1 :
名無しさん@ピンキー:
プルとかどうよ?
2 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 16:16 ID:05jbc/OD
ロリコンめ!
男ならセイラさんとかエマさんとかハマーン様に萌えろ。
3 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 16:20 ID:rftHvb+V
ハマーンは萌えようがないぞ(−−;
4 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 16:22 ID:05jbc/OD
>3
じゃあシーマ様は?
5 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 16:29 ID:zWBE0HO8
あの人コエーよ(´д`|||
6 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 16:45 ID:EI9Cr2ez
age
7 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 16:51 ID:OsFDFD18
シーマ様萌え。激萌え。
8 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 16:55 ID:EI9Cr2ez
男ならキシリアに萌えろ
9 :
妄想くん:01/12/31 17:28 ID:05jbc/OD
カミーユを強制女性化したい。あとロランを女性化して本物のローラ・ローラに
したい
10 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:36 ID:FZ8gmIKr
ハモンは?
11 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:37 ID:FZ8gmIKr
プルがいいよ。
マチルダとかはいらん。
12 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:39 ID:FZ8gmIKr
ミネバたんハァハァ
13 :
名無しさん@遅レスすまん:01/12/31 17:39 ID:3OlcjEUu
沖一の描くキシリアさまは萌えれるぞ!
14 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:40 ID:EI9Cr2ez
ミネバたん(・∀・)イイ!!
15 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:41 ID:FZ8gmIKr
ガンダムじゃないけどシーラ・ラパーナが良いね。
スレ違いスマソ・・・
16 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:45 ID:FZ8gmIKr
17 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:47 ID:05jbc/OD
>>16 ロリコンめ!
男ならレインとかエニルとかレディ・アン様に萌えろ
18 :
16:01/12/31 17:50 ID:FZ8gmIKr
>>16 メガネを外したレディ・アンには萌えましたが何か?
19 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:55 ID:EI9Cr2ez
アイナ萌へ。
20 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:56 ID:FZ8gmIKr
21 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 17:59 ID:FZ8gmIKr
22 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 18:00 ID:05jbc/OD
>>18 そうか。それはすまん。しかし、オイラは眼鏡のままがいいな。
23 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 18:05 ID:05jbc/OD
>>15 >>20 昔、番外地貢先生がシーラ様がドレイクに調教されるマンガを描いてたな。
最初は、嫌がっていたけど、最後には「私はもうあなたのものです。身も
心もあなたの虜・・・」とか言ってましたね。
24 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 18:09 ID:FZ8gmIKr
25 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 18:10 ID:FZ8gmIKr
>>21 小説はまあまあだけど、挿し絵が凄く良いね。
26 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 18:17 ID:FZ8gmIKr
27 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 18:54 ID:05jbc/OD
28 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 19:00 ID:05jbc/OD
29 :
gazz:01/12/31 19:15 ID:aoAyr4+l
30 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 19:46 ID:PmFzcXDJ
>29うぜぇ。氏ね。
31 :
24:01/12/31 20:23 ID:OEB0zCI5
32 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 20:30 ID:PmFzcXDJ
ガンダム系の小説キボンヌ
33 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 20:58 ID:OEB0zCI5
34 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 21:05 ID:PmFzcXDJ
あんた良い人だ>33
でも上のやつから逝けるな・・・
35 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 21:05 ID:OEB0zCI5
36 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 21:29 ID:PmFzcXDJ
期待age
37 :
33:01/12/31 21:40 ID:OEB0zCI5
38 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 22:02 ID:4NkigN1y
39 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 23:25 ID:PmFzcXDJ
age
40 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 23:34 ID:ELhR2XPJ
ドロシー萌えage
41 :
名無しさん@ピンキー:01/12/31 23:54 ID:sfbHzkg4
キッカ燃えage
42 :
名無しさん@ピンキー:02/01/01 00:05 ID:MrKFWiDr
ドロシーたんの眉毛を剃ってあげたい…ハァハァ
44 :
名無しさん@ピンキー:02/01/01 10:22 ID:YrVT1bxn
さらにage
45 :
名無しさん@ピンキー:02/01/01 10:37 ID:hWHGQslR
カテジナ様に踏まれたい、ハァハァ
46 :
名無しさん@ピンキー:02/01/01 11:10 ID:YrVT1bxn
カテジナよりもアイナに踏まれたい、ハァハァ
47 :
名無しさん@ピンキー:02/01/01 13:04 ID:YrVT1bxn
唐age
48 :
名無しさん@ピンキー:02/01/01 14:25 ID:WbAVQE34
基本はシーマ様やね(濃爆オタク先生参照)
でも、通はキシリア様
戦国でいうところの お市様 と〜てもエキサイティングだ
49 :
名無しさん@ピンキー:02/01/01 18:33 ID:zB9aO13I
やっぱミネバでしょう。
50 :
名無しさん@ピンキー:02/01/01 19:57 ID:zB9aO13I
維持age
しかしガンダムヒロインズ重複しているような・・・・・どっちが本スレだ?
52 :
名無しさん@ピンキー:02/01/01 20:52 ID:39FqPte9
16は神。ミネバ萌え〜!!
53 :
gazz:02/01/01 20:54 ID:5+hVc7Ia
age
56 :
16:02/01/02 22:34 ID:4eczYJFq
57 :
16:02/01/02 22:55 ID:4eczYJFq
58 :
16:02/01/02 22:57 ID:4eczYJFq
追記↑プルツーもいましたね。スマソ。
59 :
名無しさん@ピンキー:02/01/03 00:56 ID:7trePTVb
神が現れた!!16の人マンセー。
漢ならエマだ!
62 :
16:02/01/03 23:20 ID:Xos5Bxjs
63 :
61:02/01/04 00:48 ID:AzPBlRZG
age
65 :
職人:02/01/05 09:44 ID:S/tsmxBL
>>62は俺の書いたやつじゃねーか・・・しかも失敗作
・・・・・・・・・
>>65 >しかも失敗作
他のとたいして変わらないよ。
もっと状況描写を細かく。
もっと心理描写を深く。
台詞の前に人物名を入れない。
アドバイスです。頑張ってください。
今のままじゃ他の職人との差はかなり大きいですよ。
セイラさんキボンヌ
71 :
16:02/01/07 21:11 ID:Vo9i3Ot4
72 :
名無しさん@ピンキー:02/01/08 23:53 ID:Mb5bIXsf
08小隊のトップたんキボンヌ。
73 :
16:02/01/09 00:01 ID:IYgu9Cmf
74 :
16:02/01/09 20:42 ID:FDIVYdQ8
age
75 :
名無しさん@ピンキー:02/01/09 20:49 ID:2el8tKVA
ノイン萌え〜
76 :
名無しさん@ピンキー:02/01/09 23:49 ID:igEZ219x
メリーメイア萌え
77 :
名無しさん@ピンキー:02/01/10 06:45 ID:uyIvo2Qv
age
78 :
名無しさん@ピンキー:02/01/12 10:30 ID:BefiSbpM
さage
79 :
名無しさん@ピンキー:02/01/13 15:11 ID:MNlMnUrc
シーラ・ラパーナ様ってのはダメ?
80 :
名無しさん@ピンキー:02/01/13 23:32 ID:UrKpgp7N
リリーナたん萌えでせう
81 :
16:02/01/13 23:34 ID:n9IR2ZRu
82 :
:02/01/14 08:33 ID:pGDkLGfC
>>81 えーん、シーマ様と思って意気揚揚とクリックしたら聖女の方じゃないですかぁ
まぁシーラ様も好きなんで良かったけどね
83 :
名無しさん@ピンキー:02/01/16 23:17 ID:hTiz73iw
シーマ・・・萌えるか?
84 :
名無しさん@ピンキー:02/01/16 23:28 ID:aUH7Ox28
シーマン様!
85 :
.:02/01/22 01:06 ID:bWCrLSvB
age
86 :
:02/01/22 02:23 ID:bTEM0ovt
>>83 もっちー様の教典(同人誌)を熟読しなされ
アレはイイモノだ・・・
87 :
83:02/01/22 21:22 ID:3tHUoqPl
88 :
名無しさん@ピンキー:02/01/29 16:49 ID:EqXwvgke
age
89 :
名無しさん@ピンキー:02/01/29 18:59 ID:fXtO2wYf
90 :
名無しさん@ピンキー:02/02/02 20:30 ID:Qv+TEBub
ターンエーのロラン物でお願いします。お礼の用意アリ升
91 :
名無しさん@ピンキー:02/02/03 19:19 ID:633c6tQE
naiyo!
あぼーん
93 :
名無しさん@ピンキー:02/03/12 23:20 ID:13cjNqYF
マウアー・ファラオはマニアック過ぎ?
とりあえずage
94 :
名無しさん@ピンキー:02/03/13 00:50 ID:N/X3TbpQ
95 :
▲:02/03/13 02:36 ID:HBoED2qc
エマ中尉!パピポ作家の向先生が同人で描いてくれんかのう?
96 :
名無しさん@ピンキー:02/03/18 03:25 ID:qjrCZur6
セシリーたんage
>>95 それは、ヘンケンに心を開いたエマさんが
ティターンズに拿捕⇒過酷な恥辱尋問であえなく篭絡、
その様子のビデオをアーガマに送ると言われ
「いや!それだけは、それだけは止めて〜」と最後の羞恥心を振り絞って哀願する、
というような話なのかと小一時間問い・・・
98 :
名無しさん@ピンキー:02/03/18 04:06 ID:5/6NKehm
リリーナ萌え
ランス×キャラ×ニー=(゜д゜)ウマー
ベルトーチカかクエス。
101 :
名無しさん@ピンキー:02/03/18 05:34 ID:5/6NKehm
ティファ萌え萌え
102 :
▲:02/03/19 02:17 ID:3jQY5N7I
>>97 ええ、全くそのとおりです。
というか同士か?
恥辱役は、気持ちマイナーなキャラ代表でジャマイカンを。
>>102 そのようですな(w
一応脱走兵だしねエマ中尉。粘っこい邪魔遺憾の昼夜を問わぬ責め苦に
目ン玉ガラス玉状態ですっかり状況受け入れちゃっうエマさん ハァハァ(´д`;)
104 :
名無しさん@ピンキー:02/03/22 23:48 ID:LnoV4k3I
age
リリーナ萌え〜!でも同人でもネット上でも、あんまりエロいのがない。
801同人ネェちゃんばっかりで泣ける・・・
106 :
名無しさん@ピンキー:02/03/27 10:59 ID:E1qWUzNE
age
107 :
名無しさん@ピンキー:02/04/18 19:45 ID:pIcAJUdO
あげ
108 :
名無しさん@ピンキー:02/05/08 20:14 ID:cWYD0/fS
sukuiage
109 :
大ファン:02/05/08 23:15 ID:HLcPX3s2
ダブルゼータのルールカも結構悶えちゃう
110 :
:02/05/08 23:19 ID:NNwHpXnq
111 :
名無しさん@ピンキー:02/05/09 22:52 ID:qGUIvZCj
>110
(・∀・)イイ!!
112 :
名無しさん@ピンキー:02/05/10 01:37 ID:zqRZaBtA
アリス・ミラー少佐萌えの人っていないのかな?
113 :
名無しさん@ピンキー:02/05/10 20:23 ID:urFZ6cn9
mage
114 :
名無しさん@ピンキー:02/05/11 07:25 ID:riCCZFD2
ア イ ナ た ん 最 強
レインとアレンビーきぼん
117 :
名無しさん@ピンキー:02/05/22 14:51 ID:0Cy8cMzQ
ヒルデ萌え
118 :
名無しさん@ピンキー:02/05/22 16:04 ID:yvsPwhWT
シャクティたんだな。
119 :
_:02/06/08 15:01 ID:63skVIIY
120 :
名無しさん@ピンキー:02/06/19 22:06 ID:c4/hENF9
ドロシー!!Wの方、あの眉毛が萌え。
121 :
名無しさん@ピンキー:02/06/19 23:57 ID:YEn0j8Kk
>120
いまみたな
俺も見た
122 :
名無しさん@ピンキー:02/06/21 00:39 ID:RoWGqGcQ
サラタン(; ´Д`)ハァハァ
123 :
名無しさん@ピンキー:02/06/21 00:44 ID:c2iaRx23
シーマたん・・・
124 :
ぴぴん:02/06/21 00:47 ID:mG5OrmK4
ヤパーリ セイラたん。
125 :
コギャル&中高生H大好き:02/06/21 00:52 ID:dcpHhLFk
126 :
名無しさん@ピンキー:02/06/21 01:54 ID:cWVV0GHg
リィズタン(; ´Д`)ハァハァ
127 :
名無しさん@ピンキー:02/06/21 06:48 ID:mbIl+B6V
シャクティたん一筋です
128 :
ばかやろう:02/06/21 07:40 ID:/hW8QsBm
ちはるにきまってんだろ!!!
誰???
129 :
名無しさん@ピンキー:02/06/22 07:22 ID:jCeyv9PQ
エマたんに決まってんだろ!
130 :
名無しさん@ピンキー:02/06/29 14:52 ID:1wsY+frb
ぷるぷる
ミライ・ヤシマ
132 :
名無しさん@ピンキー:02/07/05 22:53 ID:Sp0lmCwW
ファ・ユイリィ
ソシエ最高
134 :
名無しさん@ピンキー:02/07/14 03:24 ID:YdxRjOT0
ファとか・・・。
135 :
名無しさん@ピンキー:02/07/17 03:42 ID:0NOnAawn
ばかやろう!!!!!!!!!おい、あなた方たち。
V−ガンダムのシュラク隊のおね―さまが一番にきまってるだろ?
シロッコに萌えるんだが・・・。
137 :
名無しさん@ピンキー:02/07/17 08:09 ID:PqeDK6Da
シャクティに決まってんだろうが!
>135
おい貴様!
も ち ろ ん マ ー ベ ッ ト た ん は
入 っ て る ん だ ろ う な ?
シロッコに萌えるんだーシャアにも萌えるんだー。
だけどシロッコ×シャアがみたいとは思わないんだー。
このスレに女はいないのか?いないだろうな・・・。
フラウボウ
アーガマの共同洗面所で、ファは今日もクルー達の汚れた衣服の
洗濯に追われていた。
ただでさえ人手不足な船なのだ。
手が開いている者が率先して仕事を片付けなければならない。
「よいしょ、んしょ……っと。ふぅ、皆汚したい放題ね。
洗濯する人の身になってほしいわ。」
洗濯機をいくら回しても減る事のない衣服の山を見て、ファはげんなりとした
表情で、重く息を吐いた。
その時、洗面所の扉が音を立てて開いた。
ガ―――――。
「あっカミーユ……。」
「ファ、ご苦労さん。いつも大変だね。」
癖の強い髪の毛をした、ファと変わらない年頃の青年。
カミーユと呼ばれたその彼は洗面所にある椅子に座ると、ファの後姿に目を向けた。
「カミーユも手伝ってよ。」
「やだよ。俺、疲れてるんだ。」
彼はエゥーゴのエースパイロット。
戦場に出る度に、多大な戦果を上げてくる。
ファはその彼の勇姿を見る度に頼もしく感じると同時に、
どこか遠い存在になってしまった幼馴染を憂うのだった。
そんな彼女の思いなど知る由もなく、カミーユは目の前でせかせかと働く彼女を
じぃっと見つめている。
いや、彼が見ているのはファの揺れ動く腰もと。
艶かしく動くその臀部は、カミーユを興奮させるのに十分な色気を醸し出していた。
カミーユがゆっくりと椅子から立ちあがる。
その足でこちらの様子に気づいていないファに近づいていった。
洗濯物をかたすのに懸命になっている彼女を。後ろから抱きしめる。
「え!?カ、カミーユ!何するのよっ!」
「ファ、いつの間にそんな身体になったんだ?そんなイヤらしい身体にっ!」
「な、何を言ってるのよ!」
「うるさい!粛正してやるっ!」
「きゃあぁ!!」
カミーユはファの後ろに取り付くとミニスカートを持ち上げて、
白くすべすべした太股の肌触りを楽しんだ。
「や、やめてよ!カミーユ、何考えてるのっ!?」
カミーユの手は彼女の内腿へと移動して、その上にある白い下着の上から
ファの大事な部分を弄り始めた。
「あッ!?ちょ、ちょっとカミーユってば!そ、そんな…」
「ファのここは温かいな。いつまでも触っていたいくらいだ!」
「あっ……、ぅんん、ダ、ダメだったら……」
「なら、もっと抵抗すればいい。だけど僕は止めない。
こんなイヤらしい身体をしているファが悪いんだ!」
「そ、そんな…」
カミーユの荒い息が彼女の首筋にかかる。
ぞくぞくと身体を震わせて、ファは官能の渦に落ちていく。
「は……ぁ」
「ファ、これは何だ?」
カミーユがファの秘裂に指をあてて、ぐっと下着を押し当てると、
白い下着がじんわりと湿っていくのがわかった。
「わ、私…」
「ファ、これは何なんだよ!?なんでおまんこ濡れてるんだよ!」
「ち、違う・……違うの……。」
ぐりぐりと指をめりこませると、ファの秘部は抵抗することもせずその指の侵入を許した。
「んぁぁぁぅ!!んッ……いやぁ、カミーユっ!!」
「嘘つけよ!声が出てるじゃないかよ!色っぽい声がッ!!」
私、色っぽい声なんて……。
ファはそう思ったが、カミーユに弄られる度に喉の奥から出る声が
艶を帯びているのに気づかぬ訳はなかった。
私は感じてしまっているの……?カミーユに、こんなふうに触られて……。
「ファはこんなふうにされるのがいいのかよ!変態だぞ!」
「んっ……ぁん!ひあぅ!ち、違うわ!違うわっ!!」
秘口をなぞられ、ファは言いようのない興奮と快感に追い詰められている。
ボタボタと淫液を垂らして、カミーユの乱暴とも言える愛撫を受け入れている。
「くっ……こんな、こんな……!」
ファの下着を強引に引き下ろして、カミーユは片足をあげさせると、
肉棒を秘裂に狙いを定め終わると同時に一気に彼女を貫いた。
「はぁッぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うあっ……ファ、そんなに締めるなよ…!」
「むっ……無理よぉ…!カミーユっ……んはっ!!」
カミーユは彼女の腰をつかんで、本格的に動き始めた。
ファの身体が揺れ、声が揺れる。
「あぁ!いッ……ぅ!ぅん!ぅん!はぁん!はン、激しい……っ」
「ファ、ファ!すごいんだ、ぎゅうぎゅう締めつけてくるんだ!」
「そ、そんな事してない!私、そんな事してないわッ!!」
パン!パン!パン!パン!
「ひぅんぁ!!あっはぁ!ひぐっ……カミーユぅぅ!!」
「ファ、駄目だ!もう、駄目だ!」
「いやぁ!いやっ!イクぅ!私、イクぅッ!!」
「うぉぉっぁ!」
ドクン!
「ひッ………ああぁぁぁ――――――――――――――――――――ッッ!!」
カミーユは大量の液体をファの膣内にありったけ注ぎ込んだ。
ドクドクと脈打つ肉棒を、ファの秘肉が収縮して包み込む。
2人はしばらく繋がったままで、情事の余韻に浸っていた。
足元にある下着を上げて、カミーユは衣服を整えた後、
ファに向き直った。
「ファ、今日の事は2人だけの秘密だよ。
その約束が守れるなら、また抱いてあげるからさ。」
「カ、カミーユ……。」
そう言って、カミーユは洗面所を後にした。
ファは彼の歪んだ愛情を受け入れるしかないのか。
戦争ですっかり変わってしまったカミーユを突き放す事もできず、
ファは泣く泣く彼の欲望の捌け口に使われるのだった。
完
しまった
萌えスレだから和姦の方が良かったか
「おいイーノ、お前プルの面倒見てやれよ。」
「な、なんで僕が?」
「俺達はガキの相手なんかしてるヒマないんだよ。機体の整備しないといけないし。」
「そ、そんな……僕だって…」
「いいじゃん。お前、面倒見良さそうだし。」
「そんじゃ、よろしく。」
ビーチャとモンドが、偵察に出たジュドーとエルに着いていけなくて
ぐずっていたプルをイーノに押しつけてから、1時間が過ぎた。
今彼女はイーノの前で椅子に座って頬を膨らませながら、
宙に浮いた足をブラブラさせて、ただジュドーの帰りを待っていた。
「ねぇ、ジュドーは?」
プルは目の前で腕組をしているイーノに聞いてみた。
返ってくる答えは先ほどから変わらない。
「うーん、まだみたいだよ。でももう帰ってくるんじゃないかな?」
「さっきからそればっかり。」
そんな事言われても、他に言いようがないじゃないか……。
イーノは目の前の少女を前に、ほとほと困り果てていた。
このプルという少女、同じジャンク屋仲間のジュドーには心を開いているが、
その他の人にはあまり取っ付かないようなのだ。
決して悪い子じゃないと思うんだけど……。
イーノはこの場の重い空気に押しつぶされそうになりながら、
ジュドーの帰還を切に願っていた。
「お風呂入ってくる!」
「えっ?」
プルはそんな事を言うと、ぱっと立ちあがって浴場に走っていった。
「あっ……ちょっと待ってよ!」
イーノはお守役を全うすべく、彼女の後を慌てて追いかけた。
「プルプルプルプルプル―――――!!」
「わ、飛沫が飛ぶってば!」
バスタブの中でプルがはしゃいでいる。
彼女は入浴が大のお気に入りのようで御機嫌だ。
「あははははっ!気持ちいい―――!」
まぁこれで機嫌が良くなるならいいかな……。
イーノはホッと一息ついて、上機嫌のプルを見つめていた。
「ねぇ、イーノも一緒に入ろうよ!」
「え?ぼ、僕も?」
プルの提案に驚くイーノ。
まだ子供だとはいえ女性と入浴する事に抵抗を感じるようで、
頬を赤くして戸惑っている。
「ぼ、僕はいいよ…」
「ど―してぇ?気持ちいいよ?」
「だだってさ…」
「いいからぁ、ほら!」
渋っているイーノの腕を引っ張り、強引に浴槽の中に招きこむ。
イーノの服がお湯を吸って、びしょ濡れになってしまった。
「あー!わ、わかったから、服脱がせてよ!」
「はやくぅ―!は―や―く―ぅ!」
せかすプルの横で、脱ぎにくくなった服を剥ぎ取る。
人前で全裸になるのはこの上なく恥ずかしいのだが、
目の前で惜しみなく裸体を晒しているプルを見ていると、
そんな気持ちも少しは軽くなるのだった。
「はい!一緒に入ろ!」
「せ、せまいからいいよ…」
「い―――から!」
小さな浴槽の中に2人が入るとさすがに狭く、必然的に彼らは
身体を密着させることになる。
照れるイーノをよそに、嬉しそうにはしゃぐプル。
異性などまだ気にする年齢ではないのだろうか、
プルは遊び相手が現れたことに楽しそうだ。
ばしゃばしゃとお湯をかけられるままのイーノだが、
その視線はプルの身体に吸いつけられていた。
まだ未発達とはいえ、初めて見る異性の裸体。
まだ平らなままのプルの胸。
しかしその先端にあるピンクのしこりはとても可愛く、
彼女の初々しさを表現している。
そしてぷっくりとした股間には、何物の侵入も許さないかのように
一本の筋が通っていた。
イーノはそんな身体を惜しげなく晒すプルに奇妙な感情を覚え始めていた。
お湯をかけ返す過程、偶然を装って彼女の身体に触れてみる。
その度に幼児特有の、ぷよぷよした弾力が掌に返ってくるのだった。
「イーノ…どうしたの?」
「え?」
プルに指摘され初めて気づく。
顔を赤く染め、吐く息が荒くなっている事に。
「どこか痛いの?」
「あ、な、なんでもないよっ…」
「ホントに?」
心配して顔を覗きこんでくるプルがとても可愛く見える。
イーノはすでに固くなった股間のモノを手で隠すと、
浴槽の中に座りこもうとした。
「お腹痛いの?見せてっ!」
「だ、駄目だよ!」
プルは制止も聞かず、イーノの手を素早く振り払った。
するとそこには勃起した肉棒がプルに向かって亀頭を突きつけていた。
「わ!イーノのおちんちん、おっきいね…」
「み、見ないでくれよ!」
だがプルはさして恥ずかしがる様子もなく、
好奇心に満ちた眼でイーノのモノを見つめている。
そんな彼女を見ていると、表現し難い興奮が身体を支配していく。
イーノは興奮と緊張のあまり震える手を、プルの胸板にそっと当ててみた。
ふくよかさはないが、程良い弾力とピンとした乳首の感触が掌に返ってくる。
「きゃ!」
急な出来事にプルは驚いてしまったが、
イーノはぺたりと手を当てたまま微動だにしない。
「……プル、楽しい事しようか?」
「た、楽しいこと?」
「そう……手、後ろの壁についてみて。」
イーノは立ちあがると、プルの手を掴んで彼女も共に立ちあがらせた。
プルはいつもとどこか違うイーノに戸惑いながらも、彼の言う通り後ろを向いた。
「……これでいいの?」
壁に手をつき、小さなお尻をイーノに突き出す態勢でプルは聞きなおす。
それに満足したイーノは、その可愛いお尻を掴むと、
彼女の太股の間に自分の肉棒を差し込んだ。
「な、何!?」
内腿に感じる熱い感触にプルは怯えを帯びた声を上げた。
その瞬間に後ろから掌で胸をぐっと掴まれる。
指先でくりくりと乳首を遊ばれ、プルの身体に初めての感覚が走った。
「あぁっ……プル…!」
「イーノ、た、楽しい事ってこれの事?」
プルのお尻に自分の腰を当てるように前後運動を繰り返すイーノ。
その運動で、ぷるぷるとした太股に挟まれた肉棒に快感が流れ込む。
彼女のワレメを肉棒で擦り、つるつるのお尻の感触を楽しむ。
プルは自分の股間を往復する熱いモノを感じるうちに、
おかしな感覚に囚われ始めた。
だがそれは嫌なものではなく、いつまでも感じていたい心地良さをもっていた。
「イーノ……私、なんかヘンだよぉ…」
「プル!うぁっ」
足もとのお湯が跳ねるほどに動きが激しくなっていく。
パチン、パチンとプルのお尻とイーノの腰が当たる音が浴場に響き、
イーノはより快楽を求め、プルは襲い来る未知の感覚に戸惑う。
「おまたが熱いよぉ……はぁ、はぁ、はぁ」
イーノはプルの素股をただがむしゃらに貪り、
その肉棒の先からは透明の液を吐き出し始めている。
「んんっ……ヌルヌルしてきたぁ……」
「はぁ!はぁ!はぁ!」
プルの甘い声も、今は艶かしく聞こえる。
イーノはもう近い絶頂にまっすぐ駆け上っていく。
「あっ……イ、イーノ、そんなにしたらお尻痛いよぉ……」
「うぁぁっ!出るっ……!」
「えっ……きゃっ!?」
プルが驚くと同時に、前の壁に白い液体が飛び散った。
イーノが絶頂に達した証拠なのだが、まだそれが何なのかはプルは知らない。
彼女の素股の余韻を楽しむようにゆっくりと動くイーノ。
プルは壁にかかった液体を指ですくってみた。
「これ、ネバネバしてるよ……」
「き、汚いから触らない方がいいよ?」
目の前に突き出された自分の精液に嫌悪を覚え、イーノはプルの指を遠ざけた。
「汚いの?……ふーん。」
プルはそう言うと、ぱちゃぱちゃとお湯で指を濯いだ。
ぷかりと精液が水面に浮いている。
「あ、上がろうか?」
イーノはプルの身体に溺れてしまった罪悪感に苛まれながら、
足早に浴場を後にするのだった。
「あっ!ジュドー!!」
「よぉプル、ちゃんと留守番してたか?」
浴場から戻る途中、偵察から帰ったジュドーとエルがこちらに歩いてきた。
「うん!イーノが遊んでくれたんだ!」
「へぇ…良かったな。サンキュ、イーノ。」
イーノは笑いながらジュドーに手を振ると、2人の横を通ってその場を後にした。
どこか釈然としない気持ちを抱きながら。
完
プルって何才だっけか……。
( ゚д゚)ノ● プルハ10サイダーヨ。 夜食にカレードゾー
●ヽ(´ー` )ア、コリャドーモゴシンセツニ…
って、人がイタ━━━━(゚д゚)━━━━!
この廃墟に人がいるとは……。
クリス×バーニィ書いたけどやっぱりバーニィはダメか。
相手アルにして考え直そう。
ぐぅ……筆が進まん。
この板は保守の必要無いと思うが一応
クリスたんハァハァ
うぁ、圧縮されたのか……。
まぁこんな最下層で活動するのも(・∀・)イイ!かも。
レス数(1)って……。
あぼーん
ティファ・アディールに決まってるじゃないか!
>>157 今頃言うのもなんだけどクリス×バーニィ激しく読みたい!!
164 :
名無しさん@ピンキー:02/09/15 01:01 ID:5cdHLMxe
>>163 もっともだ!! クリス×バーニィのラブラブ濃厚Hも読みたい!!
読みたい!!
あがってる……人も増えたようだ
深く潜行しませう
167 :
名無しさん@ピンキー:02/09/18 15:52 ID:+N0OeGiB
age
168 :
名無しさん@ピンキー:02/09/18 16:05 ID:p4rW+Od7
あぼーん
あがってしまったか……去ろう。
171 :
名無しさん@ピンキー:02/09/18 22:15 ID:tEwmllsm
そうだね。上がっちゃ去るしかないよね
深く深く
キ // /::::://O/,| /
ュ / |'''' |::::://O//| /
.ッ \ |‐┐ |::://O/ ノ ヾ、/
: |__」 |/ヾ. / /
ヽ /\ ヽ___ノ / . へ、,/
/ × / { く /
く /_ \ !、.ノ `ー''"
/\ ''" //
| \/、/ ゙′
|\ /|\ ̄
\|
あぼーん
広告マジでうざいよ…。
あぼーん
寂スィ…
>>178 本家にすごい神が降臨しているからねぇ。
書きなぐり氏の復活キボンヌ
しかし種はなんであんなに萌え系キャラが多いのか
種エロはもう少し様子をみないとなぁ
>>180 確かに。ギャルゲー並の数と種類が取り揃えられている。
801同人女だけじゃなく、同人野郎も確保したいんでは?
まあ、あのキャラデザのヘタレ絵だと、個人的には萌え度のランクが下がるが・・・。
>182
禿同。平目顔なキャラデザはいただけない。
184 :
名無しさん@ピンキー:02/10/26 23:18 ID:uMZgUTPe
age
あぼーん
186 :
名無しさん@ピンキー:02/10/27 21:20 ID:84W8s2Cr
エマ中尉が好き!なんかしっかりしてそうで彼氏相手にだけエッチそうだから。
逆にレコアさんがきらい!
187 :
名無しさん@ピンキー:02/11/03 02:10 ID:hjl308eh
リリーナ様のエロ同人キボンあげ
なかなか下がらんね……。
190 :
187:02/11/04 15:32 ID:CHly3wnb
>189
サンクスコ
だが漏れ、そのへんは全部持ってるのです。
女性作家がまだ何人か活動してるみたいだから、その辺で
実用可能そうなのをキボンヌ
191 :
189:02/11/05 02:01 ID:cyC0k7ik
>190
女性作家で最も実用可能な本を発行していたサクールは、何か現在活動
休止中っぽい。
でも過去にヒイロ相手のパラレルだけど、結構イケる本を3冊出してたyo。
あまり発行部数が多くなかったのか、滅多にヤフオクにも出てこないんだが、
それは持ってる?シンデレラのダブルパロ物と、リリーナがウサギでヒイロが
狼って設定のが2冊。アニマル設定のリリーナの性格は幼児っぽいが、絵柄
の良さとエロ度はイイ感じ。自分も昔のシャア板のリリーナスレで存在を知り、
中古同人誌ショップで根性でゲットした。
ちなみにサクール名は、「METEOR EIGHTEEN」。
192 :
187:02/11/06 01:50 ID:sgsfM2ts
>191
『狼さん〜』は持ってますたが、そのシンデレラは持ってなかった。
さっそくだらけにでも行って、探してみます。
情報サンクスコ。貴方は神だ!
193 :
189:02/11/07 03:23 ID:eQTGmjPK
>192
タイトルは、『IMITAION CRIME』B5のフルカラー表紙で、ダークブルー系の背景に
黒のリボンで髪を結んだリリーナのバストショットが目印。98年発行。
ただ、どうもこの本はかなり発行部数が少なかったらしく、中古屋では全く
見かけないし、ヤフオクでも見たことがない。どうもこの本、この作家さん
初の個人誌のようなんで、超小部数発行だったのかもしれん。
自分は『狼さん〜2』をゲトした中古屋で、たまたま知人がバイトしてたんで、
『狼さん〜1』が入荷したら知らせて欲しいと頼んでいたら、半年後にW男女
カプ本が大量入荷したとの連絡を貰った。その際に、このサークルの本が
三冊揃ってたんで、持ってないのを運良く入手することが出来た。
その時に、他の女性作家によるエロ系同人誌も数点入手したが、エロ度は
低い、つか耽美っぽいんで実用にはちょっと…。女性作家だと、小説の方が
カッ飛んでエロいのがある。漫画でなくてイイなら、そっち狙うのも手。
とにかく入手難度がかなり高い同人誌だと思われるが、頑張ってくれ。
幸運を祈る。
Wより、Xのドジンシの情報くれ!
196 :
187:02/11/09 13:00 ID:fD814irX
>189氏の助言に従い、同人誌も扱っている古本屋でバイトをしている友人に、その辺を根回ししてきた。
ただ、入手は難しいかもしれないとの言葉・・・運良く入手できたら報告にあがりやす。
クレクレ小僧で本当に申し訳ないのだが、>189氏の言っておられる小説本を教えてくれるとありがたい。
実用が難しい物でも、リリーナ様ハァハァができれば漏れはイイ!(・∀・)です
ショウジキ、ダンジョオオテノホンハヒイロモエバカリデツマランノダヨ・・・
冬の有明で種祭りがあるはず。そっちを期待しれ。
カガリタン(;´Д`)ハァハァ
>191
あのサークルは活動休止だったのか。
いつの間にか情報交換スレになっとるな
有効利用ってことでOKでは?シャア板では同人系の話題は嫌われてるから。
失敗した。↑にシンデレラパラレルネタ載ってるはず。がんがれ
種祭りになってるだろうから、今から冬の三日目が楽しみ。
種が新刊予定のサクール、知ってたら情報きぼんぬ!
205 :
名無しさん@ピンキー:02/11/19 21:57 ID:9wERHm+R
あぼーん
あぼーん
208 :
俺萌え:02/12/11 02:03 ID:FuY0cyGa
保守
キープ。
210 :
shioya:02/12/25 18:45 ID:I87162tf
211 :
名無しさん@ピンキー:03/01/09 16:27 ID:W1Glm93J
hozen
212 :
名無しさん@ピンキー:03/01/09 16:30 ID:FjLMIo2n
ここにハンター×ハンターのスレはないんですか?
213 :
名無しさん@ピンキー:03/01/11 16:30 ID:TvYCJ0c6
>>212 昔あった
それにしてもあんな糞漫画に執着ですか?
214 :
名無しさん@ピンキー:03/01/11 19:16 ID:xXc2Tlp2
ガンダムヒロインズのスレっていまどこにありますか?
わかる人教えてください。
215 :
山崎渉:03/01/12 07:33 ID:gNCpbf2o
(^^)
トレーズ×レディ・アン、すごいイイ!!
217 :
名無しさん@ピンキー:03/01/14 15:34 ID:ZMLkuXga
ほしゅ
218 :
名無しさん@ピンキー:03/01/14 16:31 ID:Alu1qE8u
219 :
名無しさん@ピンキー:03/01/16 02:30 ID:EEf0vBtR
ラクス最高!!フレイはいらん
220 :
名無しさん@ピンキー:03/01/16 12:15 ID:qD15aU6u
221 :
名無しさん@ピンキー:03/01/16 12:48 ID:7LxQmBoG
\
>>219よくも、ぬけぬけと!
 ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
へヘ チュイ-ン
、/〃⌒⌒ヽ
〈〈 ノノ^ リ)) ∧_∧
ヽ||`∀´||___。 \从/ ( ´Д⊂ヽ
( つ【〔ロ=:(∈(二(@ > ⊂ ノ
人 ヽノ B ドドドドドド・・・・・!!! 人 Y
(__(__) B 、、、 し (_)
________∧__
/うえーん
222 :
名無しさん@ピンキー:03/01/16 16:16 ID:n1n13SJW
222
あぼーん
224 :
<・・>:03/01/16 21:49 ID:kqEThE25
リリーナ様を、奴隷にしたい!!!
あんな事、そんな事やらせて・・・・泣かせたい!!
225 :
山崎渉:03/01/17 07:20 ID:M9r4wrZF
(^^;
226 :
名無しさん@ピンキー:03/01/17 09:05 ID:xLjTfDdh
目が見えなくなったカテ公を犯す・・
227 :
名無しさん@ピンキー:03/01/21 19:29 ID:eiOHsCa+
あぼーん
229 :
名無しさん2号:03/01/25 14:32 ID:wavxk/De
漏れ的にはルー×グレミーが…。
ルーの死んだ彼氏がグレミーにクリソツと言う訳で。
230 :
名無しさん@ピンキー:03/01/25 15:46 ID:vS7uqpWH
Xのティファ萌える
あぼーん
232 :
名無しさん@ピンキー:03/01/30 15:12 ID:1QhO+/cS
ageeeeeee!!!!
233 :
セシリー×海本:03/02/11 22:17 ID:bJ+4ody6
ラフレシアとの戦闘が終わり、シーブック達スペースアークの人々は月のサナリィ基地につき、束の間の休息を得ていた。
F91の戦闘データと貴重な人員であるモニカ・アノーを運んできたスペースアークは幸運にも歓迎され
乗組員全員にサナリィの宿舎の個室が賃貸された。
その個室のな一つで
セシリーは一人うなだれていた
234 :
セシリー×海本:03/02/11 22:51 ID:up2r8O36
いかにあのような父親でも、
肉親を殺す行為に荷担したという事実はは17歳の少女を苦しめた。
クロスボーンへの里帰り、モビルスーツでの実戦・・そして・・・
何もかもがセシリーを苦しめた。
「おじいさま・・・私は・・・」
思わず、口からこぼれた。しかし、そのおじいさま、マイッツァーおも裏切ったのだとセシリーは気付いていた。
失った。失いすぎた
これまでの・・平凡だけど悪くはない生活。そして、その生活を成り立てていたもの
それを壊した、発端の義父のシオの事を恨みもしたが、それは無意味なこととわかっていた。そう、わかっていた。自分の頬に暖かいものが走った。それは次から次に鎖のようにつながり一本の筋になった。
235 :
セシリー×海本:03/02/11 23:21 ID:up2r8O36
しかし、涙の中で彼女は思った。
自分を暖かく迎えてくれた人達のことを。 フロンティア4のみんなはクロスボーンから戻った、私を疑う事なく受け入れてくれた。そして、シーブックは私にここにいてもいいと言ってくれた。
そう思うと、ながれていた涙は違うものになったし、それまでの悲観的な気持ちも少し緩和されたようだった。
一つだけ自分に取ってこの数週間でよかったケとがあった
それは自分のことをしっかりと受け止めてくれる人がいるのがわかったことと自分のその人への気持ちがはっきりしたことである
セシリーは途端に胸の鼓動が高くなるのを覚え、少し戸惑ったがそれはシーブックに会いたくてたまらないからだとすぐ気付いた
236 :
セシリー×海本:03/02/11 23:41 ID:ExTpUj6c
丁度、その時だった
「セシリー、入るよ?」
ノックの音と共にさっきから考えていた男のやわらかい声がした。
セシリーは少し慌てたができるだけ平静を装って
「どうぞ」
と言った。ドアが軽く前に動き、その男がセシリーの前に現れた。セシリーはそれだけで顔に血が上るのを感じたが気にせず
「何か用?」
と切り出した。
シーブックは少し部屋を見回し
「いや、ちょっとね」
と言った
237 :
名無しさん@ピンキー:03/02/11 23:45 ID:2injrY2X
ここ、小説だめ?
いいよ、頑張れ!
さすがに、【もうちょっとがんばりましょう】だな、、、、、
240 :
名無しさん@ピンキー:03/02/12 07:45 ID:N2qJCWNi
見苦しい文章ですね・
スイマソ・・・
頑張りますのでよろしくお願いします
241 :
セシリー×海本:03/02/13 00:20 ID:21Qxkl8G
「ちょっと!?」
セシリーは尋ねてみた
するとシーブックは
「セシリーの事が気になったからここに来ってんじゃあいけないかい?」
と皮肉っぽく微笑みながら言った。
あまりにストレートに言われ、セシリーは少し面食らったが
それは彼なりの照れ隠しなのかなと思って彼女も微笑み返しながら
「ありがとう、うれしいわ」
と言った。シーブックがすこし頬を赤らめながらも、今度ははっきり笑顔を見せたのが確認できて
セシリーはそのしぐさを可愛らしく思った。
しかし、ふとシーブックを見ると彼はもう笑っていなかった。じっと彼女を見たシーブックが今度は真剣な趣で口を開いた
「その・・・君が宇宙に放り出された時
もう君を僕の側に感じることができないんじゃないかって
僕はとっても怖かったんだ・・・
でも、宇宙で君を見つけて君が目を開けて・・・・いま、こうして話をしてる。僕はとても・・・嬉しいよ。なんていうか」
242 :
セシリー×海本:03/02/14 22:12 ID:fUoikq/y
シーブックは途中、何度も目を下に逸ら紙ながらもはっきりと言った
セシリーはその不器用な告白をただじっときいていた
自分でも覚えている。はっきりしない意識の中でシーブックが優しく私を抱き締めていてくれていたことを。
セシリーは自分の思いを言葉にした
「私もよ・・」
シーブックがにこりと笑い、彼が彼女の肩にすっと手を置いた。
しばらく二人はお互いを見合っていたが、シーブックが彼女の顔の方に自分の顔をよせて、セシリーは彼が何を望んでいるかわかったので目をつむってシーブックの唇を待った。
じきに彼女の唇にやわらかい物が重なった。それは不思議なほど暖かく、彼女をすこし惑わせた。
243 :
セシリー×海本:03/02/14 23:03 ID:a/2qRbeD
すぐにセシリーは唇にぬるっとした肌触りを感じた。それはすぐに自分の唇を左右にペロペロとなで回しはじめたのでセシリーは思わずビクッとして口を軽く開いた。
すると、その隙間からそのぬるっとした物が彼女の口内に滑り込んだ。
すかさず、シーブックは彼女の顎を片手で少し持ち上げ彼女の方に重心を預けたので、彼女は2〜3歩後退りして、後ろにあったベッドに腰掛けた。
顔を斜め上に持ち上げられたので、彼女の口内には彼の舌を伝って熱い物が流れ込んだ。
セシリーは目を見開っきぱなしになったが自分の口の中で暴れるシーブックの物の勢いと熱に犯され、ゆっくりと目を閉じた。
彼女は口の中に流れ込んでくる物を必死に味わいながら、その中で彼の上下左右にうごめきながら、自分の存在を探している彼の舌に自分の舌を当てた。
すぐにシーブックは彼女を認め、お互いの舌は強く絡み合った。
244 :
海本×セシリー:03/02/16 13:38 ID:hV6W2VsA
彼女はただただ、自分の舌の自由を彼の舌に任せた。
「ん・んっ・・・」
と自分の息遣いが荒くなっていく。
しかし、シーブックはそんなことはお構いなしに彼女の大きくは無いが形のいい胸に手を伸ばした。
彼は片手でその彼女の二つの山のうちの一つに指を這わせた。
セシリーはなんとも言い難いモヤモヤした気持ちになったが、その気持ちは彼女にとって悪いものでは無かったので彼の手を特別どうこうとはしなかった。
あぼーん
246 :
カリウス:03/02/18 21:08 ID:1pvts2ko
二ナを、ズタボロに陵辱する小説希望!!!
247 :
海本×セシリー :03/02/22 16:40 ID:YaSBGfOU
シーブックの手はセシリーの胸を、服の上からまるでなめるように撫でた。
その手はじきに山の突起を見つけ出し、彼はそれをつまんだ。
彼の指はくりくりとその感覚を楽しんでいるように動いた。
彼女にはくすぐったいようななんともいえない気持ちの波が襲い、彼女はキスには
キスをしていられないほどだった。
シーブックは胸をさわっていない方の手を彼女の一見、シルクのような服に手を
伸ばすと、それを持ってすっと持ち上げた。
彼はパッと唇を剥がし、その服を脱がした。
目の前に、ピンク色の布をまとった2つの山が出てきた瞬間、
彼は彼女の背中に手を回して、ブラジャーのストッパーをはずした。
パチっと音がしたかと思うと、すぐに彼女の形の良いおっぱいが姿を
表した。
セシリーはさすがに赤面し、目をつむった。
「きれいだよ・・・セシリーの胸すごく、きれいだ」
シーブックはそういったが、セシリーはさらに赤面した。
彼はもう一度、その胸をなでると
ピンク色の乳首を口に含んだ。
248 :
海本×セシリー:03/02/22 16:40 ID:YaSBGfOU
・・・・・・・・・駄目だ
もう書けない・・・・・・・・・・・・
あうぅ、そんな事言わずに頑張って下さいよ。
楽しみにROMってますんで。
書けないって言ってるんだから、放っておくべきだろうが。
あぼーん
保守
253 :
名無しさん@ピンキー:03/03/01 10:52 ID:IY33UNsL
うむ、ぢゅぶ……
常夜灯だけが薄く灯っている部屋の中で、デュオとヒルデが一糸纏わぬ姿で、互いを貪っていた。ヒルデの口の中で、デュオのものが大きくなり、そして固さを増していった。愛しそうにデュオのものの先端にキスをするヒルデのソコを、デュオがちゅうちゅうと吸い付いていた。
「…んぁん……デュオってば、乱暴なんだから……」
「そんな事言うなよ。大分上手くなったじゃねぇか。そろそろ下のお口が待ってるぜ」
恍惚とした表情で振り返るヒルデに、デュオはニヤリと笑った。唾液まみれのものを口
惜しそうに離すと、ヒルデは腹ばいの状態でシーツにしがみ付いた。
デュオの目の前には、蜜でびしょびしょに濡れたヒルデのソコが、お腹をすかせて餌を
求めている。デュオの興奮も限界に達しようとしていた。
254 :
名無しさん@ピンキー:03/03/01 10:53 ID:IY33UNsL
「いくぜ……うぅっ!!」
デュオのものがヒルデの中にゆっくりと入っていった。
「うあぁぁぁぁんっ!!いいっ、いいわ、デュオ、デュオォォォッ!!」
ヒルデが恍惚の表情を浮かべて歓喜に喘ぐ。
「し、締まる…たまらねぇよ、ヒルデェェッ!!」
「す、凄…あぁんっ!デュオのものが、あたしの中で凄い……あ、あんっ!
た、堪らないよぉぉ……!!」
苦痛とも快感ともとれる表情で、デュオはヒルデと繋がった腰を前後に激しく
動かす。ヒルデもまた、今まで味わった事の無い快感に我を忘れ、歓喜の声を上
げる
パン、パン!ジュブ、ジュブ……!!
部屋には互いを求める2人の男女の声と、淫靡な音だけが響き渡った。
「あぅ…デュオ、あたし、もうダメ……イッちゃうよぉ……!!」
「イ、イケぇ……俺とヤッた奴は……イクぜぇぇっ!!」
ドブッ……ビュ……!!
ヒルデの中に、デュオの中から何かが注がれ、ヒルデはその場でぐったりと
倒れた。
「あ……デュオが…デュオの熱いのがあたしの中に……」
255 :
名無しさん@ピンキー:03/03/01 12:51 ID:SVStEu3V
イイ!
リィナ萌〜
>>253-254 W801同人全盛期にネットが発達してたらそれ系のサイトのBBSあたりにこういう
やつ(他にもヒイロ×リリーナトロワ×キャスリンとか)貼りまくってやったのになあ(W
>147-154
ょぅι"ょハァハァ
産むぜぇ、俺のチンコを見た奴はみぃんな 産むぜぇ
と言って見る冗談
261 :
名無しさん@ピンキー:03/03/13 15:30 ID:2VK+MmkD
人の想像力または創造力とは凄いものです。
皆さん想像してみて下さい。
東京ドームでガンダムキャラ全員が乱交…。
あっちではマチルダさんが東方不敗にフェラ。
こっちではカミーユとトロワ・バートンとカテジナさんが3P…。
こらこら、キッカ。ウーフェイのアナルにそれ以上モノを突っ込んじゃあいけませんヨ。
262 :
山崎渉:03/03/13 17:10 ID:30NJMGzf
(^^)
保
あ、ごめん。
保守。
上げてしまったうえ二重投稿すみません。逝ってきます…
講談社から出ているSDガンダムの4コマ、
4巻の裏表紙に描いてあるリィナが(・∀・)イイ!!
中に描いてある水着姿のアレンビーも(・∀・)イイ!!
確かシュラク隊やシャクティとかもいた。
269 :
名無しさん@ピンキー:03/03/21 11:22 ID:OeZHyz3Y
ガンダムXのティファは萌える
シャクティたんが好きでたまらない。
エマさんとヘンケン艦長のらぶらぶえっちが読みたいです〜(^^)v
もしよかったらどなたか書いてくれませんか〜?
(今日初めてZを最後まで見通したんですが、ヘンケン艦長が死ぬシーンで
涙が止まりませんでした。あの2人には幸せになってほしかったんです(><)!
Zのなかで私の一番好きなカップルでしたv)(20歳大学生(女子))
272 :
名無しさん@ピンキー:03/04/01 14:25 ID:L3O7laz9
ドロシー萌え
273 :
名無しさん@ピンキー:03/04/01 14:32 ID:NKjFpmSs
シャア板の逆走のシャアってスレであらゆるZキャラが乱交してるぞ。
実用度は皆無だけど超名スレ。
20歳大学生(女子)が午前3時にネットすんなよ(藁
シャア板のエロスレといえばやっぱり今は亡きお風呂スレだな
何故かガンキャラだけでなくダンバインのシーラやブレンのクインシーまで
出演してたけど
浄化されると台詞が半角カナになるのが笑えた
あぼーん
カテジナさんとシュラク隊で12Pしてみたい。
282 :
山崎渉:03/04/17 12:29 ID:TKWjnpQP
(^^)
エマさんのレイプ物が見たい!
284 :
山崎 渉:03/04/20 04:26 ID:IxIHzNin
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
ttp://red.sakura.ne.jp/~nankyoku/otoko/data/IMG_003729.jpg ↑これに死ぬほど萌えたのでSSを投下していきます。
…この場面までなので、本番はなしですが(^^;
時間が出来たら続きを書きに来ます
○● ○●○ ●○
「っ…あ、だめ、ヒイロ……デュオさんが、運転されているのよ…?」
「心配ない。前部座席との間にあるスモークガラスで、奴には見えない。
あとは、お前が声を出さなければ済む事だ。」
「…そんなぁっ…」
発端は、政府主催の会合に外務次官としてリリーナが出席した事だった。
護衛として二人のプリベンターが差し向けられ、彼女は上機嫌にその男たちを受け入れた。
その安堵が、気の緩みとなってでてしまったのかもしれない。パーティも兼ねていたその会合の席で、
リリーナは限度を超えた酒量に、あえなくダウンしてしまっていた。
付き添う青年たちに連れられて、宿泊先となっているホテルへと向かうリムジンに押し込められる。
運転は、茶色く長いおさげ髪の青年が。そして、ドーリアン次官の介抱をおおせつかったのは暗い
藍色の瞳を持つ精悍な青年のほうだった。
――――酒気の残るとろんとした表情と、発汗にくつろげられた、ブラウスの襟。
間近に薫る芳香と、無防備にしなだれかかる、華奢な肢体。
サクランボのような紅い唇が彼の名を切なく呼ぶ声に、ヒイロ・ユイの理性はあえなく陥落した。
VIPの密談にも使用される政府機関特注の後部座席は、秘め事をなすにも都合がよい。
この時期に相応しい、桜色をしたスーツのボタンを手早くはずし、シルクのブラウスの合わせ目に
不埒な手を差し入れる。
この後のプライベートに備えてか、派手目なデザインのブラはフロントホックになっていた。
金具をぷちりと軽く押すと、車の加速に会わせて、形の良い小ぶりな乳房がふるりとこぼれ落ちる。
ヒイロは口元に笑みを刻むと、染み一つ無い、すべすべとした美乳を当然のように揉みしだいた。
「あぁっ…や、ヒイ…ロ…っ」
「あれだけ挑発しておいて、何を今更…」
「わたくし、挑発なんてしていません……あっ、う、んっ……やぁ…」
口では拒絶の言葉をつぶやきながら、リリーナは決して嫌がっている風ではない。
それに気をよくしたヒイロは、上着は半端な位置で脱がせたまま、スーツのタイトスカートを慣れた手つきで
脱がせにかかる。春の陽気に合わせた、ひざ下のストッキングもたやすく抜き取り、足元に放り出す。
初めて会った時からヒイロ気に入りの、白くすらりとした足を露にすると、リリーナの身体が小さく震えた。
そのまま、性感帯をなぞるようにふくらはぎや腿のあたりを撫ぜてやると、ヒイロの胸に預けた彼女の背中が
ぴんと反り返る。
「……っ。いじわるっ……っ」
じわりと滲んだ涙の一滴が、半分はからかっているつもりだったヒイロの余裕を吹き飛ばした。
スーツと同色の下着の中に指を差し入れ、赤く火照るリリーナの耳たぶを甘噛みする。
すでにじんわりと熱いものがにじみ出ているワレメを二本の指で広げ、ぷくりと膨らみ始めたクリトリスを
容赦なく剥いてやった。そのまま指の腹で、愛液をなすりつけるようにこすってやると、リリーナのため息はよ
り濃密な、甘いものに変化していった。
あー…改行が一部変ですね。スマソ
>>286-287 某所でその絵を描いた者です。あちらは流れてますのでこちらで失礼します。
こちらこそ激しく萌えますた!こんなにイメージ通りな、
いやそれ以上な話が拝めるだなんて嬉しいですよママン(ノД`)
続きも楽しみにしてまつ(*´Д`)=3 ハァハァハァハァ
>286
神降臨〜〜〜〜〜!!!!!!!
リリーナタンキタ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*
素晴らしすぎるぅ〜〜〜〜〜〜(*´Д`)ハァハァ
続きを禿しくキボンヌ!!!!!!!!!!!!
>290
さらにもう一人の神までコーリンー!!!!!!
あの表情が貯まりませんでツタ!!次回作も期待しておりまつ!!
292 :
名無しさん@ピンキー:03/04/23 10:20 ID:ejTkeTxw
age
あぼーん
ヒイリリキタ―――
(*´Д`)ハァハァ
リリーナ!!
「ん……っふぁ……」
急速に駆け上がってくる快楽が、アルコールの残るリリーナの意識を更に酩酊させる。
思わずのけぞらせた顎に、脇からヒイロが啄ばむように唇を寄せてきた。その感覚が
ぞくぞくとリリーナの快感を煽り、彼女は小刻みな振幅で首を振った。
その間にも、リリーナの弱いところを知り尽くした男の指は、容赦なく彼女の秘所を弄っている。
外界の雑音にも途切れぬ、くちゃくちゃと耳に響く水音は、リリーナの羞恥よりも悦楽を
なお一層誘発している。ヒイロのもう一方の指は、敏感な胸の尖りを中心に、リリーナの
胸を飽くことなく愛撫しつづけている。
普段なら、こんな場所で彼に愛される事など、考えた事も無い。それなのに、身体は彼に
もっと強くどうにかされたいと望んでいる。
(……お酒のせい、かしら……でも、ああ、もう何も考えられない……)
それでも、運転席に座るデュオにこの嬌態を見せられないのは確かだったから、
リリーナはスーツの袖口をかみ締めて、喘ぎ声が漏れるのを必死に耐えている。
そんなリリーナの様子に、ヒイロはひそかにほくそ笑んだ。
実際のところ、リリーナがいつものように高く啼いたとしても、ヒイロは一向に構わない。
先にも言ったとおり、このリムジンの仕様は密談に適している。それは、前部座席に
対しても同様だという事を、リリーナは知らない。
勿論、ヒイロはあえて、リリーナのその誤解を解かずにおいたのだ。
ベッドの上で彼だけが聴く事の出来る切なげな声をここで堪能するのもいいが、
たまにはこんな表情の――必死にエクスタシーの奔流に耐える風情のリリーナを
愛でるのも悪くない。
ヒイロは背徳的な愉悦を楽しんでいた。同時に、もっと彼女を堪能したいという
欲求が膨らみ、自身のジーパンの中はすでにパンパンに押し上げられている。
生唾をこっそりと飲み込みながら、ヒイロは彼女の下草をかき分け、抜き差しする
指を増やしてやった。
「んっ……んーーーーーーっ!」
びくびくっ。
硬直した太腿にさらに力が入り、彼女のヴァギナで蠢くヒイロの指は、きつく締め上げられる。
それと同時に、どっと溢れ出した蜜がヒイロの手のひらを濡らし、リリーナは一度、頂点に達した。
快楽の深さが推し量られる、白濁した愛液の色に、ヒイロはリリーナの耳元でくすりと笑う。
「気持ちよかったか……?だが、まだ終わったわけじゃない」
半分霞んだ視界のまま、リリーナはうつろに頷く。自分の感情が半ば信じられなかったが、
それでも、リリーナにとっても、まだこれでは終わりにはできなかった。
「はい……わたくし……もう……」
「……いい子だ…」
備え有れば、憂いなし。
臍までそりあがったペニスにゴムをかぶせると、ヒイロは再びリリーナを抱きかかえた。
そのまま後ろから、彼女の蜜壺に己の猛りを挿入する。
「ああぁんっ…!」
挿入は浅くなるが、リリーナの弱い個所がダイレクトに突かれるため、彼女の快感はより増していく。
大きく腰を揺すらずとも、彼女の自重と走行する車の振動が相乗効果を生み出し、
愉悦を勝手に与えてくれるのも、この体勢の利点だった。
「あっ……あ、あっ!ああっ!」
のどの奥で掠れる声が、艶かしい。
必死に声量を抑えようとする行為が身体に力を加えさせるのか、リリーナの秘苑の絞まりは
いつになくきつい。ヒイロは彼女の肉芽をなおも攻めながら、もう一方の手で交互に柔らかな
双丘を揉みほぐし、リリーナの耳に舌を差し入れる。
「ひぃんっ!」
ざらついた感触から逃れようとする彼女の顎を強引に捕らえ、そのまま深く唇を重ねる。強引に
歯列を割って舌を吸うと、リリーナはおずおずとそれに応えて自らのそれを絡めてくる。
呼吸は出来る程度に、幾度も噛み付くようにキスを繰り返す。同時に、ゆるく腰を突き上げてやると、
リリーナはむりやり背けられている首を苦しそうにゆすった。
「あっ……ふ、うぅん……っ!ヒ、ヒイ……ロォ……」
それでも、決して拒絶する訳でもなく――いや、なおも口内で舌先を摺り寄せてくる彼女のけなげさが
愛おしかった。ヒイロはスーツよりもなおいっそう薄紅にそまった彼女の首筋に唇をずらして寄せると、
痕がつかない程度に軽く吸い付いた。びくりと過敏に反応するリリーナに構わず、そっと歯を当て、
僅かずつ力を込める。
快楽とは別の、異質な刺激を与えられて、リリーナの意識はほんの少しだけ正気に戻る。
しかし、それ以上の快感が怒涛のように押し寄せて、彼女を更なる混乱の淵へと追いやっていく。
「あふんっ……あぁっ!やっ……」
「……もう少し、我慢してろ……」
荒い息とともに、ヒイロの指の動きが早くなる。
背中に感じる彼の体温が。
胸をまさぐり、揉みしだく大きな手のひらが。
陰裂を抜き差しされる、太くカチカチの肉棒が。
リリーナの身体と同じように、熱く高まっていく。
その時だった。軽快に夜の町を滑るリムジンがスピードを落とし始め、大通りから外れた路地に差し掛かった
ところで左折した。ガクンと、普通に座席へ座っているだけならなんの問題も無い衝撃が、一連なりになってい
る彼らに加えられる。強く膣奥をえぐられたリリーナは大きく背を弓なりに反らした。同時に、きゅんと、より
いっそう暖かな洞穴に硬槍を絞り上げられたヒイロは、予想外の快絶感に思わず低く呻き声を漏らす。
彼らの切迫した事態など知る由も無く、車体はそのまま地下駐車場へと流れていった。
ホテルに到着したのだ。
喜悦の波に翻弄されていたリリーナの意識に、現実認識の冷水が浴びせられる。
いまの己の姿を、リリーナは恐る恐る省みた。
――あられもなく乱れた服装で、淫らに大きく足を広げて、ヒイロの陽根に深々と
刺し貫かれている自分。
「……あっ……!!やだっ…!ヒイロっ、あのっ!」
こもる熱と情欲が支配する中、理性を総動員して現状を訴えかけんとしたリリーナ。
しかし、ヒイロは唐突に、その彼女の口を右の手のひらで押さえつけた。
そのまま、ごく自然な手つきで、壁に設えられていたスイッチを押す。
「デュオ」
『どうした?ヒイロ。もう到着したけど?』
聴きなれた明るい声が、真後ろのスピーカーから一片の疑問も匂わせずに返ってくる。
「リリーナが、どうやら気分が悪いらしい」
『……あー、お嬢さん、そういやー結構飲んでたみたいだしなー』
「もう少し介抱してから、俺が部屋に連れて行く。お前は先にチェックインして、
セキュリティチェックを済ませておいてくれないか?」
『りょーかーい。ヒイロ、一つ貸しにしとくから、お嬢さんの事よろしくな』
「――了解した」
ぶつりと、マイクロフォンの消える音がした。すぐ後に、ドアの開閉音と鈍い振動が伝わり、
足音が遠ざかっていく。
腕の中で強張っていたリリーナの身体が弛緩していくのが判り、ヒイロは手のひらをそっと
彼女の口元から引き剥がした。
はぁと、深いため息が彼女の珊瑚色をした唇から漏れ出る。
「……どうなることかと……思いました……」
「ばれるようなうかつな真似を、俺がすると思うのか?」
しれっと、再びリリーナの乳房に手を伸ばしながらヒイロはつぶやいた。
「あっ!あ、あのっ……ヒイロっ」
「要人の宿泊施設は最低でも2度はチェックしておくのが常識だ。あいつは、あと30分は戻ってこない。」
指の股で、尖ったままの乳首を挟むように刺激しながら、ヒイロは手に程よく収まる白い果実を
捏ね上げた。
「――どうする?」
振り仰ぐ彼女の瞳を覗き込むように、にやりと、ヒイロは笑みを刻んだ。
…遅くなりまして申し訳ありませんでした。これでこの話は終了です。
色々ぬるいところもありますが、この辺でご勘弁くださいませ。
(またしても一部改行に失敗してるし;;恥)
この後のホテルでの話とか(デュオも一緒にーとか)もちょっとだけ考えなくも
なかったんですが、さすがにその辺は書けませんでした(笑)
>>290 ああっ!作者様ですか!勝手な事をした自分に、暖かいお言葉ありがとうございますー!
あまりご期待に添えない続きで申し訳ありませんでした(;´Д⊂)
最新の絵掲も拝見させていただきました!
…神認定してもよろしいですか…?萌えますた…
>>289>>291-295 レスありがd
でも、シャア専の本スレではあまり話題にしないでいただけると嬉しいです…
リリーナたんハアハアハアハアハアハアハア
S原さん、あなたは神ですよ!ありがとうございます!
>>S原さん
続きキタァ*・゜゜・*:.。..。.:*・゜(*´∀`*)゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*!!!
ハァハァハァハァ…もの凄い勢いで堪能させて頂きますた!
まさに理想の二人。萌えの神髄。S原さん、神!!
3人でエチーも気になりまつがwヒイリリで満たされました(´Д`*)ハァハァ
ありがたや萌え話を拝めたお礼代わりにコソーリ。(間違いとスレ違いスマソでつ;)
ttp://akm.cx/2d/img-box/img20030428011106.jpg >>291たんもドモですた〜照れまつ。
>>296-299 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
>>302 更にキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
イイ!二作品とも激しくイイよ!!
リリーナ様に(;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ
(;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ
(;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ
(;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ
作者様方乙です。
神、再び降臨!!しかも又してもミラクルなダブル降臨とは!!!
キタキタキタ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゚゚・* !!!!!!!!!!!!
ああリリーナたん、可愛すぎるぅぅぅぅ(*´Д`)ハァハァ
S原さんの萌えSSに、ななし茶さんの萌えイラスト!!素晴らしすぎるぅぅぅ!!!!!!!
お二方ともリリーナたんの描写が良すぎて(;゚∀゚)=3ハァハァ
イイもの拝ませてくれてあーりーがーとぉー!!!!
305 :
名無しさん@ピンキー:03/04/29 08:05 ID:IHzJvGfw
あぼーん
308 :
名無しさん@ピンキー:03/04/29 18:53 ID:2/lPrxTk
新作は無いのかな?
これは南極条約に投稿しないんですか?
イラストやSSが流れたらもったいないyo
312 :
名無しさん@ピンキー:03/05/03 22:00 ID:tK2nxWvK
age
あぼーん
こんばんは。お礼に参上いたしました。
>301>303>304
こんなエロ度の低い文章に、過分なお言葉をありがとうございました!
2chは初投稿でして、とってもドキドキしていました。ホントに嬉しいです
>302
キタ━━━━━*・。*・゚(*゚∀゚*)・。*・゚*━━━━━!!!!!
