【最狂の寝取られとは? 第6夜】

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1名無しさん@初回限定
各々の心に潜む闇、それは今夜、誰を標的にするのだろう…
そして、狂乱は周囲を巻き込んでいく……

前スレ
【最狂の寝取られとは? 第5夜】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1074867581/

作者別過去ログ
【最狂の寝取られとは?】SS保存サイト
http://www2.be-cat.net/kapapa/opi/index.html

注意事項

☆このスレはsage推奨です 【E-mail(省略可):にsageを入れる】
☆荒らしは徹底的に無視&放置
☆ここは21禁の板です。21歳未満の人はいないので、いたとしてもそれは過去の話だと思われます
☆長文をupする場合は、メモ帳などで全部書いてからコピー&ペーストで投下
☆連載する場合は、固定ハンドル+トリップ(名前欄に#好きな文字列)付きで
2名無しさん@初回限定:04/06/13 00:31 ID:II60F5nQ
過去ログ
>【最凶の寝取られとは?】
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1015/10155/1015552737.html
>最狂の寝取られとは?第2夜
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1036/10365/1036595603.html
【最狂の寝取られとは? 第3夜】
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1053/10537/1053707523.html
【最狂の寝取られとは? 第4夜】
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1064/10644/1064439053.html

寝取られスレ
>彼女または片想いの娘が犯られてしまうゲーム27
http://vip.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1064391745/l50

検索に便利
>寝部屋(寝取られゲーム・漫画などの情報を纏めたサイト)
http://www5e.biglobe.ne.jp/~kten/
3名無しさん@初回限定:04/06/13 00:49 ID:II60F5nQ
関連スレ
>彼女または片思いの娘が犯られてしまう作品(エロ漫画小説板)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1085589189/
>エルフ系ゲーム、エロパロスレッド4(エロパロ板)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1066942311/
>「かまいたちの夜2」のエロ小説(エロパロ板)
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1027522445/l50
>母親が他人に犯される作品 ♯7(エロ漫画小説板)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1071425196/
>自分の彼女が他人にさえた浮気なH26発目叩きオゲ(えっちねた)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/hneta/1083423807/
>■復活■妻を他の男に抱かせてpart2(えっちねた)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/hneta/1075697471/
>ヒロインが大勢の人に裸を見られるモノって…(漫画サロン)
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1083051895/
>主人公とヒロインが結ばれないゲーム(未HTML化) (家庭用ゲーム)
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/famicom/1034435604/
4名無しさん@初回限定:04/06/13 01:08 ID:II60F5nQ
これが抜けててどうする_ト ̄|○

関連スレ

>彼女または片思いの娘が犯られてしまうゲーム35
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1086928420/
5名無しさん@初回限定:04/06/13 01:12 ID:II60F5nQ
「オワタ」について

このスレでは保守の書き込みには何故か「オワタ」
という言葉が使われます。
これは

「終わってしまったの?」
「まだ終わってないよね?」
「終わらないでくれ!」

等のNTR作品を待つ住人の切ない叫びと淡い期待が含まれており、
職人様方や投稿作品への否定的な意味合いでは決してありません
だから職人様方は張り切ってどんどんうpしちゃってください
6名無しさん@初回限定:04/06/13 01:15 ID:II60F5nQ
<既出オワタ>
【最狂の寝取られとは?】SS保存サイト 「オワタ」を突き詰めるスレより転載

<既出オワタ>

オワタ
え…オワタ?
_ト ̄|○  オワタンディスカー!!
ヤッパリ オワテター!!
そしてオワタ
オンドゥルオワタンディスカー!!
フォォォオワタァァッ!(゙゚Д゚)≡○)Д`)
オワタ……カ
マジオワタ
マア オワタナ
オワタんだよ・・・
オワタァ?
オワタヨ
オワタの
オワタン
オワタネ
オワタンカオワタンカトコイチジカントイツメタイ
オワタノ?
一日一オワタ
オォーワチャー
激しくオワタ
奥さんをPTA会長に寝取られたに100オワタ
イキロオワタ
コリャ オワタナ
俺こそが保守&オワタ
オワタンダヨ
7名無しさん@初回限定:04/06/13 01:16 ID:II60F5nQ
<AAオワタ1>
                _∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧
               |                           ̄|
      オワタ      <         え・・・?オワタ?(w         >
   ☆           |_ _  _ _ _ _ _ _ _ _   |
     ヽ   ☆        ∨  ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨  ∨ ̄
 (;゚д゚)エ? =≡= ∧_∧          ☆。:.+:  ∧_∧     オワタ
        / 〃 (・∀・ #)  シャンシャン        ( ・∀・)  ♪.:。゚*
      〆  ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ      / ̄ヽ/,― 、\ o。。。    ( ゚д゚)ポカーン
       ||  γ ⌒ヽヽコ ノ ||           | ||三∪●)三mΕ∃.
   ドコドコ || ΣΣ  .|:::|∪〓 ||           \_.へ--イ\  ゚ ゚ ゚
.     /|\人 _.ノノ _||_. /|\  ∧_∧     (_)(_)   ☆:.°+ 
                          ( ・∀・ )っτ        。::.☆ο
 ( ゚д゚)ポカーン            ♪〜 ( つ‡ /  |   オワタ
                         |  (⌒). |  ☆1          (;゚д゚)エ?
                 オワタ 彡  し'⌒^ミ A 〃
                        / ̄ ̄     ̄ ./|   え・・・?オワタ?(w
    オワタ              | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .|
.                       |     オワタ    .| .|
.                       |          .|/
.                      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
8名無しさん@初回限定:04/06/13 01:16 ID:II60F5nQ
<AAオワタ2>

     (・A・)っ
     (っ ,r 
.      i_ノ┘

       ∧_∧
    ⊂( ・ A ・ )
.     ヽ ⊂ )
     (⌒) | 
        三 `J

     /ヽ     /ヽ
   /  ヽ___/  ヽ
  /           \
  |  ● ヽー/ ●  | オワタ
  \     ∨    /
9名無しさん@初回限定:04/06/13 01:17 ID:II60F5nQ
<AAオワタ3>

オワッタッタッッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタァ!っっっっっっ!!

    ~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦  ドドドドドドドドドッ!!!
 ~旦     ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦オワタァ!
      ヽ )ノノ ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦オワタァ!
~旦  ⌒(゚д゚)ノ ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦オワタァ!
    /. ( ヽ ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦オワタァ!
 旦~     ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦 ≡~旦オワタァ!
     旦~オワタァ!
10名無しさん@初回限定:04/06/13 01:23 ID:TYwjumtC
あえてトラレタ!?といってみる
11名無しさん@初回限定:04/06/13 02:04 ID:HR7VEkTA
冬弥くんとネタ
12名無しさん@初回限定:04/06/13 02:19 ID:kKYF95qm
さぁッ!舞台は整った!出でよ603氏!
13名無しさん@初回限定:04/06/13 02:25 ID:RI5MWo+c
>>1乙オワタ
14名無しさん@初回限定:04/06/13 05:49 ID:koKmqUzz
ムイタ?
15名無しさん@初回限定:04/06/13 10:55 ID:9z1eJiDg
ヒトイネオワタ
16名無しさん@初回限定:04/06/13 11:03 ID:MoOvE33W
>>1
ヌイタ
17706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/13 14:23 ID:OOVzBXi5
久々にうPです。
ぼちぼちと……
18706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/13 14:26 ID:OOVzBXi5
(1/7)

それから奈緒は自宅に帰っていった。
何でも引越しの手伝いをするのだと。
そして俺はいつもの一人での登校と相成った。

「……これからは、また一緒に学校行けるかな」

そう考えると心が弾む。
奈緒以外の女の子と今まで登校したことなんて数えるほどしかないからだ。
それ以前に、

(生徒が少なすぎるんだよな……)

このことがあった。
県立翔香の全校生徒は40人。
普通なら1クラスで収まる人数。
それを年齢別に1学年1クラスに分けている状況だ。

この町には産業も無く、名物も無い。
あるのは他より比較的綺麗な海だけ。
それでも魚はあまり取れない。
塩分濃度の関係らしいのだが、その辺はよくわからないのだが。
19706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/13 14:28 ID:OOVzBXi5
(2/7)

ここは、僻地だ。
大きな山脈に外界から隔てられて、その反対側は一面の海岸。
夏場には海水浴目当ての観光客でそこそこ賑わうのだが、
今の時期はこんなに閑散としている。

(何で俺、こんな所に生まれたんだろう)

たまにこんな事を考えてしまう。
物が不足することは無い。
雑誌なんかも一日遅れではあるが、ちゃんと読める。
コンビニも……有名所ではないが、一応二軒ある。

だが、それもこれも、ある「名所」のおかげで成り立っているのだ。

県道から小道に入り、商店街へ。
生まれる前からある洋服屋、八百屋、魚屋、精肉店が並ぶその場所。
歩いて50Mも無いそこを通り抜ける際、一際目立つ、そのアーケードが現れた。
20706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/13 14:38 ID:OOVzBXi5
(3/7)

商店街を抜けたすぐ西側。
商店街とは直角に位置し、何故か下り坂に伸びていく一角の総称。


[天王料理組合]


その入り口の二本の巨大な柱をアーチ型に繋ぐその巨大な看板は、
簡素な街並においてかなり異彩を放っている。

それを抜けると、その風景は正に異界だ。
見るからに高級そうな料亭が立ち並び、これまた見るからに高級そうな旅館が連なる。
その数は80店舗にも及ぶだろうか。
出される料理は東京や関西の有名店に匹敵する程の味であり、
旅館のサービスはどこの一流ホテルにも負けていないとか。
それらのセールスポイントの代価は、普通の観光客が寝泊りするにはあまりにも高すぎる。
噂によれば、政府高官や、大会社の接待で使われることが殆どらしい。

21706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/13 14:39 ID:OOVzBXi5
(4/7)

「おや、祐ちゃんじゃないか」

いきなり声をかけられ、振り向くと、

「あれ、ばっちゃん。朝から地回り?」

俺の胸くらいの背丈の、どこにでもいそうな老婆がいた。
一見、どこにでもいそうな婆さんだが、

「ああ、ここのくおりてぃをきぃぷする為にゃ、当然だわなぁ」

そう言ってガハハと歯をむいて笑うばっちゃん。
その歯には、所々に金歯が差し込まれている。

御子柴多重。76歳
本人の談なので極めて胡散臭いが、日本の裏社会を牛耳っているとかいないとか。
そして事実として、この老人は、このひなびた町をかろうじて文明社会たらしめている
超高級旅館街・天王料理会の総元締なのだ。

だがそれ以前に俺にとっては、

「奈緒、帰ってきたね」
「ああ、見ないうちに随分大きくなったもんだ」

小さい頃から世話になったお隣の気のいい老人であり、何よりも奈緒の祖母でしかない。
22706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/13 14:40 ID:OOVzBXi5
(5/7)

「明日から奈緒も県翔に行かせる。
 祐ちゃん、よろしく頼むよ」
「ああ、いいよ」

ばっちゃんとの、そんな取り止めの無い会話。
別段いつもと変わらない光景。
が、

「あ、やばい。そろそろ行かないと遅刻しそう」

時間は確実に進んでいるらしかった。

「じゃ、ばっちゃん。そろそろ俺行くよ」
「そうかい。車に気をつけろよ」
「そんなに走ってないから平気だって」

そう言って俺はばっちゃんに背を向けた。
そこへ、

「今からお前ん所へ挨拶に行くからな」

ばっちやんは、ぼそりと、しかし確実に聞こえるような通る声で呟いた。
23706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/13 14:41 ID:OOVzBXi5
(6/7)

「え? いいよそんなの。今更知らない仲じゃないし」
「阿呆。そうじゃない。
 お前の兄貴に用がある」
「え?」
「良二の奴、うちの試験に合格しおった。それを伝える為だよ」

……驚いた。
あの兄さんが。
兄さんの打つ蕎麦が。
この超高級料亭に肩を並べることを許可されたなんて。
ばっちゃんの試験は厳正極まりなく、兄さんも半ば諦めていたのに。

「良かったな。これでお前んとこの借金も、減っていくことだろうよ」
「……ああ!」

俺は素直に喜んだ。
両親が死んでから、俺達はこの御子柴のばっちゃんに多額の資金を受け取っていた。
と言ってもボランティアなんかじゃない。
ばっちゃんは金に関しては中々にシビアで、利子はしれているとはいえ、
借用書はきっちりと書かされたのだ。
それを払拭するため、兄さんは必死に蕎麦打ちの腕を磨き、天王料理会の試験を受けた。
ここの一軒に軒を連ねるとこが出来れば、普通では考えられない収入が得られる。
それこそ、兄弟二人が暮らしながら、借りていた金を返していける程の……
24706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/13 14:42 ID:OOVzBXi5
(7/7)

「だから祐ちゃん、明日引越しな」
「あ……」

不意に失念していた事を指摘され、俺ははっとなった。
そうだ。
当然、ここに店を構えるならば、古い店は畳まなきゃならない。
流石に店を二軒維持するなんて出来っこないから。
だったら、もう奈緒とは、お隣同士じゃ無くなるってことか……

気が付くとばっちゃんの姿は既に無かった。
辺りには、朝故にまだ活気の無い店舗の群れが妙な圧迫感を醸し出しながら佇んでいた。

「……仕方、ないよな」

考えても詮無きこと。
奈緒もどうせ通学時にはここを通るんだし。
奈緒が来た次の日に、俺の家が引っ越す。
何か入れ替わりな形になってしまったが、
これ位障害でも何でもないだろう。

さて、とりあえずは学校だ。
色々考えるのはそれからにしよう……
25名無しさん@初回限定:04/06/13 14:56 ID:TYwjumtC
706さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
途中までは組合のボンボンにとられるのかと思ってたが…。
これはやっぱり優秀な兄に奈緒をとられる話かな?
前回触れられた「転校先での出来事」についても気になるところですが。
こういう先の見えない展開は緊張感があっていいですね。
26名無しさん@初回限定:04/06/13 23:40 ID:6pPz+5U9
ゲゲッ! 「優秀な兄」に「そば」って、今オレが書いている
寝取られものとキーワードがおんなじじゃん! ちょとびびった。

それはともかく乙。期待してます。
27名無しさん@初回限定:04/06/14 03:14 ID:ekg4JvCA
妹がいつも履いているオーバーニーソックスを失敬してきて履いてみました
タンスの中にあったオーバーニーソックスの中で
1番長そうなナイロンの白いオーバーニーソックスを選びました
履いて思いっきり伸ばすとおチンチンの横まで伸びるんです
僕より背の低い妹なら普通に伸ばしても脚を全部包むんじゃない
なんだかいやらしいよこのオーバーニーソックスってやつは
履いたままオナニーしちゃった
射精して冷静になると「僕は妹のオーバーニーソックスでなに興奮しているんだ」と自己嫌悪になった
それでも履いたままでいるとまた興奮してきた
28名無しさん@初回限定:04/06/14 03:38 ID:awaXLmUi
>>27
芸能板とかじゃなくてよかったな
29名無しさん@初回限定:04/06/14 10:36 ID:xGuS6HxT
天王料理組合って俺の地元にあるな
てことは…
30名無しさん@初回限定:04/06/14 13:55 ID:KcvO3rXq
>>29
もうすぐおまえの地元で寝取られが起こるということだ
急げ!
31名無しさん@初回限定:04/06/14 21:26 ID:j4GPVheR
>>29
いそいで寝取っておけ!
そして寝取られるんだ
32706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/14 22:21 ID:SL80wWLA
>>29
ど、同郷でつか?



ネタバレ……しないでくださいね
33名無しさん@初回限定:04/06/16 02:07 ID:nP89yRDc
オワ(ry
34名無しさん@初回限定:04/06/16 17:31 ID:QANsGZwg
オワラ
35名無しさん@初回限定:04/06/16 20:27 ID:rJ1En/uz
オワラナイウタヲウタオウ
36名無しさん@初回限定:04/06/16 20:29 ID:+xvO/zCl
久しぶりに来たら新スレになってた・・・>822以降の景子のその後が・・・(;´Д`)
すまぬ、誰か前スレのログ持ってたらうp頼む
かちゅかJaneDoeView用だったらすごく嬉しい
37名無しさん@初回限定:04/06/16 20:59 ID:QANsGZwg
保存サイトへドゾー
38名無しさん@初回限定:04/06/17 21:01 ID:AZ3lLJeI
保存サイトオワタ
激しくオワタ
39名無しさん@初回限定:04/06/18 13:06 ID:zsaGaEpy
もうかれこれ四ヶ月オワタ
40706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/18 17:44 ID:akwSBVxR
オワタ
41名無しさん@初回限定:04/06/18 18:37 ID:QT2hBR1R
ヨミテハ [オワタ]
カキテハ [マダ オワテナイ]
42名無しさん@初回限定:04/06/18 18:42 ID:o0AinwhE
リアルにトラレタ!?
43603 ◆fzpLpgOYbk :04/06/18 22:23 ID:CivT1g4t
すまそ。
何か続きがうまく書けなくて・・・・・・

必ず終わりまで書きまする。
44名無しさん@初回限定:04/06/18 22:45 ID:7R9QPpqt
>603氏
気長に待ってます
45名無しさん@初回限定:04/06/19 00:08 ID:WctqhQ06
気長にヌイテマス
46名無しさん@初回限定:04/06/19 01:10 ID:vrktFgVp
603氏
俺も気長に期待して、待っていますよ〜
47名無しさん@初回限定:04/06/19 03:28 ID:ne14L4Tg
そしてオワタ
48名無しさん@初回限定:04/06/19 04:44 ID:KY0o0IQ7
期待オワタ
49名無しさん@初回限定:04/06/19 12:16 ID:/kFC4B8s
綺羅光の短編小説で、「天使の痴情」だったかな?
俺的に最高の寝取られ小説。
他の綺羅光小説とはちと作風が違う。
これはスレ違いか?
50706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/19 17:36 ID:xouHimg6
>>541
詳細キボン

後今日か明日には続きうPしますのでよろしくです
51名無しさん@初回限定:04/06/20 02:56 ID:vtmmFOmB
ヌイタ
52名無しさん@初回限定:04/06/20 21:43 ID:5yPgCARx
オワタオワタオワタ
トテモオワタヨ
コレヲカンペキニヨムナンテオワタネオワタヨトテモコマタネオワタヨガンガレオワタ
53名無しさん@初回限定:04/06/20 22:03 ID:up6Cd7ao
ネトッター
54名無しさん@初回限定:04/06/20 22:21 ID:ZlGk/Shf
ペドラレター
55名無しさん@初回限定:04/06/20 22:33 ID:PQ7uoIfb
>54
ワロター
56706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:40 ID:hFIqaB5C
遅くなりますた
うpさせていただきます
57706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:42 ID:hFIqaB5C
(1/11)

商店街を抜け、高級料亭や旅館が立ち並ぶ「天王料理組合」の敷地も抜け、
道なりに歩くこと15分。
見慣れた校舎が俺の目に飛び込んできた。

県立翔香高等学校。

まるで田舎の小学校のようだ。
いや、ここが田舎なのは間違いないのだが……

「……」

木造。
平屋建て。
ほんとにここ高校かよ。

……きっと屋上から飛び降りても死ねないんだろうな。
58706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:43 ID:hFIqaB5C
(2/11)

「……」

暗澹たる気持ちでその学び舎を見上げてみる。
そのたびに襲ってくる、先の透けている未来絵図。

ここを卒業する生徒は、ほぼ100%この町で就職する。
料理人か、旅館の丁稚か、あるいは土産屋か。
そしてそのままランクアップし、果ては店を構えるまでに。
そんな若者への補助金は、全て「天王料理組合」から出される。

こんな小さい町では考えられないような大金を稼ぐ組合と、
こんな小さい町では立ち行きできなくなるような普通の旅館街とのこの循環。

それ故に、この町に生きる若者は、先の未来に夢を馳せない。
この町では、全ての人生を動かずに完結させることが出来るのだ。
59706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:46 ID:hFIqaB5C
(3/11)

「……そんなのは、嫌だ」

一人、呟いてみる。
俺はこの町に骨を埋めるつもりは無い。
可能性を探す事も無く死んでいくつもりは無い。
俺は兄さんのように美味い蕎麦が打てる訳では無い。
御子柴のばっちゃんのように大金を稼ぐ術に長けている訳でも無い。
誇れるものは……幼い頃から研鑽してきた野球の技術。
果たしてこれで飯が食えるのか? と考えれば、思い切り疑わしい。

それでも……
それでも、プロ野球選手だって保証を携えて球界に身を投じた訳では無いはずだ。

「……自信、か」

自分を信じる気持ち。すなわち自信。
いつ吹き飛んでもおかしくないそれを、ずっと握り締め続けるという意志。
今の俺に、確固たる自信は、正直……無い。
でも、日々の鍛錬は欠かしてはいない。
気持ちはいつも前を向くように言い聞かせている。

「後は……傍で支えてくれる人がいれば完璧なんだけどなぁ」
60706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:48 ID:hFIqaB5C
(4/11)

俺はかつて何人かの女性に心を奪われ、そして全員に振られた。
そして気が付けば彼氏のいない同年代はこの町から絶滅してしまった。

……自分の女運の無さに鬱になる。
  奈緒のことを忘れてしまっていたことの、これは報いなのか……


「……悩んでも仕方ないか」

今更、そう今更だ。
明日からは奈緒が学園に来る。
それに、何も出会いはこの町でしか出来ない訳では無い。
きっと道は、選択肢はまだいくつもあるはずだ。

俺は気持ちを切り替え、全部で5人しかいない2年の教室に向かった。
61706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:49 ID:hFIqaB5C
(5/11)

板べりの廊下をギシギシ鳴らしながら目的地へ。

『弐年生』

校長が書道三段の腕前で書いた表札が目に飛び込んでくる。
いい加減通い飽きたこの場所。
俺は半ば機械的に扉に手を掛けた。

「おはよー」

みんなに朝の挨拶。
すると、

「おーっす、祐樹!」
「あーっ、祐樹さんおはよぉ」
「祐樹……来たか」

そして

「やっほー、祐樹クン!」

4人しかいないクラスメイトが、次々に声をかけてきた。
62706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:53 ID:hFIqaB5C
(6/11)

遠坂元太(とおさかげんた)。
御宿郁美(みやどいくみ)。
六道戒児(りくどうかいじ)。
帆坂奈央(ほさかなお)。

これが俺のたった4人しかいないクラスメイト。


遠坂元太との付き合いはかなり古い。
小学校からの腐れ縁だ。
一応、我が県翔野球部のエースだったりする。
そして…・・・かつて俺が憧れた伊藤五月の彼氏でもある。


御宿郁美は県翔からのクラスメイトだ。
彼女の父親は「天王料理組合」に加盟しており、
「御宿々」(みやどじゅく)という旅館を経営している。
ま、ここでは珍しくない話なんだが。


六道戒児は、5人の中では一番頭が良く、
全国でもかなりの上位ランキングに入るらしい。
しかし本人はこの町で一番でかい土産物屋を開くと息巻いている。
実に勿体無い話だ。
63706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:55 ID:hFIqaB5C
(7/11)

「ねーねー祐樹クン! 明日転校生が来るってホント?」

着席するや否や、隣に座る少女が身を乗り出して話しかけてきた。
薄く茶色に染めたロングの髪をかきあげ、俺に向かって満面の笑みを投げかけてくる。

穂坂奈央。

――最も最近、俺が好きになった少女であり、
  そして幼馴染の御子柴奈緒と同じ名前を持つ少女―――

小中学校の頃とは違い、県翔には外から引っ越してきた生徒が何人かいる。
何もこんな僻地に来なくても……とは思うが、
試験以外でも入学出来る県翔のシステム故に、子供の進学と一緒に
この町に引っ越してくる家族もいるのだ。
そして穂坂奈央も、かつて外からやってきた転校生の一人だった。

「よ、良く知ってるな。
 しかも穂坂と同じ『なお』って名前なんだぜ?」
「へーっ、そうなんだ!」

俺は未だに彼女と話す時は緊張してしまう。
どうしてだろう。
見たはずなのに。
彼女が、誰かと腕を組んで歩いている場面を。
64706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:56 ID:hFIqaB5C
(8/11)

面と向かって振られていないからだろうか。
ただ、極めてそれらしき場面を目撃しただけだからだろうか。
それとも、

「だったら私、改名しないとみんな混乱するんじゃないかな〜」
「するかっつーの、今更」

おもむろに椅子を抱え、俺の机の前に置き向かい合いに座り直す穂坂奈央。

屈託ない笑顔。
この気安さ。
いいのか?
彼氏が……いるのに?

そんな彼女の態度、雰囲気が、俺に「もしかしたら」みたいな感情を
抱かせるのかもしれない。

「でも、ホントに改名するかもしれないよ?」
「勝手にすれ」

俺達は、他愛のない話でしばらく盛り上がった。
65706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:58 ID:hFIqaB5C
(9/11)

同時刻。

若者は、この上なく恐れ多い相手と対峙していた。


「そんなに睨まれたら、味がよう分からんだろが」
「は、はい! 失礼しました!」


蕎麦処・春日庵
外では雀が何匹か連なり囀っている、まだ開店時間には早いそんな一時。

一人しかいない客の老婆が、対面にいる若者が渾身の力で打った蕎麦をたぐっていた。

最上級の蕎麦粉をつなぎ無しで打ち、
東北の清浄極まりない秘山の清水で洗った一品。

それが、老婆の今日の朝食だった。
他意はなく、それは老婆にとって本当に唯の朝食に過ぎない。
66706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/20 23:59 ID:hFIqaB5C
(10/11)

しかし、

「ふむ」

三口ほど食した後、老婆は箸を置き、

「この前よりは、マシだった」

ぼそりと感想を呟いた。
瞬間、店主の春日良二は心底ほっとしたかのように溜息をついた。
糸のようにか細い橋を渡る時。
彼は見事に渡りきったのだ。

「で、良ちゃんよ。引越し準備は進んでるか?」
「はい。向こうで営業できるだけの荷物は送りました」

朝食を終え、人懐っこく話しかける老婆……幼き頃によく遊んでもらった老婆に対し、
春日良二は慇懃な態度を全く崩そうとはしなかった。
67名無しさん@初回限定:04/06/21 00:04 ID:gSmhp6Go
アシスト
68706 ◆qVkH7XR8gk :04/06/21 00:04 ID:7M4uI5z1
(11/11)

老婆の名は、御子柴多恵。
高級料亭旅館街「天王料理組合」の総元締。
今の春日良二にとっては、最も畏敬の念を抱いて接しなければいけない相手なのだ。

「そうか」

そう言って御子柴多恵は食後の茶をゆるりと啜る。
良二はその光景をじっと眺めている。
本当に、本当に少しだけ緊張の糸が弛んだこの場面。

が、御子柴多恵は、ここに来た用件を話すならこの瞬間、と決めていた。


「―――初子(ういこ)と、温女(おんな)と、艶鷺(つやさぎ)を、一人づつ」


唐突な御子柴多恵の言葉。

「支度しとけ」

空になった総元締の湯のみに茶を注ぐ春日良二の手は、明らかに震えてた。


69名無しさん@初回限定:04/06/21 23:16 ID:YNmC2775
しかしこのスレはホント分かり易いよな
誰かリアクションしてやれよ
オレは嫌だ
70名無しさん@初回限定:04/06/22 01:39 ID:cHATQ/fo
正直に言おう
ヒロくんとサキくんと作者>>1さんのしか読んでない

ヒロくんは可愛すぎます
サキくんはSFってのがうざいなーと思ってたら何か面白くなってきて最後にとった彼の決断とかが良かったです
作者>>1さんのあのビデオ送られたり学校で性奴隷になってんのはもう最高でした
71名無しさん@初回限定:04/06/22 02:07 ID:yBYN4Nov
>>70
俺も俺も
72名無しさん@初回限定:04/06/22 03:43 ID:GGGT9UXS
んじゃ俺も正直に言うと主人公萌え萌え言ってるのは
何かスレの趣旨を勘違いしてると思う
73名無しさん@初回限定:04/06/22 03:46 ID:C+Fd/zKN
そもそもここってSSスレだったっけ?
74名無しさん@初回限定:04/06/22 03:54 ID:GGGT9UXS
>>73
作者1さんはいちおうスレタイに沿った形のものを表現しようとしてたと
思うけどね。
まあ俺はむしろ寝取り男の言動に燃えたいんで
そこらへんきっちり描いてくれたら賞賛レスしまくりますわ。
75名無しさん@初回限定:04/06/22 12:00 ID:qyCmSwL5
まあ寝取られって、
(0)主人公がヒロインに思いを寄せる(甘酸っぱいドキドキ?)
(1)主人公とヒロインが思いを通じさせる(幸せ絶頂)
(2)ヒロインねとられ(転落)
(3)その後は様々(復讐、ヘタレ、などなど)
((0)は省略可能)

のステップをふまないといけないから、なかなか肝心の所までたどり着けない。
(マッハ落ちだと、よっぽど上手くかかないと、股緩すぎ、としか言われないし)
構成的に、美味しいシーンを予告編みたいに先に見せたり、
「だけどこの幸せがあんなにも簡単に崩れるなんて、このときの僕には夢にも思わなかった」
とかドキドキ感を煽っておかないと、
こういった所で、少しずつ書いていくと、なかなかついてきてもらえないしね。

とりあえず「これはおもろない」という人もいるし、
漏れのように「続きマダー」という人もいるので、
書いてくれてる方々には頑張っていただきたいものです。

706氏の続きもマダー?(AA略)
76名無しさん@初回限定:04/06/22 12:31 ID:1Es855Hc
つまりオワタってことだろ?
77名無しさん@初回限定:04/06/22 17:04 ID:LCl1vP5f
寝取られゲースレもそうだけどくだらない神学論争に収支するキモイ奴が増えてきた。
誰もお前らの考えなんて興味ないって。有益なゲームの情報知りたいし、はよ寝取られSS読みたい。

78名無しさん@初回限定:04/06/22 18:06 ID:C+Fd/zKN
なんか人が減りそうな流れやね
79名無しさん@初回限定:04/06/22 21:40 ID:c/t10K/I
このスレの住民の得意技は職人潰しだからね。
80名無しさん@初回限定:04/06/22 23:51 ID:4YLsrqbe
職人潰しによりこのスレオワタ
81名無しさん@初回限定:04/06/24 02:17 ID:EFsltlLH
俺もちょろっと書いたんだけど、肝心の寝取られシーンに行くまでがだるくて飽きたな。
いくつかのテンプレートみたいのがあればいいんだけどな。

つまり主人公とヒロインと、その家族と友人関係の設定をこのスレ内で予め決めてしまう。
主人公は兄弟で、学生にしたい場合は弟で、社会人の場合は兄のほう。
ヒロインも幼馴染からクラスのアイドル、お嬢様、隣の未亡人まで、
エロゲーみたいに選択肢ひとつでヒロインになりえる位置に何人か決めておいて、
そのヒロインたちの設定もすべて決めてしまう。
で、作者はその設定を利用して物語を展開していく。

設定のテンプレートを決めておく利点は、
登場人物の人物像と相互関係の説明を作中から短縮、または省けること。
つまり二次創作みたいにすぐ本題の寝取られシーンに物語を展開できる。
あと物語を一から構成する必要が無いので、少なくとも今より気軽にできる。

どうだろうか、この案。御一考くださいな。
82名無しさん@初回限定:04/06/24 10:14 ID:HSqjx9jz
う〜ん、そんなやり方で『物語』を書いておもしろいんかな?
設定を作ったり、寝取られに至る前段階を描いている時点で
もう『寝取られ』は始まっていると思うんだが。
後で寝取られ感を倍増させるための仕掛けを色々施すのがおもしろいというか。

申し訳ないけどキミ、才能ないと思う……

でも止めはしません。俺は手伝わないけどね。
83名無しさん@初回限定:04/06/24 11:00 ID:vP6CHa9v
サイレンが鳴り響き、
一人の職人がキエタ…


どうも最近マターリ感がなくなってきたな
84名無しさん@初回限定:04/06/24 12:48 ID:S4Z25DXD
オワレ
85名無しさん@初回限定:04/06/24 12:52 ID:MW6/Dj+/
>>82
後半2行が余計。
86名無しさん@初回限定:04/06/24 17:05 ID:t6Fm8xN6
議論しだすとこのスレはオワルよな
87名無しさん@初回限定:04/06/24 18:07 ID:MiJ6Y8QZ
言うだけの奴しかいなくなるとオワル
88名無しさん@初回限定:04/06/24 18:14 ID:vP6CHa9v
まぁ序盤を盛り上げる匙加減が寝取られSS書きの腕の見せ所なんだろな
とりあえず>>706氏は出し惜しみ気味な気がする
次回は少し長めのをうPしてみては?
8982:04/06/24 22:50 ID:p3ae7+je
俺はひとりの物書きとして、当たり前の意見を述べただけだけどな?
書く事に楽しさを見出せない、物語の深い部分まで探求しようとしない
時点で、向いてないんじゃないかって言ったまでだよ。
まして自分の好きなジャンルを書いているなら尚更だ。

俺などは(他の職人の方々もそうだろうけど)『寝取られ』を書く時には
むしろ書きたい事がいっぱいあって、でも都合により仕方なく削るみたいな感じだけどな。

逆にこれらに当てはまる人は思い切って書きはじめてみたら?
情熱が続けば、未熟なりにもきっといいものが出来ると思うよ。

それに、俺は精力的にうpを続ける職人を批判したことは一度も無いよ。
ていうか、実は一度もこのスレで批判意見を述べたことはなかったりする。

それから職人たちにちょっとアドバイス。
連載まがいの行為はかなりの実力がないと難しいので、>>88氏が言うように
ある程度まとめてうpしたほうがいい。それから、『書く』という行為は
モチベーションを持続させるのが非常に難しいので、多少無理してでも
短期間に一気に書ききってしまうことをオススメする。
90名無しさん@初回限定:04/06/24 23:07 ID:1j7uS4bz
>>89
いやあ、お前の高みから見下すような物言い自体が
書く意欲を削りまくってるよ。
レス内容見てると作品書いたことがあるみたいだけど、
どの作品だか教えてくんない?
それだけでかい事言ってるくらいなんだから、さぞかし
いい作品なんだろうな?
何がアドバイスだ。お前ほんと何様だ?
91名無しさん@初回限定:04/06/24 23:33 ID:9kG21eP1
ここからのスレの流れを予測してみた。

議論

煽り

マターリ汁!

(繰り返し)

グダグダになって寂れてから職人が戻ってくる
消える職人も多数
92名無しさん@初回限定:04/06/24 23:46 ID:+VFaIkZH
それらの不安をふっとばす職人こそ寝取られ神。
93名無しさん@初回限定:04/06/25 00:00 ID:alHNAxps
とりあえず82はカエレ!
94名無しさん@初回限定:04/06/25 00:30 ID:ldzQtyvy
>>89
カエレ!!
95名無しさん@初回限定:04/06/25 00:37 ID:t+BHpFZM
え・・・?カエレ?(w
96名無しさん@初回限定:04/06/25 01:43 ID:+Oj3NKUh
カエタ
9781:04/06/25 03:51 ID:20QPVtHj
最初に設定のテンプレート化を提案した81だけど、

このスレは基本的に盛り上がってない。
というのも、「寝取られ」に関してもほとんど議論し尽くされてるし、
情報交換も他のスレで十分間に合うから、寝取られSSスレになっているのが現状。
ところがこのSSにしても、反応は実際冷ややかだったりする。
肝心な寝取られシーンまで至ったとしても批判的だったり。
82氏の言うとおり、SSを書くのはちょっとした能力が必要なため
仮に書いて投稿し出しても途中で挫折することがままある。(時間的都合上もあるだろうが)

というわけでさ、職人がSSをうpする以外、他の人はせいぜい「オワタ」って
書くしかすることがないんだよね。
このマンネリ化した流れをちょっと打破したいと思って、
みんなが参加できる企画を提案したんだよ。
自分が一生懸命設定を考えたあの娘が、他の職人の物語で
寝取られていくなんて、これはこれで「来る」と思うけど。
それに一から物語を考えるより、共通する設定が予めできていれば
作中での余計な説明を省けるから、すぐ本題の寝取られシーン(それが行為とは限らないが)に
移行できるし、職人ほどの能力がない人でも書き易くなると思うんだよな。

要は、みんなに何かすることでこのスレを活性化したかったのよ。
98名無しさん@初回限定:04/06/25 11:15 ID:JbtUaSH0
大体どんなスレも最初は職人が来て盛り上がるけど、
そのウチに役に立たん名無ししかこなくなってヒッソリ潰れる。
その名無しがまたスレのルールがどうのとか伝統がどうのとか馬鹿なこと言うんだよね。
99名無しさん@初回限定:04/06/25 11:48 ID:1Wi1noQq
>>97
>82氏の言うとおり

ん???>>82>>81に対してのレスじゃないの?
思いっきり侮辱&否定されてるのに・・・。


>それに一から物語を考えるより、共通する設定が予めできていれば
作中での余計な説明を省けるから、すぐ本題の寝取られシーン(それが行為とは限らないが)に
移行できるし、職人ほどの能力がない人でも書き易くなると思うんだよな。

幅広い設定、シュチュエーションが大事なんじゃないのかな?
寝取られSSなんだから、最終的に寝取られるのは、誰もが分っている訳で・・・
>>81にある提案を取り入れたら、23 ◆bxyzd8gFCE氏のような作品は書けなくなるし。
100名無しさん@初回限定:04/06/25 16:20 ID:XGvCP060
SS作家さんたちがこないときは
リレー小説というか合作みたいのやったらどうよ、テンプレつくってさあ、
と呼びかけたら、
マジな顔して「物書きとしてどうよ、才能ないよ」とかいきなり反論されてもなあ……
10181:04/06/25 17:20 ID:+Oysgcr1
>思いっきり侮辱&否定されてるのに・・・。

そんなことに目くじら立ててもしょうがないし。

シチュエーションに関しては、確かに設定をテンプレ化する以上は
ある程度限定されるのは仕方ないと思う。
でも他の作家さんたちの作品を限定する法はないよ。現行で続いてるのもあるし。
むしろ設定のテンプレ化が盛り上がってる中で(そうなれば、だが)、
今までのような自由設定の作品は新鮮味が増すと思うんだよな。

それにテンプレ化したからこそ可能なパターンもある。
仮に主人公と幼馴染の寝取られSSにしても、寝取る相手が違えば
当然シチュや全体の構成も違ってくる。
同級生、教師、チンピラ等など・・・
そのへんは結局作家の手に委ねるしかない。

テンプレ化はマンネリ打破の提案だから、
if分岐で「質」より「量」を生産するパターンだな。
102名無しさん@初回限定:04/06/27 07:35 ID:AtEkHioO
103名無しさん@初回限定:04/06/27 10:12 ID:KVtJLBT1
104名無しさん@初回限定:04/06/27 11:19 ID:zlwKIT6O
105名無しさん@初回限定:04/06/27 11:25 ID:628HZfrn
とりあえず81と82はキモイと思うよ
106名無しさん@初回限定:04/06/27 11:31 ID:QZpIS7ZB
枯れ木も山の賑わい。
花咲かす職人を待つ。
107名無しさん@初回限定:04/06/27 15:40 ID:t6ac0dYT
景子の話ってまだ続いてるよな??
108名無しさん@初回限定:04/06/27 23:26 ID:5AFGxsR4
オワテナイ
109名無しさん@初回限定:04/06/28 00:49 ID:YPSOSEJu
オワレ
110名無しさん@初回限定:04/06/28 00:57 ID:PFoxTN61
ルワケガナイ
111名無しさん@初回限定:04/06/28 03:54 ID:qymOmwpc
コノスレハオワテル
112名無しさん@初回限定:04/06/28 11:22 ID:kitEy50X
オワタオワタばかり言ってると本当にオワテしまうぞ!
まあとりあえずアレだ。



オワタ
113名無しさん@初回限定:04/06/28 15:06 ID:PFoxTN61
しょうもない議論やったり、あれイラネこれイラネばっかり言ってるとすぐにスレがオワル
114名無しさん@初回限定:04/06/29 00:07 ID:eadXxwYX
いや、このスレはもう死んでるだろ。
職人がヘタな延命措置をしてゾンビみたいになってるが。
115名無しさん@初回限定:04/06/29 00:09 ID:rbWBSbqc
名無しが100人いても何も生み出さない。
このスレはもう終わり。
116名無しさん@初回限定:04/06/29 11:19 ID:KoU+c19a
いかにこのスレがオワタかを語り合うスレになりました。
117名無しさん@初回限定:04/06/29 16:56 ID:+IAF7ICp
ムナシクオワタ
118名無しさん@初回限定:04/06/29 19:41 ID:rkG2U/pk
拙は◆LZ40ROiqVQと水原恭子嬢を待ち続けますぞ
119名無しさん@初回限定:04/06/29 19:45 ID:UYFUr2K3
603氏リサイタルはマダー?
120名無しさん@初回限定:04/06/29 19:46 ID:rASbRFCr
ミンナドコー?
121名無しさん@初回限定:04/06/30 01:11 ID:sUKwBqgH
('Д')ノシ ココノオルゾー
122名無しさん@初回限定:04/06/30 10:20 ID:YJF0CBLX
('Д')ノシ オルダケノナナシダケドナー
123名無しさん@初回限定:04/06/30 21:45 ID:zcLaeu+J
お〜い、誰か職人の行方知らんか〜?
124名無しさん@初回限定:04/07/01 09:29 ID:Bmsd+0dz
いいかげんこのスレに嫌気がさしたのでもう書きません。
125名無しさん@初回限定:04/07/01 11:15 ID:qcQ5l0md
そうですか。さようなら
126名無しさん@初回限定:04/07/01 12:17 ID:XEkvDNTp
頼む・・・俺には何も出来ないがこのまま終わらないでくれ_| ̄|○
127名無しさん@初回限定:04/07/01 14:39 ID:qcQ5l0md
>75-100の流れを見て
それでも書こうって職人はおらんだろ
128名無しさん@初回限定:04/07/01 17:01 ID:YIQrVLRA
それでも俺は待っている

でも……ただ座して死を待つぐらいならなんか書く、
って言ったら誰か出てくる?
129名無しさん@初回限定:04/07/01 17:49 ID:5QjiR8lk
多分モグラ叩きが趣味な人が出てくるので、
有無を言わさず作品投下してみた方がイイと思われ
130名無しさん@初回限定:04/07/02 03:26 ID:vBGT6MUN
ここの住人はホントに待つだけしかしないからな。
作品を投下したってレスはお決まりの「オワタ」。
しかも辛口批判までする。
131名無しさん@初回限定:04/07/02 05:48 ID:avzZWsir
「オワタ」はこのまま終わらないでくれ、続きをぜひ書いてくれ、という意味だと理解できれば辛くもなんともないのでは?

辛口批判は記憶に無いな。
え? もちろんヒロくんとサキくんと作者1さんのしか小説も感想も読んでませんよ?
132名無しさん@初回限定:04/07/02 13:20 ID:0VHqA9gz
お前がなにを読んでるかなんて知ったこっちゃねーよ
俺はだいたい読んでる

ということでオワタ
133名無しさん@初回限定:04/07/02 22:07 ID:5zFYLuR3
保○尚輝は高○早紀を布○寅泰に寝取られ?
134名無しさん@初回限定:04/07/03 17:09 ID:6fq0DKX0
お前ら同窓会に子供連れてくる女子にハァハァする?
135名無しさん@初回限定:04/07/03 23:00 ID:w9Ir1zx+
イライラする。
旦那か親に預けて来いよ
136名無しさん@初回限定:04/07/03 23:35 ID:Az8ulUS0
「○○の子供」
一瞬マジでその当時の事思い返した。
心臓に悪いし笑えない。
137名無しさん@初回限定:04/07/03 23:46 ID:GeUshRhO
>>135
「離婚した」んだって・・・子供2人(´・ω・`)
138137:04/07/03 23:47 ID:GeUshRhO
あ、上のレスアンカーは無視してね。
139名無しさん@初回限定:04/07/04 22:38 ID:8EdUqFFg
603氏待ちsage
140名無しさん@初回限定:04/07/05 05:35 ID:eOZa8AB1
流石にもう来ないっしょ
141名無しさん@初回限定:04/07/05 21:46 ID:1DlAW9ft
603氏を待つ彼女
142名無しさん@初回限定:04/07/05 22:35 ID:VvMlERWK
603氏たのむ・・・!!!
143名無しさん@初回限定:04/07/07 19:05 ID:LU6+OKC4
ここまでオワタスレは見たことがない
144名無しさん@初回限定:04/07/07 22:02 ID:pqp2svNy
寝取られスレの>>138でオワタを叫んだけもの
145144:04/07/07 22:03 ID:pqp2svNy
って、激しく番号間違えた。
というかどういう経緯で番号間違えたのかすら分からん_| ̄|○
146名無しさん@初回限定:04/07/08 00:20 ID:rGihv+7/
ヤンマガのシガテラ、寝盗られの予感
147名無しさん@初回限定:04/07/08 16:26 ID:6JbijlKf
いや、無いっしょ。
あれは若者の、当たり前の葛藤というか心の動きを描写してるだけかと。

……あれ、ひょっとして俺が見てるヤンマガと146の言ってるヤンマガって一号違うのか……
148名無しさん@初回限定:04/07/08 21:37 ID:vTGUpxSv
オワタ
149名無しさん@初回限定:04/07/09 18:00 ID:Fi5znodo
おばあちゃん!
もうこのスレはdatの底に沈むんだから逃げなくちゃダメだよ!


うんにゃ、まだオワテねがらな
わすはここを一歩も動かん
150名無しさん@初回限定:04/07/09 20:21 ID:D6pnESA0
オワオワタ
151名無しさん@初回限定:04/07/10 14:52 ID:iiPV89OK
「ものすごいオワタです。いよいよ最期。皆さんさようなら、さようなら!」
152名無しさん@初回限定:04/07/10 19:47 ID:ECe8n+Mm
ぬるぽ
153名無しさん@初回限定:04/07/10 19:50 ID:KBp5tgaN
>>152
the ガッツ
154名無しさん@初回限定:04/07/10 21:20 ID:E7HO0rcA
603〜
155名無しさん@初回限定:04/07/10 22:20 ID:4o5lD73a
ヾ|_|//(_( //_            . ::゜.゜。・゜゜゜゜ .
 |_|/  //(_(              : ::.゜。 ゜・。゜゜. .  .
 |_| ww(_( 爪              : ::.゜ ゜ ゜゜。・。゜゜...
 |_|  .//_爪                  .: ::.゜゜゜゜・゜  .
 |_ト //(_(     _
ヾ|_|//     , ´f二コヽ
 |_|       ! ((((ハ)))ゝ
 |_|      ,ノハ! ゚ ヮ゚ノハ <みなさんといっぱい遊べますように
 |_|       ゙ (iつfつ□
 |_|        く/_|j〉
 |_|        し'フ
156名無しさん@初回限定:04/07/11 02:41 ID:pK1CBNCF
最近>>5の意味ではないオワタが書き込まれているような気がするのは気のせいだろうか?
このまま終焉……か?
157名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 13:05 ID:tKenHDhg
終焉オワタ
158名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 15:45 ID:Lq/Za4No
603氏も>>43と言ってるんだし、
終わりなら終わりでなんかアクションあるっしょ。
それまでほっしゅほっしゅ
159名無しさん@初回限定:04/07/12 05:49 ID:q6tz8fNS
そうですか
160名無しさん@初回限定:04/07/12 05:51 ID:5IOiusX5
……
161名無しさん@初回限定:04/07/12 05:52 ID:EAaXmMKT
終焉
162名無しさん@初回限定:04/07/12 05:54 ID:0ZhKpHam
そして終了
163名無しさん@初回限定:04/07/12 07:11 ID:dE3oJNU9
ぬるぽしても殴られない世界の底
164名無しさん@初回限定:04/07/12 13:17 ID:DKBhnX2/
世界の中心でオワタをさけぶ
165名無しさん@初回限定:04/07/12 23:57 ID:gPgg7D6j
ぬるぽ
166名無しさん@初回限定:04/07/13 00:01 ID:L4/7BY+W
がっ!!
167王大人:04/07/13 01:14 ID:M5cWbqhB
            _,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_
            f;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
          _,l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l,,_                このスレ
        ,.r'´,.    -┐   ':..,゙ヽ
       ,r' ,::;:'    ,ノ ヽ、    ゙:::.ヽ
      ,.' _.,:;:'___ _立_  ___;;ミ゙、          ̄ノ ̄| ̄
     .l厄巳厄巳厄 i王i ,.巳厄巳厄巳l           ,勹 .├‐''
     l´ , "´  ̄ ̄ ̄ `'''′  ̄ ̄ ̄`.:`{         ´_フ  ヽ、_,
     | l ;;:.,.   ::、.       ...   '゙|
    ,.-''、.,! ,.::'    ヽ、:.゙、 ;;.:' ''  ヽ | ,.、       __l__
   ./  、/ `ヾー─tッ−ヽ''  kーtr─ツ'´〕. ヽ.        |
  / {´i Y::::..   ` ̄ ̄´.: "i! ::. 、` ̄´ ゙:::.、} r、 l        i,____
  | ヾ_,,入;:::.. `'' " ´.::; .::i! ::..  ```  :. }ツl l
  \  ノ ヾ ;:::.   .:r'' :: ll! :ヽ;:..:.   .: j,ノ ,!       ┬‐┌,┴┐
    ヽ',,;l  ゙i ;::.. _ `ヽ、;;,,,,'.ィ'' _,, .::,;r'1,,,/           l__ ノl士
  ッジ::::::|  ゙ ,r'´:::;;;;;;;::>  弋´;;;;;::::ヽ'" |:::::゙'イィ      ノ凵  l土
 弍:::::::::::l  /:::;r'´ ,,..-ー…ー-、 ヾ;:::'、  |:::::::::::ヒ
  シ:::::::::::l   i':::,!  ´  __  ゙  l::::l:. |::::::::::ス       __ヽ__‐┬┐
  彡;:;:::::l  l:::l     ''''''''⇒;;;:,   l:::l  |::::;;ャ`        ニ メ ,ノ
  ,r', 广'`ヽl:::l ::::. .::     ゙::.   l::l ノ^i`、         l ̄l ハヽヽ
 ,イ(:::j    i::;ヘ  :;:.       .::   l::l'"  l:ヽヽ         ̄   ̄
 |;:ヽヽ   l::l  ヽ ;:.... ..  .. :  /l::l   ノ ,.イ
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168名無しさん@初回限定:04/07/13 01:18 ID:n4mCeTIO
>>167
とか何とか言って、漢方の秘術で生き返らせるんでしょ?
・・・でないと困る。
169名無しさん@初回限定:04/07/13 02:09 ID:3Vs4KTwi
王大人の死亡確認はアテにならないので有名です。
何週間かたったたら普通に復活してくる。
170名無しさん@初回限定:04/07/13 08:27 ID:7XCfTfTr
溶岩落ちて骨が浮いてきても生き返らせられるくらいだからな
171名無しさん@初回限定:04/07/14 15:46 ID:Wn7noc+O
寂しいものは 貴方のオワタ
172名無しさん@初回限定:04/07/16 05:07 ID:SySK9UB6
ウェーイ
173名無しさん@初回限定:04/07/16 20:42 ID:ZJq7F8LT
603氏のつなぎで俺書くよ
あんまいじめないでね
174名無しさん@初回限定:04/07/16 20:56 ID:r32jMxoB
支援その1
175名無しさん@初回限定:04/07/16 21:38 ID:hVwCelbi
期待してまふ
176名無しさん@初回限定:04/07/16 21:46 ID:yIJKH0Hw
書いていじめられて挫けなければ一人前。
177名無しさん@初回限定:04/07/16 21:47 ID:Ja1vCxq1
オワレ
178名無しさん@初回限定:04/07/17 13:27 ID:1e8q9q07
一応寝取られスレだからな。
肝心の寝取られシーンがないと反応少ないかもしれぬ。
179146:04/07/17 20:13 ID:7/A6OTrC
なんか、本当に寝取られぽ……
180名無しさん@初回限定:04/07/19 22:34 ID:jYgkuIq2
ウェーイウェーイ
181名無しさん@初回限定:04/07/19 22:56 ID:qMy4+wHK
ウァーイウァーイ
182173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/20 11:27 ID:P8ofzac8
アクセス規制でダメポ
183名無しさん@初回限定:04/07/20 23:37 ID:V+uKqKMg
173さんの意気地なしッ!
184名無しさん@初回限定:04/07/21 00:10 ID:VK2vxYvc
173さんがそんなだから、私・・・
185名無しさん@初回限定:04/07/21 01:53 ID:MfKJSplc
173さんがわるいんだよ…
186名無しさん@初回限定:04/07/21 02:32 ID:6o0q7YzZ
男なら諦めずに進むのだ!
187名無しさん@初回限定:04/07/21 08:05 ID:WFqB7o4T
(注  このスレ名物の職人つぶしです。スルーしてください。
188名無しさん@初回限定:04/07/21 22:55 ID:LOYNYKQ7
ノリが読めてない187に萌え
189名無しさん@初回限定:04/07/22 01:05 ID:O5ixXHrp
ウェーイ
190名無しさん@初回限定:04/07/22 06:30 ID:JW16nPrR
>>188
ノリが読めてない?
こういうくだらんノリが職人を何人も潰してきたんじゃないの?
大体新規で職人が来ても煽られてるとか思えないだろうよ。
ついでに普段はクレクレ言うくせに職人にやたら文句ばっかつけるしね。ここの住人は…
冷静になってスレを読み返してみろよ。
職人がこんなスレで文章とか書きたくなると思う?
191名無しさん@初回限定:04/07/22 08:35 ID:asnYtMTd
>190
概ね同意。
職人をよいしょしろとは言わんが、それにしたって
態度ってもんがあるだろ。
職人をやる気にさせるようなレスが一切無いからね。
「オワタ」「オワタ」「オワタ」「オワタ」「オワタ」「オワタ」・・・
何がノリが読めてないだよ。
どう見たって盛り上がってねーじゃねーか。
てめーが読めてねーから退れてんだろ。
192名無しさん@初回限定:04/07/22 09:20 ID:feglLwcx
まあ、どう見ても>>190-191のレスが職人のやる気を引き出すレスに見えないのはわかる
193名無しさん@初回限定:04/07/22 09:56 ID:3lb9rEFs
てか、もうここには誰も書かないであろうことを前提に、祭りの撤収作業してるだけだから。
194名無しさん@初回限定:04/07/22 11:16 ID:YrjTvhpx
オワタ
195名無しさん@初回限定:04/07/22 16:55 ID:XTprwP4x
6スレとは結構もったな。
196名無しさん@初回限定:04/07/22 21:23 ID:23WH8Oo1
>>190
あんた自分がみえてねー
197名無しさん@初回限定:04/07/22 21:49 ID:pZCaXCU5
もう誰も書かんよ。
後は603氏が終了宣言して終わり
198名無しさん@初回限定:04/07/22 23:13 ID:j+HhayeF
まあ何処のスレもこんなもん。
職人たちのお陰で賑わう事があっても最後には廃れる。
最後まで残るのは決まってクレ厨。
しかも自分たちがスレを潰したということに気付かない。
199名無しさん@初回限定:04/07/23 02:28 ID:fXolKZJ7
オワタ
200名無しさん@初回限定:04/07/23 07:24 ID:JNm/VaYz
>>198
最後まで残るのは、お前みたいな解説厨じゃねーの?(ワラ
201名無しさん@初回限定:04/07/23 07:36 ID:jOMAHquV
>>200
あなたも未練がましくスレにしがみついていますね?(ワラ
202名無しさん@初回限定:04/07/23 09:16 ID:W7rXa6AB
>>201
お前もエラそうにしてるが (以下エンドレスで続く)
203名無しさん@初回限定:04/07/23 10:32 ID:X2HFlWjM
このスレのアイドルひろくんマーダー??(涙
204名無しさん@初回限定:04/07/23 21:25 ID:1MELY4pP
結局のところスレを潰したのは評論家気取りの馬鹿どもでしょ?
新規で来た職人を1〜2回投稿した時点でいきなり叩いたりするし…

あとこのスレのここら辺>>70-71あたりからやたら空気悪いね。
こんなこと書かれてたら職人逃げて当然だと思うよ。
このスレも初期の方は空気良かったのに残念だね。
205名無しさん@初回限定:04/07/23 22:17 ID:9pEWhMj5
寝取られは好きだが、このスレは消えていいよ
206名無しさん@初回限定:04/07/23 22:56 ID:o0i6PxXP
>>204
糞にもならん解説ですね。
207作者その1:04/07/24 01:29 ID:FT5FZWt2
というか、「こういうシチュ キーボン」っと
自分の好み、マニアックな寝取られをアピールして
リクエストすれば良いのではないでしょうか?

