朝起きたら、妹に その12

このエントリーをはてなブックマークに追加
1突発屋 ◆63./UvvAX.
「お帰りなさいませ、ご主人さ………・じゃなくて、お兄様。
ここが正真正銘、「朝妹」の新スレッドでございます。
私、案内を仰せつかりました佐々原里佳子でございます。
ここは妹好きの紳士淑女が集う社交の場。
どうぞ、わたくし達の活躍(?)を心行くまでお楽しみ下さいませ♪」

「うっわー、それリカちゃんのお店の制服なの?
メイド服っていうんだっけ、可愛いー!
私、ちょうどパート先探してたんだけど、その服着てみたくなっちゃった。
リカちゃん、フロアチーフの権限で私を雇ってくれないかな?」

「ま、真里亜ちゃん。ちょぉーっと一緒に来てくれない……!?
あ、少々失礼いたしますお兄様。
ごゆっくり、おくつろぎ下さいませ♪」

(バタン!)

『き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』





前スレ 「朝起きたら、妹に その11」
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1127477148/
2名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 05:37:52 ID:6obTmvgX0
          __| ̄ ̄ ̄|________
          |_____| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       /        \
     /           \
    /              \
  /                 \
  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  | __ ____      __     |           ,..-──- 、
  |/   /     / \_ __     .|         /. : : : : : : : : : \
  |   /   \/   ̄\_  / ―−.|        /.: : : : : : : : : : : : : : ヽ
  | /      \    ̄\  /      |       ,!:: : : :,-…-…-ミ:: : : : :',
  |     ∧∧∧∧∧∧∧∧∧   |       {: : : : i -' ゙ー  i:: :: : : :}
  |   <こりゃたまらんクマー!!!> |        {: : : : | ェェ  ェェ  |:: : : : :}
  |    VVVVVVVVVVVVVV  |       { : : : :|   ,.、   |:: : : :;!
  |     ∩___∩           |        ヾ: :: :i r‐-ニ-┐ | : : :ノ
  |     |  ノ     ヽ  っ    |         ゞイ! ヽ 二゙ノ イゞ‐'
  |    /  >   < |   っ    |           >` ー一'´<
  |    |    ( _●_)  ミ      |         .イ  ゝ ノ | ヽ
  |   彡、   |∪|  、`\      |
  |.  / __  ヽノ /´>  )     |
  |  (___)   / (_/       |      のさばるクマーをなんとする
  |                    |      天の裁きは待っておれぬ
  |: ━ メ 几   ムヒ  文l | ━ :|      この世の正義もあてにはならぬ
  |: ━ 木又  月ヒ  月リ ━ :|      闇に裁いて仕置きする
  |          ´`.``         |      南無阿弥陀仏
  |_____________|
3突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/13(月) 05:55:37 ID:ZeqX7NVJ0
お待たせいたしました、お兄様。
それでは、改めてご案内させていただきます。

全てのお兄様へのお願いです。
★荒らしや煽りをするような人には、関わらない下さいませ。
  お越し頂いた全てのお兄様に心地よい一時を。
★sage進行でお願いいたします。
  静かで落ち着いた癒しの空間をご提供させて頂く為に。
★480Kb位になったら、新スレを建てて下さいませ。
  私たちとの時間が、末永く続きますように。

SS職人のお兄様方へ。
★トリップを付けて頂けますと、大変に助かります。
 出来ましたら、お願い申し上げます。
★失礼ながら、書き込んで頂く前に一度推敲して下さい。
 それが私達への愛情とご理解頂ければ幸せです。
★新しい兄妹(姉妹)は、いつでも大歓迎です。
 どんどん参加してくださいませ。

応援してくださってるお兄様方へ
★職人様方や、私達へ応援など頂戴できれば、とても嬉しく存じます。
 より良い憩いの場を一緒に作って頂けませんか?
★ちょっとしたアイデア、御意見なども大募集しております。
 お兄様のアイデアで、私達に新しい仲間が加わるかも知れませんよ?
4名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 07:22:54 ID:JF9gELKOO
新スレ乙&保守&突発屋氏乙です!(*´д`)
5名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 09:47:54 ID:IwhxG+CvO
せっかくだから>>5
突発屋氏乙

2スレ連続一桁嬉しい

朝起きたら妹が煙草吸ってた
6名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 14:45:04 ID:2iAiuFNj0
>>1乙っす

朝起きたら妹がスネーク
7名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 15:24:22 ID:u8aH4E380
赤外線が見えるようになるのかw
8名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 16:04:48 ID:mYBjZm4Z0
姉妹レズスレの妹のことっしょ
9名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 17:24:56 ID:ZeqX7NVJ0
これだね。

やっぱり姉妹ときたらレズなんだって
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1129904048/
10名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 22:38:09 ID:Q293TpPF0
妹VSエロゲー

妹「お兄ちゃんまたエロゲーしてる。」
俺「うっうるさいなあ。俺が何してようが自由だろっ」
妹「そんなんじゃあ一生彼女できないよ。」
俺「俺は惨事元には興味ないんだよ。二次元一筋だからな。」
妹「ふーん・・。じゃあ私にも興味がないの?」
俺「おっお前!!」

妹「私・・ずっとお兄ちゃんの事・・・」
1時間後

妹「ねえ・・お兄ちゃん。やっぱり二次元より三次元のほうがいいでしょう。」
俺「そうだなあ。三次元だったらこうやって抱きしめることができるし
  キスしたり頭をなでてあげると喜んでくれるからなあ。」
妹「これからは私だけを愛してくれる?」
俺「ああ。俺はお前だけだよ。」
妹「じゃあ。お兄ちゃん、エロゲーはもう卒業だねっ。」
俺「えっっ」
妹「だって私だけを愛してくれるんでしょう?」

妹に強制的にエロゲーを卒業させられますたorz
11名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 22:38:59 ID:qIojqdWB0
>>10
良かったじゃん
おめでとう
12名無しさん@初回限定:2006/03/13(月) 23:35:29 ID:+zl1jPBT0
>>10
ええ話や……
13名無しさん@初回限定:2006/03/14(火) 01:26:21 ID:F6oaJVb+O
君が泣くまで殴るのをやめな(ry


朝起きたら妹がバーボンハウス開いてた
14Haru ◆cf6.GAJsFA :2006/03/14(火) 16:25:56 ID:erR30zw00
>>突発屋氏
スレ立て乙
>>10
リアルにしてもネタにしてもいい話だよ…。
15池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:08:50 ID:84Q+6bO/0
さて、覚えている人はもう居ない筈。
前回の投下から実に七ヶ月が経過。
前々スレ及び前々々スレで投下した、『朝起きたら、妹に男根が生えていた。』の続き。

・前回までのを読んでいない人はそれを読んでから。
 まとめサイト(突発屋氏に多謝)
 ttp://www.geocities.jp/asaimo0/
・前回までのを読んでいても多分覚えていないので、
 あらすじ:ふたなりっ娘でお兄ちゃんラヴな主人公ヒナが、
 どうしてもお兄ちゃんと仲直りができずにごたごたやっていたなか、
 ケンカしたまま学校にいってみたらお兄ちゃんが女と歩いている所を目撃してしまい、
 親友の詩織、あだ名は姫様に恋愛相談しに行ったところ、
 ふたなりであることを知られてしまい本能のままドロドロになって、
 その後家に帰ってみたところ、玄関に女ものの靴を発見、
 これはもしや朝の女のものでは?ってことで抜き足差し足突入してみると、
 そこに居たのは姫様でした、なストーリー。
・エロなし、ギャグなし、ストーリーあんまりなし、修羅場あり。
・今回は第五話の前半部分。よって中途半端。
・男、女、半、全てオールマイティに愛せる人のみお読みください。
16池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:10:02 ID:84Q+6bO/0
人間の三大欲求は、食欲、睡眠欲、そして最後の一つが、性欲だとか。
この三つが満たされて初めて、人は幸せを感じるだけの余裕ができるらしい。
性欲というのは、子孫を残したい欲求、快感を得たい欲求、
……そして、特定の異性と、より深く交わりたい、愛し、愛されたい欲求。
代わりのものを与えても、我慢しようと言い聞かせても、私の場合、最後の一つが強力で、
……私はどうにも、これから逃れられそうにない。



『諦めて』
目の前の彼女が言った言葉が、私の頭の中に響く。
最初は、何かの間違いだと思った。
でも、そう思いたくても、誤解だったと信じたくても、
前を見れば見るほど、考えれば考えるほど、どうしようもない現実を突きつけられる。
ドア越しに聞いた会話。詩織が兄に覆い被さるようになっている、この状況。
帰り道の詩織の言葉。そして、今の詩織の言葉。
全てが、この現実を示していた。
――なんで?
――今までのは何?
――裏切られた?
言いたい事は、次々に浮かんできた。
それでも、身体が動かなかった。

「ねぇ、ヒナさん、聞こえてる?」

手がカタカタと震える。
眼だけが彼女を見つめても、彼女を詩織として認識できない。

「言いたい事も言えない、その人に想いも伝えられない、
 ……そんな恋、諦めちゃった方がいいよね?」

言葉が、深く胸に突き刺さる。
17池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:10:37 ID:84Q+6bO/0
『諦めちゃった方が楽じゃない?』

           『無理? 諦めるのも』

    『諦めて』

                『そんな恋、諦めちゃった方が』

もう、今日だけで何度も聞いた言葉。
その言葉を聞くたびに、私は何度も、叫びたくなった。


「……諦められる、わけ……」
口から、言葉が漏れる。
「ん? 何?」

震える指を、ぐっ、と握り締めた。

「――諦められるわけ、ないでしょ!?」

気が付いたら叫んでいた、そんな表現が、ピッタリだった。

「そりゃ、諦められるんならそうした方が楽だよ!
 ずっと想ってるのが苦しい事ぐらい、私が一番良く分かってるよ!」

決壊した水のように、思いが溢れ出す。

「諦めろって?
 そんなこと、苦労したこともないから言えるんだよ!
 好きな人に想いが届かない苦しみ、味わった事も無いくせに!」

自分のことを諌めることも、相手のことを気遣う事も、何も、考えられない。
18池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:12:19 ID:84Q+6bO/0
私の言葉に、ほんの少し、僅かに顔をしかめる詩織。
やがて、小さく首を振って息を吐くと、兄の横に立ち上がった。

「……それ、だけ?」
相変わらずの、ゆったりとした声。
だが、以前のような、それを聞いているだけで安心できるような温かさは、そこにはなかった。
「言いたい事は、それでお終い?
 叫ぶだけ叫んで満足したなら、……さっさと、諦めて」

私は眼をキッと見開いて、叫ぶ。
「――どうしてそういうことが言えるの!?
 私だって諦めたいよ!
 こんな、どう考えても実るわけの無い恋なんて……!
 でも、……無理なんだよ!
 諦めよう、って、もっとちゃんとした恋をしよう、って、何度も言い聞かせて……!」

憎しみでもない、怒りでもない、ただ溢れ出す思いに身を任せて、叫ぶ。
今は、他の何にも、気を払う事が出来ない。
自分の双眸から、涙が溢れている事にさえ。

「……それでも、無理なんだよ……!
 抑えつけても、身体が求めちゃうんだよ……!
 ……姫様なら、分かってるでしょ!?」

止まらない。

「諦められるわけ無い……諦められるわけが無いよ……!
 私は、こんなに――」

……止まらない。

「私はこんなに、お兄ちゃんのことが好きなのに――!」
19池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:16:08 ID:84Q+6bO/0
/視界が滲んで、二人の顔が見えない。
夕緋に染まった部屋の中で、ぼやけた兄のシルエットだけが私の声を聞いて顔をあげ、
言葉にならない短い声を漏らしたのが聞こえた。

誰も言葉を発しない、十数秒。
私は、もう、何を言えばいいのか分からなくて、
ただ、涙を啜りあげていた。
兄への想いは、私にはこれ以上言えそうにない。
あれだけ速かった心臓の鼓動は、静まりを見せてきていた。


「……姫様……」
やがて兄も詩織も何も言わないうちに、私は口を開いた。
「ねぇ、どうして……?」
最後に、これだけは聞いておきたかったこと。
私は、涙声を喉の奥から絞り出す。
「どうして私のものを取っちゃうの……!?」

今まであれほど私によくしてくれた詩織が、今日になって突然私を裏切るようなことをしたのが、
私にはどうしても受け入れられなかった。

詩織は軽く息だけで笑うと、事も無げに答える。
「欲しいものは何でもワガママに手に入れる……だから、『姫様』なんでしょう?」
「え……」
意外な言葉に、一瞬言葉を失う。
私の真剣な質問に対し、この回答は突然過ぎた。
戸惑う私を他所に、詩織は続ける。
「それに……何を勘違いしているのか知らないけど」
それは、一転して、冷たい響きのある声だった。
「ねぇ、ヒナさん」

「――いつからお兄さんは貴方のものになったのかしら?」
20池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:16:55 ID:84Q+6bO/0
「え……」
私は返答に詰まる。
「その人のことが好きだったら、それはもう自分のものなの?」
殆ど間を空けずに、詩織は続きを言う。
「同じ人を、貴方じゃない他の誰かも好きだったとしたら、その人の恋愛する権利は剥奪されるのかしら?
 貴方の好きな人が、今他の誰かに恋をしてるとしたら、その人の恋も貴方は奪うのかしら?」
「そんな……」
そんなつもりで言ったんじゃない、と言おうとしても、何故か口が動かなかった。
……いつもどこか穏やかな雰囲気を漂わせている詩織の口から、
こんなに強い言葉を聞くのは、初めてだった。
「貴方以外の人も、貴方と同じように恋をしているし、
 その恋が叶わなくて、貴方と同じようにみんな苦しんでいる。
 ……自分が好きになったからといって、その人が必ず手に入るなんて、思わないで」
淡々と紡がれるその言葉は、その語調とは裏腹に、明らかに何らかの感情を帯びていた。
それは私に対する怒りなのか、哀れみなのか。
「自分が誰についていくのかなんて、……決められるのは自分だけでしょう?」
詩織は最後にそう言うと、疲れたように深々と溜め息をついた。


「――だったら、」
自分が誰についていくのか、それを決められるのが自分だけなら。
詩織の態度に圧されながらも、それでも私は、ここで引くことが出来なかった。

……でも、果たして本当にこれを言ってもいいのだろうか?

「――だったら、引っ込んでてよ……!」
涙を抑えて、感情のままに発した言葉。
詩織は、私の言葉を認識出来なかったのか、顔を上げて聞き返す。
「え……?」

「邪魔しないでよ……さっきからずっと……!
 これはお兄ちゃんと私だけの問題なんでしょ……!? 詩織は関係無いんでしょ!?」
21池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:19:30 ID:84Q+6bO/0
「関係……無い……ね……」
気分を害されたのか、ゆっくりと呟く詩織。
「どうして詩織がお兄ちゃんの事を決めるの……!?
 私が、今、あんなに頑張って、好きだって言ったのに、
 なんで詩織が、色々ケチつけて……」
負の感情が、止まらない。
今まで騙されていた悲しみ、
そして、今もなお自分の道を塞ぐ相手への敵意が、溢れ出してくる。
「私はお兄ちゃんに言ってるのに、
 私は、お兄ちゃんが……――ねぇっ、退いてよ!」
私と兄の間に立ち塞がるように立っている詩織に、私はヒステリックな言葉をぶつける。
「ヒナさん、少し落ち着きなさい……」
詩織は私をなだめようとするが、無駄と悟ったのか溜息と共に横に退いた。
開いた空間に、最初から殆ど動いていない兄の姿が現れる。
椅子に座った兄は私の顔を見上げると、やがてゆっくりと立ち上がった。
その顔は、少し困ったような、決まりの悪そうな表情をしていた。
きっと、私達のやり取りで困惑していたに違いない。
この二人がいつから付き合っていたのかは分からない。
もしかしたら、何年も前からずっと付き合っていたのかも知れない。
そこに私が入り込んでしまっては、私のほうが礼儀知らずだというのだろう。
……でも、私は、兄が好きだ。
礼儀なんて、知るものか。

「お兄ちゃん……聞いてた、でしょ……?」
私は呼吸を整えて、兄に話しかける。
「私、ね……」
逃げ出したくなりそうなのを抑え、正面から兄の顔を見据えて。
緊張で震える指を握り締めて。
ただ一つだけの、この想いを。


「私、お兄ちゃんの事が、好きだから……!」
22池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:22:44 ID:84Q+6bO/0
言ってしまった。
兄に、直接、私の口から。

震える息。
兄の隣で、いやに落ち着いた表情で佇む詩織。
それでも動かない、兄。

「信じられないかも知れないけど、本当に、私……
 お兄ちゃんにとっては、迷惑なだけかも知れないけど……
 兄弟同士で気持ち悪いとか、頭おかしいとか、思うかも知れないけど……
 ……それでも、信じて! これが、私の気持ちだから……!」

兄は眼を伏せぎみにして、まだ、何も言わないでいる。
一体兄は私のことをどう思っているのだろう。
私はもう、想いを伝えたはずだ。あとは、返事を待つだけなのに。

長い長い沈黙の後、兄が、顔を上げた。
こちらに向けて何か言おうとして、途中で、詩織の方を躊躇いがちに振り向く。
詩織は兄の視線を受けて、目を閉じて、静かに頷く。
兄は一瞬驚いたような顔をして、それから申し訳なさそうに笑い、やがて詩織に背を向けた。
何度も目を脇に逸らしながら、一度大きく息を吸い終えると、兄は終に私を見る。
「俺は……」
とても、とても永い一瞬。そして、次の一瞬には、

「いや、俺も……!」


信じられない、事が起きた。

「俺も、ヒナ、お前が好きだった……!
 実の妹なのに、ずっと前から……、
 ……妹としてじゃなくて、本気で好きだった……!」
23池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:23:38 ID:84Q+6bO/0
始め、耳を疑った。
有り得ない。きっと聞き間違いだ。
そう思って、何度声を頭の中で繰り返しても、結果は同じだった。
……兄が、私のことを、好きだ、と、言っている。
「え……」
聞き間違いではない。
でも、その言葉の内容が信じられない。有り得ない。
そして、それがもし真実だとするならば――

兄は私のほうに一歩近づくと、更に続けた。
「でも、まさか……好きだって口に出す事だって、一生無いと思ってたのに……。
 それが、こんな……」
中途半端に笑ったような、そんな表情で口を動かす。
何を言えば良いのか困っている様子が、今の私にでも見て取れた。
兄は、はっと思い出したように顔をあげ、私の顔を見て言う。
「お前のさっきのは……、――つまり、好きだって言うのは、……信じて良いんだよな?」

――ああ、
私はほんの少しだけ、心が休まるのを感じた。
そして、自然と口の端に笑いがこぼれる。
――信じられないのは、お兄ちゃんも同じなのか……

私は、柔らかな笑顔を兄に見せて、一歩、前に足を出した。
心は落ち着きを取り戻しつつある。
あとは、いつものように言ってやればいいんだ。

「私の話、……聞いてなかったの?」
気怠そうな、溜息と共に。


「……『信じて』、って」
24池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:26:41 ID:84Q+6bO/0
表面とは裏腹に緊張で固くなった両肩を、がしっ、と強く引き寄せられて、
私は、半分倒れこむように。

「ぅわ――!」
すぐ目の前の、兄の胸の中に、飛び込み――そうになって、
あと30センチのところで、がくんと止まる。

私は驚いて顔を上げ、頭一つ分上方にある兄の顔を見上げる。
兄の顔は、呆れるほど、――正直私も人のことは言えないのだろうが、呆れるほど嬉しそうで、
感動が行き過ぎて涙ぐんでしまった目で、私の顔を覗き込んでいた。
そして、ふと、
「あ、……わっ、悪い!」
私の身体を掴んだ両手を、弾けるように離した。
悪いというのは、突然引き寄せたことに対してか、
それとも、途中で止めてしまったことに対してか。
なんてくだらないことを考えていると、――
「――あっ」
支えを失った私の身体は当然のごとく、そして今度こそ、兄の胸に飛び込んでしまうことになった。
「あ」
二人そろって、間の抜けた声を上げてしまった。
そして3秒後には、私の熱かった顔がさらに熱くなる。
両手のひらと、胸が、兄の身体に押し付けられている。
とても、……暖かい。
こんな大胆な真似、私の意志ではとても出来る筈もなかったろうに。
恥ずかしいのと、嬉しいのと、もっと、こうしていたいのと。
……もう、構うものか。
私は覚悟を決めたように目を閉じると、
兄の身体から離れようともせずに、そのまま身を預けてしまった。
力を抜いて頬を胸に当てる。と、物凄い速さで脈打っている、兄の鼓動が聞こえた。
肩に一瞬手が添えられた。と思うと、それは直ぐに、躊躇いがちに背中に回される。
……嬉しい。嬉しい。嬉しい。
私は、心がとろけそうな程の嬉しさの中で、そっと目を開いて、
25池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:28:11 ID:84Q+6bO/0


「私、は、」


一瞬、

「帰、るね?」

心臓が掴まれたような気がした。

視界の中心に映るのは、長い黒髪が特徴的な、少女。

私が目をやった瞬間に、
ぱっと顔を逸らして私の背後へ歩き出し、
そのまま私に表情を見せることなく、私の視界の外へと消える。
――自分の心臓の早鳴りが聞こえる。
数秒後、背後で、カチャリ、とドアの柄を回す音が聞こえた。


ドアの閉まる音は、聞こえない。足音も無い。
詩織は、まだそこにいる。

「……ねぇ、ヒナさん?」

背後から響く、やけに落ち着いた、彼女の声。
私はどうすることもできないで、ただ、それを聞いている。
「最後に、いい?」
息を深く吸い込む音。
詩織は、私に告げる。

「……キスして」
26池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:29:54 ID:84Q+6bO/0
突然の要求に、兄に預けたままの身体が固くなる。
詩織の声は、更に続ける。

「せっかく両想いになれたんだから、二人で、そのまま」

何を言っているんだ、彼女は?
詩織は、兄のことが好きだったのでは無かったのか?
なのに、なんで私と兄がキスをするところを見たがるのだろう?

「私は、このまま帰るから」

そういえば、兄からは詩織の姿が見えているはずだ。
私は兄の顔を見ようと、ほんの少し身体を離し顔を上げる。
その直後、兄が、口を開いた。
「多分、言われなくても、キスぐらいはするよ」
当たり前のことを確認するような、明るい調子の言葉だった。
兄はそのまま私の顔を一度覗いて、両手で私の肩を掴み直す。

「……そうですか」
しばらくの間があって、詩織が言った。

それから更に数秒の後、
「それでは、失礼します。
 ……お茶菓子、ごちそうさまでした」
付け足すように詩織が言って、
「いや、……こちらこそ」
どこか済まなさそうな兄の声を最後に、会話は終わった。

背後から聞こえる、廊下の扉を閉める音。
詩織らしい、小さな足音。
それから最後に、玄関の扉が開いて、
音を立てずに、閉められた。
27池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:32:06 ID:84Q+6bO/0
詩織が家を出て行った後も、私はしばらくの間、動くことが出来なかった。
詩織の最後の行動は、謎が多すぎる。
結局私は、何も言えなかった。彼女がどういった反応を期待しているのかさえ、分からなかった。
兄は、……詩織とずっと一緒に居た兄は、何か知っていたのだろうか。
ふと顔を上げて兄の顔を見ると、
「あ――」
私は、自分と兄との位置関係を、すっかり忘れてしまっていた。
兄がいたのは、息がかかりそうなほど近く。
両肩を手で支えられ、お互いに、至近距離で見つめ合っている状態。
一瞬、息が止まる。
聞こうと思っていたことも忘れて兄の顔を見つめていると、
兄は照れたように笑い少し目を逸らして、言う。
「キス、……するか?」

――ああ、もう、この人は……

……私が真剣に考えているときに、なんて脳天気な。
私は自分の思考と兄の思考とが相変わらずズレにズレているのを実感して、
心の中で、やれやれと首を横に振る。
もう、いい。そんなことは分かりきっていたはずだ。
それに今は、詩織の事を考えようとしても、
……どうしても、目の前の兄のほうに気が行ってしまうのも事実だ。
私は息を一度大きく吐くと、兄に向かって、囁いた。
「……うん」

頬に、兄の手のひらが触れる。
それに驚いて、私は一瞬身体を強張らせるが、
すぐに唇を兄のほうへ向けて。

ほんの少し、背伸びをして。

眼を、閉じて。
28池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:33:24 ID:84Q+6bO/0
――あれ?

一瞬だけ唇に何かが触れた。
かと思うと、それは直ぐに離れていってしまう。
怪訝に思って眼を開くと、
「――あー、いや、その」
真っ赤になった顔を物凄い勢いで逸らせ、早口で何か口走っている兄。
「やっ、やっぱり、な? 恥ずかしいだろ?」
「え」
――私のファーストキス、これだけ?
記録、0.2秒間。
感動する暇も無い。
……さっきとは違う理由で、私は気が付いたら叫んでいた。

「――小学生か、アンタは!?」

「いや、な」
「普通! もっとゆっくりと、こう……、ああ、情緒も何も無い!」
「いや、だって、さ」
「そりゃ、舌を入れるとかは、まだ、その――せめて、五秒! 五秒くらいは!」
「いや、その」
「まったく、なんでこう……! キスぐらい、初めてじゃないでしょう!?」
「いや、初めてで」
「あれ? そう? ――とにかく! 私は初めてだったの! それがこんな、何考えてるの!?」
「いや、悪かった、って」
「やり直しなさい! もう一回!」
指を一本兄の胸に突きつけて、キスを迫る私。
あとで思い出したら、きっと、首を吊って死にたくなるだろう。
それなのに、兄は相変わらずのらくらと受け答えて、
「いや、……やっぱり、そんないきなり……なぁ?」
そして相変わらず、人の気持ちを全く理解しない台詞を吐いてみせた。
「そんなにしたければ、……んー、お前からしてくれよ」
29池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:35:33 ID:84Q+6bO/0
「なッ――!」
一撃で乙女心を粉砕するような兄の言葉に、私は思わず絶句した。
……まあ、乙女、とは呼べないのかも知れないが。
とにかく、兄の発言は馬鹿げている。
こういうのは男の人がリードしてくれるものではないのか?
恥ずかしくて出来ないからって私にさせるなんて、きっと何か間違ってる。
だが、……だからといって、このままで終わらせてしまうのも、私は嫌だった。

私は数秒間固まった後、覚悟を決めて言ってやった。
「……じゃあ、分かったから、……少し屈んでよ」
「なんで?」
私が緊張しているというのに、兄は本当に分からなさそうな様子で、気軽に質問してくれる。
即反応してくれるのはいいのだが、少しは自分で考えてほしかった。
「――届かないからに決まってるでしょ!?
 私からキスしろって言ったの自分じゃない!」
背の高い兄に突っ込みを入れるのに、首を上に向けて叫ぶ私。
私と兄の身長差は、頭一つ分どころではないというのに。
兄は数秒考えてようやく理解したようで、黙って腰を軽く屈め、
私の少し上くらいの目線に合わせてきた。
急に正面に来た兄の顔に、私は慌てて眼を逸らす。
兄の視線をより近くに感じ、心拍数が上がっていく。
「めっ、眼、閉じて」
そう言って、兄が眼を閉じたのを視界の端で確認すると、
私はようやく兄の顔を正面に捉える。

呼吸が震える。
相手に見られていないと分かっていても恥ずかしい。かつて無いほどに。
唇を少し兄に近づけようとするが、どうしてもそこから先に進めない。
一度眼を閉じて、吐息が兄にかからないように深呼吸をする。
……もういい。
もう既に一回はしてしまったんだ。いまさら何度しようと、変わらないはずだ。
私はもう何度目かの覚悟を決めて、眼を開いた。
30池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:38:49 ID:84Q+6bO/0
……そうだ、もう、してしまおう。
あと一回深呼吸したら、しよう。

……ちょっとだけ、眼を閉じて気分を落ち着かせよう。
そう、キスぐらい、たいした事じゃない。
一瞬だ、――ああ、いや、一瞬じゃ駄目なんだった。でも、ほんの数秒のことだ。
そんな事も出来ないなんて、お兄ちゃんは、まったく……

また、眼を開く。
兄の顔が至近距離に映って、反射的に眼を逸らして、
慌てて視線を戻したり、辺りに迷わせたりして、
そして私は弾けるように、

「――っ出来るわけないでしょ!?」

……叫んだ。
「うわっ」
私の声に驚いたように眼を見開く兄。
「なんでこんな、私が……!」
今まで我慢して兄に向けていた顔を横に向けて不平を吐く。
頬が物凄く熱い。自分自身の行動に矛盾を感じている余裕はない。
「……」
兄は私の顔をしばらく見つめると、疲れたように小さく溜息を吐く。
私は半ばやけになって、
「大体お兄ちゃんは、――」
言おうとして、途中で言葉が途切れた。
うまく言い表せる言葉が無い訳でも、言いたかった言葉が無い、という訳でもなく、
ただ単純に、
「――え」

「……今は、代わりにこれでいいか?」
――兄が、私を抱き寄せていたからだ。
31池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/15(水) 21:42:08 ID:84Q+6bO/0
ここまで。
他スレでメイドもの書いてたら、こっちの構想忘れかけてて焦った。

物凄い期間が空いてるけど、もはや自己満足で連載を続けさせてもらう。

次回はエロあり。というかそれオンリー。でも多分エロくは無い。
比較的近いうちに投下予定。
32名無しさん@初回限定:2006/03/16(木) 00:42:21 ID:UWhqKntx0
>>池魚氏
お久しぶりです。もう読めないのかと思っていたので嬉しいです。
GJ!!!
33名無しさん@初回限定:2006/03/16(木) 02:23:35 ID:mW1aCYDeO
池魚氏おかえりなさい
寝る前に良いものみたわ〜


朝起きたら妹がホワイトデーのプレゼント要求してきた
34突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/16(木) 05:26:53 ID:l6TWFZSH0
前スレ>>858の続きです。
そろそろ里佳子編もアップすべきか……?
35突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/16(木) 05:28:15 ID:l6TWFZSH0
準備は出来ていた、というより子宮の疼きと下腹部内の熱さを抑え何知ら
ぬ振りをするのが真里亜の精一杯だった。今朝、初めて浩介の部屋に訪れ
て居間に通され最初に感じ取ったの性行の残り香。浩介と里佳子のフェロ
モンが混じり合った強烈な淫匂に触発された真里亜の肉体は本人の表層意
識を無視して全身に臨戦態勢のコマンドを発令し、数年ぶりに愛の営みを
与えて貰えるのだと勝手に判断した性感帯が次々と皮膚の下で再起動を開
始する感触はむず痒さとか熱さとかを通り越して恐怖に近かった。
「ねぇ? 浩介ちゃぁん?」
とりあえず双方自重との提案に賛成したのも、早々に寝床に入ったのも里
佳子を帰して浩介と出来るだけ早く二人っきりになりたかったから。借り
たベッドの中で狸寝入りをしている間も浩介の帰宅を待ちわびながら料理
をしている間も、頭の中は絶えて久しい快感への期待感でトロトロに溶け
てしまいそうになっていたのだ。
「あー………………わかったわかった、降参!」
そんな従姉妹の今の興奮の程は浩介にも伝わっている。首に絡み付いた腕
も乳房も湯気が立ちそうな位に火照っていて、張りを増した膨らみの頂点
では授乳のために存在する筈の突起が固形物の様に堅くしこり、真里亜が
駄々っ子みたいに体を揺らす度に背中の上で転がっている。
「うふふっ。やっぱり浩介ちゃん、優しいね?」
「そ、そんま見え透いた手には乗らないぞ。一回だけだからな?」
「…………………いっかいだけ?」
「そう一回だけ。でないと………」
「わわ、わかったよ! 一回だけで我慢するからっ!!」
実を言うと、車内で二回も義妹に飲ませたために残りの弾数が皆無に近い
のだ。朝も一回、飲ませてるし………
36突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/16(木) 05:30:32 ID:l6TWFZSH0
「それじゃあ……」
「うん!」
振り返ると、そこには熱に浮かされたようにトロンとした目を細め、恥じ
らいをも残した大人の女の笑みを浮かべる従姉妹の顔。これは前戯とかで
焦らすと問答無用で押し倒されそうだと本能的に感じた浩介は、軽いフレ
ンチキスを数回だけを与えてから舌先同士を愛撫しあう程度の浅めのディ
ープキスに切り替え真里亜を促すように立ち上がった。
「ここでするけど、良いな?」
「う、うん……」
同い年の二人なので身長差も殆ど無い。頬を寄せ合うように抱き寄せた耳
元に吐息と一緒に囁く浩介。一方の真里亜の中も既に熱い密で満たされて
おり、正直これ以上待てそうにない。
「じゃあ向こうを向いて、バスタブに手をついて……」
「って浩介ちゃん、もしかして………後ろから……?」
「タイルの上でやったら痛いだろ? それに滑って壁で頭でも打ったら台
無しになるしな?」
「そ、そうだけど、でも………」
「大丈夫だよ。逃げたりしないし、ちゃんと支えてやるから。」
「う、うん………」
経験が無いわけではないが、待ち焦がれ夢にまで見た愛の営みの割りには
ムードが足りない体位である。やっと会えたんだし最初くらいは……と喉
からでかかった不平不満を飲み込み、真里亜は浩介に言われた通り浴槽に
手を置いた四つん這いになり、これで愛して貰えるからと自分に言い聞か
せながら申し訳程度に足を開いた。
「もうちょっとだけ、腰を上に出来るかな?」
「……………ちょっとだけ、だよ?」
クイ、と膝を伸ばしてお尻を持ち上げる真里亜。まさしく白桃の様なヒッ
プが自分から差し出すように持ち上げられたのを確かめた浩介は、露わに
なった秘唇の合わせ部分に視線を注ぎながら腰を下ろし、そっと手を伸ば
した。
37突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/16(木) 05:31:53 ID:l6TWFZSH0
「ひっ!?」
指先で割れ目を撫で上げられ、裏返った嬌声を上げてしまう真里亜。思わ
ず体も跳ね上がってしまった。
「なんだ、もうグチョグチョになってるじゃねーか。相変わらず節操のな
い奴だなぁ。」
「そ、そんな私にしちゃったのは浩介ちゃんでしょ!? ああん、もう意
地悪しないでよぉ!」
既に発散済みの浩介と違って半日近くも我慢していた真里亜の中は性欲で
いっぱいになっている。体の一番奥まで串刺しにされ掻き回される快感を
記憶の底から引っ張り出し反芻する密壺からの催促の声も大きくなってゆ
く一方だ。
「意地悪? 俺は、お前の体を気遣ってるだけなんだけどなぁ?」
「ああ〜ん、浩介ちゃんズルいぃ!」もう限界である。おかしくなりそう
な位に欲しい。それこそ、自分が腰を揺らしてお強請りしている事にすら
気付かない程「本当に切ないの。浩介ちゃんと一つになりたいの。だから
お願い、早く頂戴……………ひぁぁぁぁぁぁんっ!!」
「うわっ!」
軽く突き入れた、と思った瞬間に強烈な締め付けに食いちぎられそうにな
ってしまう浩介。どうやら一番太い亀頭が入り口を強引に押し広げる感触
だけで真里亜が軽い絶頂に達してしまったらしい。侵入した先端部を内壁
がキュウキュウと締め上げ何もかも搾り取ろうと律動しているのがハッキ
リとわかる。
「………真里亜?」
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
膝から崩れそうになる体を支え、恐る恐る声をかけてみるが。
38突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/16(木) 05:33:36 ID:l6TWFZSH0
「はぁ……はぁ……こ、浩介ちゃん……い、いまの……」
「わ、悪い! この方が感じるかと思って試したんだけど、ちょっと刺激
が強すぎたか?」
「気持ち、良かったけど……少し痛……かったよぉ。私、浩介ちゃんと離
ればなれになってから……一度も……その……男の人の……入れたことな
かったのに………痛くて裂けちゃうかって………」
どうやら数年間の清純な生活のお陰で筋肉の一部が少しばかり硬化してし
まっていたらしい。幸いなことに裂けたりすることは無かったし、興奮と
愛情で痛感も含め浩介が与える全ての刺激を快感に変換していたので達す
ることも出来たが。
「ほんとに悪かった! お前が喘ぐ声聞いてたら、なんか昔のままみたい
な気がして……つい……」
「そ、そう……?」バスタブの縁に上半身を預けて息も絶え絶えな真里亜
だが、浩介の方へと振り返った顔には(弱々しいながらも)嬉しそうな笑
みが浮かんでいた「浩介ちゃんも、相変わらずいじめっ子だよね? でも
もう、オイタは駄目だぞ?」
「お、おい! それって……」
「まだ少しヒリヒリするから、最初は優しくしてね。ね?」
「………真里亜?」
「えへへ……」ようやく落ち着きを取り戻してきた括約筋は真里亜の笑み
と同様に柔らかく浩介を包んで優しく誘う「なぁに?」
「お前……………………単に一回イッた程度じゃ全然満足できてないだけ
だろ、実を言うと?」
「あ………………………」と微妙に引きつる口元。
「いま、目を反らしたよな?」
「え、えっとね……………?」そして泳ぐ視線。
「しかも、必死になって言い訳を探してるだろ?」
「そ、それは…………んぁっ!?」
39突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/16(木) 05:35:07 ID:l6TWFZSH0
そのままの深さで数回、軽く動いただけでたちまち新たな愛液が湧き出て
先端部を熱く包み込む。本人がどう弁解しようが、満たされていない体が
快楽に飢え二戦目を欲してるのは明らかだ。
「素直に『お願い』出来たら、一番奥を掻いてやるぞ?」
「あ、あ……」
「生殺しだと余計に疼くよな? 指じゃ届かない所がジンジンして我慢で
きないんだろ?」
言葉にされると否応なしに意識してしまい、下半身からの訴えが一層強ま
ったような気さえしてしまう。こうやって欲情をそそり、自分の忍耐とプ
ライドを削り取って隷属的なセックスを承諾させるのが浩介の作戦だと頭
では理解していてもはね除けることが出来なくなってくる真里亜。ウエス
トを支える大きな両手でガッチリと固定された状態では自分から貪ること
も出来ないし、入り口の辺りを軽く擦られる度に子宮が切なげに泣く声が
理性も溶かしてしまいそうだ。もしかしたら、最初から計算ずくで体位を
選んだのでは?
「ほら、昔はちゃんと出来たよな? 『お願い』?」
「うぅ、浩介ちゃんのいじめっ子ぉ………」
言葉とは裏腹に、きゅきゅきゅぅと浩介を締め上げ求める体。里佳子と違
いセックスの味自体を熟知し、しかも長い間満たされることの無かった真
里亜が目の前に御馳走をぶら下げられ焦らされた挙げ句に恥も外聞もかな
ぐり捨てて飛びついたとしても、仕方ないと言える。
「こ、浩介ちゃん……」羞恥の余り顔を背けた真里亜の口から熱い吐息と
一緒に言葉が紡ぎ出される「……私、もう我慢できないよぉ。お願いだか
ら、ここ、浩介ちゃんので……一番奥まで掻き回してぇ………!」
次の瞬間、断末魔の悲鳴と見紛う程の嬌声が放たれバスルームの中全てを
震わせ響いた。
40突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/16(木) 05:43:07 ID:l6TWFZSH0
実を言うと日曜日に書き上げはいたのですが、なんせ妹である里佳子が
全く登場しない話なので新スレ第一弾としては不適切だと判断して他の
方の投稿を待っておりました。
その意味でも池魚氏には大感謝ですw

>>池魚氏
ご無沙汰しております。
いよいよ「転」部分に入ってきたご様子で、楽しく(?)拝見させて頂きました。

ただ、姫ちゃんが少し物わかり良すぎた風味なのが少し残念です。
もっとも、ちゃんとした考えがあっての行動でしょうが・・・

それと、まとめサイトに関してはお気遣い無用です。
実質、何もしていませんしw
41Haru ◆cf6.GAJsFA :2006/03/16(木) 06:48:29 ID:saevCPBa0
>>池魚氏
お帰りなさい。そしてGJです。
>>突発屋氏
いつもご苦労様です。そしてGJです。
気遣いありがとうございます。

さて、埋め作業かねて投下しているうちに、11スレ目が500K以上となり
投下不可能と感じたのでこちらに移行してきました。
万が一公開プロクシその他で投下できないときは、
私設まとめを立ててそちらへ持っていこうと思います。
ちなみに、文字化けしてしまいましたけど、1/3のサブタイトルは葛藤です。
そして、予定では2-2からHシーン本番と言いましたが…どうなるか分からなくなってしまいました。
次は2話目の第1部第2章です。2-1-2/3と表記しています。
422-1-2 友人の言葉その1/3 ◆cf6.GAJsFA :2006/03/16(木) 07:03:33 ID:saevCPBa0
最初のうちは、新しく入った仕事とかで疲れたのか、電話はなかった。そのかわり、自動送信にしたらしいメールでお詫びを入れてくれた。
10日目からは、毎日のように電話をした。それでも耐えられなくなったときは、久しぶりにジムに通ってみたり、
義兄の笑顔を思い出したり、友達からのメールを読み返した。趣味の書き物で昇華したり、ホームページの更新もした。
「そういや、兄さんに読まれとったんやな…ウチの百合小説。」
ホームページを更新している時ふと思い出して紅くなった。
「…実体験とちゃうのに。全く、初心な中学生みたいや。」
と、我ながら可笑しかった。
432-1-2/3& ◆PvA0i8gn9o :2006/03/16(木) 07:08:21 ID:saevCPBa0
義兄さんがいない日々に、少しだけ慣れてきた15日目。
今日は喫茶に集まっての月2回の会合だと思い出した。
主婦としての仕事の傍らで担っている、ホームビジネス。
大学時代の友達が合同で起こした会社の経理。外注でしているのだ。
16日前にクリーニングで綺麗にして以来
全く着ていなかったスーツのような服を着て、街へと駆けた。

そして会合の後、近況を話し合うことになって別の喫茶へ。
「うちらみたいなことになって、後悔してほしゅうない。
 『百合だって不倫や浮気とみなされる。』
 誰かと結婚考えとるんやったら、肝に命じときなはれ。」
―京都言葉とこっちのとの不思議な調和が、かえって魅力的やないの?
と言うてくれた、今はバツイチだという女子大時代の「恋人」からの言葉が頭に残る。
「ん。おおきに。」
嬉しくて、その時には短いお礼しか言えなかったけど。
半月ぶりに会える喜びのあまり抱きしめたら、
しばらく切っていたスイッチが入ってしまいそうで自粛したけど。
なかには、
「悠も物好きやな、何が悲しゅうてわざわざ義兄に。」
とか
「悠姉、寂しゅうなったらうち等んとこに戻ってきてええですから。」
と、いう子達もいるけど、気にしない。
「気持ちは嬉しいえ。けどな…愛しゅうてしゃぁない人やから…それだけやから…。」
卒業すぐの結婚から2年間と数ヶ月、守り続けた誓い。
他の親友の家に行けば、幼い頃に男性不審に陥ってしまった子達と
傷を舐めあうこと位は容易い。
義兄さんも、私の女の子たちとの親睦関係は知っている。
私が義兄のおかげで百合から足を洗えたから。
その分男の人との交友関係が親族にしかないことを、
寧ろ好都合だとさえ思ってくれている。
だけど、だからこそ裏切ることはできない。だから、お茶会を共にし、
趣味や会社の話題などの雑談で盛り上がるくらいにしているのだ。
44Haru ◆cf6.GAJsFA :2006/03/16(木) 07:12:49 ID:saevCPBa0
この後どうなるか分かりませんが、予定では次からHシーン本番です。
新分野開拓とか冒険のような記述も一部含まれていますが、
それは構想期間中にいろいろ考えた結果ですのであしからず。それでは。
45Haru ◆cf6.GAJsFA :2006/03/16(木) 07:34:31 ID:saevCPBa0
42は2-1-2 友人の言葉その1
43は2-1-3 友人の言葉その2
に直したほうがいいのかなと思い直したハルです。
>>突発屋氏
矛盾するような行動ですけど、これはあくまでリハビリ第1作ですから。
埋め作業の一環でと思っただけです。
新スレでの投下は11スレ目が埋まってからでも遅くないと思ったので。
僕の事よく考えての、敢えて冷たい言葉を選ばれたのでしょうか?
46名無しさん@初回限定:2006/03/16(木) 23:26:15 ID:mW1aCYDeO
うはwww大量投下GJす>職人さん方
新スレ早々にぎわってウレシス
47名無しさん@初回限定:2006/03/19(日) 09:24:34 ID:3TQS/zaVO
朝起きたら妹が停止していた
48名無しさん@初回限定:2006/03/20(月) 03:27:16 ID:HVUCD1SS0
朝起きたら妹が活動を開始していた
49名無しさん@初回限定:2006/03/20(月) 17:51:10 ID:Y+pZC5gTO
朝起きたら妹がロボットだった
50名無しさん@初回限定:2006/03/20(月) 18:25:31 ID:q52HO5XpO
朝起きたら妹がヴェスパー所属
51名無しさん@初回限定:2006/03/20(月) 22:08:24 ID:FIcJn18V0
朝起きたら妹が理想の兄について語っていた。
52名無しさん@初回限定:2006/03/20(月) 22:37:20 ID:6cGGd8cz0
朝起きたくない
53名無しさん@初回限定:2006/03/20(月) 22:47:43 ID:6FrapkYJ0
朝起きたら妹が徹夜でレポートしていた

「お前、徹夜してたのか」
「あ、お兄ちゃんおはよ…」
「間に合いそうか?」
「まあギリで…」
「なんか手伝えることあるか?」
「肩揉んでー」
「わかった」
もみもみもみもみ
54池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/21(火) 23:55:31 ID:hjFq6+Lc0
 朝起きたら妹がホワイトデーのプレゼント要求してきた

「ん」
という一声と共に、右手を俺に向かって突き出す妹。
手の平を上にして、『よこしなさい』とでもいうように。
「な、なんだ?」
朝飯を食べていた俺は一瞬ぎょっとして振り向く。
俺はまた何かしたのだろうか?
……いや、してないよな? うん、だから俺は悪くないはずだ。
俺が返答をしないでいると、妹は、
「……何も無いの?」
呆れたように言って溜息をついた。
あーなるほど、何もしてないからいけないのね。
で、何をすればいいのかというと、だ。
このシチュエーション、導き出される解答は一つ。
俺は右手を軽く握って拳を作り、差し出された妹の手のひらの上に、
「……お手?」
「……何が?」
ああヤバイ、怒ってる。ユーモアの通じないやつめ。
「それじゃあ、……昼飯代?」
今度は五百円玉を置きながら聞いてみる。
「あのねぇ、500円じゃろくな御飯が食べられないから、って、何度も言って――
 ――じゃなくて、違う!」
案外ノリいいな。
「じゃ、何だよ?」
本気で分からないので聞いてみると、
妹は溜息を吐いて、『そんなことまで聞かないと分からないの?』というような顔で見下してくる。
「そんなことまで聞かないと分からないの?」
ほらね。兄として共に暮らしてきた観察眼は伊達じゃない。何でもわかるぜ。
俺が『仰せの通りさっぱり分かりません』という顔をすると、
妹はもう一度溜息を漏らして答える。
「……ホワイトデーの、プレゼントは?」
55池魚 ◆KSWDn0UBZs :2006/03/21(火) 23:57:46 ID:hjFq6+Lc0
「あの、俺バレンタインデーに何も貰ってないんですが」
「だから?」
即答か。妹は更に続ける。
「もしかして、何か欲しかったの?」
「いや、そりゃあ、バレンタインくらい――」
「――そんな! お兄ちゃんはやっぱり、私とは違うのね……?
 私は、お兄ちゃんさえ居ればそれでいいのに!
 それ以上、何かを求めようなんて――!」
大きく身体を振りながら、芝居がかった声で恥ずかしい台詞を吐く妹。
「じゃあ、お前はなんでホワイト――」
「私だけじゃ、それじゃ駄目なの? 私の他に何が欲しいって言うの?
 ……まさか『子供が欲しい』とか?」
上手いこと言ったつもりかこいつは。
一体何に影響されたんだか。
「あー……わかったわかった、何もいらない。だからホワイトデーのお返しも出来ない」
「あら、知らないの?」
妹は指を振って、バカにするような調子で言う。
「ホワイトデーは、バレンタインに何も貰ってなくても自分から贈り物をしてもいいのよ?」
「いつ決めた、そんなの」
「今」
「ダメだ。」
「ダメか。」
溜息を吐いて、落ち込んだアクションをとる妹。
俺のホワイトチョコでも飲ましてやろうか。
「……いや、そもそもな」
そろそろ疲れてきて肩を下ろしながら、俺は言う。
「今日、ホワイトデーじゃないだろ」
妹はギクッと身体を固まらせて、それからにっこり微笑んで、
「ホワイトデー☆一週間記念 ってことで……
 ……ダメ?」
「ダメだ」
「ダメか」
56名無しさん@初回限定:2006/03/22(水) 00:31:09 ID:SgeJAGbO0
単発物でも大歓迎
乙です。寝る前に読ましてもらいます
57名無しさん@初回限定:2006/03/22(水) 23:46:19 ID:1smbHUSe0
まだこのスレ続いていたんですね。なつかしや
58名無しさん@初回限定:2006/03/23(木) 00:15:52 ID:ypJtIZP1O
ホワイトデーにお返しする相手がいないのは当然だ。
…そう思わなきゃやっていけん。
59名無しさん@初回限定:2006/03/23(木) 00:33:25 ID:PKEzp4I00
朝起きたら妹が桐莉
60流れ者 ◆WBRXcNtpf. :2006/03/23(木) 02:47:04 ID:YaurBigS0
>>39の続き、投下します。
61突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/23(木) 02:47:38 ID:YaurBigS0
ばいばい、と小さく手を振りテールランプの明かりが闇夜に溶けてしまう
まで見送ってから、ようやく里佳子は路上から自宅の敷地へと足を向ける
事が出来るようになった。近所の公園脇で散々駄々をこね、どれだけ舐め
て吸ってしゃぶっても勃たなくなるまで半時間近くも車内で口唇奉仕を続
け兄の精を吸い出し飲み干してみても、腹の底に沈殿した重い不安感を払
拭することは出来ない。他に行く宛がないとは言え、文字通りの押しかけ
女房の従姉妹、真里亜を浩介の部屋に置くことを承諾してしまったのは不
本意この上ないのだ。正直、感情より理論を優先させ常に正論と実績を盾
に生きてきた自分の性分がこれほど恨めしいと感じたのは初めてのことだ
った。
「ただいまぁ………」
気落ちしてしまった口からは情けない声しか出ない。項垂れたまま玄関を
開け、力無く靴を脱ぐ佐々原家の末っ子に廊下の奥の方(恐らく台所だろ
う)から普段と変わらない柔らかい声がかけられる。
「あら、里佳子? 里佳子なの?」
「はい……」お義理さんだ、と認識しても空元気すら沸かない「……遅く
なって、ごめんなさい………」
「それは良いけど……」と、こちらもトーンダウン「……元気がないみた
いだけど、少し疲れてるんじゃない? もしかして、今日もお店の方に行
ってたの? 晩ご飯、食べる?」
「食べたくな………外で食べてきたから、平気です。ごめんなさい。私、
今日はもう休みますから………」
「………里佳子?」
がたがたがた、と椅子引をいて立ち上がる気配。こんなんじゃ余計に心配
をかけてしまうだけだと分かっていても、もう誰の相手をする気力も無い
里佳子は急ぎ階段を駆け上がって自室の中に逃げ込もうと決めた。
62突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/23(木) 02:48:55 ID:YaurBigS0
「あー、お母さんは座ってて。あたしが様子見てくるから。」
と一家の母親である志乃を制して椅子を引き立ち上がったのは、佐々原家
の長女・梢(パート勤務・出戻り)である。里佳子と両親との間の未だ拭
い切れない微妙な距離感を熟知している彼女は、ここで母が出て行っても
妹を更に萎縮させてしまうだろうと確信していた、が。
「………………………」
「わ、実の娘を全っ然信頼していないその目が痛い!」
「だって………ねぇ?」
と志乃が向けた視線の先には昨夜、真里亜の父である義兄から掛かってき
た抗議(というほど上品でも丁寧でも論理的でもなかったのだが)の電話
を『やかましい!』の一声で一方的に切ってしまった佐々原家の家長・浩
治が意味もなく夕食の終わった食卓に妻子と共に残っていた。無関心を装
いながら末娘の帰宅を心配していた彼は、視線が集まっているのに気付く
と『勝手にしろ』とだけ不機嫌そうに言い残して返事も待たずに寝室へと
退散してしまった。
「あれま。父さんてば、相変わらず淡泊よね〜。」
「………………梢。」と溜息混じりの志乃
「ん? なぁに?」
「里佳子は貴女と違って繊細で真面目な子なんだから、また面白半分で煽
ったりしたら駄目よ? お姉ちゃんとして、里佳子が落ち着いて大人の判
断が出来るように元気づけてくるのよ?」
「……なんか、さりげなく酷いこと言われたような………」
「梢!」
「大丈夫大丈夫、まーかせてっ♪」
「………その笑顔が一番心配なのよ………」
63突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/23(木) 02:50:26 ID:YaurBigS0
そして梢の想像していたとおり、急ぎ足で自室に逃げ込んだ里佳子は着替
える気力もなくベッドに突っ伏して、沈んでゆくばかりの思考を事実という
名の外界と一緒に頭の中から閉め出だそうと必死に足掻いていた。そんな
事をしても事態は進展しないし、常に困難と正面から渡り合う自分らしか
らぬ逃避だよと心の中で誰かが非難しているが、今度ばかりは余りにも分
が悪すぎると認めざるを得ない。
「………悔しいよぉ……悔しいよぉ……」
大きな枕に押しつけた口の中で繰り返し呟く。従姉妹と義妹、何度も床を
共にした(らしい)昔の恋人と昨夜に処女を捧げたばかりの恋愛青葉マー
ク、更に両家黙認の実質的婚約者と忍ぶ恋卒業を直前で阻止された世話好
きな只の妹、何処からどう見ても勝てる要素が見つからない。全てを委ね
て真摯に尽くせば何もかも上手く運ぶと信じて最後の切り札を切った瞬間
にどんでん返しを喰らってしまっただけにショックも大きい。
「……………リカ……ちゃん?」
きぃ……と鍵の付いていない扉が遠慮がちに開き、廊下の明かりが真っ暗
な室内を仄かに照らす。ベッドの上で力尽きたように俯せになった里佳子
の背中だけがピクリと反応する。
「ちょっと、お邪魔するねー?」
返事がないのは眠っているからでも無視しているからでもなく、半泣きの
情けない声を抑え込もうと息まで止めている所為だろう。なら、まだ相談
相手として受け入れてくれる余地があるかも知れないと直感した梢は出来
るだけ里佳子を刺激しないよう、足音を忍ばせて室内に入り、後ろ手で慎
重にドアを閉めた。再び闇に包まれる里佳子の部屋。
64突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/23(木) 02:51:58 ID:YaurBigS0
「……………えっと、真里亜ちゃんのことだけど………ねぇ?」
「っっ!」
「まぁ相手が悪かったからってことで見切り付けて、さっさと次の恋を探
した方が良いと思うけどなぁ? どーしよーもないっしょ? 今回だけは
さぁ?」
「っっっ!」
「それとも何? 真里亜ちゃんと張り合う覚悟とかあるの? 実際従姉妹
って、義理の妹と違って法律的にも無条件で結婚出来ることくらいは知っ
てるよねぇ?」
「っっっっ!」
「それに浩ちゃんだって、まんざらじゃぁ無いみたいだし? しかも出来
ちゃってたりするんでしょ? もう打つ手無いよねー?」
「っっっっっ!!」
梢が次々と浴びせかける情け容赦ない言葉に対し、里佳子の中からは何故
か悲しいとか辛いという感情より腹立たしいとか苛つくという負のエネル
ギーが沸々と沸騰寸前の温泉のように沸き上がり始めていた。私だって本
当は抱れたんだもん寝たんだもん! 出来ちゃってるっていう事なら対等
だし、真里亜ちゃんは未練や自責の念をチクチク刺激して焼けボックリ再
点火させようとしてるだけじゃない! 誰がなんと言おうが、いまの恋人
は私の方に決まってる!
「そもそも箱入り育ちにゃ違いないけど真里亜ちゃん、学歴だけならリカ
ちゃんより遙かに上だし根本的に年上だしねー?」
が、学歴がなんだっていうのよ! 兄貴と同じ大学なんだか知らないけど
卒業した後は家に閉じこめられて引き籠もり同然じゃない! そりゃ私は
高卒かも知れないけど、すぐに就職して社会の荒波に揉まれて、真里亜ち
ゃんより若くても役職付きで部下だっているんだもん! 本の虫なんかと
は実戦経験が違うんだから!
65突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/23(木) 02:53:23 ID:YaurBigS0
「しかも同棲まで始めたでしょ? 叔父さんだって電話で凄い剣幕だった
し、この調子なら間違いなく済し崩し的に…………だよねぇ?」
それって、単に既成事実を積み立てて周囲を固めて無理矢理結婚させよう
って事じゃない! こ、恋の戦いで敵わないんだったらともかく、そんな
理不尽な押し付けにむざむざ屈したりするもんですか!
「まぁ、真里亜ちゃんなら家事全般そつなくこなせるみたいだし、浩ちゃ
んの世話を任せても心配ないよねー? リカちゃん、いつも浩ちゃんの世
話焼くの大変だ大変だーって愚痴ってたけど、これで肩の荷が降りたって
感じで一安心だね。真里亜ちゃん、結構尽くすタイプだしぃ?」
家事全般? 何年も自分でお買い物に行ったことがない真里亜ちゃんが私
より食材の見分け方に精通してるなんて思えない。シャワーの使い方も分
からないのに洗濯機や掃除機を上手に使えたり出来るわけがない。きっと
手伝うどころか兄貴の足を引っ張ってしまっているに違いない! あのグ
ータラ兄貴に規律ある生活態度を守らせて、兄貴が駄目人間にならないよ
うに気を遣いながら身の回りの世話を出来るのは私だけだもん!
「だからさぁ、リカちゃんも浩ちゃんの事はスパッと諦めて、もっと若く
て活きの良いコを私と一緒に…………うわぁっ!?
66突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/23(木) 02:54:15 ID:YaurBigS0
「……梢さん……」がばっ、と唐突に起きあがった里佳子の瞳には一回り
以上の年齢が違う梢(パート勤務・出戻り)をも怯ませてしまう異様な炎
が宿っていた「……今日の晩ご飯、何だったんですか……?」
「え、えっと…………エビグラタン?」
気圧されて、何故か語尾が疑問形になる梢。
「そう…………ですか……」
ゆらりと立ち上がる妹が発するプレッシャーに押されて数歩後ずさってし
まう梢(パート勤務・出戻り)
「………規則正しい食生活は明日への活力の基本ですからね。しっかり食
べて、備えないといけませんよんね。そうよ、これからが本番よぉ……!」
あちゃー……と口の中で呟く梢(パート勤務・出戻り)。確かに焚き付け
て元気づける予定だったのだが、これは少し拙いかも?
「もしもーし? リカちゃーん?」
「お風呂、頂いてきますね。」姉の遠慮がちな問いかけが聞こえているの
かいないのか枕元に畳んである着替えを手に取る里佳子「ぴっかぴかに磨
いて、出来る女の格の違いっていうのを見せつけてやるんだから!」
「って明らかに聞いてないっ!?」
背筋を伸ばし、決意の瞳で遙か遠くを見据えた里佳子は、ずんずんと大股
で梢(パート勤務・出戻り)の脇を素通りして階下の浴室へと向かった。
67突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/23(木) 03:02:53 ID:YaurBigS0
どう足掻いても鬱系に走るので、新キャラを立てて誤魔化してみました(汗
次回は、里佳子編じゃないかも?

>池魚氏
乙です。
私事ですが、どうも最近は単発物のネタが固まらなくて難儀してます。
本来ならホワイトデーも行事の一つであるべきなんですが・・・w

>ハル氏
いえ、単に言質と行動との間に矛盾を感じただけですが……・?
私の至らぬ発言で御気分を害されたのでしたら、お詫び申し上げます。


さぁ〜て、今日はAC0の発売日だぁ〜!!
68桐莉兄@桐莉ネタじゃないけど投下:2006/03/23(木) 19:34:03 ID:PKEzp4I00

しゅっ しゅっ しゅっ しゅっ

がちがちに勃起した僕のペニスの先っぽから、透明な我慢汁が漏れ出て来る。
妹の下着の股布部分はまだじっとりと湿り気を帯びていて、粘着く澱物の匂いに混じって仄かにおしっこの匂い。
嗅ぐ位置を変えると、香ばしい妹のアナルの臭い。
口と鼻に押し付けて、何度も妹の匂いを吸いながら、僕が絶頂に達しようとした瞬間。

「あ、お兄ちゃん逝きそ?じゃ、今日はここまでー」

勉強机に腰掛けて、ベッドの上で悶えている僕を見下ろしていた妹が、情け容赦の無い宣告を下した。
左手に握り締めてたぱんつも奪い返されて、行き場を無くした僕の性欲はマグマの様に下腹部で煮え滾ったまま、
ビクンビクン震えて射精の時を待ち望み未だ剛直が解けない僕のペニスを嬲るように見て、妹が笑った。

「あはっ、かわいそー。お兄ちゃんのおちんちん、早くイキたいよーってぴくぴくしてるねー」
「は…ぅっ、恵…ぃ」
「お兄ちゃん、射精したい?」
「お…願いだから、射させて…」

懇願する僕の目線を軽く受け流して、

「だーめだよー。これは罰だもん、お兄ちゃんなんか一生射精させてあげないんだからっ」

携帯電話をふりふり、自信満々の大見得を切りながら、妹はかなり残酷な事をズバリと言い切った。
あの中に僕の痴態を収めたデータが入っている限り、僕は絶対に妹には逆らえない。
恵はラクロス部に入ってて、学校から帰って来るとまず最初にシャワーを浴びて汗を流す。
其れから、夕食の時間が来るまで自室で仮眠を取る。
そんな妹の習慣を知っている僕は、脱衣籠から妹の脱ぎ立てぱんつを持ち出して、自室でしこしこオナニーに励んでいたんだけど……。
69桐莉兄@桐莉ネタじゃないけど投下:2006/03/23(木) 19:35:09 ID:PKEzp4I00
『あぅっ…恵っ…恵ぃ…』
『……ふーん、お兄ちゃんって変態だったんだー』
『うわぁ!?』
『へへー。ベッドの下には注意しましょう、妹が隠れているかも知れません!』
『や、こ、これはそのっ、』
『妹のぱんつの匂い嗅いでおちんちん勃てちゃうなんて、へんたいへんたいへんたーいっ!』
『やめ、ごめんっ、ゆるして、声大きいっ!』
『どーしよっかなー?お父さんに言っちゃおうかなー?』
『うぁぁぁぁぁぁ、それだけは勘弁っ!?』
『とりあえずー、……証拠写真っ、えーいっ☆(パシャッ)』

……妹の奴隷決定。もう、命令には逆らえない。
恵は写真を両親に見せない代わりに、僕に罰則を与えると言って来た。

「いーい、お兄ちゃんは今日から絶対に射精しちゃ駄目だからね」
「そ、そんな…」
「オナニーはしてもいいけど、射精しちゃったらお父さんに写真見せちゃうよ」
「わー!待って待って待って、恵っ、恵様っ!写真だけはご勘弁をっ!」
「私が一年生なのに何故か生徒会長で、ラクロス部の副部長さんで、新聞部の大野先輩と報道部の小林先輩に言い寄られてて、
おまけにレズっ娘で有名な写真部の月子ちゃんも私にぞっこんラブラブで、教頭先生は私に弱み握られてて、
男子生徒の人気投票ではぶっちぎりの一位で、女子生徒の四人に一人は私のスパイで、
おまけにご町内の奥様情報網を通じて大は地方議員の汚職から小は米屋の旦那さんの浮気まで、町中の噂で知らない事は無いんだって事、
お兄ちゃんもよーく知ってるよね?だ・か・ら、隠れて射精しちゃったらすぐに私に判っちゃうんだよ、OK?」
「ひゃ、ひゃいっ(ガクガクブルブル)」
70桐莉兄@桐莉ネタじゃないけど投下:2006/03/23(木) 19:36:45 ID:PKEzp4I00
「返事の前と後にはserを付けろ!」
「ser!妹、ser!」
「勿論夢精も許可しない!気合で耐えろ!」
「んな無茶苦茶な!?」
「お母さーん!お兄ちゃんが私のぱんつでしーこーしーこー」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ待って待って待って射精しません絶対しません夢精も根性で耐えます我慢しますからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「それだけじゃないよっ、お兄ちゃんには更に更にっ、スペシャルな罰ゲームが準備してありまーす!喜べっ!」
「うわぁい、はっはっはー、嬉しいなー……ぅぅっ」
「お兄ちゃんはぁ、私のぱんつが大好きなんだよねー?」

突然、妹の目付きと声色が怪しくなる。

「大好きなんでしょ?」
「ぅ……は…ぃ」
「あはっ、だよねだよねー。お兄ちゃん、変態さんだもんねー。だ・か・ら」

しゅるっ。
やおらスカートの中に手を突っ込むと、無造作にぱんつを脱いで、ほいっ、と僕に投げ渡して来た。

「それ、使ってもいいよ?」
「は、……はぁっ!?」
「今日から、お兄ちゃんは毎日、私の見ている前で妹の脱ぎ立てぱんつオナニーすることっ」
「マジデスカ」
「勿論、精液びゅーしちゃ駄目だからね。しこしこするだけだよ。解った?」
「………はい」
71名無しさん@初回限定:2006/03/23(木) 19:38:03 ID:+jb6seinO
シエン
72桐莉兄@桐莉ネタじゃないけど投下:2006/03/23(木) 19:51:38 ID:PKEzp4I00
あれから五日。
妹は毎日僕の部屋に来て、下着を脱いで僕に投げ渡す。
そして勉強机の上に座って、足を広げて僕に見せ付けながら、僕が猿の様にオナニーしている姿を見下ろしている。
射精は出来ない。
禁止されているし、僕のペニスがヒクついて来て、射精が近付いたと見るや、妹がマス掻き止めの命令を出す。
あと三擦り程で塞き止められた僕の精液は、出るにも出られず、玉袋と尿道口の間で犇き合っているのだ。

「はいっ、今日はそこまでー。よくがんばりましたっ、えらいぞ、お兄ちゃんっ☆」
「は、っは…ぁっ」
「ねーえ、お兄ちゃん?射精したい?射精したくて堪らないでしょー?」
「射したいっ、射精したいよぉ、恵ぃっ……」
「でも、だーめだよーっ。お兄ちゃんのいけないおちんちんにお仕置きしてるんだもんっ、お兄ちゃんはこれからずーっと、射精出来ないんだよー」
「そんなぁっ、ぅぅぅー」
「あはっ。だけどー。可哀想だから、がんばったお兄ちゃんに今日もめぐがご褒美あげちゃうよっ」

脱力してベッドに崩れ込んでいる僕に、妹が覆い被さって来る。
だんだん近付いて来る顔。
唇と唇が触れるか触れないかの場所で、キスするかのような姿勢で、けれどもそれ以上はしてくれない。
妹の寸止め攻撃は、ご褒美の間も続くんだ。
あと1センチってところなのに、触れられない生殺し状態。
甘い吐息だけが僕の唇に触れて、心臓のどきどきを加速させてゆく。
折角、平常状態に戻り掛けていた性器が、再びむくむくと欲望を擡げ掛けて来る。

「ねーぇ、お兄ちゃん。おちんちん、またおっきおっきしてるよぉー?」
「ぁぅっ、ぅぅ…お願いっ、お願いだからぁっ、射精っ、射精させてよぉっ」
「だぁーめぇー。射精しちゃったら、即刻お父さんに言いつけちゃうもーんっ」

下の方に手を伸ばして、これまた触れるか触れないかの微妙な位置で、僕の性器を撫でる動きだけやってみせる。
物理的な刺激を全く受けていないにも関わらず、僕のペニスは快感にびくんびくんと暴れ狂う。
もう、射精の事しか考えられないのに、妹は更に追い討ちを掛けて来る。
73桐莉兄@桐莉ネタじゃないけど投下:2006/03/23(木) 19:52:47 ID:PKEzp4I00
ちろっ。ちろちろっ。

舌先で擽るかのようにして、尿道口の数センチ上を行ったり来たり。

「ねーぇ、おにぃちゃぁん、きもち?きもち?」

更に大きく口を開けて、僕の性器に口を蔽い被せて、ぁぅっ!
限り無くフェラチオに近いのに、口内粘膜の何処にも、舌にも唇にも接触出来ない。
妹の吐息だけが僕の性器を擽って、

「ふぁ、ぅ…っ……め…ぐぅっ、僕もうっ、で」
「はいっ、ご褒美おしまーいっ」
「そ、そんな……」

僕の股間から顔を離して、妹の擬似フェラチオが終わる。

妹が部屋を出てからも、僕は行き場の無い性欲に悶え続けるしかない。
射精したいのにっ、射精したいのにぃっ、ぅぅぅ。
夜が更けて、眠ろうとしても、なかなか眠りに落ちる事が出来ない。

やがて朝が来て、ここ数日浅い眠りしか取れず、寝不足気味の僕の部屋に恵が入って来る。

「おっはよ、お兄ちゃん。はいっ、これ穿いてねっ」

夕べのお風呂上りから、一晩中穿いていたぱんつを脱いで投げ渡して来る。
罰ゲームが始まってから、僕は毎日、妹の着用済みぱんつを着けて学校に行く事も命じられていた。
既に収まりがつかなくなっている息子に溜息を吐きつつ、妹の下着に足を通す。
まだほんのりと生暖かい下着。
大きさは、当然の事ながら小さくてきつい。
ペニスが上からはみ出して、ワンポイントのリボンが蝶ネクタイをしているようにも見えなくは無い。
74桐莉兄@桐莉ネタじゃないけど投下:2006/03/23(木) 19:55:17 ID:PKEzp4I00
一晩の間に分泌された妹の股間のぬるぬるが、丁度僕の玉袋の辺りに来る。
びくんっ、びくんっ、もうこれだけで僕のペニスは射精態勢に入っていた。

「お兄ちゃんは私のぱんつが大好きなんだもんねー。毎日、脱ぎ立てぱんつを穿いて学校に行けて幸せでしょー?」
「は…ぅっ」
「でも、射精だけは絶対に駄目だよー。今日も一日がんばろうねっ、お兄ちゃんっ」

妹の下着の締め付けが、一刻たりとも僕が年頃の女の子の、それも妹が脱いだ下着を着用して人前に出ているという変態的な事実を忘れさせてくれない。
ペニスは勃起したまま一向に萎えず、歩く度にぱんつからはみ出ている雁首や裏筋の部分に刺激が走る。
湿ったままの股布部分が、玉袋に絡み付くように、締め付けるように感じてしまう。
電車の中で、みんなが僕の勃起した股間に気付いているような気がする。
制服姿の女子生徒を見かける度に、スカートの中を妄想してしまう。
授業だってとてもじゃないけど集中できない。
頭の中は、妹の下着と、自慰行為と、射精と、射精と、射精と、妹のご褒美と、妹の下着と、妹の下着と、射精と射精の事だけで一杯だ。

「ふぁっ…ぁ、は…ぅぅ」
「あはっ、えらいえらい、お兄ちゃん。今日もちゃんと言いつけを守って我慢出来たんだねー」

今日も、僕の部屋に妹がやって来る。
学校に居る間中、身に付けていた下着を脱いで、僕に投げ渡す。
飢えた獣が獲物に飛び掛る時のような勢いで、ボクは妹のぱんつを引っ掴み、妹に見られながらのオナニーに夢中になる。

「ふぁっ、ぁぅっ、恵っ、恵っ、恵ぃっ」
「あ、逝きそ?射精しちゃいそ?じゃあ、今日はこれでおしまーい」
「そんなぁっ」
「あははははっ!今日で六日目だもんねー。お兄ちゃん、もう射精の事しか考えられなくなってるんじゃない?」
「射したいっ、射したいよぉっ!」
「だぁーめっ、だめだもーんっ。お兄ちゃんは一生射精できないのっ。ほらっ、今日の分のご褒美よっ!」
75桐莉兄@桐莉ネタじゃないけど投下:2006/03/23(木) 20:00:23 ID:PKEzp4I00
妹が僕の上に覆い被さって来る。
僕にぱんつを渡して剥き出しになっている割れ目を、僕のペニスとすれすれの位置まで持って来て、

「ほぉーら、ほぉーら、どう?妹のおまんこよっ?挿れたい?挿れたいでしょー?でもだぁーめぇー」
「はぅぅっ、うぁ…ぅ」
「射精したら駄目なんだからねっ、もし射しちゃったら、あの写真を出力して学校の掲示板に貼り出しちゃうんだからっ」
「ふぁぁっ、寸止めっ、寸止め酷いよぉっ、しぇーえきらさせてっ、びゅーってしゃせてよぉっ」
「なにそれ?みさくら語?お兄ちゃんなんか一生こくまろおちんぽみるく出せないで悶絶してればいいのよっ!この変態お兄ちゃんめっ!」
「ぅぁっ、ぁっ、だめぇっ、出したい射したい逝きたいよぉぉっ!お願いっ、だからぁっ、射精させて下さいっ恵様ぁぁぁっ!」
「このままだと、お兄ちゃんの精液溜まり過ぎちゃって、ザーメンちんぽミルクたんくが二つとも破裂しちゃうかもねー」
「しょんなぁぁぁ!?」
「逝きたい?お兄ちゃん、逝きたいのっ?」
「逝きたいれしゅっ!びゅーって、びりゅりゅーーーってこゆいの射したいですぅぅぅ!!!」
「でも、だぁーめぇー☆」

ぬぶっ。
包み込むような生暖かい感触と共に、股間から背筋を走り抜けてぞくぞくするような快感が脳内で溢れかえる。
状況を理解する前に、僕の口から涎が溢れ、腰が勝手に大きくグラインドし始めていた。

「射精しちゃ駄目だよっ、だから安全だもんねっ?ねっ?ほらっ、きもちでしょ、お兄ちゃんっ!おにぃちゃんっ!」
「めっ、めぐっ、抜いてっ、射精しちゃうぅっ!」
「あはっ、あはははっ、へんたいっ、へんたいっ!私達マジで超変態だよぉっ!」
「ふぁっ、ぅぁぁっ、ぅあっ」
「射しちゃ駄目っ、射しちゃ駄目だからねっ?駄目なんだよぅっ、兄妹なんだもんっ、絶対に射しちゃ駄目だよぅっ?」
「ひもちっ、ひもちぃよぉっ、恵っ、でっ、でりゅぅぅぅ!!!」
「ぁぁーっ、やだやだやだっ、お兄ちゃんっ、だしてよぉっ!中は駄目ぇぇぇっ!!」
76桐莉兄@投下完了!:2006/03/23(木) 20:05:05 ID:PKEzp4I00
挿れて、出しかけて、また挿れるか挿れないかのタイミングで、溜まりに溜まった精液が溢れ出て、妹の膣内へと怒涛の様に流れ込んで行く。
僕がこれまでに味わった中で最高の快感と、長い射精。意識が焼き切れちゃいそうな……。

パシャッ☆

繋がっている二人のあそこの隙間から、白濁液が流れ出て来るのを、妹が携帯で撮影していた。

「うわっ、流石六日目だけの事はあるよっ。見てこれ、ゼリーかプリンみたいに濃いぃの」

ぅ…やばい…僕、妹の膣内に生で射しちゃった……。

「あーあ、駄目だって言ったのにぃ。お兄ちゃんはぁ、どう責任取ってくれるのかなぁ?」
「ぁ、ぅ」
「妹に生で中出ししちゃうような危険なお兄ちゃんには、きっつーいおしおきが必要だよねー。まずは命令には絶対に服従でしょ、それから――」

今までに見た事が無いくらいに可愛らしい笑顔で、僕の頭を抱き抱えるようにして、妹の唇が僕の唇に触れる。

「――浮気はするなよっ。それと、私もお兄ちゃんの事が大好きですっ!」

そう言えば、今のが本当に接触ありの、妹とのファーストキスだっけ?

