エリカ、100g400えんじゃないです!

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1名無しさん@ピンキー
ギャルゲ板で名を馳せた100gスレがいよいよエロパロ板に移転致しました!

SS大歓迎!
貴方を惨劇の宴へ御招待致します。

過去ログ
エリカ、100g100えんじゃないです!
http://yasai.2ch.net/gal/kako/991/991749181.html
エリカ、100g200えんじゃないです!
http://game.2ch.net/gal/kako/997/997128028.html
エリカ、100g300えんじゃないです!
http://game.2ch.net/test/read.cgi/gal/1018322675/

         謹        警

このスレはサクラ大戦の乙女達への猟奇嗜虐のSSを主とさせて頂きたいので、
猟奇や嗜虐及びカニバル等に嫌悪感を抱かれる方は見られないほうがよろしいかと思います。
2名無しさん@ピンキー:02/07/10 23:31 ID:DS2rJ3Vd
2get
3哲太:02/07/10 23:35 ID:uaTFwRgk
>>1
ご苦労様です。これからもマターリ行きましょう〜
4暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:46 ID:aMnO4orc
新スレありがとう御座います。
さて、このスレに幸有らん事を。

で、サン・ジェルマンものの完結編ですた。
枯れ木も山のなんとやらといいますので、スレ盛り上げの
為、早々ですが失礼致します。

5暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:46 ID:aMnO4orc
グリシーヌは迫り寄る寒気に身を竦め、屋敷より羽織って来た外套の襟元を思わず手繰り寄
せる。
夏の終わり、深まり行く秋をその身に感じながら。
ふと、夜空を見上げると風に吹き散らされた雲の合間合間に、三日月がぽっかりと黄色みを
帯びた光を地上に投げかけている。
そして、その月の光を追いかけるように視線を地上に向けると…その男は墓石の一つに凭れ
ながら、彼女…グリシーヌを見つめて微笑んでいた。
「…キサマよりの手紙…確かに受け取った。して、今宵、全てを私に話してもらえるのだろ
うな…!」そこでグリシーヌは外套の中からすぅと取り出した短銃を、サン・ジェルマンに
対し向け、銃星を睨みつける。
「このような無粋な物を…私に使わせないで欲しいものだな…」
吐き捨てるかのようにそう言うグリシーヌの表情は苦悩と苦味に満ちていた。
当然彼女はこのような"卑怯な武器"には触れることさえ穢わらしいと感じている…しかし、
相手は得たいのしれない妖術師…或いは怪人のたぐいなれば…。
そう、手加減は無用。
自らの心をそう、宥めやりながら。

サン・ジェルマンは凭れ掛かっていた墓石から体の重心を起こし、グリシーヌの向ける短銃
の銃口に目を遣りながら「真実は時に…痛みを伴うものです。そして…ご覧下さい」と、今
まで自身が凭れ掛かっていた墓石を指差す。
「一体何を…ぅ…そ、その名は…!?」
「グリシーヌ・ブルーメール 1901年〜2002年。1000年の歴史を誇ったブルーメール家最後
の当主。そして、神の恩寵を受けし永遠の乙女ここに眠る…と、こう墓碑名にはこうありま
すな」
この男…サン・ジェルマンと決着を付けるべく、彼が指定した日の深夜…街の一角にある共
同墓地にて。
悲劇と喜劇はその幕を開けようとしていた。
6暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:47 ID:aMnO4orc
<グリシーヌの物語>

「如何しました…。流石に動転なさっておりますかな?」
グリシーヌは怒りを湛えた表情で、彼を睨みつける。
「またキサマのペテンか。もう、キサマの手には乗らぬ…だから」
「…だから、何ですか? 私の口から語られる真相とやらもまた、真実か或いはそうでは
無いのか…どのように判断なさるのですかな…」
明らかに優位に立つ者としての余裕が、彼の舌をいつもより饒舌にしていた。
撃鉄に掛かる指に思わず力が入り…一発の乾いた銃声が墓地の沈黙を破る唯一の音。
自身からほんの数pしか離れていない土が弾丸により抉られているのを見て、彼は軽く肩
を竦める。
「なに。ありふれた…つまらないお話です。グリシーヌ嬢…貴女のお話は」

彼の語る彼女の物語…人生は、語られるまでもない日常──結婚はしなかった──グリシ
ーヌの平坦な人生を語り、そして最後は老人班が浮き出る萎びた皮膚、その…昔日の白き
淡雪のごとき肌の名残すら見せない枯れ木のような手が弛緩し、ベットからぶらりと垂れ
下がり、彼女の孤独な老衰により幕を閉じる。

「そうして、グリシーヌ嬢…貴女の長いが…まったく無意味な人生は終わるのです。昔日
の…今のその美しさを針の先ほども残さずに、一人孤独に。まぁ、人生ケ・セラ・セラ。
こういう人生も又、ありうると言うことですな」
「…私にはキサマの話している事の意味が…分からない。いや、分かりたくも無いッ!
人は年を経て…終には老いて死ぬ。それが神が定めたもうた…理」
だが、自身の行く末を聞いたグリシーヌは完全に信じる事も又、それをむげに否定する
事も出来ずに…その華奢な肩を震わせている。
サン・ジェルマンは鼻でせせら笑いながら「は…! それが理だとすると、神はまるで
サディストでは有りませんか! そして、貴女もご存知の通り、貴女は私との契約により
自身の運命を切り開く事が出来るのです…。さあ! 私に命じて下さい…永遠の命、そ
して永遠の若さを自身に与えろと…!」
7暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:48 ID:aMnO4orc
グリシーヌは暫し瞑目し、そしてゆっくりと首を振る。
そして苦しげに一言。「…キサマはまるで…メフィストフェレスだ……。その人間の一番
弱い部分を突いて来るが故に。そしてその提案…私も心惹かれた事は告白しよう。だが…
自身と我が家、そして人間としての尊厳にかけて、その答えは…断じて否ッ!」
「今宵が貴女の運命の分岐点なのですよ…? では、平凡な人生…そして、此処に眠る
数多の死者の如くに虚しく果てて行きますか?」
今度ははっきりと男の目を見据えながら「否。私は誰の運命では無く…第三の運命を自身
で切り開く!」
サン・ジェルマンはその言葉を聞くと、にたりと嫌な笑みを浮べて「そうで無くては…私
が見込んだ女性ですからねぇ。では…グリシーヌ・ブルーメール。貴女には第三の運命を
与えましょう」と言い放ち、その目には明らかな欲望をうずめかしていた。
グリシーヌは銃を両手で構えながら「動くな…! 動くと…撃つッ!」そう警告した瞬間、
バァン!
銃声が鳴り響き、鉄の塊が墓場の石畳に強く打ち付けられる。
撃たれた方の掌から血を流しつづけながら、彼女の銃を持った方の手を狙撃した後方の人
物を見遣った瞬間。
彼女は血の気が失せた顔で一言。「…ロベリア…貴様かっ…」
まだ硝煙を上げている銃口に軽く吐息を吹きかけながら「今晩は。いけ好かない…貴族の
お嬢様。ふん、ざまぁないね」とおどけた口調に毒を含ませながら吐き捨てる。
そして、グリシーヌは意識の意識はそこで途切れる。

8暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:48 ID:aMnO4orc
何か薬品のような臭気が鼻を付き、その熱く湿った空気が彼女の衣服を皮膚にべたりと張り
付ける不快感の中、ゆっくりとグリシーヌは意識を取り戻した。
「ぅ…ぅ」彼女の苦しげな吐息に気付き、部屋の隅の机で何かを行っていた男が机から顔を
上げる。
「…自然と楽になって参りますよ。もう、麻酔は切れた頃ですから」
その時漸く、グリシーヌは自らの両の手足が動かない事に気づく。
「キサマ…一体、私をどうしようと言うのだ…。先程も申した通り…キサマの悪魔の甘言に
は決して乗らぬ!」
サン・ジェルマンは椅子から立ち上がり、その薄暗い部屋の床に無造作に転がされているグ
リシーヌに近づきながら「…第三の運命。それは…この私に貴女の美しい肉体を捧げる事な
のですよ。さて、貴女の手足は二度と動かす事は適わない…と言ったらどうします?」
グリシーヌの表情から血の気が失せ、美しい二重の瞼が二度三度小さく震える。
彼女は何か言おうとするのだが、それは言葉にならない。
震える花の唇からは、些か忙しげな吐息が漏れ出るのみであった。
「先程貴女の手足の腱と神経は切除させて頂きました。…手負いの獣は怖いもの。貴女はま
るで、黄金の雌獅子のようなものですからなぁ」
そしてグリシーヌの傍らに跪き、片方の手で首を左右させて抗うグリシーヌの後頭部を持ち
上げ、もう片方の手に持つグラスから…琥珀色の液体を彼女の口に持っていく。
その液体は口腔内を鋭く刺激し、鼻腔を抜けるは生臭い臭気であった。

9暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:49 ID:aMnO4orc
グリシーヌは荒い息を付きながら、床にその豊かな金髪を放射状に乱れさせ、必死に迫り来
る恐怖と闘っていた。
「…これは私が調合した秘薬。痛みを快楽に変換させる…私の慈悲です」
そして、軽く先端が反ったナイフでまずグリシーヌの上着を切り裂き、その白き肌と意外に
小振りな乳房を露出させる。
「この下種が…ッ! これ以上私を辱めるつもりならば舌を噛み、自ら果てる事も辞さん!」
「これでもですかな」そう呟き刹那、男のナイフはグリシーヌの右乳房を深深と抉り、そ
の皮膚と肉そして、皮下脂肪と横隔膜を突き抜け右肺に大きな穴を穿った。
右の肺が潰され呼吸が困難になった苦しみで、グリシーヌの喉と胸は空気を求めて虚しく喘ぐ。
だが、彼女の顔色は蒼白な中にも、些か淫らな喜びの色が浮かんでは消えていく。
「…はっ…はぁ、はぁ。き、キサマ一体何を…」
グリシーヌの傷口からナイフを引き抜く瞬間「は…! ふぅ…ぁ…ぁ」と彼女の唇からは悩ま
しげな吐息が漏れる。
その血で染まったナイフを満足そうに眺め遣りながら「何。だから申したでしょう? 痛み
は快楽に…。生は死の始まり。そして、性は生を繋ぐための連鎖反応。結局万物は全て、還元
可能なのですよ」そう言うと、そのナイフの血をゆっくりと舐め取る。
「…屈せぬ…。キサマのような邪悪な者には決して…。隊長…皆、済まないっ!」
そう言うと、グリシーヌは自身の舌を噛み切ろうと試みる。
だがその舌を噛み切る痛みが快楽に変換され「……あああ…あふぅ…ぁ、ぁ…」という喘ぎと
共に、グリシーヌは舌を殆ど噛み切れぬまま涎を首筋に伝わせながらその焦点の合わない瞳を
天井に向けながら大きく弓なりになり、痙攣する。
10暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:50 ID:aMnO4orc
その痴態を面白そうに見下ろしながらサン・ジェルマンは、巧みに心臓を避けて左乳房から左
肺を貫く。
痛みという快楽の連続にグリシーヌは纏まった思考も出来ぬままに、ただ始めて体験する原初
の喜びに浸りながら喘ぐだけ。
そして、両肺が潰れて呼吸をする事が不可能となり、その肉体は酸素を求めて、喉を喘がせ、
手足の末端を細かく痙攣させる。
しかしその整った顔は、その断末魔の苦しみという快感により淫らに緩み、だらりと外に垂れ
た舌から涎が床に伝っていた。
「では、最後の儀式を始めますか…」そう呟き、サン・ジェルマンは死へと至る快感に震えて
いるグリシーヌに馬乗りになり、そのか細き喉を自らの両の手で絞めつける。
生体の当然の反応として彼女の顔色は更に白さを増し、口からは舌が鋭く突き出されて正に、
今…死を迎えようとしていた。
だが、グリシーヌのもはや声すら出す事は適わない口からは喜悦の喘ぎが溢れ、涎と血が彼女
をだらしなく汚している。
そして、その瞳は艶やかに潤い…死への歓喜が満ち満ちていた。
彼の手に感じていた首筋の動脈内の血流が、終に止まった瞬間。
その腰を終末の快楽により激しく上下に痙攣させ、脱がしていない下半身の衣装の股の付け根
の部位は、愛液か或いは尿かによって見る見る内にその部分を中心とした湿った地図を書いて
いく。
…グリシーヌの開いたままの瞳は歓喜の色を残したままに、徐々に黄色い膜が張っていき、そ
の体からが温もりが消えて行った。
11暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:50 ID:aMnO4orc
<男の物語>

さて、と心の中で彼は呟く。
まずは、歓喜の中で息絶えたグリシーヌの死顔を美しいデスマスクにしなくてはならない。
外科手術用の大きな鋸で、グリシーヌの首を切断する為に、その今や蒼白となった彼女の首筋
に鋸の刀を当て、ゆっくりと上下に引いていく。
ぷっ…という、ソーセージの皮が破けるような音と共に鋸が彼女の柔らかく弾力のある皮膚を
破り皮下脂肪に行き当たる。
何度か鋸を引いているうちに油と血脂で刀がてらてらとして来て、切れ味が格段に鈍ってきた。
軽く溜息を付き、その鋸を打ち捨てて新しい刃物…肉屋が骨ごと食肉を裁断する為の重い刃物
で、再度グリシーヌの首の切断に取り掛かる。
その地下の彼が用意した部屋には蒸気管が通っており、そこから時折漏れ出る蒸気の熱と湿気
により、男は汗と返り血で既に服をしとどに湿らせている。
煩わしげに上着のタイを緩め、快調に首の切断を進めていたのだが、"ぎっぎっ"という、音を
立て刀がそれ以上入って行かない。
男は切り開いた肉を手で大きく開き、中を覗きこむ。
肉や神経線維、血脂などで良く判別出来ないのだが肉片がこびり付く…白いもの。
漸く、頚骨に達したようであった。
「グリシーヌ嬢。貴女の頚骨はまるで貴女自身のように強情ですよ…ふふ」
そして、男は大きく刃物を振りかぶり、刃物の質量を込めてその頚骨に二度三度叩きつける。
ガッ…ガッ…ガギッ。
その度に頚骨に皹が入り、肉片や食道の破片が飛び散る。
遂に…ガッという音を立て、頚骨は粉砕された。
正に薄皮一枚だけとなった、グリシーヌの首はぶらぶらと頼りなげに揺れている。
半ば切断された首の断片を見ていると…男は珍しく欲情した。
12暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:51 ID:aMnO4orc
その首の断面…食道の穴の部分に自身の性器を押し込む。
女性の性器と同じように粘膜が主成分の食道は、ほどよい絞め具合である。
グリシーヌの軽く開かれたままの唇の奥…口腔内の喉から…男の性器が出たり入ったりして
いるのが見える。
グリシーヌの首を両手で強く抱き抱えながら、その首を何度も何度も上下させる度に彼は射
精を繰り返し…幾度か目の射精の後漸く、グリシーヌの首を大事そうに傍らに置く。
その首の断面と口の奥から…男の白濁液が伝い、床に垂れている。
彼女の膜が掛かった瞳も、部屋の明かりを反射しキラキラと淫靡に輝きを帯びていた。
荒い息を付きながら男は、そんなグリシーヌの金髪を優しく撫で摩る。

一息付くと、首をフォルマリンが入った硝子瓶にゆっくりと浸けていく。
彼女の髪はその薬品の液体の中でゆらゆらと海藻のように揺れ、その見開いた瞳は未だ死の
直前の快楽の余韻を映し出している。
その首入りの瓶を、首を失った彼女自身が見える位置に置き、彼だけに許された至高の時を
再び再開する。

首を失ったグリシーヌの胴体の前に膝を付きながら、まるで彼女をエスコートするかのよう
にそのほっそりとした腕を恭しく捧げ持ちながら「では、御手を拝借致しますよ」と、小型
のペティナイフで指をゆっくりと一本一本切り落として行く。
指を切り落とす際の、ギィーギィーという骨とナイフが擦れ合う音が堪らないシンフォニー
である。
既に鼓動が停止した彼女の体内からは、思ったほどの出血は無くそれだけが男に取って不満
を感じる要素であった。
時間をかけてゆっくりと切り取った細い小指を口に咥え、口腔内でねぶる。
じわりと指の断面から染み出る、血の鉄臭い風味を味わいながら。
…将来はマリッジリングが填められたであろう左手の薬指は無残にも、ねぶられ…がりがり
と噛み砕かれ、男の胃へと収まっていく。
13暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:51 ID:aMnO4orc
そして、グリシーヌの首と全ての指を失った肉体を仰向けにし、その柔らかい下腹部の弾力
感を楽しみながらそこに腰を据える。
クッションの弾力性を確かめるかのように、何回か腰を据えたり上げたりしていると、下腹部
の中で何かが潰れたような嫌な音がして、グリシーヌの失われた首の断面や、臀部から血が
ぴゅっと、噴出した。
「おやおや…呆気ないものですねぇ。この感触…腸ですか」
そうひとりごちながらも、グリシーヌの白い素肌の中でも肌着の部分は更に白く、その肌着
の形を皮膚に焼き付けている所などを撫でまわしていると、先程のように興奮が蘇って来る。

メスで首の付け根から足の付け根に至るまでの喉から胸へ…下腹部、尿道口、陰部へと切り
開いて行く。
まだ、死後それほど経過していない為、開腹した部分から生臭い血脂の芳香と共に、湿った
湯気が立ち込めて来る。
男が開腹部に手を突っ込み、両開きの扉を開けるかの如くに一気に皮膚を逆の方向へと開く。
…どろり、と溢れ出る臓物…ゆっくりと肌を湿らせていく血、そして男の顔を嬲る匂いと
湯気。
堪らなくなり、自身の陰部をその未だ温かみを帯びた臓物に差し入れ、男は自身の下半身の
半ばをその臓物に浸らせながら夢み心地でただ腰を振りつづける。
ぐちゅぐちゅとした嫌らしい粘膜質の音が響き、臓物の弾力性を帯びた柔らかさ、そしてね
ぶりつくような粘液が堪らなく心地よい。
腸の幾重にも入り組んだ管を自身の物で選り分けていく心地よさ。
肝臓や脾臓のちゅるちゅるとした、触り心地。
何度も何度も、グリシーヌの臓腑の中に射精し、それでも尚…正に彼女の中に浸りながら、
腰を振りつづけた…。
14暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:52 ID:aMnO4orc
粘膜質な音を淫靡に響かせながら、男は自らの精液にまみれたグリシーヌの臓物を引き摺り
だしながら、それを選り分けていく。
─食べられる部分と、そうでない部分へと─
臓腑の中でもかなりの量を占める小腸や大腸は、即座にそこらへと無造作に放る。
厭わしい排泄物が詰った管など…麗しの乙女への幻想に対する冒涜ですらある。
同様の理由から、胃などの消化器官は排除される。
しかし、アンモニアの臭気が強いとはいえ、腎臓は例外である。
…英国のキドニーパイの例を持ち出すまでもなく、臓物の中でも癖は強いがもっとも美味な
部分でもある故に。
男は腸をずるずると引き摺りだし、ぺちゃと、床に投げ捨てながら鼻歌を歌う。
彼の楽聖ベートーベンがナポレオンに捧げる予定だったという"英雄"。
正に、今彼が支配し陵辱する女性に捧げるに相応しい曲であった。
15暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:53 ID:aMnO4orc
まるで屠殺人のように、男は白いベストもズボンも返り血でまばらにしながら、解体を着実
に進めて行く。
既に、その地下室の床は血と打ち捨てられた臓腑で覆われ、スティームの熱気と湿気に乗り
室内は血生臭い匂いで咽かえさんばかり。
グリシーヌの白魚のようなほっそりとした腕は、肩の付け根の部分から切り取られている。
その断面は、皮膚や肉などは綺麗に削ぎ落とされていたが、上腕の骨は無残に打ち砕かれ、
ぎざぎざした断面に、血肉をこびり付かせていた。
最早ほぼ空となった胴体にこの部分だけは無傷な蒼白の両脚。
それはとても…美しく、それ以上に扇情的でエロティックであり…。
彼はその両脚の付け根…黒々とした陰毛がまばらに茂る彼女の陰部を優しく撫でまわし、
頭部も両手も無く、ただ胴体と脚部だけのグリシーヌと交わり始める。
何かが足りない…、そうその陰部には滑り気が欠如していた。
仕方が無いので、ぽっかりと開いたグリシーヌの腹部に手を差し入れ、下腹部に残った、
彼女の子宮を取り出し、その子宮から経血を絞り出し、グリシーヌの陰部に注ぐ。
そうして、彼女の両足を自らの肩に掛けながら、からっぽの腹部に自らの頭部を突っ込み
ながら、何度も何度も彼女と交わった。
あまりにグリシーヌの脚を無理な形に捻じ曲げたため、グリシーヌの足の関節がぼきっと、
外れる音がした。
だが、それすらも心地よさを増すためのスパイスに過ぎず…強く強く彼女の太ももの肉を
掴みその太ももの肉に彼の爪がずぶっと、食い込むと同時に果てた。
16暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:53 ID:aMnO4orc
<終幕>

「さぁ…冷めない内にどうぞ」
南仏マルセイユ港。
多くの旅人や船員が、陸での生活の暫しの別れを楽しんでいる。
そして…船の時間を待つ為に、別れの杯を傾けている男女二人。
昼尚、薄暗い貸し部屋で、最後の昼食を共にしていた。

「…アンタの作った料理なんかに手を出すほど、腹は減っていないよ」
男は寂しげに首を振り、その料理の皿をテーブルに置く。
「おやおや…心外ですねぇ。なに、近くのデリカデッセンで購入した安物のパイですよ」
かちゃり…軽い、陶器がぶつかり合う音。
綺麗な艶を出しているそのパイは、その言葉とは裏腹に、とても既製品とは思えない出来
であり…焼きたてであった。
男はそのパイを器用に切り分けながら「それにしても…アナタにはお世話になりました」
と、誰に言うでもなく呟く。
ロベリアはふんと、鼻でせせら笑いながら「アンタの求める物と…私の利害の一致…、そ
れだけと言いたいが…」そこで言葉を切り、懐からフラン紙幣を取り出す。
「ま、これが一番効いたねぇ」と嘲う。
それには何も答えず「どうぞ」と切り分けたパイを小皿に載せ、ロベリアに差し出す。
気のない顔でそれを受け取りながら「…しかし、アンタは大した役者だよ…サン・ジェル
マン伯爵閣下」と。
17暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/10 23:54 ID:aMnO4orc
自分の分を皿によそいながら些か居心地が悪そうに「…その名は止して下さいよ。もう、
芝居の幕は降りたのですからね…」と、パイにフォークで切り込みを入れながら。
ロベリアもそのパイを手掴みで一口齧り「ふーん。中々いけるね…」と呟き、男に笑い
掛ける。
「いや、アンタは私が今まで会った中でも指折りの悪だね。何がサン・ジェルマンだ…
適当な与太話を飛ばして、しかもその話の信憑性を高める為…何人も人、殺してねぇ」
急に真剣な表情になったロベリアに対し、彼も表情を改めながら「…嘘を付いてでも、
人を殺してでも…彼女が欲しかったのです。そう、シャノワールで一目…彼女を見たと
きから」
ロベリアは片頬を歪めながら「ふふん。それにしては…歪んだ愛もあるものだね。…
流石の私もあの女が…少し哀れに思えてきたよ」と心にも無いことを言う。
男は旺盛な食欲でパイを口に含みながら「ご冗談を。さて、そろそろ時間のようです」
と彼も笑っている。
ロベリアは男の傍らの大きなトランクに視線を向け、それに顎をしゃくりながら「…
随分重そうだね。さて、何が入っているものやら」と聞くとは無しに問う。
男はハンケチで口を拭いながら立ち上がり、そのトランクを手にしてドアに向かう。
そして、その背中越しに「…商売道具の手品の道具と、宝物が一つ…です。それでは、
左様なら…カルリーニさん」そうして、男はドアの外へと消えた。
18ROM選:02/07/10 23:57 ID:1ExiEPBj
えっと。
一応関連スレで挙げときます。

「二次元存在(ゲーム・アニメ)猟奇創作スレ」
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1018184431/

かぶる住人も多いと思いますので。
(余計なお世話でしたら申し訳ありません)
19暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/11 00:04 ID:88PkrETO
>ROM選さん
お久しぶりでした。
それに…ああ、私は馬鹿です。
自分で立てたスレを無視していたすた…もうしわけ
ありません。
20名無しさん@ピンキー:02/07/11 00:05 ID:6A17UqRJ
>1氏おつかれ。

暇人氏もすごすぎ!相変わらず見事ですね。
でも基本的にsage進行のほうがいいのかも。
21ROM選:02/07/11 00:14 ID:5Du1RPQm
>>暇人さん
いえ、とんでもないです。
私はあっちのスレがメインではありますが、こちらのグラムスレも好きですので。
同じエロパロ板にきたこともありますから、
うまく住み分けができれば万々歳かと。

サクラ5が紐育ケテーイで、ラチェ公もようやく日の目が見えると喜んでる今日この頃。
・・・書かねば。
22哲太:02/07/11 00:18 ID:EDbvl2eU
>>暇人さん
…見事なSSですね。
なんというか…流石です。
私も気合を入れて再開しなくては…
23ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/11 09:40 ID:4EPMt49a
>>1さんご苦労様でした&ありがとうございました。

>暇人様
Σ( ̄□ ̄) → m(_ _)m(喋れよ)
いや素晴らしい、もうこれ以上言う言葉がございません。
というか誉め言葉が見つかりません(爆)。
とにかくご馳走様でした。
>哲太さん
復帰、おめでとうございます。
まぁ、ゆっくり頑張ってください(貴様モナー)。

ちなみに自分のSS、趣旨が微妙に100gからずれたので書き直し中、しばらくお待ちください(汗)。
24名無しさん@ピンキー:02/07/11 12:48 ID:sai/6Y/V
新スレおめでとう。

しかし開始早々暇人の力作とはやるな。
描写の細かさといい今回のSSは最高傑作なのではないか?

ところで序盤のグリの墓碑だが2002年なのはどうして?
25暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/11 20:06 ID:bpM6TO0g
どうもこちらだとアゲしまう傾向がありますが、基本はサゲ進行
でしょうかねぇ。
この板だとアゲても精々、変な広告が入るぐらいなのでつい…申
し訳ありませんでした。

>ROM選さん
まだまだ先ですが、ラチェたん楽しみですねぇ。
私もラチェはあの性格が堪らなく好きです、はい。

>哲太さん
実は哲太さんのラチェのお話、続きを心待ちにして
いたり(w
…何だか急かすような書き方です申し訳無いのですが、
本当にまたーりとお待ちしております。

>ゲルさん
下手に銃を出したのですが、良く分からない所が悲すい
です…はい。
銃星って…狙い付ける奴で良かったですよね?
…さて、ゲルさんの次の餌食は誰かなぁ。

>24
特に意味は無いのですが、強いて言えば今年だから(w
ちょっと分かりくい構成なのですが、考えるとグリたん
しか本当に?は殺していませんねぇ。
26名無しさん@ピンキー:02/07/11 21:35 ID:5jLMe8qh
http://fx.sakura.ne.jp/~sympow/doku/text/vote/vote02.html

サクラのキャラは割合不評(!?
27名無しさん@ピンキー:02/07/12 07:47 ID:SQS740YS
前スレ消えちゃったねぇ。
取り合えず移民が済んでからでよかった。
28名無しさん@ピンキー:02/07/12 12:41 ID:nThbCNAU
ある意味予想通りというか人が減った印象があるな・・・

29名無しさん@ピンキー:02/07/12 12:42 ID:nThbCNAU
>>24
キミハ碁ノ達人カ?
30京極慶吾:02/07/12 14:21 ID:hL2SGTwV
おまえはもう死んでいる
31 ◆4xMiEgWM :02/07/12 14:35 ID:dVmge5QJ
こっちに移動してたのね。
とりあえず足跡つけときます。
32名@1:02/07/12 15:27 ID:tAb/wgnJ

私は夜の帝都を歩いていた。
路地裏では大柄な若者と詰襟の制服を着た軍人だか学生だかわからない若者達が喧嘩をしている。
本来なら私は彼らを止めに入るべきなのだろう。
しかし、今の私に彼らを助ける心の余裕など無い。
ましてや、自ら命を削るような真似をする人間など…

私は萩田玄作。
しがない町医者だ。
しがないとは言っても以前は軍の病院に勤めていたこともある。
政府要人の命を救ったこともある。
人は私のことを名医と呼んだ。

そして私には愛する家族がいた。
妻と今年五歳になる娘が一人。
しかし、妻は私と娘の多恵(たえ)を残してこの世を去った。
私は忙しさのあまり妻の病気に気付かなかった自分を恨んだ。
そんな私に追い討ちをかけるように不幸は続く。
多恵も病に倒れたのだ。
33名@1:02/07/12 15:29 ID:tAb/wgnJ

私が医者として最愛の娘に下した診断は余命持ってあと二年。
内臓が不治の病に侵されていた。
私は病院を去り、下町で医者をしながらできる限り多恵のそばにいようと決心した。
一時的に回復を見せ、無邪気に走り回る多恵の姿に幸せを感じるものの、
ふと一人になると自分は妻と娘すら救えない存在なのだという無力感が襲う。
一日たりともその思いは消えることが無い。

そう考えた時、今喧嘩をしている彼らが愚かに見えて仕方が無い。
幼くして死を迎えようとしている我が子が哀れでならない。
私は多恵の待つ我が家への帰りを急いだ。

それから数日後、私に一通の手紙が届いた。
差出人が不明のその手紙には、娘が重病を患い苦しんでいる、
名医の誉れ高い萩田先生に是非来ていただき娘の命を救っていただきたいとの内容と
その家の住所が記されてあった。

娘、病、名医、命、救う…。
手紙の一字一句が私を苦しめる。
「何が名医だ。知ったことか!」
手紙を投げつけ、私は精一杯の悪態をついた。

しかし、翌日、私の足はまっすぐその家に向かって歩き出していた。


後で知ることになるが、時を同じくして、まったく同じ手紙がある女性にも届けられていた…。
34名@1:02/07/12 15:51 ID:pwTyXeP+
エロパロ板の方はじめまして。名@1と申します。
これから3作ほど書かせていただく予定でございます。
どうぞよろしくお願いします。
遅れましたが>>1さんスレ立てご苦労様です。

>>暇人さん
デスマスク、シカーン、食人とまさに王道を見た気分であります。
ロベリアがルパンを裏切る峰不二子みたいでなんだか憎めません。
個人的にΣ(゚д゚lll)ハウア!と思ったところがあるのですが、それはまた後ほどと言うことで。

>>26さん
アイリスコクリコのようぢょコンビが人気ですね。
個人的には河川 唯(奇面組)13票に藁いますた。

お気付きの点がありましたら批判・罵倒・突っ込み・苦情何でも構いませんので教えていただけるとうれしいです。
ピンキーな方のレス大歓迎でございます。(固定の方もこれまで同様どうぞよろしく。)
35ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/12 16:48 ID:0H/6cp04
そう言えば……、エロパロ板の方には自分の自己紹介がまだでしたね(汗)。
改めてはじめまして、ミリヲタサクラファンのゲルリッヒカノーネと言います。
長ったらしいので『ゲル』と呼んで下さい。
若輩者ですがよろしくお願い致します。m(_ _)m

>暇人様
えと、非常に言いにくいですが、銃の『照』星は狙いを定める時に使いますが、
発射する時に引くのは『引き金』です。撃鉄は後ろについている滑り止めのついた棒を指します。
ttp://www01.u-page.so-net.ne.jp/ra2/amagu/test/yogo.htmlに、用語集がありましたのでご参考ください。
先輩に対しての無礼、すみません。

>名無しさん@100gスレさん
わぁ、全然先の予想が出来ません(汗)。
なんか謎が謎を呼びそうな感じですね、頑張ってください。
36ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/12 16:51 ID:0H/6cp04
(1)
すでに出撃命令が下ってから、丸一月近くが経過している。
解散命令を無視して集団脱走した特殊機甲部隊。そして本来ならばできないはずのスイス領内での軍事作戦。
不思議といえば不思議だが、小隊5機の内、すでに2機がスナイパーによって葬られた俺たちにとって、もう巴里華撃団は憎むべき敵であった。
猛吹雪のアルプス山脈を駆けずり回り、何とか撃破した機体数は2機。残り3機を捜し求めて、俺達がベースキャンプを離れたのは6日前。獲物はひょんな所から現れた。

「メリッシュ!マイク!牽制しろ!洞穴へ逃げ込ませるな!!」
命令と同時に機銃を射掛けながら、獲物に向かってスキーで突進する遼機が、吹雪を通してモニターに映る。
どうやら獲物は、仲間とはぐれて迷走していたらしい。機体色からエリカ・フォンティーヌ搭乗機と判るが、遠目から見ても、かなり損傷している。
それにこちらと違って高山用装備も持ち合わせていないようだ。当然人が歩く程度のスピードしか出ないわけだが、それでも今まで逃げおおせた頑張りは賞賛に値する。
しかし今回は場所が悪かったようだ。たちまちの内に銃弾を機体中に浴びて転倒する獲物に、俺がライフルでトドメを刺す。
銃弾は狙いを違わずラジエター部に命中。獲物は破口から蒸気の煙を吹き上げると、ピクリとも動かなくなる。
37ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/12 16:55 ID:0H/6cp04
『さすがロイド隊長!上手いもんですな』
「誉めてくれてありがとよ、とりあえず奴が逃げ込もうとした洞窟で一休みだ」
『そうですね、吹雪はこれからが本番のようですし』
軽口を叩きながら、戦闘隊形で洞窟に歩いていく途中で、獲物を回収する。
「しかしこの吹雪じゃ、本隊が心配だな……」
『むぅ、自分がメリッシュを連れて見に行ってきますか?』
「そうだな、疲れてると思うが頼む。後、トランスポーターと戦車回収車を回してもらってくれ」
二人の機体が吹雪の向こうに見えなくなると、暇になった俺は獲物のパイロットをを尋問しようと
光武F2の頭頂部ハッチの開放コックを捻る。しかし、装甲が開き切ったその瞬間、モニターが
ブラックアウトした。俺が慌ててペリスコープに目をやると、栗色の髪の女が、
手にマシンガンを持って光武から飛び降りるところが目に入る。
それを見たとき、俺は頭にカッと血が昇るのを感じた。愛機を傷つけられた怒りに任せ、
頭頂部ハッチを開きながら、ホルスターからレーブルリボルバーピストルを取り出し、
洞窟の入り口近くを逃げていく、女の右足に狙いをつける。
発射の鋭い衝撃。右足を8mm弾によって引き裂かれた女は、雪の上に血の花を咲かせながら、顔面から倒れる。
俺は機体から飛び降りると、女の元に歩み寄った。マシンガンを捨てて這って逃げようとする女の上着を掴み、
乱暴に仰向けにさせ、顔面をレーブルのグリップで叩く。
女は、身を捩じらせながら「やめてください!」と泣き叫ぶ。
やかましいので鳩尾に一撃加えると、濁った音を立てながら胃の内容物を仰向けのまま吐寫した。
38ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/12 16:58 ID:0H/6cp04
黙った所で襟首を掴んで洞窟に連れ戻し、手首の辺りを修理用の導線で縛って機体のそばに放り出す。
洞窟の床に体をしたたかに打ち付けられ、女が悲鳴を上げる。
「お前さんは巴里華撃団隊員、エリカ・フォンティーヌだな?」
俺が怒気をはらんだ声で聞くと、女は横に丸まった姿勢で力無くうなずいた。
「よし、お前の仲間は、今どこにいる?」
銃をホルスターにしまい、煙草に火をつけながら聞くが、エリカは何も答えない。
ふぅと煙を吐いた時、形のいいエリカの尻が俺の目にとまった。
「……どうやら体に、直接聞いた方が良さそうだな」
俺の声音に怖い物を感じたのか、這いずるように逃げ出すエリカの襟首を掴んで、片手で締め上げる。
苦しそうにもがき、抵抗するエリカだが、軍人としての訓練を受けた俺にとっては、猫の爪の方がまだ痛いような抵抗だ。
とりあえず、死なれてはまずいので床にエリカの足をつけた後、ジャケットの前を無理やり開く。
と、かわいらしい膨らみと共に、金のロザリオがこぼれ落ちた。
「ふん、クリスチャンか……教えじゃ確か、殺しは厳禁だったな」
「……何が…言い…たいんです…か?」
いまだ苦しそうに呟くエリカを、俺は地面に叩き付け、脇腹を軍靴で蹴飛ばす。
「ふざけるなこの野郎!貴様らが下らん理由で脱走したおかげで、何人の人間が死んでると思ってんだ!!」
煙草を吐き捨て、俺が怒鳴ると。エリカはしくしくと泣き始める。それが俺の癇に障った。
「……そう言えばこんなのもあったなぁ『汝、姦淫する無かれ』って」
笑いながら、俺は腰のシース(鞘)からM1905バイヨネット(銃剣)抜き放ち、エリカの腕を抑えて馬乗りになる。
そして、エリカが着けているインナースーツの胸元を、肉を切らないよう注意深く切り裂く。
39ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/12 17:03 ID:0H/6cp04
(4)←付けるの忘れてた。

「イヤッ!やめて!!何をする気なんですか!!」
「イヤなら正直に仲間の居所を言え。そうすればこれで終わりにしてやるよ……どうだ?」
「そんな……私に仲間を売れって言うんですか?」
「生か死か……好きなほうを選びな。最も、今なら純潔を奪われるだけですむぜ」
インナーの前をTの字に切り終わり、バイヨネットでエリカの頬をピタピタと叩く。
恐怖で顔を引きつらせたエリカに駄目押しの一撃を喰らわせる。
「そう言えばあのスナイパーとガンナー、最後までお前の名前を呼んでたな
『助けてエリカさん!』とか『痛いよ、エリカァ』とかな」
「ま、まさか……花火さんとコクリコを……」
「……ああ、撃った」
俺がニヤ付いた顔でズボンを下ろしながら言うと、エリカは顔を背けて神への詫び言を呟いた。
それを鼻でせせら笑いながら、露になった胸をひねる様に揉む。
「くぁ!?い、痛い!やめて!やめてください!!」
「じゃぁ、しゃべる気になった?」
「……」
「ならダメだね」
そう囁いて、よく濡れてもいないエリカの秘所にモノを強引に押し込む。
「かっ!…いた…い…いや、いやぁ!!」
「痛い?じゃぁ、ソロソロ言う気になったか?」
「っく…あ、あなたの…っ様な人には…主の…天ば……」
くだらない事言うエリカに、思い切り張り手をかます。
叩かれた後がもみじの様に赤くなった。
「主?天罰?俺たちは生きながら地獄にいるんだ。あんまりふざけた事言ってると、舌を切り取るぜ」
脅かしながら、エリカの唇を奪う。自分で揺らしているから文句も言えないが、
苦労して舌を絡め取り、自分の唾液をエリカの口に流し込む。
段々と、濡れて動きやすくなった膣内に、モノを打ち込むピッチを上げる。
「いっ!…やぁ!…もう…やめ……」
「止めてと言ってるわりには、楽しんでるじゃねェか」
動きながらエリカの脚を肩に乗せ、より深くモノが沈み込むよう調整する。
そして目の前でプルプルと跳ねる乳首を口に含むと、エリカの胎内が『キュッ』と締まった。
40暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/12 21:27 ID:0FbGJKMn
>27
どうして消えたのでしょうね…?
気の早い、削除?

>28
どうなのしょうねぇ。
でも、長いスパンでまたーり行かないと…ネタ切れ沈没の
恐れが非常に…。

>名@1さん
近頃、純和風も中々良いものと思っていた折、ジャスト
フィットでした。
木々の間から零れる木漏れ日…、神社に響く学の音。
…今度は日本に挑戦しようかな。
と、物語の予測が全然付きません…楽しみ。

>個人的にΣ(゚д゚lll)ハウア!と思ったところがあるのですが、
>それはまた後ほどと言うことで。
…怖いなぁ、何か致命的なミスをしたでしょうか…。

>ゲルさん
撃鉄を起こし、照星で狙いをつけ、引き金を引く…簡単な
銃を撃つアクションはこんなものでしょうか。
もし、私が旧軍に徴兵されたとしたら毎日古参兵にいたぶ
られまくり…。

軍隊というものは怖いモノですねぇ。
色々、本で読むと正にゲルさんが書かれる雰囲気ですよね。
何故、エリカ達が脱走したのか。
そして光武の軍隊採用…ミリタリーバランスが崩れた怖い
世界です…。
…スイス兵と独逸兵強そうな悪寒。


41名@1:02/07/12 23:04 ID:q+8bU3g7
>>暇人さん
表現がまずかったです。非常に申し訳無いです。
断じて暇人さんにミスはございませんので…
私がビビッただけですので。
まったく本題以外で謎を増やしてどうする(藁

>>ゲルさん
いきなり(;´Д`)ハァハァな展開感謝であります。ゲルさんも頑張ってください。
エリカたんを殴ってゲロ良いですなぁ…中身はプリン系でしょうか(危険人間警報発令)
スイスっていざというときには国境にどでかい壁が出てきて敵は入れないって言う話を
聞いたことがあるんですがやっぱりネタですよねぇ(藁

自分も徴兵は勘弁です。戦争は「提督の決断」だけで十分です(藁
続きも書かず失敬いたしました。明日必ずうpします。
それではみなさんよい週末を。
42名無しさん@ピンキー:02/07/12 23:39 ID:SQS740YS
>>ゲル
これまた中々の秀作ではないか・・・ミリタリー系の描写は流石だな。
こういう独自の知識と偏見で書かれたSSも良いと思った。
実にハイレベルなSSの連続にワクワクしているよ。
SS職人さん期待しているぜ。
43名無しさん@ピンキー:02/07/12 23:44 ID:SQS740YS
>名@1
何だかすごくいい感じだ。
しかしこれはサクラSSなの?

今後の展開が楽しみだ。

上のレスと順番が逆になってしまったようだ。
他意はないので許してくれや。
44ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/13 08:50 ID:XlxialNm
SSの続きをタイプ中、一週間ほど待ってください(汗)←遅筆家

>暇人様
銃に関してはそれでいいと思います。<アクション
一応、時代設定としては4から4〜5たった所を想定しています。
軍用光武(から霊子エンジンを外した物)の採用と、エリカ達の集団脱走の謎は後に公開ですね。
あと、兵隊さんたちはフランス兵です(爆)。

>名無しさん@100gスレさん
<ゲロの中身
朝食べた、牛缶と乾パン1:胃液2の比率であります(藁)。
スイスの壁に関してはよく知らないです。壁と言えば昔『エリア88』にそんな兵器が有ったような。
でも、恐らくネタでしょう。
もっとも、この当時は有刺鉄線が張ってあるだけで、簡単に越境できたそうですが。

>>42
お褒めに預かり光栄です(^^=)ゞ
こう言った泥臭いSSしか書けませんが、お楽しみいただければ幸いです。

ちなみに、季節感の無い雪山なのは、小説版ホワイトアウトを読んだせいです(藁)
45京極慶吾:02/07/13 23:11 ID:0oqQ/Ana
スローすぎてあくびがでるぜ
46名@1:02/07/13 23:29 ID:XYLUseD1

その家はさほど遠くない所にあった。
わざわざ手紙をよこしてくるあたり、予想はしていたが、まさに豪邸と呼ぶべき邸宅だ。
私は召使いに案内され、応接間に入った。

応接間には先客がいた。
赤い髪の毛に鉢巻、道着のような着物、2mはあろうかという大柄な人物…
という所で突然あの夜の記憶がよみがえる。
まさか…あの夜喧嘩をしていた若者?しかしなぜここに?

そう考えているうちに向こうも私に気付いたようだ。
「よぉ、おっさん。あんたも手紙で呼ばれて来たのか?」
という言葉と同時に振り返ったその人物を見て私は再び驚いた。
胸が膨らんでいる…ということは女性?
しかし、初対面の人間に向かっておっさんとは無礼な…
あやうく言葉に出す所だったが、ぐっと飲み込む。

「萩田玄作だ。医者をやっている。よろしく。君もそうなのか?」
手短に挨拶をする。
「ああ、そうだよ。あたいは桐島カンナ。よろしくな。」
桐島カンナはそう言って握手を求めてくる。
すごい力だった。手が痛い。

「しっかし、いつまで待たせるんだ?あたいは舞台の稽古が…」
桐島カンナがそう言おうするのと同時に応接間のドアが開いた。

そこには一人の男が立っていた。
47名@1:02/07/13 23:31 ID:XYLUseD1

海軍のものらしき軍服を着た男だった。
左手を怪我しているのか、布で腕を吊っている。
顔面のところどころに傷が見受けられる。
一見端正な顔立ちだがその表情は実にふてぶてしいものだった。

その男を見て桐島カンナの表情が急に変わる。
「おめぇ、なんでこんなところに…。」
桐島カンナの怒りに満ちた表情が再び私にあの夜の記憶を呼び戻す。
…そうだ!間違いない。
この男はあの夜桐島カンナと喧嘩をしていた一団の一人だ!

険悪な雰囲気の二人に圧倒されながら私は考えた。
なぜこの二人が再びこの屋敷で顔を会わせたのか?
そもそも、私はこの家の重病を患っている娘のためにここに呼ばれたのではないのか?
差出人不明の手紙と彼女たちとの奇妙な再開が私を混乱に陥らせる。

しかし、次の瞬間さらに私を混乱させる事態が起きる。
男が隠し持っていた拳銃をこちらに向けて発砲したのだ。

室内に銃声が響く。
48名無しさん@ピンキー:02/07/14 01:16 ID:MF3ZiXWT
>名@1
カンナだったのか!
しかしいきなりの展開でハラハラ。

続きを期待してます。
49名無しさん@ピンキー:02/07/14 01:24 ID:MF3ZiXWT
>>45
陸軍大臣なんだから何とかしろよ
50名@1:02/07/14 04:32 ID:9NisZYh3
すいません、レスがオクレました。深夜アニメ見とったもので…

>>43さん
いい感じと言っていただけるととてもうれしい感じです。
確かに1と2だけ見りゃ「サクラ」のサの字もありませんからね、ごもっともです。
わざわざ順番のお気遣いありがとうございます。
許すも何も御礼を言うのはこちらのほうで。

>>ゲルさん
ゲルさんにゲロの解説をして頂けるとは…(藁 ありがとうございます。
4より4〜5年後ということは、ロイド隊長は20歳前後のエリカたんを
召し上がっておられるるわけですな。うまやらしい!(;´Д`)
ロイドと言えば思い出すフロントミッション(?)

>>48さん
続きを期待というレスを頂きありがとうございます。
実は事前に書いておいたのは今日の分までなので次からは自分との戦いが始まります。
私自身も勝手にハラハラしております(藁

と言うわけで次からはうpする量が減ったり、日にちが空いたりするかもしれませんが、
京極陸軍大臣も見にきておられるようですし(藁、何とか頑張ります。
この1作目に巴里のキャラは出てきませんので非常に心苦しい点もございますが、
2作目・3作目には巴里のキャラが登場予定でございます。では。
51哲太:02/07/14 20:21 ID:ZzbgTGuv
鉄の処女の内部に、すでに動ける力も残らぬラチェットを、パトリックは無理やり押し込む。
ラチェットの両脇、鉄の処女の扉の内側には無数の針が飛び出し、ラチェットを威圧する。

「や…やめ…やめて…!!」
「大丈夫ですよ。この針は急所を外すように配置されてますから。
 …では地獄の抱擁を体感してください…では」

ギィィィィィ…

「やあああああああああああああ!!!!!!」

扉の閉まる鈍い音に、ラチェットの身体に針が突き刺さる音と、骨が砕ける音が混じる。
バタンッという音とともに鉄の処女はラチェットを、体内に閉じ込めた。
内部でラチェットが狂ったように悲鳴を上げている。
やがて悲鳴がおさまると、鉄の処女の足元の隙間から、ラチェットの血液がトロトロとこぼれてくる。

「ふふふ…そろそろですかな…」

パトリックはそういうと、鉄の処女の胴体に手をかけ、扉をゆっくりと開ける。
ズブ…ズブ…ズブ…ッ…
ラチェットの身体から針が抜けていく音とともに、扉は開かれた。
中から現れたラチェットは、変わり果てた姿をしていた。
体中がまるでマシンガンで撃たれたかのように蜂の巣のようになり、
あの美しかったであろう裸体は、もうそこには存在しなかった。

「あ…あ…う…」





52哲太:02/07/14 20:24 ID:ZzbgTGuv
おひさしぶりです、随分遅くなりました。
前のスレが落ちてしまったので、すこし巻き戻して書きました。
53名無しさん@ピンキー:02/07/15 12:37 ID:lWupQahn
予想以上に錆びれたな・・・

これでは作家さんもやる気を失ってしまう・・・
54哲太:02/07/15 18:11 ID:71XKpMQP
ずいぶん遅くなりましたが、SSを拝見させてもらいました

>>名@1さん
お久しぶりです。
ゆるやかで読みやすいスタートがいいですね〜、私にはこれが出来ない…
ある女性!?気になる…と思ってたらカンナだったのですか!
続きに超期待してます!

>>ゲルさん
まってました。エリカSS!
>そう囁いて、よく濡れてもいないエリカの秘所にモノを強引に押し込む。
すげぇエロティック…(ワラ 私もエリカにこんなこと…(以下略
それにしても、ミリタリー系にやはり詳しい。さすがですね。
55名無しさん@ピンキー:02/07/15 19:46 ID:RD0xIs78
SSの投稿はもちろん大歓迎だが多少の雑談もないと盛り上がりに欠けてしまう
56名@1:02/07/15 21:36 ID:aC+YErpz

室内に銃声が響き、私は恐怖と混乱のあまり、目を閉じ、床に腰を落とした。
少しの後、おそるおそる目を開け、自分の体を見まわす。
どこも撃たれてはいない。と言うことは…

「ぐわぁぁぁぁっ…。」
といううめき声とともに桐島カンナが床に仰向けに倒れる。
銃弾は桐島カンナの右の太腿部に命中していた。
その大腿部からはおびただしい量の出血が見うけられる。

ようやく私は冷静さを取り戻し、桐島カンナの元に駆け寄る。
「おい!大丈夫か!」
という私の問いに対しても、
「いっ、痛ぇ…痛ぇょ…。」
という弱々しい答えしか返ってこない。

私は男のほうに向き直り、
「なぜこんなことをする!一体どういうことだ!」
と強い口調で問い詰めた。
しかし、男はその問いに答えることは無く、
「連れて行け!」
とだけ叫ぶ。

すると10人ぐらいのこの屋敷の者と思われる男達が勢いよくなだれ込んできて、
私を押しのけ、桐島カンナを取り囲む。
そして「何しやがんだ!はなせ、はなせぇ!」
と必死の抵抗を見せる桐島カンナを応接間の外に連れ出していく。
あっという間の出来事だった。

再び私は床に腰を落とし、一人呆然としていた。
私の頭の中はただ混乱するばかりであった。
その時、男がこちらに向かって歩み寄ってきた。
今度は私が…恐怖のあまり、自分でも震えているのがわかる。

しかし、男の態度はそこで一変する。
「大変失礼をいたしました、萩田先生。お待ちしておりました。さぁ、お手を。」
と言って私に向かって手を差しのべる。
私は差し出された男の手を取った。
今の私にはそうするしかないように思えた。
57名無しさん@ピンキー:02/07/15 23:36 ID:IsJdiOGX
はやくつづきよみたいっす。
58名無しさん@ピンキー:02/07/16 00:33 ID:Lcstxk0e
移転は残念。このスレが移転しなきゃならんのなら
さくらたんのまんこチュウチュウスレだって移転決定だろうが。
今更言っても無駄だけど。
59名@1:02/07/16 01:30 ID:yTetxq1H
>>53さん
もうすぐ夏休みですし、他の作家さんと名無しさんが戻ってくればそりゃもう祭りですよ。
私もエンジン全開、人間全壊で頑張ります( ゚∀゚ ) アヒャ

>>哲太さん
おひさしぶりです。
300えんの後半では書くぞ書くぞと煽ってばかりで(藁、ようやく書けたという感じです。
変に謎をかけたり、なかなか本題に入れないのは私の悪癖で
おそらく今後もそういった傾向が続くと思いますがこれからもよろしくです。
ラチェット編は本当に楽しみです。頑張ってください。

>>55さん
雑談は何がいいですかね…やはりサクラの新作ラッシュについてとかですかね。
何かネタありましたら何でも振っていただければ乗りますので。

>>57さん
ひょっとしてワシのですか?(と言うよりみなさんのですよね。)
自慰意識過剰ですみません。

>>58さん
すいません、私さくらスレとエリカスレで(;´Д`)ハァハァしておりました。(今もしてます。)
私も著しく板違いだったとは思っていませんが、せっかくエロパロ板のお世話になると決まったので
そこは精一杯ここで頑張ろうと思っております。

しばらくはこれくらいの(5ぐらいの)ペースで行くと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします。長文失礼いたしました。
60名無しさん@ピンキー:02/07/16 12:43 ID:7lJnoqys
>>53
以前もこんなものだったよ。
むしろ今はいい方じゃないかな。
200えんの頃はグラマー一人でが黙々とSSを書いてた。
根気よく続けていたのが今に繋がっていると思う。

>>55
雑談に関しては大賛成。
しかしここの職人たちは社会人らしくしょっちゅういる訳ではないしな…

>>58
ここの住人さんは民度が高いからなぁ。
俺も残念だったが今は仕方ない。
500えんがまた戻って立つ場合もあるかも知れないが。

>>59
さくらたん…ハアハアの方でしたか。
あそこもいいスレですよね。
61京極慶吾:02/07/16 12:51 ID:u5TWhyFO
悪党のなき声はきこえんな
62名無しさん@ピンキー:02/07/16 13:27 ID:7lJnoqys
>>61
抜きなさい!京極慶吾!!
63ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/16 15:33 ID:Gb5znYQL
あ〜、つかれる。

>名無しさん@100gスレさん
そういえば歳に関しては深く考えてなかったなぁ(爆)。
まぁ基本は17歳Verと変わらないと思いますがね。
<ロイドといったらフロントミッション
当たりです。その作品のロイド・クライブから頂きました(藁)。
ちなみに自分、FFよりもFMの新作がホスィ(゚Д゚)
そちらの新作も、頑張ってください。

>哲太さん
待っててくれたんですか(^^;)A
とりあえず前作と違って、今回は「戦場の狂気」がテーマです。
一応残りの2人の内、1人は食べてしまうつもりですが(連作にするのか)。
ミリヲタの狂気と笑ってください。
晩餐会の方、期待して待たせていただきます。

>>55
意見交換はしてますがやはり時間帯が……。
夏になれば若干なりとも改善されるかもしれません。

>>60
すみません、自分学生です。定時制の。

そう言えば、最近暇人様と100グラマー様を見掛けませんね?
64ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/16 15:36 ID:Gb5znYQL
(5)
「ほう、以外に感度がいいな。誰かに教わったのか?」
「そん…なぁ…いえ…あっ!……ませぇ…んん!!」
「ふん!まぁいいがな」
モノを一定のピッチで出し入れしながら、銃剣を持った右手でエリカの体中を撫ぜる。
柔らくも、張りの有る臀部や腹部、感度のいい胸の感触を楽しみつつ、再び口付け、
胃液の味がするエリカの口腔を舌で調べるように舐めつくす。
「んっ…んふぅ……んん!」
しばらくそのまま口を塞いでいると、息苦しいのかバタバタと暴れ始めた。
仕方なく口を離すと、唇と唇の間で、涎が糸を引いた。
「ぷはっ!…はぁぅ!…はぁ、ぁはぁ……」
喘ぎながら荒い息をつくエリカの鎖骨に舌を這わせ、汗の味を楽しんでいると、
突然に機体の無線機から、空電混じりの呼び出しが聞こえてきた。
俺は短く舌打ちすると、行為を中止してズボンを上げ、レシーバーを取った。
65ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/16 15:40 ID:Gb5znYQL
(6)
「はいよ、こちら上海亭!どうぞ」
『こちらサンフラワー、小隊長、ネタが古いです。本隊と合流しました。
吹雪がやんだので30分程度で到着できると思います。どうぞ』
「諒解。こっちはエリカちゃんで遊んでるからのんびり来い。終わり」
一方的に言って無線のスイッチを切る。
降りるついでにスプリンフィールドM1903A1ライフルをラックから外して、薬室に弾がないことを確認した。
銃剣をシースに戻し、突然行為を中断されて放心状態のエリカのそばに戻る。
俺は何も言わずにエリカの右足を持ち上げるとライフルの筒先を秘所に潜り込ませた。
「ひゃ!?…な、なに?なにをする気ですか!!」
「なに、尋問の続きだ。お前さんの仲間はどこだ?」
「……答え…たく、ありま…せん」
間髪入れずに突っ込んだままのライフルを力いっぱい押すと、
恐らく筒先が子宮口、いや潜り込み具合からすると子宮の上部に当たったらしく、
その痛みに背中を仰け反らせ、悲鳴も立てられずに口を大きく開けていた。
「!!?……っ!……かは…」
「もう一度聞く、仲間はどこだ?」
「……い…言え……まぁ、くひぃ!!」
今度は捻りながら押し込む。
「あんまり強情張ってると、2度と使い物にならなくなっちゃうぜ。早く言いな」
ゆっくりとライフルをピストン運動させながら、親切心から言ってやる。
しかし、恨みがましい視線以外にエリカから答えは返ってこなかった。
「…ふーん、あくまでも抵抗するんだ。じゃぁいいよ」
俺はそう言うと、無造作にライフルを秘所から引き抜いた。
愛液でべたべたになった銃身やハンドガードを、エリカの太腿で拭う。
別に諦めたわけではない、戦車回収車を待つのだ。
66名@1:02/07/16 18:49 ID:4J2RYqpi

「御案内致します。私の後についてきてください。」
男に言われるがまま、私は男の後ろを歩いていく。
屋敷の地下の一室の前に来たところで男の歩みが止まる。
「この部屋に先生に診て頂きたい者がおります。どうぞ中へお入りください。」
その時久しぶりに私はなぜこの屋敷に来たのかを思い出した。
理由も無く救われたような気がした。

「…失礼します。」
と言って私は部屋のドアを開けた。
その部屋は小奇麗だが薄暗くどこか冷たい感じのするものだった。
部屋の中央には一台の医療ポッドがあった。
私も長く医者をやっているがあまりお目にかかったことが無い代物だ。
しかし、豪邸とはいえ、帝都にも数台しかないと言われる医療ポッドを備えている屋敷…
再び私の中に不安が巻き起こるが意を決し、私は医療ポッドに歩み寄る。

医療ポッドの中には一人の女性が全裸で眠っていた。
歳は二十歳過ぎといったところだろうか。
日本人の女性にしては非常に長身と言える。
腰まである長い黒髪、豊かな胸のふくらみ、細く引き締まった腰回り…
絶世の美女とはまさにこのことだと不謹慎ながらも思ってしまう。

「どうぞ、中を開けて診てやって下さい。」
男に言われ私は医療ポッドを開き、女性に話し掛ける。
「大丈夫ですか?どうされましたか?」
女性は一切返事をしない。
67名@1:02/07/16 18:52 ID:4J2RYqpi

私は異変に気がついた。
脈を取るため女性の手首を取る。
呼吸を確かめるため女性の口元で耳をすませる。
女性のまぶたを開き眼球の動きを確認する。

死んでいる…。

驚きを隠せず一人立ち尽くす私に向かって男が言葉を発する。
「私の妹です。三日前に心臓が停止しました。
妹を治していただけるのは萩田先生しかいないと思い、お手紙をさせていただきました。」
「しかし、この娘さんはどう見ても亡くなられている!どうやって治せとおっしゃるのだ!
一体あなた方は誰なんだ!先ほどのことといい、何をしようとしているんだ!」
私は自分の危険もかえりみず、思いの丈を男にぶつける。

男は軽くうなずきながらこう言った。
「失礼致しました。それについては私の父が説明致します。父上、お入りください。」
その言葉を受けてまた別の男が室内に入ってくる。

その人物を見て私は驚愕せずにはいられなかった。
68名無しさん@ピンキー:02/07/16 19:29 ID:h9C606jp
いいねえ、おふたりのSS。
頑張れ!(;´Д`)ハァハァ
69暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/16 20:01 ID:2DWVoaSO
またまた、お久しぶりでした。
最近グラマーさん来られませんねぇ。寂しいことです。

>名@1さん
私も導入までが長い方です…。
何と言うか、直に拷問殺傷だと華が無いと言うか、こ
ういう書き方しか私の場合できないですねぇ。

あぁ、救命ポッドの人物…多分サクラかな? と思い
ましたが脳内置換で花火たんにしてハァハァしました。
…とても丁寧にお時間を掛けて書かれているように拝察
しますが、良い出来ですね。

>ゲルさん
ロイド隊長でしたか…FMは1しかやっておりませんが、
あれはいい物でした。
カレンデバイスハァハァ(w

色々と他の作品へのオマージュやミリオタ知識が満載
のSSですが、悲しい事にロイド隊長しか分からない自分
に鬱でした。

おお、学生さんでしたか。
と言っても高校生では無いですよね…?
高校生だったら恐るべしです。(誉め言葉ですた)

>60
まぁ、こんなものですよね。
以前のグリスレも消化に半年くらい掛かりましたし。
というか、今が作品の質も上がっており昔と比べての
遜色ないと私は思っておりますよ。
70名無しさん@ピンキー:02/07/16 20:10 ID:CGfocllk
>>63
100グラマーは来てると思うぜ
71名無しさん@ピンキー:02/07/16 23:19 ID:s9sONPB1
あ、又ぼんやりとしてしまいミスしてしまいました…。

>哲太さん
こちらの板では書き込めるようですか?
ラチェたんへの嗜虐、続きが楽しみです。
あ、でももう逝っちゃいますね(w
アイアンメイデンはなんだかんだでも、良い…!

>70
何故?
72名@1:02/07/16 23:47 ID:OY6v81Ui
PCあぼーんしてしまいました。PCが復活次第再開させていただきます。申し訳ございません。
7370:02/07/16 23:55 ID:CGfocllk
>>71
いや、別に根拠はないんだがな。
何となく名無しのレスに混じってる木がする。

ところで71は暇人か?
二次元スレで199が絵をUPしてくれてるぞ。
74哲太:02/07/17 03:50 ID:XkcU7o62
バタッ…

その長い髪を宙になびかせながらその場で倒れた。

「痛い…痛…い……お…願い……病院…へ……私…死んじゃ…う……」

地面にうつ伏せに倒れた状態で再び助けを懇願する。

「…すこし遊びすぎましたね…このまま放っておくと失血死してしまうでしょうから…
 …もう殺しますか。」

そう言ってパトリックはラチェットの髪を再び掴み、最後の器具の前まで引きずる。
「ペリロスの雄牛」。巨大な金属製の牛である。その横腹部分には人間一人入れるほどの扉が存在し、
内部に閉じ込め、外部を炎であぶり、その熱で内部の人間を焼き殺すというもの。

「さあ、次はこの中です。」
「……!!…や…やだ……!……お願い…助けて…やああぁぁ…!!」

既にラチェットの身体はパトリックに持ち上げられ、ペリロスの雄牛の内部に押し込められようとしていた。
泣きじゃくりながら必死に最期の助けの懇願をするが、パトリックは耳に入れようとはしなかった。
75哲太:02/07/17 03:51 ID:XkcU7o62
そしてラチェットの身体は、ペリロスの雄牛の内部に完全に収まった。

「…ただ焼き殺すわけではありません、あなたが死んでも、その肉は私の中で生き続けます。私とともに…」
「………!!!」

扉は閉められた。
パトリックの最期に見たラチェットの表情は「まだ死にたくない」と言わんばかりに歪ませていた。
そうするとパトリックは、そばに置いてある灯油をペリロスの雄牛にブチまける。
そしてマッチ棒を取り出し火を灯すと、ペリロスの雄牛に投げた。
一瞬にして「ゴウッ」っと火が点く。
しばらくすると内部に熱が回ったのか、ラチェットが中で悲鳴を上げ始めた。
その悲鳴が内部で反響し、ペリロスの雄牛は「ゴウ…ゴウ…」と泣き声を上げ始めた。
まるで、雄牛のように。


パトリックは中にいるラチェットを取り出す。
目は白く、身体は赤茶色く焼け焦げ、髪は全て抜け、大量の傷口からはすでに血の流れる気配すら無くなっていた。

そのラチェットを、パトリックは食べ始める。
頭をかじり、目玉をくり抜き口に放り込み、乳房に噛み付き…
ラチェットの肉が自分の胃に完全に収まると、パトリックはその場を後にした。


76哲太:02/07/17 03:54 ID:XkcU7o62
駄目SSに今までお付き合いいただきありがとうございます。
始めのセクースシーンに気合入れすぎたかな…

次からは内容をじっくり考え、濃いものを書きたいと思います。

77名無しさん@ピンキー:02/07/17 12:38 ID:u7lOmNc6
>>73
いるなら名乗るだろう。
今は忙しいのではないか?

>>76
ラチェの肉・・・こんがり焼けて美味しそうだな。
昼時だけに食欲をそそるよ。
78京極慶吾:02/07/17 13:31 ID:Mq0P8kiE
痛いか?
助かりたいか?