自分の文章にこんなに素晴らしい絵を描いていただいて、本当に幸せです〜
>302さまのイラストは全部シチュエーションの描写が見事なので、色々妄想を掻きたてられます(^^ゞ
最新版の絵掲も、実はこそこそSSを書いてしまいました(エロテイストが薄いので投稿はしませんけど)
本当にいつも萌えを満たして下さってありがとうございますーv
>310
自分の文章はともかく、イラストは確かにもったいないです…!
作者さま(>302さま)のお許しがいただければ投稿してきます。
302タソの絵はもう見れないのでつか?
ショボンでつ…
たびたびすみません;;;S原です。
今、南極条約を見てきたら、すでにアップされていたのでびっくりしました。
(まだ投稿してなかったので…)
管理人さま、お手数をおかけしました
便乗して駄目ぽ絵描きでつ(´Д`)
自分もビックリいたしますた。ぉわー。いや、むしろあの絵が
すばらしい萌え話を汚しておりまつよ…!;ああでも改めて
読ませて頂いてもやはりイイ(*・∀・*)!でつ!
新しいSSも差し支えなければ是非読んでみたい!ここか
南極に投稿されてはいかがでしょうか…!(´Д`*)ハァハァハァハァ
勿体ないですよ〜むしろ個人的に読ませて頂きたいぐらいでつ(w
そりから。キターしてくれた方ありがdですた(つдT*)
>315タン。削除しちゃったのでつーゴメソ。でもdd。
お二人ともそんなに謙虚になさらず〜w
良かったらまたここで漏れらに素敵な作品読ませて(見せて)くだちい。
319 :
名無しさん@ピンキー:03/05/09 22:16 ID:zptindjA
ホワイトドールの御加護のもとに…
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
334 :
名無しさん@ピンキー:03/05/11 12:59 ID:V2lNF/se
リリーナ様の尻だけ星人(;′Д`)ハァハァ
あぼーん
Wのドロシー×カトルものを書きたいのですが
よろしいでしょうか?
337 :
ブライト:03/05/13 04:08 ID:O0j6LzJV
許可するぞ。
338 :
名無しさん@ピンキー:03/05/14 00:22 ID:d2DRYf0F
保守か
あぼーん
キンケドゥ×ベラを誰か書いてくれぽ。
「ここですのね」
コロニーの中でもっとも大きい邸宅の前に
長身の女性がたっていた。
プラチナブロンドの髪をシンプルなグレーのカチューシャでまとめている。
眉は意志の強さを示すようにキリっとし柳眉といってよいだろう。
外側が二つに割れているもののゲジゲジという感じではなく
彼女の品のよさを示すだけである。
ベルを鳴らし、しばらくするとスピーカーが何者かを訪ねた。
彼女が自分の名前、ドロシー・カタロニアと告げると扉はやがて開き始めた
342 :
GBH ◆WoueFxyFoA :03/05/18 02:31 ID:JD5u95Dg
門を入り、しばらくの間歩いていくとカートが道の先からやってきた。
「ドロシーさん」
ドロシーと同じ髪の色をこぎれいに切った髪の少年がカートから降りてきた。
儀礼的に頭を下げた後、ドロシーはその少年に微笑む。
「どうも、突然の訪問でおどろかれたでしょう?カトル様」
「すこしね。でも、歓迎しますよ」
握手をして、微笑み返すカトル。
「御用はなんです?」
「ええと……、できれば二人でお話をしたいのですけれど」
カトルは目を閉じるのと同じ程度の幅で首を縦に動かした。
ドロシーをカートに乗せるのにも、細やかに気をまわす。
「ありがとうございます」
「いえ。じゃあ、僕の邸まで行ってくれ」
カトル・ラバーバ・ウィナーの家の敷地内には、いくつかの建物がある。
そのうちの一つがカトルの私邸となっている。
>GBH ◆WoueFxyFoA 氏
今まで上がった事のないカプなんで、期待してる。
がんがってくれ
ただ、できれば全部(もしくはある一定量)書き上げてからカキコしてくれると嬉しいんだが…
それと、投稿はsageでヨロシコ
すいませんでした。
書き上げてからカキコミますね。
sage推奨も了解です。
揚げ足とってゴメソ!なのれすが、カトル坊ちゃんはドロシーのことは
「ドロシーさん」とサン付けで呼ばなかったです。
なので、呼び捨てにしてくれたら嬉しいかな…なんて。
あてくしもカトドロ楽しみにしてるので、がんがってくだちい。
本当だ。言われて見直したら「ドロシー」って言ってますね。
参ったなぁ……。結構書いているんでコレ以降は修正しますね。
しかし、ここの方々はレベルが高いですね〜
ドロシーもカトルのこと様付けで呼んでなかったとオモタ…
『カトル・ラバーバ・ウィナー』か『カトル・ウィナー』じゃなかったっけ?
ドロシーは相手をフルネームで呼ぶ印象があるな。
敬称をつけてたのは・・・
デルマイユ、リリーナ、ミリアルド、トレーズぐらいか?
(つд`)・゜。本当にすいません。
書く資格なしと言われても
仕方ないかもしれませんがまた修正します。
下調べたりなすぎですね。
いやいやまっとるでよ、期待してまっせ。>GBHタン
351 :
山崎 渉:03/05/22 02:33 ID:xrMBzNXC
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
早く私のものになぁれ―3(駄目タイトルつけてみました。)
数分後、カートが一般人ならば中流階級の家と同じサイズの家の前に停車した。
これがカトルの私邸である。
カートが去っていくのを二人で見送った後、カトルは邸の中へドロシーを招きいれた。
「どうぞ、入ってください」
「お邪魔いたします」
ドロシーもロームフェラ財団に属する家の者。
インテリアに驚くわけでもなく応接間までついていく。
しかし、応接間に入って少し彼女はおどろいた。
大体、こういった金持ちの家の応接間というものは、
やたらとこげ茶色が目立つものなのだがカトルの家のそれは違った。
床は、無機質な大理石ではなく黄緑の絨毯がしかれていてテーブルも
ソファーもアットホームな雰囲気を感じさせるものだった。
「カトル・ウィナー、あなたらしいお部屋ですわね」
「はは、父上にはもっとしっかりしたものにしろって言われているんですけどね。
この屋敷はぼくの好きにしていいはずだっていって、わがままを通しているんです」
カトルは肩を軽くすくめて見せた。
それにカトルはやわらかい笑顔でうなずき返した。
早く私のものになぁれ―4
「あ、カトルでかまいませんよ。ぼくはドロシーと呼ばせてもらっていますし」
ドロシーも同意をしめすうなずきをし、その後ソファーに腰掛けた。
「そうだ、なにか飲みます?」
「おかまいなく……といいたいところですけれど、なにか飲みたいと思っていましたの。
いただけますか?」
「わかりました、じゃあちょっと待っていてくださいね」
そういうとカトルは、扉を開け出ていった。
ドロシーはアイスブルーの瞳を右に動かし、置いてある鏡の自分の姿を見た。
フレア状のスリーブの淡い水色のワンピースからすらりと白い腕と脚が見える。
スカートは膝より少し下までの長さがあるのだが、今は座っているので膝がちょうど隠れる感じだ。
ドロシーは自分の姿を見てから、口元に艶のある笑みを浮かべた。
早く私のものになぁれ―5
「遅くなりました。ちょっと手間取っちゃって」
カトルが持ってきた盆にはティーセットを一式と、大きな皿にはちょっとした菓子が綺麗にならんでいた。
「あら、お手伝いの方はいませんの?」
「ははは、さっき言ったでしょ。ここは僕が好きにさせてもらっているって」
カトルは盆を置きながら、ドロシーを見た。ドロシーはその瞳を見ながらうなずき返す。
「ええ」
紅茶を淹れ終わり、ドロシーとテーブルをはさみ相対するようにカトルは座った。
「普通の家の人のようにしていたいんですよ。だからここにいるときは一人でなんでもしているんですよ」
「あなたらしいですわ」
ドロシーとカトルはしばらく黙って紅茶を飲んだ。先に会話を再開させたのはカトルだった。
「それで今日は?」
「私とカトル…急には難しいわ」
それに眉をハの字にして目をつむるカトル。ドロシーが息をすこし吸い込み言い直した。
「カトルがリーブラの中でたたかってからもうずいぶん経ちましたわね」
「そうですね。あの時は怪我をさせてしまって……」
その言葉にドロシーが身を乗り出し、手で続きを遮るような仕草をした。
「大丈夫ですわ。怪我といっても傷になるようなものではありませんでしたし、私、ちょっぴり嬉しかったんですの」
カトルはドロシーの顔を見つめた。
「嬉しかった……?」
ドロシーは少し困ったような顔をしながら身体をソファーへ戻した。
「私に勝てる殿方がいたことがですわ」
「でも、それなら僕以外にも」
「強いだけの人なら確かに他にもいらっしゃいます。でも……」
そういうとドロシーは照れたように身体をすこし横へ向けた。
「優しさも感じることができたのはあなただけですわ」
早く私のものになぁれ―6
カトルだって、この雰囲気がわからないわけはない。緊張をして、顔がびみょうにこわばった。
その表情をドロシーは見逃さない。ドロシーは片足を横に向けたまま正面に向き直った。
スカートがひっぱられ、彼女の三角地帯を覆うショーツがカトルの目に入った。
とっさに目をそらすカトル。
「そんな……やさしいなんて」
ドロシーが、こびるような表情をする。
「こちらを見て。言いたいこと、わかりますでしょ?」
カトルが言われるままに、ドロシーの方へ顔を向けたがどうしたってスカートの部分に目が行ってしまう。
意識的に避けようと、正面に向いたときだった。
不意にカトルの唇に、やわらかい感触がおとずれた。
「!?」
目の前にドロシーの瞳が顔がある。触れた唇の間から暖かいものが口の中に入ってきた。
「んん…」
ドロシーの舌がカトルの舌に触れる。官能的に口腔内を這う舌にカトルの身体から力が抜けていく。
キスをやめたドロシーの舌とカトルの舌の間に唾液の糸が伸びる。
「……ハァ…私も初めてですの……」
初めての舌を絡めた興奮から頬が上気し、目は恍惚の色をたたえ始めていた。
カトルは息を荒くしながら、ドロシーの両肩をつかみ距離を離す。
「ドロシー……駄目だ…よ」
ドロシーの瞳に怒りと悲しみの混じったような顔が浮かぶ。
その泉の色がさだまらないうちにドロシーが問う。
「私だから……受け入れてくださらないの?」
カトルはさっきの接吻の感覚に頭の奥がジンジンとするのを感じていた。
「ちがうよ、ドロシー……でも、急すぎるよ……」
早くわたしのものになぁれ―7
しかし、カトルのそんな反論もむなしくドロシーはテーブルを回り込み
ソファーのカトルの隣に座り、股間に手を伸ばした。
ドロシーはそこに硬さを認識して、カトルの耳元でささやいた。
「早いも遅いもありませんわ。私があなたを認めましたのよ。それに…」
ズボンのジッパーをずらし、ブリーフ越しにカトルのヘヴィアームズを刺激する。
「こちらは、素直ですわ。私と…したいのでしょう?」
「…ヒャ……ハアハア…本当に……いいの?」
この返事にカトルの手をとり自らの胸に触れさせる。
「触りたいようにさわってよろしいですわ」
カトルがワンピースをはさみ、ドロシーの胸を刺激する。
「ん……ア……」
いくら責め手とはいってもドロシーもバージン、胸への刺激に喘ぎが漏れる。
素直に反応するカトルのヘヴィアームズ。ドロシーの手による愛撫もあって、
もう砲台のキャップははずれリロードは完璧だ。
「ドロシー、服、脱いでくれる?」
ドロシーはうなずき、ワンピースを脱ぎ下着も脱ぎ捨てた。
ドロシーの裸に、カトルは上着は滞りなく脱ぐことが出来たが
ズボンを脱ぐのに少し手間取った。
裸になった二人はソファの上で重なる。
カトルがハッとした。
「あ、ゴムがないよ……」
「大丈夫ですわ」
「本当?」
「あら……?責任はとりたくないということかしら……?」
「ちがうけど」
かぶりを振るカトル。
「ならば、良いでしょう?」
早くわたしのものになぁれ―8
そういうとドロシーはカトルにまたディープキスをした。
カトルの中ではじける理性。
カトルの方は直接的に部位を愛撫されているが、ドロシーは胸だけしか触れられていない。
これでは処女には痛そうだが、カトルもそんな知識にはうとく、
屹立したヘヴィアームズを彼女のラビアンローズの中にそろそろと入れた。
カトルとドロシーの身体に電撃に似た感覚が走る。
ドロシーにはその後は痛みしか訪れていなかったがグッと堪えていた。
やがて、ドロシーのなかにあるアイフィールドがヘヴィアームズに貫かれ血が中からながれ出てくる。
緩いグラインドだったが、ドロシーは堪えきれなくなって叫んだ。
「んはぁっ、い……、痛い!」
バッとあわてて抜くカトル。
「痛いの?!……やめる?」
ドロシーは眉を震わせながら、首を横に振った。
しかし、カトルはドロシーの目元に涙を見つけ彼女の上からどいた。
「!?」
「いいよ」
「そういうわけには、まいりま……」
カトルに目の端にある涙を舌ですくいとられ、
面食らうドロシーにカトルはこう告げた。
「次にしよう、ドロシー・カタロニア?」
胸の辺りに両手を合わせコクリとうなずくドロシーは、カトルには今まででもっとも可愛いらしく映った。
早くわたしのものになぁれ―10
服を着て、車を呼んだ。
応接間を出て、玄関のドアを開ける前にカトルの腕がドロシーの両肩を抱きすくめた。
「また来てよ」
「当然ですわ。好きな人のもとに来ない女性がいると思って?」
すっかりいつもの口調のドロシーだが、中身には皮肉っぽさはあるんだかないんだか分からない程度だ。
「僕も宇宙で一番好きだよ」
あまりにも素直な言葉に顔を真っ赤にしたままドロシーは身体を反転させた。
「私もですわ!」
必死ではりあげた声。
ピンポーン。
微妙な沈黙を破る音。
「あ、迎えが来たね?」
「一人でいいですわ!」
ドロシーはドアを勢いよく開けて、外に出て行った。
カートまで歩く間に一度だけドロシーはチラリとカトルを見た。
カトルは苦笑をした。
「強情だね!本当に」
以上で完結です。
長い上に、エロ度不足といった感じでごめんなさい!
書けそうなものがあったら又書くことがあるかもしれません。
では、お目汚しごめんなさいでした!
360 :
名無しさん@ピンキー:03/05/24 17:18 ID:QtOgdG41
保守
違います。
初めて知るサイトですし、読んでみましたが
中身が全然ちがうと思うのですが・・・…(´・ω・`)。
どうして、そう思われてしまったんでしょう・・・・・・
GBHたん、良かったよー(・∀・)
漏れも361のサイト見てみたが何も気にしなくてイイ!と思う。
また次も期待していいでつか?待ってまつ!
364 :
山崎 渉:03/05/28 13:28 ID:1p/RwMnS
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
時刻は、夜半を回った頃だろうか。
聖ガブリエル学園敷地内に、女子生徒の制服に身を包んだ少女が一人。
彼女の名は、リリーナ・ドーリアンという。
つい数時間前のOZ最新鋭機エアリーズの空襲と、迎撃した謎の白いMSの
戦闘が終わって、学園には一時退去命令がJP地区政府から出されている為、
人の気配が完全に失せていた。
あの騒ぎは、地球圏統一連合に対する宇宙コロニーからのテロだというのが、
公式な軍からの発表だったが、そんな事を信じるには、リリーナはあまりにも
色々な事を知りすぎていた。OZが対外的に見せているような組織ではないと
言う事は、義父を殺されたリリーナは充分すぎるほどに良く知っている。
あれは、自分を殺しに来たのだ。
ドーリアン外務次官暗殺の真相を知る者として。
――立ち入り禁止のテープを潜り抜け、男子生徒の寄宿舎の扉を開けながら
(信じ難いことに、鍵はかかっていなかった)、リリーナはぞくりと背筋を震わせた。
自分ひとりを抹殺する為に、MSを差し向ける敵の容赦の無さに、恐怖と滑稽さの
両方を覚えたからだ。
リリーナは真っ直ぐに、迷うことなく足を二階のある一室に向けた。
当然のように、そこには誰もいなかった。がらんとした、殺風景な一人部屋。つい昨日
まで、誰かが住んでいたとはとても思えないような、無機質な部屋のつくり。
おそらくは、まったく痕跡を残さずに去るつもりだったであろう『彼』の思惑が
見て取れて――リリーナは思わず得心にくすりと笑った。
その意図をくじいたのは、間違いなく自分だったのだ。『彼』にとっては、まったく
予期しなかったに違いない横槍に、どれほど『彼』が憤慨したのか、想像するだけで
おかしかった。自分の目の前に
現れた時から、驚かされ続けてきた自分が、ようやく彼に意趣返しできたらしい事は、
リリーナの心に奇妙な自負心を植え付けていた。
あの時――あのダンス会場で。ようやく自分たちは――自分と『ヒイロ』は対等に
なれたのだ。
あの一瞬が夢でなかったことの証拠が、ここに転がっている。
自分が彼の部屋を訪れた時に、彼が片していたスーツケース。錠は締められぬまま、
それは無造作に置き忘れられていた。
リリーナは、小さく息をつく。もしかしたらという、淡い期待も霧散した。
もしかしたら――ヒイロがこの場所に帰ってきているのではないかという、莫迦げて
いるといっても良いそんな期待が、リリーナの足をこの部屋に向けさせていた。だがしかし、
現実はご覧の通りだ。置き忘れられたスーツケースは、ヒイロがまったくこの場所を省みず、
何処かへと飛び立っていってしまった事を示していた。
「どこへ……何処へ行ってしまったの、ヒイロ」
答えが返ってくるはずも無い、それはただの独り言のはずだった。
それなのに。
「おまえに教えなければならない理由などあるのか?」
低く切り返されたそれは、疑い様も無く、この数週間リリーナの心を惑わせた少年の物だった。
驚いて振り返ったリリーナの視界に、部屋のドア脇に佇む制服姿の彼が映りこんだ。
彼は、昨日身に付けていたガブリエル学園の制服のままだった。紺のブレザーに海老茶のベスト。
そして、黒のリボンタイ。隙無く着こなすその物腰は上流階級の子弟と呼んでまったく差し支えのない
ものだというのに――その手に握られた、鈍い光を反射するハンドガンだけが、その風体を裏切って、
彼の本質をありありとリリーナに示していた。
「そうね。理由はありません。ただ、わたくしが知りたかっただけで」
銃口を間違いなく向けられていると言うのに、リリーナの態度はおびえるそぶりも見せない。それが
彼の癇に障っているらしいことは承知しているが、もはやリリーナも自身の表情を変えようが無い。
ヒイロは銃の向きを変えぬまま、ゆっくりとリリーナに歩み寄ってきた。
「……何故、戻ってきたの?」
絡められる視線をそらさぬまま、リリーナは咎めるでもなくつぶやいた。だが、受けてヒイロは顔をしかめる。
「やりのこしたことが、あったからな」
そう言って、ヒイロはリリーナの腕を銃を持つ手とは反対のそれで握り締める。そのままリリーナを強く
引き寄せ、銃口を顎から喉元に突きつけた。
「……わたくしを、殺すの?」
淡々と――視線を決して逸らさずに、リリーナはヒイロに問う。いや、それは確認にすぎないのだと、
リリーナは思っていた。
彼は、そのためだけに戻ってきたのだ。自身の失態を清算する為に。
……だが。
「では、どうして……あの時、わたくしを助けてくれたの?」
「言うなっ!!」
かちりと、撃鉄が引き起こされる音がした。それに続く轟音。
思わず目をつぶり、耳を抑えた彼女に、それ以上の衝撃は伝わってこなかった。半ば拍子抜けして
視界を開くと、天井に向けて発砲した彼の姿が目に入った。
その表情に、思わずリリーナは息を呑む。苦しそうな……切羽詰ったような、苦りきった瞳の色。ぎらりと、
憎悪といっても良いほどの強い光が宿る様子に、リリーナは思わずヒイロに手を差し伸べた。
「――ヒイロ?」
だが、その腕は彼に勢いよく叩き落とされる。
「黙れ……黙れ、だまれだまれっ!!」
――ヒイロは、明らかに混乱していた。自分のしている事が信じられないのだ。今も、おそらく彼は
リリーナを殺そうとしていたに違いない。それなのに、自分の腕は彼の意思を裏切って、リリーナへの
威嚇発砲に留めてしまった。それが彼をして、普段の冷静さを失わせている。
「……どうしてあの時、わたくしを貴方が助けてくれたのか。貴方自身にわからなくても、わたくしには解るわ」
思わずリリーナは、そう口にしていた。
その言葉を聞いて、ヒイロの焦燥が一瞬なりを潜める。
「ドクターJも言っていました。貴方は……本当は優しい人だからです。」
その場限りの言い訳ではなかった。ヒイロに告げた次の瞬間には、リリーナはその事を確信していた。だが、
リリーナが言葉を切るやいなや、ヒイロは今まで以上に激昂した。
「――ふざけるなっ!」
瞳と瞳が、火花を散らすかのように視線を交える。ヒイロはベッドの上の荷物を無造作に払うと、リリーナを
そこに引きずり倒した。
物凄い力で組み伏せられ、リリーナには抵抗する術すらない。ヒイロはリリーナの上に馬乗りになると、彼女の
ブラウスを大きく両手で引き裂いた。
「優しい人間が、こんな事をするとでも?」
侮蔑を含んだ剣呑な声音が、リリーナの耳朶を打つ。だが、彼女には判った。
――自分は、試されている――。
リリーナはヒイロを正面から見据えたまま、ゆるく首を振った。
「わたくし、は……」
言葉を継ごうとして、リリーナの意図はそこで塞がれた。
覆い被さる、熱い感触がリリーナが言葉をつむぐ事を妨害したからだ。
――口付けられているのだという事に気がつくのに、わずかな間があった。
驚いて彼を押しのけようとするが、力ではどうにもかないようが無い。ヒイロの胸に突いた
腕は無造作に頭の上でひとまとめにつかまれてしまった。呼吸ができなくなり、苦しげに顔を
そむけるが、ヒイロの掌がそれを許さない。酸素を求めて薄く開いた唇の隙間から、ぬるりとした
何かが上顎からリリーナの舌を絡めとった。
「んんんっ……んぁっ、あ…っ」
頭の奥がじんと痺れていくのを、ぼんやりと意識する。無意識に身をよじるリリーナの隙を突いて、
ヒイロは足の間にすばやく体を入れてきた。そのまま、スカート脇のジッパーを引きおろし、強引に
彼女の足を露にする。
ようやくディープキスから解放されたリリーナは、空気を求めて大きく喘いだ。その間にヒイロは
己の一物を手早くしごくと、むりやり剥いだショーツを背後に放り投げた。
「『優しい人』だと?バカバカしい。優しい人間が、こんなことをするとでも?」
明確な嘲弄の意図と共に放たれた皮肉は、だが、リリーナの心をえぐりはしなかった。彼の動揺が、
その声音からリリーナには推し量られた。
――彼は、自分を殺せない。
――だが。……自分は、彼を追い詰めすぎた。
「ならば、望みどおりにしてやる。お前自身のその身体で、俺がどんな人間かを知るがいい」
霞む視界に現れた怒張に、リリーナの息が止まる。
「……あ、っ……やっ……ヒイロ、まさか…」
「――後悔するんだな。自分の、愚かな妄想を」
抵抗する暇すら与えられなかった。わずかに湿る最奥の秘所に、強引にそれはねじ込まれた。
「いっ……やぁぁぁぁーーーーっ!!」
苦痛に見開かれた紫紺の瞳に、大粒の涙が止め様も無くあふれる。
破瓜の証左がヒイロの竿を伝ってシーツに染み込むが、それだけでは決して潤滑材にはならず、
ヒイロ自身も苦しげに眉をひそめる。
右手に握る銃もそのままに、慣れぬ手つきで、ヒイロはリリーナの乳房を愛撫し始めた。
「いっ……あ、ぅううっ…!いや、嫌ぁああ…っ」
逃れようと背を弓なりに反らすリリーナだが、ヒイロの指がそれを許さない。白い小振りの
乳房に愛らしく屹立する乳首を刺激してやると、苦痛の中でリリーナがわずかに反応を返す。
優しく転がしてやると、リリーナの身体は明らかに苦悶以外の何かに震えた。そして円を
描くように胸を揉みあげると、激痛に青ざめていたリリーナの頬に、わずかに赤味が差していく。
「はっ……はぅっ……や、止めてぇ…っ」
ヒイロの身体を押しのけるように掲げられた腕を、ヒイロは苦も無く押しのける。そのまま、
ヒイロはリボンタイを引き抜くと、弱々しげに抵抗する彼女の腕を一まとめにくくり上げた。
「……えっ…あ、嫌っ、放してっ……!」
抵抗が下肢の間に穿たれた男根を突き上げるのか、リリーナはそれだけ言うと弱々しく
悲鳴をあげた。
ヒイロはそれに委細構わず、ベッドの柱にタイの端をくくりつける。不自然な姿勢で拘束された
リリーナは、苦悶の表情と共に弱々しくすすり泣いた。
そんな彼女に配慮を向けるでもなく、無遠慮な少年の陵辱は続く。
無造作に彼女の太腿が更に割られ、充血に色を変えた陰茎で押し広げられた、赤く色づく
肉ビラの奥に隠された部位が露にされた。羞恥に震えるリリーナに構わず、無遠慮な指が
滑り降りる。すると、明らかにリリーナの反応が変わった。淡く萌える、蜜色の茂みの中に
隠れる敏感な花芽をたやすく探り当てられたリリーナは、唇を思わず引き結んだ。
苦痛の中に、紛れも無い、甘美な感覚が存在する。その事をヒイロに知られたくなくない
リリーナは、必死にこみあげてくる物を噛み殺した。
ぎこちない動きではあるが、それでも確実に、ヒイロの指の腹はリリーナの花芯を的確に
愛撫しはじめる。突きつける銃口はそのままに、ヒイロは器用にリリーナの乳房を掴みあげると、
すでに硬く尖りきった胸の果実を吸い上げた。
「ふっ……ああああぁあぁんっ!!」
突然の刺激に耐え切れず、白い喉元を反り返らせながら、リリーナは高く嬌声をあげた。
自身の声が、感じきった淫らな響きを持っている事に気づかざるを得ない。羞恥のために
顔を真っ赤に染めるリリーナに、ヒイロは我知らず、口元に笑みを刷く。
「随分と、いい声で鳴くじゃないか」
「ち、違いますっ……これは」
しかし、弁明の言葉はあまりに白々しく。リリーナは気恥ずかしさに思わず視界を閉ざし、
顔をそむけた。しかし、そんなリリーナを更に揶揄するでもなく、ヒイロは再び唇を滑らせる。
――チェリーレッドに染まった過敏な乳首は、ねぶる舌の動きをあまさずリリーナの快楽中枢に
伝えてきた。
「ひっ…んっ、あぅっ……んんっ」
きつくつむられた瞼の奥に、こぼれる涙が珠となる。しかし、その真珠は果たして苦痛ゆえの
物に過ぎないのか。快楽に従順になり始めたリリーナの肢体は、ほの赤く色づき、洞奥に
受け入れる肉棒をも柔らかく受け入れ始めている。
「……んっ…あぁっ……あっ…」
抑えようとしても漏れ出でる声は、普段のリリーナからは想像もつかぬほど蕩けている。それが
ヒイロの一物を聴覚から刺激している事は、ヒイロ自身、否めない。それはヒイロの中に、奇妙な
口惜しさを生んだようだ。報復のように、わざと音を立てて両の乳房を交互に吸い上げ、彼女が
敏感に反応する個所すべてを執拗に舐めしゃぶる。片手で彼女の腿を抱え、眉間に苦痛の皺を
刻む彼女の表情をあえて無視しながら、なお一層、己の滾りが彼女の奥に挿入された。
「んぁぁああああっっ!!……っ、ヒ、ヒイロぉっ……い、嫌ぁッッ!!」
収縮する熱い洞穴は、彼女の拒絶とは裏腹に、嬉々として身内を蹂躙する剛直を締め上げる。
――結合部から滴ってくるのは、すでに紅い物だけでは無くなっていた。
「あ、くっ……ああぁんっ、やぅっ…ヒ、ヒイロ……っ痛ッ…」
緩やかに動かされるヒイロの腰の動きは、苦痛と同時にあえかな愉悦をももたらしている。
幾度も吸い上げられる乳首がリリーナの花奥をほどけさせ、甘い蜜をほころばせ始めている事に
二人とも気づいていた。純潔の証を突き破られた傷口は、なおも血を滲ませているが、その苦痛すら
今のリリーナにとっては愉悦の泉となる。
決して性急に動くでもないヒイロの律動は、彼女の最奥にある何かを引きずり出すかのような
リズムを持ってリリーナを突き上げる。
「お願いっ……ヒイロ、もう許して……こんな、こんな事っ…」
「リリーナ」
ヒイロは改めて、リリーナに銃を突きつけた。
「お前は、俺が優しい人間だと言った。それが間違いだ」
「……」
「だから、これはその罪科に過ぎない。それ以上でも以下でも無い」
ヒイロの瞳の奥に光る焦燥は、未だに拭われてはいなかったのだが――。
彼のこの言葉が、彼女の心の負担を軽くする為に言っているのだという事に気がつかない程、
リリーナは鈍くは無かった。
――陵辱の苦痛の中に生まれてしまった快楽に、罪悪感を覚える必要はないのだと。
リリーナは激痛をこらえながら、淡く微笑んだ。
「やっぱり……貴方は、優しい人だわ……」
「言ってろ」
言葉を封じるかのように、ヒイロの唇が降りてくる。瞳を閉じ、ごく自然にリリーナはそれを
受け入れた。絡み合う舌と、再びはじまる律動が、彼女の意識を白く染めた。
……それから後の事は、正直に言って、リリーナはあまりよく覚えていない。
ただ、裂かれるような痛みと。熱量を持った混濁と。自分のものとは違う汗の匂いと。
そして、覆い被さる相手と自分の呼吸がひとつになったことに気がついた時の、甘い幸福感。
その夜の事で覚えているのは、ほんのそれだけ。
………終わりますた。
長いだけで、ちっとも萌えられなさそうな文章でスンマソン……(;´Д⊂)
(ななし茶さま、すみません…)
視点の改変が上手くいってない所があって、明らかに攻める側の視点になってる
ところがありますね…精進します…
タイトルはやっぱり「…もまえをコロス」なんでしょーか?
センス無いっぽ(´・ω・`)
>340
キンケドゥとベラって、10年間エチーしてなかったんですよね?
その間偽名で呼び合ってたわけで…
●○ ○●○ ○●
「セシリー……セシリー…セシリーハァハァ」
「ああん〜〜あ、キンケドゥ〜〜」
「……ようやく元に戻れたんだし、本名で読んでくれないか?」
「ごめんなさい…そうね」
ハァハァハァ
ギシギシアンアン
「シーブック!アアン、シーブック〜〜」
「ベラーーーーー!」
ドピュッ
「……シーブック」
「(´・ω・`)」
……こんなんしか思いつきませんですた('A`)
↑あ、上のヤツは、戦争終結後、という事で。
説明が足りなくてスマソです(´・ω・`)
神降臨キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!!!
キタ━━━━(゜∀∀∀∀∀∀≡∀∀∀∀∀∀゜)━━━━!!!!
キタキタキタキタ━━━(゜∀゜≡(゜∀゜≡゜∀゜)≡゜∀゜)━━━━!!!!!!!!!!
待ち望んでいたかいがありますた!!!!!
さすがS原神!!(・∀・)イイ!これぞえろーす!!
リリーナたんに萌え萌え萌え萌え!!!!!!!!
キタ*・゜゜・*:.。..。.:*・゜ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ゜・*:.。..。.:*・゜゜・*!!!!
S原さんのヒイリリは何故にこうも萌え萌えなヒイリリなんだろう…!
ムリヤリ行為に萌えつつコソーリ気持ちが繋がってるトコがまた…(・∀・)イイ!
素敵なお話ごちそうさまですた…!!(*´д`*)ポワワワ〜ン
触発して頂けて本当に光栄でつ。しあわせでつ〜。・゚・(つД`*)・゚・。
(勝手にその後)
ヽ=====================
|│
|│ ' ⌒` 丶 ヒイ…ロ…?
|│____ (( ! !!! ~i
<⌒` 丶 |│ \ (⌒、・。・`ヽi⌒⌒
∠ !ヽ从 ミ |. ! ( ⌒⌒⌒○⌒⌒○⌒⌒⌒
…。´ 、゚ - ゚ ' \ ヽ
' |i ^ノ|` .\ ヽ
ヽ|-|-.|U .\ \
| i | ̄|| ̄| .\ \
.(_(___)_||_| \ \
( ゚ - ゚) ツギニアウトキハ…モマエヲコロス。
(゚ー゚*) ………。
夢見がちで失礼しますた((((((((((((((((( ;`Д´)
神が御降臨なされた〜〜〜〜!
S原タソ萌えです(*^_^*)これでメシ十杯は逝けます。ありがd。
今かいまかと待っていたので…ゴカーンなのにラブいとはどゆことー??
最初にかかれたというヒイロ視点のも見て見たかったり。
ヒイリリ最高ぢゃ〜また書いてくださいと、コソーリリクエストしてみたり。
376タソのAAもグッヂョブ★
(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!
(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!
(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!
ななし茶様とS原様のコラボはやはり最強&最高ですな(;゚∀゚)=3ムッハー
自分もヒイリリ最萌え人なのでお二方の作品が見れて凄い嬉しいです。これからも追い掛けて行きます(*´Д`)アヘアヘ
ななし茶様とS原様(・∀・)イイ
最高でございました。は〜ラブだ〜。
また降臨してくださいね。
あぼーん
ほしゅ
| ∧
|ω゚) ダレモイナイ...オレイスルナライマノウチ
⊂ (オソクナリマスタケド)
|
♪ ィョゥ ョョーゥ
♪ ∧∧
ヽ(゚ω゚=)ノ < ヘタレSSニアタタカイ オコトバヲ
(x へ) ミナサン アリガトウ ゴザイマスタ
く オマケニ サクシャサマノ ウツクシイサシエマデ...! ⊃▽T)シアワセデツー
ィョーゥ ィョーゥ
ィョゥ ョョーゥ
ィョーゥ
♪
♪ ∧∧ <ヒイリリ SSノトウカデスガ ツギハ ドノ シチュエィションガ ヨイデショーカ?
ヽ(= ゚ω゚)ノ (1) ゼンカイノ ツヅキ(シャンハイ ヒイロサン リベンジ)
(へ x) (2) ハダカ タンクトップ ノ リリーナタン
> (3) リリーナタン ヒトリエチー ニ ソウグウスル ヒイロサン
ィョーゥ ...ゼンブ ヒトサマノ モエデ スモウヲ トッテマスガ;;
モエサセテイタダタブンノ スコシデモ ゴオンガエシニナレバヨイナト...
ョゥ ゴイケン オマチシテマツ
|
|彡 サッ
|
|
| \
|ДT) ズレタ...
|⊂ ウトゥ
|
S原さんキタ━━━━(・∀・)━━━━!!
素晴らしく素敵なSSを提供していただいているのはこちらなので、お礼なんて不要ですyo
むしろ、お礼をいうのはこっちの方ですタイ。ありがとうございまする!!!!!
ところで次回のヒイリリ SS(1)〜(3)のシチュ、どれも萌えで選びづらいのですyo
特に(2)と(3)が個人的に萌えツボビンゴなので、難スィ……
とりあえず今回は迷いに迷った末に、自分は(3)でお願いシマツ!!!
S原さんだー!
ステキなSSいつもありがとうございます。S原さんのヒイリリは
愛があって好きです。
次回のヒイリリは、迷ったのですが(2)でお願いします!
タンクトップリリーナたんがかわいかったので・・・。
S原さんキタ━ヽ( *´∀`)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(´∀`* )ノ━!!!!
∧_∧ 自分も、むしろお礼をさせて頂きたいでつ…!!
( *・ω・) アリガトウデスSハラサン、ダイスキデスSハラサン!!
( つ旦O 萌え(´Д`)ハァハァな雰囲気と、そして>386さんと同じく愛のあるお話に
と_)_) いつも身悶えのたうち回らせて頂いておりまつです〜!!
そ、そして次回のお話…!全部イイでつ選びがたいでつ(ノд`)
えと、「シャンハイ リベンジ」の響きに激しく萌えたので(1)にイピョ!…けれど
2も3も…、(((´д`;≡*´д`)))……S原さんのヒイリリならどれもヨンデ(・∀・)ミタイ!デツ!
S原さんキタ━━━!!
いつも素晴らしいSSをありがとうございます!
私は一番エロそうな(3)をキボン。モエー。
ところでAAかわいいですね。
389 :
名無しさん@ピンキー:03/06/14 23:53 ID:CwAf93hE
漢ならノイン萌え!
あぼーん
あぼーん
.
〆⌒⌒`ゝ
|λノヽ)ヽ)
>>98 ( -"-) 悪いがそれは不許可だ…ハァハa
__(__つ/ ̄ ̄ ̄/
\/ ZERO /
.  ̄ ̄ ̄
あぼーん
>>383 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll/ ̄ ̄\llllllllllllllllllllllllllllllllllll
llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll/ ヽlllllllllllllllllllllllllllllllll
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii| 見 S |iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| た 原 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:.!;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;| い さ |:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| で ん |;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
;::;::;::;::;::;::;::;::;:__O__;::;::;::;::;::;::;::;::;:;::| す (3) .|;::;::;::;::;::;::;::;::;::;::;::;::;::;::;::;
;. ;. ;. ;. ;. ,. -|二二l' - .,;. ;. ;.;..| : が |;. ;. ;. ;. ;. ;. ;. ;. ;. ;. ;.
:.,. - ' |二二l ' ‐ .,:. ヽ、_______ ノ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :..
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.iilllllllli; |`i / 丶 l!.i;;;;;;;;;;;;;;i .l_`" ,_i k:j. ( /i_/;(
|,{lllllll|{ .} {_ { l. l! |,l;;;;;;;;;l.} _,,,{l {.i {`'" .{ {;;;;;;;;;;
i.|lllllll|.} ゝ.,L._,i'_______ノ | {,i;;;;;;;;;;l/ (iiiilllヽ‐、}.}. |,| |.|;;;;;;;;;;
___ .fL.,..、」__.{:;:;:;i.i.ii):;:;:;:;:;/________i. |;;;;;;;;;;; /llllllllllllllllllヽ. l,ト-‐/イ.,_r_,.
____ | |.__{ |__ |:;:;:;:;:;:;:;:;:;/____________ {;;;;;n;;; {lllllllllllllllllllllllヽ_____.トr't |_} /_|
,{ } {.l、 '{:;:;:;:;;:;:;:ノ,i _};;;;i i;;/lllllノillllllllllllllllllヽ {,| .| l | | `
'‐‐' '¬ }:;:;:;:;:;/' `¬,,,,ノiill/iilllllllllllllllllllllllヽ '-' ,.-' j
i:;:;:;:;:;ゝ (ll||||||||||lli`‐r-、..,,____}  ̄
`¬‐‐' ""'''''''''''''''''`¬' `‐'
激しくずれた…鬱…
ごめんなさい、S原さん、(3)きぼんぬという熱意だけは受け取ってやって下さい(T−T)
全部!なのですが、続きで(1)をまずはキボンニュって感じデス。
レスをありがとうございます!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (´´
∧∧ ) (´⌒(´
⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
ズザーーーーーッ
頂いたレスでは(3)が多いみたいなので、こちらをあぷりますね。
少々お待ちくださいませ。
……えろえろなのにするべくガンガッテきます(^^;
>398
(3)にケテーイしましたか。楽しみにしてますので、がんがって下さい!!
保守sage
401 :
名無しさん@ピンキー:03/06/22 22:45 ID:vggJ9f9l
ロランが女装して犯されてる画像があるサイトがあるはずなんだけど、どこのサイトかわかるひといる??
>>401 南極以外でってこと?
たしか南極にはその手の話に挿絵がついてたと思うけど。
あぼーん
あぼーん
前回の書き込みからこんなに空いて、本当に申し訳ありません。
お待たせしました。
タイトル……考えるのが物凄く苦手なので、『クマさんが見ている』とでも;;
いけない、と夜毎に思う気持ちに、偽りは無い。
それでも「さみしい」と思ってしまう事は、どうしようもなくて。
リリーナは、おそるおそる、自分の下腹に指を伸ばす。布地の上から
指を這わせ、一番大事な部分の合わせ目をそっとなぞる。
「んっ……」
びくりと、甘い感覚に全身が震える。直接さわる勇気は、未だに無い。
それでも、じわじわとこもる感覚に、指は次第に大胆さを増す。
「……あんっ……あぁ……」
指の腹で、ぴったりと閉じられた花弁をこすると、身体の奥で何かが
じくじくと熱を持ってきているのが解る。その熱は全身に広がってゆき、
自分の敏感な所に灯っていくのが感じられる。
胸の頂きで自己主張する突起が、痛いほどに張っている。リリーナは思わず、
腕の中にあるぬいぐるみを抱きしめた。それは、彼からもらった最初のプレゼント。
テディ・ベアに送り主の名をつけた事は、内緒にしている。
「ヒイ……ロぉ……」
思わずつぶやく名前は、腕の中のクマさんの名前でもある。
甘く鋭い感覚に耐え切れず、リリーナはぬいぐるみを強く抱きしめた。乳首を
布越しに強く押し付け、小さな動きで擦りつける。
彼から直接触られる時の快感には到底及ばないが、それでも刺激は
リリーナの最奥の疼きに拍車をかける。
「ああっ……うんっ…」
下腹で蠢く指の動きが、早くなる。自分の指の動きが、誰かのそれを
なぞっている事を、うっすらとリリーナが自覚した時。
「あっ、……ヒイロ…」
『リリーナ』
まるで実際に側にいるかのように、彼の声が脳裏に響く。低く、息を
吐き出すように彼が自分の名をつぶやく時、リリーナは胸の奥に灯る
情欲が深くなっていく自分を知っている。
腕の中のぬいぐるみを枕元へやり、おそるおそる、夜着代わりに
身に付けているベビードールのボタンを、ひとつ外す。そっと乳房の上に
直接指を滑らせると、甘く、わずかに痛みすらはしるほど鋭い感覚が、
身体の奥底に生まれてくる。
どきどきと高鳴る胸の鼓動が、やけに耳について離れない。
不慣れな指を、そぉっと記憶を手繰りながら、動かし始める。
いつも、彼がリリーナを愛撫するように。
「んっ……ふぁっ……」
すべすべとした、綺麗な丸みを帯びる下乳を、すくうようにそっと揉む。
じわじわとこもる熱に浮かされるように、リリーナの指は次第に大胆になってゆく。
指の腹に、肌とは違う感触の縁取りが当たる事に気がついてリリーナは、
目を薄く開いた。円を描くように勝手に動く、自分の指。それが乳輪の縁を
なぞっていたのだと気がついた時、リリーナの頭の中で、聞き覚えのある声が
再び爆ぜた。
『……ここがいいのか? ならば、そう言え……』
「ああっ……! ヒイロっ…そこ…っ」
普段ならば決して聞く事の無い――リリーナもベッドの上でしか知らない、
彼の楽しげな声が、リリーナの羞恥を薄れさせる。
更に大胆になる、指の動き。
胸の頂きを指でつまみ、布地の上から、なおも過敏な花びらを撫でさする。
一番敏感なワレメの奥に、進入する勇気はまだ起きない。もどかしさと恥じらいが
火花を散らし、リリーナの指の動きを複雑に彷徨わせる。
「ふぁんっ……」
脳髄を焦がすような甘美な熱が、じゅんと、リリーナの理性を侵食しようと
していた。こらえる気力は、欠片ほどになりつつある。
半ば彼女の強情さを呆れるように、わざと苦笑を含んでつぶやかれる――リリーナの
一番奥を濡らすような声が、耳の奥で次々と再生されていく。
「ひっ……あ、やぁぁっ…」
再奥を突き抜けるような鋭い愉悦が、リリーナの背を反り返らせた。
じわりと滲む、熱い涙。
それが頬を伝う感覚が、彼女の躊躇を決壊させてしまった。
おそるおそる、下肢を覆う小さな布地に、指を入れる。萌える草むらの下に少しずつ
指を這わせると、そこはすでにじんじんと、過敏に成り果てていた。
「ひゃんっ」
しかし、白濁化した情欲は、リリーナの指をなおも滑らせる。クレバスにそって、
そっと指をあて、一番大事なあそこを開かせる。
(……だ、だめっ……ヒイロっ)
いつのまにか、そこにある指は彼の物に変換されている。とろりとあふれる
何かが自分の指をぬらし、リリーナは一段と熱を高ぶらせる。
自分でやった事は、まだ数度。それでも、どうすればいいのか――自分の
身体が喜ぶ方法は、嫌と言うほど感覚として刻まれている。ほかならぬ、
ヒイロの手によって。
「あ、ヒイ……ロ…」
くちゅりと、どうしようもなく卑猥な水音がした。しかし、今のリリーナには
その音に構う余裕が無い。
リリーナは、暖かなぬめりを指に絡ませると、そっと奥に進ませた。同時に、
蜜をほころばせている花奥の、ちょうどすぐ上で息づいている、充血した花芯に
触れる。
ほんのわずか撫ぜただけだというのに、そこから溢れる感覚は。
「――ああーーーーっ」
今までとは比べ物にならない、視界を霞ませるほどの快楽がほとばしる。
意識がはじけて、認識できるのはただ、濃い愉悦の痺れ。
「あっ、あふんっ!! い、いやぁっ……! ヒイロ、ヒイロッ!!」
顎を大きくのけぞらせ、リリーナは快感の波に身を委ねる。無防備な胸の突起を
捏ね回す、指の動きが早くなる。
くちゅくちゅと、室内に高く響く、濡れた音。
小刻みに揺らす首の動きに、豊かなライトブラウンの髪がシーツの上に
乱れ広がる。そのはずみで、テディ・ベアがベッドから落ちた事にも気づかずに。
「あっ、あっ……あぁぁぁっ!」
痛いほどに勃ちあがった乳首を、性急な動きに滑った指がぴんと弾いてしまい、
リリーナはその刺激の強さに、びくりと下肢を大きく跳ねさせた。
「いっ……やぁっ!!」
はずみで深く穿たれる、細い指。たがの外れた意識の底に、それはわずかに
しか知覚されず――。
「あっ……あっ、あっ! やぅっ、ヒ、ヒイロぉっ! わたくし……あぁぁんっ!」
がくがくと、細い身体が大きく跳ねた。しかし、指の動きは止まらない。
うわごとのように彼の名を繰り返し、リリーナは完全に快楽に酔いしれている。
しなやかで優美な細い肢体は、全身に汗を纏い、きれいな鮮紅色に染まっていた。
――少年めいた作りの美貌を謳われる、ドーリアン外務次官。
だが、その少女官僚の、いったいどこに、これ程の色香が潜まれていたのか。
悦楽に身をまかせ、自慰にふけるリリーナの姿は、凄絶なまでに妖しく美しかった。
「あっ……あーーーーーっ!!」
絶頂の艶声が、高く室内に響き渡る。耳朶を打つ己の嬌声に、わずかだが、
リリーナの瞳に正気が戻る。しかし、愉悦に曇る紫紺の瞳は、それでもなお、
とろんと潤んだままだ。
呆然と、肩で息をつき、リリーナは意識を呆けさせる。
一人っきりで過ごす夜。……自分を慰める事は、初めてした訳ではなかった。
だが、こんなにも乱れてしまった事など、ただの一度もなかったというのに……。
「――ヒイロが、悪いんだわ。わたくしをひとりにしておくから」
ぽつんと、冗談交じりにリリーナはつぶやく。それは、背徳の意識が言わせた、
ただの戯言に過ぎなかったのだが――。
「……それは、悪かった」
予想だにしなかった声の主に仰天して、リリーナは思わず飛び起きる。
体をかえし、声が降ってきた方向を見やると、背を入り口に預けたヒイロ・ユイが、
所在無さげな風情で腕を組み、困惑をまとってそこにいた。
「ヒ、ヒイロっ……!? あ、貴方、何時からそこにっ…」
驚愕と羞恥に、意図せず声が裏返ってしまう。
しかし、すぐに彼は応えない。
床に落としていた視線をリリーナに向けたヒイロは、ほんの一瞬だけ
ぎくりと強張った。
そんな彼の様子に、リリーナは、ようやく自分の今の姿に気がついた。
こぼれる乳房を慌てて掻き抱き、ベビードールを胸元に引き寄せるが、
今のヒイロはそれにはさほど、注意を払っていない。
しかし、リリーナは目の前が、真っ暗になった気がした。
――まさか、一部始終を、彼は見ていたのだろうか?
リリーナは、怯えるようにヒイロを見上げる。しかし、ヒイロはわずかな苦笑と
共に、リリーナを真っ直ぐ見つめ返した。
「……ヒイロ…」
「何時から――か。ほんの、ついさっきだ。ドアが半分開いていて、お前の
恨み言が聞こえてきた」
その言葉に、リリーナは心底ほうっと、強張った肩の力を抜く。
――だがしかし。その認識は甘かったのだと、リリーナは直後に思い知らされた。
つかつかとベッドに歩み寄ってきたヒイロは、何の前触れも無く、リリーナの
右手をつかむと、そのまま指を口に含んだ。
「きゃっ……! ヒイロっ!?」
指の間を、暖かく湿った感触に舐られる。唾液がぴちゃりと手のひらから
腕の裏をつたってこぼれるほどに、丹念にヒイロはリリーナの指を味わっていた。
そして『にやり』と、時々見せる悪魔のような確信犯の笑みで(この場合は
勿論、誤用の意味であるが)ぼそりと決定的な一言を呟いた。
「――お前の味がするな」
「――…!!」
その意味が解らぬリリーナではない。一気に頬を朱色に染め、思わず
ヒイロの視線から逃れようと身をよじる。
「い、嫌ぁっ……」
だがヒイロは情け容赦なく、耳元でなおも続ける。
「ここが、こんな風になっているのも俺の所為か?」
そういいながら、ボタンのはずれたシースルーの短衣を軽くたくし上げ、
つんと尖った乳首を優しくつまむ。
「あんっ!! あ、やっ」
ヒイロはリリーナをそのまま、ベッドに押し倒すと、乱暴にならぬほどの
強引さで下肢を押し広げた。上体を必死に起こし、ヒイロの行動を阻止せんとした
リリーナだが、しかし、その所作は裏目に出てしまった。
自身のまさに目の前で、レースのショーツに手をかけられる。止める隙すら
ありはしなかった。慣れた手つきで抜き取られる『それ』と自分の間に、
幾筋もの糸が引く光景を、まざまざと正面から見てしまったのだ。
「……あっ……」
薄暗い室内とはいえ、ナイトランプの光をきらきらと反射する、溢れんばかりの
愛蜜。闇で目の効く元テロリストに、その軌跡が見えないはずは無い。
あまりの淫らな光景に、リリーナは息を詰める。恥ずかしさのあまり全身が
硬直し、涙がどんどん溢れてくる。
「やっ……、ヒ、ヒイロ…見ないでぇ……」
それだけ言うのが、やっとだった。彼の顔が、まともに見られない。きつく目を
閉じ、顔を両手で覆い隠す。
しかし、ヒイロ・ユイはそれを許さない。リリーナの手首をつかむと、そのまま
彼女の指を誘導する。――先刻まで、その指がそよいでいた場所へ。
「――イヤ…っ」
湿ったぬるみが、指の腹に感じられる。『くちゅん』と、粘る音が耳朶を犯し、
リリーナは幾度も首を振った。
「いやっ……嫌ぁっ……、お願い、ヒイロ…許してっ」
「自分で、こういう風にしていたんだろう?何を今更」
吐息が内股に感じられて、リリーナは身を震わせた。自分の指が、ヒイロの
誘導で花びらを掻き分け、彼に最奥を見せ付けているのだという事が
判ってしまったのだ。
「ばかっ……っ! ヒイロの変態! すけべっ! オヤジ!!」
「――オヤジって……おまえ……」
思いつく限りの罵倒を投げかけてみるが、身体に力が入らず、ほとんど
抵抗すら出来ないのが現状だった。おまけに自分の指は、リリーナの意志を
裏切って、勝手に感じるところを這いまわり始めている。
「いやぁんっ……は、ぁあっ」
逃れようと必死になっているのだが、かえってその動きは、くねくねと腰を
振っているだけに終わってしまった。端から見て、大いに誘っていると
言われても仕方のない動きに、ヒイロはわずかに鼻を鳴らした。
自分はいったいどうしてしまったのか。普段の自分なら毅然と
かえすであろう、この状況で、彼の手管に逆らう事が出来ない。急速に
高まる欲望の炎が、リリーナから抵抗の気力を奪い取ってしまっている。
「あっ……あっ、やっ……はぁぁんっ」
ヒイロの指は巧みにリリーナの指の自主性を促し、時折自身も放縦に
蜜壺の中を這い回らせている。気まぐれな指はクリトリスを容易に剥き、
彼女の指に添いながら溢れる愛液をかき回しはじめた。
「あっ……くぅっ…!い、いやぁぁんっ…!」
ぽろぽろと、涙が溢れて視界をぼやけさせる。恥ずかしくてたまらないのに、
カラダはヒイロの思うが侭に、快楽に溺れている。
敏感な部位にかかるヒイロの呼気すら、リリーナの官能を著しく高めている。
段々と早くなる息継ぎの間隔に、ヒイロも興奮しているのろうかと、混濁し始めた
意識の淵で、リリーナは思った。
彼の指の本数が増え、手繰る乳房は彼女と彼の指が、同時に片側の
乳首を攻めている。常ならぬ刺激の多さに、リリーナは大きく背をのけぞらせ、
放り出された足の指は力が入ってきつく曲げられた。
だがヒイロは、リリーナに休む事を許さなかった。
時折、愉悦に放心して、彼女の指の動きは止まってしまう。すると、
彼の骨ばった指はリリーナを追い立てるかのように、彼女の細く白い指に
絡められる。
「やだぁっ……ヒイロっ、ちょっと待って……」
「駄目だ」
懇願は一蹴され、更に愛撫は続けられる。幾度も弾ける快楽に、リリーナの
反論は、ヒイロによって赤子の手を捻るほど容易く、封じ込められた。
その都度、彼に開発され尽くしたリリーナの身体は、素直な反応を示す。
快感の深さに泡立つ愛蜜は白く濁り、シーツに溢れてシミをつくっている。
存分に彼女の泉を捏ねまわし、指に絡みついているそれを、時折ヒイロは
愛しそうに口に含んでいた。リリーナが呆然とその様を見つめていると、
ヒイロは口の端をわずかに緩めて、何事かを企むように微笑んだ。
「……試してみるか?」
何を言われたのか、理解したのは唇が重ねられてからだった。
――熱い舌が、逃れるリリーナの『それ』に絡み、何かを口移しで飲み込ませる。
いや、考えるまでも無かった。口の中に広がる物の正体に、リリーナは
柳眉をしかめる。
そのまま、唾を嚥下し、『その味』が口内から消え失せるまでの間、
ヒイロのキスは続けられた。無論その間、指の動きは休ませてもらえない。
「信じられない……ヒイロなんか、嫌いっ……」
開口一番、喘ぎながらリリーナは息せきって叫ぶ。だがしかし、
甘くとろけきったその声音で言っても、説得力に欠ける事、おびただしい。
リリーナにできるせめてもの抵抗は、視線を合わせずにその美貌を
そむけることだけだった。
次の瞬間、ヒイロの指の数が増やされ、ヴァギナの奥に更なる進入を
果たしていく。
「ひっ……あぁぁっ、やだぁっ…!!」
リリーナの指が強張り、動きが止まっても、ヒイロはもはや頓着しなかった。
ぬちゅぬちゅと、リリーナの中を知り尽くした動きでとろみを助けに抜き差しし、
胸に回していた手を腰の辺りまで下げて、彼女の姿勢を固定させる。
「嫌われるのは、困る」
ぼそりと、そうつぶやいたかと思うと、ヒイロはリリーナの目じりにそっと
口付けた。同時に、濡れそぼった指を最も敏感な花芽に擦りつける。
「あっ、きゃ…ふっっ! あぁ…はぁっ……あぁぁんっ!!」
束縛から自由になった腕をヒイロの首に巻きつけて、リリーナは力の限り
彼にしがみつこうとする。だが、ヒイロはそっけなく彼女の腕から逃れると、
そのまま自分の体を下方へとずらした。
「も……駄目ぇっ……っヒイロ……許してっ」
「――いま、楽にしてやる」
ヒイロの言葉に嘘は無かった。充血して過敏になった花びらを撫でながら、
ヒイロは露を一杯に含ませた、尖ったクリトリスを舌で押しつぶした。
「あぁぁぁぁっ!!」
びくびくと、今まで以上に大きく白い裸体が跳ねる。全身に浮かんだ
汗の珠が宙を舞い、わずかなサイドランプの明りに、一瞬キラリと光を反射させる。
そのまま、ヒイロは彼女の可憐な陰花を、存分に堪能した。敏感な花芯を
指でなぶり、べとべとに内股を濡らす花蜜をくまなく舐め取り、時には
音を立てて淫水を飲み干した。
「ひぅっ……あ、ああぁっ!! あ、いっちゃうっ! 嫌ぁぁっ! 駄目……だめぇっ」
こぼれる言葉に、すでに意味は無い事は、双方共に知っている。
エクスタシーの奔流に飲み込まれたリリーナの意識に、もはや理性の制止は無い。
股で蠢く恋人の髪をくしゃくしゃにかき回し、時には大きく全身を痙攣させて、
リリーナは身体の奥底から彼女を呑みこむ快楽に屈服した。
勿論、これだけで夜が終わるはずも無い。手早く衣服を脱ぎ捨てたヒイロに、
あっというまにリリーナは夜着を取り上げられる。
すでに、二度も絶頂に追い上げられたリリーナだったが、熱い肉棒が
下腹の最奥に穿たれる感覚に、再び軽く頂点を迎えてしまう。
高くあがった、蕩ける声を指摘され、リリーナは、自身を抱きしめる男の背に、
きつく両手で爪を立てた。
「――痛ぅ…。本当の事だろうに……素直じゃないな」
「当たり前です。……本当に、どうしてこんなに恥ずかしい事ばっかり
言うようになってしまったんです? ……ぁっ」
語尾に思わず嬌声が混じったのは、ヒイロが腰を動かし始めた為だ。
密着する互いの体温で熱がこもり、ヒイロの身体にも汗が筋を描くようになっている。
「――言わせるように誘っているくせに、自覚が無いのは性質(たち)が悪いな」
彼女の感覚が過敏になり過ぎているやもしれぬという懸念から、ヒイロの
動きはまだ、大して性急な物ではない。鋭敏すぎる性感帯は、強い愉悦を
苦痛に変換しかねないのだ。
だが、その動きに潜むヒイロの配慮が嬉しくて、リリーナの性感は
より一層、感受性を増していた。
ゆるいグラインドに合わせて腰が動き、程よい絞まりと膣ひだの絡みが、
ヒイロを易々と追い詰めていく。
「はっ……あぁっ、そんな…ずるいっ……」
「何が……だ…?」
リリーナの様子に頃合をはかり、ヒイロは腰の動きを早めていく。
がくがくと全身を揺らしながらも、リリーナはヒイロの熱い激情を無理なく
受け止め、また貪欲に喜悦を受け入れている。
ぴったりと合った、快楽の鼓動。
吐息が互いを刺激し、もっともっとと、相手を求め、なお相手に与えたいと
思う互いの心が、より深い充足と快感を生む。
「わたくしが……いやらしく…誘っていると…したらっ……はぁんっ」
膝裏を抱えられ、宙を蹴っていたリリーナの足が、彼の腰に絡みつく。
「それって、ヒイロのせいですからねっ…あっ、あぁぁっ、あ、やっ!!」
まったく自覚はないのであろう、リリーナのとんでもなく可愛い
わがままな言葉に、ヒイロは『ずん』と、剛直の根元から突き上がるような
欲情が沸いてくるのを感じた。
まったく、性質の悪いお姫様だ。自分がどれだけ男心をくすぐるような
発言をしているのか、まったく解っちゃいやしない。
「そう…か。俺の所為か。」
リリーナの形良いバストを、つかむように柔らかく揉み上げ、親指の腹で
くりくりと尖った胸の果実を愛撫する。同時にヒイロは、ピッチをさらに上げた。
「あっ! はぁぁっ! いやぁっ……あ、ああぁんっ!」
腰が高く抱えあげられ、彼の背からリリーナの腕がはがれてしまう。とさりと
枕元に落ちた腕は、そのままぎゅっとシーツを握り締めた。
より奥を突き上げる、彼の熱槍が、彼女の子宮近くの急所を幾度も攻め立てる。
同時にリリーナの炉心もまた、無意識の蠕動ときゅうきゅうに彼を
絞り尽くそうとして、熱を帯びる。
二人の息は同時に荒げられ、互いの一番大切な人間を愛おしく包み込んでいく。
「―――あぁぁ……っ! ヒイ、ロぉっ…!!」
「リリーナっ……!!」
シーツに絡む彼女の指に、強引に己の指を絡め、ヒイロ・ユイは
倒れこむようにリリーナに密着する。共に限界が近い事は、幾夜もの経験が
二人に教えてくれていた。
「出すぞっ……」
「……来てっ……ぁあ、ヒイロっ…!!」
白熱化した意識の断絶が、同時に彼らに襲い掛かる。
「うっ……あぁぁぁっ! はっ……はっ…ぁ!! リ、リリーナっ!!」
「ヒイ……ロぉっ…あ、あ、あ……あぁぁぁんんっ!! や、ぁーーーーーっ!!」
――一番甘い、双方の喘ぎ声は互いにしか聞こえない。だから、いつだって
歓喜が恥じらいに勝るのだ。
どくどくと、長く胎内に放出されるヒイロの樹液は、なおもいっそうリリーナの
快楽を駆り立てる。細く、長く続く、彼女の甘い吐息。
鼻にかかるような――ヒイロ以外の者は聴く事が叶わぬ、それは、至上の音楽。
そのまま、リリーナは気を失わんばかりに、彼の腕の中で眠りについた。
わずかに意識が残っていた時には、若干ヒイロを恨みがましく見ていたようだが、
なに、明日一日彼女の休暇に付き合えば、おそらく機嫌は直るだろう。
そう考えながら、彼女を起こさないように慎重に、ヒイロはそっと身を起こした。
このまま眠るわけにはいかなかった。彼女と自分の始末をしておかねば、
明日の朝が悲惨な事になってしまう。
――その時、よく判らない茶色の物体が、ドア側のベッドサイドに転がって
いる事に、ヒイロは気がついた。何気なく視線を向けた「それ」は、中型サイズの
テディ・ベアだった。見覚えのあるぬいぐるみが、数年前に自分が、彼女に
プレゼントした最初の物だと思い至り、ヒイロは面映さに頬を緩ませた。
他愛のない、ありふれた物に過ぎないというのに、休暇の旅先にまで、
自分がやった物を、大事そうに持ってきている。そんな彼女の気持ちが、
どうにもくすぐったくてしょうがなかった。
ヒイロはテディ・ベアを拾い上げる。それを彼女の枕元に立てかけると、
わずかに口元に笑みを刻んだまま、バスルームへと歩みを向けた。
…なんだか、激しく引かれてしまいそうな物を書いた気がします;;
普段はもうちょっとリリカルな物を書いていると……思いたいのですが;;;
本当に、遅くなりまして申し訳ありませんでした。
オフラインの私事でしばらくSSは書けそうにありませんが、南極条約やこちらは
いつものぞいていますので。
それでは、皆様。お休みなさい…
神キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
リアルでよんでましたYO!!
S原さんのヒロリリは毎回楽しみにしてます。
萌え〜なリリ様ゴチです。
お疲れ様でした、お休みなさいませ。
キタ━━━━━。・゚・(ノ∀`*)・゚・。━━━━━!!
いつもながら萌えゆるヒイリリ最高ですた!
S原さん乙ですごちそうさまですアリガトウゴザイマス…!
遅いだなんて、そんな事どうかお気になさらずに、
こうして読めるだけで本当に幸せでつ(*´Д`*)マタイツカ…マッテマツ!!
そ、それにしてもリリタンが可愛すぎてハァハァ…そりゃ苛めたくも
なりまつよハァハァ…S原さんの二人はやはり(・∀・)イイ!モエェ…!!!
(3)投下キタ━━━━(・∀・)━━━━!!!!!!!
リリーナ様可愛くて、激しくイイ(・∀・)/
ヒイロ!こんなに可愛い彼女をほっぽったらいかんぞ!!
黙ってみていた気持ちは激しく分かるが!
激しく(;´Д`)ハァハァいたしました。まじS原様は神でつ!!!!!
いつか時間が出来たら、残りのシチュも書いて欲スィでつ!!
429 :
427:03/07/08 05:02 ID:YG1ErM/7
ハァハァ シツツ、 コソーリ。
ナンド ヨンデモ イイデツ…!!(´Д`*)アハァ
>>405 ああっ、南極がdでて鬱になっている間に神の降臨が!!!!!!
うおおっ、リリーナたんが禿しく可愛くて萌え萌え!!!!!!!
独り寝が寂しくなるまで仕込みやがって、美味しいとこどりで羨まスィぞ、ヒイロ!!!
S原神、落ち着いたら、また来て下さい!!!(切実)
>>429 ダブルで楽しませて頂きました。お二人とも本当にありがとう〜〜!!
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
まったくもって、よいものをありがdです。マクベもビクーリですね。
お2人のこらぼれーしょん?は最高でつ。
ん〜ヒイロのいーけーづーゥって感じデスね。
また期待しております!
