舞台はとある学園、人ならぬ『力』を得た少年少女たちの物語である。
彼らはその力の存在に惑い悩みつつも、同じような『力』を持つものたちと、時には敵として、
時には味方として対峙しながら 力を合わせて様々な奇怪な事件に挑み、その闇を暴いていく。
【ルール】
・煽り、荒らしは華麗にスルー。
・民間人やその他能力を持たないキャラハンの参加も可能です。
・スレの性質上、強姦や特殊プレイも可ですが、きちんと相手の了承を得ましょう。
・いくら戦闘モノだからとはいえ、険悪な展開はやめましょう。(相手の了承なく妖魔を殺害など)
・最強設定は勘弁してくださいお願いします。
・能力は使い魔、サーヴァント、念、核金、魔術、法術、変身など基本的になんでもありです。(強力すぎなければ)
・名無しさんは一般生徒、怪物で襲ったりなどがいいかもしれません。
・本校は幼等部から大学部まで有しており、留学生との交流も盛んです。
テンプレ
【名前】(読みも)
【年齢】
【性別】
【身長】
【3サイズ】
【容貌】
【能力】
【希望】
【NG】
【弱点】
【備考】
前スレ【異能】黄昏の学園10【異端】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1229952868/ 避難所【異能】黄昏の学園避難所26【異端】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5556/1232210587/
【名前】伊織津綺子(いおり つきこ)
【年齢】17(高等部2年)
【性別】女
【身長】167センチ
【3サイズ】85−57−83
【容貌】ショートカット、目もとは涼しげに、きりりとした雰囲気
【能力】電気を起こし、放つことができる。
稲妻を起こして攻撃するほかに、微弱な電流で治療行為なども可能。
【希望】バトル 日常ロール エロールは要相談※
【NG】スカ、グロ、死亡、後遺症の残る怪我 相談なしのエロール
【弱点】放出する電力量に比例して、体力の消耗がある。
自然現象の雷と同じぐらいの電力放出で、10分程度気絶することも。
【備考】高等部2年。陸上部のエース。ハイジャンプの選手。
クールに見えるが、恥ずかしがりなだけ。育ちはいいが謙虚で努力家。
厳しくしつけられたので、少し頭が固いところもある。
妖魔に殺された兄の死に責任を感じている部分があり、その原因を突き止めたいと思っている。
*現在の状況
・迫水直と恋愛中
・その前に妖魔に暴行されている
・天羽都の能力によってハイジャンプの学生新記録を出した
・祖父と叔父に迫水直の正体と退魔のことを知られている
・実は兄を殺したのは紫一久だが、そのことは知らない
※ロールの状況により、ご希望に添えないことがあります
【名前】紅裂 拓兎(べにさき たくと)
【年齢】十七歳
【性別】 男
【身長】 178p 80kg
【容貌】 半端な長さの赤茶色の髪・右耳にリングピアス(10mm)
半分齧られた林檎の意匠が刻まれたベルトのバックル
気分次第でサングラスやゴーグルなど
【能力】
・珪素の支配・・・珪素を生成して支配する能力。能力の用途は多岐に渡る。
・再生能力・・・ある程度の傷を負っても再生を開始する。祝福法儀済みの武器など
ある種の概念的武装に対しては若干回復が阻害される。
・魔力耐性・・・魔術を軽減する。
・体術・・・投げ、関節、寝技を主体とする。打撃は相手を崩す為に使用する。
【希望】戦闘・探索・交流・和姦 ・強姦
【NG】 猟奇・排泄
【弱点】バックルの破壊・・・・修復するまで再生能力・魔力耐性が消える。
破邪系統の攻撃・法術など・・・・再生能力が阻害され、通常の肉体となる
【備考】
周囲からは変人として認定されている奇人。悪魔王サタンの契約者のひとりで、闘争狂。
生まれつき珪素を操る能力を持っており、それを魔力の供給によって強化している。
しょうもない事に拘るが言動は大雑把の極み。世界の破滅を願っているが、それなりに
人生を楽しんでいる様にも見える。戦いの果てに死ぬ事を願う。それ故、それに相応しい
相手をずっと探し続けている。最近は友達ができた。
絵師さまに頂いたイラスト
紅裂拓兎
ttp://www.100gazou.com/sinzou/bbs.cgi?check_img=466&type=jpg 虚影会のボス
ttp://www.100gazou.com/sinzou/bbs.cgi?check_img=467&type=jpg 【プロフ投下落ち】
【名前】島田 六花(しまだ りっか)
【年齢】1歳/外見年齢15〜6歳
【性別】女
【身長】157センチ
【3サイズ】87/59/85
【容貌】軽く跳ねた腰までの髪と、ぼんやりしながら感情の出やすい童顔気味の顔は全体的に色素が薄い。
左腕に銀の腕輪を填めており、また常に学園指定のジャージ姿(拾い物)。
【能力】鉱物や植物を変化させ操ることができる(ただしあまり大規模な操作はできない)。
対象物に直接手を触れない場合の有効範囲は約2メートル。
多少の身体の損傷も魔力が足りれば治癒可能。
また、腕力は並の人の範疇を超える強さ。
主な武器は貰いものの古びたシャベル。
【希望】NG以外で、流れに支障がないものならなんでも
【NG】 こちらが回復できないほどの戦闘、妊娠(身体的に不可)
【弱点】上記の能力は自分の存在を維持する魔力を消費するため、使い過ぎると身体が崩壊する。
それは生き血や肉を摂取しなければすぐには補えない。
戦闘に関しては大した技術もなく、基本は力押し。
本質的に人間に従属するものであるため、人間を相手にすると強く出られない。
【備考】学園や裏山に住み着き、妖魔退治や人助けに精を出す少女。
学園の生徒ではなく、正体はヒトと見紛うほど精巧に造られたゴーレム。
創造主の工房が襲撃されたところを一人逃がされ、たまたま辿り着いた学園で妖魔や異能者の
存在に気付き、身を隠すがてらそのまま居ついた。
度を過ぎた世間知らずで、しばしばズレた言動をとる。思考は幼く、良くも悪くも無邪気。
人間に尽くすことを至上とし、妖魔を人間に対する害悪と見做して可能な限り駆逐しようと考えている。
創造主から貰った腕輪は清浄な力から身を守るためのもの。
ちなみに、「島田」という姓はジャージ(あくまで拾い物)の胸に入っていたもの。
【名前】葛森 利香(クズモリ リカ)
【年齢】17
【性別】女性
【身長】149p
【3サイズ】禁則事項(本人談)
【容貌】
黒髪のショートカットで少し日に焼けた肌。。
靴下の代わりに足の甲と足首の辺りに布を巻いている事が多い。(地面に肌を触れさせたいため)
護身用の道具(夜は暴力団から盗んだ拳銃、昼はスタンバトン)やメモ帳、鉛筆を常にベルトにつけている。
【能力】
・小型の蟲を生み出し、操ることができる。
・虫の力を借りる事が出来る。(蜘蛛の糸や蝶の羽、毒など体に付属させる)
・逃げ足が速く、柔術もかなりの腕。(ただし、能力とは関係なし)
【弱点】鳥、トカゲ(これらが相手だと能力は一切使えない。彼女自身もこれらは怖いらしい)
【希望】NG以外
【NG】 死亡、グロ、スカ
【備考】
高等部の文芸誌同好会員。会が月1回発行する会誌のインチキオカルト部門を担当している。
ただし、ネタは近年発生している本物の異形であり、常にそれらを撮影や取材をし、それを改変して記事を書いている。
取材の域は、現場から警察や暴力団、退魔機関の一部など様々であり、いい意味でも悪い意味でも顔を覚えられる事がある。
本人曰く、「面白そうならそれでいい」と、はた迷惑な思考の持ち主。ただ、やはり一線は存在しているらしい。
元は蟲を祭る神社の娘であったが、姉殺しの為に妹によって家を追い出され、今でも妹の追手(蟲や殺し屋)に追われてるとか。
現在は友達の家の庭に居候している。
【ザ・プロフ投下】
【え〜、微妙なので、こちらで始めます】
(今日の夜は何故か退屈だった)
つまんない。
(とある教室。いや、正確にはその上の天井に彼女は逆さまでぶら下がっていた)
つまんない。つまんない。
(おそらく、事情を知らないような人間が見れば、奇人か幽霊と勘違いするような姿勢)
(いや、実際に奇人であるが)
あーもう! 何か面白い事件とかないかなぁ?
この間みたいなことはまっぴらごめんだけどさ。
(天井から延びたロープに逆さまになった利香は、今日もネタを考えていた)
(おそらく、〆切りが近いのだろう。だが、既にネタはあり、今は文章を考えているのだ)
(だが、その時が一番つまらないのだろう。取材しているのが一番面白い。それが彼女の中での事実だ)
【移動してきました】
(夜。窓の外に見える人影もだいぶ少なくなってきていた)
(それを見下ろしながら、六花は空気の冷えた廊下をひとり、買い物袋を提げて歩いていた)
しゃんぷー、しゃんぷー♪ あわー、あわー♪
(口ずさむでたらめな歌の通り、袋の中身をは詰め替え用のシャンプーで)
(寝床にしている資料室へ持ち帰るところだった)
……ん?
(ちょうど、とある教室の前を通りかかったところで中から声が聞こえて)
(何の気なしに、窓から覗き込んでみた)
…………んん?
(目に映ったのは、天井からぶら下がる人影)
なん……だろ。
(何をしているのだろうか。そもそも、何故あんな体勢で?)
(首を傾げながらも、気付く)
……ん、葛森、さん?
(それは、以前共に異形を討ったことのある少女――そして、六花の素性を知るひと)
(他に誰もいないことを確認すると、六花は教室のドアをノックした)
【では改めて、よろしくお願いします(ぺこり)】
ん?
(廊下から何か聞こえたような気がした)
(そして、次にはドアをノックする音)
誰だろ?
(そんな事を言いながら、腰のホルスターにさしてある物騒なものに手を伸ばしているが)
現在、この部屋の家主は留守にしております。
御用の方は、また出直すか、とりあえず忍び込んでください
(妙な機械音声のようなしゃべり方で言った後に)
という事で、ババーンと忍び込んじゃっても誰も咎めないと思うよ。
(にこりと、危ない発言をする人)
(いや、恰好からすればすでに危ないのだが)
(だが、そんなにお気楽な体勢を取っているのは、ノックして自分の存在を知らせた=敵ではない考えたからだ)
つーわけで、入ってきてもいーよ。
別に、なにもしないから。
【よろしくお願いします】
…………んぅ。
(作り込んだような声に、目を丸くするが)
(すぐに入ってもいい、と続けられて安堵する)
あ、はいっ。
(がらがらと音を立ててドアを引くと、何故だか必要以上に縮こまりながら)
(そろりと教室の敷居を跨いだ)
……と、こんばんは。お久しぶりです、葛森さん。
(どこに目線をやれば良いのか惑いながらも、例によって頭を下げる)
(そして、机に広げられたカメラやメモやらの存在に気付く)
これ、えと……会誌、の、なにか、ですか?
なんだか、大変そうな感じ、ですけれど……
(問いかけながら、思い出す)
(確か、自分の情報と交換条件に出したのだ)
(おいしいお菓子のお店を、教えて欲しいと)
おやおや……
(入ってきた人、いや『ヒトガタ』につい声を出してしまう)
これは、また退屈の種が減りそうかな?
(ちょうど、つまらない時間だ)
これはこれは、お久しぶりです。
え〜っと、島田さんでしたよね?
(にこにこしながら、しかし、ぶら下がった恰好は変わらずに応対をする)
いや〜、まさかこんな所まで来るとは……
(なお、ここは学校である)
ええ、うちで作ってる会誌の原稿です。
主にあたしが書いている部分の。もうすぐ〆切りの。
(いつもの癖で頭をポリポリと掻く)
ええ、もう大変ですよ、そりゃあ、もう。
〆切りは三日後。それまでに5ページを仕上げなければならないとか、どこの拷問ですか。
ん? そーいえば?
(少し、私的な恨みを呟きながらも)
何か忘れてるよーな。
島田さん。何かあたし、忘れてるよーな気がするんですけど。主に島田さんに関することで。
はいっ、島田、六花ですっ。
(ぶら下がったまま僅かに揺れる彼女を前に、ひとつ頷く)
……こんなところ、と、言いますか……
たまたま、通りかかって……まぁ、いいか。
(言葉を言葉通りに捉えて良いものか、少し考えるも)
(六花の性か、やはり深くは考えることもなく)
〆切、ですか。そういうの、あるのですね。
3日で、5ページ……
(それがどれだけ重いノルマなのたは分からないけれど)
(拷問とまで言うからには、相当のものなのだろう)
……もしかしてわたし、お邪魔、でしょうか。
でしたらわたし、帰りますけれど……
(ここにいたら邪魔ではないかと、申し訳なくなってしまう)
……ん、わたしのことで、忘れてること……?
(それはちょうど今、六花が思い返していたことだろうか)
それ、わたしのこと教える代わりに、会誌の、お菓子屋さんの……の、ことでしょうか?
いやー、邪魔じゃないですよ。
むしろ、大歓迎ですよ。主に、退屈で死にそうだった日々を照らす一条の光明的な意味で。
(そういって、体がブランと振り子のように揺れる)
こんな〆切りの事を考えていたら鬱になっちゃいますからねぇ。
………………
(少し押し黙り、そして、約5秒後)
……それです!! いや〜、すっかり頭の隅で埃をかぶってましたよ。その事。
(この記者、意外と最低である)
というわけで、え〜っと……
(そうすると、器用に自分のカバンを掴むと、逆さまのまま鞄を探り始める)
あたしは、菓子屋の事なんて知らないから、他の人が書いたのになるけど……
(だが、なかなか見つからない)
でも、その子の舌は確かだから……っと。
(そして、しばらく後、鞄から一冊の冊子を取り出す)
ごめんなさいね。
会う機会もなかったし。
(そう言いながら、逆さまのまま彼女に向かって冊子を差し出す)
最近は、変な人に襲われまくったり、変な化け物に襲われまくったりしてたもんで。
いや〜、大変だったんですよ。
……だから、本当にごめんなさいね
いち……こーみょー……
(随分と大袈裟な歓迎のされ方をしている気がしなくもないが)
(邪魔ではないと言うのならば、それでいいだろう)
ん、気分転換も大切と言いますし、だれかとお話したら、なにかアイデアも浮かぶかも。
(そんな体勢で頭に血は昇らないのだろうか)
(などと考えつつ、いささか無責任な言葉を返す)
……や、そんなに重要なことでも、ないですし……
半分勢い、みたいなものでしたしっ。
(ぱたぱたと手を首を振る六花)
(そう、あれは空気に言わされたようなもので)
(六花自身、さっきまで頭からすっかり抜けていたことだった)
いえ、あぅ、わざわざ……
(器用に鞄を探り出す彼女に、六花はまた恐縮してしまう)
べ、別にいいのです。
分かったら、だれが調べたものでも……
うん、おいしいことには変わりないですし。
(そして、取り出されたのは1冊の冊子)
あ、ありがとうございますっ。
(逆さまの彼女が差し出すそれを受け取る)
(ぱらぱらとめくると、イベントや良く分からないゴシップ記事めいたものの中に)
(地図とお菓子の写真が載せられたページを見つける)
いえ、謝ることなんてっ。
(もう、十分すぎるくらいだ)
……変なひと、に、化け物。
多いですものね。そういうの、ほんとうに。
あははは。 勢いでも約束は約束ですから。
契約をたがえるほど、あたしは人間を止めたつもりはありません。
(他の事では人間を止めてるかも知れないが、その事は話す必要はない)
ですから、あたしには重要なのですよ。
いやー、とは言っても、あたしには保証できないもんで。
自分で食べた訳じゃないですから。
(そもそもゴシップ主体の冊子だ。真実が書いてあるかなど、書いた本人しか分からない)
(まぁ、この記事を書いた人間の事は彼女はよく知っているものの、やっぱり100%信用ができない辺りが、この同好会の特徴だろう)
まぁ、オカルトの分野はほぼ全部がワザと嘘で塗り固めてありますけど。
いやー、本当に多いですよ。
(そう思うと、この間の事を思い出す)
災難ばっかりで。
まぁ、味方の人はいるっぽいですけれど、敵の人も多くて……。
(むしろ、敵しかいなさそうな彼女ではあるが)
まったく、島田さんみたいな可愛い子が襲われたら、退魔の連中はどう責任を取るんだか。
ん、では、ありがたく頂戴するのです。
(やはり、彼女の芯は真っ直ぐだ)
(何を考えているのか、掴みどころのなさを感じることはあるけれど)
(それでもきっと、六花が信用するには値する)
でも、どれもおいしそう、ですよ?
(学園周辺を重点的にリサーチしているらしい地図)
(写真はどれも綺麗に撮られていて、添えられたレビューがさらに好奇心をそそる)
(だれかと行けたらいいな、と思いを馳せた)
……事実は小説より奇なり、でしたっけ。
ほんとうのこと書いたら……びっくり、しちゃうかもしれないですものね。
(超常そのものである六花が、そんなことを言うのは皮肉かもしれなかった)
……敵、ですか。
(彼女の事情を六花は知らないし、あえて干渉するつもりもない)
(けれど、彼女を害しようとする誰かがいるなら、それは喜ばしくないことだ)
ん、かわ……と、と。
……やっぱり、ヒトでないわたしを、好ましく思わないひとも、います、よね。
(不可思議にして不自然な、世の理に反したこの身)
(今はまだ、無事でいられるけれど。それがいつ、転じるかは分からない)
まー、人の記事にケチをつけるよな小さな人間ではないですけれど。
(そもそも、高級な菓子をロクに食べた事がない人間なので、批判も何もないのだが)
まぁ、あたしだって、君だって、本当の事を知られたら大パニックですから。
(彼女の存在も自分の存在も、一般人から見れば異質な存在だ)
気にしたら負けなんでしょうね。本人は。
そう、向こうさんにとっては敵です。悲しい事なんですけれどねぇ。
(ちっとも、悲しそうに見えないが)
自業自得とも言えますが、それにしてもあたしは敵が多くて。
はぁ、溜息もついちゃいますよ。
(そういって、溜息をつく。少しわざとらしいが)
ん〜、どうでしょ?
向こうさんの連中は中には容赦ない人たちもいますからねぇ。
ここで、そんな事ないよ、とか言っても、嘘になるだけですし。 まぁ、異形ってだけで嫌う人も多そうですし。
(薄っぺらい嘘を言いたくはなかった)
(だが、別に責めるわけでも、落ち込む訳でもなく笑うと)
でも、逆に「好ましく思わない人」がいるって事はさ、「好ましく思う人」だっている訳じゃないかな?
あたしと違って、根はいい子っぽいしね。島田さん。友達だって味方だってすぐにできるって。
(ただ、そのままの普通の顔で言った)
なんでもネガティブに考えると損だよ。
人生に敵がいないって人の方が珍しいんだから。友達がいなさそうな人はいるけど。
(さらりと、苦笑いを混ぜながら)
……でも、あなたはヒトで。わたしは、ヒトでなくて……っ。
(ヒトならば。それは、どれだけ異質であろうと、ヒトなのだ)
(けれど、六花は。自分は――)
(――いけない。まただ。また考えてしまう)
…………です、ね。
(そう、気にしたら“負け”なのだ)
(敵と見なすには、見なされるには。それ相応の、理由があるのだろうが)
(笑う彼女から、それを見出すことはできなかった)
わたしのこと、知ってるひとは。何人か、いますけれど。
そのひとたちはみんな、わたしのこと、受け入れてくれて。
(それはみな、夜に出会った人たちばかり――けれど、話していない、話せていない人もいる)
そんなひとばかりじゃ、ないのですよね。
(もし、そんな“誰か”と出会ってしまったら、六花はどうすればいいのだろうか)
(彼女の言葉に、思う)
(彼女は彼女自身を、「好ましく思って」いないのだろうか)
――おともだち、ん……はい。
わたし、わたしは葛森さんのこと、「好ましく思うひと」ですからね。
(こんな言葉で、彼女が喜ぶのかすら分からない)
(けれど、これは伝えておきたかった)
わたし、いったん傾くと、どんどん暗いこと考えちゃうのが癖、みたいで。
(頭を軽く叩いて、笑顔を返す)
【すみません、途中で半分消えちゃって遅くなりました】
おやおや、もう受け入れられる人がいましたか。
(少し茶化すように言うが、それでも真剣味、元々真剣かどうかは不明であるが、は変わらない)
まぁ、そーゆー人ばかりじゃないってのは確かだよねぇ。
中には、「別に異形じゃなくても関係ない」って狂人までいるし。
(そう言う意味では、自分も狂人かも知れない)
ただ、そーゆーのに出会った場合は、迷ったら負けって思った方がいいかもね。
なーんか、迷ってその間に退治されちゃうような性格だし。
(「好ましく思う人」その言葉を聞くと)
あははは。
いやー、人を見る目も大切だと思うよ。
(ただ、笑った。普通に笑った。理由は分からないが)
あたしみたいな人を、好ましく思うのは駄目だって。ちゃんと、そーゆーのは、そーゆーのが似合う人にしなさい。
まぁ、ポジティブに面白い事を考えるのは当然ありだけどね。
(小突かれると振り子のようにぶらぶらと揺れながら、彼女も笑っている)
まぁ、あたしが何を言っても説得力はゼロでしょうけど、ひとつだけ。
(まともな事を言わない彼女。だが、その時はまともな事を言おうとした)
君は「人でない島田さんは、人と対等でない」って価値観を持ってる。
あたしは意味はだいぶ違うけど「別に、人だとか人じゃないとかは関係ない」って価値観を持ってる。
価値観はそれぞれ。君への受け入れ方も人それぞれだと思うな〜。
(口調はまともではないが、ただ、彼女の存在は肯定していた)
【「どんとまいんど」です】
はい。なんだか、“普通のひと”ばかりじゃ、ありませんけれど。
お話したり、いろいろ……わたしがこんな立場だから、あんまり、会えませんけれど。
(それでも、ひとりではない)
(それだけは、確かだ)
迷ったら、負け……
(いつか。そんな断崖に、立たされる日が来るのだろうか)
(大切な何かをと何かを、天秤に掛ける時が)
(その時、六花は選ぶことができるだろうか)
(切り捨てることが、できるだろうか)
……だめじゃ、ないですよ。
ちゃんとお礼が言えるひとと、約束を守れるひとは、いいひとなのです。
(そんな、儚い基準で六花は人を判断してしまう)
(けれどそれが誤りだと、誰かに言わせるつもりはない)
だから、わたしの勝手、なのですよ。
(のらりくらりと躱されて、肝心なところが掴めない。そんな彼女だけれど)
(六花の葛森利香に対する評価は、そうだった)
わたし、は……
(「ヒトじゃなくても関係ない」。それが、彼女)
(つまり、六花がヒトたらぬという理由において、彼女は六花を否定しないということ)
……じゃあ、わたしがあなたを好ましく思うのも、わたしの価値観、なのです。
ひとそれぞれ、なのです。
(悪戯っぽく微笑んで、揺れる彼女に手を伸ばす)
そろそろ降りないと、頭くらくらになりませんか?
【ぼちぼち〆に向かいましょうか】
はっはっは。まっ、思うのは勝手だからね。
(別に自分がどう思われようと、それについて非難できない)
あたしは、そーいわれると何もできない人なのですよ。
(結局、言う必要もなく、自分の事を話す必要もなかった)
って、あーあ。
苦労するよ。あたしみたいな人間を信じちゃうと。
君の価値観だから、責任は一切取らないからね。
(だが、そんな事を言っていると)
うう……
(頭がくらくらしてくる)
(理由は誰でもわかる事がたった一つだけ)
……頭に血が上った……気持ちわるい。
(そうすると、足から力を抜け、床にゴンッという音とともに頭をぶつける)
いたっ……やっぱ、こうなるオチか。
(当然の帰結である)
(だが、そんな時)
おっ! 閃いた! これはグッドなアイデアかも!
(頭をぶつけたショックなのか、いい案を思いついたらしい)
(さっそく原稿に向かい始める)
【了解です】
ほら、だから言ったじゃ……ってぇっ!?
(心なしか、先ほどより彼女の顔は赤くなっていて)
(そろそろ心配になってきたので下りるよう勧めたのだが、どうやら間に合わなかったようだ)
(受け止めようとするにも届かず、彼女は床に脳天を強かに打ち付けた)
だ、だだ、だいじょうぶ、ですかッ!?
(ひどい音がしたし、床と頭の距離もそれなりにあった)
(慌てて起こそうとするが、頭を打った人を動かしてはいけないという)
(どこかで聞いた話が頭をかすめて動くに動けない)
ひゃ、どうしましょ……って。
(彼女はむくりと起き上がると、バネに弾かれたように机に向かう)
(たちまち、原稿の白の面積が減ってゆく――良かったのだろうか)
(これはもう、原稿に集中できるほうがいいだろう)
(そう判断して、六花は会誌を買い物袋の中に入れ、立ち上がる)
じゃあわたし、そろそろ。
これ、ありがとうございました。葛森さんが書いたところも、読ませていただきます。
それも、できあがったら、また見せてくださいね。
楽しみに、してますから。
(そう言って、原稿を進める彼女の背中にお辞儀をひとつ、教室を後にするのだった)
【では、わたしはこれで】
【最後まで、見届けさせていただきますので】
ふっふっふ……これなら!
(〆切りに間に合う。確実にそう思っていた)
ん? ああ、無料配布だからね。
いつでもどーぞですよ。
(対応しながらでも、彼女は筆を止めない)
というわけで、また機会があればどーぞですよ。
(そして、教室から気配が消える)
(ただ、彼女が筆を止める事はなかった)
(ちなみに蛇足ではあるが、2日後。その部室で響いた言葉は)
「没。全部書き直すか、殺されるか、どっちか選べ」
(そのような言葉に、利香が真っ白になって発見されたのは別の話である)
【というわけで、私も〆です】
【お相手ありがとうございました〜】
【…なんてオチ…!】
【と、ともかく。こちらこそ、お付き合いありがとうございました(ぺこり)】
【お疲れさまでした。では、お休みなさい(ぺこり)】
【名前】紫 一久(むらさき かずひさ)
【年齢】17(高等部二年)
【性別】男
【身長】172
【容貌】
無駄のない体つきに、やや大人びた顔。昼間は笑顔、夜間は無表情が七割を占める
右手は無骨な義手で、隠すために常に黒い革手袋をしている
【能力】
・身体能力
生身でも、訓練を受けた大人と互角以上に渡り合える程度の身体能力
ただし、若干足が遅い
・特殊能力関係
・グルネル
右の義手。有線で10mほど射出できる
飛んでいる間も指は普段通りに動かせるが、制御を失うと爆発する
・刺天
四年前、伊織 陽太郎から奪った日本刀を補強した物。現状の主武器
電流の通りがかなり良く、耐久性も高いため乱暴な運用にも耐え得る
・ショックボルト(能力)
(ワイヤーや刀といった武器づたいにでも)手から触れている対象に電流を流しこむ
使用には痛みを伴い、痛みは威力や相手の大きさに比例
・他にも銃やワイヤーガン、ナイフや捕縛用ワイヤーなどを小器用に操る
【希望】基本的に何でも
【NG】グロ、ホモ、大きな後遺症(切断くらいならおっけー)
【弱点】
防御は一般的な回避のみ
饒舌・自信家すぎる
勝利が見えると油断する
【備考】
<<十三天梯>>という、対異能組織の構成員。異形の捕獲及び異能のスカウトを行っている
もともと孤児だったのだが、身体能力の素養と異能の片鱗を見出されて教育を受けた
ただ、結局異能としては開花せず、ある異能を模倣した電撃能力を、人工的に与えられる
適当な性格に見えるが、使命感はかなり強い。でも不平不満は結構こぼす
基本的に異能に対しては友好的だが、必要とあらば敵意を向ける事も躊躇わない
昼間は割と明るい性格だが、あくまでそれは情報収集のための仮面であり、
夜の戦いの最中に現れる残忍・傲慢な性格が本性に近い
十七夜木 一葉とは同じ組織で、情報的な協力関係にある
刀の扱いに関しては未だ修業中
また、電撃関係の異能を目の敵にしていて、四年前に誤解と先走りから伊織 津綺子の兄を殺害している
【おっと、プロフ投下落ちだぜ】
【名前】 郡 太一朗 (こおり たいちろう)
【年齢】 16歳
【性別】 男
【身長】 168センチ
【容貌】 はねっけのある癖の強い髪型。少々垂れ目。
髪・瞳とも黒。中肉中背。青と黒のチェック柄のバンダナを額に巻いている。
【能力】 無呼吸の瞬き −ゼロ・ブレス−
集中力を高めて、感覚を鋭敏に研ぎ澄ませる。
そのことにより、相手の攻撃を見極めたり、(他者から見れば)高速の連撃を与える。
発動している間は文字通り「呼吸するのも忘れるほど」過度に集中するため、無呼吸になる。
制限時間は3〜5秒ほど。
【希望】 基本的には何でも。
【NG】 ウホッ
【弱点】 能力発動時は無呼吸になるため、酸素濃度の低い場所では制限時間が縮まったり、
あるいは、能力自体が発動できなかったりする。
また、能力発動後は酸素を取り込むため、隙が大きくなる。
【備考】 高等部所属。家族構成は父・母・姉の四人暮らし。
部活動は無所属、委員会は見た目に寄らず図書委員。
性格はテンプレ的な正義漢。ただし、単純で女にはペースを崩されやすい。
特に武術には興味がないのだが、ある日【能力】を得たと同時に、独学なりに学ぶことにした。
得物は特製ナイフ。と言っても、やたらと頑丈なだけの品。
ちなみに、悪いときだけよく勘が働く。そして、よく当たる。
プロフ投下ついでに待機っ!
気軽に声をかけてくれよーっ。
ノシ
ノシ
……で、付き合ってくれんの?
前回が前回だっただけに、良い雰囲気で、
ってことにはならないだろうけど。
もちろん。そのためにお声をかけました。
ま……友好的にとはいかないねぇ。
そろそろ鍔迫り合うべき、とか?
ん、了解しました。
それじゃ、舞台はどこにするかな。
……妥当に夜の公園? 化け物退治後、偶然鉢合わせ、みたいな。
そうだね。前に会ったとこで。
比較できる状況が存在するから、なおのことー。
書きだし、お願いしてもいい…?
(夜、ひと気のない公園。寂れたその場には異形たちの遺骸が散乱していた。
彼は顔に付着する血液を拳で拭い、肩で呼吸する)
……はぁ、これで…終わったかな。
辺りに気配はない…し、取り合えずは一段落ってとこか。
(近くにあった水飲み場の蛇口を捻り、水を出す。その水でナイフについた血を洗い流し)
ま……これで、ようやく安心して家に帰れるな。
それにしても……寒いな、まったく。
(羽織っていたジャケットの前のボタンを閉じながら身を震わせ)
【それじゃ、こんな感じでよろしくっ】
(夜の徘徊が義を喪ってからどれほど経ったか。
今や「悪を斬らされる」のではなく「ただ斬る」ために水琴は闇に紛れる)
……はずれ、かと思ったのに。
(静かな夜だった。近隣は渡り、終着へさしかかる道程に
この公園へ立ち寄った――拍子抜けするほどに順調だったが、
ここに来て、周囲の空気が一変した)
ちの においが する。
(まるで人の営みの事後のような、水洗いの音の源を見れば、
惨状を創りだした主であるということは一目でわかる。
それが誰かは確認しない……刀は竹刀袋におさめたまま。
ただ一歩、一歩と背後から近づく。一夜にして数多もの命を奪う"同族"に…ざく、ざくり、と)
【こちらこそ、よろしくー】
【ごめんっ……! 急用が出来て、返事ができなかった……
まだ長引きそうだから、凍結させてもらってもいーかな。
本当にすまないっ!来週の土曜の夜になっちまうけど…】
【来週土曜、ね。りょうかーい】
【気にしないでっ!いってらっしゃいッ!】
よし。
待機解除。
まったくと、心温まるお話でありましたと思います。めでたしめでたしですね。(←)
その語り部さんの頑張りと職人芸に敬意を表しまして、
――― 今度お会いできました時は、骨の髄まで、愛でさせてくださいね。
大丈夫、痛いのなんて、ほんのちょっと。最初だけ、ですから。 (にこやかに)
「トンカラ トンカラ ぴっかっちゅ」にとてもトキメキを覚えた私はどうするべきでしょう。
ええ……お疲れ様というより、乙、という気持ちがとっても分かった気が致します。
ですが、どうぞそのストーリーテラーの能力は、どうか別の事にお使いになられてくださいませ…っ。
【……何という、ドジっ子でしょう。(頭を抱えました)】
【避難所とこちらとでの、思いっきりと誤爆……ですので、どうぞお気になさらないでくださいっ(一礼)】
【――まさか、このような形で本スレとの相性の悪さが露呈する、だなんて思ってもおりませんでした】
【それでは、無駄にレス消費してしまったことをお詫びするとともに、逃兎のごとく逃亡させてくださいませ】
待機中なのか。誤爆なのか。
それが問題だ。
あ、やっぱり誤爆だったのか。
お疲れさん。
風呂が沸いたな。
一度退席。
【名前】高嶺 椿(たかね つばき)
【年齢】 17
【性別】 ♀
【身長】 163cm
【3サイズ】 78 58 81
【容貌】腰までの明るい茶髪を三つ編みにして一つに束ねている。
自分が起こした風で飛ばないようにいつも片手で帽子を押さえている
【能力】
突風や小規模な竜巻や風の刃を発生させる。
【希望】日常ロール 戦闘 エロール
【NG】死亡やスカ
【弱点】1煙が天敵で吸うと能力の使用不可、筋力の一時的な低下の症状が表れる
2良くも悪くも術にかかり易く、通常より高い効果を得るため幻術呪の類に極めて弱い
【備考】
高等部2年 女子テニス部所属
人見知りをせず変わった物事が好きで色々な物にちょっかいを出す性格
自信家で妖魔や怪しい人物はとりあえず倒そうとする。
一族に医者や医療系の異能者が多くよく世話になっているため体質が変化している。
束縛されるのが何よりも嫌い
ようやく新しいプロフを投下&ロールのチャンスが。
>>44 というわけでお相手よろしいでしょうか?
こちらは23時頃がリミットですが。
こちらは一向にかまわん!
というわけでよろしく。
シチュはどうするかね?
ん、そうっすね。
どうしよ、最初なので戦いたい?お喋りしたい?のどちらかがいいのかな。
こちらはどっちでも構わないっすから、お好きなほうを。
・・・ずっとあんたを一年生だと思い込んでいた俺ガイル。
同じクラスだと不味いな・・・・・・俺が悪いことしてる最中に
そっちが首を突っ込んでくる。それくらいでいいかな。
>>48 同じクラスならそれはそれで楽しそうだけど。
一応、昔のロールで二学期ぐらいの転校生ってことになってたり。
シンプルでいいね、了解。
じゃあ、悪い事する書き出しをお願いしても?
悪い、そのロールは読んだはずだけど内容忘れた。
こちらからでいいなら書きだすけど。
昼間と夜、どちらが好みかそれだけ聞かせてくれ。
随分昔だから仕方ないかと
どっちでもいいといえばいいけど…。
夜が多いみたいだし昼でお願いしようかな
それでは昼間ということで。
では書き出すのでお茶でも飲みつつお待ちくだされ。
(今日は風が少し強く、冷たかった。新学期が始まって最初の日曜日の昼下がり)
(紅いコートを纏った赤茶髪の男が駅前通りの公園に脚を運んでいた)
(買い物帰りに立ち寄った親子やカップル、そして餌付けされた鳩の群れ)
(空は何処までも余所余所しく、そして無慈悲な蒼)
(都心部特有の濁った空気を肺に入れ吐き出しながら、かつかつと公園中央に建てられた)
(石碑へと歩いてゆく。その足取りは軽く、迷いがなく、そして野心に満ちていた)
――ここか。この街の『楔』のひとつはよ。
(呟いて、石碑の台座に手を当てる。彼の腰から無音の駆動音がする)
(それは常人には聞こえない魔の力が高まる音)
(ベルトのバックルから供給される魔力を身体に駆け巡らせて)
―――みっけた。
(にんまりと笑う。それは悪しき心を持つ者だけが浮かべられる笑み)
(一度掌を離し、見当をつけた部分目掛けて魔力の籠った掌打を叩きこむ)
(パチンという軽い音がして―――何も起こらない)
(日曜日。昼間は特に何もすることが無く古びた陰湿な屋敷から飛び出るように外出する)
(風に誘われるまま、と言うよりは風を連れ歩くように風を纏い当ても無く街を行く)
(平和と退屈はどうしようもなく直結していて、ここの所傷一つ負っていない。)
(それが安らかに思えもするし、イラつきに似た何かが心に溜まって行くのを自覚していた)
とりもあえずはっ……っと。
(赤いコーラの缶とフライドチキンの入った白いビニール袋を持って公園のベンチに座る)
(肥満を知らないのを良いことに間食を取り始めた)
ふああ、ジューシーな肉の後のコーラの喉越しがたまらんっすなぁ。
(満足の溜息と一つゲップをして穏やかな日の光を浴びる)
(平和と退屈そのものに浸るように穏やかな風を頬に感じる)
(昼寝でもしようかと欠伸をつきかけて――強烈な悪寒が彼女を襲った)
いったい何を!?
(ベンチから立ち上がりその男に駆け寄る)
(穏やかな風はいつしか冬の冷たく鋭い物に変わっていた)
(待つこと数十秒――時は来た)
(グググググググ・・・・・・・ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・)
(遠く、地中の奥から静かに響く音を聞いて、『楔』がその役目を終えた事を知る)
お・し・ま・い・っと。
(紅裂拓兎は笑う。とても禍禍しく笑う)
(今行ったことは別段特別な儀式でも何でもない。この地に封じられていた地霊を)
(呼び覚ましただけだ。長い時の中で綻びかけていた『楔』を砕くことによって)
(呼び覚まされた地霊は、遠からずこの地を崩壊させる要因となるだろう)
(大切に祀られている間地霊はその土地を守るが、一度蔑ろにされると災厄を引き起こす)
(何もそれは特別なことではない。忘れられているだけで、とても当たり前のことなのだ)
――ん?
(この地にもう用事はないと、踵を返そうとした時のことだった)
(こちらに向けて、誰か――少女が駆け寄ってくる。風が不吉にざわめいた)
(地霊の目覚めた影響が出るには、些か早すぎる。だから別の要因がある)
(その答えは眼前のある風の精霊がその少女に従うように、その身に纏わりついている)
やれやれ。
(ポケットから紅いサングラスを取り出して、眼をそれで覆う)
(彼のやった行為に対して彼女は完全に無知である)
(その力を讃える事も恐れる事も無くただ予兆から異常であることだけが分かっていた)
(それに禍々しい笑みと赤いコートにサングラスの見かけ)
(不審者にも程があると思った)
今のは一体何……?
すっごい怪しい格好して、石碑叩いて。
何もしてない、何も知らない、じゃ通さないよ?
(陽気に笑いかけながらその実、風が二人の中心に渦を作り出していた)
悪いこと。
(何をしているのかと問われ、笑ってそれだけ答える)
(他に言うべき言葉もなく、言葉を尽くしたいとも思わない)
おやおや、どうにも風向きが悪いだぁね、今日は。
この風は、あんたの味方のようだ。
(風が巻き上げる土煙を片手で払い除けつつ、じゃりっと一歩踏み出して間合いを詰める)
(二歩、三歩。紛れもなく相手は風使いだった。四歩、五歩。三つ編みの少女まで)
(残り五、六歩の間合い。わかりやすく力を誇示してくれたので、それがわかる)
(そしてこの間合いは、既に相手の攻撃射程だろうという事も、漠然とわかる)
で?なんか用事?
俺ぁこれから飯食いに行くんで、邪魔せんでくれんかな。
(牧歌的な口調で言っている癖に、全身は闘争の予感に震えている)
(バサバサと羽ばたいて、鳩が戦いの予兆を感じて空へと逃げだす)
(代わりに、誰かの死の予兆を嗅ぎ取ったのか、黒い鳥が周囲を取り囲んでいる)
(風が吹き荒れ、昼の公園はいつしか人気がなくなっていた)
ふーん……・。じゃあ、正義の味方になろうかな。
(冗談のような本気、またはその逆か。自分でも分からない程入り混じっていた)
(目の前の男への興味と、秘密主義的なところが気に食わず)
肉マン、食べる?
その気を下げてくれたら半分あげるんだけど?
(お互いが既に間合いに入っている緊張感に無縁に見える男の態度に対抗して)
(軽い言葉をかけ――だが、それに反して裏腹に半身を引き構えを取る)
あと、一歩。
(それは引き絞った矢の、或いは突き出す無形の槍の穂先)
(貫く鋭い風が十分な距離までのことだ)
(それは確認。相手と、そして自分の覚悟の)
くふ・・・・・いいね、正義の味方。
やってみなよ。但し、後四人男を揃えてからな。
戦隊モノって基本五人だろ。三人の時代もあったらしいが。
あー、番組後半から助っ人の六人目も出るから侮れないな。
(内容だけ聞けば、馬鹿にしていると取られても不思議ではないこの台詞)
(だが、この男は本気で戦隊モノについて語っていた)
俺は仮面ライダーの方が好きだけど。
(そう付け加えるのも忘れずに)
すき屋で牛丼食べるから、遠慮しとく。
(あくまで軽く、真剣さに欠ける声を出す。けれど、表情も声音も変えず)
(人を殺せる人間がこの世にはいるのだ。例えばこの男の如く)
(相対している三つ編みの少女は――半身に構え、わかりやすく迎撃態勢を)
(整えている。やるなら相手になると、その態度でわかりやすく示している)
ほぉう・・・・・親切だぁな。
わざわざ教えてくれるとは、おじちゃん、ちょっと感動。
(その一歩が開戦の引き金になると、宣言する事で釘を刺す)
(いや、釘を刺しているのではなく、こちらの意思を確認しているのだ)
(相手は――敵は既に自分の意思を明確にしている。それ故の、確認)
(奇襲を仕掛ける機会を潰してまでそれを確認する人間は、白黒で言えば白い方だ)
別に俺は構わないんだがな。脚元を注意した方がいい。
そろそろ始まるぞ、終焉の序曲がな。この世界の終幕の為の。
(さっきから静かに鳴り響いていた『音』。それが少しずつ大きくなっている)
(黒い鳥が鳴く。歌うように、謳うように、唄うように。その『音』は、聴覚によって捉えられる)
(『音』ではなく、第六感、霊感によってのみ聞こえる『音』だった)
(蒼かった空は灰色に。公園に植えられた木が枯れ果てる。鳥が鳴く)
失礼すね。
そろえるのなら女の子2か4人だと思うんだけどな。
で、一見人間に見える悪い君は
実は化け物だったり、やられると爆発でもするの?
(目の前の相手に集中しきれず、どうしても挑発されたというよりは)
(そのまま自然に受け答えしてしまう)
(何か音がする。奈落の底が盛り、弾けるような不吉な音が)
ああ、そう。
豚丼の方が安くて美味しいと思うよ。
(風は止まず勢いを増し、ブランコが静かに揺れる)
声や雰囲気は同じ年ぐらい
実は100歳だったり、やっぱり人じゃなかったり?
それなら遠慮いらなくてすむんだけど、どうなの?
足元…?これが?終焉?
何を言ってるのか分からない。
じゃ、二つだけ聞きたいな。
名前と目的。
それぐらいいいでしょう?
(構えを説かず、笑いかけると同時に風が俄然勢いを増す)
(二人を包む旋風はいまにも刃をもって襲い掛かるようにその輪を縮めた)
二人は・・・・・と言いつつ五人に増えてる魔法少女戦隊だったか?
そっちは見てないんで、詳しくは語れないんだがな。
(始業式の日の朝再会した青年なら、或いは詳しく語ってくれるかもしれないが)
(今更穏やかに語り合うような間柄でもないことを思い出して、少し気持ちが沈んだ)
(その青年も、この街が崩壊すれば死ぬ。誰も彼も例外はない)
いんや、生憎と人間だぁね。死んだ経験はないんで、爆発するかどうかまでは知らんよ。
(傍から見れば、何を言っているんだと頭の中身を疑われそうな会話だった。だが、二人は)
(それぞれに真剣であり、お互いの隙を窺いあっている。そこに突けいるべく)
個人的に豚丼は邪道な気がするんだがな。
それと、別に年齢詐称してるわけじゃないから気にすんな。ちょっとしたジョークだ。
(逆巻く風が枯れた葉を舞い散らせる。キィキィと遊具が軋む)
(それに呼応するように、大地の底で胎動する地霊が、少しずつ覚醒を迎えている)
名前?紅裂拓兎。花も恥じらう十七歳。
目的は――この世界をぶっ壊すこと、だな。まず手始めに、この街から。
(逆巻き、牙を剥こうとする風に逆らうように手を振る。指揮者の様に指を振る)
(それに応じる様に石碑に罅が入って、重々しい音と共に縦に割れ倒壊した)
(瞬間、それが大地の底から噴出した。それは長い時間をかけて崇められ、神に成ろうとしていたモノ)
(それは眠りを妨げられた瞬間に暴虐の化身と成り、命あるモノを無慈悲に散らすモノに成っていた)
くふ、くふふ、くはははははははは!さあ、喰らえ!暴食しろ!
アハハハハハ!これからが地獄の始まりだ!
刃破破破はははははははははは!!
(喉をのけ反らせて哄笑する。公園に残っていた数少ない人間が、瞬く間に殺されてゆく)
(男が、女が、子供が、老人が、父親が、母親が、赤ん坊が)
(その存在に触れた瞬間に命を奪われ、その生涯の幕を閉じる)
(もう三つ編みの少女に構う事無くその脇をすり抜けて、笑いながら去ってゆく)
(かくしてこの街の崩壊が始まり、風使いの少女はその現場に居合わせることとなった)
(そしてこの風使いの少女がこの事件に関わるのか否か、現時点では誰にもわからない)
【こっちは〆、ということで】
…いや、知らないんだケド。
別に詳しく語らなくていいし。
あ、そう。
それは残念。シュールな光景ってわりと好きなのに。
(隙だらけなのが、逆にそれだけの自信を感じさせ)
(得体の知れない能力にますます身構える)
そう?脂身が嫌いだからあっちのほうが好きよ。
…それにジョークにしてもあんまり面白くないよ?