だめだな
79暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/17 20:00 ID:jlxxw+Ft
71は私でした…すまそ。

>73
拝見しました。
残念ながら元ネタが分かりせんでしたが、良かったです。

>哲太さん
まずは、ラチェたんの物語の完結おめでとう御座います。
私は残酷描写やエロもさることながら、そのシチュでの
ラチャたんの心理状態を絶妙にあらわす"セリフ"にとて
も惹かれました。

>「痛い…痛…い……お…願い……病院…へ……私…死んじゃ…う……」
のような。
やはりその人物のセリフにより、その人物が置かれた心理状態を端的に
あらわす事が出来る事にはとても感嘆しています。

>78
毎日ご苦労様です。

80名無しさん@ピンキー:02/07/17 22:37 ID:duKmJ1DA
え?
81名無しさん@ピンキー:02/07/18 22:38 ID:fQUcFx5C
サクラ本スレも一時の勢いが無くなった。
ここも寂れてきてるな…

来年春の血潮の発売までもつか…
82名無しさん@ピンキー:02/07/18 22:42 ID:o1EdDzxL
でも名無しさんが多いのはいいとおもいますよ
むこうは職人さんばかりでしたから
83名無しさん@ピンキー:02/07/18 22:43 ID:o1EdDzxL
しまった、ageてしまった
スマソ
84名無しさん@ピンキー:02/07/18 22:54 ID:fQUcFx5C
>>82
ああ、確かにそうかもしれない。
優れた職人さんが集まるのはいいんだけどそれだけじゃな…
読む人間がいれば職人さんもやる気が高くなると思うし。
これだけの書き手が揃ったスレもある意味珍しいのかもしれないな…
85名無しさん@ピンキー:02/07/18 23:19 ID:bfegCaMy
なんか1日1回はこっちを覗くようになってしまった。
それに最近ギャルゲ板は荒れ模様だしさ。
86名無しさん@ピンキー:02/07/18 23:37 ID:fQUcFx5C
>>85
いい傾向だよ。
このスレは何故か荒れないもんな。
87 ◆R5GSeiYY :02/07/18 23:51 ID:K0+hxU10
おお、悲しい事に最近グラマーさんが折られませんねぇ。
普通にマターリと雑談も良いものですから。
というか、世界史板のとあるスレにこのスレのURL張った
の誰ですか?(w
88名無しさん@ピンキー:02/07/19 02:33 ID:MWNd8LA8
なぜに世界史すれ?
拷問系なのだろうか…それとも人肉?
しかしあれですな。恐ろしく職人の多いすれですな。
89名無しさん@ピンキー:02/07/19 02:44 ID:PnAGHFbw
鬼畜きわまりないスレなのに、こんなにも落ち着くのはなぜだろう…
サクラ大戦はやったことがないけど、凄まじくリピドーを活性化させますな。
なにやら、黒い創作意欲がふつふつと、湧き上がってこさせます。

……だからこんなにも、職人率がたかいのだろうか?
90名無しさん@ピンキー:02/07/19 12:42 ID:utOlUA+v
>>87
世界史板のどこのスレ?
何にしても宣伝されるのはいい事(?)さ。
厨が来なければね・・・

>>88-89
更なる職人の誕生か?
人口が増えるのは望むところだね。
グラマーたんはいなくなってしまったようだが・・・
91名無しさん@ピンキー:02/07/19 15:08 ID:COo+AZ3g

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92400グラマー:02/07/19 19:56 ID:vppoWbbC
ギャルゲー板が荒れていて避難してくる方も多い様だな
93名無しさん@ピンキー:02/07/19 21:21 ID:egPSSw+Y
世界史板の食人史スレでしすな。畜生
あそこは比較的安全地帯ですのでまあ、問題はないでしょうな。
それにしたって貼ることもないでしょうに……畜生
94畜生さん@100g:02/07/20 00:12 ID:b2iudZbP


人生には浮き沈みがあるという。なるほど、まさしくその通り。
使い古され、くたびれた台詞ではあるが、今の私よりは上等である。
継ぎはぎだらけで、色もあせたコートですら、目の前を歩く労働者にとっては、
いっぱしの財産であろう。
しかし、世界中のありとあらゆる言語を横糸に、ありとあらゆる悪評を縦糸にして織られ、
血と、精液で染め抜かれたマントを、いったいどこのだれが羽織るだろうか?
だが、それこそがいまの私なのだ。
いや、失礼。自己紹介がまだだったな。
私の名前はアレイスター・クロウリー。
かつては神秘の体現者、唯一人の到達者、偉大な獣と呼び称えられ、
 いまは稀代の詐欺師、歪んだ性倒錯者、麻薬中毒とさげずまれているものだ。

95畜生さん@100g:02/07/20 00:14 ID:b2iudZbP


小屋にはさまざまな匂いが満ちていた。どれもこれも嗅ぎ慣れた匂いである。
空気中の分子が、鼻の粘膜を刺激するたびに、それぞれを思い起こさせていく。
最初にわたしの愛してやまない匂いが鼻腔をくすぐった。
女の汗と、精液の匂いだ。昨夜おこなった性魔術の所産である。
女は元々は娼婦であるが、緋色の女として、毎夜、毎朝、毎日儀式に参加させている。
緋色の女とは性魔術のパートナーのことで、彼女はパリについてから4人目の緋色の女だ。
つぎに嗅いだ匂いも、本来なら私を喜ばすはずだが、差し迫った現実をかんがえると、
そういうわけにもいかなかった。なぜなら匂いのもとは麻薬で、そして
私には買う金が残ってないからである。
かつては銀の皿とナイフで食事をしていたというのに、いまは銀貨一枚すらなく、
背徳と繁栄を極めたかつての寺院は、パリ郊外にある捨てられた農具小屋を、仮ものとしなくては
ならないのが悲しい現状である。
最期の匂いは、まったく喜べなかった。死臭だ。女から死臭がただよってきたのだ。
昨日の私の激しい儀式に耐えられなかったのだろう。
昔は数人の女、時には男も加えたローテンションで
相手をさせてきたが、いまはそういう理由にもいかない。
なるべく抑えたつもりだが、この女の魂にとってわたしはあまりにも大きすぎたのだろう。
これでパリについてから4人目だ。また探しにいかなくては……
96畜生さん@100g:02/07/20 00:14 ID:b2iudZbP


ひとは私を悪魔崇拝主義者とよぶ。それは正解だ。
しかし、また一方で、ひとは私を神の敵対者とよぶ。
わたしが? 神を? 敵視? まったくもって無知極まりない。
わたしは別に神を憎んでいるわけではない。
ただ、『666』の『偉大な獣』のほうが、より強大な存在であると考えているだけである。
神のごとき、卑小な存在はわたしの眼中にはない。
それゆえ、他の悪魔主義者と異なって、私は教会にいくこともある。
無論、神に祈るためではない。
押さえ込まれた欲望、純度の高い魂、霊魂の大きさといった、素質のあるものを探すためである。
教会にはこれらの素質をもった人間が集まりやすいのだ。
とはいえ、緋色の女になりうるような女は(男でもかまわないが)百人に一人いるかどうかだ。
わたしはあまり期待を抱かずに教会の門を押し開け、ややほこりのつもった石床に足跡をつけていった。
いま思えばこの時こそ、運命が開いた瞬間であった。
この世界で私だけに許された特権。
第6幕と第7幕を永遠に開くことなく、天と地のことわりで縫い付けられた第8幕をやぶり開き、
まさに超人、まさに偉大な獣となった幕開けの瞬間であった。
97畜生さん@100g:02/07/20 00:16 ID:b2iudZbP


教会内部にはそれほどひとはいなかった。考えてもみれば平日の昼下がり、
わざわざ教会で祈るものもすくなかろう。
気の弱そうな神父のほかには、数人の信者が祈りを捧げている程度だ。
私はちょっとした失望につつまれていたが、一人のシスターをみた瞬間に、
全てが壊れるような感覚に襲われた。
まず失意の殻が砕かれ、歓喜にふるえる魂がむきだしにさらされた。
そして守るすべを持たない、純欲に満ちた我が魂は、
彼女から放たれる純粋な光にたいして、あわれなほどに無力であった。
つまるところ、わたしは彼女を見た瞬間にありとあらゆる思考が閉ざされ、
ただ本能のままに彼女を奪おうとしたのだ。
私は彼女に近づき、喉に右手をかけるとそのまま強引に立たせた。
なにが起こったのか理解しているのだろうか。やや怯えた目をしたところを見ると、
これから何をされるか、漠然と感じているかもしれない。
恐怖につぐんだ小さな口は、それはそれで嗜虐心がそそがれるが、私は右手に力をいれて
彼女をうめかせた。
苦痛に歪み、息を吐き出したところを狙って、彼女のくちに舌を投げ込んだ。
しかし、彼女は驚いて口を閉じようとしたので、私の左腕は彼女のみぞおちへ導かざるをえなくなった。
突然腹部に襲った衝撃に対して、生存本能がしっかり機能したらしい。
彼女のからだは崩れ落ち、唾液の糸を引いて舌と舌は離れていった。
欲望はすこしも引いてはいないが、場所を選ぶ程度の理性は黄泉返った。
まずは場所と安全の確保である。とりあえず安全のほうを得るために、障害となるモノを排除するため、
わたしはゆっくりと、間抜けズラでうろたえている神父たちに近づいていった。
98畜生さん@100g:02/07/20 00:18 ID:b2iudZbP


こんなにも楽しい気持ちはひさしぶりだ。いや、ここまで昂ぶるのは初めてのことだ。
とにかく、なにもかもが楽しくてしかたがない。農具小屋に運ぶため、
抱き抱えただけでどうにかなりそうだ。
シスターには、あまり相応しいとはいえない、赤の修道服を見ていると、運命に気が狂いそうになる。
そうだ、彼女こそが緋色の女なのだ。
20年前、性魔術の宣託によって得られた
「儀式の伴侶は緋色の女とすべし。」とは、彼女のことであったのだ。
そう思うと今までの儀式がはんば無駄であったという虚無感が生まれる反面、
いまこのために生きてきたのだという確かな実感があった。
小屋に辿り着くと、まず彼女を固定するための道具を探した。
幸いにも農家の道具がほとんど残っているため、それほど苦労はしなかった。
おそらく豚を屠殺するための台に彼女をのせ、手足をかるく引き伸ばし、ロープをくるめて、
それをクギで固定した。
あらためて彼女を眺めるとやはり素晴らしい。
歳のころは16か17といったところか。全体的に丸みをおびた身体つきは、官能的でありながら、
確かな生命感を漲らせている。
顔はまだ美しいというよりも、かわいらしいと表現するべきだろう。
それでも街をあるけば、たいがいの男たちを、振り向かせることが出来るほどのものだ。
ああ、はやく目を覚ましてほしいものだ。
これから行う儀式は、甘美で濃厚なものでなくてはならない。彼女にも意志がなくてはならないのだ。
たがいの肉体と精神の交歓、完全なる魂の融合、アダムとイブ以前の完全なる存在となるために。
99畜生さん@100g:02/07/20 00:22 ID:b2iudZbP


「あれぇ?ここはどこですか?」
目を覚ました彼女の第一声は、ひどく危機感のないものだった。
私はすこし苦笑しながら、彼女に応じた。
「お目覚めかな?お嬢さん。気分は上々かね。」
「はい!たくさん寝ましたからもう全開です!…でも少しお腹がじんじんしますね。
 やっぱりいただいたシュークリーム、6つ全部食べてはいけなかったのですね…
 5つにするべきでした。
 あと手足もすこし痛いです。あっ! しばられてる!!だから痛いのですね!
 じゃあ、お腹もしばられているのですか!? それよりあなたは教会で……!」
私は私が認識している以上に、興味深い事象に遭遇しているのかもしれない。
私が宇宙の深淵を覗きこんでいる最中も、彼女は唇を奪われたのを思い出したのか、
それとも怒りからか、顔を赤らめながらしゃべり続けた。
「あなたはだれですか!何が目的ですか!
 ここはいったいどこですか!?わたしはいったいだれですか!!?」
じつに簡潔で明瞭な質問である。最期の質問は、これはこれで興味深いが、
これは彼女の個性ということで、置いておこう。
「私の名前はアレイスター・クロウリー。御存知かね?一時は世界をにぎわさせた者だが。
 まあ、この場合肩書のほうが私を解かってもらえるでしょう。
 私は悪魔崇拝主義者。そしてあなたには、完全なる緋色の女として身も心も、
 そして魂さえも捧げてもらいます。
 そのかわり、陵辱と狂気の狭間にかくれる、自然の領域を越えた底のない快楽を、
 あなたに差し上げましょう。理解されましたかな?」
悪魔主義者と聞いて、彼女は私になにかを言おうとしたが、
恐怖のために、うまく口が動かないらしい。
だが、それでいい。もはやこのサバトに言葉はいらぬ。ただ獣の如し声があればこと足りる。
キリストや、神を信仰するものたちの、薄っぺらいルサンチマンを破り散らし、
原初の純欲をもって、四肢五臓六感を満たしてくれよう!!
100ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/20 00:40 ID:ZdDPo4z2
やばい!ネタ詰まり。書けない(爆)

>名無しさん@100gスレさん
う〜む、この死体一体誰なんだ?とりあえず感想保留。

>暇人様
あ、FMをプレイされた事あるんですか、ありがとうございます(何故礼?)。
しかも自分と同じカレン派……重ねて御礼申し上げます(だから何故?)。
まぁ作品に関してはミリタリーしか書けませんし、オマージュになってる部分は思い浮かばなかったためと、かなりお粗末な頭のつくりですから┐(´Д`)┌
というかミリタリやオマージュ部分はマイナー所から持って来ているので判らない方が普通です(^^;)A。

>哲太さん
ご馳走様でした。拷問器具に関しての解説大変参考になりましたよ(゜▽゜)ノ
ラチェタン、美味しく頂かせて貰いました(合掌)

<世界史スレ
ここも歴史なんでしょうか?
『銀河の歴史が、また1ページ……』と、自分達も歴史を作ってるんですねぇ(しみじみ)
101畜生さん@100g:02/07/20 00:44 ID:b2iudZbP
100g時代からROMってたものです。
ギャルゲー板の時は、名無しさんの書き込みすらしなかった、ふつつか者です。畜生
このたび活動領域である、ピンク板に移転したので、粗末で御座いますがSSを書きこみさせていただきました。
なにぶん、作文やらレポート以外で、文章を書くのはこれがはじめてですので、
あらのあること限りなしで御座います。畜生
はなはだ未熟で御座いますが、以後、御目御知りいただければ、幸いです。

102ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/20 00:49 ID:ZdDPo4z2
>>94-99
おお!?また新たな職人さんの誕生ですか!
しかもあの女ですか!いやはや、これぞ本場のカバリニズムって奴ですね。
私も精進しつつ、期待して待たせていただきます。
103畜生さん@100g:02/07/20 00:51 ID:b2iudZbP
あれだ……
エロスがまるでないで御座います。畜生。
というよりいまだ自信がないかぎりなのです。畜生。
土日にブック・オフでエロ小説をあさり、来週には陵辱編を、うpしたい所存で御座います。
重ねて失礼、お粗末。
104畜生さん@100g:02/07/20 01:07 ID:b2iudZbP
>>102
ゲルリッヒカノーネ+殿、御目にかかり、光栄至極で御座います。
氏のエロスとバイオレンスの螺旋饗宴には正直、リピドー、垂れ流しです。
今日この場で、0と1の欲望を表現できたのは、氏を含め、先達の職人さんたちの
たまもので御座い。
もしよろしければ、今後ともいろいろご指導おねがい致します。
105 ◆R5GSeiYY :02/07/20 02:14 ID:cnFVF635
>ゲルさん
こちらも敬礼っ! そろそろ、近くの航空基地でフェア
やるのですがF-16やブルーインパルス見たいなぁ。
以前逝った時は、鉄兜?につける迷彩帽を100円で沢山
意味も無くゲットしましたねぇ。
FMは興味があるので続編もやりたかったのですが、操作性
やレステンポが最悪だったのが残念至極。
ストーリーは気になってはいたのですが。

カレンデバイス…どんなのでしょうね。
培養液にカレンの脳髄がぷかぷかと…それも良し。

>畜生@100gさん
おお、西洋の大魔術師クロゥリーですか。
エリカを精神的にいたぶるには最適かも(w
私は陰秘学や神学などはあまり知らないのですが、どうして
神<悪魔という図式を悪魔崇拝者は取るのでしょうね。

一番の問題点はすべての過去と未来を知る事が出来る全知全
能の神が何故に、天使の堕天や人間の原罪の咎を許したので
しょうか。
ま、この辺りは詭弁神学ですが、神は全知全能である。故に、
悪魔も苦痛も悪も全て神より生じている。(しかし、絶対善
という意味合いにおいては矛盾)
この問題に答える事が出来る聖職者の人はいないそうです。

おっと、脱線しますた。
エリカたん、楽しみです。
106100グラマー ◆gKddwfIM :02/07/20 22:37 ID:aIZX+rpX
皆様、ご無沙汰です。
こちらでは初めましてだったかな?

順調にスレが伸びてますね。結構結構。
しかも新たな職人様が登場とは喜ばしい事です。
皆様のご活躍、心から期待しております。
107名無しさん@ピンキー:02/07/20 23:35 ID:Modbcm+L
グラマーさんのもまた是非…
108哲太:02/07/21 00:20 ID:7tg7H8Gc
こんばんわ、お久しぶりです。

>>グラマーさん
どもです(^^
今私はネタも浮かばず、前回のラチェのSSも打ち切りみたいにしちゃいましたし…

皆さんのSS最高です。頑張ってください。
109100グラマー ◆gKddwfIM :02/07/21 23:15 ID:pkXG3Tea
>>畜生様
レスが遅れた様で失礼致しました。
気持ちが踊るような展開です。
エリカは陵辱の対象としても実に魅力的ですね。

>>107
むぅぅ…時間があれば…って、こればっかですな(;´д`)

>>哲太氏
そうですね…何でも持続するのは大変です。
長編書いてたら集中力が切れてしまうのが怖い…。
110 ◆R5GSeiYY :02/07/21 23:37 ID:ZMTYz2ST
>哲太さん
ネタが浮かばないときは…色々と見ている内にそのうち湧いて
来ますよ、きっと。
全レスで出ましたが、世界史板の人肉スレも面白いですねぇ。

>グラマーさん
おお、久方ぶりでした!
沢山の職人さんが来てくれているので、もう私はいらないの
ですが、雑談を楽しませて頂いてますよ。
ま、時間があればこれからも是非お越しくださいませ。
111名無しさん@ピンキー:02/07/22 12:39 ID:hMd0bqFk
グラマーイキテイタノカ・・・
112100グラマー ◆gKddwfIM :02/07/22 22:01 ID:/xsd/NMh
>>111
( ´∀`)
113畜生さん@100g:02/07/22 23:36 ID:od0ebqPF
なかなか遅遅として筆は進まず、先立の苦労をしのぶ日々で御座います。
明日にはある程度仕上がりそうで、申し訳ない限りです。

>◆R5GSeiYY 殿、
拙もそんなには詳しくはないのです…。ただ、時期的に重なっていたのと、
面白げな御仁でしたので、登場願いでたわけで御座います。

>哲太殿、
氏の精力的な創作活動には、頭の下がる思いで御座います。
拙の遅筆を思い知った今では、むしろ妬ましいぐらいで御座い。畜生(w

>グラマー殿、
黎明期からのご活躍、こころから敬服します。
拙の創作精神を開き、このスレに至るまでの、かがり火を灯して導かれたのは、
間違いなく、氏の作品群で御座います。
はなはだ未熟で御座いますが、今後ともよろしくお願いいたします。
114畜生さん@100g:02/07/23 23:40 ID:CuV4jcrC
7

彼女のほほには、私の手ががっしりとおさまっていた。無論、口を閉じさせないためだ。
私は口を少し開け、彼女の唇を飲み込むように重ねた。

「むぐッ!!うぐぅぅうッ!!うんんんんん!!!」

舌で、逃げる彼女の舌を絡めとり、前歯から奥歯にかけて、特に比較的敏感な前歯は、表も裏も丹念に舌を這わせまわり、
彼女の口膣を犯し続けた。
口での呼吸が出来ないためだろう。しだいに彼女の呼吸が荒くなってきている。
そのため、鼻腔からあふれる、精一杯の生暖かい排気が、私の顔をなでた。
それでも苦しいのだろうか。なお呼吸は荒くなり続け、
目には涙を滲ませてきた。私は少し呼吸をさせるために、口を離すことにした。

「うごッ! んッ はあああぁぁっッ!! はああぁぁぁ!!!はああぁぁぁっぁ!はあああああぁぁぁぁ…」

獣のごとく呼吸を荒げ、まるで食料が残り少ない時に出された馳走のように、彼女は空気を貪った。
これまでの人生で、彼女は今日という日ほど、空気に感謝を捧げたことはないだろう。
しかし依然、私の手が、彼女のほほにかかっているために、口を閉じることができず、荒々しい呼吸の
はしから溢れる唾液は、流れるがままにされていた。
私は彼女の唇から溢れ、ほほを伝い、顎から流れ落ちる唾液の巡行を、逆の過程で舌をはわせて、
そのまま彼女の口内に舞い戻らせ、ひとしずくとて漏らさないよう、再び唇を包み込んだ。
115畜生さん@100g:02/07/23 23:41 ID:CuV4jcrC
8

どれほどの間、彼女の口膣を犯したであろうか。
舌を絡ませ、唾液を飲み干し、また、飲み干させ、気がつけば、お互いの吐息と吸気が合わさるほどに、呼吸が解け合っていた。
それを確信した時、不意に、私は幸福感に襲われた。
思わず、否定しようとも思ったが、それでは『欲することを、行え。』という思想に反する。
正直に告白しよう。
私はまるで、十代の少年のような青々しい喜びを伴って、彼女に恋をしてしまったのだ。
これは、まったく予想していなかったことで、まさか半世紀も生きて、このような感情を抱くなど、思いもよらなかった。
永年、忘れ去っていた胸の高鳴りが、むせ返るような渇望が、すでに枯れ始めている、我が肉体のその奥にまで、浸透していった。
気が付けば、私は彼女の頭を、強く抱き抱えていた。
彼女は目に見えて困惑していた。ようやく開放された唇を動かすことも忘れ、
ただ、ただ、私の顔を見ようと、抱えられた頭を動かすことに、努力を費やした。
その努力は無駄だと悟ったのか、口の自由を思い出したのか、ともかく、彼女は、この突然得た権利を行使することに決めたようだ。

『あなたが何故、このようなことをするのか……わたしにはぜんぜん解かりません…。
  でも、こうして抱きしめているあなたからは、悪意意外のものを感じます…。
  あなたの為にも、おねがいです。わたしを解放してください…。主はきっと許して下さいます。』
116畜生さん@100g:02/07/23 23:42 ID:CuV4jcrC
9

どうにも、彼女は真性、シスターであるようだ。
いままでも、シスターを緋色の女にしたことは、一度ならず、二度、三度覚えがある。
だが記憶にある女たちは、いずれも身に付けた修道服以外、神に捧げた所は一つたりとて、在りはしなかった。
だが目の前の彼女は、そのアイデンティティーの深層基部において、あのラテン面したユダヤ人に、身を委ねているようだった。
私は心から、彼女を救いたいと思った。私の為にも。私の方法で。
その方法は彼女の望むところではないだろう。愚かにも、組み合わさった二本の棒切れに、すがるかもしれない。
あるいは怨嗟の声に溺れるかもしれない。
少なくとも、私が自分の愛の形をつらぬけば、彼女は生きてはいられないだろうから。
つまるところ、私にはそのような方法でしか、人を愛せないのであろう。
だが、自らの神と信仰を押し付け、それをもって、救済としようとした彼女のそれと、本質的な違いがない事に、
果たして彼女は気づくだろうか。
117畜生さん@100g:02/07/23 23:42 ID:CuV4jcrC
10

ようやく夜も、その領土を広げ始めた。
市内に目をやれば、エッフェル塔を中心に、ぼんやりと灯火をかかげているが、郊外のこの地では順調に占領が進んでいるようだ。
ロウソクの火以外、光源を持たないこの小屋では、光とも影ともつかない領域で、ゆらゆらと世界が責めぎ合っていた。
いや、実際にゆらめいているのだ。
屠殺台の上で18本のロウソクに囲まれ、真珠から彫刻して現したような肌をさらし、熱の為か、恥辱の為か、
手足を縛られている肢体をくねらせながら、何とか秘所を隠そうと、彼女は懸命にもがいていたのだ。
『こっ、こんなことをして、あなたは許されると思っているのですか!!!』
顔を赤らめ、目に涙をたたえながら、それでも確かな意志をもって、彼女は私に叫んだ。
『許すも、許さないも、一体どこのだれが私を罰するというのかね?
  踊り子の振る尻にゆらされ、ポケットから賄賂をこぼしている、誇り高いパリ市警かね?
  あるいは私の良心とでも言うつもりかね。悪魔崇拝主義の私に? 少なくとも私は私の良心に従っているつもりだがね。
  それとも、神とか主とか言わないだろうね?「 汝、7の、70倍許せ。」マタイ伝、18の21だったかな。
  少なくとも、私にはあと489回、君を辱める権利があるわけだ。それも君の信じる主に保証された上でだ!』
彼女は怒りのあまりか、それともショックの為か、口を閉ざし、足掻くことも忘れていた。
しかし、私にはそれに合わせる必要は、全くない。
私は彼女の秘所に手をあて、茂みに隠された、快楽のつぼみを探し当てた。
彼女はなにか非難の言葉を浴びせようとしたのかもしれない。あるいは、再び神の言葉を伝えようとしたのか。
だが、親指を、快楽を与える以外に機能していない部位にこすり当て、残りの指を、熱をたたえた彼女の奥に沈めた時、
口から漏れたのは、意味を持つ人の言葉ではなく、ただの獣のものだった。
118畜生さん@100g:02/07/24 00:19 ID:1g34gvy2
11

『思いのほか、過敏に反応されますな。いままでにも、自分で自分のものを慰められた事がおありなのかな?』

そう聞きながらも、私は指をなお執拗に、彼女の内へ潜り込もうと荒々しく動かしていた。
より深く、一本よりも二本に、より深く、さらに深く。
願わくば指だけではなく、手を、腕を、肩を、頭を、胸を、私の肉という肉、その全てを彼女の中に納まりたい。
生殖器の交わり以上に、真実の意味で彼女とひとつになりたいと、私は願った。
現実はそのようなわけにもいかず、せいぜい、四本の指がようやく全て、彼女の中に隠れる程度である。
それすら彼女には未踏の破痛であったわけだが。
彼女の反応は、極めて単純なものであった。すなわち、暴れ、叫ぶ。
肺に込められるだけの空気を全て絶叫に費やし、束縛された手足は、身体を暴れさせることによって、ようやく生まれた関節のゆとり、
その限界の危うい線上にまでねじり動かした。
無論、それで何かが良くなるわけでもなく、事は無駄に終わるか、あるいは悪化するのが世の常である。
そして、世界の普遍法則は、彼女にとって歓迎せざるベクトルで、働いていたらしい。
119畜生さん@100g:02/07/24 00:41 ID:1g34gvy2
12

すなわち、事は悪化した。
暴れ動いた際に、ロウソクの何本かが倒れ、彼女を炙りだしたのだ。
その内の一本は、彼女の頭の右に置いていたもので、すでに髪からはいやな匂いが燻ぶり出している。
ツヤのある栗色の髪は、日々、大切に世話をして、伸ばしてきたものなのであろう。それが燃えている。
彼女は半狂乱になって、頭を、髪を、右に左に振りまわした。
しかし、無情にも火はなお燃え盛り、散らばり舞う彼女の髪は、豊かに実った胸を、天上の技巧で刻まれた顔を、
なんの価値も認めずに、ただの肉塊として焦がし始めた。
だが、その香りの香ばしい事。
苦痛と狂気に侵された彼女の顔から立ち昇る煙を、私は鼻腔から脳髄へと叩きつけた。
彼女の香気は私の精神のすみずみにまで充満し、そして原初から備えているひとつの欲望に対して支配杓を与え賜えた。

『 食 欲 』

私は、ようやく彼女と一つになる道を探し当てたのだ。
 
120畜生さん@100g:02/07/24 01:01 ID:1g34gvy2
ようやく100gスレらしい展開になりますた…
筆どころか話までも遅い有様で、畜生。
しかも、ようやく本編かと思えば、BQですのでそんなに話を引っ張れない罠で御座い。
ただ、ただ、申し訳無し。
121名無しさん@ピンキー:02/07/24 02:25 ID:fk0TAvqn
あんたの文章よみずらいわ・・・
122名無しさん@ピンキー:02/07/24 03:19 ID:+1MKB4pB
改行に失敗したのかな?
123畜生さん@100g:02/07/24 12:34 ID:B+HUHBIC
申し訳御座いません……
目下、文章の書き方を勉強中で御座いますゆえ、平にご容赦を…
124名無しさん@ピンキー:02/07/24 12:52 ID:Z6zFyiXB
>>123
がんばりや
125名無しさん@ピンキー:02/07/24 21:57 ID:0jzu0fjl
>123
俺はこういうの好きだわぁ
応援してるよ〜頑張って〜
126畜生さん@100g:02/07/25 00:06 ID:tbkklkez
>124、125殿
激励の御言葉、なによりの褒美で御座います。
また、文章の悪癖、誤字、脱字などあれば遠慮なく御指摘下さいませ。
それが何より為になりますれば。

話が変わりますが、拙もフロントミッションは大好きです。
1、2、3、ガンハザードをやりましたが、やはり1が最高作だと思っております。
ヒューマニズムの欠片もない、金と権力の理論のみが支配する戦場で、
鉄と、硝煙と、血の匂いの中で生きる傭兵達にのみ許された人間としての物語。
そしてそれすらも踏みにじらんとする、謎の機関の存在と暗躍……

萌えで御座い。
127ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/25 12:05 ID:QZxmXdja
(7)
戦車回収車はさっきメリッシュが言ったとおり、30分程でやってきた。
俺の愛機と光武F2をトランスポーターに積み込む作業をしている工兵をよそに、
俺は尋問を再開すべく、エリカのそばに歩み寄った。
「おい、気分はどうだ落ち着いたか?」
声をかけてもエリカはうずくまったまま、何も答えない。
やれやれと肩をすくめ、背後からエリカを押し倒し、
悲鳴を上げて暴れるエリカの服を全て剥ぎ取って俺は聞いた。
「これが最後だ、仲間の場所を吐け」
「……いえません」
俺はふうと溜息をついて、後ろ手に手錠を掛けたエリカを強引に立たせて入り口まで引き摺っていき、雪の上に裸のエリカを放り出した。
短い悲鳴をあげて倒れたエリカの背中に足を乗せ、持っていたライフルの銃口を右上腕に押し当てる。
「いい加減にしろ、なんならお前を自白剤漬けにして廃人にしてもいいんだぞ……」
呟きながら手にしたライフルのボルトを操作し、薬室に弾を送り込む。
「それとも、この場に置いて行かれたいか?」
最後に温度計を見たとき、針は−20℃を指していた。
もし仮に裸でこの場に放置していけば翌朝には見事な冷凍肉が出来上がることだろう。
そんな事を考えながら、背中に乗せた足に体重を掛ける。
「が……げ、げほっ!……苦しい……やめ…てぇ!!」
「止めて欲しければ質問に答えろ」
「いやぁ!言えません、私には言えません!!」
「貴様ァ!」
128ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/25 12:07 ID:QZxmXdja
(8)
発砲。
二の腕から血が飛び散り、辺りの雪が紅くイチゴフラッペの様に染まり、硝煙のツンとした臭いが鼻を刺した。
「!?…ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
痛みに、泣きながら暴れ狂うエリカを、足で押さえもう一度ボルトを操作する。
熱く焼けた空薬莢が薄い煙を引きながら、エリカの肩に落ちて跳ねた。
「さぁ、気持ち良くなった所で質問に答えてもらおうか?嫌と言うならお前さんの手足にまた鉛弾が食い込むぞ」
「…………」
「そうか、もう一発欲しいのか……」
涙と涎でベタベタになった顔を一生懸命振りながら拒否の意を示すエリカ。
「言う気になったのか?」
「………はい」
「よし!続きは本部で聞いてやる。メディークッ(衛生兵)!!手当てしてやれ!!」
わらわらと駆けて来る衛生兵。
それを見ながら、新たなる戦いに俺は胸躍らせていた。
(エリカ捕獲編:終)
129名無しさん@ピンキー:02/07/25 12:43 ID:dyicoeFa
>>128
エリカ捕獲編終了ご苦労さん。ゲルらしいSSでよかったと思うよ。
次に期待してる。

畜生・ゲル…エリカは人気あるな
130ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/25 13:22 ID:QZxmXdja
一応エリカ捕獲編完結。次はロベリアです、喰います。

>畜生さん@100gさん
なかなかの力作凄いですネェ。
魔術だとか神だとかはさっぱり判らない自分ですが、
エリカの天然らしさが出ていいていい感じですね(゚◎゚;)<スコースコ-
でも……食べるんだヽ(T▽T)ノ<ウワ〜ン
所でそちらもFM好きなんですか、意外にこのスレFM人口多いんですね(リアルだと知ってる人が居ない)。
オマケに1が最高とは……同志!(゚-゚)b
世間一般には糞ゲーと言われているようですが、FFの労力を1/10でもつぎ込めばもっと良くなると思いますが。
SSのほう頑張ってください。

>暇人様
あ〜暇人様の近くの基地は結構大きいんですなぁ、F−16なんか写真でしか見たことありませんよ(爆)。
最も以前ハリアーUの地上展示を見たことありますが。

FMの続編とはセカンドの事でしょうか?あれは確かにつまらなかった。
ストーリーは良かったがシステムがSFC用のFM1の物を流用してましたからねぇ。
とりあえずカレンデバイスのイメージとしては培養液を入れた鉄箱に脳味噌がどんぶらこどんぶらこ……。

>100グラマー様
お帰りなさいです。
人肉饅頭・巴里編、続きに期待しております(酷い!)。

エリカタンの性格、以外に掴みきれて居ない事判明。
131畜生さん@100g ◆400.xumw :02/07/25 14:47 ID:hSjSVAYm
>ゲル殿
乙に御座います。
まさに戦場とは生命の饗宴。
知恵の実に縛られしイチジクの葉を破りさる原初の贖罪。
神に捧げられた一人の戦死は百の祈りに勝り、百人の価値は一発の爆弾にも劣る。
ゆえに、生きよ。
生存こそが唯一無二の価値なれば。

戦争は無論恐ろしいものですが、それだけに向き合わずにはいられない麻薬で御座いますな。
事象の全面否定は思考と可能性を殺しかねませんので。

しかしロイドとカレンはよかった……
いまでもカレンをB型デバイスとして取り返した時のシーンを思い出すと…
これからはずっと一緒に戦おうというロイドの悲哀がまた、なんとも。
132畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/26 00:16 ID:mZbk9miB
トリップ変えてみますた。
133畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/26 00:18 ID:mZbk9miB
13

贖罪の羊というものがる。
神に許しを得るために、羊を供物として諸々の罪を背負わせ、骨が無くなるまで燃やし尽くす儀式である。
もともとはユダヤ人達の儀式であったが、旧約聖書を通じてその精神はキリスト教にも伝えられている。
手足の自由を奪われ、炎に柔肌を嬲られる彼女の様は、まさしく贖罪の羊そのものであった。
すでに飛火した炎が小屋を燃やし始めていた。
まったく、神とはつくづく強欲なものだ。どうあっても私に彼女を渡さないつもりらしい。例え彼女を灰にしようとも?
そのつもりならそれで結構。
こちらも用意は出来ている。すでに私の喉は唾液で溺れんばかり。
何より彼女を掴み抉ろうとするその腕は、おお、見よ!!
これこそ真実の奇跡、純粋なる欲望のみが開き得る人生の第八幕、偉大なる獣の誕生劇!!
まるで、皮膚下で異形の蟲が異常な繁殖を行っているかのように、私の腕は脈動して大きく成長を続けているではないか。
幻覚ではない。
神の造りし牢獄を破り、己が魂の深淵を探求と不転をもって覗き込み、
否定に満ちた自らの欲望と原像に向かい会った者のみに許された、真実の形。
脈動と膨張の繰り返し、やがて皮を破り裂いて現われたる我が腕は、
強靭な肉と爪を備えた、獣のそれであった。
134畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/26 00:19 ID:mZbk9miB
14

いまだ体液に濡れる獣の腕を自らの所有物として証明する為に、
私は彼女の乳房を軽く揉み下そうと試みた。熟しすぎたトマトをもぎ取るように、軽くだ。
しかし彼女の胸にかかった私の爪はその弾力を楽しませることなく、
かわりに肉を刺し通す感触のみを伝えて胸のうちへと沈んだ。
だが悪くは、ない。むしろ実に楽しい。
今度は手に力を入れてみる。髪の毛を掴むようにほんの少し。
先程と違い、かかる負荷が点ではなく面であるために、今度は肉の弾力を手に感じる事が出来た。束の間ではあったが。
彼女の絶叫と、胸のはじける感触。
私のささやかな労働は彼女の乳房を永遠に失わせ、美しく狂気で彩られた顔に喪失の涙によって炎から守るすべを与えた。
私は手の中に残った乳房を口に放り込み、かろうじて原形を保っている乳首を舌の上で転がして深く味わい、咀嚼した。
ああ、これだ。これこそが私が探し求めたもの。
一流の料理は舌を喜ばすだろう。極限状態での水は命を揺さ振るという。
では彼女の肉は?
咀嚼された肉が喉を通ると歓喜で涙に咽ぶ。
彼女の肉が私の中で消化され、やがて吸収されることを思うと真実の一体感に愛を覚える。
そう、これこそ私と彼女の婚約の儀式。庶世が誓う欺瞞のそれではない、確かな永遠への始まりなのだ。
135畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/26 00:32 ID:mZbk9miB
ここまで書いて、ふと疑問が湧きたてり。
巴里の怪人はいかにして生まれたのでせう?
作品中になにかしらの説明はあれば、御教授お願い致します。
実は、拙はいまだサクラ大戦をやっていないのです。鬼畜。
作品の知識はもっぱらTV放送と雑誌なので御座いますれば、細かい設定までなかなか至れないので御座い…
はなはだ申し訳なし。
136ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/26 02:31 ID:EIafgOMH
部屋がゾイドで一杯です(泣)

>>129
いや〜、内心はらはらモノでした。
『ミリヲタ逝って良し!』何ぞと言われたら泣くに泣けませんから。
この路線で、ロベリアとグリにチャレンジしてみます。

>畜生さん@100g ◆666tXXX2さん
今思ったのですが、SSの内容もレスにも詩的(?)な表現を多用されてますね。
それがまたいい雰囲気を醸し出してますよ。頑張ってください。
それと巴里の怪人たちに付いてですが、劇中で語られた事を要約すると、
怪人たちは巴里の中心地シテ島にかつて住み、紀元三世紀半ば頃にローマ人によって滅ぼされた人達
『パリシィ』の怨念が具現化したものとして描かれているようです。
これ以上はネタバレなので深く言えませんが、怪人たちもまたパリシィの怨念の被害者であると言えます。
もっと深くお知りになりたければプレイしてみる事をお勧めしますが……今でも手に入るのかな?

欲望の果てに狂気が蠢き、狂気の果てには終焉が横たわる。人類は何も学ばない……
↑この台詞、一番のお気に入りで事あるごとに口走ってます(藁)。
137畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/26 11:57 ID:axmUw6Iy
>ゲル殿
欲望の果てに狂気が蠢き…

FM3冒頭の詩で御座いましたっけ?
だれとも知れない無名兵士がただずむ廃墟の絵を思い出しました。
私的にはFM3、ゲームとしてシリーズ随一の出来で御座い。しかし……主人公が…。
日本の高校生が、妹を助けるために軍を相手に?
いえ、上等な動機では御座いますが、そんなことで戦争をするのかと小一時間(略

攻略本(上)を購入致しますた。しかしDCを持っていない罠で御座い。
パリシィですか。確かPARISの語源となったガリア人の一部族でしたっけ。しかし、確か彼らは
ゲルマン人の大移動の際には残っていて、その後にブリテン島へ押し遣られていたような……
それはそれとして、怨念で御座いますか。怪人のプロフィールに年齢と出身がありましたので、元々は人間、
それにプラス怨霊パワーで変身したので御座いましょうか。

名前が長う御座いますので是非、略して下さいまし。畜生さん、とでも御呼びいただければ、幸いに御座います。
138名無しさん@ピンキー:02/07/26 14:16 ID:HK2MWYLq
畜生はがんばっているな〜
ほかの作家さんもがむばってくれい。しかし職人人口の多いスレだな。名無しのレスより多いよ・・・
139名無しさん@ピンキー:02/07/26 14:44 ID:dCHuqIiR
名無しのレスは結構作家さんにとって励みになるぞと言ってみるtest
140名無しさん@ピンキー:02/07/26 16:35 ID:JPsclFHQ
ROMっているやつは多いとおもう
141名無しさん@ピンキー:02/07/26 19:00 ID:yMbzKOYq
確かに。なんだかんだで結構歴史長いし。
いっぽうでほんとに気にいってるやつだけがギャルゲから流れているのだと思う。だから荒れない。
142名無しさん@ピンキー:02/07/26 19:02 ID:yMbzKOYq
すまん・・・アゲちまった・・・
おれが荒れる原因作ってどうする・・・・・回線きって首つってくる・・・
143名無しさん@ピンキー:02/07/26 19:51 ID:CXcoJ135
美少女、アイドルから巨乳、素人撮りまでナマ撮りマガジンついに解禁!
http://www.graphis.ne.jp/
144名無しさん@ピンキー:02/07/26 21:33 ID:3CwXjhlc
いいタイミングだ(w
145名無しさん@ピンキー:02/07/26 22:06 ID:w6kjPzua
なんだ、このスレは、削除依頼は?
146哲太:02/07/26 22:08 ID:gw9CubOp
お久しぶりです。
最近用が増えましてあまりこれません。
暇できましたらSSゆっくり拝見します。
SSも書きたいんですけどね〜…
147畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/27 00:10 ID:YVp7JRUw
御久しゅう御座います、哲太殿。一週間ぶりで御座いましょうか。

事情は人それぞれなるが世の常。
されどその垣根を払いたがるのも世の常。わがままと笑いやんせ。
越えられない、覗けない、壊せない。
どうしようにも入れない。
まこと鉄壁なりしは人の心ぞ。悲しきかな、嬉しきかな。
異なるからこそ引かれるゆえに。

御多忙の限り、御疲れ様で御座います。
今年も酷暑の兆しがちらりほらり致しますゆえ、健康にはお気を付け下さいまし。
願わくば物語を綴るちからが残らんことを。
拙と異なる氏の作品を愛するゆえに。
148ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/27 00:14 ID:3YSyKJoo
ではお言葉に甘えまして。
>畜生さん
さいです<FM3のキャッチコピー(?)
3はゲームシステムは良かったが、シナリオとヴァンツァーが萎えたなぁ
(だってパラメーターで見ると5系統しかヴァンツァー組めないんだもん)。
スタッフにヴァンツァーに対する愛を小36時間説いてやりたい。
FMネタはこの辺で止めましょう。スレ違いっぽいから。

ちなみに怪人達とエリカ君達は、同じパリシィを先祖に持っています(本編中でも問題になりますた)。
下手すると、エリカ君たちも怨念パゥアー(俺命名)によって変身していたかもしれませんね。
後パリシィですが、自分とこの資料だとケルト人の一種、ゴール人の中でもシテ島に住んでいた人達を
パリシィと呼ぶとなってます。畜生さんの知識が正しいのか、自分の資料が正しいのかは判りませんが。

ちなみに自分はサクラ3をやらんが為にドリキャスを買いました(爆)。
しかも生産中止直後に(弾薬庫誘爆)。

>>145
私達、職人の生息場所をとらないで下さい。
地雷よりも花を、削除依頼よりもSSを下さい。

>哲太さん
あ〜、お忙しいのですか。
ゆっくり待ちますので仕事とSS、頑張ってください(オレモナー)。
149畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/27 00:14 ID:YVp7JRUw
>141=142殿
首を吊るに及びませぬ。144殿がおっしゃるとおり、正直ワラタ(w
150畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/27 00:38 ID:YVp7JRUw
>ゲル殿
御返答、感謝致します。
なるほど、つまるところ土地を奪われた先祖のうらみに共感した人々が、
自分の欲望なり願望なりに沿った変化を遂げるのですな。

パリシィ族に関してですがどちらの資料も正しいといえます。
もともとケルト族というカテゴリー自体おおざっぱなもので御座います。
一方でガリア人とはローマの視点で見た、フランス周辺に住んでいたケルト人を指す言葉で、
ゴール人のパリシィ族もこれに含まれます。
ブリテン島にはローマに追われたケルト系の一族が多数渡っており、パリシィ族は現在のスコットランド地方に移住したそうです。
だから、あまり現在のパリを怨む必要ってないんですね……
いまのフランス人はローマの末裔たるラテン人ではなく、ゲルマン系民族ですし…
151名無しさん@ピンキー:02/07/27 23:23 ID:67JvOk8z
アカホリ先生のシナリオにけちをつけないでくださ〜い!!!!!!!!!!!
あなた何様のつもりですか?
152名無しさん@ピンキー:02/07/27 23:34 ID:7OV5YhaH
また香ばしいな。おい
あまり俺に夏を感じさせないでくれ。
153ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/07/28 00:28 ID:bsC8cGTZ
恐れていた崩落事故発生。カノントータスとハリアーGR/Mk5大破(泣)。

>畜生さん
すみません、ヨーロッパの人種問題については専門外なので深く知らんのです。
本編中で語られた事ぐらいしか判りませんので(と言うか真面目に勉強していない罠)。
まぁ自分に言わせれば『怪人達はテロリスト(暴力主義者)と変わらない、よって殲滅すべし』ですからね。
よく復讐に情熱を掛ける映画の主人公などを見かけますが、自分にはその行動理念が理解できません。
復讐を果たしても祖先が生き帰る訳でもなし、自分の人生を棒に振っているようにしか見えないのですが、
そう言った復讐について畜生さんはどう思われているのでしょう?

>>151
血を啜り、肉を剥ぎ、湯気を立てる臓物を喰らいたい……。
そう言う想いだけでSSを書いております。
けちをつけるなどとんでもない、あかほり氏への賞賛の声ですよ、このSSは。

本気でお腹がすいたので、トマトビーンズ食べて寝ます。
154暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/28 16:31 ID:RQRBeCgY
またまた、お久しぶりです。
最近グラマーさんと哲太さんが来られませんね。
グラマーさんは引退されるおつもりかな?
でも、寂しいので是非、雑談レスだけでもお願いしますね。
(ただ単にお忙しいだけなら、ご容赦下さい)

>ゲルさん
エリカ編…正直、ハァハァですた。
次はやはり…金髪の乙女、グリシーヌたんですか?
それにしても、ウクライナのsu-27の事故、物凄い惨事でしたね…。
でも、見たい…軍用機。

話を蒸し返して申し訳ないのですが、FMの続編2と3やってないんで
すよー。
ストーリー的には3に興味は有ったのですが、ゲーム性が。
3のストーリー良かったですか?

>畜生さん
貴方は素晴らしい方ですね!
巴里派そして、世界史板ROM選であり、陰秘学や欧州の陰の部分を
こよなく愛する者として、碩学の途であられる畜生さんのSSは私
の糧となりませう。

>あのラテン面したユダヤ人
このフレーズは何とも味わい深いですねぇ。
>第八幕、偉大なる獣の誕生劇
これは黙示録の第八章ですか?
畜生さんには何となく、「神曲」…既に死した者すらも
陵辱するお話が似合いそう。(勝手な妄想ですた)

まぁ、サクラの主人公である大神自身、絶対正義を奉ず
る擬似キリスト教徒みたいな物ですからね。
あの当時だと、一神教の代替の天皇への忠誠ですか。
パソで3が出たらば、是非にプレイお勧め致しますよ。
155名無しさん@ピンキー:02/07/28 21:56 ID:0evWBrYO
100グラマーが去ってひとつの時代が終わった

・・・ってことでよろしいか?
156名無しさん@ピンキー:02/07/28 22:21 ID:NHUe4zcD
とりあえず皆さん無理しない程度でいいから頑張って下さい。
157畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/28 23:27 ID:9zbzSjU6
>ゲル殿
復讐でございますか……
昔、拙はこのような映像を見ました。
あるところに2つの民族が対立していました。
歴史的に見てこの地は先祖代々わたし達の土地だ、と主張する民族と、
この地を耕したのはわたし達の父祖だ。お前達はあの荒れ狂う川に堤防を築いたか?あの山から鉄を採りだしたことは?
わたし達こそ、土地の所有者だ、と主張する民族。
どちらにも言い分は御座いました。されどお互い譲るわけにもいかず、結果的に双方、最も古典的な方法に頼ることになりました。
つまりは戦争。それも書き記すのも忌まわしきジェノサイド。
片方のひとが、こう言いました。『やつらはおれの子供を殺した。だから俺もやつらを殺す。』
片方のひとは、こう言いました。『やつらはおれの妻子を殺した。だから俺もやつらを殺す。』
映像は進み、三ヶ月後になりました。登場者はさきの二人。
『やつらは俺の子供ばかりか妻も殺した。俺は絶対にやつらを許せない。女こどもを?畜生!皆殺し以外になにがある…』
また一人、
『今度は親友がやられた。それも家族ごとだ。これで解ったろ?やつらは皆殺しにするしかないんだ。それが正しい事なんだよ。』
映像は進み、季節が一巡いたしました。登場者は……先の二人ではありません。
二人ともすでに殺されたからです。
しかし、ちがう二人が映されました。ただ話す言葉は同じなれど。
…拙は初めてテレビで泣きました。
158畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/28 23:28 ID:9zbzSjU6
個人的な考えを申しますと、拙は復讐を、究極的な個人主義と考えております。
故人はなにも語れません。ただ己の中で創られた、故人の複合概念が自我に働きかけるのみです。
あるいは故人は本当に復讐を望んでいるのかもしれない。しかし、それを証明する手段はまったく御座いません。ただ、ただ、信じるのみ。
復讐とは法も、道徳も、社会規範も、故人の意思も無視した、まったくの個人的行為なのです……
それが己の存在目的というのなら、それはそれで人生にも意味も御座いましょう。
ただ、その際はすれちがった人、世話になった人、世話をした人、残された友人、家族、愛する者、
その全てを犠牲、または敵にする覚悟が必要なのです。
映画などは、この反社会的なダークヒロイズムや退廃美にのみ主眼がおかれているのでしょう。

しかし、先の例はサクラの話とよく似ております。ただ世界を見渡せば、中東で、東ヨーロッパで、アフリカで、東南アジアで、
まさに現在進行形で続いているのです……
願わくば人が人であらん事を、また、ひとがひとから解き放たれんことを、拙は願います。
159畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/29 00:20 ID:grLJhyEr
>暇人殿
スレ違いでもありますので簡潔な感想で失礼致します。
FM2は比較的、1に似た戦場の悲哀を漂わせております。ただ、ロードは無駄に長いです。
FM3は随分ゲーム的に簡単になりました。まず、戦闘中のロードがほとんど無くなりました。
また、出撃数も5人に制限されたため、1ステージの時間も縮まりました。
ストレスの無い作りになっていますのでストーリーに興味を持たれたならお勧めします。

一般的なイメージでキリストをこのように表現しましたが、じつは最近復元されたイエスは短髪で肌は浅黒、
髭はせいぜい顎を覆う程度の典型的なアラブ人面でした。
まあ、もともとユダヤ人はオリエント出身ですので当たり前といえば当たり前なのですが。
少なくとも、新約聖書にはイエスの風貌を記した箇所がないのです。
現在のラテン顔はローマ時代後期のイコンをもとに広まったものとの事らしいで、当然ローマ人をモデルにしたので、あのような顔になったしだいで御座います。

はい。偉大なる獣は黙示録に出てくる巨大なる怪獣で御座います。クローリーはこの偉大な獣にたいそう引かれたらしく、自身をそれに例えていたそうです。
第八幕は……、実はかってに作りました。
着想はシェイクスピアの戯曲です。『お気に召すまま』という作品ですがそれの登場人物が、
『人生は年齢により7つの幕に分けられる。まずは赤ん坊、次に泣き虫な子供、
続いて恋する若者、猛き軍人、正しき裁判官、やがては間抜けじじい、最後に第二の赤子を開いて幕は閉じる。』
拙は人生の後退期たる第六、第七を永遠に至ることなく、人を超越する境界線として、第八幕を例えたしだいで御座います。
はなはだ、マニアックで申し訳ありません(w
160畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/29 00:28 ID:grLJhyEr
ageてました……申し訳御座いません。
重ねて長文、連続レス、なんとお詫びすればよいものか…
SSをageるのが最良にして唯一の方法で御座いますが、
今週来週休みなし。はなはだ悲しゅう御座います。
水曜までには完結させますのでご容赦下さいまし。
161名無しさん@ピンキー:02/07/30 12:59 ID:BQuFT5zk
静かになったね。
グラマー氏がいなくなって哲太氏もやる気を失ってしまった?
162畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/30 23:03 ID:WMms6MCS
15

彼女の右足にそっと手を這わす。今度は壊さないように、羽毛が転がるような優しさでゆっくりと。
ふくよかなラインを持つ彼女の足は、思いのほかしっかりとした肉付きであった。
まるで修道女というより鍛え抜いたダンサーの筋肉である。それに豊かな脂がのっている。
まさに極上の一品、これを得るには同量の金が必要であろう。いや、やはりそれでは足りない。
たかが黄金と等価値の足など、強欲なるミダス王にくれてやれば良い。
あわれな老王は嬉々としてその足に触れ、まさに黄金に変えてしまうだろう。
その感触を、香りを、味を、知ることも無く、知ろうともせず。
私はそのような下卑た人間ではない。まあ実際、人間では無くなっているわけだが。
私は私こそはこの自然の極限美たる彼女の足の、その真の価値を知っている。
その証明の為、私は彼女の太腿に人差し指の爪を刺し込んだ。
163畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/30 23:04 ID:WMms6MCS
16

表皮が裂け、絡み付く脂肪のぬめりを侵し、はじけ千切れる肉の果てに私の指は確かな存在へと辿り着いた。
大腿骨である。その肉越しにも伝わる完璧なフォルムは、私の思いを十分に証明し得る高貴さを備えていた。
だがこれでは満足出来ない。彼女の全てを知る為にも是非この目を以って実像を結ばなくてはならない。
私は人差し指をそのまま動かした。大腿骨の骨幹に沿ってゆっくりと。
彼女の太腿は裂かれ、血を吹き出しながら開かれていった。
血にぬめる生々しい肉を惜し気もなく曝し、赤く照り輝く骨はようやくその姿を現す。
私はもはや我慢できなくなり、彼女の切り開かれた肉を手で掻き分け、その中に深々と顔をうずめ込んだ。
人の中とはこんなにも温かいものなのか。
脈動と共に噴出する血液が顔を洗い、心地よい弾力を備えた肉が優しくも力強く包容してくれる。
私は顔をうずめたまま彼女の大腿骨にキスをし、切り裂いた指の動きと逆の進路で舌を這わせた。
ややだらしがないが、舌を垂れ下げたまま顔を動かし骨を舐めねぶった。
ふと、違和感を覚える。
私の舌はこんなにも長かっただろうか。
しかし、まあ、舐める分には短いより良かろう。
私は自身の変化をその程度に受け止めた。
もとより人を超えた身の上、舌が2枚3枚に増えないだけ慎み深いというものだ。
私の舌は傷口の頂きを越え、股関節のふくらみを経て彼女の秘所へと辿り着いていた。
鼻先にアンモニア臭が香る。何時にか失禁していたらしい。すでに破瓜の証は流されていた。
164畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/30 23:05 ID:WMms6MCS
17

私はいまだ彼女の雫をたたえる陰毛を口に含んで噛み千切り、豊穣なる畑を荒らし、母なる大地の地肌を曝け出させた。
引き抜かれた毛根のあとからは血が滲んでおり、彼女の恥部を舐める為の程よいソースとなっている。
笑い声が届いた。
『あはッ あははハははふふふ  はッ はふッ  あはははハはハハハはあははは… 』
見上げると彼女が実に愉快な面持ちで、しかしどこか乾いた笑い声を狂ったようにあげていた。
すでに彼女の精神は雑多なしがらみから解き放たれ、完全なる自由を得ているようだ。
目はもはやこの世を見ていない。
自らの深淵に潜む獣が、卑しい神の法に束縛された自我を食い破り、彼女に快楽を貪る権利を与えたのだ。
彼女はあらゆる刺激を歓喜として受け入れるだろう。
つまり、彼女は全ての事象を愛する。世界の全ては彼女の愛の為にある。
これほど巨大な愛が他にあろうか。いや、ない。
三千世界全てを秤に載せてもまだ足りぬ。
ユグドラシルの樹ですら彼女を暖める焚き木がせいぜいだ。それもたった一晩の役目すら果たせまい。
私は新たな偉大なる聖母の誕生を祝福して、長く伸びた舌を彼女の膣腔に深く沈め、陰唇にそっと口づけをした。

すでに小屋の多勢は燃えている。神の嫉妬を糧として。
右も左も、農具も、壁板も、地面天井分け隔てなく。
饗宴もそろそろ幕を降ろす時なのであろう。だが、まだ終わるわけにもいかぬ。
物事には終り様というものがあり、最期には最期の華を添えなくてはなら無いのだ。
165畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/30 23:14 ID:WMms6MCS
はい、終わりませんですた。
現在大幅な変更、というより書き直しております。
いや、あまりにもなんだかな的な終わり方でしたので。畜生
申し訳なし。
166暇人 ◆R5GSeiYY :02/07/30 23:41 ID:W/gz80sL
>畜生さん
FM2も3もストーリーだけでも知りたいものです、はい。
それにしても、当然キリストはオリエント風の顔立ち、ぶっちゃけ
アジア人に近い顔立ちだったはずですよね。
それを、ゲルマン、ラテン、アングロサクソン、スラブの白い方々
が勝手に自らの姿を偶像として押し付けたと。
はは、これも偶像崇拝を禁止しながらも、マリア信仰やイコンや聖
像、聖遺物を放し得ない人のサガですねぇ。

シャイクスピアは古典教養としてはポピュラーですが、一つも読ん
だ事が無いですね。
と言うか、あの辺の北欧神話やローマ・ギリシャ神話にしても、一
応は読むべきなんですが、怠惰が…(グリース神話はちょろりと)
ま、それに聖書も必須ですな。

畜生さんの作品のクロウリーの饒舌なこと饒舌な事…。
好き嫌いが分かれるところかもしれませんが、私は大好きです。
ミダス王、三千世界、世界樹…お腹一杯、もっと欲しいですねぇ。(w
あまりご無理をされずに、またーりとこれからもご健筆をば。
167畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/31 00:53 ID:8Rn3mQIt
FMのストーリーで御座いますか。2はともかく3はほとんど覚えていないのです。
ファンサイトを探してみたのですが、耽美な男と男の世界ばかり……
まあ、ゲームでも存分にその香りを放っていましたが。(w
調べてて解ったのですが、3の最大出撃数は最大4体で御座いました。

アレイスターは自分でもやりすぎを感じております。魔術師ならこれぐらいのたまうだろうと、まあ、やってしまったわけで御座い。
どうも本人はもう少し壊れた御仁のようで御座いますが。
シェイクスピアの作品は演劇の台本用に起こしたものですので、ほとんどの作品は150ページ程度、2時間ぐらいでよめます。
BOOKOFに行けば100円コーナーに新潮社文庫か岩波文庫のものが御座いますよ。
『ヴェネツィアの商人』なんぞおすすめです。
(ベニスというと、どこぞのイタリア人に凍らされかねませんので。
しかし、なんでパリはパリスにならなかったのでしょうね。パリシィに対するイジメ?
…と、無理矢理サクラに続けてみる。)
168名無しさん@ピンキー:02/07/31 01:15 ID:r9/yVQJ3
うーん、勉強になるなあ・・・
169畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/31 01:23 ID:8Rn3mQIt
>>それを、ゲルマン、ラテン、アングロサクソン、スラブの白い方々
が勝手に自らの姿を偶像として押し付けたと。

ちなみにエチオピアにある壁画のキリストは黒い肌で御座いました。
まあ、日本でもキリストではありませんが、初期のサンタクロースは布袋ふくろをかついだ恰幅のよい殿様でした。
始めに認識在りきで御座い。
170ゲルリッヒカノーネ+ ◆.hMBfEPs :02/07/31 02:22 ID:0cN1f2rb
ボンジュール!ゲルです。違うPCで書きこしているので、トリップが違うかもしれませんが。

<暇人様
自分的にはこれからがエリカにとっての地獄にするつもりです。
次ですがロベリア君に生け贄になってもらいます、活動写真に出てきた奴のね……。

>Su-27墜落事故
知らなかったよオイ!Σ( ̄□ ̄;)
しかし最近、東側の飛行機の墜落事故をよく聞くなぁ……。
やっぱり整備不良が原因でしょうか?

>FMシリーズのシナリオ
セカンドはアロルデシュ(現バングラデシュ)共和国の独立内乱騒ぎに乗じた、衛星兵器開発の阻止。
サードは盗まれた『M,I,D,A,S』と呼ばれるきれいな核兵器(物質の分子結合を解体する…らしい)と一緒に
誘拐された妹を助けるべく、大学生のお兄ちゃん達が海外派兵(政府非公認)。
おまけでオルタネティブは、WAPの採用前:WAWの初陣ともいえるFM1の37年前、アフリカでのお話。
と、簡単に言うとこんなシナリオです。
ゲーム性は、セカンドとオルタネティブは難在り(セカンド:ロードが長くて飽きる、オルタネティブ:操作法が特殊で慣れるのに時間が掛かる)。
サードは時間が掛かる(ステージ数が58〜70もあります)が、ストレスが出ない創りになってます。
以上、報告終わりです。

>畜生さん
長文のお答え感謝いたします。
やっぱりそういう個人主義(悪く言えば独り善がり)と言うしか答えは出せませんよねぇ。
下らない恨みが創る、下らない紛争。独善的な考えで簡単に殺人を犯す人間。
まさに"復讐"と言う狂気の果てには"終焉"が横たわっていることを、終らなければ気が付かないんでしょうか?

話は変わって、SSの完結(?)おめでたうございます。
主人公が段々変身していくのが怖くも在り、また燃えさせてくれます。
あとふとももの評価が詳細で、なんとも萌え所でした。
次の
<私はそのような下卑た人間ではない。まあ実際、人間では無くなっているわけだが。
の部分はウケて、笑いましたが。

現在大藪春彦の伊達邦彦シリーズを読んでおります。
続編に関してはもうしばらくお待ちを。
では、本日はこのへんで。
171畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/07/31 12:38 ID:s+5/Ra74
>>ゲル殿
いえ、まだ終わっておりませぬ。終わり切れなったというのが真実で御座いますが。
一応最後まで書けてはいたのです。
ただ、あまりにも明後日の方向に行き過ぎましたので、現在ちがう終章を書き起こしているしだいで。
申し訳なし。
172名無しさん@ピンキー:02/07/31 15:01 ID:/DLbZ9C8
畜生、頑張っているな
173北大路花火:02/07/31 23:07 ID:ql1r9/fn
何やら・・・妖しげな風が吹いています。
不吉な予感がします・・・
174北大路花火:02/08/01 00:23 ID:wXVEZIOD
この嫌な感じが・・・予感で留まればよいのですが
175畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/02 20:42 ID:IcPAxEUF
ああ、書き込める…
昨日はdでおりました。
176哲太:02/08/03 03:20 ID:vE4upnUY
御無沙汰です。

>>161
いえいえ、そういうわけでは…
グラマーさんは今いそがしいらしくて、来られないようです。

最近新しい活動が増えまして…朝家を出て帰るのが夜中というスケジュール…チョットキツイ。

グラマーさん、畜生さん、暇人さん、まともなレスもできずに申し訳無いです
来週の火〜水が予定無いので、そんときじっくりまったりSS読ませてもらいます。

それではまた。
177畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/03 09:18 ID:eiiV8DDv
>>哲太殿
御久しゅう御座います。
このスレの住人は平均年齢が高いと思われますので、
忙しくなるこの時期、いささか寂しくなりますのは必然なので御座いましょうな。
寂びしけれど仕方なし。
拙も時間が乏しくなってまいりましたが、火曜までには物語を閉じさせとう御座います。
178名無しさん@ピンキー:02/08/04 09:45 ID:FKFksRBf
畜生のやつはマニアックすぎてよくわからん
キーワードの注釈みたいのを付けてほすぃ・・・
179名@1:02/08/04 18:19 ID:cumCGTnV
おひさしぶりです。
本日PCが復活いたしましたので再開させていただきます。
無意味に長期欠場いたしまして申し訳ございませんでした。

まず、これまでのリンクをば。(1〜7です。)

>>32-33 >>46-47 >>56 >>66-67

では、続きの8をどうぞ。
180名@1:02/08/04 18:24 ID:LaQL5Iu1

室内に入ってきたのは立派な軍服に身を包み、髭をたくわえた初老の男だった。
「あ、あなたは、や、山口海軍大臣…。」
私も軍の病院に勤めていたので顔と名前ぐらいは知っている。
「うむ、いかにもわしが海軍大臣山口一豊じゃ。こうして直接話をするのは初めてじゃな、萩田先生。
そこにおるのがわしの倅(せがれ)の峯二(みねじ)じゃ。わしの秘書をしておる。」
「ご挨拶が遅れまして申し訳ございません。山口峯二と申します。」
山口峯二が改めて私に頭を下げる。

山口大臣は医療ポッドの方に目をやり、言った。
「そして、あそこにおるのが、わしの娘、友江(ともえ)じゃ。」
私を含め、三人の目が医療ポッドに横たわる山口友江に注がれる。

「萩田先生には友江の命を救って頂きたいと思い、こうしてお越し頂いたわけじゃ。
どうか、娘の命をお助けくだされ。」
と山口大臣が私に頭を下げる。
「残念ながら…、友江さんはお亡くなりになられています。私にも手の施しようがありません。
お力になれず申し訳ございません。」
私は山口大臣に言った。

しかし、山口大臣は意外な返答をする。
「それは違うぞ、萩田先生。友江はまだ死んでおらんのじゃ。
確かに今友江の心臓は動いておらん。
しかし、先生のお力添えがあれば友江の命は必ず助かるんじゃよ。」
「おっしゃられる意味がわかりません、大臣。
なぜ死んだ人間が必ず生き返るという方法があるとおっしゃられるのですか?
私にはそのような力もありませんし、大臣のお願いと言えど、こればかりは不可能です!」
無礼を承知で私は山口大臣に正直な気持ちをぶつけた。

そして、次の山口大臣の返答が私の運命を大きく左右することとなる。

「簡単なことじゃよ、萩田先生。
先ほどの女…桐島カンナの心臓を取り出し、友江の心臓と取り替えてもらいたいのじゃ。」
181名@1:02/08/04 18:44 ID:E0uQNrD0
【補足 サクラ2を未プレイの方に】
8で出てきました海軍大臣・山口一豊はサクラ2の紅蘭メインのお話に登場いたします。
詳しく語るとネタバレになっちゃいますが、とにかく海軍のお偉い人で、
酒好きで、エリカと誕生日が同じで(8月15日)、とってもいい人です(藁

なぜかサクラ4にはでてきませんでした。
花小路伯爵とどっちが偉いのかは謎です。(花小路伯爵もサクラ4にいなかった…かな?)
182畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/05 00:10 ID:Y5a0ppPs
>>名@1殿
PC復帰、まずはおめでとう御座います。
次いで本編の感想をば。
拙はサクラを未体験ゆえ、このようなマイナーなキャラが出ると妄想が膨らみうれしゅう御座います。
しかし臓器移植で御座いますか……これもまた、100gスレの醍醐味で御座いましょうな。
続きを楽しみに御待ちしております。

>>178殿
注釈がわざわざ必要なあたり、自らの力量不足を感じます。
まこと申し訳なし。
本編終了後にでも付けてみますので御容赦のほどを。
183名@1:02/08/05 01:10 ID:Fl5lLn0I
>>畜生さん
まず、本来ならば早々に駆けつけ新たなる作家さんのご誕生をお祝いすべきところを
いまの今まで遅れてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。

SSを初めて書かれたそうですが、100えん時代からROMされておられただけあって
嗜虐、食人に対する深いこだわりは『原点回帰』というものを強く感じました。
クロウリーは『明るい黒さ』を持っているキャラだと思いました。
劇中のエリカの言葉を借りれば
「でも、こうして抱きしめているあなたからは、悪意意外のものを感じます…。 」
というところがまさにそれかと。
黒いながらも愛がある、このことを表現されておられるのは
「畜生さんのSSって、神業ですね!(byエリカ)」と申す他ありません。

クロウリーもそうですが畜生さん@100gという名前に親近感が沸きまくりですね〜畜@1さんとお呼びしたいぐらい(藁
私は以前名無しさん@100gスレと名乗っておりましたが、
今考えればこの名前はこのスレにおられるすべての人に名乗る権利がある名前であり、
そのような名前をつけてしまうなど何とあつかましい事をしてしまったのだろうと今更ながら思う次第であります。畜生(藁
184名無しさん@ピンキー:02/08/05 07:40 ID:4+9/Ov8j
>>183
HNに関してはそう気にする事でもなかろう。
100グラマーだって似たようなものじゃん(藁
185名無しさん@ピンキー:02/08/05 12:41 ID:iejKz2pK
>>184
グラマーは貢献度からいっても別格だと思うけど今はいないしな。
俺は今いる人を応援したい。
186畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/05 22:29 ID:ealsUMMY
@をつかうコテハン自体、2ちゃんではトラデショナルで御座いますので
あまり気になさる必要はないと拙も考えております。
まあ、あまり考えたわけでは御座いませんので名@1殿、いかようにでも御呼び下さいませ(w
187畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/05 22:43 ID:ealsUMMY
18

彼女の全てが見たい。
これこそが私を偉大な獣へと昇華させた欲望である。
そして今なお思う、彼女の全てが見たい。
それもただ切るだけでは物足りない。
血は充分に浴びた。骨は溶けるほどに舐めしゃぶった。
肉を咀嚼して嚥下する音は私を光悦とさせるが、すでに楽しみ過ぎた感がある。
最期を飾るのはいつ何時でも特別なものでなくてはならないのだ。
ゆえに私は彼女の全てを見る。彼女の最も尊い部位を見る。
生命の源、身体の内的機関、魂と精神の御座、そう、アストラルと肉の接点たる心臓を。
私は私の思いを形にする為、速やかなる行動を起こした。
188畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/05 22:43 ID:ealsUMMY
19

噎せ返るような臭気と熱気が私を襲った。
いささか気持ちがはやりすぎたようだ。彼女の腹部を切り開いたのはいいのだが、少し深過ぎたようである。
腸を破いてしまったのだ。臭気の元はそれである。腸の中身はすでに消化されている状態のため、なんであるかは判らない。
しかし早い話が排泄される前物質である。臭うのも当然であろう。
幸いなのは胸骨に守られていた為に臓器の多勢が無事であったことである。
私はこの純白の騎士に感謝を覚えた。しかし邪魔でもある。走狗も兎がいなくなれば煮られるものだ。
私はまず胸骨と肋骨に付着している大胸筋をこそぎ落とし、次いで肋間筋を肋骨ごと抉り取った。
ようはスペアリブである。これはこれで食指が動くがメインディッシュには成りえない。
しかし白銀に輝く12対の兵士と一人の騎士に守られた乙女は、ようやくその姿を表し始めた。
膨張と縮小を繰り返す肺の奥に垣間見る心臓の、なんと美しいことか。なんと力強いことか。
これこそ最期の晩餐、血であり肉であり、ワインでありパンである。
おお、私はこれを今から貪ろうというのか?
大きすぎる期待や幸福は、時として酷く恐怖にかられる。しかしその魅惑から逃れられないのもサガである。
私は彼女の心臓以上に震えだした。
それは恐怖のためか、歓喜のためか、喪失の悲しみゆえか、私には理解できなかった。
189畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/05 22:44 ID:ealsUMMY
20
彼女はなお断続的に笑い続けていた。ただ、それは脳内麻薬などの物質的要素による笑いではない。
その証拠に彼女はえくぼを穿つわけでもなく、目に満天の星を輝かせるわけているわけでもない。
ただ無表情に笑い声を出すだけである。
完全なる無我の微笑。
それは、彼女に笑い声を出させているのは、決して脳による作用ではない事を証明している。
脳内麻薬が彼女の快感中枢を刺激する?そのような形而下的なものであるはずがない。
彼女の声帯は、魂の奥から湧き起こる歓喜の風で振るえているのだ。
しかし、いまだ彼女の存在全てが神の創りし摂理から解き放たれていないのも事実である。
具体例をあげるなら臓器の大半は彼女の意志ではなく、脳による支配に甘んじている。
肉体という檻に囚われている以上、精神の開放は仮初めのものにすぎず。
いくら真然たる光を本因的な実像に当てようとも、幕越しに見ればただ影が映るのみ。
曝さなくてはならぬ。
彼女の本質そのものを、すなわち全てを否定したのちに残るひとすくいの真実を。
壊さなくてはならぬ。
彼女を捕らえる牢獄を、すなわち臓器を、脳を、肉体を。
また産まれては育ち、やがては自らが産み出してやがては朽ちる永遠の連鎖、ウロボロスの定めし呪いから。
破壊したのちに破壊し、合い間に破壊を興じて、ただ、ただ、破壊に浸ろう。
その後に彼女から残るものはほとんどあるまい。形としては残らないのかもしれない。
だがそれこそが我が求め。
190畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/05 22:45 ID:ealsUMMY
21