レスをありがとうございました。
投下してから読み返すと、色々気づく事があって、いつも後悔してばかりですが。
今回、やろうと思ってた事(メル欄)をすっぽり抜かしていた事に
気がつきました。
……。
>429様
クマ━━━━━━ヽ( ・(ェ)・ )ノ━━━━━━!!
護衛タンの着ぐるみに思わず萌えた自分は、逝って良しです(^^;
リリタンの、滑らかで、もの凄く綺麗な体のラインにハァハァしますた!
護衛タンとリリタンの鎖骨も…イイ…
ああ、ヘタレ文を書いてて良かった……
>430様
メルラン、アリガトウゴザイマス
434 :
山崎 渉:03/07/15 11:16 ID:vhmwz+RP
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
あぼーん
おまいら、おもいっきりスカートをめくってみたいキャラは誰よ。
俺はソシエたん。(;´Д`)ハァハァ
>436
キエルたんとリリーナ様とシーラ様
ソシエたんはリアクションが見てみたいな。
セイラ 「な、何をするのっ! 恥を知りなさい!!」
アイナ 「えっ……?(状況を把握できない)」
クリス 「こ、こらぁっ!!」
ニナ 「きゃああぁぁぁ!! 変態っ!!」
シーマ (氷の視線を向けて)「……これは何の冗談だい……?」
ライラ 「いつまでも子供みたいな真似してるんじゃないよ」
ハマーン 「貴様ッ!今この場で狩られたいかッ!?」
ナナイ 「きゃっ……ん、もう……困った人ですね……」
アンナマリー 「こっ……この軍ではこういう行為が流行っているのか……?」
ファラ 「ほう……? 貴様、始末するには惜しいほどにいい度胸をしているな……」
レイン 「な、何するのよっ!!」ビタ――――ン!!!
ノイン 「き、貴様っ! いい年をした大人がこんな真似をして恥ずかしいとは思わんのかッ!!」
エニル 「……見たんだろ? それじゃ……払うもん払ってもらおうか?」
ディアナ 「ち、地球ではこういうご挨拶が主流なのですか……?」
姐キャラばっかりなのは自分の趣味でつ(;´Д`)
リリーナ様とシーラ様の反応もキボンヌ!!
ロングスカートって、こうめくりたい欲求に駆られまつな(´Д`*)ハァハァ
∧_∧ ∧_∧
ピュ.ー ( ・3・) ( ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
= ◎――――――◎ 山崎渉&ぼるじょあ
あぼーん
リリヒイまたやってください…
あとだれかディアナさまを
444 :
名無しさん@ピンキー:03/08/05 04:21 ID:q5NXtv3F
445 :
名無しさん@ピンキー:03/08/05 05:10 ID:H5tH41Ix
ハマーン様〜
キッカ 「あぁ―――! スカートめくったぁ――! パンツ見たぁ――!!」
キキ 「ッ……! こんのぉ……何すんのよっ!」
ドロシー 「せっ、先生に言いつけるから!!」
ミネバ 「何だ? 着替えさせてくれるのか?」
プル 「やだ、スカートめくんないでよぉ!」
リィナ 「い、いやぁっ! お兄ちゃ―――ん!!」
リィズ 「よ………よくも見たわねっ!!」パァァン
シャクティ 「な、何をするんですか!? 止めてください!!」
チェーミン 「いやぁんっ!!」
アレンビー「おっ、やったね? 勝負するっ!?」
マリーメイア「(真っ赤)さっ……下がりなさい! 下郎!!」
ティファ 「………」サッ(無言でスカートを直す)
ソシエ 「バカ―――――――ッッ!!!」
447 :
名無しさん@ピンキー:03/08/12 22:57 ID:K5iqyzV8
age
あぼーん
レディ・アン(EW版)ちょー
450 :
山崎 渉:03/08/15 16:42 ID:4fmQeeOf
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
451 :
名無しさん@ピンキー:03/08/15 18:05 ID:l/HPEULz
age
452 :
名無しさん@ピンキー:03/08/18 23:41 ID:W4JlEsuc
そろそろSSを・・・
あぼーん
ラクス希望!!
犯されるレイプ物誰か書いてp
やっぱ、ラクス×フレイモノでw
フレイは久々に再会したキラと喜びの時・・・だが、キラはラクスと・・・
そしてフレイはラクスに復習を・・・
スマソ、ヘタレな例文で。
フレイがラクスに復讐するのにラクス×フレイなのか?
それとも激しく返り討ちにあったりとか?
てか、種スレはあるのに、何故こっちなんだ?
正直スレ違いっぽ
復習ってセックルの復習かな?
レザーの下着姿に、蝶のマスクをつけて鞭でフレイの美尻を叩く
ラクス 「ピシッ、パシッ、フレイさん、そんな腰の動きでは
キラ様を逝かせる事は出来ませんわ」
騎乗位で性交中に、いきなり、尻を叩かれてラクスを睨むフレイ
フレイ 「お尻なんて叩いて、痛いじゃないの、何するのよ」
ラクス 「お黙りなさい、私のキラ様とセックルしようと言うのですから
それなりの、テクニックの持ち主で出なければなりません。
キラ様は、毎日の戦闘でお疲れなのです。
夜のお勤めは、殿方に恥をかかせぬように、女性がリードせねばなりません」
アスラン「ラクス、それは、いいんだけど何故僕がこの娘としなきゃならないいんだ
僕だって戦ってるし・・・・・・・・・こんなとこカガリに見られたら・・・」
アスランの首を絞めながら
フレイ 「何をあんた、私とは出来ないって言うの」
空中で鞭を振るい
ラクス 「ビシッ。さあ、おしゃべりはおしまいですわ
フレイさんのセックルの復習を続けますわよ」
(・・・こうしとけば、キラとしようなんて気は失せるでしょう・・・・)
フレイのセックルの復習は深夜まで続きいた
∧∧ ミ _ ドスッ
( ,,)┌─┴┴─┐
/ つ. 終 了 │
〜′ /´ └─┬┬─┘
∪ ∪ ││ _ε3
゛゛'゛'゛
>>458 別に、激しくスレ違いではなかろう
種は、専用スレが、あるだけでここで萌えては
いかんとは、このスレには書いてないだろう
某スレでは、1stになるべく限定してとは書いてあったが
只の
>>454に、対する冷やかしだ
むきになって誘導なんかするなよ。
それじゃあっちのスレがある意味がなくなるぞ…
どこらへんがむきになってるのかと小一時間(ry
463 :
461:03/08/21 01:16 ID:ARxVA4UD
ごめん…冗談を冗談と受け止めれない俺が悪かった_| ̄|○
潔く、自分の非を認めて逝ってくる……
>>463 そう言わんでくれ
俺が、冷やかしで専用スレがあるのに変のものを書いたのが悪いんだから
465 :
名無しさん@ピンキー:03/08/24 14:38 ID:r3IgB1WE
マターリ汁
∧∧ ミ _ ドスッ
( ,,)┌─┴┴─┐
/ つ. 終 了 │
〜′ /´ └─┬┬─┘
∪ ∪ ││ _ε3
゛゛'゛'゛
>467
種はどうでもイイ…
469 :
名無しさん@ピンキー:03/08/28 22:05 ID:GyfUCeFd
種のマリュさんの読みたひ
ガロード&ティファが見てみたい・・・需要無いから無理かな自分で書くほどの文才もないし。・゚・(ノД`)・゚・。
>470
そんな大好きで萌えでハァハァなおまいが書く話が一番萌えでつよ。
ガンガレ!
漏れはリリーナタンにハァハァしていきまつ(;´Д`)
472さん
そこには行ってみたんですが何か陵辱モノぽくって・・・
すんません自分が言った事は忘れてください。リリヒロでも十分(*´Д`)ハァハァできることに気づきますたので
474 :
名無しさん@ピンキー:03/08/29 15:37 ID:CM+3CWxG
【素人顔見せ】【尿道&肛門丸見え!】【トイレ盗撮アリ!】【10人分!】
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リリーナが恥ずかしがりながらも
ヒイロに夜這いをかけてヤる、ってシチュのリリヒイSSを思いついたんだけど
書いていい?文才能力は良くない&まだシチュと設定しか考えてないけど・・・。
>475
勇者キタ━━━━(・∀・)━━━━!!
ガンガレ!!!応援させて貰う!!!!
文才より何より、まずは自分の萌えが職人には求められていると自分は思う!!
だからガンガッテ己の萌えをぶちまけてくれぃ!!!!!!!
>475
激 し く 応 援 & 切 望 !!
もの凄く読みたいであります(;´Д`)ハァハァ
何て萌え設定なんだ・・・それだけでハァハァ汁・・・!
478 :
475:03/09/05 23:00 ID:XoMDK5IF
>>476-477 熱い応援サンクス。
とりあえず今考えてる設定だけでも・・・。結構変わった設定かも・・・。
どっちかというとリリーナの方が積極的で引っ張り気味・・・かな?
ヒイロはヒイリリ萌えの神、S原氏が書くようなカッコイイヒイロではございません(何
自分の気持ちを伝えるのが苦手なウブ気味(?)なヒイロだったりします(オイオイ・・・
とは言っても性格上、ヤる事は積極的にヤってくれると思いますが(笑
ちなみに2人とも初めてだと思ってくださればいいですw
エロ度はどうなるか分かりませんし、萌えるどころか萎えてしまうかもしれませんが
応援してくれることにも感謝して自分なりにがんばらせていただきまつ。
>>478 そんな話が読みたかった!!!!
ガンガレ!!!応援するぞ!!!
480 :
名無しさん@ピンキー:03/09/06 12:26 ID:2CsnhOsZ
481 :
名無しさん@ピンキー:03/09/06 12:39 ID:pl6StRUr
マーベットさん萌えはいないのかのう
神降臨なし?(´・д・`)
>>484 ゆっくり自己萌えしながら正座で待つべし!
478タソがんがって下さい(*´Д`)
486 :
478:03/09/09 20:55 ID:WK3Fnw3X
なんとか小説できました。文才も想像力も乏しいのでみなさんを満足させることは
できないかもしれませんがもしよろしければ見ていってくださいm(_ _)m
「Hold courage」
空はすっかり暗くなり、人々はすっかり寝静まるほどの時間になったころ・・・。
リリーナは、ヒイロの住むマンションにいた。
毎日多忙な彼女はひさびさに暇ができて、ヒイロの元に遊びに来たのであった。
リリーナはヒイロにどうしても会いたかった。
互いの仕事の関係で、会えなかった日が2ヶ月も続いていたのだ。無理もないだろう。
一緒に夕食を食べたり、色々な話をしたりしてそれなりに楽しく過ごせた。
遅い時間になったため、リリーナはヒイロに「今日は泊めてほしい」と希望した。
ヒイロは特に感情を変えることなく、「分かった」と言い彼女を受け入れる。
今、ヒイロは自分の寝室で睡眠の準備をしている。
リリーナは別の部屋でヒイロが用意してくれた布団の中で寝ることを予定していた。
しかし、リリーナは今になってもその用意された寝室には行かず、別の場所にいた。
その場所とは・・・ヒイロの寝室のドアの前であった。
実は、リリーナはある大きな決心をしていた。このマンションのこの部屋には自分以外のほかにはヒイロしかいない。
さらにこの時間だ、人が訪れることもまずないだろう。
リリーナは心の中でささやく。
「彼と一緒に夜を過ごすなら・・・今しかない」
487 :
名無しさん@ピンキー:03/09/09 20:56 ID:WK3Fnw3X
そう、リリーナの決心とはヒイロに夜這いを掛けることだった。2人で夜を過ごせるチャンスは滅多にない。
明日になればまた仕事があるから、今度はいつ会えることになるのか分からない。
彼女はヒイロと体を交えたい気持ちでいっぱいになっていた。
リリーナとヒイロはある程度の恋人関係を持ってからもはや2年がたつ。
そろそろリリーナに性欲が出てきてもおかしくはない。だが2人はまだ一度もしたことがないのだ。
せいぜい、キスどまりである。
おそらく、性欲を持ってるのは彼も同じだろう。だから、ヒイロが誘ってきたときでもいいんじゃないか・・・。
そう思ったこともある。しかし、彼はこういう一面では意外と強くない。彼は結構シャイな人間なのだ。
リリーナはヒイロを優しい人だと信じている。ヒイロは常に自分を支えてくれた。
義父を失ったときも、ロームフェラの女王となったときも、外務次官となったときも・・・。
支えてくれたのはいつも彼だった。そのヒイロをたまには自分が支えてあげたい、その一心が性欲と
混ざり合い今回の夜這いを決心したのだ。
だが・・・いざ彼に夜這いを掛けようとしても羞恥心が彼女を圧迫する。
ドキドキ・・・ドキドキ・・・・・・・
そ〜っ・・・
彼のいる部屋のドアにノックをしようと手を出す。
・・・さっ
しかし、すぐに手を引っ込める。
「駄目・・・」
できなかった。ノックをしてヒイロを誘うことができなかった。
この後も何回もノックをしようとした。しかし何度も何度も恥じらいは自分を攻め立てる。
心臓の鼓動がものすごく速くなってくる。顔も熱を持ち始めている。おそらく赤くなってるのだろう。
呼吸も荒くなってきた・・・。
その時、突然部屋のドアが開いて、ヒイロが出てきた。
ガチャ
488 :
478:03/09/09 20:57 ID:WK3Fnw3X
「・・・ヒイロ?」
「人の声が聞こえると思ったら、やはりお前か」
リリーナはさらに恥ずかしくなってくる。
自分が「したい」人が目の前にきた。心臓の鼓動は増して速くなる。
「今日はもう遅い、早く寝ろ」
ヒイロが忠告をするとリリーナは彼を引き止めるかの様に呼ぶ。
「あ、あの・・・ヒイロ」
「なんだ?」
・・・いざとなると何もいえなかった。
「・・・・・・・・・なんでもないです」
そうか、と言うような顔でヒイロはドアを閉めようとする。
その前にヒイロはそのときのリリーナにとっては信じられないことを言う。
「おやすみ、リリーナ」
ヒイロは、ささやかな微笑みを浮かべて眠るときの挨拶をしたのだ。
「あ・・・おやすみなさい」
リリーナも少し作ったような笑いを見せ、挨拶を返した。
パタン
ドアが閉まる。
このときのリリーナの興奮はただならないものだった。
・・・とても恥ずかしい、とっても恥ずかしい。その気持ちは変わることがない。
だが、ヒイロが自分を見たときに、突然勇気のようなものも湧いてきた。
性交をしたい、という想いもあったせいか
”ヒイロが自分を見て話しかけてくれた”これだけでも今の彼女にとっては勇気になる。
(・・・そうよ。今、この扉の向こうにはヒイロがいるのよ。いまさらあとには引けない。
このためにいつもよりシャワーに時間も掛けた。今着てる服もみんな綺麗。こっちは準備はできてるのよ。
ヒイロ、今夜は眠れないつもりでいなさい。)
489 :
478:03/09/09 20:59 ID:WK3Fnw3X
コン、コン
「今度は何だ?」
ドア越しにヒイロが言う。
ガチャ
「失礼します、ヒイロ」
リリーナがヒイロの寝室に入る。ゆっくり、ゆっくりと。
部屋に入ると、ヒイロは寝る準備を終えて、ベッドの中に入っていた。
ヒイロが疑問に思う。
「どうした?」
リリーナはヒイロのいるベッドに座った。
彼女は溜息をつきながらヒイロに呼びかける。
「・・・私、今とっても眠いんです」
(ヒイロ、来てくれるかしら?)
大きな期待を胸に抱いていた。しかし、彼の言葉はリリーナが予想しているものではなかった。
「・・・なら早く寝ろ。明日は仕事があるかもしれないだろう」
(もう、そういう意味じゃないんです!)
彼の鈍さに少し腹を立てたリリーナは体に備わった勇気を
武器に彼に顔を赤くしながらさりげない夜這いをかける。
「でも、体の中が熱いの。すごく熱いわ。」
「熱でもあるのか?風邪を引いてるのかも知れないな。お前はいつも無茶をしすぎなんだ。ゆっくりと休め」
(違う、違うのよ!!)
もちろん風邪など引いてはいないし、熱だってない。
490 :
478:03/09/09 21:00 ID:WK3Fnw3X
本当に鈍い人、そう思ったリリーナは少し怒っている。顔はまだ赤いままだ。
思い切ってリリーナはこんなことまで言った。
「違うのよ、体が熱いから、ヒイロに冷ましてもらおうかと思ったの」
これならいける、リリーナは少し勝ち誇ったような顔をしていた。なのにヒイロは
「俺は医者じゃない。自分の骨折は治せても人の風邪は治せんからな。だからこそ今日は早く寝るんだ。明日は病院に行け」
ここまで言われてはリリーナの怒りもだんだん膨れ上がる。
(私がどれだけ恥ずかしいか分かってるの・・・?)
「ヒイロの鈍感・・・。」
リリーナがさらに顔を赤くし、つい呟いた。これにはヒイロも首をかしげる。
「何なんだ?・・・俺が鈍いとでも言うのか?」
「そ、そうよ。だって、だって私は・・・」
「ん?」
「わ、私は・・・」
「?」
「私は・・・夜に、夜に・・・あなたとしたいんです!!」
「!!」
ヒイロが顔を変化させた。ここまでいわれればさすがのヒイロでも何のことであるかは気づく。
491 :
478:03/09/09 21:02 ID:WK3Fnw3X
リリーナは思わず、ハッとなる。
(私ったら、なんでこんなハッキリと言っちゃうの・・・嫌ぁっ!!)
リリーナの顔が余計に赤みを帯びた。
(どうしよ・・・どうしよ・・・)
少しリリーナは泣きそうな顔になった。
恐る恐るヒイロの反応を見ようと顔をのぞく。
しかし彼の顔を見たとき、リリーナはさらに驚くことになる。
(赤くなってる・・・)
そう、リリーナの声を聞き、ヒイロも顔を赤くして動揺していたのだ。
ヒイロがこういうことに少し弱いということはよく分かっている。
けど、まさか顔を赤くして恥ずかしがるとは思わなかった。
(そうだわ、ヒイロだって、普通の男の子なのよ、この子は普通の男の子と変わりないのよ。だから照れること
だってある。恥ずかしいのは私だけじゃないんだ・・・)
こんなことでも、なぜかうれしくなってくる。さきほどの怒りはどこかへ飛んでしまった。さらに勇気も又湧いてくる。
「・・・何を・・・したいんだ?」
ヒイロはとぼけるかのように言う。
「もう・・・分かってるんでしょ?」
リリーナはあきれたかのように返答する。
もちろんヒイロには何か分かっていた。
「・・・こういうことよ」
そういうと、リリーナはベッドの中のヒイロに近づき、ベッドの上でヒイロの唇にキスをする。
「!!」
さらに彼女は彼の口の中に、自分の舌をしのばせた。
今、ヒイロの口の中ではリリーナの舌と、ヒイロの口内とのじゃれあいが起こっている。
「・・・ん・・・んん・・・」
ヒイロは少し困ったかのような声を上げる。
ヒイロの声を聞くとリリーナは唇を離す。
492 :
478:03/09/09 21:04 ID:WK3Fnw3X
「分かったかしら・・・私があなたに何を望んでいるのかが・・・」
リリーナが再び顔を赤色に染めて言う。
・・・ヒイロは黙ったままだ。
「ごめんなさいね。急なことで驚いてると思うわ。でも、私たち、付き合って2年になるわ。
どんどん私はヒイロに惹かれていく。私はヒイロがほしいの。
ヒイロの体が・・・とってもほしいの。もう、我慢ができないんです・・・」
「・・・」
「あなたが好きなのよ・・・」
リリーナはヒイロの両頬に自分の両手を添える。
「リリーナ・・・」
手足を震わせながらリリーナの名前を呼ぶ。
「・・・駄目かしら?」
ヒイロにたずねる。
・・・・・・・・・・・・・・・
493 :
478:03/09/09 21:05 ID:WK3Fnw3X
しばらくの沈黙が続く。リリーナはずっとヒイロを見つめていて、ヒイロの答えを待っている。
ヒイロは口の中の唾液をごくりと飲み込み、ある行動にでた。
「きゃっ!?」
急にリリーナをベッドの上に押し倒した。
「ヒ、ヒイロ?」
リリーナを強く、しっかりと抱きしめる。
戸惑いの色が浮かんできたが、リリーナはすぐにその戸惑いの色をかき消した。
(ヒイロが、ヒイロが私を受け入れてくれているんだ・・・)
戸惑いの色は喜びの色へと変わる。
「・・・ヒイロ」
いまだに羞恥心は残っている。でも、それよりヒイロが私を受け入れることの
喜びの方が強くて・・・私もヒイロの抱きしめを強く受け入れる。
羞恥心は消えていく・・・。
「俺もお前が欲しい・・・・・・ダメか?」
「・・・いいえ、むしろそうでないと困るわ」
ヒイロの性欲も、どんどん上がっていくようだった。
「誘ってきたのはお前だからな、文句は言わせない」
「ふふっ・・・」
ヒイロの言葉を聞き、リリーナは暖かい微笑みを返す。
「始めるか」
「はい・・・」
494 :
478:03/09/09 21:07 ID:WK3Fnw3X
2人は同意すると、再び深いキスをする。じゃれあいも、前に増して激しくなっていた。
「ん、んん・・・んん・・・んぅ」
「あん・・・ん・・・あふん・・・」
互いの唇が離れると、ヒイロは抱きかかえていたリリーナを離し、そっとベッドの上に寝かせる。
ヒイロはリリーナの上にまたがる。
「ヒイロって、こういうこと、初めて?」
リリーナがヒイロに問う。
「擬似訓練ならしたことがある。任務で秘密を握った女に・・・そんなところで必要だったからな。
しかし、俺は結局それを使うことはなかった・・・だから知識はある程度あるが、実際にするのは・・・初めてだ。」
「・・・そう」
安心したかのように言うと
リリーナはベッドの上でヒイロを誘惑しだした。
「脱がせて・・・」
「何・・・?」
「脱が・・・せて」
普段公の場では出さないような声でヒイロを誘惑し続ける。
これにヒイロは少し照れたような顔をする。
「今さら照れないの」
リリーナはそれを見て笑いながら言う。
「もうここまで来たもの・・・恥ずかしいなんていってられない・・・でしょ?」
「・・・そうだな」
納得したかのような微笑みを返す。
そしてリリーナが身に着けている衣服をきれいに、きれいに脱がせていく。
上半身を包む服を取り、下半身を包むスカートをゆっくりと脱がせた。
「下着も・・・お願い」
「・・・」
「・・・私を・・・裸にして・・・」
ものすごく甘い誘惑・・・いくら今からするからといって、自分でも何を言ってるんだろう、と思ってしまう。
相手がヒイロだから、自分の求めていたヒイロだからできることなんだろう・・・。
「・・・ああ」
リリーナの胸のブラジャーを外し、秘部を包んだパンツを脱がせる。
連投規制?がんばれ478たん!!
496 :
478:03/09/09 21:10 ID:WK3Fnw3X
リリーナは生まれたてのときの赤ん坊と同じような姿になった。発育の良いリリーナは
胸もそれなりに大きく、体もシュッとしている。ヒイロから見るとリリーナの裸は丸見えである。
ヒイロの視線は自然に彼女の裸体に注がれる。おもわず見とれてしまっているかのように。
そんなヒイロを見たリリーナは
「ヒイロのえっち」
と彼をからかう。
「今さら言うな」
ヒイロもかぁっとなり、むきになって言い返す。
そんな可愛いヒイロを見てくすっと笑う。
なぜか恥じらいはそうなかった。いくら好きな人の目の前だからといって、
裸なのだ、真っ裸なのだ。でも不思議と恥ずかしくなかった。むしろ気持が良い。
彼の前で体を委ねる開放感に満ち溢れていたのだろうか。
「ヒイロも脱ぐ?」
「・・・ああ、そうだな」
「脱がしてあげましょうか?」
「・・・いい、自分で脱ぐ」
「遠慮することありませんのに・・・」
リリーナは少し残念そうな顔をして言う。
「・・・・・・じゃあ、脱がせろ」
497 :
478:03/09/09 21:11 ID:WK3Fnw3X
「え?」
ヒイロの意外な言葉にリリーナは驚く。
「脱がせろといっている。早く脱がせてくれ」
ヒイロはまるで子供のようにリリーナに強請る。
「はいはい、今脱がしてあげますから」
リリーナは失礼します、というような感じでヒイロを脱がしていく。
ヒイロもまたたく間に全裸になった。
(わっ・・・)
驚いたリリーナがみた先は・・・リリーナを餌にしたがっているヒイロの「モノ」だった。
リリーナの裸を見て興奮したのか、ヒイロの「モノ」はものすごく大きくなっている。
(凄い・・・)
長いことは見られなかったが、その大きさに驚き、胸がドキドキする。
(これが・・・私の中に入っていくのね・・・)
リリーナが凄く思いながら「始めよう」って言おうとしたその瞬間、
ヒイロが、ハッと気づく。
「リリーナ・・・」
「はい?」
「お前・・・ゴム・・・持ってないか?」
「あ・・・忘れてた・・・」
リリーナもハッとして答える。
「お、おい・・・」
リリーナはヒイロに夜這いすることだけ考えていて、ゴムを用意することをすっかり忘れていた。
どうしよう・・・ゴムがなかったら・・・そんな思いが脳裏をよぎるがリリーナの決断は意外と早かった。
「いいんじゃない・・・なくても。私は構わないわ。」
498 :
478:03/09/09 21:13 ID:WK3Fnw3X
あっさりとこう言ったことに、ヒイロは驚き
「しかし・・・」
しばらく黙り込み・・・
「子供ができたらどうする・・・」
と言葉を返す。
「私、そういう覚悟もしてます。ここまできて、後には引けないわ。私たちもう裸なんですよ。」
「・・・いいのか?」
「ヒイロがよろしいなら・・・」
「・・・・・・」
「・・・本当に強いな、リリーナは・・・」
ヒイロはリリーナを感心するかのような目で見る。
「そうでもないわ。裸にもなっちゃったし、こうなったら責任とってもらおう、って思っただけです」
リリーナは笑顔を見せる。
「・・・おしゃべりはこの辺で終わりだ」
「・・・・・・」
「・・・いくぞ」
「はい」
リリーナが待ち望んでいたこの時が、とうとうやってきた。
499 :
478:03/09/09 21:16 ID:WK3Fnw3X
まず、ヒイロはリリーナの首に舌を這わせる。
「・・・んぁっ」
(・・・来た。ヒイロが、ヒイロが私の首を・・・)
ヒイロは舌をリリーナの首から背中へと動かしていく。
「あっ・・・ああ・・・」
ヒイロの舌技にリリーナは魅了される。
彼はリリーナの首と背中を舌で往復させる。
しかし、リリーナはまだそれほど満足はしておらず
「はぁはぁ・・・ヒイロ・・・もっと・・・ほかのところも舐めて」
ヒイロをもっとほしがる。
「例えば・・・ここか?」
ヒイロはリリーナの大きな左胸の膨らみの中の桃色の軸を目掛けて舌を入れる。
「あ、ああ・・ぁん・・・」
「気持ち良いか?リリーナ」
「はい、とても・・・ああ・・・」
舌だけではだめだな、そう思ったのかさらに歯を使って乳首を刺激する。
「ひあぁっ」
思わずリリーナは背中を弓形に反らせる。
手も動き出した。ヒイロの手はリリーナの右の胸の乳首を愛撫している。
「あ・・はぁん・・ああ・・・・だめ・・ものすごく・・・気持ちいい・・・
ヒイロったら過激すぎ・・・ああん」
今度は、手が左胸を、口が右胸の方へといく。
「・・・あ、あ、ああ・・・んぁっ、あ、あん・・・」
リリーナの声はさらに甘さを増していく。
ヒイロはリリーナの上半身のさまざまなところを舌や指を使ってうまく愛撫する。
「あ、ああ・・・ヒ、ヒイロ・・・だ、だめ・・・上だけじゃ、上だけじゃ嫌・・・嫌・・・ああ、ああん・・・」
リリーナはそういうと自ら下肢を大きく開く。
「こんなところも舐めて・・・」
500 :
478:03/09/09 21:18 ID:WK3Fnw3X
リリーナはどんどんヒイロに快楽を求める。
ヒイロは彼女の秘部を目の当たりにして驚き、また興奮する。
「・・・かなりに濡れているな」
「・・・言っちゃダメ」
とはいいながらもリリーナはヒイロの目のまえで最も見られて恥ずかしい部分を堂々と見せている。
こんなに恥ずかしいこともヒイロにならできるのだろう。自分が体を許したかったヒイロになら。
「ヒイロ・・・早く、早く始めて」
「すまない」
ヒイロはそう言って、リリーナの秘部を舐め始めた。
「あん・・・」
彼の舌はどんどんリリーナの内部に入っていく。
「ひゃ、ああ、あん・・・」
上半身の愛撫とは比べられないほどの声を上げるリリーナ。
「あん・・・あっ、あっ、ああん・・・凄い、凄い気持が・・・」
「ふ、ふぁぁっ」
「あん・・・あ・・ああっ・・ふあぁ・・・あああん」
リリーナの嬌声を聞きながらヒイロは舌を抜き、リリーナに問う。
「次は指を行くぞ」
「お願い・・・」
ヒイロはリリーナの花を自分の指を入れやすいように広げ愛撫する。
「・・・あ、あっ・・あ・・ああ・・ああっ」
「どうだ、リリーナ?」
「ヒイロ・・・上手い・・・気持がいい・・・ああっ・・・ふあああっ」
くちゃくちゃと液体と指が混ざるような音を聞きながらリリーナはますます快楽におぼれる。
ヒイロは指の本数を増やしたり減らしたり、激しく入れては抜き、入れては抜きを繰り返す。
「ああっ・・・はぁ・・あああん・・・はぁぁぁん・・・」
その間、暇になった彼の舌は再びリリーナの乳房に目標が定められた。
「ああん、そんな、胸まで・・・ヤられちゃ・・ああ・・あっ・・・あっ・・・ああぁん・・・ヒイ・・・ロ・・・」
指と舌で積極的にヒイロはリリーナを攻める。
「ああん、いやっ、も、もういや・・・ああん・・・だめ・・・」
リリーナはもはや指や舌だけでは満足できなくなってきた。
連投規制対策その2
502 :
478:03/09/09 21:21 ID:WK3Fnw3X
「ヒイロ・・指はいい・・・指はもういいから・・・」
「ん?」
「ヒイロの一番大事なものを・・入れて・・・」
ヒイロは自分の股間を見る。
いよいよか。ヒイロは指についた彼女の愛液を舐め尽くすと、一度深呼吸をした。
そしてリリーナに無言の合図を送る。リリーナも、受け入れる準備はできている。
「ヒイロ・・・来て」
「了解」
そしてヒイロはいきりたった己を打ちつける。
「あ、あ、あああっ!!」
リリーナはもの凄く気持が良くなってくることを感じる。
しかし、それと同時にもの凄い痛みもおそってくる。
「ああっ、あ、あああああっ!!」
あまりの痛みに涙が出てくる。思わずのけぞりそうになる。
それに気づいたヒイロは
「大丈夫か?」
リリーナの涙を拭きながら、腰を揺らしリリーナを攻める。
「耐えろ・・・次第に痛みにも慣れる」
「は、はい・・・あ、ああん!!」
リリーナは苦痛と快楽の混ざった嬌声を上げる。
必死に耐えた。ここで退いてはならない、せっかく今、こうして愛した男と体を交えてる。
ここで逃げたらもう二度とチャンスはないかのように思えてしまう。それは嫌だ。
だって、ヒイロが大好きだから・・・。2人の裸体は激しく揺れる。
・・・ヒイロの言うことは本当になってきた。彼女の秘部はますます濡れてきて、ヒイロも
だいぶ彼女に自分を打ち付けやすくなってくる。痛みにも慣れてきて苦痛は大分感じなくなってきた。
503 :
478:03/09/09 21:23 ID:WK3Fnw3X
「あ、ほんと、ああん・・ヒ、ヒイロ・・・凄く、もの凄くいい・・・ああああああん・・・」
「そうか・・・速度を上げるぞ」
ヒイロはさらに激しく腰を揺らす。それにあわせてリリーナも腰が揺れる。
「あ、あ、あぁ、あぁぁぁん・・・はぁぁぁ・・・はぁぁぁぁぁん・・・ああああああ・・・」
ものすごい快楽に引き込まれていく。
彼女の秘部も閉まっていき、ヒイロの棒を締め付け、刺激する。
(凄い・・・さっきまで痛かったのに、痛みが消えている・・・しかもものすごく気持ちよくなって・・・)
「あ、ああん、あ・・・・あ・・・ああああああ・・・」
リリーナは声を殺さない。むしろ声をたくさんだして、ヒイロにこの快楽を伝えたい・・・。
(この快楽は、きっとヒイロじゃないと得られない・・・ヒイロ・・とても気持がいいわ。
それにヒイロは・・・暖かい。暖かくて気持がいい。優しい少年の暖かさが伝わってくる。
私、あなたのぬくもりを・・・全力で受け入れるから・・・)
心の中でそうささやいたリリーナはついに最高潮まで達しそうである。
「あ・・ああああ・・ヒ・・ヒイロ・・もうダメ・・・私、いっちゃう、いっちゃう・・・あああん・・・」
とうとうか・・・ヒイロはそう思った後・・・
「いけ!いって最高潮に達すればいい!・・・俺もいまから・・・いく!」
と、いつもより激しい口調でリリーナに叫ぶ。リリーナもそれに従い、言う。
「は・・・はい・・・あ・・・あああ・・・・」
(もうダメ・・・)
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
504 :
478:03/09/09 21:26 ID:WK3Fnw3X
・・・すべてを出し切った。
そんな感じがした。でもリリーナが見ると・・・ヒイロの「モノ」はまだドクンドクンってなっていて、
液が・・・液が私の中に、いや、ヒイロが私の中に入っていく・・・。
ベッドのシーツには、清い体から出た血がところどころに飛んでいた。
ようやくヒイロの股間の液の勢いが収まると2人は会話を始めた。
「すごく気持ち良かった。ヒイロ、とても上手だったわ・・・」
リリーナは笑顔を浮かべる。
「・・・そうか。だが痛かっただろう。」
「ええ、最初は痛かったです。・・・でも耐えたら、ほとんど痛みは感じませんでした」
「そうか」
素っ気無い返事ながらも無性に温かみを感じる。
「ヒイロ」「何だ?」
「私、今日、思い切って夜這いを掛けてよかったと思ってるわ」
「・・・」
「ちゃんとこういう行為について、勉強もしたのですよ」
「お前は・・・相当俺がほしかったんだな」
「ええ、とても欲しかったわ。あなたはいつまでたっても私に会ってくれないもの」
「・・・すまないな」
「本当にすまないって思うなら、ちゃんと会いにきなさい。
それから・・・そのときは・・・誘うのも忘れないでね」
笑顔で言うリリーナにヒイロが静かに
「了解」
と微笑むと、リリーナは疲れたのか、すぐに眠ってしまった。
ヒイロの暖かい腕の中で、満点の笑顔を見せながら・・・。
終
505 :
478:03/09/09 21:28 ID:WK3Fnw3X
・・・とりあえず、できたですが・・・。
・・・・・・なんだか駄作ですな。長く待たせた方々にはまことに申し訳ないです。
S原さんはやっぱり凄いな、ものすごく萌える・・・。
乙かれ〜!!!
いやいや、初心者だといってましたが、頑張ったと思うよ。
後は萌えを糧に精進あるのみ!!!!
ヒイロの態度に焦れるリリーナたん萌え〜
乙かれです。
よかったら、トロワ×キャスリンで
筆をとってもらえませんかね
478さん乙ですたー!
「ヒイロ・・・来て」
「了解」
↑この台詞運びに禿げしく萌えました(;´∀`)ハァハァ
器具男「大佐の好きな体位は何でありますか?」
クワトロ・ヴァギーナ「器具男・・・私は退位だよ」
511 :
478:03/09/11 21:50 ID:/FIbGFFS
こんなSS読んでくれた方、ありがとう。感謝しまつ。
>>507 トロキャス・・・何気に好きなカップリングですw
SS読んでくれたならお分かりでしょうが、あの程度のレベルの自分でよかったら
書かせてもらいます。
そしてまた性懲りもなくリリヒイSSを生産してみたい、
と言ったら皆さんは怒るでしょうか?(´Д`;)
まだ超初心者だし506さんの声援を胸に、萌えを糧に精進していこう!ってな考えを持ち出したんで・・・。
一応設定はいくつか考えてたりする
1 (野外セクース物)2人でハイキングにいって・・・。
2 (夜物 その2)「ヒイロが死ぬ」という夢をみたあとで・・・。
3 (何・・・だろ?)ヒイロが入院して病院で・・・。
「ヒイロを自分なりに引っ張っていくリリーナに特萌え」な自分なんで
書くとなったら、リリーナが引張り気味なSSになると思います。
今のところ・・・候補は1・・・かな?まだ書くかどうかも分かりませんけど。
>>511 ガンガレ478さん!!
萌えは充分にあるのだからして、後は精進あるのみかと!!
比較的軽めなエロ小説とか、この板のSS職人さんのスレとか色々読んで、
描写とかの勉強してみるのも手かと思われ
>511
3が読んでみたいです。
リリーナはいいですなー
>511
478さん頑張って下はい!
1に一票!野外セクース(;´Д`)たまらん
>>478タン
是非書いて書いて書いて!!!漏れは1か3キボンヌ
いやーこのスレはリリヒーが旬ですね嬉しい限りです
(*´Д`)=3 ハァハァ
VガンダムのエリシャとオデロのエロSS、全20回です。許可が下り次第、投
下します。
>516
許可するぞ(ブライト口調)
518 :
516:03/09/13 00:30 ID:C113BPbt
ありがとうございます。では、行きます。
その暗い部屋に、エリシャは連れて行かれようとしていた。どうしても自分
の欲望が我慢出来ないという黒髪の少年に、手を引かれて。
「オレが生きてるって事、確認しときたいんだ。」
明日行なわれるエンジェル・ハィロゥへの総攻撃を前に、オデロがそう頼み
込んで来たのだ。大好きな少年の願いだ。聞く事にする。だが、普段人の出入
りが無い対人用武器庫に連れて行かれるとは、エリシャは思ってもいなかった。
「ねぇ〜、ホントにあそこでするの?」
エリシャは不満気に確認する。白兵戦で使う拳銃やライフルの立て掛けてあ
る棚と、弾薬の入っているロッカー。それに狭い通路しかないそんな所で恋人
と愛し合うのは、流石に抵抗があった。
しかも、部屋の電灯を点けるわけにいかないのだから、覗き窓から漏れる光
とオデロの手にする懐中電灯しか、部屋の光源が無くなるのだ。ロマンのかけ
らも無い。
「仕方無いでしょ。オレに回されるのは、どうせ四人部屋なんだから。」
重力下のリーンホースJr.で休息する時、ホワイトアークの少年パイロット
達は、いつも二段ベッドが二つ置いてある部屋で休む様に、強要される。自分
達の休息と、ホワイトアーク及びその搭載モビルスーツの修理・補給が行われ
ている間、いつもウッソとトマーシュが、同じ部屋の空気をオデロと吸う事に
なるのだ。ホワイトアークの狭苦しい三段ベッドよりよっぽどましだとは思う
が、流石にそんな場所で、恋人と二人、裸になるわけにはいかない。
オデロ達の今の家とも言えるリーンホースJr.は、ザンスカール帝国の宇宙
用大型戦艦スクィードを改造した物だ。重力下で運用する様に、その艦は設計
されていない。カイラスギリー戦で奪ったスクィードを改装する時に、モビル
スーツデッキを一つ潰して出来たスペースの一部に、重力下用の居住ブロック
を作られたが、重力下で問題無く使える部屋の数に余裕は無いのが、現実だ。
むしろ重力下で問題無く使える部屋をあてがわれる事は、生死の間をモビル
スーツで飛び回るパイロットに、気遣っているとさえ言える。何しろエリシャ
やマルチナ達が重力下のリーンホースJr.にいる時は、ブリーフィングルーム
の冷たい床の上に毛布を敷いて寝る程なのだ。
「ほら、エリシャさんも早く入って。」
横開きのドアの向こうに体を入れたオデロが、そう言ってエリシャの腕を強
く引いた。エリシャは僅かに抵抗したが、生命力に溢れるオデロの腕には通じ
ない。
部屋が、大きな音を立てて揺れ始めた。今頃の時間に最後のエンジンチェッ
クをするとは聞いていたが、これから行なおうとする行為の事で一杯だった二
人の頭には、そんな事などすぐには思い出せない。
オデロがエリシャの体を部屋の中に引き入れる瞬間に、その長い揺れと大き
な音がしたので、エリシャはバランスを崩して倒れそうになった。
「おっと。」
暗い部屋に彼女を引き入れた腕が、不安定なエリシャの体を支える。普段な
ら感謝する所だが、今聞いた声の主が焦って自分の腕を引っ張っていたから、
必要以上に揺れと音に体を取られたのだ。少し腹が立つ。
「大丈夫?」
「心配するんなら、最初っからあんなに強く引っ張らないでよ、もぉ。」
そんなエリシャの不満が聞こえないかの様に、焦るオデロの腕は、暗い武器
庫の奥へと彼女を導こうとする。それに従い、オデロへの想いの為に心臓の鼓
動を速めるエリシャの胸が、暗い通路を進む。彼女を導く力が止まると、オデ
ロの両腕が、暗闇の中の冷たい壁へとエリシャの体を押し付けた。
「ね、ねぇ、やっぱりやめましょ。こんな所で……。」
懐中電灯の光が外に漏れない場所まで連れて来られたエリシャが、オデロに
言う。だが、黒髪の少年は拒否した。
「でもさ、オレだってエリシャさんが好きだって気持ち、止められないよ。」
床に置かれた懐中電灯の放つ、僅かな光の中に浮かぶオデロの目は、真剣そ
の物だ。覚悟を決めた。オデロが体を寄せて来る。そして熱いキス。
だがその時、武器庫のドアが開く音がした。
「!」
慌てたオデロが、唇を重ねたまま、胸板をさらにエリシャの膨らんだ胸へと
寄せて来る。少年の胸板と壁の間に挟まれる、エリシャ。普段ならこの上なく
嬉しい筈だが、今はただ、そんな時間が早く過ぎるのを祈るばかりだ。
電動の横開きドアが閉まる音がしたと同時に、気の抜けた溜め息を吐きなが
ら、オデロがエリシャから離れる。とてつもなく長い僅かな時間が過ぎた事に、
二人は安堵するしかなかった。
だがエリシャの心はすぐに、その長い時間を生み出した少年を責める気持ち
に切り替わる。
「こんな所でしようとするからでしょ! オデロのバカッ!! もう、知らな
いっ!!!」
そう怒りながら武器庫を出て行くエリシャの姿を、オデロは呆然としながら、
僅かな光の中で見守るしかなかった。
おかしい。上着のポケットに入れていた筈のペンダントが、無くなっている。
重力下なのに珍しく与えたられた四人部屋に入ってすぐ、エリシャはその事に
気付いた。
オデロがくれた、木製の鯨のペンダント。ガンブラスターのコクピットの中
でした初めてのデートの時に渡された、オデロの想い。普段首に掛けておくに
は大きいので、いつも上着のポケットに入れていたそのペンダントが、無い。
エリシャは焦った。
入ったばかりの四人部屋を飛び出し、今迄自分がいた場所を全て回る。無い。
どこにも無い。オデロの象徴が、照れながら自分に告白してくれた少年の想い
の証が、どこを探しても無いのだ。
悲しみに暮れ掛けたエリシャの心に、ある事がひらめく。そうだ、あそこだ。
長い揺れと大きな音の後、オデロの力強さを感じながら暗闇の奥へと導かれた、
あの武器庫。揺れと音でバランスを崩した時に落としたに違いないと確信した
彼女は、走ってそこへ向かう。
電動の扉が開くほんの僅かな時間ですら、エリシャの心をじらす。部屋の明
かりを点け、対人用武器庫のあらゆる所を探し回った。だが、見つからない。
絶望した。オデロの存在が自分から離れて行ったとしか、思えなかった。
重い足取りで、妹とシャクティとスージィの待つ四人部屋へ向かう。その心
の中には、冬の曇り空の様な重苦しい悲しみしか無い。部屋に入ると同時に、
妹のマルチナが声を掛けた。「コニーさんが呼んでたわよ、お姉ちゃん」と。
青いトランクス一枚のオデロは、部屋の隅にあるベッドに座り、溜め息をつ
いていた。
エリシャが自分から逃げ出した後、ゴメス艦長に呼び出された。オデロ達少
年パイロットの三人に、モビルスーツの最終動作チェックを行なわせる為だ。
モビルスーツの動作チェックが終わった後、一人部屋を与えられるという言
葉を、ウッソとトマーシュと共にゴメス艦長から聞かされる。最後の決戦の前
に充分休んでおけというゴメス艦長の言葉に、他の二人は喜んでいたのだが、
オデロだけは上の空で聞いていた。
与えられた部屋に着いた後、すぐに備え付けのシャワーを浴びる。そうすれ
ば、少しは気持ちが晴れると思ったからだ。だがあの時のエリシャの姿と態度
を、自分の心から押し出す事が出来ない。
オレはパイロットだ。こんな気持ちでいちゃあ、戦争なんて出来っこないん
だ。モビルスーツの動作チェックの時から、そうやって何度も自分を誤魔化そ
うとしたが、オデロの心を覆う暗い雲は消えないでいる。
「嫌われちゃったよなぁ、オレ……。」
シャワーを浴びる間に何度も何度も思った言葉を、呟く。折角手に入れたエ
リシャという名の幸せの女神が、自分から離れて行くとしか思えない。そんな
うな垂れるオデロの目には、部屋の床しか見えないでいた。
長い時間が経つ。だが、明日の出撃迄に自分の幸せと仲直りをする自信は、
沸いて来ない。それどころか、エリシャが自分と会ってくれる事すら、怪しい
と思えた。
(もし明日の出撃迄に、エリシャさんと仲直りが出来なかったら、父ちゃんと
母ちゃんの所に行っちまうか……。)
そんな自暴自棄な気持ちに囚われた瞬間、鍵を掛け忘れたオデロの部屋の電
動のドアが、開いた。
「キャー!」
エリシャは驚いて、大声をあげる。目の前に、オデロの裸があったからだ。
今迄体を重ねた時には心の準備をしてから目にしていたそれが、いきなり目の
前にある。エリシャは、驚き以外の反応を示す事が出来なかった。
「わわ、デカい声出さないで!」
オデロは慌てて立ち上がり、さして広くはない一人部屋の中へエリシャを入
れるとすぐに、彼女が現れたドアを閉めた。あまりに慌てていたので、自分か
ら離れて行った筈の幸せの女神が腕の中にいる事を、喜ぶ余裕すら無い。
ふと、我に返る。しかし、離れて行った筈の幸せに向かって、どうしてと尋
ねる事しか、今のオデロには出来ない。
エリシャは言った、「ごめんね」と。両目に涙を浮かべて。
「はい、これ。」
自分の部屋にやって来たエリシャに、コニーは右手を差し出しながら、そう
言った。その、背が高く緑掛かった黒髪を持つ女性パイロットの右手には、エ
リシャが無くした筈の木製の鯨のペンダントの紐が、握られている。
ハッとした。やはりあの武器庫で、あの長い揺れと大きな音の中で落とした
のだ。そう確信して、エリシャはコニーから差し出されたオデロの想いを、受
け取った。両の掌で、この上なく大切そうに。
どうしてこれをという、驚きと嬉しさと恥ずかしさで一杯のエリシャの問い
に、コニーは答える。
暗闇の奥に黒髪の少年と一緒にいた時に開いた、武器庫のドア。それは彼女
が開かせたのだ。そして、武器庫の扉の内側のすぐそばに落ちていたそれを、
拾ったのだという。
自動拳銃のマガジンを取りに来た彼女は、その落ちていたペンダントが誰か
ら誰に渡され物なのか、知っている。邪魔しちゃ悪いと思ったので、コニーは
目的の物を持ち出さずに、武器庫のドアを閉じたのだ。そしてその後、怒りな
がら武器庫を出て行くエリシャの姿を、見たのだという。
(ちょっと冷ましてから、渡してやるか。)
そう思って、コニーも武器庫へ続く通路の角から去ったのだ。
「ありがとうございます、ありがとうございます。」
両目に涙を浮かべながら、何度も何度も感謝の言葉を繰り返すエリシャの両
肩に、コニーはそれぞれの掌を置く。そして涙で潤む彼女の両目を見ながら、
「こんな大切な物、落としちゃ駄目だよ」と囁いた。
コニーは壁に掛けてあるパイロットスーツの右足に付けたホルスターから、
拳銃を取り出す。それを両手で大事そうに持ちながらベッドに腰掛けた後、エ
リシャに語り出した。
その小型の自動拳銃は、シュラク隊が結成された時、六人の隊員全員にオリ
ファーがくれた物だという。朱いバンダナと共に。
机の上に並べられたそれらを渡す時に言った、オリファーの言葉。
「目の前の拳銃は戦争、朱いバンダナは命の象徴だ。受け取れ。」
コニー、ヘレン、ケイト、マヘリア、ペギー、そしてシュラク隊の隊長を任
されたジュンコの六人全員が、朱いバンダナだけを、迷う事無く選ぶ。誰一人
拳銃を受け取ろうとしないのを見たオリファーは、満足そうな笑みを浮かべて
六羽の百舌達に言った。それでいいと。
その後に、護身用にと戦争の象徴だった拳銃もオリファーはくれたのだが、
今迄それをパイロットスーツに忍ばせた事は無かった。いつも、オリファーが
くれた朱色のバンダナだけを、パイロットスーツを着た左腕に巻いて出撃して
いた。六羽の百舌達全員は。
しかし明日は、一度も弾を込めた事の無いオリファーがくれた拳銃に、弾丸
を込めて出撃するという。
「死んで行ったみんなとあたしをつなぐ物は、バンダナとこれしかないからね。」
そうコニーは言った。そして、エリシャに言う。
「大切な物は、無くしちゃ駄目だよ。込もった思いまで、無くしちまう事にる
からさ。」
エリシャは泣いた。コニーの胸で。
ベッドに座ったトランクス一枚のオデロは、横に座ったエリシャの話しを聞
いていた。その間、言葉を発する事が出来ない。
エリシャの話しを黙って聞いていたオデロの頭の中に、戦場で命を散らして
行ったオリファーやシュラク隊の女性達の顔が浮かぶ。特に、今日のエンジェ
ル・ハィロゥの地球降下直前に、戦いに疲れ魂の国へと旅立ったというユカ・
マイラスの顔が、強く思い出された。
あの人を、最後の犠牲者にしなきゃ。そう思った。だが、エンジェル・ハィ
ロゥが地球に降下する時の戦いで感じた、巨大な苦しみと悲しみを撒き散らす
何かから、オデロは逃げられる自信が無い。
それでも、目の前にいる自分の幸せの女神の為に、オレは生き延びなければ
ならない。少年は、そう強く誓った。
「でね、最後にコニーさんが、これをくれたの。」
そう言って、エリシャは上着のポケットから、二つの小さな箱を取り出した。
「こここ、これ!?」
エリシャが取り出した、コンドームと殺精子フィルムの二つの箱を見て、オ
デロは狼狽するしかなかった。医務室からくすねて来たコンドームは持っては
いるが、エリシャがそんな物を持って来るとは思いもしなかったのだ。
「うん、お前達はまだ子供なんだから、ちゃんと避妊くらいしなさいって。」
「って事は、コ、コニーさん知ってんの!?」
それを聞いたエリシャは、頬を膨らせ、大好きな少年の顔に向かって、大き
な声で叫んだ。照れ隠しの為に。
「バカーッ! あんな事があったんだから、コニーさんが知ってるの、当たり
前でしょー!! とっても、とっても恥ずかしかったんだからぁ……。」
叫び声が途中で、泣き声に変わった。そんなエリシャの顔が、オデロの裸の
胸に埋まる。そこから顔を上げたエリシャは、自分を好いてくれる少年の瞳を
見て、言った。
「……しよ、オデロ。生きてるって事、沢山、沢山感じさせてあげる。」
下着姿のエリシャが、目の前にいる。長い長いキスの後、服を自分の意思で
脱いだのだ。だが白い下着だけは、自分で脱ごうとはしない。後ろを向き、背
中を少し、オデロの方に向かって突き出す。
「最後は、オデロが脱がせて。」
望む通りにした。オデロは慣れない手付きでフックを外し、胸を包んでいた
白がエリシャの体から離れて行く様、導く。エリシャが、こちらを向いた。
綺麗だ……。
それしか言葉が出ないオデロは、エリシャの胸にある美しい女性の象徴に向
かった。まるで、女神に魅入られた様に。二人の体が、白いシーツの上に倒れ
込む。倒れ込んだオデロの下に、エリシャという名の女神がいた。
「いいよオデロ。……好きなだけ、して。」
その女神の言葉に導かれ、オデロはエリシャの胸を、口で愛した。両手で抱
いた女神の胸に、自分の想いを飽く事も無く優しくぶつける。何度も、何度も。
その度に握られたエリシャの掌が、白いシーツの皺の形を変えた。
左手を彼女の背中から外して、エリシャの右胸の上に置く。口の替わりに、
女神の右胸の膨らみを愛してもらう為だ。そしてオデロの唇は、上へ向かう。
耳を、首筋を、頬を、舌で撫でた。
その度に変わる。シーツの皺も、エリシャの声も。
「下も……。」
その要求に応える為に、オデロは体を下へと向かわせる。望まれた場所に着
いた。わずかに浮いた腰を包む白を、オデロの両手がゆっくりと外す。
朱があった。そこに手を伸ばす。
「あっ……。」
命の朱の最上部の雫を触ると、女神が甘い溜め息を漏らす。だがその溜め息
は、丸い雫の珠を弄ぶオデロには、さらなる行為の要求にしか聞こえない。一
つの指先で触り、二つの指先で摘まむ。その度に、エリシャの口から漏れる溜
め息は、甘さを増すのだ。
光が届かない朱の奥へ、指を入れる。そこは光が届かないにも関わらず、い
や、届かないからこそ熱かった。命の熱さだ。その熱さを感じる為に、暗闇に
入れられた指を動かし、残された手の指で、光の中で輝く雫の珠を弄ぶ。内側
と外側からの快楽の波に、女神は翻弄されるしかなかった。
「ちょっと、待って。」
甘い溜め息を漏らしていた女神の唇から、要求があった。不服そうに、オデ
ロは動きを止める。名残惜しいが、エリシャの要求を聞かないわけにはいかな
いのが、オデロなのだ。
ベッドのヘッドボードに置かれた殺精子フィルムの箱を、エリシャの手が掴
む。箱から中身を取り出し、説明に従ってフィルムを折り、自分の中へと入れ
ようとする。
折り畳まれたフィルムを挟む人差し指と中指が、エリシャの朱の中に入ろう
とする様子を、オデロはまじまじと見ている。その視線の先にある朱は、いつ
もコニーの左手にあった朱と、同じ色に見えた。
「何よぉ、ジロジロ見て。恥ずかしいじゃない。」
「ご、ごめん。何か、コニーさん思い出しちゃって。」
エリシャは誤解した。
「何ですってー! あたしが目の前にいるっていうのに!!」
「そそ、そーじゃなくってさ。エリシャさんのそこが、その……、コニーさん
のバンダナと、同じ色に見え……たんだ。」
戸惑いつつ、最後は消えそうな声でオデロは告げた。それを聞いたエリシャ
の顔が、微笑みに変わる。そしてコニーのプレゼントを挟んだままの手を少年
の肩に掛け、オデロの頬に唇を寄せた。
「ありがと、オデロ。あなたにもしてあげるから、ちょっと待っててね。」
唇を少年の頬から離した後、エリシャはコニーの親切を自分の朱の中に入れ
ながら、そう言った。
「横になって。」
再び、エリシャが要求する。指示通りにした。それに向き合う様にエリシャ
も横になり、女神の微笑みをオデロに向けた。
少年と目が合う。そしてエリシャは、向き合ったオデロの下に、自らの白い
右手を伸ばして行く。行き先は、青いトランクスの中だ。
「あはっ、硬い。」
掌を優しく握ったエリシャは、甘い声でそう囁いた。熱い。掌の内側も、外
側も。そして二つの熱さの中、優しく握られた女神の掌が動き始める。
「ぅ……、ぁ……。エ、エリシャさん……。」
下半身が溶けてしまいそうな快感に包まれたオデロには、弱々しくそう言う
のがやっとだった。その声には、戦場で放つ雄叫びの面影など、全く無い。体
を向け合う女神の行為で生まれる戸惑いと甘さが、あるだけだ。
弾けそうだ。そこで甘い戸惑いが、止まる。
「駄目よ、私の中で出して。コニーさんがくれたのを使って。」
エリシャに言われた通りにする為に、オデロはヘッドボードのもう一つの箱
へと、手を伸ばす。青いトランクスを脱いで中身を出し、自分を包もうとする。
いたずらっぽい女神の両目が、それをまじまじと見ていた。
「エ、エリシャさん、そんなに見なくても。」
「何よぉ、見てもいいでしょ。あなただって、私が入れるの見てたじゃない。」
そう言うエリシャは、自分の朱とコニーの朱が同じ色だというオデロの言葉
を、思い出していた。コニーの命のバンダナと同じ色を、自分が持っている。
目の前の大好きな少年が、それを見付けてくれた事が嬉しかった。
「準備出来た? こっちも溶けてる頃だから、そろそろ……、来て。」
エリシャが甘い声で囁く。幸せの女神の持つ命の朱の中へと、自分を沈めた。
横になったまま、向き合って。
「んふっ、入った。……いいよオデロ、動いて。」
オデロはその声に誘われ、動き出した。シーツの皺の形が変わる度に、二人
の想いが、コニーの優しさ越しに交じり合う。
熱い。オデロはエリシャとのつながりから、その熱さを感じる。戦場で感じ
るそれとは違う熱さに促されるまま、オデロはエリシャの朱の中を愛した。そ
の度に、戦場で散って行った数々の命の思い出が、オデロの頭の中に現れる。
(生きてる、生きてるんだ、オレは……。)
目の前にいる幸せの女神が、自分と共に生の喜びを謳歌し続ける。その事を
戦場で散って行った魂達が、優しく褒めてくれるのだ。そうとしか思えない。
今の自分の周りを包む、幾つもの人の暖かさを感じるオデロには。
「いい……、いいよオデロ。……っちゃう!!」
熱さにうなされている自分の絶頂を意識した時、エリシャのその声を聞く。
その時、自分の中と外にある極限の熱さを喜んでくれる意思達の存在を、オデ
ロは感じた。
「いいか、お前等若い連中は死んじゃいかん! 必ず生きて帰って来るんだ、
分かったな!」
完全に夜が明けた時に始まる最後の戦いに向けた訓示を、ゴメス艦長はそう
締め括る。リーンホースJr.のブリーフィングルームに集められたパイロット
達は、そのゴメス艦長の言葉を実現する決意で、聞いていた。
「よし、解散!」
ゴメス艦長がそう叫ぶと、声の主と聞いていたパイロット達は、部屋の出口
へと向かう。ホワイトアークに乗り込む為に出口を目指したオデロは、自分を
呼び止める手が左肩に添えられるのを感じた。その意思に従い立ち止まり、手
の主の方に頭を向ける。
「あたしのプレゼント、気に入ってくれたかい? オデロ。」
コニー・フランシスだ。
「コ、コ、コニーさん。き、昨日は、その……、ありがとうございました。」
そう言って、オデロはコニーに向かって頭を下げる。オデロとエリシャを再
びつないた、緑掛かった黒髪を持つ長身の女性パイロットは、満足気な笑みを
浮かべていた。
「ハハ、どうやら上手く仲直りした様だね。」
「で、でも、あれ……。」
「いいんだよ。あたしはさ、使う機会が無かった物だからね。」
一瞬、ソバカスのあるコニーの頬に、陰が刺した。左腕に巻かれた朱いバン
ダナを悲し気な目で見た後、元の顔に戻り、少年に向かって言う。
「ユカだって、喜んでるさ。」
「ユカさんが?」
コニーが口にした、魂の国にいる女性パイロットの名前に対しての疑問を、
オデロは示す。それを聞いたコニーは、オデロの頭の横に両手を添え、語り出
した。昨日オデロに与えられた一人部屋は、ユカが使っていた物だという事を。
コニーが語り終えると、緑掛かった黒髪のボブカットの中にある朱い唇が、
オデロの唇を塞いだ。それが離れた後には、当惑するオデロの顔があるだけだ。
その顔を見て、近付いて来た朱い唇の主はオデロに言う。
「バーカ、勘違いすんじゃないよ。あたしとお前が生きてる事の、確認さ。」
からかう様な口調でコニーはそう言った後、両手をオデロの頭から離した。
そして右手の先で、当惑する少年の額を軽く突く。
「死ぬんじゃないよ、オデロ。好きでいてくれる人がいるってのは、素敵な事
なんだからさ。」
左腕に巻いた朱いバンダナ見詰めながら、二人だけになった部屋を出て行こ
うとする最後の百舌の姿を、オデロはただ見送るしかなかった。
ホワイトアークの狭いパイロットルームの中で、エリシャとオデロが二人だ
けで、見詰め合っている。お互い、大人になり切っていない顔のある頭以外は、
戦いへ赴く準備を終えていた。
「必ず、必ず帰って来てね。」
ノーマルスーツに身を包んだエリシャの、大好きな少年への願い。それを聞
いたパイロットスーツ姿のオデロは、何か言いたそうな顔をしていた。だが、
その口からは「あの……、その……」という言葉しか、出て来ないでいる。
「何よ、男の子なんだから、ハッキリと言っちゃいなさい。」
エリシャの言葉を聞いたオデロの顔付きが変わる。表情と目の光は、真剣そ
の物だ。そして決意を固めた少年は、言った。
「エリシャ、戦争が終わったら、オレと結婚してくれ。」
オデロは語り出した。自分の小さい頃の事を。
オデロの家は貧しく、両親は生きる事だけに必死で、オデロを構う余裕すら
無かった。両親の気を引こうと悪さばかりしていたが、子供を叱る余裕すら無
い生活を送る父の拳が、飛んで来るだけだったという。
そんな父に反発しながら思春期を迎えたのだが、ザンスカール帝国の空襲の
為に、いなくなってしまったのだ。父も、母も。
「だからさ、オレの父ちゃんと母ちゃんの代わりに、エリシャの両親に親孝行
したいんだ。オレとエリシャの子供を、ちゃんと叱ってやりたいんだ。駄目、
かな……。」
最後に自信無げな声を発した唇に、エリシャの朱い唇が重なる。それが、答
えだった。
「ありがとう、オデロ。奥さんになった初仕事に、ビーフシチューを作ってあ
げる。だから、だから必ず帰って来てね……。」
オデロの好物を言った口から、涙声が聞こえて来る。その涙を流す幸せの女
神の頭を、オデロはそっと胸に抱いた。
ガンブラスターのコクピットに乗り込んだオデロの目には、先発したモビル
スーツ部隊が青い空に作る、幾筋もの軌跡が写っていた。もうすぐ、自分もそ
の軌跡に加わる事になる。
(待ってろよ、エリシャ。お前の作ったビーフシチュー、腹一杯食わせてもら
うからな、必ず。)
そう決意する彼は、知らなかった。巨大な苦しみと悲しみを戦場に撒き散ら
すカテジナ・ルースという存在によって、父と母のもとへと旅立つ運命を。
−完−
540 :
516:03/09/13 00:47 ID:J45o1waV
二重投稿してしまった。済みません。
オデロ……・゚・(ノД`)・゚・
結末を知っているだけに、涙なくしては読めないお話でした…
お話の中の二人が幸せそうだからこそ、より一層。
最終回のエリシャを思い出すと泣けて泣けてウワワワーン゚(゚´Д`゚)゚。
本当にオデロにはエリシャと幸せになって欲しかった!
516さん、お疲れ&ありがとうでした。
542 :
516:03/09/13 11:38 ID:C113BPbt
ゲ、同じ回を二度書き込んだんじゃなくて、21回の話を20回だと勘違いして
たんだ。あぁ恥ずかしい、初書き込みだったのに。
>541
感想、ありがとうございました。
543 :
名無しさん@ピンキー:03/09/15 23:23 ID:ze/Y8+e3
GJ
544 :
名無しさん@ピンキー :03/09/15 23:24 ID:09oL6L4d
幸せの女神の持つ命の朱の中
幸せの女神の持つ命の朱の中
幸せの女神の持つ命の朱の中
>545
お前も入りたいのか。
五飛×妹蘭とか…みたいけどマイナー?
549 :
478:03/09/23 00:28 ID:Pg/Jmq4q
すみません、要望により、1を書くことにしたのですが
少し都合でまだ書けていません。もう少し待っていて
ください。代わりといっては何なんですが
もうひとつ作っていた作品を置いておきます。
あれから、ろくに描写能力も鍛えられてないので
また、低い表現能力のものになるだろうと思いますが。
一応設定は、
「傷ついてるヒイロを慰めるリリーナ」です
とある中国の学園。ヒイロ・ユイは任務遂行のために、その学園にとどまり、今はある個室にいた。
そこはこのヒイロ・ユイが登校する学園の男子生徒の寄宿舎の自室だった。
(リリーナ・・・・・・)
思わずつぶやいたのはある少女の名前。
任務中に顔を見られ、殺すと決めた少女。
それにまったく恐れることなく自分を追いかけたり、学園祭で一緒にダンスすることを求めたり・・・。
そしてこの学園で「私、あなたに会いたかったの」などと言う少女。
信じられない。命を狙っている男に会いたがるか?命を狙っている男にあそこまで興味を持つか?
