ロリ小説を作ろう!

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
2ちゃんのみなさんの総力を結集させてロリ小説を作りましょう!
2名無しさん@ピンキー:02/10/25 00:23
2ゲット
3名無しさん@ピンキー:02/10/25 01:22
ろくに続かないからもういいよ
4名無しさん@ピンキー:02/10/25 04:10
age
5あぼーん:あぼーん
あぼーん
6あぼーん:あぼーん
あぼーん
7名無しさん@ピンキー:02/10/25 16:17
8名無しさん@ピンキー:02/10/25 17:42
流れとしては
電気あんま

おしっこお漏らし

おしりぺんぺん

うんこお漏らし

シャワーで悪戯

シャワーで浣腸

アナルセークス(゚∀゚)

ジェットバスで悪戯

お部屋で初夜

ラブラブハッピーエンド
が良いですね。
9名無しさん@ピンキー:02/10/26 01:12
少女素描・沙由香-1

 部屋にはテレピンオイルと油絵具の交じった匂いで満ちていた。画材等はきっちりと
整理され、部屋の一角に収まっている。床はフローリングの、いたって普通のアトリエ
という趣だ。窓からは月灯りが洩れてくる。ただ、やけに大きなダブルベッドだけが
不釣合いにそこにあった。
 そこで私は仰向けとなって荒い吐息をついている、ひとりの少女・三島沙由香を
愛撫している。やっと膨らみかけた胸が可愛く慄き、微かに躰が弓状に浮き、肉付きの
薄い脾腹に肋骨を浮き上がらせていた。沙由香の純心な肢体への嗜虐が呼び起こされていく。
「あっ、あっ……あッ」
 白いシーツに素直な黒髪が散らばっている。沙由香の官能の拡がりを暗示している
かのようだ。白く甘く匂い立つ素肌は女となって、微かに朱を射してゆく。この年端も
ゆかぬ少女はどれだけの快美を経験してきたのだろうと、苦悶の表情を浮かべ目を瞑る沙由香の
顔を覗いてみる。
 ほっそりとした母親似の輪郭。今は固く閉ざされているが、大きくて吸い込まれそうなまでの
深みを湛える黒き瞳。薄いピンク色の唇は小さくて儚げで、むしゃぶりつきたくなってしまう。
沙由香の唇にミスマッチな毒々しい赫いルージュを塗ってやりたい。
「お、おじさん……て、手を握って……こわい……沙由香、怖いの……」
 大きな瞳を見開いて、頼ってくる沙由香。私は沙由香の空を掴むように出した手を
握って覆いかぶさる。私の怒張は沙由香の無毛の恥丘に擦り付けられた。
「あうううッ……!」
 私には沙由香への挿入は許されてはいない。そして、その少女と獣の絡み合いを
冷徹な目で見ている女がいる。ベッドの側で椅子に座って、すらっとした美脚を組んで
スケッチブックに木炭を走らせている沙由香の母・三島潤子。
沙由香

一応掴みだけ書きました。ただ、書くとしたら8さんの流れは
シャッフルすると思います。それだと続けられると思うのですが……。

あと、電気あんまとジェットバスの悪戯が分からないのですが。
どんな状況でのものなんでしょ。

うわお!のっけからなんと描写力あふれた文が!リレー小説うんぬんというより
このまま続きが読みたいなもし。
少女素描-2

 ついこの間のことだった。久しく会っていなかった三島潤子から個展の招待状が
届いたのは。
 かつては彼女とは恋人同士だった。同じ夢を見ていた者同士が寄り添い、いつしか
違う夢を見て袂を分かつ、ざらにあることだ。
「ひさしぶりだね……」
「来ると思っていたわ、京介」
「ずいぶんな挨拶だな」
「だってそうでしょ。あなたは夢が壊れてしまえば私のところにしか戻ってくることしか
能が無い男なのよ」
「……つっかかるね」
「だって、本当のことでしょ?」
「で、私になんの用なんだ」
「娘の沙由香を抱いて欲しいのよ。これはビジネスよ」
「おだやかじゃないね」
「心配ならいらないわ……あなたの娘ではないから」
「そういう問題なのか」
「食らい付いたのはあなたじゃない。人がせっかく気を楽にさせてあげたのに」
「断る!」
「……一億出すわ」
「……!」
「嘘じゃないわ。それだけ望まれているということなのよ」
「どうして素描なんだ。一度の絡みをビデオカメラででも撮れば済むじゃないか?」
「そんなのを望んでいる連中なんかを私は相手にしてるんじゃないわ!」
「ハイソな奴らの耽美なご趣味ってわけか」
「……引き受けるのね」
「何を企んでる」
「ふふふっ……時期に分かるわよ」
沙由香

電気あんまが知りたい! これをしてぇ、お願いッ!なんて言わないだろうし。
必然性が思い浮かびませんです。

ジェットバスの悪戯も何か特殊なものなの?
2話で引き込まれた。
8気にする必要はないと思うけど。
たしかにこの雰囲気だと
どういっても電気あんまは難しいと思う

挿入を許されてないって言う設定が絶妙です。
少女素描-3

 沙由香の肢体は周りの少女たちより、幾分発育は遅かった。一昔前であれば、それが
普通なのかもしれないが、だからこそ性が叛乱したこの時に少女の裸身は貴重とされていた。
 潤子にアトリエと通された時には、白いガウンを纏い、ひとりぽつんと座っていた。
「沙由、彼が今度のお相手よ……可愛がって貰いなさい」
 その少女は振り返ると、すっと立って私の目を見てから深々とお辞儀をする。おかっぱ頭の
腰まで流れる真直ぐな黒髪が揺れた。顔や首筋から見るに潤子譲りの透き通るような白い
素肌だろう。
 その時はまだ、潤子との恋人時代に犯り捲くっていた爛れた性生活を、この少女モデル
越しの向こう側を見ていた。
 日本人形のような美少女はガウンを紐解き惜しげもなく床に落とし素肌を晒す。モデルなのだから
不自然さは無い。しかし、私は少なからずこの少女の羞じらいに期待していた。契約は
この儚げな美少女との淫ら絵を描くことにこそある。とんでもない仕事だという後悔の念が
過ぎっていた。後悔……本当にそうなのか?潤子を見ていたはずなのに、今はこの
少女に魅了されている自分がいた。男としても、この美少女を悦ばせてやりたいという、
うたかたの夢に引き込まれている……腰までもずっぷりと。
「はい、お母さま。 おじさま……沙由香をどうか可愛がってやって下さい、お願いします」
「おじさんでいいよ」
「さあ、挨拶はおしまい。来なさい……沙由香」
 潤子は手をパンパンと叩いてから、沙由香を呼び寄せる。
「はい……お母さま」
 沙由香がそう答えると、私の方に近づいてきて、その場に傅く。少女の細っこい指が
恭しくベルトに手をかけ外し、スボンのジッパーを引き下げた。
「おい……自分で脱ぐよ」
 私は潤子に助けを求める子供になっている。
「相変わらず馬鹿ねぇ……それじゃ何にも面白くないでしょ」
 潤子は沙由香の手つきを眺めながら、ふふっと微笑する。
沙由香

このまま、ここで書いてもいいかな?
8さんのプロットでインスパイアされたからこそ、ここに書いているのだけれど
結構、スレタイ多いみたいだから……どんなもんでしょ?

あと、電気とジェットはやっぱり思いつきませんでした。w
浣腸はふつうな物にしときます。シャワー悪戯も入れるとしたらオーソドックス
な物ですから、過度に期待しないでください。できるだけ入れるよう努力
してみます、もしこのまま書いてもよかったらですが。

書いててテンション上がっちゃってて、せっかく買った戦女神Uが遊べない!w
もしお許し頂けるなら、書きあげたいと思っています。
 ぜひ書いちゃってください!お願いします。ここまで今日興味引かせておいて
撤退なんて殺生ですよう!
少女素描-4

「だったらシャツぐらいは脱いでみたら。それとも沙由にやって貰う方が興奮するかしら?」
 潤子は私の背中から耳元に囁く。その間にも、美少女は細い指を小まめに動かして
作業を止めない。
「……あっ!」
 少女の息を呑む小さな悲鳴が聞こえた。私はパンツごと床に擦り下げられて、無様に
屹立を曝け出している。後から白魚の潤子の指がペニスを握る。
「もう、エレクトしちゃってるのね。私の時より凄いじゃないの、妬けちゃうわ」
 潤子の本心とも思えず、しかしまんざらでもなく、これから起こる少女との快美のひと時の
昂ぶりに潤子は火を付ける。
 潤子は私のペニスを軽く扱いて、目の前の娘に言う。
「さあ、沙由……ご挨拶しなさい」
「……うん」
「ダメね、この娘は……うんじゃないでしょッ!はい、はいと言いなさいッ!」
 少女の大きな黒い優しい瞳が、母親の激昂におどおどした。
「ご、ごめんなさい、お母さま。沙由香、おじさまに御奉仕させて頂きます」
 少女は小さな唇を尖らせると、目を閉じて赫黒い亀頭にくちづけをした。
潤子の手が離れると、小さな手がそれに取って代わる。アイスキャンディーを楽しむ
ように唇を這わせ一生懸命にしゃぶり、可愛い薄ピンク色の舌でチロッとスティックを
なぞる。右手の指をリング状にし根元に添えて、左手で皺袋を揉んでは玉を転がす。
基本的で稚拙な技巧だったが、それに勤しむ女性が異質だった。
 そっと目を瞑っていて、時折、微かに長い睫毛が顫えている。美少女の目元は
仄かに朱にけぶり、まなじりには涙を浮かべている。
少女素描-5

確か、今度のお相手はと潤子は私を紹介していた。しかし、ガウンをあっさりと落として素肌を
人前に晒す度胸と打って変わって、処女然とした羞じらいに男をくすぐる媚態のようなもの
は何なのだ。その疑問は、私をこの少女を魅了させるだけの材料でしかなく、さらなる悦び
を感じて勃起する。私のペニスが官能に顫えて、びくんびくんと律動して少女を再び驚かせる。
「あん……」
 少女は唇を離してしまい、痙攣したペニスが美少女の顔を軽く叩いて嬲る。
「沙由香は何度やってもダメねぇ……」
「……ごめんなさい……お母さま」
 私は慌てて少女の頭を撫でる。愛撫されているべき時にするマナーを忘れて、
美少女の恥戯に耽溺していた自分を羞じる。
「上手だったよ、沙由香ちゃん」
「おじさま、ありがとうございます。それから……沙由香と呼んでください」
「じゃあ……私のこともおじさんと呼んで欲しいな、沙由香」
「で、でも……」
「京介がそう言うのならいいわ。沙由、いいわよ」
「はい、お母さま」
 少し、少女に笑みが射す。潤子の細い指が、手の平が私の頬を妖しく撫でる。
「こんな女が好みなんでしょ……そうね、三人で犯るならビデオカメラは必要ね……」
「お、おい……そんなことは」
 私は、さすがに驚きを隠せなかった。
「先の話よ……ずっとね。もっとも、沙由香があなたに馴染んで貰わなくては話になんないわよ」
「怖い女だな……潤子は」
「あら、今頃気づいたのかしら。もう、あなたを食べちゃっているかもしれなくってよ……ふふっ」
 潤子の今日何度か目の微笑だった。
少女素描-6

 沙由香は仰向けとなって快美感に悶えている。私が体重を掛けまいとして付いている両手の側には、
白いシーツに長い沙由香の黒髪が美しく散って潤子の求めていた淫ら絵の美とやらを
構築している。しかし、男としては、その美を破壊したくなるのも本能だ。この美少女・沙由香
に猛る牡獣のペニスを突き立てて苦悶し快楽に慄く顔が見てみたい。愛しく感じていても。
「いいわよ、犯っても。ただし、アナルエントリーでよければだけれど」
「な、なんだって……!」
「男のモデルを満足させるには、私かこの娘が相手するしかないでしょ?」
 私のペニスの昂まりの熱が、柔肌には灼熱棒と化して、さらにその摩擦が沙由香に
衝撃を生んでいた。
「んああああッ……お、おじさまああああッ!」
 やはり、おじさまかと苦笑しつつも嬉しくも顔が綻ぶ。
「沙由を欲しくなったんでしょ。ホールに愛液でも塗り込めたら」
 お構いなしに話を潤子は繰り出してくる。
「調教はしてあるのよ。きっと、気持ちよくってよ……みんな悦んでいたから」
「よ、よせ……!」
「あら、ちんけな正義感かしら?それとも、こんな話じゃ萎えちゃうの?沙由のお尻は綺麗な
ものよ。なんならコンドームをつけさせようか?」
「……い、いい……結構だ!」
「まあ、好きにするといいわ」
 潤子はそう言うとスケッチブックに目を落とし、中断していた仕事を続ける。私の下では
沙由香が絶頂に近い合図を送ってきていた。可愛く、短く連続して喘ぎを上げている。
沙由香、君は快楽に慣らされることの無い永遠の処女なのか……本当に肛門性交まで
する少女なのかい?
「あっ、あっ……あっ……あッ」
 沙由香は握っていた私の手を力強く握りしめる。

少女素描-7

 私は欲望の昂まりを、沙由香の白い腹の上に放出した。そのおびただしいまでの白濁の量が沙由香の
躰を穢して、荒い息づかいが聞こえてくる。肋骨が浮かぶ脾腹には、しっとりと汗を滲ませている。
私は沙由香が愛しくなって潤子の存在を忘れ、脾腹に舌を這わすと沙由香の味がした。潤子はその姿
までも描写する。
「んあっ……はあ、はあ……はあ」
「いい絵になるわ。素養があるみたいね」
「なんの素養だ」
「沙由が京介の躰に馴染む素養に決まってるでしょ」
 私は息を一生懸命に整えようとしている沙由香の頬を優しく撫でる。沙由香は私に気づいて、その手に
愛しそうに自分の手を添える。
「沙由香、綺麗だよ」
「ありがとう……おじさま」
「やっぱり、おじさまか……私はそんな立派な人間じゃないよ」
「……あっ……お、おじさまじゃダメですか……?」
 ちょっぴり哀しそうな表情。そう言ってから羞ずかしそうに頬を赤く染めて目を瞑る。
「沙由香といっしょに汗を流していって。それで今日はおしまい。それから、いつかは
沙由香の処女を貰ってね……これも、ずっと先の話だけれど」
「……処女なのか」
「嬉しい?ようは、沙由香が誰を選ぶかなのよ、京介が一番近いみたいよ。風呂はこの奥に
あるから、ゆっくりしてって。冷蔵庫の物は勝手にどうぞ」
 潤子はそう言うと、さっさと後片付けをして家に戻って行った。アトリエには沙由香と
私だけになった。



少女素描-8

「沙由香」
「はい、おじさま」
「躰を洗いに行こう」
「ご、ごめんなさい……わ、私、立てないの……」
「じゃあ、沙由香。おじさんが抱っこしてあげるよ」
「……あっ!」
 私はすっと立つと、沙由香の躰を横抱きにして掲げる。なんて軽いんだ、これほどまでに
この少女は儚かったのか。沙由香は私の両肩にしがみついてくる。
「こわかった?」
「う、うん……あっ、はい」
「別にいいよ、お母さんもいないしね」
 沙由香はにっこりと微笑むと私の胸に顔を埋める。少女の白い素肌には、まだ私の残滓が
こびりついている。潤子じゃないが淫靡な光景に心奪われ、再び男となって興奮してしまう。
その屹立に沙由香の素肌が感じ取る。
「……あっ」
 沙由香の頬が真っ赤になる。
「ごめんよ、沙由香。おじさんは悪い子だな。さあ、風呂だ」
 沙由香は不思議そうに私を見つめている。しばらく何事かを考えてから答える。
「うん……パパ」
 沙由香のパパは聞き取れないほどの小さな言葉だった。沙由香を通り過ぎた男たちは事が済んでも
何度も何度も彼女を犯していたのだろうか。そして、いつも自分の穢れをひとりぼっちで
落としていたのだろうかと考えた。
 私は沙由香に軽くくちづけをした。
少女素描-9

 バスルームに入ると、沙由香を椅子に座らせて頭を洗ってやる。黒髪に滲みこんだ穢れた性臭
を払い落す儀式みたく、丁寧に愛しんで洗う。
「沙由香、もうひとりでできるね?」
「はい。ありがとう、おじさま」
 沙由香の声が心なし明るくなる。私は適当に洗い先に湯舟に浸かるが、一瞬沙由香は残念そうに私の
顔を盗み見していた。
「ちゃんと洗ってから、入って来るんだよ」
「はい、おじさま」
 沙由香は、腹の残滓を愛しく撫でてから、名残り惜しそうに流していく。私は沙由香の躰を
洗う姿を楽しそうに眺めていた。これじゃ立派なロリコンだと毒づきながらも、
なにか懐かしい感覚に浸っている自分に気づく。
「さあ、沙由香……おいで!」
「はい、おじさま!」
 躰を伸ばして湯舟に浸かる私の上に沙由香は背中を預けてくる。膨らみかけの乳房をは背後から
手で覆ってから、乳首に悪戯を仕掛ける。
「んあっ……!」
 沙由香は小さな喘ぎを洩らしてから、片方の乳房にあてた手を掴んで驚く。
「あっ、おじさまの手、沙由香の肌より白くなって、ぶよぶよしてるわ」
「沙由香の大事なところを傷つけたりしないためだよ」
 沙由香には、どうやら分からなかったみたいだが、沙由香の秘部を爪なんかで傷つけたくない
という私のつまらないこだわりからだった。
「うん」
 分からないなりにも、自分を思ってとは感じたみたらしく嬉しそうに少女らしく返事をする。
私は再び、両手を使い沙由香の乳首を責めて、耳たぶの甘噛みを仕掛けた。
24:02/10/26 22:56
8です。9さん(・∀・)イイ!ですね。
ジェットバスは一通り終わって湯船に入ってほっと一息ついたところで股間に当てられ(*´Д`)イヤーン
見たいなのを想像してました。
電気あんまはこの雰囲気では難しいですね。お母さんに戻って来て貰って電気あんまさせるのはどう
ですか?ちょっと悪人っぽいお母さんみたいなので。
まだ続き書いていなかったら考えてみてください。
続き楽しみにしています。
>24
沙由香
ジェットバスはやろうと思えばこの後もできると思いますが、いかんせ
構造を知りませんです。水流をどこでどう操作するのか知ってたら
使えたのですが、すみません。 電気もむずかしい。w

風呂のとこでテンション落ちてるんですけど変でないですか。

少女素描-10

「ああんっ……」
「沙由香はとてもかわいいよ」
「ほんとですか……お母さまよりも?」
「もちろんさ」
「でも、沙由香にはママみたいな……お乳が……ないから……」
「じきに大きくなれるから、心配しないで」
「ほんとなの?」
「お母さんみたく、もっと綺麗になれるよ」
「でも、ママみたくなったら……おじさまに……捨てられちゃう……うあああッ!」
 私は沙由香の不安を快美で包み込む。
「沙由香とは今日知り合ったばかりだろ」
 私は閉じた両脚に両手を差し入れて内腿擦るようにして拡げていく。
肩越しにも、沙由香の無毛の恥丘が見える。私は太腿の内側をじんわりと撫で擦り
秘所へと近づいていく。
「いや……いやあああッ……さ、沙由香を……捨てないでぇぇぇぇぇッ!」
 もし、これがジェットバスだったら、沙由香は絶頂に達していたかもしれないと
楽しい空想をしながら秘所を手の平で覆って上下に軽く擦ってみる。
「んあああッ……んんっ……お、おじさまは……さ、沙由香のお尻は嫌いなの……」
「どうしてそんなことを聞くんだい?」
「だっ、だって……さ、沙由香は……ママみたく……前で、できないのッッ!」

少女素描-11

「沙由香は、だからお尻でしたいのか」
 私は沙由香の首筋に舌を這わす。沙由香は即答はしなかった。
「お、お尻は……嫌い……い、痛いだけなのッッ……で、でも、おじさまが…欲しいのなら、
してもいい……」
「沙由香は無理しなくてもいいよ」
「でも、でも……お母さまが……」
 私は沙由香の不安を一時でも忘れさせようとして、右手を沙由香の頭を掴んで
後を向かせる。左手はそのままに沙由香の秘所を優しく嬲る陵辱者を続ける。
「……沙由香、羞ずかしい」
 私は振り向かせた沙由香の唇を無理やり掠める。
「んぐうっ……んんっ、んはっ……ハァ……おじさまに悦んでほしいのおおおッ!」
 沙由香は確かに女の声を上げていた。しかし、私にとっては神聖な別な物として
心の奥底に響いていた。
「は、早くぅぅぅッ……おじさまと……繋がりたいのぉぉぉぉッ!」
 私は湯舟のなかで、沙由香の背後から彼女の華奢な肢体をきつく抱きしめた。
沙由香は荒い息を吐いている。
「私、お尻は嫌い……でも、おじさまとの絵をかくのなら……お尻でもいいッ」
 沙由香はお尻のことをひどく気にしていたみたいだ。
「だ、だから……嫌いに、ならないで……嫌いにならないでぇ」
「さ、さっきもかわいいと言ったろ……沙由香を嫌いになんか……なるわけないだろ」
「じゃあ、沙由香のお尻も……す、好きに……なってぇぇぇぇぇぇッ!」
少女素描-12

 私の怒張は沙由香の無毛のスリットから顔を突き出していた。沙由香はいままでの衝動を
ぶつけるように灼熱棒に自分の秘所を擦りつけるようにして律動を繰り出している。
「さ、沙由香……あんまり烈しくしちゃ……あぶないよ……」
「い、いいのぉぉぉぉッ……おじさまに……も、もっと悦んでほしいからあああッ!」
 沙由香は自分の股間から覗いている屹立に両手を添える。左手で肉棒を扱き、右手は亀頭を
覆ってぐりぐりと手のひらを擦りつける。
 烈しく揺れる水面に、黒髪がほとけて散っていく。沙由香は箍が外れたようにペニスへの
恥戯に耽溺し水中を凝視している。素肌は赤みを帯びて女に変貌していた。
「さ、沙由香……どうしたんだ……」
「だ、出してちょうだい……お、おじさまの……ミルクうううッ!」
 私の絶頂が迫っている。このまま沙由香の膣で果てたいというドス黒い欲望が水面に棚引く黒髪と
だぶって渦巻いていく。私は沙由香の華奢な両肩を掴んで、律動をさらに促した。
「さ、沙由香も……イッ……イッちゃううううううッ!」
 誰にそんな言葉を教えて貰ったんだという嫉妬が湧いた。しかし、沙由香は今、私だけの
物だ。そう私だけの物だ。
「で、出るぞッ……さ、沙由香あああぁぁぁぁぁッ!」
 私は精液を湯舟の中に放出する。沙由香の躰が顫えて一瞬失神したように力がふっと
抜ける。しかし、沙由香にすぐに力を取り戻して、湯のなかに揺れる精液を、憑かれたように両手で杯をつくり
そっと掬っては呑み干すのだった。

 私はその一日だけで、娘の虜になっていた。永遠の少女と女の顔合わせ持つ三島沙由香という女性に。
少女素描-13

 沙由香と私のモデルの関係はゆっくりではあったが、深く静かに構築されていた。
沙由香は私のペニスにかわいらしい舌を少し出して何度も舐めてくれる。それだけで達して
しまいそうなくらいに私は危ういのだが、必死になって堪える。これでは、まるで童貞だ。
 気を逸らそうとして潤子を見ると視線が絡む。被写体を見るそれではあったが、心が
見透かされそうで揺れる。沙由香に視線を落とすと、潤子の企みが何にせよ、これでいい
という思いであふれてくる。刹那的な性愛に蕩けてゆく。
 沙由香は小さな唇をいっぱいに拡げて、赫黒い亀頭を呑み込む。鼻腔をいっぱいに拡げて
息をつきながら。沙由香の熱い息が私の腹部にかかり、さらに膨らみを増していく。
「沙由香の頭を引きつけて」
 沙由香の頭を愛しんで撫でていた手が凍える。
「はやく、童貞じゃあるまいし」
 沙由香を見ると、黒い瞳が私をじっと見つめてから、静かに閉じる。涙を溜めながらも
私にその行為を促している。しかし、躊躇いがある。これでは、沙由香の躰を
過ぎていったモデルとなんら変らない。私の躊躇いに感づいて、自ら深々と咥えてゆく。
「沙由香ああぁぁぁぁッ!」
 私は沙由香の後頭部に手をあてて逃げ道を奪った。
「んんっ……んぐうッ……ぐえっ……」
 沙由香の凄惨な呻きが洩れる。あどけなかった顔は涙で汚れて。
「なにしてるのよ。私にしたみたいに、もっと突きなさいよ!」
 潤子が私のなかの獣欲を焚きつけた。
少女素描-14

沙由香の淫れた息が私の欲望に、さらなる闇を巣くう。ベッドの軋む音が騒がしく
なって、気分がささくれだつ。
「さ、沙由香あああッ……ゆ、許してくれぇぇぇぇぇぇッ!」

 最後の一突きで、全てを吐き出しペニスを抜き取ると、白濁と唾液が混じった物が
淫靡に糸を引いた。そんな絵図に恍惚となる。
 沙由香は苦しそうにベッドに両手を付いて、呑み込めなかった物をどろっと
吐きだしている。
「ううっ……はあ、はあ……ううっ……げえっ……!」
 吐しゃ物とともに、私のおびただしい量の精液が吐き出される。沙由香の躰のなかに
留まることの許されなかった精液がシーツにこぼれる。私は沙由香の小さく顫える背中
を擦ってやる。潤子に視線をやると、相変わらず木炭を走らせている。
 沙由香が動いた。自分の吐しゃ物にへばりついて舐め取ろうとする。
「よ、よせッ、沙由香!」
 細い肩を引き寄せる。
「ご、ごめんなさい……おじさま……」
 濡れる瞳に堪らなくなって沙由香の唇にキスをする。沙由香は目をいっぱいに開いて
私を振りほどこうとした。逃がしはしないよ。沙由香が弛緩してゆっくりと瞼を閉じて、
また雫がこぼれる。
「慣れないのよ。慣れてもらっても、困るんだけれどね」
 私と沙由香の心を乱す潤子の声が響く。少しでもくちづけで吸い取ってやれるものなら
不安を取り除いてやりたかった。
 沙由香の手が私の背中にまわされる。
 私の手は心配ないからと、沙由香の背中を優しく撫でている。

少女素描-15

「じゃあ、次はこれやって」
 真新しいシーツの上にポンと朱色の紐が投げつけられた。

「どうするんだ」「縛るに決ってんでしょ」「そんなテクはないぞ」「好きにしたら」
 と、潤子の決まり文句。

「私がしてもいいけれど、沙由香が京介に馴染まなければ意味ないのよ」
 私は沙由香に両手を出させて、手首を縛る。
「おじさんは、こういうことできなくてね」
 何も言わずに真っ赤になって俯く。沙由香自身が何よりも多く知っていることに
気づいて羞ずかしくていたたまれないのだろう。
「そんなんでいいの、大の字縛りにでもすれば?」
 私は潤子の声を無視し、沙由香の躰を静かに仰向けに寝かす。
「……ああっ」
 縛った両手を頭上に置いて両手首を押さえつけ、沙由香にそっとくちづけをする。
閉じていた脚をもじもじと動かし始めて、躰もしっとりと汗ばみ始めている。
 沙由香はゆっくりと愛されることで感じるのではないだろうか。ならば、淫絵図
を描く為にどんな愛され方をしてきたのだ。モデルのため後ろでも愛せるように
したという。しかし、沙由香は痛くて嫌いだとも。
 私への媚びなのか、潤子の肛門嬲りの単なる口実なのか分からなくなっていた。
沙由香、君は何者なんだね?
少女素描-16

 沙由香の脇に舌を這わすと、しょっぱい味がした。沙由香の味がする。
そして、脇からやっと膨らみかけの乳房に、円を描くように乳首を目指す。
 沙由香の腰がもじもじと動いて、閉ざされていた脚がゆるゆると開く。
その動きを感じ、乳首から腹部に向かい、沙由香のへそを弄ぶ。
「ああんっ……くすぐったいよお……」
「嫌いかい……?」
「き、嫌いじゃあないよぉ……」
 ふるふると首を振り、はあ、はあ、と息を吐きながらもやっと答える。
私はさらに下を目指して、やっと沙由香の女がひっそりと息づく秘所に辿りつく。
かつての無毛の恥丘に、微かに、にこ毛が生えていてる。それを唇で引っ張って
弄ぶ。
「ああん……はうっ……はあっ」
 自分でもその存在を知らなかったのか、腰が初めての感触に驚きびくんと跳ねる。
私の手はすでに沙由香の細腰を両手で挟んでいた。ただ、押さえつけるため
ではなく、愛撫するかのように手を添えるだけ。
 舌を尖らせ沙由香の秘唇のスリットをつんつんとしてから上へとなぞる。
「ううっ、はあああっ……」
 沙由香の躰がまた跳ね、拘束された手が頭上で、くの字に反る。沙由香の
核(さね)を捉えると、そこは充血していて、かわいらしく尖っていた。
舌先でつんつんと嬲ると、女としての歔きが交じり始める。
「いや、いや……いやああっ……」
 どことなく媚態が混じる間延びした声を沙由香が洩らす。
「やめようか、沙由香?」
 意地悪く聞いてみる。

少女素描-17

「ち、ちがうの……ちがうの……て、手がぁぁッ……」
 快美に沙由香が翻弄されている。
「とっちゃだめよ!」
 潤子がスケッチブックから顔を上げて言う。私は沙由香に覆いかぶさって
拘束されている手を強く握った。
「これならいいだろ、沙由香」
「う……は、はい……おじさま……」
 沙由香の秘所にあたっているペニスを、私は擦りつけるように動かす。
ピッチをあげていくと、沙由香は官能を吐露し始める。
「あっ、あっ……あああっ……お、お尻でぇ……」
「お尻だってさ……どうすんの?」潤子が尋ねてくる。
 私には、まだ躊躇いがあった。沙由香の肛門にペニスを挿入し少女に止め
を刺す……できない。
「できないなら、顔にかけて」潤子がぶっきら棒に言う。
「お、おっ、お尻でしてぇぇぇぇぇッ!」
 私は膝立ちのまま、沙由香の顔に近づいた。
「ごめんな、沙由香」
 あっ、と言って悶えていた沙由香が私を見て真っ赤になる。私が屹立を
握っているのを見て、拘束されたままでペニスに触れようとにじり寄る。
沙由香の指が亀頭に触れた瞬間に私は弾けてしまう。
 無垢な顔が白濁で穢されて、沙由香は恍惚となった。不思議な物でも眺める
ようにしていると、私の視線に気がついて、また顔を染める沙由香だった。
 それを見ていて、私は沙由香の顔に舌を這わして、穢れを舐め取る。
「……あっ……おじさま」
 ただ沙由香を愛しての行動だった。沙由香も当初はとまどいを見せてはいたが
次第に官能の昂まりを感じていたみたいだ。
少女素描-18

「あっ、あっ……あっ……ああっ」
 沙由香の悦びの声が聞こえてくる、ひとつに蕩け合えなくとも満足だった。
「……おじさま」
 沙由香は私の屹立に気づいて躰を起こす。私は仰向けになり少女に身を
委ねた。拘束された手に朱の紐、ぎこちなくも精いっぱいに私に奉仕してくる
美少女。それだけで、絶頂を迎えそうになってくる。
「さ、沙由香……で、出そうだから……もう、いいから」
「いや……沙由香、このままがいい」
 沙由香は無理やりに唇を怒張に被せてくる。再び射精感が蘇って。
「さ、沙由香……む、無茶は……いけないよ……」
 少女は目をぎゅっと瞑って、苦しみに耐えて口腔性交をする。射精が
始まった。一生懸命に呑み込み、出来ないものは口に溜めようとしている。
全てが吐き出されたところで、状態を起こして顔を天井に向けた。
 長い黒髪が後ろに流れて、白い喉がごくっと蠢き精液を嚥下する。
 私は急いで起き上がり、沙由香を見る。
「気持ち悪かったら、ぜんぶ出しなさい」
 沙由香は涙目で私を見て、ふるふると頭を振る。
「ぜ、ぜんぶ沙由香……ぜんぶ呑めたよ……おじさま……」
 私は迷わずに沙由香の唇にキスをした。沙由香の唇から僅かに精液が
滴っている。


「京介、来週のモデルはいいからね」
「……えっ?」
「バカねぇ……お役ゴメンとは言ってないでしょ」
 胸を撫で下ろしている自分にハッとしていた。
少女素描-19

「旅行に行ってもらいたいのよ。沙由香といっしょにね」
 潤子が切り出した。
「……旅行?」
「長野の旅館を手配しといたわ」「な、長野?」
「ユニットより旅館のほうがくつろぐでしょ」楽しそうに潤子が話す。
「あっ、そうそう、私は行かないから」「な、何を考えてる!」
「何度も同じこと言わせないでよッ!沙由があんたに馴染まなきゃ碌な絵に
なんないからよッ!」
 今までも充分、異常過ぎるのに、潤子の激怒に今更ながら背筋に冷たいもの
が走る。
「沙由は京介との旅行、楽しみにしてるみたいよ」
 脅したり、賺したり、大した玉だよ、と毒づきながらも沙由香との旅行に
思いを馳せると、気がやわらぐのも事実だ。

 私が沙由香の家に車を着けたのは深夜三時、昼までには着けるからだ。
玄関では、すでに三島親子が待っていた。潤子がトランクに鞄を入れる。
「沙由香、まだ寒いから助手席に乗ってなさい」
「はい、おじさま」
 白いワンピースを着た絵に描いたような少女が助手席に乗る。
「頼んだわよ。はい、デジカメ」「何に使うんだ」
「前頂くなら撮っといて」「本気なのか」
「最悪よ、使わないに越したことないわ。まあ、信じてるから。じゃあ、
いってらっしゃい」
湯船に浮かぶ精液を啜る少女・・・えちぃですね(;´Д`)ハァハァ
少女素描-20

 夜の静寂が寂しくもあったが、沙由香との空間が堪らなく愛しかった。
普通だったら気の利いたBGMでも流してリラックスさせるものだが、それさえ
も野暮と感じていた。
「沙由香、少し寝たら」
「ううん……あっ、ごめんなさい」
「いいよ、別に。お母さんがいるわけでもないしね」
「沙由香、ドキドキしてたの……」 沙由香が心なし俯く。
「遠足みたいだしね」
「……ちがうの」
 私は沙由香の言葉を聞いて彼女の方を見る。俯いてても私の視線に気づく
のか顔が赤くなっているみたいだ。少し可哀相になってFMを流す。
「ドキドキしてて、ずっと楽しみにしていたの……」
 私は俯いている沙由香の頬を撫でると、少女の躰がびくんと顫えた。
「それでいいんだよ……おじさんもそうだったから」
 私の方を見て沙由香は嬉しそうに微笑んだ。
「ずっと寝てなかったんだろ」
「……うん」 「じゃあ、寝ておかなくっちゃね」
「はい……おじさま」 
「今日の沙由香、綺麗だよ」
 私は忘れていた言葉を贈った。その時の羞じらいの沙由香を、今すぐにでも
抱きしめてやりたかった。


少女素描-21

 日の光が沙由香の顔を射し、彼女は寝返りをうって目を開ける。私と目が
合って視線が絡み微笑むが、やはりまだ羞ずかしいみたいだ。
 彼女は視線を逸らして、外の流れる景色を見た。わっ、と小さな悲鳴を
あげて見入っている。そんにな、子供らしい姿も愛らしい。

「沙由香のバージンは私の絵の為の物よ」
「お前は俺を信用していないのか?」
「さあ、どっちかしらね……犯るんだったら、ちゃんと撮ってきてよね」
「わかったよ」
「どっちのことかしら?」 潤子が悪戯っぽく聞いてくる。
「犯らない方に決まってるだろ」
 私がそう言って、車に乗り込もうとした時、潤子の白魚のような細い指が
股間の勃起を撫でた。
「ほんとうに、だいじょうぶなの?」 潤子は再度、勃起を撫で擦り微笑を
浮かべる。

 沙由香の様子を見ながらも、出発前の潤子とのやり取りを思い出していた。
沙由香を愛しく思っていながら、無茶苦茶にしてやりたいという欲望に気が
つかされる。

 朝10時頃、サービスエリアに寄って沙由香と軽く朝食を済ます。私と
連れ立って歩く沙由香を誰もが振り返って見ていた。少女の一挙手一投足が
目を奪わせるのだ。虚栄心が満たされるわけでもなく、これは私だけの物だ
と言い放ちたい気分にとまどう自分がいた。
少女素描-22

 二時間程過ぎてから、沙由香の様子がおかしいのに気がついた。俯いた
ままで、もじもじとし、顔は青ざめている。
「どうした……どうした、沙由香?」
「ご、ごめんなさい……お、おなかが痛いの……」
「……トイレなのか?」
 言ってから、しまったとは思ったがいたしかたがない。エリアは過ぎて、
ここ暫くトイレは無い。沙由香は言葉に反応して泣いてしまった。
 ドキドキして楽しみにしていた……沙由香はトイレに立つことも躊躇われ
たのだろう。ちゃんと沙由香に聞かなかった私がバカだった。
「もう、我慢できないかい?」
「ごめんなさい、ごめんなさい……おじさま……」
 沙由香の泣き声は、しゃくりあげるものに変った。要領を得なくなって
ハザードランプを点けて、緊急舗道に車を着ける。
「いや、いや……いやぁ……」
 少女の拒絶が何を意味していたのか、すぐに分かった……沙由香にとって
地獄だったろう。トランクを開けて三角灯を立て、沙由香の着替えとタオル
をあるだけ掻き出す。
「沙由香、ワンピースと下着を着替えるからね」
 外では羞ずかしかろうと中でと思ったが、シートはどんどん汚れて沙由香
の臭いも拡がっていった。
「いや……脱ぎたくない……」
 さすがに沙由香のわがままに怒りを覚える。
少女素描-23

「聞き分けのない娘は嫌いだな」
 さすがに堪えたのか、ようやく従う。やはり外に出さなければどうにも
ならない事に気づいて、無理やり外へ出す。後々の事も考えシートを優先
させたことが沙由香をさらに傷つける。それで、タオルの大半を使い切って
しまった。
 沙由香はまだ泣いている。無視して作業へと取り掛かる、事務的な方が傷
は少ないと思ったからだ。
「沙由香、スカートの裾を捲くって」
 捲り上げられたそこからは、細い腰にストッキングをとめるガーターベルト
が飛び込んできた。レース地の刺繍の入ったレインブルー色でパンティも
お揃いだった。子供らしからぬ物は明らか、しかし、ほんとうにそうなのか。
羞ずかしくて拒んでいたのか、もしかしたら私の為に着けた物を脱ぐのを嫌
がったのでは?
 オーダーの特殊な物だが、この色は沙由香のセンスなのでは、
白いワンピースもそうなのだと思った。
 私は急いで汚れ物を剥いで始末をつける。沙由香はまだ泣いている。
「ごめんなさい、ごめんなさい……ごめんなさい……」
 タオルで小さなお尻を拭いてやると、もう手がつけられなかった。
ワンピースも脱がせシャツとスカートのラフな格好にさせる。その時ブラも
同じものだと分かった。しかし、このままでは、いかんともしがたい。
 もう一度エリアで水でちゃんと拭いてやらねばなるまい。
「暫く我慢できるね」
「ごめんなさい……ごめんなさい……」

41名無しさん@ピンキー:02/10/28 17:50
お漏らしキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
けど大か小かわかりにくい(´・ω・`)ショボーン
少女素描-24

泣きつくしてしまったのか、涙はもう出ていなかったが、時折ひくっ、ひくっ
としゃくり上げている。ウインドを空けていても微かに臭いがしていた。
沙由香は助手席にいて、長い黒髪が風になびいている。
「後に座ったら?」
「……いや」
「どうして?」
「おじさまの隣にいちゃ……だめ……」
 また、沙由香にドキッとさせられたが、このままではどうしょうもないと、
上着を脱いでそこに座らせた。沙由香はすまなそうに、また謝る。そんな
やり取りがあった。   横の沙由香を見て、今までのことを詫びる。
「沙由香の気持ちも分かってやれなくて、ごめんな」
 少女はまた、わっ、と泣き出してしまった。 エリアに着いてから従業員
トイレとタオル、あと消臭剤と洗剤を貸して欲しいと事情を説明すると快く
受け入れてくれた。私の側で目を真っ赤にしている可哀相な美少女を助けた
かったのだと思う。私が説明しているのを聞いて、思い出し泣きするのも
拍車をかけていた。
 暫く誰も入れてほしくないと念を押し、沙由香とトイレへと入っていった。
部屋に入って鍵を掛け、沙由香を後ろ向きにさせる。
「パンツを脱いでごらん。ちゃんと拭いてあげるからね」
 こくんと頷いて脱ぎ始める。私は便座を下ろして腰を掛け、沙由香を眺めて
いた。脱ぎ終わってパンツを受け取り、沙由香のスカートを撒くって、水で
濡らしたタオルで小さな白いお尻の汚れを拭き取り始める。
少女素描-25

 沙由香の白い小っこいお尻が露になった時、汚れのまま、むしゃぶりつき
たい衝動に駆られていた。私の邪な欲望を知らない沙由香は、濡れたタオル
の感触に躰がびくんと反応して、また謝罪の言葉とともに泣いてしまう。
「どうして、そんなに泣くのかな?」
「だって、だって……沙由香は悪い娘……だから……」
 ドアに両手を付かせて、脚を幾分か開かせる姿勢でお尻を拭いている。
沙由香にとっては羞恥を煽る格好なはずだ。強烈な羞ずかしさが蘇り、沙由香
は私の殉教者となる。そのまま、始末をして出ようと思っていたが、この愛しい
美少女を苛めてみたくなっていた。
「そんなにお仕置きして欲しいのかい?」
「はい、沙由香を叱って……」
 私は沙由香のお尻に手をあて叩こうと思ったが、思い直して双臀を愛撫して
いた。
「ひっ、ああっ……や、やめてぇ……おじさまぁ……」
 沙由香の両手がドアを掻く。
「確か……沙由香はお仕置きをして欲しかったんだよね?」
「う、うん……はい、おじさま」 沙由香に女の歔きが交じってくる。
 私は双臀を鷲づかみにし割って、沙由香の菊肛を露にした。小さくひっそり
ある沙由香のが顔を覗かせる。そこは、ひくっと蠢いていた。
「お、おじさま……や、やめてぇ……」
 顔を近づけ沙由香のアナルを舌で突いてみる。

少女素描-26

「いやぁ、いや、いや……いや……き、汚いのにぃ……」
 母猫のように仔猫の後始末をする。汚れを舐めとって、更に舌を尖ら
せて沙由香のアナルに挿入する。
「お客さん。新しいタオル、手洗い場のとこに置いて置きますね」
 先ほど応対してくれたチーフの声だ。
「ひっ、いやッ、いやあッ……こ、こないでぇぇぇぇぇぇッ!」
 沙由香の絶叫に驚いてすぐに出て行ったが、沙由香は突然の来訪者に
衝撃を受けて小さな秘孔から水流が勢いよく迸らせ、烈しくドアを掻き
毟るのだった。さすがに、これ以上は嬲ることはできなかった。
 外へ出ると私たちにチーフが何度も謝った。おみやげまで貰って
しまって、こちらが恐縮してしまう。びっくりしてしまって沙由香が
失禁してしまったことも忘れずに付け加えたのもあってと思う。
沙由香もぺこりと頭を下げていた。

「どうするの、後にするかい?」
「おじさまの隣……」
 ぽつりと呟く沙由香を抱き寄せて、頭を撫でてやりサービスエリア
を出発する。旅館には直行せずに、ショッピングモールでクリーニング
を頼んでから、白いワンピースを購入した。沙由香の物とは比べ物に
ならない安い物だったが、本人はご満悦みたいだった。
ムードがいいっす・・・次回も期待してます
スマソ、まだ続くんです。終わりは、たいした捻りのないオチですけど。

お尻ぺんぺんもちやんとありますよ。
少女素描-27

 部屋に通されると沙由香は奥の障子を開けて、窓を開けた。外からは沢の
せせらぎが入り込んでくる。
「す、すごく高い!吸い込まれるみたい、パパ!」
 沙由香が振り向くと、自慢の長い髪がふわっと舞った。
「危ないから身を乗り出したりしたらダメだよ」
 今まで、おじさまだったのが自然にパパだ。沙由香の切り替えしに驚嘆
していた。
「六時にお食事をお持ちしますから、それまでごゆっくりとどうぞ」
「ごくろうさま」
 仲居が去ると沙由香が私に飛びついてきた。
「沙由香のこと、かわいいお嬢様だって、パパ!」
「おじさまからパパだもんな……」
「ダメ……かしら?」
 沙由香の黒い瞳が私を見つめている。返事はせずに、抱き寄せて頭をクシャッ
と撫でてやる。
「パパ、パパ、パパ!ほんとは恋人なのにねっ!」
 先ほどのしょんぼりとしていた姿が嘘みたいだ。私は思い出して携帯で
潤子に連絡をする。
「いま、着いたよ」
「あら、予定より少し遅いわね」
「ちょっとした交通規制に遭ってね」
 すぐにばれてしまうような嘘だったが、それでいいと思った。
「じゃあ楽しんで来てね」
「お、おい……」
 潤子はあっさりと切ってしまう。よくわからん女だ。
少女素描-28

 先に沙由香と露天風呂に行くことにした。部屋にも小さな物は付いていたが、
此処まで来てそれは野暮というものだ。時間も早いだけに人は少ない。躰を
伸ばしてくつろいでいると、さっきまで泳ぐようにして遊んでいた沙由香が
上に重なってきた。しな垂れかかり、手の平で下から上へとペニスを愛撫して
握ってきた。人はいくら少ないといえ、衆人の目の前での沙由香の恥戯に
烈しく勃起する。
「ダメだろ、悪戯しちゃ。また、お仕置きされたいの?」
 暫く黙ってから、熱く視線を絡めてから沙由香は答える。
「……さ、されたい……お仕置きされたいの」
 沙由香は湯にあてられたみたいに、真っ赤になっていた。

 部屋に戻ってからは、艶女から無邪気な子娘と変って私を翻弄させる。食事
も二人で楽しく済ませることができた。それはそれで楽しいものだ。
 寝る段になって、沙由香が布団を引いてある場所から襖を開けて現れた。
淡いブルーのパジャマで、胸元には飾り、刺繍も施された女の子ぽいもの
だったが、下はなんとパンティーだけだった。
 沙由香は両裾を持ってお姫様みたくお辞儀をする。私を誘っている、鼓動が
早まった。
「だめだろ、また、おなかを壊しちゃうぞ」
 なんてつまらない言葉を吐いたのかと後悔しても遅かった。沙由香の顔は
みるみる曇っていき、襖をピシャッと閉めてしまう。飲んでいたビールを置いて
様子を見に襖を開ける。沙由香はそのままの格好で、布団にうつ伏せになり
両腕を折りたたんで、手の上に顔を埋めていた。
少女素描-29

 私に気がついて顔を横に向ける。パンティーを履いた小さな可愛いお尻が
見え、流し目で誘っているような眩暈を覚えた。その実、単に拗ねているだけ
だったりする。
「沙由、おなか壊しちゃうぞ」
 性懲りもなくまた言う。沙由香に激烈な羞恥を蘇らせていたことだろう。
「パパのバカ……!」
 確かにバカだ。ひよっとすると沙由香は私を誘っていたのではという感情
が確かなものへと変っていた。
「そんなにお仕置きして欲しいのか」
 私は、ある悪戯を思いつく。沙由香の躰がびくんと言葉に反応する。
 しかし、沙由香は顔を手に伏せたままだった。私は沙由香に近づいて、綺麗
に閉じられていた両脚を掴んで、いっぱいに開脚させて股間に足をあてがった。
沙由香は驚いて私の方を向く。だが、一気にピッチを上げてバイブレーション
を開始した。
「やっ、やめてぇ……パパッ!」
 沙由香は躰を捻じって逃れようとするが、少女は非力だ。反応にやがて
変化が現れた。最初はむずかっていたが、無邪気に笑い、やがて快美の声を
洩らすようにまでなった。
「あっ、ああっ……いやあっ、いや……」
 華奢な肢体が布団の上で淫らに揺れ髪が絡みつく。ゆっくりに切り替えから
快感がじんわりと沙由香のなかに拡がり始める。伏せていた顔も仰け反って
喉が伸びて、少女らしからぬ姿態に興奮する。また頭を下ろして、布団を掻き
毟る沙由香だった。
「ああっ、あん……パパ、パパが欲しいの……」
少女素描-30

「パパが欲しいの……」
 沙由香は確かにそう言った。恥戯を中断して沙由香に覆いかぶさって、髪を
梳いて耳元に囁く。
「パパがそんなに欲しいの?いけない娘には、ご褒美は上げられないな」
「ごめんなさい、ごめんなさい……だから、だからぁ……」
「沙由はいけない娘なんかじゃないよ、パパが悪かった……沙由香があんまり
綺麗だったんで、びっくりしちゃったんだ……」
 本心を告白して沙由香の耳たぶを甘噛み、少女は快美感に混乱する。
「さ、沙由香が、沙由香が悪いのぉ……ご、ごめんなさい、ごめんなさい」
 また、沙由香を貫きたい衝動に駆られる。無毛のスリットに烈しく勃起した
ペニスを欲望の赴くままに突き立てる、無残無慈悲なまでの甘美な幻想。
「お尻、お尻にぃ……パパが欲しいのぉ……!」
 沙由香の突然の声が私を狂わす。パジャマをさらに撒くって、小さなお尻を
優しくじんわりと愛撫する。
「どこに欲しいの……?」
「だ、だから……沙由香のお尻……オチンチンを入れてぇ……!」
「沙由は痛いのは嫌いじゃなかったの?」
「いっ、痛いのは……嫌いッ!でも……前で出来ないから、お尻でひとつに
なりたいのぉ……」
「お母さんみたく、前でしたいの……?」
 潤子の言葉を壊したい危険な誘惑。
「う、うん。ママみたくぅ……なりたいよぉ。お尻はいやぁ……いやなのッ!」
少女素描-31

 私は躰をずらして、臀部から手を差し込んでスリットを撫でる。沙由香の前
はぐっしょりだ。
「あん……はあん……」
 さすがに、このままじゃまずいだろうと、一度、沙由香から離れてタオル
を取りに行く。解放された恥戯から躰を起こして両手を付いていたが、その顔
は快美によって惚けている。潤子ではないが、これが浴衣で肌けた姿なら
どれほど煽情的だろうかと残念にも思った。バスタオルを持ってきたことに
気が付いて沙由香は顔を真っ赤にする。乱れた黒髪の隙間から覗く沙由香の姿が
欲望そのものに映っていた。
 バスタオルの上に沙由香を仰向けに寝かせて、パンティーを抜き取り秘所を
愛撫する。愛液が溢れて、アナルまでも潤わせていく。
 沙由香は私のなかで楽器になっていた。ありとあらゆるところで違った美しい
音色で魅せる、私だけの素晴らしい楽器。私は躰を起こして、沙由香の女の命に
亀頭を少しだけあてがうと、美しく顔を歪めた。
「沙由、やっぱり……お尻でひとつになろう……」
「う、うん……お尻でも……沙由香嬉しい……ごめんなさい……」
 私は覆いかぶさって、沙由香の愛液を怒張に擦り付ける。
「ああっ……はぁ……」
 沙由香の喘ぎをくちづけで奪い、犯すみたいに舌を絡め取る。
「んんっ、んぐぅ……んんッ!」

 このままアナルで交われば、ヴァギナで交わることを望む沙由香にとって
ベストだったかもしれない。だが、私は沙由香に後からの交合を望んだ。
少女素描-32

 うつ伏せになり小さな腰を掲げて、菊肛に挿入を待っている沙由香の息は
荒かった。これから来るであろう肉棒の責めに怯えている。
「沙由香、ごめんよ……」
「ひッ、ひとつに……なりたいの、パパといっしょに……!」
 タオルに顔を伏せたままの沙由香のくぐもった声が聞こえる。怒張に唾を
塗り、双臀を優しく撫で回してからペニスに手を添えて、ひっそりと息づく
沙由香の菊肛に亀頭をあてがう。
「ひいッ……!」 あんなに揉み解したのに何がそうさせるのだろうと考え
る。アナルエントリーも出来るのよ、潤子の声が響いた。私なんかよりも
ずっと性体験が豊富だろう。だがそんなことは、どうでもいい!沙由香は私
だけの処女だ、永遠の処女だ……それだけでいい。
 笠を呑み込むと、沙由香は更に大きく口を開いて息を吐いていた。しかし、
次の瞬間には苦痛に耐えタオルを掻き集める。締め付けが苦しい。
「沙由香、口を開けて大きく息を吐きなさい!」
 百も承知だろうが、言わずにはいられなかった。挿入そのままに、沙由香に
覆いかぶさる。返事はしないが、横を向いて私を見る瞳がごめんなさいと
語っていた。
 私は歯を食いしばる沙由香の口に人差し指を含ませる。
「苦しかったら、指を噛みなさい」
 挿入をゆるゆると再開すると指に激痛が走る。それは沙由香の痛みでもある。
唇から赫い血が滴り落ち、暫くして指を噛んでいた力が弛緩した。
少女素描-33

 沙由香の口のなかで血の味が拡がったことで、力を弛緩させ挿入は果たされ
た。
「さ、沙由香……やっと繋がることができたよ……」
 沙由香は涙を溜めた瞳で頷いて、大きく息を吐く。拡がりをみせた直腸壁に
私は抽送を開始する。
「ひいッ、ひッ……んあッ!」
 手を秘所に持っていくと、沙由香はしっぽりと濡れていた。少女の核(さね)
に触れると、もう硬くしこっていて、もうひとつの沙由香の女の命をいたわって
愛撫する。
「ああああうッ……はあ……はううッ……」
 沙由香の細腰が律動に呼応して静かに動き出す。いくら拡がったとはいえ、
この締め付けは尋常じゃない。快美を感じていても苦痛は消えず、それが交互に
去来しては沙由香の躰を呑み込んでいるみたいだ。嬌声も女が堕ちるその声と
なって、私は抽送のピッチを上げていく。
「ひぃぃッ……いやぁ、いやッ……痛い……痛いよぉッ……!」
「さ、沙由香ああぁぁぁッ!」
 秘所の愛撫をやめて、沙由香の両手の上から、しっかりと指を絡める。律動
が沙由香に最後の止めを刺す。少女は喉を絞り出すような声を発して沈んだ。
 余韻を噛みしめて、ペニスをぬるっと抜去すると、沙由香の拡げられた両脚
の中心が痕跡を消すように収縮して、それからタオルの上に私の放った白濁の雫を
こぼれさす。
 濡れたタオルで念入りに始末をしていると、時折びくんと顫わせはするが
意識は戻っていないみたいだ。私が風呂でペニスを洗って戻ると、拗ねてうつ伏せ
になっていた時と同じ格好で、私の方を見て満足そうに微笑む沙由香だった。
少女素描-34

「どうだったの……?」
 悪戯っぽく私に尋ねてくる。
「……ああ」
「たっぷり楽しんじゃったという訳ね」
「……ああ」
「ああ、ばっかりじゃあ何にも分からないでしょう!」
 玄関の前に立ってこちらを見ている沙由香をじっと見ていた。潤子は自分の
方に私の顔をぐいっと向ける。
「で……?」
「前では犯ってないよ……」
「そっ……よかったわ。後では、たっぷりと繋がったという訳ね」
 鎌をかけられているのは分かっていたが、嘘をついている訳ではない。
その時、潤子の白魚のような細い指が私の股間を弄った。
「おい、よせよ……」
 私は真っ赤になった。
「ふうん、そういうことか。じゃあ、今度は二週間後、また頼むわ。それと
ワンピースありがとね」
 急な仕事が入ってしまい、沙由香との仕事に断りを入れていた。報酬の事を
考えれば辞めれば済むことなのだが、潤子がいまひとつ信用できないでいる。
 沙由香に軽く手を振って運転席に着く。ミラーでは沙由香が深々とお辞儀
をしていた。車を走らせても、ずっと沙由香だけが見ている。
少女素描-35

 今日は、わりと早く来たので時間を持て余していた。棚のスケッチブックが
収納された場所へと自ずと目がいく。私はそこへ行って、そのひとつを取って
みる。紐を解いて開いてみると、そこに沙由香がいた。
 泣き叫ぶ顔に男根を押し付けられている……嫌々口に含まされて泣く……
後からアナルを貫かれ顔を歪ませている絵だった。これが、全部そうなのか
と次に手を伸ばそうとしたその時。
「あら、熱心なのね」
 潤子が背中越しに股間に手を伸ばしてきた。
「よ、よせったら……」
「もう、こんなになってるじゃないの。沙由なら、まだだから……だから」
 そう言うと潤子は前に回ってジッパーを下ろす。肩まで伸びる、軽くウェーブ
掛かった髪を掻き上げて、細いしなやかな指でペニスを引き摺り出す。
怒張にキスをして、そのまま口を開いてペニスを呑み込んだ。白いブラウスに
黒のミニがやけに煽情的だ。私は彼女の両肩を掴んで引き上げ、くちづけをする。
そのままブラウスのボタンをを外しにかかり、豊かな乳房を曝け出して、
むしゃぶりつく。潤子の白魚のような細い指が私の髪を掻いた。
 何年かぶりの交歓だった。潤子は私から離れると手を取ってソファへと誘う。
「こっちへ来て……」
 潤子は上半身をソファに預け、お尻を突き出す。すらっと美しい脚は黒い
パンストに包まれていた。私はスカートを捲くり潤子のお尻を露にして、有無を
言わせず突き入れる。
「あうッ……ああんッ……」
 右肩に髪を流してやると隠れていた潤子の顔が、赫い唇を微かに開いて息を吐き
出している。背がソファに沈み、ブラウス越しに肩甲骨が浮き出ている。
少女素描-36

 上気した顔で潤子は私の方を見る。
「も、もっと、もっと……烈しくぅぅぅッ!」
 私は何も答えずに、潤子の言う通りに突きを繰り出す。
「ひぃーッ、きもちいいッ……!」
 潤子の双臀を鷲づかみにして、ストロークのピッチを上げる。
「ど、どうかしら……さ、沙由を生んだ……わたしのオマンコ……」
「か、かわったよ……ずっと…ずっと、よくなってる……」
「う、うれしい……そんな、優しい言葉を……」
 私は潤子に覆いかぶさって、唇を貪る。


「沙由に妹ができちゃうわね、弟かしら?」
 私はドキッとした。
「ふふっ……冗談よ、冗談」
 気だるそうにこっちを見ている潤子の顔が、冗談には見えなかった。



 その日、沙由香の躰はどことなくぎこちなかった。モデルが終わって
シャワーを浴びていても固い気がする。
 椅子に腰掛けると沙由香も私の上に腰を下ろすのだが、どこか不自然だ。
とにかくスポンジにソープをかけて沙由香の躰を洗う。全身が泡でまみれた頃合い
を見て沙由香を愛撫にかかる。
少女素描-37

「あはん……あん……」
 沙由香の喘ぎが洩れる。乳房を撫でながら、手の平でセックス全体を覆う。
「どうしたんだい……いつもと様子が違うよ?」
 沙由香は俯いた。
「んんッ……わ、わたし……ママじゃ……ないから……」
 何を言わんとしているのか、分かりかねた。まさか、潤子との情交を見られた
のでは、という結論へと辿りつく。
「どうしてそう思うの?沙由香はお母さんなんかじゃないよ」
「わたし、まだ……おじさまと……できないから……」 見ていたんだ……。
嫉妬している訳ではなく、自己嫌悪に陥っていることに、少し安心はする。
「沙由香は沙由香なんだから、いつかでいいんだよ」
「ああん……あッ……そ、それでぇ……いいのぉ……?」
「待ってるよ……沙由香……」
 シャワーヘッドを取って泡を流していく。沙由香のセックスにあてがい
ヘッドを近づけて遠ざける。それを繰り返していると、沙由香の声が淫れていく。
「沙由……後を向いて、キッスをしょう……」
「あうっ……ああッ……はっ、はい……」
 火照った顔を私の方に向ける。私は沙由香の洩らす呻きを呑みこんだ。
少女の手は後に廻され、一生懸命に私の頭を掴まえようとする。曝け出された
脇に両手を添える。
 掴もうとしても指の間から零れ落ちてしまう存在に沙由香は思えてならなかった。
少女素描-38

 その日も少し早くアトリエを訪れていた。目的は潤子ではなく、沙由香に会う
こと、絵のなかの沙由香に。想像はしていたが、やはりセックスに歪む沙由香の
姿態は衝撃だった。潤子の精密な筆致によるところもあったのだろうが、
それにしても……絵のなかのモデルたちに烈しい嫉妬を覚えていた。
 たが、棚から出して見ていると、それは別の意味を持ち始める。夢中に
なって絵を眺めていたのだ。
 突然、背中の衝撃に私は驚いた。沙由香が私に抱きついている。
「パパ、ただいまッ!」
 デッサンが床に散った。沙由香が床に散らばった物に視線を落とす。
「……あッ!」
 沙由香の息を呑むそれは、絶望の小さな悲鳴だったのかもしれない。
セーラー服姿の沙由香が床にへばりついて、散らばったデッサンを掻き集める。
絵は沙由香の小さな胸のなかでくしゃくしゃになっていく。
「ち、ちがうッ!こ、こんなの……さ、沙由香なんかじゃないぃぃぃぃッ!」
 号泣して、潤子の絵をかたっぱしから破り捨てていく。私は唖然としていた。
ほんの短い時間だったが、その時は凍りついてしまっていた。
「やっ、やめるんだッ!沙由香ッ!」
 沙由香の左手首をきつく握る。
「いや、いやあッ、いやああああッ!こんなのわたしじゃないのぉぉぉぉッ!」
 沙由香は右手だけでも尚、絵を破壊する。私は左手で沙由香の頬を張ろうとする。
一瞬の躊躇いが、沙由香に逃げられる。
少女素描-39

 沙由香は棚のストックをかたっぱしから床に投げつける。再び手を掴んで
頬を張ろうとするが、沙由香の頬へ触れることしかできない。
「あああああッ!いや、いや、いやあああぁぁぁぁぁぁッ!」
 沙由香を思いっきり抱きしめ、くちづけをする。涙がいっぱい溜められた
黒い瞳が大きく見開いて、閉じていく。しかし、次の瞬間、唇に激痛が走る。
 私は沙由香を抱えて椅子に腰を下ろし、膝に横抱きした。そして、スカート
を捲くり上げ、力いっぱいにお尻を叩く。自分が沙由香に見咎められていた
という気持ちは、もはや無くなっていた。
「ああッ、いや、いやッ、いやああッ!」 パンッ!パンッ!パンッ!
 沙由香は膝の上でバタバタと脚を暴れさせ収拾がつかなくなる。
私は沙由香のショーツを引き下ろし、素肌に怒りを振り下ろした。
パシンッ!パシーンッ!パシーンッ! 白い小さなお尻がみるみる赤くなって
いく。さすがに堪えたらしく、静かになって許しを請う。しかし、怒りは
鎮まらず折檻は続いた。
「ご、ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
 我に返って、最後の一撃をせずに済んだものの、お尻は赤く腫れている。
私がお尻に触れた時、ひッ!と息を呑んでスリットから液体を迸らせて、膝が
どんどん濡れていく。沙由香は嗚咽していた。
 そのまま、服を脱がせ全裸にしてバスルームへ向かう。壁に両手を付かせて
水をかける。私は衣服のままで、ずぶ濡れになっていた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
「あんたたち、何やってんのよ!」
 潤子の声だった……。

少女素描-40

 沙由香はビニールシートに四つん這いにさせられ浣腸されていた。小さな腰
が顫える。
「いやぁ……いやぁッ……」 沙由香の顔は涙でぐしょぐしょだ。
「許してやれよ……」
「五月蝿いッ!これはお仕置きよッ!あんたも、ここで沙由にアナルエントリー
するのよッ!」
「ああっ……ご、ごめんなさい……お母さまぁ……」
「沙由香、あなたは仕事場を無茶苦茶にしたのよッ!許さないから」
 潤子は顔を伏せて詫びる沙由香の顔を髪を掴んで晒す。
「あああっ……いやぁ……いやああああああッ……」
 沙由香はビニールシートに茶色の液体を噴出させていた。


 私は沙由香の躰を洗っていた。お尻が痛いらしく浮きみがちだ。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」 掛けてやる言葉がなかった。この後も
沙由香は私に菊肛責めを受け、その身を焦がすのだから。頭を優しく撫でて
やるだけしかなかった。


 潤子は椅子に座ってベッドの上の私たちを見ている。
「沙由、四つん這いになって肩を落として、自分の手でお尻を拡げるのよ」
「は、はい……お母さま」
 沙由香は潤子の言葉に素直に従う。
少女素描-41

 沙由香は双臀を自分で割り拡げると、ひくつく肛門に潤子が抉るように薬を
塗り込める。沙由香のなかが拡がっていくのか、絶えず呻きを洩らしている。
潤子は私のペニスにも薬を塗る。
「さあ、犯ってちょうただい」
 赤く悶えている沙由香の尻を掴まえて、ペニスをアナルにあてがい、ゆっくりと
沈めていく。沙由香の呼吸が荒くなり始めている。
「ひッ、ひっ……はあッ……はあ、はあ……」
 私は覆いかぶさり、あの時と同じように沙由香の両手に指を絡める。
沙由香の全身が顫えていた。律動を徐々に上げて、沙由香の狭穴に白濁を
解き放った。
「さ、沙由香……」
「お、おじさまぁ……さ、沙由香を……ひいいいぃぃぃぃぃッ!」
 沙由香はアナルで絶頂を迎えた。


「沙由香の処女を貰って」
 潤子の言葉が私に突然投げつけられ、とまどう。もう、この仕事から手を
引こうと考えていた矢先のことだった。
 突然、沙由香が私の躰にしがみついてくる。
「嫌いにならないで……沙由香を……嫌いにならないでぇ……」
「さ、沙由香……」
「が、がまんするから……沙由香を……だから、嫌いにならないで……」
 私は沙由香の黒髪を優しく撫でる。
少女素描-42

「沙由香、京介のペニスを綺麗にするのよ」
 私は潤子の方を睨んだ。
「ちゃんとおしゃぶりしなさい」
「はい、お母さま……」
 沙由香は汚れたペニスに唇を近づけて、瞳を閉じる。
「さ、沙由香……や、やめなさい……」
 沙由香の細い両肩を掴む。
「ご、ご奉仕させて……さ、沙由香を嫌いにならないで……」
 沙由香は私の怒張に唇を被せていく。沙由香の頭を優しく撫でてやると
瞑ったまなじりから雫が滴り落ちる。


 沙由香を仰向けにして、小さな秘孔に怒張をあてがう。やはり、苦痛に顔
が歪む。
「ひいッ……ごめんなさい……ごめんなさい……」
 沙由香の腰が幾分逃げた。私は膝立ちになって、腰を持ち上げる。沙由香
の躰はブリッジ状に浮き上がり、そのまま腰を進めていく。
「んんっ……ううぅッ……んあッ……」
「さ、沙由香……痛くないか……?」
「は、はい……お、おじさま……」
 痛くないはずはないが、この体位なら幾らかは楽なはずだ。私のペニスは
沙由香の小さな秘孔を無残にも押し拡げて完全に収まった。
少女素描-43(最終話)

 私は沙由香との結合の光景を眺めた。痛々しいまでのそれに、沙由香への
思いが募る。涙をいっぱいに溜めて、何度も何度もおじさまと呟いている。
 潤子がこの場にいなければ、パパと呼んでいたに違いない……きっと。
私はこの体位のまま律動を開始する。ブリッジの体位を取らせたままでは
烈しい運動は出来ないが、とりあえず目的は果たせる。
 沙由香はもどかしく、両手を伸ばしてくるものの手が繋げないと分かると
自分の頭に持っていって肘を立て髪を掻く。そのもどかしさも長く続かず女
としての快美感が迫ってくる。
「ああっ……さ、沙由香……な、何かへんなの……」
「沙由……イクと言ってごらん……イクって……」
「は、はい……お、おじさまぁ……」
 沙由香の躰を下ろし、本格的に律動を開始して、ピッチを上げていく。
「あ、あッ……も、もう……イキそう……」
 沙由香の手が私の首に廻される。
「さ、沙由香……あ、愛してる……!」
「わ、わたしも……おじさま……ああッ……イ、イクううぅぅぅぅぅぅッ!」


 京介、あなたの夢を壊したのは私なのよ……それなのに、留まることなく
沙由香を残して私の元を去っていった。けれど、もう二度と逃さないから
……そう二度とよ、覚悟なさい。
 潤子はふたりの恋人の交合を眺めながら、ふたたびスケッチブックに木炭
を走らせる。



>9

8さん、プロット拝借どうもです。
なんとかオチつけて終了です。長くなってスミマセンでした。
どうだったでしょうか?