真に貴重なものは極めて微量。されどその輝きは万人を引きつけ、惑わす。
その価値を理解している力有るものこそが正当な所有者になれるのだ。
さあ輝き給え、我が君。私はその光をもってセフィロートに至ろう。
ヤコブが神の如きと闘争の果てに得た偽りのそれではなく、イデアに満ちた形相の世界へと私を導き給もう。
私は限界まで口を開いた。いや、まだ開く。私の顎はまるで留め金がない扉のようにどこまでも開いていった。
今の私を真正面からみれば、唾液をぬめらす口があるだけの存在に見えるだろう。
しかしこれで十分だ。ようは拳大のものをひと飲みできればいいのだから。
口を開き過ぎた為、目が後ろに移動してしまったので前が見えなくなってしまったが問題ない。
彼女の鼓動が、熱量が、魂の求めが、私に確かな位置を教えてくれる。
さあ、最期の時だ。始まりの時だ。私と彼女が唯一の原初へ回帰する時だ。
古き契約も新たな契約も破り捨てよう。
そして二人で二人だけの契約を誓おうじゃないか!!
私の口が、喉が、胃が契約書となろう。君の血と心臓がインクとペンだ。
私は大きく上体を反らせた。筋肉が軋み、骨が悲鳴をあげる。
そして蓄えられたエネルギーは彼女の心臓へ私の口を放り込むことだけに使われた。
風を纏い、莫大なエネルギーを秘めた私の口は残っていた肋骨をへし折り、臓腑を撒き散らし、ただ心臓だけを求め、そして到達した。
呼吸が出来ないほどに口内が満たされる感覚、激しく痙攣する彼女の身体、そしてなお聞こえる乾いた笑い声が、私の世界を包み込んだ。
私はついに彼女とひとつになれたのだ。

どこかで、建物が崩れ落ちるような音が聞こえた。
191畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/05 22:46 ID:ealsUMMY
巴里華撃団・花組隊員   
エリカ・フォンティーヌ失踪に関する報告
4月14日
11:00から13:00の間、
彼女が所属する教会にて多数の目撃証言あり。
14:00頃、
撲殺された当教会のレノ神父(63歳)と地元住人4人の遺体を発見。この間に連れ去られた可能性が高い。
19:00頃、
郊外の農具小屋が炎上。所有者はすでに他界しており10年以上放置されていた為、小屋の詳細は不明。
しかしその中に備えられていたロウソクが失火の原因と思われる。
4月15日
07:15
焼け落ちた小屋の中から女性の遺体発見。不思議な事に炎による損傷は少なく、
髪と顔の一部以外に目立った火傷はない。
しかし大腿部と臓器の破損が酷く、他に致命傷がないことからこれらが致死要因と思われる。
18:00
巴里華撃団司令の確認により遺体はエリカ・フォンティーヌ本人に確定。
4月17日
調査により、傷口から未知の唾液を検出。人間に似ているが明らかに別物とのこと。新たな怪人の可能性を危惧されたし。

賢人機関調査部  
巴里派遣員  ー名前削除ー
192畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/05 23:05 ID:ealsUMMY
半月に渡って語り紡いだこの物語も、今宵をもって幕を下ろしとう御座います。
人生初めての書き物ゆえ、至らぬところがあること重々承知しておりますので、御指摘いただければ幸いに御座い。
注釈に関してはしばし御待ちを。
最後に、このような拙を見守って下さった職人方、なにより名もない住人方に感謝の意を表します。
いとありがたや。
193名@1:02/08/06 00:31 ID:leW3gkV9

私は自分の耳を疑った。
生きた人間の心臓を取り出し、死んだ人間にそれを植え付ける…
どう考えても正気の沙汰とは思えない。

そんな私を尻目に山口大臣はさらに言葉を続ける。
「古来より霊力を持つ者の肉体には様々な奇跡を起こす力があると言われておる。
今回わしはその力に賭けてみたいと思ったのじゃ。」
「しかし、桐島カンナはどうなるのです!心臓を取り出してしまえば…」
「死ぬじゃろうな。」
「そんなことはできません!第一、霊力の力などというものに何の根拠も無いではありませんか!
あなた方のしようとしている事は殺人です!」

そう私が言った後それまで冷静だった山口大臣の態度が急変する。
「何故できんと言う!あんたはあの日、米田の命を救ったではないか!
何故米田の命は救えて、友江の命は救えんというのじゃ!」

米田と聞いて私の記憶がよみがえる。
太正十五年、政府転覆を目論む反政府組織によって米田一基中将が狙撃されると言う事件が起こった。
危篤の状態で軍の病院に運び込まれた米田中将の手術を担当したのは私だった。
米田中将は一命を取りとめ、その事で私は大きな名声を得るに至った。

「しかし、米田中将の場合は銃弾が急所を外していた事と狙撃されてすぐに手術を行えた事が幸いしたに過ぎません!
友江さんはすでに亡くなられています。お気持ちは分かりますが、やはりこの話をお受けするわけにはいきません!」
自分でも激しく興奮しているのが分かる。
それほど私にとってこの話は無謀以外の何者でもなく到底理解できないものであった。

「どうしても…できんと言うのか?」
ただならぬ殺気を帯びた山口大臣の言葉に私の感情は再び恐怖に支配される。
194名@1:02/08/06 00:37 ID:T6VNCbRA
10
「私を…こ、殺す気ですか?」
私は山口大臣に問い返した。
「あんたに死んでもらうわけにはいかん。
この手術はあんたをおいて他にできる者はおらんからな、あんたにだけは生きていてもらう。
ただし、あんた一人が生き残る事になるがな…」
そう言って山口大臣は笑みを浮かべる。

あんた一人…この言葉が妙に私の心に引っ掛かる。
そして私の思考は最悪の事態をはじき出す。
「ま、まさか、多恵を…。」

「あなたの御息女…多恵さんは我が屋敷で丁重におもてなしをさせて頂いております。
多恵さんを今後どのようにおもてなしさせて頂くかは…萩田先生、あなたのお心一つで決まるのですよ。
ここはよくお考えになられる事をお奨め致します。」
山口峯二が相変わらずのふてぶてしい物言いで語りかける。

「何ということだ…」
私は膝から地面に崩れ落ちた。
視界が急に狭まったような気がする。見えるのは自分の掌だけ。
そして、脳裏に浮かぶのは多恵の顔、妻の顔…。

崩れ落ちた私の肩に手を置き、山口大臣が語りかけてくる。
「なぁ、萩田先生。よく人も動物も命は同じく一つと言うがわしはそうは思わん。
真に自分の愛する人間の命の価値は単に一つや二つなどと数えられるものではないほど尊いものではないか?
あんたにならこの気持ちは分かるはずじゃ。今一度よく考えてみるんじゃ。あんたのかわいい娘さんの命の価値を…。」

命の価値…その言葉は驚くほど自然に私の心に入り込んできた。
命の価値…私が何よりも愛している娘の命の価値…。

そして、私は遂に一線を越える決意をする。
「手術をすれば…多恵を無事返して頂けるのですね?」
195名@1:02/08/06 01:46 ID:qbyb6Ywa
>>184さん >>185さん
おっしゃる通りで100グラマーさんは別格でありますよ。
そういう意味ではやっぱりあつかましいのかもしれませんが、
やはりこのスレで私が成すべき事と言えば少しでも皆さんに喜んでいただけるものを書くことですよね。
名前なんてどっちでもいいですよね。( (`Д´)ノオマエガユウタンヤロ! )
これからもどうかよろしくお願いします。

>>畜生さん
(やはり畜生と言うフレーズは大切なのでこう呼ばせていただきます(`Д´)ノドッチヤネン! )
エリカとクロウリーの物語、長らくの執筆ご苦労様でした。
あらためて書き直されたと言われる終章の部分はエリカとクロウリーが一つになるだけでなく、
読む者とクロウリーが一つになるような凄まじく引き込まれるラストだったと思います。
>私の口が、喉が、胃が契約書となろう。君の血と心臓がインクとペンだ。
この表現はまさにクロウリーがエリカに贈る最高のプロポーズの言葉と言う感じで。
畜生さんにはただただ感謝であります。
次回作が是非読みたいなぁと。
196名無しさん@ピンキー:02/08/06 17:32 ID:tMbO7aWG
グラマーも所詮は過去の人。
名無しと畜生はこれからも頑張ってほしい。
197名@1:02/08/06 23:39 ID:eQv8d1VX
11
一時間後、私は全ての準備が整った山口邸の地下室に足を踏み入れた。
その部屋にいるのは『今は死んでいる』山口友江。
そして、『今は生きている』桐島カンナ。

山口友江…彼女が再びその体に生を取り戻すか否かは依然不確かなままである。
確実なことは桐島カンナには死が待っているという事、
そして私にとって本当に救わねばならない命の為に私はこの手術をやらなければならないという事のみだ。

少し遅れて、山口大臣と山口峯二が入ってきた。
山口大臣は手術台に全裸で両手両足を固定されている桐島カンナに対して話しかける。
「おお、嬢ちゃん。久しぶりじゃのう。先日はわしの倅が大層世話になったそうじゃな。
今日はそのお礼というわけじゃが気分はどうじゃ?」
「や、山口の爺さん…。あんたの息子だったのかよ…。
あんたの息子は最低な野郎だ…、そいつは何もしてない近所の子供を殴ったんだぜ…。」
息も絶え絶えに桐島カンナが言葉を口にする。

「フン、あれは無知で下賎な庶民に対して、私が世の中の道理を教えてやっただけだ。
あいつらのような下衆な者どもの為に命を失う羽目になるとはお前は本当に愚かだな!」
山口峯二がその本性を現して激しくまくし立てる。
198名@1:02/08/06 23:41 ID:eQv8d1VX
12
最低だ…私はこんな奴らに手を貸そうとしているのか…
山口峯二の言葉を聞いて私の中に怒りがこみ上げてくる。
それを見透かしたかのように山口大臣が私の手に肩を置き、再び語りかける。
「なぁ、萩田先生。あんたのちっぽけな正義感とあんたの大事な娘さんの命、まさか天秤に掛けるおつもりではあるまいな?」

その言葉は再び私の心を侵食してゆく。
何かが壊れ、私の中から溢れ出す。そんな気がした。
そしてそれは私に代わって地獄への第一歩を踏み出す。
「始めましょう。ただし、私は医者としてこの仕事を請けるわけではない。
なぜならそこにいるのは汚い豚だ、人間ではない。
人間ではないのだから手術ではない。
今から私が行うのはその汚い豚から心臓を取り出すことのみ…。」

一瞬の間を置いてそれはこう言った。

「そう、これは屠殺だ」。
199畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/06 23:50 ID:wvK0xsYC
>>名@1殿
精力的な執筆活動、敬意と喜びと、ひとふりの嫉妬にまみれる思いで御座います。(w
いや、いざ自分で書いてみると難しいものでしたので。
しかし面白くもありました。
次は注釈のいらない絵本のような感じで書いてみとう御座います。……エドワード・ゴーリーのような。

>>196殿
確かにグラマー殿が活動をひかえられ随分になります。レスだけでも頂ければこのうえないない励みになるのですが…
しかし拙は信じております。あの胸ときめく饗宴が再び開かれる日を……
拙もそれまで精進しとう御座います。
200名無しさん@ピンキー:02/08/07 01:01 ID:X1A1cxYH
グラマーもだけど最近は暇人も来ないな。

寂しくなったな・・・
201名@1:02/08/07 02:26 ID:N6X1hXQ7
>>196さん 
ありがとうございます。(ノД`)カンシャカンシャデスヨ。
これからもできる限り皆さんのご期待に添えるよう頑張らせて頂きます。

>>畜生さん
自分で書いてみると難しいが面白くもある、私もまさにそんな感じですね。
その上、こうして多くの方の世界観に触れながら書けるのは二重の楽しみです。
次回作非常に楽しみにしております。頑張って下さい。

>>200さん
そうですね、特に私が帰ってきてからは人が減っちゃいましたね。
貧乏神みたいになってますね。(ノД`)モウシワケナイデス。

ようやく本題突入です。より一層気合を入れてかかろうと思っております。では。
202名無しさん@ピンキー:02/08/07 15:01 ID:tQt7Ua4c
ゲルは潜伏中?
203名無しさん@ピンキー:02/08/07 19:09 ID:6aiDYjNU
ああ、喰いたい
204名@1:02/08/07 23:34 ID:tv1kMZhg
13
私はそれに導かれるように手術台の前に歩を進める。
「う、嘘だろ、おっさん。あたいを本当に殺す気なのか?
頼む!目を覚ましてくれよ!萩田のおっさん!」
桐島カンナはすっかりおびえ切っている。

その言葉に対し、それはこう返答した。
「ほう、この豚は人の言葉が話せるようだ。
しかし、家畜がいくらわめいても屠殺をやめる屠殺人はいない。」

「どうして…あたいはこんなところで…。」
桐島カンナの眼球から涙がこぼれた…様な気がした。

私はメスを手にした。
そして、桐島カンナの腹部にメスを突き立てる。
「ぎゃあっ!」
桐島カンナがうめき声をあげる。

その瞬間こそ、私を導いたそれ…狂気の心と医の技術を持った萩田玄作という一個体が一つになった瞬間だった。

狂気に導かれし凶器は桐島カンナの肉体を切り裂いていく。
まるで缶切りで缶でも開けるかのように哀れな家畜をえぐり、こねくりまわしながら。
「あぎゃぁぁ!いてぁぇ!いてぅぇ!」
苦痛の叫び、流れ出る血液、肉を切り進む音が室内を支配する。

その行軍は終りを迎え、眼前には医師・萩田玄作ならば見慣れた景色が広がる。

肋骨、肺、そして…心臓。
205哲太:02/08/07 23:44 ID:oBitakDK
こんばんわ皆さん、ずいぶん遅くなりましたがSS読ませていただきました。

>>ゲルさん
これはまた…今までに無い感じのSSですね。
エリカ捕獲編…良かったですよ〜。ロベリア編が楽しみです。
ゲルさんのSSを拝見していて思いますが、ゲルさんは銃器や軍隊系に詳しいですよね。
そういうのに詳しくない私は見るたびに新鮮さが…

>>畜生さん
どもです。
畜生さんのSSまともに拝見したのは今回が始めてかな?
見れば驚き、レベルの高い文、惨さもスゴイ…。
最後の報告書は良かったですよ(藁
このスレの住人さんは平均年齢が高いとのことですが、私は全っ然高くないんですよ。

>>名@1さん
お久しぶりです。
カンナSSですか、すごい内容にもピッタシ合ってて良いです。
山口大臣…優しいオッサンが、娘の命でまさかここまで変わってしまうとは…。
やっぱりカンナは心臓を取られてしまうのか…続き、期待しています。
206100グラマー ◆kMG9fYtA :02/08/08 00:06 ID:iszf+ucY
フハハハ!我復活せり!
207畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/08 01:17 ID:uVoovhS+
名@1殿はまこと頻繁にうpされますな。素敵過ぎで御座います。
しかし麻酔なしオペで御座いますか……なにか、お腹のあたりをおさえてしまいました。
カンナといえば沖縄、そして沖縄は日本で初めて麻酔手術が行われた地だというのに、
なんの因果の果てなのでしょう……

>>哲太殿
お褒めに預かり光栄の至りで御座います。
どうにか間にあったようで、まずは良しといったしだいで御座い。
報告書で御座いますが実は結構けずりました。
本当は史実と絡めたかったのですが……
アレイスター・クロウリーはサクラ大戦の舞台となる1925年の少し前に弟子を死なせた為、
ゴシップ誌にたたかれまくって落ちに落ちてアフリカやらヨーロッパを転々としていたのです。
そして巴里には1924年に訪れていたわけで御座いますが、
なんとその翌年に魔術結社であるO.T.Oの最高総帥に任命されているのです。
まるで悪魔から力を借りたような出世劇でした。
なんとも妄想を引き立てるお話で御座います。
208畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/08 01:21 ID:uVoovhS+
>>206殿
一瞬、本当に喜んでしまいました。
せめてトリップを似せていただければもうしばし喜べたので御座いますが…
209100グラマー ◆gkddxMQM :02/08/08 01:25 ID:uVoovhS+
復活しました。( ´∀`)
210畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/08 01:29 ID:uVoovhS+

って感じで。畜生
拙もほとほと悪趣味で御座います。
211名@1:02/08/08 01:52 ID:/X3KQW1H
>>202さん
私もゲルさんファンです。
きっと夏休みを満喫されておられるのでしょう。(余計なお世話?)

>>203さん
私の作った粗食でよければどんどん喰らって下さいませ。

>>哲太さん
非常にお久しぶりです。
亀レスですがラチェット編ありがとうございました。
セクースはもちろんですが、拷問されるラチェットタンがこの上なくエロくて…(;´Д`)ハァハァ
私にとってラチェットタンは未だ未知の女性ですがこの作品を十分堪能させて頂きました。
ひとえにこれも哲太さんのすばらしい文筆力のおかげであります。
たとえ趣味嗜好情報量が違ってもこのスレの皆さんとはサクラとお肉と鬼畜で繋がっていることを再確認させていただきました(藁

>>畜生さん
私は集中力がないのでこれくらいの分量が1日に書ける限度です。
嬉しいかな悲しいかな暇はコンスタントにあるので。
もうしばらくこの自転車操業を続けようかと。(藁
それにしても畜生さんはトリップを自由自在に操れるのですね。すごいです。

>>206の)100グラマーさん
(・∀・)ノ旦 オチャヲドウゾ!
212名無しさん@ピンキー:02/08/08 12:59 ID:7jOJ+B4n
畜生はトリップ解析も可能なのか・・・。
まさか他のトリップ付コテハンも貴殿が正体だったりして。
213名無しさん@ピンキー:02/08/08 14:21 ID:nD4+1ayG
そこまで暇ではあるまい。
暇人じゃないんだから(ワラ
214畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/08 20:44 ID:K5sunD8S
トリッパーで先頭のgkddだけを解析してあとは神様の思し召しで御座い。

それはそうとて、注釈を書くといっておきながら新作を練るのが楽しくておざなりになりました。
しかもその話も注釈がいりそうな予感で御座い…申し訳なし。
そのようなわけで解説が必要でございましたら、そのつどお答え致します。重ねて申し訳なし。
215100グラマー ◆gKddwfIM :02/08/08 20:56 ID:iszf+ucY
フハハハ!我復活せり!
216名@1:02/08/08 23:12 ID:yOTZj5WJ
14
私の求める桐島カンナの心臓はまさに手の届く所まで来た。
私が次の工程に移ろうとした時、いつの間にか席を外していた山口峯二が室内に入ってきた。

「父上、準備が整いました。」
山口大臣は「うむ。」と返事をして、私に声をかける。
「すまんが萩田先生、ちょっと協力してくれんか。」
「何ですか?」
「海軍で霊力を持つ人間の肉体について研究をしたいのでな、研究に使うための肉を先に切り取ってくれんかのう。
なるべくイキのいい状態で保存しておきたいんじゃ。
場所は…そうじゃな、左足の太もも辺りをお願いしようかのう。」
「分かりました。」
と言って私は言われた通り左大腿部にメスを入れようとする。

「お待ちください、父上。それでは面白くありません。
私に考えがあります。萩田先生、これをどうぞ。よく切れますのでお気をつけください。」
と言って山口峯二は持ってきた袋から何かを取り出して私に手渡した。
217名@1:02/08/08 23:13 ID:yOTZj5WJ
15
それは大工道具の鉋(かんな)だった。
しかし、普通の鉋と違う点は刃が刃口から大きくはみ出していることだった。
普通、鉋は木材の表面を微妙に削って形を整えるために使うのだが、
これでは木材を深くえぐり過ぎて、木材を駄目にしてしまう。

ただし、この鉋を人間の太ももにあてがえばどうなるか…。
私は一人笑みを浮かべた。
そして再び手術台に歩み寄る。

「鉋で桐島カンナを削るか。これは愉快じゃ!。」
後ろでは山口親子が悪趣味な駄洒落を飛ばして笑っている。

私は鉋を桐島カンナの左大腿部に近づける。
一瞬桐島カンナの方を見る。

自分の体の中身を無様にさらけ出してなお、桐島カンナは私に助けを請う。
「やっ、やめてくれよ…頼むからさ…やめてくれぇぇぇぇぇぇ!」

私はその声を合図とするかのようにして鉋を桐島カンナの大腿に突き立て、そのままつま先に向かって鉋を滑らせる。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
桐島カンナの絶叫と肉体を削る今までに感じたことのない何とも言えぬ感触が私の体をかけぬける。
218畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/09 00:12 ID:58flUx21
>>215
本物!!?
ってか復活てかっ!!ネタってかっ!!  本気ってか!?

……申し訳なし。いささか乱れ過ぎました。

>>名@1殿
山口大臣の事を拙は知りませぬが、本気で殺したくなる外道ぶりで御座いますな。
名@1殿の技量の賜物で御座いますが。
219名@1:02/08/09 01:50 ID:m9wxxEeJ
>>畜生さん
私も作品を練るのはとても楽しいです。
何といっても作品の源は妄想からですので。
それを文字化するのに苦労があったり、
頭をひねらねばならない点が出てくるのが
>>199で畜生さんが言われた難しさなのかもしれませんね。

しかし、14と15で何回鉋・カンナって書いたのか、自分でも分かりません。
書いてて途中で目が回りそうになりました(藁
220名無しさん@ピンキー:02/08/09 12:57 ID:tjgqTig1
>>215
ほ、本物か!?
221名@1:02/08/09 21:42 ID:E2hucJP/
16
桐島カンナの肉は山口峯二によって運び出され、
私は再び心臓摘出の為の作業を開始する。

次に私が成さねばならないことは心臓を守っているいまいましい肋骨を除去することである。
私は肋骨刀を手に持ち、桐島カンナの肋骨のうちの一本をはさんで力を込める。
「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
肋骨の折れる音と桐島カンナの叫びが部屋にこだまする。

そうして一本一本私は桐島カンナの肋骨を折っていく。
しかし、四本目の肋骨を折ったあたりから私の中で異変が起きる。
桐島カンナの苦痛の声が私の頭の中で強烈に響きだしたのだ。
手が震え始め、額には脂汗が浮かび、目が急にかすみだす。
それは今まで私を導いてきた私の中に眠る狂気の心が徐々に消えつつある事を示していた。

そして、気がつくと五本目の肋骨を折る時には、
脳内に響く桐島カンナの声を打ち消そうとするかのように自らも大声を張り上げていた。

「あぁぁぁぁっ!」 「いぎゃぁぁぁぁ!」
「ぬぁぁぁぁぁぁ!」 「うぎゃぁぁぁぁぁ!」

肋骨を一本折るたびお互いが張り合うように声を上げる。


時間だけが平常心を持って過ぎ行く。その終りに向かって。
222100グラマー ◆kMG9fYtA :02/08/09 21:56 ID:ZNHRpkfq
いやぁお久しぶりです。

今、連れと肉を食べてきたところです。
鍛えに鍛えられたカンナの肉…さぞ美味でしょうな…。
まして心臓の肉…ハアハア。

>>220
偽者ですよ。
223名@1:02/08/09 21:58 ID:eaLH3mdm
【肋骨刀とは?】
作品中のように肋骨をはさんでポキンと折るための医療器具です。
形としてはガーデニングや盆栽に使う剪定バサミや、
台所にある昆布切ったりするハサミを思い浮かべていただくと分かりやすいかと思います。
正式名称を肋骨刀と言うのかは分かりませんが、そういう道具があるということで。

出典 民明書房刊 『誰でもできる心臓移植』より(嘘)
224名無しさん:02/08/09 23:56 ID:SN2ZL+ju
>>223
肋骨剪刀。
225名@1:02/08/10 02:08 ID:lhVzqaUK
>>100グラマーさん
お久しぶりでございます。
(・∀・)ノ旦 カンナノケツエキヲドウゾ!

>>224さん
正式名称の解説ありがとうございました。
『肋骨剪刀』で検索したら完結編に少し活かせそうな
興味深いHPも発見できました。
これからもよろしくお願いします。

次回、完結編です。では。
226100グラマー ◆kMG9fYtA :02/08/10 09:51 ID:HRKgF5kJ
>>225
はい、お久しぶりです。


何やら面白い板が出来ている様で…

100g100えん板
ttp://www.2ch2.net/bbs/100g100en/index2.html
2271〇〇グラマー ◆gkddxMQM :02/08/10 09:57 ID:QUknZjbI
拙が昔読んだタネ本によると、人の心臓は多少固いが滋養に満ちた味だそうで。

>>222
偽者で御座い。
228畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/10 10:00 ID:QUknZjbI
もう、何がなにやら(w
229100グラマー ◆kMG9fYtA :02/08/10 10:05 ID:HRKgF5kJ
>畜生殿

盆休みの関連で時間が空いたので戻って参りました。
最近の畜生殿の活躍ぶり…見事で御座います。
楽しく読ませて戴いておりますよ。
230畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/10 20:15 ID:gy2fleiW
>>229
楽しんでいただければこれとない幸いに御座います。
盆明けにでも次の物語を書こうと思っておりますので、8月中には完成させたい限りで御座い。
231100グラマー ◆gKddwfIM :02/08/11 23:13 ID:Fiff5yUo
何だか意味不明の偽者が多いと思ったら私のPCからカキコしてる人がいたようで…。
私も気付かずにあちこちカキコしてしまったらしいですね。
トリップが変わっているのに今気付きましたよ…。

スレを乱してしまって申し訳ないです。
232100グラマー ◆gKddwfIM :02/08/11 23:15 ID:Fiff5yUo
>>222>>226>>229

は私です。
233名無しさん@ピンキー:02/08/11 23:44 ID:Fiff5yUo
屋根裏を改造した自室のベッドに横たわりながらエリカは帝都の大神の事に思いを巡らしていた。
コンコン…。
ノックの音がし「すいません、エリカさん入っていいでしょうか」と男の尋ねる声がした。

エリカは身を起こし髪の毛を軽く整えた。
「どうぞ」
「お邪魔します」
「はい…ってジョルジュさんじゃないですか。どうしたんですかこんな時間に」
「夜分にどうも…実は今夜のショーで料理を作り過ぎたんです。少し食べて頂けませんか」
「はい!いいですよ〜エリカに任せてくださいっ!」

エリカは緑色をしたゼリー状のモノをスプーンで掬って口元へ持っていった。
艶やかに光る唇がスプーンを咥えては離れていく。

その様子を眺めるジョルジュの眼は怪しい光を帯びていた。
「ど、どうしたんですか?あまり見られるとちょっと恥ずかしいですよ」

エリカの言葉でジョルジュは我に返った様に普段の表情に戻る。
「これは失礼を…」
「ところでジョルジュさん?このゼリーって何ですか。こんなのってメニューにありましたっけ?」
「………」
「ど、どうしたんですか?まさか凄く変なゼリーじゃぁ…」
「…変ではありませんよ」
ジョルジュの眼つきは異様な鋭さを放っている。

「ジョ、ジョルジュさん…様子が変ですよ……あ…あれ…」
「変ではありません…貴女を私に与えてくれるゼリーですから…」
「う…ぁ…か、身体が…」
「おやすみなさい…エリカさん…ククク」
234畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/11 23:55 ID:SES00sm4
>>100グラマー殿
そういうことで御座いましたか。いえ、あやまれることは御座いません。
2ちゃんではうそをうそと見抜け(略)
それよりこちらこそ暴言の数々、申し訳御座いません。
謝意は作品をもって表すのが上策なれば、しばし構想と執筆のいとま、ご容赦を。
100グラマー殿がご覧になっているという事実は、確実に拙の創作意欲を揺り起こすゆえに。
235名@1:02/08/12 20:57 ID:q3PVgkHV
17
肋骨は全て切り終わった。
しかし、この時点で桐島カンナが失ったのは肋骨だけではなかった。
彼女は恐怖心と激痛の余り、ときおり「あぁ…」とか「うぇ…」などとうめきながら
口からだらしなくよだれをたらすだけの存在にまで成り下がっていた。
お互いに精神をすり減らした極限状態の中、
狂気の心に護られた形で私の精神はかろうじて正常を保っていたようだ。

そして、私は桐島カンナとの最後の戦いに入る。
黄色い心臓は自分の主を生きさせるために、
また自分が生きるために忠実にその任にあたっている。
心臓から伸びる大動脈・大静脈・肺動脈・肺静脈…これらを切り離せば命が一つ失われる。

私は周りを見回した。
何の飾り気もない無味乾燥な部屋。
ニヤニヤと不敵な笑いを浮かべながら、その時を待っている山口親子。
未だ変わらずただ死の時間を過ごす山口友江。
そしてその向こうに私にだけ見える多恵の姿。

私は天井を見上げ、目を閉じた。
そして、下に目を向け、ハサミを持つその手に力を込めた。

動脈から勢いよく噴き出す血液。
少しビクンとその体を振るわせる桐島カンナ。


そこに、一つの死が生まれた。
236名@1:02/08/12 20:59 ID:q3PVgkHV
18
取り出した桐島カンナの心臓はその前にもまして力強い動きを見せ、
もはやそれは体の一器官のものではなかった。
これが霊力の力…
少しの戦慄を覚えながらも私はすぐさま山口友江に対して心臓を取り替える手術を開始した。
ここからはいかなる失敗も許されず、また微塵(みじん)の狂気が入ることも許されない。
私はすでに医師・萩田玄作の顔に戻っていた。


それからどれほどの時間が過ぎただろうか。
私は山口友江の血管と桐島カンナの心臓の縫合(ほうごう)を終了した。
後は彼女が生き返るかどうかだ…。
私は山口大臣らと静かにその時を待った。

しばらくして山口友江の指がかすかに動いた。
私はすぐに駆け寄り、山口友江の脈を取る。
「脈が…動いています。手術は成功です!」
私は山口大臣達に言った。
奇跡が起こったのだ。

手を取り合って喜ぶ山口大臣らを尻目に私はもう一つの手術台に目をやった。
そこにもう桐島カンナの姿はなかった。
237名@1:02/08/12 21:07 ID:Buko57l4
19
そして私はふと我に返る。
「そうだ…娘を、多恵を返してください!
手術をすれば多恵を返して頂く約束だったはずだ!」
私は山口大臣に言った。
「いやぁ、よくやってくれた!萩田先生。改めて礼を言わせて貰うぞ。
峯二、娘さんを萩田先生に会わせてあげなさい。」
「かしこまりました、父上。」
山口大臣に促され山口峯二がドアを開ける。

その向こうに待っていたのは久しぶりに会う多恵の姿だった。
「お父ちゃーん!」
「おお、多恵!元気だったか!」
私は多恵を抱き上げた。
「嬢ちゃん、この屋敷はどうじゃったかの?」
山口大臣が多恵に話しかける。
「うん!楽しかったよ!あのね、お父ちゃん。
多恵ね、お爺ちゃんのお家でこーんなに大きいお肉を食べさせてもらったんだよ!
なんか食べたことないお肉だったけどとーってもおいしかったよ!」
「おお、そうかそうか、おいしかったか。
それは何よりじゃ。そうか…おいしかったのか…。」
と言って山口大臣は私を見て不敵な笑いを浮かべる。

「ま、まさか、あの時の肉を…」
「これからも親子仲良く暮らすんじゃぞ。ワーハッハッハッハ!」
山口大臣の高笑いの中、私は多恵を抱きしめたまま膝から崩れ落ちた。
「お、お父ちゃんどうしたの?痛いよ…。」
私は涙を流しながら、多恵を強く抱きしめた。私にはそうすることしかできなかった。

238名@1:02/08/13 21:47 ID:dcI2TMdY
【お盆の一人反省会アンド次回に向けて】
どうにかラストを迎えることができました。
これまでお付き合い頂きました皆さんに改めて感謝致します。
ある程度は意図して変化球気味のものを考えておったのですが、
実際文字にすると自分の予想以上にあさっての方向へ逝ってしまいました…

・強烈な個性を持つ架空のキャラは自由が利き、思い入れを持ってスラスラと書くことができるが、
「サクラ」と言うものが薄まってしまう危険も伴う諸刃の剣。素人の自分にはお奨めできない。
・一人称視点も同じく扱いは難しい。
・とにかくカンナの扱いは悪かったかも…。(テーマ偏重キャラ軽視)
・でも半日課的にちょっとずつ書くのは楽しい(藁

以上の点もふまえつつ次回作は

・舞台は巴里。
・実在有名キャラ登場数増。(当社比)
・できればもっとサクラキャラに喋って頂く。
・いい加減な出所の知識と過剰な次回への煽り、謎かけは健在(藁

でお送りしたいと思います。
またよろしければ読んでやってください。ありがとうございました。

リンクはこちら(1〜19・補足も含む)
>>32-33 >>46-47 >>56 >>66-67 >>180-181 >>193-194
>>197-198 >>204 >>216-217 >>221 >>223 >>235-237
239100グラマー ◆gKddwfIM :02/08/13 22:07 ID:I0pGVBMk
>名@1氏

いやぁ、お疲れ様でした。
盆で帰省されているのか最近は人がいないですね。
でもROMってる人は多いと思いますのでこれからも頑張って下さい。

肉の旨さが鍛える度合いで決まるならカンナは最高級の肉の持ち主という事になりますな。
多恵嬢が羨ましいなぁ…ジュルジュル。

次回作は巴里編ですか。
今度はどんな展開でくるか実に楽しみですね。
240名無しさん@ピンキー:02/08/14 07:22 ID:JBCEK762
相変わらずだなーここも。
昼間に来ると肉料理が食べたくなるよ。名無しの新作期待してるよ。
241ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/08/15 11:41 ID:g+6ow6QE
べ、別の意味で夏休みを堪能しておりました(疲)。
SSは全然進んでない(というか進めなかった)のでうpはまだ先になりそうです(´Д`;)

>畜生さん
ぐはぁ!あの時点では終わってなかったんですか。
改めて完結ご苦労様です。しかしまぁ、無残といおうかなんというか……。
ちなみに宗教用語(?)がさっぱり判りませんでしたが、その他の部分は激しく萌えた。
特に心臓を喰う辺りの描写は、見事。圧巻でした。
次回作にも期待させていただきます(別に急かしている訳ではありません)。

>名無しさん@100gスレさん
こちらも完結おめでとうございます。
ぬぅぅ、カンナが撃たれた理由が初め判らなかったのですが、まさか心臓を移植してしまうとは、その着眼点に感服。
しかし麻酔無しだとショック死の危険性が……。
と、んな理詰めな事言ってもしょうがないので、一言。
多恵お嬢ちゃんばっかりずるいなぁ(藁)。

>哲太さん
う〜ん、書き方がヘタックソなのと、変な小ネタばっかり盛り込んでるからでしょう、今までに無い様に見えるの。
オマケに主人公が、戦争屋丸出しなのも一因かもしれませんね。
こんな物しかかけない自分ですが楽しんでいただければ本望で御座い、畜生(藁)。

>>233
続きキボン!

自分の処女作を読んでいて思った『残虐さが足りん!』
242名@1:02/08/16 00:35 ID:u1aWh/oO
突然ですがエリカたんアンド山口大臣に乾杯!(・∀・)ノ日 (1日オクレ。大臣、非道いことさせて正直スマンカッタ。)

>>100グラマーさん
ありがとうございます。
これからも頑張らせて頂きます。
「夏の三部作」とかほざいておったのに夏の間に終わりそうにないのはアレですが(藁
>>233は100グラマーさんですよね?

>>240さん
下らん反省会までぶったからには次は勝負の作品であります。(そこまで言ってもいいのか?)
そういえば最近は『肉食った!』と言えるほど肉を食っておりません。
59円のハン某ガーを食うのもいいですが、
ゲルさんがロベリアを料理してくれるそうなのでお互いそれまで待とう名無しさんですね(藁

>>ゲルさん
非常にお久しぶりです。
これまた非常に亀レスになりますが、エリカ捕獲編拝読させていただきました。
サクラ大戦と皆さんが絶賛されるゲルさん独自の世界観が見事に融合されている、そう感じました。自分のにはそれが無いです。
エリカが非常に萌えです。ウウム、マ イ フ  ェ イ バ リ ッ ト だ。(コラ!)
ロイド隊長の「はいよ、こちら上海亭!どうぞ」 は大神一郎の「花見の準備をせよ!」と双璧をなす軍人ギャグかと(藁
243畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/16 00:57 ID:1ZryJB6L
>>名@1殿
遅ればせながら物語の完結、乙に御座います。
登場人物のコントロールは確かに難しゅう御座いますな。
しかしそれが楽しくあるのも確か。
されどむず痒かしいのも否定できない胸の内。
なんともアンビバレンツな思いで御座い。
とは言いつつも、氏の登場人物の人格(作品としての)は破綻してないと拙は思います。
あと、確かに100gとしてのテーマをとるか、サクラ大戦としての物語をとるかは難しいところで御座いますな。

>>ゲル殿
拙も望ましくない形で夏休みを堪能しております。
もはや月火水木木金金で御座い。畜生。
244モンマントルリストラン人肉饅頭:02/08/16 21:20 ID:EJNAkrQU
8
「フ、フフゥフゥフ…ァ…せ、聖女……処女の肉…生き血……」

ジョルジュは眠るエリカを無造作に大きな袋に詰め込み軽々と抱え込む。
しばらく前まで多くの客で賑わっていたシャノワールも今は静かなものだ。
誰一人いない暗い廊下を悠々と歩きシャノワールを後にした。

しかし袋といっても人間一人を詰めた袋である。
本来なら長時間運ぶのは骨が折れる作業の筈なのだがジョルジュは軽々と運んでいる。
ふっと見た目は普段と変わりない青年だ。
シャノワールのバーに勤めている超一流のバーテン。

しかし普段の彼を知る者ならば異変に気付いたであろう。
眼は暗い光を帯び、口元は歪み、少々ヨダレを出したまま。
時々「ヒヒヒ…」「クククク…」などと呟いていた。

普段の冷静で物静かな容姿とはかけ離れた姿…。
何人かすれ違った者もいたが、流石に女の子が入った袋を担いでいるとは誰も気付かない。
見た目より軽そうに持っているのも要因の一つであったか。

やがてジョルジュは暗い裏通りに入っていった。
245モンマントルリストラン人肉饅頭:02/08/16 21:22 ID:EJNAkrQU
9
「オルヴォワール」
マルクに礼を言い、案内通りに店の裏に向かう。
わざわざ聞いたのだが思いの外すぐに発見した。
店を出て北に向かうと直ぐそこではないか。

シャノワール。
行き交う人々からもその名をよく聞いたもんだが、
巴里の多くの人から褒め称えられる店だけの事はあるようだ。
まだ真昼間だけに真の姿ではないようだが、なるほど…なかなか楽しませてくれそうな雰囲気が漂っている。

「フン…黒猫が生意気にも帽子を被った看板か…ふざけやがって」

まぁ俺様にしたら帝劇には及ばんかな…あそこは色々と最高だったからなぁ…ククク。

シャノワールの場所を確認した後はゆっくりと観光に勤しむ。
勿論ただの観光では無い。
シャノワール周辺の地理を頭に叩き込むのが目的なのさ。

テルトル広場、市場などを観てまわったのだが困った事に良い宿が無い。
巴里での拠点となるからな。可能な限りシャノワールの近辺が理想なのだが…な。
246モンマントルリストラン人肉饅頭:02/08/16 21:24 ID:EJNAkrQU
10
もう夕暮れ時だ。
俺様は取り合えず食事を求めてマルクの店の裏通りに入ってみる事にした。
意外に多くの店が並ぶ。モグリのカジノ、危険な雰囲気のバー。
巴里の暗黒面の一部ってところか…フッ。

薬漬けにでもなっているらしい汚い風貌の男が入口に寄りかかっているバー。
俺様は何となくこの店が気に入ってしまった。

「ボンソワール」
一応の礼儀の一言をもって店内に入る。
一流の料理人はこうでなくてはな…。

店内にはやばそうな雰囲気の男共が屯していた。
やはり東洋人は珍しいのだろうか。皆が俺様の方をジロジロ見てやがる。

俺はお構いなしでカウンターに向かい腰をかけた。
「いらっしゃい…何にするんで?」

この店の店主らしき男が注文を聞いてきた。
客で来ている男達よりもやばそうな感じの男だ。
まぁ予想通りの展開だったが…。

「…鮮度の高い娘の生き血と肉を頼む」
247100グラマー ◆gKddwfIM :02/08/16 21:27 ID:EJNAkrQU
黙々と駄文を書いております。
ダラダラ長い割に少ししか進んでいなくてイライラする方も多いと思いますが御容赦を…。
248名@1:02/08/17 01:22 ID:PClw9RiU
>>180-181の部分におきまして山口一豊という記述がございましたが正しくは山口和豊であります。
お詫びして訂正させていただきます。

>>畜生さん
ありがとうございます。
そう言っていただけるとありがたいです。
やはり一番重要なのは読まれた方がどのように思われるかで、
読まれた方の数だけ作品の真実はあるのでしょう。
非常に参考になりました。どうもです。

>>100グラマーさん
やっ巴里だ!やっ巴里100グラマーさんだったんだ!
人肉饅頭がキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!

ただいま書き方の実験として陵辱編(下書き)→シナリオ→陵辱編と言う方法を取ろうかと思っています。
お時間を頂くかもしれませんが、必ずうpしますので。では。
249100グラマー ◆gKddwfIM :02/08/17 23:03 ID:h7WQ/fSZ
>>248
山内一豊…そう言えば似てる(w
今日はSS書くことも無くマターリしてました。

しばらく暇人氏を見かけませんがどうされたのでしょう…。
250畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/18 00:42 ID:eu08JBPP
>>100グラマー殿
まさしく人肉饅頭キタ━━━!!で御座い。
いや、御待ちしておりました。楽しみにしておりました。
一つの物語で巴里組すべてを調理するのは難しいと思いますが頑張って下さいまし。
拙は気を長く持ってのんびり楽しませて頂きますれば。
しかしなんですな。巴里組は帝都組と較べるとジビエ(野味)な感じがいたします。
まったくもって個人的な印象で御座いますが。
251名無しさん@ピンキー:02/08/18 16:01 ID:o0//ocIU
ゲルリッヒカノーネ氏

今更ながら、初めて読ませていただきました。
_ヲタならではのビミョーなこだわり、戦場での荒廃した人心などが良く表現されてますね。

>>ふぅと煙を吐いた時、形のいいエリカの尻が俺の目にとまった。

エリカ、このとき巴里華撃団のあの戦闘服着てるんですよね?
ボディライン出まくりの、小隊長さんをハァハァさせちゃうデザインの戦闘服着てたのが、
そもそもの不運だった、って訳ですか……
漏れ、あの服着たままH、ってシチュに何となく惹かれてしまうんですよ。

>>「ま、まさか……花火さんとコクリコを……」

花火たんとコクたんも、この小隊長さんに酷い目にあわされてしまったんでしょうか……
いずれ書いて欲しいと思いつつも、花火萌えの漏れとしては不安ですね。
252名無しさん@ピンキー:02/08/18 18:42 ID:kwEHaTMl
ひさしぶりに100gスレを見たよ、、、、
転移していたのか
253100グラマー ◆gKddwfIM :02/08/18 19:46 ID:pREM7Pwm
>>252
フフフ。いらっしゃい。
ごゆっくりしていって下さい。
254ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/08/18 20:45 ID:OMOsIGxX
しぬる。

>名無しさん@100gスレさん
御賞賛ありがとう御座いまふ。あんなクソ文で萌えていただくとは恐縮であります。
ネタばらしですが、上海亭とサンフラワーは機動警察パトレイバーから抜粋。
銃器は、当時フランスで使用されていた物です(ライフルはアメリカの物ですが)。

>畜生さん
あやや、そちらもですか。自分も「海〜の男の艦隊勤務、月月火水木金金♪」を地で逝っております。
所で、巴里華撃団の方が野性味があるというのは同意。9mmパラの帝撃、500ラインバーの巴里撃といった所でしょうか?
わからない?スマソ。

>100グラマー様
人肉饅頭続編!まっておりました。第一目標はエリカですか、期待してます。
それと>>241で失礼な発言をして申し訳ありませんでした。

>>251
長文の感想ありがとう御座います。ちょっと凝り過ぎた感もありますが楽しんでいただけたのなら幸いです。
服に関しては自分着衣派なので、あの服はぜひ一度切り裂いてみたいと思いまして決行致しました。
当初は、エンジンカッター(チェーンソーの丸ノコ版みたいな奴)でエリカの手足を切り落として、
軍用光武の霊力ユニットに使うつもりでしたが、それはあんまりなので、ああいう形に落ち着きました。
それと花火とコクリコですが今回のSSには出しません(既に戦死と設定しています)。ああいった重巡なキャラクターは、
虐めるだけ鬱になりそうなので。最も機会があれば、チャレンジしたいキャラクターではありますね。

掘れではこの辺で。
255名無しさん@ピンキー:02/08/19 00:50 ID:qceTwtcP
やっぱり人減ったな。。。恐れていた通りの展開。
256名@1:02/08/19 00:52 ID:/Y+HfZJw
実験失敗。普通に書いてます(TдT)

ゲルさんにネタばらしして頂いたので、私も一つ。
・萩田玄作は杉田玄白をもじりました。(ここんとこはサクラっぽい)
・山口峯二は古賀峯一から。(太平洋戦争時の海軍の人ですね。)
・最初は解体新書を手に入れた若者が人体解剖をするという話にする予定でしたが知識がないためボツ。
・登場人物のその後を描いた20を書こうとしたのですが、収拾がつかなくなってボツ。
・山口友江の役回りをすみれにして山口大臣を神崎忠義にすることも一瞬考えましたが、
「心臓のサイズ合わんし、それって美談やん?」と思ったのでボツ(藁

浪漫堂(西)に行ってサクラ3の原画・資料設定集買いました。読んでて楽しいです。
サクラ1・2ほどガチガチの設定が無いのは意外かつある意味安心しました。
しかし、今日応対してくれた店員さんがここ見てたら私の正体がバレバレやな、と(藁

長々とすいません、次来る時は手ぶらでは来ませんので…
257畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/19 01:00 ID:aX/RtTsw
>>ゲル殿
上海亭はパトレイバーで御座いましたか。特車二課に唯一出前してくれる店で御座いますね。
拙にとってパトレイバーといえば後藤隊長と内海課長。
このふたりの対決(といっても電話でのやり取りで御座いますが)は萌えまくりました。
ミリタリー系はあまり得意ではないのですが何故かゲル殿と趣味がかぶりますな。
9mmパラベム弾はバイオハザードの最も多い弾丸という程度の知識しか御座いませんが。
ちなみにジビエ(野生味)とはフランス料理において家畜以外の、狩猟でとれた動物の肉のことで御座います。
毎年英国王室が王室領で捕れた鹿肉を親しい人に配っていたりと、
ヨーロッパでは割りと重宝されています。
あと、拙もコクリコは無理っぽいで御座い。花火にはそれほど抵抗がないのですが……

いま書いている話も注釈が要りそうでしたのでスタイルを変えて書いています。
3人称で書けば説明をいれやすいのでは?
結果は……、英国紳士の説明(今度のお相手はえげれす人で御座い)に20行を費やす始末。
もう、ほとほとで御座います。畜生。

258畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/19 01:25 ID:aX/RtTsw
>>255殿
その代わりに得たのが荒らされることのないマターリで御座い。
どちらを得るかは難しい話では御座いますが、これもまた得難し。
まあ、よろしいではありませぬか。

>>名@1殿
「それって美談やん?」と思ったのでボツ。
……夜中に大笑いしました。
原画・資料設定集は値段が値段ですので二の足を踏んでおります。買いで御座いましょうか?

よくよく考えてみればアレイスター氏もえげれす人で御座いました。
いえ、好きなんですけどね。あの国と人々。
259100グラマー ◆gKddwfIM :02/08/19 20:37 ID:3EtZwpsL
>>ゲル氏
今回は(も)人肉饅頭はのんびりいくつもりです。
余り時間が取れないのも原因の一つですが。
現在の展開はああなっていますが一応エリカは後ほどのお楽しみで…。
エリカは巴里では私のお気に入りなのですよ…ヒヒヒ。

>失礼な発言
ん?何の事で御座いましょう?
260名@1 ◆F54t4pQc :02/08/20 01:28 ID:QzjKJYC9


1924年 6月 巴里。

帝国華撃団月組隊長・加山雄一と女はある男を追っていた。
その男の名はレメディオス・ドノヴァン。通称ドノヴァン博士。
ドノヴァン博士は降魔の細胞を入手し、培養していた。
その情報に懸念を抱いた賢人機関はドノヴァン博士に対する監視を強めていた。
そしてついにこの日、加山と女はドノヴァン博士が乗船している豪華客船に乗り込み、
ドノヴァン博士を船の機関室に追い詰める事に成功した。

「いくらお前でも水の上では逃げ場はあるまい。
お前が降魔の細胞を培養していると言う研究所はどこだ。おとなしく吐いてもらおうか。」
加山は刀をドノヴァン博士に向ける。
加山の言葉に対し、ドノヴァン博士は下を向き薄ら笑いを浮かべているだけだった。
「何がおかしいの?今なら命までは取らないわ。さぁ、観念しなさい!」
そう言って女はドノヴァン博士に拳銃を向ける。
女の警告に対してもドノヴァン博士は一向に応じる気配はない。

張り詰めた雰囲気が三人を包む。しかし、次の瞬間だった。
「…馬鹿モンが。わしは死なん。死ぬのは貴様らじゃぁ!」
と言うのと同時にドノヴァン博士は着ていたモーニングの懐からダイナマイトを取り出し、
すばやく火をつけ、放り投げた。

あたりが爆風と閃光に包まれる。
261名@1 ◆F54t4pQc :02/08/20 01:32 ID:QzjKJYC9


1927年 4月 巴里。

加山は少女と夜を共にしていた。
少女の体は激しく加山を求め、加山も精一杯それに応えた。
加山の腕の中で少女は幾度となく絶頂に昇りつめ、今はすっかり眠りこけている。
そして巴里の街は朝を迎えようとしていた。
加山は一人起き出し、少女を起こさぬよう気を配りながら、その場を発つための身支度を始めた。

(まさか、この子とこんな関係になるとはな…)
加山は少し微笑みながら少女の寝顔を垣間見た。
依然として少女はスヤスヤと寝息を立てながら眠っている。

「さて、そろそろ行くか…。」
加山はその場を出ようとした、が、すぐに刀がないことに気付く。
「あれ、おかしいな…確かここに置いたはずなんだが…。」

刀を探す加山の背後を鋭い殺気と衝撃が襲う。
「ぐわっ!」
加山は背後から刀で切りつけられ、うつぶせに倒れる。
262名@1 ◆F54t4pQc :02/08/20 01:35 ID:QzjKJYC9

「ぐっ…いったい誰が…。」
加山は首を動かし、その殺気の元に目を向ける。
「なっ、なぜ君が…」
そこに立っていたのは少女だった。

少女は全裸のまま右手に刀を持ち、床に倒れている加山を冷たい瞳で見下ろしていた。
その美しい裸体に加山の返り血を浴びながら。
そして、少女は加山の眼前に一枚の新聞記事の切抜きを見せ付ける。
それを見て加山が激しくうろたえる。

「ま、まさか、君があの時の…ち、違う!違うんだ!
あんな事になるとは思わなかったんだ!あの時の俺達にはどうしようもなかったんだ!
頼む、許してくれ、どうか命だけは助けてく、ごがぅぁ!」
加山の言葉を待たずして、少女は加山の首筋に刀を突き刺した。

あたりが加山の血で真紅に染まる。
263名@1 ◆F54t4pQc :02/08/20 01:37 ID:QzjKJYC9


加山雄一死亡1週間前 巴里。

「ん…んんっ…んっ…。」
少女は男と激しい接吻を交わしていた。
「少し…いいかい?そう…目を閉じて…」
男は少女に目を閉じさせ、自らの口にカプセルを含ませる。

「…もういいよ。目を開けて…。」
男は少女と再び接吻を開始し、カプセルを彼女の口内へと送り出す。
少女は何の抵抗もなくそれを飲み込む。
途端に少女の表情がトロンとしたどこか目も虚(うつ)ろなものへと変わる。
男は少女がカプセルを飲み込んだのを確認すると少女に改めて語りかける。

「さぁ、この三人が…君の大事な……を奪った………だよ…。
君は…この三人に………するんだ…。」

と言って少女に三枚の人物が写った写真を見せる。

一枚は加山雄一、一枚は白衣を着た老人、そして最後の一枚は女の写真だった。
264名@1 ◆F54t4pQc :02/08/20 02:03 ID:A9lhobTG
名無しのくせにトリンプを付けました。
これからもどうかよろしくお願いします。

>>畜生さん
設定資料集は私の主観ですが、買ってよかったなと思っています。
今のところCD2枚とこれしかグッズは手を出していませんが、コンプリートソングボックス(?)は激しくホスィです。
設定資料集で一番衝撃を受けたのは迫水氏が57歳だったと言うことと、
メカデザインの明貴美加という人がいるんですが、その人が普通に男だったことです(藁

ちょっと物語について。
・女と少女は共に帝都・巴里花組隊員13人のうちの誰かです。
・あくまで女は少女より年上なだけです。
少女=即座にアイリスコクリコを指すものではありません。(ハイ、消えた!)
・男も皆さんがよ〜く御存知のキャラです。

とか言ってあくまでこれは100gスレですんで、犯人探しが主題ではありませんので、
誰が出てくるのかな〜と言う軽い気持ちで読んでいただければ幸いです(藁
順次、なるべく早い段階で明らかにしていこうと思っています。
これからまた頑張らせて頂きますので引き続きよろしくお願いします。
265畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/21 00:40 ID:kZUT+aZj
>>名@1殿
新作、早っ!!ちと驚きに御座い。
なかなかハードボイルドな加山で御座いますな。
しかし仮にも国家秘密諜報員でありますので考えてもみれば当然と言えば当然で御座い。スキだらけですが。(w

設定資料集は買いで御座いますか……了承いたしました。
266名無しさん@ピンキー:02/08/21 15:02 ID:rCGaBg5w
暇人はどうしたんだ?
267名無しさん@ピンキー:02/08/21 20:18 ID:YmbA7Gpr
出来ればOVA第二弾は全話見ておいて欲しい。
あと小説のサクラ大戦前夜。
268名無しさん@ピンキー:02/08/21 20:21 ID:35lszNzK
>>267
何の事かね?
269名無しさん@ピンキー:02/08/21 20:25 ID:YmbA7Gpr
資料の話。
270名無しさん@ピンキー:02/08/21 20:26 ID:35lszNzK
>>269
なるほど
271畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/21 21:04 ID:fy78yLOJ
サクラ大戦前夜は丁度きのう買ってきますた。
しかし、その、なんというか、南北戦争の設定は飛ばし過ぎでは?
いまでも通用する公式設定なのでしょうか……
いろいろな意味でNY編が楽しみに御座い。
272名@1 ◆F54t4pQc :02/08/21 22:40 ID:yk2iq+B9

加山雄一失踪を重く見た帝国華撃団総司令・大神一郎は1927年5月、一人の花組隊員を巴里に派遣する。

そして、1927年 6月 巴里 シャノワール 支配人室。

「で、あれからムッシュ加山について何か分かったのかい?」
「今年の4月には確かに巴里に居た事が確認されていますが、
それ以降の加山さんの足取りは一切つかめていません。」
グラン・マの問いに対してメルが答える。

「進展なしってわけだね…。
あぁ、帝都からのお客さんから何か連絡はあったのかい?確か今日こっちに来るんだろ?」
「先程、巴里に入ったと言う連絡がありました。
もうすぐ、こちらに到着されると思います。」

「でも…」
グラン・マはその顔に多少の笑みを浮かべながら、ドアの方へ目を向けた。
「お客さんはもう来てるみたいだね。」
273名@1 ◆F54t4pQc :02/08/21 22:51 ID:AODHvIPa

すると、けたたましい足音と共にシーが勢い良く室内に入ってくる。
「オーナー、大変、大変ですよぅ!ビッグニュースですぅ!」
「帝都からのお客さんが来たんだろ?」
「えっ?どうしてわかったんですかぁ?」
「あんたの足音で分かるよ。さぁ、グズグズしてないでお客さんの出迎えに行くよ。」
「ウィ、オーナー!」
メルとシーが微笑みながら言葉を返し、小走りで先に玄関へと向かう。
遅れてグラン・マもゆっくりと玄関へと向かう。

「おひさしぶりですぅ!ようこそシャノワールへ!」
「お久しぶりです。久しぶりの巴里はいかがですか?」
メルとシーが帝都からの客人に歓迎の挨拶をする。

「遠い所ご苦労だったね。長旅で疲れたんじゃないかい?」
帝都からの客人は敬礼をしながらグラン・マに答える。

「お気遣いありがとうございます。お久しぶりです。
帝国華撃団花組マリア・タチバナ、只今到着いたしました。」
274名@1 ◆F54t4pQc :02/08/21 22:54 ID:AODHvIPa

その後、グラン・マとマリアは支配人室に入って情報を交換した。
「じゃあ、そっちも手がかり無しってわけかい?」
「はい…私の方でもこちらに向かう途中で情報を集めてみたのですが有力な手がかりは無いのが現状です。」
「これは完全に手詰まりってやつだねぇ…。」
二人を重苦しい雰囲気が包む。

その時、何気なく掛けっ放しにしていたキネマトロンから臨時ニュースが伝えられる。
「臨時ニュースをお伝えします。
生物学の研究家として知られるレメディオス・ドノヴァン氏が今朝、巴里郊外の自宅で遺体で発見されました。
遺体は死後1ヶ月ほど経っていると見られ、
また斧の様な物で頭を殴打されたような傷跡があることから巴里市警は殺人事件として捜査を開始しました。
詳しい事が分かり次第、随時お伝えいたします。では、次のコーナーです…」

「どうしたんだい?ドノヴァン博士を知ってるのかい?」
ニュースを聞いて唖然としているマリアを不思議に思ったグラン・マが問いかける。
「い、いえ。特には…。」
「そうかい。いやね、私もよくは知らないんだけどさ、
自分の研究室にこもって怪しい研究ばっかりしてるって話だよ。」
275名@1 ◆F54t4pQc :02/08/21 22:56 ID:AODHvIPa

マリアはシャノワールを後にして、
モンマルトルの街の広場で一人思索にふけっていた。
あの時マリアはグラン・マに嘘をついていた。
マリアはドノヴァン博士を知っている。

加山雄一、ドノヴァン博士、そして自分…
この三者の関係について知りえるのは同じくこの三者の他にはいないとマリアは思っていた。
しかし、加山の失踪、ドノヴァン博士の死、
これらの出来事が短期間に連続して起きたのはもはや偶然ではない、と言うのがマリアの考えだった。

何より、あの臨時ニュースでマリアはこの事件にある人物が大きく関わっていると確信した。
加山、ドノヴァン、自分を結びつける事のできる思考の持ち主、ドノヴァンを死に至らしめた斧の一撃…。

(最悪の場合、この手で彼女を葬らねばならない…。)
マリアは自分の愛銃を見ながらそう考えた。
マリアは自ら決着をつけるべくその人物の懐にあえて飛び込む決意をし、歩き始めた。

グリシーヌ・ブルーメール邸に向かって。
276名@1 ◆F54t4pQc :02/08/21 23:58 ID:XYd/lFjb
>>267さん >>畜生さん
サクラ大戦前夜は帝都花組隊員の入隊前の物語が中心なんですかね?
豪華絢爛は全話見たのですが小説は全くノータッチだったもので。
情報提供ありがとうございます。これはチェックせねば。
277名無しさん@ピンキー:02/08/22 00:03 ID:1mIW+iBP
>>276
>サクラ大戦前夜は帝都花組隊員の入隊前の物語が中心なんですかね?