その少女を・・・自分は殺せなかった・・・。学園祭での襲撃事件のとき、あいつは確実に殺せたはずだ。
何故だ、何故だ、何故なんだ・・・。ヒイロは自分に問い、頭を痛める。
「くそぉっ!!」
思わず自室にあったテーブルをバンっと叩く。
やりきれない思いは発しきれずヒイロはベッドに寝転がる。
(何なんだ、あいつは・・・)
不思議と息が途切れ途切れになる。
「どうかしたの?」
突然女性の声がした。その女性は紛れもなくヒイロが頭を抱えていた少女、リリーナ・ドーリアンであった。
「・・・・・・リリーナ」
いつの間に入ってきたのか。息が途切れながらもヒイロはベッドに寝転がりながらもリリーナの名前を呼ぶ。
「ドアが開いていたの。誰がいるのかなって思うとヒイロの怒声が聞こえてきたのよ」
「・・・・・・・・・」
「何が・・・あったの?」
少し悲愴な顔つきでリリーナはヒイロに尋ねた。
「・・・お前には関係ない」
なぜか理性が戻ってきたヒイロはリリーナを冷たくあしらう。
「そんなこと言わないで。・・・何があったか私に話しなさい」
「・・・なぜお前に話す必要がある。邪魔だ。出て行け」
「出て行くわけにはいかないわ!!」
強情な態度でヒイロを圧倒する。ヒイロはついつい黙り込んでしまう。
リリーナはさらに悲愴な顔つきでヒイロをじっと見る。
「あなたの傷は・・・とても大きいようね」
「・・・・・・何?」
はぁ、と溜息をついた後、リリーナは突然ヒイロの近くに寄って、ベッドの上に寝転がった。
そして・・・
「!!」
それはあまりに突然のことだった。なんと、リリーナはヒイロのズボンを脱がせたのであった。
「何の・・・つもりだ・・・!!」
思わず顔色が変わる。そう、それは羞恥にまみれた赤色に。
「・・・じっとしていなさい。癒してあげる」
リリーナは少し恥ずかしがりながらも笑顔でそういうと下着越しにヒイロの肉棒を手で刺激しだした。
「ん・・・」
手で器用にぐりぐりと弄るリリーナ。ヒイロの竿も見る見るうちに大きくなっていく。
なぜこんなことになるのか・・・。自分でも分からなかった。分かっているのはリリーナによって
こんな恥ずかしい気持ちにさせられているということだ。
「なっ!・・・」
ヒイロの顔はさらに羞恥の赤で染まる。リリーナはヒイロのトランクスの前袷を解くと
彼と同じ顔色をして、少し遠慮深そうにしながらもヒイロの竿を見て言う。
「大きいわね・・・」
「何のつもりなんだ・・・っあ・・・」
ヒイロが講義の言葉を返す前に、リリーナは細く、暖かい指を使いヒイロの中心をそっと愛撫する。
「く・・・ぅっ」
優しい、そして気持の良い愛撫にヒイロはついつい出そうな声を必死に殺す。
羞恥に潰されそうになるヒイロは、リリーナの手を払いのけようとする。
しかし・・・
・・・できない!?
なぜかできない。リリーナの手を払いのけることが出来ないのだ。
ヒイロは殺人のプロとして、ドクターJに鍛えられている。
こんなお嬢様の手を払うことなど容易なはずだ。
しかし・・・できない。できない理由が分からない。あの時と一緒だ。そう、学園祭でのあのできごとと・・・。
何故だ・・・。
「やめ・・・リリー・・・あっ・・・」
必死に堪えるがそれでも声は消せない。快楽と恥ずかしさのあまり
ヒイロは少し甘味のある声で講義する。その時の彼の姿はクールで冷静に任務をこなす
プロフェッショナルの姿だとは思えなかった。
「なぜですか?体は私を積極的に求めてるわ」
「求めてなど・・・うぁ・・・」
リリーナは肉棒をしごく速度を速めたり、遅めたりして彼を刺激する。
「あ・・・くぅ・・・ああ・・・やめろ・・・リリーナァ・・・」
「ヒイロも・・・快楽に弱いのね・・・」
リリーナも、なまめかしい声を上げるヒイロの虜になっていく。
指の速度はものすごく速くなってゆく。ヒイロは一度目の絶頂を迎えるときがきたようだ。
「な・・・ああ・・・出てくる・・・ああっ」
「え?出るんですの、ヒイロ?」
「ああ・・・ああっ!!」
股間にたまっていた白濁液を彼は一気に放出した。
「きゃっ」
ヒイロの放出した液はリリーナの顔にも付着する。
それをおいしそうに嘗め尽くすと少し悪い顔をしながら
「あまり・・・いいものではないですね」
・・・不味かったようだ。
「これは・・・やはり苦悩している人の味なのかしら」
再び深い溜息をつくリリーナ。
「ヒイロの、まだ出そうね・・・もっと癒す必要があるみたいですね」
ヒイロのペニスを見てリリーナはそれに口を近づける。何が来るか・・・分かっていた。
「・・・・・・やめろ」
ヒイロは喘ぎながら嘆く。
「これ以上・・・俺に変な真似をしてみろ・・・殺す」
これまでにないことで混乱しているヒイロはリリーナの首に両手を添える。
しかし、そんなことで恐れるリリーナではなかった。
「あら・・・元々、ヒイロは私を殺すつもりだったのでしょう?」
そう言われてさらに混乱するヒイロを、リリーナはなだめるかのように微笑み、少し恥らいながら
「・・・大丈夫。気持ちよくなってきますから。」
リリーナの口はヒイロの棒を咥えた。
「う、うぁっ・・・」
口の中ではもちろんリリーナのとがった舌がヒイロの棒の割れ目の部分を
愛撫している。
「う、ううぁつ、ああっ」
思わずあげてしまう、嬌声。殺そうとしても殺せず必死にもがく。
「ヒイロ、気持いい?」
不安そうな口調でリリーナが聞く。その質問になぜか首を縦に振ってしまう。
「なら・・・もっとしますよ」
「ん・・・ああ・・・やめ・・・」
舌の動きがもっと激しく、もっと卑猥に動く。
リリーナの舌に、もがきながらも快楽におぼれるヒイロの液がじわりと染みてくる。
それに感激でもしたのか、リリーナはさらに舌を動かす。ぴちゃぴちゃという音も聞こえてきた。
「動かすわね・・・」
口内の舌を引っ込めるとヒイロの竿を口でさらに強く掴み、その口を上下に動かした。
「あ・・・はぁっ!」
嬌声の艶かしさが強くなる。
「ヒイロ・・・出そうになったら直ぐ行ってくださいね」
ヒイロの股間を気持良さそうにしゃぶるリリーナ。
「あ・・・くあぁぁぁ・・・」
ヒイロの快楽も相当なまでに達していた。頭の中はどんどん白くなっていく。
(いったい・・・こいつは・・・)
考える余裕すらないほどの気持ちよさ。・・・2度目の絶頂だ。
「リリーナッ・・・出る・・・ああああああっ」
股間の鼓動が鳴り響き、ヒイロの精液がリリーナの口内を犯す。
「んんん〜っ・・・」
口の中がべとべとになったリリーナ。彼女は口内の精液をおいしそうに残さずに貪ると
「・・・だいぶ、癒えたわね」
天使のようにほほえむ。・・・そして顔つきが変化する。
「まだ勃ってるんですか!?」
これにはリリーナも唖然とした。まだ彼の肉棒は刺激を欲しがっていた。
「いや・・・リリーナ・・・これは・・・」
「ふふ・・・体は正直ね」
隠そうとするヒイロを見てリリーナは思わずくすくすと笑う。
未だにカチカチに硬くなっているヒイロの股間をみるまではもう終わりにして帰ろうとしていたのだ。
しかし、ヒイロが自分を求めている以上、帰るわけには行かない。
「もう・・・口の中に入っちゃったし、仕方ないですね」
「?」
何をするというのだ、ヒイロにはリリーナの行動が読めなかった。
「ちょっと恥ずかしいけど・・・」
リリーナの顔・・・赤い。この行為を始めるときに少し赤くなってて、ヒイロの竿を咥えるときにも赤くなっていた顔。
そのときに比べると少し赤みが強い。
「ふふっ・・・一番良い癒しを・・・」
そういうとリリーナは嬉し恥かしのような感じの顔をして自分の衣服に手を置いた。
「リ・・・リリーナ!?」
赤紫のワンピースを脱ぎ、下着を取り、彼女は一布の囲いもなしの姿でヒイロの前に近づいた。
「ヒイロ・・・」
ヒイロの顔に接近していく。さらにいきり立つヒイロの股間・・・。
「恥ずかしく・・・ないのか・・・」
「ないわけないじゃないですか」
女性の裸を見て戸惑いながらも問うヒイロに笑いながら答えるリリーナ。
「でもね。あなただけ快楽を得るのはずるいわ」
「さあ、どうぞ。ヒイロのお好きなように」
心に大きな傷を持ったヒイロにリリーナは体を委ねる。
「上等だ・・・やって・・・やる」
・・・あっ。思わず口に出たこんな一言。
「あら?本気になった?」
違う、こんなこといいたいんじゃない。なぜこんなことを・・・。
(俺は、俺はっ!)
「違う、リリーナ・・・」
「そういうことにしておきましょ」
リリーナには・・・すべて読まれている気がする。
・・・もうどうにでもなれ。
ヒイロは無意識のうちに彼女の露わになっている形の良い乳房に手を伸ばしていた。
唯一体に覆っていたタンクトップも、いつの間にか脱いでいた。
「・・・っあん」
とても甘くてどこか切ないリリーナの嬌声に誘惑される。
「・・・ん・・・あん・・・もっと」
さらに激しく彼の手は彼女の胸の上で踊る。
彼女が快楽のあまりに歌う不思議な唄に、ヒイロは誘われる。
「下も・・・どうぞ」
躊躇しながらもリリーナは足をM字に広げる。
「・・・欲しいでしょ?」
「・・・ああ・・・!!?」
またしても、思わず返事をしてしまうヒイロ。
それでも彼はリリーナの秘所へと指を入れようとする。
・・・!
(なんだ、この感触は・・・。こいつ・・・どこまで濡れているんだ!)
不思議な感覚・・・これに惑わされ、もうヒイロは自立心を持たなくなった。
己の本能のままに、己の欲のままに彼女を愛撫する。
「あ・・・あん・・・」
淫らな声を上げて歓喜に酔いしれるリリーナ。その声を聞き、混乱しながらも
休むことなく指ピストンを繰り返すヒイロ。
「俺も・・・気持ちよく・・・なりたい」
「なら、挿入れる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・挿れさせてくれ」
とうとうヒイロの脳内のコンピュータが最高速で暴走しだす。
・・・入る。隆起したヒイロの熱い槍とひんやり、しかし温もりを持ったリリーナの大穴がつながる瞬間。
「ん・・・ああっ・・・ああ・・・」
先に嬌声を上げたのはヒイロのほうだった。きつく締るリリーナの花におぼれる。
「ヒイロ・・・いいわ・・・ああ・・・はぁぁっ!」
「うぅぅ、くわぁっ・・・たまらん」
暴走しているヒイロはもう誰にも止められない。リリーナも止める気は毛頭なかった。
「ああっ・・・はぁぁっ、ああ〜・・・ヒイロォ〜・・・」
「リ、リリーナァ・・・」
お互いのハードで優しい交尾に快楽も増幅していく。
「あ・・・ダメだ・・・俺は・・・俺はもういく・・・」
「わ、私もです・・・あ、あ・・・・」
「あーーーーーーーーーーーーーっ」
二人とも同じ悲鳴を発した。どうやら、どちらも同じタイミングでいったようだった。
3度も頂点へ達したヒイロ。さすがにもう、彼の物の勢いはなくなっていた。
それと同時に、彼は失っていた自立心を戻したようである。
「俺は・・・俺はいったい・・・」
ふと横を見ると、たいそう綺麗な顔でベッドに寝転がっている女性、リリーナ・ドーリアンがいた。
「貴様・・・」
自分を羞恥に沈めた彼女にたいし、ヒイロには少し怒りが募る。
しかしその怒りもなぜかすぐにうせる。彼女の顔を見ていると・・・。
「ヒイロ・・・心から癒されたのではなくて?」
「!」
考えればそうかもしれない。彼女の愛撫には羞恥こそあったが快楽もあった。
とくに・・・2人の肢体が重なりあっているとき、ものすごく良い気持ちになっていた。
怒りもうせたし、やはり俺は癒されたのだろう。リリーナに、俺の、俺の傷ついた心を。
「ふぅ・・・エッチしたから・・・ちょっと疲れたけど、車も待たせてあるんで帰りますわね」
そういうとリリーナはしんどそうにしながらも心からの笑顔を見せて、服を着るとヒイロの部屋をあとにする。
あいつも・・・俺に癒されたのかもしれない。
まだ体力はあったヒイロは、そのままの姿でバスルームへと歩く。
いまだに残る、謎を抱えて。
リリーナ・・・お前は・・・何者なんだ・・・。
558 :
478:03/09/23 00:48 ID:Pg/Jmq4q
う〜ん・・・すみません。
なんだか2人とも壊れちゃってるかもしれないッス。
リリーナをさらに強い攻め型にしてみようとしたら・・・こんなことに・・・。
いや、最高ですた
漏れのリク(フェラーリ)が入っていて小踊り致しますた…(´∀`)
個人的には池田シナリオのdj二人が大好きなのでぶっ壊れ大歓迎ッス
そして強い立場のリリーナというシチュが激萌え…
これからもこのようなノリでマイペースに頑張って下さいです(・∀・)ゞ
560 :
名無しさん@ピンキー:03/09/23 01:53 ID:DBoc1fa9
良かったですよ
561 :
名無しさん@ピンキー:03/09/23 17:07 ID:QMLFeKIa
3月20日深夜。クロスボーン・バンガードの拠点である、フロンティアWの迎賓館の一室。
セシリー・フェアチャイルドは、物憂げに暗い窓の外を眺めた。
しかし視界には、彼女の心の不安を映し出すかのように、暗い闇に包まれた世界が広がっている
だけである。
昨日のクロスボーン・バンガードのフロンティアU、V攻撃に対し、反撃として連邦軍が行った
フロンティアWへの艦砲射撃から丸一日が経っている。
コロニー自体は応急処置程度に修復されてはいたが、民間人への被害は看過できないほどのもの
でいた。
だがセシリーの不安は、今夜も連邦軍の攻撃があるのではないか、ということではなかった。
「シーブック……」
セシリーは自分が時折、その名を呟いていることに気づいていない。
シーブック・アノー。おそらくセシリーにとってもっとも大切なボーイフレンドになっていただ
ろう少年。
しかし彼はセシリーを救おうとして彼女の養父シオ・フェアチャイルドに撃たれ、彼の乗るガン
タンクは、ドレル・ロナ操るモビルスーツの攻撃を受けて大破した。
なぜあのとき、何よりもまずシーブックの安否を、確かめなかったのだろう。いくら余裕のない
状況だったとはいえ、なぜ怪我をしている自分の友人の保護を、訴えられなかったのだろう。
ドレルに説得されるがままに、彼らについていったことは、シーブックを見殺しにしたも同然で
はないか。
その思いは後悔となって、セシリーの心を苛んでいた。
562 :
名無しさん@ピンキー:03/09/23 17:12 ID:QMLFeKIa
それでもシーブックは生きている。すがるような、彼女のそんな思いは、ガンタンクのコクピッ
トに残された大量の血痕の跡に、完全に打ち砕かれてしまった。
昨夜、祖父マイッツァーから聞いたコスモ貴族主義というものは、理解はできても賛同するには
幾つかの疑問がある。何より実父カロッゾはどこか信用できない。
しかしシオに裏切られたことと、シーブックを見殺しにしたという負い目と後悔が、彼女にコス
モ・バビロニアのアイドルになるという道を選ばせた。
それしかセシリーの居場所はなかったのだ。
しかしだからといって、絶えがたい孤独感が消えることはない。
(まるでジオンのシャアみたいね……)
クロスボーン・バンガードと連邦はこの先何度も戦うことになるだろう。必要となれば独立を宣
言し、地球降下作戦を展開することもありうる。
クロスボーンのアイドルとなるということは、自分がその旗頭になるということだ。
そのことについて、セシリーは臆することはない。自らの決断を下したのなら躊躇うわけにはい
かない。それはロナ家の血というより、彼女の気丈さのなせることだ。
しかし、気丈な性格であるがゆえに、今の彼女を包む偽りの家族の空気から、解き放たれたいと
思うのだ。
そんな想いが、彼女にある決断をさせることになった。
563 :
名無しさん@ピンキー:03/09/23 17:15 ID:QMLFeKIa
すみません
561と562のタイトルは『高貴なるものの血』です
新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
F91大好きっす!続きお待ちしてます!
それと、広告除けの為にsageでおながいします!
565 :
高貴なるものの血 1章 3:03/09/23 17:40 ID:QMLFeKIa
妙に身体が火照っていた。それは先ほど浴びたシャワーの熱が、まだ残っているからというわけ
ではない。
異様な速さで脈打つ、彼女の胸の鼓動によるものだ。
緊張がセシリーの心と身体を、じわじわと締め付けてくる。それに耐えがたくなった瞬間、彼女
の部屋のドアをノックする音が聞こえた。
セシリーの返答に応じて、礼儀正しく室内に入ってきたのは、ザビーネ・シャル。精鋭黒の部隊
の若き指揮官にして、セシリーの世話役を務める青年将校である。
彼女は今夜、この青年が来るのを待っていたのだった。
二人の間に沈黙が流れた。お互いが、いま自分がここにいる理由を知っているがゆえに、沈黙は
満ちてゆく。
「よろしいのですか、ベラ様」
男であるザビーネが、観念して口を開いた。
「……ええ」
セシリーはそう答えながら、ザビーネを寝室のほうに案内する。
豪奢なベッドのそばで、二人はその距離を静かに縮めていった。
それでも礼儀正しく直立するザビーネに、彼女は数時間前に彼に言ったことを、もう一度口にし
た。
「私に男を教えてほしい……」
ザビーネはゆっくりと目を閉じた。
566 :
高貴なるものの血 1章 4:03/09/23 18:09 ID:QMLFeKIa
セシリーは、マイッツァーが彼女の世話役とか教育係だけでなく、将来の配偶者候補として、ザ
ビーネを選んだのではないかということを、うすうす感じていた。
若く優秀すぎるザビーネに、秘められた野心があることを感じて、最初は油断のならない男との
印象を受けた。しかしその野心も、若い男には自然なものなのだろうし、まして偽りに満ちた自分
の血族とは比べられないくらい、ザビーネは誠実で実直だった。
私は自分を変えていかねばならない。自らの運命に押しつぶされないように。
シーブックを失ったことは、彼女の心に一生残る傷となるだろう。が、その喪失感に囚われたま
までは、自分の運命に立ち向かえない。自分の中の、未練を引きずるという脆弱な部分は、断ち切
らねばならないのだ。
シーブックを見殺しにした。その私がどうして……。
そんな想いと孤独感が、彼女の決意をいっそう頑ななものにした。
セシリーの頼みを改めて聞いたザビーネは、意を決したように目を開き、セシリーを抱きかかえ
て、その身体をゆっくりとベッドに寝かせた。
「よろしいのですね……」
「……」
セシリーは彼が急に自分を抱きかかえたりしたので、軽い恐怖と不安、そして興奮を感じて動揺
したが、ザビーネの目を見つめながらしっかりと頷いた。
ベッドの中央に寝かせられた彼女の身体が、徐々に強張ってゆく。
軽い躊躇を感じつつも、ザビーネは丁寧にネグリジェと下着を脱がしていった。
567 :
高貴なるものの血の作者:03/09/23 18:13 ID:QMLFeKIa
>>564 すいません。初心者なものでsageってどうやればいいんでしょう?
あとシーブック×セシリーではないんです。
ごめんなさい。
568 :
名無しさん@ピンキー:03/09/23 18:17 ID:iHqx3pnQ
めーるらんにsageと・・・・
メール欄に半角英数でsageと入れて下さい。
それと、ザビーネ×ベラでも自分はオケでつ!
(精神的にはセシリー→シーブックですよね?)
570 :
名無しさん@ピンキー:03/09/23 18:43 ID:nNiwqD1t
571 :
高貴なるものの血 1章 5:03/09/23 18:47 ID:QMLFeKIa
普段着の上からでは、想像もつかないほど豊かなボリュームをもつ、どこか淫猥な曲線を描く乳房
があらわになったとき、ザビーネは思わず感嘆の溜め息を漏らした。
初めて異性に自分の乳房を見られて、セシリーの白く美しい顔が、一瞬にして朱に染まる。そして
彼女の乳房を満足げに眺めるザビーネの目が、次第に獣性を帯びるのを感じて、彼女は思わず顔をそ
むけた。
その仕草が可憐なようでもあれば、悩ましげでもあり、ザビーネの男としての欲望はさらに増幅さ
れる。
彼は手早く自らの軍服を脱ぎながら、セシリーのその扇情的な肉体を愛撫し始めた。
重量感と弾力に満ちた乳房を、持ち上げていくように揉まれながら、時折ピンク色の乳首を指で刺
激され、そのたびにセシリーは未体験の感覚に、吐息が乱れるのを我慢できなくなる。
さらにザビーネが自らのそんな反応を、じっくりと観察しているような気がするうえ、この部屋を
包む静寂が、自分の吐息の音を際立たせている。
そのことが、彼女の心と身体を満たす熱を、巨大なひとつの奔流へと変化させて理性を溶解し、一
人の女としての本能を剥き出しにしていった。
ザビーネの責めは執拗だった。彼の手が、唇が、そして舌が、セシリーの肉体のすべてを値踏みし
味わうかのようだ。そしてそれに満足するかのように、彼の責めも熱を帯びてきた。
普段のセシリーなら、そういう男の性質は侮蔑の対象になったのだろうが、礼儀正しいザビーネが
情欲を剥き出しにして自分にぶつけてくるのは、今の彼女にとって嫌なことではなく、むしろ彼の欲
望に自らの本能が呼応しているような感覚に、身を任せる気になった。
572 :
高貴なるものの血 1章 5:03/09/23 19:17 ID:QMLFeKIa
「あんっ……」
思わず漏れた喘ぎが引き金となったかのように、セシリーの全身を快楽が浸し始める。
それは彼女の頭の中を空白に染めていき、彼女の理性も記憶も虚空に消え去ろうとしていた。
それを引き留めたのは、ザビーネが彼女の両腿を、ゆっくりと開いたときだった。
オレンジがかったその金髪と同じ色の、彼女の秘毛にうっすらと覆われたものを、やはりザビー
ネは満足そうに見つめている。
その表情が語ることを、セシリーには想像できて、彼女は羞恥のあまり、両手で顔を覆った。
彼女とて性行為の際、女性の秘部がどういう反応をするのかということくらい知っている。しか
し自分の秘部が、すでにその反応を示しているとは、思いたくなかった。
「フフ……、もうこんなになっていらっしゃるとは」
ザビーネの言葉は、セシリーには残酷ですらあった。しかしその言葉が、心のどこかで扇情的に
響いたことも、彼女ははっきりと感じていた。
「こういうことがお好きなのですな、ベラ様は」
「……やだ、…そ…んな」
ザビーネの指が秘部への愛撫をはじめたとき、セシリーは自分でも驚くくらいに、びくん、と身
体を震わせた。
はやくも快感に支配された下半身が、自分のものではないかのようだ。
「は…ああ……あんっ、あっ…んんっ……」
溢れ出す歓喜を押さえることもできなければ、そうする意思も失われ始める。
顔を覆っていた両手は自然と、自らの両腿を左右に開いていた。
573 :
高貴なるものの血 1章 7:03/09/23 19:53 ID:QMLFeKIa
ひくひくと官能に打ち震えるセシリーの肉裂に、ザビーネは舌を這わせた。
「あああっ…」
その舌が、ちょこんと顔を出す蕾を転がすたびに、セシリーの喘ぎはひときわ強く響き、美しい
裸身が悩ましげによじれる。
ザビーネは固めた舌の先を、肉裂の奥に突き入れながら、どっぷりとあふれてくる愛液をじゅる
じゅる、と音を立てて吸う。
もはや快楽に躊躇なく耽り始めたセシリーの全身から、完全に力が失われたとき、ザビーネは屹
立する自らの男根の先を、セシリーの秘裂をなぞるように擦り始めた。
「よろしいですね、ベラ様……」
セシリーには頷くだけで精一杯だった。
「んぁはああああ……」
ずぶっ、と自らの体内に初めて男性が入ってきたのを感じて、肺の中の空気が全て、喘ぎとなっ
て漏れていく。
激痛が全身を貫き、それまでセシリーを満たしていた快感は、灼熱となって彼女を責め始めた。
「こ、れは…ベラ様……すばらしい締め付けです…」
まだ亀頭が3分の2までしか入っていないのだが、膣口が絞るように締め付けてくる。
ザビーネはいったん腰をひいて、ほぐすように押していく。少しずつ入り口が広がっていくのが
わかった。
何度か突いていくうちに、肉裂はすっぽりと亀頭を呑み込んだ。
「ああうっ……はあっ…あっ…ああんっ……」
新作は嬉しいのですが…メール欄にsageと…(;´Д`)
セシリーの喘ぎ声と、男根を包む処女の柔肉の感触が、ザビーネをさらに興奮させる。とくにセ
シリーのその柔肉の感触や激しい締め付けは、処女のものでありながら、男の情欲や快楽を無限に
高めるような感覚すらある。
しかし処女であることに変わりはなく、ザビーネは思う存分その肉壷を突きたいという衝動を押
さえて、セシリーをいたわるように、腰を動かした。
セシリーはそんなザビーネの動きで、はじめの激痛は薄らぎ始めた感じがした。次第により奥へ
とうち込まれるザビーネの男根の感触は、ゆっくりと、だが確かな快感のうねりを、彼女に感じさ
せた。
「ああっ、こ、こんな感じって……ああああんっ」
だが初体験で快感を覚えることに、戸惑いを感じなくもない。それも彼女の身体を満たすものが
苦痛ではなく官能の喜びへと変わってきている事実に、完全に打ち消された。
「んあっ、あっ、あうっ、はあんっ…」
セシリーの喘ぎ声の声音が、歓喜の色を帯びてきたことを感じ、ザビーネは腰の動きをさらに速
めていった。肉棒はセシリーの膣にすっかり馴染み、粘膜同士は滑らかに擦れあう。
ぬちゃぬちゃと淫猥な音が響いた。ザビーネが肉棒を抜き差しするたびに、セシリーは愛液を撒
き散らすように噴き出させている。
セシリーの両腕と両脚が自然と、ザビーネの肉体に絡みついたとき、彼もまた思い切り腰を振り
始めた。その動きを激しくすればするほど、ザビーネの肉棒に絡み付くセシリーの膣肉も、さらに
絞り込むように締め付ける。
最初から一対のものであったかのように、二人は絡み合っていた。
「ベラ様……そろそろイキそうです…」
高まる射精の衝動に、ザビーネが耐えられなくなったとき、セシリーもまた絶頂への感覚に耐え
ながら言った。
「ザビーネ……お願い…ああっ…、い、今だけはセシリーと……」
「……」
思いがけない言葉ではあったが、セシリーの境遇を思い遣って、ザビーネは軽く息を吐いた。
17歳の少女が、このような状況におかれれば、どのような強靭さや貴族たる教育を受けていて
も、孤独や不安に陥らないほうがおかしいのだ。
今日彼がここに呼ばれた理由が、なんとなくわかった気がした。
「セシリー、よろしいですね」
その言葉に彼女は一瞬、微笑みを見せたが、すぐに彼女を満たしている快感の渦に飲み込まれて
いった。
「ああん、いいわ…ザビーネ……、きて!」
「うあああっ!……ああっ……」
セシリーの身体がひときわ強く痙攣したとき、ザビーネは膣から男根を抜いて、セシリーの腹部
に射精した。しかし自分でも驚くほど大量に放出された白濁液は、うっすらと赤く染まった愛液と
ともに、セシリーの白い裸体の全てに、降り注いだ。
朱に染まったセシリーの虚ろな表情には、それを気にする様子もない。
そんな彼女の顔を汚している自分の精液を見て、ザビーネはまた新たな情欲が沸き起こってくる
のを感じていた。
END
終わりました。
文章が下手だったり、sageるのができなかったりと
いろいろとご迷惑をおかけしました。すいません。
一応3章構成なんですが、次はいつ出来るかわかりませんし、
こんなセシリーは見たくねえ、ってかたもいらっしゃると思います。
まあ、続きは書きたいのですが、それは状況次第なので。
しかもこんな、あとがきみたいなものまでつけてしまって……
大変失礼しました。
数日来ていなかったら新作が!
>577
乙でした。F91ではセシリー→ベラへの葛藤がよく解らんかった
自分としては、この手の補完は望むところです。
あとがきは、他の書き手さんもやってるので、無問題かと。
次回作を楽しみにしてます。
579 :
名無しさん@ピンキー:03/09/29 23:08 ID:d+tIBBrx
>>478さんの
>>511の投下楽しみにしてます。
自分はSS書いた経験が無いので、
一本完成するのにどれだけ時間がかかるのかわからないんですが
もし
>>478さんがまだここ見てらっしゃったらがんがって下さいm(__)m
続編がとりあえずできました。
とりあえず4〜5章構成になりそうです。
あと、1章の書き込みのときのIDをとって
これからは自分は『高貴なるものの血の作者』から
『Fekia』と名乗ります。
他にも何か別なのを書くこともあるかもしれませんので
3月23日夕方。マイッツァー・ロナは、フロンティアWの中央政庁でのその日の勤めを終え、
ロナ家一族が住む迎賓館へと戻っていった。
フロンティアWの行政施設である中央政庁と、連邦軍の駐留本部ビル、そして迎賓館はひとつの
広大な敷地内にあり、駐留本部ビルはクロスボーン・バンガードの統合司令本部として使われてい
る。だが、クロスボーンの作戦行動を、すべてカロッゾに一任しているマイッツァーとしては、駐
留本部ビルに赴くほどの事項はない。
現在、フロンティアU,V制圧後、その作戦から凱旋した部隊を迎える日に、コスモ・バビロニ
アのバビロン宣言を出すと決めてある。U,Vの制圧は目前との報告を受けているだけに、そうな
ればまた忙しくもなる。が、その日まではマイッツァーはまさにロナ家の旗頭として、中央に鎮座
しているだけでよかった。
「それももう少しの間であろうがな…」
ここからが本番となる。あらためてそう自分に言い聞かせる彼を、ナーイ・フレッツェンがいつ
ものように出迎えた。
「お帰りなさいませ」
「うむ…、ご苦労。ところでベラはどうしておる?」
「ベラ様は昨日より、軍港でモビルスーツの訓練を受けていらっしゃいます」
「ああ、そうだったな…」
マイッツァーはセシリーのことになると、つい自分がどこにでもいる年相応の老人に戻っている
のを感じて、可笑しくなった。
アイドルになるための修行の一環として、クロスボーンのことを学ぶべく、モビルスーツの操縦
訓練を受けると言い出したセシリーの中に、まだ迷いがあることは感じられる。
それがなくなるまで、あと5年はかかるだろうと思っている。しかしすでに女王としての資質が
備わっているセシリーは、5年後には22歳となる。そのころには彼女は完璧な女王として、コス
モ・バビロニアに君臨しているだろう。
彼女の母であり、マイッツァーの娘であるナディアも、類稀な美貌と気品、そして高い知性を有
していたが、セシリーはすでに母親のすべてを凌駕している。何より市井で育った彼女には、母親
にない精神の強さを持ち合わせているのが、マイッツァーには喜ばしかった。
彼にとってセシリーの将来が楽しみでならないのは、そうした女王としての可能性を感じること
だけでなく、あまりにも出来すぎた孫娘をもつことができた、一人の祖父としての単純な喜びがあ
るのも事実である。
市井で育ってなお、高貴なる存在として成長してほしいと、半ば賭けのような思いをセシリーに
託していた彼ではあったが、実際に彼女にあってからは、そんな平凡な人間としての感情を、強く
感じてしまうことに戸惑ってもいる。だが自分の理想がわかってもらえずに、ナディアに出奔され
た彼の過去があれば、それも無理からぬことといえた。
女王としてだけでなく、一人の女性としても、魅力的な淑女になってほしい。
そんな平凡な思いに浸ってしまうのは、マイッツァーにとっては幸福なことですらあった。
クロスボーン・バンガード偵察部隊に所属するアンナマリー・ブルージュは、自らの愛機ダギ・
イルスの整備について、担当のメカニックマンたちと話し合っていた。
フロンティアT攻略の準備で、偵察部隊所属の兵士たちは、みな一様に慌ただしい。
だが、今の彼女の関心はそのことではなかった。
「ザビーネ大尉はどちらか知っているか?」
彼女はメカニックマンの一人に聞いた。
「大尉ならベラ・ロナ様をお送りに、迎賓館に向かわれておりますが」
「…そうか」
アンナマリーは不快感を露骨に表したが、メカニックマンにそれを気にした様子はない。
彼女とザビーネはただの上司と部下というだけでなく、何度か肉体をかさねたこともある間柄で
もある。
弱冠16歳で、偵察小隊のリーダーを任されているほどの俊英である彼女が、ザビーネ・シャル
という、クロスボーンきってのエリートと肉体関係になったのは、恋愛感情というよりは衆に優れ
た男を選別するという、女性としての優秀さゆえであり、彼女自身もそう思っていた。
だがベラ・ロナことセシリーが、ザビーネと行動をともにしはじめたことによって、状況は一変
した。
ザビーネは若くしてクロスボーンのエースパイロットとなっただけに、強固な騎士道精神の持ち
主であることは知っていた。だが、セシリーと行動しているときの彼には、時としてその騎士道精
神らしからぬ野心が見え隠れしている。
すなわち、セシリーに取り入って、クロスボーンでの最高の栄達を極めんとする野心である。
それに何より、同じ女として、彼女はセシリーが直感的に気に入らなかった。その卓越した美貌
や、物腰や言動から感じる清楚な気品の裏に、何か油断のならない部分があるように思える。ノー
マルスーツの上からでもわかる、妙に扇情的なボディラインから放つ、年齢に相応しくない色気と
かも、どこかザビーネを誘っているように感じられる。
(ごたいそうな女だ…)
専業軍人の道を選ぶだけあって、さっぱりとした気性の持ち主であるアンナマリーとしては、男
に媚を売るような女は、それだけで侮蔑の対象でなのだ。
セシリーにそういったものを感じてから、アンナマリーに彼女に対する嫉妬と、ザビーネへの憤
りの気持ちが芽生えはじめた。
そして、二人の間を流れる空気に、教育役とその教え子以上の何かがあるように、アンナマリー
には感じられたのだ。
「ロナ家の女など……」
その忌々しい推測をアンナマリーは頭を振った。結局それは推測でしかないし、判断には情報が
少なすぎる。
気を紛らわせる必要を感じ、彼女は部隊の仲間を探しにいった。推測を突き止めるには、今は時
間が足りない。目の前の任務を忘れるほど、彼女は公私の別をつけられないわけではなかった。
少なくともこの時までは。
そのころ、同施設内でのブリーフィング・ルームの一室。
「うあっ…、いいですぞ、ベラ様」
軍服の下を脱いだ若い士官ザビーネ・シャルの、剥き出しになった股間のものに、熱心に口唇奉
仕している金髪の少女は、紛れもないセシリー・フェアチャイルドである。
彼女は、今日着ていたはずの赤い軍服を脱いで、薄い水色のブラジャーとパンティだけになって
いた。
「そんなにフェラチオがお好きとは……、ベラ様もいやらしいお方でいらっしゃる」
「んふっ……、やだ、そんなこと」
セシリーは、ぞっとするほどに悩ましい上目づかいでザビーネを見上げると、根元まで肉棒を咥
えこんで、再び奉仕を再開する。
唇の端から唾液が滴り落ちるのもかまわずに、貪るように肉棒を咥えるセシリーをザビーネは満
足そうに見つめた。
あの日はじめて肉体を重ねあって以来、二人は時間を見つけては何度も交わりあっていた。
初体験を終えたのがきっかけとなったかのように、セシリーは内に秘めたその淫乱な本性に目覚
め始め、自分からザビーネを求めるようになっていた。そのペースは、いくらザビーネが強靭な持
久力を持つといっても、あまりに過酷な回数なはずなのだが、セシリーを抱くことは、ザビーネに
とってはむしろ、すればするほどに精力が湧くような感覚がした。
それほどにセシリーの肉体は、彼に極上の快楽をもたらすものだった。彼自身、幾多の女性と寝
てきたが、これほどの女性はいなかった。
昨日はモビルスーツのコクピットの中で、行為に及んだ。無論その中のことは、外からではわか
らないが、ザビーネは全天周モニターをオンにして、コクピットの中からは外の様子が見えるよう
にした。着々と作業を進めるクルーたちを眺めながら、自分たちはこんなところで肉欲に耽ってい
るという思いが、セシリーをいつも以上に、乱れに乱れさせた。
そんな彼女に、自分好みのSEXを1から教えていくのもまた、ザビーネに異様な興奮をもたら
してくれる。
そして今日もここで、ザビーネはいわば課外教育を、いつものように行っていた。
セシリーの唇が締め付けを強めて、さらに大胆に男根をしごきあげてきた。とろけそうなほどに
熱い口内の中で、同じように熱い彼女の舌が、亀頭の裏側を吸い上げる。
「ううっ」
その丹念な愛撫に、ザビーネは思わず射精衝動を覚えて、呻き声を上げた。
「このまま1度出しておく?」
「いえ、私ばかり気持ちよくしていただくくのもなんですし、ベラ様もそろそろこれが欲しいの
でしょう?」
「ああん…、やだ……」
(ふん、いまさら何が……)
ザビーネの大きめのアイ・パッチが鈍い光を放った。
セシリーは近くの机の上に、仰向けに寝そべると、自らパンティを脱いで両足を広げた。
秘毛の奥からのぞく肉裂は、すでに愛液を滴らせているほどである。
自分から男を求めるようなその仕草に、ザビーネは自らがそう教え込んだにもかかわらず、思わ
ず鼻白んでしまった。
(高貴なるものの血……か)
ザビーネは男根をその肉裂に押し当てると、そのまま奥へ埋めていく。
おそらくはどんな男でも狂喜するであろう肉壁が、ザビーネの肉棒を、優しくも強烈に締め上げ
てくる。
「ふああ……あはあああんっ」
セシリーの喘ぎ声には、もはや遠慮のかけらもなかった。
ザビーネも彼女の腰をつかんで、ピストン運動を早めてゆく。
(確か母親のナディア・ロナは、男と駆け落ちしたと聞いているが…)
クロスボーンの将兵の間にも、当初はナディアがクロスボーンのアイドル候補であったことや、
そのナディアがロナ家を捨てたことは伝えられているが、なぜナディアが去っていったのかは知ら
されてはいない。
しかし表立って口にはしないものの、彼女が他の男と浮気して出て行ったと、将兵の間では噂さ
れている。
中にはナディアは相当な淫乱症で、いろんな男と寝ているだの、実際に彼女と寝たなどと吹聴す
るものまでいたが、さすがにその兵士は、高潔なクロスボーン・バンガードには相応しくないと、
同僚たちの激しい叱責を受けたりしていた。
だがいずれにせよ、彼らにとって、ロナ家のお家事情などは大して関係があるわけがないので、
決起してからは誰もが、その話を忘れていった。
しかし今自分の肉体の下で、愉悦にわななくセシリーの表情を見ると、ザビーネの脳裏にその噂
がまざまざと思い出される。
(母親も母親なら、娘も娘だ)
高貴なるものの責務などを説くマイッツァーも、淑女であれと願い、自らの血を分けた女性たち
のこのざまを見たら、何を思うのだろう。
結局血脈に、高貴も下賤もないということだ。それはその精神性とそれに基づく行動によって、
判断されるべきなのだ。
まあ、いずれにせよ、この女にはたっぷりと自分の肉棒の味を覚えさせて、これなしでは生きら
れないようにするのも悪くない。
ある種のサディスティックな欲望が、彼の中で湧き起こった。
「はああん、いいっ…、もっと…もっと突いてぇ!」
この上なく淫らになりはじめた、セシリーの喘ぎ声と呼応するかのように、膣肉の締め付けもザ
ビーネから更なる官能を搾り取るかのように、強くなってゆく。
それにしても、もはや彼女のこの肉体の味は、相性などという問題ではない。交われば交わるほ
どに更なる肉欲を覚え、一体感を得られてしまう。
ザビーネは自らもまた、セシリーの肉体に溺れて、劣情を処理できなくなりつつあることに、気
づいていなかった。
(絶対に逃さん。徹底的に俺の奴隷に成り下がらせる!)
彼は満足げに笑うと、さらに腰の動きを早めつつ、同時にクリトリスを指で愛撫する。
二箇所からの強烈な責めを受けて、セシリーは絶頂に近づいていく。
「あっあんっ、イクっ、ああん、イクぅっ、あっあああああ〜!」
セシリーの裸身が大きく震えると、ザビーネは肉棒を抜き出し、セシリーの頭をつかんで顔に近
づける。
忘我の極みにありつつも、セシリーはザビーネの意図を理解すると、大きく口を開ける。
ザビーネは出された舌をめがけて、思い切り精を放った。
「ああ〜」
精液が顔の全体に飛び散るのも喜ばしいかのように、セシリーは口の中に入った精液を飲み込ん
で、さらに射精を続ける男根を咥え、吸い上げてゆく。
「そう、後は口できれいにしていくのです…」
自らの教えを忠実にこなす彼女を見て、ザビーネは口の端をゆがめる。
「ねえ、ザビーネ。今夜も私の部屋に来てくれるのでしょう?」
男根を舐めながら、セシリーは情欲に満ちたまなざしをザビーネに向けた。
射精直後にもかかわらず、ザビーネは新たな情欲が生まれてくるのを感じていた。
「おおベラ、おそくまで大変だな」
その夜、迎賓館に戻ったセシリーを、マイッツァーが笑顔で出迎えた。
「ええ、時間を忘れてしまうほど熱中してしまって…。ザビーネも辛抱強く私に付き合ってくれ
たので…」
「あまり無理はしないでおくれ、ベラ。今は大事な時期なのだから。大尉もご苦労だったな」
「いえ…」
ザビーネは敬礼しながら、二人を見比べた。セシリーは先刻までの痴態が嘘のように、颯爽とし
た態度である。その彼女を見つめるマイッツァーは、どこまでも平凡な老人に見えた。
(老人も、これでは滑稽だな)
ザビーネは彼を少しだけ、哀れに思った。
END
遅筆でどうもすみません。
こんな展開なんですが、最後は原作につながる予定なんです。
(クロスボーンにはつながりそうにないですが)
なので、次回はシーブックが出ます。
次はいつ書き込めるかわかりませんが…。
やっぱりあと3章は必要かな?
そうなるとエロのない回が出てくるかも…。
キテルキテルキテルー!
職人さん乙!
ザビセシは新鮮でいいな!
>Fekia様
お疲れ様でした。
個人的には、アンナマリーの心理描写が良かったですね。ただ、セシリーの
喘ぎ声をもっと上品な感じにした方が、ロナ家の血の高貴さが出ると思います。
しかし、次はシーブック登場ですか。「セシリー」という名と「ベラ」という名を、
彼女がどう使い分けるかが見ものになりそうですね。
エロの無い回についてですが、少なくとも自分は大丈夫です。このSSは物語
性重視の話なので、エロシーンの無い回が多少あっても、それ程問題は無い
のでは。
今後の希望としては、利用するつもりだったロナ家の血に魅了され、逆にそ
の血に振り回されるザビーネを、書いて欲しいなぁ。
595 :
名無しさん@ピンキー:03/10/08 21:44 ID:yp62QBxJ
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
Fekia様とても良かったです!
セシリー大好きなんだけど小説は滅多にないので、こんなエッチで
ストーリーもしっかりしたものが読めて嬉しい限りです。
続き楽しみにしてます。セシリーをいっぱい喘がせてください!
597 :
478:03/10/09 23:43 ID:BEa2pAij
Fekiaさん>>
1章、2章ともとても楽しく(?)読ませてもらいました。
原作にうまくマッチしており
ザビーネに堕ちていくセシリーと
逆にセシリーに堕ちていくザビーネ‥
次回も期待しております。
そして、またしょうもないSSを投下しにきました(爆
遅くなってすいません。
良いSSが投下された後なんでさらに駄作感を感じるでしょうが
もし、よろしければ見ていってください m(_ _)m
「起きなさい、ヒイロ」
「ん……」
日差しが気持ち良い春のキャンプ場。周りに何本かの木があり、
地面には、草の緑と、石の灰色と、川の水色が綺麗な大地を創っている。
人工のもの、それは人が乗っていたらしきキャンピングカーぐらいであろうか。
ヒイロとリリーナは、休暇をアウトドアをして楽しんでいた。
空は青の色しか見えず、まだ朝方にもかかわらず、太陽が照りつけ十分暖かい今日は
外で休日を楽しむには最適だった。まして2人の休暇の日は、リリーナの仕事の都合もあってか平日であることが多く、
このキャンプ場はまれにしか人が来ないところであったため、2人の貸切状態になっていた。
ここはヒイロが下調べをして見つけたところである。場所探しも、ヒイロの得手である。
「起きて」
ヒイロは眠っていた。別に寝不足であったわけでもなかったのだが、暖かく包み込む太陽と
見るものを魅了させる自然に眠気を誘われたのであった。リリーナは眠るヒイロの肩を軽くトントンを叩いて
彼を起こそうとする。
「ん……ん………」
リリーナもヒイロの寝顔を見ていて、
ああ、この人も眠るときはこんなに可愛い顔してるのね
とも思っていた。この姿をじっと見てても面白いが、それでは折角のキャンプが台無しであった。
私と休日を過ごしている中で寝てるなんて何様のつもり、そんな気持の方が強かった。
まあ、彼女も本気で怒ってはなく、むしろ少し楽しそうにしていたのだが。
「…どうしても起きないのね。それなら…………」
リリーナは顔をニヤリとさせて小悪魔かのように微笑むと、彼の耳元で
そっとささやく。
「……キスしますよ」
「………」
まだ起きなかった。もう覚悟はしてもらうわ、そんな感じでリリーナは彼の頬に顔を近づける。
ちゅっ
軽い口付け。ヒイロの頬にごくわずかなリリーナの唾液が付く。
目覚める気配がないので、起きるまでなんどもやってあげるんだから、そういわんばかりに彼女はヒイロの頬に口付けの雨を降らせる。
彼の顔はすっかりリリーナの口にうめられてしまった。
しかし・・・それでもヒイロは起きなかった。よっぽど眠たいのだろうか。
しびれを切らしたリリーナは最後の手段に打ち込む。
「んん!!」
彼の唇にキスをした。
やっと目が冴えてきたのか。彼がパチっと目を開けると、リリーナは唇を離す。
「…リリーナ!?」
彼は動揺を見せた。少し面白くなったリリーナはヒイロの唇にもう一度、キスをする。
「ん!……んん……」
自分の口の中の赤色の軟い棒のプレゼントもあげた。
リリーナの棒がヒイロの口の中に入り、絡む。
ヒイロは抵抗ができなかった。あまりに不測の事態だったからだ。
「んんんんっ」
実はヒイロはキスに弱かったりする。ディープキスでとても感じやすい人間だった。
深い口づけに堕ちるヒイロ。抵抗を見せながら
快楽と息苦しさと恥じらいにおぼれた。
「……はぁっ!」
ようやく開放されたヒイロは息を整えた。
「何をする…」
ちょっと怒ってるような感情も見えた。
だがリリーナの方はそれほど罪悪感を持っていない。
むしろ笑っていた。眠っていたヒイロはあまりに無力だったため
リリーナも取っ付きやすかった。何よりヒイロにかけたちょっかいが楽しくてたまらなかった。
「目、覚めたようね」
ヒイロが見ても、彼女の顔はとても満足そうな顔だった。そう、あまりに満足そうである。
―――その顔がヒイロのある行動を促進させた。
「えっ…ちょ、ちょっと!?」
ヒイロの顔は、さきほどの怒りの顔とはまったく違う、笑みを含んだ顔であった。
急にヒイロは彼女の白いロングスカートの中に体をしのばせ、下着を奪い、秘所を露出させた。
ヒイロからみて露わになったクレバスに指をもぐらせヒイロは彼女を犯しだした。
「あ…ふぁっ」
抗議の声もむなしく、ヒイロは指を静めていく。
「い、嫌ぁっ……」
突然のことに屈辱を感じて戸惑うリリーナ。こうされることはリリーナには予定外であった。
彼の頭を掴み、必死に抵抗をしなんとかヒイロを払いのけることができた。
自分のプライドが少し踏みにじられたような気もした。
顔を赤くし涙目で、どうしてこのようなことをするんですか?、というかのようにヒイロをにらみつけると、
彼も悔しそうに、赤い顔をしてつぶやいた。
「…仕返しだ」
「あっ…」
仕返しというその言葉はリリーナを安心させた。
なるほど、ヒイロも悔しかったわけだ。眠りを、しかもあんな方法で起こされては。
あのときのヒイロも、今の自分みたいな気持なんだろうな。
それまで羞恥心でいっぱいだったリリーナはしてやられたというような顔で
再びヒイロをにらみつける。
しかし先ほどのような恨みのにらみではなさそうだ。
仕方がない、ここは素直に仕返しを喰らってあげようか、そんなような顔にも思えた。
「ヒイロってば…」
「まだ仕返しはすんでいないぞ」
「ふふっ…。いいわよ、ヒイロ……して」
リリーナは少し恥じらいを見せつつも潔く覚悟を決める。いや、彼女自身がヒイロを求めだした、といったほうが正しいのだろうか。
正直、リリーナのほうもいきなりヒイロにされて恥ずかしかったとはいえ、
こういうことをされるのは悪い感覚だとは思っていない。
「仕返しだといっているだろう。お前が望まなくてもする」
「…そうですよね…っ…あん!」
彼女の秘泉にヒイロの指がずぶずぶと沈んでいく。
「ヒイロ…あっ…!!」
露にどっぷりとつかった泉の中でヒイロの指は泳ぐ。
リリーナの方は受け入れる準備は万端である。
リリーナは貪欲にヒイロの愛撫を求む。
「あ…はぁっ…もっと…」
しかし、ヒイロの前にあるスカートが邪魔でうまいこと弄ることができなかった。
それに気づいたか、リリーナはヒイロにたずねる。
「ヒイロ…大丈夫…?しにくくないかしら?」
「…ああ…少ししにくいな………」
スカートのせいでうまくできない、そう言いたかったヒイロだが、流石に言えなかった。
こんなところで彼女の裸身を露出させることなんてできない。人が来る可能性は著しく低いのだが
万が一ってこともある。しかたがない、俺がどうにかして上手く……そう思ったのだが
「!!」
スカートが外れた!? リリーナが本人の意思で脱いだのだ。
思わずヒイロの顔も朱色に染まる。
「こんなところで脱ぐな、誰か来たら……」
「大丈夫よ、このほうがしやすいでしょう?……だいたいもう
下着を取られてるのにいまさらまずいってことはないんじゃないかしら?」
そしてリリーナは上の服も脱いで、裸になった。
「覚悟を決めなさい」
恥ずかしそうな顔をしていた。彼女も、覚悟を決めたからこそ
こうして裸の体を露わにすることだったできるのだ。
「…………なぜこうもお前には驚かされるのか」
リリーナの行動に驚かされたことは今が初めてではない。
過去になんども彼女には驚かされたことがあった。何度も、何度も。
そして今回も……悔しいが俺の負けだ。
だが……
――ヒイロも、覚悟を決め裸になった。
「お前だけに恥はかかせない」
暖かい緑の地で、ヒイロとリリーナは生まれたままの姿を
隠すことなくさらけ出していた。
肌に日差しが当たり、とても心地が良い…。
「あ、ああっ…ふああっ…」
スカートという名の束縛の外れたヒイロは
さっきの愛撫よりはるかに上手く指を擦らせ泳がせる。
「いいわ…ヒイロ…はぁぁん!!」
「濡れてきたな」
「あっ、あっ、あっは〜ん…」
2人の興奮もしだいに強まっていく。
リリーナの股はもう幸福感の泉で水浸しになっている。
ヒイロの股も大きく膨らんでいる。
場所を省みず、行為に堕ちている2人。こんなところもし見られたら…
そんなこと、もはや2人とも考えていなかった。
「ヒイロ…あっ…だめ…もう…私…出ちゃう……ああっ!!!」
ぷしゅうっ
リリーナの股間から綺麗な愛液が飛び散る。彼はそれをなめた。
「………完了」
勝ち誇ったような表情をみせたヒイロ。仕返しはすんだ。
「まだよ…ヒイロ」
だがリリーナはまだまだ仕返されたとは思わなかった。裸になってしまったのだからもう行くところまで
行かないと意味がない。そう思っていた。手による愛撫なんてあくまで前戯でしかないのだ。
「……入れて欲しいわ」
非常にほしそうな顔をしていた。彼の大きな股間を求めていた。
それはヒイロにも分かっていることだったし、彼自身もそうしたかった。しかし、ここでは敢えて彼女をからかってみた。
「……何を入れてほしいんだ?」
とぼけるような顔をしてヒイロは問ってみた。
するとリリーナは彼の胸をバン、バンとすこし強めに叩いて
「分かってるくせに…」
恨めしそうにしつつも笑いながらリリーナはヒイロに言う。
「これを入れてほしいのよ…」
ヒイロの大きな熱槍をぐりぐりと触って言う。
「…冗談だ」
「ひどい人」
「悪いな」
「口であやまらずに動作で教えて」
自ら草むらの上に寝転がったリリーナはもうする気満々であった。
「早くしましょう…」
「ああ…」
リリーナの上に乗っかったヒイロは
彼女の股を大きく開かせ、彼女の肉の裂け目に自分を突き刺そうとする。
このときの彼女の秘所は、露と陽の光を浴びて綺麗に輝いていた。
ヒイロの視線はそれに釘付けになった。
「あんまり見られると恥ずかしいわ」
こんなに濡れたものを見られてリリーナも思わず照れて、微妙な笑みを浮かべた。
指を入れたときにはヒイロにはあまり見られなかったのでこれだけじっと見られると困ってしまう。
「すまない、だが………綺麗だ」
ヒイロもかすれた声でリリーナの内部を見た感激の言葉を発する。
「本当?…………だったらもっと見てもいいですよ」
「…どっちなんだお前は」
自分の体を、綺麗といってくれるヒイロにリリーナは少なくとも喜びを感じた。
やっぱりこの人に体を委ねるのは間違いではない。
「ああ…入った…温かい…」
ヒイロがグッと己を突き刺すとリリーナはとても気持のよさそうな顔をする。
もう何の迷いも感じてはいない。ただただヒイロとの性交を求める。
もうヒイロは自分だけのものと思い込んでいた。
この温かさは私だけのものだ。
「もっと体重かけてもいいですよ」
少しつらそうな体制をしているヒイロをリリーナは心配した。
「これくらいでいい。お前がつらくなるだろう」
「でも…ヒイロは大丈夫なの?」
「お前が大丈夫ならそれでいい。俺は丈夫だ」
…とてもやさしい彼。こういうときだってヒイロはいつも自分のことを考えてくれているんだ。
嬉しい。とても嬉しい。いつもヒイロは優しい。
「ありがとう」
優しいヒイロに礼をする。
ヒイロは腰を轟かせた。
「あ、ああああっ…いいわ…ヒイロぉ!」
入っていく温かいものに犯されるリリーナは
周りに聞こえてしまうかもしれない嬌声で、叫ぶ。
この声を殺す気はなかった。気持良いものを気持良いと感じることに
何のためらいもなかった。私は今、ヒイロを感じている。
「ああ…くぅっ…」
彼女の膣の異常な締め付けにヒイロもたまらなくなる。
「ヒイロも…出していいのよ、声を…あああっ…」
リリーナと違い声を堪えているヒイロはリリーナから見てとても辛そうに見えた。
自分だけこんなに声を上げて喘ぐのももったいない。自分に優しくしてくれるヒイロにも
快楽を十分に味わってほしかった。
「ああ…俺は…俺は…ぐあっ……ああっ」
我慢してたんだろう。
リリーナに言われた後、ヒイロの声のボリュームも上昇し
これまたいつ誰が聞こえてもおかしくない声で喘ぐ。
ヒイロもまたリリーナを感じる。
「あぁん…あ…あぁぁぁぁ………はぁぁん!!気持いいわぁ!」
槍はもう彼女の子宮の近くまで行き着いていた。
2人は激しく揺れ動き、淫らな姿で愛を確かめ合った。
「俺も、俺も……ぉぉっ!!」
互いの肢体が擦れあい、快楽の摩擦の虜になる2人には
絶頂が近づいていた。
「リリーナ…もうだめだ、出すぞ…」
「んはぁっ…出して、お願い…」
「うぐああっ……がああっ」
「あん、あっ……あぁぁぁぁぁぁっん!」
2人は絡み合い、崩れ落ちた。吐息が途切れ途切れになり、
ヒイロは精液を流し込んでいる。流し込んだ後は2人の性器は分離され、ヒイロもリリーナも全裸のまま
野原の上に寝転がっていた。
「ヒイロ…」「リリーナ…」
2人は抱擁をした。
2人にしか味わえない幸福
2人にしか味わえない時間
2人にしか味わえない安らぎ
を、お互い感じていた。
あれから30分ぐらい過ぎただろうか。ヒイロとリリーナはずっと全裸でいた。
この時間、2人は何も喋ることもすることもないままただただ互いを感じていた。
それ以外を感じる余韻など到底なかった。今は
―ヒイロだけを
―リリーナだけを
感じて、安らぐ。
…しかし、その安らぎはどうやらこの辺で終了のようだ。
「いやー、ここはいい空気だなー」
「こんなに空気がよくて綺麗なところなのに、なんで利用者はすくないんだろうな」
「遠いほうにあるからじゃないの?」
………人の声!
そう、遠くのほうから、キャンプ場へと足を運んでいると思われる人たちの声が聞こえた。
ヒイロは今の状態に危機感を感じた。
しまった、人が来た。今まで誰もきていなかったから油断をしていた。
(というより、忘れていた)
遠くから声を何とか聞くことができたのは唯一の救いだったか。
隠れなければならない。
彼でさえも、心臓をはためかせ体を振るわせる。
「リリーナ、人が来るぞ」
警告を流す。……………………だが
「すー、すー………」
…………………………
彼女は眠っていた。緑に染まる大地で、一糸縫わぬ姿で……。
激しいセックスに翻弄され、疲れたのだろうか。
「おい、起きろ。リリーナ」
肩をゆするが起きる気配がない。とにかくこんな姿を見られるわけには行かない。
そう思ったヒイロは軽く舌打ちをするとリリーナと、2人の脱いだ衣服をかついで急いでキャンピングカーの中に隠れた。
608 :
478:03/10/10 00:10 ID:MAKYVG1u
一応終わりです、ハイ。
激しく不味いもので非常に申し訳ないです。
しかもこれ、続く可能性が…
507さんのリクも消化できてないのでそれも書こうかな
って思ってたり(ってか早く書けよ(スマソ
考えれば自分のヒイロって…喋り過ぎだ…
切羽詰ったりすると多弁になるし、いいんじゃねえの
はじめまして。いつも楽しませてもらっています。
Fekiaさんの「高貴なるものの血」に凄く萌えて、ザビーネ×ベラ(敢えて
この名前)の純愛バージョン(エロもあり)を一気に書いてしまいました。
全部で5章になります。
それで、Fekiaさんと住人の方に伺いたいのですが、そういうものをここに
順にUPしてもよいものでしょうか?
純愛系なので方向性は全く違いますが、カップリングが同じ上、原作に収斂
させてゆくやり方も同じなので、展開的にどうしても被るところがでてきます
(シーブックやアンナマリーとのことなど)。
それに元々Fekiaさんの作品にインスパイアされて書いたものなので、
二番煎じなのは確かです。
そういうものをUPすることで、Fekiaさんが今後書き難くなってしまったり、
Fekiaさんを含む住人の方たちが不快な想いをされることになったりしては
本末転倒だと思います。
そのあたり、どうでしょうか? 良かったら意見をお聞かせください。
>>610 嫌だなんて言う理由があるはずないです。
ぜひともUPしてください!ベラ作品は少ないですからとても嬉しいです。
楽しみにしています。
私も楽しみにしています。純愛かつエロなんてウマーw
Fekiaさんのことはご本人のレス待ちでしょうが、
先にウプしてしまうことが気になるなら、
Fekiaさんがウプしているところまでの話に
しておく手もあると思います。
今でしたらシーブックが出てくる前までですね。
別にこのスレはFekiaさんのものでもなんでもないしね。
むしろ、ついこないだ出てきたばっかの人だから立場は同じだろうし。
文章上手い人ならいつでも大歓迎。
614 :
名無しさん@ピンキー:03/10/13 20:28 ID:KhmJznT9
えーと「高貴なるものの血」3章をUPしに参ったのですが
>>610さん
私もむしろ大歓迎なんですが、もしかして、私のレスを待っていたために
この連休でUPする予定が、できなかったということだったりしますか?
もしそれでしたら、もう本当に貴重なお時間を無駄にしてしまって、
大変申し訳ないです。すみません。
あの私は、今自宅にパソコンを置いてなくて、1週間か2週間に1度、書き上げたものを
ネットカフェで丸1日かけて投稿してまして(これからも朝までかけてUPする予定)
だからその度でしか、ここを見てないんです。
だから自分や自分の作品がどういう状況なのか、今ここに来てはじめて知る、
という始末なんです。
私は大体火曜日しかUPできる予定が取れません。それに実力不足やタイピングの遅さで、
私のはまだ仕上がってませんが、もし
>>610さんの作品が完成されてるのでしたら、
私などにかまわず、どんどん投稿していただいてください。
もう、全然OKですから。
またしてもSage忘れ・・・
すみません。
>>578さん、594さん、595さん、596さん。
上記の理由で、感謝のレスが遅れて、申し訳ありませんでした。
大変うれしく思っております。
細々とやってく予定が、こういうレスをいただくと、
身の程知らずですが、頑張らせていただこう!と
一人で勝手に燃え上がっております。
>>478さん
私のものなど
>>478さんのヒイロ×リリーナものに比べたら
まだまだ未熟です。いつも楽しく読ませてもらってます。
こんな私ですが、よろしくご指導ご鞭撻お願いします。
それでまあ、何か自分勝手なようですが、
これから「高貴なるものの血」の3章をUPします。
よろしくお願いします。
3月24日。フロンティアWは、順調な復旧作業のおかげで、かつての活気を取り戻しつつある。
その復旧作業には、クロスボーンも全面的に貢献していた。当初から、フロンティアサイドを拠点
とするために、コロニー公社と手を結んでいる経緯を持つ彼らとしては、それは当然のことなのであ
る。
だが、そんなクロスボーンを、住民たちは少なくとも誠意のある集団と思い始めてきたことこそが、
彼らが真にねらっていることなのだった。
そんな雰囲気の中を歩くシーブック・アノーは、何か違和感を感じてしまう。
見慣れたはずのこの街は、もう自分が育った街ではないのかもしれない。
あの日学園祭の最中だったシーブックは、友人のアーサーを殺され、セシリー・フェアチャイルドと
も生き別れてしまった。
街全体の雰囲気に違和感を感じるとき、あの美しい少女との思い出も、どこか別世界の遠い過去の
ように思えてしまう。
そんな時に自分の中で、彼女への思いが募ってゆくのに気付かされる。
あの日、ガンタンクを操ってセシリーを助けようとしたシーブックは、突然ガンタンクへの衝撃を
受けて、失神してしまった。
意識を取り戻した後、ガンタンクにクロスボーンのモビルスーツが使う、巨大な槍が突き刺さって
いた。セシリーを連れ去ろうとした彼女の父といい、あの場所にクロスボーンが現れたことといい、
シーブックには何が起こっていたのか、想像つけかねている。
何にせよ、セシリーの身への不安が、頭から離れない。それにシーブック自身の家族の問題として、
フロンティアW脱出の際に別れた、父レズリーのことも気にかかっていた。
そうした不安が、彼をここに戻らせていた。
シーブックは、いったん自宅がある高層マンションに行ってみたが、レズリーが部屋に戻っている
様子はなかった。リィズにせめて何かいい知らせを持って帰りたい彼としては、残念でならなかった
が、手がかりがないのでは、どうしようもなかった。
軍に自分の仕事が利用されるのを嫌って、フロンティアWに移住してきた父が、平和に暮らしてき
た人々をいかなる理由があれ、戦渦に巻き込むような集団にただで屈するとは思わない。
そういう判断をするであろう父自体は、シーブックには好ましいことではあるが、ただ心配なのは、
あれで行動力を持つ父のことだから、反クロスボーン運動なんかに参加したりして、拘束なんかされ
たりしてないだろうかということだ。
シーブックは焦燥を覚えつつ、今度はインバーバ区ウェーズ通りのテスのパン屋、すなわちセシリー
の自宅に向かった。
昼過ぎということもあってか、商店街が連なるウェーズ通りは、近くの一般労働者用の集合住宅ス
ペースに住んでいる、買い物籠を抱えた主婦が多い。
「ここもか・・・・・・」
シーブックが予想したとおり、テスのパン屋は閉まっていて、数日のあいだ人が出入りした様子は
なかった。
「セシリーは戻ってきてないのか・・・。あの親父さんも・・・」
シーブックは一度訪ねたときにいた、妙に鋭い目つきの中年男性の顔を思い出した。
それは間違いなく、あの時セシリーを連れ去るために、彼女に向かって発砲までした男だ。
確かに最初会ったときから、油断ならぬ何かを感じさせる男だったが、親が娘に銃を向けねばなら
ない理由とは、一体どんなものなのだろうと思う。そしてセシリーが、何の理由でそういう仕打ちを
されなければならないのだろうか
ふとシーブックの脳裏に、セシリーと一緒に自転車で下校したときのことや、学園祭でのトトカル
チョの件で口論したことが思い出された。
明るくて聡明で気が強くて、清純で可憐な彼女には、そんな強烈な存在感はあっても、やはりシー
ブックにとってはあくまでも普通の少女なのであり、後ろ暗い影があるはずなどないのだ。
「ここはあの日から、ずっと閉まったままだよ」
「・・・・・・?」
しばらく思い出に耽っていた彼は、急に話しかけられて驚いた。
買い物籠に野菜や果物を詰め込んだ、まんまるとした中年の主婦が、胡散臭そうにシーブックを見
つめている。その眼差しは、気の強さを物語っていた。
「閉まったままって・・・、店のおじさんはどうしたの?」
「シオなら今頃大金持ちになって、バラ色の生活でも送っているよ」
「どういうこと・・・・・・?」
「あたしだって信じられなかったんだよ。まじめなパン屋だと思っていたのにさ・・・。売国奴だっ
たんだよ、シオは。迎賓館近くに引っ越して、ロナ家に尻尾を振っているんだからね」
「あ・・・、セシリーは?」
「あんなロナ家の女っ!」
言いたいことを言ってすっきりしたのだろう、婦人はどこか満足げに立ち去っていった。
しかしシーブックには、思いもよらない話だった。
「・・・ロナ家の女? どういうんだ?」
婦人の話はあくまでも噂話でしかないとは思うが、シーブックはそれまでの疑問や不安が、1つ
の線になりつつあるのを感じた。
(クロスボーンを率いるロナ家の血を、セシリーは引いているのか・・・・・・?)
