に
家を抜け出していくことに気づき始めた。
ある日、シーラは両親に呼び出された。
「シーラ、おまえが毎夜どこに出かけているのだ?まさか、外で男と会っているんじゃないだろうな?」
「お父様、私…」
「おまえには婚約者がいるではないか」
「えっ、婚約者ですって?私、そんなこと知りませんわ」
「何を言っているんだ。幼なじみのヴィクターとおまえは結婚することになっているのだぞ」
「!お父様、ウソでしょう!?」
「この結婚はおまえたちが子供の頃から決められていたんだ。クレリー家とカーティス家が
婚姻関係を結べば、両家とも安泰だ。それにシーラ、おまえ達はお互いに好き合っているようではないか。
何の不服があるんだ?」
(そんなっ…!私にはモーリだけよ!)とシーラは心の中で叫んだ。
「とにかく、来週には狼人間村の有力人物を招いて公式な婚約発表を行なうからな。
結婚式も近いうちに盛大に取り行なう」
「シーラ、お父様に逆らうんじゃありませんよ。私達はあなたの幸せを思っているのよ。
それから、この家から出歩くことも禁じます。見張りをつけますからね。…シーラ!どこへ行くの!」
シーラはいたたまれず、ものすごい勢いで自分の部屋に戻った。
ベッドにつっぷすと、涙が止めどもなく流れ落ちた。
(ああ。お父様もお母様もひどいわ!私の気持ちなんて全然分かってくれない。
私はモーリを愛してるのよ!どうして他の人と結婚できるというの?)
幼なじみのヴィクターは名家の御曹司で、小さな子供の頃から親しかった。
彼は明らかにシーラに恋していた。シーラも穏やかで優しい彼に少しだけ好意を抱いていた。
―モーリに出会うまでは。モーリと出会って、狂おしいまでの彼の愛撫を知ってしまってからは
シーラは彼のことしか考えられなくなっていた。しかし、吸血鬼と愛し合っているなどと
両親に告白できるはずがない。そしてもし言ったところで、強情な父親が許してくれる訳がないことを
シーラは痛いほど知っていた。シーラは涙が枯れ果ててしまうのではないかと思われるくらい、
泣いて過ごした。
317椎羅さんモエー!続き13:03/07/26 20:54 ID:gQIeJoyE
夕食になっても下りてこないので、祖母のララは孫娘が心配になり、軽食を持って部屋に様子を見にきた。
「シーラや…。食べ物を持ってきたよ。何かお食べ」
「おばあ様…。いいえ、私何も食べたくないんです」
「一体、どうしたのさ。カーティス家の息子との結婚がそんなに嫌なのかい?」
「…私、他に好きな人がいるんです。だからヴィクターとは結婚できないわ」
「好きな人って…誰だい?私には教えてくれても構わないだろう?」
「お父様たちには内緒よ」「もちろん、私はおまえの味方だからね」
「―おばあ様、では言うわ。…モーリ・エトゥールという人よ」
「―エトゥール…だって?!シーラ、まさかあの吸血鬼一族じゃないだろうね?!」
「おばあ様、ご存知ですの?」
「よく知ってるよ、吸血鬼村の名門の一族だけど、女たらしの血が流れてることでも有名な…」
ここまで言って、ララはしまったと口をつぐんだ。シーラは少しいぶかしげな顔をした。
「シーラ…。驚いたよ、まさかおまえが吸血鬼に恋してしまうなんてね」
「ええ、前例のないことは知ってます。でも、どうしようもないの。私はモーリが好き…」
この可愛い孫娘が一度何か言いだしたら決して後には引かないことはララはよく知っていた。
よっぽどモーリ・エトゥールとやらに心を奪われてしまったんだろう…。
向こうもシーラを本気で思っていてくれればいいが…。
318椎羅さんモエー!続き14:03/07/26 20:56 ID:gQIeJoyE
「とにかく、このことは私とおまえだけの秘密にしとくよ。
まだ結婚式までは日取りがあるから、それまでに何かいい案が見つかるかもしれない。」
シーラは愛情のこもった目で祖母を見つめ、抱きついた。
「おばあ様!応援してくれるのね?ああ、大好きよ!」ララはシーラの長い髪を撫でた。
「おばあ様…私お願いがあるんです。今夜もモーリと湖で会うことになっているんだけど、
お父様に外出を禁じられてしまったの。事情を書いた手紙を書くから、モーリに渡し欲しいんです。
わがままなのは分かってるけど、でも他にどうしたらいいのか…」
「分かったよ、手紙を書いたら私に渡しておくれ。モーリにはちゃんと届けるから」
シーラの顔がパッと輝いた。「ありがとう!おばあ様。今すぐ書くわ!」
「とにかく、何も食べないのは体に良くないよ。おまえがガリガリに痩せたら
モーリは幻滅してしまうかもしれないよ」
こう言って持ってきた食べ物をベッドサイドのテーブルに置くと、ララは部屋を出ていった。

その夜、ララがシーラに託された手紙を持って湖に向かうと、湖にはすでに長身の男が待っていた。
「あれがシーラの相手か…」
黒いマント姿のモーリが「シーラ?」と言って振り向くとララは思わずどきっとした。
ララは「なるほど。確かにかなりハンサムな男だね。でもどんな性格なんだろう?」と思った。
人違いに気づき、モーリの顔は当惑を見せた。
「これは失礼しました。ある人と間違えてしまったようです」
「そのある人とは私の孫娘のことだと思うよ、吸血鬼さん」
「何ですって?」モーリは驚愕した。「あなたは…シーラのおばあ様なんですか?」
「そう、はじめまして、私はララ・クレリーといいます。確かモーリ、と言ったね」
「ええ、私はモーリ・エトゥールです。―でも、待って下さい、シーラに何かあったんですか?」
「そう、この手紙を渡すように頼まれてね。事情はすべてはここに書かれていると思うよ」
319椎羅さんモエー!続き15:03/07/26 20:58 ID:gQIeJoyE
モーリは手紙を受け取ると、すごい勢いで封を開けて読み始めた。
読み進めていくうちにモーリの顔が悲しそうに曇っていった。
「―そんな…。シーラに婚約者がいるとは…。」
「親の決めた婚約者だよ。シーラは何とも思っちゃいないさ」
「―あなたは…?私達のことに反対ではないんですか?」
「反対する理由がどこにあるというのかい?そりゃ可愛い孫娘がプレイボーイの吸血鬼に
たぶらかされてるなら話は別だけど。でも―」ララはモーリの黒い瞳をのぞき込んだ。
「見たところ、あんたはシーラに対して本気らしいから。」
モーリはほっとして、微笑んだ。
(おやまあ、やっぱりあの人にどこか似てるね…)
ララはその昔、自分が憧れていたトーマス・エトゥールのことを思い出した。
その孫息子が自分の孫娘と…何とも運命は皮肉なものだ。
「モーリ、1週間後にシーラの婚約の宴が開かれることになってるし、結婚式も時間の問題だよ。
シーラの父親はこの政略結婚に躍起になっているからね。」
「―シーラには悲しい思いはさせません。」
モーリの声は静かだったが、その表情は意を決したように強かった。
少しの間を挟んでふっと微笑んだ。「今日はわざわざありがとうございました。
お家まで送らせて下さい。」
320椎羅さんモエー!続き16:03/07/26 21:21 ID:gQIeJoyE
そして一週間後の婚約パーティーの晩―
クレリー家の壮大な屋敷内で婚約発表の宴が始まっていた。狼村の村長の一人娘の婚約祝いには、
大勢の紳士淑女が招待されていた。この日のためにと特別に母親が新調させたロイヤルブルーの
タフタのドレスを着たシーラは美しかったが、その心の中は深く沈んでいた。
おばあ様はモーリに手紙を渡してくれたみたいだけど、あれ以来彼からは何も言ってこなかった―
(モーリ、どうしてなの?)シーラは胸の中で何度もこの問いを繰り返した。
シーラは様々な料理や祝いの杯が並べられたテーブルの前に座り、まるで他人事のようにこの宴の様子を眺めていた。
隣には婚約者のヴィクターが座り、話しかけてきた。
「シーラ。今夜の君は一段ときれいだよ。君のような美しい女性を妻に迎えることができて、
僕はなんて幸せなんだろう」
(悪い人じゃないわ。子供の頃からよく知ってる。―でも、私にとってモーリ以外の人なんて考えられない)
「ああ、ダンスが始まるみたいだ。シーラ、もちろん僕と踊ってくれるよね?」
「―はい・・・」シーラは力なく答えると、差し出された手を取って席を立った。
ヴィクターと踊りながら、シーラは次第に自分に腹が立ってきた。
(私ったら、一体ここで何をしているというの?この人と結婚する気なんて全くないのに・・・。
今夜は仕方なくこのパーティーに出たけど、このままお父様の命令なんかに従うものですか。
明日にでもモーリの元に駆けつけるわ。彼だって私を愛しているはずよ。
そうよ、何も言ってこないのには何か訳があるはず・・・)
シーラがそう思っている頃、ララはひっそりと宴を抜け出して屋敷の裏庭でモーリを手引きしていた。
「ほら、こっちだよ。裏門からなら誰にも怪しまれずに入れるよ」
「おばあ様、色々とありがとうございました。シーラのことは私が必ず幸せにします」
「あんたと一緒にいる限り、シーラはどこに行っても幸せだと思うよ、モーリ」
モーリはララの頬にそっと感謝のキスをすると、笑顔でパーティーの開かれている広間の方へ急いで向かった。
後には、手でほおを押さえ、赤い顔をしたララが立ちつくすばかりだった―
321椎羅さんモエー!続き17:03/07/26 21:38 ID:gQIeJoyE
踊りはまだ続いていた。ヴィクターは結婚式のプランについて喜々としてシーラにしゃべっていた。
シーラは退屈な思いで、ただ無意識に踊っていたが、周りの喧騒がいつのまにか静まり返っているのに気づいた。
(一体どうしたというの?)
人々の視線はある一点に集中しているようだ。その視線の先には―愛しい人モーリがいた。
(モーリ!信じられない!これは夢・・・?)
あまりにも思いもかけないモーリの突然の登場に、シーラは気絶するかと思った。
黒い礼服に長身を包んだモーリが向こうからゆっくりとした足取りで近づいて来る―
久しぶりに見る彼は、やはり惚れ惚れとするくらいハンサムだった。
男らしく凛々しい顔には静かな落ち着いた微笑みを浮かべていた。
これを見守る人々は口々に囁きあった。
「あの方は一体誰ですの?」「なんて素敵な方なんでしょう!」
「・・・え?何だって。吸血鬼?」「・・・エトゥール・・・」「けしからん!」
気の遠くなるような時間の後、ようやくモーリがシーラの近くまでやってきた。
「失礼。あなたのパートナーと躍らせてください」
「何?一体君は・・・」
モーリはシーラをあの黒い瞳で見つめて言った。「シーラ、私と踊ってくれるね?」
「モーリ・・・。ええ、喜んで―」
「おいっ、どういうつもりだ?」というヴィクターの狼狽した声を残して、二人はワルツを踊った。
踊っているのは二人だけ―
一時鳴り止んでいた音楽も再び演奏された。モーリとシーラはお互いの瞳だけを見つめあい、
優美に踊った。周囲の人々はこの美しい似合いの男女に魅了されて、言葉を失ってしまった。
シーラの両親やヴィクターでさえ、唖然とした表情のまま、何も口に出せなかった。
322椎羅さんモエー!続き18:03/07/26 21:56 ID:gQIeJoyE
モーリは小声で囁いた。「シーラ。待たせてしまったけど、君を迎えに来たよ」
「モーリ・・・」
「私について来てくれるかい?」
「ええ、モーリ。もちろん。―どこまでもあなたについていくわ」
「―よかった。じゃあ、そろそろ・・・」
そう言うとモーリは突然踊りを止め、シーラの手を取ると彼女の両親の所までつかつかと歩いていって、宣言した。
「私は吸血鬼のモーリ・エトゥールという者です。シーラをさらっていきます」
相変わらず唖然とした表情のままのシーラの両親は、何も言えなかった。
モーリはふと微笑むと、シーラの手をきつく握り、さっき通ってきた家の裏口を目指して、一気に駆け出した。
シーラの父親が慌てて叫ぶ。「逃がすな!入り口をふさいで、その男を取り押さえろ!!」
大勢の男達がモーリとシーラをつかまえようとしたが、モーリは吸血鬼の本領を発揮して彼らの身動きを取れなくしたために、
つかまることなくかろうじて裏口をくぐり抜けることができた。
モーリは屋敷の外に止めてあった一頭の黒い馬にまずシーラを乗せると、続いて自分も後ろに軽やかに飛び乗り、駆け出した。
この逃避行の間中、モーリは何も言わなかった―シーラは後ろに彼のぬくもりを感じるだけで安心できた。
追っ手の声が後ろの方で聞こえたが、誰もこの馬の速さに追いつけることができないようだった。
次第に喧騒が薄れ、二人を乗せる馬の蹄の音だけが鳴り響いた。
そうして目的の思いケ池まで辿り着くと、モーリは馬から降りた後、シーラを抱きかかえるようにして降ろした。
「シーラ。この池に飛び込むよ。私にしっかりつかまって」
二人はしっかりと抱き合うと、池にその身を投げた。
こうして二人は、魔界に別れを告げ、人間界にやってきたのである―
323椎羅さんモエー!続き19:03/07/26 22:20 ID:gQIeJoyE
棺おけの中で眠るシーラを見つめながら、モーリは二人が出会った頃のことを思い出していた。
(あれから10数年か・・・)モーリは感慨に浸っていた。
300年も生きてきた彼にとって、この10数年はあっという間だった。
(しかし)とモーリは思う。
(これほど幸せで愛に満ちた年月があっただろうか・・・)
人間界に来て、可愛い二人の子供に恵まれ、かつてのプレイボーイも今やすっかりマイホームパパになっていた。
そして夫婦仲はと言えば、ささいなことでしょっちゅう喧嘩はするものの、二人はお互いへの情熱を失っていなかった。
現にモーリはシーラを彼女のベッドに移そうと抱きかかえた時、彼女の体を求めている自分に気づいた。
モーリはシーラを静かにベッドに下ろした。
(―いや、疲れているみたいだから今夜はやめておこう)
そう思ったとき、ふとあることが頭に浮かんだ。モーリは書斎に戻り、机の引き出しの中の小箱から何かを
取り出すと、また寝室に戻っていった。彼が手にしていたもの―それは黒いベルベットのリボンだった。
妻と初めて結ばれたときに彼女がつけていたものだ。
モーリはそれを眠っている妻の首元にそっと結ぶと、彼女の額に優しくキスをした。
(さて、私も眠るとするかな)モーリが棺おけに入ろうとしたとき、シーラが自分を呼ぶ声を聞いた。
324椎羅さんモエー!続き20:03/07/26 22:21 ID:gQIeJoyE
「あなた・・・?」
「あ、シ、シーラ。ごめん、起こしてしまったかな?」
どことなく狼狽しながら、振り返るモーリ。
「あなたったらひどいわ。私を棺おけの中に閉じ込めるなんて―」シーラは夫を責めた。
「ごめんよ、シーラ。でももういいじゃないか。外に出してあげたんだし」
事実、彼らは今夜の喧嘩の原因が何だったのかまるっきり覚えていない。
「あらっ、やだ。私ったらあざだらけだわ」
モーリは心の中で思った。(別に私がやったんじゃないぞ)
「それに・・・何か首の辺りに・・・」そう言ってシーラは首に手をやり、結ばれたリボンに気づき、
それを振りほどいた。
「黒いリボン・・・」シーラの脳裏に思い出が一気に蘇った。初めてモーリに抱かれた夜のことが―。
「覚えてる?シーラ」
「―ええ、あなた。もちろんよ。あの夜に私がつけてたリボンだわ」
二人は見つめあった。
「でも―あなたこれをずっと持っていたの?」
「そうだよ、大切な思い出だからね。」
「あなた・・・」シーラは潤んだ瞳で夫を見つめた。
さっきまでの怒りはすっかり消えている。
シーラは両腕を伸ばして夫を迎え入れ、二人は口づけを交し合った。
そして二人は朝まで愛を確認し合った・・・。

終わり

325椎羅さんモエー!続き作者:03/07/26 22:32 ID:gQIeJoyE
ふうーようやく完結です。
もちろんコミックス7巻の若き頃のモーリ&シーラを思い浮かべて
書きました。
思ってたより長くなってしまった・・・
でもまた投稿したいです。
326名無しさん@ピンキー:03/07/26 22:37 ID:pHSS7ydI
大変お疲れ様でした。

まさに萌え〜状態です。
文体がとても綺麗ですよね〜
情景が目に見えるようで、妄想が膨らむ膨らむ。(´Д`*)ハァハァ

次回作も期待して待ってます!
327あぼーん:あぼーん
あぼーん
328名無しさん@ピンキー:03/07/26 23:14 ID:YR3lCYmp
なんだなんだこのスレの延び具合は(喜)
夏の影響?
329新婚作者:03/07/27 09:21 ID:nDWSQA+6
蘭世ちゃん
お誕生日記念です。

いつもの俊じゃねぇぞ!って突っ込まないでください。
330Happy Birthday1:03/07/27 09:22 ID:nDWSQA+6
カチンと小さく音を立ててグラスを合わせる。その中には淡いピンク色のシャンパン。
「・・・おめでとう。」
「有難う、真壁くん。」
今日は蘭世の20歳のバースディ。俊はそっけない振りをしながらもちょっとだけいい
レストランを予約していた。
「ここ、来て見たかったんだ。」
「そうか?」
・・・そりゃまぁ・・な・・・
心が読めるって便利だなとこっそり思っていたのは内緒だが。
一品一品、いいタイミングで運ばれてくる料理に舌鼓を打ちながら、アルコールが二人の心の距離を
少しづつ近づけていく。
デザートは小さいホールケーキに「Happy Birthday」の文字と2本のキャンドル。
「うわぁ・・・」
「切ってやるよ。ほら。」
文字の方を蘭世に取り分けると、残りをさらに3分の1に切ったものを自分は取る。
「え・・・」
「甘いのは苦手なんだよ。残りは持って帰れよ。」
「いいの?」
「ああ。」
そう言って店の人にその旨を頼んでいる俊をうっとりと見とれる蘭世。
・・・ああ、真壁くんが私のために・・・・・
とろんとした眼で見つめる蘭世の視線。俊が気が付いていないわけないのにあえてそのことに触れない。
「おいしいか?」
「うん、あんまり甘みが強くないからきっと真壁くんでも大丈夫だよ。」
蘭世は乗っかっているイチゴをひょいと俊の口元に差し出す。俊は一瞬止まったのちあきらめてそれを
食べた。
デザートに合う食後酒を飲み終えるころにはもう、蘭世は少し酔っ払い気味だった。
331Happy Birthday2:03/07/27 09:23 ID:nDWSQA+6
「おいしかったねぁ〜〜」
「そりゃ良かった。」
蘭世はふらっとしながら歩き始めようとしたので慌てて俊がその腕を支える。
「へへ・・・」
腕に自分の腕を絡め、蘭世は俊を見上げる。その瞳は酔いで潤みを帯び俊を誘うように。
「え・・江藤?」
「このまま、帰りたくないなぁ・・・」
もちろん蘭世に他意はない、ただ、その幸せな時間がもう少し欲しいだけ。俊は動揺しながら
「馬鹿。」
額を軽く押す。蘭世の表情が一瞬ふくれたのち笑顔に変わる。
「だってぇ〜〜嬉しいんだもん。」
・・・・俺の気もしらねぇで・・・
俊は腕を振りほどくことなくそのまま喧騒の街を歩く。ただ、二人幸せな空気に包まれる。
「あ!真壁さんだ!」
「ほんとだ!でも・・・」
ファンらしき女性が少し離れたところでそんなことを話しているのが聞こえてくる。
「でも、きっと違うよ。」
「でもでもあんな風に・・・」
その女性が二人の傍に駆け寄ってきて
「真壁さん!ファンなんです!握手してください。」
二人とも手を差し出すが俊は
「今プライベートなんで・・」
「え、あ・・すいません。あの・・・その人は?」
無遠慮に聞いてくる。
「あ・・・・・」
俊は答えに窮し、それでも一拍おいてこう答えた。
「婚約者・・・です。」
蘭世の顔が見る間に赤くなり、うつむいてしまう。
・・・真壁くんが、こんな風に言ってくれるなんて・・・・
嬉しさでどうにかなってしまいそうな蘭世に気が付くと
「じゃ・・・」
そう言って俊は蘭世を伴って逃げ出す。
332Happy Birthday3:03/07/27 09:24 ID:nDWSQA+6
「真壁くん・・・いいの?」
「別に・・・かまわねぇよ。」
蘭世は俊の腕にさらにぎゅっとつかまる。俊は腕に感じる蘭世の胸のふくらみに戸惑う。
・・・こいつ・・・
俊は今日の最終目的地へと歩みを早めた。
「真壁くん?」
「ん?」
「どこいくの?」
答えない俊、ただやさしく笑うだけ。蘭世はそれ以上追求出来なかった。
街をそぞろ歩きながら、二人が着いた先はシティホテルだった。俊は予約を入れていたらしい。
フロントで手続きをする俊の横に立っている蘭世は恥ずかしくてうつむきっぱなし。
「ごゆっくりおくつろぎくださいませ。」
フロントの人がそう言って二人をエレベーターホールへと送り出す。
「今日は・・ビックリしっぱなしよ。真壁くん。」
「なんでだよ?」
「だって、お店もこのホテルも一回は行ってみたいって思っていた場所ばかりだもの・・・・あー
私の心読んだでしょう!」
「よまねぇよ。」
・・いや、読んだけど・・・
「ほんとに?」
「ああ。」
「ほんとにほんとにほんと?」
「しつこいぞ。」
そうこうしているうちにエレベーターが止まる。
二人は通路を歩いて部屋にたどり着く、通路の終点にあるその部屋のドアを開けるとそこには一面のイルミネーションが広がっていた。
「わ・・あ・・・・」
「こりゃ・・」
景色のよい部屋をとだけ伝えておいた俊だったがこの部屋には驚きを隠せない。蘭世はぱっと窓際に向っていく。
「すご〜〜〜い!!きれいだねぇ。真壁くん。」
電気をつけるのがもったいないほどの景色。大きく切り取られた窓からみえるそれは現実を忘れさせる。
「江藤・・・」
背後から蘭世を抱きしめる。蘭世は一瞬びくっとするが抗うことはなかった。
333新婚作者:03/07/27 09:24 ID:nDWSQA+6
続きは今日中に・・。

なんとなくラブラブムードにしたいので・・。
334名無しさん@ピンキー:03/07/27 10:08 ID:m6w027A8
やったあ!朝から新婚さんだああ!!!
おはようございますv
そんで蘭世ちゃん、お誕生日おめでとう!!
かなりのラブラブムードで…(・∀・)イイ!
続きをお待ち申しております。
335Happy Birthday4:03/07/27 10:30 ID:nDWSQA+6
灯りのない部屋、しばしそのまま互いのぬくもりを確かめ合う。そして腕を解くと窓辺に腰掛け両手を広げる。
その腕に蘭世は抱きしめられる。
「真壁・・くん・・・」
「江藤・・・」
俊の腕に抱き上げられ蘭世の両足が床から浮き上がる。蘭世は両手を俊の首に回しぎゅっとつかまる。
膝で蘭世を支えながら俊の手が蘭世の顎をあげさせる。
互いの瞳に映る真実が二人の距離をさらに近づけ、吐息が絡まるほどの距離に唇があった。
蘭世の方から俊に口付けると、俊はさらに強く蘭世を抱きしめ奪うようにキスを返す。
お酒のせいかもしれない、景色に酔っているからかもしれない。蘭世は俊の求めに応じて唇を開く。
俊の舌が蘭世の舌に絡まり、甘い吐息とキスを繰り返す。俊の手が洋服ごしに蘭世の身体を弄る。そしてファスナーに手を
かけようとして止める。
「江藤・・・」
俊が蘭世を膝から降ろし、立ち上がらせる。
「脱いで・・・・」
「え・・あ・・・あの・・・・」
暗闇の部屋とはいえ、この距離では俊にすべて見えてしまう。バスルームに逃げ込もうとする蘭世を俊が視線で捕まえる。
「ここで・・・俺の前で・・・」
「でも・・・でも・・・・・」
俊は力を使って蘭世のジャケットを脱がす。
「きゃっ!・・・・」
あくまでもやさしいそれでいて逃げられない強い視線で蘭世を射抜きながら俊は続けた。
「江藤・・・」
窓辺に腰掛けた足を組みながら俊は待っていた。蘭世はあきらめたように後ろのファスナーに手をかける。
チーっと小さく音を立てて降ろし蘭世は肩からワンピースをはずす。ぱさりと足元にたまる。
長めの純白のキャミソールの蘭世。
「全部・・・・」
その声が少し上ずっているのに蘭世は気がつく余裕もない。
336Happy Birthday5:03/07/27 10:31 ID:nDWSQA+6
・・・・恥ずかしい・・・真壁くん・・・・・
俊は黙って蘭世を待った。おずおずと蘭世の身体からキャミソールが落ちる。
「まだ、残ってる・・・・全部・・脱いで・・・」
「だめ・・・そんな・・・・」
「お前が見たいんだよ。」
・・・・お前のすべてが・・・・
熱っぽく見つめる視線は蘭世の全身を愛撫するよう。背中のホックを震える手で外し両腕から抜き取る。両手で胸元を隠す蘭世。
「許して・・・お願い・・・・」
潤んだ瞳にイルミネーションが映りこむ。俊は容赦なく首を横に振って答える。
「もう一枚だけ、だろう?」
その最後の砦は強固そうではあったが辛抱強く待つ俊に蘭世が折れた。前にかがみながら下着に手をかけてゆっくりと降ろす。
流れ落ちる髪の隙間から見え隠れする乳房が俊をそそる。
下まで下ろしきるとそのまましゃがみこんでしまった蘭世に俊はとどめの一言を刺す。
「立てよ・・・」
もう、興奮を隠し切れない口調で俊は言い放つ。首を左右に振る蘭世。俊は仕方がないといった感じで蘭世の方へよってくると
ひょいと脇に手を入れて蘭世を強引に立ち上がらせる。
「やっ!・・」
・・いや・・・恥ずかしい・・・・・
「・・・だよ・・・」
「え?」
戸惑ったように蘭世は俊を見つめる。
「きれいだって言ったんだ。」
影になって俊の表情は見えない、それでもその言葉は蘭世の心に響く。俊が手を抜くと蘭世は両腕で身体を抱きながらそれでも
立ったままいた。俊は窓辺にもう一度腰掛ける。
部屋に蘭世の細い身体が白く浮かび上がる。
337新婚作者:03/07/27 10:32 ID:nDWSQA+6
今日は書き上げたはしからうpしていっております。
今日中に終りますのでご勘弁くださいませ。

338名無しさん@ピンキー:03/07/27 12:07 ID:HfnFvXKS
あぁぁ素晴らしいっす。
日曜も仕事かよっ!やってらんね〜な、(゚听)と
思ってましたが、新婚作者サマのおかげで
イイ気分です。
待ってまつ
339Happy Birthday6:03/07/27 13:52 ID:nDWSQA+6
「こい・・・・・」
俊は自身もシャツを脱ぎ捨てると蘭世を呼ぶ。蘭世は俊の腕の中へ飛び込んだ。
蘭世の素肌も俊の身体も熱く血を滾らせていた。羞恥心からか、興奮からか、両方か?
そんなことももう考えられない。
俊の逞しい腕に抱かれ蘭世はその唇を求めるように顔を上げると情熱的なキスが与えられる。その唇は蘭世の首筋へと
滑り、のけぞった鎖骨へと降りていく。
「ああ・・ああ・・真壁・・くん・・・」
俊は片手と足で蘭世を支えながら、もう片方の空いた手で蘭世の乳房を鷲掴みにする。
「う・・ううん・・・んん・・・・」
可憐な声をあげながら俊の動きに身体を添わせ、感情をあらわにする蘭世のすべてがいとおしい。
指先でこりこりと頂点の蕾を転がしながら、唇は唇と耳元を往復し蘭世の熱を上げていく。
「ああ・・やぁぁぁ・・あん・・・んん・・」
俊の舌先が蘭世の耳に吐息とともに潜り込むと、蘭世の肢体が戦慄く。
「も・・あ・・・だめ・・・あ・・・」
いつもよりやさしく、いつもより激しい俊の愛撫に蘭世の身体から力が抜け、快感だけを追いかけはじめる。
俊は膝を動かし蘭世の足を広げる。もはやなすがままの蘭世もその格好に全身を赤く染める。
「やぁ・・・だめぇ・・・」
「外から・・・見えたら・・どうするよ・・・」
「ぁあ!!!いやぁぁ!!!」
俊の首に抱きつき乳房をその厚い胸板に押し付ける形になる。見えるわけがない高層ホテルの上層階なのに蘭世は
恥ずかしさに身体を震わす。
その仕草がなんとも俊を煽る。
背中を軽く指先で弾きながら、蘭世の唇を貪る。
「んん――ん・・・ふぅ・・ん・・・」
身体に感じる俊の愛撫をと唇から伝えられる快感を一緒に受けながら蘭世は身体が高揚していくのを止められない。
俊の首に回した腕に力が入る。
340Happy Birthday7:03/07/27 13:53 ID:nDWSQA+6
「あ・・ぅうん・・ん・・・あぅ・・ん・・」
密着された心臓のあたりが早鐘のように鳴っている。それは蘭世のものか俊のものか、それとも二人のものなのか。
合わせるように俊は手を蘭世の身体の上に滑らせていく。
ビクンと蘭世の肢体が反応を示す部位には特に念入りに。
「ああんん!!はぁん!」
蘭世の熱い吐息が俊の耳元へと浴びせられる。その今まで聞いたことのない喘ぎが俊を刺激する。
俊の手が茂みの上ぎりぎりまで降りて来ていた。その若草のようにやわらかいそこを撫でつけ、指先をその奥へと落とす。
「やぁぁ・・!!」
そこは明らかに濡れそぼり、蜜をしとどに湛えている。
「い・・やぁ・・・だめ・・だめ・・・・」
言葉と裏腹にそこからたらりと太ももに蜜が滴っていく。俊は蘭世を抱き上げ自分と入れ替えると窓辺に座らせ両足を開かせる。
「やだぁぁ!!!いやぁ・・」
その開かれた足の間にひざまずくと俊は両手で蘭世の足を押さえその中心部に視線を注ぐ。
・・・・見られている・・・ああ・・・・真壁・・くん・・・
その蜜に群がる蝶のように俊は唇を寄せた。
「はぁぁぁ!!!んんん!!」
温かい唇の感触の後ぬめった舌先がその蜜を舐めあげる。
341新婚作者:03/07/27 13:53 ID:nDWSQA+6
少し出かけてきます。
続きは夕方に・・。
342名無しさん@ピンキー:03/07/27 16:36 ID:RQfT8iRc
>>341
新婚作者タマ、お出かけでつか。
続きが気になる〜昼間から(*´Д`)ハァハァさせてもらいまつた。
楽しみにしてますね
343Happy Birthday8:03/07/27 18:30 ID:nDWSQA+6
「あんんぅぅん!!やぁぁ!!」
「嘘つけ・・・・」
否定の言葉を覆すようにそこから蜜をあふれさせる蘭世。俊はそれを残さずというかのごとく舌先で掬い取る。
その蠢く舌に蘭世の奥底の官能が呼び覚まされる。
我知らず腰をくねらせ俊のそれを甘受し、善がり、狂う。両手で桟にしっかりとしがみつく。
「ぁぁああ!!」
俊の舌が芽の部分を執拗に舐る。ぴちゃぴちゃという音が音のない部屋で蘭世の耳に響いてくる。
「いやぁぁぁ・・ああ・・・・んん・・・」
突き上げてくる快感に蘭世は耐え切れなく細く高い喘ぎ声を上げる。
「ぁぁぁああああ!!!」
逃げたいのか、もっと欲しいのか?蘭世はそこを引くつかせながら俊の愛撫に溺れていく。
肩で両腿を押さえ、指先で芽の部分を軽く摘む。
「ひぃん・・ぁぁ・・!!!」
いやいやと自由になる首を左右に振る蘭世。俊は唇をようやく少しずつ太ももへとずらしていく。滴った蜜の後を追うように
舌先で舐め取っていく。
その感触は蘭世の理性を奪っていく。俊の一挙手一投足だけが蘭世のすべて。
足元まで降りてくるとその指先までに舌を這わせる。
「ぁぁ・・そん・・・な・・・きた・・・ない・・よぉ・・・」
蘭世の一瞬のそんな理性も俊の愛撫に熔かされて行く。そしてもう一度同じ道をたどっていく。
「やぁ・・ぁぁぁああ!!!!!!だめぇ・・・」
俊の唇が乳房まで戻る。その頂点は固く張り詰め震えていた。それに俊は齧りつく。
「あうっ!!やぁぁ!!ぁぁあああ!!!」
のけぞり、逃げようとする蘭世。それでも俊は蘭世を解放する気配はなかった。快楽の曲線があがる。
俊が指先を蘭世の胎内に潜り込ませた瞬間、蘭世は一気に絶頂に達する。
344Happy Birthday9:03/07/27 18:30 ID:nDWSQA+6
「ぁぁあああんんんん!!!!!!!」
蘭世の蜜壷がひくつき俊の指を奥へと引き込もうとする。
「欲しいか?」
耳元に口を寄せ、俊は蘭世に囁く。指先を折り曲げ、天井を擦りながら親指は芽を捏ねている。
「ひ・・・あ・・・あん・・・ま・・かべ・・くぅ・・ん・・・」
・・おかしく・・なって・・しまう・・・・
「いいぜ・・もっと・・・・聞かせてくれ・・・」
お前の声を。
俺を望み、求める想いを。

・・・もっと・・・俺を・・・求めてくれ・・・・
お前が求めているよりもっと俺はお前が必要だから、お前は俺のためにすべてを投げ出す。でも俺に何も求めない。
ただ、俺を好きでいてくれるだけ。
俺はそんなお前に何か返せているのだろうか?
俺はお前に必要とされているのだろうか?
俺はお前ほどお前を愛しているのか?
最後の答えだけはYESと答えられる。それ以外は?
・・・愛している・・・江藤・・・お前を・・・
言葉に出来ない、それくらい想いは強い。
伝えるには言葉だけではない、身体も心もすべて。

「ま・・かべくぅぅん・・・・も・・・私・・・ああ・・・・・」
うわ言のように俊の名前を呼ぶ。
「言えよ・・・」
蘭世はもう、限界に近い、俊もまた先走りで下着が湿っていることを身体で感じていた。
「・・お願い・・・よぉ・・・・も・・う・・・」
俊は蘭世を抱き上げベッドに下ろすと、ようやくスラックスとトランクスを脱いだ。そこには雄雄しくいきり立ったそれ。
痛いほど脈打ち熱くたぎっていた。
荒い息の中で蘭世は俊を待ち望む。
345新婚作者:03/07/27 18:31 ID:nDWSQA+6
書いた端からうpしているので細切れになることを
お許しくださいませ。

さて、続き書きに行ってきます。
346名無しさん@ピンキー:03/07/27 19:38 ID:cokOv8uy
>新婚さま
「・・お願い・・・よぉ・・・・も・・う・・・」
荒い息の中でわたしは続きを待ち望む。

ごめんなさい(w
347Happy Birthday10:03/07/27 20:05 ID:nDWSQA+6
もう言葉は必要なかった。俊は蘭世に体重をかけないよう覆い被さるとやさしく甘いキスをする。
そのキスに応え両手を俊の首へ回す。
俊は蘭世のぴったり閉じられた足の膝に手をかけるとその裏側から足を持ちあげる。
片足だけ曲げられ俊はその間に身体を入れる。
・・ああ・・・やぁ・・・見ないでぇ・・・・・
そういわれると見たくなる。俊の視線が一瞬蘭世のそこに落ちる。
「ああ・・・だめ・・・やぁ・・・」
そこは満開に咲き誇り俊を誘う。
蘭世はシーツを手繰り寄せようと指先を動かす。その指先を俊が捕えリネンに押し付ける。
「俺は・・・ここだ・・・」
「真壁・・くん・・・」
「ここに、いる。お前の傍に。」
こんな風に言われたのは初めてだった。俊の思いが流れ込んでくる。
・・欲しい・・欲しい・・・お前が・・・欲しい・・・
強い想い、心。蘭世を望む。蘭世の両目から涙が溢れ出す。その涙を俊が唇で拭う。
蘭世の表情が眩しい笑顔に変わる。
「真壁・・・くん・・・・私も・・・私も・・・」
・・・真壁くんと・・・一つに・・・なりたい!!!!・・・
俊は一つ小さく頷くと蘭世の熱いそこにそそり立った分身を埋め込んだ。
「ぁああ!!」
初めてじゃないはずの交わりで初めての快楽を二人の間に生み出し、二人で溺れていく。
その海に漕ぎ出した二人にはもう邪魔するものは何もない。
ただ、互いだけ、二人だけがそこにあった。
蘭世の胎内で俊が包み込まれ、俊のそれで蘭世は熱くなっていく。
その高まりには際限なく、二人ともその快楽が自分のものなのか、相手のものなのか区別がなくなる。
348Happy Birthday11:03/07/27 20:06 ID:nDWSQA+6
俊は腰を激しく打ちつけながら蘭世の身体を奪い尽くす。
蘭世はその俊の雄を胎内に感じながら、全身全霊をかけて俊を想う。
そのすべて、その愛。
「い・・ああ・・・あんん!!!や・・・あん・・んんんん!!!」
一気に登りつめると俊のそれをきつく締め付けてくる。俊はその蘭世から自身を一度抜き取ると蘭世を抱きかかえ窓辺へと
戻る。
「いやぁ・・なに・・なぁ・・・」
窓の方を向かせ後ろから一気に貫く。
「ひぃぃ!!ああん!!!やぁ!!いやぁ!!」
・・・見られる!!!・・・
・・見せるもんか・・・俺の・・・だ・・・
貫かれたそれで身体を支えられながら背中に俊の唇が這う感触で快楽の中に叩き込まれ腰が砕ける。
両手は俊の両手に覆われ、窓枠にかかる。
「い・・・・やぁ・・・・や・・ああん・・・」
「見せて・・やれよ・・・・お前は・・・俺の・・だ・・・」
・・・俺だけの・・・ものだ・・・・誰にも・・触らせない・・・
荒い息遣いで俊の興奮が伝わってくる。蘭世の身体はそんな些細なこと一つでも鋭敏に反応を返してくる。
求められる幸せ。
誰にも入り込めない二人のつながりに。
349新婚作者:03/07/27 20:06 ID:nDWSQA+6
>>346

荒い息でお待ちくださいませ・・・。(w
350あぼーん:あぼーん
あぼーん
351名無しさん@ピンキー:03/07/27 23:03 ID:GQmqfqwv
>見せて・・やれよ・・・・

覗き見てぇ〜〜〜(>▽<)!
新婚タン、乙です!!
続き、楽しみにしています!!
352Happy Birthday12:03/07/27 23:26 ID:nDWSQA+6
「ま・・かべ・・・・くん・・も・・あ・・・だめ・・・あ・・・」
半ば失神しかけた蘭世をその体勢のまま持ちあげ、片足を窓枠に置く。窓に映る二人の姿にイルミネーションが混じる。
「見えるか・・・ここ・・・」
俊は腰を揺らさず、蘭世の指先をつながっている部分に持っていく。
「や・・あ・・・あん・・・」
蘭世はおぼろげな感情のなか指先に感じる熱い感触に身を捩らせ、快楽を教え込まれる。
「俺の・・だ・・・・これは・・・・」
「ま・・かべ・・・くん・・の・・・?・・」
「お前の・・・胎内に入って・・る。」
蘭世のそこが蠢き俊に刺激を与え、一回り大きくふくれる。
「あぅ・・んん・・・ん・・・・」
・・・私と・・ひと・・つ・・?・・
「そ・・・うだ・・・・」
俊も熱い息の中答えを返す。
「いいか・・・?」
耳元で囁く俊の望むものは蘭世との一体感。それはなにか知っている。
・・いい・・・私・・・真壁くん・・・なら・・・・
「言って・・・・みろ・・・・・」
俊は蘭世の指を使って芽の部分を捏ねる。
「ぁぁあああ!!!お願い!!!!も・・もぅ・・・あ・・」
「言え・・・」
・・欲しいと・・・・俺を・・・求めろ・・・
「き・・・てぇ!!!!」
353Happy Birthday13:03/07/27 23:27 ID:nDWSQA+6
蘭世の胎内で存在感を示す俊に快感を流し込まれ、捕えられ、溺れ、すがる。
俊は蘭世の腰を支えながら律動を開始する。
「ふ・・あ・・ああん・・ああん・・・やぁ・・・こ・・われ・・・る!!!」
黒髪を振り乱し、汗が全身に噴出す。それすら俊を煽る小道具に過ぎなくなる。
「あっあっああっぁぁあああ!!!!」
蘭世は絶頂の高みに持ちあげられる、その曲線が落ちる間もなくテレポートでベッドにつながったまま倒れこむと蘭世を
四つんばいにさせ、腰を持ちあげる。
あがった息のままその格好にも抵抗なく受け入れる。背後から両腕を引き、蘭世の背筋が反り返る。
俊はその不自然な格好のまま腰を前後に動かすと蘭世の口から高く喘ぐ声があがる。
「ま・・かべ・・くぅんん・・・ああ・・・私・・・私・・・」
何を言っているのか自分でもわからない。
・・・壊して・・・も・・いい・・・私・・・
・・・・俺のだ・・俺の・・・俺も・・・
「お前のものだ・・・」

俺のすべてをお前にやる。
俺はお前がいなければ生きている意味がないんだ。
だから・・・・

20歳の贈り物は自分と決めた。
お前が望むなら俺はなんだって出来る。

「ぁあああ!!!!やぁ!!!」
「うっ・・」
蘭世の身体を反転させ抱きしめながら腰を上下に揺らし蘭世の乳房に花を散らす。
一気に快感が高まっていく二人。
そして、蘭世が再度の絶頂に達するとき俊もまたすべてを解放した。
354Happy Birthday14:03/07/27 23:27 ID:nDWSQA+6
次に俊が眼を覚ましたとき空がほのあかるくなっていたころだった。
傍らに丸まるように眠っている蘭世を抱き抱えベッドに潜り込む。
「真壁・・く・・・ん・・・」
夢を見ているのか、その表情は笑顔。
「江藤・・・・これからも・・・よろしくな・・・・」
・・大事なお前を泣かせないよ・・・・
「う・・ん・・・・」
蘭世が薄く眼を開ける。
「ん・・?真壁くん?」
「起きたか?」
「う・・・ん・・・・」
「もう少し寝てろ。まだ早い。」
「うん・・・真壁くん・・・・」
「なんだ?」
「ずっと・・傍にいてくれる?」
「ああ、いるよ。」
・・・お前が望むなら、いつまでだって・・・
「有難う・・・・」
すーっと睡魔に引き込まれる蘭世を見たことないようなやわらかい表情で見つめる。
355Happy Birthday15:03/07/27 23:27 ID:nDWSQA+6
「ねぇ、真壁くん。」
「なんだ?」
チェックアウトの時間が迫る部屋で二人帰宅の準備をしている。
「なんだか、凄くいい夢見たの。」
「そうか?」
「真壁くんがそばにいたからかな?」
「さぁな?どんな夢だ?」
「・・・・忘れちゃった・・・でもすっごくいい夢。」
嬉しそうに微笑みながら俊に言う。
「そうか。良かったな。」
「うん・・・・そういえば、昨日は有難う。」
「ああ、別に。」
「来年の真壁くんの時に欲しいものある?」
「別にねぇよ。」
・・・もうもらった・・・
「もう、何かない?」
「いいって別に。ほら、そろそろ時間だ。お前を家に送ってかなきゃならんだろ。いそげ。」
「は〜い。」
ぱたんとドアを閉め二人出て行く。

20歳のバースディは特別。
二人新しい道を踏み出した第一歩。

Happy Birthday Ranze。
356新婚作者:03/07/27 23:28 ID:nDWSQA+6
終わりです。

一日で突貫作業。
いやぁ・・・バースディが日曜なんてこれは私に書けといわれている気分だった。
(んなわきゃないか。)

でもえっちらほとなんとか今日中に終ってよかったです。
有難うございました。

かしこ
357名無しさん@ピンキー:03/07/27 23:39 ID:K+GiVKXq
わーい!!
新婚タソ乙ですた!!
いいもの見せて貰ったわ〜w

バースディで日曜…
私も「書かねば!!」といきり立ったですが、
自己ミスにてあぼーん…
いじけてたとこだったので、
余計にいいもん見させていただきました!!
次も期待してますね!