その通りだな。
細かい所はあまり覚えてないけど結構よかったよ。
278名@1 ◆F54t4pQc :02/08/22 00:28 ID:e12b6MW2
>>276さん
即レスどうもどうもです。
結構良かったと聞いてはますます読まないわけにはいきませんね。

今回のは前作に比べると恐ろしいほど筆が進んでおります。
やはり、前作のは自分でも知らないうちに途中から鬱が入ってしまったのでしょうか(藁
まぁ、大事なのはこれからですね。いかに100gするかですね。
279名@1 ◆F54t4pQc :02/08/22 00:33 ID:JMabn9yE
間違えました>>277さんですね。非常に申し訳ありません…。
自分にレスしてどうする…やはり調子に乗るとロクな事が無い…

鬱だネヨウ…
280狐狩り@100g ◆666tXXX2 :02/08/22 02:15 ID:sys7DWxC
1 

ヨーロッパの人々にとって森は神聖な空間である。
北方のゲルマン系民族と南方のラテン系(というよりローマと、その文化的母胎であるギリシャ文明)
とでは捉えかたが多少違っているものの、森は人と神の交流地点であった。
古代が終焉を告げ、暗黒の中世が森における自然の神々を異端視しながらも、
ほそぼそと静かに、しかし確実に森は古代の神々の記憶を人に伝え続けた。
それはここ南フランスのプロヴァンスも例外ではない。
いや、目の前の光景を見れば神々の存在を思い出さずに、そして信じないわけにはいかないだろう。
目の前の彼女を見たならば、産まれたままの姿を隠すこともなく森を駆ける彼女を見たならば。
そして古い神々に詳しい人が彼女をみれば、おそらくこう叫ぶだろう。
『おお!!アルテミス様!!美しきかな。勇ましきかな。アルテミス様!!』と。
アルテミスとはギリシャ神話に登場する女神である。太陽の神、アポロンの双子の姉で月の女神であり、
ニンフを従えて森を散渉しているとされているために狩猟の、また動物達の繁殖を司る豊穣の女神でもある。
そしてヴィーナスと混合されることからも解かるように、美貌を誇る女神でもあった。
281狐狩り@100g ◆666tXXX2 :02/08/22 02:16 ID:sys7DWxC


そのアルテミスと見間違う程に彼女は美しく、勇ましかった。
軽く波打つ金色の髪は月の光を思わせ、母なる海と同じ蒼い双眸は飲み込まれんばかりに深い。
躍動に呼応して揺れ動く乳房は小アジアのエフェソスに保存されている、
『24の乳房を持つ豊穣のアルテミス像』と較べて数こそ少ないものの、
豊かさを表すという意味においてはいささかの遜色もなく満ち溢れていた。
しかし、その様子は決して安楽であるとは言い切れない。
森の奥から犬の声が聞こえる。途端に彼女は振り向いて気配をうかがった。
1頭や2頭ではない。数十頭からなる混声合唱団が確かな敵意をもって、森と狩猟の女神たる彼女に向かって来ているのだ。
神話において彼女は、水浴している自分の裸身を覗いてしまった若者を鹿に変え、彼の猟犬をけしかけて殺したことがある。
神もまた因果の虜であるというのか?
息も絶え絶えで森を見すえる彼女の顔には恥辱の色が表れていた。
だが誇りに満ちたその目をみれば、両手を裸身を隠すことにではなく闘争の道具に用いようとする意志を感じとれば、
彼女は決して外見だけがアルテミスの化身でないことがわかるだろう。
それも当然である。
彼女はフランスでも指折りの貴族であり、その肩書きに恥じない誇りと責任感を持っているのだ。
誇り高き其の名は、ノルマンディー公とも縁深いブルーメール家、その令嬢であるグリシーヌそのひとである。
その高貴なる彼女が何故その身ひとつで犬から逃げているのか。
時間は少しさかのぼる。
282狐狩り@100g ◆666tXXX2 :02/08/22 02:16 ID:sys7DWxC


英国紳士であるウィリアム・クレインにとって南フランスは憧れの地である。
しかしそれは彼だけに限ったことではない。、
霧と、暗雲に支配される冬のイギリスに住む人々にとって、それは共通の願いといえた。
ほとんどのイギリス人にとって、その願いは美しき夢のままで棺桶に連れ添うことだろう。
しかしウィリアムにとってそれは絵空事ではない。
何故なら彼にはその願いを叶えるだけの力と財力があるからである。
彼の家系図はたどればノルマン朝を開いた征服王ウィリアム1世にまでさかのぼることが出来る名家である。
また東インド会社設立時においても主要な出資者として名を連ね、
近代の植民地計画においても目覚ましい活躍を遂げた一族である。
名実ともに大貴族なのだ。もっとも最近は斜陽の帝国と同じ運命を共有しているのだが。
それでも彼にとって英国は世界に冠たる偉大な帝国であり、自分はその誇り高い英国紳士なのである。
それは当年17歳である青年の、いまだに燻っている少年心が描く理想に過ぎないのだが。
283狐狩り@100g ◆666tXXX2 :02/08/22 02:17 ID:sys7DWxC
4  

実際、紳士という言葉じたい捉え難い。
時代によって、場所によって、状況しだいで、多様な姿を演じる。
ノルマン朝の時代ではジェントルマン(紳士)は単なる身分上の区別であるジェントル(身分の高い人)であった。
しかし14・15世紀の黒死病の流行が良くも悪くも世界を変えた。
働き手が減ったため、相対的に農奴の地位が上がり、ヨーマン(独立的自営農民)が増加したのだ。
そして彼らのなかには富をたくわえて郷士となるものもいた。
紳士は単なる身分上の呼称ではなく、道徳的な意味を持たなくてはならなくなった。
それまでの漠然とした、イギリス詩人チョーサーが描いた騎士的美徳に加えて、
新たに富める者としての気前のよさが重要視され始め、他の徳も儀礼的に整備されていった。
この英国的な徳は現代にも残っている。ある英国紳士はこう語る。
『釣り銭を数える?それなら騙されている方がよほどマシだ。』
理想的な紳士像も変化していった。『もの静かな騎士』はやがて『礼儀を心得た廷臣』になり、
18世紀においては『狩りと競馬を愛する地方郷士』、『メランコリーな富者』などに姿を変えていった。
つまるところ、紳士は身分に関係なくだれでもなることが出来た。
それは生まれながらの身分によってではなく、行為規範によって得られる称号だからである。
しかし、時代の変化は再びやって来た。
284狐狩り@100g ◆666tXXX2 :02/08/22 02:17 ID:sys7DWxC


始まりの鐘は海峡の向こうで鳴ったが、終わりの音色は霧に包まれた島で鳴り響いた。
鐘の名前はフランス革命。とかく良く反響したのがまさに紳士の定義である。
それまでの英国では貴族も庶民も分け隔てなく紳士と呼び習わされた。
逆説的だが身分の壁が明確に存在する事によって、紳士は単なる行為規範として両者に使われた。
しかしフランス革命はその壁を取り払おうとした。人はみな平等であると宣言したのである。
いまや貴族は明確な差異点を必要とした。
学問や技術は学べばだれでも得られるため、貴族の資格としては足りない。
それは生まれ育ちで得られる資質でなくてはならない。
そのため紳士の概念はより儀礼的に、上品に、禁欲に満ちた非人間的なものへと変容していった。
宮廷における恋愛は肉体的な接触を忌避するものとなった。実際はどうあれ。
なによりも庶民に対する扱いが人間性を欠いたものになってしまった。
だが20世紀の初頭において、このような紳士観は時代遅れのものになっており、
紳士は再び全てのイギリス国民が権利を持つ呼称となっていた。
一方で紳士の概念は明確に儀礼化、表現化されないあやふやな存在となっていた。
100人居れば100人の紳士観があるのである。
そしてウィリアムにとっての紳士とは自己弁護と正当化の道具に過ぎなかった。
もっとも、その事に本人は気づいていないのだが。
285畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/08/22 02:35 ID:sys7DWxC
というわけで新しい物語で御座います。今のところぜんぜん100gじゃあ御座いません。
申し訳なし。
最終的には食べますので御容赦のほどを。
286ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/08/22 09:16 ID:Wa3r/f6V
>名無しさん@100gスレさん
古賀峰一と言いますと、山本長官が亡くなられた後連合艦隊指令になりましたが、飛行艇に乗って消息不明になってしまったヤシですな。
それにしても新作早いですネェ、惚れ惚れしますよ(´▽`)ノ
ハードボイルドタッチな所と言い、グリが主役(らしい)所と言い……ドツボ直撃です。

>畜生さん
自分の場合、パトレイバーと言えばヘルダイバーです。劇場版のOPや小笠原の一戦……あれぞ漢の機体!(力説)
9mmと500ラインバーの例えは、撃ち易い(扱い易い)かそうでないかで言いました。女性でも撃てる9mmに対して下手に握りが弱かったりすると怪我をする12,7mmのラインバー。
ちなみにバイオハザードで、キメラやハンターにベレッタで立ち向かっていったのは自分ぐらいだろうか?
そんな事は横に置いて、新作は随分清涼感のあるシュチエーションですね。ただ追いかけてる犬がケルベロス(ゾンビ犬)だったら、かなり嫌ですが。
あと、設定資料集は自分もお勧めしておきます。メカニック派としてですが……。

>100グラマー様
あ、エリカ君お気に入りなのですか。自分も2番目に好きなキャラクターであります。
焦らずゆっくりと頑張ってください。

<失礼な発言
「続きキボン!」とバカ丸出しの発言であります(恥)。

>>267
轟華絢爛以外は全部見てますがダメですか?
287ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/08/22 09:19 ID:Wa3r/f6V
(1)
窓の外から砂利を撒くような騒音が聞こえてくる。
俺は窮屈な姿勢で毛布から顔を出し、腕時計の針を確認した。
0612(6時12分)。起床時間にはまだ間がある。
ぼんやりとした頭で左を見ると、毛布からはみ出た栗色の髪と、裸の小さな肩が目に入った。

エリカの話によると、生き残った2名はイタリアから、あるツテを利用して日本への逃亡を図ろうとしている事が判明した。
仮に、彼女達をヨーロッパの外に出したとなると、交戦許可の申請、部隊装備の移送等で多大な時間が取られる事は明らかである。
そうなれば、賢人機関上層部や帝国華撃団の知るところとなり、フランス政府や虐殺を実行した俺達特殊遊撃部隊、
レキップ(チーム)『リュテ・シアン(戦うナイフ)』も窮地に立たされる。
それだけは避けなければ……。
しかし、俺達が彼女達よりも先にイタリア入りしているのは間違いない。
彼女達には支援してくれる組織も無ければ、俺達のような機動力(トレーラーのような移動手段)も無い。
どう考えても、俺達が張った網に掛かる以外、彼女達に選択の道は残されていない。
288ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/08/22 09:21 ID:Wa3r/f6V
(2)
その日の午後、彼女達はものの見事に俺達が張った網に飛び込んでくれた。
ジェノバ港の倉庫街に、それらしい女二人組みが大型トレーラー
(調べた所、ミラノで盗難された車両だとわかった)で荷物を運び込んだ、と言う情報が入ったのがその日の昼頃。
しかし俺達は、すぐに行動を起こすことができなかった。
午前中に、本国から補充機材と補給物資が到着しており、その受け入れと一部装備の取り付けに手間取ってしまったため、
臨時司令部のホテルを引き払って出発したのは、夕方になってしまった。
雨の中、目的の倉庫に到着した時には、あたりはすでに薄暗くなっていたがこれはかえって好都合だ。
俺達が使用しているツエトロン社製『ルゥ・ラージュ(怒れる狼)』は、もとから夜間戦闘に主眼が置かれた機体である。
闇に紛れて蠢く姿は、まさに亡霊と言えよう。
亡霊と言えば、今回戦死した2名の代わりに配備されたドローン(無人機)にもあてはまる。
今はマグネルト・ダグラスと名前を変えた、ダグラス・スチュアート製の無人機。

名を「ヤフキエル」と言う……。
289ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/08/22 09:23 ID:Wa3r/f6V
(3)
今回配備されたのは、新規量産機の増加試作機(先行量産型)で、
オリジナルに搭載されていた羽とマチェットソーを取り払い、新たに装甲板を装着した格闘戦モデルである。
さらに、帝国華撃団との実戦で露呈した制御機能の問題も、制御方式を旧来どおりの音、無線、
最後にヤフキエルに搭載された演算システムによる自立制御、この3系統に分離する事で解決している。
もっとも、最後に関しては試験もやってないのでうまく動くか心配だが。
「こちらヘラクレス。各員、状況報告」
『こちらサンフラワー、配置完了』
『こちらピースメイカー、配置完了。ドローン1、2の起動完了』
「諒解。プリ・ブリーフィング通り、ヘッドクォータ(司令部)の攻撃指示と同時にドローン1、2を突入。
10秒後に我々が突入する。いいな」
しばらくの後、指揮車から短い通信が入った。
『こちらラビットパンダ。猫は小屋に入った。繰り返す、猫は小屋に入った』
目標帰還、攻撃開始の短い通信。
「聞いた通りだ!状況開始!!」
290名無しさん@ピンキー:02/08/22 11:21 ID:v7eTvhNS
ここはコテハンが多過ぎ。
職人が多いのは最高なのだが名無しがいないと馴れ合いにしか見えない。
291名@1 ◆F54t4pQc :02/08/22 12:11 ID:DW34yt36
>>290さん
そうですねぇ…。
おっしゃる通りかもしれません。
300えんの後ろあたりから名無しさんがめっきり減ったのは事実ですし、
私のような者がでしゃばりすぎた結果、名無しさんに入りづらい雰囲気と印象を与えてしまったのかもしれません。
私も昔はコテハン多いスレってだけで避けてた時期もありましたし。
SS書くのも職人さんに御礼感想を言うのも、本来名無しでもできることですから。
ちょっと考えなきゃいかんかもしれませんね。
292名無しさん@ピンキー:02/08/22 19:18 ID:gHeKo1A7
romってるだけで、名無しも居るよ。
293名無しさん@ピンキー:02/08/22 22:40 ID:lqsD0iJo
ここにも居るよ。
ぶっちゃけ、コテ同士の個人的なレスは完全スルーですが。
294名無しさん@ピンキー:02/08/22 23:02 ID:1mIW+iBP
>>292-293
いる事はいるのな。
普段は何故レスしないの?やっぱりSSがよかった時にレスする?
295名無しさん@ピンキー:02/08/23 00:17 ID:OoWz9v6a
292・293じゃあないが居れはたまにレスしている。
個人的には名無しの雑談もありと思っているけど、乗ってくれるヤシがいなそうで二の足をふんでいる、、、
296名@1 ◆F54t4pQc :02/08/23 01:12 ID:buxvLQy+

マリアはブルーメール邸の門前にたどり着いた。
白を基調とした巨大な屋敷がマリアを威圧するかのようにそびえ立っている。
マリアは屋敷から目をそらす様にして、ふと視線を庭園の方に向ける。
緑豊かな庭園は手入れがとても行き届いており、
屋敷の威圧感とは対照的に開放感や清々(すがすが)しさを感じさせるものだった。

その時、マリアは庭園から屋敷に向かって歩く人の姿に気付いた。
同時にその人物もマリアに気付いたようだった。
「あっ…マリアさん…?」
花火はかなり驚いた様子で門前に立つマリアの方を見ている。
庭園の植物に水をやっていたらしく、手には如雨露(じょうろ)を持っている。
「ごめんなさい。すぐに門を開けますので…。」
花火は如雨露をその場に置いて小走りで門までやってきてマリアを邸内へと迎え入れる。
297名@1 ◆F54t4pQc :02/08/23 01:15 ID:buxvLQy+
10
少しの後、二人は花火の部屋にいた。
花火はその茶道の腕前を活かし、マリアに茶を振舞う。
マリアも慣れた手つきで出された茶をいただく。

「さすがはマリアさん…茶道にもお詳しいのですね…。」
「日本に来てから少し勉強したの。でも、あなたのお点前(てまえ)も相当のものよ。」
「ありがとうございます…ぽっ。」
二人の表情がほころび、たがいに微笑み返す。

そして、しばらく二人はそれぞれの近況について語り合った。
「そう…グリシーヌは御両親の所に帰っていたの…それは残念ね。」
「ええ…でも明日には帰ってくるそうですから、
もしマリアさんさえよろしければ今日はここに泊まっていかれてはどうしょうか…?」
「そうね…、じゃあ、お言葉に甘えようかしら。」
「ありがとうございます。グリシーヌには一人で大丈夫と言ったのですけど、
やっぱり一人は不安で…。マリアさんがいてくれると心強いです。」
マリアの快諾に対し、花火は安堵の表情を浮かべる。
298名@1 ◆F54t4pQc :02/08/23 01:18 ID:buxvLQy+
11
「申し訳ありません…。マリアさん、少し席を外させて頂いてもよろしいでしょうか…?」
「ええ、どうぞ、私は構わないわよ。」
花火は自室の奥の部屋に入っていった。

(花火からはこれ以上情報が得られそうも無い…。全ての決着は明日、か…。)
マリアは花火を待つ間にしばし、グリシーヌの事を考えていた。
程なくして、花火が奥の部屋から戻ってきた。

「お待たせしました…。」
花火はマリアに微笑みかけながら再び畳に正座した。
そして、そのままの表情で花火はマリアに一枚の紙切れを手渡しながら、こう言った。
「マリアさんは…この事件を…ご存知ですか…?」
その紙切れは1924年6月の新聞記事の切抜きだった。

【ビスケー湾のナント近海において豪華客船が沈没】
事故当時、船上では婚約パーティが行なわれており、
新郎のフィリップ・ディ・マールブランシュ氏を始め、パーティに出席していた少なくとも100人以上が死亡。
行方不明者も100人を超え、最終的には犠牲者は200人を超える大惨事となった。
事故の原因について軍・警察は船の動燃機関の異常が原因と発表。
生存者の証言では船倉で爆発音を聞いたとの情報もあったがその真偽は定かではない。

その新聞記事を持ったままマリアの動きはすっかり停止し、その額には脂汗さえ浮かんでいた。
「ご存知ですよね…あなたはあの日、あの船に乗っていたのですから…。
それよりどうされたのですか…?マリアさん。顔色がよろしく無いようですけれど…。」
「ま、まさか、さっきのお茶に…ぐっ…。」
突如視界が狭まり、体がしびれ始め、意識が遠のいてゆき、マリアはその場に倒れこむ。
意識を失ったマリアを抱え上げ、花火は虚空を見上げてこう言った。

「さぁ…フィリップ…。二人だけのサーカスを始めましょう…。」
299名無しさん@ピンキー:02/08/23 01:58 ID:UZbLyZ04
名@1は頑張っているな。
しかし最近は新作が多くてうれしいぞ。
300名無しさん@ピンキー:02/08/23 03:32 ID:1whjNGAJ
花火が・・・・マリアを食べるのか?
301名無しさん@ピンキー:02/08/23 07:53 ID:y/DJYOGv
名無しのレスは職人を燃えさせる・・・か
302名無しさん@ピンキー:02/08/23 08:21 ID:2mSNX3r2
暇人・・・
303293:02/08/23 12:48 ID:wT6VTMHX
花火が受動態じゃないのは珍しいな。(・▽・)イイ…
漏れが普段参加しないのは、猟奇は畑違いだから。
でも面白ければ猟奇でも食人でも読む質なので、このスレには世話になってる。
304294:02/08/23 15:02 ID:GhEuPc9V
>>303
そうかなるほど。
レスありがとな。

やっぱこのスレはいい人が多いね。
305294:02/08/23 15:04 ID:GhEuPc9V
ああ、295にも言わなきゃ。
スマソ295よ。
306名@1 ◆F54t4pQc :02/08/24 01:22 ID:xnMOlAiw
>>295さん
私でよろしければ雑談何でもOKですよ。おそらく他の方もそうでしょうし。
プロレス好きゆえロープに振られたら必ず返ってくる、
ARMSでは相手の攻撃をあえて受けて、気力をためるのが私の生き方ですので(藁

>>299さん
図に乗ってトリップを付けましたのでネタが切れるまで撃ちまくろうかと思っております。
またこれからお世話になります。

>>300さん
さぁ、花火くんはマリアをどう料理するのでしょうか。
とりあえずはレッツ・サーカスです(藁

>>301さん
こんなに名無しの方にレスを頂きまして、私は燃えております。
と同時に萌えております(藁

>>302さん
激しく同意であります。

>>303さん
私は話の中身はベタなのですがやはりどこかひねくれたところもありますので。
花火に責められてみたい願望があるのかもしれません(;´Д`)

土日でサーカス編ちょっとづつでも進めますのでまたよろしくお願いします。長文失敬です。
307名無しさん@ピンキー:02/08/24 17:43 ID:hIOPhhOK
若い娘の肉かー。やっぱり男より女の方が旨そうだよな。
308名無しさん@ピンキー:02/08/24 21:54 ID:gzIt8jqU
ショクニンサン、シリョウニドゾ!>(・∀・)ノttp://sokotuya.server.ne.jp/game/sakura/sakura.htm
309名無しさん@ピンキー:02/08/24 23:21 ID:mAar6s7K
>>308を覗いてきたのだが……
ん〜〜〜〜〜〜〜。
310名無しさん@ピンキー:02/08/24 23:40 ID:C8nNFbRX
何とも言いにくいな
311名@1 ◆F54t4pQc :02/08/25 00:38 ID:9jmRhNW6
>>307さん
女性はあっちこっち柔らかそうですからそりゃもふ…(;´Д`)

>>308さん 
資料提供ありがとうございます。私は職人というより無職人ですけど見ちゃいました。
ここにいる人はある意味皆さん食人さんですよね(藁
私はすみれのCGに激しく萌えてしまったのですがどうでしょうか?

ではサーカスです。
312名@1 ◆F54t4pQc :02/08/25 00:42 ID:KCghilHf
12
しばらくの後、マリアは薄暗い地下室にいた。
「ん…んんっ…。」
マリアは意識を取り戻した。
「つっ…い、痛い…。」
しかし、その瞬間マリアを激しい痛みと宙に吊られているような不安定な感覚が襲う。
それもそのはずであり、マリアは両手両足を背中の方に反らされたまま手首と足首を強固な鉄の鎖でくくり付けられ、
そのままの体勢で宙吊りにされていた。
俗に言う『駿河問い(するがとい)』である。

「んあっ…あっ…ああんっ…はぁっ…はぁっ…。」
マリアは必死で逃れようとするが動けば動くほど手足が締め上げられ、痛みは増すばかりだった。
「…お目覚めはいかがですか?…マリアさん。」
頃合いを見計らったように花火が室内に入ってくる。
「は、花火…。何故こんな事をするの?今すぐ放しなさい!」
「こんな時でもお強いのですね…でも、今日は二人のためのサーカスですから…
マリアさんに協力して頂けるなんて、私達は幸せです…ねぇ…フィリップ…。」
と言って花火はマリアに軽く触れる。
「くっ…んぁっ…あぁぁっ!」
それだけで再びマリアの手足はきつく締め上げられ、マリアは苦痛の声を上げる。
313名@1 ◆F54t4pQc :02/08/25 00:47 ID:wpFS/wkW
13
「…最初はマリアさんにこのレイピアを突き刺していきます…。
見ていてくださいね…フィリップ…。」
花火はこう言ってレイピアを持ってマリアの方に歩み寄る。
「花火…正気なの?じょ、冗談よね?あなたがこんな事…」
おびえるマリアの言葉に耳を貸すことなく、花火は一本目のレイピアを突き立てようとする。

「やめてぇぇぇぇー!」
マリアは目を閉じ恐怖のあまり絶叫した。
しかし、レイピアは突き刺さってはいなかった。
花火はマリアの体の寸前でレイピアを止めていた。
代わりにマリアの股間から暖かい液体が音を立てて床に落ち、水たまりを作る。

「あら…マリアさん…おもらしですか?…いけませんよ…こんなところで…」
そう言うと花火は天井に引っ掛けてある鎖を緩めた。
マリアの体がそのままの体勢で地面に叩きつけられる。

「さぁ、一緒にお掃除しましょうね…。」
そして、花火はマリアの体を反転させ、マリアの顔面を尿で濡れた地下室の石床にこすり付ける。
「ぎ、ぎやっ…ぎゃめて…おげがい…ぎやぁぁぁぁぁ!」
マリアの顔面とごつごつとした石床と尿がゴリゴリと音を立てながら触れ合い、
マリアにこの上ない恥辱を与え、その顔面はあっという間に生傷だらけになる。
314名@1 ◆F54t4pQc :02/08/25 00:49 ID:wpFS/wkW
【駿河問い(するがとい)】
江戸時代キリシタン弾圧が本格化した時期に、
駿河国(静岡県あたり)の駿河奉行・彦坂九兵衛という人が信者を拷問するために考案したそうです。

写真で見たい方はこちらをどうぞ。
ttp://member.nifty.ne.jp/smbonda-net/surugatoi.htm

無茶苦茶痛そうです。と言うかこんなことしたら信者います。
これは「痛いdeath」と言って済むもんじゃないです。合掌。
315名無しさん@ピンキー:02/08/25 01:05 ID:0kZzFKx9
大変ご無沙汰しておりました。
なんと言ったら良いものか…言葉がありませんです、はい。
ここまでこの100gシリーズが成長するなんて、初めは思っても見ません
でした。

個々の方々にレスしたいのですが、それだけで一つのSSほどの文量を要
するでしょう(的確に批評出来ない言い訳スマソ)
思えばDCさんから始まった、"物語性を持った猟奇もの"というジャンル
はどうやらこのスレにおいては定着したようですね。

私もこのスレからSSを書き始め、皆様に色々とお叱りやご教授を頂き大
変勉強になりました。
やはり、個人的な体験から言って名無しさんからのレスはどんなもので
あれ嬉しく、SSを書く原動力でした。
だから、名無しの方はどんどんHN持ちの方々の作品にレスをつけて下さ
い。
勝手ですが、宜しくお願い致します。
後、又SSをここに書くときまでは名無しにしておきます。

花火たん、是非マリアの肉を食らってくださいね。謎が多くて、ミステ
イク。

隊長、イタリアでの暴れ振り期待しております。ヤフキエルマンセイ!

郷紳は是非に、美神との会食を楽しまれて下さい。
古のバッコスの大祭のように、或いはパンのように淫猥に。
316名無しさん@ピンキー:02/08/25 01:09 ID:0kZzFKx9
こりゃ、凄い。
本当に花火たんが、拷問者になりますた。
この勢いで是非に、食肉加工物に!
317名無しさん@ピンキー:02/08/25 01:16 ID:dRPJ/Dpj
おお暇人だ
なんか久しぶりだな。
居れもわりと最初のほうから見てきたけどここまで続くとは思わなんだよ。
名無しが職人を育てるか・・・
暇人がいうと重い言葉だな。新作きたいしとるよ。居れもなるべくレスつけるから。
318名無しさん@ピンキー:02/08/25 01:20 ID:dRPJ/Dpj
>>316
食肉加工は100グラマーとかぶる危険があるんじゃあないか?
319名無しさん@ピンキー:02/08/25 09:55 ID:4wHdKdsT
おはよう御座います。
スクスクとスレが成長しているようで歓喜の極みですな。

>>畜生氏
グリ…人気ですなぁ

>>名@1
新作連発ですね。
頭が下がる思いですよ。

>>ゲル氏
貴殿の専門分野爆発の展開期待!

>>暇人氏
お久しぶりで御座います。
このスレがここまで成長したのも貴方の活躍なくしては語れますまい。
大先輩に敬礼!ですね。
ここも3大作家の出現で更に発展するでしょう。
貴方の新作も期待しておりますよ!

>>317
名無しが職人を育てる…確かにそうですね。
私も名無しさんに大いにお世話になっております。

>>318
そうでもないと思いますよ?
私のは単なるお料理ですからねぇ(;´∀`)
名@1氏、花火の新たな面…期待してます。
320名無しさん@ピンキー:02/08/25 12:01 ID:iqGmSXdN
今度は100グラマーか。
コテハンも雑談の時は名無しにしたほうがいいかもな。
どうせ誰かはすぐ解るのだし(w
321名無しさん@ピンキー:02/08/25 13:10 ID:G03dJi6c
>>畜生さん
躍動に呼応して揺れ動く乳房…(;´Д`)ハァハァ
いかついドラ犬十匹〜追っかけられて〜裸でかけてく〜綺麗なグリシーヌさん♪(byサザエOP)
英国紳士の禁欲…紳士への道は遠いです(藁

>>ゲルさん
>ぼんやりとした頭で左を見ると、毛布からはみ出た栗色の髪と、裸の小さな肩が目に入った。
非常にアレが…もとい、夢がふくらむ一文であります(;´Д`)ハァハァ
『リュテ・シアン(戦うナイフ)』と巴里華撃団の追いつ追われつに萌え。
グリシーヌじゃなくて剛麺ナサイヨー(⊃дT)

>>316さん >>318さん >>319さん
やはりこのスレは常に食欲の秋ですね。
ここのお肉はニポ-ン公のような偽装もありませんし、
生産者から消費者へ直接(直切)お届けがモットーなので安心ですね。
肉に対する不安が叫ばれる中、順調に値上がりを続けておるのが何よりの証拠です。

レイピアは長さ80〜90pぐらいの細長ーい剣のことです。
フランスの儀式用の剣をスペイン人が実用化したのだそうです。
これが後にフェンシングに発展します。説明の抜け、申し訳ありません。
322ゲルリッヒカノーネ+ ◆eUUd7y0s :02/08/25 14:50 ID:a9bd/l+o
3日来ないだけで、異様に進んだレスに狂喜です。
しかし……なんと言えばいいんでしょうか、量が低脳の自分には捌き切れそうもない(汗)。

>名無し@ピンキーの皆様
こうして一括りに返信させて頂く非礼をお詫びしつつ、厚く御礼申し上げます。
この様に多くの方から愛されているスレに、自分のような低脳が居る事自体恥と思いますが、
これからもこのスレをご賞味ください。真に勝手ながらこれを返信に変えさせて頂きます。
皆さん、本当にありがとう御座います、そしてこれからもよろしくお願い致します。

>暇人様
ロベリアには梃子摺ります。ホントに。
そちらもお体にはお気をつけ下さい。

>>319(100グラマー様?)
なんとも、興味のない方にはつまらない作品ですが、たまには毛並みの違う作品もいいのではと思い、
書き連ねております。ちょっと息切れ気味ですが(汗)。

>名無しさん@100gスレさん
恐らくその夢と、この先の展開は重なると思います。
ちなみに後になって気が付いたのですが、部隊名を英語に直すと『コンバット・ナイフ』になります。
ネーミングセンスねぇなぁ……。
作品のほう、花火君の意外な一面が見れて楽しいです。
ところでグリは両親の所へ帰省中と書かれてますが、まさかもう既に花火の毒牙に……?
323名無しさん@ピンキー:02/08/26 01:18 ID:lB/sK60t
なるほど。コテハンがあっても雑談の時は名無しでいるわけで御座いますか。
それは良き考えで御座い。
これならば拙も誰に気づかれることなく、名無しとして雑談に加われるわけで。
いと楽し。
324名無しさん@ピンキー:02/08/26 22:44 ID:ERfw0zqi
>>320
そうですね〜皆さん名無しになっても文体で誰か判ってしまいますな。
それだけ個人個人で特徴があるのかな?
325名無しさん@ピンキー:02/08/27 00:20 ID:YtCWbN6x
来春にはリメイクとはいえ新作の発売。
そこでサクラ1のみ登場のあやめさんの肉が食べたいです。
柔らかくて美味しそうでたまりません。
326名無しさん@ピンキー:02/08/27 01:24 ID:9WFv9+nZ
>>324さん
暇人さん、100グラマーさんの場合は、
このスレの皆さんなら文体を見ただけで分かる、
それほどの存在感と伝統があるからでしょうね。
まぁ、一番分かりやすいのは>>323さんですが(藁

>>325さん
あやめさんいいですね。お返しに今度はあやめさんの指をしゃぶりつくす…これもイイ(・∀・)!

>>ゲルさん
本来ならグリシーヌもあの世に里帰り…となるのですが、
今回はそういう設定にはしておりません。
普通に寄生虫です。それも花火の計画のうちということで。
もし、花火がグリシーヌを料理するならこれほど美味しいシチュエーションはないので、
どうしても端折(はしょ)るわけにいかなくなりますが、
私の力量では一度に二人もキャラを相手にできませんので、
今回はマリアに集中させていただいております。

実はフィリップと交際していたグリシーヌ。
グリシーヌはフィリップにその全てをささげ、二人は将来を約束しあった。
しかし、フィリップが結婚相手に選んだのは花火。
諦めがつかないグリシーヌは一時の気の迷いから花火を亡き者にしようと船に細工する。
ところが、命を落としたのは花火をかばったフィリップ。
後に花火はその事実を知ってしまい、裏切られた友情が憎悪に変わる…
「や、やめるのだ、花火…。私たちは親友だったはずではないか!」
「うふふ…今夜は楽しい夜になりそうですね…綺麗ですよ…グリシーヌ…。」

…どう見てもこっちの方が面白いぢゃないかΣ(゚д゚lll)!
加山もドノヴァン博士も出てこなくていいし、その方がお話もシンプルで(鬱
327名無しさん@ピンキー:02/08/27 01:25 ID:9WFv9+nZ
な〜んて事に後から気付くことが毎度のことです。
自分一人で構想練って文章書いてここに出す時には
少なくとも最高の出来だという確信(過信?)をもってお送りしておるのですが、
こうして皆さんにレスを頂いてやり取りをしているうちに、
一人では見えなかったものがどんどん見えてくる、そう思います。

だから、もし、今書いてみようかどうか迷っておられたり、
よし、これから挑戦してみようという方がいらっしゃいましたら、
どうか臆することなくいつでもこのスレに飛び込んで頂きたいと、
せん越ながら、そう思っております。

続きも書かず、長文失礼いたしました。


冗談抜きで誰か>>326の話書いてくれませんか?(藁
328名無しさん@ピンキー:02/08/27 02:10 ID:hdDiSlIj
>>327
アナザーストーリーで次作にするというのはどうよ?
329狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/27 02:46 ID:sR8WsUqC


まだ秋の始まりであるが、プロヴァンスの空はイギリスのそれより遥かに高く広い。
ウィリアムは心底この地を気にいった。
抜けるような空はもちろん、ニンフが包容してくれているような風も、なだらかな葡萄畑も、
獲物が飛び回る森も、存分に馬を駆れる平原も、全てに満足していた。
ある一点を除いて。
それはこの地がフランス人の物であるという事である。その事実を思い出しただけでウィリアムの心は嫉妬と憎悪に支配された。
特別フランス人を恨む理由があるわけではない。
しいて言えば両国の永年の確執であり、外交的な仕事をしてきた一族としての対抗心であり、
そしてそれらが彼の英国紳士としての愛国心と共鳴した結果である。
自国を誇るという事と、他国を蔑むという事はけっして同一ではない。
しかしそれを解かるには彼はまだ若かった。
イギリス人の一般常識としてフランス人は我々と合わないという認識がある。また、
フランス人の一般常識としてイギリス人は我々と合わないという認識もまた、存在している。
例えばパーティーの途中で抜け出すことをフランスでは『イギリス式退出』といい、
イギリスでは『フランス式退出』と呼んでいる。このような例は探せば探した数だけ見つかる。
若者特有の浅慮な対抗心と青い愛国心に燃えるウィリアムにとって、
フランス人を敵視といかないまでも蔑んだ目で見ることは自然な流れであった。
330狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/27 02:47 ID:sR8WsUqC


高価な、それでいて気品を損なわない趣きで揃えられている調度品は、ヴィクトリア朝のものであろうか。
椅子ひとつ見ても技巧を尽くした細工、素材の性質を最大限に生かした堅実さ、なにより優美な気品に満ち溢れている。
まさにこの館の主そのものだ。ウィリアムはひとり、そんなことを思うにまかせて待ち時間を過ごした。
館の主とはウィリアム自身のことではない。彼は今、客としてこの部屋に通されているのだ。
しかし、だからといって彼は自分に自信がないわけではない。
ただ、そのような自画自賛するような恥知らずなマネは厚かましいフランス人や、自己主張の激しいイタリア人に任せておけばいい。
ウィリアムはそのように考えていた。
慎み深さを美徳とするという点において彼はまったくの紳士と言えよう。
ではその至高の芸術的作品に例えられる主とはだれのことであろう?
その主こそがまさしくウィリアムの待ち人であり、彼がプロヴァンスに訪れた公式な理由であった。
ノックが二度鳴る。そしてウィリアムの返事を待たずドアが開いた。
『待たせてしまったようだな、申し訳なく思うぞ。ウィリアム・クレイン卿。』
詫びの言葉としてはいささか不十分な台詞と共に現れたのは、ゲルマンの血を受け継いでいる事を証明している金髪に碧眼、
なによりも大海の如し悠然さと激しさを思わせる、美麗の淑女であった。
『お気になさらずに。我が国の栄光を象徴する芸術品に囲まれ、しばし時の流れから外れ留まっていたところですので。
  むしろ私は感謝したいぐらいでございますよ。グリシーヌ・ブルーメール嬢。』
グリシーヌ・ブルーメール。ノルマンディー公爵家の血を今に伝えるフランスでも有数の御令嬢である。
つまり、ウィリアムとは先祖を共にする間柄といえた。
331狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/27 02:47 ID:sR8WsUqC


彼の目的はフランス上流社会との親交、というより牽制であった。
この頃のイギリスはアイルランドの独立に加えて、初の労働党内閣による発足、ポンドの金本位制復活など、
ありとあらゆる面でダイナミズムな変化が起こっていた。
変化が起こればどこかしら不満も生じる。そしてこういった内部の不満は少しの刺激で爆発し、
国家にとって最大の脅威になりうるのである。
ゆえに、敵にとっては最も狙いやすい場所でもある。
現在、イギリスとフランスは表立って敵対していないが、国家に友人は存在しないというのが真っ当な国の考えである。
ウィリアムが親善大使に選ばれたのは、グリシーヌと歳が近いという事と、先祖を共にするという理由からであろう。
しかし、彼は大使としては不適切と言わざるをえなかった。
とにかくフランス人が嫌いであったからだ。
特に嫌う理由があるわけでないのだから、さらに始末が悪い。相手をきらう明確な基準がないため、やることなすこと全て気に喰わなくなる。
現にグリシーヌと会って数分とたっていないが、彼は思考のすきますきまに悪態の言葉をならべていた。
(ああフランス人め、ノック知らずのフランス人め。ただただ叩くばかりで耳をかさない。そもそも聞こうともしていない!!
  相手の意志を無視した問いかけにいかほど価値があるというのだ。)
(ああフランス人め、時計の針無しフランス人め。約束の時刻から30分も遅れてきてただ一言それだけか!!
  我々イギリス人は5分も遅刻すれば30分は謝罪と遅刻の説明に費やすというのに。)
万事この調子である。ああフランス人め、フランス人め。
彼はフランスについてからこの言葉を何度唱えたことであろう。寝る時以外の時間では何をするにも唱えている。
ひょっとすると寝ている時にも唱えているのかもしれない。
そして、この小さな呪いはゆるやかに、だが確実に彼の心を侵していた。
332狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/27 02:48 ID:sR8WsUqC


陽光が踊るプロヴァンスの朝、猟犬の鳴き声が平原の右や左、いや前後も関係なく一面から鳴り響いていた。
狐狩りをおこなおう。そのような話になったのは昨日の会食での流れであった。
『ほう、貴公も狩りを嗜むのか。丁度この付近の農家が狐の被害に困っておったところでな。
もし良ければ明日、ともに狐狩りに出まいか?』
『それはそれは、嬉しいお誘いでございますな。狐狩りは我々イギリス人にとって名誉にあふれた貴族の遊戯。
実はこの地でも楽しもうと、選りすぐりの猟犬と馬を連れて来ているのです。
明日は是非グリシーヌ殿に狐の前足を捧げましょう。』
吠え叫んでいる猟犬は12匹にのぼる。狐数匹を追いかけるのに大層な数である。
しかし、イギリス人にとってはこれが普通なのだ。むしろ少ないぐらいと言える。旅先のことなので泣く泣くへらしたのだろう。
英国紳士の狐狩りは信仰の域と言ってもかまわない。その情熱をもって彼らは技術を向上させ、猟犬の品種を改良し、
作法と儀礼を築きあげ、狐を追いかけてきた。
巧みな者はそれだけで英雄視され、狩りの場には多くのギャラリーが集まることも珍しくはなかった。
ウィリアムもその技巧者の一人である。彼はなかでもドッグマスターと称えられるほど猟犬の扱いに卓越していた。
それは芸術の域すらも越えており、ケルト美術をほどこされた指揮棒を振ると、
まるで犬たちは言葉が通じ合っているかのようにウィリアムの命令を実行した。
狩猟法も独自のものを用いていた。
普通、狐狩りに用いられる猟犬はなるべく全て同じ能力になるように鍛えられている。
そうすることによって猟犬を一つの塊にし、狐を茂みから圧迫して追い立てるのである。
しかしウィリアムは特別に自ら調教した4匹の猟犬を主軸にして、それぞれ個別に狐を追い立たたせ、
残りの猟犬はサポートに回らせるという方法を用いた。
最初、理路整然を尊ぶイギリス人にとって、チェスの盤のように並び合って走らないウィリアムの猟犬達は非難の的であった。
しかし誰よりも早く効率的に狐を屠る姿は、非難が賞賛の声に取って代わるのにさほどの時間を必要としなかった。
333狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/27 02:48 ID:sR8WsUqC
10

ウィリアムが右手を挙げると、犬達はいっせいに静かになった。
そのあまりの統率ぶりに道案内としてついて来た農家の少年は、おもわず感嘆の声をもらした。
『すごい!!まるで犬達が人間みたいに言う事を聞いているや!家の牧羊犬と大違いだ。!!』
グリシーヌは少年の素朴な反応を慈愛に満ちた目で眺めていた。
黒い、すこし縮れた髪と目をもったラテン系の少年である。おそらくまだ10歳も数えていないのであろう。
この日のためにしつらえたのであろう真新しい赤のチョッキがまた、可愛らしく似合っていた。
だが少年の笑顔は冷厳な刃で切り刻まれた。
『家の牧羊犬と違うだと?当たり前だ。きさま達のような下賎な者に飼われている畜生などと、
芸術品とまで称えられた私の猟犬と一緒にするなど不愉快の極みだ。背徳の表象だ。
きさまはただ、私の質問にのみ答え、命令のみを聞けばよいのだ!!』
突然の罵声に少年はただ怯えるばかりであった。
しかし少年の尊厳と誇りは、汚されたままでは終わらなかった。

334狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/27 02:50 ID:sR8WsUqC
11

人は空を飛べる。機械仕掛けの翼を用いれば。しかしウィリアムはもっと簡単な方法で空を舞った。
グリシーヌの怒りを買う。
彼女の鉄拳を浴びたウィリアムは実に1.14秒の浮揚感と同時間の自由落下、それと3メートル強の飛行を体験した。
声を出したのか息がもれたのかよく分からない無様な叫び声をあげ、ウィリアムは涙と吐瀉物にまみれながら転げ回った。
『貴公!!それでも貴族か!誇り高きノルマンディー公の末裔か!!
まず何よりも守るべき民に、それもこのような幼き子供に対して暴言を吐くとは如何なる考えか。
今一度、その場で貴族の誇りを考え直すがよい!』
一喝後、グリシーヌは馬にまたがった。狩りを続けることは無理であろうと判断したのだ。
そして未だ怯えている少年に近づいていく。
『不愉快な思いをさせて申し訳なく思う。すまなかったな。せめてもの謝罪に家まで送らせてくれまいか?』
最初は怯えていたがグリシーヌに見つめられるにつけ、少年らしい笑顔をのぞかせた。
彼女も微笑みを返し、少年を馬に乗せようと手を伸ばした。
その時、空気を切り裂くような笛の音が鳴った。
思わずグリシーヌも少年も音の方向へ顔を向ける。
そこには吐瀉物とドロで汚した顔を憤怒の相にし、肺と同じ大きさの空気を笛に吹き込んでいるウィリアムと、
吠えながら迫りくる12匹の猟犬がいた。
335名無しさん@ピンキー:02/08/27 04:45 ID:KNQIJJ/6
>>327
ホントに飛び込んでいいでつか?
普通のssには猟奇すぎだが、ここには物足りなそうな微妙なの、
ずっと考えてはいるんだが。
336名無しさん@ピンキー:02/08/27 07:59 ID:VjciuvOe
>>335
327じゃないけどいいんじゃない?
色々あった方が楽しめるしさ。
337名無しさん@ピンキー:02/08/27 08:39 ID:Ld2Iyc3v
これはいいアイディアかもしれませんね。このスレの新しい伝統になるといいですが。

>>323
なんか『ウォーリーを探せ!』みたいで面白いですね。
ただ、氏の文体は特徴があり過ぎでございまする(汗)。
それにしてもウィリアム、野郎は頭にきますな、叩き殺してしまいたい。いや97式戦車で轢き殺した方がいいか。
ところで
<3メートル強の飛行
グリってそんなに腕力あるんでしょうか?(怖)

>>326
あ、今回は露助(ぉ)一筋ですか。
しかしまぁグリ×花火も見てみたい気がします、可愛さあまって…という諺がある位ですし。
>>328殿が言われるとおり、次回作(以降?)にでも書いてみてくださいよ(自分?100gじゃなくなるので、嫌)。

>>335
大丈夫だと思いますよ。
自分だっていまだに100gらしいSSは書いてませんから。
そういった溜まり物(失礼!)は吐き出すのが吉です。

突然ですが前言撤回いたして、グリは達磨にします。
338名無しさん@ピンキー:02/08/27 09:54 ID:9WFv9+nZ
>>328さん >>337さん
新たに陵辱ネタがあれば…というところですが、現時点では全く浮かびませんし、
それがいつになるのか、確実に御約束できないのが心苦しい限りです。
私が書いたらまたポカをやらかしそうなので、誰か書いて〜などと言っております。
自分で言っといてなんですが、こういうのもいいかもしれませんね。
ちょちょっとした原作(あらすじ)をうpして、誰か書いて〜と言う。
そして、例えば326with名@1 ◆F54t4pQc と言う名前で発表する、と(藁

>>畜生さん
ウィリアム、芸術品とまで称えられた猟犬をドラ犬とか言って、正直スマンカッタ。
また一歩紳士から遠のきました(藁

>>335さん
ええ、どうぞどうぞですよ!
こんな事を言うと手前味噌になっちゃいますが、
実際文字にしてみると結構自分の想像以上にエグいものですよ。
「鉋でカンナを削る」なんて、ヒィ〜(((((((( ;゚Д゚))))))) みたいな(藁

以上327でした。>>335さんのレスが嬉し過ぎて、朝から長文してしまいました。
339名無しさん@ピンキー:02/08/27 11:07 ID:NMH1fK6D
すごいスレだな・・・
新たな性癖が目覚めそうだ
340名無しさん@ピンキー:02/08/27 11:08 ID:NMH1fK6D
ああぁageちまいました
バナナの皮で滑って逝ってきます・・・
341名無しさん@ピンキー:02/08/27 12:53 ID:xZnIj5yU
>>325
いいですね!!
俺もあやめさんの肉が食べたいっす!
職人様、お願いできませんか?
342名無しさん@ピンキー:02/08/27 18:39 ID:dDtJGqx0
>>341
拙の中でのあやめさんは、サクラ大戦前夜の超人としか言いようのないイメージに固定されていますので、
100gに登場願うと怪獣大決戦になりそうで御座い。畜生。
343真夏の夜の夢1 ◆R5GSeiYY :02/08/27 21:30 ID:fDXz7bm3
カチッ…カチッ…ヵ…チッ。
柱時計の音だけが、その黄色く変色した畳の間の静けさを破る唯一の音。
外は黄昏。
ぼんやりと暮れなずむ夕日を背に、花火は一人その部屋に坐し…ぼんやりと虚空を見つめていた。
篭目ぇ…篭目ぇ…籠の中の……。
遠くから微かに流れてくる…ありふれた童謡。
それを耳にしながら、ふ、と口元を綻ばせる花火。
カーン、カーンと時刻を告げる時計の音と共に、正座から立ちあがり襖を開けてその部屋を後にする。
襖の先にも…闇が黒々と蹲っていた。

「ね、花火。花火は何をそんなに熱心に祈っているの?」
「あら、コクリコさん。神社では祈るのでは無く…願うものなのですよ」
「何だか同じなような気がするけど…どう違うのイチロー?」
大神とまだ年端もいかないコクリコの婚礼。
それは祝福よりも…嘲りの嘲笑と失望の花束に覆われ、二人は帝劇を…シャノワールを去り、ひっそりと
大神の郷里での生活を余儀なくされていた。
ただ一人の理解者である…花火を残して、皆が大神から離れて行った。
そのような所以もあり、コクリコの無邪気な問いに苦笑いを浮かべている大神もまた…往時の影も無く。
不精髭がまばらに生えた顎に手をやりながら「どう違うんだい? 花火くん?」と疲れた様に微笑む。
花火は限りなく黒に近い紫陽花色の浴衣の袖を夜風に吹かせながら、楚々とした笑みを浮かべいたずらげ
に首を傾げ微笑む。
彼女はその鬱蒼と茂った鎮守の森の奥深く、既に名も忘れられて久しい神社の鳥居に目を向けながら「…
天は自らを助く者を助く…ですから。だから、祈るのでは無く…願うのです」そう言う花火の漆黒の髪を
夜風が優しく靡かせている。
344真夏の夜の夢2 ◆R5GSeiYY :02/08/27 21:31 ID:fDXz7bm3
「さ。この辺りが一番…綺麗に見えるはずですよ」
村祭りの笛の音と祭囃子が麓から漏れ聞こえる、高台。
その、高台の水芭蕉が生い茂る…水辺にて。
「たーまや。あ! 本当だ! ここ、さっきより良く花火が見えるよ!」
「確かに。…ありがとう、花火くん」
そんな大神とコクリコに静かに目礼しながらも、花火の視線は彼らの足元に黒々と蹲っている…底が見え
ない沼へと注がれている。
コクリコの浴衣…ベトナムの民族衣装であるアオザイを浴衣風にあしらったその衣装は…その未成熟な肢
体にぴたりと張り付き…仄かな色気を放っている事さえ恨めしく。
そう、あの幼い太腿…あのほっそりとした二の腕……それを…大神さんが、毎晩。
嗚呼、花火は自らの思念に頬を赤らめ熱い吐息を付く。
…だけれども、それもすべて今夜で終わり。
私の物にならなかった大神さん。
会うたびに、貧相になって行く大神さん。
それでいて、二人で仲睦まじい…大神さんとコクリコ。
その全てが許せない。

「かぎーや! ほらほら、イチロー、見て見て!」
コクリコに袖を引かれ、大神がゆるゆると首を上にあげている。
そして…花火はその夜空を彩る…自身と同じ名を持つ、華やかで…それでいて儚い物の光に照らし出され
ながら、懐から取り出した短刀を見つめ優しく微笑む。
その短刀も又、これから味わうであろう血に酔いしれているのか…夜空に輝く花火の光を受け、ぴかぴか
と鈍い輝きを放っていた。
345真夏の夜の夢3 ◆R5GSeiYY :02/08/27 21:31 ID:fDXz7bm3
そして少し離れた藪を指差しながら、言う。
「あら、コクリコさん。あれ…コクリコさんのぼんぼりでは無いかしら?」
大神にじゃれ付いていたコクリコが「ん? ボクには何も見えないけど…。ちょっと見てくるね!」そして
その暗がりへと走って行った。
大神は俯き加減に「…花火くん。君には…本当に世話になるね。こんな俺達に…」そう苦い言葉を紡ぎ出す
口を花火がその人差し指で覆い、軽く首を振る。
「大神さん…今、幸せですか?」
少しだけ困った顔をし、大神は遠くを走るコクリコに目を遣りながら「…幸せ……か。うん、こういうのを
多分、幸せと呼んでもいいんだろうね…」そう、呟いた。
「大神さん?」
それに答えようと花火の方を振り返った、大神が見たものは。
この世の物とは思えぬほどの慈愛の微笑みを浮かべながら、短刀を振りかぶる花火の姿であった…。
心の臓を狙った一突きは寸分違わずに、大神の鼓動の元を破砕し、最早叫ぶことさえも、呻く事さえも出来ず、
ごぼごぼと血泡を口元から溢しながら、喉は空気を求めてひゅぅひゅぅと鳴っていた。
「左様なら。私の愛した…大神さん」
彼がその沼に仰向けの姿勢で沈んで行く寸前、最後にみた光景は黄色がかった満月を背に、彼を見下ろし微笑
んでいる花火の姿であった。
346名無しさん@ピンキー:02/08/27 21:45 ID:VjciuvOe
暇人様キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
347 :02/08/27 22:01 ID:MW3OOgRg
しかし、花火が陵辱者になるという着想は中々素晴らしいですね。
というか、私は早一年近くこのスレと付き合って来たのですが、
固定観念に捕われていたようで…。

続きは出来るだけ、早くアプしたいものです。

所で、グラマーさんがアプして下さったttp://www.2ch2.net/bbs/
100g100en/index2.htmlは今更ながら覗いて見ました。
…一体、どなたが作ったのでせう?

>317
何だか偉そうな事を言ってしまいました…。
でも、名無しさんの大切さは百万の言を尽くしても言いきれませんです。

>319
本当に、本当に、お久しぶりでした。
私も中々来る機会が無かったもので…。
ただ、新しい方々が来られた事に感謝感謝です。

>322
元気でしたが、暇が無かったです…。
さてさて、残ったキャラは戦闘能力が強そうなので、流石の隊長も
苦戦は必死ですかな?

>326さんの花火のお話を聞き、つい書いてしまいました。
無断剽窃お許しを。

>329さん
何時もながらの博学ぶり、いやはや勉強になります。
…正直、下手な知識に基づいて欧州ものは書けなくなりますた。
これからは、きちんと下調べですね。
348名無しさん@ピンキー:02/08/27 23:21 ID:brqtWWUF
凄く面白い!なんか情景が簡単に想像できる!ここのスレは文章力が凄い人ばかりだ。
349名無しさん@ピンキー:02/08/28 00:16 ID:d1u7flHl
今宵もまた、右も左もおおいに賑わい、嬉しゅう御座いますな。
盆踊りにはちと遅く、秋祭りにはまだ早う御座いますが拙も祭りとうなりました。

>>337
先にも申しましたがサクラ大戦前夜の読了後ゆえ、いささかインフレ気味に書いてしまったしだいで。

>>338
正直もうしますと、ドラ犬で御座い。わけはいずれ。

350名無しさん@ピンキー:02/08/28 00:52 ID:d1u7flHl
>>343ー345
ただ、ただ、素晴らしゅう御座います。
美しくありますが踏み込んではいけない夜の闇。されど向こうのあの娘に会いたしや。
もどりなさいませ。唇は動く、そのように。
おいでませ。そんな目で、あの娘はたしかに見るのです。
越えてはならぬ、夏の夜。
越えて会いたい、夏の君。
おかげ様で田舎の夏の夜を思い出しました。
車が通る音すらしない農道。
縁台から漏れる光にあたる庭以外、なにも映さない闇、闇、闇。
聞こえるは内に長波ラジオの音、外に虫の鳴き声、名も知らぬ獣の遠吠え。
わけもわからず恐ろしくあり、妙な安らぎがあり、
あたりにただよう蚊取り線香は、ここが日本であることを忘れさせない。
ああ、これこそ夏だ。夏の夜だ、日本の夏だ。
拙は今日、ひとときの里帰りを楽しめました。
暇人殿、深く、御礼申し上げます。
いと嬉し。

351名無しさん@ピンキー:02/08/28 03:34 ID:K12h7BDJ
335でつが、お言葉に甘え駄文を披露させていただこうと執筆中でつ。
皆々様のようなスバラシイ作品は書けませんが、やってみまつ。
レスありがとうございました。
ただ、巴里マンセーの中帝都ネタなのですが…。

>>343ー345
花火(・∀・)イイ!
静かに流れゆく夏の夜の雰囲気がまた(・∀・)イイ!
352名@1 ◆F54t4pQc :02/08/28 13:51 ID:q10MTZ36
14
「はい…もう結構ですよ…マリアさんはお掃除もお上手なのですね…。」
花火は石床に押し付けていたマリアの頭から手を離し、再び鎖でマリアの体を宙吊りにする。
「では予定を変更して、これからマリアさんには特別な出し物に参加して頂きますね…。」
花火はそう言って奥の部屋にいったん消え、台座の付いた巨大な輪を移動させながら戻ってきた。

「さぁ…、マリアさんには火の輪くぐりをやって頂きます…よろしくお願いしますね…。」
「や、やめて…そんな事をしたら…お願い…。もう許して!
任務だったのよ!仕方なかったのよ!まさかドノヴァンがあそこで爆発を起こすなんて…。私達にはどうしようもなかったのよ!」
しかし、マリアの必死の懇願も今の花火には届かない。

「フィリップ…思い出しますね…二人でサーカスにいったあの日…トラさんがとても上手に火の輪をくぐって…
そうしたらあなた、『ごらん花火、すごいね、とっても上手だね。いっぱい練習したんだろうなぁ…』と言ってはしゃいでましたね…
あの日は楽しかったですね…。でも、今日はマリアさんが私達の為に、あの日見た火の輪くぐりをやってくださるんですよ…。
フィリップ…喜んでくれますよね…。あの日みたいに…。」
花火は再び虚空を見上げ、今は亡き夫に語りかける。

そして、マリアの体が巨大な輪の中を通り、準備が完了する。
「い、いや…やめて…お願い…花火…私の話を聞いて!きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
マリアの体を火の輪の炎が容赦なく襲う。
353名@1 ◆F54t4pQc :02/08/28 13:52 ID:q10MTZ36
15
「熱い、熱いぃ!た、助けて、お願い!熱い、このままじゃ、死んじゃう…、あっ、熱い!」
動くと手足が締め付けられることも忘れ、マリアは炎から逃れようと必死に体をよじる。
しかし、炎からは逃れられるわけも無く、マリアの髪の毛や肉体の焦げる音、臭いがあたりを支配する。
花火はそれを無言で見つめていた。
炎の灯りが花火の顔に反射し、赤く照らしていた。

「あら…お暑いのですか?では、これくらいにしておきましょうね…。」
しばらくの間を置いてから、マリアの声が今し方聞こえたかのように花火は言葉を発し、
火の輪とマリアに水を掛け、火を消し止める。

「あぁっ…はぁっ、はぁっ…。」
マリアの髪の毛はすっかり縮れ、その白く美しかった肢体は煤(すす)と火傷による水ぶくれで黒く、赤く、醜く変わり果てていた。
354名@1 ◆F54t4pQc :02/08/28 13:55 ID:q10MTZ36
16
「では、マリアさんがお暑いそうなので今度は涼んでもらいますね…。」
花火は巨大な輪を撤去し、今度は人が一人、
入ることができるほどの大きさの水槽を小さな車輪の付いた台に乗せて持ってきた。
水槽には満杯の水が張ってあり、宙吊り状態のマリアの下に水槽を置けば、
マリアの体はそのままの体勢で完全に水槽の水の中につかる、そういった格好だった。

花火は水槽をマリアの下に移動させ、マリアの頭を掴み、水槽に沈める。
「ごはっ…た、助けて、がはっ…苦しい…。も、もう、やめて…。」
必死に首を起こして水から顔を上げようとするマリアだが、花火がそれを許さない。
泳げないマリアにとって水の恐怖は常人の何倍にも感じられ、混乱の具合もまた同じことであった。
しかも、水槽の水には塩が入っているのか、ひどく塩辛く、マリアの火傷の傷口に容赦なくしみわたり、鋭い痛みがマリアを襲う。

「苦しいですか…マリアさん?…でも、あの人は…フィリップは…もっと苦しかったのですよ…。
あなた達三人さえこの世にいなければ…私達は今でも…。」
とそこまで言った所で花火は手に込めていた力を緩める。

「ごほっ…かはっ…はぁっ…はぁっ…。」
半分意識を失いかけながらも、ようやくマリアは水の拷問から解放された。
そして、激しい衰弱状態の中、マリアは花火の異変に気付く。

「でも…させない…させない…させない…あなたをフィリップと同じ死に方になんて…絶対、させない!」

突如花火は感情を高ぶらせ、そう叫んだ。その頬には涙が伝っていた。
355名無しさん@ピンキー:02/08/28 14:44 ID:xQwg0qXc
>>347さん
いえいえ、新たな作品のきっかけの一部にでもなったのであれば、むしろ光栄なことであります。
私もこの作品は300えん時代に哲太さん、ゲルさんの作品を読ませて頂いたときに思いつきました。(詳しくは完結後にでもまた。)
目茶苦茶な基準ですけど行間を開けるようにしたのも哲太さんを見習ってのことですし。
これからもこのスレの方からいろいろな事を学ばせて頂き、作品に少しでも反映できればと、思っています。

>>351さん
私も帝都組には巴里組と同等の思い入れがありますし、
帝都のキャラの魅力は決して巴里に劣ってはいないと思います。
だから>>351さんには是非自信を持ってこのスレに100g浪漫の嵐を吹かせていただきたいと思います。
お待ちしております。誰が出てくるのか楽しみですね〜。

次回完結編です。では。
356 :02/08/28 21:09 ID:zUeJtFZh
一つ質問です。
児童ポルノ禁止法の施行により、変なもの書いてもつかまらないかな?
というか、ここのように発表しても大丈夫かな?
多分、架空の人物だし、写真じゃないから大丈夫な気がするけど、今の
文部大臣、言葉狩りの人だから。
357名無しさん@ピンキー:02/08/29 00:32 ID:bOcZlP9h
>>356殿
拙が知っているレベルで御座いますが、児童ポルノ禁止法の範囲は以下のものです。
(売春やらこのスレと関係ないものはさっくり無視で、くわしくはココで。ttp://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/index.htm

1、「児童」とは、十八歳に満たない者である。
2、性欲を刺激するものを『視覚により認識』することができる方法により『描写』したもの

つまり、写真や映像、CGや絵が適用範囲となっており、文章はぜんぜんOKのようで御座い。
一方で、視覚表現であれば適法されていまう罠。
例えば少年ジャンプあたりでいえば『苺百率』や『美顔』あたりはヒットで御座い。
とにかく欲情を煽れば終わりですので。
……ん、ということは、絵画とかも欲情したらアウト?
ドガの『プリマ・バレリーナ』なんぞ、拙は輝かしいほどのエロスを感じますぞ?
ttp://www2p.biglobe.ne.jp/~summy/museum/etoile.html(こんなの)
こういうのはスルー?

358名無しさん@ピンキー:02/08/29 03:01 ID:JYtGQyDH
「文章も視覚で認識するもんだ!」とか言う解釈を文部大臣がしそうですが、
ここは建前上21歳未満はいない事になってますし、
別に書き手が何らかの金銭的利益を得ているわけでもなく、
読み手も対価を支払ったりしていない以上タイーホの優先順位としては低いものではないかと。

まぁ、いざとなれば文章の冒頭に
「イチロー! ボク、18歳になったんだよ!」とか
「お兄ちゃ〜ん。アイリスねぇ、もう18になったんだよ〜キャハ♪」
とか書いとけば後は何しようが大丈夫ですね(藁

しかし、18歳未満は児童だとすれば、サクラ4の取扱説明書のデータで言うなら、
エリカもグリシーヌも児童と言うことになりますね。と言うことは…

「へっへっへっ。お前は児童らしいなぁ。こんなにイイ体してるのによぉ…。」
「ぶ、無礼者! わ、私は児童などではない…。」
と言う言葉攻めができますね。何かエエじゃないか(藁

だから(何がだからなのか?)、>>356さんも臆せず、
書いてください、発表してください、飛び込んできてください。では。
359名無しさん@ピンキー:02/08/29 10:24 ID:3wYnA1RQ
ここは板全体でも屈指のスレだな。
360名無しさん@ピンキー:02/08/29 16:21 ID:m3qklcrp
最近哲太様を見かけないな。
361名無しさん@ピンキー:02/08/29 21:24 ID:m78BV8Lb
>>360
そうですね…一体どうされたのか。
362名無しさん@ピンキー:02/08/29 22:57 ID:rxePssMm
どうも児童ポルノ禁止法について誤解があるようです。
>>356氏のおっしゃるような「施行されたら…」という仮定の話ではなく、
この法律は既に施行済みなのです。
ただし、現行では対象が「実在の児童」に限定されているので、架空の
キャラならまず安心です。
そもそも児童の人権救済を目的とした法律であり、日本の法律では「人権を
有するのは実在の(これ大事)人物」という大前提があるらしいのです。
実在しない架空のキャラの人権を保護するには矛盾があるって事らしいです。
現行法でも絵やCGが規制対象に含まれていますが、これは実在児童の裸を
モデルに絵を描いたり、裸体のCGに顔写真を貼りつけるイタズラをした
場合などに適用されるのではないかと思います。
これらのケースは実在児童への人権侵害が発生してると認められるからです。

ただし法成立から3年後(つまり今年)、改正が必要ならば行うことに
なっており、この改正にポルノコミック等の架空の児童を含めようという
動きが出ている事は確からしいです。
女性の人権救済団体やキリスト教系の宗教団体が中心らしい……。
363つづき:02/08/29 22:59 ID:rxePssMm
一見、まともな改正案に見えますが、

●言論・思想統制の糸口となり得る危険性大。
●実際の人権侵害が無くとも罰することが可能になる前例を作る。
 これまでは「疑わしきは罰せず」だったが、「疑わしいだけで罰する」
 ことが可能になる。

等の点で、極めて危険が高いものなのです。
これらの危険性を認識せず、感情だけで改正を叫ぶのは大変危険な事です。

私は微力ながら、「仮想表現も規制対象に加えることに反対」する運動を
行っている者です。
無論、実在の児童を保護するための現行の児童ポルノ禁止法には賛成です。

このスレにも、関心をもってくれる人が居たのは嬉しいことです。
この機に是非、2ちゃんの児童ポルノ禁止法関連スレを覗いて見て下さい。
そして、是非反対運動にお力を貸してください。お願いします。
364名無しさん@ピンキー:02/08/29 23:52 ID:KSyYgKlq
>>362
乙。日本はどうなる事やら……
>>360
最近はだれかが入れ替わり立ち代りできているから、すこし休んでいるのでは?
365狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/30 01:05 ID:wwHsRCiw
12

ウィリアムは考える。
何故自分は地面に這いつくばっている?それはグリシーヌに殴られたからだ。
では何故殴られた?おそらくあの小僧を罵倒したからだ。薄汚い農家の小僧であるというのに?
そのような理由で誇り高き英国紳士である、この私が殴られたのか?しかもいきなりだ。
宮廷で戯れてばかりで礼儀も知らないフランス人め。貴族同士が争う時のルールもないのか!
まず争いの理由を相手に伝え、その相手が挑戦を受けて初めて立会い人のもとで闘争であろう。
ああフランス人め、フランス人め。無作法なバルバロイ(注1)め。
貴様をどうして貴族と呼べよう?いや呼べるはずがない。そして貴族にあらずは人にあらずだ!!
畜生が!畜生が!畜生ごときが人を襲うとは、身の程しらずにも程がある!
獣でも順従で人の役にたつならば価値もあろう。
しかし危害を加えんと牙をむくならば容赦はしない。狩って、狩って、狩りまくるまでだ。
ん? おいおいグリシーヌ、馬にのってどこに行こうというのだ?
狐狩りにさそったのは貴様だろう。それなのに帰ろうというのか?つくづく礼儀しらずなフランス人め。
まあ、いい。それならそれで一向に構わない。とにかくはじめよう、狐狩りをはじめよう。
英国紳士の名誉のかけて、ドッグマスターの名のもとに。
さあ行け!!ハールマン、アルディッソン、J・W・スコート、ジャック!!
駆けて、吠えて、追い立てろ!他の犬たちも遅れるな!
あの忌々しい女狐の前足を私にささげるのだ!!
366狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/30 01:09 ID:wwHsRCiw
(注1;バルバロイ)野蛮人の意。もともとはギリシャ人から見た、ギリシャ語を話せない人々のこと。
言葉が『バルバル』と聞こえることから由来している。
そういう意味で武装現象するあの人もバルバロイ。バルバル。
367狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/30 01:10 ID:wwHsRCiw


(ああ、犬たちが、貴族様の犬たちが、あんなに目を血走らせて近づいてくる。牙をむいて走ってくる。
このままだと食べられてしまう。強くて優しい貴族のお姉ちゃんも、あんなに犬がいるんじゃあ、かないっこない…
どうしよう。食べられてしまうよ。どうしよう、どうしよう……)
犬たちはよだれをまき散らし、あらん限り威嚇の声をあげて少年とグリシーヌに迫ってくる。
よくよく観察すると、犬たちの中でも首輪をつけた特別大きい4匹の犬が、ほかの犬を連れているのが解かるだろう。
そしてその特別な犬たちのうち、左右それぞれ1匹づつが離れ広がって行き、グリシーヌたちを包囲しようとしているのが解かるだろう。
無論、少年にはそこまで解からない。彼が解かっていることは自分は絶望しきっているという事ぐらいであった。
しかし、その絶望を砕かんばかりの怒声が平野中に、そして少年の心に響きわたった。
『さあ!早く手をとるのだ!!そして私の腰にしっかりと掴まれ!天馬と歌われし我が愛馬、猟犬ごときに引けを取らぬ!さあ早く!!』
その声を聞き少年は恐怖も、絶望も、なにも考えないようにした。いや、すでに霧散していた。
ただこの人を信じればいい。
彼女の温かく力強い手を掴み、そして以外に細く感じる腰に手を回して、少年はグリシーヌの背中に身をあずけた。
なんと心地よいことであろう。それにとてもいい匂いもする。
少年は追われていることを忘れ、守られているという安心感に包まれていった。
368狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/30 01:11 ID:wwHsRCiw
上のは13。
失礼に御座い。
369狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/30 01:12 ID:wwHsRCiw
14

一方でグリシーヌは内心あせっていた。思いのほか猟犬たちとの距離を引きはなせないでいたからである。
(いや、引き離せないのではない……やつらは一定の距離を保っているのだ!!)
グリシーヌがそのことに気がついたのは自分たちが一つの方向に誘導させられているからだ。
右と左に展開している群れが吠えかけ、近づき、時にはわざとすき間を作ってたくみに馬をある地点に動かしている。
そしてその先にあったのは、木々が生い茂る森であった。
(まずい…。森のなかでは馬よりも体の小さい猟犬たちの方が走るのに有利。茂みに潜まれて襲われる危険性もある。
なによりも、このまま森に入ってしまうと誰にも見られることなく、また知らせることもなくやつらと争わなくてはならぬかもしれない。
負けるつもりは毛頭ないが、この子のためにも最悪の事態に近づくのは愚策というもの。
なんとかこの子だけでも逃さなくては……)
せめてもう少し馬を早く走らすことができれば、なんとか振り抜けることができるかもしれない。
しかし、もはや彼女の馬は限界まで心臓を酷使し、脚を蒸気機関のように回しつづけている。
とてもこれ以上の負担は増やせそうになかった。
グリシーヌは思いつく。それはグリシーヌだからこそ考えつき、そして実行できる考えであった。
負担を増やせないのなら、負担を減らせばよい。
『少年よ、たずなを持つのだ。心配はいらない。この馬はおだやかな性格をしている。
行きたい方向にたずなを引くだけで進んでくれる。なにより屋敷への道を覚えているからな。だからなにも心配はいらない。
さあ、持つのだ。』
少年はなにがなにやら解からなかったが、言われたとおりたずなをにぎった。
そしてグリシーヌは行動に出た。
370狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/30 01:13 ID:wwHsRCiw
15

『少年よ、無事に逃げよ!!』
そう言うやいなや、なんとグリシーヌは馬から飛び降り、2度3度大地の上で転がったあと森の中へ駆けていったのだ。
彼女は馬から、自らの重量という負担を減らす方法をとったのだ。
それは確実に功となって、犬たちと馬の距離を引き離していた。
森に入ったのにも理由がある。
1つは馬の逃走経路を確保するため、自分がおとりになって片翼の群れを引き付けるためである。
もう1つはあくまで猟犬たちと戦うためだ。馬で逃げるぶんには不利な地形であるが、自分ひとりが戦うにはまだ利がある。
このような大多数を相手にする場合、囲まれる以外に選択のない平野での戦いは自殺行為だ。
それよりも地形をいかして少数ずつと渡り合える森のほうがよい。
グリシーヌはそう判断して森の中へ入ったのだ。
森は思ったよりも木が密集して生えていた。これなら同時に襲ってこれるのは2、3匹がせいぜいであろう。
武器はふだん愛用している戦斧ではなく、儀礼的な装飾をほどこしたレイピアを持っってきていた。
しかし刃を落としているわけではないので武器として十分つかえる。むしろこのような狭い空間では戦斧よりも有効であろう。
突然、目の前の茂みから2匹の猟犬が飛び出す。馬を逃がす時に引き付けた側と逆の群れが、先回りしていたのだろう。
グリシーヌは猟犬の動きを冷静に見切り、先に飛んできた1匹をかわし、もう1匹の牙がならんだ虚空にレイピアを突き入れた。
真っ赤な牡丹を後頭部に咲かして絶命した猟犬からレイピアを抜き去り、抜き返したその刃で着地寸前であるもう1匹の背中を切り裂く。
一呼吸の間に2匹を屠った。実に見事である。
さらに後方からも1匹飛びかかる。グリシーヌは先ほどと同じ要領で、牙をむいている口にレイピアを突き刺した。
371狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/30 01:14 ID:wwHsRCiw
16

しかし先ほどとは違う結果が訪れた。レイピアが猟犬の口から抜けなくなったのである。
原因はわかる。猟犬が口を閉じてしまったからだ。しかしその理由が異常であった。
なにか植物のつるで作られたようなロープが猟犬の口のまわりを結んでおり、レイピアを突き刺した瞬間に
両方から引っ張って口を無理やり閉じさせたのだ。
グリシーヌはロープのはしを見て我が目を疑った。
両端のロープを引っ張っていたのはなんと、首輪をつけている2匹の猟犬ではないか。
この犬たちはグリシーヌの最初の反撃をみて一瞬で対策を思いつき、仲間を捨て駒にするという手段をとったというのか。
あまりにも計画的で、冷徹なほど合理的である。これではまるで、
(これではまるで人の考え方ではないか。)
普通の動物たちは、狩りはもちろん縄張り争いの時にも同族どうし命のやりとりはしない。それが自然のルールであるからだ。
このルールを侵しているのは人間ぐらいのものである。
だがこの猟犬たちはその禁を破り、仲間の屍の上に勝利を得ようとしていた。
そしてこの好機をのがす理由は犬たちにはない。
いまや絶好の標的となったきき腕にむかって、猟犬たちが群がって来た。
372狐狩り ◆666tXXX2 :02/08/30 01:23 ID:wwHsRCiw
17

グリシーヌはレイピアを離して飛びのいた。
唯一の武器であったが、あのままでは猟犬たちに襲われるがままにされていただろう。
状況はいまだ不利のまま、しかも進行中である。武器も無しに残り9匹の猟犬たちを相手にするのは無謀というものだ。
特に首輪をつけている4匹は危険だ。猟犬というカテゴリーでくくれない不気味さをもっている。
形勢を一気にくつがえす策が必要であった。ないことはない。
(ウィリアムを捕らえるのが最上の策であるな……)
命令を出しているウィリアムさえ押さえてしまえば、忠実なしもべである猟犬たちは無力化するだろう。
(しかし、やつはどこにいるのだ。おそらくは見晴らしのいい森の外か。
馬に乗っているとしたら、こちらから攻撃する前に逃げられてしまうだろう。誘い込むか?だがどうやって……)
その時、森の向こうからヒズメの音が聞こえてきた。
ゆっくりと近づく馬の足音に誘われて、犬たちはグリシーヌから離れて音のほうへ駆け寄る。
ご苦労にもレイピアがささった仲間の死体を引きずって。
そして森の影からすがたを現したのは、ウィリアムであった。
373名無しさん@ピンキー:02/08/31 07:51 ID:ndNsiaDB
>>372
グリちゃん、いよいよ餌食に?
ワクワク!!
374名無しさん@ピンキー:02/08/31 23:32 ID:BUBpR5g7
急に静かになったな・・・
375名無しさん@ピンキー:02/09/01 08:55 ID:VBQtegEz
>>374
ここは意外に土日は静かだったりするよね。
恐らく住人の平均年齢層が高い為に土日は外にいるんでしょうなぁ。
376狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/01 18:37 ID:TNZ7EawO
18

『ずいぶんと健闘されているようですな。わずかの間に三匹ですか。
いや、もう少し早く来たかったのですよ。しかしちょっとした余興に興じていたもので。狐狩りもいいが兎狩りも楽しいものです。
死んだのは……ふむ、ダッシャー、ダンサー、プランサーか。しょせんこいつらではこんなものか。
人に身分という絶対の壁があるように、犬にも格の違いがあるというところか。なあ?お前たち。』
ウィリアムがそう言うと、まるで言葉を理解しているかのように、首輪をつけている犬たちが短い呼吸をし始めた。
よくよく見ると顔が少し歪んでみえる。それはまるで笑っているかのようであった。
表情筋のない犬ではありえないことであるが、それは確かに笑い顔のようであった。
しかしグリシーヌはこの奇妙な主従のやりとりに興味を示していなかった。
彼女の視点はただ一点、ウィリアムの胸のあたりに注がれている。
その先にあるのは、グリシーヌが馬から飛び降りて一人逃した、あの少年であった。
少年は涙を流し、口は恐怖で震えるばかりで声も出ていない。喉元にはナイフが当てられていた。
『馬を速く走らせるために自ら飛びおりるとは、実にけなげな事で。しかしそれで追いつけなくなると思ったのかね?
あさはかと言うほかありませんな。私の猟犬が追いつけないとでも?』
『馬鹿な…、たかが犬ごときに私の馬が追いつかれるとは……』
グリシーヌの言葉を聞くと怒りのためか、ウィリアムは別人のような相貌に成り変わって少年を締め付け、
ナイフを持っている左手に力を入れた。
より強く締め付けられた少年は、目が抜け落ちんばかりに見開き、口からはよだれに流され出たように舌をつき出す。
『たかがだと?犬如きだと?貴様如きが私の犬を愚弄しようと言うのか!?
私の腕のなかでみじめに震えている家畜をかばった、きさま如きがか!!
畜生が!女狐が!!きさまらフランス人がひとであるものか!汚く卑しいクラッポ(注2)め!!』
『よせ!!その少年を傷つけるな!先ほどの事を恨んでの凶事なら私が目的であろう!!』
377狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/01 18:38 ID:TNZ7EawO
(注2;クラッポ)
ヒキガエルという意味の仏語、crapaud(クラポー)がなまった言葉。
イギリス人がフランス人をけなす言葉としては古典的な部類にはいる。
醜いカエル野郎とか、悪食野郎(カエル自身が虫などなんでも食べるのと、フランス人がカエルを食べている事をさしている)
などのニュアンスが込められている。
crap(英語;大便)と韻をふんでいるあたり、こころ憎い。
378狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/01 18:38 ID:TNZ7EawO
19

激しやすいがすぐに冷静になる性質なのであろう。あるいは紳士という仮面をかぶるのが巧みなのかもしれない。
ともかくウィリアムはいくぶん落ち着いていったようだ。少年を拘束する腕が緩まっていく。
『恨んでいるだと?ふん。恨むという感情はだ、対等な関係をもつ者どうしでしか生まれないものだ。畜生などを恨むはずなかろう。
私の目的は最初から決まっていたし、今も変わってなどいない。そう、こうして目の前の狐を狩ろうと、楽しんでいるだけだ。
なあ?おまえたち。』
そう言い放ち、ウィリアムは右手に持っていた指揮棒のようなものを犬達に向ける。
異変が起きた。
ケルト様式の彫刻がほどこされた指揮棒がにぶく光り、なにかに共鳴しているかのように振動しはじめた。
そして首輪付きの猟犬たちから凶々しい力があふれ、目に見えて筋肉が増殖しはじめている。
特にのどの辺りは急激に脈打っており、構造自体が変化しているようであった。
その成果を、グリシーヌは耳で聞くことになる。
『マ、マ、マッタクデゴザイマス、す。ゴしゅジン、サマ。』
犬がしゃべった。かすれて途切れ途切れであるが、確かにそれは人の言語であった。
グリシーヌはこの悪夢に驚嚇した。
そして猟犬たちからあふれている力の正体を理解してさらに驚いた。
『これは……霊力か!?。』
379狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/01 18:38 ID:TNZ7EawO
20

ドッグマスターとしてのウィリアムの名声はイギリス中に轟いていた。
その異名は、まるで魔法のように猟犬を操ることから由来している。
彼が愛用の指揮棒で指示すると、犬たちは新たな力を得たように走り、狐を狩っていったのだ。
しかし、もし力ある者が見ていたならば気が付くかもしれない。犬たちが本当に力を得ていることを。
また、知識のある者が指揮棒を観察していれば、それに施されているのは古代ケルトの呪術文様であると答えるであろう。
結論から言うと、ウィリアムはルールを破っていた。
より多くの栄誉を、より大きい名声を得るために彼は手段を選ばなかったのである。
彼は自分の犬たちをある集団に預けていた。その集団の名前はケルト協会という。
先の大戦では一つの戦力として考えられたケルト協会の呪術も、戦争が終わればこれといった利用目的を失い、衰退の道を歩んでいた。
いまでは協会とは名ばかりの、ドルイドたちが数人しかいないカルト集団にすぎない。
そのような時代では、オカルトは常に貴族たちの慰みになるものである。
また協会としても、ウィリアムは英国きっての名家の者。スポンサーとして是非とも取り入りたい人物であった。
そのため、彼らはウィリアムの要望に全力を傾けることにする。例え禁術を用いようとも。
ドルイドたちが選んだ方法とは、猟犬に死んだ人間の魂を移植することであった。
まさに狂気以外の何物でもなかった。
まず、人間の魂は凶悪な犯罪者のものが用いられた。
これは倫理的な問題によるものではなく、本能的欲望の強い魂のほうが獣との適合確率が高いというだけにすぎない。
そして素材となる猟犬の方は、ウィリアムが金にものをいわせて大量に買いいれた。
集められた猟犬は数百か、あるいは千を越えたかもしれない。だが残ったのはたったの4匹であった。
380狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/01 18:41 ID:TNZ7EawO
21

犬が人語をあやつる。眼前の狂気に少年はもはや意識を保てなかったのであろう。彼は気を失い、失禁した。
服が汚れるのを嫌ったのであろう。ウィリアムは舌打ちして少年をごみでの投げるかのように、首輪付きの1匹に投げ捨てた。
『ウィリアム、貴様!!』
少年をごみのように投げ捨てたウィリアムに対して、グリシーヌは今にも飛びかからん勢いで叫んだ。
叫びで終わったのは、飛びかかるのが不可能だからだ。
グリシーヌとウィリアムの間は距離にして5メートルほど。しかしその間には9匹の猟犬が陣取っており、
しかも首輪付きの1匹が少年の喉をくわえ持っていた。
もしグリシーヌが攻撃にでれば即座に頚動脈を噛み切るだろう。
人質をとられ、反撃する術もない以上、グリシーヌにもはや手はなかった。少年を見捨てるという選択肢は最初からない。
『私の負けだ……貴公の気がすむようにすればよい。だからその少年を放してやってくれまいか…』
381狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/01 18:42 ID:TNZ7EawO
22

その言葉を聞き、ウィリアムはサデスティックに表情を歪めた。
『私の負け?ふふ、それは違いますな。なぜなら勝負はついていないからです。狐狩りとは狐を狩ってこそ、
審判の門が開くのです。私はまだあなたを狩っていない。勝ちだ負けだと判断するには……ふふ、ちと早いですな。』
『だから何なのだ!!何が言いたい!私は気のすむようにしろと言っておるのだ!!』
『だから、私は最初から言っているでしょう?狐狩りをしたいと。あなたを狩りたいと。
私の気をすませたいなら速く逃げなさい。そして茂みに潜みなさい。洞穴で怯えるのです。
私の目的はそんなあなたを追って、探して、見つけて、そして狩ることなのですから。
だが、このまま逃がすというのも興がそがれますな、何かよい考えはないものか……』
おそらくどのような提案がでてもグリシーヌの益にはならないだろう。
しかし一度逃げるのは決して悪い展開ではない。距離をおけば策をねることもできよう。また、こちらからの奇襲も可能になる。
そのようなことを考えているうちに、ウィリアムの考えもまとまったようだ。
それは、やはりろくでもない考えであった。
『そうだ、こうしよう!!グリシーヌ、あなたにはより狐らしくなって逃げていただきましょう。
なに、4足歩行で走れというわけではありません。獣らしく裸で逃げていただき、ついでに尻尾を生やしてもらうだけです。』
382畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/01 18:45 ID:TNZ7EawO
ようやく次回で陵辱編で御座い……
構成力の無さに嫌気がさします。
拙は阿呆うです。
383名無しさん@ピンキー:02/09/01 19:10 ID:PvR4oXi5
>>382
構成力が無いなんて、とんでもない。
素晴らしい文章ですよ。
ひょっとして、プロ?