それとも、そのネタすら尽きたのでしょうか?
208名無しさん@初回限定:04/07/24 01:54 ID:MY59vZTm
リクエスト募ったら多すぎて職人さんを戸惑わせるかもしれんけぇの。
職人さんがそっちのが良いってんならリクエストする人もいるやもしれん
209名無しさん@初回限定:04/07/24 03:00 ID:GcjFo8mC
成績優秀容姿端麗才色兼備な黒髪ロング生徒会長実姉が、
自分をいじめているヤリチン不良に、
処女和姦NTRされて、
怒りのままに不良に殴りかかったたところを、実力で負けて、そこを実姉に見られて
傷心のまま、雨の中を血だらけズタボロ濡れ鼠で帰宅したら
暴力に興奮した二人がギシアンしてて、
それを盗み見&聞きしながらシコって、
それをショックにひきこもって、
実姉が事故ったと聞いて、二ヶ月ぶりに外に出て病院に行ったら
実姉の死体の左手薬指には指輪、右手には不良の左手
不良の死体の左手には実姉の右手、右手にはバイブ


ぐらいの救いようの無いNTRが発生したら、俺は成仏する。
210名無しさん@初回限定:04/07/24 03:10 ID:E1uq5sKY
仮にリクを募っても「オワタ」とか「○○さんのしか読んでないから」
とか言われちゃ書く気にもならんだろ。
211名無しさん@初回限定:04/07/24 03:37 ID:4sd3URwD
 読まれなくてもいいから、とりあえず書こうと思っている。
 職人さんの足元にも及ばないだろうが、板がもっと活性化すれば
職人さんが帰ってきてくれるのではないかと思うんだ。
 甘いですかね?
212名無しさん@初回限定:04/07/24 03:59 ID:VD5fgaod
何かよくわかりませんがコピペ置いておきますね。

@スレが立つ
A職人さんが盛り上げ、文字レスもほどよくて空気が良い(全盛期)
B珍が良スレの匂いにひかれてやってくる
Cどうでもいい事で難癖をつける
D馬鹿が反応する
E本スレで議論が勃発
F職人さんがその空気にうんざりしていなくなる
G放置できない馬鹿が全盛期を思い出して保守し続ける(脳死状態)
213名無しさん@初回限定:04/07/24 08:19 ID:GcjFo8mC
>>211
このまま、それこそ上のコピペのG状態じゃ、職人さんもよりつかないだろうから、書くのなら頑張って〜 
読む人は必ずいるはず(その中に職人さんも)。最初の内は、風当たり強いかもしれないけど。
214名無しさん@初回限定:04/07/24 12:11 ID:LLEKNQiQ
糞SSを書く
誰にも相手にされない
キレる
他人の振りして擁護する
他人の振りして自分を叩いた奴を厨認定する
215名無しさん@初回限定:04/07/24 12:31 ID:2q11lury
>>214
作品に対する評論があるのは当然ですよね。
ウチのスレは敷居が高いんだよ。
作品が叩かれるのは程度が低いから。
216名無しさん@初回限定:04/07/24 13:23 ID:LM5mlfhH
アフォかと。スレに敷居の高いも低いもあるか。
評価&アドバイスと、批評&非難では書き手の受け取り方がぜんぜん違うよ。
211が書くんなら、上手下手は関係なく、俺は応援してるよ。
個人の好き嫌いがある上で、書き手なりのスキルアップすればいいわけで。
自分に合わないなら、黙ってスルーしてろ。
理由も言わず「つまんない」だとか「読んでない」なんて意見は誰も求めてない。
217名無しさん@初回限定:04/07/24 13:55 ID:E1uq5sKY
まあ、マゾっ気があるなら書いてみてもいいかもね。
218名無しさん@初回限定:04/07/24 17:29 ID:L2sZjsry
>>216
激しく同意
いいこと言った。
219211:04/07/24 19:21 ID:4sd3URwD
 暖かい意見をいただいているようでありがたいです。
明日くらいには投下を開始したいと思いますんで、あまり期待せずにお願いします。

ところで、寝取られと叩かれって結構似てませんかね? 鬱になるところとか。
220名無しさん@初回限定:04/07/24 20:25 ID:ArxXai9K

病気で浮気発覚というのがいいな。
AIDSだったらなお救いがなくていい。
221名無しさん@初回限定:04/07/24 22:25 ID:Y/86rHDm
>220
そ、それ救いがねえ……
222名無しさん@初回限定:04/07/24 22:29 ID:ifzW4xlW
>>220
ちょっと違うけど、こんなかんじ?
ttp://moemoe.homeip.net/view.php?article_id=18
223173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:03 ID:skIJEaLv
アクセス規制解除されたんで始めてみる。
とりあえず、最後まで頑張りますんでヨロ。
224173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:07 ID:skIJEaLv
(1/15)

『初めまして、ジュンヤくん』

仕事から帰ってきた父さんが連れてきた長い髪のその人は、
初めて見る女の人だった。

『大塚真帆です。
 お父さんにはお仕事でお世話になってるんだよ』

俺の目線と同じになるようにしゃがんで微笑む真帆さん。
ふわり、と何か花のようないい匂いがする。
いつも俺を殴るババアとは大違いだ。
その日ババアは帰ってこなかったので
父さんと俺と真帆さんとの三人で晩ご飯を食べた。
真帆さんの作ってくれた料理はとても美味しかったので、
俺は何杯もおかわりをした。
225173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:07 ID:skIJEaLv
(2/15)

ご飯の後で真帆さんは俺をお風呂に入れてくれた。
背中を流してもらう時、真帆さんは俺の背中を見て何故か悲しそうな顔。

『それ、もう痛くないやつから大丈夫だよ』

って言ったら、俺を抱きしめながら真帆さんは泣き出してしまった。
俺も何故か悲しくなったので、真帆さんと一緒に泣いた。


以来、真帆さんはちょくちょく家に遊びにくるようになった。
俺は真帆さんが好きになったので、そのことが単純に嬉しかった。
226173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:08 ID:skIJEaLv
(3/15)

『ああ、もう!!』

いつもの安物のコンビニ弁当の昼食。
俺は誤っておかずの煮豆をこぼしてしまった。
瞬間、目の前のババアがちゃぶ台を飛び越して俺に飛び掛ってきた。
咄嗟に俺はいつものように団子虫の体勢になる。
ババアはそれが余計に腹立たしいらしく、俺をサッカーボールのように蹴り出す。
何回も、何回も蹴る。点が入るゴールもないのに。

(へへ、そんな所、蹴られたって)

心の中でババアを馬鹿にする。
ここをやられたらヤバいって場所は経験でわかっている。
そこさえガードしとけば、後は、この、まま、この嵐が過ぎるのを待つばかり。
何か……、他のこ、とでも考えてようか、……な。
227173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:11 ID:skIJEaLv
(4/15)

(…明日、は昭人…ん所、遊びに行こ、う)
(それまで、に腫れ…が引、くとい、…いいけど)

『純也!このクソ餓鬼!
 クソ餓鬼!クソ餓鬼!!』


(あ、れ?
   今日はババア、ちょっ、と
      しつ  こ い  



              …………な)




夜になって、父さんが帰ってきて、目が醒めたら何故か朝だった。
俺は何故か病院のベッドの上にいた。
そしてこれまた何故か俺はミイラ男に。
後で聞けば、ここに担ぎ込まれてからもう一週間過ぎていた。
228173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:12 ID:skIJEaLv
(5/15)

その日の昼になって真帆さんがお見舞いに来てくれた。

『んむぉ〜〜! ファラオの墓を荒らすなぁ〜〜ん!』

絶対やろうと思っていたネタをやったのに、真帆さんは笑ってくれなかった。


『ジュンヤくん。これからは私がジュンヤくんのお母さんだからね……』

代わりにそう言って真帆さんは俺の手を握ってくれた。

(真帆さんがババアになるの?
 それは嫌だなぁ。
 あんなの、一匹で十分だ)

真帆さんの言ってる意味がわからなかった僕は、何かヘンな勘違いをしてしまった。


後になって、父さんと真帆さんが結婚するという事を聞いた。
ババアはどこか遠くに行ってしまったらしい。
俺は真帆さんが好きだったので、単純に二人をお祝いした。
229173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:15 ID:skIJEaLv
(6/15)

「ジュンヤー
 朝よぉー
 起〜き〜な〜さ〜〜い」

夢の中から現からか。
どこからか聞こえる、間延びした甘ったるい声。
とても起こそうとする気があるとは思えない。
ほら、その証拠に……

「ぐぅ……」

心地よい睡魔が俺を包み込んでいくじゃないか……

「ホントにやばいわよ〜
 遅刻するわよ〜」

あぁ、
そのスイートヴォイスはやめて、母さん……



……ぐぅ。
230173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:17 ID:skIJEaLv
(7/15)

「おはようございます。おばさん」
「あ、昭人くん、いい所に!」
「僕が起こしてきますから」
「お願いね〜」

はて。
母さんの声に混じる、これまた甘ったるい声。
と言っても女の声ではない。
ちょっと高めの、しかしれっきとした男の声だ。
思い当たるのは一人だけだが、はて、誰だ……?

と、俺がボケた頭で思考の海にまどろもうとした時、

「今日の小テスト、大丈夫なの?」

耳元でそんな死の宣告が。

「!!!」

おかげで一気に目が醒めた。

「おはよう純也。後でノート貸してあげるよ」

目の前で、小柄で華奢な眼鏡っ子(男)がいる、そんな光景。
幼馴染の九条昭人(あきと)が微笑んでいた。
231173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:18 ID:skIJEaLv
(8/15)

「あ、ジュンヤやっと起きた!
 もぅ起きなかったらどうしようかと思ったよー」

着替えて一階に降りると、トーストの乗った皿とコーヒーが入ったマグカップを片手に
エプロン姿の母さんがオロオロとしていた。
時計を見ると……ふむ、あまりゆっくりとは出来ない時刻だ。

「はい!はいこれ、はい!」

アセアセしながら、マグカップを俺に手渡そうとする母さん。
朝はちゃんと食べるべき、というのは死んだ父さんのモットーだ。
勿論母さんはそれを律儀に守っている。
で、当然俺にも守らせたいらしい。
のだが……

(歯ァ磨いてるの、わかんないかなー)

とりあえず濯ぐまで待って欲しかったが、
結局俺はそのままマグカップを受け取った。

ちなみにコーヒーで口を濯ぐのは、初めての経験では無い。

232173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:20 ID:skIJEaLv
(9/15)

「んじゃ、行ってきます」

出掛けに仏壇の父さんの写真に向かって手を合わす。
日課なのでこれはどんなに急いでいても忘れない。


母さん……真帆さんが家に来たが、俺が8歳の秋。
それからの6年間は、親子3人本当に幸せだった。

そして父さんが急逝した、半年前……

母さんは、抜け殻のようになってしまった。
俺は必死に母さんを元気づけた。
昭人も子供ながら俺達親子を気遣って、色々よくしてくれた。
それに近所の人たちもみんなが励まして、助けてくれて、
ようやく最近、母さんは元の明るさを取り戻してくれたのだった。
233173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:24 ID:skIJEaLv
(10/15)

「いいの、ジュンヤ? 昭人くん表で待ってるよ」
「母さん……」

ふと気が付くと、俺の後ろに、母さんが立っていた。
そして二人で合掌。

「……」
「……」

瞳を閉じ、母さんは何を思うのか。
父さんと、何を話しているのだろうか。
俺の成長のこと?
日々ちゃんとやってますって報告?

それとも……まだ愛してます……って、行ってたりとか……

(……母さん)

何故か、ざわめく俺の胸の奥。
俺は……


「ほら。 もう行かなきゃ、ね?」

そんな俺の胸の内も知らず、母さんはいつもと変わらぬ「母」の顔で微笑んでいた……
234173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:24 ID:skIJEaLv
(11/15)

「遅いよ純也。
 これじゃノート見る時間、無いんじゃないの?」

学校に向かう道すがら、昭人がぶちぶちと文句を言ってくる。

「へーきへーき。
 着くまでに憶えるから」

そう言って昭人からノートを受け取り、パラパラとめくる。
うん、これ位の出題範囲なら、何とかなるかな。

「ま、純也は記憶力いいからね。
 僕じゃそうはいかないな」
「何謙遜してるんだよ。勉強家」
「あはは……でも結局まだ一度も定期テストで純也に勝ったことないんだけどね」

昭人は昔から頭がいい。
聞けば、予習復習を毎日欠かさずにやっているらしい。
俺は生来の記憶力の良さがあって、たいして勉強もせずにいい成績を取れているが、
昭人は努力で自信を秀才たらしめているのだ。
235173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:27 ID:skIJEaLv
(12/15)

「でもさ」
「ん?」

8割方を頭に叩き込んだ所に、昭人が話しかけてきた。

「純也の影響なんだよ?
 僕が色々頑張れるようになったのは」
「俺の?」

昭人の方を見やる。
奴は、何と言うか……遠い目をしていた。

「僕だったら、きっと耐えられない」

その一言で全部理解した。
ガキの頃の俺は、まぁ世間一般では不遇な家庭環境にいたんだろう。
でも防衛本能からだろうか。
俺は諸々の事情を悲観的には考えようとはしなかった。
だって損じゃないか?
他人のイライラを自分に投影するなんて。
ババアみたいな馬鹿に、俺が合わてやせる理由なんて無い。
そう思って、俺は小さい頃からポジティブシンキングを貫いていた。
236173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:32 ID:skIJEaLv
(13/15)

そんな俺に昭人は影響を受けたという。
お前は……俺みたいにややこしい家庭の事情、ないじゃないか。
親父さんは小さいながら、スーパーの店長。
お袋さんもちゃんとした人格者だ。
そんな幸せな家庭に生まれたんだから、胸張っていりゃいいんだって。
俺の前向き姿勢は処世術。
お前には……必要ないもの、だ。

「ばーか。
 ハズカしいこと言ってんじゃねーっての」

だから俺は、昭人を軽ーくこずき、軽口でこの話題を終わらせた。

「それより急ごうぜ。
 そろそろ走らないとまずいぞ」
「あ、ま、待ってよー純也ー」

とりあえずダッシュをかます。
みるみる後ろに遠ざかっていく昭人の姿。
俺達は昔からこんな調子だ。
無理矢理な前向き思考で駆け抜ける俺を、昭人が「待ってよー」と追いかける。

(多分、きっと、いつまでもこんな関係が続くんだろうな)

そんなことを考えながら、俺達は通い慣れた道を走った。
237173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:33 ID:skIJEaLv
(14/15)

「さてと、お掃除、お洗濯終了……っと」

午前の最後の家事、お洗濯がたった今終了した。
その成果として、まだ少し低い午前の日差しに揺れる洗濯物達。
私はそれを眺めるのが好きだった。

ゆらゆらと、風になびく。

「ふにゃ……」

そして私も、ゆらゆら、うとうとと……



PIPIPIPIPIPI!!

「うわわっ!」

突然鳴り響く目覚ましのベル。
油断していたので、一気に覚醒した。

「……あー、びっくりした」

まだ、どきどきしている。
自分で仕掛けておいて、自分で驚いていちゃ世話ないや。
238173 ◆dR7WV1bjfM :04/07/25 01:34 ID:skIJEaLv
(15/15)

「そろそろ準備しないとね」

そうなのだ。
仕事に行く時間が来たのだ。
今日は……えぇっと、早番だから急がないと。

「何枚持っていけばいいかな……」

独り言を言いながら、私は箪笥をかき回す。
あまり派手すぎない方が私の好みだ。

「これと、これとこれ。あ、これも持っていこうかな」

気分で選んだ十数枚を鞄に詰めて、よし準備完了。

「じゃ、行ってきまーす」

誰が答えてくれる訳でも無いのだが、玄関に向かっていちおう挨拶。
さぁ、今日も元気にお仕事頑張ろう。

「やっと、慣れてきたんだしね」

そんなことを考えながら、私は鼻歌まじりに自転車に飛び乗った。
239作者その1:04/07/25 01:46 ID:8SMfUET9
お疲れ様(もう書き込んでもいいですよね?)
ほのぼのしつつ、先の予兆で期待を膨らませる感じでいいですね。
期待しています。

・・・・といいつつ、このまま「ほのぼのして終われ」と悪の誘惑
「寝取られたのは貴方(読者)の心です」みたいな。

的ハズレなこと書いていたらゴメン。
240名無しさん@初回限定:04/07/25 11:50 ID:4sNRbYaG
母モノですか
とりあえず不特定多数の寝取りキャラ候補を確認したぞ
とりあえず俺を欝勃起させてくれ
話はそれからだハァハァ
241名無しさん@初回限定:04/07/25 16:39 ID:fFxgwDJf
まずは流れをよくしてくれてありがとさんハァハァ
242名無しさん@初回限定:04/07/25 18:35 ID:kyqTmcMY
個人的には706 ◆qVkH7XR8gk氏の続きが興味あるんだけど…
706氏の書き込んだ直後に>>69>>70こういうリアクションする馬鹿いるし。もう無理かね?
243作者その1:04/07/25 20:15 ID:JA+C7cd7
ここで「実は連れ子がいた!」
そしてダブル親娘丼寝取られを予想する
俺は大馬鹿者ですか?
244名無しさん@初回限定:04/07/25 22:50 ID:1KpmoBZZ
こういう不遇だけどポジティブ主人公好きだよ。
そしてなにより義母寝取られッ!
エロゲで今一番俺的にやって欲しいシチュだし、
まぁ173氏ガンガレ!





245名無しさん@初回限定:04/07/26 00:43 ID:AQ8ydtEh
高く飛ぶ為の助走、堕ちる為の序章。
感情移入させる為の前振りは大事。
246名無しさん@初回限定:04/07/26 19:36 ID:brmlse7N
何かかりんの主人公の母をイメージした
247211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 19:45 ID:H3+dBxga
 テスト書き込み
248211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 19:52 ID:H3+dBxga
173 ◆dR7WV1bjfM さんこんばんわ。
 自分もアク禁くらっていましてレスが遅れました。
 ここのところホント暑いですが、最後まで頑張ってくださいませ。
 ババアさんがファラオになって出てきたら、マジびびります。

 では自分も投下させていただきます。
249211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 19:53 ID:H3+dBxga
(01/13)

「かぁっ、うらやますぃ〜! うらやましすぎるぞお前」

 すでに真っ赤な顔をした親父が、ニヤニヤしながら言った。
 ちょっと目を離したすきに、本気で飲みはじめたらしい。
 まだ食事中なんだから、とお袋が缶ビールを取り上げる。

「いやいやいやぁ〜、ここでなぁ〜、はっきりぃ〜、
 いっておかないといかんわけですよ。
 お前はヒジョウに恵まれているわけでぇすよぉ〜。
 こんな萌えぇ〜なシチュはですねぇ〜、
 通常ありえないわけですよぉ〜。俺と弟のお陰なわけですよぉ〜」

 おもむろに立ち上がり、こぶしをフルフルと震わせながら、力説する。
 あれだけたっぷり仕込んだんだからとかなんとか、まだ言ってる親父を座らせながら、
 お袋は今日何度目かのため息をついた。
250211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 19:54 ID:H3+dBxga
(02/13)

 今日は、とある高校の合格発表だった。
 俺はこの学校を受験したことすら忘れていて、実際、昼すぎまで寝過ごしていた。

 この高校は親父の熱烈な勧め、ある意味洗脳のようなものにより、
 強制的に選ばされた学校だ。

 親父には、その高校に一つだけある進学クラスにいくことを勧められていた。

 なんでも、入学からずっと同じクラスのままエリートとしてみっちりシゴカレルらしい。

 いつも中の下といったお寒い成績の俺がそんなところに入れるわけないのだが、
 親父がとにかくやたらと勧めるため、とりあえず受けることになった、
 程度の、どーでもいい所である。
251211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 19:57 ID:5B41xdPJ
(03/13)

 だいたい、俺も親父もそういうエリートなんかとは無縁なわけで。
 親父がきちんとした格好をいるところなんか見たことないぞ。

 昼間は家にいないし、どっかでかけてはいるんだろうが、
 働いてるかどうかすら疑わしい。

 そして、口を開けば萌えだのなんだの言ってるし、
 部屋を開ければニヤニヤしながら女物の衣服を着ていたりするし、
 もうわけがわからない。

 聞くところによると、オタクとかいう人種らしい。
 それも救いようがないレベルのものらしい。
252211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 19:58 ID:5B41xdPJ
(04/13)

 その親父が殊更にこの学校を勧めるのは、どう考えても怪しい。
 絶対裏があるはずだ。

 しかも、萌える先生がいる、程度のはっきりいってどーでもいい話に決まってる。
 下手したら、毎日参観日と称して登校してくるかもしれない。

 あー、あの親父ならやりかねない。

 そんなことを思いながら、学校へとついた。
 午前中からの発表だったせいか、一喜一憂している一団はいなかった。

 学生らしき人影もなかった。

 ただ一人、頭の禿げ上がった初老の男が、発表会場前を掃除していた。
 シャキっと真紅のスーツを着こなしているが、その手にはなぜか竹箒が握られていた。

 罰ゲームかなにかだろうか。
253211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 19:58 ID:5B41xdPJ
(05/13)

 遠巻きに見ていると、こちらの視線に気がついたのか、
 男は俺のほうをじっと見つめたあと、どこかへ行ってしまった。

 なんだか、

『貴方は落ちておりますじゃっ、ヒィーッヒッヒィ』

 とか言われてるような気がした。

 つーか、受かる気がしてないんだけどさー。

 ははははは。

 なんか見る気がなくなったよ。受かってなかったことにして帰ろうか。
254211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 19:59 ID:5B41xdPJ
(06/13)

 チャララ〜ン、チャララ〜ン、チャララララララ〜ン

 突然携帯が鳴り出した。これは実家からだ。

「はいはい、なんですか。まだ結果は見ていませんよ」

「いい、いい、とりあえずお前受かってるの知ってるから、
 さっさと帰って来て出かける支度しろ!」

「お、親父? 何意味不明なこと言ってるんだよ。
 妄想でトチ狂ったんじゃねぇか?」

 俺は文句を言いながら、番号票と看板を見比べていく。
 俺の名前は、俺の名前はっと…。


『薄井 清人』


 あった。


 マジ? なんの冗談ですか?
255211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 20:01 ID:5B41xdPJ
(07/13)

「ぶるぅぁぁぁっ、みつかっちまったぁぁぁ」

 突然ケータイから奇声が聞こえてくる。

「誰もお前を見てねぇよ! 賄賂でも渡したのか? 弱みでも握ったか? ええ?」
「白スクール水着を渡して、息子を握ってもらってハァハァ」
「欲情するな」
「むしろ息子に着せて息子に握ってもらうのはどうか」
「お袋に着せろよ」
「カミさん着てくれないからしょーがないじゃないかっ。ひどいよっ」

 いつものことだが頭が痛い。
 付き合っているとバカになりそうだ。いや、もともと頭はよくないけどな。

 原因はコイツのせいだ、間違いない。
256211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 20:02 ID:5B41xdPJ
(08/13)

「おっと、こんなことをしている場合ではない。
 とっとと帰ってきて俺に萌えを見せ付けてみせろよ。さぁさぁさぁっ」
「だから女装は自分でしてろ」
「いやぁ〜ん、冷たぁ〜い」
「うるせぇ」

 ケータイを切った。とりあえず落ち着こう。状況を整理しなければならない。

 親父はバカだ。

 そうではない。そんなことはとっくの前に知っている。どうでもいい。

 俺は親父の陰謀でこの高校に合格したらしい。
 親父はあらかじめそのことを知っていて、早く帰って来いといってくる。

 そして、真紅のスーツに竹箒のハゲが一人でヒィーッヒッヒィー。

 だめだ。ぜんぜんわかんねぇ。


 帰るか。
257211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 20:03 ID:5B41xdPJ
(09/13)

 家の前にはお袋が複雑な表情をして待っていた。
 すでに外行きの服に着替え、準備は万端といった感じだ。

「お疲れ様。お父さんがいつも通り暴走してますんで置いていきましょうか。
 場所はわかっているのですぐ来ますでしょうし」

 温和に笑いながら、お袋はスタスタと歩きだしてしまう。
 俺まで置いていかれてはたまらないので、早歩きで追いつく。

「うちは外食しないと思っていたけどなぁ」
「ええ。恥ずかしくて恥ずかしくて、お父さんとは一緒に歩けませんから」
 お袋がその時のことを思い出してぷんぷんと怒った。

 親父がいつもの調子でよくわからない持論を大声で語りだし、
 挙句ウェイトレスの服を引っ張りながら

『カミさんのほうが似合うに決まってる、さっさと脱げ』

 といって騒ぎを起こし、店を追い出されたことがあった。

 それが原因で夫婦で出かけることはほとんどなくなったらしい。
258211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 20:05 ID:5B41xdPJ
(10/13)

「で、外食もしないのにどこに行くのかよくわからないんだがねぇ」
「あなたにどうしても会わせたい人がいるんですって」

 会わせたい人がいる。なんだそれは。
 やたらと偏差値の高い学校に行かせるくらいだから、勉強に関係あることだろう。

 勉強といえば、家庭教師、とか?


『先生! こちらの息子にも Lesson してください!』
『だめですわぁ〜、奥様がいますのにぃ〜』
『よいではないか、よいではないか。どうせぇ、欲求不満なんだろげへげへ』
『いけません!いけませんのぉ〜』
『この、愛い奴めっ、すぐに極楽へとイかせてやるぞぉ〜』


 あ〜あ、ただの変態だよ。
259211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 20:06 ID:5B41xdPJ
(11/13)

 などと思っていると、一軒の家の前に来た。
 表札には『薄井』と書いてある。

 俺の苗字も『薄井』だが、このあたりに親戚が住んでいるんだろうか。


 呼び鈴を鳴らすと、家の中からどたどたという音が聞こえてくる。
 その音は玄関前で止まった。

 どうやら中でこちらの様子を探っているようだ。

 ……。

 家の中からクスクスと笑い声が聞こえてきた。

 可愛らしい女の子の声だ。
260211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 20:07 ID:5B41xdPJ
(12/13)

 なんだなんだと思っているうちにドアが開かれる。
 そして、家の中から女の子が飛び出してきた。

「やっほー、元気してた? キヨっ」

 その後ろからもう一人、女の子が出てくる。

「ようこそいらっしゃいました、キヨくん」

 背格好も顔立ちもほとんど同じ二人が、親しげに話しかけてくる。


 キヨ? キヨくん? この呼び名は……、
261211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 20:09 ID:5B41xdPJ
(13/13)

 そうだ、従姉妹だ。俺には従姉妹がいたんだ。


「外はまだ寒かったでしょっ。ささ、早く上がってよ。
 今日は三人のお祝いなんだから、いっぱい祝ってもらおうね」


 ずっと会っていなかったから忘れてたよ。
 というか、親父は従姉妹に会わせたかったってことか?

 確かに、前に直接会ったのが小学校ぐらいだったし、
 その時からみればとても大人になったって気がするし、
 なにより二人ともとっても可愛いし、
 こう近くに寄っただけですごくいい匂いがするし、
 ちょっと胸なんか膨らんじゃったりしてるし……。


 大人っぽい女の子達に動揺を隠しつつ、俺は女の子の部屋へ連れられていった。
262211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/26 20:13 ID:5B41xdPJ
今回はここまでです。
次回は男の夢のおはなしです。

では、また。
263名無しさん@初回限定:04/07/26 21:03 ID:5zFF877n
新規キター
きちんと読んでますよがんばってくださいー
264名無しさん@初回限定:04/07/26 23:08 ID:UsAdcr57
211さん、寝取られモノとは思えないくらいテンション高いっすね・・・
今後の展開に期待しまっス。
265名無しさん@初回限定:04/07/27 14:14 ID:lIr7+pYm
211なんていたっけ? と思ったら新規の人だったんですね
今後に期待
266名無しさん@初回限定:04/07/27 17:48 ID:YxI4gQJw
なんか評論家の先生がたが大人しいですね。
267名無しさん@初回限定:04/07/27 20:30 ID:SPvTIzGw
ここで暴れたら、このスレが完全に駄目になるってことぐらいは分かるんだろ。
「俺はこんなに物語が分かるんだよ!」ってアピールしたいだけの人達だから。
軌道にのったらまた出てくるだろ。
書き手の方も、急に空気悪くなっても冷静にお願いしますm(_ _)m

173さんも、211さんも読んでますよ〜頑張って。
268名無しさん@初回限定:04/07/27 20:47 ID:hURoJOcz
>>267
どう見てもお前のレスが空気悪くしてるよ。
というか、荒らそうとしてるとしか思えない。
269名無しさん@初回限定:04/07/27 21:18 ID:0j9tb+0X
>>268
そう思っても軌道に乗るまではm9(´д`)スルー汁!
270第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 22:47 ID:MSWTgLm6
だめだ!
どうにもこうにも話が繋がらない。
けれど、このまま放棄するのも嫌なので、うpしてしまおう!

恥? そんなもの、始めからあるわきゃない。






というわけで、皆さんの予想の斜め下を行く展開となりますが
ご容赦の程を。
271第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:01 ID:MSWTgLm6
1/
一週間が過ぎた。
相変わらず彼女からの連絡はなく、彼女の携帯にかけても『圏外』のアナウンスが流れるばかりだった。
一体、彼女は何処に行ってしまったのだろう。
彼女の家へ行って見ても、中で明かりが点っている様子はなく、誰もいないかの様にひっそりと静まり返って
いた。(カーテンや、調度品やらで、中がもぬけの空ではないのを確認できたのがせめてもの幸いだが)
こんな状態で学校へ来ても、やる気なぞ起こる筈もない。来るだけでも上等、来ても一日中机に突っ伏して寝
るのが関の山だった。
当然、学内に噂が流れない訳がない。曰く、『田川が遠野景子を妊娠させて、景子は転校した』だそうだ。
ばかやろ。もしそれが本当だったら、俺がここにいるかっていうの。
噂を一々否定して回るのも面倒臭くてほっておいた。
それからさらに三日後の事だった。

「お前が田川か?」
いつものように机の上に突っ伏している俺の頭の上で声がした。
顔を上げると、目の前に見慣れない男子生徒が二人、立っていた。上着の襟に付いたバッジを見る。どうやら、
二年生らしい。どちらも髪を短く刈り上げ、顔は日に焼けて浅黒い。体つきも締まっていて、一欠けらの贅肉
も見えない。どう見ても運動部、それもかなり厳しく鍛えている方の部類だろう。

「そうだけど、何か?」

「ちょっと来い」
二人は俺の席の両サイドに立って、俺に起立を促す。どう見ても逃がすつもりが無いのは明らかだ。

272第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:03 ID:MSWTgLm6
2/
「嫌だと言ったら?」

「あんまり手間を取らすなよ」
二人のうちの一人が答える。言葉は柔和だったが、目付きは鋭く、笑っていない。
此処で拒否して騒ぎを起こすのも面倒なので、素直に付いて行く事にした。一体何の用があって……まあ、大
体察しはつく。こちらも言いたいことがあったから、却って探す手間が省けて都合がいい。
二人に挟まれるようにして教室を出た。周りの人は、チョロチョロと覗いているけれども、こちらに直接に視
線を向けることはしない。やはり騒動に巻き込まれるのは嫌なのだろう。
二人に連れられ、校舎を出て、ついた先は 予想通りサッカー部の部室前だった。

「田川をつれてきました」

返事は無い。けれど、中に人がいるのは間違いない。一体何人? 二人?三人?それとも……首から上が熱く
なり、全身の筋肉が引き締まって行く。

「入れ」
返ってきた声は、一人だけ。けど、油断はできない。
つれて来た上級生に入るように促され、ドアを開けて中に入った。
中は、分厚いカーテンが掛けられ、真っ暗で何も見えない。目を凝らして中を凝視していると、『バタン』とい
うドアが閉まる音がし、続いて鍵の掛かる音がした。

しまった!
中の様子を探るのに気を取られて、後ろを警戒するのを忘れていた。
と、視線が自分の背中に言った瞬間、暗闇で何かが動いた。

273第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:04 ID:MSWTgLm6
3/15
え?……と思うまもなく、顎に強烈な一発を打ち込まれた。
目の前でフラッシュを炊かれたかのように、原色模様の斑紋がチラチラと浮かび上がる。脳を激しくゆすぶられ、意識が半分刈り取られそうになった。
と、そこへ、第二撃が、俺の右わき腹に。
途端に、胃の中のものが逆流しそうになる。呼吸が止まる、息が出来ない。
堪らずその場にうずくまった処に、大きな何かが高速で接近してくる。
何だ?………足?……ヤバイ!
咄嗟に両肘を顔の前に突き出して、頭を保護する。……間一髪間に合った。肘に、肩に重たく『ドスン』とい
う衝撃が走る。……一瞬遅れて激しい痛みが走った。
痛みが引くのを待つ暇もなく次の一撃が顔前に迫る。だめだ、ブロックできない。
慌てて床の上を転げて交わす。
そのまま2、3回転転げて相手と距離をとると、慎重に上体を起こした。

肘、肩の痛みはなかなか引いていかない。特に右の肘は、そこから手先までしびれてしまって使い物になりそ
うもない。こんな所に次の攻撃がきたら一環の終わりだ。
慎重に、相手に厳しい視線を送りながらゆっくりと体を起こす。自分のダメージを今 相手に悟られたくない。
一秒でも時間稼ぎになってくれたら それでいい。今はとにかくこの腕が少しでも回復する時間が欲しい。

意外にも相手は襲って来なかった。慎重なのか、余裕の現れなのか。

ようやく目が慣れてきた。
徐々に暗がりが明るくなっていく。
そこには、見覚えのある顔……中川先輩が一人、激しい怒りの形相で立っていた。





274名無しさん@初回限定:04/07/27 23:05 ID:hURoJOcz
支援
275第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:07 ID:MSWTgLm6
4/15
誰なのかは、わかっていた。
けれど、何故先輩に殴られなければいけない?
俺からしてみれば、先輩に訊きたい…というか問い詰めたいことはあっても、先輩からこんな事される謂れは
どこにもない。

理不尽な仕打ちに、怒りが湧き起こりだす。

「先輩……いきなり、何をするんで…」

「うるせぇ!!」
俺の言葉が終わらないうちに、先輩の叫び声にかき消された。
先輩の眉が一段と釣りあがる。

「人の女に、手を出しやがって!」

手を出した? 俺が? 先輩の女に?
おかしい。景子は当の昔に先輩と別れた……それも先輩から捨てられた……筈。
今更、そんな事を言われる筋合いはない。

中川先輩、あんたの彼女は香織だろ?

「手を出したって……先輩、景子は 俺の彼女です。先輩が何を思っていようが、俺は…
「景子じゃねぇよ!」
俺の言葉を遮って、いらついた口調で先輩が吼える。
景子じゃないのなら、一体誰の事を言っているんだ? 俺は、景子としか 付き合っていないぞ。

狐につままれたような俺の表情に ますます苛々を募らせたのか、先輩は素早く間合いを寄せ、俺の胸倉を掴
むと、語気鋭く低いドスの利いた声で言った。

276第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:07 ID:MSWTgLm6
5/15
「お前、香織とやっただろう?」

何を言っているんだ、この人は?
何か勘違いしているんじゃないのか?
それとも、香織のやつ 他の男と……

「やってませんよ。俺…・
「とぼけんじゃねえ!」
言い終わらないうちに、俺の声は先輩の怒鳴り声にかき消される。
次の瞬間、拳が飛んできた。
流石にそう何発も殴られるわけには行かない。幸い肘と肩の痛みは大分引いている。
パンチをブロックすると同時に肘で胸倉を掴んでいた手を叩き落し、2、3歩の距離を開けた。

「この……よけんじゃねえよ」
先輩の表情は、相変わらず怒りに満ちている。『落ち着いて』なんて言ってもとても聴いてもらえるような感じ
じゃない。
とはいえ、こっちまで熱くなるわけにはいかない。とにかく、相手の言うことに冷静に受け答えしていくだけだ。

「そう言われても、何の謂れも無いのに 殴られるわけには行きませんよ」

「まだ しらばっくれるつもりか?ねたは挙がってるんだ。いい加減にしろよ」

「すみません。本当に身に覚えの無い事なんで……先輩…香織と何かあったんですか?」

「そうまでとぼけるのなら、教えてやるよ。お前、香織とはやってないんだよな?」
そう言うと 今までずっと厳しかった先輩の表情が崩れ、何処となくいやらしさを帯びた、相手を見下したよ
うなにやけ顔に変わった。
277第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:08 ID:MSWTgLm6
6/15
「ええ、一度もやってません」

「それじゃあ、何で一度もやってないやつの名前を、俺とやってる最中に言ったんだ、香織は?」

「?!…………」
香織の奴、何言ったんだよ。
確かに、もしそれが本当なら、勘違いしても無理はない。
だけど、どう説明すりゃいいんだよ。

一瞬でも口篭もったのがいけなかったようだ。
『プッ』と噴き出す様な声が漏れ聞こえ、先輩の口元が釣り上がる。と同時に目が鋭く 悪魔が格好のおもち
ゃを見つけた時のように、輝いた。
相手はどうやら証拠を突きつけられて、うろたえたと取ったらしい。

「やっぱり、言い返せなくなったか」

反論しようにも証拠がない。
とても証拠なしでは 今のこの人には聞き入れてもらえないだろう。

いつのまにか先輩に対して釈明しなければいけない立場に立たされていた。
腹が立つ。何で俺が先輩に言い訳して聴いてもらわないけないんだよ!
しかし、このまま何も言わずに認めたことにされてしまうのはもっと嫌だ。だからとにかく徹底して否定する
しかない。理由も論理もへったくれもない。

「俺は……やっていませんよ」

「ほう、まだ言うか」

「何度でも言いますよ。俺は、やっていない」
278名無しさん@初回限定:04/07/27 23:09 ID:30DElgu5
中島らも死去支援
279名無しさん@初回限定:04/07/27 23:09 ID:hURoJOcz
支援
280第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:09 ID:MSWTgLm6
7/15
「ただ、『やっていない』て言われて、信じると思ってるのか?」

「別に、あんたが信じようが信じまいが、やっていないのが真実ですから」

「開き直るんじゃねぇ。この、糞生意気なガキが!」
言葉と同時に左手が飛んで来た。けれど、不意打ちをくらったさっきとは違う。相手の攻撃がはっきりと見え
る。遅い。これなら、余裕でかわせる。
体を開いてパンチをかわすと、素早く先輩の背中に回り 体勢を入れ替えた。

「この!」
振り向きざまのパンチを軽くスウェーでよける

「くそ!」

「この!」

「逃げるんじゃねぇ!」
続けて二発目、三発目とパンチが繰り出される。それを、寸前でかわしながら、徐々に後ずさりしていった。
攻撃が当たらないのが苛つくのか、一回毎に先輩の声が大きく荒くなっていく。

ドアまではもう1メートルもない。
後ずさりしながら、チラチラとドアのノブを見てみたが、内側から鍵を開けるのは簡単に出来るように見える。
さっきは暗いのといきなり鍵を掛けられたので、焦っていたけれど、これならドアを蹴破る必要は無いだろう。
その分、相手の攻撃をかわすのに集中できる。
外に出られれば、何人いようと やり方はいくらでもある。
あと、少しだ。


281第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:10 ID:MSWTgLm6
8/15
「ずいぶんと余裕あるじゃねえか。俺が相手じゃ、反撃する気も起きないかよ」

「別に、そういう訳じゃないですけど」

「空手二段だか何だか知らんが、なめんじゃねえぞ。この盗人野郎が!」

「何度も言いますが、俺はやってません」

「強情な野郎だ、ったく……まあいいさ、あんな尻軽女。こっちも適当に遊べたし、丁度いい。お前に返してやるわ」

何を言ったんだ?、この人は?

「どういう……事ですか?」

「はぁ? 頭悪いな。 だから、返すって言ってるの。お前、香織の事好きなんだろ?良かったじゃねえか」

訳が解らない。さっきまで『人の女に手を出した』と言って殴りかかってきたのに、いきなり『返す』って…
…この人、一体何を考えているんだ?

「そんな……彼女は物じゃないんですよ。いきなり 『返す』って言われたって、素直に『はいそうですか』言える訳……」

「うるせえな。お前が要る要らないとか、お前の気持ちなんか関係ねえんだよ。俺が要らなくなったから、捨
てる。唯それだけだ。 唯、その代わりに、景子は返してもらう。 いいな? 人の女寝取ったんだ 駄目だ
とは言わせねえよ」

その言葉を聞いた瞬間、俺の中で「カチッ」と何かの音が聴こえたた。
282第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:11 ID:MSWTgLm6
9/15
何なんだこいつは?…許せない。
景子の想いを知って利用して、捨てて。
そして今度は散々 香織をもてあそんだ挙句、香織が信じられなくなったからって 景子とよりを戻すから返
せだと?ふざけるな!人の事を何だと思ってる!!

全身が熱くなる。心臓が高鳴り、手足の先が小刻みに震える。
次から次へと沸き起こる怒りを抑えて、拳を握って構えた。来い!お望みどおり徹底的にやってやる!

先輩がニヤリと口元を歪める。
「ようやく、その気になったか」

その言葉には答えず、じっと相手を見据える。 その前に訊きたい事がある。今度はこっちの番だ。

「だから、ですか?」

「なんだよ……」

「この間の音楽室、景子としたのは、こういうわけですか?」
先輩は 一瞬怯んだ表情を見せたものの、直ぐに冷静な顔に戻った。
「だとしたら、どうなんだ?」

「許せない……」

「盗人のくせしてよく言う。人の女寝取ったくせして、その仕返しに取られた途端に『許せない』だ……

「俺はやってない!」
先輩の科白が終わるのを待たずに叫んだ。こんな奴のいう事なんか聞いている暇はない。
「やっていないのに、あんたは俺の彼女に手を出した」
283名無しさん@初回限定:04/07/27 23:12 ID:hURoJOcz
先輩氏ね支援
284第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:13 ID:MSWTgLm6
10/
「さっきも言っただろ?『そんな話信じられない』、と」

「こっちも さっきも言った筈だ。あんたが信じようと信じまいと、事実は変わらないんだよ」

「だったら、どうするんだ?」

「景子は渡さない。香織も、あんたのような奴の玩具にさせてはおかない」

「一年坊主が生意気な事言ってんじゃねえ!」
言葉と同時に、先輩の右拳が飛んで来た。
冷静にその拳の動きを見据え、上げ受けで跳ね上げると、がら空きになった先輩の水月に中段突きを叩きこむ。

「グフッ!」という声と共に、先輩の体は二つ折りになり、その場にヘタリこんだ。あっけなさすぎる。
何だよ。散々煽って人を怒らせたくせに、一発貰ったくらいでもう終わりなのか?
駄目だ。たったこれだけで終わらせる事なんてできない。
情けない、立て!これくらいでへたり込んでるんじゃねぇよ!!立てないんなら、俺が立たせてやる!!

床に崩れ落ちる寸前の先輩のわき腹に下段回し蹴りを叩き込む。
今度は 蹴りの入ったわき腹を支点に、先輩の体は"く"の字に折れ曲がり、そのまま壁に激突していった。

ガシャンという大きな音と共に、壁に作り付けのロッカーの上に乱雑に置かれたボールやら、スパイクシュー
ズやらがぼろぼろと床に落ちた。

「中川、大丈夫か?!」
今の音に部の同輩の危機を感じたのだろうか、急にドアが開き、3,4人程中に飛び込んできた。
さらに外にも10人前後の人間がたむろしている。

まずい!中に入られた。外ならともかく、流石にこの狭い部室の中でこれだけの人数を相手にはできない。
どうやって突破しようか……いずれにしても、腕の一本くらいはやられるのを覚悟した方が良い……
285第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:15 ID:MSWTgLm6
11/15
「やめろ、お前たちは手を出すんじゃねぇ!」
思いもよらない言葉だった。どういうことだ?

「中川……」

「やめろよ。これは、俺とこいつの二人だけの問題だ。お前たちには関係ない」

「だけどよ。お前がやられてるの、黙って見てるわけには……」

「だから、それが余計なんだよ!……もし、お前らが手を出したら……これが外に漏れたらどうなる?後輩が試合できなくなっても、……ボールを蹴れなくなっても、いいのかよ? 少しは考えろ!」

「だけどな……おまえもサッカー部……

「俺一人くらい、どうとでもなる。ここにいるのは、"元"サッカー部員と、何処の部にも入っていない一年生
だ。"たまたま"ここの部屋が空いていたから、勝手知った気安さからここを使った。そして昔のコネをつかっ
て相手を呼び出した。外にたむろしていたのは、たんなる野次馬根性。ただ修羅場が見たかっただけ。……い
いな!」

何だよ先輩。何でこんな処で後輩想いの事言ってるんだよ?
こんな言葉が吐けるのなら、何で香織の言葉は信じてやれない?何で景子を棄てたり寄りを戻したり、自分の
気分で振り回す?

「……よそ見をするんじゃねぇ!!」
先輩がなにか叫びながら殴りかかってきた。
けれど、もう既に最初の勢はない。ヘロヘロのパンチだ。避ける程でもないパンチのはずだった。

唯、間が悪かった。
286第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:17 ID:MSWTgLm6
12/15
俺に向けて放った鬼畜な雑言と、今の言葉とのギャップに混乱して完全に注意が疎かになっていて、そのため
不意をつかれた格好になってしまった。
気が付いた時には、もう鼻先寸前。
反射的にパンチを肘で叩き落し、がら空きの顎に掌底を思い切りぶち当てる。道場で習った基本の内の一つ。
考えるまもなく、体が自然に動いていた。
先輩の顔が90度横に曲がり、同時にその場にガクッと膝をつき、崩れ落ちた。
終わりだ。手の感覚からいっても しばらくは目を覚ます事もない筈だ

けれども、そうはならなかった。
先輩はすぐさま顔を起こすと、両手で上体を支え必死の形相でこちらを睨み付けている。
下から睨む先輩の目線は、変わらず、はげしい敵意を俺に向けていた。
とはいえ、上体を支えている両腕はプルプルと小刻みに震えている。
もう、この人に戦闘を継続する力は残っていない。

それに……今さっきの先輩の科白で、こちらのやる気も萎えてしまった。
これ以上先輩を痛めつけても、こっちが悪者になるだけだ。
きつい視線を送るのをやめ、空手の構えを解いた。、
「もう、終わりにしましょう 先輩」

「何だ……今更怖くなったか? 臆病者……俺は、まだ……やれるぞ……」

「まだやれるって……体起こすだけて腕が震えてるじゃないですか。そんな相手を殴ったって何の意味もないですよ」

「見くびるな…」

「見くびってるわけじゃあありません。正直、今の先輩の言葉で萎えちまっただけです。これ以上やっても、俺が悪者に
なるだけですから……ねえ 先輩、あれだけ後輩や仲間のこと思いやれるのだったら、香織のこと信じて……
287名無しさん@初回限定:04/07/27 23:18 ID:hURoJOcz
支援
288第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:18 ID:MSWTgLm6
13/15
「うるせぇ!お前にそんな事言われたかぁねぇよ!むかつくだけなんだよ!」

「……」

「うるせぇんだよ……、畜生。……何で、何でお前が……」
ふと見ると先輩の目に涙が浮かんでいた。
溢れる寸前の涙を目に浮かべ、先輩が俺を睨む。何だ?何故、そんな目で俺を睨む?そんなに恨まれるようなことを、あんたにしたか?

「お前のせいだ。香織はお前しか見てない。お前がいるから いつまでたっても俺はあいつの彼氏になれない
んだよ!……畜生、お前さえ、お前さえいなければ……」
そう言いながらフラフラの足取りでパンチを放ってきた。
当然放たれたパンチもフラフラ。避けるまでもない。
俺は一歩も動かないまま、それは空を切り 力なく床を叩いた。

「……畜生、……畜生」涙混じりの怨唆の声が部室を埋めていく。
もういい。先輩が何て言おうと、終わりだ。

相手に背を向け、部室を出ようとしたその時、一人の女の子が入ってきた。









289名無しさん@初回限定:04/07/27 23:19 ID:30DElgu5
しえーん! かむばーっく!
290第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:19 ID:MSWTgLm6
14/15
「ひろクン!」

香織だった。
急いで走ってきたのだろう、息を切らせ 蒼い顔で 不安が顔一杯に広がっていた。 

「どうして、此処が……」

「さっき、クラスの人が、ひろクンが上級生に連れて行かれた って教えてくれて……もしかして、て思って
此処にきたの……どうしたの、これ?」
香織の指先がさっき殴られた口元あたりをなぞる。軽いけれど、鈍い痛みが口元に走った。

「大した事ない」
そう言って香織の手を払いのけた。今此処であまり詳しい事を話したくはないし、こいつを此処に一秒でもい
させたくない。とにかく、早く出なきゃ。
「帰るぞ」
香織の手を取って、教室に戻ろうとした。

しかし、その時既に香織の視線は別のものを捕らえていた。
俺は香織の手を掴む事は出来なかった。
手を取って一緒に帰ろうとする俺の手をすり抜け、香織が視界から消えた。

振り返った先には、子供の様に香織の懐に顔を埋めてしがみついている中川先輩と、その先輩を母親のように
やさしく抱き竦めている香織の姿があった。






291第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/07/27 23:23 ID:MSWTgLm6
15/15
その光景に、俺は何一つ言う事もできず、一人黙って外に出た。



扉の外には、サッカー部と思しき生徒が数十人たむろしていた。
何時攻撃が来てもいいように体に臨戦体制をとらせ、周りに人間に『来るなら来てみろ』と厳しい視線を送る。
けれど、そいつらは、哀れみの表情を浮かべつつ にやけた視線を俺に浴びせるだけだった。
何だよ お前ら!俺はたった今、お前らの仲間をぼこぼこに殴ってきたんだぞ。かかって来ないのかよ?!

心の中で吼えてみたところで、何も変わらない。
恋人を寝取った奴を殴って倒したというのに、まるっきりこちらが負けたのような感じだ。



負けた……そう、負けたのは俺だ。
殴り合いには勝った。……けれども、大切な人は戻って来ない。 景子も……香織も。








というところで、今夜はここまで。
支援の皆様、ありがとうございます。

P.S
「らっきょ」の式が寝取られるとしたら、寝取るやつは誰がふさわしいだろうか?
292名無しさん@初回限定:04/07/27 23:33 ID:0j9tb+0X
そうだッ!こういうカッチョイ―ひろクンが見たかったッ!
(すでに期待すべきとこが違ってる俺
293名無しさん@初回限定:04/07/27 23:35 ID:mF1rsdYE
ひさびさにキター
なんというかヒロインの価値が下がっちゃって
ヒロクンのよさが引き立てられただけに見えるw
しかし香織とかサッカー部としての先輩とか真意がわからんな
どこまで演技なんだか
294211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/27 23:48 ID:0C24uzRO
603 さんこんばんわ。そしてお帰りなさいませ。

 ひろクン強くて容赦ないっすね。逞しい漢は素敵です。

 らっきょは読んでないんで、よくわからんです。
 (そんな呼び名があることすら知らんかったっす。orz)
295名無しさん@初回限定:04/07/28 00:03 ID:Ekdi5qhA
俺としては香織のような尻軽女が先輩とくっついてもイタさを感じんな〜。
香織がヒロクンと先輩に見限られる展開なら爽快感を感じたんだが。
296名無しさん@初回限定:04/07/28 00:57 ID:Qx+FxtH4
香織は先輩とくっついても絶対浮気しまくりだな。
297名無しさん@初回限定:04/07/28 02:08 ID:iamkZfWF
603氏、乙〜
俺も、こういう男らしいヒロくんが見たかった。
今回の主役は間違いなくヒロくんだよ。漢だ!

こうなってくると、先輩がどうとか香織がどうとかではなくて
ヒロ君が、この後どういう道に進むのかが非常に楽しみだ。
(俺も期待すべきとこが間違ってるかもw)
続きも期待していますよ。あと現在、作品を書いてくれている人達も
期待していますよ。
298名無しさん@初回限定:04/07/28 03:26 ID:e2X5yHiK
ヒロクンが二人とも寝取られたきになったから終わりかと思ったらまだ続くのか。
ここから更にどう発展するのかとても楽しみ。
299名無しさん@初回限定:04/07/28 04:58 ID:SG58c/0v
香織が相変わらずなので安心した(ワラ
ひろ君がんばれや!!
300名無しさん@初回限定:04/07/28 12:22 ID:+8dhpaWh
え?
らっきょの式って男じゃないの?(未読)
301名無しさん@初回限定:04/07/28 21:36 ID:2uSsb5Im
男女入れ替えて香織を主人公にして考えれば香織の行動は有り。
けっして尻軽じゃあ無い。
302名無しさん@初回限定:04/07/28 22:09 ID:O2Q9Nvt6

恋人とやってる時に別の女の名前を叫ぶわけか。
303名無しさん@初回限定:04/07/29 09:18 ID:DICgolyI
歩く核弾頭だな。香織。
304名無しさん@初回限定:04/07/29 11:30 ID:NssMjgPd
誰か絵心のある椰子、作品の一枚絵かキャラ想像図を書いてくれないだろうか
305名無しさん@初回限定:04/07/29 20:04 ID:m78eXk9D
絵心あるし、我ながらかわいい女の子を描けると思うがウプの仕方がわからん。
306211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:18 ID:E8v7zSkS
 絵師様キター。
マッチョなヒロ君が見たいので、ぜひお願いします。
香織は正直どうでもいいです(すみません)。

 では、投下いたします。
307211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:19 ID:E8v7zSkS
(01/10)

 俺の従姉妹は双子だった。
 ポニーテールなのが美那(ミナ)で、髪を長く伸ばしてるのが柚那(ユナ)である。

 三人とも同い年だったので、子供のころはよく一緒に遊んでいた。
 小学校に入ってからは、家がすぐ近くだったので毎日一緒に学校へ行った。

 それこそ、一緒にお風呂に入るような仲である。今考えるとちょっと恥ずかしいね。

 恥ずかしいといえば、別れのときだろうか。
 といっても、直接さよならを言えたわけではない。

 『おばさんはね、おそらにいっちゃったんだよ』と言われたことを覚えている。
 そういえば、あのときは親父もちゃんとした喪服を着ていたな。

 葬儀のあと、すぐに伯父さんは引越したらしい。家がもぬけの空になっていて、
 いくら呼んでも彼女達がでてくることはなかった。

 二人も一緒におそらにいっちゃったんだと思った。
 もう会えないと思った俺はしばらく泣き続けた。親父はなぜか笑ってたけどな。


 なんのことはない。実際は近くのアパートに引越しただけだったらしい。

 学校とかそのへんに関しては、いろいろごまかしたんだそうだ。
308211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:20 ID:E8v7zSkS
(02/10)

「わたしたちはキヨがどんな生活をしているのか、
 どんなことを考えているのか、キヨのお父さんからいつも聞いてたよ。
 キヨは料理が上手な家庭的女の子が好みだっていうから、
 わたし、結構努力してるんだ」

 見た目に活発そうなミナが、『努力』の部分を強調して言った。

 それは多分騙されてますよ。
 きっと、親父に意味不明なことを吹き込まれているに違いないです。

「キヨくんの伯父様にはいつもお勉強させていただいています。
 至らない所を丁寧に指摘してくださいますし」

 おしとやかそうなユナは、ちょっと恥ずかしそうに言った。

 うわぁ、親父、何教え込んでるんだよ。
 アレか? アレなのか? 手をかけるつもりなのか?


 それはいわゆる犯罪じゃないのか?
309211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:21 ID:E8v7zSkS
(03/10)

「合格発表の時にキヨの名前があったから驚いちゃった。
 キヨは勉強が得意じゃないって言ってたから、
 春から一緒だなんて思ってもいなかったよ」

「そうですよ。伯父様の話を聞く限り無茶であったと思います。
 どうして受験することになったのですか?」

 それは親父に嵌められたんだよ。
 大体受かるわけないしよー。


 ……。

 って、春から一緒?
 あ、そうか、さっきも三人のお祝いだっていってたよな。

 それはおかしくないですか?

 まず、俺があの学校に通うことがおかしい。
 次に、こんな可愛い従姉妹がいたことがおかしい。
 そして、従姉妹と学校に通うことがおかしい。


 そうですか。あれですか。夢オチとかいう奴ですか。
310211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:22 ID:E8v7zSkS
(04/10)

 ははははは。
 夢オチか。
 これはこれは壮大に豪快な夢を見たもんだ。

 そりゃあ、いろいろおかしいことだらけども。

 母親が親父とでかけようなんて思うわけがない。
 赤いスーツで竹箒を握ってるわけがない。


 その他いろいろ、もう、わけわかんない。


「キヨ? さっきからなーんも話してないし、妙に挙動不信なんだけど、
 どうかしたの?」
「私たちの部屋が珍しいんではないですか?
 ほら、男の方ですから、その、当然興味もありますでしょうし……」


 いや、珍しいっていうか、夢だから自発的に声が出せないんですよ。
 そーゆーもんでしょ?
311名無しさん@初回限定:04/07/29 20:23 ID:P/0lLTnf
支援(´・ω・`)
312211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:24 ID:E8v7zSkS
(05/10)

「うん。とっても興味があるよ。だって、男の子だもん」

 ん?