そうだとすれば、あの時クロスボーンのモビルスーツが現れたのも、わかる気がする。セシリー
を探していた部隊に、シオが強引に彼女を引き合わせたのだろう。
そんな彼女の身の安全や、家族関係の複雑さは気になるが、ロナ家の一族として迎えられたのな
ら、手荒な扱いは受けてないはずだ。
希望的観測だとも思うが、何より手がかりが得られたのはよかった。
迎賓館に行って、確かめる必要がある。そこにセシリーがいたとしても、正面から乗り込んで彼
女に会えるとは思えない。
シーブックは彼女を連れて帰る気でいたし、彼女がロナ家の一族になることは、クロスボーンに
参入することでもある。
彼女の意思はともかくとして、シーブックはそんなセシリーを見たくなかった。
考えた結果、彼は夜を待って、迎賓館に忍び込むことに決めた。無謀かもしれないが、彼女に会
いたい一心が、彼に決断を下させた。
それまではまだ数時間ある。シーブックはさらに情報を得るべく、街の中に消えていった。
その日の夜。迎賓館のセシリーの寝室では。
「んああっ・・・、そんな。私また・・・あああ・・・」
涙に濡れた瞳を中空にさまよわせながら、セシリーは妖しい声を漏らしている。
真っ白な彼女の裸身はほんのりと赤みを帯び、透明感やみずみずしさに満ちた肌は、うっすらと
汗ばんでいた。
ザビーネは彼女の両脚を広げて、愛液を垂れ流す肉壺の中に中指を入れて、丹念に愛撫している。
その彼の腕だけではなく、セシリーの下半身周りのシーツも、すでにぐっしょりと濡れていた。
ザビーネは中指を直角に曲げて、膀胱側のくぼんでいる部分の辺りを、執拗に押し続けている。ど
こがセシリーのツボなのか、すでにわかっていた。ポイントに当たると彼女の腰の力が抜けるからだ。
「ああっ、いやぁ・・・こんな・・・・・・」
意識が飛びそうなのか、彼女の両手はシーツをぎゅっと掴んでいる。
全身にもぐっと力が入ったかと思えば、また抜けていく。それに合わせるかのように、膣も締まっ
たり緩んだりを繰り返している。
「フフフ、いまさら何が嫌なのです」
ザビーネは笑いながら、なおもくぼみをぐいぐいと押した。
「はうあああっ、あっあっあっああああ・・・・・・」
声をかけられたことでさらに反応したのか、セシリーはさらに大きく喘いだ。肉体を駆け巡る快感
の嵐に耐えられないというかのように、頭を左右に振りはじめる。
「も、もう・・・、出るっ、また出ちゃうっ、あああ・・・っ!」
セシリーの全身が、瞬間的にぴんと張り詰めた瞬間、尿道口から透明な液がぶしゅうっと、何度も
噴き上がった。
「もう3度も潮を噴かれるとは・・・」
生暖かい飛沫が自分の腕にかかるのも構わず、ザビーネはセシリーの耳元で囁いた。
しかしセシリーとしては、3度も潮吹きを体験したからといって、自分の秘部がこんな現象を起こ
すなど知らなかったのだ。いまだに噴き続ける飛沫を、羞恥に顔を赤らめながら、眺めているしかな
かった。
「こんなこと・・・、こんなことって・・・」
なんとか紡ぎ出す言葉に、熱い吐息が混じる。潮を噴き終わった後の彼女の全身からは、完全に力
が抜け、とろんとした瞳が切なげにザビーネを見つめている。
「ザビーネ、お願い・・・。私、もう・・・」
「フフ、どうしてほしいのです。ちゃんと教えたとおりに、言葉と態度で示してください」
意地の悪い言いようではあるが、セシリーは従順にそれに従った。熱い吐息を苦しげに漏らしなが
ら、快感の余韻が残る肉体をうつぶせにして、ゆっくりと四つんばいになる。そして片方の手を股間
にまわし、自らの淫唇を指で広げてみせた。
赤く充血した花弁はひくひくと蠢き、その奥から大量の愛駅が滴り落ちている。
「お願い、きて、ザビーネ・・・。私の、ここに・・・、はやく」
セシリーの哀願に、ザビーネはニヤリと笑った。征服感が彼を満たしていく。
コスモ・バビロニアの女王となる少女が、短期間で自らの秘部を広げて、ザビーネの男根を求める
までになったのだ。
彼は今までにないほど股間の猛りを感じつつ、女尻を抱え込むと遅滞なくセシリーを貫いた。
「あうう・・・入ってきた・・・、入って・・・んああああ・・・っ」
達した直後で蜜壺は敏感になっていたらしく、むっちりとした柔肉が蠢く彼女の中は、これまでに
ない熱さと潤いに満ちていた。そしてねっとりとザビーネの男根を、隙間なく包み込んだかと思うと、
はやくも精を吸い出そうと、一斉に強く絡みつく。
「これは・・・、今日はまた・・・」
その強烈な愛撫に導かれるままに、ザビーネも上に下にと本能のままに突き入れると、セシリーも
それに合わせて腰を動かしはじめた。
わななく彼女の背中の向こうで、豊満な乳房が大きく揺れているのが見てとれた。
「あっあっあっ・・・、ああん、いいっ・・・、あん、もっと・・・」
セシリーのぎゅっと引き締まったウェストから、そのみずみずしい張りに満ちたヒップの、なまめ
かしいラインが大きくくねり、ザビーネにさらに激しい動きを要求する。
彼もまた腰だけでなく全身を振るわせて、さらに強く、さらに奥へとピストン運動を繰り返した。
「くうっ、これは・・・」
その動きに刺激され、さらにまた膣肉の締まりが、男根を貪るかのように強くなってゆく。
次々と襲いかかる快感の激しさに、ザビーネは自分の腰が自分の本能を離れ、いわば彼女によって
それを振らされているような感覚すら覚えた。
「これほどとは・・・」
早くも射精衝動に襲われ、ザビーネは戸惑った。
すでにこれ以上突くことも抜くこともできないほど、締めつけられている。腰を振るのをやめ、下
手に刺激を受けぬよう気をつけながら、彼はセシリーの背中に覆い被さるように、上半身を倒した。
揺れ動く両の乳房を両手でわしづかみ、そのままこねくるように揉みしだく。それと同時に、乱れ
た金髪の隙間から覗くうなじに舌を這わせた。
「んんっ、ザビーネ・・・」
セシリーもそれに応じて振り向き、二人はお互いの舌を絡ませあう。
しかしそうした愛撫にも、敏感すぎるほどにセシリーは刺激される。
「ぐっ」
膣肉の蠢きが、表情を変えてザビーネを責め上げ、射精をせがむ。彼は必死でそれに耐えながら、
ゆっくりと男根を抜き、セシリーを仰向けにしてから、あらためて挿入した。
(それにしても・・・)
膣内や膣奥の性感などまだ未開発なのに、それらへのピストン運動だけで、これほど深い快感を得
て、乱れることができることができる女性も珍しい。
「ああっ、はあんっ、いい〜っ、いいの〜っ!」
さらに激しくなる喘ぎが、彼女のその類稀な感度のよさを証明している。
(これでもまだ、磨ける部分があるということか・・・)
その思いが、ザビーネに更なる興奮をもたらした。
セシリーの清楚な美貌が切なげな表情をみせるその下で、豊かな乳房の大きな揺れが、この上ない
淫靡さを撒き散らしている。
ぐちゅっぐちゅっと鳴り響く結合部の音と、彼女の喘ぎを聞きながら見るその眺めは、まさにエロ
スの極みともいえるが、今のザビーネに、それを愉しむ余裕はなかった。
ザビーネの男根を締め付けるセシリーの蜜壺は、もはや彼の精だけでなく、魂やプライドまで吸い
取ろうとするかのような、そんな凄みすら帯びて絞り上げてくる。
その罪深ささえ感じられる淫猥な官能には、どんな男も抗いえない堕落の魔力に満ちていた。
「ああ〜。凄いい〜、凄いいいい〜っ!!」
もはや一匹の雌でしかないセシリーの叫びを、どこか遠くでで聞きながら、ザビーネは理性も欲望
もまとめて叩きつけるように腰を振った。
結合部の灼熱が彼のすべてを溶解し、セシリーに包み込まれる。その中で強烈な一体感を感じなが
ら、彼女とともに、いまだ味わったことのない未知の世界に堕ちてゆく。
その感覚が彼の心を満たしたとき。
「イクぅ〜、イクぅ〜っ・・・あああっ、イクううう〜っ!!」
「ぬああああっ!!」
獣のような叫びが交じり合い、二人は同時に絶頂に達した。
その余韻に全身を激しく痙攣させるセシリーの胎内に、ザビーネも身を震わせながら、精液を存分
に垂れ流す。
だがそれが終わっても、ザビーネの男根は猛ったままである。
彼女の肉体がもたらす興奮が、1度の放出で収まりがつくわけがない。
いつものように、そういつものように、互いの獣欲が完全に開放され、二人に与えられた時間が終
わるまで、互いを求め合い貪りあうのだ。
ザビーネは立ち上がって、今度はセシリーの腹部にまたがるように腰を下ろし、男根を彼女の胸の
谷間に埋めてゆく。
「さあ、ベラ様。今度は胸で気持ちよくしていただきましょう」
いまだ放心状態のセシリーは、眼前に男根を突きつけられて、ようやく我に返った。
精液と愛液の混ざり合った白い粘液で、どろどろになっている肉棒を嫌がる素振りも見せず、いと
おしそうに眺めながら、両脇から乳房を抱え込んで挟みこむ。
豊かな乳房の間に、男根はすっぽりと覆われた。
「ザビーネのが・・・こんなに、熱い・・・」
17歳の乳肉に満ちる弾力性と、若々しい張りのある肌の感触は、膣肉とはまた違った愉悦をザビー
ネにもたらした。
「おおうっ、素晴らしい胸だ」
ザビーネは、締め上げてくる両乳の間に、男根を擦りつけるようにゆっくりと腰を振る。同時にセ
シリーも、それを乳房で磨いてゆくようにしごきあげた。
二人の動きの呼吸が一致しだすと、ザビーネは早くも絶頂感に見舞われた。
「くっ・・・」
予想以上の乳擦の快感に、こらえきれなくなったザビーネの動きが止まる。
両乳の谷間から突き出た肉棒の先に、セシリーが舌を這わせたのが引き金となった。
「くうう・・・」
ザビーネは、そのセシリーの頭を両手で抱えて固定すると、その卓越した美貌めがけて勢いよく射
精した。
「あふぅ・・・んっ・・・」
肉欲におぼれる雌への罰を刻印するかのように、白濁液が彼女の顔を汚していく。しかし、それが
喜ばしいことであるかのように、少女は妖しく微笑んだ。
「フフ、ベラ様。今夜はまだまだ終わらせませんぞ」
そんなセシリーを見つめるザビーネの左目は、依然としてギラついた光を宿していた。
そのころシーブックは、迎賓館の周囲に生い茂る林の中に、身を潜めていた。
ここに忍び込むのは、予想通り困難ではあった。難民に紛れ込み、電気工事の作業員になりすまし
ながら、歩哨の目をごまかし、ここまで何とか辿りついた。
夜はもうかなり更けている。時間がかかりすぎたことを悔やみつつ、シーブックは迎賓館の周囲を
見渡した。月の光を模した青白い光が、どこからともなく迎賓館を照らしている。
建物の周囲に人影はないが、部屋のいくつかに明かりが灯っている。
シーブックはそっと建物まで近づくと、その壁沿いに侵入できそうな場所を探しまわった。
しばらく注意深く探すと、2階の部屋のひとつに、窓が半開きのままになっているのを見つけた。
ここから中には入れるかもしれない。運良くその近くに生えた一本の木が、その窓のところまで、
太い枝たちを伸ばしてくれている。
その部屋の中に、人がいるかいないかは賭けである。だが他に、シーブックにはいい手段がないよ
うに思えた。
腹を決めて、彼は木を登り枝をつたって、その部屋の窓に近づいた。
「・・・?」
その部屋の中から、苦しげな女性の声が聞こえてきて戸惑う。
中に人がいたのかと思ったが、それでもシーブックは思わず部屋を覗いてしまった。その声を聞い
て、何が部屋で行われているのかを、なんとなく想像できたのだが、何よりその声自体に、彼は聞き
覚えのある響きを感じられたからだ。
部屋の中央の大きなベッドのそばに置かれた、か細いライトの明かりが、部屋全体を照らしている。
その光に浮かび上がったものは、ベッドの上で濃密な情事に耽る、一組の男女の姿だった。
「!!」
シーブックは思わずその場で凍りついた。
男の上にまたがり、この上なく淫らに腰を振って、歓喜に浸る金髪の少女。
それは紛れもない、あのセシリー・フェアチャイルドだったのだ。
「ああぅ・・・、奥に、奥に当たってる〜、当たってるうう〜」
快感に本能を剥き出しにした彼女のその姿に、シーブックは落雷を頭に叩きつけられたような衝撃
を受けた。
口の中が一瞬で干上がっていく。自分がどうすべきなのかわからない。真っ白になってしまった意
識のままただ呆然と、愛する少女のその様を見ているしかなかった。
「本当に・・・セシリーなのか・・・・・・?」
認めたくなかった。なぜこんなことになっているのだろう。湧き出る疑問は、次々と無数の疑問を
生んで、シーブックを押しつぶす。
室内の男女は何度か体位を変えながら、激しく交わりあっていた。前にサムたちに見せられた、ポ
ルノグラフィに載っていたようないやらしい格好で、セシリーは男根に存分に貫かれている。その結
合部分が、遠目からでもなぜかはっきりとわかった。
「わ・・・私、イキそう・・・、また・・・イキそう!!」
セシリーの快楽の果てに達したとき、シーブックの中のセシリー・フェアチャイルドという存在の
全てが、音を立てて崩壊していった。記憶も想いも、粉々に散ってゆく。
そしてそれは涙となって、シーブックの頬を静かにつたい落ちていった。
END
えっとこれで3章は終わりです。
これでザビーネ×セシリーは一応終わりの予定(?)なんで、
なんかこう、気合をいれてエロを書いた結果、
妙にしつこくなったんじゃないか、と思うのですがどうでしょうか。
それに鬼畜な展開にですし。
でもハッピーエンドになるよう頑張るつもりです。
ただやっぱりこの先は、エロがないこともありそうです。
展開もしばらく暗くなりそうですし。
あと、
>>614のレスは私です。申し訳ないです。
>>610さん
勝手に自分のやつを進めてしまいました。
かえすがえすも申し訳ありません。
本当に私なんか気にしないで、思う存分投稿してください。
私も読ませていただきたいです。
もう書いても大丈夫かな。
他のことをしながら時々覗いてリアルタイムで読んでいたんですが、
なんかもう読んでる方の腰も抜けちゃいそうなぐらい凄かったです(w
こんなに濃いエロを読んだのは始めてかも。
大 満 足 !!!(w
あ、でもシーブックには気の毒でしたね。
刺激も強過ぎるし、何よりも衝撃が大きそうで。ここからどうやって
ハッピーエンドにもっていくのか、興味津々です。
ネット環境が大変そうですが、続きを心待ちにしていますので、
どうかよろしくです。
いやはや、お疲れ様でした。粗茶でもドゾー ( ・∀・)つ旦~
>>629さん
こんな時間に感想のレスがあるなんて感激です。
頑張らせていただきます。
610さんUPしておくれー
>Fekia様
第三章、お疲れ様でした。いや、上手いですよ、本当に。
ふとシーブックの脳裏に、セシリーと一緒に自転車で下校したときのことや、
学園祭でのトトカルチョの件で口論したことが思い出された。
いいですね、この文章。こういう日常的な描写があるからこそ、ベラという名にな
り、ザビーネに腰を振るセシリーの衝撃的な変化が、際立っていると思います。
他にも、妹にいい知らせを持って帰れないと残念がりながら、かつての自分の家
から去るシーブックの描写も、上手いと感じました。ザビーネとセシリーの精神的
主導権の逆転を匂わせる文章も、さり気無くいれてありますし。そういったキャラの
精神的・感情的な変化を表す文章が、良い働きをしていると思います。
気になるのは、三点リーダー「…」の使い方です。活字にされた普通の文章の様
な改行の仕方や、句読点の打ち方をされておられるので、その点が気になりました。
普通、三点リーダー「…」やダッシュ「―」は、二文字分を一つにして使うそうです。
詳しくは、こちらを御覧下さい。
ttp://www.asahi-net.or.jp/~mi9t-mttn/cstory/write11.html 生意気な事を言って、済みません。第四章、楽しみにしています。
>>611-613 >>631 >>610です。まとめレスで申し訳ありません。
温かいレスをありがとうございました。
>>614 >>628(Fekiaさん)
寛大な言葉に感激しています。連休でUPする予定ではありませんでした
ので大丈夫です。でも、お気遣いありがとうございました。
それに謝っていただくことなんて何もないです(むしろこちらこそ)。
あと、作品の感想は名無しで書きますね。照れ臭いので(笑
続きを心からお待ちしています。
それでは、Fekiaさんとレスをいただいた方たちの言葉に甘えて、
ザビーネ×ベラの純愛バージョンをUPさせていただきます。
>>613さんの「文章上手い人」に当てはまるかどうかは甚だ怪しいですし、
男性にはあまり面白くないかもしれませんので、ダメダメと思ったら
さくっとスルーしてやってください。
第1章の分として、以後8レスほどお借りします。
その夜も、いつもと同じだった。部屋の中にやや荒めの息遣いと水の漏れるような微かな音が響き、くぐもった声の後で一瞬の静寂が訪れる。
ややあって身を起こした男は後始末をすませると、先に自分の手で脱がせた寝衣と下着を、部屋の主であるベラ・ロナの傍にそっと置いた。
背を向け身支度をしようとした男――世話役のザビーネ・シャル――を引きとめたのは何故なのか、ベラ自身にもはっきりとは分からなかった。分かっていたのはただ、もう少し二人で居たいと願う心だけ。
過去の自分と決別するためのきっかけとして、ザビーネに抱かれることを望み口にした時、彼は一日待って欲しいと答えた。ベラ様の気持ちが変わるかもしれませんから、と。
そして翌日、気持ちが変わらなかったことを確認した後は、与えられた任務を果たすかのような生真面目さで事にあたった。
挿入する直前に許しを得る言葉を発した以外、ずっと無言ではあったけれど、初めての身体への思いやりが感じられる穏やかな抱き方は、居たたまれない想いと孤独感に苛まれていた心をほんの一時(ひととき)温めてくれた。
当初望んだのは、後戻りできぬ刻印を自分の身体に押してもらうこと、それだけだった。一度きりで終わりにする筈だった夜を幾夜も重ねてしまったのは、自分の弱さに他ならない。
肉欲に溺れたのではなく――溺れるほどのことをザビーネはしてくれてはいない――人肌のぬくもりが欲しかった。束の間であっても、その間だけは孤独感が薄れ、自分のせいで死んでいった人間の顔を忘れることができるのだから。
相手にザビーネを選んだのは、彼の細やかな心遣いに誠実さを感じたからだ。
シーブックの生死を確かめるために立ち戻ったあの場所で、最初は早く立ち去りましょうと促していたのに、泣き出してからは静かに見守っていてくれた。誰の死を悼んでいるのか、その相手とはどういう関係ないのかと、一言も問うことなく。
それに、誰かに抱かれるなら、シーブックの命を想って流した涙を知っている人間にしたかった。勝手な言い草なのは分かっているけれど……
その後も、誘えば否とは言わず無言のまま淡々と自分を抱き、終わると静かに部屋を出てゆくザビーネ。彼にとってはこれも任務の一環であり、義務でしかないのかもしれない。そのことに、物足りなさを感じるようになってきた自分がいる。
それに、触れ合う肌から伝わってくるものがある。掴もうとしても僅かなところで手を擦り抜けていってしまう何か、その存在に気付いてからは微かな希望を感じている何か――それが何なのか確かめるためにも、もう少し一緒にいる時間が欲しかった。
とはいえ、いざ引きとめようとすると、腕を掴んで引っ張ることしかできない。物慣れない自分を情けなく思う。振り返ったザビーネの顔に怪訝そうな表情が浮かんでいるのを見て、言葉もなく俯いた。
この気持ちをどう伝えればよいのだろう? 潔癖なザビーネは、これ以上の職務逸脱を嫌うのではないだろうか。私の任務にはそこまで入っていませんが、と冷たく返されたら!?
落とす視線の先を見慣れぬものが横切っていった。ザビーネが振り向いたことで、視野に入ってきた彼の分身。何度か抱かれていたとはいえ、面と向かって見たのは初めてで、我知らず眼が釘付けになってしまう。
視線に気付いたザビーネが慌てて身をよじって隠そうとしたが、既に後の祭りだった。薄暗い部屋の中でもはっきり分かるほど屹立していたそれは、眼に鮮やかな残像となって焼き付いてしまったのだから。
「……もう一度、と…?」
沈黙の後でベラが問う。
「いえ、私は――」
言いかけて口をつぐむ。今さら何の言い訳ができるというのか。一度抱いただけでは収まらない欲望を、一番知られたくない相手に知られてしまった。
「不様なものをお見せして、失礼しました」
肉欲を制御できていないのは恥ずべきことでしかなかったし、ベラが自分に求めていることとも違うと分かっていた。
「……」
もうこの部屋に呼ばれることはないだろうと考え、今度こそ身支度をしようとしたザビーネの背に、柔らかいものが触れた。伝わってくる鼓動と、そこだけ違う温かさ――ベラが裸の胸で抱きついてきたのだ。
「ベラ……様!?」
「私も望んでいると言ったら、はしたなく思いますか?」
耳を掠める声。顔を見ることはできなかったけれど、身体の前へおずおずと回された両手が小さく震えていることが、ベラの真情を痛いほど伝えていた。
「いいえ、嬉しく思うだけです」
意を決して再度振り向いたザビーネの顔を、ベラの真摯な眼差しが見返す。抱き寄せるより一瞬早く、自分から胸の中に飛び込んできた。ザビーネを見上げた姿勢で眼を閉じる。
「よいのですか?」
初めて抱き合った夜、口付けしようとした時に首を横に振られて以来、二人の間でそれはタブーとなっていた。今、ベラはその縛めを自らの手で解こうとする。眼を閉じたまま小さく頷いて、ザビーネを待った。
ふわふわとした柔らかい唇。初めは軽く触れ、二度目は下唇だけをやや深く吸う。
「あぁ……」
離れた瞬間のベラの吐息がザビーネを三度目へと誘(いざな)う。手を後頭部に回し、舌で唇をこじ開けて中へ入ってゆく。
「んんっっ」
初めての動作に戸惑うベラ。歯茎をなぞり舌に絡んでくるザビーネの舌に刺激されて、頬に赤味がさす。
そのさまを至近距離で見守りながら、ザビーネはベラの手を自分の手で包み込んだ。小さな掌に微笑み、口元へ運んで手の甲に口付ける。
「あっ」
唇を滑らせ、指の間に舌を差し入れる。
「ああっっ!」
喘ぎ声がザビーネの中の男を駆り立てる。片手で身体を抱きしめながら、指の一本一本を丹念に舐め上げ、その度に上がる嬌声を耳にする。隻眼が嬉しそうに細められ、頬が僅かに上がる。
中指に差しかかった頃には、ベラは手だけでなく全身を震わせていた。
震えがザビーネにも伝染し、欲望を抑えきれなくなってくる。
「任務以上のことを、してもよいでしょうか?」
「してください……いいえ、任務では厭! ザビーネの心が欲しい」
潤んだ瞳でザビーネを見つめ、哀しげに首を振る。
「私の心?」
「義務で抱いてくれているのは分かっています。それでも私は――」
ベラの頬を零れ落ちる涙に、胸が絞めつけられる。慣れぬ感情に戸惑うザビーネ。
「ベラ様……」
「二人きりの時はベラと呼んで」
「……ベラ、義務ではありません」
「ザビーネ、本当に!?」
「ええ。なんと言ったらいいのか、このような感情は初めてで……でも、義務ではないのです」
「あぁ、ザビーネ!」
ザビーネはベラ眼の縁に唇を当てて、残りの涙をそっと吸い込んだ。いつになく優しい仕草に、ベラが嬉しそうな笑みを返す。清楚な中に艶やかさを含んだその微笑みが、ザビーネの心を直撃した。
抑えていた心が奔流のように荒れ狂い、二人を押し流していった。狂ったような口付けの後でベラをベッドに押し倒し、情熱的な愛撫を加えるザビーネ。首筋に、乳首に、脇腹に、太腿に、そして花芯に、激しくも細やかな刺激を加え、快感を高まらせてゆく。
ベラは溺れていた。声を抑えるのが精一杯で、それさえも次第に怪しくなってきてしまう。
「っあーーーっ!」
高らかな喘ぎ声がザビーネをさらに駆り立てる。膝を立てた状態で脚を開かせ、愛液にまみれている花芯を舌で攻め始めた。
「ザビーネっ!」
慌てて起き上がろうとするベラを腕の力で抑え込み、有無を言わさず続行する。弾力性に富む太腿は手にしっとりと馴染んでいる。
「こんな……あぁんっ!」
花蕾がぷるんと揺れ、泉が涌き出る。繊細さを秘めた極上の味を、舌で余すところなく味わう。
「あん、あふんっ! あぁぁーーーっ!!!」
初めて迎える絶頂に呑み込まれるベラ。咽喉を大きく仰け反らせ、快感に身を委ねている。快楽のさなかにも崩れることのない、きりっとした美貌と肌がほのぼの上気するさまが、ザビーネの眼を楽しませた。
ベラの息遣いが少し落ち着くのを待って、彼女の内部にいつもの錠剤を差し入れる。上半身を起こした姿勢で自分の身体を固定して、ベラを膝の上に抱き上げた。
何度目かの口付けを交わした後で一旦腰を浮かさせ、ベラが頬を染めて見守る中、はちきれそうな分身を蜜で溢れた入り口へと侵入させてゆく。
「あぁっ!」
「くぅっ、いい……」
「いい!? 私が?」
息を荒くしながらベラが問う。抱き合っている時にザビーネがそのようなことを言うのは初めてで、それだけでも心が弾んだ。
「吸い込まれるような、ううっ……それでいて…きついのです……」
「ザビーネ、嬉しい……ああぁんっ!」
根元まで挿入したザビーネが、ベラの腰を片手で抱えてさらに深く貫く。もう片方の手は乳房を鷲づかみにし、力強い愛撫を加えている。
「はぁぁぁんっっ……ザビーネ…がこんなに凄い……なんて……」
繋がったまま口付けを繰り返すザビーネ。舌を絡ませるコツを覚えてきたベラに頬が緩む。
「ベラがさせているのですよ。うぅぅっ…私を誘って……いらっしゃる」
「そんな……」
「今までも、抑えるのに……んぁっ……どれだけ苦労したか」
いつも冷静で、抱き合っている時ですら表情ひとつ変えなかったザビーネの、眉間に寄った皺がベラを喜ばせる。
「我慢して、いた…の?」
弾む気持ちが声に出てしまう。知らず知らずのうちに内奥を絞め、ザビーネの皺をさらに増やす。
「ええ。だからもっと…誘っ……てください。奥深いとこ…ろへ私を……もう我慢したく、ない」
「ザビーネ、ザビーネ、来て!」
背中に回した手を強め、さらに深く結びつこうとする。内部で存在を主張している分身が、眼の前にいる男と同じぐらい愛しかった。
情動に突き動かされて、ザビーネは挿入したままのベラを抱きかかえると、ベッドの上に組み敷いた。脚を高く上げて自分の肩に乗せさせ、さらに奥を目指す。
「あぁぁんっっっ!」
先端が最奥に当たり、初めて知る刺激をベラの脳髄にもたらした。それは理屈を越えた快感だった。さらなる快感を求め、無理な姿勢からザビーネの背に手を回す。
「ベラこそ、くぅぅっ……良過ぎます。いって、しまいそう…だ……」
きつく締め上げる内奥に、自制心が吹っ飛んでしまいそうになる。これほど女の身体に感じたのは初めてだった。身体の相性がいいのか? いや、それだけではなく――
「ザビー……ネ、ザビーネ!」
名前を呼ばれることが、こんなに嬉しいと感じたことは無かった。この気持ちは何なのか。
激しく腰を動かしながら、手を花芯に這わせ、固くなっている蕾を揉みしだく。
「一緒に……あぁっ、いくっっっ!」
「ザビーネっっ!」
二度目とは思えないほどの飛沫が噴出する。一瞬遅れてベラも達した。
ただでさえきつい内奥が大きく収縮し、分身はいいように翻弄される。ザビーネは腰を動かすのも忘れ、最奥まで挿入した姿勢で内部の蠢きに身を任せていた。
ベラの身体が奏でる絶妙な調べ――透明感を持つその音楽はザビーネに新たな活力を与え、闇の中の演奏会が再び幕をあげる……
第1章はこれで終わりです。
F91しか見たことがなくて、小説や続編の漫画は直接読んだ事がないので、
解釈その他に甘いところが多いかもしれません。
今回はザビーネの心情があまり出てきませんでしたが、次の第2章で触れて
いてシーブックも登場します(と言っても、登場するだけという感じですが)。
ほぼ完成していますので、近いうちにUPできるかと思います。
それから、ベラが抱かれることを望み関係を続けたことへの動機づけとしては、
原作の展開や状況から考えるとFekiaさんの書かれたものに凄く説得力が
あると思ったので、近い形のものを使わせていただきました。
オリジナリティがなくて申し訳ありませんです(汗
最後になってしまいましたが、触発かつOKくださったFekiaさんと
温かいレスをくださった方たちに、心からの感謝を。ありがとうございました。
>633様
こういう二人もいいですね。キャラの行動や台詞が、切なく優しい雰囲気を出し
ていて良いと感じます。特に、>638の指攻めや二人の会話が、グッと来ました。
間接的な表現も、SSの雰囲気に合っていると思いました。
ただ、強制的な改行を、入れられた方が良いでしょうね。今のままでは横長過
ぎて読みにくいので、30〜40文字で(段落変更を示す一文字分のスペースを入
れずに)一度改行された方が、よろしいかと。
第二章、頑張って下さい。FekiaさんのSSと絡み合って、セシリー(ベラと呼ぶ
べきか)とザビーネの光と影を、照らす事が出来るのではと期待しています。
追記
F91の続編であるクロスボーン・ガンダムは、少し前に普及版が出たばかりです。
B6版・カバー無しで、厚めの漫画誌の様な感じです。コンビニエンスストア等に
置かれているので、購入してぜひ読んでみて下さい。面白いですよ。
Fekia様も610様もそれぞれキャラがたっていて面白かったです!!
エロの点でも満足。良質なセシリーの話が2つも読めて嬉しいですねえ。
どちらも続きたのしみにしてます。
>>633 乙です。ピュアですなー
Fekiaさんとは全然違う世界を描いてて、ここに来る楽しみが増えた
>>643(632と同じ人だよね)
活字文化とネット文化は違うから職人さんの好き好きでイインジャネーノ
ニュアンスを出すためにわざと「・・・」を使うのはネットではよくある手法だし、
改行もまたしかり。読みにくきゃ、自分のブラウザの幅を変えればいいんだしさ
>645
>読みにくきゃ、自分のブラウザの幅を変えればいいんだしさ
そうか、その手があった。何て抜けてるんだ、自分は。
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
久しぶりに覗いてみたらこんなことに!!
長年セシリーのエロを待ち望んでた自分としても
いきなり2つもセシリー物が読めて感涙してます!!
自分としては610氏の萌え萌えなザビ×ベラは非常にツボなので
長年待っててよかった。・゚・(ノ∀`*)・゚・。
そのうえFekia氏の容赦のないストーリーやエロ描写に
初めてSSに本気でハァハァしてしまいました
Fekia氏、610氏頑張ってください
続きがホント楽しみです
以前、オデロとエリシャの話をこのスレッドに書き込んだ、『孤独の果て』の人と
名乗る者です。旧シャア板の『ウッソたんハァハァ6〜男性専用〜』の776の書込
みを元ネタにしたSSが書けましたので、投下させて下さい。
全36回。ウッソを18歳にしてます。マーベットとやります。無駄に長いです。前振
りが長いです。後始末も長いです。俺設定バリバリ入ってます。
そういうのが嫌な方は、読み飛ばして下さい。いっぺんに沢山レスを消費して、
どうも済みません。では、行きます。
狸に化けた十八歳のウッソ・エヴィンが、妖しい光を浴びながら、深紅のソファー
に座っている。目の前にある低いテーブルの上から、冷たい水の入ったグラスを
持ち上げた。そのグラスを持つ手には、オレンジ色の毛が伸びている。
(全く……。誰だよ、こんな事思い付いたの)
そう思いながら、上に大きな耳を生やした顔の方に、グラスを持って行く。むき
出しの口にそそがれる冷たい水は、未だに飲み慣れない酒で火照ったウッソの
白い頬を、少しだけ冷やしてくれた。
(ふぅ、あと半月か)
狸から人に戻る日を待ち遠しく思いながら、ウッソはグラスを空にして行った。
去年の暮れ、ウッソは一生懸命ハムやソーセージを作っていた。ラゲーン基地
の居住区にある店の、売れ筋商品だからだ。
今は地球連邦軍が使っているラゲーン基地の居住区に、去年の夏、自分達で
作った野菜や畜産品などを売る小さな店を、カサレリアの住民達は開いた。かつ
てムバラク将軍の部下だったという人が、今のラゲーン基地の司令官で、その人
の厚意による物である。
それまでは、ウーイッグの市場で露店を開いて商売をしていたが、本格的に店
を構えるのは今回が初めてだ。カサレリアで作った食べ物がどれだけ売れるか
心配だったが、そんな事は杞憂に終わる。無農薬の野菜や手作りの畜産品が、
味・品質が良い割りに安いとあって、飛ぶ様に売れて行った。
特に、ウッソが中心になって作った羊肉のソーセージは、軍人達に、
「精が付く」
と評判だった。余計な加工をせずに、肉質と作る時の手間隙だけで勝負をした
味が、受けているのだろう。食べ応えのある大きさも、評判が良かった。
それなりの規模の農場・牧場になったカサレリアで、肉製品作りを担当している
ウッソには、それがとても嬉しい。だからウッソは、秋の農繁期が終わると、ハム
やソーセージ作りの毎日で忙しかった。そう、クリスマスが近い事を忘れる程。
シャクティがクリスマスに腕時計を贈ってくれたというのに、ウッソはプレゼントを
用意する事すら、忘れていたのだ。羊や豚の肉の相手が、忙しかったあまりに。
「ウッソは、私よりもハムやソーセージの方が好きなのね」
そう言って頬を膨らませる風邪をひいたシャクティに、ウッソは必死になって謝っ
た。お陰でシャクティは機嫌を治してくれたが、その彼女が年末、肺炎で倒れる。
この冬流行っているタチの悪い風邪を、こじらせてしまったのだ。
早目にウーイッグの病院に入院させたので、それ程酷くはならなかったが、ウッ
ソには二つの事が心配だった。シャクティの健康と、治療費である。
早く元気になってもらおうと思って、一流だと評判の病院にシャクティを入れたの
だが、その入院費が高い。蓄えがあるとは言え、次の秋からウーイッグの小学校
に通わせるカルルマンの学費も、残しておかなければならない。
農場の責任者であるマーベットは、お金を貸してくれると言ったが、いつも仕事
で大変な彼女にウッソは迷惑を掛けたくない。それに、シャクティにお詫びもしたい。
だからこうして、狸の格好をしている。
ウーイッグの歓楽街にある、『おさわりクラブ こだぬき』。ここが、昼間ハムや
ソーセージを作った後の、ウッソの職場となる。夜の街なら、手っ取り早く金が稼
げると思ったからだ。
最初は単なるホストクラブにでも行こうかと思ったが、ウッソは派手なスーツなど
持ってはいない。死んだ筈の父ハンゲルグが残した四着のスーツしか、ウッソの
家には紳士用スーツが無いのだ。
しかもそれらは全て、質素なデザインと色をした、地味なシングルのスーツだ。
自分の体にピッタリだからと、十八歳になったウッソはそれらを不満に思う事無く
着ていたが、そんなスーツはホストが着る服では無い。だが、言葉と雰囲気で女
を酔わせる夜の男になる為に、高くて派手なスーツを買って蓄えを減らしては、
本末転倒だ。
だから、自分で服を用意しなくてもいい店を、ウッソは選んだ。狸の着ぐるみを
身にまとう恥ずかしさなど、大切なシャクティやカルルマンの為なら、どうという事
は無い。それに『おさわりクラブ こだぬき』は、給料の方も満足行く額だ。
可愛らしさの中に所々精悍さが差す十八歳のウッソの顔を、店のマスターは一
目で気に入ってくれた。即日採用で、年明けから三ヶ月程、働く事に決まる。
ウッソの体に合うサイズの、オレンジ色の狸の着ぐるみを、マスターはすぐに用
意してくれた。だが、その着ぐるみに細工がしてある事など、ウッソは思いも寄ら
なかった。
まず、生地が薄い。着ぐるみの上からでも、それにお触りしている相手の指の体
温が、はっきりと分かる程だ。その上、狸の耳と尻尾に、妙な仕掛けがしてある。
左右の狸の耳を触るとそれぞれの胸に、尻尾を触ると股間の前後に刺激が走る
様に、店の着ぐるみは出来ていた。そんな物を、素っ裸の上から直接着なくては
いけないのだ。
着ぐるみ越しの間接的な愛撫を客にさせて、ウッソはお金を稼ぐ事になった。恥
ずかしくて仕方が無いが、シャクティやカルルマンの為だ。それに、すぐ店を辞め
ては、折角採用してくれたマスターにも悪い。そう思う、ウッソは。
一月から働き始めて、二ヶ月半。退院したシャクティの具合も、ほとんど良くなっ
ている。それだけ時間が経ったというのに、ウッソは未だに接客の度に上がって
しまって、頬が赤く染まるのだ。
この二ヶ月半、どぎまぎしながら、客の話相手をしたり酒を勧めたりしている毎日
だ。下手っぴな接客だと、ウッソ自身は思っている。だが、そんなウブな態度で、
白い頬を赤らめながら一生懸命サービスをしてくれる子狸ウッソが、店に来る女性
客に受けているらしいのだ。皮肉な物である。嫌がるウッソを、何とか店外デート
に連れ出そうと企む客も多い。
今もウッソは、贔屓にしてくれている金持ちの女性客の一人に、オレンジ色の体
を撫で回され、狸の耳や尻尾をいじくり回されたばかりだ。お陰でその女性客は、
ウッソの甘い喘ぎ声と可愛く歪む顔を楽しみながら、高い酒の瓶を空にしてくれた。
(昼でも夜でも、働くっていうのは大変だよ)
そう思いながら、冷水を飲んで火照った体を冷やすウッソに、次の客がやって来
た。
「マ、マ、マーベットさん!」
カサレリアにいる筈の褐色の背の高い女性が、焦るウッソの視線の先に立って
いた。薄墨色のロングコートと、乳白色の冬物のスカートスーツという、まだまだ
寒い三月の夜には不釣合いな明るさを、マーベットは着ている。だがその明るさが、
褐色の肌を持つマーベット・イノエの美しさを、逆に際立たせていた。
「うふ、こんばんは、こだぬきさん」
マーベットはそう言って、オレンジ色の可愛い狸に微笑みを向ける。他のホスト
に薄墨色のコートを預けた後、真珠の指輪を嵌めた左手にハンドバッグを持って、
ウッソの左隣にある深紅のスペースに腰掛けた。そしてすぐに、水割りを楽しむ
為のセットが、ウッソとマーベットがいるテーブルに運ばれて来る。
「似合ってるわね。可愛いわよ、ウッソ」
深紅のソファーに座ったマーベットはそう言って、オレンジ色の狸に肩を寄せる。
着ぐるみの薄い生地を通して感じる、彼女の肩の温もりが、ウッソの心をさらに戸
惑わせた。
「似合ってるって……。からかわないで下さいよぉ。大体、何でマーベットさんが
お店に……」
そう言いながら、ウッソは氷を入れたグラスに水割りを作る。少し不満気に、しか
し丁寧に作ったそれを、マーベットの方に廻した。オレンジ色の、狸の手で。
「あっらぁ、お客さんに向かって、何て事言うのかしら。こだぬきさんは」
あと一時間で仕事が終わるという時に現れた思わぬ客は、そう言って、狸の左
耳を左手で摘まんだ。ウッソの左胸に、胸パッドから生まれた電気仕掛けの快感
が走る。
「や、やめて下さいよぉ」
微かに切なくなった声で、ウッソは嘆願する。頬を赤らめて顔を歪めるウッソを
見たマーベットは、摘まんだ左手を放すどころか、その力をさらに強めた。時々
それをやめて、指先で撫でたりもしてみる。
「ほ、ほんとに、やめて下さい……」
耳に加えられる力に呼応して強まる、胸からの快感の為に、ウッソの声は切なさ
を増した。赤い頬を隠す様に、少しうつむくウッソの顔。マーベットが指先を摘まん
だり擦ったりする度、狸の耳を生やしたウッソの顔が、白から赤へと変わって行く。
氷と酒の入ったグラスがテーブルに置かれた後、それを持っていたマーベットの
右手が、ウッソの頭の後ろを通って、オレンジ色の狸の右耳へと向かった。
「あは、いい感じね。こっちも、摘まんじゃおっと」
うつむくウッソの顔が、さらに傾く。他の女性客なら我慢出来る快感だが、顔見
知り、しかもかつて憧れのお姉さんだった人の生む快感だと思うと、我慢が出来
ない。ウッソはとても恥ずかしくて、マーベットの方に顔を向ける事が不可能だった。
「や、やめて。ほんとに、やめて……。マーベット……さん」
そんなウッソの声がした後、マーベットの両手が狸の耳から離れる。満足気な
表情で、グラスに残った水割りを飲み干すマーベット。ウッソの胸に快楽を生んだ
手が、狸の方に空のグラスを向けた。
「はい、おかわり頼むわね」
「そんなに早いペースで飲んだら、悪酔いしちゃいますよ」
酔った明かりがほのかに灯った頬を見ながら、ウッソはマーベットに声を掛けた。
お酒、強いのかな、マーベットさん。
「いいから。おかわりよ、こだぬきさん」
「その、『こだぬきさん』っていうの、やめて下さいよぉ」
再び不満気に、再び丁寧に水割りを作るウッソ。それを見るマーベットの顔付き
が、次の楽しみの為に変わった。
「わがままばっかり言ってる悪いたぬきさんに、お仕置きよ。えいっ」
マーベットの右手が、彼女の方に突き出た狸の尻尾を強く握る。ウッソの股間の
前に、衝撃が走った。そのまま被せる様に言われている、着ぐるみの股間の前に
付いた電動ラブホールに、スイッチが入ったからだ。不自然で不思議な人工の弾
力から生まれる快楽の振動の為に、グラスの中で回るマドラーの動きが止まった。
マドラーの代わりに、喘ぎ声を放つウッソの口が回る。
その動きを見たマーベットは、握る右手の力を弱めた。ウッソの股間の前にある
振動が、止まる。マーベットは悪戯っぽく微笑んだ後、右手で軽く掴んだままの狸
の尻尾を、引っ張ってみた。
「ぅあっ……。マーベットさん、駄目……、駄目っ!」
尻尾を引かれた為に、ウッソの後ろにある電動のアナルプラグが、振れ始める。
前にあるラブホールの締め付けが終わったというのに、ウッソは別の快感に襲わ
れた。もぉ、我慢するの大変なんだよぉ、マーベットさぁん……。
「あ〜ら、ほんとに面白いわねぇ。じゃ、今度は……」
マーベットはそう言うと、水割りを作り終えた狸の尻尾に、左手も伸ばして来る。
そして狸の尻尾を、両手で強く握りながら引っ張ってみた。ウッソの前と後ろに、
同時に強い電動の衝撃が走る。耐えられなかった。
「あぅっ! マーベットさぁーん!!」
ウッソは、着ぐるみの中に二つの快楽を振動させる女性の名を叫びながら、ロー
ションの精液割りを、ラブホールの中に作ってしまった。狸の頭巾の中から見える
部分が、全て真っ赤に染まっている。マーベットの意思で、射精をさせられた事で。
マーベットにその時の顔を、見られた事で。
頭巾の中から見えるウッソの両目から、涙が流れた。
「あ……。ご、ごめんなさい、ウッソ。やり過ぎちゃったかしら……」
戸惑うマーベットに、ウッソが狸の顔を向ける。真っ赤な頬に涙が流れているが、
マーベットを責めている表情では無かった。
「いえ、気にしないで下さい、マーベットさん……。ラウンジでいっちゃうの、初めて
だから……」
着ぐるみを換えなきゃ。ウッソはそう思って、深紅のソファーから立ち上がろうと
する。そんなオレンジ色の可愛い狸を、マーベットの両手が止めた。褐色の両手
がオレンジ色に絡み付いて、狸をソファーに押さえ付ける。
「明日から、お休みよね」
酒を飲みながら、ウッソの二日間の休日を確認するマーベット。時間を掛けて
飲み後えると、彼女は嬉しそうな笑顔で、マスターに向かって大きな声で言った。
「マスター、この子の店外デートのオプション、お願いね」
薄墨色のコートを再び着たマーベットが、狸を脱いだウッソと一緒に、部屋の中
へと入る。その部屋の中は、妖しい光に包まれていた。
「どうしたの、きょろきょろして? まだ、お酒が抜けてないの?」
ウッソの行動に疑問を持ったマーベットが、酔いの抜け切っていない頭を働かせ
て、疑問を示した。
「い、いえ、ラブホテルなんて入るの、初めてで……」
そっか、シャクティとは、こんな所に来なくても出来るわよね。マーベットはそう
思いながら、脱いだコートを洋服掛けに渡す。
「私は、昔オリファーと何度か来た事があるわよ。リガ・ミリティアのアジトや工場
じゃあ、遠慮無く抱き合うのは、難しかったからね」
あの戦争の途中でいなくなった夫の名前を、マーベットは口にした。懐かしそう
に。酔いが少し残っているせいか、不思議な程口が軽い。酒の助けを借りて発せ
られた彼女の言葉を聞いて、ウッソの顔付きが変わる。
「やっぱり、やめましょうよ……。オリファーさんに悪いですよ、こんな事」
自分を抱きたいというマーベットの願いを、ウッソは否定した。少しとは言え、酒
に酔っている女性を抱くのは、どこか卑怯な気がするからだ。
人の温もりが欲しい時、マーベットはウッソを抱く。ウッソを貸してと彼女がシャク
ティに頼む度、いつもウッソは戸惑いながら、先程と同じ台詞を口にするのだ。ま
た言ったわね、ほんとにもう……。
「いいから。シャクティにも、ちゃんと許可は取ってるわ。『病気の私の代わりに、
ウッソを可愛がってあげて下さい』って言ってたわよ、あの子。
それとも、こんなおばさんが相手じゃ嫌かしら、こだぬきさん?」
スカートスーツの右ポケットに入れた手を出しながら、マーベットはそう言った。
満足そうに微笑む彼女の顔には、シャクティへの焼き餅が、少し混ざっていた。
「そ、そんな事言わないで下さいよ。まだ若いじゃないですか、マーベットさんは」
「そーよ。まだ若いのよ、私は。だからこうして、人生の楽しみ、色々味わいたいん
じゃない」
からかう様にそう言いながら、左手の薬指に輝く真珠の指輪を、マーベットは外
した。乳白色のスカートスーツのポケットから出しだハンカチで、真珠の指輪を丁
寧に包む。そしてそのハンカチを、大きなベッドの横にある低い棚の上に置いた。
その後、ウッソの手が持っている自分のハンドバッグも、その棚に置いてもらう。
「おやすみなさい、オリファー。やきもち焼かないでね」
マーベットはそう言って、棚の上にあるランプの灯を消した。そのマーベットの行
動を、ウッソが不思議そうに見ている。
「どうしたの、ウッソ?」
「い、いえ、『オリファー』さんって……」
二人でベッドに座った後、マーベットは、悲しみがほんの少し混じった微笑みを、
ウッソに向ける。僅かに酒の火照りが残る彼女が、話し始めた。
マーベットが左手の薬指に嵌めていた真珠の指輪は、オリファーがくれた物だ。
不機嫌だったマーベットに。
ウッソとシャクティと出会う前のクリスマス、マーベットはオリファーと宇宙にいた。
恋人が素敵な贈り物をくれると期待して、彼女はクリスマスを迎えたのだが、オリ
ファーは何と、プレゼントを用意していなかったのだ。
「地球に降りる為の準備と、降りた後の活動への用意で、とても忙しかった」
そう言い訳をしながら、オリファーは必死にマーベットに向かって謝った。いつか
必ず埋め合わせをするからと、何度も何度も言いながら。そうやって必死に謝罪
し続ける恋人の姿が、マーベットにはとても可愛らしく見えた。
「でね、私がカミオンのお爺さん達と合流する為、オリファーと地球に降りる時、彼
があの指輪をくれたの。
でも、傑作だったわよ。『僕の人魚姫を泣かせてしまったから』なんてキザな台詞、
どこで覚えたのかしら、あの人」
そう言って微笑むマーベットの笑顔は、マケドニアコロニーの捕虜収容所で行な
われた、二人の結婚式の時に見せた笑顔と同じだった。だが、マーベットの幸せの
笑顔に、悲しみの陰が現れる。
「泡になって消えちゃったのは、人魚姫じゃなくて、王子様だったけどね……」
オリファーが恋人から夫になってすぐ、この世からいなくなった事を、マーベットは
思い出した。指輪を嵌めていない左手で、目から溢れた涙を拭う。どうやって彼女
を慰めていいのか、ウッソには分からなかった。
「ごめんなさい、ウッソ……。こんな所でする話じゃ、なかったわね。酔ってるのか
な、私……」
微かに悲しみが混じる声で、マーベットはウッソに謝る。やっぱり、やめましょうよ、
マーベットさん……。
「……僕、出来ませんよ。酒に酔ってるマーベットさんを、抱くなんて。……オリファー
さん、悲しみますよ」
そう言うウッソの胸に、隣に座るマーベットの泣き顔が伏せた。そこから、大きな
泣き声が聞こえる。ウッソは泣き声の後ろに掌を回し、マーベットの頭を撫でてあげ
た。彼女を優しく、癒す様に。
泣き疲れたマーベットが、ウッソの胸から顔を上げた。何かを求める様な瞳を、ウッ
ソの澄んだ瞳に向ける。お酒じゃ消えないのよ、寂しさは……。
「嫌よ……。私を抱いて、ウッソ。人の温もりが欲しいのよ、私……。
ウッソが欲しいから、戦争中にずっと着ていたツナギと同じ色のコートを、今日着
て来たのよ。あなたにオリファーをやって欲しいから、ウェディングドレス代わりの
白いスーツを、今日着て来たのよ。
だから……、お願いウッソ、私を思いっ切り抱き締めて。私を一番に愛して。今だ
けでいいから……」
酒と涙で潤むマーベットの瞳を見たウッソは、彼女を胸に強く抱いた。
お湯を張った大きな湯船に、二つの裸が入っている。酒の赤味が消えたウッソと、
酔いから醒めたマーベットだ。
「お風呂が立派な部屋を選んで、良かったわね」
マーベットはそう言って、ウッソの澄んだ瞳を見た。澄んだ瞳の視線が、お湯の
上に浮いている自分の胸の方に、向いている事に気付く。
「何、ウッソ? 私はもう、おっぱい出ないわよ」
「そそ、そんなんじゃないですよ。大きな胸だなって、見とれてて……」
恥ずかし気に白い頬を赤く染めるウッソの顔に、マーベットは両手で、お湯を掬っ
て掛けた。慌てるウッソ。微笑むマーベット。
「うふふ、相変わらずお世辞が上手いわね、あなた。だからお姉さん達は、みんな
ウッソを好きになったのよ」
風呂の湯で濡れたウッソの顔が、さっきよりもさらに赤くなった。そう言えば、ジュ
ンコさんやマヘリアさんも、おっきな胸だったよなぁ……。
「あっらぁ〜。今、ジュンコ達の事、考えてたでしょ」
ウッソの瞳の光が濁ったのを見て、マーベットは責める様に優しく言った。そして
もう一度、お湯を掬ってウッソに掛ける。
「ご、ごめんなさい、マーベットさん。失礼な事して」
「分かればよろしい、こだぬきさん。
……ん〜、そーねぇ。じゃ、今日は自慢のおっきなバストで、ウッソの温もりを感
じますか」
マーベットは嬉しそうな声でそう言った後、大きなエアーマットの上にうつぶせに
寝る様、ウッソにお願いした。その通りにするウッソ。どうするんだろ……。
マーベットの温もりが、いつまで経っても近付いて来ない。ウッソは不思議に思っ
て、下を向く顔を動かす。マーベットの胸に咲いたボティソープの泡の花園を、視
線の先が発見した。
「な、何するんですか?」
「えへへ〜、い・い・こ・と。動いちゃ駄目よ、ウッソ」
褐色の胸に咲いた白い泡の花園が、マーベットの笑顔と共に、ウッソの背中へ
近付く。こわばった二つの乳首の感触を感じた後、二つの柔らかい乳房の感触が、
ウッソの背中を包んだ。こわばった小さな感触と、柔らかい大きな感触が、背中
の上を往復する。
「あっ、いぃ……。な、何ですか、これ……」
微妙な快楽を乗せた声を、ウッソが洩らす。その声を聞いたマーベットは、体の
動きをさらに大きくした。
「マットプレイとか、言うらしいわね。初めてやるけど、気持ちいい?」
「は、初めてって……。オリファーさんとした事、無いんですか!?」
「うん。やってあげる前に、あの人はいなくなっちゃったから……。
しっかしねぇ……。今そんな事に、気を回さなくってもいいでしょ、ウッソ。もっと
デリカシーって物を、持ちなさい。今の私は、あなただけを愛しているんだから」
そう言いながらマーベットは、ウッソの背中で円を描く。その動きが、くすぐったく
て気持ち良かった。初めて味わう心地良さで、ウッソは切ない吐息を生む。マー
ベットがさらに胸を押し付け円を描くと、広いバスルームに甘い声が響いた。
「っあっ、マーベットさぁん……」
「あら、相変わらず敏感ね。ニュータイプだからって、感じ過ぎよ。今度はお腹を
洗ってあげるから、仰向けになって」
泡の花園を背中から離したマーベットが、再びウッソにお願いした。素直に仰向
けになる、ウッソ。その澄んだ瞳には、マーベットの言葉への疑問と、これからの
体験へ期待があった。ニュータイプって、体も感じ過ぎるのかな?
ボディソープを再び塗って、マーベットはもう一度自分の胸に、白い泡の花園を
咲かせる。その花園を、ウッソの胸へと近付けた。マーベットの乳首と、ウッソの
乳首がキスをする。その感覚に、ウッソは思わず声を洩らした。
「だからぁ〜、感じ過ぎだって言ってるでしょ〜。もっといい事してあげたら、オリ
ファーの所に行っちゃうんじゃないかしら、あなた」
ウッソの感度が良過ぎる事を、冗談っぽく咎めながら、マーベットは胸の柔らか
さを動かし始めた。彼女の潰れた胸が動く度に、白い花園がウッソの胸とお腹に、
白い綿帽子を飛ばす。
マーベットの吸い付く様な柔らかい胸の感触が、ウッソの胸やお腹の上を、何
度も何度も往復する。そして時々円を描いた、二つの大きな柔らかさが。
押し付けられる胸の圧力が、強くなったり弱くなったりする。それに合わせて、
ウッソの中の快楽も、強くなったり弱くなったりした。だが、マーベットの大きな胸
から伝わる幸せは、ウッソの中で強まる一方だ。
充分に綿帽子を飛ばせたマーベットの胸が、ウッソから離れた。胸に残った泡
の花園を、シャワーで念入りに洗い流す。そして彼女は、ボディソープとは別の
容器を手に取った。
マーベットはその容器から出るぬめりを、自分の深い胸の谷間に、たっぷりと
塗り付ける。彼女の胸はぬめりの為に、今まで以上に輝いていた。
「ウッソのおちんちんは、ローションで洗ってあげるわね」
何で? 疑問に思うウッソ。
「さっきの泡じゃあ、駄目なんですか?」
「うん。石鹸とかは、蛋白質を溶かしちゃうから。ボディソープでもいいけど、ウッソ
が痛いんじゃないかと思って」
「……ありがとうございます、マーベットさん。そりゃあ僕だって、痛く無い方がいい
ですよ」
そう言った顔にある瞳を、ウッソの膝の間で体を折ったマーベットの瞳が見詰め
る。そんな彼女の瞳に、疑問の光が生まれた。
「もしかして、シャクティはしてくれないの、バストで?」
「ええ……。何かされるより、色々してあげる事の方が多くて……」
それを聞いたマーベットの顔に、微笑みが咲いた。嬉しそうな褐色の笑顔を、い
きり立つウッソの股間に向ける。
「うふふ、可愛そうなウッソのおちんちん、私が慰めてあげますからね〜」
マーベットはそう言った後、可愛そうな可愛らしいウッソを、まじまじと見詰めた。
「ん〜。……長さも太さも、同じなのね」
「何がですか?」
「あなたが作ってるソーセージが、ウッソのおちんちんと同じ大きさなのよ」
いつも作っている羊肉のソーセージが、自分の股間から生えているとは、思い
も寄らなかった、ウッソは。とっても恥ずかしい。
「えぇーっ!? そ、そんな事言わないで下さいよぉ〜。一杯作って、沢山の人が食
べてくれるんだからぁ〜」
戸惑いと恥ずかしさで顔を真っ赤に染めるウッソが、そうマーベットに抗議した。
あまりに恥ずかしいので、作るソーセージの大きさを変えると、言い出す始末だ。
「駄目よぉ、大きさ変えちゃあ。売り上げ落ちたら、どうするのよ?
基地の軍人さん達、精が付くからって言って、あのソーセージを食べてるのよ。
みんながウッソのおちんちん、食べたがってるんじゃない、もぉ〜」
マーベットの言葉で、ウッソの顔がこれ以上無いという程、赤く染まる。そんな
自分の顔を見られたくないかの様に、ウッソは両の掌を顔に押さえ付け、頭を左
右に振り続けた。
それを見たマーベットは、自慢の胸で、ウッソのソーセージを食べ始める。ウッ
ソの口から洩れる声の表情が、恥ずかしさから甘さに変わった。
「何よぉ。挟んだだけで、そんな声上げちゃって。もっと我慢しなさいっ。今から
ウッソのソーセージを、私のバストが食べるんだからぁ」
ウッソを優しく叱るマーベットの大きな胸が、ぬめりの中を動き始める。彼女の
歪んだ谷間にウッソが現れる度に、甘い声がバスルームの中に響いた。声の甘
味を増やす為、マーベットの胸がウッソのソーセージを柔らかく噛む。
前後に、上下に、左右に。時に優しく、時に強く。褐色の谷間を歪ませる度、ウッ
ソから生まれる響きが、望み通りに甘味を増す。それが嬉しい、マーベットには。
(そろそろかな?)