「ser!妹、ser!」
「よしっ、いい返事だ!私の部屋に来いっ、もっと妹とFackさせてやるっ☆」

妹の笑顔を見ていると、もし携帯電話のデータ消去に成功したとしても、僕はもう二度と妹の命令に逆らえないだろうな、と思ってしまった。
77名無しさん@初回限定:2006/03/23(木) 21:29:06 ID:qzRHtG7WO
うはー、GJ!
78名無しさん@初回限定:2006/03/23(木) 22:43:47 ID:dEmOsgb0O
イイ
かなりGJ

乙であります
79名無しさん@初回限定:2006/03/23(木) 23:19:11 ID:0bYvdDPL0
ああ、性欲をもてあます…。


シコシコシコシコシコシコシコ…


(ドゥイーン!!)
誰だ!
80名無しさん@初回限定:2006/03/23(木) 23:36:07 ID:8JzmQvMe0
これはいい……
81名無しさん@初回限定:2006/03/24(金) 00:29:01 ID:xvIZ9g72O
なにか新しいものを見た気がする。GJ!
82名無しさん@初回限定:2006/03/24(金) 01:24:01 ID:Lg+GxWlrO
お二方、GJ。
桐莉兄の妹に未だかつてないエロを感じた。
83名無しさん@初回限定:2006/03/24(金) 20:20:43 ID:jVL2N7bJ0
GJ!しかし野暮なツッコミだがserでは無くSirじゃないのか?
さらに性別を考えるとSirでもおかしいハズ・・・
84名無しさん@初回限定:2006/03/24(金) 21:20:55 ID:7UcVNkbJO
いや、fackとか、わざとだろ
85Haru ◆cf6.GAJsFA :2006/03/24(金) 23:25:22 ID:Z9KFaWGr0
>>桐莉兄氏
乙そして新感覚なSSGJです。
…ただ、Madamではないかと…(w
86名無しさん@初回限定:2006/03/25(土) 01:08:12 ID:Nu644z0q0
Yes, Mamだな。
Fuckはリアルでも間違える奴多過ぎ。
87名無しさん@初回限定:2006/03/25(土) 16:55:50 ID:d18YS2Ot0
朝起きたら妹が性欲を持て余してた
88名無しさん@初回限定:2006/03/25(土) 18:00:45 ID:Pj2LRreL0
「了解、ではこれより、お兄ちゃんイーター作戦を開始する!」
89チラシの裏 21/27:2006/03/26(日) 07:36:48 ID:D/qBSh4G0
(´・ω・)つ 前スレからの続きです。ちょっと間が開いちゃったんですが、これから本番ですよ、な感じです。

「じゃあ咲、するよ」
「勝手にすれば」
 先ほどの怒りがまだ治まりきっていないのか、どことなく咲の言葉にはトゲがある。
 反面、身体のほうは、過敏に臨戦態勢を取っていた。触ればピクリと身体全体が脈動する。
 下腹部を滑らせ手を咲の秘所に持っていく。ストライプのパンツに指先を潜り込ませると、汗で
濡れた毛の感触がした。髪の毛のそれに近いような細い肌触りは、妹のあそこの毛が生え揃ってな
いことを如実に語る。
 指先で萌生したての恥毛の感触を楽しみながら、少しづつ、ほふく前進するように脚の割れ目を
目指す。
「――う……そっち、だ、め」
 女の言うダメはイエス、と言ったのはどこのどいつだったか。詭弁にきこえなくもない理論武装
を盾に妹の股間をまさぐる。
 恥丘を下ると、ぬるっとした粘液質な肌を指先に感じた。汗とは違う。これは……。
 お留守だった反対の手でショーツをずらす。ねっとりとした水質音が微かに聞こえた。
「あれ……パンツ、濡れて、る」
「やぁぁ……」
 秘所を隠すように手が出されたが、頭でブロックした。両脚を開こうとすると咲の身体が初めて
強い拒絶を示した。
「だ、め、だよぉ……」
 かたくなに脚を閉じて抵抗する咲。
 目線を下ろすと、くらり、と頭が揺さぶられる錯覚にとらわれた。
 咲の秘所が眼前にあらわになっていた。案の定恥毛は薄く、未発達なあそこを遮るものは皆無に
近い。
 初めてみる女の子のあそこは、アダルトビデオなんかで観るソレとは違く、綺麗な色をしていた。
 ほとんど触っていないにもかかわらず、咲のあそこはしっとりと濡れている。手を這わせて開い
てみた秘所は、綺麗な桃色の花が開花したかのようだった。
 どうしよう、どうすればいい。舐める? いや待て、舐めるのって嫌がる女の子いるよな、って、
咥内射精までさせといて今更なに思ってるんだ俺は。
90チラシの裏 22/27:2006/03/26(日) 07:41:00 ID:D/qBSh4G0
 いやでも、どうしよう、触ってみようか? でもどこをどうすれば気持ちいいんだろう? ああ
くそ、知識だけじゃどうにもならない。
「おにいちゃん……あたしのそこ、変……?」
 硬直していた俺を不思議に思ったのか、咲が問いかけてくる。
「あ――違う、咲のココすごいキレイだと、思う……んだけど、ちょっとどうしていいか解らない
っていうか……その、まさか俺がリードする側になるとは思わなかったから」
「あたしもわかんない、よ」
「いや、やることは何となくわかるんだけど、咲、怒らない?」
「怒るようなことしたら怒る」
「それは答えとしてはズルイ、と思います」
「じゃあ怒らない。いいよ、したいようにして」
 ――ああ、ズルイ。どうしてこんなにも俺の理性を壊す術に長けているのか、この子は。
 指先を差し込むと、びくっと腰が浮きあがり第一関節の中ほども入っていない指が強烈に収縮さ
れ、これ以上は進ませないとばかりに押し返してくる。愛液が潤滑油の役割を果たすため、力を入
れないと簡単に外に出されてしまう。
「……ぁ、ぅ」
 曲げた人差し指を噛み、嬌声を忍ぶ咲。指を前後左右に蠕動させるたびに口からかみ殺された喘
ぎ声の断片が漏れ、四肢がピクピクと脈動する。
 経験のまったく無い俺でも、咲の感度の良さは相当なものだと思った。
 咲の呼吸に合わせ、膣内が弛緩する瞬間を狙い少し指先を進める。
「――い、たっ」
 慌てて反射的に手を戻す。瞬間、膣内からとぷり、と微量の液体が零れ落ちる。液体はゆっくり
と陰部を下り、会陰をつたい、臀部をさらに下に。
 あまりにも淫気を誘うその場景に、心臓が爆ぜかけた。
「咲……悪い、俺ちょっと我慢できない」
「……?」
 とろんとした顔で俺を見入る咲が、言葉の意味を咀嚼しきれないかのような表情を浮かべる。
「咲の、此処に……入れたい」
 はっきり言うと咲は目を瞑り、呼吸を整えるように数瞬を置くと、ゆっくりと頷いた。
 身体を前に、咲の両脚の間に膝を滑らせ正常位の体勢に、顔は上と下に再び見つめあう。
91チラシの裏 23/27:2006/03/26(日) 07:45:46 ID:D/qBSh4G0
「入れるね」
「……うん」
 本当にいいのか、と言おうかとも思ったけど無粋なのでやめておいた。妹だろうとなんだろうと
関係ない。
 むしろ妹であるからこそ、歯止めがきかないのかもしれない。まったくろくでもない兄だ。
 照準を定め、腰をゆっくり前に出す。先端が触れると、咲の腰が若干浮いた。お尻に力を入れて
るようだ。
「力抜かないと痛いらしいぞ」
「うう……だって」
 言うは易し、か。なら実践あるのみ、で。
 ゆっくり入れようとすると強張りそうな気がしたので、意表をつく形で腰を突き出した。
「――ひっ」
 膣内に入れた瞬間強烈な締め付けが陰茎を襲った。狭い、あまりにも狭すぎる。一気に突き入れ
るつもりが、中ほどまでしか埋まっていない。
「い、いた……ばかぁ、いきな、り、くっ」
 シーツを掴み、不器用に蠕動する咲。耐えるようなそぶりは見せているものの、相当痛いような
のは目に見えて明らかだ。
 逆に俺は初めて女の子に挿入したという陶酔感も相まってか、今まで感じたことも無いような享
楽を感じていた。前後に動きたい衝動に駆られるが、膣口から流れる赤い血がそれを躊躇わせた。
 血……あー、血だ。やっちまった。軽い後悔と、それを飲み込む開放感。
「あ、う……おおきく、しない、で……」
「んな、こといって……も」
 唯一、理性で抑えることができない部位なのだからしようが無い。ましてや初めてだから余計無
理です。
 連結した性器は互いに脈打ち、ヒクつき、膨張した陰茎を挑発するように膣襞が波うち蠢く。
「全部……入ったの?」
「半分かな」
「ウソ……ちょ、タンマ、動かないで、だるまさんころんだ」
 最後のが良く分からない。
「兄はとても動きとうございますが」
「ムリ、だって痛いし全然気持ちよくない……もん」
92チラシの裏 24/27:2006/03/26(日) 07:50:39 ID:D/qBSh4G0
「さっきの好きにしていい、というのは?」
「身に覚えが無いです……はぁう」
 どこぞの国会議員かと。
 とりあえず腰を引いてみる。
「いたたっ、抜くの痛いっ」
「どうしろと」
 進退窮まった。
「…っ…い」
「なに? 聞こえない」
「おっぱい……気持ちよかったから……」
 ぷいっとそっぽを向いた横目がチラっとこちらを見る。語尾は語らずとも目が代弁する。ようす
るに揉めってことか。
 再び、咲の胸をいじり始める。ボリュームがあるおっぱいは指先の力の入れ具合で面白いように
変形する。乳首を口に含んだり、手のひらで転がしたり、未知なるそれは飽きさせることを知らな
い。
「やっ……ふぅっん……そこ、もっとつよくッッ」
 さっきまでの苦痛の顔はほころび、喘ぐ姿は横溢する快楽の度合いを如実に描く。
 胸に刺激を与えると、膣が収縮と弛緩を小刻みに繰り返し、快感が全身にほとばしる。不意に意
識していないのに腰が前に出て、膣内を一、二センチほど前進してしまった。
「――んッッッ〜、あッ、や、だぁっ」
「悪い、大丈夫?」
「あ、う……なんか、あそこがじんじんする……」
 心なしか愛液の分泌量が多くなっているようだ。なるほど、他の箇所も同時に攻めたほうが効果
的、か。
「動くよ」
「……ゆっくり、おねが、い」
 静かに抽迭を始める。結合部からは大量の愛液が分泌され、じゅぷじゅぷとイヤらしい音が生ま
れ始めた。
「っ……なんか、変、痛いのに……しびれ、るぅ」
「きもちいい?」
「う、ん……あたし、おにいちゃんと、せ……っくす、しちゃって、るんだね」
93チラシの裏 25/27:2006/03/26(日) 07:55:31 ID:D/qBSh4G0
「妹の口からそういうこと言われると、なんかすごいな」
「え……せっくす? あッ、ソコ、きもちぃ、ぃ……」
 話を打ち切るように大きくストロークを取り膣の上側を擦るように突き入れる。
「くぁッ、ンぁ――そこさわっちゃ、や、だぁ」
 自ら腰をくねらせ、快楽を求める姿は痴女そのものだが、相反するような幼い顔立ちが(という
か実際幼い)余計に興奮を掻き立てる。
 とろんと潤んだ瞳に吸い寄せられるように顔を近づけキスをすると、自分から求めるように舌を
出す咲。
「ふぅ――ん、む、あぁ……おにいひゃ……んッッ」
 上と下で連結しあう。二人とも大分、脳が焼き切れてる。
 咲の四肢が俺の身体に絡みつくように回される。だっこをするように手は首に、足は腰に。開い
た口からはだらしなく唾液が流れ続けて淫靡さに拍車をかける。
 膣内に突き入れるたびに電撃が髄鞘を駆け巡り、次の一刺しを要求する。
「あ――うぁあ、いひゃ……いィ」
 言語になってない声をあげる咲の四肢に込められる力が増す。抽迭のペースを把握したのか、咲
は突き入れる瞬間に合わせて腰を前に突き出す。肉のぶつかり合う音とまぐわいの水音が交じり合
い、何がなんだか分からなくなってきた。
「おにひゃ……なんかふる――きひゃうっ」
 突き入れた瞬間、不意に咲の身体が弓なりにしなる。肉襞が陰茎を強烈に締め付けたとおもうと、
急激に弛緩し始め、咲はベットに倒れこんでしまった。
「……あれ、咲、イッた?」
「はっ……はっ……そう、か、も……」
 恍惚の表情を浮かべた咲は、オルガスムスの余韻に浸っているようだ。
 困った。俺まだイってないんですが……。プレイ続行してもいいのでしょうか?
 最奥まで突き入れた陰茎を引いてみる。
「あっ……だ、め。その、ままぁ」
 生殺しだ。
「ねえ、おにいひゃん……コンドームしてた、っけ……」
「あ、してないな、そういえば」
「や、ちょっ――だめだよ、抜いて」
「抜くも何も、出してないし……」
94チラシの裏 26/27:2006/03/26(日) 08:02:09 ID:D/qBSh4G0
「? イって、ない?」
「うん」
「あう、ごめん……」
「俺も下手だし、咲もあんなに感度いいと思わなかったしなぁ。とりあえず抜くよ」
「うぅ」
 一息にズルッと陰茎を抜き出すと、栓の役目を果たしていたように、白く泡だった液体がトロト
ロと流れてきた。
 役目を果たしきっていない局部はギンギンにそそり立ち、消化不良この上ない。
「う、わぁ……こんなのがあたしの中に入った、のかぁ」
 体勢を変えた咲にマジマジと陰茎を観察される。
 恥ずかしいやら早く射精してしまいたいやらで気が狂いそうだ。
「ん……ちゅ」
「え、ちょ、咲っ?」
 不意打ちとはこのこと。咲はいきなり亀頭にキスするとそのまま口に含んでしまった。
「おにひひゃんもひっひょに」
「一緒にって……あ、咲……そこダメ」
 二回目だっていうのに吸い付くような口淫。デタラメな軌道だけど、俺の快楽を引き出すには容
易すぎる。
「じゅぷ……る、んんっ、ちゅ、る……んんっ」
 抽迭で大分高まっていた射精感が、再び競りあがってくる。余裕が無い。
「咲……で、る」
 一度お預けをくらった快感が堰を切ったように、尿道を駆け上がり、またも妹の咥内めがけて射
出された。
「んん――んんうぅ〜〜ッ」
 目の前が白むくらいの圧倒的な悦楽を感じながら、白濁液を吐き出す。太もものあたりが痙攣し
て、またも勝手に腰が突き出る。
 咲は一瞬苦しそうな表情を見せたものの、奥まで咥え込み、放出される精液を―― 
 うわ、喉が鳴ってる……精子、飲んでる。
 異常に長く感じられた射精が終わる。
 ゆっくりと咲が口を離すと、半開きになった咥内に大量の精液が垣間見れた。
「んくっ、あぁ……うえぇ……」
95チラシの裏 27/27:2006/03/26(日) 08:18:13 ID:D/qBSh4G0
 手のひらに精液を溢す。どっかのAVで観たようなシーンだ。まさか現実で見れるとは。
「うえぅ……まじゅい」
 半分なみだ目。
 射精のあとの気だるい感覚が全身を襲い、ドサリとベットに倒れこむ。ラリアットするように咲
を巻き込んで。
「んぐぁ、いたっ。ちょ、おにいちゃ――」
「つかれた……」
「んもう……でも、あたしも、疲れた、かな」
 乗せた腕に手を絡ませてくる。
「あたしで、練習に、なった?」
「十分すぎるくらいに」
 当初の目的が何だったのか思い出せないが。
「じゃあ、次は買い物だね、ヘアカットもしないとっ、お兄ちゃん改造計画っ」
 なんでそんなに元気なのか、と。
「あ、ああ……ただ、ちょっとだけ寝させて……くれ」
 急激な睡魔が目の前を白みさせる。
「あ、ちょ、おに……せめてお風呂くらい……あー、もう、しょうがないなぁ」
 もそもそと布団を被せられるような感触と、人肌の心地よい温かさ。
 途切れていく意識の中で、子供のころ妹と一緒に昼寝した風景が、微かに見えた気がした。

(´・ω・)つ これで一応終わりです。挿入シーンで大分苦しみましたが、楽
しんでいただければ幸いかと。

 >突発屋氏 色々とアドバイス頂いてありがたいです。確かに自分のペー
スで書くのが一番ですね。んでも、れべるあっぷのために、添削できるとこはしっかり削ったほうがいいかもなので、次回からの課題にします(`・ω・´)+ できれば上の桐莉兄氏のSSくらい短い行で上手くまとめられるくら
いにしてみたいもんです。
 SSもストーリーうまく進んでますね。ワクテカしてエロを待tt
(ry
96名無しさん@初回限定:2006/03/26(日) 08:34:36 ID:VMf9PYhQ0
4回抜いた。
97名無しさん@初回限定:2006/03/26(日) 12:40:42 ID:Q7MXMIW60
次はお兄ちゃん改造計画を進めながら、妹が開発されていく話ですね。
98名無しさん@初回限定:2006/03/26(日) 23:49:43 ID:7SLayrx20
GJ! お疲れ様でした。 次回作も期待してます。
99名無しさん@初回限定:2006/03/27(月) 00:24:02 ID:QuMX+OGl0
エロかったぜ!GJ!

朝起きたら妹がトンファー買ってきた
100桐莉兄:2006/03/28(火) 14:21:08 ID:bm+F0rjv0
朝起きたら妹がトンファーを買って来ていた。

「先端部は前後共鋼鉄被せの実戦仕様スよ!」
「おお、いいなこれ」
「惨骸堂ってお店で売ってたのス」
「聞いた事があるぞ」
「む…知っているのか、兄ちゃん!?」
「エクスカリパーとかムラサマブレードとか取り扱っているマニアックな店だろ、ネットで見た」
「うぃス。他にも偃月刀とか三節棍とか筆架叉とか、色々と置いてあったのス」
「器械ばっかり…お前、中国武術が好きだったか?」
「何言ってるスか、兄ちゃん。妹斗神拳は中国伝来、半万年の歴史を持つ暗殺拳スよ?」

両手に一つずつトンファーを持って、何やらセクシーコマンドーにも似た妖しげな構えを取る桐莉。

「ホァァァァァッ!!ホァッ、ホァァァッ!アイィィィィィィィィィィッッッ!!!」

怪鳥音と共に、一気呵成に拳を振るう。
回転するトンファーが風を巻き上げ、大気を貫き、耳を劈く轟音と共に発生した衝撃波。
その一撃だけで、俺の部屋の三分の二が粉砕され、何処か遠くへとすっ飛ばされて消えていた。

「すげぇっ、今の桐莉なら回転剣舞六連を究めた四乃森青紫にも勝てる!」
「ぬっふふふふ、これで明日の七華姉ちゃんとのバトルの勝者は、桐莉に決まったも同然だーっ!」
「俺にも貸してくれ!俺もこいつがあれば最強になれるに違いない!」
「うしっ、いいか兄ちゃんっ!ここをこう握って、こう!」
「ふむふむ」
「更に腰を落としてこう構えて!」
「応よっ!」
「そして、トンファーを回転させながら、一気に突きだぁーーーっ!」
「ほぁぁぁぁぁぁぁ、オアチョァァァァーーーーーー!!」
101桐莉兄:2006/03/28(火) 14:22:23 ID:bm+F0rjv0
ぶんっ!       ――ガシャァァンッ☆

盛大に窓硝子を粉砕しながら、俺の手を離れて大空の彼方へと飛び去るトンファー。

「空を自由に飛びたいな〜(ハイっ、タケトンファー!)」
「ぬぁぁぁぁぁっ、何をするだぁーっ、許さんッ!」
「泣くな、桐莉!泣いちゃ駄目だ!トンファーさんは星になったんだ!だけどお空の彼方から今も桐莉の事を生暖かく見守ってウボァ!?」
「うわぁぁぁぁんっ、あほぉぉぉぉっ!兄ちゃんも光になれェェェェェーーー!!!」

ごすっ、ごすっ、ごすごすっ、げしっ、ごしかーんっ!!!

「どうしてくれるのスかぁぁぁっ!これで明日の七華姉ちゃんとのバトルの敗者は、桐莉に決まったも同然だーっ!」
「や、やめっ、落ち着け桐莉っ、兄ちゃんを殴っても何の解決にもなりませんよっ!」
「兄ちゃんには責任とって貰うのス!けじめ付けて貰うのス!」
「うわっ、何をするきさま―www―ww――あqせdrtgふじこ」
102桐莉兄@キリ:2006/03/28(火) 14:23:37 ID:bm+F0rjv0
 ―翌日―

「逃げないで良く来たね、桐莉ちゃん」
「兄ちゃんの恋人の座を賭けて、いざ尋常に勝負なのス!」
「私の武器はこれだよっ、ナナカリボルグーっ!」
「桐莉の武器はこれなのス!トンファーっ!」
「……ども、トンファーです」
「たかくんっ!?」
「しくしくしくしく」

三月二十八日、妹のトンファーを壊してしまった俺は、妹のトンファーにされてしまいました。

「兄ちゃんっ、構えろっ!」
「はい、今すぐ勃起させていただきます……」
「桐莉は兄ちゃんのちんこ握るーーっ!!そしてっ、ちんこを支点に激しく回転っ、打撃攻撃を繰り出すっ!!!」

ぎゅんぎゅんぎゅんぎゅんぎゅんぎゅん☆

「死ねっ、七華姉ちゃんっ!」
「うわぁぁぁっ、たかくんが回転しながら迫って来るーーー!!?」
「ぁ、駄目。そんな激しくされたらっ……(どぴゅっ)」
「ぬぁぁっ、急に萎えるなっ、兄ちゃぁぁぁぁんっ」

ごんがらがっしゃんぐしゃぁっ……………。
103名無しさん@初回限定:2006/03/28(火) 15:15:30 ID:Id7Lar910
アホすぎる・・・w
104名無しさん@初回限定:2006/03/28(火) 17:48:58 ID:1Mp3MFg30
バロスwwwwww

朝起きたら妹の胸の谷間で窒息しかけた
105名無しさん@初回限定:2006/03/28(火) 21:13:43 ID:JBf2kbSR0
凄すぎる。
涙が止まらない。
106名無しさん@初回限定:2006/03/28(火) 21:15:49 ID:4L8bSvZsO
ああ、バカだ、最高だ……
107桐莉兄:2006/03/29(水) 02:51:09 ID:VAmpKNPf0
朝起きたら妹が、貧相な自分の胸を見つめて、頻りに溜息を吐いていた。

「ぷ…ぷす〜…」
「これこれ桐莉さん、君は朝っぱらから何て奇妙な溜息を吐いているんだい」
「あのね、兄ちゃん、桐莉のお胸さんはどうしてこんなにミニマムオパーイなのスかね?」
「はっはっは、そんな小さな事で悩んでいたのかい、お胸の小さなマイリトルシスター」
「おかしいのス、毎日兄ちゃんにネチョこく揉まれているのに、一向に大きくなる様子を見せんのス。肥料が足りてないのスか?」
「肥料なら兄ちゃんのこくまろミルクをファブリーズしても無駄なくらい毎日ぶっ掛けてあげてるじゃないか」
「違うのス。そーゆーので無しに、例えば、桐莉には練乳分とかが足りてないのと違うのスかね?」
「いいかい桐莉。魅力は人それぞれなんだよ。ぶっちゃけ兄さんは小さい胸が好きなので、お前はこのまま一生AAサイズのおっぱいで居なさい」
「待てコラ兄ちゃん、極上の笑顔でなんつー事言いやがるのスか」
「お前な、巨乳なんて百害有って一利無しなんだぞ。重たいし、垂れるし、肩凝るし」
「ぬ、ぬぅ、そう…スかね?」
「挟めるし、扱けるし、揉み心地は抜群だし。具体的には七華のとか」
「ぬがぁっ!?やっぱ大きいのが好きなんじゃないスかぁっ!!」
「いや、だから、大きいのは七華が居るから、小さい胸に対する需要はお前が満たすのが一番じゃないかと」
「ウワァァァンッ、兄ちゃんのアホー!!」
「雨にも負けず、風にも負けず、由紀にも、夏の七華にも負けず、小さなお胸を持ち、欲は無く、決して怒らず、何時も静かに笑っている、そーゆー

妹に俺はなって欲しい」
「百辺死ねーーー!!!」

一頻り俺をどつき倒すと、妹は泣きながら部屋から飛び出して行った。
そうして、その夜は帰って来なかった。
108桐莉兄:2006/03/29(水) 02:52:16 ID:VAmpKNPf0
――翌日――

「うるぁー、起きろ、兄ちゃんっ!」

ばっさぁっ。

「ぅぅー、うるさいよ…今、朝の何時だと思ってるんだよ……」
「ゴルァ―――!何で七華姉ちゃんが裸で兄ちゃんのベッドの中に居やがるのスか!?」
「夕べはたかくん、凄かったんだよ」
「何が凄かったか言ってみろゴルァ―――!!?」

まだ朝日が昇るか昇らないかの時間帯に、桐莉が帰って来た。
布団を剥ぎ取られて少し肌寒い朝の大気に身を震わせ、俺は七華のふくよかな胸にそっと顔を埋め……

「埋めるなゴルァ―――!兄ちゃんっ、起きろっ、正気に返れっ!!」
「ぱふぱふ……ぱふぱふ……」
「するな―――!!おまいは七華姉ちゃんの巨乳に騙されているんだ―――!!!」
「失礼だよ、桐莉ちゃん。私、おっぱいでたかくんを騙したりしないよ」
「うむ、この揉み心地は胸パッドじゃなしに、正真正銘本物の乳の揉み心地……」
「そーゆー問題か―――!!おまいは結局どっちの胸が好きなんだ―――!!!」
「巨乳ちゃんが好きです、でも貧乳ちゃんも……」
「ほーら、たかくん、ぱふぱふ〜♪」
「貧乳ちゃんが好きです、でも巨乳ちゃんはもっともっと好きです」
「言い直すな―――!!!」
「だってさ、だってさ、目の前に揉んで下さいって巨乳がぶら下ってるんだよ、男だったら我慢出来なくても仕方無いじゃん」
「へっへーんだ、悔しかったら桐莉ちゃんも巨乳になってみせればいいんだよー」
「ぬぅぅぅっ、だが然しっ、七華姉ちゃんの快進撃も此処までなのであった!妹斗神拳を舐めるなァァァ!!」

ぷすっ☆

「……ん?……んんっ?間違えたスかね?」
109桐莉兄:2006/03/29(水) 02:56:48 ID:VAmpKNPf0
桐莉の指先が七華の乳首に減り込むと、空気の抜けるような音と共に

「……合ってたみたいス♪」
「うわぁ……うわぁっ、私のおっぱいが萎んでいくぅぅぅ!!?」
「これぞ巨乳乳(でかぱいぱい)が見出した人体壱百八つの経絡秘孔が一つ、弩貪乳(どどんぱ)なのス!」
「たかくんっ、たかくんっ、私のお胸に空気を吹き込むんだよっ!」
「ひーっ、ひーっ、ふーっ!ひーっ、ひーっ、ふーっ!」
「無駄なのス無駄なのス、今日から七華姉ちゃんは貧乳七華として暮らすがいいのス!」
「酷いよ桐莉ちゃん、桐莉ちゃん酷いよ!」
「更に更にっ、桐莉の胸にはこれだぁっ!じゃんじゃかじゃぁーんっ!!」

謎の草を取り出して、口の中でくっちゃくっちゃ噛み潰すと、自分の胸にペタリと貼り付け、

「これは夕べ桐莉が一晩掛けて大魔導峠の樹海から採取して来た凄い薬草なのス(にま〜)」
「うわぁぁぁんっ、うわぁぁぁぁぁんっ、私の胸が標高マイナス3000メートルになっちゃったよーーーー」
「さらば七華姉ちゃん!桐莉はこれで巨乳(キリリマンジャロ)になる!……キリリカル・トカレフ・キルゼムオーーールっ!!!」
「ずるいよ桐莉ちゃんっ、私にもよこせっ!」
「ぬぁっ、桐莉の薬草がっ!?」
「(くっちゃくっちゃ)これを貼り付けて……まじかる・ドミかる・ぴぴるぴるーーーっ!!!」
「ぇぇぇいっ、また膨らんだら七華姉ちゃんの秘孔を突いて萎ませてやるのス!」
「そうなる前に逃げ切ってやるもんっ!」
「うっうぉぅっ、うぉぁぁぁあああーーーっ!!?」

ファゴォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!

「光が……消えた……。目の錯覚か?優れた芸術作品は其れ自体が光を放って見えるというが、妹と幼馴染の裸が其れと同じように見えたとい

うだけの事か……」
110桐莉兄@キリ:2006/03/29(水) 03:01:05 ID:VAmpKNPf0
ぎゅむ、ぼぎゅるるむ、ぎゅぶっ、ぎゅぶっ、ぎゅぶっ……

「いや、違うっ!この首筋にピリピリと来る感覚っ、ぉぉぉぉぉぉっ、右ですかァァァァァ!!?」
「うわぁぁぁんっ、たかくんっ、止まらないよぉっ!!!」
「左もですかァァァァァ!!?」
「YES!YES!YES!桐莉のォォォ、兄ィィちゃァァァーーーーーんんッッッ!!!」

右をよければ左、左をよければ右!この攻撃はかわしようが無いっ!

「たかくぅぅぅんっ、当たる面積を最小にして波紋で防御するんだよォォォ!!!」
「ひょっとしてぇぇっ、巨大化おっぱーいに挟まれて圧死ですかァァァァァァーーーーーー!!?」
「YES!YES!YES!……OhMyGod!」

━┓¨━┓¨━┓¨━┓¨━┓¨━┓¨━┓¨━┓¨━┓¨━┓¨━┓¨
━┛ .━┛ .━┛ .━┛. ━┛ .━┛. ━┛. ━┛ .━┛ .━┛ .━┛.   ――ぷちっ。

―――

「(ガクガクブルブルガクガクブルブル)」
「ほーら、たかくんの大好きなおっきいおっぱいだよー」
「ひっ、ひぃっ!?アヒィィィっ!?おっぱい恐いおっぱい恐いぃ!!」
「兄ちゃーん、桐莉の胸は小さいぞー」
「は、はぁぁぁぁっ!?ぺちゃぱいっ、ぺちゃぱいだぁぁぁ!!アヒャヒャヒャ」
「……どうするんだよっ、桐莉ちゃんっ!たかくんが壊れちゃったよっ!?」
「いいじゃないスか、桐莉も七華姉ちゃんも元通りの胸のサイズに戻ったんだし」
「たかくーんっ、ほらぁっ、挟んであげるから、何時も通りおっきおっきしてよーっ!」
「はひっ!?はひぃぃぃ、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?息できないっ、暗くて狭いぃいーーー!!!」
「ぁぁんっもうっ、桐莉ちゃんのばかばかばかぁぁぁーーーーー!!!!!」
111名無しさん@初回限定:2006/03/29(水) 22:11:13 ID:nGHrbmIp0
ワロスwwwwww
112名無しさん@初回限定:2006/03/30(木) 18:50:02 ID:HfAEaB6yO
はっちゃけまくりwwww
113チラシの人のチラシな話:2006/03/30(木) 19:09:05 ID:JyUfRTZO0
 朝起きたら妹は結婚する。

「いよいよ敬子も結婚かぁ……」
 もはや苦笑いを浮かべるしかないくらい聞かされた、親父の台詞。
 結婚式場の一室には、純白のウェディング姿の妹とそれを囲む親父とお袋、そして俺の三人しか
いない。
「ホントにキレイねぇ」
 お袋が式の前だというのに、もう涙ぐんでる。親父は昨日から泣きっぱなしだったので、顔はも
のすごいことになっている。
「親父もお袋も涙もろいよなぁ」
「あ、お兄ちゃんは悲しくないのぉ?」
 口を、言いまわしは古いが、リスのように膨らませた敬子は、歳相応というか、ドレスを高校の
制服にでも着せ替えても違和感の無い未成熟さを感じさせる。
「いや、正直あんまり実感なくてな。敬子が結婚なんてさ」
「ほんとよねぇ。公平も頑張らないとねぇ、彼女さんとももう長いんでしょ」
 引き合いにだして茶化すお袋の顔には、かなり本気で心配している気がある。
「まったくだ、息子ならいくら婿に出しても惜しくないが、娘は断腸の思いだなぁ」
「親父、それひどすぎ」
 談笑。
「はっはっは、すまんすまん。しかし、娘ってのは持つもんじゃないなぁ。俺は敬子が十になった
くらいから、いつこの日が来るのかと、気が気じゃなかったぞ」
「お父さんってホント極端よね」
「だよなぁ、案外、敬子が生まれた時から不安に思ってたんじゃないか?」
「公平、お前なんでそれを――」
「あはははっ、ヤダお父さん」
「あなた、そろそろ媒酌人挨拶の準備を」
「ああ、そうだったな。じゃあ敬子、公平、後でな」
 退出していく二人を目で送ると敬子が柔らかな笑みを浮かべて、視線を俺に向けた。
 両者の間に交わされる言葉はなく、なんとなく両親がいたときより空気の密度が高い。
114チラシの人のチラシな話:2006/03/30(木) 19:14:14 ID:JyUfRTZO0
 俺も結婚式なんて初めての経験なもんだから、妹といえど、なんとなくかける言葉が見つからな
い。恐らく敬子もそうなんだろう。
「……あー、んーと、ど、どっちが結婚するかの賭けはあたしの勝ちだねっ」
 場の空気に押し出されたように、敬子がいかにも今思いつきました! なことを言う。
「そんな約束したかぁ?」
「え、うん、したよ。三日前くらいに」
「敬子、いくら俺が忘れっぽくても三日前のことを忘れるほどじゃないぞ」
「一昨日の晩御飯はなんだった?」
「え……そりゃお前……あれ? 俺なに食ったっけ」
「ほらぁ、一昨日の事も思い出せないのに三日前のこと覚えてるはず無いでしょっ」
「なんかずりーなぁ!」
「あは、罰ゲームは、勝ったほうの言う事なんでも聞く、だからねっ」
「マジか!」
 折角の妹の晴れ舞台だ、願い事の一つや二つ聞いてやるってのが兄としての器量ってモンだろう。
俺は、妹のウソに付き合ってやることにした。
「うーん、どうしよっかなぁ、迷うな〜」
 敬子はお金、とか一軒家とか不穏な単語をブツブツと羅列している。嫌な汗が背中を伝う。
「あ、あの敬子さん……俺の預金残高くらいワカッテマスヨネ?」
 ドレス効果で5割くらい綺麗に見える笑顔を俺に向けて
「じょーだんだってば。もっとロマンティックなものがいいかなぁ」
 と、言った。子供のころから変わらない笑みは、どこか切なさを胸に去来させる。こういう何気
ないことが実感がわいてきた、というんだろうか。
「ロマンって言われてもなぁ、あー、あれか、式の途中に乱入して、花嫁泥棒してくれ、とか言う
のか!」
「――っ、お兄ちゃん、なんであたしの考えてたことっ」
「ばっか、俺は敬子のこと、なんでも知ってるんだぞっ」
 幼少のころから仲がよく、この歳になるまで幾度となく繰り返してきた、他愛ないやり取り。
「うっそだぁ」
「ほんとだって、お前の歳分だけ一緒にいたんだぞ? 足のサイズもスリーサイズも知ってるっ
て」
「なっ――ちょ、ばか、なんでそんなこと知ってるのよぅ!」
115チラシの人のチラシな話:2006/03/30(木) 19:19:44 ID:JyUfRTZO0
 手を振りかぶって殴りかかるようなモーションをする敬子。実際殴ったりはしない、女の子特有
のアクション。それは可愛くもあり、今日でそうそう見ることもなくなるんだろうな、という微か
な寂しさがチクリと胸を刺す。
 でもそういう雰囲気はこの場には相応しくない。
「だから、なんでも知ってるっていっただろ〜」
 だけど、次の瞬間、敬子が見せたのはこの場に相応しくないような愁いのこもった顔だった。
「知らないよ、お兄ちゃんは」
 さっきまでの優しい表情は仮面だったんじゃないかと思わせるほどに、反転した真剣な目。
「敬子?」
 硬質的な声色に一瞬戸惑う。
「お兄ちゃんさ、あたしがお兄ちゃんのこと、本気で好きって知ってた?」
「――え」
 身体を何かが突き抜けた。物理的な接触など何一つ無いはずのソレは、しかし確かに俺の頭を物
凄い勢いで殴りつけた。
「お願いはね、今言ったこと全部忘れて、で」
「え、ちょっと……敬子、ちょ、ちょっと待ってよ」
 あまりの出来事に言葉も身体も反応しない。
「ん、どうしたの、お兄ちゃん?」
 何事もなかったかのように元の笑顔で俺を見つめてくる敬子。
 数分、いや、数十秒だろうか、全く別の世界に飛ばされたような有り得ない錯覚が見舞う。
「敬子」
「んもー、お兄ちゃん、約束はちゃんと守るっ。反故はだめだよっ」
 それこそ、同じ人物ではないかのよう。
「敬子っ」
「だめ、なんだから」
「どうして、お前……そんなコト言うんだよ……」
 反芻される敬子の台詞。
 本気で好きって知ってた? ――好きって――、好きだった、じゃない、現在進行形。
「お兄ちゃん、うそつきだ、約束破った……」
「敬子、たちの悪い冗談だろ?」
116チラシの人のチラシな話:2006/03/30(木) 19:21:53 ID:JyUfRTZO0
 俺、見事に引っかかったからさ、笑ってくれよ、『あはは、お兄ちゃん、マジになってバッカみ
たい〜』ってさ、なぁ。
「うそつき……」
 子供みたいに、一枚盾の自己の正当性を主張し続ける敬子。
「新婦さん、ちょっと進行のことでお聞きしたいのですが〜」
 式場のスタッフらしき人が部屋の入り口から呼びかけてきた。
「あ、はい、いま行きます」
 逃げるように俺の横をすり抜けていく敬子を、俺は止めようとして、やめた。スタッフの横に敬
子の結婚相手がいたからだ。今の俺の発している不穏な空気を感じさせるわけにはいかない。
「お兄さん、ちょっと敬子さん、借りていきますね」
 挨拶をする新郎の顔などほとんど見えちゃいなかった。答えを返すだけの余裕も無い。
「お兄ちゃん」
「う――」
 無条件反射で敬子の言葉だけに反応する。本能で生きる動物がそうであるかのように。
「約束破ったから、さっきのお願いはなしねっ。罰として、あたしが一番喜ぶことをすることっ」
 どうしてそんな平静でいられるのか――。
 敬子と新郎が去っていく姿を、俺は間抜けに佇立して見ていることしかできなかった。
117チラシの人:2006/03/30(木) 19:29:05 ID:JyUfRTZO0
(;´・ω・)つ 一話完結のショートショートのはずがなぜか続編風味に……。
 安直なエロばっかだったのですこしストーリーに走ってみたのですがどう
にも、難しいもんですな。
 んでもSS書きとしては作品で勝負してなんぼなので泣き言は無しにしまつ
(`・ω・´)

>>桐莉兄氏
 ギャグセンス分けてくださいOrz←いきなり泣き言
118名無しさん@初回限定:2006/03/30(木) 23:04:29 ID:tmTpBAcS0
続けてくれっ!
お兄ちゃん頑張ってくれっ!
119名無しさん@初回限定:2006/03/31(金) 00:29:40 ID:sAhK/bZl0
切ないなぁ。GJ!
120突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/31(金) 02:44:10 ID:ES2K7zSC0
予告通り、里佳子編は少しお休みです。

また最初に断っておきますが、今回のは(私的には)過激です。
愛はありますが、明らかに歪んでます。
これ以前の話についてはログ置き場の「小夜・若菜編」をご覧ください、ぺこり!
121突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/31(金) 02:45:48 ID:ES2K7zSC0
「あの…………兄様……?」
「ん?」
「…………い、いえ………」
愛を交わし深め合う……というよりは子作りの為のセックスの余韻に微睡
む兄妹。他に選択肢が無いのだとは言え自らの意志で禁忌を犯していると
いう罪の意識も、純粋な繋がりを伴わない空虚な性行為と理解していなが
らも互いの肉体を求め合い貪り合い達し合ってしまう後ろめたさも、こう
して肌を重ね合って相手の鼓動と体温を静かに確かめ合っている間だけは
少しだけ遠くに追いやっておくことが出来る。今夜も二度、腹違いの兄の
精を体の一番奥で受け止める事が出来た小夜は、その大きな胸に頭を乗せ
て幼い頃から何度も自分を慰めてくれた規則正しい脈動音を全身に馴染ま
せながらも体内に満たす熱に身を任せきれずにいるように思えた。
「…………あ、あの…………」
歯切れが悪い問いかけ。その先を促すのではなく、一回り近く年の離れた
妹を安心させようと小さな頭を片手で引き寄せて優しく優しく指で髪を梳
いてやる大地。
「……えっと………あの……えっと………」
「若菜、だな?」まだ一四歳の妹をここまで怯えさせ困惑させる存在など
大地は一つしか知らない。それは彼の双子の妹である「今度は一体全体ど
んな無茶を押しつけてきたんだ?」
実家でもある屋敷に軟禁されてからのこの数ヶ月で若菜の暴虐無人さは身
に染みている。半分とは言え血の繋がった兄の子供を宿せと妹に命じた上
に、果たして今度はどんな無理難題を言い出したのやら。
「に、にいさまぁ………」じわり、と溢れ出す涙「……小夜は、どうした
ら良いのかわからなくって、それでぇ………!」
「わかってる。わかっているから、話してごらん?」
嗚咽を漏らす小夜の髪を撫でながら、大地は静かな声で先を促した。
122突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/31(金) 02:46:29 ID:ES2K7zSC0
話は数時間ほど遡る。
朱く染まった空の向こう。山間に夕日が沈む時刻。その残り陽に窓越しに
照らされた室内には小夜と若菜の二人だけがシックなデザインながらも女
性の寝室には不釣り合いな程に大きなベッドの上で絡み合っている。
(ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちょ、じゅるるるるるっ!)
「ひ、ひぃっ!!」
学校から帰宅した足もそのままに使用人からの言伝で聞いた姉の命令で部
屋を訪れた小夜は、既に下着姿になっていた若菜に寝所に引き込まれて否
応なく性処理の玩具にされてしまっていた。充分にクッションの効いたベ
ッドの上に仰向けに投げ出された妹の腰から上には目もくれず、セーラー
服のスカートと純白のショーツだけを無理矢理に剥ぎ取った若菜は剥き出
しになった小夜の秘裂に、未だ幼さも抜けきれず毛も生えていない女性器
に飢えた猛獣の様にしゃぶり付いたのだ。
「だ、駄目です! 若菜さまぁ………!!」
こうして慰み者になるのは何も今日が初めてというわけではない。自慰に
ついて教えられたのは小学校に上がった直後の頃だったし、それから半年
も経たない内に最初のクンニリングスを受け姉への性的奉仕も強要されて
いたと思う。そうして通常の性的覚醒の遙か以前に同性を相手にしての倒
錯的な快楽を刷り込まれた小夜の肉体は、既に姉専用に開発され尽くして
おり自分で慰めても満足出来なくなってしまっていた。だから若菜に貪欲
に扱われることで快楽は得られても嫌悪の対象にはならないのだが……
「いやっ! いやです若菜さま、このままじゃ嫌ですぅっ!!」
「嫌って、何がかしら?」年不相応に快感を知っている小夜の体は僅か数
分の舌での愛撫で大量の愛液を分泌させていた。羞恥と快楽で涙目になっ
た腹違いの妹の反応を面白がる若菜の顔をベトベトにするほどに「少なく
ても、此処は悦んでるみたいだけどなぁ?」
「そ、それは………」
「それは? なぁに?」
123突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/31(金) 02:46:59 ID:ES2K7zSC0
「で、ですから………小夜がお部屋で着替えてから……」 
「あ……ああ、なるほどね。」と邪な笑みが更に広がる「いつもはシャワ
ーを浴びて下着を替えてからシてるものね? 今日は体育の授業もあった
から汗かいてるし、蒸れてるのが気になるんだ?」
「あ………う………!」
「言われてみたら、確かに少ししょっぱいかな? それにぃ、学校でお手
洗いも行ったのかしら? なんだか変な味もするわねぇ?」
「ひ……! い……い……!」
「でも私、小夜ちゃんが大好きだから、一日分のおしっこが付いてても全
然平気よぉ? お姉ちゃんが綺麗に舐めてあげるからね?」
「あ、あああ…………」
恥ずかしさを通り越した恐怖。心臓を締め付けられるような絶望感で今す
ぐに消えて無くなってしまいたいとさえ思う小夜の秘唇からは、しかし若
菜の言葉に反応して白濁化した愛液が新たに溢れ出す。本人の意志とは裏
腹に肉体が加速度的な興奮を示しているのは明らかだ。
「あらら、もう昨日の兄さんの精子が漏れてるの? それとも小夜ちゃん
は、お小水塗れのアソコを舐められて嬉しがってるの? まぁ味で確かめ
たら良いわよね。それじゃあ………」
(じゅるるるるるっ!!)
「ひ………あぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
膣口に吸い付いた唇が放つ下品な音と共に膣内の全てを無理矢理吸い出さ
れて喉が裂けそうな悲鳴が上がる。華奢で色白の下半身が純白のシーツの
上で魚のように跳ね上がる。
(じゅるるっ! ちゅ、ちゅぅぅぅぅぅぅっ!!)
「あああ………あ……あ……」
とぷっ、と粘りけの強い愛液が更に流れ出し、若菜にも小夜が最初の絶頂
を迎えたのだとわかる。細身で発育が遅れ気味な妹が肩で息をしながら濃
厚な蜜を垂れ流している姿に舌なめずりをしながら、若菜は妹の可憐な唇
の中に隠された小さな舌が与えてくれる快感への期待でドロドロに汚れた
シルクのショーツを脱ぎ捨てた。
124突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/03/31(金) 02:52:57 ID:ES2K7zSC0
一応、あと数回の投降で完結させる予定です。
どうしても受け付けられない方もいらっっしゃるとは思いますが……w

>チラシの人氏
まぁ、お互い鍛錬……ということでw

にしても、今回はデリケートな作品ですね。
こういうのも良いな、と気付かせて頂きました。

>桐莉兄氏
いつもながら、お見事です。
前にも申しましたが、私にゃ無理なジャンルなだけに羨ましいっすw
125名無しさん@初回限定:2006/03/31(金) 21:13:52 ID:sAhK/bZl0
何このエロス(*´∀`)
超GJ
126チラシな話 その2:2006/03/32(土) 23:46:02 ID:MrU+thgx0
 挙式練習が終わり、参列者たちがそれぞれの席に着く。間を置かずして挙式が始まった。
 早い、あんまりにも早すぎないか。そう思うのはこっちの事情であり、式場からすれば、この式
も、数あるこなすべき仕事の一つに過ぎないのだろう。
 控え室での一件のあと、ほとんど考える間も与えられず、今に至る。
 敬子は言っていた。一番喜ぶことをしてね、と。あれから時間的には一時間ほどを数えたが、混
乱状態を立ち直らせるのでいっぱいいっぱいだった俺は、結局何一つ明確なヴィジョンを見出せな
かった。
 フルートの軽快なはずの音色もただの雑音にしか聞こえない。ざわめく参列者。ああ――頼むか
ら黙っていてくれ。
 そもそも、敬子はこの結婚を喜んでいないのだろうか。
 そんなはずはない、と思いたい。それこそ再三にわたる打ち合わせをしてきたはずだ。俺も相当、
相談を受けた。それは当人たちからすれば、並大抵の労力ではなく、伊達や酔狂でできることじゃ
ない。
 それなのに、好き、と言った。俺を。
 俺が好きなのになぜ結婚する? なぜこんな時にそんなことを言う? そんなことを言われたら、
俺はどうすればいい?
 憶測に過ぎないその言葉の意味は、しかし確実に思考にぬぐいきれないある予感を生み出す。
 冗談で言ったはずの言葉が、背中に氷柱を挿し込みながら舞い戻る。
(花嫁泥棒)
 馬鹿な――できるはずが無い。
 できやしない、理由なんて簡単だ。俺はドラマの主人公でもないし、大それたコトをできるよう
な性格でもない。ましてや、最大の理由として、
「動機が、無い」
 ボソリと思考を言語化する。大音量のBGMでかき消された言葉を聴き取れた者はいない。
 敬子には悪いが、俺にだって生活はある。何年も付き合っている彼女だっている。
 親父だってお袋だって、そんなことをしたら何がなんだか分からないだろう。
 単純に天秤なんだ。
 人の気持ちは数値化することはできないとは思う。それでも、コトを起してしまった後のことを
考えると、俺の天秤は敬子には向かない。
 言い換えれば、それは敬子の好きに答えられるほど、俺はあいつを好きではないということ。
127チラシな話 その2:2006/03/32(土) 23:51:37 ID:MrU+thgx0
 ……違う、俺は俺なりに敬子のことを想っている。だけどそれは兄としての感情だ。あいつの言
葉に答えることなんてできない。
『――うそつき』
 耳鳴りのように耳朶を打つ。
 そのとき、荘厳な装飾で彩られた扉が開いた。佳境を迎えたBGMが式場に響き渡ると、親父と
敬子が入場してきた。
 緊張した面持ちの親父と、対を成すように、敬子の楚々とした立ち振る舞い。
 ヴェールの隙間から微かに見えた、俯き愁いを帯びた瞳が持つ意味を、結婚式特有の、喜びを秘
めた悲しみであるのだと信じたい。
 なのに……どうして、敬子、お前は――
 静かに、狙い定めた狩人のように、その瞳が、
 俺を射抜く。
 目を逸らす。やましいことなど何も無いはずなのに、逸らさずにはいられない。
 二秒、三秒……逃れるように落とした視線を再びバージンロードに戻したのは、結局、神父によ
る聖書の朗読が始まるころだった。
 写真撮影などは禁止されていないらしく、新郎新婦の友人らしき若い男女数名がデジカメやら携
帯やらを操っている。隣にいた妙齢の婦人が明らかに癪に障るといった面持ちで小言をもらす。
 今、俺が立ち上がり、バージンロードを傍若無人に踏み荒らし、花嫁を掻っ攫っていったらこの
人はどんな顔をするんだろう。
 ……愚にもつかない思量だ。
「……時も、例えどのような事が起ころうとも、命ある限り、愛することを誓いますか」
「誓います」
 新郎。
「ちかいます」
 淀みなく、敬子。
 そう、それでいい。俺の懸念なんて杞憂なんだ。あんなこと言われたくらいで自意識過剰になっ
ていた、ただそれだけのことだ。
「では、誓いのキスを」
 ……ぴくり、と何かが震えた。
 ことの大きさだけで言うならさっきの愛の誓いのほうが大きいはずなのに、どうしても、キスと
いう単語に反応してしまう。
128チラシな話 その2:2006/03/32(土) 23:58:52 ID:MrU+thgx0
 向き合う二人。ヴェールが上げられ、新郎の手が恵子の肩に乗せられ――
 どくん、と心臓が高鳴った。
 自然と腰が浮き上がる。
 敬子の左目が俺を捕らえ――
 何のために力を入れているのか分からない俺の脚が地を蹴りだそうとし――
 この場に似つかわしくないポップなメロディーが式場に鳴り渡った。
 新郎を含み全ての参列客が、マナー知らずの若者に非難めいた視線を送る。
 その中でただの二人だけ、まなこを睦ませる男女。
 彼女の瞳が言っていた。
(まだなの? お兄ちゃん)
 ほんの数瞬のできごとだ。若者はそそくさと退室していき、神父の咳払いを合図に、新郎と敬子
は向き直る。
 俺は……俺は、何事もなかったかのように席に腰を下ろしていた。
 誓いのキスが交わされ――大きな歓声と共に――祝福の祝詞が挙げられる。
 ……。
 後のことは良く覚えてない。
 披露宴の途中あたりだったか、俺は式を抜け出し、ほとんどルーティンワークのように家に帰っ
ていた。
 礼服の上着も脱がぬままに、だらしなく敷かれた布団に倒れこむ。勢いをつけた頭に硬質的な衝
撃が走った。
「いって……」
 昨今の物件事情を鑑みれば、破格と言えるこの2LDKの部屋も物が散乱しすぎて、歩けば何か
踏むという始末だ。
 無造作に頭に当たった物を手に取ると、やはり無意識に目の前に持ってくる。
「……なんでよりによってこの写真だ」
 他にも写真立てはいくつもあるっていうのに。
 いくつも置かれた10枚近くある写真立てに紛れる様に、一枚だけ飾ってあった妹とのツーショ
ット。
 のっそりと起き上がりショートテーブルを見やる。手元の写真を除き全部きちんと並べ立ててあ
った。多くは彼女である順子との想い出の写真であり、申し訳程度、と言っては悪いが家族で撮っ
た写真が他に一枚。
129チラシな話 その2〆:2006/04/02(日) 00:04:20 ID:EvcGiBqG0
 手の中で笑う、今よりほんの少し幼い敬子を見やる。
 今の俺を攻め立てているというのか。
「違う」
 これでよかった。俺の選択は間違っちゃいない。
 だって、俺は、多くの人がそうしてきたように、大を取り小を切り捨てたのだから。
 時には小を救う正義もあるだろう。だけど俺にはそれによって生み出される多くの悲しみを背負
う勇気なんて無い。
 敬子も、それを分かってくれるはずだ。
 ふと耳を澄ます。いつの間にか、外は雨だった。
 時刻は五時十分前。なぜか空腹であることに気づいた。そういえば披露宴で何かを食べた記憶が
無い。ご馳走が振舞われると思い、朝は抜いていたんだった。
「こんな時でも、腹は減るんだなぁ」
 嘲笑するように呟く。
 コンビニで何かを買ってこよう。おなか一杯になったら眠る。朝起きて、そうやって、いつもの
生活が始まるんだ。
 敬子のことも、少し時間が経ったら、会いに行けばいい。
 すぐにその機会を設けるのは難しいだろうけどなぁ、などと考えながら玄関のドアを開ける。
 灰色の空と、肌寒くなった空気、そして、
(ああ、なんだってんだ、今日は)
 汚れて見る影もなくなった、純白だったドレス。
 座り込んでいた見覚えある黒髪が開いたドアに反応し、上を見上げる。
 ついさっき、結論を出した俺の目の前に、
 ――妹はいた。
130名無しさん@初回限定:2006/04/02(日) 00:10:19 ID:28dYVgmK0
ちょ、ちょっと、ここで終わるのか!?
131チラシの人:2006/04/02(日) 00:22:49 ID:EvcGiBqG0
(´・ω・)つ なんつーか、異質っつーか、毛色違いすぎてて、ちょっと不安ですな。
 ああ、いかんいかん、弱気ダメ弱気……(:::´・ω)
 そのうち萌えるイモートでも精製してみたいです。ハイ。

 >>突発屋氏
 ふつー、三人称で書くと、官能小説みたいなオジサンぽい文になりがち
ですけど、うまーくカワイさ出せてますよねぇ。台詞が幼さだしてっからか
なぁ? ……あ、妹=炉なイメージもってる俺のせいかヽ(`д´;)ノ
132名無しさん@初回限定:2006/04/02(日) 02:33:02 ID:waGOUVXa0
>>チラシ氏
まあ, 妹が死んだりしたのもあったりしたので, 大丈夫なんじゃないでしょう
か? 僕は好きですよ, こう言うの.
133名無しさん@初回限定:2006/04/02(日) 14:25:03 ID:yWx+sgkWO
>>チラシ氏
俺はチラシ氏の作品の中で今回のが1番好きかも
とにかくGJです
134名無しさん@初回限定:2006/04/02(日) 18:03:26 ID:SeB38CyhO
>>チラシの人
上手く読み手を惹き付ける展開で、続きが激しく気になる。
これからも期待しやす。
135名無しさん@初回限定:2006/04/02(日) 21:39:11 ID:N+r5Zrl80
こういうの全然アリだ。すげぇいい。
超GJ
136名無しさん@初回限定:2006/04/03(月) 01:38:44 ID:IgrKoYLnO
活性化して嬉しい限りだ
ネタ投下しとくか


朝起きたら妹が入学式
137名無しさん@初回限定:2006/04/03(月) 06:05:18 ID:SUAMkDes0
朝起きたら妹が花粉症になっていた
138名無しさん@初回限定:2006/04/03(月) 18:04:41 ID:3QqyjxnGO
朝起きたら妹が花見に行こうと言い出した。
139桐莉兄@寸止め妹:2006/04/03(月) 19:27:58 ID:EzKIBygb0

こしゅっ こしゅっ こしゅっ こしゅっ

「んふふ。めぐの大事なお兄ちゃんのおちんぽだもん、ちゃーんと毎日キレイに磨き上げておかないとね」

普段の倍くらい亀頭を膨れ上がらせて先走り液を滲ませながら痙攣する僕のペニスを、妹が脱ぎ立てパンティの股布部分で磨いている。
浮き上がった血管をなぞり、雁首の皮の裏側の敏感な部分を剥き出しにして、パンティごしに指先でくりくりしながら、
下着に染み込んだ愛液や、時折妹が垂らす唾液にふやけて柔らかくなって来た澱物を、僕のペニスの亀頭粘膜に擦り込んで行く。

「嬉しいでしょ、お兄ちゃん。妹のおまんこ汁とおまんこ滓を細胞に直接擦り込まれてるんだよー。これでお兄ちゃんのおちんちんは一日中私の中に入ってるのと同じだねー」
「ひぁぅっ、そこは駄目ぇぇぇ、感じっ、過ぎちゃうぅ」
「お兄ちゃんのペニスは私の物なんだから、大人しく好きにされちゃいなさい」
「しょ、しょんなぁぁ」
「あはっ、ここかな?くりくりーって、ほら、おちんこ勃起し過ぎで破裂しちゃうぞぉー?」
「はぅっ!」
「っとと、危ない危ない。射しちゃ駄目だからね、お兄ちゃん」

きゅっ、と僕のペニスの根元を指で引き絞って、輸精管を押え付け、パンティの側の手の動きを休める。
暫くして、射精の危機が去った頃を見計らったかのように、再びパンティは動き出し、僕のペニスに妹の恥垢とかを塗り込め始める。

「ぁぁーぅぅー射精っ、射精したいよぉっ、恵ぃぃ」
「だめだめだぁーめぇー。お兄ちゃんは私の許可無しに射精しちゃ駄目でしょーぉ?」
「だからぁっ、お願いしますぅっ!射精させてくださいぃっ、恵さまぁぁっ!」
「まだ七回目だもん、もっともっともぉーっと我慢して、おちんちんが勃起したまま戻らなくなるくらいまで虐め続けて精液溜めて、
お外に居る間も、バスの中でも、電車の中でも、学校でも、勉強中も、体育の時間も、図書館でも、二人でデートしているときも、
お兄ちゃんがめぐのおまんこの事しか考えられなくなっちゃうようにするんだからねっ」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ」
140桐莉兄@寸止め妹:2006/04/03(月) 19:28:59 ID:EzKIBygb0
「あははっ、ほらぁ、凄いよぉ。お兄ちゃんのカウパーとぉ、私のえっちなお汁が混ざって凄い匂いぃ。もしかしたら、お兄ちゃんのおちんぽ、もう一生このまま臭いが取れなくなっちゃうかもぉ」

こしゅっ こしゅっ こしゅっ こしゅっ

「もし浮気しても、他の女の子がこの臭い嗅いだら、怒ってお家に帰っちゃうね。だから、お兄ちゃんは諦めて、一生めぐの物なんだよ。OK?」
「ぅぁっ、ぅぁ、出るぅ、でりゅぅっ」
「はい、ストーップ。射精は禁止でぇーす」
「ぎひぃぃぃぃぃ」

妹の二回目の射精禁止命令が出てから、三日目。
毎朝、妹は僕のペニスを扱いては寸止め、扱いては寸止めを繰り返す。
おかげで、僕の尿道の中は常にカウパーでべとべと、トイレでおしっこをしようとしたらまず先っちょからぬるぬるの液が垂れて来る有様だ。
ぅぅ、尿検査が恐い。絶対尿タンパク+とか出るよぅぅ。

「んー、そろそろかなぁ。お兄ちゃん、パンツ穿いていいよ」

擦られ過ぎて亀頭が赤くなり掛けて来た頃、漸く妹のお許しが出る。
腰はガクガク、足はフラフラ、ベッドに手を着いて漸く立ち上がり、よろめきながら投げ渡された下着に足を通す。
勿論、妹のパンティだ。パステルイエローのニンジン柄のやつ。
夕べ穿いてた脱ぎ立ての分は今さっき僕のペニスを虐めるのに使われちゃったから、洗濯済みなのがちょっと残念だけど。

……って、何言ってるんだよ僕は!?
ぁぁぁぁぁ、頭の芯まで妹のぱんつに侵食されかけてるよぉぉぉぉぉ・・…。

「よしっ。お兄ちゃん、学校行くぞっ」
「ぁ、ぁ、待ってよ、恵ぃっ!僕、走れないよぉっ」
「なぁにぃ?もうへばっちゃったの?それとも、勃起しちゃって前屈みぃ?」
「……ぅぅ、両方です」
「ほらほら、がんばって、お兄ちゃんっ。後でめぐがいーっぱい、気持ちのいいごほうび、してあげるから」
「射精は?あり?なし?」
「なしー(はぁと)」
141桐莉兄@寸止め妹:2006/04/03(月) 19:32:55 ID:EzKIBygb0
ぁぅぅぅぅ。
勃起がっ、勃起が全っ然収まりましぇんっ!
満員電車の中で女子生徒の太股に押し付けられて、ちんぽ勃起させながらハァハァ荒い息をして、腰がガクガク動いちゃいましゅぅぅぅ!
何時か捕まるよぅ、この歳で性犯罪の前科持ちになるのは嫌だぁぁぁぁあ!

きーんこーんかーんこーん。

学校に着いても、授業に集中出来る訳が無い。
気を抜けば勃起して、カウパーを垂れ流し、妹の下着に染みを作ってしまう。
休み時間も席から動かずに座ったままやり過ごすしか無い。立ったら勃ってるのがバレちゃうし。
ぁぁ、それでもっ、席の横を女子が通り抜けたら、その髪の甘い匂いだけで僕はっ、僕はもうっ、エクスタシィーーーッッッ!!!(涙)
はぁぁぁぁ、めぐぅっ、めぐのおまんこぉっ、おまんこしたいぃっ!妹とせっくすぅっ、せっくすせっくすせっくすせっくすせっくすせっくすせっくすせっくすせっくす

「長瀬ちゃん、どったの?毒電波受信中?」
「違うぅぅぅ、僕の事はいいからぁっ、放っといてよぉぉ」
「いいけど、もう昼休みだぞ。飯、食わんの?」

気が付けば、授業は終わって昼休みになっていた。
僕には関係無い、とにかく早く学校が終わって、家に帰って妹のごほうびっ、ごほうびうぇをぉぉ

「お兄ちゃん」

ぁぁぁ、もうだめだぁぁぁぁ!ついに妹の幻覚までぇぇぇ!!!

「誰が幻覚よ!ほらっ、一緒にお弁当食べるんだから、さっさと付いて来なさいっ!」
「ふぇ?あ?本物の恵?」
「学年が違う教室に来るのって、かなり恥ずいんだからっ。明日からはお兄ちゃんが私の教室に迎えに来なさいっ、いいわね?」
142桐莉兄@寸止め妹:2006/04/03(月) 19:37:27 ID:EzKIBygb0
ばんっ!

広がる青空、まだ少し肌寒い風、優しい春の陽光。
妹に引き摺られるようにして、半ば無理矢理拉致されて来たのは、階段の四階踊り場を抜けた先、危険だからと閉鎖されている筈の屋上だった。

「じゃじゃーんっ!マスターキーがあれば、屋上から化学準備室の薬品庫、果ては禁断の女子水泳部更衣室まで、何処でもフリーパスなのでぃす♪」
「…何故そんな物を持っている…」
「私、この学園の影の支配者だし」

錆びたフェンスの向こう側には、中庭を挟んで、こっちよりも高いB棟校舎の教室の窓が見える。
ところどころ凹んだコンクリ床には色が変わった水溜りや、剥離した建材の破片が散乱してたりもする。

「お兄ちゃん、こっちこっち」

何時の間に移動したのか、妹は貯水タンクの上から見下ろして手を振って来た。
梯子に手を掛けて、一段、二段、意外と高い。
出来るだけ下を見ないようにして、僕は平らになっているタンクの上に攀じ登った。
吹き上げる風、眺めは悪くないけど、どっちかと言うと恐い。落ちそう。ってゆーか、向こうの教室から見えてるんじゃないか、これ?
妹はいそいそとビニールシートを敷き、弁当箱と水筒を並べて、腕組みしたまま満足げに頷く。

「なぁ、恵。見付かったら怒られるから、降りよう?」
「大丈夫よ。昨日、教頭に引き続いて理事長の弱みも握ったばっかだし」

にまり、と笑って制服の胸元から取り出した写真のネガらしき物を弄ぶ。

「そんな事より、ほら、見てよ」

我が家では年に一度のおせち料理の時くらいしか活躍の機会が無かった小ぶりの重箱の蓋を、勢い良くガバッと持ち上げて、
143桐莉兄@寸止め妹:2006/04/03(月) 19:44:20 ID:EzKIBygb0
「じゃんじゃかじゃーんっ!めぐ特製、お兄ちゃん元気になぁ〜れ弁当ぉーっ☆」
「な、なにィィィィーーーー!!?」
「うなぎでしょ、自然薯でしょ、納豆でしょ、モロヘイヤでしょ、スッポンでしょ、オクラでしょ、マムシの生き血でしょ、それからあと、エビオスにバイアグラにー…」
「食べるのか!?それ、全部僕が食べるのか!?」
「あはっ、精力付くよぉ。お兄ちゃんのおちんこ、元気びんっびんになっちゃうねーっ」

邪悪な小悪魔の微笑を浮かべ、ぬるぬるの自然薯を器用に箸で掴むと、僕の口元に差し出して来る。

「はい、お兄ちゃん、あーん」
「強精料理だよ!?これ、全部強精料理じゃん!?」
「妹が愛情込めて作ってくれたお弁当を拒絶するなんて真似したら、バッドエンド直行だよ、お兄ちゃん?」
「むぐーっ!?むーっ、むーっ!?」

無理矢理口に押し込まれる。
咀嚼、嚥下、一息吐くと今度はうなぎが

「おいし?お兄ちゃん、うなぎ大好きだよね?」
「んぐふっ、げほっ、ごほっ」
「きゃっ!?大丈夫っ、お兄ちゃんっ!?」

妹が僕の唇に吸い付いて、口移しで水筒のお茶を流し込んで来る。

「んっ、んふっ!?こくっ」
「ちゅ…ぷぁ、ごめんね、お兄ちゃん。時間はたーっぷりあるんだもん、ゆっくり食べよ」
「はぁぅぅぅ、今のキスでちんちん勃っちゃったよぉぉ」
「もうっ、しょーがないなぁ、お兄ちゃんは」

すすっ。

僕の背後に回ると、右手で箸を操って、僕の口におかずを運びながら、左手だけで器用に僕のベルトを外して制服のズボンを摺り下ろす。
144桐莉兄@寸止め妹:2006/04/03(月) 19:51:41 ID:EzKIBygb0
びんっ、とそそり立つ僕のペニス。
妹の小さな下着に締め付けられて、食み出た先っちょは我慢汁でぬるぬるべちょべちょ。

「うわぁ、お兄ちゃんのおちんちん、すっごくえっちな匂い」

垂れて来たカウパー液を指先に掬い取ると、裏筋から先割れに掛けて擽るように塗り付ける。
それだけで、ぞくぞくっと快感が背筋を走り、僕の口元から涎が漏れ出て来る。

「はい、お兄ちゃん。次はオクラの天ぷらだよー」
「ふぁ…?ぁ、ぅん。おいしい…」

半ば放心状態で、口元に運ばれる強精料理を機械的に平らげて行く僕。
その間、妹は左手を筒にして、僕のペニスに触れるか触れないかの状態をキープしながら、しこしこと擦る真似だけしてみせてくれる。
既にがっちがちのペニスはびくんびくん暴れて、先走り液が時折跳ねては妹の手を汚し、その拍子に偶に妹の手のひらに当たっては痺れるような快感を僕に与えて、
行き場の無い高ぶりだけが僕の睾丸の辺りでどろどろと蠢いている状態が続き、其の間も料理は次々と僕の口に放り込まれて行く。

「お兄ちゃん、おいし?」
「ふぁ、ふぁぃっ、ぁひっ、ひもちいぃですぅぅぅ」
「そんなにおちんちん勃てちゃってぇ、触れてないのに、腰がカクカクーって動いちゃってるわよぉ?」
「ちんぽっ、ちんぽでりゅぅっ!こしゅこしゅーってぇっ、こしゅこしゅーってしてぇっ!」
「もーっ、恥ずかしいなぁ、お兄ちゃんはっ。向こうの教室の窓から誰かがこっち見てるよぉ?(ニヤソ)」
「ぅぁっ!?んはぁぁぁっ!?」
「あはははははっ、う・そ・ぴょーんっ。お兄ちゃんってば、本気で焦っちゃってるの、可愛いなぁ、もうっ」
145桐莉兄@キリ:2006/04/03(月) 19:56:50 ID:EzKIBygb0
ぞくぞくするような邪悪な微笑を浮かべて、妹がスカートを捲り上げながら立ち上がる。
裾を咥えて、パンティを摺り下ろし、指で広げた剥き出しの割れ目を僕に向けながら、仁王立ちになって、

「お兄ちゃーん、いい子だったからぁ、ごほうび、あ・げ・る(はぁと)」

ぷしゃぁぁぁぁぁ。

妹の股間から生暖かいアンモニア臭のする薄黄色の液体が迸り、僕のそそり立つペニスを濡らして行く。
ちんこの裏筋に刺激を感じた途端、頭の中が真っ白になり、攣るような感覚と共に僕のペニスは爆発、妹に向かって真っ白な精液を盛大に吹き上げていた。


「やぁーんっ、私のスカートにちょっと掛かったぁ」
「は、ひっ、ふぁ、はぁ…」
「もうっ、お兄ちゃんのばかぁっ!学校なのよ、もっと考えて射しなさいよぉっ!」
「ご、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、恵様ぁっ」
「……ふん、まぁ、いいわ。うん。このまま授業に出るのもどきどきして悪くないかも知れないし」
「あ、あの、恵?」
「お兄ちゃんの…いやらしー精液でカピカピになっちゃったスカート…うふ、うふふふ、うふふふふふふ、いやんっ」
「恵が壊れた…」
「シャラーップ!お兄ちゃんにも罰ゲームよっ!お兄ちゃんは私のおしっこで濡れたぱんつをそのまま穿いて授業に出る事っ!」
「うぇぇっ、ばれるよ!絶対にばれちゃうよっ、ほらっ、濡れてるし、ズボンに染みちゃうって!?」
「問答無用ですっ!それから、今からまたオナニー禁止だからねっ!次に射精しちゃったら、お兄ちゃんが私にした事全部、2ちゃんねるの朝妹スレに書き込んじゃうんだからっ!」

……妹よ、何でお前が朝芋スレ知ってるのですか。
というか、兄さん常連です、お前とのピーも書き込んじゃってますよ、ゆんゆん。
146桐莉兄:2006/04/03(月) 20:11:31 ID:EzKIBygb0
ぬぅ、桐莉だとお馬鹿過ぎてエロが書けんのですよ。
と言うか、エロを書いてもギャグになってしまう。
真面目にエロを書くとシリアスになり過ぎちゃってヌキには使えなくなるし。

電波が来てる時しか書けない電波系ギャグ。
オナ禁して溜まりまくってる時しか書けないエロ。
鬱が発動してる時しか書けないシリアス。

……だめじゃん!俺、健全な状態じゃ何も書けないじゃん!orz
だいたい、書きたいラノベ系とかファンタジー童話とか書けてないじゃん!orz

以前聞いたら、なんか七華に比べて扱い難くて出番少ない割に、意外と由紀が好きって人が多かったような。
ヤマモトさんごめんよ、最近、霧佳(かーちゃん)より出番少ないよ。
流石に焼き鳥ネタだけじゃ何度も書けないんだよぅ。

つか、あんまし書き分け出来てないのな。
恵の喋り方、時々微妙にだよもんになりそうになる。

スレ住民もかなり入れ替わってるのかな。
皆さん、電波系桐莉とエロ恵、どっちが好き?
ああ…俺、桐莉みたいなおヴァカな妹と明るく楽しく陵辱えっちも好きだけど、
恵みたいな小悪魔さんとか、優しいおねーたんにいぢめられるシチュエーションも大好きなんだよぅ。
現実は童貞だけどなー!カモン、妖精さーん!ウワァァァァンorz
147名無しさん@初回限定:2006/04/03(月) 22:20:13 ID:E1XF5Dt50
俺は エロ恵派 だ!w
エロGJ!