読んでくださったのなら、嬉しいです。どうもありがとうございました。
65:02/10/30 21:30
面白かったです。でないかと思ってた電気あんまもでてきましたね。
湯船に出した精液を手酌てすくって飲むところと、床に嘔吐した精
液嘗め取ろうとするところもエロくて良かったです。
ご苦労様でした。
才気溢れる描写と展開に愚息も思わず昇天でした。

今まで読んだ2chの炉小説では最高の出来だと思います。
いいっ!です。長めなのに飽きさせない展開、描写。とくにムード作りが
逸品ですね。なんでここまでの話をこんな短日で書けるんですかあ!
ぜひぜひこれからも作品を読ませてください!それにHP等で発表されてるのでしたら
ぜひアドレスを!
>9
初心者なもんで、そんなたいそな物ないです。w
この前の物でしたら、母子相姦小説にひとつあります。(猫の女)です。
妖しい母親とふらっと来ていなくなった娘の話です。もっとエロくしようとして
こっちに来たので抜き少ないですよ。よろしかったら、読んでやって下さい。
宣伝スマソです。 やっぱり、可愛くなっちゃいます。w
沙由香、少しでもエロく感じていただけたなら本当に嬉しいです。
自惚れちゃいそです、励みになります、、、みなさんありがとです。
次はもう書かないんですか?
70名無しさん@ピンキー:02/11/02 21:16
次は鬼畜モノきぼん
71あぼーん:あぼーん
あぼーん
やさしく・・・を孕んで-1

その日はじりじりと暑く、汗が滴り落ちるほどだ。近所の子供たちと連れ立って、
廃屋の探検に行こうとしていた。僕が母といっしょに帰郷した遠い夏の出来事。

「ダメよ、行ったりしちゃ。パパもダメだって言ってたんだから」
 仲間で女の子の三島潤子が呟く。
「お前は、いつだってパパ、パパだもんな。怖けりゃ来んなよ」
 リーダー格の佐野義男が潤子を責める。潤子は義男を睨みながら、僕の手をぎゆっと
握りしめる。
「やめなよ、これから探検に行くのに仲間割れは良くないだろ……」
「おまえ、なんで潤子のこと庇うんだ。こいつのこと好きなのか?」
「お父さんが女の子は守れって言ってたからだよ」
 潤子は含羞んだ様に俯いた。 まだ日は高い。
「まあ、いいや。さあ早く行こうぜ!」
「潤ちゃん、行こう!」
「う、うん……京ちゃん」
 蝉の声がうるさかった。子供たち三人で野道を歩いていくと、やがて遠くの方に建物が
見えてくる。あたりには雑草が生い茂り、いかにもお化け屋敷といった風情だ。
 その屋敷は屋根は瓦で二階建て、窓はあるもののかなり小さく数は少ない。日の高い
この時刻でも、きっとなかは薄暗いのだろう。潤子を握る手が微かに顫えている。
 自分たちほどの背丈の雑草を突っ切って行くと、薄汚れた白いテーブルにぶつかる。
わりと大きめで、白い椅子も四つあった。僕たちはそれを無視して進んで行くと、
お化け屋敷の大きな扉の前に立っていた。それは昔の蔵みたいに禍々しく黒々として、
ところどころに緑の錆が付着している。
やさしく・・・を孕んで-2

扉は少しだけ開いていて、まるで屋敷が僕たちを誘っているかのようだった。
「や、やっぱりやめよう、京ちゃん」
「いいかげんにしろよ、潤子!怖いなら、帰れよ!」
 ここから、一人でとぼとぼと帰る潤子のことを思うと可哀相でならなかった。
「もうよせよ、義男。 だいじょうぶだから、潤ちゃん」
 潤子に向かって言ったつもりだったが、なぜか僕のなかにそれは響いて来る。三人は
少しだけ開いている扉を潜り、なかに足を踏み入れる。やはりなかは薄暗く、しかし外が
あんなに暑かったのに冷んやりとしている。人が久しく使っていないこの家は死んでいた。
 入ってすぐに目に飛び込んだのが二階へと続く階段だ。一階はごく普通の佇まいで生活臭の
残り香らしきものはあるが、これといった気の違いは感じられない。
 ただ階段の上から流れてくるそれだけが、三人を充分に怯えさせている。
ぎしっ、ぎしっといわせながら階段をゆっくりと上がる。少しだけ明るい。この屋敷の
数少ない小さな窓がそこにあったからだ。僕たちは、もう誰も引き返そうとは言わなかった。
 なぜだか分からないが、この上にある何かが僕たちを呼んでいる。そう確信していたからだ。
潤子の手が心なし強く握り返してくる。最後の一段を昇り終えた時、十畳ほどの大部屋が
開ける。薄汚れた畳の片隅には、シーツの掛けられたマットレスがぽつんと置かれている。
 突然、バン!と大きな音がして下から風が吹き込んで、僕たちはビクンとした。
鴨居から縄が垂れ、何か大きな物がぶら下がっている。僕たちは恐る恐るそれに近づいてみる。
「よ、よそうよ……」
 潤子はもう泣いていた。あんなに強がっていた義男も真っ青になっている。けれど僕だけが
引き込まれるように、そのぶら下がる物に近づいていった。
やさしく・・・を孕んで-3

それは女の人だった。紺色のワンピースを着ていて髪が長い。足元には踏み台が転げて、
足元には水溜りが出来ている。僕はその人の前に出た。僕はビクンとする。
目をぎゆっと瞑って顎を引く。そして、恐る恐る目を開く。眼球がやや飛び出し気味で
舌がでろっとはみ出している。顔は鬱血していて黒くなっている。女は死んでいた。しかし、僕たちには
死の概念など分かるはずでもなく、かといって畏怖すべきものというぐらいの直感ぐらいのものはある。
 けれど僕はその女の人の顔を繁々と見てしまう。生気の無い瞳が僕を見下ろしている。
ビクン!また僕のなかに衝撃が走った。女の人の顔が一瞬だけ母の顔になり、その女の人の
美しい顔が現れて、すうっと消えていった。
 そしてマットレスの方から人の声が聞こえてくる。女の人が歔くような呻くような声が聞こえ、
そこに朧に白い人影が見えて消える。
「今日見たことは誰にも言っちゃダメよ……」
 嗄れたシュウシュウ気道が洩れる声が、僕たち三人のなかに響いて来る。
しかし僕にだけは女の人が降りてきて、頬を冷たい手で撫でると、こう言った。
「坊やだけは、あしたもここにおいで。きっとよ……きっと来るのよ」
 僕はその女の綺麗な顔だけを見ていた。後れ毛が赫い唇に纏わり付いていて
深い瞳で僕を誘っている。そして、吊るされていた女の人は僕たちの前から
跡形もなく姿を消していた……。
 僕たちが家に着いた頃は七時を回っていて、いくら夏だからとはいえ家族を
心配させて町内ではちょっとした騒ぎになっていた。さらに良くないことに潤子が
わっと大泣きして、義男は青ざめたまま黙して、よけい事を大きくしてしまった。
 かといって、誰一人として理由を語らず、大目玉を食らってその一件はお開き
という事になった……かに見えた。

やさしく・・・を孕んで-4

「ダメよ。もう、あんな遠くになんか行っちゃ」
「……はい」
 母は鏡台に座って薄化粧を施している。胸までの長い髪を上で束ねて、紺の水玉の
ワンピースを着ている。僕は息を呑んだ。
「ど、どうしたの?」
「う、うん……あんまり綺麗だったから」
「あら、お上手ね。そうだわ、新しい麦茶を入れといたから飲んでね」
「ねえ、どこへ出かけるの?」
 確かに母は綺麗だった。上に束ねた黒髪の長い後れ毛が耳から垂れている。
半袖から覗く白い腕にも、息子の僕でもドキドキさせられる。しかし今は勝手が
違う。昨日見た女の人と同じ格好なのだ。ただ違っていたのが水玉があることぐらい
だけだったが。
「お、伯父さんの家に挨拶しにね。遅くなるから、食事先に済ませといて頂戴」
 いい口実が見つかった、またあの屋敷へ行ける。
「あの……自転車借りてもいいかな……」
「ほんとに、もう遠くに行っちゃダメよ。それから、気をつけて乗るのよ」
 母・佳子はこれからの用事の事で頭がいっぱいみたいだった。


「京ちゃん、どこに行くの?」
 荷台の大きい自転車に乗り込もうとしていると、潤子が声をかけてきた。
やさしく・・・を孕んで-5

「……昨日のところだよ」
「……」
 潤子が僕を見て青ざめている。まだ日も高く暑いのに、潤子の怯える顔を見ただけで
背筋に冷たいものが走るのを覚える。
「いっちゃダメだよ」
「ごめん、潤子……」
 僕は潤子を一瞥もせずに自転車を走らせた。大人用の自転車だったので危なっかし
かったが、昨日よりは随分と楽だ。一時間ほど走らせていると、昨日来た屋敷が見えてくる。
自転車を止めて、僕は雑草のなかを進んでいく。
 僕の目の前に、あの白いテーブルが現れる。バアン!と大きな音がして僕の首までかかる雑草
がみるみる小さくなり、あたりは手入れの行き届いた芝生になっていた。
 僕は目をいっぱいに見開いて、その変りゆく様をスローモーションを見るように躰を振って見回す。
屋敷は生きている。テーブルも目が醒めるような真っ白な物へと変っていた。
 男の人と女の人が挟んでお茶を飲んでいる。その背後から、もう一人の男が静かに近寄り女の細い手首
を掴んだ。
「な、なにするんですか!やめてください!」
 男は女を立たせるとテーブルに押し付ける。カップが転げ落ちて割れて、白いクロースに紅茶が
拡がる。紅茶を飲んでいた男も立ち上がって女の両手をテーブルに押さえ付けた。
「何するの!やめて下さい!約束が違います!」
「犯れっ!」

やさしく・・・を孕んで-6

「ひッ!」
 女が悲鳴を呑み込む。後の男がスカートを捲くり、白いお尻を露にすると下着を引き裂く。
「いやああああッ!」
 男はズボンからペニスを引きずり出すと、女の白いお尻に向かって突き入れた。
「ぎやあああああああああああッ!」
 女は充分に潤っていない秘孔に、いきなりペニスを挿入されたのだ。頭は烈しく仰け反り
獣のような絶叫を上げる。前にいる男もペニスを出して、大きく開けた口のなかに無理やり
突き入れた。闇雲に突くため、女の頬にペニスが浮き出る。
「んぐううううッ!んんッ!」
 瞳からは女の悔し涙がぽろぽろ零れ落ちる。
「食いちぎられるなよ」
「なら、楽しませてやれ」
 二人の男たちは笑っていた。僕の躰はビクンとなって目を瞑り顎をしゃくる。あれは、僕の母さん
だった……。光景は荒れたものへと戻っている。僕はそのテーブルに近づいて薄汚れた上を
撫でてみる。目の前の黒い扉から何かが溢れ、僕に早くなかへと促している。腕で涙を拭うと
その扉に向かって歩き出す。
 薄暗い部屋に階段からの窓の光が射し、それに導かれるように上へと昇っていく。上からは、
女の人の呻く声が聞こえてくる。紛れもなく母のそれだった。
「あうっ、あああっ、あうううううッ!」
 階段を昇り終えると、母と男が隅のマットレスで絡みあている。肩をマットに沈め自分の手で
双臀を割り拡げて、男とあらぬ所で繋がっている。男と女の営みで揺れる度に床の軋む
音が聞こえてくる。咄嗟に僕は耳を塞いだ。
やさしく・・・を孕んで-7

「やめてよ……かあさん……」
 僕はマットレスの方へと近づいていく。そしてシーツに顔を沈めている母の顔の前に
立つ。
「きょ、京介……ごめんね……ひぃーッ!」
 尻から手が離れ何かを求めて空を掻く。バアン!母の姿は無くなっていた。薄汚れた
シーツには古い血の滲みの痕だけが残っている。
「うっ、うっ……うううっ、うっあああああああああああああッ!」
 僕は大声で号泣していた。ふと僕の頬を撫でる冷たい手があった。
「どう、楽しかったでしょ?」
「だっ、誰なんだああああッ!」
 女の姿は、また消えていた。だが、その瞬間、僕はもう一人の存在に気が付いた。
その男女の営みを少し離れた所から、膝を抱えて哀しい瞳で見ている裸の少女がいた。潤子だった。


 僕が自転車の所へ辿りつくと、そこには潤子が待っていてくれた。
「だいじょうぶ、京ちゃん……」
 潤子は顫えていたが僕のことを心配して、ここまで来てくれたのだ。潤子の僕よりずっと
小さな躰を抱きしめて、また泣いていた。
 それから二人で何も言わずに帰っていった。途中知らないおばさんたちがお喋りをしている。
「綺麗だったのに可哀相よね」
「なんでも男が別の女に入れ込んだからなんですって」
「ほら、あの商売女よ」
「また帰って来ているのよ」
「ほんとなの?」

 僕たちが通りかかると邪悪な物でも見るようにして一瞥をあたえていた。
やさしく・・・を孕んで-8

母は次の日も出かけ、僕もあの屋敷へと出かけていった。あの日の母の帰りは遅く、
夜の八時になっていた。僕は一人で御飯にふりかけをかけて夕食を済まそうとしていた。
母は僕の顔を見るなり、疲れた顔で哀しそうに、ごめんねとだけ言って部屋に消えた。

 僕は確かめたかった。あれが何だったのか、女が何者なのかを。また自転車で
あの場所に行くことにした。
「また、あそこに行くの?」
「潤子もあそこにいただろ?」
「えっ!なんのこと……」
「喋りたくないならいいよ。でも、あの屋敷で見たんだ。あの部屋で……」
「う、うそ!」
 潤子の顔が曇って僕に背を向け帰って行こうとする。
「まてよ!」
「は、離してよ!」
 掴んだ潤子の手が顫えている。
「何なんだよ、あの屋敷は!」
「見たんでしょ……あのままよ……」
「あのままって、どういうことなんだよ!あの女はいったい誰なんだよ!」
「み、見たって言ったじゃないのッ!なんでわかんないのよッ!」
 潤子は泣き叫んでしまった。僕は潤子の顫える躰を抱きしめて鎮めようとした。
白昼の抱擁、しかもまだ子供同士で女の子が泣き叫んでいる。通りすがりの何人かが
奇異な物でも見るようにして通り過ぎていく。
やさしく・・・を孕んで-9

 なぜ潤子を抱きしめたのかは、その時はよく分からなかったが、それが一番だと思っていた。
「もう一度、いっしょに来て?」
「いや……あそこには行っちゃだめなの……」
「あの女の人は誰なの……?」
「モデルだった女(ひと)。京ちゃんのお母さんもだよ……私もなの……」
「な、なんだよ……モデルって……」
「裸でいやらしいことをしている絵を描くの……よ」
「なんで、あの人はあそこにいるんだ?」
「私たちを怨んでいるから……」
「うらみって何……?」
「ぜ、絶体に許さないってことなの……ぜったいに」
 僕は潤子の話をそこまで聞いてハッとした。女は誰にも喋ったら駄目と言っていたからだ。
潤子はガクガク顫えだしている。まだ日は高く暑いのに、さむけは確実にふたりにやって来ていた。
「私、帰るね」
「お、送ってくよ」
「このあとモデルなの……こないで……それから、いっちゃダメ。あそこにはいかないで……」
「い、いってくる」
 潤子の哀しい瞳が僕を見つめている。
「きょ……京ちゃん……あのお姉さん……やさしかったんだよ……」
 僕は潤子の言葉を背に受けて自転車に乗ると、あの屋敷へ向けてぺダルを漕ぎ出した。

 僕は自転車を放り出すと、生い茂る雑草を一気に突き抜けようとした。あの忌まわしい白いテーブルが
そこにあるからだ。



やさしく・・・を孕んで-10

 けれども、白いテーブルは僕を逃さない。雑草はみるみると小さくなって行き、緑の芝生に
変っていく。
「や、やめろッ!」
 僕は青い空に向かって叫んでいた。そして、女の吐息が聞こえてくる……。
少女が真っ裸で緑の芝生に腰を落としてM字に脚を拡げて、両手を後に付いている。長い髪が
表情を窺えなくしてはいたが、姿そのものは哀しみだった。
「なにをしている、潤子。もっと脚を拡げないか!」
「は、はい……お父さま……」
 白い椅子に座って絵を描いている男の脚を挟むように潤子の白い両脚は拡げられている。
潤子はやっと答えるのが精一杯らしく、少女の呼吸は怯えからなのか、自分の取らされている
痴態からなのか、息が荒くなり脾腹が肩が顫えているのが見てとれる。男はスケッチブックに目を
落として手を走らせる。
「もういいぞ」
 けれども潤子はぴくりともしない。側にはもう一人の男が立っていた。上半身は裸で毛むくじゃら
の胸を曝け出している。下は黒いズボンとサンダル履きだった。
 男は潤子の躰を少しずらして開いた脚の所に立った。潤子は躰をゆっくりと起こして芝生に正座して
男の腰に手を掛ける。
「潤子、挨拶しないか!」
 潤子の躰がびくんとする。男の手が潤子の黒い髪を撫でている。
「ご……御奉仕させて頂きます、おじさま……」
 男の肉棒ははちきれんばかりに膨れかえり、慣れていない潤子にとって手間取るばかりだ。
男は苛つき始めている。潤子はようやく肉棒を外気に晒す。怒張に手を添えて
瞼を閉じ亀頭に唇を被せていく。男はすぐさま潤子の頭を掴み、怒張を無慈悲に突き入れる。
「ぐえっ!」
「おい、よせよ。潤子が痛がらないようにさせているんだぞ」
 スケッチブックから顔を上げて、潤子の相手の陵辱者に注意する。



やさしく・・・を孕んで-11

潤子は緑の芝生の上に仰向けに寝かされて、男に犯されている。
「いっ、痛い……痛いよぉ……た、たすけてぇ……」
 誰に助けを求めるでもなく、そんな言葉を洩らす。両手は意志を放棄したかのように
緑の芝生に投げ出されている。陵辱者は、そんな潤子の細い腕までも、しっかりと掴んで
烈しく抉りたてている。緑に白く細い華奢な肢体は艶やかで、まるで日本人形を犯している
淫画に見えていた。
 潤子の躰も揺れて芝生に背を擦り付けられる。背中も赫くなりセックスも男によって
無残に爛れていた。潤子は瞳を青空にいっぱいに見開いて、涙を流している。少女は
全てを放棄して大の字に寝かされていた。
「小夜、後始末してあげなさい」
 男と入れ替わりに女の人が仰向けに寝ている潤子の秘所に近づいて来る。
その女の人も裸でモデルみたいだった……。潤子の拡げられた股間の中心にやさしく
唇を這わせ、陵辱者の残滓を舐め取っていく。その感触に呼び戻されたのか必死に
起き上がろうとする。
「いや、いやぁ……お姉さま……やめてぇ……」
 小夜は潤子の拒絶を無視して秘所を責める。潤子が小夜の肩を掴んで引き離そうと
した時、痛んでいただけのセックスに快美感が突き抜ける。
「あうッ!」
 潤子の躰はぐんっと弓状に反り、返り頭をも仰け反らせ芝生に頭を打ちつけた。
小夜は秘所から唇を離すと、潤子はその顔をまじまじと見つめる。自分の物と男の物とで
汚れた赫い唇とその口周りが濡れて輝いている。その光景に魅入られていた。


やさしく・・・を孕んで-12

 小夜が潤子の脚を自分の腰にまわさせ、そのまま抱き起こす。首に力が入らなく伸びてしまい、
長い黒髪が真直ぐ流れる。潤子は男と女が交わる座位の体位を取らされていた。
「ああっ、お、お姉さまあっ……」
 小夜は力なくしなる潤子の肢体を左手で背中を抱え、右手で頭を支えてやっていた。
潤子の唇は小夜の濡れた赫き唇に吸い寄せられていく。
「んあっ……んん、んんんッ」
 潤子と小夜の白い肢体が緑の芝生の上で絡み合っている。それを白い椅子に座って
男がふたりの淫画を描いている。
「よ、よせぇ……」
 僕は低く呻いていた。
「どう、おもしろいでしょ?」
 小夜の冷たい手が僕の夏の陽で汗ばんでいる頬をやさしく撫でる。
「んんっ、んはっ……」
 小夜は潤子の唇を這わしていく。小夜のしなやかな肢体にのる豊満な乳房が
潤子の幼い躰にぶつかり形を変える。潤子もその感触をもっと欲しがって
小夜の細い首筋に腕を絡ませて小夜に密着させる。
「お、お姉さま……す、好きなの……好きなのぉ……」
 潤子の声が明らかに変った。
「そんなに潤子ちゃんは私が好きなの?」
 潤子にとって闇に堕ちての唯一つの光だったからこそ小夜との悦楽を求めた
のだろう。
やさしく・・・を孕んで-13

「す、好き、会った時から好きだったの……」
「潤子ちゃん、可愛いわ。でも、私は潤子ちゃんのことが嫌いなの」
 潤子は小夜から洩れた言葉の意味を理解していなかった。
「私は潤子ちゃんのことが嫌いなのよ」
 潤子は肩に預けていた首を離して、小夜の闇を湛える信じられない瞳を覗き見る。
次の瞬間、頭が仰け反って激痛が走る。小夜は潤子の髪をしっかりと掴んで
引っ張ったのだ。男はスケッチブックを放り出して小夜を止めに掛かる。小夜はそのまま
立ち上がって、潤子の躰をうつ伏せの状態のまま、芝生の上を全裸の潤子をしばらく
引き摺った。
 小夜は男に羽交い絞めにされても暴れていた。そんなことをされた潤子は逃げる
わけでもなく、突然変ってしまったやさしい小夜の姿をじっと見つめている。
「憎い、憎いのよッ!私の信幸を獲ったあんたが憎いのよッ!」
 小夜は大人しくなると、芝生にぺたりと座り込んだ。そして握り拳を開くと、
潤子の長い黒髪がはらっと現れる。小夜は指に絡みつくそれをじっと見つめて
暫らくするとケタケタと笑い出していた。
「どう、楽しいでしょ?」
 小夜の冷たい手の感触が僕の頬にまだ残っている。
「潤子はお姉さんのこと、やさしいと言ったんだよ……」
「あら、潤子って呼んでるの、可愛いわね。さあ、もっと魅してあげるわ。おいで」
 小夜は僕を屋敷のなかへと誘う。
「私ね、あなたも憎いのよ」
 小夜の瞳は潤子の髪を掴んだ、あの闇色に染まっていた。
「潤子ちゃんのことは、今日は許してあげるから。さあ、おいでなさいな……」
 小夜の躰は屋敷の闇に吸い込まれて消える。
やさしい・・・を孕んで-14

小夜は黒い扉の闇に消えた。僕もその後を追っていく。なかは相変わらずひんやり
としている。
 小夜は階段の上から僕を手招きして、女の呻く声が聞こえて来る。その声は
潤子のものだ。僕はゆっくりと階段を上がって行った。
「あん、あん……あんッ……あッ……」
 隅のマットレスの上ではなくて、畳の上で潤子は大男に犯されている。膝の裏を掴まれて
躰はくの字となって自分でも太腿を持っている。潤子の躰は大男の律動によって畳の上を
滑っては擦られて時折、ぐんっと反り返り白い躰がしなる。窓は小さくて薄暗いために、
薄汚れた燭台に蝋燭の灯が何本かが揺らいでいる。そしてマットレスには、僕の母さんが全裸
で横たわっていた。僕は眩暈のようなものを覚えてその場に座り込んでいた。
「ほら、楽しいでしょ?」
 小夜の手が崩れた僕の肩を掴む。
「うわあああああああああああッ!」
 僕は大声で泣き叫び、何度も何度も畳を叩いていた。僕が顔を上げると、間近に潤子の
顔があった。男に突かれて泣いている潤子の顔が。マットレスの方でも男女の営みが
始まっていた
「小夜さん、なんで僕の母さんがいるんだ?」
 小夜は僕の耳元で囁く。
「お金かしら……それとも男が欲しいのよ」
「小夜は潤子にも僕の母さんにも男を獲られたんだから……かわいそうだね」
 だから死んだんだね、僕はそう言おうとした。
やさしく・・・を孕んで-15

「今の言葉、許さないよ」
 小夜の低く唸る声がする。潤子と母さんの姿は消えていた。僕は急いで階段を下りようとして
蹴躓いて転げ落ちる。それでも這い上がり、扉を抜けて雑草を掻き分け自転車に飛び乗った。
空には黒い邪悪な雲が覆い、ぽつりぽつりと雨が降ってくる。僕は潤子の家へと急いで向かう。


「潤子!潤子!いるんだろ!開けてよ!」
 僕は玄関のドアを叩くが返事が無い。暫らくしてドアが開いて潤子が現れる。あの綺麗な
黒髪はバッサリと切られていた。下ろされた手にはハサミを握っている。僕は潤子を見て
すぐに抱きついた。
(よかった……小夜に殺されたかと思ってた……)
 潤子の持ったハサミで背中を突かれるとは思っていなかった。潤子も僕に抱きつき、床石
に金属音がした。
「よかった、なんともなくて」
 僕は潤子の散切りにされた髪をやさしく撫でる。感情を取り戻したらしく、しゃくりあげるように
泣き出していた。
「ご、ごめん。母さんもいるの?」
 慌てて母の所在を尋ねる。潤子は静かに頭を横に振る。
「きょ、京ちゃんの家……」
「ごめん、また来る」
「ありがとう」
 潤子の最後の言葉は小さくて僕には届かなかった。雨が烈しく降るなか、自転車に飛び乗り
自分の家をめざす。扉には案の定、鍵が掛かっていて裏に回ってガラス戸を石で叩き割る。
そこを潜ってなかに入ると、物音に気が付いた二人の男たちがそこにいた。
 そして奥から、母の泣き叫ぶ声が聞こえてくる。台所で母は流し台にしがみ付き、スカートを
捲くられ後から犯されていた。
やさしく・・・を孕んで-16

僕は近くにあったガラスの破片を拾う。
「出て行け、二度と家になんか来るな!」
 男達は僕の脅しになんの反応も示さない。ガキ一人くらい、大人二人なら造作も無い
と思っている。二人に一気に飛びかかられた。誰の胸を切ったかわからないが、血が
僕の顔に飛ぶ。
 しかしそれも長くは続かない。むしろ呆気ないまでに取り押さえられてしまった。僕は
諦めない、獣になって彼らを睨んでいる。その時、二人は人形の糸が切れたように
崩れる。それを押しのけて、台所へと飛び込んだ。
 束ねていた髪がばらけて淫れて、流しに頭を突っ込んで母は呻いている。僕には気
が付いていない。
「離れろ!母さんから離れろ!」
 母と繋がっていた男がようやく僕を見る。母も僕の存在に気が付いて、セックスで
淫れた顔を向け、ひぃーッ!と短く悲鳴を上げる。
「離れろと言ったろッ!」
「きょ、京介、やめなさいッ!」
「母さんは黙ってて」
 僕の右手から血が滴り落ちている。男はニヤッとすると母の膣から肉棒を抜去して
ゆっくりと近づく。僕は男に飛び掛るも、またも簡単にテーブルへと弾き飛ばされ
ぐったりとした。すぐさま母は僕を抱き起こして男に哀訴する。
「も、申し訳ありません。この子を許してやって下さい……な、なんでもしますから……」
 僕をきつく抱きしめて母は泣いている。
「どけよ」
 男の冷徹な声がした。
「母さん、危ないから退いててよ」
 母は一瞬、僕を張るほどの怒気の篭る瞳で睨んでいたが、それさえも跳ねつけてしまう
暗い瞳をしていたのであろうか。母は僕から静かに離れてくれた。
「ゆるさないよ」
 僕の口から発せられたそれは、小夜の声だった……。

やさしく・・・を孕んで-17

僕の手は血だらけで、これ以上ガラスを握っていられる状態ではない。母もその事に気が付いて
流しの下のストッカーの包丁を取りに行こうとする。
「この女ッ!」
 母が転げて壁に頭を強く打ち付ける。とまどっている暇はなかった。
「この野郎ッ!」
 再び取っ組み合いとなったが、その決着も呆気なく終わった。男は僕に倒れ込んできて動かなくなる。
すぐに男の躰を両手で押し退ける。
「か、母さんッ!」
 僕は倒れている母の肩を揺り動かすが、ぴくりともしなかった。
「母さん、母さん、起きてよ……」
 近所の人が物音に気が付いて通報したらしく、サイレンの音が聞こえてくる。僕たち親子は本当に
助かったのだろうか。男は小夜さんや潤子の相手をやっていたチンピラたちだった。三人とも
死んでいた。後から聞いた話によると死因は脳溢血らしい。僕の予想外の登場に興奮してと結論付け
されはしたが、到底信じられるものではなかった。そして、その日を境に母は出かけなくなっていた。
 

 あの事件以来、僕たち親子への風当たりが強くなり、この町にいられなくなってしまったからだ。
潤子は哀しい瞳で僕を見ている。それは父を亡くした時の母の目とどことなく似ている。
 その日は潤子に誘われるまま彼女の家にいた。 僕はまだ子供だった……。
「もう、モデルしてないの?」
「う、うん……髪を勝手に切っちゃって、物凄く怒られたから……」
「僕といっしょに行こう」
 潤子は微笑して何も言わずに、ゆっくりと頭を振るだけだった。
やさしく・・・を孕んで-18

「京くんを呼んだのは私を抱いて欲しかったからなの……」
「……モデルをいっしょにするの?」
「違うの、京くんと(せっくす)したかったからなの。男と女がすることよ……でも汚れてる」
「汚れてるって何が?髪を切った時はびっくりしちゃったけれど、潤子は綺麗なままだよ」
「ほんと」
「うん、今もとても綺麗だから」
 ふたりして床に正座して見つめ合っている、と潤子が僕の躰に抱きついてきて肩に顎をちょこんと
乗せてゆらゆらと揺すった。僕は潤子というやさしい波に揺れている。少しずつ僕の感情が昂ぶり
始めていた。
「じゅ、潤子……やっ、やめてよ……」
 潤子は躰を離して僕の顔を哀しく覗く。なぜと聞いていた。
「ご、ごめん……オ、オチンチンが痛くなってきちゃったんだよ……」
 潤子の前で僕は真っ赤になっていた。彼女は安心したらしく、くすっと笑うと僕の股間を撫でる。
「ああッ!」
 潤子は両手で僕の胸を押して、とさっと絨毯に仰向けになる。潤子は僕の半ズボンに手を
かけて引き摺り下ろそうとしていた。
「あっ、やっ、やめてよ……」
「私じゃイヤ?」
「いっ、イヤじゃないけれど……なんか怖いよ……」
 また、くすっと笑う。
「京くん、少し腰を上げてちょうだい」
 羞恥心はピークになっていたが、潤子に素直に従う。ズボンとパンツはあっさりと
脱げて下半身が潤子の目の前に初めて晒されることになる。

やさしく・・・を孕んで-19

「京くんのこれ、とても可愛い」
 皮の剥けきったペニスしか見たことのない潤子にとっては新鮮でいて、素直な感想
だったのだろう。けれど僕には正直ショックで、みるみる小さくなっていった。
「あっ、ごめんね」
 潤子にペニスを見られているだけでも羞ずかしいのに、可愛いとまで言われ身の置き所
が無かった。やさしく仔犬でも愛でるように撫でてから、潤子は小さい僕のペニスを舌で掬うと
れろっと口に含んでくれた。
「ああっ、な、なにするんだよ……」
 拒絶とは裏腹に、潤子の口腔はとても温かく気持ちがいい。そして、べろで剥けかけの亀頭を
舐めてくる。
「ああッ、ひいっ!」
 女の子が泣くような声が僕から洩れる。痛いようで、先っぽがじんじんとしてくる。たしかに
痛みはあるけれど気持ちいいとしか言いようがない。僕の躰がぐんと反る。
潤子は少し驚いて唇を離してから、覆いかぶさり僕の乳首をチロッとやさしく舐める。
「わたしを抱いてちょうだい」
 潤子は顔を朱に染める。床に投げ出していた両手を覆いかぶさっている潤子の背中に
恐る恐るまわして、そっと愛撫してみた。それを確認すると潤子は僕の胸に頬を擦り付ける。
ペニスはじんじんとして妙な気分になり、何かを欲している。
 その間にも潤子の小さな手が執拗に弄り、僕のペニスを男にしている。時折、ペニスに激痛
が走って、すまなそうに大丈夫という目で様子を窺う。僕が羞ずかしさでいっぱいになっていると
潤子は僕の胸に両手を添えて躰をゆっくりと起こす。
 そして男になったペニスを握ると腰を浮かせ、無毛に近いスリットへとあてがい秘孔に肉棒
をゆっくりと沈める。
「んんっ」「あああっ」……少女と少年は同時に声を上げる。痛みと快美の狭間で、腰が跳ね上がる。
僕の怒張は潤子のぬめる膣に深く突き刺さる。潤子も僕もはあ、はあ、と息を吐いていた。
やさしく・・・を孕んで-20

潤子は僕を落ち着かせてから、小っこいお尻を揺すり始める。僕は気が狂いそう
だったけれど、投げ出していた両手を潤子の動く腰に添える。わけのわからぬままに
潤子に弄ばれている気分にもなっていた。それでも快美の方が羞恥を遥かに上回って
絶頂が訪れる。
「じゅ、潤子……オシッコが出ちゃいそうなんだ……」
「いいの、そのまま出してちょうだい」
 本当にオシッコが出るのかと思い、ぎりぎりまで我慢する。
「だ、出してぇ……オシッコなんかじゃないから、ぜんぶ出して……いいのぉ……」
 頭のなかが真っ白となって腰が跳ね、がくんがくんと潤子を突き上げていた。
オシッコなんかじゃない大量の迸りが潤子の膣のなかに、びゅくん、びゅくんと……流れ込んでいく。
 潤子は頭を反らし、何かわけのわからない言葉を口走り、顎をぐっと引いて余韻を噛みしめて
僕の胸に倒れかかる。


「手紙きっと書くから」
「僕も書くよ」
 僕は潤子の背にもういちど手をまわして抱きしめる。

 その日の晩、その連絡がもたらされた。義男が団地の屋上から落ちて死んだのだ。
僕たち親子は先の一件もあって行きずらかったが、無理を押してその席に窺った。
なんでも義男は奇妙な事を口走っていたという。義男のお母さんは半狂乱と
なっていたが、お父さんの方は腑に落ちないらしく来訪者にそのことを喋っていた。
潤子もその場にいた。母の手前もあって口はきけなかったが、潤子の恐怖は僕の恐怖でもある。
やさしく・・・を孕んで-21

「もう一度、あそこへ行ってくる」
「だ、ダメよ……行っちゃ駄目」
「潤子も心配だけど母さんも危ないんだ」
「だ、駄目よ、いっちゃだめ……お姉さんに殺されちゃう……」
 潤子は僕にしがみ付いてくる。
「殺されてもいい、それで潤子や母さんが助かるならそれでいい」
「ダメ、行かないでぇ!」
「は、離せッ!」
「いゃ、いやッ!」
「ゴメン」
 僕は潤子の躰を突き飛ばしていた。潤子はその場に尻餅をつく。
「こら、女の子を苛めちゃだめだろッ!」
 知らないおじさんが潤子を抱き起こすのを見届けると、自転車に乗って走り出した。
潤子がすがりつくような瞳を向けていたが、それを僕は振り切った。大声で泣きながら大人の手を
振り払って潤子が追いかけてくる。僕は思いっきりペダルを漕いだ。
 その時、後方でドン!という鈍い衝撃音がした。僕は自転車から飛び降りて振り返る。僕を
追いかけていたはずの潤子が血だらけになって道路に横たわっている。
 僕の意識はすうっと無くなって、その場に倒れてしまった。
(母さん……母さん……逃げて……はやく逃げて……)
「どこへ逃げるのかしら」……小夜の残酷な声が最後に聞こえる。

 目が醒めると僕は病院のベッドにいた。窓を見ると夜になっている。側では母が寝息を立てている。
起こさないようにして、そっとベッドを抜けてパジャマのまま病院を出る。病院の自転車を拝借して
それに乗れば、あとは屋敷をめざすだけだ。母さんだけはなんとしても守らなきゃ、なんとしても。


やさしく・・・を孕んで-22

あたりは漆黒の闇、自転車をその場に捨てて僕は屋敷の領域に足を踏み入れる。怖さというより
憎悪で煮えくり返っている。大好きなものをことごとく奪っていった小夜に。そして黒い大きな扉を潜り抜け、
ぎしっ、ぎしっと階段を上がり闇の奥に入っていく。

 二階に上がると長い黒髪の裸のままの潤子がいる。
「柱を抱くようにして座りなさい」
 潤子は黙ってそれに従い、柱を挟むように脚を拡げてそこに鎮座する。
「頭を反らして」
 潤子の頭が後にそれて白い喉が露に、黒髪は真直ぐに垂れて畳を掃く。闇のなかに白くぼおっと
潤子の裸体が光っている。男が描き終えると、もういいぞと言葉を発した。
 そして潤子はその格好のまま、男に後から犯され、頭を柱に擦りつけて泣き出す。
座位で後から突かれて、快美を堪えるように細い手を柱に蔦が絡みつくようにして
しがみつく潤子だったが、次第に女の歔きへと変っている。細く白い両手が痛々しいまでに
柱に助けを求めてしがみ付いている。
「や、やめろ……さ、小夜、やめろッ!」
 僕は小夜が見せる潤子の過去を無視して力いっぱいに叫んだ。
「許さないと言ったでしょ」
「た、頼むから……母さんだけでも見逃してよ……」
 僕は畳にへたれこむ。
「今度は泣き落としかい……鬱陶しい餓鬼だね」
 勝ち目なんか最初から無かったんだ。小夜の怒りの大きさに初めて戦慄する。
「ぼくだけで勘弁して……もう、僕だけで……」
「それもいいわね」
 小夜の冷たい手が僕の頬をやさしく撫でる。

やさしい・・・を孕んで-23

「そんな気なんかないくせに」
 自分でも驚くほどのぞっとするような冷たい声が出た。
「……?」
「どうして義男を殺したんだ」
「約束を破ったからだよ」
「約束なんて最初から守る気なんか無かったんだろ」
「ふふっ、そうかもね」
「お前は可哀相な奴なんだ。好きな人を潤子や母さんに獲られて狂っちゃったんだ」
「そう……狂ったのよ……あの女どもに狂わされたのよッ!」
「お前は可哀相な奴なんだ。男も憎めない惨めな奴で弱い潤子や母さんに怒りをぶつけた」
「う、うるさいッ!だまれッ!」
「義男は関係なかったんだ。僕はお前を絶体に許さないッ!」
「だっ、黙れえええええええええええええッ!」
 小夜の髪がざわめくと、下から階段を伝い冷たい風が流れ込んできた。
「お前は男を憎めなかった惨めな奴なんだッ!」
 小夜のなかのなにかが完全に切れる。バン!と大きな音がして一枚の畳が
突然立った。そして次々と壁のように立ち上がる。僕は頭を抱えてしゃがみこもうと
したが、その一枚が飛んできて腹を抉る。床を転げている間に残りもふわっと
浮き上がる。痛みを堪えて頭を抱える。
「可哀相な奴なんだああああああああああああッ!」
 僕は尚も小夜を言葉で嬲った。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
 小夜の断末魔の声がして、畳がばたばたと落ちてきた。暫らく闇夜の静けさ
だけが屋敷を支配していた。
やさしく・・・を孕んで-24

僕は恐る恐る顔を上げる。そこには小夜のやさしく美しい顔があった。そしてまた冷たい手で
僕の頬を撫でる。
「義男は許してあげる。それと約束も守るわね」
「……?」
「前に潤子を許すと言ったでしょ」
 それだけを残して僕の前から小夜の姿はすうっと霧散していった。僕は顔を擦りつけて畳を
濡らす。小夜への恐怖と怒りが勝っていたはずなのに、出てきたのは彼女への謝罪の
言葉だけだった。
「ご、ごめんなさい……ごめんなさい……小夜さん、ごめんなさい……」

 僕が病院へ帰ると大騒ぎになっていた。パトカーの赤色燈が僕を照らす。それを見つけた母が
急いで駆け寄り僕の躰をぎゆっときつく抱きしめる。
「ご、ごめんなさい……母さん」
 母が涙をいっぱいに溜めた瞳で僕を見上げると、何も言わずに頬をやさしく撫でる。それは小夜
さんの冷たい手だった。

 
 私が目を醒ますと潤子が重なっていて頬を撫でていた。
「どうしたの?なんか旅人が懐かしの我が家還ったみたいな顔してる」
 潤子がふふっと微笑する。
「そうかもしれないな……」
「なら、もう一回する?もう一度生きよう」
 潤子の飽くなき性欲が、私のペニスを細くしなやかな指で扱きたてている。
「そんなにセックスしたら、潤子のオマンコから血が出ちゃうだろ」
 小夜のことを潤子に話してみようかという思いに鍵を掛ける。
やさしく・・・を孕んで-25

 潤子を転がして私が上になると、ひっ!という小さな悲鳴を呑む。私の怒張が
潤子の敏感になって赫く膨らんでいるセックスに擦られたからだ。
「ほら、みてみろ」
「いいから、壊して……壊して頂戴!」
 あれから、沙由香が帰って来るまでの間、潤子と過すことがある。その関係も
心地よくさえ感じる。沙由香との刹那な関係が潤子にも浸透しているのかもしれない。
「もっと自分を大切にしろよ」
「なんで絵をやめたの?」
「突然だな。あのことが無くても俺は辞めていたさ」
「どういうこと」
「普通に夕焼けやら朝日が好きなだけだったのさ」
「それでいいじゃない、続ければ」
「言われたんだよ、そんなもの写真撮ればおしまいだって」
「バカ」
「馬鹿かもな。アウトサイダーていう映画見たことないか?あの夕焼けCGI だとさ」
「それで」
「アルタードスティツみたいな絵を描いている奴に言われたんだよ」
 潤子がまた私を仰向けにしてペニスを握り、下腹に下りていく。
「近いうちに、もう一人モデルが来るの」
 楽しそうに潤子は冷たい手でペニスを愛撫する。まだ夢の続きを見ているかもしれないと
そう思う。
やさしく・・・を孕んで-26

「さあ、沙由香もこっちにおいで」
 沙由香が私たちに加わりたくて、もじもじしていたのに潤子が気づいた。
「はい、お母さま」
 いそいそとアトリエに入ってきた沙由香を見る。潤子が小夜と呼んだ気がした。
小夜は本当に私たちを許してくれたのだろうか。
「沙由、もうすぐあなたにおともだちが来るわよ」
 潤子は笑う。
「おいで、沙由。そのままでいいから」
 潤子がセーラー服のままの沙由香を招き、私に跨らせる。
「ほら、もっと腰を浮かせて」
 後からスカートに手を入れ、ショーツの前を掴んで一気に引き摺り下ろす。
沙由香はスカートを撒くってペニスに手を添え秘孔にあてがうと一気に腰を
沈め、沙由香の狭穴がいっぱいに怒張を咥える。
 私はあの夏の潤子の肌ざわりを思い出している。そんな夢みたいな幻想
に捉われて沙由香との快美感に呑み込まれていく。
 潤子は裸のままベッドを降りると、ガウンも羽織らずスケッチブックを手にして
椅子に腰を下ろす。
 私は起き上がって制服の上から、やっと膨らみかけの沙由香の乳房を
愛撫する。沙由香の唇から熱い吐息が零れ落ちる。ベッドから脚を外して
繋がったまま沙由香の躰を潤子の方に向ける。
やさしく・・・を孕んで-27

「ひぃーっ!ああっ、いやあ……いやぁ……」
 沙由香の間延びした嬌声が私の官能をくすぐり、ペニスを烈しく勃起させる。
くねくねと正体を無くして揺すっている首筋しねっとりと舌を這わしていく。
沙由香の髪の香りをいっぱいに吸い込んで、美少女の甘い素肌の味覚を
満喫する。
 制服のまま沙由香は背中を私に預けて、あられもなく両脚を拡げて、ほとんど
無毛のスリットにいっぱいに怒張を咥え込んでいる。悦楽がもどかしいらしく、
しがみつこうと片手を私の臀部に、もう一方を後頭部にまわす。それでも我慢
できないらしく首を捻じって唇をあからさまにねだる。
 今の沙由香に羞じらいはないみたいだが、まだまだ美少女は女に成りきれて
はいない。それが愛しくさえある。潤子はその想いさえも淫画として写しとって
いく。交合部分は沙由香のおびただしい愛液で妖しく濡れて光って輝きをみせる。
 潤子はどうして淫画を描き続けているのだろうと、沙由香の細い肢体に狂い
ながらも、ぼんやりと考える。小夜さんにでも描かされているみたいだなと、
なんとはなしに思ってもみるが、それ以上の深入りはしない。
 私たちを見ている潤子の瞳がまた嗤っていた。

 その日、アトリエに行くと沙由香の時と同じようにソファに少女が座っていた。
気配に気づいて立ってお辞儀をする。ブレザーの制服はベージュで、胸元
の臙脂のリボンが鮮やかで、スカートはグレーのミニ。
 小作りな顔に目元が涼しくショートの髪型をした凛とした美少女だった。
私の後に立っていた潤子が彼女を紹介する。
「篠崎真理さんよ」
「よろしくお願いします」
 また深々とお辞儀するこの美少女に、関係がまた少し変化したのを感じながらも
やさしく狂気を孕んで真理を眺めている自分に気づく。
99名無しさん@ピンキー:02/11/12 15:15
保守。

保守。
100名無しさん@ピンキー:02/11/12 15:57
      ,,、-'''"´ ̄    ̄`"''-、∧ 
     ∧             \、仮面ライダータイガ東条悟が>>100getだ
   /                 ヽ
   |                  |>>101君には悪いことしたかも
   |              -=・=- |>>102でも、もうやっちゃったから
   ヽ   -=・=-          />>103君は英雄になれない
     \  〃    (_人__)  ,,/>>104もしかして頭よくない?
      "''-、、,,,,,,__,,,,,,、、-''>>105君のために泣くかも
                     >>106-以降フリーズベント
いいですねー 母子物や幽霊奇談のムードも加わって「淫靡」の言葉がよく似合うお話
ですね。小夜さんの呪怨は根が深そうですね。次回も期待です
72

感想ありがとです。本来、母親が他人に・・・のスレに入れようかと思ってた
ものでして、つづきと鬼畜ものということで捻りすぎてこんなんなってしまい
ました。オカルトでなかったんです。w

リングで子供がビデオを見る有名なシーンがありますでしょ。
あのシーンが絵として憧れてます。台詞なんかいらないんです。
ただ子供の目を手で覆い隠し、腕で顔を胸に掻き抱き天を仰ぎ嗚咽する。
「あ゛あ゛あ゛あ゛……ッ!」
 子供を抱き尚も躰を前後に揺らしながら泣いていた……そしてベルが鳴る。
 トゥルルルル……トゥルルルル……。 まだ見に行ってないよ。

そんな雰囲気やりたかったんです。それと、知らない間に皆が危険な状況
にいるという絶望感とそれからの対峙。ちょっとでも面白く感じていただけたなら
とても嬉しいです。ありがとうです。
保守。保守。
もったいないので、保守。
待望、保守。
。。。
、、、
ひみつのことば、にきにゃっきにゅきにょ
続きplz…
やさしく・・・を孕んで28

  かつての女、三島潤子からの個展の誘いの葉書が始まりだった。気がつけば潤子の手の
上で私は踊らされていて、もう抜けきれないでいる。最初は仕事の穴を埋めるぐらいにしか
考えていなかったのが、沙由香を見てしまったことで心底欲しいと願うようになっていた。
 アトリエに初めて通されて、慇懃に挨拶したガウン姿の美少女がなんの躊躇いも見せずに
床に落として透き通るような真珠の素肌を私に晒した。モデル慣れしていたからかもしれないが、
私にとってそれは突然の衝撃だった。あの甘美な瞬間はいまも網膜に焼き付いている。
 潤子その娘、沙由香とのモデルを介した出会いから爛れた関係が進むなかで、忘れていた
潤子との思い出の遠い過去を私は重ねていたやもしれない。潤子にしても何に突き動かされて
どうしたいのかなど、もはやどうでもいいことのように思えていた。
報酬のことなど私にはもはやどうでもよくなって、小児愛の世界へと首までどっぷりと浸かっては
気だるくも甘美な世界へとのめり込んでいった。
いつまでもペニスがエレクトしていればどんなにいいだろうと馬鹿な幻想をガキの頃はよく思い
描いていたものだが可笑しくなってしまう。沙由香を愛していると真剣にそう願っているのだから
救いようがない。
 しこたま打ち込んで、もう射精するものが無いというのに沙由香の膣内にいるとやさしく私の滾る
獣を包み込んでこようとする温かさと、幼き性の健気な心根にむくむくと肉欲が蘇ってはまた、尻を
いっぱいに拡げられた股間へと打ちつけてゆく。そんな身勝手な性愛が日々繰広げられては
ペニスが沙由香の快美な柔肉を貪婪に貪っていた。
「ああ……いい、イクううッ、おじさまああッ!おじさまあああああッ!」
 潤子は私と沙由香との交歓の時を冷徹な瞳で素早く紙へと切り取っていく。沙由香が私を
狂わせているのか、私が沙由香を虐め抜いて苦しめているのか、潤子は何も答えてはくれない。
もはや、答えを聞いたところでどうとなるものでもなく、己が欲望のまま堕ちて行くしか道はなさそうだ。

 そして今日、篠崎真理というもうひとりの美少女が、私たちの関係のなかに飛び込んで
来たのだった。
お待ちいたしておりました♪ 真理が入ってきたことで変わるであろう関係に
期待大です
やさしく・・・を孕んで29

「どうしたの?沙由香よりもぐっときちゃったのかな」
「ばか言うなよ……」
 外見は明らかに沙由香とは違っているが、印象そのものは沙由香の物と同質の哀しみ
めいた翳りを少女が内包しているように思えた。
「どうするの。このまま抱いちゃおうか」
 潤子が悪戯っぽく聞いてくる。このいたずらっぽさがどこまで本気なのかが、いつもよく
分からない。まるでゲームを愉しんでいるような節がある。それでこの娘なのかと訝りたくもなる。
「いや、俺はただ……」
「ただ、なんなの、京くん。篠崎さんはどうかしら?」
(ベタな奴め。いまさら、京くんはないだろうが)
「かまいません。いますぐでしょうか」
 その少女はすっと承諾の言葉を吐く。面食らっていたのは私の方だった。
「そうしてくれると助かるわね。じゃあ、ベッドの前に立って床にゆっくり落としていって」
 潤子はそう言うと、テーブルに置いている画材をとって用紙の上に篠崎真理の制服を
脱ぐ時をシュッシュッと素早く描き、美少女を定着させてゆく。
 なぜか、場慣れしているなと疑問には思ったが、上着を脱ぎ捨てたとき微かに肩が喘いで
いるのが見て取れた。
「ちょっと、外させて貰う」
「あら、どちらへ」
 手も視線も篠崎真理に向けられたまま、潤子は聞いてくる。私は真理に背を向けて衣擦れの
音だけを耳に聞いていた。
「あ……トイレだよ」
「こわばり、噛ませたりしないでよ」
正直言うとこの後の展開な〜んにも考えていません。
期待して下さっているのに、申し訳ないです。
そもそもが、いんすぱいあから始めてしまったものなので、
ゆっくり動かしていけば、なかで何かが変わっていければなと
進めていくつもりです。 ぽやぽやんで消したくないです。
OKっすよ 登場人物と物語の神さんと作者さんのおもむくまま進めていって
くださいな 個人的には無理してエロシーンいれなくてもいいんで(まるっきりないのもなんですがw)
ゆっくりどうぞ
やさしく・・・を孕んで30

「……!」
 どうして画架を使わないという言葉が一瞬、突いて出そうになって止まる。潤子への
仕返しのつもりだったが、多分に昔の父親への反撥なのではと思うからこそ
呑み込んでしまう。
「ふふっ、らしいわ。でもそんなのは、やさしさじゃないわよ」
 シュッシュッという画紙を滑らすコンテの音が、真理のブラウスを脱ぐ姿を何食わぬ顔で
定着させていた。
「なんのことだ」
 私は少しむっとする。
「何か思っても、すぐに呑み込む悪い癖のことよ」
「それを言ってしまって、壊れたらどうすればいい」
「直せばいいでしょ。そう努力してみたらどうかしら」
 わたしは直したわよ、とでも言いたそうなだ。沙由香を提供してということかと、ひとり
愚痴てみる。
「俺を責めているのか」
「さあ、どうでしょう」
 真理はブラを外して、微かに喘ぐ幼い乳房を晒す。その儚い膨らみを潤子の
デッサンを通してチラッと盗み見てから、その場を去ろうとした。
「おかえりなさい、おじさま」
 白いガウンだけを纏った沙由香がアトリエへと入って来て、私へと挨拶をする。
「いらっしゃいでしょ、沙由」
 デッサンを続ける潤子が沙由香を注意する。
「ごめんなさい、お母さま」
 か細い声が、更に曇るのを私は申し訳なくなって、沙由香の腰まで伸ばしている黒髪の
てっぺんをクシャッと撫で回す。沙由香が私の家ということか……と嬉しがる私がいた。
やさしく・・・を孕んで31

「いやぁ、おじさま……やめてください……」
 沙由香のパッと明るい声がアトリエに拡がると真理が私たちの方をチラッと見た。
「篠崎さん、ごめんなさい。あとでちゃんと紹介するから続けてくれない。ほら、あんたたちも
静かになさい」
 沙由香がしゅんとなって真理の方を見るが、私がアトリエを出て行こうとすると慌てて腕に
絡みついて大きな黒い瞳ですがりついてくる。
「いっしょにお仕事じゃないの、おじさま?」
 その意味するところ性愛をねだるような無邪気さに、ドキッとして私のペニスは勃起してしまう。
「トイレよ。沙由もついていきたい?」
 その潤子の言葉に真理がくすっと笑い、沙由香は頬をぷうっと膨らませていた。そんな和んだ
風景だったが、以前の潤子ならついて行って愛してもらいなさいと言いかねないのがこわい。
真理に気でも使ったのだろうか。結果的にいい雰囲気になっているが、潤子の場合積み木
遊びの要領で、作られたものをわざと壊しては、また組み立てるという奇行をしでかすことが
多々ある。その起因が昔のどこにあるかは詮索しないが。
 トイレに入って、便座をあげて少し慎重にジッパーを下ろして、昂まっているペニスをそっと出す。
すぐには出ずにしばらくして、じょぼじょぼと水を叩いてやがて終わった。
ここで、扱いて射精しておいた方がいいのかもしれないと思い、考え直してペニスを振って、
ジッパーをあげてレバーを回しドアを開けると白いガウンの沙由香がそこにいた。
「ん、どうした?沙由香」
「ママがパパに愛してもらいなさいって」
 美少女は何の躊躇いも見せずに、仕事のときのように床に白いガウンを脱ぎ捨て、そのなか
からさらに真珠のように透き通る白い素肌を晒して私に捧げる欲望の贄となった。
私は沙由香の欲望たりえているのだろうか。淋しさを埋める対象なのだろうか。男と女の関係
に近づいたのだろうか?
やさしく・・・を孕んで32

  チッと舌打ちして、潤子に敵対心を抱いても、蠱惑的な沙由香の眼差しがズボンをはちきれん
ばかりに膨らんでいた。
「沙由香は嫌か?仕事でするのは?」
 私は10代の少女になんということを聞いているのだろうという、失態をやらかしていた。沙由香の
裸が抱きついて、顔を私の胸に埋めたまま烈しく横に振るって、長い艶やかな彼女の黒髪が
たゆたうとしていた。
「ごめんな、沙由香……」
 私は沙由香のどれに謝ったのだろうか。何に謝りたかったのだろう……。
「謝らないで、パパ。仕事でもなんでも、パパといっしょのときが沙由は好きなの……好きなの…
…だから……だから……セックスしたい、セックスしたいの」
その後の言葉に愛という想いを描いてみた、沙由香に言ってもらえなかったことば。しかし、
少女の抱いている愛は捨て去られたわけではなかった。時を経て愛ということばから沙由香は
性愛に目覚め、性愛を通して私を愛しむ術を学んでいるのかもしれない。
おんなとしての沙由香に、潤子のいない前では私のことをパパと呼ぶようになって慕って
くれている沙由香もいる。この美少女を犯すという背徳の行為においてパパという呼び名は、
分厚く浅ましい上塗りのようなものだ。そのくせ私はどんどんと沙由香が愛しくなって仕方が
なかった。愛という言葉で正当化できる行為でないことくらいは承知していても幻想を抱いてもいた。
 私が沙由香を変えたのか、それともこれまでとなんら変る事のない潤子のモデルとしての
通過点でしかないのだろうか。
(私は沙由香の心の声に耳をすましてみたい!私は沙由香とセックスをしたい!抱きしめていたい!
ずっと交わっていたい!沙由香をもっと知りたい!沙由香、沙由香!)
 両手で私を見上げていた沙由香の頬をそっと挟んで顔を近づける。沙由香は大きな
吸い込まれそうなまでの黒い瞳をゆっくりと閉じる。沙由香の長い睫毛の微かな揺れさえも
愛しくなる。
やさしく・・・を孕んで33

 沙由香の唇にやわらかいタッチで舌をすっと滑らす。もういちど唇でゆるりと掃いて。
「はあん、ああッ……ああ……」
 沙由香の躰の力がすうっとほとける。私は半開きになって惚けている口腔に沙由香の可愛らしさ
を構成するパーツを弄っては愛でていた。
 唇の裏側に舌を這わせたり、真っ白い歯やピンクの歯茎を嘗め回して愉しんで、それに応える
薄い胸の尖りがいじらしい。どんな気持ちで私に抱かれようとしているのだろうかとぼんやりと
考えていた。
 左手は頬をやさしく撫でてから、赧く染まりつつある耳朶を捏ねくり、右手を細い首筋へ滑らせ、
儚い細肩に手を添え握り締めて沙由香を引き付ける。そして背中を撫で回して羞ずかしげに蠢き
はじめた小さなお尻へと下りていった。
 沙由香は待ちきれずに、自ら可愛らしくやわらかな唇を押し付けて来て、口を開いていった。
(はやく来て!来て!沙由、パパがとても欲しいの!とっても、とっても!ううん、もっと
いじめてぇ……!)
 肉付きもまだ心もとない双臀の柔肉を破壊するように鷲掴みにしたり、弛緩させやさしく撫で回してもやり、
私は沙由香の誘いに乗りつつも、少女の閉じられている太腿を脚で押し開いて、膝でスリットを愛撫もする。
膝には沙由香のねばりが付着して輝かせていた。舌を絡めると烈しい沙由香のお返しがあり、
抱きついていた華奢な両腕が私をきつく抱きしめてくる。私はこの美少女の想いを信じてみたくなっていた。
 沙由香の躰をさっきまでいたトイレに引きずり込んで、便座を下ろして腰掛けた。
「ああ……もっとしてぇ……パパ、パパぁ……」
 唇が離れると、沙由香の残念がる濡れた嬌声が洩れ落ちるのだった。
やさしく・・・を孕んで34

「沙由香にオチンチンをしゃぶりしてもらいたいな。ダメかい?」
「は、はい……パパぁ」
 トイレの便座に腰掛けて、扉は開かれたままで、沙由香にペニスをしゃぶらせようとしている。
その行為に耽溺してみたい……沙由香の顔はもう判断できないほどに火照り、羞恥に煽られて
なのか、それとも惚けているのか、ペニスが痛いまでに硬くなり痙攣して反応していた。
 沙由香は裸身を私の拡げている股間に下ろして膝を付き、ジッパーに細く白い指を掛ける。
私は沙由香の床に脱ぎ捨てた白いガウンをチラッと見てから、少女を見つめた。
ペニスが昂ぶりすぎて、出すのに難儀しているみたいで、いいよと黒髪をそっと愛撫する。
 私は艶やかな黒髪を撫でるのが好きだというより、沙由香の長い艶やかな黒髪が
好きだったのだ。少女の黒髪は腰までもあって、その感触は絹のように心地いい。そして、
沙由香の性愛で淫らになった顔を時には守るように覆い隠し、烈しく陶酔する顔を一瞬
垣間見ることの悪戯もしたりする。白い背中に掛かる黒、薄い胸を隠す髪、細い肩にしどけなく
置かれる艶……とさまざまな沙由香の色を魅せるからだ。
 まるで潤子のデッサンを見ているような気がしているのだから可笑しい。私は沙由香の鼓動を
直に聞いて、その生や魂をも抱きしめて肌を何度も重ね蒼い性を貪っているというのに。
 沙由香は私のペニスをようやく引きずり出し亀頭に口吻をして呑み込んでゆく。右手の指が
屹立に添えられて、左手が玉を弄んで……黒髪が揺れて沙由香の大きい白い耳が覗いて見えて
ぞくっとさせると、口腔のなかで私の肉棒がびくんびくんと跳ねあがった。沙由香の上体がゆっくりと
揺れて唇がペニスを扱き、舌がねっとりと絡んでくる。鼻孔は大きく膨らみ吐息が洩れてくぐもった
呻きがあがり始めた。私は沙由香の羞恥に喘ぐ顔を眺めたくなり、黒髪を掻きあげた。
はにゃ〜ん 夢うつつ… 毎度の事ながら酔わせる文体だなあ
ストーリなどどうでもいいから(うそ!)描写の海に漂っていたいっす
やさしく・・・を孕んで35

「んんっ……んん……」
 恥戯に没頭していた沙由香が、顔を覗かれたのを知って顔を無理に揺すり、前歯が私の亀頭を
擦ってしまい、甘美な刺戟となって腰に衝撃が走った。
 そして今見た沙由香の朱を刷いたような艶やかな顔とともに私は欲望に押されてゆく。
「ここへおいで、沙由香。ほら、来てごらん、沙由がいますぐ欲しいんだよ」
 沙由香のくりっとした黒い瞳が私を仰いでから、ゆっくりとペニスを吐き出すと羞ずかしそうに顔を
あげるのだった。沙由香の唾液にまぶされテラテラと輝いている肉棒が、はやく膣内に入りたいと
ブルンとひと揺れした。
 沙由香の目は羞ずかしそうにしてはいるが、私の勃起して天上を向いているペニスにもはや
縋りつくしかない女となる。沙由香が快美の予感に顫わせている両脚を蛙のように拡げて
便器に座っている私に腰をゆっくりと下ろし、稚い熱情の秘孔をいっぱいに拡げてぬぷっと私の
大きく滾らせた肉塊を咥え込んで頬張ってゆく。
静かな少女の佇まいが、グロテクスな赤黒いペニスで柔肉のスリットに突っ込まれている様は
眩暈すら覚えるほどの美醜にほかならない。私はそれを情けないほどに愉しんで、肉棒を硬くする。
 沙由香の両腕は首筋に蔦が絡みつくように巻かれると、しどけなく唇を開いて仰け反っていった。
そこからは、セックスからこぼれでる愛液のように唾液がたらっと伝っては沙由香の薄い乳房に
滴らす。私の両手は今まさに官能に耽溺しようとしている沙由香という確かな存在を実感しようと、
快美感に喘ぐ脾腹を挟むようにして、包み込んで抱きしめていた。
「ああ……はあっ、いっ、いい、パパあぁ……ッ」
 沙由香の稚い膣内が私の滾りを懸命にやさしく包み込もうとしている。手には躰の性の顫えが
伝ってくる。
「な、なにがいいんだい、沙由、沙由……香ああぁぁッ」
 私のもので沙由香を悶え歔きさせることは無上の悦びとなって、ふたりしてエクスタシィへと駆け
上がっていった。
やさしく・・・を孕んで36

「んんっ、はあっ、あああッ……いやあっ、いやああ……」
 烈しく仰け反る沙由香の白く細い咽喉を舐め、舌をねっとりと絡める。少女の両脚は蛙のように、
無様で場違いな言い方かもしれないが、沙由香はまだ女の品を知らず使う術もなく自然に振舞う。
その無防備な少女性が私を烈しく勃起させているのだろう。
 躰を開ききって私に載せている腰をゆっくりと左右に揺り動かし律動のリズムを奏でていく。
私も沙由香に合わせて、抱いた手で躰を揺さぶり小刻みに腰を振動させた。
「パパの……がいいの、いいの……とっても」
 仰け反っていた顔が戻って来て、私の唇を求めてくなくなと動かすけれど……
「だ、だめだよ、沙由香。ちゃんと言ってごらん、な、なにがいいんだい?」
……私は沙由香の熱情をぶつけて来ようとする唇をわざとはぐらかす。
「あううっ、パ、パパのオチンチンが……いいの、とってもいいの……ああッ、いじわるぅ!」
 沙由香の額が切なく唇を求めて私へと擦り付けられていた。
「ゆ、ゆるして……ゆるしてぇ、もうゆるしてぇッ……」
「ほ、ほら、ご褒美だよ」
 だらしなく開かれている沙由香の唇を私は力いっぱい吸い込む。
「んんっ、んんぐうッ、ぐ……」
 沙由香の稚い舌と肉襞が私の組み敷こうとする力に健気に応えようとしている。そして
咥えた下の口が射精を促して烈しく痙攣した。喘ぐ脾腹を挟んでいた両手は、沙由香の悦楽に
撥ねる腰をしっかりと掴んで、怒張で膣を突き破らんとガクガクと揺れる。
 少女は私の唇を振りほどいて白濁の迸りに子宮を塗された悦びを口にした。
「あっ、あああッ……い、いくうッ!あううッ!パパッ!パパああッ!」

 美少女は放心して、壁にもたれて座っている私の躰にしなだれかかって正体を無くしていた。
暫らく私も収縮を繰り返す余韻を愉しんで、眠るようにしいる沙由香の頭をやさしく撫でている。
いつも感想ありがとうございます。
それなのに、細切れでごめんなさいです。
いいえ そのぶんじっくりと反芻させてもらって楽しんでますので♪

・…でひょっとして広告とかチャチャが入るかもしれませんがここらで一度
ageていいですか?最後にageったの二月前だし
 自分の他に何人ROMってるのか知らないけどこの良作を独占してるのが
罪に思えてきたんで(w 独占して密かに楽しみたいという気持ちも強いけど(w

 作者さん、ROMで楽しんでるみんなごめん!がまんできないんでagetちゃう!
125名無しさん@ピンキー:03/01/09 06:50
あは sage入れたままだった(w 無駄打ってすみません 今度こそageます
やさしく・・・を孕んで37

時折見せる沙由香の収縮に愛しくなってペニスがびくんびくんと膣内で痙攣した。
「沙由……たまんない……」
 私の肩にぐったりとしてしな垂れかかっている沙由香の唇から、ぞくっとさせる小さなか細い
声が吐息とともに洩れた。
「沙由、腰をもたげてごらん」
「は、はい……パパぁ……」
 肩に載せている沙由香の細く尖った顎が離れて、私の胸に両手を付きながら腰をゆっくりと
持ち上げる。沙由香も私も肉の交合の眺めをまじまじと見ていたが、ペニスを引き抜こうとしている
少女を憐れんで甘いキッスを贈る。
やがて私の放たれた許されない精液が逆流してきて、ペニスを無残なまでに咥え込んでいる
スリットからトロリとこぼれ出る。少女は腰を持ち上げたまま、太腿を顫わせてじっとしていた。
私はトイレットペーパーをカラカラと巻き取って、今だ処女といっていいだろう沙由香のものを
いたわりながらそっと拭ってきれいにしてゆく。また、沙由香は私が後始末する様子をじっと
見おろして、時々ぴくんと総身を痙攣させていた。
「ごめんよ、沙由香」
 沙由香は一瞬きょとんとしてニッコリすると、私の首に手を巻きつけてキスをする。
「もう、だめだよ。お母さんが待っているんだろ」
「うん……」
 唇を離した沙由香が少し拗ねていたが、ゆっくりと立ち上がる。私は沙由香から溢れ出た残滓の
後始末を流すと、沙由香の小さなお尻を触ってそっとトイレから押し出して、床に脱ぎ落としていた
ガウンを着せてやった。私がどうして謝ったのか感覚で沙由香は解したのだろう。けれども、私の
なかの罪の意識は消えることがない。それはそれでいい、知りたいのは沙由香の気持ちだけだから。
やさしく・・・を孕んで38

「あら、遅かったのね」
 白いガウンを羽織っている沙由香が、デッサンしている潤子の前に立ってその裾を捲くられて
セックスを触られる。
「ああッ……」
 沙由香はそう呻くと前屈みになって潤子の差し伸べた手を一瞬だけ押さえようとした仕草をして
躊躇った様子を見せて堪えている。
「沙由、確かあんたオシッコをしに行って来たのよね?シャワーを浴びてきなさい、いいわね」
 感情の無い職業的な潤子の声に沙由香の想いが私のなかへと流れ込んでくる。
「は、はい、お母さま……」
 沙由香の謝罪の言葉に哀しみが交じっていた。篠崎真理に嫉妬?騙されて私がそれに載って
いたというのか。あまりにもお粗末だった。
 沙由香が私の前を通り過ぎてバスルームへ行こうとした時、沙由香の細い腕を捕まえてぐいっと
引き寄せる。そして美少女の頬を両の手で挟んで、そっとやさしくキッスをした。
「んっ、あん……お、おじさま……」
 沙由香の手が私の背に廻ろうとして躊躇い、ゆっくりと下に垂れた。くちびるを離すと沙由香は
羞ずかしそうに目元を赧く染めて、小さな声でごめんなさいと私に謝る。私は少女の小さなお尻を
そっと押して沙由香の後ろ姿は嬉しそうにバスルームへと消えていった。
 その様子をベッドで裸身を晒して壁にもたれて両脚を拡げて人形のように座っている真理が、
何事が起きたのかと興味深そうにこちらに視線を送っている。
「どう、プライドは保てたかしら。それなら早く脱いじゃってね」
「潤子は俺や沙由香、そして真理の感情までも画紙に定着したいのか?」
「判りきったこと聞かないでくれる。ただ男と女の絡みだけ描いていてナンになるのかしら」
 そう潤子は言い放つと、沙由香を確かめた指をしゃぶってコンテを画紙に素早く走らせていった。
128山崎渉:03/01/12 07:59
(^^)
やさしく・・・を孕んで39

 沙由香はアトリエ内のバスルームでシャワーを浴びて泡を流し、ヘッドを秘所へとあて水流を
強めて入念に洗い流していた。情交に耽溺し火照った躰に水をあびたかった。
 バスルームに立ち込める湯気が沙由香の想いそのままに、キスされた嬉しかった気持ちを
どこかへと攫っていく。
 沙由香は腰をタイルへと落として、両手をそこについて泣き出していた。そして躰が緩んで
顫えだして、先ほどまで我慢していたものが奥からゆるゆると流れ出し勢いを増して迸り、
シャワーの水流とともに排水口へと消えてゆく。
「どうして……どうしてえぇぇッ!どうしてなのッ!」
バスルームから沙由香の呻く声が聞えたような気がした。
 私はシャツのボタンを外す手を止めて潤子の方を見ると、彼女は微動だにせず、スケッチブックへ
しゅっしゅっと手を走らせている。
「アマチュアのジレンマね。早く真理の所へ行ってくれないかな」
 私は苦々しく潤子の真理をスケッチしている顔を見下ろしていた。私の顔は潤子が呆れるくらいに
歪んでいたのかもしれない。
 裸になった私は、ベッドへと上がり、人形のようにして壁にもたれ両脚を拡げて座っている篠崎真理
という少女へとにじり寄っていった。
 真理は沙由香とは対照的で、目は切れ長の涼しい感じで唇は薄く顔も小さい。凛としていて芯の
強さを窺わせる風貌だった。あの時は小さく儚げでぽってりとしていた赫い唇、ルージュを刷いた
沙由香に魅せられていたのに、今の私はどこへ向かって行っているのだろうかと考えずには
いられない。だからペニスは無様に萎縮して垂れ下がっている。
 私が真理の脚に触れようとしたら、彼女は躰を起こして近づいてペニスへと手を伸ばしてきた。
ショートカット・ボブのカールの効いた髪の流れのきりっとした、美少女・真理の顔が近づいてくる。
やさしく・・・を孕んで40

「ま、真理ちゃんといったね。俺がやるから……いいよ」
「真理でいいです。……おじさま、私にさせてください」
 萎えていたペニスがぴくんと脈打つが、私は潤子の方を見た。潤子と目が合って彼女が顔を
すぐに振った。指示はしていない、ということか。膝立ちになっている私の股間に手の感触が伝う。
真理は四つん這いになって私の股間に右手をそっと差し出して萎えているペニスを掴んだ。
 真理に掴まれたことで私のペニスがまた彼女の手のなかでびくんと顫える。どくん、どくんと
ペニスへ血が流れ込んでゆく。私の中で沙由香と真理が重なって、逆の作用を及ぼしていた。
まさにけだものだ。潤子の絵の無垢とけだもののままだ。
 真理の唇が私の亀頭を捉えて口腔の温かさに包まれていった。私は真理の髪を撫でようとしたが
躊躇い四つん這いになって、しなっている背をそっと指を立てて撫でた。真理の鼻息が私の腹部を
くすぐる。さらに肋骨の浮き出ている肉付きの薄い脾腹を両の手のひらでやさしく撫でてみる。
 唇でペニスを扱きあげる力が増したような気がして、鼻孔からはくぐもった真理の呻きが洩れて
来た。彼女は私のペニスを口腔深くに呑み込んで屹立に舌を絡め、ストロークを始める。
 真理は瞼を閉じて額には玉のような汗を噴き上げて、眉間に苦悶の皺を刻んでいた。私の背徳
に汚れた手は、いつしか躊躇いを忘れて真理のボブカットの綺麗に分けられている頭に手をやって
愛でていた。
潤子の傍に沙由香が立って私が真理にペニスを扱きあげられるのを見られていたとは、その時
はまだ気が付かなかった。
「沙由、綺麗にしてきたわね」
「はい、お母さま……」
「ベッドへ行きなさい。どうしたの、なにをしてるの」
 真理が私の張り詰めた肉茎をゆっくりと吐き出した。亀頭は真理の唾液にもまぶされてテラテラと
妖しく赫く光っている。私は沙由香が見ていたことに初めて気が付いた。
「ありがとう」
 真理が私にだけ聞える声で確かにそう呟いた。
「で、でも……」
 沙由香が返答する。反応に苛立った潤子の右手が白いガウンを割って、沙由香のスリットを弄った。
「ほら、欲しいんでしょ?どうしたのよ」
いよいよ関係に変化が生じてきそうですね。楽しみです
やさしく・・・を孕んで41

「い、いやあっ……」
 沙由香が慌てて裾を押さえて、啜り泣きながら前屈みになった。そのまま床に腰を落としそうな
雰囲気を醸し出している。
「いいかげんにしなさいよ、沙由香。さあ、しゃんとなさい」
「い、いやよ……ママ、許して……」
 言うか言わないうちに潤子の平手が飛んで、沙由香の頬がみるみるうちに赧くなっていった。
私はその光景に萎えるどころか、サディスティックな気持ちに包まれて肉棒がびくんと顫える。
真理がまた私の屹立を手にして扱きたてる。
「さっき、ありがとうって言ってたよね……?」
 真理の切れ長の涼しい瞳が私を見上げる。
「はい……私が脱ぐ時、おじさま見ないでいてくれたから……」
 そんなことかと思ったが、真理の目元がはにかんで赧くなるのを見て不思議な感覚に捉われた。
潤子がこの美少女をどういったルートで入手したのかは判らないが、沙由香のように擦れた感じの
無い素直な心根の少女に思えたからだ。
 沙由香が床に涙をぽたぽたと落としながら、白いガウンの帯を解いて脱ぎ捨てた。躰付きは
真理の方が膨らみという感じがまだあるが、沙由香の胸はまだまだ薄い。そして、華奢でぎゅっと
抱きしめてしまうと折れてしまいそうなくらいに儚くて愛しい。そして、その腰まで流れる真直ぐな
黒髪が沙由香の蠱惑だった。
沙由香が真理にペニスを扱かれている私の傍ににじり寄って正座を崩す格好で腰を落とした。
「ありがとう、真理。もう、いいから」
「あっ……」
 真理の小さな声が唇からこぼれる。私は迷わず沙由香を抱き寄せてぎゅっとしてから、ベッドに
華奢な裸体を仰向けに横たえた。真理の熱い視線がふたりに向けられて、私は沙由香に覆い
被さってゆく。びっくりしたように瞬きをしていた沙由香が静かに瞼を閉じて、人魚のような雫が
頬を濡らしていた。
やさしく・・・を孕んで42

「濡れてたのかい?」
 私は沙由香にそっと尋ねると、顎をこくんと引く。朝とともに海に入水して泡となっていった
人魚姫の涙が過ぎっていた。ペニスに手を添えて沙由香のスリットへとあてがい腰をゆっくりと
沈めていく。
 静かな少女の佇まいが凶悪な獣によって圧し拉がれる眺めに、沙由香にすまないと思い
ながらも屹立は堪らないまでに昂まってゆく。私は沙由香の赧く腫れ上がっている頬を撫でよう
とすると、真理がそれを遮り、挿入に仰け反っている顔の頬をそっと姉のように撫でるのを見た。
私は沙由香の脇近くに両の手を付いて真理の顔に唇を寄せ、少女はそのくちづけを受け入れた。

「京ちゃん、だめでしょ!仔犬はね、最初からいる方のを抱き寄せてから、新入りさんを可愛がる
ものなのよ」
 むかし仔犬をつがいで飼ったことがあり、母が教えてくれたことをなんとはなしに思い出している。
もしこの話しを沙由香と真理に語ったらなんと思うだろうかとも考えていた。

 沙由香が頬を撫でている真理の手首に、脇に付いている私の手にも手を絡めてきた。私の
残酷な律動が白いシーツのうえに散らばる黒髪に載せている華奢な躰を揺さぶり脾腹を
喘がしている。真理とくちづけを交わしているその下で沙由香が悶え苦しんで堪えようとふたりに
しがみ付いていた。
「あっ、あっ、ああッ!パ、パパああッ!」
 沙由香の嬌声が真理の唇を一瞬だけぴくっと顫わせた。沙由香は真理に対して女であることを
誇示して見せたのだろうか。空気を裂いたかにみえた。
「ああっ、おじさまあッ!ああッ……おじさまあああッ!ひっ、ひっ、ひぃーッ!」
 沙由香の総身が引き攣っていつもの言葉がこぼれ、啜り泣きが交じるのだった。私は真理から
唇を離して、沙由香の官能に喘いでいる顔を見下ろして、狭穴に腰を打ち付け私は欲望に暴走
していくだけになる。愛しい者への残虐な行為に私は涙をいつしか流して、沙由香の快感に耽溺し
歪む顔に降り注いでいた。
やさしく・・・を孕んで43

  真理の両の手が私の顔をやさしくひきあげると、少女から口吻をした。真理の柔らかい唇が
私の口のなかへと押し込まれ……蕩けてゆく。
「ああ……いくうッ……いっ、イクうううッ!いっちゃううううううッ!」
 沙由香の躰がぐんっと撥ねて烈しく痙攣すると、私は稚い子宮を白濁の欲望でまぶしていった。
しかし、私の悪魔の所業は終わることなく沙由香の躰に残り全てを吐き出そうとして腰を烈しく
打ち付けていて、沙由香の入れ物から溢れかえった白濁がシーツを汚している。
 そして、溢れ出る涙をもう一人の美少女、真理がくちびるを這わせて啜って慰めてくれている。
私は狂って壊れてしまっていたのかもしれない。
 沙由香が頬に降る私の涙に気が付いて、手を掲げて真理と口吻をしている咽喉をそっと
触れてきた。
「泣かないで……泣かないで、おじさま……泣かないで……」
 私は真理からの唾液を貰い咽喉を鳴らして嚥下している。それを沙由香が揺さぶられながらも
やさしく愛撫してくれていた。私は天使に誘われて破滅へと向っているのだろうか……。一度は
覚悟して沙由香の肉体に溺れたはずなのに、何故こうも意識がはっきりとしてくるのだろうか。
もうひとりの天使・篠崎真理に執着して生を感じているからなのかもよくわからないでいた。
また私の躰が暴走を始める。
 真理の私を慰めようとしていた柔らかい舌を、強引に掠め取って呑み込んで口を吸う。
「んんっ、んぐううッ……」
 真理の鼻孔から苦悶とも喘ぎともつかない声が洩れる。性に対して幾ばくかの知識を有した
もうひとりの沙由香。そして素直でいて処女性を感じさせないではいられない心根に沙由香の
膣内のペニスがまた膨らみ始めていた。
 アトリエには私の放った精液と美少女たちが分泌した愛液によってむっとするような、なまぐさい
性臭を漂わせていて、三人はその芳香に酔い始めていた。
 ベッドのギシギシと軋む音と喘ぎ、そして画家・三島潤子の画紙に私たちの肉の絡みを永遠に
定着させようと紙を滑らせる音がエッセンスか催淫剤のような作用を及ぼしてまた昂ぶってゆく。
135山崎渉:03/01/17 07:53
(^^;
書いている方としては、かなりアンフェアな言い訳ですが
べたでインナーな展開になっちゃってますが、このまま続けて
いいでしょうか?
それと、なんか希望とかあります、ありませんか?
展開とかキャラへのものとか、どれだけ取り入れられるかはわかりませんけれど
おそらく124さんしかいられないと思われ・・・ぼやっとはあるにはあるんですが。
それなら、もったいないと一応、提案ということで聞いてみたいのですが。
やさしく・・・を孕んで45

「あうっ……また、大きくなってるうっ、お、おじさまのがあっ……ああ……」
 成熟しない女体が私に抱かれて、膨らみというのにもまだ遠い胸が官能の悦びに喘いでいる。
小さなセックスは私のペニスをいっぱいに拡げられて痛々しそうにいまだ必死に離すまいと
咥えて頬張っている。
「沙由香のがああ……お、おじさまので、いっぱいになってくるううッ……ああ……気持ちいいよッ!」
 そして沙由香の小さくて白いお尻が可愛らしく懸命に私を悦ばそうとするのか動いていた。
少女とセックスをしているというのに、あくまでも沙由香は私にファンタジーを魅せる。ほんとうに
女を抱いているのだろうかという疑問が何度となく反芻されていた。ただこうしていることが無情の
悦びと刹那に思って沙由香に腰をまた打ち付ける。
「んんっ、んはあっ、はあ……さ、沙由香!き、気持ちいいよッ!沙由香ああああッ!」
 真理は私と沙由香のセックスを見て、私から唇を離すと下で喘いでいる沙由香の顔を両手で
やさしく包み込んで熱くキッスをし始める。
 沙由香にとって同性からのキッスは多分初めてではなかったかと思う。潤子から女性のモデル
のことは聞いたことはなく、そのようなデッサンを見たことも無い。膣内が真理にキッスされた瞬間
きゅっと収縮したから、そう思うのであって実際のところはよく判らない。沙由香の喘ぐぽてっとした
小さな唇が真理のくちづけによって封じられると、鼻孔がいっぱいに拡がってくぐもった呻きが
噴出した。
 私の情交の下で、二人の美少女が顔を揺らしながらくちづけを交わしている眺めは妖精・ニンフ
どうしの戯れのキスとなって私のなかでダイレクトにセックスを想起させていた。私の律動が烈しさを
増していくに連れて、悲鳴が真理の口腔へと流れ込んでいって白眼を剥きはじめる。
 しかしその様子は私の位置からは見ることが出来なく、ただ沙由香の両手をしっかりと握り締めて
いっしょに蕩けあう瞬間へと連れてゆくだけ。そして射精により沙由香は今日三度目のアクメを迎えた。
「んんっ、んはああっ、あああううッ!あああああッ!」
 真理の唇を弾き飛ばして、絶叫が迸った。
138124:03/01/17 20:34
自分しかいない?とは思えないんですが・・・
 お休みされてる時に保守してくれてた方とか(この板簡単には沈まないとわかってたので自分は
入れてなかったです)いると思うのですが・・・みんな奥ゆかしいのかな?