そんでもって、
蘭世ちゃんもお誕生日おめ〜。
358346:03/07/27 23:41 ID:cokOv8uy
>「なんだか、凄くいい夢見たの。」
こんな気分です(ハァト

>いやぁ・・・バースディが日曜なんてこれは私に書けといわれている気分だった。
実はけっこう期待してました。イベントといえば新婚さま(w

ありがとうございました



359ワルさくしゃ:03/07/27 23:41 ID:m1VvkJRC
新婚作者様の作品をぶった切らないよう待機してました。
(といいつつ書き込まれたら速攻読みふけってましたが(・∀・;)エヘ)
何とか今日の日付中に書き込めそうで、よかった…。
昨日から続いている、蘭世お誕生日投稿祭り(…なのか?)に
ぎりぎりながら参加しまッス!!
5レス使います。
360きげんわるい:03/07/27 23:43 ID:m1VvkJRC
最近江藤の機嫌が悪い。
原因は、来春に控えた結婚式の準備やら新居の手配やら引越しの支度やらを、ほぼ全て
彼女一人にやらせてしまっているから…に違いない。
「真壁くんはトレーニングに集中してていいよ。私頑張るから♪」
と初めに江藤自身が言ったのだが、我ながらだからと言ってちょっと任せっ放し過ぎだよな…と
反省し始めたところだった。

しかし
「じゃあ真壁くんも少しは考えてよっっ!!」
…反省し始めるのが遅かったらしい…。
今日は二人で家具の配置などを決めに、契約が済んだばかりの新居へやってきていた。
そこでおれが、江藤の引越し準備の些細なミスを指摘したことで、耐えていたものがとうとう
キレてしまったようだ。
ミスを指摘、といってもただ気付いた事を口にしただけで、非難する気持ちなどは毛頭なかったのだが…。
「一人で全部手配するのって、すっごく大変なんだから!!」
「…だってお前が一人でやるって言ったんだぜ」
「うっ…。そ、そうだけどっっ………」
涙目になった。まずい。また余計なことを言った。
「全部完璧になんてできないもん!!役立たずでごめんね!?どうせどうせ…」
「落ち着け。悪い。おれが悪かった」
興奮し始めた江藤を抱きしめて落ち着かせようとする。
「悪かったよ。任せっ放しにしちまって。ちゃんとこれからはおれも手伝うから…」
「『手伝う』って何!?どうしてそんな他人事みたいなのぉっ!?二人のことでしょう?」
「おい…」
普段はこのへんで落ち着くんだが…。
とうとう本格的に涙を流しておれの腕の中で暴れる。
マリッジブルーとかいうのも入ってるのか?こいつ意外とごちゃごちゃ悩むタイプだし。
…何はともあれ、いつの間にか相当根が深くなってしまっていたらしい。
そうすると、残るはあれか。
361きげんわるい2:03/07/27 23:43 ID:m1VvkJRC
細い手首をつかんで無理矢理口付けた。
「………っっ!!」
江藤は驚きのために一瞬動きを止めたが、またすぐに抵抗しようと暴れる。
それをきつく抱きしめて動きを封じ、そのままずるずると新居の大きな出窓の方へ移動した。
唇をなおもふさいだまま彼女の体を持ち上げ、少し高い出窓のふちへ腰掛けさせる。
ここまで来るともうこっちの持久力勝ちだった。
「はぁっ…は…ぁっ…」
息苦しさに、抵抗する力もおれを責める力も尽きてしまったようだ。
長いキスから解放してやっても荒い呼吸を繰り返すだけで、もう詰る言葉は出て来なかった。

「江藤、聞けよ」
真っ赤になってしまった瞳を、それでも悔しそうに上げておれを見た。
目をしっかりと合わせて、真剣に言う。
「ごめん。悪かった。…甘えすぎてた。反省してる」
「……………ぅ…」
ぼろぼろと再び流れ出す涙。
言葉が出ない様子の江藤の思考を読む。
(こんな風に謝ってくれるなんて、嘘みたい…。………嬉しい。
わたし、すごくヒステリックだった。
はずかしいよう。イライラしてたの、ぶつけちゃったんだ…。
どう謝ったらいいんだろう…?)
…よかった、いつもの江藤だ。
申し訳なさそうにおずおずと見上げてくる瞳に、うなずいてやる。
言わなくてもいい。わかっているから。
362きげんわるい3:03/07/27 23:44 ID:m1VvkJRC
これからはちゃんと協力しよう。二人の大事な事だし。決意を新たにした。
…しかし…少しくらい仕返ししてもいいよな…?
「まだ怒っているのか?そうだよな。こんなのじゃ許してくれるわけないよな…?」
「…え…?」
もう仲直りできたはず、というように、怪訝そうにおれを見上げる江藤。
おれは、相変わらず出窓に腰掛けている江藤の前に跪いた。
今度はこっちが彼女を見上げる角度になる。
「もっとちゃんと反省の気持ちを表さなきゃなあ?」
つい下心が、見上げる視線に出てしまったかもしれない。
ぎくりと江藤の体が強張った。

出窓に腰掛けた江藤のひざは、跪くおれのちょうど目の前だ。
そのままふわりとした長めのスカートの中に、頭をもぐりこませた。
「きゃああああ!?」
江藤は慌ててスカート押さえ、脚を閉じようとしたが、…遅い。
それよりも一瞬早く、おれが白い太腿の間に身を滑り込ませていた。
両手で閉じようとするひざを押さえ、白い下着の上から、あたたかな奥地へ唇を寄せた。
「いやっ…真壁くん…っ」
一番敏感な芽があるあたりに鼻を擦り付けると、声が甘く変わった。
「あ…ふ、うそ…、こんなところで…っ」
お詫びのご奉仕だ。
下着の脇から舌を潜らせると、すぐに覚えのある味のする粘膜に辿り着いた。
すすろうとするが下着が邪魔になった。
両脚を肩に乗せて少し上体を起こし、江藤の腰を浮かせる。そうして下着を抜いた。
今度はスカートを捲り上げて濡れた花弁を外気に晒しながら、再び吸いつく。
「やっ…、あ、ああ…ん…」
もっと抵抗されると思っていたが…普段より昇っていくペースが早いぐらいだ。
いつもと違うシチュエーションだからか…?
少し嬉しくなって、締まり始めた中心へ、指を挿す。
363346:03/07/27 23:44 ID:cokOv8uy
357さんニアミス!
他にも書こうとしてくれてる作家さんいたのですね!
あ〜ん、それも読みたい〜!
364きげんわるい4:03/07/27 23:45 ID:m1VvkJRC
「いやあああっ、ざらざら、するっ…!」
舌の広い面でずりずりと突起を押しつぶすように舐めると、中に入れた指がぎゅう、とひときわ
強く締め付けられた。
「まかべく…んっ…!ぁっ………!!!」
片手で押さえたままだった太腿が、びくびくと痙攣して果てた。
入れたままの指にどくどくと粘膜の脈動が伝わってくる。
「はっ…はぁっ…はぁっ…」
ぐったりと、江藤の上体の力が抜けた。と、がたん、と肩から窓にぶつかってしまった。
「大丈夫か?」
「ん…」
目がうつろだ。抱き起こしてやると、上気した顔をゆっくりとおれに向ける。
そして力の抜けた指が、ゆっくりとおれのベルトに掛かった。
細い指が男の欲望に直に触れ、服の外へ引き出す。
おいおい。珍しいことするじゃないか。
大胆なことをしたくせに、顔は真っ赤にしてうつむいたままでいる。
そのギャップがたまらなくかわいらしい。
こういうところがいじめられる原因だってわかっているのか?
腰を進めながら、江藤の背後の窓を少し開けた。
「大声出すなよ。近所に聞かれたくないだろ?」
「ま、まってっ…!やだっ…!!」
立ったまま、構わず突き上げ始めた。
「……っ!…っぁ…っ!………ぁっ!」
江藤は必死に声をこらえながら、揺さぶられていた。
最初は小刻みに小さな悲鳴をあげていたが、そのうち声は出さず、口を「あ」の形に開けたまま、
何度も突かれるままに身をゆだねた。
そのかわり叫ぶような心の声の奔流が、伝わってくる。
(まかべくんまかべくんまかべくんまかべくんまかべくん…)
「…っく…っ!…ぁ…はあっ…!」
声にならない江藤の悲鳴に圧倒され、背筋を駆け上がる快感に抗えなかった。
吐き出し、それを受け止めてくれた細い体を抱きしめる。
ゆっくりと呼吸を鎮めながら、目を閉じた。
365きげんわるい5:03/07/27 23:50 ID:m1VvkJRC
身支度を整えて、新居を後にした。
家具の配置の打ち合わせは…またにしよう。少々疲労していた。
「機嫌、直ったか?」
「もうっ!知りません!」
真っ赤になってそっぽを向く。
「じゃあ、おれの部屋でもう一回謝ろうか?」
「!!!???」
ますます顔を赤くしてパニックになる江藤。
つい笑ってしまう。そしてひっそりと思う。
(…まぁ機嫌悪いままでもいいけれど。さっきの続きができるから…)

おわり


新婚作者様、レベルは及びませんが、窓際えっちがビミョーにかぶって
しまいますた…。す、すみません。
しかし昨日から用意していた文で、作り直すなんてできませんでしたー!!
、゛,、´ `
     ,、  パーン
   ,゛゙゙゙〃、、
 ,゙(*´∀`;)、゙ 
  ( つ / /
  ̄ ̄\/ / ̄ ̄
      ̄ ̄ ̄ ̄
ゲンカイデツ…
366新婚作者:03/07/27 23:54 ID:nDWSQA+6
こちらこそすいませんでした。(涙

いえ、ぶった切ってくれて構わないですほんとに。
今日はかきかきしながらのうpだったんでご迷惑おかけいたしました。

窓辺でH。私は夜ですから。
ワルさくしゃさんは昼のようですし・・・・。
本当はうなぎ食べてGoも考えたんですが見事にギャグネタでえろなしになるので
やめました。

いや、楽しい。
微妙な競作気分ですね?

昨日から準備していたなんて・・・凄い。
私は今朝になって頭に降ってわいたネタですよ。
うう・・・。

ごめんなさいです・・・。
367名無しさん@ピンキー:03/07/27 23:58 ID:K+GiVKXq
わーい、ワルい作者タソもキター!!

やっぱり、日曜の誕生日は「書きましょう!」の思し召しなんですな…
自己アボーンしてしまった自分が憎い…
混ぜてもらえたかもしれないのに〜〜…。


修行しなおしてみます…。
368ワルさくしゃ:03/07/28 00:16 ID:1D0XKRdm
>新婚作者様
ウオ。も、もうお返事が…(゚Д゚≡゚Д゚)アワアワ
○浜○リンスホテルは、小高い山の上にあり、部屋には
窓ドーン、夜景バーンで、今回の新婚作者様のシチュにぴったりでつ…
なんてぐふぐふしながら読んでました。ごちでつーー!!
競作なんてモタイナーーーイ!!!((゚Д゚;≡;゚Д゚))アワアワアワアワ
うなぎでもりもりもまきゃべくんもみたいでつ…。じゅる…。

>357・367様
読みたいッス…。ぜひぜひ!!!
まだ祭りは終わってないでつよ〜!ぜひぜひぜひぜひぜひ!!(・∀・;)シツコイ…
369新婚作者:03/07/28 00:35 ID:IeCZDG9B
>>ワルさま。

そっちのホテルも良かったですが個人的には
新宿の○ーくはいあっとかな?

一応イメージしたのか
新○戸オリエンタ○ホテルだったりなんかする(関西在住です)


>>357、367様
そうそう、まだ夜は誕生日ですよ。(などと誘ってみる。)
370名無しさん@ピンキー:03/07/28 00:36 ID:CFkmEp+a
今日は蘭世の誕生日だし・・と思ったらキター!
新婚作者さんとワルさくしゃさんに感謝感謝!

Viva窓際!
371名無しさん@ピンキー:03/07/28 00:41 ID:u+aL5Q6b
>新婚作者さま
イメージが新○戸オリエン○ルホテルなんですか!
もう一回想像しながら読んできます。(近畿人)
372357:03/07/28 01:00 ID:F/V5u8ru
新婚タソとワル作者タソに心強い後押しをいただいたので、
今からガンガって書いてみまつ。
うpは明日朝までになんとか…!!
373357:03/07/28 02:42 ID:Eeiro2OM
ようやく、うpします。
エロほとんどないです、スマソ。
そんで、新婚タソとも被りました。
ごめんなさい。

そいでわ。
374天使の翼:03/07/28 02:43 ID:Eeiro2OM
 遅い梅雨明け、最初の日曜日は、快晴。
 突き抜けるような青い空に、白い雲が流れていく。
 眩しい太陽は熱視線を地上に向け、その眼差しに焦がれた地面が、想いを込めた熱気
を、宙に送っているようだった。
 「梅雨が明けたら、一気に暑くなっちゃったねー」
 手の平を空に向け日差しを遮りながら。ころころと、鈴の鳴るような笑顔の、蘭世。
 白いノースリーブの袖口は優しいレースに縁取られ、少しだけタイトなスタイルが、細
い体のラインを際立たせている。その白いワンピースに合わせたような、白い帽子が、日
の光と笑顔に映える。
 蘭世の笑みに、心なしか自分も柔らかく微笑む、俊。こちらは、Tシャツにジーンズと
変わらないラフな格好。
 久しぶりのデートは、どこへ向かうともなく、ただ散歩するだけだった。
 それでも、二人にとっては珍しい、集団ではないデート。
 気がつけば、誰か彼かと共にいることが多くて――特に曜子やら曜子やら曜子やら(笑)
――、二人っきりになれることはまれだった。
 今日だけは、二人きりになりたい。
 そんな蘭世の気持ちを汲んでか汲まずか、俊が歩いていってる方角は、普段のデート
コースから外れた、港の見える少し小高い公園。
 大股歩きの俊に合わせ、蘭世はちょこちょこと小走りになる。腕を絡ませるには、少し
気温が高すぎるから断念。ただ、手の平だけはつかず離れずといった感じで重ねている。
 それだけで幸せな気分になれるのは、これまでが激動すぎた分の反動だろうか。
375天使の翼2:03/07/28 02:43 ID:Eeiro2OM
 蘭世のにやけ顔はいつものことだったが、俊も珍しく、優しい顔をしていた。 
 公園までの通り道、アーケード街をゆっくり眺めていた蘭世が、不意に立ち止まる。
 「わー、これかわいい!!」
 小さな店のウインドウに、蘭世は張り付いた。
 並んで歩いていた俊は、後ろからひょいと覗き込む。
 そこに陳列されていたのは、天使のオブジェ。
 白い陶器で出来ている小さなものだったが、美しい羽が背中から伸び、今にも空に向
かって飛び立ちそうだ。
 「すっごくよく出来てるよね、きれーい」
 目をキラキラ輝かせながら、蘭世はショーウインドウに張り付いている。
 「…それ、欲しいか?」
 値札を盗み見て、一瞬の躊躇いののち、俊は小さく声をかけた。
 「え?」
 振り返った蘭世に、明後日の方を見ながらしどろもどろ返す。
 「………今日、お前の誕生日だろ?」
 「真壁くん、覚えててくれたんだ!!」
 蘭世の表情が、更に明るく華やいだ。まるで、夏のひまわりが今咲き誇ったような。
 そんな彼女の顔を見て、俊の胸に罪悪感が上る。実を言えば、彼の大切な人の誕生日を
知ったのは、ほんのおとといのことだ。
 「お兄ちゃん、お姉ちゃんのお誕生日には何をあげるの?」
376天使の翼3:03/07/28 02:44 ID:Eeiro2OM
 学校からバイトへ向かう道すがら、なるみと言う少女の家から帰る途中だという鈴世と
出会った。期待する仔犬のような目で自分を見上げる鈴世に、だが俊はもう一度、その問
いを聞きなおさなければならなかった。
 「…なんだって?江藤、誕生日なのか?」
 「…もしかして、お兄ちゃん、知らなかった?」
 意外そうな表情になる鈴世に、俊はそっぽを向く。
 「あー…、そんなこと、自分から言うようなヤツじゃねーしな…」
 それに、自分の誕生日より何より、蘭世が一番に優先するのは俊のことである。そし
て、これまでは誕生日の話題が出るような生活でもなかった。
 「…江藤の誕生日、あさってなのか……」
 「うん、僕、なるみちゃんにも相談に乗ってもらって、お姉ちゃんの誕生日プレゼント、
考えてきたんだ!」
 「へぇ?お前は何にするんだ?」
 何気なく聞いたつもりだが、参考にする意図もあった。女性への誕生日プレゼントなん
て、考えたこともなかったし、唯一のプレゼントと言えば、クリスマスの日に渡したペン
ダントやブローチくらいで。
 (いっつもそれじゃ、芸がねーよなぁ……。)
 かといって、他に何か見繕えるほど器用な男でもない。
 俊の意図を察したのか、鈴世はクスクスと笑った。
 「お姉ちゃんのことだから、きっとお兄ちゃんから貰ったものならなんでも宝物だよ」
 「でもなぁ…」
377天使の翼4:03/07/28 02:44 ID:Eeiro2OM
 そこまで言ってハタと気がつく。小学生相手に何を相談してるんだ、俺は!
 「まぁ、何か考えてみるさ」
 苦笑しながら鈴世と別れたものの、結局、何がいいのか考えつかず。
 そのまま蘭世の誕生日を迎えてしまった。
 元々この日はデートと決めていたから、その間、何か蘭世の欲しい物があれば、と考え
ていただけだったのだが。
 ここまで喜ばれると、逆に身に抓まされるような気がして。
 「これで、いいな」
 照れ隠しにそう言い、店の中に入ろうとして。
 止められた。
 「?江藤?」
 「…私、いらないよ」
 俊の服の裾を掴みながら、にっこりと、蘭世が微笑む。
 「でもお前…」
 「いいの。真壁くんが、私の誕生日を覚えていてくれたことだけで、十分」
 頬を真っ赤にして、嬉しそうに笑う蘭世に、俊もそれ以上は強く言えない。
 「…本当に、いいのか?」
 「いいの!それより、もういこ!」
 腕を引っ張られ、その店を後にする。
 何故か、いつもと違う蘭世が気になった。
378天使の翼5:03/07/28 02:45 ID:Eeiro2OM
 初めて足を伸ばしてみた公園は、夏の盛りだというのに人が多かった。
 休日出勤なのか、くたびれた様子のサラリーマン。人目もはばからずにイチャイチャし
て、逆にこちらのほうが目のやりどころに困るカップル。小さい子供を連れた親子連れ。
 お互いを労わりながら歩く、老夫婦。
 この暑いのに何を物好きな、と自分たちを棚上げして飽きれてみたが、ふと目を止めた
ものに、これならばさもありなん、と納得する。
 隣では、見つけたものに目を輝かせる蘭世の姿。
 「真壁くん、あんな大きな噴水があるよ!」
 公園のほぼ中央に位置する噴水が、熱い空気に僅かな涼を運んでいた。真中の高い噴出
し口から溢れる水が周囲の池に零れ落ち、その中では、小さな子供たちが服の濡れるのも
構わず互いに水を掛け合っている。
 その光景を見守るように、太陽の光を乱反射した、小さな虹。
 眩しくて、眩いような光景。
 「涼しそうだな」
 「近くまで行ってみない?」
 暑い気温に涼を求める気持ちは、誰も同じ。
 弾ける水の冷たさに引かれて、近寄った時だった。
 「きゃぁあ!?」
 「江藤!?」
379天使の翼6:03/07/28 02:46 ID:Eeiro2OM
 突然、勢いよく飛んできた、光る水のライン。蘭世が避ける間も、俊が庇う間もなく、
水は蘭世の背中に命中した。
 「つめた〜〜い!!」
 ずぶ濡れになった白いワンピースの背中は、蘭世の背中に張り付いてしまい、ワンピー
スとお揃いの白い下着が、濡れて露になってしまっている。
 びしょ濡れになった蘭世と、不測の事態に、蘭世の後ろに回る俊の下は、その状態
に、ドキンとしながらも。蘭世が持っていたハンカチで、背中を拭いてやった。華奢
な背中の唯一のおうとつは、肩甲骨付近で。意外としっかりしたそこを、特に丁寧に
拭いてやる。
 ちょうどそこへ、水鉄砲で水をかけたらしい張本人の少年が慌てて飛んできた。年
の頃8〜9歳くらいだろうか。
 「ご、ごめんなさい、お姉ちゃん!!大丈夫!?」
 青くなる少年の目の高さまで座ると、蘭世は少年の頭を撫でた。
 「大丈夫、少し濡れただけだもの。それより、危ないからもう人に向けて打っちゃだ
めよ?」
 「うん、ごめんなさい…」
 優しくて、綺麗な少女の手に撫でられて、少年の頬が少し赤くなったのを、俊は見逃
さなかった。
 「…もう、行くぞ」
 ぶっきらぼうに言うと、俊はスタスタとその場を後にする。
 「あ!真壁くん!!待ってよ!!」
380天使の翼7:03/07/28 02:46 ID:Eeiro2OM
 慌てて俊の背中に追いついく。まだ、背中が少し冷たいの…。そう呟く蘭世の背中に、
ゆっくりと手を当てる。一瞬、肩甲骨の頂点に触れた時、蘭世の体が震えたが、なるべ
く見なかったフリをして、手の平からの熱で服を乾かしてやった。
 俊の隣に立つ蘭世が、うふふ、と笑い出す。
 「…なんだよ」
 自分があの少年に抱いた嫉妬心らしきものがバレたのかと一瞬ヒヤリとしたが。蘭世
の笑みは、別のことを思い出したからだった。
 「ううん、なんだかあのくらいの年の頃の真壁くん、思い出しちゃって…」
 鈴世と二人、泥塗れで真っ黒になるまで遊んできて、よく怒ってたわね、私。
 「洗濯したばっかりなのに、とか、よく言われたな…」
 「それが今じゃ、こんなに立派なおにーさんだもんねぇ」
 クスクス笑う蘭世に、
 「お前だって、あの頃より年食って老けただろーが」
 「!!ひどーい!!女の子に年の話しちゃいけないんだからねー!!」
 ムキになって反論する蘭世ではあったが。
 「年の話するなって…お前、今日で幾つだよ」
 「…………19歳」
 俊は、ぷうと膨れる蘭世の頭を、くしゃくしゃと撫で回した。
 「ごめん、訂正。…まだ全然ガキ」
 「もう!また子ども扱いするー!!」
 怒ったように頬を真っ赤にして、蘭世は俊を追いかける。
381天使の翼8:03/07/28 02:47 ID:Eeiro2OM
 自分だけを見つめるその顔が嬉しくて。
 俊もついついからかってしまう。
 ようやく、蘭世が俊に追いつくと、俊は彼女の体を抱き寄せ、誰にも見られないように
テレポートした。
 「?真壁くん」
 疑問符を飛ばした蘭世は、連れてこられた場所に目を見張る。
 それは、先ほどのウィンドウショッピングをした店の前。
 空に手を伸ばす陶器の天使が、変わらずに置かれている。
 「…さっき、ヘンだったからな。本当にこれ、いらないのか?」
 一瞬、蘭世の顔が儚げに微笑んで。少し潤んだ瞳のまま、顔を上げた。
 「…本当に、いいの。後で、ちゃんと話すから」
 そのまま二人、俊までのアパートに歩いていった。
 陶器の天使を残して。
 
 

 夜の月明かり、空にはぼんやりとした星が浮かぶ。
 カーテンの隙間から零れる灯りに、俊はふと目を覚ました。
 古いアパートの、狭い自分の部屋。
 布団の中の、裸の腕。
 右腕に感じる、重み。
382天使の翼9:03/07/28 02:47 ID:Eeiro2OM
 幸せの重みだと気付くのに、数秒もかからなかった。
 耳を凝らせば、聞こえてくるのは、柔らかな寝息。
 目を凝らせば、見えてくるのは、白い肌に流れる黒い髪。
 この世でたった一人だけの、彼の大切な女性。
 暗がりの中で小さな時計を見やれば、シンデレラの帰宅時間はとっくに回っていた。
 普段なら、この時間に彼女がここにいることはない。
 だが、今日は、特別な日だった。
 彼にとっても、彼女にとっても。
 「今日だけ、二人でいたいの」
 勿論、俊に依存があろうはずはなかった。
 彼女の料理に舌鼓をうち。
 他愛もない会話をし。
 そして、体を重ねた。
 ピンクに染まる体、優しい彼女の匂い。
 長くて黒い艶やかな髪の色と、それに対比するかのような彼女の白い肌。
 見上げる彼女の頬はピンクのバラのように羞恥に染まり、大きな瞳からは今にも涙が
零れてきそうだ。膨らみの上の立ち上がった突起に指をかけると、彼女は小さく
 「あっ…」
 と呟いた。
 そこから先は、いつも無我夢中。
 蘭世の、自分を呼ぶ声と嬌声に煽られ、自分も高みに飛んでいく。
383天使の翼10:03/07/28 02:48 ID:Eeiro2OM
 そして、今回も、先に夢の世界に行ってしまたのは、彼女。
 後始末をして、彼女の頭を自分の腕にのせ―――そのまま眠ってしまったらしい。
 我知らず、優しい笑みが零れ、無意識のうちに彼女の髪を弄んでいた。
 指先に絡まる、蘭世の艶やかな髪。
 「ん……」
 小さな声を上げる蘭世に、起こしてしまったかとも思ったが。彼女はそのまま、
何事もなかったように寝返りを打った。俊の目の前に露になる、蘭世の無防備な背中。
 華奢な背中に影ができるのは、肩甲骨が浮き出ているから。
 「ここの骨って、天使が人間になった後なんだって」
 裸になった俊の背中の肩甲骨をなぞり、笑った蘭世。
 「人間を好きになった天使が、地上に降りることを望んで、神様にお願いして羽を取っ
てしまった名残なんだって」
 お父さんが小さい時教えてくれたの。
 「ふーん…」
 「でもね、神様は、地上に降りた天使がいつ空に還ってきてもいいように、魔法をか
けてくれてるんだって」
 「どんな?」
 「うーん…。どんなだったかしら?」
 小さい頃だったから、忘れちゃった。
 そう言って、蘭世はペロリと舌を出した。
384天使の翼11:03/07/28 02:49 ID:Eeiro2OM
 「だから、天使のオブジェって、綺麗だとは思うんだけど、実はあんまり好きじゃない
の。なんだか、迎えにきそうで、怖いから…」
 「…もしお前が天使でも、天には、還りたくないのか?」
 何気ないつもりの質問だったが。
 蘭世は、大きく頷いた。
 「私には、大切なものがたくさんあるもの」
 「……そうだな」
 気のないつもりの声で、蘭世の話を聞いていたが。
 妙に印象に残っていた。
 人間を好きになり、地上に降りた天使。
 人間の俊を追いかけて、人間になった蘭世。
 その背中にもやはり、白い羽がついていたのだろうか。
 そして、いつか新しい翼と共に、天に還ってしまうと?
 「…誰が、還すかよ」
385天使の翼12:03/07/28 02:49 ID:Eeiro2OM
ようやく、彼女の全てを手に入れたというのに。
 二人、共に歩き始めるのはこれから。
 例え神様が相手だろうと、彼女を決して天に還すつもりはない。
 もし、神がこの背中に魔法をかけているのなら。
 俺がその魔法を封印してやる。
 全身全霊をかけて、彼女を守っていく。
 だから、神様とやら。
 彼女のことは諦めてくれ。
 俺が、永遠に大切にするから。
 月明かりに、蘭世の白い肩甲骨が浮かんだ。
 まるで、月明かりが、白い翼のようにも見える。
 俊は、迷わずその箇所に口付けた。
 「んん…はぁ………」
 強い口付けに、蘭世が目を覚ます。
 「…真壁…くん……?」
 もう片方の肩甲骨にも、強く口付ける。
 その跡に残ったのは、所有の証。
 「お前は……俺のだ」
 夢見心地の蘭世は、トロンとした目つきのまま小さく頷いた。

 誰にも渡さない。
 俺だけの、天使。


                                   END
386書いた使途:03/07/28 02:55 ID:Eeiro2OM
なんだか…物凄くお目汚しで
正直スマンカッタ。
ちょっとアクシデントがありまして。
あぼ−んしたのを思い出しながら書いたので、
話の辻褄があってなかったり。
ホントにすいません…。

とにかく、でも、自分のことはどうでもいいや。

蘭世ちゃん、お誕生日おめでとう!!
SWEET10は一昨々年だったんだねー。
387名無しさん@ピンキー:03/07/28 03:26 ID:cpujoPX6
新婚作者さま、ワル作者さま、使途さまへ。
心を込めて

 、゛,、´ `
     ,、  スパパパパパーン
   ,゛゙゙゙〃、、
 ,゙(*´∀`;)、゙ 
  ( つ/ ̄ ̄ ̄/
   ̄\/ iBook / ̄ ̄
     ̄ ̄ ̄ ̄

禿げ萌えさせていただきますた
すっかり毛根なくなってる漏れ…アァン モエモエ〜(*´Д`)ハァハァ
388名無しさん@ピンキー:03/07/28 09:45 ID:ogWUUojr
うぉぉぉ!
しばらく見なかった間に、沢山小説がぁぁぁぁ!
朝から興奮して猛スピード読破しました!

>>PMk8oc8R様
黒ストッキングから見える蘭世ちゃんの下着を想像したら、鼻血が…
うひょ〜
何気に、エロイ描写が好きです!

>>続き作者様
萌え萌えです!
モーリの大人の魅力にもハァハァしますた。
乙華麗様でっす!

>>新婚作者様
いまだにハァハァしております。
夜景を眺めながら立ちバック…
向かいのビルから覗いてみたい(´Д`*) ハァハァ
389名無しさん@ピンキー:03/07/28 09:46 ID:ogWUUojr
>>ワル作者様
マリッジブルー(*´Д`)
もう結婚が決まった二人の新居で…ハァハァ
新居初エッチでつかね?
これから、この家でめくるめく愛の儀式が起こるのかと思うと…堪りません!

>>357
ほぅ……
というのが第一の感想でつ
綺麗だったー。萌え萌えだったー!
神が新たな天使を遣わせたのかと思いますた。
この天使は帰しませんぜーーヽ(`△´)ノ


そういうわけで、朝から萌え杉てまつ
みなさんのSS、もう一回読んできまーーっす!
390椎羅さんモエー!続き作者:03/07/28 19:49 ID:j12RKOTa
またモーリ&シーラを書いてきました。
何故かこの二人には激しく妄想を掻き立てられてしまいます・・・
391吸血鬼百科1:03/07/28 19:50 ID:j12RKOTa
モーリとシーラがまだ新婚間もない頃のこと・・・
その夜シーラはベッドで、モーリが魔界から持ってきた吸血鬼百科を読んでいた。
そこに書かれていることはシーラの知らないことばかりで、思わず夢中になって読んでいた。
そこへ、シャワーを浴びた後のモーリが黒いバスローブ姿で現れた。
ベッドの中の妻の前に膝をつき、甘いキスをする。
「シーラ、何をそんなに熱心に読んでいるの?」
「吸血鬼百科よ。とっても面白いわ」
「そう?」
「吸血鬼の妻なんだから、もっと物知りにならなくちゃ」
「吸血鬼の味なら、君はもうよく知っているだろう?」
そう言ってモーリは、妻の手から本を取り上げると、既に熱く硬くなっている自分のものを握らせた。
「あなた・・・。やだ、すごいわ・・・」
夫のたくましいものを触りながら、シーラは思わず赤面する。
「ほら、君の中に入りたがっているようだ。君の方の準備はどう?」
モーリはシーラの着てる白いネグリジェの裾を一気にまくりあげた。
そこには何の下着も付けておらず、悩ましい金色の繁みが明るいライトの元にさらけ出された。
それは見るからに柔らかそうで、クッションのように盛り上がっていた。
モーリは妻の繁みを手で愛しそうに優しく撫でた後、鼻をすり寄せた。
「シーラ、君のここはいつもとてもいい匂いがするよ」
シーラは体が急激に熱くなっていくのを感じた。鼻で自分の草むらの甘い匂いを嗅ぐ夫の仕草を
慈しむように見下ろし、まだ水で濡れている夫の黒い髪を両手で優しく撫でた。
そして両脚を開けるだけ開き、両膝を折り立てて腰を浮かす。
モーリは熱く湿ったその長い舌で、シーラの繁みを掻き分け、繁みの下に顔を出した肉のひだを
いたぶった。
「ああっ、あんっ・・・あな・・・た・・・」
シーラの体の中心が火照り、呼吸が乱れはじめる。
392吸血鬼百科2:03/07/28 19:57 ID:j12RKOTa
そして体の奥から、熱くねっとりしたものが溢れでてきた。
モーリはシーラの秘めやかな肉を口いっぱいに頬張り、あふれ出る蜜を吸い上げ、
舌を奥深くに差し込む―
モーリの舌の攻撃は20分以上に及んだ。最も女らしい敏感な一点を執拗なまでに攻められ、
シーラは全身から力が抜けていく気分だった。
左右に身をくねらせばがら、シーラは耐え切れずに叫んだ―
「あんっ・・・もう、ダメ・・・私どうにかなっちゃう・・・あなた、お願い、早く入って!」
モーリはおもむろに唇をシーラの秘部から離した。
金色の繁みは、シーラ自身の愛液やモーリの唾液にぐっしょりと濡れて乱れに乱れ、
その下の肉色の花弁も赤く腫れて痛々しいほどだった。
モーリはバスローブを脱ぐと、次にシーラのほっそりした白い肩に手を伸ばし、結ばれている
ネグリジェの紐をふりほどいた。すると、シーラのたわわな乳房が溢れ出す。
まだ愛撫を受けていないその美しい乳房を両手で激しくもみくちゃにしながら、シーラの
上におおいかぶさるモーリ。
二人の唇と唇が重なり合い、舌が絡まり、唾液が混じる・・・。
モーリの口には、シーラの蜜の味と匂いが残っていた。
393吸血鬼百科3:03/07/28 20:01 ID:j12RKOTa
狂おしいほどのキスをしながら、モーリはこわばり切った自分の分身を妻の肉の亀裂の中に
突き立てた。
「ああっー!」切ない悲鳴をあげるシーラ。
体の中いっぱいに、モーリの熱い肉の充実感が広がる。
モーリは腰を上下に激しく動かして、シーラの体内深くを攻め立てた。
しこしこした二つの肉の塊が、シーラの太ももの付け根にぶつかる。
シーラは長いブロンドの髪を振り乱し、甘いあえぎ声をあげながら、官能の渦にその身を任せた。
まるでこれがこの世のすべてであるかのように、二人はお互いの体をむさぼり合った。

やがて二人は押し寄せる快感の波の中でついに限界を感じた。
同時にシーラの下腹部に、火傷しそうなほど熱いものが放出される。
シーラはこの瞬間を決して逃すまいとするかのように、モーリの腰にその両脚を強く絡ませた。
シーラの入り口が痙攣を見せ、モーリの愛液が最後の一滴まで搾り出されると
モーリはシーラの体内から自身を抜いて、シーラを優しく抱き寄せた。
「・・・ああ、シーラ・・・。君はどんどん素晴らしくなっていくよ」
「・・・あなた・・・そう言ってくれて嬉しいわ。あなたのおかげで私もとっても幸せよ・・・」
二人はひしっと抱き合って、幸せをかみしめた― 

おわり
394:椎羅さんモエー!続き作者 :03/07/28 20:04 ID:j12RKOTa
今日はここまでです。
エロなしの小話も書いてみたいと思ってるけど、
それはまた今度にしたいと思います・・・
395ワルさくしゃ:03/07/28 21:51 ID:MYX59XvI
遅レスすんまそ!!

>370様、387様、388・389様
ありがとうございます。
頑張ってヨカターと思いまつた(*´з`*)

>使途様
読めてよかったッスーー!!!
おねだりしてみるもんだ…とホクホクでつ。ごちでつ!
396名無しさん@ピンキー:03/07/29 01:58 ID:IrFMz2Ek
江藤家の家系図で蘭世の大叔母あたりでカミーラって女吸血鬼がいたよな。
人間との間に半吸血鬼の役者を生んだ美人。
姪っ子(違うけど)が自分同様人間に恋をしたと知り
様子を見に望里の末の妹と偽って真壁君と接触。
その妖艶な魅力にドキマギとしてしまう真壁君。
蘭世と似た面影も感じ「江藤も将来こうなんのかなー」とか思ってしまう。
397名無しさん@ピンキー:03/07/29 15:48 ID:AA2IkHVW
>396
もしかして微妙にネタ振りっすか?
398名無しさん@ピンキー:03/07/29 17:31 ID:9vXjSZWM
>>397タン
では、がんがって。
399G ◆GARURUyZ5s :03/07/29 23:36 ID:xbsXsc/C
うひょ〜、週末来ない間に、すごいことになってる。。(笑)

まとめサイトを作らせて頂いています、Gと申します。
新しい作家さまがいましたら、よろしくおながい致します。
と、たまにはご挨拶をば。。。
400切ない関係:03/07/30 03:42 ID:piiAADZa
「俺達、別れた方がいい」
人間になった俊が、蘭世に言った言葉…
「迷惑だ」
蘭世は、あの日以来あまりのショックで立ち直れないでいる。
何もする気になれず、学校も行かず、ただただ家で
ボーっと過ごす毎日。
そんな蘭世を見るのがつらくて
アロンは俊を公園に呼出した。
「いい加減にしろよ!いつまで蘭世ちゃんを悲しませておく気だ?」
俊は答えなかった。
「僕は、あんな蘭世ちゃん見るのは嫌なんだ」
アロンはため息をついて
「もう2ヶ月も笑わない…」
アロンは俊の方を見て言った
「俊!本当にもう蘭世ちゃんの事好きじゃないのか?」
俊は答えない代わりに興味のない顔でそっぽ向いた。
そんな俊を見ながらアロンは
「僕が蘭世ちゃんを幸せに出来るのなら…したい…
でも、僕にはフィラがいる…彼女を幸せにするって決めたんだ」
俊はアロンを見た。
「フィラを護るって決めたんだ!!」
アロンは何か決意を持って俊を見据えた。
俊も真剣にアロンをみた。
「だから、蘭世ちゃんには俊と幸せなって欲しかった…」
「…アロン…」
「でも、俊が本当にもう蘭世ちゃんの事なんとも思っていないなら…」
アロンは深く息を吸い
「僕は、彼女を、蘭世ちゃんを2番目の妻として城に招く!!」
俊は驚いて、目を見開いた。
401切ない関係2:03/07/30 04:23 ID:piiAADZa
「僕は王になる、王は3人まで妻を娶ってもいい決まりなんだ」
俊はアロンを睨みつけた。
「江藤がそんな話に乗るとは思えねーな」
「蘭世ちゃんがなんと言うかはわからないが、僕が王として
彼女を欲しいといえば…たとえ本人が嫌がっても、望みは叶えられる…」
アロンはニヤリと笑った。
俊は背筋が凍る思いをした。
「お前、江藤に幸せになって欲しいんじゃねぇーのかよ!」
俊は必死に自分を抑えて言った。
「あぁ、僕の初恋の女性だからね」
アロンは涼しい顔して俊にウインクをした。
「蘭世ちゃんにはどの人生も同じみたいだ…」
アロンは少し寂しそうに言った。
「俊との人生しか考えていなかったみたいだから…
でも、他の奴に蘭世ちゃんを任せられない…だったら僕が…」
バッキ!!
全部言い終わらないうちにアロンは俊に
殴り飛ばされていた。
「ふざけんな!!」
俊は怒りをあらわにして
「お前の2号なんかにする為にあいつと別れたんじゃねぇー」
「じゃぁなんで別れたんだよ!!」
アロンは俊の胸ぐら掴んで言った。
「なんで捨てたんだよ!!捨てたお前に彼女の事でとやかく言う資格
なんてない!!」
俊は、力なくくうを見つめた…
「お前は、彼女を護ることから逃げたんじゃないか!!」
アロンの言葉が俊の胸をえぐる…
「そうだな…」
俊は俯いてしまった…

402名無しさん@ピンキー:03/07/30 11:48 ID:sD4b00yk
>400様
アロンカコイイ…(*´∀`*)ホワ〜ン
大王の側室(って武家のような言い方ですが)ってかんじでつかね。
斬新。

>「蘭世ちゃんにはどの人生も同じみたいだ…
 (中略)でも、他の奴に蘭世ちゃんを任せられない…だったら僕が…」
アンタ男だ…つAT)

あ、あと最後に「続く」とか入れていただけると、感想カキコのタイミング
計りやすいので、よろすくおねがいしまつ。
403名無しさん@ピンキー:03/07/30 11:56 ID:Z4XruqZx
>400たん
うわわわ!いい設定です!大好物でつ
ほんまアロンカコイイ!!俊を追い詰めてー
続きキボンヌ
404モーリ&シーラ作者:03/07/30 19:25 ID:WDDS0YI4
予告どおり、またまたモーリ&シーラを書いてきちゃいました。
エロなしの小話っつーことで、興味ない方もいると思うけど・・・。
このカップルに萌えてるのはひょっとして私だけ?
405吸血鬼の必需品1:03/07/30 19:27 ID:WDDS0YI4
モーリとシーラが新婚間もない頃パート2
その夜もモーリとシーラは激しく愛し合った後、満ち足りた思いでベッドに横たわっていた。夫のたくましい胸に頭を預けながら、シーラは甘い声で囁いた。
「モーリ、私、お願いがあるの・・・」
「何だい、シーラ」体力ならまだまだあるぞ、と心の中で思うモーリ。
「あなたが吸血鬼だから、女性の血を吸う必要があるのは分かってるわ。・・・でも、これからはやめてね」
「えっ?やめるって・・・」絶句するモーリ。
「だって・・・耐えられないわ。自分の夫が毎夜、他の女性を求めてさまよい歩くなんて・・・」
「そんなっ―。私に死ねと言っているのと同じだぞ」
「何と言ってもダメよ、あなた。血を吸うだけじゃないってこの前認めたじゃない」
「この前っていつ?」
「忘れたの?私を初めて抱いた夜のこと・・・」
「いいや、忘れたりしてないよ。だが―」
「数え切れないぐらいの女性を抱いたって言ってたわ」
「シーラ、約束するよ。これからは血を吸う以外は何もしない」
「そんなの信じられないわ。誘惑するに決まってます」
シーラは断固として譲らなかった。
ため息をつきながら、モーリが言う。
「なら君は、君の夫が干乾びてしまってもいいって言うのかい?」
「あなたはタフだから、大丈夫よ。血を吸わなくても生きていけるわ」
「何でそう言い切れるんだ?」ムッとするモーリ。
「ちょっと待って。いいものがあるの―」
406吸血鬼の必需品2:03/07/30 19:28 ID:WDDS0YI4
シーラはベッドから飛び降りると、ドレッシングテーブルの引き出しの中から、紙切れを取り出して夫に見せた。
「見て、この記事。私たちが駆け落ちする前に載ってた魔界新聞の切抜きよ」
その切り抜きは、今度新しく開発されたというトマトジュースの紹介記事だった。

“まるで本物の血のような味で、各種栄養成分もつまっている―これからの時代のスマートな吸血鬼の必需品―これさえ飲めば、本物の血を吸わなくても大丈夫―”