実際にここまで寸止めされたときってどんな気分なんだろうな・・・
148名無しさん@初回限定:2006/04/04(火) 01:30:46 ID:jlk4xLLg0
テラエロスwwwwwwwwww


朝起きたら妹が素直。性的な意味で
149名無しさん@初回限定:2006/04/04(火) 05:53:21 ID:uUAt0mvJO
恵ぃー!ほあ、ほあぁぁーっ!
150名無しさん@初回限定:2006/04/04(火) 12:37:38 ID:9v1iZd7MO
俺は桐莉たん派だなぁ
151チラシな話 ♯3:2006/04/04(火) 16:39:03 ID:qzIiX9Mb0
 一寸延びれば尋延びるという言葉があるという。現状、困難に見舞われても、それを乗り切れば
その先は楽になる、らしい。
 とても信じられない。
 なぜなら、朝起きたら、花嫁になったはずの妹が、目の前で飯食ってるんだから。
「お前、食う前に何か言うことあるだろ」
「いただきます」
「ちげぇ、ていうか言ってなかったのかよ」
「じゃ、おいしい」
「そりゃ、どうも」
 俺の言ってる意味を介しているのかもわからず、つまむ、ほおばる、咀嚼、飲み込むのローテー
ションを繰り返す敬子。
「裾に粒ついてる」
「んー」
 なんで普通の朝の場景を繰り広げてるんだか。
 昨日はともかく大変だった。突然、花嫁が式場から姿を消したのだから、そりゃあ、洒落になら
ない。
 部屋の前でずぶ濡れになって座り込んでいた敬子を、とりあえず家の中に入れた後、間髪いれず
親父からの連絡が入り、
『こ――公平ッ、敬子が、敬子がいなくなった!』
 と生涯これ以上ないかというくらいに驚いてた親父に、
『なんか知らんがウチにいる』
 と返すと、携帯からは何の返信も聞こえなくなった。これも生涯初の親父の絶句となった。
 お袋に至っては、事態の不可解さに、ただただ混乱しているだけという始末。卒倒しなかっただ
けマシかもしれない。
 しかしそれも仕方ない。俺だって驚いている。
 以外と冷静だったのが支倉――敬子の結婚相手――で、事実だけを咀嚼した感じに、『明日、伺
います』とだけ告げられた。
 すぐに家までくるものと思っていたが、一般家庭同士の結婚とはいえ、主賓やその他、大勢の人
が参列していたのだ。新婦どころか新郎まで消えてしまったのではわけがわからない。場の収集に
でも努めたのだろう。若いのに、かなりしっかりした奴だ。
 それに比べてこいつは……。
152チラシな話 ♯3:2006/04/04(火) 16:44:58 ID:qzIiX9Mb0
「ごちそーさまでした」
 両手を行儀よく合わせて一礼。頭痛がしてきた。
「説明してもらおうか」
「んー、おにーちゃん、せっかち」
 ぶぅ、と膨らます口に比例する不機嫌さ具合は、まさに子供そのもの。
「敬子」
「だって、お兄ちゃん、連れ出してくれなかった」
 まるで、悪いのはお兄ちゃんなんだから攻められるのは当たり前なんだから、というニュアンス
を含んだ台詞。
「敬子、シャレになってないんだからな? わかるだろ、それくらい」
「だって……来ちゃったんだもん……」
 だってでもどうして。小学生レベルの理論武装。とても結婚できる歳の子の言葉とは思えない。
「来ちゃったって……どんだけ周りが迷惑したと思ってるんだよ」
 迷惑、という単語に過敏に不機嫌さを露にする敬子。正直、少し腹が立った。
「ホントは……、お兄ちゃんが席に座っちゃったとき、諦めた」
「でも、気づいたら走ってた」
 脚を折りまげ、攻め立てられるのを怖れる子供のように小さくなる。
「敬子さ、お前、結婚したくないの?」
「……するつもりだった。あんなこと言うつもりもなかった。此処に来るなんて思ってもなかっ
た」
 言葉は語気を強めることもなく、淡々と綴られる。
「そんなあやふやな気持ちのまま結婚なんかするなよ」
「――だったら、だったら、どうすればよかったのっ」
「そんなこと俺が知るかよ」
 突き放す。敬子の気持ち知っているが、それとこれとは論旨が別だ。
 敬子は周りのコトなんかまったく考えてない。あれだけの人がいる席から逃げ出すなんて、十歳
やそこらの子供だって今日日ここまで勝手じゃない。
 いや、俺もすこし気が立っているのか。
 冷静さを欠いた二人が口論を飛ばしたところで、問題は解決なんてしない。
「支倉、来るってよ」
「行かない」
153チラシな話 ♯3:2006/04/04(火) 16:50:50 ID:qzIiX9Mb0
 どうせまた俺が怒るとでも思ったのか、敬子は脱兎のごとく奥の部屋に逃げ込んでいった。
 何から逃げる。自分で招き入れたことだろう。
 時計を見れば時刻は九時を回ったところだった。支倉は十時に家に来るといっていたが、敬子の
様子を見る限り、場所を変えたほうがいいかもしれない。
 というか、この混沌とした部屋に人を招きいれるのは気が引ける。
「会ってくるから、帰る準備しとけよ」
 ドア越しに言葉を伝えるが、案の定物音一つしない。
「勝手にしろ」

 駅前の喫茶店は、朝のラッシュを終えいくらか閑散としていた。まばらに座る客層は、家事を終
えてきた主婦らしき人たちが多い。たまにこちらをチラリと見ては談話に花を咲かせている。大方、
平日にこんなところにいる私服姿の若者に、くだらない詮索でもしているのだろう。
 待ち合わせの時間を五分ほど過ぎたあたりでスーツ姿の男が店に入ってきた。
 軽く手を上げて場所をアピールするとすぐに気づき、小走りでこちらに向かってきた。
「どうもすみません、遅れてしまって」
 いかにも新卒といった初々しい印象を感じさせる男は、特に平素と変わりない様子で席の前まで
やってきた。支倉和馬、敬子の結婚相手であり、クラスメイトだったという彼は一応、俺の後輩で
学生時代から何度か面識はある。
「いや、こっちこそ突然、待ち合わせ変えちまって」
「いえそれは全然……こっちはちょっと朝からミーティングが入ってしまって……青木先ぱ、あ、
いやお兄さんはお休みですか?」
 学生時代の先輩後輩という関係は中々、払拭できないものだ。
「無理いって有給とったんよ。仕事って気分でもなくて」
「ホントに申し訳ないです」
「わり、思慮不足だったな……攻める気は無いんだ」
「いえ、僕がしっかりしてなかったから」
 ふと、その物言いに引っかかるものを感じた。
「まぁ、なんだ、責任の所在を探しててもしょうがない、とりあえず座れよ」
 すいませんと、申し訳なさそうに椅子に座ると支倉は店内を一目見渡した。
「あー、敬子な、引き篭もってんだよ」
「そうですか……」
154名無しさん@初回限定:2006/04/04(火) 16:54:33 ID:UMe5HglT0
援護がいるのかな
155チラシな話 ♯3:2006/04/04(火) 16:56:30 ID:qzIiX9Mb0
 なんだろう、支倉の態度は落ち着きすぎている。たしかに落胆の表情は持ってはいるが、戸惑っ
ている様子は無い。提示された問題に難色を示すような――そんな顔だ。
「もう大丈夫だと思ってたんですけどね」
 独白に近い支倉の言葉は、さきほどの違和感に輪郭を持たせた。
「支倉、お前もしかして心当たり、あるのか?」
「まぁ、おおよそのとこは……」
 驚いた。俺はてっきり支倉は敬子が逃げ出した理由を知らないものとばかり思っていた。確かに
それなら彼の冷静さにも納得がいく。でも、それをこの男が知っているということは――
「敬子ちゃん、ずっと好きな人がいるんですよ」
『あたしがお兄ちゃんのこと、本気で好きだって知ってた?』
 去来する敬子の言葉と、胃が浮くような落下感。無意識に握られた手にはジットリと汗がにじみ
はじめている。
「支倉、お前、それ誰か知ってるの、か……?」
 目を見て話せない。だけど、それは聞いておかなければならないコト、そんな気がした。
「……いえ、お恥ずかしながら」
「そう、か」
 内心、安堵する。脚が微かに震えていた。座っていなかったら悟られていたかもしれない。
「契約、だったんですよ」
 その言葉に俺が顔を上げると、支倉は目を瞑って思い出すように話し始めた。
「中3の卒業式で俺、敬子ちゃんに告って振られたんです、好きな人がいるからって」
 そういえば、昔、初めて告白されたとかなんとかで顔真っ赤にして俺の部屋に飛び込んできたこ
とがあった。
「その後、高校でクラス一緒になっちゃって、僕すごい気まずかったんですけど、ある日敬子ちゃ
んに呼び出されて、付き合わないかって」
「それって、告白されてからの数ヶ月で自分の気持ちに気づいたとかそういうノロケ話か?」
「違いますよ。言ったでしょう、契約って」
「なんだよ、契約って」
「最初に提示されてたんですよ、『付き合うってどういうことなのか教えて欲しい。私はあなたを
好きにならないかもしれないけど』って」
「それ、告白か?」
156名無しさん@初回限定:2006/04/04(火) 16:59:21 ID:6VkHaUvQ0
援護をする時は
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/9242006003/
に空書き込み。
エラーが出るが、援護としての役には立っている。
こうすればスレを汚さずにすむ。
157チラシな話 ♯3:2006/04/04(火) 17:02:08 ID:qzIiX9Mb0
「好きな子がほんの一%でも、自分のことを好きになってくれる可能性を与えてくれたなら、普通
は乗ると思います。当時は振り向かせる自信もあった」
「なるほど……」
「だから僕と彼女は契約を結んだんです。彼女は付き合うことの意味を、僕は彼女を振り向かせる
機会を得るっていう相互扶助の関係です」
「三年間付き合って、彼女も僕のことを好きになってくれてるという自負はあったんです。実際は、
逃げられちゃいましたけどね」
 照れるように頭を掻く支倉の表情は、どこか遠い。
「すまん、うちの妹が」
「いえ、謝るのはこっちのほうです。青木先――あー、いやお兄さんにも迷惑かけちゃって」
「いや、でもさ普通結婚の約束までしたなら、いくら他に好きな奴いても逃げ出さないだろ」
 これはあくまで客観的意見。
「僕も悪かったんですよ、多分、どこかで焦ってたんです。だから早く結婚して……拠り所が欲し
かったんですかね……夫婦っていう関係の。そんなの紙切れ一枚でどうとでもなってしまうのに」
「多分、支倉が正しいと思うよ」
 励ますつもりで言ったその言葉を支倉は、
「ありがとうございます。でも、敬子ちゃんにとって正しくなければダメなんです」
 と切り返した。
 正直、年下とは思えない考え方に俺は驚かされた。あんな目にあったのに、まだ敬子のことを第
一に考えてやれる支倉を、多分俺は尊敬していたんだと思う。
「お前みたいなイイ奴見たこと無いぞ俺。つーか、すぐアイツ連れてくる、ていうか家行こう」
「あー、いえ、いいんですよ」
「いいって何がだ」
「敬子ちゃん、引き篭もっちゃってるんですよね? 意地になったときの彼女、絶対落ちないんで
すよ……」
「む、そうなのか」
「ええ、喧嘩なんか怖くてできないです」
 知らなかった。二十年近く一緒に暮らしておいて、たかだかそんなこと一つ。
 敬子のことなら全部知ってる、なんて愚鈍にも程が過ぎる。
 朝、言い過ぎたかもしれない。俺は敬子の兄なのだから、もっと兄らしく寛容に接してみよう。
 そこでふと思った。
158チラシな話 ♯3:2006/04/04(火) 17:05:05 ID:qzIiX9Mb0
「あ、支倉――お前、敬子のことどうするんだ」
「えと、そのことなんですが――」

 家のドアを開けるのを躊躇ったのはこれが初めてだろう。
 支倉と別れた後、特に寄るところもなく直帰したはいいが、朝の喧嘩と、敬子に伝えるべきある
事情が絡み合いノブにかける手を重くしていた。
 兄らしくとは思ったものの、どう入ったらいいものか。
「たっだいまー☆ けいこ〜、朝はごめんよ〜、俺すごい反省してるから許してお願いっ」
 ……どこからそんな妄想が沸いて来るんだ。ていうか客観的に見たら、俺被害者じゃん……謝る
必要とかなくね?
「ってちげーだろ、今さっき兄として寛容に接するとかおもったばっかじゃねえか」
 ケーキの一つくらい買ってきたほうが良かっただろうか。
 ああ、ちくしょう、妹ってどうしてこんなに扱いづらいんだっ。
「なにしてんの……」
 苦悩していた俺を、見慣れた団栗眼が不思議そうに見上げていた。
「け、敬子」
「ドアの前でなんか変な音するから出てみれば、挙動不審にウロウロと……。そういうあやしい人
はすぐお隣の主婦さんとかにマークされちゃうんだからね」
 そう言われ、左右をサッと見てみると、引越しの挨拶以来、一切の付き合いが無いお隣さんが、
ドア越しからこちらをのぞいていた。目が合うとよそよそしく愛想笑いを浮かべ、そそくさと戸を
閉めていく。
「ほら、ちゃんと後でフォローしなきゃだめだよ」
 手を掴まれ部屋に引き入れられる。
「ちょ、敬子、靴、靴脱いでないっ……っと、あれ、部屋キレイになってる」
「掃除しといた。あんまりにも汚かったから……捨てていいか分からなかったのは隣の部屋に分別
してあるから」
「あ、ああ……」
 俺が外出してたのはせいぜい二時間くらいだったというのに、部屋の変わりっぷりはすごかった。
俺も順子も掃除スキルは壊滅的なだけに、入居したてだったころに舞い戻ったような錯覚を感じた。
 ぱっと敬子を見やると、恥ずかしそうに横を向き、
「悪いと思ったからさ……お詫びってわけじゃないけど」
159チラシな話 ♯3〆:2006/04/04(火) 17:08:02 ID:qzIiX9Mb0
「あ、いや――俺も、大人気なかった」
 踵を支柱に、つま先を上げたり下げたりと一定のリズムを取る敬子と眼が合い、
「「ごめん」」
 言葉が重なった。
 ハモってしまったその言葉に破顔一笑する敬子。
 言葉の接ぎ穂を代弁するかのようにくぅと彼女のおなかが鳴った。
「あ、う――ちょ、っと、張り切りすぎた、かな」
 その無邪気さに俺も自然と相好が崩れる。
「飯にするかぁ」
「え、いいの?」
「なにが」
「帰れって言うと思ってた」
「ああ……その件な、お前、落ち着くまでここにいるってことで話ついたんだわ」
「へ?」
 はとが豆鉄砲。無理も無い。あの時、支倉が言った案はかなりぶっとんだ内容だったから。
『敬子ちゃんには少し時間が必要なんだと思います。僕、それまで待ってるんで、お兄さん、その
間、敬子ちゃんのことよろしくお願いします』
 だもんなぁ……。優しいのはいいことだと思うが、もうちょっと押しが強くてもよくないか、支
倉?
 ていうか、アイツ、敬子が好きなのは実は俺って知ったらどうすんだろ。
「ん……居て、いいんだ」
 事実を認識するように独白する敬子は少し嬉しそうで。
「俺は、お前らの仲取り持ちたいから協力するんだからな」
 と釘を打つように言う言葉は馬耳東風、上の空。
 ま、俺がしっかりしてれば大丈夫か。
 一寸延びれば尋延びるという言葉があるという。
 ほんの少しだけ好転した事態が、俺に少しだけその言葉を信じさせる気にさせた。
160チラシの人:2006/04/04(火) 17:22:25 ID:qzIiX9Mb0
 (;`д´)つ くはぁっ! なんか妹と兄のふたりだけの世界に他者を介入させると、とんでも
なくややこしくなるってコトに気づきました。
 普段やってる妹ゲーとか、なにこのありえない展開とか思いながらやってるけど、話を作るって
大変なんだなあ、と痛感。あと文章ながくてゴメンなさい(:´д`)
 5kbくらいが読むのには適切かな、と思ってるんですが、中々……と泣き言ばっかになりまし
たが、楽しんでいただければ幸いです。

 >>桐莉兄氏
 シリアス桐莉なんか俺は好きですかね。なんてーか普段ぶっこわれてる分よけいにしんみり来る
って言うか。

 それと支援アリガトウゴザイマス!
 以下独り言。(*´_`).。o○(支援って書き込み制限緩和とかの効果あるのだろうか)
161名無しさん@初回限定:2006/04/04(火) 17:42:58 ID:XtzdiOYa0
なかなか面白い真面目な話なので、続きを楽しみにしてますよ。

> 支援って書き込み制限緩和とかの効果あるのだろうか
Timecount3なので、連続投稿は3回まで。
Timeclose10なので、自分の書き込んだ履歴が10のリストから押し出されるまで、規制状態に入る。
誰かが板に書き込みをしてくれれば、リストが早く埋まるので再度の投稿可能までの時間が短くなる。
162名無しさん@初回限定:2006/04/04(火) 22:22:11 ID:bLikehoL0
支倉いい奴だ・゚・(ノД`)・゚・
で、式場から飛び出してきたはずの敬子が兄の家で花嫁同然の生活ですか?
163突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/05(水) 02:39:21 ID:dSwPQd/J0
>>123の続き、投下です。
164突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/05(水) 02:41:22 ID:dSwPQd/J0
始まりは、我ながら情けないほどに幼稚だった。
自分を蔑ろにした仕返しにと、相手の執着の対象である玩具を壊してしま
うのと同じ発想。加えて愛情を横取りした仇への報復の意味も有ったのか
も知れない。汚せるだけ汚して、力の限りに踏みつけてしまう事で傷つけ
られた自尊心を痛みを少しでも和らげようとしたのだと思う。
だが、それが失敗だった。
「どう小夜? 美味しい?」
「ふぁ、ふぁい若菜さま……」見下ろす股の下。口の周りをベトベにしな
がらも一心不乱に奉仕し愛液を嚥下する妹が息も絶え絶えに答える「お、
美味しい……です……」
その羞恥を堪えた苦しそうな声だけを聞いているだけで達してしまいそう
になってしまう若菜にとって、最大の誤算は小夜の魅力だった。可憐で儚
げで、女である自分の片手でも簡単にくびり殺せそうな小動物のように何
時でも怯えている姿。常に自分の顔色を窺い、八つ当たりで蹴飛ばす度に
その足にしがみついて『捨てないで』と訴えかけてくる瞳。そして、どれ
だけ唾液と愛液塗れにしても清楚さを失わない白い肌と、どれだけ快楽を
覚え虜にさせても消えることのない恥じらいと清純さ。小夜は、まさしく
麻薬そのものといえる。その全てが。
「ほら、もっと音立てて奥まで舐めなさいよっ! 自分がイかせて貰った
からって手ぇ抜いてるんじゃないでしょうねっ!?」
「さ、小夜はそんな事は………あ! ああっ!?」
俗に言うシックスナイン。小夜の顔の上に跨ったままクルリと向きを変え
もた若菜、どかしげにモゾモゾと摺り合わせていた妹の肉付きの足りない
内太股に割入って強引に押し広げようとする。その動きにたまらず声を上
げてしまう小夜。
「誰が止めて良いっていったのよっ!!」
「むぐ! うぐぅ〜っ!?」
165突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/05(水) 02:42:38 ID:dSwPQd/J0
が、抗議の声は押し付けられた秘唇で塞がれる。呼吸が出来なくなった妹
の体から力が抜けた瞬間を狙って、若菜は細い足首を掴み釣り上げるよう
にして幼い臀部を丸ごと持ち上げ引き寄せる。
「い、いやっ! いやぁぁぁぁっ!!」
もっと小夜の蜜を啜りたいと喉が舌が訴えている。卑猥な音を立て姉妹で
舐め合いたいという衝動が姉の体を突き動かす。下半身を持ち上げられ無
理矢理開脚させられた小夜は、汚れたオシメを取り替えて貰うときのよう
な格好で全てを晒し出されてしまった。
「ほぉら小夜、丸見えよぉ?」
「止めてくださいっ、若菜さまぁっ!!」
まだ毛も生えておらず色素の沈殿もない妹のヒップは純白の羽毛のように
美しく継ぎ目も皺もない柔肌に包まれており、蕾のような膨らみを分かつ
秘裂も、ここ数ヶ月に渡って何度も義兄を受け入れ続けたとは思えないほ
どに整っている。きっと毎晩大切に扱われて優しく抱かれているに違いな
いのだろう。が、それは若菜の神経を逆なでするだけである。
「な………なによ、嫌だとか言いながら、こっちは物欲しそうにパクパク
させてるじゃないのよ! 大人しそうな顔しながら女の……ううん、姉妹
のアソコじゅるじゅる吸いながら濡らしてるなんて、とんでもない変態よ
ね! しかも中学生の癖にっ!!」
「う……う……」
「だから、誰がサボって良いって言ったのよっ!?」
「う……ぐ………はむっ、ちゅ、ちゅ、ちゅ……」
「そういえば、私だけじゃなくって兄さんのも咥えて毎晩腰振ってるのよ
ねぇ? もしかして、気持ちよくなれるんだったら誰でも……ううん、そ
れこそ犬でも猫でも良いんじゃないのぉ? ほんっとに救いようのない淫
乱よねぇ!!」
「ぐ、ぐすっ……んく、んく、んく………」
「でもまぁ、色狂いだけあって舐めるのだけは巧いみたいだし、一応は血
も繋がってるらしいから、私の言うこと聞いてる間なら飼ってあげても良
いかしらね? ペットにするには薄汚いけど、大人のオモチャの代わり位
にはなるものね?」
166突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/05(水) 02:44:47 ID:dSwPQd/J0
無意識にうちに小さなヒップを撫で回している若菜は、言葉と裏腹に再び
小夜に酔い始めていた。一日分の汗と、次々沸き上がる酸っぱい蜜の香り
を吸うだけで頭の芯が麻痺してくる。更に規則正しく丁寧に動き、膣口か
ら溢れる愛液を綺麗に舐め取りつつ穏やかな快感を絶え間なく送り込んで
くる小さな舌の感触が若菜を優しく高みへと導いてゆく。
「あらあら、もう泣かないのかしら? それともお姉ちゃんのイヤラシイ
お汁を飲むのに夢中で何も聞こえなくなっちゃったのかなぁ?」
「んく、んく、んく、んく………」
もう、こうなってしまっては何を言っても無駄だろう。そう判断した小夜
は次々と突き刺さる暴力的な言葉の痛みに涙を浮かべながらも献身的な奉
仕を続ける。秘丘の間に舌を差し込み、その内側を丹念に愛撫し愛液を舐
めとり唾液と一緒に嚥下するだけ。
「…………ちょっと、小夜……?」
その間も小夜の膣口は姉の目の前で物欲しげに脈動し、白く濁った愛液を
途絶えることなく湧き出している。未だ最終的な純潔だけは守り通してい
る姉と違い、その全てで男性器を受け入れ快楽を引き出し味わう術を覚え
た小夜の体は内部を満たし掻き混ぜ擦ってくれるモノを本能的に求めてい
るのだ。
「んく、んく、んく、んく………」
そして、その疼きを満たしてくれるモノが此処にはない事を一番よく知っ
ているのも他ならぬ小夜自身である。若菜の蜜に酔い、決して満たしては
貰えないもどかしさに耐えきれなくなった幼い腰が、やがて姉にお強請り
するように小さく揺れ始める。指でも良いから頂戴、と。
「こ、この………!!」
しかし、その様子は若菜の神経を更に逆立たせるだけ。自分と愛し合って
いる筈の妹が他の存在を、兄を求めている。こうして肌を合わせている間
でさえも、自分は除け者扱いされているのだ。自分で仕組んだ事というの
に、兄と小夜が床を共にし始めてから感じていた不安感。絶対的な立場を
誇示する裏で燻り続けていた行き場のない感情の渦が、目の前の『裏切り
者』に対する制裁という捌け口を見つけて動き出す。
167突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/05(水) 02:46:28 ID:dSwPQd/J0
「………あ……」不意に若菜が腰を上げ、行き場を失った小夜の小さな舌
先が空を切る「………あれ………?」
「……小夜。」
「あ、あの……」僅か十センチ余りの高さ、だが首と舌を精一杯伸ばして
も熱い蜜を与えてくれる姉の女性器の入り口に舌がまで「………と、届か
ない、です。若菜さま……」
「もう、舐めなくてもいいわ。」
「え? で、でも………」
若菜はまだ満足していないはず。そして自分も、持て余すばかりの性欲を
紛らわし火照った体と心を満たす矛先が……
「もう舐めなくても良いから……」こくり、と自分の顔に跨った姉が息を
飲む気配「………代わりに指を入れなさい、一番奥まで。」
その言葉だけで小夜の熱は一気に冷めてしまった。いや、それどころか背
筋に冷たいモノが走った。
「あ、あの、若菜さま? いったいなにを……?」
「わ、私を女にしなさいって言ってるのよ! あんたの手で!その代わり
に、あんたは一生私の…………」


「そんなこと……そんなこと小夜には絶対に出来ません!」
それは、若菜が妹の口から初めて聞いた拒絶の言葉だった。拒否されるこ
とは何度もあった。躊躇された回数など数え切れない。だが、明確に突き
放されたことなど一度もなかった。
「な……」一瞬、言葉に詰まってしまう「……なに言ってるのよ! 私が
命令してるのよ!? 良いからさっさと……」
「さ、小夜は……………若菜さまを寂しさを慰めて差し上げる為なら何で
も我慢出来ますし、なんでもして差し上げられます。小夜なんかが恥ずか
しい思いをするだけで若菜さまの悲しさが少しでも紛れるなら、足だって
お尻だって舐めて差し上げますし、おしっこを飲むのだって平気でした!
でも……若菜さまを傷つけることだけは………」
168突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/05(水) 02:48:05 ID:dSwPQd/J0
「な、なに訳わかんないこといってるのよ、あんた………」
ひく、ひくっとしゃくり上げながらの声に戸惑うばかりの若菜。その下で
小夜は大粒の涙をポロポロと流していた。
「若菜さまは、小夜がこんなにお慕いしているのに小夜の事を信じて下さ
っていないのですか? 小夜が、若菜さまを独りぼっちにしてしまうだな
んて本気で思っておいでなんですかぁっ……!?」
「ち、違うでしょ! あんたが私の所有物で………」
「若菜さまのは小夜のお姉ちゃんです! ずっと一緒です! だから若菜
さまが小夜を頼って下さるなら………くださるなら……ぐすっ……」
「ちょっと小夜! 私は………」
「小夜は…………そんな姉様は大嫌いですッ!!」
「な…………きゃ…!?」
何処にこんな力があったのか。無理矢理に姉の体を押しのけた小夜は、脱
がされたスカートとショーツもそのままに泣きながら部屋を飛び出してい
った。そうして隣室の扉が、小夜の寝室の扉が乱暴に開かれ、閉ざされる
音が振動となって伝わってくる。
「……ねえさま………だいきらい……」後に残された若菜は、立ち上がる
ことすら忘れたまま妹の最後の言葉を反芻する「………ねえさま……だい
きらい………」
隣室の扉にも鍵はあるが、もともとは若菜が私的にピアノを弾くために使
っていた部屋であり合い鍵も持っている。部屋の中に押し入り、小夜を引
きずり出して折檻を加えるのは造作もない筈なのに、何故か何もかもが手
遅れなのだと思えた。ついさっきまで二人の体温で満たされていたはずの
部屋が、いまは不気味なほどに静かで広くて寒い。
若菜の手の中には、もう何も残っていなかった。
169突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/05(水) 03:00:15 ID:dSwPQd/J0
迷走気味です>挨拶?

いつにまにか発売されてた「ブラック・ラグーン」の新刊を購入。
銀さんの時代がかったキャラも渋くて良いですが、やっぱ私的には「姐御」です!
あの戦争狂っぷりが最高っすよ!!w

>チラシの裏氏
なんというか微妙な展開になってきましたね。
ともあれ、先の読めない今後の展開にワクテカですw

ちなみに小夜は「つる・ぺた」完全装備(?)の超ロリっ子ですのでご安心(?)を。

>桐莉兄氏
私の勘違いかも知れませんが、桐莉を書いておられる時の方が文面から
ご自身の「楽しさ」を感じるような気がします。
170名無しさん@初回限定:2006/04/05(水) 22:30:33 ID:yZdtuoM80
お二人ともぐっじょ!

朝起きたら妹がゴミ箱に顔突っ込んでた
171名無しさん@初回限定:2006/04/05(水) 22:52:52 ID:L1MSnfxa0
GJ!
小夜は長身でロングの黒髪みたいなイメージを勝手に持ってた
でもつるぺた完全装備の超ロリっ子、これはこれでいいですよね!(*´∀`)
172名無しさん@初回限定:2006/04/06(木) 01:33:16 ID:AUrlfcMj0
みんなGJや!
173桐莉兄:2006/04/08(土) 02:24:28 ID:hjfbsXvz0
『じゃ、ボク行くよ』
『お財布持った?ハンカチ忘れてない?生のお水とか飲んじゃ駄目だよ?』
『もーっ、解ってるってばぁ』
『拾い食いしちゃ駄目だよ?熊と出会ったら死んだ振りするんだよ?変なおじさんにお菓子貰っても、絶対に着いてっちゃ駄目だよ?』
『あのねぇっ、友達と一泊、温泉旅行に行って来るだけだよっ』
『だって、由紀ちゃん、私と離れるの初めてだし』
『大丈夫だってば!んじゃね、ななねぇっ。行って来まーすっ!』
『あっ、由紀ちゃんっ――』

……今から七年前、十一月の土曜日の朝だ。
ボクは温泉旅館を経営している親戚が居るという友達に招待されて、泊り掛けで遊びに行く事になった。
生まれて初めてボクと離れ離れになるななねぇは随分と心配して色々とボクにお節介を焼いてくれたけれど、
ボクは生まれて初めての一人だけの旅行と、これから過すであろう楽しい時間に胸が一杯で殆ど聞いちゃ居なかった。
どうせ一泊二日の小旅行だもの、日曜日の夜には自宅に戻って、どんなに楽しかったとか、自分一人でもちゃんと出来た事とかを、
夕食を摂りながら家族に話して、笑い合って、そうして何時もの日常に戻って行くのだと、そう信じていた。
通い慣れた通学路を過ぎて、踏み切りを渡り、商店街を抜けて、駅前で九時半に待ち合わせ。
お気に入りの腕時計を確認。
ボクの誕生日にお父さんが買ってくれた時計で、ななねぇとお揃いのを捜して来て貰ったやつ。
(他にもいっぱい時計を集めているけれど、ボクはこれが一番好きだった。)
早起きして余裕を持って家を出たつもりだったけど、着て行く服を選ぶのに少し手間取ったのと、
玄関先でななねぇと別れを惜しんでいた時間のせいか、思っていたよりも遅くなってしまっていて、ボクは少し小走りになって駅へと急いでいた。
運動能力には自信がある。少なくとも、とろくさい桐莉の倍以上は早く走れる。
良く晴れた、真っ青な空が綺麗な、雲一つ無いお天気の日だった。……今でも、それは良く覚えてる。
174桐莉兄:2006/04/08(土) 02:25:27 ID:hjfbsXvz0
十字路の角を曲がろうとしたボクに向かって、一台の大型トラックが突っ込んで来た。
流石に、これは避け切れなくて、ボクは風に飛ばされる木の葉の様に軽々と跳ね上げられて、そのまま地面に強く叩き付けられた。
地面に落ちるまでの僅かな時間が、とてもゆっくりと流れたのを覚えている。
頭の中はやけに冷静で、自分が置かれている状況をクリアーに認識していた。
車体にぶつかった胸と、アスファルトの路面に打ち付けられた背中の、奥の方で変な音がして、送れて来た打撃に息が詰まる。
覚悟していた程の強い痛みは感じなかった。
だけど、腕も、脚も、(ああ、何時の間に、どうしてこんなに傷だらけになってしまったんだろう、)ぴくりとも動かない。
固い地面に横たわり、脈打って疼く後頭部から、ぬるりと、多分、血だと思う、が、沢山流れ出ていて、ボクはもう死ぬのかも知れないと、
その事実を認識した時、ボクは最初にななねぇを、次に、お父さんとお母さんを、それから、待ち合わせしている筈の友達の事を思い出して、
それから……今思い出しても笑ってしまいそうになる。遊びに行けなくなって残念だな、とか、
今夜テレビで見る筈だったドラマの続きが気になるけど、ななねぇはビデオに撮っておいてくれるかなとか、そんな事を考えていた。
仰向けに、動けないままに見上げた空は、とても綺麗だったのを覚えている。
ななねぇが、車に気を付けて行くようにと、何度も忠告してくれた事を思い出す。
ちゃんと、真面目に聞いておけば良かった。後で凄くお父さんに怒られるだろうな。
ボクの左腕に嵌めた、お気に入りの腕時計。壊れてしまって、時間が止まっている。
トラックの運転席の扉が開いて、誰かが降りて来た。
女の人。
スーツ姿の。
ボクが、良く、知っている人だった。

『隆浩ちゃんがね、泣いているの』
175桐莉兄:2006/04/08(土) 02:26:28 ID:hjfbsXvz0
わからない。

『隆浩ちゃんがね、ずっと、ずっと、泣き止んでくれないの』

わからない。
ボクの目に映っていた青い空を遮って、女の人……九曜、霧佳。桐莉のお母さん……は、子供のボクが見ても判る、
明らかにどこか壊れてしまった、とても哀しいのに恐くて仕方が無い、直視に耐えない目でボクを見下ろしていて、そして、言った。

『ちょうだい、貴方の体』

嫌…だ。

『桐莉ちゃんを、作らなきゃ。隆浩ちゃんが泣き止んでくれないの。ね、だから、ね?ちょうだい?』

嫌…嫌だっ!

『悪くないのよ、隆浩ちゃんは何も悪くないもの、もうちょっとだけ我慢してね、もうすぐ桐莉ちゃんを持って来てあげるからねっ、
だから、ねぇっ、ちょうだいよっ!貴方の体が必要なのよっ!』

もう、動かない、ボクの体を、ボクの頭を抱え込んで、ガクガクと首を縦に振らせて、

『ええ?うん、そう!そうなの、くれるのね!貴方の体、桐莉ちゃんにくれるのね!』

……ななねぇ、何で?どうしてこんな事になってるの?変だよ、こんなのおかしいよ、ねぇ、
首筋に刺さる、針の感触。
流し込まれる液体。
ボクが最後に見た物は、桐莉のお母さんの、死んだ魚のような濁った闇色の眼だった。
176桐莉兄:2006/04/08(土) 02:29:44 ID:hjfbsXvz0
『起きろーっ、兄ちゃーんっ、朝だぁーっ!』

開きっぱなしになっていた窓から燦々と差し込む陽光と、春の爽やかな風。
一片の桜の花弁が何処からともなく流れて来て、寝ている俺の鼻の上に軟着陸する。

『起きろーっ、兄ちゃーんっ、花見に行くぞーっ!』

録音式目覚し時計が大音量でがなり立てる。
普段とは違う、妹の台詞。
今日は休日なので、桐莉と二人でお弁当を持って、思い出の丘の公園…伊原市有数の桜の名所として知られている…まで花見に行く約束をし

たんだった。

枕元に手を伸ばして、目覚まし時計のスイッチを切る。楽な格好の私服に着替えて、俺を起こしに突撃して来るであろう妹を待ち構える。

五分経過。

十分経過、まだ来ない。

「……あいつ、寝てるな」

抜き足、差し足、音を立てないように気を付けながら妹の部屋のドアを開けると、案の定。
ぽかぽかと暖かい日差しに包まれて、猫みたいに体を丸めながら、掛け布団を蹴っ剥いで、桐莉が涎を垂らしながら爆睡していた。

「自分から誘っておいて高鼾とはいい度胸だ」

妹の鼻を摘む。
何やら苦しげにむーむー唸って居たが、やがて口で息をし始めた。
177桐莉兄:2006/04/08(土) 02:33:12 ID:hjfbsXvz0
「起きろ、桐莉」

指先で足の裏を擽ってやると、寝返り一閃、思いっきし鳩尾に蹴りを入れられた。
暫し其の場に蹲って苦悶に打ち震える。

「こ、こいつ、あくまでも起きないつもりだな」

肩に手を掛けて直接揺さ振り、ベッドごと持ち上げては落とし、耳元でクラッカーを鳴らしてみたが、目を覚まさない。恐るべし、まさに春眠暁を覚

えず!

「いいかげんに起きろよな。パジャマのズボン摺り落ちてパンツ見えてるし」

枕元のボックスからティッシュペーパーを何枚か失敬して、桐莉の涎を吹いてやる。
それから、パジャマのズボンを元通りに摺り上げ――

「……んぁ…兄ちゃ?」
「ち、違うぞ、桐莉!これはだなっ、」
「………んゅ……すぅ…すぅ……」

二度寝!? 二度寝だとっ!?
こいつ、マジで昼過ぎまで寝てるつもりか!?

「おいっ、起きろ!さっさと出掛けないと、花見の席が埋まっちまうぞ!」
「んーっ……んふぁ……ふ………」
「起きるか?起きないのか?……寝るなーっ!よーし、だったらこうだー!」

ずぼっ!

桐莉のパジャマの中に手を突っ込んで、思いっきり胸を揉みまくってやる。
小振りな桐莉の胸は、丁度俺の掌に収まるくらいの大きさで、寝汗を掻いてしっとりとした肌は吸い付いて来るようなジャストフィット感。
178桐莉兄:2006/04/08(土) 02:35:19 ID:hjfbsXvz0
「お?前よりちょっとだけ大きくなって来てないか?」

程良い弾力を堪能しながら暫く転がして遊んでいると、桐莉の呼吸が次第に乱れて、乳首もツン、と尖って来た。
もじもじと脚も動かして、寝ながら感じているようだ。

「起きないのかー?早く起きないと、こーんな事もしちゃうぞぉー?」

ズボンの中に手を差し入れると、桐莉の身体が一瞬だけ、ぴくりと震えた。
下着越しに性器の位置に指を這わせると、既にじわじわと淫らな液が染み出し始めているのが判る。
一旦手を抜いて、今度は下着の中に差し込む。
奥の方まで突っ込んで、お尻の方にまで手を回す。
指先に掬い取った愛液を、お尻の穴に丹念に塗り付けてやる。勿論、前の穴も指先でぐりぐり。

「ぁっ……ん…っ」
「おーい、桐莉?お前、本当は起きてるんじゃないのかぁ?」
「………ぁ…ふ」

糸を引く淫液を塗しながら、桐莉の陰核も摘み上げて転がし、弄んでみる。
ひくん、ひくん、と身体は反応するものの、まだ目を覚ます気配は無い。

「おーい、いい加減に起きろよぉ。そろそろ本格的にやばいぞぉ?」

返事が無いので、パジャマの前を裸けさせて、ズボンと下着を引き下ろした。
足を広げさせても無抵抗で、桐莉は既に準備万全整ったヌレヌレの、未だ薄い毛しか生えてない其処を、お日様の光の下に曝す。
何と言うか、すげー、いやらしい光景だと思う。

「入れるぞ、桐莉」
「……くか…」
179桐莉兄:2006/04/08(土) 02:40:21 ID:hjfbsXvz0
じゅぷり、と、俺の勃起が桐莉の中に飲み込まれてゆく。濡れ方が足りないせいか、普段より少しきつく感じる。
眠っている桐莉に極力重みを掛けないように気遣いながら、次第に腰の動きを早めて行く。

「んっ…んっ…んふっ、ぁ…ふっ……ぅんっ…」
「はぁっ、はっ、桐莉っ」

犯されながらも桐莉は一向に、目を覚ましそうな素振りすら見せない。
ははっ、危ないな、こいつは。
他の男が居るような場所じゃ、絶対に寝かす訳には行かない。

「んっ、出るっ、桐…っっ」

直ぐに抜いてしまうのは何だか勿体無く思えて、たっぷりと精液を注ぎ込んだ後も、寝息を荒げている妹を抱き寄せて、
日向の匂いがする髪を撫でながら、暫くの間、俺は桐莉の中に居た。

「……ん…ふぅ………兄…ちゃ……」

寝言で俺を呼んでいる。
そっと、手を握ってやると、まるで小さい頃、先を走って行く俺の服の裾にしがみ付いて来た頃の様に、きゅっ、と、握り返して来る。
そんな妹の寝顔がたまらなく愛しくて、そっと、口付けをしようとした丁度その時。

「……んゅ……兄ちゃん……?」

くぁぁぁーっと、大きな欠伸と共に眼を覚ます。

「んふー。今日はいい夢見たのス」
「どんな夢だったか当ててやろうか」
「………(かぁぁぁぁっ)」

まだ何も言ってないのに、全開で頬を赤らめる。
180桐莉兄:2006/04/08(土) 02:43:42 ID:hjfbsXvz0
「まだ夢の中に居るみたいな心地なのス。兄ちゃんが傍にいて、桐莉をなでくりなでくりしてくれてて、
それに、何だかほわほわして、おまたが気持ちい…………ぃ???
何スかこれはぁぁぁ!!?桐莉の布団がぐっちょぐちょのべっちょべちょだぁぁぁ!!?」
「大丈夫だって。今日は晴れてるから、洗濯して干しとけば夜までには乾くよ」
「何スか!?何で桐莉と兄ちゃんが繋がっているのスか!?これが、愛なのかー!?」
「お前が寝言で俺を呼びながら『オーゥ、タカヒロ!ファックミー!ファックミー!プリーズ・ギブ・ミー・ユア・ウタマーロ!』とか叫んだんだろう」
「言ってないのス!桐莉はそんな事、言った覚えが無いのスよぅっ!」
「だったら、何て言ってたんだ?」
「そ、それは、その……」
「言わないと、お花見に連れてってやんないぞ」
「……に、『兄ちゃぁん、そこぉっ…気持ちいいから、もっとくちゅくちゅしてぇっ、』」
「ここか?ここが気持ち良かったのか?」
「ひぁぅ!ん…っ、そ、こ…ぉっv」
「それから?」
「『桐莉のぉっ、恥ずかしいところをもっともっとぉっ、いっぱいいぢめるぅっ、兄ちゃんの指とおちんぽでぇっ、前もぉっ、後ろもぉっ、広げてぇっ、掻き

回してぇっ』」
「こんな感じかな?ほれほれ」
「ひゃんぅっぅぅ!」
「くりくりも一緒に弄ってやろうなぁ。うりうりぃ」
「これっ、これぇぇ、これしゅきぃっ!兄ちゃんっ、兄ちゃぁぁんっ、ぉぁあっ、ひもぃひいぃぃょぉvんぁあ!?」
181桐莉兄:2006/04/08(土) 02:46:40 ID:hjfbsXvz0
「凄いな。春先だから発情期なのかな?」
「ちぃっ、ちがぁっ、ちがぁのぉぅっ、しゅきぃなのぉっ、兄ちゃぁんっ、しゅきっ、しゅきひぃっvvv」
「ちんぽがか?」
「全部ぅっ!全部しゅきなのぉぉ!兄ちゃんのぉっ、全部ぅぅっ!」
「あーっもうっ、かーあいいなぁ桐莉はぁっ!ほらっ、イけっ?イっちゃえっ?」
「ぅふぁーぁぁっ!?ぁらめへっ、こんこんっ、こんこんらめぇぇっ!奥ぅっ、んんんーーーーーっっっvvvv」

たっぷりと桐莉に中出しして、ペニスを引き抜く。
長時間、桐莉の中に居続けたせいか、少しふやけていて、軽い痺れを感じた。
桐莉の性器との間に繋がる糸の掛け橋。
広がりを保ったままひくつく桐莉の穴から、一度目の分と二度目の分が合わさって、攪拌された泡立つ白濁液が溢れ出て来る。
少し布団に垂れてしまっている。

「んがぁっ!?早く拭かないと染みになるのス!」
「待て待て、慌てるな桐莉。俺が拭いてやろう」
「ひぁ!?ちがっ、兄ちゃんっ!拭くのはお布団っ、桐莉じゃなくてぇっ、布団を拭くのぉっ!」
「こっから垂れて来てるんだから、まずは元を断たないと、きりが無いだろう?」
「ひゃぁぁんっ、やはぁっ、らめへっぇ、今ぁぁっ、桐っ、桐莉はぁっ、今っいっ…イッたばっかだからぁっ、敏感っ、なっちゃってるのスよぉっ!」
「おー、すげすげ。どんどん溢れて来るぞ」
「兄ちゃんが注ぎ込んだんじゃないかぁっ!」
「んっ、んー?それだけかなぁ?指で掻き出して全部拭いても、どんどんどんどん新しく濡れて来てるのはなぁにかなぁ?」
「だから…はぁぁ…っくん、んっ、やっ、やぁぁっ、も、いいよぉっ、兄ちゃんっ、もういいっ、もういいからぁっ、桐莉に触るなぁっ!?」
182桐莉兄:2006/04/08(土) 02:50:58 ID:hjfbsXvz0
「いいのか?本当にやめちゃうぞ?」
「……っぁ…?」
「もう綺麗になっただろ。ほら、さっさと起きて、顔洗って、服着替えて、出掛ける準備をしないとな」
「……………」
「今日は天気がいいからな、多少薄着でも大丈夫だと思うぞ」
「………ぁの…ねっ、兄ちゃ……」

もじもじと、脚を擦り合わせながら、恥ずかしそうに顔を赤らめつつ、上目遣いで妹が提案する。

――勿論、断る理由なんてない。
そっと、優しく妹を抱き寄せて、どちらからともなく再び唇を重ね合わせる。
咲き誇る桜と比べてもずっと魅惑的な禁断の華。
淫らな色に溺れて、そして手を繋いで二人で眠って、お花見は昼過ぎてから、お菓子持って出掛けよう。
183桐莉兄:2006/04/08(土) 02:53:07 ID:hjfbsXvz0
『僕らはきっと待ってる 君とまた会える日々を
桜並木の道の上で 手を振り叫ぶよ
どんなに苦しい時も 君は笑って居るから
挫けそうになり掛けても 頑張れる気がしたよ
霞み行く景色の中に あの日の歌が聞こえる』

顔を赤らめてほろ酔い加減の中年男性の集団が、持ち込んだミニカラオケで心地良さげに熱唱している。
地面に敷き詰められた青いビニールシートの上にご馳走を並べて、花より団子と言った風情だろうか。
人気無く閑散としている日常の姿は面影すら無く、特別なハレの日のような熱気と賑わいに応えて、桜の花達も仄かに色付いていた。
ここ、紀陽台美桜坂公園は、名前の通り桜の樹が沢山植えられていて、この時節になると伊原市はおろか、県外からも大勢の人が花見に訪れる


それはもう、老若男女を問わず。
ちなみに、高台…公園の中心部にある遊歩道に囲まれた丘、俺と桐莉と七華と由紀の秘密基地が在ったところで、
てっぺんには今時珍しい百円望遠鏡が据え付けられた展望台の東屋が在る…を含む公園全体がこの辺りで一番高い台地になっていて、
紀陽台という地名は其処から来ているらしい。
桜の樹の殆どは麓の方に集中しているので、わざわざ上の方まで昇って来る人は少ないけれど、上の方から見下ろす桜も綺麗で、知る人ぞ知る

隠れた穴場だったりする。

「ぬふふふふ。さくらぁ、さくらぁ、いま咲き誇るぅ、刹那に散りゆくさだめと知ってぇ〜♪」

風に乗って聞こえて来る、カラオケの耳慣れたメロディに合わせて唄う。
甘酒片手に桐莉は何時に無くご機嫌の様子。
春らしいパステルピンクのブラウスと短いスカート。
白いレースのカーディガンを羽織って、髪を黄色いリボンでツインテールに結んでいる。
手に下げた荷物はバスケットが一つだけ。
中にはいちごのポッキーとか、道明寺桜餅とか、桐莉の大好きなお菓子ばかりがごっそり詰まっている。
184桐莉兄:2006/04/08(土) 02:55:17 ID:hjfbsXvz0
既に場所取り戦争に加わる余地も無く、第一、家を出たのが昼過ぎだ。ヤマモトさんに頼んで折角作って貰っていた弁当は、結局自宅で食べて

来た。
(……ヤマモトさん、美味しかったけど、弁当のおかずが鶏肉料理や卵料理中心だったのは、何かの自虐的なギャグなのか?)
何処か落ち着ける場所で、桜を見ながらお菓子を食べて、夕方までいちゃいちゃしようかな、と。

「兄ちゃん、兄ちゃんっ!あっちの方がいっぱい咲いてるぞーっ!」
「おい、桐莉!人が大勢で溢れ返ってるんだから、あんまり離れるな!」
「さらばぁ、友よぉ、旅立ちの時ぃ〜ぃ、変わらないぃその想いをぉ、いまぁ〜♪」
「桐莉ー!」

春度が高まり過ぎて頭をやられたらしい桐莉は、異様なハイテンションで唄い踊り回りながら、一人で先へ先へと走って行く。
手を繋いでおけば良かったと気付いた時にはもう遅い。桐莉はとっくに人込みの向こう。
桜吹雪の花霞の中へと、溶け込むように消えて行く。
着ている服が桜色をしているのと、あまりにも美し過ぎて非日常的な空間のせいで、
まるでそのまま永遠に妹が桜の花の舞う中に呑まれて消えてしまうかのように感じて、息が切れるまで走りながら、届く筈も無いのに手を伸ばす。

「……はぁ、っ、は…っ、見失った……」

気付けば、辺りに人影は無い。
何時の間にか、高台の方まで登って来ていた。
丸太を埋めて造られた階段の遊歩道。
柵の向こう側は木々が生い茂っていて、立ち入り禁止にも関わらず、夏休みには子供が入り込んで遊んで居たりする。
俺達の秘密基地もその中にあった。
今はもう、ダンボールも板切れも残っては居ないが。

妹は何処まで走って行ったのだろう。
この先には展望台しかない。
普段と同じ静謐な空気。
いや、静寂に満ちていて、人々が集まっている下とは違った、一種異様な空気と言えるかも知れない。
185桐莉兄:2006/04/08(土) 02:59:50 ID:hjfbsXvz0
ざっ、と。
吹き抜ける一陣の風。
一片、ふたひら、風に舞う桜の花弁に入り混じって、陽に空ける鳥の羽。

下の桜と隔離されて、忘れられてしまったかのように路肩に一本だけ、古い桜の樹が立っている。
見上げた空を背景にして、良く見知った少女が桜の枝に腰掛けて俺を見下ろしていた。

「……なんだ、バカ浩じゃん」
「由紀」

半透明の由紀の姿が桜吹雪に朧に霞んで見える。
其処に居るのか、居ないのか。
確かに存在は知覚しているけれども、泡沫の白昼夢の様にあやふやな幻想。
嗚呼…今日は桜の精に良く出会う日だ。

「此処に埋められた自分の屍体でも捜しに来たのか」
「はは、面白い冗句だね。……埋めちゃうぞ、ゴルァ?」
「……そんな所に居ると危ないぞ」
「平気だよ。どうせ、もう死んでるんだから」
「んな事言って、お前、昔一度其の樹から落っこちたのを忘れたのか?」

何かを思い出すように目を細めて、由紀が悪戯な微笑を浮かべた。

「だったら、『また』、隆浩が受け止めればいいよ」

とんっ。
何の躊躇いも無しに枝から飛び降りる。
186桐莉兄:2006/04/08(土) 03:02:32 ID:hjfbsXvz0
慌てて身構えて、でも今の由紀には翼が在る事を思い出し、案の定、腕の中に飛び込んで来た由紀からは、重みも、触れた感触も伝わって来な

くて、
だったら何も俺が受け止めてやる必要なんて無いんじゃないかとか思ったところで、ふと思い出した。

「……お前、あの時も俺の上に落ちて来たんだよな」
「女の子を受け止めるのは男の子の役割だろ」
「いいや。あれはどちらかと言えば、樹に上ったはいいが自分では降りられなくなった仔猫って感じだったぞ」

あの時は受け止めきれずに引っ繰り返って頭を強く打った。俺の上に着地した由紀は無傷だったが、
俺はと言えば意識を無くして、七華に膝枕なんかされながら濡れたタオルで……ああ、あの馬鹿、俺の顔の上に乗せやがったんだよ。
マジで死ぬところだった。おまけに、水じゃなくて練乳で塗らしたタオルだぞ…狂ってる。

「お前、思いっきり泣き喚いて居なかったか?」
「覚えに無いな。桐莉だろ」
「そうか。浮かばれないな、俺も」
「ふん、いいじゃないか。ななねぇが見てる前で堂々とボクに抱き付ける機会なんて、そうそうあるものじゃないぞ」
「馬鹿言え。死を賭してまで抱きたくなる程のものか」

幼馴染の妹を抱いた感触なんて素敵なものじゃない。衝突の衝撃は重くて痛いだけだった。
既に好奇心から七華と抱き合ったりして遊んでは居たけれど、それとは全然違う。
女の子特有の匂いだとか、柔らかさだとか、胸の高鳴りだとかは全く無縁の…ああ、いや、違う意味でドキドキはしたな。
恐怖とか焦燥とか言う類の奴だ。実に心臓に宜しくない。

「……まぁ、そうだな。今ぐらい軽ければ、悪くない話かも知れないな」
「―――うん、そうだね」

急に、口数少なく黙り込む。
フォローを入れたつもりが、全然逆効果になっていた事に気付いて、我の事ながら無神経さが嫌になる。
無理にでも話題を変えようと、俺は勤めて明るく振舞いながら聞いた。
187桐莉兄:2006/04/08(土) 03:04:07 ID:hjfbsXvz0
「今日は七華と一緒じゃないのか?」
「ななねぇなら下の方に居ると思うけど。……ん、何?どうかしたの?」
「いや、由紀ってさ、七華と別行動とか出来たんだなって」
「あのね……ボク、別にななねぇに取り憑いてる訳じゃ無いんだよ……?」
「そっか。だったら、たまには桐莉や七華にないしょで、二人で何処か出掛けたりも出来ちゃう訳だ」
「うっわ、節操無ぁ。ボクなんか誘ってる暇があったら、ななねぇを誘えよ」
「いや、別に変な下心とかは無いぞ。ただ、桐莉や七華とは遊びに行くのに、由紀とはあんまり出掛けた事が無いから」
「……ふーん、ボクの事、気にしてくれてたんだ」

少しだけ嬉しそうな由紀らしくない其の笑顔は、何だか妙に可愛く見えた。

「へへっ……」
「何だよ?」
「ま、そのうちね。隆浩が今よりもっとマシな男になったら、そん時はデートの誘いに乗ってやるよ」
「こいつ、調子に乗るなっ」

手を振り上げて追い掛けると、捕まらないように素早く身を躱す。
ひらり、ひらり、どうせ捕まっても触れる事が出来ないその身体は摺り抜けてしまうだけなのに、何時の間にか俺も由紀も本気の追い掛けっこに

なっている。
時折、誘うように動きを止めたり、フェイントを掛けながら急に反対側に逃げたり。
自慢じゃないが俺も小学校時代、捕まえられない標的は無しと恐れられ、昼休みの鬼ごっこでは≪地獄の猟犬(ヘルハウンド)≫の二つ名で称

えられた男。
例え傍からは危ないお兄さんが小学生の幼女を追い掛け回しているように見えた所で知った事ではないっ!
(そもそも、一般人には由紀の姿を知覚する事すら出来ない訳だが。)

「あははっ。どしたっ、隆浩っ!鈍ったかっ?」
「ぜはっ、ぜはっ、ぜはっ、」
188桐莉兄:2006/04/08(土) 03:08:02 ID:hjfbsXvz0
息が上がったように見せ掛けておいて、いきなり全力で押さえ込むっ!

「うわぁっ!?」
「んお!?」

固まった由紀の身体を擦り抜けて、桜の樹に激突。
目の前に星が散り、反動で真後ろに引っ繰り返り、見上げた丁度真上には翻るスカートの天蓋と、真っ白な由紀のぱんつが

「くぁwsdrftgyふじこlp!!!!?」
「うわやめろこらわざとじゃないや全然痛くないけどとにかくやめ」

踏まれた。思いっきり靴の裏で踏みまくられた。
当然、由紀の側からも俺には触れられないから、殴られようが踏まれようが痛くも痒くも無いのだが、
視覚と触覚の情報のズレに脳が戸惑って齟齬を来すせいか、蹴りを喰らう度に項から肩の辺りを悪寒にも似た奇妙な感覚が突き抜ける。

「ばかばかばかえっちすけべへんたいっ!!!ななねぇに言い付けてやるんだからっ!!」
「今のはどう見ても不可抗力です、本当にありがとうございました!」
「汚されたっ!バカ浩のえろい目付きで舐めるように視姦されたっ!」
「ばっ、ばかっ!舐めるようにじっくり見てなんか居ない!」
「ばかはバカ浩だもん、ばかばかばかばかばかっ、ばかっ、えーと……っ、ばーかっ!」
「誰がバカ浩か、このーっ」
「きゃぁぁぁぁぁっ、バカ浩に犯されるーーーっっ!!」

腕を掴んで、桜の樹に由紀を押さえ付けて、
……どうして逃げないんだ、何時でも擦り抜けられるのに……?
由紀が頬を赤く染めながら、ぎゅっと眼を閉じる。
189桐莉兄:2006/04/08(土) 03:11:27 ID:hjfbsXvz0
「ま、負けは負けだからなっ。一回だけ、だぞっ……」
「なwwおまっ、何を」
「早くしろばかっ、恥ずかしいだろっ!」

そう言えば。
俺達が未だ四人で遊んでいた頃のルールに、そーゆーのがあったような気がする。
誤解が無いように言っておくが、言い出しっぺは俺じゃなくて七華だ。

『負けちゃったら、好きなところにちゅー一回だよ』

今になって考えてみれば、かなり際どい罰ゲームだけれど、当時の俺達からしてみれば『普通のキスは頬っぺたで、えっちなキスは唇同士』程度

の認識だったから……。
勿論、俺も何度か七華と唇同士のキスをして、それは好きとか嫌いとかじゃ無しに…少なくとも俺にとっては…
芽生えたばかりの性的な好奇心を満たす為の、ちょっといけない遊びみたいな感覚だったように思える。
ぶっちゃけ、可愛い女の子が相手であれば誰でも良くて、たまたま其の相手が七華だったってだけの事だったりするのだけれど。
桐莉は、其の頃は完全に恋愛の対象外だったし、とろくさかったから、一緒に遊ぶ為には随分と手加減してやる必要があった。
由紀は其の逆。負けず嫌いで何時でも本気の全力で挑んで来る。
最初に捕まえた七華とのキスで、頭の芯が痺れるような、癖になりそうな心地良さに酔い痴れた。
当然、由紀ともキスしてみたくなって、必死になって追い掛けたけれど、素早くて全然捕まらない。
七華は何故か俺ばかり集中的に狙って来たし、逆に俺が鬼の時でも簡単に捕まえる事が出来たりしたから、
そのうち本気で追い掛けっこするのをやめて、気付けば七華と二人で捕まえあって、唇を求め合うだけの遊びになってしまっていた。
190桐莉兄:2006/04/08(土) 03:14:10 ID:hjfbsXvz0
鬼がこの体たらくなものだから、なかなか捕まらなくなった桐莉は嬉しそうにはしゃぎながら、最後まで一人で走り回っていたし、
由紀はと言えば木立の中に潜伏していて、たまにこちらの様子を伺いには来るものの、追い掛ける素振りをみせてやったら慌てて脱兎の如く逃

げ去ってしまう。
勿論、他の日には普通に四人で遊んだりもしたんだけれど、あの頃から暫くの間は、時々、遊びを逸脱して、年少組二人を放置したまま、
七華と二人で覚えたての淫らな…子供にとっては充分すぎるくらいにいやらしい…『新しい遊び』に没頭したりしていた。
遊びは、桐莉が病気になって、由紀が居なくなって、七華と約束の丘で会う事が無くなる頃まで続いた。

――思い返しても、由紀とはまだ唇を重ね合わせた覚えが無い。

「早くしろってばっ」
「……いいのか、由紀?」
「何度も言わせるなっ」

あの頃、ほんの戯れで作り出された約束。
俺自身すっかり忘れてしまっていたくらいだから、今になって律儀に其れを守る必要なんて無いのだけれど、
こうしていざ機会を得てしまうと、あの頃果たせなかった欲望が鎌首を擡げ掛けて来て、

「由紀……」
「――っ」

理性が駆逐されて行く。
目をぎゅっと固く瞑って、眦に涙さえ浮かべながら震える由紀の顔を引き寄せて、半ば無理矢理、唇を奪い去る。
191桐莉兄:2006/04/08(土) 03:17:48 ID:hjfbsXvz0
目を閉じてしまえば、触れているのかどうかも判らない、肉体的接触を伴えない、あやふやな交歓。
だから、目を開いたままで、由紀の頬の映像をなぞるように指を這わせ、由紀の唇の映像に重ね合わせて自分の唇で啄ばむ。
まるで、風を抱いているようだ。
由紀のはじめてを俺の唇で奪い取ったのに、掴み所が無く届いていないような、抱き寄せても俺の手は空を切るばかりで、もっと、もっと、由紀に

触れて、俺の色に染め上げたいのに。
独占欲とか、サディスティックな欲望とか、そうか。俺は由紀を汚してみたいと思っているのか?

「――っ!?」

由紀の唇の隙間から舌を差し入れる。
逃げ回る由紀の舌を追い掛けて、絡み合わせ、ああ、また一つ罰ゲームが増えた。
口の中を余すところ無く舐め回す。絡んだ俺と由紀の舌は互いを突き抜けて内側のより深いところで接触し、
口元から滴り落ちた唾液は由紀の体内を通って地面へと落ちて、由紀を汚して行く。
由紀の髪を…触れる事は出来ないけれども…そっと撫でてやりながら、尚も舌を吸い続ける。
何も知らない人が見たら、どんなに滑稽に見えるだろうか。構わない。強張っていた由紀の身体が次第に弛緩し、
由紀が自分から動きを合わせて俺の舌に吸い付いて来るようになる。

「―っ、ぷ…ふぁ……ぁ…終わり?」
「ああ、終わりだぞ」

唇を離しても、由紀の目はしどけなく蕩けたままで、くったり腰砕けになった由紀は其のまま、桜の根元にへたり込む。

「……舌、入れただろ」
「どうだった?初めてのキスの味は」
「ばっ、は、初めてなんかじゃないもんっ!」
「へぇー、そうなのか?相手は何処の誰なんだ?」
「…………ななねぇ」
192桐莉兄:2006/04/08(土) 03:20:32 ID:hjfbsXvz0
「………………」
「・………………………」
「………ぷっ」
「わっ、笑うな!ばか!ばか!ばかばかばかばかばかぁぁぁ!!」

勢い良く立ち上がると、両手を握り拳にしてぽかぽか殴り掛かって来る。
全然痛くない。お前は何処の駄々っ子だよ。

「ぶはははっ!やーい、お子様お子様ぁっ!」
「ぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーっっっ!!!ゆっ、」
「ゆ?」
「由紀ちゃんぱーんちっ☆」

(すかっ)

「うぉぉ、痛い!凄く痛い!(←棒読み)」
「………ウワァァァァァンッ、バカ浩なんか市んじゃえぇーっ!!!」

真っ赤になって頬を膨らしながら後ろを向いてしまう。
頭の中まで見た目通りのお子様のまま、七年前から全然成長していないらしい。

「ボク、子供じゃないもん」
「はいはい、お子様お子様」
「……子供じゃ……ないもん…っ」

――ボクの身体は、大人にならない。

「ひっぐ…ひっ……ぐっ…」

――隆浩も、桐莉も、ななねぇも、みんな大人になっていく。
193桐莉兄:2006/04/08(土) 03:23:24 ID:hjfbsXvz0
桜の木の枝から見下ろした町は、七年前と大きく様変わりしてしまっていた。
ボクが知らない高層マンションや、駅前の新しいショッピングモール。
遊歩道を歩いて行く、真新しい制服の生徒達。
ななねぇとお揃いのブレザー。学年毎に色分けされているネクタイ。
ボクが着る事の出来なかった服。

時間はどんどん過ぎていく。
ボク達が作った秘密基地も、ボク達の約束も全部忘れて、ななねぇ達だけが先に行ってしまう。

待っていた。
もう、誰も来てくれる筈が無いこの場所で。
『ずっと、四人で一緒に遊ぼう』
そう、約束した、この丘で。

知っていたんだ、あの日、隆浩とななねぇが何をしているのか。
ボクと桐莉は、置いていかれた。
桐莉は隆浩が好きだから、一生懸命に走って追い着こうとしたんだろう。そして、追い着いた。
なのに、ボクは追い着けない。走る事さえ出来ない。本当は、置いてけぼりになるのはボクじゃなくて、桐莉だった筈なのに。

ボクが居る事が出来るのは、七年前の此処だけ。
隆浩が遊びに来てくれて、嬉しかった。
隆浩が忘れていても、約束を果たしてくれて嬉しかった。
だから、ボクも約束を守った。
仲間外れは嫌だから。
もし、大人になれたら、ボクも隆浩と一緒に、桐莉やななねぇの居る所に帰れるんじゃないかと思った。
だけど……。

――ボクは、大人になれない。

どうして、あの日。素直にありがとうって言えなかったんだろう。
どうして、あの日。素直に大好きって言えなかったんだろう。
194桐莉兄:2006/04/08(土) 03:29:44 ID:hjfbsXvz0
ななねぇは、好き。ボクの自慢のお姉ちゃん。
桐莉は…嫌い、だけど、好き。
隆浩は、……本当は好き。大好き。

ななねぇに、大好きな人と幸せになって貰いたい気持ち、これは本当。
だから、ボクは我慢して、ななねぇを応援する、これは…嘘。
恥ずかしいから、勇気が無いから、隆浩を好きになったのはボクの方が後だから、なんて、ななねぇのせいにして、自分の臆病さを誤魔化してい

るだけだ。

ボクがもっと大人だったら。
変な意地を張らないで、素直に気持ちをぶつけられていたら。
一緒に遊んで、大人になれていたなら。
ボクも、隆浩と同じ世界で居られたかも知れない。
桐莉と、ななねぇと、同じ時間に居られたかも知れない。

「ひっく…ひっぐ…うぇっ、ぇっ」
「な、何だよ、ちょっとからかわれたぐらいでマジ泣きするなよ」
「ぇっぐ、ひぐっ、…っく……帰れ」
「悪かったって、謝るから、機嫌直」
「帰れ!今すぐ帰れ!此処はボクの樹だ!バカ浩に見せてやる桜は無いっ!さっさと帰って二度と来るなぁっ!」
「おまっ、言ってる事が滅茶苦茶な」
「帰れぇぇぇぇぇ!!!」
「――っ、るっせーな!わーったよっ!だからガキぁ嫌なんだ、このガキ!ガキンチョ!超お子様っ!」

……そして。また、ボクは一人きりになる。
195桐莉兄@キリ:2006/04/08(土) 03:32:49 ID:hjfbsXvz0
『あ、たかくん!』
『七華か』
『由紀ちゃん見掛けなかった?』
『……暫くの間、放っといた方がいいぞ。あっちで癇癪起こしてぶん剥れてる』
『大人気ないよ、たかくん。どうせまた、由紀ちゃんと詰らない理由で喧嘩したんでしょ』
『それより、桐莉と逸れたんだが。何処にいるかなんて知ってる訳無いよな』
『桐莉ちゃんなら下だよ。たかくんが居なくなったから、自宅で一緒にお花見するんだって、全身黒タイツの人達と、公園の桜を切り倒そうとしてた


『何ぃぃぃ!?あ、あのバカ妹っ!』
『あ、待ってよ、たかくん!私も一緒に行くよっ!』

――そして。また、ボクは一人きりになる。
196桐莉兄:2006/04/08(土) 03:35:25 ID:hjfbsXvz0
 −チラシの裏−
1.隆浩、病弱でとろくさい桐莉を放置して友達と(と言うか、七華と)の遊びに夢中になる。
2.冬の雨の中、隆浩に言われた通り動かずに待ち続けた桐莉は、重度の肺炎起こして病状も悪化、死んでしまう。
3.自責の念に駈られた隆浩、心を閉ざしてしまう。
4.隆浩を病的に溺愛している霧佳が由紀を誘拐、現場には霧佳が造った贋の死体が残される。
5.由紀は轢き逃げされたとして処理される。勿論、霧佳が裏で逆さ縛り首団の権力を利用して色々と小細工をしていた。犯人は見付からず。
6.霧佳の技術により桐莉オリジナルの記憶を元に作成された『桐莉』が『由紀』に植え付けられる。
7.更に二年間の『療養期間』を経て作り変えられた『桐莉』が学校に復帰。隆浩と七華は疎遠になっている。
8.桐莉は曖昧な記憶しか持たず、恋心もあの冬の日の思慕を起点としている。隆浩への擦り込み。隆浩の為に作られたもの。
9.隆浩は現実に向き合えず、記憶を改竄、本当の桐莉が死んだ事を心の奥底に押し込めて、与えられた『桐莉』が妹だと思い込んでいる。
10.時折罪悪感がフラッシュバックし、桐莉が居なくなる事への押さえ難い恐れに苦しむ。桐莉依存症。
11.桐莉の情報を植え付けられて死んだ筈の由紀の人格は、裏山の首塚の力を受けて外部世界に限定的に実体化している。
12.実体化は『何時も四人一緒』の約束を元に発現しているので、隆浩、桐莉、七華にしか認識されない。
13.霧佳は怪人を作る上で非人道的な人体実験を繰り返し、死者の完全クローン再生技術を完成させようとしている。
14.本当の桐莉が生き返ったら、『由紀=桐莉』は処分される。霧佳は当時再生の技術が無く、代用品として桐莉を作った為。
15.ヤマモトさんが死んで生き返ってるのは、同一人物ではなく、つまりはクローン再生の実験だったりする。
16.隆浩は、桐莉の心を持つ由紀を犯している。在る意味では、普通の近親相姦より余程罪深い。

197桐莉兄@キリ:2006/04/08(土) 03:39:05 ID:hjfbsXvz0
シリアス設定だと、大好きな隆浩のせいで桐莉も七華も由紀も不幸になってる。
けれど、彼らは(由紀は気付きつつあるけれど)気付いてないが故に幸せな時間に居る事が出来る。
霧佳が歪んだ息子への愛で作り出した嘘の幸せ。
覚めない夢が幸せなのか、過酷でも現実を知る事が幸せなのか。

……何にせよ、作者は桐莉も、七華も、由紀も、霧佳も、隆浩も、ヤマモトさんも、みんな大好きなのですが。
あと、コピペの関係でところどころ改行狂ってますね、スンマソン。

−チラシの裏、終了−
198名無しさん@初回限定:2006/04/08(土) 16:23:52 ID:gxUfc/Ld0
。・゚・(ノД`)・゚・。あんまりだ
こんな主人公なんかのためにヤマモトさんが犠牲になるなんて(違
199チラシの人:2006/04/08(土) 16:52:52 ID:PJ179ETN0
>>161さん、ありがとー(`・ω・´) ロムってばっかりだったので書き込み
に慣れてないんですよね、実際。おはずかしや。
 さて、これから大量投下SSを読むとしますか。自分の話も書き終わってま
せんが(゜Д゜;)
200桐莉兄:2006/04/08(土) 17:04:10 ID:CYjLrunU0
−チラシ−
実は設定だけなら、ニワトリ男のヤマモトさんには山本誠司(やまもとせいじ)ってちゃんとフルネームがあったりするのです。
他の怪人達も、ちゃんと人間の時の名前が存在するのですよ。
今までに出て来たのだと、カメレオン男の坂崎渡市(さかざきといち)、蜘蛛男の中津九十九(なかつつくも)、禿鷹男の高橋久芳(たかはしひさよし)、
狂牛男の牛嶋猛男(うしじまたけお)、マンドリル男の田村正一(たむらしょういち)って感じで。
チョイ役のクラスメイトや先生達にも色んな設定があったりしまする。

ちなみに、ヤマモトさんが実験で殺された後は、ちゃんと霧佳が夜食にフライドチキンにして食べたりしています。
逆さ縛り首団は生命を決して粗末にしません。(えー!)