 要望ですか?自分はアンニュィマンセー(笑ですので。
 冗談は置くと自分は話の流れよりもムードや「私」の心の機微を楽しんでいるので今のまま、
作者さんの思うままに進めていって欲しいんですが。要望を無理に入れようとされて人物たちに
嘘っていうかしたくもない芝居をさせるにはおしい話だなあと思っているので。

 まあしいていえば小夜さんの影がかいま見える展開を望んでいますがきっとそれは作者さんも
なんかたくらんでますでしょ?(笑
  小夜の話は98で終わったもので、この話もそこで終えるつもりでした。
終わり方としての真理だったもので、このキャラにも深い意味はありませんでした。
期待されていたのなら申し訳ないです。
 でもやっていた時は考えもなくもなかったのですが、それをやってしまう
にはつらいかなと進めないことにしていました。真理に憑依してとか・・・
夜の建築現場の足場の上で沙由とどうこうとか、そうなるとエロすっ飛ばして
怪奇小説になりかねなくて・・・そんでもって98で停止してしまってた訳なんです。
愚痴みたくなってお見苦しいです。孕んでが二部構成といえば聞えはいいのですが
違和感がでないように、少しずつですが動かしていきます。

 読んでくれてありがとうございます。

140124:03/01/17 22:15
はやや そうでしたか。勇み足でしたね(笑
でも気にしてないです。ほんと思うように進めていってください。
頑張ってくださいね!
141109:03/01/18 05:51
あ、私もここでの連載の初めの方から毎日チェックしてます。
124氏の意見にホントに全面同意なんで、口を挟むような事は何もないです(笑)
最後までお付き合いさせて頂きます。
頑張って下さい。
やさしく・・・を孕んで46

 私は沙由香の躰のうえに崩れそうになるのを堪えて、ペニスを抜くと少女の傍に重くなった躰を
横たえる。真理が沙由香の乱れた髪を愛しむように繕ってやっている。汗にしっとりと濡れた顔に
へ貼り付く長い黒髪をていねいに取ってやって。
 そして沙由香の額にかるくキスをして、私の方へとやって来た。真理は私の顔の両端に手を
付いて見下ろしていた。真理の切れ長で凛とした眼差しが熱かった。薄い唇が開いてその言葉を
洩らした。
「私もおじさまとセックスしたい、おじさま……おねがい」
 私はこの言葉を心のどこかで期待していたのだろうか。けれども、躰は言うことを聞いてくれずに
ぐにゃりとしている。
「ごめんな、真理。もう少しだけ待ってくれないか……」
 真理のショートヘアに手をやり、やさしく撫でて立て肘を付いて起きるとペニスに手をやって扱きに
掛かろうとしたら、真理が答えた。
「私がするから」
 私の腰へ回り、手を取ってぐにゃっとなっているペニスを真理の手が温かく包んで、ぴくんとひと動きして
脈動し始める。私のペニスは沙由香のもので汚れていて、真理はそのペニスを含むというのか。
「真理、今度は私がきみを慰めてあげるから」
 顔を横に振り、仕方なく私は躰を仰向けにすると真理はなんの躊躇いもなしに亀頭に唇を被せて
精液と愛液が交じり合ったものを舐め取っていった。
 汗まみれでペニスをしゃぶっている真理が愛しくなる。亀頭から茎へと唇を這わせ汚れを舐めて
真理の唾液へと代わっていった。私のペニスはみるみる大きくなって痙攣していた。
「き、気持ちいいよ、真理……ううっ!」
 股間に顔を埋めてフェラチオに勤しんでいる、もう一人の美少女に私は呑まれていた。沙由香が
私のあげた呻きに意識を取り戻して、重い躰をのたりと起こしてペニスを見た。
「おじさまのオチンチン……沙由も……沙由香もする……したあい……」
 沙由香の妙に間延びした声があがり、ペニスへと芋虫みたく這っていく。私は沙由香を引きとめようと小さな
双臀に手を掛けた。
やさしく・・・を孕んで47

私の手が滑りスリットを指でなぞって落ちた。ついさっきまでは沙由香の膣内にあって子宮までも
刺し貫かんとした獣を舌で愛でようと真理と奪い合う意思を見せている。私の腰が跳ねて沙由香と
真理の愛撫の舌をペニスは弾き飛ばして堪らなくなって痙攣しだす。
 真理は右手で亀頭を包み込んで、皺袋を左手で揉みキャンディを舐めるようにゆっくりと舌を
這わしている。沙由香の頬が真理にあたりながら競い合ってしゃぶろうとする。
「沙由の、沙由の……」
「はっ、はあっ、はあ……ごめんね……わ、わたしにもさせてぇ……さ、沙由ちゃん……」
 私は躰を少しだけ起こして、もう一度お尻に手を掛けて中指を沙由香の窄まりに挿入した。
「ひいっ、い、いやっ、いやあああッ!あうううッ!」
「えっ?!」
「ち、ちがうのッ!ああ……あうッ!」
 沙由香はペニスから落ちて顔を伏せ、両の手にシーツを掻き寄せて握り締めている。
「ごめんなさい、ごめんなさい……沙由香、わがままで……真理ちゃんゆるしてえぇぇッ!」
 私の中指がアヌスに浅く入り抽送を繰り出し、沙由香の口が大きく開いて涎を垂らす。
そして秘所からは沙由香の愛液と私の精液とが交じり合ったものがこぼれ落ちてきた。
「ありがとうね、沙由ちゃん」
 真理が私の腰を跨いで、屹立に手を添え秘孔にあてがうとゆっくりと沈めていった。
私の総身は真理の膣内の快美感に顫えたことで、沙由香のアヌスに不用意に指が深く
入ってしまう。
「ひああッ!んんっ、はああ……ああ……パパああッ……」
 息を一瞬は詰めた沙由香だったが、なんとか息を吐こうと力を緩めようとする。そして、真理は
秘孔が押し拡げられる量感に堪えながらも深く腰を沈めていた。私の右手は沙由香の臀部を弄び、
左手では真理の快美に慄く太腿を愛撫している。
 私は潤子のスケッチブックがフローリングの床に落ちる音さえ気が付かないでいた。潤子も私たち
のセックスに交わるかのように、黒いスカートを捲くり白いブラウスは肌蹴て惚けている。
潤子のヴァギナはしとどに濡れ、豊満な乳房はひしゃげて……私と交わっていた。
やさしく・・・を孕んで48

  真理は私の下腹に手を付いて、瞼が閉じられてゆっくりと腰を動かし始める。沙由香よりも
幾分かは膨らんでいるといっても、まだ稚い蒼い胸が喘いでいて、振られている真理の腰の
すぐ傍では、私にアヌスを責められる沙由香の嬌声が聞えていた。それに潤子の喘ぐ声も混じって
四人は一つの環の中に蕩けあっている。
 否、ひょっとすると私は三人のメスに食われるだけなのかもしれない。それが快楽を貪ったオスの
代償でメスの栄養となる生物の環の摂理だ。
 潤子と出会い、時を経て沙由香を抱き、今また真理という美少女を抱いている。私は少年に戻って
おんなの芳香に陶酔していた。
「ううん、あっ、あっ、はあっ……ああ……おじさま……」
 真理の声に止まっていた愛撫の左手が太腿から律動する双臀へと廻される。沙由香のアヌスに入れて
抽送していた中指をフックのようにして上へと少し引き上げてやる。
「あううっ、ひっ、ひぃーっ!いやあ、いやっ、いやああ、パ、パパああッ……!」
 媚態の混じった沙由香の嬌声があがって、真理の喘ぎも艶がかってくる。
「お、おじさまも動いて……あっ、ああっ、お、おじさまああッ!」
 真理に哀願されるまでもなく、私は躰を起こして腰を揺すった。真理の裸身に躰が密着して、
顎が私の肩に乗り両手が背中に廻された。このまま、押し倒して烈しく突きあげてやりたいという
衝動に駆られる。両手で真理の華奢でしなる躰をおもいっきり抱きしめてやりたいと。
 しかし、私の右手には沙由香の重みがあった。私が躰を起こしたことで、沙由香のアヌスがより
引き上げられる。
「ああッ……ううん、ううッ……」
 沙由香のくぐもった呻きが洩れる。
「さ、沙由香、おいで……さあ、きてごらん」
 私は沙由香に起きるように促すと、待っていたかのようにゆるりと起き上がって真理と
抱き合っている私に抱きついて来て熱く唇を求める。私はアヌスを責めていた手を引いて、
彼女の細い腰を抱いて引き寄せそのままベッドに倒れ込んで、今度こそ真理を烈しく突きあげる。
いつも読んでいただいていることに感謝します。ありがとうございます。
魅力的なプロットでお返しできたならと強気でいられたらいいのですが。
今でも充分魅力的ですので自信と強気を持って頑張ってください!
正直潤子さんまで入ってくるとは思わなかったので期待してます!
やさしく・・・を孕んで49

  その刹那、潤子の姿が目に入った。私たちの絡みに対して、距離を持って画紙にその瞬間を
定着していたはずの彼女がスケッチブックを床に捨て、椅子に浅く腰掛けて自慰に耽っていた。
私に向けて濡れる秘所がいっぱいに拡げられて、コンテを握っていた細い指は今、秘孔を貫いて
喘ぎ声をあげさせている。白いブラウスは肩から滑って床に落ち、ブラジャーを下から捲くって
爪を立てるように豊満な乳房を揉みしだいていた。
 私と視線が絡み合い、潤子の方から視線を外した。彼女は目元をぼうっと赧く染めて
羞ずかしそうに俯く。意外な反応で、潤子の頭と背中を掻き抱いて彼女の下腹に私の滾る
ペニスを押し付けたいという衝動に駆られる。
「おじさま……おじさま……」
 真理が横を向いている私の頬に唇を這わして律動を促し、沙由香が潤子への視線を遮るように
して唇を奪う。私は美少女たちの女を感じさせない柔肉のスリットの蠢きに呑まれていった。
「ああっ、あっ、あっ……!」
 ベッドがギシギシと軋み出していた。沙由香も私たちの躰に密着させるようにくなくなと
揺する為、ベッドは可笑しいくらいに揺れている。
「んんっ、んあっ……いやああっ、パパあッ!パパあ!」
 沙由香の絡めてくる舌を振りほどいて、真理の唇を奪い、舌を挿入させると、真理の舌が
嬉しそうに私に絡み付いてくるのだった。私は真理との快楽を求めてスパートをかけていく。
 沙由香は私の頬に唇を這わせて、耳の周りを舌で舐めて、耳穴にまでも舌を挿入して、
性愛にしがみ付いてくる。
 沙由香の愛撫に限界も迫っていたが、少年のようなしゃにむな突きあげではなく、ゆっくりと
確実に抉るように真理を貫いていった。
「あっ、あっ、ああ……おじさまあッ!はあッ!あああッ!」
感想ありがとうございます。
説明不足ですみません。自慰に耽って間接的にというのが描写不足
でした。
149146:03/01/22 20:50
 はわわ!また読みちがえてしまいました!
 いいんです!悪いのは自分です。あの文に込められたさりげない表現を読み取
れなかったのは自分が馬鹿だからです。ちゃんと読めばわかるし良い表現でした
のに・・・まったく自分という奴は・・・どうぞ笑ってくださいな。

 感想書くたび、的はずれなこといってますがこれに萎えたりせずなにとぞ
続きをよろしくお願いします。
やさしく・・・を孕んで50

  アトリエのなかで沙由香と真理とで、潤子の思い描く絵を演じていたはずのつもりが、いまでは
完全に女陰に食われるだけの存在になっている。沙由香に、そして今度は真理の細く白い両脚が
蛙のように拡がって私の抉るような律動を健気に顫えながら受け入れてペニスをやさしく包んでは
締め付けてくるのだった。蛙のように拡がっていた両脚が腰に掛かり絡み付いて、欲望の昂ぶりと
少女の温かさに赫黒く輝いているだろう亀頭は真理の膣内(なか)の女を確実にこつこつと叩いて
突きあげると少女は陶酔の世界へと恍惚となって迷い込んでゆく。
「んんっ、んっ、んっ」
 真理の小さな舌が私の弄りに烈しく応えている。膣内では限界を超えて笠が開ききって結ばれる
ことの無い命のあかしが真理のなかへとドクッドクッと注ぎ込まれると、私の口腔に彼女の歓喜の
声がなだれ込んで来た。
「んぐぐ……んんっ、んふっ、はあああああッ!ああッ、くうううッ!いくううううぅ!お、おじさまッ!」
 真理は息苦しさから私の唇を振りほどくと、全身で躰にしがみ付いて火照る頬を肩に乗せ顔に
擦り付けると唇をいっぱいに開いて悦びの叫びがあがり総身を痙攣させると、いっしょに快美の波
に呑まれていった。
沙由香も置いてかれまいとしてか、私たちの蠢いている躰に自分をせいいっぱいに擦り付けて、
かるいアクメに達して恍惚となるのだった。
 私は真理と繋がったまま快美感の余韻に浸っている真理の唇にかるくキスをする。腰に絡まって
一向にベッドに投げ出そうとしない脚に手を掛ける。
「まだ、このままがいい……このままでいて……」
 真理の膣がきゅっとペニスをやさしく包み込む。
「わかったから、もう下ろしなさい」
「はい、おじさま……」
 真理の拘束がとけて、ベッドにとさっと落ちて沈んだ。私は真理の髪の乱れを手櫛で元のように
分けてやっていた。その様子を真理の薄く細い肩に顎を近づけて沙由香が窺っている。
やさしく・・・を孕んで51

 その光景に膣内のペニスがびくんと跳ねて反応を示す。
「んっ……いっぱいありがとう、おじさま」
私を見つめていた真理の紅潮した美貌が自分の肩に触れてくる沙由香に気が咎めたのか、
横に顔をゆっくりと逸らしていった。
「あっ……ごめんね……沙由ちゃん……」
 真理の唇から謝罪の言葉が洩れたのに、少しだけきょとんとし目元を赧らめてはにかむ。
「沙由でいいよ。ううん、好きに呼んで、真理ちゃん」
 沙由香が真理の唇にやさしく口吻をする。それに応えるように真理の右手が沙由香の頬を撫で
艶やかな黒髪にそっと滑っていった。沙由香は真理の唇からゆっくりと離れる。
「パパのまた大きくなったの」
「う、うん……」
「また、欲しいのね」
 真理が沙由香に羞ずかしそうにこくんと頷いた。沙由香は真理にもう一度キスをしてから躰の向き
を変えてベッドから降りる。私は沙由香の右手をそっと握ったが、彼女が私を見て顔を横に振った
ので、手がゆるやかに滑って指と指が離れた。沙由香のなかに潤子を見た。
「沙由ちゃん……私も真理でいいから……」
「うん、ありがとう。でも、まだ羞ずかしいから。このままで、ねっ」
 沙由香が無邪気に笑うと潤子の方に歩み寄っていった。潤子が椅子から立ち上がると沙由香が
母親の腰に両腕を絡ませる。潤子はいつの間にか服装の乱れを整えていた。腰にじゃれ付くような
沙由香を邪険にせずにやさしく頭を撫でてやっている。アトリエで潤子の母らしい姿を見るのは
初めてのことだった。
「沙由、もう一度ベッドにおいで」
「はい、お母さま」
 潤子は画材を手にして娘といっしょにベッドに歩いてきた。
「篠崎さん、私のモデルであることを忘れないでね。繋がったまま抱かれて椅子でセックスして」
やさしく・・・を孕んで52

  沙由香はいつしか私のことをパパとはばかりなく呼んでいて、なにかしら放された気分にくさる。
そのくせ、ことが終わっても組み敷いている真理の膣内の締め付けるような収縮にペニスが
膨らんで硬くなり始めようとしているのだから苦笑するしかなく、ベッドの傍に沙由香といっしょに
立っている潤子を見る。
「おねがいできるかしら?」
 私は潤子の指示、それとも希望に従って真理の瞳を見ると、ベッドに投げ出されて拡げていた脚を
私の臀部の後ろで組み、羞ずかしそうに瞳を潤ませ、熱い吐息を洩らしながら背中に廻していた腕を
首に巻きつけて抱きついてくる。
「わたしはかまいません、おじさま……真理は……」
 私の耳元に真理の囁くような声と吐息が熱い。ベッドに右手を付いて左手で真理の背中を
抱きかかえる。沙由香よりも幾らかは肉付きがいい方だが美少女の淫画のモデルとしての
薄い儚さが私の左手に乗り、右手一点にその重みを伝えマットレスを沈ませる。躰をゆっくりと
起こすと、完全に収まりきらないでいるものが、真理を無理に押し上げて呻きを誘う。
「だいじょうぶか、真理?」
 子供らしいぽってりとした下腹が、深い挿入感に喘いでいることがハッキリとわかる。
開かれた唇からは唾液が淫らにとろりと滴っていた。
「うっ、ううっ……は、はい……おじさま……はうっ……」
 全然大丈夫ではなかった、か細く絶息寸前という赴きなのだ。私は背中をゆっくりと愛撫して、
真理のショートカットの頭を撫でてやっていた。ベッドから脚を下ろして真理に言う。
「椅子の方に歩いていくから、真理は私にしっかりと捕まっておいで」
 真理は私の肩に顔を乗せると、何度もこくんこくんと頷いて顎を食い込ませていた。潤子と沙由香は
ベッドに腰掛けていて、潤子はすでにスケッチブックを開いて私と真理の擬似的な睦見合いの姿態を
画紙に定着させていて、沙由香はベッドにあがってうつ伏せになると躰を伸ばして顔をシーツに
埋ずめて隠してしまう。私はそんな沙由香を見て先ほどの気持ちが溶け合って、可哀相というよりも
むしろ可笑しく愛しくなっていた。だからパパだったのか……と。
やさしく・・・を孕んで53

「あうっ、ああっ」
 躰を起こしてベッドの端へと持っていく間にも、真理の膣内に入りきらないでいるペニスが少女を
突きあげている。私はもう一度真理の背中を擦ってやり、彼女に囁いた。
「これから立ち上がるから。いいね、真理」
 私の顔は真理の薄い肩に乗っている。真理の顔もまた私の肩にあって、なにか一体感を強調させていた。むろん肉は繋がっているのだけれど。真理の頷く感触が肩に伝わると、私は両手を真理の小さなお尻に添えて、ゆっくりと立ち上がった。
「うああっ、ああっ、ああっ!」
 真理の顔が仰け反って、ペニスに突きあげる苦悶を口にする。私は慌てて背中に左手を廻して、右手でお尻を支えて歩き出した。椅子まではほんの数歩の距離なのに、やけに長く感じてしまう。
 その間にも私と真理の結合部から熱いものが滴り落ちてくる。一歩、二歩……歩くたびに真理の
短い声があがる。
「あっ、あっ、あっ……」
「もうすこしだからね」
 真理の顎が何回か私の肩に食い込んだ。潤子の座っていた椅子を見下ろすと、クッション部分が
潤子の愛液で濡れているのがわかる。それに、真理の締め付けも重なってペニスがびくんと跳ねる。
「ううんっ、ううっ」
 私はゆっくりと椅子に腰を下ろしていった。椅子には浅く腰を掛けて、真理に拘束を解くように
促す。
「真理、もう下ろしてもいいから。がんばったね」
 真理の顔が私の正面に来て、可愛らしい額を擦り合せ。
「おじさま……わたし、わたし……ほんとは……」
 真理が私に何かを伝えようとした時、潤子からの指示が出る。
「篠崎さん、腰を振ってちょうだい」
「動けるかい、真理?」
「は、はい、おじさま……」
やさしく・・・を孕んで54

 真理は膝立ちになると腰をペニスからゆっくりと上げて、か細い悲鳴をあげ私と真理の肉の結合
を確認してゆっくりと躰を下ろしていった。


「僕との子供をつくろうよ。妹がいいな、きっとママに似て美人だよ」
「ど、どうしてそう思うの……かな……真?」
「だって僕たち愛し合っているんだよね。子供が欲しいと思うのはふつうじゃないの」
「そ、そうね……」
「ママが僕を愛してくれたように真林も愛してあげるんだ。ゆっくりと愛してあげられるからね、
きっと僕好みの女の子に出来るよ!そうだ、好みだから木の実って名前もいいよね!でもやっぱり
マリンがいいな!」
「ま、真林って誰のことなの……?」
 馬鹿な質問だった、わかりきっていたのに……。


真理の上体が前後にゆっくりと揺れ腰も揺れ始める。私のペニスは真理のなかで膨らみと
硬度を増していった。真理が私の肩に顔を乗せて、静かなそれでいて熱い吐息を私に送り込んで
いる。
「はあ、はあ、おじさま、おじさま……わたし、わたしね……」
 真理が私の耳元に唇を擦り付けるように、何かを語りかけようとしていた。私はそんな真理の顫える
小さな背中をやさしく撫でてやる。
「篠崎さん、烈しく動いてくれない」
 真理の腰の律動が速度をあげていく。私は真理の肩越しに潤子を見て、少女の背中を愛撫していた
手の平を立てると待ての格好を取ってみせたが、少女の躰は速くなっていった。
やさしく・・・を孕んで55

「もちろん、僕の妹のことだよ。あれ、娘かな?」
「む、娘……ううっ!」
 それが限界だった。遼子は真の悪魔のように思える言葉に吐き気をもよおして口に手をあてる
ものの、さっき迄食べていたものが込み上げ指の隙間から溢れ出てしまう。急いで流しに行き、
けげぇっとすべてを戻してしまった。
「ママ、ひょっとして、もう出来ちゃったの!」
 無邪気に満面の笑顔で流しにえずいている遼子に近づいて来て、真は遼子の背中を
やさしく撫でる。


「わたし、わたし、はあ、はうっ、はっ、はっ……マリンなの……おじさま……おじさま……」
 それは、私にだけに語りかけられた言葉だった。
「どうしたの、京介?」
「いや、射精しそうだったんだよ……」
 しかし、うつ伏せになって躰を真直ぐに伸ばして寝そべっている沙由香だけが、私と真理の方を
不思議そうな顔で見つめている。真理は私がはぐらかした返答に安心したかのように、私の頬に
ぐりぐりと擦り付け、膣がきゅっと締め付けてくる。

「さ、さわらないでぇッ!」
 真の体がびくんと跳ねた。息子との悦楽に溺れた日々のなかで子供が出来たらどんなにか
嬉しいだろうと夢にさえ思い描いたこともあった。真の言葉を待ち焦がれ背徳の甘い囁きに
痺れたことさえある。しかし、躰が受け付けようとはしなかった。躰の拒絶がいつしか心の拒絶に
なるかもしれないという予感を吐瀉物がそれを雄弁に物語っていた。吐き出した感触にまた
あてられ、遼子は再度ぐええっ!と嘔吐く。

沙由香がこっちの方をじっと見ている。私のペニスが真理の律動で稚い女の命に咥え込まれて
拉げて出入りする様に、何を感じているのだろうと、私に迷いに近い感情が生まれてくるが、真理
のペニスへの抱擁に霧散していくのだった。
「はっ、はっ、はっ……マ、マリン……真林なの……あっ、あっ、ああああッ!おじさまあああッ!」
 おおっ!真理は潤子さんが連れてきたのだからなんかあるとは思ってたけど
どうも凄いことになりそうですね。期待です♪
やさしく・・・を孕んで56

 真理は椅子の上で私に抱かれ、腰を揺すりながら肩に顔を預けて名乗りをあげていた。どうして
という思いが渦巻いていた。偽名を名乗っていたのはわからないでもない。わからなかったのは
どうして私だけに聞えるように本当の名を名乗ったのかという事だった。しかし、そんなことを
考えていたのはほんの僅かな間だけでしかない。
「すき、すき、すき……すきになっちゃうううっ!」
 私の肩に乗っている真理の顔が、くなくなと揺れて頬を擦って熱い吐息がふれて、膣内のペニス
が幾度となくビクンビクンとふるえている。私は真理のうなじの産毛に唇を這わすと、真理の膣が
きゅっと可愛らしく収縮をみせる。右手で真理のショートカットにされた頭を支えて指を髪に絡めて
撫でてやる。左手は薄い肉付きの背中をかるく撫で擦っていった。
「篠崎さん。もっと動きを見せてくれないかな」
 潤子の事務的な言葉がふたりの交わりに割って入ってくる。だが、私が気になっていたのは
彼女の視線ではなく沙由香の視線だった。
「は、はい……ごめんなさい……」
 真理の手が私の肩を掴んでゆっくりと朱を刷いた顔が離れていって、挿入に喘いでいる
可愛らしい乳房と肋骨の浮き出る脾腹を私に晒していった。耳朶が赧に染まっている。そして
真理の肩越しに沙由香の痛い視線が真理の背中へと刺さっていることに気が付く。
(恨むなら私を恨んでくれ……沙由香……真理は悪くない……)
沙由香は真理の感情の変化をなんとはなしに悟ったのだろうか、恋するものどうしの共鳴
のようなものとしてそうさせて。それとも、単に私が二人の美少女に睦言を囁かれて、ペニスを
美少女のもので蕩けさせられての増長かとも思ったりもする。私の迷いをよそに、深い挿入による
快美感ではなくそういう行為に及んでいるという事実が真理の心のなかで烈しい灼熱の情と化して、
小さな腰をグラインドさせて射精へと誘っている。また同じ年齢の沙由香に見られているということも
真理の性欲を昂ぶらせているやもしれない。
158山崎渉:03/01/31 06:45
昨日、小学生をレイプしました。とても気持ちよかったです。
やさしく・・・を孕んで57

「あっ、あっ、あっ……」
 私の胸に両手を付いて、素肌を火照らせて汗でうっすらと湿らしている真理。可哀相なくらいに
揺れている少女を椅子から転げ落ちないように、腰で手を組んで支えてやることしか出来ない。
「おっ、おおッ……おじさまああッ……ああッ!あっ、あっ、ああッ!」
 真理の頭が仰け反って後ろに反れ、沙由香は官能に歓喜の声をあげる自分とおなじ娘の陶酔の
姿、肢体を客観的に初めて見せられていた。そして真理の躰が弛緩して、ぐにゃりと私の胸に傾れ
落ちて来る。火照った真理の顔が胸に持たれて、腕がだらんと下に垂れていた。私は真理には
すまないと思いつつも、沙由香の目を意識していたことで二度目の射精には至らなかった。なぜか
そのことに安堵している自分がいることに気が付いて苦笑してしまう。
「まりん、だいじょうぶか?」
 胸にもたれかかってグッタリとしている真理に、小さな声で一度だけ教えてもらった名前で聞いて
みた。短めの髪の頭と、汗に濡れて喘いでいる肉付きの薄い背中をうるさがられないようにと静かに
撫でてやる。潤子に指示を仰ごうと彼女を見るが、一心不乱にスケッチブックに手を走らせている。
五分ほどして、真理を抱いて椅子から立ち上がろうとした時、潤子が口を開いた。
「まだ、だめ」
 潤子は顔も上げずに私にそう言った。
「それじゃあ、あまりに酷だろう」
「口出ししないでくれる。それに、今度は沙由香にやってもらうわ。さあ、行って代わるのよ」
「はい……おかあさま」
 沙由香の細く白い左脚がベッドから外れて右脚も付いてゆき、真理と交わったままの椅子に
座っている私のところへ近づいて来た。
「篠崎さんは、立ち上がって沙由香が挿入するまで、椅子の前で正座して私の方を見て、ふたりに
背を向けていて、いいわね」
「わ、わかりました……」
 真理は顫える脚に力を入れて何とか立ち上がって、私との交合を解こうとしている。
やさしく・・・を孕んで58

  私はペニスを抜いて脚を外そうとしていた真理の躰を抱き寄せて、背もたれに深くに座った。
あっ!という小さな真理の声があがる。椅子の傍に立っていた沙由香の視線が気にはなったが
真理の膣内に果ててやれなかったというすまなさの方が勝っていた。
「沙由香、ごめん。真理、暫らくこうしていよう」
「……はい」
 真理の躰の緊張が解けて弛緩した。潤子はやれやれという顔を見せてはいたが、すぐに私と
真理の抱擁の絵を画紙へと定着に掛かり始めて、ただ一人だけ取り残された感のある沙由香は
所在なげに立ちすくむ。そんな沙由香に私は手を伸ばすと、それに応じてくれて手を乗せ握って
くれた。その握った絆を手繰り寄せると、沙由香が躰を折って、少女の長い黒髪が私に流れて
唇にキスをしてくれた。
「ごめんなさい、沙由ちゃん」
 私の胸に顔を寄せている真理が口を開いて顔を埋めたまま、か細い声で沙由香に謝るのだった。
真理のスリットからは、私の射込んだものが溢れ出す。
「ううん、わたしの方こそ……ごめんなさい、真理ちゃん」
 沙由香が私の胸でぐったりとなっている真理に近づいて、彼女の頭をそっとやさしく撫でる。
少しだけビクンと躰を顫わせた真理だったが、すうすうと安らかな寝息を立て始める。
しかし私は和む二人を余所に、真理が達しそうになったときに私に告げた、まりんという名の
ことが気になり始めていた。よくよく考えれば沙由香のことも、むろん真理のことさえも私は
潤子からほとんど背景は知らされてはいない。潤子の淫画のモデルとしての関係でしかないのだ。
それなのに私は美少女たちを無垢な天使という幻想でしか見ていなかったことに気づかされる。
「天使たちか……」
 そう呟いてみて潤子を見ると彼女の目が愉快そうに笑っていて、見透かしたような余裕には
いつも感服する。
やさしく・・・を孕んで59

 二十分が経過していた。潤子は道具を置いて真理の所へとやって来て、娘の沙由香の頭を撫でる
ようにして彼女のショートの頭にふれていた。
「だいじょうぶかしら。篠崎さん?」
「ごめんなさい。潤子さん」
 真理が私の胸から顔を起こして潤子の方を見ていた。沙由香は不安なのだろうか、繋いでいた
私の手をぎゅっと握り締めている。
「いいえ。わたしは満足しているわ」
「よかった」
 真理の安堵の小さな呟く声が聞えた。
「沙由香。あなたは篠崎さんといっしょにお風呂へ行って躰を洗ってきなさい」
「はい。おかあさま」
「いいわね。篠崎さん。立てるかしら?」
 真理の肉付きの薄い背中を潤子が促すようにそっと撫でる。
「あ、ありがとうございます」
 真理が私から離れてのっそりと小さな躰を起こそうとする。
「抱いて行ってあげようか?」
 図々しい申し出だったが、また抱きしめたいという邪な気持ちから出た言葉ではなかった。
沙由香と真理が椅子に座っている全裸の私に視線を向ける。ふたりのロングヘアとショートヘアの
美少女に見詰められて、仄かに火照ってくるのがわかった。
「ほら、早く風呂に行ってきなさい。そんなに見てると、おじさん恥ずかしくて赤面しちゃうよ」
 潤子が託児所のお姉さんよろしく、おどけて言う。
「真理ちゃん。お風呂にいこう」
 私と繋いだ手を解いて、真理の方へと手を差し伸べると、二人は手を繋いで背を向けて歩き出す。
ゆっくりと背を向ける瞬間、ふたりがくすっと笑っていたような気がした。私がピエロになろうが、
ふたりに絆のようなものが生まれるのであれば安いもだ。
やさしく・・・を孕んで60

  沙由香と真理がバスルームの方へ消えるのを見届けると、潤子は椅子に座る私に跪く。
「さっきの続きがしたいのだろ?裾を捲り上げて座れよ」
 私は潤子の自慰をしていた姿に少なからず憐憫を感じていた。
「しゃぶらせてよ」
 潤子の顔が私を見上げて、ねっとりとした視線を絡める。黒いスカートの裾から覗く潤子の
雪のように白い太腿のあわいからは黒々とした恥毛見える。ショーツはもう履いていなかった。
「ペニス、痛くないの」
白魚の指がペニスに絡みついて、上下にレバーを振るようにして軽くペニスを動かし、私の下腹に
押し付けるように手の平で今度は横にぐりぐりと肉棒を転がすように撫で始める。
「おい。しゃぶるはずじゃなかったのか?」
「時間の短縮よ」
「なんのことだよ」
「わたしの躰なんか、もう飽きちゃっているのでしょ。ほら、もう硬くなったわ」
 私に見せ付けるように黒いスカートに左手を差し入れて、股間を潤子は弄っている。沙由香と真理の
ときとは違う、濃密な時間がゆっくりと流れ始める。単に潤子はゲームだけのつもりなのかもしれない。
「寂しいこと言うなよ。沙由香に馴染めと言ったのは潤子だろ」
 潤子は右手でペニスの根元に指を添えると潤んだ瞳で肉茎を眺めて、左手の愛液を塗された細い
指が雫を垂らし始めているテラテラと輝く亀頭を押さえ込んで鈴口を指で押さえ、ハーモニカを
吹くように唇が吸い付いて這い上がってゆく。ペニスの痙攣は潤子に制圧されて、その顫えさえも
赫い唇が貪っている。真理の膣内で果たせなかった欲望が、私のなかで鎌首をもたげさせて来る。
 潤子の綺麗な唇が亀頭に被さって咥え込まれて呑み込まれ、蛇のように亀頭に熱い舌が絡まって
鈴口をそっとなぞる。沙由香の恥戯とはちがう、苦悶を浮かべない恍惚の柔らかな表情を私に
魅せつけて咽喉深くに挿入させる。
「んんっ、んっ、んぐぅ……」
やさしく・・・を孕んで61

  潤子が頬を窄めて唇で肉茎を扱きながら、ストロークを開始する。さきほどの自慰をしていた
白いブラウスの乱れはちゃんと整えてあるが、肩膝を立てて椅子に全裸で座っている私に跪いて、
黒いスカートから彼女の太腿がにょきっと飛び出して黒々として濡れている恥毛が覗いている様の
眺めは、気の強い潤子の性格とはミスマッチで女の欲望を曝け出すかのようでもあり、堪らなく肉茎が
滾ってくる。
 私が潤子の細い肩を抱いて跨るように促すが、彼女はペニスを咥えたまま静かに首を振るだけ
だった。私は潤子に犯されているのか。そんな考えが過ぎっていた。
「潤子の膣内で往きたい。だめか?」
 潤子がフェラチオをやめて、上目遣いに私を見上げると、彼女の唾液に濡れるペニスをゆっくりと
吐き出すと、立ち上がって顔を黒いスカートに目を落とすと両の手が裾をたくし上げて、脚をオーの字
に拡げて私の屹立へと掛けてゆく。潤子の冷たい手が灼熱の肉棒と化しているペニスを表側から
握り締めると、腰を落としていった。
「はああ……。ああっ」
 俯いている潤子の唇から熱い吐息が洩れる。私は潤子の白いむっちりした太腿を撫でていた。
「京介のペニスを食べちゃったわね。痛くないの?」
 潤子の落としていた頭があがって、閉じられていた瞼がゆっくりと開いて、メドゥーサの邪眼の
輝きを魅せている。
「だいじょうぶだよ。まだ出来るさ」
「じゃあ、わたしがあなたのペニスを喰いちぎってあげるわね」
「本気なのか?」
「ええ。本気よ。烈しく動くから覚悟なさい」
 潤子に本気と言われた時、彼女は自分のヴァギナで私のペニスを純粋に喰いちぎろうと
していたのかもしれない。
やさしく・・・を孕んで62

 潤子が私の肩に手を掛けて、ゆっくりと躰を動かし始めた。私の両手は潤子の喘ぐ胸を白い
ブラウス越しに撫でている。
「ねえ、京介。もっと硬くなることを話してあげようか。どう?聞きたいでしょう」
 潤子は顎を引いてペニスを咥え込んだ腰をくなくなと蠢かしている。しかし瞳はしっかりと
見開かれて正に邪眼のようだった。乳房を揉んでいた手が止まる。
「何をまた企んでいる」
「ふふっ、やっぱり聞きたい?」
 私は潤子のブラウスのボタンを外しに掛かると彼女もそれに合わせて脱ぐのに協力をしてくれる。
彼女はブラも外していた。私は乳房ではなく、覗いた鎖骨に唇を付けて吸い上げる。
「あなたの沙由香のあそこにバタフライの絵を描いてあげようかと思っているのよ」
 首筋に舌を這わしている私を潤子の腕が頭を掻き抱いていた時だった。一瞬潤子が何を口走って
いたのか理解できないでいた。私は頭を離そうとするが、潤子は力いっぱいに抱きしめて腰を振って
いる。しかたなく、顔を横に向けて潤子に尋ねる。
「本気なのか!」
「ハハハ!膣内でペニスがびくんびくんしているじゃないの!」
 一瞬、顔も声も潤子が小夜に見えていた。
「おい!質問に答えろ!」
 私は、今度は本気で潤子の胸から頭を剥がしに掛かる。
「ええ、そうよ。柔らかい下腹にバタフライの絵を描いてあげるの」
「なにを言っているのかわかっているのか!」
 潤子が両腕の力を抜いて、下にだらりと垂らした。
「締めてごらん。ペニスをきつく締め付けるからさ」
 私は潤子の白くて細い首に手を掛けている。
「おまえは誰だ」
「はやく締めてみなよ。気持ちよくなろうよ。京介ったら!」
やさしく・・・を孕んで63

 潤子の尻が淫らに動いて、私のペニスを喰いちぎろうとしているようだ。それとも、この躰をも
呑み込もうとしているのだろうか。私は潤子の首に掛けていた両手を落として、彼女の太腿に置く。
「ねえ、どうしたのよ!いや!いや!いやだああああッ!あっ、あぁあッ、あッ!」
 潤子の動きで椅子がガタガタと揺れ出して、彼女の両手が私の首に添えられていた。
「小夜さん……?」
 潤子が微かに笑っていた。
「わたしが小夜っていうの?私が小夜さんだって思っているのね」
「なにが言いたいんだ……」
「あなたが絞めないなら、わたしが絞めて膨らませてあげようかしら」
 ゆっくりと闇のなかに堕ちていくような気分だ。ペニスも膨らみきって潤子の膣内に放出の刻が
迫ってきている。
「小夜さんなら、私が取り込んだのよ。あの女(ひと)は大切なものをただ奪われたくなかった
だけ。わたしと似ているのよ。ひょっとしたら……にいちばん近しいのじゃなくて」
 意識が明滅するかのように薄らいでいっていて、それは甘美なまでの快楽に等しかった。
誰かの声が聞えてきた。誰の声なんだ、母さんか。小夜さん……それとも……。
『おじさま、わたしのどこが好きなの?この貧弱な躰かなあ。それとも、ちょこっと出ている膨らみ?
おじさまが沙由香のこと忘れても、ずっと覚えているよ・・・沙由香はおじさまのことがずっとスキ。
沙由の少女のじかんを愛してくれても、未来は愛してくれないよね、パパ』
「沙由香……。ずっと、好きだ」
 潤子の力が緩んだ。バタバタという音が近づいてくる。濡れた裸の沙由香が駆けてくる。
「ママ!ママ!やめて、やめて、やめてええッ!沙由香のたいせつなものを奪わないでええッ!」
 潤子の腕に絡みついた娘の顔を彼女は見下ろしていた。
「引っ掻いて!顔を引っ掻くのよ!沙由ちゃん!はやくううッ!」
 沙由香は潤子の顔に爪を立てて、ガリッと引っ掻いていた。潤子の膣がきゅっとペニスを締め付けて
ブラックアウト寸前に彼女の膣内に夥しい量の精液を吐き出してしまっていた。
小夜さん?小夜さんが来たのですか?!期待!この先激しく期待です!
やさしく・・・を孕んで64

  沙由香に顔を引っ掻かれた潤子は我に返り、締め付けていた力を解いていた。
「パパ!パパ!パパ!」
「沙由!退きなさい!」
 潤子は腕に縋りついていた沙由香の躰を振り払い、床を転げた。
「ママ!ママ!」
 真理も後から来て倒れている沙由香の躰を抱き起こしていた。潤子は椅子にぐったりとしている
私の呼吸を確認しているみたいだ。彼女の息遣いが聞えてくるようだ。しかし、このまま躰を横たえる
ようにして眠るのもいいかもしれない。安らぐような誘惑にゆっくりと包まれていく。
「ママ!ママ!」
 沙由香が起き上がって潤子のところに行こうとしている。
「だめ!じゃましたりしちゃだめ!」
 真理が叫ぶ。
「真理ちゃん……」
 椅子から床に下ろされて肩を叩きながら潤子は大声で叫んでいる。
「京介!京介!京介!」
  遠くから呼ぶ声がする。母さんか……。
「寝ちゃダメよ!起きて!お願いだから、起きてよ!」
「がはっ!ぐえっ!ごほっ、ごほっ!」
 私はフロアに寝かされて気が付くと躰を横たえて胃液を吐いて、潤子が私の背中を擦っていた。
「よかった……。沙由!タオルを濡らしてもって来て!」
「は、はい!」
 沙由香はバスルームに掛けていくと同時に、真理が立ち上がって私の躰にぶつかってきた。
「おじさま、だいじょうぶなの!」
「あ、ああ……。だいじょうふだから、心配しなくても……」
 床に横たわっている傍に裸のままで正座するようにして、私の腕を掴みながら潤子を睨んでいる。
続きお待ちしております。
書くのを諦めた訳ではないのですが、こっちで思いついたプロットを
別のところで試そうと思って、持っていってしまったもので今こうしていても
なにも思いつかない真空状態なんです。本当にすみません。ごめんなさい。
はわわ… 気長ーにお待ちします… そちらでの活躍もお祈りいたします
頑張ってください
171名無しさん@ピンキー:03/02/22 02:47
蝉が鳴く、初夏の候。東京近郊の小さなボロアパートに一人の男が住んでいた。
男の名は三船晋一。小学校の教員をしている。
容姿は背がかなり小さく黒縁の眼鏡をかけ眼がたれている。顔と体に脂肪をふっくらと身にまとったいかにもおたくチックな外見だった。
彼は今年で三十八歳になる。
しかし彼女はいない。作ろうともしなかった。
なぜならば、所謂ロリータコンプレックスという趣向に生まれながら取り付かれていたため、大人の女性には一切の興味を示さない人間だったからである。
彼は幼い少女をこよなく好み、それに対し深淵な欲望を抱いていた。
そして己の欲望を満たすためには手段を選ばない男であった。
彼は小学校では六年二組を担当していた。
二組といえば女の子はみな美少女揃いだ。
晋一のこの学校における地位は絶対的なものがあった。
彼は人の弱みを握り、権力を振るう男。そうしてこの学校での地位と権威を保ってきた。
その力があれば自分のクラスを美少女だらけにすることなど造作もなかった。
彼は美少女に囲まれるが故、少女に対する欲望が日に日に深くなっていった。
教師としての自制心がしだいに麻痺した感覚に陥っていた。
小学校での主な少女に対しての活動はパンチラを見ることだった。
これは教師である彼にとって合法的でかつ安全な活動だ。
学校生活で少女にパンチラシーンがあるとじっくりと観察するのが日課であった。
学校ではパンチラを見る機会がたくさんある。
ブランコや鉄棒などのスカートをめくる遊具はたくさんあるし、掃除の時間の雑巾がけをする仕草でもパンツは丸見えだ。
172名無しさん@ピンキー:03/02/22 02:50
彼は特技がある・・それは電気機器の改造・改良だ。彼にとっては隠しカメラを学校のあらゆる場所に仕掛けるなど造作もないことだった。
今のご時世、そうしたビデオは高く売れる。マニアにはたまらない一品だ。
そんな晋一の一日が今日も始まろうとしていた・・・。
晋一は内心ほくそえんでいた。なぜなら今日は水泳の授業があるからだ。
彼はムラムラとこみ上げてくる感情が抑えきれなかった。
思わず晋一のティムポは硬直した。
そうしているとついに待ちに待った時間が到来した。
(ムヒョヒョヒョ・・・)
彼はビデオの監視ルームで生徒たちの着替えを観察することにした。
監視ルームは学校の理科室だった。ここでは映写機で大画面・100インチの画像で楽しむことができ、かつ音響施設も万全だ。
ソファーやお茶菓子も用意されていてゆっくりと堪能できる彼にとって唯一の憩いの場だった。
彼は理科室に到着すると女子更衣室に隠してあったビデオを見るために映写機のスイッチを入れた。
しばらくすると巨大スクリーンから女子更衣室の映像が流れ始める。
しかし誰も映っていなかった・・・。まだ誰も生徒はきていないようだ。
晋一は待つことにした。
待つこと数分・・・一人の生徒が現れた。
学年でも有数の美少女・木之本さくらだ。
(キタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!!!)
晋一のティムポは炸裂しそうだった。
だが、既に晋一の筒先は濡れていた。
俗に言う、『ガマン汁』だ。
さくらはあたりを見回すと、更衣室に自分ひとりしかいないので、身体を隠すことなく着替え始めた・・・。
173名無しさん@ピンキー:03/02/22 02:54
さくらはお気に入りの子だった。
(さくらたんハァハァ・・・)
さくらは持参している水着袋からスクール水着を取り出し、着替え始めた。
彼女は黒のワンピースを着ていた。
さくらはワンピースをするりと脱ぎ下ろし、残るはパンツだけになった。
白の無地のパンツだ。
(ほうほう、木之本のやつ、今日は白か・・・)
胸はまだ少しも膨らんでいない。可愛らしいピンク色の乳首だ。
彼女はスルスルとパンツも下ろした。
ぷにっとしたお尻が丸見えだ。
しかしお尻しか見えない。
晋一はビデオの視点を変えた。カメラは何台も用意されていて視点が切り替えられるようになっている。
するとさくらの正面の姿が映し出される。
彼はさくらの下半身に見入った。
無毛で小さな割れ目だ。
シコシコ・・・
晋一は無我夢中にティムポをこすった。
(ハァハァ、さくらたんの割れ目、こんなふうになってたのか!)
さくらはなんら恥じることもなく水着を着用する。
そうしてさくらは更衣室をあとにした。
晋一はすでに果てていた。学年で有数の美少女・木之本さくらで抜けたのだ。しばらく陶酔していた。
しかし至福の時はまだまだ続く・・・
まもなく他の生徒たちがわらわらと更衣室に入って着替え始めた。
再びティムポが硬直しる。
しかし今度は更衣室にたくさんの生徒が集まってお互いの視線を気にして
体にタオルを巻いたりスカートをはいたたまパンツを脱いだりしたので割れ目は見ることができなかった。
晋一は思わず舌打ちした。
(まぁいい、あとでビデオを編集していればパンチラが映ってるかもしん・・・)
そう思おうと次の水泳の授業に向かうのだった。
彼はさくらの裸体をゲットできたことで十分満足だった。
〜二時間目・水泳の時間〜
174名無しさん@ピンキー:03/02/22 02:56
「おっと、その前に・・」 晋一はプールに向かう前に床下に埋め込んであるカメラ、B−7のスイッチをオンにした。
床下には、更衣室のロッカーの位置に会わせて合わせて12の隠しカメラが埋め込んである。そしてB−7は、
さくらが使ったロッカーの真下にあるものだった。
(あとでさくらが水着を脱ぎ、下着をつけるさまを真下から録画ができるってわけだ・・割れ目も肛門も丸見えだろう。)
晋一は心の中でニヤリとほくそえんだ。
水泳の授業は一組と合同で行われる。よって教師が2人つくわけだ。
授業が始まる。
しばらくすると晋一はもう一人の教師に「急な電話が入ってきた」といいプールをあとにした。
一組の担当の教師は一人で2クラスを見ることになった。
しかしこれは真っ赤なウソである。
晋一が向かった先は・・・
さきほどの女子更衣室である。
彼はその部屋に入るとおもむろに少女たちの着替えをあさりはじめた。
もちろん授業中なので更衣室には誰もいない。
晋一はさくらのロッカーに手を伸ばした。
(ムヒョヒョヒョ・・・)
ロッカーをあけるとそこにはさくらたんの服や下着が・・・
彼はさくらたんの白いパンツを手に取った。
まずそのパンツの観察をはじめた。
柄は白である。前にも後ろにもプリントも入っていないシンプルなパンツだ。
彼は股間の部分を見た。ここも真っ白である。
(ヒョヒョヒョ、さすがは美少女の木之本。シミや黄ばみがついていない)
そしてそのパンツの香りを堪能するために鼻へもっていく。
なんともいえないさわやかな芳香だった。オシッコの匂いは一切しない。やはり美少女のパンツは違う。
満足げに陶酔しているとそのさくらのパンツを持っていたバッグの中にしまいこんだ。
彼は少女の使用済みパンツをコレクションにしている。
木之本ほどの美少女のパンツをゲットできたのだ。彼は幸せだった。
晋一がパンツを盗ってしまったのだからさくらは今日一日ノーパンで過ごさなければならない。
さくらはワンピースを着ているが丈が短い。あわよくば中身が見えてしまうかもしれない。
175名無しさん@ピンキー:03/02/22 02:57
彼はそんなさくらの姿を想像するとまたもやティムポが硬直した。
思わずその場で自慰を行った。
そして彼は他の子のロッカーもあさり始める・・・
(ほほう、相川のパンツは今日はピンクか、松中は・・・シミがすごいな。内田は・・・)
晋一は幸せだった。
次々と美少女たちのロッカーを狙う。
そして堪能する。
この子たちのパンツもいただこうとおもったがさくらのだけにしておいた。
みんなのパンツを一斉にいただくと問題になるかもしれない。
惜しいと思いながらも彼は更衣室をあとにして授業へ向かった。
なんなく2時間目の水泳の授業が終了した。
彼は再びビデオ監視ルームへ向かう。
少女たちの着替えを観察するためだ。
何人も美少女がいるが今回はターゲットをさくら一人にしぼった。
そして生徒たちが着替え始める・・・・。
さくらはロッカーをあけて体を隠すためにタオルを身に巻き、スルスルと水着を脱いだ。
しかしさくらは身を隠しているつもりでも晋一はさくらの真下にカメラを用意している。
晋一はカメラの視点を切り替えた。
さくらの割れ目が丸みえだ。
と、そのときさくらはカメラの下でいきなりしゃがんだ。
股間がカメラにドアップで映し出される。
大股でしゃがんでいるのだろうか、割れ目がパックリと開きそうだ。
しかし中身はいまいちよく見えない。だが肛門は見えた。
きれいなお尻の穴だった。黒ずんでいる様子は一切なく可愛らしく穴の周りにシワが集まっている。
(ヒョヒョヒョヒョ・・・さくらたんのドアップ!!)
シコシコと晋一が自らの股間に手を当てる。
さくらは立ち上がった。そしてロッカーをあさっている。
どうやら自分のパンツがなくなっていることに気づいたようだ。
(さぁ、どうする?さくらたん・・・)
晋一は今後のさくらがどう行動するか楽しみだった。
176名無しさん@ピンキー:03/02/22 03:00
さくらはとまどっていたがパンツははかずにそのままワンピースを着た。
黒いワンピだから透けて見えることもないのが残念だ。
さくらは着替え終わると更衣室をあとにした。
ふふふ・・ これだけですむと思うなよ、さくら・・
陶然となりながらも晋一は今日の計画を頭の中でreplayした。
(今日、給食の時間、さくらの牛乳の中に強力な下剤を入れる・・
 3,4分ほどしてさくらは真っ青になって一番近いトイレに走るはず。
 しかし、トイレは4つのうち3つまでが使用不能になっている。(俺がした)
 そして、最後の一つには、4つの隠しカメラが・・)
「以前、「レースクイーントイレ」という不朽の名作裏ビデオがあったが、
 さしずめこれは、”美小学生トイレ”ってとこか・・ 顔もばっちり、股間も
 前後から完全撮影、それに加えてズーム・アップまで・・」
後に神話となるビデオの誕生秘話であるw。
さぁこれから三時間目以降の授業がはじまる。
さくらの反応が楽しみだ。
さくらを観察しているとなにやらモジモジしていて、短いスカートの中を見られまいと気にしている姿が可愛らしい。
こんな彼女をみて晋一はちょっとしたいたづらをしてやろうと考えた。
そしてさくらにとって運命の時間がやってきた。
彼はそっとさくらの牛乳に例の薬を仕込んだ。
誰にも悟られていない。
給食をみな食べ始めた。
そして数分後・・・
(そろそろか・・・)そう思い彼は映像監視ルームにいった。
しばらくトイレを観察している。
すると案の定、さくらたんが例のトイレへ入ってきた。
顔色が真っ青である。どうやら急を要しているようである。
トイレのドアを閉めるといそいでスカートをめくり上げ、便器の上にしゃがみこんだ。
(和式トイレという設定でお願いします。)
カメラにより、あらゆる角度からさくらを見ることができる。
(フフフ、さくらたんのような可愛い子でもウンコするんだね・・・さぁどんな音をたててどんな色のをするのか楽しみだ!)
「くぅぅぅううっ どうしてぇぇっ」
さくらは可愛い泣き声をあげ・・そして・・
177名無しさん@ピンキー:03/02/25 21:45
続きお願いします。
>>171-176は昔のリレー小説のコピペだから続きは期待できないよ
179名無しさん@ピンキー:03/02/26 15:59
age
180あぼーん:あぼーん
あぼーん
181名無しさん@ピンキー:03/03/02 23:33
保守。


保守。
やさしく・・・を孕んで65

「なんで、こんなことをするの! 死んじゃうじゃない!」
真理の言葉から信じられない言葉が吐き出されていた。真理は死を知っているのか。しかし
気懸かりだったのは潤子の方だった。自分が何をしたのか反芻して整理しているようにも思える。
潤子らしいと言えばらしかったのだが、わたしは真理に腕を抱きつかれたまま、髪を振り乱して
虚脱状態になっている彼女を抱き寄せて背中を擦ってやった。わたしの肩に載った潤子の顎が
震えていた。
「おじさま……」 「もう、だいじょうぶだから」
 わたしを掴んでいた腕の力が解かれた。わたしはすかさず真理の細い躰も抱き寄せた。
「あっ……」
 小さな真理の声が聞えて、わたしに逆らわずにカクンとしな垂れかかってきた。そして沙由香も
濡れたタオルをもってやって来た。
「もう、いいのね……よかった」 
沙由香が心底喜ぶ声が聞えた。多少、ばつが悪かったが、その心根が素直に嬉しかった。そして
潤子が腕から離れて、沙由香からタオルを受け取ると、わたしの顔を拭こうとする。
「自分の貌をよく見てみろよ」
 潤子は言葉になんの反応も見せずに、タオルでわたしの顔を子供にでもしてやるようにぐいぐい
と拭う。それを傍で見ていた真理がクスッと笑った。潤子だけが衣服を纏っていて、わたしと沙由香、
そして真理というふたりの少女が裸でいる。淫靡とも破廉恥とも言える光景だったが、夢のなかにいるような
そんな心持でいた。
「ボディペインティングのことよ」 「なにを言っているんだ」
「インドの女の人がする宗教上のペイント」
「どうして、それが……」
 そこまで言ってわたしは口を噤んでいた。蒸し返すのは得策じゃない。
「わからないわ」 潤子がぽつりと呟いた。
お待ちいたしておりました♪
やさしく・・・を孕んで66

  わたしは絵を描く為に旅館に泊まりながら海辺の町を旅していたことがあった。或る町でのこと、
少女がひとり堤防に腰を降ろして春の海の水平線をじっと眺めているのを見つける。
眉毛は細く、瞳は切れ長で、唇は薄い。性的イメージは皆無とは言わないが少女には清楚さが
際立っていた。長い艶やかな黒髪を束ねて、ポニーテールにしていることもそれに一役かっていた。
わたしはこの少女の裸体を描いてみたいと思った。
「学校はどうした?」
「見てわかるでしょ」
「なら、遊ばないか」
「なにして遊ぶの?」
 少女はニコッとしてわたしを見る。
「セックス」
 わたしは臆面もなくズバリと少女に言う。その少女の貌に訝る様子はまったくといって見て
取れなかった。
「いいわ。でも、やさしくして。わたし、獣みたいなのは嫌いだから」
 獣みたいなと言われて、すぐにAVの肉を叩きあって交わるセックスをイメージしていた。
後になってホテルでじゃれ合いながら、よくよく聞いてみると官能小説のことを思い浮かべていたと
言って笑わせてくれた。
「そんなのをよく読むの?」
「ううん。父の書斎にあったのを見つけて手にしたの」
「どんな感じだった?」
「もう、いいでしょ」
 いったい、どんな作家のものを読んだのだか。すると拗ねたようにして怒っていたから、自分の
ことが恥ずかしくなって笑ったのであって、けしてきみを笑ったのではないよと言い含めると、
すぐに微笑してわたしの躰に纏わり付いてきた。もちろん、わたしはそんな少女が愛しくなって、
また笑っていた。
やさしく・・・を孕んで67

「ゆっくり、やさしくペニスを出し入れすればいいのかな?」
「そう、そんなのがいい」
 傍にいったら、少女はすっと立って階段を降り、わたしもその後をついて降りていった。堤防を
降りると草むらには空き缶やごみが無造作に捨ててあったが、ひなびた小屋の間を抜けると
蒼い海が開けてくる。わたしは磯の香りが嫌いだった。まあ、そうそう好きだなんていう奴には
お目にかかったことはないが。歩いていくと、それなりに砂浜は綺麗だった。
「その方がわたしは気持ちよくなれるもの」
少女はそう言って、また水平線を眺める。セックスについて少女は言及したのだが、潮が
好きだという風にも聞えた。
「わたしは……か」 「なに?」
「すこし感動している」 「どうして?」
「わたしはと言ったから」
「へんなの」 少女はくすっと笑う。
「へんか?」
「へん!へん!へん!」
少女期特有のわたしは、を主体にした口調に染まっていただけなのかもしれないが、意志の
強い好ましい印象を残す。容貌にマッチしたインディペンデントな香りと言えば大げさだが、それに
等しいものが少女にはあった。
そして、なんのてらいもなしに少女が答えたことで、少女の綺麗な横顔に視線をやりながら
ペニスが膨らみだしていた。始めは言葉遊びのつもりが、いつしか本気になっていることに
気が付いた。
「きみの名前は何ていうの?」
「わたしは樺凛。かりんよ」
やさしく・・・を孕んで68

本当の少女の名前かどうかはわからない。少女にとって名前の重さがどれほどのものか聞いて
みたい気もするが、名前を呼ぶことにわたしは多少こだわりを持っていた。名を呼び、言い名づける。
甘美な快感がともなうものだ。そして稚さと女の凛とした片鱗を時の変化とともに見せる少女に、
わたしのペニスは烈しく昂ぶっていた。
「木の実の花梨かい?」
「ちがうわ。ただの当て字。白樺のかばに、凛々しいのりん」
「カバリン」
「言うと思った」
「でも、気にすることはない。とても綺麗な響きだ。名前だけでも勃起しそうだ」
 最初は、この場慣れした少女を挑発しての戯れのつもりだったのが、わたしは心情を吐露させられ
ていた。少女は靴を白い砂浜に無造作に脱ぐと、片脚を上げて白いソックスも脱ぎ捨て、素足になって
わたしにゆっくりと近づいてくる。わたしは、砂浜を踏んで歩いてくる少女の素足の指一本一本を
唇に含んでしゃぶりたいという、淫らで甘美な空想に耽っていた。いま、この場で素足についた砂を
舌で取ってやり、その砂も呑んでしまいたい。
「おじさんの目、厭らしくなっている」
「きみが魅力的だからだ」
 少女は俯くとスカートを落として、ブラウスと白いショーツ姿になっていた。襟元から鎖骨が覗いて
見えて、少女のエロティシズムに魅入られているのを見透かしたよう、赫いリボンをしゅるるっと
抜き取り、両手で胸元を掴んでぐいっと拡げた。その樺凛の絵図のインパクトにわたしのペニスは
跳ね上がる。樺凛はわたしを面白そうに見て微笑んだ。
 少し癪にさわったので、策を巡らす。少女の挙動とともに眼を引いたのは、しなやかな手だった。
わたしの視線は釘付けになる。ほっそりとした白い手に細く長い指。その動きでさえもエロティックだ。
この少女を永遠に画紙に定着させたい。少女であって女の貌をもつ黒髪の樺凛は、砂浜に肢体を
惜しげもなくわたしに晒そうとして立っていて、わたしは樺凛のピュアホワイトのショーツの部分の仄かな
翳りに目がいっていた。
やさしく・・・を孕んで69

「ここの叢、生え揃っている?」
 やはり、少女だった。わたしがショーツ越しにスリットを指でそっと触れてなぞってやると、目元は
みるみる朱色を刷いて染まってゆく。
「少しだけ」 
  樺凛はか細く、やっと答える。
「剃ってもいいか?」
「えっ……?」
  わたしの申し出に樺凛が驚いて絶句した。
「赤ちゃんみたいにしたい」
  更に駄目押しをする。
「……」  
  樺凛は沈黙する。
「どうした。また、生えてくるからいいだろ?」
 少女にとっていい筈がない。
「わたしはイヤ」
 また小さく答える。なんと可愛らしい。少女には淫らさと清楚さとが交互に現れて、わたしを樺凛の
蠱惑に引き摺り込む。性交経験を匂わせる振る舞いと、時折見せる羞じらいに興奮して、樺凛を
強く抱きしめたい欲望に駆られ強張りは痛いほどに滾っている。
「ここに刺青をしたい」 
「イヤよ」 「ほんものなんかじゃない。ボディペインティングのらくがきさ」
 樺凛は剃毛は嫌でもボディペインティングには興味を示したみたいだ。
「消えるの」 「ああ、すぐには消えないけれどね」 「どれくらい?」 「一、二週間といったところかな」
「わたし、それならいい……」 少し考えてから少女は答えてくれた。
「樺凛の躰の好きな場所に描かせてくれる?」 
「かまわない。でも綺麗に描いて」 
 樺凛の細い肩が喘いでいた。
やさしく・・・を孕んで70

「ここにも描かせてくれる?」
 女に成りきれていない双臀に、内腿に、女奴隷が付けたアンクレットのように足首にも描いてみたい。
すでに樺凛の肉体に描いたような気分になりながら、わたしの手は少女の内腿を弄って、樺凛の
躰を引き寄せてほっそりとした躰を厭らしく愛撫する。
「ああん……」
 樺凛の華奢な躰はわたしの腕のなかにあった。樺凛の唇を塞いでヴァンパネラになって少女の
吐息をも呑み込む。暫らくしてから唇を離して熱い吐息を聞きながら舌を差し出して、少女の舌に
そっと触れさせる。樺凛の呼吸は深くなって喘いでいた。樺凛はわたしの舌を追って唇を付けて
舌を吸おうとしたが、わたしは樺凛から唇を離した。
「い、いやああ……!」
「樺凛。わたしをじっと見ていてごらん」
「はあ、はあ、は、はい……」
「じっとしているんだ、約束してくれるかい」 
「は、はい」
 わたしは樺凛の頬を両手で挟みこんで顔を上げさせ、見開いた瞳に唇を近づけて舌をそっと
出した。樺凛の切れ長の瞳は瞑ることなく、いっぱいに拡がっていた。
「こわい」
 わたしは樺凛の右の瞳を差し出した舌でそっと舐めようとする。わたしの舌先は微かに顫えていた。
「あうっ、ああッ……!」
 恐怖と快美がないまぜに蕩けあっていたのだろうか。樺凛の躰は顫え出して、スリットの奥の
孔から堰を切って水流が迸り始める。
やさしく・・・を孕んで71