信じられない思いで、記事を読みふけるモーリ。その傍らでは、シーラが夫の腕につかまりながらじっと様子を見守っている。
「何だっ?!何でこいつがっ・・・!」
「えっ?あなた、どうしたの?」突然モーリが大声をあげたのでシーラは驚いた。
「この男・・・!私の同級生のハロルドだ!」
どうやらその記事によると、(モーリの同級生だという)ハロルド・パーカーという魔界の吸血鬼が、自らを実験台にしてこの“奇跡のトマトジュース”を開発し、しかも広告にも登場し、金銭的にも大成功を収めているというのだ。
「こんなものを作り出すなんて、あいつももう終わりだな。何が次世代のスマートな吸血鬼だ!あの男は昔から女性にもてなくて、なかなかごちそうにありつけなかったものだから、こんな馬鹿げたものを・・・」
そこまで言って、モーリは横でシーラが狼の耳を出して怒った表情をしているのに気づき慌てて言葉を引っ込めた。
「モーリ。とにかく、騙されたと思って飲んでみて。サンプルを取り寄せてあるの」
モーリは嫌々ながら、シーラが冷蔵庫から取って来たトマトジュースを一口飲んでみた。
―すると、どうだろう、なかなかの味だった。
もちろん本物の血の味には及ばないし、美しい乙女の血を啜るスリルや性的興奮までは味わうことはできない。それでも何も飲まないよりは―。
モーリはごくごくと一気に飲み干した。
「あなた、どう・・・?」
シーラが覗きこんでくる。その表情には、期待と不安が入り混じっていた。
「―うん・・・。まあまあの味だけど・・・」
「よかった!!ね、言ったでしょ?血を吸わなくても大丈夫だって―。じゃあ明日さっそく10年分取り寄せるわねっ!」
シーラはうきうきした気分でニッコリと笑った。
407吸血鬼の必需品3:03/07/30 19:28 ID:WDDS0YI4
(何?10年分だって?!)
モーリは内心、妻の極端さに閉口したが、その屈託のない明るい笑顔に思わず魅了された。
(性的興奮なら、シーラひとりでも十分味わえるか・・・。毎夜教え込んでいるかいもあり、色々と覚えてきて、ベッドの中での妻はなかなかすばらしい・・・。それに、こんなに必死になっているのも、彼女が私を思う一途な気持ちゆえ―)
モーリはシーラをこの上なく愛しく思い、ぎゅっと抱きしめた。
(シーラ・・・。私の最後の―そして最愛の女性・・・)
二人はしばらく抱き合ったまま動かなかった。
「ねえ、シーラ。私もひとつお願いがあるんだが・・・」
「なあに、あなた・・・」何回でも私を抱いていいのよ、とシーラは心の中で思った。
「私は、このトマトジュースを飲むときはどうしても―」
「?」きょとんとした顔で夫の次の言葉を待つシーラ。
「―くるくる曲がったストローで飲みたい、と思うんだが・・・」
シーラは思わず吹き出してしまった。モーリの顔がいたって真面目なので、よけいに可笑しかった。ひとしきり笑った後、シーラは優しく言った。
「ええ、分かったわあなた。ちゃんと用意しときます」
そして二人はもう一度、愛し合うべくベッドに倒れこんだ・・・。

おわり
408モーリ&シーラ作者:03/07/30 19:33 ID:WDDS0YI4
江藤家の食卓場面でいつもモーリが飲んでる
トマトジュースに興味を引かれ・・・
そしてストローがかわいいのにも興味を引かれ・・・って感じです。
確か、スーパーマントの打ち合わせ場面でも、
モーリは同じの飲んでたはずだ。
ところでモーリの本名って、ホントはモーリスじゃないのか?って
いつも疑問に思ってた、だって冬馬は「トーマス」だし。うーん・・・。
409切ない関係3:03/07/30 23:51 ID:piiAADZa
「勝手なのはわかっている…でも、あいつはやらない…
お前にはやらない…」
俊は独り言のようにつぶやいた…
「あいつが本気で好きになった奴じゃなきゃ…
あいつを死ぬ気で護れる奴じゃなきゃ」
俊は顔を上げアロンを睨みつけ
「江藤のことは、絶対にやらない!!」
二人から見えない所で話を蘭世は聞いていた…
アロンが蘭世を呼んでいたのだ。
全身が震える…
(ま、まか…べくん…)
涙が溢れ出す…
アロンは俊を優しい眼差しで見つめ
「俊、蘭世ちゃんが本気で好きになった奴はお前だよ!!
忘れたのか?」
俊は黙っていた。
「そして、彼女を死ぬ気で護る奴は俊じゃないか!!」
俊は、悔しそうに唇を噛んだ。
(俺じゃだめだ…今の俺じゃ…あいつを護ってやれねぇ…)
アロンは俊の気持ちを読んだかのように言った。
「魔界人じゃなきゃ護れないのか?」
「………」
「お前は、愛する人を死ぬ気で護れないような男だったのか?」
「お前には…関係ない」
アロンはカッとなり怒鳴った
「僕が諦めたのは、俊だったからだ!!お前だったからだ!!」
アロンが俊に拳を下ろそうとした時、
「もうやめてー」
泣きながら蘭世が止めに入った。
俊は蘭世を見て、驚いていた。

                      つづく
410切ない関係4:03/07/31 00:26 ID:RxO47mqV
この場にいるはずがない蘭世がいることも驚いたが、
それ以上に、もともと華奢だった蘭世が
2ヶ月会わなかった間にげっそりし、顔色も悪く
やつれた感じだったからだ。
「江藤…お前…」
蘭世はアロンに、
「もうやめて…私…忘れるから…諦めるから…
これ以上、真壁君を責めないで…もう…開放してあげて…」
アロンは何も言えなくなってしまった。
蘭世は必死に涙を堪え無理やり微笑み俊を見た。
「ごめんね、真壁君…私が好きになったばっかりに…
私が…いつまでも忘れられずにいるばかりに…迷惑かけちゃって…」
俊は痛々しそうに蘭世を見つめた。
「もう、困らせないから…いままで、ありがとう…そして、ごめんなさい」
(蘭世!!泣いちゃだめ!!最後なんだから、いい顔しなきゃ!
真壁君をちゃんと見とかなきゃ…)
「アロンは、私の為にやってくれた事なの…だから
アロンをせめないでね!じゃぁ、真壁君…」
蘭世の目からは、大粒の涙が零れ落ちた。
「さよなら…」
蘭世は走り去った。


                         つづく
411切ない関係5:03/07/31 01:03 ID:RxO47mqV
俊は蘭世の背中を見つめていた。
アロンは
「今、追いかけなきゃ…お前は男じゃない!!」
と、俊の背中を押した。
(俺は、何してるんだ?あいつの為と思って別れたのに…
あいつに…あんな思いをさせて…何してるだ?…俺は…)
俊はアロンを見て
「サンキュ!!」
と、照れくさそうに言って蘭世を追いかけた。
残されたアロンは
「ほーんと世話が焼けるんだから…」
と言って、切なそうに二人が走っていた方を見つめ、
「頼むよ…俊…蘭世ちゃんを幸せにしてやってくれよ…」
とつぶやいた。
溢れる涙で前が見えない蘭世、走るのやめたその時、
腕を誰かに掴まれて振り返ると
「ま、真壁君!!」
蘭世は驚きを隠せずあたふたしていた
(ど、どうしたの?どうして…)
「江藤…すまない…」
俊はいけない事をして母親に怒られた
子供のような切ない顔をしていた。
「どうして謝るの?真壁君、謝らないで…」
俊は蘭世を見つめて深く息を吸った。
「お前の為…って思ってた…でも、違う…
俺は…自信が無かったんだ…」
俊はゆっくり言葉を選んで話した。

                          つづく
412切ない関係6:03/07/31 02:42 ID:RxO47mqV
「お前の真っ直ぐな愛情に…俺は応えられていない気がして…
お前に…俺は愛される資格があるのか…自信が無かったんだ…」
蘭世は驚いていた。
(真壁君が…こんな事言うなんて…私を想っていてくれたの?)
俊は蘭世をそっと抱きしめ
「やっとわかったんだ、俺にとって…お前がどんな
存在なのか!…やっとわかったんだ…」
蘭世はガタガタ震えて涙がとめどなく流れていた。
「真壁君!!」
蘭世は俊の背中に両手を回しきつく俊を抱きしめた。
「江藤…こんな俺でいいのか?お前を傷つけてばかりいる…こんな俺でも…」
蘭世はこの上ない優しい微笑で頷いた。
「真壁君が好き!!真壁君全部が好き!!」

413切ない関係7:03/07/31 03:05 ID:RxO47mqV
蘭世は俊の頬にそっと触れて
「強いところも、弱いところも、優しいところも、
残酷なところも、照れ屋なところも、本当は寂しがり屋なところも…
全部好き…真壁君全部が好きなの…」
俊は湧き上がる感情に素直に従った。
蘭世をきつく抱きしめて
深い、深い、口づけをした。
蘭世もそれに応えて二人はひとつになってしまうぐらい
何度も見つめあいながらキスを繰り返した。
そして、俊は蘭世の耳元で
「蘭世…あ…してる」
と、つぶやいた。
(やっと言えた…心の底から愛してる女に…やっと)
蘭世は気が遠くなりそうだった。
「まかべくん…ありがとう」
蘭世はこの言葉を一生忘れないだろう。

後日、二人はアロンに会いに行って
お礼を言った。
アロンはとっても喜んでいて
俊に二度と蘭世を離さないよう釘を打った。
「俊!今度蘭世ちゃんを悲しませたら
僕はもう引かないからな!!」
アロンは俊にウインクをして笑った。

                       おわり

414ペック:03/07/31 03:15 ID:RxO47mqV
すみませんーはじめて書いたので
かなり読みづらいと思いますが
許してください…
それも全然エロくないし…
勉強してきます。
415名無しさん@ピンキー:03/07/31 08:51 ID:6TphIZ06
ペックさま
おもしろかったですよ!
エロなしでも萌えますた。また書いてくださいね

モーリ&シーラ作者さま
くるくるストロー…ワロタ
416名無しさん@ピンキー:03/07/31 09:54 ID:tk6RrtFB
>400(=ペック)さん
初めての作品UPとのことですけど、
次回からは>>3(特に「■作品掲載について」)を読んでから、
UPしてくれるとよりよいかと。

それと402さんの言う

> あ、あと最後に「続く」とか入れていただけると、感想カキコのタイミング
> 計りやすいので、よろすくおねがいしまつ。

というのは「毎レスごとに“続く”と書いてくれ」というわけではないのですよ。
そのレス(カキコ)が続くか終わるかは一応読んでいればわかりますし。
「一回にUPする数レス分の一番最後のレスに書いて欲しい」
ということです。「今日(今回)のUPはここまでだよう」という意思表示がないと
感想や別の作品を書き込んでいいのか判断にチョト困ります。
特に作品がサンドイッチになったら、先に書いている人も後から書いた人も
あまり良い気分ではないし、読者も読みにくくなりますよね。

あとはペック(=400)さんが、この程度の注意にヘタレない
強い作者さんであることを祈るばかりでつ・・・。
がんばってください。応援はしているのですから。
417名無しさん@ピンキー:03/07/31 12:20 ID:TPDO5qkj
>ペック
 蘭世が健気でかわい〜

 初投稿がこのスレでよかったですぅ
 また書いて下さいね。

416の言うように
>今日(今回)のUPはここまでだよう」という意思表示がないと
感想や別の作品を書き込んでいいのか判断にチョト困ります。
 みなさん優しいので次のカキコを待ってくれていますので、よろしく。


418402:03/07/31 12:45 ID:ISG8dtkV
>416様
補完ありがとうございまつm(__)m
説明下手でスマンカッター!!

>ペック様
というわけで次作まってます!
419名無しさん@ピンキー:03/07/31 14:27 ID:YuwBp5Zh
ペックさま<
や〜、アロン、男だねぇ。
可愛くて憎めないところがアロンの魅力ではあるんだけど、
何と言っても真壁くんの弟でもあるわけだし。
実はとってもカッコイイんだよねぇ。<忘れがちだけど(w
良いものをありがとうございました。またおながいしまつ。
420名無しさん@ピンキー:03/07/31 22:19 ID:SoZ9J0EJ
新スレは新作者さまが多くて(´∀`)ウフフですね
そろそろ鈴なる新作も読みた(ry
421ペック:03/08/01 00:41 ID:gdXT0x93
みなさん、いろいろ教えてくださり
ありがとうございます。
勉強になりました。
次回、がんばります。
422名無しさん@ピンキー:03/08/01 20:20 ID:XtjvfcpQ
鈴なる鈴なる。。。。萌萌
423ぼるじょあ ◆yBEncckFOU :03/08/02 05:11 ID:e3EGd7L5
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ
424頑張れ青少年・・・1:03/08/02 12:47 ID:rctEOGwb
「おい鈴世。今から海行かねー?」
暑い暑い夏休み。
受話器の向こうから聞こえた幸太の誘いはありがたかった。
「いいよ」

迎えに来た幸太を含む数名のクラスメート達と群れながら
人がたくさんひしめく海へとやってきた。
「ヤローばっかでつまんねーなぁ・・・」
1人がうめく。
周りにはカップルがいっぱいだ。
僕もなるみちゃんを想った。
近々2人で海に来よう。
せっかくの夏休みなんだ。

しばらく波打ち際でビーチバレーに燃えた。
男同士でする事なんてこんなもんだ。
幸太は運動部じゃないけど、運動神経自体はいい。
もったいないよな。
ビシバシといい音をさせてゲームに熱中し、4回目か5回目のゲームセットの後
いつのまにか人だかりに囲まれて注目を浴びてる事に気付いた。
「な〜に燃えちゃってんのよ。この暑いのに」
この声は・・・
振り返ると、つばの広い麦藁帽子に少し薄い色のサングラスをした安西二葉と
その後ろには我が愛しいなるみ嬢とその仲間達が人だかりの中にいた。
「あっっ!!」
フルネームを口に出しそうになってから、飲み込む幸太。

425頑張れ青少年・・・2:03/08/02 12:48 ID:rctEOGwb
フルネームを口に出しそうになってから、飲み込む幸太。
過剰な幸太の反応から、僕はどうして幸太がこの海を選んできたのかがわかってしまった。
同時に僕が声をかけられた最大の理由がわかる。
やれやれ。
わかりましたよ。

汗だくの僕を見て笑うなるみちゃんは、ビキニ姿だった。
初めて見るビキニ姿はすごくまぶしい。
「なるみちゃん。これから皆でカキ氷食べに行くんだけど、よかったら一緒にどう?」
なるみちゃんは女の子らしく後ろを振り返って、目で友人達の同意を求める。
そして僕に目線を戻し、ニッコリ笑って
「ありがとう。是非」
とついてきた。
合流した僕らは宿題の話やら部活の話やらと、話題尽きることなく
教室の延長のような雰囲気で会話を楽しんだ。
今までむさかった空気が一変して華やかになる。
女の子がいるだけでこんなに空気が違うんだ。
若干男の人数の方が多いけど、そんな事は気にもならないようなメンツ。
またビーチバレーしたり、泳いだり、しゃべったり
疲れを知ることなくはしゃぎつづけた。
誰も人気アイドルがこの中にいるなんて気付かない。
幸太がチラチラと送る熱い視線が独り占めだった。

426頑張れ青少年・・・3:03/08/02 12:49 ID:rctEOGwb
海に浸かりながらビーチボールを放りあっている輪からはずれて
浜にあがるなるみちゃんを見て、僕も輪からはずれて後を追った。
「なるみちゃん。どうしたの?」
追いついて横に並んで歩く。
「日に焼けすぎちゃったみたい。ひりひりするからなんか塗ろうと想って。」
確かになるみちゃんの方は赤くなっている。
自分の肩もひりひりするけど、色の白いなるみちゃんほどじゃなかった。

「じゃあ姫、お手伝いしましょうか?」
力こぶを作っておどけて言ってみせると、なるみちゃんはくすっと笑い
「それではお願い致します」
と、たどり着いた荷物の中からジェルのようなものを取り出した。
自分の手に少しとってから、僕に渡してくる。
「背中をお願いしていい?」
「背中だけじゃなくてもいいんだけど」
自分の胸元に塗り始めようとしていたなるみちゃんは
その言葉の意味に気付いて、赤い顔をしてにらむ。
「背中だけでいいんです!」
こうやってからかうとすぐ赤くなる所は、いつまでたっても変わらない。
だけど、どんどん大人の女性になっていってるんだという事に気付かせられる。
それは座り込んだなるみちゃんの頭上から見えてしまった胸元。
寄せた腕に押されて出来た谷間。
去年はこんな風に気になるような大きさじゃなかった。

僕はうろたえる。
急になるみちゃんに触るのがはばかられた。
少しだけ震える手で、肩と背中にジェルを塗る。
427頑張れ青少年・・・4:03/08/02 12:50 ID:rctEOGwb
少しだけ震える手で、肩と背中にジェルを塗る。
「焼けたねー」
自分のドキドキをごまかすようにしゃべる僕。
「ウン。見て見て、こんなに焼けちゃった」
そういってなるみちゃんは、ビキニの紐をちょっとだけずらし
焼けていない白い肌を見せてくれる。
僕はクラクラした。
毎年このシチュエーションは見ているはずなのに。

「?・・・どうしたの?鈴世くん」
固まっている僕を訝るなるみちゃん。
だめだ。
これ以上2人でいるのはまずい。
手早く塗りたくって
「海に使って冷やしたらいいよ。行こう!」
そういってなるみちゃんの手を取り、熱い砂に跳ね上がりながら浜を駈ける。
まだビーチボールと戯れていた輪に合流し、さり気なくなるみちゃんから離れた。


ひとしきり遊んで、男の子グループと女の子グループは別れる。
悪い幸太。
今日の僕はこれ以上引き止め役をできないよ。
怖気づいた僕をしかるような太陽の日差しは、じりじりと僕の肩を焼いた。
デートは海じゃなくて映画にしよう。
428350:03/08/02 12:53 ID:rctEOGwb
暑いでつね。
やっと夏がきまつたね。
最近新しい作家タンの新作の嵐で嬉しいでつ。
>422タン
即席でつがどうぞw
429モーリ&シーラ作者:03/08/02 19:17 ID:UOhU6D7k
今日も暑かったですねー
暑さにやられながら、新作2本書いてきました。
特に1本は全然エロくないんですけど・・・
430夫婦の失態1:03/08/02 19:21 ID:UOhU6D7k
ある夜の江藤家―
五才の蘭世は悪夢にうなされていた。
今日の昼、誤って二階の窓から落っこちてしまったことがよほど怖かったのだろう、
眠っているとそのことを夢に見てしまい、すっかり目が覚めてしまった。
頬の涙をぬぐうと、蘭世はベッドから出て、お気に入りのぬいぐるみと絵本を手に持って、
お父さんとお母さんの部屋に降りて行った。

ちょうどその頃、夫婦の寝室ではベッドがきしむ音と二人の甘いあえぎ声が響いていた。
望里と椎羅は裸で抱き合いながら、お互いの体を貪り合っていた。
「ああっ…あんっ…あな…た…」夫の背中に両腕をきつく絡ませながら、椎羅が悩ましい悲鳴をあげる。
「椎羅…ああっ…」激しく妻の中を突き上げる望里。
二人が昇りつめようとしたその瞬間、ドア越しに娘の幼い声がした。
「ねえお父さん!私起きちゃったの。ご本読んでー!」
どこまでも天真爛漫な蘭世の声。
望里と椎羅はびっくりして、体の動きを止め、お互いを見つめ合う。
「…いやよ、やめないで…」
思わぬ事態に困惑しながらも夫に懇願する椎羅。望里も今やめたくなかった。
「蘭世。もう少ししたら私も行くから、自分の部屋に戻ってなさい」
「え?何て言ったのー?聞こえない」
ドアがガチャンと開く音!
431夫婦の失態2:03/08/02 19:24 ID:UOhU6D7k
(ああっ、こんなことって…!)
椎羅はあせりながらも、とっさに布団を自分達の上にかぶせて結合部を隠した。
「???お父さん、お母さん、何も着ないで何してるの?」
「あっ、あのな蘭世、これはだね…」狼狽の極地の望里。
「―遊んでるの?」
「そっ、そうなんだよっ、あはは・・・」
「私も一緒に遊ぶ!」
「ば、ばかっ!何を言い出すんだ!」
蘭世は大好きな父に怒られて、少しふてくされてうつむいた。
すると、両親の脱ぎ捨てた服が床に散乱しているのに気づいた。
「…お洋服が散らばってるよ、お母さん」
「そっ、そうね蘭世。後で片付けるわ!」
「蘭世。後で必ずご本を読んであげるから、ひとまず自分の部屋に行っているんだよ」
望里はそう言うと、娘に優しく微笑んだ。
蘭世も愛らしい笑顔を返すと、「お父さん。約束だからね」と言って部屋を出ていった。
ほっとして、安堵のため息をつく望里と椎羅。
そしてさっきの続きが再開された。

愛娘にこんな現場を見られては絶対にまずい…!
今後、愛し合うときは寝室の鍵をちゃんとかけておこうと夫婦は思った―

おわり

432夫婦の失態2:03/08/02 19:28 ID:UOhU6D7k
真壁君が魔界の王子として生まれ変わったその日のこと―
椎羅はいつものように地元のスーパーで夕飯の買出しをしていた。
必要なものをかごに詰めて、レジに並ぼうと歩いていると、夫の望里の姿が視界に入った。
「あら珍しい。あの人何を買いに来たのかしら」
夫の方に近づこうとした時、信じられない光景が目に入った。
「!!!」
望里がいたのは、おむつ売場。彼は数種類のおむつを手にしてひとり言を呟いていた。
「うーん…パンパースちゃんとムーニーちゃんのどっちがいいのかな…蘭世と鈴世の時は―」
椎羅はあまりのショックに気を失いそうになった。買い物かごが思わず手から落っこちた。
自分がそこにいることを夫に気づかれたくなくて、真っ青な顔をして、走り去る椎羅。
(何で…何であの人がおむつなんて買ってるの?―まさかっ、隠し子?―うそよっ、そんな…)
家に帰るまでの道のり、椎羅の頭の中は混乱をきたしていた。
(人間の愛人との間の子供…?)
そんな強い疑念が、いくら打ち消そうとしても頭にこびりついて離れない。
やっとのことで家にたどり着き、ふらつきながら玄関をくぐり抜ける。
どうやら鈴世も家にいないようだった。
椎羅はまっすぐ自分の寝室に向かい、ベッドに倒れこんだ。
433椎羅の誤解2:03/08/02 19:30 ID:UOhU6D7k
案の上、望里の帰りは遅かった―
椎羅はスーパーから逃げるように立ち去った自分の行動が情けなかった。
そして夫への怒りがふつふつと燃え立ってきた。
(帰ってきたら、とことん問い詰めてやるわ…)
そう憤る反面、夫の答えが怖かった。
(もし最悪の答えが帰ってきたら、どうしたらいいの…?)
ベッドに突っ伏しながら、そんなことに頭を悩ましているとドアの開く音がした。

「椎羅?寝てるのか?」望里の声だった―
(―やっと帰って来たわ…)
望里はベッドに腰掛け、妻の金髪を撫でながら囁いた。
「椎羅…話があるんだ」
椎羅は頭を動かして、望里をちらっと見た。
「なあ…とても大事な話なんだよ」
望里の顔は深刻そのものだった。椎羅は嫌な予感が的中した思いだった。
椎羅はむくっと起き上がると、望里を無視して寝室を出て、キッチンの方へと向かった。
急いで後を追う望里。
「おい、どうしたんだ?待ってくれよ…」
キッチンに入った望里に突然、包丁やらまな板やらお鍋やらが飛んでくる。
(うっ、これはかなり怪しい雲行きだぞ!)と必死に飛行物体をかわしながら望里は叫ぶ。
「椎羅!やめろったら…!私が何をしたって言うんだ?」
「何よ、裏切り者!私、知ってるのよ。今日見ちゃったんだから!」
椎羅の頭上には狼の耳が既に姿を現している。
「見たって、何を?!」
「んまあっ、しらばっくれるのね!―あなた、今日スーパーでおむつ買ってたでしょ?」
「えっ?お前見てたのかい」望里の目が大きく見開かれる。
434椎羅の誤解3:03/08/02 19:36 ID:UOhU6D7k
「私、魔界の実家に帰らせてもらいます!もちろん子供達も連れて。
あなたはあなたで、人間の愛人とその子供と一緒に暮らしたらいいでしょ!!!」
唖然とした表情の望里―やがてお腹を抱えて大声で笑い出す。
「はっはっはっ!椎羅、お前とんでもない勘違いをしてるよ」
「えっ?」予想外の夫の行動に驚く。
「私が今日買ってたおむつは、真壁君のものなんだよ」
「―真壁君の…おむつ…?」話が全く飲み込めない椎羅。
「そうだ―我々が探していた魔界の王子というのは、実は真壁君だったんだよ。
せめて彼の最後を見届けようと思って彼のアパートに行ったらそこに蘭世も来ててね。
真壁君は、生まれ変わって、赤ん坊の姿に戻っていたんだよ―」
「ええっ。じゃあ…あのおむつは―。私てっきり…」
「蘭世に頼まれて、仕方なく私が買出しに行ってたのさ。しかしねえ、椎羅。
私に愛人なんかいる訳ないだろ、ましてや隠し子なんて…」
望里の顔は半ばあきれているようだったが、妻のたくましい想像力を半ば楽しんでいるようでもあった。
椎羅は自分の早とちりに赤面した。
(ああ、良かった…ホッとしたわ。
―でも、真壁君が王子様だったなんて、大変なことになりそうね…)
望里の腕の中で落ち着きを取り戻しながら、椎羅は先行きが不安になった。

おわり
435モーリ&シーラ作者 :03/08/02 19:38 ID:UOhU6D7k
今日はここまでです。
すみません、くだらなくって・・・
436名無しさん@ピンキー:03/08/02 21:26 ID:QAm4WFcd
>350様
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
さすがっす。
やはり350様の構成ってすんばらしいですわー。
422様に便乗ごち!(w
437350様天才!!!:03/08/03 20:06 ID:1HqWkGpN
422ですよお。
・・・350様様!!!!!
天才です!!!あなた様は!!!!!
嬉すぃです・・・(感泣
うますぎです!!!
438名無しさん@ピンキー:03/08/03 23:34 ID:rLrNWUVy
古参ばかり誉めるのもどうかと思われ
439名無しさん@ピンキー:03/08/04 00:03 ID:XeiRhUCn
438よりはマシ
440名無しさん@ピンキー:03/08/04 00:27 ID:b6CVajYQ
古参マンセーはスレ発展のために(・A・)イクナイ
441名無しさん@ピンキー:03/08/04 01:05 ID:W7sDSDFR
そう思うなら、自分から積極的に新人さんにも感想カキコしましょうよ。
442名無しさん@ピンキー:03/08/04 02:02 ID:rhD7RE6N
>441タソがいいこと言った(・∀・)!

しかし、

>438タソ >440タソ

まだなにか言いたいことがあればこちらへどうぞ

『避難所』
http://garuru07.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/tokimeki/bbs/
443名無しさん@ピンキー:03/08/04 02:38 ID:AqqbPBCc
古参かどうかは判断付きかねるけど
原作のキャラが見えてこないお話はあまり好みません。
エロなら何でもいいから来ているわけではないので。
特にエロが薄いのならなおさらキャラをたててほしい。
原作でエロがないんだからエロでキャラが壊れるのは
ある程度仕方ないとは思います。
444名無しさん@ピンキー:03/08/04 03:07 ID:BTEPdK6C
マターリ
445名無しさん@ピンキー:03/08/05 20:31 ID:1+BH3C/M
>>424
鈴なるキテタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
やっぱ夏は海ですね!いつも完璧鈴世も、悶々鈴世も(・∀・)イイ!!ですね
本当に、頑張れ青少年てかんじでヨカタです。

>>モーリ&シーラ作者様
ワロテしまいますた。エロの中にもお笑いの心、(・∀・)イイ!!
モーリとシーラって、こういうノリが似合う気がします。
446あぼーん:あぼーん
あぼーん
447あぼーん:あぼーん
あぼーん
448あぼーん:あぼーん
あぼーん
449あぼーん:あぼーん
あぼーん
450あぼーん:あぼーん
あぼーん
451真壁蘭世・受精:03/08/08 00:22 ID:nkiw/Ndh
最近、妻の蘭世が綺麗になった。洋服もしぐさも以前に増して女らしく、
フェロモンを出しているというか・・。
 妻は32才だが5才は若く見え、夫が言うのもなんだが上品で貞淑な感じの美人である。
そんな妻が最近は牝の匂いを発散しているように感じ、不審に思い始めたのだ。
娘も中学生になり手が離れている今、妻はテニススクールに通っている。
もし妻に男がいるとすればそのスクールの関係者ぐらいしか考えられない。
 そう思っていた矢先、近所に住む会社の同僚から気になる噂を聞いた。
「あのテニススクールに筒井っていうコーチがいるらしいんだけど、
とんでもない人妻キラーなんだって。スクールの経営者が本業らしいんだけど、
テニスもプロ級の腕前でハンサムなもんだから誘われたら奥さん達も喜んでついて
いって、その日のうちにやられてしまうらしい。近くの風間さんの奥さんも
犠牲者で、そのコーチの子供を身ごもったっていうからひどいよね。
俺の奥さんが相談されてわかったんだけどね・・」
 それを聞いて顔が蒼ざめた。同時に妻がコーチにめちゃくちゃにされていることを想像して
興奮していたのも事実だった。「蘭世がまさか・・。でもわからないぞ・・。」
そう思った俺はある平日の日、妻には内緒で休みを取り、ジムに出かけたふりをして妻を監視することにした。
 その日、妻がテニススクールに行くあとをつけた。2時間後、妻はスクールから出てきた。
何事もなく帰途につく妻を見て安心しかけたそのとき、あっと驚いた。
妻のあとを、周りを気にしながらコーチが追ってくるではないか・・。
そしてなんと妻は自宅にコーチを入れた。
 「こうなったらすべてを見届けてやる」
 そう思い、私は10分ほどたってから、二人にわからないよう家に入ったのだ。
452真壁蘭世・受精:03/08/08 00:24 ID:nkiw/Ndh
家に入り、愕然とした。明らかにコーチが妻を責める言葉と、妻の聞いたこともないような
みだらな声が聞こえてきたからだ。声がする部屋は娘の愛良の部屋だった。
なんと妻はあろうことか、中学生の娘のベッドの上でコーチの巨大なペニスに貫かれ、
嬌声をあげていたのだ。

「いやらしいお母さんだな。蘭世は。娘のベッドをこんないやらしい液で汚しちゃって。
 どうなんだっ!」
「あっ、あっ、だめっ、あっ、こ、娘のことは、言わないでっ」
「蘭世。今日は待ちに待った排卵日だよね。生理の周期も全部知っているんだから
 ごまかしようもないしね。その証拠に今日はほらっ、ねっとりした液が出てるよ」
「は、はいっ、危ない日、ですっ、あぁっ」
 筒井は蘭世の足を肩にかけ垂直にペニスを膣に突き刺すように、ワイルドな屈曲位でピストン運動を
 繰り返していた。ゆっくりと、変わらないリズムで深く、大きく腰を動かし続けていた。
 ぐっと深く腰を沈めたかと思うと、今度は蘭世の唇を奪った。ディープキスをしながら
人妻の子宮口をこじあけるように深くペニスを貫いている。
「んっ、んっ、んっ、んあっ、あっ」
両方の乳首をピンと立てて、ビクッビクッビクッと妻の体が痙攣し、とうとう気をやってしまった。
筒井はペニスを抜いた。妻の愛液がぬらーっと糸を引いた。
「蘭世。どうかな。旦那さんとのセックスは幼稚なもんだろう。本物の牡はね、
 こうして牝を征服するんだよ。蘭世も本物の牡に征服されたいだろう?」
「・・・えっ、あ、はい・・」
 妻の目は完全に牝のそれになっていた。
「じゃあ今度こそ本当に征服してあげよう。完全に僕のものにするから覚悟するんだよ。いいね?」
「・・はい・・」
 そのやりとりを見て私はとても切なくなった。あの貞淑な妻が、
 こんなにも簡単に他の男のものになるのか・・・
453真壁蘭世・受精:03/08/08 00:27 ID:nkiw/Ndh
それから筒井は思う存分妻を「使って」楽しんだ。
 ソープ嬢でもしないようないやらしいフェラチオプレイ
 これ以上ないほど高く尻をかかげさせてのバックスタイル、
 屈曲位で膣襞を蹂躙しながらディープキスで唾液交換、
 娘の勉強机で体を支えながらの立ちバック、
 ・・・・
 部屋中に淫らなオスとメスの匂いが立ちこめる。
 その間に妻は何度も気をやっているのだ。

「蘭世。そろそろ僕もいかせてもらわないと不公平だよ。覚悟はいいね?」
「覚悟って・・」
「分からないの?『私の膣内(ナカ)に出してください』ってお願いするのが筋だろう?」
「えっ、あっ、で、でも・・今日は危ないから・・」
「俺には関係ない。そういえば3ヶ月ほど前、風間さんの奥さんも同じこと言ってたけど
 最後は自分からお願いしてきたぞ。『コーチの子供を孕ませてください』ってね。
 案の定妊娠したらしいけどね。そういう従順な奥さんは子供生んだらまた
 かわいがってあげるんだよ。蘭世もかわいがってほしいんだろう?旦那じゃなくて俺に。」

 ものすごい自信に圧倒されて大抵の人妻は観念してしまうのだろう。妻も同じだった。
「・・」
 膣を蹂躙しながら圧倒的な自信で膣内射精を求めてくる筒井に妻は無言でうなづいた。
「よしよし、かわいい子だ。」
 そういうと妻の足首を掴んで真上から強烈なピストンをはじめた。
 いよいよ妻の膣に筒井の精液が放出され、妻の卵子に筒井の精子がまとわりつき、
 受精するときが近づいてきた。
454真壁蘭世・受精:03/08/08 00:29 ID:nkiw/Ndh
 他の男の精液が妻の子宮に注がれる。妻は男の放出を歓迎するように
膣襞を収縮させうっとりとしている。
 そんな危険な状況から妻を救い出さねば、という思いはあったが、もうどうにもならないという
 思いから観念していた。むしろ妻の膣奥にたくましい男の濃い体液がたっぷりと注がれ、
 妊娠させられてしまうという究極の屈辱を味わう予感に期待のようなものまで感じていた。
「奥さん、いくぞっ」
 筒井の尻がビクッビクッビクッと痙攣した。
 今、妻の膣の中では筒井の精液がたっぷりと注がれ受精が行われようとしているのだ。

「ふーっ。よかったよ、蘭世。僕は精液の量が異常に多くてね、人の3倍ぐらい出るんだよね。
 精子の数も多くてね、病院で検査したら人の5倍はいるって。だから心配しなくても確実に
妊娠するよ。どれぐらい出たか見てみよう。」
 そういって筒井は妻の膣からペニスを抜いた。
 そして愛良の部屋にある姿見の前で妻を抱えあげた。
「あっ・・」
 ダラーッと筒井の精液が垂れて床を汚した。ものすごい量だ・・・
「コーチ、ひどい・・・」
「これで奥さんも僕のものだね。さあ、もっといやらしいところを見せてごらん。
 立ってお尻を突き出してみてごらん。」
 妻が立ち、尻を少し突き出すと、いよいよ大量の精液が床に垂れ、また太ももにも流れた。
 筒井はその姿をデジカメに取ると満足そうに妻の唇を奪った。
 ・・・・・・・
 一部始終を見た俺は途方にくれるしかなかった。(終)
455名無しさん@ピンキー:03/08/08 01:26 ID:D5Pxbnvo
・・・。いいのかなーこんなの書いちゃって。知らないよ。
456名無しさん@ピンキー:03/08/08 01:43 ID:BgoUmGZC
うわぁー、
読みたくなかった!!!
・・・早く忘れよ。
457名無しさん@ピンキー:03/08/08 01:59 ID:STkpIubw
これ書いたのはどう見ても男性だろうな…あほらし。
458名無しさん@ピンキー:03/08/08 02:11 ID:MKaNCnuE
コピペ改変とかちゃうの?
なんだか哀れだなこれ張ったヤシ……
459名無しさん@ピンキー:03/08/08 02:48 ID:vgBA+tC8
最悪…。つまらない。
460あぼーん:あぼーん
あぼーん
461名無しさん@ピンキー:03/08/08 03:48 ID:ob9gy1Cu
名前欄ですぐに予想出来たから、全部スルー出来たけど…
ほんとに哀れだわ。
462名無しさん@ピンキー:03/08/08 07:09 ID:8R6pnyVZ
予想できずに読んじゃった。
しかも途中までオチとか救いがあるだろうとおもっちゃた自分が情けない。
さいてー、さいあく!
463名無しさん@ピンキー:03/08/08 07:38 ID:W1ma0Edt
夢オチだろうと思って読んじゃったよ(鬱
464名無しさん@ピンキー:03/08/08 08:35 ID:SJkoMTdT
固有名詞変えて、エルフゲースレッドに挙げればボロカスに言われずとも
済んだろうに(w
まぁ「空気嫁」ってことか。要するに。
465あぼーん:あぼーん
あぼーん
466名無しさん@ピンキー:03/08/08 09:47 ID:XJ4x5V69
つうか、年齢設定も間違っているよね。
5行目読んだ時点で「あ〜ぁ・・・」とオモタヨ。
蘭世32歳のときって、卓ですら中学にあがるかどうかだろ。
中学生の“娘”の部屋って・・・

ついでに射精の直後に受精→妊娠する(それこそ膣内で)と思ってない?(w
実際受精するのは卵管のあたりのはず。数時間のタイムラグは当たり前。
結局、どうやって子供ができるのか、間違った知識でしか知らない童貞くんが
がんばってコピペした小説だったってことだ。
467名無しさん@ピンキー:03/08/08 11:27 ID:tgmw3X6W
荒れてるなぁ。
夏って事か。
468名無しさん@ピンキー:03/08/08 13:09 ID:wGkwXR3v
夏ってことでみなスルーしる。
騒ぐと余計図に乗ってまた投下されるぞ。
469わるい?しびれ1:03/08/08 13:20 ID:WfZy8Ymo
蘭世がアパートのドアを空けると、部屋の主である俊は、居間の畳で眠っていた。
今日は顔の痣が一段とひどい。
相当激しいトレーニングをこなして、部屋に帰るなり倒れ込んでしまった、というところか。
蘭世はそこまで察すると、俊を起こさないよう、そろそろと壁際へ腰を下ろし、雑誌でもめくりながら、
彼が自然に目を覚ますのを待つことにした。
すると突然むく、と俊が半身を起こした。
「あっ…、起しちゃった…?」
ごめんね、と謝る蘭世の声に反応も見せず、俊は上半身だけ起した姿勢のまま、ひじだけでずるずると
蘭世に近付いた。
蘭世のすぐ目の前までにじり寄り、そのまま再び目を閉じ、倒れこむ。
頭の落下地点は、そう、蘭世のひざの上だった。
「…真壁くん?」
呼びかけても、もう返事は寝息のみだった。
太腿の上にしっかりと彼の頭の重さを感じながら、蘭世はふわりと幸せな気持ちに包まれた。

俊が目を覚ますと、それまで枕にしていた柔らかい太腿の主は、壁に背を預けて眠っていた。
半分以上寝ぼけて、彼女の膝枕を強要したことを、どうにか思い出す。
膝枕で眠る自分。そしてそれを許しながら眠ってしまう蘭世。
つい今までの、そんな状態を思い起こす。
目を覚ましてしまったことが、少し惜しい気がした。

寝顔を覗き込むが、目を覚ます気配も無い。
(男の部屋で無防備に眠りこけやがって…)
「…襲うぞ、てめ」
乱暴な言葉とは裏腹に、俊の唇には微笑が浮かんでいた。
彼女を起さないように、小声でつぶやいて、そっと顔を寄せ、触れるように口付ける。
今蘭世が目を覚ませば、俊の優しい表情に驚くだろうに…、しかしやはり目を覚まさなかった。
470わるい?しびれ2:03/08/08 13:21 ID:WfZy8Ymo
蘭世を眠りから呼び戻したものは、足から体中を駆け抜ける強烈な刺激だった。
ばちり、と目を開くと、驚いたような俊の顔。
「…そんなに反応するとは思わなかった…」
先程まで頭を預けていた膝に、軽くキスしただけだったのだが。
(唇にキスした時は起きなかったくせに。こっちの方が感じるってのか…?)
不埒なことを考える俊をよそに、蘭世はまだ電気のような痺れに苦しんでいた。
そう、痺れである。
「足、痺れちゃったのよう…。いっっっ…たぁぁいっっ…」
思わず横倒しに倒れるが、それだけでも痺れた足に響くようだ。
「…悪い」
膝枕をしてくれたからだ、と分かっても、足が痺れたと言って涙目になっている様子が、微笑ましい。
つい緩んでしまう俊の口元を、蘭世が恨めしそうに見た。
(そーゆーかわいらしい顔をするとだな…)
ついいじめてしまいたくなる気質である。
動けないことをいいことに、するするとスカートをめくる。
「何するの―――っ!?」
「ちょっと我慢しな。痺れてんのは擦ってやると早く治るんだぜ」
白い太腿に手を這わせる。
「やっ…だめっ……」
お約束である。
今度は違う痺れに苛まれることになってしまった。

足だけでなく体中を擦られ、撫でられ、舐められて、甘い痺れに身を任せた。
「はっ…、ぁふ…」
「…っ…ん…」
快楽に意識を飛ばした後は、いつも通り俊の腕枕でまどろむ。
心地よい眠りに再度引き込まれそうになる間際、蘭世は思う。
(腕枕で腕が痺れたら、今度は仕返ししちゃうんだから…)


おわり
471ワルさくしゃ:03/08/08 13:24 ID:WfZy8Ymo
マターリしましょ〜。
ということで投下でつ。
マターリになりますですかね…。

しかしタイトル、「わる」を付けるのが苦しくなってきました…。アアン
472名無しさん@ピンキー:03/08/08 13:39 ID:+t93/M5X
いやぁ〜ん、すてき。うふ!
>「…襲うぞ、てめ」
のあたりがサイコーに好きな感じですね。

別にタイトルは縛られなくてもよいのでは?
もっと幅広くワルタソの作品読みたいし。by.いつぞやに69タソと呼んだモノ。
473名無しさん@ピンキー:03/08/08 15:55 ID:tgmw3X6W
寝ぼけつつ、ちゃっかり膝枕を求めてしまう真壁くんに萌え。
真壁くんになら、痺れたって膝枕してあげたぃ
474あぼーん:あぼーん
あぼーん
475名無しさん@ピンキー:03/08/08 17:26 ID:6eHd8qFA
悪阻に負けず頑張ってやってきたら、変なのが来てたのね(読んじゃった…)
でも、ワルタンのお陰ですっきり爽やかになりますたw

ワルタンサイコー
476あぼーん:あぼーん
あぼーん
477自然な気持ち1:03/08/08 19:52 ID:bitguD+B
江藤家の台所で何かを打ち消すように必死にお菓子作りをしている蘭世。

「わかってる・・・会えないから不安だし、さみしいし。。。
ジムとバイトなどで忙しいのはわかってる。わがまま言えない。
でも会いたい。
この気持ちどうしたらいいの?」
蘭世は半泣きになりそうになってた。




ジムのスパーリング中。顔面にパンチを受けてしまった俊にトレーナーが
言い放つ。
「最近集中力がないな。他のこと考えすぎなんだ!
大切な試合までまだ日がある。調整することだな。」

「ふぅー。」
集中してるはずなのに気が散る。何も考えてないのに
頭に浮かぶ、あいつの顔。
どのくらい会ってないんだろう?