(ジョークに付き合う余裕がなくなってきているのは)
(ひとえに悪い予感、地鳴り、地響き、もっと何か禍々しき物)
紅……?
(名前を聞いたことがある、と目を細める)
(余裕を掻き消す様な大地の悲鳴、そして人の悲鳴)
待って――ッ!
(突如襲ってきた何かにあっさりと隣を過ぎた男を追いかける余裕は最早無く)
(最大の力で自分自身を吹き飛ばし、街を脱出する。)
何、何なの、これ・・・?
(一瞬で地獄絵図と化した街を見下ろし空中で呆然とする)
(あの男を――止めなきゃ。)
(静かに覚悟を決めた)
【〆ます。リミットもちょうどでした、お相手有難うございました。】
【なんだか最後すごいことになっていて少し戸惑いましたがまたよろしくです】
>>62 >
この部分を
(一瞬で地獄絵図と化した公園を見下ろし空中で呆然とする)
に訂正でお願いします
失礼しました
【名前】迫水 直(さこみず ただし)
【年齢】19/3年生(2回目)
【性別】♂
【身長】185cm/75kg
引き締まった体躯。一見細身だがしっかり筋肉がついている
【容貌】短く刈り込んだ黒髪、わずかにタレ目、日に焼けた肌
【能力】妖魔寄生体
寄生体が宿主を守る為の妖力により様々な能力を持つ
・増幅された新陳代謝による異常な回復力
・常人の数倍に達する筋力と瞬発力、持久力
・皮膚・骨格・筋肉が変質して西洋甲胄に似た姿(220cm/150kg)に変身、更に能力が増幅される
・上記の能力で消費するエネルギーは膨大で、その全てを食事で補わなければならず食事量は桁外れ
※イラストを書いて貰いました
http://www.100gazou.com/sinzou/bbs.cgi?check_img=465&type=jpg 【希望】NGに抵触しなければ
【NG】死亡、衆道
【弱点】
・直情径行
・能力の暴走
【備考】
・高等部所属の元野球部のエース
・3年時に寄生体感染によって自我を失ない、不登校で留年。現在は復学して2回目の3年生
・怪異による犠牲者を少しでも減らす為、人に害をなす異形を退治している
・異形との戦いを通して経験を積んでいるものの、まだまだ荒削りな戦闘スタイル
「肉を斬らせて骨を断つ」的な闘い方はパートナーに心配をかけっ放し
【遅くなってしまったけど
>>1乙】
【そしてプロフ投下】
【連投で失礼させて貰うよ】
【待機だ】
【こんばんは、だ。プロフは
>>24】
【特にネタはないが声かけだ・・・良いか?】
【】使わないでいいよな?
もちろん歓迎だ
ネタがないなら捻りだそう。ちびっとばかり時間をくれ
【=〇―<】ウォォォォ
まず夜の方が都合良さそうだな
後はお前さんの戦いを見るなり共闘なりできれば個人的にはベターだが・・・
あ、悪役もある程度はやれるぜ。救えるかもしれん半異形狩るとか
さて…さくっと捻りだそう
@日常会話
昼間に話をしてみるかい?
場所は学食か屋上で
俺のことを聞き出そうとするもよし。君について質問をぶつけるのもよし
A共闘or戦闘
戦ってみる
時間は夜。場所はお好みで
化物相手に共闘、若しくはそちらが仕掛けてくるか?
ま、こんなところが妥当かつ無難かと
おっ・・・
済まん、自分から言い出しておいてアレだが、昼で頼んで良いか?
どーせ夜に邂逅するなら一回くらい伊織に仕掛けた後の方が楽しいかも、などと
メシ時にするか・・・伊織とメシ食ったりしないのか?
するなら放課後くらいの屋上で、しないならメシでも食いながら
俺から質問するけど、先輩もしたいなら一向にどうぞ、だぜ
うぉっ!かぶった
よし、まずは落ち着こう
では、そちらに合わせようか。最初は共闘から、バトルに発展するもよし
最初から三巴えってのも面白いかも
はにゃ〜
何をやっているんだか。
>>71はなかったことに
「飯を食う」でいこう
そちらのレスを確認するまで待つよ
・・・俺らって運命の赤い糸で惹かれ合ってるんじゃね?
とりあえず先輩の書き込みを待つわ
赤い糸説濃厚!濃厚でござる!
よし、じゃあ昼で頼む!学食で会おう!
良い感じに混んでる学食の隅で、普通に喋ってる分には誰にも悟られん感じで!
それで良ければこちらから書き出すぜ
よし、決まりだ。書き出しを頼む
ゆっくり、慌てず、騒がずに
こちらはお茶でも飲みながら待つとしよう
〜♪ 〜〜♪
(紫 一久はゴキゲンである)
(何故ならその日はバイトの給料日であり、紫が一番安心して金を使える日だからだ)
(そしてその日は同時に、一月でただ一日唯一、紫がまともな昼食を摂る日でもある)
ご飯、ご飯、学食の定食〜、っと
薬品臭い栄養スティックも菓子パンも嫌う程じゃないが、たまにはやっぱ文明的なメシを食わねばなー
(透明なプラスチックの弁当、飲み物、割り箸を重ねた片手を庇いつつ、
小気味好い鼻歌とスキップで、混雑する学食の隙間を進む、進む)
(無論、目的もなく流れに逆らう真似はしない・・・目的はあった)
(空席を求めていたのだ)
〜♪、と
(目をつけていたその席に腰を下ろし、昼食を置き、
全て用意を済ませてから「彼」に尋ねる)
ここ良いかな、先輩?
(駄目と言われてもどかないぞ、と言う意思を暗に潜め)
【こんな感じでー、よろしくだぜ】
(昼食時に賑わう学食。その喧騒の中、黙々と、ただ黙々と)
(テーブルを買い求めた料理で一杯にし、全てを胃の腑に納めていく)
(麺がのびるのを怖れキツネうどんを先に片付けて、おばちゃんオススメのC定食に箸をつけた時…)
…………
(前方から声をかけられ、皿から視線を上げる。自分を先輩と呼ぶ見知らぬ後輩)
…………
(もぐもぐと口を動かしながら頷き、空の食器を脇にどけてスペースを作ってやる)
(混んでいるとは言え、他に場所がない訳ではない。それなのに、わざわざこの席を選んだのなら…)
(食事を再開しながら、目の前の後輩の顔をもう一度見直す)
【前回の邂逅ではそちらは顔を見せてなかった、と記憶している】
【もし俺が間違っていたら申し訳ない】
【ともかく、こちらこそよろしく】
や、先輩・・・良く食べるなぁ
やっぱりあれだけ暴れるにはエネルギーは溜めないといかんかね
(空の器を心持ち押しやり、割り箸をパチリと割る)
(綺麗に割れた。割り箸ですら今日の俺を祝福している)
俺好きなんだ、この弁当。ヒレカツ定食弁当
(手袋をはめた右手でホチキスを外す。感覚のない指は便利だ)
パッサパサの衣にくたびれた肉、水道水臭いキャベツに開けにくいソースに少しびちゃっとした白飯
学校抜けてコンビニ走った方が圧倒的に良いだろっつーね
でもあえてこれを食うって事は、損を恐れないって姿勢にもならね?
余裕の証だぜ
(勝手な事を喋りきり、カツを一切れ口に放り込む)
・・・・旨いけどな
さて、世間話(本人は本気でそう思っている)はこれくらいにして・・・・あ、俺の事分かる?
紫 一久。年変わる前に工場痕で会ったよな
一応先輩の後輩。敬語とか使うか?
(まくし立てるように言葉をかけ、さりげなく胸ポケットのボールペンに触れる)
(録音機である。すっかり愛用だ)
で・・・・そうそう
やっぱ、その暴食っぷりはあの暴れっぷりに関係あるのか?
・・・んぐ
(飽くまで食事中の雑談を装い、周囲の注意を逸らし)
(紫 一久は質問を始める。彼の処遇を判断するための)
【目、だけだな、確か。あの時は既に仮面じゃなかったが、口許は隠してたし】
(まくし立てるように話す--ほとんどが戯言--後輩に対して)
(その後輩を見ながら黙々と食事を片付ける--C定食からカレーライス(大盛)へ--)
(粉っぽい食感を楽しむ一方で記憶を探る。それは後輩の声に聞き覚えがあったから)
(だか思い出すより早く、向こうから名乗ってきた)
(廃工場で出会った黒ずくめの男。自分がその男であると)
…あぁ、お前さんか…
確かに、ここの生徒だと言ってたな
(返事が遅れたのは、口の中の白米を飲み込まなければならなかったから)
………
(一久の問いかけに一瞬だけ匙が止まるが)
(何事もなかったようにカレーと白米をすくい口に運ぶ)
…成長期なんだよ。四六時中腹が減って仕方ないんだ
(咀嚼し、飲み込むだけの間をおいて)
(誤魔化せる訳がない、と自分でも思いつつ、適当な答えを返す)
成長期!おいおいもう19だろ?巨人になるつもりか、先輩は
そんなんじゃ彼女も大変だな?生半可な量の手料理じゃ満足もしてくれん・・・んぐ
(またカツを一切れ放り込み、パックのコーヒー牛乳で押し流す)
(こちらの持つ情報を垣間見せたのは、とぼけても無駄だという事を暗に示すためだ)
(恋人の存在を掴んでいる事も示せば、少しは協力的になるのでは、という打算もある)
・・・・大体、人間を、異形を食らう言い訳に成長期ってのはどうなんだよ?
(声を押さえる事はしない。これは世間話なのだ)
少なくとも俺としては認められないな。そんなのは人間のすべき成長じゃないだろう
なあ、お前
(肘をテーブルにつき、割り箸を軽く先輩・・・迫水 直に向け、言う)
(声音が下がり、声色に不遜の色が混じり、言葉は冷たさと鋭さを持ち、問い掛ける)
率直に尋ねよう
何なんだ、お前の力は?
(カレーの皿とスプーンを脇によけ、親子丼に取り掛かりながら)
食事は黙ってするものだ。小学校で習わなかったか?
まぁいい、何にしても、お前さんには関係のない事だ
それと、ご心配なく。充分に満足している
(とは言え、聞き捨てならない台詞--彼女--を一久が口にすれば黙ってもいられない)
(何の目的で情報をこちらに明かすのか)
(不明ではあるが、おそらくは自分への牽制。隠しても無駄なんだぞ、と一久は言っている)
(それに従う義理はないのだけど)
………俺は、人間は食わない
(眉をしかめる。それは場所をわきまえろとの抗議なのか)
(それとも食事中なのだから気持ち悪い事を言うなとの抗議なのか)
別にお前さんに認めて貰おうとも思わないしな
(渋い表情のまま、向けられた箸の先から一久の顔へと視線を向ける)
………
(暫く表情を観察した後、つ、と目を背け再び親子丼に対面する)
それを聞いて、それを知って、お前さんに何の得がある?
へぇ、小学校じゃそんな事を習うのか?
食事の礼儀より食事の楽しさの方を教えた方が人生には有意義だと思うがね・・・・(ぢゅるる)
・・・人間は食わない?
(迫水 直の不快な様子には気付いた。が、無視だ)
(話し掛けた話題を引っ込めるなど性に合わないのだ)
それは冗談か?本気で気付いていないのか?
工場痕のあの惨事は、お前がやったんだろう?
・・・千切られた人間の死体のカケラやら、女子の制服の切れ端は俺の見間違えだったのかね
(かの惨状を思い出し、目を閉じる)
(飛び散る血肉。全ては残骸に過ぎなかった地獄の後)
(――一瞬、右手首に痛みが走るが、それは今は無関係だ)
(ちなみに、紫が言っている事物は全て、
彼の錬金術師が作り上げた屍人の事なのだが・・・当然、そんな事を知る由もなかった)
(目を開き、腕を組む。残るカツは端の一切れのみだ)
・・・得か
お前の危険性を知れば、この町を守る助けになるから・・・と言って信用するか、おい?
(割り箸を最後の一切れに突き刺し、ひょい、と口の中に運び、咀嚼)
(人間を食らってもこの感覚に変わりはないのか、などと考えつつ、飲み込む)
(牛乳で残りカスを流し、口を開いた)
簡単な事だよ
お前が人間かどうか・・・異能か、異形かを知る必要かあるんだ、俺・・・・俺らには
そして、然るべき対処を取る。それが俺の仕事、俺らの使命
(俺ら、というのを特に強調)
(自分は単独ではない、というアピールだ。威を狩る真似は好みではないのだが・・・・・)
(あの時の最後の記憶が蘇る。女生徒の虚ろで濁った瞳、それを砕いた拳の感触)
(追い払うように首を振り、視線を一久に向ける)
…あの娘は…アレは、もう人間じゃなかった…
全部アイツの手でつくられた、異形だったよ
(「アイツ」とはもちろん錬金術師、瀬尾司のこと)
……それなら俺と話しているよりも、もっと他にやることがあるんじゃないか?
この街には、俺なんかよりもずっと危ない奴等がウヨウヨしてるんだからな
(問い掛けには答えず、話を脇に逸らす。言外に信用しないと伝え)
(残りの親子丼をかきこみ咀嚼する)
俺ら…「俺ら」か…
(空になった丼を静かにテーブルに降ろす)
(目は一久に向けられ、その姿をつぶさに観察しようとじっと見つめる)
(はじめて「組織」の人間と対面している。相手は自分を見極めるために接触してきた)
(いつかはこの時がくると分かっていた。己の能力は異能と呼ぶにはあまりにも危険なのだから)
…俺は人間だ、と言っても納得しては貰えないのだろうな
(もちろん、ただの一般人だと言い張りはしない。夜の闇を知る人間だと)
(力を持たない人を守る者であると主張する…一久がそれをどれだけ評価するかは別だが)
錬金術師か
どちらにせよ、お前が異形食らいの嫌な食癖があるのは事実だが・・・ふむ
人間を食らわないのなら、な
(世辞にも綺麗とは言い難い割り箸で、宙に小さな円をくるくると描き)
・・・・人間らしい表情はするんだな?
(何の抑揚もなく、ぽつり呟く)
無論、他にやる事もやってはいるさ
異形捕獲、危険な異能の調査撃退・・・平均睡眠時間、三時間だぜ、俺
で、お前とこうやって旨くもないメシを食ってるのもその一貫っつー訳だ
・・・あ゙ー、今日はまた調理部にスパイラルするかな。半端に優しいメシは懐古心をくすぐるだけだぜ
(ぐう、と背中を伸ばし、椅子がずれるのも気にせずに上半身を反らす)
(胸腹部を晒すその動作は、一介の学生にしか見えなかった)
(ぐん、と上半身を戻し、肘をつき、再び割り箸を迫水 直に向ける)
お前、考えた事があるか? 人間と非人間、異能と異形の境界線
(その割り箸をテーブルにつけ、見えない直線を引いた)
今日は分かりやすく線を一本にしよう。理性だ
理性のない者は異形である。・・・・人間は理性ある生物だからな
そしてお前は理性があるだろ?少なくとも、今は。だから今、お前は人間だ
・・・そして、人間は理性を失い、感情的になる時も、ある。理性を失うだけでは人間から外れられん
危惧すべきは、理性を失った時、果たして人間にとって無害でいられるか、という事だ。分かるか?
(テーブルについた箸先を持ち上げ、再び迫水 直を指した)
・・・お前、どう思う?お前は理性を失っても、人間にとって無害でいられるか?
まずそれが、第一のラインなんだ
(一久の言葉に一瞬不快感をしめし、軽く睨み付け)
俺は人間だからな…
(手の平で顔を撫でる。拭われた後に残るのは普通の学生の表情)
それは俺も同じだ。夜の街に出かけて、路地裏を這いずって、化け物を潰して回る
睡眠時間平均4時間ってところか
(プラスチックの湯呑みから、色が付いただけの茶を啜る)
(調理部云々はただの戯言だろうと無視を決め込んで)
……まぁ、いいだろう。理性がヒトと化け物の境界線、異論を挟む余地はなさそうだ
(身を乗り出した一久とは逆に、椅子にもたれ腕を組み)
(テーブルに引かれた見えない線を見つめる)
………
(突き付けられた箸先から腕を辿り、一久の顔へと目線を移動させ)
暴れ回って、化け物を食らうこと意外には興味がなくなる
この答えで、いいか?
(無論理性を飛ばした後の記憶など、途切れ途切れでしかないのだが)
そして逆に聞こう。お前さんはどうなんだ?
理性を失っても人間に対して無害でいられるのか?
【なんか、どんどんレスが遅くなって…非常に申し訳ない】
・・・くく
普通の人間は「俺は人間だ」なんて言わんがな。まあいい
ふん・・・暴れ回って、異形を食う・・・・か
それだけ聞くと確かに危険はなさそうだな?自己申告なんて高が知れてるが
(言いつつ、箸先を下ろす)
(少なくとも、迫水 直が嘘や不誠を言っているとは思い難かった)
(こういうタイプは、何かをするフリというのが一番苦手なのだ)
あ?俺?
(ここでようやく箸を置き、バツが悪そうにこめかみを掻いた)
知らねえよ、理性なんて無くした事もないし
想像もつかん
(あまりにあっけなく、無責任な応え)
(しかし本当にそうなのだ。理性を失う状況など、
それこそ手段を選べない状況――自分の死、くらいしか思いつかない)
【気にするな・・・と言いたい所だが、俺も若干やばい】
【凍結するか?こちらは早ければ木曜、あと土日は大丈夫だが】
【ふむ、まだ大丈夫だとは思うが…お互い余裕のあるうちの方がいいだろうな】
【凍結をお願いできるだろうか?】
【こちらの予定も同じだ。なんたる赤い糸…木曜解凍で頼む】
【時間は当日に連絡して貰えれば。携帯だから、いつでも確認可能だ】
【OKだっちゃダーリン(ビリビリ)】
【・・・・・・・】
【では、木曜の夕方には分かると思うので、その方向で頼む】
【…………………………】
【……OKだ…急な予定変更があれば、そいつも避難所に伝言を】
【先に落ちさせて貰うよ】
【お付き合いありがとう。おやすみ、だ】
【名前】雨宮ケイト(あめみや けいと)
【年齢】21 大学3年生(理学部生物学科)
【性別】女
【身長】165センチ
【3サイズ】B92 W60 H90
【容貌】肩ぐらいまでのストレートロングはヘアカラーなしで真っ黒
いつもきっちりばっちりメイクしている
ナイスバディを輸入物ランジェリーでさらにバージョンアップ
かなりの近眼で普段は眼鏡をしている
大きな目、特に黒目が大きくて合うコンタクトレンズが見つからないほど
【能力】自分の声で、ありとあらゆる音が出せる。
声真似(口調まで似るとは限らない)、音真似のほかに
可聴音域外の音声で潜在意識に語りかけ、サブリミナル効果を及ぼすことや
聞いただけで苦痛を感じる音波を発したり、共振を起こして物を壊したりヒビを入れたりできる
【希望】雑談・共闘・肉弾戦以外のバトル・和姦
【NG】強姦・百合・スカ・過度のグロ描写・死亡・妊娠
【弱点】音が聞こえない相手には発揮できない能力が多い
身体能力は高いが、超人的だというわけではない
ド近眼で合わないコンタクトレンズを無理にはめているためにしょっちゅう落とす
【備考】アメリカ西海岸出身の帰国子女 高校2年の時に帰国、編入
現在は駅近くにある雑居ビルの中の『山田探偵事務所』にタダで住み込んで
探偵助手(?)や異能・妖魔関係の調査・退魔などをやっている
事務所長は謎多い人物でほとんど所在不明であり、めったに連絡も取れない
大学での専攻は分子生物学 チアリーディング部所属
普段は眼鏡をかけていて地味な格好をしており、冗談も通じない超合理主義者
超自然現象は絶対に科学的根拠に基づいた説明ができると信じている
眼鏡を外すとイケイケの明るい体育会系ヤリマン姐御
あらゆる面で面倒見が良すぎるお姉さんになってしまう
【改めて待機します】
【待機は一時間ぐらい、ロールのリミットは0時前後でお願いします】
【少し早いけど、待機解除します】
【解凍にスレをお借りします】
>>86 「何者か」と聞いてきたのはお前さんの方だぞ?
俺はその質問に答えただけだ
(返ってきた含み笑いに憮然として目をそらす)
(一見拗ねたような態度はそのままで、ふと過去に一久と同じ質問をしてきた人物を頭に思い描く)
…回答についてどう評価するかは、お前さんに任せるがね
(思考を現実に戻し、一久に向き直る)
(自分が異能を持っているのは事実。それを誤魔化すことはしない)
ふん…自己申告なんて当てにならないがな
(一久の言葉をそのまま投げ返す。別に皮肉でもない)
(おそらくは事実なのだろう。それこそ知ったことではないが)
それで…俺は危険な異形か?
…危険と判断されたら、どうなるか…聞かせて貰えるのかな?
(背凭れに体重を預け、腕を組み、正面に座る一久を見つめる)
冗談だって、そうカリカリするな
(薄く愉しげな笑みを浮かべ、小さく身を揺する)
(何者かと聞かれ、人間であるか否かを疑われるという自覚はあるようだ)
ふ・・・まあ、回答についてどう評価するかは、お前さんに任せるがね
(問いの応えも、写して返す)
(仮に自分が発狂しようがどうしようが、迫水 直には何の関係もないのだ)
判断を急くなよ?俺が言ったの・・・理性の可否は飽くまで指針の一つに過ぎん
(と、再び箸を持ち上げ、テーブルに対し垂直に方形を描き)
危険か否かは後二つの要素を以て、ここにはいない、俺より偉い奴が決める事だ
その末路は、捨て犬や野犬と同じ
それそのものに罪はなくとも、環境が存在を許さなければ・・・・なあ?
(推して知れ、と視線を流し、再び箸を置く)
(体の力を抜き、肩を軽く回して、迫水 直から視線を離す)
(少なくとも、この男個人の、基本的な姿勢に危険はなかった)
(いつぞやの魔人よりかは幾分かマシである)
(しかし、この男にはそれとは別に懸案すべき事項があるのだ)
(紫 一久個人として)
(視線を逸らしたまま、あくまで世間話の風を装い、口を開く)
・・・なあ、先輩?
先輩の彼女は何処まで知ってるんだ?
(一久の笑顔は薄く、故に冷たく感じられ)
(少なくとも親愛の情からこぼれる表情ではなく)
俺にとっては冗談事ですまなそうだからな
それに、お前さんとは冗談を言い合うような仲でもない
(続けて得た回答に軽く肩を竦め、完全な「営業すまいる」を浮かべる)
「組織」に仕えるってのも面倒なんだな。何か行動を起こすにも「上」の判断が必要か…
(想像の範囲を越えない答えに、まるで一人言のような呟きで感想を述べると)
(湯呑みに残っていた茶を啜り、コン、と小さな音を立てテーブルに戻し)
(答えの分かり切った愚問だったと、異形の憐れな末路については触れないでおく)
(問いかけに肩が揺れる。視線を外していた一久には見えなかっただろうが…)
……彼女は何も知らない
俺のことも、この街の夜も…
(万が一の事を考え、「組織」の追及からパートナーを隠す為、反射的に偽りの答えを返す)
全くだ
俺が真面目にやりたい時に上がふざけたりすると結構悲惨な時もある
・・・ま、アレだ。締める時にきっちり締めてくれるから良いんだけどな
(軽く私的な愚痴を織り交ぜ、溜息をついて見せる)
(無意識下の精神的距離を詰める基本的な手法だ)
(もっとも、その愚痴の中に嘘偽りはないのだが・・・)
・・・・ふん?
(直感的に嘘だな、と感じ、次瞬に理性で断定を保留した)
(伊織 津綺子は紛う事なき異能である。異形への対処も手慣れた様子だと聞いた)
(夜の世界を全く知らないとは思い難い)
(他方、お互い知らずに夜の世界と関わっているという可能性も否定しきれない)
(視線を元に戻し、正面から迫水 直を見据える)
(逞しい巨躯がどこか縮んで見えたのは光の加減か)
・・・知らないなら、話は簡単だ
別れとけ。互いのために
精神的支柱があると安定するのは分かるが、先輩みたいなタイプはそれが無くなった後の反動が恐いんだ
支柱が自分の外部、他人にあるのなら尚更だぜ
うっかり彼女がいなくなった時、先輩は理性を守り切れるか?
(あくまで、迫水 直が、伊織 津綺子という名の何も知らない無力な少女を恋人に持っている前提で、話を進める)
そもそもそんな身体しておいて彼女には何も話さんって、無責任だろう?
自分の危険性・・・暴れたくなる、って所だけじゃなく、先輩自身が危険な目に遭うっつー危険性も含めて
その辺りを話さずに彼女と付き合うなんて・・・
(ここで、息をつく)
(視線を少し下にずらし、切なげに目を細め、
努めてさりげなく)
・・・・可哀相だろう、伊織が
その代わりに色々なフォローがあるのだろ?
生活、治療、支給品…情報…フリーの俺には望めないものばかりだ
(指折り数えあげ、愚痴に答える)
(一久が代償に支払うのは「忠誠」なのだろう。釣り合いが取れているのかは知らないが)
(どのみち「上」の判断には盲目的に従うのだろうと勝手に決め付けて)
(溜め息をついてみせる仕草にも同情する素振りを見せず)
(一久の目が信じないと語る。なのに敢えて否定せずに、訥々と二人の関係を案じてみせる)
(自分の危険性。パートナーを失った時--想像もしたくないが--の自分の姿)
(それは一久に言われるまでも無く承知していることだが)
……っ!
(最後の一言に目を見開き、隠し切れない動揺を見せてしまう)
(知っているのだ。こいつは、こいつの組織は伊織津綺子が異能者であることを)
…………
(椅子から立ち上がりそうになるのを辛うじて堪える)
(一久に対する警戒心が体を緊張させる。一瞬でも心を許したりしないように、硬く心を閉ざすように)
・・・・気を悪くしたなら悪いな
(迫水 直の様子に気付く・・・気付いただけのフリをする、知らない紫 一久を演じる)
(「彼女」の正体を知られていた、だから驚いた・・・と、こちらが判断しているように見せかけ、話を続ける)
(心中、この様子なら異能である事も知っているな、と確信しつつ)
伊織と先輩の関係を知ったのは偶然だぜ?
確かに、伊織みたいなのは結構タイプだし、優等生の彼女を持てばさぞかし鼻が高いだろう
成績優秀、文武両道、容姿端麗の才色兼備。恋人にすりゃこんなに誇らしい女もなかなか少ない
だけどな?確かに伊織は優秀な奴だが、その実か弱い女子なんだぜ
そして先輩は強力な異能・・・異能だ。俺ら組織に目をつけられる程度には
(そして一つ、指を立てる)
・・・もし俺が伊織を人質に先輩を脅したらどうする?
(また一つ、指を立て)
先輩が思う通りにならなかった腹いせに伊織を傷付けたら?
(また一つ)
皆の前で先輩の異常性を明かし、伊織と交際してる事も明らかにしたら?
(また一つ)
・・・・長じて、伊織が死んだら?
・・・先輩だけじゃなく、伊織まで傷付ける事になるぜ
しかも少なからず信頼している恋人が原因で傷付くんだ
二度と恋愛なんてできなくなるかもしれない。他人を信じられなくなるかもしれない
(指を下ろし、身体の力を抜いて息をつき)
・・・ま、俺は上からそんな命令されても実行しねーけど
先輩を狙ってるのは俺だけじゃない。これは断言しても良い
そいつらが伊織に目を付けない理由はあるか?
例えば今、この瞬間
伊織が友達と楽しくメシを食ってる所に銃弾が降り注ぐ、友達は皆死ぬ
そして得体の知れない男が傷付き錯乱する伊織にこう言う――迫水 直は何処だ
・・・・するとどうだ、先輩は伊織を守る事すら出来ない
先輩が悪くなくとも、先輩のせいで、伊織が傷付く
そういう危険性を押し隠して伊織と付き合ってるとしたら、それは先輩の我儘だ
見損なうぜ
・・・だから俺は提言するんだ
(肘をつき、体を前に押し出す)
伊織を守るために伊織と別れろ
さもなくば伊織に真実と覚悟を与えろ、と
…………
(ザワリザワリと神経がささくれだっていくのを自覚する)
(一久の想定する事態はあり得ないことではなく、それ故にその事を告げてくる目の前の人物を苛立たしく思う)
それで…俺が津綺子と別れたとしよう。お前さんに--「組織」に--何の得になる?
それとも、お前さんは本心から津綺子の事を心配して忠告してくれるお人好しなのか?
(波立つ心を押さえ付けた為に、喉の奥から絞り出すようなかすれた声になる)
(胸の前で組んだ腕の中、苛立ちを表すように指先が細かいリズムを刻む)
ついでに言っておこう。見損なってくれて結構
それで俺に対する興味を失って貰えれば、最高だ
(一久の真意が掴めない以上、席を立ち決裂するのだけはなんとか避けて)
(心を落ち着かせるために、目を閉じて深く深呼吸する)
・・・震えてるぜ、目も声も指も
チワワか
(迫水 直の様子を無表情で眺め、肩を竦める)
(想像くらいはできるようだ)
組織にとっての得は・・・先輩が精神的に弱る、くらいか?
俺個人にとっての得は、そうだな・・・・
(――伊織を追い詰める事ができる)
(軽く鼻で笑い、その答を飛ばして)
伊織の彼氏、というポジションが空く、というのはどうだ?
真面目に答えるなら、少なくとも伊織が先輩によって傷付く事はなくなるな
言ったろ?伊織みたいのはタイプだって。ああいう奴が傷付く所は見たくない
・・・自己申告なんて当てにならない、か?
・・・・見損なえば、興味を失う?
(聞き返し、また一つ鼻で笑い、声のトーンを落とす)
冗談は止せ。見損なうのは俺個人の感情だ
・・・・逆に、もしお前を狩る時が来た時、躊躇がなくなるぜ?
なあ、先輩?
(声のトーンを戻し、言い聞かせるかのように語り始める)
(一種の見下し、傲慢をして)
俺の目的は先輩と伊織を別れさせる事じゃない。伊織の事ばかりを考えてる訳でもない
ただ、先輩や伊織が傷付かない道を例に挙げて示してるだけだ
単なる失恋なら、それを永遠に引摺る事はない。最初は虚無感に苛まれるだろうが、いずれ穴は埋まる
・・・だが、少なくとも先輩が今のままで、伊織が無知だったら、お互いに取り返せない傷を負うぜ?
伊織を失った時、先輩は理性を守れるのか?・・・・それができないのは、伊織がいるからだろう?
いっそ、最初からいなければ、失う事はないんだぜ?
(伊織の彼氏…その答えに一瞬唖然とし、次の瞬間には自然と笑いがこぼれた)
(目の前の相手から、そんな「人間らしい」答えが聞けるとは思ってもみなかった)
(そんな馬鹿馬鹿しさが笑いとなって唇から溢れ出す)
そうか、そんな得があったか…すっかり失念していた
いいだろう。その自己申告は受け付けよう
(うつむき、くくっ、と喉を鳴らして笑いを堪える)
見損なっていなくても、躊躇なんかしないのだろう?
(一度笑いが治まると、苛立ちは嘘のように流れ去り)
(顔をあげ、瞳に凛とした意思をのせ、一久を睨み付ける)
俺や津綺子が傷付かないように?
お前さんがなぜそこまで心配する?
ことがあれば俺も津綺子も、「ただの獲物」なのだろう?
津綺子を失って理性を手放す…それこそお前さんの望む結果じゃないのか?
・・・笑うな
(一介の学生っぽい、少し恥かしげな表情を作り、軽く顔を背ける)
俺も一応健康な男子だぜ
滾る感情もゼロじゃない
・・・・笑うなって
(内心、してやったり、と感じた。自分の中の意識外の緊張も解ける)
(少なくともこれで、面倒な緊張や疑いはある程度取れただろう)
・・・・何故ってまた、不思議な事を
先輩、俺の事を悪の組織の尖兵か何かと勘違いしてないか?
(軽く腕を組み、瞳を見返して・・・・その光に若干、怯んだ)
(揺るぎない、凛とした、確かな意志を宿した瞳)
(かつて自分が、鏡の中に見ていた――)
・・・・・・・・
(――頭を横に振る)
・・・・えぇと
俺と、俺の所の至上目的は、異能の解明、活用だ
勿論手荒な真似をする事もある。異形は刈り取る
だが基本的に、安全で、話の利く異能にはそうちょっかいを出したりはしない。うちの所はな
・・・つーか、何で伊織が獲物なんだよ
(自分の発言を思い返しつつ、言葉を選び)
伊織に先輩の恋人つー価値はあるけどな・・・・
(伊織の異能は知らない、と慎重に演じ続ける)
・・・先輩が伊織と別れるのは、伊織を失う事じゃない。手放す事だ
ある程度の納得の上での喪失と、事故や天災のような喪失では、心的負担は段違いだからな
何かある前に、別れとけ、と・・・言っている
(語りつつ、漠然と察していた)
(きっとこの男は、そう言われても・・・・)
(一久の表情が学生のそれに変わる。だがそれは一面でしかない)
(人を見下す傲慢な表情、それこそが彼の本性であると勘が告げている)
俺の話し相手が健全な精神の持ち主で良かったよ
だが残念だったな、お前さんの言うポジションは既にレギュラーが決まっているんだ
(再び笑みを浮かべる。不敵な、絶対の自信を含んだ、そんな笑顔)
(一久の内心の動揺など構わずに言葉を紡ぐ)
ふむ…お前さんの目的はよく分かった
それに随分と融通もきくようだってことも、な
(所詮「組織」の都合でコロコロかわる融通だろうけど、とは口に出さず)
俺にとってはどちらの言葉も同義だ。単なる言葉遊びって感じだな
不意の喪失と覚悟の上での喪失…どちらがダメージか少ないか、か…
よりダメージが少ないから別れろ、と
意見だけは聞いておこう。忠告ありがとう
だが、俺は津綺子と共に進むと約束したんだ。何があっても別れることなど、あり得ない
(一久の言葉をはっきりと否定する。言外に共に夜の闇を歩いていると告げながら)
【そろそろ〆か?】
【やり残しがあれば凍結も可だ】
・・・・
(一つ一つ、自信に裏打ちされた言葉)
(揺るぎない意志、覚悟)
(かつて自分が、若さと弱さ故に失った、至宝)
・・・ハ
そうかい
(箸やら何やらを手に取り、席を立つ)
(どことなくぼんやりした動作で迫水 直を見下ろし、口の端に笑みを浮かべ)
・・・はぁ
やっぱ、手放す訳ないか? あんな良い女
いやいや、甘くないな、世間は
(くつくつと楽しげな笑いを零し、椅子を引く)
(そうするのが精一杯だった)
・・・・ま、忠告はしたぜ。後は好きにしろ
悩みがあったら乗ってやっても良いぜ?あ、でも惚気は勘弁な?
俺、今日は特別だったけど、昼は大体校舎裏で一人飯してるし
(迫水 直を顧みる事もなく、軽口を叩き
軽くひらひらと手を振り、その場を後にする)
【うむ、じゃあこちらはあと1レスで】
は、珍しく意見が合ったな
その通り、津綺子はいい女だよ
(溜め息をつき席を立つ一久の背に丸きりの惚気を浴びせ)
お前さんじゃ有効な解決策は出てこないだろうな
もしもの時の一番最後に相談しに行くよ
(いつの間にか周囲には人気が少なくなり)
(満席だったはずのテーブルは今やポツポツと学生が点在する程度)
(皿を山のように重ね、席を立つ)
(やがて鳴る予鈴に背を押されるように、食堂を後にする)
【では短いが、これでこちらは〆だ】
【そちらの〆を見届けるまでは残っているが、慌てず騒がず、ゆっくりとどうぞ】
(――夜)
(紫 一久、自室前)
(扉を開き、夜の外気に肌を晒す)
(戦いに出向く服、黒の衣装)
(腰には刀と、もう一つ)
・・・・・
(瞼を下ろし、昼間の彼の者を思い返す)
(共に歩むと)
(失う事を恐れず、いや恐れる必要もないと、選んだ女、大切な人と共に夜を歩むと豪語した男)
(どこか英雄然とした・・・・戯曲の主人公のようなその瞳)
(手段を選ばない事の愚かさを、
喪失の痛みと、それ以上の苦しみを知らなかった自分を思い出させる瞳は)
・・・・気に入らん
(その一言に尽きた)
(刀を抜き、虚空に向ける)
(街灯の光を反射する鈍い光を瞳に浮かべ、呟く)
・・・・お前がその道を行くのならば、俺はその道を踏躙る
(かつて否定した自分のために)
(かつて断念した自分のために)
(かつて絶望した自分のために)
(――今の自分を肯定するために)
だから・・・
(刀を納め、腰に下がったもう一つ・・・仮面に手をかけ、被る)
(白き悍ましき人面に、禍々しく鋭い角)
(鬼面である)
・・・今、行くぞ
抗ってくれ――!!
(静かに強く咆え、紫 一久は往く)
(狙いは、ただ一人)
(果てに絶望を、抗った末の絶望を与えんがため)
(往く)
【――――演出過多】
【こんな時間まで付き合ってくれてありがとうだ!面白かったぜ】
【また、機会があったらよろしく】
【おやすみだ】
【うむ、見届けた。何故か見事に敵認定w】
【連日&長時間&遅レスに付き合ってくれてありがとう】
【「正義の味方」ができて楽しかった。次はバトルか?】
【んだば、俺も失礼して落ちる……っちゃ?】
【お疲れ様。おやすみ〜ノシ】
【名前】媛名 葵(ひめな あおい)
【年齢】18歳
【性別】 女
【身長】170cm
【3サイズ】細めのスラッとした体型で、胸がちいさめ。
【容貌】腰下までのストレートな黒髪。黙っていれば淑やかそうにも見える。
【能力】『 剣糸(けんし/ソードストリング)』
日本刀と、糸などの様々な暗器を得物にすることから、組織内で“剣糸”の名をもつ。
異能はないが、その運動能力・動体視力・反応速度は常人を大きく上回る。
※ 日本刀は≪弐式(にしき)≫という名の霊剣で、暗器は糸とダガーを基本とする
【希望】雑談、戦闘、エロール などご相談いただければ
【NG】スカトロ、猟奇
【弱点】精神干渉、魔術的攻撃
両手が使えないような状況、純粋な力比べ・体力勝負にはあまり強くない
【備考】≪深凪(みなぎ)≫という非合法組織に所属している、異形狩り。
幼い頃に組織に拾われてからずっと、組織に従うだけ猟狗として生きてきたが、
今ではその自分に区切りをつけ、猟狗でなく自分自身として生きることを決めた。
現在も組織に身を置き続けているが、その選択は彼女自身の意思を伴っている。
仕事は目下「異形を狩ること」 “内容次第”では、外部からの異形関係の依頼もこなす。
外見や丁寧な口調とは裏腹に、真顔で冗談や人を喰ったような発言もしばしば。
どことなく奔放な面がある。NGワードは控えめな胸に関すること。現代文と寒さが苦手。
改めまして。伊織さん、スレ立てありがとうございました。
……た、多分、ミスのなかったであろうところで。
なにやら微妙な時間ですけれど、とりあえずの精神で、失礼して待機させて下さい。(一礼)
ロール希望と述べてみる
では、失礼して述べられてみます。(?)
ふふ…こんばんは、紅裂さん。 私でよろしかったら、喜んで、です。
と……ロールネタ、になりますけれど。
あまり戦闘的な意味で大事になりますと、今後が一触触発になりそうなのが、少し心配でしょうか。
あとは……うぅん、日常ネタ? 一応、とっかかりはつくっておいた分とか。
もしも、他に何かしらやりたいことがありましたら、聞かせて下さると幸いです。(一礼)
提示できそうなのはこんな感じかね。
@乾いた裏路地で一触即発な緊迫感を醸し出してみる
A体育館裏で一緒に猫と戯れてみる
@は対決寸前な雰囲気を演出する。雰囲気だけ。
具体的な場所はよくわからない。決めなくてもいいかも知れない。
Aは、まーあその通りというか・・・・・雑談でもしてみようという感じで。
夜の事も絡めつつ、それでいて和やかに。
名前がステルス仕様に!?
じゃあ、今日帰り道で猫をみつけたので、なんて理由なのですけれど、
Aを選ばせていただいてもよろしいでしょうか?
あまり貴方の悪事に勘づくと、ぷす、となりそうなので……絡めつつ和やかに、です。
あとは書き出し、ですね。 どちらでも問題ありませんから、遠慮なく仰られて下さいませ。
そうして、言われるまで結構気付かないものです、ステルス仕様。
それじゃあAの方で。
今から書き出すからちょっと待っててくらはいな。
・・・・結構恥ずかしいよね、こういうミス・・・・・
はい、承りました。 宜しくお願い致します。(一礼)
……ふふ、ミスもみんなでやれば怖くないということで、紅裂さんも本スレ症候群ご案内ですね。(←)
と、そのような冗談はおいておきまして……
それでは、お待ちしておりますのでどうぞごゆっくりと。
(体育館裏の空虚なスペース。不良っぽい生徒が煙草でも吸っていそうな)
(何をするにも悪いイメージしかないその場所は、しかし今)
(三匹の猫と赤茶髪の青年による、憩いの空間となっていた)
うー、うりうり。漸く懐いてくれたのなー、お前ら。
おじちゃんは嬉しいよ。
(三毛猫と白猫と黒猫の三匹を相手に、闘争狂にして悪人、魔王の契約者にして世界の敵は)
(これ以上ないくらい表情を崩し、その柔らかい身体を思う存分に堪能してた。いつでも笑って)
(いるような青年だが、ここまでだらしない表情をするのは稀だった。それほどに焦がれた状況)
(であるという事なのだが――彼のこれまでの所業を知る者からすればシュール極まりない構図だろう)
はぁ・・・・・・もう死んでもいい・・・・・・
(割と幸せそうな顔で呟く彼は、本当に幸せそうだった)
(自分は、自分を好いてくれないものを追いかけるのが好きだっただろうか)
(いや、そんなことはなかったはずだ。 愛には見返りを求めるタイプ……なんじゃないかと思う、きっと、たぶん)
(そんなどうでもいいことを考えながら、足が進んでしまうのは鳴き声のする方向)
(逃げられるだろうとは思っているのに、彼女はいつだってこうしてつい、足を向けてしまう)
………これはまた、写真を一枚とっておきたい光景、などと申し上げるべきでしょうか。
(いくらかの沈黙の後、ようやく口を開いた女はそんな言葉を呟いた)
(猫と戯れている男といくらか距離を置いてその足を止めたのは――それが、常なら猫に逃げられぬ距離だからだ)
(こんな余計な距離まで覚えてしまったことに、彼女は少し寂しさを覚えながら)
ごきげんよう、紅裂さん。
お久しぶりですね。 どうにも、元気そうなうえに幸せそうで重畳な限りです。
(一礼して、相変わらずの挨拶をひとつ)
(目の前の光景を見て、羨ましい、と思った自分は頑張って心の奥に追いやった)
あはは、ふははは。
(笑いが止まらない。ここに通うこと三か月余りにして、漸く悲願が成就した)
(犬猫などの動物が好きで、しかし身に纏った雰囲気にて恐れられ逃げられる)
(日々を過ごした契約者は、しかしどういうわけか諦めずにこの猫たちに餌付けを続けた)
(この手触りの懐かしさよ。愛しさよ。全てが苦労が報われた瞬間であった)
(――そんな時、後ろから声が掛かって、振り向いた)
あ・・・・・えっと・・・・・確か・・・・・ひ・・・・・ヒンヌ・・・・・じゃなくて・・・・・
ひめっちじゃないの。おー、久し振りだぁね。元気にしとった?
(無意識の内に地雷を踏み掛けて、直前でひらりと回避した)
(媛名葵。《深凪》の猟犬。冬休みの直前に一度だけ出会った女性だった)
(髪が長く、表情は淡い。その雰囲気は何気ない風を装っていて隙がない)
(何より、その歩き方を見れば彼女が只者でない事は、その道に通じた者になら判るだろう)
んー、ふっふっふ・・・・・漸く懐いてくれたよ、こいつら。
見て見て、こんなに可愛いの。柔らかくてふわふわしてるの。
(白猫をひょいと抱き上げて、腕の中に抱える。近づいて子供が宝物を見せるような顔で)
(腕の中にいる白い貴婦人を見せつける。猫は猫で、品定めするような眼で媛名葵を見ている)
(紅の彼が地雷を踏みかけたのを、この女が見過ごすはずもない)
(ほんの一瞬だけ細くなった目が、狩り場でのような色を湛えたが――回避を見届ければ、それもおさまる)
はい。 特に病気もしておりませんし、元気にしておりました。
(そうして、次に何か地雷的なものを踏みそうになったら、どうしてやろう、なんて笑顔にすり替わった)
……傍目から見ておりましても、十分と愛らしいさまです。
(羨ましさから、近づいてその猫たちを逃がしてやろうか、なんて考えが浮かぶものの)
(以前に出会ったとき「なかなか猫に懐かれない」と彼が言っていたのを思い出し、自重する)
(たぶん、頑張って餌付けやら何やらしたのだろう――そう思うと、散らすのも申し訳なく思えた)
(それに、あの凶悪な宴の主役だったあの男が、今や愛らしい猫に骨抜きで)
(まるで子供が宝をみせて喜ぶような、無邪気な顔をされてしまえば……どうしてか、毒気も抜かれてしまう)
…まったく、どうにも。 少し、平和ボケしているかもしれません。
(そんな言葉を小さく呟いて、少しだけ腰を落とし、身をかがめて猫と対峙する)
(こちらを見ている真白い猫を見返すのは、反対に真っ黒な瞳だ)
どうやって、手なづけられたのですか? あの時は、猫に懐かれないと仰られておりましたのに。
(そろ、と…猫に向けて伸ばした手は、指定距離を少しだけ越えた)
(一瞬、彼女の淡い表情の中に、何か危険なモノが浮かびかけた気がした)
(それが何なのか、当然この男が知るはずもない。知らぬが仏である)
猫に限らず、犬にもハムスターにも懐かれたことないのな。
(悪魔王と契約してから、全ての動物は彼に警戒心を抱くようになっていた)
(本能が退化し、理性や感情にて行動する人間でも少なからず、無意識の領域で)
(契約者である紅裂拓兎に警戒心を抱く。本能に忠実な動物なら余計にそうだろう)
けどまーあ、愛情と根気と誠実さを最大限に示して、危険がないってことがわかれば
懐いてくれるもんだよ。三ヶ月くらいかかったけどな、ここまで来るのに。
(野良猫は警戒心旺盛な生き物だ。契約者である自分に気を許すのに三ヶ月という日数は)
(ある意味では相応に必要な時間だったのかも知れない。貢ぎ物の数々――主に餌――も)
(期間を少しだけ縮めるのに役に立っていた――のかも知れない)
・・・っと、おいおい。落ち付け、この人は・・・・・・まーあ危険じゃないとは思うぞ、基本的に。
基本的には灰色に近い、白に見えなくもない白い人だ。少なくとも取って喰いやしないから。
(精一杯のフォローだかなんだか微妙なラインの言葉を、じたばた腕の中でもがく白い貴婦人に)
(言い聞かせる。渋々、不承不承と言った感じで白猫が大人しくなった)
吠えてくれるならまだ可愛いものの、犬にまで避けられてしまって。
……ハムスターは、試したことありませんね。 あの、もこもこちっちゃいヤツでしょう?