「んあぁあああああッ!」
 歓喜とも絶望ともつかない喚きが樺凛から上がった。
「ああ……。いや、いやあぁあああ……!」
 わたしは泣き出した樺凛の小鼻を舌で舐める。少しだけ潮の味がした。
「ごめん。こわかったかい」
 耳元でわたしはそう囁く。樺凛もわたしの頬に擦り付けて、うんうんと頷いていた。まだ液体は
納まることなく樺凛の細い脚を濡らしていた。
「樺凛のオシッコ、飲みたい。舐めてあげるよ」 「そ、そんなこと、言わないで。言わないで。
恥ずかしいから」
「樺凛の恥ずかしいところ、もっと見せて欲しい。もっとね」 「いやあ、いやあ」
 か細く甘えるような樺凛の声と吐息が耳元をやさしくくすぐる。
「可愛くて素敵だよ。もっと樺凛を恥ずかしくさせたい」
 わたしは念を込めるようにして低い声で少女の耳元でやさしく囁く。
「……して」 「わたしが泊まっている旅館に来るかい?」
「……して」 「いまここで?」
 樺凛の額に付けて見つめて意志を確認する。わたしの額は少女に擦られて、こくんと、樺凛は
頷いていた。
「どうしたの?また、顔色がおかしくなっているわ」
 潤子がわたしに声を掛けるが、答えられるわけがなかった。忘れていた記憶が蘇る。
「いや、なんでもない。なんでもなくはないか……」
 沙由香と真理も心配そうにわたしを見始めていた。樺凛の貌がモーフィングのように真理に
なっていっていた。
「おじさま……」
 真理が心配そうにまたわたしを見ていたが、まともに顔を見ることは出来なかった。
やさしく・・・を孕んで72

「なんともないのね?」
 潤子が再度聞いてきた。締められていた首が熱くなっていてきている。多分赤くなっているのだろう。
「ああ……。たぶん」
「ごめんなさい」
 潤子はわたしに抱きついてきて泣いてしまった。沙由香と真理は呆気にとられていた。わたしの肩
に顎を乗せて顔をくなくなと揺すって頬を濡らしていた。潤子の背中をやさしく撫でながらボディ
ペインティングのことについて問いただした。
「沙由香の躰に描くのか?」
「ええ、そのつもりだけれど、嫌なの?」
「嫌なんかじゃない。むしろ、興奮するよ……」
 わたしは傍で立っている沙由香の裸身を見ながら潤子に答えていた。
「沙由香もして欲しいって言ったのよ」
 沙由香は跪いて潤子の背中に抱きついてきた。沙由香なりの駆け引きなのだろうか。
「綺麗に描いてちょうだい、お母さま……」
 綺麗に描いてというその言葉、萎んでいたペニスにドクンと血液がなだれ込んできた。潤子が見逃す
わけもなく、白魚のような指がペニスをそっと包み込んで軽く扱きたてる。
「おい、よせって……」
 彼女の耳元に小声で囁くと、くすぐったそうに潤子はわたしの頬に顔を擦りつけただけで何も答えず、
真理に話しかける。
「篠崎さんはどうかしら?」 「やめろ、潤子」
「なんのことですか?」 真理が会話から置いていかれていた分、すぐに反応した。
「躰に絵を描くの」 「絵を……?」 
 潤子の背中に顔を伏せていた沙由香が真理に答える。わたしは真理の方を見て、嫌なら断れば
いいからと言ってしまってから沙由香のことを思って後悔していた。
191名無しさん@ピンキー:03/03/23 12:26
保守。
192名無しさん@ピンキー:03/03/26 03:47
ロリコン掲示板です。
最近寂しくなってきているのでみなさんカキコしてあげていってください。
                
http://bbs2.ardor.iui.jp/?0203/recoba
193名無しさん@ピンキー:03/03/31 13:46
もったいないので、保守。
続き待ってますよー
195保管サイト担当 ◆G6orYY7knM :03/04/08 10:34
勝手に保管。
他スレで投稿小説の保管サイトをやっているものです。
一ヶ月ほど投稿が止まっていますのでDat落ちに備えて一時的に保管します。
保管先はここです。

http://members.tripod.co.jp/novels2ch/index.html
196名無しさん@ピンキー:03/04/08 13:16
ロリコン掲示板です。
最近寂しくなってきているのでみなさんカキコしてあげていってください。

http://bbs2.ardor.iui.jp/?0203/recoba
197名無しさん@ピンキー:03/04/08 13:19
>>195
これらも加えてくれ

ロリ小説を作ろうよ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1025884611/

【ロリ】・一行官能小説リレー  in 2ch
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1026017159/

ロリ小説を作ろう
http://www2.bbspink.com/erocomic/kako/1021/10212/1021258471.html

ロリ小説を作ろう〜512kb超えたよ!〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1026055330/

ロリ小説を作ろう〜ラオウバージョン〜
http://www2.bbspink.com/erocomic/kako/1028/10285/1028564448.html

ロリ小説でも作ろうか
http://vip.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2kana/1030646813/

加えるに値せず、かと
俺は>>195じゃないが多分皆そう思ってるはず
作ろうよのやつは自サイト持ってるしな
199名無しさん@ピンキー:03/04/08 13:55
漏れはどれみ編はかなりの秀作だと思うが・・・。
200あぼーん:あぼーん
あぼーん
201名無しさん@ピンキー:03/04/08 16:46
どれみ編きぼんぬ!
202名無しさん@ピンキー:03/04/08 21:15
>>196
(・∀・)イイ!!
203あぼーん:あぼーん
あぼーん
204名無しさん@ピンキー:03/04/13 12:34
保守。。
205山崎渉:03/04/17 15:58
(^^)
24.237.68.63 , 63-68-237-24.gci.net , ?
206山崎 渉:03/04/20 04:36
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
207名無しさん@ピンキー:03/04/21 04:52
【新作】

漏れの名前は湯原直彦。
208名無しさん@ピンキー:03/04/21 04:52
小学生の女の子が大好きな生粋のロリータコンプレックスだ。
209名無しさん@ピンキー:03/04/21 04:54
湯原は不景気の荒波にもまれ、会社をリストラされて現在無職。
しかし、職探しはしようとせず、周囲からは不良中年と呼ばれていた。
210(  ̄,_√):03/04/21 05:02
しかし彼はすることもなく一日を過ごしていたわけではなかった。
湯原には毎日欠かさず行っていることがあった。
それは・・・  
211名無しさん@ピンキー:03/04/21 05:04
公園に小学生の女の子のパンチラを見に行くことだった。
これは彼の一日の日課だ。

公園には小学生がたくさん集まる。
ブランコ・すべり台・鉄棒・・・
スカートの中が見えてしまうような道具が山のようにある。
彼はこれを観察するのが大好きだった。
212名無しさん@ピンキー:03/04/21 05:08
そして今日も彼の一日が始まろうとしていた・・・。
最近は春になり、スカート人口が増えてきている。

彼は自宅から歩いて30分の公園に足を運んだ。
そしておもむろにベンチにすわると獲物を探し始める。
213あぼーん:あぼーん
あぼーん
214名無しさん@ピンキー:03/04/21 18:05
そこへ一人の少女が近づいてきた。
ツインテールの小学4年生ぐらいのかわいい女の子だ。

少女は彼を指差し、強い口調で言った。

「ちょっと、あなた! 今エッチな目で私たちのこと見てたでしょ!」
215あぼーん:あぼーん
あぼーん
216名無しさん@ピンキー:03/04/21 18:28
「そっ、そんな! 俺は別に・・・。」

俺はあわてて否定した。
しかし彼女の表情は怒ってるようだった。

彼女は「耳を貸して」と言うので言う通りにすると、彼女は言った。

「おにーさんってロリコンなの? だったら私が見せてあげないこともないよ。」
217あぼーん:あぼーん
あぼーん
218名無しさん@ピンキー:03/04/21 23:45
湯原の脳裏に悪魔がささやいた
219あぼーん:あぼーん
あぼーん
昔はいいスレだったのにな…
221名無しさん@ピンキー:03/04/21 23:55
「お嬢ちゃん可愛いねぇ。ボクちんキミくらいの年の女の子が大好きなのだ!」
昔はとってもいいスレだったのにな…
223名無しさん@ピンキー:03/04/22 00:17
「あ〜、やっぱりそうなんだぁ!じゃ、私がいいことさせてあげるヨ!」
少女はいやらしそうに湯原を見つめる。

湯原はすでに理性が麻痺していた。
(ふひょひょ♪今日はついてるぜ!)
そう心の中でほくそえむのであった。

「えぇ!?いいのかい?」湯原の顔が思わずにやける。
224名無しさん@ピンキー:03/04/22 00:32
「ここじゃなんだし場所を移動しましょ♪」
そういうと湯原は少女に案内されて公園の近所の工場へ移動した。
この工場は数年前に倒産し、今は廃墟になっている。
つまり、誰一人足を踏み入れようとするものはいない。
ここだったら誰にも見つからないという訳だ。
225名無しさん@ピンキー:03/04/22 01:21
「ロリコンの人って女の子の『アソコ』が見たいんだよね。
じゃ、脱ぐね。」

そう言うと彼女はスカートの下のパンツを一気にひざまで下ろし、
パンツを足から抜き取った。

「えへへ、『ノーパン』になっちゃた。おにーさん、もしかして
もう見たくてたまらないって感じ?」

彼女はいたずらっぽく微笑んだ。

「うん、もうたまらないよ。」

「じゃ、見せてあげるね。」

彼女はスカートを持ち上げ、自分の股間を突き出すようにした。
226名無しさん@ピンキー:03/04/22 01:36
そこにあったのは、かわいらしい

おちんちん

だった!!!
227名無しさん@ピンキー:03/04/22 01:55
・・・ということはなかった。
228名無しさん@ピンキー:03/04/22 02:59
湯原は思わず目を凝らした
229名無しさん@ピンキー:03/04/22 09:33
「ほほう・・・」
230あぼーん:あぼーん
あぼーん
231あぼーん:あぼーん
あぼーん
232名無しさん@ピンキー:03/04/24 10:16
保守。
ふむ
234名無しさん@ピンキー:03/04/25 06:02
ロリコン掲示板です。
最近寂しくなってきているのでみなさんカキコしてあげていってください。

http://bbs2.ardor.iui.jp/?0203/recoba
235あぼーん:あぼーん
あぼーん
236名無しさん@ピンキー:03/04/27 08:36
終了。誰か新作かけ
やさしく・・・を孕んで 73

「ボディペイントのことよ、篠崎さん。一週間ぐらいで消えるわ。どうかしら?」
 潤子が真理のことを整然と誘う。
「潤子の絵には関係ないことだろう」 
「躰に描いた絵がどんなふうにして歪むか見てみたいわ」
「いいかげんにしろ!」 
 わたしは苛立って、潤子の耳元で小さく唸った。過去の記憶がそうさせるのかわからない。
だが肉体は裏腹に反応していた。
「描いていただいても、いいです。好きなように描いてください。おねがいします」
「真理……」 (お、おねがい……だと) ペニスが膨らむのがわかる。
「すぐに消えるから心配要らないわ、おじさま」 沙由香がそう付け加えた。
「でも、根気がいるのよ。ペースト状に溶いた粉を肌に描くように乗せてから定着に二、三時間
ぐらい見ないといけないのよ。できるかしら?」
「わたし、それでもする」 「ええ、かまいません」 ふたりはそう答えた。
 沙由香と真理は張り合ってでもいるのだろうか。わたしはふたりの少女の躰がしなる絵を
夢想し蠱惑に酔う。そして肉体の反応を煽るように白魚のように細い指で潤子に扱かれ
記憶を弄られて掻き回されるような感覚に軽い吐き気も覚えていた。締められた首が赫くなって
熱を帯び始めていた。
 そういえば、これがはじめてなのだ。沙由香の過去の絵、そしてわたしとの交わりは単純な肉体
の交合の淫絵図。縄をつかったり器具などで嬲ったりしたものはひとつもない。男と女のその体位
は別にして、シンプルな一対一の絵しかない。ボディペイントは潤子の気まぐれの延長なのか
それともわたしの記憶を手繰り寄せたものなのかはわからない。
 しかし、それはソフトであっても蠱惑的な彩りを少女・沙由香と真理の蒼白の柔肌に鮮烈な
美と破壊を落し、血が騒ぐものだった。わたしのペニスは烈しく勃起した。潤子の手は肉茎から
頂点に登ってゴム毬を弄ぶように握り締め、それを下腹部にもっていって擦り付けるように
手の平で転がしている。

「はい、今日はこれまで。さあ、京介も服を着て」
おおおォオッッ!!!戻ってきてくれたぁ!感激っす!
やさしく・・・を孕んで 74

  潤子にそう言われて安堵したような思いだったのかもしれない。肉体は勃起して交渉は
可能だったが、したいとは思わなかった。むろん沙由香とも真理とも。潤子の切り出した
ボディペインティング・簡易刺青の蠱惑に取り憑かれていたからなのかもしれない。
「ほら、あなたたちも着替えて」 「もう、いいの……?」
 真理が心配して確かめるかのように潤子に尋ねる。
「ええ、ごめんなさいね。心配させちゃって」

 潤子は立ち上がって机の上のティッシュを取って始末をして、わたしの手を取って
起こそうとする。
「ど、どうする気だ?」 「お風呂。京介は入らないの?」 「あ、ああ……」
「なにが、ああよ。ほら、いくわよ」

 全裸になっていたわたしはゆっくりと起き上がると、真理に礼をいった。
「ありがとう、真理」
 わたしは真理の華奢で肉付きの薄い肩に手をそっと添えてそう言う。真理はわたしの
手が触れた時、ぎこちなく笑っていた。裸の男女が見詰め合っていて、一方はイノセントな
少女なのだ。わたしは勃起している。起き上がるときのわたしの筋肉の動きを真理は見て
いたはずだ。ペニスが揺れて顫えているのも。真理の潤んでいる瞳が心なし泳いだような
気がした。「いえ、なにもしてませんから」 「なにもか……」 

 少女の格式ばった返事が妙に愛しく、その華奢な背中を背骨が折れそうなくらいに
抱き締めたい衝動が込み上げてくる。
「なにしているのよ」 
 わたしは手が離れる寸前、親指で真理の素肌をそっと愛撫した。手が離れると真理は
しゃがみ込んで、脱ぎ散らかした物を掻き抱く。 「沙由香もありがとうな」彼女の頭をくしゃっと
撫でた。「あっ、おじさまったら!」 沙由香も真理にならってガウンを拾い躰に纏う。
「沙由。篠崎さんを家の方へ連れて行って、待ってなさい」 
「はい、お母さま。行きましょう、真理ちゃん」 
やさしく・・・を孕んで 75

  沙由香の引く手に躊躇うようにして真理は立ち止まっていた。
「どうしたのかしら」
 潤子が真理の方を見て尋ねる。真理の躊躇いに気が付かなかったわたしは、やはりこいつは
母親なのだと思い、わたしも真理の方を見た。

「あの……さっきはすみませんでした。ごめんなさい」

「篠崎さん、気にしないで。悪かったのはわたしの方だから」 「真理って呼んでください」
 わたしは真理が、マリンと耳元で囁いたことを思い出していた。
「じゃあ、真理。沙由といっしょに家の方で待っていてね」 「はい、ありがとうございます」
 真理は潤子とその手に引かれているわたしに、ぺこりと頭を下げた。アトリエを去って行く
ふたりのうしろ姿をわたしはじっと見ていた。真理はわたしの視線に気が付いたのだろうか。
片手で小さなお尻を隠すようにして歩いて、沙由香が後ろを向き、わたしを見てちろっと舌を出した。
わたしはふたりの少女の姿に見とれて唇を横に伸ばして目が細くなる。
「なに、にやけているのよ」 「潤子もやきもちか」 「……」 「ばかとか言わないのだな」
「言って欲しいの?」
 潤子とわたしは洗脱所で、先に仮置き場所に脱いだものを置き、潤子もいっしょに置いて行く。
といっても白のブラウスを脱ぐとすぐにカタチの良い乳房があらわれる。その乳房をわたしは
盗み見をするようにしてみる。潤子は黒のスカートに手を掛ける。
「お先に」 そういって、入ろうとした時、潤子が言った。
「ねえ、アトリエに戻ってショーツとブラを取ってきてくれる」
「わかった」 「あら、素直じゃない」 「なにがだ」 「てっきり、えっ!というと思ったわ」
「お前、ほんとに怖い女だな」 「ふふっ、いいわ。先に入っていてよ」 「いいのか」
「しげしげと見られるとイヤだわ」 「何、言ってんだよ。それなら先に入ってるぞ」 「どうぞ」 
 潤子は脱いだインナーを取りに部屋を出て行き、わたしはバスルームに入った。湯をすくって
躰の汗を流して、全身を伸ばして浸かる。バスタブの壁側はベンチになっていて大きな窓がある。
夕方になっていた。 (真理はだいじょうぶなのか……マリン、真林か……)
やさしく・・・を孕んで 76

  洗面所に音がして、潤子の裸身が入ってきてバスルームのドアを開けた。
「温くないかしら」
「いや、ちょうどいいよ。このくらいが」
 そう言って、わたしが起き上がろうとすると潤子はそのまま入って来て、向き合って抱き合う
格好になった。

「おい、ここでするのか」 
「ほら、パネル見て。30度に設定してあるから少しぐらいならのぼせないわよ」
「真理、遅くなるぞ」 「水の中だと、わたしの膣内もきついわよ」 「本気なのか?」
「うそよ」
 潤子はそう言うと、くるっと背を向けると背中をわたしの胸にあずけて躰を伸ばした。
「怒ったのか?」 「心配なの?だったら、もっと気配りなさい」 「すまん」

「ばかね、怒ってたら背中なんかあずけないわよ」

 わたしは潤子が背中を向ける際の横顔にハッとしていた。ルージュが引かれているのに
少女のそれに近い。濡れて赫く性的にヴァギナを連想させる筈なのに、少女の薄桃色……
桜色といってもいいかもしれない。そのぬめっと唾液に濡れているような、そんなイメージを
見ていた。
「どうしたの?だまっちゃって」 「いや、なんでもない」 「ふふふっ、なんでもないってことは、何か
考えているあ・か・し」
 潤子はわたしに背中を向けながら喋っていた。

「横顔を見たとき、唇に見とれたのさ」
 潤子は脚を開いて白魚のような指を湯舟に潜らせて、わたしのペニスを両手で弄る。わたしは水の
なかに残滓を見つけて手に振れ指で擦っていた。昆虫の体液のような白いもの。沙由香の膣内に
放ったものなのだろうか。それとも真理の膣内に。そして今は潤子の躰からあふれ出ているはずだ。
わたしのペニスがどくんと脈打つ。
やさしく・・・を孕んで 77

  少女の薄い唇。わたしはルノワールの『可愛いイレーネ』のイメージを樺凛に被せていた。
透き通った澄んだ瞳と、唇……彼女は薄かったが、ぽってりでも少女の構成するパーツは
美しい。しかし、わたしがそそられたのは、横顔のポートレイトの上唇だった。
 ツンと捲れ上がるように少女の思春期の反抗期を自己主張しているような小生意気でいて
愛らしい姿だ。わたしはその小生意気な少女の頬を両手で挟んで眼球を舐め、樺凛は恐怖
で耐え切れずに失禁してしまった。
樺凛は失禁してぐっしょりと濡れているショーツを脱ごうとしていたので、わたしは手首を掴んで
制止させる。
「どうして……?」
「いったろ。舐めたいって」 「いや、おねがいだから、やめてちょうだい」
 少女は濡れた瞳でわたしを見詰める。
「樺凛がいいっていったんじゃないか」

「わたし、セックスはいいっていったけれど、こんなことまで許していない」

「どうしてさ、これだって立派なセックスだよ」
 わたしも樺凛の瞳を見返していた。
「せっくす……?」
 たどたどしい言葉で樺凛は聞き返した。
「そうだよ。これもセックスなんだ」
 わたしは樺凛の細い手首を離して、今はオシッコで濡れて陰毛が貼り付いているショーツの中へ
右手を突っ込んだ。

「ああっ、いやああっ……おねがいだから」
 叢というのには申し訳程度の僅かな繊毛。華奢な両太腿が合わさり、わたしの手を挟んで…
…樺凛の性器は食虫植物などではなかった。少女を蜘蛛の糸に絡めて喰らうのはわたしの方だ。
 わたしは右手で樺凛のスリットと尖りを嬲り、左手は後ろの背中をゆっくりと撫で廻して、双臀の
片側を鷲掴みにすると、割り開いた。樺凛はヴァギナが引き攣る感覚に喚いた。
「ひいーっ、や、やああ……!」
やさしく・・・を孕んで 78

「ああ……や、やさしくして……おじさま……」

 卑猥な小説のような言葉が樺凛……イレーネの唇から洩れる。イレーネの肖像画の彼女の
横顔は蒼白の貌に透き通った大きな瞳をしていた。鼻筋もすっと通っていて高い。
 彼女は肩から腕までも伸びる亜麻色のふわっとした柔らかい髪色をしていて、みずいろの
リボンを頭に留めていた。地に座って、可愛らしい両手をドレスのスカートの前に添えて
そっと組んでいる。ルノワールの独特のタッチのソフトフォーカスが少女期の官能を際立たせて
いる。ルノワールの瞳の霞みがそうさせたと聞いたことがあるが……わたしを狂わせたのは
そういうものではなかった。イレーネの赫い唇だった。淡く濡れた朱色といった方がいいのかも
しれない。イレーネの唇はぽってりとしていた。濡れて陽光を反射してきらめいている少女の
唇にわたしのペニスは勃起した。

 はじめて少女に恋をして自慰に耽って射精した記憶なのかもしれない。夏の潤子の唇が
それに重なって今、樺凛の顫える薄くツンと捲れる様な上唇にわたしは魅せられていた。

「おじさま……やさしくしてください……」
 樺凛がまた言葉を洩らしている。性愛の恐怖にでも怯えているのだろうか。わたしは下着を
雫で濡らしていた。樺凛を傅かせて長い黒髪を耳の後ろに掻き分けて、イレーネの唇に赤銅色
に艶やかに光る亀頭をそこへ押し付け擦るように唇を刷く蠱惑に駆られていた。
 わたしはベルトを外してズボンを下ろした。わたしは少女の崇拝者ではない。ただ欲望を
優先させるだけ。両手でわたしの胸に埋めている樺凛の頬を掴んでわたしの顔を見上げさせる。
「樺凛はわたしを招き入れたんだ。わたしはきみの奉仕者ではない」
 樺凛のやわらかい頬肉がぐっと寄って目を瞑り眉間に縦皺が刻まれていた。多分、樺凛に
意味などわからなかったのではないだろうか。

「わたしを見ろ、樺凛」 「は、はい」
 頬に入れていた力を弛緩させて、怯えた瞳を開らかさせる。樺凛の額を撫で頬を擦る。
樺凛は荒い息を付いて小鼻を膨らませていた。わたしの右手から微かに匂う、自分の洩らした
液体の芳香も潮の香りとともに肺に吸い込んでいるのかもしれない。
>>238  読んでくれていた方々には感謝しています。ありがとうございます。
>>195  お礼が遅くなってすみませんでした。感謝しています。ありがとうございます。

書いていていろいろとわからなくなりまして、それとも続けれるだけ
続けた方がいいのか迷ってます。今も。

心感じるままに…
246m(__)m:03/05/05 11:49
>>244 おい、お前!


がんがって下さい。。
やさしく・・・孕んで 79

  両手に挟みこんだ少女・樺凛の美貌にわたしはまた舌を差し出す。今度こそ樺凛はわたしが
何をしようとしているのか、よくわかる筈だ。
「ああ……こわい……おじさま。こ、これも、せ、せっくす……なの?」

「黙ってなさい、樺凛」 「は、はい、おじさま」 
 樺凛の長い睫毛がふるふると揺れるのがわかる。わたしはその時、勃起しながら場違いな
ことを考えていた。樺凛の睫毛はマッチ棒が載るくらいにとても長く、涼しい目元を際立たせる。
少女を旅館に連れ帰っての戯れのつづきを夢想していた。瞳から涙があふれ頬を伝う。
わたしの舌は樺凛の覚悟の眼球ではなく、その少女のこぼした雫を舌で掬った。樺凛の味がする。
それとも、人の原始の命のはじまりの記憶なのか。

 わたしは樺凛の長い髪に指を絡め、覚悟の眼球ではなくイレーネの唇を奪った。
わたしの成人の唇が子供の小さな唇を全て覆いかぶせるように、樺凛を貪った。少女の
開きかけた唇にすかさず舌をペニスのように送り込んでねっとりと絡めた。少女のこわれもの
のようなヴァギナをペニスで掻き回す様にして、樺凛の決心などお構い無く蹂躙した。
「んぐう、んんっ!」

 わたしのフェイントに樺凛の力なく垂れ下がっていた手があがって、腕に絡みついてきた。
はじめは抵抗するかのように、シャツの上からでも肉へ喰い込むような強さがあったが、
徐々にではあったが弛緩し始めた。それは、わたしの悦びへと変る。勃起したペニスは樺凛の
濡れた下着を小突いてから、硬さを知覚させるため樺凛の柔らかな下腹に擦り付ける。

 素直な長い漆黒の髪の樺凛とわたしは海辺にて抱擁している。わたしはズボンも下着もを下ろして、
浅黒い尻を少女のオシッコにぐっしょりと濡れたショーツに擦り付けて唇を貪っている。その樺凛は
胸元の臙脂のリボンを捨て白いブラウスの襟を肌蹴させ、華奢な脚をガクガクと揺らしていた。
「こわかったか?」 樺凛は瞼を開いて、雫をまたこぼしてコクリと頷く。
「じゃあ、もうやめようか。人が来るかもしれない。それともつづけたいかい」 
 樺凛に羞恥と不安定さを植え付け、わたしの愛玩となるかを樺凛に念を押した。樺凛はまた
コクリと頷いた。
やさしく・・・を孕んで 80

  わたしは樺凛の左手首を取って股間へと押しやる。跳ねて熱を帯びているペニスに
触れさせると、びっくりしたように手を引いた。
「樺凛はセックス、はじめてじゃないっていったよね?」
「う、うん……」
 わたしは少女の躊躇っている手を今度は強くペニスへと押し付ける。ペニスは生き物みたいに
悦んでぐんと硬くなって痙攣する。わたしは樺凛の焦点の定まらない瞳を執拗に追う。
「うんじゃないだろ。さっきみたいに、はいと答えなさい。わかるね、樺凛」
「ごめんなさい……あっ、はい……はい、おじさま」
「お利口さんだ。でも、はいは、一回でいいからね」
 樺凛の瞳も潤みっぱなしだ。わたしの口元が綻ぶのを見て少女もそれに倣う。
「でも、ほんとに熱い……」
「火傷すると思ったかい?」
「じゃあ、今度は樺凛が下着を脱ぐ番だよ。オシッコでべとべとになったショーツを脱いでごらん」
 樺凛の容貌は火がついたように赫くなっていった。
「に、にぎにぎしなくてもいいの……?」
「樺凛の手のなかで射精してもいいんだよ」
 このまま樺凛を砂浜に押倒して、膣内でなくとも微妙な女の膨らみに擦り付けて果てるのも
いいとさえ思っていた。
「白いのたくさん射精るの?」 「樺凛の膣内に入りたいと思うから、たくさん出るよ。きっとね」
「それなら、わたしの膣内に射精して」
「いいよ。わたしもその方が嬉しい」
 樺凛の華奢な躰がわたしの腕の環のなかでくねらせて、片脚を掲げるとべとべとのショーツを
脱ぎ去った。
「痛くしないで、おじさま」 「痛くって、まだ時々痛いことがあるの?」 「はい。お腹のなかが
掻き回されているみたいで、泣いちゃった……」
「そうか。じゃあ、やさしくしてあげないとだめか」
やさしく・・・を孕んで 81

「ありがとう」 「何が?」 「何がって、いま唇のこと誉めてくれたでしょう」 
「す、すまん」 「すまんって、もう……へんなひと」
 潤子が亀頭を手でギュッと握り閉めていた。潤子の唇は沙由香の唇、いや違う……樺凛の唇…
…昔の夏の潤子のくちびる……か。少女らしいその季節を誰もが留めたいと思うような美少女だった。
瞳が澄んでいて、薄い茶色の瞳で笑うと眩しかった。夏を受け継いだ沙由香はそのいつかの時を留めている。
横顔の瞳にツンとした愛らしい上唇。
「可愛いイレーネのことでしょう?何って、あなたはどうして記憶がところどころまばらなの?
あなたはジョニー・スミス?」
 潤子が顔を捻る。
「誰だよ、ジョニー・スミスって」
「黒いハーフコートを着て杖を付いていた、線の細そうな彼」
「なんだ、それ?」 「さあ、なにかしらね」 潤子の手が後ろに廻され頤(おとがい)を撫でた。
 他愛もない言葉遊び。むかしの時を取り戻すみたいな。けれども、潤子がわたしとの時を本気で
取り戻そうとしているのかは、わたしには判らない。
「潤子は覚えていないのか?」 「なにを?」 「あの夏の……いや、なんでもない」
「よく覚えているわよ。初恋だったから」 「そのことではなく……」
「あのね……子供の頃、京介の部屋にルノワールのイレーネの色紙のレプリカが貼ってあったのを覚えているわよ」


「や、やさしくしてください……」
 濡れたショーツを羞ずかしそうに脚をあげて抜き取る所作をわたしはじっくりと眺めていたかった。
樺凛に傅いて、その濡れたショーツ越しに肉付きの薄い恥丘と秘園を嬲ってもやりたかった。しかし
そのどちらも放棄して両手で樺凛の首を絞めるように愛撫して降りながら、なだらかで華奢な肩を
両側から挟みこんで、顔だけを樺凛の性器へと降ろしてゆく。折れそうなくらいの細い腕の骨の感触
を確かめ、更なる骨の感触を求めて脾腹に手を廻す。
やさしく・・・を孕んで 82

  少女の荒い息遣いが肩を喘がせている。樺凛はわたしの肩に両手を掛けた。わたしの唇は
樺凛の臍を通って肉付きの薄い下腹へと辿り着いて、ペニスがビクンとこれまでにないくらいに
顫える。いま、わたしと樺凛の姿を遠くから見たとしたら、大人が少女に泣いて傅いているように
見えるだろう。樺凛は従順だったが、確かにわたしは少女を犯していた。華奢な樺凛の躰に
触れて興奮していたのだった。

 わたしの唇は濡れた繊毛を申し訳ない程度にしか生やしていない恥丘の香りを堪能してから、
柔らかな……肉付きが薄いのだから蒼い果実といっていいのかもしれない。そこに残る潮を舐めて、
少女の季節と樺凛の琥珀が放つ芳香をいっぱいに吸い込む。

 樺凛の腰はがくがくと顫え、崩れ始める。わたしは樺凛の崩れかけた躰、背から肩甲骨を受けて
白い砂浜に横たえた。わたしの下に組み敷かれた少女。樺凛の瞳がわたしをじっと見詰め返している。
わたしの灼熱の棒とかした物が、樺凛のひっそりと佇んで開花をまっている秘園へ乗っていた。
「ああ……熱い……。おじさまが、熱い」
 わたしは赧く染まっている樺凛の貌を見ながら、腰を揺すって灼熱の肉棒を、スリットに擦り付ける。
「ああ……い、挿れて……おじさま……」
 樺凛の秘所は濡れてはいたが、もっと舐めて唾液を塗してやった方が良かったかもと思うのだが、
もはや限界だった。樺凛の秘所に押し付けていた腰を上げて、跳ねるペニスを握ってスリットの奥に
ある秘孔へとあてがった。

 わたしの亀頭が樺凛の儚げな肉襞を押し拡げて腰が埋まろうとしたとき壁に突きあたっていた。
「樺凛、きみは……」
「そこじゃないの。した、もっと下の方……わたしのお尻のなかにたくさん出してぇ……!」
 樺凛は華奢な臀部と脚を高く掲げる。樺凛はアナルエントリーでしか愛されたことがないと判った。
「樺凛、ここに挿れてやるのではダメかい?」 
「そ、そこでも気持ちよくなれる……?」
 樺凛の朱にけぶる瞳がわたしに尋ねていた。
やさしく・・・を孕んで 83

「お尻でセックスしたのだろ」
 今度はぶっきらぼうに答える。樺凛はおびえただろうか。潤んだ細い瞳をさらに細めて
こくんと頷いていた。
「おなじくらいの痛みがあるはずだ。血だって流れる。樺凛、よしておこう」
 アナルエントリーでもよかったが、自分の言葉にもシラケていた。肘を付いてその下に組み
敷かれている樺凛を見てから躰を抜こうとしたときだ、樺凛の躰がしがみ付くようにして
ぶら下がった。
「だ、ダメ。抜かないで!抜いたりしちゃイヤだ!」
「いいかい、あとで困るのは樺凛なんだよ」
 煩わしく思い始めたわたしがいた。樺凛の向うの誰かに嫉妬していたのかもしれない。
「いいの。困っても痛くてもいいから、続けてください」
「樺凛がセックスしたことがあるみたいなことをいっていたから、こうしたんだ」
(なにを言っている)

「だ、だから、いいですから、してください……おねがい」

 わたしは樺凛の言葉に反応してびくんと跳ねた。
「ああっ」 
「いいんだね、ほんとうに」
 樺凛はまたこくんと頷いて、小さくはいと返事をした。もっと樺凛のクレバスを舐めて
唾液を塗しておくべきだったと後悔したが、交合は可能だと考えていた。だが、それは
男の勝手な論理において欲望が優先され、導き出された結論でしかない。

 わたしは再び残虐な男になるべく、樺凛の躰を砂浜に降ろして白いブラウスをたくし上げる。
そこに展開されるのは少女の季節の蒼い肉体。淡い彩りの小さな乳首に、仰向けに
なっていることで、さらに女から程遠い薄い胸。ボディラインは単調ですとんと
真直ぐといっていいほどに落ちている。しかし、女の芳香を漂わし陽光に照らされし
玲瓏の肌は剥き卵のように汗でしっとりと濡れていた。紛れも無くのおんなに腰を
少しずつ進める。
やさしく・・・を孕んで 84

「んあっ、ひいーっ!」 
樺凛のか細い悲鳴が上がる。アヌスへの性愛に堪えたというのなら、そういう勝手な
思い込みがあった。
「我慢できるね」 
「は、はい……」 
わたしは砂に付いている肘で樺凛の華奢な躰を挟みこんで、両脇を手で包むように抱き締めた。
「ああっ、いっ、痛い……はあっ、はあ」
 樺凛の膣内(なか)にわたしの楔が打ち込まれてゆくのを、樺凛はこめかみに汗をどっと噴き口を
大きく開けて、アヌスにペニスを受けるように息を吐いていた。瞳は涙をあふれさせ喘いでいる樺凛
を一気に貫いていた。痛みに摺り上がろうとする躰をわたしの両手が抱き締めていて、それを
阻んでいる。
「うっ、はあ、はあ……」
 捻じ込まれるようにして子宮まで届きそうな屹立に、ただ堪えるばかりの樺凛の姿態にペニスが
ひくつく。わたしは躰を上げて樺凛の涙に唇を這わせる。
「動くからね」 
「い、いや……うごかないで……」

「動かないと終わらない。これがセックスなんだよ、樺凛。お尻でもそうだったろ」

 樺凛はこくんと頷いた。わたしは少女のモノセックスの肉体に欲情して、樺凛の汗ばむ躰を
手で抱き締める。そう、アダムから生まれたイブを取り込むかのようにきつく、きつく抱き締め
ながらストロークをはじめる。男との交合に樺凛には快楽などなかった。ただ、一方的にわたしが
愉しんでいるだけだった。いくばくかのやさしさがあったとすれば、体重を掛けずにゆっくりと抽送
していたことぐらいだが、それも樺凛の苦悶の美貌と吐息とともに消し飛んでいく。

 狭穴への律動でわたしの汗が飛び散り、たえず喚いて顫えて桜を咲かせる蒼白の素肌を
叩いて、わたしは樺凛から躰を抜かないまま射精し無防備になる。凌辱された樺凛は昆虫の
牝のように性交で果てた牡を喰らうのだろうかと、そんなことを思いながらわたしは精液を残らず
絞り出すため尻を振り続けていた。
やさしく・・・を孕んで 85

「イレーネの絵に嫉妬していたわ」
 わたしは潤子の乳首を弄っていた手を唇にあて、人差し指を横にして上唇を嬲っていた。
潤子は少し喘ぎながら肉茎を扱きはじめる。わたしは潤子の唇を性器に見立てて上唇を心なし
めくるように持ち上げてから離して唇全体をなぞった。
「わらったわね」 「なにがだ」 「絵のなかの少女に嫉妬したって」
「いいじゃないか、べつに。かわいいじゃないか」
「よくないわよ。生身の人間ならいざしらず、絵なんかに負けるなんて」
「潤子だって絵を描いているだろう」 「ふふっ、子供が見ることはないわよ」
 わたしは人差し指で歯茎を愛撫していると、ペニスを扱いていた潤子の手が湯舟から飛び出して
わたしの手首をしっかりと掴んで性器をおしゃぶりするかのように指を唇に咥えた。遊んでいた
左手は潤子の左内太腿を膝のあたりからじんわりと撫ですうっと付け根へともっていって、そこを
何度も弄った。わたしの唇は潤子のうなじをごくかるくタッチするように擦りたてる。
 潤子の躰が跳ね上がって、湯舟に波が立ち始めていた。腰骨から横滑りに潤子の恥丘を撫で
陰毛を指で引っ張ったりして嬲っていた。喘ぎ声が微妙に変化し始める。わたしは五本の指を
立てて恥丘をマッサージするようにして愛撫していると、息を短く吸うような間隔になってきている。
 しゃぶられている右手を無理やりに剥して、右乳房をきつく揉みしだくと潤子は大きく吼えて
膝に乗っている潤子の脚はゆっくりと拡がっていった。
「ねえ、挿れてよ……!」 「真理が待っているじゃないか」 「いっ、いいわよ。それなら、こうする」
 潤子はわたしの方を向くと躰がわたしの上でくるっと回転してしな垂れかかる。
「どうする、挿れるのか?」 

「いいえ、挿れないから」と、わたしの胸についていた手が下へと滑っていって太腿にしがみ付き
顔も潜ってペニスを唇に咥え込まれた。潤子の髪が水中でふわっと揺れていた。わたしは
潤子の性戯に見蕩れていたかったが、30秒ぐらいで彼女を引き上げると、少し引き上げるのが
急だったらしく、潤子は鼻から水を飲み込んでむせていた。
やさしく・・・を孕んで 86

「だいじょうぶか?」
 潤子が潜ったままフェラをしたとき、このまま戻ってこないような気がしていた。いや、ちがう。
潤子は算段して動くようなところがある。わたしは心のどこかで幻視を見ていたのかもしれない。
快楽を求めるあまりに、潤子のペニスを咥えた頭を両手で押さえつけてもがく手が太腿に爪を
喰い込ませ、終いにはバスタブの縁に手を伸ばしてしっかりと掴んで顫えて湯舟に沈む。
「だいじょうぶなんかじゃないわよ。鼻から飲んだじゃないの」
「潤子なら噛み切るか」 「えっ、なんのこと?」
 白い貌に流れるショートの黒髪が濡れていて綺麗だ。鼻を鳴らして手の甲で押さえている
潤子をかわいらしく感じて、彼女の手首の下からわたしは手を潜らせ頬を挟んで口吻をする。
まだ潤子は鼻に水が入ったことを気にして、キスに集中できないみたいだ。きっとむずむずして
仕方がないのだろう。わたしは精神的優位に立って潤子を責め続ける。

 まさか、これも潤子の仕込みだったのかと思わないでもなかった。唇を離してみると潤子が
はにかんでいる。それでも可愛らしかった。しかし、またやられたのかと思うとなにかしてやりたいと
思うもので、わたしは潤子の脾腹を挟んで背中を向けさせる。
「ちょっと、なにするのよ?」
「潤子にもういちどフェラをしてもらう」
「いいけど、どうして背を向けるの」
 わたしは立ち上がってバスタブの縁に腰を掛けた脚を開き、潤子の裸身を引き付ける。

「さあ、おしゃぶりしてくれないか」

「わ、わかったわ……」
 潤子は仰け反らせ咽喉を伸ばして、唇を開いていく。そこから覗く透き通った白い歯がエロティック
だった。湯舟にゆらぎ黒いバスタブに展開されている潤子の蒼白の肢体のコントラストもペニスに
熱い血を送り込んでいた。潤子の唇にわたしはペニスを掴んで亀頭で小突いた。
「あっ……」 「欲しかったんだろ、オナっていたからな」 「そ、そうよ。あんなことしちゃったし……
ちゃんとしたかったわ。ああ……はやく咥えさせてよ、おねがい」
 潤子の媚びた声音がバスルームに響いていて、わたしのペニスは硬くなって手のなかで顫える。
やさしく・・・を孕んで 87

  わたしは肉茎を握り締めて、仰け反って喘いでいる潤子の赫い唇に亀頭の雫を塗り
たくっていた。舌を差し出して淫らに赤銅色を呈して艶やかに張っている亀頭を舐めようとする。
潤子の美貌が血が昇って心なし赧く染まってきたような気がする。
「ボウッとしてないか?」 
「え、ええ。だいじょうぶだから……」 
「このまま、続けさせてくれ。頼む」

「命令して、京介!」 

 潤子の切羽詰った声音の哀訴が欲情の血をペニスにドクッン!と流れた。

「わかった。潤子、このまま逆しまの貌で俺のチンポをしゃぶれ!」
「は、はい。いたします……」
 肉茎から手を離して、わたしの腕を掴んでいた潤子に細い手首を掴んでぐいっと手繰り寄せ
ペニスを握らせると、彼女はようやく赦しを得たことに、表情も恍惚として悦んで火照った頬に
ペニスを擦り付ける。
「あ、熱いわ。それにとても硬くなってるう……う、嬉しい……く、首を絞めて……京介」
 潤子の突っ張って伸ばしている白い咽喉に手を添えてやさしく愛撫する。頤(おとがい)と頬を
やさしく愛撫していた。潤子は下腹を突こうとしているペニスをレバーを引くようにして下げると、
ルージュの崩れた唇に寄せ肉茎に唇を這わせ吸い上げる。潤子の小鼻は膨らんで熱い吐息が
ペニスにそよいでいた。
 わたしは後悔していた。脱衣室で洗面化粧台のカウンターに両手を付かせて、薄化粧の
ルージュを鏡に擦り付けてやればよかったと。何度も臀部からペニスを衝きあげて犯して、
瞳を開かせて潤子の美貌を客観的に眺めさせたらと。濡れたままの方がもっと欲情
出来るだろうか。
「潤子はイレーネに嫉妬していたのか」 
わたしは潤子に質問していた。

「そ、そうよ……嗤ってくれていいわ」
ロリになってなくて、ごめん。
これはこれでエロくて良し!
258保管サイト担当 ◆G6orYY7knM :03/05/12 20:46
ここまで保管。ふぅ。
http://members.tripod.co.jp/novels2ch/index.html
259あぼーん:あぼーん
あぼーん
260あぼーん:あぼーん
あぼーん
261Traffic Jam:03/05/13 12:55
保管さんおつかれさまー
加奈と彌生は路理の部類にはいるのかな?と聞いてみる
やさしく・・・を孕んで 88

  唇を離して潤子の舌が裏筋から鈴口へと這って行って、くちびるを被せた。張り詰めていた
赤銅色の尖りが口腔の心地よい温かさに包まれる。主体は潤子の方にあるが、貌を
仰け反らせてペニスを含んでいるだけあって舌の動きは緩慢でぎこちなかった。そんな潤子に
わたしのペニスは痛いほどに興奮していた。びくんびくんと暴れるペニスを御すように、ふぐりを
揉みしだいていた潤子の右手が肉茎をぎゅっと握り締める。潤子の指の締め付けが、ペニスに
新たな血を送り込んで、ぐぐっと膨らむ。

 沙由香の母親だという概念はわたしには希薄だった。ほんとうに、そうなのか……。倒錯的な
情欲を否定はしないし、沙由香の未来の姿を犯していると思うと錯乱してゆくのが判る。潤子の
唇からあふれ出る唾液と鼻孔から洩れるくぐもった呻きが、とても淫らにバスルームに響いていた。
このまま立ち上がって潤子の脇下から彼女の肩を抱えて、口腔性交をしたいという烈しい衝動に
わたしは駆られた。
 潤子はルノワールの描いた可愛いイレーネのポートレートに嫉妬したといった。確かにあの夏の
少年はイレーネが初恋の少女であったことに間違いは無い。しかしそれは少年なら誰もが持つ
夢想であり、しかも架空、正確には何世紀も前に死んだ影なのだ。
「死んだ女に潤子が嫉妬していたというのか……」
 潤子は瞼を薄く開いて色にけぶった瞳を見せて頷いた。わたしの白いカンバスに描かれたのは
あの夏の潤子と館で男たちに嬲られていた母のおんなの姿だ。
「潤子は俺のかあさんのことは覚えていないのか?」
 潤子にはわたしの声は届いていなかった。やっと慣れてきたというのに潤子の舌戯を無視して
脇から入れた手で肩を引き上げると、潤子の口腔に腰を突き入れて抽送を始める。

「んっ、んんっ、んぐっ……ぐふっ!」

 衝きあげに眉間には苦悶の刻印が浮かび上がって、眦からは涙があふれるだろう。わたしの
律動もぎこちなく潤子を責めあげるには中途半端かもしれないが、頭に登った血が想像以上の
効果を生んでいるはずだ。彼女は苦悶のなかでも唇と頬を窄め、突き入れたペニスの亀頭を
舐め回して舌が咽喉奥にまですがっていって、引き上げる肉茎の裏筋を舌がねっとりと貼りつき
奉仕していた。
258さん

まとめていただいて、とても感謝しています。
まったく、そういうことを考えていなかったので素直に嬉しかったです。
というか、最初はちょっと不思議な感じがしてました。
ありがとうございます。
やさしく・・・を孕んで 89

  潤子はわたしに個展へと誘い、絵のモデルとしてわたしを雇った。少女の季節の潤子の
面影を背負った沙由香と交わる淫絵を描く為と称して、可愛いイレーネのカードを提示し
切ってきた。
「チンポを吐き出せ、潤子」 「うっ、うう……!」
 潤子の乳房と下腹が深い呼吸で烈しく喘いでいる。鷲掴みにしてやることも、灼熱と
化しているだろう秘所を弄ることもできないまま、潤子の肩を抱いてペニスを咥えた
赧くしている貌を見下ろす。

「吐き出せ、聞えないのか!命令だ、潤子!」
 潤子は仰け反らされている顔を横に振る。ペニスを咥え込んでいる唇がくぐもった
呻きを発して頬と唇を窄め、唾液を呑み込むようにして、咽喉奥も締め付け歯さえ
立てかねないような勢いになっている。このままペニスを潤子に噛み切られても
いいような気さえしていた。
「抱きたいんだ、潤子!」
 それが潤子の誤算だったのかもしれない。少女の蠱惑に魅せられ恋したのなら、誰しもが
少女の輝かしい季節の姿態に固執する。だが、わたしが恋したのはイレーネに被さった
少女期の潤子であり、それは少年期の作り上げられた穢れ無き美神だった。
 あの夏のわたしに性を仕掛けてきた潤子。館で見た母の女としての男たちに嬲られて
悦びを極める生々しい姿と、少女の躰の潤子が穢されてゆく姿態が複雑に絡んで溶け合って
歪みを生み影を落としていた。少年期の偶像と性の対象とが合致してしまっていた。
 潤子の息は相変わらず荒かったが、美貌からは苦悶が消えて柔らかい表情が浮んでいた。
脇から手を二の腕へと移して、潤子の躰を少しだけ落として口からペニスを吐き出させる。
「はあ、はあ、はあ……」 「苦しくないか?」 

「は、はやく……チンポをちょうだい……」
 唇はだらしなく開かれ唾液を垂らして口元を妖しくきらめかせている。わたしはしゃがむと、
両手を潤子の柔らかい腹へと廻して抱え込む。 「待ってろ、すぐにチンポをすぐに挿れてやるからな」
潤子の美貌からはいつもの凄みが消えていて、沙由香のような柔らかい貌になっている。
「立っていられるか?」 「え、ええ……たぶん……だいじょうぶだから」
やさしく・・・をはらんで 90

「よし潤子、前に両手をつけ」 「はい」
潤子の躰を抱えて湯舟から引き上げ、脚がぐらついていたまま立たせると、バスタブの壁際の
出窓のベンチに向けさせ、両手を付けさせる。黒のバスタブに潤子の濡れた透き通る白い裸身が
眩しい。わたしの顎が潤子の肩に乗って背中に覆いかぶさっている。彼女の方を見ると、唇を
開いて荒い息を吐いていた。

わたしの手は潤子の垂れ下がった乳房とオシッコを洩らすようにして湯を滴らせる黒々とした
秘園を弄って、腰を振って臀部にペニスを突いては擦り付けていた。その汗だくの淫らで綺麗な
横顔にわたしはしばらく見惚れていた。
「はっ、はああ……はやくううっ……!」 
潤子は呻いて頭をがくっと落す。 「じゅ、潤子、こっちを見ろ!潤子!」 「な、なに……?」
「自分で掴んで挿れるんだ!」 「わ、わかったわ……」
 秘所を弄る手に潤子の手が潜り込んで、潤子の尻を玩具にして暴れるペニスを探ろうとする。
「おい、こっちを見てろ!」 「は、はい」
 自分のあわいを見ていた潤子はふたたび横を向くと、わたしに唇を掠め取られる。焦らされ
続けて、潤子は瞳を開いて困惑の眼差しを向けた。わたしは一旦、腰を引いて潤子に
掴まり易いように腰を突きあげる。裏側から潤子の指が肉茎に絡んで、とろとろになっている秘孔へと
あてがうと一気に押し拡げて膣内へと挿入された。
 わたしの胸に挿入時の背中の顫えが伝わってくる。潤子の揺れる左の乳房を揉んでいた左手は
出窓のベンチについている左手を覆って、秘所を弄っていた右手は下腹から乳房を這い、そこで
向きを変えて指から首筋、頬へと上がっていった。

 潤子の背に乗っていることから、抽送のリズムはスローで小刻みのものだったが、潤子の膣内を
掻き廻すように続けられていた。バスルームに響いている潤子とわたしの荒い吐息と肉の交合が
奏でる音が生を実感させている。男はペニスで女が悦ぶところを突き、女はアヌスを窄めては
ヴァギナを締めて男を昂ぶらせ湯舟を波立たせていた。
やさしく・・・を孕んで 91

潤子とわたしは原始の種保存の為だけのセックスから、性愛を愉しむ与え合い奪い合うだけの
セックスに溺れる。絵画芸術の可愛いイレーネの虜になり、裸のマハにも烈しくわたしは勃起
した。そして真っ黒な長い髪を切った夏の潤子。華奢で儚げで吸い込まれてしまいそうな黒い瞳。
柔らか肌……。
 わたしは喘ぎながら腰を振り続ける。潤子の頬を愛撫していた右手の小指が喘ぐ唇に入って
いって、コリッと歯をあてられてから舌で包まれおしゃぶりをする。

 潤子に咥えさせたかったのか、偶然だったのか、潤子は拒まずにペニスをしゃぶるようにちゅぱちゅぱと
唾液を立てて舌を絡めてくる。まだ、そんな余裕があるのか。ペニスは肉襞の締め付けに絶頂はそこにまで
迫っていた。これまでにない濃密な刻が流れていると思うのは、わたしの幻想なのだろう。
親指を潤子の頬骨に引っ掛けて、愉悦の美貌をあげさせた。小指は潤子の口を裂くように彼女の顔の
左へと流れる。唇から唾液が絡むピチャッという微かな音とともに潤子の赫い唇が華のように開いて、
頤(おとがい)を雫がこぼれた。だが、わたしと潤子は、いま語り合っている。

「はあっ……。ああ、はあっ!」
 開いた赫い華に薬指と中指をまとめて捻じ込んで、快美に蠢き指に絡みつこうとしている潤子の
舌と戯れる。

  だから樺凛も犯せた。愛しすぎた男は対象には勃起せずペニスを突き刺せないというが、
わたしにはそれが出来る。だからゆきずりの樺凛も犯せた。勝手な言い草だが、夏の館での
体験がそうさせる。少女の頃の潤子との初体験がそうさせた。だからわたしは沙由香にも真理にも、
潤子にも欲情して射精できることを彼女は理解しているのだろうか。

確証はないが関係の破綻に端を発し、わたしが少女の季節だけに恋していると勘違いして、
歳を重ねたことに残像しかないと思い込んだ潤子が、自分にあせりを感じて誘惑に絡んでいるのでは
ないだろうかと思わないではいられない。
やさしく・・・を孕んで 92

セックスは会話だ。言葉の行きかわない肉の語り。男と女が連綿と長きに渡って続けたもの。
なにを感じ感じたかでふたりの距離は変化する。快楽の玩具、男と女の絆……そう解釈
できるのも個々のパーソナルでありセックスが精神性に依存すると言われた所以なのでは
ないか。わたしと潤子は蕩け合う瞬間に向けて、かりそめのセックスによる会話を愉しんでいる。

 潤子は舌の抵抗をやめて、口腔に捻じ込まれた三人に押さえ込まれて、引き摺り出される。
腰を潤子に打ちつけながら、汗が目に流れても瞳を気にすることなく見開いて指と舌の戯れに
熱中していた。しかし、引き摺りだして掴まえることが出来ていたのは時間にしてほんの数秒の
ことだった。唾液でぬめっていてままならない潤子の小さな愛しい生き物。

わたしは人差し指と親指も潤子の口腔に入れて嬲っていた。潤子は口を大きく開いて呻く。
潤子から躰をぎりぎりまで引いてわたしは深く挿入する。強く掴まれて引き摺り出された舌は、
指が押さえつける圧力とヴァギナへの快美で伸びきって顫える。覆いかぶさったわたしの
躰にも潤子の心地よい顫えが伝播した。
彼女はペニスの律動と捻じ込まれた右手の所為で顔を左右に振り始める。唾液と涙が潤子の
貌と口に捻じ込まれた手を濡らし、わたしの顔には潤子の汗がしぶいてくる。わたしは右手を
とってやって、謝っていた。

「はあ、はあ、はっ、は……ど、どうして謝るの……ああ……あ、あ、ああっ……あっ、あっ」
 潤子の口腔から湧き水のようにあふれる唾液に濡れた手は、口腔から抜かれて彼女の
白い咽喉を蛇がのたうつように強く撫でつけて、ペニスの攻撃にさらされて揺れる乳房を掴み
揉みしだく。わたしは少女の潤子が嬲られている光景を思い出していた。
薄暗く裸電球の灯かりだけがともった部屋の焼けた畳の上で、男の投げ出された浅黒い
両太腿の付け根に美少女が無垢な顔を埋めペニスを咥え込まされ、美醜を晒して尻から
貫かれている姿態だ。黒の力で有無を言わさずに白が支配されていく。
 そして、その近くの汚らしいマットレスの上では、アヌスを突かれる母・佳子の女の淫らがのたうつ。
夏の館とバスルームの閨声が溶け合って、自分がふたり掛かりで潤子を犯す錯乱に囚われた。
やさしく・・・を孕んで 93

  わたしは、潤子の口から取り出した手で、黒く塗られたベンチを掻き毟るようにしている右手に
被せ指を絡めると、潤子は付いていた両手を折って肘をついてベンチに付いた腕に貌を
埋めて歔く。腰を御して腰骨のあたりに手を宛がい、烈しくペニスで衝きあげてやった方が潤子
は悦ぶのだろうか。

 しかし、わたしは潤子の丸くなった背中に胸を密着させ、小刻みに突きあげて潤子の手の甲に
手を置いている体位に満足していた。男性のやさしさの愛戯というものではなかった。過去の
記憶と重なることへの抗いといったものだろうか。潤子は刺戟を要求せずにわたしに
揺さぶられていた。尻をかるく揺さぶり、時折尻の肉が緊張し弛緩する運動を繰り返して更に
肉襞がペニスを握ってくる。そしてわたしの終わりはやって来て絶頂を迎える。
「あっ、あ、あ、あぁあああ――ッ!」
 潤子の手の上に被さった手が指のあわいからしっかりと握り締め、潤子の手にも力が入って行く。
ふたりの手には痛みに近い圧力が加わって、躰が弾け跳ぶ。潤子の背、腰、太腿は烈しく顫えて
ガクッとベンチに崩れ乳房を潰していた。それでも、わたしは潤子に体重を掛けて、官能の余韻を
満喫しようと腰を暫らく振り続けていた。

 わたしは、潤子の貌に掛かる汗に濡れる髪を取って梳いてやっていた。潤子がわたしの方に貌を
向けて微かに口元が笑う。
「はあ、はあ、はあ……も、もっと……烈しく……するかと思ってた……」
 潤子の貌と耳が桜の彩りを見せていた。
「はあ、は、烈しいのがよかったのか……?」
 わたしは交合を解いて、ベンチに背をあずけた。
「んっ、ううん……こ、こういうのでも……いいわよ……。でも、あとで埋め合わせはして……ね」
「はあ、はっ……う、埋め合わせ……?」
「真理を送ってきたら、また抱いてくれないの?」 「かまわないが、沙由香たちに嫉妬しているのか」
「あら、はっきりと聞くのね。こんなことやってて、女をやめてると思って?」
 そう言うと潤子は瞳を細めて笑って、おもむろに立ち上がる。
やさしく・・・を孕んで 94

「おい、危ないだろ」
 そういって、わたしも立ち上がってよろめく潤子を支えて、ふたりして揺れる。
「あら、やさしいのね」
「ただ、優柔不断なだけだ……」
 わたしの言葉に潤子は嬉しそうに目を細める。
「な、なんだよ」
「重々承知してますわよ」
 わたしの肩をぽんぽんと叩いてバスタブを出て行って、上気した貌を向けて笑う。
「でも、いまのは女の子へのやさしさだったでしょう。ねえ、どうしたの?ぼうっとして」
「いや、なんでもない」 「なに、じっと見たりして。なんか羞ずかしいわ」
 潤子はバスルームを出て行った。わたしは挑発ばかり仕掛けていた潤子の変化にとまどっていた。
肉体をモデルという名目で売って、少女を犯していて、どうしてこういう関係が成立するのだろうと。
あれこれ考えるのはやめて、バスタブを跨いで潤子の後を追った。

 ドアを開けると、洗面化粧台のところでタオルを巻いていない潤子が裸身を折って、蛇口
の水を両手の手酌で受けて飲んでいた。きゅっと引き締まったヒップが可愛らしく突き出されていて、
尻から伸びる合わさった脚のしなやかさに勃起する。わたしは潤子の背骨に指を置いて、すうっと
撫ぜる。
「もう、なにするのよ」
 潤子は手酌を崩さないまま、貌を捻ってわたしへと向けた。ショートヘアが汗でまだ濡れていて、
桜色に上気している潤子の貌と開かれている赫い唇がとてもエロティックだった。わたしは潤子が
また欲しくなっていた。

「もういちど、潤子としたい」
「あ、あけすけにいうのね。もっと綺麗に誘ってよ」
 背骨を撫でていた手は潤子の腰を抱えるように添えられる。したから、腰骨に親指を掛けて四本の
指がサイドにそっと触れるように支える。拒めばすぐにでも逃げられる。
「このままでさせてくれ、頼む」
「真理が待っているのよ……あん」
やさしく・・・を孕んで 95

「さっきはしてくれって言ってたじゃないか。もう、こうなってるんだ」
 膨らんでいるペニスを潤子の引き締まった双臀に押し付ける。
「ああん、ま、真理ちゃんが待っているのよ……」
 潤子は水を飲んでいた手酌をほといて、洗面台の縁に両手を掛けて上体を起こそうと躰を動かす。
わたしは右手を潤子の下腹に廻して濡れた恥毛に指を絡めて弄んでから、内太腿に差し入れて
後ろからは右膝を押し入れて割り開き膝上で秘所を擦った。

「いいだろ」
「さっき、射精したばかりでしょう」
 潤子は貌を捻ってわたしを見た。
「さっき、掻き出したばかりだものな」
「ほら、前を見ろよ」
「い、いやよ……」
 わたしは潤子の腰に添えていた左手を潤子の左耳下のうなじに触れ、鏡を見さそうと振り向ける。
潤子の家の洗面化粧台の鏡は下腹まで映すほどの大きなものだった。
「絡まっているところが見えるかもしれないからか?」
 潤子は何も言わないで、軽く頭を振った。濡れた髪から水しぶきが散って掛かる。

「わたしを孕ませたいの?」 すこし、ドキッとされたが潤子のエロスに呑まれて。
「そ、そうかもしれないな。男だからな」
「んあぁああッ!な、なら後で食べちゃうから……」
 両手を付いて潤子は鏡を見ないで顎を引いている。わたしは潤子の頤を掴んで鏡を見せようとした。
「みてごらんよ、潤子、綺麗だ」
「ば、ばか……」 「ばかはないだろう。褒めているのに」
 潤子はわたしの左手に頤を乗せたまま、瞼を薄く開いた。ゲームとしての延長の反応なのだろうか。
それでも、わたしには潤子の反応は嬉しかった。ペニスは潤子の膣内でビクンと悦んで顫える。
「だ、だって……」 「だってもないだろ。娘との交合の図は描いているのに」
やさしく・・・を孕んで 96

その言葉が潤子の躰に火をつけたのだろうか。わたしの再度突き入ったペニスを締め付けた。
「ほら、見てごらん」 
「み、見るから……見ますから……」
 潤子の眦から雫がこぼれる。むかしにも、鏡を見ながらしたことはあったが、こんな反応は
見たことがない。それとも、夏の記憶が戻ってきているのだろうか。
「辛いのか?」 「そ、そうじゃないから……あいして、ゆっくり愛して」
 バスタブで潤子が言った言葉とは、うらはらの哀訴がこぼれ落ちた。
「じゃあ、ちゃんと見ろよ」 「わ、わかったから……ああっ!」
 潤子の伸びた咽喉を撫で乳房から脇腹を辿って腰へと戻る。右手も潤子の右下腹に手を添え、
腰を抱えるようにしてストロークを始めた。わたしは薄く瞳を開いて、もうひとりの自分を見ている
潤子に口吻せよとばかりに、腰を深く強く突き入れる。

「はあぁああっ、あっ、ああっ……!」
 ペニスで強く衝きあげられたのと、鏡の自分にくちびるを擦れてルージュが剥がれる。
「ちゃんと、見て」 「み、見てるううッ!はあぁあああっ!」
 潤子は頭を振って嬌声を上げ、ペニスをぎゅっと締め付ける。潤子のわたしに押し付けてくるように
廻す尻を突き飛ばすように、衝きあげる。くちびるが大きく開かれ、ルージュの軌跡が鏡に折り重なった。
潤子は鏡のなかの自分の美醜に昂揚しているみたいだった。潤子は爪先立って上体を前にして、
積極的にこのゲームに参加し、尻肉がきゅっと締まってヴァギナがペニスを締め付ける。

「いつか、潤子と沙由香と真理の絡みを描いて見たい」
 ふと、思いついたことをわたしは口にしていた。
「か、描いて……!描いて!掻いて!掻いて!掻き回して!わたしを掻き回してえええッ!」
 その嬌態に潤子の女を感じて、わたしは組み敷けとばかりに原始の男になる。潤子の素肌に
朱が射して汗が薄っすらと浮き出した。わたしは躰を反って突き入れていた体位を止めて、潤子の躰に
覆い被さって顫える背中に舌を這わす。
「潤子のしょっぱい味が……する」 
「ひっ、いっ、いいいっ!」
 潤子の背中の顫えを舌に胸に感じながら、律動を速めてゆく。
272山崎 渉:03/05/22 04:57
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
273名無しさん@ピンキー:03/05/22 10:50
期待age
やさしく・・・を孕んで 97

潤子の肩を掴み躰を捻らせ右脚を折りたたんで、わたしの方を向かせる。その間にもわたしと潤子
は唇を重ねて舌を強く吸い合って、耳下の首筋を指で撫で廻していた。潤子は正面を向いてすぐに
わたしの脚に自分の脚を絡めてきた。潤子の腕は首筋と肩に絡んでわたしを強く抱き締めていた。
前髪が垂れて潤子の目元に掛かってくるが、煩わしさはなかった。むしろ乱れた黒髪はわたしの情欲を
駆り立てていた。潤子は唇をほといて喘ぐ。

「ああっ、あううっ!」
 わたしの突き上げで潤子のヒップが洗面化粧台のカウンターに摺り上がりそうになるが、柔らかな
両太腿を抱えて下腹へと引き付け腰を打ちつける。
「ほら、後ろ姿も見てみろよ。潤子の背中の筋肉が綺麗だ」
「は、はい……」
 潤子はわたしの首筋に腕を絡めて、鏡の方へ貌を捻って、セックスに耽溺した惚けた瞳を開いて
頭をぐらぐらと揺らしていた。
「もっとよく見てごらん」
「ああっ、だっ、ダメええっ……!」
 首に纏わり付いていた手が滑って、右腕で潤子の背を支える。潤子はその態勢のまま手をついて
律動を受け入れる。わたしは潤子が喘いで肋骨を浮かべる脾腹を両手で包み、潤子はカウンターに
ヒップを掛けてわたしの腰に脚を廻し揺さぶられる。性的開放感を味わうのなら、このまま床に崩れて
突きまくって狂った方がいいのだろう。潤子もその方がより強いエクスタシーを感じることが出来る
のかもしれない。しかしわたしは潤子の脾腹を両手で挟んで抱きしめて抽送する。したかった。

「はっ、はっ、あ、あっ、あああ……!」
 淫らな音と蛇口からの水流、そしてわたしたちの蕩け合う声音がラバトリーに響いている。情欲を
満たそうとする気持ちと潤子の命を抱き締めている気持ちがわたしのなかで溶け合う。潤子の小ぶりな
乳房にむしゃぶりついていった。潤子はひときわ高く声をあげて咽喉を突っ張って、もっと愛撫を求めて
右腕でわたしの頭を掻き抱き躰を小刻みに痙攣させてペニスは熱く締め付けられて、わたしは潤子の
膣内に精液をぶちまける。
やさしく・・・を孕んで 98

   わたしは両手で潤子の喘ぐ脾腹と背中を支え、彼女の肉体を絞るように抱き締めていた。潤子の
パーソナルとは一件関係なさそうな女体の蠢きに浮ぶ骨。そのこだわりは、わたしと潤子の夏に
起因しているのだろう。躰も心もアンバランスななかで慰めあったふたりだった。
その美少女の季節の肢体のしなる歪曲のふしぎが深層へと刻まれている。その狂気を潤子は
捲るように剥がしている。時間が止まったようにその体位のままで固まって洗面化粧台のところで
わたしたちは抱き合っていた。潤子の脚が尻上から降り、腕が後方へと流れる。潤子は爛れた
赫い華と肉茎の繋がりに、顎を引いて呼吸を整えながら見入っている。

「いやらしい貌をしている」
「あたりまえでしょ。セックスしていたんだから……」
「その貌で沙由香と真理の前へ出て行くんだ」 「そうよ。ほかにあって?」
 潤子が微笑みながら口吻をしてきた。
「もっと、いやらしくなってもいいわ。京介のオチンチンを舐めてあげるから」
「だったら、俺が先に潤子のを舐めて呑んであげるよ」
「ダメよ。だめだったら。ああ……」
 潤子の膣内からペニスを抜いて、化粧台に腰掛けている両脚のあわいへと傅いて貌を埋める。
原始の本能に目覚め、孕めよとばかりに突いて、爛れた赫い華に舌を這わす。

「ああっ、いっ、いやあ」
 股間のあわいから貌を上げて潤子を見詰める。潤子は背を丸めて頬にふれる。
「いやだっていったでしよ」
「やめてほしいのか?」
 潤子はわたしの目を見て首を振る。潤子の両腿に手を添えると貌を埋める。
「手が熱いわ……とても、熱いの……あつくてたまらないわ」
 潤子の切ない声が天上から降り注いでいる。太腿に乗っている手に潤子の手が重なってきた。
「ああ、きれいにして……。ひっ!」
 唇を被せ秘孔からあふれるものを啜った。潤子の顫えが手と唇に伝った。
やさしく・・・を孕んで 99

「あいして、あいして……ゆっくりオチンチンを出し入れする……みたいに……して」
 潤子の唇から小さな悲鳴が洩れ、あいしてという言葉を連呼していた。潤子の愛しては本心からの
渇望なのか迷うところがある。情欲の為の添え物のようなアクセサリーと思っている節があった。
情欲に狂うのなら、それも赦されることなのかもしれない。
たとえ、性に淫らになって別の男を言い名づけたとしても潤子なら『京介がわたしを狂わせたのよ。
それくらい、すごかったの』とあしらう。それが、過去の裏づけなのかフェイクなのかの追求は
馬鹿げていた。それも潤子の意図したことと思うと刺戟され、過去の男を捻じ伏せようと潤子の
躰を責めるように衝きあげたこともある。

AVのような烈しい愛し方は好みではなかった。ゆっくりとたゆたうのがどちらかというと好みだった。
潤子にしても性愛をそういう風に捉えていたところがあったが、それ以上にゲームとして感じているみたいだ。
騙してわたしの反応を愉しみながら、ささやかな嘘で弄びながら嗤う。
 今、ラバトリーで魅せられている潤子の何時になくしおらしい媚態に狂わされる。そんなことを
言うはずのない女が崩れて、わたしの髪に絵を描くしなやかな指が掻き毟るようにして絡みつく。
しかしこのままでは埒が無い。わたしは潤子のセックスから貌をあげて躰を抱えて、もういちど
バスルームへ向った。

「まだ、しゃべり足りないわ」
 潤子の手がわたしの胸に当てられている。
「真理を送るんじゃなかったのか」 
「無粋なのね」 
「じゃあ、つづきをした後で、俺が送ろうか?」
「それは、もっと無理な話しね。今日は泊まっていってよ」
 潤子の手がわたしの咽喉に当てられてマッサージするように撫で、アダムの林檎を人差し指と
親指の間で摘むようにしてゆっくりと離した。首にじんわりとした温かな感触が残っていた。
「まだ、すこしだけど……あかい。降ろしてくれる」
 潤子はつま先をタイルへとつけ、わたしは潤子へとシャワーの水流を掻ける。
やさしく・・・を孕んで 100

「両手を差し出して受けてくれないか」 
「なに?どうしちゃったの?」
 潤子は嫌がることなく従ってくれ両手をわたしの前に差し出す。両手には水が見る見るうちに
溜まっていって溢れ、どうしたのと唇から前歯を見せてわたしを見ている。

「さっきの潤子のエロスだからさ」 

「わたしのエロス?」
「かわいいお尻を突き出して水を飲んでいるところを見たいたら欲しくなった、そう言ったろ」
「覚えてるわよ。でも手酌じゃないでしょ?」
「いや、みんなだよ。お尻を突き出して振り返ったときの潤子の貌と赫い唇と手」

「そして水なのね」
「ああ……。そうだよ」
「それなら、まずいじゃないの。ほら、貸してってら」
「すこし待って。そのまま両手を俺に差し出してくれないか」
 わたしはシャワーヘッドを肩に掛け、潤子の両手の水に唇を寄せて飲み干した。ごくんごくんと咽喉を
鳴らして飲んでいた。そして潤子の手のひらにキッスをする。
「おいしかった?」
「おいしかったよ」
「よかったわ。じゃあ、もういいでしょ」
 肩にしていたシャワーヘッドを奪い、カタチのよい尻をわたしへと潤子は向ける。背中の肉付きも
沙由香とは違って美しい。当然のことなのだが、完成され尽くした女のカタチと少女のアンバランスさ
が重なって勃起した。潤子の腰に手を添え撫で廻しながら、しゃがんで尻のスリットへ舌でそっと
なぞって尾?骨に唇を付けた。軽く尻を潤子は揺さぶって、振り返って水流を掻けてきた。

「もうよしてってば……」

 腰を撫で回していた手を尻肉に当て、掴んで叩いてみた。潤子の尻肉はぷるんと顫える。
祝100スレ!なんか潤子さんのシーンがヒートアップしてきましたなあ。
ロリから遠ざかってはいるが(wすんげえイイです!がんばってください!
どうも。
そろそろ戻していきますので。
280名無しさん@ピンキー:03/05/25 17:03
うんこー!!
やさしく・・・を孕んで 101

「あん。だめだったら……」
 双臀を割り開いて、アヌスに舌先を尖らせて突いてみた。アヌスはきゅっと窄まって潤子のちいさな
嬌声が洩れる。
「あん、だめっていったでしょう」
「嫌も好きのうちって」
 わたしは貌を離して、潤子の双臀を今度は手で寄せてスリットに鼻を擦りつけるようにした。
そして息をスリットの奥に吹く。