クラブじゃ物足りないと思ってた矢先にこのジムから誘いがあり、
学校帰りに通うようになって半月。
その間、学校でもあんまり会うこともなく、
しかも、夜間の一人歩きは危険なので、差し入れも持ってくるのも止めさせてた。

どうにもこうにもトレーニングに身が入りそうにもない。
「くっそ!」今日は切り上げて早く帰ろう!
478自然な気持ち2:03/08/08 19:57 ID:bitguD+B
オーブンを開けるといい匂いがした。

「シフォンケーキが出来た。カロリー低めだし。会えなくても
これくらいいいよね?
時間もまだ早いし。。。そっとドアの前に置くくらいでも・・・
運がよかったら会えたりして♪きゃっ//////」




夕暮れの中、まっすぐ家路につくと自分の部屋の前に人影を
みつけた。
頭に浮かぶ、その人物だ。
自然と顔もほころぶ。
ドアのノブに紙袋をかけてるところだった。
思わず彼女の名前を読んだ。




久しぶりに俊のアパートに来た。その前に立つだけで
どきどきしてる蘭世。
「やっぱり来てよかった。真壁君まだ帰ってないけど・・・ね。」
しばらく待とうかと思った矢先。
「え・・江藤?」
恋しい人の声が聞こえた。

振り向くと会いたかった俊の顔があり。名前を呼ぼうとしたが・・
涙が次から次へと溢れだす。
「・・あ・・、ま・・・か・・えっ。。わーん!!」
泣きじゃくる蘭世を俊が抱き寄せる。
479自然な気持ち3:03/08/08 19:58 ID:bitguD+B
俊の部屋。二人寄り添っていた。蘭世が落ち着くまで俊が蘭世の頭をなでてる手が優しい。
蘭世は俊の目をみつめて
「さみしかった。・・・わがままでも・・会いたかった。」
素直に気持ちを言葉に出してみた。
思わず「俺も」と言いそうになったが顔にも出さずに
ただ優しく見つめ返した。
二人こうしてるだけでイライラなどが無くなっていく。
「不思議・・・」
「ん?」
「こうしてるだけで幸せなんだもの・・会えないのはすごくさみしいけど
でも今は・・・」
言い終わらないうちにまた。。涙が溢れ出す。
「今は、会えてるんだ。泣くな。」
俊は優しく言ってキスをした。
お互いの為、少しは会う時間作ろうと心に思う。俊だった。
480とーか:03/08/08 20:04 ID:bitguD+B
はじめまして。
いつも楽しみにしています。ときめきファンの一人です。
いつもロム専でしたが・・・ラブラブな気持ち?を書いてみたかったので
失礼しました。
文章など書くのが苦手なので、読みづらいしわかりづらいと思いますが・・
この1回きりのことだと思ってお許しください。
481名無しさん@ピンキー:03/08/08 20:58 ID:pKoew/s2
だいじぶ!!
とーかさま
ときめきを思う気持ちは俊と蘭世のようだーー!!
できればまた書いてください!ね
482ワルさくしゃ:03/08/09 00:35 ID:dBGuSQWi
>472様
シックス・ワル・ナインでございまつ(w
タイトルは、まだ、頭絞りどころかな、と思っていますが。うーん。
アドバイスありがとうございまつ〜。

>473様
ありがとうございます!!
なぜかレス最後の小さい「ぃ」に萌えなのですが(w
(;*´Д`*)ハアハア…ヘンタイカナ…

>475様
そう言っていただけるとダッシュで脳みそ絞った甲斐がありまつ…つAT)
ありがとうございます。お体お大事に…。


そしてまた新作家様が!!
わーい!これが「愛」ってもんでつよ!…ナンテ思ッタリ…(・A・;)
とーか様、乙でつ!!
ただ、句読点のつけ方がたまに読みづらいとこありまつ…。
生意気ですんまそん。
しかしラブーな作風で萌えーですた。(*´Д`*)アハン
また次作、ぜひ読ませてくださいまし…!
483名無しさん@ピンキー:03/08/09 02:43 ID:VlQuitSE
>ワルさくしゃサマ
膝枕を求めて近づく真壁くんを想像しただけで壊れるオイラ。
痺れてる所を・・蘭世が仕返し出来る日は来るのか!
ワルさくしゃサマの作品はいつもオイラを壊れさせてくれる!サイコゥ!

>とーかサマ
ラブラブな二人はいいですね〜。ロム専だったとの事ですが、
これからもラブラブな新作期待しておりまする。
484あぼーん:あぼーん
あぼーん
485あぼーん:あぼーん
あぼーん
486あぼーん:あぼーん
あぼーん
487あぼーん:あぼーん
あぼーん
488ワルさくしゃ:03/08/09 21:07 ID:zsV1xSkT
>483様
ありがとうございまつ〜!ヽ(・A・;)コ、コワレナイデ…
匍匐前進を想像していただけるとありがたいでつ。
489名無しさん@ピンキー :03/08/09 21:46 ID:PrUTIIEF
まとめサイトをマターリ&(*´Д`)ハァハァ読み返してたんですが
Part7のプロボクサーの独り言(・∀・)イイ!!
最初読んだときも大ウケだったけどまたハマリますたw
もしできればあの話の中で事情を知ってて笑い転げてるコーチ視点の真壁くんとか
ジムの同僚・後輩から見た真壁君(夫妻)とかのお話・・・お願いします
490あぼーん:あぼーん
あぼーん
491あぼーん:あぼーん
あぼーん
492あぼーん:あぼーん
あぼーん
493あぼーん:あぼーん
あぼーん
494名無しさん@ピンキー:03/08/10 23:23 ID:Hf97XM4k
荒らさないでね
495名無さん@ピンキー:03/08/11 00:18 ID:GxlVl6wt
嵐と言うより、スクリプトを使った業者広告です。
アボガトバナナの方向で。
自己あぼーんするか、イヤな方は削除依頼に行った方がいいかもです。
496あぼーん:あぼーん
あぼーん
497あぼーん:あぼーん
あぼーん
498あぼーん:あぼーん
あぼーん
499名無しさん@ピンキー:03/08/11 17:45 ID:28QpveEM
それにしても多すぎ。sage推奨の意味がない…。
500モーリ&シーラ作者:03/08/11 20:59 ID:u6t1s5rh
今回は真面目な二人を書いてみました。
エロはあるけど、たまにはギャグなしで・・・。
501戦いの後で1:03/08/11 21:01 ID:u6t1s5rh
魔界の王家との戦いが終わり、江藤一家はようやく我が家に帰ってくることができた。
久し振りに居間でくつろぐ家族―江藤家で居候することになった真壁君も一緒である。
コーヒーを飲んでいた望里が口を開いた。
「さあお前たちも疲れただろうから、今夜は早く寝なさい」
「はーい」蘭世と鈴世が明るく答える。
「蘭世、真壁君をお部屋に案内してあげてね」と椎羅。
「うん、分かった。真壁君、こっちよ」と蘭世は顔を赤らめながら、ウキウキ気分で真壁君を連れて行った。鈴世とペックもそれに続く。
そうして二人きりになった望里と椎羅。
望里と並んでソファに座っていた椎羅が夫に向き直って優しく言う、「あなたもお疲れでしょ?早くお休みになったら?」
「ああ、疲れたけど今夜はやりたいことがあるんだ」
「何ですの・・・?」そう聞きながらも、椎羅の瞳にはどこか期待の色が浮かんでいた。
望里は腕を伸ばして妻を引き寄せると、その唇にキスをした。
「お前を抱きたいんだ・・・椎羅」
「あなた・・・」両腕を夫の首元に回して、今度は椎羅の方から望里に口付ける。
お互いの舌を絡ませ合いながら、望里の手が椎羅の着ているジャケットの中に入り、乳房をまさぐる。
「あ、あなた・・・こんな所でだめよ・・・」
侵入してくる望里の手を必死におしのけようとする椎羅。
「寝室に連れていて・・・」
椎羅の甘い囁きを聞き入れ、望里は彼女を抱きかかえると夫婦の寝室に向かった―
502戦いの後で2:03/08/11 21:03 ID:u6t1s5rh
そしてベッドに優しく妻を置く。
椎羅は真珠のネックレスをはずした後、夫をじらすようにゆっくりとジャケットを脱いだ。
シルクのキャミソールが一部のすきもなく体にぴったりと張り付いて、大きく開かれた胸元からは愛撫を待ち構えているかのように
豊かな乳房が溢れ、乳首が薄い布地を突き立てていて悩ましかった。
望里は屈んで顔を近づけ、椎羅の耳からイヤリングを取ると、その耳たぶを優しく噛んだ―
そして舌を這わせていく。椎羅はベッドに倒れこみながら、その紅く濡れた唇から甘い吐息を漏らした。
望里も首元のブローチをはずし、シャツを脱ぎ捨てると椎羅の上に重なった。
キャミソールの上から、たわわな乳房を大きな手で愛撫しながら、唇を重ねる。
椎羅は両手を上げて望里の首に巻きつけ、うっとりとした心地で夫の愛撫に応えていた。
いつのまにか、望里の手は椎羅のキャミソールをたくし上げ、乳房をじかに掴んでいた。
望里の手の下でもみくちゃにされながら、椎羅の乳房はやわらかく弾んでいる。
手で乳首をいたぶられる度に、椎羅は身をよじってはかすかな嗚咽を漏らす。
指の攻撃の後は、望里は歯で胸の突起の根元を押さえ、こりこりした乳首を舌先で転がしながら力一杯吸い込んだ。
激しく啜る音が静かな部屋に響く。
「あ、あんっ・・・あなた・・・」
乳房の上に丸まったキャミソールを脱がせた後、望里は今度は椎羅のスカートに手を伸ばし、ファスナーを探り当てて、
引きずり下ろした。長く美しい両脚を包むストッキングとガーターベルトの艶かしさに望里の心は激しく昂ぶった。
そして小さい白いパンティ・・・逆三角形をした中心部は白いシースルーになっていて、椎羅の金色に光る叢がうっすらと見えて、
この上なく煽情的だった。椎羅の脚を開き、望里はガーターベルトを巧みにはずすと、ストッキングをゆっくりと丁寧に脱がしていった。
開いた脚の間からは、椎羅の秘部がすでにしっとりと濡れているのが分かる。
白い布地は濡れた部分にぺったりと張り付き、肉体の奥に吸い込まれ、くっきりとした割れ目を作っていた。
503戦いの後で3:03/08/11 21:06 ID:u6t1s5rh
望里はストッキングを脱がせながら、椎羅の白い肌が赤く染まっていく様子を眺めた。
数え切れないほど妻を抱いてきたが、愛の行為の最初のうちはどこか恥ずかしげな妻の様子は望里をいつも激しく昂ぶらせた。
そして自分の愛撫に応えながら、だんだんと大胆になっていくところがたまらなかった。
望里はそんなことを考えながらストッキングを脱がせ終わると、まず椎羅の指先をしゃぶり、次いで形のよい脚に舌を這わせていった。
そして望里の熱く湿った舌が彼女の太ももの内側へと到達すると、「あっ・・・」と小さな悲鳴をあげると同時に椎羅の体は弓なりになった。
望里はおもむろに顔を上げると、両手で妻の太ももを開けるだけ開き、秘部に顔を近づけた。
白くて薄いパンティは彼女自身から湧き出た蜜でぐっしょりと濡れに濡れ、透明度を増す一方、中の金髪の色を濃くしていた。
椎羅は羞恥に耐え切れずにあえぐように言う。
「・・・やだ、あなた・・・そんなに見ないで・・・」
「君はとてもセクシーだよ、椎羅・・・。何て美しいんだ」
愛しい妻をまたこの腕に抱いているのだという感動に胸をつまらせながら望里は囁く。
パンティを両脚から抜き取り、厚く密に茂った金色の叢の上に右の手のひらをあてがい、二・三度そっと撫でると
人差し指を下におろしていった。望里は親指を使いながら、幾重にも重なりあった椎羅のやわらかな花弁を左右に分け、
その長い指先を妻の肉の通路に差し込んでいった。力を加えるまでもなく、指の周りを熱くぬめっとした感触が包み、肉襞の奥へといざなっていく。
望里の指先がせわしなく椎羅の体内をかき乱す度に、椎羅の体中にぞくぞくとした戦慄が走り、悦びの密が体の奥底から止めどもなく流れ出た。
椎羅は悲鳴ともため息ともつかない小さな叫び声をあげながら、身を左右にくねらせた。
望里の手の愛撫だけでほとんど昇りつめてしまいそうになりながらも、椎羅の手は夫の体をまさぐり始めていた。
ズボンの付け根を探り当てるとそこで止まり、その下でこわばった夫のものを擦り始めた。
そして慣れた手つきでファスナーをゆっくりと引き下ろしていくと、そこからブリーフを突き破らんばかりに尖ったものが弾け出た。
望里は椎羅の体内から指を引き抜くと、ズボンとブリーフを脱ぎ捨て、ベッドに仰向けになった。
504戦いの後で4:03/08/11 21:11 ID:u6t1s5rh
それと同時に椎羅は起き上がって望里の長い脚にすがるように抱きつくと、信じがたいほど大きく硬くなった彼の分身を
右手で握り締めた。何本もの筋を浮き立たせたそれは片手では掴みきれないほどの太さだった。
両手で夫のこわばりを優しく包んだ後、その舌を根元から先端へと何度も往復させていく。
舌の先をこわばりの先端にあてがい、窪みの周りをくすぐるとそこから透明な液体が溢れ出てきた。
椎羅が音を立ててその液体を啜り上げると、望里のものは硬さを増し、反りを深くした。
椎羅は頭の部分を歯で軽く噛んだかと思うと、左手でこわばりの根元の袋を揉みほぐしながら、
左手でこわばりを支えるようにしていきなりそれを口に含んでいった。もはや羞恥心はどこかへと吹き飛んでいた。
長い金髪を振り乱し、頭を上下左右に振りながら夢中になって夫のものをしゃぶり続ける。
濡れた音を立てながら椎羅の唇がこわばりを何度も上下する度に、望里は息を荒げた。
妻が両頬をへこませて、彼の分身を思い切り吸い込むと、望里はとうとう耐え切れずに言った。
「椎羅。最初からそんなに激しくやられたら、君の口の中でいってしまうじゃないか。さあ口を離して―」
望里は起き上がると、こわばりの先端から溢れた透明な液体を手でシャフトに塗りつけた。
そして仰向けになった椎羅の脚を大きく開いて、一気に根元まで突き立てていった。
その鋭い苦痛が椎羅の体内を貫いた。「ああっー!!」
望里のひと突きごとに、椎羅の体はあやつり人形のようにぴくっぴくっと跳ね上がる。
望里は腰を上下左右に乱暴にこね回しながら、椎羅の長く細い首筋を何度も舐め上げる。
そして窒息するかと思われるほどの激しい口付け・・・。
今夜の交わりはいつもより激しいものだったが、望里も椎羅もその全てに酔っていた。
505戦いの後で5:03/08/11 21:15 ID:u6t1s5rh
死を覚悟して魔界に乗り込んだ二人にとって、今夜の強烈な愛の営みは生の悦びそのものだった―悲鳴と嗚咽が交互に絶え間なく続く・・・
そしてしばらくして、椎羅が鋭い悲鳴を上げて体を痙攣させると、それまで最後の瞬間を耐えていた望里はその熱い体液を妻の体の中に勢いよく注ぎこんだ。
妻の体の中に入ったまま、望里は椎羅をしっかりと抱きしめた。
妻の肩が震えているのに気づき、望里が彼女の顔を覗き込むと、その両目には涙がたまっていた。
「―椎羅・・・?泣いているのか?」
「―あなた・・・いやだわ、私ったら涙が止まらないの・・・」
望里が妻の頬に優しく口付けると、椎羅は夫の腕の中で泣き崩れた。
妻が泣いている理由は望里にも痛いほど分かる気がした。過去の自分の暗殺計画に加え、今回の戦い・・・
最近は心の休まる暇もなかったはずだ・・・。


いよいよ魔界へと出発するという時、椎羅は望里に小さなピストルを渡していた。
「椎羅、これは・・・?」
「銀の弾の入ったピストルよ。私が向こうに殺されそうになったら、これで私を殺してね―」
「ばかっ。何を言うんだ、椎羅。お前が死ぬなんて―」
「覚悟はしてるのよ・・・。私の願いはただひとつ、どうせ死ぬのならあなたの手で死にたいの・・・」
「―!椎羅・・・!」望里は胸が張り裂ける思いだった。
「お願いよ、あなた」椎羅は目に涙を浮かべながらも、微笑んだ。
「あなたが私を愛してるのなら・・・」
「・・・もちろんお前を愛しているよ、椎羅。永遠に―!」
「・・・私も永遠にあなたを愛しています、望里・・・」


その時のことを思い出しながら、望里は子供をあやすように愛しい妻の頭を優しく撫で続けた・・・
夫の胸の中で、落ち着きを取り戻した椎羅が呟いた。
「またこうしてあなたの腕の中に抱かれているなんて夢のようよ・・・私たち、生きて帰って来たのね、あなた・・・」
「―ああ、椎羅。二度とつらい思いはさせないよ・・・」
二人はもう一度口付けを交わすと、愛情のこもった眼差しで、いつまでも見つめあった―

おわり

506モーリ&シーラ作者:03/08/11 21:24 ID:u6t1s5rh
今日はここまでです。
原作で、たまにこの二人が真面目な場面とかあるけど、とっても印象深いです。
アロンに真壁君暗殺を命じられ苦悩する望里と、夫の様子を心配してやってきた椎羅が
夜のベンチで語り合う・・・
ああ、なんて名場面なの!!!
あとは、3巻の10年前のお二人。
二人の駆け落ち話がはじめて明かされるところ!
507名無しさん@ピンキー:03/08/11 22:49 ID:rya2WbAO
>モーリ&シーラ作者タン!
私はあなたの降臨を待ち望んでいたのよ!!
今回もゴチでした
因みに私も駆け落ち話に萌えた1人です
508名無しさん@ピンキー:03/08/12 00:49 ID:SM1tmc96
>506
私も待っていたよ!ブラボー!
509あぼーん:あぼーん
あぼーん
510名無しさん@ピンキー:03/08/12 19:04 ID:CMJ5GT0V
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511あぼーん:あぼーん
あぼーん
512あぼーん:あぼーん
あぼーん
513あぼーん:あぼーん
あぼーん
514名無しさん@ピンキー:03/08/14 01:35 ID:a9o3t5DI
下げときます
515名無しさん@ピンキー:03/08/14 12:35 ID:plFf/GGM
516名無しさん@ピンキー:03/08/14 18:50 ID:ISUG3Xwo
下げ
517名無しさん@ピンキー:03/08/14 22:03 ID:+fhGyJ5y
お盆なんでつね〜
518名無しさん@ピンキー:03/08/15 10:30 ID:+OSMOstk
519あぼーん:あぼーん
あぼーん
520名無しさん@ピンキー:03/08/15 19:01 ID:+OSMOstk
52134150:03/08/15 19:06 ID:+kjZRdeM



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522名無しさん@ピンキー:03/08/15 21:00 ID:P5kHYfLs
下げまつ
523名無しさん@ピンキー:03/08/16 07:27 ID:l7UsurZ4
下げ下げ
524名無しさん@ピンキー:03/08/16 11:27 ID:6f9uzmYt
そんなことしたって下がりませんよ。
やるなら他のスレを上げないと・・・
525名無しさん@ピンキー:03/08/16 12:35 ID:g/azZu+Y
ハゲ
526嫉妬1:03/08/16 13:09 ID:Inki1cfb
階段を上がってくる足音が聞こえてくる。
(真壁くんだ! えっ、でも・・・?)
「ただいま」
俊がドアを開けて玄関に入ってきた。
あわててキッチンから迎える蘭世。
「お帰りなさい、真壁くん!あっ・・・」
「こんばんはぁ〜」
俊の後ろからひょこっと見慣れぬ男の顔がのぞいた。
「ああ、こいつ今度ジムに入ってきた新人」
「すんません。樋口と言います。お邪魔かとは思ったんですが、先輩から誘ってもらって嬉しくてつい」
ぴょこんと頭を下げる樋口は、男というよりまだ少年といったほうがふさわしい。

「おい、そんなとこに突っ立ってないで中に入れよ。メシにしようぜ」
俊はすでに冷蔵庫から取り出した何本かの缶ビールを片手にリビングに向かっていた。
「やだ、ごめんなさい!どうぞあがって。すぐにご飯の用意しますから」
お邪魔します、と声をかけてリビングに向かう樋口を見送って蘭世はすぐにキッチンに戻った。
(真壁くんがお客様を連れて来るなんて初めて)
何となくウキウキする気持ちを抑えながら蘭世は食事の仕上げにかかった。
527嫉妬2:03/08/16 13:10 ID:Inki1cfb
「大したものはないけど、たくさん召し上がってね」
リビングのテーブルの上には減量中の俊のために工夫された料理が並んでいた。
「いや〜、先輩の奥さんってジムの中でも可愛いって評判だったんすよ。でも噂はホントっすね」
ちょっと照れながら樋口が蘭世と俊を交互に見る。
「えっ!」耳まで真っ赤になる蘭世。
「おい、お世辞言ったってトレーニングは軽くなんねぇぞ」
「先輩、照れないで下さいよ。料理も上手いし、オレマジに先輩がうらやましいっす」
樋口はビールで少し赤くなった顔で、しかしまじめな表情である。
俊のいつものポーカー・フェイスの中にほんの少し照れたような表情が浮かんだ。
(当たり前だろ。このオレが惚れた女なんだからな。もっとも口がさけても言えないが・・・)
そんな俊の心の声に気づくこともない蘭世は、恥ずかしさで居場所がない。
とりあえず食事がひと段落ついたところを見計らってキッチンに食器を下げに行く。
(うそ、ホントなの?ジムで私のことが評判になってるの?ホントならうれしい!!)
食器を洗うのに心ここにあらずの蘭世は、真っ赤な顔で同じ皿をひたすら洗い続けている。
リビングからは時折笑い声も聞こえてくる。
(真壁くん楽しそう。何だか私まで幸せな気分・・・)

どれくらい時間が経ったのだろう。
キッチンのダイニングテーブルで蘭世は赤い顔のままボーっとしていた。
“先輩の奥さんってジムの中でも可愛いって評判だったんすよ”
”マジに先輩がうらやましいっす”
樋口の言葉がずっと頭の中でリフレインしている。
相変わらず自分の世界に入り込むと他のことが何一つ目に見えず耳に入らない。
おかげでそっと近づいて来る足音にも気づかない。
528嫉妬3:03/08/16 13:11 ID:Inki1cfb
「ひゃっ!」
突然首筋に俊のキスを受けて蘭世は飛び上がらんばかりに驚いた。
「声を出すな。聞かれちまう」
「ま、真壁くん、ダメだよ、んン・・・」
後ろから羽交い絞めにされ蘭世の声は俊の口でふさがれる。
ブラウスの上から俊の手が胸をまさぐる。
やがてブラウスのボタンをはずし、ブラの下に入り込んだ手が敏感な突起を探り当て指先でつまみあげられるようにすると蘭世の胸が大きく反った。
その反応に合わせたように反対の手がスカートのすそをたくし上げて太ももをゆっくりとなで始める。
「だめ、見られちゃうよぉ・・・やめて」
「だめだ。がまんできねぇ。だから声を出すな」
蘭世の舌を思う存分に味わった俊の口が離れ、耳元でささやく。
太ももをなでていた手がゆっくりと奥へと進入し、レースのショーツ越しに蘭世の最も敏感な部分をまさぐり始めた。
「ん!・・・んンッ・・・」
すでにその部分は布越しにもしっとりとした感触を与えている。
俊はショーツの中に手を潜り込ませると熱く湿った部分に指先を入れた。
くちゅっと卑猥な音がした。
「あっ!いやっ!!」
思わず蘭世の声が高くなる。
「ばか、声を出すなって」
(だ、だって・・・!)
蘭世は自分の手で口を押さえて声がもれるのを防いだ。
俊の指先の動きは激しくなり、小さな突起に触れるたびに蘭世の身体が大きく反り返る。
その動きにあわせて蘭世の髪がサラサラと揺れる。
529嫉妬4:03/08/16 13:12 ID:Inki1cfb
「ダメだ。おれも限界」
瞬間的に寝室のベッドルームにテレポートするふたり。
半分放心状態の蘭世のブラウスを手際よく脱がせると白いレースのブラのホックもはずす。
真っ白な乳房に桜色の小さな乳首が俊を誘うようにゆれた。
スカートのファスナーに手をかけたとき、蘭世の手がそれを押さえた。
「だめ!樋口クンに聞かれちゃう」
「あいつならビールで酔っ払ってソファーで寝ちまってる」
蘭世の手をやさしく払いのけながら一気にファスナーを下ろしスカートをはぎとると、ブラとお揃いの白いレースのショーツが現れた。
「で、でも・・・」
手早く自分の服を脱ぎ捨てると蘭世の口をキスでふさぎショーツをはぎとった。
すでに蘭世のその部分は熱く充分に潤っていた。
いつもならきつい感じのその部分は柔らかく、それでいて絶え間なく俊の指をしめつける。
(こいつ、いつもより興奮してる。樋口のせいか?)
少し照れて蘭世を見た樋口の顔を思い出す。

それに対するこいつの表情はどうだった?やけに嬉しそうじゃなかったか?
俊の心の奥底から徐々に嫉妬が顔を見せるが、俊自身はそれを認めたがらない。
蘭世の胸をつかむ手にいつもより力が入っていることも、蘭世の熱い部分の指の動きが激しいことも俊は気づいていない。
(くそっ!!)
俊は自分でも理由がわからないまま苛立ち、乱暴に蘭世の両足を広げると敏感な突起にむしゃぶりついた。
「あっ!!いやッ・・・!」
すでにそこはとろけるように熱くしたたっている。
俊の舌の動きにあわせて蘭世の身体が大きくはじける。
「あッ!あぁ・・お・・ねがい・・もぅ・・・」
蘭世が切ない声をあげるが、俊はそれを無視するかのように執拗に舌で攻め続ける。
「あーっ!!!」
一瞬大きく反り返ったかと思うと、蘭世の身体から力が抜けた。
(まだまだだ)
530嫉妬5:03/08/16 13:13 ID:Inki1cfb
放心状態の蘭世の身体を反転させてうつぶせにさせると、腰を高く引き上げさせた。
いつもなら蘭世が一番恥ずかしがってイヤがるポーズである。
俊は固くなった自分自身でゆっくりと蘭世のその部分をなぞっていく。
(こいつのこんなポーズも、この濡れた部分もオレだけしか知らない。いや、他のヤツには知る権利なんかねぇ!)
怒りにも似た感情で一気に挿入していく。
「んっ!・・うう・んっ・・・」
うつぶせのためにくぐもった声を上げる蘭世。
一度イった身体はすぐに反応を始める。
「もっと声を出してみろよ。もっと大きく、あいつに聞こえるように!」
両手で蘭世の尻をつかみ、激しく腰を突き上げる俊。
「や・・・だめ・・だ・よぉ・・・あっ!・あぁ・・!!」
俊の心の中が読めない蘭世は戸惑いながらも激しい快感に翻弄されていた。
(いい声だ、江藤、その声もオレのものだろ!?)
「ま、まか、べく・・・ん、いぃ・・・すき・・!だいす・・き!!」
俊の動きにあわせて揺れる蘭世の黒髪、真っ白な肌が桜色に上気している背中・・・こいつの全てがオレを虜にする。
(こいつはオレのものだ!)
「あぁ!!!」
蘭世の中がひときわ締め付けたと同時に俊も昇りつめた。
荒い息の中、くず折れるように蘭世と重なって俊は思った。

(また樋口を誘うか・・・それとも別のヤツに・・・)


お目汚しでした・・・
531名無しさん@ピンキー:03/08/16 22:28 ID:HHBRcS/b
↑さり気なく>>489 のリクが反映されているようですな?
イイ!(;´Д`)ハァハァしますた〜
>笑い転げてるコーチ視点
読んでみたいっスよね〜便乗していいでつか(w
532名無しさん@ピンキー:03/08/16 23:37 ID:Inki1cfb
嫉妬シリーズの作者(というほどの者ではありませんが)です。
初めての作品ですがハァハァして下さってありがとうございましたm(_ _)m
またがんばって投稿してみたいと思います。
その時はまた感想お願いします。
533名無しさん@ピンキー:03/08/17 16:42 ID:5FgJKVFN
エロもキャラも出てきませんが
>489タン
>531タン
どうぞw
ご希望に沿ってるかわかりませんが・・・
第三者調をつき通しているので、お嫌いな方はスルーしてくだちい。
534トレーナーの独り言・・・1:03/08/17 16:44 ID:5FgJKVFN
オレは神谷ジムの元ボクサーで、今はトレーナーをしている。
あまり元々は大きなジムじゃなかったが、チャンプが誕生してから入門志願者が増え
今や超有名になってしまったこのジムの最年長トレーナーだ。
もちろんタイトルを取った真壁は、高校生の時から知っている。
ちなみに今は真壁の専属だ。
まぁ奴は息子みたいなもんだ。
かみさんもよく知ってる。
いつのまにかくっついてたな。

学生の時は曜子お嬢さんとよく真壁の事を取り合ってたもんだ。
2人ともすげー勢いで真壁の事争ってたんだぜ。
見てて笑っちまうほどだ。
まぁ・・・基本的には気立てのいい人だし、真壁が選んだのもわかるがな。
いつも元気で甲斐甲斐しいし、べっぴんさんで愛想もいいし、料理もうめぇ。
何度か家に招かれてメシをご馳走になった事があるんだが、うなっちまうほどだった。
カロリーコントロールされてる事は疑い様もない食材を使って、ああも上手いメシ作れるんだから
真壁が普段から体重増えないのもわかるような気がするよなー。
何よりかみさんは真壁の事が大好きでしょうがないってオーラが目に見えそうなほど強い。
それは真壁も同じでよ、アイツは気付いてないだろうけど
かみさんがジムに来ると、真壁の周りでビリビリ張り詰めてた空気がフッとゆるむんだぜ。
それはオレにしかわかんねーと思うけど、おもしれーだろ。
周りの奴はかみさんしか見てねーから気付かねーけど
真壁もかみさんのこと大事にしてるんだな。
全っっ然態度に見せねーけどよ。
さり気ない行動には出てるんだぜ。
535トレーナーの独り言・・・2:03/08/17 16:45 ID:5FgJKVFN
真壁と奥さんが歩く時は絶対真壁が道路側歩いてるし、重そうな荷物は全部真壁が持ってるし
練習試合とかでどっかのジムが来ると、奥さんは客席の中でも一番俺らの側が指定席だ。
勘のいい奴は真壁の"オレの女に近づくなオーラ"がわかるみたいで寄ってこないな。

そーいや真壁が結婚する前の話。
いつだったかスパーリングで鼻血出した奴の頭を、かみさんが膝に乗っけて介抱してたのを見て
真壁がスゲー怒ってた事があった。
あの顔は多分オレしか見てねぇけど、すげー顔してたんだぞ。
あん時は天気まで真壁の心境を物語るように悪くなりやがったなぁ。
次の日そいつは真壁にめっためたにやられて鼻血ダラダラにされてたよ。
理由にも気付かずに哀れなヤローだよな。
真壁は意外とヤキモチ焼きだ。
そんなそぶりは全然見せないけどよ。
もっと意外なのは、見た目よりはるかに理性がか細いってことだ。
普段はクールに決め込んじゃってるがな。
減量に入ったら禁欲ってのは昔っからの鉄の掟だけど
コイツはチャンプになった今でもあっさりと破りやがる。
動きを見たら一発でわかるっつーの。
舐めとんのかコイツは。
減量の失敗はした事ねーけど、この禁欲は一回も守った事がねぇ。
一応減量が始まってから禁欲を守れる間は帰宅を許してるけどな。
だいたい2日か3日ぐらいで破りやがる。
そしたらその日からジムに監禁だ。
もちろんかみさんにはジムに来ないように釘を刺す。
ってゆーか、ジムに近づくのも禁止だ。
536トレーナーの独り言・・・3:03/08/17 16:46 ID:5FgJKVFN
真壁の奴わかるらしいんだ。
スパーリングしてて動きが変わるんだよ。
別に表立って外を気にするとか、集中力が乱れるとかじゃぁないんだが
動きが変わったと思ったら大抵かみさんが顔を出す。
探知機でもついてんのかな。
まぁ、それに気付いてからは減量中かみさんだけ気をつけてりゃいいって事で
わかりやすくて楽っちゃ楽なんだ。
なかなかゆーこと聴かねーけどな。
だから泊り込みで面会禁止なんだよ。
普通にやるぐらいなら大した事ねーんだが、真壁の消耗度は類を見ないほどだ。
別に次の日ヘトヘトになってるとかいうんじゃねーけど、動きがあからさまに悪い。
体力ある奴なんだがな。
かみさんキレイだからってヤリすぎだバカヤロー。
オレの意図がわかってるから真壁も素直に従う。
かみさんを近づけなきゃ大丈夫なんだ。
寝言とか超うるせーけどよ。
こんなのファンが知ったら幻滅するんだろーな。

真壁は普段から減量を嫌ってるけど、体重は全然問題じゃない。
禁欲できないだけだ。
いつだかの防衛戦で勝った後のインタビューで
「ボクサーをやってて一番きついと感じる時は?」って聞かれた真壁が
「減量」とか答えやがったけどよ。
バッカお前、禁欲って正直に言えよな。
オレ1人でバカウケしちゃったぜ。
あんときの真壁の渋い顔も見ものだったな。

来月また防衛戦があるからそろそろ禁欲開始だ。
今回は減量開始からジム監禁まで3日かな。
またジムの奴らに鬼トレーナーとか思われるんだろな。
いいさ。それがオレの仕事だ。
537名無しさん@ピンキー:03/08/17 16:51 ID:5FgJKVFN
↑おわり。

新しい作家さんがどんどん来てくれて
嬉しくて嬉しくて嬉しくて
いつも読むのが楽しいでつ。

嫉妬シリーズ作者タン
ハァハァさせて頂きまつた。
この水面下の嫉妬メラメラが王子らしい!
次の作品にも期待して待ってまつ。
538名無しさん@ピンキー:03/08/17 18:33 ID:F037QqbZ
>トレーナーの独り言
(・∀・)オモロカッタヨ!!
539名無しさん@ピンキー:03/08/17 18:38 ID:hMi+Be+A
>>531っス。
スレの住人は更に増えたようですな。
賑やかでよろしいことでつ。

>>537
まさか即で要望に応えてくれるとはっ!
ありがとうございまつ〜文句なしで嬉しいっス。

>寝言とか超うるせーけどよ。
ワ、ワロタ(w
チャンプの栄光の陰には鬼トレーナーの苦労があるんですなぁ。

作家の皆様方、これからもがんがってくださいまし。
540あぼーん:あぼーん
あぼーん
541名無しさん@ピンキー:03/08/18 01:07 ID:nd12Yq2S
トレーナーの話面白かった!
笑えました。
探知機(w ついてるついてる(w
542G ◆GARURUyZ5s :03/08/18 02:07 ID:8jEOlMqL
>>526-530さん
>また樋口を誘うか・・・それとも別のヤツに・・・
この辺に王子の隠れた?趣向が(笑)
しかし飲んだくれちゃって
おいしい場面を見逃した樋口君、なんて可哀相なんだろう。。。(涙)


>>534-536さん
このトレーナーさんは何やらひじょーに魅力的なキャラですね!
長編でも、本編でのキャラ設定もないのに、凄いですね。。。

>わかりやすくて楽っちゃ楽なんだ。
本人至ってクールを装いつつ、
実は全てまるわかりという、ちょっとした、アレですね(プッ

でもそこの所は王子ですので、トレーナーの独り言もまる聞こえなのでは?
と冷めた事を言ってみつつ、裏で新展開を期待しているとか、
そ、そんなんじゃ(あわあわ)

>寝言とか超うるせーけどよ。
これは王子ファンとしては、めっちゃ聞きてえです。。。(笑)
543G ◆GARURUyZ5s :03/08/18 02:12 ID:8jEOlMqL
む、名無しで書き込んだのに、何で〜!(汗)
すつれいしますた。。。名無しに戻りまつ。。。
544G ◆GARURUyZ5s :03/08/18 03:52 ID:8jEOlMqL
連投スマソ。。。

まとめサイト(のトップページ)と避難所が、
サーバ側のメンテにより繋がらなくなります。
その場合、まとめサイトへはここから入れますので、
よろしくお願い致します。
ttp://red.ribbon.to/~ttss/

復旧は2003年8月19日(水)14:00〜の予定だそうです。
545あぼーん:あぼーん
あぼーん
546モーリ&シーラ作者:03/08/18 19:54 ID:Hs/rU6QH
私のつたない作品を待っててくれる人がいるなんて・・・カンゲキだ。
私が愛してやまないキャラの新作書いてきたので、よければ読んでやってください。
何故、モーリさんシーラさんに3人目が産まれなかったのか・・・
私が長年抱いてきたこの疑問に関しての、ひとつの仮定です。
5473人目をめぐるミステリー1:03/08/18 19:59 ID:Hs/rU6QH
ある日の江藤家の書斎―苦悩の表情を浮かべた望里は真っ白な原稿用紙を前に、
腕組みしながら唸っていた。
「うーん…」しかし小説のアイディアにつまってのことではない。
今、彼の頭の中を占めているのは他のことだ。
「おかしいな…努力が足りないのかな…」
こう独り言を呟くと、「何ですの、努力が足りないって?」という妻の声がした。
はっとして顔を上げると、いぶかしげな顔をした椎羅がコーヒーを乗せたお盆を手に目の前に立っている。
「あっ、椎羅!いっ、いや、別に何でもないよ…小説のストーリーにつまってね…」
なぜか必死になって説明する望里の様子にどことなく腑に落ちない感じはしたものの、椎羅はコーヒーを置いていくと出て行った。
望里は彼女の後ろ姿を見送りながら、またも考え込んでしまった。
―彼の頭をこうも悩ましていることというのは―そう、なかなか夫妻の三人目の子供が出来ないことだった。
魔界の王家との戦いに挑む前、二人は海辺を散歩しながら夫婦だけのロマンチックな時を過ごしていた。
「生きて戻れたら何が欲しい?」という望里の問いに、椎羅は「二人だけでゆっくり外国旅行がしたい」と答えた。
そして魔界から無事に戻ってきた後、望里は妻の願いを叶えてあげた。
―しかし、「もう一人ぐらい子供が欲しい」という彼の方の願いはまだ叶っていなかった…。
「おかしい…」と望里が悩むのも当然で、夫婦は魔界から帰って来てからというものの、ほとんど毎夜のように睦み合っていた。
約束の海外旅行に行っていた間も、誰にも邪魔されることなく新婚時代さながらに熱い夜を過ごしてきたというのに―
あれから数ヶ月経つが、椎羅に妊娠した気配はない…。
(もしかして、私の精子が弱ってきているのかな…)と望里は考えてみた。
が、(いや、そんなはずはない。私はこう見えても精力には自信がある―)とそんな考えを打ち消した。
毎夜の交わりの激しさに最近では椎羅の方が音を上げているくらいだ。
(それにしても、どうして出来ないんだろう…?)
日が経つにつれて、望里の心の中ではこの疑問が強くなっていった。
5483人目をめぐるミステリー2:03/08/18 20:09 ID:Hs/rU6QH
そんなある日の夕食時間のこと、椎羅は「うっ」と唸ったかと思うと、手で口元を押さえながら
キッチンの方へと駆け込んでいった!
(もしやっ。とうとう来たか…?!)望里は期待に胸が躍った。
椎羅の後を付いて行くと、キッチンの流し台で蛇口から流れる水を口にあてがっているではないか!
「椎羅…どうした?」
「あなた…」青白い顔で振り返る椎羅。
「私…にん…」
「にん…?」固唾を飲んで、先を急かす望里。
「…にんじんのグラッセって苦手なのよ。鈴世の好物だから作ったけど、私やっぱりダメだわ」
(にんじんのグラッセだって!よりによって!!!)
望里はこれ以上ないほどがっくりした表情になる。
「でももう大丈夫よ。さ、戻りましょ」と椎羅は何事もなかったかのように席に戻っていった…。

その日の夜、望里は意を決して夫婦の寝室に入っていった。
お風呂から出たばかりのバスローブ姿の椎羅は、ドレッサーの前で肌の手入れをしている。
「椎羅…あのな―」
「はい?」
「最近、体の調子の方はどうだ?どこか変わった所はないか?」
「え?体の調子なら普通ですけど…」夫の思いつめたような表情に気づき、今度は椎羅が心配そうに尋ねた。
「あなた、どうしたの?最近何か悩んでいるようだけど―」
「実はね…つまり―その何だ…」躊躇した挙句、思いきって望里は続けた。
「お前、妊娠したりしてない…よな…?」
椎羅の目がまんまるになる。「えっ?妊娠?私が??」望里は無言で何度も頷く。
「いいえ、してないわ。なぜそんなことを聞くの?」
「なぜって…。私が子供をもうひとり欲しがっているのは知っているだろう?」
「ええっ?!うそ、そんなの知らないわ」
5493人目をめぐるミステリー3:03/08/18 20:13 ID:Hs/rU6QH
「知らないって、何言ってるんだ、あの日約束したじゃないか」
「あの日…?」
「ほら、海辺で―」
しばらく考えこんでいる様子の椎羅だったが、その顔が急に晴れわたる。
「あっ!あのこと?」どうやら約束のことをすっかり忘れていたらしい。
「お前なー…どうして忘れたりできるんだ?私はあんなに真剣だったのに…」
「ごめんなさい、あなた―忘れてた訳じゃないのよ…ただ私誤解してたみたい―」
「誤解?」
「…あのね、つまり…あの時あなたが子供が欲しいって言ったのは覚えてるわ。でも、私あれは私を抱きたいって意味だと思ったのよ…だから…その後、私たち洞窟の中で愛し合ったでしょ?」
「―つまりお前はあれで約束を果たしたと思っていたのかい?」
「ええ。そう思ってたわ。でも違ったのね。ごめんなさい、あなた。あら可笑しい、オホホ…」と言って椎羅は笑ってごまかそうとした。失意の望里は深いため息をついた。
「それにしても…何でいっこうに出来ないんだ?私たちはあれから何度も…」
「あら、あなた。それは簡単なことよ―」天真爛漫な椎羅の声。「何っ?」
「私ね、満月の夜じゃないと妊娠しないのよ。狼女は皆そうなの。知らなかった?」
唖然とした表情の望里をよそに、椎羅は言葉を続けた―
「でもあなた、満月の晩にはコウモリになって外出するか棺おけに閉じこもるかで、私から逃げてばかりでしょ?」
その声は非難めいていた。
5503人目をめぐるミステリー4:03/08/18 20:18 ID:Hs/rU6QH
「だっ、だが蘭世と鈴世の時は…?」
「もちろんあの子達が出来たのも満月の夜よ、ちゃんと覚えてるわ。
あなたが満月の夜に私を抱いてくれることは滅多にないから―」
―そう言えばそうだ―椎羅の言葉で望里は急に思い出した。
満月の晩は妻の狂暴化が激しいので、確かにいつもどこかへ避難することにしている…。
だがある夜、満月なのを忘れて妻を抱いた後、気がつくと腕の中でいつのまにか狼になった椎羅が
すやすやと眠っていて、飛び上がって驚いたことが数回…。
しかし、それにしても、こんな大事な事を結婚して15年以上も知らなかったなんて…
最近の自分の努力は一体…?と望里は悲しくなった。
「ねえ、あなた…。そんなに子供が欲しいのなら今夜はどう?ちょうど満月だから確実に―」
椎羅が甘い声を出して、にじり寄って来る。はだけたバスローブから、これ見よがしに裸体をちらつかせながら―。
すっと立ち上がる望里。
「あなた?」
「ちょっと魔界へ行って来る―」
「えっ、今から?どうしてよ?」
「魔界図書館に行って、狼人間百科がないか探して来るよ…」
マントを羽織ってそそくさとその場を去る望里。
「んもうっ!やっぱり逃げるんだから!!待ちなさい、あーた!!!」
椎羅は狼になって、彼の後を追う。
その夜、江藤家には恐怖の叫びと怒声が深夜遅くまで響きわたった・・・。
そして、言うまでもなく、彼らにはまだ3人目は出来ないようである―

おわり
551モーリ&シーラ作者:03/08/18 20:22 ID:Hs/rU6QH
続けてもう一本行きます・・・ギャグだけど
552名無しさん@ピンキー:03/08/18 20:43 ID:2sj8qcmU
なるほど〜
そうだったのか!(納得)

それにすても、あれから洞窟でゴニョゴニョなんて
死闘を目前にしていい度胸の夫婦だ!
サスガ!
553モーリ&シーラ作者:03/08/18 21:05 ID:Hs/rU6QH
そう、洞窟で・・・懐かしのスーパーマントロケ地(笑)
幼い鈴世のことはペックに頼んで・・・
ペックもこの夫婦とは長い付き合いだから、「分かった、行け」と・・・。
554まぎらわしい・・・1:03/08/18 21:08 ID:Hs/rU6QH
ある昼下がり、江藤家の居候・真壁君は蘭世を探してリビングに足を踏み入れた。
(げっ!!!これはっ・・・!!!!)真壁君の心の悲鳴。
入り口から少し遠く離れた所にある、おなじみのソファには望里がこちら側を向いて座っている。
着ている白いシルクのシャツは胸元がはだけ、乱れていて―そしてその両脚の間には、
椎羅がひざまつき、その金髪の頭を望里の股間にうずめているようだった・・・
「あなた・・・動かないでじっとしててちょうだい―」
「そんなこと言ったって、椎羅・・・痛っ!」
そんなやりとりが聞こえてくる。
(昼間っから、しかもこんな所で大っぴらに・・・!この夫婦はっ・・・!!!もう勘弁してくれよ!!!)
顔から火が出るかのように赤面してしまう真壁君。
「あら、ハサミがないわ―口で噛み切るしかないわね」
(ええっ?!噛み切るって・・・?!)
足が立ちすくんで、その場を立ち去れないでいる真壁君にようやく望里が気づいた。
「やあ、真壁君か」
(やあって、ちょ、ちょっと・・・)
「蘭世を探してるのかい?おい椎羅、蘭世はどこに行ったかな?」
椎羅が顔を上げて振り向くと―その口からは何やら白いものが一筋糸を引いて―
555まぎらわしい・・・2:03/08/18 21:23 ID:Hs/rU6QH
・・・ではなくて、白い糸が一本出ていた―
「蘭世なら、夕食の買出しに行ってるわよ。―さ、あなた出来たわ」
立ち上がった椎羅はその口から糸を取ると、手にしていた針をテーブルの上のソーイングセットの
中に戻した。
「子供じゃないんだから、ボタン付けくらい自分で出来ないと―ねえ、真壁君?」
(なっ、何だっ、シャツのボタンをつけてただけか―紛らわしいぜっ!!)
真壁君は返す言葉も気力もなく、フラフラとリビングを後にした・・・。

「―ねえあなたもしかして・・・誤解を与えちゃったかしら?」
「え?何の誤解だ?」
「今の私たちの体勢・・・」
「?」
「もう、鈍い人ね。こういうことよ―」
そう言って椎羅は再び夫の脚の間にひざまつき、そのズボンのファスナーを下ろした。
中からまだ柔らかい夫のものを引っ張り出すと、そのまま口に持っていき、ゆっくりと吸い始める。
「椎・・・羅・・・」
椎羅の愛撫を受けて、望里のものはたちまち硬くなり、熱くなった。
そして二人は場所も忘れて、この行為に没頭していった・・・

「俺・・・やっぱこの家出ようかな・・・」自室に戻った真壁君は、一人ポツリと呟いた・・・
今リビングで繰り広げられている光景を透視できてしまう自分の能力を呪いながら―

おわり

556モーリ&シーラ作者:03/08/18 21:31 ID:Hs/rU6QH
今日はここまでです。
初めて真壁君を登場させたけど、ム、ムツカシイ。
初めは、魔界との戦いの前で筒井家の別荘に滞在してた頃、
こーんなモーリ&シーラをターナが目撃しちゃって・・・という
設定にしようかと思ったが、引っ込みがつかないのでやめました。

次回予告・・・
・モーリ&シーラ人間界でのデート編
・モーリ&シーラ魔界での出会いから駆け落ちまで新バージョン

妄想しまくりです
557名無しさん@ピンキー:03/08/18 21:33 ID:2sj8qcmU
ペック! 江藤家のよき理解者!