(そっとそっと、紅の彼と――というよりも、白猫との距離を縮めながら会話に応える)
(あの戦いのさなか、あれだけ感覚的に寒気を感じさせられた彼に、
白猫がこのように懐いているのは、少しばかり不思議でもあったのだけれど、それは努力の賜物というヤツか)
(彼の説明を聞いてそう納得しながら、そろそろと手を伸ばしていく)
それにしても、貴方の私に対する心証が透けて見えるようなお言葉ですね。
私、平和主義者なただの女子高生、でありますよ?
(これは、いつの記憶だっただろう)
(むかしも、こんな感じで裏庭で黒猫と、女の子と――…)
(そこまで思い出したところで頭をよぎった『墓石に見立てて建てられた石』のビジョンに、さっと回想を中断した)
ほら、貴方にハンカチを貸す優しさ程度も持ち合わせています。
……と、やはり、これ以上は危険なようです。
(しかしながら、彼の言葉でようやく大人しくなった白猫の目を見た彼女は手を途中で止めた)
これでも、愛情と根気と誠実さは人並みに持ち合わせているつもりですけれど、
どうにも動物の方々には、通じて下さらないようです。
(不思議そうに小首をかしげてみせながら――猫をじぃ、とみると一つ“にゃあ”と、鳴き真似をしてみせる)
犬同士だけに吠えるのかと思ったけどねぇ。アイツら基本的に狩人だし。
犬に避けられるってよっぽどだぞ――まーあ、ハムスターだのリスだの
小鳥だのは、基本懐くってことはないらしいけど。それだけの脳味噌がないって話だぁね。
――これ、聞き齧り程度の知識だから鵜呑みにせんでくれ。
(その手の本を流し読み、愛玩動物の生態や習性を学び、せめて何か突破口を)
(と思っていた日々があった。百聞は一見にしかずという諺もあることだし、そんな)
(小細工を弄するよりは根気よく餌付けする方を選んだわけだが)
自分を犯罪者だと宣言する犯罪者はいない。自分が善人だと宣言する善人はいない。
実は胸パッドをしていると自己申告する女性はいない。つまり、そういう事だ。
(遠まわしな非難、ではない。単にからかって遊んでいるだけだった)
まーあ、ハンカチは助かったけどな。ありがとな。
(洗濯して畳んで仕舞ってあったハンカチを片手で取り出し、差し出す)
愛が人を狂わせるのだね。
(それっぽい事を言うが、実はまるて意味のない戯言である)
ちっちっちっ。甘いね。声真似はこうするのだよ。
(猫の鳴き真似をしてみせる媛名葵に、゛ナァオ・・・・゛と本物っぽい鳴き声を出す)
(彼の持つ役に立たない特技、『猫の鳴き真似』である。その鳴き方は声帯模写の領域である)
(白猫を離してやり、友達の元へと行かせる。制服に付着した体毛を払ってから)
あのさ、まるで意味のない思考遊戯のひとつとして考えて欲しいんだが。
例えばひめっちの大切な人が、何かの拍子に異形認定されたら、ひめっちはどうするの?
(軽い世間話しのように、その話題を振った。それは何気ない風を装っているが、明らかに)
(夜の領域に踏み込む話題である。それを彼女に振ったのは何故か。自分も解けぬ矛盾を)
(抱えているが故に、誰かとそんな話をしてみたくなったのだ。出来るだけ気軽に)
動物はどうしてか昔から。 うん……ダメ、なのですよね。
(何か考え事をしていたかのように少し間を悪く言葉を切って、目を細める)
(それから、彼の小鳥だのリスだのハムスターだのの話を聞きながら、
なんとなくそれらに懐かれる彼を想像してから、どうにもしっくり来ないので中断した)
――明日、貴方の靴箱がいったいどうなっていることでしょうね。
…と、いえ、こちらが勝手にお貸ししただけですから。 お気になさらないでください。
(無表情のままにぽつりと零した言葉がなかったように、何事もなくハンカチを受け取る)
……あら、お上手です。
(いくらか目をしばたかせてから、ぱちぱちと本気の称賛とともに拍手)
(猫を逃がして、服を払う紅の彼を見て――何となくふっと表情を緩めたのもつかの間のこと)
――それは、私の大切な方を“他人”が異形と断じるのですか?
それとも、私自身が異形だと断じた場合の、お話になるのでしょうか。
(気軽に話しかけてきた彼に対して、すっと瞳に冷たさが宿ったものの、
話しかけてきた本人の軽さと合わせるように、世間話の語調でもって返すと、適当な場所に腰かけた)
(だた、その問いは――今の彼女には、大切なものに刃を向ける約束をした彼女には、少し冷たかった)
(何か、とても不穏当な発言があった気がしたが、気にしないことにした)
(あっさりと白いハンカチは持ち主の手に戻ることとなる)
んー・・・・・それぞれに対して、だぁね。
(向けられた視線の冷たさなど意に介さず、気軽な口調で続ける)
(悪意や敵意。異質を排除する眼差し。憎悪と怨嗟・・・・・負の感情を向けられるのは)
(とうの昔に慣れている。そう在るように自分を作り上げたから。そうなるように生きてきたから)
俺、どうしてもやんなきゃならないことがあって。けどその為には俺の事友達だって言ってくれた
人まで巻き込まにゃならんのよ。他にも沢山の人間をね。まるで関係のない人たちを。
俺は自己中な人間だからな。別に誰が死んだって構わないって思ってる。
けど自己中だからこそ、大切な人は殺したくないって思ってるわけ。
凄い矛盾だろ、これ。譲れない事の為に一番大事な人を諦めなきゃならないなんて。
(その口調に悲しみはない。ただ、微温湯の様な、茫洋とした絶望があるだけだ)
(世界を滅ぼすという事は、突き詰めるならそこに住む人間全てを死滅させるという事だ)
(だから、そこに住む何億人の中の一人である彼女も、結果的には死ぬという事だ)
(決してそのつもりはなくとも――悪人である己に優しくしてくれた彼女も、殺すという事だ)
(それを覆すことはできない。それが契約だからだ。だから、心の底では懊悩している)
(見つめたのは、虚空)
(宙を見つめたまま、静かに彼の言葉に耳を傾けていた彼女は、しばらくしてゆっくり目を伏せた)
―― “どうしてもやらなきゃならないこと”、ですか。
(一種の懐かしさのようなものを感じてしまったのは、失礼にも目の前の彼を昔の自分自身を重ねたからだろうか)
(拍子に零れおちた黒髪を、耳にかけなおしながら、
ふと左手に目を向けて――何かを確かめるように、何度か握って、ひらいてを繰り返した)
(動かぬのは、小指だけだった)
譲れないことと、大切なものが、同一じゃないことが矛盾の元凶なのでしょうか。
(彼に目を向けるでなく、どこかぼうっと宙を見つめながら、彼女は言葉を紡ぐ)
……貴方の、大切に思う方は、本当に大切な人ですか?
巻き込みたくないって思うくらい、大事にしたいとお思いになるくらい、大切な人?
(小首をかしげるのまでも、彼でなく空中を見たままに)
貴方がなさらないといけないことは、貴方が成したくて為さなきゃいけないこと?
それとも――…義務? 大切な人よりも、果たすことが大切な、義務ですか?
んー・・・・あー・・・・・大切、なんだとは思うよ。
ずっと一緒にいて、くだらない話をして、笑っていたいとも思うくらいには。
(じゃれあう猫たちに視線を向けつつ、歯切れの悪い言葉で応じる)
(それは決して叶う事のない願いであるのは、最初から承知している)
そっちの言う通り、目的と大事なものが同一じゃないってのが問題なんだよな。
なら最初から、大事な物なんて作らなきゃよかったんだが・・・・・・
(それも結局は甘さでも未練だった。過酷な世界を知ったが故に、心を許せる相手を)
(無意識のうちに探していた・・・・・・)
(それが今、己を迷わせている。答えはひとつしかないと悟っているが故に)
それが俺の生きてる理由だから・・・・・・
(その言葉を発した時、その想いを形にした時、何かが終わった)
(思いの丈を口にするという行為は、ひとつの区切りを着ける事に等しい)
人間と動物の最大の違いはな、生きることに意味や価値を見出そうとする事なんだとさ。
意味とか、価値とか、見えないけど確実に存在するそれに、自分の命を当てはめてゆく・・・・・
道を極めるとか、理想に殉ずるとか、誰かを幸せにするとか・・・・・・そういうやつにさ。
(掌に意識を集中する。魔力が珪素を生成し形成し、結晶化する)
(水晶出てきた、丸まった猫がその掌に鎮座している。それを彼女に差し出す)
ただ生きているだけじゃ嫌なんだ。充実した人生を送りたいから、意味や価値を作り出す。
俺もそうだ。「それが俺の生きている理由」って型枠があるから生きていける。
それを捨てては生きていけないし、何より俺を必要としてくれる人を裏切れない。
(世界を滅ぼす為の駒とは言え、生きる理由を見失った己を拾ってくれたボスには感謝している)
(それらも含めるなら、どれたけけの苦痛を味わうとも、この道を進むしかない)
全て、だったのですよね。
それだけしか、なくて。それだけしか、見えてなくて。それだけが、大切で。それだけが、生きる理由。
それさえあれば何も要らない、とまでは言わなくても――それが、“全て”。
(それは話し掛けているというよりも、独白にも近いような呟きだった)
(「生きている理由」だと語った彼の方にようやく目を向けて、ほんの少しだけ、手に力を込める)
――ほんとうは、一人で立っていられるほど強くないから、“それ”に拠る。
(「確実に存在するそれに、自分の命をあてはめる」)
(その言葉を聞きながら、彼の掌にいる猫に手を伸ばす――滑らかな水晶の表面を、指先で撫でた)
ねえ、それは……どういうことなのでしょうね。
必要としている人の為に、“やらなきゃいけないことがある”。 それは、捨てらない。
ならば、貴方は大切に思う人の事は、裏切ってもいいのですか? それは、捨ててしまってもいいのですか?
(首をかしげる。 黒い瞳は、澄み切ったままで、じっと彼を見つめていた)
どっちが大切かと聞かれたとき、貴方はこたえることが、できますか…?
一人で生きていける人間なんていないよ。
いるとしたら、人間以外の何かだ、それは。
依存だろうと拠り所だろうと、何もないよりはいい。
それが人間・・・・・人の間に生きるから、人間なんだろう。
(独白の様な言葉に、こちらも囁くような、此処にいない誰かに告げている)
(様な声で。その内側に温もりが存在しない偽りの猫に触れてくる手を自分の)
(掌で包んで、その手に猫を渡す。本物に触れられない代わりには、ならないだろうが)
どういう事なんだろうな、本当に。
腕は二本しかないのに、掴みたい手は四本ある。
どちらかを諦めなければならないなら――――俺は・・・・・・
(その静謐な瞳は、誰かに似ているわけではない。けれど、何かを想起させる眼でもある)
(善意も悪意もない瞳は、それ故誤魔化す事が許されない気がした)
俺は――・・・・・・・・
――アレ?なんか、悩み事相談になってるような・・・・・・・・
(きょとんという表情をして、先程までの雰囲気を霧散させて、自分の言動を省みる)
(あー、と呻いて顔を覆う。何という失態か。顔から火が出るとはこの事だ)
俺はひめっちがどうするか、ただそれが聞きたかっただけなのになー・・・・・
【と、そろそろ〆に向かいましょうかね】
私には、むかし、大切にしたいものだなんて一つしかありませんでした。
大切にしたいものなんて、二つ以上なかった。
でも、今は違います。 大切にしたいって思えるものが、おこがましくも二つ以上あります。
わたしは、それらに大切の順位をつけることはできません。
同じくらい大切であることもひとつですけれど、きっと、大切のベクトルが違うからです。
それぞれのベクトルごとに語るなら、それぞれに順位をつけられます。ですが、我儘な私は存在自体には順位をつけられません。
(初めて、彼の目の前で表情をほころばせる――それは、愛しいものを語るときのように)
私は、我儘なのです。
(それから、ひどく困ったように、笑ったのだった)
(包まれた手と、与えられた冷たい猫の“ぬくもり”を感じると、
猫を壊さぬようにしながら器用に彼の手を握って、ふっと身体と身体の距離を少しだけ詰めた)
貴方に残された選択肢は、
ひとつ、右の両手をつかむ。 ふたつ、左の両手をつかむ。
みっつめ、両方ともつかまない。
よっつめ、両方の片手づつ掴んでみる努力をしてみる、無理かもしれなくても。
(それから、いつも違う誰かにするように、
もう片方の手を無作法に彼の頭に伸ばして、くしゃっと軽く撫でまわした)
猫が懐いてくれたように、時には“報われない努力”だって、報われると気があります。
――まあ、これは、ただの思考遊戯でありますですけれど、ね。 そうでありましたでしょう?
(結局のところ、彼女は彼女の答えをはぐらかしたままに、そうやって笑ってみせた)
【はい、承りました。あと、1,2で〆られると思います】
(大切なものはひとつしかない。かつてひとつしか、なかった)
(それを己の手で壊したが故に、己は踏み外した。平凡で平穏な日々から)
(故に、この境涯に身を落とす事となった。それを悔いても仕方ないけれど)
(・・・・・・彼女は語る。自分は大事な物を二つ以上持っていると)
(それらに順位を付けることはできない。何故ならそれはそれぞれに好きのベクトルが)
(違うからだと。確かに我儘だ。ひとつしか選べないと思っている己よりは、遥かに)
(けれど、それでも、華が開く様な笑みを浮かべる彼女を、少しだけ羨ましいと思った)
ハーレムルート狙いなわけなー、ひめっちってば。
べっつにいいけど、後ろから刺されないようにね。ヤンデレは危険だ。
(口に出すのは、いつだって下らない事だ。そうでなければ正気でいられないから)
(そうでなければ、耐えられない。この世界に生きるという事は)
言ってることは、わかるけど・・・・・・・
ぐぅ、この扱いには抗議を申し立てたい。俺に弟属性は皆無だっ!
(縮められる彼我の距離。止める間もなく伸ばされる手が頭に触れて、くしゃっと撫でる)
(気恥ずかしくて、喚きつつその手から逃れる。去年の末゛彼女゛にも同じことされた事がある)
(勿論、眼前の彼女と゛彼女゛はまるで似ていないが、それでも嫌だった。とても暖かくて辛いから)
要するに、諦める前に努力しろってことだぁね。了解了解。
まーあ、一応お礼は言っておくわ。センキュー・・・・ベリマッチ。
(ふと、視線を猫たちに戻すと、無垢なる瞳が人間たちの有様を見つめていた)
(天上から人間の営みを見下ろす神の眼も、案外こんな感じなのかも知れない・・・・・・)
(漠然と、そんな益体もない想像をして、その場から踵を返す)
そろそろ帰るわ。じゃあな、ひめっち。
(背中を向けててくてくと立ち去ってゆく。十分に距離が開いたところで振り返る)
貧乳はステータスだ!希少価値だ!だから気に病むことはないぞ、ひめっち!
(最後の最後に地雷を踏んで――意図的に踏んで、脱兎の如くその場から逃げた)
【〆でーす。駄文にお付き合い感謝です】
ふふ、そろそろヤンデレルートに突入してザクッと刺される頃ですもの。
こうやって思う存分、他人を弄んでおこうという、死ぬ前のせめてもの悪あがきです。
でも、わたし、ザクッとされてもいいかなって、思っているのですよ? 幸せだったんです、最近。
絶頂とまでは、言えませんけれど――でも、大事な可愛い人が、私の我儘でまだこの世界に存在してくれてて、
それに、本人にはどうしても言えないのですが、たぶん、「好き」だって思える人が、いて。
(本当はもう、十分に幸せだったんじゃないだろうかと、思う。 だから――…)
(それはどこまでが冗談で、どこまでがそうじゃなかったのだろうか。
確かに幸せそうに笑った彼女は最後まで言葉を紡ぐことなく、嫌がる相手をからかうように、くつくつと喉で笑った)
あらあら、お礼は学食のティラミスで十全ですよ?
(立ち上がった彼にそんな言葉をかけて、その背を見送る)
(ひらひらと片手を振りながら、この後の予定を思い返そうとしたときに――聞こえた言葉)
――明日、机の中に、変なものがはいっていないといいですね。
(にこやかに、それはもうにこやかに言葉を零してから、彼の背中が見えなくなるまでその方向を見ていた)
……まったく、あまり“悪いこと”されると、狩りにいってしまいますよ。
私は、異形狩りです。 異形は、狩ります。 貴方だって、大切だった方だって。
何かを大切だと思う主体である――私自身が、異形は狩ると、決めているから。
(それは彼に返さなかった、問いの答え)
でも、あの方はまだ、私にとっては異形じゃありません。
大切な、方なのです。 ≪夾≫とも、太一朗さんとも、違うベクトルで、それでも、同じ位に大切な方。
(だから、じぶんはいざとなったら「いつつめ」の選択肢を選ぶことになるかもしれない)
(けれど自分の前を去って行った彼にはせめて、もっといい選択肢が――あることを、祈った)
【こちらも、これで〆になります】
【こちらこそ、お付き合いありがとうございました。楽しませていただきました限りです】
【レスが進むにつれ、多くなる誤字を本当に失礼致しました……と、それでは、こちらはこれで失礼を】
【お疲れ様でした。 どうぞ、ゆっくりとお休みになって下さいませ (一礼)】
【名前】木ノ下 柚子(キノシタ ユズコ)
【年齢】16歳
【性別】女
【身長】145cm
【3サイズ】78/56/80
【容貌】髪型:無造作に伸びた黒髪で右目が少し隠れている。後ろ髪は腰辺りまで。
顔:あどけなさの残る顔。左目と比べて右目の色素が薄い。
力の無い目で、今にも眠ってしまいそうなぼーっとした表情をしているが、その割によく喋る。
というより、口調のテンションに表情が追いついていない。
服装:制服も私服も、何故か少し大きめのものを着用。
【能力】『蜘蛛』憑き
蜘蛛そのもののように、糸を生成し操るだけでなく、その糸にぶら下がったり、毒を用いるなど。
糸は指先から、毒は口から出る。
<毒について>
相手の全身感覚を、一時的に麻痺させる軽いもの。効果は量によって1〜4時間程度。
毒に触れるだけでは効果は無く、経口または皮内・血管・粘膜に投与する事で、初めて効果を発揮する。
【希望】雑談、日常、エロ(和姦・強姦どちらも可)、軽い戦闘、(細かいことは相談で)
【NG】妊娠、大きい方のスカトロ、過度のグロ、死亡
【弱点】右目への攻撃、糸や毒の生成による空腹、爬虫類
【備考】力のある蜘蛛を殺した事で“右目に蜘蛛が住み憑く”呪いを受けた少女。
呪いを解くには眼球を取り出すしかないらしく、既に諦めている。
呪いを受け入れ、蜘蛛と共生しながら、今は能力をただ楽しむべく、のんべんだらりと生きている。
面倒くさがりな所もあるが、面白そうな事には首を突っ込みたがる質(タチ)。
……おいしょっと。はじめましてこんにちは。
お昼時で何だけど、プロフを置かせてもらうね。
んんー、内容に抜けはないかな。わたしも動いてみないことにはあまり何とも言えないけれど……さ。
突っ込みがあればさ、びっしばっしとお願いします。
さてと、多分こんな時間じゃここには誰もいないだろうし、避難所に挨拶に行ってくるねノシ
【初めまして、よろしくお願いします。そして今はプロフ投下のみで失礼します】
(その日は、一月にしては暖かかった。まだ風は冷たいが降り注ぐ陽光は)
(ほんの少しだけ冬を忘れさせた。そしてその日差しすら届かぬ乾いた裏路地)
(建物と建物と建物の隙間にある四角い空間。表通りに通じているけれど、その喧騒から)
(隔離された空間で惨劇は起こっていた。正確に記すなら、それは戦いであった。人間と人間が)
(明確な意思で対峙して、その殺意と鉄火で争うのならばそれは紛れもなく闘争である)
――――――
(水晶の剣が相手の臓腑を貫いて――敵は喀血して脱力した)
(次の瞬間、水晶が砕け散って、その破片が相手の身体を切り刻み蹂躙した)
(死の舞踏を舞い切った男は、そのまま倒れた。倒れるより先に絶命していただろうけど)
(その屍から、生臭い、嗅ぎ慣れた血臭が漂う)
>>134 (今日の風は、冬にしては暖かい。だから外にいた)
(お気に入りの小さなビルの、お気に入りの屋上)
(ここにお菓子を持ち込んで、ゆったりのんびりと一時を過ごす少女がいた)
むぐ、……ちょ、新発売のこれ、すんっっごい美味しい。
冬季限定なら箱買いしないと……。
そうだ、帰りにでも買って帰ろう。
(眠たそうな顔をした少女のテンションは、その表情とはあまり対応しておらず)
(ごく普通の、割と元気な女子高生、と言った雰囲気だ)
んー……、ん?
(今までは、車を始めとした街の騒音のせいで気付かなかった……、が)
(ふと、ビルの下、恐らくは路地裏の方向から、何かが「どさり」と、倒れる音が聞こえてきた)
(それに続いて少女の元に届いたメッセージは、生臭い、鼻をふさぎたくなるような血液の鉄臭)
はむっ。……なに?なになに?一体何が起こってるの?
(棒つきの飴を加えて、低めの柵から路地裏に身を乗り出す)
(そこに見えたのは、一つは赤くそまった人らしき物。そしてもう一つ、いやもう一人は)
――――――っと、ねえ、なにしてるの?
(人の存在を確認するや否や、彼女は屋上の柵に手をつき、ワイヤーのような糸を絡めて)
(ロープに掴まるような要領で、路地裏へと身を落としていきながら、生きている方の頭上から話しかけた)
(小さく笑う。それは愉悦の笑み。闘争は楽しい。そう感じる様に自分を作り変えて)
(来たのだから。悪人に相応しいように。己をそのように作り上げて来たのだから)
(そしてその喜びは一瞬で消える。茫漠たる虚しさが胸を占める。これもいつもの事だった)
(恨みなど山ほど買っている。だからこうして挑んできた男も、その一人だったのだろう)
(戦う前に何かを言われた気がしたが、何故かその内容が思い出せなかった)
(■■の仇――と言われた気がする。多分、そう言われた)
――やれやれだ。
(踵を返してその場を去ろうと決めた時のことだった。首の後ろがぴりぴりとした感覚を伝えてくる)
(反射的に上を見上げるのと、頭上から声を掛けられたのは殆ど同時だった。ぴたりと、視線が合う)
――――ふぉぉ!? な、なんだお前!?
(一拍以上遅れて、声を上げその場から飛び上がらんばかりに驚く)
(女の子が、そこにいた。まるで蝙蝠のように逆さまに、宙浮いていた)
(昔見た、アメリカの映画にこんなシーンがあったような、なかったような)
(距離を置いて、よく眼を凝らして見るとその身体から何か、細いものが見えている)
(物凄く細い、糸の様なそれが遥かビルの上まで伸びているのだ)
す、スパイダーウーマン?
(思いついた単語を、そのまま口にするしかない状況だった)
>>136 ふああぁっ?なんだ、って……。
(驚かれて驚きながら、地面に足をついた。……そりゃ、相手が驚くのも無理はない)
(屋上から人が降りてくるなど、まず考えないだろうから)
なんだ、って、……えっと、屋上にいた、女子高生A?
(そして、なぜかVサイン)
……あっ、ちょ、ちょっと、そんなに距離置かないで?
寧ろこっちが距離置きたいぐらいなのに、ひどいよ?
(無造作に伸びた髪は右の目を隠し、まるでどこかの妖怪のよう)
(さらにはぼーっとした目で。しかし、口だけは達者に動く)
(衣服がこの街にある学園指定の制服であることから、人間であるということは分かって貰えるだろうか)
んー、座布団一枚、いや、座布団カバー……一枚?
………………それより、こんなところで何を、………………あ。
(ふと、自分のスカートを見下ろす。そして次に、ビルの屋上を見上げる)
――――――――パンツ、見えた?
(力の無い疑いの眼を、目の前の男に向けた)
(死体の前でする会話とは思えない、どうでも良い内容を)
今時の女子高生は、屋上から降りてくるのがトレンドなのか?
そんなことが流行るとは、このリハクの眼を持ってしても見抜けなんだわ。
(驚きが去り、頭の回路を切り替えて、いつものリズムを取り戻す)
(Vサインをする少女に拳を突き出して「勝った」と呟く)
(じゃんけんをしているつもりらしいが、あきらかにそういう問題ではない)
普通、驚くぞ。むしろ驚かない方が人として間違ってると思うんだが。
(ゲゲゲの鬼太郎のように右目を前髪で隠した少女は、××学園の制服を)
(着ていた。またあの学園かと、今更ながら自分の通う学園の異常性を再認識する)
(晒された左目はどことなく茫洋としていて、掴みどころがない)
(眼が心を映す窓だというのなら、果たしてこの少女は―――)
笑点は、あんまり興味ないんだが・・・・・・
何って見ればわかるだろうに。
(別段隠すこともなく、誤魔化す事もない。殺人の現場を見られたのなら仕方ない)
(場合によっては口封じをしようとも思ったが、あまりにもその態度が軽薄なので、保留する)
・・・・・・・ん?ああ、ピンク色のアレ?
別に蒼真の下着には興味ねえから安心しろ。
(いきなり挙動不審になって、こちらに疑いの眼差しを向けてくる少女に、こちらは不真面目に対応した)
(実際は衝撃が大きすぎて細部まで確認する余裕がなかった。だから色を認識できたはずもない)
【お前の下着に脳内変換よろしく】
【誤字にしても酷過ぎるから・・・・・orz】
>>138 うーん……、それは、多分、違うと思う。
去ることのないマイブーム、ってところかも。
(突き出された拳。それが意味するものは、石の、鋏への勝利)
(自分の手の形を見ながら、「敗北」を確認し、「はうあぁっ!」と声を上げた)
そうか、うん、やっぱりそうだよね、私も驚くんじゃないかなーと思ってた。
……あ、いや、嘘です本当は何も考えずに降りてきましたごめんなさい。
(人として間違っていると言われた)
(半ば人とは違う体をしているのだから、人じゃないとも言えたのだろうが)
(相手が何者なのか分からない以上、こちらからこれ以上名乗るのは危険だ)
(とりあえずとばかりに、薄笑いを浮かべて謝った)
でも、でもさぁ?人として間違ってるというなら、この様は何なのかな?
これ、お兄さんがやったんでしょ?上から見てたよ。
見ても、人殺しってこと以外はよく分からないから、だから確かめに降りてきたんだよ?
(正確には、見たのは人が死んでからだったのだが、そこは黙っておく)
……………………残念!今日はピンクじゃなくて青なのでした。
なんだ、見えてなんだ。
もう、今日がピンクだったら、恥ずかしくて顔真っ赤になるところだったよー。
(不真面目な対応にも気を荒立てることなく、それよりも見られなかったことに唯々安心していた)
>>139 【5秒位悩んだけど大丈夫。報告ありがとうでした】
いやいや、案外流行るかも知れないぞ。
紐なしバンジージャンプ。難点は、一度やったら死ぬ事だけど。
(勝利を収めた拳を天に掲げる。どうにもこの二人、精神のレベルで)
(似通っている部分があるらしい。馬鹿としか言いようのない部分が)
ほほぅ、家政婦は見ていたのか。犯人は俺か?
だが残念だったな。殺人現場を見かけたなら、確認するより通報する方が
優先事項なのよねー。わざわざ一人で殺人犯の前に出てくる探偵はいない。
口封じされちゃうからね。つまり、DeadEndなのです。
(つまり、この女は人としての義務や常識より、自分の好奇心を優先させたという事だろう)
(異能者は、概ねそういう部分を備えている。大抵の事は独力で解決できるが故に、誰かに)
(任せるという選択肢を選択しない。倫理や常識を持ちながらも、それを踏み外した力を持つが故)
へーえ、青なのかー。どうでもいいけど。
恥ずかしいならそういう登場の仕方は控えた方がいいんじゃね?下にスパッツ履くとかさ。
(本当にどうでも良さそうに言って、肩を竦める。血臭漂う殺人現場に似合わない会話)
(此処にいるのは、人の形と人の倫理を備えながらも、別の何かを宿した異物である)
>>142 うん……そうだね、そんな残念な結末の紐なしバンジーは、危ないと思う。
だから私は紐ありバンジーの再ブームがくることを強く要求す……あれ、こんな話しに来たんじゃないのに、
あぁいけないいけない、乗せられちゃった。
(誰がバンジー紛いのことをしたせいで、この話題になっているのか、いまいち理解していないようだ)
(脳天気に話しながら、負けた手をぶらりと降ろした)
そう、犯人はあなた。
そして私は勢いに乗ってここに来た、即ち丸腰の女子高生び……じゃなくてA!
私は探偵じゃないから、これを誰かに話すこともないし、謎解きをするつもりもない。
けど、ただちょっとだけ、知りたかっただけなんだよ。
こんな身近で起こった人殺しが、どうやって行われていたのかを。
つまりは、ただの好奇心だよ。
口封じって言ってこの人と同じ目に遭うのは嫌だけど、それよりも好奇心が勝っただけなんだ。
(気力に欠ける目を細め、にこりと笑う)
むうう……どうでもいい、かぁ。
どうでもいいって言われると、傷つくなぁもう。
うーん、スパッツは暖かいけど動きにくいから、あまり好きじゃないんだよねぇ。
(どうでもいいことに腕を組んで悩む。それも唸ってまで)
……それより、さ、口封じするの?
お兄さん、あまり詳しく教えてくれなさそうだし、私、逃げていいかな?
(小さい背丈の少女が、眠たそうに男を見上げる)
(もう死体の存在も、血なまぐさい不快感も、忘れているかのように)
個人的に猫は好きだからこういう諺は嫌いなんだが、
好奇心は猫を殺すって格言があるよな。つまりそういう事だ。
(ただの好奇心と言い切る彼女は、やはり倫理の枠の外側にある存在だった)
(外れた力を行使する者の常として、それは当たり前の行動であっただろう)
(自分の力の及ぶ限りであるなら、何をしようと自己責任なのだから)
はん・・・・・下着なんてのはな、所詮布きれだ。
見えそうで見えない、その絶対領域、そのギリギリ感がいいんだ。
少なくともえっちしーんに突入するまでは見えないから価値がある。
ちなみに個人的にはスパッツよりブルマ萌え。
(拳を握って力説する彼はどう見ても変人だった。どうでもいいと言いつつ)
(ギリギリ感がどうとか本気で語っている。ブルマ萌えとかほざいている)
(少なくとも年頃の少女の前で語るべき内容ではない)
・・・・ん、別に。通報しないと誓うなら俺は一向に構わんが。
(彼女を信用しているわけではない。さりとて、戦う意志のない相手を追い掛けて殺す)
(のも楽しくない。ここで彼女が何か仕掛けてくるなら、話しは別の展開も有り得ただろうが)
(相変わらず真意の掴めないその瞳を見返しながら、逃げるなら逃げれば?という態度をする)
(こんな事は、自分の本当の目的からするなら些事であり、なら拘る必要もなかった)
>>144 諺なんて詳しくないからだけど、どうして殺されちゃうんだろう。
それじゃ、好奇心満々の私は、猫に懐かれないのかなぁ。猫、私も結構好きなのに残念。
(初耳の諺。すぐに首を傾げた。猫好きのこの男なら、意味を知っているのかもしれないが)
(それにしても人殺しが猫好きとは、なかなかのチャームポイントだと、そう思った)
むむむ、16歳の私に、そんな話されても、困るなぁ。
それにブルマは古い、実に古い、女性への嫌がらせです。
…………ん、ここは恥ずかしがるところ?
………………。
ひゃあっ、えっちとかやめてください!変態!
(たんたんと、男の桃色な話を聞いていたが、やはりここは恥ずかしがるのが女ではないか)
(今更ながらに恥ずかしがったが、しかし、すでに手遅れだった)
そう。じゃ、このまま戻るとしようかなー。
実はさ、上に荷物置いて来ちゃってるから。それに、ここにいて、誰かに目撃されるとまずいし。
(再び屋上を見上げる。財布やお菓子など、何もかもそこに置いて飛び降りたことを思い出す)
(財布が無いと、お菓子を買って帰れないと、こんな時にどうでも良い心配をしていたのだ)
そうだっ。今度会ったら、一緒にお茶でも飲みながら、猫のかわいさについてでも語り合おうね。
お兄さんには、また会えるような気がするから、これは約束。
じゃあっ。
(すっと、片手を上に挙げる)
(手を降りてきた時に回収していなかった糸に掴まり、体を浮上させる)
(小さな体は簡単に浮き上がると、ビルの壁を蹴りながら屋上へと戻っていった)
【夕食タイムも近づいて参りましたのでこちらはこんな感じで〆、と】
【そちらを見届けてから落ちますねー】
好奇心旺盛な人間は、見てはならない場面に首突っ込んだ挙句
口封じの為に殺されるって意味だと思っとけば、概ね間違いねえな。
(それにしても、猫に懐かれない人間に縁があるのは何故だろうか)
(先日、体育館裏で再会した媛名葵の事を思い出してしまう)
・・・・ものすっごくわざとらしいリアクションをありがとう。
全然恥ずかしがってないだろ、お前。
(力説していた表情から一転、少女の遅れた反応に頭が醒める)
(沸騰するのが一瞬なら、醒めるのもまた早い)
おぅ、また会おう。
多分、絶対に会うだろうからな。
(片手を上げるや、ふわりと身体を宙に浮かせて上昇してゆく少女を見送る)
それと、猫に会いたいなら××学園の体育館裏がお勧めだぞー!
(壁を蹴り、屋上に至った少女に、声を張り上げて叫ぶ)
(叫んでから、自分もまた死体を残してその場を去る)
【ではこちらはこれで。初ロールお疲れ様でした】
>>146 【見届けましたー】
【最後の方、ちと気が抜けてgdgdにしてしまいましたが楽しかったですよー!ありがとございました(礼)】
【おかりしまー】
>>33 (嫌な予感というものは常に突如として訪れるものだ。
言葉では言い表せないもやもやとした何かが、ふと過ぎることがある。
彼の場合、かなりの確立でそれが現実のものとなる)
……それは、幸か不幸か。まあ、どう考えても、後者だよな。
(溜息をつく。 薙ぎ倒した異形たちとは比べ物にならない殺気。
一瞬にして、場の空気が張り詰める。少しでも選択を間違えれば、
その時点で命を落としかねないそんな空気で、彼は振り返った)
………よぉ、水琴さん。
なかなかどうして、こうも怖い空気を生み出せるもんかな。
それじゃ、なかなか人は集まってこないぜ?
(おどけながらも、その空気が尋常ではないことは理解していた。だから、後ずさりし距離を開ける)
【それじゃ、今日もよろしくっ!】
>>149 ……まったく、ついてない。
(不幸であった。足労の末に、"食い散らかされたごちそう"の有様を見せられたのだ。
惨状と言って差し支えない光景であれど……ひとつ、度外視できない事実がある)
でも、こいつらを殺したのは、あんた……ナイフを洗ってる姿、まるで殺人鬼みたいだったよ。
楽しいでしょう、"上手に殺せる"ように、なって。
あたしの命も、あんたには風前の灯火に見えるでしょう。
(目の前に、死が擦過していくような状況の中――灯火は人妖の区別なく絶えていく。
その上で、"今、尚立っている"ということは――この男は、決して容易くない者ということ)
会いたかったのは"あんた"じゃない。
……異形以外は殺しちゃダメなんだ、あたしは。でも……。
(未だ、その双眸に熱と理性を宿すこの男の姿は――心中に暗雲の如き不安を落とす。
竹刀袋のベルトを掴み、振り抜けば、竹刀袋だけが砂原へ転がり、
間髪入れずに宙へ放られた鞘を掴み取る)
一夜に、これだけ殺す奴は……もう"異形"でいいかな?
【よろしくっ!】
>>150 何とでも言いやがれ。
…殺人鬼だろうが、偽善者だろうが、俺は俺だ。
―――俺は、郡太一朗。
それ以上でもそれ以下でも、ましてやそれ以外の何者でもねぇよ。
(吐き捨てる。そんな悠長な台詞を言っている場合ではない。
幽鬼。今の彼女を表現するならば、それが相応しいだろう。正直言って、不気味だ)
あんたがどう言おうと、勝手だ。
そりゃ、あんたの価値観だからな。それに文句を言うつもりはねえさ。
だが―――、俺からしてみれば、今のあんたの方がよっぽどおっかないぜ?
(非常に危うい。バランスが崩れている。何かが。その何かは分からないが――何かが危うい)
……少しでも間違えりゃ、いろんなものが崩れる。これは俺の『直感』だけどな。
今まで、この『直感』が崩れたことはねえ。
けど――、今回ばかりはこのジンクス、破らせてもらうっ!
(右手にナイフを握り締めて、振り払う)
…あんたが俺を『異形』と呼ぶなら、それでいい。
けど、俺は俺を貫かせて貰う。この身体を張ってもな―――、須佐乃水琴!
>>152 それは、一体どういうことなの。
あんたが、郡太一郎であること――それが不変であるということは、一体"何"なの?
安心? ……理性の下の、殺戮が……正しいこと?
だったらなんであたしは、あんたに殺される可能性を、受け入れなきゃならない。
(今の自分を"須佐乃水琴"であると、認めてしまったならば。
元より、殺し、殺される輪廻はどこから始まったのかを、
媛名葵か、殺人衝動か、この男か――その答えが、浮き彫りになる。
正しさなど、どこにもない。それは、ただの"ごまかし"だと、わかっている)
逃げ場は、ない……どこにもね。
(鍔を押し上げ、抜刀。鞘を地に落とし、天頂を向く刀身が、月光を切り裂き正眼へ落とされる。
見ろ。相対すは人間ではない、異形だ。殺すべきものだ。
これは、正しいことだと――"疑わない")
闘いたくない、殺したくない、恐い、寒い、冷たくて――殺したい、だからッ……!
――須佐乃、水琴! 推して参るッ!
(僅かにぶれた切っ先も、異形の首を狙い、静止する。
裂帛の気合いと共に、砂塵を巻き上げる踏み込み。
数歩を一気に詰め、稲妻の如き刺突で喉を狙うッ!)
>>153 ……何、難しいことじゃねえよ。
誰もが譲れないものを持ってる。ただ、それだけのことだろ?
あんたが正しいと思うことをあんたは実行すればいい。
俺は俺の正しいと思うことを実行する。
――そう、真実なんて目に見えてあるものじゃねえんだからよ。
暗中模索。――手探りで探していくしかねえだろ、お互いに。
(異形であれ、命を奪っていることには違いない。
その事実は認める。だが、それでも自分には許せないことがある。
それが偽善だろうと、たとえ、他人から見て悪だろうと。自分はその『自己満足』を貫き通す)
逃げる気なんて、鼻からねえよ。
俺は―――、須佐乃水琴。あんたを止めてやる。
歯を食いしばってでも、理解できなくても……!
その思い、受け止めて……やるっ! それが俺の信念だ!
――来い! 俺は郡太一朗! それ以上でもそれ以下でもねえ!
それを、此処で証明してみせる!
(何が彼女をそこまで追いやっているのか。それは分からない。
今の自分が何が出来るのかもわからない。もしかしたら、彼女に命を奪われるかもしれない。
けれども――、尋常ではない彼女を放っておけるほど、彼も賢くはなかった)
―――っく!
(洗練された無駄のない動きに何とか喰らいついて、致命傷を避ける。
とは言っても、無事では済まなかった。避けたと思っていた刺突は肩を掠め、顔が苦痛に歪む。
砂場を転がり、服を砂塗れに汚しながら、間を取る。……なかなかにやばい)
まったく……、俺を殺したいなら一撃で仕留めろよ。
…モタモタしてると、逆にやられるぜ?
正義のヒーローってのは最後には逆転勝ちするのがセオリーなんだから――なっ!!
(砂場の砂を掴み、凶剣士に向けてぶちまける。目隠しにもならないだろうが、反撃のきっかけだ。
そのまま、猟犬が噛み付くように彼女に向かって肉薄し、ナイフで腕を狙う)
(要は彼女を戦えなくすればいい。――多少手荒な真似にはなるだろうが、彼女を殺すというよりは
よっぽど難易度が下がる。無論、それでも難易度は高いのだが)
>>154 その正しさに……ッ!
あんたが、葵が、――どいつもこいつも、立ちふさがって来るッ!
もう時間が無いの。 手に入れられるものを、すべて手に入れて……
邪魔なものは、悉くを斬り伏せるしか、ない……ッ!
(その血と慟哭で、痛みと過ちが埋まるのならば。
――全てを他者の所為にすることでしか立っていられない。
理性でなく、人界と異なる法則に生きようとする、異形の吠え声であった)
――以上でも以下でもない、だったら、あんたは"死"そのものねッ!
(突風が如き襲撃。金属が震えるか細い音は、投げ出されることなく、
宙空で停止している――しかしその制御も、相手を仕留めなかった事実を揺るがすことはない)
……これは現実だよ、――郡。
(舞った砂塵を左腕を構えて防ぐ。片手で構えられた剣の切っ先は下がる。
何の犠牲もなしにこの場はしのげまい。唯の異形とも違う、驕りもない。
ならば、その突進力を利用する――郡の目には、一見無防備の剣を握る右手から、
"剣が消えた"かのように見えたかもしれない。発勁による最小の動作と十分な力で、
自分の背に剣を飛ばした――目を庇った左手が閃き背に回って、柄を握るッ!)
>>155 はっ、当たり前だろっ!
俺は俺、あんたはあんた。…正しさが常にひとつとは限らないだろ?
もちろん、それらがぶつかり合う時だってある!
(だから、今こうして刃を交えているのだ。その結果がどう転ぶかは分からないが)
……死?
冗談言うなよ。俺は俺でしかない。そんな上等なもんじゃねえさ。
俺は悲しんだり怒ったりするだけのただの人間だ。
(――後戻りは出来ない。ここで勢いを殺せば、命を奪われる。
直感的に、彼女が何か仕掛けて来ようとするのは理解できた。が、その具体的な動作が見切れるほど、
彼もまた熟練したものではなかった。肩口を狙い、研ぎ澄ました一撃を放つ。)
現実は努力で埋め合わせるさ。自分の理想ってやつに向けて…なっ!
>>156 そんなのは――もう嫌。諦めるのも。
……だからこうするしかない、あんたも同じ。
気がついた時はもう遅いんだ――おかしいんだよ何もかもッ!
(肩に刃が吸い込まれ、熱に遅れて激痛が走る。
しかし分厚い繊維が幾分か衝撃を殺し、その身を崩すには至らない。
渾身の覚悟の一撃は、確かにこちらも飛び込んでいたら不覚を取っただろう――だがッ!)
――、一撃で仕留めないと。"ヒーローじゃないと逆転勝ちはなかった"かなッ!
(剣は振りかぶられ、しかし刃が落とされることはない。
密着の間合いでは剣の一撃は相手に後手を取る。後の先はもうとれまい。
ならば。全身が脱力し、稲妻の如く大地を踏みならす踏み込みに呼応し、
郡の3cm頭上に添えられた刀の"柄尻"が、垂直落下する。
直撃すれば脳を揺らし、顎下まで貫通するような衝撃を孕み――!)
>>157 だな。気がついたときには何もかもが遅い。
……けど、だからと言って、それで諦められるほど、
俺は、潔くないんだよ―――っ!
(だから、これはその代償だ。ナイフから手を離すと、そのまま庇う様に
頭上へと向かって腕を振り払う。すでに回避することは不可能。
だが、すべてが間に合わないわけではない。そもそも、動きが見切れないからと言って、
まったく『見えない』わけではない。そしてそれを『緩和』させることもできないわけではない)
―――たとえ、どんなに重たかろうと、俺は!
誰かが悲しむのは嫌なんだ! 誰かが不幸になるのは嫌だ!
なら、俺は目の前の、掬えるものだけでも掬いたい……!
須佐乃水琴! …あんたも同じだ! 傲慢な自己満足かもしれねぇけどな!
(瞬間、振り払った腕に激痛が走る。少なくとも骨にひびは行っているだろう。
声にならない苦痛の声を漏らす)
あぐが……ぁぁああああっ………つぁ、……ぐぐううっ……!!
舐めんじゃ……ねぇっっ……!これ、ぐらいで……ヒーローに、なれっかよ……ぉおおっ!