「ば、ばか……。やめてったら」
 そして、柔肉に歯を立てて甘咬をしてみる。
「くううっ!」
「それじゃあ、お先に」
「ちょ、ちょっと!ずるいわよ!」
「真理の安全の為さ。理解してくれ」
 わたしは振り返らないで右手を掲げて、親指と人差し指、中指を立てて軽く振った。
「ば、ばかあ!ほんとに帰ったらお仕置きだから!」
 シャワーヘッドを投げつけるか躰ごとぶつかって来て飛びかかって、抱きつかれるかもしれないと
思った。
「まるで沙由香だな。楽しみにしているよ」

 わたしはラバトリーを出てデッサン帖を少し開いて見てみる。その画紙には潤子の描いた繊細な線の
沙由香と真理の時間が見事なまでに切り取られて定着させている。着衣をひとずつ落としていく絵からは
少女の息遣いが聞えて来そうだ。
 そして未成熟な裸身をしどけなくベッドで晒している肢体にもういちど勃起する。わたしは二度ふたりを
犯したことになるのだろうか。そして組み敷かれ押し拡げられて、しなやかで細身の肉体をくねらせて悶える
少女たちの歪曲のファンタジーに暫らく見入ってから閉じて机に戻しアトリエをあとにした。
やさしく・・・を孕んで 102

  リビングに行くと、沙由香と真理はなにやらはしゃいでテーブルで話をしながら絵を描いている。
「愉しそうだな。わたしも仲間に入れてくれないかな」
沙由香はわたしの貌を見るなりテーブルの画紙を見えないように躰をテーブルに前のめりにして
肘をついて画紙を隠し、真理は気まずそうに目線を逸らしていた。
「ダメ。おじさま見ないで」
  淡いピンクのワンピースを着た沙由香が背中に垂らした長い黒髪を揺らして貌を振っている。
「ごめんなさい」
 ブレザーの制服を纏ったショートボブの真理が言葉を継いで、わたしの方を見て謝る。
夢中になっていたところに、突然わたしがあらわれて、はにかんでしまったことがたまらなく
羞ずかしかったのだろう。わたしにはその少女たちの羞じらいがとてもかわいらしく思えていた。
 潤子のアトリエでふたりしてわたしと相手をして男と女の交わりの絵のモデルとして
尽くしたのだから、疲れてふたりして長椅子ででも仲良く眠っているものとばかり思っていた。

「そうか。でも気になるな」
「あとで教えますから……」
 上目遣いに申し訳なさそうに言う真理。
「もう少ししたら、見せるから」
 沙由香が真理の顔を見てわたしを見た。
「ボディペイントの模様の下書きか?」
「う、うん……」
 ふたりの少女は白い顔を桜色に染める。

「おなか、空いてないか?なんか作ってやろうか。その様子じゃあ、なにも食べていないのだろ」
「えっ?あっ、うん……」 
「わ、わたしは……」
「ジャーマンポテトでも作るから、少し辛いかもしれないけどいいか?」
 なにか軽めに食えというまどろっこしい言い方はせずに、もう作るからなと言ってキッチンへと歩いていった。
283山崎 渉:03/05/28 13:18
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
やさしく・・・を孕んで 103

「辛いのやだあ!」
 沙由香がわたしを追って貌を捻って、ぽてっとした少女の唇が尖っていた。
「真理は辛いの嫌いか?」
 沙由香に遠慮しているのだろうか。ふたりの容姿からはアクティブさは希薄だったが、沙由香の方が
自分の家ということも手伝ってかいつになく明るく振舞っているような気もしていた。そのふたりの
コントラストが愉しかった。

「わたしは食べれます」
「だったら、わたしも食べる。ねえ、行こう」
「うん」
 沙由香が椅子を降りて真理を誘って、キッチンのカウンターの方にやって来た。
「手伝ってくれるのか?」
「はい」とふたりして仲良く返事をする。アトリエのなかの少女とは別人だった。
「じゃあ、ジャガイモの皮を剥いてくれないか」

 わたしが太めのスモークソーセージを適当な大きさに切っていると沙由香が横から口を出してきた。
「斜め切りにしたら」
「沙由香ちゃん……」
「いいだろ、べつに」
「ママ、いつもそうしてるよ」
 子供でも、母親の貌を見せるときがある。それとも美意識が許さないのか。

「なにしてるの?」
 テーブルの上の画紙に目を落としてから、キッチンの方へと歩いてきて、玉ねぎのスライスと
ソーセージをバターで炒めているのを潤子が覗いてくる。
「ジャーマンポテト作ってるの」 沙由香が返事をした。
「ふ〜ん。ビールは出さないわよ」
「なに言ってるんだ」
やさしく・・・を孕んで 104

  ワイワイと騒ぎながら啄ばんでいた。不思議な時間はあっという間に過ぎていった。そもそも体力を
消耗しているだろうと思って考えた軽めの食事だから無理もない。

「それじゃあ、沙由香を頼んだわよ」
 わたしが真理を送ると言ったのだが、首を絞めているので危ないと言われては反論することがない。
「潤子、足元だいじょうぶか?」
「ば、ばか」
 助手席で真理が頭をぺこりと下げてから、助手席の方に廻っている沙由香となにやら話しをしていた。
「沙由香、発進するから離れて」
「はい、ママ。それじゃあ、またね」
 もう一度、真理はわたしを見て頭を下げてから、沙由香に手を振っていた。車が発進すると沙由香は
わたしの方にやって来て、車が見えなくなるまでじっとふたりして見送っていた。

「なかへ入ろう。どうした?」
 沙由香はなにも言わずにわたしの躰に抱き付いていた。腰まで伸びた沙由香の黒髪が夜の闇に蕩ける。
その妖しい沙由香の蠱惑にあてられたわけではなかったが、わたしのなかに今ここで沙由香に
してあげなければならない欲求がむくむくと起き上がってくる。

「沙由香」 「……」
「沙由香、離れてごらん」 「……」
「ほら」 「イヤ、離れたくない」 
「いいから、言うとおりにしてごらん」 
「はい、おじさま……」
 沙由香の淋しそうな声とともに少女の躰が離れた。わたしは沙由香の前にしゃがみこんで、その少女
の華奢な躰を抱き締める。ぎゅっと沙由香の躰を抱き締めていた。それは性欲とは無関係のものだった。
ただ、沙由香の黒髪の匂いを吸ったときに真理も車に乗り込む際に抱き締めていたらと思わないでは
いられなかった。そうすれば、潤子まで抱き締めてと言いかねない。馬鹿げたことを思いながらも、
わたしは沙由香を少しでも安心させたかった。
やさしく・・・を孕んで 105

  きつく抱き締めていても沙由香は何も言わないでわたしにしがみ付いてきた。人が通ろうが気には
しなかった。誰に見られようとも構うものかと思っていた。
「ごめん、沙由香」
 沙由香の華奢な躰を抱き締めて、少女の長い黒髪の匂いを肺に吸い込んでいる。
「どうして謝るの?」
「沙由香は淋しくなかったのかい?」
 抱き締めたまま貌を見ないで沙由香に尋ねる。

「うん、なんかチクチクしてた。でも、それって仕方のないことでしょ」
 わたしは沙由香の黒い瞳を見ていた。いま路地で少女に傅いていることがそう思わせたのか、
アトリエの時とは少し違って見えていた。一瞬だけマリアの姿を追っていたような気がする。
沙由香と真理のなかに永遠の処女性とマリアの強さとやさしさを求めるエゴイスティックに呆れる。
沙由香はそんな男心には気がついていないだろうが、無意識に見せる少女の蠱惑に曳き込まれる。
また、きつく沙由香を抱き締めて少女の鼓動を確かめていた。

「痛い、おじさま……」
「なかへ入ろう」
「はい、おじさま」
 わたしは立ち上がって沙由香の肩を抱き寄せ家へと入っていった。ポーチから扉を開けて玄関に
入るとわたしは男に変っていた。沙由香はそのとき、女だったのだろうか。それともマリアの少女
だったのだろうか。わたしは躰を屈め、沙由香の白い貌を挟んで唇を被せる。沙由香のわたしの躰を
抱き締めていた両手がだらりと下がっていた。
「沙由香が欲しい」
「いま、ここで、おじさま?」
「ここじゃ、ダメか?」
 沙由香の頬から胸へ、そして喘ぎはじめた乳房をそっと手に包むみ込む。
「わたしもおじさまとセックスしたい」
 沙由香の瞼が開いて黒く大きな潤んだ瞳が見ていて、わたしは扉の鍵を掛ける。
冬の海・春の海 106

  家の鍵を掛けたわたしの手は、沙由香の躰をゆっくりと開いてゆく。鍵になったのは唇と舌。
唇をそっと沙由香にぽてっとした濡れたパウダーピンクの蕾に擦り付けて右から左に動かす。華奢な
肩がすこし顫え、上下して揺れて華を開き始める。
 両手でやわらかな頬を挟んで掲げた貌からは、沙由香の黒髪が後ろへと真直ぐに垂れていく。
わたしは舌を差し出して上唇をもういちどなぞってから、ペニスのようになって沙由香の永遠の処女の
花びらを捲ってピンク色の歯茎に触れて舐める。餌さをねだる雛のように唇を大きく開いた沙由香の蕾は、
その美貌の特徴の大きな瞳を閉じ合わせ睫毛を顫わせている。わたしの指で頤を上げられた沙由香は
エントランスのフロアに銀の雫をたらりとこぼす。

 沙由香の口元は瞳以上に綺麗で魅力的だと思う。横顔に見る少し小生意気なツンと上唇が仄かに
捲れ上がった感じが少女の儚さを主張していた。わたしが恋したイレーネの肖像画以上に蠱惑的だ。
普段でも潤っているそのパーツはわたしの唾液と沙由香の唾液とでぬらっとして光輝いて頤にも
一条の軌跡を残して熱い吐息を洩らし始める。わたしが少女の花を摘んでたべているのだ。

「はあっ、はあ、はあ……」 
 眉根がよって縦皺を作って、小鼻を膨らませている。 
「苦しいかい?」
 沙由香は貌をふって、ふるふると顫える可愛らしい舌をそっと差し出す。自分から情欲に溺れる
といった卑猥さは沙由香には皆無だった。処女が生贄として絶対者に躰を差し出そうとしているそれに近い。
わたしは逸る気持ちを抑え、可愛らしい薄桃色の贄に舌先をそっと触れる。合わさった舌の挨拶に
沙由香の躰に顫えが走って、綺麗な口からまた唾液があふれ出し尖った顎を濡らしてフロアへ快美の
露をぽたっと落とした。沙由香の舌をそっと押してやると、あっけないほど、くなっとなって戻って行く。
 おねだりするように唇を大きく開いている雛の沙由香に、切なそうにして掲げている貌の後頭部を
残酷なまでに左手で押えると、わたしは貌を斜めにして沙由香を食べるように唇を覆う。そして右手は
沙由香の左手首を捉えて、灼熱の肉棒のあるズボンへと引っ張って行く。
あの、タイトル変わっているんですけれど、
良いのでしょうか?
これから書こうと思ってた方のを考えながら書いてたから、アハハハ。
いましがた気がつきました、信じられないミスです。誤爆より情けないな。

それから、いつも保管してくださってありがとうございます。
いえいえ、最初は怒られるかもと思っていたんです。
勝手に保管しましたから。
お礼を言っていただけると恐縮です。
タイトルは修正しておきます。
やさしく・・・を孕んで 107

「んっ、ん、ん……!」
 わたしのペニスが硬くなっていることと、狂おしいほどに昂揚してあふれた唾液が一気に
流れ込んで沙由香の稚いイノセントな躰を焦がしていたが、すぐに沙由香はコクリと咽喉を
鳴らして与えられたものを素直に飲み干してくれていた。
 沙由香は潤子のモデルをしていて、男を尻で受け入れることを仕込まれている。しかし
性に溺れることなく、処女性を維持していた。アナルエントリーに慣れることがなかったのが
幸いしていたのか、モデルとしてアトリエに入ってから白いガウンを落としてからの割り切りが
精神のバランスを保っているのかもしれないが、それは強靭な精神力といっていい。
最初の頃のモデルとして白いガウンを落としてからの諦めのような眼差しを宿した時の
沙由香は、厳かな儀式に臨む生贄そのものだった。

 わたしはそんな沙由香を、女を愛するようにセックスをした。イレーネを、少女の潤子を、
そして行きずりの樺凛を抱くようにして沙由香も抱いた。過去の記憶が蕩けあって美少女との
性愛に耽溺した。罪悪と思いつつも沙由香の肉体にどんどんのめり込んでいっていた。
そこにあらわれたのが真理だった。
 わたしはおのずととまどった。戯れと割り切れたなら、好きにふたりの美少女を抱いて下腹か
膣内に黒き滾りを吐き出して穢せばいいだけだ。だが、わたしのなかにモデルを介して逢った
家族のような繋がりを感じて、真理を抱いていた時に彼女が真林と名乗り耳元で囁いてくれた
ことがささやかな救いとなる。それは、わたしのなかで変化をもたらした外的要因だった。

 沙由香が今日一日でどれだけ真理と親しくなれて表面上は真理とうまくやっていたとしても、
心の奥底でどう思っているかなどわからないし、本人ですら認識していないのだろう。それでも
沙由香も真理も壊したくはなかった。そしていまは、沙由香だけを想える、それは歓びだった。
沙由香のチェリーピンクのワンピースを捲くって手を忍ばせ、膝を撫ぜながら太腿の上から
内側を舐めて股間へと上がって行くとわたしは沙由香のほとんど無毛の秘園へとぶつかった。
「んんっ、はあっ……。はあ、はあ……」
やさしく・・・を孕んで 108

  わたしは唇を離して桜色の貌に頬を擦り付けながら囁く。
「下着を穿いていなかったのか、悪い子だね」
 責めてはいなかった。むろん、そんな口調で言ったわけでもない。
「ああ……。ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」
沙由香は閉じていた瞼を開いておろおろして頬を擦り付けてわたしの頬をあふれた涙で
濡らしている。嫌われたくないとわたしにそう叫んでいた。

「責めてなんかはいないよ。安心をし。もう泣かないで、沙由香」
 沙由香の貌が擦られて、長い黒髪がゆらゆら。何故わたしに謝るんだ。白いガウンを
脱ぎ捨ててセックスに耽ることのできた沙由香なのに、あれほど大胆に割り切れるというのに
自分の感情を持て余しているそんな少女が沙由香だった。
 潤子と話していたときに、助手席に座ってシートベルトを締めている真理にウインドが
締められる時、カタカナでマリンと書いていたのを見て笑ったような気がした。真理にしても
どうかはわからない。

「謝るのはわたしの方だ、沙由香!」
小ぶりのやわらかいセックスを手で覆って圧迫するように掴み、揃えられた中指と薬指は
アヌスを押え込み、濡らしながらペニスを待ち焦がれていた沙由香を慰める。
「仔犬は新しく仲間になった方から可愛がれって、かあさんが……」
「はあっ、あっ、いやあ……。あ、あついの、熱いの……パパの手が、熱いッ!」
 潤子が見ている前では沙由香はおじさまと言っていた。沙由香は性に昂ぶっている時か、
前後不覚になっているときにそう叫ぶ。
「お漏らししたみたいだ。沙由香、いっしょに旅行したあの時みたいに、とっても濡れている」
 わたしは両脚をガクガク顫わせている沙由香のあわいのセックスを上へと持ち上げるように
引き上げた。
やさしく・・・を孕んで 109

「ひいっ!はっ、はっ、はあ……あっ、あっ!」
 揃った中指と薬指が沙由香のアヌスを捉えていた。沙由香はガクガクと顫えながら濡れた
吐息を吐きながら小さなピンク色の生き物をわたしの頬に這わしてくる。その哀れな小動物も
小刻みに顫えている。やがて沙由香はセックスを握り締めている手に、擦ってとおねだり
するように双臀がうねりだす。

 唇を離して桜色の沙由香に頬を擦り付けながら、小ぶりなセックスを包んだ手は暫らく滴る
ネクタルの感触を愉しんでいた。手はただ愉しんでじっとしていた訳ではない。中指と薬指で
アヌスを押してやりながら圧迫するように覆って、濡れてペニスを待ち焦がれている沙由香を
慰めてやっている。
「はあうっ、はあっ、あ、あっ……!」
 沙由香の両脚がガクガクと顫えて、濡れた吐息とともに小さな桃色の舌を出して、わたしの頬を
舐め、その哀れな小動物は小刻みに顫えていた。堪えきれなくなった沙由香の尻はわたしの
手を煽るかのようにうねり始めて、貌を俯き加減にして熱いセックスを握り締めている手を
ぼんやりと眺めている。

「沙由香、発情した犬みたいだよ」
「うっ、ううっ、あぁああッ!」
 羞恥に錯乱して沙由香は烈しく貌を振りながら、黒髪に隠れた耳をまた見せてゆっくりと
咽喉を仰け反らせて黒髪を後ろへと流している。その絵に興奮したわたしは、うねる尻に合わせて
上下に擦りあげる。このかたちにわたしは烈しく欲情していた。その華奢な胴体もくなくなと
揺れて、顫えも手へと伝わって来ている。
「ああっ、あっ、はうっ、はっ、んあっ……!」
 沙由香の躰はわたしの腕のなかで仰け反って崩れていった。くたっとなった少女の躰を背に
廻した手と濡れそぼるセックスを覆った手で玄関のフローリングにゆっくりと降ろす。
やさしく・・・を孕んで 110

「沙由香、お尻を上げて」
 べっとりと濡れた手をシャツで拭い、わたしを見ながら荒い息を吐いている沙由香が瞼を
閉じて尻を浮かせると、沙由香の唇の色のようなチェリーピンクのワンピースをたくし上げ、
喘ぐ儚げな乳房をあらわにする。沙由香に覆いかぶさっているわたしは、更にワンピースを
上げさせて万歳をする格好で剥ぎ取った。その時に見せた脇にむしゃぶりつきたくなる。
乱暴に剥ぎ取ったチェリーピンクを沙由香の頭上に置いて、鼻を脇に擦り付けて沙由香の
この行為でいくらか汗ばんだ甘い芳香をいっぱいに吸い込んだ。

「あっ……!」 「こめんよ、沙由香」 「んっ……。仔犬のこと……?」
「ちがうよ。綺麗にしていた沙由香のワンピースを褒めもしないで脱がしてしまった」
 快美に酔って薄目になっていた沙由香は、瞳をいっぱいに開いてわたしを見ているのだろうか。
そう思うと見ないではいられなくなって、沙由香の脇から貌を上げて見ると、潤んだ黒い瞳が
わたしを見ていた。
「仔犬、おじさまのママがいったの?」
 沙由香の頭上にあった両手がわたしの髪に絡まってくる。
「そうだ」 「やさしいね」 「どうして?沙由香はつらかっただろ」 暫らく間があった。
「うん」 「ごめん」 「ううん。あのままでいい。わたしも真理ちゃんが好きだから。あれでよかったの」
「ごめんな……」

 わたしは泣きそうになっていたのかもしれない。沙由香が泣いていいと言っていたら、少女の
薄い胸で声を出して泣いていただろう。 「じゃあ、わたしを褒めて、おじさま」 「してあげるよ」
「いっぱい?」 「ああ、いっぱいだ」
 沙由香のきらめく濡れたパウダーピンクの唇が笑って、白い前歯を覗かせている。潤子の
赫い唇とは違う、それは美少女の特権かもしれない。おんなであっても女に成りきれていない
蠱惑にわたしは興奮して、髪を撫でている沙由香の両手首を掴んで頭上に掲げさせて
押さえ込んで、沙由香はわたしの情欲の虜となった。
「綺麗だよ。そして、たまらなく可愛い。だから、壊したくなってしまう。ごめんよ」
295:03/06/06 20:06
やさし・・・を孕んで 111

「いいの。パパの好きにしていいの。沙由香はパパのモノだから……」
 わたしは躰を上にずらして両腕を頭上に押えたままの姿をじっと眺めると、沙由香は潤んだ
瞳で見つめ返して、濡れたパウダーピンクの口元がほころぶ。
「沙由香のくちびるはおいしそうだ。でも、いま食べたいのはここ」
沙由香の掲げられた腕に顔を埋め右肘に唇を被せて舌で骨をゆっくりとしゃぶった。
「はあ、ああっ……!おいしい?沙由香、おいしいの?」 「ああ、おいしいよ」
 頬を擦りつけ喋ると熱い吐息が、曝け出された腕の下側の素肌に吹き掛かる。

「パパ、たべて。沙由をたべて、食べて!」
 肘を付いて自分の下腹部と沙由香の波打つ下腹部を見ると圧し掛かっていた躰を
ずらしてズボンを下ろし、熱くなったペニスを出す。
「ううん、あ、あついよう……」
 沙由香の華奢な太腿に怒張をかるく擦り付ける。わたしは左肘を付いて右手を伸ばして
玄関のフローリングに散った長い黒髪を掴んで、沙由香の乳房に掛けた。蒼白の肌に沙由香の
黒髪が淫靡さを増幅させている。もし、わたしが情欲の獣になっていたなら、太腿にペニスを
擦り付けずに沙由香の黒髪をペニスに巻きつけ扱いて、儚げな躰を白濁で穢していただろうか。

 また、散らばった黒髪を掻き集めて太腿からペニスを退けて、沙由香の濡れそぼる儚げな
セックスに分けた。 「ほら、ママみたいになった」 わたしは笑う。
 少年のようでいて、明らかに乳暈と乳首は発育を見せているアンバランスなシンプルな躰が
愛しい。雪のように白い躰に拾った黒髪で墨を塗るように載せていく。薄っすらと浮ぶ肋骨と
喘いで上下する沙由香の躰。情欲の生贄になった沙由香は笑ってはいなかった。
「薄いとおじさまはイヤ……?」 「沙由香だから好きなんだよ。だから……」 「だから?」
「少女の季節が過ぎても好きだってことだよ」 「うれしい」 ほんとにわかったのだろうか。
つづきを再開して脇へとゆっくりと降りて行こうとする。上唇を柔らかい肌に押し付けて舌先
を這わせながら。 「んはっ、んあッ!」 沙由香の躰が跳ね上がった。わたしの耳に沙由香の
サンダルの落ちる音が聞こえた。
やさしく・・・を孕んで 112

   沙由香の足の指は内側に曲がって突っ張らせているのだろうか。舌で脇をそっと舐めながら
上唇と下唇を交互に沙由香の素肌に引っ掛けて貌をくなくなと揺するかたわら、躰に載せた
黒髪ごと薄い乳房をさわる。右手には沙由香の黒髪の艶が絹のようで心地いい。
 既に頭上に掲げた両手の拘束していた左手は、沙由香の小さな手を握り締めていた。その
わたしの左手には沙由香の快美の波が返されてくる。どのパーツも愛しかった。
偏執と思えるほどに心が昂揚している。

 潤子が真理を送って出て行って、鍵を掛けてから変ってしまったのがわかる。いま握り
返されている沙由香の指も爪も、そして突っ張らせているだろう足も舐めたい。沙由香の肢体を
わたしの唾液で塗したい。脇を舐めながら鼻を擦りつけていっぱいに沙由香の香りを吸うと、
ペニスはまた硬くなる。このグロテスクなペニスが沙由香の端整な佇まいの肉の合わせ目に
下ろされて、美醜を極めていく。潤子のデッサンを想い描くとフロアに散らばった淫絵の上に
沙由香を組み敷いて犯している幻想にペニスが痙攣する。わたしと沙由香の肉の絡みを描いた
何枚もの絵の上で、その沙由香を四つん這いにさせ小さな尻を掲げさせておいて、抉るように
怒張で貫く。何度も何度も……。

「あふっ……。もう、舐めて、おじさま……舐めて」
 沙由香の声で夢から覚め、そして乳房へと移動して沙由香の黒髪を唇で掻き分け上側から
中央を通って小さな乳首を含んだ。右手は沙由香の右の乳房をかるく覆うようにしてゆっくりと
撫で回しぶどうの小粒のようなみずみずしい感触を唇に挟んで丹念に舐め回す。

「んんっ、あっ、はあっ」
 薄いふたつの膨らみには黒髪がまだ載っていて、沙由香の白い肌の芳香に混じって黒髪の
仄かなシャンプーの匂いが躰を熱くさせる。途切れ途切れの吐息に混じって沙由香がわたしに
尋ねてくる。
「あっ、あ、おいしい……沙由香、おいしい?」
 のたうつように揺れている沙由香の裸体のすぐ横で、ズボンだけを下ろしてペニスを烈しく
勃起させ沙由香の太腿に摺り寄せ、頭上に掲げさせている左手で絡んだ指を強く握る。
「おいしいよ、沙由香。とてもだ」
やさしく・・・を孕んで 113

「ほんと?」
「ああ、おいしいよ。とっても」
「真理ちゃんよりも……?」
 わたしは、沙由香の顔を見上げた。わたしの瞳に飛び込んできたのは、蒼白の素肌から
取り除かれなかった細い首に巻かれた赫い紐のチョーカーだった。その赫は沙由香の女の
ルージュの赫なのだろうか。わたしは沈黙して唾を呑み込む。
「長いぶん、沙由香の方かな」 
わたしがやっと口を開くと、すぐに沙由香は応えた。

「じゃあ、これから真理ちゃんをどんどん好きになる?」
「ごめんな」 「なぜ?」 「真理のことも好きになったから」 
沙由香の貌が曇ったかどうかは見て取れなかった。わたしは沙由香にあっさりと真理が
好きだと認めてしまった。けれど、なにか大切な時間がエントランスとホールの空間を支配して
ゆっくりと流れているような気がする。それの反作用なのか硬かったペニスがぐにゃっとしている。

「沙由香はさっき真理を好きと言ったけど、真理に勝ちたいのか?」
 別段、切り返した意図はなかったが、今度は沙由香が窮する番だった。撫で回していた右の乳房
から赫いチョーカーの巻かれた真下の中央に手をそっと置く。
「どうした……?」
「手がきもちいい。胸が熱いの……あついよ」
 沙由香は眦から雫をこぼした。やはり、小さな器は混乱しているのだろうか。すまないことをしたと
思っていた。

「未来のことは誰にもわからないんだよ。沙由香とわたしがどうにかなっても、少女の季節を
過ぎても、ここにはずっときもちいいが残っている。沙由香がオトナになって別の誰かを好きに
なっても忘れないよ」
 首を潤子に絞められて暗転した時の、呼び掛けてくる未来も愛して欲しいと言った、沙由香の
貌が重なっていた。
やさしく・・・を孕んで 114

   わたしは沙由香を忘れない。沙由香もそうあって欲しいと願いながら胸をさわった手で鼓動を
確かめる。
「どうにかなんて、ヤダああッ!」
 びっくりするような力で暴れて起き上がり、沙由香が太腿のペニスに掴みかかって貌を跨ぐ
シックスナインの体位となり、わたしはすぐに仰向けになって沙由香を受け入れる。
「やだ、いやだあ……!おじさまのバカ……!」
 沙由香はきつく握り締め扱き立て、頬の涙を擦りつけ叫んでいた。
「沙由……、沙由香?」
 沙由香のわたしに向けられた性器に喰らいつきたい衝動を辛うじて抑え、愛撫もしないで
ペニスに貌を埋めている沙由香に声を掛けていたら、アヌスに烈しい痛みが走ってわたしは
腰を跳ね上げた。

「うっ!」
 沙由香の細い指がずぷっと一気に押し込まれ、ペニスがびくんと痙攣する。わたしはその衝撃に
沙由香の白い太腿の柔肉に指先を埋め込んで仰け反っていた。
「んっあッ!」
 沙由香の白い両腿にはわたしの爪が食い込んで、沙由香の爪がアヌスを引っ掻いて抉りたてる。
沙由香は両腿を鷲掴みにされた痛みに仰け反ったがアヌスへの抽送は緩めようとはしない。
なにかに取り付かれたように恥戯に夢中になり、仰け反った貌をふたたび股間に戻して陰嚢に
吸い付いてきた。どうなるかわからないといった、少女の不安を駆り立てる言葉を発したわたしを
責めるかのような衝動的な技巧がペニスを硬くさせていた。

 沙由香のなかで怒りと性衝動がどう結び合っているのか心配になってくるが、悲痛な叫びが
リフレインしてはペニスが暴れる。沙由香は怒っているのに、わたしの肉体は反省するどころか
悦びに溺れていた。
 獣になって反撃して嬲られているアヌスの復讐という考えがふつふつと湧き上がった。沙由香が
モデルになって最初に愛された狭穴に、膨れ上がった灼熱のペニスを刺して犯したいと思った。
しかし、沙由香はわたしに反撃の機会を許しはしなかった。
やさしく・・・を孕んで 115

  わたしに組み敷かれていた蒼白の裸身が勢い起き上がってペニスに挑みかかった光景が
焼き付いていた。黒い髪でわたしの躰を掃きながら挑んでくる沙由香を食べたいと。しかし、
今たべられているのはわたしの方だった。アヌスを沙由香の細い指で抉られ、陰嚢を
吸われて玉を唇に挟まれ舌でくすぐられる。乱れた沙由香の黒髪が更に下腹を嬲っていた。
沙由香の澄んだ凌辱がわたしには正直心地よかった。

なにもしないでいると、正確にはしようか躊躇っていたわたしにじれったくなったのか、臀部を
いきなり落としてきて、貌に秘所と愛液を擦り付けるのだった。
「はあっ……。あうっ……」
 暫らくして、ひと息入れるようにして性器に吐息をそよがせ呻いた。押し付けられた沙由香の
秘所をたべるように舌を蠢かせる。湿り気を帯びたあけすけな淫水の奏でる音が沙由香の耳に
聞えているはずだ。沙由香のアヌスへの嬲りはおろそかになって尻をのたりと揺すりはじめた。
「あっ、あっ、あぁあああああっ!」
 舌の動きに沙由香の躰は追いつかず叫んでから歔き、また嬌声を噴き上げる。

「あぁああん、あっ、あっ、あ……。おじさま。おじさま……!」
 沙由香の指はホールから抜かれて、ペニスを両手にしっかりと掴んで貌を振りたてる。嘘でも
いいから永遠を口にしてやればよかったのだろうかと思いつつも、また沙由香の肉に溺れて
いっていた。左手で小さな双臀の丘を割り開いて円を描くように撫でまわしながら沙由香の
羞恥を煽る。このまま、復讐とばかりに指でアヌスを嬲ろうかと思ったが、口に赫くちいさな尖りを
押し付けるようにふたたび動き始めた沙由香の尻がそれを制止させる。沙由香はわたしの太腿に
肘を付いて貌を上げると亀頭に唇を被せて来たからだ。長い黒髪を振り乱しておしゃぶりをしている
沙由香の姿を見れないことが悔やまれた。
「沙由……香、沙由香」
 沈む尻を掲げても尚、尻は烈しく蠢いていた。
「沙由香、躰を起こして……うっ」
 沙由香は咥えたまま貌を振ったのでペニスに歯があたって、危うく射精しそうになる。
やさしく・・・を孕んで 116

「んんっ!んあぁああッ!いやあぁあああッ!」
 沙由香の細い躰を掴まえて引き起こすと、駄々を捏ねて顔を烈しく左右に振り始める。
あまりの暴れっぷりに、ペニスから引き剥がされる際に咬むのではないかと冷や冷や
させたが沙由香は素直に吐き出してくれた。
 しかし、脾腹を押えている両腕に沙由香の爪が引っ掻き疵を作っていた。その痛みに
ペニスは勃起していたが怒りも込み上げてくる。沙由香は引き上げられた腹いせに爪を
仔猫みたいに立ててわたしを苛め、濡れそぼるセックスをぐいぐいと押し付けてくるのだった。
情欲の生贄になったのは沙由香なのだから、苛めているのは実際にはわたしなのだった。
そう、沙由香の怒りが落ち着くまで、殉教者になって耐えるしかなかない。

 どれぐらいの時間が経過したのか感覚がなかった。ただ、腕には焼け付くような痛みだけが
残っていた。わたしは沙由香のあふれる愛液をごくんと喉を鳴らして嚥下して、支えていた
脾腹から蒼い乳房へと愛撫を移して行く。そのころにはどうやら、落ち着いたみたいで、
天上から天使の涙が降り注いでいた。
「ごめんなさい、あ……。ごめんなさい……あっ、あ。キライにならないで……ううっ」
 沙由香の長い黒髪が蒼白の背中から流れて、たゆたう。頭はゆらゆらとして多分みみず腫れ
になっているだろう、わたしの腕に掴まってバランスを取っていたが、それでもぐらついていて
実際に支えているのは愛撫しているわたしだった。

 わたしは沙由香の胴を挟んでセックスを少しだけ浮かせ、喋りかける。
「沙由香。もう、だいじょうぶかい?」
「ごめんなさい、ううっ、んあっ。ご、ごめんな……さい」
 沙由香はいまだに、嗚咽と嬌声混じりの謝罪が続いていたが、この柔らかい恥丘に
ボディペイントを施すといった潤子の言葉を思い出すとペニスは持続する。
「沙由香、このまま正面を向いてごらん。できるだろう?」
「は、はい。おじさま……」 
「いい子だ。腰を落として回ってごらん」
 わたしは沙由香の背中をとって後ろから突こうと考えていた。
保守
やさしく・・・を孕んで 117

「んぁ……あぁ……ああっ!」
 うっすらと汗を浮ばせた脾腹を挟んで、支えてやっていた沙由香の躰がゆるりと回転して行く。
少女はのろりと片脚を曲げて膝小僧をわたしの胸に載せて滑らせる。その間も沙由香の華を
舌で味わい続けていた。やっと半回転したところで、愛撫を肛門に移動させる。
「いやいやいやああああッ!」
 沙由香はふたたびワーキャー状態になってわたしの髪を引っ掴んでいた。
「だいじょうぶだから。沙由香にオチンチンを入れてあげるから」

「ほんと!ほんと!ほんと……!」
 わたしも躰を半回転させて芋虫のように沙由香の薄い肉付きの背中を這い上がって、それにつれ
少女の躰は前傾し、ついには性獣を迎える四つん這いの格好をとらされる。這い上がる時の背中に
残った長い沙由香の黒髪に逢うことも、わたしにとっては狂おしいまでの快楽だった。荒い息遣い
とともに沙由香の背中の薄っすらと掻いた汗と髪の匂いを肺に送り込みながら肉体を捕捉する。

 沙由香はすでに処女などではない。わたしが沙由香の肉体を切り裂いたが、本質はイノセントな
バージンといってもいいのかもしれない。エントランスホールで美少女を裸にひん剥いて、四つん這いに
なった華奢な躰に、ズボンを摺り下ろした大人が覆い被さって尻を蠢かせる。凄惨酸鼻な絵が
意識下へと流れ込み、躰じゅうの血液が勢いよく駆け巡る。

「ほら、沙由香。オチンチンが硬くなってるだろ」
 わたしは下腹を突かんばかりに勃起した肉茎を沙由香の双臀の合わせ目にぐいぐいと扱きたてる。
「あっ、あ!あ!あっ!あッ!」
 沙由香は貌を烈しく振って大声を張り上げて、両手を掴んでいる腕とホールのフロアを黒髪で掃く。
そのあまりにも甲高い激情に任せた声に、いまさらながら冷や冷やとし始める。
「沙由、もっと静かにおし。ここは、アトリエじゃないんだよ」
「挿れてぇ!挿れてえッ!沙由香に、オチンチンを挿れてえええッ!」
 さすがに、これにはぎょっとして沙由香の暴れる貌の口を手で塞ぎ、床にうつ伏せに押しつぶす。
やさしく・・・を孕んで 118

  右手で沙由香の口を押さえ、ペニスを沙由香の双臀のスリットに載せて横になってただ抱いている。
「ん――ッ、んんっ!」
「叫ぶな、沙由香……!たのむから」
 わたしはすぐに塞いだ口の手を離した。案の定、沙由香は大声で叫んでしまう。それを見越しての
行為で、ひたすら沙由香の薄絹のような華奢な躰を抱きとめていた。くの字に折れ曲がった全裸の
美少女とズボンを下ろしてペニスをその少女の臀部に擦り付けて覆いかぶさっている大人が
エントランスホールのフロアに横たわっている。

「あああッ!あぁあああ――ッ!」
 刃物で肌を裂かれるような声を沙由香は張り上げる。
「沙由、沙由香、さゆか!」
 ぎゅっと抱き締めて時を待っていた。産毛の生えるうなじから背へと降りて名を呼び続けていた。
やがて沙由香の声は小さくなり、しゃくりあげる泣き声から啜り泣きへと変っていく。


 子供の頃に寺で生霊の掛け軸を見て怯えた記憶が蘇っていた。ツルツルの黒い板の薄暗い
廊下をひとりで歩いていて奥の部屋で見つけた絵だった。描かれている女の人は綺麗なのだが、
そこはかと恐怖が込み上げてくる。
「こんなところにいたの。どうしたの、これ気に入った?他にもあるわよ。見てみる?」
「う、うん……」 「おいで、京介」
母が手を繋いで、隣の部屋へと連れて行って地獄の絵図も見せてもらった。いつまでも続くと
思った子供の時代に永遠などないということを初めて知った。

「今がよくても、ずうっと後でどうなるかわからないのよ」
 母には他意はなかったと思う。悪いことをしちゃだめよという決まり文句だったが、それは永遠との
訣別だった。そのとき、無性に淋しいという気持ちが拡がっていたのを思い出す。わたしは沙由香に
その言葉を吐いてしまったのだった。
「さゆ、さゆか。こっちをみて。沙由香」
 沙由香の手は掻き毟ったわたしの腕をやさしく愛撫している。  「ほら、沙由香。後ろを向いてごらん」
やさしく・・・を孕んで 119

  沙由香はわたしの言葉にようやく反応して泣き濡れて腫らした瞳を向けてきた。わたしの勝手な
セックスに肉を嵐のように翻弄されて歔く貌ではない、少女らしい愛に殉じた素顔を捻って捧げてくる。
おどおどした表情が瞳に見て取れ、沙由香のくちびるが何かを吐露しようとしているが言葉にうまく
ならなかった。
「淋しかったんだろ、沙由香。不安にさせたりして、ごめんな」
 沙由香の頭を下から抱えて額を擦り合わせると、沙由香はこくんと頷いてまたしゃくりあげていた。
だが、わたしは永遠を約束することはなかった。沙由香の胸を掻き抱いていた左腕は蛇となって腰へと
降りていって、沙由香の膝裏から忍び込んで閉じられていた秘所をこじ開けさせると、臀部に載った
ペニスを引いて突いた。秘孔には届かなかった。

「あっ」 「沙由香、掴まえてオチンチンをさわってごらん」 「はい、おじさま」
 頭を抱いた手を下ろして緩める。 「まだ哀しいか?」
 下ろされた腕の上で沙由香の頭がふるふると揺れると、尖った顎を引いて清楚な佇まいの
わたしによって拡げられている秘所からぬっと赫い貌をだしている異形の生き物を注視する。
その真摯な眼差しに見据えられた生き物は、その清い手に包まれることを夢見てびくんびくんと
脈打っている。
 たどたどしい顫えた指が節くれ立った肉茎を捉えて絡みつくと、沙由香は自分の秘孔へと
ゆっくり導いてくれる。わたしの赫黒く艶やかに張った亀頭がつぶらな穴へと押し当てられ、
無上の悦びに二人はわなないた。ぬぷっとペニスは沙由香のヴァギナのかたちを変えていった。
潤子が帰ってくるまでにはまだ時間がある。わたしはひとつのことを考えていた。沙由香の
膣内で包まれたまま果てないで、ただ繋がって抱きとめていよう。萎えてしまえば、腰をゆすって
ちからを取り戻して、沙由香を押し拡げたまま抱き締めていよう。沙由香はそれで赦してくれる
だろうか。
 ペニスは沙由香のヴァギナにゆきどまりまで埋まった。少しだけ沙由香は重い呻きを噴き上げて
いたが、拒みはしない。いつもよりも深い挿入を試み、尚且つ尻を動かさないでいる異変に少女は
気が付いた。 「おじさま、うごかないの……?」 「こんなんじゃ、イヤか?」 「ううん、あったかい」
306あぼーん:あぼーん
あぼーん
307名無しさん@ピンキー:03/06/18 20:01
(・∀・)イイ!!
308名無しさん@ピンキー:03/06/18 20:02
>>306
君にも感謝!実況はおろか見てもいなかったので・・。

309名無しさん@ピンキー:03/06/18 20:03
高画質サンキュ。
310あぼーん:あぼーん
あぼーん
311名無しさん@ピンキー:03/06/18 20:04
>>306
激しく感謝だが、2枚目はいいのか?w
あと、ちーちゃんて、体の割に頭がでかいと思う。
だから、こういうかつらを乗せるとさらにそれが際立ってしまい、
個人的にはあまりなぁ・・。着物姿はいいけど。

やさしく・・・を孕んで 120

沙由香の持ち上げていた脚をわたしの尻へと掛けてさせた。これで沙由香の躰を心置きなく
ぎゅっとすることができるだろう。わたしは恋人を抱くようにして哀しみを吸い取ってやろうと
したが沙由香の躰は時折まだぴくっと動いて痙攣する。膣内に押し入れられている異物に
反応しているのか、わたしが与えてしまった夢の終わりに怯えているのかわからない。
「沙由香……」
 わたしはただ名前を呼んでみたくなった。永遠を夢見ていた少女に、その終わりのあることを
告げてしまったことをほんの少しだけ後悔する。そう、ほんのすこしだけ。

だからこそ沙由香をこんなカタチで愛してみようと考えた、ひとつの理由がここにあった。
ペニスは精液を吐き出してしまえばそれでおしまいだ。回復して何度かは肉体的交合が
可能だろうが、長時間は持たない。そのことは沙由香も心得ている。
「どうしたの?」
「ん?んん、ごめんな。沙由香を哀しませて」
 沙由香はいいのとは答えてはくれないで沈黙した。それはわたしに与えられた沙由香からの
罰なのかもしれない。硬度が後退すれば、腰を振って沙由香を突くと重い呻きを吐いて総身を
喘がせる。そんな恋人が愛しくて抱いて沙由香の哀しみを吸い取ろうとしていた。

「落ち着いた?」
 沙由香の黒髪を撫でてもういちど尋ねると、少女は貌を捻ってきてわたしを見る。ふりむいた
泣き貌が愛らしい。そのマシュマロのようなやわらかい唇にそっと含んで行くと、沙由香の手は
躰に巻きついているわたしの腕をひしっと掴んでくれて溜息を洩らした。唇を離して沙由香と鼻を
擦り合わせる。 「もっと……」 「お返事、聞かせて」
「う、うん……」 その返事はどこかまだ、はっきりとしなかった。 「どっちかな?」
永遠を夢見ていた少女に終わりがあることを告げた時から、少女のなかで終わりの日は
確定されたのだろうか。あしたか、それとも一週間後、それとも、もっと先のいつか。わたしは頬を
擦り合わせてから、細い肩に掛かる素直な黒髪にキスをした。 
「やっと答えてくれた。でもよく泣いたね」  
貼ると、一文字分空けていたはずが上がってしまう。
いまだに考えずにやってて、その他諸々と読みにくくてゴメン。
やさしく・・・を孕んで 121

「いっぱい泣いた……」 
沙由香はこくんと頷くとぽつりとすまなそうに呟いていた。
「びっくりしたよ。でも、謝らなくてもいいから」
「どうして?パパ」
「パパか」
 後退しかけていた沙由香の膣内(なか)の肉茎が鎌首をもたげる。 
「ごめんなさい」
「謝らなくてもいいっていったよ」
 沙由香の絹のような黒髪の感触を唇で吸い取る。鼻孔からは少女の芳香をいっぱいに肺へと
送り込んで心が安らぐ。華奢で女未満の堅い肉体にわたしは欲情していた。

「沙由香がパパって言ってくれたから、膣内で大きくなったんだ」
 沙由香の手が胸に絡まった腕の傷をやさしく撫でている。わたしは沙由香の膣内のペニスを
少し揺り動かした。
「あっ、んんっ。いっ、痛かった、おじさま……?」 
「沙由香ほど痛くはないから大丈夫」 
「うそ……」 「どうしてそう思うんだ?」 「だって」 「だってなんだい」
「わたし怪我なんかしてない」

「じゃあ、沙由はどうして暴れたりした?」
「急に哀しくなったの。おじさまがいなくなるみたなことを言うから」
「沙由香は好きな男の子とかいないのか」
「おじさま」
 即答だった。わたしはペニスを膨らませて硬くする。沙由香の前では男の子なのだろう。
沙由香の手が腕からわたしの貌を求めて後ろへと廻されると、もういちど沙由香を突いた。
あとほんの少しだけの抱擁で切り上げよう。一分、五分、あと十分間だけと想いは際限が
ない。わたしは沙由香からペニスを抜いた。
やさしく・・・を孕んで 122

沙由香の頭から腕を引いて躰を起こす。沙由香の華奢な臀部とせり出た肩甲骨は少女の
それだったが、わたしには堪らなく愛しかった。臀部に口吻をしてスリットを辿った先にある、
わたしの居場所だったところ。揃えられた太腿に挟まれて覗かせている沙由香のヴァギナに
口を付ける。無残な痕跡の蒼い秘唇をいたわりながら沙由香の滴らせた蜜を啜った。

 わたしと沙由香のあしたとはなんなのだろうか。モデルの延長上に沙由香と躰を重ねて
時間は過ぎても答えは見つからなかった。蒼い秘孔はわたしの禍々しい肉棒を受け入れ
柔らかく変貌しつつあるのは確かなことだった。
しかし、心は本当に馴染んでいるのだろうか。性交を前提にしたモデルという気安さが
わたしのなかにやさしさを形つくっているのではないだろうか。契約が終わるまでの時間、
シンプルに愉しんで美少女の肉を味わっていたいからと。わたしに沙由香への責任など
最初から無いのだから。

 やさしいから好きが、いつやさしいから嫌いに変ってしまってもおかしくないのだ。わたしは
沙由香に今日永遠などないという言葉の種を植え付けた……気づいていたのかもしれない。
旅行が終わって帰ってきたとき、潤子の傍で淋しそうにしてわたしを見ていた沙由香。
きっと気がついている。沙由香は気が付いていたのだ。それをわたしから言葉にされたことで
拗ねているのだ。いや、きっとそうなのだ。

 いつもだったら、貌を寄せてきてペニスをしゃぶろうとするのだが、くてっと横たわっていて
一向に動こうとはしない。沙由香の尻肉を撫でてわたしは貌を上げる。
「沙由香、もう赦してくれないんだね」
「どうして、そう思うのかしら。おじさま」
「だって、怒っていたから……」 (ペニスをおしゃぶりしてくれなかったんじゃなかったの?)
 沙由香は無邪気に笑って、まるくなって両手を胸に寄せていた姿勢から上体を起こした。
「気持ちよかったの」
 わたしは沙由香のなかの潤子と喋っているような錯覚を覚えていた。その笑顔は子供
そのものなのに。
やさしく・・・を孕んで 123

沙由香の魅せた笑顔に淫猥さは微塵もなく、爽やかな風のようでさえある。しかし男と女の
肉のよろめきは躰にしっかりと残っているというアンバランス。永遠を信じきれなくなってしまった
大人が、永遠を信じて愛の扉を開こうとする少女の心を惑わせて精を吐きつくす。これほどの
背徳はなかった。このまま沙由香に耽溺していたかったが、ここらが潮時と判断した。
 沙由香は躰を滑らせて、わたしの股間に潜り込もうとするのを押し留める。肩を掴まれた
少女からは愛の天使が掻き消えて貌を歪ませる。その貌を見てすぐに言葉を掛けた。

「お買い物へ行こう、沙由香」
「お買い物……?」
 沙由香の不安が少しだけ和らいでいた。
「そう、お買い物だ!」
「何を買うの?」
 沙由香の掴んだ細い肩をわたしは引き寄せる。
「ラ・フランスの缶詰だよ。なかったら桃かな」
「桃ならあるわ」
 
「よく冷やしたのをここに挿れるんだ」
 沙由香の秘唇を弄って耳元で囁いた。
「いやあ……」
 沙由香は小さく吐いた。しかし、わたしのペニスはびくんと反応する。最初はふたりでドライブ
するつもりで誘っただけだったのに肉欲が一人歩きし始めた。

「練乳も買おう」 「いやあっ!」
 沙由香は本気で拒絶した。その理由は容易く想像できる。
「どうして?」 「だってベトベトするもの……」 「沙由香のここもベトベトしているね」
「おじさまの意地悪……」 
 今すぐにでも挿れて、沙由香の躰を揺り動かしてみたいという、もたげた欲望を押さえ込む。
やさしく・・・を孕んで 124

   沙由香と郊外のショッピングセンターへ行く為に車を走らせていた。新設のショッピングセンター
で食材も豊富にあった。継続性のあるものかは分からない。一年もって売り場が縮小されなければ
本物といったところだろうか。
「沙由香」
「なに、おじさま?」
 ふたりで車を走らせるのは、旅行以来のことだった。その声のニュアンスから沙由香もあの時を
思い出している風にも思える。てっきり白色のワンピースを着込んでくるものと思っていたが、沙由香が
着ている物は脱がしたパウダーピンクの着衣だった。

「ちゃんと穿いて来ただろうね」
「はい。おじさま、さわって……」
 沙由香は助手席で小さな声で答える。沙由香はスカートの裾をするするとたくし上げる。道は
ゆるやかなカーブに差し掛かり、三叉路を通過していった。
「いいのか?」
「はい」
「ほんとうに?」
 わたしは沙由香に慌てずに辛抱強く確認を取ることにする。
「はい」
 沙由香の目が男を誘うものに変っていた。

「お車運転しているから危ないだろ」
 悦びに翳りが拡がってゆく。
「ちょっとだけ。確かめるだけでいいから、おじさま。おねがい」

 懇願に折れてハンドルを放して左手を沙由香のスカートの中に潜らせる。確かにショーツは
穿いていたが、微かに湿り気を帯びている。わたしは沙由香の合わせ目に指をそっとなぞると、
ショーツのなかに手を差し入れる。小さな吐息を少女は洩らした。 「あっ……。あ、ああ……」
「はい、おしまい。沙由、舐めてくれるかな?」
訂正317

19行目 「車を運転しているから危ないだろう」
『125』

 まばらに生茂った繊毛と一筋の秘裂の感触が指に残っていた。その証を愛でよと助手席の
小さな愛人に隷属の命令を振るが娘は素直に従う気配はなかった。反応を見せない沙由香の
目の前から愛液に濡れる指先をすっと引いて、わたしは自分で咥える。
 沙由香がわたしの方を見て小さく「あっ」と声を発した。その視線を感じながらわたしは、
ぴちゃっぴちゃっと音を立てて指に絡みつく沙由香を舐め取る。

「コンデンスミルク……」 「ん?どうしたんだ?」 唾液に濡れた手をハンドルへと戻す。
「コンデンスミルクをわたしの躰に掛けて……おじさま」 「えっ……!」
 沙由香のシートベルトに拘束された小さな躰をチラッと盗み見る。沙由香の細い肩と小さな
胸は深い息継ぎによってセックスをみたいにして上下して揺れている。わたしのペニスはドクン!
と音を立てて硬くなった。
「ミルクをわたしに……」 「本当にいいんだね?」 「はい……」
「嫌なら無理しなくてもいいんだよ」 「いいんです。してください……。して欲しいんです」

 加糖練乳はわたしのペニス掛けて、沙由香に舐め取らせようと考えていた。沙由香の蒼白の
躰に振り掛けようと思っていたのは無糖練乳の方だ。果肉の方は冷えた方が愉しめるだろうから
もっと後でもいい。しかし、それも沙由香の蠱惑で情欲が煽られてしまう、捨てがたきもの。

 熟した甘く桃のような食感を有する西洋梨のラ・フランスの果肉を沙由香の膣内に挿れて、
生温かくなったものを口で出してたべる。口で噛み砕いたものを沙由香に与えるのもいいかも
しれない。その時、沙由香のなかに処女と娼婦が同居する淫絵図を眺めることができる。
妄想が一人歩きして、沙由香の赦しを得ないまま、ズボンを張らせてペニスを熱くしていた。
 沙由香の右手がわたしの左腿に乗せられてくる。ハンドルを握っていた左手を沙由香の手に
被せて股間をさわらせる。
「沙由香はいつどんなときでも綺麗だよ」
 沙由香が欲しくてまたこうなっているんだよ、というサインを少女へと送った。
「わたし、もういちどおじさまとしたい……」 沙由香は朱に染め上げた貌をわたしに向けてじっと
見ている。 「そうだね。わたしもしたいけれど危ないからね」
『126』

 いまだに下ろそうとしない捲くられたままの沙由香のスカートを直してやって、太腿を撫でる。
「行かないで……」
 沙由香の手がわたしの手に重なって、縋りつく眼差しに引くことを躊躇ってしまう。わたしは
手を返して沙由香の手を握り締めた。何かから逃げているような道行きのふたり、そんなイメージ
がふっと浮んでは消えていった。沙由香の思い浮かべた永遠がどんなものなのか、聞いてみたい
気もする。わたしの手に沙由香の細い指が絡まっている。

「……おじさま、したい……」
 沙由香の少女のくちびるが再度告白をする。わたしは沙由香の手を握り返してから、やさしく
撫でるように愛撫する。
「はあっ」 
 沙由香のか細い濡れた吐息が闇夜に溶け込む。道路から溢れる光の街は闇を相殺する。
真の闇などはもはやない。あるとすれば、沙由香を愛でているわたしの心の中だけ。わたしが
何もしないでいると、沙由香は両手でわたしの手を掴んで口へと持っていった。沙由香は唇を
ひらいてわたしの指に吐息を吹きかける。沙由香はわたしの指をペニスに見立てて口腔へと
含もうとしていた。小刻みに顫える舌を差し出して指に這わしてくる。指のあわいに舌を差し入れ
舐めようとしたところで、沙由香の舌を挟む。しかし、それはぬるっとしてすぐに逃げていく。

 わたしの指は沙由香の唇にふれると、指には烈しい息遣いの洗礼を受けるのだった。その血は
激流となって一箇所に収斂されていく。やわらかな唇の感触が沙由香のヴァギナをイメージさせる。
蒼い女の命を指で探っておんなへ解してゆく歓喜に指先は踊る。このようなやわらかさを沙由香
が有するのはずっと先のことと思いながらも蒼い肉体に幻想を焼き付けて射精する男。懸命に
男を受容しようとする健気な沙由香を深く愛してみたい。

「わたしもしたいよ、沙由香」
 沙由香の唇をめくって歯茎を指でなぞる。
「はあぁああ……。うれしい」 「でも、聞き分けなさい」 「は、はい。おじさま」
 わたしは左手をハンドルへと戻して、濡れた指を少しだけ眺めていた。
昔は、高村マルス氏、町田ひらく氏、和田エリカ氏なども描いていた、
心交社(元さーくる社)のロリコン雑誌「秘密の花園」のスレッドを立てました!
投稿作品も募集してるみたいですよ。

http://book.2ch.net/test/read.cgi/zassi/1056143192/l50
『127』

モールへと車を乗り入れて、車の多く停められている場所を避けて、少し離れた場所へ移動
して停車する。街灯が照らされていて、ここにも闇といったものは無かった。周りにも何台かが
まばらに停めてある。
「さあ、降りよう」
 沙由香は「えっ?」という貌をしてわたしを見ていた。欲しいのにと小さく呟いた声が聞えた。
「なにか、買ってあげるから」

 機嫌を直してと言うつもりだったが、沙由香は拗ねた風情で唇を尖らせていて、わたしは辛抱強く
待った。沙由香はやっとシートベルトを外した。それに合わせて、わたしもベルトを外して車を降りる。
沙由香はすぐにわたしの傍に寄ってきて手を絡めてきて、小さな手をきつく握り締めてやった。
ほんの一瞬だけで、ふつうに握る。わたしの沙由香が愛しいという気持ちを示してやりたかったから。
「痛いっ、おじさま」
 横の沙由香を見てみると、わたしの方を見て口元が笑っていた。パウダーピンクを纏った黒髪を
臀部まで伸ばした少女を連れて、闇に浮ぶ光の渦のなかへと入っていった。モールの食品売り場に
真直ぐ目指して、缶詰のブースへと行く。

「ラ・フランスの缶詰ないね……」
 沙由香が口を開いた。
「食べたことあるのか?」
「うん。缶詰じゃないけど、食べたことあるよ」
「おいしかったか?」
「う〜ん、ちょっとわからない」

「とろとろになるまで熟するのを待たないとだめだからか?」
「うん、そう。ねえ、ほんとに何か買ってくださるの、おじさま?」
「ん、ああ……。何が欲しのか?」 「メイプル・シロップ!」
「メイプル・シロップ……?それなら、家にあるだろ」 「うん、あるよ。でも、勝手に舐めたらママが
怒るから」 「わたしだって怒るよ。車の中で瓶ごと飲むんじゃないだろうね?」
「そんなことしないから。ねっ、おじさま」
『128』

 丁寧な言葉遣いで喋ってくる沙由香にイノセントなイメージを勝手に植え付けていたが、これが本来の
姿なのかと思わずにはいられなかった。それは、旅行の時にも思ったことだが、不思議と両者の沙由香に
違和感歔く和む自分がいることに気が付いた。
「どうしたの?おじさま。ほら、早くいきましょう」 
 沙由香が首を傾げて黒髪を垂らして貌を覗き込んでいた。そして繋いだ手を伸ばして、わたしを
引っ張っていこうとする。

「飲むんだったら買ってやらないぞ」 

「コンデンスミルクよりはいいもん!」

 沙由香が何を言っていたのか理解するのに数秒かかった。そして一気にイメージが雪崩込んでくる。
ペニスにとろとろの琥珀色の液体を掛けて、沙由香にそれをしゃぶらせるヴィジョンに興奮する。
ペニスを握ってべとついた手を中途で取り上げて、わたしがしゃぶって自由を奪ったままで行為を
続行させる。ふとメイプル・シロップにこだわりをみせる沙由香が可愛くなって抱き締めたくなる。
「沙由香」
「なに?」
「コンデンスミルクといっても、エバミルクのことなんだ。コーヒーに入れる奴のことだよ。
機嫌直ったか?」
 沙由香が足を止めて桜色に上気した貌で真直ぐにわたしを見てくれている。妙にそのことが
嬉しいのだ。

「わたし、怒ってなんかいないもん……!」
「そうかあ?でも、練乳の方がせーえきみたくてよくないか?なんでメイプル……」
 わたしは笑っていた。通り過ぎる客たちも沙由香が頬をぷうっと膨らませて怒っているのを見て
笑いを殺しながら通り過ぎていく。テンションがあがって、沙由香の声がだんだんと大きくなってゆくのも、
むしろ愉しいくらいだ。沙由香に耳打ちをする。
「もう、やだあ……!」 「お、おい!」
 沙由香はそう言うと、繋いだ手を離してすたすたと歩いていった。
『129』

「沙由、待ちなさい!」
 かごを持ってピンクの少女の背中を追いかける。その辿り着いた先はトイレだった。
「なんだ……」
 安心と落胆の入り混じった溜息が吐き出され、トイレの前でかごを持って少女の帰りを
待っている。滑稽な状況にまた、笑いが込み上げてきた。沙由香が出てくると、わたしが
かごを持ったままでついて来たのを見ると、少しだけ口元が笑っているように見えた。
そしてはにかんでもいるような。たしかに滑稽だろ、好きなだけ笑うといいさと思っていても
沙由香が近づいて手を繋ぐと貌がほころぶのも事実だった。少女でありながら男に躰を
ひらいて女を感じさせる沙由香。その絡んできた手はあまりにも儚い。

 その沙由香の少女の季節に欲望の滾りを挿れて柔肉を押し拡げて何度と壊したことか。
沙由香はきっと愛という絵を思い浮かべているのだろうが、わたしの行為は愛をもってしても
決して正当化されるものではない。沙由香がわたしに押し拡げられて、引き摺られることで
快美感に陶酔できたとしても。潤子、樺凛、沙由香……そして、真理。この想いはわたしが
背負った十字架などではなかった。たぶん、性交を正当化するための単なる感情の揺り戻し
でしかないのだろう。まだ、自分はこんなにも理性を持ち合わせている。だから、沙由香も
躰も心もわたしにひらいてくれると。

「どうしたの、おじさま?怒っていらっしゃるの?」 また、頸を傾げてわたしを覗く沙由香。
「そうか、それは沙由の方じゃなかったのか?」
 沙由香がわたしの手を強く握り締めていた。

「ごめんなさい」
 その横顔はイレーネの美貌を凌駕した瞬間だった。真理という波紋がこうも少女のなかの
女の美しさを引き出すものなのかと改めて驚く。ベッドで拗ねていた沙由香も魅力的だったが
ふっと見せるその素直さに惹かれていく。腰を落として抱き締めてやりたい。
「はやく、お買い物を済ませましょう。おじさま」 「ん、ああ……。そうだったな」
 わたしの欲情が伝わったのだろうか。沙由香はほんのりと目元を桜色に染めて女になっている。
『130』

 ふたたびブースへ戻ってメイプル・シロップをかごに入れると、白い手に握られた赤と白の
ラミネートチューブがなかへ入ってきた。
「あとは、これね。おじさま」 沙由香がエバミルクの缶を取ってわたしに声を掛ける。
「ああ……。いいのか?」 「うん」

 あっさりと同意をする沙由香だった。いままでのはなんだったんだという貌をして、沙由香の
はにかんだ笑顔に煙にまかれた。よくよく聞いてみると、ピュアホワイトの上に琥珀の液体が
乗る瞬間が好きなのだそうだ。蒼白の肌に練乳が降り注ぐ、それは美の相殺を意味する。
潤子の遺伝子たる所以なのかと感心していたら、それを銀のスプーンでぐしゃぐしゃに
掻き混ぜるのも好きなのと答える。

「ぐしゃぐしゃにか……」 「そう、ぐしゃぐしゃにするのよ。でも、あまり混ざったらダメなの」
「ああ……」
 沙由香はわたしの返事に何か自分が変なことを言ったと怪訝そうな貌をして見てくる。
そうだね、沙由香がわたしに抱かれて、美しく歪む貌と肢体は興奮するよとは言えるわけがない。
車の中でならいざ知らず、わたしはエロティックな時間をひとつ失ったことになるのだろうか。

「そうだね。雪が白く大地を覆い隠してね、そこを歩くのは愉しいよ」
「ええっ、そうなの。沙由香はずっと眺めていたいな」
 公園にでも降り積もった雪をイメージしているのだろうか。
「なぁんにも無くて、遠くに山々が見えるんだ。その日は晴天で雪が陽に反射してとても眩しい。
そんな風景のところをひとりで歩くんだ」
 どうやら、わたしの話が沙由香の心に絵を描いたみたいだった。
「風景を見るには、そこに立ってなくちゃね、おじさま」
「そう。キュッ、キュッ、キュッてね」
 そんな話をしながら沙由香が笑っているのを見て、わたしは処女を散らした時のことを
思い出していた。沙由香にとって女のはじまりであればと願って。
「キュッ、キュッ」
 沙由香はわたしのを口真似して無邪気に笑って見せている。
『131』

 買い物を済ませて駐車場へと戻ってきた。傍から見ればやはり親子でしかないのだろう。
車に乗り込んでシートベルトを嵌める。
「沙由香、シートベルトを嵌めなくちゃ」
「嵌めて、おじさま」
沙由香は笑っていた。わたしは尻をずらそうかとした時に、助手席の沙由香の笑顔がにゅっと
近づいて、わたしの躰に跨ってこようとする。

「だめだろ……。これから……」
 これからのあとの言葉が紡げない。出てこなかった。細く白い脚を伸ばしてわたしの躰に
覆いかぶさって抱きついている沙由香。その丸くなった背中がやけに小さく感じられた躰。
「もう我慢できないの。嫌いにならないで……」
「嫌いになんかなるわけないじゃないか」
 沙由香は少女の仮面を脱いで女の貌を覗かせていたが、すぐに少女の貌に戻っていた。
「うれしい……、おじさま」
 かるく唇を合わせて、沙由香のくちびるを挟むようにして捲る。沙由香の柔肉に息づく女の
刻印を曝け出すようにして、やさしく穢していく。

「やっぱり、したいの。おじさま、もういちどしてください」

 樺凛も、もういちどしてほしいとわたしに哀訴した。宿泊している旅館にあげた瞬間から
わたしの股間は膨らんで、部屋に入るなり樺凛の肩を掴んで、一気に制服を毟り
取るように、蒼い素肌に纏う華を散らす。

荒い息を吐きながら貌を離す沙由香。パウダーピンクのスカートが捲れて、ほとんど無毛の
秘園が露出した。わたしは太腿に手を這わせスカートを捲って沙由香の小さな臀部に廻す。
わたしの気持ちは股間のどうしょうもない膨らみが剥き出しの性器に伝わっているはずだ。
「沙由、ショーツはどうしたんだい?」
すぐに、どうしたか察しがつく。トイレに置いて来たのだ。どんな気持ちでショーツを脱いで
出てきたのだろうと沙由香の貌を見ると瞳が泳いだ。
『132』

 陽光に照らされた畳に散る樺凛の着衣が毟り取った花びらのように艶めかしい。しかし、
それ以上に蒼白の肌が日常の風景に浮いているはずなのに映えて眩しかった。わたしは
すぐさま剥き身にした樺凛の華奢な躰を乱暴に座卓に押し付けた。

「や、やさしくして……」
 樺凛の言葉が時を越えてわたしに降りて来る。わたしはエンジンを切ろうとしたが思いとどまった。
「このままでもいいか?」
 前を向かせて沙由香を手を付かせて後ろから突きあげる気にはなれなかった。
「はい……、おじさま」
 沙由香の息遣いと車の振動がバイブレーションとなっていた。わたしはズボンのジッパーを
下ろして肉棒を出した。沙由香の秘園は愛液で濡らついていてズボンに滲みをつくっている。
わたしはペニスを掴んで赤銅色の尖りを秘裂へともっていく。沙由香はお尻をゆっくりと落として
女の悦びの声で闇色を裂いて、押し拡げている肉の繋がりを見詰める。沙由香とわたしは
動かないでそのまま抱き合っている。
「あぁああ、きもちいい。おじさま」
 沙由香の背中を撫でてやると、そう答えてくれて、わたしは膣内でぶるんと痙攣した。

「か、樺凛、ごめん」
 ズボンのベルトを抜き取ると、座卓を掴んでいた手を束ねて細い手首に巻きつける。可愛いと
思うものを穢したいという欲求が止めることができなくなっていた。そしてペニスを外気に晒すと
樺凛の双丘を突き始める。樺凛はみじかい吐息と喚きを連呼して貌を振っていた。
臀部のスリットに載せてペニスを烈しく擦り付ける。この横暴ならまだ赦されると、烈しく尻を
振っていた。しかし、樺凛は躰を反転させて座卓の上に仰向けに載ったのだった。
「して、して……。お尻でしてぇ!」
 わたしは座布団をとって樺凛の尻の下に敷くと、濡れそぼったヴァギナに怒張をあてがう。
まばらに恥毛を繁らせる蒼き佇まいの縦筋に、亀頭の先端で再度切り裂いていく。
『133』

「んあぁああッ!んんっ、んん!」
 樺凛の喚きにハッとなって、慌てて口を塞いでから腰を衝きあげる。樺凛の細い脚が
曲げられテーブルの上に乗って揺れている。やがてわたしの尻に絡みつきそうになるのを
律動が退けて弾いた。腰が打ちつけられて樺凛の脚は何度かバウンドして悲鳴をあげる。

 肩に埋まっている沙由香の貌を掴んで、わたしは口を大きく開けて少女の唇にしゃぶるように
被せる。直ぐに離し口吻をせがむ沙由香をよそに、少女のツンと尖った頤を唇で挟んだ。
「はあ、はあ、はっ、あっ……」
動かないわたしをせかすように沙由香は昂ぶりからか、繋がっている腰をかるく揺さぶる。
「沙由、さっきみたいにこのままでいよう」 「さっきみたいに……。玄関でしたみたいに?」
 わたしは下唇で沙由香の頬を舐めてから、耳朶を唇で挟みながらここもしゃぶる。
「そうだ。家でやったみたいに」 「おじさま、人がこっちへ来る」
 沙由香はそう私に告げたが、離れるどころかひしっとしがみ付いて肩をぎゅっと掴んでいた。
わたしは沙由香と繋がったままで発進する。沙由香の息遣いが荒くなっていた。わたしの
ペニスは萎縮せずに沙由香の中で高揚感は持続していた。信号で止まることなく流れに乗って
先ほど通過したゆるやかなカーブへと差し掛かり始める。静かな波が躰を包んでいる。

 樺凛の頤をしゃぶりながら、ペニスを抽送されるたびに絡みつこうとした脚は跳ねあがって、
少女のベルトで縛られていた両腕は喘ぐ乳房の上で折りたたまれ祈りを捧げるような姿態を
テーブルに仰向けになってとっている。わたしはまさに獣だった。ペニスをずるっと抜き去り、
望み通りに亀頭で狭穴を狙う。
「樺凛、ほんとうにおしりを貰ってもいいんだね」 「は、はい。おしりでして……おねがい」
 愛液に濡れるペニスがびくんと痙攣し、わたしは樺凛の膝裏に手を入れて薄い乳房にぐぐっと
押し付ける。無残に凌辱された空洞の下、息を潜めて待っていた樺凛のアヌス。亀頭を押し当て
弾き飛ばされないように、ゆっくりと押し拡げ犯していった。樺凛の貌が苦悶に歪んで変貌する。
樺凛の狭穴を犯す代償として、わたしも樺凛も汗を噴き上げずぶ濡れになって。わたしは樺凛の
こめかみの粒状に噴き上がった汗を舌で掬いとる。
329あぼーん:あぼーん
あぼーん
『134』

 唇は大きく開かれて息が「はあっ」と吐かれて、すべてを受け入れようとしてくれている。
わたしは樺凛の躰に圧し掛かるようにして後ろの狭穴に肉茎を埋没させた。アヌスへと
滴る愛液も手伝ってか、樺凛はわたしの硬くなったペニスをゆっくりと呑み込んでゆく。
樺凛は窮屈に躰を折られて、座卓の上でわたしにお尻を犯されていた。いくら樺凛が
お尻の方が前門よりも馴染んでいるからといって、欲望に駆られての抽送は直腸粘膜が
裂けてしまわないか心配だった。

 根元まで埋めた頃に樺凛は口からあふれる唾液をコクリと飲み干し、くちびるを薄く横に
延ばしてはまた白い歯をわたしに見せる。その唇の動きに合わせて、わたしは静かに
樺凛のなかに打ち込んだ杭の律動を開始した。

 樺凛の眉間にはっきりと縦皺が刻まれ、眉を吊り上げた。まさに、少女を引き摺り倒す
という感覚に等しい。大きな声で叫ばれてはまずいと考え、わたしも口を大きく開けて樺凛の
唇を塞いで少女の命の叫びともいうべきアヌスを犯す苦悶の声を呑み込んだ。わたしの
ペニスは樺凛のきつい直腸の締め付けに遭いながらも、サディスティックな悦び顫える。

 こめかみの汗から、樺凛のくちびる、少女をわたしは食べていた。アヌスに小刻みに
伝わるであろう、ペニスの揺さぶりの顫えにも関わらず樺凛はわたしの唾液を喉を鳴らして
飲んでくれていた。わたしは唇を離すと、起き上がった樺凛の貌に頤を擦りつけると、口元で
左右に揺すって唇を開かせて含ませた。唇で挟んでは、おいしそうにしゃぶってくれて、すぐに
わたしはお返しをした。その間にも樺凛の手はわたしの脇腹を弄って頸へと巻きつく。

 苦しくはないのだろうかと、わたしは思う。樺凛の鼻孔は膨れ上がって重い呻きが
洩れてはいたが、いつまでも繋がっていたいと思っていた。そして避けがたい終焉が訪れる。
『135』

 少女の直腸粘膜をペニスで擦りたてた証として白濁を躰の深淵へと迸らせる。樺凛も絶頂感を
得たのか、唇を振りほどくほどに仰け反って、わたしの口腔に叫びを送り込んだのだった。
 
 沙由香とわたしの繋がったままでの夜の車道の走行に、わたしは夢のなかで揺られているような、
そう、沙由香に抱きかかえられていたと言ってもいい。小さな躰がわたしを温かく包んでいた。
沙由香の膣内が肉襞の蠢きが、わたしへゆるやかな抱擁を継続的にとくんとくんと穏やかな
鼓動のようになって捧げてくれている。ありきたりの言葉だが蕩けるということが、これほどまでに
圧倒的に迫ってくるとは思ってもみなかった。