次はイヨイヨですね。
384名無しさん@ピンキー:02/09/01 19:21 ID:VBQtegEz
畜生は知識が豊富だな。
陵辱編期待してます。
385名無しさん@ピンキー:02/09/02 15:15 ID:9VfvL2Vw
新学期だよ




386名無しさん@ピンキー:02/09/02 22:18 ID:RagqQrzF
>>385
ここは学生多かったのか…
387名無しさん@ピンキー:02/09/02 23:07 ID:2b50hCfH
ちょっとまて。今はまだ9月の始まりだぞ。と言うことはだ、385はまだ生徒と呼ばれる年なんじゃあないか?
正直まだここは早いんじゃあないか?
388名無しさん@ピンキー:02/09/02 23:45 ID:RagqQrzF
正直ここの常連は社会的には目立たない人が多いと思う
389名無しさん@ピンキー:02/09/03 00:49 ID:3GeeN4fx
そりゃこのスレの嗜好じゃあ世間に目立ってはいかんだろ。
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391名無しさん@ピンキー:02/09/03 07:50 ID:Y2WxvN2y
>>390
黒が多すぎて目がチカチカする。
発狂しそうです。
392名無しさん@ピンキー:02/09/03 12:42 ID:YFelkmoW
久しぶりに来たが今は静かなようだね
393名無しさん@ピンキー:02/09/03 15:16 ID:XMdUwBq7
まあ基本的にはこんなものだろ。
それはそうとしてサクラ大戦5にむけてニューヨークの歴史本を読んでいたんだけど、それで「キツネ狩り」の
ザコ犬のネタ元を見つけますた。しかしこれだと1匹多くないか?畜生よ。
394名無しさん@ピンキー:02/09/03 18:02 ID:lg9qGofb
雑魚犬ってダッシャー、ダンサー、プランサー?
395名無しさん@ピンキー:02/09/04 00:25 ID:XqSoi6/s
最後の一匹は『赤鼻』のルドルフで御座い。
詩の中には出てきませんが、有名なあの歌にでてきますので。
拙はこのような小ネタをよく使うだけでなので、384殿が言われるほど豊かな知識を
持ちあわせているわけでは御座いません。
ましてや383殿のように言われると身がすくむ思いで御座い。
396名無しさん@ピンキー:02/09/04 12:44 ID:iiiMgIiK
サクラ5の時ここはどうなっているのだろ・・・
397畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/04 14:10 ID:Oc9wQ696
約7週間ぶりの休みで御座い……疲れた…ね…。

ばーにんぐあうと、まっ白だよホワイトサマー。
すごいぜ MY ぼでぃー。白と黒のツートンカラーだWAAAOH!!

そんな訳で本日はデストロ〜イ。
行くぜショッピンっ!ポケットに札束捻り込め!!福沢諭吉も連れてくがいいさ!
PC版サクラ大戦?OK OK。探してやるさ、見つけてやるさ。
サーチ アンド ショッピングゥッ!!
生活用品も忘れるな!!!!!
398畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/04 23:14 ID:Uy5zO/LE
どこにもなかったよ
おおさかにもいったのにね

ふぅ……(´・ω・`)
399畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/04 23:15 ID:Uy5zO/LE
23

裸になれ、というのはある程度予測していたことである。むしろそれ以上踏み込まれることも覚悟していた。
だが、もう1つの尻尾を生やせというのは、全く意味がわからない。
『私の言ったことが聞こえなかったのですかな。早く脱いだらどうです。あまり時間をかけると小僧の首が落ちてしまいますよ?』
少年は首輪付きに喉をかまれており、ぐったりとしている。
首の皮からはたいして出血していないが、首輪付きがほんの少し力を込めれば簡単に殺してしまうだろう。
今は、ウィリアムの言うことを聞くほか、手がなかった。
グリシーヌはふるえる手でボタンのひとつひとつを外していく。
肩の翼形いがいによけいな装飾をほどこしていない、しかし気品に満ちたグリシーヌのブルーコートは、
主人をまとい隠す義務を放棄して大地に横たわった。
絹とキャラコを織り交ぜた純白のベストはすでにその戒めを開放しており、彼女の足を一手に守護していた狩用のキュロットと共に、
雪に覆われたアルプスのごとく美しくも気高い山を築いている。
下着だけになるとグリシーヌの手にもためらいが見えたが、やがて意を決して最後のイチジクの葉を捨てさった。
透き通るような肌という表現があるが、それは彼女にはまったく不適切というほかない。
光が彼女の体を素通りするなどという無礼なマネをするはずがない。
その証拠に見よ。光は彼女自身からあふれ、その身を輝かせているではないか。それは白色はもっとも光を反射するという光学的な理由もあるかもしれない。
しかし、真の理由は自分の身を全てさらしてなお、きつ然とウィリアムを見すえる、その誇り高き精神であろう。
『さあ、貴様の要望どおりの事はしたぞ。早々に狩りでもなんでも始めるがよい!!』
『いえ、狩りはまだ始まりませんな。準備はまだ終わっていないのだから。まだあるでしょう?あなたには尻尾を生やしてもらわないと。』
『馬鹿を言うな!!尻尾など、どこに生えるというのだ!』
『不思議なことを言う。尻尾が尻以外のどこに生えるというのです?ああ、もちろん本当に生やせというわけではないですよ。偽者でかまいません。
ほら、この指揮棒の飾りに付けている狐の尻尾、立派なものでしょう?これをあなたのお尻に付けるだけで構わないのです。
ただし、付けるのは棒ごとですが。』
400畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/04 23:16 ID:Uy5zO/LE
24

『なっ…』
グリシーヌは絶句した。それはウィリアムの言葉を、漠然とでも理解したことを意味した。
理解したからこそ、あまりの内容に言葉がでないのだ。
『解かりやすく言いますと、この尻尾かざりのついた指揮棒をあなたのケツの穴にぶち込んで、
畜生は畜生らしく狐の格好をしていろ。と、まあ、そう言いたかったのです。』
ウィリアムはそれを承知のうえで説明をした。グリシーヌをより辱めるためである。
『そんな事ができるはずなかろう!!』
『そうですか。ならば仕方ありませんな。』
グリシーヌの拒絶に対して、ウィリアムは口で言うほど残念なそぶりを見せず、
むしろ嬉々とした表情で少年をくわえている首輪付きに向き直り叫んだ。
『ハールマン。ハアアアアァァァァアルゥマアアアァァァンッ!!
どうだ!?お前のくわえている小僧の感想は?まあ、おまえが喰ってきた金髪碧眼の美しきゲルマン人の少年には劣るだろうが、
ラテン系にはラテン系の良さがあるというものだ。
例えば一年を通して太陽を浴びたその肉は、はは。なんとも浅黒く見苦しいものだ。
しかし肌の下に隠れている肉の、なんと滋養に満ちあふれていることか。さすがに太陽の国ともなると自然の恵みが違う!!素晴らしい!』
『貴様は……、貴様はなにを言っているのだ!!何が言いたいのだ!!』
401畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/04 23:16 ID:Uy5zO/LE
25

『何が言いたいもなにも、そのままの意味ですよ。
そうそう、彼らの紹介がまだでしたな。失礼のほど、ご容赦ねがいたい。
彼の名前はフリッツ・ハールマン。見てくれは犬ですが、中身は人間のものが入っています。他の3匹も同様ですが……まずは彼の紹介から。
ハールマンは生粋のドイツ人で、数年前に死にました。まあ、他の3匹と較べればごく最近です。
死因は処刑。彼は凶悪な犯罪者でしたので。記録の上では22人の少年を殺した罪に問われていましたが、
実際は何人を殺したことやら。倍か?もしかして100人を越えるか?
まあ、下層民の子供が何人殺されようと、どうでもいい事ではありますがね。
彼を弁護しますが、ハールマンは何も殺したくて殺していたわけではないのです。
彼はただ、少年たちの肛門を犯して、よりエクスタシーを味わうために頚動脈にかぶりつき、その肉を貪りたかっただけなのです。
結果的には死んでしまうわけですが。』
死体の処理は、彼が肉屋というのが幸いでした。理由はわざわざ言いませんがね。』
402畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/04 23:17 ID:Uy5zO/LE
26

ウィリアムは他の3匹(人?)の紹介も続けて行っていた。グリシーヌの困惑などおかまいなしに。
彼女は考えにふける。犬のなかに死んだ人間の魂が?そのような事が出来るのか?
しかし、同時に納得もあった。犬たちから感じたのはまぎれもなく人間の霊力だったからである。
犬や獣にあのような邪悪で粘っこい霊力は出せない。あれは人間の、それも邪悪なもの特有の霊力だ。
そしてグリシーヌは思い出す。隊長から聞いたかつての戦いを。死人をより強く、より邪悪にして蘇えらす禁断の外法の存在を。
もし、それと同種の術であるとしたら、ウィリアムの言っていることは真実であろう。
つまり、あの少年はいま、変態嗜好の殺人鬼に首をかまれていることになる。
グリシーヌは観念した。
『……早くするがよい…。』
人生で最も屈辱に満ちたひと言である。歯を震わせ、ようやく絞り出したような声であった。
『ふふ、それではまず、棒を刺しやすい格好になってもらいましょうか。
まずは後ろを向いていただきます。足は開いて、そう、肩幅よりもさらに広く、少し痛みが走るぐらいまで…
まあ、そんなものでしょう。
では、そのままの体制で前倒しになって、手のひらを地面につけてください。こんなことで怪我をしないように気を付けて。
ふむ、さすがに運動神経がいいですね。
そうだ。その手のひらをもう少し前に動かしてください。重心をもっと前に、あなたが急に私を襲いかかれないようにね。
もっとも、そんなことをすれば小僧が肉塊になるだけですがね。よし、それぐらいで十分です。
ふふふふ、ははははははは!いい格好だ。実にいい格好だ。さかりのついた獣のように尻をもちあげ、
陰部を開きさらしているあなたの姿は、まさに女狐と呼ぶにふさわしい!!』
顔から火を噴く思いとはこのことだ。いっそ本当に噴くがよい。恥辱に歪む顔を見られるぐらいなら、焼き爛らしたほうがまだマシだ。
その思いのままに、グリシーヌの顔は紅潮し、唇はわなないていた。目には涙がたまっている。
403畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/04 23:17 ID:Uy5zO/LE
27

『あまり固くならずに。入りきらないほどではありませんが、けっして小さいものが入るわけではありませんので。』
そう言ってウィリアムは指揮棒を構えた。長さ20センチ、直径3センチ、材質はドルイドたちが神聖視するオークであろうか。
後部に狐の尻尾がかざり付けられているため、棒をすべて挿入するとお尻から尻尾が生えたように見えるだろう。
そしてその棒は、グリシーヌの菊座を責め遊んでいた。
日々の鍛錬で括約筋もきたえられているのか、見事な収斂紋様が放射状に広がっている。
中央に穿かれている小さなうろは、招かれざる来訪者を必死に拒絶していた。
だがその努力は報われない。武力にまかせた征服者は力ずくで門をひらき、貞節と誇りにあふれた街を蹂躙した。
『あああああぁああぁ!!いやっ!いやああああぁぁぁぁ!!!』
彼女は勇ましきヴァイキングの血を引く戦士である。骨が砕かれんばかりの衝撃や、皮膚を裂き肉を断つ痛みには耐えられる。
その彼女が、叫んだ。一人の戦士としてではなくただの処女として。
さらに深く、なお深く、グリシーヌの純潔を貪ぼらんばかりに棒が進入してくる。
そのたびに彼女は内臓が弄ばれるような圧迫感に苦しんだ。
しかし、そのような責めを負わされつつも彼女はヒザを屈しなかった。腕を伸ばし、顔を地面に着けないようにした。
それが彼女の誇りを護っている最後の砦なのである。
404畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/04 23:25 ID:Uy5zO/LE
夏の残香が拙を狂わせたのです。畜生。
申し訳なし。
405名無しさん@ピンキー:02/09/05 00:17 ID:RN1JvURH
ああ、グリ様哀れ!
期待は高まるばかりです。
406名無しさん@ピンキー:02/09/05 07:39 ID:GtfPJke1
畜生は関西か?昨日は暑かったらしいな。
SSの方も続きを期待してるよ。
407名@1 ◆F54t4pQc :02/09/05 20:43 ID:2wLkhdaE
17
マリアは確かに聞いた。
花火の口から出た「死」と言う言葉を。
これまでの自分に対する陵辱の限りを見れば、それは至極当たり前のように思える。
しかし、たった一文字のその言葉はマリアの心に死の恐怖を改めて刻み付けた。
「ひゃな……あなっ…いぎっ…」
必死で助けを求めようとするも、もはやマリアはまともに言葉を発する事すらできなくなっていた。

そうしたマリアの状況とは対照的に、
花火は一時の感情の高ぶりが嘘であったかのように平静を取り戻し、
むしろその表情は以前にも増して慈愛に満ちていた。
「マリアさん…私がもっと楽しい所に連れて行ってあげますからね…。」
と言って花火はマリアを縛る鎖を解き、その体をやさしく抱き上げた。

マリアを抱きかかえ上げたまま、花火は奥の部屋へと歩を進める。
「さぁ…ここですよ…。」
そう言って花火は部屋の扉を開いた。
408名@1 ◆F54t4pQc :02/09/05 20:44 ID:2wLkhdaE
18
その部屋には台があった。
大きさは丁度人が一人横になることができる程で、手術台のような雰囲気だった。
花火はマリアを台に寝かせ、両手両足に枷(かせ)を掛けて、台に固定した。

「…んーっ!…んーっ!んん−っ!」
その時、台に固定されたマリアが突然暴れ始める。
マリアは気付いたのだ。自分の腹部の上に待ち構える凶器の存在を。
台の中ほど、つまりマリアの腹部の横から一本の鉄柱が伸びており、
その先端部には巨大な斧がその鎌首をもたげていた。

それはまさに人体切断マジックに使う台そのものであった。
しかし、通常のそうした台と違うのは斧には柄がそのまま付いていて、
柄を掴んで手動で引き下ろすことにより、斧が鉄柱を滑りながら垂直落下し、
台に横たわる者の体に落ちると言う仕組みに改造されていた事である。
409名@1 ◆F54t4pQc :02/09/05 20:46 ID:2wLkhdaE
19
「次は私が人体切断のマジックに挑戦しますね…。
初めてですから、うまくいくかどうか分かりませんけど…。
見ていてくださいね…フィリップ…。」
と言って斧の柄に手を掛ける。

「んーっ!んーっ!んん−っ!んんんーっ!んんーっ!」
マリアは先程より強い調子で抵抗の意思を見せる。
「大丈夫ですよ…マリアさん…。
エリカさんもコクリコさんに真っ二つにされましたけど、
あんなに元気に毎日走り回っていますから…。」
そして、遂に花火は柄を下に引き下ろした。
「いぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
斧が腹を切り裂き、皮肉にもマリアは声を取り戻した。

「あら…ごめんなさい…フィリップ…。
少し失敗してしまったようです…では、もう一度やってみますね…。」
そういって花火は何度も何度もマリアの腹部に斧の刃を叩きつける。
「いや…やめて…花火…お願い…花火、花火、花火ぃ!きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

斧の刃が叩きつけられる度に、
ぐちゅっ、ぶちゅっという肉や内臓を切り裂く生々しい音が辺りに響く。
血しぶきが吹き上がり、花火の喪服や顔面は返り血で真っ赤に染まっていた。
410名@1 ◆F54t4pQc :02/09/05 20:47 ID:2wLkhdaE
20
幾度と無く振り下ろされた斧の刃によりマリアの傷は背骨にまで達しようとしていた。
「あがっ…んんっ…いんっ…あぁぁ…。」
マリアは白目をむき、口からはよだれや泡を吹き出し、
もはや体をわずかに震えさせるのみだった。

その姿を見て花火が斧を振り下ろす手を止める。
「ごめんなさい…フィリップ…。
私には無理のようです…マリアさんに大怪我をさせてしまいましたし…。
楽しいはずのサーカスで人が死んでしまうなんていけませんよね…。
残念ですけど、今日はここまでにしましょう…。
本当にごめんなさい…。では、私は後片付けがありますので、また後で…。」
微笑みながら花火は再び亡き夫に語りかける。

かすかな意識の中でマリアは救われた喜びを感じ、声も無く、涙を流した。
しかし、それはマリアに与えられた最後の安らぎだった。
花火が弓をつがえて立っていたのだ。
花火はマリアの口内に目掛けて弓を引き、今まさに放たんとしていた。

「これが…私の…後片付けです…。では…マリアさん。ごきげんよう…。」
411名@1 ◆F54t4pQc :02/09/05 20:48 ID:2wLkhdaE
21
弓が放たれマリアの体内を矢が走り、心の臓を貫いた。
ごぶっといううめき声を上げ、一瞬マリアの体が浮き上がった後、
台にその体が落ち、二度と動くことは無かった。

「フィリップ…これでいいんですよね…私…あなたのお役に立てましたよね…。」

そう言って花火はふらふらと立ち上がり目を閉じて祈りをささげる。
次に目を開けたその時、花火にははっきりとフィリップが見えていた。
フィリップは微笑みながら、その手を花火に向かって差し伸べる。
花火も手を差し出し、二人は笑顔で手を取り合い抱きしめあった。

その瞬間、一発の銃弾が花火を襲った。
花火は恍惚の表情を浮かべながら、一人その場に倒れた。

「すまない…。花火くん…。」

銃弾を放ったのは帝国華撃団総司令・大神一郎その人だった。
412名@1 ◆F54t4pQc :02/09/05 20:50 ID:2wLkhdaE
22
「…終わったのか?」
グリシーヌ邸から出て来た大神を待っていたのは帝国華撃団前司令・米田一基だった。
「…はい。」
大神は短く答えた。
「じゃあ…行くか。すまねぇな、辛い事ばかりお前に押し付けてよ…。」
「いえ…こうするしか他に無かったんですから…。」

二人は巴里の街を歩き始めた。
「しかし、俺はまだ信じられねえよ…。
マリアと加山がドノヴァンと組んで降魔兵器を政府や組織に流そうとしていただなんて…。
それに花火…あの娘にも悪いことをしちまった…。」
「俺もです…。あの二人が俺達を裏切るなんて…。
花火くんには…あの催眠薬が効きすぎたようです…。
俺達の思っている以上にフィリップさんへの思いは強かったのかもしれません…。
でも、俺や米田中将が動けば、きっとマリア達に気付かれてしまっていたでしょう。
今となっては降魔兵器が誰の手にも渡らなかった事がせめてもの救いです。」
「おめぇも、すっかり立派になったな…。よし、一緒にちょっと飲みにでも行くか。」
米田は大神の肩を叩き少し前を歩き始めた。

大神はグリシーヌ邸の方を振り返り、ズボンのポケットから何かを取り出した。
大神の掌にはマリアのロケットと花火の喪服のリボンが納められていた。
大神はそれらの品を物憂げに眺め、また大事にポケットの中へとしまった。
そして、大神はグリシーヌ邸に背を向け、米田を追って再び歩き始めた。

413名@1 ◆F54t4pQc :02/09/05 20:51 ID:2wLkhdaE
途中で自ら話の腰を折るようなことを言いながらも、どうにか完結できました。
これまでお付き合いくださった皆様に感謝御礼申し上げます。

この話は哲太さんのエリカ×さくらのお話から「華撃団が華撃団を陵辱」、
ゲルさんのお話から「因縁・怨念、故にチョメチョメ」と言う発想を拝借し、
(二つとも300えんで読めます。とってもイイ(・∀・)! お話なのでまだの方は是非。)
花火の結婚式難破事件はマリアたちが犯人だったと言うデタラメ設定を加えたものです。

この場を借りて、哲太さん、ゲルさん両氏に御礼申し上げます。

ショートカットもどうぞ。(思えばこれもゲルさんがやってるのを見て始めました。)

>>260-263 >>272-275 >>296-298 >>312-314 >>352-354 >>407-412
414名無しさん@ピンキー:02/09/06 01:43 ID:Ksrqoy9D
いいね。じつに凄惨で100gらしい展開だったよ。鬼畜大神が好きなおれには嬉しい結末。
415名無しさん@ピンキー:02/09/07 00:37 ID:sa0M2FvC
>413
ご苦労様です
416名無しさん@ピンキー:02/09/07 01:23 ID:Qiljf3X+
なんとも腐ったスレだな基地外ども
417名無しさん@ピンキー:02/09/07 02:58 ID:oEQ3rDsC
>>413
オチがいい意味で予想裏切っててイイ(・∀・)!

しかしやはりsage進行が望ましいようだ
418名無しさん@ピンキー:02/09/07 15:54 ID:d9Lnn66D
>>412
渋いぜ米田!
419名無しさん@ピンキー:02/09/08 20:49 ID:iFiJG7Zh
何だか人が急に減ったような…
420名無しさん@ピンキー:02/09/09 00:40 ID:hcGFBvcJ
皆さんレスありがとうございます。

今回はサーカスをテーマにやってみました。(マジックショーの方に近いかもしれませんが。)
サーカスを出す以上「エリカ、真っ二つですぅ〜。」は外せぬと。
そして何より、「隊長!マリアを二つに分けましょう!」は外せんなと(危険度↑♪)

>>414さん
書きながら「この話で誰が一番悪いのか?」って考えたんですが当然大神は候補ですね。
まぁ、これは人それぞれではあると思いますけれど。

>>415さん
話があっちゃこっちゃ行ったりして読まれている方にもご苦労を掛けたと思います。
最後の辺りは思ったより長くなってしまいご苦労しました(藁
17〜22の部分は意図的に30文字程度で改行を入れてみたのですがどうでしょうか?

>>417さん
途中で「食べてくれ!」と言う御意見も頂いて何とかそっちに行こうとしたのですが、
いったん頭が固まってしまうとどうにも行かずという感じで…喰うのも簡単で無いと。
でもいい意味でイイ(・∀・)! と言って頂けたので、それはそれでイイ(・∀・)!(藁

>>418さん
今回はちょっとずつですけどサクラのキャラに多人数出てきてもらいました。
マターリとした会話も入れたりして、楽しみながら書けました。
そんな中で、少しでも読まれている方に気に入って頂けたのならこれはまたイイ(・∀・)!ことです。

何か自分はスレッドストッパーな所がありますね。(ノД`)モウシワケナイデス。
421名無しさん@ピンキー:02/09/09 15:24 ID:lgMAA7z/
保守
422ゲルリッヒカノーネ+ ◆.hMBfEPs :02/09/10 02:30 ID:XjkqeSc0
ええ皆さん、大変長い間ご無沙汰しておりました。
ちょっとキャラネタ板に流れてしまい、こちらの事を忘れておりました。
大変申し訳無い。
これからは心気一転、頑張る積もりですので見放さないで下さい(泣)。
(ちなみに8月後半は、風邪こじらせて肺炎になりかかってました)
SSの方も進んでおらぬため、今回は挨拶のみです。
名無しの皆様と関係者各位、真にすみませんでした。
423ネバーランド・1:02/09/10 03:40 ID:2YqQTjXP
長安との戦いで、大神のパートナーには真宮寺さくらが選ばれた。
今思えば、二年前のその瞬間から悪夢は始まっていたのかもしれない。


太正十八年、十二月。街は迫るクリスマスに向けてどこか浮き足立っていた。
そんな帝都の朝、彼女は毎日変わらず夫である大神に朝食を作ると外へ出て、二人で暮らす長屋の前を掃除し、郵便受けを覗く。
外部との接触を禁じられ友人もいなかった彼女に手紙が来るはずも無く、大抵新聞以外のものは入ってはいないのだが。

しかし今朝だけは違っていた。大神夫妻宛てと仏蘭西語で記された可愛らしい花柄の封筒がそこに入っていたのだ。
差出人を確認するまでも無く、彼女はその封筒を掴んで愛する夫のもとに走った。
生きていた、アイリスは生きていたのだ。


長安との戦いの後、恐ろしい連続殺人事件によって帝都花組は事実上崩壊した。
最初に姿を消したのはアイリスだった。
アイリスは自分が大神に選ばれなかった事でひどく落ち込んでいたため、はじめはいつもの家出だと誰もが思っていた。
しかしその日の夕刻、地下格納庫で李紅蘭の見るも無残な死体が発見されたのだ。
霊力のないものにはそう簡単に動かす事の出来ないはずの、光武の下敷きになって。
上半身を押しつぶされ、すらりと伸びた細い足だけが血と臓物に濡れた床からにょっきりと生えているかのように見えた。
血の気を失った青白い脚。仲間達の悲鳴と泣き声の中、それでもまだその時は、彼女は冷静に状況を観察し、分析する事が出来た。犯人を見つけたかったから。

夢組が、月組が必死になって紅蘭を殺した犯人を、アイリスの行方を探したが、そのすぐ翌日に新たな事件が起きてしまった。
桐島カンナが、頭を砕かれて殺されていたのだ。
彼女が愛用していた、訓練用のダンベルが凶器だった。
重い重いそれで、カンナの頭は脳髄が飛び散るほどに滅多打ちにされていた。

そして同時に、真宮寺さくらもその姿を消した。
大神は酷く狼狽し、花組の混乱はさらに大きくなった。
思えば彼女の精神が不安定になりだしたのもその頃からだったのかもしれない。
424ネバーランド・2:02/09/10 03:55 ID:2YqQTjXP
長い髪を揺らしながら、彼女がアイリスからの手紙をもって走りこんできたのだ。
大神は驚きに朝食の味噌汁を零しそうになった。
彼女は封筒を差し出し、大神が読み上げるのを今か今かとまっている。
大神は頭を軽く撫でてやって、手紙の封を切った。

アイリスが消え、紅蘭が、カンナが殺され、さくらが消え…。次に見つかった織姫の死体の凄惨さは、大神もよく覚えている。
内臓が音楽室中に飛び散っていた。気の遠くなるような、血と臓物の匂い。
どんな残忍な人物が、腹を裂き、内臓を引きずり出してひきちぎり、撒き散らすような真似が出来るだろう?
しかし彼女の体は腹部の損傷を除き、外傷どころか抵抗の跡さえなかった。
彼女の腹部で爆発でも起こったとしか考えられないという解剖結果を、大神は他の隊員たちに知らせる事が出来なかった。

…しかしとにかく、アイリスは生きていた。家出をしただけだったのだ。
だからこそあの凄惨な事件から逃れる事が出来た。
手紙には、家出については何もかかれていなかった。もう触れたくない事なのだろう。
大神達の引越し先がわからずなかなか連絡できなかったという愚痴と、
そして1週間後にホームパーティーを開きたいと書かれたそれは、現在の住所も添えられていた。つまりは招待状だ。

「いってもいい?隊長…」
「勿論いいけど……夫婦なんだから、隊長って呼ぶなっていってるだろ?レニ」
大神は苦笑混じりに妻の頬にキスをしたが、意図とは逆に彼女の表情は曇ってしまった。

「…夫婦なんだから、キスは唇にするべきだ」
大神がレニの唇にキスをくれたのは、結婚式のただ一度だけである。
「うん…それはレニがもうちょっと、大人になったらね」
ボク、もう19なんだよ。来週には、20歳になるんだよ。そう叫ぶべきだっただろうか。

大神が本当に愛しているのはさくらだ。自分ではない。
その事実と大神の残酷な優しさを知っていたからこそ、レニは何もいうことが出来なかった。
実際、二人が結婚しこの小さな長屋に居を構えてからも、性行為は一度もなかったのだ。
まるで父親のように、大神はレニを優しく見守っていたけれど。
「隊長と結婚できて、アイリスも生きていて、ボク…こんなに幸せだ」
レニは言い聞かせるように呟くのだった。
425ネバーランド・3:02/09/10 04:01 ID:2YqQTjXP
今も、レニはそのときのことを夢に見るときがある。

「レ…っ…レニ…」
「すみれ、喋っちゃダメだ!すぐ隊長が医者を呼んできてくれるから…」
神崎すみれはその美しい顔にじっとりと脂汗を浮かべ、
形の良い唇を震わせながら何かを伝えようとしていた。
血と涎とが混じりあってつうと零れ落ちる。
「すみれ、しっかりして!大丈夫だから…」
そう言いながらも、レニには叩き込まれた知識のおかげですみれが助からない事がわかってしまっていた。
自らの薙刀で腹を抉るかのように引き裂かれ内蔵が零れ落ち、
あたりは彼女自身の血で真っ赤に染まっている。
今彼女がこうして意識を保っている事さえレニには不思議だった。

「…レニ…お気をつけ、…な、さ…い…」
荒く息をしながら絞りだすようにそこまで言って激しく咳き込む。
「く、う…っ」
彼体を揺らすたび新しい血が溢れ出し、止血を試みていたレニの袖を濡らしてゆく。

吐血し喉を鳴らし、それでもなお口を開いたすみれの、血に染まった舌の艶すら感じられたほどの赤さ。
それはレニの脳裏に深く焼きついた。

「あの子は、…もう…っ」
そのあとすみれはもう声は出せなかったけれど、確かに唇を動かしていた。
まるでスローモーションのようにゆっくりと。

レニは読唇術の心得がある。普段ならばすみれの言わんとした事を理解する事が出来たはずであった。
しかしその時の記憶は、弱くなっていくすみれの脈と、自分を抱きとめてくれた大神の暖かい胸。
そしてただ一面に広がる赤い色とむせ返るような血の匂いだけだ。
幼い頃から拷問ともいえる訓練や実験を受けてきた彼女もその時ばかりは人間だった。
すみれが、想像を絶する痛みと苦しみの中で伝えようとしたことが何であったのか。
今となってはわからないが、それを耐えてまで伝えねばならなかったほどに、
重大な事であったのは確かである。
426ネバーランド・4:02/09/10 04:13 ID:2YqQTjXP
レニはアイリスへの返事を書くべくレポート用紙を取り出しかけ、1人小さく首を振った。
女の子がこんなもので手紙を書くものじゃないよ。大神が見たらそういうに違いない。

しかし彼女は可愛らしい便箋など持ってはいなかったので、近所の文具店まで買いに行くことにした。

大神は花組・元隊長であるし、レニも僅か8歳という幼い頃から星組隊員として、
加えて欧州で、そして帝劇で絶賛された舞台女優でもあったのだ。
華撃団を引退したと言っても蓄えは充分にあったから、大神は本当に一日中レニの傍にいた。
それでも無職というのが真面目な性格の彼には気が引けたのか、
最近は新しく乙女学園卒業生を中心に組織された花組・二期生の訓練について、
月組を経由し文書などで協力しているようだが、それでも家を留守にする事はない。

外に出かけようとしたレニを認めた大神が「1人で大丈夫かい」と声をかけてきたので
ちょっとそこまで出てくるだけだよと答えたが、大神は首を縦には振らなかった。
「危ないだろ。俺が一緒に行くよ。フントたちの散歩だってあるだろ?」
フントとその子犬たちの首輪につける縄を手にとって大神はこちらへやってくる。

帝劇からつれてきたフントも今やお嫁さんを貰って、6匹の子犬のお父さんだ。
フントにさえ負けてしまったと、レニは寂しく笑うのだった。
「さあ行くぞ、トルテ、ポーチカ、花丸、ダイ、ロン、シロ、アルタイル!」
子犬たちははじめレニが、アインス、ツヴァイ、ドライ、フィーア…
と名付けたのだが、ただ数字を意味する名前であると知った大神に言われて変えた。
フントがただ犬という意味であると知った時には笑ってくれたものなのに。
しかしレニは大神には逆らわない。

「いつも言ってるだろう。絶対1人で外に出ちゃダメだって。」
たかだか歩いて数分の文具店なのに、とも、やはりレニは言わなかった。いつもの事だからだ。
街がクリスマスを目前にいつも以上に華やかに、そして賑わいを見せているとしても。
大神の中でレニはいつまでも子供なのだ。だから唇へのキスも、性交渉もない。

彼に言われて伸ばした髪が風になびく。邪魔だと思いながらもレニはそれを切る事が出来ないのだった。
427名無しさん@ピンキー:02/09/10 04:26 ID:2YqQTjXP
335でつ。
皆々様にお言葉に甘え、どーんと飛び込ませていただきますた。
しかしながら想像を文章にするというのは大変に難しい事なのだと思い知り
こちらの職人様方にはますます頭の下がる思いです。

幼稚な表現、貧弱な語彙、怪しい日本語。初の長文に乱れる改行。。
何文字くらいで区切ればいいのかわかんないよママン!
読み辛くて申し訳ないです。
そしてまとめられず無駄に長くなる気配なうえ、
やはりこちらの趣旨とずれた内容である気がするのですがまだ続きますので
どうかご容赦、もとい脳内あぼーんでよろしくおねがいしまつ。
ご指摘や指導いただければ、謙虚に受け止めたいと思います。
428名無しさん@ピンキー:02/09/10 09:40 ID:AEjxWIPK

【 次 回 予 告 】

巴里の日本大使館前にたたずむ怪しい四人の男。
その直後シャノワールに日本大使館が占拠されたという通信が入る。
犯人は迫水大使らを人質に取り、身代金として1000万フランを要求。
そして、犯人は身代金の受け渡しに巴里華撃団唯一の生き残りであるコクリコを指名。
人質救出のため日本大使館に単身乗り込むコクリコ。コクリコの運命やいかに?

100gの御旗の下になうろぅでぃんぐ。
429名無しさん@ピンキー:02/09/10 21:07 ID:bvuEt+/k
またも新作SSと新人作家様の誕生か!
スレ立ての初期の作家さんたちは今はいなくなってしまったが大期待してますぜ!

レニ萌えだね。
作家さんでそれぞれ違うもんだなぁ。
430名無しさん@ピンキー:02/09/11 00:20 ID:qUM7ZKHs
>>ゲルさん
ご苦労様です!(`・ω・´)>
肺炎は危険ですからね、これからもどうかお体を大事に。

>>335さん
お待ちしておりましたよ。帝都マンセー!であります。
私は全然趣旨とずれていないと思いますよ。
私が勝手に考える100gの定義としては某番組風の言葉を借りれば
「切りたい!喰いたい!挿れてみたい!」であります。

ただ、書かれる方によって、読まれる方によって
この定義はおそらく微妙な違いがあると思います。
その違いが作品の個性とも言えますし、楽しみ方の一つかと思います。
だからそのまま335さんの思うように書いて頂くのが良いと勝手に断言させて頂きます(藁

レニ、アイリス、大神、さくら、そしてタイトルの「ネバーランド」…。
ウウム、誰が誰とどうなるのか、はたまたさらなるエックスがいるのか、楽しみですね〜。
431名無しさん@ピンキー:02/09/11 12:44 ID:EY3wigl8
しかし最近サクラ系のスレは元気ないねぇ。
やはり来春の血潮が出るまではこんな感じになるのかね。
432名無しさん@ピンキー:02/09/11 12:57 ID:EY3wigl8
死体画像…まさかここの固定が…

【社会】壁に「大怨」、NETで死体画像収集−宇都宮の祖母殺害事件★2
http://news2.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1031671038/
433名無しさん@ピンキー:02/09/11 13:42 ID:aC4RgdzY
北九州市の少女監禁事件

ttp://kyushu.yomiuri.co.jp/special/kankin/kankin0801a.htm

【社会】女児を感電死させ、遺体を細断、遺棄した疑い…北九州監禁事件、殺人容疑へ

http://news2.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1031018018

特に上の記事は非常に生々しいです。

>>432さん
漏れじゃないですよ。ウチは死体画像は苦手やで〜(藁
434名無しさん@ピンキー:02/09/11 17:34 ID:i9Z547Ms
とりあえず拙では無し。
435畜生さん@100g ◆666tXXX2 :02/09/11 18:43 ID:3MPMC5uk
拙も無罪で御座い。
いや、こういうものは妄想であるから、華があるわけで御座います。
こういった事件に対して必要な視点は、目立った趣味よりも根本的な内面部分で御座い。

それはそれとて、しばらくROMっていない間に随分とことがおこったようで……
来月あたりから落ち着きそうですが、今月はペースダウンで御座い。畜生。
436狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/11 18:47 ID:3MPMC5uk
28

『ふぅ。ふっ、ううっ。うううぅぅ…。ううううぅぅぅ……』
グリシーヌの短くも深い呼吸は、落ち着くにつれて嗚咽にかわっていた。涙がほほを伝って唇をしめらす。屈辱の味がした。
しかし、いつまでもこのままでいるわけにはいかない。立ち上がらなくてはならなくては。
手を寄せ、体勢をたてなおすために軽くひざを曲げる。その際、尻に押し込まれた棒が位置をかえて彼女の中で暴れる。
グリシーヌは顔を歪めて口をきつく結んだ。おもわず出そうになったうめき声を必死におさえているのだ。
これ以上やつを喜ばす必要はない。やつに与えるのはもう後悔だけで十分だ。その思いを胸にグリシーヌはこの場を去ろうとした。
だがウィリアムの非道はまだ終わっていなかった。。
どこまで辱めようというのか。
グリシーヌに残っていた理性と誇りを最後のひと雫まで奪い取り、人として去ることを許さぬということか。
重い足取りでこの場を去ろうとするグリシーヌ。その尻で揺らいでいる尻尾を見つめながら、ウィリアムが言葉をなげた。
『せっかちですな。まあ、早く狩りを開始したい気持ちは私もおなじではありますがね。
しかし、もうしばらくお待ち願いたいですね。何事にも最後の仕上げというものがある。
いくら空腹だからといって、まだソースのかかっていない料理を食べたのでは味気ないというもの。何より不作法!!
なに、時間はかけません。ほんのひと言、費やす時間をいただければ。』
そう言うとウィリアムはなにか呪文のようなものをつぶやき始めた。
437狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/11 18:48 ID:3MPMC5uk
29

変化はグリシーヌに起こった。いや、正確に言えばグリシーヌの中にあるモノに変化があった。
彼女の尻に埋もれている棒が、いかなる変貌をとげたのかは外見では判らない。
彼女は右手で尻を押さえ、左手で下腹部を当てている。まるで彼女の中で暴れているものを抑えようとしているように。
足は震えはじめ、立っていることも困難なようだ。
時折り激しく背筋を反り返させる。まるで彼女の体に電流が流されているような反応だ。
ついにグリシーヌはヒザを屈し、大地に身を沈める。言葉の堰も崩れ果てたようだ。
『ああっ!!な、何!?ぁっ!!?私の、私の中で震え…あっ…お、お願いだっ!
これ以上は!!いやっ!これ以上はぁ……、た、頼む。これでは…歩け、なっ、あああああぁぁっ!!!
いやっ!!、あああぁぁ…、いやぁ………』
『ふふ、苦しいですか?それとも別の理由でつらいのですかな?まあ、どちらでもよろしい。
どうせ答えることなど出来ますまい。お忙しいようで何より!!』
『ああっ…ああああぁ……』
『今感じているとおり、あなたの尻をかき混ぜている棒はただの指揮棒じゃあないのですよ。
そいつはドルイドたちに作らさせた特別品でしてね、首輪付きたちの霊力と共鳴して増幅させる効果をもっているのです。
その時に副次的現象として振動を起こすのですが……その様子だと理由なんてどうでもよさそうですなぁ。ん?
しかし聞きたまえ。大切なことなのだから。』
438狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/11 18:51 ID:3MPMC5uk
30

『つまりだ。君と首輪付きたちが近ければ近いほど、また多ければ多いほどその振動は強くなるというわけだ。
現在は最大域に近い状態にあるわけだが、首輪付きたちから離れれば離れるほど楽になるだろう。
私としては逃げる力が残っている間にここから離れて欲しいのだが……君の自由意志にまかせよう。
無様にケツを振らして逃げるのも自由!!気がすむまで、気がはてるまで快楽を貪るのも自由!
自由!自由!!自由ッ!!!まったく素晴らしきかなフランス革命!
かくのごとき獣にまで自由と平等を与えるとは!!
解かっているかい?グリシーヌ。君には、いや君たちには自由の他に、平等も与えられているのだよ。
君が死ねば小僧も死ぬ。これほどの平等がはたしてこの世に存在するかね?
ははっ。まったく馬鹿げた法だ。愚者の法だ。真理を知らぬ、獣の法だ。
自然は常に不自由!自由は力の強いものが弱いものと相対した時のみ存在する!!
世界の本質は不平等!!富がすべての者に均等であった時、富はその価値を失っている!
だれもが持っており、だれにも渡してはいけない金貨にどれほどの価値があろう!!
なのにおまえたちフランス人はのたまう。自由を、平等を。
その結果がこれだ。グリシーヌ・ブルーメール!!
獣の法に従うおまえたちは、獣の如き痴態を演じて、獣のように屠ふられ果てるのがふさわしい!!』
439狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/11 18:55 ID:3MPMC5uk
31

尻から脊髄を伝わり、直接脳を犯しているような衝撃にグリシーヌは恐怖を覚えていた。
けっして痛みだけでそのように思うわけではない。
彼女が恐れているのは、なにもかも忘れて沈みふけりたいと思わせる快楽に対してである。
(あああ…何ていうことであろうか……
この私が尻部を弄ばれていようとは……。いや、それだけならまだいい。それだけなら誇りが傷つくだけですむ…
しかし私は、ああぁ…、しかし私は、この侮辱的な行為に対して喜びを感じてしまっているのか!?
これでは誇りが傷つくつかない以前に、みずから捨て去るようなものではないか!!
早く、早く去らなくては。距離さえとれば、収まる……私が…私でいられる間に…
くっ、今は奴の言う事を信じるほか無いのか……あのような外道の言葉をっ!!)
一歩一歩、いや、一歩にも満たない足をひきずるような歩みで、グリシーヌは猟犬たちから離れていった。
ウィリアムの言葉にうそは無かったようである。距離をとるごとに振動は収まっていく。
50メートルも離れたころには完全には消えていないものの、なんとか普通に動けるほどであった。
グリシーヌは振り返る。快楽のうずにかき消されそうになった、おのれの目的を確認するために。
瞳に映るのは二つの人影。
一つの影には厳しい視線を送る。
(必ず、必ず、この報いを受けてもらうぞ!!)
そしてもう一つの影にも、やはり厳しい視線を送った。しかし先ほどのような怒りに満ちたものではない。
それは少年を救い出すという決意によって表れた厳しさであった。
敗北は許されない。私自身の誇りのために、あの少年の命のために。彼女の目はそのように語っていた。
440狐狩り ◆666tXXX2 :02/09/11 18:57 ID:3MPMC5uk
[ 指揮棒に関してドルイド協会がウィリアムにあてた手紙。 ]

生き残った犬たちは、もっともそれを犬と呼ぶかどうかは殿下にお任せしますが、
そのままでは魂の状態が不安定なため、必要なときに力を引き出せるようにして、負担を減らすようにしております。
そしてそれを操作するのが、今回勢作いたしました指揮棒なのでございます。
長さ20センチ、直径3センチ程度と指揮棒としてはやや小ぶりでありますが、
尾底に殿下が勝利の証しとして得られた、狐の尻尾を飾り付けられれば見栄えもよくなるかと。
小さく作りましたのは機能上の理由なのです。
犬たちの霊力増大は、指揮棒に組込まれた霊的核との共鳴のによって発現いたします。
しかし共鳴を起こさせるには、微量ながら呼び水となる霊力が必要となります。
霊力に関しては一般人レベルでも発動させられるのでなんら問題はございません。
問題は共鳴効果のほうにあるのです。指揮棒はあくまで犬たちの霊的制御を目的に作られたものであります。
(猟犬たちとの主従関係には干渉いたしません。そちらは前日に行いました契約の儀式で完了しております。)
そのため、もしウィリアム様の霊力が急激に上がったり、霊力の強い者が持っている時、
または犬たちの霊力が過剰に上昇した場合、
指揮棒の霊的核は振動現象をおこし、余剰な霊力を物理的エネルギーに変えて相殺する仕組みになっております。
よって、あまり大きく作りすぎると振動の負荷に、殿下の手が耐えられなくなる可能性がございます。
そのため指揮棒を可能なかぎり小型につくりましたのです。
緊急処置として、なんらかの理由で振動が発生し、なおかつ指揮棒を手放せない状況を想定して、
呪文を唱えれば指揮棒と接触面を離れなくさせるようにしてありますが、多用はおひかえ下さいませ。
441名無しさん@ピンキー:02/09/11 22:32 ID:Nw2Lm4fX
>畜生さん
いいねえ、この展開。
誇り高きグリシーヌには、これ以上の屈辱を与えてやって下さい。
そして、最後はもちろん、喰っちゃうんでしょ?
442名無しさん@ピンキー:02/09/12 21:26 ID:/gJbrYfm
相変わらず、寂れてますねえ。
暇人さんとか何処行ったのかな?

畜生さんに期待しよう。
443名無しさん@ピンキー:02/09/12 21:39 ID:gWC7BMVA
442=暇人
444名無しさん@ピンキー:02/09/12 21:50 ID:gWC7BMVA
                           ┗0=============0┛
               \===========[_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_]===========/
            /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
                  0 │ |∞∞∞ |::|∞∞田田∞∞|::|∞∞∞ | ::|  0
            [二] | ::|       |::|┏━━━━┓|::|       | ::l [二]
◎○@※◎○@※. |□|.│ |┌┬┐ |::|┃ 畜生  ┃|::| ┌┬┐| ::|. |□| ◎○@※◎○@※
ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii| `)三(´| ::|├┼┤ |::|┃ ∧_∧ ┃|::| ├┼┤| ::|`)三(´il|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|
@※◎○@※◎○ | ::| | ::|└┴┘ |::|┃(´∀` ) ┃|::| └┴┘| ::| | ::|  @※◎○@※◎○
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ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|l ○    ●        ∫∬∫∬        ●    ○ ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|li
               ○○  ●●      iiiii iii ii iiii       ●●  ○○
           [ ̄ ̄] [ ̄ ̄]   ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)    [ ̄ ̄] [ ̄ ̄]
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   あんなグロ小説を書いたばっかりに……  ザワザワ  かわいそうに  ナモナモ……
445名無しさん@ピンキー:02/09/12 21:52 ID:gWC7BMVA
______
|   ∧ ∧  |
| 〔(暇人)〕 |
(⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
|⌒⌒⌒ <⌒ヽ o 。 うああぁぁ...
|      <_  ヽ。
|      o とノ ノつ
|       。  | 〜つ
446ゲルリッヒカノーネ+ ◆.hMBfEPs :02/09/12 22:25 ID:+RRAq0CM
……あー、レス書こうと思いましたが、量が……(´Д`;)
一応、知ってる方にのみ返信を……。
>畜生さん
まだ続いてるんですね、お見逸れしました。
しかし、しつこく嬲られるグリ。萌えです。
ただ……ゴメンナサイ、この野郎本気でコロシタイ……。

>名@1さん
ご苦労様でありました、なかなか意外なキャスト(と言うか役割)で、楽しませてもらいました。
自分の作品のネタを、人に叩き直してもらうとここまで良くなるのかと、意外な発見です。
とにもかくにも、カレンダーにあわせたような花火SS、ありがとうございました。

>>423-427
新人さんですか、ご苦労様です。
レニと大神、そしてアイリス……妄想は膨らみます(w。
それと改行ですが『ワンセンテンツ・ワンワード(だったか?)』と言って、
一つの意味が終ったら、そこで切るのが良いようです。
こういったものは、経験していく事で解るようになるそうなので、精進あるのみですね。

すみません、SSうpはもうしばらく……(ゴフッ)。
447名無しさん@ピンキー:02/09/12 23:08 ID:XbzBCiUO
正直、444getを狙っておりましたが……半分はかないました。
それもまたよろし。
>>335殿
創作は楽しいもので御座いますが、なかなか勝手が掴めないと難しゅう御座います。
拙も基本を学んでいる最中でありますので、いろいろ情報を差し上げられると思います。
さしあたって、以下のページなどオススメで御座い。
【小説作法】
ttp://anzu.sakura.ne.jp/~hat/denki-1.htm

>>ゲル殿
肺炎で御座いますか……
拙はそのような重い病いをわずらったことがありませぬゆえ、逆に恐ろしさがふつふつと
湧きあがります。
幸いと言ってよいのか、現在のスレはまた〜り傾向で御座いますので、養生に励んで下さいまし。
448名無しさん@ピンキー:02/09/13 00:27 ID:PgpQIw5N
皆さん来ておられる様なので私も便乗。

>>444
畜生さんが…ってこのスレにおいて
葬式AAにまつられるのはステーイタスですからね、
むしろお祝いせねば。←無礼者!

>>ゲルさん
レスありがとうございました。楽しんでいただければ本望であります。
このスレにおられる全ての方が私の師匠です。
ですからこうしておる今でも師匠から何か盗もうと必死でございますよ。
ゲルさんの健康とグリシーヌ嬢とゲオルグに乾杯!(・∀・)ノ日

>>447さん
すごいHPですね、参考になりまくりました。
なるほどと思わされることばかりです。
少しでもこの教訓が自分の頭の中に残ることを祈るばかりです(祈るだけかい!)
特にこの方のエンターテインメントに対する考え方に激しく共感しました。

…たぶんこの人はプロレス好きに違いないとおもいました(藁
449名無しさん@ピンキー:02/09/13 08:25 ID:E10Ftfzl
葬式はステータスだったのか。
450名無しさん@ピンキー:02/09/14 14:47 ID:Yy2to2AE
皆さん頑張っておられますねぇ。
私もあちこちウロウロしていて落ち着かない日々を送っておりますよ。

暇人氏も忙しいようですね。
…それとも卒業されたのでしょうか。
451暇人 ◆R5GSeiYY :02/09/14 21:33 ID:0B9RiWIA
水面に血の赤い水紋が靡き、そして消えた。
全ての風が凪いだように静まり、虫の音さえも消え果てたその刹那。
銀月を映える平坦な水面には、ただ物憂げに佇む花火の姿が寂しげだった。
そんな停止した時を、花火の風鈴の硝子のような細く長く続く悲鳴が打ち消して。
「…嗚呼、大神さん…! 大神さんが…!」
そして、その浴衣の半身がしとどに濡れるのにも関わらず、大神が沈んで行った水辺にその半身を浸らせながら、
ちゃぷちゃぷと袖から水を滴らつつ、水を掻く。
そんな花火の声を聞きコクリコは「…! 花火…イチローがどうかしたの!」そして俊敏に駆け戻る。
「コクリコさん…! 大神さんが…。私が付いておりながら…こんな…事」
薄い絹で織られた浴衣がその華奢で仄白い肌にぴたりと張り付き、その細い項に漆黒の髪の毛を張り付かせなが
ら、下半身をその水の溜まりに踏み入れ、花火は泣いていた。
何が起こったのかも理解出来ずに、花火の両肩を揺すりながら「ねぇ…イチローは? ねぇ…花火? イチロー
は何処!」そしてゆるゆると激して行く。
花火はコクリコに揺すられるがままに「大神さんは……」そして彼女の可憐な唇は悔しそうに戦慄いている。
「早く言ってよ! イチローは何処に行ったのか…!」
恐らくは不吉な予感からか、彼女も又その背中に汗で浴衣をぺたりと張り付かせながら、まだ乳の香りが残るソ
プラノで鳴く。
その時、花火はコクリコの腕を掴み、水の中へと引き込みながら「大神さんは…ここに沈んでいます。でも、貴
女には…もっと」そう言い、懐中から取り出したハンケチでコクリコの鼻から口元を塞ぐ。
急速に遠のく意識の中、花火が「…当家に続く…夜伽の秘薬。朝鮮朝顔と…阿片の混交物です…。ふふ、ゆっく
りと、ね。コクリコ…さん」そう呟くのを耳にし、彼女の意識は闇へと落ちる。
452真夏の夜の夢 ◆R5GSeiYY :02/09/14 21:36 ID:0B9RiWIA
コクリコは全身を粟立てる不快感に呻きながら…軽く嘔吐した。
まだ、頭の芯がぼんやりと痺れている。
ただ、前後左右の感覚も無く…船に揺られているかのように…視界がくるくると回っている。
「あらあら。浴衣…汚れてしまいましたね」
そうして…まるで、毎夜の大神の如く…静かな中にも熱い熱情を押し殺したような手付きで、コクリコのアオザ
イをはだけさせて行く。
ちりり…という、虫の声。
遠く…遠くから木霊する花火の爆ぜる音。
コクリコには何が起こっているのか、いや…ここが何処で、自分が何物かさえも…忘我の中に溶けている。
「…ぅぅ…。ィ…イチロー……? いやだよ…こんな…事。ぅ…ん…んん」
コクリコの口腔を舐って行く…熱くぬめる、花火の舌。
そんな花火の舌を無意識の内に舐り返す…小さな鳥のような舌。
そんなコクリコの焦点が合わない鳶色の瞳の中に、黒々とした花火の瞳が映り込んでいた。
「この瞳が…この唇が…この肢体が、大神さんを狂わせていったのね…。罪な…それでいて可愛い…コクリコさん」
コクリコの幼い双丘がはだけたアオザイの隙間から零れ、その健康的に日焼けした手足の肌とは対照的に、仄白い処
女雪のような純白の…乳房。
その乳房を夜気が嬲り、蟠る闇の中から漠とした獣の遠吠えが風に乗り、彼女達の耳朶を打つ。
花火は前髪をかきあげながら…その乳房の小さな蕾にそっと口付けした。
「…ぅ…ぅ…ん」
コクリコの茫洋とした瞳が灰の中に燻る情欲の炎の片鱗を垣間見せ、もどかしげに小さな両の太腿をきつく交差させ
…熱い吐息を一つ。
そんなコクリコの痴態を見下ろしながら、ほくそえむ花火。
453真夏の夜の夢 ◆R5GSeiYY :02/09/14 21:37 ID:0B9RiWIA
そしてコクリコの乳房の先を口腔内でちろちろと嬲りながら、全ての指が何かを求めるかのように細かく震えている
コクリコの掌と自らの掌とを重ね合わせ…コクリコの小指をあらぬ方向へと折り曲げる。
関節が外れ、小さな小指の骨がぽきんという軽やかの音と共に、折れた。
コクリコの双眸は見開かれ、その口が絹のような叫びを放とうとするその刹那。
花火の口がそのコクリコの口を塞ぎ、花火の口に中に含まれていたどろりとした薬液がコクリコの口へと流れ込み、
コクリコの咽頭はこくこくと何かを嚥下し、それと共に叫びも飲み込まれる。
再び忘我の状態に追い込まれたコクリコこそ哀れ。
その視線は再び、夢幻の世界をさ迷いだした。

ぽきん…ぽきん。
時には…ばきぃという音が誰も見るものとて無い、深い深い鎮守の森に響く。
コクリコの喘ぎと悲鳴の中間に位置する…鳴き声。
そして花火のくすくすと慎み深い艶笑。

「ねぇ、コクリコさん」
花火のころころとした柔らかな囁きがコクリコの耳朶へと送りこまれる。
「貴女の古里、仏領印度支那に…」
そこで言葉を切り、もう一本の指を小枝を折るかのようぽきんと折ながら「帰りたいですか? もう、厭でしょう…
仏蘭西も日本も。貴女にとって厭な事ばかりですもの」と。
コクリコの脳髄は阿片により侵され…既に正気を失いかけていた。
潤んだ瞳で花火を見上げながら、こくこくと小刻みに小さく何度も頷く。
そんなコクリコの亜麻色の髪を梳りながら「…そうね。でも、その前に…ね?」そう小首を傾げながら微笑む花火。
佯狂だったのかもしれない。
或いは…始めから狂っていたのかもしれない。
454真夏の夜の夢 ◆R5GSeiYY :02/09/14 21:37 ID:0B9RiWIA
そうして、先ほど…大神の心の臓からの熱き血潮を啜ったばかりの短刀を取りだし、ゆっくりと振り上げる。
銀月の光のカーテンと大神の血の赤。
そして…花火のこの世のものとは思えないほどに美しく、恍惚とした表情を前にコクリコはただ惚けたようにその光
景を見上げていた。
プッゥ…ぷっ。
張り詰めた弦を切るような音、コクリコの二の腕の付け根そして足の付け根の腱を切り裂き…末端の神経を損傷させる。
申し訳程度に吹き出るコクリコの血潮を浴び、花火の漆黒の浴衣が更にその闇の色を深くして行く。
「…痛ぃよう…イチロー……痛いよ…」
ぼんやりとした意識の中ですら、痛みを感じその眉間に皺を寄せつつ…幼子に返ったようにコクリコは鳴く。
四肢の腱を切断し、返り血がその死人のように白い肌を彩っている姿のまま花火はコクリコを抱き起こし、首筋を優しく
撫でながら「痛いですよね。もう少し…あと、もう少し我慢して下さいね」そして月夜を見上げ嘆息する。
「…フィリップは私を置いて行きました。そして…大神さん。貴方は私に生きる意味を与え…再び奪いましたね。だから、
私も貴方の一番大切な物を奪います」
そして虚ろな目をしたコクリコに慈母のように微笑みかける。
「これで…生きていたならば。…必ず二人で行きましょうね…コクリコさんの故郷に」
そうしてコクリコの首の裏…延髄の部分にそっと少しづつ、刃を差し込んで行った。
遠くから聞こえていた祭囃子の学の音も既に消え果て、大気には濃厚な夜の気配が漂い出す。
ぽたぽたとコクリコの血が良く肥えた黒土に吸いこまれ、又闇の奥で獣どもの声。
455真夏の夜の夢 ◆R5GSeiYY :02/09/14 21:38 ID:0B9RiWIA
「あ、そちらの荷と…ああ、こちらの荷も船室に運んで下さい」
潮風が彼女の長い黒髪を嬲り、そして仄かな磯の香りを残して行く。
その風に飛ばされる事が無きように、花火は白いレースの刺繍も美しい帽子を片手で押さえながら、清々し海の空気を胸
一杯に呼吸する。
カモメが一羽…二羽、所在なげに船の上を旋回しているのを見上げながらそっと微笑む。
そんな花火の足元にある荷は後一つを残すのみ。
その荷は彼女自身が船室に運ぼうと思っていた。
小さな鳥籠のようなバスケットに覆いがなされ、静かに彼女の足元に静置されている。
花火はその足元のバスケットを優しく見下ろしながら囁く。
「さあ。もう少しですよ……コクリコさん」

…多分、誰も知らない。
そのバスケットの中に手足が切断され、その上延髄を損傷させられて話すことも動く事も最早適わぬ…まだ年端も行かな
い少女が押し込まれている事を。
そして、その少女の呻きとも嗚咽とも付かない…小さな小さな声が悲哀に満々ていた事を。
誰も聞くものも無く…風に乗り、消えて行ったその助けを求める悲痛な声を。
…多分、誰も聞いていない。
456名無しさん@ピンキー:02/09/14 21:42 ID:0B9RiWIA
どうも本当にお久しぶりでした。
サクラに新作が出るまでに、何とか日本的情緒を体得したいと
願う今日この頃です。

一応、続きでした。
…夏が完全に終わる前にあぷしないと格好がつかないですから(w
他の方の作品、読ませて頂いてから感想をかきこさせて頂こうと思ってます。
では、ひとまず。
457名無しさん@ピンキー:02/09/15 01:15 ID:llVSyosj
                           ┗0=============0┛
               \===========[_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_]===========/
            /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
                  0 │ |∞∞∞ |::|∞∞田田∞∞|::|∞∞∞ | ::|  0
            [二] | ::|       |::|┏━━━━┓|::|       | ::l [二]
◎○@※◎○@※. |□|.│ |┌┬┐ |::|┃ 暇人  ┃|::| ┌┬┐| ::|. |□| ◎○@※◎○@※
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@※◎○@※◎○ | ::| | ::|└┴┘ |::|┃(´∀` ) ┃|::| └┴┘| ::| | ::|  @※◎○@※◎○
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◎○@iiii※◎○@ ┣┳┳┳┳┳┫|::|┗━━━━┛|::|┣┳┳┳┳┳┫ ◎○@iiii※◎○@
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    (    )(    )(,    )(,,    )    ,,)(    )(    )(,    )(,    ;)
   あんなグロ小説を書いたばっかりに……  ザワザワ  かわいそうに  ナモナモ……
458名無しさん@ピンキー:02/09/15 09:43 ID:bGxc5oR4
>>暇人氏
おお、お久しぶりですね。
てっきり引退されたものかと思ってましたよ。
サクラ大戦関係も最近は何だか寂れてしまって…。

お忙しいとは思いますが、いらっしゃられないと寂しいものですからね。
何しろ伝説の方ですから。
459ゲルリッヒカノーネ+ ◆.hMBfEPs :02/09/15 11:15 ID:B0DxOyXj
SSの書き込みが掲載可能レベルまで出来たので、うpします。
それと機材が変わった為、トリップ違いますが本人です。

>447
肺炎になりかけてたんです。
肺炎そのものではないのでご安心を。
まぁ、ゆっくり書いてます。

>448
いやはや、医者の不養生とはよく言ったモンです(ぉ?)。
しかし自分みたいなのが師匠でええノンかいな?
そちらも健康にはご注意を

>暇人様
SS完結、おめでとうございます。
なんとも凄いSSですね(^^;A、花火がこんな事をするとは。
花火=陵辱される者というイメージが、打ち砕かれた瞬間でした。

ちなみにまだ陵辱編に入りません、ご了承を。
460ゲルリッヒカノーネ+ ◆.hMBfEPs :02/09/15 11:18 ID:B0DxOyXj
俺の合図と同時に、爆薬によって扉のロックが吹き飛ばされ、間髪入れずに
ヤフキエルがドアを蹴破るために近寄る。
その後ろから、俺達が飛び込む為にエリコン20mm機関砲を身構えたその瞬間、
ドアが内側から蹴破られ、何かが飛び出した。
そいつは手近に居たヤフキエルを、その長い爪を突き刺して屠り、
盾のようにかかげるとその場に立ち止まる。
異様に尖ったデザイン。カラーリングこそ
一般的なグリーン系で塗られているが、各所に塗られた赤と金、そしてシャークマウスの塗装が毒々しい。
間違いない、ロベリア・カルリーニ搭乗の光武F2だ。
「ヘラクレスよりラビットパンダ、虎が出た!対処法を教えられたし!!」
『こちらラビットパンダ、機体の回収が目的だ、搭乗者の生死は構わん。全力で潰せ』
「ヘラクレス、了解!」
答えると同時に、右ステックのウェポントリガーを引く。
轟音と共に砲口から砲弾が吐き出され、光武の足元や背後のコンクリートを削り取る。
俺が機関砲を撃ち出したのを見て、僚機も射撃を開始し始め、
ボツボツと有効弾が出始める。
ヤフキエルを前衛に出したのは正解だった。
おそらくロベリアにしてみれば、搭乗者を人質に取ったつもりだろうが、
いくらでも使い潰しの利くヤフキエルの為に、攻撃を躊躇するほど俺達は甘くない。
あわててヤフキエルを捨てようとするロベリア機だが、
腕をヤフキエルがガッチリ掴んでいるため、なかなか捨てられない。
そこに隙ができた。照準を足元に合わせ機関砲をブチ込む。
461ゲルリッヒカノーネ+ ◆.hMBfEPs :02/09/15 11:25 ID:B0DxOyXj
撃ち出されたある弾は地面にめり込み、またある弾はロベリア機の関節を破壊する。
熱さで水蒸気を上げる銃身から、最後の薬莢が『コォン』という音を立てて地面に落ちた時、
ロベリア機の機動力は完全に奪われていた。
しかし、それでも抵抗を続けようと言うのか、左手で体を支え、右手で攻撃姿勢をとりつづけるロベリア機。
しかし背後からせまった、もう一機のヤフキエルにより機関部を破壊され、あっさりと機能を停止した。
「ラビットパンダ、虎は排除した。これより倉庫内の索敵を行う」
そう無線機に呟き、マガジンを代えて、機体を倉庫に向き直らせたときだった。
ディーゼルエンジンの重い音とともに、倉庫の中からハイビームライトが照らされたのは。
慌てて俺達が扉の直線上から退くと、それを待っていたかのように
盛大なホイルスピンをさせながら大型のトレーラーが飛び出してきた。
運転手は、大きくハンドルを切って、何かが乗ったトレーラー部分を横滑りさせながら、
俺達の前をすり抜け、倉庫街の出口へ走り去ろうとしている。
「サンフラワー!!奴の足を止めろ!!」
とっさの命令に、メリッシュも面食らったのか、反応が出遅れた。
しかし、コンマ何秒の差でいくらも逃げられるわけが無い。
トレーラーは銃撃を受けて、あっけなく左タイヤをバースト(破裂)させられ、
水しぶきを上げながら横転して止まった。
462ゲルリッヒカノーネ+ ◆.hMBfEPs :02/09/15 11:26 ID:B0DxOyXj
戦闘終了を指揮車に報告し、トランスポーターを回すよう要請しておきながら、
横倒しになったトレーラーの運転台に近づく。
しばらく様子をうかがっていると、上向きになった助手席のドアが開け放たれ、
青い巴里華撃団戦闘服に身を包んだ金髪の女が姿をあらわした。
ひどく緩慢な動作から、どこかを脱臼したか、骨折したらしい。
ちょうど俺の機体に際して背を向けているので、気が付いていない。
好都合なので20mmの銃口を女の頭に押し付け、
ボルトをコックして一発目を薬室に押し込む。
その音に女の肩がぎくりと震えた。
「2階級特進したいか?したくないなら手を頭の後ろで組め」
拡声器を使って命令すると、女はぎこちなく手を上げ、言われたとおり頭の上で手を組んだ。
「よし、ゆっくりとこちらを向け。おかしな真似をしたら…撃つ」
濡れそぼった髪が動き、女がこちらをゆっくりと向く。
額に髪が張り付いた髪の下から、気の強そうな蒼い双眸が俺のことを睨んでいた。
しかし銃口を向けられている恐怖からか、顔色は青ざめ、唇も紫に変色している。
俺はなぜか、この女を生かしておきたいと思った……。
463名無しさん@ピンキー:02/09/16 00:00 ID:gp1Ml+E9
正直ぜんぜん100gじゃあないがイイね・・・
ただサクラ大戦ではなくフロントミッション的なフェルターで見えてしまうのは仕方ないな
暇人のやつもイイなあ・・・
鬼畜花火もさることながらコクリコ陵辱メインもめずらすぃ。
タイトルはシェイクスピアから?
あれは「夏の夜の夢」だったけど。
464名無しさん@ピンキー:02/09/16 00:07 ID:xUq79zrQ
>>463
タイトルはOVAとか小説版の「真夏の夢の夜」からじゃないの?
しかし流石は暇人だよなぁ。
465名無しさん@ピンキー:02/09/16 00:11 ID:xUq79zrQ
おっと全部書く前に書き込みしちゃった。

ゲルの方はロベリアか。
思うにサクラキャラで一番表現が難しいのってロベリアだろうね。
ま〜ロベリア自体がはっきりした立場を感じさせないキャラなのが原因なのだが。
ある意味一番リアルなのかな?
466名無しさん@ピンキー:02/09/16 16:32 ID:A0zddTeL
100g板ってまだ直らないのかな?
それにしても、2chに乱立する100gスレの中でもこのスレが一番…(゚∀゚)イイ!
467名無しさん@ピンキー:02/09/16 16:54 ID:xUq79zrQ
>>466
あそこの場合は100g板に限らず全部壊れてる様だしね。
さすがにここまで長いと直す気がないとしか…。
板の創設者もまるっきり存在を確認出来ないしどうなるのやら。

>2chに乱立する100gスレ
実際まともに動いてるのってここだけ?
468ゲルリッヒカノーネ+ ◆.hMBfEPs :02/09/17 08:22 ID:ITQ21zaw
静養しつつ書き込み中です。

>463
>正直ぜんぜん100gじゃあない
すみません。その内100gらしい内容になりますので、それまでご辛抱を。
たまには、毛並みの違う作品もいいのではないかと、ちょっと暴走してます。
まぁ、ゴキブリ入りプリンでも食べたと思ってください。

>465
そうですね、確かにロベリアは難しいです。
悪人なのに正義と言う矛盾を内包しているので、動かすのに注意が要ります。
もっとも、引き立て役として扱った場合は、便利なキャラクターですが。

>466
100g板の方はまだ修理がなされていないようですね。
やはり、独立稼動は難しいのでは?