(あまりの痛みに涙目になる。だが、それでも、このチャンスを逃しはしない。息を止める)
(無音の世界。)
(聞こえるのは自分の心臓の鼓動のみ。しかし、変らず激痛が走る。
だが、此処で終われない。終わらせてたまるものか。
こんな理不尽な世界で、理不尽な死を撒き散らす存在に負けてたまるものか。
目の前の彼女は、少なくとも、理不尽な何かに襲われている。……それが何かまでは分からないが。
それでも、やはり、その思いは変らない。変えてみせろ。―――目の前の不幸ぐらい覆してみせろ!)
―――……っっっっ!!
(激痛を歯を食い縛り堪えながら、無事に動く片腕で刀を無理やり奪い取り、地面に斃れる。
……これが、自分に出来る最大の攻め手だ。そして、時間は過ぎる)
だったらなんで、あたしは恨まれたッ!?
生きるためだ!生きたかったから!誰かを救おうとか、考えてなかった――でもッ!
死は、どこかに繋がってる――もう、大事なものだって、手元においておけない……ッ!
(確かな手応え――もう一度、怯んだ体を剣で穿てば終わる。
そして、その奇異には今度はこちらが驚かされる。
慮外の"加速"に加え、何を意図しているのかわからぬ男に、思わず防御の挙に出る。
直後に自分の手から刀が消えていた――……そして、目の前の姿も)
……捨て身、ってわけ?じゃ、感謝するといいよ。
もう、辛い思い、しなくって……!いい、から!
(驚愕は、醒めた。倒れた姿から追撃の気配はない。勝敗は曖昧だ。
踊る舞台が違った。意志と殺意がすれ違い刃だけが交錯していた。
だが、それでも生きさせてもらうと、肩からナイフを引き抜き、激痛に耐えつつ、
延髄に一突きを見舞おうとし――が。もし成せば、彼に救われた者、救われる者が、自分を恨む。
冷静になってしまったことで、逆に迷った。そこには異形ではなく、郡太一朗しかいないのだ)
……あたしを殺さなければ、あんたは殺される者も、自分も救えない。
誰かを救うために誰かを殺すってことは……誰も愛さず、信頼しないことなんじゃない……?
そんなの、嫌だから。あたしはあたしだけを救う……あんたのお陰で道は見えたよ。
(そして気づいた。膝をつき、倒れ伏した、勇者になろうとする者に、悲しく語りかける。
ナイフを地に突き立て、剣を手から外す。柄で穿った片手に触れ、伸ばし――そこに掌からの熱を残した。
陽勁の一種、刺激と霊力によって、代謝を向上させる技……多少マシになる程度だが、施す。
同時に、失せていく殺人衝動。押し寄せる快楽に震えながら立ち上がり、携帯を操作する。
――"異形を相手にした者が負傷をした"と、専用の回線に、そう吹き込んで)
言い訳をせず向き合える強さが、羨ましいよ。理屈なんて嫌いなのに、あたしはいつも言い訳を探してる。
聖者になんて、ならないで。 ……あんた自身を、誰も救えなくなっちゃうよ。
(コートを脱ぎ、毛布のように郡にかぶせる。黒のハイネックの、右腕部分がぬるぬると気色悪い。
やがてサイレンとともに救急車が到着するはずだ。こちらはそれに追われるように、闇へと逃げ込む。
どうあれば自分が救われるか、それさえも言い訳にして)
【――と、こっちはこれで〆、かな。
なんていうかそのなんだ、あんたってかっこいいね】
……へへ。
俺だって分からねーよ……どうすれば一番いいのか、なんてさ。
でも……それでも……、やっぱり誰かが悲しんだり怖がったりするのは、
嫌なんだよ。これは単に俺の我がままに過ぎないけど……。
俺は―――――。
(そこで、激痛と能力の反動で気を失ってしまう。
それから再度目を覚ましたのは、病院のベッドだった。
果たして、今回、自分が描いていた結果に近づくことが出来ただろうか)
(それは分からない。けれども――最悪の展開だけにはならなかった。
それだけでも、良かったのではないか。……少しは、目の前の何かを掬うことが出来たのではないか。
もっと強くならなければ。そうすれば、もっと多くのものを掬えるかもしれない。そう信じて)
………俺は、ヒーローになってみせるぜ。水琴さん。
(ぎゅっと硬く拳を握り締めながら、ぽつりとベッドの上で、呟いた)
【それじゃこっちはこんな感じで閉めってことで!
どうも付き合ってくれてありがとなっ! …うーん、拙いロールだったかもしれないけど、
そっちも楽しんでもらえたら、なによりかな。
それじゃ今日はここまで。また機会があればよろしくなっ、おやすみっ!】
【ようやっと、王手が見えてきた、感じ。ううん、そんなことない。
あんたみたいにロールできたらなぁ、って思ってるよ、いつもっ。
ほんとにありがとね。おやすみなさい】
【名前】伊達 三月(だて みつき)
【年齢】15(高等部一年)
【性別】女
【身長】167cm (147cm)
【体型】82/58/82(77/57/78)
【容貌】一見、凛々しい
肩甲骨まで届く髪を、首根で軽くまとめている
【能力】伸縮自在:触れた物の大きさを2割変化
「梵天丸」を通しても能力は使用可能、巨大化した物質の質量は増加
能力は重複せず、放置すると5分で元に戻る
一度の発動では150cm圏内、体を元に戻せば200cm圏内まで
【希望】日常、戦闘、エロール、などなど
【除外】スカ、グロ、重度の肉体損傷
【弱点】武器に頼り切りの格闘術
【備考】普段は体を167cmに伸縮自在で大きくしている
薙刀部所属の幽霊部員で薙刀袋に「梵天丸」を入れて持ち歩く
お守りと称して首に下げる三角皮袋には「鬼切り」が納めてある
商店街の外れにある伊達骨董品店の一人娘
梵天丸:元骨董品で150cmの金属製の棍
鬼切り:梵天丸に装着可能な正三角形の対魔用の刃
【プロフィールの投下落ちです】
【名前】黒姫加奈恵(くろき かなえ)
【年齢】16
【性別】♀
【身長】160cm
【3サイズ】そこそこ。筋肉質。
【容貌】眼光鋭く凛々しい系の顔立ち。無造作に束ねた黒髪。腹筋は割れている。
【能力】戸隠系忍術+プロレス殺法。多数の下忍を従える。
【希望】主にバトル系。エロールも可。
【N G】死亡、グロ、スカ(大)。
【弱点】異能に対しては抵抗力に劣る。下忍を使い切ると実質的な弱体化。
【備考】戸隠忍者のとある忍軍の頭領の娘。ただしこの事は基本的に伏せている。
プロレス同好会会員。得意技はパイルドライバー(飯綱落としの応用)。
気が付くと其処彼処に数名の下忍が潜んでいる事がある。
下忍達は基本的に雑魚。『超☆女王様伝説』や『ニニンがシノブ伝』がイメージソース。
とはいえ、何時でもいる訳ではないし、呼び出しても来られないケースもある。
みぎて:アイアンクロー
ひだりて:ラリアット
あたま:『闘魂』の鉢巻
どうたい:『生存+5』のTシャツ
こし:割れた腹筋
あし:バッシュ
アクセサリ(複数可):下忍
【こちらも投下して落ちます】
【名前】御法川醍醐(みのりかわ だいご)
【年齢】 18 高等部三年
【性別】 男
【身長】 178センチ 75キロ
【3サイズ】 いらなくない?
【容貌】 短髪を軽く茶髪にしているほかは、一見品行方正。
【能力】召喚士。最近学園を騒がしている魔物の何割かは実はこいつのせいw
【希望】日常ロール、戦闘、エロール
【NG】後遺症が残るような怪我、死亡、スカ系プレイ
【弱点】呼び出す能力は超一流だが従わせる能力がイマイチ。
召喚には呪文と印が必要な為、口や手を封じられると召喚できなくなる。
敵が女だと、よほどひどい目に合わない限り反撃しない。
【備考】生徒会長。ケンカっ早いが親分肌で人望はある。
すべての女性は皆美しいと本気で思っているので、
生徒だろうが教師だろうが女に対しては挨拶代わりにくどき文句。
口が上手いので相手を言いくるめるのは得意だが、
軽いという評判も広まっているのでナンパの成功率が高いとは言えない。
現在は親元を離れて召喚士の師匠宅に下宿中。
師匠は人間国宝級の邦楽家。ちなみに同居している他の弟子は全員女性。
【こんな時間だがしばらく待機するぜ】
【……間に合った。数え切れないトラブルで途中落ちした】
【いつも気付くときには他のロールが成立していた(紫くん昨夜はごめんっ)】
【僕がずっとずっと一番書きたかったレスを書きますよ】
【会長さん……ロール、お願いしますッ】
【どもどもこんにちはー】
おう、久しぶりだな。
今日はなんか希望はあるかい?
【名前】御木本 正太郎(みきもと しょうたろう)
【年齢】男
【性別】17
【身長】168cm
【3サイズ】計ってみたら83/65/84だったねえ
【容貌】体重50kg未満説が流れるひょろひょろ体型。
瞑っていると間違われる糸目は自称チャームポイント。
【能力】言語や五感を用いた幻術を操る。
靴底にガムがついていたり指の先を負傷していたりなど
日常的に体験していそうな状態は一言で錯覚させられる。
大出血や行動不能などの高度な幻覚も生み出せるが、
それには元になる痛覚、話術などによる精神操作など
いくらかの条件と確実な準備、多少の運が必要になる。
【希望】雑談、日常、戦闘
【NG】精神的に痛いこと・汚いこと
【弱点】相手が絶対の確信を持てば、比較的簡単に幻影は破れる。
また、体型が示すとおり体力はあまりない。
【備考】余暇は漫画やアニメに費やすオープンオタク。他にも雑学に長ける。
集中力は目を見張るものがあり、結果観察眼もそこそこ。
生後突発的に現れた幻術能力もこれに関連していると思われる。
本来一人静かに部屋で画面に向かっているタイプなのだが
頼られると嫌と言えず、なし崩しで参戦させられる事多し。
両親が海外出張で一人暮らし、とどこかで見たような生活を送る。
【失礼、貼り忘れていましたよー】
>>167 【お久しぶりです、そうですね……】
【前回ではお互い一般人という認識しかないので、異能を知るロールをしてみたいかもしれません】
【日常サイドでしたらお出かけのアドバイスをいただいたお礼に、生徒会の手伝いをなんて】
お互いの能力を知る、に一票入れてえが
そのシチュに全然アイデアがねえんだ。
なんかいいシチュあるかい?
お前さんが誰かの言動を、傍目にわかるようなやり方で変えさせたりしてりゃ
こっちも知りようがあるかも知れんのだが。
まあ、無理にとは言わないさ。
うーむ、そう考えると不可視の能力って不親切でしたねん。
なるべく描写でカヴァーしますー。
人間相手だと、よほどの緊急事態でない限りマインドコントロールはしないと思います。
なので、襲ってくる異形なり召喚獣なりを相手にしたほうがやりやすいかもしれませんー。
とはいえ会長さんにとって同じネタが続くのも申し訳なく。
なんでしたら暴れている鶏小屋のチャボの鎮静でも……。
現実の生物じゃない奴らにも効果アリなのか?
まあ、あまり同じネタだと芸がないってのもおっしゃるとおりで。
チャボは楽しそうだw
そういう生物なら山ほどいた方が面白えよな。
通学路でヒヨコ運搬トラックを事故らせてみるか。
良かったら俺がこのシチュで書き出してもいいか?
んー、モノを考えて二通り(攻撃・逃避)以上の思考回路を持ってる相手ならー。
ただ脳の構造が違えば、それだけ侵入するには時間がかかりますねん。
あとは、行動パターンや感情が複雑であればあるほどバリエーションは増えますよー。
やー、芸は種類ではなく完成度ですともお代官様。
しかしツボに入っていただけたなら幸いw
では、はーめるんの笛吹き作戦でー。
はい、ありがとうございます。
こちらも準備して待ってますねん。
それじゃ少しばかり待っててくれ。
(冬の朝、駅から校門まで同じ色の群れが延々と続く)
(学生の多い我が校は、通学時間帯ともなれば通学路が本当に同じ色で埋まっちまう)
(壮観といえば壮観だが、交通安全上は危険な状態でもあるわけで)
信号、早く変わらねえかな……
(ほとんどの通学路は通学時間帯に車両の進入は禁止になっているが、大きな国道を横断するところは、そうは行かない)
(国道も朝のラッシュ時とあって、ちょっとした危険地域なのだ)
(信号待ちをしている俺の目の前で、緩やかに流れていた車列からトラックが一台、大きく飛び出した)
…っ!
(ぐらり、と荷台が大きく揺らぐ。どう見ても積載量オーバーだ)
(潮騒のように周囲のざわめきが大きくなる)
(荷台の揺らぎとざわめきは完全に同調していて……荷台がひっくり返ったとたんに、ざわめきが悲鳴に変わった)
げ、何積んでたんだあのトラック!
(黄色い何かが、笛のような音をさせながら道路になだれ落ちる)
(広い国道は突然パニック状態に陥った)
ヒヨコっ?!
(とんでもない数のヒヨコが……)
【まずはこんなところでいいかい?】
(ゴゴゴゴゴゴゴ)
(糸目に弛緩した頬というまったりゆるゆるな顔立ちにも関わらず)
(その日の御木本正太郎は、背後に真っ赤なオーラを背負っていた)
(大事な発売日にもかかわらず、異能との戦いで足止めされた昨夜)
(問題はそこじゃない。遅れたのに売れ残っていた事実に抗議したい!)
(あの名作に徹夜組が12人しか並んでなかったってどういうこと!?)
(円卓の騎士たちとテーブルを囲み、一晩中嘆いたのは記憶に新しい)
(あああ、学校に着いたらラノベでも読んでささくれ立った心をっ)
ヒヨコ? わー。
(だが次の瞬間に、表紙の美少女に勝るとも劣らない癒しが待っていた)
(ピヨピヨと鳴く愛らしいヒヨコが、靴を突いているではないか)
(人混みの中、細っこい身体を生かして素早く雛を救出すると)
(黄色いもこもこを手に乗せて、指先でそろーっと頭を撫でてみる)
(ああ、君こそは傷ついた心を和ませた女神。雌雄判別できないけど)
(……とだいぶ可愛がってから、やっとその出所に首をかしげる)
(そういえば、1羽にしてはずいぶんと鳴き声が共鳴して……)
え、ちょ、ごめん。通して?
(良く言えば高い集中力。悪く言えば周りが見えなくなる性質のため)
(そこで初めて、前方で起こっている異常事態に気が付いた御木本)
(人並みをかき分けすり抜け、とりあえず手元の彼女(仮)を戻そうとする)
(だが混乱状態の群集はなかなか道を開いてくれず、前後左右から力が加わり)
わぷっ
(あと少しで国道、というところで平均身長オーバーな男子の背中にぶつかった)
【いやはあ、その場に居合わせたかったようないたくなかったようなですね】
【こんな感じで合流してみますねん、それではよろしくお願いしますー】
(警察がいつ来るか、来たところでこの渋滞では現場を仕切ってくれるのがいつになるやら)
(そこんとこは我が校の先生方も頭数が揃っている時間だとも言えねえ)
本学の生徒は静粛に!
足を止めずに信号に従って、落ち着いて横断を……!
(俺は歩道のの手すりの上に乗って叫んだ)
(かいちょー、と声がかかれば、特別のスマイルで手を振ってやる)
(指笛を鳴らして応援団でも指揮するかのように、大きく手を振って生徒たちを誘導する)
こんなことしてるよりか、ゴブリンの一団でも呼び出して現場片付けさせた方が早いか?
(そう思っていったん手すりを降りたとたん、背中に思い切りぶつかってきたやつがいる)
うあっ!
危ねえじゃねえか、この唐変木! どこに目をつけてやがるんだ!
(そいつの目は……糸目だった)
あっ、六花ちゃんとデートしたい男!
(名前はすぐに出てこなくても、そいつの手帳にあった女の子の名前は忘れねえ)
お前……またしてもっ!
(俺は思わずそいつの胸倉をつかんだ)
【コピペミスだ】
【冒頭に↓これ付け加えてくれ】
おい、通せ、高等部の生徒会長だ!
(俺があの学園の生徒会長だからといって、連中が道を空けなきゃならん義理はこれっぽっちもないわけだが)
(そうでも言って生徒の流れだけでも整理しないことには、怪我人が出ちまう)
【申し訳ない!】
『ヒヨヒヨピヨピヨピーピーピヨヒヨ』
(潰されると思ったのか、手のひらの中でけたたましく鳴くヒヨコ)
(どうにか相手の背中と自分の腹の間に入れ、彼女(仮)を庇う)
(ほふ……と一息ついたのも束の間、今度は胸に情熱的すぎる力が)
(人垣のトンネルを抜けると、プチ空中浮遊の運命であった)
うわわわごめんなさい……て、会長さん?
(釣り上げたのは芸者さんどころか、泣く子も黙る生徒会長様)
(加えれば、以前女の子との時間を邪魔してしまった相手である)
(今回もまたこちらに非があるので気後れしてしまい)
(元々体格もかなり違うため、抗う術もなく襟を締められ)
ももうしました、ではなくデートじゃなくて、でもなく!?
すみませんすみませんここはこの子に免じてお許しをーっ
(ひよっ? とタイミングよく首を傾げたヒヨ子)
(ネーミングセンスを気にしている場合じゃない)
ととととりあえず、先に……みんな困って。
(本格的に酸欠になる前に、なんとか前方を指差す)
(良い人ではあるのだ、私闘を優先することはないだろう)
(自分としても学園の皆様方が怪我でもしたら辛いし)
(ヒヨ子とヒヨコたちのことも助けてあげたい)
けほっ 考えがありますから、力貸してください。
(胸倉を掴む相手に協力を申し出る少年)
(ああなんてベタな青春ドラマなんだ)
(……これから起こる事態除く)
>>178 【とう、すみません。遅れ気味に】
【了解です、お気になさらずー】
お前、一体何度俺の邪魔をすれば気が済むんだこの……
(鼻先にいきなりヒヨコを突きつけられた)
(ひよっ?と首をかしげるヒヨコを見て、俺はとりあえず現状を思い出す)
おう、こいつに構ってる場合じゃなかったか。
わかってんだよ、そんなこた。
(そいつが指さす国道の惨状は、もちろん俺にも見えている)
(さて、交通整理が先か、俺の力をふるってゴブリンでも呼び出しちまうか)
(呼び出したところで、ヒヨコどもを片付けて渋滞を解消するまでどれだけかかる?)
(てなことを考えている間中、俺はそいつの襟首をつかみ上げたまんまだったんだが)
……考え?
(その高さのままパっと手を離した)
(そいつの体がぼすっ、と落ちる。俺はしゃがみこんでそいつに目を合わせた)
なんでえ、考えってのは。聞かせてもらおうじゃねえか。
(なんでまたこの非常時に、そいつのゴタクを聞く気になったのか)
(後から考えるに、そのとき俺は既にそいつに取り込まれちまっていたのかも知れねえ)
いえ、いや一度だけで十分畏れ多いといいやすかー。
あっしはお上に逆らうようなもんじゃございやせんっ
(同調するように、ぴこぴことくちばしを上下に揺らすヒヨ子)
(なんていい子なんだ、将来素敵なお嫁さんになるに違いない)
(良い子を産むんだよ……って僕らの食卓にのぼることに!?)
あだっ!?
(空中浮遊から一転、今度はフリーフォールが待っていた)
(これが安全の確保された遊園地なら、歓迎するところだが)
(硬いコンクリートに尻餅をつかされては悲鳴の一つも上げたい)
(今度は天空に捧げられるようにして衝撃を免れたヒヨ子)
(よかった、ここに潰れた雛はいないんだね。ほんとよかった)
ええ、ヒヨコを集めてたんじゃキリがありませんから。
ちょっと自分から戻ってもらう方法があるのですよー。
(が、扱いは荒っぽいものの会長さんは話を聞いてくれるようだった)
(どう聞いても信憑性が低い話だが、期待に応えるべく直球をぶつけよう)
さっきみたいに大声で誘導しててほしいんです。
そしたら会長さんの足元に雄を集めて、僕は雌を先に車に入れてみせましょうー。
(あとは、彼の中で自分がどう評価されているかに賭けるだけだった)
(この非常時に冗談を、と怒りが再燃すれば後が怖いのだけれど)
(ダチ、という言葉を贈られたのだ。気楽に待ち構えようじゃないか)
(目の前のお代官様は、そんな飛び込みたくなる懐をしているようだ)
ヒヨコを自分から戻らせる?
なんでえ、そりゃ? 犬笛みてぇに、トリにしか聞こえねえ周波数でもあるのか?
(あっても不思議じゃねえが、目の前の糸目男がそれを発するとなったら大ニュースだ)
(俺は目を細めてじっと御木本正太郎──やっと名前を思い出した──の顔を)
(思い切り不信感ありありと見てやった)
(冗談ならオチがつくだろう)
(だが待っても待ってもその様子はない)
…………。
(ほとんど御木本と同じぐらいになるまで更に目を細め、ずい、と顔を寄せる)
…………。
(そいつは本当に蛇に睨まれたカエルのように、じっとこっちの反応を待っているばかりだ)
(ヒヨコだけが、俺とそいつを交互に見交わしている)
…気にいらねえな。
(かなりの間をおいて、俺は低くそう言った)
なんで俺の足元に雄なんだよ。雌だろ普通。
俺んとこに雌、先に雄を片付けるのが物の順番ってもんだろうがよ?
(それだけ言い含めると俺はさっと立ち上がった)
ようし、この生徒会長、御法川醍醐が見届けてやら。
ヒヨコを全部、自分から戻して見やがれ!
(そして戦国の将が采配を返す如く、指先を翻してびしっと横転したトラックを指して見せた)
ええと、聞こえはしても他は反応しない声がありましてー。
(こっくこっくとヒヨ子にあわせ、自らも首を縦に振ってみせる)
(そんな都合の良い音波だか超音波だかを出すカラクリはないが)
(幸い、御木本にはそれをカバーする異質な力が宿っているのだ)
(むしろ彼の、女性を吸い寄せる周波数でも伝授してもらいたいが)
(それはもっと暇で機嫌の良い日にとっておいたほうがいいだろう)
へあ? あ、はあ。
(威圧感、いや本人に悪気はないのかもしれないが気圧されてから)
(ころりっと間の抜けた……本人は真剣だけど、まあともかく修正案)
(筋金入りだ。会長さんの女たらもといモテっぷりは半端ない)
ははっ! ただちに雄を誘導いたしまするっ
……いやはあ、正確に言うと頑張るのはこの子ですけどねん。
(ばーんと目に見えない刀を掲げるなり、駆け出す雑兵A)
(マクベスと違うのは、彼自身が幻を操ることに長けてること)
(こんな人目のあるところで、人にあらざる力を使うなんて)
("あの"頃の御木本ならば考え付きすらしなかっただろう)
(今も、別に異能に理解を示し隠蔽してくれる人はいないけれど)
(代わりに。いやそれ以上に。頼もしいダチが信じてくれたのだ)
さーてさて頼むよヒヨ子。
(背中を優しく叩けば、ヒヨ子はぱちくりと瞬きをする)
(警戒を解いてもらうとすぐに、黄色く小さな頭へ入り込む)
(狙うは孵卵場の記憶、そこから親の鳴き声を聞かせてもらい)
(会長さんとヒヨ子をスピーカーに、それぞれ雌と雄を呼んでもらった)
『ピーピーピーピーッ』
(ハーメルンの笛吹きよろしく、入り乱れていたヒヨコたちが)
(ぱっと二つのグループに別れて綺麗に集合していく)
(あとは、会長さんが女の子……ヒヨコ達をひきつけてくれれば)
(俺はもう一度指笛を鳴らして交通整理を始める)
(誰かホイッスルを持ってねえのか、とあたりを見回したとたん……)
な……?!
(黄色い球のようなヒヨコの軍団がザザーっと音を立てて俺めがけて突進してきた)
なんだっ、雌か?! 雌ヒヨコなのかっ!?
(俺が聞きたかったのはヒヨコの性別ではなく、何が起こっているのかということだったのだが)
(この頭脳明晰な俺が理路整然と質問を発することすらできなかった)
あっちが雄なんだな?!
(いやだからそういうことじゃなくて)
「あのおにいちゃん、ひよこのままなのー?」
「ヒヨコあつまってるー」
(我が校は幼稚園から大学まで揃った一貫校だ)
(俺はもう、年少さんやら小学生やらのいい見世物になりつつあった)
(そんな俺をもう一回り向こうから、女子高生たちがきゃあきゃあと囃して行く)
「会長センパイかわいー!」
(その黄色い声には引きつった笑顔で手を振りつつ)
御木本っ、これどうすんだ!
早くどうにかしやがれ!
(いいかげん、そいつに何でそんなことができるのかってことに疑問を持とうぜ俺)
………。
(持った)
(そして即時解答も同時に浮かんだ)
異能か……?
(御木本正太郎は何らかの、人外の力をふるっているのだ)
(今、衆人環視の中で)
大丈夫です、一匹残らず全部雌のはずですよーっ
(返答して、こちらに注目されてしまうとやりにくくなる)
(声は出さずにパントマイム……のつもりなのか謎の動きで答え)
さーさー殿方いらっしゃい、おかーさんが呼んでますよー。
未来のお嫁さんも後から到着しますよーん?
(はいはいはい、と交通整理のお兄さんのように手を振ると)
(ジェントルメンなヒヨコたちは、お行儀よく車に飛び乗った)
(……親の幻を見たまま。それはもう勢いよく)
『ピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨ!』
狭い荷台の中で反響して、ヒヨコの声が響き渡る。
いい具合に会長さんへと向いていた視線が、こちらにも集まってきた。
「ひよこが戻ってるー!」
「ヒヨコさんお家が恋しくなったのー?」
(参った、見られていては何もできない。操ってるのがバレてしまう)
(手足を動かせない中、ピーピーとおとこのこたちの鳴き声が響き)
(右を向き左を向き……最後に斜め上を向いて、思い当たった)
会長さん、指笛ですよ指笛!
そのまんまつれてきてくださーい!
(鳴き声に負けないよう、今度はありったけの声で呼ぶ)
(やましいことは何もないというアピールをしつつ)
(それっぽい理由もつけた……けれど悪いことをしたな)
(あとで大量のおんなのこに囲まれたってことで慰めよう)
……ヒヨ子、僕が骨になったら秋葉原に埋めといてねん。
【む、ちょっと調子悪いので回線切り替えました】
【遅れてすみません】
連れて来て下さいって、おま……
(俺に出来るわけがねえだろう、と言いそうになって周りを見回す)
(できる…ことになっているのだ。どういうわけか)
くっそ、なるようになれっ!
(俺はもう一度人差し指と親指で輪を作り、指笛を鳴らす)
(ガキの頃に師匠の犬の散歩をさせられてた甲斐があったってもんだ)
(そのまま俺がコンテナの方へ歩き出すと、黄色い軍団がピヨピヨとついてきた)
「すっごーい!」
「おにいちゃん、ひよこのせんせいみたいー」
(黙ってろよ幼稚園児!)
(俺は背中に嫌な汗をかきつつ、ちらりと御木本を見る)
…………。
(ヒヨコを操っているのは俺じゃない)
(御木本だ)
(指笛を鳴らしながら俺がコンテナに飛び乗ると、まるで吸い込まれるようにヒヨコたちがコンテナへ入り込んでしまった)
(横転したトラックに雄、外れてしまったコンテナに雌、ときれいに分けてヒヨコを回収し、あとは警察が来るのを待つばかりだ)
わーーーーーーーー!!
(一斉に拍手が沸き起こった)
(俺は大統領選挙にでも当選したかのように手を上げて歓声に応えながら、御木本に歩み寄り)
……てめえ、何をしやがった?
俺を見世物にしたからには、洗いざらい本当のことを吐いてもらおうか。
(ホンモノの大統領だってこんなにいい笑顔はしないだろうというぐらいのスマイルで)
(俺は御木本に低く恫喝の言葉を吐いた)
言っとくが、お前が異能だってことを隠そうとするのは無駄だからな。
俺は今日のことを俺の師匠に話す。
…俺の師匠は異次元から、お前のねぐらに何か寄越すかも知れないぜ?
いいやいやー、見世物だなんて人聞きの悪い。
こここれも会長さんの人望と人徳のなせるものでありましてー。
ヒヨコだろうと異性を惹きつけるなんて、凡人には絶対できませんっ
(だらだらだらっと、向こうに負けない冷や汗をかきつつ移動を促す)
(このまま警察に……警察はまだいい。マスコミに補足されたら厄介だ)
(Yes, we can ! 大丈夫だ、会長さんならわかってくれるに違いない!)
(No, sir ! No ! あのスマイルにエアーフォース1並の迫力を感じるでありますっ)
(Yes, we can ! No, sir ! No ! なんだかよくわかんないけど力のことだけはっ)
――おやん、異次元ってまさか二次元ではありませんよねん?
(が、混沌を極めた脳内会議は会長さんの鶴の一言であっけなく終わった)
(目の前の彼もまた、異能を知る人間なのだ。落ち着いて冗談まで飛び出す)
(……以前同じことが遭った時、どうしようもないほどの悲壮感を感じたのに)
(どういうことか、この生徒会長さん相手に覚えたのは純粋な安堵だった)
(理由はよくわからないけれど、悪いようにはならない。気がする)
そですね……夢ある演出家、でしょうか。
ディズニー並のイリュージョンショーを目指してるのですよー。
(つくづく、票も女の子も集めてしまうこの人の引力を実感した)
(にへらっと笑うと、あっさり夢幻をカミングアウトして)
でも、会長さんみたいな本物の主演男優があってこその舞台です。
ありがとうございました。
(ぺこりと丁寧に一礼すると、頭上のヒヨ子が一鳴きする)
(いけない、この子もちゃんと戻してあげないと)
二次元?お前も二次元住人みたいにぺちゃんこにしてやろうか?
(生徒会長にあるまじき暴力的発言で下級生を脅しつつ、俺はパブリック・スマイルを崩さない)
(表面上は、まるで前大統領をねぎらう新大統領のように友好的に、御木本を引っ張ってゆっくりと注視の中を退場に向かう)
(注目を集めているときは行動を急ぐべからず)
演出家…てめえ、ワケわかんないことを言って俺を煙に巻こうったって
そうは……
(にへら、とした笑いに御木本の真意がのぞく)
お前、ヒヨコに幻覚を見せていたのか……?
(その瞬間、俺の顔からスマイルの仮面が剥がれ落ちた)
(すでに俺たちは国道を渡りきって、歩道の人ごみにまぎれていた)
(路上には警察が到着し、レッカー車が倒れた車を処理しようとしている)
(学校の教師たちも通学生の流れを誘導し始めていた)
(俺たちに注意を払うものがいなくなって、俺は本気で驚いたまま、御木本とヒヨコを見つめていた)
だって、俺には何も……
そうか、ヒヨコが何かを見た気になっているだけで、幻影を作り出すわけじゃないんだな。
お前、もっと高等動物にも同じ事ができるんだろう?
……人間にも。
(そんな力を持ちながら、善良な?学生なんぞをやっているのだ、この男は)
は。
(俺は頭を振り振り、指を上げて呪文を唱えた)
エーリエル、おいで、風と大気の子等よ。
汝の遊び相手を、仲間のところへ戻しておやり。
(空気の精エーリエルは、その辺にいくらでもいる)
(たくさん集めなきゃたいしたことはさせられねえが、ヒヨコ一羽ぐらい運ばせるのは造作もねえ)
お前が腹を割ってくれて嬉しいぜ。
俺は召喚士だ。こうして、異次元の存在を呼び寄せて使役することができる。
まだ修行中の身なんだが。
(御木本の頭の上から、ヒヨコがふわりと浮かび上がった)
(小さい虹色の羽がいくつもあるのが、見えるものには見えるだろう)
【そろそろ締める方向でいいか?】
は、ははは。生きながらえたらそれはそれでー。
こっちに帰ってこられなくなるのが難点ですねん。
(支持率が9割を超えるであろう会長様と、認知すらされていない二年生M)
(視線は会長さんに集中するので、群衆のプレッシャーからは逃れられる)
(至近距離から来る会長さんの視線のほうが、ずっと怖いんですけどねえっ)
むふう、人間ならもっといろんなことができます。
頭がいいぶん、いろんな演技ができますからー。
ただし、反抗心はもっともっと強くなりますけどねん。
(異能の告白を、演出家と大統領の打ち合わせの会話に乗せつつ)
(スマイルスマイルー、と本気半分冗談半分で監督業を兼ねてみる)
(ああ、新米監督にスターが出演するとこうなってしまうのでしょうか)
ををっ
(とはいえ、夜の側については自分でも驚くほど安心しきっていたらしい)
(現れた美しい精霊に、御木本は素直に萌……もとい魅入ることができた)
(運ばれていくヒヨ子に手を振り、にこにこと会長を見上げる)
やー、ダチに全部話せてすっきりできましたー。
会長さんも、教えてくださってありがとうございます。
こっちにまで人脈が広がっていたのですねん。
(最後の一羽が荷台へと入っていき、屋上の時のように握手を求める)
(今度は、こちらから。自分を信頼してくれた会長さんへの感謝を込めて)
(ヒヨ子は風の精に送り届けられ、無事に――)
あ。
(雄のグループに着地したのでした)
【すみません。またしても遅れてしまい……】
【では、こちらはこれで〆ますねん】
【ありがとうございました、ハーメルンとても楽しかったです】
……そういうわけで午前中の授業が一時間なくなりました。
(下校後、俺は下宿先に戻って在宅していた師匠に帰宅の挨拶をしがてら、御木本のことを話した)
(師匠は姉弟子に手伝わせながら着替えの最中で、廊下に平伏している俺には目もくれようとしない)
「醍醐、ここをちょっと持ってておくれ」
(張りのある声が頭上に振った)
(俺は言われたとおりに師匠の帯の折り目を押さえる)
「幻覚使いねえ。ヒヨコをかき集めちまうたあ、世の中は広いね。
この年になって、そんな話を聞くなんざ……」
(師匠──長唄の名手と名高い松島勝千代──がくっくっと笑い声を漏らした)
「友だちは大事におしよ。醍醐。その友だちはねえ…」
はい。
(俺は安堵した笑顔で答える)
(御木本、お前をわかってるのは俺だけじゃねえようだぜ?)
【蛇足に近いが、こんな形で締めさせてもらったぜ】
【最後に自分語り失礼】
【長い時間付き合ってくれてありがとうな!】
【楽しかったぜ。お疲れ】
【わーお、師匠のお師匠様の耳に届くなんて光栄ですよ】
【こちらこそ、長時間とても楽しかったです。多謝ー】
【ひよこピヨピヨ…可愛いな…】
【ロールにスレをお借りします】
【津綺子の書き出し待ち】
……ここは……直さん……?
(つい今しがたまで傍に感じていたパートナーの気配がうせ、静まり返った夜の街に一人)
直さん?! どこ!?
(心拍数が一気に跳ね上がってパニックを起こしそうになる)
(直の姿を求めて、やみくもに走り出した)
直さん、ただしさんっ!
(ただ愛するものの名を呼ぶ声は虚空に吸い込まれてゆき、木霊も返らない)
ただしさあーんっ!
ザワリ……
なに?
(空間のどこかで、何かが蠢く気配)
ザワリ ザワリ ザワリ……
なに? 誰かいるの!?
(おびえた少女から、たちまち退魔士の表情になって周囲を見回す)
(その視界に映ったものは……)
きゃああああああっっっ!!
【ちょっと時間かかってしまいましたが、こんな感じで…】
【今夜もよろしくお願いします】
(いつものように深夜に帰宅。ほんの少しだけお互いの愛を確かめ合って)
(寄り添うようにして眠りについた)
……………
(今夜も一体の異形を倒した。おぞましい、触手をうねらせる異形を)
(だから不安はあった。だから眠りも浅かった)
(そんな半ば覚めた意識の縁を刺激する声)
…津綺子…?
(目を開けて隣で眠るパートナーの顔を見る)
(苦しげにしかめた眉。唇から絶えず呻きを漏らして)
(津綺子が夜中にうなされるのは今回がはじめてではない)
(そんな時は少し抱き締めて、髪を撫でれば落ち着くのだが)
……っ!津綺子…津綺子っ!
(大声で叫び、身を捩り、常になく苦しむ様子に)
(慌てて体を起こし、恋人の暴れる両肩を掴み)
(強めに揺さぶって覚醒を促す)
【いえいえ、お気になさらずに】
【では、こちらはこんな感じで…今夜もよろしくお願いします】
来ないで、こないでえぇっ!
(触手が伸びてくる)
(黒い、あるいは半透明な、けれど、どれも一様に蛇の頭部のような形状の……)
(津綺子がもっとも恐れる姿形をとって、四肢に絡みつき、上腕を締め付ける)
離して離して、離してえぇっ
「…きこ………つきこ…!」
直さんっ、助けて!
(全身に絡みつく触手が体の自由を奪う)
(遠くから意識を揺さぶるように聞こえてくる直の声に向かって助けを求めて叫ぶ)
いやあああっ
「津綺子!」
あ……
(覚醒した)
(まだ明け切らない夜、わずかな明かりの中でこちらを見つめる直のまなざし)
(恐怖に縮まった瞳孔が彼の視線を捉えたとたん、ふるふると涙があふれてきた)
う…うぅ……
(一年で一番夜の長い季節。十分に睦み合っても、まだ夜明けは遠い)
(祖父と叔父の認知を得たことで、逆に直の部屋へ泊まるのは以前よりも簡単になった)
(その晩も、直のベッドで一番幸せな目覚めのときまで、深く健康な眠りをむさぼっているはずだった……)
ごめんなさい……大丈夫。
何でもないから……
(直の胸に抱きしめられて、泣きじゃくりながら全然大丈夫ではないのに)
(視線が合った途端に、恋人の目からあふれる涙がわずかな光を反射する)
(泣きじゃくりながら「大丈夫」と呟き、しがみついてきた少女を抱き締めて)
大丈夫…俺はここにいるよ…
(囁きながら津綺子の頭を引き寄せ胸に抱き)
(髪を撫で、そこへ頬ずりするようにして包み込む)
(視覚、聴覚、嗅覚、触覚。恋人の感覚に訴えかけ、己の存在を認識させる)
…ずっとそばにいるから、大丈夫だよ…
(涙に濡れた頬をなで、額に優しく唇を触れ)
(細かく震える背中を幼子をあやすようにポンポンと叩く)
(異形に対してこちらを守る楯となってくれた広い胸は)
(愛を交わすときは熱い褥となり、今は恐怖に震える心を包み込んでくれる)
ごめんなさい……いつも…私の弱さが、あなたを……
(生まれたままの姿で、静かに寄り添いながら、ようやく心のわだかまりを口にする)
(今まで触手へのトラウマを、自分から言葉にして語ったことはなかった)
命がけの戦いの場で、これ以上あなたを危険に晒すわけにはいかない…
触手に会うたびに、あなたをフォローするどころか、足手まといになってしまう。
それはね、私が、最初に……
最初に、犯されたのが、ナメクジみたいな妖魔だったから。
(直の胸に顔を伏せ、ぎゅ、とこぶしを固く握り締める)
どうしても、忘れられないの!
あいつとは別だってわかってるのに、体が動かなくなるの…!
(最後は悲鳴のように、もう何ヶ月も心の中へ押し込めてきた恐怖を訴える)
………っ!
(悲鳴にも似た恋人からの告白に、抱き寄せていた手がピタリと止まる)
(ついに聞いてしまった)
(恋人の身に何がおきたのか、前々から予想はしていた)
(だが、その予想は最悪の形で外れた)
(ただの暴行ではなかった。恋人はその純潔を奪われていた)
そう…そうだったのか…
ゴメン…
(辛いことを告げさせてしまった。その意識が謝罪の言葉となって唇からこぼれた)
いいんだ、津綺子…もういいんだ…
(再び津綺子の体をキツく抱き締めて)
(頬を寄せ、髪をなで、津綺子の告白を優しく言葉を遮る)
う、あ、あぁぁぁっ!!
(そのまま悲鳴のような声を上げて泣き続ける)
(他人の前で泣ける性格ではなかったのに、直の前では幾度も涙を流すことができた)
(それでも声を上げて泣いたことはなかったものを、今は初めて泣き声を上げて)
初めてあなたに会ったときから、あなたの傍にいる資格なんてないって……そう思って……
わかってたのに。
あなたをいつか、苦しめるだけだって、わかってたのに!
(固めた拳で直の胸を押しやるように、抱きしめられる力に抵抗する)
直さん、私が汚れているのは体だけじゃない、本当に、妖魔が汚していったのは……
私の心なの!私の、弱さなのよ!
これ以上、あなたのそばにいたら本当にあなたを失ってしまう……!
(これを言ってしまったら、もうそばにいられない)
(そう思っていながら、ずっと心の中に押し込めていた傷、闇……)
(他ならぬ、もっとも愛するものの腕の中でみんな吐き出してしまい)
(あとはひたひたと押し寄せる絶望に、言葉を失う)
(堰を切ったように、溜め込んだ感情が一気に溢れ出るように)
(心の底からの慟哭に胸を差し出す)
…………
(血を吐き、自らを切り裂くような告白と、突き放す拳)
(それでも少女の身体を話すことなく包むように抱き締めて)
……………
(津綺子が全てを吐き出すまで言葉を発することなく、全てを聞く)
……津綺子…少しだけ、怒るよ?
(抱き締めたまま何かを待つように黙り込む恋人に向けて)
俺を見損なうな。何度も言っている通り、俺は君を守ると決めたんだ
君を守るためなら、どんな怪我だろうが、例え命を落とそうが、構いはしない
それに俺は、君がきれいだから君を好きになったんじゃない
君のやっていることが素晴らしいから、素晴らしいことを行う君を好きになったんだ
(それは静かだか、津綺子に初めて見せる怒気)
(わずかに身体を離し、恋人の目を見つめ)
俺を失いたくなかったら強くなるんだ
誇りを持て。自分を貶めるな
(悲鳴のような慟哭は、いつかトーンを落として切々と部屋に響く)
(その頭上へ聞きなれた声が違った響きを帯びて落ちてきた)
(思わず泣き声が止まる)
あ……ただしさん……?
(いつもいつも、優しくこちらの心を開いてくれた恋人は、今は静かな怒りを見せて)
(初めてこちらを叱りつけた)
強く……なる……?
(あまりにも泣きすぎたために、ひくひくとしゃくりあげてしまって、すぐにはしゃべれない)
(両腕をつかむ熱い手の握力が、痛いほど)
(決してこちらを傷つけないようにと気を配っていた彼らしくもない、力の入り方だった)
どうしたら……克服できると思う?
あ、あんな、魔物に会って…あなたを…助けてあげられるようになるには……
どうしたら、いいの……?
(すがるように青年の強い視線を見返して)
(どうしても彼の気持ちに応えたい、自分の心に深く残った傷を、なんとか乗り越えなくてはと)
(最後の克己心を奮い起こす)
それには、君を少しだけ後押ししてくれる人が必要だ
(以前会った認識を操る幻術師について話し出す)
(人狼との戦闘で暴走しかかったこと)
(そこに加勢してくれた少年がいたこと)
彼の術が、俺を暴走から救ってくれた
(自分の記憶の中から取り出され増幅された津綺子のイメージ)
(それによって暴走を押さえ付け、自我を取り戻したことを告白する)
彼に、君の記憶を、封じて貰う
(話を続ける。「床下収納」を例えにした記憶封印の概念)
ただ…問題は、ある
(じっと津綺子の目を見つめ、決意を伺う)
後押し?
(意外な言葉だった)
(自分の心は自分でどうにかするしかないと思っていた)
(きっと直もそのためにそばにいてくれる、と、そう言ってくれるものと)
(じっと直の話を聞くうちに涙は乾き、胸が騒ぐ)
(それは…精神操作ではないのか)
(津綺子の脳裏にはナチスやカルト宗教が行う洗脳のイメージが浮かぶ)
問題…あるんですね。
(直の真摯なまなざしに、潰れかけていた理性が目覚めた)
(やっぱり、と)
彼とはあまり詳しく話していないけど…
おそらく、封印する記憶について、彼に話さないといけない
君がレイプされたことを、彼は知ることになる
(意識して残酷な言葉を使う。津綺子を揺さぶり、それでも決意を保てるかを試すように)
そして、君は全てをもう一度体験することになる
(彼が認識するためには、その記憶は表層に浮かぶことになるだろう)
それに…
(そこまで滑らかに話していたが、急に言いにくそうに口ごもる)
信頼できる人なら、知られるぐらいなんでもありません。
(それは何より、直を信頼しているからこそ口に出来た言葉)
(だが)
……もう一度……
(さすがに息を呑んで、一瞬身を震わせた)
(もう一度、あんなおぞましい出来事を繰り返して体験したら、正気を保てる自信がない)
それに? まだあるんですね?
ちゃんと聞かせてください。
もう、私はすべてをお話したんです。
(この期に及んで口ごもる直に、いっそう事態の困難を思って胸の中が重く冷える)
その点は問題ない。彼は信頼できる
(人をだますような人物には見えなかった。どちらかと言えば「お人好し」に近そうな糸目を思い出す)
あ…その…
(口ごもり、わずかに顔を赤くする)
封印した記憶に重しをかける必要がある、と彼は言っていたんだ
つらい記憶の重しには、幸せな記憶が必要だと
つまり…君と俺の関係…津綺子が幸せを感じた時の記憶も彼に知られてしまう
おそらく、「あの時」の記憶も…津綺子、「あの時」って一番幸せだよね…?
(今までの厳しい声が180°反転して、この時だけは一介の学生に戻っていた)
え……?
(急に口ごもり始めた直を怪訝な思いで見つめ)
ええ?
(ついで聞いた話に、思わず間の抜けた声を出してしまう)
え、え……えと、それは、あの……
(眠りに落ちるまで、二人がしていたことだ)
(自分を叱咤して見せた強い精神力と)
(すっかり年相応な「一介の未成年男子」らしい反応のギャップに戸惑いながら)
(津綺子の心にもリアルな感覚が戻ってくる)
だ、だからいつも、あんまり恥ずかしいことしないでって
お願いしてるじゃありませんか!