そして
>まぎらわしい
こん時の王子には刺激が強すぎですなw
そっかぁ・・・だから出て行ったのか
2話連ちゃんで納得ずくしでつた。
モー×シー作者タン ナイス!
558あぼーん:あぼーん
あぼーん
55938504:03/08/19 11:44 ID:n5pE9SzZ

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560あぼーん:あぼーん
あぼーん
561489:03/08/19 22:47 ID:KKmArFbJ
うわぁ〜〜リクが採用されてる
ありがとうございます!
やはり全てお見通しなトレーナーなんですね(・∀・)オモシロスギ!!
何気に以前のお話(蘭世のお膝に介抱されてるヤシをハケーン→天気まで大荒れ)
も組みこまれてますね。(・∀・)イイ!

>普通にやるぐらいなら大した事ねーんだが、真壁の消耗度は類を見ないほどだ。
現役チャンプをしてこの消耗度とは・・・それを受けてる蘭世ちゃんは一体..w

後輩・樋口クンのお話もオモシロカッタデス
Gタンも突っ込まれてましたがおいしい場面を見逃した樋口君、
実は起きるに起きれなかったということもあったり・・?(*´Д`)ハァハァ

あぁ、まだまだジムネタの妄想は尽きないです
ジムの先輩にやっかみ半分にからかわれる真壁くんとか
本人がいないところでの噂話しとか(でも実は聞いてる)・・・etc
562あぼーん:あぼーん
あぼーん
563あぼーん:あぼーん
あぼーん
564名無しさん@ピンキー:03/08/20 21:20 ID:s6RjVLv0
めっちゃ面白かったでつ!
特にお気に入りはトレーナーさんの話。
キャラが立ってていいわ〜。

また書いてくださいね(*゚∀゚)=3
565あぼーん:あぼーん
あぼーん
566名無しさん@ピンキー:03/08/21 13:01 ID:WFqYrDtT
モーリ&シーラえがった!!
この2人には、ドラマがありますな。そしてシーラカワ(・∀・)イイ!!
続き楽しみにしてマッスル!
567名無しさん@ピンキー:03/08/21 19:45 ID:NWI9jO4D
ヒグチ君のお話いい〜!!
こーゆーの好みでつ。また書いてね。
しかしビール飲ませてつぶしたのは王子の作戦だったりして?
王子の趣味ってマジに危ない・・(*゚∀゚*)ハア ハア・・
568名無しさん@ピンキー:03/08/22 05:38 ID:ltdDO75U
削除依頼行ってみましたー。
ここまでの内80近くも広告があるって、どうよ…。(怒)
569名無しさん@ピンキー:03/08/22 20:39 ID:xui7ZrfP
モー&シーすてき!
7巻ってこの二人のファンにとってはたまらないよね〜
若かりし頃は出てくるし、決闘前のラブラブもあるし〜
570名無しさん@ピンキー:03/08/23 12:39 ID:YWOp/aTO
かめれすですが…
トレーナーの独り言、すんげーワロタ(w
ぜひぜひ、曜子バージョンでも書いて欲すぃーーー!

モー&シー作者タソ、ステキ!
>気がつくと腕の中でいつのまにか狼になった椎羅が……
ワ ワロタ(w
すっかり妄想の波にのまれてます…

>568タソ
乙かれっす。あじがとうございまつ。
571名無しさん@ピンキー:03/08/24 14:45 ID:C5g2YX1j
>>568タン
乙でした。

しかし、広告が学校から発信されてるのってどうよ…
572名無しさん@ピンキー:03/08/25 00:22 ID:wY54iEza
独り言シリーズ(勝手にシリーズ化)
トレーナー編好評のようで光栄でつ。
曜子編書いてみまつたが・・・
どうしてもこうなってしまった。
>570
ご希望とは違うかもしれん。
そしたらスマソ
573切ない乙女の独り言・・・1:03/08/25 00:23 ID:wY54iEza
最近気に入らない事。
それは俊の態度の変化。
何がどう違うのかっていわれると困るんだけど
特に蘭世と接する時の言動に、何か違いを感じるのよね。
わかりきったような通じ合っているような空気・・・。
その中で蘭世の事を見る目つきは・・・
許せない!
そう簡単にはいかせないからね!
「ガルルルルルル」
「きゃ〜〜〜〜〜」
蘭世に歯を立てるのも何度目だろう。
こうやって2人を引き離す事ができるのも、あと少しなのかもしれない。
私の心には一筋の黒い影。
ああっもうっっ!!
曜子の心はちょっぴり切ないのよ。
って思いながらも蘭世と汗だくで取っ組み合い。
成長しないわ・・・。
がっくり・・・。

買い物の帰りに1人で道を歩く俊の後ろ姿を見かけた。
「しゅ〜〜〜ん♥」
とノドからでかかった声を飲み込む。
俊のその横顔が滅多に見ない表情だったから・・・
・・・俊・・・なんて顔をするの・・・
その切ない横顔が見ている先を目で追う。
574切ない乙女の独り言・・・2:03/08/25 00:24 ID:wY54iEza

カキ氷の赤い暖簾がはためいていた。
その下でイチゴミルクのカキ氷を食べている子供。
・・・そ〜いえば減量中だったわね・・・
ちょっと脱力。
痩せた横顔はふっきるように大股で歩き出した。
大きな背中。
今がしんどい時よね・・・頑張って・・・曜子が陰から支えるわ・・・
電柱の影から見守る曜子ってけなげな感じ。
と自己陶酔しながら見送る。

浸りながらジムに到着すると、俊の前に蘭世がいた。
いつもより少々露出の多い服を着て・・・。
差し入れらしき包みを持っている。
このガキ!
暑いからってなんて格好でくんのよ!
「ガルルルルルル」
「きゃ〜〜〜〜〜」
かじりついて追い出す。
減量中の男の前でそんな姿で現れたら生殺しに決まってんじゃないのよ。
ホントにニブイんだから。
いつもは止めに入る俊が、今日はおいおいと声をかけるだけ。
ね・・・俊。
こんな事できるのも、きっと今だけだわ。
わかってる。
また甘酸っぱい気持ちが湧いてくる。
575切ない乙女の独り言・・・3:03/08/25 00:25 ID:wY54iEza
ええい。
どうしたのよ曜子。
今日はやけに弱気だわ。
景気付けに蘭世の手からもぎとった包みを開けてイッキに口へ流し込む。
「いや〜〜ん!ひどいじゃない」
泣き叫ぶ蘭世。
なかなかおいしいかった。
ローカロリーに作ってあるのもすぐわかった。
「うるさいわね。減量中なのに食いもんなんか持ってくるな!」
またジムの前で汗だくになって取っ組み合い。
今日は久し振りに手を抜かないでやる!

頃合を見計らってか、しばらくしてトレーナーが出てきて止めてくれた。
キズだらけの汗だくの砂まみれでジムに戻る。
ひとしきり練習を終えたらしき俊が私に視線を投げかける。
勝手ながらその目は
・・・江藤を抑えててくれたからじっくり練習できたぜ。サンキュー。
と言っていると解釈。
私は
・・・どういたしまして
の視線を投げかける。
「曜子お嬢さん・・・鼻血が」
トレーナーがティッシュをくれた。
ナニ?
イマイチ決まらなかった・・・。
乙女は間抜けな顔をさらすわけにはいかないので席を外す。
今日はちょっとハデにやったわね。
鏡に映る私の顔は擦り傷が少々。
576切ない乙女の独り言・・・4:03/08/25 00:26 ID:wY54iEza
鼻血が止まったので戻ってくると、蘭世のすりむいた肘に俊がバンドエイドを貼っていた。
そこは二人の世界。
俊の目はまた・・・。
「ガルルルルルル」
「きゃ〜〜〜〜〜」
見るに耐えられなくてまたやってしまう。
いつまでこんなことできるんだろうと思いながら。
また甘酸っぱさを噛み潰す。
今日の曜子はちょっぴりどころか、カナリ切ないわ。
傍目に見るとわからないだろうけど。
そもそもコイツのせいなのよ。
思い切りかじりついてやった。
俊はまた止めない。
・・・止めなさいよ・・・バカ

夏がもうすぐ終ろうとしてる事を気付かずにはいられなかった。
577570:03/08/25 07:28 ID:hpY2SgNN
>独り言作者タソ
いやぁ〜ん!ありまとうごないまつ〜〜〜!
こんなに早くリク拾って貰えるなんて、シアワセ〜(ハァト
曜子も乙女なのね。ちょっぴり切ないわ…
このシリーズ、かなり好きなので次作マターリお待ちしてまつ(ハァト
578名無しさん@ピンキー:03/08/25 19:35 ID:LUg6x0O8
>独り言作者タン
曜子可愛い〜!
ときめきの中でもかなり好きなキャラなので、
なんだかんだ言って乙女という一面が見れて嬉しかったでつ!
579モーリ&シーラ作者:03/08/26 13:50 ID:cnQVcIwz
モーリ&シーラ作者です。
予告どおり、今回は人間界での二人のデート編でございます。
580恋人同士にもどって・・・1:03/08/26 13:53 ID:cnQVcIwz
「おかあさーん、ちょっとお友達のお見舞いに行ってきまーす」
外は秋空、江藤家に蘭世の明るい声が響く。
「これっ、蘭世。宿題は済んだのっ。予習はっ?」
シーラの怒声をかわすかのように、蘭世はバタバタと外出してしまったようだ。
「もう…!」
(あー、何の楽しみもなくなってしまった今日この頃…蘭世も鈴世も好き勝手やっているし…
あれ以来急に気が抜けちゃって怒る気力もないんだわ。うちの宿六も今度いつヒット作ができるか分からないし…)
洗濯物をカゴに詰めながら、椎羅は夫の小説「スーパーマント」の映画化騒動が終わってからの活気のない生活に
ため息をついた。そして庭へと向かう途中で、夫婦の寝室の前で足を止める。
ドアの向こうでは、夫は棺おけの中でまだぐーぐーと寝ているに違いない。
「ああつまらない!ねえっあなた」
この不満を夫に訴えても、棺おけの中からは寝息ばかりで返事がない。
(もうっ。ここのところ忙しいとか言って、あっちの方はご無沙汰だし…)
思いっきりむすっとした顔を浮かべて、夫に聞こえるようにわざと大声で叫んでみた。
「ええい、人間の素敵な人と浮気でもしちゃおうかなーっ」
「なにーっ!!」
棺おけの中からすばやく飛び出して来る望里。
(あら、やっと起きた…)
待ってましたとばかりに、椎羅は慌てふためいた夫の必死な形相を横目で盗み見る。
「し、椎羅!お前まさか本気じゃないだろうなっ!?」
「さあどうでしょ。あなた気になります?」
「ばかっ、当たり前だろ―私はお前を―」
「私を―?」
「―愛してるからな…」少し赤くなった望里はうつむいた。
「あなた…」椎羅の顔がほころぶ。夫に抱きしめられて、胸に幸せがわきあがる。
(ああ…やっぱりこうでなくちゃ)
581恋人同士にもどって・・・2:03/08/26 14:34 ID:cnQVcIwz
「―決めたっ!椎羅、今日はこれからデートをしよう!」
「ええっ、本当?」突然の申し出に驚きながらも、椎羅の頬がぱっとバラ色に輝く。
「もちろん。じゃ後でな―」
そう言って望里は有無を言わさず妻の唇に音高くキスをすると、大急ぎでバスルームの方へと向かって行った。
そんな彼の後姿を見送りながら、椎羅は思わず苦笑する。
(もう、強引なんだから…)
ちょっと呆れ顔を作ってはみるものの、内心は嬉しくて仕方なかった。
(デートなんて久し振りだわっ…)
洗濯物を庭で干しながら、椎羅の胸は夫望里と出会った頃のときめきで一杯だった。
人間界へと駆け落ちする前、まだ秘められた恋人同士だった頃のどきどきや
切ない気持ちが一気に蘇るようだった。
(何着て行こうかしら…髪型は…アクセサリーは…)
洗濯物を干し終わり、そんなことに頭を悩ませつつ、弾むような足取りで夫婦の部屋に入る。
が、夫の姿はどこにも見当たらない。
「あなた?…どこ…?」
ふとドレッサーに目をやると、ちぎられた原稿用紙が貼られていた―

「4:00に、××ホテルのロビーで」

(…?わざわざ外で待ち合わせるのね…おかしな人―)
夫はどうやら一足先に出かけたようだ。椎羅はその紙切れをはがすと、愛しげに唇を当てた。
(私も仕度をしようっと…)
約束の時間までまだたっぷりと時間はある。シャワーを浴びにバスルームへ向かう椎羅。
シャワーを浴び終えた椎羅は、寝室にある大きな姿見に自分の裸体を写してしばらく見入った。
目を上から下へ、下から上へと何度も往復させて―
582恋人同士にもどって・・・3:03/08/26 14:41 ID:cnQVcIwz
自分では最近ずいぶん年を取ってしまったように感じていたが、今姿見に写る裸身は望里と出会った頃と
変わらぬ張りと艶を持っていた。
白く透けるような肌はあくまでも瑞々しく、絹以上に滑らかな感触を伝えていた。
柔らかい大きな乳房は垂れ下がることなく、しっこりとした丸みを保っている。
ウエストは子供を二人も産んだとは思えないほど、きりりとくびれ、そこからなだらかな曲線を描いて
下腹部に至り、さらにしまりのいい太ももへと連なる線には、自分でも見惚れるほどの女らしさがこもっている。
長い両脚が分かれる所に緻密に咲き誇っているブロンドの繁みがまばゆかった。
椎羅は香水を手に取ると、それを耳の後、首筋、乳房の谷間、そしてブロンドの繁みへと念入りに擦り付けた。
今夜夫が愛撫してくれるだろうと思うと、胸が激しく高鳴ってしまう。
タンスの中から黒いレースが優美なブラジャーと揃いのパンティを選んで見に付ける。
真っ白い肌に黒が映えて、ひどく扇情的に写った。そしてストッキングを丁寧にはき、ガーターベルトを付ける…
「パンティストッキングなんかより、こっちの方がずっとセクシーだよ」という夫の好みを尊重して、
椎羅はいつもガーターベルトを付けていて、それはもはや体の一部となっていた。
下着姿のままドレッサーの前に座り、化粧水やクリームで肌を整えてから、いつもより念入りにお化粧を施す。
クローゼットを開いて、さて何を着ようかと悩んだ挙句、椎羅が取り出したのはシンプルなデザインの黒いカクテルドレスだった。
胸元はVラインで幾分深く切りこみが入っていて、胸の谷間が覗く。ぴったりした袖は肘の少し上で終わり、
ウエストは黒い細いベルトで引き締める。タイトなシルエットは、艶かしい腰の曲線や豊かな胸の隆起を
あますところなく伝えていた。
豊かに波打つブロンドの髪を首の後でまとめると、長くて優美な首やほっそりした女性的な肩がより強調された。
ダイヤで縁取られた大ぶりのドロップ型の真珠のピアスが耳元で揺れる。
そして指には結婚指輪だけ…。
583モーリ&シーラ作者:03/08/26 15:07 ID:cnQVcIwz
途中ですみませんが、今日はここまでです。
練り直してまいります・・・
584名無しさん@ピンキー:03/08/26 15:46 ID:a58kpE3s
>モー&シー作者さん
乙です
気長に待ってるから納得いく作品を書いてください
あなたのキャラクターや身につける服や小物などの描写、雰囲気
そして何より二人に対する愛情が大好きです
これからも期待してます
585真壁君の後悔1:03/08/27 18:22 ID:Mh5z+Uum
ある日のボクシングジム。
いつものように練習にはげんでいると、いつものように蘭世が顔を見せ、
いつものように差し入れを渡して去っていった。
 俊はモクモクと練習メニューをこなす。今日は練習生の少ない日で
専属トレーナーとマンツーマンだ。
 中学時代から世話になっているトレーナーが珍しく口を開く。
「お前の彼女って、どんどんきれいになってるのに、あの男を知らないような
純粋無垢なカンジがぬけないってすげーな・・・」かなり疑問になってたんだろう。
思わず出た言葉だったようだ。
(そりゃぬけねーだろ。実際知らないんだし・・・)
真っ赤な顔でサンドバッグを叩き続ける俊。
どうやらトレーナーも悟ったらしい。さすが年の功である。
「悪かったな。へんなこといって」
586真壁君の後悔2:03/08/27 18:31 ID:Mh5z+Uum
からんでからかったりしない大人の男に対して俊も素直に口を割る。
「タイトルとって迎えにいくまで手は出さないって決めてるんです」
聞こえるか聞こえないか独り言なのかそうでないのか。
どうやら自分に言い聞かせているようだ。

「あいつの人並みはずれたハングリー精神はどっからきてるのか長年の疑問だったんだが
あの時はじめてわかったんだよな。あいつがタイトルとれたのは、じらし続けた奥さんの
おかげってわけだ。」
酔っぱらったトレーナーが大笑いでスピーチしたのは、結婚後のボクシング仲間
お披露目パーティの席だった。
「いうんじゃなかった」と俊がはげしく後悔したのはいうまでもない。
587真壁君の後悔:03/08/27 18:32 ID:Mh5z+Uum
おわり。
588名無しさん@ピンキー:03/08/27 23:49 ID:YyJXNH7a
ショートショートみたいでイイです。
このカップルはからかいたくなるよね。

589名無しさん@ピンキー:03/08/28 13:57 ID:bCorszVs
Gタンのサイトの更新が今日で終了とは・・・鬱
何かあったの?
590名無しさん@ピンキー:03/08/28 22:59 ID:IIHmU51M
589さん、どういうこと?
そんなことどっかかいてあったっけ?
591名無しさん@ピンキー:03/08/28 23:38 ID:bOooGkKS
>590たん
よくまとめサイト見てみてね
592名無しさん@ピンキー:03/08/28 23:44 ID:bhAT07Q7
寂しいな・・・。
でも、Gタンにはゆーっくり休んで欲しいです!

>Gタン
ありがとうございました!
そして、お疲れ様でした!
593白い糸のわるい予感:03/08/30 13:26 ID:e1zvliRE
その日、曜子はジムで汗を流す俊のために、白いタオルを用意した。
家を出る直前に、爪でその糸を引っ張ってしまった。
「あん、最高級の手触りの、なのにぃ」
少し腹を立てながら、注意深く白い糸を根元から切る。
ほつれの痕跡は消えたが、その白い糸はなぜか曜子の心に引っかかった。

曜子がジムへ着くと、そこにはもう熱気と喧騒が満ちていた。
その中心のリングの上に、俊の姿がある。
ここ2、3日風邪気味だったのが、今日は復調しているようだ。
曜子は、練習に打ち込む幼馴染の、すっきりとした表情に安心した。
視線を移動させると、案の定、隅の方に水色のワンピース姿の蘭世が、ぼんやりと立っている。
「なーんで、いつもいつもあんたがいるのよっ」
「あっ。か、神谷さんこそーっ」
リング外のいつものファイト。試合開始のゴングが聞こえるようだ。
しかし、今日の蘭世は動きが少し鈍い。
曜子は、内心羨んでいた蘭世のストレートの黒髪に、無粋な白い糸くずを見つけた。
無性に腹が立って、数本の髪と一緒にその白い糸を毟り捨てる。
「いた―――いっ」
そこで第1ラウンド終了。

俊のトレーナーが曜子に挨拶に来た。オーナーの娘である曜子には、腰が低い。
しかし反面、蘭世といがみ合う姿を見る目に、憐れみに近い光が宿っているのは気のせいか。
少女らしい敏感さで、曜子は以前からその男を、少し苦手に思っていた。
だから、挨拶もそこそこに、不自然でない程度に少し離れて立った。
「妙にすっきりしたツラしてると思ったら、風邪が治っただけじゃねえな。
腰がふらついてるじゃねえかよ…」
トレーナーの一歩後ろで、曜子はその独り言を聞いた。
意味は考えなかった。考えないようにした。
胸が騒いで、トレーナーのにやけた横顔も、俊の姿さえも、なぜだか見ていたくなかった。
近くの椅子にかけられた誰かのジャージから、糸がほつれて出てきている。
曜子は胸騒ぎが治まるまで、その白い糸をじっと見つめていた。
594白い糸のわるい予感2:03/08/30 13:27 ID:e1zvliRE
昼食の休憩時間は、曜子と蘭世との第2ラウンドである。
有名シェフにオーダーしたデリ対、愛情手作り弁当。
どちらも味もカロリーもしっかりと俊向けにしてある。
普段よりぼんやりとしている蘭世の隙をついて、曜子は蘭世の手作り弁当をかきこんでやった。
目的の99%はもちろん、自分のランチの方を俊に食べてもらうため。
1%は―――蘭世の弁当は、意外とおいしいからである。
しかし、今日の弁当には、曜子は眉をひそめた。
「い、つ、に、も、ま、し、て!まずいわよ!」
弁当を食べられて騒いでいた蘭世が、はっと表情を硬くした。
そういえば少し鼻声か。
鼻が詰まると味覚が狂うものだ。

結局俊は、今日は曜子のランチを食べ、午後のトレーニングのために着替え始めた。
「これ、絞っておいてくれ」
俊が汗でぐっしょりと濡れたTシャツを、蘭世に差し出した。
しかし蘭世が受け取る前に、曜子が横から奪った。
「俊のお世話をするのは、わ、た、し!」
イーッと歯を見せて、第3ラウンド開始!…になるはずだったが、蘭せは
「ありがとう」と微笑んだ。
体調の悪い今、曜子が水仕事を代わってくれたことが嬉しかった。
595白い糸のわるい予感3:03/08/30 13:28 ID:e1zvliRE
曜子は、礼を言われたことに不本意そうな顔を見せつつ、俊のTシャツを手にジムを出た。
ずっと続いているもやもやした思いを抱えながら、ジムの外の水場でTシャツを濯ぐ。
そのTシャツの襟元に糸が絡まっていた。
値札をとめていた糸だろう。
俊が無造作に値札をはずし、この糸だけ残ってしまったに違いない。
曜子はふと手を止めた。
―――――もう役目を終えた、糸。
Tシャツ自身の糸が絡まっているのかと思ったが、違った。
―――――余計な、糸がくっついていただけ。
―――――元々しっかりと繋がっていたのだ。Tシャツ自身の糸は。
―――――この糸は―――もう要らない――。
水が流れ続けている。
曜子はじっとその糸を見つめた。
―――――どうせ、いずれ、ほどけて離れる。
えい、と糸を引いて外す。
湿って、指にから離れない糸を振り捨て、曜子は少し泣いた。

その数分後、神谷玉三郎に愛娘から電話がかかった。
そして、ある頼みごとを引きうけた。

596白い糸のわるい予感4:03/08/30 13:29 ID:e1zvliRE
曜子は絞ったTシャツを手に、勢い良くジムに戻る扉を開く。
「みんなっ。今日パパがここに新しい設備を入れるんですって。
だから今日の練習はこれで中止よ!」
突然のことに騒ぐ面々をよそに、曜子は俊へ近づく。
「中止よ。さっさと帰りなさい」
「…また親父さんの気まぐれか?」
苦笑する俊の手首を掴む。そのまま蘭世の元へ彼を引っ張った。
曜子は掴んだ俊の手を、蘭世の額へ、べちりと押し当てた。
俊の顔色が変わる。
「いった―――いっ!真壁くんの手で殴るなんて反則よーっ」
蘭世は涙目で騒いだが、俊と曜子は無言で視線を交わした。
―――――熱い額に触るまで気付かないなんて、鈍すぎ。
「…サンキュ」
帰り支度のために、俊は身を翻した。

俊が蘭世を連れてジムを発った後、曜子はまだ騒いでいるトレーナーや練習生達をなだめ、
ようやく外に出た。
すると、だいぶ前に帰ったはずの俊がそこに立っていた。
「あいつはどうしたのよ?」
「おれのところで寝かせてある」
俊のアパートはジムから近い。蘭世をそこに置いて、すぐ戻ってきたのだろう。
「あいつの家族、今日は皆出掛けてるらしくて、とりあえずうちへ連れて行ったんだけど。
…病人の飯とか…わかんねえんだ。来てくれないか?」
曜子が目を丸くした。
まだ糸はほどけてなかったのか。
―――――こんな絡み方も、まあ悪くないわね。
俊はきっと曜子以外には、頼るまい。
曜子はにっこりとうなずき、俊と共に歩き出した。

おわり
597名無しさん@ピンキー:03/08/30 13:33 ID:1f/r+dCH
昼下がりにふと寄ってみたら、素敵なものが。
切ない。。。けどほんわかで、いいですね。

598ワルさくしゃ:03/08/30 13:35 ID:e1zvliRE
独り言作者タンに続いてみました…。よーこねたでつ。
…トレーナーのキャラもお借りしてしまいますた…。
お気に障ったらすんませんーっ!!(;´A`)

>Gさま
いつかいつかお戻りになるのを、心よりお待ちしてます。
ありがとうございました。つAT)


599わるいプレゼント:03/08/30 13:37 ID:e1zvliRE
風邪で寝込んでいる蘭世に俊が覆い被さる。
熱を帯びている体を押さえつけ、口付けようとする俊を、蘭世は必死に拒んでいた。
「いやいやいやっ。だめっっ」
「うるさい。おとなしくしてろ」
力で俊に敵うはずもなく(ましてや風邪で体力も落ちている)、蘭世の唇は俊のそれで塞がれた。
彼の舌が、温度の上がった口腔に侵入しようとする。
そこで蘭世は思いっきり首を振って、俊から逃れた。
「てめ」
「だめってば!わたしの!!」
「いーから吸わせろ。元々はおれの風邪だぞ」
「もう、もらったんだもーんっ。あげません!…あ」
勢い良くそこまで言うと、めまいが起きたらしい。蘭世の頭が枕へ沈んだ。
それを見て、俊はにやりと笑う。
「観念しろ」
「うう…せっかく真壁くんにもらったの、取らないでよぅ…」
風邪に対して『もらった』だの『取らないで』だのと言うのはおかしいが…。
しかし。
「バカ。今度別のものやるから」
ともあれ、今度こそ俊は、蘭世に深く深く深く、口付けたのだった。

翌日。
蘭世は依然寝込んでいた。俊も健康なままである。
当然だ。そうそうキスぐらいで風邪が伝染するわけがない。
しかし俊は蘭世が全快するまで、その行為を繰り返した。
自分がうつした風邪だから、という責任感のほかに、ほんの少し好色な気持ちが
追加さていたことは、蘭世には秘密である。

おわり


連投でお邪魔しました。ワルさくしゃ
600ワルさくしゃ:03/08/30 14:35 ID:e1zvliRE
598の「よーこねた」というのは593〜596のことでつ。
597様のレスをリロードし損ねてますた…。
すんまそん…。

んで、597様、ありがとうございます。

では今度こそ逝きますー!!;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
601名無しさん@ピンキー:03/08/30 16:30 ID:uWBOPxsJ
糸のひと、とってもよかったでつ。
空気のつくり方がうまいなって思いました。
曜子も蘭世も好きなのも感じたし。
ぐっじょぶ
602名無しさん@ピンキー:03/08/31 16:57 ID:3Qf3n/1Y
糸、よかったです。スッゴイ切なかった。
うぅぅー、曜子お嬢さーん!
603名無しさん@ピンキー:03/08/31 19:30 ID:ft2u/JJy
糸よかったです。
番外編として存在しても違和感ない感じ。
>―――――こんな絡み方も、まあ悪くないわね。
>俊はきっと曜子以外には、頼るまい。
切ないけど(・∀・)イイ
604名無しさん@ピンキー:03/09/01 10:13 ID:gCo7qHvo
「糸」
切なくて良かった…ヨーコは永遠のライバルで居て欲しいよ

「ワル」
あっひゃっひゃ。
現実で同じ事をしまくった馬鹿ップルを知ってます(笑
そう簡単には移らないですよね( ̄ー ̄)ニヤリッ
605モーリ&シーラ作者 :03/09/01 18:31 ID:7TKZVIXm
間があいちゃってすみません・・・
続き書いてきたので、興味ある方は読んでください
606恋人同士にもどって・・・4:03/09/01 18:34 ID:7TKZVIXm
仕度を終え子供たちに書き置きを残すと、タクシーに乗りこんで約束の場所を告げる。
ホテルのロビーに現れた瞬間、人々の視線が一斉に椎羅の方に注がれた。
(ちょっとセクシー過ぎたかしら…)
周囲の視線を感じながら夫の姿を探す。望里は遠くのソファに座って椎羅を見つめていた。
二人の視線が絡み合う。
(ああ…まるで初めて出会ったときみたい…)
それは体の中に電流が走ったような感じだった。強い磁力がお互いを引きつけていると感じずにはいられない。
椎羅がゆっくりと近づいていくと、望里は立ち上がった。
今日の彼はもちろんいつもの吸血鬼スタイルではなく、人間界の男性のようにスーツに身を包んでいた。
エレガントなダークグレーのスーツ、ペールブルーのシャツに、ベージュのストライプのネクタイ…
すらっと背が高くて肩幅の広い望里は着こなしがうまい。
「椎羅…とっても綺麗だ」望里が感嘆の声をもらす。
「あなたこそ…とっても素敵だわ―」
夫のハンサムぶりに思わずうろたえてしまう。その渋みのある男の色気にくらっとなるほどだ。
望里の方も、ドレスアップした妻の美しさにすっかり心を奪われたようだ。
「これを君に…」手にしていた美しいブーケを渡す。
「まあ、とっても綺麗…ありがとう、あなた」花の香りにうっとりする。
「食事にはまだ時間があるから、ちょっと付き合ってくれないかな」
「どこへ?」
「ちょっと買いたいものがあるんだ」
望里の手が、大きく開いた椎羅の背中にさりげなく触れる。
美しい背中を手でなぞるようにしながら、肩に手を置く。ただ触られただけなのに
椎羅は夫のあたたかい手を感じて、敏感に反応してしまう。そんな自分が少し恥ずかしかった。
607恋人同士にもどって・・・5:03/09/01 18:38 ID:7TKZVIXm
望里はホテルの中にある高級宝飾店の前で歩みを止めた。
「ここ…?」
「ああ、お前に何か贈り物をと思ってね」
「あなた―でもここのは高そうよ」
「心配しなくていいんだよ、椎羅。スーパーマントの映画版はこけるだろうけど、
小説の印税はどんどん入って来てるんだから―」
そう言って妻の手を引いて店に入ると、店員がさっそく声をかける。
「何かお探しですか?」
「妻へのプレゼントを探してるんだが―」
「まあそれは素敵ですね。で、どのようなものを?」
「うーん、そうだね…」望里は妻の首もとを見た。
「椎羅、ネックレスにしようか?どうだい?」
「ええ、嬉しいわ…」
「ネックレスでしたら、こちらはいかがでしょうか?とっても人気があるタイプですのよ」
「うわっ…!!」望里の顔が途端に真っ青になる。
店員が出してきたのは、ダイヤのクロスペンダントだった。
「じゅっ、じゅっ、十字架はちょっと…」ハンカチで汗をぬぐいながら望里が言う。
苦笑する椎羅。「そうね。それはしまって頂いて、何か別のものを…」
深呼吸をして落ち着いた望里は、ショーケースの中のパールとダイヤのネックレスに目を留めた。
細かいダイヤがきらめくチェーンの先に、大きなパールが一粒ついたデザインだ。
「これはどうかな?」
「まあ、趣味がよろしいご主人ですわね。これでしたら今日されてるピアスにもぴったり合いますわ」
椎羅がそれをつけてみると、望里は思わず見惚れた。
「うん、とてもよく似合ってるよ。それがいい」
「包みますか?」
「私このまま着けていってもいいかしら?」
「うん。そうしようか」
望里が勘定を済ませると、二人はその店を後にした。
608恋人同士にもどって・・・6:03/09/01 18:43 ID:7TKZVIXm
レストランでのディナーの後、二人はバーでワインを楽しんだ。
「―今日はありがとう、あなた。誘ってくれてとっても嬉しかったわ…」
「私の方こそ付き合ってくれて嬉しいよ、椎羅」
「お食事もお酒も美味しいし、それに素敵なお花やネックレスまで…
こんなにお金を使わせちゃってなんだか悪いみたい」
「いいんだよ。君への愛の印だから、受取ってもらわないと―。
…しかし、あの十字架にはまいったな…」
「ふふっ。思わぬところに敵があったわね」
笑い合った後、椎羅が囁いた。
「それにしてもあなた、子供たち抜きで二人っきりで過ごすなんてとっても久し振りね…」
「ああ。もしかしたら蘭世が生まれる前以来かもな」
「ええ、そうね…」
二人が出会い、人間界へ駆け落ちして海辺の家でひっそりと暮らし始めた頃のことが懐かしく思い出された。
何もかも捨てて、お互いだけを頼りにして…それでもとっても幸せで満ち足りた生活だった―
魔界を捨てたことを後悔したことはただの一度もない。
そんなことを思い胸を熱くしながら、椎羅は頬杖をついて目の前の夫のハンサムな顔をじっと見つめる。
「何をそんなに見てるんだい、椎羅」
「あなたのお顔よ」
「老けたと思ってるのか?」
「…まあ昔と比べるとね―でも素敵よ、あなた。憎らしいくらい―とってもセクシー…」
望里は照れた微笑みを返す。
「そして可愛いわ」椎羅は顔を近づけて夫の頬にそっとキスをした。
妻の手を優しく握りしめる望里。
609恋人同士にもどって・・・7:03/09/01 18:45 ID:7TKZVIXm
「今の言葉、そっくりお前に返すよ」
「あら、老けたってところも?」
「いや、そこを除いて―。お前は昔と変わらず若々しくて、そしていっそう美しいよ、椎羅」
「怒ってる時でも…?」少し意地悪そうに聞く。
「ああ、怒ってても可愛い」そう言ってにっこり笑う夫の魅力に椎羅はくらくらしてしまう。
お酒のせいもあって、顔が火照ってきたようだ。望里は言葉を続けた。
「告白するとね、今日ホテルのロビーに現れた君を見た時、私は感動すら覚えたんだ」
「感動…?」
「ああ、何だかまるで初めて出会った時と同じような衝撃だった。
―君があまりにも美しくて…息が止まるかと思ったよ」
照れを隠すかのようにうつむいていた顔を上げたら、望里の優しい黒い瞳が待っていた。
「あなたったら…相変わらず口説くのがうまいんだから」
「本気で言っているんだよ。素直に聞きなさい」
椎羅の片方の耳を優しくつまむ。そしてそのまま手を首に移動させて顔を引き寄せ、優しくキスを交わす。
甘いキスに体がとろけるようだった。
「…あなた、早く二人きりになりたいわ…」
「―じゃあそろそろ行こうか」
「えっ、もう家に帰るの?」
「いや、上に部屋を取ってあるんだ。子供達は今夜は留守番だ」
妻の肩を抱いて席を立った。
610恋人同士にもどって・・・8:03/09/01 18:47 ID:7TKZVIXm
最上階の部屋に入ると、椎羅は大きな窓へ駆け寄った。
「あなた見て。夜景がきれいよ」
大きな窓から、下に広がる都会のイルミネーションの輝きが見渡せる。
「そうだね」椎羅の背後に近寄り、ウエストからおなかの方へ両手をゆっくりと回す。
「家はどの辺かしら」夫の手に自分の手を重ねながら言う。
「今夜は、家のことは忘れるんだよ」
椎羅は頭を半ば振り向かせ首を伸ばして、夫から熱い口付けを受ける。
さっきバーで交わしたキスよりも濃厚な味に互いに酔いしれた。
舌を絡ませ合って、口を夢中で吸い合う。唾液が糸を引く。
首すじやうなじを舌で攻められると、椎羅は小さな喘ぎ声を漏らした。
望里の手は後ろから彼女の豊かな胸をわしづかみして、激しく揉んでいる。
「あっ…私、後ろからこうやって攻められるのに弱いの…あんっ…」
「知ってるよ。乳首が尖ってきた」
望里は服の上から、妻の乳首の部分をつまんで愛撫した。
舌は剥き出しの背中を何度も上下に這わせている。
「はあっ…んっ…」
椎羅は頭を反らして、かれたような悲鳴をあげる。
「あん…ちょっと…待って…ピアスとネックレスを取るから―」
椎羅がアクセサリーやベルトをはずしている間、望里はジャケットを脱ぎ、ネクタイをほどき
ワイシャツのボタンをはずした。そして椎羅を後ろから再び抱きすくめる。
背中に走るドレスのファスナーを下ろす音が静かな部屋に響く。
黒いドレスが床に落ちると、椎羅のうっすらとピンクに色づく白い肌と黒い下着が現れた。
611恋人同士にもどって・・・9:03/09/01 18:51 ID:7TKZVIXm
肩を愛撫しながら、ブラジャーを脱がせる。ぷくりと尖った乳首の感触を望里はまず指で楽しんだ。
椎羅は急に振り返ると、望里のシャツを脱がし、ベルトをはずしてズボンのファスナーを下ろしながら、夫の唇を求めた。
「んんっ…はあ…」口付けの合間に二人の息遣いが段々と激しさを増して行く。
望里は屈んで、妻の乳首を口に含む。口の中で乳首を転がすといっそう固さが増したようだ。
乳房を愛撫しながら、手は下に降りて行き、ガーターベルトを取り外してパンティを膝までずり下ろす。
ベッドに横たわせた後、椎羅の花芯をいじりながら、花弁の中に指を入れていった。
そこは既に濡れていて、ぬめりが望里の指を奥深くへと呼びこんで行く。
「あっ、あな…た…」体中が痺れ、意識が遠のくのを感じながら、夫の名を叫んだ。まるで夫の指は魔法のよう…。
いつも体がとろけそうになるこの刺激的な愛戯に、椎羅はしばらく身を任せた。


「椎羅、おいで」服を全て脱ぎ捨て、ベッドのはじに座って妻を招く。
すっかり硬く熱くなったこわばりが反り返って待っていた。
全裸になった椎羅は無言で、夫の太ももの上にゆっくりと乗ると、望里のちょうど目の前に
たわわな乳房が揺れた。望里は妻の頭の後ろに手を伸ばして、後ろでまとめられていた髪の毛をほどいた。
豊かなブロンドがふわりと肩に垂れた。椎羅の腰が落ちて、望里が迎える。
「ああっ!んっ…」二人の性器が密着すると思わず椎羅が大きくあえいだ。
612恋人同士にもどって・・・10:03/09/01 18:54 ID:7TKZVIXm
椎羅の濡れた体内に、太くて長い望里のものが奥にまでぬるぬるとはまっていく。腰を小刻みに突き上げながら
椎羅の反った細い喉もとを舐め上げると、椎羅は悩ましい嗚咽をあげた。
両腕を望里の背中に強く巻き付けて、夫の動きに合わせながら自分でも腰を上下にリズミカルに動かす。
性器のこすれ合う粘り音が部屋に響く中、お互いの名前を何度も呼びながら、愛の行為に没頭していった。
溢れる愛液が筒を伝い、根元にこぼれ落ちてくる。抜き差しに合わせて上下に大きく揺れる乳房にはキスの雨…。