「ねぇねぇ、なんで二人ともスカート履いてないの?
 でも白のショートパンツや生肌にスパッツってのも捨てがたいなぁ」

 このセクハラ発言は……。

「そうだ、料理の後は裸エプロンでお出迎えしてほしいよぉ」

 こんなことを言い出すのは親父くらいしか考えられない。

 探すまでもなかった。
 ちゃっかりベッドに腰掛けて、気持ち悪い声を上げているし。

 しかし、意外にも二人は、クスクスと笑って聞き流していた。
 こういう話に慣れているのだろうか。

 親父もばつが悪そうに照れている。


 なんなんだ、この空気は。
313211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:26 ID:E8v7zSkS
(06/10)

 親父が軽い冗談を言って、娘が『いやだぁ、もう、お父さんたらぁ』
 というような空気。

 いつの間にそんな関係になったんですか。


「さて、皆様がそろったようですし、お食事にしましょうか」

 俺が憮然としていたのを気にしてくれたのか、二人が俺の手を握って、
 立ち上がるよう促す。

 そして、立ち上がった俺にそのまま手を絡めて体を押し付ける。
 ちょうど、二人にサンドイッチされているようなかんじだ。

 む、胸ですね。これは。胸があたってるんですね。

 二人とも成長してるんだなぁ。
 歩くたびに、ソレらはぷよんぷよんと両手を刺激してくる。
 髪の毛からほのかにのぼる、心地よい芳香がたまらない。


 俺、やっぱり夢見てるんじゃないだろうか。
314211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:27 ID:E8v7zSkS
(07/10)

 リビングに降りてみると、母親がせっせと料理を盛り付けていた。
 叔父さんがそれらをテーブルに並べている。

 叔父さんはあんまり変わってないなぁ。

  焼き魚、鯖の煮物、きんぴら、肉じゃが、揚げ物、かぼちゃの煮物、……

 和食、なかでも煮物が多い気がする。
 見たとところ出前というわけではないと思うが、
 母親が作るには時間が足りないだろう。

 双子が作ったんだろうか。

 隣の二人の顔を覗き込んでみる。

 ミナはちょっと自信ありげにはにかんでいる。
 ユナは俺の顔がおかしいのかクスクスと笑っている。

 なんだかくすぐったい感じがする。


 いや、胸の感触がそれ以上にイイんだけども。
315211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:28 ID:E8v7zSkS
(08/10)

 料理が全て並んだので、みんなが食卓につく。

 俺の右にはミナが、左にはユナが座り、
 向かいにお袋、親父、叔父さんという並びだ。

 大人は缶ビールを、俺達は(未成年なので)清涼飲料の缶をぷしっ、と開ける。

「では、三人の合格を祝って、かんぱ〜い」
 お袋の音頭で、俺たちは乾杯をする。

 ぐびぐびぐびっと、親父があっという間に一本開けてしまう。
 親父は確か酒弱かったと思うんだが、大丈夫だろうか。

「よその家で飲みつぶれないでくださいね、あなた」
「バカモーン! 俺と弟の苦渋15年がようやく実ったんだ。なぁ、弟よ」
「ああ、兄者!」

 ひしっ。

 むさい男が抱き合っている。それは感動的というより猟奇的だった。


 お袋は呆れて頭を抱えている。ご愁傷様です。
316211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:29 ID:E8v7zSkS
(09/10)

 つぃつぃっと、左側から脇をつつかれる。
 ユナが俺を潤んだ目で俺を見ていた。

「私も、あんな風に抱きしめていただけませんか?」

 その言葉に、ミナがいち早く反応する。

「あぁぁっ、ずっるぅ〜い! 抜け駆けはなしだからね!」

 ミナががばっと立ち上がって、ユナを非難する。
 そして、自分の取り皿の上でほぐしてあったホッケをつまむと、
 俺の顔の前に持ってくる。

「はい、あ〜〜ん」

 無意識に口を開けると、箸にもったソレをやさしく運んでくれた。

「どう? おいしい?」

 もぐもぐもぐもぐ。

「うんうん。うまい。うまいよー」
317211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:30 ID:E8v7zSkS
(10/10)

「ミナこそずるいですっ。では、こちらの煮物をどうぞ。
 大きくあ〜んしてくださいね」
 今度はミナがちょっとむくれながらもかぼちゃをとってくれた。
 口を大きく開けて、入れてもらうのを待つ。

 もぐもぐもぐもぐ。

「おおっ、これもうまいっ。すげーうまい。
 ミナもユナも料理が上手なんだね」

 正直にそういうと、二人はちょっと頬を染めた。
 そんな二人を見て俺も恥ずかしくなる。

 初々しいなぁ。なんかいいなぁ、こういうの。

「な? な? むっちゃくちゃ萌えるだろ? これだよ、これ!」
「おうよ! 兄者ぁっ」

 がしっ。


 目の前で、また男同士が抱き合っていたが、もうそんなことはどうでもよかった。
318211 ◆Me/S1xrvzc :04/07/29 20:35 ID:E8v7zSkS
 本日はここまで。
 やっぱセンスないぞ俺、って感じですが。

 次回は『ご奉仕』です。

 では、また。
319名無しさん@初回限定:04/07/29 23:43 ID:cwUeLn+i
なるほど、センスないなお前、って感じですね

SS投稿マナーサイト見つかんなかったので
お絵かき投稿マナーで代用
ttp://www.h7.dion.ne.jp/~merry_p/1.html
320 ◆Bq/xc5dbQQ :04/07/30 00:30 ID:8eD0lGr3
???

211>(*´∀`*)
321名無しさん@初回限定:04/07/30 00:56 ID:LIeX4ZiW
>>291
ひろくんたったひとりか・・・可哀相


らっきょはつまんなかったので悪いがどうでもいい
322名無しさん@初回限定:04/07/30 09:58 ID:PeGDopOQ
3ヶ月ぶりに保存サイト更新
323名無しさん@初回限定:04/07/30 14:36 ID:r5q1FaTh
>>322
マジだ
管理人生きてたんだ
324名無しさん@初回限定:04/08/01 00:00 ID:RNxNPj3g
寝取られ要素=中国サポーターのブーイング
主人公=川口
みたいな寝取られにハラハライライラ最後d(゚∀゚)bワーイなSS希望。
325名無しさん@初回限定:04/08/02 12:39 ID:6kI7zkLl
>>291
ヒロくんみたいな男に香織はモッタイナイよって寝取られても
悔しくないという皮肉な展開だな
326名無しさん@初回限定:04/08/03 00:00 ID:AB5Q2SRL
この状況で先輩見捨ててヒロくんに関心向けるような子だったら
香織は駄目だった。
話はきっとこれから。
327211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:13 ID:OAu/EjTP
>>319 さん
 ご指摘ありがとうございます。手ぇ抜かずに頑張らさせていただきやす。

 川口はまさに鬼神という感じでしたね。
 自分はサドンデスではずした時に ch 切りしました。

 負け決定 -> なんとか持ち返した。頑張ろう! -> またやらかして敗北

 という流れが、寝取られの流れだったんで。
 つーか、まんまネタバレじゃねーか! みたいな。

 では投下します。
328211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:14 ID:OAu/EjTP
(01/11)

 二人に終始あーんあーんと料理を食べさせてもらいながら、
 親父達の話を聞いていた。

 いろいろ無駄な話が多くてよくわからん言葉も多かったが、ようは、

『歳が同じ従姉妹どうしが、同じクラスに通いながら
 ラブラブな毎日を送って、最後には結婚する』

 というのをやりたかったらしい。
 というか、見たかったらしい。

 男の子はちょっと不器用で、恋愛経験がないくらいがいい。
 女の子はとても献身的で、いつでも男の子を見ていなければならない。

 そして、不慣れな男の子に女の子が愛情いっぱい接するのが、
 『萌え』でなんだそうだ。

 親や親戚が子供の成長を見守るのは当然のことで、
 それを理由に、親父がいろいろ仕込んでいたという。

 そういうのってさぁ、倫理的にいいわけ?
329211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:15 ID:OAu/EjTP
(02/11)

「双子になっちまったのは失敗だったけどなぁ。
 頑張りすぎだな俺」
「いやいやぁ、これはこれでぇ〜、スゴクイイですぞぉ〜。
 むしろサイコー! よくやったー! 神様エライ!」
「確かになぁ、二人に同時に愛されるなんてシチュは、
 現実にはありえねぇしなぁ。
 しかも、二人とも可愛いだけでなく家事だってかなりの腕だから、
 これからが楽しみってもんだ。切磋琢磨で頑張ってほしいね」

 うんうん、と頷く親父。もうかなり出来上がっている。

 お袋は、そっぽ向いて料理を食べてる。
 おいしいおいしいとは言っているが、機嫌は良くないようだ。

 そりゃ、子供で遊んじゃ怒るでしょ。
 どーせ親父のことだから、意味不明に入り浸ってたんだろうしな。


 ……。


「さてと、そろそろ大人は退場して、若者たちの時間にしようじゃないか」

 叔父さんが、おもむろに言った。
330211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:16 ID:OAu/EjTP
(03/11)

 親父がニヤニヤしながら(といってもいっつもニヤついてるわけだが)
 立ち上がると、俺に近づき耳打ちする。

「今夜は帰ってこなくていいぞ」

 叔父さんもぽんっと俺の肩を叩く。

「清人君は疲れただろうから、今日はゆっくり休んでいきなさい」

 言葉だけなら、普通にやさしい親戚の言葉に聞こえる。
 だが、叔父さんは乗せた手でワキワキと俺の肩を揉んでいる。
 驚いてその顔を見た。

 『うらやましい』と書いてあった。

 そういえば、親父の同類なんだな。

 親父とお袋はすでに外に出て行ってしまったらしい。
 おおかた、お袋が引っ張ってったのだろう。


「娘たち、清人君にきちんと奉仕するんだぞ」

 それだけ言うと叔父さんも出て行ってしまった。
331211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:19 ID:OAu/EjTP
(04/11)

 ……。


 部屋には三人が残った。
 さきほどまではあれだけうるさかったのに、今は食事の音しか聞こえない。


「サツマイモの天ぷらをどうぞ」

「うん」

 もぐもぐもぐもぐ。

「今度は茶碗蒸しだよ」

「うん」

 はむはむはむ。


 ……。


 もう味なんてわからなかった。
332211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:21 ID:OAu/EjTP
(05/11)

『きちんと奉仕するんだぞ』っていってたよなぁ。
 いったい何をさせる気なんだ。何をするんだ!

 親父がテレビに向かって歌ってたような気がするが……。


 ……。

 二人は紺色の、ファミレスのウェイトレスのような服を着ていた。
 ただ、ヒラヒラしてなんか仕事しづらそうだ。

 親父がよく、『メイド服萌えぇ〜』とかなんとかいってた服みたいだな。

 二人が俺の前までゆっくりと歩み寄ると、スカートの端を摘んで一礼する。
 そして、膝をつき、俺の顔を見上げてその瞳を潤ませる。

『キヨ、ご奉仕してあげるよ』
『キヨくん、精一杯ご奉仕させていただきますね』

 そう言うと、おもむろに俺のズボンを下ろす。
 慌てる間もなくイチモツを取り出して、大事そうに撫でた。

 そのままソレをゆっくりと口に運んで……。

 ……。
333211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:23 ID:OAu/EjTP
(06/11)

 はっ、やべーじゃん。
 親父に見させられたマンガを思い出したせいか、
 ついついよからぬ想像を抱いてしまった。

 むくむくと反り上がっていく俺のイチモツ。
 まぁ、座っているから二人には気づかれないとは思うんだが、
 鎮めないとまずいなぁ。

 まじめなことを考えよう。

 結局親父にはめられて、俺は従姉妹と同じクラスで勉強することになったんだ。
 そして、きっといろいろうれし恥ずかしなことをするんだろう。

 学校では周りの視線が気になるかもしれないなぁ。
 こう控え目に見てもけっこう可愛い女の子を、二人も独占してしまうのは犯罪だし。
 つーか、目の前でやられたら普通の男は飛び掛るかもしれない。

 あと結婚がなんだのといってたけど、二人と結婚することはできないよなぁ。
 二人とも愛人とか、そのメイドさん? とかになるってのもなんだしなぁ。

 いつかはどちらか選ぶ日がきてしまうんだろうか。

 うーん、あんまり考えたくない。仲悪くなっちゃうだろうし。
 喧嘩するところは見たくないし。
334211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:25 ID:OAu/EjTP
(07/11)

 将来のこと、しかもあまり考えたくない現実を思ったせいか、
 俺のイチモツは急速に熱を失っていった。
 これなら立って歩いても恥ずかしくないだろう。

 料理もほとんど食べ終わってしまったし、
 とりあえず今日は帰ったほうがいいかな。

「ごちそうさま。料理すんごくおいしかったよ」

「おそまつさまでした。キヨくんの御眼鏡にかなってよかったです」
「おそまつさま。ちょっと心配だったんだよ。
 味の好みに合わないかもしれないし、
 実は嫌いなものがあったりするかも、ってね」

「ほんと、おいしいものばっかりでびっくりしたよ。
 種類もいっぱいあって、俺には贅沢すぎるかな」

「キヨの好みが知りたかったから、いろいろ作ってみたんだよ」


 好みかぁ。この中でおいしかったといえば……。
335211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:26 ID:OAu/EjTP
(08/11)

 言うまでもない。肉じゃがだ。
 キングオブ家庭の味。

 というか、嫌いな奴いんの? ふつー。


「私、キヨくんが好きなものわかりますよ?」
「あ、待ってユナ。わたしもわかっちゃったから、一緒に言おうよ」

 ミナが、せーの、っとタイミングを合わせる。

「肉じゃがだよね」
「肉じゃがですよね」

 あっさりと当たってしまった。

「うーん、そういうのってわかるもんかね」

「キヨって、肉じゃがを食べるときに目が細くなるんだよねぇ」
「肉じゃががなくなった時には、とても悲しそうな顔をなさっていましたよ」

「よくそんなところ見てるなぁ」


 ひょっとして、さっきの妄想もばれてたりして。
336211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:28 ID:OAu/EjTP
(09/11)

「だって、こんなに近くに感じられるんだもん。簡単だよぅ」
「食事中はずぅっとキヨくんのことを見てましたから」

 ……。やっぱりばれてそうな気がする。

 ミナが、ペロリと舌を出して、指についたものを舐めている。
 ユナはユナで、俺の下腹部をチラチラ見てはポッと頬を赤らめたりしている。


 ごめんなさい。よくわかりませんが、なんかやばいです。


「おお、俺さぁ、今日は帰るよ。ほら、親父がさ、心配だし、さぁ」

 居たたまれなくなり、俺は逃げ出すように席を立った。

「えぇ〜、帰っちゃうのぉ〜
 今夜は朝まで一緒にいてくれると思ってたのにぃ」
「いや、ほら、まだ俺達まだ中学生だし」
「今日は卒業式だと聞かされていましたよ?
 三人で大人になるんですよね?」
「ちがうちがうちがう。それなんか違う」
337211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:31 ID:OAu/EjTP
(10/11)

 誰かにそそのかされてるんですか?
 親父ですか? 親父様ですか?

 しまいに怪しい手振りをして近づいてくる二人。

 このまま居たらほんとに襲われてしまうかもしれない。
 とにかく逃げよう。

 ええと、ええと、とりあえず言い訳を。

「ああ、そうだそうだ。弁当! 弁当だよ。
 春から一緒のクラスだから、弁当作ってくれるとうれしいな。
 二人の料理すっごくうまかったから、俺感動しちゃうかも」

「朝起こしに行くのとお弁当を一緒に食べるのはデフォ、だそうですよ?」
「薄着でテスト勉強がオプション、そのあと恋のお勉強をするんだよねー」

 ねー、と楽しそうに笑いあう。


 どこまで教えてるんだよ。親父は。
338211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:33 ID:OAu/EjTP
(11/11)

 呆れていても仕方がない。こういうときはさっさと逃げるに限る。

「わかったわかった。後日その話はゆっくり聞かせてもらうから、じゃあね」
「あっ、待ってよぉ〜」

 有無を言わさず家を飛び出た。


 もうすぐ春だといっても、夜風は身を裂くように冷たかった。
 女の子二人とおいしいご飯、そこから出てきたんだから仕方ないか。

 やっぱりもったいないことをしたな。

 ご奉仕、してもらいたかったかも。


 ……。


 思いを振り切るように走り出す。

 俺には、俺達にはまだ時間があるんだから……。
339211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/03 02:39 ID:OAu/EjTP
 今回はここまで。

 次回は『入学式』です。もう少しまったりが続きます(すいません)。

 では、また。
340名無しさん@初回限定:04/08/04 00:09 ID:2qGKIq/7
211ガンガレ!超ガンガレ!
10人になってもガンガレ
341名無しさん@初回限定:04/08/05 01:28 ID:8v6kZRsY
わんぱくでもいい
たくましく育ってくれれば
342173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/05 01:32 ID:KDpb69K1
ご無沙汰しております。
遅筆な私ですが、明日の夜には続きをうpできそうなので、よろしくです。

>>作者その1さん
親父にフェラする幼馴染と初体験を告白する幼馴染には今でもたまにお世話になってたりします。

>>240
やはり勃起は鬱から来ないといけませんな。

>>241
ここは盛り上がって欲しいスレなのでそう言ってもらえると嬉しいです。
頑張りますので懲りずに読んでやってください。

>>243
連れ子はいません。が、出しときゃ話が膨らんでたかも……とちょっと後悔していたりします。

>>244
母(義理含む)は、薄幸で寝取られてこそ輝くと私は思ってます。巷に転がる母処女なんて論外。

>>245
書いていると前振りが過ぎがちになるので、その辺工夫しているつもりです。
が、効果のほどはちょっとドキドキ。

>>211 ◆Me/S1xrvzc 氏
精力的なうp乙です。
603氏以外で現時点書いてるのは我々だけのようですのでお互い頑張りましょう!
萌えゲー風の出だしからどうなっていくか非常に楽しみ。

>>603
いつも楽しみにしています。
そろそろ終焉間近ですか?
果たしてどんな結末になるのでしょうか……
343173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:35 ID:lLPygluW
遅れてしまい申し訳ありません。
何とか完成しましたのでうpさせていただきます。
今回は(26/26)でつ。
344173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:36 ID:lLPygluW
(1/26)

「じゃあ、今日はここまでだ。
 プリントは忘れずにやってこいよー」
「きりーつ」
「れーい」

その瞬間、あっという間に喧騒に包まれる校舎内。
午前の授業が終わった後の独特の開放感が体中に満ちていく。
それに反してスッカラカンのマイ胃袋。
昼飯と対峙するには申し分ないコンディションだ。

「純也。机そっちにくっつけるよ」
「おっけー」

ガタガタと俺の対面に自分の机を配する拓人。
俺達のいつものランチスタイルだ。

「さーて、今日のおかずは何かなーっと」

俺は鞄から取り出した弁当の包みを本当にうきうきしながら解いていく。
今まで星の数ほど(?)弁当を食ってきたが、これだけは未だに楽しい。

何故だかは、俺にもわからないのだが……
345173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:37 ID:lLPygluW
(2/26)

カパッ

くっついていた弁当箱の蓋を勢い良く開け放つ。
するとそこには……

御飯の上一面を覆い尽くした薄焼き卵。
それが意味するメニューは一つしかない。

「むぅ……!」
「うわー……」

思わず美食家風に唸ってしまった。
向かい側で何故か拓人も俺の弁当を見て中途半端に唸っていた。

「流石は俺の母さん。
 今日俺が食べたいと思っていたオムレツをピンポイントで入れてくれるとは」

「……あのさ、純也」

「何だよ?」


「……それ関してはツッコまない……の?」
346173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:40 ID:lLPygluW
(3/26)

呆れ顔の拓人が指差す先を見てみる。
その方角とは、すなわち俺の弁当箱の中身なのだが……


『ジュンヤ♪LOVE』


御飯の上一面を覆い尽くした薄焼き卵に、恐ろしく達筆な明朝体のケチャップ文字。



「流石は俺の母さん。
 書道の心得もあるとは」

「……」

「……?」


「いや……ま、まぁ、ジュンヤが満足ならいいんだけどさ……」


何か含みのあるような言動を残して、拓人は自分の弁当に手をつけ始めた。
ま、いいか。
気にしないでおこう。
347173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:41 ID:lLPygluW
(4/26)

「はー、んまかったー! ごちそうさま!」

あっという間に平らげ、今は会計事務所で働いているであろう母さんに感謝の言葉を送る。
その後は毎日恒例のお楽しみタイムだ。

「さーて、今日のデザートは何かなーっと」

ニコニコしながら鞄をガサゴソと漁る。

「何、かなー……」

くまなく漁る。
漁るも……

「……」

鞄の中には、教科書や辞書、まばらに使っただけのノート。
食えないモノ達ばかりしかない。

まさか。
まさか母さん入れ忘れたと、か……
348173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:42 ID:lLPygluW
(5/26)

一瞬で背中に吹き出る氷のようなひんやりとした汗。
やばい。やばすぎる。

動悸、息切れ。
救心カムヒア。

「どしたの?」

明らかに挙動不審の俺を見て、昭人が不思議そうな顔で尋ねてきた。

「デザートが、ナい」
「そりゃ残念。おばさんの手作りデザート、分けて貰うの楽しみにしてたのに」

違う。違うんだ。

「そ、そうじゃなくてだな」
「いいじゃない一日くらい。
 おばさんだってうっかりする時もあるって」

昭人くん。君は事の重大さに気付いていない。
母さんは、俺に弁当とその後のデザートを『持たせない』などという愚は犯さない。
これは絶対なんだ。
だから、このままだと、このままだと……!
349173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:42 ID:lLPygluW
(6/26)

不意に教室のドアが勢い良く開かれた。
しかもそれが喧騒の虚を突くタイミングだったらしく、
一斉にその方向を見やる室内の生徒全員。


「ごめーん。
 うっかりしてたー」


てへりこ。

なーんて感じの可愛げポーズをしながら、
Tシャツにジーンズ姿のその人が現れた。
350173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:45 ID:J/MmO5LR
(7/26)

「……」

恐る恐る周りを見渡すと、

(うわー……みんなポカーンとしてる)
(拓人以外のダチには秘密にしていたのに)
(いない時間帯にしか家に遊びに来させなかったのに)

「もう、ダメだ……」

この世の終わりのような様相で項垂れる俺。
その姿を発見したのか、その人はトコトコと歩みよってきて……

ぎゅっ。

「ジュンヤ、見つけたっ」

あろうことか、母さんは軽く抱擁なんかしてくれちゃったりした。
351173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:46 ID:J/MmO5LR
(8/26)

ぽかぽかと春ののどかな陽気。
外では小鳥が連なって鳴いている。。
そんな昼食後の、まったりとした心地よい時間帯に。


『公開裁判 第一審』


黒板にはでかでかと物々しい文字列が。
そして教壇に立つのは、我がクラスの委員長……もとい『裁判長』。

「あーゴホン」

咳払いをし、裁判長は傍聴席を見渡す。
後ろに寄せ、被告人をぐるりと取り囲むように並べられた机の数々がそれだ。

ちなみに被告人とは、椅子に縛り付けられ、猿轡をかまさせた俺なのだが……


「あのー……いじめ?」

おずおずと意見する母さんこと『参考人』。

参考人は俺が縛られている席の前に座っている。
何故かその椅子には座布団が敷かれていた。
352173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:46 ID:J/MmO5LR
(9/26)

「さて、参考人には今から私の質問に正直に答えてもらいます。
 ちなみに黙秘権は認められていません」
「はぁ……わかりました」


裁判官の言葉を皮切りに、厳かな雰囲気の中、公開裁判は始まった。


「見知らぬお姉さん、あなたの年齢は」

「わっ、お姉さんだって!
 そんな呼ばれたの久しぶりだなー」

「ね、年齢は?」

「えと、28才です」

ひそひそひそ……

周りで囁き合う声が。
くそ、何を言い合っているんだ……
353173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:47 ID:J/MmO5LR
(10/26)

「次の質問です。
 日向淳也くんの弁当は、いつもあなたが作っているのですか?」

「はい。
 いつもジュンヤ起こす前に作っています」

「デザートも?」

「はい。
 これはジュンヤが寝る前に作っています」


ざわ……
  ざわ……
     ざわ……


囁きはいつしかざわめきに。
いかん。
状況は悪化の一途を辿っている……
354173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:50 ID:AkLlh/jp
(11/26)

「畜生っ……!」

何故か呻き、酩酊する裁判官。
が、すぐに持ち直して襟を正した。
もう、勘弁してくれ……


「……それでは最後の質問です」

「はい」

「あなたは淳也くんの何ですか?」


「はい。あの……母ですけど」

「え」



……はい3、2、1、キュー。



「「「「え゛え゛え゛え゛え゛ーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」」」」
355173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:51 ID:AkLlh/jp
(12/26)

突如傍聴席が浮き足立ち、
あちこちに円陣が生まれ始めた。


「28才のお母さん!?」
「マジ?若いー!」
「無茶苦茶美人じゃねーか!」
「いや、あれはむしろ可愛い系だろ」
「何であの人が俺のお袋じゃないんだーーー!」


既にみんな声を殺していない。
あちこちで母さんを湛える(?)言葉が。

あーあ。
とうとうばれちまったか。
これで意味も無く家に遊びにくる奴、増えるんだろうなー……
などと考えるのは身内贔屓なのだろうか。
356173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:52 ID:AkLlh/jp
(13/26)

「あはは……」

見ると母さんは実に複雑そうな顔をして笑っていた。
頼むよ母さん……
もう少し息子の気持ちを考えてくれよ……



「でもよー」


そんな状況で、俺が今日13回目の溜息をついた時、


「日向の母ちゃんって、幾つの時にあいつを生んだんだろーなー」
「えーと…………うわ、マジ?」
「14!?」
「嘘ー! アタシ達と同い年の時にエッチしちゃったのー?」
「ばーか、お前もしまくってんじゃん」


そんな、聞き捨てならない、台詞が聞こえてきた。
357173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:54 ID:AkLlh/jp
(14/26)

気が付くと、俺はそいつらの席に向き直っていた。
クラスのはみ出し者連中……郷田たちのグループだ。

授業妨害。
歯に衣を着せぬ言動。誹謗中傷。
飲酒喫煙、恐喝暴行。
噂では街で幅を利かせている悪連中の下っ端だとか。

でもそんな事は関係無い。
お前等と同じだと?ふざけんな!
ただ奪うだけしか出来ないお前等と、
与え続けてきた俺の母さんとが同じだと?

それだけであいつらと対峙する理由には十分だ。

俺の視線に気付いたのか、自分の席でふんぞり返っていた郷田が、

「あ?」

さも鬱陶しそうな表情で俺を睨んだ。
358173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:56 ID:AkLlh/jp
(15/26)

「純也……!」

爆発しかかっていた俺の腕を、

「……駄目だよ」

何時の間にか傍らに来ていた昭人が掴んでいた。

「……」
「ね?」
「……ああ……」


諭されて、己の軽率さに気付いた。

すーはー、すーはー……

大きく呼吸し、幾分かは落ち着いた。

(そうだ、母さんからデザートを受け取らないとな……)

そう思って振り返ると、

「……?」

母さんは、今の瞬間の出来事には気付いていない様子で、
何とも平和そうな顔をしていた。
359173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:57 ID:AkLlh/jp
(16/26)

「ありがと、母さん。
 わざわざ持ってきてくれて」

郷田達に背を向けた状態で、俺は母さんが持ってきてくれたデザートを受け取った。
匂いからして……アップルパイか。

「あ、いえいえ、どういたしまして!」

でも、俺はこの時……

「これから仕事なんだろ?」

「そうだよ」

「だったら……」

一刻も早く、


「だったら………………さっさと行かないと」


一刻も早く、母さんに教室から出て行って欲しかった。
360173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 22:59 ID:AkLlh/jp
(17/26)

「え……う、うん。
 そうだね、行かなくちゃ、だよね」

出来る事なら、言葉に乗せた毒に気付かず帰ってもらいたかった。
でも、今の反応だと、恐らく……

「じゃあ、母さん、行くね……」

そそくさと教室を出て行く母さん。
声が、体が、こころなしか震えているように見えた。

(ごめん、ごめん母さん)

俺は心の中で頭を擦り付けんばかりの気持ちで母さんに謝った。
でもそれは、態度にはおくびにも出さなかった。

出せなかった……
361173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:00 ID:AkLlh/jp
(18/26)

「あーあ。
 余計なこと、しちゃったのかな」

j純也の学校を後にした私は、自転車を漕ぎながら少し呆けていた。

あの時の淳也の雰囲気……

やっぱり、恥ずかしいのだろうか。
こんな年不相応な母親なんて。

「貫禄というか、母性というか、う〜ん……」

それ以前に……愛情が足りないのだろうか?
私は精一杯「母親」していないのだろうか?

お腹を痛めて生んだ子じゃないことは百も承知だ。
血の繋がりが無い事も十分理解している。

でも、私は一瞬たりとてあの子を他人と思った事は無い。
それだけは自慢できる。

天国のあの人にも、胸を張って言える。
362173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:03 ID:R5sn79av
(19/26)

いつもの道。
なだらかな県道のカーブを軽快に駆ける。
でも、心は沈んだままだ。
初めての』感覚ではない。
こんな類の憂鬱は、主に独りでいる時、たまに私を襲う。

『お前はあの子の母親じゃない』

妄想の中でそう私を責めるのは、あの女。
純也の本当の母親。
いつも純也を自分の不満解消の道具にしていた……あの女。

ただ、生んだだけじゃない!
そりゃあ、私には出産がどれだけ大変かなんてわからないけど、
でも、だからと言って。
それが純也を『所有』する権利だと思っていたあなたに、そんなこと言われたくない!

駄目だ。
気持ちがどんどん沈んでいく。
こんな時が……よくドジをするんだよなぁ。
363173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:05 ID:R5sn79av
(20/26)

パッパーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!

「うわわっ!」



いきなり目の前に出現したクラウンを、私はすんでの所で回避した。

「バッキャローーーー死にてーーーのかぁーーーー……」

ごめんなさい。
まだ死にたくありません。
謝ろうとしたが、クラウンはブレーキの残響だけを残して、どこかに走り去っていた。




「はー、駄目駄目。
 こんなこっちゃ笑われるな」

そうだ。
今は土の下から天国に移動しているであろうあの人に。

「うん、心配させちゃいけないよね」

気を取り直し、再び私を自転車のペダルに力を込めた。
364173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:07 ID:R5sn79av
(21/26)

自宅からおよそ3km。
駅前の裏通りの一角に、私の職場がある。
派手に瞬く看板の脇の、ともすれば見落としそうな地味なドアから中へ。
ここは従業員専用の出入り口だから目立たなくてもいいのだ。

「皆さん、おはようございます」

「同僚たち」に笑顔で挨拶。
年下ばかりだけど、彼女たちは先輩なんだから挨拶は丁寧にしないと。

「はよーす」
「真帆っち、はよー」

返ってくる先輩方の挨拶はいつも何とも言えない気だるさを湛えている。
これで仕事場では別人のようにシャンとしているのが不思議だ。
それだけ彼女たちがプロってことなんだろうな。

「失礼しますねー」

いるかもしれない先客に一応断りを入れ、
私は仕事着に着替える為、奥の更衣室のドアを開けた。
365173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:09 ID:R5sn79av
(22/26)

簡素なロッカーが幾つかある、少し薄暗い更衣室。

(店の中とは正反対だなー)

何て事を考えながら、私はジーンズとTシャツを脱ぎ捨てた。
そして持ってきた仕事用の衣装のうち一つを取り出す。
複数持ってきたのは、ここでは何回か着替える必要があるからだ。

「……」

脱いで、着る。
白から薄いピンク色。
また脱いで、着る。
白から薄いピンク色。
お揃いだ。
デパートで見た瞬間、即買ってしまったお気に入りでもある。

そして丸っこい文字で「ミホ」と書かれた名札を右の肩紐につける。

「ミホ」とは、ここでの私の名前。
「真帆」ではなく「ミホ」。

ここでは本名を隠す必要があるのだ。
366173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:10 ID:R5sn79av
(23/26)

後手に髪を結っている鼈甲の髪留めを外し、軽く梳いて整える。
そしていつもは使わない少し高級なファンデーション。
少し派手目なきらきらと光るラメ入りのアイシャドウ。
……適量よりは控えめにしておこうかな。

そして少し濃い目のルージュを薄く引き、馴らす。
これにて準備完了。
「ミホ」の一丁上がりだ。

鏡の中に写る、仕事着の私。
いつもの私じゃない私。

もう、時間だ。

今日も一日、お仕事頑張ろう。
367173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:14 ID:R5sn79av
(24/26)

薄暗いが、それでいて視界を遮らないよう工夫された照明達。
それらが映し出す別世界は、私の今の姿と同じ様に微かにピンクに彩られている。

「……」

どうやら既に何人かお客様が入っているらしい。
耳を澄ますと、どこらともなくくぐもった声が聞こえてきた。

「ミホちゃん」
「うわっ!びっくりした!」

何時の間にか、背後にボーイさんの一人が立っていた。

「声大きいっての。
 さっそくだけど3番席に入ってよ」
「あ、はい……」

さっそく仕事か。
今日は順番が廻ってくるのが早いな。
見ればお客の入りの割には女の子はあまり多くはないよ様子。
こんなおばさんの手でも借りたいってことなのかな。
368173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:16 ID:R5sn79av
(25/26)

「あ、ちなみに今回指名だかんね」
「!」
「急いでよ」
「は、はい!」

私の気持ちを察したかどうかはわからないが、
グラスを下げていたボーイさんが、すれ違い様にそう付け加えてきた。

(やった、指名!)

これで少しお給料が多くなる。
それだけで、今日はいいことあるかも、って気分になる。


(今日は何か美味しいものでも淳也に買って帰ろうかなっ)


そんな事を考えながら、私はお客の待つテーブルへと向かっていった。
369173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:17 ID:R5sn79av
(26/26)

3番席には、私を待つお客の姿が。
途中までは慌てて。
その後はゆっくりと歩み寄る。
お客の前に立ち、その後目線が合うよう、少し胸元を強調しながらかがみ込む。

「こんばんは〜」

見た感じは普通のサラリーマンのおじさんのようだ。

「じゃなくてこんにちは、ですね」

私の姿に気付いたその瞳を、精一杯の視線で絡めとり、軽くウィンクをする。
わざとらしくならなかったかが心配だけど。

「初めまして、ミホです。
 ご指名、ありがとうございます」

私に出来うる、最上級の作り笑顔でお客に微笑みかける。
それは、決して純也には見せられない表情。
母親として、決して見せてられない、「女」の表情だった……
370173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/07 23:32 ID:R5sn79av
今回はここまでです。
誤字が多くてスマソです。
自分が考える理想の母寝取られ目指して頑張りますので、
生暖かく読んでやってくださいませ。
371名無しさん@初回限定:04/08/08 00:31 ID:iVmvk0iL
173氏オツです!
372名無しさん@初回限定:04/08/08 16:46 ID:2Y8193hu
176氏乙
何か先が読めないな
誰が寝取り男になるんだろう?
373名無しさん@初回限定:04/08/08 20:45 ID:vfrd42BJ
先読むのはあんまり(゚A゚)イクナイ
ヒロインが風俗ってのは目新しいパターンだ
374名無しさん@初回限定:04/08/08 22:36 ID:EIL4MFMK
初めてですが、投下させて貰います。
では、次から。
375374(1/12):04/08/08 22:50 ID:EIL4MFMK
――さあ、どうなるかな?
雷雲が喉をならし、土砂降りの雨はまるで神の涙。その涙をうっとおしく思いながら、ラムダは肩に構えたライフルを標的へと向けた。
その標的は教会の屋根でびしょ濡れになっているラムダと違い、まるまる太った腹を太鼓のように叩きながら、最高級の料理に舌鼓を打っている。
それを何処となく皮肉げに眺め、ラムダは自身のこれから行い、それが引き起こすであろう結果に武者震いを隠せなかった。
ラムダの構える狙撃銃は、もう数十年の付き合いだ。軍事力を高める目的で国民に課せられる重い税は、そのほとんどが兵器の研究費用、生産に回される。
恐ろしいほどまでに進化していく兵器は、そのほとんどがたった一週間で型遅れになっていく。
それから見れば、ラムダが構える狙撃銃はもう市場にも出回らないほどの完全なプロトタイプ。
子供でもその狙撃中を見れば、嘲笑を浮かべかねないという品物だ。
376374(2/12):04/08/08 22:51 ID:EIL4MFMK
それでも、ラムダにとっての相棒はコイツしかありえなかった。
齢十二で才能を開花させたラムダにとって、また、そのラムダの才能を発見した『彼女』にとっても。
ふん、と鼻で笑い、標的へと集中した。
いかにラムダの狙撃が正確無比であろうとも、さすがにこの距離は遠すぎる。
それに、この雨も計算に入れないといけないと考えると、頭が痛くなる。
それでも、千載一遇のチャンスなのだ。――外せるわけがない。
下で待つ『彼女』のためにも、アジトで待つ仲間のためにも、そして、自分自身のために。
――ああ、俺の名はどんなふうに刻まれるのかな。
そんな事を思いながら、ラムダは引き金を引いた。
果たして狙撃は成功した。それは、歴史が望んだ必然であったのかも知れない。
余りにも、……余りも完璧すぎる狙撃は、スコープの向こう側で一人の人間の頭蓋骨を砕き、脳をかき混ぜ、床に着弾した。
一つの歴史が終焉を迎えた。
377374(3/12):04/08/08 22:53 ID:EIL4MFMK

聖ラス王国の最高権力者、ルース=D=コードは世に言う暴君であった。
三方を国で囲まれている聖ラス王国は、歴史の中で重要な役割を演じてきた。
完全な中立を保ち、囲んでいる国――クルド皇国、アスガルド帝国、マルス共和国の仲を取り持った事も一度や二度ではなく、
一度も侵略せず、そして、一度も侵略されることが無かった。
暗黙の了解となっている不可侵の条約は、聖ラス王国への畏敬と言えた。
だが、かの暴君は自らの欲望に素直な男だった
。元々、聖ラス王国は軍事力、生産力などが秀でているわけではない。
それどころか、三国に比べれば象と蟻のような関係だ。
だから、名君であった親を毒殺し、暴君は自ら国を治めた。
目的は一つ。三国を侵略する事。
そのために彼は税を引き上げ、軍事力の強化に乗り出した。
国民を黙らせるために、官憲に分不相当な権限を与えた。――それこそが、彼が暴君であるゆえんであったのかも知れない。
かくして、聖ラス王国は堕落していく。国民に覇気は失せ、官憲は己の体裁のみに集中し、暴君は高笑いが隠せない。
――それも全ては過去のこと。
今、暴君は床に伏せ、脳髄を垂れ流し、相応しい結末を迎えているのだから。
378374(4/12):04/08/08 22:54 ID:EIL4MFMK

『フルス・エルシード』のアジトは、使われなくなった炭鉱を改造した穴蔵だ。
迷路のように入り組んでいる内装は、
知らぬ者が入ったら一生出られない、とまで仲間内で評されている。
ここで生まれ、モグラのように過ごしして来たラムダは、反政府組織で『フルス・エルシード』が最たるものだと自負している。
首魁を務めるエルバは、ラムダよりたった二歳年上であるにも関わらず、五十を越えるメンバーを完璧に指揮している。
その姿をラムダは尊敬しているし、ライバル視もしている。エルバはラムダのことを弟のようにしか見ていないようだったが。
そのほかにも個性的なメンバーが沢山居る。見目美しい姿でありながら、男であるクルムや、筋骨隆々でいかつい顔つきながら、猫をわが子のように可愛がるハース。
自分を生んで死んでしまった母親代わりのネリー。
そこにはいろいろな生活がある。
仲には家族で生活する者もいる。――恋人で生活するものも無論いるのだ。
379374(5/12):04/08/08 22:55 ID:EIL4MFMK

よじ上った時には降っていなかった雨のせいで、教会の屋根は滑りやすくなっている。
相棒を背負い、その上からフードを羽織ったラムダは、
一分一秒も無駄にできないとばかりに、転げ落ちるほどの速さで駆け下りた。
教会のひさしの下には、フードを被った女性の姿。子供っぽい雰囲気を纏っているのは、やはり年齢ゆえか。
大人と少女の中間を彷徨うのは、何時になったら終わるのかとラムダは考え、いや、終わらなくてもいいなと自己完結した。
女性は褐色の牝馬に跨りながら、しなやかで有りながら力強い肉づきの黒馬の手綱を引いており、
「首尾は?」
甘さを含んだ、緊張気味な声色。
フードから零れ落ちそうな銀髪と、意思の強そうな蒼色の瞳。雨が降り出してもずっと待っていたせいか、形の良い唇は薄紫に変色していた。
それを誇らしく思ったラムダは、ニコリと微笑み、
「成功した」
簡潔に己の成果を報告した。
「ん。さっきハースから定期連絡があって、二番ルートが適切だって。
仲間は皆、アジトに戻るから、さっさと帰って来いだそうよ。ほら、ラムダの愛馬も連れて来たんだから早く乗って」
わが事のように喜んでくれると思っていただけに、肩すかしを食った感は否めない。
380374(6/12):04/08/08 22:56 ID:EIL4MFMK
馬上の彼女は事務的に手綱を渡してくる。それを同じように事務的に受け取って、からかうように言った。
「冷たいんだな。愛しの彼氏が任務を成功させたっていうのに」
「だったら良いんだけどね。全員が無傷でアジトに戻るまでは、浮かれることなんて出来ないわ」
辛烈な口調で、セリアが答えた。
確かにその通りだ。狙撃が成功し、全てが終わったような気分でいたラムダは、
「セリアには、たまに驚かされるよ」
と本心から言った。
褒めたつもりでいたラムダは、厳しい視線を送ってくるセリアに戸惑いを隠せない。
そんなことをしても無駄だと悟ったのか、
「まあいいわ。早く行き――」
『ましょう』とセリアの唇が動く。甲高い爆発音で、掻き消されたのだ。
火薬が爆発するようでいて、笛が鳴るような音が意味するのはつまり、
「――緊急時警戒……!!」
セリアが噛み殺すように言った。
381374(7/12):04/08/08 22:57 ID:EIL4MFMK
EからSまでの内で最高位のS。官憲は速やかに詰め所に戻り、状況確認。非番の官憲も緊急収集される。あと二分も経たずに、厳戒態勢が敷かれるはずだ。
蟻一つ逃がさないとまで評される厳重な包囲網。
いかに官憲が腐っていようとも、中には腐敗を免れたモノもいるという良い例だ。
――市民なら希望を持てるであろう迅速な行動は、犯罪者には絶望を与える。
正義が狂っている今は、ラムダは犯罪者でしかない。
もちろん、狂った正義が戻ったからといって、ラムダは自分の人殺しが正当なものに変わるとは思っていない。
簡潔に言えば、いつの世にも犠牲は必要だということだろう。
早いな、とラムダは口の中だけで呟いた。しぶとく残っていた余裕が掻き消え、その分焦りが生まれる。
セリアに目配せし、愛馬に鞭を入れた。
待っていました、とばかりに愛馬は力強く路地を蹴る。
狙撃ポイントから五つの辻で右折する二人。
382374(8/12):04/08/08 23:01 ID:EIL4MFMK
豪雨のせいか、はたまた官憲のせいなのか人っ子一人見当たらない路地を駆け抜け、
予定通りに口を開けている排水溝に自身のライフルの投げ入れた。
あらかじめ下水管に潜んでいる同胞が受け取り、分解し、厳重に廃棄する手筈である。
――じゃあな。
素っ気無く相棒に永遠の別れを告げ、ラムダは愛馬に再び鞭を打った。
己の行動が正しければ、もう必要無くなる相棒。一心同体とでも説明出来た相棒。そして、――セリカからプレゼントされた相棒。
「ラムダ?」
比較的広い路地。何時の間にか横に付けていたセリアが、心配そうな声色で尋ねてきた。
豪雨で表情は判らない。けれど、何故かラムダにはセリアが泣いているように感じられた。
「――気にするな。もう必要ないんだ。次はライフルよりも、もっと現実的なものをプレゼントしてくれ」
「うん」
安心したようなセリアの声を聞き、少しからかうかな、と考えたラムダは、
「セリカ、止まれ!」
次の瞬間、ほとんど無意識のうちに叫んでいた。
思いっきり手綱を引っ張る。嘶きが響く、
けれど、この豪雨だ。聞こえてはいないはず。いや、聞こえていないでくれ――!
383374(9/12):04/08/08 23:03 ID:EIL4MFMK
けれど、そんなラムダの心情をあざ笑うかのように、何本かの通りを挟んだ所にいる官兵は振り向いた。振り向いたように、見えた。
ボンヤリとしていた人影は、次第に色濃くなっていく。仲間を呼び、何人か――少なくとも九人以上――が集まっていたのだろう。
気づかれたのは明白。そもそも、緊急時警戒の最中に出歩くものなど皆無に等しく、プラスしてこの豪雨。
人っ子一人見当たらないのは当然なのだ。
つまるところ、ここにいるラムダとセリアが、暗殺に関与していなくとも留置場送りになるのは間違いない。
だが、敢えて救いをあげるのなら、この豪雨だろう。
こっちはボンヤリとしか見えないのだ、あっちがハッキリ見える道理は無い。
馬が二匹いると、正確な数まで判るはずないだろう。
「気づかれた。セリアはそっち、ルーの店を迂回して四番か五番ルートからアジトへ」
敵は待ってはくれない。ラムダは最小限の言葉だけをセリアに伝えた。
セリアの顔が見えないほどの雨。それが、コクリと頷いたように見えた。
「わかった。気をつけて」
転回して離れていく恋人を横目に、ラムダはポツリと、
「割に合わないにもほどがあるよなぁ」
バケツをひっくり返した、という表現さえ誇張ではない豪雨の中を愛馬と共に走った。

落雷が、響きわたる。
384374(10/12):04/08/08 23:03 ID:EIL4MFMK

セリアを安全に逃す為に、ラムダはワザとスピードを落とす。
背後に官兵たちはいないが、追いかけてきているのは確か。
知らず、邪悪な笑みを浮かべる。ラムダは気づいていないが、その表情はまさしく復讐に燃えるが如き鬼の笑み。
散っていった仲間たち。その数は果たして何人か。
街を抜け、草原を走る。廃棄された炭鉱を囲っている木は、森というより樹海と喩えるほうが相応しい。その、樹海に近づいていく。
『フルス・エルシード』のアジトは、炭鉱の迷路と、この樹海で守られている。
そして、樹海には入り込んだ侵入者用の罠が至る所に設置されており、入り込んだものを容赦なく死体に変貌させる。
罠を作動させないための方法は一つ。
今からラムダが突っ込む場所から、まっすぐ直進すればいいだけの事。けれど、この豪雨。
正確にラムダの後を追いかけるなど不可能。
だったら、追いかけてきているであろう官兵の未来は決まったも同然。
385374(11/12):04/08/08 23:04 ID:EIL4MFMK
「セリア……」
愛しの彼女の名を呟き、ラムダは樹海に侵入した。それは、おまじないのようなもの。
ラムダの身を守る、おまじないのようなもの。
樹海を突っ切る。あと少し、という所で愛馬に限界が訪れた。距離にして一キロも無い。
愛馬の利口さは誰よりも判っていたから、
安全な所で雨宿りするだろうと信じその場で別れ、罠の仕掛けられていない一帯を目指して歩き出した。
得体の知れない焦燥感は、樹海に入ってから襲い始めていた。
始めは、官兵を罠に陥れる事による興奮だと思っていた。が、違う。
愛馬から降り、歩き出したことでより強くなっていく胸のざわめき。
ぬかるみに足を取られ、時間をロスしていく、それが、果てしなく不安になる。
かぶりを振り、落ち着こうとする。――それで、やっと気づいた。
樹海が、静か過ぎた。無音というわけではない。
それどころか、うるさいぐらいに盛大で、むしろ静寂とはほど遠いイメージを与える。
そう、静か過ぎるというのは喩えで、気配が静まり返っているというのが正しい表現。
激しさを失わず、それどころか、
刻一刻と激しくなっていく雨がまるでそっちに行くなと、立ち止まれと、警告しているように思われた。
386374(12/12):04/08/08 23:06 ID:EIL4MFMK
しかし、だからといって何処が違うかというとなにも違わない。
アジトは勝手に移動したりしないし、いつもどおりに炭鉱に入り、
右方向に進み、カモフラージュの岩に見せかけたドアを開ける。
違いは、そこで待っていた。
「ラムダ、遅いじゃないか。待ちくたびれたぜ?」
けして、広いとは言えない部屋の奥。
木で出来た椅子に気楽な様子で座りながら、エルバが笑いかけて来た。
わずか数十メートルぐらいの距離なのに、永遠にたどり着けないと錯覚してしまう。
当然といえば、当然。エルバが腰掛ける椅子の下には無数の死体。
もう誰が誰だか判らないぐらいに切り刻まれたモノは、生と死を分かつ境界に近い。
「ハ。何か言ったらどうだ?」
ドッキリと仕掛けた子供のように問い掛けてくるエルバ。
その姿は返り血で真っ赤に染まっている。放心したかのように立ち尽くすラムダに業を煮やしたのか、
「安心しろ。セリアは生きてるぜ」
滑稽だと言わんに、ラムダへと最後通牒を突きつけた。
387374:04/08/08 23:08 ID:EIL4MFMK
>>386
『滑稽だと言わんに』は、
『滑稽だと言わんばかりに』でした。

すいませんでした。
388名無しさん@初回限定:04/08/08 23:42 ID:O0E5L9Sw
素直にビックリ!
いきなりこんな世界観のSSがここで出てくるとは。
ここまで読んだだけでドキドキしました。
でももう少し改行に気を付けた方が良いかも。
374氏、これからの展開に超期待します!
389名無しさん@初回限定:04/08/09 21:56 ID:k2OED8s0
死に掛けたと思ったら急に息吹き返したね。
各作者さんともフレーヾ(゚ー゚ゞ)( 尸ー゚)尸_フレー
390211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 14:54 ID:q0QPMr0W
 こんにちは。連休中の 211 です。
 連休中っていっても、妄想ばっかりで筆が遅いんです。

 >>173 ◆dR7WV1bjfM さん
  自分はまとめて書けないんで、こまめに投下させて頂いております。
  お弁当にデザートはやられました。うちの方でも次回は弁当話ですが、
  オプションはなしです(残念)。素直に萌えさせていただきました。

 >>374 さん
  超大型新人ってかんじですごいです。超期待です。
  自分は行の水増しで苦労しているんで、濃さがうらやましいです。
  硬派なお話は自分も参考にしたいです。

 では、投下します。
391211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 14:55 ID:q0QPMr0W
(01/13)

 何日か経って、入学式の日になった。
 あれからいろいろあったのだが、なんとか節度を持ったお付き合いができた。

 いや、いろいろ危なかったんだけど。

 油断して風呂を借りたときは特にやばかった。
 きゃあきゃあ言いながらバスタオル姿で入ってきて、
 『お背中お流ししますね』とかなんとか言うし、
 髪を結ってほんのり上気した顔は犯罪的だし……。

 とりあえず、毎朝起こしてもらうことを断ったのは正解だったと思う。
 俺は朝は弱くないほうだと思うが、寝顔を見せたら確実にヤられる。
 しかも、二人は俺が寝ている間に忍び込むだろうし。

 こええ。

 まあ、妄想はこれくらいにしよう。

 今は入学式の最中で、学園長の長い話を聞かされている。
 その学園長というのが、発表の時に見た赤いスーツを着た爺さんだ。
 まさか偉い人だとは思わんかった。

 もちろん話は面白くともなんともない。
392211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 14:56 ID:q0QPMr0W
(02/13)

 とりあえず隣を見ている。
 ひさびさに出席番号が1番なので、隣は一人しかいない。
 そのお隣さんの男は、退屈そうにアクビなどしつつ、
 目をこすっていた。

「おいっ、起きてるか」

 すると、隣の男はこっちを見て不満そうなツラをした。

「起きてるわけねーだろ。話はつまらんし、
 周りは男ばっかでダチもいないしな。
 大人しく寝させてくれ」
「まてまて、自己紹介くらいさせろ。
 どうせ番号隣だろ?
 俺、薄井ってんだ。出席番号1番なんでよろしく」
「俺は榎本だ。なんかお前に遅れをとってるようだが2番だ」

 そう言ってから、榎本と称する男はうーんと唸りはじめた。

 何かを考えている。
393211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 14:57 ID:q0QPMr0W
(03/13)

 二、三分はそうしていただろうか。いきなり榎本は俺を指差して言った。

「おい、お前」
「なんだかよくわからないが、とりあえず指差すな」
「ああ、悪い悪い。それより、お前、『薄井』っていったな」
「それがどうかしたか? 存在は薄くないぞ」

 よく知り合いにからからわれてた言葉を出してみたりしたものの、
 榎本はクスリとも笑わない。

 いや、別におもしろくもなんともないんだけどさ。

「お前さ、その、同じクラスのさー、薄井美那ちゃんと知り合いか?」
「知り合い? 知り合いっていうか、まあ、従姉妹だな」
「ほおう、じゃあお前がうわさの従兄弟君ってわけか」

 ……。


「何だよ。その、うわさって」
394211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 14:59 ID:q0QPMr0W
(04/13)

 すると、榎本はちょっと物知り顔で得意気に語りだす。

「俺の中学校には可愛いことでちょっと有名な双子がいて、
 それが薄井美那ちゃんと、あともう一人、なんていったかなぁ。
 まあ、とにかくもう一人いたわけだ」
「ユナのことか?」
「呼び捨てかよっ」
「気にするな」
「お前、ひょっとして美那ちゃんまで呼び捨てにしてんじゃねーだろうなぁ」

 なんだか殺意を感じる。俺、まずいこといったかもしれん。

「まあまあまあまあ、俺の従姉妹だからさぁ。
 それくらいはいいんじゃねーの? それより続きを教えてくれよ」

 うわっ、こっち睨んでますよ。

「お前は俺のライバル決定な。敵に塩を送ることはしねぇ」
「そう言うなって。ここはヒマな男どうし、仲良くしようじゃないか」
「なにぃ? なんか騙されてるっぽいが、まあいいだろう」

 そういうと、さらに声を小さくしてゆっくりと話し出す。
395211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:00 ID:q0QPMr0W
(05/13)

「なんでも美那ちゃんには同い年の従兄弟がいるそうだ。
 そんで心はその従兄弟に傾いていて、
 中学時代の求愛を全て断っちまったんだよ。
 俺も勇気を出して告白したのに、
 『好きな人がいるのでごめんなさい』だぜー」
「へー。そりゃ災難だったなぁ」
「で、なんでも彼女達には夢があって、
 初めては従兄弟に捧げると心に誓っているんだと」

「はー。なるほどねぇ。どうりでねぇ」

 ぽん、と俺は手を打つ。
 なんかやたらとえっちな目で誘惑したり、
 すぐ裸になろうとしたりしてたが、そういう理由だったのか。

 このままだと食事になんか盛られそうな勢いだし、
 少し落ち着くように言っておかないといけないかもな。

 ……。

 急に回りが涼しくなったような気がする。
 そして、榎本だけが燃え上がっている気がする。
 殺意、っていうやつですか。
396211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:01 ID:q0QPMr0W
(06/13)

「お前、『どうりでねぇ』って、その、あれか!
 純情可憐な美那ちゃんに迫られたりしたわけか!
 そんでそんで、まんざらでもないお前は、
 興味なさそうな顔をしながらも腰をがっしり掴んで、
 ズッコンバッコンギシギシアンアンしたのか!
 据え膳食わぬは男の恥ってか! おーまーえーなぁー」
「まだ! まだ! やってない! やってない! マジ、やってないから!
 ミナはああ見えて恥ずかしがり屋だから!
 そんな思ってるようなことはないから!」
「お前やっぱり呼び捨てじゃねーか、そこに直れコラ」
「やっべ、また墓穴。そうだ、今入学式の最中だろ?
 暴力はまずいっしょ」

「もう入学式は終わってますよ、薄井君」

 目の前になぜか学園長がいた。
 ほかにも先生らしき人がぽつりぽつりと俺達を囲んでる。

「ところで、薄井君、榎本君、我が校の校訓を知っておりますかな」

 知ってるわけないです。話なーんも聞いてなかったし。

 それから俺らはみっちりお説教を食らったのであった。
397211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:06 ID:q0QPMr0W
(07/13)

 夕暮れの通学路を三人で歩いていた。

 お説教のあとはクラスごとの立食パーティに途中参加した。
 料理なんかはもうほとんどなかったし、
 周りのエリートな方々からの視線も冷たかったので、
 隅っこで榎本と残りカスをつついてましたが。

 俺と悪友第一号はやっぱり浮いています。
 浮いていますよ、親父。

 周りが勉強できそうな奴らばっかりで、こう、
 なんか貴族っていうかボンボンっていうか、
 そういう類の人種なんだろうね。
 なんで俺ココにいるのかね。

 一方、従姉妹の二人はいい意味で目立ってた。
 男のほうが多く、女もそう可愛い子はいないので、当然ちゃー当然だけど。

 しかも、ミナもユナもこういう場でそれらしく見せてしまうからすごい。
 もしかしたら、ちゃんと作法の勉強をしているのかも。


 親父の教育の賜物、なんてことは考えたくないなぁ。
398211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:08 ID:q0QPMr0W
(08/13)

「それにしても、式典の時はホントにおもしろかったよぉ。
 みんな退場してるのになぜか座ったままなんだもん。
 ユナと二人で笑いを堪えるのが大変だったんだから」
「はい。それはそれは真剣なご様子でしたけど、
 そんなに熱心に何をお話してたのですか?」

 二人が処女って噂でした、
 とは言えんよなぁ。適当に脚色するか。

「隣に座ってた男が榎本って言うんだけど、ミナと中学が一緒で、
 告白したとかなんとか言ってたんだ」
「うんうん、知ってるよ。陸上部で確か幅跳びやってたのかな。
 別に好きじゃなかったし、だってほら、わたしたちにはキヨがいるし……」

 問題発言があったような気がするが、まあ、気のせいだろう。

「そんでその榎本がさー、『ミナは渡さない』とか主張するわけよ。
 だから俺も『俺の嫁はお前なんかにやれねぇ』といってやったわけよ。
 それはそれはもう、一触即発の状態になっちまうわけで、
 こっから先は男と男の熱き戦いが勃発するわけよ。
 奴が渾身の右ストレートを放ってくるから、
 俺はその手を反らしてこう体当たりをいれてぶったおした上で、
 すかさずマウントとりにいって、そんで、これでもかこれでもかって、
 ……、アレ?」
399211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:10 ID:q0QPMr0W
(09/13)

 俺を挟むようにいたミナとユナがいない。どこいったんだ?