(耳まで真っ赤になってそっぽを向く)
いいです。もう、それは、それで。
その人が本当に信頼できる人なら、直さんがなさることも見ていただけばいいんだわ。
(半分拗ねたように言ってから)
……それで、本当にあなたを危険に晒すようなことがなくなるのなら。
(小さくつけくわえた)
そ、それと、これとはまた別の話で
その、津綺子が可愛いから、つい…
(恋人の拗ねた態度に対して、いつもとは違う、言い訳がましい言葉を、津綺子の後頭部に向けて連ねる)
(なんとか、精神を立て直し、津綺子に告げる)
とにかく、君も一度会って、詳しい話をした方がいいと思うんだ
信頼できるかどうか、君自信が判断して
君が、受けるかどうかを決めるんだ
【そろそろ〆かな?】
じゃ、直さんはいいんですね?
あんな…こととか、その人に知られてしまっても?
(言い訳がましい声に向かって、まだ気持ちを収めかねる口調で言い返し)
(それでも直が口調を変えて真剣に告げた言葉には、もう一度振り向いて)
私はその出来事を、忘れてしまう。
でも、直さんは……今聞いたことを、
ずっと心に抱えていらっしゃることになる……
それでも、いいんですね?
私の重荷を、あなたに負わせてしまっても、いいんですね?
(まだ気遣わしげな目で直を見上げ)
直さんがそこまで信頼している人なら、私も信じます。
(じっと、思いの丈を伝えて、ただ直の瞳を見つめていた)
【こちらはこれで締めにしますね】
【そちらのレスを確認してから落ちます】
あぁ、構わない。君のつらい体験は、全部俺が引き受ける
(見つめてくる瞳を見返し)
(決意の褒美に髪をクシャクシャと撫でる)
(くしゅん、とくしゃみをして身体を震わせる)
身体、冷えちゃったね…津綺子、服を着て
今、ミルクを暖めるから、それを飲んで、もう一度寝よう
(一足先に床に降りて、脱ぎ散らかした服を集め)
(シーツにくるまったままの津綺子に渡す)
(キッチンに立ち、牛乳を暖めながら)
(ベッドルームの津綺子に声をかける)
そうだ、彼の名前を教えてなかったな
彼の名前は「御木本正太郎」すごく細い目が印象的だったな
学園の2年だそうだよ
【こちらもこんな感じで〆です】
【これで一応フラグは立ったでしょう。やり残しはないはず…ですよね】
【今夜もお付き合い頂いて、ありがとうございました】
【いつもにも増して、緩急の落としどころがお見事でした…】
【もう一度寝るのに、服を着るんですか?という突っ込みはおいといて】
【今夜は遅くまで大事なシチュをロールしていただいてありがとうございました】
【「彼」の名前を聞いて、一体わたしはどんな反応をしたんだろう?と】
【いろいろ脳内補完を楽しみつつ、今夜は失礼します】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
【そう言って頂けると、嬉しいです>緩急】
【俺にも関係あるし、大事な大事な転換期だし】
【こちらこそ大事なロールにお付き合い頂いてありがとうございました】
【「彼」の名前を出し忘れてたのは秘密w】
【俺も勝手に脳内でロールを作っておこう】
【お疲れ様でした。おやすみなさいノシ】
【書き忘れ】
【スレをお返しします】
【名前】司狼 北都(しろう ほくと)
【年齢】17
【性別】女
【身長】156cm
【3サイズ】77/58/79
【容貌】目は大きめ。尖った八重歯。頬に掛かる内跳ねセミロング。それ以外は年相応な姿。
【能力】狼に変化して邪気を打ち払う。
姿は銀色の毛並みと青白い光に覆われ、サイズは大型犬程度。会話可能。
噛みついたり、引っ掻いたり、火を吐くことを攻撃手段とする。
また動物(鳴き声を持つ者のみ)と会話できる。
【希望】NG以外であれば
【NG】死亡や後遺症の残る怪我、肉体改造
【弱点】人型時は変化・動物との会話以外無力。接近戦が主体であり防御力に乏しい。
【備考】体育と国語以外の成績が酷い有り様の高等部二年生。
部活は無所属。放課後は学園内や学園周辺を探索している。
元は山奥でひっそりと生き続ける妖狼一族の一人だったが、人里に憧れ幼い頃に山を降りて来た。
とある異能者の女性により保護・養われていたが、魔物との戦闘でその女性を亡くし、現在は独り身。
今は仇とばかりに周囲に現れる魔物を退治している。
性格は温厚。戦闘時は少し荒っぽくなることも。
御守りとして首に鈴が付いた紐を肌身離さず提げている。
【初めまして、参加希望です】
【今はプロフィール投下のみで落ちます】
ネタないけどロールしたいから立候補。
応答せよブン屋。
【こちら、ブン屋】
【良好だ……って、何がでしょう?】
【ってな訳でこんばんは〜。ネタないとなると……う〜む】
【共闘は無理ポな雰囲気だし、夜に会って、グチグチと嫌みの言いあい?】
【ふと、俺がお前の妹ブチ殺した現場にお前が遭遇という】
【電波受信してしまった俺は何処まで外道なのかと】
【とりあえず、夜に会ってみますかね】
【心霊スポットで異形狩ってる俺に声掛けるとか・・・・】
【やったら、遠慮なく八つ裂きにして、腸を外に出したまま学校に吊り上げるからね(はあと)】
【まぁ、そんな感じかねぇ】
【いきなり発砲しないようにせーぜー頑張ります】
【で、書き出しはどっちから?】
【遠慮なく返り討ち・DA☆】
【俺から適当に書きだすんでよろしく】
【じゃ、珈琲片手に待ってますね〜】
(―――骨が軋むように寒い夜。半分の月が空に昇っていた)
(亡霊の彷徨う廃墟。戦時中、ここは毒ガスを製造していた工場であった)
(地元では、オカルト好きですら近寄らない危険地帯である此処に、一人歩く影)
実際見ると怖くないんだよな、幽霊って。
まーあ、確かに、ホラー映画は怖がらせるように趣向を凝らしてるわけだし。
(だから己がホラー映画が苦手でもおかしくないし、幽霊を眼前にして恐怖を)
(覚えなくても、それは当然なのだと、誰に対するわけでもなく説明する)
(或いは、恨めしげな視線を向けてくる亡霊たちに向けて言っているのかも知れない)
(紅い影は歩く。靴音を立てて、亡霊たちの呻き声を聞きながら)
(建物の中を抜け、陰鬱な暗闇を潜り拭け、中庭と思わしき場所に出る)
(立ち止ったのは慰霊碑のある場所。ニヤリと禍禍しく笑い、石碑に手を当てる)
ここも『楔』か。
くふふ・・・・・さぁて、これを壊せば・・・・・・どうなるんだかな。
(掌に魔力を集約して『楔の更に中枢』を破壊すべく、慰霊碑の内部を探索する)
……うう〜、寒い。
(何でこんな所にいるんだろうと思った)
(いや、普通ならだれもが思う事だが、彼女は今まで思わなかったのだろうか?)
まさか、会長に追い出されるとは……
なにが、「ネタがあるから取材して記事を書きなさい」だ。〆切り守れなかったからって、この扱いは無いでしょ。
(愚痴を言いながらもカメラを構えている。幽霊がでると噂の廃工場)
ん?
(人の気配がした)
幽霊、本当に出たの?
(普通はそうは思わないのだが、彼女はどうやら特別らしく、そちらの方により、カメラを除く)
(確かに、そこに人がいた。慰霊碑を見ている男が一人)
ん?あの男……どっかでみたよーな?
(覚えてないのか?後ろ姿だと分からないのか?)
(だが、そんなモノも関係なく、シャッターに手をかけ)
(慰霊碑に手を当て、何かしようとした時に)
突撃! 隣のお夜食の時間でーす! 取材に来ましたー!
(フラッシュが焚かれ、一瞬、闇を光に塗り替えていた)
(探索を開始してから約一分ジャスト。閉じていた瞼を見開き、亀裂の様な笑みを浮かべた)
(男は掌を媒介にして『中枢』に魔力を叩きもうとした。やり方は簡単である)
(まず一度掌を引き、軽く慰霊碑を叩くという簡単な動作。それだけで済む)
(掌に魔力を集約して、破壊の為の力を行使しようとした瞬間だった)
(突如、闇が閃光によって駆逐される。それは時間にすれば刹那の事だったが・・・)
(それでも、紅い契約者の興味を向けるには十分すぎる出来事だった)
――――何してんだ、こんな場所で。
(振りかえって、己の事は棚上げした発言をする。誰かがそこに立っていた)
(月明かりが小柄な人影を映し出す。手にはカメラ。フラッシュを焚いて撮影したのだ)
(眼を細めつつ、その陰に接近する。何処かで見た顔だった)
・・・・・お前、何処かで会ったよな?
―――あー、あの時の変な女か。思い出した。
(一歩、また一歩と距離を詰めてゆくと、顔が見える様になる。何処かで見覚えのある顔だった)
(確か、去年の末にある森で出会い死闘を繰り広げた女だった。拳銃弾を二発喰らった記憶が蘇る)
それはこっちの台詞です。
そちらこそ、こんな場所で何をしているんですか?
もしかして、オカルトですか? 何かの秘密ですか?
(相手の事はお構いなしに質問を矢継ぎ早に浴びせる)
(まさにブン屋魂炸裂と言ったところで会った)
……へっ?
会いましたっけ?
(本当に忘れていたらしい)
ん〜?一度会った人は忘れないと思ったんですが……。
(そう言いながら、もう一回フラッシュを焚く)
……
(そして、約30秒後に結論)
あー! 思い出した!
あの森の中で会って、魔物にボロボロにされた変人!
(ひどい覚え方だ)
あー、生きてたんですか。 あそこに放置しとけば、勝手に死んでくれると思ったんですけど。
(とどめは刺さなかったが、どうせ死ぬだろうという心理も働いていたのも事実だ)
(そう言う意味で、すっかり忘れていたらしい)
んで、何してるの? まーた、殺しでもやってんの?
まーあ、俺が何しているかはさておき。
お前、ここで何の写真撮ってるんだ?ここには廃墟と亡霊くらいしかねぇな。
工場の設備も大半以上は撤去されてるし。心霊写真狙いかよ。
(色々と失礼な事を言われたが、拘泥せず話を進める。些事には拘らない主義だ)
(徘徊している白い影を見ればわかる様に、此処では心霊写真が高確率で撮れる)
(昼間でもかなりの割合でそれらしきものが撮影できるし、夜ともなればむしろ撮れない)
(方が不思議なくらいの心霊現象多発地帯である。反面、自宅まで知らずに亡霊を持ち帰って)
(しまい、不慮の事故に遭う者、難病を患う者も多く、地元では恐れられているスポットである)
そう言えば、この前の森でもカメラ持ってたよな、お前。
あの森も有名な心霊スポットだったが・・・・・・・
何者なんだ、お前、結局よ。怪しい上に胡散臭い事この上ないんだが。
(自分の怪しさ、胡散臭さを棚上げして問いかける。拳銃で撃たれた恨みに関しては一時保留)
(あっさりと人間を殺した手並みといい拳銃を所持している事といい、決して堅気とも思えないが)
(それでも納得できないのが、そのカメラの存在だった。退魔師にしろ狩人にしろ、幽霊を撮影する事を)
(趣味にするとは思えない。何故ならそれらは狩るべき相手であっても、記録する対象ではないからだ)
え〜、こんなとこで写真撮影をするんだから、心霊写真狙いに決まってるでしょ。
それくらい察してよ。
(事実とは少し異なっているが、大体会ってると言っても差し支えない)
(資料にはどちらにしても変わりないためだ)
あたしの所謂仕事であり、趣味でもあるからね。
(まぁ、ここを探り当ててきたのは、同好会の会長だが)
それはこちらの台詞だねぇ。
そんな「工場設備も撤去され、心霊写真狙いしか取る価値の無い」ような場所にわざわざ来るとは。
(ニヤリとするとカメラをもう一度構える)
いくら狂人でも、「人」や触れない「亡霊」相手にドンパチやるようなアホはいないと思うけど?
ちなみに、あたしはごく普通のか弱いオカルト記者だとこの前も言ったはずだけどな?
(笑う。にこりと嫌な笑みで)
それだけで、あたしの方の理由は十分。
退魔の連中じゃない。ただボランティアで駆除をしてる訳でもない。
んじゃ、あんたは何? 何が目的?
捻りが無さ過ぎてつまらんよ、そんな解答は。
(明らかに、捻るとかそういう問題ではないのだが、彼としては)
(彼女の回答に落胆しているようだった。理不尽さもここに極まっている)
・・・・知らないな、そんなことは。
(言いつつ、頭の中ではあの時の事を急いでリプレイしている。オカルト記者。彼女は)
(そんな事を果たして言っただろうか。覚えていない。可能性としては向こうが嘘の証言を)
(しているか、自分がすっかりと忘れているかのどちらかだが――多分後者だろう)
まーあ、そっちの理由はそれでいいとして。
(しかし素直に覚えていないと言えない。何となくタイミングを外してしまったので)
(だからさっさと話題を流すことにした。変なところに拘りを持つ男である)
俺の理由はひとつしかないし、ひとつで十分だ。
(踵を返して、もう一度慰霊碑に向かう。軽く掌にて石碑を叩く。動作としてはそれだけだ)
(体内にて精錬された魔力が腕を伝導して、石碑の中へと侵入する。それは狙った地点を)
(破壊する。それは物理的な破壊ではなく、眼に見えないが確実に存在するモノに対する破壊)
(ここに、この地を守護する『楔』は破壊された。それはこの地を奈落へと落とす為の準備である)
―――悪いこと。
(振り返り、ニヤリと笑う。いつの間にか半分の月が紅く染まっている)
(亡霊たちが、微かに漂う変動を予兆して、さっきとは違う動きを示している)
世界の物事は単純なのです。
それを受け入れられないと、後々人生を苦労するのですよ。
(しみじみと経験者のように語る利香)
(確かに、理不尽きわまる少女だ)
ええー、憶えていないなんてサイテーだ。
(自分は存在自体を忘れていたことはすっかり棚に上げている)
あたしはちゃんと言ったのに。
って、流すな。こら。 覚えてない事誤魔化してるでしょ。
(妙なところで勘がいい人であるが、あっさり流されどうにも不機嫌のようだ)
いやー、単純明快。
(別に目の前に何があろうと、関係はない)
んで? それはネタになるの?
あたしにとって重要なのはそこだけ。
君が悪い事しよーが、それであたしの知らない人が殺されよーが関係ないし。
(亡霊たちが騒ぎだす。赤い月が昇る)
って、おや? 結界でも貼りましたか?
赤い月とは珍しい。
(対して、気にしない様子で見る)
んで、その悪い事を具体的に。
そいつはちょっと違うぜ。複雑な事象を意図的に簡略化し、「現実は簡単だ」と歪めるのは
危険な事だ。それは思考停止に安住している事に他ならない。複雑で難解な事象に挑む
事の中で己自身の価値観を獲得する。それが生きるって事だ。
お前のそれは悟りじゃない。単なる現実逃避だ。
(まるで打って変ったように真剣な口調で語る悪人。「現実は単純である」という彼女の)
(発言が琴線に触れたようだった。自ら悪人である事を選び、悪事を成しているからこそ)
(考える事を放棄した発言を看過できなかったらしい)
・・・最悪だな。もう少し自分の住んでる街について注意を払った方がいい。
この街が尋常じゃないって事くらい、わかってるだろうに。
それに、誰が死のうが知った事がないなんて台詞は・・・・・
そんな事を言っていいのは、道を踏み外した悪人だけだ。
(無責任極まる悪趣味な発言に眉を顰める。どうにも癪に障る部分があるようだ)
(他人の悪事には寛容であるはずなのに、気に障って仕方ない)
他人の事は関係ないんだろ?だったら、お前に教える必要はないな。
何も知らないまま死ねばいい。関係ないっていうのは、そういう事だ。
(珍しく不機嫌そうに吐き捨てて、月を指差す。ぱちりと指を鳴らすと同時、石碑が割れた)
(真っ二つに割れたそこから、夜空を飲み干さんばかりに飛び立つ巨大な悪霊)
(神経を破壊するような奇怪な叫び声をあげて、悪霊は何処かへと飛び去る)
別にいいじゃん。
現実逃避したって。結局は結果がモノをいう世の中だからね。
現実的に物事を考えると、皮肉だけど、「現実を逃避する」って選択肢が一番賢い。
少なくても、あたしの中ではそれが一番賢い選択だった。
(彼女の思考はまさに結果論である。だが、それゆえに彼女はそれが正しいと信じている)
(過程など、数学の証明でしか役に立たない事を思い知らされたから)
分かってないよ?
あたしにとっては、いつもの日常の事。面白そうなこと以外は関係ない。
(ニヤッと笑う少女)
悪人で結構。
別に善人なんて面倒くさいものになりたい訳じゃない。ただ、自分が面白い事に首を突っ込みたいだけ。
知らない人があたしの知らないところで何人死のうが、目の前で赤の他人が死のうが知ったこっちゃない。
それらに、涙を流す余裕なんて、あたしにはもうないからね。
え〜、面白そうだったら関係あるのに。
(目の前にいる悪霊の声が耳に響く)
(ポリポリと頬を掻くと、飛んでいく悪霊に目をやる)
で、あいつは? 君の悪い事って? 君の行為であたしが死ぬんだったら関係あるんだけどな?
(にやりと笑う。 腰に手を当て、ホルスターから拳銃を取り出し、相手に向ける)
答えは三秒以内に。
なるほど、それがお前の価値観か。
(それが逃避だと自覚して恥じる事もない。そこで恥じて思考停止に安住しないなら)
(まだ何か掴めるかも知れない。恥じるという感情は矜持から生まれるのだから)
(逃避を逃避として自覚して進まないなら、そこで完全に終わっている。終わり果てている)
・・・・・お前、哀れだよ。逃避で得られるモノなんて、何もない。
(その言葉通り、その双眸に憐憫の感情を宿す。終焉を求めている己だが、この世全ての)
(生を憎んでいるわけではない。むしろ羨望している。自分とは異なった解答を持ち得る可能性は)
(前を向いて生きている事を前提として生まれる。だが、思考停止に安住する彼女に出せる答えはない)
断言しておく。その先には何もない。お前が求めるようなモノは、この世にはない。
何故なら、お前のその考え方ではすぐに袋小路に行き詰まる。
お前も、ホントはわかってんじゃねえか?あちこち這いずり回って面白いこと探して。
けど、それもすぐにガラクタに変わる。それはソレが無価値だからじゃない。
それは、お前自身がつまらない人間だからだ。そんなお前は悪人ですらない。
(その生き方はつまらないと、静かに断じる。愉快な人間はどんな事柄にも価値を見い出して喜ぶ)
(物事をつまらないと感じるのは、その心に欠けているものがあるからだ。或いは己がそうであるように)
お前に答える舌は持ち合わせてないな。
(向けられる銃口に、しかし怯えは見せない。ただ、静かにその眼を見つめるだけだ)
(この距離から拳銃では、名人でなければ当たらない。動かない的なら当たる距離だろうが、それは)
(当たるだけだ拳銃の運用方法は、白兵戦こそが本来の用途。故にこの距離では脅迫にすらならない)
そっ、それがあたしの価値観。
そうしなきゃ、自分である事を保てなかった哀れな人の末路。
(逃避しなければ、彼女は自分の行いを許せなかった)
(逃避しなければ、刀を振り下ろせなかった。逃避しなければ、自らが愛していた姉の血を浴びる事をためらった)
君が断言しなくてもいいよ。
(別に考える必要もない。そのような「面白くない事」は)
あたしの目指す先に何もないのはあたしもよく知っている。
でも、袋小路なんて存在しない。だって、そんな道に入る必要なんて存在しないから。
(まさか、悪人であり、狂人である目の前の人物に説教されるとは思わなかった)
(可笑しかった。笑えた)
別に悪人になりたい訳でもないし。
ただ、今の自分に満足して、少しの刺激があればあたしは満足なわけ。
(いくら罵倒されようと、彼女はその感情さえも逃避していた)
(今の世界に錨を下ろしたように。自分の価値感を揺らがない)
どうせ、碌な人生を歩めなかったんだし、これから歩もうとも思わない。
そんな求める人生は、それこそ小説の中だけで十分。
ふ〜ん。んじゃ、沈黙は死あるのみという事で。 死んで?
(何も遠慮はいらない。だから普通に引き金を引いた)
(連続し3つの鉛の玉が飛び出す。彼に向って)
・・・・・・だからつまらないと言ったんだ、その生き方は。
(必殺を期した銃弾は、しかし掠めることすらなく彼方へと飛んだ)
(何も特別なことはしていない。引き金を引く一瞬を見越して射線から逃れただけだ)
(拳銃の利点は引き金を引けば誰でも銃弾を放てるという事。子供でも大人でも素人でも)
(玄人でもそれは変わらない。だが、一直線にしか飛ばない銃弾が横に動ける生き物を)
(捉えることなどできない。飛んでくる銃弾は避けられないが、事前に予測して避ける事はできる)
(大した芸当ではない。相手の殺意や闘志が臨界点に達する直前を察知するのは、その道に通じた)
(人間なら可能である。その一瞬を察して動く。それができるから人外を狩ることも可能なのだ)
で?他の出し物はないのか?
なら俺はさっさと帰りたいんだが。もうお前に興味はない。
(じゃりじゃりと間合いを詰め、銃弾の射線に入らないように歩きながら問う)
(契約者である自分とは、また違った意味で行き詰った人間になど、興味はない)
(更に言うなら、自分は他の契約者たちにも興味はない。行き詰っているからだ)
――ああ、ついでに訂正しておくと、お前はもうとっくに行き詰ってるんだな。
よく見ると、死んだ魚みたいな眼ぇしてやがるな、おい。
(罵倒ですらない、淡々とした口調で言う。巧妙に間合いを詰めながら、一瞬で詰められる距離に)
はっはっは、それはあんたの価値観。
小説みたいな生き方はあたしは望んでないって。
おおっ! まさか、本場のマトリクスが出来るのか?
(相変わらずアホな事を言う)
ってか、すごくない? どんだけ修羅場を超えてきたんだか。
(じりじりと近づいてくる。所謂死の予感)
(しかし、彼女はそれを微塵も感じていなかった)
(しかしながら、それは決して自殺願望なんかではない。当然諦めているわけでもない)
ん〜、あたしは宴会で一発芸をする係長じゃないんだから。まぁ、あたしもとっとと写真を現像したいけどさ。
いやぁ、人の目を見るなんて、あたしに気でもあんの?
(こんな時でもアホな事しか言わない)
ん〜、じゃあ、こっちで勝負しようかな?
(拳銃をしまい、持ちだしたのは警棒)
(そして、いつもの癖、つま先で地面を叩く)
どうするの? このまま殺すか殺されるかの死闘でもやる気?
(一歩下がる。自分の立っていたところに『ある仕掛け』をして)
それを恥じることすらしない。それがお前の限界だ。
誰もが、自分という人生という舞台に立っている。
そんな逃げ口上くらいじゃ、生きる事自体からは逃げられない。
(誰もが自分の人生という舞台では主役である。筋書きも何もないアドリブだけで)
(綱渡りする即興劇。ならばこそ、張り通すしかない。どれだけ無様に見えようと)
(それすらしようとしない人間は、他人の人生の観客にすらなる資格は、ない)
この程度の児戯、出来ない方がおかしいだろう。
ここまで状況が整っているならな。お前、ひょっとしてできないのか?
(誇るわけでなく悠然と語る。相手が一人であり、距離があり、得物が拳銃であるという)
(条件なら、高い可能性で生き残れると、彼は断言できる。他の条件が加わればまた別の)
(手段を講じて生き延びるまでだ。この場に限って言えば、それが出来て当然なのだ)
お前程度にそんな価値があるとでも?
一方的に狩るだけで終わりだ。出来損ないの下らない生き物め。
(きゅっと眼を細め、嫌悪の表情を浮かべる。それが殺意に変換されるまで大して時間は)
(かからなかった。警棒を取り出した彼女に掌を突き出して、珪素を生み出す。舞いあがるのは)
(無数の剃刀。水晶を鋭く尖らせて、相手に吹きつけることで切り刻む『霞刃』である)
――消耗するだけで何も得ることのない、擦り切れるだけの人生は楽しかったか?
(一瞬、それこそ擦り切れたような、摩耗したような表情が浮かぶ)
【そろそろ〆に向かいたいわけで。殺し合いは回避したいんで逃走するなり何なり】
決めつけだねぇ。 何でそこまで難しく考えるかねぇ。
もっと、結果論はシンプルで、そして、その過程は結果として無駄となるって知ってるのに。
(人生の観客になる資格すらない彼女)
(だが、それすら彼女はなる気にもならなかった)
他人の価値観を否定する気など毛頭ない。そゆこと。
いや、普通の人間は出来ないから。自分と同じ立場で語られても困るなぁ。
(元々、拳銃で撃ち合うなどあり得ない日常)
(昔でもそんな経験などない)
基本は撃ち合う前に殺すし。
うわっ! 乙女のハートが傷ついた。
う〜ん、いきなり人生終了宣言出されても困るんだけどな。ってな訳で、怖いんで逃げるわ。
(そして、警棒の反対の手に……カメラがあった)
今日は闇もいい感じで。近づきすぎの駄目だと思うんだよね。
(一瞬のフラッシュが彼を襲う)
(そして、彼女はその間に……)
さて、逃げますか。
(逃げ脚を生かし、工場の入り口にいた)
ってなわけで、あたしはこれで〜。
【では、スタコラサッサと逃げましょうw】
(閃光が眼を灼く。一瞬、視界が奪われた)
(これは生物の生理として、絶対不可避の行動である)
(紅裂拓兎もそれは例外ではなく――結論から言うに逃げられた)
――――それが逃避だと言う。本当に無様だな。
(誰も居なくなった中庭で呟く。楔から解き放たれた亡霊たちが寄ってくる)
(宙に浮いた刃を掌に集約し、結合し、一本の西洋剣を生み出す)
そんな生き方は―――つまらん!
(横薙ぎにそれを一閃すると、『斬られた』と『錯覚した』亡霊たちが霧散する)
(亡霊は殺せないが、『驚愕』を与えて退散させることはできる)
(それを可能とするのは、常軌を逸した精神力である)
――ああ、本当に、くだらないな・・・・・・
(疲れたように呟いて、自分もまたその場を悠然と去る)
(不意に、あの永遠を求める少女と会いたくなった)
(話しをして、この妙な蟠りを消化したかった)
(いつものあの笑みを浮かべて、この話しを聞いてくれるだろうか)
(きっとそうに違いない。故に、だからこそ――紅裂拓兎は誰もいない部屋に帰ることにした)
【おぉ、もうこんな時間。眠くて言ってる事が支離滅裂です】
【お疲れ様でした。おやすみなさいませ】
【途中から、こっちも支離滅裂に……】
【お疲れです。お相手どうもでした】
【む・・・・・悪い、やはり今日は無理だ】
【これにて待機解除】
【あっ、少し遅かった……?】
【入れ替わりに待機します】
【待機解除します】
【こんな時間だけど待機してみるね。誰か来るといいな】
【わたしの詳細は
>>215にあるから、良かったら見てみてね】
【まだいるかなー? 正ちゃんでよければお相手するよ】
【お昼間の話でも夜の話でも、希望があればどうぞー】
【僕については
>>168を見て欲しいなん】
【はいはい遅れましたがまだいるよ〜っ】
【ん…あれ?そういえば初めましてかな?人が多いから把握しきれていなかったり…】
【うん、今は昼間だからお昼の話にしよっかっ。やらしいとかそういのじゃなくてっ…!】
【さてどうしようかなぁ…、校内でばったりと会えるかな?】
【あ、そーいえばこの前すれ違ったきりだったような】
【やーやー初めまして。クールで二枚目で学園のアイドルな正ちゃんだよー】
【……すみません調子乗りました、糸目で三枚目で学園きってのオタク少年御木本です】
【そだねーお昼間、ええ!? もももちろんそそそんな下心はっ】
【学校か、転校生さんだったら道案内ができるかにゃ】
【そうじゃないなら、重いものを運ぶ途中とか……】
【ああ、司狼さんって理数系や英語が苦手なんだっけ?】
【課題で唸ってるところを見かけてヘルプに入るって手もあるよ】
【それだと図書室か、あるいは校外でもいいならマックや喫茶店?】
【他にもマラソンでダウンしてる僕を一周抜かししようとして出会うかー】
【うん、一気にアイディア出しすぎるのもよくないか】
【お好みのがあったら教えてほしいなん。なければ他のプランでもー】
【1枚増えた!?しかもアイドルからオタクに…!】
【こちらは司狼北都とだけ…、うー…勢いだけでここまでの敗北感を味わうとはっ】
【そうだねー、転校生じゃないから道案内は不要だね】
【って…すごっ…すごすぎる!なんですかこのネタの多さはっ!】
【それでは勉強のヘルプをお願いしようかな】
【図書室はサイレントモードが原則だから学園の近くにあったら嬉しい某ファーストフード店で】
【ペンを片手にモヤモヤしているので、一声かけて貰えると嬉しいな】
【うん、おごるから…多分だけどっ】
【はっはっは、オタクをなめると痛い目に遭うのだよー】
【学園生活シミュレーションは画面の中で完璧なのさっ】
【……うん、痛いって揶揄されるのはこっちなのだけど】
【ん、それじゃあ狼さんに優しい肉をパンで挟んだ物体片手にお勉強でも】
【いやー美少女が笑顔で喜んでくれたら、それだけで十分だともーあっはっは】
【提案した側だし、よければ僕から書き出そうかにゃ?】
【なにかあればその都度遠慮なく言ってほしいなー】
【それじゃあ、改めてよろしくお願いしますねん】
【御木本くん痛くないよ?うんだいじょうぶいたくないいたくない(棒読みで)】
【あれは…あれはタマネギが入ってる…!食べ物と違うのですっ】
【え、それじゃあ寧ろこっちが奢ってもらっちゃおうかなー】
【…にゃ?それじゃ御言葉に甘えて御木本くんに書き出しをお願いします…わん(対抗している)】
【こほんっ…。うんっ、ありがとう。その時は遠慮なく言わせてもらうね】
【では書き出しお待ちしてますっ、よろしくね〜】
(ゲーム、コミック、ライトノベル、DVD、サウンドトラック)
(趣味方面で何かと出費の多い御木本正太郎にとって)
(その他のもの、特に食費は削る候補の筆頭だった)
(贅沢は敵だ! 欲しがりません買うまでは!)
(当然外食は最低限に抑えるべきもの、なのだが)
サラダをつけて、飲み物はミルクでお願いしますー。
(放課後、敵陣真っ只中にて呑気に注文する彼)
(アパートの配管がいかれ、自炊できなくなったのだ)
(夜には二次元方面の買い物が控えていることもあり)
(近場、通学路の途中でフライドチキンにありつくことにした)
【いじめだ……獣っ娘が僕をいじめるよー?】
【ああ、しまった。あやうくたまねぎ中毒患者を出すところだ】
【というわけで鳥さんに変更しておくねん】
【くぅ、わんに萌えたからって奢るわけには……軍資金が……(ロールに続く)】
うあ…うあぁ…、どうしようどうしよう…………。
(今日の数学の授業は最低なものだった)
(いつも運良く教師からの指名をかわし続けて来たのだが、「じゃ、司狼。明日ここ当てるからな」と)
(全くもって有り難くないお言葉と宿題を頂戴してしまったのだから)
(そこで腹拵えもしつつ宿題も、と思いながら立ち寄ったファーストフード店の片隅に席をとると)
(テーブルの上にテキストとノート、そしてドリンクとポテトを並べ、自分との戦いをはじめた)
(しかし、指名されないのを良いことにまともに教師の話を聞いていなかったためか、
(与えられた問題はさっぱりの「さ」の字程も分からないという、緊急事態なわけで)
え…えっと……、ここがこうなって、さんとななが……合わさって…、あれ?
(指折り数えて計算する始末。数学というより算数な雰囲気丸出しであった)
はぁ、もう分かんないよ〜…。
…………ん?…ふんふん、いい匂い。
誰かチキンでも頼んだのかな…。
(香ばしい鶏肉の匂いに釣られながら、教科書とにらめっこ)
【いじめられる前にいじめないと喰われるって昔じっちゃが言ってたような…】
【うわぁ、ありがとう優しいオタクの人!それでは結末はロールへと〜】
うわはあ、おいしそう。
(湯気をたてるチキンとドレッシングのかかったサラダに、思わず顔が綻ぶ)
(普段は節約しているとはいえ、元々こういった類の食べ物も割かし好きなのだ)
(一口目は繊維質を食べて腸を整えようか、いや始めこそジューシーな肉汁を)
(わくわくしながらくるり、と辺りを見渡して周囲の状況をやっと認識する)
うそ……席がない。
(どうやらのんびり注文している間に、後から来た集団に空席を占拠されたようだ)
(屋上・中庭で食べるなんて選択肢は校外には存在せず、トレイを抱えて佇む)
(しばらくうろつくと斜め120度方向に一つの空席……と見慣れた制服が一着)
(相席になるけど、身内なら大丈夫かも? とそのまま歩を進めた)
ややあ、ここいーかい?
("ややあ"ってなにさ、ややあって)
(画面の中の女の子に話しかけるときと違い、現実の女性相手には奥手な御木本)
(つっかえてから息を飲み込み、もう一度首を振って熱くなった頬の熱を払う)
(プチ黒歴史一丁追加だ。後日枕に顔を埋めてうわーっとなる種になるかもしれない)
ん……あ、そこ。符号間違えてない?
(了承を取ろうとテーブル彼女から視線を移すと、途中のノートがちらりと見える)
(おせっかいかもしれないけれど、悩んでいるのも見過ごせずに指差した)
(チキンのせいで集中力が乱れたが、再び机に向き直すと教科書を見たりノートに計算式を書いては消したり)
はぁ…だめ…全然進まない、もう諦めて帰ろうかな……。
誰か予習してる子にノート借りるとして………
うー…でも昨日予告されてたのにやって来ない人だなんて思われるのも嫌だし……。
……ぷはっ、や…ややあ?
(すっかりやる気を無くして肩を落としながら、先ずはドリンクを飲み干してしまおうと、ストローを)
(くわえていた所で「ややあ」という意味の分からぬ言葉と、相席を求める言葉が耳に飛び込んできた)
(もちろん、顔を挙げずにはいられなかったわけで、口を半開きにして声の方向、斜め上を見上げた)
あっ、はい、いいですよ、座っちゃってください!
わたしもう直ぐ帰るから、…………え?
(指さされた先には、あまり綺麗とは言えない計算式が書かれたノートがあり)
(ややあの人は、それを一目見て間違いを指摘してきた)
え、あれ?
あ…あはは、やっぱり間違えてたかぁ。
通りで解けないわけだよね、って…あれ、もしかして同じ学校?
(苦笑いとともに頬を掻きながら、視線を、再びノートから斜め上に戻す)
(見ればその人は同じ学園の制服を着ていた)
……。
(ばっちり聴かれていた上に、繰り返された。プチ黒歴史はミニ黒歴史に進化したっ)
(きっと今日、新作を手にして並んでる最中にうわーっとなる素になるだろう)
(反射的になにか訂正しようとしたが、相手はストローをくわえている最中だ)
(無駄に喋って口数を増やすのも申し訳ないし、最悪の場合ノートが危ない)
(ぐっと嘘八百言い訳千六百を飲み込むと、努めて笑顔で向かいに腰掛ける)
いやー、なんか困ってたみたいだから。
他にも三行目で代入ミスしてるのと、こっちは三行目は公式が……。
(あんまり指摘しても、とは思いつつ芋づる式に間違いが見つかり)
(遠慮がちに、一つまた一つおまけに一つと声を抑えて指摘してみる)
と、いきなりごめん。そうみたい。
高等部どうしかな? 僕は二年の御木本ー。
(一問目を赤ペン先生ばりに真っ赤にした頃、やっと気付いて自己紹介)
(夢中になると順序が狂う性質は相変わらずのようで、照れたように頭をかく)
(トレイのチキンは、テーブルの上にぽつんと寂しく放置されていた)
ここ引っかかりやすいんだよね、僕も一昨日やったとこでさー。
わざと複雑な解の中に単純なの混ぜるから、疑心暗鬼になって検算しちゃったよ。
(「ややあ」の一言が、眼前の人にとって黒い歴史の新たな1ページを刻んでいることなど露程も知らずに)
(紙製のコップをテーブルに戻しつつ、自分も笑顔で向き合う)
うん…と、えっ?
あ、本当っ、言われてみると確かに…。
うわぁ…こんな初歩的なミスばっかでいやになるよー…なっ!えっ、やだ、ここも?
ひっ!そっちも間違ってるのっ!?
(噛めば噛むほど味が出る何かではないが、次々と掘り出されるミスに、ミスを作り出した本人が一番驚く)
…………も、もうだめだぁ…。
(背もたれに力無くもたれ掛かり、口から魂が抜け掛けているかのような状態で一言呟いた)
高等部?あれ、二年…生?
わぁっ、すごい偶然!それじゃ同じ学年だね!
わたし司狼北都だよっ。
んー御木本くんかー…クラスが違うと全然分からないものだねぇ。
(人懐こい犬が尻尾を振っているかのようなはしゃぎ振りで自己紹介をし返す)
(些細なことでも幸せになれる便利な頭の持ち主なのかもしれない)
ふむふむ…そうなんだ……ごめん…全然分かんない……。
あっ…
(トレイの上にチキンが残っていた。恐らく先程の匂いの正体もこれだろう)
(ポテトとドリンクで粘り続けていたためか、そろそろ腹に貯まるものが欲しい頃だったわけで)
(数学について熱く語り出した御木本をちらちらと見つつ、そーっと手を伸ばす)
(その時、ぐぅと情けない音で腹の虫が鳴いた)
【う〜…遅くなってごめんねー…電話対応してました】
気にしない気にしないー。
ちょっとでも集中力が欠けると、連鎖反応みたいに間違えるんだよねん。
よかったら、他の問題も見……あーそっちは√の中身が。
(問2問3と気になる箇所が次々出てきて、ついつい続けてしまう)
(差し出がましいかなあ、と思いつつ放っておけない性分が勝った)
あっはは、偉い人も言ってたじゃん。諦めたらそこで試合しゅーりょーってね。
いつまでの課題なの? 今日と明日があれば終わるだろうし、もうひと頑張り。
あ、同じ学年だよね。それだけで親近感沸いたよー。
(ぐったりしたり明るくなったり、くるくる表情を変える相手に笑みをこぼす)
(笑った口元から覗くから八重歯の可愛らしい、元気一杯な女の子だった)
(うむ、理系が苦手というところまで属性の組み合わせが素晴らしい。ではなく)
むー、どこらへんからつまずいてるんだろ。
ちょっと戻って原因調べてみる?
(食事そっちのけで教科書をめくるあたり、完全にお世話焼きモードに入ったようで)
(司狼北都のノートを借りると、斜め読みしてどこから説明すればいいかと思案する)
(おかげで、足元もとい手元はすっかりお留守になって)
……ん?
(聞こえてきた音に顔を上げて、初めて彼女の手の位置に気付く)
(物音と仕草の連立方程式を立てれば、すぐに解は求まり)
ごめんごめん、そういえば食べてる途中だったんだっけ。
よかったらどうぞ? 集中しないとこっから辛いだろうからー。
(食欲を忘却の彼方に放り投げたまま、うっかりあっさり譲ってしまった)
>>257 【電話は誰でもあることだし気にしないでー】
【お互いのんびりいきましょうねん】
うあっ、次は自信あったのにっ……!?
ルートなんて嫌いだああぁっ…。
……あー…、その言葉どこかで。
どこかのぷよぷよした先生の御言葉だった気がする。
それが明日なのっ。しかも、先生に当てられちゃっててさー…。
もうどうしようって思ってて…。
でも御木本くんと会えてちょっと安心したかな…うんっ。
あははっ、そう言ってもらえると嬉しいな。お陰様でわたしも話しやすいよ。
(細い目を更に細めて自分に笑顔を返す御木本の前で、初対面だという感情は最早無く)
(へらへらと笑いながら椅子に座り直した)
あ…ごめんね、あんまり美味しそうだったからっ…ちょっと、っていうか
ごめんなさいちょっとじゃないです物凄く気になってましたっ…。
(顔が真っ赤になる。色恋ネタで真っ赤になるならまだしも、理性の食欲への敗北で)
(顔を真っ赤に染めるなど、本人だって予想していなかった)
……え、いいの?
御木本くんがあとで泣いても、わたし返せないよ?
(俯きがちに「お金ないし…」と呟きながら、手元の厚みが無い財布を振ってみせた)
(少しぐらい聞こえてきても良い小銭の音すら、聞こえてこなかった)
【ありがとですー】
迷ったまま適当に書くより、自信満々で間違えたほうが後々ためになるよ。
そのほうが頭に残って、次に正しい答えを出せるだろうからー。
(頭を抱える彼女を慰めようとする、ものの自身もこれからうわーっとなる予定であり)
(あんまり言っても逆効果かと未来の自分に同情しつつ、実用的なことだけ述べる)
ふっふっふ、でもあの仏様が元は鬼監督だからねん。
隠れた名君というか、ああいう先生がいたら一生ついていくよー。
(が、漫画の話題には食いついてしまう御木本。いけないっと軌道修正して)
明日、か。ちょっと厳しいかな……いやほんのちょっとだけね?
二人でやればたぶん終わるよー。
いやーそんなに言われると照れるってば。
(実際、さきほどとは別の熱が早くも頭部に集まっていて)
(今度は口にすることで、どうにかそれを散らそうとする)
(頬をかくと自分のシャーペンを取り出し、しっかり紙に向かって)
はっはっはー、遠慮なく食べちゃってよー。
そんな顔見せられただけで、正ちゃんはもうお腹一杯だからさ。
栄養摂らないと、頭も働かないだろうしねん。
(細身とはいえ食べ盛り。夕食を譲って平気なはずはない)
(が、美少女と会話し数学と取り組みコミックまで話題にした御木本は)
(興味がすっかり食欲中枢から去って、胃の事情に疎くなっていた)
(いわば、酔っ払いが無茶な約束をしたりするアレに似た状態である)
ゆっくり食べて、それから片付けちゃおう?
ほんとはずっと手伝いたいんだけど、後で用事があってー。
(その大事な用事の前に、彼はいったいここに何しに来たのだろう)
知らぬは一生の恥、とその逆、みたいなもの?
うん…うんっ、そうだよね、頭と体をフルに使って覚えるとするよっ。
(やる気が湧いてきたようで、何度も大きく頷いた)
(初対面の人に慰められ、そして励まされるほどに末期だという点は置いておいて)
えぇっ、鬼監督だったの?
それは知らなかったなー、優しそうなイメージしかなかったよ。
御木本くんってそういうのに詳しいんだねぇ。
っとと、いけないいけない!真面目にやらなきゃ終わらないぃーっ!
うー…日付が変わる前には終わるかな?なんだか果てしなく遠い道のりに感じるけど…。
ん?ははっ、照れちゃ嫌だよー。
だってわたしにとって御木本くんは救世主みたいな存在だし。
(次々と並んでいる問題を改めて見下ろしながら頭を抱えて深刻そうに言う)
(それでも「終わるよー」と、所謂デキる人に言われると、少しながら自信が持てた)
本当に本当に、いいの?
うーん…、脳が働くには糖分が必要らしいけど、でも力になるのはやっぱりお肉だよねっ。
それじゃ、遠慮なく…いただきますっ!!…………♪
(両手でチキンを持つと、口を大きく開けてそれをぱくりと)
はむ…、うんっ、咽せちゃったら大変だもんね。ありがとう御木本くん。
…用事?へぇ、御木本くんも多忙なんだねー。アルバイト?
(御木本が何者で何を好むか知っていれば、聞き返すことはなかっただろうが…)
(チキンにかぶりつきながら、何も考えず、ただただ興味本位で質問してみた)
【度々ごめんね、次のレスちょっと遅れます】
【夕食時だけど時間は大丈夫かな?】
そそ、聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥って。
身体は……あーうん。暗記の時に役立ったりするんだよねー。
(せっかく元気になったところをしぼませては申し訳ない)
(こっくこっくと頷いて話を合わせ、間違いをリストにまとめていく)
(数学は特別できるわけではないが、人に教えたら復習にもなるだろう)
そうそう、教え子との行き違いが……といけない。
続きはぜひとも原作を読んでくれたまえー。
(会話の流れに乗る形で、真面目に課題を片付けようということになる)
(本人の意図が、バスケ漫画の金字塔を勧めようとしているだけであっても)
救世主だなんて、これ以上褒めてもチキンしか出ないよ?
まーまー、千里の道も一歩からって言うしー。
(人懐っこい女の子に褒めちぎられて、深刻そうな相手とは逆にへにゃっと笑う)
(警戒心0。貴重なタンパク源が消えようともはや意識にすら入ることはなく)
消化したら勝手に糖に変わるよ。
いやー、人の身体ってよくできてるよねん。
(一時的に数学から理科へとブレるくらいであった)
〜〜〜〜〜〜っ!?
(その後二次不等式、場合分けと順調に飛ばしていた手を止めたのは)
(難問でも奇問でもひっかけ問題でもなく、少女の無邪気な質問である)
えっと、買い物で……ね。
(ゆーあすくみーほわっとあいうぃるばい?)
(初対面の女の子に18禁な商品名を言えと!?)
うん、生活必需品なんだ。今日買いに行かないといけなくて。
心が温まるし目も休まる優れものなのだよー。
(うなじから背筋にかけて、隠れる部分にだけ冷や汗をかく)
(悲しいかな、対応マニュアルはもう既にばっちり組みあがっていた)
>>262 【と、ごめんー。気が利かなかったね】
【返事遅くなっちゃったけど、ご飯やお風呂はごゆっくりどうぞ?】
【中断しても大丈夫だからー】
【こちらは、適宜済ませるから心配しないでねん。ありがとう】
だって御木本くんがいなかったら、明日のわたしはもうっ…!
ん、チキンまだ出るならもっと褒めようかな?