ぅぃ、桐莉兄はこれからヲタク友達と会いに泊り掛けで東京行って来ます。
・・・修学旅行以外で地元出るの、生まれてこの方三回目のような気がするのですよ。
無事に帰還出来るだろうか、喘息発症しそうな。逝って来まーす。
201名無しさん@初回限定:2006/04/08(土) 20:37:14 ID:zUt/1xSd0
こんなにシリアスな面が・・・( ;´Д`)
202桐莉兄:2006/04/10(月) 15:56:27 ID:F3q9t0900
−チラシ−
ただいまですよー。
アキハバラ堪能して来ましたわはー。
203名無しさん@初回限定:2006/04/10(月) 20:54:27 ID:T+mhJux/O
>>桐莉兄
乙〜メイドカフェ行って来た?同人誌漁った?
エロゲ買い込んだ?なにかいいネタ見つけた?
ねえねえ〜w(スマソ
204桐莉兄:2006/04/10(月) 23:43:16 ID:F3q9t0900
−チラシ−
聖地巡礼ー。

今、買って来たおでん缶食ってる。
何か有名なのはコテングのおでん缶らしいけど、桐莉兄が見つけたのはおてんちゃんだった。
ネタで一つ買って来て試食。汁入ってなくて味濃ゆい目だけどウマー。レビューでは評判悪げだったけど、
缶詰にしては微妙に高額か、でも味は悪くないと思た。

梅田⇒東京⇒秋葉原。
夜行バス使ってたんだけど、狭くて寝苦しかった。
東京駅で食った朝食のベーコンタマゴパンがやたらと巧い加減の胡椒効いてて美味だったなぁ。

なんか、思ってたより明るい雰囲気の場所だった。もっと怪しくて薄暗い感じの、マニアックな店ばっかの路地裏商店街大迷宮みたいなんと思ってた。
道が広いからだろうかね。良く晴れてたし、人通りも多かったし、空気も大阪より綺麗で喘息出なかったよ。
寧ろ普段行ってる日本橋の方が怪しげさ上だったかも。

んーと、残念ながらメイドカフェは一つ目が満員の上に異様な人数が並んでて断念。二つ目は休業日で開いてなかった。
代わりに妹カフェに逝って来たぜ。
勿論、まともな料理なんて頼まん、ネタの為に妹が適当に調合して作成するカクテルジュース飲んで来た。
運良くまともってか寧ろ美味しいの出来たんだけどね。桐莉兄は普段派手に動けないけど、暴走オタクモードの時はネタの為ならかなりアフォな真似でも平気でつ。
んーで、妹とトランプして来ますたよ。勿論下心120%手加減お兄ちゃんモードで。向こうも解ってますよ、あえてモロバレでジョーカー出して来ますた。
三連続で引き当てる度に甘い声で「お兄ちゃん優しい〜(はぁと)」とか言ってくれるの、もうね、お前マジで俺の妹になれと。
うちの実妹はそんな事言ってくれませんよ。何でしょうね、商売だからって解かってるのに顔がにやけて来ますよ、コンチクショウ。

因みにメイドさんは普通に擦れ違ったし、ゲマズの前で案内地図くれたのもメイドさんだったので満足。
最近はたまに日本橋でも歩いてるなぁ…。
205桐莉兄:2006/04/10(月) 23:45:05 ID:F3q9t0900
んで、武器関係好きなんで、武器屋は行って来ますたよ。(予想よりかなり狭かった。んでも武器はいいねぇ、カコイイねぇ。桐莉兄は体力無いからまともに振れそうに無いけどな。)
あと、ねこみみ屋ってのあったから名前に惹かれて行ったけど、こっちは残念ながら現在休業中の小規模なゲームの小売店さんですた。
猫耳アクセ専門店かねこみみ喫茶か何かだと思てたんだけど、違た。

虎穴とメロブで同人誌と同人ソフトは漁ったよぅ。
基本的にアニメとか普通の商業ゲームは手ぇ出さんのです。
(普段は日本橋と三宮の辺りに足伸ばしてまつよ。桐莉兄は大阪の人でつ。
元町の美味しい屋台の水餃子が好きでたまに食いに行くですよ。)

後はマウス壊れてたんで安いの新調。
何分今はぷーの身なので、資金に余裕は無かとでつ。でも予定の倍以上お金使ってるんだけどね。アフォやね、自分。

ゲーセンで友達のキャラでマジックアカデミーやってますた。二人ともオタなのでその分野なら強いー。でもスポーツとか出たらボロボロー。

あと、アダルトグッズのお店も覗いて来たですよ。

非常に疲れて現在足がまともに動かぬですが、楽しかったですよ。
むー、東京行ったら神保町の古本屋さんとかも見てみたかったけど、時間が無くて断念ー。
あー、個性がある町っていいねぇ。

……ちなみに、ネタ自体は桐莉も恵も既に幾つかストックあるのですが、時間がぴんちなのですよ。
そろそろ童話仕上げないと、奨学金返済資金も尽きて来たし。うは……。
206名無しさん@初回限定:2006/04/11(火) 00:05:46 ID:03aMpTLY0
振っちゃダメでしょ、武器w
207ハル@携帯から ◆cf6.GAJsFA :2006/04/11(火) 08:42:44 ID:t1LE21hrO
1.現在引っ越しに伴う手続きのため、
PCからの書き込みは漫喫からのみ。
2.新作中編はゆっくり作ってます。

ちなみに僕は大須によく行きます。
増設や自作のための部品が地元では最安なので。
大阪の日本橋は行ってみたことありますが
秋葉原はないです。


以上現状報告でした。
208突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/12(水) 03:40:23 ID:nt5//2E70
>>168の続きを予定してましたが………

私の所為………という噂もありますが、なんか妙に重い内容の作品が
続いてる風味なので、ちびっと脱線してみました。

小夜&若菜とは全っっっっっっっっっっっっく関係ない話ですw
209突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/12(水) 03:42:17 ID:nt5//2E70
トントントントン、と時代遅れな(といっても、この辺りでは普通なの
だが)総木造家屋ならではの軽快な足音を家中に響かせながら我が家の
ご令嬢が階段を駆け下りてくる気配。廊下と食堂(今風に言うとダイニ
ングキッチンと言う奴だが、勝手口の横に鎮座ましましているプロパン
ボンベを燃料とするコンロと、俺と殆ど年齢が変わらない年期の冷蔵庫
やら換気扇やら、それこそ俺的にはアンティーク扱いしても構わないだ
ろう家族同然のテーブルや椅子や蛍光灯やら食器棚やらが並ぶ我が家の
食卓にはハイカラな横文字など到底似合わないと確信している)を隔て
いる磨りガラス入りの木製の引き戸も空気の動きに合わせて細かく振動
している。
「あ、明日香ちゃん?」と、俺同様に音を聞きつけたお袋が「朝ご飯…
…」と声を掛けるが。
「おはよう朝御飯入らないから行ってきますっ!」
「………………食べない、の?」
「っ!! いってきまーす!」
磨りガラスの向こう。小柄な人影が立ち止まりもせずに駆け抜けて玄関
へと向かっていった。まるで俺達と顔を合わせるのを避けるように焦っ
た声と共に。
「とゆーか、明らかに避けてるよな。特に……俺?」
「……………………(母)」
「……………………(父)」
「や、そこは嘘でも良いからフォローするところだろ普通?」
慈悲と慈愛に満ち溢れた目で無言のまま催促されてしまった。
210突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/12(水) 03:44:09 ID:nt5//2E70
「お〜い、明日香ぁ〜?」
「っ!!」
玄関を開くと同時に流れ込んでくる潮風の香り。目の前を横切る県道の
ガードレールの向こうには朝陽に輝く港町が風景となって広がり、その
更に向こうには穏やかな大海原が広がる。排ガスやらスモッグやらとは
無縁な澄み切った青空から降り注ぐ暖かい日差しが肌に心地よい。
「……って、何も言わない内から逃げるなぁーっ!!」
朝飯の残りを急いで掻き込み飛び出してきたというのに、白に青い縁取
りのセーラーに赤のリボンタイの明日香。つまり我が校の真っ新な制服
を身につけた妹は、砂塵を巻き上げそうなダッシュで一番手近な電柱の
陰に飛び込んで身を隠してしまった。
「な、なによぉ〜!」
「なにって………一緒に学校へ……」
「結構ですっ!」
「ほんで歩きながら、永らく別居していた兄妹のコミュニケーションの
回復と団らんなど……」
「間に合ってますっ!!」
などと半分だけ覗かせた顔を微妙に赤く染めながら宣ってくれる。ほん
に初い奴め。
「とか何とか言ってる間にどんどん遅れるぞー? いきなり入学式に遅
刻して皆勤賞逃したりしても良いのかなー? しかもお前、初日にして
学年の話題独り占めの超有名人になっちまうぞー?」
「う、う、うぅ………」
プレッシャーに弱くて目立つのが嫌いな割には、何故か周囲から寄って
集って責任ある地位に祭り上げられるという苦渋に満ちた義務教育人生
を歩んできたという話を親父から聞いている。せっかく遠くまで引っ越
したのだから、今度こそ平穏無事な日陰を歩きたいと常々願っていたに
違いない明日香には有効な札の筈だ。
211突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/12(水) 03:45:09 ID:nt5//2E70
「それにほら、お前可愛いから俺が一緒に行って釘刺しとかないと片っ
端から声掛けらまくって揉みくちゃにされるぞー? 見慣れない顔だっ
てだけで、相当に目立つんだからなー?」
なにせ小・中・高校が一つづつしかない様な土地柄である。馴染みのな
いニューフェイスは只でさえ話題と注目の的だ。加えて、早く馴染んで
貰おうという親切心から友達になろうとする奴も多い。特に明日香のよ
うに庶民的な見栄えの良さを持つ場合は特に。
「そ、そそ、そんな見え透いたハッタリで脅そうとしたって無駄なんだ
からねっ! ああ、あんたなんかの軽薄な口車に乗ったりするもんです
か! 子供の時とは、ち、違うんだもん!!」
とか言いながら早くも膝が笑ってますがな明日香さん。
「子供の頃………」と軽く回想してみると「……そういや、最期に遊ん
でやった頃は、いっつも俺の袖にぶら下がって…………うわっ!?」
びゅんっ、と空を切る音と共に飛来した拳大の火山岩が頬を掠める。
「余計な事思い出すなぁっ! 思い出しても口に出すなぁっ! ついで
に記憶を失えぇっ!!」
ガードレールの向こうは崖っぷち。そこから拾った石を手当たり次第に
投げつけてくる明日香は何故か涙目だ、が………
「って、ンなの喰らったら記憶喪失する前に死ぬって!!」
「うるさいうるさぁい! 私の人生に干渉するな介入してくるな関係者
面してまとわりつくなぁぁぁぁぁっ!!」
(びゅんっ、びゅんびゅんびゅんっ!)
「家族なんだからどう考えても関係者だろうがっ! ってゆーかマジ危
ないから止めろ! 当たったらどーす……………………げふっ!?」
「ば……ばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
薄れゆく意識の片隅に響くドップラー音。大声で泣き喚きながら走って
ゆく明日香は、これで間違いなくご近所の話題を独り占めだろう。
むろん、本人の意志とは無関係に。
「……っていうか、誰が……この散らかった石を片付……けると……ガクっ」
212突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/12(水) 03:52:04 ID:nt5//2E70
近況
「この青空に約束を」クリア。何気に懐かしいネタ満載でした。
あとFSSの新刊も購入。初登場当時は腹黒っぽくてイカしてたアルルとサリオンがぁ……w

どうでも良いけど、関西圏の人って結構多いんですか?
ちなみに私も十年ほど前に梅田から夜行バスで東京へ日帰りで行った事がありますw
213名無しさん@初回限定:2006/04/12(水) 08:17:24 ID:Fg7+CnUy0
突発氏に限らず、段落を分けて書く。段落の始まりは空白を入れる。
そういうちょっとしたことに注意して欲しい。
びっしりと書き込みされて、読みづらい文章になってしまっている。
214名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 11:39:59 ID:uXNnuCRR0
三十行程度の文に段落もなにも……
215突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/14(金) 01:45:12 ID:Hq9lvchz0
という訳(?)で>>168の続きです。
216突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/14(金) 01:45:48 ID:Hq9lvchz0
 「小夜は…小夜はもう、どうしたら良いのかわからなくって……」
 首に抱きついたまま、声を殺して泣き続ける小さな体を抱きしめ背中
を撫でる大地にとっても、正直途方に暮れそうな話である。まだ女性と
して完成していないばかりか同年代の少女と比べても貧弱で儚げな小夜
を何とか無事に妊娠へ出産へと導こうと、愛情を注げば注ぐほどに若菜
の機嫌が悪化していっているのは彼も薄々感じ取ってはいたが。
 「大丈夫だから。」口から出てくる台詞も、自然とその場しのぎの言
い訳ばかりになってそいまう「小夜の所為じゃない。若菜が勝手に癇癪
を起こしただけだろ?」
 「いいえ兄様! 悪いのは小夜の方なんですぅ……っ!」
 「おいおい、小夜は悪くないだろ? 何でも自分の思い通りになるっ
て勝手に思いこんでる若菜が大人げないだけなんだからな?」
 「いいえ、いいえ……」ふるふるふる、と兄の胸に押し付けた顔を左
右に振る小夜「……兄様に甘えてばかりで、毎日ご一緒している若菜さ
まのお気持ちも察して差し上げなかった小夜がいけないんです。小夜に
が兄様を取ってしまったら、若菜さまは独りぼっちです。そんな事にも
気付かなかった小夜が全部、悪いんです!」
 つまり、兄妹三人の内の二人が親密になりすぎた結果として残った一
人である若菜が疎外感を感じていた、と言いたいらしい。とは言え、そ
う仕向けたのは間違いなく若菜自身であり、これは明らかに身から出た
錆というものである。こんな環境で子作りを続けても気弱な小夜を精神
的に追いつめられてゆくだけだ。妊娠どころか肝心な小夜が体を悪くし
てしまうぞ、と押し切って倉から屋敷に移して貰ったとはいえ、今度は
昔の自室に軟禁されてしまった大地や、一日中顎で使われた上で夜な夜
な兄に抱かれて何度も精を受け止めねばならない小夜に、そんな気遣い
をする余裕も義務があるとは思えない大地。
217突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/14(金) 01:46:42 ID:Hq9lvchz0
 「じゃあ、俺から若菜に言っておくよ。可愛い妹が心配してるから、
あんあり意地を張らないように……」
 「そ、それは駄目です! 兄様に叱られたら、若菜さまは兄様にまで
邪魔者扱いされてるって思いこんで余計に……余計に……」
 逆ギレを起こして小夜に八つ当たりする………か、と口の中で呟く大
地。自分と同い年で成人している若菜より、中学生の小夜の方が遙かに
大人に思えてくる。
 「でもな小夜、いまのままじゃ何も変わらないぞ? 向こうから来な
い限り会うこともない俺はともかく、小夜は明日の朝から若菜と顔を合
わせないといけないだろう? いつまでも若菜と喧嘩したままの状態が
続いても良いのかな?」
 それに精神的なストレスが体に与える影響もある。あえて口には出さ
ないが、只でさえ無理がある出産に与える影響は少なければ少ないほど
よいと考えるのは当然といえるだろう。
 「そ、それは……そうですけれど……」
 小夜の大きな瞳が戸惑いで揺れる。
 「だったら、一日でも早く仲直りした方が良くないかな?」
 「で、でも……」と何故か譲ろうとしない小夜「……それは本当の仲
直りとは違うんじゃないかなって、小夜は思います。小夜にとっては若
菜さまだって大切な家族なんです。だから、今だけの仲直りじゃなくっ
て、ずっと仲良く暮らせる兄妹になりたいです。」
218突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/14(金) 01:47:15 ID:Hq9lvchz0
 「だから、それは小夜が……」自分に抱かれている限りは無理だ、と
言いかけて思い直す大地「……全部終わって落ち着いてから、ゆっくり
と考えていった方が良いと思うよ。慌てたって、どうしようもない問題
だからな。」
 「で、でもっ!」
 「………………小夜?」
 ここまで強情な小夜は、大地も知らない。大地と若菜とは半分しか
血が繋がらない妾の子である小夜は、昔から遠慮がちで周囲の目ばかり
を気にしていて、満足に我を通した事など一度もなかった。実際、今回
の『子作り』も若菜の命令で始まっており、小夜が大地に義兄以上の感
情を抱いていたのが救いではあるものの、彼女自身の意向とは全く無関
係であることにかわりはない。
 「でもでも小夜は、兄様とのあ…あ…赤ちゃんを、暖かい家と家族で
迎えてあげたいんです。小夜には兄様と姉様がいましたけど、赤ちゃん
にはいません。ですから小夜達が本当に仲良しになって、笑顔で一緒に
迎えて育ててあげたいんです。そんなの小夜の我が儘だって、わかって
いますけど………」
 「……………………………………………………」
 「……ですから兄様が、もしも小夜の贅沢なお願いを叶えても良いか
なって、ちょっとでも思って頂けたら………」
 「何か考え、あるんだな?」
 「えっと、はい……」きゅ、と更に強く抱きつく小夜「……その、ひ
とつだけ、ですけど………」
219突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/14(金) 01:52:57 ID:Hq9lvchz0
>>213
いやぁ、自分でもチト「最近、文章量のコントロールが不器用になってきたなぁ」
とは感じていましたが、やはり多すぎですかね?

段落に関しては、以前からスレで区切る形で補ってきたつもりですが如何でしょう?
ともあれ表現力等、まだまだ精進が足らないことだけは確かなようですがw

>>214
フォローありがとうございます。
まだまだ未熟であることは百も承知ですので、忌憚ないご意見もお待ちしております。
220名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 20:36:54 ID:PyDhYy1x0
前より見やすくなってると思うよ。
とりあえず続き読みたいわー、GJ(・∀・)
221チラシな話 ♯4:2006/04/15(土) 20:51:06 ID:Y2/L52RJ0
 喩えば、飼っていた猫が突然人間になり『あなたが好きです』などと言われたら今の状況に照ら
し合わせることができるのだろうか。
 ……近いかもしれない。同性に告白されるようなもの。恋愛対象外。俺にとって妹とはそういう
存在だ。
 いつだって人の後ろをついて回っては、一人で勝手に転んで泣きわめく。泣き止ませるのに相当
な手間がかかるのに、それでも放っておけば親父のげんこつが飛んでくる。男友達と遊びたい盛り
真っ只中の子供時代を、それはそれはさいなませた三歳年下の妹。
 思春期にはいって、すこしづつ距離を置くようになった敬子に対し、同じく思春期現在進行形だ
った俺は、微かな感慨を抱くこともなく、青春を謳歌していた。沢山の友達、色を変え続ける一日
一日、異性に対する興味……学校という閉鎖環境には黄金色の娯楽があふれ返っていた。
 今からすれば毎日がお祭りのようなものだ。浮かれきっていた俺が二の次になってしまっていた
“妹”の気持ちなんて分かるはずもない。
「好き、ねぇ」
 敬子の言った言葉の意味を、俺は結局まだ咀嚼しきれないでいる。
 今の状況自体、一度眠りについてしまえば、朝起きるころには夢だったんじゃないかと思えてし
まう。
 支倉のひたむきさに中てられたのか、敬子を家に置くことを許諾したはいいが、正直どうしてい
いかわからないのが現状だった。
 リビングのソファに座り込んでそんなことを考えていた。
「お兄ちゃん、お風呂、あいたよ」と、
 都合一時間という、俺からすれば長風呂を終え、タオルで髪を拭く敬子は、きちんと自分用のパ
ジャマに着替えていた。あれから家に取りに帰ったのだ。二〜三日分の着替えだけでほかに生活用
品などは持ってきていない。敬子本人もそのくらいが頃合と思ったのだろう。
「親父たち、なんか言ってなかったか」
「すごい心配してた。あと、ちょっとおこられた」
 うちの両親は敬子に対してかなり甘い。多分怒られたといっても気持ち注意された程度だろう。
「甘いよなぁ、親父もお袋も」
「なによぅ、まるであたしが子供みたいじゃない」
 ぷくぅと頬を膨らます。鏡があったら見せてやりたいがあいにく手元に無い。
「子供、だろ。逃げる花嫁なんて」
「……あ、うん……ごめん、その、こんなことになっちゃって」
222チラシな話 ♯4:2006/04/15(土) 20:56:04 ID:Y2/L52RJ0
「やけに素直だな。雷落ちるぜ」
「茶化さないでよぅ」
「人の気持ち揺さぶってくれた礼だ」
 わずかに会話のテンポが開き、無意識的に敬子を見やる。
「揺れたの……?」
 敬子の目に微かな憧憬の色が浮かんでいた。瞬きをするほどのわずかな時間なのに、どうしてこ
の子はこんなにも転々と空気を変えてしまうんだろう。
「まぁ、ちょっとな」
「ごめんね」
「迷惑じゃない、ってわけでもないけどさ……。敬子がもし、あやふやな気持ちでいるのなら、そ
の、なんだ、俺は力になってやりたいし、あ、でも俺にもできることとできないことはあるけど…
…つーかお前、まだ、その……」
 お前はまだ俺が好きなのか、という意向。自分の妹にだ。語尾を濁しても伝わっていると思うと
恥ずかしすぎる。
「ん、好き……か、な」
 ぞわりと、羽毛が皮膚を凪ぐような錯覚。同性から告白されるようなもの、という項は訂正しよ
う、すごくこそばゆい。
「あ――う、でも、気にしないでねっ、今はもうそれほどでもないからっ」
「醒めたってコト?」
「ちがうよ、好き、すごく好き――あ、ぅ……」
 顔が真っ赤なのはのぼせたせいか、恥ずかしいからか、多分後者。一呼吸置くと桜色の唇から言
葉が紡がれる。
「声に出して、伝えられた、から……かな」
「……そっか」
 好きな人に想いを伝えられないというのは、実際どのくらい辛いものなんだろうか。経験が無い
し、喩えられるものも見つからない。
「長い間の想いが昇華されたっていうのかな、支倉君には悪いことしちゃったけど」
「ホントだよ、あんないい奴普通いないぞ。俺なんかより数段優しいし……ちょと優しすぎる感も
あるけど、な」
「うん、いい人。お兄ちゃん、凄くいじわる」
「んだな」
223チラシな話 ♯4:2006/04/15(土) 21:01:21 ID:Y2/L52RJ0
 そう言うと敬子は微かな驚きと悲愁をない混ぜたような、なんとも悲痛な表情を浮かべる。
「今日のお兄ちゃん、やさしい……」
「んなこと」
 無い、とはいえない。自分でもいつもと違っているのが分かる。これは俺たち兄妹の間で交わさ
れる空気じゃない。敬子自身もそれを感じている。
「ごめん。お兄ちゃんはいつだって優しかったね。ホントなんでだろ、困らせるだけって分かって
たのに」
「俺は優しくなんかないよ」
 もっと適切な言葉があるはずなのに、この程度のつまらない自嘲しかできない自分自身が歯がゆ
い。
「望みすぎたんだ。あたしはお兄ちゃんの妹でしかないのに――」
 語尾が段々強くなり目尻に水滴が浮かびあがる。
「いいよ、もう。あまり自分を責めるな」
「もう、ホントやだ」
 後から来た自責の念が敬子の華奢な心を悩ませているのだろう。それを自業自得とは言えない。
人間には頭で考えていても、どうしても身体が先に動いてしまうことがある。俺が挙式で立ち上が
ろうとしたように。
 手を敬子の頭にのせる。柔らかい毛髪に包まれた頭が嗚咽で微かな上下を刻む。
「泣かないで」
 幼少期、泣き虫だった敬子を、俺はいつも後ろから抱きしめてやった。それが一番効果的だった
からだ。けど今日はそれもできない。支倉や順子への罪悪感やつまらない倫理観が交錯し、それを
咎めるのだ。
 そうだ、そういえば順子にはまだ何も話していない。
 里中順子――俺の交際相手。中学からの付き合いで、気が合うからという理由で交際も結構早く
に始まった。高校も同じところに、と約束して行った。
 そのまま彼女は進学したが俺は特別、勉強したいこともなかったし、もうそのころには同じ学校
へいこうね、などというセンチメンタルな感傷は枯れはてていたので、一足早く社会人となった。
 敬子の結婚式もどうしても外せない実習があるとかで参加しなかったから、最後に会ったのは…
…一週間近く前だ。その少し前につまらないケンカをこじらせてしまったので携帯にも着信履歴は
残ってない。
224チラシな話 ♯4:2006/04/15(土) 21:07:21 ID:Y2/L52RJ0
 社会人の俺よりも忙しい順子の休みにあわせ、月に一、二度デートをして、家ですることをして、
一日を終え、また普段と変わらない日々に身を置く。
 季節の移ろいだって気にならなくなるような平凡な人生だ。だけど人生ってそういうもんなんだ
ろう。社会性に身を置く限り、妥協して、丸く生きて、日々の微かな変化を楽しみ、とがることな
く、明日を迎える。その繰り返し。至極真っ当な生き方だ。
 ふと、思う。誰かに好きだなんて言われたの、本当に久しぶりなんじゃないかって。
 今もしゃくりあげながら涙にむせぶ敬子。今も自分のしてしまったことに呵責しているというの
に、俺はどうしてか、彼女に対し憧憬にも近い念を感じてしまっていた。
 だからだろうか。冷静さを欠いた熱病感染者のように、俺は奇妙なことを口にしてしまっていた。
「敬子、明日一日恋人やってみようか」
「え」
 のせていた手ごと頭が上がり、視線が組み合う。
 自分でも驚くほどあっさりと出た言葉に認識がついてこない。なんだろう、頭より先に口が動い
てるような、そんな感覚。
「一日だけだけど……って、あれ、俺なに言ってる――悪い、ちょっと今、俺変だ」
「……して」
 言葉の語尾だけを発音したような微かな彼女の同意。
「いや、違う。俺が思って言ったんじゃなくて……」
 何を言ってるのか自分でもシドロモドロだ。
「切欠があれば、あたしも諦められると思うの」
「でも……」
 いいじゃないか、ろくな解決策もなかったんだ。
 一日だけの恋人、ありがちな話だ。それが敬子のためになるのなら、多少の罪悪感くらい拭える
だろう?
 そう思ったのに、俺の決断は鈍く腰を下ろしたままだった。
 何の考えなしに出たその提案事体が、俺自身の望みであるかのような――そんなろくでもない仮
定。
 それは、順子に対する罪悪感でもなく、支倉に対する義でもなく――ただ面白みの無い生活に、
ちょっとした刺激が欲しいからなんていう、そんな自己満足。
 真剣な敬子に対してあまりにも道徳を欠く汚さ。
225チラシな話 ♯4:2006/04/15(土) 21:17:02 ID:Y2/L52RJ0
 それを敬子が望むからといって、おこなってしまっていいものなのか?
「一日でいいの、それ以上望まないから」
 切実な表情で哀願する敬子に、俺は押されている。そう感じた俺は敬子に今思ったことを説明し
た。
「……そんなの不純すぎる、そうだろ?」
「いいよ、純粋な人助けよりずっといい……あたし、お兄ちゃんこんなに困らせてるのに……それ
ならお兄ちゃんが少しでも楽しんでもらえれば、そのほうがずっといいよ」
「敬子……」
 彼女はそっと、諦観をこめた表情で頷いた。

 (´・ω・)つ だいぶ間隔が開きました。ショートショートで終わらせておけばと後悔しつつも、
なんとか終わらせるまでは頑張ろうかと思ってます。

 文章作法云々については、心得てるつもりですが、確かに読みやすくってのは重要ですね。
 それを補ってもあまりある勢いの文章が書ければいいんでしょうけど、現状は……(;´д⊂)
226名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 21:31:56 ID:7FBIa3eI0
貴殿の場合、改行位置をもう少し工夫すれば
もっと読み易くなると思うぞ。
227名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 23:39:20 ID:hfWdamJQ0
乙。
最近読む時間が足りないな……。


改行後の空白とか、俺はあまり意識していなかったな。
これからも空白を入れる予定は無いが。
228名無しさん@初回限定:2006/04/16(日) 20:52:27 ID:2MhWJIIpO
オツ。
最近は過疎気味ですな。
職人様の質がかなり高いから困りはしないが、もう少し活気がでないものか…
229名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 00:04:41 ID:QgYmtP5P0
いいなぁ、俺好みの展開(*´ー`)
超GJ
230突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/17(月) 01:08:08 ID:Js/pObHw0
>>218の続きです。
231突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/17(月) 01:08:38 ID:Js/pObHw0
 ぴちゃぴちゃと粘膜同士が触れ合う水音とが汗の香りと混じり合い、薄
暗い部屋の中で空気の様にゆっくりと流れている。
 「んあっ! ちょっと小夜、激し…………っ!?」
 小夜が小さな舌先を尖らせて処女の蜜壺を浅く、しかしリズミカルに出
入りするたびに若菜が体全体を震わせながら喘ぐ。柔らかくて熱くて、濡
れた舌が自らの意志を持つような動きで体の内側に侵入して貪る感触は指
やなどでは決して得られない異様で背徳的で、その異質ゆえの耐え難い快
感を与えてくれるのだ。
 「駄目……だめだってばぁ! 小夜、お願……ちょ……待って……!」
 「若菜さま?」仰向けになった姉の股間から顔を上げた小夜が、唾液と
愛液でベトベトに濡れた可憐な唇を小さく動かす「もしかして、お気に召
しませんか? 小夜のご奉仕は、気持ちよくないのでしょうか?」
 「っはぁ、はぁ……そ、そうじゃないんだけど……」
 「?」快感に翻弄され続けて息も絶え絶えとなった姉の様子を小首を傾
げて見つめる、無邪気な子犬の大きな瞳「じゃあ、今度はお尻の方が宜し
いで……」
 「さ、小夜っ!!」
 「失礼しました、若菜さまで。は、今度は兄様の方にご奉仕して差し上
げますね?」
 少しも悪びれていない幸せそうな微笑みのまま、今度は若菜を組み敷く
ような格好になっている兄の勃起した男性器の半分ほどまでを一気に頬張
り喉を鳴らしながら吸い上げる小夜。先ほどから交互に妹の舌と唇での愛
撫を受けてきた兄妹の性器は、互いの分泌液と末っ子の唾液が混ざった粘
液を十二分にまぶされ、テラテラと淫靡に輝いている。
232突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/17(月) 01:10:11 ID:Js/pObHw0
 「いいか、若菜?」全く同じ背丈に全く同じ髪の色瞳の色。生まれる前
から共に時間を歩んできた双子の妹の顔を見下ろしながら、大地は重ねて
念を押す「なんども言うが……」
「わ、わかってるわよぉ! 兄さんが抱いてくれるんだったら、もう小夜
の事を虐めたりしないし、これからは妹として可愛がるって約束する。兄
さんが私の中に出してくれなくっても我慢する。」
 「それから………うわっ!?」
 不意に喉を使って根本近くまで飲み込み締め付けられ、今度は大地の
背中が反り返る。
 「もうっ、小夜!」
 「♪」
 「この子ったら、何一人で舞い上がってんのよ……」
 そう呟く若菜の頬も性的興奮だけではない何かで赤く染まっている。三
人の中で唯一釈然としないモノを抱えている大地だが、二人の妹が嬉しそ
うな様子を見ていると、このまま流されても構わないような気分に陥りそ
うになってしまう。
 「……それから、小夜の子は小夜の意志を尊重して小夜の子供として育
てさせるんだぞ? 絶対に小夜から取り上げたりは……」
 「しない! しませんってば! 約束通りに兄さんが籍を入れてくれる
んだったら、私も兄さんの言うとおりにするから。」
 『大地に若菜の処女を受け取って貰う』。それが小夜の考え出した提案
であり、そこに『若菜の膣内には絶対に射精しない』『三人で床を共にし
て良いが、小夜に過激な行為はさせない』『小夜に、年相応に過ごせる時
間も与えてやる』という条件を付随させることで大地と若菜の妥協線を辛
うじて見いだすに至った。もちろん、それは『大地が小夜を妊娠させた後
に婚姻すること』という大前提の上の話だが。
233突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/17(月) 01:11:23 ID:Js/pObHw0
 「だ、だけどさぁ……」と更に若菜「……に、兄さんに抱いて貰うって
事は、私も……その……小夜と同等ってことになるわよね?」
 「同等って………お前は俺の実の妹で……」
 「でも兄さん、昔っから小夜の方ばっかり可愛がってたじゃない! そ
れに小夜と寝るようになったら二言目には『小夜が』とか『小夜は』とか
小夜の肩ばっかり持っちゃってさ……」
 「それはそうだろ。だいたい小夜は……」
 「ああっ! また『小夜は』って!」
 「お………おいおい……」
 「ちゅぷっ。 兄様、若菜さまは妬いてらっしゃるんですよ? 本当は
小夜達とも仲良くしたいけど……」
 「小夜っ!!」
 「はい若菜さま、失礼いたしました。うふふっ♪ あむっ、ちゅぷ、ち
ゅぷ、ちゅるるっ……」
 「とにかくっ! 小夜が、その、子供だから心配だって言う兄さんの意
見もわからない訳じゃないけど……これからは、私も、もう少し小夜の事
大切にしてあげるし、そうしたら兄さんの心配だって今より少しは減るで
しょう? だ、だからね………?」
 「………だから?」
 「……だから、その減った分の心配を、私の方に分けてくれても良いじ
ゃないかなって……思ったりするんだけど……? どうせ、その、抱いて
くれるんだったら、義務とか交換条件とか、そういうんじゃ無くって、そ
の、なんて言うか、あああ、あの、小夜を抱く時みたいに優しくって言う
か……あ、愛してくれた方が……う、嬉しいかなって……」
 「……………………」
 「だって、その、確かに私の方がお姉ちゃんだけど……私だって妹には
違いないじゃない? だから小夜と同じくらいに、これからは妹として対
等な、その、なんていうか……」
 「…………若菜、お前………」
234突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/17(月) 01:11:56 ID:Js/pObHw0
 「わ、私も甘えたいとか思ったら変!? 悪いの!? 同じ妹なのに小
夜の方ばっかり可愛がって貰ってズルイとか言ったら………」
 「………餓鬼だ………」
 「なっ! そりゃ、自分でも少し大人げないなとは思うけど……」
 「………馬鹿、その思考自体が子供の証拠だろ。体ばっか大きくなって
も精神年齢じゃ小夜と全然変わらないじゃないか。」
 「う、うぅぅ………だってぇ………」
 「兄様っ!」
 「………ちゃんと妹の面倒、見るんだな? 勝手にヤキモチ妬いて虐め
たりしないって、本当に約束できるんだな? 断っておくが、俺の体は一
つしかないんだから二人同時には構ってやれないんだからな?」
 「あ……」
 「兄様っ♪」
 「お前が『小夜のお姉ちゃん』になったら、その分だけ浮いた手間で
『妹』の頭を撫でて褒めてやる位のことは出来るかもな? それに分家の
連中の事も………」
 「『お兄ちゃん』が、私達を『平等に』可愛がってくれたら、もうイラ
イラしたりしないで済むから大丈夫だけど………?」
 「………………………………」
 「………………………………」
 「………………………………」
 「………あとは兄さんが………き、決めてよ……」
235突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/17(月) 01:20:06 ID:Js/pObHw0
近況。
「バルドフォース・レボリューション」のマキシシングルを買ってみる。
…………もしかして単なるマイナーアレンジっすか、これ?(汗


>>チラシの裏氏
乙です。
世界が徐々に立体感を持ち始めていますね。
続きを楽しみにしております。
236名無しさん@初回限定:2006/04/19(水) 01:40:40 ID:ylqEt0DQO
乙。
素直になるとテラカワユス(;´Д`)
237名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 01:03:05 ID:3ikaLX0XO
職人さん乙ッス!


朝起きたら俺も妹も裸で一緒に寝てた
238突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/20(木) 03:46:43 ID:V/Itgj3k0
なにやら停滞してしまってるんですが………
まぁ……毒食えば皿までという訳(?)>>234の続きですw
239突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/20(木) 03:47:21 ID:V/Itgj3k0
 「若菜さま、力を抜いてくださいね。」
 ぐい、と細い腕が内側から両膝を押し広げると、べっでの上で仰向けに
横たわった若菜の脚はM字型となり、秘部を全てさらけ出すと共に最も男
を受け入れやすい体勢になる。惜しげもなく広げられた割れ目の奥、妹の
舌で弄ばれ押し広げられた膣口は未だ味わった事もない男の味を求めるよ
うにパクパクと動き、その中から既に白濁化した愛液が涎のように垂れて
肛門の方へと滴のまま流れてゆく。
 「ほん、ほんとうに、こんな格好をしないと駄目なの……?」
 「はい、若菜さま」と涼しげな笑みを崩さず答える小夜「若菜さまは初
めてでいらっしゃいますから、少しでも広げておいた方が痛みが少なくっ
て楽ですよ? せっかく兄様のご寵愛を頂戴できるのですから、痛いだけ
で何も分からないのは嫌ですよね?」
 「……それが嫌なら、四つんばいになって入れて角度的に楽にするって
方法もあるが……」
 「そそ、そんな動物の交尾みたいなのは嫌よっ!」
 「ですよね? じゃあ、小夜の言う通りにして下さいますよね?」
 「………ほんとうに、痛みがマシになるのね?」
 「はい若菜さま。兄様に何度も抱いていただいてる小夜が言うのですか
ら間違いありません。子供の小夜でも気持ちよくなれますから、若菜さま
なら小夜よりもずっと早く馴染めますよ?」
 他ならぬ若菜の指で処女膜を破られ散々拡張されてから男性器を受け入
れた小夜の経験談が有益か否かは微妙だが、少なくても体格差は気休めに
なってくれる。身長差だけで言うなら、小夜は若菜より50センチ近くも
低い、細い。
 「………わかったわよぉ。信じれば良いんでしょ?」
 「はい、若菜さま。小夜が一緒ですから大丈夫ですよ。」
 恥ずかしげに横を向いた若菜に気取られないように目と目で合図を送り
合う大地と小夜。この体勢には他にも重要な意味がある。射精寸前に確実
に抜き取るためには、若菜の脚を固定しておく必要があるのだ。
240突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/20(木) 03:48:33 ID:V/Itgj3k0
 「若菜?」
 「…………何よ?」
 「もう一度だけ聞くけどな?」限界まで開いた双子の妹の脚の間に分け
入り覆い被さった大地が耳元に囁く「こんなことしても、自己満足以外は
何も残らないんだぞ? 俺にとってお前は妹のままだし、小夜と違って証
も作れない。お前が当主でいる限りは、お前が俺と寝ても他の連中は何も
言わないだろうけど、立場的には俺の愛人で妾に過ぎない。本妻になって
堂々と出来るのは小夜だけなんだぞ?」
 「……………それでも良いのよ」と強がる瞳が微かに揺れる「正直、他
の女に取られるのは悔しくて悲しくて殺してやりたいくらいに憎いんだけ
ど、小夜だったら何とか我慢できると思う。それに私、兄さんと小夜の子
に後を継がせるまでは………ううん、一生、兄さん以外の男には指一本触
れさせる気もないから。」
 「……若菜さま……」
 「ど、どうせ多かれ少なかれ痛いのは変わらないんでしょ? だったら
一気に破ってよね。女だったら誰でも経験することなんだし、そんな当然
の事で同情されたり心配されたりなんてまっぴらよ!」
 「それでも、出来るだけ辛くならないようにはするよ。」
 大地が枕を取って、若菜のウエストの下に差し込む。小夜は再び姉の股
間に顔を埋め、唾液と愛液を混ぜて入り口の周囲に舌で塗り込める。
 「うん……………兄さん。」
 大地にとってカテゴライズ的には同じ妹とは言え、腹違いの小夜と自ら
の双生児である若菜とでは背徳的な抵抗感が全く違う。半強制ながらも条
件を飲んでしまった自分に逃げ道が無い以上、若菜が尻込みするか、せめ
て性交を伴わない愛情で満足してくれればと願っていたのだが、ここまで
の覚悟を見せられてしまった以上は………
241突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/20(木) 03:49:31 ID:V/Itgj3k0
 「若菜、俺が良いっていうまで深呼吸だ、ゆっくりとな?」
 「深呼吸って………」
 「小夜からもお願いします。兄様の仰るとおりに……」
 「うぅ………すーっ、はぁーっ、すーっ、はぁーっ……」
 「兄様? 小夜が合わせますから、腰を寄せてくださいますか?」
 「あ、ああ。」
 正常位で抱き合うような体勢の大地が感触だけを頼りに『入り口』を探
すよりは小夜に任せた方が早いし、あちこちを擦られて若菜の不安が増す
ことも無い。小さな手で握られた彼の分身は、あっという間に寸分の狂い
もなく導かれ、その先端部が熱くぬめった蜜壺の中へ……
 「ひっ!?」
 「深呼吸だ、若菜。」
 「です。大きく、ゆっくりと……そうです。そのまま……」
 右手で陰唇ごと若菜の膣口を広げつつ、左手で持った大地の先端部少し
だけ押し込みを細かく揺らして馴染ませる小夜。更に両者の触れあった部
分を舌で舐め唾液と快感を送り込むことも忘れない。
 「小夜……?」
 「はい兄様。いつでも……………どうぞ。」
 「若菜、とりあえず痛いのは一瞬だけだからな? 要は注射と一緒で…
……って、そういえば中学を卒業するまで注射で泣いてたな。家でして貰
うときは必ず。」
 「……さ、小夜は全然存じませんでした。一生懸命、我慢なさっていた
んですね、若菜さま?」
 「正確には、やせ我慢だけどな? 昔から見栄っ張りで………」
 「に、兄さんっ!!」
 「あの注射と一緒だよ。それに今度は、俺も小夜も付いてる。」
 「はい、小夜が一緒です。」
 「わ、私は……平気だって言ってるじゃないのよぉ……!」
242突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/20(木) 03:50:01 ID:V/Itgj3k0
 ぐぐぐ……と堅くて太い固まりが強引に秘部を拡張し侵入してくる感触
に驚愕しながらも、若菜は兄に命じられた深呼吸だけを必死に繰り返し続
ける。息を吸い吐く以外の事だけに集中していないと、迫り来る破瓜の痛
みへの怖さで気が遠くなりそうだからだ。小夜にも出来たんだから、小夜
にだって出来ることなんだからと自分に言い聞かせながら、緊張と躊躇心
で筋肉が収縮して余計な痛みを感じないように意識の全てを肺の運動へと
注ぎ込む。そして………
 (ぷちっ!)
 「あっ!?」
 (ぷちぷちぷちぷちっ!!)
 「あああああっ………!!」
 生皮を引き剥がされるような痛みと共に、まるで鉄の棍棒の様に兄の男
性器が一気に貫通する。事前に小夜の奉仕で充分に愛液を分泌させ躰を昂
ぶらせておいた事、物理的な処女だけは守っていたものの小夜との数えき
れぬ行為で性感帯と性器を開発しておいたお陰で一般的な処女喪失よりは
少ない痛みで済んではいたのだが、それでも痛いことに変わりはない。
 「あ……あ……はぁ……はぁ……っ」
 「………若菜?」
 「若菜さまぁ……」
 「………………ぜんぶ、はいった………の?」
 処女膜があったと思われる辺りがヒリヒリする。丁度、腕か脚を擦り剥
いた時のような鈍痛が鼓動に合わせて脈動を繰り返してる。
 「ああ」と大地「とりあえず、深呼吸を続けるんだ。少し時間を置けば
緊張も解けて動かしやすくなるからな?」
 「あ……ああ、そっか……」と精一杯の皮肉を乗せた苦笑いを浮かべよ
うとしても力が入らない「……いくら兄さんでも、入れただけでイくのは
無理……よね?」
 「………それが男のプライドって奴なんだよ。」
 「うふふ、ばっかみたい……」
 「兄様、若菜さま…………………あ!」
243突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/20(木) 03:50:33 ID:V/Itgj3k0
 兄と姉が穏やかな顔で言葉を交わす様子を嬉しそうな微笑みで見つめて
いた小夜。その目の前に晒されていた二人の結合部に赤い滴が浮かび上が
ってくる。きっと若菜の僅かな弛緩によって奥から流れ出してきたのであ
ろう『それ』は。
 「きゃ……!」限界まで広がって敏感になっている膣口に、妹の舌が押
し付けられる感触「さ、小夜っ!?」
 「若菜さまと兄様が結ばれた証、ちゅぷっ、美味しいです♪」
 「だだ、駄目よ! そんなの舐めないでよぉ!」
 「……若菜? 小夜?」
 「に……兄さんっ、止めさせてよぉ! 小夜ったら私の、その……あそ
この血を………んあんっ!」
 「(ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ)」
 「小夜? 若菜が困ってるんだが……?」
 「嫌です。これだけは兄様や若菜さまのお願いでも譲れません。だって
小夜は、いつもいつも若菜さまに舐められてるんですよ? 小夜がどれだ
けお願いしても若菜さまのは下さらないのに。」
 「…………若菜?」
 「あ………うぅぅ………」
 「ちゅ、ちゅ、小夜が若菜さまに初めてを貰って頂いたときだけじゃな
いんです。小夜に女の子の日が来る度、小夜が恥ずかしがるのをご覧にな
りながらチュウチュウ音を出して美味しそうに吸われるんですよ? しか
もご自分の時には小夜のこと全然構ってくださらないんです。小夜がお願
いしても『私のは小夜と違って重いの!』とか『小夜みたいな子供じゃお
腹を壊すから!』とか仰るんですけど、絶対に恥ずかしがっておいでなだ
けなんだって、小夜は思いますっ。」
 「だ、だって……血って相性があるから……本当にお腹を壊すことだっ
てあるって……ねぇ? 兄さん? そうなんでしょう?」
 「あ、ああ、まぁな……」
 「それならご心配には及びません、若菜さま。」姉の言葉に臆すること
もなく子猫のように舌を動かし続ける小夜「だって小夜は、兄様の精液を
頂戴しても大丈夫でしたもの。兄様と若菜さまは双子ですし、精液って血
液と同じ成分なんですよね、兄様?」
244突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/20(木) 03:51:50 ID:V/Itgj3k0
 「………小夜の勝ちだ、今日の所は好きにさせてやれよ?」
 「うぅぅぅ………」
 「うふふっ、ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ……」
 「それに……」ゆさゆさ、と軽く揺すって妹の中で数ミリ程度動かして
みる大地「……馬鹿なこと言ってる間にリラックス出来ただろ?」
 「あ…………」
 「どうですか、若菜さま?」
 「…………殆ど痛くない………」
 もとより大量の愛液で満たされていたのだし、自らの意志で迎え入れた
兄に対する順応は若菜が心配とするほどの時間を必要とはしなかったらし
い。まだ違和感こそ残っているものの、緩やかな抽送であれば最初の挿入
の時ほどの痛みはない。
 もっとも、まだ快感を感じられるほどでも無いようだが。
 「じゃあ角度を変えながら、ゆっくりと動いてみるからな? 辛かった
ら正直に言えよ?」
 「あ…………ううんっ!?」
 妹の腰を少しだけ持ち上げ、出来るだけ体の中心線に合わせるように出
し入れを始める大地。そのたびに零れる赤い斑液を丁寧に舐め取って残ら
ず嚥下しながら、内太股を小さな手で撫でる小夜。じゅぷじゅぷと泡立っ
た粘液が醸し出す卑猥な音と互いの汗が混じり合った匂いが三人の気持ち
を次第に高めてゆく。
 「ね? 兄さんっ?」兄の動きに翻弄されるばかりの若菜だが、その顔
色には興奮の朱が混じり始めている「もっと……は、激しくても、たぶん
平気……だよ? 兄さん、気持ち良……い?」
 「だけど、お前の方が………」
 「は、初めてのセックスで良くなれるだなんて、最初から期待してない
から、へっ、平気。兄さんに抱かれるだけで、充分、だよっ?」
245突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/20(木) 03:52:48 ID:V/Itgj3k0
 初体験の緊張から脱した若菜の女性器は未だ固さを残しつつも、中を満
たした愛液の効果と相まって充分な快楽を兄に与えている。小夜の『小さ
さ』とは異なる狭さで圧迫され締め付けられるだけで、大地を絶頂という
階段の上へ上へと誘うのだ。更に触れあった部分から伝わってくる豊かさ
と柔らかさ、成熟した女体の持つ魔力が更なる追い打ちを掛けてくる。
 「じゃあ、一気に行くぞ?」
 「うん、良いよ、兄さん。」と嬉しそうに目を細める若菜「私のこと使
って、もっと気持ちよくなって?」
 その健気な一言がトリガーとなった。拒絶的な抵抗感が殆ど無くなった
ことを確認した大地は、一刻も早く妹を解放すべく自分が快楽を貪るため
のスピードとストロークで若菜の中を躊躇無く犯し、味わい、一番奥まで
かき混ぜ暴いてゆく。
 「わ、若菜…………っ!!」
 「兄さん、兄さん、兄さんっ!」
 血の近さが成せる技か若菜の器がよいのか、或いは二人の相性か。自身
の欲望に従った途端、恐ろしいほどの早さで射精感が大地に襲いかかって
来た。自ら吹き出そうとする意志を持つかのような熱い固まりが尿管を押
し広げながら瞬く間に先端まで昇ってくる。
 「く…………!!」
 まだだ。ここで気を抜いたら妹の中に放ってしまう。きゅうきゅうと締
め付けてくる若菜を振り切り、追いすがってくるだろう若菜を制するため
に、ずっと若菜の脚を押さえている小夜に合図を………
 「「小夜っ!!」」
 …………大地と若菜、何故か二人の声が重なって。
 「も、申し訳ありません! 兄様っ!!」
 「許してっ、兄さん!!」
 (ぐいっ!)
 「な………………!?」
 (どくん! どくどくどくどくっ!!)
 腰に絡みついた若菜の両足と、全体重をかけ首に抱きつき背中を押して
きた小夜との同時奇襲に逆らえる筈もなく、大地は、その全てを妹の一番
奥に解き放ってしまった。
246突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/20(木) 03:55:40 ID:V/Itgj3k0
とりあえず、ここまで。
次回、エピローグの予定です。
247名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 22:17:56 ID:zzS5a3Nq0
乙。かわいいなぁ(*´∀`)

というか経血は・・・どうなのw
248名無しさん@初回限定:2006/04/21(金) 00:07:41 ID:Kx6cI91SO
イイヨイイヨ-(・∀・)GJ!!
取り敢えずageておく。
249名無しさん@初回限定:2006/04/21(金) 06:42:00 ID:toSji4bbO
おっきしますた(*´д`)
250突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/23(日) 05:36:13 ID:jm64y0jR0
>>245の続き。
「小夜・若菜」編の最終話です。
251突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/23(日) 05:36:54 ID:jm64y0jR0
 全てが静止した薄暗がりの寝室の中、無機質に時を刻む時計の音と乱れ
た息づかいだけがリアルだった。ひたすらに妹を攻め続けた大地も、初体
験故に破瓜と兄に翻弄され続けた若菜も、二人の熱気に当てられてしまっ
た小夜も大きく胸を上下させ、全身から汗の滴を纏いながら浪費してしま
った酸素の補充分を周囲の空気から貪るように吸い取っている。
 「……小夜……」そして最初に回復したのは一同の中で唯一の男性であ
る大地だった「……もう良いから退きなさい。」
 「は………はいっ!」
 覆い被さる………というよりは首に抱きつきぶら下がるような格好で背
中に抱きついていた末妹が弾かれたようにベッドの端まで離れると、よう
やく大地は若菜の一番奥まで突き刺さっていた自分の分身を抜き去ること
が出来るようになる。が、妹の子宮にありったけの精を叩き付け膣内を満
たしてしまった後に抜いたところで何も変わりはしない。これで彼は二人
の妹の体内に自らの子種を放ってしまったのだ。双子の兄が離れると同時
に若菜の中から赤と白が歪に混ざった粘液がコポリと零れ出す。
 「あ……あの……兄様……?」
 承知していたとはいえ、爆発寸前の感情を体内に溜め込んだまま俯く兄
の様子は恐ろしい。だが、例え自分の言葉が兄の感情を逆撫でするだけだ
と判っていっても黙って見過ごせないのが小夜という少女である。囁くよ
うな声で入り口を探すが。
 「……若菜……」間違っても小夜に当たり散らすような真似だけはした
くない大地の矛先は小夜の方には向かない「……お前の仕業だな?」
252突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/23(日) 05:37:34 ID:jm64y0jR0
 「………そんなこと、確かめるまでもないでしょ兄さん? それともま
さか、可愛い可愛い腹違いの妹が理由もなく自分の事を裏切るとでも思っ
てる訳ぇ?」
 疲れた顔に勝利の薄ら笑いを浮かべる若菜は、まだ動けるほどには回復
していない。兄に組み敷かれた仰向けのまま、脚だけを閉じて体内の兄の
精を一滴も逃さぬように抱え込む。
 「それにしても……その顔。小夜にはそんな怖い顔見せたこともないく
せに、私を脅すのは平気なのね? 生まれる前から一緒だった双子の妹を
憂さ晴らしの道具にして、父さんを奪った女の娘をだけを可愛がるだなん
て、とんでもないお兄ちゃんよねぇ?」
 「若菜、お前……!!」
 「粋がった所で無駄よ、兄さん。今更私を殴っても蹴っても、兄さんが
私の中で射精しちゃった事実は変わらないんですもの。先に断っておいて
あげるけど、屋敷中探したって避妊薬なんてないわよ? それとも私のア
ソコに無理矢理指を突っ込んで掻き出す? ビールかコーラの瓶でも押し
込んで掻き回す? それとも裏庭のホースを引っ張ってき………」
 「若菜ッ!!」
 「だ……駄目ですっ! いけません兄様ぁ!!」
 余りの暴言に我を失い、どんなに生意気でどれだけ腹に据えかねても手
を挙げたようとは思わなかった双子の妹に掴みかかろうとした大地の脚に
しがみつく小夜。そんな二人の様子を何処か悲しげに、しかし飽くまで嘲
笑で挑発し続ける若菜。
253突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/23(日) 05:38:50 ID:jm64y0jR0
 「あらあら、大事な小夜ちゃんが困ってるわよ兄さん? 妹を悲しませ
るなんてホント、駄目なお兄ちゃんよねぇ?」 くくく、と喉の奥で笑う
若菜「それに、ちょっと甘える振りをするだけでコロッと騙されちゃうよ
うじゃ兄失格よね。あんまり簡単すぎて、こっちの方が驚いちゃったわよ
兄さん?」
 「……それで?」一方の大地は、抱きついてきた細い腕と華奢な体から
伝わる温もりで少しずつ冷静さを取り戻しつつある「こんなことして、ど
うなるか本当に分かってるのか? 万が一…………」
 「……万が一、出来ちゃったらどうするって? 産むに決まってるじゃ
ない。兄さんの子なら大歓迎よ。それに、いくらなんでも自分で孕ませた
女なら少しは大切に扱ってくれるんでしょ? それが小夜ちゃんじゃなく
って私だったとしても?」
 「くっ……!」
 「といっても一発必中は厳しいわよねぇ実際。一応、危険日を選んで小
夜に『お願い』いたんだけど、これで駄目だったら……」
 「……もう抱かないだけの話だ。そもそも中には出さないようにするっ
て約束を破ったのはお前の方だからな。もうお前に構ってやる義務も責任
もない事になる。」
 「そりゃ、そーよねー?」と余裕を崩さない若菜「じゃあ、しょーがな
いから小夜から分けて貰うことにしよーかなー?」
 「さ、小夜からって………」
 「もう私、処女じゃないし? これからは毎日、小夜のお腹の中に溜ま
ってる兄さんの精液を分けて貰おうかなって意味。聞いた話じゃ毎晩二回
は中に出してるそうじゃない? だったらそれを掻き出して、私のお腹の
中に毎晩塗れば良いだけでしょ? それとも小夜に、私の見てる前で自分
のアソコに指つっこんで、私の中に…………
 「若……………………」
 「もぅ……もう止めてください若菜さまっ! いえ姉様っ!!」
254突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/23(日) 05:39:51 ID:jm64y0jR0
 「え………?」
 「さ、小夜?」
 思いもよらぬ場所からの大声で呆然となってしまう大地と若菜。兄の脚
にしがみつき後ろに隠れていたはずの小夜が、いまは顔を覗かせ凛とした
瞳で姉を見据えていた。
 「姉様はどうしてそんな、わざと兄様に嫌われるような事ばかりを仰る
んですか!? 本当はお寂しいのでしょう? いくら兄様に御自分の方を
向いて頂きたいからって、こんなの間違ってます悲しすぎます! 小夜に
は素直に教えてくださったじゃないですか、兄様に褒めて欲しくて頑張っ
たのに、逆に兄様が離れていってしまうばかりだって!」
 「ちょ……ちょっと小夜! あんた何勝手なことを………」
 「姉様からは『私に任せておけばいいから小夜は黙って見ていなさい』
と申しつけられましたけど、もう子供扱いは嫌です。姉様が小夜を庇って
悪者の振りをするのを見ているのは我慢出来ません。だから、本当の事を
兄様に教えて差し上げますっ!」
 「……ほんとうの……こと……?」
 「っ……!!」
 「はい。」こくり、と力強く頷く小夜「また兄様に捨てられるのではと
怯えていらっしゃった姉様に、兄様に抱いて頂いては如何ですかと申し上
げたのは小夜の方なんです。」
 「小夜が……?」
 「兄様はお優しい方ですから、小夜が無事に赤ちゃんを産んだら小夜と
赤ちゃんを連れて逃げてしまうかも知れないと姉様はずっと思っておいで
でした。お強くて頭の良い姉様は一人でも生きていけるからと考えて、ま
た置いて行ってしまうのではないかと心配してらしたんです。」
 「………若菜?」
 「わ、悪い!?」プイと横を向く若菜「頑張ったら兄さんが喜んでくれ
ると思って……兄さんの役に立つ子になれたら私と一緒に有馬の家を守っ
てくれるって思ってたのに……思ってたのに……」
255突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/23(日) 05:41:33 ID:jm64y0jR0
 「それに、小夜も姉様を独りぼっちにするのは嫌です。小夜は兄様と姉
様と、それに小夜と小夜の赤ちゃんと四人一緒が良いんです。ですから姉
様と相談して……その……兄様に残って頂く方法を………」
 「………考えた、と?」
 「だ、だって今更『行かないで!』だなんて格好悪くって言えるわけな
いでしょ! それに私が普通にお願いしても兄さん、絶対に小夜と子供の
こと優先させなかったって言える? 断言出来る?」
 「姉様っ!」
 「………私、双子の妹なんだよ……?」
 「それでですね。『どうせ私は小夜と違って嫌われてるし、兄さんに怒ら
れるのは慣れてるから全部任せておきなさい』って姉様が……」
 「小夜を庇うために俺を挑発した………ということか。」思わず溜息が
漏れてしまう大地「………小夜。」
 「はい、にいさ…………あうっ!」
 ごつん、と景気の良い音と共に頭上からの拳が小夜の小さな頭にヒット
する。初めて受けた『本気の』お仕置きの痛さに頭を抱えてうずくってし
まう小さな体。
 「にに、兄さん!?」
 「若菜よりはマシかと思ってたが、こうなったら小夜も同罪だ! お前
ら姉妹揃って何考えてんだ一体!?」
 「だからって、小夜までそんな、乱暴な………」
 「お前もお前だ若菜! お前が甘やかし過ぎるから小夜が生意気になっ
ちまったんだろうが! だいたい小夜も若菜も同じ妹だぞ、同じに扱って
何処が悪い。だいたい俺が餓鬼の頃には毎日のように爺さんに……」
 「さ、小夜は兄様と違って女の子ですし、頭を叩かれるほどお転婆じゃ
ありませんよぉ。それに小夜はもう子供じゃ………あぅぅっ!?」
 「本当の大人は『子供じゃありません』なんて言わないんだぞ。しかも
屁理屈が多すぎるっ!」
 「ささ、小夜っ! 大丈夫!?」
256突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/23(日) 05:42:44 ID:jm64y0jR0
 凄く痛いですぅ、とささやかな苦情を呟きながらも小夜の顔は笑ってい
る。目尻に浮かんだ涙も痛みと嬉しさが半分半分の輝き。
 「で、何か? お前ら、軟禁されて外のことが全く分からない俺相手に
嘘八百を垂れ流して……」
 「いーえっ!」と早くも復活した小夜「エッチの時、姉様が凄ぉく意地
悪になるのだけは本当ですよ。小夜が困りながら気持ちよくなるようにっ
て恥ずかしいことばっかり仰るんですっ!」
 「ちょ、ちょっとした趣向じゃないのよぉ……」
 「………そういや、小便飲ましたとか何とか……」
 「実はですね、兄様?」悪戯っぽい笑顔で耳打ち「姉様、気持ちよくな
り過ぎると粗相をなさる事があるんです。それで、小夜が下になって舐め
て差し上げてる時に………」
 「小夜っ! あんたそれは………っって、いたたたた…………!」
 「こら、急に動こうとするなって。」
 「うぅ、まだ何か挟まってるみたいな………」
 「誰でも最初はそうなんだ。もうしばらくは大人しくしとけって。」
 「えへへっ♪ 小夜、お風呂のご用意をしてきますねっ?」
 「熱くするなよ? 温めにな?」
 「はい、兄様!」
 「………ほんと、あんたは『素直で良い子』ね、小夜ちゃん?」
 若菜の小さな呟きは、二人の耳には届かなかった。
257突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/04/23(日) 05:48:18 ID:jm64y0jR0
<業務(?)連絡>
各位へ。
更新いたしましたので、訂正やご指摘などあればお願いします。
ttp://www.geocities.jp/asaimo0/


>>Haru氏
貴方の作品に関しても一応の分類はしましたが、私の読解力では
不安な部分が多々あります。

・・・というか、ほぼ間違いなく間違ってると思うので、作者ご本人の検分を
お願いいたします(汗
258ハル@携帯から ◆cf6.GAJsFA :2006/04/23(日) 11:34:48 ID:DVd8Ka0zO
突発屋氏、いつもまとめと投下GJそして乙です

僕のを大きく分けると
・天然義姉妹(彩美と瑞希)
・Loveless(1,2,3,4-1)
・クリス&ルナ
・(仮)…最近始めたシリーズ(1〜3)
・オムニパス、テーマ別
 ・百合もの
 ・○○と◇◇の場合
・バレンタイン、○周年記念、季節ネタ
・記念、季節ネタ以外の小ネタ

かなり複雑で自分でも把握が困難ですが、
区分の基準はこんな感じです。
・キャラ別で分ける→シリーズ、テーマ、百合か否か等で分ける
259名無しさん@初回限定:2006/04/23(日) 23:53:31 ID:dHHavtu+0
あ、やべえ、一週間ぶりにきたら物凄い量の投下が。
職人さん乙
260名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 04:25:42 ID:YDLT9/cx0
「おにーちゃーん、お願いがあるんだけどー」
制服姿の妹が部屋に勢い良く飛び込んできた。
「おい、いつも部屋に入るときはノックしろって言って・・・・」
「キスしよっ。」
「いるだろ──ロッ!?」

落ち着け、俺。聞き間違いに決まってる。最近抜いてないからたぶんムラムラしてんだ。
思春期の青少年にはよくあることだって保健体育の教科書にも載ってたじゃないか。たぶん。
「ああ、悪い、よく聞こえなかった、何だって?」
「キ・スっ、チューってするやつ」
妹は口を軽く尖らせながら、目を閉じる。

思わず妹のうすピンク色をした唇に目を奪われてしまう。
ゴクッ
生唾飲み込んでしまったじゃねーかよー。ちくしょー
261名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 04:27:07 ID:YDLT9/cx0
「あほっ」
キスするポーズを保ったままの妹の頭を軽くこづく。
「いたっ、何すんだよー。」
「お前なー、一体全体急にどうしたんだ。もう、お兄ちゃんは意味不明ですよ?」
「だってー、今日ね、学校で友達と話したらね、なんかみんなキスは経験済みだって言うの。
キスしたことないのってあたしだけなんて悔しい。」
「バカかっ、お前はっ!人それぞれのペースがあるんだ、周りがしてるからといって焦る必要などないっ。」
「・・・、お兄ちゃんはしたことあるの?」
くっ、さすがはマイシスター、なかなかに痛いところ突きやがる。
「あー、その、なんだー」
「あっ、無いんだ、やっぱりー」
「うるせぇー、俺は硬派が売りなんだよ。ってか、やっぱりって何だ。」
「だってー、お兄ちゃん、ぜんっっぜんっっん女っ気ないじゃん。お母さん心配してたよ。」
「えっ!?ま、マジ?」
「うん、マジマジ。毎晩お兄ちゃんが寝静まった後、あたしとお父さんとお母さん、おばあちゃんとおじいちゃんで
家族会議してるくらいだよ。」
「じっちゃんやばっちゃんまで?ひ、ひどっ。」
「ひ孫の顔見られるかのぉって言ってた。」
「う、うわーん、どうせ俺はモテねぇよ、もうほっとけ」
俺の前ではそんなそぶり誰も見せねぇのに、ってかお前ら早く寝ろよ。
262名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 04:27:38 ID:YDLT9/cx0
「そんなわけだから、お兄ちゃん、私とキスしてお互い経験積もうよっ。今後のための練習だって。」
「お前、相手は俺でいいのかよ?仮にもファーストキスだろ。」
「私はお兄ちゃんのこと大好き、お兄ちゃんも私のこと大好き、相思相愛、文句ある?」
「・・・」
俺は返事を返すことができないほど、妹の顔は真剣だった。
妹は俺の黙りこくったのを承諾と受け取ったのか、目を閉じ唇を俺に近づけてきた。
「お兄ちゃん・・・」
ゴクッ・・・自分の唾を飲み込む音、感触が俺の感覚が研ぎ澄まされていくのを教えてくれる。
ヤバイっ!?このままではやられてしまうことを、俺の第六感が告げている。
俺はこのままキスをすべきなのか、それとも硬派としてファーストキスを守るべきなのか・・・!?

次週「Kiss or die」

まさかこのシチュエーションの続きにこんな奇想天外な結末が待っていようとは!!
263名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 08:24:38 ID:dWhx569E0
お隣の幼なじみがタイミング良く乱入して争奪戦に3ペソ<女っ気ないそうですが。

もとい、>>262続き待ってるからねっ!
264名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 13:48:38 ID:F65YI4HvO
スレ違いスマソなんですが質問です
ここの人達にとって「リアル鬼ごっこ」はどんな感じですか?