 後ろを見ると、少し離れたところに二人は立っていた。
 二人とも、顔を真っ赤にして何かをぶつぶつと言っている。

『嫁、嫁、嫁、きゃぁっ、嫁、嫁、嫁、きゃはぁっ……』
『お嫁さん、いいなぁ、お嫁さん、いいなぁ、お嫁さん……』

 やべっ。俺、失言したかも。


 ほっとくのもまずいので、近寄ってみる。

「あれ、どう、しましたか、お二人さん」

 俺の言葉にユナが動いた。それには警戒していた俺もよけられない。

「ずるいですぅ、ずるいですぅ、私もお嫁さんにしてほしいですぅ。
 私、してくれるまで離しません! 帰しません!」

 ユナがしゃがみこみ、俺の下腹部に顔をうずめ、
 嫌々をするように顔を動かす。
400211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:12 ID:q0QPMr0W
(10/13)

「タンマ! そこはマズイ! マジマズイ!
 わかった! ユナも嫁! 嫁だから!」

 思わず叫ぶと、顔を少し離して俺の方を見上げる。
 たっぷり一呼吸の間を空けたあと、にぱぁっ、と笑う。
 ものすごく可愛いんだけど、背筋がぞくっとした。

「うれしいですわ。告白ですわ。今日から私もお嫁さんですわ」
「わかった! わかった! わかったから離れろ。
 ちゅーか、お前それ絶対わざとだろっ」
 無理やり引き剥がして、頭をペシッと叩く。

 うぅぅと涙目になるユナ。その顔も可愛すぎます。

 俺の目線は逃げるようにミナの方へといった。
 彼女は『嫁、嫁』と呟いては、頬に手をあてて嬌声を上げている。

 いやぁん、だの、あぁん、だの、何かヤバイことを想像しているようだ。

 さすがに置いていくわけにもいかないので、
 俺は二人を引っ張って歩きだした。


 近所の目が気になったのはナイショだ。
401211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:15 ID:q0QPMr0W
(11/13)

「ところでキヨはなんか部活に入るの?」

 しばらく歩いて落ち着いたミナが聞いてくる。

「自慢じゃないが、俺は万年帰宅部だ」
「勉学で心を鍛えた後は、運動で身体を鍛えるというのも良いものですよ」
「とはいってもなぁ、俺、特に得意なもんねーし。
 そーゆー二人は部活入んの?」

 彼女達が運動をしているイメージはない。
 どちらかといえば料理部ってかんじだけど、そんなのあるのかね。

「ええ。私はソフトボール部のマネージャーの予定です。
 ミナは陸上部のマネージャーですよね」
「うん。中学の時にずっとやってたから勝手知ってるの。
 それに、伯父さんがよく言ってたんだ。
 『奉仕の心を学ぶにはマネージャーがいい』ってね」


 親父にかなり毒されてるんだな。

 なんか親父にいいようにされる二人が頭に浮かんで、
 ちょっと嫌な気分になった。
402211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:17 ID:q0QPMr0W
(12/13)

「……あんまり親父の言うことは信用しないほうがいいと思うぞ」


 二人が立ち止まった。
 今度は気をつけてたから俺もすぐに止まることができた。

 振り返ると、二人はうつむいていた。
 そのまま二人が飛び込んでくる。
 さすがによけるのはまずいかな、と思い、俺は二人を抱きとめる。

「わたしたち、キヨが大好きだから。
 でも、キヨのことよく知らないから、
 キヨが好きなことぜんぜんわからないの」
「直接会うことができなかった私達には、
 伯父様の言葉が唯一の指針だったんです。
 伯父様の言うとおりにしていれば、
 きっとキヨくんが好きになってくれるって、
 ずっとずっと思ってました」
「キヨが嫌だっていうならやめるよ?
 わたし、キヨが嫌だっていうことを続けられないよ?」
「私達が好きなように、キヨくんにも好きになって欲しいです。
 だから、教えてください。
 好きなこと、嫌なこと、どんなことでも」
403211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:19 ID:q0QPMr0W
(13/13)

 二人の真摯な瞳に圧倒される。
 きっと、嘘偽りのない、心からの言葉なのだろう。
 俺はそんな彼女達の顔を見ることができなかった。
 素直になれなかった。

「その言葉も、その、親父に、教えられたのか?」

 俺は、俺の口は、無意識にそんな言葉を紡いでしまった。


 二人が怯えるように身を震わせた。
 回された手の力が抜けていくのがわかった。
 まるでそのまま消えてしまうような、そんな気がした。

「……ばーか、冗談だよ」

 そう言って二人を離すまいと強く抱きしめる。


 俺の精一杯だった。

 本心なんて、言えるはずもなかった。
404211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/10 15:21 ID:q0QPMr0W
 今回はここまで。

 次回は『木陰の下で』です。
 まだまったりですが、そろそろ……。

 では、また。
405名無しさん@初回限定:04/08/11 15:50 ID:HWZYKF1b
今後の展開に期待しつつsage
406名無しさん@初回限定:04/08/12 17:38 ID:MS36MIqL
わくわくしながらオワタって言えるのって、とても幸せなことだな
407名無しさん@初回限定:04/08/13 00:12 ID:TUw5/JlD
弾幕薄いよ!何やってんの!
408名無しさん@初回限定:04/08/13 05:00 ID:mEAGUJ/y
さあ?
409名無しさん@初回限定:04/08/15 00:19 ID:KiCU62Sz
頭頂部薄いよ! 何やってんの!
410名無しさん@初回限定:04/08/15 00:27 ID:UYX1//ov
>>409
そういうことはジョークでも言ってはいかん
411名無しさん@初回限定:04/08/15 00:48 ID:icWH4p5H
リアップもマッサージも欠かさないよ!何言ってんの!













失礼な奴だ
412名無しさん@初回限定:04/08/15 21:02 ID:tfOy8F1q
おれなんか25で野球日本代表の和田より禿げてるよ
413名無しさん@初回限定:04/08/16 21:12 ID:pkzbHYng
リアップとはまた地獄道を選んだなぁ・・・

禿板見てないの?
414作者その1:04/08/16 22:53 ID:T9GFR0PR
何故に禿?
時代は禿なのか?
まぁ禿は男性ホルモンが多いというし・・・・・・
ところでハゲ親父に寝取られると凹むのだろうか?
完全ハゲとスダレ禿ではどちらが凹むのであろうか?
415名無しさん@初回限定:04/08/17 02:42 ID:R9wTr57F
スダレハゲの方がいやだなぁ。
完全ハゲは、ファッションの観点で、狙って行き着きえる髪型だし
捉えようによっては、ダンディなオッサンと言える場合もある。
でも、スダレハゲで格好いい人見たことないし、ハゲを覆い隠そうとする無駄な努力が情けない。
416173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/17 03:10 ID:IWtYCcIB
そんなにあのスダレハゲがいいのかよ!
だったら俺もスダレハゲになr
417名無しさん@初回限定:04/08/17 09:51 ID:gn/XWzz8
まあハゲは男性ホルモン過剰の証=絶倫という俗説もあるしなあ。
418名無しさん@初回限定:04/08/17 21:48 ID:4kVTpMPN
新たな作者が登場するとしたらきっと寝取りキャラは絶倫ハゲ親父。
419211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:42 ID:FApcDUxZ
 こんばんわ。
 メダルと禿、輝かしい繋がりでしょうか。

 スダレハゲに寝取られるかツルッパゲ(ダンディ)に寝取られるかは、
 醜い男に寝取られるか美形男に寝取られるか、の違いだと考えます。
 言うならば『屈辱感』と『敗北感』の違いでしょうか。

 自分は、スダレの超絶テクが忘れられなくなってしまった娘っ子が
 激しく萌えます。

 では、今日もまったりと投下します。
420211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:44 ID:FApcDUxZ
(01/12)

 大きめな弁当箱が二つ、それぞれの膝の上で広げられた。
 女の子の弁当箱といえば、花柄でとか可愛い絵柄とか、
 そんなイメージがあったけど、どちらもただ大きい箱って感じだ。

『明日のお弁当、期待しててねっ』と言われたのが昨日の帰りがけのこと。

 俺、むっちゃ期待してます。実際、朝飯抜いてるし。

 いや、ほんと二人の料理はうますぎますよ。
 腕もそれなりなんだろうけど、何より俺に合わせて作ってくれるのがいい。

 あまり好きじゃないな、っていうものは調理法を変えてくれるし、
 ちょっと味付け濃いかな? って思ったものすら俺好みに調整してくれる。

 しかも、そんな素振りをぜんぜん見せないところがうれしい。
 見てないように装っていて、でも実はちゃんと見ていてくれる。


 そんな二人の手作り弁当が毎日食べられるなんて、
 こんなウラヤマシイ境遇ありですか? 俺。
421211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:45 ID:FApcDUxZ
(02/12)

 弁当箱を覗き込んでみると、俺の好物がところ狭しと並んでいる。
 でも、それより何より気になるのが、大きな面積を占めるご飯だ。

 どちらもご飯の上にはハートが描かれていた。
 ミナの弁当には桜でんぷで、ユナのは、多分シャケかなにかのほぐし身だろう。

 これって、やっぱり愛情表現……、だよなぁ。

 ラブラブ、ってことでいいのかな?
 とりあえず気づかないフリをしよう。


「ほんっと、うまそうだなぁ。どっちから食べようかなぁ、
 うーん、とりあえずいただきまーす」

 俺は待ちきれずに自分で持ってきた割り箸を取り出した。
 割り箸はいろいろ使えることもあるので、常に持ち歩いてる。
 二人に限って箸を忘れてるなんてことはないと思うけどね。


 パキッと割ってその先っぽを軽く舐め、いざ臨戦態勢だ。


 さて、どれからいきましょうかね。
422211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:47 ID:FApcDUxZ
(03/12)

 まずは好きなものからでしょう。
 それならやはり肉じゃがしかあるまい、男なら。

 二つの弁当箱の中身は違っていた。たぶん、別々に作ったものだろう。
 それでも肉じゃがは俺の好物ということで、両方の弁当箱に入っている。

 俺は割り箸を揺らせながら考える。


 今までは晩御飯でしか二人の料理を食べたことがない。
 大きなテーブルの上にいろんな皿が並べられていて、
 彼女達が俺に食べさせてくれる、という形だ。

 食べるときもどちらが作ったかを気にするようなことはなくって、
 漫然と、『二人で作った料理がいっぱいある』という風に見ていた。

 ただ、肉じゃがだけは味の違うものが二つ出るようになったので、
 別々に作っているのかな、という気はしていた。
 その二つは味が違うのに、不思議とどちらも俺好みの仕上がりである。

 先に食べるのはどっちがよいか、これは難問ですよ。

 お楽しみは後にして、別のものにしようかな。

 って、結局はどっちかの弁当を選ばなきゃいけないじゃん。
423211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:48 ID:FApcDUxZ
(04/12)

 そうこう悩んでいると、見るにみかねたのか、
 彼女達は自分の弁当箱を手に取ってしまった。

「キヨくんに悩んでいただけるのは大変光栄なのですけれども、
 今はお昼ですからあまりのんびりしてはいけませんわ。
 それに、そうやって料理の上で箸をあれこれ動かすのは、
 『迷い箸』といって無作法なことですよ」

 ユナがそう言って玉子焼きをとってくれた。
 今度からは箸を持たずに悩まないといけないな。

「ごめん」

 どうやら、玉子焼きはユナのお手製らしい。
 そのやわらかさを存分に堪能する。

「こうやって食べさせてあげるのがわたしたちの楽しみなんだから、
 キヨは何も悩まなくていいんだぞっ。
 はい、ゴハンだよ」

 ほどよく味わったところに、ミナがご飯を食べさせてくれる。
 弁当なのでほかほかというわけにはいかないが、
 それでも文句なしにおいしいご飯だ。

 このへんのタイミングをきっちり合わせてくるのは流石です、ハイ。
424211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:49 ID:FApcDUxZ
(05/12)

 春風が吹き抜ける。

 サラサラと木々が揺れて、時々木漏れ日が俺達を照らす。
 まだ少し肌寒いが、夏になったら日陰になっていい塩梅かな。

 ここは校舎のちょうど裏手側で、遊歩道が通っているものの、
 木ぐらいしか見るものがなくてベンチなど休むところもないので、
 こうしていても人が通ることはない。

 地面は土ではなく、綺麗に手入れされた芝生が敷いてある。
 寝っ転がって授業をサボるにはいいかもしれない。

 今はユナが用意してくれたビニールシートの上に座っている。
 制服が汚れるということで、二人で選んだものだそうだ。


 本当は、教室か食堂かそこらへんで食事をすると思ってたが、
 ちょっと考えてみればまずいよな。

  女の子二人に手作りの弁当をもらうだけでも犯罪なのに、
  いっしょに食事をして、しかも『あ〜ん』だとぉ?

 榎本あたりに刺されそうです。ナイショにしておこう。
425211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:52 ID:FApcDUxZ
(06/12)

「このヒジキの煮物おいしそぅ〜。ちょっと食べてもいい?」
「ええどうぞ。では私も、こちらのオカラを頂きますね」
 俺が腹八分目になったというところで、二人も弁当をつつき始めた。
 料理についてあれこれおしゃべりしたり、食べさせあっこしたりしている。

 食べさせあっこ。
 女の子同士で食べさせあっこ。

 俺も同じように食べさせてもらってたんだけど、
 こうしてみるとすごく微笑ましいぞ。
 なんかラブラブって感じで、ちょっと妬けるくらいだ。

 こういうのが、親父の言う『萌え』ってやつなのかな。

 と思った。

 いかんいかん。こんなときに親父のようなことを考えるのはやめよう。
 毒されちゃいかん。
 俺はまともだ。あんな変態ではない、と信じたい。


 さて、どうしよう。ちょっと手持ち無沙汰だぞ。
 弁当箱の中身はまだ残っているんだけれども、さすがにもういいかなぁ。
426211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:54 ID:FApcDUxZ
(07/12)

『はいユナ、あ〜ん』
『ミナもあ〜んしてくださいね』

 そうだ。ソレをやればいいんだ。

 さっきの割り箸を懐から出すと、
 魚の切り身をひょいっとすくい上げて構える。
 その動きを目で追っていた二人は、俺の顔を不思議そうに見ている。

「なあ、ミナ、ユナ。俺も、その、あーん、ってやつやってもいいか?」

 二人が顔を見合わせて小首を傾げる。
 何を意図しているのかよくわからないらしい。

「その、なんだ。俺が料理を取って、二人が口を開けて、
 俺が食べさせてあげるって奴」

 ……。


 ボンっと音を立てたように、顔を真っ赤にする二人。
 なんだかテレビのかくし芸を見ているようだ。
427211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:56 ID:FApcDUxZ
(08/12)

「だめっ、だめっ。そんな恥ずかしすぎることだめだよぉ〜。
 恥ずかしすぎるけど、ちょっとうれしいかも〜。
 でもでもやっぱりやっぱり恥ずかしいよぉ〜」

 ミナさんはずいぶん恥かしがり屋さんですね。

「キヨくんに食べさせてもらえるなんて、
 私には幸せすぎますわ。ぜひお願いします!
 どんどんお願いします!」

 そしてユナさんはずいぶん食いつきがいいっすね。

 俺は、その可愛らしい口にひょいっひょいっと放り込む。

 二人は目を閉じて、しっかりと味わう。
 幸せをかみしめるように。

 本当に幸せそうだ。

 自分でじゃがいもを口に運んでみる。
 そして、同じように目を閉じて味わってみる。

 俺もこの感覚を共有したかった。
428211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/17 23:58 ID:FApcDUxZ
(09/12)

 ゆっくりと目を開ける。

 持っていた弁当を傍らに置き、伸びをする。
 昼寝をするにはちょっと時間がないけど、居眠りしようかな。
 きっと起こしてくれるだろう。

 ……。あれ?

 そう思って二人を見たのだが、彼女達は相変わらず目を閉じたままだった。
 両手を祈るように組んで、俺の方を向いて何かを待っている。

 違うことといえば……、口だな。

 さっきのように大きく開いているわけではない。
 かといって、ぴったり閉じているわけでもない。


 『食事を待っている雛鳥』といった風にも見える。
 『キスを待っている恋人』といった風にも見える。


 これは、罠ですか?
429211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/18 00:00 ID:UmuKd1Sm
(10/12)

 恐る恐る聞いてみる。

「あ、あの、どうかしましたかね」

「やだぁ、言わなくてもわかってほしいよぉ」
「期待していますよ、キヨくん」

 そういって、そのままの姿でずずいと迫ってくる。
 逃げることは許されないらしい。

 依然目を閉じたままである。
 お口のほうもだんだんと閉じていっている気がします。
 そして、おもむろに二人とも下唇に人差し指を当てる。

 これは、また露骨に求められていますね。


 彼女達がナニを望んでいるのかはよーくわかる。
 こんな機会は何も今が初めてというわけではない。


 わかるけど、わかるけどさ、俺にはソレをする勇気がないんだ。
430211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/18 00:02 ID:UmuKd1Sm
(11/12)

 『キスを待っている恋人』で正解なんだと思う。

 大好きって言ってくれてるし、好きになってほしいとも言ってくれてる。

 だから、キスしちゃいました。

 別に変じゃないし、むしろ自然なことだと思う。


 でも俺は、恥ずかしながらキスをした覚えがない。
 女の子風に言えば、ファーストキッスをしたことがない。

 別に大事にとっておくもんでもないとは思う。
 とはいえどちらと先にキスするか、を迷うには十分だと思う。
 一時的にでも二人に差をつけてしまうから。
 こればっかりは気の持ちようなんだろうけど、俺にはどちらも選択できない。

 いつかはどちらかと離れるかもしれない。
 今のまま三人で末永く暮らせるかもしれない。
 両方とも去っていってしまうかもしれない。

 でも、今は、今の間は、二人と平等に付き合いたい。

 わがままかもしれないが、今の三人の関係を崩したくない。
431173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 00:04 ID:2OpKq5ny
久々にうpです。
今回は(13/13)
432211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/18 00:04 ID:UmuKd1Sm
(12/12)

 俺は弁当箱からキュウリの輪切りを手づかみすると、
 二人の開いた口に挟まるように

 目をパチクリしながらビックリする二人。
 その動作は申し合わせたように一緒だ。

「まだ弁当残ってるし、どんどん食べてしまおうぜ。
 目ぇ閉じてたら料理がつかめないだろ?」

 キュウリを咥えたまま見つめ合っている二人に箸を持たせて、
 俺もサラダを取って食べる。

 二人はちょっと残念そうにため息をついた。

「手を使うのはただのお下品さんなんだからぁ。今度からはちゃんと箸使ってね」
「もっと押し込んでいただければ、たっぷり舐めて差し上げましたのに」
「ちょっとユナぁ、お昼からそれは過激だよぉ」
「キヨくんはつつましいお方ですから、こちらからアプローチしませんとね」

「ははははは、お手柔らかに頼むよ」

 『つつましい』って褒め言葉だろうか。

 そんなことを思いつつ、二人が食べ終わるのを眺めていた。
 明日からは箸持ってくるのやめとこう。
433211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/18 00:06 ID:UmuKd1Sm
 今回はここまで。

 次回は『顔色』です。

 では、また。
434173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 00:06 ID:2OpKq5ny
>>211 ◆Me/S1xrvzc氏

割り込み申し訳ない!
リロードしてませんでした!!

と、取りあえず、回線で首くくってきます……
435名無しさん@初回限定:04/08/18 00:22 ID:vypa5KSr
>211氏
キタヨォ━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!
…しかし、この萌え方はヤヴァイ。
このスレの本題(寝取られ)に入った時、ひょっとすると俺は死ぬかもしれないΣ(;´Д`)

しかも173氏のSSまで投下が近いとみえる…
SSにも、絶え間ない投下にも幸せだが、このスレにおけるSSの幸せは、不幸の予兆にすぎない。
しかし、このスレの住民である以上、自分にとってその不幸せは同時に幸せでもあるわけで……
ああもう、何言ってるか分からん。とにかくGJ(`Д´)ゞ
436211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/18 00:33 ID:UmuKd1Sm
>>173 ◆dR7WV1bjfM さん

 レス遅くなりました(ちょっと席外してました)。
 自分のことは気にせず、がしがしうpしちゃってください。
 首くくられると哀しいですよ。

>>435 さん

 レスありがとうございます。
 本題部分でそっぽ向かれないよう、これからも精進します。
437173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:06 ID:Spn2xxl4
>>211 ◆Me/S1xrvzc 氏

ご丁寧にありがとうございます。
そう言っていただけてほっとしました。
こ、今度はちゃんとロリードしましたよ?

ではマターリうpさせていただきます。

(13/13)
438173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:08 ID:Spn2xxl4
(1/13)

ここは、私にはとても懐かしい場所だ。

私はかつてここで愛用の型古PCを操り、
次々と積まれていく書類の山と格闘していた。
残業は多かったけど、それでもいい職場だった。



そして私は、かけがえのない人とこの場所で出会った。

ここは、私にとってはとても懐かしい、思い出が詰まった場所だ。



しかし、今でもはもう当時の面影は欠片も残っていない。
薄いカーテンで幾つもの「個室」に区切られたその場所は、
男の欲望の為に女の体を提供する場所になってしまっている。

でも、未だに私はここにいる。
今もここは、私の職場なのだ。
439173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:09 ID:Spn2xxl4
(2/13)

「くぅ……」

天井からの逆行のせいで、お客の顔を覗うことは出来ない。
ただ時折漏れる苦悶の声が、一時の契約の終わりが近いことを告げていた。

「あ……む……ちぅ」

わざと音を立て、お客の股から生えたソレをしゃぶる。
口の中に広がる生の男の精の匂いを気にしないようにしながら。
ブラジャーが剥ぎ取られた胸元に滴る、珠のような汗。
それを塗り広げる、見知らぬお客のごつごつした腕。

それは、今この空間のそこかしこで行われている行為。

店のルールの範囲で許される、それは淫らな秘め事だ。
440173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:10 ID:Spn2xxl4
(3/13)

「ぷちゅ……れろっ……れろろっ……」

「ああ……ミホちゃん、上手ー……」

お客の吐息が荒くなっていく。
タイマーの鳴る時間まであと5分しかない。
これだけ焦らせば、いいかな。

「……イキそう?」

上目遣いで見上げる。
天井が眩しいから、きっと恥ずかしくない。

「う、ん……」

もう十分なようだ。
お客の反応を確認し、私は止めにかかることにした。
441173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:11 ID:Spn2xxl4
(4/13)

「んぷっ!じゅっ!ぐむっ!」
「を……!お……!あ……!」

同調する音色。
同調する律動。
いつもの工程。
いつもの展開。
あてがわれた男性のモノを刺激し、射精たらしめる。
運ばれてきた部品を加工して製品に変えるオートメーション。
私の仕事はそんな類のものなのかもしれない。

私の身体を弄ぶ腕の力が増し始めた。
ここで……ラストスパート。

「く……あはあっ!!」

そして、

「あ……んぷ」

滲み出るような感じで、モノから精液が吐き出された。
足元に脱ぎ捨てられた下着にも、精液が垂れていった。
442173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:13 ID:Spn2xxl4
(5/13)

「でもさー」

一仕事終えた後。
女の子達の控え室にて。

「真帆っちって可愛いんだからホステスとかやりゃいいのに。
 何もこんなピンサロでなくても稼げるっしょ?」

カプリをくゆらせながら話しかけてきたのは、先輩の亜里沙さん(22)。
この店では一番の古株だ。
誰にでもざっくばらんな喋くりをする、気さくないい人である。

「あはは……私、おしゃべり苦手だから。
 きっとお客さん退屈しますよ」

「もったいないと思うんだけどねー」

悪い人じゃないことはわかっている。
それでも多くは語らないし、お互い語る必要無い。
私が子持ちの未亡人だなんてこと、ここの皆は誰も知らない。
私は亜里沙さんに適当に相槌をうって小さく微笑んだ。
443173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:15 ID:Spn2xxl4
(6/13)

「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……っ」

「そ、そんなに落ち込まなくても……ね?」

放課後。
鬱気を孕んだ呻き声を上げながら、俺は昭人と帰宅の途についていた。
重苦しいオーラを纏い、屍人の体で歩く俺。
少し後ろを来る昭人もどうしていいかわからない様子だ。

(はは、ここまで落ち込むなんてな……)

原因は考えるまでも無い。

母さんに吐いたあの暴言。
その時の母さんの表情。

それが、頭から離れてくれないのだ。
いままで良好な関係を築いてきた、たった一人の家族なのに。
どうして俺は、あんなことを言ってしまったんだろう……
444173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:16 ID:Spn2xxl4
(7/13)

商店街の外れにある、小さな公園。
遊具はどれも錆が酷いが、ここは昔から俺達二人の遊び場だ。

「はい」
「さんきゅ」

昭人が入り口にある自販機で買ってきてくれたコーラを受け取り、

「ゴキュッ!ゴッキュ!ゴキュゴキュッ!」

俺は中身を一気にあおった。

「…………げぷぅ」

しかし、喉の渇きを一気に爽快へと変えてくれる炭酸も、今の俺にはてんで効果が無かった。
445173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:17 ID:Spn2xxl4
(8/13)

「重症だね……」
「…………」

並んでベンチに腰掛け、ぼんやりと空を見つめる。
昔から何か嫌な事があった時は、二人してここで何もしない時間を過ごしてきた。
そうしていると何時の間にか小さな悩みもどこかへ行ってくれたものだが、
今日に限っては中々うまくはいってくれない。

「純也ってさ、おばさんの事になるとてんで駄目だよね」
「そう、かな」
「そうさ。
 幼稚園の頃、おばさんの誕生日に菊の花贈った時もかなり凹んでたじゃない」
「あん時は……お前のアイデアで父さんの仏壇に飾ろうってことになったっんだっけ」
「そうそう」

流石に長い付き合いだけあって昭人は昔のことをよく覚えている。
恐らく、昔話の中から俺が立ち直る足がかりを探せるよう仕向けてくれているんだろう。
そんな親友の心遣いが嬉しかった。
446173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:17 ID:Spn2xxl4
(9/13)

「あー?
 あそこにいんのって、天才コンビじゃん」

不意に、公園の柵の向こうから話し声が聞こえてきた。
そこには……

「相変わらず二人でつるんでんね」
「げぇ〜、ホモかよ!気色悪リィ〜〜!」

人目にはばかるなど考慮の隅にもおかないその言動。

見紛うはずも無い。
あれは昼間ひと悶着になりかけた、郷田達3人組だ。
447173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:18 ID:Spn2xxl4
(10/13)

「デートの真っ最中ってか?
 キモいキモい」

そう言って好奇の目で俺達をねぶり見る小男は徳永五郎。
見た目通りの小物で、グループの中では下っ端的な存在だ。
髪を無理矢理おっ立てているのは、背を少しでも高く見せる為らしい。

「放っとけよバーカ。
 どーでもいーじゃん」
「でもよ、あいつ等昼間……」

と、さも興味なさそうに徳永を嗜めたのが、グループの紅一点の紫苑寺明美。
こいつは町の不良連中に片っ端から身体を許しているヤリマンだ。
伝え聞いた話によると、その行為の真意は、寝た男の傘を着るためらしい。
そんな勘違いをしている所為か、言い寄られた連中にとっては都合のいいサセ子状態になってるとか。
448173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:20 ID:Spn2xxl4
(11/13)

「そんなことより、お前等行かなくていいのか?」

そしてさもかったるそうに二人を促したのが、リーダー格の郷田恭二。
こいつはとにかく腕っ節が強い。
1年生の頃は柔道部のエースだったとかの噂もあるが、柔道部の連中は否定していた。
まぁ、ブリーチでバッチリ金髪に染めた長髪を見る限りではその反応も頷けるのだが。

「あ、俺、狂錬光武の阿久津さんの手伝いにいかないと!」
「アタシも四魔貴族の荒家クンと待ち合わせだったっけー」

今からどんな大物と会うのかを強調して説明する徳永と紫苑寺。

「恭二さん、一緒に行きませんか?
 何だったら狂錬光武にツナギ取るッスよ?」
「アタシも奥奈クンとか臼根クン紹介するけど?」

どちらも似たような思考回路をしているらしい。
しかし、

「いや……俺は今日はバイトだからいいわ」

郷田は興味無さげにそれらの誘いを断った。
449173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:21 ID:Spn2xxl4
(12/13)

ひとしきり騒ぎ立てた後、郷田達は去っていった。

「純也……」

「……」

「あのさ……」


「……あーあー、やめやめぇー!!」

何か、あれこれ悩むのが馬鹿らしくなってきた。
ある意味、雰囲気を変えてくれたあの連中のおかげかもしれない。
嫌な感情に流されても何もならない。
鬱になっても、何の特もない。
ただ単純に、母さんに謝れば、万事解決!
それだけだ!
450173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:25 ID:Spn2xxl4
(13/13)

「帰ろうぜ、昭人」
「あ、うん!
 純也がいいんなら、そうしよ!」

そう言って、俺達は並んで空き缶を構えた。
そして心にしこっていた陰鬱もろとも、

ガコッ!
ガコン!

美しいユニゾンの曲線を描きながら、空き缶は屑篭に消えていった。

ああ、これでスッキリだ。
後は……帰りの道中、母さんにどう謝るかを考えるだけだ。

(そうそう前向き思考。
 これでこそ本来の俺だ)

心なしか、足取りも軽くなったような。
昭人の足取りも俺と並走するくらいになっている。

(帰りに母さんに何かお土産でも買っていこうかな。
 パソコン仕事は目にくるっていうから、ブルーベリーケーキとかいいかも)

取りあえず、俺達は最近美味いと評判のケーキ屋に立ち寄る事に決めた。
451173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/18 22:27 ID:Spn2xxl4
今宵はここまででつ。
種蒔きはこれにて完了。
あとは、転がしていくだけ。

……下り坂ですけど。
452名無しさん@初回限定:04/08/19 12:04 ID:3USOYSih
173氏乙
211氏のコメディタッチとはまた違ってシリアス系の展開ですな
以降は接客シーンを増量キボンです
今は「お客」とか「モノ」とかのそっけない接客の母が、奉仕の喜びに目覚めたりしたらもー最高


以上、金で体を開く女の子に萌えるスレ住人の切なる叫びでした
453名無しさん@初回限定:04/08/20 20:32 ID:IS7H8Z8w
ソープじゃないといまいち悲愴感ないな
454作者その1:04/08/20 21:23 ID:JmQl21ks
悲壮感あふれるソープってあまり行きたくないな
455名無しさん@初回限定:04/08/20 23:55 ID:5voqmUNa
あまりっつうか、全然行きたくねえよ
456作者その1:04/08/21 00:04 ID:bpB3aMPG
きっと「防人の歌」とか「恨み節」がBGMとして流れっぱなしのソ−プとか
だったりしてな
457173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/21 00:09 ID:VsFfp4A6
「こんにちは赤ちゃん」
とか
458名無しさん@初回限定:04/08/22 17:30 ID:GFuGIQgJ
エロパロSSの寝取られ書いたんですけど、
ここに載せていいのはオリジナルの寝取られ作品のみですか?
なにぶんマイナー作品でエロパロ板に単独スレがないもんで、
もしここにアップOKなら嬉しいんですが。
459名無しさん@初回限定:04/08/22 19:23 ID:Bxw0zI2F
個人的にはやっちゃえ、やってしまえ。
他の人の意見は知らん。
460名無しさん@初回限定:04/08/22 19:34 ID:zdIss71Q
なんでもOKよ
461名無しさん@初回限定:04/08/22 20:56 ID:HTWb5YMs
いいよー、いいよー。
462作者その1:04/08/22 23:08 ID:aVEloI3D
いいんじゃない?(俺個人の意見だけど)
マイナーすぎて誰もしらない可能性もあるけど・・・・
まぁ知っている作品ならキャラの説明、描写がいらないメリットがあるわけで

関係ないけど、こっちも寝取られのアイディアで一つ浮んだんだけどさ
戦時下の学校を舞台に、まぁ、
ぶっちゃけ、ガン○レみたいな状況で
「兵士」として志願した生徒、特に優秀な者や戦功をあげた者
は「恋人」を指名できるような制度ができてさ
主人公の幼馴染や片想いの相手とかが『指名』されていくような話。
女の子の方も、主人公に想いをよせていたりするしているけど
義務やら、指名した相手が「命がけで頑張っている」という大義名分の前に
身も心も捧げざるをえない・・・・・というような
もっとも寝取られを盛り上げるための主人公とヒロインの結びつきを
描くということができないんだよね、俺は
せっかちだから、小説読んでいても、すぐラストを見てしまうし・・・
どうしよう?
463名無しさん@初回限定:04/08/22 23:34 ID:Bxw0zI2F
>462
>戦時下の学校を舞台に、まぁ、
とっさにモンペ姿の女子学生寝取られを思い浮かべた夏の夜。
464作者その1:04/08/23 01:10 ID:ij7Hb4Xi
すまんね 現代おしくは近未来を舞台にが抜けてたよ
465211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/23 01:35 ID:B1YZ7D2A
>>458 さん
 ぜひ投下しちゃってください。
 つーか、フツーの人しかいないスレにいきなり寝取られSS投下したら
 つまみ出されると思うが、どうか。

>>作者その1 さん
 なんか萌えます。
 指名された女の子が初夜を迎える前の葛藤とかいいですよね。
 主人公クンに「いやだよっ。本当は○○クンと一緒がいいよっ」
 とかいって泣きついたりすると。でも、主人公はエッチできない。
 戦時中で監視下にあるから、
 「悔しいけど仕方ないよ。さ、行っておいで」ぐらいしか言えない。
 ライバルは優しい系・不良系どちらも面白いですね。
466458:04/08/23 11:33 ID:qULIU/r8
皆様有り難う御座います。
ご厚意に甘えまして、投稿させていただきます。
原作は、少年エースという漫画雑誌に連載している「GIRLSブラボー」という作品で、
現在アニメも放送中です。参考までにアニメのURLを紹介します。
オフィシャル  ttp://www.girls-bravo.tv/
原作とアニメでは造形がだいぶ違いますが、キャラ説明などは参考になると思います。


 無駄ぁ〜に広い福山邸であるが、その地下には、リサが黒魔術にいそしむ時
に籠もる石造りの部屋がある。
 今日も今日とて、呪われたように脚がねじ曲がったテーブルに向かい、漆黒
のローブをまとったリサは、妖しげな薬品と器具の山に囲まれながら、黒魔術
の薬の配合に余念がなかった。
 リサの眼前の作業スペースには、沸騰しているわけでもないのにコポコポと
気泡を立てている、ひと舐めしただけでも卒倒しそうな気味悪い暗紫色のドロ
ドロした液体が入ったビーカーがあった。
 部屋の雰囲気をいやが上にも不気味なものにしている、壁に掛けられた松明
を象った低照度ランプの光を受けて、リサの瞳にゆらゆらと、期待が籠もった
煌めきがたゆたう。
 彼女の手には、異臭を放つ黄土色の液体が満ちた細い試験管が抓まれていた。
 それをビーカーの真上まで持ってくると、
「いくわよ……」
 ほんのわずか……傾けた。

 一滴──

 ペンキのようなドスの効いた黄色の雫がポチャリと、昏い紫の水面に王冠を
作った。
 すると、沸点を極めた水のように、これまでにも増して夥しい気泡の群れが
ゴボゴボと大合唱を始める。まるで怨霊コーラスの始まりである。
 巨象でものたうち死にそうな凶悪な臭気が発生し、目の前にいるリサはもろ
に被ったが、既にもうガスマスク装着していた。
 地獄の釜ゆで状態のビーカーを愉悦げに眺め下ろした。
「フフ……フフフ……順調のようですわね……」
 しばらく続いたのち、やがてそれは徐々に潮が引いていくように収まってい
き、最後に大きな泡が一つ立つと、完全に終息した。

 ビーカー内の色はすっかり変わっていた。

 ゴーッと空調が効く音がし、室内に残留する悪臭が取り除かれると、マスク
を外し、ビーカーに鼻がつきそうなほど顔を寄せる。
 中の色具合をじっと観察する。
 先ほどまでの粘液のような状態とは比べられないほどの、濁りのない半透明
の綺麗な薄緑色だった。
 次第にリサの肩が震えはじめた。
「……ふふふ……やった……やった……やったわ……!」
 我慢しきれない風に、だぶだぶの袖を翻して歓喜の諸手を挙げるリサ。
「やりましたわ! 完成、完成ですわ! ついに出来上がりましたわ! 雪成
様の女性恐怖症を治す薬がっ!」
 すると、背後の光の当たらない部屋の隅の陰から、
「おめでとう御座います」
「おめでとう御座います、リサ様」
と、黒服姿の男女──疾風と小雨が現れた。
 調合の間、いつものように暗がりからずっと見守っていたのである。
「やっと……念願の薬が出来上がったのですね」と、疾風は嬉しそうに顔をほ
ころばせながら言った。「世界中を調査してようやく見つけ出した、特効薬の
調法が記された古書。しかしそれを入手してからも、難易度の高い調合に悪戦
苦闘の日々が続いた……。ですが、お嬢様は決して諦めず、艱難辛苦の末、つ
いにここに成功した……! これで、あとはその薬を彼に飲ませれば──」
 その言葉に相づちを打ち、小雨が続ける。「佐々木雪成の心はリサ様に傾く
に違いありません」
「ええ、きっとそうなりますわ」
 満面の笑みを浮かべて振り返るリサ。
「でも、いちおう試験はしておきたいわね。これ、副作用が不明なのよ。劇薬
も色々と使ってて、その点がちょっと心配だから」
「なるほど。それでは、動物での臨床実験でもしますか」
 疾風がそう提案すると、リサは下唇に人差し指をあて、思案顔になった。

「うーん……どうせ試すなら、女性といわずとも対人恐怖症を持った被験体が
欲しいのよね。女性に限らず、対人恐怖症に効果があるってことだから。動物
でいえば同類を恐れるってとこ? でも、そんな動物いるのかしら……?」
 と、その時。
 やけにふらふらとした一匹のハエが、三人の真ん中を横切った。
 さきほど部屋に充満した異臭にやられたのだろうか。まるで死にかけのよう
な緩慢な飛び方に、リサ達が会話をやめ何気なく目で後を追うと、のたくたと
した放物線を幾重にも作りながらテーブルに向かい、ビーカーの縁にとまった。
 小雨がスッと進み出て、追い払おうと腕をのばした。
 と──
 一休みといった感じで前脚をスリスリしていたハエは、突然、その姿勢で時
が止った。そしてそのまま力無く崩れ落ち、薄緑の液体にポチャンと小さな水
音を立てた。

 ジュッ

 変な音がし、薄い煙がのぼったかと思うと、水面を潜った時にはもう、その
姿は無くなっていた。

「…………」
「…………」
「…………」

 なんともいえない三者の眼差しが、穏やかなライム色の液体をたたえるビー
カーを見下ろす。
 ビミョ〜な空気が流れる。

 すると、
「おーいリサ!」
と部屋に闖入してきたのは誰であろう、彼女の兄──福山和春だった。
「あら、お兄様」
「やっぱりここにいたか。毎日毎日しょーこりもなく、よくこんな場所に引き
籠もっていられるな」
「余計なお世話よ」
 毎日毎日女の尻を追いかけ回してばかりの兄に言われたくない、と、リサは
かなり本気に思った。
「それで何かご用かしら?」
「おおそうだそうだ。リサ! お前、俺の大事な畑を荒らしただろう!?」
「え?」
「え? じゃなーい!」ガーッと怒りを露わにする福山。「裏庭にある畑だ!
せっかく俺が丹誠込めて育てていた大切なマンドラちゃん達が、根こそぎごっ
そり抜き取られていたッ! お前の仕業だろう!?」
「マンドラ……? ああ──」ハッとするリサ。「──もしかして、マンドラ
ゴラのこと?」
 別名アルラウネ、曼陀羅華ともいう、根の部分が人間の裸体に似ていると言
われる植物。ナスの一種で毒持ちの薬草が本物と知られているが、リサが見つ
けたのは「真の」マンドラゴラだった。

 裏庭で黒魔術の儀式に使う薬草を採取していた時に偶然発見したそれは、大
きさこそ野菜サイズなものの、頭からつま先まで完全に人体を模した、まるで
精緻な人形のように素晴らしい出来栄えのものであった。
 こんな立派なマンドラゴラは見たことがないと、早速完全遮音のイヤーパッ
ドを引ったくるように取って返し、嬉々として全部収穫したのである。
 そしてそれは、今テーブルの上に乗っているビーカーの中身の一部に変わっ
ている。
(そういえば、思い返してみれば全て女体でしたわね……)
 どうせ育てていた理由など、解りすぎるほど解ってしまう。またしょーもな
い趣味を──と、リサは自分のことはさておき、軽くゲンナリ感を覚えた。
「裏庭をあんな奥地まで入り込めるのは、俺の他にはお前ぐらいしかいないは
ずだからな!」
 犯人はお前だーッと言わんばかりの福山。
「え、ええ、まあ、確かに採ったのは私ですが……」
「やっぱりお前か! 俺は誰にもナイショでコッソリと、一人楽しく世話をし
ていたんだぞ!? 収穫が楽しみで楽しみで仕方なかったのに! もうすっかり
成長していて、後はもう掘り起こすのを待つばかりだったというのに……!!」
「あの……お兄様はマンドラゴラがどんなものかは知っていたのですか?」
「もちろんだ。兄をバカにしてはいけないぞ? 世界にも稀な、自然に育つ生
体ドールだろう? ほら、髪が伸びる人形とかの親戚みたいな」
 それ全然違います。
 ゲンナリ感が微かなめまいに変わる。
「ああ、今ここでこうしていても、瞼を閉じれば鮮やかに思い浮かべられるぞ!
壁一面にズラッと並んだ、自然が造り出す多種多様な造形美の数々! あーん
な格好やこーんな格好のマンドラちゃん達……! それを一つ一つ細部に至る
まで、心ゆくまで堪能する至福の観賞タイム……! くふふ……くぅぅ……!
それなのに……それなのに……嗚呼……なんたることだっ……!」

 血涙を流しそうなほどの眼力を迸らせたり、部屋の雰囲気より暗くしょげか
えったりと忙しい兄の姿に、めまいがほんのりとした頭痛になってくる。
 リサは付き人の顔を見た。二人とも虚ろなまでに表情はないが、それだけに
内心がありありと窺えた。似たような思いなのだろう。
(うーん……お兄様には悪いことしたけど、ハッキリ言って、こうして人のた
めになる薬になった方が遙かに……あ)
 ひらめく。
 いた。
 再び付き人の顔を見た。目配せ。リサの瞳の中に危険な光芒が一瞬よぎった
だけで、長年付き添ってきた二人の護衛はすぐさま理解した。彼らはまったく
ためらいなく瞬時に行動に移った。
 顔を戻したリサは、目をうるうるとさせ、許しを乞うように胸の先で手を合
わせて兄の足下にかしずいた。
「ごめんなさいお兄様! 私が悪かったわ。反省しますから、そんなに怒鳴ら
ないで! 大事なお兄様の喉が涸れちゃう。せっかくの美声が台無しにっ!
さ、これでもお飲みになって気を落ち着かせて下さい」
 リサの言葉が終わるや否や、ピッタリと息の合ったタイミングで、小雨が傍
からライム色の半透明の液体が満たされたコップをさっと差し出した。
「お? おお、こりゃすまんな」
 何の疑問も抱かずそれを受け取りグッと飲み干す福山。

「ヌ"ホォォォオオオ"オ"オ"オ"ーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!」

 城のように重鎮する福山邸を震わす大絶叫が響き渡った。


 それから数日の間に、雪成の周囲で異変が起こっていた。
 ミハル、桐絵、コヨミ、トモカ──揃いも揃って四人とも、全員が忽然と姿
を消したのである。
 目撃した人もなく、何処に行ってしまったのか、雪成には皆目見当もつかな
かった。
(ミハルちゃんやコヨミちゃん達は何らかの理由でセーレンに戻ったとも考え
られるけど……桐絵はどうしちゃったんだろう……まさか誘拐!?)
 いなくなった翌日に桐絵の親が警察に届け出ていたが、手がかりがまったく
無いため、年に何万件もの失踪が起こる昨今、この日本の治安を守る公的機関
はあまり頼りにはならなそうだった。
 雪成は毎日下校するその足で深夜まで捜し回ったが、ほんの少しでも見かけ
たという情報はおろか、消えた直前の足取りさえ掴めなかった。
 祈る気持ちで帰りを待っていたが、彼女たちは何日過ぎても戻ってくる気配
はなかった。

 そうして何の進展もないまま、半月ほど経ったある日。
 朝、雪成が学校に行こうと玄関を出ると、段ボールが置かれていた。
「……なんだこれ?」
 封をされず開きっぱなしの口を広げて中を覗いてみると、何十本もの真っ黒
なビデオテープが入っていた。

「……???」
 背を上にして二段に分かれ、整然と並んで詰められているテープ群。
 一本、また一本と順番に取り出して眺めてみる。どれも、どこにでも売って
るようなごくありふれた市販テープだった。ただ、ラベルもジャケットも何も
ない剥き出しのままで、全てツメが折られていた。
(何だこれ……誰が置いたんだろう……?)
 しかし――なんとなく漠然と、あまり良くない気分になった。
 突然、失踪したミハルたち。
 突然、目の前に現れた謎のビデオテープ。
 なにか、どっかで、こんな状況的なものを見聞きしたような気がした。映画
か、雑誌か、本か、そんなもので……。
「……まさか、ね……」
 しばらくの間、雪成は不安げな眼差しで段ボールの中身を見下ろしていたが、
やがて決心し、それを家の中に運び入れた。

 現在、雪成の両親は父親の単身赴任地にいる。雪成は一人っ子で、本来なら
独り暮らしになる筈だったが、ミハルやコヨリたちが転がり込んで来たため、
寂しさというものはまったく無かった。
 だが、彼女たちの居ないここ半月、いやというほど孤独を味わっていた。
 寂然とした空気が漂う居間にあるテレビの前に座ると、
「本当に……どこに行っちゃったのかな……」
と、雪成はそうぽつりと呟きながら、テレビの台座の中に置かれたビデオデッ
キの電源を入れ、適当に選んだテープを差し込んだ。
 とりあえずざっと中身を確認してから、処分を考えるつもりだった。
 自動的にテープが回り始める。
 十数秒ほど真っ黒な画面が過ぎると、チャッチャラ〜♪と軽薄さすら感じさ
せるようなBGMとともに市販ビデオの企業ロゴのようなデモが始まった。
 楽園を思わせるほど美しい草原や森林などの自然を空から鳥瞰しながら飛翔
するように奥に流れてゆくアニメーション。3DCGをふんだんに使った美麗
な映像は、大手配給会社のそれかと見まごうばかりの完成度だった。 
 だが、その終わりに画面中央にデカデカと浮き出てきたアルファベットの単
語を読むと、雪成の目は驚きに見開かれた。
「F……U……KU……ふくやま──福山ゴージャスコレクションズ!?」
 驚いているうちにデモが終わり、本編らしき映像にフェードインした。

 信じられない光景が広がった。

 屋内らしき場所。薄暗く、どこかは判らない。
 カメラはアイレベルで、水平に部屋らしき空間を映し出していた。奥にベッ
ド──それもホテルなどでしか見たことのないようなどでかいサイズ──があ
り、誰かいるのか、その上に激しく蠢くものがあったが、なにぶん薄暗いため
遠目に見る黒い影の塊といった感じでよくわからない。
 ただ、テレビのスピーカーから、
「アッアッアッアッアッ!」
と、思わずギョッと跳び上がってしまう女性のあえぎ声が響き渡り、「あわわ
わ」と雪成がうろたえながら音量を落とそうとテレビのボタンに指を伸ばした
時、パッと画面が変わった。
 桐絵。

 ──裸の。

「えええッッ!?」
 薄暗い画面の中、ベッドに浮かび上がっている柔らかい輪郭の、目が吸い込
まれそうなほど女らしく整った白い肢体。そのからだが後ろから弾かれるよう
に押し出され、また元に戻るを早いテンポで繰り返している。そうしてからだ
が弾むたびに、豊かに張ったバストが同調してぷるんぷるんと揺れているのが
一番目についた。その責めを堪えているのか、目を瞑り表情がゆがんでいるが、
一糸まとわぬからだとともにガクガクと上下に揺れている顔は、見紛うはずも
ない。確かに桐絵本人だった。
「き、き、きりっ──桐絵ぇェェ──――――ッッッ!!??」

 桐絵が――お──お──おおお犯されてるッッ!?

「アッアッアッ、ア、アッ、アアッ、アアアッッ!!」
 あえぎ声の正体は彼女だったのだ。少女と呼ぶのはもうそぐわぬほど成熟し
た肉体をとらえたカメラには、横バックで激しく腰を打ち付け、もう片腕を胸
に回して揉みしだく、背後にいる男らしき身体も映っていた。
 声に混じって性器が擦れ合う音までもが明瞭に聴こえる。

 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ!

「な、な、な、ななななななあ……ッッッ!!??」
 雪成が愕然と見つけているうちに、画面はまた変わり、今度は結合している
股間のどアップ。
 見せつけるように片脚が持ち上げられ、開かれた桐絵の秘陰は、ぬらぬらし
た透明の淫液で内股までグッショリとまみれていた。赤黒く雄大な肉棒が少女
のクレバスにずっぽりと埋まり、カチカチの鉄柱のような裏筋を見せながら浅
く深く抽送を繰り返している光景は、とてつもなく卑猥であった。肉茎は陰嚢
までてらてらと濡れ光っていた。
 いやらしい水音を立てながら、ぱっくりと割れた秘裂に出入りしている、醜
悪なかたちの男根──
「ううううそッ……!? あ、あ、あああ……き……桐絵……!? まさかこんな
……こんなぁ……!?」

 画面が桐絵を中心にしたさきほどのフルショットに戻る。

 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ!

「アッアッアッアッ! アアッアアッアアッ!」
 剛直が肉襞を巻き込みながら出たり入ったりするたびに、少女の口から感に
堪えない声が生まれてくる。
 段々落ち着いて聞いてみれば、それは苦悶の呻きではなく、鼻にかかるよう
な上擦った声──
 さらなる衝撃に、脳天を思い切りブン殴られたようにクラクラする雪成。
 雪成も男である。女性恐怖症とはいえ、女嫌いなわけではない。こっそりと
AVを借りたりして、演技とはいえ女優のあえぎ声を聴いたこともある。女が
キモチイイ時に出す声音がどんな感じであるかは、何となく判る気がした。
「桐絵……桐絵……そんな……!?」
 今、ビデオに映されている少女は、苦しそうな顔をしているが、緊張にこわ
ばっているわけではなかった。口元は緩み、ハァッハァッと熱い吐息を漏らし
ている。目をつぶっているのは、痛がっているというより、下半身の運動に意
識を集中させているようであった。
 抗う素振りはまるでなく、そう──明らかに、禍々しいほどに反り返った肉
凶器で体奥深くまで貫かれている刺激を──そのからだで受け入れていた。
 演技にはとても見えなかった。カメラを気にしている──というか気付いた
様子もなく、ごく自然体で、男の行為を迎えている。
「桐絵ぇ……!?」

 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ!

「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ……!」
 その時、桐絵の後ろに隠れ、背が高いのか首から上が切れていた男が動き、
画面内に入ってきた。
 その顔を見た雪成に、またもや衝撃が走る。
「ふ、ふ、ふ──福山ッ!?」

 その顔も間違いなく、雪成のよく見知っている人間だった。
 いつも性懲りもなく桐絵たち女子にちょっかいをかけまくっているセクハラ
好色魔人・福山和春。

 その福山と桐絵がセックスしている。

 桐絵と福山が……ど――どうして!? なんで!? なんで!?
 わかんない……わかんないよ!

 一瞬でパニックに陥る雪成。
 目の前に流れている映像が到底信じられなかった。
 ウソだ、ウソだ、ウソだ。
 確かに福山はスケベだ。同性としての共感を超越してスケベだ。人間性の隅
から隅までスケベだ。好色の塊といっていいだろう。
 だが、雪成の記憶が間違ってない限り、福山の悪戯はいつもセクハラまでで
止まっていた──はずだ。
 ついに一線を越えてしまったのか。
 そうとしか取れない。
 どう見たってソックリさんが真似ているようには思えない。映像も音声も息
を呑むほど鮮明でリアルで、これが偽物とは到底思えなかった。
 本人だ。本人同士の行為だ。
 桐絵は、あれだけ忌み嫌ってる男とセックスしているのだ。
(……嫌がる素振りもなく!)
 頭がクラクラしてきた。
 それが一番信じられなかった。

 ピストンの速度を落として身体の揺れを少なくし、桐絵の首すじに顔を埋め
る福山。れろーっと舌を這わせながら肩から首をのぼると、
「ンハァ……♥」
 わずかに開いた唇から、桐絵は気持ちよさそうに吐息をつく。
 そこへやって来る福山の舌。
 桐絵はそれを感じると、うっすらと目をあけ、まるでそうするのが当たり前
といった風に、自らの舌も突き出した。
「な……な……!?」と雪成。
 テレビの向こうで二人は小鳥のくちばしのようにチロチロと互いの先っぽを
触れ、それから、ねっとりとした唾液にまみれた舌を絡ませ合う。

 ンチュ……ピチュ……

 舌を絡ませたまま、福山はまた徐々に腰の動きを早めはじめた。
「ン……ン……ン……ンンンゥ……ッ♥」
 福山は持ち上げていた少女の脚を下ろし、クリトリスをやわやわと弄くり始
める。
「ンウウゥ……ンンン♥」
 唇、乳房、陰核、秘芯――四カ所も同時に責められ、桐絵は実に気持ちよさ
そうにウットリとした表情になった。喜悦の涙をこぼし、全身を駆け巡る快感
にからだを蕩けさせながら、福山の首に手を回して自分の方から積極的に舌を
吸い、尻をすりつけてゆく。
「は……あ……ああぁ……イイ……イィ……♥」

「あわわわ…………」
 桐絵と福山が……
 あんなに気持ちよさそうに――貪り合うように――
 ど――どうして!? なんで!? なんで!?
 わかんない……わかんないよ!
 確かに外見だけを抜き出せば、福山は美形で背も高くて格好いいかも知れな
いけどッ!?
 でも、あんなにあいつを嫌い抜いてたのは桐絵自身じゃないか!
 それが……なんで……どうして……こんな……!?
「桐絵ええぇぇ…………!!」

 幼稚園の頃からの幼なじみ。
 小学校も中学校も高校も――すべて一緒だった。
 桐絵が雪成を尻に敷くような、あまり対等とはいえない関係だったが、かた
ちはどうあれ、付き合いの良い友達であった。
 普通なら、思春期を迎えたあたりで、なんとなく疎遠になっていくのだろう。
だが、高校生になった今でも桐絵は頻繁に佐々木家へ遊びに来るし、登下校も
一緒。雪成のところにミハルやコヨミたちが上がり込んでも、二人の関係は昔
からのままだった。
 一方は何の取り柄もない上に難儀なアレルギーを持ち、もう一方は才色兼備
の優等生。
 雪成は自分と桐絵の関係に特別な想いを巡らせたことはなかった。桐絵との
思い出は沢山ありすぎて、幼い頃はよくいじめられてもいたが、大きくなると
逆にかばってくれたりもして(それ以上にそんなアレルギー克服しろ! とさ
んざんどやされたが)、ここまで来れば腐れ縁と、そんな腹を括っていた。
 出来ればいつまでもこんな風に続くといいな……という、漠然とした淡い期
待を胸に抱いていたのかもしれない。
 幼なじみの、腐れ縁の、ちょっと気になる親しい友達。

 そんな桐絵が、他の男に抱かれていた。

 ――と、雪成がテレビの前で情けなくおろおろとパニックに陥ってる間にも、
二人の情交は無情に続く。
 福山は横バックから少女のからだを抱いて仰向けになり、桐絵を自分の身体
の上に乗せるかたちにすると、寝そべらせたまま下から突き上げるようにピス
トン運動を再開した。

 ズチュッ、ズチュッ、ズチュッ、ズチュッ!

 先ほどまでとは違う体勢で膣内を責められる感覚に、涙をこぼしながらよが
る桐絵。
「ンアア! ンヒ、ンヒイィ♥ こッ、これえッ! えぐられる、えぐ
られるうぅぅ♥!」
 たまらないといった風に、気持ちよさそうな嬌声が上がる。盛大にふるえる
乳房の頂もピンと硬く凝り、その言葉に賛同を示していた。
「どうだ桐絵、いいのか、いいのか!?」
「イイッ! イィ、イィよぅ!」と、夢中に叫ぶ桐絵。
「桐絵の中も……よく締まってて最高だ!」
 そう言いながら、福山はさらに激しく腰を打ち上げていった。

 ズッチュ! ズッチュ! ズッチュ!

「アアッ! アアッ! アアッ♥! ダメェ、激しすぎるぅ♥!」
 自分で激しいと言っているのに、桐絵は上半身を起こすと、自ら腰を振り始
めた。福山に合わせて自分の方も動くことによって痛みを和らげつつ、もっと
快楽を生み出そうということだろう。
 二人のリズムはすぐにピッタリに合い、桐絵は背すじを仰け反らせ、無尽蔵
に襲い来る快感にわなわなとからだを震わす。顔が淫らに蕩け、口をだらしな
く開き犬のように舌を垂らし、
「アハッアハッアハッアハッ♥! コレ……コレェ……♥ お腹が……お腹が
溶けちゃう……♥ おかしくなるうぅぅ……!」
と、頭を振りながら、うわごとのような嬌声を上げる。

「もういきそうか?」
「あぁ……まだ……もっと……もっと突いてぇ……!」
「よし……なら、桐絵が満足するまで存分に突いてやるかな」
「アアァ……♥!」
 桐絵の表情に淫欲の歓喜が広がり、福山の肉棒をさらに迎え入れるように尻
をくゆらせる。
「来て……来てぇ……♥!」
「フフ……そんなに俺のチンポがキモチいいのか?」
「うん……! からだが疼いて仕方ないの……あぁ、もう……ねぇ……欲しい
の……もっとしてぇ……!」
「フハハ、いやらしい奴め。桐絵はカラダもココロももうすっかり淫売女だな!」
「バカァ……私をこうしたのはアンタでしょ……ね……お願いだからもっとし
てよぉ……♥」
 すると、
「こら桐絵」
と、福山は不機嫌な顔になった。
「アンタじゃないだろう。福山様・和春様・ご主人様のいずれかで呼べと言っ
たハズだっ! 聞き分けがないなら、これでお終いにしてもいいんだがな……」
 そう言って腰を引こうとする福山。
「あっ、やだ、抜かないでぇ! ごめんなさい……その……福山様……これか
ら気を付けるから……!」
 福山のペニスが引き抜かれるのを本気で厭がり哀願する、テレビの中の桐絵
の姿に、雪成は愕然となった。
(そ、そんな……桐絵……!?)
 福山がニタリと笑った。離そうとしていた身体を密着し直し、ズニュ……と、
肉棒を再び少女の体内に埋めると、桐絵のからだは肉悦に震えた。
「――ッあはあ……♥!」

「それでいい……もうお前は完全に俺の肉奴隷になったんだからな。狂うぐら
いの快感を得る代わりに、一生俺のペットになることを誓ったんだ! そら、
罰だ、お前だけ動くんだ。まずは俺をイカしてみろ。ご主人様に奉仕して悦ば
せるんだ!」
 福山は鞭を振るう調教師の如く二三度大きく腰を突き上げ、桐絵のからだを
荒っぽくゆさぶる。
「アア、わかりました……!」
 桐絵は戸惑いがちに腰を上下に動かし始めた。
 これも雪成にとって驚くべき光景だった。
(あの桐絵が……福山の言いなりになってるなんて……肉奴隷だって……!?)
「ん……く……ンン……あ……ああぁ……!」
 ゆらゆらとうごめく、桐絵のよく引き締まったかたちよい尻。彼女の腰が上
げ下げされるたびに、ガチガチに怒張したペニスが見え隠れする。
(福山のデカイ……)ゴクリ、と雪成の喉が鳴る。(あんなので桐絵のアソコ
が蹂躙されてるんだ……) 
 たまらなく淫猥な光景であった。ヌヂュ……ヌヂュ……と、繋がった部分か
らいやらしい音がひっきりなしに立ち、太い淫棒を美味しそうに何度も根元ま
で呑み込む桐絵の牝穴。
「ンン……アア……ン……ク……ィッ……クゥンッ……♥!」
 何往復もしないうちに、桐絵の声色は先ほどまでの湿り気を取り戻していた。
「ア……ア……ハァ……ア……♥!!」
「フフフ、その調子だ……もっとイヤラシイ声で鳴け。ケツを動かせ! 桐絵
の一番奥まで俺様のチンポを咥え込むんだ」

 福山の言いなりに、桐絵は遠慮なく声を上げ、腰の動きを早めてゆく。

 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ!