冗談だけど……っと、はぁ美味しかった。
ごちそうさまでしたー。
(綺麗に残った骨を紙に包んでトレイに戻す)
(これからこのチキンが、自分の数学の勉強のための、重要な栄養となるのだった)
うんうん、すごいよねー。本当に無駄がないよねぇ。
とは言っても食べ過ぎたら外側に出ちゃうから、気をつけないといけないけど。
(流れが数学から理科に変わっても、のんびりと語り合う)
(そんな中、今日こそお金が無いものの、今度会った日には勉強と食料のお礼をしないと、と心に誓った)
…………?
(すらすらと動いていた彼の手が止まった原因が、まさか自分の質問内容だとは思いもせず)
(間違いリストと御木本の顔を見合わせて小首を傾げた)
買い物か、そっかー。リラクゼーショングッズか何かかな?
御木本くんの生活しちゅ…必需品なら、急がないとね。
(噛んだにも関わらず何事もなかったかのように話を続ける)
あぁ…、ごめんね?
わたしが引き留めちゃったせいで、買い物に行くのが遅くなっちゃって…。
うー…御木本くんが買いそびれて明日欠席でもしたら、確実にわたしの責任だねぇ…。
(生活必需品と言うだけに、余程大事なものなのだろう)
(深入りこそしないものの、「なるほど〜」と頷く)
【とと、遅れましたが戻って来ましたー…!】
>>264 【重ね重ねありがとう助かりますーっ…】
【時間的にはあと1時間ちょっと…。2〜3レスくらいで〆になりそうって感じかな】
【何か不都合があれば遠慮せずに教えてね?】
買い物がなければ、もっとご馳走したいんだけどねー。
でも、褒め言葉は数学のために取っておいたほうがいいかもよん?
(もちろん、そんなことを言われずとも教えるつもりなのだけれど)
(照れくささを紛らわすために、ふとそんな冗談を言ってしまう)
(言うまでもなく、実行されればより気恥ずかしいことになるが)
そんな漫画じゃないんだから、いきなり太鼓腹になったりはしないさー。
司狼さん元気そうだし、人より多めに摂るくらいでちょうどよさそうだよ?
(その分自分が飢えるという意識は、雑談に埋もれたまま)
(ご丁寧に骨を回収し、後で捨てやすいよう蓋を閉めて処理)
え、あー。うん。
ここがわからないなら二章を見直したほうがいいかなって。
それと、グラフの問題は図を描く癖をつけたほうが……。
(悲しいかな、クラスのオタクグループAとして日々好奇の視線に晒されているためか)
(冷や汗の量を増しながらも、つっかえたことに対するそれらしい理由を用意できた)
(だが、カッターシャツの背中は既に冬場とは思えないほどびっしょりと濡れている)
(彼女が可愛らしく噛んだことよりずっとずっと、今の御木本はピンチなのだ)
は、ははは。わかるー?
あれがないと正ちゃんどうにも落ちつかなくって……。
でも、ないとすぐ生活が行き詰まるわけじゃないから安心してねん。
必需品って、たいそうな名前のくせにそんなの多いよねー。
(あっはっはっはと乾いた笑いで喋る、というよりは努めて口を動かす)
(そう、別に買いそびれたって死にはしないし飢えることもないのだ)
(でも絶対逃したくない、まで言うといよいよ詳細を聞かれそうなので伏せ)
まあ、焦って頭に入らなかったら元も子もないからゆっくりいこうよ。
この時間なら、一問10分ペースで解説できるからー。
(話題が"必需品"のほうに流れないよう配慮し、計算を続ける)
(ミスしたらそれで時間を食い、遅刻やバレるリスクは高まるのだ)
(迅速に正確に、かつ目の前の生徒さんが丁寧にわかりやすく……)
(今、この瞬間だけは本職の教師より熱心になれている。気がする)
【お帰りー、大丈夫だったかなん? 焦らなくていいからねー】
>>266 【ん、了解だよー。のんびりなのはお互い様だから……】
【〆の方向で調整していくねん。お気遣いありがとう】
うぁっ!そ、それもそうだね!
チキンより今は宿題をなんとかしなくちゃいけないってのにっ。
いま御木本くんに帰られたら、また独り数学地獄だし…。
(少し油断しただけでチキン≧数学となってしまっていたことに気付かされ頭を左右にぱたぱた振った)
(自分を正気に戻すためのその動きは、端から見たら結構間抜けかもしれない)
そうかな?まぁ、たしかに運動は好きだし大人しくするのは得意じゃないけど…。
あっ…、でも、わたしが食べたことで逆に御木本くんが痩せちゃうかもね?
ただでさえ御木本くんは痩せてるのに、これ以上痩せたら骨と皮だけになっちゃいそう…。
(向かい側の救世主の体型はひょろりとやせ細っており、栄養が足りてないのではないかと思う程)
(改めて、チキンを食べたことを申し訳なく思った)
うー…二章に戻った方がいいかぁ。
グラフ、面倒くさくてついつい描かないでやっちゃうんだけど…。
あははっ…、や、やっぱり書かなきゃだめだよねぇ。
(この時、御木本の背中に溢れ出す汗に誰が気付いただろうか)
(もちろん単純な思考をもった自分は、彼の焦り具合にも気付かないまま、グラフへの)
(文句を、唸りをくわえてだらりだらりと述べていた)
んー、必需品ってたしかに色々あり過ぎるかも。
一般的なものから個人的なものまで…御木本くんのも個人的な必需品だし。
(目も心も休まるもの=アイピローか何かだろうと、思い切りハズレの単語を胸に秘めながら)
(グラフの次は必需品の文句へと移行する)
うんっ、焦って間違っちゃ話にならないもんね。ここは落ち着いていかないと…!
っていうか、御木本くん、まるで先生みたいだねぇ。
…あっ、ねえねえ、この問題なんだけどこうなった時はどうしたらいいの?
(シャープペンを握る手にぐっと力をこめて気合いを補充。問題に向き合う)
(ちょこちょこと質問したりしながら時間はあっと言う間に過ぎていき…)
【了解です】
【さて次あたりで〆かな】
あは、そんなに慌てなくてもー。
ほんとに司狼さんを放ってすぐ帰るほど、薄情じゃないよ。
(予想外に真に受けられ笑いを堪えきれず、声を震わせながらひらひらと手を振ってみる)
(周囲からの微笑ましげな視線がくすぐったいが、至近距離で炸裂した萌えには敵わなかった)
んーんー、僕はいつも小食気味だからね。
こうやって世界はバランスをとっている……わ、け……。
(彼女の正直な指摘に、やっとのことで現状を認識したが時既に遅し)
(そう、いつの間にかチキンは全て骨になってしまっているのだ)
(この後予想される全速力のダッシュと押し合い圧し合いを考えると)
(今はそれほど空腹を感じないとしても、容易に未来を予測できる)
そそれに僕、今日はベジタリアンな気分でねー。
(まさか人に向かって、食べたものを返せなどと言う気になるはずもなく)
(この素朴な女の子が後悔する事のないよう、粗末な自己暗示をかけてみる)
(うん、演技はできそうだ。本能をしっかり打ち消すのはすごく難しいけどね!?)
そだよねー、みんなにとって必需品とは限らないわけだー。
そう考えるとますますたいそうな名前かも。
(食欲と、購買欲。二つを誤魔化しながらもペンは進んでいく)
(もたついても止まっていても、事態は悪化するしかないのだ)
いやあ、そんなに言ってもらえるなら将来は先生目指しちゃおうかなん?
任せたまえ生徒くん、そこはaの値ごとにパターン分けするんだよー。
さっきのグラフを書くっていうのも、こういうところで活きてきて……。
(が、それら二つを満たすわけでもない口もまた休まることはないのは)
(もはや根っからの美少女愛でしか説明しようがなさそうであった)
(女の子との時間はあっという間に過ぎ、リストがどんどんと積み重なる)
……と、まあ。だいたいまとめたから大丈夫かなん。
いくつかは実際に解く暇なかったけど、応用すればできるから。
もし不安だったら、メルアド教えとくよー?
(タイムリミットのきっかり10分前。御木本は任を終えて清々しい表情で立ち上がった)
(その顔は誰かに学問をきっちりと教えて、なおかつ食い気を満たした者の顔だ)
(間違っても、今頃腹の容量の空き具合を実感してきて白くなっているわけではない)
(再注文をする時間も予算も見つからない、という現状が笑顔さえ浮かべさせてくれた)
(安心確実なアフターサービスを確約してから、ぺこっと頭を下げる)
今日はありがとねん、いろいろ楽しかった。
(そう、可愛い同級生に頼られたというのが一番の慰めだ)
【ごめん、〆に向かうのに手間取ったらこんなに遅く】
【それじゃあ僕は、これかもしくはその次で】
【長時間ありがとう……いやー結局魅力に負けて奢っちゃったよー】
【ごめん御木本くん…、レスわ書きたいんたげどタイムアップっ……。今日はこれで落ちさせてもらうね?】
【最後の最後で時間かかっちゃってほんとごめんね…】
【後々…明日にでも置きレスにて最後だけおかせてもらうかもです】
【ではごめんね、今日は1日ありがとう】
【また会った時はよろしくね〜(落ち)】
【あああ、ごめんねごめんね】
【僕のほうが最後にものっそい遅れたもんだから……】
【司狼さんは何も悪くないし、気にしないでー】
【ん、こちらこそありがとうだよー】
【縁があったら、また遊んでねん。それでは】
【スレッドをお返ししますー】
【ロールにスレをお借りします】
…………
(緊張感をともなった静寂が部屋を包んでいた)
(部屋にいるのは、テーブルの周りに座った男女3人)
(ベッドを背にして男女が並び、テーブルに置かれたコーヒーから立ち上ぼる湯気を通して)
(正面に座る残りの一人を見つめる)
(正面の少年--御木本正太郎と、隣の少女--伊織津綺子に向けて、沈黙を破り声をかける)
……二人は同じクラスなんだってね。ならばお互いに紹介は必要ないかな?
(少し身を乗り出し、意識して低く押さえた声)
(もしかしたら正太郎の能力を受け入れるパートナー本人よりも緊張しているかも知れない)
前にも少しだけ話したことがあるけど
御木本君、君の能力で彼女の記憶を封印して貰いたい
(それは暗闇の中で見つけた小さな光。その光に縋るように)
……頼む……
…詳しいことは、彼女から直接聞いてくれ
(乗り出していた体を起こし、二人に目配せして)
(その場の主役を譲る)
【では、こんな感じでよろしく】
【足りない部分があるようなら適当に付け加えてくれ】
ええ……先輩のご要望とあらばー。
(妙に居心地の悪い静寂を破ってくれた青年の声に、すかさず乗っかる)
(かつて、共に人狼と戦った事のある迫水先輩。今日は彼に呼び出された)
(人柄が良さそうだなと好感を持ち、悩みがあることも仄めかしていたので)
(それ自体に抵抗はなく、ここまで着いてきたのだけれども)
……話を聞く前に、一度だけ確認していいかな。
(視線を少しずらすと、視界に入った同級の少女に尋ねてみる)
(伊織津綺子さん。先輩の記憶の中にいたのもまた彼女だった)
(ちょっと考えれば結びつくけど、目の当たりにすると妙な気分だ)
(この二人が付き合って……"ああいう"関係にあるなんて)
(御木本正太郎はそれを知っている。知っていることを二人は知らない)
(なんとまあ、沈黙されなくてもそれだけで逃げ出したい気分だった)
先輩から聞いてるかもしれないけど、ノーリスクってわけにはいかないよ?
辛い過去の追体験、一時的な記憶の混乱……自我をしっかり保たないと後遺症もあるかも。
なにより、僕の本業はこっちじゃないんだ。
大昔は鋏の扱いに慣れてる床屋さんが外科手術をしてたけど、そんな感じ。
(が、依頼主は迫水先輩だし伊織さんは生真面目で通っている)
(いい加減なことで記憶を弄れなどと言ったりはしないだろう)
(そうやって頼られているなら、雰囲気で蹴るなどできる筈もない)
(だから真剣に、まずは負の面を一通り並べておく)
それでも、やるんだね?
【と、遅れご容赦。同じくスレッドをお借りします、よろしくです】
(二人がそれぞれ言うべきことを言って、あとはこちらの発言を促すように黙り込む)
(沈黙は、何より最も私的な領域である「記憶」を公開する津綺子自身が一番いたたまれなく感じ)
(そのいたたまれなさを、最前からもてあましている)
今日は本当にありがとう。
あなたが私たちのために大変なことをしてくださるって聞いて
それはとっても感謝してる。
(まず御木本に礼をいい、これが彼とのほとんど初めての会話だと頭の片隅で考える)
(同じクラスといえども、体育会活動を主にしている自分と)
(いわゆる「オタク」な彼とは水と油ほども交わりようがなかった)
……私には、自分で自分の気持ちをどうしようもないことがあって……
でも、それをそのままにしておいたら、私も、迫水先輩も命が危ないことになるの。
リスクは私一人で負います。
だから…御木本くんに危険がないなら。
(それから大きく深呼吸して、今度は真正面から御木本に向き直る)
あの、それで……御木本くんが見る「記憶」って……具体的には、その、
どの程度、というか……あの、本当に全部見えてしまうもの、なの?
(いまさらこだわっても仕方がないと思いながらも、どうしても気にかかる部分…)
(ある意味、リスクよりなにより、直との行為を彼に知られることのほうが津綺子にとっては大問題なのだった)
(もう一度直に視線を戻した)
直さんは……それでも、いいの…?
(御木本に、自分の記憶を通して彼の行為を知られることに、抵抗はないのかと問い直す)
【お二人とも、今日はよろしくお願いします】
(津綺子と視線を合せて、頷く。テーブルに置かれた彼女の手を無意識に握り)
俺は…構わない…
それが津綺子に必要なことならば、全てを受け入れよう
(正太郎は断る為の遠回しな言い訳ではなく、真剣にこちらに向き合ってくれているからこそ)
(リスクを包み隠さずこちらに告げてくれたのだから、そのリスクを受け入れるのは)
(正太郎の誠意に答えることであり、また信頼していると言外に伝えることでもあるのだから)
こちらからもひとつだけ…
頼みを聞いて貰う立場だから、少し無理なお願いかも知れないけど…
これから津綺子の話すことは、一切口外しないことを約束して欲しい
(それでも、確認しておかずにはいられなかった)
いーのいーの、僕自身に危害が及ぶことはないからさ。
戦友と美少女の頼みなら、喜んでお受けしますともー。
(いつもは、はきはきと受け答えする印象のある伊織さんだけれど)
(今日は反応が鈍く、思わず硬さを解そうと軽い口調で返答した)
(普段は会話しないからこそ、余計にイメージとの差異が気にかかる)
(もっとも、年齢制限を破った行為を日々お楽しみというだけで)
(生真面目で委員長というレッテルはだいぶ剥がれかけているが)
(クラス内でのキャラに惑わされない、という意味で実質初対面か)
……まあ、プライバシーについてはご安心ください。
漏れたらどんな辛いことになるか、日々実感していますから。
(が、どんな人間であろうと自分の秘密を知られたくないと思うのは確かだ)
(おちゃらけた調子から一転、そのことだけはまっすぐ目を見て真剣に告げておく)
(そして彼女の懸念をなだめるでもなく煽るでもなく、説明を始めた)
んー……見なくても、知ることはできるよ。
例えば、君が過去にケーキを食べた記憶を隠したいとする。
けれどクリームやスポンジの像を見せたとき、味や食感の情報が付随すれば
直接映像を見なくても、僕は伊織さんがケーキを口に入れたと推測できる。
(戦闘の最中に体験したことを、洋菓子に例えて穏便に話す)
(それから、今日の"治療"の成否を担うであろう事例の説明へ)
ただ、僕の能力っていうのは気合で防げちゃう代物なんだー。
精神を弄るんだから精神力で対抗できる。
普段は偽の感覚を上から与えてるんだけど、本体を弄るなら抵抗力は跳ね上がるしね。
君が見せまいと思えば、ケーキに関すること全てをベールで覆う事だって可能だよ。
……もちろん、見えないものは封印も増幅もできない。けどねん。
御木本くんにそんなことが出来るなんて、全然知らなかったから
これまでもずっと、他の人の記憶を見ても、何も言わない人なのはわかってる。
自分に何が出来て何ができないのか、他人に隠し続けることの難しさも、わかってるつもり。
(それは異能を持って生きる者の宿命)
(それを身をもって知っている、というだけでも、御木本への親近感は増した)
私は迫水先輩と一緒に、異形や魔物を駆除しているの。
(視線を落とし、直に握られている自分の手を見つめながら話し始める)
危険は覚悟の上だけれど、どうしても立ち向かえないタイプの魔物がいて……
触手、とか、ぬるぬるしているような…ナメクジみたいなのが、とても恐い。
過去にそいつにひどい目に合わされたことがあって……
(ぎゅ、と目を閉じ、直の手を握り返す)
夏に連続少女監禁事件があったのを覚えてる?
その最後の犠牲者に、私がもう少しでなるところだった……。
犯人は、あなたも知ってる玖我くん。あれから学校に来ないのは、そういうわけなの。
(異能を手に入れ、少女たちを監禁していた同級生)
(彼もまた、この体を陵辱し、消えない傷跡を残していった)
(目を開け、御木本へすがるような視線を向けて)
この記憶を封じない限り、私だけじゃなく迫水先輩まで危険に晒すことになってしまう。
はっきり言って、とてもひどいことだから、もしあなたがその記憶に触れたくないというなら
もうこれ以上無理にお願いすることはできない。
でも……御木本くんが私の心を救ってくれるなら
この街の夜がこれ以上暗くさせないことを、私たちが約束する。
だから……お願い。
………
(正太郎が二人の関係について知っているのだと、彼の説明で気付く)
(初めて出会った夜に、自分の記憶--特に津綺子に関する--を覗かせている)
(あの時に思い出したのは、パートナーの顔や声だけではなかったのだから)
(そんな思考も津綺子が喋り始めれば遠くに消え去って)
………
(津綺子が静かに語るのを、黙って見つめる)
(口を挟まず、力の加わる津綺子の手を握り返し)
(その行為が少しでもパートナーの負担を軽くできないかと願い)
俺が危険に会うのは構わない。その危険は承知の上だからね
俺は、彼女の苦しむ姿を見たくないんだ。彼女の心を救ってやりたいんだ
だけど、俺の力じゃどうにもできないんだ
だから…俺からも、頼む
…………うん、共通点が見つかって嬉しいよ。
(実際は、記憶を覗いた相手なんてそう多くはない)
(ほとんどの人間は、無意識にでも記憶にプロテクトをかけているものだ)
(相手に協力の意志がない限り、手間隙かけて会話を重ねないと破れない)
(付け加えるなら、普段自分が戦うのは"異形"であって"異能"は少数だ)
(だが、彼女が少しでも信用してくれるのならば黙っておいたほうがいいだろう)
(これから頭の中をかき回すのだ。疎遠なままでは失敗のリスクが高くなる)
(その信頼に値する人間に、これから自分がなれば良いのだ)
(特に、こんな辛い出来事を告白されればその決意も強まった)
(聞かされた二つの記憶は、どちらも想像を絶するものだった)
そ、か。やってみる。
一番触れたくない本人たちが、勇気を出したんだ。次は僕の番さー。
(それについて、慰めの言葉をかけるようなことはしなかった)
(彼女の隣には心と身体で傷を包み込む先輩がいる)
(いまさら、自分に同情されても余計に辛いだけだろう)
(あえて淡々と事務的な返答をすると、順繰りに二人を見る)
申し訳ないですけど、リスクを分散することはできないです。
この治療において迫水先輩には一切危険が及ばない。
そうやって手を握ってもらっているのが、一番でしょう。
そのまま、伊織さんにはベッドに腰掛けてもらって……。
先輩に抱っこしてもらったほうがいいかにゃ?
その状態で、自分のことを定義してみて。
誰の娘で恋人か、所属する部活から出席番号までねー。
(治療に必要な情報は整った。あとは実行するだけだ)
(一つだけ関係のない、ある気がかりは残っているけれど)
先輩……二人で狩られている異形って、どんなのですかね。
街の夜を脅かすなんて、さぞかし悪ーい化け物でしょうけれど。
(集中してもらいたい伊織さんは避けて、迫水先輩に尋ねてみる)
(正義感の強い彼女と、その恋人さんが異形を"駆除"しているという)
(かつて自分が犯した過ちを、この二人が繰り返していないか……)
ここへ、座っていればいいのね?
(言われたとおり、ベッドに腰掛ける)
(ずっと繋いだままの手に、もう一度力をこめて直を見上げた)
何もかもうまくいったなら、もう私はあんなひどいことを思い出せなくなる。
あなたにこんな重荷を預けて、何も知らない私は、きっとそれだけで
あなたを傷つけてしまうのでしょうけど……許して。
ごめんなさい。本当にありがとう。
終わってしまったらお礼もいえないと思うから…今、言わせて。
(それから「抱っこ」という言葉に一瞬顔を赤らめ、無言で彼に寄り添うと肩に頭を預けて目を閉じた)
自分のこと…
イオ・インターナショナルの社長・伊織玄同の長女
××学園高等部の2年E組、陸上部でハイジャンプの選手
電撃使いで、魔物を退治していて……大切な人は、迫水直さん。
(その必要があるのかどうかわからなかったが、とりあえず口に出して自分のことを語る)
(出会ってから今日まで、直と過ごした日々の一瞬一瞬を心の中でたどりながら)
(そうしてなるべく心を開放して御木本に委ねるように)
(異形に変じる直の姿、体を引き裂かれてもひるむことなく魔物に向かい、それを食らう彼と)
(直を見守り、寄り添い、幾度となく守られてきたことを……)
(何度も愛を交わしたことを、その都度ささやかれるたくさんの言葉を……)
「忘れないで」
「君の初めては俺だからね……」
(それは互いにわかっている美しい嘘)
(その嘘の重荷は、もう直一人が負うことになってしまう)
(正太郎の言葉に従い、ベッドの縁に腰掛けた津綺子の隣に自分も座り)
(握ったままだったパートナーの手を、自分の膝の上に引き寄せ、目を合せる)
いいんだ。君のためなら、俺はどんな傷にだって耐えられる
君は今日、生まれ変わるんだ
(初めて体を重ねた時の津綺子の言葉を囁きかけながら)
(パートナーの、恋人の体重と思いを肩で受け止めて)
この街の夜の闇はとても深くて暗い
その闇に生きる異形は、力ない人達を傷付け、喰らう
本能の赴くままに、己の力を誇示して、望むままに、弱い者を蹂躙する
俺達は自分の力の及ぶ限り、少しでも傷付く人を減らしたい
…そう考えているんだ
(目を閉じた津綺子の代わりに正太郎を見つめ、自分の決意を語る)
そう、急ぎはしないから。ゆっくり準備を整えてよー。
(そう頷いたきり、きゅっと口を結んで家具の一つのように意識から遠ざかる)
(二人の世界に入り込むことで、伊織さんの負担が軽減されるならいくらでも待とう)
(社長令嬢で高跳びの記録持ちで優等生で、と眩いイメージの伊織さん)
(その彼女が夜の世界で戦おうとしている、というだけでかなり心配になる)
(実際、真っ直ぐな彼女は大きな傷を……封印しなければPTSDが続く)
(もし立場が違っていたなら、真っ先に止めに入っていたところだ)
(そうしないのは、力を持つ故の葛藤を知っているつもりだからだろうか)
(守れるのに守らない、助けられるのに助けない事に対する罪悪感は大きい)
そう、君は伊織津綺子。
イオ・インターナショナルの社長・伊織玄同の長女
××学園高等部の2年E組、陸上部でハイジャンプの選手
電撃使いで、魔物を退治していて……大切な人は、迫水直さん。
(一字一句違わず繰り返し、伊織さんへと同調していく)
(彼女を映す鏡となり、やがて実物と像を入れ替えるために)
(万が一伊織さんの決意が半端なものなら、そこで自ずとわかる)
(それに、その意志を彼氏である先輩が知っているのだ)
(今自分が何か言ったところで、どうにかなるものではあるまい)
これから君の一部を封印する。
けれど、他の何かまで忘れる必要はないからねー?
自分が何者なのか、頭の中で何度も確認して。
そして、忘れたい記憶についても同じように定義してみて?
(記憶の洗い直しには、しばらくかかるだろう)
(その間、視線を先輩に移して話を続ける)
なるほどー……誰かを救えるって素晴らしいことですよね。
僕も、諍いが起こっていたらなるべく助けに入りたいと思ってます。
けれど――
(メス捌きが乱れては患者の肉体を傷つけてしまう。平穏は保つつもりだ)
(でも、聞けば聞くほど……その正義感の強さを感じれば感じるほど)
もしも、望まない力の誇示というものが存在するとしたら?
(聞かずには、いられなかった)
忘れたい記憶……
(目を閉じたまま眉を寄せ、表情をゆがめる)
一人で体育会用のシャワールームで、汗を流していた。
排水口から…ぬるぬるした触手が伸びてきて……足に……
(思い出したくない)
(あんなことを思い出すくらいなら……もう一度あんな思いをするのなら)
(何も変わらなくていい)
そいつはナメクジに変えられた人間で、誰かをレイプすれば元通りになれると言っていた
体は電気を吸収する粘液に覆われていて、私では歯が立たなかった…
触手が何本もあって、拘束されて、抵抗できなくて……
そいつがしたいと思うことは、何でも私にすることができた。
一番汚らしい、いやらしいことも、どんな仕打ちも……
私がこの力を持っている限り、何もしなくても向こうから魔物がやってくる!
自分が強くなれなかったら、殺されるか……好きなだけもてあそばれるか。
玖我くんは、ある日突然強い力を手に入れて、
他の人たちを思い通りにしたいという気持ちに勝てなくなった。
たくさんの女の子たちを誘拐して、監禁して…私のことも……
どうして……力があるのに、それで人を傷つけようとするの?
そんなことをしている限り、いつか必ず自分の力が及ばない誰かに会うのに!
(うわごとのように内面を語りながら、いっそう強く直にしがみつき、青ざめて冷や汗を浮かべる)
(過去を告白する津綺子を庇うように、その震える肩を抱き締め)
(己の存在を認識させようと、頭を胸に抱え込む)
………
(「もういい」と止めたくなるのを必死で堪えて)
(無意味だと、八つ当たりだと、分かっていたことだと、そんな思いを認識しながらも正太郎を睨む)
……力の、暴走……
(それは自分の抱える問題でもあり)
(聞いてくるからには、正太郎にも、何かしら思うところがあるのだろう)
もちろん、本人の望まない力の誇示も存在するだろう
そもそも異能は、人の手に余る強大な力なんだからね
…ただ、その言い訳に「一度だけの過ちだった」は通用しないんだ
その「過ち」で誰か傷付いた人がいるなら、その報いは受けなければならない
俺も、津綺子も、もしかしたら君も…いつかはそれを償う時がくるだろうね
(それは、闇を歩き、ある時は人を傷付け、命を奪う者の覚悟)
(「全ての命は対等である」と言う信念)
怒りで濁らせちゃだめだよー。もっと、細部を思い出して?
ビデオにでもなったつもりで、ただ記憶を掘り起こすんだ。
映像だけじゃない、その時の感覚も。耳にした音や声も。
感情や理念や……ありとあらゆる主観を排除してごらん。
君は、乱暴された後一体どうしたんだい?
(それが彼女にとってどれだけ残酷な指示だったか)
(身をもって体験したことがないとはいえ、わかるつもりだ)
(けれど、切除する部分をしっかり区切らないと成功はない)
(最悪周囲も巻き込んで、自我を壊してしまう)
(なだめる事も、議論することも今は好ましくない)
(御木本が感じたことは全て、先輩のほうへと向けられる)
(トラウマと向きあう彼女に会話を聞かれる可能性は低いだろう)
暴走……それもまた、自らの望まないことでしょうね。
けれど、それだけが意思に反する理由でしょうかー?
先輩も伊織さんも、血に飢えているから戦っているわけじゃない。
じゃあ、異形ってどうなんでしょう。
(彼のほうへと視線を向けることはない)
(恋人の辛い感情をされて、良い顔をしてるはずはないのだ)
異形を駆除する/何もしなくても向こうからやってくる/夜を暗くさせない/やらなければやられる。
伊織さんは今すごく動揺してる……だからあなたにお尋ねしたいんです。
(故にただ、無機質に、無表情のまま、平板な声で、先輩の意識に問うた)
怒りで濁らせない…ビデオ……
(御木本の言うことがわかってきた)
(自分の記憶を主観…自分の思い出ではなく、客観…誰か別の人間に起こった出来事として語る)
(自分のことでないのなら、辛くはない)
痛くて、惨めで、気持ちが悪くて…それでもナメクジが相手のときはまだ良かった。
私は一人だけだったから、私が傷ついて苦しむのも私だけだった。
玖我くんのときは……もう、直さんが……好きな人がいて
(眉を寄せる)
(いけない、自分の経験ではなく、事実を記録したビデオにならなければと自分に言い聞かせて)
乱暴された後、警察を呼んで…学校の関係者から祖母が呼ばれて
何度説明しても、誰も信じてくれなかった。
病院で私の体内から玖我くんの精液が採取されて、やっと、私が被害者だってことだけはわかってもらえた。
同じ思いをしている人がいるの……この街には。
そして、誰かが退魔しない限り、同じ思いをする人がこれからも出てきてしまう。
そうしたくない、それはいや……。
(自分の記憶を別の誰かの経験であるかのように思い込むことは危険だった)
(まかり間違えば、人格が分裂してしまう)
【申し訳ありませんが、ここでいったん中断させてください】
【21時過ぎには再開できると思います】
【お二人の都合に合わせますし、もしどちらかが続けられないようでも】
【残った方とある程度は話を繋げますので】
【よろしくお願いします】
【っと、すまない。夕飯に呼ばれた。一旦中断をお願いできるかな?】
【一時間くらいで戻れると思う】
>>288-289 【ぬ、了解ですー。落ちるタイミングまで同じとは、おそるべしbカップル】
【伊織さんの21時に合わせたほうが良いでしょうか?】
【それまでに、こちらもまた必要なことを済ませておきますね】
【続けるに当たって、わかりにくいところなどありましたら遠慮なくどうぞです】
【抽象的なロールになってしまって申し訳ない……】
【それでは、いったん失礼しますねー】
>>287 っ!みき…
(あまりに残酷な正太郎の指示に、声を出しそうになる)
(津綺子を抱き締める腕にも知らず力が入るが)
(指示に従って、自らの記憶を呼び覚ましてゆく津綺子の姿に、なんとか自分の感情を押さえ込む)
(そんなこちらの苛立ちを知ってか知らずか、正太郎は目を合わさず)
(そのままこちらに問い掛けてくる)
やむにやまれぬ事情もあるだろう
本人にとっては、死にたくない、生きていたい、それだけなのかもしれない
もし、野生動物が街に放たれたら?それと同じことさ
彼等とは生きる領域が違うんだ
だから人は、侵入してきた者を駆除し、支配に抵抗しようとする。
向こうからやってくる、やらねばやられる、と怯える
人の街の夜は、人のものだ。奴等の好きにはさせない
【続きを投下して待ちます】
(トラウマの輪郭がくっきりと現れ、伊織さんの声も抑揚が削られていく)
(あとは露になった埋めるべき記憶の上に、別の記憶を置いていく作業だ)
(ぱっくりと海馬の深淵を開けると、忌まわしき日々の映像を押し込んで)
それじゃー、次は直さんがしてくれたことを思い出そっかー。
私はパニックに陥ることなく学校生活を送ってる。
一時だけでも、ナメクジや玖我くんのことを思い出さずに済む。
それは直さんがどんなことをしてくれたからー?
(今度は先ほどまでと真逆、呼称も全てを伊織さんにあわせ)
(主観の部分に、幸せな日々の思い出を尋ねてみる)
(それにしてもすごい精神力だ。あの激情をこうも押さえつけるとは)
(普通は、やれと言われてはいそうですかとできるものじゃない)
(才媛の誉れが高い彼女の、一端に触れられた気がする)
(強く、己に厳しく……だからこそ罅が入ると脆い)
(思わず、視線を外すと決めていたはずの先輩を見やった)
(自分よりずっと長く時を過ごした彼も、きっと知っている)
(それでいてなお、伊織さんを支えると決めたのか……)
ん……ありがとう。お二人のモチベーションはよーくわかりました。
あとは、伊織さんが恐怖に負けなければ大丈夫ー。
(彼は――彼らは?――最も御木本の望んだ答えをくれた)
(そして、その上で戦う決意を語ってみせた。ならば何も言うことはない)
(これ以上問いかけるのは、ただの八つ当たりに他ならないだろう)
(本当に責められるべきは誰なのか、とっくに答えは出ているというのに)
(お人よしな……それも生半可じゃない)
(人一人の全てを支えようという優しさを持つ彼を、これ以上困らせる気にはなれなかった)
【と、お待たせしてすみません。再度よろしくお願いします】
【トリップ変更します】
【
>>291さんありがとう…】
一人で魔物に立ち向かうことは、自滅に向かうのと同じことだって思っていたの。
直さんに会うまでは……
直さんはそばにいてくれる。私が闇に落ちそうになっても、命がけで引き上げてくれる。
汚されて……化け物にまで弄ばれた私の体を、ちゃんと大切に扱ってくれる……
私の心の中にある、本当の私……ただの、なんでもない女の子でしかない私を
呼び覚ましてそのまま受け止めて、愛してくれる……
(いつもいつも、直との行為のたびに新たに発見する「自分」……)
(淫蕩な肉体と、その体に同調する隠微な精神)
(そんなものまで、彼はすべて受け入れてくれる…)
【お待たせしました。よろしくお願いします】
(無機質で平坦だった正太郎の口調が変わる。暖かみのある間延びした声)
……………
(事実を客観視させることで切り離し、その上に主観をのせる)
(そんな理屈については分からないが、治療が段階を踏んで進んでいることは分かる)
…………
(記憶を呼び覚ます一助になればと)
(沈黙したまま、いつものように恋人の髪を梳かしながら撫でる)
(そんな時、ふと、正太郎が視線を向けてくる)
(その瞳に、こちらに発せられた言葉よりも、もっと複雑な心境を映しているように感じたが)
誰かに頼まれてやっていることではないからね。自己満足…そんなことを言われたこともあるよ
こんな答えで満足できたかな?
(今は詮索すべきではない、と思い直して)
(自分の口調も緩んだものに改める)
【改めて、よろしくお願いします】
本当の自分を愛する人が見てくれるって、素晴らしいことだよ。
もう、それ以上の要素を抱え込んで生きる必要はないさー。
私は私……直さんに愛されている私。
直さんが受け止めてくれる時の事を強く思い浮かべてー?
(家の物が急になくなれば、主は血眼になってそれを探して回るだろう)
(ではもし、本物と見分けのつかない別の宝を代わりに置いたとしたら)
(奥深く収納した、乱暴された伊織津綺子という自己認識の真上に)
(迫水直に愛される私、のイメージをありったけ積み重ねていく)
(重要なもの。己という定義であろうとも、こうすれば本人を惑わせる)
ええ、正ちゃんは大満足ですよー。
絶対これでいいなんて確信、なかなか持てませんからねん。
僕の線引きだって、どうするべきかじゃなくてどうしたいかに限りなく近い。
(普段の御木本正太郎なら、ここで言葉を切っていただろう)
(ただ、治療へと神経の大部分を傾けていたためだろうか)
(かかるはずのブレーキが、ほんの一瞬だけ遅れて)
――むしろ、正義か悪かってすごく苦手なので。
(糸のように細い間の抜けた眼が、一度だけぱっくりと開かれる)
(それは瞬き一度、見逃してもおかしくないような時間のことで)
(僅かに途切れた平穏は、すぐに次の治療で取り戻された)
疲れたよね、ゆっくり休むといいよー。
大好きな直さんに包まれて……私は安らぎを得る。
起きたら、愛される自分を実感できる。
そう、私は愛されていて…どんな私も、受け止められている…。
(傍から見れば見るに耐えない痴態も、二人にとっては大切な絆を結ぶ行為)
「津綺子の「はじめて」俺がもらってもいいかな…?」
「忘れないで」
「君のはじめては俺だからね」
……そう…私は…直さんに出合って、それまでの私と……変わったの…
(事実と認識の時系列が混乱し、だんだん都合のいいところへ収まっていく)
(直によって変えられていく自分という認識)
(本当の自分を見出されつつあるという自覚)
(それが直に出会う前は無垢な自分であったという自己イメージを作り上げて)
(休め、と指示を与えられれば精神活動が低下してゆき、眠りに似たレベルにまで落ち着いて)
(直にもたれかかったまま、ごく短い休息を得る)
俺もそうさ。自分の「こうしたい」を押し通していく
結構我儘だよな
っ!
(細い細い糸のような目が一瞬だけ開かれた。その事実に驚かされて、目に映る感情までは読み取れない)
……自分が「正義」だ、なんて思ったことはないな。「悪」だとも思わないけど
(驚きを押さえ込み、言葉を紡ぐ。見てはいけないものを見てしまった、そのことを誤魔化すように)
(正太郎の言葉で治療の終わりを知り)
(安らかな寝息を立てる恋人をゆっくりと寝台に横たわらせて)
(一度だけ髪を撫で、正太郎の視線を意識しながら、その唇へ自分の唇を軽く重ねる)
………ご苦労様、ありがとう…
(振動を与えないようにベッドから降りて、彼の向かいへと座り)
…首尾は…?
(すっかり冷めてしまったコーヒーを啜りながら単刀直入に尋ねる)
いやー、わかったふうに言ったら失礼かもしれませんが……。
迫水先輩は、押すだけじゃなく引くこともできてるんだと思いますよん?
そうでなきゃ恋人なんてできませんってー。
(何事もなかったかのように笑うのは、誤魔化しか。自分でも気付いていないのか)
ええ……僕も、悪じゃないことを日々積み重ねていきたいものです。
(こっくりこっくり頷くと、ようやく幻術師は"患者さん"から目を離した)
(規則正しい寝息を聞きつつ、緊張を解すように肩を何度か上下させる)
(しかし、眠るときまで上品だ……ちょっとは気を抜けばいいものを)
(この強い克己心が、彼女の成績や陸上の記録を生み出しているんだろうけど)
(そんなことを考えつつしばらく待ったが、目立つリバウンドなどは見られなかった)
いえいえー、ご協力ありがとうございました。
おかげさまでだいぶ上手く行きましたよー。
目が覚めたら、迫水先輩が初めての人だって信じきってると思います。
(伊織さんがデリケートな状態にある間、精神的な負担を強いてしまった)
(それを少しでも癒してもらおうと、まずは結果について報告する)
(が、"治療"にはアフターケアがセットで必要なのだ)
(彼に続くようにコーヒーを飲むと、一呼吸置いて)
芯のしっかりしてる人だったから、他の自我には影響はないと思います。
けれど、万が一記憶の欠落なんかが見られたらすぐに呼んでください。
(まずは可能性について述べ、連絡を密にするようお願いする)
で……伊織さんの触手。ですよね。に対する警戒心は薄らいでます。
しばらくしたら普通の異形と同じレベルで落ち着くでしょう。
でも、数日は今までの反動で全く恐れないかもしれない。
(そして、一番大事なことを言い含めるため声を潜めて注意を促した)
(身を乗り出してもらうくらいでないと、この後のことは告げられまい)
その間に襲われでもしたら、封印は容易く解けます。
そして、二度と忘れることはできなくなる……。
僕に言われなくてもでしょうけど、一週間は特によろしくお願いします。
(それだけ言うと、空のカップを皿に置いて立ち上がる)
さてっと、目を覚まして正ちゃんがいたら驚くでしょうからー。
ここらで失礼しますねん? お幸せにい。
(万が一退出が間に合わなくても、異能であるという記憶を呼び覚ましたくはなかった)
(二人の愛の巣に何故か紛れ込んでいるオタク少年、という本来の立ち位置へ戻る)
んん……
(肉体的には睡眠をとっていても、脳細胞は忙しく活動していたらしい)
(浅く不自然な睡眠は十数分も続いただろうか、あっけなく醒めた)
あ…私、お話していたのに寝ちゃったの…?
(3人で話をしていた、という状況認識まで狂うようなことはなかったらしい)
ごめんなさい、大事なことだったのよね?
(直はともかく、御木本の前で不用意に寝姿を晒したことに恥じらいを見せて起き上がる)
(制服の裾を整え、ベッドを降りて直の横に正座した)
もう、お話しは終わった?
(二人の顔を見比べる表情は、何のかげりもなく)
そうか…うまくいったのか…
(結果を聞き安堵の溜め息を漏らす。恋人の安らかな寝顔をチラリと振り返り)
(すぐに正太郎へと注意を向けて体を乗り出す)
………分かった。注意しよう
今日は本当にありがとう
また今度改めて、しっかりとお礼をさせて貰うよ
(正太郎に合せて立ち上がろうとした時に、丁度津綺子が目を覚ました)
目覚めた?このところ夜更かしが続いてたから、眠くなっちゃったんだね。
(今までのことなど微塵も漏らさぬように、津綺子へできる限りの優しい笑顔を向ける)
(心の中にチクリと痛みを感じるが、それは偽りの代償。重荷のもたらす、心への負荷)
ん、話はもう終わり。御木本君は帰るって
(正太郎の顔を見上げ軽く頷く)
いやいやー、お二人で幸せに暮らしてくれればそれでー。
その分僕も美少女の笑顔を見られる時間が増えますからねん。
(へらりと笑う御木本は、いつものおとぼけたオタク少年に戻っていた)
(それは、目を覚ましかけた伊織さんへの配慮なのだろうか)
(それともこちらが素なのだという、夜の世界へのささやかな反抗か)
ん、もう終わったよー。早く帰らないとアニメに間に合わなくて。
二期に入った割に安定してるから、見逃したくないんだ。
それでは、失礼しますー。
(とあることないこと混ぜ合わせると、ジャンバーを羽織って頷き返す)
(本人が忘れ、恋人が重荷を負うという二人の取り決めは成った)
(御木本が傷を背負い込むことは、彼らも望んでいないだろう)
(ばっちり録画してあるそれをのんびり見よう、と心に決めて玄関に向かった)
お話し、済んじゃったのね…何だったの?
(そそくさと帰ろうとする御木本の物腰にはどこか不自然を感じながらも)
(自分の統一性に疑問を抱くことはなく)
(その点、御木本のしたことはかなりの完成度で仕上がっていたといえる)
それじゃ、寝てばかりいてごめんなさい、またね、御木本くん。
(直と一緒に御木本を見送り、傍らの直を見上げる)
(優しく、時に厳しく、豊かな包容力でこちらを見守ってくれる青年に)
ありがとう。
(なぜそんなことを言おうと思ったのか、疑問にすら思わず)
(ただ、その胸に顔をうずめてしまいたい、と不思議な衝動に駆られて)
(わずかに直のほうへ身を寄せた)
【それではこちらはこれにて締めさせていただきますね】
【お二人でまだ続きがあればどうぞ、見守ってますのでー】
【お二人が締められたら、少し避難所へ寄ります】
(最初に出会った時、治療を行っていた時。二つの違う顔を見せていた正太郎が第三の顔を見せて頬を緩める)
(嘘か冗談か、はたまた素なのか判別の付きにくい台詞を吐き出す彼に倣い立ち上がり)
(帰ろうとするのを玄関まで送る)
今日はご苦労様。ありがとう
(もう一度礼を述べて、表面は何気なく、裏に真に感謝の意を込め、手を差し出す)
(正太郎を送り出した玄関の扉が閉まると、津綺子が身を寄せてくる)
(こちらを見上げる視線には何の陰りも見当たらず、静かな暖かさをたたえていて)
(口から漏れる感謝の言葉に対して、その頭を胸に抱えることで答える)
【津綺子に続いて俺もこれにて〆だ】
【正太郎君の締めを確認したら俺も避難所に行くよ】
(アニメを見終えた御木本が向かったのは、洗面所でも風呂でも布団でもなかった)
(儚げなヒロインが主人公たちの後押しを受けて、ステージに上がる二期の12話)
(その幻想的なシンデレラストーリーは、今日見た伊織さんのトラウマを覆う一方)
(治療中に掘り起こしてしまった、あの日の出来事をより鮮明に思い出させたらしい)
やーやー、来ちゃったよー。
(帰りの便は朝までないと心配する駅員さんを説き伏せ、彼は海辺の駅の降り立つ)
(視界いっぱいに広がる、暗くて深い……何もかもを飲み込みそうな冬の海)
(そんな中でも、右手だけはまだ温かくて)
『ありがとう』
(迫水先輩は、心からの感謝と共に握手をしてくれた)
(あの大きく雄雄しい手で、伊織さんのことを包んでいるんだ)
(あの真っ直ぐな目で、恋人のことを見守っているんだ)
(あの純な心で、大切な人を想って……信じて……)
ごめんね……あんなふうに、なれな。かった。
(涙はもう枯れていた。ただ深い深いため息が、抑えようもなく漏れ)
(母なる海から吹いてくる風は、冷たく。けれども大らかにそれを飲み込んでくれた)
【すみません、話のつなぎのつもりがいつのまにか長く】
【お二方のペースを何度も乱して申し訳ない限りです】
【今日はありがとうございました】
【初めての三人ロール、とても楽しかったです】
【よろしければまた、遊んでください】
【迫水先輩、御木本くん、お疲れ様でした】
【長い時間だったり途中、休憩をいただいたりとご迷惑かけっぱなしで…】
【お蔭様で本当に楽しかったです!】
【ありがとうございました】
【では少々避難所へ寄ります】
【見届けたー、何やら意味深なエンディング…】
【言いたいことは数あれど、とりあえず避難所に行くね】
【今日のお礼はあちらで改めて。では移動〜】
>>270 あは、あははっ!だよねぇ。チキンを奢ってくれるぐらいいい人なのに、悪い人なわけがないよねー。
いやでも、御木本くんにはひつじゅし…ひちゅ…ひちゅじゅっ…。
………………。
と、とにかく御木本くんは救世主だし、わたしの中の“いい人リスト”に載ること間違いなしだよっ。
(笑われても一生懸命喋る。喋り続ける)
(周りの客にこの二人の学生を微笑ましげに)
(見られているのに気付くのは果たして何分後か…結局は気付かないまま店を出ることになるのだが)
あー、やっぱり小食なんだ。それにベジタリアンじゃあ…、チキンは食べられないもんね。
でも今は風邪にやられ易い季節なんだし、しっかり食べて体力つけなきゃだめだよ?