響きの甘味が増えなくなったので、マーベットは、胸を咀嚼するピッチを上げた。
手の動きを回転させて、ウッソのソーセージを良く噛んでみる。美味しいわね〜、
ウッソのおちんちん。
甘い声が自分の名を叫んだ時、ウッソの精が、黒いショートカットの前髪に飛ん
で来た。マーベットの胸が、ウッソのソーセージを食べ終わった合図だ。
「やっだぁ、もぉ〜。出すんなら出すって、ちゃんと言ってよねぇ。髪に付いちゃった
じゃない」
自分の黒髪に降ったウッソの白い精を、マーベットはそう言いながら、右手で
拭った。その右手を洗った後、脱衣所へのドアを、少しだけ横に開く。脱衣所の
床に置いていた殺精子ゼリーの箱を、褐色の手が取った。そして箱を開け、愛す
る我が子がこの世に生まれ出て来た場所に、ゼリーを注入する。
マーベットはその後、リンス入りシャンプーの容器を手にした。ウッソの白い精
が降ったショートカットの黒髪を、洗って綺麗にする為だ。
洗髪をするマーベットの姿を見ながら、ウッソは疑問に思っていた事を、尋ねて
みた。
「何で、僕が働いてる店の場所、知ってたんです? お店の名前も場所も、教え
てなかったでしょ。仕事の内容を聞かれた時も、曖昧に答えたのに」
ショートカットの黒髪の上に、シャンプーの白い花園を咲かせながら、マーベット
は答えた。
今はラゲーン基地で管制官をしているネスが、以前から何度も、あの狸の巣に
マーベットを連れて行ったのだという。ラゲーン基地の居住区には、あんな遊びが
出来る店は無い。だからネスはストレスが溜まった時、休暇を使って狸達の所へ
遊びに行く。そして、酒でへべれけになった自分をラゲーンまで送って行く役を、
マーベットに任せていたのだ、ネスは。
「二年前にネスが結婚してから、行く事は無くなったけど、お店の名前と場所は、
忘れなかったわよ。着ぐるみなんか着せるお店は、ウーイッグでも、あそこしか無
いんだから」
マーベットはそう言って、自分の黒髪に咲いた白い花園を、シャワーで洗い流し
た。綺麗になった髪をタオルで拭った後、まだまだ若い自分の人生を、ウッソと楽
しむ事にした。
「さてと、こだぬきさん、二人で巣に帰りましょっか」
そう言うマーベットは、バスルームのドアを開けようとするウッソを見付ける。殺
精子ゼリーの隣に置いていたコンドームの包みを、ウッソは取るつもりなのだ。
「あら、付けるの? 今日は生で、やらせてあげようと思ったのにな〜」
「え? マーベットさん、ゼリー入れてたじゃないですか」
「ま、一応ね。どっちも持って来たのは、私なんだし。
……実は、安全日になる今日まで、ウッソのお店に行くのを我慢してたのよ、私」
マーベットが、ちょっと恥ずかしそうな表情で、そう告げる。ウッソの顔が、また
赤くなった。
「でで、でも、やっぱり付けないと。マーベットさんに、僕の子供を生んでもらうわけ
には行かないから……」
「あら、いいわよ、ウッソと私の子供が出来ても。あなたと私が、結婚すればいい
だけの話じゃない」
冗談とも本気とも取れる表情の声でそんな事を言って、目を細めるマーベット。
ウッソの顔がさらに赤くなるのを、その細い目が確認した。
「だぁーっ!! そんな冗談、言わないで下さいよぉー」
「結構本気よ、私。あなた、オリファーに似て来たし。
……ま、許してあげますか。ウッソには、シャクティがいるからね。お似合いよ、
あなた達」
その声の後、マーベットの褐色の体が、エアーマットの上に掌と膝を付いて四
つん這いになった。ウッソとの快楽を、狸の様に後背位で楽しみたいらしい。そん
なマーベットを見て、脱衣所の床からコンドームを取った後のウッソは、戸惑って
いる。不思議に思うマーベットは、ウッソに向けて疑問の声を放った。
「どうしたの? バックは嫌い?」
「い、いえ、そんな格好でした事、あんまり無いから……」
ウッソの話によると、シャクティは、四つん這いになる後背位が嫌いらしい。ウッ
ソの温もりを遠く感じるからと言って、シャクティはそんな体位を嫌がるのだという。
「あはは、可愛いわね、シャクティは。
でも、人生は色んな事があるのよ。色々やって、色々楽しまなきゃ。二人で色ん
な事をするから、愛し合う者同士の絆が、強くなるのよ。そう思うわ、私」
マーベットは首を回して後ろを向き、コンドームを付けようとするウッソに、そう
言った。だがウッソは、自分を包もうとぜす、暗い顔になってうつむく。寂し気な声
で、マーベットに謝り始めた。
「ごめんなさい、そんな事言わせて……。オリファーさんの事……」
ウッソの謝罪を聞いた後、マーベットは後ろにある暗い顔から、目を背ける。澄
んだ瞳が無い自分の前の方に視線を向けた後、彼女はウッソに声だけを向けて、
話し始めた。
「いいのよ、ウッソ。あなたとシャクティにも私にも、未来はあるんだから。
でも、カサレリアの時より、もっと早くあなたに会いたかったわ。V1のコアファイ
ターの後ろに体が入るなんて、私、知らなかったもの。オリファーと宇宙にいる頃
知っていれば、あの人と一緒にヴィクトリーに乗って、星達の中をデート出来た
かも知れないわね」
ごめんなさいね、オリファー……。少しだけ、あなたの代わりをウッソにして貰う
わ……。
「じゃ、私達の未来の為に、始めましょっか。ウッソご自慢のソーセージ、私の下
のお口に食べさせてね。思いっ切り、味わってあげるから」
再びウッソの瞳の方に視線を向け、お尻を少し持ち上げながら、マーベットは
そう言った。コンドームを着せ終わったウッソは、元気になった彼女の声を聞いて、
頷いた。
そして自分のソーセージを、涎を垂らして待ち構えるマーベットの下の口に、食
べさせる。よく味わって食べて欲しいからと、ウッソは腰を前後に動かし始めた。
下の口から食べ残しが零れて欲しくないから、ウッソは両手でマーベットの腰を
掴む。大きい上半身と小さい下半身を、立てたまま。
マーベットが快楽の消化不良にならない様に、何度も何度も腰を動かす。強く
激しく動かした後は、優しくゆっくり動いてみる。その度に、彼女の下の口が自分
を味わってくれる感触が、ウッソの中に快楽を生んだ。美味しいですか、マーベット
さん……。
前後の動きだけでは味気無いので、円を描いてみる事にした。もっともっと、自
分を食べてもらいたいから。白い泡の花園を咲かせた時の、マーベットの大きくて
柔らかい胸の動きを思い出して、ウッソは腰を回してみた。
「あっ……。いいわ、上手よウッソ。ピストン運動も、忘れないでね……」
再び、腰を前後に動かす。少しして、また円を描いた。起こしている体を僅かに
ひねって、角度を変えて往復運動をしたりする。そんな事をする度に、マーベット
の下の口が、涎を垂らしてねだるのだ。もっともっと、可愛いウッソを食べたいと。
とっても美味しいわよ、こだぬきさんのソーセージ……。
ウッソの股間のソーセージを、マーベットの下の口が、甘い涎を垂らしながら食
べ続ける。とても美味しいウッソからの快楽を、さらに味わいたい。そう願うマーベッ
トは、下の口の頬に力を入れた。
それに呼応する様に、マーベットの上の口も動く。そこから幾度も、甘さに満ちた
喘ぎ声と、美味しいソーセージの持ち主の名が、生まれた。
「ウッソ、ちょっと……待って」
甘い声で、マーベットは快楽の食事が運ばれるのを止めた。ウッソにはそれが、
少し意外だった。大いに不満だった。それが分かるマーベットは、次に食べたいメ
ニューを呼んだ。
「わたしばっかり食べてちゃ、悪いわ……。こだぬきさんの両手にも、私の自慢の
バストを、食べさせてあげる。
私の背中に、ウッソの胸を寄せてみて。後は、分かるでしょ……」
ウッソは言われた通りに、立てている上半身を傾けてみる。マーベットの背中に、
自分を乗せた。そして両の掌が、マーベット自慢の大きくて柔らかい胸を、食べ始
めた。
柔らかい、とても柔らかい。余りに柔らかくて、逆に自分の指がマーベットの胸に
食べられてしまうのではないかとさえ、ウッソには思えた。本当に、とろける様な胸
だ。はね返す様な弾力を持つシャクティの胸とは違う感触を、ウッソは何度も何度
も味わう。いくら食べても飽きない。
しかも大きいから、食べ応えがある。食べても食べても、減りはしない。それどこ
ろか、胸のボリュームがさらに大盛りになって行く様な錯覚すら、ウッソは覚えた。
美味しい、美味しいよ、マーベットさんの胸……。
ウッソは乳首に、指先を伸ばす。そこだけは、硬くこわばっていた。その緊張を
解きほぐそうと、指先で撫でたり、摘まんだりしてみる。自分が狸だった時に、マー
ベットが耳を弄んだ様な手付きで。だが、マーベットの乳首は、硬くこわばる事を
続けるばかりだ。
「どお、食べ応えあるでしょ。わたしご自慢のバストは」
「はい! とっても、とっても美味しいです、マーベットさんの胸。マーベットさんが
作ってくれるプリンみたいに、柔らかくて大きくて、とっても甘くて美味しいです!」
それを聞いたマーベットは、満足気な笑みを浮かべ、ウッソに教える。
「全く、私のプリンを食べる事に夢中で、気が付いてないみたいねぇ。
こういうバックなら、シャクティの背中とバストに、ウッソの温もりが伝わるでしょ。
あの子が元気になったら、してあげなさい。喜ぶわよ、きっと」
「……そっか。ありがとうございます、マーベットさん!」
ウッソの感謝の声を聞いたマーベットは、左手をエアーマットから離し、薬指の付
け根に、手の甲の方から唇に寄せる。真珠の指輪を嵌めていた左手を口に当てた
まま、マーベットは小さく笑いながら、ウッソに話し始めた。
「やっだぁ。もしかして、こんな簡単な事、気付いてなかったの? こだぬきさんは。
……ほんっと、あなた達って似てるわねぇ」
似てるって、誰と?
「あなたの妙に抜けた所、本当にオリファーそっくりよ」
言われてみれば、そうかもしれない。ウッソは素直に、そう思った。
「さてと、こだぬきさん。お互い、代わりになりましょうね。
ウッソは私を、病気が治ったシャクティだと思って、予行練習をして。私は、あな
たの事をオリファーだと思うから」
マーベットの背中に乗るウッソが、不満気に頬を膨らせながら、彼女の顔に自分
の顔を寄せる。今夜だけは、マーベットを一番に愛したいから。ごめんね、シャク
ティ……。
「嫌ですよ、マーベットさん。二人でベッドに座ってる時、『私を一番に愛して』って、
言ってくれたじゃないですか。だから今は、マーベットさんを一番好きになりたい
ですよ」
それを聞いたマーベットは、また幸せで笑い出した。
「うふふ、そういう変な所で義理堅いのも、ほんとオリファーにそっくり……。
じゃあ、今夜は二人の結婚式ね。お互い一番好きになって、新婚旅行に行きま
しょっか」
「はい!」
「夫婦になるのは、今夜だけよ。私を食べ残さないでね、こだぬきさん」
「はい!」
ウッソは二度、元気な返事をして、マーベットとの快楽の食事を再開させた。
腰を前後に振って、マーベットの下の口に、自分のソーセージを食べさせ続ける。
その味だけでは飽きるだろうから、今度は腰を回してみた。そして、二つの味をミッ
クスさせて、彼女に快楽を食べさせる。そんな事をする度に、マーベットはウッソ
の名前を呼んでくれた。
マーベットの下の口は、シャクティのそれとは違っていた。シャクティの場合、
ウッソの全てを逃がしたくないと、抱き締められる様な感じがする。だがマーベット
の下の口は、褐色の体の奥に飲み込まれて行くみたいな感じだと、ウッソには思
えた。どちらも好きだが、今はマーベットだけを愛したい。
マーベットに飲み込まれる感覚に夢中になって、腰を動かし続けるウッソ。自分
を良く噛んで味わってくれる彼女に、ウッソは感謝したくなった。
「今日は、ありがとう……ございます、マーベットさん……。僕に、色んな事をして
……くれて」
「どう……いたしまして、こだぬきさん。慰めて欲しくて……あなたを誘ったのに、
何か……変よね。ま、こんな……結婚式もいっか、ウッ……ソ」
甘い喘ぎ声を所々挟みながら、マーベットの上の口は、そう返事をした。ウッソを
食べる下の口は、垂らす涎と湿った咀嚼音で、淫らな返事をする。その下の口に、
ウッソは左手を伸ばした。マーベットの、甘くて柔らかい胸のプリンを味わう事を、
やめさせて。
「マーベットさん、……結婚指輪の交換、しま……しょうよ」
そう言ってウッソは、マーベットの下の口にある突起に、左手の薬指を這わせた。
思わず声を上げるマーベット。指輪って……。
「ここにある……マーベットさんの真珠、今夜の……結婚式の指輪に、させて下
さい。いいでしょ、マーベット……さん」
今度は、親指と薬指で、マーベットの真珠を弄んでみる。軽く摘まんでみたり、
優しく擦ったりしてみた。その度にマーベットの下の口が、咀嚼を強め、涎を垂ら
す。ウッソのソーセージを、早く飲み込みたいと言って。
「いいわ、ウッソ……。もっと、もっと……して。あなたを食べて、飲み込みたいか
ら……」
「食いしん坊です……ね、マーベットさんの……下のお口は」
そう言った後ウッソは、マーベットの真珠を挟む薬指の力を強めてみた。彼女の
上の口が、切な過ぎる甘い声を、大きく奏でる。指輪の交換に、満足した合図だ。
それに合わせ、掌と膝を付く褐色の上半身が、肘からエアーマットに埋まって行く。
そんな彼女に付き添う様に、ウッソも体を傾けた。そして、マーベットの大きなプ
リンを、左手に咥えて食べさせる。食べにくいので、褐色のプリンを手で食べながら、
マーベットの上半身を持ち上げてみた。
「ぁうっ! 新婚旅行は、どこが……いいかしら、……ウッソ」
「どこでも……いいですよ。マーベットさんが傍にいて、一緒に……ご飯を食べて
くれ……たら」
真珠の指輪に満足したウッソが、そう答える。二つのプリンを食べる動きと、自分
のソーセージを食べさせる動きを、もっともっと激しくしてみた。マーベットさん、僕、
僕……。
「美味しいウッソを、食べ終え……そうよ……。お先に……行っていい……かしら、
新婚旅行……に」
「僕も、一緒に行きます……よ。花嫁さんを一人に……しちゃあ、悪い……で……
しょ、マー……ベットさん」
「一緒に、一緒に……行きましょ、ウッソ……。気持ちいい、新婚……旅行に。
……っぁ、ぃいっ……、ぃあっ……、ああぁぁぁっっ!!」
マーベットは、上の口を開いて大きな声を上げ、下の口を締め付けながら、ウッ
ソを食べ終えた。食べた物を飲み込もうと、下の口の頬が何度もすぼまる。その
力に、ウッソは精を放ちながら、飲み込まれた。
起きたウッソの目の前に、顔があった。自分の唇にキスをしているマーベットの
顔から、大声を出しながら離れる。び、びっくりした……。
「お早う、ウッソ。いくら声を掛けても目を覚まさないから、ちょっとイタズラしちゃっ
た。誓いのキスを、昨夜はしてなかったからね。
そろそろ、カサレリアに帰りましょ。早く服を着なさい」
置時計の方を見る。朝七時半だ。
ウッソとマーベットはあの後、お互い裸で抱き合いながら眠った。だが、ベッドの
傍に立っているマーベットは、薄墨色のコートを羽織ればいいだけの状態になって
いる。ハンドバッグとコートを抱える左手の薬指には、真珠の指輪がきらめいていた。
ウッソがいつものジャンパーとGパンを着終えると、マーベットは乳白色のスカー
トスーツの右ポケットから、小さな箱を取り出した。それを、大切そうにウッソへ渡
す。
「いつも頑張ってるウッソに、私からのプレゼント。開けてごらんなさい」
箱を開くと、そこには真珠の指輪があった。これって……。
「ウッソと私の、結婚指輪よ」
えぇ〜!!
「うふふ、冗談よ。シャクティに指輪を買ってあげたかったから、夜の仕事、頑張っ
てたんでしょ、ウッソは」
何故それを知っているのかを、マーベットは話し始めた。
マーベットは今月の初め、カサレリアの小型焼却炉の前で、ウッソと出会った。
家から出たゴミを燃やす為の焼却炉の前に、シャクティではなくウッソがいる。
「珍しいわね。シャクティはまだ、元気に動けないの?」
燃えるゴミを捨てに来たマーベットが、そう声を掛ける。彼女に気付いたウッソは、
戸惑い焦りながら、そこから走って去って行った。
白い紙が投入口の蓋に挟まっているので、マーベットはそれを外す。見てみると、
指輪の写真が印刷してある紙だった。宝石店のサイトの画像をプリントアウトした
その紙には、隅に「Shahkti」とペンで書いてある。火の点いていない焼却炉の中
を覗くと、白い紙が何枚も入っていた。
(なるほどね)
クリスマスプレゼントを用意していなくて、ひたすらシャクティに謝っていたウッソ
の姿を思い出しながら、マーベットはそう思った。
「全く……。あなたって、ほんとにオリファーそっくりよ。おんなじ事を、あの人もして
たんだから」
昔、リガ・ミリティアの工場にあるゴミ箱の前で、マーベットはオリファーの姿を見
た。彼女の顔を見て、焦ってそこから去って行くオリファー。ゴミ箱の奥には、アク
セサリーのパンフレットが、束になって入っていた。マーベットが不機嫌になった
クリスマスの、翌月の出来事である。
「で、その後貰った指輪が、これ。オリファーとの結婚指輪に、なっちゃったけどね」
左手の甲を、ウッソに向けた。薬指が、輝いている。
「さてと、お喋りはここまでよ。一夜の新婚生活もお開きね、こだぬきさん」
マーベットはそう言った後、感謝で何度も頭を下げるウッソを連れて、一夜の新
婚生活を過ごした部屋から、立ち去った。
「だ〜か〜ら嫌なのよぉ、あの男はぁ。聞いてるぅ、ウッソぉ」
ろれつが回らないネスが、オレンジ色の狸になったウッソに向かって、酒臭い息
を吐いている。まさか最後の日に、こんな難物がやって来るとは。
ウッソは明日から、狸をやめる。約束の三ヶ月が、終わるからだ。店のマスター
から、
「金持ちの固定客が二人も付いてるから、辞めないでくれ」
と、先週から何度も頼まれていたが、ウッソは断った。
妖しい光を浴びながら夜の街で働くより、太陽の光を浴びながらカサレリアで土
や羊達の相手をしている方が、自分には合っている。そう思う、ウッソは。
最後の日だから、今まで以上に頑張ろうかと思っていたウッソに、この三ヶ月で
一番の災厄が降り掛かった。目の前でクダを巻いている、ネスである。
夫婦喧嘩をしたストレスを晴らそうと店に来たネスは、狸姿のウッソをすぐさま
見付けて、捕まえたのだ。その後二時間、お触りをする事も無く、夫や仕事やそ
の他諸々の愚痴を、酒を飲みながらウッソに向かって吐き続けている。この調子
では、自分の勤務時間が終わる一時間後まで、ずっと付き合わされそうだ。
「んもぉ〜、モビルスーツの部品はちゃ〜んと分けてるのにぃ、な〜んでゴミの分
別くらい出来ないのかねぇ〜、クッフはぁ」
今はラゲーン基地で整備兵をやっている夫クッフ・サロモンの名前を、不満気に
口にするネス。夫がゴミの分別をきちんとしない事が発端となって、大喧嘩をした
のだという。
夫婦って、こんな物なの? そんな疑問を浮かべるウッソに、酒で曲がった笑顔
を、二年前はネス・ハッシャーという名前だった酔っ払いは、向けた。
「でもぉ、久しぶりに来てホント良かったわぁ。二人のウッソがぁ、可愛い狸になっ
てるんだも〜ん」
二人って……。
「アハハ、三人になったぁ〜」
駄目だ、完全に酔ってる……。焦点の合っていないネスの瞳を見て、ウッソは
そう思うしか無かった。
「もうやめましょうよ、ネスさん。二日酔いしちゃいますよ」
「なぁによぉ、二日酔いってぇ。あんまり飲まないんだから、アタシはぁ」
大して飲んでもいないのに、ベロベロになっているネスが続ける。
「酒癖悪いって、よく言われるけどねぇ〜。へへへ〜」
悪過ぎですよ! 彼女に二時間もクダを巻かれた狸姿のウッソは、ネスの口に
酒が入るのを止めようとする。だがネスは拒否して、グラスを少し傾けた。
「通りのおっきなラブホテルにぃ、友達と二人で部屋取ってまでぇ、遊びに来てん
のよぉ。あしたっから休みなんだからぁ、もっと飲ませなさいよぉ」
そ、そこって、この前マーベットさんと……。
「ほら、帰りましょう、ネスさん。お友達、待ってますよ」
「大丈夫、大丈夫ぅ。あの女も、馴染みの店でパ〜っとやってるんだろうからさぁ〜」
ウッソはネスの体に手を掛け、無理矢理彼女を立たせた。酒臭い息を吐く顔を
見ながら、ふら付いた足取りのネスの体を抱え、店の出口へと彼女を導く。
「アハハ、ウッソの抱っこ、気持ちい〜ぃ」
そんな事を言うネスに代金を払わせ、店の出口へ向かおうとするウッソ。こりゃ、
ホテルの部屋まで連れて行かないと、駄目かもしれない。ウッソはそんな事を思
いながら、彼女の腕をオレンジ色の首に回し、背中を抱いてネスを支える。嬉し
そうに、支えてくれるウッソに体を寄せるネス。目の前にある店のドアが、開いた。
「……楽しそうね、ウッソ」
ドアの向こうに現れたシャクティ・カリンは、引きつった褐色の笑顔を浮かべなが
ら、困惑するウッソに向かって、意地悪くそう言い放った。そんな彼女は、白い厚
手のブラウスの上に、フード付きのジャケットコートと、白い手編みの毛糸マフラー
を身に着けている。その隣に、面白そうな成り行きの為に顔を綻ばせているマー
ベットが、立っていた。
「ヤッホ〜、マーベット〜、シャクティちゃ〜ん、元気ぃ〜。
なぁによぉウッソぉ、いつまでアタシに抱き付いてんのよ、もぉ〜。シャクティが
いるってのにぃ〜」
逆でしょーが! 心の中でそう突っ込むウッソから体を外したネスが、店のドア
から出て行く。
「二人で一緒にぃ、狸のウッソを可愛がってあげてねぇ〜。おやすみぃ〜。
い〜くつ〜ものあい〜、かっさぁねぇあ〜わせて、っとくらぁ。アハハぁ〜」
陽気に歌いながら千鳥足でホテルへ向かうネスを見届けた後、ウッソは傍にいる
二人の褐色の女性の方へ、視線を向ける。シャクティとマーベットは、いつもの優
しい笑顔に戻っていた。
「今日が最後の日だっていうから、また来ちゃった。シャクティの快気祝いも兼ねて、
色々楽しませてもらうわよ、こ・だ・ぬ・き・さん」
マーベットが、嬉しそうに言う。今日は浅葱色のハーフコートと花柄のスカーフを
身にまとっているが、コートの中にある衣服は、半月前の夜に着ていたあの乳白
色のスカートスーツである。
ウッソはコートを脱いだ二人を、とりあえずラウンジへと案内する。右をシャクティ、
左をマーベットに挟まれて、ウッソは深紅のソファーに座った。白い頬が、早速赤く
染まる。
「でも、シャクティをこんな店に連れて来ちゃぁ……。まだ十六歳なのに」
飲酒が出来るのは十八歳からというのが、この時代の決まりだ。もちろん二人
とも、知っている筈なのに。シャクティの歳が店にバレると、マズいんじゃない?
「心配しないの。お酒を飲みに来たんじゃ無いんだから。……えいっ」
マーベットのその声の後、ウッソの左胸に刺激が走る。彼女の左手が、狸の左
耳を摘まんだのだ。思わず声を上げるウッソ。ウッソの乳首に刺激をもたらした
左手は、薬指に真珠の指輪を嵌めている。
「ね、面白いでしょシャクティ。やってみて、あなたも」
「はい!」
元気な返事をした後、シャクティは左手で狸の右耳を摘まむ。その左手の薬指
にも、真珠の指輪の輝きがあった。
「や、やめてよ二人共……。あぁっ……」
両胸を間接的に攻められるウッソは、思わず甘く喘いでしまった。ウッソの隣に
いる二人は、それを聞いて満足そうに微笑む。
「今度は、尻尾を握ってみて、シャクティ」
「こう、ですか?」
シャクティは左手を狸の耳から離した後、両手でウッソの尻尾を強く握る。狸の
反応が面白いので、今度は引っ張ってみた。シャクティの名前を何度も呼びなが
ら、ウッソは股間の前後の刺激の為に、喘ぎ続ける。シャクティの両手が、尻尾に
加える力と動きを変化させる度、ウッソも喘ぎ声を変化させて行った。
「あんまりやっちゃ、駄目よ。この後、ウッソに頑張ってもらうんだから」
どういう意味なのかと、ウッソはマーベットに尋ねる。狸の耳に伸ばした左手の
指先を擦って、ウッソに甘い吐息を吐かせながら、マーベットは答えた。
「ウッソがこだぬきさんじゃ無くなった後、またあのホテルで、結婚式を挙げましょ。
今夜は花嫁さんが、二人いるけどね」
えーっ!! ネスがあのホテルに泊まっている事と、二人の花嫁さんの意味に、
ウッソの頭は混乱した。ウッソは混乱を解きほぐし、あのホテルにネスが泊まって
いる事を、二人に説明した。
「あら、いいじゃない。立会人になってもらいましょうか? ネスに。指輪を付けてる
シャクティと私を、祝福してくれるんじゃないかしら?」
マーベットは、狸の体から離した左手の甲を、ウッソに見せ付ける。シャクティ
も、同じ事をした。オリファーからマーベットへ贈られた真珠と、ウッソからシャク
ティへ贈られた真珠。二つの薬指の輝きが、ウッソの中に戸惑いを生んだ。
「うふふ、冗談よ。でも、三人の結婚式だけは、ちゃんと挙げてもらうわよ。その為
に、ウェディングドレス代わりの白い服を、着てるんだから。シャクティも私も」
マーベットとシャクティが、同時に微笑み、同時にウッソの赤い頬に笑顔を向ける。
二人共、今のウッソを可愛く思い、今夜のウッソに期待しているのだ。ニュータイプ
であるウッソの心は、その事を、感じ過ぎる程理解した。どうなっちゃうの、僕……。
「今夜も頑張って、新婚旅行に連れて行ってね、私達の花婿さん」
マーベットの声の後、狸の頭巾から出ているウッソの左右の頬に、二人が同時
にキスをする。ウッソの顔が、この三ヶ月で一番真っ赤になった。
−完−
すげー、すげぇ超大作だ!
作者さん乙ですた!
Fekia氏、小説とっても興奮しました!!!
セシリーの相手に映画でも彼女を狙っていたザビーネをもってきたのが
上手いですね。エッチでも彼女の高貴な美しさが表現されているし、
凄く乱れていても全然下品さを感じなかったのが素晴らしいです。
唯一物足りなかったのは3章の最後でセシリーのセリフともう少しの
描写で激しくイって欲しかったことでしょうか。
それにしてもセシリー、ザビーネの絡みは凄いのでこれで終わりなのが
残念です。回想などでもっとやって欲しいです。座位とか騎上位が見たいw
これからストーリーがどう展開するかも楽しみです。頑張ってください!!
610氏、これまた上手い文章で驚きました。今までセシリーの小説なんて
まずなかったのに嬉しいです!!
繊細な文なのにエッチも濃くて良かったです!!
こちらのセシリー、ザビーネはハッピーになって欲しいようなw
続き楽しみです。
687 :
610:03/10/17 22:34 ID:abGWVWLi
>>643-645 >>647 >>686 まとめレスで申し訳ありません。丁寧で温かい感想をありがとうございました。
凄く不安だったので、とても嬉しかったです。
>>643 迷ったんですが、「クロスボーン・ガンダム」と小説はこの作品を書き終える
までは敢えて読まないことにしようと思っています。今自分の中に降りて来て
いる世界を大切にしたいのと、読む時を楽しみに、それまで頑張ろうかと(w
それから改行は、考えるところがあってわざとこうしています。我侭で申し訳
ありませんが、ブラウザの方で調節していただけないでしょうか。
>>645 フォローありがとうございました。
>>646 お手数をおかけしますです。
それでは、以下11レスほどお借りして第2章をUPします。
フロンティアIVの迎賓館の中にある豪奢な一室で、ベラは一人、鏡の前に立っていた。薄紫色の部屋着は身体の線を顕わに映し、ほんの数日前とは違う、女としての実りを誇らかに告げている。
「一人では生きられないし、覚悟もつかないし……」
そう呟くと、髪を後ろ手に束ねて鋏で短く切り始める。
自分に関わったせいで死んでしまったシーブックを思うと、他の相手と幸せな日々を送ることは許されない気がする。でも、一人で生きてゆくのは寂しく辛い。
ザビーネと情熱的に過ごした一昨夜の記憶は、心と身体にはっきりと残っている。そして昨夜の甘い記憶も。惹かれる気持ちは強まる一方だったし、彼の真心を信じることもできた。けれど、このまま関係を続けていっていいのだろうか、それが許される自分なのか。
祖父・マイッツアーとコスモ貴族主義の話をした時、幼い頃から何度となく聞かされたことを思い出し、昔が無性に懐かしくなった。笑顔の母と素顔のままの父がいて、自分と兄はよく、祖父の膝を巡って争ったものだった。
自らの血を流すことを恐れない高貴な者・貴族が人類と世界を治めるべきだというコスモ貴族主義――志の高さに惹かれつつも、自分には到底無理だと思えてしまう。その主義を嫌って逃げた、貴族の落ちこぼれである母の娘なのだから。
主義を形にするコスモ・バビロニアの建設が終わるまでの間、自分に大衆のアイドルとして女王をやって欲しいと望んでいる祖父。慈しんでくれる気持ちに応えたくはあるけれど、一人で成すにはあまりに重い責務で、覚悟は簡単には決まらない。
鏡に、扉から部屋の中を覗く何者かの姿が映った。ザビーネとは違う気配に、身体が一気に緊張する。覗いていた人間は、廊下で騒ぐ女官の声をよそに、扉を閉めて部屋の中まで入ってきた。
この顔は……そんな馬鹿な! これは、夢……!?
「やはり、セシリー!」
「夢」が口をきいた。
「シーブック! あなた、生きていたのね!?」
死んでしまったと思っていた少年の名を叫ぶ。
「みんなが心配している。迎えにきたんだよ」
「迎えって……!?」
廊下の声に警護官の声が混ざり始めた。この部屋に入ってくるのも時間の問題だろう。
「何で今ごろ来たの!? もう遅いのよっ!」
そう、もう遅い。自分はザビーネに抱かれ、彼と心を通い合わせもした。シーブックを眼の前にしてはっきりと分かった。自分の心には今、ザビーネだけが棲んでいる。
「遅いって……!?」「曲者だと!?」
怪訝そうなシーブックの声に被さるように聞こえてきたのはザビーネの声だった。慌てて視線を翻すと、体当たりして扉を開け、右手で銃を構える姿が見えた。
シーブックを突き飛ばし、銃口から逃れさせる。ザビーネのところに駆け寄って、銃を邪魔するような位置に身を置き、シーブックを撃てないようにした。
ベラの行動に驚いて、構えていた銃を外すザビーネ。その隙にシーブックは全身で窓ガラスを割り、危ういところで銃をかわして、そのまま下へと落ちていった。
悲鳴を上げながらも、なんとか土の上に着地する。途端に炸裂する銃声。ぎりぎりでそれを避け、一目散に走り出した。
ベラは窓際で銃を撃ったザビーネに眼をやった。素早い身のこなしと的確な判断力は、彼が優れた軍人であることを告げている。必要とあれば、人を殺傷することも厭わない軍人であることを――
「どういう手合いか!?」
ザビーネがシーブックの逃げた方向を眺めながら呟く。振り返ってベラに眼を当て、部屋の中央に戻ってくる。
「……助かりました」
「お切りになったか?」
すぐ傍で立ち止まり、顔と髪をじっと見つめて言う。
「はい」
誰よりも気付いて欲しかった相手……この瞬間、ベラの心は決まった。
ザビーネに向かう心に歯止めをかけていたのは、シーブックが死んだことへの負い目だった。コクピットに残った血が残酷な事実として迫ってきて、迷いをより深いものにしていた。
けれど、無事な姿を確認できた今、もう何の迷いもなくザビーネを想うことができる。そのことが嬉しくて堪らない自分。
最初に引き合わされた時は、祖父に一礼する兄の後ろから射るような視線を当てられて、そちらに眼を奪われてしまったほどだった。右眼を覆い隠す大きな眼帯に驚かされ、滅多に表情を変えない態度が尊大にも見えて、第一印象はあまり良くなかった。
精鋭と名高いモビールスーツ部隊「黒の戦隊」の指揮官であり、若くしてその才能を祖父に見出された男。両親を早くに亡くして自力でハイスクールに通い、地球連邦軍の士官学校を優秀な成績で卒業した努力家だと聞いている。
整い過ぎた容貌と冷静沈着な行動から時に冷酷さを感じることもあるけれど、それだけの男ではないことを、身体の奥深いところがずっと伝えてきていた。今、自分のその感覚に賭けてみようと思う。
騒ぎを心配して、マイッツアーが部屋にやってきた。
「無事で良かった……どうした、その髪は!?」
「はい、ロナ家の者に徹するにはまだ修行が必要と思い、髪を切りました――」
マイッツアーに礼儀正しく一礼し、顔を伏せたままベラの左横に控えるザビーネ。自分の立ち位置を決めた後は顔を上げ、ベラの横顔を食い入るように見つめていた。
その視線の強さが、迷っていた決意をついに述べさせる。ベラはマイッツアーを真っ直ぐに見返して続けた。
「そして、これが伸びた暁には、コスモ・バビロニアを継ぐ身でありたいと思います」
「そうか、その決意の折に暴漢か……」
「物取りかと……だからこそ、連邦の政治を正さなければならないと思い知りました」
「そうか、新時代のアイドルとなってくれるか!」
ザビーネは、髪を切って一層凛とした表情になったベラから、眼を離すことができなかった。気丈に振舞うその姿こそが、どんな高価な宝石よりも美しく、彼女を輝かせていた。
自分がついていながら暴漢に踏み込まれ、ベラに不安を与えてしまったことに、歯噛みするほどの怒りを感じる。彼女の挙動には少し訝しいところもあったが、そのことへの疑いよりも衝撃の強さの方が思いやられた。この美しい女主人に、それほどまでにも囚われている。
女を抱いた経験が無い訳ではない。肉欲に溺れるのをよしとしない性分から、豊富な経験があるとは言いかねたが、つい最近までは割り切った仲の相手もいた。けれど他の女とベラとでは、何かが違っていた。
最初に抱いた時は、義務感といくばくかの同情心でしかなかった。仕える主人が求めているなら、それも任務のうちだと思ったし、それぞれの思惑を抱えた血縁に取り囲まれて心細そうにしている姿を知っていたから、少しばかり同情もした。
物堅い性格と見ていたので、その後も誘いがあったは意外だったが、肉欲を求めてのことでないのはすぐに分かった。だから、最初の時と同じように淡々と抱き続けたのだ。その程度のことが苦になるほど、好み外の女ではなかったから。
いや本当は、好みそのものだった。気品を伴うきりっとした美貌と、それとはアンバランスな男好きのする肢体――ベラの部屋から自室に戻った後で、身体から漂う彼女の匂いに堪え切れなくなり、自らを慰めたこともある。挙句にあんなところを見られてしまった。
いつの間にか、ベラに魅了されていた。同情が愛情に変わるほど柔な性格でないことは、自分が一番よく知っている。そうではなく、彼女には何か人の心を惹き付けるものがあるのだ。
女王にすることを望んでいるマイッツァーを孫娘可愛さの身贔屓と見てきたが、確かにベラには資質があった。気高い気性と、相手に真摯に迫ろうとする生真面目さ。気の強さと聡明さ。そして時に見せる儚さ。
闇の中で生きてきた自分は、彼女の持つ清浄感が眩しいのかもしれない。
他の女を抱く気が失せて、続いてきた相手とは別れ、かといってベラに向ける心が何なのかも分からないままに過ごした日々。
思いもかけない経緯で心を打ち明け合う仕儀となったが、そのことを悔いてはいない。自分が一人の女に想いを寄せられる人間だったことが、どこか興味深くもある。ベラと歩んでみる人生も面白そうだ。マイッツァーも、それを望んで世話役に命じたのだろうから……
一方のベラは、決意を述べ終えた高揚感の中で考えていた。
ザビーネが私を凝視しているのは、先ほどの行動を疑っているからだろうか。「曲者」を庇う動きをしてみせたことを。もしそうなら、どんなことをしても誤解を解こう。彼に誤解されるのだけは耐えられない。
シーブックが迎えに来てくれたことは、純粋に嬉しかった。クロスボーン・バンガードが侵攻してくるまでは、ほんの数回しか口をきいたことのない同窓生。時に図々しく、困らせられたこともあった。戦火に巻き込まれなければ、ずっと誤解していたかもしれない。
でも養父・シオに銃を向けられていたあの時、彼は危険も顧みず私を助けようとしてくれた。そのせいで殺されてしまったと思っていたから、無事を確認できたことは大きな喜びだった。良かった、本当に……本当に!
さっきのことで、また怪我をしていないだろうか。それだけが心配だ。無茶をする人だから……
みんなが心配している、とも言っていた。ふとした巡り合わせで一緒に逃げることになった仲間たちは、元気でいるのだろうか。一人一人の顔が浮かぶ。いつか敵味方になってしまうのかもしれない。戦場で会った時どうすればいいのか、確かな答えは見出せないでいる。
それでも私は、コスモ・バビロニアの女王となる道を選ぶ。ザビーネの居る場所こそが私の居場所。
ザビーネ、そんなに強い眼差しで見つめられたら、頬が溶けてしまうわ。いいえ頬だけではない、心が身体があなたの情熱に溶かされてゆく。あなたがいてくれたら、私はどんなことでもできるかもしれない……
ベラの決意に安堵して部屋を出て行くマイッツアーと、彼に従おうとするザビーネ。本当はベラのところに忍んでゆく途中で騒ぎに出くわし、そのお蔭で誰よりも早く部屋に踏み込むことができたのだが、これ幸いと残る訳にはいかなかった。
ベラはザビーネを呼びとめた。まだ話があるから、と。彼が疑っているなら、きちんと説明をしておきたかった。
ザビーネは血縁の祖父、それも盟主でもあるマイッツアーが退室しようというのに自分が残ることが憚られて、扉の傍で躊躇していた。
しかし、彼を孫娘の将来の配偶者とも考えていたマイッツアーは、そういう展開をむしろ希望していた。自分に遠慮せずに残るようザビーネに告げ、そればかりか、これからも二人が親しい時間を過ごすことを望んでいることまで仄めかして、一人部屋を出ていった。
祖父がそのようなことを考えいたと初めて知り、ベラは驚く。眼の前の出来事に気を奪われ、ザビーネを世話役につけてくれた意味まで考えていなかった。胸のときめきを押し隠し、やっとのことで祖父を見送る。
女官たちも部屋を去り、広い室内に二人だけが残される。見詰め合う眼と眼。
「『物取り』を庇うための決意ではないと、信じてよろしいのでしょうか?」
落ち着いた声でザビーネが問う。やはり気が付いていたのだ。
「私の決意はそんなものではありません。でもこの決断をするためには、あの『物取り』が必要でした」
「そういうことですか……」
「私にはもう帰る家がないのです。そういう道を選びました。だから――」
ベラの言葉を遮って、力強い声が部屋の中に響く渡る。
「それ以上、おっしゃいますな。決意が揺るがないのなら、それで充分です。私があなたの帰る家にも、眠る場所にもなりましょう。命を賭けてお守りします」
一番欲しかった言葉を得て、ベラは高ぶる気持ちをそのまま声に乗せて答えた。
「ザビーネ、信じてください。この決意も、あなたへの想いも、どちらも掛け替えのない私の真実です!」
誰よりも私を愛し、守ってくれる男と共に、今日から私は生きてゆく……
広い胸板に身を投げる。少しも動ぜずに、力強く受けとめてくれる腕が嬉しい。熱い口付けの後で甘えたような声で囁く。
「お祖父さまや女官たちは、気が付いたかもしれないわ。私たちがこういう関係だと」
周りに知られてしまうことが、恥ずかしくも嬉しい。
「なぜ、そのようなことを?」
「こんな薄物一枚の姿なのに、ザビーネに対して全然恥らっていなかったから。ふふっ」
胸や腰の線がはっきり分かる部屋着姿は、若い男の前に出るにはあまりに扇情的だった。
「それは困りましたな」
少しも困っていない口調でザビーネが答える。囁くような低音が、ベラの全身を包んでゆく。
「ザビーネもいけないのよ、平然としているんですもの。見慣れていると言わんばかりだわ」
「平然とはしていませんよ。眼の毒だと思いながら見ていました。いけないことをしたくなる……」
「どんなこと!?」
悪戯っぽく笑って顔を覗き込む。
ザビーネは唇の端を少しだけ上げると、ベラの身体を横抱きに抱き上げ、軽く口付けて寝室の方へと歩いていった。
首に手を回し、恋しい男の顔を惚れ惚れと見つめるベラ。見返す視線の強さと腕に込めた力とが、これから過ごす時間の激しさを予告している――
そして無言の予告通り、その夜のザビーネは今までにも増して激しかった。巧みな愛撫でベラを燃え上がらせ、何度も何度も絶頂へと導く。
大きな掌で翻弄され、形をさまざまに変える乳房。立ち上がったまま固定してしまった乳首。最初からその色だったとしか思えないほど赤く色付いた肌。太腿を伝うだけでは足らず、シーツをも浸している愛液。そして沸騰し、ザビーネの訪れを待つだけになっている花芯。
「もう駄目。ザビーネ…お願い、来て……」
掠れてしまった咽喉でベラが囁いた。愛らしい嬌声を聞き続け頬が緩みっぱなしだったザビーネは、最後の仕上げとばかりにベラの手を掴み、屹立する分身に触らせた。
「欲しいのですか? これが……」
触ったものの熱さと固さに驚きながらも、手を離すことができない。握り締めているだけで、身体の中から新たな泉が湧き出してくるのが分かる。
「ザビーネ、私……」
「動かしても構いませんよ。私に仕返しをするには、いいかもしれませんな、フフフ」
誘うような言葉に突き動かされ、握った手をゆっくりと上下に動かしてみる。肉塊が手の中で更に大きく膨らみ、熱を一段と高めた。
「あぁ……」
ザビーネから吐息のような声が上がった。手はベラの頭に置き、切ったばかりの髪を愛しげに撫でている。
「もっと力を入れても大丈夫。固くなって感覚が鈍くなっているから、強めの刺激の方がいいのです」
「こう?」
教わった通りに力を強め、上下運動を繰り返す。下の方にある袋にも興味を持ち、反対側の手でそっと撫でてみた。
「あぁっっ!」
思わずうめいてしまうザビーネ。色白な頬にさっと朱が差す。慣れぬ手つきさえも、欲望をかきたてずにはいられない。先端から液が迸ってしまいそうな感覚に抗しきれず、ベラの上に覆い被さって手早く錠剤を入れる。
待ちかねた瞬間に眼を輝かせて喜ぶベラ。ザビーネの分身が一気に奥まで達し、大きな喘ぎ声を上げる。何度か突かれた後で、繋がった状態で抱き上げられ、横たわったザビーネの身体の上に乗る姿勢を取らされる。
「こんな……恥ずかしいわ」
「美しい身体をもっとよく見たいのです。いいでしょう?」
お世辞を言わぬ男の誉め言葉に心が痺れる。うっとりと自分を見つめる視線に心からの賛美を感じ、全身が燃え立つような快感に襲われた。
「でも、どうしたらいいのか……」
「感じるままに身体を動かせばいいのですよ」
下から手を伸ばし、二つの宝玉をそれぞれの手で包み込みながら言う。
「はぁぁんっっ!」
快感に身を震わせると、内部で分身が一層膨らんだ。その感覚に導かれ、腰をゆっくり前後に動す。
「そう、その調子です。あぁ…いい……」
自分の身体を静止させ、ベラの動きを全身で感じ取ろうとするザビーネ。腹部から乳房にかけての神々しいラインが蠢くさまを眼を細めて見つめる。
ベラは腰を少し持ち上げ、手で愛撫した時と同じ上下の動きをしてみた。腰を落とした瞬間に分身が奥深いところに当たり、さらに快感が増す。両手で掴まれている乳房からも大きな波が押し寄せ、勢いを増す愛液が恥ずかしいほどの音と共に滴り落ちる。
「あぁっっっ、ザビーネ、ザビーネっ!」
「ベラ、最高です。くぅっっ……」
いつの間にか花芯に回っていたザビーネの手が、蕾を探し当てて刺激し始めた。あっという間に訪れる絶頂。
「あはぁぁん、あぁぁぁーーー!」
身体を支えきれず、広い胸の上に身を伏せる。ザビーネの体臭がベラの全身を包み込み、官能をさらにかきたてた。
ザビーネも限界に近付きつつあった。絶頂を迎えて激しく収縮する内奥に勝てる筈もない。ベラの引き締まった腰を両手で掴み、下から激しく突き上げる。鍛え上げた腹筋と背筋はバネのようなしなやかさで、最奥に迫る強い動力を分身に送り続けた。
「あぁっ、またっっ!」
ベラが挿入だけでいくのは初めてで、そのことがザビーネを喜ばせ、新たな活力を与えた。二度目の収縮に耐え、最後の一撃を加える。
「あああーーーーーっっっ!!!」
「うぅぅっっっ!」
放出の後の空白を、熱い想いが埋めてゆく。ザビーネは分からなかった感情に、やっと名前を見つけることができた。
これが「恋」というものなのかもしれない。自分の行為がベラを傷つけてしまうのではないかと心配なのに、その一方で、放った直後から二度目を考えてしまう。何度抱いてもベラに飢えている。今もまた……
699 :
610:03/10/17 22:52 ID:abGWVWLi
第2章はこれで終わりです。
シーブックが当て馬みたいになっていますが、原作のセリフや展開に沿いつつ
ザビーネ×ベラになることを目指しているので、今のところはこうなります。
それと、私の中では「君を見つめて」がこの作品の主題歌なので、歌詞の冒頭の
部分を二人の会話のところで使ってみました(変えすぎてて分からないかも/苦笑)。
この後も、たまに使う予定でいます(w
第3章もほぼ完成していますので、明後日ぐらいにはUPできるかと。
その時はまた、(スルーも含めて)よろしくお願いします。
>>610氏
原作通りの展開なのに見事にザビ×ベラになってて圧倒されました。
つかザビ×ベラであったほうが、シーブックの誘いを断ったり女王になると急に言い出した、
この時のセシリーがよく理解できる。
もう自分の中ではこのSSが公式設定です。いいものを読ませてもらいました。ありがとう。
明日の?続きが楽しみです。
702 :
名無しさん@ピンキー :03/10/18 16:50 ID:A855O6if
セシリーの小説は2作ともすばらしくレベルが高いね。
続きが待ち遠しい!
704 :
610:03/10/19 23:36 ID:3A3WOOYj
>>700-701 >>703 ありがとうございます。
まだこちらの板に慣れていなくて手探り状態なので、凄く励みになります。
それでは、以下11レスほどお借りして第3章をUPします。
嫌いな方はスルーをよろしくお願いします。
人々を前に、鉄仮面ことカロッゾの演説が始まる。フロンティアIVにおけるコスモ・バビロニア宣言。
大切な儀式の最中に、ベラは警護官を呼び寄せ、聴衆の中にいるだろうシーブックを自分の元に連れてくるようにと伝える。昨夜はあんなことになってしまったが、できれば一度ゆっくり話したかった。
昨夜居合わせてシーブックの顔を見知っていた警護官が彼を見つけ、掴まえようとしたが、車で現れた父親にさらわれてしまった。モビールスーツ部隊も動員し、二人を掴まえようとする。
狙撃され車は壊れてしまったものの、シーブックたちはモビールスーツ・F91ガンダムのところまで辿りつくことができた。怪我をした父親に応急手当をしてコクピットに乗せ、妹・リィズの待つフロンティアIへと向かう――
シーブックの父親が、その時の傷が元で死んでしまったこと、演説の最中にシーブックが漏らした言葉をベラは知らない。
「セシリー、軍事力を持って出てきた者は武力制圧しか考えないということを、なぜ分からないんだ!?」
シーブックとの再会につぐ、もうひとつの再会も衝撃的だった。ベラをシオの元に残して行方不明になっていた母・ナディアが、娘を連れ戻しにロナ家までやって来たのだ。
「セシリー、家に帰りましょう!」
必死に呼びかけるナディアの声も、ベラには苛立たしいものにしか聞こえない。どこに帰る家があるというのか!? 自分の家はザビーネの胸の中だと告げたら、この女はどんな顔をするのだろう?
言い争いを始めるカロッゾとナディア。話を振られたマイッツアーは冷たく答えた。
「ベラの未来はベラ自身に選ばせれば良い」
「まだそういう歳ではないでしょう!」
ヒステリックに喚くナディア。
「お母さま、作戦終了後に、ゆっくりお話し合いをさせてください」
堪りかねてベラが言った。フロンティアI制圧作戦を間近に控えたこの時期、落ち着いて話している余裕はない。自分も出撃する予定なのだ。せっかちに話を進める癖は何年経っても変わらないようで、溜息しか出てこない。
「セシリー、おまえは『ベラ・ロナ』ではない」
「いいえ私はビギナ・ギナのパイロット、ベラ・ロナです。お母さまのおっしゃる自由は、逃げるための口実にしか聞こえません」
そう言い切ると、ベラはナディアに背を向けて歩き出した。否定する声が聞こえてきても、振り向く気にはなれなかった。
ベラの心は、怒りでたぎっていた。
お母さまはいつもそう。お前はまだ駄目、オマエハマダダメ、おまえはまだだめ……
自由にしていいと物分りのいいことを口にした時でさえ、一つの答えしか許してくれない人だった。私の決断を一度でも手放しで認めてくれたことがあったかしら!? 幼い頃から何度も同じことをされ、その度に戸惑い苦しんだ。
今なら分かる。何を言われようと聞き流し、自分で決めるのが一番なのだ。だから私はそれをした。今度も認めてはもらえなかったけれど、私はそれでも構わない。あなたの許可がないと何もできなかった幼子の私は、もうどこにもいないのです!
仮面を被って世直しを唱えるカロッゾにも腹が立つ。お母さまをシオに寝取られた打撃から、自らの肉体・精神・エゴを強化したというけれど、なんて情けない男なの! どうしてお母さまは、あんな男と結婚したのだろう!?
お祖父さまが娶わせたのかと思っていたら、あれでも恋愛結婚だという。そして次の相手がシオだ。私をロナ家に売り渡した男。男を見る眼がなさすぎる。私はカロッゾやシオのような男は絶対に選ばない……絶対に!
ドレルお兄さまは、父たちよりは何倍もまし。でも、ザビーネへのライバル意識だけはいただけない。ザビーネは大人だから、うまく受け流しているけれど……
フロンティアI制圧作戦が開始された。旗艦ザムス・ガルから出撃予定の偵察隊のメンバーを見送るザビーネ。
「ザビーネ様!?」
偵察戦隊長のアンナマリーが姿を見せ、彼の姿に驚いて声をかけた。褐色の肌につぶらな瞳を持つ、愛らしい容姿の少女。
「アンナマリー! 思った以上の敵の数のようだ。偵察隊はくれぐれも気を付けてな」
二人は以前、割り切った付き合いをしていた仲だった。別れたとはいえ、ザビーネが心配してくれることが嬉しくて、アンナマリーは小さく微笑む。
「ザビーネ様こそ、先鋒でいらっしゃって――」
言いかけて彼の右手にある花束に気付き、首を傾げる。その白い百合の花束はザビーネの黒いパイロットスーツと素敵なコントラストを成していたし、金髪でクールな容貌の彼によく似合っていたけれど、出撃前に持つような品物とは思えなかった。
戸惑うアンナマリーの下の方から誰かの手が伸びてきて、それに気付いたザビーネが自分の手を差し出して上に引っ張り上げた。現れたのはベラ・ロナ。ロナ家の直系にして、二人が別れるきっかけとなった女だった。
こんなところでベラに会うとは思っていなかったため、アンナマリーは驚いた。しかしもっと驚いたのは、ザビーネがベラの耳元で何かを囁き、手にあった花束を渡したことだった。女性に花を贈る姿など初めて見た。自分は白昼夢でも見ているのか!?
「ベラ・ロナ様も出撃なさるのですか?」
見まいとしてもベラの身体に眼がいってしまう。オレンジ色のパイロットスーツが描く優美な曲線は、女の眼にも眩しかった。
「足手まといかもしれませんが、ザビーネが面倒をみてくれると言いますので」
穏やかな笑顔で答えるベラ。彼女が現れてからというもの、嬉しそうにずっとその顔を見つめていたザビーネが、一瞬だけアンナマリーの方へ視線を流した。複雑な表情を返すアンナマリー。
「お、お気を付けて。先発いたしますので……」
敬礼をして、そそくさと立ち去ろうとする。ザビーネの手はベラの手とずっと繋がったままだ。自分の方に流してきた視線も、大切な宝物を誇らしげに紹介する子どものような視線で、これ以上二人の傍に居るのは耐えられなかった。
「頼む、水先案内人」
ザビーネの呑気な声を背に、アンナマリーは底知れぬ敗北感と深い憤りを感じていた。
アンナマリーはずっと、ザビーネはベラに――ひいてはロナ家に――擦り寄ろうとしていると考えていた。ベラの世話役になったのと前後して自分との関係を終わらせたのが、何よりの証拠だと。
けれど、今日二人が一緒にいるところを見て、自分の考えが間違っていたことを思い知らされた。
彼女は直感的に悟ったのだ。ザビーネとベラは肉体関係を持っている。しかもそれは、権力に媚びを売ろうという下心や肉欲による結びつきとは違う、もっと純粋な気持ち。はっきり言えば、恋情ゆえの関係なのだと。
身体だけの関係の相手にザビーネがどういう態度を取るかは、厭というほど知っていた。ベッドの中でさえ、心や身体をさらけ出すことのなかった男。翌日顔を合わせた時、前夜を伺わせるような雰囲気は皆無だった。
それが、今はどうだ。恋していることを隠そうともしない、あの眼差し。愛する相手と夜を共にした者だけが持つ独特の甘い雰囲気を、惜しげもなく振り撒いている。女に花束を贈る行為も、以前のザビーネからは考えられなかった。戦闘の最中だというのに。
そしてベラも、ザビーネを頼りきり甘えきっているオーラを全身から発散させていた。自分には許されなかったオーラを!
ザビーネとの関係を、それで良しと思っていた訳ではない。本当は愛情に満ちた関係を持ちたかった。彼の求めているものが分かっていたから、割り切った付き合いのできる大人の女の振りをしていただけ。
そんな哀しい関係の僅かな拠り所は、もてる割りに物堅く他人と距離を置きたがるザビーネが、抱き合うという一歩踏み込んだ関係を自分とだけは持ってくれたということ。でもそれさえも、今となっては空しい。
ほんの10日くらい前、モビールスーツの操縦訓練を始めた頃のベラは、あんな身体ではなかった。あれはザビーネが……
ザビーネがロナ家に野心を持っていたのなら、まだ良かった。家の名に負けただけで女としての勝負に負けたのではないと、自分を納得させることができたから。肉欲だけの関係も同じだ。高貴な家柄を誇るロナ家の女が庶民の女に身体で勝っても、何の自慢にもなるまい。
けれど、そうではないと思い知らされて、自尊心が音を立てて崩れてゆく。なぜ自分ではなく、あの女なのか!?
愛情なら、誰よりも強く持っていた。偵察戦隊長として、仕事で役に立ってきた自負もある。乾いた夜ばかりとはいえ、二人だけの時間を過ごしてきた歴史もある。それなのに!
ザビーネの振舞いにも、深く傷つけられた。すまなそうにするでもなく、ベラに過去の関係が知れるのではないかとビクビクするのでもなく、それどころか、いちゃついてさえみせたのだ。
あれでは、自分たちは最初から何の関係も無かったようではないか! ベラに気付かれないようにという下心で堂々と振舞っていたのではない。路傍の石と同じ位にしか自分のことを見ていなかった。いや、ベラを自慢できるだけ、石よりましと思っていたかもしれない。
自分で思いついた皮肉に、さらに心を傷つけられるアンナマリー。闇が心を覆い尽くす。この憤りを、どこへぶつけよう!?
ザビーネとベラの二人は、出撃まで待機するために通路を移動していた。
胸に抱えた百合の香りを嗅ぎながら、幸せそうに微笑むベラ。ロナ家の紋章・ライオンと百合にちなむ美しい百合の花束を、ザビーネは初陣の飾りにとプレゼントしてくれた。この花の気高さはベラそのものだから、という胸をうつ言葉とともに。
その心遣いが嬉しくて、花束をコーティングして自分の機体に取りつけようと、心が逸る。この花があれば、ザビーネと離れて戦っていても、いつも彼に守られていると感じられるに違いない。
人影の少ない通路に差し掛かった時、ベラは気になっていることを聞いてみた。
「でも妙ですね。あなたほどの人が、このザムス・ガルの全てを知らないとは」
「艦長だって知りはしません。そういうものです」
ザビーネはあっさりと答える。組織というのはそういうものだと。
「そう……この船をフロンティアIの隕石側に接岸させて橋頭堡にする――今回の作戦、それだけのものですか!?」
「はぁ!?」
ベラの顔を見返すザビーネ。何を言いたいのだ!?
「父とは言え、カロッゾはどこか信頼が置けないのです。何か別のことを考えているように思えて……」
考え深そうに話すベラ。その姿をじっと見つめていたザビーネは、独り言のように呟いた。
「……ジレは鉄仮面寄りですから、彼の言動に気をつけていれば、『バグ』のような暗号の意味もわかりましょうな……」
聡明なベラのことだ、これで充分だろう。しかし、よい勘をしている。鉄仮面の動きに疑問を持ち、人知れず調べているのは自分も同じだった。
ニュータイプは物事の本質を掴む力があるというが、ベラもそうなのだろうか? ビギナ・ギナを乗りこなす姿に、その萌芽を感じる。いや、血縁ならではの勘かもしれない。ニュータイプというのは存在自体が疑問視されることもある、あやふやな概念なのだから。
「『バグ』!?」
曖昧な言い方にむっとして、ベラは不機嫌そうな顔でザビーネを睨む。
「……組織のすべてを知ることは難しい、という例えですよ」
誤魔化すザビーネ。人目の多い戦艦の中で、これ以上の話をする訳にはいかない。それに、ベラに全てを打ち明けることは避けたいと考えていた。鉄仮面とジレが「バグ」という暗号名で何かを企んでいる――危険な匂いのする領域に、彼女を巻き込みたくなかった。
本心とは裏腹の試すような微笑を浮かべた顔を、ベラがきつい眼で見返す。こういう気の強さも魅力的なのだな、などと内心にやけていたザビーネに、遠慮会釈のない言葉で突っ込んできた。
「ロナ家のことを、軽蔑しているのでしょう!?」
二人きりの時間にマイッツアーやカロッゾのことを話題にする時、彼の顔にほんの一瞬だけ走る感情には、とうに気付いていた。右手でザビーネの左肘を掴み、自分の方へ引っ張る。
いつになく子どもっぽい仕草に、ザビーネはベラが自分より遥かに年下であることを思い出す。引っ張られた腕をそのまま流し、なだめるように彼女の肩に手を置いた。
本当は、ザビーネの腕に触れずにはいられないベラだった。返って来る答えには予想がついていたけれど、ロナ家の一員である身で、愛する男からそれを言われるのは哀しい。
人目を気にして身を避けるのではないかと思っていたザビーネが、肩に手を置いてくれたことで、少しだけ安堵する。触れた手から、彼の愛情が伝わってくるような気がした。
観念して答えるザビーネ。
「……自分はクロスボーンの建軍には協力しました。マイッツァー・鉄仮面両氏が、私情と理念をごっちゃにすることがないのは知っていますし――」
一瞬、視線を逸らす。一途な眼を見続けるのは辛かった。
「自分もそうであります」
二人きりに時に、ここまで軍人口調で話したのは初めてだった。自分なりの真実を告げたつもりだが、分かってもらえたかどうか。
不安が胸を過ってゆく。感情を処理できていないのだ。ベラといると、いつもこうなる。7歳も年下の少女に心を掻き乱され、冷静ではいられなくなる自分。
今も肩に置いた手を強め、もっと近くに抱き寄せたいと考えている。出撃を控え、待機していなければならない身だというのに……
ベラはザビーネがふいに進路を変え、見慣れぬ通路を辿り出したことに驚いた。連れていかれたのは倉庫のような場所。中に引き込まれ、強く抱きすくめられる。
「ザビーネ……?」
「お静かに」
ザビーネの唇が下りてくる。激しく熱く繰り返される口付け。いつもキリッと結ばれた唇のどこに、これだけの情熱が隠されているのだろう。ベラは何も考えられなくなってきた。
ベラの恍惚とした表情と、パイロットスーツごしでも充分に分かる柔らかい身体に、ザビーネの最後の理性が打ち負かされる。
「ベラ、あなたを今、抱きたい」
「えっ!?」
責任感が強く折り目正しいザビーネがそんなことを言い出すとは、考えてもいなかった。出撃前の慌しい時間、しかも大勢の人がいる戦艦の中で……
「厭だと言っても駄目です。もう我慢できない……」
一瞬の迷いの後で小さく頷く。恋しい男からここまで言われては、断れる筈もなかった。
パイロットスーツの前を開け、瑞々しい乳房を愛撫し始めるザビーネ。溶けてしまいそうなほど柔らかかった宝玉が、手の中であっという間に固くなる。屈んで乳首に唇を当て、舌でそっと転がした。
「んっんんっ……あ…はんっ」
立ったままの姿勢と誰かが来るかもしれないという緊張感、そして出撃に際して高ぶる気持ちが、ベラの感度を普段の何倍にも高めていた。
パイロットスーツを太腿まで下げ、ザビーネが花芯に手を這わせてくる。既に潤っていたそこは、しなやかな指を迎えて歓喜の涙を増す。大きな波が訪れ、ザビーネの腕に支えられながら全身を震わせた。
懸命に声を抑えている姿が可愛くて、ザビーネは何もかも滅茶苦茶にしたい気分になる。
下腹部がきつく感じられてならない自分のパイロットスーツも引き下し、ひとつになるために動き出したその時、初めて思い出した。いつもの錠剤を持ってきていなかったことを。
フロンティアIVに戻った後で薬剤を使う方法もあったが、ベラの身体への負担や、出撃中に万が一のことがあって計画通りにいかなくなる可能性を考えると、そういう気にはなれない。
「ここまで、に…しましょう……」
突き進んでしまいそうな自分を、懸命に抑えながら言う。無理な抑制に、身体が大きく震えた。
「どうして!? そんなの厭よ!」
火のついた身体は、もう止まらないところまできている。ここで終わりにされるなど、ベラには生殺しとしか思えなかった。
「しかし、あなたを妊娠させる訳にはいきませんから」
ザビーネの真意が分かってホッとするベラ。誠実さが胸を打つ。自分の中から吹き上げてくる強い感情に力を得て、キッパリと答えた。
「構いません。ザビーネの子なら、むしろ欲しいぐらいです」
ザビーネが野心しか持っていないなら、自分を妊娠させて手っ取り早くロナ家の婿に収まる道を選ぶ筈だ。マイッツアーも最初は驚くかもしれないが、元々二人の結びつきを望んでいたのだから、反対はしないだろう。それなのにザビーネは、律儀に避妊を考えていてくれる。
成り行きや思いつきではなく、心底子どもが欲しいと思った。信じられる家族が欲しい。子どもを持てば、ザビーネとの間にも今以上の絆ができる。
自分は母とは違う母親になってみせる。駆け落ちした男に連れられて、元の夫の前にいけしゃあしゃあと姿を見せ、あまつさえ捨てた娘をヒステリックに連れ戻そうとする――あんな女には絶対にならない!
愛し合う両親の間ですくすくと育つ子ども。自分には許されなかった幸せの光景を、この手で作り出すのだ。
「そこまで言ってもらえるのは、男冥利というものです」
ザビーネはベラを抱きしめた。一瞬おいて、右眼の眼帯を静かに外す。酔い心地だったベラの眼が大きく見開かれた。
死角を感じさせない操縦術を持つザビーネだったから、眼帯は伊達なのではないかという噂もあった。けれど閉ざされた瞼を生々しく横切る大きな傷跡は、あの操縦術が努力の賜物であったことを告げている。
頬の上半分まで覆い隠す大きな眼帯を常々不思議に思ってきたけれど、傷の大きさを知ればそれも当然と頷けた。家の紋章に太陽を持ち、それに似合いの華やかな容姿も持っているザビーネに、こんな暗黒面があろうとは!
「これを見たことがあるのは、亡くなった母親だけです。父親が実の息子に憎しみと共につけた傷――そんな傷を持つ者と知ってなお、私の子どもを望んでくれますか?」
ザビーネの隻眼が光を強め、痛いほどの眼差しでベラの瞳を覗き込む。潰された右眼さえもが、自分を見つめている気がする。義眼を入れず、傷跡を整形することさえしないのは、それだけ父親への憎しみが深いからなのだろうか。
安易な言葉を返すことができず、無言で傷跡に口付けた。あなたのものであるのなら、傷跡さえも愛しましょう。その痛みを分かちあい……
感動するザビーネ。
「他人(ひと)をこれほど愛しいと想ったのは初めてです」
顔中に歓喜の口付けをし、最愛の女の中へ自分の分身を挿入してゆく。立ったままの姿勢でベラの身体を壁に押し当て、上げさせた片足を自分の腰に巻きつけるように抱きかかえながら。
「ザ……ビーネっ!」
押し殺した声でベラが叫ぶ。最奥まで達したそれは、内部でさらに容積を増やそうとしていた。
「ベラ……くぅっっ!」
愛液が太腿を伝わり落ちてゆく。本当ならゆっくり楽しみたいところだが、そこまでの時間の余裕は無かった。いや何よりも、ベラのきつい締め付けが、そんなことを許してはくれなかった。
「すぐ……に、いってしまい…あぁっ! ……そうです。許し…てください……」
「いいわ、ザビーネ、来て!」
これ以上声を漏らさぬように舌を捕え、ザビーネは動き始めた。冷ややかな倉庫の気温が二人の身体から発する熱で上昇し、物静かな中に激しい水音だけが鳴り響く。
「んんっっん……」
感じやすい最奥を集中的に攻められて、ベラの身体が大きく揺れる。もう自力で立っていることができず、ザビーネの肩に置いた手で漸く身を支えていた。
「いくっ! ううぅっっっ!」
最後の瞬間、ザビーネは最奥まで深く貫き、子宮口の近くで全てを放出させた。びくんびくんと大きく波打つ分身から、大量の精液が注ぎ込まれる。愛の結晶、生命(いのち)の源――
床に崩れ落ちそうになるベラ。意識を半ば手放しながらも、腰を強く絡みつけている姿に、ザビーネは小さく微笑む。子どもが欲しいと言ったのは本当だったのだ。
コスモ・バビロニアの女王となるベラと、妻を誇らしげに見守る自分。そして左手は、ベラによく似た可愛らしい女の子の、もみじのような右手と繋がっている。幸せな未来図に、今までの人生には無かった安らぎと、強い愛着を覚えるザビーネだった……
716 :
610:03/10/19 23:55 ID:3A3WOOYj
第3章はこれで終わりです。 なんとか今日中にUPできて一安心・・・
アンナマリーの前でザビーネとベラが手を繋ぎっぱなしだった、というのは
原作通りにしてあります。映像だとちょっと分かりにくいのですが。
それから、第4章・第5章(終章)はエロなしになりそうです。
エロパロ板でありながら、大変申し訳ありません(平謝り
せめてものお詫びに、この2つの章をUPする間に、番外編のザビーネ×
ベラのいちゃいちゃHを書いてUPしようと考えていますので、大目に見て
いただけると助かりますです(といっても大したものは書けないでしょうが)。
第4章は火曜か水曜頃にUPできるかと思います。立て続けで申し訳ないです。
>610様
す、凄い……。原作の裏側を、見事に描き切っている。こりゃ、自分も下手なSS
が投下出来ない。
いやもう、第4章・第5章がエロ無しでも、全く問題無いですよ。706や713のセシ
リーの心理描写とかを読んでると、素直にそう思えます。
しかし、Fekiaさんの話もそうだけど、アンナマリーに救いが無さ過ぎる展開です
よ。お二人のどちらの展開でも、彼女が連邦に寝返った理由が良く分かります。
なのにセシリーも連邦軍に投降するのだから、益々アンナマリーに救いが無い。
ある意味シーブック以上の被害者と言えそうです、彼女は。
何はともあれ、第4章も頑張って下さい。
610様、3章も素晴らしかったです!!
セシリーがイメージ通りなので興奮も高まりますね。
番外編を書いて頂けるのもとても嬉しいです。4、5章共々楽しみに
してます。
Fekia様の続きも楽しみだしこのスレ見てて良かったなぁ。
610様
巧いですし面白いですが・・・・・が私はと言うのが精一杯ですね。
この物語だとやはりシーブックの存在が軽すぎる様な気が・・・・
このセシリーだとシーブック殺しちゃいそうですね。
頑張って完結させてください。
>>719 ザビベラSSにシーブックの重さを求めるのは、魚屋に行って肉をくれと言うようなものだと思うが。
つか軽すぎはしないだろ。1-2章ではシーブックのことでずっと心を痛めてる。>セシリー
>>ザビベラSSにシーブックの重さを求めるのは、魚屋に行って肉をくれと言うようなものだと思うが
同意。
感想は人それぞれなのだから、まぁいいではないか。
>>610様
ザビベラなんてありえなくて完全に創作なものを見事に上手くまとめてますね。
次回楽しみです。
マターリ作家さんの作品待ってます。
お二人のSSのクロボン編が読みたい・・・。
キンケドゥの知らない知らないところで調教されるベラ艦長ハァハァ
今日Fekia様は来てくださるだろうか?