>467
ここだけかどうかは分かりませんが、息が長く続いているのは、ここ以外は見かけませんね。
やはり、サクラ大戦というタイトルが効いているんでしょうか?

それにしても、なりきりとの会話って勉強になるな……。
469名無しさん@ピンキー:02/09/17 12:41 ID:gwm4PlMs
>>468
なりきりとの会話…とは?
470名無しさん@ピンキー:02/09/17 18:07 ID:1v0P10S0
遅レスですが、今の文部科学省の大臣…何だか、嫌な法案を通そうと
しているようですね。

>>畜生さん
これからがグリ様の正念場ですね。
英国貴族と仏蘭西貴族…個人的には英国貴族の方が好き…だけど、
あのウィリアムは……なんともはや、
でも、ノブレスオヴリュージュも去る事ながら、平民を見下す貴
族も…(゚∀゚)イイ!

>>ゲルさん
季節の変わり目は体調がおかしく成り易いですから…ご自愛下さい。
で、いよいよグリ様とロベの陵辱篇ですか?
もうエリカは出ないのかな。

>>469
2chのキャラネタ(二次元)板かな。
471名@1 ◆F54t4pQc :02/09/18 02:06 ID:2URQ3uhj


全ては一通の通信から始まった。

その日も、メルとシーは作戦指令室の掃除をしていた。
シャノワール開店前の時間にこの部屋を掃除するのは、常に変わらぬ仕事の一つであり、
二人の一日の始まりでもあった。

「ねぇ、メルぅ…。」
作業の手を止め、シーがメルに話し掛ける。
「どうしたの?」
掃除をしながらメルが答える。
「ううん、別に何でもないんだけど…。
一年前はここにみんながいたんだなぁって…。」
作戦指令室の机と椅子を眺めながらシーは寂しげに言った。
「そうね…。大神さんがいて、エリカさん達がいて…。」
メルも作業の手を止め、誰もいない指令室内を見つめる。
しばらくの間、二人は黙って立ち尽くしていた。
472名@1 ◆F54t4pQc :02/09/18 02:07 ID:2URQ3uhj

そうした沈黙の時を嫌って口を開いたのはメルだった。
「さぁ、そろそろお店を開けましょ。
シーもいつまでもそんな顔してちゃ駄目よ。」
メルは微笑みながらシーに声を掛ける。
「うん!じゃあ今日も一日張り切っていこうね!ヒューヒュー!」
いつものようにおどけながら、シーはそれに答える。

掃除を終え、二人は作戦指令室を後にしようとした。
その時、作戦指令室のモニターに通信ありを知らせる表示と共に、あたりに警告音が鳴り響く。
「メルぅ…通信が来てるみたいだけど…これっていつもと何か違うよ…ねぇ?」
困惑と不安が入り混じった表情でシーがメルに尋ねる。
そんなシーとは対照的にメルの表情はどんどん険しいものへと変わっていく。
「シー、忘れたの?これは緊急通信よ!」
473名@1 ◆F54t4pQc :02/09/18 02:10 ID:2URQ3uhj
   ,/⌒~~~~ヽ     どうもです。皆様いかがお過ごしでしょうか。
  ( i (  ___ )、   今回はコクリコで一本やってみようと思っております。(文部科学省・法務省ゴルァ)
  と__)ヽ⊃/ ∨ヽ⊃ 前半の内容が1.05倍よく分かる予告編(>>428)も合わせてお納めください。

             以上、名@1がお邪魔を致しました。
474名無しさん@ピンキー:02/09/19 00:02 ID:mV3BbDZR
寂しくなりますた
475名無しさん@ピンキー:02/09/19 21:04 ID:WUAGBVvo
ゲルのやつの続きが気になります
476名無しさん@ピンキー:02/09/20 12:40 ID:XPEW8CGu
そして誰もいなくなった……
477名無しさん@ピンキー:02/09/20 20:48 ID:oyBvBKsn
今月は本当に忙しいので御座い……
畜生。
478名無しさん@ピンキー:02/09/20 21:34 ID:ncJO7eVu
ま、熱き血潮が出るまでスレを保守するぐらいの気持ちで
マターリと逝きましょう。
しかし…確かに人がいないですねぇ。
479名無しさん@ピンキー:02/09/21 12:03 ID:LGSqNqtH
HN消すの忘れてた。

>469
すみません、>470さんが言っているようにキャラネタ板や太陽のなりきりさんの事です。

>470
>もうエリカは出ないのかな
さぁ、自分はひねくれ者ですから、どんな事されているか判りませんよ(邪悪笑)。
ちなみにグリは次回に回しです。

>名@1さん
おお!新作発表ですね、ご苦労様です。
シーの反応が、今の日本官僚みたいでワラタ。

>474
確かに
>475
ありがとうございます。
続きに関しては、今月中から来月初めごろを予定しています。
>476
あー、推理小説のタイトルでしたか?
>477
同じく。
>478
自分としては5に触手が動きます。
それまでこのスレを死守しましょう。

100グラマー様や暇人様は何処へ行かれたんでしょう?
480名無しさん@ピンキー:02/09/21 12:48 ID:eSsJjr/w
>>479
時々ROMってますよ。
昨日は偶然、サクラの最萌えに投票しました。
因みに470は私ですた…。
481名無しさん@ピンキー:02/09/21 14:50 ID:5kBua+HC
>>暇人さん
遅れましたがコクリコ花火話読ませて頂きました。
特に小指ポッキンがある意味では身近な(?)痛みだけにガクガク(((((((( ;゚Д゚)))))))プルプル しました。
関係ないですけど鼻の骨は折った事ありマス。

>>ゲルさん
たったコレだけの量にも関わらず感想を頂き、ありがとうございます(ノД`)。
シーは本当はもっとしっかりさんなのですが、どうしてもメルと差別化してしまうのか、こういった描き方になっちゃいますなと。
話変わりますが、まるで実際に見てきたかのような戦闘シーン、2階級特進…シヴィれます。
ヤフキエルと言えば、活動写真ようやく見ました。都会のレンタルビデオ屋マンセー! であります。

9月中に予告編の範疇を終わらせて、10月に本題に入ろうかと(いふ予定です。)
血潮まではまだまだ長いですが、私も微力ながらやれるうちはやれることをやります。
個人的には巴里のOVAが非常に楽しみです。
最萌は今の所皆勤、母親軍団に投票してことごとく玉砕(藁
482名無しさん@ピンキー:02/09/21 16:32 ID:pIoDX32N
>>479
私も一応いますよ〜
483名無しさん@ピンキー:02/09/21 18:05 ID:LGSqNqtH
チェックしてたら既にレスがついてるのでレス。

>480
最萌え投票したんですか。やっぱりグリ様ですか?
ちなみに向こうの810は自分です。

>481
いや、脇キャラでもきちんとキャラが立っているのは凄いですよ。
自分なんか、射殺対象としか見てませんから(藁)。
ちなみにヤフキエルで思い出したので、ルゥ・ラージュの基本スペックをば公開。
全  高:2876mm
自  重:1,5t
全備重量:2,9t
主 動 力:簡易霊子機関併用型ガスタービンエンジン
駆動時間:98時間
で、外見は凹凸が無くなって、すっきりした光武Fですかね。
ちなみに最萌えはことごとく連勝(笑)

>482
お〜、ダレダカワカリマセン。ゴメソ(汗)。
484100グラマー ◆gKddwfIM :02/09/21 19:46 ID:pIoDX32N
>>483
でございましたぁ
485名無しさん@ピンキー:02/09/22 10:08 ID:m3LwpPW2
畜生さんの続きが早く読みたいっす
486名@1 ◆F54t4pQc :02/09/23 22:47 ID:mloT2e/e

メルは素早く操作盤に駆け寄り、通信を受信する。
「もしもし、こちらシャノワールです!どうされましたか?」
モニターの画面に映し出されたのはおびえ切った女性の顔だった。
「こ、こちら、日本大使館です! た、大使の部屋で、じゅ、銃声が…。」
「大丈夫ですよ。落ち着いて話してください。
迫水大使の部屋で銃声がしたんですね? あなたは今どこにいるんですか?」
「わ、私は資料室にいます。大使の部屋の隣です。
大使に頼まれて、資料の整理をしていたら突然大使の部屋で銃声が数発聞こえて…。
誰が発砲したのかは分かりません…キャァァァァ!」
女性の悲鳴と共に数発の銃声が聞こえ、モニターの映像が途切れる。

「もしもし! 大丈夫ですか? 応答してください! もしもし!」
メルは必死に呼びかけたが、女性の返答はなかった。
通信から聞こえてくる銃声だけが、作戦指令室に響き渡る。
少しの後に銃声はやみ、今度は勢い良くドアを開ける音と共に、男の声が聞こえてきた。
「何故こんな事をするんだ! 一体何が目的な…ぐわっ!」
その声は紛れも無く日本大使・迫水典道のものだった。
音声しか聞こえない状態ではあるが、迫水が何者かに殴られ、倒れたであろう事は容易に推測できた。
「迫水大使! 大丈夫ですか! 応答してください!」
しかし、迫水もメルの呼びかけには答えなかった。
そして、キネマトロンに向かって何者かが近づいてくる足音が聞こえた後、
かろうじて通じていた音声も聞こえなくなり、通信は完全に途絶えた。

「メルぅ…。」
うつむいたまま、操作盤の前に立ち尽くすメルに対して、シーが声をかける。
その声でメルは我に返った。
「私は大使館の生体反応を調べるわ。
シー、急いでオーナーとコクリコさんに連絡して!」
487名@1 ◆F54t4pQc :02/09/23 22:48 ID:mloT2e/e

同時刻、賢人機関・巴里支部。

「…では、次は調査部から巴里華撃団の隊員死亡についての報告を。」

「エリカ・フォンティーヌ。
巴里郊外の農具小屋で他殺体となって発見。犯人は未だ不明。人外の者の疑いあり。

グリシーヌ・ブルーメール。
性的暴行を受け、妊娠。
本国に帰国し、療養中であるが、その精神的ショックから隊員としての復帰は絶望的。犯人は未だ不明。

ロベリア・カルリーニ。
収監中にサンテ刑務所で起きた看守・囚人大量虐殺事件に巻き込まれ死亡。
当時収監されていた死刑囚の一人が犯人と目されるが、未だ身柄の確保には至らず。

北大路花火。
グリシーヌ・ブルーメール邸地下室において帝国華撃団隊員マリア・タチバナと共に他殺体となって発見。犯人は未だ不明。
調査部からの報告は以上です。」

「巴里華撃団の隊員五人の内、実に四人が戦線離脱と言う訳か。」
「おまけに犯人はいずれも不明とは…。」
「しかし、幸いにも市民に目立った被害は起こっていない。」
「多少の懸念はあるが、オーク巨樹のような大規模霊的脅威の心配はなかろう。」
「これらの事件に関連性も見受けられませんし…。
まぁ、今回はたまたま隊員が相次いで不幸な事故に巻き込まれた…ということでよろしいですかね、ライラック伯爵夫人。」
「…はい……。」
ライラック伯爵夫人ことグラン・マはそう一言だけ言って唇を噛んだ。
いつもならば彼らの物言いに対して反論しただろう。
しかし、そうしなかったのは彼女達に対して強い負い目を感じての事だった。
488名@1 ◆F54t4pQc :02/09/23 22:49 ID:mloT2e/e

「ただ一人残ったのが…、確か…コクリコと言いましたかな。」
「ああ、彼女は高い霊力を持っている。おまけにまだ若い。戦力としては十分に計算できるでしょう。」
「ライラック伯爵夫人には今後も新隊員確保のための活動を続けて頂くと言うことで。」
「まぁ…最悪の場合、日本の帝国華撃団に隊員補充を要請する事も考えねばなりますまい。」
「ただいま候補に挙がっているのが、イリス・シャトーブリアン、ソレッタ・オリヒメ、
レニ・ミルヒシュトラーセ、いずれも欧州出身の隊員ですな。」
「向こうがそう簡単に出すかが問題だが…。」
「それまでは、そのコクリコとかいう隊員に働いてもらうしかないじゃろう。」

「では次の議題に入ると…。」
議長役の男がそう言おうとした時、男の側近が素早く駆け寄ってきて何やら耳打ちをする。
男は側近の報告を聞いた後、周りを見回しこう言った。
「厄介な議題が一つ増えたよ諸君。日本大使館が…襲撃された。」
489名無しさん@ピンキー:02/09/24 14:43 ID:EgWK6tg4
久しぶりに、アーマードコアをプレイ。
腕落ちてました(汗)。

>100グラマー様
……すみませんでした、見抜けなくて。

>485
そうですね。
畜生さんの書き方や文体は自分も好きなので。
速く見たいけど、SSうpが滞っている身としてはそんな事は言えませぬ、畜生(笑)。

>名@1さん
続きですね。
大使館襲撃……ペルーの日本大使館襲撃事件を思い出しました(古ッ)。
<戦力としては十分に計算できるでしょう
出来るのか!?Σ( ̄□ ̄;)
激しく不安……。
で、各隊員の状況ですが……。
<農具小屋で他殺体となって発見
<性的暴行を受け、妊娠
………名@1さん、面白く使ってください。

300gを見直して思った事「哲太さんはどこ行ってしまったんだろう?」
490名無しさん@ピンキー:02/09/24 15:04 ID:XWRlWr8N
>>489
個人的な解釈では哲太は100グラマーがいなくなってやる気を失ったのでは。
単に忙しいだけかも知れないが。
491名無しさん@ピンキー:02/09/25 00:17 ID:l1UE72vu
>>489さん
>ペルーの日本大使館襲撃事件
今回の妄想の出発点はまさにそれです(安直な!)

>戦力に出来るのか!?Σ( ̄□ ̄;) 激しく不安……。
言われてみれば猛烈にそんな気が…。
おもいっきりコクリコ友情応援に入っておりますな。
どうやら四人をあぼーんした事に一番負い目を感じているのは私のようです(藁

>各隊員の状況
このスレ伝統の華撃団壊滅(寸前)ネタをやってみました。
構想の早い段階で他の四人はいない事にしようと思いまして、
じゃあどうしようかと考えた時にイイのがあるじゃないか!ということで。
こんな事ができるのもまさにこのスレならではですね。

私も哲太さんには戻ってきてもらいたいです。
300えん後半のMVPであり、暇人さん、100グラマーさんから
ゲルさん、畜生さんへと続き今に至ると言う一大ムーブメントを起こした方であると断言してよいでしょう。
と同時に335さんのように新たな職人さんがどんどん増えますようにと願う今日この頃であります。
492名無しさん@ピンキー:02/09/26 22:45 ID:fkES+FK7
コッソリアゲマス
493名無しさん@ピンキー:02/09/28 11:34 ID:6VnwApfU
マターリ逝きましょう。
来年春の血潮では是非あやめを喰うSSを期待したい。
494名@1 ◆F54t4pQc :02/09/29 00:09 ID:XI5oQtZI

シーの連絡から数分後、コクリコが作戦指令室に到着する。
「シー、どうしたの? 緊急事態発生って書いてあったけど…まさかまた怪人が現れたの?」
室内に入るなり、コクリコはシーに尋ねた。
「それは私が説明するわ。コクリコさん、こっちに来てください。」
メルがそう言った瞬間、室内に再び通信ありを知らせる音が鳴り響き始める。
シーの表情は一層不安の色が濃くなり、メルも顔を強張らせる。
コクリコは事情が飲み込めぬまま、二人と指令室のモニターを見つめ立ち尽くしていた。

一瞬の沈黙の後、メルは意を決し、シーに向かってうなずいた後、通信を受信する。
「はい。こちらシャノワールです。」
通信は日本大使館からだった。
映像は先ほどの騒動でキネマトロンが壊れたのか、
依然途切れたままで、音声もひどく雑音が混じっている。

「…我々は……日本紅報軍である…。日本大使館は……我々が…占拠した…。
日本大使、迫水典道の命が惜しくば…、1000万フランを…用意しろ…。
現金でも小切手でも…どちらでもいい…、
ただし……、軍・警察・光武を少しでも…動かした場合…、人質は即刻…処分する……。
金は二時間以内に…用意しろ……それと、金の受け渡しは…、華撃団隊員……コクリコにさせろ…。
玄関は封鎖した……地下から来い…分かっているはずだ…。
我々はコクリコの顔も知っている…コクリコ以外の者が来た場合……人質もろとも全員…処分する……。」

通信の相手は何かで声を変えているのか、人間の声とは思えない、ひどく高い声だった。
「人質は無事なの? 迫水大使以外に人質は何人いるの? 答えなさい!」
メルは明らかに冷静さを失い、激昂していた。
「……来れば分かる…。」
その一言だけを発して通信は再び途絶えた。
495名@1 ◆F54t4pQc :02/09/29 00:10 ID:XI5oQtZI

通信が終わると同時にコクリコは外に向かって駆け出そうとした。
慌ててそれをメルとシーが止める。

「待ってください。どこに行くんですか!」
「どこに行くって…決まってるじゃないか! 迫水のおじさん達を助けに行くんだよ!」
「ダメですよ! 危険すぎますぅ!」
「相手は光武の事や、コクリコさんの事や、地下通路の事まで知っているんですよ。これは罠です!」
「じゃあボクにおじさん達を見捨てろって言うの? そんな事できないよ!」
「私は…もういやなんです! これ以上誰かがいなくなるのは!」
メルは突如感情を高ぶらせ、その場に顔を両手で覆ったまましゃがみ込んだ。

「エリカさん、グリシーヌ様、ロベリアさん、花火さん…みんないなくなって…
今度はコクリコさんまで…そんなの絶対いや!」
「メル…。」
めったに感情を表に出さないメルのその姿にコクリコは二の句を継ぐことができなかった。

「コクリコさん、後二時間ありますよぅ。
せめて、オーナーが帰ってくるまでここで一緒に待ってくださぁい!」
しゃがみ込んだメルを気遣いながら、シーもコクリコを説得する。
「ごめん…メル。心配してくれてるのにあんな言い方しちゃって…。」
496名@1 ◆F54t4pQc :02/09/29 00:11 ID:XI5oQtZI

そして、三人はグラン・マの帰りを待つことにした。
「…でも、やっぱり私は行って欲しくないです。」
「メルぅ…。」
「こんな事言いたくないけど、迫水大使は日本の人でしょ。
だったら、軍や警察が動けばいい話じゃない! 私達の仕事は巴里の街と人を守ることでしょ?」
「メル、それは違うよ。」
そう言いながら、指令室にグラン・マが入ってくる。

「オーナー…。」
「忘れたのかい? ムッシュ迫水は巴里華撃団の凱旋門支部長でもあるんだよ。
ムッシュ迫水を見捨てたって事になればフランスと日本の外交問題になるんだ。」
そう言った後、グラン・マは一枚の紙を取り出し、コクリコに見せる。

「賢人機関からの巴里華撃団に対する迫水大使救出要請だ。
もっとも、要請と言ってもアタシ達に断る権利は認められちゃいないけどね。」
「うん。まかせて。ボクが必ず迫水のおじさん達を助けるよ。」
コクリコは椅子から立ち上がり、グラン・マに向かって敬礼をしながら答えた。
「いい返事だ。頼んだよ。それじゃ現金の手配をするからちょっと待っとくれ。」
497名@1 ◆F54t4pQc :02/09/29 00:12 ID:XI5oQtZI

現金の用意に掛かる三十分の時間を利用して、作戦指令室で情報が整理された。
「それじゃ大使館の生体反応は分からないのかい?」
「はい…。大使館付近一帯だけレーダーに映らない状態が続いています。
犯人は何らかの装置を使って妨害電波を発しているのではないかと思われます。」
「向こうは今日の為に相当の準備をしてるってことだね…。シー。エビヤン警部からは何か情報は?」
「日本大使館の前で怪しい四人組の男が目撃されていますぅ。
全員東洋の人らしくて、その人達が大使館に入った時間も
ちょうどシャノワールに一回目の通信があった時刻の少し前だそうですぅ。」

「と言うことはその四人がおそらく犯人だろうね。
それにしても大胆なテロリストだねぇ、地下の入り口を知ってるくせに堂々と玄関から入るなんてさ。」
「あのぅ…オーナー? どうして犯人は小切手でもいいなんて言ったんですかぁ?
小切手は銀行に持っていかなきゃいけないから、ばれちゃうんじゃないかと思うんですけどぉ…。」
「おそらくスイスにでも逃げる気なんじゃないかい?
あそこなら賢人機関も警察も簡単には入れないからね。
まぁ、あの金額じゃマフィアも受け取っちゃくれないだろうし。
それに現金は思ったより荷物になる。だから今回は現金を用意してるんだよ。
犯人をできるだけ足止めするためにもね。」
498名@1 ◆F54t4pQc :02/09/29 00:12 ID:XI5oQtZI
10
三十分後、現金1000万フランが用意され、コクリコが出発する時がやって来た。
「さっきの情報は全部頭に入れたね。相手は相当のプロだ。くれぐれも気をつけるんだよ。」
「大丈夫だよ。ボク…、エリカ達と約束したんだ。ボクがみんなの分も巴里を守るって。
それにイチローもあの時言ってたでしょ? みんなで生きて帰ろうって。
だから…絶対迫水のおじさん達と一緒に帰ってくるから、安心して待っててよ! じゃあ、行ってくるね!」
笑顔で敬礼をしながら、現金が入ったリュックを背負い、コクリコは地下道に続く入り口を開き降りていった。

「コクリコさん…。笑顔でしたねぇ…。」
「コクリコさんは強いです…。本当は怖いはずなのに…恐怖と必死で闘っているんですよね…。」
「きっと大丈夫さ。あの子がアタシ達に嘘を言ったことなんてなかっただろ?
あの子の言葉を信じようじゃないか…。」
グラン・マがそう言った後、三人はしばらく地下道への入り口を無言で眺め立ち尽くしていた。
499名無しさん@ピンキー:02/09/29 04:17 ID:Fg0t3M2j
次回より大使館に突入。

これさえ読めば1〜10は読まなくてもいい(!)予告編は>>428

>>493さん
血潮楽しみですね。
特に巴里オンリー派の方に遊んで頂きたい一品でございます。

今から寝ますz
500名無しさん@ピンキー:02/09/30 01:27 ID:6uc//cRW
華撃団員を思い、感情を昂ぶらせるメルたん・・・・・・ゲト
501名無しさん@ピンキー:02/09/30 23:05 ID:Z3oaJB1d
>>500さん
メルたんはもう少し後にまた出番があるかもしれないので阻止!…というのは冗談で(藁

特に 意 味 も 無 く SM板を覗いたらこんなスレを見つけました。

「人間」を食べてみたい方はいませんか?
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/sm/1000825519/l50

変態殺人 みんだでカキコしよう!パート2
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/sm/1022599712/l50
502名無しさん@ピンキー:02/10/01 14:14 ID:Xiqe5mpK
都民の日sage
503名無しさん@ピンキー:02/10/01 19:02 ID:MRr1vlgI
>>501
面白かったよ。
…しかし、このような生々しさが些か足りなくなってきたの
かも。
物語性重視、上品になった…これは進歩か退歩か…それが問題である。
504名無しさん@ピンキー:02/10/01 22:46 ID:QDGQpphK
>>503さん
進歩か退歩か…について色々な見方、考え方はあると思いますが、
私もこの2つのスレを見たときには妙に新鮮さを覚えたのと同時に、
初めて100gスレを見たときの印象もたしかこんな感じだったなぁと。
何か忘れていた物を思い出したというか。生々しさは大事ですね。
505名無しさん@ピンキー:02/10/02 02:03 ID:/xhSZvbF
皆さんごめんなさい、手詰まりでうpが遅れそうです(汗)。

>490
単に忙しい方に私は掛けたい。

>名@1さん(一括返信)
新作良いですね、続きがとても気になります。
さてどんな料理をされるのか、愉しみ。
>巴里華撃団の隊員死亡
すみません、グリだけ死んで無いです(藁)。

>492
保守ありがとうございます。これからも本スレを御贔屓に……。

>503
自分としては、進歩と言うより熟成してきていると感じています。
ただ、初めて見たのも参加したのも、300円の最後あたりなので、あの頃に比べると寂れたな…と。
血潮が出れば、盛り返すかもしれませんけどね。

ちなみに、ここの職人に参考になるスレ。

・世界の拷問U(オカルト板にて発見)
http://curry.2ch.net/test/read.cgi/occult/1027484281/l50

・死刑の歴史(世界史板にて発見)
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/whis/994109037/l50
506名無しさん@ピンキー:02/10/03 00:10 ID:k5sT4RcO
>>505
スレの紹介感謝。
こういうのちょうど探していました。
507100グラマー ◆IggKddwfIM :02/10/03 19:07 ID:pip/eZBl
トリップテスト
508名無しさん@ピンキー:02/10/03 20:46 ID:X+BNTudx
お久しぶりです、グラマーさん。
トリップがどうやら新しくなったようですねぇ。
私も又新しいの考えないと…。

私も503のリンク先を拝見し、少々考えさせられる所がありました。
現在の方向性は一つの成熟だと思うのですが、原点回帰も又必要か
と…ただの私見ですが。
509名無しさん@ピンキー:02/10/03 21:39 ID:pip/eZBl
>>508
いえこちらこそ……って何方か判っていなかったり(;´∀`)

>原点回帰
私の場合原点はDC女史の作品ですなぁ。
色んな意味で目が覚める思いだったのを覚えてますよ。
当時思い描いていた妄想が形になっていった感じでした。
同時に出現されて活躍しておられた暇人氏も当時独特の文体で
淡々と猟奇物を描かれて…影響を受けましたね。

私が当時ギャルゲー板で人肉饅頭を書いてた時は板違いの感が
多少ありまして余り生々しい表現は書かなかった(書けなかった)んですよね。
途中からはあくまで展開重視でした。

人肉食テーマは支配欲にもつながる…というのが私の持論です。


510名無しさん@ピンキー:02/10/05 23:08 ID:vZBrgioK
今書いとります。明日には何とか一部でもうpできればと。
コクリコたんの誕生日(10/10)に完結できれば理想的なんですが…。(無理かな?) 
511名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/06 22:51 ID:PZPJwUWz
11
数分後、コクリコはついに日本大使館にたどり着いた。
地下道から床を開き館内に入るとそこは物置らしき部屋だった。
そして、コクリコが到着したのを見計らったように、携帯キネマトロンに通信が入る。

『二階に来い』
コクリコは瞬時にそれが犯人からの通信である事を察知した。
同時に犯人は自分のキネマトロンの番号まで知っていると言う事実に驚愕する。
罠かもしれない、でも、自分が行かないわけにはいかない…。
その思いを胸にコクリコは壁に背を付けながら、二階への階段を上っていった。

二階に上がったコクリコの目に飛び込んできたのは豪華な装飾に彩られた広いホールの風景だった。
賓客を迎え、華やかな舞踏会が開かれていた事もあったであろうこの空間も、
今は誰の気配も声も無く、静寂に支配されていた。

「言われた通りお金を持ってきたよ! 迫水のおじさん達を返してよ!」
意を決し、コクリコは姿の見えぬ犯人に対して言葉を発する。
すると、それに返答するかのようにゆっくりと部屋の奥にあるドアが開く。
その直後、一人の男が何者かに蹴り出されたようにして奥から姿を現した。
男はそのまま足をもつれさせながらうつ伏せに倒れこんだ。

「ロ、ロランスのおじさん?」
コクリコは思わず声を上げた。
その男はまさしく宝石商ロランス・ロランだった。
512名無しさん@ピンキー:02/10/06 22:52 ID:PZPJwUWz
相変わらずですが…次こそは100g。
513名無しさん@ピンキー:02/10/06 23:17 ID:0EtczDKc
>>512
フフフフ…早く喰いたい
514北大路花火:02/10/06 23:21 ID:1SKtcC4v
わ、私北大路花火は殿方に裸にされたり嬲られるのが大好きという
マゾ淫乱な露出狂でございます
本日より花火は>>1さまの忠実なセックス奴隷になることを誓います
どうぞこの畜生にも劣る恥知らずな女を厳しく調教して
一人前の奴隷にしてくださいませ
御言いつけに背いたりした時はオナニーしたりう、うんちしている写真を
公表されても異存はございません
515名無しさん@ピンキー:02/10/06 23:24 ID:0EtczDKc
>>514
黙れ偽者
516名無しさん@ピンキー:02/10/08 01:36 ID:ttcGKWM8
すみれたんSSキボンヌ・・・(;´д`)ハァハァ
517名無しさん@ピンキー:02/10/08 05:38 ID:mfVHZrxy
今週は5時起き生活オキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!

>>513さん
誕生日完結は断念。ゆっくりやります。また次の土日月にでも。
その分少しでも美味しく喰って頂けますように頑張ります。

>>花火たん
裸、オナニー、うんち…(;´Д`)ハァハァ
よく昔は自分の部屋に性奴隷イイ(・∀・)!などと妄想しておりましたが、
花火たんのような可愛い奴隷なら…嗚呼(;´Д`)ハァハァ
しかし、嬲るという字を考えた人はすごいですね。分かりやす過ぎヤロ(藁

>>516さん
ボクもキボンヌ…(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
実際すみれたんはグリシーヌ嬢に負けず劣らず絵になる御方だと思います。
518名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/09 22:29 ID:S4YRbpnx
どうも。コクリコたんは誕生日も近いので少し休暇を頂きます。
その代わりに今日は皆様に一つ短編を見て頂きたいと思いましたのでうpします。

かなり文章を削りました。とことん削りました。
キャラの名前が一切出てこないほどに削りました。
と同時にかなり詰めました。見辛いかもしれませんが、お許しください。
519麗人と海・前編 ◆lqF54t4pQc :02/10/09 22:31 ID:S4YRbpnx
俺は船で一人日本一周の旅に出た。
周りは青臭いだの金持ちの道楽だのと言ったがそんな事は気にならなかった。
日本を一周した後は世界に打って出る、そんな野望と自信を胸に、俺は帝都からその一歩を踏み出した。

そして、俺は航海を続け、船は江の島辺りに差し掛かった。
その日は、かなり陸に近い所を移動していた。
啖呵を切って出てきたものの、広大な海原に早くも辟易していたのかもしれない。

「誰か! 助けて! 」
そんな事を考えていた俺の耳に突然甲高い女の悲鳴が入ってきた。
あわてて声のする方へ船を動かす。すると一人の女が溺れもがいていた。
「ああ、ごほっ…そこのあなた! 助けて! 私、足がつってしまいましたの…がほっ…早く!」
俺は急いで女に向かって手を差し伸べ、船の上に引き上げた。
女は飲み込んだ海水を必死で吐き出し始めた。俺は女の背中をさすってやる。
女が着ている薄紫色の水着はとても肌の露出が激しく、背中に至ってはそのほとんどをさらけ出していた。
肌のツヤ、くびれた腰回り、あらわになった両足、美しい…ただ単純にそう思った。

「ちょっと…? あなた、いつまで私の体を触っているおつもりなのかしら?」
平静を取り戻した女ににらまれ、俺は反射的に女の体から手を離した。
「あ…あら、ごめんあそばせ。助けて頂いたのにとんだ御無礼を…。
もう一つお願いがありますの。私を近くの海岸まで送ってくださいませんこと?」
さすがに悪いと思ったのか今度は丁寧な物腰で俺に接してくる。

その時俺は初めてしっかりと女の顔を見た。
こげ茶色で短めのさらさらとした髪の毛、切れ長の瞳と左目下の泣きぼくろ、
水着と同じ薄紫色のヘアーバンド、水着からこぼれんばかりのたわわに実った乳房…。
彼女のその全てに俺は完全に心を奪われた。
「ああ…わかった。」 俺は操舵席に向かい、陸とは逆の方向に向かって船を走らせた。
520麗人と海・中編 ◆lqF54t4pQc :02/10/09 22:32 ID:S4YRbpnx
「ちょっと! 私の話が聞こえなかったの? 私は岸まで送ってと言ったのですわよ!」
案の定、彼女は俺に抗議してきた。俺はそれに答えるように船を急停止させる。
「きゃっ!」 彼女は甲板に尻餅をついた。俺は彼女の元に歩いていった。
「分からないのか? この船に乗った時点でお前を生かすも殺すも俺しだいだ。
また海に突き落とされたくなかったらおとなしくしてろ!」
と言って俺は彼女の腹に一撃を加え、気絶した彼女を縄で縛って船室に押し込めた。

それにしても彼女は美しい。
縄で縛られ、野暮ったい男物の服を着せられ、小汚い船室でみじめに監禁されていても、
その気品に満ちた表情となまめかしい彼女の肢体の魅力は俺の中で一向に色褪せることは無い。
彼女とならばどこまでも行ける気がした。

船のエンジンが故障した。俺は必死に直そうとしたが、何度やっても直らない。
出航前にあんなに練習したにもかかわらず。
おまけに俺は天候を読み違えたらしい。船は嵐に巻き込まれ、気が付けば陸の見えないはるか遠くに流されていた。
海流からもそれたらしく、魚も一切獲れなくなった。食料は完全に底をついた。

二人とも、もう何日も物を食べていない。でも、彼女は相変わらず美しい。
しかし、もう耐えられない。俺はおもむろに彼女の縄を解いてやった。
「な、何をするつもりですの…?」彼女は驚きの表情を浮かべた。
「何をするって? お前を喰うんだよ!」
と言って俺は彼女に着せていた服と水着を剥ぎ取って全裸にし、彼女の体をうつ伏せに組み敷いた。
「大丈夫だ。喰うのは背中だけにしといてやる。」
「いや、いやあぁぁぁぁ!」
彼女は抵抗したが、俺が彼女の尻に馬乗りになっているため身動きできない。
むしろ、彼女が体を動かせば動かせるほど彼女の尻の弾力が直接俺の股間に伝わってくる。この上ない快感だ。
そして、俺は彼女の背中の肉にナイフを突き立て、長方形に切り抜いた。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
彼女の悲鳴が辺りに響き渡る。
521麗人と海・後編 ◆lqF54t4pQc :02/10/09 22:33 ID:S4YRbpnx
美しい。血のしたたる彼女の肉を頭上にかかげ、俺はそう思った。
「おい、これがお前の肉だ。」 俺はそう言って彼女の頬に肉をこすり付ける。
「い、いやぁ! そんなモノ…見せないでえぇ!」
彼女は顔を血と汗と涙と唾液でぐしゃぐしゃにしながらわめいた。
「じゃあ、お前の肉を頂くとするか!」
俺は肉を口に入れた。柔らかく、口の中ですぅーっと溶けていくような食感だった。
何より彼女の肉であることが俺にとっては最高の調味料だ。
くちゃくちゃと生々しい音を立てながら、彼女の肉は俺の胃袋に納まっていく。
「助けて! お父様ぁ! お母様ぁ! 中尉ぃ! もういやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
自分の目の前で身体が喰われていく様を耳にした彼女はすっかり正気を失ったらしい。
美しくない。俺は急にそう思った。彼女はどんな状況においても凛として美しかったはずだ。それが今はどうだ。
泣きわめいて父母に助けを求め、あげくの果てに中尉などと訳の分からないことまで口走っているではないか。
違う…! こいつは彼女じゃない! 彼女がこんな姿でいい訳が無い! 俺はナイフを振り下ろした。

夜が来た。旅立っても彼女は美しい。
彼女は船室の壁に背中をもたれかからせながら、おだやかな表情で眠っている。
彼女の背中は腐敗が進んでいるだろう、蛆(うじ)も湧いているだろう。
しかし、こうして背中を壁にもたれさせていれば、彼女のそんな姿は見なくていい。
俺は四つん這いに彼女の元に這っていって彼女の太股に顔を埋め、秘所を嘗め回した。
彼女の叢(くさむら)が俺をやさしく迎え入れてくれた。
腐敗臭がする。しかし、これは彼女の臭いではない。彼女がこんなに臭いわけが無い。
次に俺は彼女の乳房に吸い付いた。彼女の乳首にたっぷりの唾液をなじませながら。
柔らかい。本当はもう柔らかくないのかもしれないが、そんな事はどうでもいい。
そして、俺は彼女の唇を自分の舌でまさぐった。
彼女の唇と俺の唇がぴちゃぴちゃと淫靡な音を立てながら交わる。
限界はその時訪れた。俺は彼女の下唇を思い切り噛みちぎった。

美しかった彼女はもうそこにいない。

522名無しさん@ピンキー:02/10/09 23:21 ID:+ZqhAENY
やってるな〜名無し殿。

文章をかなり削ったとの事ですが100gの本質が詰め込まれたSSだと思いますよ。
柔らかいすみれの肉…旨そうだ…ジュルジュル・・・

読んでいて肉料理が食べたくなったのは実に久しぶり。
その上、人肉食・屍姦(?)ありで私の壺にはまっております。

それに背中の肉。
新たな人肉食の世界を見るようです。
私は脚フェチなので脚の肉は欠かせないのですが
背後から襲い肉を喰らう…素晴らしい。

最後の唇を噛み千切るシーン、佐川を思い出しました。

523名無しさん@ピンキー:02/10/11 23:05 ID:MAIXI6hn
誰もいない・・・・・・
524名無しさん@ピンキー:02/10/12 20:53 ID:MCWEMMSB
>>522さん
最近のスレの流れの中で、すみれたん・裸・嬲る・奴隷・支配欲・調教など
これらの単語が頭の中をぐるぐると回って発作的に書きました。>>516さんと花火たんに感謝。
今回のは「自分なりの原点回帰」をテーマとしてやったのですが、
522さんのようなベテランの方にイイと言って頂けたなら、その点では大成功だなと。

3〜5レスぐらいで終るSSも新たな軸としてやっていこうと思います。
従来の形式のSSもこれからは物語部分はできる限り、削ります。

火曜日まで休みなので、コクリコ編はそれまでの間に何とか。
525名無しさん@ピンキー:02/10/14 05:25 ID:Oe4Db/zY
期待!
526京極慶吾:02/10/14 15:31 ID:eztFP6oE
hehehe
527名無しさん@ピンキー:02/10/15 07:41 ID:mTHYDW7x
>>526
久しぶりだな
528名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/15 21:59 ID:Fw1lFK4l
12
「おじさん! 大丈夫?」
コクリコは急いでロランスの元に駆け寄り、声をかける。
同時に開いたドアの方を見やり、その向こうに居るであろう犯人の姿を探したが、
犯人の姿はおろか、その足音すらせず、相変わらず辺りは静まり返っていた。

「うう…。」
ロランスは意識を取り戻し、首を起こした。
「コクリコ…ここは危険です…早く逃げましょう…。
ああ…私はどうやら足をくじいてしまったようです…すみませんが、肩を貸してくれませんか?」
「うん。じゃあボクにつかまって…。」
コクリコはロランスに肩を貸し、抱き起こした。
迫水の安否、犯人の事など、聞きたいことは色々あったが、
今はロランスの安全の確保を最優先すべきだと考えた。
犯人の姿が見えない以上、ここにいるのは危険すぎる。

「コクリコ…助けに来てくれたんですね。信じていましたよ…ありがとう。」
そう言って突然ロランスは地面に膝を付いたままコクリコに抱きついてきた。
「おじさん…。」
突然のことに少し戸惑ったが、コクリコもロランスをあやす様に少し抱き返した。
ロランスの匂い、暖かさ、それは非常時でありながらも何か平和な日常の一時をコクリコに感じさせた。

しかし、その感覚は一つの衝撃によって破られる。
コクリコは自分の左脇腹を見た。
衝撃の源は自分の体に突き刺さった一本のナイフだった。
ナイフが刺さった箇所から、じわじわと血が染み出し、コクリコの衣服を朱に染める。
「おじさん…どう…して…。」
顔から血の気がみるみる引いていき、コクリコはその場にうつ伏せに倒れた。
すると、足をくじいていたはずのロランスが立ち上がり、コクリコを見据え、ニヤリと笑った。
529名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/15 22:00 ID:Fw1lFK4l
13
「んん…。」
コクリコは意識を取り戻した。
先ほどとは違う部屋にいた。何やら秘書室のような所で、資料用の棚と事務作業用の机がある。
そして、コクリコは自分が信じられない状況に追い込まれていることを目の当たりにする。

コクリコは全裸にされ、その体を縄で亀甲に縛られ天井から吊るされていた。
足がちょうど地面に着くか着かないかの所の高さで吊るされており、
かえってその事がコクリコに恐怖感を煽らせた。
「つっ…いたっ…。」
必死に足を地面に着けようとバタバタともがいたコクリコを脇腹の痛みが襲う。
脇腹を見るとナイフは抜かれていたが、出血は止まっておらず、
流れ出た血液が少しずつ地面に落ち、血だまりを作っていた。

「気がつきましたか? 私のかわいいコクリコ。」
腰掛けていた椅子から立ち上がり、コクリコの肢体を嘗め回すように見ながらロランスは言った。
「おじさん…。おじさんがどうして…ああっ!」
ロランスに語りかけようとしたコクリコに向かって、ロランスは鞭を叩きつける。
なめした皮で作られた鞭がコクリコの体に当たりパチンと乾いた音を立てる。
しかも、鞭の先端には小さな金属が縫い付けられており、
金属がコクリコの体に当たるたび、肉体を切り裂き、血の華を咲かせる。

「痛いよ! おじさんやめてよ! いやっ!」
コクリコは苦痛に満ちた表情でロランスに訴えたが、ロランスはさらに鞭を叩きつける。
「どうしてそんな顔をするのですか? 私はあなたの笑顔がみたいのですよ?
そう、あなたが私にいつも見せてくれたあの笑顔を…。
まだ、私の気持ちが伝わってはいないようですね…私は今とても楽しいのですよ!」
そう言ってロランスはさらに鞭を振り上げた。
530名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/15 22:00 ID:Fw1lFK4l
14
「あんっ! ううっ…いやあぁ! えくっ…やぁぁ!」
幾度と無く振り下ろされる鞭にコクリコは陵辱され、
鞭で叩かれたミミズ腫れと金属が当る事によってできる裂傷が顔面以外のありとあらゆる部位を青く、赤く汚した。

「まだ…笑顔を見せてはくれないのですね…私はこれだけあなたを愛しているのに…。
それにしても美しいですよ…あなたの体は…無駄な物が無い…何より汚れを知らない…。」
ロランスは焦点の定まらない目つきでコクリコの体を目で犯した。

「でも…少し邪魔なものが生えていますね…。」
そう言うとロランスは横に置いてあった火の付いたロウソクを手に取った。
そして、ロウソクをコクリコの股間に少しずつ近付けていく。

「えっ…お、おじさん…何をするの…。熱いよ! やめてよ!」
なんとロランスはロウソクの炎でコクリコの股間の幼い蕾(つぼみ)をあぶりだしたのだ。
コクリコを亀甲に縛り、なおかつその蕾に食い込んでいた縄と、
わずかに生えそろっていたコクリコの陰毛が焦げくさい臭いとチリチリと言う音を立てて、燃えていく。

やがて、縄が燃え尽き、コクリコは緊縛から開放され、地面に叩き付けられた。
仰向けに倒れたコクリコに対し、ロランスはさらに責め立てる。
ロランスはコクリコの股間に顔を埋め、自らの歯でわずかに燃え残った陰毛を引き抜き始めた。

陰毛を引き抜くプチッと言う音、ロランスの荒い息遣い、自分の恥部を責められているという恐怖、
それら全てに襲われ、コクリコに一種の昂(たかぶ)りが訪れた。
「いやぁぁぁぁぁぁ!…あん…あっ…ああぁ…。」
コクリコは失禁してしまった。噴き出した尿がロランスの顔面に直接かかる。
「おお…コクリコ…やはり、うれしいのですね…。私もですよ…。」
ロランスは満面の笑みを浮かべ、コクリコの太股や膣に舌を這わせながら尿を丹念に舐め取る。
「美味しいですよ…今までに飲んだどんなワインよりも…。」
531名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/15 22:01 ID:Fw1lFK4l
15
少しの時間が過ぎた。
「おじさん…どうして! いつもはあんなにいい人だったのに…どうして?」
両目からあふれ出そうになる涙を必死にこらえ、コクリコはロランスに問いかけた。
「前にも言ったでしょう。私は決していい人なんかじゃありませんよ…普通の人間ですよ。
そう…普通の…ただ、あなたを世界中の誰よりも愛しているだけの男ですよ…。
そして、今日は私の人生最期の日にして最上の日となるでしょう。」
「えっ…。」
突如ロランスの口から出た『最期』と言う言葉にコクリコは一瞬言葉を失う。
「コクリコ…本来なら各国を移動して回るはずのシルク・ド・ユーロが、
何故このモンマルトルにこんなに長く滞在しているのだと思いますか?」
コクリコはしばし考えたが、その答えは出ず、静かな時間だけが流れた。

「前団長のドニクールがいなくなった後、シルク・ド・ユーロは深刻な資金難に陥っていました。
そこで、私は彼らに援助を申し出ました。
私が援助をしている内はずっとこのモンマルトルにとどまると言う条件で…。
コクリコ…全てはあなたと一緒にいるためだったのですよ…。」
「おじさん…?」
呆気にとられているコクリコをよそにロランスの話は続く。

「私は必死に働きました。あなたと私の未来のために…。
しかし、ヘマをやってしまいました…。何も出ない鉱山を高値で買わされてしまいましてね…。
私は多大な借金を背負いました。返しても返しても返し切れないほどの…。
私は遂にマフィアにまで金を借りました。しかし、もう限界です…。
明日にも私の会社は不渡りを出すでしょう。そうなれば、マフィアが私の命を取りに来ます…。だから…。」

そこまで言った所でロランスは立ち上がり、コクリコに歩み寄る。その手にナイフを持って。
「あなたには死んで欲しいのです…私と一緒に!」
532名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/15 22:01 ID:Fw1lFK4l
16
ナイフを持ったロランスは一歩また一歩コクリコに近付く。
「いや…いやだよ…ボクはまだ死ねないよ! 巴里のみんなを守るって、
イチローやエリカと約束したんだ! おじさん…目を覚ましてよ!」
尻餅をついたままの体勢で後ずさりしながらコクリコはロランスに呼びかける。
「ふふふ…大丈夫ですよ…私もすぐに逝きます。決してあなたを一人にはしませんよ…。
私のかわいいコクリコ…。」
もはや、ロランスにはコクリコの話など聞こえていなかった。
そこにいるのは自分の欲求に従い、今まさにいたいけな少女を殺害せんとする一人の異常者だった。
そして、ロランスはコクリコを追い詰め、ナイフを振り上げた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
もうだめだ、そうコクリコが覚悟を決めた瞬間だった。
一人の男がドアを蹴破り、室内に入ってくるや否や、ロランスに向けて発砲した。
銃弾はロランスの心臓を直撃した。
「ぶぐぅ! ごはっ…。ムッ…シュ…迫…水…話…が…。」
後ろから撃たれたロランスは男に向かって一言発したきり床に倒れ、動かなくなった。
頭を抱えしゃがみ込んでいたコクリコが顔を上げるとそこに立っていたのは日本大使・迫水典道だった。
迫水は頭部に殴られた傷がある他は至って健康な状態であるらしく、すぐさまコクリコに駆け寄って来る。
「大丈夫かい。コクリコ君。すまない…こんな目に遭わせて…。」
そう言うと迫水はコクリコを抱きかかえ近くのソファーに連れて行き横にならせた。
「そのままでいい。僕の話を聞いて欲しい…。」
迫水はおもむろに口を開き始めた。

同時刻、シャノワール。
「オーナー、帝都の米田中将から通信です。」
「ああ、繋いどくれ。」
迫水からコクリコへ。
米田からグラン・マへ。
今、まさに全ての真実が明らかにされようとしていた。
533名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/15 22:02 ID:Fw1lFK4l
>>525さんや京極大臣のご期待にお答えして、すでに私のSSで恒例となりました『突然の銃撃』です。(藁
やけに前作とかぶっている展開ですみません。物語重視ですみません。今回限りにしますので。
怪しい四人の男はどこにいったの?と言ったところは次回でキッチリ迫水・米田に説明してもらいます。
まだ続きを一切書いていないので、大それたことを言うのも何ですが、
次回も100g。まだまだ100g。お楽しみはこれからでございます。喰!
534名無しさん@ピンキー:02/10/15 22:07 ID:mTHYDW7x
>>533
いやー御苦労様。
ロランスの狂いっぷりお見事でした。
コクリコの健康で無駄なく鍛えられた肢体も魅力一杯ですね。
これが100gなんだよなぁ。
535名無しさん@ピンキー:02/10/16 22:32 ID:NMYkJfrh
さて真相や如何に?
536京極慶吾:02/10/18 16:01 ID:dvLkoEXk
wewewe
537京極慶吾:02/10/20 19:42 ID:qiyrdd+d
fufufu
538名無しさん@ピンキー:02/10/20 20:49 ID:A068cjQ2
大臣…必死だな(w

しかしここも寂れたものだ。
暇人、哲太、名無し、ゲル…もういないのか。
来春の血潮が出てもこれではどうなるか判らんな。
時代が過ぎ去ったのかな……

539名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/21 04:48 ID:7iFkxwfH
>>534さん
そう言って頂けるとありがたいです。
しかも、6分後にレスして頂いているんですね、ありがたやありがたや(⊃дT)

>>535さん
まもなく真相開店しますので後少しお待ちください。m(_ _)m

>>京極大臣
ご苦労様です! (`・ω・´)>
ウェウェウェとは 新しい陸軍式の藁い方ですか?(笑

>>538さん
私はいてますyo〜(´▽`)ノ
土日で書こうと思っていたんですが、土曜に朝の6時まで続く
ボーリング・カラオケ・卓球のトライアスロンをやってしまいまして…(藁
今回のコクリコ編が終わった後も引き続き何かしらやるつもりではいます。
まだまだ100gの灯を消すわけにはいかん!(と大言を吐いてみるテスト)
540ゲルリッヒカノーネ+ ◆uR.hMBfEPs :02/10/21 15:51 ID:HdXr4tic
えろうすんまへん、ロベリアってやっぱ難しいです。
銃殺にしろ、絞首刑にしろなんにしろ……。
あの人の火炎放射の術が……(泣)。
飛ばしてグリシーヌ編に行きたいです。
後キャラネタ板で、なりきり始めたので、さらに忙しく……。
楽しみにしてる方とか。大変申し訳ありません。

名@1さん。そちらも頑張って。
541京極慶吾:02/10/21 17:08 ID:VHMCMAg0
gegege
542名無しさん@ピンキー:02/10/21 19:44 ID:hrwdMFzw
職人さんはそれぞれのペースで頑張ってください。
俺は待ってるだけなので、偉そうなことも言えないが。

>>540
ロベは難しそうだな。精神的にしろ肉体的にしろ、
相当ギリギリまで追い詰めないと事態が切迫しなさそうで(w
まあ、そこが楽しみなわけだが
とりあえずグリ様(・∀・)キタイ!!
543京極慶吾:02/10/26 16:44 ID:Es/Jatsb
KEKEKE
544名無しさん@ピンキー:02/10/26 17:38 ID:yxCk6EMo
>>543
偶にはまともなレスをしろよ
545名無しさん@ピンキー:02/10/26 18:22 ID:0Q6n7rek
これはどおですか?
http://asian.elitecities.com/books/abe.html
546名無しさん@ピンキー:02/10/27 11:19 ID:ACaCGFMi
>>545
氏ね。

ところで前の方で100グラマー氏が紹介されてた100円板に100円さんが降臨された模様。
こちらも当然だがあちらの板にも反映あらん事を・・・。

>>226
547名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/29 23:34 ID:PgOWiMqR
17
「おお、グラン・マ。久しぶりだなぁ。そっちはみんな元気か?」
「ああ、こっちはみんな元気だよ。それより、今日本大使館が大変なんだよ。」
「そうか…、もう始まったか。ってことは、噂は本当だったのか…。
あの迫水があんなことをするなんてなぁ…。」
「ちょっと待っとくれよ。噂って何だい? ムッシュ迫水が何をしたって言うのさ?」
「いやな…俺も昨日知ったんだが、どうも迫水に公金横領の疑いが持ち上がってるみてぇなんだよ。
しかも、その金のほとんどが、コクリコがいるサーカスの…シルク・ド・ユーロと言ったか?
あそこに流れてるって話でな、今日、外務省の調査団が迫水に事情聴取を行なうそうだ。
じゃあ、今はその最中ってわけだな。そっちにも迷惑かけちまうが、まぁ、よろしく頼むぜ。」

あくまで大使館乗っ取りについて触れない米田をグラン・マは不審に思った。
触れないと言うよりは知らないという風に見えた。それに加えて迫水の横領疑惑…。
突然その時、グラン・マの中で全ての点と線が繋がり始める。
そして、グラン・マは自らが出したある結論を裏付けるべく、米田に問いかける。
「ムッシュ米田、ちょっと変な事を聞くけどさ、その調査団ってのは、何人いるのさ?
それと今日が事情聴取の日と言うのは確かな情報なのかい?」
「まぁ、人数は四,五人って所だろうな。
昼過ぎに調査団から巴里に着いたって連絡があったのは確かな情報だ。」
「ありがとう。悪いけど立て込んでるからこの辺で失礼するよ。落ち着いたらまた連絡させてもらうからさ。」
「ああ、こっちこそ忙しい所に邪魔しちまって、すまねぇな。」

通信を切ったグラン・マはよろめくように椅子に腰掛け、両手で顔を覆った。
「メル…エビヤン警部に大使館へ今すぐ踏み込むように連絡しとくれ。」
「えっ…オーナー、どういうことですか?」
「アタシ達はまんまと騙されたんだ…。全てはムッシュ…いや、迫水典道の狂言だったんだよ!」
548名@1 ◆lqF54t4pQc :02/10/29 23:35 ID:PgOWiMqR
18
同刻、日本大使館。
「…というわけなんだ。」
「う、嘘でしょ…おじさんがそんな事…。」
「嘘じゃない。僕はロランス卿と共に日本政府の調査団を撃ち殺した。
そして、大使館を占拠されたように見せかけて君を呼び出し、三人で逃げるつもりだった。
全ては僕の計画通りだった。ロランスが裏切って君をこんな目に遭わせた事意外はね…。」
そう言って迫水は忌々しげにロランスの死体を見やった。
「どうして…? ロランスのおじさんも迫水のおじさんもあんなにいい人だったじゃないか!
どうしてみんなボクのためだって言ってひどい事ばかりするの?」
心の中で抑えていたものがついにあふれ出しコクリコの瞳から涙がこぼれた。
「もうたくさんなんだ! 君が傷つくのを見るのは!」
それに対する返答は迫水らしからぬ感情むき出しのものだった。
「この国の、いや、世界中の大人達、そして賢人機関は君に全てを押し付けている。
君しか光武に乗れない、世界の平和を守ることは出来ないと言って君を危険な戦場に送り出す。
自分達だけは安全な所にいながら…そして、君だけが戦いで傷ついていく!
今日だってそうだ…僕の命ごときにこんな大金を用意して、君をこんな危険な場所に送り込む…。
彼らにとっては君も金も同じ道具としてしか見ていない! 
こんな無くなっても作ればいい物と君の命…どちらが大切か…考えればわかるだろう!
君はこんな紙切れ何枚積んでも買えない存在なんだ!」
迫水はコクリコが持ってきた紙幣の束にライターで火をつけ四方八方にばらまき始めた。
「おじさん…。」
迫水の豹変した様子にコクリコはそれ以上何も言えなかった。
空中に乱舞した札束がチリチリと音を立て、火の粉をまき散らしながら落ちていった。
「ふふふ…そうだ。そうなんだ。世界中で君の真の価値を分かっているのは僕だけなんだ!
君を救えるのも、守れるのも、愛する資格を持っているのも世界中で僕だけなんだ!
そして…今日僕達は一つになるんだ…一つになるんだよコクリコ君!」
迫水はそう言って上着を脱ぎ、ソファーに横たわるコクリコの体に抱きつく。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
あたりに響くコクリコの悲鳴。迫水にとってそれは開幕のベルだった。
549名無しさん@ピンキー:02/10/29 23:36 ID:PgOWiMqR
京極大臣のおかげでdat落ちの心配も無く私は黒い妄想を膨らませる事が出来ます…
名無しさん@100鬼会 に改名しようかな?(藁
>>ゲルさん
お久しぶりです。
日頃余裕をかましているロベリアを是非ヒイヒイ言わしたってくださいな。

>>546さん
100g板も盛り上がってきた模様でイイですね。
100円さんの心意気に激しくうたれた次第であります。

本当はラストまで逝ってからうpしたかったのですが見通しが甘く手間取ってしまいました。
しかも最近何か文章が詰め詰めになってしまってますね、すいません。
次回完結予定です。
迫水がコクリコに(;´Д`)な事や(;゜∀゜)=3な事を…そしてΣ(゚д゚lll)なラストへ!(となるように頑張ります。)
550京極慶吾:02/10/30 17:37 ID:np8QuEzh
花火に浣腸しました
551名無しさん@ピンキー:02/10/30 20:17 ID:ObCVg97t
>>550
やっと発言したと思ったらそれかよ…
552名@100鬼会:02/11/01 00:17 ID:YK+hNo0c
>>550
反魂の術でフィリップを生き返らせる事を条件に
京極大臣が花火に浣腸etc…エエなぁ…(;´Д`)ハァハァ

京極大臣×巴里花組は新鮮で(・∀・)イイ! かも。
553名無しさん@ピンキー:02/11/01 19:24 ID:0JoTK7RG
指の代わりに硬い異物がアヌスに侵入するのを感じた花火は
気品に満ちた美貌を恐怖に硬化させて叫んだ
「な、何を入れたんです!?」
「浣腸だよ。もっともイチジク浣腸だから大した量じゃない。
 少なくとも十分間は辛抱できるはずだ」
「ひ、ひどいわ。浣腸なんて嫌!それだけはかんにんして…」
おぞましさに震え上がって花火が叫んだ時には、冷たい溶液が
腸腔内に注ぎ込まれていた。
554名無しさん:02/11/01 19:35 ID:LKg7UMDp
555名無しさん@ピンキー:02/11/01 19:47 ID:fW/JOMDP
556名無しさん:02/11/01 19:51 ID:LKg7UMDp
http://www.dd.iij4u.or.jp/~eros/juku/
人妻(;´Д`)ハァハァ
557 ◆IggKddwfIM :02/11/03 12:35 ID:6sGdE4ux
名無し様、頑張っておられますね。
京極大臣も御苦労様です。
558 ◆IggKddwfIM :02/11/08 07:49 ID:Ra7Me/Px
いやー静かになってしまいましたねぇ…
559名無しさん@ピンキー:02/11/08 12:54 ID:WYB1TdRg
なんか、変だね?
560 ◆IggKddwfIM :02/11/10 11:03 ID:ciqBJtN6
血潮の発売は2月10日とか。
まぁマターリ逝きましょうや。
561名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/10 23:41 ID:WFgt0CO0
すいません。間に合いませんでした。続きはもう少しお待ちください…。
血潮は「帝都じゃ萌えない」といっている香具師をミカエす出来であって欲しいなと。
今日でこのスレが立って4ヶ月。血潮まで3ヶ月。ローン文の〆切まで1ヶ月(藁

ピンクタワー(゚Д゚)ゴルァ。
562名無しさん@ピンキー:02/11/13 18:24 ID:BU5aKA98
ロベリア誕生日記念age
563名無しさん@ピンキー:02/11/17 01:49 ID:/+rFHMxO
あげ
564 :02/11/17 01:50 ID:ZFqRKP5f
565名無しさん@ピンキー:02/11/17 08:19 ID:ctE1AwTL
ここは鬼蓄だけなの?
566 ◆IggKddwfIM :02/11/17 10:18 ID:2yKZfxBh
>>565
フフフフ…ごゆっくりどうぞ。
567名無しさん@ピンキー:02/11/17 10:26 ID:9Fy9cZ31
>>565さん
基本としては鬼畜・猟奇・食人の描写中心ですね。
それ以外の要素も多分に含まれたりしていて面白いと思いますよ。
書いてる人間が言うのも何ですが。しかし、またピンクタワーですね。
568 ◆IggKddwfIM :02/11/17 10:54 ID:2yKZfxBh
>>567
執筆活動、本当に御苦労様です。
頭が下がる思いですね。
569名無しさん@ピンキー:02/11/17 19:51 ID:9rOOZBND
>>567
はい、おもしろいでつ。。
570名無しさん@ピンキー:02/11/20 23:32 ID:tWPYXVog
>>568-569さん
私の妄想落書きにお付き合い頂きまして、
頭が上がらないのはこちらの方ですよ。感謝です。

24日までに絶対終わらせます(予定)宣言を兼ねてまたーり保守。
571 ◆IggKddwfIM :02/11/24 21:20 ID:WlVsk5Vg
保守です
572 ◆IggKddwfIM :02/11/24 21:26 ID:WlVsk5Vg
おっと、先に誤ってカキコしてしまいました。

血潮、来年2月10日…でしたか。
私、かの作品での藤枝あやめの描き方に期待しております。
何と言ってもサクラキャラで最も陵辱したいキャラですからね。
ズタズタに切り刻んで肉を食い千切ってみたいものです…ハアハア(;´∀`)
573名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/25 01:03 ID:snqOqf0r
滑り込みアウトです。申し訳ございません。
19〜25まで書き終わりますた。最終的には28ぐらいまで逝きそうです。
あと少しだけ時間をください。出来上がったら一気にうpしますので。
574名無しさん@ピンキー:02/11/25 10:43 ID:Kft3uanL
期待待ち。。
575名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/27 15:35 ID:J/TiQSL3
19

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
コクリコは叫びながらも迫水の体を押し返そうとする。
押し返され迫水は一瞬バランスを崩したが、その腕はコクリコの体を強く掴んで放さず、
二人はもみ合ったままソファーから転げ落ちた。

その事により、迫水から解放されたコクリコは四つん這いになりながらも、必死で逃げようとする。
しかし、迫水に腰を掴まれ、持ち上げられたあげく、絨毯の上に仰向けに組み敷かれてしまった。
迫水の両手がコクリコの手首を押さえ付ける。

ロランスの陵辱を受けたコクリコにもはや抵抗する力は残っていなかった。
「コクリコ君…怖がらなくてもいいんだよ…さあ…一つになろう…。」
そして迫水は再びコクリコの体に覆いかぶさった。

「ずっと…こうしたかったんだ…。」
迫水はコクリコの首筋に舌を這わせる。
迫水の舌は首筋を何度か撫で上げた後、鎖骨に沿って脇へと向かう。

「ふふふ…コクリコ君…君の匂い…よく分かるよ…ああ、いい匂いだ…。」
「ああ…いやぁ…ううっ…くうんっ…。」
汗をかき、匂いがこもるコクリコの脇に迫水は顔を埋め、
鼻息荒く、その体臭を自らの鼻腔に取り込み、舌で叩くように撫でる。
脇を匂われる恥ずかしさと舐められる感触に耐え切れず、コクリコの口から声が漏れる。
576名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/27 15:35 ID:J/TiQSL3
20

脇をひとしきり堪能した迫水は舌をわずかに膨らんだ乳房に向かって這わせる。
円を描く様にして迫水の舌は周回を繰り返し、未だ誰も触れたことの無い乳房の頂にたどり着く。

そして、迫水はコクリコの乳首を何度も何度も吸い上げては離し、
淫らな音が二人の聴覚へ働きかけていく。
「ひゃうん…あうぅ…やめっ…てよぅ…。」

乳首を吸い上げられる度かすかな抵抗を試みていたコクリコの両腕の力が弱まる。
コクリコが自分の愛撫に反応し始めた事に迫水は興奮を覚えた。
そのまま、迫水は舌を腹部に這わせ、ついにコクリコの陰部へとたどり着かせる。
すぐさま、迫水はありったけの唾液を噴出させ、舌でコクリコの膣にまぶし始める。

「いやぁ…おじ…さん…やっ…めてよ…そんな所…うぅっん!」
再びあの忌まわしき陵辱の恐怖とおぞましい感覚がコクリコを襲う。
「大丈夫だよ。怖がらなくていい…これは僕達が一つになる為の大切なことなんだ…。」
そう言って迫水はなおも膣への愛撫を続ける。
「そっ…そんなぁ…あぁ…ど…どうして…くうぅんっ!」