サラダとかサラダとか、あとは…サラダとか?兎に角、たくさん食べてさっ。
(チキンを注文している時点でベジタリアンが嘘だと分かるのだが、残念ながら)
(そこに気付かないほどの低クォリティーな脳が備わっていたのだった)
うわっ、そうすれば良かったんだー。
グラフを書けば分かりそうだったのに…、はぁ…、御木本先生には頭が挙がりませんなぁ。
(こちらの突発的な質問にも、常に笑っているかの様な糸目の先生はすんなりと答える)
(参ったなーと頭を掻きながら、冗談めかした口調でにへらと笑った)
(そして完成したリストを眺め…)
わー…、改めて見ても、やっぱりすごいなぁ。これなら行けそうな気がするよ…!
…え、アドレス?
(この瞬間、あまりにアフターサービスの良すぎる救世主は、神へとランクアップした)
(もちろんこの直後、目を輝かせて携帯電話を取り出したのは言うまでもない)
ううん、わたしの方こそありがとう!初めて会ったのにここまでして貰っちゃって…。
それじゃあまた、学校で会えたら!買い物楽しんで来てね?
(席を立ち、買い物へと向かう御木本を見えなくなるまで見送った)
(そして自分は席へと座り直して一息つく)
(お礼は何が良いだろうか。ベジタリアンな彼には野菜を箱で送るべきか、それとも何か他の物が)
(良いだろうか。そんなことより先ず宿題を終わらせることが何よりも礼になるというのに)
(あまりの嬉しさからか、どうも順番を誤っているようで)
ああっ、クラス聞いてない!
(挙げ句の果てにそんな独り言を結構な音量で言い、他の客から向けられる様々な視線を浴びながら)
(自分もこそこそと店を後にするのだった)
【や、やっと〆れたー…!御木本くん、昨日は先に落ちちゃってごめんね】
【しかも睡魔のせいで最後の文章が滅茶苦茶だったりと、本当恥ずかしいことばかりで…】
【改めて、ロールに付き合ってくれてありがとう。また機会があったらこちらこそよろしくね?】
【ではでは、今日はこれだけで落ちます〜】
(あの夜の一戦から数日。腕の怪我は医者が驚くほど回復が早く、
翌週の頭には退院できるとの話があった)
へへっ、このままずっと入院してちゃ体が鈍っちまうからなぁ。
それにしても良かった良かった。入院があまり長引かずに。
……学校のやつら、どうしてっかなー。
(ぽつりと呟きながら、窓の外を眺めて苦笑し)
ま、そんなに変ったこともないだろうけど。
さてと、姉さんに買ってきてもらった本の続きでも読むか。
(がさごそと紙袋から文庫本を取り出して)
【スレ借りるぜー。ということで、こんな感じの書き出しだけど、よろしくなっ】
(知らされた病室の番号を見つけて、そこでようやく足を止める)
(扉に片手をかけたところで、見舞いの品を持つもう片方の手を後ろからつかまれた――
首だけで振り返った視線の先に在るのは、「自分が現状に至る」理由をもたらした男だ)
……言いたい事は、分かっております。
(小さくも凄むような声と共に、鋭い睨みを送ったのは、彼女にしては珍しく余裕がないからだ)
(その手を振り払い――呼吸をひとつ落ち着けると、彼女はノックもせずに扉をひらいた)
――…後輩さ……っ、ん。
(入って、声をかけて、彼の元気そうな姿を確認した途端に気が抜けたのだろうか)
(というよりも、「正常な思考」に戻ったらしく、
そこでようやく、ノックをし忘れたことに気づいたらしい彼女は、いったん動作をとめて)
……えっと、ノックしておりませんでしたね、申し訳ありません。
やり直した方が、いいでしょうか。
(だなんて言葉とともに、後ろ手にドアノブを掴んでみせた)
(それはたぶん、“いつもの自分らしい”突拍子のない仕草に、見えるだろうと思って)
【お借りいたします。 ということで、こちらこそ宜しくお願い致します。(一礼)】
(突然がらりと開けられた病室の扉に視線を向けて)
ん……お、先輩! 何だよ、いきなり。
来てくれるなら、来てくれるってメールなり、何なりしてくれればいいのに。
(よほど暇だったのか、突然の来訪者に、表情を緩ませながら軽く手を振って)
へへ、別にいいって。ほら、そこにパイプ椅子があるから、
それに座ってくれよ。
(ベッドの隅に立てかけられたパイプ椅子を顎でさして)
で、見舞いに来てくれたのか?
おかげさまで、来週には退院できるらしいぜ。
うんうん。さすが俺ってば健康優良児!
(楽しげに笑いながら、うんうんと頷いて)
あ……ああ、そうですね。 ごめんなさい、すっかり失念しておりました。
(言いたい事が確か、たくさんあったはずなのに)
(緩んだ表情をみれば、すぅと消えるように、心のうちからなくなってしまった)
(何かしら力の抜ける吐息を吐きだしながら、ふっと表情を緩めて)
――それでは、お言葉に甘えて失礼を。
ええ、遅くなってしまって、申し訳ありませんでした。
つい先ほどまで、入院していらっしゃること、存じ上げなくて……少し、忙しかったもので。
(パイプ椅子に腰かけて、見舞いの品を膝に置く)
……くだものが定番だと、教えられたので、言われるがままに持ってきたのですけれど。
来週には退院できるなら、それは重畳な限り。
(そうして、傷むことも考えた結果なのだろうか、
あまり多くない量のリンゴなどの果物がのっているバスケットを、手の届く、近い棚に置いて)
貴方には、病院なんて場所、お似合いになりません。
クラスの方も、きっと心配しておられますよ?
(小首をかしげてみせるのは、それこそいつものように)
(それから、ふと気づいたように「リンゴ食べるなら、剥きますけれど」と一言付け加えた)
いや、先輩が忙しいってのは知ってるし、別に構わないって。
……そんな、気にしなくてもいいのに。
へへっ、気を付かせて悪ぃな。
(棚の上に置かれたりんごに気をよくさせて、ぱちんと指を鳴らし)
あー、心配するなんてタマかよ、うちのクラスは。
(能天気なクラスの面々を思い浮かべて、苦笑を漏らし)
ま、病院なんてさっさとおさらばしたいな。
…なんつーか、行動も縛られるし。やっぱ、いつもどおりが、一番いいな。
おっ、サンキュ。それじゃ一つ、剥いてくれるか?
ちょうど小腹が減っててさー。
あらあら、分かりませんよ。
貴方みたいな方がひとりいらっしゃらないとと、なかなか違うものです――良い意味でか、悪い意味でかは、存じませんけれど。
(そんな意地の悪いもの言いをしながら、リンゴをひとつ手に取る)
(ご丁寧に一緒にあった果物ナイフを、その赤い表皮にあてながら、視線を落として)
貴方は、私と違って首輪つけられたような状態で、
じっとしていられるような方ではありませんものね―――決して。
(こういうことは得意なのだろう、器用にリンゴの皮をむいていきながら)
(視線をそれに落としたままで、言葉を紡ぎ続ける)
……それで、守りたいものは守れましたか?
>>315 ………そういうもんかなぁ。
(首を傾げながら、しばらく考えていたが、答えは出ず)
あっはは、まぁ俺はどちらかというと、放し飼いの方が性に合ってるからなぁ。
――まっ、早いところ退院して、遊びたいってのが一番だけどな!
(にっと笑顔を浮かべながら、文庫本を閉じて隅にやり)
……ん。
そうだな……ドロー…ってとこかな。
いや、こうして怪我してる分、ノーグッドってところかな。
最悪の結果は出さずに済んだけどさ。
(苦笑を浮かべながら、軽く首を横に振って)
>>316 そーいうもんですよ、深く考えることでもありません。
……と、何か、リンゴをのせるお皿みたいなの、ありませんでしょうか?
(少し考えた様子の彼に、小さく肩を震わせて笑い)
(赤い果実をむきながらふと気づいたことを口にして、再び作業に戻る)
――その願いも、来週には叶うのでしょう?
もう少しの辛抱です。 無茶した分の対価くらい、甘んじて払われてくださいませ。
……そう。
(癖のない黒髪がこぼれかかるのを時折払いながら、
顔をあげようかあげまいか迷った末に、視線は下に落としたままに)
まあ、それで最悪の結果がまぬがれたというのなら、いくらかましでありましょう。
最上とはいかずとも、十全ではなくとも――貴方が、怪我をしたって。
入院するような怪我をなさって、ノーグッドといえる精神は、まったく見上げたものであります。
(たぶん、その言葉は彼女にしては珍しく明確な棘を含んでいた)
(だが、それを隠すように――ともあれ、こういう方面に彼は少し聡いのだと少し後悔したのだけれど――、
ようやくといった風にして顔をあげて、少しだけぎこちなく笑みを作ってみせる)
>>317 あーっと…たぶんその引き出しの中に紙皿が入ってたと思うけどな。
(りんごの籠を載せた棚の引き出しを指差して)
まぁな。このくらいは我慢しないといけないか。
……葵さん? もしかして、怒ってます?
(静かながらも、棘のある言葉にびくんっと震えておそるおそる尋ねて)
まあ…確かに下手をすれば、命だって落としかねてたとは思う。
…でも、あの時あいつの思いを受け止めなくちゃ、
それこそ最悪の展開が待ってた。…そんな気がするんだ。
逃げることも出来たと思う。でもそれじゃ…解決できなかったと思う。
………まあ、葵さんに怒られるのは承知の上でさ。
(ぎこちない笑みを浮かべていた貌が、彼の言葉でいつもの色のないものに戻る)
(気付かれた、と。 心の中で舌打ちしたのは、気付いた彼に対してでなく、ここまでさらけ出した自分にだ)
貴方がそれを選んだから、結果的には「どちら」も生きておられる。
分かっております、それは。 だから、私は貴方を褒めることはしても怒るような筋合いはありません。
……私は、貴方に対して怒りをむけるような資格など、ありません。
(分かっているのだ、そんなこと)
(自分が心配しようが、止めてほしいと懇願しようが、彼は彼自身が決めたら止まらない)
(心配など、きっと足枷だ。 悲しい顔をしてみせるのなんて、お門違いもいいところだ)
(自分ができるのは、自分の手が届く範囲で、ゆく道の露ばらいをしてやるくらいなのだから)
(分かっているのだ、そんなこと)
(ただ、今まで知らなかった名づけようのない感情の制御が、上手くできないだけなのだ)
「あの人」を、殺さないでいてくださって、ありがとうございました。
(情報は、流れてきていた。だから、自分はあんなにも急いできたのだ)
(「須佐乃水琴」の手によるものだと形だけの情報を聞いた時、ひどく胸のしめつけられるような想いがした)
………貴方が生きていて、良かった。
(それでも、そんな事は関係ない)
(自分の感情など無関係に、彼に言うべき言葉はこっちだと、彼女は思っていたから)
……そう言ってくれると助かる。
正直言って、俺はあの人が何を考えてるのか、分からねーんだよ。
いや、考え方の違いとかじゃなくて……なんつーか、靄がかかっているっていうか。
だから、今回ドローどころかノーグッドだったのかどうかさえ、分からねー。
……でも、やっぱりさ。
水琴さんをあのままにしておくことはできなかった。
あのままにしておいたら……いつか、水琴さんに不幸を呼び込む。
そんな『勘』がしてさ。
(苦笑を浮かべながら、かぶりを振って)
もちろん、そんなの俺の勘違いかもしれないけどさ。
………心配かけて、ごめん。先輩。
(目元を和らげて、素直にその言葉を紡ぐ。何はともあれ、心配かけたのは事実なのだから)
「あの方」と「貴方」の両方が生きているという事実は、
少なくとも、私を救って下さいました。 だから、少しはグッドよりにしてもいいのではないでしょうか。
(紙皿を取り出す過程で、彼女はいくつかの言葉を飲み込んだ)
(「須佐乃水琴」のことについては、自分が話していいようなことではない。
知るなら、彼女から聞かされて知るべきだ――それがいくら、「彼」であろうと)
……もうすぐ、結果もでることでしょう。
だいじょうぶ、きっと、いい方に転がって下さるはずです。
(言葉は柔らかくも、黒い瞳はどこか冷たくみえたのは、俯いた拍子に陰ったからだろうか)
貴方の勘は悪い方は特に当たるのですから。
そう思って、何もなさらなかったら、それこそ、貴方じゃないと私は思っておりますよ。
……心配なんて、していません。
(いつの間にか器用にウサギに変貌したリンゴをひと切れ、ずい、と相手の口元に近づけて)
謝ること、ないのですよ。
貴方は私のことを気にかける必要なんて、ないのですから。
だれかが怖がったり悲しんだりするのが嫌だというのなら、
せめて私だけは、いつだって貴方の前では毅然としていてみせましょう。
だから、私が悲しむだとか怖がったり心配することなんて、気にかける必要ないのですよ。
(そこでようやく、いつものように目元を緩めた)
………これがウサギじゃなくて、ネコでしたら語尾ににゃーとかつけたところですけれど。
うさぎって、どうやって鳴くのでしょうね。
(口元にもっていったりんごウサギを小刻みに動かしながら、そんなこといって)
(彼女はこうやって、矛盾した感情も、全て、まるめてしまおうとするのだ)
……気にかける必要ないなんて言うなよ。
俺だって先輩を思うことぐらい、許してくれたっていいだろ?
(おどけながらも、その言葉には少しばかり感情が篭っており)
もちろん、俺は俺の意思をどこかで曲げるつもりはないし、
先輩に心配をかけるつもりもないってのも事実だ。
けどさ、それでも先輩は守りたいんだ。
…いや、実力的な意味じゃなくて、なんつーか、心をさ。
(実力だと俺が守られる側だしなーと苦笑しつつ)
葵さんを守りたい。それは、俺の意思でもある。
…だから、心配させてくれよ。せめて、形だけでもさ。
(そう言いながら口元にあるりんごをぱくりと咥えて)
………ん、おいし。
(りんごを食べ終わった後で)
まあ、水琴さんも……きっと、いい方向に向かえばいいなと思うよ。
せめて、最悪なところは俺が何とかする。……目の前の問題を放っておけないからな。
(一度心が崩れてしまうと、たぶん自分はひどく弱い)
(それは、以前に彼にさらしたような状態が示していたことだ、自分でも自覚している)
……どうせお守りになるなら、
もっと守り甲斐のある、愛らしい方になさればよいのに。
(彼の言葉はいつだって真っ直ぐで、いつだって自分を揺らしてみせる)
(そうして逆に、たった一言でだって、自分の気持ちを安定させてくれる)
(だけれど、だからこそ、できるだけ彼には弱いところを見せたくないとも、思うのだ)
私には、貴方の思いを妨げるすべは、ありません。
……だから、私はその気持ちを、「ありがとうございます」といって、受け取ることしかできません。
(だから、柔らかく微笑んだとともに口にしたのは、ひどく遠まわしな肯定だった)
まあ、私は貴方と違って貴方に心配かけるようなこと、しているつもりはありませんけれど。
(一体、どこのどの面をさげてそんな戯言を吐き出したのだろう。
彼がリンゴをひと切れ食べ終わるのを見ると、満足そうに笑ってから)
……大丈夫、なるようになります。して、みせます。
貴方が守り切った「彼女」を、私も、守れるように……私も、頑張ろうと思っているから。
だから、――「俺が」とか、申されないでください。また、一人でなんでもやろうとなさるのです、貴方は。
(勝手に林檎をひときれつまみながら、残りのリンゴの乗った紙皿を彼の方にやって)
あら……また、あーんってした方が宜しかったでしょうか?
(そうやって、いつものごとく悪戯に目を細めるのだ)
へへっ、サンキュ。
俺にとったら先輩こそ、守り甲斐があると思うけどな。
…いつも俺の前を歩いて、凛としていて。
滅多に守らせてもらえないからな。
(にやりとおどけながら、りんごをしゃくしゃくと齧り)
……ああ。そうだな。
水琴さんが何を考えてるのは分からない。
けど…先輩にならそれが分かるんじゃないか?
なら、きっと……きっと、良い方向に持っていける。そんな気がするんだ。
(うんと小さく頷いて、肯定し)
……へへ、悪い悪い。そうだな、先輩もいるんだ。
何も一人でする必要はないよな。
―――頼りにさせてもらうぜ、先輩。
(にっと陽気な笑顔を浮かべながら、再度頷いて)
……ばっ……ああもう、すぐそういう調子に戻るんだから。
ま、先輩らしくていいけどさ。
守られているは、あまり性にあわぬものですから。
私は騎士を戦場にだして、お城でその安否を静かに祈っていられるお姫さまみたいに、
強く精神ができていないのですよ。 待つなんて、我慢できるような性質にお見えですか?
(にやりとした笑みとともにかけられた言葉には、そんな言葉を返す)
(黙っていれば静かな女子生徒に見えぬこともない容姿や話し方とは、真逆の中身なのだ)
……貴方の「良い方向にもっていける気がする」という言葉をいただけたなら、それほどに力強いことはありません。
そうですね。 だいじょうぶ、……うん、だいじょうぶです。
(まるで呪文のように、二度同じ言葉を呟いて)
――はい、頼って下さい。 この力、いくらか貴方の為に使うと決めておりますから。
(陽気な笑みにつられるように、小首をかしげて笑ってみせた)
……あらあら、お嫌いではないでしょう?こういう調子。
あんまり静かなことばっかり話してても、貴方が笑って下さらないから嫌です。
私は、貴方の脳天気に笑っている顔の方が好きなのです。
(なんだかんだと、失礼なことを口にしながら)
(不意に椅子から腰をうかせて、片膝をベッドの上に乗せると、そちらへ身を乗り出す)
(ギシ、と軽くベッドのきしむ音がして、
わすかにリンゴの香りの残る指先が、そっと相手の頬に添えられる)
あと、不意打ちにおたおたして困っている顔とか、真っ赤にしておどおどしているのも嫌いじゃありません。
>>325 ……見えないな。うん。
むしろ、先輩が勇者の立場だな。
そして俺は毎回助けられるヒロインか。
(そうおどけながらも、毎回どこかで彼女には助けられている)
(だからこそ、心だけは守りたい。そう考えていたのだ)
嫌いじゃないって答えると、それが好きだって取られそうなんだけど!?
…まあ、そりゃ難しい話は苦手だけどさぁ。
って、能天気はひどくないかっ!?
(ああもうと、額に手をかざしながら、小さく溜息をついて呆れながらも
そんなやりとりが楽しく思える自分も確かにいて)
……せんぱ、い!? ああもう……こういうのに慣れてないの知ってるくせにっ!
いつまで経っても免疫ができないんだよっ!
(かぁっと頬に触れる指先の感触に、顔を真っ赤にさせてうろたえて、
ふと以前の彼女の部屋でのことを思い出してしまい)
>>326 でしょう? 私はヒロイン救いだして、
王様からがっつりと、ご褒美をもらっていくような側だと自分でも思うのですよ。
(おどける言葉に対して、にぃ、と意地悪な笑みを浮かべて)
そうですね。 琴さんにも私にもちゅーされてしまうくらいです、ヒロインさんですね。
(思い出したかのような揶揄。
それは、この先も「彼女」との話で、こんな風に笑い合えるように願いを込めていて)
おやおや、お好きでしょう?
素直に好きだと言ってしまえば、楽だと思いますし、
私はただ、率直に事実を申し上げただけの、つもりですけれど。
(猫じみた仕草で身を詰めた彼女は、くつりくつりと喉で楽しそうに笑う)
……存じ上げております。
だから、やっているに決まっているでしょう?
大丈夫ですよ。あんまり“激しいこと”して、リンゴのお皿転げ落ちてまうと困るので、自重しております。
(顔を真っ赤にさせた彼の気持ちを知ってか知らずか)
(たぶん、目の前の獲物の様子に十全と満足している彼女は知らぬまま、徐々に顔を近づけて)
>>327 ………改めてそう言われると複雑なものがあるけどっ。
っていうか、何でそのこと知ってるんだよ!?
(ああもうと、すっかり彼女のペースに飲み込まれ溜息をつくも、
やはりそんな彼女の笑顔を見れるのは、彼にとって楽しみであり平和の象徴だった)
たちが悪いなっ?!
やっぱり先輩、怒ってるんじゃないのか!?
………ああもう、今日はやられっぱなしのような気がする…!
(顔を真っ赤にさせると、むぅとしかめ面になるが、しばらく押し黙ったあと、
彼女の腕を取り、ベッドの上に引き込んで、抱きしめる)
…先輩が悪いんだからな。からかった代償ぐらいは払ってもらうぜ。
(顔を真っ赤にさせたまま、ぎゅうっと彼女の華奢な身体を抱きしめて)
>>328 うふふ、水琴さんに教えていただきました。
……でも、勇者だって、ヒロインさんが必要じゃなかったら、助けたりしないのですよ。
ヒロインさんが必要だから、どんな困難にでも立ち向かっちゃうものなのでしょう。
(意地悪なもの言いからの、一転)
(――彼女はこういうことをいうときだけ、まるで花が綻ぶような笑みを浮かべる)
怒っておりません、弄って楽しんでいるだけです。
あらあら、「今日は」やられっぱなしの気がする?いつも、の間違いでしょう?
日本語は正しくお使いにならなくては、駄目だと先輩は常々思っており――……っ。
(一番日本語を正しくつかっていないであろう人物が、楽しそうにそう口にしたのもつかの間)
(ふわりと黒髪が小さく舞って、そのままベッドの上にひきこまれ、その腕に納められる)
……たいち、ろう、さん?
(状況が理解できていないような、ひどく無防備な声が、名前を呼んだ)
(年下とはいえど、相手は異性だ。 ここまで近づけば、流石に「後輩」よりも「そちら」を意識してしまう)
……ご無理をなされると、怪我に、ひびいてしまい、ます…。
(珍しく、彼の腕の中で彼女の声が上ずった)
(黒髪からのぞく耳が、ほんのわずか赤くなっているのは、たぶん、見間違いようもない)
(「される」のは、苦手だ。 だから自分から攻めるように、ぐっと顔を押し付けたのは、せめてもの抵抗だ)
――…わかり、ましたから。
「この場だけ」は、私が、悪かったと謝罪致しましょう。
……今から、仕事があるんです。 あんまりこうされると、仕事に行きたくなくなります…。
(だから、もう許してほしい、と)
(しぶしぶと負けをみとめたらしい彼女の体温は、平時よりもいくらか高かった)
【な、何だかんだとびっくりするような脱字が多くて申し訳ありません…ッ>前レス】
【と、そろそろ〆…の方向に向かう感じ、でも大丈夫でしょうか?】
……余計にたちが悪い。
そりゃいつもやられっぱなしだけど、今日は取りわけ酷いと思いますっ。
だから―――、少しは『ヒロイン』も反撃に出るわけで……
(彼女を抱きしめてから、しまったと思った。
こうなってしまっては、余計に顔を赤くせざるを得ない。彼女の存在が
よりいっそう強く感じられて―――、恥ずかしさよりも嬉しさが入り混じって――)
………この場だけかよ。
でも、可愛い葵さん、見れて満足。
(そう言いつつも、自分自身どぎまぎとした様子で彼女の体の温もりを感じて)
じゃあ、仕事がない日はずっとこうしていてもいいってことか?
……悪い。ちょっとやりすぎたかな。その……歯止めが利かなくなるっていう意味で。
(顔を真っ赤にさせたまま、腕を解き彼女の身体を開放する)
【それじゃ次で〆てくれるか? ……誤字脱字は俺もだし。うん。】
>>330 いっつもこのぐらいしておりますでしょう。
こういう反撃、ズルイ。 貴方は私にうろたえさせられる係でよろしいのです。
(どこまでも無茶な物言いは相変わらずであっても)
(少し、ほんの少しだけ甘えるようにすり寄ったのは、彼女なりの譲歩と降伏だろう)
……この場だけです。
わたしは、私を可愛いと仰られる貴方の感性が相も変わらずに理解できません。
(相手の動きから、なんとなくどきまぎしているのを感じ取ったか)
(ようやく顔をあげて、不服そうな顔をつくったものの――…最後には小さく笑いだして)
珍しい甘い言葉です。
ふふ、してくださるなら私は構いません。 ただ、貴方が今みたいにすんなりぎゅっとしてくださるとは思えませんけれど。
(腕をほそかれると、少し名残惜しそうに身体を離して)
……ん。 でも、いいですよ。
いっつも私からしか手をだしませんし、たまにはやられすぎるぐらいでも文句は言えません。
(ふい、と視線をそむけながら、腕時計に目をやった)
(――約束の時間を、少し過ぎている)
(駐車場で舞っているであろうあの男が、余計な事をしていないといいのだけれど)
……じゃあ、お大事に、太一朗さん。
(いつもみたいに、くしゃ、とその頭を撫でて、一礼をして、彼女は外へ向かった)
【じゃあ、このような形ではありますが、こちらは〆になります】
【あー…うん、予想外の弄られパターンに対して対処方法を今度までに考えておかないとですね。(←)】
【朝から、長々とお付き合いありがとうございました。楽しかったです。】
【何かあれば、それを見届けて、失礼させていただきます(一礼)】
>>331 ……いやいや、いつもからかわれてるんだから、
これぐらいの反撃は認めてください。年上なんだから。
(彼女の香りが鼻腔をくすぐり、その身体の重さにより意識せざるを得ず)
そうだなぁ……ま、こういう反撃はヒロインの役得であり、特権ってことで。
確かにその時になってみなくちゃ、分からないけど…
……でも、そんなこと、考えられないくらいに葵さんは、あー……
(魅力的だ、と言おうとして急に恥ずかしくなり口を噤む)
……と、とにかく、それはまた今度の機会ということでっ!
(最後に軽く彼女の髪を撫でて、解放し)
んっ……ああ、それじゃまたな。葵さん。
今度は学校で会おうぜ。
(軽くひらひらと手を振りながら、彼女の姿を見送りベッドにぼすんと身を預けた)
あー…恥ずかしい。俺何してんだ?
【それじゃこっちもこれでということで。……いやいや対処方法なんて考えなくていいから!
こちらこそ付き合ってくれてありがとうっ。また機会があればよろしくなっ!】
【名前】久遠 ゆりか (くどう ゆりか)
【年齢】16歳
【性別】女
【身長】147cm
【3サイズ】必要?
【容貌】
濃いブルーの瞳。少し癖毛のグレーにくすんだ金色の長い髪。ポニーテールに赤いリボン。
インサイドホルスターを隠す為、夏でもフリルやリボンの付いた長袖上着を着用。
制服のスカートの下にレースのペチコート、ドロワーズも完備で、私服はこってり甘ロリ服。
【能力】
MашинаАнгел マシンを掌握する者。
物質の構成・修理等が可能。弾丸を銃に装填した状態で、威力の加減加工等。
触れただけで、車両船舶等の操作方法や構造が解かる。上手に操縦できるかどうかは、別問題。
戦闘では基本的に銃火器を使用。
通常装備として、左脇インサイドホルスターに、ヘッケラー&コッホP7M13。
いつも持っているバイオリンケースの中は、ベレッタM93Rを一式。
他、複数の中型及び大型銃火器を所有。必要に応じて、サルサレッドのRIMOWAで持ち歩く。
身体能力は、校舎の2階ぐらいなら、通常装備品込みで飛び降りる事が出来る程度。
【希望】
日常 共闘 戦闘
【NG】
死亡 相談の無いエロール 後遺症
【弱点】
能力の行使に時間がかかるため、戦闘において異能は役に立たないと思ってよい。
時間を稼ぐことが出来れば、弾丸のカスタム(約3分程度)ぐらい。
銃器を破壊されても再構成可能だが、数十分〜1時間ぐらい必要。
武器が無ければ、ただの人。一応ナイフも持ち歩いているが、その扱いはかなり下手。
甘いものに目が無い。苺のショートケーキで、すぐに釣れる。
容姿は金髪碧眼だが、日本語しか喋れない。
【備考】
父は旧ソ連の特殊諜報員で、日本の商社潜入任務中にソビエト崩壊、そのまま帰化する。
ゆりかが10歳の時、謎の怪事件に巻き込まれた父親が他界。
事件には、異形や異能者が関わっていると噂を聞き、異形を退治しながら父の仇を探している。
現在所持している銃火器は、すべて父の遺品。
生粋のスラヴ民族だが、生まれる前に両親が帰化している為、日本国籍。
家族構成は、母と弟。ロシアには、両祖父母健在。
父方の祖父から贈られたロシア名は、Julija=Alexeyevna=Kudryavtseva。愛称、ユーリャ。
【初めまして、よろしくお願いいたします。】
【今回は、プロフの投下のみです。】
【というわけで、御木本さんを待たせて貰おうかな、と】
【お待たせいたしました、ロールのためにお借りしますねん】
【やーやー、それじゃあ書き出しお願いしちゃってもいい?】
【相手に書いてもらう割合75%で、ちと申し訳ないけれど】
【はいはい。それでは暫し待たれよ】
(日付が変わる前から降り続く雨は、未明に至っても止むことはなかった。
雨天のこの時間、出歩く者はそうそう居るまい。
矢も盾もたまらず、液体の森のなかへ飛び出す理由を持つ
須佐乃水琴は、既に常軌を逸した奇人であった。
餌を喰らうことを兼ねた務めは、此度は一太刀で終わった。
返り血という痕跡すら残さず、ひとつの灯火が雨に浚われたのだ。
黒革の竹刀袋に潜む獰悪な牙だけが、未だその残滓を残していた……)
……タクシー、呼ぶかな。
(アパートの狭いエントランスに身を潜めるように、
数歩先の空間に、歩くことすら難儀しそうな豪雨を認めながら、
仕事を終えた水琴は溜息をついた。
備えなく飛び出して、空腹を満たすようなことをして、
帰り道に途端に雨脚が強くなり、雨宿りを余儀なくされた……不運だった)
ん、あれ?
(しかしポケットを探っても、携帯電話の角張った感触はない。
家に置いたまま出てきてしまったらしく、これでは助けもなかった。
緩むまで、待つしかないかと、改めてコートの背を壁に落ち着けると、
ふと、このアパートに来たことはなかったか、と思案した。
どことなく見覚えのある風景であった)
【それでは、よろしく!】
(深夜、善良な学生を自称する御木本はぐっすりと眠り込んでいた)
(夕暮れの散歩で異形に突き当たることも無く、アニメもばっちり視聴し)
(さらに、ここ数日行き詰まっていたゲームも攻略することができてご満悦)
(ここ数日能力を使うことが多かっただけに、久方ぶりの平穏を満喫していた)
ん、むにゃ。
(その安眠を妨げたのは、やや老朽化の進行している窓に吹き付けた風雨だった)
(ばたんばたんという響きに雨音が混じり、目を擦りながらもベッドから這い出る)
(あまりの音量に、開けたまま眠ってしまったのかと点検して回る御木本)
(しかし、ガラス一枚隔ててなお自己主張の激しい雨を再確認するだけに終わる)
……っれ。
(再び寝ようとして、唐突に思い出した。最近、迷い猫がよく来ていたような)
(ペット禁止のアパートで、餌付けのような行為をすることご法度だけれど)
(この雨と寒さの中で震えていたら、最悪の場合命に関わるのではないか)
(寝巻きの上から上着を羽織るとチェーンを外し、ドアノブに手をかける)
(見るだけ。あくまで見るだけだ。そして見つかったら入り込まれた、そういうことにしよう)
【と、お待たせ。よろしくお願いしますー】
(ぼうと、よくある白ペンキ塗りっぱなしの内壁を見ていると、
降りしきる雨と、時折ちかちかと明滅する電灯の音に混じって、
明らかにドアが開く音が耳に届く。ほぼ反射的に視線がそちらへ向いた。
まるでこちらを伺うかのような、明らかに外にいる者を観測するための視線を肌に受け)
……、……何?
(言うまでもなくいい時間だ。外から見て、全ての部屋の電気は消えていた。
こちらはさして物音を建てず、完璧でない防音でも
眠りを妨げるような真似はしていないと自負出来る。
しかし、耐えず脅しかけるような声とともに、
ドアの隙間からの観測者を引っ張り出そうかというような接近を試み)
――あれ、あんた。
なんだっけ、御木本……?
ここ、そういえば、あんたんとこだっけ。
(寝起きの風体とは言え、特徴的な糸目と、
記憶の中の既視感が合致したのだ。確認するように表札に目を向けてから、
その隙間に問う。ぽたぽたと、髪の先から滴る水滴が、コンクリの床に痕を作る。
濡れ鼠という程ではないが、語るまでもない経緯がその身に顕れていた)
っ!?
(ドアを開けた途端、聞こえてきた小さな……けれども鋭い声)
(反射的に動きを止めて、そのまま通路との隙間を閉ざそうとする)
(が、冷静になってみるとその声にはかすかに聞き覚えがあった)
(勘違いの可能性も捨てきれないながら、再び戸を押す御木本)
(相手が相手だ。ここで機会を逃してはいつまた会えるか)
やーやー、なんだっけだなんてあんまりなー。
お久しぶりだね、須佐乃……さ……。
(間違いない、ここにいるのは須佐乃水琴。級友にして"共犯者"だ)
(その疲弊ぶりを気にかけつつも、ずっとコンタクトを取れなかった相手)
(ほうっとして声をかけ、そのまま話を聞こうと思っていたのだけれど)
(わずかな明かりが彼女を照らすと、穏やかな声はみるみる掠れ)
どうしたの、一体。
と、とりあえず入らない? そのままじゃ風邪引くからー。
(あの人同じく、少女の様子は尋常ではなかった)
(深夜だというのはまだいい、そういう事情はわかるつもりだ)
(が、傘も差さずに雨に濡れて……眼鏡をかけていた端整な顔は)
それから、積もる話でも。
(声の震えをぐっと押さえこんで、くいっと自分の部屋を指差す)
(このまま通路にいては、須佐乃さんも冷えるし近所を起こしてしまう)
>>340 ……その様子だと、まだ彼女は出来てないわけだ。
休み前の土日、一人暮らしで部屋に女入れるなんてさ。
(濡れ髪を後ろになでつけながら、静かに笑う。
……自分の笑い方も、磨り減ったかのように変わったことには自分は気づかない。
だが、同じ異能者でありながら、どこかか弱く、緩いこの相手に対しては
剣を向けるなどということはない。共有している秘密を差し引いてもだ)
入って良いなら、お邪魔しようかな。
雨が緩むまで……それか、傘を貸してくれてもいいんだけど。
ちょっと、疲れてるから……。
(拒むでもなく戸を許した御木本に、目を伏せて。
密やかに猫が忍び込むように、部屋のなかへと滑り込む)
……上着脱ぐから、持っててもらっていい?
(ブーツから脚を抜く。脚が床を湿らさぬ程度の濡れ具合。
肩から抜いた竹刀袋を相手に差し出しながら、コートの襟元の釦を外す。
どこか図々しい様。しかし、明らかな人間の痕跡に、表情は安堵で緩んだ)
【ごめん、始めたばっかりなんだけれどなんか疲れがどっと出て】
【万一寝落ちしたらいけないし、中断してもらってもいい?】
【さっきまではなんともなかったのに……ほんと申し訳ない】
【うああ、進めたいのに】
>>342 【ん、いいよ。だいじょぶ?】
【あたしはここ数日は夜空いてるから、いつでも】
>>343 【ごめんね、せっかく夜まで待ってくれてたのに】
【たぶんただの寝不足だろうから、一晩休めばよくなるよ】
【それじゃあ、須佐乃さんがよければ明日にでもお願いしたいな】
【こっちは20時くらいからなら空いてると思うからー】
【ううん……それじゃあ明日に備えて早めに失礼いたします】
【すみません】
【ん。わかったー。じゃ、明日の20時に】
【落ち込まないのっ!またね!ありがとう!】
346 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 09:58:53 ID:L+mmylRS
【少しお借りしまーす】
別にそんな、雨宿りだけなんだからっ
(薄暗い灯火の中でもわかるほどに赤面し、ぱたぱたぱたっと手を数往復)
(こうした反応こそが怪しいのだが、女性慣れしていない者の定めか)
(寝起きにいきなり上がった心拍数が元に戻るまで、しばし時間を費やす)
……どーぞどーぞ、彼女なしの部屋に華を咲かせてやってくださいなー。
(けれども、そのおかげで喉元まで来ていたいくつかの質問が引っ込んだ)
(相手は冷たい雨に打たれたのだ、玄関先で話し込むのは望ましくない)
(当初の目的である、迷い猫がいないことを確認すると静かに扉を閉める)
(ペット禁止を心配するどころか、招き入れるところすら見つかるとまずい)
ん、タオルとってくるからちょっと待っててー。
リビングにコタツあるし、あったかいお茶も淹れるから。
(とりあえず、身体の冷えをとってもらおうと提案すると)
(竹刀袋を受け取り、洗面所から必要なものを持ち出す)
(須佐乃さんへと一枚渡すと、くるりと回れ右をして)
(背後の物音を聞かないようにしながら、袋を拭った)
(……上着を脱いでいるだけとはいえ見るのは憚られる)
緑茶と紅茶……あとコーヒーもあるけど、どうしよっか?
【須佐乃さんとのロールにお借りします。改めてよろしくねー】
(手渡した竹刀袋はズシリと重く、竹や木で造られた剣道用のものではない。
それを渡すのは迂闊であったが……それは信頼と、ある意味の自負というもの)
コーヒーがいい。ミルクあったら、少しだけ。
頭がしゃきっとしなくてさ……人といるのにこれじゃヤバいし。
(少しだけ重くなった上着を脱ぐと、インナーもハイネックの黒。
センスは最悪だが、返り血の隠蔽と、夜闇に紛れるには丁度良いだろう。
肩口を軽く気にしながら……コートを入れるビニール袋とかないか、とか聞いて)
悪いね、ほんとに。
また、人殺しがね……家に来るなんて。
(今度ばかりは、決して御木本に関係のあることではない。
自分に知り得ない"何か"を持っている彼ではあるけれど、
血なまぐさい所業の尻ぬぐいの一旦を課していると同じ。
こたつに足を突っ込んで、暖かさを堪能し、
受け取ったタオルで頭をがしがしと拭いながら、告げる)
少しでいーの?
正ちゃんなんか舌が子供だから、ついつい足しちゃってさ。
いやーお恥ずかしい限りー。
(預かった荷物の水気を除きつつ、両腕にかかる負荷に眉をしかめる)
(本来の中身、学園で触れるようなそれとは明らかに違う真剣の重み)
(路地裏で出会ったあの日、須佐乃さんは自らに宿る衝動を明かした)
(今日も、その禍々しい欲を満たしてきたのだろうか。両手が震える)
(間の抜けた口調で雑談をしつつも、表情を元に戻すのに苦労して)
(ビニールに濡れたまま入れたら臭いがつくよ、と後手ハンガーを渡す)
共犯者の家なんだから、遠慮することはないさー。
(結局、笑顔が復活したのは揃って居間に上がる頃だった)
(濃度の違う二つのコーヒーを台に置き、スプーンも添えて)
(向かい合ったところで、ようやく溜め込んでいた言葉を開放する)
むしろ、どーして今まで来なかったのか教えてほしいなん?
風邪は引き始めが肝心って、偉い人も言ってるのにー。
(学校でも心配されてるよ? と吊ってある自らの制服に目を向ける)
じゃ、「大人コーヒー」ひとつ。
(言葉に甘えて、ハンガーに黒い重みを任せると、
ようやく正太郎に預けていた竹刀袋に手を差し出す。
共犯者――その言葉は決して快いものだけではない。
苦笑いで流すと、置かれたカップをつまみ、身体を温める)
……ん。
(熱い珈琲を一口、ゆっくりと嚥下すると、瞼が軽くなる気がした)
まだ、治ってないんだ。殺したい、って気持ちも。
……お金も返してないのに、孤高を気取るようでいやだって言ってたくせに。
誰かに頼る気も、なんか、起きなくてさ。
(それは諦念、というものであるのかもしれない。
以前聞いた"意志"の力――はっきりと自分に欠如しているものだった。
顔を伏せて、ミルクで色を控えたコーヒーを眺めながら……)
向き合ってみたんだ。
でも、進めなくなっちゃった。
(笑顔ではある。しかしもう、誰かを見て笑うことができなくて)
お待ちどーさま……だね。
(それは場に出された嗜好飲料のことを言っているのか、あるいは)
(刀は素直に返したが、彼女自身を玄関に送るのはもっと先になりそうだ)
(フックにかけたコートが乾くまでに済ませられるかさえ、わからない)
そんな、大げさに考えすぎだってばー。
君の目の前には一人暮らしでなまっちろくて美少女に弱くて、
その上"気持ち"をどうにかできそーな能力者がいるわけだ。
ちょっと手を借りるぐらいの認識でいーのーいーの。
(あの一日を除いて、会話もまともに交わしていない相手だが)
(多少無茶を言おうとも、距離を縮めてもらうことが急務だ)
(普通の交友関係を築いている時間が残っているようには見えない)
(相手は、満足に笑うことさえできていない。そして全身に――)
少なくとも、そんな傷だらけになるまで向き合わなくてもいいんだよ。
おでこと……肩もどうかしてるみたいに見えたけど。
(コーヒーを置く際に、かちゃりと小さな音を立てて区切ると)
(咎めるでもなく慰めるでもなく、真っ直ぐ目を見て確認する)
過ぎちゃったことはしょーがないからさー。
今からでも、進む手伝いを僕にさせてくれないかにゃ。
(そして今度はスプーンを傍らに置き、再度穏やかな口調を戻した)
それからわがままをひとつ追加すれば、別の辛い事が起こった時も来てほしい。
僕はね、相手がどう思おうが友達には笑顔でいてもらいたいわけだー。
(言われてから、肩に触れる。
常人より治りが早いとは言え、完全な直線でない強力な刺突は、
まるで呪いかのように、未だに熱を帯びている。
出血こそないが、安静にしてなければ開きかねないものだ。
……少なくとも、そう見られる程には気を許してしまっていたのも不覚か)
……過ぎたこと、じゃないんだよ、御木本。
過ぎたことは、"殺された奴"だけだ。
過去形になったひとたちだけだ……。
殺したいと思うことが、……その前は、あたしの家の役目が。
あたしを「進ませていた」んだ。……わかる?
(目を合わせたまま。それはひとつ、至った結論ではある。
我執で突き進むあの青年のように。
そして目の前の青年もまた、彼と似たような趣を持っていた。
理由がなければ進めず、何も考えられない自分とは別種のもの)
どうして、あんたはどうしてそうやって進むの?
笑顔でいてもらいたいと願うのは……なんで?
(疑う目ではなく、参考までに問うてみた。視線を外さぬままに。
その言葉に素直には頷けない。
そう言えるだけの真意が見えぬのに、頷けないのは、ひとえに信任ゆえだが)
ん……ごめん、言うとおりだね。
なんだかそう断っておかないと、来なかったことを責めてるみたいになりそうで。
正直言うとそりゃ――過ぎちゃったことだけど――大怪我する前に来てほしかった。
けど僕には、君に何かを強制する権利なんかないっていうのはわかってるつもりー。
そして今も苦しんでる須佐乃さんを、回復したことにする気もないよ?
(丁寧に言葉を重ねて、行き違いを埋めようとする)
(彼女を能力を用いて助けるとしたら、信頼は必須だ)
(何より、弱っている須佐乃さんを置いてきぼりにはしたくない)
んー、どうしてって気にしないからかも。
正義だとか生きる理由だとか、哲学的なことは正ちゃんは苦手でさー。
(その一方で、思考回路の違いはすんなり認めた)
(計算の過程が違えば、当然異なる解も出てくるわけで)
(だから、押し付けるでも迎合するでもなくただ述べる)
もっと別の、明日も楽しく生きたいとかおいしいご飯が食べたいとか。
そーゆー身近なこと考えてたら、いつの間にかこう考えちゃうんだよねん。
須佐乃さんが苦しんでるよりは笑ってるほうが、ぐっすり眠れそうだって。
(空になったカップを退けると、肘から先をテーブルにつけ)
(前のほうへとゆーっくりかがんで、真っ直ぐな視線に答える)
と、まー要するに僕の快眠と美食のためにもお手伝いしたいってわけだ。
こんな理由じゃだめかにゃ。
……あんたを責めたいわけじゃない、ごめん。
(いつも自分は、自分勝手に問うてばかりいた。
幸いに、それを素直に受け止めてくれる人と、語らずに討つものだけで、
世界を構成することが出来ていた、幸運故の甘え。
相手に弁解めいたことを口にさせてしまい、首を横に振って)
他人のことを考える比重が、他の、いや……
あたしなんかよりは多いってことかな。
情けは人の為ならず、ってことか……。
(剣に手をかけず、むしろ乾きを満たした直後の妙な冷静さが、
御木本の言葉をかみ砕いて、水琴なりの解釈をすんなり成した。
小難しくない真っ直ぐな言葉は、落ち着いていれば身に届き、時として刺さるようだ)
あたしの家……"須佐"の一族はね。
(ひとつ、ふと口にする。今時、一子相伝だの、血族だの、古くさい考えだった。
10年も前までは「ふつう」だった自分がそう感じたのだから、
彼にもまた、彼に倣い、ストレートな言葉で説いてみようと思った)
だいぶ昔から……明治くらいまでだったかな。
化け物も狩れる殺し屋やってて。んで、一人も戦死してないんだ。
殺しに殺して、それでも生き延びてたってことになる。卑怯なこともしたらしいし。
……明治からこっち、その殺しの仕事自体はやってなかったわけだけど。
お父さんに聞いたんだけど……異能って、ここ十数年で激増してんだって。
あたしが、人より上手く須佐の技を使えるのは、その反動かもしれないって。
それで思ったの……殺人衝動なんてのは、この臆病な血が鳴らす警鐘……
"強迫観念"――隔世遺伝の呪いなんじゃないか、ってさ。
家の所為にするようで恐縮なんだけど、わざわざ殺す相手に事欠かない時代に、
あたしだけがこうなった理由……。
……"視ていいよ"。多分、"視せたい"から、あんたに苦労はさせない。
ただ――決して、気持ちのいいものじゃないの。"視たくない"なら、いい。
あんたに任せるよ、共犯者さん。
(と――先日預けた答えを返した。相容れぬ道の者でも、敵ではないのだ)
んーん、ぶつかってくれたほーが嬉しいよ。
せっかくこうして会えたんだから、腹を割って話したいさー。
特に、女の子とのお話ならなおさらねん。
(おどけてへにゃりと笑うと、置いていた手を広げ)
(歓迎の意志を示……そうとした際にカップに衝突した)
(手の甲を擦りつつ、こほんと咳払いして仕切りなおし)
あはは、そんなたいそーなものならいいんだけどねー。
どっちかっていうと、誰もがもってるこだわりの一つだよ。
マークシートで同じ記号を連続して塗りたくないとか。
左と右の二択でいつも左を選んじゃうとか?