「ああっ…椎羅…お前の腰は絶品だよ…あっ」
「…はあっ…いやな人…ああんっ…」
「なぜ?」
「一体誰と…あっ…比べてるの?」
「…ばかだな…今君の中に入っているものは…ずっと君だけに…捧げているんだよ」
「あん…あなた…私の体に飽きたりしてない?」
「いや。君の体は神秘的なままだ。君の方こそ、浮気するなんて言ったりしてたじゃないか」
「ちょっとあなたを…妬かせてみたかったの…分かってるでしょ?ああんっ」
「ああ。お前には浮気なんてできないよ、椎羅。あっ…」
ズバリと言い当てられて少し悔しい気がしたが事実なので仕方ない。私にはこの人しか考えられない―。
「ふっ…自信―あるのね…んんっ」
「―そう。誰にも渡さない」
望里は椎羅の腰を両手で掴んで入れたまま、今度は彼女をベッドに押し倒した。椎羅も大きく足を広げて迎え入れた。
奥深くまでこわばりを貫き通し、少し乱暴なくらいに激しく腰を打ちつける。
「ああっ、あなた…すごいわ…すごくいい…」望里の背中にまわした指に力が込められ、爪が食い込んだ。
妻の長い髪を振り乱して悶える姿に、余計気が昂ぶる。望里は腰を突き上げながら顔を近づけて何度も口付けする。
「ああっ…私もう…だめ…」声がかすれている。
いつしか限界を迎えた椎羅の膣が望里の幹の根元を強く締め上げた。
幹の根本が震えて、おびただしいほどの熱い愛液が椎羅の膣奥に噴射された…。
613恋人同士にもどって・・・11:03/09/01 19:08 ID:7TKZVIXm
何度目かのクライマックスを迎えた頃には、そろそろ夜があけようとしていた頃だった。
「さあ吸血鬼さん、覚悟しなさい」夫の胸にのしかかった椎羅がいたずらっぽい瞳の輝きを見せて甘く囁く。
「え?」少しまどろんでいた望里が目を開けた。
「あなた専用の棺おけはここにはないわ。可哀相だけど、私と一緒にこのベッドで朝を迎えるしかないのよ」
「望むところだ。朝までお前とずっとこうしていたい」
望里は微笑むと、妻をその腕にぎゅっと抱きしめた。椎羅はうっとりと目を閉じて、その力強い抱擁に身を任す。
―が急に不安に駆られた。自宅の窓やカーテンは彼の為に日差しを遮断するように特殊加工されてあるが、でもここのは…。
夜景を楽しんだ大きな窓からは強力な朝日が差し込んできそうだ。
「ねえ、あなた…。やっぱり私心配だわ。いくら慣れたとは言っても、もしかしたらここの朝日には耐えられないかもしれないわ。
棺おけを呼び寄せたら?」
「その必要はないよ。君を抱いたまま、灰になって死ねたら本望だ」
「もう…本気で心配しているのよ。朝起きたら、横であなたが灰になっていたなんて私は絶対いや!」
「―うーん…じゃあ一緒にあそこに行こうか?」
「どこ?」
「お風呂。バスルームだったらきっと大丈夫だよ」
椎羅は微笑んだ。「分かったわ…じゃあ付き合ってあげる」

614恋人同士にもどって・・・12:03/09/01 19:09 ID:7TKZVIXm
翌日、朝帰りをとうに越して夕方になってやっと家に帰ってきた両親に蘭世も鈴世も呆れ顔だった。
「お父さん、お母さん。どこに行ってたの?」二人が声を揃えて訊く。
「予定より帰るのが遅くなってごめんなさいね。ちゃんとお留守番できた?」
「うん、大丈夫だったよ。でもずいぶんおめかししてるね、二人とも」と鈴世。
「ほんと…。あっ、お母さん。そのネックレスどうしたの?見たことないわ」
「ふふふ…。素敵でしょ?お父さんが買ってくれたの」
「あーいいなー。ねえお母さん、それいつか私にちょうだい!」
「だーめ!あなたも将来、お父さんみたいな人に買ってもらうのね、蘭世」
「えー、けちー!」
「まあまあ、蘭世。おみやげにケーキを買ってきたから、今はそれで我慢しなさい」と望里が入る。
「ケーキ?うん私そっちの方がいいわ!」
嬉々としてキッチンの方へお皿を取りにいく子供達を見送りながら、
夫婦は「やれやれ」といった表情で微笑みあった。恋人同士に戻ったような
気分はやはり家の外でないと味わえないものかも…二人の瞳はそんな思いを物語っていた。

おわり
615モーリ&シーラ作者:03/09/01 19:13 ID:7TKZVIXm
ごめんなさーい、何だか妙に長い作品になってしまってました・・・
と言いつつ、後日談も書かせて頂きます。
616デートのその後1:03/09/01 19:29 ID:7TKZVIXm
デートから二週間ほどしたある日、江藤家に小包が届けられた。
何だろうと思って椎羅が開けてみると、週刊誌が一冊入っていた。
ますます訳が分からなかったが、パラパラとページをめくっていると、次の一文に釘付けになった。
「スクープ!流行作家の江藤望里氏が、愛人とホテルで不倫密会!」
(ええっー!何よこれっ!!!)
早速書斎に駆け込んで、夫の前に突き出した。
「あなたっ。どういうことよ、これっ!」
「何だい椎羅、これはー」
「この記事を読んでちょうだい!何なの、愛人って!?浮気してたのっ!?」
妻の激昂ぶりにおののきながら、言われた通りに雑誌に目を走らせた望里だったが、
読んですぐに片手で顔を覆いながらため息をついた。
「さあ、あなた言い訳できますか?」
「−お前なあ…これが自分のことだって何で気づかないんだ?」
「−えっ?」
「すぐ分かるだろ。この黒いドレス姿のブロンド美女ってお前のことじゃないか」
「えっ、まあ…あらん、そんなブロンド美女だなんて、いやーねー」
ぱっと顔を赤らめる椎羅。
「この間あのホテルで私達がデートした時のことが記事にされてしまったようだ−
おっ、まずいぞ、“取材記者がカメラに収めたはずの証拠写真がどれも失敗だった”だと。
そりゃ我々魔界人は魔界製のカメラにしか写らないから当然だな」
「−ええ、そうね。それにしても蘭世と筒井君のことといい、最近の我が家は何だか
マスコミに狙われているわね」
「うん…ま・そりゃ私が作家にしとくには惜しい二枚目だから注目されてしまうのも仕方ないが−
この分じゃ鈴世も将来危ないぞ…」
617デートのその後2:03/09/01 19:50 ID:7TKZVIXm
さっきより落ち着いて記事を読んでいた椎羅が急に叫び声を上げた。
「何が書かれてるんだ、椎羅」
「読むわね…”ホテル内のバーで親密そのももの雰囲気の二人は周囲の人目を
気にすることもなくいちゃいちゃしていたーそして江藤氏のお相手のブロンド美人は
突然テーブルの下に潜りこんだまま、数分間現れなかった…その間テーブルの下で
何が行われていたかは読者のご想像にお任せする“ですって−」
望里も椎羅も赤くなった。
「そっ、そんなことが書かれてるのかっ!?」
「困ったわね…恥ずかしくて外に出られないわ。そりゃあそれはその後ホテルの部屋の中でなら
やったけれど。ねえ?あなた」
「?いっ、一体お前は何をやってたんだっ、教えてくれ椎羅」
夫のトンチンカンな問いに思わずずっこける椎羅。
「やだあなた覚えてないの?私がピアスを片方落としちゃって、
テーブルの下に潜り込んで探したじゃない。
暗くてなかなか見つからなくって苦労したのよ」
「あ、そうだったっけか?ふーん…げげっ、もしかしてその記事の
言わんとしていることはお前が私の−」
「もう、今気づいたの?もちろんそういうことでしょう。他に何が考えられて?
事実はどうであれ−」
「読者の想像力が逞しくないことを願うよ…」
618デートのその後3:03/09/01 19:51 ID:7TKZVIXm
その時電話が鳴った。誰だろう?取材の電話かもしれない。
「−私が出るよ…」望里は力なくそう言って、ホールに向かった。
「はい、江藤です−ええ、江藤望里は私ですが…は?ええ、そのことなら知ってます。
あの…いや実はですね、それはうちの女房でして−ええ本当なんですよ、お恥ずかしい限りですが−
ですから不倫なんてものじゃなくて…はあ。は?いやっ、それはっ、あの全くの誤解でっ。
そんなことは人前ではとてもっ…妻がピアスを床に落としたのをですね…
ええ。ですからそんな訳なんです−」
その後2・3日の間、同じような取材の電話がかかってくる度にしどろもどろになりながら
返答する律儀な望里であった…

おわり

619モーリ&シーラ作者:03/09/01 19:55 ID:7TKZVIXm
そんな訳で今回はここまでです・・・
すみませんこんなんで。
620名無しさん@ピンキー:03/09/01 21:25 ID:0HGX4Aga
>モーリ&シーラ作者さん
とっても素敵…。クスッとさせるオチまでついて、(あんなに激しかったのに)読後感とても爽やか。
621名無しさん@ピンキー:03/09/02 00:03 ID:LQ+G1UZH
モーリ&シーラ作者様。
いいっすね〜!
ダンディーなホテルでのモーリと家庭のモーリさん(藁
好きっ!
622名無しさん@ピンキー:03/09/02 00:10 ID:O4pWcktZ
処女膜貫通
http://ro-syojyo.zor.org
中学、高校生
623名無しさん@ピンキー:03/09/02 00:19 ID:Y9VHlE4V
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624名無しさん@ピンキー:03/09/02 00:33 ID:O4pWcktZ
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オナニー中毒の中学生(いきなりグロまんこ)
625のりさんへ:03/09/02 13:57 ID:KiR/hk53
ここを参考にしてみたら
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626名無しさん@ピンキー:03/09/04 21:22 ID:C00RInUB
広告だらけ…
627名無しさん@ピンキー:03/09/05 21:58 ID:6DDp60Hw
なんだか・・・
最近静かですね・・・

>600
ワルタン戻ってきてくだちい
神々降臨祈願!
628名無しさん@ピンキー:03/09/06 00:09 ID:GCQq3w4U
   |_∧
   |_・ ) ダレモイナイ・・
   |⊂
   |


     ♪  
   ♪   ∧_∧   カミ カミ オリテコーイ
     ヽ(・ 0 ・ )ノ   カミ カミ
        (  へ)    オリテコーイ!
        く       カミー



   ♪    
     ♪ ∧_∧   カミ カミ オリテコーイ
    ヽ( ・0 ・ )ノ   カミ カミ
        (へ  )    オリテコーイ
           >    カミー!
629モーリ&シーラ作者:03/09/06 19:07 ID:JdIQuKHm
モーリ&シーラの出会いの別バージョンを書いてきました・・・
630運命の出会い1:03/09/06 19:11 ID:JdIQuKHm
ここ魔界では今、王レドルフの誕生日の祝宴を2週間後に控えて、魔界中が浮き足立っていた。
それというのも、今年の場合は単なる誕生日パーティーとは違っていたからだ。
お城で開かれる盛大な祝宴には、各種族の村の有力者のみが招待される。
選ばれた者たちの家には招待状が配られた―各自、自分の娘も必ず連れてくるようにという
文も添えられていた…つまり、今年の誕生日パーティーの実の目的は、お妃候補を集めて
選りすぐることであった。
狼人間村の村長をしているクレリー家にももちろん招待状が届けられていた。
この家のひとり娘シーラが抜きんでた美貌だという評判は、お城にまで届いているに違いない。
真珠のような白い肌、サファイヤを思わせる大きな青い瞳、腰まで届く絹糸のようなブロンドの髪を
持つシーラが、お妃候補の中でも一番有力だという噂に彼女の父は嬉しさを隠しきれない。
「シーラ、喜べ。お前も王の誕生パーティーに招待されたぞ」その顔は得意満面だった。
「お父様、誕生パーティーだなんて言って、実はお妃候補を全員呼んで選考する為だって
もっぱらの噂ですのよ」当のシーラはその美しい顔の中にうんざりといった表情を浮かべている。
「おお、お前もそれを知っていたか。どうやらその噂は本当らしいぞ」
「でもお父様、私には婚約者がいるのでしょう?」
「ああ、そりゃスコット・グレイは子供の頃からお前にと私が決めた婚約者だ。だが、
王に見初められたら話は別だ。お前だって王妃になりたいだろう?」

父との話を早々に切り上げたシーラは、花が見事に咲き誇っているお気に入りの庭を散歩した。
(王妃だなんて…)
そもそも王レドルフはシーラのタイプではなかった。
シーラの夢見る男性…それは漆黒の瞳と髪で、背の高い、優しく頼りになる人…
どこかにそんな人はいないかしらと深いため息をつく。
ここ狼人間村にはそんな人がいないのは分かっていた。
激しいロマンスに胸を焦がしてみたいという思いは日々募るばかりだった・・・
631運命の出会い2:03/09/06 19:14 ID:JdIQuKHm
「シーラ、王様の誕生パーティーに招待されたって本当かい?」
気が付くと、婚約者のスコットが隣に寄り添って歩いていた。
この人も私の好みとはほど遠い…子供っぽくて、
「君は僕の婚約者だ。王にだって渡さないぞ」わがままで、空いばりが常だった。
「ええ、スコットそれがどうかして」
(何を馬鹿なこと言ってるのかしら。この人にそんな勇気はありはしないわ)
シーラは心の中で思う。婚約者といえども、唇さえ許していなかった。
「僕は本気だぞ、シーラ―君のお父上に結婚を早めてもらうよう頼むつもりだ」
「私、頭痛がするので失礼するわ」
シーラは不満そうな彼を後に残して、自分の部屋に戻った。

その夜、ベッドに入ってもシーラはなかなか眠れなかった。何度も寝返りをうつ。どうも落ち着かない。
ベッドから起き出して、ネグリジェの上にガウンを羽織ってすっと部屋を抜ける。
庭を散歩して外の空気でも吸ってこようと思ったからだ。
庭を散歩しているといつもなら気分が落ち着くのに、何故か今夜は激しい胸騒ぎが収まらない。
とうとう家の門を出て、何かに駆られるようにどんどん歩き出す。
いつしか狼人間村を抜けて、森の奥深い所まで足を踏み入れてしまっていたようだった。
辺りは真っ黒な闇に包まれ、強い風がざわめき、木々が揺さぶられる音は不吉な感じがした。
頭上をたくさんのコウモリがバサバサと飛んで行く。
何でこんな所にまで来てしまったのだろうとシーラは泣きたい気持ちだった。
何とか出口を探そうと歩き続けた。それからどくらい歩いただろう、遥か遠くではあるが、
たいまつの灯りが見えてきた。シーラは必死で灯りの方向へと急ぐと、人々の声が聞こえてきた。
「ああ、よかった…誰かいるみたい」
近づいてみると思っていたよりも大勢の人々がたいまつの下に集まっていた―何かのお祭りでもしているようだった。
中心部から少し離れた所に、黒いマント姿の人がひとりいるのに気づき、シーラはそっと近づいた。
「あ、あの…すみません…」
632運命の出会い3:03/09/06 19:17 ID:JdIQuKHm
マント姿の男が振り返った―その瞬間シーラは激しい胸の高鳴りを覚えた。
彼こそ今まで夢見てきたような人そのものだった。
美しい輝きを見せる黒い瞳に黒い髪、すっと通った鼻筋にきりっと引き締まった唇…
何とも男らしく端正な顔立ち。長身のシーラよりもはるかに背が高い。
「どうかしましたか、お嬢さん―」その低くソフトな声に魅了された。
「あのっ…私…えっと…」見つめられて、頬が紅潮していくのが自分でも分かった。
シーラが言葉に詰まっていると、代わりにそのお腹がぐうーっと鳴ってしまった。
途端にシーラの顔はますます真っ赤になった。男は優しく微笑んだ。
「…何か食べ物を取ってくるから、ここで待ってて―」
少しすると、果物やお肉やワインの詰まった小さな籠を持って戻ってきた。
「さあ、食べなさい。この木かぶに腰掛けるといい」
何時間も森の中を歩いてきて空腹だったシーラは言われた通りに、食べ始めた。
そんなシーラの様子を興味深そうに眺めながら、男は優しく訊いた。
「吸血鬼村の人間は皆知っているつもりだったけど、君の顔は初めて見るな。君の名前は―?」
「え、あの…私…」
「ああ、ごめん、私の方から自己紹介すべきだったね。―私の名はモーリ・エトゥールだ」
「私はシーラ…」
「シーラ…君にふさわしいきれいな名前だね。名字は?」
「シーラ・ク…」その時二人の会話は中断された。
「モーリ!こんな所にいたのね。探したのよ」
顔を上げると、黒いドレス姿の美しい女性が二人を見下ろしていた。
「ああ、エレノア。ごめん―」
「もうひどいじゃない、私をほったらかしにして…。あら?この方どなた―?」
「ああ、彼女はシーラと言って、さっき知り合ったばかりなんだ」
「あら、そう。始めましてシーラさん。私はエレノア・ターナーというのよ」
「始めまして、エレノアさん…」
「私、この人の婚約者なの」勝ち誇ったような表情と声だった。
633運命の出会い4:03/09/06 19:20 ID:JdIQuKHm
「!!!」
さっき出会ったばかりでまだよく知らない人なのに、何故か胸が締め付けられるように激しく痛む。
シーラはとっさにモーリの方へ顔を向けた。彼の顔はどこか当惑しているようだった。
エレノアはそんなモーリの腕を取ると、引っ張って行った。
「さあ私と一緒に来て、もうすぐ儀式が始まるのよ」
「あ、じゃあシーラ。また後で―」
モーリはシーラの方を振り返りながらそう言うと、去って行った。
シーラに聞こえない所まで来るとモーリがエレノアに言う。
「エレノア、さっきの娘だけど…シーラと言ってたが、君も初めて会ったんだね?」
「ええ、そうよ。見たこともないわ。きっと未分の低い、下等吸血鬼の娘なのよ。
―もうあんな子のことはいいでしょ?」

ひとり残されたシーラはしばらく唖然とした表情で木かぶに座ったままだった。
(儀式って何かしら?)
さっきエレノアの言っていた言葉にふと興味を引かれたシーラは人ごみの方へ行ってみた。
シーラは思わず目を見張った。吸血鬼とおぼしき大勢の人が見物する中、全裸の若い女性が10人ほど
中心に据えられ、同じ人数の黒いマント姿の男達がその首筋に今にも牙を立てようとしている所だった―
「きゃああっ!!!」
シーラは恐怖のあまり、大きな悲鳴を上げてしまった。その声に人々が一斉に振り返った。
必死でその場を走り去るシーラ。
(もし吸血鬼じゃないってバレたら、私もきっとあの娘たちと同じ目にあってしまうわ!)
恐怖におののきながら必死になって走っていると、足がもつれて転んでしまった―
「いたっ…!」
足首をひねってしまったようで、動けなかった。それなのに人がこっちの方に向かっている音が聞こえる。
(ああ、私もうこれまでかしら…)目を閉じて覚悟するシーラ。
634運命の出会い5:03/09/06 19:22 ID:JdIQuKHm
「君、大丈夫かい?」それは聞き覚えのある優しい声だった。
はっとして目を開けると、さっきのハンサムな男性―モーリと言っていた―が心配そうに見つめていた。
「モーリ…あなたなのね…。怖かった…」シーラの瞳から涙がこぼれた。
「そうだ、私だよ、シーラ。何も怖がらなくていい、安心して―」
彼の優しい笑顔に安心したシーラは思わず抱きついて泣きじゃくっていた。
モーリは何も言わず、しばらく彼女のブロンドの髪を撫でながら抱きしめた…。

シーラが落ち着いてきたのを見ると、モーリが口を開いた。
「シーラ。君は吸血鬼じゃないね?どこの種族なんだい」
「―私…狼人間よ」
「そうか…。じゃあさっきの儀式はショックだったろうな…」
「ええ、とても恐ろしかったわ―あれは何の儀式だったの?」
「あれはね、我々吸血鬼村の成人の儀式さ。今年成人する男達がああやって
村の人間の前で吸血鬼としての証しを見せるんだ」
「―じゃあさっきあなたもあの中にいたの?」
「いや、私はもうとっくの昔に成人してるから―」
この人もあんな風に若い女性の首筋に噛み付いて生き血を吸っているのだわと思うと
シーラは複雑な思いになった。
「足を怪我してしまったのか?見せてごらん」
モーリはそう言うと、シーラの足首を手に取ってみた。シーラの鼓動が高まった。
「―ふむ…足首を捻挫してしまったようだな。これじゃ歩いては帰るのは無理だ。
―ねえ君、馬と棺おけのどっちがいい?」
「え?何のこと?」
「どっちに乗って帰りたい?」
「あの…じゃあ馬にするわ」
それを聞いてモーリは少しあきれたような顔になった。
「君ね…せっかく吸血鬼と知り合いになったんだから、私としては棺おけの方を選んで欲しかったな」
「だって…どうやって棺おけで帰るの?」
「まあ見てて」モーリが口笛を吹くと、棺おけがひとつ空中を飛んでやって来た。
635運命の出会い6:03/09/06 19:24 ID:JdIQuKHm
「うそみたい…棺おけが飛んでる…すごいわ」驚くシーラ。
「なに、こんなの大したことないよ」
モーリはそう言ってウィンクした後、シーラを抱きかかえると棺おけの上に優しく乗せ、自分も隣に座った。
「じゃ、狼人間村まで行くよ」棺おけが突然、空高く浮かぶ。
「きゃっ」モーリの腕にしがみ付くシーラ。
「大丈夫だよ、シーラ。私にしっかりつかまって」
モーリの腕がシーラの肩に回されると、シーラはまた顔が沸騰するようだった。
「あの…モーリ。私何度もあなたに迷惑かけてしまって…。ごめんなさい。きっとあきれてるわね」
「いや、迷惑だなんて思ってないよ。それより君と知り合いになれて嬉しいよ、シーラ…」
「送ってもらっちゃって悪いわ…。さっきの儀式はまだ続いているんでしょ?」
「ああ、でももともとあまり出る気もなかったし―。何より君をあのままあの場には置いてきぼりにはできないからね…」
「ありがとう…。―でもさっきのあの女の人…エレノアさん、またあなたを探してるんじゃないかしら」
「うん。多分ね」
「―とてもきれいな人ね…」
「そうだね、確かに美人だ」
シーラはモーリの顔を見上げて、その表情を読み取ろうとしたが何を考えているのか分からなかった。
「どうした?まだ怖い?」
「―いえ、大丈夫…。彼女、あなたの婚約者なんでしょ?」
「ああ、親の決めたね。」
(あら、私と同じ…)
シーラは一瞬戸惑ったが、彼の反応が見たくて思いきって言ってみた。
「―私にも婚約者がいるのよ…」
モーリの顔が一瞬曇ったようだった。
「それに…今度王様の誕生パーティーにも呼ばれているわ」
「ということは、君もお妃候補の一人だって訳だ」
「ええ…」
636運命の出会い7:03/09/06 19:30 ID:JdIQuKHm
モーリは黙り込んでしまった。シーラはこの話題を出してしまったことを激しく後悔した。
(私ったら、何を期待してたのかしら…)
シーラは無意識のうちに、モーリの腕にさっきよりもきつくしがみ付いていた。
すると、モーリの手がうつむいたシーラの顎に触れ、顔を持ち上げた。
モーリの黒い瞳は真剣だった。二人はしばらく見つめ合った。顔が近づき、唇が触れた…
初めて味わうこの甘美な感触にシーラはうっとりした。
「―モーリ…」
「―君は、その婚約者のことなんか何とも思っていないし、もちろん王の妃になるつもりもない。
そうだね、シーラ…」
「…ええ、その通りよ…モーリ」
モーリは微笑んだ。「良かった…」
二人は抱き合って、もう一度長い口付けを交わした。

「ああ…狼人間村についたようだ」
「ここで降りるわ、ありがとう」
「待って、君の家まで送るよ」
「足なら大丈夫よ、家はここからすぐ近くだし―。それに家の者が見張ってるかもしれないわ」
「分かった―じゃあここで。シーラ、明日も会えるかな」
「ええ、もちろん」
「12時にここで待ってる」
「必ず行くわ、モーリ…。おやすみなさい」
「おやすみ…」
最後にもう一度、キスを交わすとシーラは森の中に消えていった。
637モーリ&シーラ作者:03/09/06 19:34 ID:JdIQuKHm
今日はここまでです。話の続きはまた今度・・・
読み返してみたら、第2話目の最初が変になってしまってました・・・
ホントはこうなる予定だったんです。

「シーラ、王様の誕生パーティーに招待されたって本当かい?」
気が付くと、婚約者のスコットが隣に寄り添って歩いていた。
この人も私の好みとはほど遠い…子供っぽくて、わがままで、空いばりが常だった。
「ええ、スコットそれがどうかして」
「君は僕の婚約者だ。王にだって渡さないぞ」
638名無しさん@ピンキー:03/09/07 01:08 ID:NNDu5clJ
あぅぅ〜☆
モーリ&シーラ作者様…。
お待ち申し上げておりました〜。
639名無しさん@ピンキー:03/09/07 22:53 ID:p418coPZ
私もー。続きが楽しみです。
640モーリ&シーラ作者 :03/09/09 18:36 ID:qrL15yOv
それでは続きをどうぞ。長くなりそうなので、少しづつですが。
オールスターキャストで行きたいと思ってるんですけどね・・・
641運命の出会い8:03/09/09 19:01 ID:qrL15yOv
モーリと別れた後、シーラはフラフラとおぼつかない足取りで自分の部屋に戻った―
胸の鼓動が収まらない…。ひんやりとしたベッドに入った後も、彼の力強い抱擁や
甘いキスを思い出して、熱に浮かされたように顔が火照った。
(あれは…私の夢じゃないわよね…?本当に起こったことよね…?)
瞼の奥に素敵な彼の顔が浮かび、耳には優しい彼の声が今も残っている。
「シーラ…。君にふさわしいきれいな名前だね…」と言ってくれた―。
モーリに包まれるようにして、シーラはいつしか眠りに落ちた―。
翌日、シーラは何をするにも手がつかず、夜の12時になるのをただひたすら待つしかなかった。
今日は昨日のようにネグリジェにガウンではなく、きちんとドレスを着た。
ドレスと言っても大げさなものではなく、白いモスリン素材の半袖のドレスで、ふわっとしたスカートが軽やかだった。
右の胸元は淡い青色の花で飾られ、同じ花で腰まで流れるブロンドの髪を飾っていた。
約束の時間に間に合うように、こっそりと家を抜け出し、昨日別れた場所に行ってみると、黒いマントに長身を包んだ
モーリが立っていた。その傍らには見事な黒い馬が一頭・・・。
「モーリ…!」
駆け寄ってきたシーラをしっかりと腕に抱きとめ、そしてキスで迎えるモーリ。
「シーラ…。君と別れてから、たった一日しかたっていないのに会いたくて仕方なかった」
「私もよ…。昨日の夜に起こったことがすべて幻だったんじゃないかって不安だったわ」
「すべて?あのキスも…?」
「ええ。バカみたいでしょ」
「現実だよ、シーラ」そう言って唇を重ね、二人はしばし逢瀬の幸せに浸った。
642運命の出会い9:03/09/09 19:05 ID:qrL15yOv
「ところで足首の怪我の具合はどう?」
「もうすっかり大丈夫よ。私、狼人間だから足腰には自信があるのよ。怪我してもすぐ回復しちゃうの」
「それは頼もしいことだ」二人は笑い合った。
「今日は馬を用意したけど、その必要はなかったみたいだね」
「この馬…私の足の怪我を思って?」
「ああ―」
「モーリ、優しいのね」
「せっかくだから、この馬も乗ってやらないとかわいそうだ」
シーラを軽々と抱き上げて馬の背に乗せると、自らもその後ろに飛び乗る。
二人を乗せた馬は森の中をゆっくりと歩き出した。
「モーリ、昨日私を送ってくれた後はどうしたの?」
「あの儀式の場に戻ったよ。―どこに行ってたんだと父にこっぴどく叱られたけどね」
「お父様…?」
「ああ、厳しい人なんだ。私はひとり息子だから、いろいろ期待してしまうのも分かるんだが―」
「あなたのお父様って、吸血鬼村の村長をしてらっしゃるのね?」
シーラは吸血鬼村のエトゥール家の名前は知っていた。
それに家の侍女たちが、夢中になってエトゥール家の息子の話をしているのを聞いたことがあった。
「そうだよ。私にも跡を継いでもらいたいらしい」
「―そう…。私のお父様も同じようなものだわ。狼人間村の村長をしているの」
「じゃあ君はクレリー家のひとり娘…」
「ええ、そうよ」
「噂には聞いていたよ、クレリー家のひとり娘の美しさを―。そうか、君だったんだね、シーラ…」

(お父様が私たちのことを許してくれるはずないわ…。私たち、これからどうなってしまうのかしら…。
やっと愛する人にめぐり合えたのに…)
シーラのそんな不安を感じ取ったのか、モーリは黙ってうつむいてしまった彼女を後ろから抱きしめた。
美しくて、可愛らしくて、まっすぐで―シーラが愛しくてたまらなかった。
お互い一目見た瞬間から、愛してしまったのかもしれない…。
643運命の出会い10:03/09/09 19:17 ID:qrL15yOv
やがて恋人の森に辿り着いた二人は、馬から降りて湖の辺りに寄り添うように腰掛け、お互いの家のこと、
住んでいる村のことなどしゃべり合った。聞いてみると、モーリの家系にはユニークな人ばかりだった―。
「父のことはさっき話したけど、うちの母は少し変わっていてね―女流作家なんだ。
取材旅行と言って家を空けてることが多いけど。…私は母に似てるのかも知れない。私もものを書くのが好きだからね。
―変わっていると言えば、父方のおじい様も相当な変り種なんだよ。何と言ってもプレイボーイで、3人いる子供は皆腹違いで―」
「まあ…!」シーラは驚いた。(クレリー家にはいないタイプだわ)
「でも、いい人だよ。おじい様の次男―つまり私の父の年の離れた異母兄弟に当たる訳だけど―が
幼くして亡くなってすぐに私が生まれたこともあって、とても可愛がってくれた。乗馬や剣や、
もちろん血の吸い方もおじい様が教えてくれたんだ…ま・他にも悪いこともいろいろ教わったけど…」
「何?悪いことって…」無垢な顔をしてシーラが聞いた。
「いっ、いや何でもないよ。(女遊びに決まってるけど)それよりシーラ、君の家族はどんな人たちなんだい」
「―私の家族は…残念だけどあなたの家ほど個性的ではないわ。体裁を重んじる厳格な父親と、
そんな父親に従順な母親―私はおばあ様子ね。ララおばあ様といって、私がたった一人の孫だからとっても可愛がってくれて…。
おばあ様の存在が救いだったわ。時々、家の中があまりに窮屈で息がつまりそうになるの」
モーリは率直で気取りのないシーラを愛のこもった瞳で見つめながら、その手を握った。
「―君の婚約者のこと、教えてくれないかな」
「―スコット・グレイという名の…私の家の隣に住んでて幼なじみなの。子供の頃から双方の親同士で決めてたらしいわ…。
よくある政略結婚よ。―あなたの婚約者は?エレノアさんって方…」
「そう、エレノア…。父の親友の娘で、子供の時以来ずっと会ってなかったんだけど、最近人間界から戻ってきてね―。
それで父から婚約の話を聞かされた時には驚いたよ」
644運命の出会い11:03/09/09 19:32 ID:qrL15yOv
「―あなたのこと、好きみたいね…」
「私が好きなのは君だよ、シーラ。君だけだ」
「モーリ…私もよ。私もあなたが好き…」
どちらともなく顔を寄せ合い、熱いキスを何度も交わす。
私たちの間には何という障害だらけなのか…。異種族同士というだけでなく、
それぞれ親の決めた婚約者もいて、由緒ある家の名を背負っていかなければいけないのだ…。
ああ、それにシーラは王様のお妃候補の一人だった…。
「もうひとつ、忘れてしまうところだったよ。どうやら君のお父上は、何としても君を王妃にしたがっているんだね」
「そうなの…スコットは哀れにも今やすべり止めってところね」
モーリは真剣な表情になって、囁いた。
「私は…全てを断ち切るよ、君と生きていくことができるなら」
「モーリ…」
「―シーラ・・・君が欲しい」
見つめ合う二人。
そのとき、頭上で雷が鳴り、激しい大雨が二人を襲った。
「きゃっ」
モーリが急いで棺おけを呼び寄せ、ずぶ濡れになりながら二人は飛び乗った。
「モーリ、どこへ?」
「私の家に行こう。馬は後を付いて来るから大丈夫だ」
二人を乗せた棺おけは猛スピードを出してエトゥール家の広大な屋敷へと向かった。
二階にあるモーリの部屋の窓がパッと開き、二人は棺おけと共に部屋の中になだれ込んだ。
「すごい雨だったな。すっかりずぶ濡れだ」
モーリが燭台のろうそくに灯りをともすと、暗かった部屋が明るくなった。
645運命の出会い12:03/09/09 19:39 ID:qrL15yOv
モーリが濡れてしまったマントやジャケットやシャツをすばやく脱ぎ捨て、逞しい上半身があらわになる。
シーラの方を見ると、赤くなってうつむいて、棺おけに座ったままだった。
「シーラ、そのままだと風邪を引いてしまう。このタオルで拭きなさい。私のシャツでよかったら、これに着替えて」
「ありがとう…」
モーリが背を向けて、暖炉に蒔きをくべて火をおこしている間、シーラはすばやく濡れたドレスを脱いで、体を拭き、
モーリが出してくれたシャツに着替えた。ゆったりしたシルクの白いシャツは、ちょうどシーラの太ももの半ばまで丈があった。
「やっぱり大きいみたい」そう言ってシーラがくすっと笑うと、モーリは振り返った。
初めて見る、彼女のまっすぐに伸びた美しい白い脚…自分の男物のシャツに恥ずかしげに身を包んだシーラは、
言いようもないくらい可憐で、モーリは思わず抱きしめたくなった。そしてそのまま床に押し倒してしまいたい衝動に駆られた…。
ズボンの中のものがふくらんだ。
シーラは暖炉の前のモーリと並んで座った。
「モーリ、あなたも拭いた方がいいわ」
手にしていたタオルで、ためらいがちにモーリの裸の胸を拭いてあげる。
モーリはそんな彼女を愛しそうに見つめながら、彼女の頬に手を触れた。
しばらくそうしていた後、モーリはズボンに手をかけゆっくりと引き下ろしていった…。
そして現れた長く大きなこわばりを目にして、シーラは思わず手からタオルを落とした。
胸の鼓動が耐え難いまでに高鳴る。モーリはすかさずシーラの手を握りしめた。
「さっきの続きだけど…シーラ、今夜は君のすべてが欲しい」
「モーリ…」
「君を愛したいんだ―どこもかも…」
「…ええ、私を愛して、モーリ…」
646モーリ&シーラ作者:03/09/09 19:43 ID:qrL15yOv
いいとこですが、今日はここまでしか用意してないんです。
なので次回また。
それにしても、モーリ、手が早いぞ・・・書きながらそう思う。
いきなりの雷雨は、君が欲しいなんて言われてびっくりしちゃったシーラが
呼び寄せたのかも・・・なーんて。
647お願い!!:03/09/10 21:20 ID:oplgE9tI
私も「ときめきトゥナイト」は、小学校時代から呼んでいました。
(ちなみに1○年前)
私は、真壁君と蘭世のカップリングが大好きです。
だから、真壁君と蘭世の結婚後(新婚等)を誰か書いて下さい。
お願いします。
648名無しさん@ピンキー:03/09/10 23:01 ID:kpf/a8eb
過去ログ嫁や。
んでもってageんな(゚Д゚)ゴルァ!
649名無しさん@ピンキー:03/09/10 23:33 ID:rKeNPpSp
>>647
sageてね。
1〜3ちゃんと読んできて!!

650わかっちゃったか・・・1:03/09/13 22:54 ID:qteYtaBa
合宿所の朝。
週末を利用して、泊り込みで合宿をしていた。

「おはよ〜」
アロンの気だるげな声が背後から聞こえる。
「おせーぞ」
「今何時?」
「7:00だ」
「朝練終わっちゃった?」
「当たり前だ」
顔を洗いながら無愛想に答えていた俊は、顔をあげて鏡越しにアロンを見た。
つもりだったが、アロンはいなかった。
なのに声がする。
「次からうをふがうぇふぇふぁうぁおほひへえ〜」
振り返ると、勝手に動く歯ブラシに磨かれているアロンが眠そうに立っていた。
俊はまた鏡を見た。
アロンは映っていない。
振り返った。
確かにアロンは後ろに立っている。
鏡には映っていないのに?

俊のその不審な挙動に気付いたアロンは、自分が鏡に移ってない事に気付いた。
そして次の瞬間、鏡越しにアロンが見える。
「お前・・・・」
顔を拭きながら俊はまじまじとアロンの顔を見た。
651わかっちゃったか・・・2:03/09/13 22:56 ID:qteYtaBa
勝手に動いていた歯ブラシを掴んだアロンは
「へへへっ」
とちょっと頬を染めて笑って見せた。
その脳裏によぎった光景を見て、俊は言葉を失う。

昨夜戻ってくるのが遅かった。
フィラも一緒だったのだ。
人間界の鏡に今まで映っていたアロンが、映らなくなった。
それは・・・・二人の超えた一線の証。

何ていってよいのやら、俊の方が赤面してしまった。
アロンは俊の背中を勢いよくバン!と叩くと
「ふゅんあわわ、うぁわんふぃふぇうんわうぇ」
と言いながら、俊の横から入って口をゆすぎ始めた。
そしてそのまま顔を洗って、鏡越しに
「は〜〜〜スッキリ♪」
と満足そうな顔を見せた。

それは夏の終りの出来事。
そのあとの俊が、妙に意識しすぎて蘭世にしばらく触れなかったのは言うまでもない。
652名無しさん@ピンキー:03/09/13 22:57 ID:qteYtaBa
こんな話もありかな・・・・   350
653名無しさん@ピンキー:03/09/13 23:23 ID:ddg60349
アロンは普段からあんまり人間界の鏡には気を配らないような気がするが……。

アロンがフィラとやっちゃったから、鏡に気が回らないほど浮かれていたから……という話だよね?
654雨 1:03/09/13 23:24 ID:y3X+Qe48
夏の終わりのある日、鈴世となるみは映画を観に行った。
帰り道の公園のベンチで2人は会話に華を咲かせていた。
2人は毎日学校で会っているにも関わらず、時間を忘れて話していた。
あっという間に時間は過ぎ空の色が変わっている。
その時、雨がぽつぽつと空から落ちてきた。
「あっ、雨が降ってきちゃったね。さっきまではあんなにいい天気だったのに」
鈴世は空を見上げると残念そうになるみに言った。
「なるみ、本降りになそうだ。そろそろ帰ろうか・・・」
「そうね、もうちょっと一緒にいたかったけど・・・ね」
なるみは栗色の髪をいじりながら、鈴世の顔をのぞきこんだ。
「僕も君のとなりにずっといたいと思ってる」
鈴世の透きとおる青い瞳になるみは吸い込まれそうだった。
そして、なるみの髪を撫でながらそっと抱き寄せた。
そうこうしているうちに、ぽつぽつと降り出した雨は一気にどしゃぶりになった。
「このままじゃ風邪を引くよ、とりあえず僕の家まで走ろう!」
鈴世はなるみの手を取ると、返事を聞く間もなく走り出した。
なるみも手を引かれるまま一緒に走り出した。
傘を持ってない2人はびしょ濡れになりながらも、楽しそうに走っていた。

655雨 2:03/09/13 23:26 ID:y3X+Qe48
「おかーさん、タオル持ってきてー。いきなり雨に降られてびしょぬれだよ」
「・・・・」
「あれ?おかーさん?おとーさん?」
鈴世は何回か呼んでみた。
「出かけてるんじゃない?」なるみがそういうと2人は顔を見合わせる。
「そうみたいだね。ちょっと待っててタオルもってくるから」
鈴世は部屋の奥に行こうとして、ふとなるみを見る。
なるみは頭からつま先までびしょぬれだった。
「タオルで拭くより、お風呂に入ったほうがいいかな、体も冷えてるし」
なるみはそのほうがいいかもと思いうなずこうとしたが、はっとして顔が真っ赤になった。
「で、でもっ・・・」なるみの反応に気が付いた鈴世はクスッと笑って
「大丈夫だよ、一緒に入ろうなんて思ってないから」と言ってにっこり笑う。
「そんな事言ってないでしょっ!」なるみはさらに焦って赤くなった。
鈴世はなるみが何を考えたかわかっていたが、彼女の気を楽にしようと思って
わざとからかった。
そのまま鈴世にうながされるままなるみは結局お風呂を借りることにした。
656雨 3:03/09/13 23:27 ID:y3X+Qe48
なるみはお風呂に入りながら、鈴世との事をいろいろと思い出していた。
小学校、中学校、そして今現在・・・。鈴世との思い出は楽しいこと、辛いこといろいろあった。
なるみにとって鈴世との思い出は人生の半数以上を占めていた。
いや、なるみの鈴世への思いはなるみの人生そのものだったかもしれない。
鈴世と一緒に過ごした時間一つ一つがなるみにとって宝物だった。
「鈴世くん、やっぱりそうなのかな・・・」
なるみは今日のシチュエーションをちょっと不安に思いながらも期待していた。
お風呂を出たなるみは鈴世の部屋に行った。
「鈴世くん、先に入っちゃってごめんね。鈴世くんも早く温まったほうがいいよ」
なるみはそういうとまた顔が赤くなってしまった。
・・・なんだかこれって誘ってるみたいに聞こえちゃったかな?そんなことないよね、
だって鈴世くんだってびしょぬれだしね・・・
「体温まった?じゃあ僕も入ってくるね。・・・もうちょっとお風呂上りのなるみを見ていたい
けどね」と冗談っぽく鈴世はウインクした。
「もう!からかわないでよ!風邪引いてもしらないから!」
なるみの蒸気でピンクに染まったはさらに真っ赤になった。
657雨 4:03/09/13 23:29 ID:y3X+Qe48
なるみは鈴世の部屋で髪を乾かしながら、部屋に飾ってある2人の写真を眺めていた。
写真の中の2人はとても幸せそうに笑っている。今も昔も何も気持ちに変わりのない
2人の笑顔の写真。
なるみは自然と気持ちが落ち着いていることがわかる。彼とだからこうして落ち着いて
いられるのね・・・。なるみは窓に近づき雨が降るのを見つめていた。
この雨が空から落ちてまた天に還るように、私と鈴世くんも・・・自然の摂理と同じよね。

ドアの向こうから鈴世の足音が聞こえてくる。そしてドアが開いた。
なるみは振り返らず、窓の外を眺めていた。
「あれ、なるみドライヤー使わなかったの?」まだ完全に乾ききっていないなるみの
髪を見て鈴世は明るくいった。が、返事がない。
・・・落ち着くのよ、なるみ。だいじょうぶ。鈴世くんなんだから・・・
その時、鈴世になるみの心の声が聞こえてきた。
鈴世は、そういうことかと思って嬉しかった。でも、鈴世にとってなるみは世界で一番大切な人。
2人の絆や信頼は鈴世にそれを焦らせなかった。
ちょっといたずらっぽく鈴世は笑うとそっとなるみの側によって、後ろから両肩に手を置いた。
そして、なるみを自分の方に向き直した。
「・・・」
鈴世はちょっとなるみをからかうつもだった。な〜に心配してるの?って笑顔で彼女の
気持ちを楽にしてあげるつもりだった。
でも、振り返ったなるみの表情はいままで鈴世の知ってるなるみの顔ではなかった。
濡れた髪、潤んだ瞳、艶っぽい唇、ほのかに頬をピンクに染めて鈴世を見上げるなるみ
に鈴世は絶句だった。
「なるみ・・・」
そういうと鈴世はなるみを強く抱きしめ、やさしくそして強くキスをした。
部屋の中には窓の外から雨音だけが響きわたる。

なるみが次に窓の外を眺めた時、雨は上がり空にはキレイな虹が架かっていた。
658名無しさん@ピンキー:03/09/13 23:32 ID:y3X+Qe48
ずっとときめきファンでした。
なんだか皆さまの投稿を読んでたら見よう見まねで書いてみたくなりました。
何を書きたいのだか良くわからないような代物でスイマセン・・・。
659名無しさん@ピンキー:03/09/13 23:54 ID:ztD9zuMo
可愛いよ〜。
がんがれ658さん。
660名無しさん@ピンキー:03/09/14 01:50 ID:zhRYIqHf
鈴なるキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
658さんありがとう!これって続くんですよね?
続いてください〜!
661名無しさん@ピンキー:03/09/14 11:29 ID:3AuWZPC4
キタキタキタ━━(゚∀゚≡゚∀゚)━━━!!
鈴なるキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!