ワクワクドキドキ
漏れもドキドキ。
あとは挿し絵が貼り付けられれば、完璧っす。
朝からドキドキ仲間が二人もいたw
610氏も今日か明日に続きをと書いていたから
うまくいくと二つとも読めてウマー
いい時代になったもんだ
ここだけで読んでるの勿体無い気がするんだけど
南極さんにウプしてもらうというのはどうだろ?
F91のSSが少なくて寂しいんだよね
Fekia氏と610氏のが並んでウプされたら壮観だと
思うんだがご本人たちはOKしてくださるかなぁ
>>726 Fekiaさんのはウプされてるよ。漏れは南北さんに絵を描いてホスィと陸しようかと
オモットッタ。
スマソ610氏のもウプされてる。見落としてた_| ̄|○
>>727-728 見てきた
今日の更新でウプされたんだね
管理人さん、ここ見てるのかな?
F91の目次のところがまだ変わってないから
気が付かなかった。教えてくれてありがとう
個人的には610氏のラブラブな二人の挿絵が
見たくて堪らないんだけど、なるべく原作の絵に
近いのを描いてくださる人がいいなぁ
やっぱり南北さんだろうか?
誰か頼んできてくれ。
俺も続くから。
誰にたのもかー。
前にばじぃさんが花束持ってるザビーネを描いてたよ。
確か801の7259。
どうかな。ちょっと少女漫画っぽいかな。
個人的にはあちゃさん、南北さん
Fekia氏のは濃いエロ系で
610氏のはラブラブなのが似合うと思います
名前が挙がった中ではこんな感じ?
あちゃさん・・・ハッキリ系・・・Fekia氏?
南北さん・・・ほのぼの系・・・601氏?
ばじぃさん・・・少女漫画系・・・601氏?
漢5986に新井二十子さんがセシリーや
シーブックたちを描いてるね。
可愛い絵柄だから610氏のSSに合いそう。
漏れはFekia氏に一言言いたい!!
昨日はモビルスーツのコクピットの中で、行為に及んだ。無論その中のことは、外からではわか
らないが、ザビーネは全天周モニターをオンにして、コクピットの中からは外の様子が見えるよう
にした。着々と作業を進めるクルーたちを眺めながら、自分たちはこんなところで肉欲に耽ってい
るという思いが、セシリーをいつも以上に、乱れに乱れさせた。
このシチュを詳しく書いてほしかったYO!!
コクピット内での秘密の授業を体で学ぶセシリー・・・
個人的にはメチャクチャハァハァできるんですけど・・・
Fekia氏どうかお願いします!!
もうザビセシは無いとのことですがいつまでも待ちますんで
このあたりをどうか番外編で・・・
勝手ではありますがよろしくお願いします!!
ところで・・・
4章の投下は今日なのですか?
>>734 激しく同意ですねw 私もそこがあっさり終わっちゃったのが残念でした。
狭いところでヤルという点でも、羞恥心を煽るという点でも秀逸だったから。
私も番外編希望です。
>>732 >>733 あちゃ氏のパイズリ絵は絶品です
自分はしのさんの妖艶なカラミ絵キボンヌ・・・って
ここでリクしてもしょうがないか
よし陸しましょう。
Fekia氏、いつもならUPしてる時間なのにまだだね。
今週はお休みなのかな。
漢板にセイラを描いてる○デ氏の絵もFekia氏のSSに合いそうに思った。
柔らかそうなオパーイハァハァ。
12時間以上経っても誰もリクしてないし・・・・
>>739 ごめん、やり方がよく判らない。
判ってる人で、この絵師さんと思う人が
いたらやってきていいんじゃないかな?
幾人か候補も出ていたことだし。
>>740 まず挿絵依頼掲示板へ行きましょう。
そして題名に絵師さんの名前を入れ、SSのタイトルと挿絵にして欲しい場面を本文に書き、送信。これでOKです。
本文の例)
ゲドラフとギャン、背徳の夜。
http://red.sakura.ne.jp/~nankyoku/○○○.html
----------------------------------------
ゲドラフのアインラッドがギャンのシールドを蹂躙していく。
「止めて! ゲドラフさんそれは主人の形見……」
「ふふふ、ギャンさん、そう言っている割にあんたのスカートからはオイルが垂れ流れているじゃないか」
ゲドラフは厭らしくマニュピレーターを蠢かし、ギャンのコックピットに挿入した。
----------------------------------------
○○さんお願いいたします。
うが!しまった!直リンしてもーた!
743 :
610:03/10/22 16:21 ID:jMW5wFZw
感想などのレスをくださった方たち、ありがとうございます。
私はF91を初めて見たのが1ヵ月前という人間なので、以前からの
ファンの方に誉めていただけると凄く嬉しいです。
南極条約さんにも収録していただいて、とても励みになりました。
挿絵というお話もあるようで光栄です。どうぞよろしくお願いします。
>>719 >>699に書いたように、原作のセリフや展開に沿って話を進めていきますので、
シーブックを殺すような話にはなりようがありません。
第4章以降は、シーブックの存在が次第に大きくなってきます。
ただそれが、719さんのお好みに合う形かどうかは分かりませんが・・・(汗
>>720 フォローありがとうございました。
744 :
610:03/10/22 16:23 ID:jMW5wFZw
>>721 個人的には、原作の推論としてのザビベラは充分あり得ると思っています。
そう考えた方が理解でき、納得できるセリフや絵コンテなどが多いので。
とはいえ私が書いている作品そのものは、推論以外にも妄想を山盛りにして
いますから、フィクションもいいところですが(苦笑
>>723 クロボンを元にした続編も考えていて、大まかな構想はしてます。
調教は私などよりFekiaさんので拝見してみたいです(w
長レスですみません。
それでは、以下10レスほどお借りして第4章をUPします。
今回のはエロがない上、シリアスで暗い話になってきます。好みでない方は、
お手数ですがスルーをよろしくお願いします。
フロンティアI制圧作戦の出撃を目前に控えて、ベラはビギナ・ギナの左頬に、コーティングした百合の花束を取り付けていた。自分が女王になる決断をした時、ザビーネが熱い視線を向けていた左頬――初陣の飾りをつける場所としては、ここしか考えられなかった。
搭乗を命じる艦内放送を受けてコクピットに向かおうとした時、ザビーネの姿を見つけて傍に駆け寄る。
「ザビーネ、いろいろ気を遣ってくれてありがとう」
「いえ、このビギナ・ギナがデナンよりも扱い易いとおっしゃるベラ・ロナ様は、真のニュータイプでいらっしゃるようですな」
ビギナ・ギナは360度対応できるフィン・ノズルを機体背部に8つ装備している。8つを別々に動かすこともできるため、あらゆる方向に向けて高い機動力を発揮できるものの、並みの人間に乗りこなせる機体ではなかった。ベラはこれを軽々と操ってみせたのだ。
「人をおだてて、初陣の私を一人にしないでくださいね」
コクピットに降り、ザビーネの姿を見上げながら言う。甘えた声になってしまったのは、さっきの倉庫でのことを思い出したからだ。視線が股間の辺りに向いてしまい、自分の大胆さにドギマギする。
「我が黒の戦隊が、周囲からお守りいたします。では!」
自信に満ちた言葉を返し、ザビーネは自機ベルガ・ギロスの方へ向かって歩いていった。切ない眼差しでそれを見送るベラ。自分と違って平然としている彼が、少しだけ憎らしく思えた。
一瞬覚えた不安は、初陣への気後れだったのか、未来への予兆だったのか――
「飛べて、しまう……」
ベラは宇宙空間に出て、呆然とする。ついこの間まで、自分がモビールスーツを操縦して戦場に出てゆくなんて、考えもしなかった……
先を行くザビーネのベルガ・ギロスが、シャル家の紋章のビームフラッグを出す。
太陽を表す紋章に見入るベラ。美しいと、心から思った。高潔で誠実なザビーネによく似合う。その旗の元に飛んでゆけば、どんなことでもできてしまいそうだった。
一方ザビーネは、ベラの腕前に驚いていた。初めての出撃ですぐに編隊が組めるとは、ベテランパイロットも顔負けだ。
心の中で呟く。あるがままを見ただけで、その物の本質を洞察できるのがニュータイプというが……信じたくなった。やはりコスモ・バビロニアの女王は、ベラしか考えられない。
同じ頃、シーブックたちの母艦である巡洋艦のスペース・アークは、思いがけない客を迎えて機体の整備やデータの入れ替えに大騒ぎをしていた。クロスボーン・バンガードの偵察戦隊長・アンナマリーが、自機ダギ・イルスを手土産に連邦軍に寝返ってきたのだ。
ザビーネとベラの姿に衝撃を受けた彼女の、思いきった行動だった。愛らしい容姿を持つ少女に、どこか黒い影を感じるシーブック。戦場に出たことでニュータイプ能力を開花させつつある彼の予感は、やがて不幸な的中の仕方をすることになる――
連邦軍の艦隊からの一斉掃射が、暗黒の宇宙空間に花火のような美しい光を放つ。戦闘宙域をじっと見つめるベラ。訓練の時とは全く違う緊張感を覚え、酷く不安な気持ちになる。
「ベラ・ロナ様」
機体へ張られた回線からザビーネの落ち着いた声が聞こえてきた。
「あ、はい」
「ドレル大隊が撃ちもらした敵機を掃除します。ベラ様は気後れてる味方機があれば、叱ってやってください」
軽い口調で言うザビーネ。ベラを危険な眼に遭わせたくなくて、後衛にいるようにと伝えている。
「勉強させてもらいます、ザビーネ」
心がすぅっと落ち着く。強くて頼もしい、自分のことを大切に守ってくれる男。身体の中に残るザビーネの情熱の跡が疼く。いつもの周期なら、ちょうど排卵期になっている頃だ。妊娠できたら嬉しいのだけれど……
* * * * * * *
アンナマリーは、スペースアークに所属するF91ガンダムのパイロット・シーブックや、ヘビーガンのパイロット・ビルギットと共に出撃することになった。
ほんの少し前まで所属していたクロスボーン・バンガードと、そして何よりもザビーネと、戦うのだ。
「成り上がりの私がロナ家の女に勝てる訳がない」
確認するように呟く。そういうことにしておかなかれば、自分がバラバラになってしまいそうだった。家の名前に負けただけで、女としての勝負に負けた訳ではないのだ、と。
クロスボーンのフロンティアI制圧部隊が、コロニーの中に入ってくる。黒の戦隊の中にベルガ・ギロスを見つけ、アンナマリーは急接近しながら叫ぶ。
「来たな、ザビーネ! のこのことベラ・ロナを連れて……そんなに家の名前が欲しいのかっ!?」
自分に言い聞かせ続けた「家の名前に負けた」という考えは、今では彼女の真実になっていた。
「! 味方機のコードに惑わされた」
アンナマリーの裏切りに気付くザビーネ。一瞬だけ普段の余裕をなくすが、すぐに機体の動きを見極めて言った。
「ふっ、ビームサーベルで私を討つことに拘るのか!?」
ダギ・イルスはクロスボーン軍の機体では唯一、メガ粒子砲を備えている。それを使って遠距離から相手を撃った方が自機を危険に晒さずに戦えるのに、アンナマリーはビームサーベルを構えて接近戦に持ち込もうとしていた。
戦場で臨機応変に振舞えないパイロットには死あるのみだ。技量の違いも考えず一つの戦法に拘る姿には、失笑しか浮かばなかった。
「アンナマリー、見込んだだけのことはあるが!」
仕事のできる部下として可愛がり、引き立ててやった日々を思い出しながら叫ぶ。
「一緒に死ねー! でっちあげの名前を頂いて、人類の粛清などと――」
負けじと叫ぶアンナマリー。幸せそうなあの女の前で、昔の女と無理心中させてやる!
捨て身の戦法は血路を開くかに見えた。しかしすぐに体勢を立て直したザビーネは、あっという間にアンナマリー機の懐に飛び込んできた。
「共に死ねば、お前の口惜しさは消えるのか!?」
コクピットにショットランサーを突きつけながら、誘うような声でザビーネが問う。絶体絶命の態勢に焦るアンナマリー。自分の本心を正確に言い当てられたことも、動揺に拍車をかける。
ザビーネの心を感じ取ったシーブックが叫ぶ。
「アンナマリー、離れろ!」
だが間に合わなかった。アンナマリーが我に返って機体を離す前に、ザビーネのショットランサーがコクピットを撃ったのだ。
「あーーーっ!」
「感情を処理できん人類はゴミだと教えた筈だがな……」
落ちてゆく機体を見下ろしながら呟くザビーネ。その顔には冷酷な軽蔑の情だけが浮かんでいた。
一部始終を見ていたベラは、動揺を押し隠しながら、機体をザビーネのベルガ・ギロスに接触させて問いかけた。
「ザビーネ、どういうことか!?」
「ご覧の通りです。部下の裏切りは自分の汚名であります。お許しください」
回線ごしにザビーネの冷静な声が聞こえてくる。
「そうなのか……」
ベラは直感で分かった。なぜアンナマリーが裏切ったのか、なぜザビーネと共に死のうとしたのか。
ザビーネの口調が、直感の正しさを補強する。ザムス・ガルの通路で、自分の質問に答えにくそうに答えた時も同じだった。ザビーネには、嘘はついていないけれど本当のことも言っていない時、二人きりの会話が軍人口調になる癖があるのだ。
アンナマリーが偵察に出る直前、自分たちを複雑な表情で見ていたことを思い出す。あの時は作戦のことで頭が一杯で気が付かなかったが、あれは嫉妬の表情だった。妬くだけの関係をザビーネと持っていた、ということだ。共に死ぬことを望むほどの関係を……
ザビーネほどの男に、自分の前に付き合った女性がいても不思議はない。それに過去はともかく、今の彼が自分のことを誰よりも愛してくれているのは知っていた。共に過ごす時間に感じる深い心を、疑ったことは一度もない。今、この瞬間でさえも。
けれど、仮にも過去にそういう関係にあった女性を、簡単に殺してしまえるものだろうか!? 機体だけを損傷させて捕えることも充分できたのに、なぜコクピットを撃ったのか!?
ザビーネへの不信感と強い不安とが心に渦巻き、ベラは少し前までは考えてもいなかった行動を取った。
「後衛は前へ。ザビーネは後ろへ!」
きっぱりした口調で指示を出し、自らもビギナ・ギナを駆って前衛へと出てゆく。慌てたザビーネが叫ぶ。
「いけません、ベラ・ロナ様! ボブルス、ベラ様から目を離すな!」
ベラが突然動いた理由が、ザビーネには全く分からなかった。タイミングから考えてアンナマリーの一件が関係しているのは想像がついたが、なぜベラが彼女のことで影響を受けるのかが分からない。昔の関係に気付いて妬いているのだろうか?
いや、あの落ち着いた命令は、そういうひねた感情の成せる業とは思えない。もっと腰の据わった覚悟のようなものを感じさせる。一体、どんな覚悟を決めたというのか!?
不安に苛まれながらも、ザビーネはコロニー内から離脱せざるを得なかった。
鉄仮面とジレが何か行動を起こすなら、モビールスーツが殆ど全て出撃し、連邦軍との戦いに散っている今が最高のタイミングの筈だ。修理と補給が必要だと言ってザムス・ガルに戻り、彼らの動きを見張らなくてはならない。
実際、アンナマリーとの戦闘でベルガ・ギロスの左腕を損傷していた。このまま戦い続けるのは危険だ。
ベラも途中まで連れてゆき、安全な場所で待たせておくつもりでいた。けれど、彼女は遥か彼方に行ってしまって、接触回線で話すことができない。敵の領域内で無線を使うのは危険過ぎる。
ザビーネは苦渋の決断を下した。せめてもの気遣いとしてボブルス以下、部下の殆どを残すことにする。
本当は自分の手でベラを守りたかった。
しかし、個人の情に溺れずに行動するのは軍人として大切なことであり、「感情を処理できない人間はゴミ」を信条とする自分にとっても何よりも重要なことだった。信奉するコスモ貴族主義からも、鉄仮面の陰謀を暴く責務を最優先で果たすべきだと判断できる。
後ろ髪を引かれる思いでザムス・ガルに向かう自分の気持ちを、ベラが分かってくれることを祈るばかりだった。
もう一度確かめ合いたい、あの幸せの未来図が幻ではないことを。安息(やすらぎ)の時代が来れば、ベラだけを抱きしめられるのだから……
* * * * * * *
ザビーネの去った空域で、ベラは自分の機体が軽やかに感じられてならなかった。彼の旗の元だからこそよく動けると思ってきたのに、居なくなった方が余程軽やかに動けるというのは、どういうことなのだろう。ザビーネの存在そのものが重かったということだろうか!?
彼は恐らく、鉄仮面のことで去ったのだろう。教えてくれたこと以外にも、何かを知っていそうだった。陰謀を止めたい気持ちは自分も同じだ。違うルートから、鉄仮面の元へ辿りつくことになるかもしれない。
でもその前に、この空域に何か、自分が出会うべきものがある。そういう予感がする。それは何なのか……?
ベラのビギナ・ギナを先頭に、黒の戦隊はコロニー内に切り込んでいった。しかし、小型で機動力のあるF91ガンダムの活躍や、地上のレジスタンス部隊からの砲撃とスペース・アークのビーム砲により、一機また一機と撃ち落とされてゆく。
ベラも撃ち落とされそうになる。ボブルスが突っ込んできてくれ、危うく助かったものの、彼はそのまま撃墜。戦闘のさなか、ベラはF91のコクピットに旧知の気配を感じる。
「その息遣い……シーブックでしょ!? シーブックよね、シーブック!」
「セシリー!? セシリー!」
紛れもなく、シーブックの声だった。迎賓館に忍び込んできた時以来の再会に、ベラは声を弾ませて聞く。
「接触回線、聞こえるわ。シーブック、本当にそれを操縦しているのね!?」
こんな形で再会することになるとは夢にも思わなかった。あの予感はシーブックのことだったのだ。
「セシリーこそ! その白いモビールスーツを……どうしてさ!? セシリー!」
コクピットの扉を開け、顔を見せるベラ。
「こうなっちゃったのよ、こうできちゃったのよ……どうしたらいい!?」
シーブックに会ったことで、それまでの張り詰めていた気持ちがとけ、恐怖感が一気に襲いかかってきた。戦場での恐怖より、ザビーネへの恐怖の方が何倍も強い。彼がアンナマリーにした、あの仕打ち!
用済みになったり少しでも敵対する素振りを見せたりしたら、自分も同じことをされるのではないかという不安が、心を凍り付かせる。
やっと見つけたと思った自分の居場所。そこは安住の地では無かったのかもしれない。愛されていること、それはいつまで続く想いなのか……愛されなくなった時、愛されることが今よりも少なくなってきた時は?
ザビーネの今を信じることはできても、未来まで信じることは、もうできそうにない!
「どうしたらって……セシリーは髪を切って、ロナ家に戻るつもりだったんだろう!?」
唐突に聞かれて、戸惑いながらも反発するシーブック。連れ帰ろうと忍び込んだのに、もう遅いといって自分の手を拒んだではないか。翌日のコスモ・バビロニア宣言の時も、ロナ家の一員として儀式に臨んでいた。
「違うわ! あなたたちが皆、いなくなったから……他にしようがないって思えたから!」
ベラの頭の中は殆どパニック状態だった。かすかに残った理性で、嘘をついていることを自覚してはいた。それでも、ザビーネを信じられなくなった彼女にとって、今はシーブックしか頼る相手がいなかったのだ。
「そ……そうだったのか!?」
人のいいシーブックは、ベラの迫力に負けて言い返すことができない。勢い込んで続ける。
「私はまだ、セシリー・フェアチャイルドよ!」
そう、自分はもう「ベラ」ではいられない。ザビーネが狂おしく呼んでくれた、「ベラ」という名前では――
* * * * * * *
シーブックとビルギットはセシリーのビギナ・ギナと共に、コロニーの太陽側の港へ移動していたスペース・アークに戻った。
少しだけ気持ちが落ち着いてきた。ずっと黙ったままのシーブックに、自分を非難する想いを感じ取り、俯きながら言う。
「成り行きだけではないことは認めますが、私だってあの家には居られないわ」
彼の居場所が自分の居場所だと信じられたザビーネを、遠く感じてしまう今、もうあそこに自分の居場所はない。
どう答えていいのか分からず、無言のままのシーブックに代わって、ビルギットが怒りを爆発させる。
「仕掛けたのはそっちなんだよ! そのためにフロンティアIVでは虐殺が行われた。ここのクルーだってみんな死んじまって、素人が軍艦を動かしているだぞ!」
クロスボーン・バンガードの行動を甘く見ている連邦政府が、大した援軍を送って寄越さず人員も不足しているため、スペース・アークは民間人の力を借りながらなんとか動いている状態だった。
「そういう体制を……お祖父さまは直したかったのです」
連邦政府が腐敗していること、そのために何かをしなければならないと考えていること、その点では祖父と意見が一致していた。ザビーネはもちろん、鉄仮面とでさえも。
「今は言いっこなしじゃない!? セシリー。みんな巻き込まれちゃったんだよ」
アズマが割って入る。最初にクロスボーン・バンガードが侵攻してきた時、一緒に逃げた仲間の一人だった。
「俺だって敵機は落とした。おあいこだよ」
シーブックも横からフォローしてくれた。余所余所しい態度でいた彼が漸く庇ってくれたことに、少しだけ安堵する。
尚も言い募ろうとするビルギットを遮って、スペース・アークの艦長代理を務めているレアリーが声をかける。
「あなたに関しては、いろいろ事情が複雑なようね……」
「ですが、本当の敵は何かってことを見て来たつもりです」
言葉はレアリーに、睨むような視線はビルギットに向けて答える。眼の前のことしか見えず、自分の怒りを誰かにぶつけて晴らすことしかしようとしない男に、どこか既視感を覚える。
しかし、言葉に嘘は無い。祖父にも内密に、鉄仮面が何か画策している。クロスボーン・バンガードは一枚岩ではないのだ。
コロニーの外の戦闘を気にするシーブックやビルギット、そして今後のための指示を出すレアリーに、俯くことしかできない。彼らの「敵」は紛れもなく、自分がついさっきまで居て女王になろうとまで決意した、クロスボーン・バンガードなのだ。
「ここはさ、軍艦じゃないんだから、セシリーも居てもいいんだぜ」
一緒に逃げた仲間の一人・サムが言ってくれた。
「ありがとう」
仲間たちの温かさに、涙が込み上げてくる。
話している横で、スペースボートを収容し、係留するための作業が始まった。クルーの誘導するさまが、ザムス・ガルのカタパルト・デッキを思い出させる。最後に見たザビーネの姿が脳裡に浮かび、耐えていることができなくなった。
肩を震わせて涙を零し始める姿は、後ろに居たシーブックにも伝わり、心配して声をかけてくれる。
「あたし……ああっ!」
胸に泣きつく。
「いいんだよ。セシリーは、ここに居てもいいんだ」
その言葉に、蘇ってくるザビーネの声。シーブックの手を振り払って彼を選んだあの夜、ザビーネは言ってくれた。あなたの帰る家にも、眠る場所にもなりましょうと。
あれはわずか数日前の出来事だったのに、今となっては何十年も昔のことのようだ。涙が止まらない。他の男、しかも敵方の男のことで泣く身勝手さを知りつつも、どうすることもできなかった。
それに、シーブックに「セシリー」と呼ばれて初めて気が付いた。「ベラ」でいるのが、大きな負担だったということに。「セシリー」に戻りたいと叫び続けている心の声を、ザビーネの圧倒的な存在感が聞こえなくさせていた。
ベラだけでなく、セシリーも同じように愛して欲しいと言ったら? アンナマリーと同じように、あっさり切り捨てられたことだろう。彼が愛してくれたのはベラであって、セシリーではないのだから。
ザビーネの冷静さを、かつては頼もしいと思いもした。でも今となっては……
何よりも求めていたのは、全てを抱擁してくれる温かい胸。実父や母親さえ信じることができず、養父には裏切られた。心に深い空洞を抱えている身には、親のような愛情、親に代わって私自身を肯定してくれる存在がどうしても必要だった。
それなのにザビーネは、そういう愛情をくれる相手ではなかった。彼がくれたのは、ベラだけの肯定。セシリーでもある私への愛情や、未来を信じられるほどの愛情を、くれはしなかった。
けれど――
心に、身体に、ザビーネの体臭がまだむせるほど残っている。最後に抱き合った時の記憶は、私を苦しめ続けることだろう。
アンナマリーは愛されていないからああいう眼に遭ったのだ、愛されている自分は違う――そう無邪気に信じられる、馬鹿な女でいた方が、幸せになれるのかもしれない。それでも、全てに眼をつぶってしまえるほど、私は寛容な人間ではないのだ。
もうザビーネとは生きてゆけない。深い絶望が心を引き裂く。嫌いになれたら、憎めたら、どれだけいいか!
母も、こんな想いをしたのだろうか。あんな父に対しても、愛情を寄せ、私の誕生を喜んだ日々があったのだから。
いいえ、私は母とは違う。あの女のように簡単に男を乗り換えるなんて、私にはできない。だって、まだザビーネを愛している。こんなにも、こんなにも、愛している!!!
755 :
610:03/10/22 16:37 ID:jMW5wFZw
第4章はこれで終わりです。
MSなどに関してはネットで調べただけなので、あまり自信がありません。
間違っているところがないといいのですが・・・
それから、前回書いた通り、第5章以降をUPする前に番外編でザビーネ
×ベラのいちゃいちゃH話をUPしようと考えています。
金曜日頃になると思いますので、またよろしくお願いします。
(第5章で終える予定でいましたが、シーブック関係のことを書き込んで
いったら長くなってしまったので、第6章まで使うことにしました。
どちらもエロなしですが/汗)
なお、私が立て続けにUPしていることで、他の方が作品をUPしにくい
雰囲気になっているようでしたら、誠に申し訳ありません。
勝手なお願いですが、気にせずUPしてくださいませ。
一読者としてまた新米作家として、他の方の作品もいろいろ読ませて
いただきたいと、心から思っています。
>610様
いやもう、冗談抜きで凄いですよ。彼女が「ベラ」という名を捨て「セシリー」に
戻ろうとするくだりなどは、本当に見事でした。
>なお、私が立て続けにUPしていることで、他の方が作品をUPしにくい
>雰囲気になっているようでしたら、誠に申し訳ありません。
>勝手なお願いですが、気にせずUPしてくださいませ。
>一読者としてまた新米作家として、他の方の作品もいろいろ読ませて
>いただきたいと、心から思っています。
今は、あなたとFekiaさんのハイレベルなF91のSSの影響で、他の方がSSを書
き込み難い雰囲気になっているのは、確かです。お二人のSSが完結すれば、ま
た他の方がSSを投下する様になるでしょう。
その時は、自分の話に感想をくれた方へのお礼だと思って、出来るだけ他の方
のSSに、感想を寄せてあげて下さい。自分の書いた話で読み手の心が動かせた
事が分かるのは、やはり嬉しいですから。
第5章、期待しています。頑張って下さい。
610様、4章も期待通りでした。金曜日が楽しみです!
あとはFekia様が来週にはアップしてくれたら嬉しい。
今ちょっと心配です。
610氏
すごいの一言。セシリーのとった行動がよく判る。
原作だけ見てると自分勝手に見えてしまって感情移入しにくいんだけど、
このSSだと判るなー辛いだろうなーなんとかしてやりたいなーと思う。
しかしFekia氏とは別の意味で容赦ないね。
キャラを甘やかさないところがツボですた。
719です、610さんどうもわざわざお答えくださって
ありがとうございました。
え〜、その前の感想で書き込み不足申し訳ないです。
私が言いたかったのは、もう少しセシリーがシーブックとザビーネ
二人の間で心揺れ動いた方が良かったのでは?と言う事です。
物語そのものに文句を付けているような文を書いてしまい申し訳ないです
>>740たんまだー?
761 :
610:03/10/24 22:21 ID:avResAY3
感想と励ましをありがとうございました。
住人の方たちに育てていただいているのだなと、心から思います。
凄く嬉しいです。
>>756 ハイレベルどころか、ウザいのではないかと(汗
でも、いいアドバイスをありがとうございました。そうですね、頑張ります。
>自分の書いた話で読み手の心が動かせた事が分かるのは、やはり嬉しいですから。
本当にその通りだと思います。今、実感しております。
>>759 そういう意味でしたか。外したレスをしてしまって申し訳ありません。
二人の間で揺れ動く展開も考えたのですが、迎賓館の時点では揺れ動かずに
一気にザビーネにいってしまった方が、私が進めようとしているその後の
展開に都合がいいので、あのようにしました。
揺れ動いてしまうと、その後の言動と辻褄が合わなくなってしまうので。
でも、揺れ動くセシリーは題材としてはとても面白いと思いますし、
どなたか書いてくださるなら是非読みたいです。759さん、どうですか?
それでは「Outer Space」の番外編を。ラブラブ時代のザビーネとベラの
いちゃつき話で、第2章と第3章の間の出来事になります。
以下、7レスほどお借りします。
熱い時間を過ごした後で、ベラは一糸もまとわぬ姿のまま、ザビーネの広い胸板に顔を埋めた。鼓動が頬に直接に響いてきて、立ち昇る汗の匂いが、先ほどの夢のような一時(ひととき)を思い出させる。
自分のことを眩しそうに見つめるザビーネの眼差しの中に、少しだけ漂う寂しげな影が心を揺らす。満ち足りた時間の後で、ごくたまに見せる表情……
ザビーネはベラの髪を撫でながら、幸せそうな笑顔を見守っていた。時々、耳や頬に手を這わせ、快感を呼び覚まさせる。その度にザビーネを上眼遣いに睨みつけるベラ。
その眼差しがとてつもなく色っぽく、また愛らしくもあって、子どものように悪戯に熱中してしまう。いつの間にか、寂しげな影は跡形も無く消えていた。
思いがけないザビーネの稚気に、呆れながらも許してしまうベラだったが、いつまでもされるがままではない。お返しとばかりに、ザビーネの乳首をペロッと舐める。
「!」
身体がぴくんと動いたことに気をよくして、反対側にも同じことをする。再び反応するザビーネ。面白くなったベラは、調子にのって鼻も舐めてみた。
「ううぅっ!」
ザビーネが身体を大きく震わせた。股間のものが一気に膨らみ、そこが弱点であることを雄弁に告げる。
驚くザビーネ。そんなところに性感帯があるとは、自分でも知らなかった。俊英「黒の戦隊」の隊長の鼻を舐める者など、今までいなかったのだから。ベラがもう一度舐める。さらに膨らむ分身。
「うふふ、もっとしてほしい?」
今度はザビーネがベラを睨みつける。
「いけない人だ。お仕置きが必要なようですね」
「え!?」
ザビーネはベッドボードの傍にクッションを積み上げると、それに背を預けてベラを背後から抱き寄せた。ウェストに両手を回し、自分の脚の上に座らせる。
ベラの背中はザビーネの胸に、太腿はザビーネの太腿に、そして頬はザビーネの頬にピッタリとくっついている。ベラの身体が熱くなってくる。下腹部で組まれた手が、なんとも微妙な位置にあり、意識せずにはいられない。
「身体を固くして、どうしました?」
ザビーネが、からかうように言う。
「お仕置きなんて言うから……」
「フフフ、そのせいだけですか? この辺に緊張が走ったような……?」
組んだ手を少しだけ動かす。
「! ……気のせいです」
「それならいいんですが」
身体を密着させているせいで、ちょっとした身じろぎもすぐに伝わり、その度に胸がときめく。
ザビーネはくっつけていた頬を外し、ベラの頭の後ろに顔を置くと、鼻で髪の毛をかき分けるような仕草をした。小さく反応するベラに微笑みながら呟く。
「ベラの匂いがします……」
抱きかかえたまま、上半身をゆらゆらと揺らす。その度に、下腹部で組まれていた手が少しずつ上がってくる。
「どんな匂い?」
「フフフ、言わない方がいいでしょう」
意味ありげな言い方が気になり、振り向いて顔を見ようと身体を動かしたせいで、困った事態が生じた。ベラの尻の下にあったものが跳ねあがり、あの場所に当たるようになったのだ。
「ザ、ザビーネ……」
「どうかしましたか?」
身体の変化に気が付いている筈なのに、いつもと変わらない冷静な声が返ってくる。
「……その、あそこに……」
「ん!? どこです?」
「分かるでしょう!?」
「分かりませんなぁ……」
「ザビーネの意地悪!」
「フフフ、ベラが可愛いから苛めたくなってしまいました」
耳たぶを唇に含む。
「あんっ」
「そうやって腰を動かされると、誘われているみたいですね」
当たっているものが質量を増し、自分の存在を強く主張し始める。
「そ、そんなこと、ありません!」
ザビーネが耳のすぐ傍で話しているため、息や声が耳に直接響き、背中がゾクゾクとする。声が凄くセクシーで、それだけでも感じてしまう。平気な振りをしていようと思うのに、身体が震え出すのを止めることができなかった。
ザビーネの手が、ついに乳房まで上がってきた。両手で双方の乳房を包み込み、軽く力を入れて大きさを測るような仕草をする。
「人より大きい手なのに、全部入りませんね」
「……」
「固くなると、少しは小振りになりますかな……?」
独り言のように呟きながら、ゆっくりと手を回す。
「あ……あっ……」
じわじわと快感が広がってくる。耳に吹きかけられる息も、ベラを官能の世界へと誘(いざな)ってゆく。
片手を下に滑らせるザビーネ。
「足をもう少し広げてください。いいでしょう?」
太腿の内側をそっと撫でる。
「あぁ……」
腿の力が抜け、言われるがままに足を広げる。自分の取っているポーズが全部見えるだけに、ベラの羞恥心は増してゆく。ザビーネは秘部を包み込むように手をあて、そのまま静止する。
見ないようにしようと思う傍から、視線はそこへ向いてしまう。手がいつ動き出すのか、どんな動きをするのか、考えただけで胸が絞めつけられる。
静寂の時に耐えきれなくなった頃、ザビーネの長い指が恥毛をかき分け花襞をツツツと辿り出した。
「あぁんっ!」
反対側の手が乳首の上で弧を描くような動きをする。
「うぅん……」
ザビーネの舌が耳の中に入り込み、ちろちろと舐める。
「はぁん……」
3箇所を違うリズムでじわじわと攻められ、身悶えするベラ。
「もっと……」
「もっと?」
「焦らさ…ないで……あんっ」
指が花蕾を軽く押した。ザビーネの指を求めて、腰が動き出す。
「待ちきれないのですか?」
「そうじゃないけど……ああっ!」
「これは?」
花蕾を指で転がす。
「駄目、感じてし……あっ、ああっーーーっ!」
先ほどの余韻を残している身体は、少しの刺激にも耐えられない。こらえる間もなく達してしまった。全身を震わすベラを密着した身体全体で感じ取り、嬉しそうに微笑むザビーネ。
「こんなに沸いていますよ」
わざと音の出るような触り方をする。部屋の中に響く淫猥な音が、ベラの羞恥をさらに高める。
「だって、ザビーネが……」
「ベラが望むようにしているだけです。次はどうして欲しいですか?」
自らの分身で入り口付近を刺激しながら、意地悪く聞く。
「……分かってるくせに……」
「言わないと分かりませんよ」
「……い、れ…て……」
俯きながら小声で呟く。
「この姿勢でですか?」
「顔が見えないと寂しいわ」
ザビーネは零れそうな笑顔を浮かべる。恥らうさまも、甘えるさまも、可愛くて堪らない。
「ではこちら向きで」
ベラを振り向かせ、膝の上に乗せた状態で口付けを繰り返す。
そのまま挿入してもらえるのかと期待するベラを焦らすように、首筋や乳房への愛撫を加え、その後は身体をベッドに横たえさせる。
錠剤を入れた後で、太腿を閉じ気味にしたまま足を伸ばさせ、膝を少しだけ浮かすように促す。そしてベラの足の外側に膝をつくと、そのまま覆い被さってゆっくりと挿入した。
「あはぁぁんっ!」
奥まで入れるとそのまま一旦停止し、口付けを繰り返す。
「んんっ……」
自分の足で外側からベラの足を挟み込み、密着度を高めるザビーネ。
「くぅぅぅっ……凄い締め付けです」
ベラが足を閉じているため、ただでさえきつい内部の絞め付けが一層きつく感じられる。二度目なら耐えられるだろうと考えてやってみたが、どうやら甘かったようだ。
「あぁぁんっっ!」
内部で分身が存在感を増す。ザビーネがゆっくりと腰を回し始めた。前後の動きと違って、煮詰められるような感覚が全身を満たしてゆく。上半身はぴったりとくっついているし、膣口周辺もそうだ。今までしてきた中で、密着感が一番強いかもしれない。
「あふぅん……あ、あ、あぁん……」
間に口付けを挟み、時に奥へ突き刺したりしながら、腰を回すザビーネ。
「いやぁぁぁん……」
「うぅぅっっ」
喘ぎ声とも息とも分からないものが二人の間で飛び交う。
ザビーネの分身の少し上の辺りが花蕾に当たり、ベラは微妙な刺激を受け続ける。じわじわとせり上がってくる快感の中で、乳首を舌で刺激された。
「だめぇーーーっっ!」
一気に沸騰する内奥。のけぞるような姿勢で腰を持ち上げ、貪欲にザビーネを求めながら達する。
「ベラ! あぁっっーー!」
膣圧と激しい収縮に負け、限界を踏み越えてしまうザビーネ。上半身を反らせ、最奥に全てを注ぎ込む。どくんどくんという大きな音が、部屋中に鳴り響いているような気がする……
ザビーネは、横たわったベラの胸の上に頭を置く。柔らかく大きなその胸はどんな枕よりも心地よく、抱き合った後で胸を枕にして寛ぐのが、最近の習慣だった。
頬をほんのり上気させたベラが、ザビーネの唇を指で辿りながら聞く。
「ザビーネは真面目そうな顔をして凄くエッチだわ。今までも、こんなことばかりしてきたの?」
胸がチクリと痛む。過去を独り占めできないのが、少しだけ寂しかった。
「今までなんてありませんよ。ベラが初めてですから」
「嘘ばっかり!」
「嘘ではありません。こんな風にいろいろなことをしたいと思ったのは、ベラが初めてです。喜ばせることなら、なんでもしたい……と」
ベラと出会うまでは、自分は淡白なのだと思ってきたし、それでいいと考えていた。
けれど、ここ最近の溺れようは自分でも呆れてしまうほどで、次々に新しい体位を試している。ベラの感じるさまを見ていると、もっと喜ばせてやりたいと思うのだ。内緒にしているが、最近では、端末を使ったその手の情報収集にも余念がないザビーネだった。
熱い告白に胸を躍らせるベラ。嬉しい半面、照れ臭くてならず、さり気なく話題を変えようとする。
「ねえ、やっぱり聞きたい」
「何をです?」
「私の髪、どんな匂いがして? 言わない方がいいということは、変な匂いなのかしら?」
「いえ、そんなことは……言ってもいいですか?」
「ええ、知りたい」
ザビーネは起き上がってベラの耳元に口を寄せ、小声で囁いた。
「甘酸っぱくて、優しい……ベラが雫を滴らせる場所の匂いと似ています」
「ザビーネっ!」
顔を真っ赤に染めて怒るベラ。
「だから、言ってもいいのかと聞いたでしょう!?」
「だって、そんなことを言うとは思わなかったんですもの! なんてこと言うの!? ザビーネの馬鹿っ!」
クッションが次々に飛んでくる。防戦一方に回りながら、こういう気の強さが良いのだな、などと笑み崩れてしまうザビーネだった……
769 :
610:03/10/24 22:33 ID:avResAY3
番外編1「One Night」はこれで終わりです。
最初は別のネタで書いていたのですが、セシリースレ113番さんの
ネタに萌え、一部路線変更してしまいました。
113番さんにはネタを勝手にいただいてしまった上、相手がザビーネで
(しかもセシリーというかベラですし)、ひたすら申し訳ありません(汗
「しがらみ」という体位のつもりで書きましたが、分かり難かったかも。
エロは難しいですね・・・
次回は第5章(エロなし)で、日曜日にはUPできると思います。
その後は、番外編2(エロ少し+ザビーネVSドレル)→第6章(終章、
エロなし)の順に、1日おきくらいのペースでUPさせていただこうかと。
よろしくお願いしますです。
610様待ってましたです。燃える内容でした〜。
番外編2があるとは嬉しい意外さでしたし、しばらく楽しみが
続きます。頑張ってください!
競り上がる官能がいいですね
情報収集しているザビーネに笑いました
この幸せそうな2人が本編ではああなのかと思うと切ないです
にしても、胸枕が羨ましいw
書き忘れた
南極さんの目次にFekia様と610様のが追加されてましたね
F91の欄が一挙に増えて嬉しい
773 :
名無しさん@ピンキー:03/10/26 09:07 ID:WHFozBqM
age
774 :
610:03/10/26 21:39 ID:L9l1BoRK
感想をありがとうございます。
ちなみに、南極さんに載せていただいたものは、こちらにUPした
ものに少しだけ加筆してあります。第2章の冒頭や、第3章のアンナ
マリーのモノローグ最後の方などで、管理人さんにお願いして
差し替えていただきました(ご面倒をおかけしました>管理人さん)。
更新履歴ではなく目次の方からいけるSSが加筆したものですので、
関心のある方はご覧くださいませ。
では第5章UPのために、以下8レスほどお借りします。
医務室でもらった検査薬は、妊娠していないことを教えてくれた。少しばかりの安堵と、ザビーネとの唯一の絆が切れてしまったことへの大きな哀しみが、セシリーの心を覆う。もうこれで、ザビーネの元へは絶対に戻れないのだ。
子どもさえ残せなかったなんて……自分たちの恋は、生産的なものは何ひとつ生まなかった。深い絶望と新たな心の傷を生んだだけ。あんな父と母でさえ、自分という存在を残したというのに。
もうザビーネとは生きてゆけないと思う心の傍から、ザビーネに会いたくなる自分がいる。虫がいい考えだと分かっていても、会って抱きしめて欲しいと願う。いつものように情熱的に口付けて、そして――
心を押し隠し、再び出撃するための準備を進める。
信用できないと言うビルギットに、ビギナ・ギナはまだクロスボーン・バンガードの機体としてコンピュータに登録されているから、援護はできる筈だと話す。
味方機のふりをして近くまで接近することができるし、相手を油断させることもできる。逆に連邦軍から狙い撃ちにされる可能性があるが、その時は自分一人がやられるだけで済むのだから、と。アンナマリーと同じように、寝返った自分。
モニカが、あなたまで出ることはないと止める。シーブックの母親で、サイコミュの一種である、バイオ・コンピュータ研究の第一人者。今はスペース・アークの中で、シーブックの乗るF91のコントロール系の整備に携わっている女性だ。
F91には、脳波に感応するシステムのバイオ・コンピュータが搭載されていた。
「私、この艦(ふね)の方が何も言わずに私を受け入れて下さって、嬉しかったんです」
精一杯の笑みを浮かべてそう答えると、コクピットに乗り込み、扉を閉める。
覚悟は決めていた。こんな想いを抱えたまま、生きてゆくのは辛過ぎる。もうロナ家に戻ることはできないけれど、かといって連邦サイドに組して生きていこうとは思わない、どっちつかずのこの身。今でもザビーネに囚われている、この心。
シーブックたちへのお礼にできる限りのことをして、そのまま死んでゆこう――
モニカのことを、温かい女性(ひと)だなと思う。仕事は手早く確実なのに、どこかおっとりした、包み込むような雰囲気を持っている。シーブックとよく似た雰囲気を。
シーブックは子どもの頃から母親と別居して育ったと聞いている。別々に暮らして育っても、これだけ似た雰囲気を漂わせるなんて、親子とは不思議なものだ。
母親の顔が脳裡を過る。自分もあの人と同じ雰囲気を漂わせているのだろうか。いつも苛々していて神経質そうな雰囲気を……考えただけでぞっとする。でも少女時代の映像はそうではなかった。もっと柔らかな、穏やかな笑顔のものばかりだった。
何が彼女を変えたのか? 母とモニカは同じ年代に見えるのに、二人の違いはどこからくるのだろう?
失礼ながら、モニカより母の方がずっと美人で垢抜けしている。けれど向かい合ってみると、モニカは静かな輝きを発しているのだ。欠点ばかりが眼についてしまう母とは違って……
若いうちはいい。ちやほやしてくれる相手に事欠かないし、自分もその恩恵を受けている自覚はある。では歳を取ってからは? 母の年代になった時、モニカのような女性になるためには、どうしたらいいのか?
彼女が輝いているのは、今の生活やこれまでの人生に満足しているから、ではないだろうか。全てに満足してはいないにしても、大本の所で後悔していない。自分が満ち足りている人は、他人にも優しくできるものだから。
死ぬつもりでいるのに、将来のことを考えてしまう自分に、ふっと笑みを漏らす。まだ未練があるのか……生きていることに? それともザビーネに!?
セシリーの秘めた覚悟を察し、ビルギットに彼女を守り、止めてくれるように頼むモニカ。しかし彼は取り合おうとせず、自機の方へ行ってしまった。後ろからシーブックが声をかける。
「母さんがそんな風に、他人のことを心配するの見たの、初めてだ」
酷い言われようだが、そう言われても仕方のないモニカだった。一緒に暮らしていた頃は、仕事に戻りたい気持ちや研究仲間に置いていかれる焦りで頭が一杯で、他人のことまで考える余裕が無かった。
「そうかね……いいお嬢さんなんだよ」
「知ってるよ」
あっさり言うと、シーブックはF91のコクピットに向かった。以前の自分なら、どんなことをしても彼女を出撃させなかった。死ぬ覚悟を知れば余計に。だけど今は……
いいお嬢さんだと、ずっと前から知っている。だからロナ家に連れて行かれたことを心配して、F91に乗れるようになったのを幸い、単独でフロンティアIVに行って助け出そうとさえした。
返ってきたのは「もう遅いのよっ!」の言葉。銃から庇ってこそくれたものの、髪を切っていたせいか、ほんの僅か前まで見知っていた彼女とは別人のように感じられてならなかった。
F91で戦い出してからよく働くようになってきた直感が、その理由を告げようとしているが、聞かないようにしている。「セシリー」に戻りたくなったのも、同じ理由なのかもしれない。
* * * * * * *
息子の後ろ姿を見送りながら、モニカは想いを巡らす。
いいえ、シーブックは、まだ知らない。久しぶりに会って驚くほど大人になっていた。それでも、男であるあの子がセシリーの辛さを本当の意味で理解することは、できはしない。
セシリーは誰かに恋をしているわ。あの潤んだような、追い詰められたような、それでいて凄絶な艶を含んだ瞳。医務室で妊娠検査薬をもらっていた時、心ならずも立ち聞きするような格好になってしまった……シーブックはもちろん、誰にも言うつもりはないけれど。
厭というほど見てきた……恋人や夫との間で悩み、上の空になってしまう人、取り憑かれたように仕事をする人。恋人や夫に支配され、自分のやりたいことを見失ったり、諦めたりする人。仕事と家庭との両立に苦しみ、職場を去っていく人。
私より有能な研究者も大勢いた。女たちの才能を伸ばそうとせず、自分に縛り付けることばかり考える男たちに、どれほど腹を立ててきただろう。本人を前に、そんな男とは別れればいいと言いたくなったことも、何度もあった。愛という名の檻、愛の名の元の奴隷……
他人(ひと)のことは言えないわね。私もかつて、そういう恋をしたことがあったのだから。
セシリーの表情には、そういう女性たちと同じ、疲れと諦めの色が見える。あれだけ美人で聡明そうな子を惑わせるぐらいだから、さぞかし魅惑的な男なのでしょうね。
彼女がこちらに寝返ったのも、何かそのことと関係があるのかもしれない。あちら側に血縁の人もいるというのに、あまりに思い切った行動だから。
シーブックとは顔見知りという雰囲気で、特別に親しい関係では無さそうに見える。その程度の相手とたまたま戦場で出会っただけで、あんな決断をするなんて、余程のことがあったのだろう。
逝ってしまった夫・レズリーのことを思い出す。私の才能を心から愛してくれた人だった。自分と違う価値観を持つ相手と折り合ってやっていく術を、あの人はよく知っていた。
自分は合金の研究が軍に利用されるのを厭がって溶接工になったのに、私がバイオ・コンピュータの研究を続けてたがっていることや、個人レベルではできない研究で軍に所属せざるを得ないことは、きちんと理解してくれた。
仕事のこともその他のことも、なんでもよく話し合ったわね。興奮して大声を上げ、喧嘩になったことも数え切れないほどあった。
それでも私たちは、相手に対する尊敬だけは失わないでいられたから、ベストとは言えないまでもベターと思える方法で折り合い、一緒にやっていくことができた。お互いの違いを尊重することもできた。
セシリーの相手は、恐らくそういう男ではないのね……痛ましいこと。いいえ、決めつけてはいけないわ。彼女の年頃だと、まだ相手とうまくコミュニケーションが取れない可能性もある。
私もあの年の頃はそうだった。ちょっとしたことで擦れ違い、壊れてしまった恋。レズリーと結婚して良かったと思っているけど、昔を思うと物悲しい気持ちになることもある。あの時、もっと違う態度を取っていれば……と。
私にも、息子に教えられることが、まだ残っていたのかもしれない。女性の成長を妨げないこと、その存在に才能に敬意を払うこと。レズリーが私にしてくれたことを、シーブックにも伝えなければ。
あの人の子だから、きっと大丈夫。包容力のある素敵な男性に育ってくれる筈だわ。ふふふ、これも親馬鹿かしら。セシリーのことはとても心配だけれど、シーブックがきっと何とかしてくれる。きっと……
* * * * * * *
ザビーネは、ザムス・ガルが発電所の核融合施設を使っているさまを見て首を傾げる。カタパルト・デッキが閉鎖されていて帰艦できないことも、疑惑を募らせた。
暗号名「バグ」に関係がありそうだと睨み、ブリッジの傍まで行って、接触回線ごしに修理と補給が必要だと伝えて相手の出方を探る。艦長のジレから返ってきた答えは案の定、鉄仮面の指揮で特殊任務を実施中だから補給と修理は別艦で行うように、というものだった。
修理の間に合わないベルガ・ギロスからデナン・ゲーに乗りかえ、腹心の部下の乗ったデナン・ゾン2機を従えて、再度出撃してゆく。
ベラのことが心配でならない。帰艦した様子は無かった。黒の戦隊はコロニー内での戦闘で大多数が撃墜、もしくは損傷したらしい。隊長である自分の戦死の噂まであったようだ。
込み上げてくる不安を押し殺し、今は考えまいと首を振る。真のニュータイプとも見えるベラ、あのビギナ・ギナを手足のように操るベラが、そんなに簡単にやられるとは思えなかった。
今は自分にできることをしよう。鉄仮面の陰謀を暴くのは、いずれ女王になろうという、彼女のためにもなることなのだから。
* * * * * * *
コロニー内に再び出撃したシーブックたちの前に、奇妙な物体が表れた。人間だけを識別し、外側についた刃を回しながら体当たりして自爆する、無作為な殺戮兵器「バグ」。鉄仮面とジレが密かに企み、ザビーネが探りを入れていた秘密計画は、これだったのだ。
その残忍な殺傷性に怒り、地上に降りて壊そうとするビルギット機の両足をバグが切断する。そのまま飛び続けてバグを蹴散らそうとし、シーブックが援護もしたが、ついに撃破されてしまう。
シーブックとセシリーは互いの機体を背中合わせにして、バグの攻撃から身を交わしながら接触回線で会話する。
「こいつら!」
「人間を皆殺しにするつもりよ」
「クロスボーンの艦隊が出したモビールスーツ部隊はダミーだったのか!」
ずっと一緒にやってきたビルギットの死に衝撃を受けながらも、事の本質に気付くシーブック。
「お祖父さまも、艦隊も、ザビーネだって知らないことよ!」
「どういうこと?」
「鉄仮面……」
セシリーは全てを悟った。これは鉄仮面の実験なのだ。あの男は、地球圏の環境を回復させるためという大義名分を掲げ、バグを使って人類の粛清をしようとしている。
その考えはすぐさまシーブックに伝わり、勇ましい答えが返ってくる。
「なら、鉄仮面をやるしかない!」
戦場での緊張感のせいか、お互いへの影響ゆえか、二人のニュータイプ能力は急速に覚醒しつつあった。相手の考えていることを瞬時に察知することができる。この能力と、それを生かすことのできる二つの機体をもってすれば、鉄仮面の陰謀を止めることもできるだろう。
シーブックには、セシリーが「ザビーネ」という名を口にした時に胸を過った想いも、伝わっていた。誰よりも大切に想っている相手だと。
聞かないようにしてきた理由を聞かされ、しばし呆然とする。自分たちと離れロナ家に行っていた僅かな間に、彼女の心に棲みついてしまった男……
胸の痛みを抑え、今はバグと戦うことだけに神経を集中させる。二機で連携し、ビームサーベルを振り回すなどしながらバグを撃破して、フロンティア I から脱出した。
* * * * * * *
コロニーの隕石側に接岸していたザムス・ガルは、先端部分ガル・ブラウを分離させていた。そこに秘密裏に搭載していたバグを発電所の電力で起動させ、コロニー内へ送り込んでいたのだ。
セシリーはその様子を見て、宇宙空間を漂っていたモビールスーツの残骸をガル・ブラウの方へ押しやり、ビーム・ランチャーでエンジン部分を撃った。爆発に巻き込まれて消滅するガル・ブラウ。
突然のガル・ブラウ消滅に、ジレは調査を命じようとした。
「いや、私が調査しよう。家庭の問題だからな……」
鉄仮面が言う。精神を強化していた彼は、ニュータイプと同じような直感力を手に入れていた。ベラが絡んでいることは分かっている。私の手で始末してやろう――
一方ザビーネは、部下の2機と共に物陰に潜み、ザムス・ガルの動きを探っていた。突如現れたベラ機が先端部分を撃ったことに驚く。それに続く爆発をなんとか交わし、部下たちと接触回線で話をする。
「あれが本当にザムス・ガルだったか!?」
ベラが無事だったことに安堵しつつ、突然の事態に戸惑いを隠せないザビーネ。
目視していた部下が言う。
「ベラ機が狙撃しました。間違いありません」
ベラは「バグ」のことで何か嗅ぎつけたのだろうか!? 随分と思い切った行動をしたものだ……
「ベラ機に仕掛けます」
狙撃を目視した部下が突然言い出す。
「何っ!?」
眼を剥くザビーネ。何を言い出すのだ、こいつは!?
もう一人の部下も指摘する。
「ベラ機の行動は妙です」
眼の前で、ビギナ・ギナが連邦軍の新型モビールスーツと、接触回線で話を始めた。愕然とするザビーネ。
あれはベラしか乗りこなせない機体だ。彼女が撃ち落され、ビギナ・ギナが連邦軍の手に渡ったとしても、連邦サイドの人間がすぐに乗って自由に扱うことなどできる筈もない。
あれに乗っているのは間違いなくベラだ。その彼女が、敵方のモビールスーツと手慣れた会話を交わしている――
部下たちの言葉の方が当たっていた。ベラは、連邦サイドに寝返ったのだ!
「連邦軍の新型……あり得るな。老人が、ベラ・ロナなどに拘るからこれだ!」
マイッツアーの政治的意図にそうと知りながら乗り、ベラと一緒に出陣したことを心底後悔する。何が婚約の儀式だ。
しかし拘っていたのは、マイッツアーだけでなく、自分もだった。いやマイッツアーよりも、さらに拘っていた。ただ一人の相手と思い、幸せな未来図まで夢見ていたのだから。
アンナマリー機を撃ち落した直後、自ら部隊に指示を出して前衛へと機体を進めたベラ。あの時に感じた彼女の覚悟がこれだったのだ。クロスボーン・バンガードから連邦軍へ寝返ること。
「私の見間違いだった。ベラ・ロナ機は謀叛(ぼうはん)した!」
生まれて初めて愛した女・ベラの裏切り。たったひとつ望んだ未来の夢を、ベラはいとも簡単に打ち砕いてくれた。
部屋に忍び込んだ「物取り」の姿を思い出す。彼女が咄嗟に庇おうとした相手。全てが分かった気がする。ベラはあの連邦サイドの男と裏で繋がっていて、こちらを油断させるために自分と関係を持ったのだ。
そんなことに気付かず心を捧げていた愚かな自分を、今は笑うことしかできない。子どもが欲しいなどという戯言に騙されて、眼帯まで取ってみせた……
連邦軍が新型モビールスーツを開発したことで、向こうに勝機があると踏んだのだろう。女とは、安全な宿木が欲しいだけの生き物なのだ。自分の母親がそうだった。父親の暴力から庇ってくれることもなく、挙句の果てに自分を置き去りにして逃げた。
ベラと出会ってから見ることのなかった悪夢が、まざまざと蘇ってくる。眼が覚めると暗い部屋の中で、自分だけが一人取り残されている夢。右眼から血を流し、耐えきれぬ痛みに身を引き裂かれそうになりながら……
激しい怒りがザビーネの全身を包む。顔に浮かぶ冷酷な表情。軽蔑の情がないところだけが、アンナマリーの時とは違っていた――
783 :
610:03/10/26 21:54 ID:L9l1BoRK
第5章はこれで終わりです。暗い話かつエロなしで申し訳ありません。
作中では、宇宙世紀の妊娠検査薬は日を待たずして結果が分かる、
ということにしてあります(現代ではそうもいきませんが)。
次回は番外編2を火曜日にUPさせていただこうと考えています。
ザビーネVSドレルの話で、ザビーネ×ベラのエロも少しあります。
本編終了後にUPするつもりでいたのですが、最終章と絡む部分も
あるので、先にUPした方が良いだろうと思い直しました。
>Fekiaさん
火曜日に作品をUPなさるようでしたら、こちらはその邪魔にならない
時間にUPするようにしますので、お気遣いなくお願いします。
私の方は時間の自由がききますし、ぜひぜひ続きを読みたいので。
F91のSSで盛り上がっている所、申し訳ありません。また性懲りも無く、Vガンダ
ムのSSを書いたので、投下させて下さい。
無茶苦茶長いです。エロシーン少ないです。捏造入れまくりです。
では、行きます。
「クロノクル、この子を殺してはなりません」
姉が何故そんな事を言うのか、クロノクル・アシャーには分からなかった。
白い奴の掌の上で両腕を広げ、パイロットの少年を庇うマリアの姿。いくら否定
しようとしても、その姿が頭の中から消えてくれない。むしろ、強くなるばかりだ。
姉マリアが庇った少年パイロットが逃亡している映像を見ても、それを見てのフォ
ンセ・カガチの話を聞いても、分からない。いや、分かりたくもない、クロノクルは。
何故だ。大切な姉でありザンスカール帝国の女王であるマリア・ピァ・アーモニ
アは、何故あの少年を庇ったのか。姪のシャクティの友達だからか、それとも――。
(ニュータイプだと……。ふざけるな!)
東ヨーロッパで、テスト飛行中のモビルスーツ・シャッコーを奪われたのは、自分
のミスだ。あの少年がニュータイプなどである筈が無い、断じて。もしそうだとして
も、ニュータイプだからマリアはあの少年を庇ったというのか。自分の前に立ち塞
がり、自分の邪魔をしようとする、あの少年を。
(あんなのは、リガ・ミリティアのパイロット不足を、証明する存在でしか無い!)
赤毛の青年将校は、そう自分に言い聞かせながら、カガチや他の将校達がいる
ミーティングルームから、退出した。
「大尉」
退室したクロノクルに、室外で待機していたカテジナ・ルースが、そう言いながら
寄り添う。そんなカテジナは、長い金髪を巻き上げ、ザンスカール軍の軍服を着
ている。もう、地球の一般市民では無い。ザンスカール帝国の兵士なのだ。
だが、姉の行為と少年の存在を不愉快に思うクロノクルは、彼女の呼び掛けな
ど気にせず、前を向いて通路を歩く。今の彼の心と同じ、歪んだ目付きのまま。
(ニュータイプなら、私の邪魔をして良いというのか! ニュータイプなら、姉さん
を人質にしても良いというのか! ニュータイプなら、ニュータイプなら!)
そうイラつく彼の前に、不快感の源が現れた。ウッソ・エヴィン。こいつさえいな
ければ――。
「お前達のおかげで、ペギーさんはぁー!」
何だと! 貴様のせいで、私はっ!
手錠を掛けたまま突っ込んで来るの不愉快な存在に向けて、クロノクルの拳が
飛ぶ。ウッソの体が、宙に浮いた。
「き、貴様など、リガ・ミリティアの人手不足を補う為に駆り出された、少年兵でし
か無い!」
うめき声を上げながら通路に倒れているウッソに向かって、クロノクルはそう強
がるのが精一杯だった。
灰色のバスローブをまとい、ベッドに座るクロノクル。自室のシャワーを浴びる間
も、あの少年の存在と、少年を庇う姉マリアの事が、頭から離れなかった。
(あんな少年が私よりも上だというのか、姉さんは!)