いつもここでROMってるので聞いてみた次第です……。
265名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 15:32:41 ID:/3Vj1n1L0
前に文法指南みたいなことしてた人?
266名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 15:42:16 ID:NQ4uxFb10
>突発やさん
最後の最後まで素直になれない若菜さまがかわいすぎです
主人公の今後の苦労を思うと涙が
267名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 17:16:09 ID:F65YI4HvO
>>265
いえ、違います。

読んだ人はわかると思いますが、その作品の中に妹が捕まるというのがあるのです。
そして妹萌えな人にとってこういうのはどんな感じなんだろうと思って聞いてみただけです。
マジでスレ違いスマソです。
268名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 19:14:23 ID:/3Vj1n1L0
>>267
ああ、そういうことか。思い込みでごめん。
文章が崩れてるとか、そっち系のことを言いたいのかと思った。
269名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 21:32:57 ID:k+Kr+9Wc0
確かに文章は崩れてるけどなw

で、260-262はGJ
なんか脳内で声聞こえてきたw
270名無しさん@初回限定:2006/04/24(月) 22:27:53 ID:IxeSZQeZ0
    ∩___∩    
    | ノ\   ,_ ヽ  この前、たまたまおかずが欲しかったんで
   /  ●゛  ● |   オイラ、Googleで「エロツンデレ巫女」って
   |  /// ( _●_) ミ  検索したクマよ。そうしたら最初にヒットした
  彡、     |∪|  |  サイトのトップの画像がかなりエロくて萌えたクマ
  /     ∩ノ ⊃  ヽ  おかずに困ってるおまいらも一度検索して見るクマ
 (  \ / _ノ  |  |   何度見てもエロツンデレ巫女最高クマ!
  \  "  /   | |        http://www.google.co.jp/
271名無しさん@初回限定:2006/04/25(火) 11:57:04 ID:HP/KqF3X0
朝起きたら妹が韓国の広島原子爆弾酒に大激怒
272名無しさん@初回限定:2006/04/26(水) 21:52:46 ID:ax8Z1ibD0
>>267
リア鬼読むくらいなら、国語の教科書眺めてた方がよっぽど有意義だぞ
273名無しさん@初回限定:2006/04/27(木) 18:57:15 ID:BcO2QQe6O
リア鬼って、編集者、絶対原稿チェックしてないよな。
俺が立ち読みしたとき中学生が書いたとしか思えなかった。


朝起きたら妹が俺のベッドの下を漁ってた
274ハル@携帯から ◆cf6.GAJsFA :2006/04/27(木) 23:06:54 ID:Zmar5qvNO
朝起きたら妹に
久々過ぎておかしくなるかと思いました…
と言われた。
少女セクト2購入しましたが、もっとキャラ毎の話が欲しかったです。
なかなか投下できなくてごめんなさい。

>>突発屋氏
今度漫画喫茶から再確認して、
区分をゲストブックにでも書きますね。
275名無しさん@初回限定:2006/04/29(土) 16:14:14 ID:DB4CLkbo0
>>273
あれは自費出版だよ
276名無しさん@初回限定:2006/04/29(土) 20:01:21 ID:jyvtcqwu0
自費だったんか。
だとしても自分で文がおかしいと思えなかったのかという疑問が残るが


朝起きたら妹に
近くにオープンした家電量販店行こうとねだられた。
277名無しさん@初回限定:2006/04/29(土) 22:59:24 ID:+FamaRGu0
朝起きたら妹が、2万人に増えていた。

「えーと……54年と277日!?」
「何か間違ってると思うけど?」
278名無しさん@初回限定:2006/05/02(火) 00:57:24 ID:ADh+i35N0
朝起きたら妹に、GWだから海に行こうと言われた
279突発屋 ◆cI/8AbTAfw :2006/05/04(木) 01:18:50 ID:dA474aR40
 「兄さん、今日暇でしょ?」
 「…………朝の開口一番がそれか?」
 「それもそうね……オホン」と小さく咳払い「おはよう兄さん、とこ
ろで今日暇でしょ?」
 「同じだ、アホ!」
 思わずコツンと箸で小突いてしまう俺。今日の当番である姉貴が作っ
た朝食を囲っての一家(?)団欒は連休中でも変わらない日課。
 「いったぁい、なにするのよぉ!」
 「問答無用。お前はもう少し、兄貴に対する礼儀って物を持てよな!」
 「兄さんにだけは言われたくありませんーん! だいたい……」
 「もぅ二人とも、いまは御飯の時間でしょ! お行儀が悪いわよ!?」
 「「はぁ〜ぃ……」」
 学校では風紀委員長もやってる姉貴の一括で双方停戦。



・ 
「で、兄さん? 別に用事とか無いでしょ?」
 と、今度は朝食の片付けも終わって居間でゴロゴロとテレビを見ている
ところで声を掛けられた。ソファに端に座って片肘をついたまま顔だけを
回して振り返ってみると、セミロングの髪を既にお団子に整え終わって眼
鏡からコンタクトに取り替えた妹・仁美が得意の営業スマイルを浮かべな
がらこちらを見下ろしていた。
 「………無い、と言ったら?」
 「この前、駅前に新しい新しい家電量販店がオープンしたの知ってるで
しょ? お小遣いも貯まったし、そろそろ携帯プレイヤーが欲しいなぁっ
て思うから一緒に選んで欲しいんだけど。私、女の子だから機械とかに強
くないし、アドバイスしてくれると嬉しいなぁって。
280突発屋 ◆cI/8AbTAfw :2006/05/04(木) 01:19:54 ID:dA474aR40
 ニコニコニコ、と一見すると無邪気な笑顔。
 「今からか? 連休中だし、混んでるだろ?」
 「そ、そうかもしれないけど……」
 「どうせアレだろお前? 速攻で買って急いで使い方覚えて、学校で愛
乃とかに自慢してやろうって腹だろ。底が浅いんだよ。」
 「ちち、違うわよっ!」チラリ、と背後に目をやって姉貴に『そういう
物を学校に持ち込んじゃいけません!』怒鳴られないかどうか確認「オー
プンセールで安いだろうし、今だったらポイント還元もアップらしいから
チャンスかなって思っただけなんだてばぁ!」
 「じゃあ一人で行ってこいよ。小学生じゃあるまいし。」
 「だから、こういうのは男の子が一緒に行った方が……」
 「仁美……」と少しだけ凄んでみる「……そろそろ、建前は止めようじ
ゃないか。本当の理由は?」
 「…………………………………………」
 「…………………………………………」
 「…………………………………………」
 「…………………………………………」
 「………………………………ふぅ。」
 「で?」
 「駅前まで歩くの、かったるいもん。人混みで揉みくちゃにされちゃうの
も、女の子だからって店員に足下見られるのも、途中でナンパされるのも一
人でレジ待ちするのも全部かったるい。だから原付で一緒に行って、お店で
私の相手してガードしてよ兄さぁん。」
 「…………………………………………」
 「…………………………………………」
 「そういえば俺、実は一世一代の急用が………」
 「た、タダとは言わないから交換条件あるからっ!」
281突発屋 ◆cI/8AbTAfw :2006/05/04(木) 01:20:18 ID:dA474aR40
 「交換条件………ねぇ?」
 まだ信用してねぇぞ、と言外に含みを持たせながら確認する。
 「そ、そうそう……」微妙に気圧されながらも笑顔で答える仁美「兄さんに
とって、とぉっても美味しい話だよ? 超お買い得って感じ?」
 「……前置きは良いから、さっさと話せよ。」
 「え、えへへへっ♪ 実はねぇ……………………」




 「あら? 二人揃ってお出かけ?」
 「仁美のお守りで駅前までね。そうだ、良かったら姉貴も……ぐぎっ!?」
 「お姉ちゃん、何か買ってきて欲しい物とかある? そんなに重たい物じゃな
かったら一緒に買ってきても良いけど?」
 「ん〜〜ん………別にない……かな?」
 「そう? それじゃ、行ってきまぁ〜す!」
 「い、行ってきまふ……」
 「二人とも、車に気をつけてねぇ〜?」
 ヒリヒリと痛む、右足の指を庇いながらも俺は仁美と一緒に裏庭の駐輪場へと
向かった。
 「ほんっとーに間違いないんだな? お前の話?」
 「そんな見え透いた嘘付くわけ無いでしょ、かったるいのに。心配しなくても
明後日にはウッハウハだよ、兄さん。」
 「ウッハウハ、ねぇ?」
 やや釈然としない物を感じらながらも、俺は仁美と一緒に出かけるのであった。
282突発屋 ◆cI/8AbTAfw :2006/05/04(木) 01:22:25 ID:dA474aR40
店頭で見かけた「MS-IGLOO」を即買いしました>挨拶

>>262
密かに続きを期待していたんですが……………………w
283名無しさん@初回限定:2006/05/05(金) 20:24:29 ID:ED+jkW2f0
交換条件なんだったんだ・・・?
ともかくGJ!
家電〜のくだり使ってもらえるとは思わんかったw
284ハル@携帯から ◆cf6.GAJsFA :2006/05/06(土) 00:29:30 ID:Uof4imZ9O
>>突発屋氏
GJそして乙です。
まとめの件、メールさせて頂きました。
携帯からじゃきついので漫画喫茶からと思ったら
BBQ?だった為書き込み不可能でした。
いくらか修正をしてメールで再送しますね。
現状報告その2でした。
285名無しさん@初回限定:2006/05/06(土) 18:29:58 ID:IA1aWUajO
交換条件はあれかね、続編で明かされると考えていいのかね?www
286突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/08(月) 01:50:33 ID:0U7ztQFX0
前回、トリップ間違ってましたね(汗
と言うわけで、>>281の続きです。
287突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/08(月) 01:51:02 ID:0U7ztQFX0
 今日は朝から雨だった。
 「…………………………………あれ?」
 というか、断続的にアスファルトを叩く控え目な雨音で目が覚め
た。時計を見るとまだ七時。とりあえず、寝間着のまま急いで隣室
に駆け込み、そこで惰眠を貪っていたジャージ姿(寝るときの格好
はいつもコレ)の仁美を叩き起こすことにする。
 「おい仁美、起きろよ!」
 「う……う〜ん……?」
 「『う〜ん?』じゃねーだろ! 外見ろよ外! 雨降ってるじゃ
ねーかよっ!」
 「ふぇ? 兄さん?」
 数十秒間揺さぶられた挙げ句、やっと重たげな瞼を持ち上げた妹
は枕音に先ず置いてある眼鏡をかけてから改めて俺の方へと向き直
った。そして………
 「……………………………………」
 「…………………………………」
 「………雨、だねぇ……」
 のほほんと宣いましたよ、この寝ぼけ小娘は!
 「だから『雨だねぇ……』じゃねーだろっ! どうしてくれるん
だよっ!?」
 「もう、かったるいなぁ兄さんは。」あふあふあふ、とベッドの
上に座り直し腕を伸ばしながら可愛い欠伸「天変地異まで責任とれ
る訳ないでしょ? この前の週間予報だと晴れて暖かい日の筈だっ
たんだしぃ、わざわざ兄さんを担ぐ為だけに、そんな回りくどくて
かったるい嘘なんかつくはずないじゃない。本当に予想外だったん
だから兄さんも潔く諦めてよぉ……」
 「そんな無責任な、お前………」
 『仁美ぃ〜? 電話、愛乃ちゃんからよぉ〜?』
 と階下からの姉貴の声で一旦休戦。
288突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/08(月) 01:51:58 ID:0U7ztQFX0
 「………お前が言い出しっぺの割には随分とマメな計画だと思っ
てはいたが、やっぱ愛乃が一枚噛んでやがったか。」
 「というか、私も愛(乃)ちゃんに誘われただけなんだけどね実
際は。自分で考えるの、かったるいもん。」
 「??? 二人とも、何のお話してるのかな?」
 と、本日も姉貴の作った朝食を囲んでのひととき。
 「な、なんでもないよ。」と俺「連休の最終日を、どう有意義に
凄そうかなって仁美と相談してたんだ。」
 「お姉ちゃんこそ、今日は何か予定あるの?」
 「う〜ん……」とポニテを結った大きなリボンを揺らしながら首
を傾げる姉貴「……本当は二人にも手伝って貰って午前中にお布団
干したりとかお掃除しようかと思ってたんだけど、あいにくのお天
気だし、午前中は生徒会の書類の下書きでもしてお昼から里奈とお
茶でもしようかな?」
 ちなみに里奈さんとは、姉貴の親友にして同じ生徒会役員で姉貴
の同級生である。
 「私は愛ちゃんと、クラスの子とかと一緒に遊びに行くよ。」
 「俺も、用事で……」
 「………たーくん?」じろり「また何か、悪巧みとかしてないで
しょうね?」
 「し、してないしてない! ってゆーか学校の行事じゃあるまい
し、プライベートでンな事したら只の犯罪者じゃないかよ!?」
 「に、兄さん………」
 「学校なら、何か企むのね。やっぱり………」
 「………あ………あれ?」
 二人揃って『呆れた……』と言いたげな溜息が。
289突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/08(月) 01:53:02 ID:0U7ztQFX0
 『じゃ、お先に〜♪』とご機嫌な笑顔を振りまきながら、買った
ばかりの携帯プレイヤーとスポーツバッグを抱えた仁美が出掛けた
のを確認してから、俺も用意を始める。
 「あら?」と、そんな様子に気付いた姉貴「何か相談してたみた
いだから、仁美と一緒に出るんだと思ってたんだけど?」
 「あ、いや、行き先が同じでもタイミングを間違うと………じゃ
なくって! 仁美とは、お互いのプランについて相談し合ってただ
けなんだよ。」
 「う、う〜ん……」と疑わしげに眉を潜める姿もまた妙に可愛い
姉貴「……ほんとうに、悪巧み、してないわよね?」
 「だからしてないって! ちょっと位は信用してくれよぉ……」
 「う〜ん……」人差し指を化粧っけの無い唇に当てて「……確か
にたーくん、お姉ちゃんや仁美を直接は巻き込んだことないし、学
校行事の時期以外は基本的には良い子だけど、昔から腕白さんだし
少し心配なのよねぇ……」
 いや、これはもう「少し」とか言うレベルの懐疑度じゃない様な
気がするんですが? というツッコミは自爆ボタンのセイフティカ
バーを自分で外すに等しいので控えておく。
 「と、とにかくさ?」と矛先を変えておく「俺も準備があるし、
心配だったら仁美に電話して確かめてくれても良いからさ? もう
良いだろう、姉貴ぃ〜?」
 「え? あ……う、うん。たーくんがそこまで言うなら………」
290突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/08(月) 01:54:01 ID:0U7ztQFX0
 「あ、愛ちゃん! おはよーございまぁ〜すっ♪」
 「おはよ、仁美ちゃん。いつも早いね?」
 「ズボラで面倒くさがり屋の誰かさんとは違いますからね。十五
分前には必ずご登場ですよ〜。それに愛ちゃんだって凄く早いじゃ
ないですか〜?」
 「私は一応言い出しっぺだからね? みんなの目印にならなきゃ
いけないし、遅刻なんかしたら格好悪いでしょ?」
 「うふふっ、愛ちゃんが遅刻するところなんか見たこともないで
すよぉ? それに今日はクラスの子の集まりなんだから、こんな所
に立って看板にならなくても大丈夫ですよね? 雨、結構降ってま
すし、あっちの方が降り込まないから少し移動しましょう?」
 「あ……え、えーと、それがね? 実は今日、軽音楽部のお友達
も来ることになってね。だから、私が目印になってないといけない
んだぁ。」
 「………………………………」
 「あ、あのっ、他の子達には言ってあるんだけど……その、仁美
ちゃんの所には、たっちゃんがいるでしょ? だから万が一にでも
聞かれたりしたら絶対に邪魔……じゃなくって、一緒に行きたいっ
て言うだろうと思って……その、女の子だけの集まりだし……」
 「………………………………」
 「仁美、ちゃん?」
 「……………読み違えたか……」
 「え?」
 「あ、あああ、何でもないんですよ何でも。で? どなたなんで
すか、愛ちゃんのお友達って? 私も知ってる人でしょうか?」
 「たぶん、知ってると思うよ。実はね………?」




 「………って、えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
291突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/08(月) 02:02:18 ID:0U7ztQFX0
更に引っ張りますw>挨拶?

ちなみに姉貴の名前は「藍」です。
何処かで見たようなキャラ設定だなと思う人は恨みます。
更に、次回登場する予定の新(?)キャラの名前を言い当てた人は呪いますw
だからお願いですから黙っててくださいまし(汗

>>283>>284
と言うわけで、もちょっと続けることにしましたw

>>ハル氏
あれま!
無料鯖ですし、恥ずかしながらタグ以外の知識がないので…
292ハル@漫喫から ◆cf6.GAJsFA :2006/05/10(水) 01:17:19 ID:GfhiF3wN0
朝起きたら妹に、
「あまったフラッシュメモリとか無いカナ?無いカナ?」
と言われた。
2回言うなよ。
と、言いながら渡したら、
「ありがと、兄さん♪これでネットカフェでも更新できる♪」
と、はしゃいでいた。
しばらくして戻ってきて、
「お礼だよ」
と、キスしてくれるとは思わなかった。


とりあえず、サイトの準備だけ済ませました。
あとは編集した自己まとめと皆さんの過去作品をUpするだけです。
FC2の18禁OKなフリーサーバーです。
http://asaimo.h.fc2.com/
293ハル@漫喫から ◆cf6.GAJsFA :2006/05/10(水) 01:27:02 ID:GfhiF3wN0
自分の過去作品見直して、少しずつ修正版を用意しながら、
新シリーズや続きを書きながら、
ホームページの準備をしているハルです。(現状報告)
>>突発屋氏
サーバーのことを鯖というように、
ここの隠語ではプロキシのことを串、
プロキシが公開リストに載って書き込めない状態のことを
BBQというらしいです。
…僕自身それほどよく知っているわけじゃないですけど。
294突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/10(水) 01:28:58 ID:hltZEGcZ0
>>ハル氏

了解です。
複数のまとめサイトは混乱の元になりますし、
そもそも次のまとめサイトまでの立ち上げまでの暫定サイトなので、
こちらは数日中に閉鎖します。
295ハル@漫喫から ◆cf6.GAJsFA :2006/05/10(水) 02:33:08 ID:GfhiF3wN0
いまだに自宅のネット環境整備されてないからと、
収入から8000円以上漫喫に注ぎ込むのって変でしょうか?<挨拶
>>突発屋氏
勝手に準備しておいて恐縮ですが、移行目標は今週末なので、
閉鎖されるのは来週の月曜日以降でお願いします。
296名無しさん@初回限定:2006/05/10(水) 20:13:14 ID:pQVpFmKu0
自宅の環境整備しようよw
8000円ってのがどれだけの期間で消費されるのかは知らんけど。
月8000円だとしたら年で約10万ガクブル( ;´Д`)
297ハル@漫喫から ◆cf6.GAJsFA :2006/05/10(水) 22:46:47 ID:e5Ij5Top0
ここ2ヶ月の月当たり平均です。>8000円
4月1日付で以前のところから引っ越して、
ADSL申し込み完了したのが5/1ですorz
今月末までに出来るようになるといいのですが。
現状報告はさておき、過去ログから順次Upしています。(現在進行形w
職人諸氏と僕のSSは、すみませんがもう少し
後になってからになってしまいます。ごめんなさい。それでは。
298ハル@漫喫から ◆cf6.GAJsFA :2006/05/10(水) 23:32:20 ID:e5Ij5Top0
試行錯誤中。どうにもうまくUpできませんorz
FTPソフト使ってやり直してみますノシ
299突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/11(木) 04:12:51 ID:vvbDM+WJ0
>>290の続きです。
300突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/11(木) 04:13:00 ID:vvbDM+WJ0
 全ては、仁美の一言から始まった。
 「実はね、兄さん? 明後日、海に泳ぎに行く予定なんだよ?」
 「…………………で? それが何だよ?」
 妹が海に行こうが山に行こうが月に行こうが俺には全く関係ない。
 「……もう、かったるいなぁ兄さんは。」と俺の淡泊な反応に唇を尖
らせるマイシスター「年頃の女の子が、一人っきりで海水浴に行くわけ
ないでしょう? お友達と一緒に行くんだよ!?」
 「だから、それが何なんだよ?」
 こう見えても仁美の奴、家の敷居を一歩またげば実に気立てが良く優
しいお嬢ちゃんという評判で通っている。常に笑顔を振りまき真面目に
勉学に励み、その可愛らしい唇から紡ぎ出される声は全て丁寧語。俺や
姉貴の前では呼吸の度に漏らす「かったるい」という決まり文句すら学
校では聞いたことがない。

 要するに、恐ろしいほどの内弁慶なのである。

 そしてその外面の良さからか交友関係は結構広く、女友達と徒党を組
んで遊びに行くのは日常茶飯事であり、連休中に遊びに行く程度の事は
珍しくも何ともないわけなのだが。
301突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/11(木) 04:13:26 ID:vvbDM+WJ0
 「じゃあ、兄さん?」と意味深な笑み「そのメンバーの中に、これか
ら水泳を始める順(子)ちゃんが混ざってて、しかもおニューの水着を
用意してる、と言ったら?」
 「……………………………」
 「……………………………」
 「………それって、鷺澤の事だよな?」
 「うん♪」
 「……………………………マジっすか?」
 「嘘かどうかなんて自分で行って確かめれば良いじゃない? もっと
も、時間とか場所とかが正確に判れば、の話だけどね?」
 「つ、つまりだ?」と唾を飲み込んでから言葉を継ぐ「今日、これか
らお前の買い物とやらに付き合ってやったら俺もメンバーに加えてもら
えると言うことか?」
 「それは…………ちょっと無理な相談かなぁ……」
 「って、おい!」
 「だって順ちゃんだよ? 男子が混ざる集まりなんかに来るわけない
と思わない? そもそも女の子だけだよって話で誘ったのにさ?」
 「そ、それは………」
 「その代わりぃ、兄さんが『偶然』にもそこに居たとしたら、ちょち
ょいっとセッティングする位は良いかなぁ? 兄さん運動神経だけは良
いし、クラスメイトにして私の家族だし、泳ぎ方を教えるだけだって事
にすれば順ちゃんも安心するから、兄さんにとっては『お近づき』にな
る絶好のチャンスになるんじゃないかなぁ?」
 「こ、この策士め……!」
 「それって、取引に応じたって意味だよね? 兄さん?」
302突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/11(木) 04:13:55 ID:vvbDM+WJ0
 とまぁ、そういう経緯で俺はクラスの女子御一行の行き先に先回りし
て待機している訳である。土壇場で天候不順という誤算こそ生じたもの
の、そこは委員長でもある幼馴染みの愛乃が機転を利かせて目的地を近
場の室内プールへと変更したお陰で事なきを得ている……らしい。
 「鷺澤………かぁ………」
 鷺澤順子は、一口で言うと『深窓の令嬢』である。儚げで、寡黙で、
人付き合いが苦手なのか常に周囲と一定の距離を置きたがっている所が
ある上品な物腰の同級生だ。特に男子とは最低限の会話しかせず、限ら
れた友人である女子(何故か、我が妹もその中に含まれる)と談笑して
いる時でさえ、はにかんだ笑みで小さく唇を動かすだけ。俺を含めた数
名が仲良くなる機会を虎視眈々と狙っている物の、彼女の全身が音もな
く纏っている『高嶺の花』バリアの所為で接近することすらままならな
い。仁美の話では、生まれつき体が弱く最近まで療養を行っていたそう
なのだが………
 「兄さんっ!!」
 「って、うわっ!?」
 早めに到着して、ウォーミングアップも兼ねて軽く一泳ぎしてからプ
ールサイドの端っこで出来るだけ目立たないように休憩していた俺の横
に、何時の間にやら水色の競泳? 水着に着替えた仁美が……
 「わわ、悪いけど兄さん、急いで撤収してっ!!」
 「どうしたんだお前、ンなに血相変えて? もしかして鷺澤の体調が
悪くて来れなくなったとか……」
 雨だし……という懸念もあることはあったが、きっと女子の待ち合わ
せ場所までは車で送って貰うから大丈夫だろうと踏んでいたのだが。
 「え? あ……順ちゃんなら大丈夫なんだけど……って、そんなかっ
たるいこと説明してる場合じゃないんだよ! とにかく今日の穴埋めは
ちゃんと考えとくから直ぐに……」
 と近年まれに見る狼狽ぶりの仁美の背後に、ゆっくりと近づく水着姿
の人影が………
303突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/11(木) 04:19:29 ID:vvbDM+WJ0
伏線の張り方間違えました(汗)>挨拶
なんだか収集がつかない話になりそうな予感が・・・w


>>ハル氏
余計なお世話だとは思いますが、貴方がお使いの「FC2,inc」は
無料ドメインのままではファイルのサイズ制限が500kbなので……

とりあえず、こちらもそちらへのリンクを張っておきます。
それと、勝手ながらこちらにも少々都合がありますので、
日曜日に閉鎖させていただきます。
304名無しさん@初回限定:2006/05/11(木) 19:30:13 ID:AY3SwtaE0
ちょ、何が起きたのw
ワクテカしながら続きを待ちますわーGJ!(・∀・)
305名無しさん@初回限定:2006/05/12(金) 16:32:19 ID:nTl3qj0F0
▼あまえんぼ(1/2)

「おにーちゃーん。ごはん作ってー」

 日曜の朝、勝手に部屋に入ってきて、開口一番それだった。
 両親は仕事の都合で北海道に出張中だ。

「お前な……我が家の長女なら料理くらい自分でやれよ」
「お兄ちゃんこそ、我が家の長男なんだから、かわいい妹の面倒を見るべきだよ」
「お前がかわいいことは否定しないが、お前の面倒を見ることは拒否する」
「えーーなんでーー? いーじゃん、おにーちゃんご飯食べたくないのー?」
「安心しろ、我が愛妹よ。我が家には文明の産物、カップラーメンなるものがある」
「作ってくれないなら強行手段に出るよー?」
「どうぞ、ご自由に」

 強硬手段と言ってもどうせ掛け布団を引っぺがすくらいだろ。
 冬場ならともかく、今日みたいな天気の日には無駄無駄。

「それじゃ、お邪魔しまぁ〜す♪」

 なんと我が妹は布団の中にもぐりこんでくるではないか。
 そして、ぴったりと身体を密着させる。
 すっかり女の子らしく成長した柔らかで暖かな感触がパジャマを通じて感じ取れる。

「きゅ〜〜。これでも、お兄ちゃんは愛妹のお願いがきけないか」

 ごろごろと甘えてくる妹。胸とか太ももとか絡めてくる。すっかりおもちゃにされていた。

「もう止めてください」
「お兄ちゃんってあったかぁい♪ しかもすっごく安心するー♪」
306名無しさん@初回限定:2006/05/12(金) 16:33:00 ID:nTl3qj0F0
▼あまえんぼ(2/2)

「妹様、兄をそろそろ助けてあげて下さい」
「えい、お兄ちゃんとベッドの中でツーショットだ♪」

<パシャリ>

「おい」
「おーこれは一生の記念だー! 見る人が見れば勘違いすること間違いない☆」
「こら、その写真消せっ!」
「だーめ♪」

 妹は素早く携帯を自分の胸元にしまってしまう。
 いつの間にか出来た胸の深い谷間に入っていってしまった携帯はとても手が出し辛い。

「ふふ〜ん♪ 妹の勝ち〜☆」

 勝ち誇った表情を見せる妹。
 ノーメイクだというのに、しみ一つ無い肌、綺麗な色の唇、パッチリした瞳が俺の目の前に広がる。

「……ったく、朝ご飯作ればいいんだろ」
「ここまでてこずらせたんだから、それなりのペナルティがないとダメだよねー?」

 恥ずかしそうに笑う妹。家の中で、しかも俺にしか見せない表情だ。
 コイツは甘えん坊。しかも頭に大が4つくらいつく程の。

「お父さん達が帰ってくるまで、たっぷりと甘えさせてね。お兄ちゃん♪」

 携帯の写真を見せながら、妹は俺に擦り寄ってきた。
 
                       〜おわり〜
307名無しさん@初回限定:2006/05/12(金) 17:22:35 ID:R92G8TuD0
>>306
ワッフル ワッフル!
308ハル@携帯から ◆cf6.GAJsFA :2006/05/12(金) 20:50:29 ID:Wk/XaOTPO
過去ログを前半後半の全22個に分ければ、
それで済む話じゃないかと今朝気付いて
続けて過去作品のup準備をしている最中のハルです
309名無しさん@初回限定:2006/05/12(金) 21:31:28 ID:QNqPyy9U0
>>306
(*´ー`)
イィなぁ・・・なんか直球でw
310名無しさん@初回限定:2006/05/13(土) 00:10:42 ID:/RVHNei7O
途中で押してしまいましたorz
>>突発屋氏
GJそして乙です。
読み違いがどういう事なのか、
そして仁美ちゃんの慌てている訳が気になりますw
>>305さん
GJそして乙です。
甘えられたいです。
続き楽しみにしてます。

職人諸氏の作品と僕のは少しずつアップしていく予定です。
311名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 00:40:07 ID:J9xtC/Jq0
▼あまえんぼ2 (1/3)

 拝啓 皆様、覚えていらっしゃいますでしょうか?

 前回は、妹の朝ご飯を作ることを拒否してしまったがために、
 ベッドの中でのツーショット写真を取られてしまい、
 それをネタに無言の脅迫を受けている長男です。

 両親は現在北海道へ出張中。
 妹との生活に(脅されて)甘えられる日々が続いております。
 前は説明しませんでしたが、我が妹は近所でも学校でも評判の美少女でして、
 わたくしといたしましても、勉強も出来、性格も明るい、気立てのいい娘と……手前味噌ですが。
 
 しかし、完璧とも言える我が妹様には致命的な欠陥がありまして……それがその……
 お恥ずかしい話ですが、『甘えん坊』なわけなんですよ。頭に「大」が4つくらいつくほどの。

 世間様に見せている姿は確かに立派なんですが、家に入った途端、
「お兄ちゃん」「おにーちゃん☆」「おにぃちゃん♪」「ああぁん、おにぃちゃぁんっ!」
 と、言った感じで、最後に不思議な声も織り交ぜつつ、困った妹なんです。

 つまり、家の中にいる限り妹は甘えてくるわけでして……
 しかもそれを拒否することは、受験を控えている俺の未来の崩壊を意味することでして……。
 しかもかわいいから、男にとってこれ以上に無いくらい性質(タチ)が悪い。
 
 だが、所詮は妹です。1年という人生経験の差ってヤツを教えてやらなくてはなりません。
 幸いにして妹はお風呂に入っている最中。さすがにお風呂にまで携帯を持っていっているハズがない。
 アイツが風呂に入っている間に着替えを漁って携帯のデータを消させてもらえば万事問題無しだ。
 俺は甘えん坊の妹から解放され、自由の身になれる!
312名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 00:40:38 ID:J9xtC/Jq0
▼あまえんぼ2 (2/3)

 俺はスリガラス越しにお風呂に入っている妹に悪いと思いながらも、
 アイツの着替えをあさろうとする……。
 
「な、なななんあっ!」(小声)

 なんてコトだっ! 着替えの一番上に可愛らしいリボンのついたフリフリなブラとショーツがあるではないかっ!
 しかも、ショーツなんて、かなり小さくてホントにアイツの身体が入るのか心配になる。
 ……ってイヤ、そうじゃなくてっ! 携帯だ、携帯。
 俺は左手でそっと下着をつまみ、右手で衣類を漁る………………ない。

 しまった、部屋のほ……っ!

「 何してるのお兄ちゃん? 」

 風呂場のドアから、ちょこんと頭だけを覗かせて俺を見ていた。
 俺のいる場所は脱衣所。手には下着。これでは言い逃れは出来ない。
 正直に理由を言えば許してもらえるかもしれないが、そうなると携帯へのガードが固くなるだろう。
 ここは誤魔化すしかない。

「こ、これは……その……お、お兄ちゃんも……あーそのーアレだ」
「ふふっ……いいよ、一緒お風呂入ろう?」
「 え っ ? 」

 甘えん坊姫君はとんでもないことを言い出す。

「お、おま、何言ってっ! だいたい、俺達は兄妹でっ……その前に男女だからっ!
 い、いいいい一緒に入るなんて知れたら親父たちにどんなに怒られるか……」
「お父さん達は今、いなんだから大丈夫♪ それに、私お兄ちゃんと一緒に入りたいな……」
313名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 00:41:16 ID:J9xtC/Jq0
▼あまえんぼ (3/3)

「ば、バカいうなよっ! な、なんで俺がそんなことっ!」

 ヤバい、心臓がドキドキ言ってるしっ! どうしてこんな状況になるんだよっ!?

「お兄ちゃん……今、私が悲鳴をあげたらどうなるかな?」
「 っ!? 」

 うるるっと涙目になり、風呂ドアの奥から俺を見上げる妹。
 なんて末恐ろしいことを……どっちに転んでも俺は破滅への道を進むしかないのかっ!
 しかし、犯罪者になるのはゴメンだ。

「お、お前は最愛なる兄を犯罪者にしたいのか?」
「そしたら、お兄ちゃんに女の子が近寄らなくなるよね? やったじゃん☆」

 う”……なんて余計なことに頭が回るヤツだ。

「お兄ちゃん、お風呂入ろ☆」

 妹の手招きに俺は抵抗することなんて許されなくて……。
 親父達が早く帰ってきてくれることを祈りつつ、俺は……生まれたままの姿で、風呂場へと入った。
 浴槽で目をキラキラと光らせて待っている妹の元へ。

「お兄ちゃんとお風呂だなんて何年ぶりだろー」

 誰か……俺を妹から解放して……。(涙)
 エコーの聞いた鼻歌を聴きながら、脅迫のネタを増やしてしまったコトを後悔してやまなかった。

                                 〜おわり〜
314名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 05:17:53 ID:grtwnn+tO
(*´Д`)
315ハル@漫喫から ◆cf6.GAJsFA :2006/05/14(日) 18:39:31 ID:t65u3O+U0
サイト、急用ができてしまったためにかなり遅れ気味でごめんなさいorz
>>あまえんぼの人
乙です。
計算づく?な妹の行動に翻弄される兄、というのが斬新で面白いです。GJ!
316名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 20:03:42 ID:oaAVI1bL0
ワッフル ワッフル
317名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 21:21:08 ID:XdWgEQ220
たまんねぇw
なんともそのシチュエーションが目に浮かぶようだ(*´∀`)
318突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/15(月) 03:21:20 ID:LcfXFVqk0
>>302の続きです。
一応、今回で終了。
319突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/15(月) 03:21:59 ID:LcfXFVqk0
 サラサラのショートカットと小動物の様にこまめに動く大きな瞳が特
徴的な俺の幼馴染み『秋島愛乃』は、仁美の背中越しに俺の姿を確認す
ると、怪訝そうに眉を潜めながら急ぎ足で歩み寄ってくる。
 「たっちゃん?」
 「よ、よう……」
 女子が多い軽音楽部で(何故か)ドラムを担当している愛乃は全体的
に引き締まった体付きをしていて、平均的な慎重の割にはスラリとした
印象を与える。が、運動機能とは無縁な部位だけは締めようがない所為
か、はたまたドラマーというカロリー消費の激しいポジションの為に旺
盛になる食欲の所為か、並はずれたバストをお持ちである。きっと他に
サイズが合う水着が見つからなかったので渋々身につけているのであろ
うビキニに収まりきらない豪勢な膨らみが歩く動作に合わせて揺れてい
るのが非常に目の毒である。
 「あ、愛…ちゃ……」
 「たっちゃん!」
 早くも凹み気味の仁美をスルーし、真っ直ぐ俺の側までやってきた愛
乃が『めっ!』とでも言いたげな顔で睨み付けてくる。
 「な、なんだよ……?」
 「どうして、たっちゃんが此処にいるの!?」
 「ど、どうもこうも、偶然に決まってるだろ? 今日だったら雨で空
いてるだろうし、そろそろ夏に向けての準備運動でもしとこうかなって
思って来てただけだ。」
 「う、うぅ〜ん……」と、こいつに問いつめられた場合を想定して用
意した模範的弁解で間髪入れずに切り返すと、途端に言葉に詰まってし
まう幼馴染み。昔から馬鹿正直で素直な奴なのだ「……ほ、ほんとに偶
然? どこかで見つけて、こっそり付けてきたりしてない?」
320突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/15(月) 03:22:45 ID:LcfXFVqk0
 「アホか。たまたま見かけただけなら、海パンなんぞ持ってるわけ無
いだろが? それにしても………」
 「な、なに?」
 「……えらく『可愛い』水着買ったんだな、お前? 去年着てたのと
は違うだろ? 更に成長したのかな?」
 「え? あ………!」
 チラリ、とスケベっぽい笑みを浮かべながら豊満な胸元に視線を移す
と、たちまち頬が染まってゆく。善し悪しは別にしても、脚光を浴びる
よりは周囲に埋没する方を好む愛乃にとって、規格外れなサイズのバス
トは微妙なコンプレックス。白などという地味を極めた色のビキニとい
うのも精神安定のためのギリギリの妥協点に違いない。
 「にに、兄さんっ!?」
 「た、たた………たっちゃんのイジワル〜〜〜〜っ!!」
 と胸元を手で隠しながら逃げてゆく後ろ姿。
 「兄さんっ!」
 「むふふふ。愛乃、撃沈!」
 それにしてもスケベとかエッチとか言って罵らない辺りが愛乃の愛乃
たる所以だとえる。きっと俺が下心無しで単純に「からかった」だけだ
と解っているから罵倒が出来ないのだ。流石は幼馴染み。
 ……とは言え、あれで結構物覚えの良い奴でもあるから後日、ケーキ
でも奢って機嫌を直して貰わないと、上目遣いの涙目で延々とプレッシ
ャーを与え続けられるのも確かなのだが……
 「兄さんってばぁっ!」と、俺と愛乃の両方から殆ど無視されていた
妹もご機嫌斜めのご様子「どうして兄さんは、いっつもいっつも愛ちゃ
んに意地悪ばっかりするのよ。他の女の子には優しいのに!?」
 「いつもじゃないぞ? 向こうから突っかかってきた時だけだ。」
321突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/15(月) 03:23:38 ID:LcfXFVqk0
 ご多分に漏れず、愛乃の奴も何かというと俺に向かってお姉さん顔で
注意したり世話を焼きたがることが多い。確かに普通の幼馴染みなら、
もう少し相手の言い分に耳を傾けてやっても良いのだろうが、俺の場合
には家にいても姉貴と仁美の二人から同様の小言を聞かされることが少
なくないので、どうしてもそのしわ寄せが愛乃に向いてしまうことが多
くなってしまうのだ。そして大概、愛乃を凹ました直後に『子供じゃな
いんだからね!』と更なる説教を呼び寄せてしまうことしばしば。
 「そ、それはそうかも知れないけど………」
 と、今回に関しては事の発端の一部を担っている自覚があるらしい仁
美の追求も弱々しい。あれ以上の追求を受けたら共倒れしてしまう、と
密かに危惧していたのだろう。
 「ともあれ。」だったら、その後ろめたさを利用して強引に軌道修正
させて頂こう「これで愛乃は追っ払えたし、問題は解決しただろ? 早
速、鷺澤の所に……」
 「そ、そそ、それだよっ!」
 我に返った仁美、再び狼狽の予感。
 「だから何なんだよ、『それ』って?」
 「それがね兄さん! 愛ちゃんが声を掛けたらしくって(軽音楽)部
の子も来てるんだけど、それがね?」
 「………それが?」
 「それが………」 ざっぱぁ〜ん、と誰かが華麗な飛び込みを披露した
らしい景気よい水飛沫の音が仁美の声を飲み込む「……なんだよ。」
 「悪い、聞こえなかった。」
 雨天でガラガラとは言え随分と元気が良い奴が居るもんだ。とプールの
反対側、仁美と一緒に来た女子共がキャアキャア騒いでいる方に視線を向
けてみると飛び込んだ誰かが水中を軽やかに進んでいる様子が遠目にも確
認できる。なかなかに泳ぎが達者な奴らしいが。
322突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/15(月) 03:24:23 ID:LcfXFVqk0
 「だ、だから……!」
 「こんちわ、宮倉君♪」
 「…………………………………………白(しらとり)鳥?」
 「あ、白鳥さん……」
 『白鳥雛』学年どころか校内でも屈指と評判の美少女。鷺澤を『深窓の
ご令嬢』だと表現するなら、この白鳥は『完全無欠の同級生』と評される
タイプの人気者で、前人未踏の高嶺の花という意味では同じカテゴライズ
に属すると言っても良い憧れの的である。容姿の良さに加えて人当たりの
良さや頭の回転の早さ、それでいて真面目な優等生ぶりと気さくなキャラ
クターが程よくミックスされており、加えて軽音楽部の歌姫として世間の
注目度も非常に高い。そもそもクラスも違うし軽音部では畑違いも甚だし
い白鳥は本来なら全く接点のない筈の俺なのだが……
 「もしかして、愛乃が誘ったのって……?」
 「うん♪」と嬉しそうに細めた目で、俺の目を見つめること数秒「ほん
と奇遇だよね? びっくりしちゃった。」
 「あ、えっと……」
 「そそ、そうなんですよ白鳥さん! せっかく兄さんには内緒にしてた
のに、いざ来てみたらプールサイドでゴロゴロしてるんだからビックリし
ちゃいましたよ、ホントに!」
 「良いから落ち着け、仁美。」
 というか、それ以上喋るな。余計な事を言えば言うほど怪しさだけが強
調されてしまうのだと気付け!
 「うふふふっ♪」
 長い髪をサラサラと揺らしながら、そんな俺達兄妹の様子を幸せそうに
眺める白鳥。そうアイツもこれくらい大人しい性格で、あと少しでも落ち
着きがあれば…………って!
323突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/15(月) 03:25:22 ID:LcfXFVqk0
 「白鳥! それで、、その、あの、今日は………」
 「うん?」と小首を傾げて見つめること数秒「………ひょっとして、美
羽ちゃんの事?」
 「そ、そう! もしかしてアイツも一緒に……」
 「こんちわ〜っ、み・や・く・ら・くぅ〜ん♪」
 「んげっ!?」
 「可愛い女の子が挨拶してあげてるのに『んげっ!』は無いでしょ?『
んげっ!』は?」
 今度は俺の足下、というか水面あたりから相手を小馬鹿にしたような声
が聞こえてくる。
 「………お前も居たのか、やっぱり……」
 「うわっ! 何その嫌そうな顔は? お姉ちゃんの時とは全然違うじゃ
ないのよ〜!」
 と水面から上半身だけを覗かせながら妙に楽しそうに宣ってくれるのは白
鳥雛の双子の妹「美羽」である。姉である雛と同じ顔、同じ声、同程度(の
筈だが成績は俺と殆ど変わらない)の頭脳を持っており、こいつも主に活発
なタイプを好む層を中心に姉同様の人気者らしいのだが、少なくても俺にと
っては小生意気で小賢しくて小憎たらしい女以外の何者でもない。
 「で?」思わず言い返してやろうかとも思ったが、白鳥の見ている前で、
その妹と口喧嘩というのは流石に格好悪いので止めた「なんの用だよ?」
 「兄さん?」と仁美「白鳥さん達と、お知り合いだったんですか?」
 「まぁ、知り合いって言うほどの……」
 「宿敵、よねぇ?」
 「美羽が仲良くして貰ってるの。私も色々お世話になってるし。」
 「………………どの言葉を信じれば良いんでしょうか……?」
 どっと疲れた様子のマイシスター。
324突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/15(月) 03:26:16 ID:LcfXFVqk0
 「そうだ!」と今度は美羽「ここで会ったも何かの縁、ということで一緒
に泳がない?」
 当然、視線の先には俺だけ。
 「お断りだ。お前、なにかっつーと直ぐに勝負だの競争だのと言い出すか
ら疲れる。今日は軽く流しに来ただけなの。」
 「ふ〜ん……」雛と同じように俺の目を見つめること数秒「……とか何と
か言いながら本当はお目当ての娘がいて、お近づきになるチャンスを狙って
るだけだったりして〜?」
 「な………!?」
 「ええっ!?」
 「そうなんだ?」と意味深な笑顔になる美羽「だったら仕方ないかな。今
日の所は美羽の不戦勝って事で………」
 「って、何で不戦勝なんだよ!?」
 「だって勝負する気、ないんでしょ? 事情が事情だし可哀想だから敵前
逃亡扱いは勘弁してあげるけど、やっぱ美羽の不戦勝よねぇ?」
 「な、なんだとぉ……!?」
 そう、思い出すのは半年前の冬休み。俺が学園屈指の美人姉妹と知り合う
切っ掛けとなった………
 「それじゃ、みんなの所に戻ろうよお姉ちゃん。あんまりお邪魔してたら
馬に蹴られて………」
 「………やったろうじゃねぇか!」
 「ん?」
 「あれれ?」
 「に、兄さん……?」
 「100メートル一本勝負だ! いまからそれぞれウォーミングアップし
て、10分後にスタート。文句はないよな!?」
 「勿論っ♪ 負けた方が帰りにヤックで奢りね?」
 「なんだなんだ? この前負けた時のこと根に持ってるのかよ?」
 「そ、そんなんじゃないけど、今日は………」
325突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/15(月) 03:26:50 ID:LcfXFVqk0
 「……兄さんと美羽さん、、行っちゃいましたね……」
 ぽつんと取り残されてしまった私と雛さんは、何やら言い合いをしながら
歩いていく二人の背中を呆然と見つめるばかり。順ちゃんと兄さんと三人一
緒に過ごそうと思ってたのに………
 「兄さんの………馬鹿……」
 「ねぇ宮倉さん?」苦笑いを浮かべながら振り返る雛さん「こうなったら、
振られちゃった者同士で親睦を深め合わない?」
 「そうですね………そうしましょうか……」
 何だか脱力してしまい、とぼとぼと皆の所へ戻る私達の後ろで、兄さん達
は準備運動しながら言い合いを続けていた。
326突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/15(月) 03:32:56 ID:LcfXFVqk0
なんというか、纏まりのない出来になってしまいましたね>反省

>>「あまえんぼ」作者氏
乙です。
何やら小悪魔的なタイプの妹嬢ですね。
このスレでは割と珍しいタイプのお話なので、またお願い出来れば嬉しいです。

>>ハル氏
こちらは全削除しましたので、まとめサイトはそちらに全移譲となりました。
これからも、よろしくお願いいたします。

…・・ところで、殆どのリンクが死んでますが?
もしかしてファイル名か大文字小文字の変換ミスをしていませんか?
327名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 22:26:30 ID:mbizNDhy0
▼あまえんぼ3 (1/3)

 皆様、度々申し訳ありません。
 
 先日、妹と二人でベッドインしている姿を携帯で撮られ、
 それを取り返そうと脱衣所に侵入するという大胆不敵な行動に出たら、不覚にも見つかった挙句、
 妹様は「一緒に入ろう」などとさらに大胆不敵にのたまわれ、
 脅迫されている身である俺には抵抗する余地もなく、ただいまお風呂で2人きり。
 
「お兄ちゃんの胸の中って安心する〜♪」

 ただいまどういう状況かと言うと、2人一緒に浴槽に入っております。
 まず俺が浴槽に入り、その俺の身体にすっぽりと収まるように妹が入っております。
 綺麗な肌の妹の素肌が身体に密着しているのは、考えると毒です。

「これならお風呂のお湯少なくていいよね。明日からは一緒に入ろうっ!」
「妹よ、それはお兄ちゃんイヤです」
「ダメだよ、お兄ちゃん。水道光熱費の節約は家庭の幸せに貢献できるんですよ。お父さん達の負担を少なくしようよ」

 そのしわ寄せが俺に来るのか。

「ん〜〜、ゴロゴロゴロ……」

 すりすりと俺の胸板に柔らかな頬をすり寄せる妹。
 普段は下ろしている髪をアップにしているため、印象が違う。なんか、いつもよりちょっと可愛い……。

 はっ! ダメじゃないか俺っ! なに和んでんだよっ!
 このままでは妹は一生兄離れできないじゃないかっ!
 ドラマじゃないんだから、妹の幸せのために、いち早く兄離れしてもらわなくては!
 そのためには……少々気が進まないが、妹に嫌われるようなことをしないと……。
328名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 22:27:00 ID:mbizNDhy0
▼あまえんぼ3 (2/3)

 そうだ、セクハラなんてどうだ? エッチなことをすればコイツだって俺を嫌ってくれるに違いない。
 そうすればもう二度と俺とお風呂に入ろうだなって思わないだろう。

「 ん? 」

 俺はゴロゴロと甘えてくる妹の腰の部分に手を伸ばす。
 女の子は太っていることを指摘されるのはイヤだろう。お腹の肉でも摘めば……。
 さすり、さすり……。
 あれ? コイツ、ぜんぜんお腹の肉が……ない?

「ンンッ……んんぅう……」

 おかしいな……じゃあ、気が進まないけど、胸の大きさを馬鹿にするしか……。
 むにゅり。

「や、ん……」

 あ、あれ? なんだ……ずいぶん弾力があって……大きい?
 手のひら全体で包み込むようにするが、これは想像以上に大きくて、片手では覆いきれないくらいだ。
 だ、だめだ……とても馬鹿に出来る胸じゃねえ。立派なものをお持ちじゃないか。

「はぁ……はぁ……おにいちゃぁん……」

 妹はどこかトロンとした目で俺を見つめている。
 これはまるでのぼせそうな顔だ……このままのぼせられたら、いろいろと大変なコトになりそうだ。
 思った以上にすべすべの肌、無駄な肉のないスリムボディ……立派な胸……。
 くそ、作戦は失敗だ。妹を侮っていた。悔しいが、完璧な身体だ……。
329名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 22:27:31 ID:mbizNDhy0
あまえんぼ (3/3)

「お兄ちゃんに触られたら……私、我慢できないよ……はぁ……あぅ……」
「そうか我慢できないか」

 意外にも妹には効果があったらしい。

「じゃあ、もっと触ってやろう」
「い、いやぁん……だめ、ん……やぁ……」

 可愛らしい声をあげながら、イヤイヤと顔を左右に振る妹。
 今日のことは忘れられない日にしてやるぜっ!
 乳房を下からすくい上げるようにして揉みながら、ほっそりとした身体に手を滑らせる。
 お湯の上からでも、滑らかな肌の感触が伝わり、なんだかクセになりそうだ。

「お兄ちゃん、ダメぇ、だめぇえ……もう止めて、お願い」

 目に涙を溜めて、懇願してくる妹。しかし、俺は嫌がる妹の身体をまさぐり続ける。
 ふっふっふっ、兄とお風呂に入ることがどういうことか身体に教え込んでくれるっ!

「や、やああぁぁあ……あぁ……んん……んぅっ!」

 好きでもない男に身体を自由にされたらいくら妹でも……。

「はぁ……はぁ……。大好きだよ、お兄ちゃん……」
「  あ”  」

 俺なんかとんでもないミスを犯したような気がする……。
 なんか、妹が俺を見る目が眩しい。嫌われるどころか、更に好感度がアップしたかのようにさえ思える。
 嫌われようとしたはずが、逆に好かれてしまい、本気で後悔したのは言うまでもない。
                                            〜おわり〜
330名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 23:05:19 ID:uKDJPCXIO
わっふるわっふる
331名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 23:42:28 ID:cXE0zcM60
わっふるわっふる
332名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 23:59:53 ID:AJi4wkDL0
わっふるわっふる
333名無しさん@初回限定:2006/05/16(火) 00:06:37 ID:RV02uWeu0
わっふるわっふる
334ハル@携帯から ◆cf6.GAJsFA :2006/05/16(火) 02:51:14 ID:aWiiK/qTO
アドレス公開が時期尚早だったかな
と、おもわずにはいられないです。後の祭ですが。
>>突発屋氏
インデックスがないディレクトリの場合、
アップしてもファイルが無効になってしまうようです。
家でディレクトリごとのインデックスを作
り、
改めてアップしなおしてみます。
ネット環境は工事待ちなので、
家で確認や更新ができないのが辛いです。
追伸:文字化け等有りましたらご連絡ください。
335突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/16(火) 03:04:17 ID:w2AkUTE00
「わっふるわっふる」って何なんでしょうか?
世事には疎いもので・・・(汗

>>ハル氏
ちなみにですが、私が作った際には階層構造は避けて全てファイル名で処理しました。
その方がオフラインで更新作業を進める時やアップロード時に楽だったのでw
336桐莉兄:2006/05/16(火) 11:45:01 ID:d5B6z1Lh0
ワッフルワッフルの元ネタはこれやね。

1 :水先案名無い人:2006/02/18(土) 22:43:40 ID:m6CmU7MwP● ?
駅で階段見上げたら女子中学生がいてさ、スカートの中見ちゃったんだよ。
そんでその女子中学生にいきなり振り向かれて
「せ、責任とってお嫁に貰ってください・・・」
って言われちゃったんだ。
俺は慌てちゃってさ
「・・え?は、はぁ・・・」
みたいに返してそのまま通り過ぎようとしたら
俺のシャツをチョコンと指で掴んでずっとついてくるのね。
そんでとうとう家までついて来ちゃってさ
「はじめてですけど覚悟は出来てます・・・」
とか言うわけよ。
俺もう理性が吹っ飛んじゃって・・・

部屋に入った途端、いきなりスカートを

(全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
337桐莉兄:2006/05/16(火) 11:47:42 ID:d5B6z1Lh0
近頃ご無沙汰しておりますが、桐莉兄は何とか生きてますよー。
突発屋氏はこれまでまとめお疲れ様でした。
ハル氏はこれからまとめがんがれー&よろしくー。応援してるぜぃー。
338名無しさん@初回限定:2006/05/16(火) 20:05:29 ID:ighwfkVL0
>>327-329
兄がバカスw
でも良妹ですな(*´∀`)
339名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 08:32:10 ID:2lHHZ1y1O
おお、桐莉兄氏だ(*´∀`)
お元気そうで何より
340名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 10:17:54 ID:z/t87J7C0
▼あまえんぼ4 (1/3)

 拝啓、皆様。うん、じつは『また妹の話』なんだ。
 仏の顔は3度までと言うが、まあ笑って許してほしい。

 世間では、美人で成績もよく、スポーツは得意じゃないが性格も明るく気立てのいい娘で評判の妹だが、
 欠点は、甘えん坊なんだ。それも、頭に「大」が4つくらいつく程の。

 兄としてもそれはどうかと思い、兄離れを実行したら……ああ、思い出したくもないっ!
 妹に一緒に寝ているところを撮られ、写真を取り返そうとしたら逆に脅迫材料を増やしてしまうという泥沼っぷり!
 先日なんて一緒にお風呂に入り、嫌われるために身体をさわりまくったら逆効果……。
 羨ましい? 冗談じゃない、俺は1人の兄として、妹の幸せを願っているんだ。このままじゃ困るんだよ。

 しかし、このまま家にいては、いつ妹の甘えんぼが発動するか分かったものではない。
 ここは外に出て、妹から逃げるのが得策ではないか?

「俺、ちょっと出かけてくる」
「えー、だめー。もっとお兄ちゃんと一緒にいたいー」

 案の定、妨害工作が飛んでくる。だが、俺とて伊達にコイツの兄はしていない。
 対処法くらいすぐに思いつく。

「夕飯までに帰ってくる。だから、お前はうんとおいしいご飯を用意してくれよな」

 そう言って、愛妹の頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細め頷く。

「それじゃ、行って来るー」

 きゅっと袖を掴まれる。妹はまだ俺に用があるらしい。

「一緒にお買い物、行こ♪」
341名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 10:18:28 ID:z/t87J7C0
▼あまえんぼ4 (2/3)

 なんたる失態……。そうだよな、「おいしいものを作れ」なんて言ったら材料を買うに決まってるよな……。
 あー、なんで俺こんな簡単なコトに気付かなかったんだ……。

「あ、あの……妹様。もう少し離れて歩いてくれませんか?」
「ダメ♪」

 あっさりと俺の控えめな意見を突っぱねる。

「お、おっぱいとか当たってるんですけど……」
「家に帰ったら好きなだけ揉んでいいからね。むしろ触ってもらえると嬉しいし……」
「そんなこと言ってねぇっ! 世間の皆様から誤解されたら困るだろっ!」
「大丈夫だよ。私達、仲のいい兄妹だっていつも言ってるから」
「でも、腕組むことはないだろっ!」
「え、お兄ちゃん照れてるの?」
「そこまで仲のいい兄妹はおかしいって言ってるんだ」
「じゃあ、手を繋ぐぐらいで許してあげよう」

 きゅっと俺の手を握る。

「だめ?」

 妹はうるると瞳を潤ませ、俺を見上げる。その瞳はまるで捨てられた子犬のよう。
 しかし俺は……俺は……。

「もう少し……離れてもらえるか……俺、受験も控えてるから、変な噂を立てられなくない」
「そう……だよね……。ごめんなさい、お兄ちゃん」

 しゅんとなる妹を見て、俺は非常に申し訳ない想いで胸がいっぱいになった。
342名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 10:19:01 ID:z/t87J7C0
▼あまえんぼ4 (3/3)

「……」

 急に大人しくなってしまった妹様。こんなに静かになると、子どもの頃を思い出す。
 
 じつは子どもの頃の我が妹は、今みたいに元気な性格ではなく、大人しい性格だった。
 なぜなら、コイツは両親の愛情をほとんど知らずに生きてきたからだ。仕事で忙しいからな、親父たち。
 両親に愛されない妹は寂しさを胸に抱いていて、ずっと泣いてばかりいた。

 俺はそれを見かねて、「甘えていいよ」って言った。
 
 それが兄である俺からの精一杯の優しさだった。
 ……その日から、妹は俺に甘えるようになった。そして、徐々に明るい性格になっていった。
 「お兄ちゃんがいれば、私は寂しくない」。そんなセリフを何百回と聞かされた。

 ……なんてこと、コイツが甘えん坊なのは全部、俺のせいじゃないか。
 じつに最悪だ。気付かなければ良かった。俺が原因なら、甘えん坊であるコイツを責めることが出来ないじゃないか。

「……ったく、仕方ないヤツだな。家に帰ったら、『ちょっとだけ』甘えさせてやるよ」

 しょげている妹に一言かけると、妹の顔がパッと明るくなる。

「う、うんっ! そうと決まれば、ぱぱっと買い物済ませちゃお♪ 家に帰ったら、『たぁ〜っぷり』甘えるんだから」

 ニッコリとした表情になる。やっぱり、コイツは笑顔がいい。

「……ってたっぷりだとぉっ! そんなのお兄ちゃん許さないぞ!」
「あ、お兄ちゃんいいの? 携帯の写真はまだあるんだよ? ん? これがどういうことかわかるかね、『お兄様』?」

 ニッコリとした笑顔のまま、仰る。……俺にはこの横暴な妹に屈するしか道がないのであった。 〜おわり〜
343名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 12:13:01 ID:d8bMF1SU0
わっふるわっふる
344名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 14:21:04 ID:pS1fK/Ws0
朝起きたら妹が変な呪文を唱えていた。


わっふるわっふる
345名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 17:23:20 ID:2lHHZ1y1O
どうせなので、俺も一緒にやってみた。

わっふるわっふる
346名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 19:10:07 ID:KjU29ybi0
ついでに俺もやってみた。

わっふるわっふる
347名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 19:44:54 ID:dJJwOiI20
楽しそうだな。
348名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 19:54:41 ID:z/t87J7C0
あまえんぼ5 (1/2)

 拝啓、皆様。そろそろ名前を覚えてくれた頃だと思う。
 甘えん坊の妹に苦労が絶えない長男だ。しかも妹の甘えん坊ぶりは、頭に「大」が4つほどつく。

「ただいま〜♪」

 買い物から戻ってきたその瞬間、妹の魔の手が俺に伸びる。

「お兄ちゃん、ただいまのちゅ〜……」

 俺の頭の後ろに手を回し、ゆっくりと目を閉じる。
 ……誤解のないように説明するが、いつもそんなことはしてないぞ。
 だいたい両親の目のあるところではここまで大胆な行動には出なかった。

 だが、脅迫材料を持っているという強みと、両親が北海道へ出張中という要素が重なり、俺は妹の言いなりだ。

「……お前、キスってのは好きな人とするもんじゃ……」
「お兄ちゃん大好きっ♪ 大好きだよ♪」
「2回言わなくてもいいです……。もう、勘弁して下さい妹さ……んむぅぅっ!」

 き、キスされたっ!? 妹に、抱きしめられて……いきなりっ!?
 ドクンッと強烈に心臓が脈打つ。
 ま、待て待てっ! 子どもの頃だってよくキスしてたじゃないかっ!? 何を今更慌てる必要がある?
 どうして俺、こんなに動揺してるっ!? ただ、皮膚と皮膚が触れたくらいじゃないかっ!?

「……お兄ちゃん、大好き……」

 唇を離すと、小さく呟くようにもう一度、好きと繰り返す。

 そう何度も言うなっ! 心臓がドキドキするっ!!
349名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 19:55:12 ID:z/t87J7C0
あまえんぼ5 (2/2)

「お兄ちゃんは……私のこと、嫌い?
 嫌いなら、携帯の画像……消すよ? もうお兄ちゃんに甘えたりもしないよ?」

 妹の突然の言葉。
 
「いきなり何を……」
「答えてお兄ちゃん……私のこと、嫌い?」

 そんなの答えは決まってる。嫌いなわけがない。
 でも、「携帯の画像を消してもらえる」のと、「もう甘えない」というその言葉には魅力があった。
 
「…………」

 ここで、「嫌いだ」の一言を言えば俺はコイツから解放される。
 しばらく逡巡し、俺は答える。

「 嫌 い だ よ 」

 妹の反応はない。

「そう……だよね……。強引にせまって脅迫するような妹だもんね。お兄ちゃんに嫌われて当然だよね……」

 そう言う妹の言葉が俺の耳に届くたび、ものすごく遠くから言われているような気がした。

「今までごめんね、お兄ちゃん……私、もうお兄ちゃんに甘えないから……。だから、これ以上嫌わないで」

 妹は静かに自分の部屋へと戻る。俺はそれをただ見つめるしか出来なかった。  〜 つづく 〜
350名無しさん@初回限定:2006/05/17(水) 21:08:38 ID:Y0b4AUap0
嫌いって言っちゃうのかよw
嫌いなワケ、ねぇだろ・・・
とかベタな展開を予想したのに
ともあれGJ
351桐莉兄:2006/05/18(木) 00:36:35 ID:tYilp4lU0
「わっふるわっふる」
「?」

朝起きたら、妹が変な呪文を唱えていた。

「わっふるわっふる」
「???」
「兄ちゃんのソーセージ、わっふるわっふる」
「お前は何を言っているんだ?」
「いいから早くしるっ、わっふるわっふる」
「ハイハイ、くれーぷくれーぷ、ばうむくーへん、しるぶぷれー」
「……絶望した!空気を読めない兄ちゃんに絶望した!」

良く分からないので、適当な相槌を打ちながら、妹の頭に生えているアホ毛さんをぽふ

ぽふしたら、何故か絶望されてしまった。

「桐莉、」
「皆まで言うな!兄ちゃんの言いたい事はよぉーく分かっているっ!」
「あ、ああ?……その、な、桐莉よ。わっふるわっふるってのは一体……」
「桐莉の膨らみ掛けの小さなお胸に、わっふるわっふる」
「わ、わっふるわっふる??」
「早くしるっ。桐莉のお尻の割れ目に、わっふるわっふる」
「わっふるわっふるわっふる……?」
「……兄ちゃんのばか!ばか!まんこ!」

良く分からないので、桐莉の奇妙な動きに合わせて、腕を振りながらわっふるわっふ

ると繰り返したら、何故か妹が半ギレで泣きながら俺の部屋から飛び出て行った。
352桐莉兄:2006/05/18(木) 00:38:00 ID:tYilp4lU0
……どうやら、相当ご機嫌を損ねてしまったらしい。
桐莉は俺を放ったらかしにして、先に一人で学校に行ってしまった。

「わっふるわっふる」

七華と並んで通学路を歩きながら、妹が唱えていた謎の呪文について考えてみる。
わっふる、と言われても。
ONEの里村茜が大好きな激甘ワッフルか、伺かの『何とかして下さい』のワッフルぐらいしか思い付かない。
『今日のおやつはワッフルが食べたい』って事か?
……いやいや、桐莉は和菓子派だぞ。
練乳せんべいは食べるけど。

「それでね、たかくん。今度駅前にすっごくおいしいワッフルのお店が出来たんだよ。帰りに寄って行かない?」

寧ろ、俺の隣に居る練乳女こそが、洋菓子の元締めと呼ぶに相応しい。
県内の洋菓子店の悉くを網羅し、食した洋菓子の数は凡そ三千にも及び、
グルメ評論家も舌を巻く程の知識に裏付けされた辛口の批評は、
七華のレビューサイトの評価によって店の格付けや先行きが決まると業界に恐れられている程だ。
新しく出来た洋菓子店の様子見に行くと、七華の噂を聞き知っているパティシエ達は、

挙ってVIP待遇で持てる技量の全てを振るい尽くした洋菓子を七華の前に並べ、そして驚愕し絶望するのだ。

『バカなっ!?こ…こいつ、俺の作ったケーキに練乳をッ!?しかもこの量!
ケーキに練乳などといった生易しい物じゃない、これではまるでっ、
練乳の海に浮かぶケーキではないかァッ!?』
353桐莉兄:2006/05/18(木) 00:38:53 ID:tYilp4lU0
それでも何故か味の評価はまともに下すのだからして、こいつの舌は理解出来ない。

「ねぇ、たかくん。ちゃんと聞いてる?」

……そうだ、こいつに聞いてみよう。
少なくとも、俺よりはワッフルに精通している筈だ。

「七華、わっふるわっふる☆」

がしっ、と七華の肩を掴んで、真っ向から瞳を見据えながら、俺は気迫を込めて謎の

呪文を唱えてみた。
七華は何故か目線を逸らして、困ったような表情で顔を赤らめながら、

「も、もうっ…たかくんったらぁ。こんなところじゃ駄目だよ……」
「わっふるわっふる!」
「……我慢、出来ないの?」
「わっふるわっふる♪」
「し、しょうがないなぁ……。たかくん、こっち、来て……」

何故か俺、路地裏に連れ込まれました。

ちぃぃぃぃぃ。
七華が俺のズボンのジッパー下ろしてます。
鞄から取り出した昼食用らしき練乳をたっぷりと俺のペニスに絡めて、

「んぁむっ……ちゅ…ちゅぷぁ、んむっ……」

指で扱きながら、お口に含んでご奉仕始めました。
わっふるって、わっふるって、一体何なんだぁぁ!!?
354桐莉兄@今回はこれがオチです。スマソ:2006/05/18(木) 00:40:52 ID:tYilp4lU0
「ぷぁっ、……たかくん、早く行かないと学校、遅刻しちゃうよ……」
「わっふるわっふる!」
「だめだよ、お父さんに叱られちゃうもん……」
「わっふるわっふる!わっふるわっふる!」
「……最後まで、しないと駄目?」
「( ゚∀゚)o彡゜わっふるわっふる!わっふるわっふる!」
「……もうっ、たかくんのえっちぃ……v」

もう、こうなったら俺もノリノリ。七華もノリノリ。
誰も見ていないのを確認すると、七華の制服のスカートを捲り上げて、
ぱんつを引き摺り下ろし、後ろから一気に挿入っ!

「ふぁぁぅ…んっ」
「七華、濡れてる?」
「ち、違うもんっ。これは練乳だもんっ」
「はいはい、練乳練乳」

七華に塀に手を着いて貰って、後ろから激しく腰を打ち付ける。

「ひぁんっっ!ぁっ、ぅんっ、ぁっ、ぁ、」

くちゅくちゅと淫らな水音を立てながら、七華の熱いおまんこが


(全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
355名無しさん@初回限定:2006/05/18(木) 01:16:53 ID:YDBWIW0n0
【お兄ちゃん】実の兄妹の婚姻届を誤って受理―東松山市【大好き】
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news7/1143460207/l50
356名無しさん@初回限定:2006/05/18(木) 01:55:49 ID:/JfAFWtLO
>>354
続きなんて気にならないワッフルワッフル
357名無しさん@初回限定:2006/05/18(木) 02:52:29 ID:hreVJs7I0
>>355
真実は小説ぐらいには奇らしい。


わっふるわっふる。
358名無しさん@初回限定:2006/05/18(木) 03:44:54 ID:wIfzg7FnO
続き?
いやほら、その……


わっふるわっふる
359名無しさん@初回限定:2006/05/18(木) 06:22:09 ID:MRfQe4K90
まあ、その、なんだ。

    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 わっふるわっふる!ワッフルワッフル!
  (  ⊂彡

360名無しさん@初回限定:2006/05/18(木) 08:42:18 ID:dosqLojTO
とりあえず>>307が職人のネタ出しに貢献したということは間違いない
361名無しさん@初回限定:2006/05/20(土) 21:43:18 ID:quJQeSNE0
▼あまえんぼ6 (1/3)

 ……なにやってるんだ、俺は。
 アイツは告白してくれたようなものなのに、俺が拒絶してどうするんだよ……。
 
 拝啓、皆様……俺は今悩んでいます。
 頭に大が4つほどつく、甘えん坊の妹のことです。

 確かにアイツは自分の言った通り、俺を脅迫していた写真を消し、
 いつもネコのように擦り寄ってきたりすることがなくなりました。
 これはこれで立派に兄離れできてるんだと思います。俺が望んだ通りです。
 これで、あいつは人並みの幸せを掴めるんだと思います。
 
 ……でも俺はすごく、後悔している。
 このままじゃダメなんじゃないかって思う。

    「だから、これ以上嫌わないで」

 最初から嫌いなんかじゃねーよ。
 ただ、お前の甘えっぷりから解放されるなら、という甘い誘惑に負けただけなんだ。
 
 自分の部屋のベッドに倒れると、ほんのりと妹の香りがした。
 それどころか、俺の部屋にはいつもアイツの香りが漂っている。

「お兄ちゃん」「おにーちゃん」「おにぃちゃぁん♪」
「お兄ちゃん大好きっ♪ 大好きだよ♪」
「……お兄ちゃん、大好き……」

 俺の頭の中にアイツの声が繰り返し再生される。不思議と嫌な気分にはならなかった。
362名無しさん@初回限定:2006/05/20(土) 21:44:00 ID:quJQeSNE0
▼あまえんぼ6 (2/3)

『ボクが一生お前をまもる、だからなくな』

 過去の話だ。俺達がまだ子どもの頃の話。
 妹が苛められていたのを助けた時、泣き止まない妹に向かって言った言葉だ。

『……ホントにいっしょうまもってくれる?』
『ああ、一生だ』
『うん。やくそく』
『だから、家ではボクとずっといっしょだぞ。おふろの時も、ねるときも』
『うん』

 俺だって1人で寂しかったのだ。
 妹が寂しがっているのを理由に、一緒にいさせたのは実は俺だったんじゃないのか?
 甘えさせるふりをして、俺はずっと妹に甘えていたのではないだろうか?
 
 ……妹の声が聞こえないことで、俺はこんなにも寂しさを感じてる。
 鬱陶しいと思っていたあの声がないと寂しいだなんて、思いもしなかった。
 
 アイツは俺がいないとダメだと思ってたけど、全然違うな……。
 俺には、アイツが……。
 
 でもそれを認めてしまったら、何のために妹から解放されたんだ?
 妹のためだろ? わざわざ傷つけてまで俺はアイツを突き放したんだぞ?
 それを今更手のひらを返す様な態度取れるわけない。
 
 ……最悪だ。こんな気持ち、気付かなければ良かった……。
 結局、悪いのは全部、俺か……。
 謝ろう……我が愛妹に。
363名無しさん@初回限定:2006/05/20(土) 21:44:42 ID:quJQeSNE0
▼あまえんぼ6 (3/3)

 俺は妹の部屋をノックする。

「入っていいか?」
「……うん」

 部屋に入ると、電気が着いておらず、やや暗い感じがした。
 妹はベッドの上で、うつ伏せになっていた。顔は見えない。
 
「……さっきはごめん」
「ううん……仕方ないよ。だって私、嫌われるくらいのことしてたもん……」
「いや、嫌われて当然なのは俺の方だ」
「……どうして? お兄ちゃんは何も悪いことしてないよ……」
「俺は……1人が寂しいから、お前に構ってもらうように仕向けてたんだ……
 それなのにお前のこと鬱陶しいだなんて思ってて……ほんと、最低な兄だよな」
「そんなことないよ。だって……子どもの約束だけど、お兄ちゃん私のこと一生守ってくれるって言ったよね?」
「お前……そんなことまだ覚えて……」
「『ずっと一緒にいろ』って言ってくれたよね。寝る時も、お風呂の時も……。
 すごく嬉しかったよ……お兄ちゃんが私のこと、ずっと見てくれていたから……。
 それに、お兄ちゃんいつも文句ばっかり言ってるけど、最後には私の言うこと聞いてくれたから……」
「それは……」

 俺は口篭る。その先は言ってはいけない。妹のことを本当に思うのなら、俺の気持ちは心に留めておくべきだ。

「お兄ちゃんは優しいから……多分、その先の言葉は一生胸に秘めているよね……。
 でも、一度だけでいい。お兄ちゃんの本心を聞きたい……」

「俺の本心……」
                                             続く
364名無しさん@初回限定:2006/05/20(土) 21:50:43 ID:K2rSd+y30
ここで続くのかよぉぉぉぉ!
わっふるわっふる!
365名無しさん@初回限定:2006/05/20(土) 22:23:06 ID:d5+ZSMzHO
朝起きたら妹に回線増強のお知らせをされてしまった
366名無しさん@初回限定:2006/05/20(土) 22:54:07 ID:lPK73FKl0
サルベージ
367名無しさん@初回限定:2006/05/20(土) 23:46:58 ID:YkUWT9EzO
わっふるわっふる
368名無しさん@初回限定:2006/05/21(日) 09:14:25 ID:+mvelYArO
わっふる!わっふる!
369名無しさん@初回限定:2006/05/21(日) 14:35:20 ID:m8d1unJ+0
>>363
わっふるわっふる!
370名無しさん@初回限定:2006/05/21(日) 19:59:05 ID:C7W2kTi50
>365
妹「お兄ちゃんが寝ている間に、お兄ちゃんと私の回線を増強しておいたからねっ♪」
俺「ど、どうやって?」
妹「ふふーん、3ヶ月後が楽しみだなー♪」
371名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 16:29:44 ID:XTtFTRE50
▼あまんえぼ7 (1/3)

「俺の本心……」

 妹のすがるような瞳……見つめられるだけで胸が張り裂けそうになる。
 息苦しい……。
 俺は、妹に気持ちを伝えたい……。
 ゆっくりと口を開く。

「俺は世界一の妹を持った、幸せ者だ……」

 妹はその言葉を聞いて、少し寂しそうな笑顔を見せる。
 「お兄ちゃんは言ってくれないんだね」そう言っているように聞こえた。

「俺達は……どんな繋がりよりも堅い絆で結ばれている……。
 恋人とか妻なんかよりも堅い絆で結ばれているんだ」
「うん、そうだね……でも、いつまでも一緒にいられるわけじゃないよ」
「でも、俺達の関係は決して壊せるものじゃない。ましてや今から、作れるものでもないだろ?」

 俺はベッドで寝ている妹を優しく抱き起こした。

「俺は、お前に甘えてもらいたい……。お前だけは一生俺に甘える資格があるんだから」
「でも、お兄ちゃん……」
「これは俺がお前に甘えてるのかもしれないな……『甘えて欲しい』って」
「最初はお兄ちゃんが自分を頼れって言ったから、それに従ってたけど。でも、今は私が甘えたいから甘えてるんだよ」

 妹は俺の胸の中に顔をうずめる。俺はく受け止め、優しく抱きしめた。

「お前が妹で本当に良かった……」
372名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 16:30:14 ID:XTtFTRE50
▼あまえんぼ7 (2/3)

「ねえ、お兄ちゃん……また、甘えていい?」
「ああ、いいよ」
「じゃあ、ぎゅって、して」

 前ならこんな要求、断っていたと思う。でも、今なら素直に受け入れられる。

「ああ、俺もお前にぎゅってしたかったんだ」

 俺達はどちらからともなく抱き合う。
 パジャマを通して伝わる体温や妹の身体の柔らかいところが感じられる。
 抱きしめているだけで、幸せな気分になれた。

「安心するね……こうしてると」
「そうだな。安心する……」
「でも、こんなに安心しちゃうと私、彼氏作れないな……」
「おいおい、それじゃお兄ちゃん困るな……」

 妹は俺の顔をじっと見上げる。赤くなった頬が可愛らしさを更に引き立てていた。

「だって、私が甘えたい時にいつも甘えさせてくれるのは、世界中探してもきっとお兄ちゃんだけだよ」
「お前は甘えん坊だからな。それも頭に『大』が4つつく程の」

 優しく頭を撫でると、妹は再び俺の胸に甘えてきた。

「でも、妹よ。お前にいつも甘えさせてやるのは、俺がいつでも甘えて欲しいって思っているからなんだぜ」
「じゃあ、お兄ちゃんは私以上の甘えんぼかもね。頭に『大』が5つつく程の」
「……かもしれないな。『自分に甘えろ』ってお前に『甘えてる』ようなもんだもんな」
「じゃあ、一生甘えてあげるよ、お兄ちゃん……」
373名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 16:31:37 ID:XTtFTRE50
▼あまえんぼ7 (3/3)

「おにーちゃーん。ごはん作ってー」

 日曜の朝、俺の隣で寝ていた妹の言葉がソレだった。
 ちなみに両親は仕事の都合で九州に出張中だ。

「お前な……我が家の長女なら料理くらい自分でやれよ」
「お兄ちゃんこそ、我が家の長男なんだから、かわいい妹の面倒を見るべきだよ」
「……ったく、仕方ないな。この甘えんぼは」

 俺がベッドから出ようとすると、袖を掴まれる。

「1人にしちゃ、いや……」
「じゃあ、どうしろと?」

 妹は俺に向かって両手を広げる。

「お姫様だっこ♪」
「はいはい」

 俺は妹の身体を抱きかかえると、ぴったりと身体を密着させる。

「お兄ちゃん、今日は一日中甘えていいんだよね?」
「甘えてくれないと、寂しいな。せっかくの2人っきりなのに」
「もう、お兄ちゃんの『あ・ま・え・ん・ぼ』☆」
「……やっぱ、飯作んのヤメ。お前が作れ。俺にも甘えさせろ」
「えーー、もぅ仕方ないなぁ……最近、お兄ちゃんばっかり甘えてるような気がするよ?」

 ぷくーっと頬を膨らませつつも、妹は俺の言うことを聞いてくれる。
 だって、俺達は2人とも『あまえんぼ』なのだから……。      〜 おわり 〜
374名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 17:57:24 ID:vFw6hBR/O
わっふるわっふる


……って、アレ?終わり?( ゚д゚ )
GJな作品乙ですた!
375373:2006/05/22(月) 19:23:56 ID:XTtFTRE50
いつもお世話になっています。
 「あまえんぼ」の作者です。前にコテ付きで書いてましたが、止めました。
 今回の作品は『妹萌え』とは少し違いますね。
 どう考えてもお兄ちゃん、目立ち過ぎです。すみません。

 桐莉兄氏や、突発屋氏、Haru氏のような、妹萌えはさすがだと思います。
 私はまだまだですね。


>>374
 Hシーンとか期待していたら申し訳ないです。
 今回は入れないでやってみたかったので。

 続きが思いついたら、また書くと思います。
 やるとしたら、従姉妹が2人の邪魔しにくるのではないでしょうか?