「きもちいい」
 沙由香がわたしの耳元でぽつりと呟く。
「おじさまは……?」
 少し羞ずかしそうに聞いてくる。
「聞きたいか?」
「はい、教えて」
 緩やかなカーブから三叉路に差し掛かった頃、わたしは沙由香の黒い艶やかな髪を撫でていた。
「ああ、とてもきもちいいよ。沙由香の膣内は」
「ママのよりも……?」
「ああ、気持ちいいよ」
 沙由香のモノというより、この行為のもたらす危うさと、ただ繋がっているだけという安心感が
絶大だったのだろう。わたしは即答していた。

「うれしい」
 わたしは反対車線へとすうっと流されていった。まさに吸い込まれるように一直線に。アップビーム
と、けたたましいクラクションが近づいて現実に引き戻される。圧搾機に放り込まれたみたいな
衝撃に包まれる。視界が暗転する瞬間、物体がフロントグラスを突き破って飛んでいくのを見た。
それは、沙由香との快楽に耽溺していたわたしの幻視だった。しかし、車はクラクションを鳴らして
接近していて、すぐにハンドルを戻す。
『136』

 車が反対車線に流されていたのは現実だった。急いでハンドルを切ったことで大事には
至らなかったが、ハンドルを握った手は汗ばみ、貌は蒼ざめていた。
「おじさま!おじさま!」
 躰が急に揺れて沙由香も異変に気づいてはいたが、繋がったまま抱きついて、わたしを何かから
呼び起こそうとしてくれている。わたしはハザードランプを灯し、すぐに車を寄せて停止した。
鼓動は早鐘のように鳴り響いている。衝撃とともに、エアバッグをすり抜け、フロントグラスを突き
破って沙由香が放り出され、追突した車にバウンドして跳ばされる。
遠くまで弾かれてアスファルトを転げる沙由香。わたしは血だらけになりながらひしゃげた車を
這い出て、遠くに跳ばされた沙由香の血まみれになったパウダーピンクのワンピースの躰を抱き
かかえて貌を見る。アスファルトに抉られて、そこには沙由香の貌は無かった……かもしれないのだ。
このまま死んでしまってもいいなんて、思ってはいけない。流れた時、一瞬でもそう思ってしまった
わたしが馬鹿だった。
    
「沙由、抱き締めてくれ!しがみついていてくれ!」  
わたしは大声で叫んで、絶対的な恐怖で泣いていた。暫らくして視界に沙由香の怯えた貌が
入ってくる。
「だいじょうぶ、おじさま!」
「ああ、ごめんよ。沙由香。怖い思いをさせて、すまなかった」
 沙由香は泣き出しそうな貌で、懸命にそれを堪えながらわたしを見ている。わたしはこの貌を
失くそうとしていたのだ。本当にすまない、沙由香はわたしの瞳の色を読んで、貌を横にゆっくりと
振っている。子供でも女になって母親にもなる、強いものだと感心もして沙由香の貌を見ていた。

「わたしとおじさまのひみつ……ができたの」 
「ひみつ……?」
「だって、ママとも真理ちゃんともないでしょう?」
「そうだな、ひみつか……。みっともない貌を沙由に見られたから、ひみつにしてもらわないとな」
 沙由香の頭の後ろに手をあて、わたしを見ている沙由香の躰を抱き寄せ、笑いながら涙を
流していた。
333あぼーん:あぼーん
あぼーん
『137』

 ふたりの秘密という沙由香の言葉に笑いが込み上げてくる。沙由香はわたしの貌を覗きこんで
少しむっとしたような風情だが、わたしの涙にそれ以上は突っ込んでは来なかった。
「ママに言わなくてもいいのか?」
 わたしは沙由香に尋ねた。
「だから、ひみつっていったでしょう」
「わたしは沙由香を殺すかもしれなかったんだぞ。ママとの約束を破ったんだよ、沙由」

「それでも、いいの。ひみつなんだから……秘密なの……ひみつなの」
 沙由香を失うかもしれなかった恐怖。沙由香が生きていたという実感があふれてくる。そして
潤子への謝罪とかいろいろなことが頭のなかを駆け巡って涙を流していた。そういった弱さを
沙由香の前で見せたるのは、初めてのことだ。沙由香はわたしの涙を見たことからなのか、
ひみつを持ち出して必死になってわたしを何かから……わたしの不安がっていることがらから
守ろうとしているように思えてならなかった。そんな、沙由香も頬を濡らしていた。

「ああ、秘密だ。秘密にしよう」
「うん」
 額を擦り合わせて、両手で沙由香の頬を挟んで口吻をした。
「しょっぱいね」
「そうだな。しょっぱい」
 沙由香が舌を出してチロッと上唇を舐め回している。沙由香はわたしのペニスが後退している
ことに気が付いて、腰を揺り動かして締め付ける。

「しばらく、このままでいよう、沙由香」
「でも、おじさまの硬くなってるわ……」
 そうだ。わたしは沙由香の膣内で、また硬さを取り戻しつつあった。このまま沙由香の細い脚を
掴んで躰を回転させて、両手を前に付かせ……。
「このままでいいんだ。沙由香はイヤか?動いて欲しいか?」
「そんなことない。このままでも、気持ちいいから。気持ちいいから、おじさま」
335名無しさん@ピンキー:03/07/12 04:24
MOMO死ね! 
『138』

 少女のエロスに抱かれて、死の影が遠ざかっていった。わたしは沙由香の細い肩を抱き
二の腕に手を滑らす。ほんとうに細い。潤子のそれとはまったく異質なものだ。確かめる
ようにして、沙由香の脇腹に移って脇腹へと手を押し上げた。沙由香のパウダーピンクの
ワンピースが皺になる。沙由香の薄い肉も寄ったのだろうか。
「あうっ、あ……あっ」
 沙由香の躰を掲げるようにしながら、ペニスをゆっくりと抜いた。沙由香の小さな吐息が
わたしに降りてくる。

「ごめんな」
 沙由香の太腿には力が入っている。ハンカチを取り出して、沙由香の躰の雫をそっと拭う。
やさしく、丁寧に。わたしは、そのハンカチをポケットにしまおうとしていたら、沙由香はそれが
欲しいと言った。
「これが、欲しいのか……?」
「だめ、おじさま?」
 ダメというわけではなかったが、掲げた沙由香の貌が妙に艶っぽい。たぶん街灯と闇の加減
のハーフシャドウがそう見せているだけなのだろうが、沙由香の貌をじっと見ていた。

「だめ?」
「ほら、助手席に座って」
 沙由香を隣の席へ座らせる。スカートの裾を直すと沙由香はガッカリした風に正面だけを
真直ぐに見ている。自分の右腰の傍に置いたハンカチをとってたたむと沙由香へと渡した。

「おじさまとのひみつだから」
 沙由香が膝に置かれたハンカチを取ってわたしの方を見ていた。その言葉を聞いてわたしは
笑っていた。沙由香は笑わないでとは言わないで、素直にわたしの笑いに応えて、子供らしい
笑顔を見せてくれている。そしてまた、沙由香がしなだれて、わたしのペニスを細い指絡めて
ズボンのなかへとしまい込む。背中に流れる黒髪がペニスを蘇らせていた。沙由香がたたんだ
ハンカチで拭き取ろうとしていたが、それをやめさせる。
『139』

「いいの、おじさま。綺麗にしなくても?」 
「沙由香のだからいいのさ」
 単に、これ以上汚してしまったハンカチを沙由香の手に持たせておくのは拙いだろうと思って
いただけなのだが、それぐらいの嘘はいいだろう。
「じゃあ、わたしのお口で綺麗にするから」
「さあ、シートベルトを締めて帰ろう……」

「おねがい……」
 沙由香がわたしにしな垂れて、股間の膨らみを白い手で弄り始める。わたしは沙由香の貌に手をあてて
頤をすうっと撫でていた。
「沙由にしてもらいたいけれど、運転が危なくなるだろう」
「ほんと……?」
「ほんともなにもないだろう。沙由香が欲しいって言ってるじゃないか」
 わたしは沙由香の股間を弄る手を覆って押し付けた。ズボンの下の沙由香のもので濡れた
ペニスは、還るべき場所を見失ってピクピクと痙攣していた。わたしは沙由香の手をとって、
そのしなやかで綺麗な手を眺める。細く皺一つ無いと言っていいほどの綺麗な手。

「どうしたの、おじさま?」
「かわいくて若々しい、綺麗な手だ」
 沙由香が不思議そうな貌をして、わたしを見ている。
「へんか?」
「へんじやないけど、もっと他のところも誉めて、おじさま」

「口元が綺麗だな。沙由香の上唇が捲れてそうなツンとしたおすましさんが好きだな」
 実際になにをどう誉められれば沙由香が喜ぶのかなど考えもしないで喋っていた。明らかに性愛
に結び付けての発言にわたしはハッとする。
「わたしも、おじさまの手が好き。ママの手みたいに細ながい手。おじさまも、絵を描いていらっしゃるの?」
 わたしから、何かを読み取ったのか、沙由香は助け舟を出してよこした。
『140』

「ああ……。少しだけだがな」
「わたし、描いて欲しい」
 沙由香がわたしの方を見ている。
「潤子、怒るかもしれないぞ」
「わたし、頼んでみる」
 沙由香のなかではどうやら決まってしまったことのようだ。

「ほら、シートベルトを締めて」
 わたしは沙由香のシートベルトを締めてやる。
「ダメ、おじさま……?」
「わたしから潤子に頼んでみるよ」
「ほんと……?」
華やいだ沙由香の声が車内に響いていた。
「ヌードがいいのか?それとも肖像画か?」
「どっちでもいい。おじさまの好きなのでいいから」
「じゃあ、ヌードかな。沙由香の綺麗な裸を忘れたくないからな」
「えっち」
 沙由香の目は笑っていた。わたしはウインカーを点灯させて、車線へと戻っていった。そして家に
帰って玄関の扉が開くなり、潤子がわたしの躰に抱きついてきたのには正直驚かされた。

「留守番していてって、言ったじゃないの……」
「おい、沙由香が見ているぞ。泣くことないだろう」
 潤子にはすまないとは思っていたが、やはりあのことは言うのはよしたほうがいいみたいだ。
「構わないわ……」
 潤子の腕がわたしの頸にしっかりと廻される。もうひとりの沙由香がわたしを待っていた。潤子は
神経質なところがあった。グラスを落として割ったときでさえ、大きな破片を始末してから、テープ式の
ローラーで小さな破片を小まめに拾っていた。 
『あぶないんだから、こっちにこないの!』
339山崎 渉:03/07/15 09:24

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
『141』

『スリッパを履いているから大丈夫だよ』
『ほら、そのスリッパもかしなさいよ』
 わたしにスリッパを脱げという。
『細かい破片ぐらい掃除機で吸えばいいだろ』
『ばか』
 わたしが単に横着なだけだったが、彼女の大きな子供という感じだったのかもしれない。
満たされていた頃の、もうどうでもよかったことが……扉が開くなり潤子にいきなり抱きつかれ
泣かれてみて、ふっと思い出していた。

「裸足じゃないか……」
 抱き付いていた潤子の瞳が飛び込んできた。それほど長く見ていたわけではないのだが、綺麗な
沙由香のさっきまでの目だった。
「いいの」
 沙由香がわたしの手を強く握ったので、横を見るとニコッとしていた。沙由香とのデートの告解は
永遠の秘密ということか。潤子はわたしの持っている買い物袋を取り上げて、沙由香よろしく中を
見ている。

「なに、これ?」
 袋の中身を覗いて、呆れている潤子にわたしは貌を寄せる。
「潤子もたべたい」
 潤子は貌をあげて、わたしをかるく睨みつけた。
「これを買いに運転したわけなの」
「ママ、わたしがおじさまに頼んだの」
 沙由香がわたしと潤子の会話に入ってくる。
「沙由が……?」 
「ちがうって……。俺が沙由香に買いに行こうって頼んだんだよ」
 わたしは少しだけ、しどろもどろになっていた。かといって沙由香に助けてもらうわけにもいかない。
「ふ〜ん」
 潤子の妙に明るい相槌のトーンに、わたしは図に乗って言葉を繋いでゆく。
『142』

「潤子はどれを選ぶ?」 
「ばか」 即答だった、でも愛嬌のあるばかなのか。 
「ハハハ、ばかでもいいさ。で、どれなんだよ」 「ほんと、もう馬鹿なんだから……。沙由はどれなの」 
「えっ、わたし……?わたしはメイプルシロップがいい」
 沙由香も白い袋の中を覗き込んでいる。ポーチで三人して袋の中を覗きながら、品物の選定を
している。わたしたちは何をやっているんだと思ったが、わたしが言い出しっぺなのだ。
「じゃあ、わたしはこれね」 潤子がエバミルクの缶を取る。

「あっ……」 「なに、沙由はエバミルクもしたいの?」 「うん」 
「まあいいけど。じゃあ、加糖練乳にしとくわ」
 袋をごそごそとして潤子が桃の缶詰を見つける。
「これなら、家にあるわよ」 「ああ、それは……」
 わたしが説明しようとしていたら、沙由香が割り込んでくる。
「それ、ラ・フランスの缶詰のはずだったの」 潤子がわたしの貌を見て眉をひそめた。

「べ、べつにいいだろ」 「ひとの趣味にあれこれ言わないけれど、カロリーだいじょうぶなの?」
 潤子はそう言うとくっくくと笑い始めた。わたしもそれにつられて笑ってしまっていたが、沙由香は
ふたりがどうして笑っているのかわからないみたいだ。かといって淋しくしているわけでもなく、三人は
環となっていた。 「いっぺんに使うわけないじゃないか。なあ、沙由」

「さあ、中に入りましょう」 潤子はわたしから袋を取り上げると背を向ける。 「潤子、じっとしてろ」
「えっ、なに?」 潤子がわたしの方を振り返る。 「だから、じっとしてろって」 「なんなのよ」
 わたしは潤子の躰を横抱きにした。
「ちょ、ちょっと、やめてったら……!沙由香が笑ってるじゃないの」 「笑ってもいいじゃないか」
 沙由香の方を見ると、わたしに微笑んでいる。
「そうだな。沙由香より、重いから降ろすことにするかな」
 買い物袋がわたしの背中に廻されて、腕がわたしの頸にしっかりと絡みついた。沙由香が扉を開けて、
潤子を抱えたわたしは彼女の家の中に入っていった。
342あぼーん:あぼーん
あぼーん
ROM専でつがたまにはカキコを・・・
沙由香ちゃんがいじましいですねえ。あと最初は冷徹で何考えてるか
わからないところがあった潤子さんも、だんだんと人間味溢れるように
なってきていいでつね。

今は”楽しい家族のひと時”のムードでつが、これもまた儚く壊れてしまうのでせうか。
勝手に深読みして勝手に切なくなってまつ(笑

続き期待してまつ。
もうちょっと、まってください。

前に止めていたときは、ここまで考えていまして
交通事故で終わらせるつもりでいました。それはまずいと
思ったものの・・・どうしたものかと止めてしまった次第で。
そしていま、空っぽの状態でして、ほんとにすみません。
まったくのカラというわけでもないのですが。

それから、いつも読んで頂いて、ありがとうございます。
無理せず、ゆっくりいきましょう。
ここまで保管しました。

http://members.tripod.co.jp/novels2ch/index.html
346山崎 渉:03/08/02 02:38
(^^)
347178 ◆Q8IrVY3AOA :03/08/03 12:16
>>300
禿同

はなし変わるけど、携帯ゲーム機"プレイステーションポータブル(PSP)

 久夛良木氏は,“PSPはゲーム業界が待ち望んだ究極の携帯機”として説明。「ここまでやるかと言われるスペックを投入した」という。
 発表によれば「PSP」は,曲面描画エンジン機能を有し,3Dグラフィックでゲームが楽しめる。
7.1chによるサラウンド,E3での発表以来,クリエイターたちにリクエストが高かった無線LANも搭載(802.11)。
MPEG-4(ACV)による美しい動画も楽しめるという。これによりゲーム以外の映画などでのニーズも期待する。
 外部端子で将来,GPSやデジタルチューナーにも接続したいとする。
また,久夛良木氏は,繰り返し「コピープロテクトがしっかりしていること」と力説。会場に集まった開発者たちにアピールしていた。
 さらに,ボタン設定なども明らかにされ,PS同様「○△□×」ボタン,R1・L1,アナログスティックが採用される。

この際、スク・エニもGBAからPSPに乗り換えたらどうでしょう。スク・エニの場合、PSPの方が実力を出しやすいような気がするんですが。
任天堂が携帯ゲーム機で圧倒的なシェアをもってるなら、スク・エニがそれを崩してみるのもおもしろいですし。かつて、PS人気の引き金となったFF7のように。

突然へんなこと書いてスマソ‥
GBAと比較してみてどうなんですかね?(シェア以外で)
どこのスレと間違えたんだ?板すらちがうような(笑
349あぼーん:あぼーん
あぼーん
>>345
カウンタ、一万超えていたんですね。おめでとうございます。

そこの、貼り逃げさんの作品が読みたくなります。
秋のミモザみたいになると、さすがに頭痛くなってしまいますが。
351名無しさん@ピンキー:03/09/16 15:02
保守。
352名無しさん@ピンキー:03/09/29 14:00
353名無しさん@ピンキー:03/10/04 18:09
age
354名無しさん@ピンキー:03/10/05 03:36
age
355名無しさん@ピンキー:03/10/09 14:13
保守。
お引越ししました。
http://www2.mega-sp.com/users/novels2ch/
保守。
『143』
 
その日はまれに見る大粒の雨に、あじさいを揺らして地面を叩いていた。少女は
ひとりぼっちで濡れながらブランコに腰掛けて、まるで捨てられた野良のようにして、
ケージで薬殺を待って怯えて顫えている。公園の用水路はあふれそうなほどにかさを
増して流れていた。
そこを丁度通り掛かった女が、ブランコに腰掛ける少女を見つけ、公園に足を踏み
入れ、少女のブランコへと近づいて、仔猫でも拾うかのように声を掛ける。

薄暗い雨雲に映えるスカーレットの傘が、少女のずぶ濡れの躰へと差し出される。
女はスリムなブルージーンに朱黄色のプルオーバーを着ていた。芙蓉の花弁みたく
やわらかそうな布地の質感が女性の醸しだす雰囲気にマッチし、ジーンズは脚から
ヒップに掛けてのぴっちりとしていて、女の細身のラインを強調しすぎる嫌いもあったが、
清楚なヌードを思わせる。朱夏のノウゼンカヅラが狂い咲きして少女の前に立っていた。

「どうしたの?」
 少女は声を掛けてきた女にびくっとして、ゆっくりと顔をもたげる。もう一度
またたきをして、女を見た驚いた大きな黒い瞳。女が近づいてきたことにさえも気が
付かなかったらしい。雨をたっぷりと吸った黒髪は痛々しく、少女の瞳は女のつぼみを
思わせながらも、憐憫よりも退廃的なムードを漂わせ、どこかアートを思わせる。
少女は女に向けて邪悪な者でも見るように厳しく睨みつけた。

 けれども少女は自分に向けられた女の濡れた眼差しにゾクッとなって、躰の奥の
妖しい感覚に人知れず囚われていた。その感情がなんであるかなど、少女にわかる
はずもなく、ただ自分で縦溝におそるおそる、そっとふれたようなあの時の疼きを思い
起こさせる。
 均整のとれた……顔の分類からすれば、美人に入る女性だった。ただ、極度の
近視に加え、その焦点の定まらない遠くを見るような大きな黒い瞳に長い睫毛と二重瞼、
ぽてっとした煽情的なやわらかな赫い唇が男たちに得も言えぬ感情をもたらす。
『144』

 しかし、当人はいたって無頓着で男たちが思うほどの、ほんの僅かなことしか自分を
よく知らない。事実、そういった性の嗜好について本人は気づいてもいなかったし、
気づかれもされてもいなかった。そのおんなの濡れる貌はいま、銀色のシンプルな
メタルフレーム眼鏡が隠している。そして、少女の黒い瞳が泳いだ。
「よかったら、わたしのところへ来ない?」

 ごく自然な語り口調とやさしさに、甘えてみたいという誘惑。少女は女の貌を凝視
してしまっていた。少女の警戒心など気にも留めず、やさしい言葉を掛けながら
少女の貌に取り出したハンカチを押し当てて雨に濡れている貌の雫を拭う。雫を吸い取り、
絞って何度も何度も女は少女の貌をやさしく押えていった。
 少女の貌へとあてがわれたハンカチは、水滴をみるみる吸ってゆく。女の赤い傘を
雨が烈しく叩いていた。しかし長雨に晒されていた少女の黒髪は、いくら拭っても
濡れたハンカチではとうてい追いつくはずもなく、幾つもの黒い房となっていて少女の
白い貌にへばりついている。

 黒い房は濡れて艶やかに光り、先から雫が頬にしたたっていた。そう簡単に
元になど戻ってくれるわけもなく、絞ってもすぐに女のハンカチは、ぐっしょりとなってしまう。
それでも、女は少女に対して根気強くケアを繰り返してはいたが、問題はずぶ濡れの
衣服だった。
「檸檬の匂いがする……」
 少女は突然ポツリと声を洩らした。

「ああ、これね。檸檬、好きなのかしら?」
といってもミントと檸檬の混合のグリーンウォーターの香り。梅雨時に、この芳香は
清涼感をもたらすと思って女は使用していたが――。 (きつかったかしら……)
「……」
 女の子は押し黙ってしまった。
『145』

「その様子だと、好きではないみたいね。ごめんなさいね」
 女は少女を安心させようと、少しおどけて見せる。厭味なほどには着けてなどは
いなかったのだけれども。少女は慌てた。せっかく親切にしてもらったのに、気分を
害したとは思われたくはなかった。
「匂いは……好き……。です」

 女の子らしい口調に加え、暫らく間を置いた後付けの敬語に女性の口元がほころぶ。
少女の答えに、すっと通った鼻筋に皺をよせ、少女はいいようのない羞かしさに耳が
カアッと熱くなるのがわかる。
「酸っぱいものね。でも、よかったぁ。ねえ、それより家に来ない?ここにいてもし、
しょうがないしね」

 少女は頷いていいものか思案している風みたいだ。実際には女がなにを言ったのか、
少女にはよくわからなかったのかもしれない。
 女が少女を拭いたハンカチに目を落とす。 口元を拭った時に、白いハンカチには
微かに朱の滲みをつくってしまっていた。女がハンカチをチラッと見たのを少女は
見逃さなかった。パウダーピンクのキャミソールに白い水玉のプリントとブルーの
ハーフパンツを着たずぶ濡れの少女はブランコから立ち上がる。

親切にしてもらったのは嬉しいが、もうここにはいられない。そう少女は思って、
頷く振りをして此処より逃げようと心に決めた。逃げようと考えたのは少女のなかの
世界では重大な決意だった。
「いたくしないで……いたくしないで……おにいちゃん」
 そう叫んでいても、嫌われたくないという想いと、自分が悪いからこんなことを
されるんだという鎖が少女の華奢な躰をがんじがらめにして、小さな胸に重く圧し
掛かってくる、つららの季節の出来事。
『146』

 大寒波襲来の年、大雪に見舞われ、軒には大きな氷柱がいくつもできていた。その日、
真林(まりん)は兄の真(しん)といっしょに長靴をはいて、大雪に入っていって、
脚のほとんどを雪に深く埋めながら白い息を吐き吐きして、裏に廻ってやっとのことで
透き通ったきらめく沢山の氷柱を見た。手を伸ばせば、兄に抱かれて手を天上に
伸ばせば、屋根に届きそうなほど。でも……。

「わあぁ、きれい!こんなにもたくさんできてる!すごおい!」
 母・遼子と三人でいった鍾乳洞。せまい穴をくぐっていったら、透明の床に緑色の川が
流れていた。そしてライトに煽られた乳白色の石の華を真林は生れてはじめて見た。
その鍾乳石のように氷柱は太かった。でも、これは透き通っている。
「真林、あぶないからあんまり近付いちゃダメだぞ」
 陽が照ってきて、ぽたぽたと雫が落ちてくる。

「う、うん」
真林は見上げて、先っぽから滴る雫を手袋を脱いで受け止める。
「飲むんじゃないぞ。雪を食べてお腹をこわしただろ」
 舌を差し出して、融け始めた氷柱を舐めて見たいと真林は思っていた。真が頬を
赧くしている少女の横顔をじっと見詰めていた。
「ねぇ、おにいちゃん?」
「なんだ」 「なんでもない」 「嘘いえ、何か考えてただろう」 「あったりぃ〜」
「なんだ、それ」 「いいの。ねえ、おにいちゃん」 「なんだ」 「雪がとけるとなんになるぅ?」

「つららじゃなくてか?」
 もし、その真下に行って、ストックででも上を叩いたら、みんな落ちて来て躰を刺すの
かしらと、考えなくもない。そんな恐ろしい空想を少女はして微かに顫える。
「そうよ。雪」
「そりゃ、水だろ」
「ちがうもん」
『147』

「わかんない?」
「ん〜、わかんないなぁ」
「考えてよ」
「考えてるってば」
「はる。春になるの」
 真は真林を見ながら腕組みをして笑っていた。
「ずるいっ」
「なにがさ」
「だって、しってたんでしょう!」
「しらなかったよ」
「うそ!」
 また真は笑った。

「もう!」
 真林は怒って、真のほうに駆けようとして、足をとられ軒の下へと滑り落ちていく。
「きゃあぁあああっ!」
 蟻地獄に堕ちるように真林が躰を滑らせて氷柱にぶつかって、屋根に積もった雪が
ドドッと落ち、真がそれを庇っていた。真林が真の重みに呻いて、泣き出した。

「だいじょうぶか」
「うん……だいじょうぶ。ごめんなさい。ごめんなさい」
 真の頬に痣ができていたが、小さなものだったが真林にとっては大きな傷になる。
そして、大きな氷柱が夜になって本当に躰を裂くものになるとは思ってもいなかった。
プレッシャーはまがまがしい男根に収斂されていって、透き通った氷が熱い艶やかな
張りのある赤銅色の亀頭となる。少女の狭穴をゆっくりと拡げ犯そうとした。
押し拡げられ徐々に裂かれてゆくような痛みが終わってから、泣きながら真林は
両腕を水平にして押さえつけられていた手を下へと折り曲げてシーツに手を拡げ、
貌を上げ自分の股間をおそるおそる覗き見た。
『148』

 蒼白の内腿に滴る一條の赫い記憶から仕掛けてくる、まだ何かを咥え込まされている
みたいな違和感。その後、重い鎖の連綿とした夜の恐怖に天使ははばたいて、羽根を
毟られて少女は堕ちてゆく。
 いくら好きだからと言われても、その時は愛がなんであるかなど真林は知らなかった。
知りたいとも思わなかった。あいしてると、繰り返された言葉が通り過ぎていった。
 
 躰は馴染むことなく閉ざされたままに、兄の真によって時を掛けて覚え込まされて
いった躰を重ね合わせるセックス。しかし変化が訪れたのは姦通の破瓜からすぐの、
次の夜の出来事からだった。ほんの小さな、むごい種を真は真林へとしっかりと植え
付けた。
「ほら、いってごらん。おまXこしたい。真林はおにいちゃんとおまXこしたいって」
 少女はベッドに既に裸身を仰臥して脚を拡げられている。少女の部屋の床には、
兄が毟り取った翼、衣服が無残に散乱していた。掲げた両腕で少女は貌をかくして啜り
泣いている。まだ男に馴染まないままに、性交をしいられる肉体は、痛みから逃れようと
する本能で脚をばたつかせて必死になって抗っていた。

 暴れるからといって、男は少女のつぶらな秘孔に力ずくで亀頭を押し込めようなどとは
しなかった。ひたすらお姫様のように少女をやさしい言葉でなだめ、顫える躰を強く
抱き締めてやり、薄い鳩胸に耳をあて少女の鼓動を聞いて待つ。
「愛しているから、こういうことをするんだよ。これが真林(まりん)と僕の絆だから」

「……いやぁ、いやなの。もう、いやあ。おにいちゃん、やめてぇ!」
 少女は暴れる躰を抱き締められて、じっとしていることでさえも正直苦痛だった。
なにか、そう突然に窮屈な箱の中にむりやり押し込まれたような感覚に総身がそそけ
立ち、いたたまれなくなって、永久に牢に鎖で繋がれているような、そして限界を
越えてしまうと無性に腹が立ってくるのだった。少女のどうしょうもないイライラが
ついに爆発した。
『149』

「真林、脚を拡げてみせて」
 男のペニスを無毛のセックスに押し付けられながら、痛みのはじまりの時を少女に
告げる。少女は苛立ちを手に代えて、男の頬をおもむろに引っ掻く。
「あっ!」
 真は思わず叫び少女の爪と皮膚の間に、抉れた肉が残った。
「痛いのはいやなの」
 冷たい落ち着いた声だった。少女のもつ本来の低声と語尾の微かなウェット感は
微塵もない。血が逆流しそうなほどの怒りに駆られた衝動が真林を突き動かしていた。
そんなことをしたら後でどうなるかなどと考えて行動はしない。例え、その後で男から
こっぴどく折檻されたとしても、少女思慮なき怒りで本能のまま抗うだけ。

 しかし男には少女の見せた一瞬のおんなに触れたことで歓喜した。だから男は
決して少女を折檻しようなどとは思わなかった。叩こうとはしなかった。だが、少女の
所作は激情へと一変した。
 頬を少女の爪が引っ掻き、毛髪を掴んでおもいっきり引っ張っていても。それでも、
男はじっとして少女の躰のなかの癇癪が通り過ぎるのをじっとして待っている。
「あぁああああああああああッ!あっ、あ、あ、ああああああッ!」
 なにもできないと分かると、あまりにも男の腕の中で非力であることを嘆き少女は
口を大きく開いて喚き散らす。握り拳をつくって、ところかまわず振り下ろすのだった。
男の顔に頭に、白いシーツに拳が叩きつけられる。

「はっ、はあ、はあ、はあ……」
 怒りの名残は、少女の呼吸の荒さ。それは、昨晩のセックスのあとに酷似していた。
「おちついたかい?」
「いっ、いたいよう……」
 男は少女の細い腕をつよく掴んでいたことに気が付いて、あわてて手を離す。
「ごめんよ、真林」
『150』

「……」
 嫌なことを押し付けてくるのに、どうしてこんなにもやさしいのか理解し難いこと
だった。少女のなかに何かが生まれる余地がそこにはのこされていた。
「いたかった、おにいちゃん?」
 瘤が子宮を押し上げる痛みだけで、ん、んんっという重い呻きが噴くだけのセックスが
よぎっていた。荒い息が整った頃に、少女は男にそう尋ねてみる。いつもとかわらぬ
少女らしさでも、一昨日までの笑顔ではなかった。

 男は少女の頭に腕枕をして抱きよせ、やさしい眼で愛でて少女のパーツを吟味している。
本来の切れ長で涼しい瞳、薄い唇、尖った少女の上唇、尖ってほっそりとしている頤。
少女はそんな目で見られているとは露ほども知らない。兄と呼ばれる男のやさしさは
性愛と等価でも、少女にはとうてい受容できるものではなかった。
 少女は男にどう言葉を掛けてよいものやら、想像もつかない。もっと適切な言葉を
探そうとしても何一つ見つからなかった。なんともいえない淋しさが少女を包み込み、心が泣いた。

『挿れるからね』
 男は亀頭に気持ちを収斂させると、少女の仰向けになっている躰の太腿とは呼ぶには
あまりにも華奢でなよやかな脚を僅かに自分の意志で拡げさせて、少女の脆弱な臀部を
男の正座した膝の上に載せて、曳き付け一気に滾るペニスで両脚の狭間をぐぐっと割り開く。

『ああっ、いやぁああ……。おにいちゃん、やめてぇ』
 あっけなく稚い性器を曝け出されて、曳きつけられる非力さと、硬くなったペニスに、
真(シン)によって躰が灼き尽くされるのかと思うと、真林の中で怯えが拡がる。
『ほら、こわくなくなる魔法だから』
『いや、あぁああ……。いやぁぁぁっ……おにいちゃん、おにいちゃん……』
『いってごらん、まりん。ほら、はやく!』
『151』

『うむうぅぅぅっ!』
『まりん、まりん……』
 僕の真林と真は叫んで、両手で肉付きの薄い少女の脾腹を両手で包み込んで、
抱きかかえるようにして腰のくびれから臀部へと滑らす。
『おにいぃちゃああぁあん!』
 少女は泣き叫んで上に抱きかかえるように手を滑らせる真の動作と重なり合って
仰け反った。いたみに躰が軋んでゆく……。だいすきだった兄に……されて……。
少女のほっそりとした躰が弓なりに……否、真林の華奢な躰は弓そのものとなっている。

『ああ……。す、すき……。すき、すきだから……おにいちゃんんっ!』
『……』
 真は真林の切れ切れの問い掛けに、なにも答えようとしなかった。がまんのできなくなった
躰は、兄に教え込まれた言葉によって、しゃくりあげながら解放の鍵を使ってしまう。
 リビングでは、長椅子に座って蛍光灯をうつろな瞳で見詰めている遼子がいた。
別に天井を見ているわけでもない。遼子の瞳に、くらい嫉妬が巣食っていた。

 ほっそりとした頤を引いて、正面を向くと遼子は静かに瞼を閉じ合わせた。その瞼は
ぴくっ、ぴくっと時折痙攣する。ヒップの傍に付いていた右手を開いて白いブラウス
越しに乳房を受月から持ち上げるようにして、くぐっと押し潰し鷲掴む。遼子の柳眉が
よって、眉間に縦皺が刻まれる。

「はっ、はあぁ……」
 とても小さな、羽根が舞い落ちたような、息継ぎのような儚い音が薄くひらいた
唇から洩れた。左の手はまだ、腰に付けたまま。遼子は突然、肩を沈めて、ずるずると
長椅子に浅く座った。腰に巻かれていた紐のフリンジベルトが摺り上がりルーズなって
ベージュのシフォンスカートの裾も捲くれ上がる。
『152』

 左手が腰にぴったりと付いて、しゃにむに手繰り寄せると遼子の美脚のライン――。
きゅっと吊り上がったふくらはぎがあらわになって、膝小僧から白い太腿が。
「はっ、はっ、はあ、はあ……」
 いまはこの脚を舐めて愛でてくれる真はいない。舐めて、その先のむっと牝獣の匂いを
孕んだ緋肉を愛した肉茎は、あえかなる華の真林を愛す。右乳房にぎゅっと爪を立て
ブラウスの隙間に指を突っ込んでいってボタンを弾き左乳房を掴んだ。浅く腰掛けた
躰はのたうつみたいに腰をくねらせ、ヒップラインを捉えると遼子は頭を肘掛に載せ、
片脚からショーツを抜いた。そして、左脚を背もたれに引っ掛け股間を天井に向ける。
漆黒の恥毛がそそけ露に濡れて歔いていた。

『お、おま×こしたい……。おま×こ……おま×こおぉぉぉ……っ。おにいちゃん、
おにいちゃん……』
 猥褻な言葉だけれども、少女には記号の意味しかもっていない。呪文を少女の儚い
くちびるというパーツで口にすると、稚いセックスに突き挿った真の強張りが真林の
膣内(なか)で烈しく跳ねあがった。真林へのインプリンティングがほどこされてゆく。

 遼子はうつ伏せになって、頤を肘掛に乗せ、「うっ、ううっ。も、もっと、もっと……して」と
啜り歔く。牝になった躰を遼子はわざと長椅子からフローリングの床に突き落とした。
遼子の躰は時折、びくんびくんと痙攣して、ほしいとぽつりとつぶやき涙で床を濡らす。
 床に擦り付けていた頬が小鼻になり、額になって、腕が前に引き寄せられて肘を
付いて上体を起こした。

「真を誘うかっこう……ね」
 遼子は気だるい躰をうなだれ、四つん這いから水から引き揚げるようにして立ち
上がった。スリッパを脱いだままで、ショーツを足首に引っ掛けたまま裸足で
ダイニングに歩いていった。リビングの照明を落さないまま。
「お料理、温めなおさなくちゃ……」
『153』

『そう、好きだから――愛しているからだよ、真林』
『や、やっと、こたえてくれたぁ……。おにいちゃん』
 泣いた少女の躰は総身で喘ぎ、烈しく男にゆさぶられてゆく。階下のダイニングでは
遼子が灯りの落としてテーブルに貌を伏していた。指先は露に濡れていて、遼子は
それをぼんやりと見詰めて、唇に運んで口に含む。次第にちゅぱちゅぱとおしゃぶりする
湿り気をおびた音があけすけに部屋に響いた。

真林に突き入る真のペニスに仮想し、指で口腔を掻き廻し遼子はわざと頤を濡らして、
白いリネンに涎を垂らした。
「はあ、はあぁ……」
 しまいには、くちゅくちゅと口腔内で溜めた唾液をクロスに垂らして、小鼻を擦り
付けて舐め出す。白の布地にルージュが刷かれ遼子の嗚咽が洩れると、泣き貌を
ゆっくりとテーブルの上で腕を組みそこに隠す。

 どうして、部屋に乗り込んでいって取り戻そうとしないのかと、反芻してみても真には
逆らうことができない遼子だった。息子の性奴隷という言葉が遼子のおんなを灼く。
髪が組んだ腕によって引っ張られ、額が擦れてリネンのクロスにふたたび落すと、
腕がほとかれて両耳をしっかりとふさいで貌をあげた。
 うつろな瞳を前方に見やると、遼子は両腕を真直ぐに伸ばして這うように何かに
縋ろうとする姿態になって、テーブルに載せられたごちそうを蹴散らしてまでも二の腕で
耳をふさいだ。拡げられていたクロスの上の手は強張っていって、リネンを掻き寄せて
握り締めると言葉にならない声で叫んで、おもむろに立ち上がる。食器たちが悲鳴を上げた。

「どうしたの?ほら、いらっしゃい」
 女はおいでと傘を持っていない手を拡げて見せる。そのしなやかな手が雨に濡れた。
少女はやさしさと今ひとつ理解し難い感情を抱いてしまう。女の白い手に雫が降り注いでいる。
ふたたび女の言葉に驚くとともに、鼓動がとくんとくんと早まっていった。
『154』

『吸血鬼……?』
 女の子はね、男の子に恋して子供を生んだんだ。でも、男の子にはひとりの女の子では
がまんできなかった。赧い血を見ないと満足できない躰だったんだよ。だから女の子は
男の子に自分の躰を捧げようとした。ドレスを引き千切って、男を引きとめようとした。
『そしたら……?』
 そしたらね、男の子はしかたなく女の子に牙を立てて血を啜ったんだ。でも、やっぱり新鮮な
処女の血が欲しくて堪らなくなって出て行こうとした。女の子はなんて言ったと思う。真林はわかる?

『わからない……?』
 女の子はわたしを咬んでといったんだ。乳房をたべてバーニー、牙で肉を千切って食べてって。
そしたら出て行ってもいいからって。その疵を愛でて、これからを生きていくからって。
 そして、女の子は血だらけになって白い綺麗な肌を穢した。おんなはここから血を流すのに――、
『ひっ』――男に咬まれて血を流したかったんだってさ。
「遼子って馬鹿だよね」

『お、おかあさん……?』
 そして、僕が生まれたんだよ。かあさんにとって、僕はとうさんの身代わり。だからね、これからは
僕がかあさんに復讐するんだ。
 真の指が真林の無毛のスリットをもういちど、そろりと撫であげる。
『あぁああ……!』
 篠崎真林は異形の者のような声で喚いた。
「馬鹿だなぁ。うそにきまってんだろ。その娘はサラといって、男に呼ばれて裸婦画を描いていた
モデルだったんだよ。空想好きのね」
『……』
『155』

 でも、男には他にもモデルがいたから、悩んで咬んでといったんだ。最初の
うちは、それでよかったんだけれど咬まれた痕の歯形が親に知られるところとなって、
その男は父親に殺されてしまったんだ。
 女の子は泣いたよ。部屋に閉じ込められて出してもらえなかった。父親は
牢屋に入れられるし、稼ぎはなくなるし、男を引き込んだ娘を母親は赦しておくことが
できなかったんだ。でも、女の子は隙をみて逃げ出して、男の家に向った。

 アトリエには……、そこにはもう少女と男が躰を重ねあった長椅子しかなかった。
女の子は男の机にいって引出しを開けて、覗き込むようにしてパステルを一本
取り出した。奥にあった、たった一本の紅いやつ。
 女の子はしゃがみこむと泣きながら腕で涙をふきふきして、城を描いていった。
真っ赤なお城。ホワイトじゃない紅蓮の城だよ。永遠を夢見たお家。女の子は
男の子とそこでいつまでも暮らしたかった。そう祈ってた。

 そこに、警官と母親が入ってくると、女の子は長椅子に腹這いになって、
小さなお尻をくなくなとゆすりたてていた。クッションは濡れ、床にも水溜りが
できていたんだ。女の子は、もうおかしくなっていたんだよ。
『それ、だれのお話なの。おにいちゃんのくうそう』
 ちがうよ。さっき、かあさんだって言ったろ。かあさんが僕にしてくれた話さ。
まりん、僕と吸血鬼ごっこしよう。
『まりんを咬むの?』
『僕に咬んでほしい?』
『……』
 すこしだけ。ちょっと歯をあてるだけ。してみる。まりんが望むなら、お尻も
おま×んこも咬んであげるから。――真林は真の言葉に躰を顫えさせる。
こわがることなんかないよ。やさしくしてあげるから。
『156』

 真のペニスが真林のセックスを捉え、華奢な脚を掲げられて揃えられる。少女の脾腹は
喘いでいたが、声を上げまいとして、鼻息が顫えていた。
「どうしたんだい。声を聞かせて」
 最初の頃、真林は泣きじゃくっていた。高く脚を真直ぐに掲げられ、暫らくそのままの姿勢で
稚い無毛の秘園を視線で犯される。躰を捻って、両脚をばたつかせて、踵で真の顔を蹴った
こともあった。しかし、それでも真は好きだからといって怒ろうとはしなかった。結局、折れて
躰をひらくのは、いつもいつも真林のほうだった。

『いゃあっ、お尻が見えちゃう!見ないでぇ、見ないでェ……!』
 そして、真林は閨声をがまんすることを覚えたが、それとて真にとっては真林との愉しい
時でしかなかった。真直ぐに伸ばされた脚、足首を束ねて掴まれて前に傾けられ小さな尻を
曳きつけられると、そのまま尻を浮かされて膝に載せられ、真直ぐに伸ばしたままで
拡げられ突き挿れられた。
「ん、んんっ、ああっ……あ、あっ!」
 一度噴き上げてしまえば、少女が崩れてしまうのは転げていくようなもので、堰を切ったように
解き放った喚きが迸った。


 駆け足で逃げようか――それとも本当に飛び込んでいってしまおうか。
『わたしも、お兄ちゃんが好き。だから、嫌いにならないで。まりんを嫌いにらないで』
『嫌いになんかならないから。だいじょうぶだよ、真林』
 遼子との諍い、躰できもちよくなる、みたいなことが恐くなりはじめていた。そして遼子がしゃべった言葉。
『う、うそ。おにいちゃん、おにいちゃんは……』
 泣きながら、がくっとうなだれ、涙をぽろぽろこぼれさせていた。手の甲でごしごしと擦る。
涙を拭うのではなくて、額をしきりに擦っていたのだった。大きく開いた瞼がぎゅうっと閉じて、
あふれ出る涙がぼたぼたと滴って床に滲ませる。
『157』

「さあ、いらっしゃいったら」
 少女は一瞬躊躇っていたが、すぐに女の胸に飛び込んで大声を出して、泣きじゃくって
しまった。抱きついた女のブラウスをぎゅっと掴んでなかなか離そうとはしないで、
女をたいへんに困らせていた。
「ほら、もう泣かないで。ねっ」
 左肩を少女は抱かれ、女のぬくもりが伝わった頃に、手を離してぽんぽんとやさしく
叩かれる。

「なにしてるの」 
 バスタオルを巻いた真林がドレッサーの前の鮎夏へと近づく。
「ん?お化粧しているのよ」
 女は三面鏡の前に座って、紫青色のキレイな瓶を傾け液体を手のひらに落とし顔を
叩いていた。
「いい香り。なんの匂いなの」
「わからない?」

「ローズ」
「あたり。薔薇の香りよ」
「舐めてみたい」 (な・め・た・い・の)
「ダメよ、そんなことしたら。飲んだりなんかしたら、喉が焼けるかもしれない」
 女は思いついた適当な嘘を少女に言った。
「やける?」

「そう、のどが熱くなってひりひりしてね、水が飲みたくてしょうがなくなるのよ」
「うそ。でもわたし、そんなことしないもん。ねえ、だからわたしにも付けて」
「いいけど、ほんとに飲んだりしたらダメよ」
「はい。だから、付けて」
『158』

「じゃあ、手を出してみて」
 少女は女に手を差し出した。小さなかわいい手。見ようによっては、赤ちゃんみたいな
表情をする可愛らしい手。
「よかった。石鹸の匂いでいいって、いわないから」
「そう」
女は少女の手の平を包み込んでやさしく撫でつける。
「くすぐったあい」
「手の甲をみせて」

「こう?」
 女は手に少量のローズウォーターを落として、少女の甲に付けた。
「ええっ、これだけなの」
「そうよ」
「少し待たないとダメだから。あしたの晩になってね。なんにもアレルギーがでなかったら
ぴたぴたって、してあげるわ」
「よかったあ」
 女は少女の子供らしい反応に微笑んでいた。

「お姉ちゃん、おこっちゃったのかと思ったから」
「でも、ほんとに飲んだりなんかしちゃダメよ」
「じゃあ、わたしのおねがい聞いて」
「なんか、それってへんね」
「へんじゃないからぁ」
 言葉がちぐはぐでも、真林のかわいらしい言い方に樺凛は押し切られてしまう。
「どうしたらいい?」
「目を瞑ってみて」

訂正・373 下三行目 樺凛でなく・・・鮎夏です
『159』

「こうかしら?」
 女が少女の言われたまま素直に瞼を閉じた。綺麗な横顔を少女は見ていた。すっと通った鼻筋。
尖った顎のラインが横から見ると、とても綺麗なのだ。
「そう」
「いたずらなんかしたりしたらダメよ」
「真林、しないもん」
 少女は女の耳にふうっと息を吹きかける。

「だめだっていったでしょう」
 女は右肩を耳に寄せ、躰を捩る仕草をした。
「ダメ、ちゃんと前を向いていて。ほら」
「いいわよ、もう」
 くちびるを女は尖らせて鏡の正面を向く。
「おこったの」
「おこってないから」
「おこってる」
「おこってません」
 そういいながら少女は女の気を逸らして、頬にくちびるを近づけると、舌を可愛らしく、
ちょこっと差し出して、つうっと舐めたのだった。

「こら、いたずらしないっていったじゃない!」
「いたずらじゃないもん!」
 女は足早に逃げた仔猫を追ってシングルベッドに飛び乗り、少女を組み敷いた。
「いや、ヤメテ……」
 女は少女の艶と言葉にドキッとして、咄嗟に躰から離れた。
「うそ」
 真林が鮎夏にいたずらっぽく言って、乱れた髪を掻き上げた。
『160』

「もうしらないから」
「おねえさんかわいい」
 少女が起き上がってベッドから降りようとする女の背中に抱きついた。女は首に巻きついた
少女の腕にふれる。
「もう寝なさい」
「いっとしょにねて」
「甘えん坊なのね」
「甘えちゃだめ?」
「薔薇の花びらみたく、とかしちゃうわよ」

「はなびら?」
「化粧水は水蒸気で薔薇の花びらを溶かしたものなの」
「わたし、おねえさんなら溶かされてみたい」
 少女が女の頬にくちびるを付けた。ツンとした少女のパーツが女の香りのする頬で
猥褻にひしゃげる。

「わたし、おまXこしたい」と女の耳元にささやく少女。
「なにをいってるの?」
 わかっているの、と語気を荒げそうになるのを女は呑み込んでいた。女は驚いて、
抱きついている少女の貌を見る。淫猥さなどない、無垢な貌なのだ。
女は思っていた。
 少女は自分の中の魔性について、わかっているのだろうかと。その少女は
笑っていても、おんなを感じさせてしまう素養を持ち合わせている。ふつう、おさな子の
場合、無邪気に笑ってしまうとおんなの部分は陰に失せてしまうから……だのに。

 なにをバカなことを考えているのだろうと、女は少女を改めて見ると貌はやや紅潮している
ように見えていた。信じられないことだったが、少女は女をたべたいと誘っているとしか
思えなかった。
「おねえさんが、おまXこしたいって言ったから、わたしもいっただけ」
『161』

 同世代の男の子の声だと、がちゃがちゃしていて、女にとっては勘にさわるだけの
代物でしかない。ましてや、変声期を迎えた頃の声にエロティシズムなど、これっ
ぽっちも感じなかった。しかし、女はそんなことなど認識すらしていなかった。
ただ、なんとなくそう思っていたまでのこと。

「わたし、そんなこといってない」
 そんな言葉をつかったらダメよというつもりが、否定の言葉しか出てこない
というのはどういうことなのだろう。
 ましてや、女は自分をなにも知らない無垢な少女に置いていたことに気づく。
少女の性に殺されると女は思った。たぶん、既に捕食されてしまっているのだろうと。
「花びらみたく溶かすとかいったわ」
 少女の媚態を帯びた声はナチュラルそのものだった。
「ダメよ、そんなこと」 「おねえさんがいったから、わたしもしたいって……」
「……わたしがなの?」 女は少女を見ていられなくなり下を向いた。

「そう、おねえさんから仕掛けたの。ねえ、こっちを見て」「あなたはいったい誰なの?」
 少女のツンとした小さなくちびるがゆっくりとひらいて、女のくちびるに重られた。
女のくちびるは少女を感じて、自分をひらきたくなる。やわらかくて
蕩けてしまいそうなくちびるが女の頭を甘く痺れさせ、このまま堕ちてみても
いいのではないかと瞳が潤みはじめた。

「おねえさんに好きを贈りたいだけ。ありがとうといっしょに」
 真林の言葉は語尾に適度な湿り気を感じさせる濡れ露草のように儚くて、心地よい
響きをもっていた。いま、おんなの性器は青紫色の花のようにどろどろに蕩けて
しまって、それすら不自然さは感じない。
 なにか尊い時に自分がいるような、少女の季節に機械の歯車として組み込まれている。
女はドレッサーの上の紫青色の鮮やかな化粧水のボトルを見て、かるい眩暈に囚われる。
 おかえりなさいませ!今章は真林ちゃんがヒロインですか。続き期待してまーす!
『162』

 ローズウォーターのボトルが鮎夏の視線に入って、ゆっくりと瞼を閉じる。タオルが
はらりと床に落ちて、人形のような少女の躰が露わになる。でも、鮎夏は少女の味を唇に
感じていて、見ることは出来なかった。
「はあっ……」
 真林の腕が首に絡まってくる。猥褻という言葉が鮎夏の中で色になっていった。
今日の出来事が肌に馴染むようだ。瞼を閉じても、真林の切れ長の瞳が微笑んでいるのが見える。

 紫青色、鮎夏はしせいしょくと呼んでいた。私的な造語。化粧水のボトルは、まばゆい
ばかりのショッキングブルー。陽光にかざすと鮮やかさが増す。
 主の青に紫が混じったカラー。青藍色に少量の紫を落としたような冴えた色だった。
紫青という呼び名があるのなら、それは冴えるアヤメのむらさき。

 少女に迫られた時、ドレッサーの上に置かれたボトルを無意識にチラッと見ていた。
鮎夏はどちらも捨てがたく好きだったが、ボトルの色に似ているツユクサに惹かれて
濡れていった。その花のもつ美しさはもちろんのこと、朝に濡れる儚い花から次には
花弁の中をどろどろに変えてしまう……。もうひとつ、そういう花を知っていた。月下美人。
一日花の宿命、流れる時を止めることは出来ない。花には美と醜が常に表裏と
承知していても、とらえどころのない興味が鮎夏の中に湧いて来た。鮎夏は太腿を
ぴくんと痙攣させる。(わいせつ……。わたしは卑猥な女なのかもしれない)

 鮎夏も真林もそっと唇をあてて、少女のツンと上向いた上唇が捲れて行いく。鮎夏が
薄く唇を開いたら、真林が貌をすこし横に傾け軽く擦り合ってゆっくりと離した。少女の
唇のぷりっとした儚い感触が熱い。捲れた鮎夏の上唇は、まだ真林のものとふれあっていた。
「はぁ、はあ、はあ……」
 肩が少女とのセックス、そう、これはもうセックスとしかいいようがない。鮎夏は真林に
そっと剥かれてみだらになった。真林の吐く息も乱れていたが、露骨に性を求めているのは
自分なのではないのと、タオルの下の乳房となよやかな下腹部を波うたせている。
『163』
 
 閉じていた鮎夏の瞼が痙攣した。開くのがこわい。少女の華奢な両肩に鮎夏は手を持って
いこうとしても抱きしめることができなくて――。
「はっ、はあ、はっ……」
 呼吸はまばらだった。溜息のように息を吐いたかと思えば、突然にみじかく息を吸い込んでしまう。 
「お姉さん、好き」 
 真林の少女らしい可愛らしいささやき。低声に魔性を秘めている。少女は気づいているのだろうかと
思った。 「だ、ダメよ……。やっぱり、いけないわ」

 鮎夏は瞼を開き、真林のマシュマロのような唇が、今度はほんとうに離れていった。真林の
鎖骨のおしまいに手を立てて少女の躰を離そうとしたら、手首に指が絡まってきた。
「わたし、お姉さんを見たとき、ドキドキしてたの。いっしょにお風呂に入ったときも」
 真林の人差し指が肘をひと撫でして二の腕の下を愛撫する。
「あっ、ほんとにやめて……!」
「どうしてぇ」

「どうしてって……」
「わたし、公園でお姉さんに……拾われたとき……せっくす、しているって思ったの」
「せ、セックス……」
「あかい女が……わたしの前にあらわれてびっくりして……あそこを……」
「さわっている、きもちになった?」  やさしい声音で鮎夏は真林に問う。 「う、うん……」

 鮎夏の赫い唇が開いた。真林の溜めに誘惑されたような格好になって、少女の刻に、どこまでも
組み込まれたいというねがいに、泣きたい気持ちになる。真林の切れ長の瞳が細くなって
微笑んでいた。自分はどんな貌をしているんだろうか。すぐ顔を捻って見れば、自分の貌が鏡に映るのに。
少女の躰が、またゆっくりと近付く。微かに拒んでいた鮎夏の腕が折り畳まれ、二の腕の下側から
脇の窪みに指先の儚いタッチが這う。
(ど、どうして……どうして、こんなにも繊細なの。この娘がこわい……)
いつも、ありがとうございます。

以前、169のところで書いた、プロットを
こっちに戻すかもしれません。まだ微妙ですが
その時はゆるしてください。
『164』

少女のくちびるの赫が近付く。口吻をし合って、蠢く舌のちゅっ、ちゃっという湿った
淫音に双眸が潤むのだろうかと鮎夏は思った。真林の薄い唇が寸でとまって、鮎夏と真林
の吐息が絡み合う。
 脚をふみだしたのは、鮎夏のほうからだった。真林の涼しい黒い瞳が大きくなって
鮎夏の羞恥に濡れた貌を舐め廻す。唇に、真林のひとみが降りた時、躰が濡れていることに
気が付いて、腰が椅子からビクンと跳ねた気がした。真林の頤を弛緩させて開いている唇から、
鴇色の舌が出されて上唇を右から左へと舐めた。真林の舌のうらが鮎夏の上唇を
そっとなぞる。鮎夏ははらはらと雫を滴らせた。

「はっ、はあ……」
 真林の可愛らしい手が鮎夏の脇に差し込まれ、思わず締め付けてしまう。
「ひらいて」
 真林の囁きにぞくっとなって、太腿から腰がわななく。
「ひっ、ひらくの……?」
「うん。お姉さん、綺麗だから、もっときれいになって、わたしのとこに来て」
 真林の唇は被さらないで外され、鮎夏の頬に触れた。こぼれる雫を掬って、下唇を
引っ掛けながら、真林の尖った頤が鮎夏の頬を擦り上げる。
「うっ、うれしい……あっ、あんん」 素直な歓びが言葉になると――。

 顫える吐息が女の媚態に変わった。脇を締めて捉えていた真林の手を解放すると、指が
下を向いて鮎夏の喘ぐ脾腹を滑った。巻かれたバスタオルがじゃまをする。しかし、少女の手が
むずんと押し入って鮎夏の腰のくびれを掴んだ。 (ほんとうは触っただけなのに……) 
「ひっ……。ゆ、ゆるして……」
 鮎夏は小さな悲鳴を洩らし、仰け反りそうになる。真林の唇が鮎夏の目を通り過ぎて
少女の頤が上がってゆく。真林の姿態が仰け反っていた。その貌を鮎夏のひとみが追い
すがりそうになり、羞かしくなっていった。上目遣いに少女の貌を仰いだら、なんと
思われるかがこわかった。
(真林はここに来てと、いってくれたけれども……しかたがないの。まだこわい。こわがってる)
『163』 です。 確認したら44を飛ばしたままやっていました。
通しは自分しか意味をなさないのですが、すみません。
『164』

バストに巻いた鮎夏のタオルがほとけて床にずり落ちて、少女に裸体を曝け出していた。
真林は既に裸になっているというのに、このずれはどこから来るのだろうと思う。なぜに
涙が流れたのだろう。
「はっ、はあぁ」
 鮎夏の躰がぴくぴくと痙攣する。暫らくして、腰掛けていた、お尻もぴくんと跳て
しまった。

「さあ、いいから乗って」
 駐車場について、リモートでロックを解除し、助手席に少女を連れて廻る。ドアを開け
少女が濡れないように傘を差したままで説得するうちに、鮎夏の背が雨に濡れる。
「でも、シートが……」
 少女のおどおどとした瞳が鮎夏を見ていた。
「そんなこと、気にしなくてもいいから」
 渋る少女に鮎夏は苛立ち始めていたのかもしれない。時間にしてニ、三分程度の
ことだったかもしれないが、雨の横殴りがあってか、鮎夏にはやけに長く感じられた。
顔にも雨が掛かってくる。そう、怒りにも似た感情が生れてきそうだった。車内のグレー、
(今日の天気みたいだ……)カーペットも濡れ始めている。

「ごめんなさい。お姉さん」
 少女が濡れた躰をシートに降ろすのを確認して、バタンとドアを閉め、急いで運転席に廻り込む。
「ちょっと、まってて」
 鮎夏はドアをバタンと閉めて駆けて思いなおして、もう一度戻って来てドアを開いた。
「コンビニでタオルを買ってくるから。ここで待っててね」
「わたし、まりん!篠崎真林」
 シートベルトを締めた少女が運転シートににじり寄って叫んだ。ドアを閉めるのを
思い留まって、鮎夏は笑みを濡れた少女におくった。 「すぐに帰って来るから、真林ちゃん」
『165』

公園の近くのコンビニに鮎夏は走っていった。車を運転して乗りつけることも考えたが、
ずぶ濡れになっている助手席の少女を見つけられたら困るだろうと思った。軒に入って
傘を畳む。スカーレットの単色にしたのは意図してのことだった。スタンドに刺してドアを押した。
 鮎夏は傍の籠を取り、ウインドウ側のブースから見て歩いた。ウインドウに面した
場所にはコピー機、アイスボックス、雑誌類しかないから見る必要は無い。ブースの
フックに掛かっていた商品のひとつを手に取る。男性用シェービングのタオルシート。
こんなものでは役に立たない。すぐに裏に廻る。パンスト、シャツ……無かった。後ろを
見るとジャンクフードになっている。視線を戻して上から下をゆっくりと探した。

「あった……」
 鮎夏はしゃがんで確かめる。下の棚にいくつか置いてあって、大きいものは90×60cmの
バスタオルはひとつだけ。手ぬぐいの大きさのものが六つあった。鮎夏は籠に全部入れた。
Tシャツもついでに放り込む。
 立ち上がって、すぐに後ろを向いてフルーツクリームの入ったセパレートのルック
チョコを入れ、頤をしゃくってブースを見渡す。ホットドリンクが何か欲しかった。
 レジカウンターを見たが無い。どこだろうと、ぐるりと見渡し、ウインドウ側のアイスボックスの
横に置いてあった。鮎夏はこころもち前傾姿勢で、歩幅を大きく取って歩いていく。

 ストレートティーのティオがあったので二缶入れ、レジカウンターに向う。清算を
済ませ、急いで飛び出してスカーレットの派手な花が咲いた。
「ごめんね。またせちゃって」
 傘を畳んで後部シートの下に寝かせた。 
「ありがとう」 
 真林の声にびっくりする。
「え?う、うん……。いいの、いいのよ。気にしなくても」
『166』

 真林の可愛らしい声が車内に響いた。それと、語尾が上がる独特のイントネーションに
鮎夏はきょとんとしてから思わず、くすっと笑っていた。
「ありがとう。おかしい?ありがとう。みんな、笑うの」 
 少し淋しそうな貌をする。
「ううん。可愛らしいなって思ったの」
 笑ってしまったが、確かに可愛らしい。真林の少女の声質にもよるが、ふわっとした
あたり、どことなく風変わりな上品さも感じ気持ちが和んだ。

「ほんと?」
 真林が涼しい瞳を大きくしてくるものだから、鮎夏はまた笑ってしまう。
「もう!」 
真林は大粒の雨が叩くフロントグラスを向いて、頬がぷうっと膨らむ。黒髪が頬に
へばりつき雫が垂れた。ビニールの袋を裂いて、大きいほうのバスタオルを出した。
真林の腰を浮かさせて、シートの下に差し込もうかと一瞬だけ迷う。シートに水が
滲み込んでいることを気にしのことではない――。 
「すねないの。ほんとうに、かわいらしいなぁって、思ったわよ。ねぇ、シートベルト
外してくれる」 ――と考えたがままよと真林の濡れた髪を拭いてやる。 

「はい」 
 明るい返事が返ってきて、気にはしてないみたいだと鮎夏はほっとする。
「真林ちゃん。上着も脱ごう。このままじゃさむいよね?」
 少女の濡れたパウダーピンクのキャミソールの裾に手を掛けた。真林の手が
鮎夏の手首をつよく掴んだ。少女の瞳は嫌だと言っていた。
「濡れているから。ね。仕方ないでしょう?」
 仕方ない。なんてことを言ってしまったのだろうと、烈しく後悔して、それが顔に出る。
「ごめんなさい」
真林が小さな声で洩らした。
『167』

「ち、ちがうの。わたしのほうこそ、ごめんね」
 鮎夏は自分の気持ちが、ちゃんと真林に伝わったのだろうかと瞳を覗き込んだ。
「怒っているんじゃないのよ」
「うん……」
「まってて」
 コンビニ袋から無地のTシャツを出して袋を裂き商品を取り出し、シートのヘッドに
掛けると鮎夏は正面を向いて腕を交差させ裾を掴み、朱黄色のプルオーバーを脱ぎ始める。

 脱ぐときに、鮎夏のくちびるが薄く咲き小鼻が覗いた時、真林はドキン!としていた。
ショートにセットされ、ゆるやかにウェーブ掛かった黒髪が引っ張られて額に乱れて掛かる。
朱黄色の花びらが散って、鮎夏の白い肌が剥き身になった。細身のボディラインに
女性らしいきれいでやわらかそうな乳房が真林の目に晒される。真林は鮎夏のふくよかな
乳房に魅せられ、はっと息を呑みながらも、下着に隠された乳暈と乳首を見ていた。

「真林ちゃんは、これを着て。ちょっと濡れているけど、いいでしょ?」
「お姉さんは?」
「こっちのほうを着るわ」
 真林に服を先に着てもらえば、着替えてもらえるのではないだろうかと考えてのこと。
「はい」
 鮎夏は真林ににじり寄り、パウダーピンクのキャミを脱がした。まだ硬く蒼い少女の躰、
乳房が露わになった。その稚い躰を隠すかのように鮎夏は自分の着ていたものを被せる。
シートに掛けていたシャツを着込んだ。

「ぶかぶかだね」
「ううん。お姉さんの匂いがするから、いい」
 鮎夏が呼び戻されそうになっていた記憶は、躰を沈めてシートベルトを掛ける
可愛らしい真林の前に霧散してゆく。残りのタオルを真林の尻の下に敷こうと考えたが、
言うのをやめ、ホットティーを渡す。
「これ、飲んで。温まるから。それと、チョコ。お腹すいているなら食べて」
『168』

 真林の手が缶とチョコを鮎夏から受け取って、紅い缶のほうをじっと見ていた。鮎夏は
横目で見ながらシートに躰を沈めて、ひと息ついた。
「熱いほうがよかった?」
 チョコを腰の傍に置いてストレートティーの缶を両手で包んで揺する仕草から、スティ
オンタブを引き起こそうとする。
「あっ、まって。真林ちゃん、紅茶嫌いだった?」
 鮎夏も紅茶は嫌いだった。たまたま友人が買ってきたものを飲んで気に入った物で、
甘味料としてキシリトールが使われ、癖が無いほんのり甘味のある口当たりが気に入っていた。

「ごめん。お姉さんの嗜好を押し付けちゃったりして。ごめん。コーヒーでいいかな」
 上半身の捻って真林に手を合わせて拝むように謝っている。
「しこう?」
「ああ……。好きなの、これ」
「お姉さんが好きなの?」
「え、う、うん……。そうなの」
 嗜好を押し付けたことを、子供に改めて確認されたことで鮎夏は恐縮した。

「じゃあ、半分個」
「ほんとにごめんね」
「だから、いっしょに飲もう」
「うん。そうね」
 鮎夏はエンジンを掛けヒーターを点け、真林はタブを開けて少女のくちびるを付ける。
真林は鮎夏のほうを向いて、目を瞑って小鼻に皺を寄せ、舌先をちょんと出した。
「まずい……の?」
「ううん。案外おいしいかも」
「もう」
 真林は口を近づけて、ごくごく液体を喉に流し込むとハイ!と缶を差し出した。
『169』

鮎夏の車には缶ホルダーというものが無かった。そういうことは嫌いだったから、飲むのなら
発進前に飲み干してゴミを捨てる。
「ん?どうしたの」
「ううん。なんでも……ない」
「もう一個あるわよ。持っておくだけでも暖かいからと思って買ったんだけど。飲む?」
 真林はフロントグラスを烈しく叩く雨を向く。その前に小さな声でキッスと呟いたことを鮎夏は
聞き逃さなかった。別に、そんな古典的なことを狙ったわけではないのに、頬がカアッと
火照り始めていることに気付く。鮎夏も前を向いて、渡されたストレートティーの残り
半分を喉に流し込んだ。空になったスチール缶を暫らく見て、コンビニ袋に入れる。

 小さいタオルをふたつ取り出し、袋を裂いて真林へと渡した。
「もっと、ちゃかんと拭いてあげたかったけど、ごめんね」
「ううん。ありがとう」
 裸にしてきれいにするのは得策じゃないことは確かだった。大雨だからといって、いつ駐車場に
人が来るかもしれない。鮎夏の唇が噤んだままで笑っていた。真林も語尾が吊りあがる
イントネーションを指摘されたことにより、はにかんではいるが、まんざらでもないみたいな笑みを贈る。

「じゃあ、いこっか」
「はい」
 心地よい響きが返ってきた。真林を家に送っていったほうがいいのではないかと少しだけ考え、
シートベルトを掛け、ちゃんとなっているかを確かめる所作として親指と人差し指でベルトを挟み、
腰から肩までを、すっと滑らせる。
 その手を離して、細長い首筋に持っていって数回撫でる。つい最近レンタルで見た
DVDのグレンミラー物語のラスト。茶色の小瓶の演奏を聴きながらヒロインである妻が
夫を想って左手で首筋を撫でているのを見たからで、いいなあと思った。
『170』

その癖。鮎夏は彼から、映画のバックステージのことを、男優が女優に告白して断られた
みたいなことを聞かされて、一度はやめようと思ったこともあった。結局、馴染んで
しまっていた。さすがに、両手のひらの指先を合わせて山をつくり、悩んでいるポーズは
かっひこいいと思っていてもマネできるものではなかった。
 車内が熱くなり始めたことでエアコンをオフにし、ワイパーをハイにしサイドブレーキを
下ろし、車はゆっくりと動き出し、高速道路の高架下を走行していった。ねぇ、どうして傘も
差さないで公園にいたの?ねぇ、家はどこかしら?ねぇ、家の人は心配していないの?
ねぇ、ねぇ……。聞きたいことは山ほどあった。なのに、なにひとつ言い出せない。
 フロントグラスの前方をじっと見詰めていたが、間がもたなくてラジオのスイッチを入れ、
FMからAMに切り替える。にぎやかないつもと変らないパーソナリティのしゃべりに、鮎夏は
深く息を吸って吐く。
(いつもと変らないか……。誘拐犯になっちゃうかも)

「そうだ。名前、まだ言ってなかったね。水江鮎夏っていうの」
「みずえあゆか?」
「そっ、なんか名前負けしてるよね」
 右折して高架を出ると、ハイでも大雨で前が見にくくなってしまう。
「なまえまけ?」 「名前が良すぎてってこと」
「そんなことないよ。お姉さんの名前にぴったり」
「そう。うれしいこと言ってくれちゃってぇ。ねぇ、アユって魚、見たことあるの?」

「ない」
 真林は鮎夏のハンドルを握る横顔を見てくすくすと笑っている。鮎夏もつられて笑う。
「そう、ないのかぁ。わたしもね、両親……」
 真林のほうをチラッと見る。
「なに?」
「子供のとき、旅館に連れて行かれて食べたことはあるけど、わすれちゃったな」
「ええっ。自分の名前のおさかななのに、忘れたの!」
『171』

「わすれたわけじゃないのよ」
 横を向いてしゃべりたかったが、ウインドウを叩く大粒の雨に、そうもいかなかった。
「ふう〜ん」
(なんで、こんな日に出てきちゃったのかなぁ……)
 真林の相鎚を聞いて、よそごとを考えていた。
「色紙を入れる額を買っといてくれない」
「どうしてぇ!あなた、そういう伝はずっと多いじゃないの。なんでよ」
「あなたに頼みたいの」 「……」
「ほら、もう考えちゃってる」
「なににするの?」 「娘の描いた絵を入れるの」
「ふう〜ん、ちゃんとおかあさんやってるんだ。上手に描けたのね」
「さあどうだか」
「ふふっ」
「なによ」
「演じているだけなのかもね。それに……」 (虐待まがいのことだってやってる)
「それに?」
「ううん、なんでも」 「なんでもって?」 「なんでもよ」
 気持ちがくさっていて、普段着て歩かないような朱黄色を纏って出てみたら案の定。
空がどんよりと曇っていて、こうなることは判っていたから、あえてという行動に出たという意識もあった。
潤子になにか描けばと進められていたこともあって、画廊で透明水彩絵の具と、簡単な手引書、
スケッチブックと筆を何本か買った。もちろん、頼まれていた額も。円形の横と縦の直線の格子枠に
紫の房がついた物、後部シートに包みがコンビニ袋といっしょに置かれていた。
「お姉ちゃん」
「ん、なに」
「チョコたべてもいい」
「いいわよ」 「ありがとう」 「いいかんじね」 「もういわない」 「あらあら」 少し照れながら、チョコを見ている。
「うそ。癖だから、しょうがないもん」 「癖かぁ」
 鮎夏はまた、首筋を撫で付けていた。
391 14・15行目訂正
「なによ?きもちわるい。ただわたしは、演じているだけなのかもしれないし。
それにね……」(虐待だって……やってるのよ)
『172』

 国道を走行し、タイヤが水しぶきを上げフロントグラスに掛かった。
「お姉ちゃん。はい、チョコ」
「あっ、ありかとう」
 真林の口真似をする余裕はなかった。右折車線に入り、その間に真林を見て手を差し出すと、
真林が笑っている。
「なんか、おかしいの?」
 前方には同じ車種が四台止まっていて、分離帯手前でハンドルを切っていた。
「うん。なんか、コチコチ」