「アァ、ハイィッ! ア、アア、アァ、アア、アゥ――アァ……ンッ、ンア、
ンハ、ンハァッ、ア、ア、ンアアッッ♥♥!!」
 桐絵の尻肉が、乳房が、大きな波を打つように揺れる。はちきれそうなほど
肉づきのよい双乳の動きは、特に雪成の目を捕らえて離さなかった。弾けるよ
うな健やかさの血色よい肌が淫靡な朱に染まり、全身から玉のような汗が飛沫
となって飛び散っていく。
「イイ、コレ、コレェ……♥」

 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ!

 この上なく淫猥な嬌声と結合音が、テレビから盛大に響いてくる。近所に聞
こえるほどのボリュームではないハズなのだが、他には何も聞こえないほどに
雪成の聴覚を支配するのだった。
「アァッ、イイ、イイよぉッ♥!」
「おお……いいぞ……桐絵の膣肉がスゴク締め付けてきて……たまらない密着
感だ……!」
「福山……様のも……熱くて……奥まで……届くのぉ……ア……ア……アァ……♥!」
 桐絵はもうほとんど夢中で腰を振っている。本当に気持ちよさそうだった。
洪水のように溢れた愛液が尻肉までも濡らしていた。官能に背すじをゾクゾク
としならせる。そんな桐絵のピンと張った背中を、薄い笑みで口端を吊り上げ、
首の後ろで手を組み寝そべったまま楽しげに眺める福山。

「ハッ、ア、ア、すごい、当たって、当たってる、奥に当たってるうぅぅ……♥!!」
「フフフ……俺も桐絵の子宮の入り口を感じるぞ……コリコリしてて気持ちい
い……! クク……そんなに根元まで呑み込むまで腰を打ち付けて……奥に当
たるのがいいんだな。欲しいのか。奥の奥まで突き回されるぐらい欲しいのか!?」
 桐絵は腰を振り続けたまま上半身をひねり、顔を福山に向ける。淫らな期待
に満ちた輝き。
「あぁ……欲しい……欲しいです……!」
「それなら、ご主人様におねだりしてみろ。桐絵は福山様のセックスドールで
す、私のいやらしいお汁あふれる牝壺を存分にご使用下さい、メチャクチャに
犯して下さいってな。そうしたら俺からも動いてやってもいいぞ?」
「え……!? ああ……そんな……」
 羞恥に頬を赤くして目をそらす桐絵。
(そうだよ……桐絵……そんなセリフ言っちゃダメだ……!)
 雪成はテレビに食いつかんばかりににじり寄りながら、奥歯を噛みしめ握り
拳を作る。
 悪魔に魂まで売り渡さないでくれ、桐絵――!

 だが――

 桐絵の唇がおずおずと、しかしその後にあるものを渇望して開く。
「き……桐絵は……福山様の……セ……セックスドールです……! 私のい…
…いやらしいお汁あふれる牝壺を……存分にご使用下さい……メチャクチャに
……犯して……犯して下さいぃッ!」
「桐絵ッ!?」と、雪成は悲鳴のような叫びを上げた。

 だが、どんなに声を大きくしようが、録画の中の人間に届くことはない。
 画面の向こうで、福山の邪悪な笑みが一層深くなった。
「よーし。それでこそ栄えある俺様専用肉便器第1号の候補生だ!」
 そう言うと抽送を再開し、二人の動きはたちまち同化した。
「アア、アア、イイ、イイ、イイのぉッ! コレ、コレ、コレェェ……♥!」
「そら、もっと食らい尽くす勢いで腰を振れ! ご主人様のチンポを美味しく
いただくんだ!」
「ハイッ、ハイッ、ハイィィッッ♥♥」

 ズッチュッズッチュッズッチュッズッチュッ――!!

 福山の命ずる通り、桐絵はこれまでにも増して腰を振り立てた。二人の結合
はさらに密度を深め、やがて言葉も少なくなり、ただひたすら肉欲を貪るだけ
の獣と化していった。
 熱い吐息、あえぎ声、結合音、ベッドのきしみ、シーツが擦れる音――どの
音も耳を塞ぎたくなるほどクリアに拾われ、映画にも負けない臨場感で絶え間
なく流れ出てくる。
 雪成は音を消したくなった。ビデオも止めたかった。
 でも。
 できなかった。
 目は二人の痴態に釘付けになり、身体は金縛りにあったように動けない。
「あ……あ……あ……」
と、言葉にならない呻き声を漏らしながら、目を見開いて食い入るように見つ
め続ける。

 二人はどれだけの時間、肉を交わらせていただろうか。
 存分に桐絵の肉壺を堪能していた福山は、彼女の太腿をガッシと掴んで押さ
えた。
「クッ……そろそろ出るからな……桐絵のお望み通り、一番奥にぶちまけてや
るぞ……!」
「え、やだ……!」わずかに正気に帰る桐絵。「ダメ……も、もう……中には
……お願い……!」
「フハハ、何言ってんだ。これまでだって、さんざん中出しされてるたびに気
持ちよさそうに搾り取ってたじゃないか、え? 奥をガンガン突かれて、この
福山様のおちんぽと精液で膣内(なか)が充満するのがいいんだろ? たぷた
ぷ音がするほど出されるのが気持ちいいんだろ?」
 喋りながら腰の動きをヒートアップしてゆく福山。
 押さえつけられて動かせない下半身に、双臀をいやいやとゆらめかせながら、
力無く首を横に振る桐絵。
「ア、ア、ア……! ダメ、ダメ、ダメェ……赤ちゃんが……赤ちゃんが出来
ちゃう……!!」
「ククク……安心しろ、桐絵。何の心配もない。もうお前は隅から隅までこの
福山和春様のモノなんだからな。どんなことがあっても、お前の世話はしっか
り見てやる。たっぷりと俺様の子種を膣内出ししてやるから、俺の子を受胎し
て体の中から俺様のモノになれ!」
「アアァ……!」
 諦念か絶望か――抗う気力はもうないのか、顔を伏せ涙を流す桐絵。だが、
妊娠させられると知っても、なりふり構わず逃げる気配がないのが、雪成の気
になった。
「桐絵……だめだよ桐絵……福山なんかの……! なんで……なんでもっと厭
がんないんだよ……!?」
 テレビを揺らしながらそう叫ぶ雪成。

 だが、桐絵は小刻みに激しく突き揺さぶられるままに、福山の広げた両脚の
中に手をついて、何とかその責め立てを堪えるのがやっとといった風情だった。
目端に涙を溜めながら、福山のラストスパートを一身に受け止める……。
「アッアッアッアッアッアッ!!」
「クウゥッ――出すぞ桐絵ッ!」
 福山は太腿を押さえ込む腕に力を籠め、本能が号令するままに思い切りグイ
グイと腰を突き上げた。まるでブリッジのように弓反り、たまらずに桐絵のか
らだが後ろに傾き、福山の上に被さった。

 ドビュブッビュブッビュブッビュブウッ
 ドクッドクッドクッ……!

 悪魔の音。
 どれだけ性能の良いマイクを使っているのか、それとも福山の射精がそれほ
どに凄まじいのか、中出しされているのがありありと分かるほど、胎内での射
精音までもが克明に記録されていた。
 玉袋が女陰に触れるまでえぐりこまれた肉棹が、ドクドクと力強く熱い精子
を送り込んでいる。
「アア――アア――アアアーーーーーーーーッッッ♥♥!!!!!!」
 聞く者をゾクゾクさせる、桐絵の気持ちよさそうな嬌声。
「奥で――奥で熱いのが出てるうぅぅ――ッッ♥♥!!!!」

 ドクッ、ドクッ、ドクッ……!

「おおお……!」気持ちよさそうに深い吐息をつく福山。「たまらん……桐絵
の熱い肉襞が盛んに蠢いて……俺の子種を一滴残らず飲み干そうと搾り上げて
くる……!」
 ツンととがった乳首とともに天井を見つめ、全身を震わせながら口をぱくぱ
くさせる桐絵。紅潮した頬は快感に蕩けきっている。
「ンア……ンア……ンアア……♥! 入ってくる……入ってくるうぅ……♥!
福山の精子が……私の中に……ドクドクと……ハアァ……アアァァァ……♥!」
 桐絵は、腹の底から気持ちよさそうな、吐息とも喘ぎともとれぬ息を深く深
くつく。
 なされるがままだった。あれだけ嫌っていたはずの男の精液を流し込まれ、
体奥に受け続ける少女。
 股間のアップ。福山のペニスを根元までぱっくりと呑み込み、痙攣するよう
に締め付ける入り口。棹の下にぶらさがった精嚢が生き物のように収縮していた。
 繋がりの隙間からじわじわと白い液が溢れ出きて、愛液と混じって会陰を伝
い、シーツの上に垂れていった。
 福山の射精は長く――雪成にとっては永遠にも等しく――全てが桐絵の中で
吐き出され続けた。それでもまだ飢えた獣のように、射精の最中もグイグイと
何度も突き入れられる肉棒。
 雪成はもちろん、他の男の射精など見るのは初めてだったが、彼など及びも
しない長い射精だった。
 桐絵の膣内で、途方もない量の精液が生出しでまき散らされているのだ。
(こんなに出されたら、絶対妊娠しちゃうよ……!)
 桐絵が福山の子どもを孕む……まさか……そんな――
 へたへたとくずおれる雪成。

 やがて放出が終わると、福山は満足したように力を抜き、ドサリと腰を落と
した。二人分の体重でベッドが大きくきしむ。
 しばらくそのまま、二人とも深い呼吸を繰り返しながら、グッタリしたよう
に動かなかった。

 やがて福山は、自分の上で荒い息をしている桐絵のからだに腕を回し、撫で
さすりはじめた。
「最高だ桐絵……お前とのセックスが一番気持ちいいぞ……さすがは俺が思い
定めた女のひとりだ……」
「ぁ……ん……くすぐったい……」
「ン……お前もイッたのか……?」
 蕩けきり潤んだ眼差しで男を見る桐絵。
「だって……奥の感じるところをあんなに突かれるんだもん……もう……変に
なるのを抑えられないわ……」
「フ……そうか……それにしても、桐絵への中出しはもう数え切れないぐらい
になってるはずだが……そろそろ受精しないもんかな」
「えっ――」
と、雪成。段ボールとテレビに交互に目を運ぶ。まさか――
 桐絵はそれには答えず、視線を落とす。
「なんだ、まだ惑いがあるのか? もう余計な考えは捨てろ。お前は俺の女に
なったんだ。それとも、まだチビナリなんかに未練があるのか」
 自分の話題が出て思わずドキッとする雪成。
 桐絵は悲しそうな翳を顔に落とし、横に背けて何も言い返さなかった。
「フン、まあいいさ。どちらにしろ、もうお前は俺様から逃げられやしないん
だからな!」
「ああっ――!?」
 桐絵の驚いた声が上がる。
 入ったままだった福山が、また動きはじめたのだ。彼のモノはまったく硬度
を失っていなかった。
「今日は徹底的にヤるぞ! 抜かず三発ってヤツだ! アハハハハ!」
「アッ、いやっ、まだイッたばかりで――あ、あ、アアアッ♥!!」
 桐絵の声がまた、欲望の海に沈んでゆく。

 その後も二人の濃密なベッドシーンは延々と続いた。福山は体位を様々に変
えながら、何回も何回も桐絵の中に放った。その回数は三発など軽く超えてい
たが、福山は疲れなど知らないように、飽くことなく桐絵を責め立て続けた。
たまに中に出すのに飽きてパイズリで桐絵の豊かな胸を汚したりもした。
 桐絵は福山に弄ばれるうちに、快楽によがり狂う一匹の牝と化していった。
途中から中出しを厭がることもなくなり、むしろ悦んで迎え入れる始末だった。
桐絵もまた、あられもない嬌声をひっきりなしに上げながら、数え切れないほ
どイキまくった。奥を突かれてイクのが癖になりつつあるようで、精液を膣奥
に浴びせられるたびに、その白いからだがブルブルと気持ちよさそうに震え、
絶頂を迎えるのであった。
 ほぼ全て中出しするため、二人の結合部はすっかり白濁液でまみれ、抽送の
たびに粘っこい白い飛沫が飛び散り、ザーメンが泥流のように溢れ続けたが、
それでも終わることはなかった。
 最後の方はもう、二人とも体じゅう淫液にまみれ濡れながら絡み合い、から
だをぴったりと重ねて理性を捨てた貌で互いの唇を貪り、疲れ果てていてもな
お、淫熱に浮かされたように律動した。
 桐絵の腿を閉じさせた正常位で挿入していた福山は、
「桐絵……桐絵……これが今日最後の種付けだ……しっかり受け止めろっ!」
と、桐絵を強く掻き抱き、全身の体重を押しつけるように、ぬるみきった肉壺
の最奥を深く突くと、依然力強さを失わない射精音が発せられた。

 ドクッドクッドクッドクッ!!

「ア――ア――アアア――――――ッッッ♥♥♥!!!!!!!!」
 福山の首をギュウッと抱き返しながら、からだをガクガクと痙攣させる桐絵。
「ア……ア……ア…………」
と、声にならない声が徐々に小さくかすれていったかと思うと、不意に途切れた。
 「ん?」と福山が見下ろすと、桐絵はとうとう失神してしまっていた。

「なんだ、気をやったのか……。ふむ、今日はこれで終わりだな……」
 そう言って、福山は桐絵を寝かしたままベッドから離れた。
「また近いうちに……たっぷりと可愛がってやる。チビナリなど忘れさせるぐ
らいまでにな……フフフ……」
と、彼自身はまるで疲れを感じさせない悠然とした足取りでカメラの外に消え
ていった。
 桐絵の股間が大写しになり、開かれた脚の付け根にパックリと割れた陰唇か
ら、ドロドロに濃縮されたような白濁液が溢れ返った。少女の胎内でさんざん
に撹拌されて出来た無数の泡を立たせながら、まるで徳用缶入りの液体のりを
ひっくり返したようにシーツに海を作っていった。想像を絶する量だった。
 ビデオはそこでブツッと切れた。


「……………………………………………………」
 テレビの前で茫然自失の態の雪成。
 へたりきった姿で、停止させることも忘れ、砂嵐を見つめている。

 こんな…………こんな………………

 やはりどう見ても、作り物には思えなかった。
 のろのろと頭を巡らし、力を喪った虚ろな視線をビデオテープが詰まった段
ボールに向ける。
 まだまだ大量にあるビデオテープ。
 今みたいな映像が、他にもこんなに……!?
「ひょっとして、他のみんなも…………」
 雪成の身体に震えが走りはじめる。

 まさか――福山は確かにドスケベだが、ここまでする奴だっただろうか。そ
れに、桐絵だって自分の身に危険が降り掛かれば、文字通り体を張って福山の
魔の手を撃退するはずだ。こんな事が……こんな事が……!
 しかし、そう思う一方で、福山が金の力にあかせて本気で不埒な事を実行し
ようとすれば、どれだけ腕力があっても防ぐことは難しいだろう、という妙に
冷静な思考も働いていた。
 でも――信じられない。信じられるわけがない。
 だが、このビデオは。この桐絵と福山の生本番ビデオは。
「ミハルちゃん……コヨミちゃん……まさかトモカちゃんまで……!?」
 雪成は震える手を箱に伸ばした。
 どれを。
 目印もなにもない以上、また適当に選ぶしかない。
 隣合ったものには、桐絵の別の嬌態が映っているのだろうか。福山に弄ばれ
るままに……それとも自ら進んで……。
 あるいは、これら全てが桐絵一人のビデオで、他の女子は無事であるとか。
 出来ればそうであって欲しかった。桐絵には悪いが……こんな気が狂いそう
な衝撃映像が、これらのテープすべてに全員分収められていると考えるだけで
吐き気がした。
 でもわからない。中身を見なければわかるはずがない。
 ろくに回らなくなった頭で選別するのは諦め、今度は下段の一番左端のもの
を取った。
 抑えきれない手の震えが、カチカチ……カチカチ……と、テープを鳴らす。
 何度も唾を飲み込みながら、テープを交換した。

                          (たぶん続かない)
495名無しさん@初回限定:04/08/23 21:15 ID:m4FJ2+Ki
続けよ!頼むから!
496名無しさん@初回限定:04/08/23 23:03 ID:1qS2lUGy
おお、こりゃえーわーっ!!
エロッ!!
497名無しさん@初回限定:04/08/23 23:09 ID:LF682nc4
(ノー`)アチャー
その漫画、ついこないだ本屋で立ち読みしてきたやつだ
二次創作はオリジナルのキャラのイメージがはっきりついちゃうと、
読んでても素直に読めないからこれから頑張って読んでみます
498名無しさん@初回限定:04/08/24 05:52 ID:+RqnuPpO
いいよいいよ〜 エロくていいよ〜(;´Д`)ハァハァ
こういう時モトネタ知っててヨカタと思うね

ところでエステル寝取られSSと同じ作者さん?w
499qULIU/r8:04/08/24 09:06 ID:XEjUY0+Q
ご好評いただけて嬉しい限りです。
ただ、気分次第の風まかせ根無し草なので続く確証がないのです。
誠に申し訳ありません。

>>498
そうでーすw
最近とみに寝取られ中出し孕ませ属性が固まっています。
500名無しさん@初回限定:04/08/24 16:19 ID:R7sT6SYn
>エステル寝取られSS
ってどのスレにあるんですか?
今回ので一発でファンになってしまいました。
501499:04/08/24 21:14 ID:D5fJkJ9Z
有り難う御座います。
下記のSS保管サイトに収蔵していただいています。
ゲームの部屋その3のファルコムスレの
「オリビエのエステル寝取っちゃえ大作戦」がそれです。
二ヶ月ほど前に発売された英雄伝説6が元ネタです。
お目汚しにならなければと祈っています。
http://sslibrary.gozaru.jp/
502名無しさん@初回限定:04/08/24 21:25 ID:t24l+H8z
>>501
他に書いたのがあるならおしエロ、頼むから
503173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/24 23:22 ID:3oW7i9nM
トモカたんがやられているなら、是非晒してくださいおながいしまつ
年上母スキー兼炉利スキーなもんで
504501:04/08/24 23:51 ID:D5fJkJ9Z
他に書いた寝取られSSは下の1つぐらいです。
やっぱりエロパロなので原作知識必須です。

撲殺天使ドクロちゃんエロパロスレッド(゚∀゚)
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083725302/l50

>>96-130あたりのやつがそうです。

あとすいません、最近自分あまりロリが書けなくなって…
トモカは寝取られ的な要素が薄い感じもしますし
気が向いたら挑戦してみます。
505名無しさん@初回限定:04/08/25 00:43 ID:opbVs9wx
>>499
あんた最高だよ!(*´д`*)
506211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:11 ID:v3/MVgYu
>>458 さん
 凄くえっちです。キュンキュンしました。
 白い霧のアニメという印象しかなかったんですが、
 違った視点で見ることができそうです。

 さて、興奮冷めやまぬところに恐縮ではありますが、
 本日は投下させていただきます。
507211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:13 ID:v3/MVgYu
(01/12)

「やっぱり、美那ちゃんは可愛いなぁ」

 バスケットボールが飛んでくる。球速もなく弱々しい。

「……そうだな」

 とりあえず投げ返す。

「こっち向いてくれないかなぁ」

 またやる気のないボールが飛んでくる。今度は方向すらあべこべだ。

「てめぇがこっち見ろバカ」

 背中を狙って思いっきりぶつけてやる。
 そっぽ向いてる奴が受け取れるはずもなく、
 案の定、榎本は鈍い音を立ててぶっ倒れた。
 床の上でひとしきり悶絶した後、ヤツは怒鳴り返してくる。

「いってーな、このヴォケ。なにさらすねん」
「やる気ねーからだろ。少しはまじめにやろうとか、
 そーゆー気はないのか?」
「周りを見てから言えよ。まじめにやってる奴の方が少ないじゃねーか」
508211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:14 ID:v3/MVgYu
(02/12)

 見るまでもないことはわかっていた。

 四人くらいでゴールを囲んでるグループがあるぐらいで、
 あとは気の合う仲間と座って話しているか、
 参考書読んでるか、である。

 一応、今は体育の時間であるのだが、うちのクラスの諸君は運動しようとか、
 そういう気はないらしい。
 普通こういうときには熱血教師が『バッカモーーーン』とか言いながら、
 ビシバシやってもよさそうだが、そんなこともない。

 うちの教師はこうである。

『本日は、バスケットボールです。倉庫からボールを出して練習してください。
 適当に時間が来ましたら、片付けて帰ってください』

 これでどっかいってしまう。しかも、時間が来ても戻ってこない。
 他のクラスで授業やってんじゃねーの?
 まあ、汗かきたくないという気はわからんでもない。
 運動苦手そうだしな。人のことは言えんが。

 たまにはまじめにやろうと榎本をひっつかまえたものの、
 コイツはコイツで、しょっぱなからずーっとミナのことを見ているわけだ。
509211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:16 ID:v3/MVgYu
(03/12)

 いらいらしてきた俺は、今度は腿をめがけて投げつけた。
 ボールはもちろん命中して、榎本は『うげぇ』と悲鳴を上げると、
 大の字になって倒れた。
 そのまま俺のほうを見てため息をつく。

「まったく、お前は冷たいヤツだよな。
 授業中の視姦ぐらい許してくれっつーの」
「変態に見られていい気分なわけねーだろ」
「別にお前が見られてるわけじゃねえし。だいたいいつものことだろ?」
「そりゃ、そうだが……」

 確かに、一緒に歩いていれば、いろんな視線を感じる。
 だか、それは俺に向けられてるわけじゃあない。
 気になる女の子がいたら振り返ってしまうのは無理ないことだ。
 時々、嫉妬やら殺意やらを放ってるヤツもいますが。榎本君とかね。

「俺は気分悪いんだよ。てめぇには他人事なんだろうが」
「それは自意識過剰ってやつですかな?
 それとも恋人が視線に晒されるのはそんなに嫌ですかな?」

 榎本が上半身だけを起こし、俺の顔を覗き込んでニヤニヤしている。

 くっそぉ、なんかムショーにむかつく。
510211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:17 ID:v3/MVgYu
(04/12)

 今度は顔面に当ててやろうと構えると、さすがに懲りたのか、
 両手を上げてヒラヒラと振りながら立ち上がる。

「オーケーオーケー、降参だ。
 美那ちゃんたちが見てる前でわざわざ怒らせて悪かったな」

 ため息などつきながらそんなことを言う榎本は、
 呆れ顔というかがっかり顔というかそんな顔をしている。

 はっきりいって、こっちがため息をつきたいんだが。

「反省するなら最初からすんなや」
「いやいや、悪い悪い。
 お前とかかわっているほうが表情をいろいろ見れるからな」
「表情ねぇ」

 ちらりと、二人の方を見た。
 二人は体育座りをしながら談笑をしているようだった。
 一応ボールを膝の下で転がしてはいるが、サボってることには変わりない。
 やっぱり二人とも人の子ということですか。

「……サボってるな」
「そんだけか?」
「ああ、表情だっけか」
511211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:19 ID:v3/MVgYu
(05/12)

 今度はじっと見てみる。

 ……。

「普通じゃね? まあ、しいて言えば『楽しい』って顔とかだろうけど」

 そういうと、あちゃあ、と榎本がオーバーアクションを取る。

「『楽しい』? お前本当に見て言ってるのか?
 麻痺してんだか気にしないんだかよくわからんがな。
 さっきまでの美那ちゃんの気分は
 『ちょっと不機嫌、粗暴な人は嫌い! ぷんぷん』だろ。
 まあ、今は
 『わぁ、清人君にみられてるよー。ちょっと恥ずかしい』だがな」

 こいつ、すごく恥ずかしいことを口走ってるな。
 いまどき『ぷんぷん』なんて言いませんよ。

「てめぇはエセエスパーか妄想家か? こっちが恥ずかしいぞ。
 だいたいミナは『清人君』なんていわねーし」
「俺はお前なんかよりずーっと美那ちゃんのことを見て来てるんだぜ」
「ストーカー自慢してどうすんだよ」
「自慢してねぇし。それに、お前がいないときの美那ちゃんの表情は
 たった一つしかないからな」
512211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:20 ID:v3/MVgYu
(06/12)

 自慢気に話す榎本。
 しかし、表情が一つしかないなんてそんなことはあるまい。
 それこそ笑いながら話したり、顔を真っ赤にして恥ずかしがったり。
 俺の知ってる二人はとにかくにぎやかだ。

「無表情ってか? そんなことはないだろ。
 少なくとも彼女達は仏頂面じゃねーし、表情豊かだと思うがな」

 ちっちっち、と指を振る榎本。
 犯罪者には違いがわかるということか。

「それはお前の前だから、だろ。
 個人でいる時の彼女の顔は一つしかないぞ。
 なんなら、いっしょにストーカーでもするか?」
「するわけねーだろ。それよりさっさと教えろよ」
「教えてほしいか。教えてくださいと言えよ」
「じゃあいいや。大体俺に見せないモン聞いてもしゃーねーし」

 俺が興味を失って去っていこうとすると、榎本は俺に泣きついた。

「聞いてくれよ。捨てないでおくれよ」
「じゃあ、とっとと言えよ」

 榎本は、不気味にニヤリと笑ってから、一言言った。

「『どうしようかな』だ」
513211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:22 ID:v3/MVgYu
(07/12)

 ……、?

 ぜんぜん意味わかんえねぇ

「『どうしようかな』? なんだそりゃ。晩飯でも考えてんのか?」
「メシかどうかはしらねーよ。そんときによるからな。
 だが、中学校時代もそうだったし、今の部活の時間中でも変わらねぇ。
 とにかく、そのときやってる事はだいたいそっちのけだな。
 なんか別のことを『どうしようかな』と考えてるんだよ。
 お前のことを見てるってことから、簡単にわかるけどな」

 俺のことを見てる…、か。

 そうか。俺にどうしてやろうか、ってことか。

 そんなこと中学から考えてたんですか。
 さすが、親父の仕込みはすげぇ。

 いや、そういうわけでもないんだろうけど。
 純粋に、愛してくれてる、ってことでいいのかな?

「あーあ、俺も一回振られてるけどもしかしたらって思って、
 勉強かなり頑張ってこのガッコ入ったのによー。
 なんのためにココにいるんだろうな、俺」

「まあ、その、なんだ。しょげるな」
514211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:24 ID:v3/MVgYu
(08/12)

 すると、榎本は俺の背中をバンバン叩いた。
 逆にこっちが慰められてるように感じる。

「あんまり気にしなくていいぞ。俺はお前を応援してやるからよ。
 それに、美那ちゃんのあんなにいい顔を見せてもらってるわけで、
 お前に足向けて寝れねぇくらいだ」
「そうか。それはありがたい」

 そこでためを作る。顔がマジだった。

「だがな、これだけは言わせてくれ。
 目の前でいちゃいちゃすんのだけはやめろよ。
 さすがに寛容な俺でも、それやられると萎えるからな」

 寛容は余計だが、確かに目の前で好きな娘といちゃいちゃされたら
 俺も気分悪いと思う。なにせ親父にムカついてるくらいだし。

 実際、学校で三人一緒ってことはあんまりない。
 朝は一人で来るようにしてるし、帰りは二人が部活なので先に帰ってる。

 昼飯のときは…、まぁ、誰も来ないか、あんなところ。

「わかった。気をつける」
「ああ、ぜひそうしてくれ。今の様子じゃあ、大丈夫だと思うが」
515211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:26 ID:v3/MVgYu
(09/12)

 俺らはがっしりと握手した。
 男の友情というヤツだ。


 ……。


「これで俺というライバルが一人減ったわけだが」
「お前ライバルだったのか」
「眼中にもないってのは、随分な余裕だな。
 だが、四天王の一人を倒したぐらいでいい気になるなよ」
「四天王ってなんだよ」

 どういう設定だよ。つーか、なんの影響だよ。

「いや、四天王ってのは冗談だが、
 美那ちゃん狙いのヤツは他にもいるってこった」
「一人や二人はいるだろうさ」

 そこで、榎本の声が小さくなる。

「いやいや、そう甘くみちゃいけねぇ。
 ここだけの話だが、陸上部の中にかなーり熱心なヤツがいてな、
 それこそ、毎日毎日言い寄ってるらしいぜ」

 そんな話は聞いたことないが……、ミナが内緒にしてるのかな。
516211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:28 ID:v3/MVgYu
(10/12)

 しかし、それはちょっと気になる話だ。

「……何処のヤツだよ、ソイツ」
「お前、他のクラスのヤツと付き合いないだろうから、
 言ってもわからんだろ。俺も本名までは知らねぇし」

 そりゃあ、帰宅部の俺には自分のクラスのヤツすらよくわからんけどな。

「ただ、陸上部の中で『ソイツに譲ろうみたい』な空気があるんだ。
 最初はそれこそ誰でも彼でも美那ちゃん美那ちゃん言ってたのに、
 少ししたらソイツ以外はパッタリ言わなくなってよ」
「他のヤツらが賢明で、ソイツがしつこいだけじゃねーの?」

 どこにでもいるんだな、女たらしってヤツは。
 どうせ、部活も適当でべったべたしてんだろう。
 なんとなく榎本がそういうイメージなんだが、他にいても不思議じゃない。

 その榎本君はまた呆れ顔になった。
 俺の反応がつまらんかったってことか?

「まあ、お前が気にならないっていうなら、それでいいけどな」
「しつこいヤツは嫌われるからな。心配するまでもないだろ」
517211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:30 ID:v3/MVgYu
(11/12)

 心配?
 自分で言って、ふと思った。
 心配って、何を心配するんだろうか?

 俺は二人にとって何なんだろうか。
 二人は本心ではどう思っているんだろうか。

 正直、俺は彼女達のことをほとんど知らない。
 まったく知らない、って言ってもいい。
 二人の顔の見分けはつくが、それぞれの好きなこと、嫌いなこと
 趣味、特技、その他、全然わからない。

 まあ、まだ会ってそんなに経ってないから、
 よくわからないのは当然っちゃー当然だけれども、
 本当にそれでいいのだろうか。

 二人は俺のことを知りたがっている。
 俺はそれに答えているけど、二人のことを知ろうとはしていない。
 たまに、『二人はどうなの?』と返すぐらいで、
 自分から彼女達に聞くことはなかった。

 全然知らない相手を心配するってのもなんだぞ。

 よくないよな、一方通行じゃ。

 これからはもっと二人のことも気にかけないとなぁ。
518211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:32 ID:v3/MVgYu
(12/12)

 二人のほうを見た。
 俺の視線に気づいたのか、にっこりと笑いかけてくれる。
 こちらも軽く手を振ってみる。

 顔を見合わせて、ちょっと恥ずかしがる二人。

 ……。

「なぁ、榎本君よぉ〜」

 俺は二人を見たまま言った。

「なんだぁ〜?」

 気のない返事をする榎本。

「さっき言ってた、その、女たらし、名前なんていうんだっけ」
「だから本名はしらねぇって。知りたきゃ聞いといてやるけどよ」
「通り名でもリングネームでもなんでもいいや」
「そうだな、確か、『ガッくん』って呼ばれてるぞ。
 お前と同じくらいの背で、長髪のキザったらしい男だ」

 ……、『ガッくん』か。

 俺はその名を心に深く刻み込んだ。
519211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/25 01:33 ID:v3/MVgYu
 今回はここまで。

 次回は『伝習』です。
 少しペースアップして、早くえっちさせたいです。

 では、また。
520名無しさん@初回限定:04/08/25 01:50 ID:NZcrih1C
伝習っつーと王陽明の某書が思い浮かぶオサーンな漏れ
521名無しさん@初回限定:04/08/25 04:51 ID:1ECgj4Gw
ガールズブラボーの作者様乙。
ドクロちゃんや英雄伝説もよかった〜
二次創作だと恥辱はあっても寝取られは珍しいからねぇ
リクエストしたいけどあんまりせかすのも悪いんで
これからも気が向いたときに書いてくださいな。
522名無しさん@初回限定:04/08/26 11:42 ID:QPKU9VV+
英雄伝説の話は寝取られに相乗して文のエロさが俺のツボ直撃した
激しくgj
523名無しさん@初回限定:04/08/26 12:34 ID:lcvwOV8u
ドクロちゃんとやらはどうやら原作の文がどうにもならんな
ここの職人のほうが上手だろ
524名無しさん@初回限定:04/08/26 20:37 ID:k4YMP1xC
あれはあの様な作風に作為的にしているのであって、
上手いの下手だってのは他の作品が書かれていない現段階では判断できんだろ。
525名無しさん@初回限定:04/08/26 23:01 ID:oX5UZXQL
526名無しさん@初回限定:04/08/27 19:15 ID:wrRWvSGb
なんか動いてないんだけど・・・住人みんな下級生スレにいってるの?
527名無しさん@初回限定:04/08/27 19:19 ID:scAZIigI
多分そうではないかと……。
528名無しさん@初回限定:04/08/27 23:14 ID:wrRWvSGb
まあ幼馴染寝取られなど漏れらはすでに通過しているがな





そして何度遭遇しても痛いな・・・OTZ
529名無しさん@初回限定:04/08/27 23:40 ID:xg0ny+8Q
なぜここで書かない
530211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/28 00:11 ID:EgMJ76wM
 自分はぼちぼち今も書いてたりしますが、
 なかなか筆が遅くてもうしわけありませぬ。

|-`).。oO(『予期していない』寝取られは、最凶だからなぁ、勝てねぇよ )
531作者その1:04/08/28 00:34 ID:bnji273U
日曜日、寝取り男がやってきて

「君の彼女は明日から次の日曜までに『君の予期せぬと日』に寝取られるだろう」と言った。

主人公は考えた

「・・・もし最後の前日までに寝取られがなければ、最後の日に寝とられるとわかるから
 『予期しない日」でなくなってしまうから最後の日曜に寝取られることはない・・・・
 では土曜日はどうか? これも同じだ。前日までに寝取られがなければ
 日曜は既に否定されているから土曜日に寝取るしかない・・・・
 それでは「予期しない日」にはならない・・・・・・・
 だから土曜も寝取られはないな。 ・・・・てことは金曜日も木曜日も、、水曜日も
 同じだ、火曜日も! 月曜日も! 明日から日曜の間に「予期しない日」なんてない!
 やった! 俺の彼女は寝取られないぞ! 「予期しない日に寝取る」なんて不可能だ!」

そう、結論に達して主人公は安心して眠りについた。

次の日、主人公が安心しきって、ぐっすりと眠っている間に
彼女は寝取られた。主人公が「予期していない日」に
532211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:22 ID:NITgV5hG
 祭り中のせいか、静かですね。

 自分は今日も投下いたします。
533211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:23 ID:NITgV5hG
(01/12)

「いいかぁ? テスト勉強というのは女の子とやらなければならないのだ。
 それはさながら、ヒーローがヒロインと共に強敵を打ち倒すがごとくだ。
 共に苦労を分かち合うからこそ、愛が育まれて大縁談となるのだ!
 わかるか? わかるかぁ? ええ?」

 朝っぱらだというのに、親父のご高説がまた始まったよ。
 こういう話になると、お袋はそそくさと席をはずしてしまう。

 今は中間テストの一週間前だ。
 そろそろテストがあるんだが……、と切り出した途端にコレである。
 実際、二人に教えてもらうことを話すわけだから、間違っちゃいないけど。

 恥ずかしい話だが、俺は既に授業についていけてない。
 一年目の一学期の中間テストで、すでに怪しい。
 それってかなり末期的じゃねーかと思う。人事ではないんだけど。

 まあ、俺が勉強できないことは親父様もわかっていらっしゃるようで、
 『従姉妹に教えてもらう』というのは最初から想定していたらしい。

 一応この時期はテスト期間ということで、部活も休みになるのだ。
 とはいえ、せっかくテスト勉強に専念できるのに、邪魔しちゃ悪いだろ。

 彼女達は普段からすごく頭が良くて、テスト前に慌てることはないと思う。
 けどさ、俺を教えるヒマはないんじゃねーの?
534211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:25 ID:NITgV5hG
(02/12)

「人に教えることができてこそ、真に理解したということだ。
 話せて読める言語は書けるというのと同じだ。わかるかぁ?」
「なんとなくニュアンスはわかるが……」

 わからないのは俺がこの学校に入ってしまったことなんだが。
 このままだと一年目で留年決定な気がする。いいのかそれで。

「異性の家庭教師、しかも二人なんて、萌えるねぇ〜」
「同世代に教えてもらうのはある意味屈辱だと思うが」
「お前は本当にわかってないな。それでも俺の息子か?」
「できれば無関係であってほしいと常々思ってるがな」
「女の子に挟まれて手取り足取り、いいないいな」

 聞いてねーし。

「ああ、そろそろ時間だから学校行っから。
 お袋には晩飯いらねぇって言っといてくれ」
「別にお泊りしてもいいんぞ。
 せっかくだから濃いのを仕込んでこいよ」
「何、朝からセクハラ言ってんだ。とっとと稼ぎに行って来いこのクソ親父」
「そんなに邪険にすることないじゃないか。帰ってくるのは一週間後だろ」
「ちゃんと今日も帰ってくるっつーの」

 だいたいなんかできちゃったらどうすんだよ、って間に受けるな俺。
535211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:27 ID:NITgV5hG
(03/12)

「お邪魔します」
『いらっしゃいませ』

 先に帰っていた二人が迎えてくれる。
 放課後、俺は適当に時間をつぶしてから彼女達の家に行った。

 合格発表後、何回か通った家。

 今日も叔父さんはいないんだろうな。
 仕事が忙しいらしい叔父さんは、夜遅くにならないと帰ってこない。

 正直、親がいない家に異性を連れこむのはどうかと思う。
 あ、俺の家は親父に邪魔されるだろうから没ね。

 そんなことを思っていながら、居間へと向かう。

 いつも食事をしている大きなテーブルの上には、
 料理の代わりに参考書や筆記用具が並べられている。

 一方キッチンからは、コトコトと何かを煮込んでいる音がする。
 それとともにおいしそうな匂いが流れてくる。

 料理も一緒にやっているようだ。
536211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:29 ID:NITgV5hG
(04/12)

 ミナとユナは料理と勉強を一日交代で行うという話だった。

 ジャンケンで、今日はミナが勉強を教えてくれる番に決まったそうだ。
 俺と向かい合って、テーブルにミナが座る。

 ユナはすでにキッチンで料理をしている。
 トントントンという、軽快な包丁の音が聞こえてくる。

「暗記物は後回しにしたほうがいいから、数学からいこうと思うんだけれど、
 キヨもそれでいい?」
「んー、そうだな。まかせるよ」

 ミナが数学の教科書を開いたので、俺もそれに習った。
 多分どれからやっても変わらないと思うし。

 ……。

 目から鱗が落ちたというか、脱皮したというか、そんな気分だった。

 どーせーわからんと思って授業はほとんど聞いていなかったのだが、
 こう真面目にやってみると、それほど難しい内容ではない。
 まあ、最初のテストから難しかったらみんな挫折するか。

 学校の教師よりミナのほうが、教え方が上手だから、
 というのもあると思う。
 学校にいく意味ってあるのかね。
537211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:30 ID:NITgV5hG
(05/12)

 ひと段落ついたので、一休みする。
 ミナも両手を上げて伸びをした。

 女の子らしい胸が身体の伸張により強調される。

 学生服と違ってTシャツ1枚というラフな格好なので、
 普通には見えないものなんかも見えてしまったりして。


 ……、ブラしてませんね。

 ふと、親父の言葉を思い出す。

『向かいに座った場合は、覗き込まれた時に見ろ。
 横に座った場合は、顔を見るふりをして見ろ。
 さりげなく、かつ大胆に見るんだ。
 大丈夫、きっと見えるさっ(ニヤリ)』

 ……。

 さっきまではまったく気にしてなかったのだが……。

 これは、わざと見せてるな。
538211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:32 ID:NITgV5hG
(06/12)

「うふふっ、キヨったら、よだれ垂らしてるぞぉ。
 お腹すいちゃったの? そ・れ・と・も?」
「いや、いやいやいや、ほら、あれだ、いい匂いだなぁって」
「集中できない? じゃあ、わたしの部屋に来ようか?」

 ちょっと意地悪な顔をして言う。
 その顔は、明らかに何かを誘っていた。誘われてるよ俺。

 トントントントンと鳴っていた包丁の音が唐突に止んだ。


 ぎこちなくキッチンのほうを見る俺とミナ。
 まず目に入ったのが包丁。次にユナの笑顔。

「そろそろご飯の時間です。キヨくんは勉強道具を片付けてくださいね。
 ミナはもちろんお手伝いしてくれるますよね?」
「えっ。もっ、もちろんだよぉ」

 慌てたミナが、がばっと立ち上がってキッチンに向かう。

「本当にミナは冗談が過ぎますっ。
 大体部屋に連れ込んで何をするつもりだったんですか?」
「べっ、勉強の続きだって。ね? ユナぁ、信じてよぉ」

 小言をもらったミナは、ペコペコと謝っていた。俺も謝ったほうがいいかも。

 その日はなんだか生きた心地がしなかった。
539211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:34 ID:NITgV5hG
(07/12)

 そのあと、普通に晩御飯を食べて、すぐ帰ってきた。
 親父にはいろいろ聞かれたものの、疲れたのでさっさと寝た。怖くて。

 そして、次の日の放課後になった。

 昨日と反対で、一緒に勉強をするのがユナ、料理をするのがミナである。
 いつも本当にすみません。

「本日は古典ですよ。まずは教科書を読みましょうね」

 そういって、おもむろに眼鏡をかけるユナ。

 眼鏡?
 普段眼鏡なんてつけてないはずだけど……。

「私の顔に何かついておりますか?」
「いや、眼鏡かけてるからさ。普段はコンタクトでもしてんのかなぁって」

 そういうと、ユナは眼鏡を軽く下げて上目遣いで俺を覗き込む。
 そして、小さな声で一言。
「お嫌いですか?」
 と言った。

「別に嫌いじゃないけどさ、なんつーか、ねぇ」
「伯父様には、殿方はこういうのが好きだと教わったのですけれども」
「それは単なる親父の趣味だ」
540211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:36 ID:NITgV5hG
(08/12)

 俺がそういうと、残念そうにふぅ、とため息をついて眼鏡をたたんでしまう。

「いや、目ぇ悪いなら無理しなくていいぞ」
「眼鏡がないと駄目、というほどは悪くないんです。
 学校でも、コンタクトは使用しておりませんし」
「無理しなくていいって。とりあえずかけとけよ」
「よろしいのですか? ではお言葉に甘えて」

 眼鏡をかけて俺を見て微笑む。

 かわいいな。

 素直にそう思った。
 周りに眼鏡をかけた女の子がいなかったせいか、凄く新鮮である。

「そろそろはじめましょう。ミナも見てますし」

 オタマを持ったミナが向かいに座っていた。
 まったく気がつかんかったぞ。
 昨日のユナほどではないが、ちょっと視線が怖い。

「わかった。始めようか」

 二人で同時に教えてくれればいいのに、と思った。
541211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:38 ID:NITgV5hG
(09/12)

 そんな感じでテスト勉強は五日間続いた。

 今回はなんとかひっかかるだろう。
 ……次はやばいかもしれんけど。


 晩御飯も済んで、俺はソファの上でくつろいでいた。
 二人は楽しそうに何かを話しながら食器の片付けを行っている。

 ……いや、俺も手伝おうと思ったんだって。まじで。

 頑なに断られてしまったわけで、しゃーないわけですよ。
 キッチンに男が入っちゃいかんみたいなこと言われたらさ、
 そりゃあ、ねぇ。

 ……。

 テレビを見てのんびりしていると二人が戻ってきた。
 ユナの持つお盆の上には、羊羹とお茶がのっている。

 親父がお気に入りの、近所の和菓子屋さんの一品だ。
 かく言う俺も好物の一つだったりする。
 ちょっとお値段高めなので、滅多に食べることができないんだよ。
542211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:40 ID:NITgV5hG
(10/12)

「デザートもいつになく豪勢だなぁ。高かっただろー」

 いただきますを言って、まずは一切れいただく。

「今日のうちにサービスしておかないとしばらくできないんだもん」
「一週間以上もご奉仕を我慢しないといけないんですもの。
 胸が張り裂けそうなくらい、悲しいんですよ?」

 そうか、テスト期間中は午前中で終わるんだな。
 さすがにその間も晩御飯をご馳走してもらうなんて悪いしね。

 ひょいっ、ひょいっと羊羹を食べていく俺。
 上品に食べている二人には悪いが、勢いで食べるほうが好きなんだよ。
 ずずずとお茶を飲む。

「でもさぁ、テストが終わったらまた少しヒマになるじゃん。
 勉強のお礼もしたいさ、どっか遊園地でも行きたくねーか?」

 二人は顔を見合わせる。
 そして俺の方を見る。

「それって、デートのお誘いと受け取ってもよろしいんですの?」
「わたしたちはキヨと一緒に居るだけでも幸せなのに、悪いよぉ」
543211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:41 ID:NITgV5hG
(11/12)

「いやいや。本当に感謝してるからさ。
 そうだなぁ、テストのあとの休みなんかどう?」

 テストは来週の月曜から金曜まである。
 土日なら大丈夫だと思うんだが、どうか。

 ミナが、『でも、ほら、テスト明けは……』と言った。
 ユナも何かに気づいたらしく、口に手をあてて、
 『あっ』という言葉を飲み込む。

 そして、二人とも暗い顔をしてうつむく。


 ……あれ、駄目っスか。


 なんだか喉が激しく渇いたような気がした。
 慌ててお茶をすする。

「ああ、いや、ほら、用事あるんだったらさ、
 無理しなくていいよ。迷惑だったら、あれだし、さぁ」

 言葉は慌ててたけど、心はなぜか冷静だった。
 冷静っていうか、冷めていくというか、そんな心境だった。

 なんか、ほかに優先されるってことが嫌だった。
544211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:43 ID:NITgV5hG
(12/12)

「全然、迷惑なんかじゃ、ないよ。だって、キヨのほうから、
 誘ってくれるなんて、今までなかったし。とっても残念」
「ごめんなさい、キヨくん。土曜日から部活動の合宿があるんです。
 だから、その日は御免なさい。せっかく誘って頂いてくださったのに、
 本当に申し訳ありません」

 ……部活動か。
 じゃあ、しゃーないか。
 二人がせっかくやりたくてやってることだし、

 なんか俺、占有欲が出てきたのかなぁ。

「でも、その分、再来週は一生懸命頑張るから期待しててね」

「……俺が感謝してるから誘ってるんだし、ヒマなときでいいよ。
 二人が都合つきそうなときにまた声かけるからさ」

 榎本も合宿行くのかな。

 榎本、そういえば、ミナに言い寄るヤツがいるって言ってたな…。
 『ガッくん』だっけ、そいつ。

 何か、すんげー不安になってきた。

 いかんいかん。
 来週はすぐテストなんだし、気分を入れ替えないとまずいよ。
545211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 03:45 ID:NITgV5hG
 今回はここまで。
 またもや話が進んでないのですが、フラグ立てということで、
 もうしばらくお付き合いください。

 次回は『誘い』です。

 では、また。
546作者その1:04/08/29 13:15 ID:SMRaSpGZ
お疲れ様
547名無しさん@初回限定:04/08/29 13:31 ID:sWit0eEs
お疲れ、お疲れ〜。
そろそろHシーンくるかなぁと楽しみにしてるよ〜。
548211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:13 ID:aeC+YDok
 こんばんわ。
 雨降ってて出かける気にならなかったので、一日中書いていました。

 そんなわけで、今日も投下させていただきます。
549211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:14 ID:aeC+YDok
(01/15)

 初日は物理と数学だった。

 さすがに全問解けるほど甘くはなかったものの、
 8割ぐらいはできたかな、というのが俺の感触だ。

 一人で勉強してたらこんなには出来なかっただろう。
 まずは二人に感謝したい。一声かけてから帰ろうかな。

 教室の中に居ないかと、辺りを見回す。
 半分くらいの生徒はすでに帰ったようだ。

 おっ、ちょうどユナが荷物をまとめたところのようだ。
 ミナは……、いないね。先に帰ったのかもしれない。

 ひとまずユナを追うことにする。

 俺は席を静かに立つと、コソコソと教室を出た。
 人通りの少ない廊下を、ゆっくりと歩いていくユナ。
 その後ろを一定の距離を取りながらついていく俺。

 …別に、ストーカーじゃないぞ。
 周りに人がいるとさ、恥ずかしくて声かけづらいじゃん。

 それに、こう、ベタベタしてくれない二人ってのは寂しいんだよ。
 教室だとフツーのクラスメート以上のことはしてくれないしね。
550211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:15 ID:aeC+YDok
(02/15)

 長い廊下を抜けて、階段の踊り場まで来たところで、
 ユナがゆっくりと振り返る。
 そして、俺のほうを見て優しく微笑んだ。

「お疲れさまです、キヨくん。試験はうまくいきましたか?」
「んー、ぼちぼちってところかな。でも、二人に教えてもらわなかったら、
 間違いなく赤点だったと思うぞ。マジで感謝してる。ありがとう」
「キヨくんに感謝していただけるなんて、とても光栄なのですけれども、
 本日のテストの範囲はミナの担当部分ですよ」

 う〜ん、確かに数学も物理も、ほとんどミナに教えてもらったんだっけか。
 ユナに感謝を言うのはまずかったかな?

「そのミナが教室にいなかったからさ。ひょっとしたら一緒に帰るのかなって」
「一緒に帰ろうと思っていたのですけれど、陸上部の方が迎えにいらっしゃって、
 用事が出来たそうなので、私は先に帰ることにしたんです」
「陸上部? テスト期間中は部活動はないんじゃねーのか?」
「ええ。私もそう思って声をかけようとしたんですけれど、
 彼とすぐにどこかへ行ってしまったので、理由まではわかりませんでした」

 ふーん。マネージャーって忙しいんだな。
 テストの間でも迎えに来るなんて……。

 迎えに来る?
 それに、今、『彼』とか言わんかったか?
551211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:17 ID:aeC+YDok
(03/15)

 男だとしたら?
 すぐ頭に浮かんだのが榎本。でもヤツは諦めるようなことを言っていたし。
 じゃあ、例の女たらし、か?

「……『彼』って、男か?」
「ええ、男の方ですよ。少々髪の毛を伸ばされていましたが」

 長髪の男か、間違いないな…。
 他のヤツは知らんけど、榎本の話から考えて『ガッくん』とやらが濃厚だ。

 しかも、今はテスト期間中だから放課後は人が少ない。
 そんな時に部活の用事と称して連れ出すとは、いったい何する気だよ。

「キヨくん、ちょっと怖い顔してますよ? あの方は危ない方なのですか?」

 目の前に不安そうなユナの顔があった。
 確かに怖い顔してるかも。何せ、一刻を争うからな。

「うん。ちょ、ちょっとね、悪いうわさがあるんだ」
「私が見たところでは、それほど……」
「あ、とりあえず俺見てくるからさ、ユナは先帰っててくれ」

 何かを言い続けているユナを置いて、俺は走り出した。
 目指すは、陸上部の部室だ。
552211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:18 ID:aeC+YDok
(04/15)

 階段を2段飛ばしで降りて、廊下を駆け抜ける。
 途中何人かとぶつかりそうになるが、そんな事を気にしている場合ではない。
 自己最高記録(非公式)をマークしつつ、玄関に突入する。
 すでにほとんどの生徒が下校したのか、閑散としている中を駆け抜け、
 自分の下駄箱の前に滑り込み、息を整えながらソッコーで上履きを脱ぐ。

 ぜぇぜぇ、はぁはぁ、きつい。おれ、もう、ジジィ、ですか?

 外履きを取り出し、少し冷たいその靴に両足首を入れる。
 しゃがみこんで上履きを拾い上げると、下駄箱に無理やり突っ込んで、
 そのままズリズリとカカトを入れる。

 ふぅ、さて、もう一息だ。うりゃあっ。

 学校の玄関を抜け、いつも通学している方とは反対側の校門へ向かう。
 このほうが舗装された道で走りやすい、気がする。
 そこからグラウンドをまっすぐ突っ切っる。
 テスト期間中なので、今使っているヤツもいないから安心だ。
 野球部のガード網(名称不明! キャッチャーの後ろにある大きい網!)を
 回って、その後ろにある部活棟へたどり着く。

 ぐへぇ、ふぅ、し、死ぬかも。

 だが、そんなところでくたばってはいられない。
 とにかくミナを探さなければならん。
553211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:20 ID:aeC+YDok
(05/15)

 部活棟はグラウンドに面していて、入り口がいくつも並んだ建物である。
 周りに木が埋められているため、日陰になっていて少々薄暗い。
 どこが陸上部かはわからないので、まずは左端から順に入り口を見ていく。

 ソフトボール部、野球部、サッカー部、陸上部……。

 あった。
 あっさりと、みつかった。

 ふぅ。とりあえず疲れた。一休み。

 部室は多分縦長で、裏に回れば多分窓くらいはあるだろう。
 入り口の扉に小窓があり、中はちょっと明るい。明かりをつけている気がする。
 一方、中から人の声や何かの音ってのは聞こえない。
 俺の呼吸音が激しくて、あんまり聞こえてこないってのもあるけど。
 というか、うるさいのが来たから静かになったのかも。

 ちっとは運動しないとなぁ。

 ……。

 少し息が整ったので、ドアを開けようと思い取っ手を掴む。

 えいやっ、と引こうとしたが、開かなかった。
 開かないよ。この扉。押しドアか?
 しかし、押しても開かない。
554211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:20 ID:aeC+YDok
(06/15)

 『かぎがかかっている』、と字幕が出たような気がした。

 明かりがついているのに、鍵が掛かっている。
 中に人がいるのに、鍵が掛かっている。

 それってさー、アレだよね。
 アレ…。

「ミナ! ミナ! いるんだろ! 出て来いよ!」

 バンバンと、扉を乱打する俺。
 だが、誰も出てこない。どういうことだ?
 居留守か? それとも出てこれないようなことをしているのか?

 とりあえず裏に回ってみよう。

 ……。

 裏側には普通の窓がついているようだ。
 右から数えて4つ目が陸上部だな。

 陸上部の窓にはカーテンも何もかかっていなかった。
 つまり、俺でも中を見ることができるわけだ。

 全開放とはいい度胸だな!
555211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:22 ID:aeC+YDok
(07/15)

 そっと、覗き込んでみる。
 どれどれ……。

 中の広さは結構狭くて、簡単に見回すことが出来る。
 壁際に大きなロッカーがずらーっと並べてあって、真ん中に椅子がいくつかある。
 テーブルが端っこに一つあるが、他にはめぼしい物がない。
 部室というよりも更衣室といった感じだな。

 天井からは裸電球がいくつかぶら下がっていて、部屋の中を明るくしている。
 でもこれじゃあ、夜とか暗いんじゃないか?
 ケチらないで蛍光灯にすりゃいいのに。

 そして、中に人はいなかった。ミナどころか、誰もいねーじゃねーか。
 なーんだ。ただ点けっぱなしなだけかよ。

 心配して損した。帰るべ、帰るべ。

 ……。いやいや、ちょっと待て。

 俺が来た理由ってのは、部室に誰かがいるかを暴くんじゃなくって、
 ミナが『ガッくん』に呼ばれたのを追いかけに来たんだよ。

 部室に寄って、それからどっかへいったのか?

 そうこう思っていると、カチャリと鍵の開く音がして、ドアが開いた。
556211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:23 ID:aeC+YDok
(08/15)

 誰かが入ってくる!
 俺は、急いで窓の外に隠れ、静かに様子を伺う。

「はぁ〜っ、どうしよぅ〜」

 布のようなものを持ったミナが、ため息をつきながら入ってきた。
 あまり壁が厚くないのか、中の声はほとんど聞こえてしまう。

 両手に抱えている布をテーブルに置き、
 椅子に座って、また、ため息をつく。

 他に入ってきたヤツはいない。
 謎の男(多分『ガッくん』とやら)は帰ったのだろうか。

「勢いとはいえ、なんであんな約束しちゃったのよぉっ」

 またも独り言を言いながら頭をポカポカするミナ。

 約束って、いったい…。

 そう思う俺と、急に顔を上げた彼女と、目が合ってしまった。

『あっ』

 驚き顔までもが見事にハモってしまった。
557211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:26 ID:aeC+YDok
(09/15)

 ここはミナがマネージャーの陸上部部室で、俺は単なる部外者。
 部外者が部室を覗いているとしたら……、タダの変態じゃないか!