コクリコの反応が徐々に大きくなってきたのを見て、迫水は頃合いが来たとの判断を下す。
「さぁ…いよいよだね…。」
迫水はコクリコの頬を手で撫でながら言った。
パンツのジッパーを下ろし、いきり立つ男性器を開放する。
577名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/27 15:36 ID:J/TiQSL3
21

「きゃっ…お…おじさん?」
コクリコは初めて間近に見る男性器を目の当たりにし、あきらかに恐れおののいている。

「さぁ…僕を受け入れてくれ…君の身体で!」
迫水は自らの唾液で潤いを与えたコクリコの膣に男性器を近付けていく。
「やあっ…もう…いや…おじさん…助けてよ…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

迫水の男性器が強引にコクリコの純潔を散らす。
まるで自ら意思を持ち、男性器の浸入を拒絶するかのように、
コクリコの膣が迫水の男性自身を締め上げる。
締め上げられた男性器はそれに呼応するようにますます中で膨張し、
未熟なコクリコの聖域を無残にも引き裂く。

「いやぁぁ…おじさん、痛いよぅ…気持ち悪いよぅ…はうぅぅぅん!」
「あああ…コクリコ君…ぼ、僕は気持ちいいよっ! もっと…もっと僕を中に入れてくれ! 君の中に!」
迫水は我を忘れ、ひたすら腰を動かし、彼の剛直をコクリコに叩き込んでいく。
その度に破瓜の血があふれ出し、ナイフで刺された脇腹の傷口からもとめどなく血液が噴き出す。

「あうっ! はあっ! ううんっ! あっ…うっ…ぅぅ…ぁぁ…。」
コクリコの声が段々とか細くなり、その瞳も徐々に光を失いつつあった。
激しくぶつかり合う迫水の肉棒とコクリコの秘肉。限界が近付く。

「もうすぐ…出すよ…君の中に…僕達が一つになった証を! ううっ!」
「ひゃっ…ううぅ…はうぅん…ああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
辺りにこだまする二人の叫び。少女の小さな器に初めて男の樹液が注がれた。
578名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/27 15:37 ID:J/TiQSL3
22

それからどれだけの時がたっただろうか。
それがほんの数十秒だったのか、数分だったのかは分からない。
迫水とコクリコは一つに繋がったまま、動きを止めていた。

「ううっ…。」
小さくうめきながら迫水は目を覚ました。
眼下には自分と一つになったまま気を失いぐったりしているコクリコがいる。

「僕の…ゴホッ…ガハッ…。」
口を開こうとした迫水は周囲の異変にやっと気付いた。室内が紅蓮の炎に包まれていたのだ。
逃げ道はなくなっていた。窓も、ドアも炎の向こうで見えない。

迫水は顔を手で覆った。
何ということだ。この火は自分が放ったものだ。コクリコへの愛を誓うためにつけた火だ。
今日のこの計画はコクリコと共に国外へ逃げるものだった。コクリコを救う為だった。
愚かな巴里の大人達から、自分の最も大切な物を守るための日だったはずだ。
だが、これでは無理だ。二人ともここで死んでしまう。何故こうなってしまったのか。

「なぜだぁぁぁぁぁぁっ!」
迫水は一人叫びを上げた。
若くして能力を買われ、鉄壁の迫水とまで言われた男のあまりにも脆(もろ)い崩壊だった。
「んんっ…お…おじさん…は…やく…逃げないと…。」
意識を取り戻したコクリコが潤んだ瞳で迫水を見つめる。
579名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/27 15:37 ID:J/TiQSL3
23

迫水は崩壊寸前の思考回路で必死に考えた。
コクリコが自分に助けを求めている。そうだ、彼女を救えるのは自分だけだ。
でも、どうすれば…何か無いか。そう、彼女をこの紅蓮の炎から守る物は、方法は。
自分が最も愛した彼女の身体を、肉体をどうやって守れば…。

迫水はふとコクリコの身体を見つめた。
傷口から溢れ出る血、自分と繋がったままの秘肉、その秘肉からあふれ出る破瓜の血。
ただひたすら目に入るのは肉と血。

そして、彼の狂った思考は、狂った方程式で、狂った解を導き出す。
迫水はコクリコから肉棒を引き抜き、彼女の身体を抱え上げる。
コクリコの目を見つめる。迫水は軽くうなずいた。
次の瞬間、迫水はコクリコの身体を炎の中に放り込んだ。

「きゃぁぁぁぁぁぁ! 熱いよ! ああぅ…あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
うつ伏せに放り投げられたコクリコの身体はその下半身を炎の中に置いていた。
迫水はコクリコの上半身を膝で押さえつけ逃げられないようにする。

「はぁぁぁぁぁ! いやぁ! やめてよぅ…! うあぁぁぁぁぁぁっ!…ううっ…。」
コクリコの下半身がパチパチと音を立てながら紅蓮の炎に焼かれてゆく。
身体が焼かれるのと共に、上半身をじたばたさせていたコクリコの動きが止まってゆき、
その瞳が再び光を失っていく。迫水はそのまま時を待った。
580名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/27 15:38 ID:J/TiQSL3
24

また幾らかの時が流れた。
炎は勢いを増し、大使館の天井は崩壊し始めていた。
残された時間が少ないことを悟った迫水はコクリコを炎の中から引きずり出す。

「ぁぅ…ぅぅ…ぁぁ…。」
今にも消えてしまいそうなか細い声。黒く焼け焦げた下半身。

迫水はコクリコの焼けた下半身にかぶり付いた。
歯がコクリコの肉に刺さり、グチャリと音を立てる。
コクリコの肉の感触、コクリコの肉汁、その全てが熱く、瑞々(みずみず)しかった。

そうして尻を、大腿を、ふくらはぎを、足の裏を、少しずつ喰いちぎる。
迫水の胃の中にコクリコの血肉が収まってゆく。

「…ぅぅぅ…ぅぅ…。」
下半身の感覚を失ったコクリコはもはや自分が喰われていることすら分からない。
ほとんど声も無く、ただその瞳から涙を流すのみだった。

コクリコの肉体を喰らい、自分の体内に取り込む事で守る、
それが彼の出した一つ目の答えだった。
そして、迫水は一通り肉を喰らった後、もう一つの答えに向かって動き始める。
581名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/27 15:39 ID:J/TiQSL3
25

迫水は右腕を炎の中に突き出した。
「ぐうぅぉぉぉぉぉぉぉぉぁ! ふぬぅぅぅぉぉぉぉぉぉぉ! あがぁぁぁぁぁぁ!」
迫水は必死で熱さに耐える。もう一つの答えの為に。
しかし、そう長くも耐え切れず、迫水は転がるようにして炎の中から腕を引き出した。
赤黒く焼けただれた右腕は感覚が無く、自分で動かすこともできない。
迫水はコクリコの元に這って行き、抱きかかえ、コクリコの口元に自分の右腕を近付ける。

「さぁ…僕の…に、肉を…た、食べてくれ…ひ、一つになろう…。」
しかし、コクリコはかすかに唇を震わせ、焦点の定まらぬ瞳で虚空を見つめるだけだった。
もうコクリコにその力が無いと判断した迫水は自らの右腕に噛み付いた。
「あぐぅぅぅぅっ!」
今度は自分自身の血肉が迫水の口の中に広がる。

…不味い。
先程食べたコクリコの肉に比べて固い、乾燥している、肉汁が苦い。
汚れなき少女と狂い汚れきった自分との差を思い知る瞬間だった。
だが、彼女と一つになる為にここでとどまる訳にはいかない。
迫水は自分の肉を咀嚼しながらコクリコに口付けを交わす。
迫水の舌とコクリコの舌と迫水の肉が絡み合う。
そして、汚れた肉は少女の体内へと押し込まれてゆく。

少女の喉がわずかにコクリ、と動いた。
582名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/27 15:39 ID:J/TiQSL3
26

巴里の夕刻。
辺りが赤く染まったのは夕焼けだけのせいではない。
黒煙と烈しい炎を噴き出しながら炎上する日本大使館。

「危ない! グラン・マ、下がって!」
「そうですよぅ! オーナー! 落ち着いてくださぁい!」
「放しとくれよ! まだ中にあの子が…コクリコがいるんだよ!」
中に入ろうとするグラン・マを必死で止めるエビヤン警部とシー。
その傍らで無言のまま膝を付き大使館を見つめているメル。
彼女の白い肌を大使館の炎が赤く照らす。

懸命の消火作業に当たる消防隊。
集まりひしめき合う野次馬。
何かを嘆くように吠え立てる野良犬。

それらの悲鳴と怒号が飛び交う中、
日本大使館は人々のかすかな希望を道連れにバラバラと音を立てて崩れ去っていった。

583名@1 ◆lqF54t4pQc :02/11/27 15:41 ID:J/TiQSL3
私事でドタバタしまして完成まで時間がかかってしまい、申し訳ございません。
その間にも色々と励ましのレスを頂きましてありがとうございます。
まだまだ無駄の多い所が反省点ですが、この2ヶ月は勉強になりました。
しばらくバタバタしておりますので次は年末か正月になると思いますが、
その時はまたよろしくおながいします。では。

>>471-472 >>486-488 >>494-498 >>511 >>528-532 >>547-548 >>575-582
584名無しさん@ピンキー:02/11/27 16:39 ID:DFJqg0T6
age
585名無しさん@ピンキー:02/11/28 19:36 ID:8fa5Ros1
a
586名無しさん@ピンキー:02/11/29 13:14 ID:6+JIKr/j
バイブで責められた局部や肛門から流れ出る本気汁まで鮮明に写っているので満足!
http://www.oshioki.net/video.html
587名無しさん@ピンキー:02/12/01 20:11 ID:a5/RKOTH
落ちそう
588名無しさん@ピンキー:02/12/01 22:24 ID:BrSFN4SM
>>583
おつかれさまですた。
今後も期待してます
589名@1 ◆lqF54t4pQc :02/12/01 23:55 ID:JedViJy8
どうやら圧縮があったようでageの方御苦労様です。

>>588さん
こちらこそありがとうございますた。
皆様が頼りで御座いますゆえ。

4のOPムービーに出てくるグランドレビュー服のコクリコたんを
MFN(マイ・フェイバリット・二の腕)に認定(;´Д`)。
590名無しさん@ピンキー:02/12/04 16:53 ID:EHNp26SC
591名無しさん@ピンキー:02/12/07 00:08 ID:1IQHsEM2
保守

4のおpでヒロインたちがどんどん振り返るところは
皆が俺(=大神)に笑いかけてくれてるのかと思ったら
あの野郎最後にノリノリで鳩飛ばしやがるし(w
592名無しさん@ピンキー:02/12/07 15:08 ID:ZNPWbBqG
この板のサクラスレ、ここだけになっちゃったね。
漏れもSS書いてみようかな。ちょっぴり鬼畜だが食人は無しって事で。
まだ何もかも未定だが、次のよーなプロット。

○巴里組のみ。帝都組は出ず。大神も出ず。
○メインディッシュは花火かエリカ(多分)。
○戦闘服着用。

最後の戦闘服着たままってのは、これに萌える人は何気に多そうだから。
例えば、「闘心」っつー花火本を見たのだが、
花火が戦闘服着たまま看守にやられとる。
看守がわざわざ戦闘服に着替えさせて、「この服着せてヤルとやっぱ
違う」みたいなことを抜かしとる。
こういうシーンかいたっつーことは、やっぱ需要があるんだろうな。
普段着でなく戦闘服にこだわる香具師の深層心理ってどんなモンなの?
説明できる人教えて。

今はネタ集めにあちこち奔走しとります。すぐにはかけません。
593名無しさん@ピンキー:02/12/07 16:46 ID:IAVbL9hy
自分が書きたいものを書けばいいのではないかと
594名@1 ◆lqF54t4pQc :02/12/07 17:05 ID:8k3uuSMX
>>592さん
キタ━━(゚∀゚)━━!!キタ━━(゚∀゚)━━!!キタ━━(゚∀゚)━━!!ですよ。

さて、本題に入りますが、
私の場合、戦闘服を着る=強さ、正義、悪に負けてはいけない といったイメージですね。

そういったヒロインを完膚なきまで打ちのめし、いたぶる…そして、敗北。
敗北したヒロインに発生する恐怖、絶望、悔しさ。

陵辱により、強さ、正義が崩されていく過程。
「私はこんなのに負けちゃいけないのに…アアン」といった場面に(;´Д`)ハァハァ。

サクラでいえば日頃は高貴で凛々しく勇ましいグリシーヌが
陵辱され堕ちていく過程を楽しむなんてのはこれに近いかと。

戦闘服はヒロインに強さを与えるものなのかも知れません。
そして、与えられた強さが強ければ強いほど堕ちた時の落差があり、
その落差が大きければ大きいほど(;´Д`)ハァハァも大きいと。

私の性癖を書いただけで(藁)、あくまで一意見ですが、
エロ系の他の板に行けばそういったスレも見かけますよ。
何はともあれ、おまちしておりますぜ、兄者。
595名無しさん@ピンキー:02/12/07 18:28 ID:e4S+ZxhW
女攻めも見たいですー
596名無しさん@ピンキー:02/12/08 02:33 ID:yEMYFybR
ノーマル小説スレは前のがHTML化したら新しいの立てるよ・・・
597名無しさん@ピンキー:02/12/10 18:43 ID:kCkyjyoA
598名無しさん@ピンキー:02/12/10 20:04 ID:+LZZ+W2c
良スレage
599名無しさん@ピンキー:02/12/10 20:10 ID:FlkB8CC3
かわいすぎてエロすぎて萌え萌え

http://www.pink1.com/
http://www.pink1.com/
600名無しさん@ピンキー:02/12/12 10:08 ID:SLHz84M6
601名無しさん@ピンキー:02/12/12 20:58 ID:atAl+qkq
グリシーヌ監禁陵辱スレがhtml化されましたね。

http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/996/996161802.html
602名無しさん@ピンキー:02/12/13 23:58 ID:lZDnifuF
13日の金曜日記念カキコ…あと2分だけど。
603名無しさん@ピンキー:02/12/17 14:22 ID:j4wZe/Lo
604名無しさん@ピンキー:02/12/18 21:44 ID:/I3xVB13
続きはまだか
605名無しさん@ピンキー:02/12/22 22:10 ID:NAXfgxV0
age
606名無しさん@ピンキー:02/12/22 22:26 ID:FvdEhq6l
http://www.media-0.com/user/ero/
HEY!  YO!  モロモロ モロロ♪  モロ見え cheak it out!
______________  ___________
                     V
          ♪
                ∧_∧ ♪
            ♪  (´・ω・` )キュッキュ♪
             ____○___\ξつヾ____
           /δ⊆・⊇ 。/†::† /δ ⊆・⊇。 /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | .|
        |           | :::  |           |
607名無しさん@ピンキー:02/12/26 13:56 ID:YeMhyzru
608名無しさん@ピンキー:02/12/28 22:51 ID:CJ/EFaNe
 
609 ◆IggKddwfIM :02/12/29 00:49 ID:tpZg5Gui
保守しときます
610 ◆ExWdwGAHiE :02/12/29 23:54 ID:9TN+r7Hw
ひょっこり。
611 ◆IggKddwfIM :02/12/30 00:18 ID:UOm/QsuW
>>610
!!??
何者(w
612 ◆IggKddwfIM :03/01/01 00:18 ID:Kj9stEf9
新年おめでとう御座います。
613名無しさん@ピンキー:03/01/01 02:59 ID:N6M6z4q9
a
614名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/01 23:58 ID:b7UbWzv5
明けましておめでとうございます。

新年一発目は「シャノワールのリメイク」がテーマです。
物語はサクラ3の第1話と同じく大神が巴里に赴任し、
迫水に連れられてシャノワールを訪れる所から始まります。
100gにリメイクされたシャノワールで何が起こるのか、
ゲームとは違った大神と巴里花組との出会いと言った所を、
5話に分け、1人1人にスポットを当てる形で進めていこうと思っています。

出来上がり次第1人目の物語をうpします。本年もよろしくお願い致します。
615名無しさん@ピンキー:03/01/05 16:25 ID:/6Wpyhsq
巴里キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
616名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/07 21:57 ID:lNxGeuj9
すみませんもうちょっと待ってくださいage
617名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/10 00:13 ID:Tpgm0eJC


太正15年3月、帝国華撃団隊長大神一郎は中尉への昇進と、
仏蘭西巴里への留学命令を告げられる。
慣れ親しんだ帝都の街と苦楽を共にした花組隊員に別れを告げ、
同年の1926年4月、大神は留学先である巴里の地に足を踏み入れた。

日本大使館へと赴いた大神は、そこで日本大使迫水典道と出会う。
着任届を書こうとした大神だったが、迫水に明日でよいと言われ、
代わりに巴里万博のチケットと一枚のチラシを渡される。

チラシにはテアトル・シャノワールと書かれていた。
どうやらモンマルトルの街の中央にその店はあるらしい。
迫水は夕方になったら大神の歓迎会をシャノワールでしようと提案した。

大神はそれを承諾し、一旦迫水と別れ、巴里万博へと向かう。
噴水広場での蒸気自動車展示、巨大温室に植えられた見事な桜の木、
エッフェル塔の下で行われる華麗なダンスコンテスト。
巴里の文化、活気を大神はその身で感じ取った。
そして巴里万博を一通り巡った大神は、迫水と約束したシャノワールへと急いだ。
618名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/10 00:14 ID:Tpgm0eJC


チラシを頼りに何とかシャノワールへとたどり着いた大神だったが、
迫水はまだ来ていないようだった。
仕方なく大神は店先で迫水の到着を待つことにした。

そうしている間にもシャノワールの店内に客が入っていく。
その様子をぼんやりと眺めていた大神はある事に気付く。
客が男性ばかりなのだ。若い者もいれば、年老いた者もいる。
整った身なりの者もいれば、くたびれたいかにも貧しそうな者もいる。
しかし、その全ての者が男性であることだけは共通だった。

今思えば、大神はシャノワールが何の店であるかを知らなかった。
チラシにもテアトル・シャノワールと言う店名と18:00という開店時間の他は、
特に何かが書いてあるわけでもなく、店の内容を知る手がかりはない。

誰でも気軽に入れる料亭のようなものかもしれない、そんなことを考えていると、
「やぁ、大神君。すまない、待たせてしまったようだね。さぁ、中に入ろう。」
迫水がやって来た。迫水に促され、大神はシャノワールの店内に入った。
619名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/10 00:15 ID:Tpgm0eJC

「いらっしゃいませ。ようこそシャノワールへ。」
入口で二人を迎えたのは物静かな印象のボーイだった。
「あれ? ジュルジュ君、今日は君が受付なのかい?」
二人分の入場料を支払いながら迫水は尋ねる。
「ええ、ドミニクはまた遅刻です。もう慣れたものですけれど。」
ジュルジュと呼ばれたボーイが答える。
「ムッシュ迫水、そちらの方は?」
大神を見たジュルジュが迫水に尋ねる。
「ああ、紹介しよう。今日から大使館で働いてもらうことになった大神一郎君だ。」
迫水はジュルジュに大神を紹介した。

「はじめまして、ムッシュ大神。ジュルジュとお呼びください。
普段はバーテンダーをしております。シャノワールは今日が初めてですね。
きっと気に入っていただけると思います。今後ともよろしくお願いします。」
「あっ…どうも、こちらこそよろしくお願いします。」
大神とジュルジュは互いに深々とお辞儀をした。

「さて…お二人がどうやら最後のお客様のようですね…。」
そう言ってジュルジュは早々に入口のドアを閉め、施錠してしまう。
「えっ…? もう入口を閉めてしまうんですか?」
大神はジュルジュに尋ねた。
開店したばかりなのに入口を閉めてしまうなど、大帝国劇場では考えられないことだ。

その問いにジュルジュはかすかな笑みを浮かべながら答えた。
「ええ…。閉店時間までこのドアを開けることはございません。
なぜなら、当店のお客様は大変熱心な方ばかりですので、途中から来られるお客様も、
途中でお帰りになられるお客様もおられません。
そして…ムッシュ大神、今日一日が終わって当店からお帰りになられる頃には、
あなたもきっとシャノワールを愛する熱心なお客様のお一人となられているはずですよ。」
620名無しさん@ピンキー:03/01/10 00:17 ID:Tpgm0eJC
遅延と嘘つきばっかりですみません。次こそ一人目登場です。
621名無しさん@ピンキー:03/01/10 13:01 ID:PRnbLxST
名@1 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
期待してます。
一人目はやっぱり…いや、それとも…
622山崎渉:03/01/12 07:40 ID:f3+zgMgJ
(^^)
623名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/14 02:25 ID:lFvBOKJf


「ムッシュ大神、こちらを。」
ジュルジュは中に入ろうとする大神を呼び止め、『50』と書かれた番号札を手渡した。

「これは…?」
「本日のスペシャルプログラムで使用致しますので大切にお持ちになって下さい。」
番号札を受け取った大神はホールに入り、迫水を探し、席に着いた。

本当に大神達が最後の客だったらしく、入り口に最も近いテーブルだった。
ステージからはやや遠いが、他のテーブルや店内の全景を広く見渡せる位置だ。
店内の照明は薄暗く、男達の談笑する声で店内はざわついていた。

「さぁ、そろそろ始まる時間かな?」
腕時計を確認しながら迫水が口を開いた瞬間、照明が一斉に明るくなり、
店内は男達の拍手と歓喜の叫びに包まれる。

「一体何が始まるんですか?」
「見ていれば分かるよ。」
ほどなくして、シャノワールの店員が車の付いた台座に何かを載せて大勢入って来た。

「いいぃっ…!!」
驚きのあまり大神は危うく椅子から転げ落ちそうになった。
なぜなら台座に載せられていたのは全裸の女性で、
しかも全ての女性が両手両足の無い、いわゆる『達磨』の状態だったのだ。
624名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/14 02:26 ID:lFvBOKJf


台座に載せられた女性達は店員達によって次々とテーブルの中央に運ばれていく。
テーブルに女性が到着する度に先程より大きい拍手と歓声が起こる。
頭の整理がつかず、大神は唖然としてその様子を眺めていた。

「じゃあ大神君、僕達も呼ぼうか。」
「えっ…? 何を…呼ぶん…ですか?」
「決まってるじゃないか。女の子を呼ぶんだよ。ああ、ちょっといいかな。」
そう言って迫水は近くにいた店員を手招きする。

「エリカさんは今大丈夫かな?」
店員は辺りのテーブルを見渡して、
「大丈夫です。エリカさんですね。かしこまりました。少々お待ちください。」
と答えて店の奥に消えていった。

そして、一分も経たないうちに同じ店員が台座に一人の少女を載せてやって来た。
先端を束ねた栗色の長い髪を持ち、
首にはロザリオをぶら下げたその少女もまた、全裸で達磨だった。

店員は少女を抱きかかえ、テーブルの中央に横たえて、
「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ。」
と言い、大神達に一礼をし、去って行った。

「こんばんは! 迫水さん、お久しぶりですね!」
エリカと呼ばれている少女が迫水に対して元気よく挨拶をする。
625名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/14 02:28 ID:lFvBOKJf


「こんばんは、エリカさん。いつも元気だね。そうだ、大神君とは初対面だったね。
紹介するよ。今日から僕のところで働くことになった大神一郎君だ。
まだ巴里に来たばかりだから今後ともよろしく頼むよ。」
「自分は日本から留学で来ました…大神一郎と言います。あっ…あの、よろしくお願いします…。」
全てをあらわにしたエリカの姿に戸惑いながら、大神は自己紹介を済ませた。

「はい! よろしくお願いされました! わたしはエリカ・フォンティーヌって言います。
大神さん、これからもよろしくお願いしますね!」
「あ、ああ…よ、よろしく…。」
自分が全裸で達磨である事を全く気に留めていないかのように、
明るく振舞うエリカに大神は更なる戸惑いを覚えずにはいられなかった。

「さて、お互い自己紹介も済んだことだし、さっそくいただこうか、エリカさんの母乳を。」
「はい、飲んじゃってください!」
「えええっ!!!」
迫水とエリカのやり取りに大神は思わず大声を出してしまった。
店内の喧騒が一瞬収まり、周囲の視線が大神に注がれたが、
我に返った大神が頭を下げると何事もなかったように店内の時間が流れ始める。

「どうしたんだい、大神君。大声なんて出して。」
「そうですよ、大神さん。エリカ、びっくりしちゃいました。」
「た、大使、今、ぼ、母乳を飲むって…。そ、それにエリカくんも『はい』、って…。」
いまだ狼狽の色を隠せない大神を二人は怪訝な表情で見つめる。

「そうだよ。母乳を飲むんだ。ほら、周りを見てごらん。みんな飲んでるから。」
迫水に言われ大神は周囲を見回した。
そして、大神が目にしたのは、テーブルに横たわる女性の乳房に吸い付き、
至福の表情を浮かべる男達の姿だった。
626名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/14 02:29 ID:lFvBOKJf


「どうだい? みんなしている事なんだから恥ずかしい事なんてないだろう?」
「い、いや…やはりこういう事は…。」
「ぐすん…。大神さん…、わたしの母乳…、飲んでくれないんですか…?」
さっきまで元気一杯だったエリカが突然目に涙をため、悲しそうな表情で大神を見つめる。

「ほら、あまり女の子を困らせちゃいけないよ。
こんなに美味しい物を僕だけがいただくのは君に申し訳ないし、
何より今日は大神君、君の歓迎会なんだから君が飲んでくれなければ僕も飲めないじゃないか。」
乙女の涙と上司の圧力、大神はそれ以上抵抗することができなかった。

「じ、じゃあ、少しだけ…。」
「それでいいんだよ。ここはそういうところだからね。」
「ありがとうございます! 大神さん、大丈夫ですよ、
大風呂に乗ったつもりでわたしにどーんとまかせちゃってください!」
迫水がにこやかにうなずき、エリカに至っては先程の表情が嘘のように明るさを取り戻していた。
「じゃあ、僕は右から飲むから、大神君は左からで頼むよ。」
「は、はい…。」
627名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/14 02:30 ID:lFvBOKJf


思えば帝都で花組隊員のシャワーを『体が勝手に』覗いたことはあったが、
こんなに間近に、しかも閉鎖された空間とはいえ公衆の面前で女体に触れることなど、
これまでの大神の人生の中でもそう頻繁にあることではなかった。

ふと大神はエリカの肢体を眺めた。
彼女の女性の部分を守るようにして、控えめに存在する髪の色と同じ栗色の茂み。
西欧女性特有の透きとおるような白い肌、そこにほんのりと浮かぶ彼女の熱を表す紅潮。
そして、女性の象徴である二つの豊かな膨らみ、その頂はまさに桜色。
だが、彼女には手足が無い。肩口と腰骨の終りには痛々しい傷跡があった。

(本当にエリカくんにこんな事を…いいのか? 本当に?)
大神は手足が無いエリカの体を目の前にして、
何か自分がとてつもない禁忌を犯そうとしているのでないかと考えた。
帝都に残してきた隊員達の顔が浮かんだ。彼女達を裏切る事になりはしないかと考えた。
しかし、エリカの女性としての魅力にたまらなく惹かれている自分も否定できなかった。

迫水がゆっくりと頭を乳房に近付けていく。
(そうだ…ここはそういうところなんだ…。)
釣られるようにして大神の唇もエリカの乳首へと向かう。
その時、大神とエリカの目があった。エリカが大神に微笑みかける。
628名無しさん@ピンキー:03/01/14 02:31 ID:lFvBOKJf
エリカ編全部終わらせようとしたんですが、続きは明日以降早い内に。

>>621さん
ありがとうございます。予想は当たりましたか?(藁
629名無しさん@ピンキー:03/01/15 21:13 ID:zgZfYqQj
やっぱトップバッターはエリカたんだよな!
うう、焦らされる…先が読めない。
630 ◆IggKddwfIM :03/01/15 23:05 ID:lasoBoBA
何だか凄い事になってますねぇ( ´∀`)
名無し殿、毎度楽しく読ませてもらってますよ〜。
631山崎渉:03/01/17 07:31 ID:MZEjapKK
(^^;
632名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/19 02:39 ID:gitPlAa7


大神はエリカの乳房を口に含んだ。舌で乳首をはたく様にして舐めてみる。
更に、乳首の周囲を舌で押し、エリカの乳房の肉がそれを押し返す感触を楽しんでみる。
後は、ただひたすら母乳を求め、無心にエリカの乳房を吸う。幼いころのあの日のように。

敏感な部分を二人の男の唇に触れられ、かすかにのけぞりながら、押し殺しきれない
「んんっ…ンッ…あぁ…うぅん……。」というエリカの甘い声が大神の耳に届く。
長い数十秒が過ぎた。しかし、大神の口内に母乳は入ってこない。

「……大神さんっ…おっぱい……出てませんよね……。…ぁん…ごめんなさい…。」
エリカが小声で大神にささやきかける。再びエリカと大神の目があった。
エリカの眼差しは柔らかく、その表情は我が子を慈しむ母のような顔だった。

「あれ? 出てないのかい?」
突如迫水が頭を起こす。
「はっ…はい…ちょっと…出ないみたいですね…。」
「そうか…そういう時は軽く噛んでみるといいよ、乳首を。」
「はい! 噛んじゃって下さい、大神さん!」
「……は、はぁ…。」

(うぅ…。頭が痛くなってきたぞ…。)
大神は手を額に当て、少しうつむいた。
おもむろにエリカの顔を垣間見る。
迫水と談笑するエリカの表情は朗らかないつものエリカの表情だった。
(さっき一瞬見せたあの表情は何だったんだろう? 何か今とは違う気がするけど…。)
633名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/19 02:40 ID:gitPlAa7
10

そんな事を考えていた大神だったが、迫水とエリカに促され、再び母乳を飲みにいく。
(ほ、本当に噛んじゃっていいのだろうか…。)
心が迷う。しかし、唇は確実にエリカの乳首へと近づいていく。

そして、乳首と唇が限りなく近づいたその時、
「あぁぁっ!!」
エリカが大きな声を上げる。大神は驚いてエリカの方に目をやった。
「…ごっ、ごめんなさい…大神さん…。続けてください…。…はぁっ…はぁっ…。」
謝るエリカの瞳は潤み、頬が紅潮し、唇からは荒い息遣いが漏れていた。

大神は少しエリカの様子が気になったが、エリカの求めに応じ改めて乳首に吸い付く。
先程よりエリカの乳房に張りがあるように感じた。言われた通り、乳首を少し噛んでみる。
「あぁぁんっ!…くうぅん…んんッ…大神さん…もっ…もっと、噛んでください…うぅんっ!
…もう少しで…もう少しで……おっぱい…出そうなんですっ…。」
エリカに言われるがまま、大神は噛む場所を微妙に変えながら更に乳首を甘噛みする。

その時だった。
「……大神さん…おっぱい…おっぱい出ちゃいます…あぁぁぁぁんんっ!!!」
エリカの声が聞こえたのと同時に、大神は口内で噴流を感じた。
それは紛れもなく母乳だった。やっとめぐり合えたエリカの母乳。
気が付けば大神は母乳を一滴たりとも逃がすまいとして一心不乱にエリカの乳房を吸っていた。
634名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/19 02:42 ID:gitPlAa7
11

(あぁ…これがエリカくんの母乳…。)
いつも飲んでいる牛乳よりは味が薄い気がした。
しかし、母乳独特のかすかな甘み、柔らかな乳房の感触、
幼いころを思い出す不思議なまでの安心感、何よりもそれがうら若き乙女、
エリカのものであるという事が、母乳の味をまさに『甘美な』ものに仕立て上げていた。

大神は息の続く限り母乳を吸い続けた。
そして、大神が吸い終わってエリカの乳房から口を離すと、
桜色の乳首から止まりきらない母乳が軽く溢れ出し、白い肌の上を白い筋が伝っていった。

「どうだい? エリカさんの母乳は? 美味しかっただろう?」
「大神さん、どうでした?」
「……美味しかったです…。」
大神は突如込み上げてきた恥ずかしさも相まって多少はにかみながらそう答えた。
「本当ですか! 大神さんにおいしいって言ってもらえるなんてエリカ、大感激です!」
子供のような満面の笑みを浮かべるエリカ。
授乳していた時に見せた母のような表情とのあまりもの落差に大神は思わず苦笑いした。
(でもそれがエリカくんなのかも…。)

時間はあっという間に過ぎた。
「じゃあ、そろそろわたしは次のお客さんのところに行きますから…。
大神さん、迫水さん、今日は本当にありがとうございました!」
「ありがとう、エリカくん。」
いつのまにか大神から照れが消えていた。
635名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/19 02:43 ID:gitPlAa7
12

「じゃあエリカさんに御礼をしないとね。はい、大神君も。」
そう言って迫水は大神に小さく折りたたんだ紙幣を渡す。
「ええと…どうすればいいのかな…?」
手足の無いエリカにどうやってチップを渡せばよいものか大神は困惑した。

「ああ、ここに入れてあげるんだよ。」
と言って迫水が指差したのはエリカの下腹部の栗色の茂みの部分だった。
「こ、ここですか…。」
「そう、ただし、ちゃんとこのコップの水でお札の先を湿らすんだ。
女性のとてもデリケートな部分だから…」
「あっ…あのう…。」
大神と迫水の会話に割り込むようにしてエリカが話し始める。

「き、今日は大丈夫ですよ…。」
「えっ…?」
大神と迫水は不思議な顔をしてエリカの方を見る。

「わたし…今日はさっきので…濡れちゃってますから……
キャッ! 言っちゃいました! 恥ずかしい!」
エリカは顔を真っ赤にして言った。

「あ…そういう事ね…ははははは…。」
さすがに迫水もこれには戸惑ったらしく、大神とお互いに顔を見合わせ罰が悪そうに笑った。
そして二人は無言でエリカの濡れそぼった部分に紙幣を差し入れた。
636名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/19 02:43 ID:gitPlAa7
13

「はい! ありがとうございます! …大神さん?」
「ん? 何だい? エリカくん?」
「大神さん…また…来てくれますよね…また……会えますよね?」
「…あっ…あぁ…ま、まあね…。」
急に恥ずかしさが込み上げてきて大神はどちらとも取れない返事をした…つもりだった。

「本当ですか! 大神さん、約束ですよ! 嘘ついたらハモ1000匹飲んでもらいますからね!」
「あっ…あの、エリカくん?」
どうやらエリカは肯定の意味で取ってしまったようだ。
そのままやって来た店員の台車に乗ってエリカは去っていった。

「しかし…大神君は随分と気に入られたようだね。
もしかしたら、エリカさんは君に気があるのかもしれないよ。」
「いやぁ…そ、そんな事無いですよ…。」
(そうだ…まさかな…でもあの時のエリカくんの表情は一体…って何を考えているんだ!
本当にエリカくんが俺の事を…いや…まさか…そんなことは…まさかな…。)
大神は一人赤くなった。

【エリカの母乳・編 おわり 】
637名無しさん@ピンキー:03/01/19 02:45 ID:gitPlAa7
エリカ編は終わりましたが、達磨母乳Bar(藁)・シャノワールの物語は二人目に続きます。

>>629さん
私にもっと集中力があれば…と思っております。
もっとピッチ上げていきます。もたもたしてると血潮に追い越されますので(藁

>>100グラマーさん
それにしても二次元猟奇スレの死神さんはすごいですね。文章に無駄が無いです。
是非血潮を購入して頂き、あの方のサクラSSが見たいなどと贅沢を言ってみるテスト、であります。
638 ◆IggKddwfIM :03/01/19 09:37 ID:UOups38E
>>637
いやーエリカの母乳編拝読しました。
今までの100gとは違ってほのぼのとした展開ですね。
まぁそれもこの先の展開でどうなるか…フフフ。

死神氏は凄いですね。
私としては是非藤枝姉妹の陵辱が見てみたいです。
…リクエストしてみるかな。
639名無しさん@ピンキー:03/01/24 17:53 ID:8kuyU5o1
いくらなんでも廃れスギだ・・・
640名@1 ◆lqF54t4pQc :03/01/24 23:37 ID:zvVwY4MK
前回のといい、今回のといい、大ハズレですね、スミマセン…。
唐突ですが脳内完成作品リストをうpさせていただきます。

1.メル
2.エリカ・グリシーヌ
3.レニ
4.さくら
5.さくら・あやめ(←血潮発売後がいいかも?)
6.シー
7.エリカ
8.織姫
9.グリシーヌ・コクリコ
10.花火(←若干未完成気味)

もしこの中で何か読みたいネタがありましたら教えてください。
軽いあらすじを見たいと言う方がいましたら改めてうpさせて頂きます。
これ以外でもこんな話がいい、お前もっとこうしろ、とかありましたら教えていただけると幸いです。
現在のシャノワール編は続行するつもりでいますが、
1〜10もしくはその他のが早く読みたいと言う方がいましたら順番差し替えでもいいかと思っています。
長文失礼致しました。
641名無しさん@ピンキー :03/01/25 11:00 ID:3qbS6Zux
>>640
グリシーヌとコクリコ見たい!
642名無しさん@ピンキー:03/01/25 18:09 ID:iifzm7Qi
>>640
同じく、グリシーヌとコクリコお願いします。
643名無しさん@ピンキー:03/01/25 18:29 ID:Jcw5ZwnX
>>640
織姫!織姫!

でもさしあたっては、シャノワール編の続きを…
あんまり100gっぽくはないですが、予測がつかないので気になる。
644名無しさん@ピンキー:03/01/25 19:08 ID:C4XMXBWm
ちょっと活気がもどってきたな〜
名@100には感謝しる
他の書き手も戻ってくれるともっとニギヤカになるんだが、、、、
いや、それは言うまい、、、
645名無しさん@ピンキー:03/01/26 04:39 ID:Ubc6+z7G
血潮がでるまではこんなものかね?
646名無しさん@ピンキー:03/01/26 04:43 ID:ySDkqOjM
>>640
641、642と同じくグリコクみた〜い♪
647名無しさん@ピンキー:03/01/26 14:49 ID:mgyIYK7B
>>646
ロリペド糞野郎があああああああああああああ
648名無しさん@ピンキー:03/01/26 19:28 ID:WcSuxlqo
>>647
まずは茶でも飲んで落ち着け。

一息ついたら死ね。

2回死ね。
1.快癒にむかうといふこと(1)

健康というものは実に厄介なものである。
なぜなら健康とは、つまるところ何事でもないということだからである。
つまり、体熱が熱いわけでもなく、冷たいわけでもない状態である。
つまり、体内をめぐる様々な液が、多くもなく少なくもない状態である。
また、取り入れた栄養が粗貧であったり、反対に豊満であっても問題になる。
ロープ上を右に左に揺れながら、どうにか落下せずに歩をすすめる大道芸、
それこそが健康というものの正体なのである。
もしバランスを崩せばどうなるか?
残念なことに、そして呆れたことに、ロープの下にマットなどは存在していない。
何者も這いあがることを許されぬ、虚空の深淵が広がっているばかりである。
ひとはそれを死と呼ぶ。
ひとはそれを恐れ、出来ることなら逃れようと足掻く。
ひとつの成果として人が想像した偉大なる神は、その大いなる御光をもって深淵を照らしてくれるけども、
落ちないようにしてくれるわけではない。
ただ、天国か地獄か落ちる先をほんの少し照らしだしてくれるだけである。救いがない。
2.快癒にむかうといふこと(2)

しかし足掻くことがまったく無駄というわけではない。
バランスを保たなくてはならないと言うなら、
右うでには充分な食事、左うでに適度な運動という重りをつけてバランスをとり易くすれば良い。
頑丈な肉体をもつものは、それだけで綱渡りの天才となりうるであろう。
しかしそれ以外の、両腕に重りをつけることすら難しい病弱なものは、
自身の震えのままに崩れ落ちるしかないのであろうか?
否である。
右に倒れかかれば、そっと肩をささえてやればよい。
左によろめけば、起き上がれるように力を取り戻させれば落ちはしない。
それでもなお深淵に誘われているのなら、足をロープに縫い付けよう。じゃまなら腕を切り外そう。
ありとあらゆる方法をもって、ひとを綱上に縛りつける試み、
ひとはその神の如き人の御業を、医術と呼んだ。
しかし、その名のもとであまたの方法が現れ、そして消えていく混迷期も確かに存在していた。
この話はそんな時代に産まれ、そして埋もれていった、ひどくタチのわるい物語である。
3.黒い布に包まれた粉薬は、あまいのか?また、苦いのか。(1)

『御加減はいかがでしょう?』
この世の晴れやかさが集まり、むさぼるように全てのひとが喜びを歌う巴里の大通り。
その一角のカフェで私と彼女はたった2人、深く静かなノクターン(夜想曲)を奏でていた。
明日を喜ぶ曲は彼女に似合いそうにない。
全てが寝静まる夜に、過ぎ去った昔を夢で愛でているような、そんな印象の女性であった。
自然、僕も明るくふるまう気にもなれず、共に夜が歌ったような声になる。
どこからか聞こえてくる馬のいななきで消えてしまいそうな細い声だ。
騒々しいが蒸気全盛の今であっても馬車は貴重な移動手段である。消えてしまえと願うわけにもいかない。
僕は声を聞きとるために彼女の顔に近づいた。深い黒瞳に吸い込まれそうな錯覚に陥る。
少し見とれてしまったようだ。失礼、とひと言詫びて席に戻った。
彼女は僕の患者だ。ほかの医者には治療が困難なため、僕のもとにやって来たのだ。
なぜなら彼女の病は肉体的なものではなく、心の、それも根源的な、
魂と言ってもいいぐらい深いところのでの病気であるからだ。
魂の癒しとなると、凡百の医者には無理だろう。
古き世なら神がその役目を果たしただろうが、しょせん神への全面依存による、原因転化が関の山だ。
根本的解決にはいたらない。
ひとを癒すのは、ひとだけなのだ。
もっとも、ただ肉体を切った、繋いだ、出した、加えたにとどまっている今の医術には限界がある。
私は違う。私の医術は違う。
それゆえに彼女は僕のもとにやって来たのだ。
より根源的な存在である、内在的波動すら治療する私の医術の前に。
 
4.過程ではなく、結果としての徘徊。(1)

事務員でもあるシー・カプリスにとって、その仕事はけっして珍しいものではなかった。
「ちょっとお使いにいってきます。  シー。」
秘書室の連絡版にはそう書かれている。
彼女の仕事場であるシャノワールは、輝かしき時代を迎えていた巴里においても、随一の劇場であった。
自然、そこでレビューを行うダンサー達は多忙である。
本番以外にも練習や打ち合わせ、なにより「もう一つの仕事」もある。
現在は休業期間であるが、それでも彼女たちがちょっとした用事をこなすのが難しくなることは、
よくあることだった。
シーの本来の仕事はシャノワールの経理や事務であるが、それはもっぱら同僚が行っている。
支配人の秘書という肩書きもあるが、スケジュールの管理やこまごまとした手配などは、
とても彼女の手におえる代物ではなかった。やはり同僚だのみである。
もちろん、彼女にやることがないわけではない。
持ち前の明るさをまんべんなく発揮した売り子稼業など、彼女に並ぶものはいない。
その屈託のない性格は、経済的、政治的、またそのままの意味で日々戦いを
強いられている支配人にとっては、よき清涼剤として、またよき話し相手としてその役を果たしている。
しかし、当然オーナーたるものが常に劇場にこもるわけではなく、昼間から売店にやってくる客も少ない。
早い話が劇場で一番の暇者なのである。
もう1人、彼女と暇を競っているボーイがいることはいるのだが、今日も遅刻している。
その遅刻ぐせをオーナーに注意されたばかりだというのに豪胆なことである。
もっか、お使いは彼女に与えられた誇りある第一の仕事になっていた。
5.過程ではなく結果としての徘徊。(2)

『いったい、どこにあるんでしょうかぁ?』
シーは今日で3度目となるこのセリフを、はんば溜め息とともにはき出した。
妙に間のびする若草にも似た柔らかい声が路地裏に響く。
彼女は不注意な性分であるが、決して方向オンチではない。
同じ道を何度か往復しているが、それは道に迷っているからではなく目的の店が見つからないからだ。
彼女が頼まれたおつかいは特別な代物ということで、普通の店には置いていないらしい。
教えられた店名と、通りの名前をもとに路地裏を徘徊しているが、いっこうに見つかる気配がない。
もう、かれこれ1時間は探している。それでも彼女の顔に陰りはない。なにより陽気な性分なのだ。
『もういちど探しますかぁ。今度は看板とかを探すのじゃなくて窓の中を一軒一軒、覗いてみましょう。』
多分に問題がある探索方法であるが、幸いにも実行に移ることはなかった。
裏通りの入口と本通りの接点、T字で言えば本通りである横棒と、
路地裏になる縦棒が交わる地点にある、その脇の家からシーは突然呼びかけられたのだ。
『ボンジュール マドモワゼル.
もしかしてあなたはシー・カプリスさんですか?シャノワール劇場の。』
彼女は振り返った。そこには1人の青年と、申し訳程度の看板がかかった家があった。
看板をみると彼女の目的である店名が書かれている。その家は本通りに面してはいるが、
正面ドアが裏路地で開いており、たしかに教えられた住所に間違いはなかった。
ぱっと見ただけでは本通りが住所だと思うだろう。
彼女は決して方向オンチではない。ただ、不注意な性分ではあることは否めない。
6.かくて門は開き、望みは満ち足りた。(1)

ドアから顔を出したのは20代後半ぐらいの、ぼさぼさした黒髪の青年であった。
黒髪ではあるが、東洋人という顔立ちでもない。だいいち肌が白い。
ラテン系とアラブ系を合わせたような、国籍が判別つかない雰囲気である。
体の線は細いが痩せているという印象よりも、精悍という言葉がよく似合う。
身だしなみさえ整えれば多くの女性は好意を示すだろう。そう、身だしなみさえ整えれば。
着ているものは、清潔とは言い難かった。なにかの塗料か、原色にちかい色彩にいろどられたシミは
羽織っている上着にとどまらず、下に着ているシャツとの境界線すらあやふやにしている。
汗じみた汚臭はしていないが、植物的とも動物的とも言えない、妙に人工的な匂いを漂わせていた。
シーは声をかけらたもののとっさには反応できず、かろうじて(極めて微妙ではあるが)
笑顔を浮かべるしか出来なかった。
しかし彼は実に屈託なくシーに話かけてきた。
『いや、家の前を何度も往復しているのが見えたからね。
シャノワールから、御本人の代わりに君がやってくるのは聞いていたのですよ。
住所は解かりづらかったですか?』
そういって裏路地のほうへ目をむける。シーが教えられた住所はこの裏路地の名前だったのである。
『ここら辺一体は、先の革命でけっこうな被害にあったらしくてね。
もともと大通りに面していた家は、あらかた燃えて無くなったんですよ。
おかげで通りはさらに広くなったみたいですけどね。まあ、それでウチみたいに住所は当時の路地裏名、
建っている場所は大通り、なんていうややこしい住所が出来たんですよ。』
青年は、まあ、ややこしい所が良いのだけどね。と言わんばかりの笑顔でシーに説明した。
実際、こうやって彼の家を探しているシーを見て楽しんでいたかもしれない。
そんなことを考え、どうにか平静を取り戻した彼女はようやく口を開いた。
『あ、あの、ヨハンさんですかぁ?オルガノン治療院の、ドクトル、ヨハンさん?』
ヨハンと呼ばれた男は、若芽が開いたような、見るものにやわらかい春の日差しを思わせる笑顔で応えた。
『ええ、そうです。そしてようこそ。ホメオパシー医学の寺院、我が治療院へ。』
ヨハンは家の扉を開き、シーを招き入れた。
655前とりっぷ ◆tw666tXXX2 :03/01/29 16:00 ID:x3N1hys6
コソ-リ
656 ◆IggKddwfIM :03/01/29 23:32 ID:o2wlArpk
いやぁお久しぶりです。
帰ってきて早々に大作ですね。
今後の展開に期待大です。
>>656
御久しゅう御座います。
前回のネタは途中で精根尽き果てた為、情けない結果に終わってしまいました。畜生。
今回は構想を練ってから書きましたので、前回の轍は踏まないつもりで御座い。
7.おしまいの人間のおしまい(1)

彼にとって、この記憶はいつまでも古く、そして常に新しい。
なぜならこの記憶こそが彼の原点だからだ。
彼の人生はここから始まったと言ってもいいだろう。
彼は夢を見る。変わらぬ夢を、毎夜見ている。
         
母が手を握っていたのを覚えている。
母の顔を見ようとするも、目線が低いために見上げなくてはならない。
僕はちっぽけな存在であった。
母に連れられて、私は街にやって来たサーカスを見にいった。
やたら生地の厚い礼装を着ていても、汗をかかなくなり始めた季節のころだったと思う。
ふと空を見渡せば、職人の家と思われる2階から、別の家の2階戸口にロープが1本張られていた。
綱渡り師の舞台だ。
ちょうどひとりの年若い道化師が渡りはじめたところであった。
それはお世辞にも巧いとはいえなかった。
綱上でお手玉をするでもなく、おどけるわけでもなく、
その道化師はおっかなびっくり歩をすすめるだけであった。
まわりから野次が飛び始めたが、しかし僕は懸命に進もうとしているその道化師に、深い感動を覚えていた。
だが、変化は常に突然である。
8.おしまいの人間のおしまい(2)

2階の戸口からもう1人、五色に彩られた道化師がロープ上に踊りでたのだ。
そのきらびやかな道化師は、観客が求めていた芸を思いつく限りおこなった。
彼はおそらく若い道化師の年長者なのだろう。
場を盛り上げるためなのか、未熟な道化師に対する叱責なのか、あるいは単なる見せ付けなのか、
ともかく較べものにならないぐらいの芸を披露し、
(そもそも芸と呼べるほどの事を若い道化師はなにもしていないが)
その五色の道化師は、文字どおり若い道化師を飛び越えていった。
圧倒的な芸で自分の前に立つ五色の道化師を見て、彼はなにを思ったのだろう。
それは誰にもわからない。その答えは永遠に揮発してしまったのだから。
なぜなら、彼はもうロープの上に立っていないのだから。
自らが飛び越えられたことによって大きく揺れたロープは、彼の業には手にあまるものであった。
だれかが、あっ。 と叫んだのを覚えている。
バランスを崩した若い道化師は、さしたる抵抗をするでもなく、ひどく諦めたような緩慢さで
大地の誘いに身をまかせていた。
そこから先のことはよく覚えていない。
ひとびとがパニックにおちいり、母が私を抱え込んだような気もする。
どさぐさにまぎれて、露店の商品が略奪されていたかもしれない。
呆然自失となった五色の道化師が、後を追うかのように石畳を赤く染め上げたのは少しだけ、覚えている。
日々変化している世界からしてみれば、とるにたらない、ささやかな事故なのであろう。
しかし、あまりにも突然すぎる人生の終焉劇は、幼い私に深い影を射すことになった。
人の運命というのはこうも儚く、危ういものなのか。
いま思えば、この時に僕のなかで神が死んでしまったのだ。
9.茶の道はひとの道に通ず。(1)

そこは治療院と呼ぶにはあまりに、雑多としていた。
まず目に入るのはビンである。1つ2つという数ではない。視界のなかに入らないことはないというぐらい、
そこら中に置いてある。棚はもちろん、テーブルや窓辺、床の上にも何本かある。
それぞれのビンにはラベルが貼られており、中身は1つ1つ違うようだ。
治療院を名のる以上、薬の材料にでもなるのだろう。
しかしその中身はというと……
『ベラドンナ、じゃ香、海綿石に、こちらはキナ皮、いろいろありますねぇ。
他には、蜂の巣と、……金? この小さいビンは、えぇっと、月の…光?』
そう書かれたラベルには、しかし、水らしきものしか入っていなかった。
うさんくさい感じは拭えない。
彼女のお使いは、この治療院から薬を預かってくることだが、はたしてここは信用できるのだろうか?
(ここの薬はよく効きますから……って、言ってましたけど、なんだか少し不安になってきましたねぇ……)
彼女の心配をよそに、ヨハンは楽しげにカップを並べている。お茶の準備をしているのだろう。
革命時代の石かまどでお湯を沸かしているあいだ、彼はティーポットの中に様々な茶葉を入れていた。
茶葉は薬の材料と同様、そこら辺のビンの中にいれてある。
テーブルに置かれているビンを開けて、中の茶葉をポットに入れたかと思うと、
しゃがみ込んで床の大ビンを持ち上げている。足もとが震えており、おぼつかない。軽くはないようだ。
ドスン、という音と共に、苦労してテーブルに乗せられたその大ビンは小サジ2杯ほどを抜きとられて
役目を終えた。重労働のもと、大ビンはふたたび床に戻される。またドズン、と響き渡る。
ポットの方を大ビンに持っていけばいいのに。と、シーは思う。
次に、ヨハンは息が整うのも待たずに玄関へ向かった。ドアの脇に置かれたビンの群れから一つを抜き出し、
持ってくる。しばらくして戻しに行く。忙しいことである。
10.茶の道はひとの道に通ず。(2)

シーはこの騒々しい準備を、ただ、呆然と見守っていた。
ヨハンがあまりにも楽しそうに準備をしているため、邪魔をするようで気が引けたのだ。
手伝いようがない、というのも真実である。
出来上がったお茶は絶品であった。
カモミールをメインにしたレシピであったが、特有の香りはそれほど主張しておらず、
ブレンドされた他の茶葉を生かしつつ、またそれらが引き立て合い、支え合い、
そして新たな香りを産みだしていた。絶妙のバランスである。
『大切なのはバランス。いかに偏らせず、調和させるかだよ。
どうだい?なかなかの出来だろう。本職である薬の調合より、よほど自身があるんだ。』
代理とはいえ、客の前で言う言葉ではない。
しかし、当の本人は心底そう思っているのだろう。例の春の日差しのような笑顔を向けている。
なんて楽しげに笑う人なのであろう。シーは屈託のないヨハンに対して好感を持った。
服の汚れはとりあえず置いておこう、と考えれる程度に。
『ああ、もし砂糖がいるなら遠慮せずにどうぞ。あなたの左手の側にあるビンに入っていますから。
手前のビンですよ。やや後ろにあるビンは砒素ですから。似ているから気をつけて下さいね。』
これもまた笑顔で言う。言われたほうはたまったものではない。
『ひ、砒素ですかぁ!? それって、たしか毒薬だったと思うのですけどぉ?』
『もちろん毒だよ。ただし普通に使えばね。こんな毒ですら私の医術では役に立つのですよ。
毒にしかならない毒を薬に変えてしまう、それこそが私の医術なのだから。』
シーは扉にかけてあった看板を思い出した。
「ホメオパシー医学」
それが彼の言う、毒を薬に変えてしまう医術なのであろう。

11.類似的治療講義(1)

『シー君、病気とは一体なんだと思う?』
ヨハンはカップの中を揺らせながら尋ねた。
ネコ舌なのか、先ほどから一口も飲まずにカップをもてあそんでいる。
『病気っていうと、風邪とか、結核とか、ペストとかですか?』
『そう、世間ではそのように言われているもののことさ。世間ではね。』
それは、病気について世の中は間違った認識をしている、という風な口ぶりであった。
『例えばある人とある人に、高熱と胸の痛みという、同じような症状が出たとしようか。
すると、この症状から見て多くの医者は彼らは肺炎である、と診断する。
そして歴史的に認められてきた、たいして効果もない薬をだしてくれるはずだ。
でも、そんな薬を飲んでいても中には治る人がいて、一方ではやっぱり死んでしまう人もいる。
おなじ薬を飲んでいるのに、生きる人と死ぬ人がいる……
果たして、この2人は同じ病気と言えるかい?』
いままで考えもしなかったことなのであろう。シーは考えた。
彼女にとって病気とは、なってしまえば医者のもとへ行き、言うことを聞いて薬を貰うというものであった。
彼はそれに疑問を投げかけてきたのである。他でもない、医者の彼がである。話しは続いていた。
『結論を言ってしまえば、2人は違う病気にかかっていたのさ。考えてもみて。
万人が全くおなじ症状なんてことがありえるかい?同じ熱で、同じぐらい咳をして、同量の吐血をする、
そんなことがありえるかい? ありえないだろう。
2人は肺炎という、同じ病気にかかっていたわけじゃないんだ。
それぞれ別の、「肺炎的な症状」を患っていただけなんだよ。』
12.類似的治療講義(2)

『つまるところ、病気の症状には大なり小なり違いがあって、治療法はその個人に合わせた、
そのひとだけの、その病気だけの対処が必要なんだ。……もしくは、患者本人に働きかえるような、
根源的な治療とか、ね。』
千人の患者には千種類の薬を。それは適切な治療という意味において理想的と言えた。
しかし問題がないわけではない。例えば…………
『でも、どうやったら、その人の病気に合わせた薬なんて創れるのですかぁ?』
そうなのである。産業革命を経て瀉血や香り薬といった迷信じみた医術は消え去りつつあり、
蒸気機関が栄華を運ぶこの時代であってさえ、病は未知からの侵略者なのである。
本質的な原因が分からない以上、薬の種類を増やしたり、
量を調節するといったことでは小手先芸にもならない。
『確かに今の医学のアプローチでは、病気そのものをなくすことは出来ないね。
でも方法がないわけじゃあないさ。
薬で病気そのものがなくならないなら、体のほうを病気に負けないようにすればいい。
もし病気になっても、病気を直接なおすのではなく、そのとき体に必要なエネルギーを与えてやればいいのさ。』
その治療方針を聞き、シーの顔が輝いた。彼女にすばらしい天啓が降り立ったのであろう。
『ああ! つまり、お菓子をたくさん食べなさい。ってことなんですねぇ。』
余計、病気になりそうである。
ヨハンはあいも変わらず笑顔であるが、すこし苦笑いになっている。
『それも1つの方法かもしれないけどね。でも、もっと確かな方法があるんだよ。
たとえば発熱だけど、発熱がおこるのは体の中で体温をあげる物質が進入して、
そいつが悪さをしているからだ。なら、この熱を抑えるにはどうすれば良いか?
答えは、とことん熱を出させてやればいいのだよ。』
13.類似的治療講義(3)

『そんなことをしたら、余計に悪化するような気がするですけどぉ……』
『いや、これでいいんだ。好転反応と言うのだけどね。熱をわざと高めさせることによって、
体そのものを順応させ、熱にたいする免疫力を上げるのさ。
もっとも、熱をあげると言っても、ほんのわずかなきっかけ程度だけど。』
『きっかけって、何をして熱を上げるのですか?』
『熱があがるよう、毒を飲む。』
本末転倒とはこのことを言うのだろう。さすがにシーは声もでない。
『正確に言うと、毒そのものじゃあないのだけどね。
きっかけである以上、物質的な作用は影響力が強くて駄目なんだ。それでは効果が大きすぎるし、
ひどくあやふやだからね。おまけに人によって体質的に効く効かないもある。
だからもっと根源的な、直接的にエネルギーが影響するもの、そういうものでないと
万人の治療薬に成りえないんだ。ホメオパシー医学はそれに対して素晴らしい答えを見つけたよ。
だったら物質から影響的エネルギーのみを抽出すればいい、ってね。』
その方法は以下のとおりである。
まず材料を、これをマテリア・メディカと呼んでいるのだが、
1.それを粉末にして、蒸留した純水で100倍に薄める。
2.次にそれを特定のリズムで振り混ぜる。
3.そうしていくうちにマテリア・メディカの波動が純水に記憶されるようになる。
『これをなんども繰り返すことによって物質としての属性を揮発させていき、
代わりにエネルギーとしての純度が高められていくというわけさ。』
そして、毒としての性質を限りなく薄めさせた波動水を、肉体そのものの免疫力を高める触媒にする。
つまりこれは、種痘のようなものなのであろう。
全ての毒を、全ての物質を、ありとあらゆる症状の治療に利用しようという技術なのである。
14.不幸は忍び足で寄ってくる。そして背後に回る。首を締める。(1)

『はぁ……、なんだかすごいですねぇ…。』
それは彼女の偽らわざる本音であった。もっとも、エネルギーうんぬんのあたりからはろくに聞いていない。
いや、聞いてはいたが、よく解からなかったというのが正解であろう。
シーは一息つこうと、カップを傾けた。心地よいカモミールの香りが喉もとへ舞い降りていく。
それだけでこのホメオパシー学の講義となった茶会の疲れが、淡雪のように溶けていった。
一方のヨハンはいまだカップの中身を飲もうともせず、カップを揺らせてもてあそんでいる。
湯気はとうに立たなくなっており、十分に冷めている。
話すことに夢中になっていたのであろうか? そんなことを思いながらシーは最後のひとくちを飲み干した。
魔法にかかったような安息感につつまれながら、彼女は背もたれに体を預ける。
しかし、その安寧は唐突に破られた。他ならぬ、彼女自身によって。
『あっ!! 忘れていました! 私、お薬をもらいにきたんですぅ!ごめんなさい、ヨハンさん!
私ったらすっかりくつろいでしまって。ああ、もうこんな時間!! はやくお店にもどらないと!!』
本当にいままで忘れていたのだろう。急に立ち上がり、今すぐにでも帰りそうなあわてぶりだ。
まだ薬も貰っていないというのに。
しかし、その動きはどこか緩慢で力のないものであった。
朝に起きぬけた時のような、水のなかで動いているような、そんな感じである。
シーもそのことに気づき、いかぶしんだ顔になる。
だがヨハンはそんな彼女の異常など気にもとめず、笑いかけてきた。
15.不幸は忍び足で寄ってくる。そして背後に回る。首を締める。(2)

『あはは。慌てすぎだよ。肝心の薬を持たないで帰るつもりかい?
まずは果たすべき仕事を終えてから行くべきだと、僕は思うな。』
いま用意してくるから、そう言って奥の部屋へ消えて行く。
シーの脱力感はなおも続いていた。
しかし、それは不安をはらませるものではなかった。
十分に動いた疲れを癒すような、そんな心地よい脱力感である。
(きっと疲れていたんだ。お昼からずっと歩いていたんだし……
それに、最近シャノワールでも大変なことが続いていたから、精神的にも疲労していたのかも……
どうせ帰っても、私がやることなんてないんだから、少し休んでいこうかなぁ……
でも、ヨハンさんの迷惑になるかなぁ…… それにしても、遅いなぁ…………
少し、待っている、あいだ、寝て…しまい……ま…しょう……か…………… )
香水と、まだ少女らしい日なたの匂いがする豊かに結い巻かれた栗色の髪は、ゆっくりと傾いていった。
彼女はすでに夢の世界の住人となっていた。
いつのまにかヨハンは戻っている。
『やれやれ、こんな所で寝てしまったのかい。まだ用意はできていないというのに。
まぁ、いいや。とにかく僕は用意をしよう。彼女が頼まれた薬の用意を、ね。』
かわいらしい寝息をリズミカルに漏らしているシーを見ながら、彼は笑顔でつぶやいた。
しかし、その笑顔はどこか陰りのあるものであった。
おそらく、医者が助かる見込みのない患者の前で「すぐに良くなりますよ。」と、うそを言う時、
このような笑顔を作るのだろう。
とりあえず666get。
ええ、狙っておりましたとも。畜生。

そして前もってお詫びを。
今回のコレ、見てのとおりやたら長くてダラダラで御座います。
多分40回超える。やヴぁい。しかもエロス少な目ですよ? 畜生。
ご め ん な さ い。
668名無しさん@ピンキー:03/01/30 17:33 ID:XMthH5NJ
長編好きなので楽しみです。
導入二回が激しく良い。
669名無しさん@ピンキー:03/01/30 22:48 ID:6ebeFrGS
16.目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ、私は沈んでいった。(1)

シーが目を覚ました時、世界は薄暗くぼんやりとしていた。椅子に座りながら眠ってしまったので、
体のあちらこちらが悲鳴をあげている。
(なんで椅子で眠っていたのだろう、それもこんなに暗くなるまで。)
と、そこまで考え、自分はおつかいを頼まれて薬をもらいにきたことを思い出した。
(……そしておつかい先で寝てしまったんだっけ。そう言えばヨハンさんはどこにいったんでしょう?
まさか、まだお薬の用意をしているわけはないですよねぇ?)
シーはヨハンを探すために立ち上がろうとした……が、立つどころか腰をあげることすら出来なかった。
腰のまわりと、そして手と足のまわりが革製のベルトで固定されていたからである。
ベルトはオイルで十分になめして強化されているため、彼女の力でどうこうなる代物ではない。
それらが腰を背もたれに貼り付け、腕をひじ掛けに縛め、
足をすこし股開きになるように椅子の2本の前足へ結びつけられていたのだ。
『な、なんで私、椅子なんかにしばりつけられてるんですぅ!?』
彼女の叫びは闇の澱でよどんだ空虚な部屋でよく響いた。
その反響は部屋の中というより密閉された箱のそれであったが、今の彼女には気づく余裕はない。
だがこの空間はまったく空虚というわけでもなさそうである。
なぜなら、シーの疑問は他でもない、その闇から返ってきたのだから。
『それはね、君に自由を与えたら僕の目的が難しくなるからだよ。』
暗黒の帳を開きあらわれたのは、ヨハンそのひとであった。
17.目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ、私は沈んでいった。(2)

『もう、お目覚めかい?まだほんの1時間もたっていないのに。それほど疲れていなかったのかな。』
目が慣れてきた為に彼の笑顔まで確認できる。
『あっ!! ヨハンさん!? いったいこれはなんなんですか!!? なんで私縛られているんです!!
なんでこんなに暗いのですか?? えっ? まだほんの1時間? 私よく眠れましたよ!?』
シーは混乱していているようであった。言わんとすることは何となくわかるが。
『ははは。まあ、落ち着いて。ちゃんと説明してあげるから。
まず、1時間しか経っていないというのは真実さ。ここは地下室だから夜と勘違いしたんだね。』
話しながらヨハンは備え付けのランプに火を灯す。部屋から闇が退き、あたたかな明かりが広がった。
ランプの灯以外は天井の隙間から微かにもれる明かりぐらいしかなく、ここが地下室というのは
嘘ではないようだ。
広さはシャノワールの楽屋ぐらいあるだろうか。ちょっとした広さである。
造りは全体的に荒々しく、壁には板が当ててあるが、老朽化しているために所々で岩壁が露出していた。
床はさらに荒れている。レンガが無秩序に敷き詰められているためにデコボコしており、
あちこちに窪みのようなものが出来ていた。
そして、どうやらこの地下室は物置として使われていたらしい。
壁際にある木箱には木槌やノコギリといった工具がつまっている。
その横には人ほどの大きさがある、いくつかの大型工具らしきものがホコリ避けの布をかぶっていた。
『地下…室?』
『この家が革命時代の生き残りというのは話したっけ?当時この家に住んでいたのは
中流のブルジョワジーでね。すぐ家の前までサンキュロットを着た暴徒が
押し寄せてきたのが余ほど恐ろしかったのだろうな。
なんせ、いささか粗雑な造りではあるけど、こんな非難用の地下室をこしらえてしまうぐらいだからね。』
『どうして、……私を地下室なんかに閉じ込めるのですか!!!』
『それは後ほど話すよ。物事には順序というものがあるからね。牛乳から水分を分離する前に
青カビをふりかけても、出来上がるのはブルーチーズではなく単なる腐った牛乳だろう?
僕は君の頭を食中毒にしたくなんかないから、順序よく話させてもらうよ。』
18.目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ、私は沈んでいった。(3)

『シー君、君は何故眠たくなったか、その原因が解かるかい?』
彼女は舌足らずな喋り方とその性格のために馬鹿にされている面があるが、決してそうではない。
1人で修行の旅(お菓子作り)に出たり、大学の講義に潜り込むなど向学心は人1倍たかいほうである。
それらの努力が今ひとつ実を結ばないのは、ただ不器用だからである。
馬鹿ではないのだ。それゆえに自分が眠ってしまった理由もおぼろげに解かっていた。
『眠り薬ですか、多分、さっきのお茶にいれられていた……』
他に思いあたるものは無かった。あの異常なほどに安息感をもたらすハーブティー。
ヨハンが最後まで口をつけずに弄んでいたのを、今さらながら思い出す。
『半分は正解、ってところだね。ハーブティーが原因というのは当たりだよ。
でも僕は眠り薬なんて野暮なものは入れてないよ。あれは単なるお茶さ。
ホメオパシー法で鎮静効果を高められてはいるけどね。歩き疲れた体にはよく効いただろう?』
確かにあのハーブティーは体に染み込み、疲労で生じた肉体のすきまを埋めていくような
満足感をもたらした。不自然なほどに。
『さて、現状に至る説明はこれくらいにして、そろそろ本題にはいるとしますか。
僕が何故、君を人目につかない地下に連れていき、縛り付けているのか、その理由を。』
19.希望の限界、絶望の可能性(1)

ヨハンはシーの前に立ち、やや見下した形で見つめる。顔はあいも変わらず笑顔だ。
この男は笑う以外の表情を作れるのだろうか? 
少なくとも、次に出てくる言葉は笑顔で言う類いのものではない。
『今から、君に絶望してもらいたいからさ。』
『え?……そ、それは一体、どういう意味ですかぁ!!』
彼女ならずとも怒声を放たないわけにはいかないだろう。今日会ったばかりの相手を監禁するばかりか、
絶望させる、と言い放つとは。答えるヨハンは涼やかなものである。
『君がここに来た目的を忘れてしまったのかい?君は患者の代理で薬をもらいに来たのだろう?
僕はその役目を果たさせてあげたいさ。そのためにはこういった用意も必要なんだよ。
なぜなら、その薬の材料とは他ならぬ、君自身の絶望なのだから。』
その言葉はあまりにも彼女の理解を超えていた。そのため怒りも通り越えて呆然とした顔になっている。
逆にあわてたのはヨハンであった。
『ああ、ごめん、ごめん。混乱させてしまって。順番に説明すると言ったばかりなのに。』
本当に申し訳なさそうに、そう言う。
その真摯な態度が返ってシーを混乱させているのは、計算の上か、真実そう思っているのか。
20.希望の限界、絶望の可能性(2)