「だって、こわいもの」
「そうだね。走っているとき、前が見にくくなって、こわかった」
「でしょう。5メートル先が見にくくなるものね」
 でも、真林は喜んでいる風にも見える。鮎夏もそうだった。いっしょの空間を共有しているという
連帯感と台風の来る前のなんとやらみたいなもの。前方の車が動き出した。右折ではなく
展開だった。後続もあとに従う。
「ふうっ、営業者なのか……」
 真林が身を乗り出す。

「なに」
「ダメ。あぶないから、ちゃんと座っていて」
「うん」
「右折しないで反対車線に入るみたいなの」
「手間掛かっちゃうね」
「そうよね」
 普段だったら、鮎夏は気にならないほどのんびりしていた。だが、今は助手席には、
ずぶ濡れの真林がいた。シートが濡れていることを気にしているのか、真林を気づかっての
ことなのか、知らないうちにいらいらしていた。口の中では甘いパインクリームが
溶け出しているというのに。
『173』

 四台目が動き出したとき、信号が変わり始め矢印が灯った。鮎夏は随行してそのまま
右折し車線に入ろうとした時、車が走行して来て、入りきれていなかった後尾を引っ掛け
そうなほどに車が接近してきた。
「わっ」
 真林は左ウインドウに顔を着け、信号無視をして来た車を見る。鮎夏はアクセルを踏み込んだ。
「事故ってない?」
 真林は上体を捻って後ろを見ていた。

「うん。そのままいっちゃった」
 鮎夏はよかったと落ち着くことは出来ないでいた。ここの道路は二車線ではあったが、
幅は狭く急なカーブになっていて、橋へと繋がる。しかも、四台目の車は曲がり角にある
休憩所に入るために速度を落としていた。
「あっ」
 慌てて、ブレーキを踏み込んだ。

「もう、昼間の11時から……!」 「きゃあっ」
 真林の躰が少しだけ前に振れた。
「だいじょうぶ。首、痛くしなかった?」
「うん、だいじょうぶ」
 鮎夏はすぐにアクセルを踏み込んで、橋を渡った。十字路に着いて、また信号待ち。鮎夏は
右手で首筋を三回撫で付けていた。

「ねぇ、お姉さん。ねぇ?」
「……」
(だろう運転をしたことは悪かったけど、突っ込んできたのはあっちのほうよ。わたしは
悪くなんかないわ。それに、こんな時間から……!)
『174』

 鮎夏はしまったと思っていた。真林の濡れた躰を考えれば、入っていって休んだほうが
よかったかもしれない、無理をしておいてでも。
「そんなことない」
「どうしたの」
「う、ううん。なんでも。ほんとうに、首は痛くないの?」
「うん。痛くないよ」
 真林は頭を左右に振って見せる。
「もう、わかったから。ほんとに、痛めちゃうわよ」
「さっきの、こわかったね。まだ、どきどきしてる」
 真林が躰を鮎夏に向けて捻って、ニコニコしている。

「信号変わるから、前を向いていて」
「はあい」
 真林の躰が前を向いてシートに沈める。鮎夏には今頃になって、顫えるがやって来ていた。
「お姉ちゃん。チョコたべて」
 鮎夏は真林を見て、手のひらに一粒を受け取る。
「ありがとう」
 鮎夏と真林の声音が重なり、緊張がふっと解けた。完全にとはいかないまでも顫えは
無くなり、この少女のことを愛しく思っていた。ありがとうと言った真林の語尾の
吊り上がるやさしさに笑って、プロフィールを見てから前を向く。
「きれいになる雨」 「えっ……?」 「ううん、なんでもない。ほら、青、青」

 マンションの駐車場に付く頃には、雨脚はいくらか弱まっていたが、以前と強い。鮎夏は
シートベルトを外して、後部シートの荷物と傘を取る。
「缶とチョコを入れて」 
 真林もシートベルトを外す。 
「先に下りるから待っていて」
「はい」 
 アスファルトに赫い花が咲き、助手席に廻って真林を迎え入れる。
396ロリ小説スレの愛読者:03/11/12 10:48
MOMO死ね
『175』

エントランスのパネルに暗証番号を片手で打ち込んでロックを解除する。自分のだぶだぶの
朱黄色のプルオーバーを着ている真林が鮎夏の操作をおもしろそうにみていた。
「なに?」
 真林が鮎夏を見上げて、頬に掛かっていた髪から雫が滴る。
「やっているとこ前に見たけど、その人はゆっくりやってたから」
 真林の切れ長の瞳が大きくなっていた。真林の手を鮎夏は取ると、握り返してくる。
「たまにまちがえることもあるよ」
「そうなんだ」

「さっ、行こう」
 とにかく、真林にシャワーをあびせてやりたかった。ラウンジを通り抜け、エレベーターに
乗り込み、9階のボタンを押す。
「寒くない?」
「うん。だいじょうぶ。ありがとう」
 真林は語尾の吊り上がった感謝の言葉をわざと言う。鮎夏も笑っていたが、目は
笑ってはいなかった。少女のつんとした鴇色の唇の色が紫掛かっていたから。
鮎夏は袋からコンビニで買った手ぬぐいを出して真林の顔を拭いてやると、真林は
屈託なく微笑んでいた。

(どうして、あんなところに独りでいたの……?ねぇ、どうして)
 落ち着いたら、訊いてみようと考えてはいたが、少女の笑顔に鮎夏は魅せられていた。
屈託なく笑っているように見えても、どこかしら真林の翳りを感ぜずにはいられない。
 雨に打たれずぶ濡れで公園にいたからという特異な状況の所為などではなかった。
そこはかと、おんなを感じるのだった。鮎夏も少女の季節に周りからそう見られていた
ことがあった。田舎での夏、ホップ畑とぶどう畑の隣接する農道をひとりで歩き回り遊んでいた
時のことで、中学生くらいの男に追い回されて首を絞められたことがある。
 そして、いまは真林を愛しくて、咬みつきたいという衝動に駆られていることに鮎夏は
気がついて唖然とする。
『176』

「どうしの、お姉さん?」  「ごめん、ちょっと考え事していたの」
 袋に手ぬぐいを戻す。真林の目が鮎夏の白い手を追う。
「考え事?」  「うん。さあ、行こう」
 ドアの正面に立ってノブに手を掛けた時、鮎夏は真林を見た。
「犬、嫌い?」
 真林の目が少し大きくなる。
「え?」
「一匹犬を飼っているの」
「なに、なに?」
 鮎夏を見て真林がはしゃぎはじめる。
「えっ?」
「だからぁ、なに飼っているの」
「あっ、ああ……、ダックスフントなんだけど」
「ねぇ、ねぇ、はやく開けて」
 真林が明るくなったことにホッとはしたが、目線に下りて鮎夏は聞き返す。
「消臭には気おつけているけど、やっぱり臭うよ。いいかな?」
 ここまで連れて来て、犬を飼っているから帰えってはないものだとは思っていた。
「はやくう、はやくう」
 鮎夏は真林の笑顔に苦笑してドアを開けた。奥のリビングから犬が駆けてくる。
通常大の短毛種。光沢の綺麗な赤毛だった。ダダダッと掛けてきて、つう――っと滑って
玄関で引っくり返った。カトゥーンのような様なアクションに真林は切れ長な瞳を大きくする。
柵は置いていなく鮎夏は急いでドアを閉めた。真林は太ったダックスを見て
きゃっきゃ笑い出す。
「うわぁ、かわいい!」 
「こら、ロゴ!お客さんに吼えないの!」
 真林は鮎夏のほうに笑顔を向け、すぐさま犬に貌を向けた。
「ロゴ。ロゴ。怖くないから、おいで。おいでったら」
 近付くとすぐに起き上がってワンワン吼えながら後退るが、踏ん張っていられなく開脚して
またひっくり返った。
『177』

「ワックス掛けちゃったんだ」
「そうなの。少しかわいそう。でも、おもしろい。ねぇ、あがってもいい?」
「どうぞ。でも咬まれないように気をつけて」
「咬む?」 
「咬み癖はないけど」 
「ならいい。もし咬まれても手を引かなきゃいいんでしょ?」
「え、ええ……。でも、あとでしっかりと叱ってあげて。首に歯をあてるのもいいかもね」
「ええっ、そんなことはないもん。ロゴ、おいで!」
 真林に屈まれながら迫られ、犬は腰を落として後ろに下がっていく。

「かわいいっ!」
 犬の腰を抜かして後退する姿に、少女の華やいだ笑い声が玄関に響いた。犬は少女に
背を向けて、奥のリビングにあるねぐらへとまっしぐらに掛けて行く。
「あっ、まってぇ」
 ロゴは初対面の真林に向って吼えてはいたが、しっぽを真直ぐに垂らしているわけではなかった。
それに、真林がすごく飼い犬を気に入ってくれたことに鮎夏は安心した。
「コンパニオンアニマル……か」

 そんなことを鮎夏は呟いて、真林の脱いだミュールを揃えると、奥のリビングからは真林の
はしゃぐ声が聞こえて来た。リビングに続く廊下には真林の濡れた足跡が少しだけ付いている。
部屋が濡れたからどうというのではなく、改めて公園から少女を自分の家に連れてきたんだ
という事を実感し、鮎夏はスリッパを履いて左の脱衣場に入っていった。
 洗濯機に真林の脱いだものを入れ設定ボタンを操作し、袋を洗面化粧台のカウンターに
置くと浴室に入る。湯を45℃ぐらいに設定し、40℃では少しぬるいと思った。浴槽に
ジャアアアと湯を流し込む。首筋を撫でながら少しの間、ぼんやりと湯の流れを見て、
急いで引き返しリビングの真林を迎えにいった。
『178』

「ねぇ、シャワー浴びよう。濡れたものも、お洗濯して乾かしてあげるから」
 正座を崩した座りの真林の膝上に、ロゴは前足を掛けてしっぽを盛んに振っていた。
「はい」
 すぐに返事は返ってきたが、ロゴと遊んでいた声のトーンとは微妙に違っていて、
違和感が気になる。正座していた真林が立ち上がるとじゃれついていたロゴも
いっしょについて来た。
「ロゴ!おまえは寝床にいるの。わかった」
 犬のあゆみがピタッと止まる。そして鮎夏の言葉にロゴはどうしてという風に小首を
傾げた。垂れた耳がぷらんと揺れる。

「あっ」
 その仕草とくうんと鼻を鳴らすのに、真林は声を上げた。
「ほら、戻って」
犬はしゅんとして寝床へと戻っていった。
「なんか、人間みたい」
「犬って、自分のことを人間と思っているんだってさ」
「ふう〜ん」

 その声にはさっきの違和感はもう、なかった。錯覚だったのだろうかと違和感のことは
忘れて、鮎夏は差し当たって、真林の着替えをどうしようかと迷っていた。車を
運転していた時はショッピングモールに入って、合う服や下着をとも思っていたが、
長時間雨に晒されていた少女の躰。家に帰らざるを得なかった。
 その選択は間違ってはいなかったと今も思う。鮎夏は帰り道でラブホテルに入ってと、
考えたことを思い出して鼓動がどくんと鳴っていた。脱衣場に入って、動き始めた
洗濯機にいれるように指示する。
「温るいと思ったら、これでニ、三度上げてみて」
 まだバスタブには湯はいっぱいにはなってはいなかった。あとで、入ってゆっくりと
温まってもらうしかないと、バスルーム出て行こうとした時だ。
『179』

「いっしょに、入って」
 なにか、すごく不思議な気がした。真林の声のやさしいトーンだから。すうっと引き
込まれそうな気分になっている。
「リビングで待ってるから。それに、真林ちゃんの着替えも」
「いかないで。ね」
 ね、ね、の会話術。公園の出来事から真林を拾って来て、この真林の哀訴に拒否権は
ないと思う。


「鮎夏はさぁ」
「なに、また心理学」
「まあ、聞けって」
「わかったわよ。で、なんなのよ」
「よく、語尾に『ね』を付けるよな」
「癖だから」

「それって、自分でかわいいと思ってやってないか?」
「え……?」
 鮎夏は男を少しだけ訝る貌になる。
「そんな貌すんなって」
「だって」
「ねぇ、もっとやさしくしてって、思ったろ。ロゴを飼っているのも、かわいいと思う
自分がかわいいのじゃないのか?」
 男の手が鮎夏の髪をやさしく撫でていた。「そうなると、俺には拒否権はないだろ」
「拒否権……!」 鮎夏の物腰は柔らかだったが、ベッドで無粋な言葉を使おうとする
男に怒りを露わにしていた。男は上体を起こした鮎夏の背骨にそっと指でなぞった。
「なにが、いいたいの。もう、よしてよ。わたしは動物じゃないからね」 
『180』

「ほら。言った」
 稚い頃の思い出に怯えていた時、男に泣いて顫える躰を黙って抱き締められたことが
あった。夏の日の思い出だ。ホップ畑と葡萄畑の隣接する細い農道に少年がひとり立ち塞がる。
「ほらぁ!?」
 少女の鮎夏は後退る。 「そこどいて」 「どうして?おまえが、どけばいいんだろ」
鮎夏にとっては男でしかなかった。黒く大きな壁だった。淡いブルーのワンピースを着た
少女は農道から仕方なく逸れた。男が小さな鮎夏を見下ろして農道を歩いてくる。鮎夏は怖く
なって俯いていた。視線を合わせたくない。はやくいっちゃってよと動悸を烈しくして願っていた。

「あっ」
 男の手が鮎夏の手を掴んで寄せられるように引っ張られ、背中を獲られる。
「はなしてぇ!ねぇ、はなしてぇ!ねぇってばぁ!」
 掴まれていた肩をあっさりと離されて、鮎夏は逃げるが、小さな左手は男に握られた
ままで、すぐに引き戻される。少年は鮎夏を遊具にして遊んでいた。甲高い少女の悲鳴
が夏の日の緑の畑に響く。ホップ畑は蔦を縄に這わせ、緑の5mもの壁になっている。
葡萄畑のほうは棚を屋根にして、そこに房を付けさせる。鮎夏は夏の強い陽が蔦の生茂った
屋根の隙間を縫って、地面に格子の陰を作っているのを見る。

「ねぇ、ねぇ!離してよ!離してよ!」
「おい、鮎夏!鮎夏!」
「離して!離してって、言っているでしょ!ねぇ、聞こえないの!」
 暴れる鮎夏にベッドがぎしぎしと悲鳴を上げている。
「わたしは、動物じゃないのよ!ねぇ、離してったら!離しなさいよ!」
 その出来事を聞いたのは先輩の潤子だった。恋人には話せないままに。鮎夏は真林の誘いに、
自分が夏の日の少年になるような気がしてならない。自分が怖い。
あまり、無理せず、ゆっくり書いてください。

ここまで保管しました。
鯖が死亡したので保管サイトも移転しています。
http://novels2ch.s6.x-beat.com/
『181』

鮎夏の躰に潤子が跨って、くちづけをする。鮎夏の下腹は烈しく隆起を繰り返していた。
潤子の動きといっしょだった。鮎夏は潤子に自分の肉体を提供してひらいた心。
夏の時とは違っていた。真林を前にしての今日もあの時とはちがう。ちがうはず……だ。
それなのに着替えを取りに行くと言って、実際は真林から逃げ出していたのかもしれない。
自分の少女への性欲が怖かったから。潤子と同じような目を真林から感じたからなのだろうか。

 鮎夏は下着を取ろうとして、落ち着くためにドレッサーの前に座って、鏡のなかの自分を見たら
肩が喘いでいた。気分をリフレッシュしようと、紫青色のボトルのローズウォーターを手に掛ける。
「お姉さん。お姉さん。なにしてるの?」
 真林が自分を探してドアが開いているのを見てか、入ってきた。鮎夏は自分の貌を鏡に見て
静かに瞼を閉じると、唾を小さく飲み込む。胸鎖乳突筋が微かに突っ張った。

「ん?ああ、お化粧しているのよ」
 綺麗だけれど、自分にとってはこの透き通ったこゆいボトルの色は毒だと思った。
いま、そのボトルに眩暈を感じ、真林の時間に組み込まれてゆく気がしてならない。否、公園の
ブランコで雨に打たれる少女を見たときから、もう組み込まれていたのだろうか。
「いけないわ」
 少女に恋している自分が向こう側に映っている。あれは虚像なのだろうか、それともほんとうの……。

「いけないことなんて、ないって言ってた。好きなら、関係ないって。ね、そうでしょう?」
「な、なにを言っているの。真林ちゃん……」
 化粧水を塗るか塗らないでの戯れからキッスに至るまでの時間、夢のなかにいるような
ふわふわした気分に鮎夏はなっていた。そして、いまは少女と全裸で相対している。
少女の貌がまた迫って来た。くちびるが薄くひらいて白い歯がこぼれるやさしい笑み。
鮎夏は真林にくちびるを奪われた。ぷりっとした少女の肉が押し付けられたて、くちが
自然とひらきはじめる。躰がひらいて、送り込まれた唾液と自分のものとが混じって
ゴクリと喉を鳴らす鮎夏。
『182』

 少女がくちびるを離すと、ぼうっと朱にけぶる頬が愛らしい、いつかの自分を見る。
自分の頬が今、カアッと火照っているのもわかっていた。
「せっくすで……わたしの、わたしの……」
 鮎夏の胸に真林が躰を寄せて乳房がひしゃげる。
「な、なに……あっ!」
 真林が手を絡め薄い乳房で擦る。

「躰が消えちゃうの。ふつうはここにいても、泣くと嫌なことを考えな……んんっ!」
 鮎夏から真林のくちびるを奪いに行った。真林のショートの髪を掻いて指が熱い頬から
耳にふれる。少年にブドウ畑とホップ畑の隣接する農道を追いかけられたあの夏の自分が
真林に重なる。嫌なことを忘れさせようと躰を寄せてきた潤子。
 しかし、その記憶は忘れようとしても忘れられるものではなかった。ただ、セックスに
溺れているときだけが、歔いているときだけが、嫌な時を考えさせない。潤子がわたしを
好きになったのなら、今度は自分が真林を好きになろうと鮎夏は思う。

「ほ、ほんとうに……!」
「して!して!おま×んこしてぇ!おま×こしたいのッ!」
 言いかけた言葉を真林が遮った。意味もわからずに兄から言わされていた言葉が
紡がれる。その言葉を口にして歔くたびに、膣内の兄のペニスが膨れて跳ねた
刷り込みが、真林に魔法の言葉として存在した。いまは鮎夏とを繋ぐ魔法の言葉に感謝する。
いっしょうけんめいに鮎夏の舌を吸い唾液を啜ったが真林は立っていられなくなって、
ほっそりとした両脚をがくがくと顫えさせると、かくんと躰を落としてしまった。鮎夏は
真林の躰を抱きとめるが、真林はわあっと泣き出していた。これには、鮎夏は驚きを
隠さず、真林を抱いてすぐにベッドに寝かせる。

 正直冷や水を浴びさせられたような気になってはいたが、不思議と腹立たしさはなく、
かえって真林が可愛いと思っていた。ティッシュを取って真林のあわいの濡れた
スリットの蜜をそっと拭いてやる。 「舐めて……」 言葉に驚いて鮎夏の手が止まった。
『183』

「……!」
「怒ったの……?お姉さん……」
「どうしてそう思う?」
「お母さんみたいな貌になってる……から……」
 息が深くなっている裸の真林。このままくちびるを寄せてと、可愛いと思っていた。
そんな自分に腹を立てている。潤子に言われたことがあったから――。


「仔犬とか見て、あっ、かわいいって言ってみたり、思うことってあるでしょう?」
 潤子が鮎夏の鎖骨の中央の窪みに親指を置いて指を胸で動かしていた。圧される感じに
船酔いしたような気分になる。喉がつかえた気もしていた。
「えっ、ええ……」
 それが、止んで潤子の膝頭が鮎夏の腿に乗って絡んでくると、さっきまでの愛撫に胸が
熱くなりはじめている。
「あれね、言っている本人が可愛いと思っている裏返しなんだって」
 手が動き始め、今度は親指を基点にして四本の指が左の乳房と、もたげた乳首を
指頭でもって軽く撫で擦る。時折、潤子の小指が尖り始めた乳首を倒してゆく。
「えっ?あっ……」
「わからない?自分だけが可愛いってことなんでしょう」
 鮎夏も潤子も肉感的な姿態ではなかったが、鮎夏はより少女を思わせるつくりだった。
顔が小作りなうえに瞳が大きくクリッとして、くちびるはぽてっとしていた。おんなのなかに
見せる少女を潤子は探る。

「それフロイトかなにかなの?」 
「さあ」 
「さあってなによ。あっ、メガネ取らないで……」
「言葉どおりよ。見たいの。あなたの瞳、黒くて綺麗だわ」
「言葉どおりって?」 
「又聞きだから知らないわ」 
『184』

「もう……」 
 鮎夏は横を向いて顔を潤子から逸らした。潤子がメガネをボードに置こうとして乳房を
押し付けてきた。
「怒ったの?」
 コトッとメガネを置く音がする。 
「怒っていないわよ」 
「そうかしら」
「来て……ちょうだい」
 濡れた声で潤子を誘う。 

「いいわよ。もうこうなっちゃってるし」
 潤子はもっているエロスを、少女のような装いの鮎夏に押し付けてくる。だから気になる。
みだらに呑まれそうなところで、鮎夏は潤子に訊いていた。
「ねぇ、潤子もそうなの……」
「わたし?ふふっ。さあ、どうかしら」
 潤子のほっそりとした指が鮎夏のまるい肩を掴んでいた。
「……!」

「ねぇ、知りたいの?教えてほしいの?」
 潤子のぬめりが鮎夏の腿の上を脚の付根に向ってスライドしている。
「んっ……」
「わたはしは、鮎夏をかわいいと思っているわよ」
「あっ……ありがとう……」 「あら、素直ね」 「そ、そんなこと……ない……」
 鮎夏の中で、かわいいの言葉が憎らしくなっていた。言葉の魔法。言葉でたまらなくなる。
躰が感じて意味不明のことばを喚いてみたり。でも、それは潤子の道しるべに、
少女の装いの鮎夏をコトリに見立てて鮎夏を責めた。少年に穢された夏の日を
潤子に向って解放させて歔く。仮にうそのやさしさだとしても。
「鮎夏、うつ伏せになりなさい」
『185』

「お尻、叩くの……?」 
「ううん、舐めてあげるのよ。返事は……」 
「は、はい」
 鮎夏は潤子に小振りなヒップを向け、躰を捻る時、脇から見える乳房が陰影を描いた。
「貌を見せて」
「……」
 喘ぐ脾腹にも。鮎夏の骨が薄っすらと浮かぶ。鮎夏はシーツに付けていた額を外し、
横を向いて頬を付ける。
「どううしたの」
「いえ、なにも……」
 鮎夏は横に貌を捻る。
「かわいがってあげる」
「はい。おねがいします」
「いい返事よ、鮎夏。お尻を掲げて」
 鮎夏は肘を付いて貌をシーツに伏せ尻をもたげる。潤子の手は鮎夏の左脇からもぐり込んで、
揺れる乳房をそっと受けて喘ぐ下腹へと滑らせる。右手はうなじに五本の指を置き、
中指が背骨のラインを捉え羽根でなぞるようにしてヒップをめざした。
「して、してぇ、潤子。わたしを舐めて……」

「それより、躰はだいじょうぶなの?」
 努めて鮎夏は呼吸を深くして、肩が上下していた。
「うん。だから、舐めて。お姉さん……」
「真林ちゃん、いろいろあったから疲れているのよ……」 「それでもいいの」
「なにがいいのよ?」 (少女に裸で説教をしている) 「いいです。いいですから、舐めて」
 それは自分の体験からも判る。ブドウの房のたわわに実った棚の下。背に木漏れ日を
受けて少女の鮎夏はいっしょうけんめいに走った。終ることのない夏の緑の棚。
『186』

針金の網棚に蔦を這わせてアップルグリーンの葉がつくる天井。そこから垂れた
デラウエアの小さな粒の集合体のたわわな房。木漏れ日に照らされ、透通ったディープ
レッドの色が昨日までの鮎夏の好きだった世界とは別の存在になっている。鮎夏は
終らない緑の天井の下をいっしょうけんめい走った。サンダルが脱げて足を取られ
軟らかな地面に転んでしまう。少年が走ってどんどんと近付いてくる。鮎夏は軟らかい
土に指を埋めて掴んで起き上がろうとして背後の気配に振り向いた。少年は鮎夏には
とてつもなく大きな壁に見えて迫って来る。

潤子と初めての日、羽を毟り取るようにして服を剥された。少年ですらそんな乱暴には
しなかった。男でさえもしたことがないことを、潤子は途中まではやさしかったのに
急激に変って欲望をぶつけて鮎夏を物のように扱った。
「鮎夏はあの記憶をステキだと思ってるのよ!」
 少年は鮎夏の躰を起こして、抱き締めてくる。その少年が高校生だったのか
中学生だったのかなど、もう記憶には残っていない。声も、とっくの昔に忘れていた。
「そ、そんなこと、思ってなんかいないわ!」

 しかし、街中やコンビニなどで見かける姿や聞く声の嫌悪はきっとそこから来ていると
思った。鮎夏は少年の腕に抱き締められたなかで暴れると、腕で首を絞められていた。
泣き出して叫んでも誰も助けには来てくれない。少年の手が泣き叫ぶ鮎夏の口を塞ぎ、
恐怖で瞳を大きく見開いた。少年は鮎夏をおもしろがって華奢な躰をくるっと廻されて
相対し、両手で鮎夏の頭を掴んで足を地面から浮かせた。

『おい、こうされたくなかったら、明日もここに来い。返事しろよ!』
「自分と対面しなさいよ。ここは、こんなになってるじゃないの!」 
「ああっ……!」
 潤子の絵を描くほっそりとしたきれいな指が無造作に鮎夏のショーツにもぐり込んで来る。
鮎夏は透き通ったディープレッドの思い出の時みたく脚をばたつかせた。
『187』

「はっ、あ、いやっ……」
「いやいやして、剥かれるのを感じているの。そうよね」
頬が擦れて息が掛かる。鮎夏は烈しく貌を動かして潤子を振り払う。鮎夏の手は潤子を
追って手首を掴んだけれど、強く握れない自分がいた。
「そうなんでしょう!」
語尾を溜めて鮎夏の火照る貌に近づけて朱にけぶった頬を擦り付け強く放つ。
「やめて」

「どうしてよ!」
 おなじイントネーション。言葉に鮎夏の下腹は反応して引き攣るように小刻みに顫えていた。
無防備になる絶対服従の歓喜がそこに垣間見る。
「よ、よしてぇ!いや、いや!いやっ、いやぁあああッ!」
 耳元には潤子の熱い吐息が掛かってきた。烈しい雨脚に裸で打たれているような気分に
昂揚して泣き出してしまっていた。潤子は鮎夏をかわいい、かわいいと耳元で連呼する。
男のきれいだという言葉もいっしょに蔦が絡むみたいにがんじがらめになって、
鮎夏の躰は箍が外れたようになってしまっていた。

「こうして、こうして!嫌なときを鮎夏に考えさせないわ!」
 潤子に溺れていくのにそう時間は掛からないだろうと思い、事実そうなっていったが―
―鮎夏の少年に穢された記憶は決して消えることはなく、頭の中にぽっかりと浮かんだ
漆黒の闇、空洞になっている。

「好き」
 レイプまがいに潤子に抱かれて、たまらずに好きという。真林がベッドに仰臥して少女の
肉体をどう認識していいのかわからず眩暈すら覚え、稚いくちびるが微かにひらいたら
笑う真林に反応する。鮎夏を濡らして好きの言葉がやさしく夏の狂気が覆い被さった。
「潤子。いわないで、かわいいっていわないで。いわないで」
 潤子にもみくちゃにされて、喉を晒して仰け反っては潤子にしがみついて貌を戻して喚く。
鮎夏は哀訴する。
『188』

「なにをいってんの」
「だから、かわいいって。かわいいって……いわないでぇ」
潤子の肩に顔を寄せて、喉を絞るように声を出す。セックスをしているときだけは
忘れることはできても――。
「いってほしいの。そうなのね。そうでしょう」
 潤子の指が赧くなった頬に触れると鮎夏の弾力を確かめて人差し指と中指を揃え、
頬骨の肉を撫で廻す。親指は鮎夏の右頬に掛かってくにくにと数回動いてから、
くちびるを触る。下唇をめくり喘ぐ鮎夏を潤子はいらっている。

「はっ、あ、ちがう……ち、ちがう。ちがうの!」
 その記憶は消えなくとも、潤子のおかげで乗り越えられたような気がしていた。
雨の公園で鮎夏は真林に、あの夏の匂いを感じるその時までは。そう信じたかっただけ
なのかもしれない。かわいいは夏の日の少女だった鮎夏に掛けられた呪詛のようなもの。
自分に返ってくると、圧搾機に裸で放り込まれたような気分になる。

 見て見ぬ振りをしていれば楽だったのにと真林の仰臥した裸身を眺めた。躰のなかの
一点を想像もできないような力で加重されるような感覚に顔をしかめ眉間に縦皺を
刻んだ。真林はそれでも待っていた。
「かわいいはね、自分の気持ちの代弁者なのよ」
 鮎夏が白蛇のように潤子の肌を這い撫でる。両手のひらは潤子のヒップを捉え、躰の
サイドのラインをすうっと撫でて背に廻り撫でる。

「じゃあ、かわいいっていわれて、きもち悪く……なっちゃうのは、どうなの」
 潤子は鮎夏の頬を両手で包み、少女のくちびるにキッスをかるくして、おもむろに離した。
「それは、鮎夏の問題なの」
「わたしの……自分でって」
「そうとしか、いえないわ」 
「……」 
『189』

「残酷……?」  
「ううん、そんなことない」
「わたしは鮎夏をかわいくてしかたがないわ。本心よ。ほら、泣かない。それでいいでしょ」
 潤子が鮎夏の涙をくちびるで啜る。 
「あ……ありがとう」
 小さく鮎夏のくちびるが動いた。目元にある潤子のくちびるはどうなっているのだろうと
鮎夏の下腹が蠢く。潤子のくちびるがほころぶのが綺麗だと鮎夏は思う。
「ん……?」
絵を描くしなやかで白い手はもちろんのこと、その指で愛されることが鮎夏は好きだ。
潤子の娘である沙由香も。溜息が出るほどに綺麗だった黒髪をバッサリと切ってしまった潤子。

『沙由香ちゃんなにかいわなかったの』
ふたりとも素直な黒髪を腰まで伸ばしていた頃に、うらやましくも思っていた関係。
『何かって、なに?』
潤子は笑いながら気分転換にねと。肌に纏わり付く妖しさがなによりも鮎夏は好きだった。
沙由香のたくわえた黒髪に罪悪と知りつつも劣情をもよおす。潤子は若くないのだし、
もう似合わないでしょともいった。鮎夏には、けじめを着けるために切ったように思えた。
潤子から沙由香の絵を見せてもらって、納得したのはもう少しあとのこと。

「あなたもわたしをかわいいっていえば、それでおあいこ。かわいいが鮎夏をつくったのなら、
それで自分を好きになってみたら。言葉だけで、ゲロなんかしないでしょう?」
 鮎夏は潤子のくちびるから飛び出したゲロという言葉に、ぷっと吹き出していた。
「どうしたのよ。急に」
「だっ、だって。――そうする。そうするから、だから、かわいい、かわいいってしてぇ」 
 鮎夏の笑顔から少女みたいに紅潮させ、濡れた貌になっていた。
412 訂正 下段 

鮎夏の少女のように紅潮させていた顔に浮かんでいた笑みは、
女のうっとりとした淫ら貌になっている。
『190』

「ほら、おにいちゃんが好きっていってみな」
 あの夏の鮎夏。遠いところで真林の夏とも繋がっている。潤子に躰をひらいたのも自分の意志。
鮎夏の選択。
「ひっ、ひくっ……。お、おにいちゃん……が……すき……。好き……だから……
やさしく……して……」
 少年は鮎夏をじっと見て観察している。少年の腕が上がって、昨日の鮎夏のほそい首を締めた
場所へと持っていく。……戻ってきた。少年の左手の人差し指と親指のあわいで撫で擦られる。
鮎夏の首に少年の手の体温が熱い。また首を絞めるような格好になる。耳が火照っているような
気がする。潤子に言われるがままに躰をひらいて……あつい。

「はっ、はっ……はぁ」
 恐怖が鮎夏を昂ぶらせているのか、緑の棚の下、デラウエアの葉の木漏れ日に惑わされているのか。
鮎夏をたわわなぶどうの実が見ている。一粒1.5p弱の透通るようなディープレッド。鮎夏はその粒の
甘味をよく知っている。……くるしい。セックスで殺されるような感覚がいいのか、好きな人と蕩けるのが
いいのか鮎夏にはわからなくなる。たまらなく、くるおしい。

『ああ……。やさしくしてあげるよ』
 親指と人差し指で摘んで皮から押し出して、透明で濡れたアップルグリーンが貌を出す。
とても甘いぶどうの粒。鮎夏の唾液に濡れた舌とぶどうの剥き実が蕩ける。
『はあっ、はあっ、はっ、はっ……』
「お姉さん……好き。やさしくして」

 やわらかな頬の質感を潤子は確かめるようにして鮎夏の躰の上で蠢いた。更に顔を
赧らめる鮎夏。人差し指と中指が揃えられて鮎夏の口腔がこじあけられる。少女の
緊張した顔から舌を引き摺りだそうとするが、人差し指と中指と親指で掴まえようとするが
うまくいかない。ぬるっと滑って指をすり抜けてしまう。鮎夏を凌辱する少年。鮎夏に
夢中になる潤子。そして真林を弄ぶ兄。知らないところで、まじりあって蕩ける記憶。
『191』

『んんっ……ん、ん!』
 ふぅっ、ふんっ、ふぅっ……ふんっ。
『おくちをひらいて、喉を見してみな。ほら、あ〜んって舌を出して』
 荒い少女の息が鼻腔を膨らませ、手の甲に断続的に吹き付けられる。瞼は涙で赤く腫れ、
頤は溢れる唾液で濡れていた。真林を自分の物と信じ、おもちゃにして愛でる兄の真(シン)。
ブドウ畑の棚の下、木漏れ日を受けて少年に向かって口をいっぱいにひらいた鮎夏。
鮎夏と真林は絶対者に向って、口を大きくあけて小さい舌を差し出した。

「お姉さん、来てぇ」
 リフレーンに唾をコクッと飲み込む。真林のほっそりとした腕が上がって両手をひらく。
真林を見て下腹が収縮するように引き攣って、鮎夏は呼吸を止めていた。真林の稚い躰に
沙由香を重ねてしまう。おま×んこしたい、と少女から卑語が発せられた時――、真林の
鴇色のくちびるが鮎夏の情欲を煽る。魔法を遣う。
「どうしたの、お姉さん?」 
 鮎夏は真林の肉体のどこを見ていたのか思い出せなかった。そして今、真林の視線が
自分の躰のどこにあるかを気にしている。 

「ううん、なんでも……。なんでもないわ」
「そう……?」 
 鮎夏はベッドに腰を降ろして、右手を小さな膝頭から腿の上を滑らせる。真林の手が
ベッドに付いた手首に絡みつくが躰はじっとしている。ただ鮎夏の迫る指に応じて、下腹を
波うたせている。
「んっ」

 少女が何者かはわからない、かわいらしいモンスター。美少女は誰の目にもそう見えるものと、
確かめるように這わしていた手を上げて指先だけでやさしく撫でる。
「くすぐったい?」
 真林は薄目で鮎夏を見ると、赧らめた貌を揺り動かす。横を向いた所為で真林の首に胸鎖筋が
はっきりと浮かんで窪みをつくって、くちびるからは白い前歯を覗かせ鮎夏に少女の質感を偲ばせる。
『192』

 長く伸ばした髪を手にして鮎夏は小鼻に近づける。瞼をゆっくりと閉じて眦に涙を
浮かべ、ひらくと瞬かせる。鮎夏はラシャ切鋏を取って髪に入れる。
 かわいらしいと言われて嫌いだったわけではなかった。シャキン。自分でも他の子とは
ちがう何かを自覚し出した頃、夏の葡萄が来るまでは。シャキン。シャキン!

『あんた、なにやってんのよッ!』
 母親が鮎夏の手から鋏を取り上げて、畳に置いて弾いた。鋏は開いたまま、くるくると
回転して座卓にの脚にぶつかった。
『いやあぁああああッ!鋏返してッ!かえして!』
容姿、声質、仕草に周りの大人たちが反応するのを感じないわけではない。笑顔から
静に戻った時の貌とか……。自覚といっても茫漠としていて、それがどう役に立つのかなんて
小さい鮎夏に考えは及ぶべきもない。そんな矢先に起こった七日間の夏の出来事だった。
そして髪を切る。

 少年が鮎夏の肩に掛かった黒髪をとって息を吸う。
「変態といってごらん」
 鮎夏は息を止めて少年の貌を窺う。黒い瞳が大きくなる。
「ほら」
「う、うん……」
「うんじゃないだろ」
 少年の声に鮎夏は躰をびくんと顫えさせる。少年はバックルをカチャカチャと音を立て
ベルトを抜き取った。

「少し。でも……すき」
『へ、へんたい……』
 鮎夏の親指が真林の脚の付根をさぐる。セックスには触れずに、下腹の肉を圧したり、
縫工筋を弄ってみたりする。
「髪を、髪をね。伸ばしたらとても綺麗だなって、そう感じてたの」 
「ほんと……?」
神キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
418名無しさん@ピンキー:04/01/12 15:39
保守。
ソフトロリ&ソフトレズ小説をうpするスレ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1073737039/
保守
421「マリーの夜明け」:04/01/17 05:40
 マリーは走っていた。後ろからは蹄の音が追ってくる。
やがて林を抜けると、真っ黒な馬の影が彼女の前へと回り込んできた。
「お許しください。お願いです....」
 しかし鞍にまたがった男達は、目をらんらんと輝かせながら
マリーの周りをとりかこみ、不気味な笑みを浮かべて迫ってきた。
「ガーヴィンの村の娘だな。わしが分かるか、え?」
「お許しを....お殿様。」
 短い髭をはやした顎をさすってからかうように言うと、
領主はばっと身をひるがえして馬から下りた。
へたへたと座りこむマリーの前に膝をつき、細い顎をしゃくって
品定めをするように見る。その親指が震える唇に触れた瞬間、
マリーは兎のようにまた駆け出した。
しかしすっかり動揺しきって、自分がどちらへ走っているのかも分からない。
いくらも行かないうちに後ろから髪を掴まれ、
ともにもつれあって窪みへ転がっていく。
はっと目をあげれば、間近には男の顔。両手は強く押さえつけられていた。
「嫌、救けて!」
「お前達、手伝え!」
 その声にわらわらと男達が駆け寄ってくる。少女の抵抗もむなしく、
あっという間に手足を押さえられ、体の自由を奪われてしまう。
腹の上にまたがって、領主は歓喜の笑い声をあげた。

続きは....
tp://solunsol.hp.infoseek.co.jp/naga/main.html
422名無しさん@ピンキー:04/01/20 05:39
age
『193』

(かんじていた……)
『やさしくしてやるから』
『やさしくして……。こわくしないでぇ』
 真林は両手を頭にもっていって両肘を鮎夏に向けて立てると、髪をくしゃっと撫で廻し、
いたずらっぽく笑った。
「みじかいのはダメ?」
仰臥したまま、手櫛で髪をラフに掻き揚げた。

「いいわ、とても似合ってる」
 華奢な裸身を多少揺らしても見せ、赧らんで少女の貌で微笑んでいる。
『じゃあ、その可愛らしい唇で、へんたいってもう一度いってみな』
「いいのね、真林?」
 額に掛かる、みだれたショートの髪が少女のあやうさを彩っている。髪を掻き揚げていた
両手は白いシーツのさざ波に沈んで、華奢な少女の二の腕、脇の窪みを晒していた。
「はい……」
 真林の折れ曲がっている細い腕を掴んで、頭上に掲げるようにして押さえつけ、自分の
乳房を真林へ擦り付け、脇といわず、首筋も頬も、愛らしい小鼻も舐め廻してあげたいと思う。
少女の肉体を前にして、欲望が駆ける。彩夏の頬が熱く火照っていた。真林の瞳が潤んでいる。
どうしょうもなくて真林の蠱惑に酔っている。瞳が潤んでいて、泣いているようにも見える。

「ねえ、真林。ほんとに……いいのね」
 少女の名前を口にして訊く、彩夏の気持ちが高まった。はじまりの予感に真林の少女らしい、
あえかなる下腹が呼応してか、より深く波うっていて引き攣っても見せている。
「はい。鮎夏お姉さん」
「ほんとに、真林をもらうわよ」
 少女期にしか有しない、その肉体の息吹を探る指にはまだ躊躇いがあるのか、真林の脇に
差し込むようにして片手を付いて見下ろして「ああっ」、ほぐすように下腹を撫でている。
『194』

見た目の強者は、既に獲物を組み敷き、弱者は仰臥した屈服の体位を取らされていた。
心理的な優劣に加え、背徳の情欲の加減に真林の乳房が喘ぐ。ぷくっと膨らんだ乳暈に
頂上の勃起、それは彩夏。そのとき、真林の切れ長の黒い瞳が大きく開いたような気がした。
彩夏はたまらないとばかりに上体を起こし、少女の躰から逃避しようとする。
(かんじている……わたしは、あの時も感じていて)――鮎夏の頬を少年の両手が包みこんだ。
少年は鮎夏にとっては男。もちろん少年ではなかったけれど。

『へ、へんたい……』
 男でもなかった。そう、ただの――変態。少年は鮎夏に自分のくちびるの動きをトレース
させようとした。
『おにいちゃんは、へんたいだ』
 抑揚のない声だったけれど、凄みが増して聞こえてしまう。
『……』
『どうした。へんたいの意味か。いまお前にしてることだ。それぐらい、ばかでもわかるだろ』
 鮎夏の瞳に昨日の少年が蘇る。
『言えよ。へんたいって』
『ひくっ』
『泣くな!』
 抑揚のない声が鮎夏を刺した。

「ひっ……、お、おにいちゃんは……。はっ、おにいちゃんは……」
 しゃくりあげている少女は、父親以外の男は知らない。知っているといっても意味が違っていた。
そして夏だというのに、鮎夏の躰に鳥肌が立って、みるみるさむけが拡がってゆく。実際、鮎夏の
手は汗ばんでいたというのに、何故だかわからない自分がこの状況を緑の棚の上から覗いて
眺めているような気がしてならない。
「おにいちゃんは、なんだ。ぐずぐずしてないで、言えったら」
『915』

「……へんたい」
 でも、不思議と昨日のような恐怖感はないような気もしてくる、少年の姿をした誰かが
(大人が少女に諭す怪物というものが、こういうものなのかと薄目を開けて見ている自分)、
何者かが連れていってくれると信じていた、父親が居なくなってしまってからの日常。
けれども、どこか違う世界へと連れて行かれるという不安は多少残っていて、鮎夏はアップル
グリーンの葡萄の密生した葉が作る棚の下で、木漏れ日に晒され、柱の木に華奢な背を
持たれかけていた。

「こわいか?」
 鮎夏は瞳をちゃんと開いた。そして、少年を上目遣いにこくりと頷く。赤い生地にホワイトバルーンの
プリントのノースリーブワンピースを着ていた鮎夏。その返事の動作が少年の両手に包まれた
中に、少女という生き物の証拠の感触を確かに残し、遠い世界へと連れて行かれようとする。
戻れない。戻れない。脅されたとはいえ、自分から来たのだからしかたがないと鮎夏は思う。

「キスしていいか?」

 だからと言って、鮎夏には答えられなかった。大きな黒い瞳には涙が張っていて、少年の
瞳の中には、鮎夏が艶っぽく浮かんでいる。キスがどんなものかは知っていたが、お父さんに
されて、したことがあるバードキッス程度のものだけ。
「真澄さんからの贈物だ。受け取れ」
 鮎夏は顔を上げられて、少年から口吻をされる。真澄という母の名前が出て鮎夏は驚いていた。
黒い瞳を一杯に拡げて少年の顔を見ていた。しかし、それは長くは続かない。
 隣のホップ畑から聞こえてくる、あぶら蝉とミンミン蝉のうるさい声が蕩けて、いつしか無になって
しまい、とろんとなって鮎夏は静寂の世界に誘われ没頭してしまう。唇を軽く擦り合わせるようにして、
鮎夏に少年は人肌の男というものを感受させた。唇のやわらかい感触を与えている。昨日は怖かった
少年の唇(薄気味の悪い笑を湛えていたと思ったのに)が、こんなにもやさしく甘いものだとは
想像もつかなかった。
195・・・
『196』

触れる。一度、二度、そして三度と唇をゆっくりと鮎夏に付けては離す、また触れる
という動作を繰返した(鮎夏は終始受身でいた。そうするしか、少女には術はなかった)。
二人の唾液が糸をつくり切れてしまい、鮎夏の着た赤いワンピースに……滴り落ちた。
 近所の男の子と王子とお姫様ごっこをした、同い歳の男の子。戯れで手をさしだして、
手の甲に口吻させる。躰がドクン!と鳴ったような気がして、手を離させて、口吻された
手を自分の唇に近づけたなら……。

「はっ、あっ、あ……」
 唾液の嫌な臭いがしていた。鮎夏はとまどった顔をしていたら、少年は顔を近づけて
頬にキッスをした。鮎夏の相はさらに変化していた。混じる少年と少女のヨダレが微かな
湿り気の旋律を奏で、自分と少年の吐き出した汚い唾液が夏の陽射しに銀のきらめきの
糸を引いて鮎夏の着た赤いワンピースを穢す。鮎夏は羞恥とも罪悪ともとれない感情で
揉みくちゃにされていて、唇からおもむろに離れると鮎夏の頬を少年が這い上がってくる。

 下唇を軽く頬肉に引っ掛けると、瞳までのみじかい距離を荒い息遣いで、みずみずしい
果物でも嬲るように。
 綺麗な氷のような硝子の器に載せられた白桃と黄桃。小さいフォークで選んで、鮎夏が
突き立てたのは黄桃。甘酸っぱいシロップと桃の甘味が口に拡がるのを予感する。
そのヌルンとした口ざわりに、長く戯れたいと口の中でキャンディを舐めるようにしていた。

『鮎夏、なにしてるの。たべものをそんな風にして遊んじゃダメよ』
 鮎夏は黄桃を咀嚼して、急いで嚥下する。
『穢いのよ。それに、ゆっくりたべて』
 鮎夏は、納得できない風に唇を尖らせている。
『きたないの……』
『そうよ。卑しいわ』
『どういう、意味』
『鮎夏のコップのミルク、こぼれたらどうするの?』
 母親の真澄が傍に置かれていた鮎夏のコップに目配せをする。
『197』

『わたし、こぼさないもん』 
『そうなの?じゃあね』
真澄が器に載っていた黄桃を取ると、赫い唇をひらいて口に含んで見せた。鮎夏は母の
くちびるの動きに、なにかが疼いたような気がしていた。顎が動いて黄桃を噛みはじめると
やがて、真澄が飲んでいたミルクの入ったコップのなかに咀嚼されてしまった黄桃を、
舌を差し出して鮎夏に見せつけてから、白いミルクのなかへ放り込んだのだった。

「あっ」
 ミルクに交じり合わない、黄桃のぐちゃぐちゃが、くるくると廻っていた。その景色は
(嫌悪すべき光景ではなく、妖しく甘美になって)鮎夏の頭で増幅される。鮎夏は瞬きをして、
ゴクッと生唾を呑みこんでいた。少年の荒い息遣いが近付くにつれ、鮎夏は手を
ぎゅっと握り締め、瞼も閉じ合わせてしまう。
 少年を上目遣いに見た時のアップルグリーンの棚から下がる、たわわなディープレッドの
葡萄の房の眺めを焼き付けてしまい鼓動が速くなる。アップルグリーンの輝きは
透通ったディープレッド皮のなかにほんとうはある。

 房から一粒をもいで、陽にかざしながら拇と人差し指で圧し出す。透通っているのは
葡萄の剥き身。アップルグリーンの円らな果肉のなかに白い繊維質が走って見える。
濡れている葡萄の実を鮎夏は頬張る――、と思っている。そこに入れ替わりに少年の
吐息とやわらかな唇が重なった。鮎夏の瞼が少年の唇を夢想して痙攣してしまう。
「はっ、はあっ、はっ、はっ……」

 鮎夏は息をほとんど吸うほうにまわして(時折大きく吸い込みながら)、小刻みになって
いっていた。葡萄畑のアップルグリーンの葉が作る棚とそこからの木漏れ日の下で、
柱にもたれる少女と少年の銅版版画みたいなスケッチを鮎夏は想い描いていた。
 いけないこととは思いながら、心は押し潰されそうになっているのに、少女からすれば、
少年は少年として存在はしていなくて……、男の子の着たシャツをしっかりと握り締めて
鮎夏は健気に耐えている。少年のからだにしがみ付きたかった。そうして、みたかったが
鮎夏はできないでいる。 ドックン……!
『198』

 細いブルーの線が二人の輪郭を描いていって、夏の翳りを朱のインクが繊細なタッチの
斜線で夏の狂乱を彩って素早く落としてゆく。ドックン!荒く描き殴っているのに、駆使される
線は鮎夏の髪の毛のように細くて綺麗。ドクン、ドクン、ドクン!鮎夏は心の風景に顫える。 
鮎夏の閉じていた眼瞼を少しだけ強く吸ってくる。そして、舌先を差し入れて、眼球を舐められた。
「あっ、あ、あぁぁぁっ……」
 恐怖ではじまり、絶望の声が迸って、じわっと滲んで下着が重くなる。突然に訪れた生理現象に
鮎夏は対応できないで、救いを求めていた。
「お、おかあさん……」

 重くなった下着は限界を超えて少女の内腿に流れて、助けを求めた鮎夏の声に蝉の声の喧騒が
混じって、支配者の少年のペニスが勃起する。みるみる腿を濡らして滴る琥珀の液体。
「鮎夏、真澄さんの贈物だ。真澄さんが、ここでこういう風にして、ぼくを犯した。ぼくを此処で犯したんだ」
「やっ、いやぁ、やっ、やっ、やあぁああ……」
 面識のない少年に名を呼ばれて、母がどうのこうのと言われて、鮎夏は錯乱していた。
「きみのお父さんが居なくなって、さみしい、淋しいって何度も言って泣いてたよ」
「ああっ、あっ、あっ、かえる……、あゆか、かえるッ!」
 生温かい感触が気持ち悪い。粗相をしたことから母に叱責されるからか。なのに、少年の
口から母の名前が出て、わけがわからない。

「さみしいって、そう言ってここで、ずっと泣いていたんだ」
 少年も泣いていることを鮎夏は知らない。
「かえるっ、かえるッ!かえるッ!かえしてえぇえええッ!」
「うるさいっ!鮎夏、だまれッ!」 
 鮎夏は叩かれると思って呼吸を止めた。
「ど、どうして……」
 父が死んだ日、鮎夏は泣けなかった。母がベッドに横たわっている父に縋って号泣していたからだ。
「どうして……。ねぇ、どうして……?」
『199』

 しばらくして、鮎夏は少年が泣いていることに気が付いた。病院で手をつないでくれていた人にどうしてと訊ねる。
『おかあさんの大切な人だったからよ』
その姿を見てしまって、鮎夏は壊れてしまった。先にわあっと泣いてしまった母・真澄の姿が頼りなくて、あまりにも
小さくて、泣く時を永遠に逸してしまっていた少女の鮎夏。
「自分で真澄さんにでも聞くんだな」
少年に鮎夏は肩を鷲掴まれる。
『ほら、宇宙船』

それは、三歳の時の鮎夏の記憶。
『うちゅうせん?』
三歳の記憶といえば、あやふやとも言われているが、父といっしょにお風呂に入って、指で三本の指を
立てて見せて。
『うちゅうせん』
『そう、スペースシャトル』
鮎夏の立てた三本の指に父の太い指が絡んで、小さな手をぎゅっと握り締められた。星へ行く船を作って
湯舟で父と遊んだ記憶が鮮明にあった。

『じゃあ、ドッキング』
 星へと行ってしまったのは父のほう。昨日は少年に殺されてしまうと思っていたけれど、自分も父のところへ
ゆくものばかりだと。今日の鮎夏はどこへといくのだろう……と。少年は自分を父がいるところへ連れて行く
案内人なのかとも思っていたけれど。
 少年の手が鮎夏の頬から首に掛かり(羽で掃くようにやさしくて)、両肩を挟んで下りてゆく。少年の膝頭は
やわらかい土に付いて、鮎夏に跪いていた。少年はそれでも、鮎夏からすれば遥かに大きい存在。父とは
くらべものにはならないけれど、それでも昨日は黒く大きな壁だった。だのに、今日はとてつもなく、小さく見える。
「おかあさん……みたい」
 涙声で、ぽつりと呟くと、「真澄……」と鮎夏の胸に少年は吐く。
『200』

 見た目は小さくなっても、大きな躰の少年は跪いたままで、鮎夏の躰を抱き締め、小さな
胸に顔を埋めたのだった。
「ぼくが、真澄さん……だって」
 鮎夏はびっくりした。少年の息遣いがダイレクトに小さな胸に迫ってきたからだ。背中に
廻されていた両手が生き物のように蠢いて弄られている。
「はっ……、お、おにいちゃん……。やだぁ、おにいちゃん……」
(うそ、うそ……!やだぁ、やだあぁああ!動きたい!ヤダアァアアッ!動きたいのッ!)

 お漏らしをした生温かい感じが、鮎夏の全身を撫でる。嫌だという、拒絶の言葉がつかえて出てこない。
(どうすることもできない!鮎夏、しんじゃうの?死んじゃうの……!)
 鮎夏を抱き締めていた力が弛緩して、腕がだらりとなり、地面にドッ!と少年は背中から倒れ込んだ。
「ひっ」
 いきなり解放された鮎夏は灰色の木、棚の柱から咄嗟に離れた。柱を支点にして躰がくるっと
回転してよろめきながら。
「はっ、はっ、はあ」
 そして、少しだけ走ってから、鮎夏は少年の様子を窺った。少年は膝を折ったまま、背を地面に付けて
仰向けになって動かないでいる。

「あっ」
 小さく鮎夏は叫んだ。暫らくすると、浮いていた膝頭が沈み、両脚が片方ずつ真直ぐに伸びていって、
また動かなくなった。
「おにいちゃん……」
 鮎夏の声は震えていた。ゆっくりと少年が倒れている場所に戻ろうとする。恐る恐る近付いていった。
硝子の胸が壊れそうに痛い。急に起き上がって、昨日みたく、躰を羽交い絞めにされそうで、
泣きたい気持ちになる。
「どうしたの?ねえ……。おにいちゃん」
 少年は息をしていた。鮎夏が近付くと、深く息を吸って、胸が沈んで競りあがってきた。
それが、生きているという証拠になるのか、鮎夏には不明瞭だけれど。
おかえりなさいませ♪
433熱心な創価学会員:04/02/05 09:40
応援してまつ

















創価学会に入信しませんか?
『201』

「おにいちゃん……」
 どうしても、確かめないではいられなかった。鮎夏は死の翳りを見極めたかった。少年の
瞼がパッとひらいて、葡萄の棚を見上げる。
『おねえさん……』
少年の白い貌が木漏れ日に照らされて、鮎夏の躰がびくんとする。

『ねぇ、おねえさん。どうして、泣いているんですか』
少年の眦が涙で濡れている。潤んだ瞳が動いて鮎夏を捉え凍えた。
「……!」
 鮎夏はクッと頤を引いて瞬きをする。
『あっ、き、きみは……、こ、ここは私有地よ。勝手に入ってきたらダメなのよ』
 涙を拭きながら、笑顔で少年に答える真澄。その顔に少年はときめいていた。

「何で戻ってきたんだ。ばかだなあ、お前は」
 そう言われて、鮎夏の脚がすくんで動けなくなる。こわかったのに、どうしてかわいそうだと
思うのか鮎夏にはわからない。
「はあ、はあ、はあ……」
 確かなのは、ベッドで眠りについた父の躰に覆いかぶさって、号泣している真澄の姿だけ。
号泣から嗚咽にかわる母の女の声。
『鮎夏ちゃん、おかあさんの大切な人だからよ』

『ここの葡萄は甘くて、おいしいものね。喉を潤すのに丁度いいし。でもね、もう勝手に
取ったりしないで』
 真澄はアップルグリーンの棚に、白く綺麗な手を伸ばして、葡萄の房をもいで『はい』と
言って少年に手渡した。『ありがとう……』透通ったディープレッドの房が少年の手に載る。
『それから?ねえ、他にもあるでしょう』 その混乱が稚い鮎夏の頭を駆け巡る。この人は
おかあさんのことを知っている。
『ごめんなさい、おねえさん』
『よし、じゃあね、もう一個あげようか』
432、433 ありがとうございます
『202』

「ぼくをかわいそうだと思ったか」
 少年の腰の近くには、ズボンから抜き取られた、黒い皮のベルトが落ちている。鮎夏には、
それが生き物に見えた。いまにも動いて蛇になりそうな気がする。きっと、少年の手によって
蛇になるのだろうと鮎夏は思った。だから、少年は腰から抜いたんだと。
 でも鮎夏は、少年に遊ばれていることの意味を知らない。どうして、少年に遊ばれているのかも、
わからないでいる。下着が濡れた嫌な感触。なにもわからないで、遊ばれている自分に動悸が
烈しくなって苦しくなる。

「戻ってきたなら、しゃがめよ」
 また抑揚のない声。
「……」
「わからないか。座れ」
 少年の右手が鮎夏の細い足首をガシッと掴む。
「い、いやっ、いやぁ、やだぁ」
「じゃあ、なんで戻ってきた」
 足首を掴まえていた少年の力がいったんきつくなってから緩んだ。鮎夏のサンダルの足が
少年の手首を踏みつけていた。緊張から聞こえなくなっていた、蝉の声の喧騒が突然に響き出す。
「しゃがみな」
 優位に立てたと一瞬だけ思ったのに……鮎夏の脚が顫える。
「はっ、はっ……、いっ、いやあっ」
 小さく息を断続的に吸っていて、やっとの思いで少年に答える。

「綺麗だな。おまえの髪」
 この頃の鮎夏は、腰まで伸ばし、黒髪の裾は綺麗に切り揃えられていた。額に掛かる前髪も
眉毛の少し上のところで揃えられている。
「き、きれい……?」
「ああ、とても綺麗だよ」
 アップルグリーンの棚と黒髪のコントラスト。それに着ていたのは赤のワンピース。少女の
躰付きを緑の天井から浮き上がらせて、無意識に鮎夏は少年のペニスを挑発している。
『203』

『さわってもいい、パパ?』
 大きな胸に背中を預けていた鮎夏のあどけなく、好奇心に満ちた顔で父親のほうを
振り向いて、湯舟が波立つ。
『鮎夏。ダメだから、よしなさい』
『どうして。さわりたいのっ!』
急に黙って苦笑している父に、鮎夏は喜んでなおも愛らしい少女の声で食い下がるので、
しぶしぶ了承のつもりでやさしく娘に口をひらいた。
『大事ところだからだよ』 『だいじ?』 『そうだよ』 『そっとさわるから。ねっ、パパ』
『そっとだからな』と頷いた父を見て、湯舟のなかの大きなペニスを鮎夏の小さな手が
包み込む。ぐにゃぐにゃした感じから、鮎夏はにぎにぎをしてしまい怒られ、手のなかの
ものが少し膨れたような感じが残っていた。そんな気がする。

 鮎夏は黒いベルトと少年のズボンの膨らみを交互に盗み見て、スカートの裾が動かして、
少年の手首を黄色のサンダルが踏みつける。綺麗の呪文がペニスをもたげさせると知った
夏の出来事。
「ゆっくりとしゃがみな」
 何を思ったのか少年の手首から足をゆっくりとどけて、やわらかい土の上に少年の
言うとおりに鮎夏は腰を下ろした。

「ほんとに、綺麗な髪だな」
 少年が上体を捻って起き、肩肘を付いて鮎夏をじっと見ていた。また、蝉の声が
聞こえなくなっている。鮎夏のどこを見ているのかがわかる。そう、赤いスカートのなか、
合わさる膝の向こう側。少年の足首を掴んでいた手は、鮎夏の脚を下から指がすうっと
撫で上げて来る。
「あっ」
 ぞくっとした妖しい感じが少女の躰を駆け抜けて、下腹がきゅううっと引き攣りを
みせると、鮎夏は少年へと前のめりに倒れこんで抱きとめられる。少年の躰に黒髪が
ふわっと掛かって、おんなの誘惑を仕掛ける。もうイヤ、とは叫ばなかった。
『204』

 鮎夏はくなっとなった躰を抱きとめられ、頤を少年の肩に預けてもたれ掛かる。
「びっくりしたか?」
 いたわってくれる言葉にやすらいで、お漏らしをした居心地悪さがいくらか
和らぎかける。あの羞恥が焙り出された感覚はなんだったのだろうと、濡れた
感覚を受け入れ始めていた。そして思考は少年のことに及んだ。母の名前と
自分の名前を口にした、知らない……少年に。でも昨日の少年とは、今日は
別の存在の何かだ。それが何者なのかも鮎夏は知ろうとしていた。

 鮎夏の躰を闇に包もうとする者にかわりばえしていないのに、むろん完全に
少年を受け入れたわけではなく、怯えは微かであっても確かに鮎夏に存在する。
その因子が何なのか、喘ぎながら少女は模索した。
 少年が獣性を剥きだしてしまえば、娘のやすらぎは、花を毟り取るように
消し飛んでしまうかもしれない、あやういなかで。鮎夏は少年の腕の中で華奢な
躰を捻り、脚をカクンカクンと抗いの動作を無意識に始めている。そのことで
開いてしまった両脚の淡いに、少年の右手がすんなりと潜り込んでしまい、
反射的にお尻を突き出すような格好で思わず鮎夏は叫んだ。

「ああっ!」
 無垢が見せるノースリーブからの少女の肌はあまりにも白い。赤い服に掛かる
やわらかな黒髪にも、獣の少年は、少女を本格的に拘束しての攻撃性を
仕掛けないでいる。その間にも少年に赤いスカートをたくしあげられて、
鮎夏の丸くなって怯えている白い腰を露わにされてはいたが。
「あっ……はっ、あ、あ!」 
「気持ち悪いだろ。ぼくが脱がしてやるよ」
 このままワンピースを剥されるようにして頭から脱がされて、
裸にされるものだと思って慌て、鮎夏の脆弱なまでの細く白い脚の動きが
活発になっていた。
『205』

 そして、烈しくはなかったものの、鮎夏の上げた手が少年の顔を撫でた時に爪で
引っ掻いてしまっていたが、少年は他人事のように動じなかった。鮎夏にしても、
計算した上での行動ではなかったから、落胆によるパニックはなかったものの、逆に
自分が付けた傷に、凄く少年に悪いことをしたような痛みを感じてしまう。
鮎夏の手は少年の胸に下り、さらに突っ張ろうとした為に滑って、少年の股間へと
落ちた。鮎夏は手に男の高まった肉塊を知覚する。

『おちんちんだよ、鮎夏』
 膨らみかけた肉を確かめるように、ぎゅっと力を入れて握り締めてみた。いい匂いの
消しゴムを唇に挟んで歯を強くあてたような、誘惑を鮎夏は果たしてみる。
『うあっ!』
 だいじなところだからと言われたのに、鮎夏は好奇心を優先させて父親のペニスを
強く握り締めた。
『こらっ、鮎夏!』
 鮎夏の細い手首はがしっと父の大きな手で鷲掴まれる。

「チンチンだよ。知らないのか?」
 少年の言葉に、鮎夏の喘ぐ半開きの唇から涎が垂れていた。鮎夏は濡れたショーツを
摺り降ろされ、蒼い双臀のスリットを少年の目に晒されてしまっている。手が偶然に少年の
股間へと乗って、何か硬いものがズボンの下にあると知り鮎夏の時が凍える。

「鮎夏、チンポだよ」
『ねえ、代わりにきみのペニスをわたしに見せて頂戴……』 『えっ……?』
 泣き腫らした真澄の眼瞼。下のほうがぷっくりと膨らんでいて性愛の妖しさが募った、白い貌の
さめざめとした女が嗤った。愛らしい少年の顔を見て、ひみつの場所に紛れ込んできた
侵入者の頬を真澄は平手で叩いていた。少年の顔が振れて、手にしていた葡萄がやわらかい地面に
転げ落ちて、何が起こったんだろうと呆気にとられて眼を瞬かせる。
『206』

「ごめんなさい……」
 鮎夏の謝罪の言葉に、少年の手の動きも止まる。
「ん……?」
「ごめんなさい!」
「ほら、立って。脱がしてやるから」
 脇に両手を差し込まれて鮎夏は立たされ、奇妙な感覚が振り子のようにして戻って来る。
湯舟でいたずらをして、後ろから抱きかかえられて立たされた、あの感覚に。
『ほら、あがりなさい』
『いやぁだっ!』
 鮎夏に怒りを向けはしなかったが、拒まれた淋しさは辛くて痛い。
『おい、真澄!真澄!』 
『待って。いま、行くから』 
「ごめんなさい」

『いやぁ!』 
 母の声が聞こえて、鮎夏は泣きそうな声で縋り付いていた。
「わかったから、ちゃんと立てって」
 鮎夏は引き剥がされないようにと少年の首に細い腕を巻きつけた。赤いスカートを捲くられて、
丸まった背骨を白い肌に薄っすらと浮き彫りにする。緑の棚の下で晒したのは、ショーツも
下げられて剥き出している鮎夏の華奢なお尻。

 少女は怪物に赦しを請うてしがみ付いていて、少年のペニスは潮が引くみたく、みるみる
萎れていた。鮎夏の背を撫でまわす少年の手。暫らく鮎夏は少年の抱擁をおとなしく受け入れていた。
 鮎夏は立たされずに、棚の灰色の柱に背をもたれかけらされ、人形のようになって、両脚を
やや拡げられ、投出す格好で座らされる。少年は背を丸めて鮎夏の前に腰を落とすと、赤い
スカートの裾を捲くり上げて、少女は太腿を少年に明け渡した。
「すこし、お尻をあげて」 
 腿を撫でていた少年の手がおしっこで濡れた下着に掛かっていた。
「はい」
『207』

鮎夏は言われた通りに、やわらかい土に両手を付いて腰を上げる。唇は半開きになっていて、
瞼は泣いた為にやけに腫れぼったくなってしまっている。白の無垢のなかに、異質の朱が
はっきりと浮き上がっていた。その様子をじっとみつめて、従順になった鮎夏を前にすると、
すでに獣性を取り戻しており、左脚を折り畳んで、お漏らしで濡らしてしまった下着をゆっくりと
鮎夏から抜き取った。

「おにいちゃん……」
 少年は鮎夏の左膝に手を掛けてスカートの奥の無毛のスリットを眺めていた(そこは鮎夏の
尿でしょっぱい味がする筈だ)。
「なんだ」
 少年は鮎夏へ顔を上げる。
「なにするの?」
 鮎夏の少女の声から感情がごっそりと(人形みたいに)削ぎ落ちてしまっていることに気づく。

「教えてほしいのか」
 少年の手が伸びて、左の頬に触れると鮎夏はこくりと頷いてから、改めて怪物にはいと
返事をしていた。
「真澄さんにされたことを返す。そして、ぼくがしたいことをお前にする」
「したいこと……?」

「手を前に出せ」
 鮎夏は土に付いていた両手を少年の前に差し出した。すると少年はポケットから
ハンカチを出して鮎夏の顔を拭いてやってから、裏返して手を拭き取ってやっていた。
「女王さまみたい」
 鮎夏はぽつりと呟いていた。
「真澄さんも変わってるけど、お前もけっこう変わってるな」
 少年は黒いベルトを取ると、それで鮎夏の手首を一括りにした。
『208』

「女王さまがこんなことをされるか?」
「黒い蛇」
 鮎夏の泣いた瞳が拘束された両手を眺めている。
「へび……。このベルトがか?」
 少年は鮎夏の言葉に笑いそうになったが、ぼんやりとして少女の唇から発せられるモノに
魅せられ始めていた。

「うん。蛇なの」
 少年のブリーフのなかに真澄のしなやかな手が滑り込んできた。手首に近いほうで引き攣る
腹部を圧迫してくる。少年の肩を左手で鷲掴んで、乳房を押し付けて自分の手の動きを追っている。
『や、やめてください……。おねがいだから!なっ、なにもしないで!』
「じゃあ、ぼくは鮎夏を捉まえた、魔法使いのレムレス」
 女の髪の匂いを吸いながら、少年は真澄に訴える。そして上から肉を恥骨に押え付けるように
しながら、真澄はさらに少年へ圧迫を仕掛けてきた。
『ほら、ぼく。さっさとズボンを下ろしなさい』
「レムレス……?」
「そうだ。ぼくは黒いレムレスだ、鮎夏」

 拇と人差し指の淡いではペニスを挟み(それは恐怖で萎縮していた二十日鼠になっていて……)、
真澄は少年の血流を軽く止めていた。それを数回繰返しただけで、すぐにペニスに変化が現れた。
少年の萎縮していたはずのペニスは痛いまでになってしまい、ビクンビクンと跳ね上がらせる。
肉皮からは鴇色の尖端が顔を覗かせ、下着に擦れて少年は痛がって腰を引いて耐えていた。
真澄の手は、煽られる少年の強張る腹筋の硬さを確かめてから、しなやかな指で腹部を弄りつつ、
喘ぐ胸へと少年の服を掴んで押し上げてゆく。真澄の手が首筋に這いあがって、人差し指が
少年の唇を嬲りだす。意志に関係なく男の証拠は勃起し、その目には涙が張られていた。
『209』

『ズボンを下ろして。わたしの泣いているところを見た罰だから……』
 真澄の両手が顔を包んでゾクッとしていた。そして右手の拇が口の端に入ってきて、左手の
人差し指と中指が揃えられて突っ込まれる。
『んぐううっ!』
 少年の手は真澄を剥そうと必死になって、乳房を強く掴んで指を食い込ませていた。
瞼を閉じる前に見たのは、光る指輪。指を噛もうと思えば噛めるのに、そうはしようとは思わない。
「レムレスってなに、おにいちゃん?」

 少年は膝立ちになってズボンを降ろす。ブリーフもいっしょに下げたために天上を突くみたく
そびえるペニスが一気に鮎夏の眼に晒される。しなって揺れる異形のモノ。
「……へび」
 父の物とは違う物が股間からにょきっと突き出ていた。ごつごつしていなく、しなやかで、
肉皮から覗かせるへびの顔は夕焼けの予兆の鴇色をしていた。

「悪い魂が作った怪物だよ。女王さまは、悪い魔法使いに囚われたんだ」
 父親に眠りにつく時に聞かされたおとぎ話の絵本と、目の前で起っている現実に鮎夏は
眩暈を催していた。ふわっとした雲の上を歩いているみたいな感覚に包まれていた。少年の
ペニスが空を掻いて揺れる。絵本の夕焼けの鴇色が少女の鮎夏を闇へと誘う。
「鮎夏、ぼくのチンチンをさわるんだ」
 少女は怪物に言われなくとも、縛られていた両手を掲げ、両腿の淡いの肉棒へと手を
差し伸べていた。拘束されている為なのか、それともペニスにふれることができるからか、
鮎夏の手は顫えている。少年は鮎夏の胸の息遣いを注視していた。肩の揺れ。そして、ペニスに
特異な関心をよせてくる少女の貌(額をきれいに切り揃えられて隠す黒髪)。長くやわらかい
少女の肩に掛かった髪。 「どんな感じだ?」 
 鮎夏は顫える両手で花をつくって、そこに少年の黒い欲望に滾るペニスを包んでいった。
稚く白い人形のような指が曲がって絡んでくる。 「……あったかい」 そして鮎夏は少年を仰ぐ。
『210』

「ほんとに変わってるな」
 少年と鮎夏が視線を絡ませる。
「にぎにぎしてもいい、おにいちゃん?」
 二人の貌は紅潮していた。植え付けられた歪んだ性愛と好奇心が混じり合う。
「ああ、かまわない」
 ペニスがビクンビクンと脈打っている。少年を仰いだ時、アップルグリーンの棚が鮎夏には
歪んで見えていた。鮎夏はそれを制圧か殺す想いで、ペニスを強く握り締めた。