 彼女は内側から窓の鍵を開けた。
 窓を開けると無言で手招きする。入って来いということらしい。

 どっこいせ、と手すりを乗り越えて部室に侵入する。

 その間、ミナはテーブルから金具のようなものを出して布につけていた。
 どうやらさっきの布はカーテンだったらしい。
 窓に近づき施錠をしてから、カーテンを手早くつける。
 シャーッと、勢いよくカーテンを閉めてから、ミナはこっちを向いた。

「で、キヨ、こんなところで何してたの?」

 ……。

「って、いつの間にか密室じゃねーか」
「キヨって、実はアッチの方の人だったんだ…。男の人が好きなんじゃ、
 仕方ないよね…。わたしなんて、ぜんぜん敵わないよね……」
「ちげーよ。いきなり何言うんだよ」

 俺の足元を見ながら本当に悲しそうな顔をするミナ。まじで勘違いされてるし。

「いやいやいやちがうちがうちがう」
558211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:28 ID:aeC+YDok
(10/15)

「え〜と、じゃあ、何してたの?」
「それはだなぁ、ミナが、その、別の男に言い寄られてるって聞いたからさぁ、
 こう、不安になって走ってきたのに、いないじゃん。
 仕方ないから帰ってこないかねーと、待っていたわけなんだが」
「あ、そっか…、助けに来てくれたんだ…。勘違いしてごめん。
 その…、本当に、ありがとう…」

 なんか歯切れが悪い。目は合わせないし、まるで……。

「なんか、されたのか……?」
「えっ? いや、違うの。違うよぉ。もう、ぜんぜん! なんにもないよぉ」

 ばたばたと手を振って(というか怪しい動きをして)無実を訴えるミナ。
 どう見たって怪しい。こんなの普通じゃねぇ。

 ただ、俺は彼女を責めたいわけでもない。
 本人が何にもないっていうんだから、何もないと信じたい。

「とにかく落ち着いてくれ。それから聞こう」
「そう、だね…」

 椅子に座って、しばらく無言になる。

「ねぇ、キヨ?」

 やがて、ミナが口を開いた。
559211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:30 ID:aeC+YDok
(11/15)

「おう、なんだ」
「キヨは、わたしに何かあったら嫌なんだよね。だからこそ、来てくれたんだよね」

 とりあえず俺は頷くだけにしておく。

「わたし、嬉しかった。こんなことでも来てくれるなんて思ってなかったもん」
「こんなことって……」
「うん。ただ、男の人に誘われただけ」
「誘われただけ? 本当に?」
「そう…、ただ誘われただけなの。それでも、キヨは来てくれた。
 わたしのことを不安に思ってくれた。わたしにはとっても嬉しいことだよ…」
「嬉しいかね、そんなことが」

 ミナが窓のほうまで歩いていき、ゆっくりとカーテンを開ける。

「だって、キヨはどんなことがあってもそばにいてくれるんだ、って思ったから…」
「それは極論すぎるだろ。たまたま、ってこともあるわけだし」
「でも……」

 くるりと回って、ほんのりと桃色に染めた顔を俺にむける

「わたしのために、走って助けにきてくれたんでしょ?」

 もし、俺が手に何か持っていたとしたら、ポロッと落としてしまっただろう。
 それほどまでにミナの笑顔は輝いていていた。

 綺麗だ……。
560211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:30 ID:aeC+YDok
(12/15)

 俺がその顔に見とれていると、ミナの顔がだんだんと変わっていく。
 可愛い笑顔がだんだん歪んでいってニヤケ顔になった。
 そして、ふっふっふ、とかなりヤバイ声を上げて近づいてくる。

「キヨったらぁ、わたしに惚れちゃったんでしょ」
「ばぁっ、ばっ、ばか言うなって」
「え〜っ、だってぇ、キヨったら、すっごーい顔してたよぉ?」
「すっごーい顔ってどんな顔だよ」
「そんな事、女の子のわたしの口からは恥ずかしくて言えないよぉ」
「言えよ!」

 ぐるぐると、狭い部室を走りまわる俺たち。
 それは二人が疲れるまで続いた……。

 というのは嘘で、一周で疲れて座り込んでしまった。さっき走ったばっかだし。
 しっかし、ひどい運動不足だな、俺。

 ……。

「俺、いろいろ疲れたらから帰るわ」
「じゃあ、せっかくだし一緒に帰ろうよぉ」
「まあ、いいけどさ」

 ミナは手早く準備を済ませると、さっさと外に出てしまった。
 慌てて後を追う。

 思ったより時間かからんのね。
561211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:33 ID:aeC+YDok
(13/15)

 グラウンドを通って、校門を抜けて、最初の分かれ道まで来ると、
 二人っきりの通学路はもう終わりだ。
 家の方向が反対側なので、もう別れなければならない。

 三人で帰るときは、大抵彼女達の家に行って、お茶を飲みながらおしゃべりして、
 晩御飯を食べさせてもらって、またおしゃべりして、それから帰るんだが…。

 今日はさすがに無理だな。
 ユナが怖いからさぁ。今もどこかで見てそうな気がするし。
 実際、ユナには悪いことをしたと思うよ。二人で部室に行けばよかったんだが。

 ミナが、ゆっくりと近づいてくる。

「キヨ、今日はここまで、かな?」
「そうだな。明日もテストだしな」
「じゃあ、ここで聞いてほしいの…。ちょっと、時間いい?」

 すぐ目の前、人一人分くらい手前で止まる。
 そして、俺の左手をとると、両手で握手するようにがっしりと掴んだ。
 離さない、ってことか?

「わたしね…、土日は合宿があるから会えないんだけど、金曜日の午後は
 時間があるの。だから、だからね……」

 ミナの、泳いでいた目線が、しっかりと俺の顔を捉えた。

「わたしと…、デート、して下さい…」
562211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:34 ID:aeC+YDok
(14/15)

 今、なんて言ったんだ? 最後のほうは弱々しかったけども、
 『デートしてください』って聞こえたんだけど…。

「突然、こんなこと言われても…、やっぱり困るよね。
 でも、多分、今しか言えないから。二人きりの…、今じゃ、ないと…」
「二人きりって、ユナ抜きで、か?」

 静かに頷くミナ。

「それは、俺には無理だ…」

 無理に決まっている。俺はミナもユナも同じくらい好きだ。
 そして、今の三人の関係がとても心地よく思ってる。
 なぜ、それをわざわざ壊そうとするのだろうか。
 なぜ、ユナを出し抜いてまで、俺と二人でデートをしたいのか。
 今でさえ、二人きりでいることを悪いと思っているのに。

「多分キヨが困るのも無理ないと思う。自分でも、ひどいと思うもの…。
 でも、一日だけ、たった一日だけでいいから、我が侭を聞いてほしいの…。
 わたしだって、キヨ以上に、ユナのことが大好きだもん。
 今のままでいたいもん…。だから、わたしのお願い、聞いてほしい…」

「三人でデートするのは駄目なのか?」
「うん…。二人じゃないと、困る…」

 そんな、困る理由なんて、ある…、か?
563211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:35 ID:aeC+YDok
(15/15)

「理由は、教えてくれないのか?」

 ひょっとしたら教えてくれるかとも思った。
 でも、ミナはただ頷くだけで、それ以上の話はしてくれそうにない。

 俺の左手がベタベタと汗ばんできて、不快だった。
 ミナに握ってもらっているのに、なんだか嫌だった。

「…わかった」
「えっ、本当に、来てくれる…、の?」

 無意識に口から滑り出た、肯定でも否定でもない言葉。
 でも、ミナはよい返事を期待している。手を握る力が、前よりも強くなっている。
 そして、『何か言ってほしい』という視線を送ってくる。
 うんともううんとも言えない俺は、同じように見つめるしかできないのだが。

「そう…、だよね…。期待しちゃ、いけないよね…。こんな約束、できないよね…。
 でも、わたしが、キヨをずっと好きでいられるために…、来てほしい…。
 ううん、きっと来てくれるって、信じてるよ…」

 目線を俺の手へ向けると、懐から出したハンカチで俺の手を拭う。

「駅前公園の噴水の前で…、2時に待ってるから」

 彼女は時間と場所を告げると、そのまま走っていった。
 声をかけることもできず取り残された俺は、仕方ないので帰路につくことにした。
 どうしたら、いいんだろうか。
564211 ◆Me/S1xrvzc :04/08/29 23:37 ID:aeC+YDok
 今回はここまで。

 やっと、『堪能』レベルまではきました。次はもちろん『肉奴隷』ですが、
 一週に一度ペースだとえっちシーンまで一月近くかかってしまいそうです。
 故に、休みの日くらいは一日一話、書きたいものです。

 次回は『待ち人来ず』です。

 では、また。
565名無しさん@初回限定:04/08/29 23:40 ID:QwazhzVL

なんかヒロインにも歪んだ部分があるみたいだな
二人とも寝取られるのか一人だけ寝取られるのかな?
566名無しさん@初回限定:04/08/29 23:57 ID:kPM74L8N
211の頑張りに感謝
567名無しさん@初回限定:04/08/30 01:02 ID:187v99nl
211さん乙〜 勢力的ですな。がんがって!
     ∩
( ゚∀゚)彡 肉・奴・隷! 肉・奴・隷!
 ⊂彡
568作者その1:04/08/30 02:48 ID:pmtokc0O
両方でしょ
569名無しさん@初回限定:04/08/30 16:31 ID:TAkHtC3s
『堪能』とか『肉奴隷』ってアレですよね?
ママトトの

つまり・・・
570名無しさん@初回限定:04/08/31 02:38 ID:8MfNeNTR
なんかID記念カキコ
571173 ◆dR7WV1bjfM :04/08/31 03:19 ID:WxqaULOG
神キター
572名無しさん@初回限定:04/08/31 04:10 ID:ARUaXgtv
>>570 ID:8MfNeNTR、大ちゃんスレでの存在を確認させていただいた( ̄ー ̄)ニヤリ
573名無しさん@初回限定:04/08/31 11:59 ID:YNaYxTPg
574名無しさん@初回限定:04/09/01 12:15 ID:SAff2kB6
オワタ
575名無しさん@初回限定:04/09/02 19:58 ID:Sb+rmVCx
義母がピンサロ嬢の話の続き希望!!!!
576保存サイトの”管理”人:04/09/02 23:29 ID:DNGdl35d
どうもご無沙汰しております。

突然ですが、来週いっぱいを目処に保存サイトを閉じさせて頂くつもりです。
引き継いでくださる方や個人での利用をなさりたい方はデータを保存してください。
一応転載禁止だったので引き継いでくださる方はスレで住民・作者の同意を得てください。


1年あまりの間、ご愛顧ありがとうございました。
577名無しさん@初回限定:04/09/03 05:43 ID:CVzcl769
オワタ
578名無しさん@初回限定:04/09/03 10:47 ID:1WcB+Wqz
なんてこったい
579名無しさん@初回限定:04/09/03 13:34 ID:YaYEYoz1

     (・A・)っ
     (っ ,r 
.      i_ノ┘

       ∧_∧
    ⊂( ・ A ・ )
.     ヽ ⊂ )
     (⌒) | 
        三 `J

     /ヽ     /ヽ
   /  ヽ___/  ヽ
  /           \
  |  ● ヽー/ ●  | オワタ
  \     ∨    /
580名無しさん@初回限定:04/09/03 14:34 ID:TOWZaTpZ
残念なことですが、
管理人さんお疲れ様でした。

誰か引き継ぎプリーズ!!
581名無しさん@初回限定:04/09/03 22:59 ID:1qOX8cNM
>>580
がんばれ
582名無しさん@初回限定:04/09/04 00:28 ID:2jt1XmcT
211さんのSS引き込まれますね。じっくり読みました。
続きを楽しみにしています。
583211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 02:54 ID:F5QYCsjM
 こんばんわ
 今週はぜんぜん筆が進まず、ほとんど進んでおりません。
 今日も投下しますが、土日書き続けても次回は来週になりそうです。すんません。
 応援していただいている方のためにも、しっかりやりたいところです。

 >>569 さん
   はいそうです。ママトトです。で、『堪能』の次は『性処理』でした。
   『性処理』わすれちゃいかんですよね。

 >>576 保存サイトの”管理”人 さん
   本当にご苦労さまでした。ゆっくりお休みくださいませ。

 では、投下します。
584211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 02:55 ID:F5QYCsjM
(01/11)

  あなたには、異性の双子AとBがいます。
  ある日Aに、Bには内緒でデートをしてほしいと言われました。

   ・Aは待ち合わせの場所で待つと言っている。
   ・Bはこのことをまったく知らないが、Aとデートすればばれてしまう。
   ・AもBも、あなたのことが大好きである。
   ・あなたは、AともBとも平等に付き合いたいと思っている。

  この状況を踏まえて、以下の問いに答えなさい。

  問1
   あなたがデートした場合の、AとBの気持ちを、それぞれ15文字程度で
   表しなさい。

 ……。

 Aは『デートしてくれてうれしい。』、Bは『内緒でデートして許せない。』か。

  問2
   あなたがデートしなかった場合の、AとBの気持ちを、それぞれ15文字
   程度で表しなさい。

 ……。

 Aは『来てくれないなんてひどい。』だな。
 Bは? まったく知らないんだから、何も思わないよなぁ。
 問題文にあるとおり、『あなたのことが大好きです。』、でいいと思う。
585211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 02:57 ID:F5QYCsjM
(02/11)

  問3
   あなたはAとデートするべきかしないべきか答えなさい。また、そのあとの
   フォローをどうするかを、20文字程度で表しなさい。

 ……。

 俺は状況を整理する。

  デートあり、Aに対して+効果、Bに対して−効果
  デートなし、Aに対して−効果、Bに対しては±0

 Aを狙うならデートあり、Bを狙うならデートなし。当たり前だろう。
 でも、AとBを均一にするならば、どちらがいいだろうか。
 デートありだと平均すれば±0だが、差分で考えれば二つだ。
 Bの−を消して、さらに+になるようにする必要がある。
 Bと、Aに内緒でデートできれば一石二鳥だな。
 一方、デートなしなら、Aの−を消せればとりあえず一緒になる、な。

 『デートする』
 『Aと同様に、Bと、Aに内緒でデートする。』

 『デートしない』
 『Aに対して、デートの埋め合わせを行う。』

 どっちがより現実的か。うーん、うーん。

 そのとき、無常にもテスト最後の終鈴が鳴った。
586211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:00 ID:F5QYCsjM
(03/11)

 席の一番後ろのヤツが、無言で俺の空白だらけの試験用紙を回収していく。
 プッと笑われたのだが、テストの回数分笑われているのでもう気にならなかった。

 あの日のあと、試験にはぜんぜん身が入らなかった。
 デートをするかしないか、それが問題だった。テスト中もそれしか考えてなかった。
 当然、初日以外のテストは全て赤点だろうね。

「おいおい、ずいぶん悲壮感漂ってんじゃねーの? まだ次があるからよ」

 後ろの席の榎本が俺の肩を叩いた。ああ、お前いたのね。
 教室内も、あのエリート面子は珍しく、テストの開放感で盛り上がっていた。
 俺はもちろんそんな気分にはならないんだが。素直に喜べる彼らがうらやましいよ。

「人生の試験はまだ終わってねぇよ…」
「おっ、なかなか詩人君だねぇ。で、詩人のお前は、これからどうすんだよ」
「…、だからよ、これから試験つーか試練だ…」
「補習で頭いっぱいってことかよ。ま、適当にがんばれや」

 補習か…。デートに行っても行かなくても補習というフォローが必要だよなぁ…。
 まあ、今は目下の問題をどうするかを考えなきゃいかん。

 今は11時20分。ホームルームが10分程度
 ここから公園までは40分。俺んちまでが15分で、そこから行けば30分。

 さっさと家まで帰れば、1時30分までは考える余裕があるな。

 俺は、とりあえず10分経つまで待っていた。
587211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:06 ID:F5QYCsjM
(04/11)

 10分後、はしゃいでいるヤツラを掻き分けて、二人の元へ行く。
 彼女達はちょうど荷物をまとめた終わったところのようだ。

 俺に気づいたユナが、明るい声をかけてくる。

「キヨくん。調子はどうでした?」
「ははははは、まあまあ、かな…」

 いや、全然まあまあじゃないんだけど、ユナの顔を見ると本当のことは言えない。
 せっかく教えてもらったのに、まことに申し訳ございません。

「まぁ、その様子ですと、あまり芳しくなかったのですね。
 期末テストはもう少し早くお勉強しましょう」
「うん…。そうだなぁ」

 情けない話をしている横をミナが通りすぎていく。

「あっ、ミナ……」
「わ、わたしね、ちょっと用事があるから…、先に帰るね…」

 俺の呼び掛けにこちらを振り返ったミナ
 こちらをじっと見て、俺にだけわかるように小さく口を動かす。

『キ・テ・ネ』

 そして、そのまま走って教室を出て行ってしまった。
588211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:09 ID:F5QYCsjM
(05/11)

「行ってしまいましたね…」
「ああ。なんか用事があるのかねぇ…」
「私には、特に用事があるようなことを言っておりませんでしたけれど…」

 やっぱりユナには内緒だよな。

「んー、まあ、なんかあっても不思議はないが…。そういうユナは用事ないのか?」
「私ですか? 私は、これから明日の準備がありますけれども」
「合宿の準備か…。ミナも一緒かな」
「そうでしょうか…。用意があるといっても、家に一度は帰るはずです。
 せっかくテストも終わったのですから、三人で一緒のほうがよろしいのに」

 やはり、三人で帰ったら間違いなくデートにはならないってことか。
 家で結構話しこんでしまうだろうし、俺も家に帰らなきゃならんからね。
 ミナは、どうしても、俺とデートしたい、ってことだな…。

「じゃあ、せっかくだから一緒に帰るか?」
「キヨくんから誘っていただけるなんて、テストが終わった開放感でしょうか?」
「いや、そういう訳ではないんだけど…」
「ふふっ、キヨくんも少し変わられたってことですね。
 でも、今日は駄目です。私達はいつも三人で一緒なんですから、
 二人きりの時にそんなことを言ってはいけませんよ。
 また、三人が忙しくないときに誘ってくださいね」

 俺に誘われたのが嬉しかったのか、顔を赤らめるユナ。
 とは言え、抜け駆けするのは駄目という考えは変わらないらしい。
 途中まででも一緒に帰れれば、少し言い訳になるかな、っと思ったんだけど。
589211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:11 ID:F5QYCsjM
(06/11)

 というかこの様子だと、ミナとデートしたことがばれたらまずくね?
 やばいよやばいよ! きっとやばいよ。
 選択肢は二つあったわけだし、無難にデートしないことにしようかな。

 榎本でもひっつかまえて帰ろうかと、教室を見回したが見当たらなかった。
 俺と一緒で友達いねーから、さっさと先に帰ったのか。
 あいつも合宿の準備してんのかもしんないし。

「じゃ、俺帰るわ。合宿頑張れよ」
「お心遣いありがとうございます。では、また来週お会いしましょうね」

 昨晩は(というか昨晩も)デートするかしないかであまり寝れなかったし、
 帰ってさっさと寝ようかな。

 ……。

 家についた。玄関をあけると、相変わらず親父の靴がある。
 ほんと、何やってんだよあのクソ親父は。

 まあ、今は関係ないや。寝よ寝よ。

 目を擦りながら階段を上り、自分の部屋へ入った。
 鞄を置いて制服を脱いで、布団に倒れこむ。

 数分もしないうちに眠りについてしまった。
590211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:13 ID:F5QYCsjM
(07/11)

 はっ。
 急に目が覚めた。俺、なんか忘れてねぇか?
 ぼーっ、とした頭で思い出そうと努力する。

 たしか、テスト期間中だったよな。でも、テストは今日で終わったはずだし。

 家族で出かける予定もなかったし……、でかける、でかける…。

 あ、そうだ、ミナが駅前公園で待ってるんだった。
 デートするかしないか、それを悩んでいたんだったっけ。
 行かないにしても、連絡ぐらい入れとくべきだよな。

 今、何時だ?

 枕元の目覚まし時計は『03:24』と、黄緑の色で光っている。

 三時か。もう一時間以上過ぎてるなぁ。メールくらい入れておこう…。
 そう思ったが、携帯がみつからない。
 見つからないというよりも、周りが暗くて全然見えない。

 よ、夜中じゃねーか。

 半日以上寝てたのか。まあ、あんまり寝てないからしゃーないかな。
 夜中に連絡入れたら失礼だよなぁ。メールくらいならいいと思うけど、
 立ち上がるのもめんどくさいよ。眠いし。

 また明日。おやすみー。
591211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:15 ID:F5QYCsjM
(08/11)

 次に起きたのは、土曜の夕方5時ごろだった。
 いや、正確にいえば起こされた、だ。

 クソ親父が、人の部屋に入ってギャーギャーわめき出したせいだ。
 よくわからんけどさあ、ウルサイよ。

「くぉぉぉっら、いつまで寝てるんだぁぁっ。母さんが、泣いてるぞ」
「ああ、うるさいうるさい。大体いつもお袋泣かせてるのはクソ親父のほうだろ」

 頭がズキズキする。明らかに寝すぎだが、起き掛けに親父の声は気分が悪い。

「この親不幸者は母さんのメシを三食も抜いたそうじゃないか。
 愛しの従姉妹のメシじゃないと食えないってか? 
 それとも、従姉妹に抜いてもらえないからメシ抜いたってか?」
「寝てただけだろ。しかも、言ってることがわけわかんねーしよ」

 構っていても仕方がないので布団から起き上がる。
 確かに腹は減ったな。何か食べるか。

「一日断食したことは褒めてやろう。だが、それくらいじゃ俺はびくともしないぞ」
「びくともするほうがどうかしてるだろ」

 上着を羽織って、部屋を出る。

 今日ももう終わりだしなぁ、これから何しようか。
592211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:17 ID:F5QYCsjM
(09/11)

 大して腹は減ってなかったけど、お袋がまた心配するもんだから、
 メシをたらふく食って好調ぶりをアピールしてから部屋に戻ってきた。

 一日寝てばっかりだったけど、案外食えるもんだな。

 それで、今は布団の上で漫画を読みながらごろごろしていた。
 テストは終わってしまったので、勉強する気にはならない。
 どうせ、補習だのなんだので飽きるくらいやることになるだろうし。

 かといって、他にすることも特になかったりする。
 俺ってもともと無趣味だし。

 そんなかんじで、だらだらと漫画を読んでいる。
 もう何度も読んでいるのだが、暇つぶしにはちょうどいい。
 明日は古本屋で立ち読みでもしてこよいかな。

 チャララ、チャララ、チャラ、チャチャチャチャチャン

 あんま眠くならねぇなぁ、あ〜、もう3時だなぁ、ってところで、携帯が鳴る。
 これは、ミナからメールが入った音だ。
 随分遅くまで起きてるんだな。合宿中だから、なのかな?
 ついでにごめんのメールも入れとこうかな。

 そう思って携帯を開く。

 …メールが2通入っている。
593211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:19 ID:F5QYCsjM
(10/11)

 一通目はユナからだった。寝てる間にメールが来たのか。
 時間は…、朝4時? こちらは早起きなんだか夜更かしなんだか微妙だぞ。
 大変だなぁ、と思いつつ内容を見る。

  ------------------------
  キヨくんへ
  
  部活動が忙しくなることに
  なりました。
  少なくとも、新人戦までは
  私も忙しくなるそうです。
  その間はお弁当を作れなく
  なると思います。
  すみません。
  ------------------------

 こんなメールを朝4時に出すくらいだし、よっぽど忙しいんだね。
 まあ、一日中寝まくってた俺がヒマ人すぎるだけか。

  ------------------------
  ユナへ
  ごくろうさま。
  弁当は気にしなくていいよ
  合宿頑張ってね
  ------------------------

 これでいいかな。送信っと。
594211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:23 ID:F5QYCsjM
(11/11)

 次に、ミナのメールを見る。

  ------------------------
  キヨごめんね
  よく話したんだけど
  たぶんお弁当作れないよ
  すこし忙しくなるみたい
  けど、新人戦終われば
  てきとうに時間作るから
  ------------------------

 えー、ミナもなのか。やっぱりマネージャーってどこでも忙しいんだね。

  ------------------------
  ミナへ
  金曜はマジごめんね
  埋め合わせはするからさ
  弁当は少し寂しいけど
  また今度御飯ご馳走してね
  合宿頑張ってね
  ------------------------

 これを送って、っと。
 しっかし、来週からは弁当なしかぁ。三人で学食でもいくのかなぁ。
 しばらく手料理が食べれないのは結構きついぞ。

 はあっ。なんだかがっかりしすぎて疲れたな。根性で寝るか…。
595211 ◆Me/S1xrvzc :04/09/04 03:26 ID:F5QYCsjM
 今回はここまで。

 次回は『乖離』です。

 では、また。
596名無しさん@初回限定:04/09/04 03:51 ID:ioi2Y6TZ
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
こんな時間に投下されてるとは思わんかった
211たんGJ!
597名無しさん@初回限定:04/09/04 12:19 ID:v/OYVYv5
211さん毎週乙かれー!
週1で投下してくれるだけでも嬉しいですよ。焦らず頑張ってくださいー。
598173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 02:46 ID:Vqznv5CC
211さん乙です!
そこはかとなく不穏な空気が流れ気味なのがグッドですね。
サブタイがじわじわと真綿のように締め付けてくる……


こちらも書きためがある程度できましたのでうp再開させていただきます。
今回は(22/22)でつ。
599173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 02:47 ID:Vqznv5CC
(1/22)

鳩時計の音が告げる午前3時。
眠るでもなく。
何をするでもなく。
俺は一人居間でぼーっとまどろんでいた。

「……今日は特に遅いな」

ごろりと寝転がり、一人ごちてみる。
しかし帰ってくる言葉は当然ながらあるはずも無く……




母さんの帰りが遅いことは別に今に始まった訳ではない。
俺が小学生の時にもこんなことは何回もあった。

臨時の仕事が飛び込んできた時、
同僚との飲み会なんかがあった時、
……父さんと、デートしていた時……
600173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 02:47 ID:Vqznv5CC
(2/22)

そんな日は母さんは決まって、

『遅くなってごめんねジュンヤ……いい子でお留守番してた?』

そう言って、はにかみながらお土産を渡してくる。
それはいつもは買わない高級なお菓子だったり、俺が欲しがってた玩具だったり色々だ。

『何だよ。そんなモノで誤魔化そうったってそうはいかないからな』
『え〜ん、許してよジュンヤ〜』

ぶつくさ文句はいってたものの、当時の俺はそのお土産が楽しみだった。
そして母さんのバツの悪そうに謝る顔も、嫌いではなかった。



でも最近の母さんは、帰りが遅い日は決まって午前様だ。
そしてもう一つ。
あの頃と違うのは……
601173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 02:50 ID:brSpsRnZ
(3/22)

「たっだい、マーーーーーーーーー!!」

いきなり轟く、深夜にはあまりにも相応しくない嬌声。

「ばうばうばうっ!」

お隣のペス(ゴールデンレトリバー:♂:2歳)がソレの声に反応して吼え始めた。

「フギィーーーーーーーーーーーーーー!!」

お向かいのみかん(アビシニアン:♂:3歳)も負け時とソレに向かって威嚇開始。


「…………はぁ」

最早溜息しか出ないのだが、放っておく訳にもいくまい。
俺は重い腰を持ち上げ、喧騒の元凶がいる場所へと向かった。
602173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 02:51 ID:brSpsRnZ
(4/22)

辿りつけば……やはりというか何というか。

「はっはっは!
 そんな攻撃なんざ、通じたり通じなかったりするのだ〜!」
「ミギィーーーー!!」
「わんわんわんっ!!」

門の前。
お隣のぺスが鎖限界まで首を伸ばして吼えまくり、
お向かいのみかんが全身を総毛立たせながらソレと距離をとっていた。

そしてその中央に仁王立ちする影は……

「か、母さん!」
「あ、ジュンヤ〜やっほーい〜〜♪」

人間違いであったらよかったのだが、その姿はうちの母さんそのものだった……

「やめろよ!近所迷惑だろっ!」
「やーん、隣近所で五人組だからいいのぉー!」

意味不明な言動を振りまきながらくねくねと妙な動きをする母さん。
ヤバい……完璧にキまっちまってる。

「と、とにかくドア閉めて!」

俺は次々と電気が灯っていく隣近所から逃れるように玄関を閉め、
泥酔しまくってる母さんを居間に引っ張り込んだ。
603173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 02:53 ID:brSpsRnZ
(5/22)

「にゃー……冷たくて気持ちいー……」
「ふぅ……」

居間に倒れ伏した母さんは、畳のひんやり感にご満悦の様子。
傍らで溜息をつく俺のことなどまるで眼中にないらしい。

そうなのだ。
最近の母さんはおかしい。
以前はこんなに深酒することなんてなかったのに。


じっと母さんを見つめてみる。
朝にはそんな素振り、少しも見せはしないのだが……


(……やっぱり、辛いのかな)

父さんが亡くなったのが半年前。
母さんが結婚退職した会計事務所に再び働きに出だしたのが半年前。
そして、こんな風に酔いつぶれて帰ってくるようになったのも半年前だ。

全ては、まだ子供な俺を、女手一つで養うため……
604173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 02:55 ID:rXKtVE64
(6/22)

感情が昂ぶり、胸を締めつてくる。
それは感謝でもあり、謝罪でもあり、諸々色々。
想いがぐるぐると俺の頭の中をめぐっていく。


俺を虐待の地獄から救い出してくれた母さん。
この世に幸せがあるということを教えてくれた母さん。
その為に全てを投げ打ってくれている母さん。

俺は、そんな母さんに対して、何が出来るのだろうか?


「ふふ、うふふふー」

みっともなく、あられもない姿だ。
でも非難する気なんて毛頭無い。

「ほら、風邪ひくぞ」

そう呟き、俺は床でごろごろする母さんにそっと毛布を被せた。
605173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 02:55 ID:rXKtVE64
(7/22)

「……ケーキは明日の朝飯代わりにするか」

そんなことを考えながら居間を立ち去ろうとした時。
不意にそれが目に入った。

「……ん?」

母さんの傍らに、ぽつんと置かれているの四越デパートの紙袋。

「これ……まさか」

最近はとんとご無沙汰だったそれが、そこにはあった。
四越が閉まる前に仕事場を抜け出して買ってきたのだろうか。

飲まなきゃやってられない位に疲れているのばずなのに。
飲まなきゃやってられない位にストレスが溜まってるはずなのに。

それなのに。
この女性(ひと)は……


自然に……本当に自然に、涙が溢れてきた。
606173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 02:56 ID:rXKtVE64
(8/22)

「有難く……いただきます。母さん」

熟睡中の母さんに頭を下げ、俺はお土産の袋の封を開いた。
中身なんか何でも構わない。
その気持ちが、その思いが、心に染み入るのが嬉しいんだから。

がささ……

はて。
中には……色とりどりの布切れが。
ハンカチ……?
ま、プレゼントでは無難な線の代名詞とも言えなくもないが……

「取りあえず、一つ貰うか」

中から好みの淡いピンク色のものを取り出してみる。
男らしくないかも知れないが、好きな色なんだから仕方が無い。

ずるる……

はて。
何かヘンなハンカチだな。
何かこう、ヒモが、硬いといか。

「って、え!?」

見紛うはずもない。
肩紐があり、二つの器が並んでその形を強調させるそれは……ブラジャーだった。
607173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:00 ID:rXKtVE64
(9/22)

慌てて袋の中身をぶちまけてみる。
そこからこぼれ落ちてきたのは、やはり色とりどりの下着の群れだった。

「こ、これは一体何なんだよ、母さん……!」

母さんの方に向き直ってみるも、当の本人は心地よさそうに夢の中だ。
明日も仕事があるのだから、無理矢理起こすわけにもいかない。

「き、、着替え、かな?」

いかん。
俺、かなり動揺してる。
見れば、どの下着もシワが付いていた。

と、と、と言う事は、つまりは……使用済み!?

握り締めたブラジャーをじっと見つめてみる。
こ、ここに。
この、カップの中に。
母さんのバストが、納まって……いた?
608173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:03 ID:PPxQhSEx
(10/22)

いけないとはわかってはいる、のだが。
今この瞬間に。
性欲……もとい好奇心の塊の若い男子が。
果たしてその衝動を抑え切れるだろうか?

『否!断じて否!!』

その問いに、俺の心の右脇腹(?)に現れた筋骨隆々の悪魔が力強く応えた。
そ、そうなのか?

『男子山門に入るならば、その煩悩、抑えねばならーぬ』

それと同時に悪魔の隣に山伏の格好をした何かが現れた。
そ、そうなのか?


『嗅げ!嗅げ!』
『ならーぬ、なーらーぬー』

悪魔と山伏がずい、と俺の前に出てきた。
一体……誰の手を取ればいいんだ?
609173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:05 ID:PPxQhSEx
(11/22)

「ちょっとだけ、ちょっとだけなら」

逡巡は一瞬だった。
悪魔の手のほうが早く伸びてきたから、俺も手を取ったのだ。
だから仕方ないのだ。
これでいいのだ。


鼻先には、母さんが着ていた(であろう)淡いピンクのブラジャー。
人様には絶対にお見せできない姿。
でも誰も見ていないんだから、構わない。

そう己に暗示をかけ、俺は止めていた息を開放し、そして吸い込んだ。

「……!」

まず鼻腔に飛び込んできたのは、いつもの母さんの匂い。
髪から、うなじから、周りの空気が帯びる、その甘かな香り。

それを特濃に凝縮したかのような、典雅な香り……!

思わず俺は同じ色合いのショーツを探しにかかった。
一度行為を認めてしまえば、それは止まらない。
下着の山から程無くそれを見つけ、俺は戸惑うことなくそれに顔を埋めた。

それからもやはり同じ芳香が立ち上っていく。
しかし、そこからの香りには更に続きがあった。
610173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:06 ID:PPxQhSEx
(12/22)

ツンと、一瞬の刺激。

だが、その後はひたすらに速やかに流れ込んでくる。
今まで嗅いだことのない、形容し難い匂いだ。

鼻がずっと記録してしまいそうな、その匂い。
異臭と紙一重でそれは艶冶に薫り、身体の中の本能を喚起させてくる。
嗅ぐ行為に溺れ、自ら堕して落ちていく感覚に酔う。
こんな……こんな匂いを、母さんが持っていたなんて……

電撃のような感覚が下腹部に集まってくる。
俺の股間のモノが血を帯び、形を変えていくのがズボン越しにもわかる。

もし、コレをココに押し付けたら……?


俺は衝動を抑えることが出来ず、ズボンとブリーフを一気に脱ぎ捨てた。
611173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:07 ID:PPxQhSEx
(13/22)

(うわ……ギンギンになってやがる)

一瞬素に戻りそうになる位の勃ちっぷりだったが、妄想による欲望の方が強かった。
俺は天を仰いだソレに、母さんのショーツを巻きつけた。

「く、あ!!」

まるで……母さんが優しく俺の逸物を弄っているかのような錯覚がした。
動かすまでもない。
それだけで、その想像だけで十分気持ちいい。
そして俺は妄想の中に沈んでいった……





目の前に下着姿の母さんがいる。
そして向かい合うは、全裸の俺。
俺は何故か居間の柱に縛り付けられていた。

『うふふ…』

母さんはそんな俺の姿を慈妖艶な表情で見つめていた。
612173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:09 ID:PPxQhSEx
(14/22)

『あれ〜ジュンヤ、どうしたのソレ』

くすくすと笑う母さんの目線の先、そこには……いきり立った俺の逸物がある。
少し皮を被っている様がとてつもなく恥ずかしい。

『あ、み、見ないで!』
『見ないでっていわれても、目の前にあるんだもん』

身をよじって股間を母さんの視線から逸らそうとする俺。
しかし母さんはその度に座る位置を変え、俺の股間を覗きこんでくる。
うう、あんまりだ。

『大きくなっても上まで皮がついてきてるね。
 人前に出すときはちゃんと剥いて格好つけておかないと駄目よ』

半人前の俺の逸物を凝視しながら、母さんは言葉で舐ってくる。
例えようも無い屈辱。
なのにも関わらず、俺の股間は何故か母さんの言葉責めに敏感に反応していた。
613173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:10 ID:PPxQhSEx
(15/22)

『あ〜あ、がっかり。お父さんのは凄く立派だったのに、息子のジュンヤのがこんななんてねぇ』
『な!!!』

比べられた。
父さんのモノと。
な、何か、無性に腹が立ってきたぞ!

『お、俺は父さんなんかには負けてない!!』
『ホントかな〜』
『だ、だったら母さん、比べてみろよ!』

ああ、何てことを言っているのだ俺は。
言葉に孕ませた真意を分からないはずはない。
だって母さんは……成熟した大人の女性だ。
子供っぽいところはあるけれど、その身体には、きっと快楽の刻印が刻まれているはず。
そして、それを刻んだのが……

ちくりと、胸が痛み出す。
でもそれでも。
この勝負、是が非でも負ける訳にはいかない!
614173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:11 ID:PPxQhSEx
(16/22)

『でも、駄〜目』
『え?』

母さんはちょこんと俺のおでこをつつきながらそう呟いた。

『何で母さんがジュンヤとえっちしなくちゃいけないの?』
『だ、だってホラ勝負だろ?
 だったら使ってみなくちゃ判定できないし』

あれ?
妄想が勝手に一人歩きしだしたぞ?
俺の予定では、これから母さんと、その、セ、セックスを……

『母さんの身体は、お父さんだけのモノ。
 ジュンヤには触れさせるわけにはいかない』

そう言って、母さんは俺から少し距離を取った。
そ、そんな!これじゃ生殺しだって!

『……でも可哀想だから、これあげる』

そう言って母さんは立ち上がってショーツをするりと脱いだ。
股間の秘部には……何故かモザイクがかかっていた。
615173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:14 ID:T/vCbU7s
(17/22)

『直接触るなんて嫌だから、これでこうやって……』

ほんの少し近づけば事足りるのに。
その場から腕をいっぱいまでに伸ばし、まるで汚物にでも触れるかのような手付きで。
母さんは俺の逸物に脱ぎたてのショーツを被せてきた。
それでけの刺激で、

『はうっ!』

思わず腰が抜けそうになった。
こんなあんまりな扱いなのに、俺は興奮してるのか?

『じゃ母さんこれから仕事だから、後は自分で何とかしてね』
『そ、そんな!』

居間の柱に全裸で縛り付けられ、完全勃起でショーツ被せ。
そんな俺を放置ですか?

俺の気持ちを知らずか無視してなのか。
母さんはいそいそと仕事用のスーツに着替え出した。
どうやら本気で俺を放ったらかしにするつもりらしい。
616173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:15 ID:T/vCbU7s
(18/22)

『か、母さん!』

呼べども母さんは一向に反応しない。
それどころか軽く化粧まで始める始末。
くそっ!
三面鏡には俺の姿が映っているはずなのに……!
どうして無視するんだよっ!



やがて身支度を終えた母さんは、いよいよ居間を出て行こうとし出す。
そんな仕打ちに、俺は情けない事に半泣き状態になっていた。
股間のモノも、心なしか萎え始めてきた気もする。

『じゃ母さん仕事に行ってくるから』
『…………』
『ジュンヤ。いってらっしゃい、は?』

この期に及んで送り出せ、というのか。
しかし逆らうことのできない俺は項垂れながらも、

『……いってらっしゃい』

その言葉を口にしていた。
617173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:16 ID:T/vCbU7s
(19/22)

『はい、行ってきます』

にこりと満足そうに微笑んで、母さんは玄関に向かってしまった。
ああ、酷すぎる。
こんなのって、ないよ……

『あ、そうそう』

玄関から響く母さんの声。
今やっと思い出したかのような感じで、母さんは……







『ジュンヤ……ちゃんと射精しときなさいよ?』




618173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:16 ID:T/vCbU7s
(20/22)

投げ捨てるようなぞんざいな言い方だった。
でも、それでも。
許可……射精許可だ!!
ぐん、と俺の逸物が張りを取り戻していく。
亀頭に、サオに、袋に、ショーツが絡み付いてくる。
母さんは、俺を見捨てていない!


――ちゃんと射精しときなさいよ?――

たった一言を何度も反芻する。
それだけで俺はどんどん昂ぶる事が、できる!


――ちゃんと射精しときなさいよ?――

『は、あ、はい、はいっ母さんッ!』


安堵。そして悦び。
それらに後押しされ、俺は逸物に一度も触れることなく射精に至った……
619173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:18 ID:Vif2olR+
(21/22)

ふと、気が付いた。
さっきまでは妄想しか映っていなかった眼に、周囲の景色が戻ってくる。
見渡すと、そこは見慣れた部屋。
そしてこれまた見慣れた目覚まし時計は午前6時30分を指していた。

「はて」

頭の中に靄がかかっている。
とりあえず現状把握を試みてみよう。

………
……



「嘘」

て言うか何で。

「どうして俺、布団で寝ているんだ……?」

全く持って記憶に無いのだが、俺は自室の布団の中にいた。
確か、居間で母さんを介抱していたはずなのに。
いったいいつ自室へ戻ったんだ?
620173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:19 ID:Vif2olR+
(22/22)

……って。

「ああああああああああああああああああっ!!」

と叫びそうになったのを、咄嗟に枕を抱きしめる事によって何とか阻止した。
どっと流れ出る嫌な汗。
思い出した。
昨日のこと。昨日したこと。
まさか、俺、あのまま力尽きた……?
そして、ここまで俺を運んできたのは……?

「マジかあああああああああああああああっ!!」

と叫びそうになったのを、咄嗟にシャツの端を噛む事によって何とか阻止した。
思わず股間を確認してみる。
ふれた逸物には……射精の痕跡は残ってはおらず、さらさら状態だった。


もしか、して…………………………………………………………後始末された?

「あおおおおおおおおおおおおおおおおんっ!!」


今度は間に合わなかった。
俺は朝っぱらにも関わらず、力の限り思い切り叫んでいた。
お隣のペス(ゴールデンレ(略))とお向かいのみかん(アビシニア(略))が、
俺の絶叫に反応して、取っ組み合いの喧嘩を始めた……
621173 ◆dR7WV1bjfM :04/09/05 03:22 ID:Vif2olR+
今宵はここまで終了。
次回からは早い更新でまわせそうです。

先日、やっと最終寝取りキャラを確定させることが出来ました(遅
寝取りキャラを確定させたら、案外筆が進むもんですなー
622名無しさん@初回限定:04/09/05 15:24 ID:Akqj5Qlt
173氏乙彼〜
オワタかと思ってたが生きてたんやね
「オナヌーばれ」は母ネタではかかせないんだろうけど、
あの後主人公は生きていけるんだろうか?

>>先日、やっと最終寝取りキャラを確定させることが出来ました(遅

本当に遅いっつーの……
プロット固めは先にやっといたほうがいいんでは?
623名無しさん@初回限定:04/09/05 20:12 ID:T4aP8rOS
624名無しさん@初回限定:04/09/05 21:13 ID:FdcorLaa
>>622
このスレ名物の職人潰し発動ですか?
625名無しさん@初回限定:04/09/06 01:11 ID:Zwf0uBvW
622は口は悪いが正論じゃないか?
プロット固めは先にやっといたほうがいいって、絶対。
626名無しさん@初回限定:04/09/06 09:34 ID:9/TQ0leu
オタワ
627名無しさん@初回限定:04/09/06 09:45 ID:gUdYul4y
>>173
キャラが一人歩きし出してから筆がノってくる書き手もいるんだし、
別に気にせんでもいいんじゃね?
サキたん作者もラストをぎりぎりまで決めあぐねてたしな
628名無しさん@初回限定:04/09/07 08:19 ID:slPQl2oe
正論吐きゃいいってもんじゃねーすよ。
ここにいるって事は大人だろうに、リアルでも常に本音トークなんか?
629名無しさん@初回限定:04/09/07 13:11 ID:Q3L4P+fp
まぁまぁ、オマイラ落ち着け。
ここに心が落ち着く音楽おいておくからこれでも聞いて仲良く汁。

ttp://www.sonimage.ne.jp/karlmayerep.mp3
630名無しさん@初回限定:04/09/07 20:59 ID:y/SNqvFt
>>629
壊れたかと思った
まるで落ち着けねえわぼけ、氏ね
631名無しさん@初回限定:04/09/07 22:12 ID:ZZgcCYnp
ここちよい響きだ
トゥルルルルルルル
632名無しさん@初回限定:04/09/07 23:35 ID:dZkaybuC
>>629
ヘッドホンで長時間、大音量で聴いたら確かに人格はかいされそうだば。
633名無しさん@初回限定:04/09/07 23:46 ID:r2w/QTBJ
>>629サンノ オンガクヲ キイテ ココロガ トテモ オチツキマシタ
ボクノ トナリニイル アンドロメダカラキタ ムッキークンモ ヨロコンデマス
634名無しさん@初回限定:04/09/08 11:43 ID:Wu1qS1RP
ドアの隙間を覗きながらや、ビデオ鑑賞しながら聴きたい音楽やね
635作者その1:04/09/11 01:30:59 ID:UusgaawH
みんな怪音楽で死んでしまったのか?
636名無しさん@初回限定:04/09/11 02:28:46 ID:Ef3HOwVq
カタカナみっつでオワタ
637名無しさん@初回限定:04/09/11 03:13:55 ID:fid9STZ/
みんないることはいるんだけど、話すネタが難しいからねぇ。
作品に触れだすと行き過ぎることもあって慎重になってるし。
作品が投下されれば、反応も出てくると思われ。
638名無しさん@初回限定:04/09/11 11:24:14 ID:1TF2eiO5
それじゃあ、過去にも話しつくされたことだが、
寝取られ話のポイントのまとめでもするかい?

1.男と女は性格や能力的に落ち度がないほうがいい。
理由:「そりゃあ寝取られて当然だろ」と思うと、寝取られ感が弱くなる恐れがあるから。

2.間男は、男より何らかの形で勝っているほうがいい。(財力、テクなど)
理由:その方が寝取られ感が強くなるから。だが逆に劣っていた方が強いということもある。

3.薬や超能力や催眠などの強制力はキッカケだけ。
理由:心まで寝取ることに意義がある。

覚えてるのはこれくらいかな。
他なんかあったっけ?
639名無しさん@初回限定:04/09/11 21:02:54 ID:4JU83qbJ
何それ。
そんなの出したらまた荒れるぞ
640作者その1:04/09/12 01:07:52 ID:QEl0I2t5
一、CGを使いません
二、死んでもワイヤーを使いません 絶対に!
三、主役は俺だ!スタントマンを使いません
四、早回しを使いません
五、最強の格闘技ムエタイで闘います
641名無しさん@初回限定:04/09/12 01:49:02 ID:U97PxlR9
一、回想寝取られを使いません(生で覗き見させられます)
二、死んでも媚薬を使いません、絶対に!(彼女自身が進んで言い訳聞かない状況で寝取られます)
三、主役は俺だ、スタント寝取られ(友達の彼女が別の奴に寝取られる等)を使いません。
四、朝チュン(ベッドシーン→暗転→朝ベッドの彼女と寝取り男)を使いません。
五、最強の格闘技、空手で闘って勝ったんですが、敗北感がとまりません。

まっパ!!!!!!!!(ヒロくんの場合)
(音楽室でも部室でも香織も景子もまっぱだかではなかったっけ?)


642名無しさん@初回限定:04/09/12 01:59:09 ID:SdzuNsmE
立技で勝っても寝技で負けちゃ駄目やね。
643名無しさん@初回限定:04/09/13 12:20:59 ID:Ad06qqtA
大喜利スレはここでつか?
644名無しさん@初回限定:04/09/14 20:27:30 ID:mG1rORUT
>>643
多分ここ
645名無しさん@初回限定:04/09/16 07:52:47 ID:8Z2RJgPA
ファルコムスレに神が〜。
646名無しさん@初回限定:04/09/16 08:23:25 ID:aLZTwSb9
>645
寝取られというより、寝取りやね。神は神だが。
647名無しさん@初回限定:04/09/16 19:16:22 ID:tSwj5rAY
URLきぼんぬ
648名無しさん@初回限定:04/09/16 22:58:19 ID:tWMMpE+8
【イース】ファルコムでエロ小説PartII【英伝】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1092527856/
『オリビエのエステル寝取っちゃえ大作戦3』
649名無しさん@初回限定:04/09/18 12:58:25 ID:HZeGSXlV
オワタ
650名無しさん@初回限定:04/09/18 19:32:28 ID:FZPvqFZD
ヒロくん。。。
651名無しさん@初回限定:04/09/20 20:45:36 ID:65LGZEiz
ttp://v.isp.2ch.net/up/ddc26a7928d6.bmp

完全に失速してるんで、SS来るまでの臨時燃料投下。
652名無しさん@初回限定:04/09/20 21:32:23 ID:feGHMK3c
ミレネエヨ・・・
653名無しさん@初回限定:04/09/20 21:55:57 ID:fv3AjxfO
主人公はパパorのび太のどっちやろ?
妻寝取られか母寝取られか・・・

654名無しさん@初回限定:04/09/21 02:25:14 ID:a8ufM7Cx
これで抜くか
655名無しさん@初回限定:04/09/21 06:11:01 ID:r4qoyqn3
>>651
アナルだからセーフ
656名無しさん@初回限定:04/09/21 12:28:42 ID:lMnpKvhN
むしろアナルだからアウト
657名無しさん@初回限定:04/09/21 20:59:18 ID:p8eJudEI
アナルで開発、のび太の前で自ら前を差し出すママ。
658名無しさん@初回限定:04/09/22 00:21:57 ID:tfK9QR29
603氏マダーモーマーチークータービーレーター
659名無しさん@初回限定:04/09/23 01:01:41 ID:t84RSqHV
603氏チチーチークービーターレーター
660名無しさん@初回限定:04/09/23 01:19:15 ID:waueSzjw
タレタ
661第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/23 23:44:11 ID:2vizLq2y
俺の乳首は垂れてない!

というわけで、長らくお待たせしました。
近日中にupいたします。


とはいえ、最後の辺りのクサい言い回しを何とかせにゃ。
662名無しさん@初回限定:04/09/25 20:37:20 ID:nOj9idsK
あねいもやってみたよ。
ごく普通の恋愛もので少し退屈だったけど、
姉エンド直前で悪い男たちに絡まれ→主人公と供に倉庫に連れこまれる。
縛り上げられた主人公を庇う為、姉は悪い男たちの言う通り
ストリップを始めだす・・・。

ここに来て眠たかったのが一気に目が覚めた。
期待してなかったんで脳内祭になったよw
このまま主人公の前で20人の男相手によがりまくるのかと期待して
こっちはスタンバイしてたのに、結局、主人公自力で縄解きやがった。
しかも助っ人まで入ってきやがりますし・・・。

無念ナリorz
663名無しさん@初回限定:04/09/26 20:09:15 ID:NHY/KLvY
603氏マーダー依頼
664第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 22:56:04 ID:SlTzKQ+1
長々おまたせしました。ひっそりと うp
1/13
教室は、ピンと張り詰めたような緊張感と静寂に包まれていた。
唯一聞こえるのは、カリカリと机に置かれた紙の上を走る鉛筆の音のみ。
無駄口を叩く者など一人もいない。
学年最後のテストだ。みんな、必死に目の前の問題と格闘している。
俺だって同じだ。目の前に書かれた設問を読み取り、余計な事など何も考えずに 答えを導き出すのに専念す
る。ひたすら、ただひたすら機械的に読み取り、演算、回答を繰り返して行く。

余計なことを考えない……というと 聞こえは良いが、何のことは無い。そうでもしていないと心が押しつぶ
されてしまいそうだった。
あの日、先輩との殴り合いの喧嘩の後、家に帰った俺は 香織から電話で呼び出された。
その時の事が、俺の頭の中でずっと居座って離れようとしない。
ちょっとでも気を抜くと、それは俺の心に際限なく重りを投げ込み、押しつぶそうとした。

香織は、本当に先輩とのエッチの最中に俺の名前を呼んだそうだ。

俺と別れた後、先輩との仲もギクシャクしたらしい。
その事と、先輩が怪我をして態度がピリピリした事とが相まって 先輩を受け入れられなくなり、それでも無理して
した時に、言ってしまった との事だ。
曰く、俺とやっているんだ と言い聞かせながら、先輩とやっていたらしい。

10月、俺が無理やり言い出した別れ話が、香織をここまで追い詰めていたなんて 思いもよらなかった。
俺と一緒にベッドの中にいる事を思い浮かべながら他の男に抱かれていた あいつの心の中は、どんなだった
のだろう。
なぜ、気付いてやれなかったのだろう。
あの時、俺の胴に廻された腕が解けようとした時、しっかり掴んで抱きしめてやれば……あの日、あいつから
『予行演習しよう』と言われたて せまられた時、そのまま受け入れていれば、事態は変わっていたのだろう
か……。少なくとも、あいつを此処まで苦しめる事にはならなかった。……そして、あいつも あんな事言わ
なかった筈だ……。

665第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 22:56:45 ID:SlTzKQ+1
2/13
結局、香織は先輩のもとに戻る事を選んだ。
『到底信じられない事を言ったのに、それでも『信じる』と、『やり直したい』と、言ってくれた。そんな先輩
が今、怪我で 長年の夢だったプロサッカー選手への道を閉ざされようとして 傷ついているのを、放ってお
く事なんてできない』そうだ。

確かに傷ついていただろう。けれど、その傷を癒すため 景子とよりを戻そうとし、関係を結んだ。そんな姑
息な浮気者なんだぜ、先輩は。

けれども、その事を、あの日音楽室の中で起こったであろう事を、香織に言う事ができなかった。

『先輩を支えたい』と語った香織の目は堅い決意に満ちていた。
今更こんな事を言ったところで、こいつの決意は変わらない。ただ苦しめるだけでしかない。言うだけ無駄だ。



違う。そんな格好良い理由じゃない。

怖かった。
言ったところで、あいつの気持ちが俺に向くはずはないのは、解っていた。
でも、言えば嫌でもそれを見せ付けられる、それが、耐えられなかった。
何の事はない。一番可愛いのは自分だって事だ。

違う!俺は香織の事が好きだった。香織の幸せを願っていた。
もう、かつての様な仲に戻れないのは解っている。
だから香織が選ぶ相手が俺以外であっても、それがこいつにとって幸せなら俺にとっても幸福な事の筈……
だから、あいつの気持ちが俺以外に向いていたとしても、それであいつが幸せならば自分も満足な筈だった。

けれど、駄目だった。あいつの相手が中川先輩だという事に、我慢ができなかった。
何故、あんな最低野郎を……結局 自分のプライドがこれ以上傷つくのを恐れただけに過ぎなかった。
666第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 22:57:29 ID:SlTzKQ+1
3/13
結局、こんな事を頭の中で行ったり来たり、どうにもならない事で鬱々としていた。

最低なのは、先輩じゃない。俺だ。

こんなに情けない自分に吐き気がする。
いつの間に俺はこんなに臆病になったのだろう。いつの間に、こんな駄目人間思考回路になってしまったのだろう。

景子からは、相変わらず何の連絡も無い。というか、彼女は学校にさえ来ていない。

景子……今の俺にとって大切なのは、香織じゃなくて景子だ。
景子に会いたい。そして、何も無かった様に、あの時の様い にっこりと微笑んで抱きしめて欲しい。
俺には君しかいないのだから。
667第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 22:58:08 ID:SlTzKQ+1
4/13
願いが通じたのだろうか、期末試験も終わり 3学期も残す処あと数日という日、彼女は学校にやってきた。

その日は、いつもの様に機械的に体を起こし、食事を胃の中に流し込み、服を着替えて、手足を学校に向けて
動かしていた。
今の俺にとって、此処に来る意味はまったく無い。ただこの学校に籍があるから、生徒である以上 授業のあ
る日は登校しなければいけないから、来ていたに過ぎない。部屋に引き篭もって登校拒否をする度胸が無かっ
ただけだ。
昇降口を入り、上履きに履き替え、校舎内の廊下に一歩足を踏み出す。

――今日も無意味な一日が始まる――

溜息をついて教室に向かおうとするところで、彼女と出くわした。

彼女は、クラスメイトたち5、6人に取り囲まれ にこやかに談笑しながら自分たちの教室の方へと歩いてい
るところだった。
胸に溜まっていた錘のような物が、スッと消えていく。

良かった、また会えた。これでまた彼女と一緒にいられる。そう思いながら彼女の方へ1、2歩足を向けるの
とあわせる様に彼女の顔がこちらへ向き、視線が合わさった。


と同時に、足が止まった。



何故? 嬉しいのに、一目散に駆け寄って抱きしめたいのに、まるで彼女の視線に足が石化したかの様に、動
かなかった。

俺の見つめる先の彼女の目は、何か異様な光景に出くわしたかの様に凍り付いていた。
668第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 22:59:11 ID:SlTzKQ+1
5/13
時間は2〜3秒か、その時間が酷く長く感じられた。
周りの人間が奇異の目でこちらをじろじろと眺めながら過ぎ去って行く。
何と言うか、自分と彼女の周りだけが時を止め、それ以外は淡々と正常に時が流れて行く、そんな奇妙な感覚だった。
程なく、呪縛は解かれ、全ては正常な時の流れに戻り、動き始める、と同時に彼女は何も見ていないかのよう
に視線を回りのクラスメイトへ戻し、教室へと歩き出した。
彼女と視線が合わさったのは間違いない。俺だというのも解っているはず。
なのに、何故あんな顔をしたんだ?何故、目をそらした?

何故……この場からそそくさと離れようとした?

暫くの間、その場から足が動かなかった。

669第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 23:01:38 ID:SlTzKQ+1
6/13
放課後は、いつもの様に音楽室でピアノに向かっていた。
そう、いつもの様に。あの日の事など無かったかの様に、ピアノの上に楽譜を広げ、曲を演奏していた。

―――いつもの通り、ピアノを弾いていれば、いつもの通りに彼女はやってくる―――

何の根拠も無い。それどころか、今朝の事を考えると、こんな所でのんびりピアノを弾いている暇なんか無い
のは、誰が考えても解る事。

解っていながらその場を動かず、鍵盤に向かって黙々と指を動かしつづけた。
そうする事しか、彼女に会う術はないと心に念じつづけ、ひたすらピアノを弾き続けた。

何曲目だろうか、そろそろ帰ろうかと思っていた時に、誰かが入り口辺りに立っているのを感じた。

彼女だ。見なくても解る。
と言うか、1学期の半ば過ぎから、此処に来るのは彼女しかいない。この時期になって彼女以外にこんな所に
くる人はいないのだから。

でも、彼女だったら、いつもの場所に座る筈。けれど、その人影は入り口から一歩も中に入ろうとしない。

――やっぱり、彼女じゃないのか?それじゃ、誰?それともやっぱり彼女なのか?それなら何故入って来ない?――
そんな堂堂巡の思いをしている内に、弾いていた曲が終了する……と、後ろの影が動く気配を感じた。

――待ってくれ!このまま、帰るのか?……駄目だ。声を聞かせてくれ。俺の思いを受け取ってくれ。
神様……ほんの少しでいい。彼女と話し合う時間を下さい。――

……でも、彼女の気持ちはもう……

縋る気持ちで恐る恐る振り返った先には、彼女―――遠野景子が蒼ざめた顔で立っていた。
670第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 23:03:33 ID:SlTzKQ+1
7/13
何故?どうして……やはりもう駄目なのか?俺との事は、もう終わりなのか?