 実妹VS従姉妹

 どうなんでしょう?
376名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 20:22:32 ID:Dzuwctl2O
あまえんぼうよかったですよ。またこうゆうの書いてくださいね。
377名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 21:48:01 ID:1Qmq2PsD0
従姉妹が登場したとしても、こんなだだ甘なふたりの間に付け入る隙があるのか?とw
シリーズで結構な量をGJ!
378名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 21:48:33 ID:4I6k2mc/O
>>376
悪い事は言わない。全年齢板にお帰り。
379名無しさん@初回限定:2006/05/23(火) 19:20:54 ID:R6i6p66mO
「あまえんぼ」GJでした。ここで終わるのが勿体ないww
勝手ながら次回作に期待させて頂きますw
380名無しさん@初回限定:2006/05/23(火) 21:45:21 ID:WpLHKy2I0
あまえんぼよかったです
萌えました
こんな妹がいたら一生結婚できそうにないですね
別にできなくてもいいか
妹がそばにいれば

381名無しさん@初回限定:2006/05/24(水) 00:36:58 ID:G/L9ZsD8O
だから全年齢板に(ry
382ハル@エッヂにしました ◆cf6.GAJsFA :2006/05/25(木) 17:10:42 ID:l2jnQaVL0
スターターパックが届き
予定日が判明しましたが、
工事開始が6/13以降…orz
しばらく、別のサーバーも考えに入れつつ
試行錯誤の日々となりそうです。

役目果たせなくてごめんなさいm(__;;)m
383 ◆YukaXXZTS2 :2006/05/25(木) 22:27:04 ID:ZVIlmaQl0
コレ置いておきますね。
( ´・ω・`)つ ttp://f47.aaa.livedoor.jp/~imouto/asaimo/
384ハル@ネカフェから ◆cf6.GAJsFA :2006/05/26(金) 01:38:24 ID:40Wb6Fn/0
>>383
助かりましたorzとりあえず、そちらへのリンク張っておきますね。
とりあえず、1のデータはもってますんでそちらにUpしようと思います。
それでは、職人諸氏と自分の作品のまとめなおし作業に戻ろうと思います。
385ハル@ネカフェから ◆cf6.GAJsFA :2006/05/26(金) 01:49:20 ID:40Wb6Fn/0
 兄さんのよさは私だけが知ってれば十分だ。
本当の意味で優しい人。
存在意義をくれた人。
心の隙間を埋めてくれた人。
 兄さんが私を愛してくれるなら、なにもいらない。
 兄さんに愛してもらえないなら、私は生きる意味を見失ってしまう。


 「…なんだろう、これ?」
朝起きたら妹の、詩(?)をまとめたノートをみつけた。
386突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/26(金) 02:11:27 ID:9RyHyQkE0
>>383
Yuka氏
うわ、恐れ入ります!
というか初めまして、いつも拝見しております。

そちらへのリンクを張っておきますね?
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1120385217/
387突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/26(金) 02:14:19 ID:9RyHyQkE0
>>66の続き、里佳子編です。


 その日の朝も快晴だった。今日は準の奴と新作の打ち合わせをしなく
てはならない、という理由に加えて実家で非常に健全な生活を送ってい
たらしい真里亜に叩き起こされた浩介は、これで何度目か数え切れない
欠伸を噛み殺しながら日課に従いエントランスホールの郵便受けの中身
を見聞しながらエレベータを待っていた。
 「請求書、DM………DM……ん? これは?」
 契約している固定電話会社からの『重要なお知らせ』と書かれた封筒
は確かに自分宛だが、料金を滞納したこともなければ回線増加を頼んだ
覚えもない。これはいったい何なんだと首をひねりながらも、ひとまず
部屋へと戻ることに。
 「あ、それ、私が頼んだの。」
 と出迎えてくれた従姉妹は無邪気な笑顔。
 「お前が? なんでだ?」
 「えっとね?」エプロンの裾で両手を拭いながら純和風な朝食が並ぶ
リビングへと浩介を招く真里亜「実は実家にいるときからインターネッ
トとかして、こっちでもしたいなって思ってたんだけど、ここってブロ
ードバンド回線とかが来てないでしょ? だから私が契約してる接続会
社に回線増強をお願いしたの。それで、工事のお知らせが来たんじゃな
いかな?」
388突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/26(金) 02:14:57 ID:9RyHyQkE0
 「こ、工事って……」
 「大丈夫大丈夫。工事って言っても電柱に変換器を付けるだけだから
家の中には誰も入ってこないし、今だったら初期費用とか3ヶ月分の使
用料とかがタダになるキャンペーン期間中なんだよ。」
 その間に、私もお仕事探すしね。と真里亜の話は続く。
 「浩介ちゃんだって、お仕事にパソコン使ってるじゃない? 試して
みなよ、インターネット。色々と面白いよぉ?」
 「そういや、お前は?」
 「私も、家で使ってたノートパソコン持ってきてるの。お父さんは確
かにカンカンだけど、向こうの友達とか千尋とかともメールでやりとり
したいし、一度始めちゃったら………ねぇ?」
 と照れくさそうに笑う真里亜。
 「……まぁ、たいした額じゃ無さそうだし、俺は別に………」
 そういや準の奴も似たようなこと言って勧めてたな、などと頭の片隅
で思い出す浩介。差し迫った必要性も感じていなかったし、今迄は適当
に受け流していたが、これを機会に試してみるのも良いかもしれない。
 「きゃーっ! 浩介ちゃん、話せるぅ♪」
 「って抱きつくな! 味噌汁が零れるだろ!」
 こうして真里亜は同棲の既成事実化を進めているのだが、まだ気が付
いていない浩介。というよりも瞬く間に積み上げられた膨大な懸案事項
からの一時的な逃避かも知れない。
 「それでそれで浩介ちゃん、今日は予定とかあるの?」
 「あー………」と記憶を探ること数秒「……今日は、打ち合わせの約
束があるくらいかな。あと、買い物が少しある。」
 駅前の喫茶店で準と打ち合わせを済ませた後で、書店巡りをするのが
浩介の習慣である。その為、押し入れの中は文庫本を詰め込んだ段ボー
ルが完全に占拠している。
 「じゃあ、私も一緒に行っても良い? とりあえず一緒に住むんだか
ら、担当の人にご挨拶した方が良いと思うし、この辺りの事全然知らな
いから案内もして欲しいな?」
389突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/26(金) 02:15:27 ID:9RyHyQkE0
「行ってらっしゃいませ、ご主人様。」
 カランカラン、とドアベルの上品な音と共に深々と御辞儀をして客を
送り出すシックなエプロンドレス姿の若い女性店員。全身を大覆うシッ
クな黒いワンピースに白いフリルエプロン、そしてカチューシャと揃え
ば一目瞭然なメイド服。
 「ねぇ、リカりん?」
 「だからお店でリカりん言うなっ!」
 その様子を奥から観察している里佳子と瑞樹の就職先であるアンティ
ーク風喫茶&洋食屋は今日も大繁盛。オープンスペースに加えて二階席
まで完備している店内は、つい先ほどまでモーニングサービス目当ての
客で埋め尽くされていた。とりあえずであるが、午前の部の修羅場を乗
り切ったと判断したフロアチーフの里佳子とサポート役の瑞樹は残った
作業をバイト店員や若手に任せ、一番奥から監督を行っていた。
 「こういうこと聞くのアレだけどさ、もしかして昨日、家で喧嘩でも
した?」
 「はぁ?」と目が点になる里佳子「なにそれ?」
 「いあやだって、あんた朝から大きなスポーツバッグ抱えて来てたじ
ゃない? あれって着替えとか身の回りの小物とかが詰まってるんでし
ょ、やっぱり?」
 「え、えっと………まぁね……」
 「だから、家で喧嘩でもして飛び出してきたんじゃないかなって思っ
たりしちゃった訳なんだけど、大丈夫?」
 「え、えっと……まぁね。」
 正確に言うと朝食の席で里佳子が一方的に宣言して、呆然としている
両親と姉に立ち直る隙を与えずに出勤してきたのだ。それ以前に喧嘩な
どもしていないのだが。
390突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/26(金) 02:16:11 ID:9RyHyQkE0
 「なんなら、相談に乗ってあげようか……?」
 「う〜ん………」と一瞬の逡巡「……気持ちは嬉しいけど、今のとこ
ろはまだ平気……かな?」
 テーブルの間を素早く縫うように、しかし優雅さと笑顔を忘れず動き
回りフロアを回転させているメイド服の店員達の姿を細かくチェックし
ながら答える里佳子と瑞樹は高校時代からの親友である。結論から言う
と学生の頃からバイト先に就職という非常に単純な経緯で社会人となっ
た二人だが、それぞれ持ち前の生真面目さと要領の良さでスポンジのよ
うに知識と技術を吸収し認められ、数年後に新オープンしたチェーン店
の重要なオープニングスタッフとして配属されている。
 「そう? なら、これ以上は聞かないけど……」
 床も壁も、店内に配置された家具も全て天然木材使用。確かに毎日の
手入れが大変だが使い込むことによって数年後には独特の味と雰囲気を
醸し出すようになるだろうことは本店で実証済み。オープンスペースに
面した大きな窓から斜めに差し込み柔らかい日差しで暖められた店内は
穏やかな空気に満たされている。
 「……………………………うん。」
 普段なら速攻で茶化して根掘り葉掘り聞いてくるだろう瑞樹が珍しく
簡単に引き下がったの事に少し驚かされた里佳子だったが、その胸の内
を推し量る前に彼女の思考は新たなドアベルの音で現実へと引き戻され
てしまった。
 「お帰りなさいませ。旦那様、奥様、お嬢様。」
 「あ、えっと…………」
 「ねぇねぇ聞いた浩介ちゃん!? 私『奥様』だって、『奥様」!!」
 「きゃっ♪ 『お嬢様』って言われちゃったぁ〜♪」
 「…………………………り、リカりん? あれって、もしかしなくて
もリカりんの……?」
 「………………………(ぷっちん!)」
391突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/26(金) 02:24:14 ID:9RyHyQkE0
美少女文庫の新刊三冊&「模倣犯」全五巻一気に読破しました>挨拶?

いまになって、読む順番を逆にすれば良かったナと反省。
どうにも文体の切り替えが出来なくてw

>>ハル氏
万が一にも御手に余る、という事でしたら当方を再度立ち上げても宜しいですが?
自分のオフライン参照用に>>373まで更新してるので、小一時間で出来ますし。
392ハル@ネカフェから ◆cf6.GAJsFA :2006/05/26(金) 03:17:26 ID:40Wb6Fn/0
「万全の体制で引き継げるようになり次第改めて」とは考えてますが、
今の状態だと役割果たせそうにない(現に今は中途半端ですし。)ですから、
申し訳ないですが、ひとまず復活していただけるとありがたいです。
2週間ならまだしも、1ヶ月以上放置というわけにはいきませんし、
突発屋氏のサイトからすべてのデータを引き継げたわけじゃないですから。
393 ◆YukaXXZTS2 :2006/05/26(金) 21:31:54 ID:6/o8XBY50
朝起きると妹に、「べ、別に大したことしてないわよ。
 ホントなんだから…な、何ニコニコ笑ってるのよ!
 私、お兄ちゃんの役に立ててウレシイとか 全然思ったりしてないんだからね!
 そんなんじゃないってばっ! 違うったら違うのぉ〜〜〜
 もぉ、お兄ちゃんのバカぁ!!」って言われた。
 
こちらの流儀に則ってみますたw …つうか文章長いよ、漏れorz

こうして、トリ付きで書き込むのは初めてなんですが…名無しでは2度ほど(ぉぃ
個人的には、「桐莉兄」と最近の「あまえんぼ」が好き…かな?

>>ハル氏
当方、Openjaneのログデータを2chもどきの掲示板に放り込んでますので、
過去ログとして持っておられるのでしたら、どこぞのアプロダに投下していただければと…

>>突発屋氏
いつも拝見されちゃってるんですね…うわ、すげ〜恥ずかしいorz
稚拙な文章ですので、寛大な気持ちで閲覧していただければ…お眼汚しで申し訳ないです。
394突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/05/27(土) 20:13:11 ID:kKrQYOC+0
立ち上げました。
http://www.geocities.jp/asaimo0/

修正や提案など有りましたらお願いします。
395名無しさん@初回限定:2006/05/28(日) 21:43:38 ID:XEntf/7Y0
朝起きたら、妹が勝手に俺の本棚漁って漫画読んでた

エロス漫画じゃなくて良かったー(´ρ`)
396名無しさん@初回限定:2006/05/29(月) 16:30:02 ID:4vdcX/hT0
妹様が読んだラインナップ

「電脳少女」「いちご100%」「セキレイ」「オヤマ! 菊の助」「いけないルナ先生」「俺たちピヨリたん」

 妹様は顔を真っ赤にされておりました。
397名無しさん@初回限定:2006/05/29(月) 18:42:25 ID:efRLVSLP0
>>396
そりゃ18禁じゃないけど…
いくら何でもそのラインナップはねえよw


で、妹様何歳?
398名無しさん@初回限定:2006/05/29(月) 18:53:41 ID:4vdcX/hT0
>>397
 >>396は知りませんが、さすがに実話じゃないですよ。
 脳内でよければ、17歳(高2)に設定しておく。

 それに、リアルな話だと、中学卒業してたら、このくらいじゃ動じないような気がする……。
 ヘタにマンガ好きだったりすると、小学校卒業から動じなくなる。

 最近の少女マンガもエロいよ……。
 NANAとかげっちゅーとか、覇王・愛人とか、性描写どころか、レイプ描写まで入ってやがる。
399名無しさん@初回限定:2006/05/29(月) 19:50:15 ID:28cdqkjH0
まあ>>395は漫画版ひぐらしの各編1巻だったんだけどね

ビビりつつ真相を所望しておりました
400名無しさん@初回限定:2006/05/31(水) 02:43:41 ID:OfPJt2pOO
>>399を見て、

俺「なあ、妹よ…。勝手に俺の部屋に入って何をしてたのかな?…かな?」
妹「べ、別に…(お兄ちゃんの布団で寝てたなんて言えないよ…///)」
俺「嘘だッ!!!」
妹「ッ!!!???」

というシーンを妄想した。
401ハル@トリップ変えます ◆PMbh5C.MDk :2006/05/31(水) 08:33:12 ID:86D6/P6z0
諸事情のため
今後はこっちで行こうと思います。
>>突発屋氏

わざわざごめんなさいorz
気になった部分は修正し、
メールでお送りしますので
お願いしますね。
>>ユカ氏
過去ログまとめ乙です
htmlしかないですが
どこかのロダにupしますね、
402ハル@洋ぽん ◆PMbh5C.MDk :2006/06/01(木) 21:43:07 ID:ysaSx9BV0
少女セクト
少女セクト2
少女人形
少女病
清純病

…実妹がHな漫画を読んでみたいと言うので
読ませてみた漫画です。

まとめは、ネット環境整備されるまでは
突発屋氏に委任という形になったので
久々に新作書いてこようと思います。
それではノシ
403名無しさん@初回限定:2006/06/08(木) 04:30:10 ID:GzWrfspGO
保守
404名無しさん@初回限定:2006/06/08(木) 19:28:39 ID:x1gWilZtO
とりあえず関係ないが某テレビ番組にて、


練乳マグロシャーベットキタ━━(゚∀゚)━━!!!!
七華タソなら普通に食いそうだな。
405名無しさん@初回限定:2006/06/08(木) 21:20:31 ID:HdnrJ+7e0
マグロを甘くすると命に関わるぞw
406 ◆YukaXXZTS2 :2006/06/11(日) 22:08:45 ID:AXamwRaq0
朝起きたら、妹に「私も、つゆ入りしちゃった♥ お兄ちゃんの…えへへっ」
と、満足気な顔で下腹部を擦りながら言われた。>挨拶

どなたか存じませんが「朝芋 その1」のログを提供していただいたので過去ログ追加のご報告。
>>383 参照ということで…
407名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 22:17:24 ID:vbyFDWOg0
はいはいウザイウザイ
408名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 23:00:41 ID:azbLm4o00
409名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 23:24:22 ID:RrkTOUFWO
>>406
410名無しさん@初回限定:2006/06/13(火) 22:18:52 ID:/o3orklS0
>>406
何をした結果そうなったのかを詳しく白状させたいw
411ハル@ネットカフェ ◆PMbh5C.MDk :2006/06/16(金) 08:09:34 ID:XoRGczfG0
「兄貴ー!!朝やよー」
朝ごはんの時間を知らせる声。
「今行くー」
そういってドアを開けたときに、
「堪忍してー!ウチ、今日危険日やから」
なんて言うものだから、
「違!」
相変わらずのボケに、思わず滑ってしまった。
その拍子に転んで、偶然だけど、
ドア向こうにいた瑞乃を押し倒す形になってしまった。
 朝起きて、朝食時。妹の瑞乃に、
「毎日毎日ウチより遅いなんて、
毎晩毎晩ナニしてはるん?ウチの兄貴は…」
と言われた。
さっきの仕返し?
「…冗談やから、堪忍して。でも、たまには早う起きたってや?」
412名無しさん@初回限定:2006/06/18(日) 14:33:05 ID:bN8+diRm0
朝起きたら妹がテポドン白刃取り
413名無しさん@初回限定:2006/06/19(月) 01:40:31 ID:potgmUn+0
>>412
流石に、あれを白羽取りは
無理なんじゃないかと…w
414名無しさん@初回限定:2006/06/19(月) 12:42:01 ID:BPJqCdP60
朝起きたら妹がテポドン二指真空把
415名無しさん@初回限定:2006/06/19(月) 15:33:58 ID:eBO83Sr60
妹最強だなww
416名無しさん@初回限定:2006/06/19(月) 18:01:59 ID:wnjsQCMy0
俺の知り合いにICBMをガソリンエンジンで動く機械で受け止めた奴がいたよ
417名無しさん@初回限定:2006/06/19(月) 23:34:48 ID:3pYn+vie0
朝起きたら妹がせがた三四郎
418突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/06/20(火) 04:52:29 ID:LHBGa9AV0
 「ふぁ〜〜あぁ……つばめ、おっは〜。」
 「おはようございます、おねーちゃん。朝ご飯出来てますよー♪」
 「んーん、朝刊は?」
 「はい、これなのです♪」
 「どれどれ、今日の世界情勢はっと………」
 「はい、おねーちゃん。熱々のコーヒーなのです。」
 「ん……しっかしまぁ、相変わらず平和っつーか平凡で面白みもヘッ
タクレも無い紙面よね〜。なんてゆうかこう、刺激的って言うか目が覚
めるようーな大事件が起きてくれないかな〜?」
 「不謹慎ですよ、おねーちゃん。平和は尊い物なのです。」
 「そりゃそうかも知れないけどさ〜。せっかく毎日、劇的な未来に備
えて気合い入れて生きてるんだから、ちょっとくらいはメリハリが効い
た人生を楽しんだって罰は当たらないでしょ?」
 「だからといって、来る日も来る日も溜息混じりに天変地異を切望す
るのは如何な物かと思うのです。例え小さくてもささやかでも、日々の
出来事を大切にするのが正しい道だと思うのです。」
 「ちょっと待ちなさいよ! 別に私だって、地球のコアが静止したり日本が
沈没したり、はたまたアステロイドベルトからテキサス州並の大きさの
隕石が飛んできたり北極海の塩分濃度低下で地球が突然氷河期に見舞わ
れたり…………」
 「あわわっ! おお、おね、おねーちゃ……」
 「……ってなことを望んでる訳じゃないのよ?」
 「ほっ……。」
419突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/06/20(火) 04:52:55 ID:LHBGa9AV0
 「でもさ? もちょっと小規模ってゆ〜か、世間が『あっ!』と驚く
程度のイベントは必要だと思わない?」
 「必要か必要でないかという基準であれば、私的には明らかに不必要
なのです。というか出来れば御免被りたいのです。」
 「そう、例えばねぇ…………………」
 「お、おねーちゃん? 早く食べて学校……」
 「…………あ……あった! これよこれ! これこそ私が待ち望んで
るザ・エンターテイメントに相応しいわ!」
 「…………………………………………はい?」
 「この弾道弾発射実験なんてどう? まぁホントに飛んできて家の屋
根に大穴開けたりされたら困るけどさ? 偶然にも信管が不良だった不
発弾頭が巧い具合に学校の校庭に着弾して、何故か分離も分解もしなく
って原型のまま深々とグラウンドに突き刺さったりしたら面白いと思わ
ない? 『ぷしゅ〜』とか蒸気を漏らしながら〜♪」
 「いっ………!?」
 「よし決めた! 早速学校行ってスタンバイよ! 上手くいったら着
弾する瞬間とか見れるかも〜♪ え〜とデジカメはっと……♪」
 「おお、おねーちゃん!!」
 「んん〜? なぁ〜にぃ?」
 「私、急用を思い出したので先に出かけるのですっ! おねーちゃん
は、朝ご飯食べて戸締まりしてデジカメをチェックしてから、ゆっくり
と来て欲しいのですっ!!」
 「………いいけど、ゆっくりは……」
 「そ、それでは行ってきますぅーーーーーっ!!」
 「………って、行っちゃった。朝から落ち着きがない子ねぇ。」
420突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/06/20(火) 04:53:34 ID:LHBGa9AV0
 「はぁ………おっはぁ〜…………」
 「おはようございます神坂さん………って、元気がない御様子ですけ
ど、どうかなさったんですか?」
 「あ〜秋ちゃん。それがね、かくがくしかじか………」
 「……はぁ、発射されたミサイルが何故か日本上空で突然軌道変更し
て、領空を飛び越して公海に落ちたとニュースで……?」
 「なのよね〜。はぁ、せっかくDVDカムまで持ってきたのに〜!」
 「あらあら、それは確かに残念でしたよね。でもほら、誰にも怪我が
無くって良かったじゃありませんか?」
 「はぁ〜…………つまんなぁい………」
 「でしたら気分直しに今日の放課後など……あら、つばめさん? ひ
どくお疲れじゃありませんこと?」
 「さ、流石に第一宇宙速度から自由落下加速する物体は重すぎ……じ
ゃなくって………おねーちゃん、お弁当忘れているので急いで取りに戻
っていたのですぅ。」
 「あらあらあら……つばめさん、制服の裾が焦げて……」
 「だ、だうんなのですぅー………」
 「はぁ〜……たいくつぅ〜……」
421突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/06/20(火) 05:04:32 ID:LHBGa9AV0
やはり向いていない様でした(汗)>挨拶

ちょほいとラノベも読んで勉強しよう。
と言うことで巷で評判の「護くんに女神の祝福を(1)」と「涼宮ハルヒの憂鬱」を
買って拝読して見たのですが……どーにもこーにも合いませんでした。
こういう手法も吸収しなければいけないとは思うのですが……

この感覚のズレというか趣向の逸脱は最早体質レベルなのか!?(苦笑

とりあえず美少女文庫の新刊を読んでから、(私的に)非常に美味しそうなオーラを
放っている「火星横断」を読んで、次は「乃木坂春香の秘密」辺りに吶喊してみようか
と画策(?)中ですw
422名無しさん@初回限定:2006/06/21(水) 07:40:38 ID:11HQF2AI0
GJ!!
空も飛べるのか妹飛べるのか空w
423桐莉兄:2006/06/23(金) 00:21:42 ID:l7/Ljeky0
※注.攻略サイトの情報見て書いてます。桐莉兄はラグラロクオンラインのプレイヤーじゃないので、色々と間違いとかあるかも知れませんが、突っ込まないでおいてやって下さい。

朝まで起きてROで遊んでいたら、中の人が妹らしきキャラに遭遇した。

……カプラ職員に向かって『バンバンジーのバンバンだけください!バンバンジーのバンバンだけください!』とか絶叫している。
どう見てもうちの妹です。本当にありがとうございました。

「其処の廃プリ、桐莉だろ」
「ぉぉっ、そういうおまいは、兄ちゃんだなっ」
「……やっぱりお前か」

転生二次職でオーラ吹くなんて、どんだけ無駄な時間を費やしているんだか。

「兄ちゃんは内藤かー」
「しかも赤毛で逆毛だぞ」
「いいこと思いついた。おまい、桐莉とパーティ組め」
「ちょwwLV差あり過ぎww公平組めねwww」
「いいから黙って桐莉に付いて来いっ?」
「お、おいっ、ちょっと、何処に連れて行くつもりだゴルァ!?」

……無理矢理パーティに入れられてしまった。

「にひひ、兄ちゃんと激しくプレイするぞっ」
「激しくしなくていい。俺はまたーりとプレイしたいんだ」
「つれない事言うななのス。サポートは完全支援型の桐莉にバッチリ任せるっ☆」
「ほぅ、どんなサポートをしてくれるんだ?」
「攻撃力とか底上げ出来るのス……インポシティオマヌス(按手礼)!!」

近寄って来た魔物を殴ってみる。
424桐莉兄:2006/06/23(金) 00:22:48 ID:l7/Ljeky0
「ぉぉ、確かにダメージが上がっているぞ」
「兄ちゃん、桐莉はお役に立ちそうかっ?」
「おうっ、この調子でバリバリ援護してくれっ」

「うぉぉぉぉりゃぁぁっ!!!」「兄ちゃんっ、インポシティオマヌスだーっ!!!」
「でりゃぁぁぁっ!!!」「兄ちゃんっ、インポっ!!!」
「てやぁぁぁぁぁっっ!!!」「兄ちゃん、インポーっ!!!」

「……誰がインポかっ」
「ぬぅ、桐莉はβ時代からの古参だから、ついつい古い言い方しちゃうのス……」
「按手礼はもういい。何か他に出来る事は?」
「そうスね。アスペルシオ(聖水散布)なんてどうスか?」
「ほう、今度のはまともそうじゃないか」
「兄ちゃんの武器に掛ける事で、聖属性を付与出来ちゃうのス……アスペルシオ(聖水散布)!!」

近寄って来たアンデッドを殴ってみる。

「ぉぉ、確かにダメージが上がっているぞ」
「兄ちゃん、桐莉はお役に立ちそうかっ?」
「おうっ、この調子でバリバリ援護してくれっ」

「うぉぉぉぉりゃぁぁっ!!!」「兄ちゃんっ、アスペルシオだーっ!!!」
「でりゃぁぁぁっ!!!」「兄ちゃんっ、塩ーっ!!!」
「てやぁぁぁぁぁっっ!!!」「……聖水が切れたのス。兄ちゃん、ちょっと待ってるっ」

いそいそと茂みに走り込む桐莉。

「アクアベネディクタ(祝福された水)!!」
425桐莉兄:2006/06/23(金) 00:24:24 ID:l7/Ljeky0
「…………」
「お待たせ、兄ちゃんっ!アスペルシオだーっ!!!」
「ちょっと待て。此処は水辺じゃないぞ」
「気にするな、兄ちゃんっ!」
「それはイエローポーションのように見えるんだが」
「……にひっ。アスペルシオ〜(聖水散布)☆」
「ぎゃああやめろ馬鹿俺の過剰精錬S3サーベルカード挿しがぁぁぁwせdrftgyふじこ」

ぽかっ☆

『ぬぎぃっ!?』
『今度やったら額に油性ペンで肉BOTって書き込むぞ』
『兄ちゃん、リアル世界で殴るのは反則スよ!』

「「……あ」」

妹とROで遊んでいたら、中の人が幼馴染らしきキャラに遭遇した。

……GMに向かって白ポ投げ付けながら、『ガンホー頑張ってます!ガンホー頑張ってます!』とか連呼している。
どう見てもお隣の七華です。本当にありがとうございました。

426桐莉兄@キリ:2006/06/23(金) 00:25:35 ID:l7/Ljeky0
「其処のアルケミ、七華だろ」
「あ、おはよー、たかくん。奇遇だね」
「……やっぱりお前か」

隣同士徹夜でROか。おめでてーな。

「たかくんはナイトなんだね」
「しかも赤毛で逆毛だぞ」
「兄ちゃんっ、こいつをパーティに入れてやりたいんですが構いませんねッ!」
「えっ?えっ?無理だよっ、私、完全練乳製造型だしっ」
「いいから黙って桐莉に付いて来いっ?」
「お、おいっ、ちょっと、何処に連れて行くつもりだゴルァ!?」

……七華まで、無理矢理パーティに入れられてしまった。

「な、なんなのかな!?ここ、どこなのかな!?何で私……ここに居るのかな!?」
「古城で深遠狩りだーっ!」
「無理だー!つかどうやって此処まで来たのかーっ!?」
「落ち着け、兄ちゃん。キリリ・エレイソン!」
「それを言うならキリエ・エレイソン(主よ哀れみ給え)だよっ!」
「お前が一番落ち着け!」
427名無しさん@初回限定:2006/06/23(金) 01:31:33 ID:tPdOQSCJ0
うぬ…βまでプレイしてたから内容が分かってしまう…
続きが読みたいぞ…
428名無しさん@初回限定:2006/06/24(土) 12:10:58 ID:JuVgfWXL0
429名無しさん@初回限定:2006/06/28(水) 10:47:29 ID:1Jtdrg9IO
朝起きたら、妹にカビが生えていた。
430名無しさん@初回限定:2006/06/28(水) 23:05:47 ID:CmLAZ0Za0
一大事だろそれw
431名無しさん@初回限定:2006/06/29(木) 02:38:09 ID:BjvQjmhD0
かもすぞー
432名無しさん@初回限定:2006/06/29(木) 17:42:01 ID:kEvwYUWe0
朝起きたら、妹が決戦兵器化していた。
433名無しさん@初回限定:2006/06/30(金) 09:22:18 ID:kFJNcbje0
朝起きたら、妹が黄金聖闘士になっていた
434名無しさん@初回限定:2006/06/30(金) 09:36:40 ID:j3yvcwdn0
朝起きたら、妹に黄金聖闘士が敗北してた
435名無しさん@初回限定:2006/06/30(金) 20:55:33 ID:BXNIDuqM0
ちょ、妹ツヨスw
436桐莉兄:2006/07/01(土) 20:54:15 ID:vvuyBBJn0
朝起きたら、妹に黄金聖闘士が敗北してた。

……五人くらい。

良く解らないが、俺の部屋は小宇宙の爆発に巻き込まれて半壊し、
ベッドの周りにはやたら濃ゆい顔の、恥ずかしい金ぴかの鎧みたいなのを身に着けた男達がボロボロになって倒れていて、
こんな凄まじい戦いを繰り広げている妹は、きっと特別な存在なのだと感じました。
どうみても聖闘士☆矢です、本当にありがとうございました。

「ぐ、ぐぬぅっ……恐るべし、妹闘士(シスペクター)……」
「馬鹿な……黄金聖闘士が五人掛かりで破れるとはっ……」
「もはや私達は攻める事も逃げる事も不可能だ!!」
「貴様のようなミミズにやられるこのア○オリア!!」
「マンモス哀れな俺たちっぴぃーーっ!?」

――ぞしゃっ!

「貧弱貧弱ぅ、KIRIRIYEEEEEEEEEEEEE!!!!!」

聖衣に見捨てられて一人だけ全裸の蟹座のゲスマスクを足蹴にして、
ぐぅりぐぅりと足の裏で顔面を踏み躙りながら、妹が高らかに哄笑する。

「はぅ〜はぅ〜、離せ〜、黄金聖闘士なんだぞ〜!偉いんだぞ〜!!」
「じゃかぁしぃっ!桐莉なんて決戦兵器で、おまけにカビが生えてるのス!こんダラズがぁっ!!」
「ひぃっ!?ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ」

――ごしゃぁっ!

うわ、妹強い。
ヤクザキック炸裂。
矢張り、何故か蟹座はどうしても虐めたくなるらしい。
437桐莉兄:2006/07/01(土) 20:55:24 ID:vvuyBBJn0
「んぁぁ?何だこれはぁ?聖衣に見捨てられたくせして、ここんとこだけ黄金の輝きにプロテクトされているじゃぁないかぁ?んん〜っ?」
「ぎゃぁぁぁぁ、そ、それは違うっ、俺の自前だぁぁぁ〜〜」
「気に入らんなぁ〜?桐莉は命乞いする聖闘士の目の前で徹底的に聖衣を打ち砕いて尊厳を踏み躙ってやるのが大好きだぁ〜?」
「だ、だから其れは聖衣じゃなくてっ、黄金は黄金でも金のたまぶわっ!?」

ごりゅっ。

「てひっ、間違えちゃったスかね?」
「あじゃぱぁーーーーーっ!!!」

無惨、転げ回る蟹男。
泡を吹いているのも蟹だからに違いない、そう信じたい。
俺は一刻も早く、この恐ろしい妹サンクチュアリから逃れなければならないさもなければ確実にオヤシロ様の祟りで殺され

『此処を 訪れし 少年よ 君に 聖衣を 託す』

うわぁぁーーーっ!!?壁に勝手に何か彫ってあるよ!!
安らかな顔でみんな死んでるよ!!
つーか此処、俺の部屋だよ!訪れて来たのはあんた達の方だから!!

「これを読んだあなた。どうか黄金聖闘士の遺志を継いで下さい。それだけが俺達の願いです」
「だが、断る!」
「はっはっは、照れるな少年!」
「俺達の聖衣は着心地がいいぞぉ?」
「やめろー、聖闘士ー!ぶっ飛ばーすぞぉーーー!?」

俺の意思などお構い無しに、汗臭い漢達のヌクモリティが残った黄金聖衣が勝手に俺の体に装着されて行ふぉぉぉぉぉぉっっ!?!

「もっ、萌えるーーーぅっ!!萌えちゃうのぉっ、俺の股間の銀河(ギャラクシィ)ィィィィィ!!!!!」
「ぬぅっ!?兄ちゃんの小娘萌(コスモ)が急激に高まって行くっ!?!」
438桐莉兄:2006/07/01(土) 20:56:36 ID:vvuyBBJn0
「行けぃ、少年!いきり立つグレートホーンの威力を見せてやれ!」
「ちゃうねんっ、これっ、グレートホーンとちゃうねんっ!!」
「妹の積尸気を貫いて孔を空けてやるっぴ!」
「積尸気冥界波でも無ェェェ!!」
「ほほぅ……やる気っスか、兄ちゃん……?」

ぎゅぴーんっ☆

獲物を狙う蛇のように鋭い視線で、桐莉が俺の金玉を見竦める。
まずい、潰されるっ!?

「桐ィ莉ィのおぉぉぉぉ、兄ちゃァァァァんっっっ!!!」
「うぉぉぉぉっ、来るなっ、来るなぁぁぁぁ!!?すかぁぁれっとぉぉぉ兄ィィドルゥゥーーー!!!」

ガサガサとエクソシストの悪魔憑きの少女みたいな不可能な姿勢で
ブリッジしながら迫り来ると言うか寧ろ這い寄る混沌的な妹目掛けて激しく指を突き出す。
ずむっ、妹の膨らみ掛けの陥没いもうと乳首に埋まる指先。

「ひゃうっ!?」
「スカーレット兄ドルは妹の中枢神経を刺激し、快感と共に全身を弛緩させるのだ!」
「強過ぎるのス!気持ち良くないのス!寧ろ痛いぞ兄ちゃんのへたくそぉっ!」
「……こほん。過去において、スカーレット兄ドルを十五発全て受けた人間は唯一人。
せいぜい五、六発までの快感に耐え切れず、絶頂するか、逝きまくるか、ペニス乞いをするかのどれかだ……喰らえ、ピンクの衝撃!!」
「だが然し、妹闘士に同じ技は二度通じぬっ!!」

ぱしっ☆

二本の指で、器用に俺のスカーレット兄ドルを白羽取りする桐莉。

「ふふん……さぁてぇ、どう料理してやるスかねぇ……?」
439桐莉兄:2006/07/01(土) 20:57:51 ID:vvuyBBJn0
「ちょっと待てェ!?その設定はずるいだろっ、十五発当てないと勝てない蠍座じゃ駄目じゃん!絶対に負け確定じゃんっ!?」
「ぬふぐふふふ、桐ィ莉ィのおぉぉぉぉ、兄ちゃァァァァんっっっ!!!」
「うぉぉぉぉっ、来るなっ、来るなぁぁぁぁ!!?兄ぃどるぅぅフィンガぁァァーーーーーっっっ!!!」

ガサガサとエクソシストの悪魔憑きの少女みたいな不可能な姿勢で
ブリッジしながら迫り来ると言うか寧ろ這い寄る混沌的な妹目掛けて激しく指を突き出す。
ずむっ、妹の膨らみ掛けの陥没いもうと乳首に埋まる指先。

「ひゃうっ!?」
「……名前が違うだけで同じ指先ツンツン技なんだが、何故通じるかな」
「……つ、次はこうは行かないのス!覚えたぞっ、覚えたぞ兄ちゃぁぁぁんっっっ!!」

桐莉の小娘萌が爆発的に膨張、俺目掛けて一気に解き放たれた。

「愛妹革命(スターダストレボリューション)!!!!!」
「うげろぱぁっ!!?」

ごしかぁぁぁんっ!!!――ごしゃぁっ。

派手に吹き飛ばされて地面で後頭部を強打、暗くなる視界、遠くなる意識。
駄目だ、勝てない。
先代教皇だぞ、強過ぎ……ぐふっ。

『――かくんっ、たかくんっ』

  ……ぅ……その声は、七華……?

『起きて、たかくんっ!小娘萌を萌やすんだよっ!!』

  ……萌やす……小娘萌を……萌やす!
440桐莉兄:2006/07/01(土) 21:00:04 ID:vvuyBBJn0
「ぬぅっ!?兄ちゃんが立ち上がったぁっ!?」
「うぉぉぉぉぉっ、萌えろっ、俺の股間の小娘萌よっっっ!!!」
「さては兄ちゃんっ、七華感覚に目覚めたなぁっ!!」
「兄より優れた妹など存在しねぇぇぇーーーーー!!! 」

――投影、開始。
体は剣で出来ている。 血潮は鉄で 心は硝子。
幾たびの戦場を越えて不敗。
ただの一度も敗走はなく、ただの一度も理解されない。
彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。
故に、生涯に意味はなく。
その体は、きっと剣で出来ていた。

「――約束されし勝利の剣(エクスカリバー)!」
「ぬぁぁ!?兄ちゃんっ、他の作品が混ざってるぞっ!ずるいずるいっ」
「俺の右手はカプリコーン!!俺の右手はカプリコーン!!」

妹が纏う牡羊座の黄金聖衣ごと、服も下着も徹底的に切り刻む。

「そしてっ、桐莉の水瓶にっ、オーロラセックスキューショォォォン!!!」
「アイィィィィーーーーーー!!?」
441桐莉兄@キリ:2006/07/01(土) 21:02:31 ID:vvuyBBJn0
「腰の動きはライト兄ィングボルト!!腰の動きはライト兄ィングボルト!!」
「んぁぁっ、らっ、らめぇぇっ、兄ちゃんのおちんぽぉっ、すっごくギャラクシアンエロスプロージョォォォンっっっ!!!」

ずぽぉっ。ずぽぉっ。ずぽぉぉぉっ。
そして熱くぬるめく妹のエロ穴目掛けて俺の小娘萌がビッグバンを起こす。

「廬山百精覇───ッ!!」

ぶびゅっ、ぶびゅびゅるびゅびゅっ、びゅーーーっ。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、ナイスファイトだっ、兄ちゃんっ……」
「何で俺たちっ、戦ってるんだっけっ……」
442桐莉兄:2006/07/01(土) 21:04:29 ID:vvuyBBJn0
………うぐふぅっ。
投稿してしまってから、最後は百龍覇じゃなしに、
『ペガサス流精拳』にすれば良かったと悔やんだ。orz
443桐莉兄@>>441の歴史は無かった事に…。:2006/07/01(土) 21:07:18 ID:vvuyBBJn0
「腰の動きはライト兄ィングボルト!!腰の動きはライト兄ィングボルト!!」
「んぁぁっ、らっ、らめぇぇっ、兄ちゃんのおちんぽぉっ、すっごくギャラクシアンエロスプロージョォォォンっっっ!!!」

ずぽぉっ。ずぽぉっ。ずぽぉぉぉっ。
そして熱くぬるめく妹のエロ穴目掛けて俺の小娘萌がビッグバンを起こす。

「ペガサス流精拳───ッ!!」

ぶびゅっ、ぶびゅびゅるびゅびゅっ、びゅーーーっ。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、ナイスファイトだっ、兄ちゃんっ……」
「何で俺たちっ、戦ってるんだっけっ……」
444名無しさん@初回限定:2006/07/01(土) 23:00:59 ID:pRjhu+3R0
>>桐莉兄氏
懐かしいなぁwwwwwwww
思わず顔がニヤけたwwwwww
445名無しさん@初回限定:2006/07/01(土) 23:15:04 ID:yiHo2j85O
桐莉兄氏GJ!!
ネタが豊富でニヤニヤしっぱなしだったww
……さーて、一巻から読みなおすか…。
446桐莉兄:2006/07/02(日) 00:36:11 ID:aSA2THbR0
愛妹革命(スターダストレボリューション)⇒(シスターダストレボリューション)の間違い。

ぬあぁぁ、駄目だぁぁぁ!ついにボケて来たぁぁぁ……。orz
447名無しさん@初回限定:2006/07/02(日) 03:42:05 ID:czXkhWR50
キリリにはぜひコルネホロスを使ってほしい
「棍棒を持つ人」の意味だそうですよ
448梨k(ry:2006/07/02(日) 16:46:33 ID:UV/K39zUO
>>446
いいこいいこなのですよ。にぱ〜☆
449名無しさん@初回限定:2006/07/05(水) 11:36:39 ID:6AmS6u/U0
朝起きたら妹が、6回も発射されてぐったりとしていた。
450名無しさん@初回限定:2006/07/05(水) 21:24:06 ID:nSmd963D0
>>449
時間をおいて7発目もあるそうです
451桐莉兄:2006/07/05(水) 22:08:57 ID:nlkwrlcA0
「んぁっ、ぁっ、ぁっ、んひぃんっ」
「桐莉っ、桐莉っ、はぁっ、このままっ、膣内に射すぞっ、桐……ぅっ」
「ぁ……やぁっ、駄目だぁっ……兄ちゃぁんっ、今日は危険日だって言ったぁっ……」

びゅぶっ―

「ゃぁぁ……兄ちゃんのこくまろミルク、桐莉の中に生で出ちゃってるよぉ……」
「一発だけなら誤射かも知れない」
「……ぬぅ?そう言われてみればそんな気もしなくも無いのス」

びゅるっ、びゅっ、

「って、兄ちゃんっ、兄ちゃんっ!」
「何だ、桐莉?」
「ざーめんっ、まだ桐莉の中に出てるぞぉっ!」
「アメリカ合衆国の独立記念日だからな。花火の一発も打ち上げるさ」
「……ぬぅ?そう言われてみればそんな気もしなくも無いのス」
「「フーンフ フーンフーンフーンフーン ♪ フーンフ フーンフーンフーンフーン ♪」」

びゅびゅっ、ぶびゅっ、

「って、だから兄ちゃんっ!!」
「何だよ、さっきからうるさいな」
「桐莉、危険日なんスけど!?」
「精液じゃなくて人工衛星かも知れないだろ」
「……ぬぅ?そう言われてみればそんな気もしなくも無いのス」
452桐莉兄:2006/07/05(水) 22:09:58 ID:nlkwrlcA0
びゅびゅっ、

「って、だぁぁぁかぁぁぁらぁぁぁぁっ、兄ぃちゃぁぁぁぁんっっっ!!!」
「うむ、初弾はテポドンだったが、二発目以降はノドンのようだな」
「射程の問題かぁっ!?」
「当たらなければ大丈夫、当たらなければ」

びゅぅっ――

「んぅーっっ、結局全部射したぁっ……」
「はっはっは、七発打って将軍様は大満足のようだ」
「桐莉のおまんこは日本海じゃないのス!」
「おっと、やべっ。もうこんな時間だ。遅刻するぞ。着替えろ、桐莉」
「兄ちゃんのばかぁぁっ!!」

朝起きたらむらむらしていたので、桐莉を襲ってみた。
危険日の妹まんこに思いっきり膣内射精した。
反省はしていない。

「ほらっ、急ぐぞ、桐莉!」
「ぁぃーっ、待ってぇっ、兄ちゃぁぁんっ……」
「チクショー、朝飯食う時間無ぇぇぇーー」

時刻は六時四十五分、何時もの待ち合わせの十字路。
対衝撃準備。
久々に七華から食パンを強奪すべく、身を屈めて曲がり角から踊り出――

「クレイジー・だよもんド!!!」
   「シスター・プラチナ!!!」

ダブルどごぐしゃっ!!!
453桐莉兄@キリ:2006/07/05(水) 22:11:00 ID:nlkwrlcA0
「ぱ、パンはパンでも、顔面パンチ……(がくっ)」
「おはよう、たかくん♪」
「あ、あの、七華、今日は食パンは」
「経済制裁実行中につき、食糧支援は打ち切りだよ♪」

ごごごごごごごごごごごごごごごごごご………………………

「あ、あのー、な、七華さん、」
「七華だから絶対に怒る筈が無い、そう思っていたのかな?……かな?」
「お前ら、声が大き過ぎて、隣のうちにまで全部聞こえて来てたぞ」
「ぅぅ、桐莉は嫌だって言ったのス。兄ちゃんに無理矢理汚されたのス。危険日まんこに生で膣内射精されたのス。ファ

ブリーズしても臭いが取れないくらい徹底的に練乳おまんこにされちゃったのス。だから悪いのは兄ちゃんであって桐

莉は知らないのス」
「アイゴーーーーー!!?裏切るニカ、同朋ーーーーーっっっ!!?」



―――ぐしゃぁっ。


454名無しさん@初回限定:2006/07/05(水) 22:17:04 ID:nSmd963D0
これは面白いwwwwwwwwww
危険な時事ネタも桐莉兄氏にかかれば一発で誤射になるなwwwwwwwwww
455名無しさん@初回限定:2006/07/07(金) 11:13:08 ID:wMCda85q0
桐莉兄氏GJww

ここまでネタにされりゃ将軍様もさぞ満足でしょうな。
456名無しさん@初回限定:2006/07/13(木) 06:00:50 ID:UpGYzcbSO
保守
457名無しさん@初回限定:2006/07/13(木) 12:12:26 ID:PiJhaCoHO
朝起きたら妹が、あぶない水着を装備していた。
458名無しさん@初回限定:2006/07/13(木) 23:07:40 ID:O9Gv4VAF0
朝起きたら妹が、傾国のローブを装備した。
459名無しさん@初回限定:2006/07/14(金) 16:57:56 ID:NG059eXs0
朝起きたら妹が、やいばのよろいを装備していた。
460名無しさん@初回限定:2006/07/14(金) 19:17:15 ID:YcGxfr2n0
このスレまだ続いてたんだ

懐かしいな

誰か、 僕は妹に恋をする の妹の様に依存度の高いちょっぴりエッチなヤツ頼む

461名無しさん@初回限定:2006/07/14(金) 19:21:59 ID:SAZNjr4d0
お姉ちゃんに「朝起こして」って言われたんで起こしに行ったら、
枕もとに『お姉ちゃん起こし方マニュアル』っていうのが置かれてて、
読んでみたら

1.お姉ちゃんの布団に潜る
2.お姉ちゃんに腕枕する
3.上半身を覆い被さるようにしてちゅっちゅする
4.お姉ちゃんが「んっ・・・」って行ったら「おはよう・・・」って言う
5.お姉ちゃんが「あ、おはよう・・」って言うから今度はおでこにちゅっちゅする

とか書かれてたので、
とりあえず全部無視しておっぱい揉んで起こしたら、
「○ーくん…ずっと楽しみで昨日から眠れなかったのに……」って言われた。
ちょっと悪い事したと思う。
462名無しさん@初回限定:2006/07/14(金) 19:27:02 ID:Y3D5awXc0
涎かwww
463名無しさん@初回限定:2006/07/14(金) 19:53:32 ID:cqlELH0S0
朝起きたら妹が…お前本当に妹か?
464桐莉兄:2006/07/15(土) 14:49:48 ID:ziy5qoda0
み゛ぃ゛〜んみ゛んみ゛んみ゛んみ゛ん
  み゛ぃ゛〜んみ゛んみ゛んみ゛んみ゛ん
陽炎揺らぐ部屋の中。

「あ、あぢぃ……」
「ヤマモトさん、クーラーはまだ直んないのスかぁ……?」
「はっ!もう暫しお待ち下され、首領様!」
「くぇっ、くけぇ……さっさとしろであ〜る、このグズマヌケ鳥人間」

げしっ、げしっ。
相変わらず、ヤマモトさんは坂崎さんに虐げられている。
今日、伊原市の気温は54.7度を記録した。
余りの暑さにフル稼働していたクーラーや扇風機は煙を吐いてぶっ壊れ、
年中全身黒タイツ姿の逆さ縛り首団下っ端戦闘員達は、熱射病で次々とぶっ倒れていった。
勿論、毛皮や羽毛で覆われた怪人達も例外ではなく、部屋の中には怪しげなナマモノ達が死屍累々、
屍山血河を築き上げている兵達が夢の跡と言うか、後の祭りと言うか、首領の桐莉と、怪人猫耳男の俺と、
怪人鶏男のヤマモトさん、それと怪人カメレオン男の坂崎さんだけが辛うじて意識を保っていた。暑い。死ぬ。助けて。

「ぬがぁぁぁぁぁ母ちゃんだけ冷房の効いた研究室で一人篭って人体実験とかずるいのス暑いのス桐莉も涼みたいのス
電磁ロックのドアが閉まってシャッターが下りて指紋とか声紋とか網膜とか照合システムの最新式防衛装置がぶち破って
破壊は買い破壊むきぃぃぃうでせdrfちゅhじこlp@」
「落ち着け、桐莉。余計に暑くなるだけだ」
「くけっ、くけっ、首領様、御気を静めて。このジュースをお飲み下さい」
「ぬぅ、気が利くのス。さっさと寄越せ」
「こ・・・・・こけぇ・・・・・・」
「ちょっと待て、坂崎さん。其れはヤマモトさんの分じゃないのか?」
「ヤマモトの分は首領の物、俺の分は俺の物、くけぇ」
465桐莉兄:2006/07/15(土) 14:50:40 ID:ziy5qoda0
「自分の分を献上しろよ。ヤマモトさん、泣いてるじゃないか」
「・・・い、いいのです、ぼっちゃま・・・不肖ヤマモト、首領様の為ともなれば、蒸し鶏になろうとも本望で・・・・・・(がくっ)」
「や、ヤマモトさぁぁぁぁぁぁぁんっっっ!!!」

    山本正義、熱射病にて戦闘不能(リタイヤ)

「ぬぅ、このジュースぬるいのス」

どぼぼぼぼぼ。
熱射病で倒れたヤマモトさんを尻目に、ジュースの缶を引っくり返して中身を捨ててしまう桐莉。(まさに外道!)

「飲まないならヤマモトさんに返してやれよ」
「修理も終わってないのに力尽きるような無能に懸けてやる情けは無いのス」
「くけっ、くけっ、本当に使えない奴だ」
「何言ってるのスか。ヤマモトさんが倒れたからには、次はおまいがクーラーの修理をやるのス」
「く…くけ?(汗)」
「夜までに家中のクーラーの修理を済ませて置くのス。首領の命令は絶対だぁ!」

ちなみに、地下の秘密基地の分まで含めると、七十個近く修理する事になる。
坂崎さんの体色が、みるみるうちに青白くなった。

「がんばれ、坂崎さん」
「くけぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーー」

俺は爽やかな笑顔でエールを送ると、坂崎さんの手に修理道具一式を押し付けて、ヤマモトさんには冷蔵庫に残っていたアイスノンを渡してやった。

「兄ちゃんっ、そーゆーのは普通、か弱い妹に渡す物だと思うのスけど!」
「ヤマモトさんは羽毛で覆われてて凄く暑いんだぞ」
「だったら、脱げばいいのス。毟ってやるっ、毟ってやるぞぉぉーーーっっっ!」
「ごっ、ごげぇぇぇぇぇーーーーーーっっっ!!?」
466桐莉兄:2006/07/15(土) 14:51:33 ID:ziy5qoda0
全く、血も涙も無い妹だ。

「どうだ、涼しくなったかっ!」
「ごっ、ごぉげぇぇぇ〜〜」

ヤマモトさんの緑色の返り血で染めた羽根を振り撒いて、緑の羽根募金〜とか歌ってやがるの、もう見てらんない。

「ほんと、残酷だね、桐莉ちゃんは」
「うぉっ!?七華、何時の間に!?」

気配も無く俺の背後に立っていたビキニ姿(パレオ付きのトロピカルなやつ)の七華が、俺の首に腕を絡め付けて、

「あ、あのー、七華さん、背中にや〜らかいのが当たってるんですけど」
「当ててるんだよ、たかくん」
「こら、其処っ!お胸の小さな桐莉に対する当て付けかっ!」

ヤマモトさんの羽を毟り尽くした桐莉が戻って来て、七華の顔を見るやいなや不機嫌モード全開の表情になる。

「ほれ、土産にこれをやるから、さっさと冥府に帰れ」
「ちょwwwおまっ、それ、ヤマモトさんの羽www」
「桐莉ちゃんは誰に向かって何を言ってるのかな?…かな?」
「この暑苦しくてムカムカ来てる時に、七華姉ちゃんの練乳じみた面を拝んでたくはないと言ってるのス」
「ふーん、いいのかなー。そんな事言っちゃうと、後ですっごく後悔すると思うよー」

ビキニの乳当てからプールワールド・澪の無料ご招待券を何枚か取り出して、桐莉の鼻先でヒラヒラと振って見せる。
467桐莉兄:2006/07/15(土) 15:04:55 ID:ziy5qoda0
「ぉぉっ、こ、これはっ!」
「たかくん、一緒に遊びに行かない?」
「行く行く行くイっちゃうぅ〜っ!七華偉い!ビキニエロい!」
「ぬぁっ!?七華姉ちゃんっ、桐莉も行くぞっ!」
「残念だけど、このチケット三人用だよ」
「ボクとななねぇと隆浩とで丁度三人だね」
「ぉぉ、由紀はスク水か。しかも旧式!」
「はぅ〜、由紀ちゃんかぁいいよ〜。お持ち帰りぃ〜」
「っておまいら、桐莉を無視するなぁっ!」
「何だよ。幽霊がスク水着てたら悪いっての?」
「それス!おまいは幽霊なのスよ!?チケットなんて無くてもプールに入れるじゃないスかっ!」
「駄目だよ、桐莉ちゃん。ちゃんとルールは守らないと」
「ボクは泥棒みたいにコソコソしないで、堂々と大手を振って入りたいんだ」
「自分を縛る権威が失効した時に、尚も理性的な行動を採れるのが人間の証なんだぞ、桐莉。
プラトーンの『国家』には『ギュゲスの指輪』って話があってだな……」
「んなこた聞いて無いのス!桐莉もプールに行きたいのス!……って、兄ちゃん、何を膨らませてるのスか?」
「小さい頃使ってたビニールプール」
「良かったね、桐莉ちゃん。プールで遊べるよ」
「水は張っておいたから、心置きなく楽しんでくれ。んじゃ、七華、由紀、俺達はプールワールドにレッツゴーだぜ!」
「ボク、今年こそはクロールで25m泳げるようになるぞっ!」
「あ、ちょ、兄ちゃんっ、兄ちゃぁぁぁぁぁんっ……」

――ばたん。
468桐莉兄:2006/07/15(土) 15:12:04 ID:ziy5qoda0
「………う、羨ましくなんかないのス。桐莉にはビニールプールがあるのスよ」

ばちゃばちゃ、ばちゃばちゃ、ばちゃ、

「ちょっと狭くて、水がぬるい気もするスけど、自宅で遊べてとってもルーズナブルなのス。この炎天下の中をわざわざプールワールドまで出掛ける七華姉ちゃん達の気が知れないのス」

ばちゃばちゃばちゃ、ばちゃばちゃ。

「羨ましくなんかないのスよ。羨ましくなんか……羨ま……」
「……こけぇ、首領様……」
「うあああああああああんっ、羨ましいのス!妬ましいのス!桐莉もプールワールドに行きたかったのス!ヤマモトさぁぁぁぁんっっっ!!!」
「仕様が無いですな、首領様は……これをお使い下さいませ」
「ぬぁっ!?これはっ、プールワールド・澪の無料ご招待券っ!?」

『なー、七華。本当に桐莉は置いてくのか?』
『私、そこまで意地悪じゃないよ。ちゃんとチケットは四枚持って来たもん』
『桐莉の分はヤマモトさんに渡して来たよ。後で追いかけて来るだろ』

「サンキューっっっ!ヤマモトさん、gjっ!gjだぁーーーっ!!!」
「あ、いえ、それは七華お嬢様が――」
「ぬふふふふふ、邪魔してやるのス!復讐してやるのス!桐莉だけ置いてった七華姉ちゃんも、桐莉を裏切った兄ちゃんも、痛い目見せてやるのス!」

どだだだだだだだだだ。

「『アレ』は何処に仕舞い込んでたスかね?此処かぁー?それとも、此処かぁー?」

がさごそがさ、どだんばたん、がらっ、ずしゃっ、どんがらがちゃーん。
469桐莉兄:2006/07/15(土) 15:16:35 ID:ziy5qoda0
「おおっ、あったっ!これだぁーっ!!」

どだだだだだだだだだ。

「ヤマモトさんっ、桐莉は出掛けて来るから、留守番は任せたっ!」
「あ、あのぉ、首領様、そのチケットは七――」
「ぬぉぉぉぉぉぉおっ、復讐するは我にありだぁぁぁぁーーーーー」

どどどどどどどどどどど。

「……こ、こけぇ……(汗)」

―――――

「遅いな、桐莉」
「たかくん、あっちに流れるプールがあるんだよ」
「んじゃ、向こうで待つか」

どどどどどどどどどどどどどど

「兄ぃぃぃぃぃぃちゃァァァァァァァァんっっっ!!!」
「あ、桐莉ちゃんだよ」
「おーい、ここだここー、って、え、ちょ、うわぁぁぁぁああああああああああ!!?」

何だァァァ!!?
突如ブリッジした桐莉の水着の股間が盛り上がったかと思った途端、其処から股布を切り裂きながら発射されたミサイル!

「たかくん危ないっ!まじかるドミかる、七華守護神ーーーっ!!」

横合いから放たれた光弾がミサイルを弾き飛ばし、飛び散った破片と爆風がプールサイドに大穴を穿つ。
470桐莉兄:2006/07/15(土) 15:22:52 ID:ziy5qoda0
「これは何の冗談かな?…かな?」
「兄ちゃん退いて!そいつ、殺せないっ!!」

じゃきじゃきじゃきじゃきーんっ!
桐莉の水着の背中から、先端にドリルやブレードソーが取り付けられた物騒なマニピュレーター触手が八本も生えた。

ギュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ

「な、なんて危ない水着だっ!」
「内臓をブチ撒けろぉっ!!!」
「ひよぇぇぇぇーっ!?」

ざきゅしゅっ――。
咄嗟にドミかるステッキで受け止めたが、衝撃を殺し切れずにプールに叩き込まれる七華。

「ななねぇに何をするだぁーッ!許さんっ!!」
「泳げないゆきゆきは其処で黙って見てやがれス!!」

だぼぉん。
七華の後を追って、桐莉がプールに飛び込む。
高速回転するブレードソーのマニピュレーターを一本、推進用のスクリュー代わりにして、ぴったりと七華の背後にくっついて追い掛け回す。

「ほぉーらほらほらぁ、ドリルが触れたら七華姉ちゃんの水着の股布を破いちゃうスよぉ?」
「いやぁぁぁぁっ、やだやだやだぁっ、来ないでよっ、桐莉ちゃんっ!」
「桐莉は上手だから、肌には一切傷を付けないのス。諦めて大人しく桐莉に剥かれろぉ〜?」
「う、うああああああああああああああっ、ななねぇに触るなァァァァァ!!!!」

だぼぉんっ!
由紀もプールに飛び込む。
471桐莉兄:2006/07/15(土) 15:32:25 ID:ziy5qoda0
「って、馬鹿っ!おまえ、泳げないんじゃ無かったのか!」
「ボク、幽霊だもん!溺れて死んだりしないもん!」
「ぬぅっ!?来やがったスか、ゆきゆきィ!」
「生意気だぞぉっ、桐莉のくせにィ!」

がきぃんっ!
正面からぶつかり合うシスタープラチナとシスターチャリオッツ。

「おまいには散々いぢめられたスからねぇ、今、此処で、二人まとめてたっぷりと仕返ししてやるのス!」
「やれるもんならやってみろォっ!」
「桐莉の水着が真っ赤に燃える!由紀を倒せと光って唸る!」

ごごごごごごごごごごごごごごごごごごごご

「本当に光って唸ってるぞ!!?」
「なぁに、ほんのちょっとしたチェレンコフ光だぁ」
「うわぁっ、やばっ!ななねぇっ、逃げ――」
「あつっ、熱いよっ、プールの水が沸騰して蒸発」

カッ――
472桐莉兄@キリ:2006/07/15(土) 15:36:11 ID:ziy5qoda0
……その日、プールワールド・澪は謎の核爆発に包まれて消滅した。
え?何で俺達が生きてるのかって?
多分、ギャグキャラは不死身だからじゃね?

「兄ちゃーん、今度は刃の鎧を装備してみたぞぉー」
「へぇー、よく出来てるな。でも、何で付いてる剣が全部別々の種類なんだ?」
「あ、兄ちゃん、其れは約束された勝利の――」

びっ、ばしゅぅっ!

ちゅごぉぉぉぉぉぉぉぉぉん。

「……色々とくっ付けてみた。攻撃力を高めてみたかった。反省はしていない」
473名無しさん@初回限定:2006/07/16(日) 00:30:17 ID:PxIffv1iO
今回も笑わせてもらいました!
GJ!
474名無しさん@初回限定:2006/07/16(日) 00:39:47 ID:2VfjEoqc0
やっぱり桐莉兄氏はいいなぁw
最近はこれ見たくて通ってるようなモンだよw
475桐莉兄:2006/07/17(月) 03:44:21 ID:jMgHzOCG0
昔、ある村外れの森の中に、父無し子の双子の兄妹が居た。
一家は畑も家畜も持って居なかったので、木を切って暮らしていた。
母親は毎朝暗い内から家を出て、一体どうやってか、其の細腕で一日に何本も木を

切り倒して、薪や木材に加工し、街で売り捌いて戻って来る。
其の間、兄と妹は仲良く家で待っていて、水汲みをしたり、繕い物をしたり、壷を磨い

たりする。
お陰で、父親が居ないにも関わらず、この家族は比較的裕福に暮らしていた。
貧しい村人達は、其れを妬んで色々と陰口を叩いたものだ。
母親は薪ではなく春を売っているのだと言ってみたり、一日に何本も木を切り倒せる

のは悪魔と契約して鬼の力を手に入れたからだと言ってみたり。
薄暗い森の中にある小さな家に村人が訪ねて来る事は殆ど無かった。
森に綺麗な湧き水がある事も、木漏れ日の差し込む広場がある事も、野苺が沢山取

れる事も、村の子供達は知らない兄妹だけの秘密だった。
寂しくはあるが、家族は仲良く、其れなりに幸せに暮らしていた。
とある冬、母親が熱病に倒れるまでは。
兄妹は村に行って助けを求めた。
村人達は誰一人として関わり合いになろうとはしなかった。
医者も、神父も、村長も、評判の悪い一家を村の一員とは見ていなかった。
兄妹が森の中の小さな家に帰り着いた時、母親は飲ませた薬の甲斐も無く、天に召

されようとしていた。
母親は、今際の際に兄妹に告げた。
「まだ小さなお前達を残して先に逝く私を許しておくれ。お前達に遺してあげられるの

はこの家と、魔法使いのお父さんの三つの宝物だけです。お前達は納屋の壁に掛か

っている大きな鉈を覚えているね?」
「はい、お母様」
476桐莉兄:2006/07/17(月) 03:46:39 ID:jMgHzOCG0
「テーブルの花瓶に活けてある硝子の花を覚えているかい?」
「はい、お母様」
「窓際に立て掛けられている竪琴は覚えているかい?」
「はい、お母様」
「全部お前達にあげるから、困った時には使いなさい。それから、もう一つ」
鉈と花と竪琴をどう使えと言うのかと思案している兄妹に、母親は厳しく言い残した。
「絶対に、お前達の持っている鍵を鍵穴に差し込んで遊んではいけないよ」
「はい、お母様」
こうして母親が居なくなり、幼い兄妹は二人きりで薄暗い森の中の小さな家で暮らす事になった。
初めは食糧倉庫からパンとチーズを出して食べていたが、やがて全て食べ尽くしてしまった。
それで、兄は納屋から大きな鉈を持ち出して来て、森で木を切って、街に売りに行く事にした。
妹に見送られて家を出た兄は、村長さんの奥さんに出会った。
村で唯一、母親を無くした兄妹を心配して、様子を見に来てくれたのだ。
奥さんが手を挙げて挨拶したので、兄も鉈を持つ右手を挙げて挨拶を返した。
途端、奥さんの首がごろりと落ちた。
それで、兄は鉈に掛かっている魔法を知り、とんでもない事をしたと顔を青ざめさせ

たが、森の奥に死体を引き摺って行って、狼の出る辺りに捨ててしまった。
そうして、母親のしていたように、木に向かって鉈を振り上げては、勝手に出来た薪

を集めて、街で売り捌く事にした。
兄は森で木を切っては売り捌いて金に変え、その金でパンとチーズを買って帰った。
其の間、妹は一人で薄暗い森の奥の小さな家で、水汲みをしたり、繕い物をしたり、

壷を磨いたりしながら待っていた。
テーブルの上の硝子の花は、何時までも枯れずに甘い匂いを放ち続けたし、窓際の

竪琴は、触れても居ないのに独りでに歌い出し、妹の心を慰めてくれた。
477桐莉兄:2006/07/17(月) 03:47:41 ID:jMgHzOCG0
一年が過ぎ、二年が過ぎても、変わらない日々は続いた。
村長の奥さんが森に入って狼に食われてから、兄妹を訪ねて来る人は居なくなった。
毎朝早くから兄が仕事に出掛けてしまうので、妹は時々寂しがって泣いた。
其の分、仕事を終えて帰って来た兄に甘えて、二人はどんどん仲良くなって行く。
共に食事をし、共に遊んだ。
二人が一番好きな遊びは、兄が持っている秘密の鍵を、妹の秘密の鍵穴に差し込む遊びだった。
生まれた時からずっと肌身離さず持っている物で、この鍵穴に合う鍵は世界に一つしかない。
母親には禁じられていたのだが、他に何も遊び道具が無かったのだから、仕方が無い。
兄は其れからも木を切り続け、やがて森の木が半分も無くなる頃。
薪を売って兄が家に帰って来た時、妹は居なくなっていた。
大声で妹を呼んでも出て来ない。
兄が困っていると、窓際の竪琴が、「妹は鬼に浚われた。妹は鬼に浚われた。ぽろろん」と勝手に歌い出した。
それで、兄は鉈をベルトに挿し、竪琴を背負い、硝子の花を持って家を出た。
鬼の城に着くと、兄は城門を叩いて案内を請うた。
「其処に来たのは何者か」
陰気臭い骨の門番に問われた兄は、竪琴を掻き鳴らしながら答えた。
「奏でる音色は王国一と評判の旅の竪琴弾きでござい」
竪琴が独りでに見事な曲を奏でるのを聞いて、骨の門番は手を打って喜んだ。
「これは丁度良い、明日は末姫様の誕生祝いじゃ。この若者に宴の席で竪琴を弾かせる事にしよう」
こうして兄はまんまと城の中に潜り込み、立派なベッドの備え付けられた部屋を与えられ、豪華な食事も振舞われた。
翌日、兄は骨の僕に伴われて、宴の間へと向かった。
玉座に踏ん反り返っている鬼の横には、金の鳥かごに入れられた妹と、美しいドレスに身を包んだ恐ろしい三匹の鬼の姫が居た。
478桐莉兄:2006/07/17(月) 03:58:15 ID:jMgHzOCG0
「其処な若者、王国一の楽師と聞いた。宴の余興に一曲奏でよ」
兄が小声で命じると、竪琴はこれまでに無い程に見事な曲を奏でて見せた。
美しい調べに陶然としていた鬼達は、曲が終わると激しく手を打ち鳴らし、もう一曲聞かせるようにと要求した。
「喜んでお聴かせ致しましょう。されど其の前に、褒美の約束をしていただきとうございます」
「良かろう、何なりと申してみよ」
「それでは、其の金の鳥かごに入れられた、美しい小鳥を所望いたします」
「良かろう。早く曲を聴かせよ」
それで、兄は更に竪琴に命じて曲を奏でさせた。
鬼達は喜んで、兄を宴に加えて、酒と料理を勧めてくれた。
夜も更けて、宴が終わった後、兄は謁見の間に呼び出された。
鬼の王は兄に小さな四つの鍵束を手渡して言った。
「余の城の北の塔には四つの小部屋がある。一つは余の鳥かごで、後の三つは余の姫達の部屋だ。
お前はこの鍵を使って自分で小鳥を取りに行くが良い」
王の後ろに立ち並ぶ鬼の姫達が、頬を赤らめながらぞっとするような微笑を送った。
「ただし、余の娘の寝室に立ち入ったならば、責任を取って貰うぞ」
鬼達は兄の竪琴が勝手に歌っているとは知らず、兄の竪琴の腕前にぞっこん惚れ込んで、
出来る事なら一生涯この城に留まって欲しいと思ったのだ。
兄は鍵束を受け取ると、北の塔へと向かった。
四つの部屋の扉は全部同じに見える。
一番小さな金の鍵で開く、右側の奥の扉を開けてみた。
すると、妹が泣きながら飛び付いて来た。
「お兄様、お兄様、私が貴方の妹です」
「お前が私の妹ならば、私に鍵穴を見せてごらん」
兄が妹の鍵穴に自分の鍵を差し込んで見ると、どうにも鍵穴が大き過ぎる。
其処で、硝子の花の匂いを嗅がせると、妹に化けてた二番目の鬼の姫が本性を表して、ぐうぐうと眠り扱けた。
兄は大鉈を振り上げると、二番目の鬼姫の首をごろりと落としてしまった。
479名無しさん@初回限定:2006/07/17(月) 03:59:51 ID:jMgHzOCG0
次に、大きな鉄の鍵で開く、左側の手前の扉を開けてみた。
すると、妹が泣きながら飛び付いて来た。
「お兄様、お兄様、私が貴方の妹です」
「お前が私の妹ならば、私に鍵穴を見せてごらん」
兄が妹の鍵穴に自分の鍵を差し込んで見ると、どうにも鍵穴が深過ぎる。
其処で、硝子の花の匂いを嗅がせると、妹に化けてた一番目の鬼の姫が本性を表して、ぐうぐうと眠り扱けた。
兄は大鉈を振り上げると、一番目の鬼姫の首もごろりと落としてしまった。
次に、錆びた銅の鍵で開く、左側の奥の扉を開けてみた。
すると、妹が泣きながら飛び付いて来た。
「お兄様、お兄様、私が貴方の妹です」
「お前が私の妹ならば、私に鍵穴を見せてごらん」
兄が妹の鍵穴に自分の鍵を差し込んで見ると、どうにも鍵穴が小さ過ぎて入らない。
其処で、硝子の花の匂いを嗅がせると、妹に化けてた末っ子の鬼の姫が本性を表して、ぐうぐうと眠り扱けた。
兄は大鉈を振り上げると、末っ子の鬼姫の首もごろりと落としてしまった。
そして、残った銀の鍵を使って、右側手前の扉を開けると、妹が泣きながら飛び付いて来た。
「お兄様、お兄様、私が貴方の妹です」
「お前が私の妹ならば、私に鍵穴を見せてごらん」
兄が妹の鍵穴に自分の鍵を差し込んで見ると、どうにもいい具合にしっくりと嵌ったので、二人は抱き合って喜んだ。
そうして、二人して首が無くなった鬼の姫達を、食堂の其々の席に運び込んだ。
次の朝、鬼の王が食堂に行くと、既に愛しい三人の娘と、小鳥と、楽師の若者が席に着いていた。
王は丸焼きにした羊をまるごと貪り喰いながら、一番目の姫に問い質した。
「私の愛しい一番目の姫、夕べ若者はやって来たかい?」
兄が咳払いをすると、竪琴は一番目の姫の声色で答えた。
「いいえ、来ていませんわ、お父様」
王は少しがっかりしながら、一番目の姫に聞いた。
「ところで、どうして何も食べないんだい?」
480桐莉兄@キリ:2006/07/17(月) 04:03:04 ID:jMgHzOCG0
竪琴は一番目の姫の声色で答えた。
「今朝は食欲がありませんの。年頃の娘には色々と悩みがあるものですわ」
王は娘がダイエット中なのに自分だけ食べるのは悪いかと思いつつも、豚の頭を丸齧りしながら、二番目の姫に問い質した。
「私の可愛い二番目の姫、夕べ若者が来たんじゃないかい?」
兄が指先で突くと、竪琴は二番目の姫の声色で答えた。
「いいえ、来ていませんわ、お父様」
王はかなりがっかりしながら、二番目の姫に聞いた。
「ところで、どうして身動き一つしないんだい?」
竪琴は二番目の姫の声色で答えた。
「今朝は緊張していますの。素敵な殿方とご一緒しているんですもの」
王は牝牛を一頭生きたまま丸呑みしつつ、三番目の姫に問い質した。
「私の大切な末姫や、夕べ若者が来ただろう?」
兄が足をトンと鳴らすと、竪琴は末の姫の声色で答えた。
「いいえ、来てませんわ、お父様」
王はとてもがっかりしながら、末の姫に聞いた。
「ところで、どうして首が無くなっているんだい?」
竪琴は末の姫の声色で答えた。
「まあ、お父様ったら、流行に疎いのですね。重くて不恰好な首を頭に載せているなんて、今時流行りませんわ」
一番目の姫も二番目の姫も声を揃えて嘲うので、王は兄に聞いた。
「私が今風の優れた王になるにはどうしたら良いものか」
「首を落とせば良うございましょう」
「なるほど、そうか。誰ぞ、余の首を落とせ」
「王様がそう申されるのであれば、私めが落としましょう」
兄が大鉈を振り上げると、鬼の王の首がゴロリと落ちた。
其れと同時に、骨の僕達の首も一緒に、ゴロリと落ちてしまった。
そして残ったのは兄と妹だけだったので、二人はこの城に住まう事にした。
財宝もしこたま溜め込まれていたので、二人は恙無く裕福に暮らしたという。
481名無しさん@初回限定:2006/07/17(月) 04:56:55 ID:Q35N6gh6O
gj!なかなかに面白かった。
これは元ネタがあるのだろうか…
あるとしたら童話あたり?
482名無しさん@初回限定:2006/07/17(月) 05:37:27 ID:prYa/KNO0
ところで鍵穴について詳しく(*´∀`)
483桐莉兄:2006/07/17(月) 12:15:22 ID:jMgHzOCG0
>>481 いや、桐莉兄のオリジナル。
つっても、昔ながらの童話のパターンを幾つか踏襲してはいるけどねぇ。

>>482
兄の持っている鍵は魔法の鍵で、妹が触れて命じれば、大きくなったり小さくなったり、
硬くなったり柔らかくなったり、熱くなったり熱くなくなったりする。
先端は亀の頭に似ていて、柔らかな獣の皮に半分ほどは収められていた。
また、二つの宝玉の飾り付けがされていて、とても得がたい宝物だった。

妹が持っている鍵穴は、普段は硬く閉ざされているが、
兄が優しく触れて命じれば自ずと開く魔法の鍵穴だった。
兄が持つ魔法の鍵で入り口を擦ると、自分から蠢いて鍵を奥へと飲み込んでゆく。
普段は布に覆い隠されていて、とても大切な宝物なので、妹は誰にも見せようとはしなかった。

母親は言っていた。
兄の鍵を叩いたり噛み砕いたりしてはいけない。
妹の鍵穴に鍵ではないものを入れたりしてはいけない。
でも、この兄妹は悪い子だったので、妹は時々兄の鍵を口に含んだし、
兄は時々妹の鍵穴に鍵以外の物も差し込んで遊んだ。

鍵には妹を幸せにする力があり、鍵穴には兄を幸せにする力があった。
鍵は双子の兄妹が生まれた時に父親と母親から与えられたもので、
世界に同じ物は二つと存在しないし、きっちりと当て嵌まる鍵は他に存在しなかった。
484名無しさん@初回限定:2006/07/17(月) 21:06:22 ID:eT5mIT2Q0
なんかすごいなw
直接的なことは何も書いてないのにここまでとは

小さい子とかに聞かせてもいけそうな希ガスww
485名無しさん@初回限定:2006/07/17(月) 23:28:13 ID:boN/MBrP0
桐莉兄氏は童話作家を目指してるからねぇ
それだけの腕はあるってことだな
486名無しさん@初回限定:2006/07/18(火) 03:10:39 ID:dA+w1crDO
もう桐莉兄に惚れそうだw
487名無しさん@初回限定:2006/07/18(火) 03:12:37 ID:gt8O0bbX0
>>486
何を今更
俺はもう随分前からゾッコンだぜw
俺が女なら妹になry
488名無しさん@初回限定:2006/07/18(火) 23:52:14 ID:dA+w1crDO
俺だって!男だけど桐莉兄の為に妹にn(ry
489名無しさん@初回限定:2006/07/19(水) 20:03:42 ID:n4F3mtXE0
何だお前ら

チンコ切んのか?
490名無しさん@初回限定:2006/07/19(水) 20:54:33 ID:AAiatrlGO
男でもいい!! 避妊するから!!
491名無しさん@初回限定:2006/07/20(木) 00:04:08 ID:rWOMuPhp0
ラバ乙w
492名無しさん@初回限定:2006/07/22(土) 19:12:41 ID:6hxG62qE0
朝起きたら、妹に投げっぱなしジャーマンを食らった。
493名無しさん@初回限定:2006/07/24(月) 20:38:59 ID:ww6VlPLw0
朝起きたら、妹におあずけを食らった。
494桐莉兄:2006/07/25(火) 02:22:19 ID:2NYD5K+20
ぬぁぁぁ・・・・とうとう親に見限られてしまいますた。orz
後一月で作品完成させて売れなければ道を諦めろと言われぐぶふぁ。
ぁぁ・・・・八月末ゴロまで桐莉兄は消息を絶ちます。
きっと生きて帰って来ます、多分、もしかすると、ひょっとして、死んでなければ。
駄目過ぎる、遅筆過ぎて使えねぇつーかぁぁl色々と駄目だぁぁぁ生産性が無い人間はやば……ぁぅぁぅ。
495名無しさん@初回限定:2006/07/25(火) 02:35:49 ID:6RSCQBFa0
>>494
>きっと生きて帰って来ます
必ず待っています。
496名無しさん@初回限定:2006/07/25(火) 20:17:07 ID:yrYa+YTb0
なんか大変だなぁ
とりあえずがんがってくれ
497名無しさん@初回限定:2006/07/25(火) 22:18:38 ID:V5VqSZpF0
>>494
マ   ジ   で   ?