認めたくない。ニュータイプだというだけで、自分よりも上の存在だという少年の
存在を。そんな少年を庇う、姉マリアを。
姉さんの為に、戦う事を覚えた。姉さんの為に、ザンスカール軍の将校にもなっ
た。姉さんの為に、埃臭い地球にも降りた。姉さんの為に、姉さんの為に、姉さん
の為に――。
必死になって女王の騎士を演じようと頑張っているのに、何故姉は認めてくれな
いのか、彼には分からない。姉を盾にして逃げようとした少年を、何故そうされた
姉自身が庇うのか、彼には分からない。分からない事が自分の限界だとも知らず、
クロノクルは悩み続けるしか無かった。
手にしていたコップを口に近付け、中身を少し飲む。酒ではない。ミネラルウォー
ターだ。
クロノクルは、酒が嫌いだ。酒の酔いが、女王の騎士を演じようとする自分を、ど
こか遠くへ連れて行ってしまう様な気がするからだ。軍人として、女王の弟として、
会食などで多少は酒を飲む事もある。だがプライペートでは、絶対に酒を飲まない。
コロニーの工場で作られた人工のミネラルウォーターを飲むと、少しは落ち着い
た気がした。地球で飲んだ生臭い天然のそれよりも、旨いと感じた。残りを全て、
飲み干す。
ドアの方にある机の上に、視線を向ける。ブックエンドに挟まれた、何冊かの本。
その内の一冊、濃い藍色の本を見詰めた。
(久しぶりに、読んでみるか)
ベッドから立ち上がり、空のグラスを机の上に置いた後、ハードカバーの藍色の
本を、手に取る。薄汚れ、手垢にまみれたその本を、クロノクルは懐かしそうに見
ていた。
昔を懐かしむクロノクルを、通信用スピーカーの声が邪魔をする。
『大尉、カテジナです。よろしいですか?』
一瞬不愉快になったが、自分を慕ってくれているカテジナ・ルースの声だと分か
ると、いつものクロノクルへと戻る。藍色の本を机の上に置いた後、部屋のロック
を解除し、カテジナの入室を許可した。部屋の電動ドアが、横に開く。
だがカテジナは、一瞬驚いた後、ドアの向こうで立ち尽くしているだけだった。
「どうした?」
「い、いえ、その格好……」
クリップボードを胸に抱いたカテジナは、頬を赤らめ、うつむいていた。自分の体
を見る。バスローブ姿でいる事に、クロノクルは気付いた。
「あ……。いや、済まない。とにかく、中へ入ってくれ」
軍服姿のカテジナは、クロノクルの呼び掛けに応じて、うつむいたまま部屋の中
へと入った。ドアが自動で閉まっても、頬を赤らめ続け、クロノクルの方を見ようと
しない。目線を下へそらせたまま部屋の中央へ行き、クリップボードを差し出す。
「あ、明後日の式典の資料です。変更があったそうで……」
クロノクルに差し出した両手から、クリップボードの感触が消えると、カテジナは
後ろを向いた。机の上にある、藍色の本に気付く。
「……やはりギロチンか、あの二人は」
立ったままクリップボードに挟まれた書類を見て、クロノクルは溜め息をついた。
公開ギロチンが行なわれる様に変更になったと、書類が教えてくれたからだ。犠
牲者は、捕まったリガ・ミリティアのパイロット二人だろう。
(今度の式典では、人の首が飛ぶのを見なくてもよいと、期待していたのだが……)
いくら敵とは言え、見せ物の様に人を殺すのは、クロノクルには納得出来ない。
例え、あの不愉快な少年であっても。
「ご苦労だった。今日はもう、休んでいい。
明後日の式典の警備が、パイロットとしての君の初仕事だ。明日の休暇で充分
休む様に、と言いたいが、夕方は開けておいてくれ。
仕事が終わった後、私はシャクティの所へ行きたいので、一緒に付いて来て欲
しい。顔見知りが多い方が、シャクティの気も晴れるだろうからな」
「わ、分かりました。……では、失礼させて頂きます」
クロノクルの命令を了承したカテジナは、振り向いて頭を下げた後、部屋のドア
へと向かう。結局は、一度もクロノクルと視線を合わせる事は、無さそうだ。自分
の羞恥心の為なのだが、どこか寂しい。
空のコップと一緒にある机の上の本が、気になった。『グリム童話・I』と表紙に
書いてある、薄汚れた本だ。カテジナは何も考えず、思わず手に取ろうとする。
「触るな!」
怒りに満ちたクロノクルの声が、カテジナを背後から襲った。クロノクルのこんな
声を、カテジナは今まで聞いた事が無い。いつも優しかったあの声が、あたしを
嫌っている――。
「い、いや、済まない。急に怒鳴ったりして。
それは、大切な物なんだ。人に触れて欲しくないので、つい怒鳴ってしまった。
許してくれ、カテジナ」
「あ、あたしの方こそ、そうとは知らず失礼な事をして……」
二人の間に、気まずい空気が流れる。お互い視線を合わせようとはしない。
時が、流れた。カテジナが、沈黙の時を破る。
「大尉。……お時間、よろしいでしょうか」
ベッドに座っているカテジナは、嬉しかった。自分の左隣に、クロノクルが座って
いる。赤毛の青年が、自分の話を聞いてくれる。だから、嬉しい。
ミッション系のハイスクールに通っていた事。陸上部に所属し、短距離走の選手
だった事。ウーイッグの代表として州の選手権に参加し、女子110mハードルで三
位を取った事。そんな話を、クロノクルは嬉しそうな笑顔で聞いてくれた。
ルース商会を大きくする事だけに、気を回す父。外に男を作り、遊び歩く母。家
政婦が作った食事を、一人で食べるのが当たり前だった、幼年期。食べてくれる
人もいないのに、三人分の夕食を一人で作った日のある、少女時代。そんな過去
を、クロノクルは一緒に悲しんでくれた。
こんなに自分の話を聞いてくれて、我が事の様に思ってくれる。初めてだ、こん
な事は。
父も母も先生も、リガ・ミリティアの人達も、周りの大人はみんな自分を無視した。
なのに左に座っている赤毛の青年は、自分の話を親身になって聞いてくれる。
嬉しい、とても嬉しい。十七年間生きて来て、これ程嬉しかった事は、カテジナに
は初めてだった。
「成り行きとは言え、そんな君を攫って、宇宙まで連れて来てしまった。……申し
訳無く思う」
「いえ、いいんです。もしあの空襲が無くて、ウーイッグの家が無事だったとしても、
孤独な家族生活が続くだけでしたでしょうから……」
その返事を聞いたクロノクルは、顔付きを変えた。
「そんな事を言う物じゃない。父親も母親も、いつも君の事を心配していた筈だ」
カテジナも、顔付きを変えた。床を見ていた視線を、クロノクルの瞳へ向ける。
何が分かるっていうの、あなたに――。
「嘘よ! 父さんも母さんも、いつも自分の事しか考えていなかったわ。先生達だっ
て、学校に沢山寄付金を渡す父さんばかりに気を遣って、あたしの話を聞こうとも
しなかったわ。
だから、だから走ったのよ。走り続けている間は、周りの事が全部忘れられたか
ら、あたしは陸上部に入ったのよ。今みたいに髪を巻き上げて、毎日必死になっ
て走ったのよ。なのに、なのに……。
選手権で三位を取った日も、父さんは『そうか』って言うだけだったわ。母さんは
男の所に行って、家にもいなかったわ。何で、何であたしを認めてくれないのよ、
みんな……」
涙が出た。とにかく、悲しかった。泣いて泣いて、寂しかった過去を全て洗い流し
たかった。バスローブを着たクロノクルの胸に、顔を伏せる。そこが、自分の巣だ
と思えたから。クロノクルの胸から、優しさが伝わって来る様な気がしたから。
クロノクルは、泣きじゃくるカテジナに何をすれば良いのか、分からなかった。今
まで人に抱き付いて泣いた事はあるが、それを自分にされるのは、始めてなのだ。
分からない、どうすれはいいか。
頭を撫でてやれば良いのか。それとも、両腕で抱き締めてやれば良いのか。と
にかく、このままではいけない。視線を宙に漂わせたまま、声を掛ける。それ以外
に、クロノクルは何も出来ない。
「……済まなかった、カテジナ。だが、君に何をしてあげれは良いのか、私は分か
らない。どうすれは、君を認めてあげる事が出来るんだ?」
カテジナは、泣き顔を上げた。孤独と悲しみしか無い瞳を、クロノクルに向ける。
あたしには、この人しかいないんだから――。
「大尉。あたしを……、抱いて下さい」
クロノクルは悩んだ。今シャワーを浴びているカテジナを、本当に抱いて良いの
か。いやそれ以前に、自分は彼女を愛しているのか。カテジナの気持ちは、どうな
のか。成り行きではないのか、このままでは。
(姉以外の女性にも、強い男を演じなければならないのか、私は……)
ベッドに座ってそう悩むクロノクルは、シャワーを浴び終えたカテジナが近付いて
来た事すら、気付かなかった。
「大尉、どうされました?」
髪を降ろし、バスタオルを体に巻いただけのカテジナが、問い掛けた。顔を向け
る。初めて出会った頃の様に、金色の長い髪を持つ彼女の顔を、素直に美しいと
思った。だが本当に良いのか、カテジナを抱いて――。
「……色々と、自信が無くてな」
そう言うとクロノクルは立ち上がって、カテジナと向き合う。カテジナの視線に見
下ろされるのが、つらかったからだ。立ったお陰で、少しだけ落ち着く。
「もしかして、大尉は初めてでいらっしゃるのですか?」
顔を見上げ、クロノクルの瞳を見詰めるカテジナが、言う。どこか不安そうに。
「いや。商売女なら、何度も抱いた事はある。だが、そうでない普通の女性を抱く
というのは、初めてでな。正直、戸惑っている。
……いいのか、カテジナ。こんな情け無い男に抱かれて」
「初めては、大尉の様な優しい人としたいと、思っていました」
初めて? 私が優しい? カテジナの言葉が、クロノクルの心に二つの戸惑いを
生んだ。
自分がカテジナにした事は、彼女の人生を捻じ曲げた事への罪滅ぼしのつもり
だった。彼女の街を焼き払ったのは、自分達ザンスカール帝国のモビルスーツな
のだから。一緒に食事をしたのも、一時期秘書にしたのも、軍に入れたのも、身
寄りを無くした彼女への贖罪のつもりだった。
なのにカテジナは、それを優しいと感じている。
どこかおかしい。何か違う。どんなに怨まれても仕方が無い事を彼女にしたのに、
何故カテジナは、自分の行為を優しいと感じるのか。何故カテジナは、そんな男を
初めての相手にしようとするのか。
分からない。分からない、クロノクルには。カテジナの視線が痛い。目を逸らす。
「カテジナ。……やはり、やめよう。君をこんな境遇にしたのは、ザンスカール帝国
だ。その国の女王の弟である私が、君を抱く権利など無い。
それに、もっと良い男と出会った時の為に、処女でいるべきではないのか。売
春婦しか抱いた事のない汚れた男が初めてでは、君の為に……」
クロノクルの左頬に、カテジナの平手打ちが飛ぶ。そんな彼女の目には、涙が
溢れていた。
「何故、その様な事を言われるのですか! ……あたしは、大尉に抱かれたいの
です。大尉まで……、あたしを認めてはくれないのですか!」
そう……か。居場所が欲しいのだ、カテジナは。いたくもない家から逃げ出した
自分の居場所が、孤独と悲しみしか無い過去から逃げ出した自分の居場所が、
欲しいのだ。左頬の痛みから、クロノクルはそう悟った。
しかし、彼女の居場所になれるのか、私は――。
「あたしには、大尉しかいないのです……。私の事を想って下さるのなら、強い男
になって下さい。私の巣になって下さい。どうか……」
立っているクロノクルの胸に、再びカテジナの泣き顔が伏せた。灰色のバスロー
ブの上に、涙の染みが広がるのが分かる。今度はどうすれば良いのか、クロノク
ルには分かる。泣き声を、両腕で抱いた。
「分かった……。強い男になろう。君の巣になろう。そうなれる様に、精一杯努力
しよう。それで、君の心が癒されるのなら」
嘘か本当か分からない言葉でも、クロノクルはそう吐き出すしか無かった。
ベッドに広がる金髪を、裸のクロノクルの左手が掬い取った。それを少しづつ、
掌から落として行く。
「綺麗だな、髪」
うつぶせ、彼女の裸を覆っているクロノクルは、そうカテジナを褒める。今の様に
裸でいようと、服を着ていようと、カテジナの金髪の美しさは変わらない。素直にそ
う思う。
だがカテジナは、クロノクルから顔を背けた。
「私は、この髪が嫌いです。母と同じ色ですから。……でも、大尉がそう言って下
さるのなら、嬉しいです、あたし」
父は嫌いだ。金と物さえ与えておけば、妻も娘も満足するだろうと思っているか
ら。母も嫌いだ。父を振り向かせる努力もせず、他の男を漁るから。
ウーイッグの辺りでは名の通った、母の実家の名声を利用する為に、父は母と
結婚した。過去の名声にすがり付くだけで、誇りと貧しさしか無い実家から逃げ出
す為に、母は父と結婚した。そんな偽りの夫婦が、愛の無い男と女の間から生ま
れた自分が、大嫌いだ、カテジナは。
母と同じ色の髪が嫌なので、髪を伸ばした。肩に届かない長さのパーマという
母の髪型とは、違う髪型にしたい。だから、小さな頃から髪を伸ばし、ストレートの
長髪にしている。
その髪を、クロノクルは褒めてくれた。嫌だった自分を、体で覆ってくれている男
は認めてくれた。嬉しい、とても。
クロノクルが再び、金髪の束を掬った。その先を少し、口に含む。舐めた、金髪
の先を。神経の通っていない筈の髪の先から、クロノクルを感じた。
「カテジナ自身がどんなに嫌いでも、君の髪だ。綺麗だと思う、私は」
金髪から離れた彼の唇が、自分の唇へと重なる。あぁ、このままでいたい。二人
で永遠に、このままでいたい。そう思うカテジナから、クロノクルの感触が遠ざかっ
て行く。
それを再び感じたのは、頬と胸だった。左頬を、彼の舌が這う。右頬に、彼の掌
が添えられる。左胸を、彼の右手が愛してくれる。嬉しいが、痛い。胸の痛みで、
微かにうめく。
「あ……、強過ぎたか?」
「いえ、いいんです。大尉の好きな様に、なさって下さい」
だがクロノクルは、胸に加える力を弱める。優しい人だと、カテジナは思った。
両方の掌が、体から離れる。背中に回った。彼の優しさで自分が包まれた様に、
カテジナには感じられる。
優しい両手で抱かれながら、彼の口が自分の左胸を慰めてくれる。孤独と悲し
みしか無い筈の、自分の胸を。乳首を吸ってくれる。乳房を舐めてくれる。こんな
に嬉しい物なのか、人の温もりという物は。
それが、やんだ。
「まだ、痛いか?」
「気持ち、……いいです。……続けて、下さい」
「分かった」
その言葉の後、カテジナは右の胸に温もりを感じた。左胸の時に負けない程の、
温もりを。快楽と体温と幸福感が、増す。喘いだ、悲しみの無い声で。
この温もりを、離したくない。両手を、クロノクルの後頭部に重ねる。喘ぐ度に、
思わず力を入れた。
「……あまり大きくない胸で、済みません」
陸上競技で鍛えたカテジナの体は、女性的な豊かな曲線を描いている場所が
少ない。胸がそれ程大きくない事を申し訳無く思って、クロノクルに謝った。
「いや、大きさはどうでもいい。君の胸だから。むしろ、ちょうど良い大きさだと思う」
クロノクルの言葉の後、再び左胸に温もりを感じた。それが、カテジナの胸を降
りる。舌が曲線に沿って、胸の麓まで動いた。微かに浮いた肋骨の窪みを、舌で
撫でてくれた。それですら、カテジナは嬉しい。
背中に回されていたクロノクルの両手が、動く。背中をさする。わき腹を這う。尻
を撫でる。
胸から腹へと移動したクロノクルの口と、背中や尻を暖める彼の両の掌。カテジ
ナは、暖かい幸福感で挟まれる。その幸福感が、いつも心の底にあった寂しさを、
誤魔化してくれた。
「もっと下に行って、いいか?」
あたしの女の証を愛したいのだ、大尉は――。
「……どうぞ」
カテジナの許可を受けて、クロノクルの頭が下へと動く。目の前に広がった、カテ
ジナの女の証が。
「毛は、生えていないのだな」
傷付いた。自分に性の茂みが生えていない事が、大人になり切れない事の証
明の様に、思っているからだ。でも、悪気は無い筈。カテジナには、そう思えた。
「言わないで下さい。……気にしている事ですから」
いくら悪気の無い言葉だと思っても、そう言わなければ傷付いたままになってし
まう。だから、言った。返事が返って来る。
「……済まない、カテジナ。先程から、君を傷付ける様な事ばかりして」
「いいんです、大尉ですから。……優しいのですね、大尉は」
カテジナはそう言い終わると、女の快感に驚いた。好意を持っている男が慰めて
くれるだけで、こんなに幸福になろうとは。クロノクルの唇が、舌が、カテジナを愛し
続ける。
一人の時とは、全く違う。今クロノクルがいる場所の表面に、自分の指を這わせ
て慰めている時は、体の快楽に心が置いて行かれる感じがする。だが、今は違う。
クロノクルが生む体の快楽が、自分の心まで幸福にしてくれる様に、カテジナには
感じられた。
嬉しかった。あたしは、孤独じゃない――。
クロノクルの手がカテジナの両脚を抱え、肩に乗せる。その脚で、彼を抱いた。
この嬉しさを、この温もりを、放したくないから。カテジナの思いに応え、クロノクル
の口は彼女を愛し続ける。
涙が出た。生まれて初めて、嬉し涙が出た。少女を辞めようと努力する目と、少
女のままでいる女の証から、嬉し涙が流れ続けた。初めてだ、こんなに嬉しい涙
を流したのは。
「どうした。悲しいのか」
カテジナを愛した口が、そう問い掛ける。もっと慰めて欲しい、この人に――。
「……いえ、嬉しいんです。大尉の優しさが」
それを聞いたクロノクルが、再びカテジナの女の証を慰めた。口付けをする。舌
を沿わせる。上にある膨らみを舐める。それを繰り返す度に、悲しみが乗らない声
で、カテジナは喘いだ。喜びしか無い声で、喘ぎ続けた。
「クリトリスがいいのか。なら、もっとしてやる。君への罪滅ぼしだ」
クロノクルは、口の形を変え続ける。彼の唾液と彼女の性の涙が、カテジナの女
の証を濡らす。クロノクルの口が慰め方を変える度に、カテジナは声を上げた。性
の幸福という物が乗った、喘ぎ声を。
放したくない、この想いを。両手を動かし、クロノクルの顔を自分へと押さえ付け
る。もっと、もっとあたしを愛して――。
涙が止まらない。上からも、下からも。クロノクルが慰めてくれる度に、涙が溢れ
て来る。ひたすら口で愛される、カテジナ。飽く事無く愛し続ける、クロノクル。
喜びの涙を流し続けるカテジナの女の証を、クロノクルは慰め続ける。上から、
下まで。膨らみも、窪みも。彼女をこんな境遇にした事への贖罪の為に、クロノク
ルは唇を、舌を、動かし続けた。持てる限りの優しさを乗せて。
その優しさが、カテジナに伝わる。もう、何も考えられない。寂しくない、悲しくな
い。ただひたすら、嬉しかった。クロノクル・アシャーという存在が。
「んぁっ……。大尉、あたし、あたし……!」
カテジナの中で、喜びが弾けた。悲しみの無い、大きな声と共に。一人で自分を
慰めている時とは、全てが違う。絶頂に達した後、幸福の余韻に浸りながら、カテ
ジナはそう思った。
嬉しかった。ただ、嬉しかった。一人ではない事が。他の人が、自分を喜ばせて
くれた事が。彼の温もりと優しさが、自分を包んでくれた事が。
カテジナは嬉しい、クロノクル・アシャーという存在が。
「いったか。……良かった」
クロノクルの顔が、カテジナから離れる。そして、体も。幸福の余韻に浸るカテ
ジナに、疑問が生じた。
「大尉……。あの、……お入れにならなくて、よろしいのですか?」
「いいんだ……。君が満足してくれれば」
急に、悲しくなった。あたしを愛してはくれないの、あたしを認めてはくれないの、
あなたは――。
「して……下さい。私の中に……、入れて下さい、大尉」
「しかし私は……」
「いいんです。大尉の優しさを感じたいのです、体の内側でも……」
クロノクルの顔付きが、厳しくなる。ベッドから降り、机の引き出しを開けた。軍か
ら支給されたコンドームの小さな箱を、右手で掴む。引き出しを、元通りにした。
その後再び、カテジナの待つベッドに上がる。箱を持ったまま。
「大尉はいつも、お金を使って、女性を抱かれていらっしゃるのですか?」
クロノクルの手にある小さな箱を見ながら、幸福の余韻に浸るカテジナは、問い
掛けた。例え普段は売春婦を抱いているとしても、クロノクルが初めての人だとい
う事は、嬉しい。でもやはり、カテジナは少し寂しかった。
「いや……。商売女も、最近は抱けなくなった。これは、軍の支給品だ。いらない
からと返すと、変に思われるのでな。
……カテジナ。これ以上やると、君の体を、君の心を傷付けてしまいそうだ。そ
れが怖いから、途中でやめたんだ。いいのか、傷付いても?」
「大尉が私を傷付けて下さるのなら、あたし、嬉しいです。消えない傷を、あたしに
付けて下さい。体にも、心にも」
「……分かった。君が望む通りにしよう。痛いだろうが、我慢してくれ」
そう言って、クロノクルは避妊具の箱を開けた。男の証を、薄い膜で包む。 それ
がカテジナには、不思議だ。何故、人の温もりを直接感じようとしないのか、クロノ
クルは。まさか、あたしを認めてはくれないの――。
「やはり、……付けられるのですか」
「当たり前だ。望まない子供が出来ては、子も親も不幸になる。君をこれ以上、不
幸にはしたくない」
「……優しいのですね、大尉は」
自分が誤解していた事を反省したカテジナは、思わずそう言う。自分を認めてく
れているから、避妊をするのだ。あたしの不幸を増やさない為に、あえて人の温も
りを遠ざけるのだ、この人は――。
望まない子供。もう、増やしたく無い。
「あなたの子供なんて、生むんじゃ無かったわよ!」
母が父と罵り合う度に、カテジナが聞いた言葉。物心が付いた頃から、いつもい
つも聞いていた言葉。その母の言葉を聞く度に、彼女の心に傷が付いた。自分が
生まれてはいけなかった存在だと思う度、カテジナは泣いた。
悲しいから、悔しいから、哀れだから、情け無いから。自分という存在が。自分を
この世に呼び、カテジナという名を授けた父と母が。
世間体と母の実家の名声の為だけに、夫婦を続ける父。金と自分の生活の為
だけに、離婚をしない母。偽りの家族の中にいる自分は、偽りの存在ではないのか。
そう思い、カテジナは泣いた。七歳の誕生日の時も、十一歳のクリスマスの時も。
初潮が来たあの日も、110mハードルで三位を取ったあの日も。どこなの、どこな
のよ、あたしの居場所は――。
家の二階の窓辺じゃ無い。窓に頬杖を付いている姿を盗み撮りした、あの子の
所でも無い。どこ、どこ――。
見付けた。クロノクル・アシャー。優しい人。
ここが、あたしの巣――。
でも、二人の子供が欲しいと思えるのか。二人で生きて行こうと、誓い合う日が
来るのか。分からない、カテジナには。
だが、自分を見詰める赤毛の青年に、自分を傷付けてもらいたい事だけは、はっ
きりと分かる。消える事の無い傷を、心と体に付けて欲しい。
だから、受け入れる。上にいる彼を、自分に優しく覆い被さるクロノクルを。認め
てもらえる、偽りの存在では無くなる。そうすれば。
「カテジナ、行くぞ」
頷いた。怖いが、頷いた。
自分の指で慰めている時は、痛みだけしか感じないので、内側に指を入れる事
は無かった。だが、クロノクルを受け入れる、体の中に。カテジナ自身が、望んだ
事だから。
近付く、クロノクルが。つながった、二人が。
痛い。とてつもなく痛い。体の内側から、自分の全てが引き裂かれる様な、鋭く
鈍い痛み。でも、これで傷が付く筈だ、心と体に。クロノクルという、消える事の無
い優しい傷が。
「大丈夫か、カテジナ?」
「っ、続けて……下さい、大尉」
「いいか、動くぞ」
痛い。痛いが、嬉しい。巣を作る為の、痛みだから。だから、耐える。体を内側
から引き裂く様な、痛みでも。
女になる為の鮮血の流れと共に、クロノクルという男が自分の巣になる筈だ。
そう思えた。
「やはり痛いか? 血は、出ていない様だが……」
両拳を握り必死に痛みを耐えるカテジナを、彼の声が裏切った。傷が付かない
のか、体に。
涙が出た。悲しいから。
「……何が、悲しい」
「血が、……流れないからです」
クロノクルが、動きを止めた。体の痛みが、僅かにやわらぐ。だが、心は痛いま
まだ。
彼の舌が、悲しみの涙を掬った。
「カテジナ。君は、陸上競技をしていたんだ。激しい運動の為に、自然に処女膜が
破れたのだろう、恐らく。
……悲しむ事は無い。私が君の始めての男だという事に、変わりは無いのだか
らな」
それでも悲しい。
寂しさを、悲しさを、父と母を忘れる為に走った。その事が、自分の体に傷を付
けた。クロノクルという男に付けて貰いたかった、傷を。涙が止まらない。
どうして、どうして。小さな頃から何度も流した悲しみの涙が、どうして今流れる
の。嫌、嫌。流したくない、こんな涙。泣きたくない、この人の目の前で――。
悲しみの涙を、何度も何度も舌で掬い取るクロノクル。彼女の涙を、止めたいか
ら。彼女の悲しみを、少しでも減らしたいから。
それでも悲しい、カテジナは。
「カテジナ。君が泣きやむまで、傍にいてやる。君の心から悲しみが消えるまで、
傍にいてやる。……だから、笑ってくれ」
クロノクルの声を聞いて、カテジナは必死に微笑もうとする。目に涙を浮かべた
ままで。痛みを感じたままで。悲しい心のままで。
悲しい笑顔が、カテジナの顔に咲いた。偽りの笑顔でも、クロノクルは満足した。
二人には、それしか出来ない。
「……そうだ、それでいい。どんなに悲しくても笑顔でいれば、いつか幸せになれ
る。私はそう教わった、大切な人から」
動いた、痛みが。その度に、体と心が引き裂かれる思いがした。悲しみの笑顔
が、痛みで歪む。それでも必死に、カテジナは自分の巣に向かって微笑もうとした。
両腕を、クロノクルの背中に回す。自分を引き裂く鋭く鈍い痛みが、彼と自分を
引き裂かない様に。カテジナは抱く、腕に力を入れる、必死に。
クロノクルが動く度に、痛みが増す。痛みが増す度に、心に傷が付く。心に傷が
付く度に、悲しみが消える。
嬉しかった、心が。
でも、体は痛い。彼の背中に、爪を立てた。体の痛みに、耐える為に。痛みの爪
痕が、血と腫れの赤い傷が、幾筋も描かれる。クロノクルの背中に。
それでも赤毛の青年は、動きを止めない。カテジナがそれを望んでいる事が、
分かるから。痛みが彼女の悲しみを塗り潰す事が、分かるから。だから止めない、
クロノクルは。
痛みが、傷痕が、カテジナの中に広がる。鋭い痛みが、自分を切り裂く。鈍い痛
みが、自分を打ち付ける。
痛い、耐えられない程痛い。苦しみで歪む声で、うめく。何度も、何度も、何度も、
何度も。
それでもいい。痛くてもいい。巣を作る為の、痛みだから。
あたしは作る、幸せの巣を。冷たい父さんと汚らわしい母さんのいる、あんな家
とは違う幸せの巣を。大きくなくていい、小さくていい。
あたしの中にはクロノクルの優しさしか、愛が、温もりが無いの。だから手伝って、
クロノクル。あたしを愛して、心も体も。
お願い、あなたの温もりを、あたしに分けて。少し、ほんの少しでいいの。私の小
さな巣の中を、満たすだけの量でいいから。だから、あたしに優しくして。あたしに
優しくしてくれた人は、あなたしかいないの。
父さんも母さんも、あたしに愛をくれなかったわ。自分の事ばかり、考えていた人
達だから。自分だけが、可愛い人達だから。
一人分しか愛を持たない人達だったから、子供のあたしに愛をくれなかったの。
お金と物しか、あたしにくれなかったの。そうじゃないの、親をやって欲しかっただ
けなのよ。父さんに、母さんに。
あの子も、あたしに愛をくれなかった。店番をしているあたしを、部屋の窓から外
を見ているあたしを、物陰から覗き見るだけだった。店に来た時に声を掛けても、
あたしを盗み撮りした時に怒っても、付きまとうだけだった。
何で、何であたしに愛して貰いたいのよ。愛されたいのよ、あたしは。他の人か
ら、温もりを分けて欲しいのよ。なのに、なのに……。
どうして奪おうとするの。あたしの心に残っている、微かな温もりを。あなたには、
あの子がいるでしょう。いつもあなたの傍にいる、あの可愛い女の子が。
なのにどうして、あたしに好きになってもらいたいのよ。やめて、奪わないで、あ
たしの温もりを。
あなたの事は、嫌いじゃないわ。可愛い男の子だと、思った事もあるわ。あなた
の澄んだ瞳を、綺麗だと思った事もあるわ。でも、駄目なの、嫌なの、あなたは。
あたしの温もりを、奪おうとするから。好きでいてくれる人が傍にいるのに、ほん
の少ししか無いあたしの温もりまで、奪おうとするから。贅沢よ、あなたは。何でそ
んなに、あたしの温もりを欲しがるのよ、あなたは。
守って、クロノクル。あたしの温もりを奪おうとする、あの子から。それが出来る
のは、あなたしかいないの。あたしに優しかったのは、あなたしかいないの。だか
ら、だから……。
どんなに痛くてもいいの。どんなに悲しくてもいいの。もっと優しくして。あたしの
傍にいて。あたしを守って。お願い、クロノクル。
あたしを助けて。悲しさから、寂しさから。もう、一人は嫌なの。人の温もりが欲
しいの。父さんと母さんの分の、人の温もりが欲しいの。あの子が少しづつ奪って
行ったあたし温もりを、元に戻したいの。
だから、お願い。あたしに優しくして。あたしだけに優しくして。あたしの巣になっ
て。クロノクル、クロノクル、クロノクル、クロノクル――。
「……カテジナ、もう……少しだ」
「ぃ、痛っ。……大尉、あたしの……中に」
そうすれば、巣が出来上がるから。
クロノクルの動きが、激しくなる。痛い、痛い。ひたすら、痛い。全てが引き裂か
れそうな程、痛い。巣を作るという行為が、とてつもなく痛い。
もうすぐ、もうすぐよ、あたしの巣が出来上がるまで――。
「ぅあっ、出すぞ、カテジナ!」
「ぃ、痛っ……。大尉、痛い、痛いっ……」
出来なかった、巣は。作れなかった、喜びは。望まない子供を呼ばない為の、
クロノクルの優しさに阻まれて。自分自身の、体の痛みに阻まれて。
カテジナの中に、痛みと悲しみだけが残った。涙が出た。
カテジナは右肩を下にし、ベッドにうずくまっている。胎児の様な格好で壁を見て
いる彼女の背中に、クロノクルは毛布を掛けた。そうしなければいけない気がした
から、クロノクルは。
「痛かっただろう。……済まなかった」
背を向けたままの彼女に声を掛けた後、ステンレス製の流し台と小さな冷蔵庫
のある壁の向こうへ、クロノクルは向かう。冷蔵庫を開けた。
「ミネラルウォーターだが、君も飲むか?」
「……いえ、結構です。……済みません」
その声を聞いたクロノクルは、コップ掛けのコップを、一つだけ上に向けた。冷蔵
庫から取り出した強化プラスチック製の瓶の中身を、コップに注ぐ。視線をカテジ
ナの方へ向けないまま、コップに入った宇宙製のミネラルウォーターを、半分だけ
飲んだ。
「カテジナ。……私の事が好きか、心の底から」
壁の向こうから聞こえて来る問い掛けが、心に突き刺さる。カテジナは、声の方
に顔を向けなければと思った。だがそれをすれば、自分が壊れてしまうと感じた。
背中の方から聞こえた問いに、カテジナは答えられない。肯定をしても否定をし
ても、彼と自分が壊れてしまう気がするから。話を逸らす。
「……何故、その様な事を聞かれるのですか、大尉は」
コップの残り半分を飲み干した後、クロノクルは答える。
「私を受け入れている時も、君は私の事を、『クロノクル』と呼んでくれなかったの
でな……」
目を見開く。だがカテジナの目の前には、部屋の壁があるだけだ。
視線を動かしたいか、それが出来ない。口を動かしたいが、それも出来ない。
クロノクルが掛けてくれた毛布に包まれた彼女は、胎児の格好をやめる事が出
来ない。声のした方に背を向けたままでいる事しか、今のカテジナには出来ない。
返事が返って来ないので、クロノクルは空にしたコップを流し台に置いた。ミネラ
ルウォーターの瓶に蓋をし、冷蔵庫の中へそれを戻す。
クロノクルが、カテジナに告げた。視線を合わせる努力を、しないまま。
「お互い、平和な時代に生まれて、出会いたかったな」
沈黙の時が過ぎた。シャワー室の方から、多量の水滴が落ちる音が聞こえる。
だがカテジナは、クロノクルが掛けてくれた毛布の中から、動こうとしない。背中
の向こうにあるシャワーの音を、聞きたくないから。
悲しくなった。涙が出た。クロノクルを受け入れた場所が、痛い。胎児の格好の
まま、カテジナはひたすら泣き続けた。
昨日の痛みが、未だに消えない。起きる度に、多少は弱くなっている様に感じは
するが、痛いままだ。
下着姿のカテジナは、股間の鈍い痛みに耐えながら、ベッドから降りる。トイレか
ら出た後、冷蔵庫から牛乳の瓶と板チョコの包みを取り出した。
強化プラスチック製の瓶に直接口を付け、牛乳を飲む。板チョコの包装を裂いた
後、割らずにそのまま食べる。地球にいた頃には決してしなかった食べ方で、彼
女は空腹を誤魔化した。
(遠い所まで、来てしまった……)
チョコレートを食べ終え、牛乳瓶を空にすると、不意にそんな言葉が思い浮かん
だ。明日からザンスカール帝国のパイロットになるというのに、何故自分がこんな
事を繰り返しているのか、分からなかった。
ベッドに戻った。昼と言うには遅い時間だという事を、ヘッドボードの目覚まし時
計が教えてくれる。だが、カテジナは再び布団の中へ入ると、右肩を下にしてうず
くまった。
目の前に、壁がある。部屋の間取りと家具の位置が、クロノクルのそれと同じだ
から。赤毛の青年がカテジナへ、特別に一人部屋を与えたから。
「頑張って、私の期待に応えてくれ」
この部屋を用意してくれた時、自分にそう告げたクロノクルの姿を思い出す。自
宅の部屋より狭いとは言え、一人部屋を与えられた事が、その時は嬉しかった。
クロノクルの気遣いが、嬉しかった。赤毛の青年が自分を特別扱いしてくれた事
が、嬉しかった。
でも、今は悲しい。クロノクルの優しさが。それを欲しがる自分が。
壁を見ていると、ウッソ・エヴィンの顔が、頭に浮かんだ。自分に付きまとう事を
煩わしく思っていたのに、何故あの少年の顔を思い出すのか。分からない、カテジ
ナには。
あの少年の澄んだ瞳を、自分に恋をしているというウッソの綺麗な瞳を思い出す
と、何故か無性に悲しくなった。
「カテジナさん」
ウッソの声が、聞こえた。
涙が出た。朝から、いや、昨夜クロノクルが部屋まで送ってくれてから、こんな
事を繰り返しているのが、悲しいから。折角の休暇を泣いて過ごすだけの自分が、
悲しいから。今の自分が何を悲しんでいるのが分からないのが、悲しいから。
ただひたすら、カテジナは泣き続けた。胎児の格好で、泣き続けた。
『カテジナ、いるか。時間だぞ。シャクティの所へ向かおう』
通信用スピーカーから聞こえる、クロノクルの声。カテジナは必死に涙を拭い、
ベッドから這い出る。いつもの気丈な自分に戻らなければいけないと思うと、カテ
ジナは憂鬱になった。
「あの、お気に召しませんか? やはり、肉など用意させた方が……」
朝食を取る軍服姿のカテジナに、濃い藍色のワンピースを着たマリア・ピァ・アー
モニアが、声を掛けた。未だに残る女になった痛みの為に、顔を歪めた事が、女
王マリアの青い瞳に誤解されたらしい。
「君は明日、女王の朝食に付き合う事になった」
昨日の夕方、シャクティのいる屋敷から帰る途中、クロノクルからそう知らされた。
女王マリアが、近衛師団の兵士を朝食に呼ぶ事があるのは、知っている。だが、
まさか新兵の自分が、しかも一日だけ近衛師団の指揮下に入る自分が呼ばれる
とは、カテジナは思ってもいなかった。
だが昨日から、いや一昨日から、カテジナの心は晴れないままでいる。気は向
かないが、命令だ。今朝起きて身支度を整えた後、仕方無くマリアの控えの間へ
と向かった。
待っていた女王が椅子に座る時、背もたれに体を預けなかったので、カテジナも
マリアに倣った。だが、背筋に力を入れた為に、彼女の股間に残る鈍い痛みが強
まる。サラダを咀嚼している時に、痛みがさらに強まったので、思わず顔をしかめ
てしまったのだ。
「い、いえ、その様な……。サラダもお茶も、大変美味しいと感じました」
そう言った後カテジナは、先程も飲んだ紅茶のカップを、口へ運ぶ。濃さも温度
も、丁度良い紅茶だ。自分には真似の出来ない入れ方だと、思った。
「地球生まれの貴方に、スペースコロニーの食材を美味と感じて頂けるのは、大
変嬉しく思います。その紅茶、わたくしが入れたのですよ」
驚いた。女王が自ら紅茶を入れるなど、カテジナには信じられなかった。信じら
れないのは、それだけでは無い。朝食の献立が、想像よりも遥かに質素なのだ。
斜め切りにされたフランスパン。既製品のプロセスチーズとマーマレード。干し葡
萄の入った生野菜のサラダ。小さなボウルに盛られた、砂糖の入っていないヨー
グルト。そして、女王が自ら入れた紅茶。
それなりの大きさのテーブルの上に、それらが並んでいる。全て、それぞれ女性
一人分しか用意されていない。
カテジナが勝手に想像していた豪華な食事とは、程遠い物ばかりだ。美しいレー
スに縁取られている純白のテーブルクロスの上に、小さな食器達が並んでいる物
だから、ことさら朝食の質素さと少なさが目立つ。
「あ、ありがとうございます。何とお礼を申してよろしいのか……。しかし、マリア様
がこの様な質素な食事をしておいでとは、驚きました」
「出来る限り、普通の方と同じ生活をしたいと、思っている物ですから。それに、肉
や魚を口にすると、わたくしの力が衰える様な気がするので、普段は食卓にのぼ
る事は御座いませんのよ」
女王マリアは、不思議な力を持つという。その様な人が、今日からザンスカール
帝国のパイロットになる自分を、何故朝食に招いたのか。知りたい、カテジナは。
「一つ、お聞かせ下さい。
何故、あたしの様な者を朝食に招かれたのでしょうか。マリア様の朝食に招かれ
たがっている近衛兵は、沢山います。何故、一日だけ近衛師団の指揮下に入る、
あたしなのでしょうか。それも式典の日の朝という、大切な時に……」
「……貴方達は、席を外して下さい」
結われた栗色の髪を動かしたマリアが、声を放った。壁際に直立していた二人
の給仕は一礼した後、静かに退室する。それを確認したマリアは、カテジナの目
を見詰めて、話し始めた。
「『カテジナ』と御呼びして、宜しいでしょうか? ルースさん」
「は、はい」
「カテジナさん。貴方、女になりましたね、クロノクルの手で」
カテジナは驚いて、手にしていたスプーンを落としそうになった。スプーンをヨー
グルトのボウルに戻した後、頬を赤らめ、うつむく。
「御免なさい、いきなり不躾な事を申して……。でも、わたくしには分かるのです、
そういう事が」
カテジナの方から一瞬視線を逸らせた後、再び彼女を見て、マリアは続ける。
「カテジナさん、御礼を言わせて下さい。弟が、その様な事が出来るまで成長した
事が、わたくしには嬉しいのです」
「い、いえ。あたしの方こそ、クロノクル大尉に優しくしてもらって……」
確かに、クロノクルは優しかった。しかし、体を重ねていた時に感じた幸福感が、
何故か嘘だった様に思える。少女から女になった痛みは、残っているというのに。
「痛かったでしょう」
「……はい。今でも、……少し痛いです」
「数をこなす内に、慣れて来ます。不安にならなくても、宜しいですよ」
またカテジナは驚いた。女王から性的な事を、ましてや「数をこなす」などという
発言を聞こうとは、想像も出来なかったからだ。
複雑な顔をしたカテジナを見て、マリアも複雑な笑みを浮かべた。だが、マリア
の青い瞳は、笑ってはいない。口を開く。
「カテジナさん。貴方に、わたくしと弟と娘の事を、お話しましょう。少し長くなると、
思いますが」
白い肌と青い瞳を持つマリア・カリンは、宇宙世紀0118年、サイド1のコロニー・
アルバニアンで生まれた。父は、孤児院から巣立った人。だが母の記憶は、ほと
んど無い。母はマリアが四歳の時、夫と娘を捨てて、他の男の所へ走ったのだ。
宇宙世紀0133年。マリアが十五歳の時、コロニー公社に勤務している父の仕事
の関係で、父子共サイド2のコロニー・ヘラスへ移住。ヘラスに移住して一年後、
新しい母と弟が出来た。
父の再婚相手は、若い未亡人だった。新しい母の元夫は、木星戦役の時に戦
死した、地球連邦軍のモビルスーツパイロットだという。その新しい母の連れ子が、
一歳のクロノクル。
だが、クロノクルが三歳の時、父と母が離婚。父はまた、他の男に妻を寝取られ
たのだ。そして、父と新しい母の離婚が正式に決まった日の翌日、マリアの妊娠
が発覚した。二ヶ月前、ヘラスに駐留する連邦軍の兵士達に輪姦され処女を失っ
た時、妊娠したらしい。
二つの不幸が同時に訪れたマリアの父は、自ら死を望む。コロニー外壁の修理
作業中に、父は自ら空気を断って死んだ。マリアの中絶手術が成功した、三日後
の出来事だった。
その日から、血のつながらない姉弟の生活は一変する。自殺という事で、コロ
ニー公社は父の保険金を払おうとはしなかった。小綺麗な住宅街に住む程の経
済力を持たないマリアは、三歳のクロノクルを連れて、貧民窟のグレンツェへと逃
げた。
そこでマリアは、自らの体を金に換える生活を始める。血のつながらない弟を、
養う為に。
「何も持たぬ女が金を稼ぐ方法など、一つしか無いでしょう」
その言葉を聞いたカテジナは、何も言う事が出来ない。ただ、マリアの青い瞳を
見詰め、彼女の話を聞き続けるしか無かった。まさか、自分が生まれた宇宙世紀
0136年に、この様な事があったとは。
マリアは続ける。
十八歳のマリアと三歳のクロノクルが辿り着いたアパートの隣に、エントー・シス
メシアという、マリアと同い年の女性が住んでいた。星占い師だという。
彼女に姉弟の未来を占ってもらうと、
「大きな運命が、待ち受けている。お前は、未来の希望を生む事になるだろう」
と言われた。
(生む? 何を? 中絶してから、わたしは子供を生めない体になったのよ)
見知らぬ男の精を、白い体に幾度受け入れても妊娠しないマリアは、エントーの
言葉を信じる事が出来なかった。だが、未来を占って貰った事で、隣に住む星占
い師と懇意になる切っ掛けが出来た。
宇宙世紀0141年。二十三歳になったマリアの運命が、再び激変する。春から夏
へ移る時、妊娠した事が分かったのだ。
「その子こそ、未来の希望。生まなければならない」
エントー・シスメシアは、そう言った。しかし、誰の子とも知れない子供を生むとい
う事への不安が、マリアの心を押し潰そうという日々が続く。
だが、生みたかった。もう二度と、子を孕む事など無いだろうから。
慰みにと、エントーから占いを習い始めた。自分を買う男への、余興にもなるだ
ろうと思った。エントーも、快く教えてくれた。
それが、不思議な程当たる。特に怪我や病気についての占いは、ほぼ確実に
当たるのだ。自分の未来を占っても、毎回結果が変わって分からないというのに、
他人の事は何故か良く分かる。
夏のある日、金持ち達の買春パーティに呼ばれた。マリアはサイド1・アルバニア
ンの出身という事で、サイド1にある大手ビル会社を持つ男の相手を、する事になる。
余興に相手の男を占うと、
「頭部に異変がある」
という結果が出た。男は笑って相手をしなかったが、それが当たっていた。
半月後、相手をした男から連絡があった。精密検査をした所、ごく初期の脳腫
瘍が見付かったというのだ。
感謝で頭を下げ続ける男はマリアに、自分が持つサイド1のビルで、占い師を
やってみないかと勧めてくれた。移住資金と当面の生活費は、全て男が持つと
いう。マリアは誘いに乗り、弟とお腹の子供を連れて、再び故郷のアルバニアン
へと戻った。
戻った故郷のコロニーで、『マリアの相談所』と名付けた占いの館を、男の金を
使ってマリアは開く。繁盛した。病気や怪我についての占いが良く当たると、評判
になったからだ。
自分の健康を知りたいという客が、連日訪れる。弟の為、お腹の子供の為、マ
リアは必死に客の体について占った。あまりに当たるので、マリアを神聖視する
客も増る。しまいには、マリアを崇める宗教的なグループが出来る程だった。
宇宙世紀0142年。娘が生まれた。自分と違う褐色の肌を持つ、娘が。
不思議だった。嫌だった。自分の子とは思えなかった。だが、娘の瞳の輝きを
毎日見ている内に、いつしかそんな思いは消えた。
「医者は、隔世遺伝ではないかと申しておりました。わたくしの血筋の事は良く分
かりませんが、恐らくそうだろうと思います」
マリアの言葉を聞くと、カテジナはその子が誰か、すぐに分かった。
シャクティ・カリン。
マリアは続ける。
アリシアと名付けた娘と弟を連れて、マリアは教祖となる。翌年には、マリア主
義と名付けられた自分の教えを、広め始めた。母なるものを大切にするという、
教えを。それは、一時は自分の子だと認めたくなかったアリシアへの、贖罪のつ
もりだった。
宇宙世紀0144年。その年の春、マリア主義者達は、マリアの言葉をまとめた書
籍とビデオディスクを発行。それを、一般の書店やビデオショップに流通させた。
昔、自分が脳腫瘍を見付けた男を始め、スポンサーになってくれる金持ちが何人
もいたからこそ、それが可能だった。
『マリアが語る人生 光妙の道』と名付けられた本とビデオは、売れに売れた。
スペースノイドの自治権確立運動が再燃し、各コロニー間の経済格差や、貿易
不均衡を巡る対立が表面化した、荒んだ時代の空気に合ったのだ。コロニー中心
主義が台頭するその時代の空気を、マリアの本とビデオが、僅かだが癒してくれ
た。
それが、以外な効果を生む。彼女の本とビデオを見てマリア主義の集団に入っ
たスタッフが、経典という物を作ってくれたのだ。
その人は、神学校と新興宗教団体に加入していた過去を持っていた。その時
の知識を生かし、マリアの言葉とキリスト教的な教えを重ね合わせて、巧みに経
典を作ったのだ。マリア主義者達はその事によって、マリア・カリンを教祖とする
『マリアの光の教団』の発足をアルバニアン政庁に申請し、認めさせるまでになっ
た。
宇宙世紀0145年。マリアが二十七歳、娘アリシアが三歳、弟クロノクルが十二
歳の時、また運命の流転が始まる。サイド2・アメリアに本拠を置くガチ党が、マリ
アに接触。ガチ党の党首フォンセ・カガチは、教団ごとマリアを買うと言って来た
のだ。
「人類はまだ不幸の連続の中にいるからこそ、個々人の刹那の幸せを売って、人
をまやかす。そんな事をやっていては、人が腐ってしまう。貴方なら、分かるでしょ
う」
左目の機械の義眼を光らせ、カガチはそうマリアに言った。また、こうも言った。
「母なるものを大切にするという貴方の教えを、利用させて頂きたい。この時代に
流れる血の量を少なくする事に、意味があると思いませんかな?」
マリアは了承した。了承するしか無かった。ガチ党と、カガチが将来作るであろう
国のシンボルになる事を。そうしなければ、娘を、弟を、自分を慕ってくれるマリア
主義者達を、目の前の男の手で殺されてしまうと思えたから。
「十二歳だったクロノクルは、わたくしがカガチの元へ行く事を、強く反対しまして
ね。僕を『マリアの子』にしないでと、わたくしに抱き付きながら泣いてくれました。
あなたも連れて行くからと何度も言った後、幸せで終わる『マリアの子』を読んで
聞かせてあげて、ようやく納得してくれましたのよ、あの子は」
「『マリアの子』?」
「はい。グリム童話の御話です。御存知ありませんか?」
あの本だ。あの日、クロノクルの部屋の机の上にあった、あの藍色の本だ。その
中にある、『マリアの子』は。カテジナは、そう直感した。
クロノクルの本の事を、マリアに話す。
「……まだ持っていたのですか、クロノクルは。
あの本はグレンツェへ辿り着いた日、ゴミ捨て場からわたくしが拾って来た物で
す。クロノクルが小さな頃、いつもあの子に、その本を読んで聞かせてあげました。
それを、あの子はまだ……」
マリアの目に、涙が浮かぶ。それが喜びの涙か、悲しみの涙か、カテジナには
分からない。そんな大切な物を気安く触ろうとした自分への罪悪感と、クロノクル
を傷付けなくて良かったという安心感しか心に無い、今のカテジナには。
マリアは白い頬に流れる涙の川を、ナプキンで拭う。少し、落ち着いた。
「御免なさい、この様な姿を御見せして……。思い出という物は遠くなってしまう物
だから、宝にもなるというのに……」
マリアはそう謝罪して、カテジナに向けて話を続けた。
サイド2・アメリアへの移住が決まると、マリアはすぐにエントー・シスメシアを呼
び出した。褐色の肌を持つアリシアを、彼女へ預ける為に。
フォンセ・カガチは、マリアに子供がいる事を、快く思ってはいない。売春婦だっ
たマリアの過去を隠す為、娘のアリシアを亡き者にしたいと望んでいる。カガチの
機械の左目にはそんな光があると、マリアには感じられたからだ。
マリアは、三歳の娘とありったけの金をエントーに預け、二人をどこかへ逃げさ
せた。どうせばれると思い、カガチには素直に話した。エントーの行方はマリア自
身も知らないから、話す事が出来た。
「我が子を捨てなされたか」
マリアの話を聞くと、カガチは不愉快そうに、機械の左目を光らせた。
そんなカガチを見て、マリアは自分の行為が正しかったと思った。カガチなら、
三歳の娘がどうなろうと気にしないだろうから。大の虫を生かす為には、小の虫を
殺す。フォンセ・カガチとは、そういう男だ。
アメリアへと渡ったマリアが最初にさせられたのは、姓をピァ・アーモニアへと変
える事だった。カリンというのは俗な姓だと言って、カガチが変えさせたのだ。
「本当は、わたくしが体を売っていた過去を、消したかったのでしょうね」
宇宙で見付かった娘にマリアが会う日の前日、エントー・シスメシアが彼女の元
へ訪れた。あれから地球に降り、東ヨーロッパへと逃げ、ニ年前にサイド2・ヘラス
のグレンツェへと戻って来たという。
「私は姓をカリン、あの子は名をシャクティと変え、地球へと逃げた。地球の自然
の中で育つ事が、お前の好きなひなげしの歌が似合う土地で育つ事が、あの子
の為だと思えたからだ。
あの子の傍には、大きな魂を持った少年がいる。だから私は、宇宙へ帰った。
何も心配する事は無い」
エントーは、女王の運命に翻弄されるマリアに、そう告げて去った。
「だから娘は、『シャクティ』と呼ばれていた時間の方が、遥かに長いのです。です
からわたくしは、娘を『アリシア』ではなく『シャクティ』と呼ぶ事にしました。エントー
への感謝の気持ちと、ニ度も否定した娘への謝罪の気持ちを込めて」
「その、『大きな魂を持った少年』というのは……」
「ええ。ウッソ・エヴィン、あの少年です」
カテジナは、魂に衝撃を受けた。マリアに何と答えて良いのか、分からなかった。
あの子が、まさか――。
「わたくしもあの少年と会って、エントーの言葉が理解出来ました。あの少年なら、
この時代が不幸になる事を止められる筈です。ウッソ少年なら、クロノクルには不
可能な事が出来る筈です」
マリアの言葉が、カテジナには承服出来ない。何故ウッソなのか。何故クロノク
ルでは無いのか。
「大尉では、クロノクル大尉では出来ないのですか! この時代の不幸を止める
事が!」
カテジナの視線が、マリアを刺す。マリアは目を閉じた。再び目を見開き、青い
瞳をカテジナに向けて、言う。
「クロノクルは、優しい男です。家庭という、人々の小さな希望を作るのであれば、
あれ程良い男は居りますまい。
しかし弟は、小さな魂しか持たぬ者。いくら頑張っても、いくら背伸びをしても、
ウッソ少年には及ばぬでしょう。未来という、人々の大きな希望を作る運命を背
負っているのですから、あの少年は」
カテジナは否定したい。自分に優しかった男が、小さな魂しか持たないと言わ
れる事が。それを言うのが、クロノクルの姉だという事が。
「大尉は……、大尉は毎日頑張っていらっしゃいます。モビルスーツの模擬戦も、
艦隊指揮のシミュレーションも、常に優秀な成績を収めています。
地球に降りました。シャクティを見付けました。盾にされたあなたを救いました。
それもこれも全て、姉であり女王であるマリア様の為にと、頑張っていらっしゃる
のです。そんな大尉の頑張りを、否定されるのですか、あなたは!」
クロノクルを、私の巣を否定する者は、誰であろうと許さない! 例え、女王マリ
アであろうとも、血のつながっていないクロノクルの姉であろうとも!
沈黙。マリアの声が、それを砕いた。
「……お気持ちは、良く分かります。
弟は軍の士官学校に入る時、姓をアシャーと変えました。スペースノイドの英雄、
シャア・アズナブルの様になる為に、彼の名を少し変えて姓にしたと、クロノクルは
申しておりました。あの子なりに、覚悟を決めたかったのでしょうね……。
しかし人には、出来る事と出来ない事が、あるのですよ」
「では、マリア様のお力で、何とかならないのですか! 大尉は!」
再びカテジナの視線が、マリアを刺した。再び沈黙の時が、流れる。再びマリア
が、それを砕いた。
「わたくしの力など、微々たる物です。実の娘を守る事さえ、出来なかったのです
から」
「嘘! では、午後の式典は何なのです! あなたの力は、嘘なのですか!」
先程と同じ沈黙が、流れた。先程と同じ様に、マリアが沈黙を砕いた。
「……はい。わたくしの力は、他の方の体と未来の事が、ほんの少し分かるだけ
です。その力も、もしかしたらアリシア、いえ、シャクティが授けてくれた物かも、
知れませんね……。
脚の萎えた者を立たせたり、目の見えぬ者に光を与えたりする事など、わたくし
には出来ないのです。儀式の時に病人が治るのは、全てカガチが仕組んだ芝居
なのですよ。多少は、わたくしも疲れはしますがね……」
そんな事って、そんな事って――。
「カテジナさん。……ザンスカールがどういう所か、分かったでしょう。今なら、まだ
間に合います。地球へ、ウッソ少年の所へ御戻りなさい」
「嫌、嫌よ……。あたしは、クロノクルの傍にいるのよ。だってクロノクルは、あたし
に優しかったんだもの。あたしの巣なんだもの……」
カテジナの視界が、涙で潤んだ。カテジナの声が、悲しみで染まった。カテジナ
の金髪が、テーブルに伏せた。カテジナの心が、引き裂かれて行く。
マリアはそれを、止める事が出来ない。しかし、声を掛けるしか無い。
「……分かりました。
カテジナさん。……クロノクルと、幸せになって下さい。わたくしは、祝福致しま
すわ。だって、どんなに悲しくても笑顔でいれば、いつか幸せになれますもの」
クロノクルの相手をした唯一人の売春婦マリア・カリンは、涙を流すカテジナに、
そう言って微笑むしか無かった。クロノクルの魂が、カテジナの目がどうなるのか
分かっていても、彼女にはそんな事しか出来なかった。
モビルスーツに乗ったカテジナは、唯一人、コロニー内での式典の警備を任さ
れた。他の近衛師団のパイロットは、連邦軍とリガ・ミリティアの襲撃に備え、コロ
ニーの外にモビルスーツを飛ばせている。
リグ・シャッコー。彼女が始めて出会ったモビルスーツ・シャッコーを元にしたマシ
ンが、今日のカテジナの乗機だ。シートに座っているカテジナは、開いたコクピット
ハッチから覗く人工の曇り空を見ていると、モビルスーツの操縦訓練をしていた日々
を、思い出した。
「綺麗ですね、マシン」
カテジナが地球で発したその言葉の後、クロノクルがモビルスーツの操縦法の
習得を、勧めてくれた。
「故郷を失った君の悲しみを、少しでも誤魔化す事が出来ればと、あの時は思った
んだ。今から考えれば、変な話だがな。君の故郷を焼き払ったのは、我が軍のモ
ビルスーツなのに」
二日前、ベッドの上に二人で座っている時、バスローブ姿のクロノクルはそう言っ
た。その言葉を聞いたカテジナは、嬉しかった。自分を気遣ってくれる、赤毛の青
年の優しさが。
パイロットスーツを着たカテジナの座るシートの脇に、本がある。あの後基地へ
向かう途中、書店で買ったグリム童話の本。その中にある『マリアの子』を、先程
読んだ。童話を読んでくれる人もいなかったカテジナは、『マリアの子』という話が
ある事を、知らなかったからだ。
嘘をつき続ける女が、その罰として、聖母マリアに子供を取り上げられる話だっ
た。女は嘘をつき続けた事を反省し、彼女を許した聖母マリアから子供を返されて、
物語は終わる。確かに幸せで終わるが、どこか悲しい話だった。
中央広場の方が、騒がしい。全天周囲モニターの一部を変え、式典のテレビ中
継を映した。展示してあったリガ・ミリティアの二機のモビルスーツが、その中で暴
れている。ウッソがやっているとしか、カテジナには思えなかった。
(あたしはクロノクルを、『マリアの子』になんかさせない。あたしとクロノクルの幸せ
を望んでくれるマリア女王を、不幸になんかさせない。
あたしの巣は、あたしが守る! ウッソ君、例え相手があなたでも!)
カテジナ・ルースはそう決意し、ハッチを閉めたリグ・シャッコーを、待機場所か
ら中央広場へ向けて飛ばせる。人工の曇り空へと飛び立つ時の衝撃で、クロノク
ル・アシャーを受け入れたカテジナの女の証が、未だに残る鈍い痛みで疼いた。
−完−
「痛い奴」と言われる事は分かっていますが、自分のSSについて、色々と語ら
せて下さい。
自作SS十本目記念という事で、Vガンダムで一番好きなキャラであるカテジナを、
書いてみました。元ネタは、Vガンダム二十六話『マリアとウッソ』。自分のカテジ
ナ像――泣く事と怒る事でしか感情が表現出来ない女性――が、モロに出てい
ます。
カテジナのSSというと、女王様物と監禁調教物ばかりが目立ちます。そうじゃな
い話を書こうと思っていたら、こういう話になりました。しかし自分のSSのカテジナっ
て、泣いてばっかり。
分かっているとは思いますが、それぞれのキャラの過去は、かなり捏造してい
ます。アニメ本編に、小説版Vガンや他の話を混ぜた上、妄想でかき回しました。
嘘八百を並べているので、変な誤解をされない様に。
なお、本SS中に出てきた『マリアの子』については、ここを参照して下さい。
ttp://densyo.hp.infoseek.co.jp/maria.htm 読んで下さって、ありがとうございました。
>>783 乙です。南極のやつも読みました。火曜日のupが待ち遠しい!!
けど…ここって500kb越えても平気なのかな?
次スレ立てないと不味いような気も。誰か次スレ立てない?
お前、色々なところで指摘されていた意見
読んだ?ロクに読んでないだろ?
自作SS十本目記念?
そんなもん自分でスレでも起こして書け。
ここはお前が言い訳しながらダラダラ
長ったらしいだけの顕示欲丸出しの
くだらん文章を書く場所じゃない。
ここはガンダムキャラに萌えるスレだろ?
お前さ自分の設定や文章に酔っているだけで
キャラ萌えなんか考えてないだろ。
人を引き込めるような文章もテクニックも
持っていない。他板のネタをネタ元にして
全然違うものに捏造したりひとりよがりな
設定ばかり作り出して使って楽しいか?
「エロパロ板」の「ガンダムキャラに萌えるスレ」
なんだからそれらしく見せる努力だけでもしろ。
>>830 貴方のSSはスレ違いな気配が...
シャア板で自分でスレッド立てるか?
自分でサイトをこしらえるか?した方がいいと思います。
こうやって既存のスレに趣旨違いのSSを投稿しても、余程面白いモノでも無い限りは
みんなに受け入れてもらえないんじゃないでしょうか?
内容に関して少し触れると
自分が面白いと考えた事が他人も同じように面白いと受け取れる
という事は有り得ないので、もう少し他人に対してのサービス心を入れないと
幾ら書いてる本人が面白がっていても読む人。他人には苦痛なだけなんじゃないかな?
という部分を考えた方がいいとは思いますが。
自分のはけ口や欲求解消に他の人を巻き込むのは止めましょう。
他の人は面白い文章を読みたいからスレに来てるんです。
読む人を想定してない自分さえ良ければ良いといスタンスでは迷惑です。
いまのまま続けるのならば、わざわざ他人の目につくようなやり方
スレに張っていくのは止めて下さい。
公開したかったらどこがで自分のサイトを立ちあげてそこでやって下さい。
それなら人目に触れないから文句はありません。
>>830 作品の内容以前に、もっと他人に配慮したウプの仕方をしてもらえないだろうか。
他の職人さんは1度のウプを10レス以内位にまとめていて、一人でスレを占領
しないように気配りをしている。反してあなたは前回が36で今回が45レス。
今回の大量ウプのせいで、スレがいきなり容量オーバーに近づいてしまった。
これではコピペ荒らしと変わらないよ。
他の職人さんと同じように何回かに分けてウプするなどの気配りが欲しい。
>>832-833 気持ちは判らないでもないが、そういうレスをつけると他の職人さんまでウプ
しにくくなってしまわないかな?
気に入らない作品の内容への批判レスを書くより、気に入っている作品への
誉めレスを書くことに力を入れたほうが、生産的な気がするんだが。
とはいえ、自分がやってない事を書いても説得力ないな……自治厨でスマソ
>832,833,834
ごめんなさい。
>>834 悪いね。
だがもうひとつだけ最後に言わせてくれ。
>>830 アリシアなんて人間はVガンの中には存在しない。
思い込みで勘違いしたままだったんだか
こんな致命的なミスに気付かずアップするとは
呆れるより他にない。
>>838 お前のレスの方が気分悪いんだけど。
自分は圧倒的に正しいと錯覚した厨ほど手に負えないもんはねーな。
>838
アリシアって、シャクティの本名でしょ。
小説版Vガンの。
シャクティの本名はアシリア。
色々と叩いて下さって、ありがとうございました。一つだけ、教えて下さい。
「萌える」って、何ですか? どういう感覚なのですか?
言葉は知っていますけど、概念というか、意味する物が分からないのです。それ
が分からないので、以前から悩んでいます。変な時間に目が覚めても、すぐにそ
んな疑問が浮かんで来ました。
どうすれば「萌える」が理解出来るのか、冗談抜きで分かりません。どなたか教
えて下さい。本当にお願いします。
>>843 アニメキャラやリアルで誰かを好きになることってないの?
Yahoo!検索で萌えとか概念という言葉ぶち込んで調べてみれば良いんじゃない?
調べたって理解できないかもしれないけど。
>844
こんな時間に付き合って下さって、済みません。
何度か調べましたし、今も調べましたが、何か違うとしか思えませんでした。好き
な人に対する感情を表現する言葉ではないとしか、思えませんでした。
シチュエーションがどうとか、コスチュームがどうとか、境遇がどうとか、体形が
どうとか、属性がどうとか……。そんな物は、単なる嗜好にしか思えません。心の
底から大好きなあの人に、そんな理由で恋をしている訳ではありませんから。
……ごめんなさい。「萌え」を理解している方に、失礼な事を言ってしまいました。
でもやはり、「萌え」という言葉を好きな人に対して使うのは、自分には不可能です。
>萌え
俺は「子猫を見て可愛いなあと感じる心」だと思っている。
エロマインドとは別だな。
>>845 なんでもいいけど次スレには来るなよ。
お前は荒しに等しいんだからさ
その辺、自嘲して欲しい。
お前独りが我慢して口を閉じていれば
それがみんなにとっての幸せになるんだよ。
頼むから分ってくれ。
>>843 >>845 突込みどころ満載のレスだな。
>「萌える」って、何ですか? どういう感覚なのですか?
それが判らない人間が「萌えるスレ」に作品をウプする時点で間違ってる。
もっと言うと、二次創作の世界に足を突っ込むのにも無理がある。
二次創作の世界は、多かれ少なかれ萌えを共有することで成り立って
いることが多いから。
>シチュエーションがどうとか、コスチュームがどうとか、境遇がどうとか、体形が
>どうとか、属性がどうとか……。
他人に萌えを説明する時に判りやすいからこういう分類をしているだけであって、
このシチュ・このコスならいつも萌えるということではない。
自分の萌えパターンの最大公約数を語っているだけ。
>「萌え」という言葉を好きな人に対して使うのは、自分には不可能です。
現実世界の恋愛と二次元キャラへの萌えをごちゃ混ぜにしてないか?
恋愛に萌えの要素が皆無ではないが、萌えはどちらかというと二次元世界や
二次創作世界で使われるものだろうに。
つかさ、もっと他の人の作品を読んでみ?
このスレだけでも評価の高い作品はいくつもあるだろ。
例えばS原氏、Fekia氏、610氏。
そういう作品とその作品についた読者の感想とをよく読んで、どういう
ものだと他人に受け入れられるのか、どういうところが好まれているのか、
他人を萌えさせているのか、研究してみればいい。
色々と済みません。お陰様で、これを書いたら自サイトを作ろうと思っていた大
掛かりな話に、取り掛かる踏ん切りが付きました。その話を書く練習にと、書けも
しないエロ話を書き散らして、ご迷惑をお掛けしました。大変申し訳ありません。
皆さん、ありがとうございました。
そろそろ容量いっぱいいっぱいかな?
あとちょっとだけある?
ここで書く話題でないかもしれんが「ガンダムで目指せ
自分至上最高SS」が落ちてしまったようだが誰も
立てないのかな。
>>849はコミュニケーションとろうという気はないんですかね。ひとつ上の
親切なレスすらもスルーなのかな?
◆HcwCZnpTzwは、人には問い掛けるくせに答えてやっても理解できないと
そのままにして突然自分語り始めるよね。そういうところ直せないかな?
>その話を書く練習にと、書けも しないエロ話を書き散らして、
「その話」が何をさすかわからないけ皆が作品を発表している場所で
練習作をアップしていちゃダメでしょう。つか練習だと自ら暴露する神経が
わからないね。
それから間違っても自分のサイト作った後あちこちにurl張らないでください。
自分語りレスもいらないし、次スレにも来ないでくださいね。
>>852 >それから間違っても自分のサイト作った後あちこちにurl張らないでください。
>自分語りレスもいらないし
何もそこまで排斥する理由も権利も無いよ。俺らには。
それ位のことを勝手気ままにやる分には個人の自由の範囲内だとは思うが
>次スレにも来ないでくださいね。
同意。この部分だけ守ってくれればこのスレ的には何も文句は無い。
次スレには◆HcwCZnpTzw出入り禁止。せっかくの場を荒らさない欲しい。
次スレに◆HcwCZnpTzwの居場所は無い。
その大層大事にしている大作を書くんなら他所でやってくれ。
>848
>もっと言うと、二次創作の世界に足を突っ込むのにも無理がある。
>二次創作の世界は、多かれ少なかれ萌えを共有することで成り立って
>いることが多いから。
萌えを共有する事は分かっていますが、書きたい事と、他人の視点を知りたい
事が、どうしても知りたかったので。済みません。実際叩かれたお陰で、色々と
分かった事も多かったですし。
>現実世界の恋愛と二次元キャラへの萌えをごちゃ混ぜにしてないか?
>恋愛に萌えの要素が皆無ではないが、萌えはどちらかというと二次元世界や
>二次創作世界で使われるものだろうに。
ごちゃ混ぜにしている気はありません。自分は、架空世界の人間に本気で恋を
しているだけです。「恋」と言うより「心の底から憧れている」と言った方が、正しい
のですが。
その人に、「萌え」という言葉を使えないと思えたのです。その人の為に死にた
いと思う位本気で好きな人に、「萌え」という言葉は使えませんよ、自分は。
>つかさ、もっと他の人の作品を読んでみ?
>このスレだけでも評価の高い作品はいくつもあるだろ。
他の方の作品や感想も、以前から色々読んでいます。エロシーンよりも、心理
描写を重視して読んでしまう自分は、他の方と嗜好が違うのでしょうね、色々と。
それでも諦めずに、色々と精進させて頂きます。こういう返事を期待されていない
事は分かっていますが、これしか出来ません。自分なりに、努力します。
あなたの書き込みを読んだ時、泣いていて上手く書けそうになかったので、感
謝の気持ちを述べる事が、遅れてしまいました。ごめんなさい。色々と気を遣って
下さって、本当に本当にありがとうございました。