この2人って、こういうかわいい話が似合う!
やっぱしキザな鈴世は最高ですね。
>658たん、ありがd!!
662トラウマ1:03/09/14 21:50 ID:L0xQR50r
高校2年の3学期。進路相談が始まった。
蘭世はまったくなにも考えてなくて、少々焦り気味。
いつもいつも俊のことを考えるばかりで、自分のことは後回しにしてきたツケが廻ってきたのだ。
もうすぐ3者面談が始まってしまう。
進学か就職かだけでも決めないといけないが、どうしても蘭世にはピンとこなかった。
学校の帰り道、俊と並んで歩く。曜子は予備校に通い出して、
帰りが一緒になることはほとんどなくなっていた。
「ねぇ。真壁君、私にあう仕事ってなんだと思う?」
「お前、就職するのか?」
「うぅ〜ん、だって大学にはいけないとおもうのよね」
俊も自分とドングリの背比べの蘭世の成績を思い出す。
「みんなちゃんと決めてるのに、私だけ出遅れてるよね」不安げな顔を見せる。
「楓ちゃんは看護学校にいっちゃったし、神谷さんは進学、真壁君はプロボクサー、
みんな自分の道をみつけて、ちゃんと歩いててかっこいいなって思っちゃう」
《お前は卒業したら俺がもらってやっから心配しなくていいんだよっ!》
と俊は心で答えてやるが、蘭世に伝わるわけもなく。
「真壁君の役に立てる仕事がいいなぁ。プロボクサーの役に立つ仕事って
なんだと思う?」
「さあな」俊はあんまり取り合う気はない。
蘭世はぷ〜っとふくれ面になり
「もう!ちゃんと考えてよ〜」と俊の背中をポカポカしだす。
楽しいいつもの帰り道。
と、蘭世がひらめいた顔をした。
663トラウマ2:03/09/14 21:57 ID:L0xQR50r
「あっ!看護婦さんだったら、ケガの手当もできるし、
真壁君の役にたてるかも」
満面の笑みで言い出した蘭世の台詞が終わらないウチに
俊は仏頂面で
「ダメだ!!!」と普段とかうってかわった
強い口調で言い放った。
俊の豹変におどろく蘭世。
なにが気に障ったのかわからずおもわず涙目になったしまう。
自分の声の大きさに気が付いた俊もバツがわるそうに
「わるぃ・・・」
と、顔を背けてしまった。
いつもの帰り道がいつもの帰り道でなくなった沈黙。
なんと声をかけたらいいかお互いわからなくて
モクモクと歩くと、もう二人の分かれ道。
664トラウマ3:03/09/14 22:00 ID:L0xQR50r
蘭世が気落ちしたまま、俊に
「じゃあ、真壁君明日ね」
とおずおずと声をかけると、
俊が不意に強い力で抱き寄せ
無理矢理キスをしてきた。
あまりのことに、身体が硬直してしまう蘭世。
顔を背けた俊が、去り際
「お前は俺の世話だけしとけばいいんだよ!」と
いって、走り去っていってしまった。
走り去る耳が赤かったのを蘭世はみてしまって、
その場でへなへなと座り込んでしまったが、
蘭世がそれ以来、看護婦になりたいということはなかった。

後でわかったことだが、俊は蘭世には家にいて
自分の帰りをまっていてほしかったらしい。
幼少時代、看護婦の母が忙しくて一人で過ごした日々がトラウマになって
いたらしかった。

「あの子は人一倍愛情に飢えてるのかもしれないわね」
とのターナの言葉に、俊によりいっそうの愛情を感じる蘭世であった。
665終わり:03/09/14 22:01 ID:L0xQR50r
すいません。かなり玉砕ぎみなんですが。
他の作家さんのステキな作品をおまちしております(^_^;)
666名無しさん@ピンキー:03/09/14 23:10 ID:S4fFREF3
658です。
ごめんなさい。このお話はこれで終わりなのです・・・。
緻密な描写はムヅカシクて書けないと思ったので。
虹が出たとこでもう常時は済んでるということにしてください。
でも、よろこんでくれる方がいたことが嬉しかったのです。
また、書きますのでヨロシクです。
667名無しさん@ピンキー:03/09/15 01:10 ID:ys5ZG9Lw
>653
魔界人は半人前だと意識しなくても人間界の鏡に映るけど
「ある日鏡に映らなくなった」=「大人になった」=「経験した」
ということに真壁君が気づいた、ということではないでしょうか。
668名無しさん@ピンキー:03/09/15 08:33 ID:TioR7Qev
漏れは653タンと同じ意見だ。
669名無しさん@ピンキー:03/09/15 10:39 ID:sGtkNRSe
トラウマさん(違)
よかったです!泣けてくる。
うんうん、俊は不器用だけどそれがまたいい!!

>667たん
漏れも同じ。どっちでもすてきなおはなしだったよ。
670名無しさん@ピンキー:03/09/15 10:41 ID:sGtkNRSe
ごめんあげちゃった!!!
逝って来る
671モーリ&シーラ作者:03/09/15 17:12 ID:N7LfYzwx
続きです。長くなりそうで、申し訳ないです・・・
672運命の出会い13:03/09/15 17:19 ID:N7LfYzwx
モーリはシーラの肩を抱き寄せ、唇を重ねた。その熱い口付けに体がとろけていき、
一気に体の芯が燃え上がっていくようだった。モーリの舌がシーラの口の中を優しくくすぐる。
「モーリ…私…どうしたらいいの…?」キスの合間に戸惑うようにシーラが呟く。
「心配しないで、シーラ…」
キスをしたままシーラを優しく床に押し倒す。初めは控え目にキスに応えていたシーラの唇と舌は、
次第にモーリのそれを積極的に求めるようになっていった。
彼女のブラウスの中に手を入れ、乳房を揉み始める。思っていたよりも豊満なのに少し驚く。
シーラのほっそりした首すじや鎖骨の窪みあたりにキスの雨を降らせながら、乳房をまさぐるモーリの手は
だんだんと勢いを増していく。それにつられて、シーラは恥ずかしげな喘ぎ声を少しづつ漏らしていった。
ブラウスを剥ぎ取ると、見事な乳房が溢れ出た。これまで見たどの乳房よりも美しい…とモーリは思った。
こんもりと盛りあがった乳房は柔らかそうに弾み、ミルクにバラの花びらを浮かべたような何とも言えない魅惑的な色合いで、
ピンク色の蕾は可愛らしくツンと上を向いている。モーリはそれを指でつまんだりして、いたぶった後、そっと口に含んだ。
「はあっ……あっ…」
モーリの舌が乳首とその周辺を舐めまわし、唾液で濡らしていくのを感じながら、
シーラは初めて味わう心地よい刺激に、体を反らして喘いだ。
官能の渦に巻き込まれて行ったシーラだったが、モーリによって下着を脚から抜き取られ、
眩しいブロンドの繁みがあらわになった時、羞恥心に耐えきれず、両手で顔を覆い、
伸びやかな両脚をぴったりと閉じてしまった。
「シーラ…」シーラの全裸に、モーリは感動に胸をつまらせながら言った。
「何てきれいなんだ。こんなに…きれいだなんて…ああ素晴らしいよ」
その優しい言葉にシーラが両手を下ろして顔を出すと、彼の美しい黒い瞳が
きらめいているのが見えた。
673運命の出会い14:03/09/15 17:23 ID:N7LfYzwx
「愛してる…」モーリは心を込めて囁いた後、シーラにキスした。
モーリは無理にシーラの体をこじ開けようとはせずに、脚の指から上へと丹念に舌を使って愛撫していった。
彼の舌と唇が徐々に太ももの方へ上って行くにつれて、シーラは悩ましげに体をくねらせて、震えるような
うめき声を漏らし続けた。さっきまで必死に閉じていた脚は自然と開いていき、モーリの目の前にシーラの秘密の場所が姿を見せた。
ブロンドに輝く繁みを手の平で撫でた後、谷間へと指を降ろして行くと、その泉からは透明な蜜がすでに溢れ出ていた…。
「あっ…んっ…何か…出てきているみたい…はあっ…」
「うん、とっても潤ってきた。―恥ずかしい?」シーラの様子を眺め、片手で胸を愛撫しながら、指の動きを早めて行く。
「だって…そんなところ…あっ」
自身から溢れる蜜が掻き乱される音を聞きながら、腰を左右に揺らしたり前に突き出たりして身悶えするシーラ。
「感じてるんだね?」モーリの指は細かく動きながら、彼女の中を掻き回す。
「ええ、あっ…何か感じるわ…ああっ…」
「もっと気持ち良くなるよ」
モーリはシーラの中から甘い蜜のまとわりついた指を抜くと、両手で彼女の左右の花びらを開き、赤くなった花芯をそっと舌で舐めた。
「あああっ…あっ…モーリ…や、やめて…」この思いがけない行為にシーラは悲鳴を上げて身をよじったが、
モーリは彼女の抵抗などお構いなしに、しっかりと押さえ付けてこの愛撫を続けた。秘部を舐めまわし、舌を奥深くに差し込む…。
もはやシーラの体の芯はすっかり溶け、それがまだ誰も入ったことのない肉の通路から絶え間なく溢れ出てきた…。
シーラの白い肌は、体の内側から燃え上がる熱で桃色に染まり、腰はその熱に浮かされたように妖しい動きを繰り返した。
674運命の出会い15:03/09/15 17:26 ID:N7LfYzwx
ついにシーラが耐えきれなくなってモーリの背中に爪を立てた時、ようやくモーリは彼女の上に覆い被さった。
すでにお互いの体は汗ばんでいた。自分の硬直しきった巨大な分身の先端でシーラの入り口を愛撫した後、ゆっくりと中に突き立てていった…。
「シーラ…少し、がまんして…」
モーリがゆっくりシーラの内部に進んでいくと、シーラはとっさに逃げようとした。
モーリの腕はシーラの首の下をくぐって、逃げられないように肩を押さえつけ、一気に進んだ。
「ああっ…ああっー!!!」引き裂かれてしまったかのような、あまりの痛さにモーリにしがみ付くシーラ。
「シーラ…」モーリは大きな手でシーラの桃色に上気した頬を優しく押さえながら、その唇に優しくキスをする。
「んっ…あん…」必死に自分のキスに応えてくるシーラが愛しくて、徐々に体を上下に動かし始める。腰を小刻みに激しく打ち付け、
奥深くまで貫く。
「ああっ…はあっ、モーリ…んんっ…」首を反らして、悲鳴にも似た喘ぎ声をあげる。
モーリの大きな体から受ける苦痛は、次第に快感へと変わっていく。だんだん高まる悦びにつれて、シーラはますます美しさを増し、
その顔と全身の動きが生き生きとなって、その頬は燃えるように華やかな赤に染まっていった。
やがて押し寄せる快感の嵐の中で絶頂を迎えたシーラが耐え切れずに体を痙攣させると、モーリもとうとう昇りつめ、
熱い液体を彼女の中に放出した。
シーラの体の中から自身を抜くと、それは白い愛液にまみれて破瓜の印に染まっていた。
シーラの太ももにも、赤い血が飛び散っていた…。死んだようにぐったりとなったシーラを抱き寄せ、
いたわるように額に口付ける。
675運命の出会い16:03/09/15 17:30 ID:N7LfYzwx
「シーラ…痛かったね…」
「…ええ…でもいいの、あなただから…。嬉しい…」
二人はしばらく抱き合ったまま、愛の交歓の余韻に浸った。
モーリの体から熱いものが自分の奥深くに勢いよく放たれた瞬間、シーラは今まで自分の中で
満たされていなかったものが隅々まで満たされ、潤っていくように感じた。
ああ、この瞬間は決して忘れない…。
「愛しているわ、モーリ…」きらきら輝く青い瞳に涙を浮かべてシーラは囁いた。
「シーラ…私の方がもっと君を愛してる」
「いいえ、私の方がもっと…」反論しようとするシーラの口をキスでふさぐモーリ。
しっかりと手を握りながら、二人はくすっと微笑んだ。

「今度はさっきほど痛くなかっただろう?」二度目の行為を終えてしばらくして、モーリが囁いた。
「ええ…だんだん慣れてくるのね…」シーラは男女の行為に何か神秘的なものを感じた。
「そうだよ」
「モーリ、私なんだか喉が渇いちゃったわ…」
「私もお腹が減ったな…。何か持ってくるから、待ってて」
ガウンをまとったモーリが部屋から出て行った後、シーラは居心地のいい広い部屋の中を見渡した。
本棚の中には難しそうな分厚い本がたくさん…優雅な感じの書き物机の上には無数に重ねられた紙や羽ペンやインク壷…
何か書き途中なのかしら…?壁には素敵な風景画がいくつか掛けられ、金の装飾で縁取られた年代物らしい大きな鏡が
はめ込まれている…
676運命の出会い17:03/09/15 17:32 ID:N7LfYzwx
シーラの目は次に、妖しいまでに美しい棺おけに留まった。私たちを乗せてきてくれた彼の棺おけ…
ふと、いたずら心が起こったシーラは、その棺おけの中に隠れてモーリを少し驚かせてみようと思いついた。
闇のような黒色をした側面とは対照的に、白く塗られた蓋を開けると、中には深紅のビロードが敷き詰められていた。
全裸のまま、その身を横たえる。蓋を中から閉じると、心地よいモーリの香りに包まれるようだった。
するとドアの開く音が聞こえた。
(ふふ…モーリ、私がどこに消えたかと心配してるかしら…?)
そんなことを思いながら、両手を組み合わせて彼が開けてくれるのを待つ。
こっちに足音が近づくのが聞こえ、とうとう、ギイーという鈍い音と共に蓋が開く音がした。
シーラは目を閉じたまま、モーリの甘いキスを待った…。

「まあ、もう寝ちゃったの…?」
思いもかけない女性の声に驚いて、目をパッと開ける。
「きゃあっー!!!」耳をつんざくような、二人の女性の悲鳴が部屋内に響き渡った。
「あっ、あなた、どなた?モーリはどこ?」
見知らぬ女性はまじまじと目の前の全裸のシーラを見て言った。
「えっ、あの、私……」真っ赤になって、言葉に詰まるシーラ。
思わぬ事態に驚いたあまり、その頭上には狼の耳が姿を現している。
ちょうどその頃、果物やワインをトレーに載せて階段を上っていたモーリは、シーラの悲鳴を聞いて一目散に部屋に駆けこんで来た。
「シーラ!どうしたっ!?」
「モーリ!!」二人の女性が同時に彼の名を叫ぶ。
「―お、お母様っ!」モーリは目を丸くした。家を空けていることの多い母親が何故か今、自分の部屋にいるのだ。
(ええっ?お母様?)
677運命の出会い18:03/09/15 17:34 ID:N7LfYzwx
シーラは恥ずかしさのあまり、全身を真っ赤にして、両手で自分の体を隠していた。
モーリはすばやく彼女に近づいて、かばうように抱き寄せる。
「モーリ…この娘は…?」
「―私の恋人です…。―シーラ、この人は私の母だよ」
「…モーリのお母様でらっしゃいますか?…あの、私…シーラ・クレリーと申します…」
まだ狼狽しながらも、シーラは改めてモーリの母親という人を見た。
艶やかな長い黒髪を優雅に首の後ろで結った、上品な雰囲気の女性だった。
その細面の顔は皺が刻まれているものの、充分美しく、広い額は知性と優しさを感じさせる。
モーリに似ている…とシーラは思った。すらっとしてて、黒い長袖のドレスの首や袖は白いレースで飾られ、
モーリのと同じような、血を思わせる赤いルビーのブローチを首元にしている。
「―シーラ、さん…?初めまして。―ごめんなさいね、驚かしてしまって…」
「いいえ、私の方こそ。すみませんでした、大声を上げてしまって…」
「お母様、どうして急に?こっちにはいつ戻ったんですか?」
「ちょうどさっき着いたところよ。お前のお父様が帰って来いって言ってきたから―」
モーリの父アーサーが、近く息子の結婚式を挙げるから魔界に戻って来いという連絡をよこして来たのだ。
(でも…どうやらこの娘はその花嫁ではなさそうだわね…)
直感でそう思ったモーリの母親、オリヴィア・エトゥールはそこまではあえて言わなかった。モーリは裸のシーラをなおも抱きかかえたままだったので、オリヴィアは今更ながら赤面して言った。
「じゃあ私は失礼するわね…。本当にごめんなさいね、お邪魔して―」
母親の後をついて、ドアまで見送るモーリ。
「お母様―」
「ええ、分かってますよ。もちろんお父様にはこのことは内緒にしときます」シーラに聞こえないように小声で囁く。
「―ありがとうございます」ドアが閉められ、モーリが困ったような顔をして振り返った。
「やれやれ、驚いたね」
678運命の出会い19:03/09/15 17:37 ID:N7LfYzwx
シーラは泣きたいような顔つきで棺おけに座っていた。
「モーリ…私、穴があったら入りたいわ―こんな姿でいたところを、よりによって
あなたのお母様に見られてしまって…本当に最悪―」
「シーラ、そんなに気にしないで。言っただろう、私は母親似だって。母もきっと君を好きになるよ」
「―でも…何てはしたない娘だろうって思ったに違いないわ」
「うちの母はね、ああいう風に優雅なレディに見えて、実は型破りな人なんだ。
あれくらい大目に見てくれるさ」
「…そうだといいけど…。うちの親だったらどうなってたか―」シーラはうつむいた。
「それにしても…棺おけに隠れて私を驚かせようとしたのかい?」おかしそうにモーリが聞いた。
「―ええ。そのつもりだったのよ…それが―」
「圧巻だったろうな、それは」モーリはにっこりと笑った。
「君といると楽しいよ、シーラ」
半べそ状態のシーラの、赤くなった可愛い鼻の頭にそっとキスをするモーリ。
「でも、そろそろ家に帰った方がいい。ドレスを着て―。送るよ」

二人は狼人間村の入り口まで辿り着いた。
「モーリ…あなたと出会ったこの二日間で、私の人生はすっかり変わったわ」
「私の人生も―」シーラの白い手を取って口付ける。
「―あなた、今ままでどこにいたの…?」
シーラの美しい顔を無言でじっと見つめるモーリ。
「私たち、どうしてもっと早くに出会えなかったのかしら…?」
「シーラ…でもこうしてついに出会った…。運命なんだよ」
「運命…。150年以上も待って、ようやくあなたに出会って、そして私は女になったのね―」
「そうだ。私はそれよりもっと、300年近くも待ったんだ。そしてようやく君を見つけた…。
シーラ、これからは何があっても君を離さない」
「モーリ…ええ、私を離さないで…何があっても…」

679運命の出会い20:03/09/15 17:43 ID:N7LfYzwx
翌日の夕方、オリヴィアは息子の部屋を訪れた。
「モーリ…昨夜の娘はお父様が決めた婚約者ではないわね?あのシーラは…狼人間でしょ?」
「お母様…どうしてそれを?」モーリは驚いた。
「女の勘よ…というのもあるけど、あの子私を見てびっくりしたあまり、狼の耳を出してたもの」
オリヴィアはおかしそうにクスクスと笑った。
「―異種族だろうと、私が一緒になりたいのは彼女です」モーリは真剣にそう言った。
息子に部屋に裸でいたくらいだから、どんな関係かは言われなくても分かる―
とんでもない出会い方をしたとはいえ、オリヴィアは不思議とシーラに反感は覚えなかった。
「そうだろうと思ったわ」オリヴィアはお手上げという感じで言葉を続けた。
「あんなあられもない姿をしてたけど、芯の強い、育ちのいいお嬢さんだってすぐ分かったわ…。
あなたたちが深く愛し合ってるっていうのもね」
深刻そうな息子の顔をゆっくり眺めた。
「でもモーリ、棺おけを開けたのが、お前のおじい様でなくて私でよかったじゃない―。
彼女を家に連れ込むなら、今後は気をつけなさいね」
「―そうですね…」
息子の困ったような微笑を見ると、モーリの母親は笑い声を立てて部屋を出て行った…。

(全く、色男の家系だわね…)
わが息子ながら、エトゥール家の恋愛至上主義の血筋は色濃く流れているものだと
オリヴィアは思った。夫のアーサーだって、今でこそ堅物な人になっちゃたけど
昔は情熱的な男だったわ…。
さて、これからどうなることかしら、とオリヴィアはいい小説の題材を見つけた時のように
興味深げに瞳を輝かした。
680運命の出会い21:03/09/15 17:46 ID:N7LfYzwx
モーリとシーラはその後も毎日のように逢引を続けた。二人の熱情は日々、高まっていった。
二人の秘密の結びつきを知っているのは、モーリの母親だけであった。
そしてもう一人、シーラの祖母ララも、口にこそ出さなかったものの、孫娘がここ数日の間に
すっかり大人っぽくなった原因をうすうす感じてはいた。
何も知らないシーラの婚約者スコットは、シーラの父に結婚を早めてもらうよう連日頼みこんではいるものの、
シーラの父はいつも話をはぐらかした。何としても、あと数日後に控えた王様の誕生日の祝典が済むまでは、
結婚を急ぐ訳にはいかない。事と次第によっては、妃への道もそう馬鹿な話ではない、とシーラの父は
自分に言い聞かせた。
娘が王妃になれば、クレリー家の権勢が揺るぎないものとなるのは言うまでもない。
最近のシーラが以前にも増して、新たな美しさに輝いているのを彼女の父はただ単純に喜んでいた―
この美貌では否応にも、娘は王様の目に留まるはずだ、と。
浮かれ調子の父親は、まさか自分の愛娘が夜中に家を抜け出して愛する男の元へ駆けつけ、
その腕の中で愛撫に身を任せているとは気づかなかったのだ―。

一方、エトゥール家の周辺も忙しかった。
エレノアは毎日、モーリの前に姿を見せて、結婚式の日取りやらを相談しに来る。
もちろん、彼女に気のある振りをする訳ではないが、父の手前、礼を欠く訳にはいかなかった。
王の誕生日の祝典にはエトゥール家も招待されているため、二人でパートナーとして出席することになっていた。
モーリは苦悩した。
(このままではいけない…。すべては祝典の日に―)

681運命の出会い22:03/09/15 17:52 ID:N7LfYzwx
そしてとうとう、祝典の日がやってきた。
広い魔界中の名門一族が馬車に乗って、城に集まる。
大勢集まった令嬢たちの中でも、一際美しいのはやはりシーラであった。
晴れのこの日のためにと、特別に仕立てた絢爛たるドレスをまとったシーラに
人々の視線が注がれ、賞賛の声が浴びせられた。
深い湖の色のような澄んだブルーのタフタのドレスが、白い剥き出しの肩に映えた。
白い精巧なレースが胸元やふっくらとしたパフスリーブの袖口を縁取る。
細くて長い首には繊細な首飾りがまばゆい輝きを見せ、耳元の宝石もその美しい顔を引き立たせていた。
ブロンドの豊かな髪は精巧に高く結い上げられて、気品が匂うがごとき令嬢ぶりであった。
娘の腕を引くクレリーが得意満面だったのは言うまでもない。
彼らの少し後ろでは、どこか不服そうな面持ちのスコットが続いていた。

それから少しして、黒い礼服に身を包んだモーリがエレノアを伴って現れた時も、
シーラの時と同様、人々は同様にざわめいた。
どちらも黒い装いに長身を包み、吸血鬼ならではの妖しい美しさや色気を放っていた。
黒いマントをたなびかせ、黒いタキシードをまとい、白の蝶ネクタイに、白い手袋、
そして血のようなルビーのブローチをつけたモーリ。
黒い巻毛を垂らしたエレノアは、胸元の大きく開いた黒いドレス姿で、
先端に大きなルビーのついた真珠の長い首飾りをつけていた。
青白いまでの肌の白さが黒に映え、シーラとは別の、独特の美しさ…。
あたかも黒いダイヤモンドか黒真珠のような圧倒的な二人の美しさに人々は魅了された。
腕を組んで仲睦まじそうに登場した二人を遠くで見つめていたシーラまでもが、
同族同士の二人の間には入りこめないような印象を持ってしまった。
682運命の出会い23:03/09/15 17:55 ID:N7LfYzwx
(モーリ…!)シーラは心の中で愛しい人の名を何度も呼んだ。
あの人の逞しい体が私の中を貫いた感じがまだ残ってる…。
昨夜はあんなに熱く激しかったモーリなのに、今は冷静そのもののように見える…。
ベッドの中で笑い合って、何度も愛を囁きながらキスをしてきたモーリが、今は他人のようによそよそしい…。
私はここにいるのに、こっちを見ようともしない。でも―それも仕方ないわね…
こんな公の場で、私たちが恋人同士だと宣言する訳にはいかないもの。
シーラはそんなことを思いながら、男らしさに溢れる愛しいモーリの姿をただひたすら目で追った。
彼が他の女性と踊り、談笑し、お酒を乾杯する姿を―。
あまりに切なくて、いつしかシーラの瞳から涙が流れ出した―
何故かエレノアこそがモーリの相手にふさわしく、自分は部外者のような気がしてきた。
彼女と一緒に来るなんて一言も言ってなかったのに…
もしかしたら、モーリは私のことなんか…胸の奥底に生じたそんな疑惑がシーラを襲った。
エレノアにも、私にしたようなことをしているのかしらと思うと、つらくて仕方なかった。

これ以上、モーリがエレノアと一緒にいる姿を見ているのにいたたまれなくなったシーラは、
人で一杯の大広間から廊下へと抜ける。
誰もいない静かな廊下でしばし乱れた心を落ち着けていると、女性の声がした。
「あなた…!いつかの…!」
振り返ると、エレノアが信じられないといった表情で背後に立っていた。
今一番会いたくない相手だ。

683モーリ&シーラ作者:03/09/15 18:00 ID:N7LfYzwx
やはり長いですね・・・
今日はここまでです。あとどれくらいになるんでしょうか。
私自身もよく分からなかったりして。

でもこれを書き終えたら、もう妄想の泉が枯れてしまいそー。
うーん・・・困った。
684名無しさん@ピンキー:03/09/17 14:45 ID:jMSkXYKb
シーラたん…(´Д⊂ヽ
大人な雰囲気の物語(・∀・)イイ!!上手いです。
妄想の泉が枯れ果てるくらい濃いの待ってます!
685身分の差1:03/09/17 20:59 ID:MlBaICwl
いつもの待ち合わせ場所。
いつもどおり俊は5分前に着いた。
そこのベンチにはいつも通りじゃない人物がいつもどおりでない
表情で座っている。
 蘭世はいつも待ち合わせより5分ほど遅れて息を切らせて走って
くる。それなのに長いこと座っているように、物思いにふけながら
黒髪でその表情が伺えないほど、下を向いて座っていた。
 おもわず俊は声を掛けそびれ、ゆっくりと近づいていくが、
考え事に集中している蘭世は気が付かない。
 無意識に蘭世の意識に合わせていたようだ。蘭世の思考が
俊に流れてきた。
〈真壁君、私とさよならすることになったら、追いかけてくれるかしら・・・〉
俊は心臓をわしづかみにされたように、動悸が止まらなくなった。
『蘭世が自分との別れを考えている』
夢にもおもわなかった事実。蘭世までの距離あと数歩で俊の足が止まった。
686身分の差2:03/09/17 21:00 ID:MlBaICwl
蘭世が時計を見ようと、ふっと顔を上げたとき、俊が自分のすぐ
側にいることに気が付いた。
普段通り俊に笑いかけようとした蘭世は俊の表情に気が付く。
〈真壁君、泣いてるの・・・?〉
初めてみた表情。魂がぬけたような表情、悲しみのどん底につきおとされたような表情。
「真壁君!!」
蘭世の呼びかけに、抜けた魂はもどってきたのか
俊はゆっくり口を開く。
「(オレのことが)イヤになったのか?」
蘭世は、思考を読まれていたことがわからず、俊の言葉の意味がわからない。
「真壁君、どうしたの?」

「だれか好きな奴でもできたのか・・・?」

その俊の言葉で読まれた思考が分かった蘭世。
ちょっと涙ぐみながら、
「私も好きな人は、真壁君よ。しらなかったの?」
と、にっこり笑った。
その笑顔に心がとかされる俊。
〈じゃあ、さっきの思考はなんだったんだ〉
やっとそこに気がついたのは、数分たってからだった。
687身分の差3:03/09/17 21:00 ID:MlBaICwl
蘭世の隣に座る俊は、いつものポーカーフェイスでなく、
真っ赤な顔をして、しきりに鼻の頭をかいている。
となりで俊にもたれかかる蘭世。いつもは恥ずかしがって
イヤがる俊だが、今日はそれすらもうれしい。
ゆっくり俊が口を開く。
「なんであんなこと考えてたんだよ」
ちょっとだけ怒ったような口調が蘭世をほころばせる。

でも、その理由を説明しようと考えを巡らせる蘭世の表情は
さっきのかげりを見せはじめた。
「・・・おじいさまが、私にお見合いをさせようとしているの・・・」
いいにくそうにつぶやいた。
「はっ?あの女好きのか?」
俊は、さっきのショックから立ち直ったのか、いつも通りの
冷静さで話を進めている。
「ううん、お母さんの方の。私今日初めて会ったの。お母さん達
駆け落ち結婚で、おじいさま、お父さんのことよく思ってないみたいで
魔界からは許されたらしいんだけど、おじいさまは絶対に会おうとしなかった
んだって。」
俊は望理を思った。あのやさしい望理が椎羅を家族から引き離す
ことを望んでするわけがない。そうしなければ添い遂げられない、
そうせずにはいられない気持ちを思った。
688身分の差4:03/09/17 21:04 ID:MlBaICwl
「それで、なんでお前の見合いなんだ?」
「おじいさまが、私と真壁君のこと聞いたらしくて・・・・。
王子様とおつきあいできる身分じゃないからって・・・
おじいさまが、お母さん達の結婚に反対したのは、異種族間だかららしいの。
魔界の身分って、生まれもそうなんだけど、能力が強いか弱いかって
いうことが大きいらしくて。私のように、両親の能力の半々な者は、
魔界でもかなり下の身分になるそうなの。」
〈おじいさまは、真壁君は王子の戯れで私とつき合ってると思っているから・・・〉
言葉にしたくなくて、その部分は口にしなかったが、
俊に流れ込んできてしまった。
〈そんなことあるわけないだろっ!〉
言葉にのせないかわりに、頭をブンブンふった。

「で、お前は見合いするのか?」
俊のその言葉に涙ぐみなだら、頭をふる蘭世。
「したいわけないじゃない!でも・・・」
「でもなんだよ」
蘭世が望理のことを心配しているのはわかっている。
それでも見合いの席になどいかせたくない。
俊は口を開く。
「親父さんはなんていってんだ?」
「お父さんは、なんとか説得するから、家から出てなさいって、
それで、ここに1時間前から座ってたの・・・」
蘭世の頭を引き寄せる俊。
「あほ。」
《俺んちこようってなんでおもわないんだよ》
「ごめんなさい・・・」
俊が心配してくれてるのがうれしくて
でも、申し訳なくて・・・消え入るような声でつぶやいた蘭世。
689このつづき:03/09/17 21:06 ID:MlBaICwl
すいません。このつづきは、もうちょっとしてから書き込みます。
690名無しさん@ピンキー:03/09/18 00:03 ID:zIxsOt04
あああ、待ってます!待ってます!!
691名無しさん@ピンキー:03/09/18 00:58 ID:0FWdH1uK
続き待ってます!楽しみ!
692このつづき:03/09/18 12:37 ID:ab2IjLvJ
すみません×2。つづきは夜仕事から帰ってきていれます。
693名無しさん@ピンキー:03/09/18 14:45 ID:0FWdH1uK
待ってるよー!!
694揺れる想い1:03/09/20 23:07 ID:hWbeSy3S
ゾーンとの戦いも終わり、平和な日々が続いていた。
高校も卒業し、俊はプロボクサーとして着々と自分の夢を叶えていく。

「私の夢って何かなぁー 私、何したいのかなぁー」
ため息混じりにつぶやく
「あんたの夢は真壁君のお嫁さんになることでしょ?」
かえでちゃんがなーにいってんだかって顔で蘭世を見た。
「私ってやっぱそう?それしかない?」
「はいー!?」
蘭世は独り言のようにぶつぶつつぶやいた。
昨日の事を思い出しながら……

昨夜俊のアパートにお弁当を届けに行くと
俊の部屋の灯りが点いていた。
(やったー!真壁君今日バイト早かったんだー)
蘭世はうきうきしながら俊を驚かそうと思いそーと部屋の前まで行くと
中から話し声がした。
(あれ?誰かいる。あっ日野君だ)
「真壁―おまえらいつ結婚するんだ?」
二人はお酒を飲んでいるみたいで結構酔っ払いの声になっていた。
(ひ、日野君、いきなりそんな確信に触れるなんて…くっうー)
蘭世は一人ドアの前で真っ赤になりながら悶えていた。
(聞いちゃいけない これじゃ盗み聞きだ でも…聞きたーい)
結局甘い誘惑に負けて聞くことにした
蘭世はこの手の誘惑にはめっぽう弱いのだ (笑)
「うーんそのうちなぁ」
俊は答えるのもめんどくさいって感じで言った。
「なんだよ、その冷めた言い方、まぁ照れ屋な俊君だからしょうがないかぁ」
日野は俊をからかうように言った。
「るっせーそんなんじゃねぇよ!!」
「じゃぁなんだよ!」
俊はチョット考えてから日野を見ずに言った。
695揺れる想い2:03/09/20 23:10 ID:hWbeSy3S
「あいつさー俺ばっかじゃん…」
「なんだよ、のろけかよ!」
「はぁ」
俊はため息をついた。
その姿を見て日野はまじめに話を聞き始めた
「このままでいいのかなぁって…あいつの人生俺だけで
終わっていいのかなぁって…そんなに俺大事?って思うんだよなぁ…最近…」
俊は酔っているからってこんな事を言っている自分に罪悪感を感じて
「うそ!なんでもねぇ、今の忘れろ!!」
そういって畳の上に転がった。
(何それ?真壁君…何言ってるの?)
「そりゃーお前…江藤の事、重荷なんじゃないか?」
「!!」
(ウソ!!)
「まぁ ああまで真っ直ぐ向かってこられちゃ、逃げたくもなるよなぁ」
「………」
俊は答えなかった。
蘭世はこれ以上話を聞く勇気がなくその場を離れた。
696揺れる想い3:03/09/20 23:22 ID:hWbeSy3S
「私、真壁君の重荷になってるのかなぁ?」
「蘭世?」
蘭世の目には涙がいっぱいで今にも溢れそうになっていた。
「何言ってんのよ!そんなことないよ…」
蘭世は弱々しく笑い
「そうだよね…エヘッ…ごめん…考えすぎ」
蘭世はかえでと別れその足で本屋に行った。
自分がこれから出来ること…自分一人でも大丈夫にならなきゃ!
俊の重荷にだけはなりたくなかった。
蘭世は今、家事手伝いで仕事は持っていない
(まず、仕事を探そう!!)
右手に就職情報誌を持ち、左手で小さくガッツポーズをして家に帰った。
いろいろ悩んだ結果、小さな出版社に就職が決まった。
新しい生活…仕事はやることすべてが新鮮で楽しかった…でも…
あの日以来、俊と連絡を取っていなかった。
自分から俊に連絡するのはやめようと決意した蘭世だが
俊からも連絡がなくかなり落ち込む毎日だった。
(やっぱり嫌われちゃったんだ…まさか1ヶ月も連絡してくれないなんて…)
そんなある日、蘭世が仕事で先輩社員と外を回っている時、俊と久々の再会をした。
「おっ!…元気か?」
「う、うん…真壁君は?」
蘭世は突然で声がうわずり、かなり緊張していた。
「あぁ、相変わらずだ…」
何をはなしていいのか…話したいことはいっぱいあるはずなのに…
蘭世は俯いてしまった。
697揺れる想い4:03/09/20 23:34 ID:hWbeSy3S
「江藤、行くよ!!」
先に車に乗って待っていた先輩社員の紺野が車から
顔を出して蘭世を呼んだ。
「あっ!今行きます。…じゃぁ真壁君、急いでるから行くね」
「あぁ…」
蘭世は後ろ髪を思いっきり引かれる思いで車に向かった。
なんだか惨めで、悲しくて、寂しくて、涙が溢れてきそうだった。
俊は、蘭世の後ろ姿を見つめていた。
しばらく車で走ると、紺野が車を止めて蘭世の顔見ずに言った。
「このままドライブしようか?」
蘭世はびっくりした。なぜなら紺野は仕事の鬼と言われるほど
仕事熱心で、どちらかというと、冷たい感じの人だったからだ。
「何だよその顔、俺だってたまにはサボりたい時があるんだよ!」
チョット照れたような怒った顔、
そんな紺野を見ていたら気が緩んで涙が後から後から
とめどなく流れ出てきた。
「ご、ごめんなさ…ヒック…」
「誰も見てねぇよ、気が済むまでそうしてろ…」
紺野はそっぽを向きながら、優しく蘭世を肩で抱いた。
しばらく泣いてわれに返った蘭世は顔を真っ赤にして
紺野から離れた。
「紺野さん、本当にごめんなさい…私…」
「海でも行くかぁ」
紺野は出会ってから初めて笑顔を見せた。
698揺れる想い5:03/09/20 23:42 ID:hWbeSy3S
海に着くと紺野は少年のようにはしゃぎまわっていた。
「今日は驚くことばかり…紺野さんがこんなに…フフ…」
蘭世は笑いだして気づいた。
(私、久しぶりだなぁ、こんな風に笑うのって)
「なんだよ!!俺がどうなんだよ!!」
ちょっと怒った感じで蘭世に迫った。
「ごめんなさい、でも思っていた紺野さんとは全然違ってたから」
本当にそうだった。紺野がこんなによく笑って、羽目をはずす人だとは
思いもしなかった。暗く落ち込んでいた気持ちがかなり軽くなって
自然に笑いがでてしまう。
「どんなイメージだよ!っとによ」
「へッへー…教えてあーげない」
二人は昔っからそうしていたかのようにはしゃいだ。
「遅くなっちまったな」
「うん、でも楽しかった。今日は本当にありがとう」
「いーえ!…また行こうな」
「うん!」
車は蘭世の家の前で止まった。蘭世がお礼を言って
降りようとすると、突然体が引っ張られ視界が暗くなり
唇に熱を感じた。
699揺れる想い6:03/09/20 23:45 ID:hWbeSy3S
「………」
「じゃぁな、また明日、会えたらな!」
紺野は意味ありげに微笑むと車を走らせた。
(な、なに???///)
蘭世はパニックになりそのまま立ちつくしていた。
(ま、真壁君―どうしようー?わっ、私…)
「どうすんだよ」(怒)
ビック!!後ろから声がしてそうと振り返ると
「ま、真壁君……」
そこにはかなり不機嫌な顔した俊が立っていた。
「い、いつから…そこに?」
震える声でおそるおそる聞くと
当然といった顔で
「お前が車を降りる前から…」
奈落の底に突き落とされた…
(もう…ダメだ…立ち直れない…)
蘭世はボロボロ泣き出し
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
(こっちの方が立ち直れねぇっつーの!)
俊は無言で蘭世を見た。
「うぅ…本当にごめんなさい…でも、信じて…私…突然で…
こんなことになるなんて思わなくて…」
(あぁ、なんて言ったらいいの…上手く言えない…信じてくれるわけないよね
本当にバカだな…私…)
「信じられるように言い訳しろよ!」
俊は蘭世の気持ちを読んで蘭世にその気がなかった事は
わかったが、本人の口から聞きたかった。
700揺れる想い7:03/09/20 23:48 ID:hWbeSy3S
蘭世はどうにか俊に信じてもらいたく祈るように話し始めた
「あ、あのさっきの人は紺野さんっていって、仕事先の先輩で…」
俊はびっくりしていた。
「はぁ?仕事先って、お前仕事してるの?」
「…うん…」
蘭世は上目遣いで俊を見ながら今日あった事を言った。
「で、なんで俺に会って泣くわけ?」
「だ、だって、久しぶりにあったのに…真壁君、全然平気そうなんだもん…」
(私の存在って本当にないに等しいんだ…)
「………」
「全然連絡くれないし…」
(ダメ!…これ以上話すと、また重荷になっちゃう…)
「!!」
「遅いから…帰るね…」
蘭世が走り去ろうすると腕をつかまれ、怒った顔の俊が前に立ち
はだかった。
「真壁君…痛い…腕…」
「お前…あの時いたのか?」
蘭世は思い出したくない記憶がフラッシュバックした。
「…ふぅ、いたんだな!」
俊はため息まじりに言った。
「私、大丈夫だから!ちゃんと自立するから!真壁君に迷惑かけないようにする。
重荷にならないようにする。だから、心配しないで…」
蘭世は早口でまくしたてた。
この場にいたくなっかた。俊の前から消えてなくなりたかった。
こんな惨めな自分を俊に見られたくなかった。
701ペック:03/09/20 23:53 ID:hWbeSy3S
今日はここまでです。
続きがんばります。
702名無しさん@ピンキー:03/09/20 23:55 ID:QheX8Yp/
乙華麗!
タイムリーで読めたの初めてだからか、何回更新ボタン押したか分からなかったよ。
続き楽しみにしてまつー。
703身分の差5:03/09/21 03:03 ID:+MVifAwu
「いくぞ」
俊が意を決したように立ち上がった。
蘭世の手をしっかりにぎっていた。
蘭世ははじかれたように顔をあげる。
「えっ?どこに?」
「お前んち」
「えっ?え〜〜〜〜っ?だめよっ!だって・・・」
蘭世は困惑気味だ。
今いけば、祖父と鉢合わせしてしまう。
俊はそんな蘭世を意に介してないように
ずんずんと進む。

そのころの江藤家。
「お父様は蘭世に私のような思いをしろとおっしゃるんですか?」
シーラは父を止めようと必死だ。
そんなシーラを無視し、モーリの目を見ながら言い放った。
「お前がうちの娘を寝取ったりするから、孫娘は自由な恋愛もできんようになるんじゃ!
王子とつきあってるだと?バカもやすみやすみいえ!!遊ばれてるにきまってるじゃろ〜が!
蘭世のように力の弱い魔界人が王家に入ってみろ。王家の血が薄まるだろうが。
どうしてお前達はまわりから反対される前に娘を止めてやらんのだ!
それが親の務めってもんだろう!!!」
704身分の差6:03/09/21 03:05 ID:+MVifAwu
シーラの父は一気にまくし立てた。
初めて会った蘭世にシーラの若かりし頃の面影をみた
蘭世の祖父は、孫娘に愛情を持つようになっていた。
それがあらぬ方向に暴走したのだった。
モーリは、娘をもつ父親の立場として、義父の暴走を否定できなかった。
孫娘がいかに王子と愛し合っているか、近況を知り得ないほど
祖父と孫娘を離れさせてしまった原因は自分にあるのだから。
無言のモーリをにらみながら言葉を続ける。
「蘭世のいいなづけはワシが見つける。あの子が傷つくまえにワシが阻止してみせる」
祖父がそう叫んだ時、江藤家のリビングのドアが開いた。
俊と蘭世が入ってきたのだ。
俊の顔をみた祖父は冷静さを取り戻した。
毅然とした表情で俊に話しかける。
「あなたは俊王子ですね・・・。私は狼人間村の村長をしております、
シーラの父のビィンセント=クレリーと申します。孫娘がお世話になっているようで・・・」
ビィンセントはそのままの表情で話を続ける。
「あなた様は人間界でお育ちだそうで、魔界の仕組みをよくご存じない。
後で傷つくのは孫娘なのです。お戯れはやめていただきたい。」
俊はそんなビィンセントは真っ直ぐな視線で見据えている。
ビィンセントも負けじと視線をはずさない。
ビィンセントは長年、力が弱まることを理由に
引き裂かれた王家の人間を見てきたのだ。
そんな二人の視線の対決に、蘭世はいたたまれなくなり
口を挟む。
「おじいさま、もうやめて。真壁くんにそんなこといわないで。
私が好きなんだもの。王子様だろうとそうじゃなかろうと好きなんだもの。
どうしていけないの?」
705身分の差7:03/09/21 03:06 ID:+MVifAwu
俊は目はビィンセントからはずさずに、涙をながして
祖父に懇願する蘭世の肩をやさしく抱いた。
まるで祖父から守るように。