よし、いいこと思いついた
俺たちで桐莉兄氏の童話を買い占めよう
498名無しさん@初回限定:2006/07/26(水) 01:05:46 ID:5DE7QPx6O
しかし大佐、俺には桐莉兄のリアルワールドでのペンネームがわからんぞ。
499名無しさん@初回限定:2006/07/26(水) 01:07:29 ID:IcRKCRIk0
直接晒してもらえばry

ってか、このままじゃ桐莉たんが見れなくなる危機だし、マジで何とかしないと…
500名無しさん@初回限定:2006/08/01(火) 18:00:03 ID:XGatle2/O
職人期待age
501名無しさん@初回限定:2006/08/03(木) 14:09:38 ID:vPfL7COn0
朝起きたら妹が疑惑の判定勝ちをおさめてた。
502名無しさん@初回限定:2006/08/04(金) 07:38:56 ID:dzHj0n2H0
朝起きたら妹が、おしゃぶりと紙おむつに激怒。
503名無しさん@初回限定:2006/08/04(金) 17:33:18 ID:wXqMmArf0
相変わらず、時事ネタは詰まらんな
504名無しさん@初回限定:2006/08/04(金) 20:18:35 ID:V4qOEDBbO
なら、おまいが書け!
505桐莉兄@俺は何をしているんだぁぁぁ…orz:2006/08/04(金) 23:06:17 ID:DcIlbRnn0
「桐莉ちゃんっ、今日こそ勝負を付けてやるもんっ☆」「いけーっ、がんがれーっ、ななねぇーーっっ!!」
「ぬふっふっふっ。この桐莉に挑むとは、命知らずな七華姉ちゃんなのス♪」

「……あの〜、桐莉さん、七華さん、」
「何スか?兄ちゃん」「何かな?たかくん」


「どうして俺が全裸で大の字になってベッドに手と足と縛り付けられてるのか説明しろゴルァーーーーー!!!!!」(カァン☆)

「おぉっとここでゴングが鳴ったァ!すかさずななねぇ、バカ浩に詰め寄って取り出したのは練乳だぁ〜っ!!」
「ちょっと待て、何が何だか判らんぞ詳細な説明を要求しグバァ!?」
「卑怯なのス!七華姉ちゃんっ、凶器攻撃は反則だぞっ!」
「へへー、たかくんの大好きな練乳パイズリお口奉仕攻撃だよ〜」
「何なんだー!?俺の身に一体何が起きているんだぁー!?」
「んっ…たかくんのおひんぽ、甘くておいひぃよ、ちゅぶ…ちゅちゅぅ〜〜」
「うおぁぁぁ凄い舌遣いだぁぁ!右を擦ったと思ったら左っ、左を擽ったと思ったら右っ!
練乳を求めて七華の舌が無限軌道を描いて執拗且つ縦横無尽に駆け巡るゥゥゥ!!!」
「でんぷしーろーるっ、でんぷしーろーるっ」「行けーっ、ななねぇーっ!!」「イくなーっ、兄ちゃぁぁんっ!!」(ぶびゅーっ、びゅくんっ、びゅびゅっ☆)

「おぉっとぉ、バカ浩のペニスが床に先っちょを着いたぁっ!これはダウンかぁっ!ぁわんっ、ぁつぅーっ、ぁすりぃーっ、ぁふぉーっ、ぁふぁいぶぅっ――」
(カンカンカンカンカァンッ☆)
506桐莉兄@俺は何をしているんだぁぁぁ…orz:2006/08/04(金) 23:07:29 ID:DcIlbRnn0
「って、桐莉ちゃんっ、何勝手にゴング鳴らしてるんだよっ!」
「そうだぞっ、桐莉っ!まだ試合開始から二分十五秒しか立ってないぞっ!」
「あ、たかくんは気にしなくてもいいんだよっ。私、早くても全然気にしないから」
「残念っ、今のはダウンじゃなくてスリップだぁっ、練乳でヌルヌルなのが其の証拠なのス!」
「……おーい、お前ら、いい加減に事情を説明しハブラバッ!?」
「兄ちゃぁん、次は桐莉のご奉仕の番だぁ〜っ☆」
「もがもがげふがふごふふごふーーーっ!!!ぶばっ、はっ、はぁっ、」
「むぅっ、何やってるのスか、兄ちゃんっ!さっさと桐莉のおまんこ舐めるーっ!」
「俺を殺す気か!?つーか俺の話を聞けーっ!!」
「兄ちゃんのちんちんおっきくなーる♪兄ちゃんのちんちん……って、大きくならんのス」
「射精したばかりで大きくなるか!」
「ぬぁぁっ、1ラウンドKOなんてあんまりだっ!立てっ、立つんだっ、兄ちゃぁぁんっ!!!」(ぞぼぉっ☆)
「ひぎゃぁぁぁっ!?」
「桐莉は知っているっ、兄ちゃんは前立腺を刺激されると否応無しに勃起するのだっ!ここかぁー?それともここかぁー?……んん?間違えたかな?」
「あだ、いだだだ、いぎゃぁぁぁ」
「……ぬふ。勃ったー、クララが勃ったー」
「た、助けて、七華ぁぁーー」
「何を言ってるのスか、兄ちゃん。こんなにビンビンにしちゃって、説得力が無いぞっ(はぁと)」
「由紀ちゃん、たかくんのおちんちん見て、どう思うかな?」「すごく……大きいです」
「兄ちゃんのちんこはでっかいだけじゃ無いのス。こぉんなに熱くて硬くてビンッビンに反り返ってて、形も凄くいやらしいのス」
「ほら、由紀ちゃん。ちゃんと解説しないと駄目だよ」
「……ぁ、うん。え、えっと……桐莉が隆浩のおちんちんに唾液を垂らして、両手でしこしこ……」
507桐莉兄@俺は何をしているんだぁぁぁ…orz:2006/08/04(金) 23:08:30 ID:DcIlbRnn0
「どぉだぁっ、兄ちゃんっ!さっきの練乳もまだ残ってるから、凄くぬるぬるでぬりぬりでぬちゅぬちゅだぁっ!」
「いやぁぁぁ、桐莉が亀頭を集中的に掌で錐揉みマッサージぃぃぃ!!!」
「亀ダウンしろっ、亀ダウンしろっ」
「参ったぁーーっ、俺は参ったぁぁぁーーーっ!桐莉の錐揉み攻撃に合わせて悶絶しながら猿のように腰を振り続けるしか無いのかーーーっ!!?」
「――っと、はい、残念っ。桐莉時間切れー」
「次は私の番だよっ♪」
「ぬぁぁっ、桐莉のアドバンテージが奪われたっ!?」
「たかくん、桐莉ちゃんのお陰でびっきびきだね」
「ななねぇっ、一気に勝負を決めちゃえっ!」
「たかくん、いっただっきまーす♪」
「く、食われる!?」「兄ちゃぁぁぁぁんっっっ!!!」(ずぼぉっ☆)
「えへへー、たかくんのおちんちん、全部入っちゃったよ〜」
「な、七華、そろそろ事情を説明し――」
「たかくんはこれでも咥えて、黙って射精してればいいんだよ」
「はごっ!?ぐむむーむぐー」
「あはっ、私の中でたかくんのおちんちんがびくんって跳ねたよ。おいしい?私の脱ぎ立てパンティ、おいしい?」
「ほらほら、隆浩〜。気持ちいいんだろー?さっさとびゅーって射精しちゃえよー」
「ぬぁぁぁぁ、兄ちゃんっ、耐えろっ!イッっちゃ駄目だーーーっ!!!」
508桐莉兄@キリgyふじこorz:2006/08/04(金) 23:09:50 ID:DcIlbRnn0
「んぐむ……っ(くそっ、このままイかされて堪るかっ!七華のクリをクリンチしてやるっ!!)」
「ぁっ…ん、たかくんっ、逃げちゃ駄目だよっ」
「出るかっ、ななねぇの必殺技っ!」
「カエル飛びアッパー!カエル飛びアッパー!(ずっちょずっちょ☆)」
「ぎゃぁぁぁ!それアッパー全然関係無ェェェーーー!!!」(ぶびゅーっ、びゅっびゅっ、びゅーっ……)
「ぬあっ、七華姉ちゃん退けっ!」(どんっ☆)
「きゃうっ!いきなり何するんだよっ!」
「また射精したから、ななねぇにカウント1だろー」
「違うのス!これは七華姉ちゃんが最初に使った練乳に違いないのス!」
「馬鹿な事言うなよー。どう見ても精子です」
「舐めてもいないのに良く解るスね、疑惑の審判」
「由紀ちゃんっ、舐めてよっ!精子だよねっ?」
「……って、舐めれるかー!!!」「うしっ、次は桐莉の番だっ!」「八百長!八百長!」

「桐莉、何ラウンドまでやるつもりなんだ?(涙)」
「んーっ、十二ラウンド目までスかね?」
「たかくん、ファイト!」
「……亀が再起不能になりそうです」
509名無しさん@初回限定:2006/08/04(金) 23:22:34 ID:VMVwLHZw0
桐莉兄さん……投下はありがたいけど、何やってるんだよおおおおぉぉぉぉ……
510桐莉兄:2006/08/04(金) 23:58:51 ID:DcIlbRnn0
NHKにようこそ見てると……自分見てるようで涙が……止まらんとです……。
ぁぁぁぁいやぁぁぁぁぁぁorz
511名無しさん@初回限定:2006/08/05(土) 00:52:51 ID:PzfUBe+0O
頑張れよアニキィッ!
512名無しさん@初回限定:2006/08/05(土) 11:16:55 ID:CUA6phTMO
朝起きたら桐莉兄が妹に・・・
513名無しさん@初回限定:2006/08/10(木) 02:54:52 ID:SpPU0RrN0
朝起きたら妹が居なくなっていた。
514名無しさん@初回限定:2006/08/10(木) 17:50:43 ID:erLn411P0
朝起きたら妹が枕元でジョジョ立ちをキめていた。
515目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 09:47:11 ID:pnPfrP7Q0
『小悪魔な妹』

 第一話 プラズマとかリソスフェアとか因果律

 
 その日、平凡な生活を十七年送っていた月橋当夜(つきはし とうや)は、知りたくないものを知った。

 朝起きたら、妹に角が生えていた。

 コスプレか何かだと思いたい。
 目の前のパイプベッドで静かに寝息を立てている小さな頭の両脇からは、いつもの黒髪のツインテールの近くに、それとは違うものが二本伸びていた。
 山羊のというべきなんだろうか、「つ」の字型に湾曲した白い角の根元には、ヘアバンドも帽子の生地も全く見えない。
 残る可能性は両面テープかアロンアルファということになるのだが。バナナほどの物体を固定できる接着力は、ちょっと想像がつかないし、かといって角の質感は、ペーパークラフトであれば表彰モノの出来だ。
 これがインプラント系の何かであれば妹は間違いなく脳裂傷で死んでいるだろうから、その可能性はとりあえず省いた。
「んんぅ……」
 あまり艶かしくもない寝返りごろりとをうっても、妹――早夜(はや)の角は取れる気配がなかった。
 昔から目覚めのいい方ではなかったが、ここ最近はレベル三つは上がっている。一度寝れば、大震災が来ても起きないかも知れないほどに。
 ならば、触ってひっぱりでもすれば話は早いのだと思う。
 ただ、先に引っ張るのは自分の頬の方ではないかと当夜は迷っていた。確認するのがバカらしくも怖くもある。そうしているうちにも時計の秒針は容赦なく回り、自分と妹の朝食と登校の貴重な時間を、非情なまでに削り取っていくのだ。
 仕方が無い。
 当夜が思い切って目の前のオブジェに手を伸ばした瞬間、母の怒号が一階から響いた。
516目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 09:49:50 ID:pnPfrP7Q0
「当夜! 学校遅れるわよ! 寝てても死んでてもいいから引きずり下ろしてきなさい!」
 なんてタイミングで声をかけるんだと思った。
 驚いて手を引っ込めてしまったではないか。
 確保の命令がでたが、迂闊に持って帰って両親が卒倒しないかが不安だ。
 早夜の部屋から顔を出し、階段の手すりから顔を下に向けると、司令官が鬼の形相でこちらを睨んでいた。
 こりゃまずい。
 どちらにしろあと一分もしないうちに上ってきてしまう。
 ならば一階で倒れた方が病院にも搬送しやすいだろうと、当夜は覚悟を決めた。
「早夜、いい加減に起き……」
 再び妹に顔を向けた瞬間、当夜は絶句した。
さっきの角はどこへいった?
 完全に消えていた。昨日潰したニキビの跡ほどにも残っていない。思わずベットの上と周囲に目を立ててみたが、それらしきものは何も無い。
「当夜ー!」
 母の声のボリュームが一回り増した。
 慌てて早夜の右手をつかんで、カブを引っこ抜くように布団から引きずり出し、両手を脇の下に入れて持ち上げた。
 同級生と比べれば小柄な方だが、寝ている体というのは死人と同じでそれなりに重い。
 階段の段差に苦労していると、不意に早夜の体が震えた。それに反応して、当夜の体もピクリと強張る。
「……ん。あと十五分」
「あと十五分したらホームルームだこのボケ」
 半開きの目で寝言を吐く妹の白いうなじに、当夜は安堵と呆れの溜息をかけてやった。
517目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 09:54:09 ID:pnPfrP7Q0
 蝉時雨が降り注ぐ通学路の並木道は、人がいないせいで走りやすかったが、それは同時にひとつの事実を示唆していた。
 学校の正門が閉まるまで、残り五分を切っているのだ。
「なんでもっと早く起こしてくれなかったのよ!」
「三度寝しといてたわけたことを言うんじゃない!」
「そんなの覚えて無いもん! 記憶に無いもん! お兄ちゃんのアホ。役立たず!」
「記憶がないで済まされたら精神鑑定は必要ないわこのボケ!」
 近頃の早夜が大寝坊をかます度に、テープレコーダーで言質をとっておこうと思うのに、ついつい忘れてしまうのが恨めしい。
 買って八年目に突入した当夜の腕時計が示すのは午前八時十二分。ホームルームの開始時間は八時十五分だ。
 七月といえど比較的涼しい時間帯だが、熊に追われているような疾走を五百メートルも続けていれば、早朝の涼しさなど焼け石に雀の涙である。
 数分前に覚醒した早夜は、苦闘を強いられていた当夜に辛辣な言葉を浴びせていたが、不意にその音源が停止した。
 どうしたものかと振り返ってみれば、当夜の背後三十メートルの地点で、早夜の足が止まっている。
 水泳部にも所属しており、本来なら当夜より運動神経のいい妹だが、起きて二分で胃に詰め込んできたピザトーストとスクランブルエッグと成分無調整牛乳が、早夜の体内で激しくせめぎ合っているのだろう。
 顔は顔面蒼白、呼吸は末期患者のそれだった。既に悪態をつく余裕もないらしい。
 しゃあねえな……。
 一度遅刻する覚悟を決めてしまえば、至って気は楽になる。逆走して駆け寄ると、近くの木陰に引き込んで座らせた。
「うう……」
「待て、吐くなら公園にまで行くぞ、我慢できるか?」
「だ、じょ……から」
 大丈夫と言っているらしいので、そのまま三分ほど座っていると、どうやら落ち着いたらしかった。
 当夜が再び時計を見ると、既にホームルームの時間になろうとしていた。
「学校、いけるか?」
「うん……」
 死人から半死人に戻った早夜は、胡乱な表情で立ち上がり、ゾンビのように歩き始めた。
 一応、危機感はまだ残っているらしい。当夜はひとまず胸を撫で下ろすと、小走りでその隣に並んだ。
518目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 09:56:11 ID:pnPfrP7Q0
「先行っていいのに……、授業遅れるよ」
「一時限目の歴史は嫌いなんだよ。居眠りすると12mm口径の石灰弾で頭を撃ち抜かれるからな」
「不真面目……」
 脂汗の浮いた顔で、早夜は苦笑してみせた。
「お前が言うな」
 再び前を見て十メートル後、思い出したように早夜が振り返った。
「一応言っとくね。ありがと」
「そう思うならさっさと起きろ」
「前言撤回。お兄ちゃんが起こさなかったのが悪い。うんきっとそうだ」
「さいですか」
 元気を取り戻したらしいので、ぶっきらぼうに返してやる。
 ふと会話に詰まったとき、朝の光景が蘇った。白い艶やかな二本の角。あれはやはり夢だったのだろうか。
 今更ながらに触っておけばよかったと後悔した。
「なぁ早夜」
 歩きながら聞く。
「何?」
「お前コスプレとかしたっけ?」
「お兄ちゃんが見たいならしてあげてもいいけど? 家族割引で一時間五千円でお触りは別料金」
「俺の月の小遣いを二時間以内で干す気かお前は?」
 上目遣いでしなを作る余裕ができたなら、心配する必要はなさそうだった。ゾンビの足取りが、徐々に人間に戻っていく。
 校門が見えてきた。互いに目配せし、早足でスパートをかけたのは、竹刀を携えた風紀委員への情状酌量の演出に他ならない。
 しかし。
「お兄ちゃん」
「ああ……」
 早夜の前方への指差しに、当夜は再び腕時計を見やる。思えば通学路にいたときもチャイムが聞こえてこなかったので、とっくに鳴ってしまったと思ったのだが。
 腕時計の針は、八時半を示していた。始業のチャイムは、八時十五分のはずだ。
 学校の壁に張り付いた大時計は、八時十五分を示している。
「ひょっとして、間に合ったのか?」
 半信半疑で校門をくぐると、その瞬間チャイムが鳴った。
 風紀委員が挨拶もせず、怒りと不可解の混じった表情で、素早く門を閉め始めた。
 当夜はもう一度腕時計を見た。
 やはり、針は八時三十一分を示していた。
519目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 10:01:24 ID:pnPfrP7Q0
 結局、遅刻は免れた。
「悪運ここに極まれり、だな」
「普段の行いがよかったと言え」
 一時限目の歴史が終わると、中学来の二人の旧友は、今朝の事の顛末を簡単に教えてくれた。
 いわく、学校の大時計の故障、及び、チャイムの時間設定のズレとのこと。
 珍しいことだが、無いとも言い切れないこの事象が遅刻の際のタイミングで発覚したのは、僥倖というべきだろう。
 朝練の連中が主に被害をこうむった事実から、多少の遅刻は注意に緩和されたらしい。
 しかしその幸運に、ワイシャツの襟元をだらしなく開いた悪友、瀬山孝之(せやま たかゆき)は至極残念そうな顔をしていた。
「おしかったなぁ。今日の遅刻取り締まりの風紀は、剣道部エースの田中だぜ。ヤツの仕置き流活人剣、『逆刃刀・峰打ち』が今日こそ見られると思ったのによお」
「殺す気まんまんじゃねーか!」
「それにしても、偉いね当夜君は、早夜ちゃんのこと介抱してあげてたなんて」
 柔らかな笑みで流れを変えたのは、もう一人の旧友、橘由香利(たちばな ゆかり)である。
 こちらは夏の暑い日でも制服をきちっと着込み、下着が透けないようにベストまでつけている。
 クラスの男子にとっては、整った顔立ちに、控えめ性格、そしてそのガードの固さが魅力であり、同時にほんの少し恨めしい。
「甘いな。実に甘い。介抱なんて当たり前よ。人間が出来てる俺なら、もっといい介抱をしてたぜ」
「家に帰れってか?」
「服を緩めてやったさ」
 意外な正論に、当夜は「むぅ」と短く唸った。夏場だし、それもひとつの手段だったな、と思い返す。
「なるほど。首の辺りとか制服は硬いから苦しいもんね」
「ああ、ついでに俺のベルトも緩めて丁寧に介ほぐおわ」
 言い終わる前に、当夜の人差し指と中指が、正確に孝之の喉仏を突いた。
「朝から友人の妹をダシに下ネタを言うお前の人間が出来て無いことはよく分かった」
 咳き込んで悶え苦しむ孝之を助けるべきか、由香利は複雑な表情で葛藤していると、チャイムが鳴った。
 二時間目が始まる。
 当夜のいる二階の校舎の窓からは、三階の一年の教室は窺い知ることが出来ない。
 早夜も遅刻はせずにすんだのだろうか。
 全開にされた八箇所の窓からは風はまったく入らず、蝉の鳴き声と熱気ばかりが、教室の中に満ちていた。
520目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 10:19:40 ID:pnPfrP7Q0
 昼休みの学校の中庭と屋上は、炎天下なので嫌われる。かと言って、クーラーの効いた学食なんて気の利いたものは存在し無い。
 しかし、焦熱地獄と化した校舎の中で、天国と呼ばれる例外が三つあった。
 職員室、保健室。そして、そして、今当夜たちのいるコンピュータ室である。
 昼休みの部活動と称して、コンピュータ部兼漫画研究部であるこの部屋に滞在することが出来る理由は、漫研所属の一人の少女の力において他ならない。
「では、いただきます」
 号令を取ったのは、この部屋の最高権力者であり、当夜たちの後輩かつ早夜の親友である、一ノ宮 加奈子(いちのみや かなこ)である。
 発端は、早夜を通じてこの部屋に招待されたことからで、一月前からこの宴は行われていた。
 バレれば周囲の他生徒からのは糾弾は避けられない為、黒カーテンで窓という窓を覆い隠し鍵をかけて行われる昼食は、外から見れば怪奇ですらある。
「今朝は大変でしたね。早夜ちゃんも、当夜先輩も」
「少しヤバかったけどね。まぁお兄ちゃんのミスは、あたしがカバー」
 逆だし。という当夜の突っ込みは、話の流れに沈んでしまう。
 昼にもなれば、すっかり早夜のテンションが上がっている。
「何、可愛い妹の為ならこの程度なんでもないぜぬおぁ」
 勝手に返事をした孝之に、当夜は指二本を打ち込み、こぼれた惣菜パンの中身を由香利がウエットティッシュで丁寧に拭った。
「お二人は仲がいいんですね」
 その光景に加奈子はくすりと上品に笑うが、その笑みの正体を知っている当夜と孝之は、素直に頷けない。
「カナっちは最近調子どうなの?」
「順調だよ。夏の準備も万全で、今から楽しみだなぁ」
「コミケってイベントなんだっけ?」
 早夜と加奈子のやり取りに、由香利が口を挟むと、加奈子は目を輝かせて話をしだした。
 加奈子はいいとこの生まれらしく、成績もルックスも人当たりもいい。この部屋の鍵を借りられているのも、その辺りの力が作用しているに違いない。
 しかし、彼女の趣味はBL。分かりやすく言えばホモの漫画や小説を読み書きである。
 本人の耳には届かないが、同人誌の総売り上げは250万だと影で囁かれている彼女の異名は、深窓ならぬ深層の汚嬢様である。
521目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 10:22:20 ID:pnPfrP7Q0
 このタイミングで迂闊に当夜と孝之が会話に加われば、たちまち自分たち二人がネタにされてしまう。
 故に男二人はしばらく口を塞いでいたが、やがて我慢しきれなくなったように、話の継ぎ目を狙って孝之が動いた。
「早夜ちゃんとお弁当ちょっともらっていいかな」
「どうぞどうぞ」
「うん、うまい。特にこの五目煮が絶品だね!」
「そうだな。ついでに言うとその五目煮はお袋の得意料理で昨日の晩飯の残りだ」
 真実は常に残酷だと思った。
「早夜ちゃんは料理とか作らないの?」
 まったく動じない孝之の胆力に当夜は舌を巻いた。
「なら、今度お弁当とか作ってきましょうか?」
 作れもしないくせに早夜が即答した、社交辞令だけはうまいヤツだと思う。男限定だが。
「マジで!? 早夜ちゃんの作ったものなら、カビの生えた市販の食パンでも食うぜ!」
「色々無視して言うが、悪いことは言わんからやめておけ。寝起きのコイツに料理を作らせるってことは、無免の科学者に核融合をさせること並に危険だぞ」
「酷いなぁ。あたしだって料理くらい作れるよ」
 だよなぁ。早夜ちゃんならできるよ。と、自分で自分に盛られる毒の量を増やしていることに気付いてない孝之が煽る。
「玉子焼きの砂糖と小麦粉を間違えて甘くないパンケーキを作ったお前が言うか?」
「お兄ちゃん。それってやきもち妬いてるのかなー。安心してよ、まだ嫁入りには行かないから」
 周囲に湧き上がる笑い声に、出し抜かれた当夜は表情で顔を背けた。
 背けてから、当夜が顔を戻すまで二秒とかかっていない。その間にぱたりとものが倒れる音を、当夜は聞いた。
「早夜ちゃん!」
 孝之の声ではなかったと思う。甲高い声だと思ったからだが、自信が無い。
 早夜が真横に倒れていた。
522目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 10:24:46 ID:pnPfrP7Q0
 保健室に連れて行こうと一番に言い出したのは、普段は最も大人しい由香利だった。
 クーラーの効いた部屋で熱中症の気配もなかったのに何故急に倒れるんだとか、自分をからかっているんじゃないのかとか、余計な思考に邪魔をされて、当夜は木偶のように突っ立っているだけだった。
 夕方の保健室には、当夜と早夜だけしかいない。

 当夜にとって早夜が理解の範疇から抜け出したのは、いつからだったのか、もう細かい月日は覚えていない。
 新しく出来た友人の勧めでボーイズラブの小説と同人誌が本棚の片隅に置かれるようになってからか。
 純情な同級生の男子を篭絡して家から支給される昼食代を丸ごと小遣いに当て始めだした頃からか。
 おそらくはその前、当夜が中学を卒業して早夜と違う時間を過ごし始めてから、一年が経つまでの時間だと思う。
 それまで、毎日顔を会わせていただけで、早夜の考えがおおよそ察しがついていた。
 実際には、当夜の勝手な思い込みなのだろうが。それでも理解してると信じていた。
 まともな会話をちょくちょく交わし、一緒に家を出て、昼食をとるようになったのは、早夜の寝覚めが悪くなったつい一月の間のことだ。 
 どういう心境の変化なのか、問いただす気もなかった。
523目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 10:29:06 ID:pnPfrP7Q0
 診断では疲労か寝不足じゃないかと言われた。一時間前まではさっきの連中もいたが、それぞれ部活があるので行かせた。
 脳卒中でも起こしたのではないかと、当夜は気が気でなかったが、四時間後に目を覚ました早夜は、心配していたのが馬鹿らしいほど軽快な寝起きを見せた。
「お兄ちゃん怪我でもしたの?」
 お前だお前。
 目覚めて数分後に、様子を見に来た保険医にお墨付きをもらって追い出されると、
 当夜が高校に入り通う学校が変わり、早夜がが水泳部に入ってからおそらく一年半振りに二人で帰宅することになった。
「久しぶりだね。一緒に帰るの」
 そうだな。と、当夜は返事をした。
「お前。夜遊びでもしてるのか?」
 早夜はその問いに即答せず、茜色の歩道を走り出し、くるくると俺の前を回転してみせた。
「最近ね。おかしな夢を見るの。あ、エッチなヤツとかじゃないからね。自分が何かすごい超能力者とかになってて、いつの間にか世界を滅ぼしてるの」
 あまりの内容に当夜が何かの罠かと警戒していると、構わず早夜は続けた。
「理由は分からない。そうするだけの理由があったような気もするし、無いような気もする。あ、こーゆーのってモラルハザードって言うんだっけ?」
「モラトリアムだ。ハザードはお前」
 ありゃりゃそうっだったけと早夜は笑い、ずんずんと先を歩いて、再び振り返った。
「例えばさ」
 夕日を後光代わりにして早夜は言った。
「もし、あたしが超能力者になっちゃって世界を滅ぼしても、あたしの味方でいてくれる?」
 どこまで本気で、どこまで冗談なのか。
「その時に俺が生きてればな」
「そっか」
 早夜は前を向いて、当夜の数メートル先を歩き出した。
 鼻歌が聞こえている。
 ご機嫌なのか、煮え切らない返事に対する不機嫌を隠しているのか、それとも全く違う何かなのか。
 全く以って最近の早夜は得体が知れない。
 それでも、後ろからその足取りと音色さえ聞いていれば、小学生にでも戻った気分だった。
524目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 10:33:11 ID:pnPfrP7Q0
 家に着くと、午後七時を回っているにも関わらず両親の姿は見えなかった。
 父親は出張だと聞いていたので問題は無い。母は少々疑問だが、どこかでお茶でも飲んでいるのだろうと決め付けた。
 当夜と早夜は各々部屋に入り、くつろいでいたが、その後もまるきり音沙汰が無い。
 二時間後に痺れを切らした当夜が母の携帯に電話をかけると、新幹線を使うほど遠くの他県、父親の出張先にいた。
 どういうことかと聞くと、出張先で過労でぶっ倒れたらしい。
 今までそんなことはなかったのに、早夜の最近の倒れ癖が県を越えて伝播したのかと当夜は疑いたくなった。
 面倒を見る為に三日向こうにいることになるかもしれないがその間二人でやっていけるかとの問いに。
「全然へーきだよ。私たちも子供じゃないし。ねえ?」
 お前が言うな。と、この時ばかりは言えなかった。母に余計な負担もかけたくないし、たかが家事、三日程度どうにでもなる。
 そういって受話器を戻すと、早夜は心なしか弾んだ声でこう言った。
「じゃあ今日のご飯は何とろっか。 ピザ? それともラーメン?」
 諦め早っ。
 かといってお前が作れなどと言って自分を窮地に追い込むつもりもなかったし、夜も更けすぎていた。
 だが無駄遣いはどうなのかと思い、近所のコンビニの弁当で落ち着いた。
 早夜は出前に未練があったのか、終始不機嫌な様子だったが、当夜は無視した。
 しかし、十分後。頼んでも無いのにピザ屋の出前が来た。
「すいませーん。ピザホットですが、ご注文の品を」
「わー。待ってましたありがとうございまー」
 調子に乗る妹を背後から羽交い絞めにすると、当夜は冷静に答えた。
「人違いです」
 更に五分後、今度はラーメン屋が来た。ちょっと待て。
 五分前と寸分たがわぬやり取りをしたあと、早夜の首に両手をかけて問い詰めたが、確かに届けにきた連中は間違えただけだし。電話の着信暦にも何もなかった。
525目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 10:35:03 ID:pnPfrP7Q0
 だが、何かがおかしい。
 理屈ではなく直感で当夜はそう思った。
 いつから異次元に迷い込んでしまったのか。偶然が二つ重なっただけといえばそれまでだが、思い返せば今日の朝からおかしかった。
 生えていた二本の角。登校時以後すっかり忘れていた幻覚が、脳裏に蘇えるのを感じた。分かりやすい根拠などないが、嫌な予感がした。
 商店街の安い手作りのくじを引いたら、二つに折られた紙を広げるまでもなく、ハズレの文字がうっすらと透けて見えた時のことを、唐突に思い出した。
 こんな日は早く寝るに限る。 
 当夜は普段より三時間早い午後十一時半に就寝を定め、全力をもって布団にもぐりこみ電気を消した。

 一時間程度は経過しただろうか。不規則な生活に慣らされた体内時計は、当夜の預かり知らぬところで正確な秒針を刻み、一向に眠れる気配がしない。
 熱帯夜の寝苦しさに負けて両足で布団を弾き飛ばし、横目で目覚まし時計を見ると三十分も経っていなかった。
 無理をして眠ろうとしたのが急に馬鹿らしくなり、飲み物を取りに一階の居間に降りると、そこに俺が求めていた冷えた麦茶を飲んでいる、妹のコスプレ姿があった。
「……」
「……」
 互いに目が合って硬直していたのは数秒にも満たなかったはずだが、体感でたっぷり二分は経過していた気がする。
526目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 10:38:43 ID:pnPfrP7Q0
「それ、なんのゲームのヤツだ?」
 精一杯の抵抗だった。
 額から生えてる角は最早今朝見たとおりで隠しようがなく、キャミソールの後ろから黒の羽が見える。スカート部分からは先端がスペード型の黒い尻尾が見えた。
 全身から薄いピンクに色づき、蒸気が上っているのはシャワーの後という以外の理由が思いつかず、シャワー浴びて寝る前に普通コスプレするかしかも自分の部屋があるのにわざわざ居間で? という左脳の声を、必死に聞かないようにしていた。
 『そうなんだよーついつい着たくなっちゃて』とか、『有名なのにこんなのも分からないの?』という返答を期待していた。
「あははは……。ごめんねお兄ちゃん。あたしなんかその……いわゆる悪魔ってヤツだったみたい」
 真実は常に残酷だと思った。
 だが甘い。その程度ではまだUFOやポルターガイストやネッシーやラップ音の原理並にごまかしが可能だ。
 プラズマか何かで否定してやろうと思ったその矢先、角を生やした早夜のカッと見開かれ、細い人差し指がふるふると当夜に向けられた。
 ガンドでも撃たれるのかと警戒した当夜だが、そうではなかった。首をくるりと回れ右すると、夏の夜の暗がりに潜む、一匹の素早い小型の悪魔がそこにいた。 
「うおわっ!」
「いやああああああああ! 動いたぁああああああ!! 殺して殺して殺してぇえええええ!!!!」
 自称悪魔がゴキブリ如きで悲鳴を上げるな。
 分かったから少し静かにしろとドラミちゃんの如く喚きたてる早夜をなだめようとしたとき、フローリングの床が揺れた。
 てっきり世界が崩壊したのかと思った。
 あまりにもタイミングのよい地震に驚いて、当夜が背中を冷蔵庫にぶつけなければ、その上にあったホットプレートは落ちてこなかっただろう。
 六秒後に静まった後に十秒間唖然として、それからテレビをつけると画面の上部に白色のテロップが流れていた。
 震源地は当夜のいる県沖、震度4弱、時間は午後十一時五十二分。
 OK大丈夫だ。プラズマを使わなくても余裕で解釈可能だ。日本はリソスフェアという大陸プレートの収束地だから地震など決して珍しいことではない。
 ちゃっかりテーブルの下に避難している早夜を尻目に、とりあえず落ちてしまったホットプレートを元に戻そうと持ち上げた。
527目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 10:51:16 ID:pnPfrP7Q0
「…………」
 小型の悪魔がその下で潰れていた。
 たぶん、これも因果律とかで説明可能なはずだ。んなわけあるか。
「はぁーよかった……」
 小柄な悪魔はそれを見て安堵を見せた。全然よくねえ。
「あのさ、早夜」
 口にしてしまうのは躊躇われた。確認してそれを万が一肯定されたら、後三日間、当夜は正に悪魔の手のひらの上なのだから。
「うん……分かってるよ」
 角の生えた早夜の顔が、少し切なそうに床を見つめ、顔を上げて笑みを浮かべた。
「さっきはありがと。『何があろうと、俺の妹であることは変わらない。一生守ってやる』って言ってくれて……」
 勝手に脳内変換で美化するんじゃない。
 そんなこと俺言ったっけ?
 前言撤回していいですか?
 お前わざと言ってるだろ。
 どれかひとつでも口に出そうならば、今度は震度6の揺れが来て、自分が冷蔵庫の下敷きになってしまうのではと当夜は危惧していた。
「ねえ、お兄ちゃん」
「はい?」
「これからも、よろしくね」
 よろしくにアクセントが入った、頷く以外の選択肢を強制排除する笑みだった。

 その日、平凡な生活を十七年送っていた月橋当夜は、十六年同じ屋根の下で過ごしてきた妹が、得体の知れない何かであることを知った日だった。
 早夜から目を離していた空白の一年半が痛い。
 あの間に、早夜はどこか変わってしまったのではないかと根拠なく考えた。
 黒魔術による悪魔召還と契約の現場を目撃していたら、絶対に現場を押さえて儀式を止めていたのにと歯噛みした。

 早夜の命令でティッシュと合成洗剤で低級悪魔の死骸と邪気を浄化しているうちに、日付が変わった。
 何もかも新しい一日が始まる。

 目が覚めたら夢オチであって欲しいと心底思う。


 第一話 END
528名無しさん@初回限定:2006/08/11(金) 10:56:37 ID:Tz/Rckud0
>>515-527
読み応えが合って良かったです&乙です。
次回,期待して待っています。
529名無しさん@初回限定:2006/08/11(金) 16:20:57 ID:rdDpNkY60
おにいちゃんCD
ttp://store.groupbuy.yahoo.co.jp/tanomicom/10104.html

誰か注文した奴いる?
530名無しさん@初回限定:2006/08/11(金) 16:35:53 ID:bjXUZXmC0
そのうち兄の目からビームが出そうだなwwwww


ミクルビー
531目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/11(金) 20:47:25 ID:pnPfrP7Q0
 SSログ置き場に一日と経たずに保存されててびっくりしました。
 仕事の速さに感激と驚嘆の意を禁じえません。
 もし読んで下さったなら、一言でも雑感を聞かせてもらえると感謝の雨嵐です。
 しかし改めて見ると、長すぎますなこりゃ……。精進せねば。
 代表的な誤字(526の11行目:角を生やした早夜の両目……ですお手数ですが読む際は脳内変換お願いします)
532名無しさん@初回限定:2006/08/11(金) 20:59:07 ID:oV429Rka0
おもしろかった!
しかし早夜ちゃんは性格も悪魔的ですな
533名無しさん@初回限定:2006/08/14(月) 23:24:32 ID:NbGCIyqM0
朝起きたら、妹がビッグサイトに並びに行ってた。

いやまぁ、もう終わってるがw
534名無しさん@初回限定:2006/08/16(水) 13:07:35 ID:PBneTAsSO
朝起きたら、妹が逝った。
535目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 19:56:42 ID:OcNoBbNm0
『小悪魔な妹』

 第二話 月の魔法円、塩素味の契約


 学校の近くに、市営の小さな図書館がある。
 平日は読書好きやいいとこの大学を狙う勉強熱心な生徒たちが、放課後と休日の朝に訪れる場所だ。
 当夜が利用した記憶は、漫画の立ち読みと小学生の時の読書感想文の題材探しの時以外は無いが、この度、初めて別の目的でそこを訪れていた。

 建物の中は蒸し暑かった。
 地球温暖化に配慮しているのか電気代をケチっているのかは分からなかったが、クーラーがあまり利いていない。

 放課後の図書館は、カウンターに腰かけて本を読んでいる係員の他に人影はほとんどない。
 まだ日は明るい午後四時半。たいして冷えてもいないこの部屋に入り浸ろうと思う生徒はいないらしい。
 たまたま部活が休みだった由香利との帰りを断り、早々にここにきて蒸し暑さと古本の臭いに戦いを挑んだのには訳がある。
 手元には、文学と宗教コーナーから見繕ってきた、『よく分かる世界の悪魔』『黒魔術の歴史』『召還と契約の正しい手順』がある。
 各本の数ページをめくって、少しは面白いかと当夜が思ったのはほんの数秒だった。
 知りたくもない雑学と、よく分からない設定と、単語とうんちくのオンパレードである。
『悪魔と契約すれば、その身と魂を売り渡し、一生そして死後も仕える永久契約と五十年間忠実に仕える。契約を交わす際に召還者はは身体のどこかに悪魔のキスを受ける』
『悪魔を召還する際は魔法円を正しく描かないとと食い殺されてしまう』
 そう感じてしまうあたり、自分にオカルトマニアの資質は無いと分かったのは幸か不幸か。
 次第にうんざりしてきながらも、気力でページをめくっておぼろげに分かったのは、日本に西洋風の悪魔など存在しないことであった。
 かといって何の成果も持ち帰ることが出来なければ、自宅で待機している早夜から激しく叱責されることは目に見えている。
 頭が痛いのは、まとわりつく熱気と寝不足のせいだけではなかった。
536目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 19:57:38 ID:OcNoBbNm0
 当夜が本人から直接訊いた『悪魔』の真相は、あきれ果てるくらい不可解なことだった。

 昨晩の自宅。
 地震で倒れた家具もろもろを戻し終わると、居間のテーブルでお茶を啜りながら向き合った早夜は、当夜が感じている緊張の五分の一ほども感じていないようだった。
 まずは一刻も早く寝も前の悪魔の真意を知らなければならない。
 早夜が世界征服を目論んでいるなら、まずは徹頭徹尾下手を装って、暴れないようにさりげなく時間を稼ぎ、
 三ヶ月に一度家のノックを叩くキリスト教の勧誘員に討伐部隊の編成を依頼するしかない。
「で、お前は何の悪魔なんだ?」
「何の、って言われても困るんだけど。女の悪魔ってこと?」
 恐る恐る尋ねると、さっぱり分からないという表情をされた。
「だから、お前の正体はサタンなのかサキュバスなのかバフォメットなのかとかそういうことだ」
「さあ、なんなのかなぁ? あたしそーゆーの詳しくないし」
 おい。
 てっきりこの土地単位で乗っ取られるのではないかと考えていたが、どうやら違うようだと当夜は気付いた。
「いや、実のところあたしにもよくわかんないんだよねー。さっきお風呂上りに鏡みてたらついてたんだけど」
 髪の毛をいじるように、角を触りながら早夜は言った。
「じゃあ何で自分のことを悪魔とか言ったんだ?」
「んじゃお兄ちゃんはこの姿が天使に見えるっての?」
「…………」
 反論できなかった。
 話を続けると、今まで角や羽根が見えたこともなければ、何かしら暗黒的なパワーも感じたこともなかったこと。
 思い当たる節があるとすれば、一ヶ月前を境に体調にムラが現れ始めたということ。
 角や羽根や尻尾は、自分の意思に応じて多少動かせるが、触れても透けてしまう生身のハリボテのようなものだということ。
 前世の記憶が覚醒したとかではなく、特に世界を滅ぼす気もなければ。口から炎も吐けないことが分かった。
 小型悪魔を潰したアースクエイクについても、本人に全く無自覚らしかった。
537目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 19:58:20 ID:OcNoBbNm0
「要するに、あたしもわかんないことだらけなのよねぇ」
 早夜は両手を開いて手を上に向けた。
「その割には落ち着いてるな」
「今は結構気分がいいのよ。何故かは知らないけど」
 こっちは最悪な気分だ。と、当夜がグラスにたっぷり水滴のついた麦茶をあおっていると、早夜が突如「あーっ」っという甲高い声を上げた。
 口に含んだ麦茶が霧吹き状に吐き出された。
「ごほっ。いきなり大声上げるなバカ」
「明日学校どうしよ……」
 むせてテーブルに額を押し付けていた当夜は、その一言で顔を上げた。
 目の前には、角と羽根と尻尾がある。
 コミケやイメクラに行くのならばまるで問題ないが、このまま学校へ行くというのはどうみてもまずかった。
 考えてみれば、深刻な問題である。
「……明日の朝起きたらなくなってるんじゃねえか」
 当夜としては冷静に言ったつもりだが、早夜には投げやりと受け取られたようだった。明らかに不機嫌な顔をした。
「適当なこと言わないでよ! こっちは死活問題なのよ!」
「分かったからこっちを指さすな。寿命が縮む」
 しかし、当夜は実際、昨日の朝角が消えたところを目撃している。
 寝ていた早夜にとっては根拠の無い希望観測の話だったが、当夜はある程度の確信があった。
 そのことを少し強めに説得すると、どうやら早夜もしぶしぶ納得したようだった。
 というより、運を天に任せる以外にどうしようもなかったのが、その最たる理由だろう。
 そして七時間半後の朝、結局角が生えっぱなしだった早夜に、当夜は激しく叩かれた。
「で、責任はどう取ってくれるのかな? お兄ちゃん」
 恨めしさ二割、からかい二割、怒り六割で作られたような笑顔だった。
 遅刻するような時間に起きたわけでもないのに、対応策と朝食を考えているうちに、結局ギリギリの時間になった。
538目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:17:36 ID:OcNoBbNm0
 昼休みは、コンピュータ室に集まった一同に、当夜は簡単な説明をした。無論、真実とは別のものを。
「そっか、風邪引いちゃってたんだ。当夜君も気をつけてね」
「残念です……。せっかく小説の感想を聞こうと思ってたのに」
「早夜ちゃんのお弁当が……。当夜貴様何をやっているんだ!」
「黙れ。俺は関係ないし、そしてお前は命拾いだ」
 早夜は今日学校を休んでいる。というより、休ませた。
 帽子を制服のように被るお上品な学校でもなければ、授業中に頭に何か乗せていて文句を言われないほど荒れ果て校風でもない。
 早夜の角を隠すには、ニット帽かヘルメットの類は必須だったが、さすがに無理だと思い、休みにした。
 無論。頭に重装備無しでの外出も禁止である。
「お見舞いに行ってもいいですか?」
 加奈子ちゃんの美しい友情が、今はありがたくなかった。早夜が元気に対応してしまう姿がありありと目に浮かんだ。
「おう、そうだ行こうぜ、よし! 今から学校休んで行こう!」
「いくらなんでも……。学校終わってからでいいでしょ。ねえ、当夜君?」
 それはまずい。
 と、思わず口に出すところだった。
「もったいない話だが、結構具合が悪い上に風邪をうつすと悪いから、もうちょっと待ってくれ」
「俺は一向に構わんぞむしろ早夜ちゃんの菌が俺に入ることでいわばこれは間接ぐおわっ!」
 由香利の二本指が孝之の脇腹を射抜いた。
「早夜ちゃんの迷惑になるんだよね。少しは自重しようね」
 普段控えめな由香利に突っ込みをさせるとは、よほど目に余ったと見える。
「んじゃ、ちょっと俺は用事あるから」
 うまくまとまってくれたところで、当夜は逃げるようにコンピュータ室を後にした。
 用事とは学校の図書室だったが、こちらはろくなものがなかった。
539目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:18:49 ID:OcNoBbNm0
 放課後の市営図書館で数時間後、茜色の光が窓から差し込んでいた。
 当夜が机と本棚を数回往復し始めてかなり経ったが、結果一向に変わらなかった。
 肝心な手がかりなど何もつかめぬまま、『蛍の光』が館内に流れ始めると、当夜は席を立った。
 手元三十センチと詰まれた書籍を借りていく気はなかった。どうせ早夜は面倒くさがって見ないだろうし、自分ももう見る気は無い。
 特に貴重な時間というわけでもないが、何でこんなことをせねばならないのだろうと当夜は思う。
 結局、甘いのだ。
 早夜は要領がよく、ポジティブな性格だと周囲には思われがちだが、意外と神経質に物事を考えたり不安がったりするタイプなのだ。
 何かとすぐに手を貸してやる当夜を早夜は心強く思っただろうし、何かと当夜にちょっかいを出し、甘える早夜を当夜は庇護した。
 だが、それはいつか終わらさねばならないのだ。
 兄妹という関係は、自然と変化していくものなのだから。
 高校と中学で起きる時間と登校場所が変わり、二人の間に小さな溝が出来たことを、当夜はうすうす時期が来たのだと思っていた。
 早夜は必要以上に当夜に頼らないし、当夜も必要以上に構ったりしない。
 お互いに離れる、いい機会だと。
 本を一冊ずつ戻していく。最後の一冊は、歴史資料の棚、館内の一番奥だった。
 舌打ちをしながらも、当夜は律儀に戻そうと歩いていくと、暗がりに一人の少女が係員用の椅子に腰掛けて本を読んでいた。 
 それを見て当夜が叫び声を吐き出しそうになったのは、誰もいないと思っていた場所に人がいたからだけではなかった。
 ――角がある。
 汚れひとつ無い白のワンピースと対照的な長い黒髪から覗く角だけでなく、羽根も、尻尾もある。
 ただそれは、早夜が生やしていたものとは規模が違った。
 角は小さな頭に不釣合いなほど大きく、捻りを以ってなお余っている。羽根は鷹が翼を広げたように長かった。
 本に落としていた小さな瞳が、思い出したようにくるりと動き、口を半開きにして突っ立っている当夜を見た。
「…………」
 しばしの沈黙が場を支配した。
 館内に流れる『蛍の光』だけが、時間を繋ぎ止めていた。
540目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:21:18 ID:OcNoBbNm0
 歌のフレーズが二つ経過したところで、視線は当夜から外された。
 少女はパタリと本を閉じて椅子から立ち上がると、そのまま当夜の脇をすり抜けて出口を目指そうとした。
「ま、待ってくれ! その……」
 思わず手をつかんでしまった。
 見た目の歳は当夜と同じ程度に見えたが、制服を着ているだけではないから誰かも、どう声をかければいいのか分からないが、今逃がしたらまずいと思った。
「…………」
 少女はいきなり手をつかんだ当夜にちらりと目を向けただけで、悲鳴を上げることもなければ振り払おうともしなかった。
 あんたは何者なんだ? その格好は何なんだ。
 その一言が喉元の辺りで止まっている。
「見えるの?」
 心を読んだように唐突に放たれた細い声に、当夜は数秒の間を開けて、静かに頷いた。
「そう……」
 呟くと、少女は少し影を帯びた表情をしながらも、くすりと笑んだ。
「可哀想に……」
「どういう意味だ……?」
「知りたいなら明日にして、私はもう帰るから。明日もここにいるから」
「待てよ! すぐ済むなら図書館の外でもいいから教えてくれ、頼む」
 少女は握られていない手のほうで、当夜の手の甲を撫ぜた。
「私を怒らせるとどうななるか。あなたには想像つかない?」
 ぱっ、と当夜の手が自然と開き、白い手がすり抜けた。
「ありがと。じゃあ明日、待ってるわ。悪魔の思い人さん」
 羽根と尻尾をなびかせながら、少女は図書館の外へ消えていった。
 周囲の人間は気付いた様子は無い。
 呆然と突っ立っていた当夜が我に返ったのは、係員に声をかけられた後だった。
541目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:22:34 ID:OcNoBbNm0
 午後七時を過ぎて家に帰ると、朝とはうってかわって明るい早夜の出迎えが待っていた。よほど暇だったとみえる。
「お帰りなさいあなたー。晩御飯にする? お風呂にする? それとも」
 わかったわかったと相撲のように強引に玄関の奥へ押し込みながら、当夜は溜息をついた。
 残念なことに角も羽根も尻尾も生えたままだった。
 それにしても早夜の来ているフリル付きエプロンと、悪魔コスプレが非常にシュールである。
「どうせ晩飯なんて作ってねえくせに……」
 投げやりに言うと、早夜が蠱惑的な笑みを見せた。
「あれぇ、いいのかな? そんなこと言っていいのかなぁ? じゃあお兄ちゃんには食べさせないっ」
 やたらテンションの高い早夜を不審に思い、居間へ向かうとテーブルのど真ん中にひとつの鍋が鎮座していた。
 いくら早夜でも、やかんがあるのにわざわざ鍋を使ってお湯を沸かすということはない。
 キッチンを覗くと、冷蔵庫の中が目に見えてスッキリし、ゴミ箱に無数の野菜くずとパックの抜け殻が混在していた。
 ぐうたらな早夜に料理までさせるとは、よほど主婦生活が嫌いとみえた。結果的に主婦になっているけど。
「うん。シチューだよ。ささ、たんと召し上がれい」
 制服を脱いでいる間に、早夜がよそっていてくれた。あまりに上機嫌だと、毒でも入ってるのではないかと邪推してしまう。
 だが、実際に箸をつけてみるとそんなことはなく、至って普通の味だった。
 料理がド下手だと思ったのは、全て寝起きが影響しているようだった。シチューは比較的簡単だが。
「どう? 早夜の白くてドロドロしたのとってもおいしい?」
「ああ、うまいぞ。お前の誤解を招く形容がなければもっとうまい」
「うんうん。料理ってのも中々楽しいねぇ。あ、おかわりあるからね」
 独り合点して唸っている早夜をみていると、自分が苦労していたのがバカらしくなってきた。
 静かな食事が終わる頃、早夜が思い出したように呟いた。 
「――学校、どうだった?」
「普通だ、時計も止まらなければ隕石も落ちてこなかったぞ。後、加奈子ちゃんたちが見舞いに来たがってたから、仮病の準備はしておけ」
「そっか。期末も近いし、あんまり休んでるわけにもいかないねぇ。あー部活にもしばらく休むって連絡しないと」
 やれやれと、早夜は困ったように笑った。
542目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:25:26 ID:OcNoBbNm0
「このまま、この格好もどらないのかなぁ」
 食器を片付けた後、椅子を行儀悪く傾けて座りながら、早夜は天井を見た。
「何とかなるだろ、たぶん」
 皿を洗いながら、一応答えた。
 根拠なしと突っ込まれても、「そうかもな」と、言えるほど当夜は冷たくなかった。
「頭に包帯巻いていくってのはどうかな? ぐるぐる巻きにすればなんとか」
「風邪で病んでるって言っちまったし、大袈裟な嘘はバレやすいぞ」
「そっか」
 少しの間、蛇口から水の流れる音だけが、居間とキッチンにした。
「ねえ、お兄ちゃん?」
「何だ」
 手を動かしたまま答える。
「子供の時の約束って、覚えてる?」
 何だそりゃと一瞬考えて、当夜はひとつの答えを思い出した。
「ああ、覚えてるぞ。『将来はお兄ちゃんのお嫁さんになる』だっけかな?」
「わぁ覚えててくれたんだ嬉しい〜。じゃあ……未来のお嫁さんにお小遣いちょうだい」
「気味悪い猫撫で声を出すな! そんな覚えはねぇ!」
 やはり、寝起き以外は口では勝てないと当夜は悟った。
 本当は覚えている。
 当夜がまだ小学校低学年の頃の話だ。ただ、それを口に出すのは、さっきの言葉より気恥ずかしかった。
「じゃあ、未来のお嫁さんは明日のお兄ちゃんのお弁当作ってあげるね」
「いいよ、小遣いまだ残ってるし、いざとなったら家の金に手をつける」
「購買にするとコロッケパンとジャムパンしか買わないくせに、成人病になるからね」
 あまりにしつこいので結局当夜は折れた。「是非作ってくれ必ず持っていく」考えてみれば早夜は元気なくせに外に出られないのだ。
 外出不可であれば、当夜は一日中ゲームかネットサーフィンでもしているが、早夜にはあいにくとそこまでゲーマーではない。
 何か仕事を与えておいた方が、本人の為にもいいだろう。
 空元気なのか、本気で楽しんでいるのか、早夜は意気込んで献立を考えていた。
 寝起きで作るな毒を入れるなと激しく念押しして、当夜は布団に入った。
543目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:28:14 ID:OcNoBbNm0
 布団に入って思い出す。確かあれは、小学校低学年くらいの頃、近所の子供たちと遊んでいた時だろうか。
 男女数人のグループで、学校が終わると自宅付近で毎日遊んでいた。
 早夜は当時からからかい好きな性格で、イタズラなど日常茶飯事だった。
 ある時、グループのとある女の子の人形がなくなったことがあった。
 普段のふざけっぷりと、それを欲しがる素振りを見せていたこともあって、真っ先に早夜が疑われた。
「あたしじゃない! あたしじゃないもん!」
 槍玉に上げられて最後には目を赤くして否定し続けたが、ついには当夜の母親まで早夜を疑いだしたこともあって、ビービー泣いていたことを覚えている。
 ひとり部屋にこもって泣いていた早夜に、その時約束したのだ。
「ほんとにやってないんだな?」
 兎のような目で、こくりと頷いた早夜に、当夜は確かに言った。
「お前が本当に悪くないなら、俺はお前の味方だ。だから、悪いことはするな」
「してない。してないから……、だから信じて……!」
 そう言って泣き出した早夜を慰めて、人形を探しに行った。結局当夜は人形を見つけられずじまいだったが、後に人形は、なくした女の子の家から見つかった。

「本当に、悪くないなら味方……か」
 悪魔となった今でも、悪くないなどと信じられるのだろうか。
 今日図書館で会った悪魔の少女のことを話さなかったのは、あの時自力で人形を見つけられなかったように、大口を叩いて気落ちさせたくないからなのだろうか。
 図書館の少女が気にも留められていなかったことから、もしかしたら他人には見えないのかも知れないが、万が一見られたらアウトだ。
 明日になれば、何かが分かると信じる。
 だから、それまでは我慢してくれよ、早夜。
544目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:41:47 ID:OcNoBbNm0
 翌日も、朝からかんかん照りだった。
 起き抜けだとやばいと判断したのか、早夜は弁当を明け方早くに起きて作っていたらしく。本人は寝ていて、テーブルの上に弁当箱が置いてあった。
 当夜が寝てる明け方に火を使っていたという事実が恐ろしくてならなかった。またゴキブリが出ていたら、アースクエイクならぬヘルファイアーが発動していたかもしれない。
 知らないうちに九死に一生を得ていた気がする。
 そんな冷や汗を朝から掻かされたせいか、放課後の図書館でのことに意識が集中していたせいか、当夜が弁当を持っていくのを忘れていたことに気付いたのは、学校の三時限目で、孝之が早弁を始めた時であった。
 かといって、妹に作ってもらった弁当を忘れたなどと口に出せば、由香利から冷やかしが、孝之から嫉妬の雄叫びが聞こえてくることは明らかだったので、知らん振りをすることにした。
 不幸というものは重なりやすいらしく、ついでに財布も忘れていた。
545目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:43:24 ID:OcNoBbNm0
 四時限目が体育だったのも不幸の一部に違いない。種目は五対五に分かれてのバスケだった。
 この暑いのにやってられるかよおい当夜、俺たちの出場はもう終わったみたいだから授業の終わりまでジュースでも飲んでこようぜという、孝之が運動部らしくない物言いに、当夜は素直に同意して体育館から抜け出た。
 一階渡り廊下の自販機の傍で奢りのコーラを飲んでいると、ふと、孝之が二階の校舎を指差した。
「おい、この学校は昼間から幽霊がでるんだっけか?」
 指差す方向を向くと、ミイラがいた。正確には、顔面ミイラで首から下は普通の女子生徒のものだった。
 当夜の飲んでいたコーラが爆発した。
 何やってるんだ、アイツは……。
「おわっ、汚ねえな!」
 などと言う孝之に構っている場合ではない。
 まさかとは思うが……まさかこのクソ暑い日に、顔面包帯ぐるぐるで来なければならないヤツがいるとすれば、当夜の知る限り一人しかいない。
 角の頭部分だけでなく、顔まで覆っているのは風邪を引いているということを突っ込まれない為の理由しか思いつかない。
 何で来たのかは知らないが、もうじき昼休みになる。多数から同時に見られれば、もはや見間違いや幻覚で誤魔化すことなど出来ない。
 考えるよりも早く、足が動いた。
「おい! もうじき授業終わっちまうぞ。戻らねえと」
 だからまずいんだよ。などと反論している暇はない。
 顔面ミイラを捕まえるべく、当夜は全力でリノリウムの床を蹴った。
546目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:46:12 ID:OcNoBbNm0
 全力で廊下を走り、二段飛ばしで階段を駆け上がった。
 息が思いの他上がり、前髪が額に張り付くのも一向に構わず、当夜は無人の教室に駆け込んだ。
 ドアを思いっきり開けた瞬間、中にいた女子生徒ミイラの体がびくりと震えた。
「何やってんだお前……」
「あ、あはは……。ちょっと顔を火傷しちゃって……」
 そう言った拍子に、ミイラの包帯が剥がれ落ち、二本の角が見えた。結構ずさんな巻き方をしていたらしい。
 ぜいぜいと息を乱しながら、当夜は早夜の冗談には付き合わず、
「学校には……まだ来るなって……お前も頷いてただろ……。いやもうそれはいい、今はとにかく……」
「わ、分かってるよ! もう帰るとこだったんだから」
 その時、四時限目終了のチャイムが鳴った。
「ああもういいさっさと帰れ帰れ、話はそれからだ!」
「う、うん」
 そう言って早夜が外にでようとしたとき、教室の外から足音が聞こえた。
 キャハハ、やーねぇのような女声が聞こえるのは、体育の時間、男女に分かれていた女子の方が帰ってきた事実を示唆していた。
 当夜の額に、さっきまでとは別の汗が浮かんだ。
 廊下に出る時点で、早夜の姿は見つかるだろう。ついでに角も。
 包帯を巻きなおすには時間がなさ過ぎる。
 当夜は教室の隅にある掃除用具入れのロッカーをこじ開けると、おたおたしている早夜を押し込んだ。
 すぐさま教室を出ようと思ったが、ロッカーの内側に体操服の裾が挟まってしまい。離れられない。
「お、お兄ちゃん! 早く!」
 ええい今やってるんだ。静かにしろ。と、思いながら、千切れんばかりに裾を引っ張るが、安い生地のくせにこんなときだけ丈夫なのが憎い。
 未だロッカーの扉は開けっ放しのままだ。
 足音が近づいてくる。教室の扉が、開いた。
547目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:50:58 ID:OcNoBbNm0
「あれ、教室の鍵閉めるの忘れたのかな、開いてる……」
「ちょっとしっかりしてよ誰よ日直はー。まさか男子が忍び込んだんじゃないでしょうね」
「あはは、個人ロッカーに入れてるから着替えは大丈夫でしょ、鍵あるし」
 由香利とその他の女子の声が聞こえる。秒単位で、それはあっという間に増えていった。
 男子がいないことを確認すると、女子たちはやがて教室の扉を閉じて着替えを始めたようだが、当夜は背を向いているので、掃除用具ロッカーの開き穴から、その姿を確認することはできなかった。
 体育の時間。体育用の女子更衣室などないこの田舎学校では、男子は外、女子は中で着替えという暗黙のルールがあった。
 当然窓には暗幕が張られ、普段は一切中を窺うことはできない――はずだが、例外がここに二名存在した。
 鯖の押し寿司に気持ちが分かったと当夜は思った。
 押し寿司の箱を縦に起こしたものを用具入れのロッカーとするならば、酢飯が早夜で鯖が当夜だった。
 暑苦しい教室の暑苦しい掃除用具入れロッカーの中で、二人は身動きもろくに取れないほど密着していた。
 まずいことになった。
 早夜の吐息を胸に感じながら、当夜は自分の失策を悟っていた。
 既にこの状況は王手をされている。こうなった以上、教室から全員がいなくなるのは放課後しかないが、その前の掃除の時間で、必ずロッカーは開かれる運命にある。
 こんなことならば、体操服の上だけ脱いで早夜に預けておくんだった。
 そうすればまだ当夜が動ける分チャンスはあった。このままでは、早夜の角がばれる以上に、当夜にも過酷な運命が待っている。
 敗北は決定しているが、できれば格好悪くない見つかり方はなんだろうかと当夜は考え始めた。
 最終的に覗き呼ばわりされるとしても、背後に衣擦れの音がする中『コンニチハ』と出て行くのはさすがにまずかった。
「暑……」
 早夜の一言で、当夜は意識が目の前に向かった。
 掃除用具独特のすえた臭いに混じって、早夜の汗の臭いがする。
「絶対ここからでたらプールに行くから……。もう二日も泳いでないもん」
 小声で話し始めたのは、どうしようもない息苦しさと緊張を早夜なりに紛らわそうとしたからだろうが、当夜にとってよくない現象が起こり始めた。
548目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:55:33 ID:OcNoBbNm0
 服の上からじゃ洗濯板だと思ってたが、こいつ結構胸あるな。
 妹の成長を少しでも認めてしまったのがまずかった。
 その思考は当夜の脳みそにするすると忍び込み、早夜の素足が当夜の足と絡まる感触も、例えることの出来ない早夜の体臭も体温も、何もかも脳のスイッチを入れ始めた。
 普段下ネタは孝之が率先してくれる為そんな素振りは見せていないが、当夜も若い健康な男子である。
 次第に体の一部分が硬度を増していくことに気付いた。
 ああ、男であることが恨めしい。
「あの……、お兄ちゃん……?」
 早夜の顔は見えなかったが、その声色で赤くなっているのが分かる。
 ええい、体をもじもじさせるな! 余計にやばいじゃないか。
 泣きそうになるのは、半年前に感動ものの映画を見たとき以来になる。
 ここまで密着していれば、早夜も当然気付いている。これからの関係がますます心配だ。
「あら、なんかあそこに服が挟まってない?」
「ほんとだ、誰のだろ」
 ロッカーの外で、死神の声が聞こえた。
 当夜君は、体育の時間に抜け出して妹をロッカーに押し込んでハァハァしてましたという、男子生徒に内心で羨ましがられ、女子生徒に内心軽蔑される噂が学校中に広まるだろう。
 いっそすっぱり退学にしてくれと思い始めた。
「ちょっと開けてみようか」
 死神の足音が近づく。
 もうダメだ。
 当夜が死を覚悟したそのとき、目覚ましの百倍のようなけたたましい警報音が、学校中に響いた。
549目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 20:58:14 ID:OcNoBbNm0
 聞き覚えがあるのは、小中学校の避難訓練のおかげだ。
 ジリリリリリリと、耳に痛いほどの音が鼓膜を打つ、
「何々!? 火事? 地震?」
「うるせーなぁどうせ誤報だろ」
 着替えが終わって入ってきた男子と共に、急に教室がざわめき始めた。
 十秒後程度に、アナウンスが流れ始めた。
『先ほど、家庭科室より火災が発生しました。校内にいる生徒は、慌てず速やかに校外の運動場に向かってください。繰り返します、先ほど……』
「ちょっと、ほんとなの!? 早く逃げないと、ハンカチ持ってる?」
「いやこれは手の込んだ訓練だろ、煙なんて見えないぜ」
「学校全焼したら、県の国で新しくならねえかな」
「それより休みになってくれたほうが嬉しいぜ」
 火災だっていうのに、煙も火も見えていないといい気なもんだと当夜は思った。
 そんな中、更に繰り返しアナウンスが放送されていると、さすがに平和ボケした生徒たちも教室から退散し始めた。
 火も煙も見えてないようだが、当夜にはある確信があった。
 これは本当のことで、早夜が起こしたのだと。
「お兄ちゃん、あたしたちもでないと……そのやばいんじゃ」
 ロッカーの内扉に肘鉄を食らわせて外に出ると、教室内に生徒は残っていなかった。
「なんとか……、助かったみたいだね……」
 汗だくの早夜が、力のない声で笑った。
 当夜はそれでも早夜の顔が見れず、呆然と突っ立っていた。アナウンスの声が、未だに響いている。
『繰り返します……校内に残っている生徒は』
「い、いやあ危なかったねえ……。ほんと、肉体的にも、立場的にも」
 ぷちりと、当夜の何かが切れる音がした。
550目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 21:00:17 ID:OcNoBbNm0
「――誰のせいだと思ってんだ?」
「え?」
「誰のせいでこんな目に遭って、しかも火災まで起きてるんだって言ったんだよ」
「あ、あのさー。怒るのはもっともだけど、まずは今のうちに逃げないと……」
 早夜が困ったような笑顔でうろたえている。当夜が本気で怒るのはそれほどに珍しいことだった。
「どうせお前は暇だから遊びに来たんだろ! それも分かるよ。でも、どうして約束を破ってまで来たんだよ!」
「そ、それは……」
「お前の悪魔の力で学校ごと燃やす気か!? 巻き添えで誰か死んでたらどう責任とるんだ。ええ?」
 もう止まらなかった。せっかく図書館の悪魔から話が聞けそうだったのだ、家に押し込められていた早夜の気持ちもわからんでもない。
 だが、当夜との間で今日は学校に来ないと約束していたのだ。それを台無しにしてしまいかねなかった早夜の軽率さに腹が立った。
 しかし、頭の片隅でそれも理由の半分に過ぎないことを当夜も分かっていた。
 一応家や表では、『人のいい兄』であった自分が、ロッカーに閉じ込められたくらいで妹に反応し、それを当人に知られてしまったことが死ぬほどカッコ悪く、情けなく、顔から火が出るほど恥ずかしかったのだ。
 それを誤魔化す為、あるいはそうなった過程を責める為、当夜は早夜を怒りで押し潰すしかなかった。
「い、嫌だなお兄ちゃん。そんな怒らないでよ、さっきのことなら誰にも言わないからさ……」
 早夜の場を和ませようとした軽いジョークが、当夜の脳内の火災にガソリンをぶちまけた。
「それに、あたし火災なんて起こしてないよ……。本当、偶然だよ、だから早く逃げよう……」
 未だ「消火完了」のアナウンスが聞こえてこないことに、早夜も危険を感じているらしかった。
 だが、手をつかもうと伸ばされた手を、当夜は冷たく振り払った。
551目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 21:06:08 ID:OcNoBbNm0
「――信じられるか」
「え?」
「お前みたいな悪魔の言うことなんて信じられるかって言ってるんだよ!」
「嘘じゃないもん! ほんとにやってないもん! あたしじゃないもん!」
 目を潤ませて必死に声を張り上げる早夜の姿も、脳の奥がオーバーヒートしいてる今では、白々しい誤魔化しにしか聞こえず。ますます腹が立った。
 あのタイミングで警報がなったことに、どうやって説明がつけられるというのか。
「信じてよ……。ほんとう、やってないんだよ……!」
「どっかいけ」
「え……」
 何を言っているか分からないといった顔で、早夜は当夜の顔を見つめた。
「こんな悪魔は俺の妹じゃない。だからどっかに行って帰ってくるな!」
「…………」
 そのときの顔を、当夜は直視できなかった。
 早夜は数秒、石にでもされたかのように固まっていたが、やがて両手で頭を抑えて教室から走り出した。
 手で隠すか……単純だが一番楽な方法だったな。
 そして、エンドレスしていたアナウンスが変わった。
『消火が終わりました。安全を確認いたしますのでしばらくそのまま校庭でお待ちください』
 と。
552目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 21:07:36 ID:OcNoBbNm0
 今更校庭に出る気にもならず、当夜はどかりと自分の席に腰掛けた。
 鞄の蓋が半開きになっていることに気付いて覗いてみると、そこには今日忘れたはずの弁当箱があった。
「……バカなヤツ」
 溜息と共に蓋を開くと、母の作るものから一ランクダウンしたような、しかし一般家庭としては平均的な出来の中身があった。
 一般家庭と激しく異なっているのは、鶏そぼろと炒り卵で飯の上に作られたハートマークと、とんかつの上にソースで『お兄ちゃんLOVE』と書かれていることだった。
 溜息と共に蓋を閉じる。
 弁当の中身を由香利や孝之や加奈子ちゃんに見せて当夜に赤っ恥をかかせようという、早夜の純粋な悪意が十二分に伝わってきた。
 それでも、弁当自体もかなりの本気で作られているようだった。
 弁当箱の裏には、一昨日の夕食のコンビニ弁当のシール『定価500円』が貼られていた。
 退屈嫌いで昨日から家をろくに出ていない早夜が、この弁当をあけて食った当夜の土産話だけを楽しみにこれを作っていたことは、確かだった。
 昼近くに起きて、当夜が弁当を忘れ、当夜たちの四時限目が体育だと知った早夜は、急いで着替えて包帯をぐるぐる巻きにしてきたのだろう。
「……バカなヤツ」
 もう一度呟いた当夜の頭からは、もう火は消え、焦げ後だけが後悔のように残っていた。
 必ず持っていくと自分で言っていた。先に約束を破ったのは、当夜だったのだ。
553目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 21:09:23 ID:OcNoBbNm0
 二十分後、火事は結局小火ですんだらしいと教師から伝えられた。怪我人もいなかったらしい。
 それだけを確認すると放課後は真っ直ぐ家に向かったが、人気はなく。早夜の部屋に入ると、散乱した制服がベットの上にあった。
 風呂とトイレと押入れも確認してみたが、やはりどこにもいなかった。
 胸騒ぎがする。
 怒りで暴走した早夜が、角を隠すこともなく外に出て、商店街に巨大な隕石群を落とす地獄絵図が脳裏に浮かんだ。 
 ことは一刻を争うかもしれない。
 当夜は家を飛び出した。