会いに来てくれた事の嬉しさより、これから起こる良くない事を想像して、顔が引きつる。……駄目だ、それ
じゃ!愛する人との再会に相応しいのは、とびっきりの笑顔だ!!!

ともすれば不安な顔つきになるのを気力で押さえつけ、無理やり笑顔を作って、彼女に言葉を向けた。

「学校から急にいなくなって、電話も通じないし、心配したよ。……もう、会えなくなるんじゃないかと思った」

「ごめんなさい」
返ってきたのは、再会を喜ぶ科白ではなく、謝罪の言葉。
何故?君は何を謝っているんだ?
急にいなくなった事?何の連絡もよこさなかった事?……それとも……

「どうしたの?何日も学校に来なくなって。何か事故にでもあったの?

「あのね……父が転勤で、それで私も、転校……する事になったの」

それは、知っていた。
昼、クラスメイトから聞いた。
まあ、君の口からでなく、他の人から聞かされたのはショックだったけれど。
けれど、俺たちにとって、こんな事は何の障害にもならない筈だ。

「……知ってる……でも、何か急……だよね」

「うん……最初は、父だけが単身赴任で行く予定だったの。でも、健康診断で血圧が高いのと不整脈がでて、
とても一人で行かせるわけにはいかなくて、母もついて行くことにしたの」

671第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 23:06:08 ID:SlTzKQ+1
8/13
「そうしたら、今度は父が『大切な娘を一人残してはいけない。転勤は拒否する』ってごねだして、それで家
族全員で引っ越す事に決まったの」

「そう、お父さんの健康に不安があるんじゃあ、家族がついてあげないとね。寂しくなるけど、しょうがないな」

「それでね、やっぱりあなたには『さよなら』を言わなきゃいけないと思って……」

首から上を流れていた血の気が、音を立てて引いていく。
同時に、舌の付け根の辺りがぐんと腫れ上がって喉を塞いで行く。
喉の奥で栓をされたような感じで、息苦しくて、気持ちが悪い。

「今……何て……言ったの?」

「………………だから…………『さよなら』って……もう、会えないと思うから……」

「そんな……『さよなら』なんて『もう、会えない』なんて……悲しいこと言わないで」
駄目だ。さよならなんて、絶対に駄目だ。そんな事、させるもんか!駄目だ駄目だ駄目だ。絶対に、駄目だ!

「住む所が変わるだけだろ?だったら、そんな会えないなんて事ないよ。……そうだ、5月の連休にも君に会
いに行く……」

「無理よ。そんな簡単に会える場所じゃないもの」
俺の思いを彼女は解らないのか、それとも解っていて無視しているのか……あっさりと拒否の言葉が返ってくる。

「一体……何処?」

「……外国……ドイツ……」
672名無しさん@初回限定:04/09/26 23:06:49 ID:EDJFkzuj
4enn
673第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 23:09:01 ID:SlTzKQ+1
9/13
外国……かよ……でも、でも!あの世じゃないんだ。地球の何処かにいるんだ!会いたいと思う限り、絶対に
あえない事はない筈だ。

「本当はね。このまま此処に寄らずに帰ろうと思ってた。あなたのことは忘れようと、だから今日はあなたの
顔を見ないようにしようって思ってた……でも、駄目だった。今朝 あなたの顔を見ちゃったから。……そし
たら、どうしても会わずにはいられなくて、会ってちゃんとお別れを言わなけりゃいけない気がして……気が
付いたら、此処に立ってた」

そんな、『このまま帰ろうと思っていた』なんて……何で、そんな……。

「だからって……だからって、『さよなら』しなくてもいいだろ!確かに、あえなくなるのは辛いよ。でも、電
話だって、手紙だって何だってあるじゃないか」
「ほら、最近の携帯はみんなカメラついてるから、時々写真を撮って送り合えば、お互い顔を見る事だってで
きるし……そうだよ。だから『さよなら』なんかしなくてもいいんだよ。ね?引越し先の住所と電話番号解る?
そっちについたら、すぐメール送るよ……あ、そうだ忘れてた。ねえ出発の日は何日?きっとその日は見送りに…

「ダメ!」

初めて俺に向かって浴びせられた彼女の激しい叫び。
こんな声は、あの時の先輩への言葉の他、聞いていない。
俺は、あの時の声を拠りどころに、待っていた。けれど、今の叫びの重さは、それと同じ。心臓に深く突き刺
さり、彼女への思いの分だけの重りを乗せて闇の其処へと引きずり込んで行く。
この重さと、君が元彼に放った一言、一体どっちが重いんだろう?

674名無しさん@初回限定:04/09/26 23:10:20 ID:EDJFkzuj
4円2
675第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 23:10:48 ID:SlTzKQ+1
10/13
「私は、あなたの彼女でいる資格なんてない……あなたを愛する資格なんて……ないの」

「何を……言ってる……んだよ?」

「本当はね、あなたと付き合い出したのも、彼を忘れるためだった。勿論、あなたが彼の女の元彼だって事も
最初からわかってたわ」

やめろ。

「お互いに好きな人を取られたもの同士、傷を舐めあうのには丁度よい相手でしょ?それに、彼へのあてつけ
には最高の相手じゃない?」
彼女の声は震えていた。

やめてくれ。
君の言葉が、信じられない。
それなら何故、声が震える?何故、声が所々で裏返る?

「だから、あなたの事、好きだから 付き合い始めたわけじゃないの。
それでも、その内、彼を忘れて……あなたを好きになってくるのかな って思ってた」

やめてくれよ……たのむ。

「でも……彼の事、忘れられなかった……結局、忘れる事はできなかった。解ってるでしょ?写真を棄てなかったのはそういう事なの」
彼女の目から涙が一つ、又一つこぼれていく。

どっちが本当なんだ。君の言葉と、君の涙と。
たのむ、嘘だと言ってくれ。言葉は、嘘だと、涙が真実だと……俺の事、まだ好きだと……言ってくれ。

676名無しさん@初回限定:04/09/26 23:12:01 ID:EDJFkzuj
4円3
677第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 23:12:32 ID:SlTzKQ+1
11/13
「解った?私はこういう女なの。自分だけで傷付いているのが嫌で あなたを巻き込んだ。卑怯な女。
だから、私の事なんか忘れて、他の人を見つけて。あなたならきっと直に見つかる筈だから……」



言い終わると、彼女は俺に背を向け、一目散に階段を駆け下りていった。



違う。

絶対に違う筈。

こんな事で諦めるわけには行かない。

今なら、間に合う。

追わなきゃ。追って言わなきゃ。今 それでも君が好きだと。
追って確かめなきゃ。今言ったことは本当なのかと……君の心の中に自分の姿は一寸でもあるのかと。
そして、それが少しでもあるのなら、強く抱きしめて言わなきゃ『君の心が自分で満たされるように、がんば
る』と。






足は動かなかった。

678名無しさん@初回限定:04/09/26 23:14:05 ID:EDJFkzuj
4円4
679第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 23:14:47 ID:SlTzKQ+1
12/13
朝と同じく、いやそれ以上の絶望感が俺をこの場所に縫い付けて離さなかった。
彼女を諦めきれない気持ちと同時に、これ以上彼女から残酷な言葉を浴びせられたくない気持ちで一杯だった。

―――お前はたった今、振られたんだ。彼女の言葉、聞いただろう?彼女の心に、お前の姿なんぞあるはず無
いよ。それなのに追いかけて如何する?改めて振られる気か?自分から傷口に塩を塗りこむお前はマゾか?―――

もうこれ以上、傷つくのは嫌だ。

『ヘタレ、臆病者!』
どういわれても構わない。確かに俺はこれ以上自分が傷付かない道を選んだのだから。

――傷付く事を恐れていては、人を愛する事などできない。人間、傷付かずに人生をまっとうできる事などあ
りはしない。
たった一言に傷付いて相手を見放していたら、人生の伴侶を得る事など、ありえない。――

ならば、俺に人を愛する資格は無い。彼女を追うのを諦めた時点で、その資格を失ったんだ。



その瞬間、今まで早鐘の様な音をたてて脈打っていた心臓が、急速に静まっていく。
首から上に血が行き渡り、喉のつかえが、吐き気が、どんどん消えて行く。

――こんな人間は、一生恋愛なぞしないほうが良い。――
俺には、人を愛する資格はない。

この日を境に、俺は、人を……異性を愛する事を止めた。

680名無しさん@初回限定:04/09/26 23:15:50 ID:EDJFkzuj
4円5・・・・
役にたってるのかな・・・??
681第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 23:16:10 ID:SlTzKQ+1
13/13
5月、すっきりと晴れ上がった空は、日差しも強く、夏がすぐ其処に来ている事を実感させた。
今年一番の暑さとなった太陽の下、じんわり汗をかきながら、坂道を登っていく。
行く先には、公園が…海を、港を一望に見渡す公園がある。

そこでは、いつもの様に、カップルが、家族連れが、幸せを満喫するかのような笑顔を浮かべているだろう。

俺もそうだった。
かつて俺は、3年前、そして昨年、この場所を愛する人と訪れた。
そして、今、この地を訪れる傍らには、誰もいない。



俺には、その資格が無いのだから。

一人身の俺が、此処に来るのは、戒めのため。
幸せ一杯の笑顔をこの目に焼き付け、自分にはこの笑顔は相応しくないと言い聞かせるため。
人を愛する資格の無い者が人を愛して、不幸な相手を作らないため。。

俺にも、人を愛する時が、人を愛する資格を得る時が、来るのかは、解らない。
けれど、その時が来るまで、俺は此処に来続けるだろう。戒めが綻びないように、不幸な人間を作らないように。
682名無しさん@初回限定:04/09/26 23:17:06 ID:EDJFkzuj
終わった・・・  4円  603氏乙
683名無しさん@初回限定:04/09/26 23:20:09 ID:EDJFkzuj
これで終わりっすか?
684名無しさん@初回限定:04/09/26 23:20:48 ID:FB9rOkXp
603氏乙
しかし・・・なんか無理やり終わらせた感がある
685第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/09/26 23:22:41 ID:SlTzKQ+1
と言う事で、本編はこれにて終了です。





1年以上の長きにわたって、我が駄文を掲載させて頂いた
事、まことに有難うございました。











P.S
こんなエンディングで、主人公救われなさ過ぎで可哀相なんで、
ヒロ救済のエピローグを書くかも知れませんが。
686名無しさん@初回限定:04/09/26 23:25:26 ID:EDJFkzuj
603氏、途中で止める奴が多いい中で、最後まで書いてくれてサンクス。
個人的には景子妊娠エンドなんかあっても良かったのでは・・・
とにかく乙、次回作も期待してます。
687名無しさん@初回限定:04/09/27 01:22:38 ID:5/uG6vIM
長編の完結乙です。



……香織天誅エピと、景子とヒロくん救済エピが欲しいよう。
688名無しさん@初回限定:04/09/27 01:46:42 ID:uloqTcis
軽く目が潤んじゃったよ・・・・ヒロくんカワイソ杉ですよ・・・
オチが人間不信って・・・ねぇ・・・。景子も香織もやりたい放題で終わるのはちょっと・・・
689名無しさん@初回限定:04/09/27 02:44:22 ID:AdTNCBvy
603氏 長い間の連載、乙でした。
以外にも異性を愛さなくなってしまったというENDでしたか・・・

俺も>>688氏と同じ気持ちですね。
何かヒロくん1人が負け組のような気がしてならない。
もし、救済エピがあるとしたら、もっと前向きになったヒロくんが見てみたいです。
できれば景子も・・・

もし書かれるのなら後日のエピローグ、そして次回作も期待しています。
690名無しさん@初回限定:04/09/27 05:47:08 ID:rzN41mSM
>>685
まじでお願いします(><)
691名無しさん@初回限定:04/09/27 07:24:47 ID:hNYIuH+m
寝取られにカタルシスを求めんなよ…
地面這いずり回りながら、っ画うlkがjがllklじゃsdjklklがdって血反吐吐くのもいいもんだぞ。
692名無しさん@初回限定:04/09/27 07:26:11 ID:hNYIuH+m
大体ハッピーエンドだの救済エンドだのエロゲーのやりすぎだろ。
まぁ漏れもエロゲヲタだが。
693名無しさん@初回限定:04/09/27 07:30:56 ID:fX5kLF2g
無ければいけないと言ってる訳でもないし、
単に希望しているだけなんだから目くじら立てる事でもないと思う。
694名無しさん@初回限定:04/09/27 10:05:53 ID:QVX2xieJ
異性を愛さなくなったヒロくんがなぜか先輩とホモになってしまって
景子と香織が歯軋りするENDだったら漏れ的にはOK。
695名無しさん@初回限定:04/09/27 15:43:42 ID:bJegaPXW
引っ越す理由が妊娠→出産のためだと思ってしまいました
696名無しさん@初回限定:04/09/27 16:17:46 ID:Zj6zxDAm
>>695
(・∀・)ソレダ!
697名無しさん@初回限定:04/09/27 16:31:55 ID:/d2xrigQ
そしてオワタ
698名無しさん@初回限定:04/09/27 19:05:42 ID:SPeHcNDw
久々に603氏の続編キターとか思ってたらオワテタ
鬱を味わうのが寝取られの醍醐味なのだがそのままで終わっちゃったよ
603氏、ヒロ君を助けてあげて。香織はヌッ殺(略
699名無しさん@初回限定:04/09/27 19:39:38 ID:2fDHKG3Z
なんというか、鬱は鬱なりに、
その後の香織日記なり景子独白なり、
お互いの気持ちのきちんとした落着点は見たい。
ちょと今回は駆け足過ぎて打ち切(ry の香りがせんでもない。

でもとりあえず大作完結乙です。603様。
できたらでいいですから香織「自業自得」エピローグと
ヒロ君人間不信解消エンドをどうか……。
700名無しさん@初回限定:04/09/27 19:54:25 ID:hzL2x9SF
その後の香織と転落人生だよ中川クンが見てみたい。
701名無しさん@初回限定:04/09/27 20:23:31 ID:XobgsY9w
603氏オツカレ。
しかし前述されてる通り中途半端というか無理矢理打ち切ったような感じがするなあ。
景子はもちろん香織もこんな展開をするようなタイプとは思えなかったし。
それとも別視点から見た大きなイベントが補完されるのかな?
702名無しさん@初回限定:04/09/27 20:58:55 ID:oTZP+pv7
つうかヒロ君の姉さんえらそうな事言っておいて出番あれだけかい。
703名無しさん@初回限定:04/09/27 23:45:10 ID:Y6N3r6MI
鬱大好きの自分には最高のエンドでした。
ヒロ君の若さゆえの感情がなんとも。
704名無しさん@初回限定:04/09/28 06:03:40 ID:/Z+Twib6
オタワ
705名無しさん@初回限定:04/09/28 19:24:56 ID:uUEqA7aC
景子が引っ越す前に先輩と寝た事を香織に告げる。

結局、先輩とはギクシャクして別れる。

再びヒロくんに会いに行くもそこにはもう以前のヒロくんはいなかった。

・・・なんてエピローグをキボン。
706名無しさん@初回限定:04/09/28 20:05:21 ID:kCUyiY06
景子はやっぱり妊娠か?
引っ越す理由が本当なら先輩にやられた意味もなんとなく薄くなっちゃうし
でもそしたら時期的にはどっちの子供なんだ?
つか結局先輩がなにを考えていたのかさっぱりわからんな
707名無しさん@初回限定:04/09/29 00:16:27 ID:p5RsDqPr
終わらせ方が、ちょっと雑でちょっと残念・・・
みなさん、そう思いませんか??
708名無しさん@初回限定:04/09/29 01:40:23 ID:yWYIPruM
603氏長い間ありがとうございました〜。
やっぱ直接的なエロ描写は苦手でしたか?
意図的に出し惜しみしてるのかな?とも思ってたんですが。


同情で続いた関係は・・・って感じで先輩の屈辱に満ちた後半生をきぼん(嘘
709名無しさん@初回限定:04/09/29 02:01:15 ID:zTFiDvqF
>>707
この板の名物の例のヤツですね。
でも今更叩いても遅いのでは?
710名無しさん@初回限定:04/09/29 03:39:29 ID:ZNngkZOH
面白かった・・・ネットでは望むべくもないくらい、ハイレベルな作品だたと思うが。
2chのぞく理由の半分くらいが603氏の作だったし。
711名無しさん@初回限定:04/09/29 10:07:01 ID:L3AXp6xB
香織のトンでも行動が面白かった。
712名無しさん@初回限定:04/09/29 16:55:08 ID:ryDYUi6g
香織日記マーダー?
713名無しさん@初回限定:04/09/29 18:30:23 ID:Vk3YkS7H
香織murder
714名無しさん@初回限定:04/09/30 06:38:25 ID:tOE/AmGO
レッドラム
715名無しさん@初回限定:04/09/30 12:22:22 ID:GXK6IL4Q
冬の間営業しないホテルの管理人になった家族の奥さんが悪霊に寝取られる話キボン
716名無しさん@初回限定:04/09/30 20:10:10 ID:bQX0QDM4
>>715
シャイニング?
717名無しさん@初回限定:04/09/30 20:49:44 ID:BolUISfM
いまちょっと小話書いてるんだが、
実際に書いてみるといろいろ制限があってむずいなあ。
寝取られってことは主人公とヒロインは恋人か夫婦かそれに等しい関係なわけで、
それを最初に表現するか。
あと、ヒロインと間男をどう和姦にもっていくか。
そもそもこの二つは矛盾してるんだよなあ。
理由と原因と動機付けが本当にむずい。
あぁ〜、考え出すとキリないな。
718名無しさん@初回限定:04/09/30 22:14:02 ID:EfoR6cQc
>>717
別に矛盾なんてしてないじゃん
寝取られなんて要は浮気の別視点でしょ
ロンドンブーツ系の番組見てるとよくあることだよね

>>707
思ってても言っちゃダメ。神様に失礼
続編の可能性が減っちゃうじゃないかバカちん
719名無しさん@初回限定:04/09/30 23:06:30 ID:06YBkEpc
>718
いやいやいやいや、
実際書いてみるとある矛盾に行き着くんだ。
つまり主人公とヒロインの仲が良ければ良いほど、
寝取られ感は強くなるが、間男との和姦表現が難しくなる。
かといってキッカケに強制力(薬や催眠など)を介入させると、
容易に寝取りは成立するが、寝取られ感が弱くなる。言い訳が立つわけだからな。
このバランスがすっごい難しいんだ。
単に、理想を求めすぎて気にし過ぎかもしれんがな。
720名無しさん@初回限定:04/09/30 23:23:07 ID:L0A3TdzU
元彼とか、あこがれの人だったとか。
やってないけどやったと思いこんじゃってそのままズルズルとか。
721名無しさん@初回限定:04/09/30 23:32:25 ID:JaIlH5aS
>>719
確かにむつかしいですよね。でも、そこが一番おもしろい所でも
あり、腕のみせどころでもあると思います。
ぜひ妥協しないで描いて欲しい。楽しみにしてますので。
722名無しさん@初回限定:04/10/01 08:50:01 ID:xiljzdSb
そこが、間男の寝取りテクニックの見せどころですよ
薬とか酒を使うわけでもなく、主人公と喧嘩したとかヒロインがやけっぱちになるような状況でも無く、
間男の舌先三寸でまるめこまれてやられちゃうとグッドです
723名無しさん@初回限定:04/10/01 13:41:33 ID:5jpE7TvY
ここは好みが分かれるところなんだろうけど、
舌先三寸でまるめこまれちゃうと、ヒロインが馬鹿っぽくなっちゃうのが微妙。
個人的には、だから和姦系はあんまりつぼにはまるのがないんだけど、
でもだからこそ、そこを上手く書いてあるともえるかも。
724名無しさん@初回限定:04/10/01 14:13:46 ID:NxZMskNj
主人公とヒロインの絆が強いと寝取られ感は高まるけど、
よ〜く考えると絆が強いってことは和姦寝取られそのものが発生し得ないんだよね。
浮気や不倫はなぜ発生するのかといえば(原因はいろいろあるだろうが)、
大半は相手に不満はあったり、間男のほうに魅力があったりするからだろ。
つまりそういう寝取られが起こり得る隙を作ることはしょうがないんじゃないかな。
妥協というか、前提だな。
ふたりエッチのあの夫婦にだって、絆が深いという描写がしっかりしつつ
夫のテク下手という付け入る隙はあるわけだし。
725名無しさん@初回限定:04/10/01 18:56:17 ID:Kl8ZM1Ya
ウェブの鬼椿とか、ブルー氏のSSとか参考にしたら
どうだろうか。
少しのすれ違い。寝取り相手の甘やかな偽り。
ヒロインが「流されても仕方がない」と言い訳をつくってしまう
状況をつくるのも寝取られものをかく、前半の醍醐味ではなかろうか。
726名無しさん@初回限定:04/10/02 02:57:31 ID:nabhfksX
保存サイトいつのまにやらなくなってるのね・・・・
4夜と5夜のログ、誰かください。
727名無しさん@初回限定:04/10/02 03:03:53 ID:Hy3V+yYD

にくちゃんねるには5夜しかなかった
http://makimo.to/2ch/bbspink-pie_erog/1074/1074867581.html
728名無しさん@初回限定:04/10/02 03:35:34 ID:nabhfksX
729名無しさん@初回限定:04/10/02 23:17:48 ID:mhHL04xc
そういえば211氏ってどうなったんだ?
もうこのスレ見てないのかな
730名無しさん@初回限定:04/10/03 03:48:58 ID:LhFNdaWK
続きを補完するとかは駄目なのかな?
消滅に近いSSがいくつもあることだし
731名無しさん@初回限定:04/10/03 16:12:34 ID:v/ex6m0R
>730
勝手にやるのは流石にまずかろう
732名無しさん@初回限定:04/10/03 23:33:09 ID:IF0q0KCL
>>717-725
絆が強いカップル
・・・とか思ってるのは実は主人公だけで、信用しているはずの彼女が他の男と、
ってのもツボよ?
シチュエーションだけならいくらでも浮かぶってヤシは多いはず
そういや以前シチュだけまとめてそれでSS書いてくれって言うバカがいた
733名無しさん@初回限定:04/10/04 04:09:51 ID:cyf9cSHi
やっぱ心の安らぎを求める男(主人公)と、
体の安らぎを求める男(間男)は別に考えるって構図でいいのかな。
それが和姦寝取られに至る典型的な形の一つとして。
734名無しさん@初回限定:04/10/04 08:28:50 ID:7PBe0M6i
個人的には、芸能界入りした幼なじみが、共演者に傾いていくのがいいな。
ロケ中は主人公ですら入り込めない空間ができるしね。
その空間が大きくなるに従って・・・みたいな感じ。
735アホアホマン:04/10/05 14:00:58 ID:Gq5BpQNq
くだらないこと考えた、ちょと聞いてくれ

寝取られ1元論(学説)
肉体=精神に基づいて
肉体へ与える快楽のみで堕ちてしまい
性奴隷に変貌するという考え方
ただし単純すぎてつまらないという批判がある

寝取られ2元論(判例、通説)
肉体と精神は別物だという考え方
恋人のことが好きなのは変わらないけど
恋人以外との性交渉(もちろん陵辱)に対しても感じてしまう場合

なお、異常な性交渉(SM、輪姦、獣姦等)により人格を破壊されてから
肉体に快楽を与えられて奴隷化する場合も
寝取られ2元論に該当する
736名無しさん@初回限定:04/10/05 17:41:38 ID:v1ZggWY6
>>734
美味しんぼにそんな話あったね
あの漫画も寝取られの宝庫だったな
737名無しさん@初回限定:04/10/05 23:26:06 ID:xtEIJnDd
>>734
漏れ的には

幼なじみを共演者に寝取られる。

主人公、人生に絶望し、人間不信に。

人を疑う職業という事で警察官になる。

勤務中にシャブ中の精神異常者に刺され殉職
738名無しさん@初回限定:04/10/06 12:20:48 ID:LS9PQWD6
>>737
寝取られ後の方が凝ってるような気がしますが
739名無しさん@初回限定:04/10/08 02:32:59 ID:2mfWVVfy
幼なじみを共演者に寝取られる。

主人公、ストーカーになる。

共演者のストーカーと知り合い、傷を舐めあう。

共演者とストーカーがよりを戻す。

主人公、ストーカーのストーカーになる。

幼馴染、共演者のストーカーになる。

わけわからなくなる。
740名無しさん@初回限定:04/10/09 00:14:40 ID:cj+3TXP2
>>739
わかりにくいが二回寝取られてるんだな
741名無しさん@初回限定:04/10/09 00:54:50 ID:CmOLfjHX
寝どられの面白いところは
寝どってる人は寝どられてる人の気持ちは少しも知らないということ。
742名無しさん@初回限定:04/10/09 02:43:06 ID:hXQC/J24
わざとやってる、とかがイイなぁ
743名無しさん@初回限定:04/10/09 11:13:56 ID:ErYtGmYD
>739
そのネタいいかもしれないなあ。
一粒で二度おいしい。
要は、幼馴染が共演者に寝取られた後、
主人公は似たような境遇のストーカーの娘と仲良くなって
それがまた同じ共演者に寝取られるって展開だろ。
このネタ使ってもいいかな?
744名無しさん@初回限定:04/10/09 14:27:24 ID:piZ0EKOH
>>743
どうぞ。でも構成が複雑だから、長編になりそうだね。
745名無しさん@初回限定:04/10/09 14:31:24 ID:piZ0EKOH
最後に幼馴染とよりを戻した挙句に、また事務所関係者に寝取られる、
という徹底した弱者っぷりもいいかもしれない。締めは太宰治の
「人間失格」ふうにするとかさ。
746名無しさん@初回限定:04/10/09 15:13:36 ID:ErYtGmYD
完成━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

したわ良いが、なんか読み返すと気に入らないなあ。
寝取られシーン以外は長ったらしく書きたくなかったから
できるだけ略、略、略って感じにしたのがいけないのかもしれないなあ。
http://ranobe.com/up/updata/up8344.txt
まあ、頭のネジを2,3本ゆるめて見てくださいな。

引き続き、739のネタを書いてみる。
747名無しさん@初回限定:04/10/09 16:44:05 ID:n+z1dE+R
>>746 乙〜。 秀樹ざまぁねぇなって感じがするw
748名無しさん@初回限定:04/10/09 17:59:39 ID:MEU1Slsa
さらっと書き上げてくれるなあ……俺こういうの好きだよ。
省略した分は密度の濃さがカバーしてくれてると思う。
理解と行動が早い寝取られ男はいいねー
749名無しさん@初回限定:04/10/09 18:00:20 ID:MEU1Slsa
×寝取られ男
○寝取り男

なぜ間違える、俺よ。
750名無しさん@初回限定:04/10/09 19:10:32 ID:bqR8Y0bD
直リンしてあったせいか、消えてるね……
751名無しさん@初回限定:04/10/10 00:58:25 ID:QEpahY9i
よくよく考えると>>739って幼馴染(香織)とストーカー(景子)みたいなもんじゃん
752名無しさん@初回限定:04/10/10 01:15:24 ID:iO+7Ujcd
>>746
再うpキボン!!
753名無しさん@初回限定:04/10/10 01:30:10 ID:y/Yz0zpr
俺漏れも
754名無しさん@初回限定:04/10/10 10:07:58 ID:adB8uP9P
ttp://ranobe.com/
のup8433
755名無しさん@初回限定:04/10/10 19:53:33 ID:wntQBWjh
知り合いから美味しんぼ借りてマラソンで読んでたんだけど
確かに似たようなネタがあったね。
結果的に幼馴染同士が結ばれたわけだが、
ありゃどう考えてもあの金持ちにヤられてるわな。
756名無しさん@初回限定:04/10/11 23:13:09 ID:6xbmDyug
労作乙。
でもあんまりマイナスイメージなことは言いたくないんだけど、これは
「寝取られ」というより「浮気体験談」のような気がする。

不安や焦燥感や疑心暗鬼といった要素があればすごくいいのだが。
757746:04/10/11 23:44:32 ID:pZieSmOb
いや、すごく参考になった。
思わず「なるほど」と思ったわ。
なにか気に入らない、足りないと思ったら、寝取られる男の心情か。
確かにこれでは「浮気体験談」という印象のほうが強いかもしれん。
普通に勉強になった。
758名無しさん@初回限定:04/10/14 19:11:18 ID:XGVp6ha4
オワタノカ?
759名無しさん@初回限定:04/10/15 18:35:54 ID:wCoeQ5BT
603氏エピソードマダー?(AA略
760名無しさん@初回限定:04/10/15 18:42:58 ID:/oKGRvE4
保存サイト消えたー?
761名無しさん@初回限定:04/10/15 18:49:54 ID:5/7iwVE+
オワタ
762名無しさん@初回限定:04/10/15 20:04:01 ID:4Xa/xKT4
え・・・?オワタ?(w
763第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/15 23:48:47 ID:gr4RJ7Ct
オワタ   の保守代わりに 没シナリオをうpします。サッカー部の部室で先輩を殴った後の事の情景です。
没にしたやつなんで、テキストの矛盾等は勘弁してください。・・・・・・・・・では、次の行から。
1/15
ヴゥーーーーー、ヴゥーーーーーー、
壊れたモーターか、電動シェーバーが机にあたっているかのような振動音が耳に飛び込んでくる。
その音のする方に、嫌々顔を向ける。と、そこではバイブレーションで携帯が着信を告げていた。

はっきり言って、鬱陶しい。とても取る気になれない。
おいあんた、俺の状況を解ってるのか?

誰とも解らない受話器の向こう側の人間に向かって寒い突っ込みを入れて見る。
同時に空しさが体中に広がって行く。やめやめ。こんな時は全てを無視して不貞寝するに限る。

今日のあの光景が、目に焼き付いて離れようとしない。
自分としては、既に終わったと思っていた香織との事。それなのに、あの場面を思い浮かべるたびに、胸に鈍
い痛みが走る。
今更、何故こんな気持ちになるのか。
未だ、自分の意識の下で引きずっていたのか。

ヴゥーーーーー、ヴゥーーーーーー、
携帯の着信は、暫く鳴りつづけては消え、又直に机を鳴らす、さっきからずっとこの繰り返しで、一向に止む
気配が無い。ひたすら机の一角を震わしつづけていた。

それにしても、しつこい。もう、かれこれ一時間近く続いている。
いい加減にしてくれ。こっちは出る気ないんだから、諦めてくれよ。

――なら、電源切れば良いじゃないか?何故、付けておく?――
それは……もし、景子からかかってきた時に電源入っていなかったら、……それが理由で決定的になったら、一生後悔するから……。

――矛盾した事をいうな……それなら、何故目の前の電話を取らない? 今鳴っているのは、景子からかもし
れないんだぜ?――
764第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/15 23:51:16 ID:gr4RJ7Ct
2/15
解っている。……でも、これは、違う……と思う。

――はっ!何を言い出すかと思えば……単に自分が傷つく結果になるのを見たくないだけじゃないか。臆病者!――

違う!そんな事……一度は振られた事もあるんだ。俺はそんな事に怯えているわけじゃない。
俺は……臆病者じゃ…ない。

――だったら、取れるだろ?この電話。これ、きっとお前が取るまで鳴りつづけるぜ。――

わかったよ。取るさ。取れば良いんだろ?!

自分の中の自分をなじる声に反発しながら、体を動かす。全く、何でこんなに自分に罵倒されなけりゃならな
いんだ?

バッテリーチャージャーから携帯を引き抜き、二折になった携帯を開く……目の前の画面に表示されている電
話番号は、香織のものだった。

景子じゃ、無かった。

「ふっ」落胆とも、安堵ともつかない溜息をついた後、電源を切る……事はできなかった。

香織……一体何の用がある?何故、一時間も、出ない電話に向かってダイヤルし続ける?
携帯を握り締める俺の手に、振動が伝わる。こいつは、一体、俺に何を伝えたいのだろう。こんなに必死になって。
切ることはできない。多分、香織の事を疎かにできない様な体の造りになってしまっているのだろう。
765第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/15 23:52:00 ID:gr4RJ7Ct
3/15
「もしもし」

「……やっと……出てくれた。……ひろクン、私」
耳に飛び込んできたのは、思いつめたような 悲壮感漂う香織の声。聞いた途端に、胸の痛みが一段、強まった。

「どうした?」

「うん……話したいことがあるの。出てこれる?」
話したい事?やっぱり、今日のことだろうか? 

部室での光景が嫌でも浮かんでくる。と同時に動悸が激しくなり、胸が苦しくなる。
一体、香織は俺に何を話すつもりなんだろうか?
今更 会って話をする必要はない筈……正直言って、聞きたくない。

「電話じゃ……駄目か?」

「う……ん、こういう話は、ちゃんと顔を合わせて話したいから」
「お願い。どうしても、話したい事なの」

「ああ、解った」

「じゃ、5分後に いつもの場所で」

いつもの場所、それは 小中高と通学の際に落ち合う場所。何処かに行く時の二人の待ち合わせ場所だ。
はたして その場所に着いて2分程で香織はやってきた。何だかんだ言っても、二人だけの 殆ど言葉を交わさな
いでも通じる事があることを、改めて思い出させられる。
別れたといっても、こういう事まで直ぐに消せるものではないんだ。

766第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/15 23:53:11 ID:gr4RJ7Ct
4/15
「少し、歩こ」
香織の言葉に促され、住宅地へと続く坂道を歩いていく。

「こうして、並んで歩く事……なくなっちゃったね」

「ああ」
曖昧な返事をしながら横目で香織の表情を覗き見る……そこには、嬉しそうで、それでいて悲しそうな、けれ
ども何とも言えず穏やかで優しい顔があった。

「此処も、変わっちゃったよね。本当、昔の面影なんか全然なくなっちゃって、……何だか寂しいよね」

「ああ……」

「此処ら辺だっけ、野良犬に出くわして追いかけられたの」

「え?もうちょっと上のあたりじゃないか?」

「そうだっけ……あ、ここ。ねぇ、覚えてる?此処に大きな木があったの」

「ああ、覚えてるよ。よく姉貴と3人で木登りして遊んだよな」

「……うん」
歩いている最中、香織はしきりと昔の事を話しては懐かしがった。まるで、今日までの事を良き思い出として
噛み締め、しっかりと頭に焼き付けるかの様だった。

坂道を登りきった所には、小さな公園があった。、
そこには、大きな桜の木が一本、この住宅地を見下ろし、見守るように 植えられている。
この木だけは変わっていない。
767第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/15 23:53:50 ID:gr4RJ7Ct
5/15
かつて、此処が住宅地になる前、小高い山の頂に生えていたこの桜の木は、この町のシンボルのような存在だった。
何でも昔、この辺り一体を飲み込む山火事があった時、この木だけが枯れずに残り、春に花を咲かせたとの事。
それ以来、この木はこの辺りの守り神となったという事だ。
そのため、住宅地ができる時も、この木だけは切られずにすんだらしい。

香織は、この木を見ると、幼子のような笑顔で駆け寄り、その木の肌にやさしく手を触れ、そっと呟いた。

「この木も……随分遊んだよね」


いつもの香織とは違う。普通なら、もっと単刀直入に話をはじめている筈だ。

こいつは、何かを躊躇っている。
その何かを口に出すと、今まで築いてきた物を全て失うことになるのだろう。
それを怖れ、切り出せないでいる。
それが何なのかは、わからない。けれど、よっぽどの事なのは間違いない。

けれど、それは、こいつが悩んだ末下した結論の筈だ。言わなければ、余計にこいつは苦しむだろう。

だから、俺はこいつの背中を押してやらなきゃいけない。
たとえ、こいつの口から出てくる言葉が、俺の心を掻き毟るようなものであったとしてもだ。
それが、嘗てこいつに惚れた、今の俺にしてやれる最大限のことだから。

胸に広がる、重苦しい気持ちを押しつぶし、俺の方から香織に切り出した。

768第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/15 23:59:08 ID:gr4RJ7Ct
6/15
「なあ、話があるんだろう?」

一瞬、香織の目が驚きの表情を見せ、直後に目は伏せられ、辛そうな顔に変わる。

「そういう顔でいる、っていう事は、大切な話なんだろ?」

「う……うん……」

「なら、尚更だ。……話してくれないか?」

「………」

「お前の表情から、何となく察しはついてるよ。それに、さっき『どうしても、あって話したい』て言われた
から、覚悟はしている。ていうか、10月のあの日の事は、俺の方から言い出したことだし……覚悟なんてお
こがましいか。……でもさ……いや、そうだからこそ、お前の口からしっかりと言って欲しいんだ。 

「ぁ……あの」

「大丈夫。どんな話でも、取り乱したりしないから」

その言葉に、背中を押されたのか、香織の顔つきが変わった。

「あ、あのね……その……ごめんなさい!!」

769第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/16 00:00:20 ID:7mcPQ+kK
7/15
え?、ごめんなさい?

「私が あんな事言わなければ、今日の事は起こらなかったんだよね。……先輩が、全部話してくれた」

「それじゃあ、先輩が言っていた事って」

「うん、本当。先輩とエッチしている最中にひろクンの名前 言っちゃったの。ごめん、本当にごめんなさい」

「……だけど、何で?」

「わからない。自分でもよくわからないの。その時は、隣にいるのがひろクンだと勘違いしちゃったとしかい
えないよ」

「……」

「ただ、……あの日、ひろクンに振られてから、先輩ともうまくいかなくなっちゃったの。何かね、先輩から
誘われてもエッチしたくなくなって、それでも断れなくて何回かエッチしたんだけど、感じなくて……、その
後直ぐ 先輩も怪我してナーバスになってたものだから、余計にギクシャクして……、そういうのが積もり積
もっちゃったのかな?……もしかしたら、先輩とするのが嫌になってたのかもね。それで、頭の中で相手をひ
ろクンに置き換えちゃったのかも。……ごめんなさい」

返す言葉はなかった。自分が原因で、二人の仲がギクシャクした事に、不謹慎だけれども 嬉しさを感じ、同
時に、その事でこいつが苦しんだ事に、こいつに対し、すまない気持ちがした。
何なんだろう、やっぱり 俺はこいつの事が好きなんだ。
こいつが他の人と付き合おうが、エッチしようが、好きなことには変わりはないんだ。

けれど、本題はこれじゃない。
こいつが話したかった事も、これで終わりのはずがない。
本題はその先、これからのこと。
770第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/16 00:01:53 ID:7mcPQ+kK
8/15
「それで、お前 どうするつもりなんだ?」
すぐには返事は来なかった。
10秒ほどたった頃だろうか、躊躇いがちな表情で、香織の口は開いた。

「……先輩がね、私の事信じるって。だから、今まで通り付き合ってほしいって」

胸に鈍い痛みが走る。
もう別れて半年は経とうとしているのに、覚悟はしていたというのに……改めて自分にとってこいつがどれほ
ど重い存在なのかを感じさせられた。

「それでね、私……先輩を支えて行こうと思う。
先輩 プロになったばかりなのに、怪我しちゃって……私の事がきっかけ、ていうこともあるけど、先輩 今
一番辛い時だと思うし、こういう時は誰かが支えてあげないといけないから……」

何で……何でだよ? お前、知ってるのか? 先輩がお前の事何言っていたのか。

「あのな、……お前が今日、部室に入ってくるちょっと前に、先輩に言われたんだよ。『あんな尻軽女、いらな
いからお前に返す』てな。……それでも、そんな奴、支えていくつもりなのかよ?」

「……うん……」
血が沸騰しそうになる。 何故? 何で先輩にやさしくできるんだ?
「な、……何で?お前、俺の言った事……」

「解ってる。先輩、その事も話してくれたから」

「先輩、私と別れて遠野さんとよりを戻すつもりだったって。それで遠野さんとしたって」
「けど その後、遠野さんと連絡取れなくて、腹が立って、でも、どうやっても連絡とれなくて、……どうし
ても腹の虫が収まらなくて、それでひろクンの事殴ってやろうと思って呼び出したんだって」

771第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/16 00:03:49 ID:7mcPQ+kK
9/15
「ごめんね、私のせいだよね。私があんな事いっちゃったから、ひろクンまでとばっちり受けちゃったんだよね」

「別に、あれくらいの事はいつも稽古でもらっているのと比べたら屁でもないさ」
「それに、お前が謝ることじゃないだろ。お前が言った事と、先輩に殴られた事に因果関係はないぞ」

「……そうなの……かな?」

「そうだよ。前にも言ったろ? わざわざ呼び出して、『香織は俺の女だから、手を出すな』て言われたって」

「もともと、いつもお前の近くにいる俺のことが目障りでしょうがなかった処に、格好の口実ができただけの
話だ。だから、気にすんなよ。……それより話 逸れてるぞ」

「あ……ごめん。それで先輩、私の顔見たら、言えなかったって。『やっぱり、お前と一緒にいたい』て」

「それって、景子と寄りを戻せないから、お前の処に戻りたいってだけじゃないのか?」

「そうかもしれない」

「それなら、何故?」

「それでもいいの。もともとは、私の言った事がきっかけだったから、それで先輩を傷つけて、信じてもらえ
なくなっちゃったんだから……でも 先輩、私の事『信じる』って言ってくれた。あんな事言われて、信じら
れるわけないのに、信じるって。だから、私も先輩のこと信じようって思う」
「私ね、此処に来るまでずっと考えてた。私……今まで色んな人傷つけてきたよね」
「中学の時もそうだった。そんなつもりもなかったのに、男の子をその気にさせて、大喧嘩させて……今度も
そう。私の不用意な言動で、先輩を傷つけて、遠野さんを傷つけて、……ひろクンを傷つけて……ごめんなさ
い。本当にごめんなさい」

772第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/16 00:04:58 ID:7mcPQ+kK
10/15
辛かった。
苦しかった。
すでに別れたはずなのに、こいつの心に 既に田川 博昭という者が恋愛の対象となっていない、ということ
を改めて見せつけられたことが、ショックだった。
そして、それなのに、泪を浮かべて『ごめんなさい』と謝ってくるその目が、より一層それの胸を掻き毟る。

香織、もう謝るな。俺は、お前にそんな顔でそう言われるのが一番辛いんだ。

「もう、いいよ。お前がそこまで思っているなら、俺は『頑張れよ』って言うしかないさ」
「ま、お前との事は、半年前に俺からさよならした訳だし、これでお互いの気持ちがかみ合ってすっきりした
んじゃないかな?」
時計を見ると、いつのまにか九時近くなっていた。夕飯前に家を出たこともあるし、これ以上遅くなるとまずい。
「さ、もう遅いから帰ろうぜ。……ん?それとも、まだ話したい事あるのか?」

返事はない。けれども、香織は動こうとする気配はみせない。何か思いつめたような表情でこっちをじっと見
つめていた。何だよ、まだ何かあるのか?

待つこと数分、焦れて帰ろうとする俺の姿をみてようやく決心したのか、香織の重い口が開いた。

「ひろクン……遠野さんの事……許してあげられない?」

「な……何だよ、いきなり。何で景子の話になるんだよ

「あのね、彼女ね、多分……きっと先輩の事、放っておけなかったと思うんだ」

「どういう……事だよ」

773第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/16 00:05:33 ID:7mcPQ+kK
11/15
「先輩と別れた、っていうけれど、彼女が先輩を嫌いになって別れたわけじゃないじゃない?……女の子にと
って、初恋の人っていうのは、特別な存在なんだよ。
そんな人が、苦しんでる処見せたら……なんとかしてあげなくちゃって思っちゃっても不思議はないんだよ。
……たとえ、今付き合ってるひとがいても」

「……」

「私が彼女の立場だったら、同じ事したと思う。だから……

「だから、何だって言うんだよ!!」
反射的に声を出していた。反論するとか、こいつの言葉にむかついたから、という意図はまったくない。

「ヒッ!」
かすかに悲鳴じみた声が聞こえる。
「どうしたの?急に」

「先輩が景子の初恋の人で、そいつが傷ついて苦しんでるから、慰めるためにエッチして、そしてお前は『自
分のせいだから』って先輩を支えていくって……じゃあ、俺はどうなるんだよ?……付き合ってる彼女が他の
男として、傷ついていないと思ってるいるのか?傷ついても彼女は許してやって、俺は我慢しなきゃいけない
のかよ?!!!」

「ごめん……なさい」

「馬鹿野郎。お前に何べんも『ごめんなさい』て口だけで言われても、辛さが増えるだけなんだよ。……お詫
びの言葉なんて要らないんだよ!!!」

「……」

774第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/16 00:06:58 ID:7mcPQ+kK
12/15
「お前、今言ったよな?『好きだった人が傷ついて、その人から求められたら『嫌』って言えない』って。じ
ゃあ、今はどうなんだよ?今俺が『傷ついた心を癒して欲しい。お前としたい』って求めたら、お前何かして
くれるのかよ!!!」

返事はない。目の前には、驚いたような、困ったような、悲しそうな、香織の目がこちらをじっと視ているだ
けだった。


「……だろ?でも、そういう訳にはいかないから、やせ我慢して、余裕ぶって相手を気遣う顔を見せてるだけ
なんだよ。だからもう、こんな話はやめてくれよ。いい加減きついから、家に帰……

「いいよ」
予想外の言葉だった。

「え?」

「だから……いいよ、しても」
「ごめん……そうだった。この事で、一番傷ついてるのはひろクンなんだよね。なのに……私、ひろクンは強
い人だから、このくらいじゃへこたれないって勝手に決めつけてた。……そうだよね。ひろクンだって誰かに
支えて欲しいときだってあるんだよね……ごめんなさい」

「だから、私でいいのなら何でもするよ。ひろクンのそんなに情けない顔見たくないもの。ひろクンが元気に
なるのなら、エッチでも何でもかまわない」

「お……おい、ちょっ

「先輩の事は気にしないで。さっき言ったことは変わらないから。先輩を支えていくことをやめるつもりはな
いから。先輩も支えていきたいし、ひろクンも慰めてあげたい。我儘・自分勝手って言われたっていい。これ
が私の本心だもの。……勿論、先輩には内緒だけれどね」
775第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/16 00:11:08 ID:7mcPQ+kK
13/15
「でもね、本当にいいの?私とエッチして、その事でひろクン 苦しまない?遠野さんとの事がおかしくならない?」

「それは……」

「大丈夫だっていうのなら、最後に一つだけ約束して。ちゃんと遠野さんと話し合って。会って自分の気持ち
をぶつけて。ね?」

「……」

「もしかしたら、辛い答えが帰ってくるかもしれないけれど、でも自分の気持ちをちゃんと伝えないと、後で
もっと辛くなるから、だから、勇気出してちゃんと話し合って」
「約束してくれるのなら、してもいいよ。……約束、する?」


香織の目は、真剣だった。
大きく見開かれた目の真中にある瞳は、じっと俺の答えを待っていた。

今は、こいつに すがりたい。
抱きしめたい。抱きしめてキスしたい。キスされたい。……一つになりたい。そして、こいつの腕の中で眠りたい。
そんな思いが俺の頭をよぎる。
別れてなお、俺のことを心配し、ほかの人と付き合っているのに 俺の心の傷を癒そうとする その姿勢を、愛しいと感じた。
できるのなら、このままな連れ去って 自分だけのものにしたい。
けれど、俺には今 景子がいる。そんな事は許される筈もない。
それに、こいつとの関係を終わらせたのは、俺からだ。いくら傷ついているとはいえ、こいつにすがる資格は、
俺にはない。それに、今こいつ慰めてもらったりすれば、こいつはきっと罪悪感に苛まれ、押し潰されてしま
うだろう。俺は、こいつのそんな苦しむ顔は見たくない。
776第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/16 00:12:40 ID:7mcPQ+kK
14/15
「ああ……そんなことは、お前に言われなくてもやるつもりだ」

「そ……そう、よかった。それじゃあ、どうしょう……」

「はぁ?何言ってるの?」

「え?何って……エッチ…」

「『エッチ』って、お前 俺がお前とそんな事するわけないじゃん。そんな事したのばれたら、本当に景子に振
られちまうだろ?」

「……」

「それにさ、お前さっき『先輩を支えていく』って言ってたろ? そういう事いった端から、こういうこと言
ったら、『さっきの決意は何なのよ』って思うだろうが。少しは考えて物言えよ」

その途端、香織から力が抜け、表情がやわらかくなったように感じた。……と、同時に香織の目から涙がポロ、
ポロとこぼれていく。

「え……な、何だよ。何で泣くんだよ? 俺、何かしたか?」

「違うの。ひろクン、変わらないなって、そう思ったら、なんだか ほっとして、急に切なくなっちゃて……
ひろクンのせい じゃないから……ヒッ……ごめんね。……何もできなくてごめんね

そう言って俺の胸に額を押し当て、香織は泣いた。

香織、ごめん、俺の方も限界だ。悪いけど 俺がしてやれるのは、今のこれが最後だ……解っていると思うけど。
777第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/10/16 00:14:13 ID:7mcPQ+kK
15/15
15分ほどして落ち着いたのか、香織はいつもの香織に戻った。

「ごめんね。ひろクンに甘えてばかりいるのに、そのくせ ひろクンの力にはなれなくて。……、」

「気にすんなよ。結構うれしかったぜ、お前が心配してくれたの」

「そう言ってくれると、嬉しい」

少し潤んだような目で香織がこちらの目を見つめる。

「だから、そういう目で見つめる相手は、俺じゃないって」

「……そうだったね、ごめん」

「……さ、もう遅いから帰るぞ」

「うん……」

帰り道、俺たちは手も繋がず、目も合わさず、一言も口も利かず、分かれ道でも挨拶も交わさず、それぞれの家に向かって歩いていった。

こうして、香織との事は、ようやく真の終わりを告げた。






ということで、今夜はおやすみなさい。
P.S
エピローグが全然進まん・・・・・・
778名無しさん@初回限定:04/10/16 00:18:19 ID:Wh+JzZJK
なぜコッチを先に出さんのよ!
779名無しさん@初回限定:04/10/16 00:20:17 ID:lUWDJN0f
キター!!
こっちを先に欲しかったー!

エピ、オワタオワタ言いながら待ってます。ずっと。
780名無しさん@初回限定:04/10/16 00:29:38 ID:b4wVj1Zp
こっちのパターンの方がいい感じよ。なんでボツにしたの?
香織の糞度も本編より0.1%くらい緩和されている!
781名無しさん@初回限定:04/10/16 02:35:19 ID:QAvsPXcH
なんか香織にごまかされてないか?
本来の問題というか重要な部分をすりかえられている気がするのだが…
香織を嫌うあたりそういうフィルターかかっちゃっているのだろうか…
782名無しさん@初回限定:04/10/16 03:15:44 ID:lUWDJN0f
ごまかされてるというか、
香織は結局「自分とその時々の興味の対象」以外の人(具体的には景子とか景子とか)
はどうでもいい、というのがはっきりしたというか。
「自分の彼が、自分の大事な友人の彼女を一時の衝動で抱いて、
 自分の大事な友人カップルを引き裂いた」
とはぜんぜん認識してないということはワカタ。

さすが香織、たまきんなんぞ目じゃないぜ!
そこに痺れる憧れるう!
783名無しさん@初回限定:04/10/16 09:23:38 ID:TyJUqC8+
>香織の糞度も本編より0.1%くらい緩和されている

俺には10%アップしたように感じられタヨ。

>「気にすんなよ。結構うれしかったぜ、お前が心配してくれたの」

ヒロクンのこのセリフにもムカついた。
お人好しもここまでくるとちょっと嫌味だな。
784名無しさん@初回限定:04/10/16 10:18:08 ID:QJRcp2bX
お人よしを通り過ぎて馬鹿の領域にきちゃってるよヒロ君・・・
香織はもう神の領域だな。邪神。
785名無しさん@初回限定:04/10/16 10:43:18 ID:b4wVj1Zp
そういうところを感じてのボツ判断だったのかな?
SS書くのは難しいね・・・。
786名無しさん@初回限定:04/10/16 13:10:22 ID:oooYy3E+
でもさあ、メスとしての本能を、言い訳やごまかしでやり過ごすと言うのも
高校生らしくていいと思うのよ。それに言いくるめられるのも高校生らしくて
イイ!と思うのは俺だけだろうか?
787名無しさん@初回限定:04/10/19 01:30:22 ID:rhpxP6aa
603を神と認定。香織とヒロクンがエチーするんじゃないかってハラハラしたよー

「ごめん……そうだった。この事で、一番傷ついてるのはひろクンなんだよね。なのに……私、ひろクンは強
い人だから、このくらいじゃへこたれないって勝手に決めつけてた。……そうだよね。ひろクンだって誰かに
支えて欲しいときだってあるんだよね……ごめんなさい」
「だから、私でいいのなら何でもするよ。ひろクンのそんなに情けない顔見たくないもの。ひろクンが元気に
なるのなら、エッチでも何でもかまわない」

ホント邪神だな。最狂だね本当。ここまでやったヒロクンに対して情けない顔なんて普通言えねぇよ。
罪作りな男前の先輩に敬礼。不幸で恵まれない主人公ヒロクンに合掌。
788名無しさん@初回限定:04/10/19 03:11:59 ID:9V0yVlMd
俺のバカな頭はもうちっとヒロ君にキレて欲しかったと言ってる・・・
香織はやっぱ糞だって再認識したよ自分は
789名無しさん@初回限定:04/10/19 08:36:26 ID:fIT2dJaz
なんつーか人間として必要な何がが完全に欠落してるよな。香織。
790名無しさん@初回限定:04/10/19 10:07:45 ID:RIzOcUXH
こんなヴ莫迦女にいつまでも思いを寄せてるヒロクンもなんだかなぁ・・・って気になってきた。
791名無しさん@初回限定:04/10/19 13:43:44 ID:9JsLbrgG
香織がバカなのは見てたらわかるが、
ヒロ君もそれに輪をかけたバカっぷり
792名無しさん@初回限定:04/10/19 22:11:16 ID:C+fnttJ4
ファルコムスレに神再降臨!
793名無しさん@初回限定:04/10/20 01:00:48 ID:CfXtigC7
ゲームやってないけどヨシュア超こえー
命がけの寝取りだなw
794名無しさん@初回限定:04/10/20 22:01:38 ID:TgII4T2X
ゲームやってないけどヨシュア超がんがれ
795名無しさん@初回限定:04/10/22 14:02:03 ID:txRzxn1F
ではこの辺りで一度オワタ、ということでよろしいですね?
796名無しさん@初回限定:04/10/22 23:18:12 ID:p48t2/nb
ハジマタ
797名無しさん@初回限定:04/10/23 01:13:40 ID:AckorylO
イケメン君なのに寝取られる話とかっておkでつか?
書いてみたいんですけど…
798名無しさん@初回限定:04/10/23 18:56:49 ID:vbxLhFLJ
書いて書いて精魂尽きるまで書け!
 最 後 ま で 書 き 切 れ !
799名無しさん@初回限定:04/10/24 18:56:41 ID:9H04co1b
上げとこうか……
800797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/24 21:04:09 ID:YAM1dquK
>>798
二行目がやけに力強いですね
了解です
何とかがんがってみまつ
うpは明日くらいに
801名無しさん@初回限定:04/10/25 13:59:12 ID:J3K8vk0I
オワレ
802名無しさん@初回限定:04/10/25 17:20:47 ID:YgQqTQiP
         /ヽ、   
         i'  ;:i\   
        _i'   ::i_,,i_   
      ,r'"  ̄ ̄    ヽ、   
     /            i   
     i             |     
    |     肉       |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   
    i ゙に)>   /(,)フ   |   <  オワッタナ・・・   
    |             |、_,,ノi  \______   
     i   "、_, )゙ 、    /  ノ   
     i  、,ニ=ニ、,     /ヽ ノ   
      ヽ `こニノ   /   
       ヽ、..___,,,,../   
803797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 01:49:01 ID:GrTo6SbW
(1/19)

今日、僕は君達にお別れを言います。
いままで長い長い時間を共有した君達に。

1/144 HGトルネードムガンダ 初回ロット版
1/144 HGドッジダン イベント限定仕様
1/72  MGグラトバム
(すべて未開封)

はんなりはなはな 初回限定版
いくとこプレゼント ネット接続版
N・D・S 初回限定版
陵辱天然温泉 初回限定 孕ませディスク付
痴漢・ザ・サード 非常の回送列車 初回限定版
そらにかえるあさごはん 初回限定版
(すべて開封済)

今日、僕は君達にお別れを言います。
いままで長い長い時間お世話になった君達に。

別れは、そう。
いつも後腐れなく。
スマートかつシンプルに。
後ろを振り返ることなく。
未練無く。
804797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 01:49:52 ID:GrTo6SbW
(2/19)

「未練ありすぎぃぃぃいいいいいいいいいっっ!!!!」

様々なゴミ(俺は否定したい)達が散らかりまくった自分の部屋。
いい臭いがしない(と家族全員に言われるが、俺はそうか?と疑問符)自分の部屋。
その真ん中に鎮座する、ダンボールに詰め込まれた我が青春を象徴するモノ達。
そんなモノ達を抱きしめ、俺は力の限り吼えた。
そしてその様を哀れむように濁った眼で見つめるのは対面に座する君。

「だってだってさぁ!
 ここにあるのは全てレ・ア・モ・ノ!!
 ほら、こんなに眩暈のする様な値段がついてるんだぞ!?」

俺の今感じる刹那さを伝えて同意を得るべく、
今しがた全エロゲをアンインスコしたばかりのPCを立ち上げてヤホーに直結。
オークションサイトに並ぶ今目の前にあるモノ達と同じ品々の、
その眩いばかりのお宝っぷりを対面の君にアピール試みる。

「ほー……」

も、その双眼は汚濁の極みを極め……
805797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 01:51:07 ID:GrTo6SbW
(3/19)

「決めたんでしょ?」
「うん」
「兄貴は決めたんでしょ?」
「うん」
「馬鹿兄貴は決めたんでしょ?」
「う、うん」
「中坊のくせにエロゲームオタクでムガンダプラモオタクな馬鹿兄貴は決めたんでしょ?」
「う……ん」

「だったら……」

そう言って対面の君は、その御足を高々と上げ……

「あ、パンツ見えた」

とのたまったのがまずかったのかもしれない。

「さっさと、捨ててきゃアがれぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

どかばきぐしゃぁぁあああああっ!!