俊はゆっくりと言葉をはき出す。
「あなたと二人だけでお話がしたい。どうですか?」
「依存はございません」
クレリー家の当主として、望むところだといわんばかりに
承諾した。いくら王子といえどもこんな若造に言い負かされる気はない。

ビィンセントと俊は江藤家の客間にいた。
「おすわりください」
年長者らしくビィンセントがリードをとる。
「王子はわたくしめにどのようなお話があると?」
挑戦するような視線で話を進める。
「あなたがどんなに反対しようとも俺はさらっていきます」
ビィンセントの目が大きく開かれた。
「あなた様はわかっておられないようですな。
あなたが蘭世と戯れで一緒にいるわけでないことはわかりました。
しかし、あなたと蘭世は一緒になることは不可能だ。
あなたはご自分の力がどれほど強力かわかっておいでですね。
蘭世の血が入ることで、その子孫はあなたの力を引き継げないでしょう。
王家が蘭世との結婚を承諾するわけはありません。
私は祖父として、後で孫娘が傷つく姿を見たくない。
あなたとの関係は断固反対いたします。
そもそもこんなことになったのも、モーリとシーラが身分不相応な
結婚をしたばかりに・・・・」

706身分の差8:03/09/21 03:08 ID:+MVifAwu
俊はどんな言葉をきいても冷静だった。
心が波立つことはない。だいぶ前から心は決まっていたのだから。
静かにビィンセントの目をみて語り出した。
「あなたは、江藤のおふくろさんがどんなに親父さんを愛してるかしっている
でしょう。どんなに幸せなのかも。娘を採られた寂しさから、
目を背けようとしているんだ。
おれは、だれに反対されようが、江藤をさらっていきます。
そのことで家族から離してしまうかもしれない。
魔界から離れなければならないかもしれない。
昔俺は江藤を幸せにする自信がなくて逃げたことがありました。
でも今は違う。俺はさらっていきます。」


俊はモーリのことをいっている。
シーラを家族から引きはがしたことをビィンセントは
どうしても許せなかった。
でもそれは揺るぎない自信があったからだと。
現にシーラは満ち足りた表情をしている。
魔界にいた時とは比べものにならない。
父の目からみてもあきらかだった。

ビィンセントはゆっくりと立ち上がった。
「老いぼれにすることは残ってなかったらしい・・・」
そういって、ドアを開けた。
ドアの前には、モーリが立っていた。


707身分の差9:03/09/21 03:09 ID:+MVifAwu
ビィンセントはまっすぐに見て、
「大切な娘さんをうばっていったことをお詫びします。
また、シーラと蘭世に会いにきてやってください。
あなたが蘭世のことを想ってやった行動だと
蘭世にも伝わっています」

ビィンセントはなにもいわず立ち去った。

魔界に戻ったビィンセントに妻が話しかける。
「どうでした?シーラや蘭世は幸せにくらしてましたか?」
「ああ。うちの一族の女どもは男をみる目はあるらしい」
「まあ。ふふふ」
蘭世の祖母は幸せそうに笑った。
 
708身分の差作者:03/09/21 03:11 ID:+MVifAwu
ずいぶんまたせてこんなできでごめんなさい・・・。
ペック様、続き楽しみにしてます。
709身分の差作者:03/09/21 13:47 ID:+MVifAwu
訂正:
707 身分の差9
「ビィンセントはまっすぐにみて」
   ↓
「ビィンセントをまっすぐにみて」
の間違いです。

ちなみにイメージは「ヴィンセント=ヴァン=ゴッフォ」です。
710モーリ&シーラ作者:03/09/21 17:54 ID:z3m0aJA4
身分の差作者さん。とってもよかったです。
そっか。シーラの父をヴィンセント・クレリーと名づけましたか。
いい名前ですね。そんで頑固だけど根はいいおじい様って感じ。
(私が今書いてるシーラのお父さんは悪役っぽくなっちゃたけど・・・)
原作で名前が決まられてないと、何て名づけようか考えちゃいますよね。
特に私の場合はシーラの婚約者。

では、運命の出会いの続きいきます。
711運命の出会い24:03/09/21 17:56 ID:z3m0aJA4
「…エレノアさん…!」
「確か、シーラさんといったわね。あなたこんな所で何しているの?」
「―私もこのパーティーに招待されているの」
「あなた一体何者なの?…吸血鬼村の人間ではないでしょ?」
「…ええ、狼人間よ」
「―ああ、分かったわ。クレリー家のシーラね。噂には聞いてるわよ、自分の婚約者を
捨ててまでも王様のお妃になろうっていう野心家だって」
「!」心ない言葉に怒りを覚えるシーラ。
「私なら、何があっても自分の婚約者をそんな風には扱わないわ」
エレノアは自身たっぷりといった感じで言葉を続けた。
「そう、私今日はモーリと一緒に来ているのよ。覚えてるでしょ、私の婚約者」
モーリ、と聞いてシーラの顔がパッと赤くなったのをエレノアは見逃さなかった。
(何かある…この娘、モーリのことを…?)
「私たち、もうじき結婚するの。もう日取りも決めてあるわ、1週間後よ―」
(そんなっ、嘘よっ…!!)シーラは心の中で声にならない悲鳴を上げる。
「あなたもご招待するわよ、シーラさん。また吸血鬼の集いにいらっしゃいな―。
もっとも、あなたがお妃になっていなかったらの話だけど。お妃様なんて恐れ多くて呼べやしないもの―」
シーラは気づくとエレノアを残して、その場を走り去っていた。
果てしなく長いお城の廊下を、どこへ行くとも知れずに走り抜けていると、誰かに勢いよくぶつかってしまった。
顔を上げると、その誰かとは他でもないモーリだった―
712運命の出会い25:03/09/21 17:58 ID:z3m0aJA4
「モーリ…!」
「シーラ!…ああ、やっと二人きりになれた―」
シーラを優しく抱き寄せる。
「とても綺麗だ、シーラ…。もちろん君が綺麗なのは知っていたが、今日は格別に美しいよ」
そう囁いて口付けたモーリだったが、いつものようにシーラがキスを返してこないのに気づく。
「シーラ…どうしたんだ?泣いてるのかい?」
シーラの震える顎を持ち上げて、涙に濡れたその青い瞳を覗き込んだ。
モーリの指を顎から取り払い、その腕の中から逃れるシーラ。
「もう…やめて…」
「シーラ?」
「―今さっき、エレノアさんから聞いたわ、あなたと1週間後に結婚するって…」
大粒の涙がその白い頬を伝う。
モーリが口を開こうとした瞬間、二人の傍らに濃い霧が立ち込め、その中から
膝まである白いマント姿の男が姿を現した。顔色も、逆立ったような髪の毛も異様なほど白い。
「きゃっ…」思わずモーリにしがみ付く。
「シーラ様、こんな所においででしたか。探しましたぞ」白いマントの男が口を開いた。
「―あの、どなた…?」
「わたくしは王様の側近をしておりますサンドと申す者です。さあ皆と一緒に大広間にお集まり下さい。
これより王様がお出ましになられます」
サンドは抱き合う二人の様子をまじまじと見やった。
「…ええ、分かったわ―」いぶかしがるようなサンドの視線を感じ、モーリの腕を解きながら言う。
彼の顔を直視できず、視線は彼の胸元に落としたまま―。
「エレノアさんなら、この先の廊下にいるはずよ。あなたは彼女をお探しだったんでしょう?」
「―シーラ!私を信じてくれ…!」
モーリの悲痛の叫び声を背中に感じながら、無言でサンドに続いて歩き出すシーラ。
しばらく歩いた後、気まずそうにサンドが小声で言う。
「…先ほどの殿方は、確かモーリ・エトゥール様ですな。…よろしかったので?」
「―ええ、もういいのよ」
シーラは自分が嘘つきだと思った。本当はあのままモーリの暖かい腕の中でいつまでも抱かれていたかった。
彼の顔を間近で見つめて、彼の甘いキスを受けていたかったのに…。
彼を深く深く愛していることに今更ながら気付く―
713運命の出会い26:03/09/21 17:59 ID:z3m0aJA4
その頃、一人残されたモーリは誰もいない廊下の先にエレノアの姿を見た。
「モーリ、ごめんなさい。私を探しに来てくれたの?」
艶やかな笑顔を浮かべてエレノアが近づいてくる。
「エレノア…君に話があるんだ」
「何なの、話って…」
モーリの首に両腕を絡ませ、唇を合わせる―
「―エレノア!やめてくれ」
エレノアの腕を振り解き、顔を離すモーリ。
「どうしたの…?」
「―私は…君とは結婚できない」
「―何ですって…?」顔面蒼白のエレノアがモーリの顔を凝視する。「モーリ…なぜ?」
「別の女性を愛している―私は…シーラという女性を愛しているんだ」
「シーラですって?まさかあの狼女なんかとっ…!」
モーリは黙ってエレノアの顔を見た。
「ばかな考えはよして、モーリ。吸血鬼同士の方がうまくいくに決まってるわ。
異種族の彼女には、一生あなたを理解できないわ―絶対…!」
「―確かに君の言う通りかも知れない。だが…私に分かっているのは―私は、
シーラと一緒に生きていきたいということだけだ」
モーリはかみしめるように静かに言った。
エレノアの片手が宙を舞い、モーリの頬を引っ叩く音が鋭く響く。「―ひどい人!!」
「…きっと、いつか君にも分かってもらえると思う。勝手なようだが―これで良かったんだと思えるようになるよ。
―君のお父上には何とでも言ってくれ」
モーリの顔をゆっくりと見据えた後、エレノアはくるりと背を向けて去って行った…。
(これですべてが終わるなんて思わないことね…!)
その目には強い憎悪が宿っていた…。
714運命の出会い27:03/09/21 18:01 ID:z3m0aJA4
場面は変わって大広間―招かれた魔界中の紳士・淑女が王レドルフの登場を今か今かと待っている。
その中にはサンドから連れ戻されたシーラや、その反対側の列にはモーリの両親もいる。
モーリの母オリヴィアは、並み居る令嬢の中でも目立って美しいシーラの姿にすぐ気付いたが、悲しそうなその顔を見て
密かに心配した。彼女のあの生き生きとした表情が失われているのは、何か息子のことと関係があるのだろうか。
(モーリは一体何をしているのかしら…)オリヴィアは姿の見えない息子を探した―

しばらくして、盛大なファンファーレが鳴り響き、宝石のはめ込まれた荘厳なドアが開き放たれると、
王が皆の前に姿を現した。頭上には王家の紋章入りの黄金の冠、緋色に輝く立派なマント…。
王家に代々伝わるという指輪がきらめく。威厳ある王の姿に人々は恐れ入り、深々と頭を下げた。
そして王の後ろには、王家直属の大魔女メヴィウスが控えていた。王は誰よりもこのメヴィウスの言うことには
必ず耳を傾ける、と評判だった。滅多に人々の前に姿を現さないというメヴィウス。
もさもさした白い髪、半透明のベールで顔の下半分を隠し、小柄な体に深い森のような色のマントを着ている。
その深い皺の刻まれた痩せた顔の中で、高い鷲鼻と鋭い光を放つ目が目立ち、人々を震え上がらせた。
磨き上げられた大理石の床を王がゆっくりと歩く音がコツコツと響く―ふとその足音が止まった…シーラの前で足を止めたのだ。
「娘…名を申せ」
ゆっくりと顔を上げるシーラ。
「―シーラ・クレリーと申します」
はっきりとした口調でシーラは答えた。その表情は媚を売るわけでもなく、ただ王の顔を
無感動に見据えていただけだった。怯えのない彼女の表情に感銘を受けたかのように、その場に立ち尽くす
レドルフの後ろでは、メヴィウスの目が一段と鋭く光り、シーラを穴のあくほど見つめていた…。
715運命の出会い28:03/09/21 18:03 ID:z3m0aJA4
しばらくして王はそのまま歩みを続け、王座に座った。
王の手の合図と共に音楽が奏でられ、息の詰まるような静寂が破かれた。
皆が踊る様子を見ながら、傍らに控えるメヴィウスに聞く。
「さっきの娘…シーラと言ったな、あれはどうだ」
「―王様、恐れながら…あの娘は王の妃にはふさわしくないかと―」
「メヴィウス、何を申す」
「確かに美しい娘じゃが、あの美しさの訳をお知りになりたいか?」
王は無言のままメヴィウスを凝視し、その言葉を待った…。

ちょうどその頃、大広間からバルコニーに出たオリヴィアは、そこで息子が手すりに掴まりながら
下を見下ろしているのを見つけた。
「モーリ!あなたこんな所にいたの?探したのよ!」
「どうかしたんですか、お母様。興奮気味のようですが…」モーリの表情もシーラと同様、力無げだった。
「そりゃ興奮しますよ。今、あなたのお嬢さんが王様に声をかけられてたんですから」
「シーラがっ!?」
「ええ。大勢いる娘達の中でたった一人だけ…」
そこにモーリの父アーサーが憤然とした表情で現れた―
「モーリ!今、ターナー家からお前とエレノアの婚約を破棄したいという申し出があったぞ!」
「―そうですか…」
「何でもお前、エレノアをさしおいてシーラとか言う異種族の娘にうつつを抜かしているというではないか!
エレノアの何が不満なのだ?」
「お父様。愛のない結婚はエレノアまでも不幸にしてしまう―」
「何を言っているんだ、モーリ。そのシーラとやらは愛人にでもしておけばいい。
お前はエレノアと結婚するのだ。詫びをいれろ、今からでも遅くはない」
「やめて下さい。私はそんな偽りの生活はしたくない。エレノアには私の正直な気持ちを話してあります。
今はまだ無理でも、いずれ分かってくれると信じてします。お父様、あなたも―」
「モーリ!」アーサーの顔に絶望の表情が浮かぶ。
「―お父様…老け込むにはまだ早過ぎますよ。私とシーラのことは心配しないで。
どこかで幸せに暮らしていきます
716運命の出会い29:03/09/21 18:05 ID:z3m0aJA4
モーリは母親に向き合った。
「モーリ…自分のしたいようにおやりなさいな。私はシーラと一緒にいる時のお前の顔の方がいいわ。
エレノアと一緒の時よりもね」
「お母様。お父様のこと頼みますよ。口には出してないけど、寂しがっていたはずです」
「…ええ分かったわ。私たちのことは心配いらないわ」
モーリは母の手を取ってそっと口付けると、シーラを探しにバルコニーを出ていった。

「愛に生きる…か。さすがはわしの孫だな」
アーサーとオリヴィアが振り向くと、トーマスが腕組みをして立っていた。
「お父様…!いつのまに」
「わしが言うのも何だがね、そう簡単に出来るもんじゃないぞ―誉めてやれ、アーサー」
「何を呑気なことを!モーリがああなったのもお父様の影響ですよ、まったく!」
「ふん、何とでも言い給え。ま、当分の間お前は村長を引退できぬぞ。嬉しい悲鳴ではないか、アーサー」
トーマスは息子の肩をポンっと叩くとレディとダンスを楽しむ為にフロアに戻って行った。
「あなた…モーリのこと、分かってやって下さいな」
オリヴィアは夫の胸に手を優しく置く。アーサーは苦悩の表情のまま、無言でその手を握った。
(無事でいてくれればいいが…)

モーリがシーラを探しに大広間に向かう少し前のこと、シーラの父の元にサンドが訪れた。
「クレリー様、メヴィウス様がお呼びでございます。わたくしが案内いたしますので
付いて来て下さいませ」
サンドの言葉にシーラの父は胸躍った。
シーラが王に見初められたに違いない―何もかも予定通りにことが運んでいるようだ。
ほくそ笑みながら、サンドに付いて行くと小部屋でメヴィウスが待っていた。
しかしその口から発せられたのは思いもよらぬことだった―
717運命の出会い30:03/09/21 18:06 ID:z3m0aJA4
「クレリー殿、残念ながらシーラ殿は失格じゃ」
魔女メヴィウスがシーラの父を真正面から見据えながら、威厳のある調子で言い放った。
思いもよらぬメヴィウスの言葉に我を失う。
「そんなっ!うちの娘のどこがいけないとおっしゃるんですか!?あのように一番美しく、
家柄だって申し分ないはず…!納得がいきませぬぞ!」
「おや、魔界の妃となる者の条件を忘れたのかえ?―まず何よりも、乙女でなくてはならぬのじゃ」
「―メヴィウス殿、おっしゃる意味が分かりませんが…」
「申し上げにくいことじゃが…シーラ殿は既に手折られておる―相手は吸血鬼、と見たがの…」
メヴィウスは不吉な笑みを見せた。
「―何ですって…!?まさかっ、そんなっ―」頭の中が真っ白になる。
「とにかく、わしに言えるのはそれだけじゃ」
メヴィウスが去って行った後も、シーラの父は唖然とした表情のまま立ちつくした。
やがて抑えきれぬ怒りがふつふつと体中から沸いてきて、憤然として小部屋を出て大広間に戻り、
娘を探しに行った。その目はさながら怒り狂う狼そのものだった。
718運命の出会い31:03/09/21 18:11 ID:z3m0aJA4
シーラの父がメヴィウスに呼ばれている間、一人になったシーラは人々の視線が
自分に向けられているのを痛いほど感じた。
さっきの王の行動が人々に強い印象を与えたのか、皆がシーラを好奇や畏怖の混じった面持ちで眺める。
そんな視線に耐えられずに大広間を抜けると、誰かに腕を強く握られて、
気が付いた時には誰もいない小部屋に連れこまれていた。
「きゃあっ、誰っ!?」
「しっ…!」男の声がして、悲鳴を上げたシーラの口がその男の唇でふさがれた。

モーリの声!ああそして、忘れもしないモーリのキス…!
瞳を開けてモーリを確認したシーラはそのまま彼の情熱的なキスに自分も応えた。
長いキスが終わってシーラは吐息をついてモーリを見上げた。
「モーリ!ああっ…!」しがみつく。
「シーラ…。さっきはすまなかった。言いたいことが言えなかった…。エレノアとの婚約は破棄した―。
君を愛してる。私の妻になってくれるかい、シーラ」
「ええ、モーリ。もちろん」
「ああ、よかった。君に拒絶されるんじゃないかと心配だった…君と一緒になれないのなら、
胸に杭に打たれて死んだ方がましだ」
「そんなこと言わないで…私もあなたを愛してるわ、モーリ。あなただけ…!」
愛を誓い、激しく抱擁し、何度も深いキスを交し合う二人の姿を
少し開いたドアの側で見つめる黒い影…。エレノアだった。
ドアを閉めると、廊下を歩いて行った。
719運命の出会い32:03/09/21 18:20 ID:z3m0aJA4
「失礼。あの…ブロンドの髪を結い上げた、青いドレスの女性を見ませんでしたか?
名はシーラというのですが」
廊下でスコットに声をかけられたエレノアは目を吊り上げた。
「シーラ…?ええ、彼女なら知っていますわ」
「お知り合いでしたか。私は彼女のフィアンセなんです」
「あら、そうですの、あなたが…。それで、シーラがどうかしたんですか」
「それが、さっきから探しているんですが、どこにもいなくて―」
「―付いて来て。彼女の居場所を教えてあげるわ」
不吉な笑みを浮かべながら、さっき来た道を後戻りし、モーリとシーラの隠れている小部屋に
スコットを案内する。
気付かれないように静かに少しだけ開かれた隙間から、スコットは中の様子を見入った。

薄暗い部屋だった。シーラの結い上げたブロンドの髪は落ちて腰まで流れ、ドレスを乱しながらモーリの愛撫を受けていた。
モーリの片手はシーラのドレスの中に入って脚の間を刺激しながら、もう片方の手はその乳房を激しく揉んでいる。
シーラはモーリの頬を両手で包むようにしながら、夢中でお互いの舌を絡ませ合っている。
そしてキスの合間から、二人の熱い喘ぎ声が聞こえてくる…。

「あの男…よくも僕のシーラをっ!」
「お待ちなさい。モーリはあなたが勝てる相手ではなくてよ」
スコットの腕を掴んで止めるエレノア。
「さあこれで充分でしょ。あなたの大事な婚約者はね、あなたを裏切って他の男に抱かれてるのよ。
モーリ・エトゥールという吸血鬼にね…」
エレノアはドアを静かに閉めた。
720運命の出会い33:03/09/21 18:23 ID:z3m0aJA4
「何ですって!」スコットの顔は真っ赤になっていた。
「今、怒りに任せてぶつかってみてもどうにもならないわ。…それより私にいい考えがあるの…」
「いい考え?何なんですっ」
「いいこと?彼は吸血鬼…吸血鬼が何に弱いかご存知でしょ?…そう、十字架よ。
あの人に決闘を申込むの。十字架を身に付けた上でね…。戦うのはそれからにしなさい」
エレノアは黒い瞳を光らせて、可笑しそうにクスクス笑った。
「あ、あなたは一体…?」怯えた口調でスコットが聞く。
「―モーリが憎くてたまらないの。あなたと同じよ…」ぞっとするような冷静さでエレノアは呟いた。
一方、スコットはこのドアの向こうの光景が眼に焼き付き、ショックのあまり呆然としていた。
ふと気がつくと、黒いドレスの女性はいつのまにか姿を消していた。
多少気味の悪い気持ちがしたものの、スコットは彼女に言われた通りに城の家臣から十字架を集めた。

しばらくして大広間に戻ると、シーラの父がただならぬ様子でスコットに聞いた。
「スコット殿!シーラはどこに行ったのだ!?どこにもいないぞ!」
「シーラなら、その…具合が悪くなって小部屋で休んでいます。こっちです」
シーラの父を小部屋まで案内してドアを開けると、スコットは姿を消した。

「シーラ!そこにいるのかっ?」シーラの父の切迫した声が聞こえる。
「父よ!私を探しに来たみたい」小声で囁く。
「シーラ、だめだ!もう二度と君を離さない」出て行こうとするシーラの腕をつかむ。
「―いいのモーリ。この場は私一人で行くわ。…あなたを信じてる。さあ隠れて」
シーラはドレスの乱れを直して、ドアの方へ向かっていった。
721運命の出会い34:03/09/21 18:24 ID:z3m0aJA4
途端にシーラの父は力一杯シーラの手を引っ張って、城の出口に向かう。
「シーラ!家に帰るぞ!」
「お父様、一体どうしたんですかっ?」
「恥ずかしくて、この城にいられるか!お前では王妃になれぬと、メヴィウスから言われたのだ!」
シーラの腕を掴みながら、大階段を駆け降りる。
「理由は分かるか!?シーラ、お前が…こともあろうに、吸血鬼に体を許したからだと言うではないかっ!?」
「お父様!どうしてそれを―」
さっきモーリの姿は見られなかったはずなのに…!
「では、本当なんだなっ!」
「…そうですわ、でも何もやましいことなんかありません、私たちは愛し合っているんですもの!」
「ええい、だまれっ!お前は…わしの顔に泥を塗りおって…!王妃になる件も…何もかも
台無しになってしまったんだぞ、分かってるのか!」
「元より私は王妃になんてなる気もなかったわ、それにスコットとの結婚だってお断りよ」
「親不孝者めがっ!頭を冷やせ、シーラ!」シーラの頬を平手で叩く。
「私は自分のしてることは十分分かってるわ。お父様こそいい加減にしてちょうだい…!」
「調子に乗るな!お前を手込めにした吸血鬼はどこに隠れている!?名を言え、シーラ」
「―いいえ、言いません!」
「お前が口を割らずとも、クレリー家の名にかけても、何としてでもその男を探し出すからな!」
城の守衛の者に目配せして、出口のドアを開けてもらう。
「お父様―彼に…彼に何をする気…!?」青い顔をしてシーラが喘ぐように言う。
「ふん、大事な娘を汚した男だ。このわしが八つ裂きにしてくれる」
「やめてっ!そんなっ…!!!」悲鳴を上げるシーラ。
「当然の報いであろう」
「―お父様!彼が死んだら、私も死にます!」
「何だと…!シーラ!」クレリーの手がまたシーラの頬をぶとうとしたその時―
722運命の出会い35:03/09/21 18:30 ID:z3m0aJA4
「―彼女に乱暴はよして下さい!お探しの吸血鬼ならここにいます」
モーリの声が突然響く。シーラと父が見上げると、モーリはマントをたなびかせ、階段の上に立っていた。
「モーリ!!」シーラは愛しい人の姿を見つめた。
(モーリ!だめっ、こっちに来ないで!八つ裂きにされてしまうのよっ!!)
シーラは心の中で悲鳴を上げたが、そんな彼女の必死の叫びとは裏腹に、モーリはつかつかと
長い階段を一歩一歩降りてくる―。
「シーラ…」モーリは愛しい彼女の顔を見つめた―
恐怖に怯えるシーラを安心させるように、限りなく優しい瞳で…。
そして怒りに震えるクレリーの方に視線を移す。
「モーリ・エトゥールと申します。―もし、私とシーラが愛し合うのが罪だというのなら、
その裁きは私が受けます。シーラに暴力を振るうのは私が許しません」
「モーリ…!」涙がこみ上げる。
「―ふん…いい度胸をしておるな。だが、そのような大言を吐いていられるのもこれまでだ。
罪を償う、と言ったな。ならば、償ってもらおうか…」
「やめてっ!お父様、私がさっき言ったことは本気よ!私も死ぬわ!」
父の腕を振り払ってモーリの腕の中に駆けこむ。
シーラの髪を撫で、力強く抱きしめながら、そっと囁く。
「大丈夫。君を残して死ねるか」
シーラを抱きしめながら、クレリーの顔を見るモーリの強い眼差しに少しひるんだ時、
スコットの声が聞こえた。
723運命の出会い36:03/09/21 18:33 ID:z3m0aJA4
「クレリー殿!待って下さい。その男と決闘をさせて下さい!」
スコットが二つの剣を持ってやってくる。
「僕のフィアンセを奪った男だ。僕が相手になります!」
「―スコット殿か…。よし、いいだろう。その吸血鬼に勝ったら、明日にでもシーラとの結婚を執り行ってやるぞ」
「ありがとうございます。―エトゥール、どうだ、勝負するな?」
差し出された剣を受取るモーリ。
「―いいでしょう。ただし、私が勝ったら…シーラを自由にさせて下さい」
「モーリ…」蒼白になってモーリの腕に強くしがみ付く。
「心配するな、シーラ。必ず勝つ―その時は、私を選んでくれ。でないと格好がつかないからね…」
シーラの頬に手をやってこう囁きながら、微笑して優しくキスした後、その身を離す。
「さあ、グレイ。外に出よ」その声は落ち着いていた。
城の入り口の前の広場には、何事かと人々が次々に集まってくる。
その中にはモーリの両親やトーマスの姿もあった。
「モーリ!」アーサーの叫び声を聞き、父の方へ向かうモーリ。
マントや上着を無言で父に渡して、上半身は白い絹のシャツ姿になる。

「勝負!!」
かけ声と共に勝負が開始された。一同が固唾を飲んで見守る中、剣がひしめき合う鋭い音が辺りに響く。
シーラは父に押さえつけられていたが、その腕を離して父から離れた所へ逃れる。
スコットは早くも汗だくになって、必死になってモーリに襲いかかるが、そんながむしゃらな攻撃を
モーリはひらりとかわしていた。

724運命の出会い37:03/09/21 18:35 ID:z3m0aJA4
モーリの動きには余裕があったが、それを見ているシーラは気が気でなかった。
「心配なさるな、マドモワゼル。モーリは剣の達人だ―何せこの私が教えたんだから」
シーラがその声の主の方を見ると、見事な白髪を後ろで束ねた長身の紳士が微笑して隣に立っていた。
モーリと同じように黒いマントに身を包み、皺が刻まれているものの整った上品な顔立ち…モーリに少し似ている…。
「―モーリのおじい様…ですか…?」
「いかにも。名はトーマスだ。初めまして」
二人は息を殺して勝負を見守った。
しばらくして、トーマスは孫の異変に気付き始めた。
始めは圧倒的に優勢だったモーリだったが、今は動きに切れがなくなり、スコットに押され気味になっている。
「…どうも、モーリの様子がおかしいぞ。普段のあいつなら、あんな相手何てことないはずなのだが…。
それに何だか見ているこっちまで気分が―」
トーマスは青い顔をしながらも、必死で試合の様子を見守る。
モーリの両親も、異変に気付いたらしい。二人とも苦しそうに冷や汗をかきながら、ハラハラした表情を浮かべている。
一方シーラの父は、勝ち誇ったような顔に余裕の笑みを浮かべていた。
スコットのはだけた首元から、金の鎖が見え隠れするのにトーマスは気付いた。
そしてその先には…大きな十字架!!!
「何とっ、卑怯な!」
「ああっ、十字架を身に付けてるのね…!」
シーラも気付き、胸が張り裂けるような思いだった。
725運命の出会い38:03/09/21 18:37 ID:z3m0aJA4
モーリはスコットの十字架に反応して、息も絶え絶えで苦渋の表情を浮かべている。
モーリの動きが鈍くなったのをいいことに、スコットは攻撃を強める。
ああ、もう見ていられない。顔を両手で覆ったシーラの耳に、トーマスの静かな声が響いた。
「シーラ殿、お顔を上げられよ。いかにつらくとも、あなたは愛する男の戦い様をしっかり見届けねばならぬ…」
「モーリ…!」涙が溢れて視界がぼんやりしている。スコットは、追い詰められて地面に倒れ込んだモーリの胸に
剣先を突き立てて、今にも止めを刺そうとしている所だ―
「モーリ!モーリ!!」シーラは必死で祈った。
(お願い!どうか死なないで、私と一緒に生きて…!!!)
シーラの願いが通じたのか、モーリはスコットの剣をかわして立ちあがった。
最後の力を振り絞って剣を握り締め、スコットに向かう。応戦するスコットの手から剣が投げ飛ばされ、宙を舞った―
モーリの勢いの前に尻もちをつき、恐怖に青ざめた面持ちのスコット。
モーリがゆっくりと近づき、剣を震える彼の首元に突き立てる…。
金色の鎖を剣先で持ち上げ、ブツッという音と共に断ち切ると大きな十字架がきらめきながら宙を舞う。
そしてそれは小さな音を立ててクレリーの足元に落ちた―。
726運命の出会い39:03/09/21 19:12 ID:z3m0aJA4
しばしの沈黙の後、どよめくような人々の歓声が沸きあがった。
モーリは手にしていた剣を落とし、額の汗をぬぐってため息をつくと、シーラの方を見た。
「モーリ!!」シーラが駆けこんでくる。
「シーラ…」シーラを抱き寄せ、その髪を撫でながら、しばらく固く抱き合う―
すると城の塔の天辺にたたずんで自分たちを見下ろしているエレノアの姿を見た…。
(エレノア…君がしたことは許す。お互いに、もう忘れよう―)
エレノアは涙を一筋こぼすと、コウモリに姿を変えて、遠い空の向こうへ飛んで行った…。
その姿を見送った後、シーラの手を取り、口付けながら囁く。
「シーラ…君をさらって行っていいかい」
「モーリ…ええ、どこにでも―」
727運命の出会い40:03/09/21 19:29 ID:z3m0aJA4
二人は手をしっかりと握りながら、シーラの父の前に進んで行った。
「お父様、私はこの人と一緒に生きていくわ。これが私の望みです」
「シーラ…。どうしても行ってしまうのか?」
シーラは無言で頷いた。がっくりとうなだれるクレリー。
「―モーリ、と言ったな。スコットが十字架を隠し持っているとは知らなかったが…
あっぱれな戦いぶりだった…」
モーリはがくっと膝をついたシーラの父を助け起こした。
「シーラのことは幸せにします」と静かに語る。
モーリの両親やトーマスが近づいてきた。
モーリの衣服を渡しながら、固く抱擁しあう父と子。
「モーリ、元気でな。魔界にもシーラと一緒に時々顔を見せてくれ」
「お父様。ええ、いつか必ず―」
「モーリ。人間界にあるエトゥール家の別荘に身を寄せるがいい。海辺の近くの―知っているだろう?」
トーマスが言う。
「実はそのつもりでした、おじい様。魔界に飽きた時には、遊びに来て下さい」
「じゃあね、モーリにシーラ。今度のこと、私の小説に使わせてもらうわね」
オリヴィアの言葉にシーラが赤くなる。
「ええっ、私が棺おけの中に入った時のこともですか?」
「何だ、棺おけの中って?」トーマスが興味ありげに聞く。
「いえ、何でもありません」
モーリは苦笑してシーラを抱き寄せると皆に別れを告げた。
728運命の出会い41:03/09/21 19:37 ID:z3m0aJA4
「メヴィウス。今日はわしの為の祝典であったのに、台無しだ」
レドルフは明らかに面白くなさそうな顔をして、馬車がモーリとシーラを乗せて
魔界城を出発するのを自室の窓から眺めて言った。
「王様、あの二人を引き離すことはならぬ、とわしの水晶は示しておったのじゃ。
いずれこの魔界を救う命が、あの二人から生まれる、とも…」
「何、それは真か?魔界を救うとはどういう意味だ」
「それはまだ分かりませぬが―。あの二人は人間界へ行くものと思われまするが、今後も王様の監視下に
置いた方がいいかと…。人間界と魔界との扉の番人の役目でもお与えになるのが宜しかろう」
メヴィウスは考えこんでいる風のレドルフを見て言葉を続けた。
「王様…それとお妃問題の件ですが、それもすぐ解決するはずじゃ。身近な所に答えがあると水晶は言っておる」
「身近な所?―まさか、自分を売り込んでいるのではあるまいな」
「まさかっ…何をおっしゃるっ!いくら何でも…!」
「―ふん。冗談だ。本気にいたすな」
メヴィウスがずっこけ、サンドが必死に笑いをこらえているところに、若い侍女が酒の盆を持って現れた。
「王様、お酒をお持ちいたしました」
「うむ―」その黒髪の侍女の美しい顔を見た瞬間、レドルフは心奪われた。
「そちの名は…?」
「ターナ・フェリアと申します。今日より王様のお側仕えとして参内いたしました」
レドルフが珍しくポーと顔を赤らめて、ターナを見つめているのをメヴィウスは興味深げに観察した。
(もしかして、これが水晶の言う答えかの・・・?)
こうして魔界の歴史は次世代へと繋がっていくのである―

おわり
729モーリ&シーラ作者:03/09/21 19:42 ID:z3m0aJA4
ようやく終わりました。こんなに長くなってしまうとは
思ってませんでした。すみません。

ところでエレノア・ターナーとターナさんは何の関係も
ありませぬ。同じ黒髪だけどね。
偶然モーリの婚約者に似たような名前を付けてしまって、
「あ、しまった!」って感じだったんです。

はー、しかしこれで妄想の泉が尽きてしまった・・・
誰かなんかお題下さいませ。よければ。
730身分の差 後日談:03/09/21 23:03 ID:HuPdcETx
ポカポカ陽気のお昼過ぎ。
江藤家の近くの大きな公園でひなたぼっこ中の蘭世と俊。
蘭世がちょっといいにくそうに口を開く。
「昨日ね、魔界のおばあさまから家族みんなで夕食に招待されたの。
おじいさまにも会ったんだけど、お見合いのことなんにもいわないの。
真壁君、おじいさまどうやって説得したの?」
蘭世とシーラはかなり疑問に思っているらしい。
モーリはなんとも言ってないようだ。
「お前みたいなドジでまぬけなヤツはそうそう相手できるヤツなんて
いないって教えてやっただけさ」
含み笑いをする俊。
「もうっ。」
フンッと蘭世はそっぽを向いたが、俊が祖父を説得してくれたことが
うれしくてたまらない。
ちらりと俊の横顔を盗み見た蘭世。ぼそっとつぶやいてみる。
「でも、一回お見合いってしてみたかったのよね」
少し離れたジャングルジムで遊んでる子供たちをボーっとみていた
俊は、がばっと蘭世を振り返った。
「くっくっくっ」
蘭世は声を殺してわらって
「さっきの仕返し♪」
と舌をだした。
今度は俊がそっぽを向く番。

こうしてラブラブの昼下がりは過ぎていくのだ。

おわり。
731身分の差作者:03/09/21 23:07 ID:HuPdcETx
モーリ&シーラ作者様。
あたたかい感想ありがとうございます<(_ _)>
いつも楽しく拝見しております。
絵が浮かんできそうな文章がステキです。
尽きてしまったとはいわず、新作を期待しております。
しっかり吟味して、お題をリクエストしたいと思いますので、
その節はよろしくお願いしますね♪
732揺れる想い8:03/09/21 23:36 ID:YuvgiJDe
「ごめん…」
「えっ?…な、なんで…なんで謝るの?」
(イヤ!謝らないで…それじゃぁまるで…別れるみたいじゃない…)
蘭世は両耳に手を当ててしゃがみ込みぶんぶん頭を振った。
俊は蘭世を優しく抱き寄せ
「バーカ、勝手に暴走するな!…他の奴に迷惑かけるのは許せねぇ…」
「???」
「俺には、かけていいって言ってんだよ!」
「真壁君?」
「お前、あの日、最後まで話聞いてなかっただろ?」
真っ赤な顔をした俊、怒ってるような照れてるような…
「うん…だって、あれ以上聞くの怖かったんだもん」
「本当、ばかだなぁ」
俊は優しい目をして蘭世に口付けした。
「ま、真壁君…いいの?いつも想っていていいの?
真壁君でいっぱいにしても…いいの?」
俊は抱きしめていた手に力を入れる。
「いいんだよ!お前なら…」
俊は紺野の痕跡を蘭世から拭うように何度もキスをした。
「他の奴とは…するな…」
「うん!」
「…俺だけを…みてろ…」
俊は顔を真っ赤にして聞こえるか聞こえないかぐらいの声で
つぶやいた。
(真壁君…うん!…うれしい)
733揺れる想い9:03/09/21 23:38 ID:YuvgiJDe
蘭世は仕事を辞める事にした。その事を紺野に告げると
紺野はニヤっと笑い
「あの後、仲直り出来たみたいだな!」
と言った。紺野はルームミラーで俊がいるのを知っていた。
「で、ちょっかい出してみたんだ…」
「紺野さん…もう!それでダメになったらどーしてくれるのよ!」
「それでダメになるんならはなっからダメだな…」
紺野は涼しい顔で言った。
「まぁ…それならそれで、俺が面倒見てやるつもりだったんだけどな!ハハハ…」
「こ、紺野さん!!もう!」
蘭世は紺野に別れを告げ、俊のアパートに向かった。
蘭世を待つ俊のアパートに…

数日後、
「かーなり元気でてるじゃない!ん?」
「ご心配おかけいたしました。」
「心配なんかしてないよ!あんた達がどーにかなるなんて
全然思ってないもん」
「か、かえでちゃーん…うぅ…」
目をうるうるさせ感激している蘭世に
「で、何がどーしたのよ?」
と、かなり興味津々で聞いてきた…
「かえでちゃん、面白がってない?」
「あったりまえよぉ」
二人は笑いあった。結局かえでに話をすると
「ねぇ、真壁君と日野君の話の続きってなんだろうね?」
「!!!」
(聞いてない…)
734揺れる想い10:03/09/21 23:42 ID:YuvgiJDe
その日、俊のアパートで夕飯を食べているとき俊に聞いてみた。
「えっ、…どっ…どうでもいいだろ!」
いつものポーカーフェイスがくずれ、かなりあわてた顔をした。
蘭世は、そんな俊を見て余計に知りたくなった。
「ふーん、教えてくれないんだぁ…いいよ!じゃぁ日野君に聞くから」
「バカ!絶対聞くなよ!」
真っ赤な顔をして怒鳴る俊、
「じゃぁ、真壁君が教えて!」
ニコニコと笑顔を見せて、俊を追い詰めた。
俊は嫌な汗をかいた…

「別れちまえ!江藤は大丈夫だよ…まぁしばらくは落ち込むだろうけど」
ニヤっと笑って
「他の奴がほっとかないだろう!」
俊は、むっとして日野を睨んだ。
「お前、俺で遊んでねぇ?」
日野は俊の問いかけに答えず
「別れるんなら、早い方がいい…お互いの為にも…自信がないんなら
別れてやったほうが江藤の為だ!」
「!!!」
言い当てられた…日野は平然と俊が認めたくない感情を
俊にあびせた。恨めしそうに日野を睨むことしか出来なかった。
735揺れる想い11:03/09/21 23:46 ID:YuvgiJDe
そうだ、本当はわかっていた。あいつの心配じゃない
俺だ…俺に自信がなかったんだ。いつも俺を想っていてくれる江藤、
どんなときも…いつも…俺はあいつに愛される価値がある男なのか
あいつの想いに答えられているのか…このままあいつのそばにいていいのか…
俺はいつも…不安だったんだ…江藤を失う恐怖…怖くて、
いつも他の口実を探して、失う前に自分から逃げていた…
離れられないのに…あいつがいなくても大丈夫だと思いたくて…
「…日野、お前の勝ち…」
悔しそうに俊は言った。その俊を見て日野は満足気に
「素直でよろしい!…自身持てよ…お前今まで会ったどんな奴より
いいよ…江藤も見る目あるよ…江藤はお前が好きなんだ、江藤と自分を
信じろよ!!」
日野の言葉が俊の心に広がる…
「あぐらかいてると、他の奴に持ってかれちまうぞ!後悔しても遅いぞー、いいのか?」
日野は俊を挑発するように言った。
「…誰にもやらねぇーよ!…絶対に…」
俊は日野ではなく、自分に言っていた。
そして、あらためて自分の中の蘭世の存在を確認した。
「サンキュ…なさけねぇーな…俺…」
日野と目を合わせ笑った。
736揺れる想い12:03/09/21 23:50 ID:YuvgiJDe
あんな事こいつに言えるか…///
「ねぇー何話してたの?」
蘭世は思いっきり期待しているみたいだった。
「…お前は、俺がいねぇーと食い気に走ってぶたになるから
一緒にいるって話だ!」
「なーにそれー!!」(怒怒)
蘭世は口を尖らせ納得いかないって顔で怒っていた。
(こいつびっくりするだろうな…あの日、あの男と一緒にいる
江藤の気を感じて…あわてて江藤を探しに行ったなんて知ったら…
全然平気じゃなかった…めーいっぱい普通にして、
偶然をよそおってたなんて知ったら…どんな顔するかな?…)
俊は今、一緒にいられる幸せをかみしめて
蘭世に優しく口付けをする…
「もう…また…ごまか…す…う…ん」
そう言いながら蘭世は俊の甘い誘惑に落ちていった…
             
                 おわり          
737名無しさん@ピンキー:03/09/22 01:38 ID:lYgZTKfZ
わぁ 今日は続編が3作も見られて幸せ〜
作者の皆様、至福のときをありがとう

あ〜、私も心ときめく恋がしたくなっちゃった
秋だねぇ〜…
738名無しさん@ピンキー:03/09/22 02:36 ID:GdtowU+l
うぅ〜!
一気に読みふけっちゃいました☆
私も身を焦がすような恋愛がしたいよ〜(泣)
739名無しさん@ピンキー:03/09/22 04:49 ID:GMmudf6t
459kbだったので次スレ立てさせていただきました。
ちょっと早かった気もしますが、誘導貼れなくなるよりいいと思って……。

ときめきトゥナイトのエロネタを語るスレ Part9
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1064173291/l50

即死防止にご協力宜しくです!

慌ててこのレスを新スレに貼ってしまいました。誠に申し訳有りません。
740名無しさん@ピンキー:03/09/27 01:38 ID:9CoM4jzr
新スレの即死は免れたようで結構なことだが
Part8はまだまだ稼働中な訳で・・・
雑談、萌え話でも構わんので埋め立てしませう



って、たまにカキコする香具師が勧めるのは変だよなぁ
・・・スマソ

>>739 いまさらだがスレ立て乙!

作者の皆様、素敵なお話をアリガd!!!本当に感謝、感激でつ
真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