 実際には、鮎夏の手首はベルトで縛られていて、そんな強い力は出されてはいない。
「うっ……ああっ!そんなに強く握っちゃだめだ」
 少年は無抵抗な鮎夏が突然に、強く握り締めてきたことで驚いてしまっていた。
「おにいちゃん、ごめんなさい」
 鮎夏は叱られて(それでも相変わらずの抑揚のない少年の声だったが)、股間の淡いに
添えられた、縛られている手を下ろそうとした。
「そのままでいいから、ゆっくり、ゆっくりだ。鮎夏の手を閉じて、また開くんだ。やってみな」
 鮎夏の眼球が動く。
「はい、おにいちゃん」 

「そう、そういうふうに。上手だよ、鮎夏」
 鮎夏の目の前には透明な雫を垂らす鴇色の蛇がいて、それがだんだんと自分に
向かって来るような気がしていた。これが、自分のものになるんだと。鴇色の表皮は
綺麗に絖っていた。
「手」 
「なに……、おにいちゃん?」
 鮎夏はおにいちゃんと言って服従を示してはいたが、それは無意識の媚だった。
「だるくないか……?」
『211』

 鮎夏は少年の勃起したペニスを小さな手で包んでいて、その顔を少年は窺っている。
「ううん……」 
「ほんと?だるくないか?」
「うん」
「ほんとに、ほんとか」 
 なにをそんなにも気にしているのだろうと不安になった。どこか心配そうに鮎夏はじっと
見つめられての、そんな経験は初めてなこと。男と女だけのふたりの世界で、綺麗と
言われたのも初めてで、波紋が拡がってゆく。
「すこし。すこし……だけ」 
 少年はただ、逃げる理由が欲しかっただけだった。

「そっか」
 鮎夏の手が震えている。それでもペニスを握っている、鮎夏の束ねられた手首に
少年の手がふれて、拘束していたベルトをとき始めた。
「あっ!」
 何かが、離れていってしまう。拘束していた黒い皮のベルトを取ると無造作に
放り投げる。鮎夏は思わず、小さな驚きの声を上げていた。少年のペニスはまだ
硬いままでいて、その下腹は不規則に波打ってもいた。確かな牝への欲望は息づいて、
少女への憐憫とが鬩ぎ合っている。
「手を離しな」  「はっ、はあ……。やぁ、やあ!」
「なにをいってるんだ」      「やだぁ……はっ、はあ、やぁ」
「鮎夏、離せって言ってるだろ」

 もっと怒られそうで、からだが竦んでいた。少年の顔を見ていられなくて、ペニスが
生えている下腹、少年の腹部が引き攣るように、忙しなくへこんでいるのを鮎夏は見る。
「やあっ、やめないもん」
 鮎夏はペニスを握り締めながら、少年の腰に抱きついた。鮎夏の揺れる艶やかな
黒髪の感触が、敏感な少年の尖端を刺激させてしまい、欲望を噴き出してしまう。
射精した量はおびただしいもので、速射されてびたっびたっと勢いよく地面に落ちていった。
『212』

鮎夏は少年の腰に抱き付いていた為に、不意に訪れた歓喜の瞬間を見ないで済んでいた。
「鮎夏……っ」
引き離される淋しさに、鮎夏の涙がこぼれた。黒髪にはいくらかの白濁の体液がこびりついている。
泣いている。泣いて、叫びたい衝動に駆られていた。
「やめない。やめないから」
しかし、叫んでしまえば、今度は本当に少年に嫌われてしまうと思って、声を出すのを懸命に
堪えている。

「おい……、ぼくのチンチンから手を離せ」 
「やだぁ!」
「鮎夏っ!」
 鮎夏は少年の初めての声に躰をビクンとさせる。手が髪をぎゅっと掴み掛かろうとする。
鮎夏の泣き声が、その気配を感じて高くなっていた。掴みかけた髪をといて、頭のてっぺんを
少年は撫でてやる。鮎夏の手のなかの肉棒は、信じられないくらい硬度をがくんと落として、
やわらかくなってしまった。鮎夏は手のなかのモノの変容に驚く。

『花をつくりな。手でそうやって、ひらいたり、とじたりしてゆっくりと握ったり離したり』
 抱きついて握り締めている鮎夏の所為でふたたび硬度を取り戻して高まり始める。花が
ひらくようにしてみな、と言った少年のことを思い出し、抱きつきながら握ったペニスを緩めたり
握ったりを繰返す。
「鮎夏、鮎夏。ぼくを見ろって、ほら。なあ」
 真澄の愛撫とは天と地ほどの開きがあった。それはあまりにもちぐはぐで、繊細さには著しく
欠けたものであり、それ自体が欲望を誘うものではなかった。鮎夏の少女のなりが少年の心を、
また烈しく昂ぶらせていた。
『鮎夏はなにしてる』 
「やだあぁああっ!やだあぁぁぁ!」
『テレビ見ているけど。ねえ、どうしたの?』
『213』

「あうっ……!」
 ペニスをきつく握り締められた、少年の背が丸くなって呻いてしまう。
『……』
『なによう?』
『……にぎにぎしたんだよ』 
『にぎにぎ?どこをよ』
 すっとんきょな声を真澄は上げるが、へんな笑みを口元に浮かべていた。
「あっ、鮎夏、顔を上げて。ぼくを見るんだ」


『ほら、出てけよ』
『ねぇ、どこをよ』
『よ、よせったら』 
『いいじゃないの』
 パンツを取ろうと背を向けた夫の背に抱きついて、腰に巻いたタオルから真澄が手を動かして、
男のかたちを確かめようとする。
『よ、よせったら!ふざけるなったら、真澄』 
『いやだぁ。勃起してるじゃないの』
「ゃあぁああ……やぁぁぁ」

『娘をどうこうしようなんて思ってないって』 
『ほんとなのかしら……?あやしいわよ』
『ば、ばかいえ!』
『ばかってなによう。勃起して言うことかしら』
『おまえがそんなこと言うからだろ!』
 真澄の髪がゆれて、好色にいたずらっぽく赧らんでいる顔に絡んでいる。
『だから、なこと考えるわけないって。娘だぞって、おい!なにするんだよ!』
 ふたりの指が絡み合いもつれ、腰に巻かれていたタオルがはらりと床に落ちる。
『214』

『してあげるから、お口に射精して』 
真澄の手が落ちたタオルを拾い、目隠しをして両手を後頭部に持っていく。頭を下げて
突きつけられる両肘。真澄に握られた所為もあって、交渉可能なまでに肉棒は勃起していた。
『なっ、ベッドへ行こう』 
『抱いたりしたら、叫ぶ』
 あかいくちびるがほころんでる。タオルという無粋な物だったが、真澄の小鼻と絖る唇が、
男にショーツのなかのしとどに濡れるヴァギナを想起させ、ペニスへ欲望を執拗に送り込んでいる。
繋がる予兆、ときおりの半開きの唇から洩れる真澄の赫い花からの白い雫。 

『……おい』
「ほら、離せって。鮎夏」
『いやよ』
『真澄がしたいだけなんだろ』 
 じゃれあうなかで、男の匂いを小鼻で吸い込む。真澄が唇を尖らせて言う。
『そうよ。したい、したいのっ』
『だったら、ベッドへ行こう。な、真澄』
『もう!ダメ。娘に勃起したなんて、ここで懲らしめてやる……。ねぇ、わたしほしくない?』
 真澄の手がくだものの房をさわるようにして、まだ温かく少し湿っている陰嚢をやわやわと
揉みしだき始めていた。そこに目隠しをした真澄が赫い舌を差し出して、そそっと舐め上げる。

「ほら、なっ」
 少年はペニスから鮎夏の指を一本ずつ剥がしていった。鮎夏の手からペニスは解放されたが、
少年の欲望はそのままに宙ぶらりんになって、それでも泣いている鮎夏をあやす為に
抱き締めた時、真澄のにくらべて遥かに無垢で、蒼いけれどもやわらかそうなスリットへ、
インサートもしていなかったのに、少年は鮎夏とセックスをしているような、そんな気分に
囚われていた。鮎夏の耳に少年の男の荒い息使いが聞こえてくる。その息使いは烈しいままで
あるけれど、微妙に変化していた。鮎夏は熱くなった。
『215』

 黒髪についてしまった、鮎夏を穢した白い粘り。震える背中を撫でながら眺める少年。
「もう、泣くなって」
「う……あぁぁ」
「なにが、そんなに哀しい?」
「パパぁぁぁ……」
 その言葉を吐いてから、鮎夏は少年から離されて、髪についてしまっている精液を
ハンカチで拭き取られる。少年はペニスをしまわないまま、構わず鮎夏の始末を急いだ。
されている鮎夏も片脚に脱がされたままのショーツを引っ掛けて、じっとしている。
急ぐけれども、ごしごしと乱暴ではなくて、そっとふれてくるようなやさしくが伝わる。

「へんたい」
 鮎夏はそう言った。少年はぎょっとして、手の動きを止めていた。躰が自分のもので
ないような気がする少女。なぜだか、少年に言わされた、変態という言葉を意味も無く
吐いてしまっていた。少年はまた鮎夏の髪に付いた精液を拭き取っていて、手にした
髪を神経質そうに絶えず鼻に近づけては、鮎夏の臭いを嗅いでやっている。そんな姿を
鮎夏はぼんやりと見ている。ペニスがビクンと動いたのも少女は見ていた。

 少年によって鮎夏は、女王さまになった、――とは思わなかった。赤いワンピースにも
僅かだったが附着している、白いバルーンと赤の狭間に落ちた精液。
 それはベーキングパウダーを、篩いに掛け作ったクリーム。とどこか似て、ぼてっとした
感じでそこにある、ペニスから吐き出された少年の体液。シャカシャカシャカとボールを
掻きまぜ作ったパンに込める種。真澄がボールから指で掬ってみせ、お口をああんと
開けた鮎夏が舌で甘味を感じる。
『おいしい?』 
 レンジに入れる前の仕込みを舐めた。牡の快感の証拠を口に含もうとする鮎夏。
『うん!』
 できあがったクリームのような、ぼってりと服に付いている粘り気を指で掬ってみようとした。
『216』

「よせ」
「クリーム」
「そんなもんじゃない」
「クリームなんだもん」
 少年に手首をきつく掴まれた。
「ちがうから、舐めるんじゃない。鮎夏」
少年の瞳を見たら、「どうして?」とは訊けなかった。「いやぁ」とも言えなかった。
かわりに出たのが「ごめんなさい」という少女の淋しさのため息。

「もういちどぼくに言ってくれないか」
 少年は戸惑った表情を見せたが、鮎夏に舐めさせないで、指に付いてしまった自分の
精液をハンカチで丁寧に拭き取ってやった。
「なに、おにいちゃん?」
「さっき、鮎夏が言ってくれた言葉。もういちど聞きたいから」 
「へんたい」
さっきと同じように鼻に近づけて、鮎夏の細い指の臭いを嗅ぐ。
「おにいちゃんの、へんたい」
下腹のペニスは天上を突くみたいに屹立していた。

「いいにおい?」
「えっ……、いやなにおいだよ」
「なんで、嗅いでるの」
「へんな臭いがしてたら、鮎夏、困るからな」
「おにいちゃんのならいい」
少年は鮎夏の全身を見る。息を大きく吸い込んで、肩をゆっくりと下して、唾を呑み
込んだ。おもむろに、濡れている鮎夏の足元から膝頭の内側をあがっていった。
腿の淡い近くで止まって、そして、内側を丹念に拭き取り始める。
『217』

 汚れを吸い取っているガーゼタイプの白いハンカチ。確かな少女の生と性の質感をやわらかな
布越しにふれ、鮎夏の女の息吹きに近づいて、一瞬、真澄のような蒸れたセックスの気配を
手の甲の皮膚が敏感に感じ取っていた。馬鹿げていると思ったが、たしかな少女のぬくもりの
知覚があった。少年は手のひらを自分のほうに向けて、鮎夏の無毛のスリットにかざしてみる。
「鮎夏……」
「なに?」 
「……」 

「どうしたの?」 
「なんでもないから」
「おにいちゃん」
 少年は手を止めて唾を呑む。
「どうした?」
「鮎夏、きたないから、しないでいい。もう、しないで」 「いやか?」 
 母が濡れた躰を拭く感じと、どこか似ていてやさしく思えた。それなのに、粗相をしてしまって、
そうされていることが、いけない気がする。
「わからない」
 でも、なぜだかわからないが不思議な感覚を呼ぶ。考えると鮎夏の動悸が速くなっている。
熱い、あつい、手に残るペニスの感触が鮎夏を灼きつくそうとする。

「鮎夏の……おしっこなら、汚くない。ぼくは、きらったりしないから」
 絵本の女王さまと、頭のなかで言葉を見つけても、どうしてもしっくりとこない。心地いい……
止めることのできない、なにかが鮎夏のなかで拡がっていた。
「きらいにならない?ほんと?」
 口では言い表せない、不思議な感じが鮎夏を包み込んでいた。
「鮎夏」
「はい」
 少女は小気味良い返事を怪物に返す。
『218』

「スカートを少し持っていて」
「うん」
 鮎夏はスカートを持って、太腿を見せる。腿から臀部へと続くラインは後ろに、そのかわり
前方の腿から流れる突き出した腰骨のラインを少年に捧げる。その両腿の淡い、鮎夏は
無垢な女の佇まいを少年に晒してしまって。白い鮎夏の陰阜の下方の確かな縦筋、女の
証拠がくっきりと刻印され、なにも知らないとばかりに存在を誇示してある。
「きらいになんかならないから」
 無垢なものに、みだらな誘いがひっそりと息づいて佇んでいた。

「あっ!」
 内に吸い込んだような、少女の小さな呻き声が洩れる。少年はハンカチを捨てた素手で、
拇を陰阜にそっとあてがって押していた。その弾力の質感を確かめるようにしてから、
中指を忍ばせ鮎夏のスリットにふれる。
「んんっ!」
 そっと撫でつけた指が肉を掻き分け、狭間に浅く潜り込んだ。ふたりの動悸が烈しくなり、
胸がつかえているみたいに息苦しく、真澄のものを想像しながら、少年は鮎夏のつぶらな
孔に指を挿入しようとしたが、それはできなかった。鮎夏の潤んだ黒い瞳を見てしまい、
口に溜まった唾液をむりやり呑み込むと、濡れたスリットにふれた手を横にして口に指を
持っていって、自分の唇に挟むようにして含んだ。

「きたないよ」
「潮の味がする」
「きたないもん」
「どうして。鮎夏のものだろ。舐めたかった。鮎夏も舐めてみろよ」
 少年にそう言われて、頭を垂れてセックスを覗き見る。片手を動かして持っていこうと
した時だった。
「あ……。さっき」 「やめとけ」
 鮎夏は手首を掴まれていた。
『219』

「やめろ。やめないか」
「どうして。どうして。さっきもそういった。なんでぇ」
「じゃあ、ぼくの指を舐めろよ」
「……」
「ほら、これで十分だろ」
 鮎夏は少年の手を黙って、素直に受け入れた。小さな手が少年の手を掴む。少年の
手のひらの肉、やわらかな感触が信じられないくらいに心地よかった。ツンとした愛らしい
少女のあどけない上唇を、少年の差し出された人差し指の先でゆっくりと捲られる。

「はあっ」
 潜り込んで、歯茎にさわられた。
「ほら、口をひらいて」
「はっ、はぁ」
「そう、それでいいよ。目を瞑って、鮎夏」
 鮎夏は言われたとおりにした。中指が鮎夏の口腔に押し込まれる。唾液がつうーっと
したたり頤を濡らす。
「あっ、んんっ!」
 小さかったが、明らかに混乱しているふうな鮎夏の顫える声が洩れる。

「こわがらないで。ほら、舌に乗せたりして、舐めて。言われた通りにやってみな。ぼくを
感じるんだ。わかる?」
 鮎夏の瞳が少年を見る。暴虐とやさしさが交互に表れる少年に頷いて、また、ゆっくりと
瞼を閉じていた。眠りはしないけれど。
「んっ、んっ、んん」
 上唇を捲っていた人差し指も入り込んで、ぎこちない鮎夏の舌使いの動きを困らせる。
『もつれ、よじれて……むちゃくちゃにして。ひとつに蕩けなくても、いいから。激しくでいいから。
激しくよ、激しく、してほしいの。して、してちょうだい』
 真澄の声が少年に聞こえて来る。鮎夏の顔が動いて、やわらかく絖る黒髪がゆれている。
『220』

『うっ、ぐうっ、はあっ、あ、んんっ』
 口腔を蹂躙していた真澄の指が抜かれて、少年は貌を掴まれ口を吸われる。その貌を
少年は眼をひらいて見ていた。もつれて、よじれて、むちゃくちゃにして。性への関心が
ないわけではなかった。掴んでいた真澄の乳房に力を入れ、彼女の口からのくぐもった
呻きが少年の口に雪崩こんできた。ひとつにならなくてもいいから。蕩けなくても、それで
いいから。偶然に会ってしまった、泣いていた女性がいて、いきなり事故にでも巻き込まれて
しまったような目に遭う。ただいいなりになって、真澄に流されていく。少年の乳房を掴んで
いた手が緩んだ。

 真っ先に、報復はあった。真澄の膝頭が少年の両腿の淡いに押し入って来て、ペニスを
ぐいぐいと擦られる。張り詰めた股間を嬲られ、開いた腿を窄める力が働いて、腰にたまらない
感覚が走った。 『うああっ、あ、あうっ』 乳房を握り締めていた少年の手が緩むと、真澄の
手が顔を離れて甲に覆い被さる。仄かな香りがし少年は、真澄の匂いを吸い込んでいた。
『おっぱい、さわって。ねっ。好きにして揉んでみて』
 華美ではない、控えめな清楚な匂い。それでも、いい匂いだとは思わない。真澄は少年に躰を
擦り付けてくる。むしろ、きれいなのだから化粧なんかしなければいいのにとさえ思いながら、
あの感覚でたまらなくなっていた。いくら真澄のやわらかな乳房に興味があるからといっても、
迫る射精感に愛撫など気が廻るはずもなく、どんどんおろそかになる。

「んんっ、んっ、んぐうっ、うぐううっ」
 鮎夏の口腔に指を抽送することに少年は没頭していた。ナチュラルな少女の芳香、弱々しい
無力の鮎夏を思うと昂ぶってゆくのがしかたがない。存分に支配できる、牡になりきれた。
くぐもった声に無茶を強いた。鮎夏の黒髪が哀しく揺れている。
「ほら、もっと、もっと、指に舌を絡めるんだ、鮎夏。もっと、ちゃんと、ちゃんとだよ」
『あっ、ああ、でっ、でちゃいますから。おねがいだから、やめて』
 ペニスを擦って込み上げて来るのは、おしっこが洩れてしまいそうな、あの感じ。少年は腰を
引きに掛かったが、真澄にがっしりと抱き締められ、さらに膝で股間を擦りあげられる。
『221』

「はあ、はあっ、はあ、はっ、はあ、はあ……」
 鮎夏の口から唾液に濡れた指を引っこ抜いて、喘ぐ声に聞き耳を立てると、新たな
どうしようもない、暗い性愛の欲望の糧とした。
「ぼくのオチンチンを舐めるんだ。もう、できるね、鮎夏」
 涙眼の鮎夏は、少年に反射的に頷いていた。お風呂でもう少しさわっていたかった
父のペニス、少年のを握り締めて灼けるように熱かった、少年の物とはくらべものに
ならないくらいに太くて逞しい肉塊。あの感じを掴み取りたかった。依存しようとした気持ちを
むりやり湯舟から剥されていた。諦めたそれを今、少年は舐めろと言ってくれている。

 鮎夏の躰は熱を帯びていった。少年は鮎夏の火照って惚けている顔を、両手で挟み込んで
口を強く吸う。あふれる唾液を少年が吸っている。男の唇が鮎夏をすっぽりと被さって、
強く吸った。やがて舌が押し入って、鮎夏の口腔で暴れて蠢く。いっぱいにひらいた瞳、
鮎夏は瞼をぎゅっと閉じている。 強く荒ぶるままに鮎夏を犯す。官能という言葉すら
知らされていない少女には、やわらかな白い皮膚に食い込んで来るものは、獣の爪。
それは怪物でしかない。うんと返事しようとしていた、少女の唇を怪物は掠める。
それは真澄がした、やり方で。

「んんっ!ん!んっ、んんっ、んぐうっ、んん……!」
 女王様と騎士のまねごとをして、手の甲にキスをさせた記憶がまたかぶった。唾液の匂いは
嫌なものとインプリンティングがされている。父の記憶も縺れて来た。鮎夏の眉は吊りあがって、
抱きつくでもなく、困惑しながら少年の胸を手で押し退けようとする。蝉が紛れ込んで来て、
リネンのテーブルクロスに留まった透明な羽。見惚れていた鮎夏の一瞬は黒猫に奪われる。
持っていかれた蝉。猫は口に咥え、バリバリと音を立てて食べていた。
 蝉は最期まで猫の鋭く白い牙に砕かれながら声をあげて啼く。明確な拒絶が鮎夏のなかでかたちに
なろうとしたら、少年の暴れるようだった恥戯は憑き物が落ちたみたいに力が抜けて、狂乱の夏の
やさしさを鮎夏は味わう。壊れそうなくらいに、興奮していた。突き刺さる白く細身の牙。
『222』

 鮎夏の火照る顔を包んでいた手は背に廻って撫でていた。少女は徐々に馴らされていて、
時には蒼い尻を揉みしだかれ、少女にはわけのわからないみだらという概念を突きつけられた。
叫びたい衝動と、躰が反応しはじめていることに疼く。無理やりに怪物に強要されていることを、
自分が望んだことにすり替え、鮎夏は思い違いをして呑まれていった。
『ぼく、女の人がこわい?こわいのね、そうでしょう。でも、こわがらなくてもいいの。こわがらないでいて』
 こわがらせたのは、お前だろうと少年は叫びたかった。
『そっ、そんなんじゃ。ああ……、もうでちゃう』
 鮎夏は少年の下腹部に引きよせられるようにして、しゃがんだ。少女の口からは、唾液が
また流れ出た。

「鮎夏の黒髪。やわらかく、長くて、とてもきれいだよ」
 鮎夏の指が少年のペニスを掴む。ペニスのさきっぽは、もうヌルヌルになっていたが、
待ち望んでいたものがほんとうに手に入る。今度こそ。
「舌を出して舐めてごらんよ」
 鮎夏は舌をチロッと差し出すと、鴇色のへびの顔にゆっくりと近づけていった。鼻孔が
少しばかり開いて、少年の昂ぶりに火をつける。
「いい子だ、鮎夏」

『ゆるさないって言ったでしょう』
 真澄の手が下りて、彼女自身もしゃがむ。少年が落とした葡萄を拾って潰さないようにどかす。
潰されるのは自分だと思った。真澄がそんな気遣いを見せずに、しゃがんだままの脚で、
葡萄を踏み潰していたら。真澄は少年のズボンのジッパーを降ろし始める。
『はっ、はっ、ゆるしてぇ、あっ、ああっ』
 亀頭に触れた鮎夏の舌先が離された。ペニスのあじに反応した結果だった。
「鮎夏。やめるなら、終りにするよ」
 鮎夏が顔を、すぐに左右に振る。
『黙っていて。嫌がっている振りならよして。黙って、見るの。いい、わたしを見て』
『223』

「鮎夏、やめないから」
『あっ、あ、あ』
「だったら、ぼくのからだを感じて、オチンチンを舐めてみなよ」
 真澄のしなやかな指使いが強張って、下着越しのペニスの膨らみを確かめるように蠢いていた。
『見るのよ!』
 腿を掴まれ陰嚢を揉まれた。扱いてほしい棹の欲求が弾ける。指がふれたのが限界だった。
『うっ、うああっ、ああ……、やっ、やだぁ……』
 少年の躰は顫え、真澄へと倒れ掛かってきた。真澄はすぐに抱きとめてやり、背中を
撫でてやる。真澄の計算は狂ってしまっていた。白い下着越しに肉棒を唇で確かめながら揉んで
やるつもりだったから、撫でながら、少年の気持ちをを無視して、精液で夥しく汚れたブリーフを
さっさと脱がしだす。

『あっ、あ、や、やだぁ、やめてよ』
 鮎夏の涙で潤んだ瞳がペニスを見ていた。
「もう一つの手で、垂れ下がってる袋もさわってくれないか」
『どうして。こんなによごれてしまってるのに。脱がなくちゃいけないわ』
 真澄の指に粘り気の残滓が恨みがましく絡んでいた。ペニスはひくっひくっと蠢きながら、
みるみる萎みきって、男を放棄しているかのように、真澄に屈してうな垂れる。
「これのこと……」
 少年の腿の上に置かれていた手が、ペニスを握り締めていた手の下に持って行く。

「やさしく、揉むんだ。そのまま、オチンチンの先っぽに、鮎夏の唇をかぶせていって」
 少年の声が、微かな顫えを生じさせている。
「呑み込むんだ。喉の奥に入れるんだ。わかったね」 「……」 「いいね」
 鮎夏はどきどきしながら、はいと返事していた。拒まないで、自分を求めてくれている少年。
言われた通りに従おうとしているのに、小さな自分が怪物を支配しているみたいな。
鴇色の蛇を唇に含めばどんな気持ちになるのだろうと、少女のくちびるを確かな手ごたえを
求めてよせていった。
『224』

「うっ、くっ……」
 生臭い精液の臭いも、ペニスの味も気にならなかった。ぐにゃぐにゃだったものが
スイッチしてこちこちになってしまう時のふしぎ。少年の生理に父の面影を求めて追ってゆく。
「鮎夏、舌で飴を……しゃぶる……みたいにして……」
 少年の呻きに動悸が激しくなって、自分はとてつもなく酷いこと、凄いことをしている
のではないかと、稚いながらの思考で駆け巡って顔がカアッと熱くなる。素性の知らない
男の証拠は、鮎夏の口のなかに尖端を収められて、それは生きていて涙があふれた。
今までとはくらべものにならないくらいの衝撃に鮎夏の気持ちは抱かれている。

 鮎夏の鼻息にペニスがびくんと反応して跳ねた。苦しいのに、荒ぶる物をなぜだか
可愛らしく、命令を待っていた生徒は、大きな瞳で先生を見た。ツンとした唇。今は少年の
変貌した肉棒を咥えている。口を噤んだ少年の手が、鮎夏の艶やかな髪をやさしく撫でた。
男を誇示している少年に傅いていることの気持ちよさに、少女は顫えていた。
「好きにしてごらん。そうしたかったんだろう?」
 頬をやさしく撫でられたことでいくらかやすらぎ、視線を少年の股間に戻すと、瞼を
ゆっくりと閉じ合わせてみた。口に余るほど大きくなってしまったペニスを、少女は口腔に
含みながらじっとする。愛しんでというより、どうしていいかわからずに、少年が言っていたことを
実行してみせる。少女の小鼻が膨らんで、陰嚢をやわやわと揉み始めていた。
二人は蝉の声に眩暈を覚える。

 鮎夏はペニスを乗せている、小さな舌を少し動かしてみる。すぐに少年は呻いてくれた。
少年の敏感なペニスを、ぎこちない舌戯で、裏筋をれろれろと舐めた。少年のなかで真澄と鮎夏が
交互に見え隠れするのだが、ついにはすべてが一緒くたになって、欲望に昇華されてしまっていた。
『腰を落として。落すの。ゆっくり。わたしがきれいにしてあげるから』
 少年は真澄に促されて、やわらかい土に腰を下ろす。泣きながら、もうそうするしかなかった。
きれいにするという誘い文句に気持ちが酔った。夢精した気恥ずかしいような、それでいて
自棄な気持ちにもなる。すべてを大人の女に任せれば……甘美に蕩けてゆける。
『225』

『両手を後ろに付いて』
 真澄の小奇麗な貌が、啜り泣いている少年を上目使いに見ている。真澄の少し赤味
掛かった白い貌に、緑の棚の木漏れ日が射す。眉毛、小鼻、唇、セックスを感じなかった
と言えば嘘になるが……真澄の泣き貌が、淫に染まってそこにあった。少年はその瞳を
見ていたが、視線を絡めるのが急に羞ずかしくなってしまい、逸らしたところにも淫靡な
女を見つける。髪から覗いて、朱に染まった真澄の耳にペニスが反応した。
 一瞬の真澄のショットに疼きを覚え、表情が変化したように感じる。だが、実際はそうでは
なかった。少年は真澄の顔に掛かったほつれ毛のつくる表情に反応していただけで、
急にペニスが膨らんでしまう。それは、何気ない瞬間だったのに、強烈なイメージとも言えた。
羞ずかしいくらいに男が突出した。ペニスがびくんびくんと痙攣する。

『うれしいわ、思ってくれて』
 気持ちなんかない、ぬるい本能のみの性愛にどっぷりと浸かっていた。興味だけが
先走っていく。躰だけが熱くなっていて、少年の顔も赧らむ。真澄が少年の吐き出した精液の
匂いを吸い込みながら、股間に顔を埋めて、陰嚢に舌をそろっと這わしてから、下腹部に
附着している残滓を掬い舐め取っていく。
『んあっ』
 力を取り戻しつつあるペニスが真澄の顔に当たった。
『もっと、あなたの声を聞かせて』
 真澄の絖る舌がペニスを掠めて口に含んで、むくむくっと膨れあがる。

「鮎夏の口のなか、温かくて気持ちいいよ」
 鮎夏は自分に身をまかせっきりの少年の感想に歓んでいた。自分が粗相をして、少年が
丁寧に拭き取っていた身を任せる行為。気持ちよさと言い切っていいものなのか、
よくわからなかった、あのもやもやっとしたものに触れているのではないかと察していた。
鮎夏は連帯感めいたものを感じてもいた。
「鮎夏、そのままオチンチンを呑んで。そう呑むんだよ」
『226』


「ん、んんっ、ぐうっ……」
 少年の手がこめかみと耳にやさしく触れて、鮎夏を促していた。鮎夏の顎がひらいて、
根本へと進み始める。自分のこの姿を遠くから覗いている自分がいる。遠くからだから
はっきりとは見えてこない。今ここで、瞼をひらけば、遠景ではなくなるのだろうかと
ぴくりと動いた。緑の棚の上にいたはずの自分はもういなかった。

「ゆっくりだよ。そして、オチンチンぜんぶ呑み込むんだ。ゆっくり、そうだよ、鮎夏」
 しかし、それも少年の命令によって、きつく閉じられて、見えていた緑の棚の下で
遊んでいる二人の姿は闇にとけるように消えた。
「んぐうっ」
 喉奥の粘膜に尖端が触れていた。少年は両腿の顫えを殺すため、大殿筋にぎゅっと
力を込めてアヌスを引き締に掛かる。さっき吐き出したばかりだというのに、
もう込み上げて来た。

「えらいよ、鮎夏。もう少し我慢してごらん」
 少年は真澄の教えた方法で射精感を堪えた。
「んっ、んんっ」
「喉を締めてみるんだ」
 少女にはわからない。恥戯のレッスン。セックス。ペニスの味。苦しみ。……本質的には、
いいことでも、わるいことでもなかった。でも、鮎夏には、わかることがひとつだけあった。


『ママ……。ねえ、どこにいるの』
 父もあがって来ない。バスルームにいって帰ってこない真澄に気がついた。テレビを離れて、
鮎夏はバスルームのほうに歩いてゆく。濡れた躰を笑いながら拭いてくれていた真澄がいれば、
もういちど、父のペニスの、あの質感に触れられる気がしたから。
『227』

「真澄、洗面所のドアに背をつけてくれ」
 夫の腿から両手を離して、真澄は床に付いて後ろへ下がっていった。口腔性交を
しながら、真澄はペニスを噛まないように注意を払い、夫は喉を深く突かないようにと
慎重に脚を動かす。二人は、ひどく滑稽な格好なんだろうと思ったら、これほど馬鹿に
なれるものはないんじゃないかと大事に思うと、女は濡れて口のなかの男は勃った。
手と脚をつかって蜘蛛みたいに、夫のペニスを口腔に咥えながらゆっくり……ゆっくりとさがる。

 背が付くと同時に、真澄の頭が洗面所の陶器にゴンと当たった。ほんとに滑稽だと感じ、
そして深く挿って呻いていた。真澄の口腔に向けて夫の律動が始まり、真澄は容赦なく
喉奥を抉られて女になっていった。舌でペニスを追う余裕がない。唾液の立てる淫らな
音が加速する。真澄は開脚して、くの字に曲げた格好で腰を落とし、夫はその前に立っている。
洗面所の縁に両手を付いて真澄の喉を執拗に抉っていた。

 真澄は床に付いていた手を夫の腿に巻きつける。苦しさから、夫の尻を割りひらくかのように
爪を立てた。アヌスに指を潜り込ませて鉤をつくる気でいた。もっともっと、求めて、爪を引こうとして
思い留まる。強張って衝きあげてくる尻に、もっとしていてほしいと思い、両手を、がしっと
洗面所の縁を掴んでいる夫の手首を、万歳をする格好で掴もうと掲げ空を掻く。真澄は鋭い
快楽よりも、自分が綺麗に見えることを優先させ、ペニスを昂ぶらせようと試みた。左手が滑って
落ちそうになるのを夫の手がしっかりと握り締める。磔にされたような感慨に真澄は浸る。

「真澄、フィニッシュするぞ!真澄!」
 ぐいぐいと尻を押し付けてくる。次はアヌスを鉤で掻いてやろうかと思っていた。
「んっ!んぐううっ!んんっ、ぐうっ!」
 夫の濃い陰毛が真澄の鼻をくすぐる。夫の手を強く握り締める。その時、噴きこぼれる精液が、
真澄の喉奥を灼く。叩いていた。やまなかった衝きあげが徐々にゆるくなり、さらに
力強いものへと変化して真澄の喉奥を尖端が突き、ついに時が止まる。真澄は軽く達して
しまっていた。立て膝になっていた両脚が、ゆっくりと伸びていって膝裏が床に着く。
『228』

 白い喉がゴクリと蠢いていた。真澄はペニスを吐き出さないで、搾り取るように
吸引していた。陰嚢を少しだけ揉んで、ペニスを甦らせようともしていた。コップを
取って、蛇口を捻ってジャーッと水を注ぐ音がする。真澄の口腔からペニスは
抜去され、赫い唇から白の一条が流れて頤に描かれる。
「んはぁ、ああ……。き、きれいにするからぁ……」
 夫が下りて、真澄のずれてしまっている目隠しを取ってやると、髪がほつれて顔に
妖しく掛かっていた。目隠しをしていたタオルは外されて、真澄は唇を拭われる。

「んあっ」 「ほら、口を漱げよ」
 真澄は夫からコップを受け取った。夫はタオルを手にして差し出し、ここに漱いで
吐けと促していた。コップに唇を着けた時、真澄はペニスを見ていて、膨らみ
始めていた。ニコリとすると上気した貌を上げて、口腔に残っている精液といっしょに
水を飲み干した。
「吐けっていったろ」 「呑まれるの嫌だった?」 「今日のは……だ」
「セックスに怒りをまぜたりしたからでしょ」
「怒り……?」 「そう。怒りの情」
「発情っていいたいのか」

「ちがうわ。わたしへのでしょ」
「真澄へのか」 「そうよ」 「自分へのものかもしれないな」
「だったら、あなたの怒りをわたしはのんじゃったことになるのね」
「へんなこと言うなよ。真澄が挑発したりするからだろ」
「そういう気になったんですか。やっぱ、すけべ」
 おどけてみせている真澄に、夫は苦笑する。
「真澄としたくなったということだよ。ばか」
「ああっ、ばかって言ったわね」
 このまましな垂れて、騎乗位で交媾をしてもいいと思って、洗面所のカウンターに
コップを置いた。
『229』

「ママ。ママぁ……。いるの?」
 鮎夏が脱衣場のドアを開けると真澄が立っていた。
「なに、鮎夏」 
「あっ」
 なにしてたの、と言おうとしたのに鮎夏の言葉が跳んでしまっていた。
「どうしたの、鮎夏?」
『ママ、きれいになってる』 
 髪は乱れてはいない。なっていても、鮎夏の気がつかない程度のこと。しかし、真澄の
白い貌は桜色に上気していた。いままで、ここでセックスをしていました、というみだら貌の
女がそこにいた。鮎夏はそれをきれいだと思った。後ろには父がペニスを完全に勃起
したままでいて、チラッと鮎夏には見えていた。そして、真澄が泣いていた痕もわかった。
『きれい……?ありがとう、鮎夏』


「唾を呑むか、舌でオチンチンの腹を押してごらんよ」
『うん、きれいだよ』
「んんっ、んぐううっ」
 鮎夏は前者を試みる。眩暈がして、闇に包まれていた眼球が反転しかけた。鮎夏は眼を
瞬かせて、発作を起こしたように僅かに夏の光りを見ていた。
「それから、ゆっくり吐き出すようにして下がるんだ」
 鮎夏はすぐに従う。
「ゆっくりだ。ゆっくりだよ。その時はね、舌でぼくのかたちをさぐるんだ。いいよ。上手だ。
鮎夏はおりこうだ」
 黒髪の長い鮎夏の舌が少年の言葉に素直に反応する。それは、紛れもなくペニスに
自然と反応するヴァギナそのものだった。
「もっと、もっと引くんだ」
 鮎夏は躊躇った。急いで根本から引いたことが、少年の怒りに触れたのかと思った。
父から湯舟から上げられた瞬間が混じる。
『230』

せっかく含んだペニスをもう吐き出さなければならないと、思うと鮎夏は不安に陥って、
瞼をひらいていた。少年は鮎夏への口腔性交をやめて、ペニスを抜去するつもりなど
毛頭ない。オチンチンは抜いたりしないからね。先刻のペニスをぎゅっと握り締めて泣いた
反応からも、そう言ってあげればいえば、鮎夏が落ち着くだろうことはなんとはなしに
わかっていた。でも、しなかった。
「鮎夏、ぼくの命令をこれからはよく聞くんだ。いいね」
 鮎夏はペニスを咥えたままで、少年を見あげた。この怯えたように潤んでいる大きな
黒い瞳が、少年をたまらなくぞくぞくさせ、少年の両手が鮎夏の頭を掴む。何かが
始まりそうな予感に少女の胸が高鳴る。真澄の瞳に通じるものだが、それは異質な物、
鮎夏だけのもの。

「皮と瘤のあいだ。わかる、鮎夏。傘の下を舐めるんだ」
 鮎夏の動きが止まっていた。傘がどの部分なのか検討がつかなかった。
『ほら、動かないでったら。髪の毛がきれいに切れないわよ』
『でも……』
『でも、なに?』
『終ってしまいそうで、こわいの』
 真澄は髪すき鋏の手を止め、おもしろそうに鮎夏を見た。 
『それで、じっとしてられないの?』
 父と絵本を読んで聞かせてもらっているときでも、寝ようとしているときでも、
暫らくは動きたいという衝動と少女は闘わなければならなかった。

『……』
 うまく表現できる言葉を、総動員で探し捲くっていた。わかることは、子供の時間は
止まってしまっていたということだ。少年に捕まって、羽交い絞めにされたとき、
おわってしまう予感があったのに、遊びまわっていることが自然だと思っていたビフォア。
なのに、ペニスを口に含んでまで、どうしてこんなにじっとしていられるのかがわからない。
『鮎夏、終るって、なにが?』
『231』

 箱に押し込められるような感覚。でも何が終るのだろう。大晦日でもないのに、
遅くまで起きていた日。目覚まし時計の音だけが部屋にカチカチカチと聞こえる。
それと、もうひとつのパネル時計。オレンジの光りの数字と花火のような模様が
綺麗に動いていて暗がりに浮かんでいる。数字は零に近づいていて……。
『鮎夏、もう寝なさい』 『もっと、訊きたい』
『あしたになっちゃうわよ』 『あした……』 『そう、あした。一日が終るのよ』

『終るの』 『そう、もう戻っては来ない昨日』 『ママ……』 『なに』
 あしたにかわる瞬間に思ったこと。
『あの日、ママだけ泣いてて、わたしは泣けなかったの』
 済んでしまったこと。もう終ったこと。
『えっ……』
 真澄は鮎夏の返事に息を呑んでしまっていた。時間までもが、あの日の病室に
強引に引き戻されていた。夜、鮎夏をベッドに寝かしつけてから、車のなかで
号泣したことまでも。

『パパが死んだ時に泣けなかったの。パパ、天国で怒ってないかなぁ』
 娘を見る真澄の瞳が瞬く間に潤んでいった。涙があふれんばかりに張っている。
『鮎夏……、ごめんね』
 嗚咽しそうになって、声が震えて。
『ママ……ぁ』 『なに……』 『パパ、怒ってなんかないよね』
『ええ、怒ってなんかないわ』
『ほんと』
『きまってるでしょ。そんなこと、パパが鮎夏にするわけないでしょ』
『ねぇ』
『んっ、なに……』
 持ち直して、真澄は小鼻を手で擦っていた。
『232』

『どうして、さっきあやまったの?』
『ママが、すまないと思ったからよ……。わたしだけ泣いて、鮎夏をおいていったことに。
ほんとに、ごめんなさい。ごめんなさいね……。悪いママね。ママをゆるしてね、鮎夏』
 鮎夏の顔に近づいて、さっきまでやさしく撫でていた、真澄の顔が被さってきた。
『ママ、ごめんなさい。泣かないで。おねがい。泣かないでぇ』
 終った時の泣く真澄の顫える躰を、鮎夏は体感していた。


『……わかんない』
『もう、この子ったら。もうちょっとだから、我慢していてね』
『……』 
 もやもやっとしたものが鮎夏のなかで拡がっていた。真澄はそれを察して声を掛けた。
『そのあとで、おやつをたべましょ』
 鮎夏の黒い瞳に輝きがすぐに戻ってきた。
『うん!』 『ほら、うごかない、うごかない』 
 真澄はクスクス笑ってから、鋏を小気味よく動かしていった。
『はあい』
『鮎夏、お人形さんみたい』
『お人形さん……?』
 また、ふしぎが生れていた。
『きれいってこと』
 鮎夏はぬいぐるみとか、ドールを想像していた。きものを着た、黒髪の少女の人形とか。
しかし、真澄が抱いていた人形のイメージには鮎夏にはわからないエロスが含まれていた。
人形も、人形師がつくった物だった。白い肌に、長い艶やかな黒髪。肉感的なところが
皆無な少女の裸体。風呂上りに濡れた躰を拭いてやっていると、勃然と欲情して抱き
締めたくなる。 
(お人形さんか……)
『ママ。ねぇ、ママ!』 『あっ、ごめんね』
『233』

 しばらくして、鮎夏は少年を見た。少年も鮎夏を辛抱強く見ていた。
「やってごらん」
 鮎夏の舌がおずおずと動く。なにかを学んでいる。なにかを感じようとしている。
だから待つことが鮎夏にはできた。それが、おやつ。甘酸っぱい黄桃なのかは
わからない。
 缶詰から取り出した絖る黄桃。氷のような器に載せられた。もしかしたら、真澄が
咀嚼して吐き出した、ミルクのなかでくるくる廻っている黄桃なのかもしれない。

「舌でそっと舐めて、顔を引いて、そのまま先っぽの溝に這わすんだ」
 鮎夏は少年に言われた通りのことをトレースする。少年の下腹は激しく波打っていたが、
鮎夏は見ていない。
「これから四回繰返すから、苦しかったらぼくを見るんだよ。鮎夏、じゃあ始めるよ。
さあ、眼をとじて準備するんだ」
 少年の指先には力が籠っていた。それが合図ともいえた。ペニスの尖端が喉奥をめざして
ぐぐっと押し入って来る。鮎夏は少年の腿を掴んで、瞼をきつく閉じ我慢する。頬を涙が
濡らしている。鼻孔からはくぐもった呻きが洩れるが、瞼は閉じたままに。四回という限られた
時間であっても、鈴口をそっとなぞることの余裕など鮎夏にはなかった。生れるはずがない。

 先生からレッスンを受けたあとの初回からそうだった。ただ、動かすだけが精いっぱい。
喉奥に潜り込んで亀頭でぐぐっと突かれ、二度目に嘔吐感が込み上げて、「ぐううっ」と
重苦しい呻きをあげる。あと二回なんだと懸命にペニスが挿入されて来るのを鮎夏は待った。
三回目に少年の腿に添えていた、鮎夏の手が強張って肌を引っ掻いていた。
 四回目の嵐が来て、尖端が鮎夏の喉を突いて去っていった。少年は鮎夏の口腔から
ペニスを吐き出すつもりはなかったのに。不意の五回目を鮎夏に繰り出して反応を見極める
つもりだった。しかし、腰を引いて苦悶しながら耐えているのを見下ろしていたら、少年は
ペニスを鮎夏のくちびるを嬲りながら外に躍り出させた。すぐに少年は跪いて、鮎夏が空気を
吸い込もうとしていた唇に被せていって、華奢な躰をつよく抱き締めていた。少年のペニスは
下腹部を尖端で小突いてから肉棹を押し付け、その男の灼ける欲望を鮎夏に知らしめる。
『234』

「んっ、んん、んぐっ」
 鮎夏は押し付けて来るキスに呻いた。甘酸っぱい黄桃を咀嚼しないで口腔で舐め廻して、
少年の唇、そこからあふれ出る唾液に変わっていた。終ると思っていたことが、終らなかった。
少年の躰が重しのようになって、鮎夏の躰を押し倒そうとして迫って来る。
「鮎夏、寝っころがって」
「あ、はっ、はあ、はあ……、おにいちゃん……!」
 イヤイヤをして、少年の肩にしがみ付いていた。土に横になることを鮎夏は躊躇っている。
父のペニスを握り、その夜に自分のセックスをベッドに寝て、そっと指で触れてみて知った感覚のこと。
終わりなのか、はじまりなのか。びくんとした感触に、華奢な背中が丸くなる。綺麗なのか、
汚れてしまっているのか。
「いっ、いやあ……」 「鮎夏」 「いゃああ……」

 少年のペニスを含み、口吻もされて、きたないと思っていた唾液が混じり合った。命令に
従うことで、躰が熱くもなった。でも、このまま少年に押し倒されて、やわらかい黒い土のうえに
寝れば、赤いワンピースが汚れることは確かなこと。事が済んでしまって、起きて付いた
汚れを払ってしまえばおしまいとは考えなかった。
「鮎夏?」
「服がよごれるううっ」
 少年と鮎夏の会話に奇妙な間が生じていた。綺麗で可愛い人形を手にしていたとばかり
思っていたのに、そんな拒絶が鮎夏の唇から返ってくるとは想像もしていなくて
(滾るペニスを鮎夏のかわいらしい唇に咥え込ませ、それが真澄の血をひく娘だという
ことも知っていて)、呆気に取られ驚いていた。鮎夏は相変わらず荒い息をしていたけれど
(ワンピース越しにも胸を喘がせていることがわかるほどに)、けれど顔からは苦痛に喘ぐような
表情はなぜか消えていた。少年の困惑している顔を鮎夏はじっと見ていた。
「よだれ、こぼれてる」 「あっ、うん」
 半開きの口から涎が滴り落ちて、きらめいて、少年の手が動く前に鮎夏のやわらかな指が、
濡れた少年の頤を拭っていた。ペニスを握り締められた時も、そんな貌をしていた。
『235』

 少年は鮎夏に触れられて思わず笑っていた。少年はシャツの裾を掴むと、万歳をする
みたいにして脱いで地面に敷いた。それを見ていた鮎夏は笑ってはいない。べとべとする唾液。
嗅げば嫌な臭いのするものと知っている。でも、鮎夏は自分から触れていった。
どうして、そんなことをしようと思ったのかを少年の今していることを見ながら考えていた。
「鮎夏、ぼくは汚いだろう?」
 引いて下ろしていた手を少年が掴む。
「わからない。よだれは好きじゃないから。でも、なんでかわからないの」
「鮎夏はかわいいな。とても、かわいい」
「鮎夏、おにいちゃやんのオチンチンを……んっ」

「それに、きれいだし、かわいいから。だから、舐めたいよ」
 鮎夏の手の甲の薄い皮膚に唇を持っていって、躊躇いを混ぜてちょっとだけ止めた。
そっと舌を這わす。羽でくすぐるように。
「かわいい……の?」
 鮎夏の躰はジンと熱くなった。息が吹き掛かったから。半開きになった少年の唇が
永遠にも思えていた。そして、絖る舌が出され手の甲を舐められた。

「ああ。鮎夏、かわいい。だから裸になって」
「うん……」 
「きれいな赤をぼくは剥したい。そして鮎夏を見せて」
 二人の熱い息がもつれて捩れる。少年は鮎夏のワンピースを脱がしにかかり、
細い両腕を掲げ長い黒髪がもつれて絡まり、鮎夏の薄い白い胸に流れてきた。
少年は眼を見張った。外ということもあったが、艶やかな黒髪のコントラストに
白い肌が異様なまでに強烈に印象付けられていた。真澄の肌も確かに白いが
(それは少女の顔を見てもわかることだが、長い睫毛といい)、さらにうえをいく
白さで少年を興奮させていた。鮎夏の喘ぐ乳房を少年は外気に晒した。
見てはいけないもの、やってはいけないことの禁を犯した背徳の気分に、
ペニスが空を掻いて、少年は鮎夏の躰を抱き締めていた。
『236』

「痛くなんかしないから、鮎夏を抱きたいよ」
 少年のペニスの気持ちが下腹にあたり、あの夜のことを鮎夏は思う。
「おにいちゃん、汚くない」
 少年は鮎夏の躰を離してシャツを脱いだ。穢いのは自分なのだと思っていた。咀嚼された黄桃。
白のミルクのなかで、くるくる廻る。ペニスを含んで、涙をこぼしながら、これで擦ってほしいと願っていた。
「鮎夏、ここに寝なよ」
 上半身裸になり、ズボンも下げペニスを露出している少年。少女の前に膝を付いて促がした。
もう鮎夏に拒む理由はなにもなかった。鮎夏は少年の見ている前で、白く稚い裸身を、小さなお尻を
下ろして、黒い土に敷かれたシャツのうえに背中を付けていった。仰向けになって鮎夏は、喉をコクッと
鳴らして、たまっていた唾液を呑み干す。少年が鮎夏両脚を拡げて、少女の空間に入ってくる。両手が
華奢な肩の傍に下りて覆い被さってくる。ペニスの肉圧だけが、敏感な下腹部に掛かっていた。
呼吸が止まりそうなくらいに苦しい。怖くて、鮎夏は少年の腕に手を絡める。迷子になるような感覚が
鮎夏を包んでいた。だんだんと陽が傾いて夕焼けになる。きれいだけど、きれいじゃなかった。
鮎夏のスリットのうえに乗っていた熱いペニスが動き出す。
「んっ、んん」
 木漏れ日のきらめきが閉ざされる。鮎夏は少年の腕をきつく掴んで少年の律動に黙って耐えていた。
ゆっくりと、ゆっくりと時間は過ぎていった。あの夜の指がペニスになっただけ。やわらかくてかたい
ペニスに。それは、確かに鮎夏にとってははじまりだった。
 そして、少年といっしょに転げていった。長い髪に自分からラシャ鋏を入れるまでになって。


 口腔に溜まる唾液。鮎夏は少年との夏を思い出して、真林の肌から離れようとしていたら、手が
両脇に付いた鮎夏の腕に絡みつき引き止めている。
「ひとりにしないで。捨てないで……お姉さん」
 真林のお姉さんという小さな、それでいて縋りつくような声にほだされる。
「捨てる……って、どうして?」
『237』

 少年を愛したわけではない。愛という言葉さえ知らなかった。でも、鮎夏のなかでは
少年に繋がる思いがあった。ありえないこと。歪んで、捩れて、堕ちた夏。
「ごめんなさい」
真林が小さく答えると鮎夏の右手が上がって、額に乱れて掛かった髪を、ほっそりと
した指で丁寧に整えてやる。

(人形。お人形みたい)
書籍の美術コーナーで見た写真集の少女人形。一見、機械仕掛けにも見える股関節。
しかし、その瞳、唇のやわらかいかたち、肌。生きているみたいな、真林の肉体は
人形師のつくる人形。今ならわかる。でも、自分は今の真林のように、あの時、きれいで
かわいらしい存在だったのだろうかとも思う。真澄にしてもらった、人形を愛でるような
やり方で残りの髪を直してやると、手は真林の火照る耳へと触れる。

 白い躰に肉感的な部分のない無垢(鮎夏を真林が誘った事実を知っていても)。そんな
時間が鮎夏に流れていたのか、ほんとにあったのだろうかと哀しくなった。真林の太腿の
淡いにある女の刻印を思い浮かべる。鮎夏の手は頬に滑って、真林をやさしく撫でてやる。
少女の貌は耳ほどではないにしろ、頬には桜を咲かせていた。
「じゃあ、しよう。真林ちゃん」
 ぷくっとした乳暈が愛らしい。乳首はまだまだ蕾。少年にそうされたように、今度は
鮎夏自身がそうする。

「は、はい……、ありがとう」
 真林の悦びの声が鮎夏の胸に響いて、瞳が潤んでいた。今からこの少女をたべるのだ。
真林の瞳がなにかを訴えていた。
「どうしたの?」
 少年は一定のリズムで両手を付いて、鮎夏の躰のうえで尻を振っていた。
『んっ、ん、んんっ』
 鮎夏は唇を噛んで、噴き上がってくる声を殺す。
もうすぐスレ容量(512KB、表示では500くらいでカキコ不能)一杯でつ
でも続けてくれますよね? 必要なら次スレも立てますからお願いします
万一このカキコで書けなくなってしまったら姉妹スレ(「ロリ小説を作ろう」スレ)
を一時避難所にするということで 
『238』

加重をしないように気を使いながら、それでも敏感なところが熱いペニスで擦れて、
核は痛く……少女の躰はどんどんと固くなっていた。鮎夏は必死になって少年の腕にしがみつく。
少年の荒い息づかいと血が駆け抜ける音が胸に響く。沁みてくる。少年は何度も鮎夏と名を呼んで、
灼けるような肉棒を稚い陰阜に圧し付けた。少年の重みがなくなって、嵐が駆け抜けたと
鮎夏は瞳をひらいていた。そして、呻いている少年に顔を向ける。
『はっ、あっ』
 少年は呻くと鮎夏の躰から退いて、柔らかい土に横たわり、胎児のように躰を丸めていた。
少年は腰を顫わせて、なおも呻いている。

『おにいちゃん……』
 上体を起こして目に飛び込んできたのは、お漏らししたのとは違うべとつく股間。太腿には
少年の吐き出した白いものが掛かっていた。鮎夏は少年のバイブレーションを起こして
いる肩に触れる。
『だいじょうぶ?』
「まりん。真林でいいから、お姉さん」
『鮎夏……』
 恍惚とした表情で名前を呼ばれた。仰臥している薄い真林の喘ぐ乳房に、鮎夏の鼓動を
ゆっくりと合わせてゆく。挿入はなかったけれど、あの時の感覚は忘れない。罪の意識に
喘いだ鮎夏の乳房を真林の薄い胸へと貝あわせのようにして。

「わたしのことを鮎夏と言ってみて。真林。おねがいだから」
 鮎夏は真林の仰臥する躰の外に正座して座り直すと、ヒップを掲げるようにしながら
真林へと、少女の肉体に降りていった。
「あ、あゆか……さん」
「鮎夏って、もういちど」
 真林の顔が真っ赤になる。
「あゆかぁ……」
『239』

「真林、重くない?」
 体重が真林に掛かるのを気にしながら、いまいちど鮎夏は訊く。
「はい」
「鮎夏の……いのちを感じる……。かんじるの……。だから、いっ、いい!きもちいいのぉっ!」
 唇を被せようとした鮎夏の動きが止まる。真林の唇が予兆に微かに顫えている。溜めてから
唇で軽く擦って、また少し離して、二人の息を絡ませる。真林という少女の向こうに昔の
自分を見ていて欲情しているのか、少女人形という蠱惑に酔ってしまって、ねじれて廻る。

「いのち?」
 鮎夏は、この少女に誰が刻印を刻んだのかを一瞬だったが、訊いてみたいという感情が
芽生えていた。少年との一日目のセックス。ペニスの挿入はなかったが、鮎夏のセックスを
イメージ付けたもの。されることを快感と信じ、ヴァギナにペニスを頬張っている時は、
絶えず何かに耐えているという貌を鮎夏はしていた。男によって変わることもなく、潤子と
逢うまで続いた。エモーショナルにセックスを感じるようになったのは。それまでは少女の時の
セックスのまま。

「からだが消えてなくなりそう。生きているって気がするうぅ」
 鮎夏は脚を崩して右膝で真林の揃えられていた(ぴったりと揃えられてはいない、僅かな空間をこじ開け)
太腿を割って拡げていく。しかし、これはあそび。セックスは人が創ったゲーム。鮎夏の夏も
そうだったように。少年の一方的な感情を鮎夏は浴びせられ、どう理由付けようとも、錯覚に
包まれたレイプ。略奪であり破壊。鮎夏はそれを愛だと信じていた。少年にも同情し、真澄に
嫉妬もして苦しんだ。だが少女の季節に、男と女の愛はない。愛を知るのはずっとあとだ。
鮎夏はそう思いながら、息を荒くしていった。
「ああんっ、お姉さんッ!」
 真林の手が鮎夏の肩に縋るようにして触れて来る。
「苦しかったら、言って」
(誰に仕込まれたの……?おしえて、真林)
『240』

『キスをするのもためらいがちに、止めてそっとしてみる。交歓するの』
 その感覚を鮎夏は知っていた。少年から教えてもらったキッス。少年は母から教わった
と言った。潤子を好きになったのも、同じキスをしたからだ。だから、今の言葉は潤子の
なかへのパスポート。潤子は鮎夏の瞼にも口吻をする。
『お互いのクリットを愛撫するのもゆっくりと。そう、ゆっくりとやさしくね。乱暴に
しないでほしい。わたしはそれが好きなの。窪みを掻き廻さないで』

『どうして、潤子さん』
 さん付けに潤子は貌を顰めて笑った。頬を舐め廻され、首すじから鎖骨の窪みに
潤子の貌は妖しく蠢いていた。
『だって、きれいじゃないでしょ。それとも、あそこにそうしてほしいの?』
 鮎夏はみつめられて、眼を伏せる。
『ねえ、こたえて。あなたをききたい』
『ほしい。潤子さんのきれいな指を……アソコにちょうだい』

『かわいい。じゃあ、ミニマムなバイヴレーションで。指をいれたままでする時は、鮎夏のラビアを
そっと指先でなぞってあげる』
 言葉あそびもなく、眉も顰めないで潤子は微笑して、鮎夏のセックスの緊張が解け無防備になる。
『んぁ……、じゅ、じゅんこ』
 ひそめていた鮎夏の声が洩れ、牝のゆるやかな時間だけが流れて、やかずてはすべてになる。
潤子と鮎夏の波うつリズムの下腹部が合わさって、潤子の赫い唇が鮎夏の肌を這う。
『弾いてもみたり。それで、鮎夏にバイヴを引き起こして……』
 潤子に愛されているという感情といっしょに。
『ん、んん、あ、あっ、あうっ!』
(いじめるの、潤子さん……?)
『いじめたい時に荒っぽいのもたまにはいいかもね。こんなふうにして』
『241』

『んあぁああ……!』
潤子はしこった鮎夏の乳首を甘咬みして、弓なりに躰を仰け反らせ、跳ばされない
ようにとシーツを握り締める。
『でも、わたしはゆっくりが好きなだけ。だから三日ぐらい、部屋に閉じこもって
鮎夏と抱き合ってたい』
何かが終わって、何かが生れる。鮎夏は潤子の貌を見ている。
『はっ、はあ、はあ……』
潤子は鮎夏の扉をこじあけて、鮎夏自身も潤子にひらいていった。
『もっと、もっと鮎夏を見つけたい』
『見つけてぇ、みつけて!』 
喉を突っ張らせ、鮎夏は跳ねた。 
『待ってて、鮎夏』
 潤子はなめらかな動きで、鮎夏の求める場所に下りていった。
『あぁ、んああっ!』 
 真林の太腿のうえで鮎夏は腰をかるく圧しつける。


「す、好きぃぃ!」
 真林の潤んだ瞳が瞬きにより、流れて頬を濡らしていた。それは鮎夏もおなじ。
二人の熱く濡れた吐息が絡みつく。
「ほんとに、すきにするから」
 真林が鮎夏に向かって躰をひらいている。やがて躰がエモーショナルに反応して
情欲にゆさぶられる肉塊だけになっていく。無の世界に溶け込んで。実際は
絡んで捩れるだけのモーション。ひとつになりたいと願っても、どこか冷めて鮎夏は
そう思う。真林はどんな貌を見せてくれるのだろうかと残酷な気持ちになった。
セックスによって変わる少女のみだらな華。
「して、してえぇぇぇ……」
472、ありがとうございます。

続けたいというのもあるんですが
ここらで、やめといたほうが
いいような。
『242』

「はっ、ん、んんっ」  
「いいのね。いいの?ほんとに、いいのね?」
 真林のくちびるが咲いて、鮎夏のと触れ合う。やわらかい肉感の交歓に鮎夏の動悸は
烈しく高鳴った。ぴちゃ、ぴちゃっというやさしい口吻の旋律が聞こえる。あの夏の少年に
なるための儀式。上唇と下唇をひらいていって、真林との軽い重ねを繰返す。
ためらいの所作で、少女のくちびるのマシュマロの肉感を愉しんだ。おもむろに唇を
強く押し付けていって。それでいて、ぷりっとした相反する感触も確かめて昂ぶり、鮎夏の
口腔に溜まっていた唾液が、あの日からの贈物として真林へとそそがれた。
 鮎夏は男が犯すようにして臀部を振り立て、真林の躰をゆさぶる。シングルベッドが
ぎしっぎしっとスプリングの軋む音を立てていく。


『おにいちゃん……』 
『すぐ、戻るから。そのあとでお風呂に入ろう。いいね』
 真林の瞳に翳りが生じた。
『ごめんな』
 真(シン)は真林の手を握ってベッドに全裸で仰臥している少女を残して部屋を出て
いった。残された真林は出て行く真の後ろ姿を追わないで、ぼんやりと天井を見ていた。
ドアが閉まる音を聞いて、真から背を向けるようにベッドのうえで横になって躰を縮込ませて
両膝を抱きよせた。そして階下で待っている遼子の耳には、真の足音が聞こえた。
『せっかくの料理こんなにしたりして』
 遼子はテーブルに貌を伏せたまま真を見ようとはしなかった。真は遼子の背中に近づく。
『だったらインスタントラーメンでもたべて。ねぇ、真林は……?』 『疲れて寝ているよ』
『じゃあ、わたしの相手をしてくれるの、真』
『いいの、それでも?』 『それでもって……?』
『おかあさんとしたら、真林とお風呂に入るけど』
『いいわ、それでもいい。だから抱いて』
 遼子はテーブルに伏していた躰をゆっくりと起こして、貌を仰け反らせて後ろに立った
真と唇を交わす。
『242』

『そんなに、チンポがほしいの?』
 遼子の背中に立っている真(シン)は全裸だった。
『ええ、ほしいわよ!真がほしいのっ!』
 喉を突っ張らせている遼子の顔に血が昇る。遼子の顔を挟んでいた真の両手が首を軽く締め付ける。
『んっ、ひっ……!いっ、いいっ……』
『いま、どんな顔をしてるかわかる?』
『真のチンポでみたされたい……いやらしい、女の顔……』
『真林もそういう顔するよ、おかあさん』
 真の両手が遼子の釦の引き千切れたブラウス越しに、わざと乳房を揉みしだく。
『やっ、あっ、あ、さわってぇ、真……。ちゃんとやって』
『さわってるよ』
『ちっ、ちがうの。直にふれてよ!』
『真林は遼子との最高傑作だろ』
『んっ、はあっ……。う、うれしいっ。もっと、名前で呼んで』
『真林がおまXこして歔く貌。遼子とそっくりでかわいいよ』
『真林のことは、いわないでっ!』
 真の頬が遼子の頬に擦り付けられる。
『そんなこと言ったら、真林が泣いちゃうよ』
『いやあっ、いやあ!』
 遼子のほうが真にいじめられて泣いていた。真の手がショーツの引っ掛っている脚の方の
シフォンスカートを手繰り寄せる。遼子は真を手伝って自分でもスカートを捲くった。
『開脚して足をテーブルの縁に引っ掛けて』
『え、ええ、わかったわ……。でも』
『言われたとおりしてよ。倖せになれるよ。ちがう?』
 仰け反らせていた顔を戻すと、あからさまに自分のみだらで物欲しそうな陰阜が目に
入った。
『す、するわ。しますから……、ごめんなさい』
 遼子は片足をテーブルの縁に付く。すでにぬるぬるになって叢はそそけている。
ヴァギナがぱっくりと開いてしまい、愛液がとろっとこぼれて座のレザーをまた汚した。
『244』

『ほら、もう片方もしてよ』
『んっ、はい……』
 遼子は唾を短く飲んで真に返事をする。
『それで、両脚をゆっくり伸ばしていってよ』
 遼子は椅子を不安定な二本の脚で立たせることなんだと理解した。そのうえでのプレイなんだと。
『真、名前……』
 烈しく波打つ下腹部を眺めながら、座っている椅子を二本の脚で立たせ始める。遼子の頭は
真の責めにうな垂れている様に見えていた。
『遼子、またオナってみせて。そのあとで、チンポをおしゃぶりしてよ。そのままの格好で』
『あ、危ないわ……』
 遼子の両手はすでに真のペニスを求めて爛れるセックスに触れていた。
『掻き回したらダメだよ。あとで、前に回るんだから』
『こっ、このままで挿れるの……真?』
『そうだよ、遼子。だから、クリットだけ擦ってて』
『でも……』
『でも、なに?』
『こんなんじゃ、逝けないわ』
『真林が起きて来るかもしれないし』 
『そ、そんな……』
 遼子の瞳の色が変わっていた。怒りと哀しみの混ざった複雑な彩り。
『チンポ噛み切りたい?そしたら、この生活もおしまいだね、遼子』
『わたしが、そんなマネするわけないじゃない!』
 真は肩の顫えで、遼子の気持ちを見透かして遊んでいた。
『したかったら』
『しないって、いってるじゃないのッ!ああっ!』
 椅子がぐらついて、後ろに倒れ掛る背を真は支えた。
『なっ、なにがおかしいのよ!』
『だって急に怒るから、チンポが萎えちゃった』
スレ立てちゃいますたw
ぜひこちらで続きを!

ロリータ創作小説発表スレ
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1077884976/
麗美子は三歳の時に親元を離れ、とある施設で教育を受けていた。淑女としての
たしなみと、いまひとつは夜伽の所作。なぜ、そのような教育が必要だったか、
それはひとえに家と家を繋ぐための道具にほかならない。少女の出来如何によっ
ては後々の関係が強固にもなり、娘の教育にも執心になるというもの。麗美子が
十二歳になったころに来訪者は突如として現れた。まだ、一年という時間を残して
のことだった。白いコハマギクが咲いていた。男は立ち止まってその花を見つめて
いた。黄色い中央から、真っ白な花弁が放射状にふっくらとしている、いくつもの
愛らしい小さな花が連なって咲いていた。その日はまだまだ穏やかで、温かい日
だったが男は黒づくめで異様な出で立ちをしていた。男は顔をあげて高台の海を
臨む洋館を見上げた。
十三歳になれば、麗美子は父が選んだ男と契らなければならなく選択権などは
最初からない。ただ待つだけの身なのだ。足音が絵梨のもとへと近付いていた。
麗美子の先生である緋紗美が少女の部屋の前で立ち止まる。緋紗美は左手を軽く
握ってドアをノックしようとして、ためらってからコンコンと叩いた。「麗美、支度は
出来ましたか?」「はい、緋紗美さま」麗美子はいつも緋紗美先生と彼女を呼んで
はいた。別れの日は先生と呼ばないように決めていたのだった。もう、逢えなくなっ
てしまうのだと思うと麗美子は辛くなった。緋紗美にしても、日々名を呼び合い、
手取り足取り教えて、情が生まれないわけがなかった。あえて普段通りにレミの
愛称で少女を呼んだ。なぜ、そのようなしきたりがあるのか。それは、少女に哀しみ
を教えるためにこそある。あえて記号の名で呼ばなくなって、洋館では十年が経って
いた。麗美子も新しい方針に則った、その洗礼を受けた少女のひとりということになる。
緋紗美は麗美子の部屋のドアをあけると、すでに少女は胸のところで両手を組み
合わせ、祈りを捧げて、膝を付いて跪いていた。「では、まいりましょう。さあ、お立ち
なさい」感情を押し殺して、祈っていた少女に呼びかける。
「はい、緋紗美さま」小鳥のような、きれいな声はもう緋紗美は聞けない。「麗美、
とてもきれいです」少女の細身の躰にある乳房はすでに女としてのふくらみを
有していた。しかし、少女の肉体を作る骨は未完成の美を象徴し讃えている。
鎖骨の窪み、胸板のウェーブ、そして突き出している腰骨。脾腹の肋骨。しかし、
少女は全裸ではない。ビスクドールの白さは両手と顔だけに。チャコールの
シースルーのフィットしたボディストッキングを穿かされていた。前日に緋紗美は
これを着て待つようにと言い渡していた。刺繍には、鮮やかな紫の花菖蒲で
飾られて、まるで全身に刺青を施したように見えるのだった。緋紗美は殿方が
麗美子をこれを穿かせたままで、どう扱うのか思いめぐらせると、胸が掻き毟ら
れるような心持ちになった。そして少女の足には白いブーツが履かされていた。
麗美子は立ち上がって、ゆっくりと緋紗美に近付く。麗美子の長い黒髪がふわっと
揺れる。緋紗美は少女の華奢な躰を抱き締めたい衝動に駆られた。極端な
ことを言ってしまえば、このまま麗美子を連れ去りたいとさえ思った。叶わないと
知りつつも。緋紗美も、麗美子以外の少女を教育したことはなく、その過程が終了
すれば、ある殿方のところに囲われることに決まっている。少女同様に、この洋館を
去ることになっていた。そのことは、麗美子は知らないし、知らされることもない。
 余談だが生徒が洋館を去ってから、ただ、いたずらに主人は少女に聞かせ、
その哀しむ貌を拝みたいという欲望を持つ男は少なからずいた。少女をここに、
連れて来て隠されていた事実を知らしめ、教室で交媾をするのである。
 他の少女たちの教育もそういった方針で巣立ち、この洋館は機能し成り立っている。
「麗美、そんなに固くならないでいいのよ。あなたは、この日のために、ここに来た
のでしょう」「はい、緋紗美さま」緋紗美の麗美子を見る瞳が曇っていた。唇が動いた。
「一度だけでいいの……」瞬間、瞬間が今の麗美子には尊い。「なんでしょう、緋紗美
さま?」「緋紗美といってほしいの」「で、でも……」緋紗美は麗美子の瞳が潤み始めて
いる事に気がついた。「ごめんなさい。わがまま言ったりして。ゆるして」麗美子の唇は
震えてしまっていた。
絵梨×
「緋紗美。今日まで、いろいろとありがとうございました」少女の黒髪がストッ
キングで覆う乳房へと流れてきた。雫がぽたぽたっと落ちて、床を濡らしていた。
「ごめんなさい、緋紗美さま……」緋紗美が麗美子の顫える肩を抱いて、
頬に唇を這わした。あくまでも、そっとあやすようにして。暫らくの抱擁を経て
から、緋紗美は麗美子を黒い男の待つ応接室へと案内する。そこには姿見の
大きな鏡が四つ立ててある。ドアを開けて正面の窓の所には大きなマカボニーの
机が置かれていた。壁には本棚があってずらっと書籍が並んでいる。そして
部屋の中央には長椅子が二つと何の変哲も無いロッキングチェアが一つだけ
置かれていた。「はじめまして。保科麗美子です。よろしくおねがいいたします」
「きれいに成長したね。美しい花を見るようだ。うれしいよ」黒い男は机に腰掛けて、
やわらかい声で麗美子に囁くように答えたが、その瞳は獣のものだった。
「ありがとうございます、おじさま」少女の感謝の声音には、ためらいと淋しさが
入り混じっていた。黒い男にも、緋紗美にも麗美子の感情は容易に読むことが
できた。だが、それぞれの受け取る感情は別物。