僕もろとも、そのお宝達を永久の闇へと誘った……
素晴らしいぞ我が妹。
小学生のクセして素晴らしい破壊力、だ、ぜ …  …
806797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 01:52:47 ID:OqfiPdrl
(4/19)

ゆさゆさゆさ。

「ほら、さっさと起きなよっ」

ゆさゆさゆさ。
誰かが俺を揺さぶっている。
この随分と懐かしい夢から目覚めるようにと。
夢?
そう言えば、随分と昔だったような気がする。
……4年前位かな?
ま、そんなことはどうでもいい。
起こされているんだから、起きないと……

「ん……?」
「ん〜っ……」

ばっちりと目が合った。
と思ったが、対面の君は瞳を固く閉じていた。
何故か顔面から数センチの至近距離にいるマイ妹。
垂れた茶髪のポニーテールが鼻にこそばゆい。
ったく。
随分と懐かしいことをしてくる、なっ……
807797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 01:54:13 ID:OqfiPdrl
(6/19)

(……まぁ、元キモオタの俺にそんなことされちゃ、そりゃ怒るかな……)

くそう、昔は可愛かったのに。
いや、そうでもなかったっけ。
どっちかっつーと支配と暴力の真っ只中なコミュニケーションしかされてなかったような……
などと思い出を馳せつつ、唐突に布団を出る俺。

「くぁwせdrftgyふじこlp!!!」
「今度は何なんだよ、もぉ……」

マイ妹はさらに混乱しまくり、動きが生物埒外になってきた。
とりあえず辺りを見渡すと、そこには姿見が一枚。

「むん」

軽くポーズ、とか作ってみる。
そしたら気が付いた。

「む、俺パンツ一丁」

だがしかし、朝勃ちはしていない。
うん。問題無し。
808797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 01:55:46 ID:OqfiPdrl
(7/19)

「……問題無かろ?」

くるりと振り向き、奈緒と対峙するも。

「あ、あ、あ、ありまくりだよもぉぉぉおおおん!!」

奈留はそう叫び、今にも沸騰しそうな位な赤面を隠しながら階下へと走り去ってしまった。
うーむ。
14歳って難しい年頃だなぁ。
そんな事を考えながら、再び姿見に己の姿を晒してみる。

晒してみる。
色んな角度から。

「ちょっとは……見れるようになってきたか?」

腹筋の形が見て分かるようになってきた自分の腹。
4年前にはラード巻きつけボンレスハムだった自分の腹。
しかし今はその油分は姿をくらまし、代わりに筋肉の鎧がそこに装着されている。
809797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 01:58:18 ID:pEIsZti7
(8/19)

「そこそこ……人並みになれたのかな」

元がキモオタなだけに。
どれくらい鍛えれば適正なのかが分からない。
元がデブオタなだけに。
まだまだ切磋琢磨しなきゃいけないような気がする。
が、まぁ一朝一夕にはいくまい。

「さてと、シャワーの前に少し鍛えておくか」

そう呟き、俺は押入れから通販で買った「アブ=ゾーブクイーン」(4分間で驚きの運動効果!らしい)
を取り出した。
流石に4年間使い込んできただけあって、あちこちギシギシ五月蝿く軋む。
負荷は既に最高レベルだ。
うーん。そろそろ新しいのを買わないといけないのかもしれない。
いつもの運動メニューをこなしながら、俺はそんな事を考えていた。
810797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 01:59:22 ID:pEIsZti7
(9/19)

「おはよう。母さん」

軽くシャワーを浴びた後、俺は髪を拭きながら台所に顔を出した。
台所では、既に母さんと奈留が朝食を摂り始めていた。

「あ、お、おはよう和樹。今日も朝からトレーニング?」
「ん、まぁね」

母さんに生返事を返しつつ、俺は冷蔵庫から牛乳を取り出した。
そしてそのまま直にあおる。
くぅうっ、れが一番牛乳を美味く飲む方法だよなぁ〜
……って。

「ぽー……」
「ぽー……」

何で母さんも奈留も熱く呆けた視線で俺が牛乳飲む様を眺めやがりますか?

「ご、ごめん。行儀悪かったよな」

即座に謝って牛乳を仕舞おうとするも、

「い、いいの!いいのよぉ!!どんどん飲んでいいんだからねぇっ!!」
「そうそう!お兄ちゃんは、そうやって牛乳を飲んでるのがお似合いなんだからっ!!」

うーん。
昔は死して償えレベルの勢いで罵倒されていた事柄も、年輪を重ねるとに赦されるもんなんだろうか。
俺はそのままねっとりとした視線の監視の元、結局1リットルを飲み干した。
811797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:03:20 ID:pEIsZti7
(10/)

「……か、和ちゃ……学……行こ……」

今、聞こえた。
ともすれば微風にすらかき消されて散華してしまいそうなその弱々しい声。
家族の誰も気付いていない。
でも、俺には。
俺だけにはその声は確かに聞こえたのだ。

「か、和ちゃぁん……学校……行こぅ……」

今度は僅かに確かな声量だった。
流石に皆気付いた様子で、声のする方向を見やっている。

「お兄ちゃーん、美穂姉ぇ来たんじゃない?」

奈留はさもどうでもいいといわんばかり態度だ。
相変わらず水と油か。
ったく、しょうがねぇな……

「そんな言い方すんなよ。
 昔はよく遊んでもらってたろ?」
「だぁっって、さぁー……」

諭しても奈留は変わらずに憮然とした表情を崩さない。
4年前から奈留はあいつのことを見下したような態度を取るようになった。
原因はきっと、分かっている。
それはきっと、俺が自分自身を改造し出したことと、同じ原因だから。
だからきっと根が深い。今日のところはこれ以上は問うまい。
812797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:04:39 ID:pEIsZti7
(11/20)

「やれやれ……じゃ、俺そろそろ行くわ」

奈留の髪を軽く撫で、俺は玄関へと向かった。



「お、おはよ和ちゃん。今日も、いい天気だね」

出迎えた玄関に佇むは一人の少女。
両サイドにちっちりとおさげに結った髪。
少し俯き加減に、ちらちらと俺のことをうかがう仕草。
全く校則違反のいの字も見られないような制服の着こなし。
ちんまい背丈。

うーん。
全くもっていつもと変わらない俺の幼馴染、岬美穂その人だ。
ま、当たり前の話なんだけど。


「おはよう美穂。着替えてくるから、ちょっと待っててくれよな」
「う……う、ん……」
813797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:05:44 ID:pEIsZti7
(12/20)

そう言い残し、俺は着替えるために二階の自室へ向かおうとした。
向かおうとした。
のだけれども。

「(赤ぁぁぁ………っ!)」

何でマイ幼馴染は茹で蛸のように古典的に顔を上気させているんだ?
とりあえず辺りを見渡すと、そこには何故か姿見が。

「むん」

軽くポーズ、とか作ってみる。
そしたら気が付いた。

「む、俺パンツ一丁」

だがしかし、朝勃ちはしていない。
うん。問題無し。
814797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:07:59 ID:KuzYKQit
(13/20)

「……問題無かろ?」

くるりと振り向き、美穂と対峙するも。

「(ふるふるふるふるふるっ!!)」

全否定。
そりゃーあ、そうか。
って。

「すっ……スまァァァァァあっーーーーーーーんっ!!」

今度は俺の顔が火を吹く勢い四川中華になる番だった。
俺が美穂を恥ずかしめたんだ!

――――誓ったのに……美穂のために、俺は変わると誓ったのに――――

恥ずかしい!消えたい!
とりあえず俺はあちこちぶつけながらも、何とか自室に転がり込んだ。
815797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:09:19 ID:KuzYKQit
(14/20)

「つ、つまり、つまらないモノをお見せしましったことについて、申し訳なく……」

朝の通学路にて。
俺は美穂に謝り通しだった。

「い、いいよ。私、気にしてないから……」

そう言われてほっとしつつも、心のよんどころ無き部位がちくちくするのは何故だろうか。
とりあえず俺は出来うる限りの笑顔で美穂に微笑みかけた。
と、そこへ。

「あ、緋崎クン、おはよーっ」
「緋崎センパイ、お、おはようっ……ございますっ……!」

通りがかりの同じ学校の生徒がいきなり挨拶をしてきた。
はて。どっかで会ったっけ。

「あ、おはよ……」

とりあえず軽く挨拶を返してみる。返礼は礼儀だしな。
だがその瞬間、

「「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」」

と視覚ですら判別できそうなくらいにイエローな嬌声を彼女らは漏らした。
はぁ……またかよ……
816797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:10:30 ID:KuzYKQit
(15/20)

「緋崎クンに『おはよう。今日もマジ可愛いね』って言われたーっ!!」

言ってねぇし。

「あーんもお、そんなに見つめられるともう死んでも死に切れません!!」

一瞥すらしてないし。

そんな好き勝手なことをのたまいながら、イエローモンキャー達は走り去っていった。


「ったく。朝からやかましいな……」

たまにこんな事がある。
知らない誰か(100%女子)に声をかけられるも、会話にすらならない。
別に彼女らと話したい訳じゃないけど、何だか気分が悪い。

「言いたいことがあるならはっきり言えってーの。なぁ美穂?」
「う、うん……」

いきなりの事態に放置状態になっていた美穂に慌てて話しかける。
が、美穂はいつもの俯き加減のはにかんだ表情を浮かべていた。
こんな時は、そう。決まってそうだ。

「ね……和ちゃんはさ、私と一緒に学校に行かない方がいいのかな?」

ほら、こんな事を言い出すんだ……
817797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:13:02 ID:VGY9jKoG
(16/20)

「何で……そう思う?」

俺は静かに、なるべく優しく美穂に話しかけた。
そうでないと、きっと美穂は気後れしてしまうから。

「だってさ……和ちゃん、ここ最近凄くカッコ良くなっちゃったでしょ?
 私みたいな地味なのと一緒じゃ、周りからヘンに思われ……ちゃうかなっ……て」

一体何回この問答を繰返しただろうか。
俺が変わろうと誓ったあの日から。
美穂は俺に対して何か遠慮するようになっていった。





あれは丁度小学校6年の秋。
学芸会でコピーバンドをしようと決まったあの日。
ヴォーカルを誰にしようかと、熾烈な歌唱力勝負が展開されたあの日。

最初に候補を選別したのは、音楽担当でもあった担任だった。
選ばれたのは6人。
一次審査、二次審査でふるいにかけられ、残ったのは、岬美穂と時坂優未の二人となった。
818797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:13:48 ID:VGY9jKoG
(17/20)

美穂は内気ながらも、昔から歌が上手かった。
お世辞抜きに、上手いのだ。
よく家族同士の宴会でカラオケを披露したりもしたが、その上手さは出席者誰もが認めるところだった。
堂々として、それでいて叙情的で、感情込めまくりで。
いつもの美穂からは想像もつかない、いや、これこそが美穂の真の姿なのだと。
俺は昔からそう思っていた。



後から聞いた話なのだが、最終選考のその時、既に勝敗は決まっていたのだという。


時坂優未は、クラスの女子の中で中心的な存在だった。
彼女からしてみれば、おとなしくて空気みたいな存在(本人談)の美穂には負けるなんて恥だ、と
思っていたらしく、前もってクラス全員に根回しをしていた。
自分に、票を入れるように、と……
819797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:14:50 ID:VGY9jKoG
(18/20)

最終選考の当日、美穂は一生懸命歌った。
歌の上手さが唯一の誇りである、と彼女自身が思っていたから。


しかし結果は……38対1。
歌い手に投票権は無いから、つまりは俺が入れた一票だけが彼女の得票。

「本当にみんなこれでいいの?」

あまりの票の偏りに違和感を感じた担任が皆を伏せさせ、再審議の有無について挙手をさせた。
俺は高らかと意義の挙手を掲げた。

が、とうとう結果は覆らず…………美穂の唯一のアイデンティティーは完膚なきまでに否定された。



それ以降、美穂は自分を最低ランクの人間だと決め付け始めた。
820797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:16:57 ID:2wyB4Zcs
(19/20)

底辺も底辺と言えば俺自身がそうだ。
運動、勉強、全て駄目。
趣味はオタなものばかり。
そんな俺より、美穂は下なのか!?
内気な奴は、駄目な奴は、努力や才能を否定されるのか!?
それが悔しくて、納得できなくて……


――だったら、俺が、底辺の俺がどこまで変われるのかを、見せてやる――


依頼、俺はオタな趣味を全て捨てた。
肉体を鍛造し、脳に詰め込めるだけの知識を詰め込み、
衣服に見てくれを合わせ、内を外に。更に外に。
己を反転させていく日々。

そしてその反復の果て、4年の後に俺は変わっていた……
821797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:18:29 ID:2wyB4Zcs
(20/20)

「わ、私みたいな鈍くさい女の子と、和ちゃん一緒にされたら、は……恥ずかしいでしょ?」

俺の3歩後ろで、俯き加減に。
美穂は自分を卑下し、俺を賛辞する。
それが悔しくて、納得できなくて……

ぽん。

俺は軽く美穂の頭に手を置き、わしゃわしゃと撫でた。

「え……和……ちゃん……?」

「恥ずかしくなんかねーよ。幼馴染が一緒にいて何が恥ずかしいんだっての、この阿呆」

わしゃわしゃわしゃ。

「か、和ちゃん。髪の毛、髪の毛ぇ……!」

「行こうぜ。遅刻する」

頭から手を離し、すかさず美穂の手を取る。
有無を言わせずに、この場から連れ出す。
二人並んで。

美穂は困った顔をしながらも、俺に連れられるように歩きだした。
822797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:21:07 ID:2wyB4Zcs
こんな感じの出だしですがどんなもんでしょう?
とりあえずラストから考えだしたので、あまり迷わず進められそうです。
このスレがまた盛り上がってくれることを願って、頑張りますので
生暖かく見守ってくださいませ
823名無しさん@初回限定:04/10/26 02:26:03 ID:+JD+lBC+
乙です。
主人公いきなりいい奴だなあ
というか這い上がり具合から見れば人間としてそうとうできてるような
はじめに書いたイケメンってそのことを多少なりとも鼻にかけてるのかと思ったけど
すげえ人格的にいい奴で寝取られるのがちょっと不安
824797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/26 02:34:33 ID:2wyB4Zcs
ああああ……ご、5番が抜けていた……
いきなりスマソ…O乙
今更ですが、補完お願い致します……


(5/20)

僕は軽く首を伸ばし、目を閉じいて無防備な奈留のその唇を軽ーく、

ちゅっ

と舐めた。

「!?!?!?!?!?!?!?!?」

「……っと。
 おはよ奈留。随分と懐かしい起こし方するじゃないか」

そう呟き、僕はよろよろと身を起こした。
くぁ……眠い……

「な、な、ななな何するのよっ! お兄ちゃん!!」
「何って……お前が幼稚園の頃、結構してたろ?」
「ででででも、そんなっ、く、くちっ、唇っ……」
「うるさいな。兄妹なんだから気にする必要無し。ノーカンでいいじゃねーの?」

耳まで真っ赤にしながら狼狽する奈留。
ったく、そんなに怒らなくてもいいだろうに。
825名無しさん@初回限定:04/10/26 17:29:17 ID:tKWYVCSa
うあ……。
なんかヒロ、サキに続く「寝取られスレなのに何故か一番人気の寝取られ男」
になりそうな予感。
826名無しさん@初回限定:04/10/26 20:24:15 ID:ENpIdyT9
なんか強い主人公が多いなw
空手やってたり王様になったり・・・もしやそれが 萌 え 要 素 ?
827名無しさん@初回限定:04/10/26 21:05:33 ID:4IGb06f5
ねぇ、シチュエーションの提案なんだけど
寝取られ男といる時に
女の子の口からイカくさいにおいがしてくるってのはどう?
さっきまで女の子は他の男のよく洗われていないのを口で…
女の子はそれをバレないように振舞っていて、においで寝取られ男に
気付かれているとは思っていないの。
普通に振舞っているってシチュ。
828名無しさん@初回限定:04/10/26 21:50:39 ID:UofRfJoq
普通に臭そうだな…
829名無しさん@初回限定:04/10/26 22:23:03 ID:aDqKjhu8
なんか寝取られでない続きを読みたくなってきたのは俺だけか?
830名無しさん@初回限定:04/10/27 00:00:51 ID:K8xvo6/s
>829
ノシ
831名無しさん@初回限定:04/10/27 00:47:40 ID:mjCvH8AQ
ノシ
832名無しさん@初回限定:04/10/27 00:53:09 ID:lorcz1Xf
寝へタレどもめ
833名無しさん@初回限定:04/10/27 12:03:43 ID:ECTKcu7w
>>826
ヘボい主人公だと、寝取られ感が弱くなるからだろ。
834名無しさん@初回限定:04/10/27 22:41:55 ID:fxfjZeFk
>>832
でもこれでどうやって無理なく寝取られになるのだ?
個人的にリンカーン系はちょっと・・・
835797 ◆5C7eeO1OZA :04/10/27 23:41:46 ID:Ru9iGJuj
皆さん色々感想どうもでございます。

>>825
和樹は他の作品の主人公のようにカコイイ風になれるかどうか。
まぁ、せめて相応しい結末を贈れれば、と思ってまつ。

>>829
偉そうなエロゲデフォ主人公やハーレムENDが苦手です。
鬱勃起が、イイんです。

>>834
自分もリンカーン苦手です。
一度ためしにシーンだけ書いてみたんですが、何かエロくならないんですわ。
書いてて萌えないっつーか、盛り上がらないっつーか。
この辺は筆力不足とエロを感じる嗜好の違いなんでしょうかね。


次回は明日にはうpできそうです。
皆様、またよろしくお願いしまする。
836名無しさん@初回限定:04/10/28 14:37:42 ID:S1jWg7Bl
ハジマッタナ……
837名無しさん@初回限定:04/10/28 21:37:47 ID:jhWWYuU8
そうだこれからだ!
838名無しさん@初回限定:04/10/28 22:49:14 ID:39aRaRJQ
○○先生の次回作にご期待ください。
839名無しさん@初回限定:04/10/29 00:01:43 ID:O7+LNbrf
俺はまだ上り始めたばかりだ・・・この男坂を
840名無しさん@初回限定:04/10/29 00:12:10 ID:EH5G4F5U
寧ろ転がり落ちてる気が…
841名無しさん@初回限定:04/10/29 05:49:50 ID:D8Q+mTnt
その先に鬱勃起が待っているなら、私は一向に構わんッ
842名無しさん@初回限定:04/10/29 13:46:42 ID:GyC/CtQW
鬱復活!! 鬱復活!! 鬱復活!!
843名無しさん@初回限定:04/10/31 23:39:11 ID:CmFpQNpP
書いてくれてる人には悪いが、あえて言わせてもらう

母親がピンサロで働いてる話や双子の話、過去に遡れば他にもあるが・・・


    最後まで書け!! もし、書けなくなったんならギブアップ宣言しろ!!

   



じゃないといつまでも待ち続けてしまうではないか・・・ヽ(`Д´)ノウワァァァァン
844名無しさん@初回限定:04/11/01 00:30:45 ID:gHOEkReN
ギブアップはしない
もう少し待ってほしい
845名無しさん@初回限定:04/11/01 01:40:43 ID:wSs85QmM
涅槃で待つ
846名無しさん@初回限定:04/11/01 02:46:36 ID:Iccrj4RD
音信不通になって気になって様子を見に行くとそこでは…
847名無しさん@初回限定:04/11/01 03:45:20 ID:noeo90Sm
以前、739のネタを書いてみたいと言った746だけど、
とりあえず話のつまみ程度に書いたところまで見てみる?
エチーシーンは一切ない。主人公がストーカー根性に目覚めたところまでだが。
848名無しさん@初回限定:04/11/01 13:39:46 ID:0J/Bp0Lh
>847
GO!
849746:04/11/01 17:26:05 ID:7jFkaq6t
以前と同じうpろだのup10380.txt
850名無しさん@初回限定:04/11/01 18:01:14 ID:3W+mm0dx
>>849
読ませてもらいました。
まだ導入部分ですが、中々良さそうなな感じですね。
遥がどうやって寝取られるかが楽しみです。
今後色々と雑音とか入ると思いますが、気にせずにガンガレ!!
851名無しさん@初回限定:04/11/01 22:17:56 ID:6B/JdqkW
ファーストキス時の遥の回想もキボンヌ
852797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:34:21 ID:l1YXptMa
上げるのが遅くて申し訳ありません。
なんとか一区切りなので、遅ればせながらうpさせていただきます。
書くペースを考えないと、ダメだなぁ……
853797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:35:53 ID:l1YXptMa
(1/14)

「それでさ、昨日のダブルガイがさ……」
「うん……うん」

学校までの道中、俺たちはとりとめのない会話を繰り返す。
二人ともが見ているバラエティ番組のこと。
昨晩のちょとした家族の話題。
ちょっとばかし下なネタ(美穂はその手の話にはそこそこ寛容)。

内容はいつもと変わらない。
ああ、いつもと変わらない。
見てくれが変わってしまったかもしれないけど、俺はいつも通り。
そんな当たり前のことを伝えたくて、俺は今日もとりとめのない会話を繰り返す。

が、何故か最近の美穂の応対はぎこちない。
うーん。
俺の中身なんてこれっぽっちも変わったとは思えないのになぁ。
その証拠にいまだに模型屋やゲームショップの前を通ると、張ってある新作発売の
ポスターに目が行ってしまうし、実際に買いたい衝動に駆られる。
それを気力で押さえ込み、美容院や服などのその他の出費に金を回す。
中身が伴わないなら、せめて外見だけでも、と思うからだ。

あーあ。
やっぱり俺って、まだまだ駄目だなぁ……
854797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:37:12 ID:l1YXptMa
(2/14)

「あ、美穂。
 悪いけどちょっとここで待っててくれないか?」
「ん……いいよ」

校門前。
俺はいつものように、美穂に待つよう頼み、小走りで下駄箱へと向かっていった。

二人して教室に行く為に。
今日も「それ」を回収しないといけないからだ。
そして「それ」は、辿りついたこの下駄箱の中にある。

「今日も……あるのかな」

そう思うと気が重くなる。
あれを処理するにはかなりのエネルギーと時間を要するからだ。
でも時間は迫っている。
美穂をあまり待たせるのも悪いから。
俺は意を決して、自分の上履きが入っている下駄箱を引き開けた。
855797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:39:49 ID:l1YXptMa
(3/14)

ど、ばっっさああぁぁぁ……

そんな擬音が聞こえたような気がした。
下駄箱から雪崩のように滑り落ちてきたのは手紙の山。
数えて10通以上はあるだろうか。
そのどれも、可愛らしい封筒にハートマークの封印がワンポイントに添えられている。

確認するまでもなく、それはラブレター、だ。
ここ最近でとみに増えたような気がするのは……新入生が入ったからだろうか。

「くそ、返事書くのって結構大変なのにっ」

そりゃ初めの頃は異性からラブレターを貰ったという事実にドキドキしたり、
その内容にニヤニヤしたり、何となく匂いを嗅いだりもしたさ。

でも……その叩きつけられた想いに応える用意が無い場合、
果たして貰った相手はどう処理すればいい?

すぐにそのことに思い至ったのだ。
そして俺が出した結論は……

出来るだけ丁寧に、相手を傷付けないように、手紙の差出人に返事を書くこと。
住所がある場合は郵送。所属クラスしかない場合は根性出して手渡しで。

それは、とてもとてもエネルギーがいる作業だ。
捨ててしまってもいいのかもしれないが、小心者の俺には到底出来そうにもない。
856797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:42:40 ID:l1YXptMa
(4/14)

都合13通のラブレターを回収した俺は、シワにならないよう丁寧に鞄に仕舞い込んだ。

(はぁ……こりゃ徹夜かもな……)

いかん。凹んでいる場合じゃない。
まだ仕事が残っている。
次の目的地は……正直腰が引けるが、女子の下駄箱だったりする……


「あ、あれって、緋崎先輩じゃない?」
「えーっ、どこどこ?」

そこには当たり前なのだが、まだまだ沢山の女子生徒がいる。

に、逃げたい……これ正直な気持ち。

しかし、しかしだ!

俺は勇気を振り絞って、聞こえてくる声を無視して、その前に立つ。
名札欄には「岬美穂」。

「今日は……無いといいんだけど」

そう思うと気が重くなる。
あれを処理するにはかなりのエネルギーと時間を要するからだ。
でも時間は迫っている。
美穂にはそれを見せる訳にはいかないから。
俺は意を決して、美穂の上履きが入っている下駄箱を引き開けた。
857797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:44:59 ID:l1YXptMa
(5/14)

「よ。お待たせ」
「あ、和ちゃん、もういいの?」
「ん、あぁ。もう済んだから」
「そう」

5分後、美穂と合流した俺は、いつものように教室のある3階へと向かった。

「そう言えば、私立の渋柿高にはエスカレーターがあるんだってさ」
「えー本当? いいなぁそれ」

ここ県立朝倉高校の階段は結構急な造りになっている為、
体力の無い美穂は昇りきるころにはいつも息を切らせている


それほどに急だ。
が、そのおかげで。
階段隅にあるゴミ箱に、美穂は気を留めることが無い。

そのおかげで。
そのゴミ箱に、何が入っているのかを、美穂は気に留めることは無い。





そのゴミ箱には、今しがたまで美穂の下駄箱に入っていたモノ達が、
俺が怒りとともに叩き捨てたゴミの山が、入っていた……
858797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:50:09 ID:l1YXptMa
(6/14)

階段を上がってすぐのT字路。
俺は2−A。美穂は2−D。
今年も俺たちは別々のクラスだったりする。

「じゃね、和ちゃん。私こっちだから」
「ああ。後でな」
「うん」

当然、ここで分かれることになるのだが、
交わす言葉は一言二言だけだ。
長年の付き合いの俺たちにとって、意思疎通はそれで十分。

『放課後、一緒に帰ろうか』

という意味が今の短い会話に含まれている。
うーん。
これぞ幼馴染マジック。

「じゃ、私行くね」

美穂は一度こちらに顔を向けた後、ゆっくりとした足取りで自分の教室に向かっていった。

うちの学校には体育と英語以外で他クラスとの合同授業は無いため、
その時間以外はそれぞれで半日を過ごさなくてはいけない。
朝のこともありちょっと心配ではあるが、クラスが離れている以上どうしようもない。

美穂が見えなくなるのを確認した後、俺は自分の教室へと足を進めた。
859797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:52:59 ID:l1YXptMa
(7/14)

「おう、緋崎か」
「おはよう、琴平」

教室に入った俺にまず声をかけてきたのは野球部の琴平(ランクA)だ。
もっとも、彼は女子と話すのに忙しいらしく、その後何か言われる事は無かった。

「やぁ、緋崎君。今日の小テスト、準備は万端かい?」
「あっ……そう言えばそんなんあったな。後で予習しとかないと」
「は、はははは…まぁお手柔らかに頼むよ」

次に俺に声をかけてきたのは、弁論部の小森(ランクA)。
クラスでは現在俺の次に成績がいい。
……何だか彼の気に障ることを言ってしまったんだろうか?
小森は顔を引きつらせながら自分の席へと戻っていった。

「あ、緋崎、昨日のダブルガイ見たかよ?」」
「おー見た見た。マジ燃えたって!」

三番目に俺に声をかけてきたのは、バスケ部の柊(ランクB)。
今年になって何とかレギュラーになったコツコツ型の男だ。
彼とは昨日のテレビ番組のことについてひとしきり盛り上がった。

(……恐らく、今の俺はこのランクにいるのかな?)

漠然とだが、そんな気がした。
己の確実な進歩を感じる瞬間だった。
860797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:56:02 ID:l1YXptMa
(8/14)

ちなみにこのランクの由来は、4年前に遡る。
俺と美穂が、毎朝何かに隠れるかのように自分の教室に入っていった頃。
教室には様々な会話の輪ができ、どうでもいいような事で皆笑い合っていた様を遠巻きに見ていた頃。
誰にも相手にされないネガ環境の中で、分析したことがあった。

それは、クラス内に自然と形成されるヒエラルキー。


まずはランクA。
主に運動部やちょっと悪が入った連中、それと遊び上手な連中のグループ。
既にヤってる奴らがかなりの数を占めていた(と、奴らの話の端々から推測)。
はっきりいって次元の違う存在。
赤い彗星、スカルリーダーだ。


次にランクB。
特に目立った所もないが、全てにおいてそこそここなし、女子とも普通に話せる奴らのグループ。
美穂以外とは全然話す事もできなかった俺にとっては、それでも眩しい存在だ。
861797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:56:58 ID:l1YXptMa
(9/14)

そして……

「や、おはよう小野坂」
「あ、あ、緋崎クン、お、おはよう。
 今日は早いんだね」
「そっか?いつもと変わんないと思うけどなぁ」
「そ、そうだね。いつもと同じだね……」

俺は、隣の席の小野坂に声をかけた。
返ってくるのは、少し怯えの色をみせる挨拶。
いつもの小野坂ミツルだった。
ふと、彼の机を見てみると、A4の原稿用紙の束が封筒に包まれて置かれてあった。

「お、それ新作?」
「う、うん」
「見てもいいか?」
「う、うん……」

小野坂に許可を得て原稿用紙の束を封筒から取り出してみると、
そこには、いわゆるアニメ系の絵柄のきわどい甲冑を纏った少女達が、いつも通り描かれていた。
862797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 01:58:22 ID:l1YXptMa
(10/14)

「……」
「……」

一枚一枚目を通していく。
その間、俺は全く言葉を発しない。
小野坂は、居心地悪そうにあたりをキョロキョロと見渡していた。

「ね、ねぇ緋崎くん。やっぱり恥ずかしいから返してもらっていいかな?」
「ん?あ、あぁ悪い」

封筒を返すと、小野坂はそそくさとそれを鞄に仕舞い込んでしまった。
そんなにコソコソしなくてもいいと思うのにな……

「しっかし、マジで絵上手いな小野坂」
「そ、そんな」
「ホントだって。自慢してもいいんじゃないか?」
「こ、こんなの見せたら、みんなに馬鹿にされちゃうよ」

小太りな体躯をさらに丸まらせながら、小野坂は謙遜する。
確かに、書かれているのはぶっちゃけオタな絵だ。
しかし、昔その道にどっぷり浸かっていた俺には、その辺の偏見は無いと自負できる。
アニメ調な絵でありながら、立体が目に浮かぶような躍動感。臨場感。
小野坂のデッサン力がかなりしっかりしている証拠。
恐らくは、長い年月をかけて彼が会得してきた成果だ。
それなのに、小野坂はそれを無価値だという。
863797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 02:02:36 ID:l1YXptMa
(11/14)

(その心根こそがランクCの証なのに、何でわからないんだろう?)

ランクC。
己の世界に埋没して、他を拒絶する者達のグループ。
同類にしか、心を開けないグループ。
かつて俺がいた、最下層。

卑下している訳でも、馬鹿にしている訳でもない。
残酷ながら、どうしてもその区分けは教室内では出来てしまうのだ。


俺は美穂に感じる勿体無さを、この小野坂にも感じている。
この俺でさえ、多少とはいえ外に出ることができたんだ。
だったら誇れるものがある美穂や小野坂ならもっと容易なんじゃないのか?

おせっかいかも知れないが、俺がほんの少しでもその手助けができたらと思う。
だから俺は、クラスの誰もが相手にしない小野坂に今日も話しかける。
彼にとっては上にいる者の気まぐれのように感じているかもしれないが、
俺には他に方法が思いつかないんだ。

立ち止まっているそこから連れ出せる存在になれれば、と……
864797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 02:08:24 ID:l1YXptMa
(12/14)

「ねぇねぇ緋崎クン!ちょっといいかなぁ?」

突如、俺と小野坂の前に誰かが現れた。
その瞬間、ぱっと机に伏してしまう小野坂。
現れたのは、同じクラスの女子だった。名前は、ええと……何だっけ?

「今日の放課後空いてるかなぁ?」

キラキラと至近距離で目を輝かせる女子……俺、もしかして誘われてる?

「え、えっと」

必死に平静を装うも、はっきりいって俺は女の子に免疫が足りなさすぎる。
挨拶程度ならまだしも、こんな直接的な接触は非常に苦手なのだ。

「よかったらなんだけど、放課後私と遊びいかない?」

くっ。これがランクAの連中だと、諸手を上げて賛同するはずなのに、なのに……っ!

「ごめん。俺放課後は先約あるから」
「ちぇー。今日もダメだったか。やっぱ緋崎クンはガード固いよねぇ」

とぼとぼと名も知らぬ女子は去っていった。
……恐らく、ここがランクAとBを別つ壁の一つなんだろうな。
女子と普通に話したり、遊びに行けたりするスキル。
更なる高みに美穂とともに上がる為には、これは必要なことなんだろうか?

1時間目の間、俺はそんなことをずっと考え続けた。
865797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 02:10:56 ID:l1YXptMa
(13/14)

その日の5限目、一人の少女が窮地に立たされていた。

「敵が……巨大すぎる場合、
 以来これらは……それで死なない兵です、
 死は……閉まっています?」

あちこちからクスクスと笑い声が響き渡る中、美穂は必死に黒板の英文の和訳を続けた。

「う〜ん……ちょっっっとエキサイトな和訳でしたねぇ。前回のちょっとした復習ですよ?
 こんなのもわからないとは、ちょっとどうでしょうかねぇ」

英語教師の榎本がネチネチと美穂を言葉で舐る。
黒板に書かれているのは、前回の合同授業で俺が答えた文章だ。
もっと席が近ければ助け舟を出してやれるのだが、教室の端と端じゃそれもままならない。

「あー、緋崎くん。軽く彼女にお手本を見せてやってくれませんか?
 二回も同じ文章を訳すのはちょっっっっと嫌かもしれませんけどね!」

瞬間、どっと教室内が笑いの渦に包まれた。
生活指導も兼ねている榎本は、その役割に相応しくSっ気がある。
恐らく、美穂のおどおどした雰囲気に嗜虐心を駆り立てられているのだろう。

「どうしました?緋崎くん」

くそっ……そこで何で止めを刺すのが俺なんだよ?
この野郎、一番美穂が堪える方法を知ってやがるのか……?
866797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 02:13:26 ID:l1YXptMa
(14/14)

『あまりに敵が膨大すぎる。しかもこいつらは死なぬ兵だ。何故なら死は塞がっているのだから』

答えるのは簡単だ。この前やった問題なんだから。
でも、あっさり答えたら美穂を傷つけるかもしれない。
一体……俺はどうしたらいいんだ?


@素直に答える。
A榎本に抗議する。


考えろ。考えるんだ。
美穂のために、一番いい選択をしなくては。

@だと、美穂を馬鹿にするような結果にならないだろうか?
いや、もしかしたら美穂もこのくやしさをバネに苦手な英語に力を入れるかも知れない。

Aは、ある意味ストレートに美穂を救える選択肢だろう。
が、下手したら

『あの”榎本”に歯向かうなんてよー、オメー根性出しすぎだべ?』

なんて、反骨系な連中の接触を誘発する可能性もある。
正直、それはあまり歓迎できる事態ではない……


時計の音がやけに大きく響く中、
選択の猶予は刻一刻と迫っていた。
867797 ◆5C7eeO1OZA :04/11/02 02:16:19 ID:l1YXptMa
今回はこんな所です。
ちなみに選択肢ではありません。
緋崎和樹は、もっとも「相応しい」選択をします。
868名無しさん@初回限定:04/11/02 09:35:42 ID:blubrk+Y

主人公、もしかしてカコヨクないのか?
奴の行動に何かうわぁぁぁと感じる
とりあえずダメな方を選べばおK
それと作者氏、あまりうP予告はしない方がいいですよ
それで消えていった職人は数知れず…
869名無しさん@初回限定:04/11/03 19:27:18 ID:s73CKthI
主人公、見てくれ以外はヘタレなんだな。
キュン萌えはは難しいかも。
とりあえず美保のキャラがいまいち掴めんのでその変ヨロシコ
870名無しさん@初回限定:04/11/08 02:20:20 ID:CHcpVcW4
「電車男」読みました(ちょっと今更か?)
良いお話でした・・・。
でも所詮私は寝取られスレの人間・・・。
電車男さん達の末永い幸せを願うと同時に
「これで寝取られたら凄い鬱だろうなぁ・・・」
と思いました。
ダメ人間でつ(つД`)
871名無しさん@初回限定:04/11/08 22:33:03 ID:k+SgJ1zD
ちょっとアンケートというか質問いいか?
このスレの住人的には、
主人公が好意を持っている女性が彼氏かご主人様持ちだったり、
誰とでも寝る淫乱だったり、なんて展開は有りか?無しか?
具体例は、WINTERSの『こんなアタシでも・・・』とか、にったじゅん系統とか。
872名無しさん@初回限定:04/11/09 00:22:57 ID:5/OOhgWP
俺は全然有り。
真冬タンだって香織ンだって大好物さ!
873名無しさん@初回限定:04/11/09 01:06:07 ID:4vcVm+ns
いいんだけど、主人公だけはうまく騙して欲しいな。
もしくはおおっぴらにやってるんなら
それでも惹かれるだけの魅力が欲しい。
874名無しさん@初回限定:04/11/10 03:31:03 ID:J/xGAKsv
俺も有りだとは思うんだが、
873みたいに『主人公の知らない所で…』って方が良さそう。
最初から淫乱って判ってたら寝取られ感が無くなるしね。
875名無しさん@初回限定 :04/11/10 15:21:05 ID:A6Wgvf2H
有り。
でも、出会った当初はまだ処女だったってのがいい。
876名無しさん@初回限定:04/11/12 16:07:32 ID:tFFrLN0H
849の続きまだかな?
877名無しさん@初回限定:04/11/12 19:24:19 ID:EL2003EW
>876
じゃあ、きりのいいとこまで書いたらまたうpしようか。
たぶん明日くらいになるが。
ちなみに871の質問をしたのも俺だったりする。
今書いてる話とは関係ないが。
878名無しさん@初回限定:04/11/12 19:53:37 ID:tFFrLN0H
>>877
おお、是非お願いします。
879名無しさん@初回限定:04/11/12 19:57:57 ID:q+5QW9oA
オワタ
880名無しさん@初回限定:04/11/13 20:53:46 ID:+B2xYETQ
ごめん
今日中は無理っぽいな。
さらに明日まで待ってくれ。
881名無しさん@初回限定:04/11/13 22:02:04 ID:aZTktXXL
その時は思いもしなかった。
それが彼の最後の言葉になるなんて…
882名無しさん@初回限定:04/11/14 00:20:52 ID:aKtTF9At
To be owata...
883名無しさん@初回限定:04/11/14 02:37:21 ID:GSPjk0T7
m9(^Д^)プギャーーーッ
884名無しさん@初回限定:04/11/14 03:03:31 ID:tm2s971V
オマエそれが張りたかっただけちゃうのかと・・・
885名無しさん@初回限定:04/11/14 14:43:38 ID:k3Di88d8
いつものうpろだのup11748.zip

さぁーて、Halo2やるか・・・
886名無しさん@初回限定:04/11/14 16:33:36 ID:2Qqu/p9x
>>885
読ませてもらいました。
少しもったいぶるかと思っていたので、
2話目で遥のロストバージンやそれの覗き見という展開は意外でした。
メインシーンを早々持ってきたので、今後の構想が少し難しいかとも思いますが、
自分なりのペースでよろしくお願いします。
次もまた期待しています。

887作者その1:04/11/15 00:23:03 ID:9YmKLKzh
>>870
上手に寝取られるようアドバイスを受けつつ
寝取られるようすを書き込みをする
「寝取られ男」をやれば受けるかも
NTR限定で
888名無しさん@初回限定:04/11/15 00:24:51 ID:KKgvmeSL
>>885
3回抜かせてもらった。さんくす。
889746:04/11/15 18:58:09 ID:1d05Lebs
ちょっと聞いておきたいんだが、
俺は書いた話しをうpろだに上げて掲載する形をとってるんだが、
そうじゃなくて本文を直接このスレに上げたほうがいいのかな?
短い間隔でレスで掲載すると書き直したいと思っても後に引けないし、
かといってある程度書いたものを細かく区切ってうpするのも面倒な作業だろうから、
今の形にしてるんだけど。

890名無しさん@初回限定:04/11/15 19:20:47 ID:Vx9LiBom
>>889
やりやすい方でいいよ
891名無しさん@初回限定:04/11/15 20:44:31 ID:2dXyvP5F
人に読ませたいと思ってるならスレに直書きだな。
いつものうpろだとか言われても初見のやつはなんだかわからんだろうし。
892名無しさん@初回限定:04/11/15 20:54:36 ID:J8CcQzjU
どこに上げてるかも分からないから読む気もしない
893名無しさん@初回限定:04/11/15 21:12:48 ID:q+04Nepq
読んでほしいから貼った、なのか
置いておくから読みたい奴が勝手に読め、なのか
894名無しさん@初回限定:04/11/15 22:37:13 ID:Lwwy0ZCR
>>889
やりやすい方でいいよ
欲言えばメモ帳で読んでるから改行してほしいが、
まあ自分のほうで対応すればいいといえばいいことだし

感想いえば結構キた。今後楽しみ。

895746:04/11/16 02:36:02 ID:8ITwIkar
『いつもの』だけじゃ確かにちょっと不親切だったかもしれん。
ttp://ranobe.com/
のUPLOAD板のup11748.zip
まだ生きてる。
改行は少し俺も気になってたからHTML文書にしようかな。
896名無しさん@初回限定:04/11/16 21:23:45 ID:nM2tkt2v
かいぎょー かいぎょー
声を合わせー
みんなで楽しく
かいぎょー かいぎょーかいぎょーかいぎょー
897馬鹿キター:04/11/17 00:31:39 ID:KEBuT9OF
211 名前: 名無したちの午後 [sage] 投稿日: 04/11/17 00:15:10 ID:TkmraKpu
HP見た限りでは寝取られの確証は一切ない。
母親は未亡人だし、娘2人は主人公好きなんだし。
夫もちのシセルだって挿入しなければ浮気でもないし。
むしろ外国人はどうでもいい。
ただ信者が痛い
シセルの体臭がどうのとかいってる厨。
純愛ゲームでそんなもん表現するわけないでしょ??
葉鍵のゲーム全部やれ。

純愛ゲームでしょ。
黒かろうが赤かろうが純愛は純愛なの!
以後、MC・NTR話は禁止。
スレみればわかるけどNTR厨なんて実際は極々一部、ほとんど自演だろ?
向こうでやってろよ

初めて買うここのメーカー作品なんだからな
「純愛」って言葉の意味よく考えろよ
898名無しさん@初回限定:04/11/17 00:36:14 ID:yvvd7evn
どのへんが馬鹿かはよくわからないが、sageてくれ
899名無しさん@初回限定:04/11/19 19:20:00 ID:nETcZ3iW
静かなスレだな
誰かなんか言えよ
900名無しさん@初回限定:04/11/19 23:49:07 ID:lzkM28pt
寝取れるものなら寝取ってみせよ!
901名無しさん@初回限定:04/11/20 00:23:34 ID:trG5Ao7C
つーかさ、このスレって小説がメインだし、
エロパロ板に引っ越さないか?
902第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/11/20 19:22:14 ID:PDfaM1Sd
>901
エロパロ板の場合、なんらかのパロディーである必要があるのが足枷になるんで、ちょっと・・・・・
まあ、もし引越しするとしたら、エロ漫画小説板じゃないかと思う。

あそこには、↓こんなスレもあるし、合流してもいいかも。・・・・・・あっちの住民には迷惑かもしれんが。

小説書いてみたい奴と読みたい奴のスレ〜第7章〜
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1090417435/


903名無しさん@初回限定:04/11/20 20:14:10 ID:4am3+56Z
こっちはもう保管庫もなくなっちまったしな。
ここの殺伐としてる住人が流れていったらいい迷惑だろうな・・・
904名無しさん@初回限定:04/11/20 20:33:32 ID:ZpwS/pjs
「オワタ」コンポは流出させてはならんな。
まず荒らしだと思われるw
905名無しさん@初回限定:04/11/20 21:22:08 ID:4am3+56Z
最近ではオワタのレスもほとんど付かなくなったし、
単純に過疎化してるんだろうな。
906名無しさん@初回限定:04/11/20 22:46:22 ID:4y1ii4uj
そろそろ再開したい。
907名無しさん@初回限定:04/11/20 22:58:54 ID:2OeVyeJz
ええ、どうぞどうぞ、いくらでも再開して下さいまし
908名無しさん@初回限定:04/11/21 00:27:48 ID:E6jiB8oQ
某スレでやたらと
オワタ
書き込まれてすっげぇ迷惑なんですけど。
909名無しさん@初回限定:04/11/22 19:35:44 ID:MzRgIxXS
スレ内でさえ拒否反応があるのを得意げに他にもってくなバカども
910名無しさん@初回限定:04/11/23 02:36:51 ID:SEubEVDc
まあまあ、いいじゃないかいいじゃないか
911名無しさん@初回限定:04/11/26 20:49:18 ID:paWgrX0p
人工少女2はNTRにもなりうると思うのだがどうだろう。
912名無しさん@初回限定:04/11/26 23:26:08 ID:/5/R1RdX
913名無しさん@初回限定:04/11/27 00:38:59 ID:cGEN4mio
ぶっちゃけ次スレって立てるの?
914名無しさん@初回限定:04/11/27 00:54:44 ID:H7swImeo
あたり前田のクラッカー
915名無しさん@初回限定:04/11/30 00:07:22 ID:Xe9nLI8D
保守、ってことで。


リアルで寝取られそうだ…。
916名無しさん@初回限定:04/11/30 00:25:57 ID:UYGQcBEo
>>915
詳しく
917名無しさん@初回限定:04/12/02 18:02:29 ID:5flClwf6
赤の他人である幼馴染を寝取られて、姉に慰められる情けなさと、

実るはずの無い思いを抱いていた姉を寝取られて、幼馴染に慰められる
切なさと、

どっちがキクんだろう?
918名無しさん@初回限定:04/12/03 17:25:51 ID:TmI9kjGD
幼馴染と姉の両方を寝取られることかな。
919名無しさん@初回限定:04/12/03 17:59:54 ID:1LosIsZu
でも、姉なら元々実らないと割り切れるから幼馴染ハァハァで決着だけど、
幼馴染寝取られはその後の発展性がないから(´・ω・`)
920名無しさん@初回限定:04/12/03 20:17:53 ID:2thX4vGC
>赤の他人である幼馴染
神業だな。
921名無しさん@初回限定:04/12/03 20:25:18 ID:CXfXiX4p
じゃあ俺は年下の姉を寝取られるとするか。
922名無しさん@初回限定:04/12/03 20:28:09 ID:M5uXYSze
いや、その理屈はおかしい
923名無しさん@初回限定:04/12/04 01:27:00 ID:mHemQB7u
いや、前スレで実姉寝取られSSキボンっちゅーレスが
あって、近親寝取られのツボって何?と思ったんで。
「麿の茶室」みたいな陵辱系だと、あんまし現実感なくてグッと来ない
んだよね。
あの優しかったお姉ちゃんが、あんなクズ男の虜になってしまって・・・
みたいな話がグッと来る
924名無しさん@初回限定:04/12/06 22:17:32 ID:xTuyJ8AW
オワタ?
925名無しさん@初回限定:04/12/07 09:17:24 ID:hbFaNomG
新スレが立たないと盛り上がらないのか
投下されないから盛り上がらないのか
926名無しさん@初回限定:04/12/07 09:36:07 ID:vJyKEa91
このスレが盛り上がるってことはありえないから
927名無しさん@初回限定 :04/12/08 22:51:00 ID:Esl/hFKU
>>923
>いや、前スレで実姉寝取られSSキボンっちゅーレスが
スマン、たぶんそれオレ。
>あの優しかったお姉ちゃんが、あんなクズ男の虜になってしまって・・・
それが一番ツボのシチュなもので、以前リクエストしてみた。

スマン・・・
928名無しさん@初回限定:04/12/09 00:49:17 ID:wEL7jUJR
ヒロくんエピローグマーダー?
929名無しさん@初回限定:04/12/13 17:44:02 ID:ZIYH24JT
もぉーーいーかい?
930名無しさん@初回限定:04/12/13 22:11:14 ID:hlqnfohk
もぉーいーーからヒロくん出せ。
とりあえず
931名無しさん@初回限定:04/12/15 21:51:47 ID:e9BrXNgx
そらいろの雫なんてどうだろう・・・。
男いっぱいいるし、サンプルも主人公以外の男との絡みがあるようだし、
ものすごく期待しているんですが・・・。
932名無しさん@初回限定:04/12/19 19:40:01 ID:DTca6Ere
罪罰は受け止め方しだいで寝取られになるぞw
933名無しさん@初回限定:04/12/23 12:02:25 ID:SqS/Itey
保守
934名無しさん@初回限定:04/12/24 00:23:59 ID:wHwJG8qm
糞じゃん
935名無しさん@初回限定:04/12/27 21:35:20 ID:8uxHP9lW
まだかのう
936名無しさん@初回限定:04/12/27 22:18:34 ID:CKhP96SV
あれから数年・・・
ドイツで開かれるピアノの国際コンクールに出場するひろクン。
ある思いを込めてテクニックに頼らず情熱的に演奏するひろクン。
そして客席には・・・

妄想
937第二夜603 ◆fzpLpgOYbk :04/12/28 00:16:17 ID:ywNVb752
とりあえず、ネタ提供。


リアル香織を持った男の悲劇でつ。

幼馴染の彼女を初めて抱いたら欝
ttp://ex7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1104057396/

現在3スレ目に突入。(↑は2スレ目)読みたかったら、急げ。!!
938名無しさん@初回限定:04/12/28 10:27:18 ID:HO3BWGRX
Sugeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!
リアル香織だ!!
超爆雷女だよ、おい!!wwwwwwっうぇwwwwwww



やべVIPに毒された。
しかしスゲーよこの女。
怖い。
939名無しさん@初回限定:04/12/28 11:49:09 ID:L3GfpRIr
過去ログでよめねぇ〜
現在のスレは何版?
940名無しさん@初回限定:04/12/28 20:48:10 ID:ZIsRDHkh
941名無しさん@初回限定:04/12/29 00:36:22 ID:bVUfR9gw
>>939&欲しい人
( ゚Д゚)⊃[過去ログ(お年玉w)]

49uper 500以下小物 31112
942名無しさん@初回限定:04/12/31 15:31:55 ID:zDhkSLzv
また女にだまされました。
もう女は信用できません。
943名無しさん@初回限定:04/12/31 16:39:16 ID:GBI4w34+
>>941
感謝。
944名無しさん@初回限定:05/01/04 11:02:34 ID:ew2sFLqx
VIP一件落着したな。ゆきのがまた浮気しそうで恐いが……。
いや寝取られ住人としては美味しい展開だがリアル話なのでさすがにまた寝取られたら鬱すぎるし……。
945名無しさん@初回限定:05/01/04 16:36:58 ID:rMBTarvn
どっかの誰かがまとめてくれるのを待つ
946名無しさん@初回限定:05/01/04 19:51:11 ID:xOENCYlo
最強の寝取られは螺旋回廊2の悠里。
これを超える寝取られは存在しない。
947名無しさん@初回限定:05/01/09 08:35:53 ID:37ZHsq5o
オワタ
948名無しさん@初回限定:05/01/12 17:23:06 ID:7qL9Ck/s
オワタ?
949名無しさん@初回限定:05/01/13 00:53:02 ID:56wBoNF8
オワタ
950名無しさん@初回限定:05/01/13 18:38:37 ID:txRhbGff
ガジェットきたいあげ
951名無しさん@初回限定:05/01/14 12:33:12 ID:NjGOIOp9
次スレどうする?
952名無しさん@初回限定:05/01/14 13:25:52 ID:RcVlT+9i
停滞長すぎだしまだイラネ
953名無しさん@初回限定:05/01/14 15:29:11 ID:PlCjHIOh
次スレは>>987が立てること
954名無しさん@初回限定:05/01/14 15:58:05 ID:+VLr+PEe
ヲワタ
955名無しさん@初回限定:05/01/14 22:25:30 ID:SfPSCaUp
NTRとちがうかもしらんけど、
くじらのにいながちょっと漏れ的に来た・・・。
告って両思いになったあと処女破瓜NTR_| ̄|○
これでCGあったらもっと来たかも。

まあ回避は可能だけどな。
956名無しさん@初回限定:05/01/15 04:18:51 ID:9WPFRYGH
詳しく
957名無しさん@初回限定:05/01/15 12:49:10 ID:xkXKxZVE
詳しくは作品別スレあたりで語られてるけど、
なんかの手術で麻酔で動けないところを
信じていた主治医によって・・・って感じ。
んで自分はもう初めてじゃなくて汚れちゃったから
主人公を汚したくないと拒絶。

ひたすら純粋さとかわいさを追求したようなキャラだから
なおさらきつかった。
958名無しさん@初回限定:05/01/18 16:18:18 ID:g8rPA1BS
173 ◆dR7WV1bjfM さん

あなたはいつ降臨してくれるんだ・・・。
959名無しさん@初回限定:05/01/18 16:37:08 ID:g8rPA1BS
来ることを願ってage
960名無しさん@初回限定:05/01/18 17:48:55 ID:bLjn+TQ9
これが世に聞くage荒らしか。
死んだスレでやらなくてもいいのに。
961名無しさん@初回限定:05/01/26 21:11:56 ID:85s6Q3VS
あれー
962名無しさん@初回限定:05/01/31 17:18:54 ID:lv6TtH+Q
ほんとにオワタ?
963名無しさん@初回限定:05/01/31 18:18:05 ID:T0YtnRwg
オワタと思わせて怒涛の寝取られラッシュ!・・・来い!来いよ!来てくれよ!来てよ・・・o(TヘTo)
964名無しさん@初回限定:05/01/31 18:19:46 ID:531uh7BT
総括して、あなた的寝取られ神ゲーってなんすか?
俺はデザイアかな
965名無しさん@初回限定:05/02/01 09:28:17 ID:sUNs4zkS
ここの1スレ目にあった主人公と幼馴染みの話が自分のツボだったんで、自分好みに勝手にアレンジ中。
話の大筋はそのままに、名前つけて、キャラ設定少し変えて、女キャラ増やして、エロ描写も多めに。
幼馴染みがDQN君に告白される前までで40K行ってしまった…
せっかくだからここで読んでもらいたいなぁなんて思ったけど、
思いっきり著作権侵害な罠('A`)
作者さんがやって良いよなんて言うはずないよなぁ…
966名無しさん@初回限定 :05/02/01 18:54:07 ID:kIXvQG+W
俺は個人的にその幼馴染の設定がツボだったので
そのまま使ってる。(ショートヘア、ボクっ娘、巨乳)
犯されるシチュ変えていろいろ楽しんでいるけど
発表はやめはほうがいいかと。


それにしても中途半端にスレ残ったな
967名無しさん@初回限定:05/02/01 21:46:50 ID:bSL6Rn7a
続き書かないとなぁ、と思ってたら年が明けてたんだ
968名無しさん@初回限定:05/02/01 23:03:46 ID:ce4YHMQj
とっとと目を覚ませ
969名無しさん@初回限定:05/02/03 21:26:28 ID:0ue0MlRJ
いや、発表していいだろ、普通に
970名無しさん@初回限定:05/02/04 02:11:12 ID:YeAGtDBy
いやだめだろ当然
971名無しさん@初回限定:05/02/04 19:06:58 ID:1JpSuNq9
とりあえず俺だけに読ませてくれ
発表していいかどうか判定してやる
972名無しさん@初回限定:05/02/04 21:31:31 ID:fRqu2zY+
とりあえず作者その1よ。
唐突な展開だが何か言ってあげなさいな。
973名無しさん@初回限定:05/02/06 21:35:32 ID:1trtGYdi
どっかのあぷろだに圧縮して置けばいいじゃんか
さすがに同スレ上でのパクリはマズかろう
感想くらいは書き込むよ
974名無しさん@初回限定:05/02/10 01:11:20 ID:KyDiIRwe
オワテル?
975名無しさん@初回限定:05/02/10 09:38:09 ID:ouQ0TQGr
Yes
976名無しさん@初回限定:05/02/15 00:05:05 ID:5Kv7ei4C
ならば埋め
「終了」もまた世の流れ
977名無しさん@初回限定:05/02/15 01:12:14 ID:WqTSfZ/5
死して不死鳥は蘇る
978名無しさん@初回限定:05/02/24 08:57:30 ID:ryDtCVPK
今日の舞姫がここの住人の好みの展開になる・・・かも。

好きな人がいるんだけど、好きになることを否定しなければならなくて
そのためにほかの人に抱かれるという展開かもしれん。
そうなったらもまいらの好きな処女NTRか。
979名無しさん@初回限定:05/02/24 18:34:42 ID:0EeGPbhs
天津飯視点でチャオズの寝取られやったらこのスレ的に結構くるものがあるんじゃないだろうか?
980978:05/02/25 02:23:03 ID:ww4hadvV
くっそおおおおおおおおおおおNTRこなかったああああああああああああ。_| ̄|○
981名無しさん@初回限定:05/02/25 22:33:33 ID:UoGioifJ
スレの寿命も残り20レスを切りました(´・ω・`)
982名無しさん@初回限定:05/02/25 23:11:49 ID:g6TjEVjW
色々あったけど、これだけ素晴らしいNTRを経験できたのは
このスレがあって、おまいたちと居れたからだと思う
今までありがとう。良い寝取られを。
983名無しさん@初回限定:05/02/26 12:42:33 ID:m97HecVB
test
984名無しさん@初回限定:05/02/26 18:11:26 ID:kFGdvCBi
俺が書くから

誰か新スレへの道標をくれ
985名無しさん@初回限定:05/02/26 18:44:50 ID:immj0pIb
あ、>>467-494ですが続きみたいなものを書いてみました。
なんか作品スレが立ってたのでそちらに投稿しました。
今度はミハルです。桐絵の方が人気あるみたいですが、
ミハルは主人公が想う正ヒロインなので、ブラボー的にはこちらの方が
寝取られ感が強いんじゃないかと、福山にねっちょり頑張ってもらいました。
相変わらずのエロパロですが、原作もいよいよ来月最終回を迎えようとし、
私は踏切事故で人が轢死する光景を余すことなく目撃してしまい、
色々負けぬようハァハァ書きました。よろしければ読んでください。

『GIRLSブラボーでエロパロ』
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108700608/16-62
986作者その1
>>972
いいんじゃないの?