 一方、図書館の片隅で、白いワンピースの少女はひとり本棚の隅で佇んでいた。
 係員が高い棚の取るときの為の椅子に座っていると、その係員から声がかけられた。
「すみません、ちょっとどいていただけますか」
 少女の背中に生えた羽根と、頭の角は見えていない。
 少し苛立った様子で、少女はカタンと椅子から立ち上がった。
 その目がちらちらと館内にかけられた時計に向き、
「遅い……」
 一言とぼそりと、呟いた。
554目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 21:10:59 ID:OcNoBbNm0
 どこに行っちまったんだと思う。
 商店街、喫茶店、コンビニ、ゲームセンター。
 早夜が行きそうな場所を、当夜があらかた探し終えた頃には、もう七時を過ぎようとしていた。
 ひょっとしたらと家に戻ってるかもしれないと思ったが、そんなことはなかった。
 しばらく家で休憩していると、ベランダに干されたままの洗濯物が目に入った。
 口やかましくて、人を困らせるだけだと思っていたが、意外にきっちり仕事をしているのだと、洗濯物を取り込みながら思った。
 家の外ではやかましく蝉が鳴いているのに、当夜一人の家の中は物音一つしなかった。
 洗濯物の中に、いつもかかっているはずの水着がない。それは部活を二日も休めば当然のことだったが、当夜はそれで思い出した。
『絶対ここからでたらプールに行くから……。もう二日も泳いでないもん』
 確かに、そう言っていた。急いで早夜の部屋に入って水着を探す。
 妹の留守中にスクール水着を必死に探し回るその姿は、ハタから見ると、どうみても変態です本当に……な行為だったが、今はなりふり構ってなどいられなかった。
 すると、やはり部活用の水着一式が、机の横という定位置から消えていた。
 近所の市営プールは午後五時で終わりのはずだから、残る可能性は……。
 急いで家を出た。
 テストが近いこともあって、運動部ももう遅くまで部活はしていないはずだ。
 まさかと思った。
 日が落ち、月が明るく照らしだした通学路を、当夜は全力で走り出した。
555目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 21:13:50 ID:OcNoBbNm0
 学校に着くと、もう校舎の明かりもほとんど残っていなかった。
 閉じられた校門をよじ登り、プールの金網をよじ登ると、水の張ったプールの中央に、水死体の如く仰向けにぷかぷか浮かんでいる競泳用のスクール水着と角が見えた。
 いつも部活ではつけているはずの帽子を被っていないのは、角をあえてさらけ出そうという早夜のやさぐれが感じられた。
 月光の反射で宝石を散りばめたようなプールの真ん中で、悪魔の少女が浮いている姿は、これほどもなく幻想的だった。
「よお」
「…………」
 軽く声をかけたが、早夜は不法の侵入者に驚く素振りは見せず、当夜にちらりと一瞥をくれたあと、また星の瞬く天井に目を向けた。
「俺が、悪かったよ……」
「……それだけ?」
 ぶっきらぼうな返事がくる。
「弁当、ありがとな」
「…………」
 しばらく間をおいて、
「何で来たの?」
「お前の帰りが遅いからだろ……」
「連れ戻していいの? 悪魔なのに、もう帰ってくるなって言ったのに……」
 淡々とした声で目も合わせない早夜は、怒っているというよりは、諦めの混じっている様子だった。
「お前は悪くないんだろ。信じるよ。だから……早夜」
「…………泳いで」
 少しの沈黙の後放たれた言葉に、当夜は首を傾げた。
「は?」
「一人で泳ぐのつまんないって言ってるの! 入るの入らないの!?」
 いきなり起き上がってばしゃばしゃと水をかけてきた。
 ですがお嬢さん、競泳というのは本来一人で泳ぐものじゃないですかなどという突っ込みを入れる余裕はなかった。
 制服を上半身分だけプールサイドに放り投げると、当夜は思いきってプールに飛び込んだ。
556目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 21:24:05 ID:OcNoBbNm0
 ズボンの裾から一気に冷たい水が入る。垂直に入水したものの、バランスが崩れて倒れると、それを見て早夜が笑った。
「うわ、これダメだ気持ち悪……ぐわ何をするっ」
 服を来たままプールなど入るもんじゃない。水を吸ってゴワゴワした生地が不快だった。
 慌てふためく当夜に、早夜が両手を合わせて作った水鉄砲で、当夜の額を狙った。
「この、やりやがったな」
 顔面を正確に水で撃たれた当夜が反撃するが、早夜は素早く泳ぎ、素潜りして攻撃をかわした。
 小悪魔が縦横無尽に、星の浮かぶ水の中を飛び回っている。
 背中から見える羽根が、本当に生えたようだと当夜は思った。
 そうして攻防を続けていると、早夜が突然動きを止め、水の中でもがきだした。
 足でもつったのかと慌てて近づくと、当夜の手の中で、早夜の力が抜けていた。
 まさか、また一昨日のように気絶したのだろうか。水を飲んでいたら大変なことになる。
「おい、しっかりしろ!」
 プールサイドに体を持ち上げ、人工呼吸しようか早夜の顔の前で迷っているとその目がぱちりと急に開き、当夜の唇を軽く奪った。
 柔らかい感触と、わずかばかりの塩素の味がした。
557目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 21:27:18 ID:OcNoBbNm0
「あははははは! だーまーさーれーたー」
 慌てて顔を離すと、早夜はしてやったりといわんばかりに、けらけらと笑い出す。当夜は思わず赤面した。
「お前、よくも俺のファーストキスを……」
 ってこれじゃ立場が逆じゃねえか。
 いきなり何のつもりだ。そう言おうとすると、早夜は嫌らしい笑みを浮かべ、当夜を指差した。
「契約だよ。これでお兄ちゃんは悪魔のしもべになりました。だから、あたしを助ける為に、また今日からお願いします。まずは今夜から、あなたの家に泊めなさい」
 当夜は一瞬ぽかんと呆けて、それからゆっくりと頷いた。
「だから、帰ってくるなって言っても無駄だから、あたしがあたしの意思で言うことを聞かせるんだから。どう、これで?」
 つくづくうまいヤツだなと苦笑した。
 悪魔と契約すれば、その身と魂を売り渡し、一生そして死後も仕える永久契約がある。
 契約されては仕方がない。
 当夜はこれからもまだまだ、この小悪魔の為に働かなくてはならないのだろう。
「まだ迷惑かけるかもしれないけど、よろしくね。お兄ちゃん」
「ああ、よろしくな」
 得体の知れない妹になってしまったと思ったけど、今回のことで一つ分かった。
 外見が変わろうとも。
 悪魔的な奇跡を起こそうとも。
 早夜は早夜で、そして今でも自分の妹なのだと。
 迷惑をかけられても構わない。それに、ひとつの光明もある。あの図書館にいた悪魔に話を聞けば、何か分かるかもしれない。
「あ……」
 そのときようやく、当夜は思い出した。
558目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/18(金) 21:28:23 ID:OcNoBbNm0
 照明が消えかけた図書館に、『蛍の光』が流れている。
 係員が、三時間前から係員用の椅子を勝手に使っている少女に、恐る恐る声をかけた。
「お客さん。もう閉館だよ」
「…………殺す」
 白いワンピースの少女は静かに立ち上がると、拳を握り締め無表情でその場を去っていった。
 この夜、小さな隕石が地球をかすめていったというニュースを、当夜は耳にすることになる。
 七月の夜が、更けていく。


 第二話 END
559名無しさん@初回限定:2006/08/18(金) 21:31:20 ID:9AWoePaE0
ちょうどリアルタイムで読めました。
話の内容も含めて,良かった〜。
560名無しさん@初回限定:2006/08/18(金) 23:31:03 ID:XQ9GtoN90
いいセンスだ。
561目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/19(土) 09:34:19 ID:vgRd70UU0
 前回話が長すぎたのを反省して、二話目は前回比1.5倍の32kbになりましたなんだそりゃ。
 こんな長話を読んで下さってどうもです。
 誤字脱字は脳内保管でお願いします……見直してはいるんですがUPの後にボロボロ見つかって頭抱えてます。
 未熟ですが、出来る限りよくしていきたいので、ご要望、ご指摘ありましたら遠慮なくお願いします。
 ええ、長いのは直します。次回こそは。
562名無しさん@初回限定:2006/08/19(土) 09:38:37 ID:mCUkTtwY0
長いと気になる事は無かったですよ。
むしろ読み応えが有りました。
563名無しさん@初回限定:2006/08/19(土) 15:45:19 ID:CTq1TYkn0
久々のシリアス?長編ものなので、楽しませてもらってますよ。
564名無しさん@初回限定:2006/08/19(土) 18:05:32 ID:NQHbvB3s0
▼双子のお兄ちゃん (1/3)

 私と兄は双子で、私達の小学校は1クラスしか無かったため、お兄ちゃんと一緒のクラスです。
 私はお兄ちゃんのことが大好きですが、お兄ちゃんは私のことをきらっているみたいです。
 毎日、お兄ちゃんからいじわるをされてしまいます。
 でも、「好きなコにはイジワルしたくなる」って言うし、そんなにひどいことはされてないので許してます。

「お兄ちゃん、今日もお母さん達、夜遅いって」

 私達は家に帰ってくると、机の上に置かれたカップラーメンがそう物語っていた。

「またカップラーメンかよっ! もう食べあきたよ」
「じゃあ、柚乃が何か作ろうか?」
「いらない。柚乃のごはんマズいもん」

 お兄ちゃんの言葉がちょっとむねにいたい。
 ごめんね、ごはん作るのヘタで。いつかいっぱいれんしゅうして、お兄ちゃんにおいしいごはん作るからね。

「そんなことより、お前、ふくぬげ」
「え、お兄ちゃん……」
「脱がないならオレがぬがしてやるよ」

 お兄ちゃんの手がわたしのふくをつかんだと思うと、シャツごとまくりあげられちゃいました。
 わたしのおっぱいがおにいちゃんに見られて、すごくはずかしいです。

「やだよ、おにいちゃん……わたし、このごろおっぱいがはれてるんだもん」

 お母さんにも言えなくてこまっていたなやみだった。でも、お兄ちゃんにならすなおに言えた。

「ばかだなぁ、それはせいちょうって言うんだ」
565名無しさん@初回限定:2006/08/19(土) 18:06:24 ID:NQHbvB3s0
▼双子のお兄ちゃん (2/3)

 わたしはお兄ちゃんにふくをぜんぶぬがされちゃいました。
 でも、おかしいんです。ぜんぜん寒くなくて、むしろ体があついんです。
 お兄ちゃんにはだかをみられていると思うと、すごくあつくなるの。

「たしかにおっぱいが大きくなってるな」

 お兄ちゃんはぎゅっとわたしのおっぱいをつかむと、チクッとしたいたみを感じました。

「いたっ……!」
「そんなつよくつかんでないぞ」
「ちょっとさわっただけでもいたいの」
「じゃあ、これは?」

 お兄ちゃんはわたしのふくらみはじめたおっぱいを口に含みました。
 あったかい口と、ぬるっとした舌をかんじると、なんだか気持ちよかった。

「きもちいいよ……いたくない……」
「じゃあ、ぜんぶなめてやる」

 おにいちゃんの舌がわたしの体をなめまわしている。
 ペロペロってなめて、おっぱいをしゃぶられて……いっぱいチューもされて……耳も、おへそも、足も全部なめられました。
 おにいちゃんのよだれのあとがスースーしていたけど、それでも体はあつかった。

「おまえなに、いじめられてんのに、うれしそうなかおしてんだよ? こんなことされてはずかしくないのか?」
「はずかしいよ……でも、きもちいいの。お兄ちゃんにもしてあげる」
「う、うそだっ。おまえ、そうやってオレをだまそうとしてるんだな?」
「ち、ちがうよ。ほんとうにきもちいいの」
「うわ、や、やめろっ……やめ、んっんんんんっ!?」
566名無しさん@初回限定:2006/08/19(土) 18:07:07 ID:NQHbvB3s0
▼双子のお兄ちゃん (3/3)

 お兄ちゃんにチューする。
 わたしはあばれるお兄ちゃんをソファーに押したおしてふくをぬがそうとする。

「んんっ、んんんっぅうっ!!」

 お兄ちゃんもなぜかいやがってるけど、本当に気持ちいいことを知ってほしかったから私はがんばった。
 お兄ちゃんに何回もチューをした。
 そしたらようやくお兄ちゃんはおとなしくなって、わたしの言うとおりにはだかになってくれた。

「ほら、こうされると気持ちいいでしょ?」

 わたしはお兄ちゃんの体をなめまわした。おっぱいもすった。からだじゅうよだれだらけにした。

「たしかに、気持ちいいな……」
「でしょ? もっとしてあげようか?」
「お前、おこってないのか? オレ、おまえにずっとイジワルしてたんだぞ」
「それって、お兄ちゃんがわたしのことすきだからだよね? ぜんぜん、もんだいないよ。わたしもお兄ちゃん大すきだから」

 わたしはお兄ちゃんにわらってみせたの。するとお兄ちゃんはわたしにチューをしてくれた。
 長い長いチュー。すごく気持ちよくて、安心する。

「ごめん。お兄ちゃん、わるいヤツだった。でも、これからはお兄ちゃん、柚乃のことすきになる。いっぱいいっぱい『すき』するからな」
「うん、お兄ちゃん。『すき』して。でも、これはお兄ちゃんとわたしのふたりだけのひみつだよ」
「ああ」

 わたしたちはベッドの中で、おっぱいとかおちんちんやまんこをさわりっこしました。
 なんだかふしぎなきもちになりましたが、とっても気持ちよかったです。

 それからわたしたちは毎日、お父さん達に見つからないように、チューしたり、はだかでだきあったりするようになりました。−終わり−
567564-566:2006/08/19(土) 18:11:27 ID:NQHbvB3s0
空気を読まずに、エロ投下。多分後悔しない。
568名無しさん@初回限定:2006/08/19(土) 20:14:18 ID:G/XXMCN80
まとめサイト管理人様へ
http://www.geocities.jp/asaimo0/koakuma02.htmlの9コマ目に,タイムスタンプが混ざっていますよ
569突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/19(土) 20:23:17 ID:06Mjabm40
コソーリと、訂正。
そのままコソーリと去りますw
570名無しさん@初回限定:2006/08/19(土) 20:24:36 ID:WPY4eYpn0
>>569
久々に投下キボンwww
571名無しさん@初回限定:2006/08/19(土) 20:30:57 ID:iGPp2Skn0
なんか急に伸びててびっくりしたw
投下超GJ!
572突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/23(水) 06:35:43 ID:gF+2OLfK0
流れを読まずに投下!w
573突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/23(水) 06:36:46 ID:gF+2OLfK0
 彼、相原徹は我慢の限界に達しようとしていた。
 色々な意味で。
 「おに〜ぃちゃ〜ん?」
 自分で課した本日の受験勉強のノルマを終え、ベッドに潜り込んだ
彼の部屋を訪れたのは二つ下の妹、舞。音を立てないよう細心の注意
を払って扉を開けた舞は、絞りに絞った小声で呼びかけてから抜き足
差し足忍び足で徹の部屋に入り、これまた後ろ手でゆっくりと扉を閉
める。照明を消したままの暗がりの中、まだ寝付いていない徹の耳に
は絨毯の上をスローテンポで歩く素足の音だけが聞こえてくる。
 「えへへっ♪」
 そんな兄の様子を知ってか知らずか、ベッドまで数歩の距離まで近
づいた舞は身につけていた(普段から寝間着にしている)大きなワイ
シャツのボタンを外して脱皮するように肩からスルリ、と落として脱
ぎ捨てる。その下から現れたのは水色のショーツだけとなった少女の
半裸身。高校生にしては少々ボリューム不足なバストを除けば模範的
な体重と体脂肪率を保っている彼女の肌は白すぎず焼き過ぎず健康的
な色で若さの象徴である柔らかさと瑞々しさと爽やかな質感を周囲に
発散している。
 「………………………………」
 そんな妹の裸身から逃げるように寝返りを打つ徹。実は舞が、こう
して夜中に忍び込んでくるのは昨日今日に始まった事ではなく、これ
から起こるのかも殆ど毎夜の恒例行事になりつつあるのだ。
 「えへへへっ、お邪魔しまぁ〜すっ♪」
 そして舞の方とて徹が狸寝入りをしていること位は先刻承知。尻尾
が付いていればパタパタと振り回しそうな笑顔を浮かべながら、愛玩
動物が飼い主の布団に潜り込むように四つん這いになって頭から兄の
ベッドの中にモゾモゾ侵入する。
574突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/23(水) 06:37:45 ID:gF+2OLfK0
 「ね、お兄ちゃん?」真下の部屋では二人の母が就寝中であるが、
背中から兄に抱きついて全身を密着させた舞は、先ほどよりは少し大
きな声で耳元に囁く「舞ね舞ね? 今日は石鹸を変えてみたんだ。ど
うかな?」
 「…………………………」
 「ほらほら、ね? 良い匂いでしょ?」
 「…………………………」
 「………お兄ちゃん?」
 「…………………………」
 「ここで、お兄ちゃんに質問です」ぷぅ、と頬を膨らませ化粧っ気
のない唇を尖らせる舞「この状態で、舞がお母さんが起こしちゃう位
に大きな声を出したらどうなるでしょうか? はい5、4、3、2、
1…………」
 「い、良い匂い………だと思うよ………?」
 「む!」
 「…………舞?」
 「やっぱりお兄ちゃん、起きてたぁ!」と今度は拗ねた声「お兄ち
ゃんと舞は恋人同士でしょ? お兄ちゃんは舞の彼氏だよね? なの
に寝たふりして舞のこと避けるなんて酷いよぉ。」
 二人の関係は正直微妙である。告白を受け入れるイコール問答無用
で恋愛成就だと信じて疑わない舞と、家族愛から恋愛へと気持ちを昇
華しきれていない徹の間には未だ明確な温度差が存在するのだ。徹と
て素直に甘えてくれる妹が可愛くないわけはないし、ハナから気心が
知れた相手ということもあって共に過ごす時間も心地よいのだが、実
の兄妹という大前提を簡単にカッ飛ばす事も出来ない。
575突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/23(水) 06:38:19 ID:gF+2OLfK0
 「う〜……」結果、世間体という盾を駆使されて普段は満足にイチ
ャイチャ出来ない舞の不満が、こうして二人きりの時間に我が儘とい
う形で噴出するのだ「……舞、寂しいよぉ……」
 「………ごめん………」
 と背を向けたまま謝る徹も彼なりに舞を大切にしようとはしている
つもりである。野々宮美咲との一件が沈静化してからは出来るだけ一
緒に過ごす時間を作っているし、周囲に勘ぐられたりしないよう注意
しうながら舞のスキンシップには可能な限り応じている。
 「う……う〜…………」
 とはいえ謝っただけで不満が解消出来れば苦労はない。小さく唸り
ながら精一杯の主張代わりに強く抱きつく舞。すると当然ながら二人
の体の密着度が更に上昇する訳で。
 「ぅわっ!」
 小さいながらも張りのある二つの膨らみが徹の背中に押し付けられ
ることとなる。徹自身は裸ではないにせよ、薄い布地一枚に妹の素肌
の感触と温かさが伝わってくる。更に暗い部屋の中で後ろから抱きつ
かれ視覚を使っていない分、意識が感触に集中してしまうという状況
も余計な想像力を加速させてしまう。そうでなくてもここ最近は何度
も一緒に入浴(というか徹が入っていると舞が乱入してくる)して直
に裸を見たり触れ合ったりしている徹の頭の中では自分の体に絡みつ
いている妹のヌードが実にリアルに再現されていた。
 「と、とにかく、舞が嫌いになった訳じゃないから! 寂しい思い
をさせたんだった今度………いや、次の日曜日にでも一緒に出掛けよ
うか! 一緒に遊びに………」
 「……でーと……」
 「…………………………はい?」
 「舞とお兄ちゃんは恋人同士だから、一緒にお出かけするは全部デ
ートだもんデートなんだもん!」
576突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/23(水) 06:38:45 ID:gF+2OLfK0
 「……あ、ああ、そうだな、デーとしよう!」
 「ん♪」
 と満足そうな声。
 「じゃ、じゃぁ明日も早いからもう寝よう。舞は明日も弁当作って
くれるんだろ? だから早く寝ような?」
 と早口でまくし立てる徹の体は彼の理性を嘲笑うように、自らの体
を晒して誘惑してくる舞をとしてではなく雌と判断して臨戦態勢を整
えている。
 早い話が、ギンギンに勃起しているのだ。
 「えー」
 「『えー』じゃない! 俺だって日曜の分の(受験)勉強を追い込
まないと駄目だろ? だから、な?」
 「じゃ、お休みのちゅー………」
 「さっきしただろ? 今日はもう寝ような?」
 「えぇー!?」
 「だから『えぇー!?』じゃないって!」
 というか、この状況でキス(当然ながら「接吻」という意味)なん
ぞしたら最後の留め金が粉々になりそうなのだ。以前に寝込みを襲わ
れて半分夢精状態のまま舞の口の中に放ったことがある徹の体は無意
識レベルで雌の体内に子種を注ぎ込み埋め尽くして征服する快感を知
っており、目の前に据え置かれた舞をターゲティングしている。しか
も舞の方も明らかにやる気満々ときたら…………
 「それじゃ、おやすみっ!」
 「うぅ……ぶーぶー!」
 心底不満げな妹の声を意識の外に追い出しながら、徹は覚え立ての
寿下無を繰り返し暗唱しながら固くく目を閉じた。
577突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/23(水) 06:47:11 ID:gF+2OLfK0
安定・・・・してませんなw>挨拶

ネタだけなら幾つか頭の中を浮遊しているのですが、どーにもこーにも纏まりません。
自分でも文章がフラフラしているという自覚はあるのですが・・・(汗


あー………桐莉兄氏、桐莉兄氏、業務連絡(?)です。
>>475-480の良い掲載方法(タイトルなど)が考えつきませんw
出来ましたら、そちらのご意向をお聞かせ下さいませ。
578名無しさん@初回限定:2006/08/23(水) 11:54:04 ID:IqcbeuWk0
朝起きたら(突発屋氏の)妹SSが投下されてた
579名無しさん@初回限定:2006/08/23(水) 14:56:35 ID:qoVQ703n0
しくしくしくしく……うぁぁぁ、月末までに間に合いそうに無いぃぃぃ。
駄目だぁ、もう駄目だぁぁぁ、もう…だめぽ……がくっ。

……ぬがぁぁぁああ;ぁぁあぁあぁ。ぁぅぁぅ。
うわぁぁああぁぁぁんっ、ド○えもぉ〜〜んっ!!!
【眠らなくても疲れない薬】出してよぉ〜〜っ!!(壊)

>>突発屋氏
ぬー、特にタイトルも妹のお名前も考えて無かったのですよ。
うぁ、見直したら何か改行も狂ってたし。
メモ帳コピペるとたまに折り返しの関係でズレちゃうのねん。

ぬぁー、電波こーい電波こーい……「いけない妹と秘密の兄鍵(あにきー)」で。

あひゃひゃひゃひゃ、壊れー壊れー。症候群LV5キタァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ( ゚)ァ( )ァ(。 )ァ(Д。)ァ(;。Д。)ヒャヒャヒャ。
580桐莉兄:2006/08/23(水) 14:58:03 ID:qoVQ703n0
↑名前忘れてた、桐莉兄でつ。
581名無しさん@初回限定:2006/08/23(水) 21:50:15 ID:xHb41KQk0
>>573-576
GJ!
この妹ええわぁー


あと兄鍵(あにきー)ワロスw
582名無しさん@初回限定:2006/08/24(木) 00:21:55 ID:ZcpcrofM0
>>579
兄ちゃあああんがんがれえうぇえええ
583名無しさん@初回限定:2006/08/24(木) 03:41:04 ID:Q1ZhhF+00
ログが450kを超えたので、長編を投下する時には注意。
584突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/24(木) 04:10:02 ID:75Zg/D5C0
>>576の続きです。
少しは調子が戻ってきたカナ? 戻ってきたカナ?
585突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/24(木) 04:10:48 ID:75Zg/D5C0
 だが、現実も妹も徹が期待していたほどに甘くはなかった。
 「……あ………んふっ………んんん………」
 裸の上半身を背中に密着させたままモゾモゾと動く細い体、薄い
パジャマを苦もなく透過して背中に吹き付けられる甘い吐息と艶っ
ぽい呻き声、そして布団の中の気温を急激に上昇させてゆく火照っ
た素肌と汗の香り。殆ど毎晩繰り返されている舞の日課に年頃の徹
が慣れるはずもなく、腫れ上がった股間の疼きと背徳的(故に甘美)
な衝動と戦い続ける日々が続いていた。
 「あ……あ………あぁん……」
 当の本人から半ば無理矢理に聞かされた話によると、舞の自慰は
主に指を浅く挿入する形で行われることが多いらしい。先ず閉じた
ままの割れ目を何度も指先で撫でて焦らず時間をかけて準備を整え
、その後で愛液をタップリと絡ませた右手の中指を膣口に差し込ん
で入り口の周囲の浅い部分を優しく掻き混ぜるようにして快感を得
るのだという。

 『クリは触らないんだよ、感じすぎて痛いから。』
 とまぁ聞きいてもいない事まで、兄の反応を楽しむように暴露し
てくれるのだ。恐らくは、これも誘惑の一環なのだろうが……
 『それでねそれでね、お兄ちゃんのが入ってるのを想像しながら
チュクチュクってするの。舞、お兄ちゃんをオカズにしてすのがイ
チバン気持ちいいんだ。』
 などと恥ずかしそうに頬を染めつつ上目遣いで仰ってくれる。
586突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/24(木) 04:11:35 ID:75Zg/D5C0
 「………んん………んん〜ん……ほにいちゃぁん………」
 一体全体俺のベッドで何をしてるんだ、と少々の怒気を込めて問
いつめようとして真顔で『おなにーだよ。お兄ちゃんもする?』と
間髪入れずに切り返されてしまった初日。それどころか『舞とお兄
ちゃんは恋人同士なんだから、お兄ちゃんをオカズにするのが普通
でしょ? お兄ちゃんも、舞のことオカズにしてね? あ、それと
も舞の体使う? 舞が手伝ってあげようか?』と面妖な微笑みで迫
られてしまい二の句が継げなくなってしまった。この時ほど女とい
う生き物を恐ろしいと思ったことはない。
 「……んあん……ああん、きもちいいよぉ……」
 まるで自らの意志を持って自分自身を犯すような指の動きに翻弄
されて細い体が引きつる度、幼い膨らみが徹の背中に擦り付けられ
て既に固くなっている乳首がコリコリと転がされる。兄の匂いで肺
を満たそうとするかのように顔が当たっている肩口あたりは汗と唾
液と吐息の水分で布地が湿ってしまうほど。
 「……おに……ちゃん…………んんんんんっっ………!」
 ショーツ一枚という半裸身を密着させられたまま、こんな痴態を
演じられて何も感じないほど徹は人生経験を踏んでいないし女慣れ
もしていない。もう何日も欲望を放出していない分身は舞が放つ雌
の匂いだけで痛いほどに膨張しており、下着と寝間着で二重に覆わ
れた状態のまま上から触れただけで暴発してしまいそうだ。精巣の
中で圧縮され続けている熱いたぎりが勝手に尿管を押し広げようと
している異様な感触まで感じてしまう。
587突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/24(木) 04:12:00 ID:75Zg/D5C0
 「んんっ……んんっ……ぅんんんんんっ………!」
 脳内の血管までもが脈動するかのような鼓動が鳴り響く中、速度
を上げ抜き差しへと動きを変えた妹の手のひらがドロドロに濡れた
淫唇を小刻みに叩くピチピチという音と、膣内で愛液と空気が混ざ
り合うクチュクチュという微かな音が信じられないほど鮮明に聞こ
える。早く終わってくれと願う懇願と、細部まで聞き漏らさなんと
する本能が感覚器官を鋭敏にさせているのか発酵した乳製品の様な
淫臭も布団越しにわかる。
 「……っちゃう。 おにい………舞………っちゃうよぉ!」
 「っ!?」
 危うく漏れそうになった声を辛うじて飲み込んだ徹。背後から不
意に伸びてきた細い指が限界まで勃起した兄の肉筒をズボンの上か
らフワリと包み込んだのだ。
 「んんっ、んんっ、んんっ、んんんっ!」
 いよいよ絶頂が近いのか、荒くなる息に合わせて妹の柔らかい指
が羽毛の様なタッチで兄を上下に擦る。その華奢な手を止ることも
も振り払うことも『寝ている』徹には出来ない。ありったけの力を
下半身込めて奔流を押さるのみ。
 「んんっ、んんっ……………んんんーーーーーーーッ!!」
 そして舞は絶頂を全身で味わうため、徹は射精を食い止めるため
に。兄妹は同時に全身を硬直させ、背中を弓ぞりにさせながら同時
に果てた。
 

 「……はぁ……はぁ………お兄ちゃん、大好きぃ………」
 水色のショーツの中で大量の愛液が、白いブリーフの中では僅か
に溢れた数滴の精液が、それぞれ染みて広がってゆくの感じながら
二人は気怠い心地よさに浸っていた。
588突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/24(木) 04:19:18 ID:75Zg/D5C0
もちょっとだけ続きますw

んで更に業務連絡……というか忘れてました(汗

>>564
書式が非常に似ている、という理由から「あまえんぼ作者氏」だと判断しましたが、
違っていたら仰ってください。迅速に訂正させていただきます。


>>目からビーム ◆A/myMazZ7Y氏
ようこそです。
書き手としても管理人としても行き届かない点が多々あるとは思いますが、宜しくお願いいたします。

>SSログ置き場に一日と経たずに保存されててびっくりしました。

それは暗に「次も書くよな? 当然書くよな?」と催促しているだけなのですw
ともあれ楽しみにしておりますので、ジャンジャン投稿してくださいませ。ぺこり!

>>桐莉兄
早速、掲載させて頂きました。
なんつーか、その・・・・イ`!w
589目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/24(木) 13:06:23 ID:VJu92xGb0
>>突発屋 ◆63./UvvAX. 氏
 初めましてー。
 ここを見始めて一月も経っていない新参者ですがよろしくです。

 480kbを越すとヤバイらしいので、ちょいと様子見てます。うまくおさまればいいんですが。
 こんなんでいいのか? と、思いながら書いてるので、コメント下さる方感謝してます。
 では、第三話にて。
590目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:14:25 ID:B6X3Ca1m0
『小悪魔な妹』


 第三話 ライトニング・ストライク


 悪夢のような光景が目の前に広がっていた。
 四人がけのテーブルの上にところ狭しと並べられた品は実に十品。
 ラズベリーパフェ、ホットケーキ、フレンチトースト、苺のタルト、白玉ぜんざい、抹茶アイス、ココナッツミルクのかき氷、メロンソーダフロート、そして、コーヒーが二杯。
 当夜と早夜のコーヒーを除けば、糖尿病患者が見ただけで悶絶しそうなメニューを一人の少女が片付けてしまったことになる。
 開いた口がふさがらない早夜の代わりに、当夜が声をかけた。
「大丈夫か?」
 正直、食ってる最中にペットボトル症候群にでもなってぶっ倒れるんではないかと不安だった。
 しかし、目の前にいる黒い翼を生やした少女はそんな素振りはちらりとも見せず、不機嫌そうな顔で当夜を睨め付けるだけだった。
「うるっさいわねぇ。自分の財布の心配でもしたら? あ、メロンソーダフロートおかわり」
 昨日は幻覚かもと思ったが、こちらも間違いなく悪魔だと、当夜は確信した。
 
 学校の近くの通学路&国道沿いに、『仮宿』という田舎にしては大きめの喫茶店がある。
 古めかしいのは名前と店長の顔だけであり、数年前に改装されたそこは、嫌味にならない程度に飾られた薄い緑と白の洋風の建物である。
 やや田舎のどこか古ぼけた町並みを隠しきれないここでは、数少ないオシャレ分を補給できる場所であり、昔ながらの味もある。
 主婦、会社員、学生、老若男女問わず人気があった。
 午前中から午後三時半までは主婦の溜まり場、それ以降にようやく当夜たち学生の憩いの場となる。
 普段はあまりの人気の為、当夜はほとんど来たことはなかった。
 しかし、本日午後二時。平日の真っ只中、生徒たちは蒸し暑い教室の中、下敷きで扇いでいるこのときに、当夜と早夜は空調のきいた喫茶店にいた。
 天神 沙紅(あまがみ さく)と、図書館にいた悪魔は名乗った。
 昨晩、完全にすっぽかしていた当夜の家に、どう調べたのか突然押しかけると、「明日は学校を休んで妹を連れて『仮宿』に来い。と命令してその場を去っていったのだ。
 当夜たちが学校をサボってまで恐る恐る喫茶店に向かうと、白いワンピースと黒い翼と、そして不機嫌な顔の少女による、注文攻めが待っていた。
591目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:15:49 ID:B6X3Ca1m0
 図書館の少女はもとより、早夜の羽や角も、昨日必死に鯖の押し寿司を体験していたのがアホらしくなるほど、誰にも見えていないようだった。

「じゃあ、まず。自己紹介からしましょうか。私はさっき名乗った通り、天神沙紅。この町に棲む悪魔よ」
 追加のメロンソーダフロートを一口飲んだ後、突然少女は言い放った。
 二人も慌てて自己紹介したところで、会話が途切れた聞きたいことは山ほどあるはずだったが、目の前の大食いに圧倒されて声が出ない。
 空白を埋めるように、沙紅がストローでメロンソーダをズビズビ吸う音が聞こえている。
 いかん、このペースだと三杯目を頼まれる。
 当夜が不安を抱いたとき、早夜がすっと手を上げた。
 『仮宿』に来た直後は周囲に注意がいっていたようだが、沙紅の大食いのせいで緊張はどこかへ失せたらしい。
「沙紅さん質問いーですか?」
「何?」
 ソーダの上のアイスをストローで突き崩しながら沙紅が答えた。
「悪魔って、何なんですか?」
「悪魔よ」 
 当夜と早夜の目が怪訝なものになる。
「分かりやすく言ってあげましょうか。人って何ですか? はい、これに答えられる?」
 簡単には答えられまいという、自信たっぷりな顔で沙紅は言った。
「哺乳類じゃないかなー。あとは、セキツイ動物とか」
 早夜の即答に得意げな顔が固まった。数瞬の間を置いて、
「そう、悪魔は悪魔。人は人。禅問答じゃないけどこれしか言い表しようがないのよ」
 スルーしやがった。
 ここでまたヘソを曲げられても困るので、当夜たちは見逃すことを決めた。
 沙紅が続ける。
「ただ、それでも普通の悪魔とは別物なのも事実ね。いわば今の人間のようなものなのよ、私たちは」
 当夜が首を傾げた。
「人間の祖先が何か知ってるわよね。サルみたいな……ああ思い出せないわジャワカレーとかペキンダックとかそんなのよ」
「無理してボケなくてもいいぞ、大体分かる」
「その頃に比べると人はたいした頭を手に入れたけど、祖先のような運動能力は失われてしまった。私たちも同じ、悪魔ではあるけれど、徐々に力を失って人と同化してしまった」
592目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:17:14 ID:B6X3Ca1m0
 そして、と沙紅は続ける。
 要約すると、早夜と沙紅は、日本に流れ退化し、人と同化した悪魔であるとのことだった。
 早夜から角が生えてきたのは、親知らずと同じ原理だと言う。
 角や尻尾は、その過去の名残だが、悪魔への信仰を失った人間には見えないし、また角を可視化する能力も退化している為、普通の人間には見えないとのことだった。
「早夜は当人だからいいとして、じゃあなんで、俺には見えたんだ?」
「本当のことを言ってもあげていいけど、まぁ今はあなたが悪魔の親しい人だからと言っておくわ。あなたが私を見つけられたのは、一度悪魔の姿を認識してるからよ」
 ふむ、と当夜が腕を組んで考えると、
「って、ことは、昔悪魔を見たことあるやつなら、早夜の正体が分かるってことか?」
「そうだけど、少なくともこの町ではそんなことはないと思うわ。三十年前からうろうろしてるけど。角が見える生きた人は、あなたが久しぶりよ」
「そうか……って三十年!?」
 見た目はどう見ても、当夜たちと大差なく見える。実年齢を聞こうかとも思ったが、本能がそれを止めていた。
「へぇー。悪魔って若返りの力もあるんですね」
「ないわよ、そんなもの。私が太古の悪魔なら出来たんでしょうけどね。力がないから外見を取り繕うだけで精一杯。九十にもなれば老衰でおさらばよ」
 二杯目のメロンソーダが氷だけになった。
「ようするに、明日から普通に学校に通えるってことだね。あーよかった」
 早夜が両手を伸ばして安堵の息を吐いていると、沙紅が皮肉げに笑った。
「本当によかったと思う?」
 虚を突かれた当夜と早夜が、沙紅を見返す。
「いずれあなたも、私が看取ってきた悪魔と同じ運命を辿るというのにというのに……」
593目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:29:39 ID:B6X3Ca1m0
 クリームのついた上唇を軽く舐め、指先を早夜に真っ直ぐ突き出した。
「あなたは小鳥、籠の中の小鳥よ。籠の鳥は翼を得て羽ばたき、新しい世界を得る。でも、その広く成長した翼のせいで、もう籠には収まれない」
 沙紅の背中の翼が羽ばたいた。
「災厄の黒き羽根が舞う時、人々は血涙に沈む。我は悪魔なり、人を嘆き苦しませ、不幸に追いやる存在なり」
 喫茶店の中に、高々とした声が響く。
「これから、飛び疲れたあなたが絶望の海に沈まないことを祈るわ」
 唇の端を吊り上げて不敵な笑みを浮かべる様は、正に悪魔といえた。
 それが、甘味十一食を平らげて鼻の頭にクリームをつける前ならもっと格好がついたのにと当夜は思った。
 隣に小刻みな震えを感じたかと思えば、早夜が当夜の袖を強く握りしめていた。
「怖いよ……」
「早夜……」
「あたしも、数年したらあんなメンヘルポエマーになっちゃうのかな……」
 それを言うなって。
 うすうす考えていたが、あのセリフはどうかと思った。沙紅がそれを聞いて青筋を立てる。
「誰がメンヘルよ! 昨日図書館でせっかく考えてたんだから。なのに、来ないし!」
「さっきのセリフは伝承とかじゃなくて、あんたの自作かい……」
 というか、あんまり大きい声を出すな、他の客が見てる。
 そのとき、校舎のチャイムが、ここまで届いてきた。放課後の合図だ。
「今日はこれまでみたいね。また知りたいことがいつものところにいるから」
 窓の外をちらりと眺めると、沙紅は席を立った。
 後には、とりあえず角は大丈夫という成果を得た二人と、見るのも恐ろしい伝票が残された。
「ねえお兄ちゃん」
 空っぽの皿の群れに視線を向けた後、早夜が当夜を見る。
「何だ?」
「あたしもなんか頼んでいい?」
 当夜は伝票をちらりとめくり、財布を広げてみた。
「その前に、お前の財布を貸せ」
594目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:30:30 ID:B6X3Ca1m0
 翌日、相変わらず早夜のコスプレ装備は揃ったままだったが、登校してからも誰にもそれを見咎められることはなかった。
 そして、昼休み。
 三日ぶりに当夜たちは暗幕の張られたコンピュータ室に集まり、ささやかな快気祝いをしていた。
「早夜ちゃん。よかったね」
「いやー。よかったなぁ。早夜ちゃんの家に夜中にこっそりお見舞いに行こうかと思ってたぜ」
「よかったよかった。同級生を通報せずにすんでな」
 談笑と冷たい空気が室内を満たす。
 早夜の格好を除けば、そこはもう、三日前までの日常だった。

 家にも母親が帰ってきた。
 父親の様子を見る為またちょくちょく家を空けるかもしれないと言っていたが、とりあえずは一段落したらしい。
 そのうちいよいよ期末テストの時期が近づいてくると、早夜の外見や起こしかねない奇跡の不安などは忙殺されてしまって、一週間も立てば何も感じなくなっていた。
 聞きそびれてしまった謎が、三つあった。妙にタイミングがいい奇跡は、やはり早夜が起こしていたのかということ。
 何故、早夜の親知らずが急に伸びてきたのかということ。
 そして、早夜はこれからどうなるのかということ。
 図書館の悪魔に尋ねにいかなかったのは、無意識に避けていたからなのかもしれなかった。
 それでも、日々はゆったりと何事もなく過ぎていった。
595目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:31:42 ID:B6X3Ca1m0
 明日に期末テストを控えていた夜、当夜の部屋をノックする音が聞こえた。
「勉強なら教えないぞ」
「むぅ……」
 ケチなヤツめという顔をして、それでも早夜は勝手に入ってきた。
「なんでこの世に数学なんてあるんだろね?」
 お前の存在の方がよっぽど理解不能だという言葉は飲み込んでおいた。
 早夜は勉強嫌いだが、成績は悪くない。男子生徒がいいようにたぶらかされてノートと手間を捧げてしまうのだ。
 なんだかんだといって最終的には断れない当夜も、その一人だといえた。
「もうじき夏祭りだね」
 期末が終わって五日後くらいだろうか、地元の祭りなど、この歳恋人もなしで行くのはバカバカし過ぎる。
 更に昨年は早夜と疎遠になっていたこともあって、行ってなかった。
「今年は一緒に行こっか? どうせ一緒に行く人いないんでしょ」
 さすがにその決め付けには反論したかったが、その通りでまったく予定はない。
「うんうん。うら寂しい一人身の若い兄に付き合ってあげるとは、孝行な妹を持ってお兄ちゃんは幸せ者だねぇ」
 満面の笑顔で言ってのける早夜に、当夜は精一杯の抵抗をした。
「うるせえ。まだ未定なだけだ。お前は滑り止め」
「んじゃー。それまでに相手が見つかるといいねー。どーせいないだろうけど、あはははは」
 悪魔的というより、老婆のような笑いを残して、早夜は部屋を出て行った。
 どうしたもんかと溜息をついて、部屋のテレビをつけた。
 大型の台風が五日後の夜くらいにくるというニュースをやっていた。
 そういえば、と思う。最近早夜の『奇跡』が起きていない。嵐の前の静けさでなければいいのだが。
596目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:41:57 ID:B6X3Ca1m0
 じりじりと日差しが照りつける中、教室に満ちていた緊張が緩んだ。
「それでは書くのをやめてください。後ろから前へ答案を――」
 絶望と苦痛と睡眠不足に彩られた六時間耐久戦が終わりを告げた。
 長い戦いに終止符が打たれると、生徒の過半数が「やばい」と言って机に伏し、残りが「遊ぶか」と席を立った。
 孝之はその両方を行うと、当夜の席にすっとんできて、明日皆でプールか海にでも行こうという話を始めた。
 当夜が面倒くさそうな顔を見せると、ええいこの腑抜けがと孝之はいきり立った。
 ええいこの根性なし目、共学でありながら三年間彼女なしで卒業するつもりか、幸い俺には早夜ちゃん。お前には由香利というターゲットがいる。
 ここでフラグを立てておけば、その次の夏祭りでスムーズにいける。ここが正念場だぞ当夜!
 などと言っていたが、要するに早夜を引っ張る為に当夜を利用しようとしていることは明らかだった。
 しかし、結局いつもの勢いに負けて、加奈子ちゃん以外は行くことになった。
「すみません。ちょっとサークルの用事が立て込んでまして、また今度お願いしますね」
 内容に触れると汚染されるので、それ以上は突っ込まないでおいた。
 二対二になると早夜の貞操がいささか危険ではあったが、たぶんプールならトルネードウェイブか、海ならジェリーフィッシュ・スタブあたりでやられるだろうからまあいいかと思った。
「いやー楽しみだねえ」
 ここよりは圧倒的に都会じみた二つ隣の町までプールに行くことになった早夜は、自分の姿など全く意識していないようだった。
 心配になって図書館に行くと、本に目を落としたままの沙紅から適当な返事が返ってきた。
「大丈夫大丈夫、ここ十数年色々旅行とか行ったけど、バレたことないから」
 非常に心配だった。
 心配のまま、時間は過ぎ、夏休み前の最後の休日を迎えた。
597目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:44:33 ID:B6X3Ca1m0
 最寄の駅から電車で二十分ほどの距離にある、里帰りの親子連れが遊びに行きそうなレジャープールだが、どうして中々若者も多い。
 多少の古臭さは残るものの、流れるプール、室内、ウォータースライダー、サウナなどもばっちり完備している為、飽きずに楽しめることが要因だろう。
 由香利は慎ましやかな花柄のワンピースを、早夜は競泳用スクール水着ではなく、紺色の紐ビキニというこれまた性格の分かれる選びで更衣室から出てきた。
 最初は四人で回っていたが、昼食を挟んだあたりで、孝之がアクションを起こした。
「早夜ちゃんって水泳部なんだよね。俺に泳ぎを教えてくれないか、手取り足取り」
「騙されるな早夜。そいつは中学に入るまで四年間スイミングスクールに通っていたと自慢していたぞ」
「それは冗談だ。さ、早夜ちゃん行こうぜ」
 恐るべき早業で早夜の方を抱えると、強引に引っ張っていってしまった。一歩間違えば人攫いの勢いだった。
 追いかけるべきかと支援していると。
「大丈夫だよ。孝之君だって、人目があるところで変なことはしないと思うし」
 あんまりフォローになってない言葉で慰めながら由香利が当夜の肩を後ろから叩いた。
「少しは友達を信じてあげよう。それに、プールの監視員さんや、ガードマンの人もいるからさ。もしもの時は安心だよ」
「そうだな」
 ていうか、由香利も全然信じてねえな。
 手持ち無沙汰になった当夜と由香利は、プールサイドのビーチパラソルの下で、日を避けることにした。
「早夜ちゃんって、元気でいい子だね」
「小やかましくて、人の扱いに慣れてるだけだよ。男子に色目使うから、加奈子ちゃん以外の同級生の女子には受けが悪いらしいしな」
「そうかな。でも、男の人ってそれくらいの方がいいんじゃない?」
「そんなことねえさ。明るいのは結構だが、いつもだと疲れるぞ」
 あははと、由香利は苦笑して、当夜を少し見つめた。
「じゃあ、私みたいにどんくさい女は、どう?」
 それは、普段そんな類のことを全く口にしない由香利にしては、大胆な誘いだったが、いかんせん早夜の洗練された技術とは、比べ物にならないほどお粗末だった。
 声色も、視線も、仕種も全然なっていなかった。
 そんなぎこちなさがふとおかしく。笑い出してしまった当夜を見て由香利は赤い顔をした。
598目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:48:26 ID:B6X3Ca1m0
「私も泳ぎ教えてもらおうと思ったのに……」
 孝之みたいな嘘は似合わないぞと言おうとしたが、初めて見たかもしれない拗ねた顔が楽しく、その手を引っ張った。
「いいぞ、教えてやるよ」

 由香利が泳げないといっても、簡単には泳げるものだと思っていたが、どうやら小学、中学の教師たちは匙を投げてしまったらしい。
 その技巧は、『25メートルを立ち止まらずに泳げない』レベルだった。
 徐々に教える技術を退行させていくと、教えることが沈まないこととバタ足になってしまった。『顔に水をつけるところ』まで戻らなかったのは、幸いというべきか。
 それでも三十分も練習すると、だいぶマシにはなった。
「当夜君は教えるの上手だね」
「ド素人限定でな。それに、昔誰かに教えてやってたような気がする」
「へえ」
 おぼろげな記憶だが、それは早夜だと思った。今でこそ水泳部に所属するくらいのものだが、幼い頃は水を顔につけるのすら困難だった気がする。
 どうしてそこまで下手で、どうしてそこまで成長したのか、記憶はおぼろげだった。
 パラソルの下で休憩しながらそんな話をすると、由香利は穏やかな笑みを浮かべた。仲、いいんだね。と。
「最近、早夜ちゃんと仲良くなったね」
「んなこたぁない」
 付き合う回数が昔に戻っただけで、その性質は数年前から何も変わってない。そう考えたところで、少し前のプールを思い出した。
『契約だよ』
 一瞬触れるだけの、空気のような口づけ。あれはどういうつもりだったのだろう。ただ、よりを戻す為だけの行為だったのか、それとも。
 早夜の中で特別な意味があったのか。
 何をバカなと頭を振った。悪魔であろうと血は繋がってるだろうし、そもそもそんな感情を早夜に抱いたこともない。
 今はちょっとトラブルが起きて親密になってるだけだ。角が消えるにしろ、残るにしろ、このまま何事もなく日々が過ぎればまた戻る。
 あの一年半前の空白に戻っていくのだ。
 それが、正しい兄妹の姿なのだ。
「やっほー。お兄ちゃーん!」
 少し離れた人ごみから声が聞こえた。顔を向けると、見知らぬ小学生くらいの女の子だった。
 慌てて視線を虚空に戻す、由香利はきっと笑っているに違いなかった。
599目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:54:29 ID:B6X3Ca1m0
 数分後、水死体のような顔をした孝之と、いつも通りテンションの高い早夜と合流した。
 寝起きでなければ、孝之如きが早夜に勝てる道理はなかったのだ。
 更衣室に分かれた際、疲弊しきった孝之が当夜にしだれかかってきた。
「燃え尽きたぜ……。それにしても、お前、早夜ちゃんに肉体改造でも施したのか? 教えてるときお前の話しかしてくれないのだが」
 ひょっとすると当夜が早夜に泳ぎを教えた件かもしれないと思ったが、食いつかれるのも嫌だったのでここは無視した。
「俺はお前のイカれた脳みそを今すぐ改造してやりたい」
「告白もしたんだがなぁ。さすが小悪魔、見事にかわされた。まだまだこれからだがな」
「いきなり本丸に飛び込んだのかよ……。行く前に言ってたフラグの順序はどうした?」
 しかし孝之はやや満足げな顔でくねくねと体をくねらすだけだった。
「それにしても、一体どんな告白をしたんだ?」
「ふ、可愛い妹が気になるか当夜よ。聞いて驚くな。俺のは普通のとは一味違うぜ」 
「まさかとは思うが、いきなり『俺の子を産んでくれ』などと言った訳じゃあるまいな?」
「バカヤロウ。いくら俺だってTPOくらいわきまえてるぜ。正解は『俺のここを踏んでくれ』だ」
「わきまえてねえし! っていうかそれは告白は告白でもマゾのカミングアウトじゃねえか!」
 いい加減呆れた。つうか冗談だと言え。ほんとに。
 当夜が頭を抱えていると、孝之はシャワーのコックを捻りながら、薄気味悪く微笑んだ。
「そしたら早夜ちゃんさ。『先輩を罵ると喜びそうなんで、敢えて言ってあげませんよ♪』って。もう最高だったぜ。ありゃ天性だな、ますます惚れた」
「もうお前……やっぱもういいや」
 諦念が当夜の身を包んだ。
 休憩室で合流すると、しばらくトランプで遊んでいたが、孝之が疲労の為眠りだすと、由香利は自分もまだ休みたいので先に帰っていいよと申し出てくれた。
 お言葉に甘えて、当夜と早夜は先に駅へ向かいだした。
600目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:55:59 ID:B6X3Ca1m0
 時計は午後六時を回っていたが、空に赤みはなく、灰色の雲が覆っていた。
 夕立が近いのだろう。駅まで徒歩で二十分程度だったが、少し急いだ方がいいかもしれない。
「いやー今日は楽しかったねえ。午後はあたしがいなくて寂しかった?」
「ああ、とっても静かで爽快だったぞ。ところでお前孝之にどんなスパルタを施したんだ?」
「気になる? 妹が他の男の人と何してたのか。不安でしょうがないかー。困ったお兄ちゃんだなー。あはは」
「やっぱいいや……」
「まぁまぁ聞いてよ、それがねー」
 などと話していると、二人に近づく足音が三人分聞こえた。
 髪を色とりどりに染め、安物のアクセサリーでチャラチャラ装飾した男たちだった。
 苛立ちと退廃的な空気を纏わせたそれはどう見ても田舎のチーマーであり、プールで女の子を引っ掛けられなかった哀れな釣り針であった。
「よう、さっきはよくも人に恥かかせてくれたなぁ」
 出来る限り知らん振りをしたかったが、あいにく曇天のせいか周囲に人がほとんどいない。
 その上男たちの視線は早夜に集中していた。
 おそらく、離れている間に早夜に声をかけたが、無視されたかあるいは冷たくあしらわれたのかも知れない。
「さっきの男と別もん連れてんなー。不公平しないで俺らとも遊んでくれよー」
 などといいながら徐々に男たちは距離を詰めてきた。
 目的は憂さ晴らしか、金か、早夜か。どちらにしろロクなことが起きそうになかたった。
 当夜はケンカに自信がない。というより、中学以来取っ組み合いのケンカなど久しくしたこともなかった。
 争いとなれば、敗北は目に見えている。ここは大人の態度でかわすしかない。
「それはすいませんねうちの妹が、家に帰ったらよく言って聞かせますんで」
「おう兄ちゃん。勝手に逃げるなよ。なぁに、財布出すか、その妹さんとちょっと遊ばせてくれれば許してやるよ」
 何故許してもらわなければならんのかと正論を言っても仕方がない。
 ダメもとで殴りたいと思いつつ、どうやって切り抜けようか考えていた。
 駅にしてもレジャープールにしても走りこむのには中途半端な距離である。
「おいおい、人が話してんのに黙ってんなよ」
 男の一人が、当夜の胸倉をつかもうとしたそのとき、早夜がすっと前に出た。
601目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 11:58:24 ID:B6X3Ca1m0
「いやー。どうも、さっきはすいませんでしたねー。でも、あんまりしつこいからちょっと叫んだだけじゃないですかー」
 作ったような笑顔で早夜が男たちをなだめる。しかし、本当になだめる気があるのか分からない。
 むしろそう見せて煽っているような気さえする。
 早夜が下手に出たので、押せると見たのか、男の手が当夜の胸倉から早夜の肩に移った。
「悪いと思うんなら、これからちょっと付き合えよ?」
「いや、あたし悪いなんて一言も言っないけど。疲れてるんでまた今度にしてくれませんか?」
「ちゃんと休ましてやるからいいだろ。その前に一回運動しようぜ。なぁ」
 その手が馴れ馴れしく腰にまで回ろうとしたので、反射的に当夜はその手をつかんだ。
「なんだぁこの手は」
 男は逆につかみ返すと手を握ったまま当夜の鳩尾に蹴りを入れた。
 鈍い痛みと共に、呼吸が詰まった。なんとか倒れずにはいられたが、平気なふりは出来なかった。
「お兄ちゃんっ!」
 ノープロブレムと言いたかったが声が出てこない。
 体を『く』の字に曲げていると、小さな雨粒が、当夜の顔をぽつぽつと打ち始めた。
 直後、猛獣の唸り声のような轟音が、辺りに響いた。
 何事かと思い上げた当夜の顔を、さっきより格段に多い無数の雨が流れた。
 雷の音が連続して響き始める。夕立が始まったのだ。
 チーマーたちが僅かにたじろぐ中、早夜が薄い笑みを浮かべて言い放った。
「お兄ちゃんごめんね。ちょっと約束破るかも」
 そう言った直後、雷鳴が更に激しさを増し、雨が滝のように強くなった。
「今分かった。たぶん、あの時計を止めたのもあたしだったんだ。でも、ほんとうにあのときは、自分が起こしてたなんて気付かなかったんだよ」
 詠唱は既に始まっているような気がしてきた。
 早夜の新技のライトニング・ストライクが発動して、三人のチーマーが瞬時に黒焦げになる様が目に浮かんだ。
「やめろ! 早夜!」
「あたしは、悪い妹だなー」
 困ったような早夜の笑顔。
 直後、視界が真っ白に多い尽くされた。
602目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 12:01:21 ID:B6X3Ca1m0
 鼓膜が破れたかと思った。当夜たちから五十メートルほど離れた場所にある街路樹が炎に包まれていた。
 チーマーは腰を抜かして、微動だにしていなかった。
 時間が止まったままの当夜の肩を早夜がぽんと叩く。
「いこっか」
 随分とまあとんでもない妹になってしまった。このままいけば世界征服も夢ではないかもしれない。
 溜息を一つ吐いて、当夜は頷いた。
 それでも、早夜は一線を越えなかった。心はまだまだ変わってない……はずだ。
 駅につくと、早夜の足元がふらついた。
 力を使うと負担がかかるのかもしれない。以前学校のプールで意識を失いかけたのも、演技ではなかったのかもしれなかった。
「しっかりしろ。歩けるか?」
「うん……」
 言葉とは裏腹に、完全に千鳥足だった。
 仕方なくおぶってやることにした。濡れたシャツの生地のその内側にあるものがぴたりと背中にくっついたが、煩悩を呼び覚ますことはなかった。
 早夜の意識はほとんど薄れていたが、背中越しに、一度だけ呟いてきた。
「あたしのこと、怖い?」
「おっかないとは思うけど、怖くはないぞ。でも、やたらと力を使うなよ」
 結局、当夜は早夜に助けられたのだ。あの場で無力だった自分を棚に上げて、早夜を責めることはできなかった。
 首にかかっていた両腕に、少しだけ力が込められた。
「……ありがと」
 こういうときだけしおらしくなるのがずるいと思う。そんな声をされたら、怒るに怒れない。
「大丈夫だ。悪魔になっても、何とかなるだろ」
「そうだね」
 家につく頃には、早夜は完全に寝入っていた。
603目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 12:03:41 ID:B6X3Ca1m0
 テーブルの書置きを見て、当夜は苦悩していた。
『お母さんはお父さんのお見舞いに行ってきます。ご飯はレンジでチンしてください』
 いいタイミングでいなくなる母が憎い。早夜は寝ているが、その服は絞ってないぞうきん並に濡れている。
 着替えさせないと風邪を引くのは明らかだが、唯一当てにしていた母という切り札を失い、当夜は途方に暮れていた。
 早夜を往復ビンタしてみたが、起きる気配は一向にない。
 しかし、くしゃみはしているのでほうっておくわけにもいかない。
 ええい。年頃の女子とはいえ家族ではないか、何を躊躇うことがある。
 一分以内に終わらせよう、目隠しでやるとかは逆効果になる。
 早夜のタンスから衣類を引っ張り出して並べだし、ベットに仰向けに寝かせ、手術を開始する医師のような真剣な面持ちで、当夜は早夜に襲い掛かった。
 願わくば、途中で目が覚めることなかれ。
 濡れた早夜のシャツをたくし上げると、水色の下着に包まれた二つの丸みが見えた。体質なのか何か塗ってるのか、水泳部の割には白い肌をしている。
 ブラジャーにかかった手が一瞬硬直したが、意を決して取り外した。さっきの感想は間違っていたという日の当たっていない白さに、当夜は身の危険を感じた。
 一度でも視線を止めれば、理性が崩れてしまう。下着もつけようと思ったが付け方がわからず水をふき取ってTシャツだけ着せると、次は下に取り掛かった。
 鼓動が高鳴り、全身の血液が頭と下半身に二極分化する。
 落ち着け、落ち着け。
 人という文字を三回書いて飲み込んだあと、再び人食いザメのように踊りかかる。
「ん……」
 途中で早夜が声を洩らしたのが悲劇だった。
 声に反応して当夜の腕が、早夜のショーツを膝下までずり下げたところで止まってしまったのだ。
 見ないようにと思っていたのに、目がいってしまったのは悲しむべき男の本能だろう。
 咄嗟に自分の頭を壁に何度も打ち付けていなければ、禁忌を犯しかねなかった。
 タオル越しに拭いたその柔らかさと弾力を感じる度に、当夜はキツツキのように壁にバッティングをした。
「これは俺のキャラじゃない……」
 ようやく下着を穿かせた後、顔面を血だらけにしながら部屋を去ろうとすると、一瞬何かが目に入った。
604目からビーム ◆A/myMazZ7Y :2006/08/25(金) 12:04:52 ID:B6X3Ca1m0
「…………」
 パタンとドアを閉じる。
 着替えの最中は気付かなかったが、沙紅のものとはいかないまでも、羽根と角、そして尻尾が一回り大きさを増しているような気がした。
 中身も見てしまったので今更下着を見るくらいなんてことないが、もう一度確認する気にはなれなかった。
 生えてきた親知らずはどうなるのだろう。
 錯覚に違いない。それより今日の夜は、大変なことになる。
 易々と眠れはしないだろう。
 自分の妹をダシにするわけには断じてならない。手錠があれば両手を拘束したい気分だった。
 時計をみると、まだ七時を回ったところだった。
 夜はまだまだ長そうだった。

 図書館から、最後まで残っていた沙紅が出てきた。
 借りてきた本を広げて街灯の明かりを辿っていると、その前に、一人の少女と、二人のスーツ姿の男が姿を見せた。
「これはこれは、わざわざおいで下さりまして。私に御用ですか?」
「はい。沙紅さんに調べて欲しいことがあるのです」
「私は力を禁じていますが? それでもお役に立てますか?」
 少女は少しの間を置いて、顔を上げた。
「私の学校に、悪魔がいるかも知れません。それを、調べて欲しいのです。私の大切な人たちを、奪わせない為に」
「…………」
 沙紅はしばし思案顔を見せると、やがてパタリと本を閉じた。
「承りましょう」
 月明かりのない街灯の下で、沙紅は慇懃に頭を下げた。
「無明の夜、守護の少女は契約す……、その町……」
「あ、そのいつもの厨設定はいいですから。よろしくお願いしますね。それじゃ」
 少女は微妙な笑顔を浮かべると、男二人を引き連れて道路側に向かっていった。
「…………」
 くしゃみを止められたような顔をしたまま、沙紅はやがてその場から去った。
 図書館に貼られた一枚のポスターに、こう書かれてある。
『カウントダウン! 夏祭りまで、後二日』


 第三話 END
605名無しさん@初回限定:2006/08/25(金) 12:06:10 ID:oGkYj1Eg0
>>590-604
リアルタイム遭遇ktkr!
毎度乙であります!

ってか、長っ!すげえ!
606名無しさん@初回限定:2006/08/25(金) 17:36:54 ID:PDknsgdz0
投下乙。
480kを超えたから次スレが必要ですね。
607桐莉兄:2006/08/25(金) 21:34:37 ID:Xg779cQX0
朝起きたら、妹に その13
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1156509055/

ギコナビの掲示板に戻るで、半角二次元板じゃなくてエロゲネタ&業界板に飛んだんでそっちに立てたんだけど、良かったのかな?
朝芋スレ、エロゲネタに分類された?
何か半角二次元板、新規スレ立てに良く解らない新ルール導入されてたし。

んー、とりあえずエロゲネタ板の方で次スレ立てたよ。
608名無しさん@初回限定:2006/08/25(金) 23:38:22 ID:YCkjsrlz0
ttp://〜/erog/スレ番」がネギ板でなく半角二次元板だったとか
「名無しさん@初回限定」がネギ板以外でも使われてる名無しだなんて初耳だよ
609564-566:2006/08/26(土) 17:29:31 ID:cIlOiQ110
>>588
 「甘えんぼ作者」で間違いないです。

 ただいま、次回作品考案中です……。
610突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/27(日) 14:53:54 ID:rtZt7OBZ0
>>609
了解です。
次の投稿をお待ちしております。

最近面白いと思ったエロゲキャラ
月島小恋(DC2)
雪村杏(DC2)
桂沢穂波(ゆのはな)
香坂彩乃(もしも明日が晴れならば)

これからの投稿作に反映できたらなぁと思ってますが、その前に停滞している分を・・w

あと「秋色恋華(謳華)」「あると」も崩しましたが私的にはイマイチでした。
611名無しさん@初回限定:2006/08/27(日) 20:57:34 ID:ia2J8lGx0
ほなにーっぽいので頼むw
612名無しさん@初回限定:2006/08/27(日) 22:07:16 ID:yjK9Rmey0
おなじく,ほなみんで頼みます。
613名無しさん@初回限定:2006/08/27(日) 23:12:06 ID:4iOdBore0
ほっちゃんで頼む

ほ、ホry
614突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/29(火) 05:31:44 ID:Q33WqXoa0
ほなみんだと、完全無欠な幼馴染みが先に浮かびますがw
というか最近はノベルズ買って

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 カーボン!カーボン!
 ⊂彡

状態です。
次はリラックスでも開けるかな?
615名無しさん@初回限定:2006/08/29(火) 08:31:50 ID:xCt/y9DZ0
>>614
まぁ,そうおっしゃらずに桂沢穂波(ゆのはな)でね。
あと,そろそろ佐々原里佳子に会いたいな(ボソッ【再掲】
616突発屋 ◆63./UvvAX. :2006/08/31(木) 05:26:14 ID:Oi0UXSzJ0
>>615
実を言うと途中まで書いてあるのですが、書けば書くほどにキャラが剥離して
ゆくので根本的な練り直し中です。


一気に読んだ「ポストガール」が非常に気に入ったので「土くれのティターニア 」に行く予定。
Canvas2DVD、どうしよっかなぁ………
617名無しさん@初回限定:2006/09/02(土) 01:47:01 ID:Ejfuhv4p0
駄文投下〜


朝起きたら、今日は年に1度の妹Dayであることを思い出した。

 妹Dayとは、俗に誕生日とも言う。ちなみに今年で16になる。
 誕生日のプレゼントをあげるのは、兄として当然の行為だが、
 (プレゼントの内容は、下着だったり、激辛唐辛子スナック×12だったり、非常識だけど)
 それ以外に、妹の言うことを1つだけ、何でも聞いてあげなくてはならない日だ。
 (無論、あまりに非常識なモノは除外だが)
 3年前は、一緒に買い物だった。
 2年前は、2人で海に出かけた。
 去年は、一緒に寝た。

 ……今年は何をねだられるのかな?
 楽しみのような、怖いような……。
 などと思っていると、我が妹は恥ずかしそうな表情で俺のベッドに潜り込んでいたではないか。
 朝っぱらからなんて積極的……いやいや、朝から何を企んでいるんだ?

「おはよう、お兄ちゃん」
「おはよう、妹。今日は妹Dayだ。好きな願いごとを言うがいい」
「じゃあ、お兄ちゃんの好きなことしてあげる」
「俺の好きなことはオナニーだ」
「むー、まじめに答えろー」

 俺達はベッドの中でじゃれ合う。
 まあ、年頃の兄妹にしてはかなり仲のいい方だと思う。
 ……まあ、昔からお互いが遊び相手だったしな。
618名無しさん@初回限定:2006/09/02(土) 01:47:31 ID:Ejfuhv4p0
「それじゃあ、一緒に寝るか」
「もう寝てるよ……」

 我が妹は俺の胸に甘えるように、頬を寄せる。
 胸の上に髪の毛が流れてきて、少しくすぐったかった。

「お兄ちゃんは常識人だから、それ以上過激なことは望みません」
「なにそれー。じゃあ、お願い変更。今からお兄ちゃんをレイプする」
「お願いの変更は聞きませんー。今日はごろごろするぞー」
「あ、やーん。ずるいー、せっかくの休みなのにー。ぷーぷー」
「……仕方ないヤツだな……。ほれ、誕生日プレゼント」
「わーい、なにかな? なにかな?」
「遊園地の無料招待券。行きたがってたろ?」
「うんっ! わーい、お兄ちゃんとデートだぁ♪」
「ちょ、俺は行くなんて一言も……」
「すぐ、準備するから、お兄ちゃんも早く準備してね」

 妹はすぐに部屋を出て行ってしまった。
 ……ったく、仕方ないな。俺も準備するか……。
 結局、かわいい妹には敵わない俺がいた。

619名無しさん@初回限定:2006/09/03(日) 12:00:21 ID:apqHjUNB0
>>618
乙です。
こういう素朴な話こそが一番難しいんですよ!

−−−−−以降、埋め立て代わりにチラシの裏−−−−−

某氏のブログを拝見していてチョト嬉しかった日

>本音を言えば、色々と書きたいネタはあるんですけどね。
>「金を払えば誰でもやらせてくれる少女と、熱血主人公の話」とか
>「性格の歪みまくった主人公が、ツンデレヒロインをいたぶりまくる話」とか
>「『この世の女は全部俺様の物だ! ぎゃはははははははは!』な主人公が、校内ハーレムを作っていく話」とか。

おお、殆ど同じ事をプロも考えておられるとは!
こーゆーシュチっつーか設定にも結構あこがれるんですよねー♪

>でもこんなの、読者は求めてない(=売れない)でしょうしね。
>「そんなの書きたいなら同人誌でやれ!」みたいな。

………ハイ、オッシャルトオリデゴザイマスデス・・・

でも「ラブ妹(いも)」面白かったですよ、センセ!
620突発屋 ◆63./UvvAX.
あ、名前入れるの忘れてたw