『そうだね、僕の患者について説明しなくてはならないね。』
ヨハンの患者とは、つまりシーにお使いを頼んだ人物のことである。
『彼女は強度の内向性攻撃衝動を抱えているんだ。突発的自殺症とでも言えばいいのかな。
早い話が「死にたがり屋さん」というわけさ。
今、彼女を支配しているのは絶望から生まれた、「死にたい」という願望だけなのさ。
かろうじて死なずにすんでいるのは死への渇望があまりに強いため、なかなか実行に移せないからなんだ。
なんせ死ねるのは1度きりだからね。
彼女はそんな、綱渡りのような絶妙のバランスで生きているのだよ。』
シーはその言葉を信じられなかった。信じられるはずがない。
たしかに普段から物静かで、決して明るいとは言えない女性であったが、自分から死ぬような女性ではない。
婚約者の死を乗り越えられる強さを持っているし、その強さは今でもあると信じている。
彼女はもう死の誘惑などに負けないのだ。これまでも、そして今も、絶対に。
それは彼女と、そしてその仲間たちの戦いを見てきたシーにとって当然のことである。
『信じられない、って顔をしているね。その気持ちも分からないでもないけどね。
まあ、とにかく彼女の魂は病んでいて、そして治療が必要だということは理解してほしいな。
でも精神の治療は今の一般的な医学では無理だ。
6年ほど前だったかな、「死の本能に向けて」という論文を発表した、フロイトとかいう学者なら
まだ期待できないこともないけど、どっちにしろ完成まで数十年はかかるだろうな。
つまるところ、彼女を癒せるのは僕と、ホメオパシー医学だけというわけさ。』
21.希望の限界、絶望の可能性(3)

『治療って、なにをするんです?どうして私が、こんな目にあう必要があるんですかぁ……』
やや気力が無くなってきたため、声に力がない。
しかし、もともと適応力の高い性格のために怯えの響きは消えていた。
緊迫感のないヨハンの態度も原因であろうが。
『ホメオパシー医学の原理は「毒をもって毒を制す」である、と教えたよね。
そして、それは毒としての物質効果が無くなるまで薄められ、作用エネルギーを増幅させたものを
蒸留水に封じ込めて用いる、ということも話したね。
封じ込めるものはエネルギーなわけだから、応用すれば物質以外のモノもホメオパシー治療に使えるわけだ。
例えば、心を躍らせる「月の光」とか、さまざまな「音楽」とか、もしくは………「人の精神」とかね。』
ヨハンはシーの顔に間近まで迫り、見つめる。お互いの吐息が顔にかかりあい、そして交ざっていく。
『彼女の絶望を癒すため、君の絶望を僕にください。あの黒衣の貴婦人が抱えるタナトスを癒すほどの。
だれも覗いたことのない深淵に横わたる巨大な絶望を、さあ、絶望を、曇りのない絶望を。』
初めてヨハンの顔から笑顔が消えた。それは成功率の低い外科手術に立ち向かう医師の顔であり、
戦争の前線地区に送られる兵士の顔であった。それは食べるものが尽き、今にも散ってしまいそうな
我が子を見つめる貧農の顔であり、ペストに襲われ、全ての村人を埋葬している司祭の顔であった。
それはどこか人の命というものを諦め、それでも足掻かずにはいられない、そんな顔であった。
ヨハンの右手が無気力に動く。
最初は、やや湿りを帯びた小さな、にぶい音であった。それに対する反応もまた、小さい。
『えっ。』
シーが呟く。
みずみずしい彼女の腕には1本の短剣が刺さっていた。
いや埋っていると表現した方が正しいかもしれない。
何故なら刃身のほとんどが彼女の腕を侵しているのだから。
『とある医術を信じた男、その救いの無いカルテ』

 ↑ これ、いまさらながらタイトルで御座い。
   ってか、やっと次から陵辱ですよ?
   拙は阿呆うです……
677名無しさん@ピンキー:03/01/31 18:38 ID:IkNDicur
フロイト以前か…

ところで、シーたんは他人に対しては「〜ですぅ」調だけど
一人称はタメ語なんじゃないか?
>>677

御指摘、感謝致します。
何分、拙は作品そのものを未体験であります故に。
WIN版を待っている身なので御座い。畜生。
願わくば、脳内補完で御容赦を。

フロイトはこの時代では大著『精神分析入門』をすでに書きあげておりますが、
評価はそれほど高くはなかったそうです。
好きなんですけどね。なんでもかんでも性欲に結びつける、あの発想。
22.砂漠ですら水が湧く。人が生きる所とはそういうものだ。(1)

『えっ?なに? えっ!なんでぇ!? 痛っ! やっ!? いやああぁぁぁぁぁ!!痛い!!抜いて!!
抜いてくださいいいぃ!!!』
ようやく我が身に起こった事と、痛みを理解したのは数瞬後のことであった。
『なにごとも慣れというのは必要だからね。
まずこれくらいから入っておかないと、ショック死してしまうかもしれないし。
だってこれから僕が君にしようとする事といったら、こんな事とは比べものにならないんだからね。』
泣き叫ぶシーに対して、ヨハンはまるで聞き分けのない妹を諭す兄のような声で語りかけた。
『まあ、念のためにこれを飲んでおいて。特製の強心剤だから。
これさえ飲めば、ちょっとやそっとでは死ななくなるよ。』
物騒な事を言いながら床から持ち上げたポットを片手にシーへ近づく。
裕に1リットルは入ってそうな代物だ。
まだ喘いでいる彼女のおかまいなしに頬を掴み、口を開けさせてポットの中身をぶち込む。
許容量を大きく越えた水量はシーの呼吸器を容赦なく蹂躪した。
『かっ!! ごぶぅ! んっ、はぁ!! はあぁ!!……はぁ……ん……ごっ!…あぁ…………』
アゴを無理矢理上げさせられた為に、吐き出すことも出来なかった。
喉では嚥下された水と呼気がせめぎ合っており、
鼻腔からは一部が逆流して彼女は呼吸困難におちいっていた。
それでも溺れずに済んだのは、ヨハンがシーの髪をつかんで体勢が前倒しになるように
引っ張ったからである。大量の水が彼女の小さな口から溢れ、糸を引いている。
少し胃液と内容物も混じっているようだ。すえた匂いが地下室に満ちる。
『また盛大にもらしてくれたものだね。それに胃の中身を人前で見せるなんてはしたないよ?
おかげで、ほら。君のかわいらしいメイド服がびしょ濡れじゃないか。おまけにこんなに汚して。
いくらエプロンを付けてるといっても限度があるよ。』
そう言って視線を床に移す。荒々しいレンガがむき出しのため床は水を含まない。
しかも、床はあまり平らな造りではなく場所によっては陥没しているため、
吐き出された水はシーの足元で水溜りとなっていた。
23.砂漠ですら水が湧く。人が生きる所とはそういうものだ。(2)

『もったいないな、こんなにこぼして。僕はドイツの寒村で生まれたのだけど、そこでは水すら貴重で
コップからこぼしたりなんかしたら、よく父親に折檻されたものだよ。ほら、こんなふうに。』
いきなりシーの腕に刺さった短剣を引っこ抜いた。刃身と肉が擦れ合い、うめき声がもれる。
しかし、次に起こった痛みはそんなものとは比較にならなかった。
ヨハンは短剣を機械じみた正確さと動きで、再び彼女の傷へ突き戻す。
すでに傷あとを満たしていた血が行き場を失い、あたりに飛び散る。
そしてまた短剣を抜き、突き刺す。抜き、突き刺す。それを繰り返す。
『こんなふうに。 こんなふうに。 こんなふうに。 こんなふうに。 こんなふうに。 こんなふうに。
こんなふうに。 こんなふうに。 こんなふうに。 こんなふうに。 こんなふうに。 こんなふうに。』
一言ごとに短剣が彼女の腕に埋まり、抜かれていく。刃身から濡れ引いている血の糸はヨハンの
正密な動きのために、まるで短剣と傷を結ぶ赤いゴムであるかのように伸縮を繰り返す。
『いやっ!!!! やめっ!!! ああああぁぁあ!!! あああぁ!お願あっ!あっ!いやあぁぁっ!!
お願っ!!!あっっ!!!がっ!!ああああぁあぁっ!!!あっ!!あっ!ぁああああああがっっ!!!!』
ヨハンとは異なり、こちらは単調なリズムを刻む、というわけにはいかなかった。
短剣が埋まるごとに背骨がのぞけり、抜かれる時は限界まで肺に貯められた空気を全て絶叫に費やしていた。
少しでも逃れようとする意思は、腕が一切動かせないために頭を左右に揺り動かす、
という代償行為によってしか表せなかった。それが彼女に許された行動の全てであり、
また彼女自身も無駄だと解かっていながら、それに没頭するしかなかった。
その証拠に、彼女の意思の支配から開放された下半身は弛緩の極みを呈しており、
秘所からは屈辱の泉が湧き出し始めている。その放流は彼女の下着を湿らすにはとどまらず、
ゆるやかな曲線を描く足を伝って足元の水溜りへと流れついていた。
681名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/01 03:17 ID:t5XKWqz8
14

「ムッシュ迫水、楽しんでるかい?」
「ええ、グラン・マ。楽しませてもらっていますよ。」
誰かが迫水に話しかけてきた。大神はグラン・マと呼ばれたその人物の姿を見て絶句した。

青い髪のメイド服を着た女性が押す車椅子にグラン・マは座っていた。
短めの金髪、白くふっくらした顔立ち、派手なドレス、イヤリング、ネックレス。
これだけなら巴里のどこにでも見かける中年女性の姿である。

しかし、肩口を露出したグラン・マの肌には無残な傷跡があり、左目は明らかにそれと分かる義眼。
そして、エリカや今まで目にした店内の女性と同じく、彼女もまた達磨だった。

「グラン・マ、彼はうちで働く事になった大神一郎君です。
今日は大神君の歓迎会というわけですよ。」
「よろしく、坊や。」
「……あ、こ、こちらこそよろしくお願いします…。」

坊やと言われたのは心外だったが、
グラン・マに威圧感を感じていた大神はそれ以上の言葉を出せなかった。
「それとこっちは秘書のメル・レゾンだ。メルと呼んどくれ。」
メルが大神に対して目礼をする。
682名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/01 03:18 ID:t5XKWqz8
15

「すまないねぇ、いきなりこんな汚い体を見せちまったもんだから、
そっちの坊やは怖がっているようだね。」
少し表情を和らげながらグラン・マが大神に言う。

「い、いえ…そんなことは…。」
「大神君、グラン・マは巴里で1番のダンサーだったんだよ。イザベルと言う名前でね。
それはすごい人気でね、イザベル見たさの行列が劇場の周りを1周するほどだったからね。
だが、ある日暴走した馬車に巻き込まれてね…。」
「よしとくれよ、ムッシュ迫水。もう昔の話なんだからさ。」
「でも、イザベルから巴里の人達が離れる事はなかった。
男達が惜しみない援助をし、イザベルを慕う女性達がヨーロッパ中から集まって、
今のシャノワールが出来上がった、というわけなんだ。」
「そうなんですか…。この店にはそんな経緯(いきさつ)が…。」

大神はグラン・マが発しているのは決して威圧感ではなく、人としての芯の強さであると感じた。
「そんな事より、坊や。さっきはエリカが相手だったそうだね。
どうだい、なかなかいい娘だろ? 次は…そうだねぇ、坊やには坊やらしく、
コクリコなんてどうだろかねぇ…うん、そうしよう。メル、シーとコクリコを呼んできておくれ。」
「ウィ、オーナー。」
グラン・マに指示され、メルが店の奥に消えてゆく。
683名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/01 03:18 ID:t5XKWqz8
16

少しの後、メルが先導する形で、メルと同じメイド服を着た女性が台座を押してやって来た。
台座にはエリカの時と同様に、達磨の少女が載せられていた。

台座を押している女性はエリカよりやや明るめな茶色の巻毛で、
台座に載せられている少女は髪を頭の両端で束ねており、
あどけない顔立ちやわずかな胸の膨らみが少女の幼さを表していた。

「紹介するよ。メルと同じく秘書のシー・カプリス。シーと呼んどくれ。
で、こっちの小さいのがコクリコだ。よろしく頼むよ。」
グラン・マが大神に二人を紹介する。

「大神一郎と言います。日本から来ました。二人とも、よろしく。」
大神は二人に自己紹介をした。
「シー・カプリスですぅ! ムッシュ大神、ようこそ、シャノワールへ!
よろしくお願いしますねぇ!」
「ボクはコクリコ。下の名前はイチロー…でいいのかな? イチローって呼んでもいい?
ボク、好きな人は名前で呼ぶことにしてるんだ。ね、ノリミチ?」
「いやぁ、嬉しいなぁ。本当にコクリコちゃんはいつ来てもかわいいよ。」
迫水はコクリコの言葉にすっかりのぼせ上がっているようだった。

「はいはい、お互い挨拶はそのくらいにして二人はさっさと準備しな。
コクリコはともかく、シー、特にアンタはミスの無いように気をつけるんだよ。」
「オーナー、ひどいですよぅ〜。わたしはミスなんてしませんよぉ〜。」
「シー、早く早く。あんまりイチローを待たせちゃダメだよ。」
「はぁい! じゃあ始めますねぇ!」
そう言ってシーはおもむろに自分のメイド服のボタンを一つずつ外していく。
684名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/01 03:19 ID:t5XKWqz8
17

「シ…シーくん?」
いきなりメイド服のボタンを外し始めたシーを見て大神は動揺した。

しかし、大神の動揺をよそに、シーはボタンを外していき、自らメイド服をはだけさせる。
そこから現れたのは彼女の非常に豊かな膨らみをたたえる白い乳房だった。
(おぉ…こっ…これは…。)
慎ましいメイド服からはみ出すシーの大きな乳房に、
大神は顔を赤くしながらもしっかり見入ってしまっていた。

「シー、準備できた? じゃあ頼むね!」
コクリコが一言言うとシーは右手でコクリコの体を抱きかかえ、
コクリコの頭を自分の右の乳房に近付けていく。

そして、コクリコの頭がシーの乳房に限りなく近付いた瞬間、
コクリコはシーの乳房を口に含み、吸い立て始めた。
「やぁっ…! コクリコさんっ…あたしまだ準備がぁ…あんっ!」
自分の意図していたタイミングを狂わされたのか、シーが思わず声を上げる。

「んっ…んっ……んっ…んっ…。」
そんなシーの様子にはお構いなしにコクリコは乳房を吸い続ける。
コクリコの表情は実の母の胸に抱かれているかのごとく穏やかだった。
(ああ…コクリコは本当に気持ちよさそうだなぁ…。)
シーに甘えるコクリコを見た大神の脳裏にエリカとの甘美な体験がよみがえる。
685名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/01 03:20 ID:t5XKWqz8
18

「もうっ…コクリコさんったらぁ…そんなにしなくても、おっぱいは出ますからぁ…うんっ…。
あんまり強く吸われちゃうとぉ…あたし…かんっ……じ…ちゃいますぅ…うぅん!」

シーの言葉に、とりわけ『おっぱい』と言う言葉に大神の思考は鋭く反応した。
(と、という事は、シーくんからも母乳が…。)

再びコクリコに目を向けると徐々にコクリコの頬が膨らんでいく様子が見て取れる。
コクリコはシーの乳房から吸い出した母乳を口の中に溜めている様なのだ。
そして、もう口内に母乳を溜めきれなくなったのか、
「んっ」という小さなうめき声とともにコクリコはシーの乳房から口を離した。

「大神さん! 早くしてあげてくださぁい!」
「…えっ…何をだい?」
「何って口移しですよぅ! 早くしないとコクリコさんの息が詰まっちゃいますぅ!」
そう言ってシーはコクリコの体を大神に手渡す。

投げ出されるようにして胸に飛び込んできたコクリコの体を大神は受け止めた。
受け止めた感触はちょうどアイリスが抱きついてきた時のそれと似ていた。
違うのは抱きかかえた肩と腰骨の空虚な感覚。
(そうだ…アイリスと同じくらい小さいけどコクリコには手足が…。)
改めて残酷な事実を実感した大神だったが、今回は迷っている時間などなかった。
コクリコの後頭部に手を回し、唇を奪う。
686名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/01 03:21 ID:t5XKWqz8
19

重なる唇。コクリコの口内に蓄えられた母乳が少しずつ流れ込んでくる。母乳の味が心なしか甘い。
コクリコとの接吻がそうさせているのか、シーの母乳が甘いのか、一瞬大神は考えようとしたが、
コクリコから漏れる「んっ…はむっ…んむ…」という切なげな声にさえぎられ、それはならなかった。

二人の唇の隙間からこぼれ落ちた母乳が大神の顎や喉を伝っていく。
コクリコの口内の母乳は残り少なくなってきたようだ。お互いに余裕が出てくる。

その時だった。大神は舌に何かが当たり、絡み付いてくる感触を得た。コクリコの舌だった。
その顔の幼さとは対照的にコクリコの舌は実に巧みな動きで大神の舌をもてあそぶ。
大神の舌は成すすべなく、しばらくコクリコの舌に身を任せるしかなかった。
その後、コクリコの舌が動きを止め、ゆっくりと離れていく。二人の唇を白い糸が結ぶ。

「はい! 今日はここでおしまいだよ!」
コクリコが大神に笑顔で告げる。輝く瞳が大神の心を捕らえて離さない。
そして、シーとコクリコは一足先にテーブルから去っていった。
687名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/01 03:22 ID:t5XKWqz8
20

(シーくんの母乳が…コクリコの舌が…あぁ…。)

大神は一人呆けていた。そして、浸っていた。だから、
「どうだい、ムッシュ大神、コクリコの味は? 
元々は上手く母乳をすえないお客さんのために始めたんだけどさ、これが大好評でね。
まぁ、この娘が母乳を出せるようになるにはあと3〜4年かかるから、
それまで口移しで頑張ってもらうんだけどね。贔屓(ひいき)にしてやっておくれよ。」
いつの間にか坊やがムッシュに変わっていたグラン・マの言葉も、

「ううん…エリカさんに続いてコクリコちゃんまで大神君がお気に入りとは…
このままでは大神君にみんな取られてしまうかも…ううむ…。」
やけに真剣な顔つきの迫水の独り言も、

「この後はスペシャルプログラムがあります。私とシーで司会をやっているんです。
ムッシュ大神、これからも楽しんでいって下さいね。」
この日メルが始めて見せた笑顔も、全くもって大神には伝わってはいなかった。

シャノワールにすっかり骨抜きにされてしまった大神一郎。
しかし、彼はまだ知らない。
この後行われるスペシャルプログラムが彼を深い絶望の淵へ叩き落す事を。
ジュルジュから受け取った『50』と書かれた番号札が彼の後の人生を大きく左右する事を。

【 シーの母乳をコクリコで飲む・編 おわり 】
688名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/01 03:23 ID:t5XKWqz8
母乳ネタはこれにて終了。食前乳(?)と思って許してください。
スペシャルプログラム(後半三話)は食の三連発で参ります。

遅れましたが皆さん御意見ありがとうございました。
シャノワール編終了の次はグリシーヌ・コクリコ物でいく方向で準備をします。
>>640のリストはこれからも有効なのでまたいつでも御意見ください。
私は放っておくとすぐに明後日の方向にいってしまう香具師なので、
皆様の御意見が非常に参考になりますゆえ。

>>食材の羊さん
お久し鰤です。すごいペースですねぇ。サブタイもいいですね。
あっという間にレス番号抜かれちゃいますた(藁
奥深し、ホメオパシー医学。
>>名@1殿
御久し鰤で御座います。相も変わらず御健筆ぶり、流石で御座い。
わりとリピトーが蓄積したときに書いている為、気が付けば文章が溜まっていた、という感じです。
あと、ホメオパシーですが、実際は結構アレです……
24.砂漠ですら水が湧く。人が生きる所とはそういうものだ。(3)

『おや、またこぼしてしまったのかい?本当にこまった人だね。』
それほど困ってそうにない笑顔を再び咲かせながら水溜りを見つめる。
折檻と称した拷問はちょうど20回を数えたところで終わりを告げた。
その回数が父親の習慣だったのかもしれない。
短剣は几帳面に血をふかれて壁に掛け直された。
『自分の不始末は自分で片付けてもらうからね。いいかい?』
『ひっ……お、お願いしますぅ。もう、許してくださいぃ……なんで、こんなことをするんですかぁ?
わ、わたしは頼まれた、お薬を取りに、き、きただけなのにぃ……助けてよぅ……うう、メルぅ…………』
ヨハンは軽くため息をつきながら、シーと椅子を後方にずらしていく。
数十センチほど下げたところで動きを止め、椅子の背もたれに後ろから手を置いた。
『位置は……まあ、こんなところかな。それじゃあシー君、ちゃんと綺麗にしてもらうよ?』
そう言うと彼は手に力を入れ、背もたれを前倒しに押した。椅子の後ろ足が浮いてシーもろ共、前に倒れる。
『えっ。』
シーがそうつぶやいた時にはすでに引力のなすがままであった。
25.どうにか恩寵によって生きてるらしい私たち、そして例外。(1)

最初に彼女のヒザが地面に衝突した。椅子に縛り付けられているため受身すらとれない。
苦悶をあげる暇すらなく、次なる衝撃がひじ掛けに縛られた腕を襲った。正確に言えばその先端である指が、
地面とひじ掛けによってプレスされたのである。指のうち何本かは折れ、それより多い数の爪が割れた。
そしてヨハンの狙い通り、彼女の顔は水溜りへと着水した。
ヒザと指に衝撃が集中したため、顔へのダメージは思いのほか少なかった。
不幸中の幸いと言えるかもしれない。
あるいはそれも、計算のうちかもしれないが。
『うっ!! げほっ、ごふっ、ごふぅっ!!』
水に混じった胃酸が鼻の粘膜を刺激する。同時にアンモニア臭が飲み込んだ水と一緒に口に広がった。
おもわず進入してきた汚水を吐き出すが、顔を動かせない以上むだな努力である。
『さあ、早く。君が吐き出した液という液すべてはその窪みに蓄えられているんだ。
舌で舐めて。口ですするんだ。鼻を使うのも効率的かもしれないな。
歯でこびり着いた吐寫物をこそぎ取るのもいいだろうさ。とにもかくにも、まずは行動を。
一にも二にも行動を。君に許された選択肢はそれほど多くはないよ。』
『こんなの……飲めませぇん……。お願いしますぅ、許してください………
うっ、うっ……ううぅっ…………』
懇願の後半は泣き声にかすれていた。無情なことに、その輝石の如し涙をもってしても恩寵の扉は開かず、
ただ、水溜りのかさをほんの少し増やすのみに終わる。
26.どうにか恩寵によって生きてるらしい私たち、そして例外。(2)

『飲めないというなら仕方がないね。でも、それならもう1つの選択肢を選んでもらうよ?
つまり、もう1度おしおきを受けてもらうことになるな。次はあのノコギリを使おうか。』
そういって壁ぎわに目を向ける。そこには木箱からノコギリが歯をのぞかしていた。
それは年代物らしく随分と赤サビており、努力しだいでようやく切れるだろうといったモノであった。
それゆえに苦痛は想像を絶するだろう。
そして彼が優しげな笑顔を浮かべ、その作業をすることは容易に想像できる。
シーは横目でノコギリを見やり、ひぃっ、という小さな悲鳴をもらした。
彼は常に本気だ。そのことはこの数時間の付き合いで解かっている。だから、これも本気だ。
『わ、解かりました……こぼした水を…ぜんぶ……飲みますぅ…………』
そっと舌を突き出す。まるで毒でも入っているかのように恐れ恐れ水面に近づけ、ぴちゃ、ぴちゃん。
舐めた。失禁の雫もまじっている為にすこし塩からい。舌先に胃の内容物が着く。
野菜のかけらであろうか?昼はなにを食べただろうと思ったが、すぐにやめた。
あまり気持ちの良いことではないし、だいいち思い出せそうにない。
ほんの数時間のランチが随分昔のことに思える。
他愛のないことでメルとふざけたい。きっと彼女はたしなめつつも冗談に付き合ってくれるだろう。
今日見つけたちょっとした発見をグラン・マに聞いてもらいたい。
そうすれば発見以上の新しいことを教えてくれるに決まっているから。
ドミニクはどんな調子の良いことを言うのだろう。
日々変化する言い訳のバリエーションは、少し楽しみにしている。
ああ、みんな。みんなに会いたい。帰るべきところへ帰れない悲しさよ。
『ううっ、ぐすっ…みんな…会いたいよぅ…帰りたいよぅ……みんなぁ………。』
シーは舌で舐める。ぴちゃ、ぴちゃん。ほんの少し舐めて飲む。
シーは瞳を濡らす。ぽたり、ぽたり。また水溜りは増えていく。終わらない。今日が終わらない。
ひとつみな皆様にお尋ねしたいのですが……
シーはグラン・マやメル、ドミニクをなんて呼んでいるのでしょう?
694 ◆IggKddwfIM :03/02/02 01:04 ID:6YyhXi5e
>>693
たしか…

グランマ→オーナー
メル→メルぅ
ドミニク→…何だっけ(;´∀`)

ううう、すいません。
御返答、感謝致します。
ドミニクは、ドミニクでいいかなぁ……
27.主が見捨て給うた、5686年後のわたしたち。(1)

どれだけの時間がたっただろうか。今のシーに知るすべはない。
時計がない以上は部屋の変化で察する他ない。すでに水溜りは半分ほどに減っていた。
舌での回収作業はまだ続けており、おそらく1時間は経っているのだろう。
ヨハンはそこらへんにあった置物らしき物に腰をおろし、彼女をずっと見つめている。
突然、シーの舌が止まった。その代わりに彼女を縛り付けている椅子が左右に揺れ始める。
どうも腰が震えているらしい。
『どうかしたかい、シー君?ようやく半分まで減ったのに、やめてしまうつもりなのかな。
せっかくの努力が泡になってしまうよ?』
ヨハンは問い尋ねた。
『おね…がい…しますぅ。ト、トイ…レに、トイレに行かせ、て……くださぁい!!』
当然の結果であろう。いつ掃除されたかも分からない床にぶちまけられた汚水を舐めていたのだから。
おまけに服は吐き出した水で濡れている。腹が冷えていたのだ。腹痛を起こさないわけがない。
『ああ、おなかを壊したんだね。僕としたことがぜんぜん考えていなかった。本当にごめん。
そうだな……出るものは出したほうがいいね。医学的にも、一般論的にもね。もう少しガマンできるかな?
今、準備をするから。』
そう言って頭を下げ、シーを椅子ごと引き起こした。ヒザと指先は血が滲んでいる。
刺し傷はヨハンの腕が正確であったためか、それほど出血していなかった。
28.主が見捨て給うた、5686年後のわたしたち。(2)

『まず足から外すからね。と、言っても自由にはできないから別の形で縛めるけど。
まあ、トイレに関しては問題ないよ。暴れないでいてね。』
まず左足と椅子との縛めをはずした。そしてかかとを椅子のシートに乗せさせ、
足首とふとももを付け根に密着させ、固定するように縛る。同じことを右足にも行う。
親に抱きかかえられて小用をすます幼児のような、またはカエルが跳ねる前のような座り方である。
腕はもう少し慎重にはずされた。ひざ掛けに固定されてたまま、1本のロープで左右の手首を結ぶ。
そうして左手のベルトをはずして右手に引き寄させ、両手の手首を合わせて再び結び直した。
最後に腰のベルトを外して椅子からの束縛は開放である。
『さ、これでもういいよ。存分に自然の摂理に従って。』
一仕事終えた、という晴れやかな顔でヨハンは言い放った。
『あ、あのぅ……このままでは、は、はやくトイレに……お願いしますぅ!!』
『ああ、そうだね。さすがにこの状態で、というわけにはいかないか。』
何故か壁際の方へと歩いて行った。その先にあるのは先程の短剣である。
それを持って戻るとヨハンはシーの腕を掴んで上げさせ、短剣を胸元に構えた。シーに先の恐怖が吹き返す。
『あっ…いやっ!! やめて!! やめてくださいぃ!!!』
短剣が走った。胸元のリボンが切れたと思った瞬間にはエプロンに縦線が入っており、
気が付けば短剣はメイド服を下まで切り裂いて椅子に刺さっていた。左右に分かれた服から垣間見える
素肌には傷ひとつ無かった。外科医としても十分以上に働ける腕である。
29.主が見捨て給うた、5686年後のわたしたち。(3)

呆然としているシーを無視して、ヨハンは掴んでいる彼女の腕をそのまま引き上げ体ごと椅子から降ろした。
そして後ろに回りこむと先程と同じ要領でメイド服の後ろも切り開く。
ようやくシーは自分が裸にされようとしていることを理解した。
『いやああぁぁ!!!何をするんですかぁ!』
『何って……君がトイレをしやすいようにしているだけなんだよ?』
眉を少しあげ、心外だなぁ、と言わんばかりの声で答えた。そうしている間も左右の袖を切り開いている。
ヨハンが掛け声と共にメイド服を引っ張ると、まるで魔法のような鮮やかさで彼女の肌から離れていった。
たわわに実った胸がこぼれる。17歳という若さが持つみずみずしさと、成熟へと向かっている豊満さが
両立したその肉体は神の造りし芸術品と言っても過言ではない。
そして流れるような手つきで彼女の下着も切り取る。こちらは後方からのワンカットだけですんだ。
シーには叫ぶ暇すらなかった。ようやく叫び声をあげたのは、若草に萌えぐ秘所がさらされた時であった。
『いやあああぁぁぁ!! 返してください!私の服を、返してください!!!』
今更返してどうこうなる有り様ではないが、だからといってじっと裸体をさらすほど恥じ知らずでもない。
しかし手足を縛られているために隠すことすらままならない。
『ほらほら、そんなことを言っている場合でもないだろ。
ユダヤ暦(注)を信じるなら、紀元前3761年ごろはひとが裸であって当然だったんだよ。
禁断の実なんていう、いやがらせ以外の何物でも無いモノを食べてしまうまではね。
そんなものはさっさと生理的メカニズムによって体内で処理して、窒素肥料として楽園にばら撒いて
しまえばいいのにね。今の君みたいに。』
そう言いながらヨハンはシーを抱きかかえた。
注)ユダヤ暦
よんで字の如し、ユダヤ人の暦である。
旧約聖書の天地創造を紀元としている。この日は西暦に換算すると紀元前3761年10月7日と
なっており、2003年現在のユダヤ暦は5764年ということになっている。
ちなみに人類が生まれたのは紀元前3761年10月13日(天地創造の6日目)らしい。
なんか新鮮な感じ。
恥も隠さず700get
 
どうでもいいですけど、100gものを書いていると、
すごくバカらしい事を書きたくなります。
こういう時に、サクラ本スレが機能していないのは寂しい限りで御座い。
30.例えば、穴のあいた桶で水をくもうとしたお話。(1)

彼女は抵抗したが縛られているためと、あまり動くと厄介な状態であるため、
それほどヨハンの行動を阻害しなかった。彼は数歩先の水溜りに近づき、シーを降ろす。
彼女の尻が水溜りに向かうようにして。
『さあ、どうぞ。ここなら処理もお手軽だからね。』
『えっ……、こ、ここで……!?』
さすがに、ここまで辱められるとは思っていなかった。
トイレとまではいかないまでも、ツボかオマルのようなものでさせられると考えていたのだ。
まさか床でさせられるとは。
ヨハンは先程までシーが縛られていた椅子に座り込んでいる。それでも、床にしゃがみ込んでいる彼女は、
顔をあげないと視線が合わない。少し上目づかいで彼を見る。
ヨハンは視線に気づくとシーにほほえみかけた。抗議の意思はまったく伝わらない。
もっとも、伝わったところで事態が好転する望みは極めて儚いが。
『さあ、はやく終わらせよう。さっきも行ったけど医者として言わせてもらえば、
我慢はすすめられる代物じゃあないよ。なんなら僕が手伝ってあげよう。』
ヨハンは左手を正面側からシーの右肩にのせ、そして抱きつくような姿勢でしゃがみこんだ。
右手は彼女の背中に置かれ、下方に移動していっている。
前屈みになっているために浮き出た背骨の線に沿い、
ゆっくりと流れ落ちていった手の行き先は肉付きのよい尻だった。
だが侵略の目的地はまだ先らしく、彼の指先は何かを探すように妖しく蠢いている。
『ひいぃっ!!』
シーはその指の脈動1つ1つに反応し、震えていた。
やがて目的地を探し出すと、動きに変化があらわれ始めた。
どこか一点に潜り込ませる指の動きが目指していたのは、彼女の肛門であった。
31.例えば、穴のあいた桶で水をくもうとしたお話。(2)

『ひいぃいっ!!? やあぁう、ぐぅっ、いやっ!! はあああぁぁあっ!!!』
今まで経験したことのない痛みがシーを貫いた。先程の拷問とは異なる、
体の内部からの責めは直接的な痛みの他に、魂自体が犯されているような錯覚に陥る。
『病気や怪我とかで長期間トイレに行ってないと、排泄がうまく出来ないことがあるんです。
そういう時は器具を肛門に差し込んで刺激を与えるのですけど、あいにく専門外で持っていないのですよ。
だからここは私の指で我慢してくさだいね。これで結構、自信はあるんですよ?』
何の自信か分らないが、ヨハンの責めは確実にシーの忍耐を削いでいた。
日々調合に勤しんでいる彼の指はしなやかで長い。
また、以外と力仕事であるのでその動きには剛毅な印象さえ受させる。
その指が尻の穴をもてあそんでいるのだ。精神も肉体も消耗している彼女に耐えれる道理はない。
『ぁあああぁぁぁっ! いやぁ……そんなところぉ………!! お願いしますぅ!!抜いて!
抜いてくださぁいぃぃっ!!! だめっ! だめぇぇぇっっ!!!』
ふいに、ヨハンの指を締めつけていた肛括筋が緩み始めた。
彼女の意思に関係なく肉体が排泄態勢にはいったのだ。頃合いとみたのか、すでに指は抜かれている。
止めようのない本能の奔流がシーの我慢を決壊させ、流れ出た。
『!……いやあああぁぁああぁっっ!!!だめえぇぇ!!むりっ!止まってっ!!っんああぁぁあぁ……
お願いぃ、止まって、っ止まってよぉうぅぅ……見ないでよぉぉ……いやぁぁ………』
シーの絶叫と嗚咽、そして水溜りから液状のものを叩きつけたような音が響き渡る。
彼女の肉体が、すみやかな体内毒物の排出をしようとした為に排泄物は液状であった。
あふれ出た量はちょうど彼女が舐めすすった分と同量程度らしく、
水溜りはさらに濁った汚水をなみなみとたたえている。
32.例えば、穴のあいた桶で水をくもうとしたお話。(3)

『はい、良く出来たね。人間という生き物は不便なもので、時と場合によっては自然の摂理すら
押さえ込まなくてはならない時があるものだけど、しかし、君はそのような些細な事を気にする必要はこれぽっちも無いよ。
痛ければ叫べばいいし、出す物を出したくなれば、出せばいい。罵倒、悪態、命乞い、おおいに結構。
そうして存分に思いがついえた果てに、心おきなく絶望してもらうよ。』
診療にきた患者へ、治療方針を説明するような調子で答える。その声はどこまでも明るく穏やかだ。
『しかし、困ったものだね、これ。せっかく半分まで飲んだというのに、また元に戻ったよ。
まあ、仕方ないか。東洋の言い回しで言う、身からでた何とかって奴っだね。何だっけかな?
東洋医学の解説書に載ってたのだけど……まあ、いいか。とにかく、これの後始末をしてもらおう。』
そう言うとヨハンはいきなりシーの後頭部を蹴りつけた。
ゴッ、という音と共に彼女は前のめりに石床に叩きつけられる。受身など取れるはずもなく顔面を激しく打った。
鼻腔から鼻血があふれ出ている。その量は鼻の粘膜が傷付いたというものではない。
おそらく骨折による出血なのであろう。つぼみのように可愛らしかった鼻は、少し曲がっていた。
『ひいああぁぁ! あっ、ぁああぁぁ…ぁぁ……はな゛があぁぁ……』
鼻血が止まらないために少しつまったようなしゃべり方になっている。
ヨハンは悶えているシーにお構いなく彼女の髪を掴み、顔面が水溜りに向かうように引きずり回した。
ひいぃぃっ、と叫びが漏れる。
水溜りは彼女の排泄物で再び満水していた。少しまわりにも飛び散っている。
幸いなことに大部分が水中に沈んだために臭いはそれほど強くはなかった。
もっとも、鼻を怪我しているために嗅覚はほとんど働いていないのだが。
しかし眼前にみずからの排泄物を見せつけられて平気なはずがない。
シーは顔を背けようとする。が、その寸前に頭を抑えつけられて逃れることは出来なかった。
そしてさらに容赦のない宣告がシーの耳朶を打つ。
『それでは、再び全部飲んでもらいましょうか。』
絶望した彼女の顔を映すには、水面は少し濁りすぎていた。
33.笑う門にはなにかが来る。何かが。(1)

『いやぁ…いやあぁ……。い、いぐらなんでもぉ……ゆるじ…て、下さぁいぃ……』
シーは鼻声で涙をたたえながら懇願した。鼻血はだいぶ収まってきたが、ポタリ ポタリと水面に波紋を立たせている。
『いやも何も、君の身から出たことだよ?だだはこねないないで欲しいな。
それともノコギリでお仕置きされた方がいいかい?』
シーの脳裏に先程の拷問がよみがえる。いや、あのようなサビだらけのノコギリで切断されるとなると、
その痛みは比べものにならないだろう。なかなか切れず、長時間に渡って皮膚を、肉を、骨を切断される
苦痛は想像しえるものではない。ただ、恐怖が膨らむばかりである。
それを思うと彼女に許された選択肢は1つしかなかった。
しかし、それらを考えた上でもなかなか行動には移せるものではない。おそるおそる彼女の舌が水面に近づく。
舌と汚水が重なりあうギリギリのところで膠着状態に陥った。
意を決し、ほんの少しだけ触れ合わせる。胆汁の苦味が彼女の舌を刺激した。
『!!! ぅげほっ!!うぅぅっ!ぷぺッ!!ぺッ!!!ぁううぅぅ……げほっ、げほっ…………』
その苦味と嫌悪感でシーはむせ返った。
ああ、こんなものをこの水溜りいっぱい啜らなくてはならないのか。
絶望的な気分に包まれながら水面をみつめる。
その水面に変化があった。無数の波紋が浮かび表れたのである。先程の鼻血のように
何かが落ちたからというわけではない。
原因はヨハンの笑い声であった。彼の無邪気という他ない朗らかな笑い声が地下室に反響して、
水面に波紋を生んでいたのである。
『あははははははははははははははははははは、はっ、はっ、はあっはっははははは……
はぁ、はぁ、ははははは……。
いや、ごめん、ごめん。あんまり嫌そうに舐めるものだから、つい、ね。ははははは。
本当はもう十分なんだよ。さっき水溜りの半分は飲み干しただろう。
あれで強心剤としての効果はあらわれている筈なんだ。だから、君がそれを舐める理由はあまり無いんだ。』
34.笑う門にはなにかが来る。何かが。(2)

突然の開放劇にシーは唖然としたまま顔をあげる。
まさかこの恥虐を受けずに済むとは思ってもいなかったのである。
『じ、じゃあ、私、これを舐めなくても…いいんですかぁ……?』
戸惑いながらヨハンに聞いた。鼻血は止まりつつある。
『ああ、もちろんだとも。強心剤の摂取という当初の目的は果たしたし、
これ以上飲んで、お腹を壊されたら脱水症状を起こすからね。飲まなくていいよ、うん。』
いまだ捕らわれの身であることには違いないが、初めての事態好転に失いかけた希望の火が灯った。
もしかしたら助かるかもしれない。そんな淡い思いが胸に宿る。
だが彼女は学ばなくてはならなかった。希望とは、絶望を際出させるためのスパイスでしかないと。
『これで多少の出血やショックによる突然死は心配しなくてすんだわけだ。うん。
それじゃあ、なんの憂いも無くなったところでそろそろ始めようか。お待ちかねのヤツをね。』
『え……、お待ち…かね…? な、なんですかぁ……それ……?』
不安が高まる。この事態で何か保留されていたモノがあっただろうか?強心剤を飲むことのよって可能になったこと。
それはつまり、出血やショックを伴う何かということか?
ヨハンは目的物に向かってゆっくりと歩きだす。その先を見てシーは自分に待っている運命を悟った。
『いやっ、うそぉ……そんな、約束がちがいますぅ…。うそでしょう?いやっ!やめてっ!!
言うこと聞いたじゃないですかぁぁっ!!!やめてください!!いやぁ……近よらないでぇぇっ!!!!』
ヨハンが微笑みをうかべて携えて来たもの、それはアカ錆びに彩られたノコギリであった。
35.フレンチ・カンカンを、私とあなたで飽きるほど。(1)

『天井にあるランプ用の吊るし針から鎖が垂れているだろ。あれは昨日、君を吊るすために
僕が準備したんだ。けっこういい出来だろう?』
たちの悪いことを実に誇らしく語る。シーは狂乱してまるで聞いていない。
ヨハンはそんな彼女の様子にお構いなく、鼻歌を歌いながら作業していた。
聞こえてくるのはオッフェンバック作、「天国と地獄」序曲である。
前世紀の巴里で産声をあげ、好評を博したオペラッタだ。序曲はもとより、地獄での饗宴というシーンは
フレンチ・カンカンの名曲として今でも親しまれている。
シーの運命を暗喩しているつもりなのか?ヨハンは鼻歌を唄うのみで語らない。作業はただ進んで行く。
まず、天井からのびている鎖が、両腕を結んでいるロープに結び付けられた。
これは彼女の動きを限定するためと、強制的に腕を心臓より高く上げるためだろう。
こうしておけば腕を切断しても出血はすこし和らぐ。続いてヨハンはシーの脇下にまるめた布切れを当て、
それごと腕の付け根を布で巻いた。それも悲鳴がもれるほどきつく。脇の下には腕へと走る大動脈があり、
ここを押さえておくと腕に血が通わなくなる。つまり、これも血止めというわけである。
最後に、そこらへんに落ちていた古い荒縄で、舌を噛まないようにくつわをして準備は完成した。
35.フレンチ・カンカンを、私とあなたで飽きるほど。(1)その2

ヨハンは自分の仕事ぶりを確認するため、一歩さがってシーの有り様を見つめる。
足はふとももと足首が結び付けられているため、床には着かず宙に浮く形になっている。
鎖につながれた手首は、今にも抜け落ちそうなほど血で滲んでいる。全体重をその一点で支えているからだ。
くつわは早くも湿りを帯びており、口の端からよだれが垂れている。何か叫ぼうとしているのか、
ウーウーと唸ってはいるものの全く伝わらない。目を見た方がよほど心が通じそうだ。
その目は血走しり、見開いている。
『君が今考えていることは、助けてください。お願いしますぅ。
汚水でもなんでも舐めますからそれだけは、許してください。
あんなので切られたら、私死んでしまいますぅ。…………だろう?うん?どうだい、当たっているかな?』
シーに答えられるはずがない。肯定か、否定か、ただ狂ったような激しさでわめいて首を振り回し、
あたりに懇願によってあふれ出た涙とよだれをまき散らすのみである。
35話は本文長すぎのため、分割で御座い。
709名無しさん@ピンキー:03/02/04 19:53 ID:wdY/QWLd
すさまじいほどの執筆ぶりだな・・・・・
ところでひとつ気になるのだが、このままだとこのスレ、容量オーバーになるんじゃないか?

そろそろ次スレの準備しないかい?
710名無しさん@ピンキー:03/02/04 20:26 ID:33XKJqCd
過去ログ

エリカ、100g100えんじゃないです!
http://yasai.2ch.net/gal/kako/991/991749181.html
エリカ、100g200えんじゃないです!
http://game.2ch.net/gal/kako/997/997128028.html
エリカ、100g300えんじゃないです!
http://game.2ch.net/gal/kako/1018/10183/1018322675.html
サクラ大戦のグリシーヌを監禁陵辱
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/996/996161802.html

とりあえず過去ログのみ。テンプレはどうしましょ?
プロバイダ変えたらホットゾヌがおかしゅうなります田…
711名無しさん@ピンキー :03/02/04 22:42 ID:dQ74Mo1L
できれば下利便も飲ませて欲しかった。
残りの推敲をしていたら、残り20話近く、40KBぐらい御座いました。
このまま続けると、確実に途中で容量オーバーします。畜生。

名@1殿の作品も途中で御座いますので、ここら辺で新スレに行きましょうか?
713名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/04 22:54 ID:o7m6X/9v
食羊さん(略スマソ)がキリが悪いとおっしゃるなら
500えんを立ててそちらに先行上陸して頂くのもいいかと。
私はギリギリまで400えんでねばってみます。
3人目ぐらいは収まりそうだと思いますが。
714名無しさん@ピンキー:03/02/04 22:55 ID:bw2n0/Ep
シーたんかわいそう(ノД`)

…ほめてます。
やはりこういうのは100gスレしかないからな。

>>711
漏れはスカトロはそれほど好きじゃないから良かったが…
715名無しさん@ピンキー:03/02/04 22:58 ID:bw2n0/Ep
>>713
それがいいかもな。
3人目が誰だか楽しみだよ。
最高の食前乳(笑)を済ませて、主菜・副菜・デザートってとこか?
>>713
コテハンがすぐに変わって申し訳御座いません。畜生。
今回は食材さんとでも御呼びいただければ、幸いで御座い。

>>711殿
スカトロは……勉強いたします。
717名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/04 23:20 ID:o7m6X/9v
食材さんどうも。>>710は私なのですが400えんが抜けておりました。失敬。

エリカ、100g400えんじゃないです!
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1026311425
ちと、テンプレを作成してみます。
多分、拙は新スレを立てれないと思いますので……
719 ◆IggKddwfIM :03/02/04 23:37 ID:htuDLfH0
ぬぉぉ、既に新スレの時期が。
皆様の創作意欲には感服いたします。
エリカ、100g500えんじゃないです!


右の紳士様も、左の淑女様も、まずはひとくち御試しあれ!!
多少アクあり、くせあり、血なま臭くはありますが、100g500えんのその妙味、
決して伊達では御座いません! 
まずはともあれ、御賞味のほどを! 


ここはサクラ大戦のキャラたちを素敵に調理しようというスレでありますが、
特にカニバリズムにこだわらず、エロあり、鬼畜あり、また〜りありの素敵趣味スレッドです。
書き手、語り手、感想、批評、賞賛、もろてを挙げて、熱烈歓迎中!

もちろんエリカに限らず、巴里組、帝都組、その他に出てくるサクラキャラなら、なんでもござれ!!


前スレ
エリカ、100g400えんじゃないです!
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1026311425/l50
これは次に貼っていただければ幸いで御座い。


過去ログ
エリカ、100g100えんじゃないです!
http://yasai.2ch.net/gal/kako/991/991749181.html
エリカ、100g200えんじゃないです!
http://game.2ch.net/gal/kako/997/997128028.html
エリカ、100g300えんじゃないです!
http://game.2ch.net/gal/kako/1018/10183/1018322675.html

関連スレ
サクラ大戦3のグリシーヌを監禁陵辱
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/996/996161802.html
「二次元存在(ゲーム・アニメ)猟奇創作スレ」
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1018184431/l50

 
               処方上のご注意

このスレは基本的にエロ、鬼畜、残虐な行為のSSが主要な成分となっております。
体質的に合わない方、過度な使用法、限度を超えたダイブ、は使用をお控え下さい。

722名無しさん@ピンキー:03/02/05 00:03 ID:ln0vFks4
いいと思う
しかし俺には立てられなかった・・・・・
だれか頼む。
723名無しさん@ピンキー:03/02/05 00:08 ID:7LoGfZuc
次スレ立てますた。
エリカ、100g500えんじゃないです!
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1044371152/
724名無しさん@ピンキー:03/02/05 00:25 ID:hc4Cl5Fo
普通のエロのサイトはないの?
725名無しさん@ピンキー:03/02/05 00:45 ID:ezX5VFmZ
>>724殿

ここは普通のエロのみもありで御座いますよ。
個人的には、本スレなどで発表し難いものをウプする場と考えております。
726くきむ:03/02/05 02:11 ID:Sxyp+krB
のら
727名無しさん@ピンキー:03/02/05 12:55 ID:vkWiArHo
やっと堤さやかのサンプルみつけました
http://media-0.com/www/dvd01/
728NISI:03/02/05 13:00 ID:X+2J3N7X
こんにちは。小説家を目指しているNISIです。完全オリジナル小説を
書きました。それなりの完成度なので、読んで下さい。
http://homepage2.nifty.com/SDC/KAYO/
729名無しさん@ピンキー:03/02/05 13:31 ID:4ea3jwJ7
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730名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/05 22:15 ID:mB7p5vAE
21
完全にのぼせ上がってしまった大神が我を取り戻すにはしばらくの時を要した。
「あれ…? 迫水大使、グラン・マとメルくんはどうしたんですか?」
「二人とももういないよ…さっき挨拶してくれたじゃないか。聞いていなかったのかい?」
「あっ…すいません…つい…。」
「ハハハ。しかし、その様子じゃ、すっかりシャノワールの虜になってしまったようだね。
それでいいよ。僕も君を連れてきた甲斐があったというものさ。
でもね、本当のお楽しみはここからだよ。ごらん、もうすぐ始まるから。」
そう言って迫水はステージの方へ目を向ける。大神もステージへと視線を移す。

各テーブルに配置されていた達磨の女性達はいつの間にか全て引き払っており、
誰一人としてテーブル上にその姿を確認することはできなかった。
そして、店内の男達の視線全てがステージ上に注がれ、その時を待っていた。
間を置かずして、軽快な音楽が流れ始め、猫の耳を模したカチューシャを頭に付け、
レビュー用のドレスで着飾ったメルとシーがステージ上に現れた。
「みなさぁん! 今日も楽しんでくれてますかぁ? ようこそ、シャノワールへ!」
「今宵はプログラムを変更して皆様にはスペシャルプログラムを御覧頂きます。
どうぞ、最後までごゆっくりとお楽しみください!」
二人のマイクに呼応して店内が大歓声に包まれる。
731名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/05 22:16 ID:mB7p5vAE
22
「ところでみなさんは今日が何の日か覚えていますかぁ?」
シーが客席に問いかける。
少しの間を置いて客席の中から「ロベリア!」という声が上がる。
『ロベリア』その言葉が発火点となって店内はさらなる大歓声に包まれる。
「はい、ありがとうございます。その通り、今日はロベリアさんの予定日です。
それでは、お待たせいたしました。ロベリア・カルリーニさんの登場です!」
メルのコールで店内が暗転し、ドラムロールが鳴り始める。

「あっ…あの、迫水大使、予定日って何の……」
と大神が迫水に尋ねようとした時、ドラムロールが終わってスポットライトがステージを照らす。
暗闇の中に浮かび上がったのは銀髪を緑のヘアバンドでまとめ、眼鏡をかけた女性。
その女性こそがロベリアだった。
「いいいいいっ!!!」
ロベリアの姿をみた大神は再び大きく狼狽した。
ロベリアは全裸で達磨、これだけなら大神も見慣れてきたので驚かなかっただろう。
しかし、ロベリアの腹は大きく膨らんでいた。ロベリアは臨月を迎えていたのだ。
732名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/05 23:13 ID:mB7p5vAE
23
切れ長の瞳と締まりのある口元から察するに、
日頃のロベリアは鋭さと沈着を併せ持つ強い女性なのだろう。
しかし、そんな彼女もさすがに出産となっては勝手が違うらしく、ロベリアの体は紅潮し、
「ハァッ…ハァッ…」と呼吸も荒く、苦しげに肩で息をしている状態だった。

「みなさぁん! もうすぐですぅ、もうすぐですよぉ!
 ロベリアさんの赤ちゃんが今日生まれるんですぅ!」
シーが客席を煽る。客席が歓声で応える。
「それでは早速ロベリアさんの赤ちゃんを取り上げて頂く幸運な方の抽選を始めます!
皆様、お手元の番号札にご注目ください。」
メルはそう言った後、シーに目配せする。シーは黙ってそれにうなずき返し、
近くにあった穴の空いた白い箱に腕を突っ込み、中をかき混ぜ始めた。
少しの後シーは箱から腕を出した。その手には番号が書かれたボールが一つ、握られていた。

「13番、13番のお客様、おめでとうございます!
13番の番号札をお持ちのお客様が、ロベリアさんの出産立会人です!」
大神は自分の番号札を見た。大神の番号札は『50』なのでハズレだ。迫水も同じらしい。
店内は自分の番号札を確認する男達のざわめきに支配されていた。
「おお、神よ。ワタクシ、当たってしまいました。ハイ。」
そう言いながら立ち上がったのは眼鏡を掛けた一人の神父だった。
「ああ、レノ神父が当たりか。レノ神父に取り上げてもらえるなんて今日の赤ちゃんは幸運な子だね。」
それを見て迫水が一言つぶやいた。
733 ◆IggKddwfIM :03/02/06 23:45 ID:LsNldwAj
あれれ…新スレが…
734名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/06 23:48 ID:L7CdcKbh
24
「レノ神父、おめでとうございます! それではステージにお上がりください。
皆様、盛大な拍手をお願いします!」
客席からの拍手を背に受け、レノ神父がステージに上がる。
「それと今日はもう一人、立ち会ってもらう人がいまぁす!
新しくパパになるジム・エビヤン警部ですぅ! ヒューヒュー!!」
シーに紹介されたエビヤン警部がステージに上がり、帽子を取って客席の声援に答える。

「思い出した、思い出した。今日の赤ちゃんの父親はエビヤン警部だったなぁ。
いやぁ、あの時は面白かったよ。
ああ見えてもロベリアさんは少し前まで巴里でも指折りの大泥棒でね、
その彼女を追っていたのがエビヤン警部でね、そんな二人があの日あんな事になってね…。」
迫水は思い出し笑いをこらえつつ、大神に説明した。
(しかし、神父や警察官がこんな所に堂々と来て良いものなんだろうか?
でも、俺や迫水大使も似たようなものだし、人のことは言えないか…。)
大神はふとそう思った。

「では、時間もありませんので、レノ神父、さっそく赤ちゃんの所へ。」
「ハイ、ではワタクシが。」
メルに促され、レノ神父が台座に横たわるロベリアの元へと向かい、
ロベリアの膣の辺りを覗き込む。
「ああ、神よ、何ということでしょう。」
胎児の様子を確認したレノ神父が手で十字を切りながら言った。
「どうしたんですか、レノ神父?」
エビヤン警部が心配そうに尋ねる。
「神はロベリアさんに試練をお与えになられたのでしょうか。
赤ん坊の足が見えています。つまり、逆子です。ハイ。」
735名無しさん@ピンキー:03/02/07 00:24 ID:PFxEkQ9a
削除依頼系の板見てきましたが別に出てなかったですね。
730というレス数の判断で「まだ次スレ立てんなゴルァ。」ってことでしょうか。
当方ホットゾヌに過去ログは残ってるみたいなので、
食材さんのをコピペ再掲載することは可能ですが…。
736名無しさん@ピンキー:03/02/07 14:22 ID:AMcQmkJP
即死判定じゃないの?たぶん。立て直すべ。
ああ、消されましたか……
とりあえず、閑話待機と。
拙は名@1殿の作品を楽しませていただいてますので、
一段落ついてから作品の残りをあげさせていただきます。
739名無しさん@ピンキー:03/02/07 23:23 ID:W5g/ctVX
しかし、煽りもなく、AAもなく、文字レスだけで500KB近くまでいくとはね・・・
まだ700台だよ
740アン:03/02/07 23:27 ID:3JegMIlR
体験談など書きました。ぜひアクセスしてください。
待ってます。

http://appare.gaiax.com/home/as7214/main
741名無しさん@ピンキー:03/02/07 23:38 ID:Im2j7CUM
>>736さんの言うとおり、即死判定でdat落ちしたと思われます。
新スレ立てたら、旧スレは使い切らず、すみやかに新スレに移動してください。
一定時間書き込みのない立ったばかりのスレは、ばんばん落とされます。
742名@1 ◆lqF54t4pQc :03/02/08 00:28 ID:sKJ53ucR
並行上陸作戦が裏目に出てしまいましたね、ごめんなさい。
実は500えん立てたのは私なので、しばらく立てられないです。
どなたか立てられる方いましたらお願いします。
400えんに書くのはここまでにしておきます。
続きは500えんで立ったら即再開します。
743vv:03/02/08 05:25 ID:ewe1dU0M
http://bbs.1oku.com/bbs/bbs.phtml?id=yasuko
★もうすぐ春ですよ★
744名無しさん@ピンキー:03/02/08 06:11 ID:IVJW8Pjm
http://sagatoku.fc2web.com/019kekkon.deai-91.htm
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745名無しさん@ピンキー:03/02/08 11:18 ID:lWdaxfCD
じゃあ、とりあえず贖罪もこっちで書けばいいんじゃないか?そのうち800れすを超えると思うし。ちなみに俺も新すれはたてられなかった。すまんこ
746名無しさん@ピンキー:03/02/08 11:26 ID:Mo45ggma
あと10KBで容量オーバーなんで、このスレは800までいかないかと。。
747名無しさん@ピンキー:03/02/08 13:05 ID:mObybNBe
748名無しさん@ピンキー:03/02/08 17:12 ID:qTHWNf7H
たしか512KBまではOKだったっけ?いまは490KBだから後22KBか。22KBと言ってもピンとこないな。
749名無しさん@ピンキー:03/02/08 19:42 ID:Mo45ggma
んにゃ。500KBで止まる。
750名無しさん@ピンキー:03/02/08 20:35 ID:g1vhP1yZ
>>749
マジで!?なおさら後がねぇ。。。だれか新スレよろ。
テンプレは>>721にあるので
751通りすがりさん:03/02/09 00:10 ID:4lyp/FGA
おらよ、次スレだ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1044716790/l50

ほんとは“エリカ、500g100円じゃないです!”のほうが
エリカらしいと思うんだが(w
752名無しさん@ピンキー:03/02/09 01:03 ID:Ma0abVBT
知られざる不況の原因。

こないだ、久々にボーイズゲーム買いました。
BLゲーも、だんだん「ウィンドウズのみ」が増えてきましたね。 BLゲーム
くらいは、ギャルゲーの轍を踏んで欲しくないですのですが…… ギャルゲー
は、ウィンドウズが出た頃から、皆がみなウィンドウズオンリー。そのため、
確かに大多数はゲーム可能なのでしょうが、Macなどのユーザーが不遇を囲わ
されるという結果を生んでしまいました。私の友人も、嘆いていて、「ユーザ
ーで集まって、訴訟を起こす」などということまで云ってました。 一方のBL
ゲームは、出始めたときはMacもできるのばかりだったのに、ギャルゲーのソフ
トハウスが別レーベルでBLゲーに進出し始めた頃から、ウィンドウズオンリーの
が出現。 それで、コミケットに行ったとき、企業エリアに出ていたところに、
「Mac版は出ないのか」と聴きました。答えは、「Mac版をつくる設備がない」
おい、ちょっとマテ。設備がないからつくらない?
あんたたちまで、どこぞの大企業か政治家のオヤジどもの云い方をするか! ない
なら設備を入れろよ、そんな些細な投資をケチって、女性に多いMacユーザーをな
いがしろにするのかい。ふさげなるなっての。 その些細な投資で、売り上げは増え、
設備を販売した企業も潤い、周り回って、日本の景気も少しは上向くのに……。我が
のことしか考えないんですね。 ウィンドウズだけしか出ないソフトは、ずばり、欠
陥ソフトです。そんなの売るな! もちろん、Mac版だけ、でも欠陥です。 けちけ
ちしてうまみだけを掠めとろうなんて考えは、国のために今すぐ捨てて下さい! 
「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないですが、ウィンドウズ・マッキントッシュ両対応
を出すだけで、国が潤う結果をもたらすのです。 早く気づいて欲しいですね……
ここに、したい人間がいるんですから。けちけちせんと、ドーンとMac版も出しなさい!
それでも嫌なら、私にウィンドウズエミュレーションソ
フトを安く買わせて。 もう一つ正直なこと云うと、ギャルゲーソフトハウスが、売れる
からとBLゲームに進出しているわけですが……売りたいなら、Mac版も出さないと、意味
ないですよ。てか、出さないなら元のギャルゲーに帰って欲しいです。あざとくて、いい
気分じゃないです……
753名無しさん@ピンキー:03/02/09 01:05 ID:Ma0abVBT
                 ━━━┓
                  || .   ┃
                 ●)   ┃
                    /┃   ┃
   ヽ_○ノ ヽ_○ノ      ┃   ┃     ヽ_○ノ ヽ_○ノ
      ||      || .       人  ┃         ||      ||
      ||      ||         ラチェ  ┃         ||      ||
     人 .    人 . .  ━━━━┻━━    人   .  人

                _,.. ---- .._
              ,. '"       `丶、
              /            ` 、
            ,..-‐/    ...:  ,ィ  ,.i .∧ ,   ヽ.
.         ,:'  .l .::;',. :::;/..://:: /,':/  ', l、 .i  ヽ
.          ,'  ..::| .::;',' :;:','フ'7フ''7/   ',.ト',_|, , ',.',
       ,'   .::::::!'''l/!:;'/ /'゙  /     '! ゙;:|:、.|、| 'l
.         ,'.  .:::::::{ l'.l/  、_  _,.      'l/',|.';|
       l  :::::::::::';、ヾ      ̄     `‐-‐'/! ';. '
.         ! :::::::::::/ `‐、        ゝ   |'゙ |
       | ::::::::/   \    、_, _.,.,_ ノ::: !  ラチェ親衛隊長が早く氏にますように・・・
       |::::/.     _rl`': 、_     ///;ト,゙;:::::./
..      `´      /\\  `i;┬:////゙l゙l ヾ/
                ,.:く::::::::`:、\ 〉l゙:l  / !.|
.            /:.:.:.:\:.:.:.:.`:、ソ/:.:|    | |
           /.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:У:.:;l   /./
.          /:.:.:.:.:.:.:.r'´`‐,`、:/.,.:‐{   | !`:、
           ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.';_,゚.,ノ.:./,:':.:.:.:',  | |`、:|
           !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、:.::/:.:.:.:.:.:.ヽ, / ,!:.:`、
754名無しさん@ピンキー:03/02/09 01:10 ID:Ma0abVBT
北大路花火、ちんこ付きを表明 登録名は「Chinko」

 巴里華撃団の北大路花火さん(17)が1日、ちんこ付き(CT)宣言して、実は女装の美少年であることを明らかにした。
巴里市内のホテルで会見した花火さんは「ちんこを使ってレイプしたいという気持ちが最後まで消えなかった」とちんこの理由を語り、
「男の意地とちんこの意地をちんこでも発揮したい」と抱負を述べた。 今後の関心は射聖先に移る。花火さんは「現時点で勃起はない」と
白紙を強調したが、米国内ではラチェット・アルタイルがちんこに積極的だとする報道がある。CT選手の各劇団との性行為が可能となる今月13日以降に、
米劇団との入団交渉がスタートする。 「登録名は"Chinko"(チンコ)にしたい」ともしゃぶっており、来シーズンには股間に"Chinko"
と書かれた女装の美少年が大暴れする姿が見られそうだ。

 花火さんは推定6億1000万円をもらう劇団最高肉俸選手。1993年に北大路家からドラフト1位で巴里撃に入団。今季は三冠王こそ
逃したが、劇団史上8人目の50射聖を放ち、107打点で3度目の2個玉に輝いた。1年間の巴里での通算成績は1268舞台に出演し、
4572打数、1390安打、332本塁打、889打点、打率3割4厘。              (了)
【共同通信】

755to:さくらたんの綺麗なまんこ:03/02/09 16:33 ID:VHTdbWXa
ちんこ戦士花火 第一話


ちんこ宇宙世紀0801
 
ちんこ花火たん戦争は反ちんこの敗北により休戦協定が結ばれたが、
一部反ちんこゲリラが蜂起し、徹底抗戦の構えを見せた。
ここに第二次ちんこ花火たん戦争が勃発する。
圧倒的正義を掲げるちんこ花火たん公国軍の戦争意義に対し、
反ちんこのそれは無きに等しい。
世界世論は悪辣な手段で抵抗する反ちんこゲリラに対し非難を集中させた。
だが疲弊し、再び敗北の一途を辿る反ちんこゲリラに、支援を表明する組織が突如現れる。
ガッツ共和国である。
軍事、麻薬産業が盛んなガッツ共和国は反ちんこゲリラに武器を供与し、
ミリタリーバランスは均衡を保つまでに回復した。
反ちんこゲリラとガッツ共和国軍を迎え撃つは絶対なる正義。
悪と正義の衝突の末にあるものは・・・
756名無しさん@ピンキー:03/02/09 16:35 ID:VHTdbWXa
ちんこ戦士花火 第二話
  
 
ちんこ宇宙世紀0801
 
ちんこ花火たん公国軍は再び抵抗を見せ始めた反ちんこゲリラに翻弄されていた。
ガッツ共和国軍との連携により、一介のゲリラ屋達が正規軍の統率下に入り、
ゲリラ戦と正規戦の両方を得意とする手強い存在となりつつあったのである。
 
戦渦は長期に渡り反ちんこ、ちんこ両陣営は消耗し、戦争は膠着状態にあった
その時である。
長期に渡る戦争の結果、ちんこ花火たん公国は国内情勢が悪化し、不満を募らせ
ていた国民に対し、花火たんはちんこでは無く、うんこであると説く人物が現れた。
名はイリス・シャトーブリアン。
11才という若さを感じさせない存在感、愛らしい瞳に民衆はこぞってうんこ花火たん
を支持した。
両陣営の国民を次第に取り込みその勢力は急速に強大になっていき、
いつしか「ちんこ」「反ちんこ」「うんこ」の花火たんを主張する三国の戦争に発展していた。
うんこ花火たん民主主義共和国が独立宣言を世界に発したのはこの頃のことである。


757名無しさん@ピンキー:03/02/09 16:35 ID:VHTdbWXa
ちんこ花火たんと夏の日
花火たんの可憐な水着姿に思わず見惚れていると、あれれ? 何だか変ですよ?
なんと、花火たんの股間に膨らみが。
おまけに玉もはみ出てる!
ボクの視線に気付いた花火たんは「あ、あの・・・ しゃぶりますか? ぽっ・・・」
と言うなり、水着を白魚のような指先でめくると、ちんこをぽろりとショーアップ。
プールサイドに花火たんを座らせて、僕はプールの中から花火たんのちんこをパクリ。
冷たいプールの水のせいで、花火たんのちんこは縮み上がってたけど、ボクの熱い口の
中でムクムクと大きくなって来た!
嬉しくなったボクは喉の奥以上にちんこを飲み込むディープスロートで責め立てる。
花火たんのちんこってぶっとくて、喉の奥を突かれ過ぎて嘔吐しそうになるけどガマンガマン。
しゃぶり倒すこと二十分。 花火たんはぼくの口の中にたっぷりと熱い聖液を大放出。
自分の聖液まみれの僕の口を気にもせずに、花火たんは優しくキスをしてくれて、
「ありがとうございます。 とっても気持ち良かったです。 ぽっ・・・」
と言ってくれました。 またしゃぶってあげたいと思ったある夏の日の出来事です・・・
758名無しさん@ピンキー
はじめまして p(^o^)q
東京都内下町(右の方)で、一人暮らしをしてる25才masayukiですm(__)m

楽しく会話が出来たり、実際に仲良くなったら遊びに出掛けられるような
友達から恋人になってくれるような欲しいと思って、メールしました(^_-)

取り敢えずは、楽しく返事がもらえたら嬉しいかなっ(ノ^^)ノ
普通に相談とか、色々な感情でお互いが楽しめれば嬉しいネ ヽ(^^ヽ)
もし良ければ親密な友達として、(もちろんそれ以上も…)付き合いが出来れば
と思います。(^^;   宜しくねっ!!f(^_^;

趣味は音楽関係が好きなんで、仲良くなったら曲でもプレゼント!!σ(^ー゜)

後は、サッカーとか モータースポーツ観戦とか…
実際に車の運転 好きなんだけど、最近は飛ばさないけどね…
モラルを持った運転を第一に心掛けるようにしているので、運転は安全に
そして、チョットでも速く 運転するような感じ  (^_-)
※ドライブに行っても事故はないようにね(≧m≦*)
顔とか、性格に関しては、接触を持たないと解らないと思うけれども…
まぁ?悪くはないかな…  (^3^)?P
でも、親身になってしまう所があるので、 そこが俺の欠点かも… (-_-#)
それでも、中途半端と言うか、色々な会話をする上で、女性を守ってあげたい
と言う気持ちは本当にあるので、『優しくされるのが 好き!!』って言う人
には、『持って来い!!』のタイプだろうと思う (^m^)