僕は、みんなが笑ってないと気がすまないってだけ。
(不幸をもたらさないだけで、これも衝動といえるかもしれない)
(理屈は考えずに、ただ起きている事象を例とともに語って)
(あとは、しばらく黙りこくって須佐乃さんの話に耳を傾けた)
(語られる"家"のことは、御木本にとっては遠い世界の出来事で)
(ただ、脳内のメモ帳にはいくつもの項目が刻み付けられる)
(彼女の声が途切れ、少し間を置く間にそれを並び替えると)
おとーさんは家業をこのまま継がせる気満々なのかにゃ。
例え娘さんが身も心も、こんなふうに傷ついても。
よその方針とか、伝統について口を出しちゃいけないかもしんないー。
けれど須佐乃さんの衝動のこと考えたら、一時でもいいからお休みしないと。
(一番最初に、感情的になってしまいそうなことを先に吐いておく)
(善か悪かで断じることはしなかったが、好かないことは白状した)
(暗殺はともかく、狩りなら自身も個人でとはいえ手を出している)
(だが、本人が葛藤する中仕事として課す姿勢には到底賛同できず)
もし衝動のことを知った上で諦めてるなら、正ちゃんがどーとでもするよ。
自分の体を維持するにあたって、どうしても欠かせない事って本当に限られてるんだ。
(まずは、"進めない"という認識を取り払いにかかった)
(前でも横でも、もしかしたら退路なのかもしれないが)
(ともかく、八方に聳え立つ壁の一枚でも破れろうと)
敵と対した時に湧く戦闘意欲、の部分は須佐乃さんの言うとおり遺伝かもね。
聞いてたら、そーしないと生き残れないような世界みたいだからさー。
でも、相手がいない昼間から衝動に囚われる部分は切り離せると思うんだ。
それじゃー逆に、命の危険を増やすことになっちゃうはず。
だから、呪いなんて悲観的になることは全然ないよー。
(自分の考えをまとめ、袋小路から出るイメージを示したところで頷く)
(実際には何も進んでいないが、まずはポジティブになってもらうところからだ)
前、須佐乃さん心配してたよね。「通りすがりの人を殺しちゃった?」て。
そう聞いたときから、ずーっと視たいと思ってたんだ。
溜め込むと無害なはずの相手にまで手を出しかねない……
そーいう不合理な部分と、合理的な遺伝子の進化の切れ目を見つけよう。
(任せられました、なんて呟きながらこたつから出ると)
(須佐乃さんの隣へと移動して、目を瞑るようお願いする)
(先ほどの、父親や家業のことについてももしかしたら)
(記憶の海を探る中で深い答えが聞けるかもしれない)
まー、安心して。ネット生活長いから、グロテスクにも耐性あるしー。
(少しでも力を抜いてもらおうと、直前にそんなことを付け足した)
【ごめん、ほんとごめん。ありえないくらい長くかかったね……】
【こんな感じで治療方針を決めてみたけれど】
【もし今後の活動で不都合があるなら、誤診ってことにしてほしいんだ】
【そしたら正ちゃんが額にぺちっと手を当てて悔しがるからさー】
御木本、違うの。もう……あたしが自分で全部やってんの。
情報貰うのも、殺す奴選ぶのも、全部。
(自分が、現在の"須佐"であるのだと、首を横に振って。
父親の所為に出来た時分もあった。まだ何も知らなかった頃のことだ。
休んだら、それこそ衝動に取り殺されそうだったから。
選択の余地はあった。拒んだら捨てられるかも、という"強迫観念"に推されていた)
……拘りで、笑ってないと気が済まない、か。
なんでどいつもこいつも、茨の道を選びたがるかな。
(笑うしかなかった。しかし、問うても何も出てこないことは知っている。
生存本能がそうであるように、裏表のないものは確かに存在するのだと、
納得できるほどには、成長は出来た)
……答えが出ないとわからない。
でも、あんたの言葉が偽らなければ、自分の頭の中身は覗けるわけだ。
助けて――とは、言わないよ。ただ、お願いとだけ。
(炬燵で暖まった足を出すと、座布団の上で正座に。
そのまま、肩から力を抜いて、閉じた膝に手を置き、目を伏せる。
……ネットとグロテスクに何の関係があるのかは、
自分にはわからなかったけれど、場は十分に和んだ。素直に微笑み、頷く)
あんたも気負わないでね。絶対に。
【了解したよー】
……そ、かそか。強制されてないいくらでも手段はあるよ、だいじょーぶ。
おじさんには謝っといてーってなんで謝られるかわかんないよね。
(危うく絶句して、せっかく弛緩した空気を台無しにするところだった)
(外的な力が働かずとも、既に須佐乃水琴は夜の世界へと呑まれていたのだ)
(それでも、何故気づかなかったのかと責めることはできたかもしれない)
(が、それは自分にも跳ね返ってくることだった。あの時無理にでも視ておけば)
そりゃー、棘の中にある花が綺麗だからかにゃ。
見るだけで済ませばいいものをー。
……まーせっかく分け入ったんだから、摘んで帰りましょう。
(皮肉なことに、後悔に支配されそうな心を救ってくれたのは)
(支えたいと願っている須佐乃さんの発した問いだった)
(今は進もう。うじうじするのは後からでもできる)
ふっふ、それだけしっかりしてるなら安心してブレインサーフィンできるよ。
もし辛くなったら、途中ででも良いからちゃんと声かけてねー?
あはは、ありがとう……僕は自分勝手だから、気にしないでもへーきだよ。
いざとなったら拘りより自分の安全をとっちゃうってー。
(目を閉じた共犯者の、級友の、須佐乃さんの額に人差し指をあてる)
(そして枷となっているらしい気がかりを解くと、意識へと会話の対象を移した)
君は疲れて、気分を癒そうと原っぱにやってくるー。
いろんな動物がいて、花々が咲き乱れる絵に描いたような世界。
雄大なサバンナが広がっている傍らで、野兎や小鹿の森もある。
どっち行こうか、せっかくの休暇だから好きなとこ選ぼう?
滝に打たれるよりは、辛くないでしょ。
(冗談でそう返すと、指に触れられても反応しないほどに
精神を水面のように落ち着かせた。
……染みいってくるような声。妙な感覚だが動じることはない。
もはや自分はごまかせるようなものではなかった。
人間ではない部分を、隠しきれる境界は既に越えた)
……静かなところがいい。
(瞑想をする道場であったり、放課後の屋上であったり。
精神の疲弊を癒すのは、いつだって静寂の在処だった。
ただ、そうだ。考える。どちらがいい――?
サバンナになく、森にないもの。そう考えれば、足はそちらへ向いた)
……寄りかかれるものが欲しい。
樹があるから、森へ行く。
(そうして、サバンナに背を向け、木々を分け入った)
そーゆう修行も取り入れてたりするのかにゃ。
いやはあ、一度だけならやってみたいものだねー。
……毎日は勘弁もらいたいところだけど。
(実際に彼女が滝に打たれているかどうかはさておいて)
(さすが代々夜を生きてきた家の娘さんと言うべきか)
(須佐乃さんの精神は鏡のようにクリアで、静かだった)
(多くの武術の基本は平常心だと一般人の御木本でもよく聞く)
(見事にクリアしてると驚く反面、きゅっと胸の辺りが苦しくなる)
(深い水底に、彼女自身も押さえられない狂気が潜んでいるのだ)
柔らかい土を踏みしめて、君は森を行くー。
山特有の匂いや、あったかい木漏れ日に包まれて。
ちょうどいい切り株や枝分かれした木もそこにあるねん。
(視覚・嗅覚・温度感覚と様々な器官へと訴えかけ)
(彼女の求めるまま、緑豊かな森を描写する)
(そして、一度理想郷を描いたところで語りを止め)
足を止めると小鳥のさえずりが聞こえる。
自然豊かな場所は、動物がたくさんいるからねー。
下草をかきわける足音や……鳴き声も混じってるね。
どれくらいの大きさに聞こえるかにゃ。
なんて言ってると思うー?
(そういう風な行楽に興じるのも、ずいぶんと久しい気がした。
刀を握る前は、結構な腕白で、裏山などよく探検したものだ。
しかし……時の流れによって成長するように、変化もあった。
光のカーテンのなかを歩み、心を落ち着けていく。
……足を止めた。幾つにも別れた路)
鳥……。
(居ただろうか。精神の中に、探すようにした。
意識をした時点で、まるで肩に止まったかのように)
……耳、すぐ近く……静かに。
鳥だけじゃない。林の奥にも居る……。
(囁くような、内緒話のような、密やかな。
視界を閉ざせば、音の森になりそうだ)
あたしは間違ってない……。
間違ってないから、……この先へ行ってもいい、って。
よかったよかった、この森は須佐乃さんを受け入れてくれたねん。
ところでサバンナとの分かれ道は、まだ見えてるかなん?
後ろがどんなふうに見えるか、一回振り返ってみようかー。
(なるべく精神世界に影響を与えないために、音を立てないよう)
(筆圧を弱くして薄く須佐乃さんの返答をメモにとっていく)
(前と後ろではどうなっているか、それぞれ何を映し出しているか)
(パターンを探ろうとくるくる視点を変えてみて)
さてと、振り返ったらどの路を選ぶか決めてみよっか。
あるいはそこの根っこに腰掛けて、一休みするのもありだねー。
鳥さんが導いてくれてるし、少しだけ目を瞑ってみようか。
森の奥の奥の奥……。兎さんから鹿、猪、熊。
おっきな動物はどれくらい奥にいるかにゃー。
(質問を重ねつつ、ちょいちょいとネットで検索してみる)
(お目立ての森の音はすぐに見つかり、音量をちょっと上げてみた)
(お隣さんを起こさないように、聞こえるぎりぎりくらいを保ちつつ)
(求愛から縄張り争いまで、多様な動物の様々なメッセージを流す)
大丈夫、須佐乃さんは小鳥とお友達だからねー。
好きなだけ好きなように、森を歩き回っていいんだよ?
後ろは……綺麗だけど、道は、もうない。樹だけ。
いる。大きいのも、小さいのもいる。
どこにもいて……どの道にもいるから、どうしよう。
(それは動物の縄張りだ。それを侵せば牙を剥かれるかもしれない。
小鳥の導きがあろうと、不安はごまかせず、屈するように木の根もとに腰かけた。
自分の血なまぐささを、動物がかぎつけることはないだろうか。
……畏れがある。何よりも、自分がこういう場所にいる違和がぬぐえない)
……好きなように……どこへ行けばいい?
歩いたって、森は……森でしかない……。
動物の目がどこにもあって……大丈夫なの?
何もされない?食べられない?あたし……。
(視線が集まり、刺されるような感触。額に汗が滲み、息が上がってくる。
法則を歪ませ、掟を破った咎。自然の中ではそれが浮き彫りになるのではないか。
手の入らない自然の優しさのなか、蹲るように動きを止めた)
……歩いて……もし、襲われたら、もう、あたし、また――!
(聴覚を付加し、続いて実在の動物の鳴き声を聞かせると)
(空の雲さえ映し出しそうだった須佐乃さんの心は波立ち始めた)
(それは、理想の森と現実の生態系の違いゆえなのか)
(はたまた気を許せる相手の大きさに限度があるのか)
わかった、それじゃあ少し休もっか。
歩いても森なら、止まってても森だよー。
せっかく癒されに来たんだから、襲われちゃたまらないもんね。
(と、休憩を進めたスペースに動物たちを集めてみる)
(最初は肩にとまっている小鳥の仲間を木々に止め)
(次いで狸やアライグマ、と穏やかな小動物たち)
(恐ろしさよりは可愛さ寄りの生き物で彼女を囲む)
いやはあ、みんなも須佐乃さんを珍しがってるんじゃない?
人間なんてめったに来ないだろうからさー。
(小鳥を集めてはそこで生活する様子を見せ)
(小リスを集めては毛づくろいから喧嘩までを映し)
(次に、狐の平和な面から小競り合いまでを浮かべ)
てぶくろ、て絵本は知ってるかい?
ねずみやかえるから始まって、熊や狼までが落し物の手袋に住もうとする話。
現実的じゃないけど、自然を感じられる話だよー。
(一つ一つの段階で須佐乃さんの反応を確認しながら)
(徐々に大きく力の強いも加えていく)
(静寂の中を満たす音に、自然に、剥き出しの心が引き裂かれかけた。
小動物たちが集まり、ありのままの姿を見せられれば、
その様に、少なくとも不安は和らぎ、呼吸が落ち着いていく。
震えた上下の歯がぶつかる音が途切れる頃、
どうにか言葉を受け止める程度には冷静になり)
……、……――。
(恐慌から落ち着くと、呼吸がまた静かになっていく。
そのうち、力の強い動物が集まっていっても、心が波立つことはない。
しかし、その生き物の気配そのものが、安息というものを奪っていった。
呼吸のない刃のように、木の根もとに蹲り、声と気配に囲まれる……)
間違ってない……あたし、間違ってないから……。
("たとえ襲われようとも、それは正当防衛となる"。
ついには顔を膝に埋め、呼吸を落ち着けた。
優しすぎる居場所を、自分から奪うように)
だったらどうすればいい……動物はあたしを受け入れてくれても……。
押し退けなきゃ、進めない……押し退けてもいいってこと……?
動物は……話す言葉も、習慣も違うからねー。
家族みたいに暮らしている写真家さんもいる。
畑を守って戦っている猟師さんもいる。
あるいは、無許可で毛皮を売りさばく悪徳商人もねん。
本当に動物たちが仲間として受け入れてくれていたなら、
押し退けた須佐乃さんはそのことを後悔するかもしれない。
けれど、逆に近づいたら襲いかかってくる子もいるかもしれない。
(俯いた須佐乃さんと、しばし"二人きり"で会話する)
(そして……いよいよ仕上げに入る時が来た)
ね、人間が相手だったらどうなのかにゃ。
言葉は……まー国で違うけどやろうと思えば通じるよねん。
習慣も勉強すればある程度は合わせられるし、食べたり食べられたりはない。
(顔を上げて、と囁くと緑の森をアスファルトへと塗り替える)
(優しい自然から、辺りをたくさんの人が行き交う駅前へと変えた)
(兎のような女の子から、熊のようなおじさんまでが行き交う大通り)
(もうネットの音声はいらない。多様な人間の様々な会話を記憶から再生する)
すぐに帰ってこれたから、まだお昼間だよ。
いやー都会の太陽って冬でもぎらんぎらんしてるよねん。
(昼夜をしっかり分けようと、ビルの隙間を大きめにとると)
(抜けるような青空を、精神世界の天井いっぱいに広げる)
(そして、小鳥のいた側の隣に立って問いかけてみた)
今度は、どう?
(有機的な世界は、原初の優しさと苛烈さに満ち満ちて、
手を触れることすら危ぶまれるような雄大さではあった。
しかし、動物に対しては決して感じないものがある――
それは人間故の傲慢さであり、愚かさでもあった)
……朝に起きて、昼は共生し、夜に眠るような……。
冷たくて……いや、森から出たから、かな。家から出たみたいな気分。
少し……濁ってるかな。
(深呼吸をするように、肺腑に招いた空気。
清流が極まれば魚も逃げるように、これが人間の居るべき場所なのだろう。
鉄の建物が植林され、標識と電灯の枝葉。
ビルの根本に設えられたベンチから腰を上げるように……)
この世界で普通に生きられたら……。
まるで、なんか、この昼の世界に悪いことでもしたみたいに、
あたしは人を殺すようになってから、真っ直ぐ向き合うことをしてなかった。
眩しく見えるよ……でも落ち着く。
(思考は明瞭に、心は水面のように。極めて清開に御木本に応えていく。
剣を受け止める鞘のように、極めて自然に自身を包む空気)
でも、血のにおいが取れないの。
みんなあたしを視てる……そうに決まってる。
最初は違った。誰かを殺したいなんて思ってなかった……。
視られても気にせず、向こうへ歩いていける……。
学校にも、お店にも、自由に行けた……そうだよね?
そだね……ずっと顔見てなかったから、寂しかったよ。
僕だけじゃないー。
学校でも、最近来てないねーって席見て首傾げてる子がいる。
そういうのも全部、なにもかも眩しいかい?
(見たことがあるかどうかもわからない、のっぺらぼうの群集に)
(だんだんと見知った顔、聞き覚えのある声音が混じり始める)
(制服に身を包んだクラスメートたちは、同じ方向を目指し)
(校門をくぐったところで、視点の強制的な移動は終わった)
(目の前には、二人の通うマンモス学園の敷地が広がっている)
君が夜にしたことは、確かに消せない事実だよねー。
僕も、そう。共犯一つを含めて前科三犯だ。
けどさ……どう過ごしたって、結局その命は戻ってこないんじゃないかにゃ。
なら、押し退けて生き永らえたなりに笑ってみたらどーだろ。
勝って奪って助かったのに、その命でまた夜に逃げたらもったいないよ。
(すぐに須佐乃さんの問いには答えず、校門へと歩み寄る)
(学園の名を掘り込んだ札をふわりと撫でつつ、振り返り)
謙虚になり過ぎることはないんだ……。
僕は少なくともあとふたーり、夜を生きてる人がクラスにいるって知ってる。
血のにおいを嗅いだからじゃなくて、それぞれ縁があったんだけどねー。
須佐乃さんは、僕らのこと見分けられたかにゃ。
君がわからなかったなら、周りも案外わかってないものだよ。
(へらり、と笑うとどこからともなく写真を取り出した)
(幻想空間の中で須佐乃さんに手渡したのは、4月に撮った集合写真)
みんながみんなの真実の姿を知ってるはずはないんだ。
大事なのはどう振舞って、何をその人のためにできるかさー。
今までどーり、遅刻魔で気のいい須佐乃さんとして歩いてごらんよ。
学校にもお店にも……昼と夜を混同しない限り、自由に行く権利はある。
【と、長時間かかった上に説明不足申し訳ない……】
【幻術で作った世界の中で歩いてごらん、て意味です。はい】
【けっこうな時間になっちゃったけど体調は大丈夫かにゃ】
【お互い無理せずいきませう】
……繋がってるんだよね。
広い世界で生きてても、情でもなんでも、糸になって。
たった一人で生きていくことなんて出来ない。
(学校生活。……決して優秀な出席率ではなかったけれど。
癒されていた。会いたい人もいた。唯一縋れるものだった。
普通の学生の"ふり"を続ければ、本当に普通になれるのではないか。
何も"殺したがる"必要はない。必要な時に、必要な刃を振るえばいい。
家名も、殺人衝動も、所詮は自己正当化のまやかしだ。
自分は、自分で思うほど世界にとって特別ではないのだ
手渡された写真を手に、その学校の中に、歩いていこうとする。
その柔らかい世界のなか、御木本が賛美する笑顔のなかへ。
てん、てん、と涙のように、幻想世界に足跡がわりに軌跡を残す――赤い涙を)
はじめて殺したのは……立ち入り禁止区域に、探検だとか言って入ったとき。
あたしを食おうとした野犬を、どうにかはねのけて、落ちてる石で殴ったんだ。
……泣きながら死体を抱いて返ってきたあたしを視て、お父さんはどう思ったんだろう。
……縄張りを侵されたから警戒したのに、逆に殺された犬も、もう過ぎたこと。
あたしはッ!一度も「誰かのために」なんて思ったことないッ!
死にたくなかった!生きたかった!傷つけられたくないから殺したッ!
知ってる、御木本? あたしはね、学校の奴だって、必要なら殺してるんだ。
家族のためにあたしを殺そうとした奴を、自分のためだけに殺した!
いちばん大事な人が、さしのべてくれた手すら……振り払ったんだッ!
あたしを殺したい奴がいる以上……あたしは夜に征くしかない……!
殺し続ける以外に「生きる」道なんてないッ!
――あんたや、あの熱血バカみたいに!あの薙刀の子みたいに……ッ!
「誰かのために"戦う"」ような強さがあたしにはないんだッ!
憎しみや怒りを受け止められなければ、死ぬ。あたしはそんなのいやだ……。
(振り向けば、縦に刻まれた傷は赤く染まり、鮮血を涙の如く流していた。
平和な世界を夢想した。憧れた。そこで生きたいという気持ちは嘘ではない。
しかし――自分を染める血を自覚させる出来事が、今も傷となって左眼に残っている。
それに「背を向けた」瞬間、肋骨をすり抜け刃が心臓を穿つだろう。
それは強迫観念ではなく――事実として実感した「現実」であった。
冷たい瞳孔は涙すら流さず、膝を屈した。理想の世界すら、血で汚した)
――ごめん、御木本。もう歩けない……。
昼でも、夜でも……あたしは「須佐乃水琴」である事実から……逃げられないの。
守ってくれる人を盾に……優しさを食い物にするしか、あたしは……!
ごめん……ごめんなさい……ッ……
(憎しみを、誰か肩代わりさせるか。心を凍てつかせた剣鬼となるか。
……狗を自分のためだけに殺した時点で、もはや逃げ場などなくなっていた。
それを受け入れて生きる強靱な心もない。
御木本や、郡のように、誰かの哀しみ、痛みに直面する勇気もない。
歩める道は二択。どちらかを肯定されなければ心が砕ける。
すべて自分の所為だった。今もまた、御木本の優しさに全てを押し付けようとする自分を、
ただただ、震えて謝り続けるだけしか、保てずに)
【――うん、そろそろ限界だったりするかもしれない】
【それじゃあ、良いところだけどいったん区切るかい?】
【返してるとまーたすごい時間がかかりそうで……】
【何度も何度も待たせちゃってごめんね?】
【いやはあ、実はあと一転くらい予定してたんだけど】
【回してみて改めて長さに驚いてるしだいで……】
【次からはプランニングに力入れたいと思います。申し訳ない】
【せめて、長くなっただけ楽しんでもらえるようがんばるね】
【今度は須佐乃さんの都合になるたけあわせるから、よかったら今度続きをー】
【ちょっと展開急いじゃったかな、って自覚は……ごめん】
【レス速度は、お互い様。長くなったってこっちは気にしないよー】
【こっちもあんたのことどれだけ引っ張れるか、いろいろ聞けるか】
【努力してみたい。喚き散らすだけの頭弱い奴だけどさ、それはそれなりにね】
【……参考までにその一転とは】
【こっちは、明日明後日、てか今日明日の夜はフリーだけど……】
【んーん? そんなことないよー。須佐乃さんのおかげで書きやすいもの】
【いや、書きやすいのにこの速度だから説得力皆無なんだけど……】
【ありがとう、でも僕が一方的に依存してたらロールにならないからさー】
【速度も展開もおんぶに抱っこのまんまじゃ、この先迷惑かけっぱなしになるし】
【まー、本音と幻術のための誘導の分離とだけー】
【んー。もし体力が持つならこっちは今日でも大丈夫】
【もし辛いようだったら遠慮なく言ってね?】
【眠気がひどいようだったら、避難所に置きレスして打ち合わせすることもできるしー】
>>373 【そだね、今日……の21時くらいからかな、お願いしていい?】
【それと、流石に三日連続は気が引けるし、別のスレ借りたいなぁ、とか】
【詳細は明日、落ち合ってからでも打ち合わせできるから、その時かな】
【もしなんかあれば、置きレスのほうで……】
【ご、ごめん意識が!休むね……今日はほんとにありがと!】
【をを、そーいえばおっしゃるとりで】
【好きスレかどこか借りようかー。ご指摘ありがとう】
【言われてみれば三日連続か……一回休まなくても大丈夫かにゃ】
【わかった、ほんと遅くなっちゃってごめんね?】
【こちらこそ、長時間ありがとうだよー。おやすみい】
【スレッドをお返しします】
376 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 12:44:49 ID:9WFyRt/d
>>9
【北峰さんとのロール解凍に、スレをお借りいたします。】
【名前】北峰綾香(きたみねあやか)
【年齢】15
【性別】女
【身長】160
【3サイズ】80-59-79
【容貌】黒のぱっつんおかっぱに眼鏡
【能力】大地を操る能力
地面に腕をつけることによって、相手を地面から縄状のものや、腕状のものを出して拘束したり、槍や剣状のものを出して攻撃したりすることができる。
地面がアスファルトだろうが鉄だろうが関係はないが、その地面の硬度によって、体力の消耗が増減する。
また、大地の力により若干ではあるが傷を癒すこともできる。
【希望】雑談、バトル ※エロールは相談の事
【NG】 今の所無し
【弱点】建物内の戦闘及び空中戦、水中
【備考】高等部一年。普通の中流階級の家庭で育っていたが、両親が異能者によって目の前で自らの犠牲になる形で殺害され、
以後は親族の家庭に引き取られ暮らしていた。(現在は寮生活)
目の前で現場を見てしまった為、一時は失語症にまで陥ったが、現在は無口ではあるものの若干は喋る事が出来る。
能力は、両親の復讐の為に魔導書を漁り、見つけた大地の精霊と契約したもの。
但し、それと引き替えに地面と接していない空中及び中空がある建物内等では生命力自体が弱体化する為、病弱と周囲に思われている。
両親を殺害した異能者を探すのには異能者の集団に入った方がよいと考え、学園に入学し情報を求めるが―。
目的のためには手段を厭わず、目の前の敵は全て叩きつぶそうとする固い意志の持ち主。
尚、両親を殺害した者の一派と思われる者に常日頃から襲われているため、能力を使用することを躊躇わない。
最近は若干性格は丸くなりつつある。また復讐を「未来へ向けて、過去への決別の為――」ととらえる心境的変化も。
敵幹部クラスと当たることが多くなり疲労が溜まりやすく、情報流しも若干日を置く形になってきている。
そろそろ決戦も、近いのかもしれない。
【プロフを落としつつ…では、続きからお願い。】
(話すことは何も無い。と。そんな拒絶の色に、思わず押されそうになってしまう。)
(笑わせた唇の端に虚勢を貼り付け、毅然とした態度で、まっすぐと彼女を見上げる。)
(昨今では、さほど大きくも無いはずの北峰の身長が憎らしい。)
(烏の濡れ羽のような美しい黒髪、神秘的な黒曜石の瞳、アイボリーのような肌、それも上等の。)
(自分でも馬鹿々しいほどに子供っぽいと自覚しているコンプレックスが、沸々と滾りはじめ、指先が震える。)
(彼女の容姿を見ているだけで苛々するというのに、さらにシラをきる、と。)
(激情を振り切るように、触れる鉄の感触を、グッと握り締めては、手の力を緩める。)
(そう、今はそんなものに気を取られている場合ではない。)
病弱、ね。勿論わたしだって知っているわ。
1年の教室の廊下で、なんだか具合が悪そうな北峰さんをよく拝見していますもの。
歌もね、上手だってウワサを聞いたことあるわ。カラオケでも、ご一緒してみたいと思ってたとこ。あ、今度の週末にでもいかが?
筆記試験…へぇ、それは知らなかった。今度、勉強見てもらっちゃおうかしら?
(心にも無いことをスラスラと言えるのは、それだけ場数を踏んできたのか、それとも生来の軽薄さなのか。)
(初めて彼女の声で発音される、自分の名前。今まで物静かに喋っていた様子とは全く違う。底冷えのする様な声。)
(眼鏡越しの、強く冷ややかな視線は、世界の果ての深淵でも覗き込んだように、暗く深い闇色のように感じた。)
(張り付けた虚勢が微かに剥がれ落ちる。パ−ルピンクの唇が震え、背中には冷えた汗が一筋流れた。)
そ、そうよ…噂は所詮噂。あなたの意見はもっともだわ。
人の噂なんて不確かで曖昧なものに振り回されるなんて、ね?わたしだって、まっぴらゴメンだわ。
(軽口をたたきながら体勢を立て直し、微笑を浮かべる。)
わたし…見ちゃったのよねぇ?病弱な北峰さんらしからぬ、素敵なお姿。わたし、びっくりしちゃったわ。
(上着の中のわき腹に手を差し込んだまま、くすくすと笑いつつ後ろに下がり、またベンチへすとんと腰を掛ける。)
あなたが何故、あんな事をしているのか…いえ、もっとわかりやすく言い換えましょうか?
何故 あんな事が 出来る のか。
でも、そこについては、わたし実は全く興味はありませんの。
(このまま挑発を続け、自分が見た北峰の能力を行使されたら、どうやって防げば良いものか。ここは慎重に事を進めたいのだが)
(軽薄な性格がそれを邪魔して、思いつくままにつらつらと台詞を重ねる。その未熟な少女らしい軽躁を後悔することも知らず…)
ま、人間これだけうじゃうじゃ居るんですものね。能力だって、人其々だと思いません?
風が吹いても倒れる、ロココの淑女さながらな病弱な方だっていらっしゃる、真冬に毎日寒中水泳なさって、ご健勝な方も。
(黒い華奢なストラップシューズの爪先で、乾いた地面を軽く蹴ると小石が弾かれ)
あとは、そうねぇ……何者かに追われ、地面から奇妙なものを作り出して、日々戦っていらっしゃる方、とか?
(コロコロ…、と小石が転がり、それは北峰の足元にコツンとぶつかり、止まる。)
(小石の行く末を見届け、そして祈るような気持ちで顔を上げ、改めて北峰を見つめる。)
わたしの欲しい情報は……北峰さんの戦っている相手の事。
それは、わたしにとって必要なもの、かもしれないから。だから、どんな方なのか、わたしに教えてくださる?
(少しでも、手がかりが欲しい故、必要なものと言った。その言葉が、どう解釈されるかは、わからないが…)
【それでは、こんな感じで。本日も、よろしくお願いいたします。】
【そういえば、数日前にプロフを投下したばかりでした。でも、規制って前触れ無く突然訪れるので、困ったものです。】
【前もって準備していたら、少々長めになってしまったような…申し訳ございません。】
【お気遣いは無用ですので、ごゆっくりと…わたしのほうも、ゆっくりとしながら、待たせていただきます。】
>>379 (先程も思ったように人の心を分かったように感じる等愚かで浅ましい事)
(だが、目の前の彼女は何かを我慢しているようにも思えた)
(可愛らしい少しくすんだ金髪、澄んだ蒼い瞳、顔立ち――それらとは裏腹の激情が少しの動きや瞳から見え隠れする)
(まるで、呪いの篭った西洋人形のようなその姿をただ見つめる)
(それはまた、少なくとも可愛らしくないと思ってる自身は若干の羨望を持って見ざるを得なかった)
(視線が絡み合っても、自分から動くことはせずに彼女の行動を待つ)
………………。
それなら、また今度お誘いを頂きたいものね。
できれば校内で手短に。
私も忙しくないときは応えられるよう努力する。
(明らかに彼女の意図している内容とは関係のない発言が並ぶ)
(よくも、ここまで喋れる物だと弁舌のない自分は感心するしかないが)
(こちらも、もっと冷静になる時間が必要だと判断しゆっくりと訥々と返していく)
………なら、それで話は済むこと。
敢えてもう一度話す必要も感じないけれど?
(身長差がそのまま、意識せずに見下すような視線を与えてしまい)
(かといって膝を抱えるのもなんだか変な話で、仕方なくそのまま)
(瞳は深いヤミに沈み込んだままの様子で、会話を切ろうとするが――)
………………?
(ベンチに腰掛ける様子を視線で追う、むしろ接近戦になるのは好ましくないのである意味都合が良い)
(最悪の事態を想定しながらその次に唇が動くのを待って)
………………………。
(自発的な発言は出来るだけ避ける、沈黙こそ金なりではないが)
(彼女の口に乗せられるようでは願ったり適ったりだろう)
(もっとも、この口をつぐむという行為は相手の怒りを買う可能性も多分にあり)
(とくに今の相手の様子を見ているとその可能性も十分に考えられた)
(ただし、自分から乗る必要はないという判断だけは確実に思えた)
話は必要最低現で十分、回りくどい言い方は必要ない。
…………………。
(彼女の足もとにも及ばない、ただのローファーといえば聞こえのいい飾り気など微塵もないスクールシューズに彼女の蹴った石があたり)
(瞳を僅かに細くする─―、それは勿論石が当たったからではなく自分を挑発している行為に対して)
(限りなく無表情ではあるが、その見下ろす瞳は彼女の浅はかさに対する苛立ちと行為に対して憂うようなものがほんの少し混じっていた)
…………軽薄ね。
もし………そういう話だとして、私が貴女の敵対者だったら。
そうは考えなかったのかしら?
それに……………こんな安易な行動や気持ちで聞き出したとして…どちらにつこうが貴女に待つ物は死のみ。
自分のそういう所は自分が一番良く分かるはず。
………………この場で直接話すような危険はお互い冒さない方が理に適っていると思うけれど、どう?
その、脇にある物、とりあえず抜かれたら私は戦わざると得ないし。
(そこに視線は送らない、但しその鮮やかな蒼い瞳をしっかりと射貫くくらいに見つめて)
(暗に、関わらない方が良いと促した――それは、自分の問題である点や余計な人間を巻き込み無くない点)
(何よりも、彼女に教えることでもしその情報が目当ての相手だとするなら、戦闘能力は知らないながらもこの性格では危険が多すぎる)
(そこまで汲み取ってくれるかは分からない物の、それは願うしかなかった)
【私も負けず劣らず長文に…切る所は切って構わないから。】
【頑張ってもこの早さ…付き合って頂けると幸い。】
【それでは、宜しくお願い。何かあったら言って。】
(何なの…?もう、何なのよ。)
(滑らかに動く唇を閉じてグッと引き締め、久遠ゆりかは目に見えて苛々し始めていた。)
(じりじりとした焦りの気持ちが、その手の小さく桜色の爪を口元に持ってこさせる。)
(丁寧に塗られたグロスがヨレるのも気にせず、カシカシと爪を噛み、苛立った視線を北峰から逸らす。)
(彼女の心が見えない。どこにも、付け入る隙は無いと言うの?)
(本当に、苛々するったら……!)
(見下ろす視線を睨み上げ、その唇を再び開く。)
そう?
軽薄だったかしら…
あなたが、わたしの敵かもしれない?そうね、そうかもしれないわね。
その時は…あなただって、わかるでしょう?
でも、わたしだってそんな事は望んでいない。
(真っ直ぐとした黒曜石の瞳に見据えられたまま、脇のものを指摘され、ふぅ、と小さく溜息。)
わかった、わかったってば。
(瞳を閉じ、さも仕方ないと言わんばかりの表情で首を左右に振り、ポニーテールがふわりと揺れる。)
(降参、といった風情で、脇に差し込んだ手を出し、北峰を見つめてニコリと笑う。)
どちらにつくとかつかないとか、そういう話じゃないの。
何故、そんな事を知りたいのか…どうして、そんな情報を集めているのか。
それはまだ、あなたには言えない…
だけど、わたしにとってどうしても必要なのよ。
(先ほど浮かべた笑顔が、じわじわと崩れ始め。)
この場で直接話さなきゃ、どこで話すって言うの?
ねぇ?どこ?学校?カラオケ?
(その声色には、次第に先ほど見せた以上の苛立ちが含まれてくる。)
(ブルーの瞳が狂気を孕み、北峰を睨みつけるように笑う。)
どうしても、教えてくださらないのね?
(声は苛立ちのまま、瞳は強く輝いたまま、また唇をニッコリと笑わせ、首を小さく傾げさせ)
…じゃあ、諦めよっかな。
(その瞬きをするような間、その小柄な体はふわっと浮き上がるように跳ねる。)
(ひらひらと翻る、レースとリボン。)
(両の足をベンチの座面に付け、立ち上がり、北峰を見下ろしていた。)
(いつの間にか、その手に構えられた、黒く鈍い光を放つ銃。)
なぁんてね、言うと思ったぁ?
(グロスのヨレた唇が笑う。)
ねぇ。これ以上のことは、させないで。
(銃を握り締め、グリップセーフティが解除される、カチャンという音。)
(トリガーにかかった指先が、わずかに震えるのを見られてしまっただろうか?)
(人に、人間にこの銃口を向けたのは、生まれて初めての事。)
(でも、北峰の情報は、そこまでしても欲しいものだった。)
少しぐらい、わたしとお喋りしたって良いでしょう?
北峰綾香ちゃん。
【わたしのほうこそ、この時間でこのぐらい。】
【よろしくお付き合いくださいませ。】
【ひとまず、今夜も2時ぐらいまでは…と、お伝えしておきます。】
【北峰さんのほうこそ、何かあれば遠慮なく、ね?】
>>381 (なんと言ったら良い物か、予想通りの苛立ちの混じった反応を返されて)
(爪を噛む仕草は恐らく演技ではないだろう――子役女優等ではなければ)
(元々の性格というものは、姿に出てしまうものなのだろうかと思いながら)
(自分はそもそも、一度壊れる前はどんな性格だっただろうか、とちらりと脳裏に浮かぶものの)
【ごめんなさい、途中で送られてしまった…。書くから待っていて…。】
>>381 (なんと言ったら良い物か、予想通りの苛立ちの混じった反応を返されて)
(爪を噛む仕草は恐らく演技ではないだろう――子役女優等ではなければ)
(元々の性格というものは、姿に出てしまうものなのだろうかと思いながら)
(自分はそもそも、一度壊れる前はどんな性格だっただろうか、とちらりと脳裏に浮かぶものの)
(それ以上の思考は、危険と判断して相手の仕草を見つめて)
ええ、十分軽薄だと思う…。
望んでいない事ほど、起こる備えをしなければいけない。
こうして接触を持った時点で、備えを放棄したようなもの。
(溜息を彼女がつく――隙が相手にあるときはまた自分も作りやすい)
(そういう事を身に叩き込んでいる人間としては、いつでも下がれる用意をしておいて)
(彼女のやや大仰とも見えるその降参の仕草に、笑顔)
(この手の意思優先で動く人間が早々引き下がれるとは思えない――つまりそれは攻撃の予兆)
(自分の危機察知能力はそう判断したようで、一歩二歩、距離を無意識に取る)
………………………そう。
人には言えない事なんていくらでもある。
私にだって少なからずそれはあるもの。
必要………か…………教えて済めば良い問題ではないから。
(やはりまだ彼女に教えるのは躊躇われた、それは仕草や表情から見える狂気に近い物から)
(その激情に身を任せた彼女なら、何をしでかすか本当に判断が付かない)
(最悪、今の自分のように命を削るような真似までして――そんな人間、自分の情報からは生み出したくなかった)
…………………。
今の貴女に話す事は躊躇われる。
……せめて、もう少し―――。
(落ち着き、冷静な人間ならと思わず考えてしまった)
…………申し訳ないけれど。
(その瞳に映る激情はより強く渦巻くように感じられ)
(その可愛らしい仕草とは反対の憎々しげな瞳、声は何も知らない人間なら成人でも逃げ出しかねないと思えた)
(その思考の合間に、彼女が飛び跳ねる)
(必要以上に目で追うとその隙にやられかねない、そう判断して距離をさらに、数歩広げて)
(遠距離用の武器であった時の為に、近くの木を視界の隅に捉えておいた)
(目線を戻せば、ほのかに薄暗い中にも分かる黒い凶器)
(人形が持つには、あまりにも殺傷力の高いそれ)
(自身は異能とはいえ、魔術の後付けによるものであって体は人並みでしかない)
(銃器ならむしろ接近戦の方が好ましかったかと唇を僅かに噛むも)
……………。
(葉の風に舞う音、僅かに届くエンジン音――その中に乾いた近くからの音が混ざった)
(恐らく持っている知識通りなら、安全装置を外したのだろう)
(つまりは、既に相手はいつでも攻撃できる―しかも、限りなく時間差無しで)
………一つだけはっきり言える事はある。
貴女が知ったとして、利益になる事象は入っていない。
――むしろ、貴女に不幸を招く。
………………それは、私を殺すくらいしてまでも得て…欲しい物なの?
私は死ぬのは怖くない訳じゃない……でも、それでも。
そんな事…私には出来ない。
(そんな事、とは当然巻き込むこと、相手を死の可能性に追いやることである)
(ただ、自分だけの犠牲で済めば、それに越したことはないのだ――少なくとも、今はまだそう信じれる自分がいた)
【改めて…頭から。】
【2時くらい…うん、分かった。】
【お互いにそう言う事で。】
(ここまでわたしを苛々させておいて、言うに事欠いて、十分軽薄。)
(そう、そんな事は自分でもわかっている。)
(もう少し、自分の言動に責任を持って、心優しいレディになるのだよ。と、)
(何度となく父に窘められ、母に微笑ましくその様子を見つめられ、弟にはざまみろとばかりに笑われた事か。)
(そんな当たり前の小さな幸せは、自分にはもう、戻って来ない。)
(ならば、今の自分に出来ることを、全力で求めるしかない。)
(何故、無残にも自分の些細な幸せが破壊されてしまったのか、何故、あんな能力が自分の身についてしまったのか)
(追求、あるのみ。)
(その銃口を北峰に向けた瞬間。さすがと言うべきか、彼女の動きも素早い。)
(その彼女の素晴しい本能に、少し嬉しくなり、唇がまた小さく笑う。)
(甘いわ、この銃の有効射程距離は約50m。わたしなら、目標物が動いていたとしても、20mは軽い!)
(…いけない。何を思っているの?相手は人間。)
(人間には、絶対に発砲出来ない。わたしには、無理。)
(ましてや、今日は北峰相手にここまで翻弄されるとは思わずに、対異形用のホローポイントを装弾している。)
(一発でも当たってしまえば……人間の身体には、致命傷。)
(このトリガーを引いてしまえば、彼女を、同級生の女の子を殺してしまう…)
(手足がすぅっと冷え、指が震える。)
(狙いを定める先は、黒い髪、黒い瞳の北峰の姿。)
不幸を招く、ね。
もうすでにそんなもの、不幸のどん底よ!!
そうね。
そんな事で不幸のヒロインぶっている自分が、ずいぶんと子供っぽいってことも、十分理解している。
それでも、わたしにとっては大切なものだったの。
(そんな感傷を今、北峰に言っても、まったく意味が通じないのはわかっている。)
(だけど、家族全員がそろって、幸せに暮らしていた頃を思い出すと、口走らずにはいられなかった。)
(銃口は変わらずに北峰の姿を捕らえ、もうすっかりと日が傾いた薄闇の中でも、ブルーの瞳はキラキラと光る。)
利益になるかならないかは、話を聞いたわたしが決めること。
あなたでは、無い。
(心臓が、激しく鼓動し始める。唇と心がバラバラのように感じる。)
(初めて人間に向けた銃口は、それがたとえ発砲する気がサラサラ無くとも)
(まるで自分に向けられたかのように、恐ろしくて冷たくて、重い存在。)
あなたを殺す気は…無いわ。
なんて、この体勢では説得力無いかもしれないけれど。
(膝を曲げて右の片足を後ろにゆっくりと持ち上げ、爪先をベンチの背もたれに引っ掛ける。)
死ぬのは怖くないなんて…そんな事、言わないでよ。
(僅かにブルーの瞳から輝きが薄れ、悲しげな色が浮かぶ。)
(……死んじゃったら、もう会えないんだよ?)
>>386 (少なくとも銃口を向けられている現状、手段は3つ)
(1つは関係無く強行突入すること、これは危険性が最も高い)
(2つ目は距離を取りながら機会を窺って攻撃すること、日が落ちてしまえば僅かな電灯の中の戦闘になる)
(攻撃の速度を考えれば良くて五分、悪くて不利な状態)
(3つ目は大人しく口を割ること――先程答えた通り)
(常識的な範疇に収まるものなら、この辺りなのだろう)
…………自分で言える内はまだどん底じゃない。
本当にそうなった人間は何も言えなくなる。
(――かつての全てを失ったときの私のように、と)
(自分の場合は物理的に言えなくなった方向も多分に存在はしたが)
(気持ちの上では、あれが底だと思い込んでいたい部分もあるのだろう)
…………………。
(確証は全く持てないものの、声に僅かな震えを感じた気がした)
(それは、自分に襲いかかる異能、異形や昔の媛名葵等から感じた敵ならば殺すのも躊躇わない意思とはかけ離れたもの)
(少なくとも、人殺しの経験はあまりないのだろうか、とすれば悲しいながらも自分も勝機はあるか、と考えてしまった)
………少なくとも、その状態ではね。
むしろ精度を高めているようにすら見える。
(今から走ったりすれば威嚇射撃でも命中する可能性は否定できない)
(そうなれば、自分の守り方はこの場でラインを引くしかないのだろうか)
……………。
(微妙な食い違いはとりあえずそのままにしておこう、と考えて)
……そうね、目的の為なら…どこか本望なのかもしれない。
そして、自分以外を死なせないというのも、含まれるかも。
(暗がりの中、彼女に分かるか微妙なくらい小さくだが微笑んで見せて)
ね………私を殺す覚悟、ある―――?
…………私は、貴女を殺す覚悟はないよ。
…………………もし、退けないのなら――貴女の覚悟を見せて。
(自分でも、冷静なのが不思議なくらいだった)
(今まで何度となく殺されかけたときも、こんな事を感じた事はない)
(そして、こんな危険は行為をしたことも)
(自分は今、一歩ずつ歩き始めていた――、銃口を向ける彼女に向かって)
(足取りは考えていたよりしっかりしていて、その視線はしっかり彼女に向けたまま)
(彼女に向かってなんらかの決断を迫っているように)
(何分、こうやって見つめ合ったのであろうか。)
(いや、ほんの数秒の出来事だったのかもしれない。)
(銃を握る手に、じっとりと嫌な汗を感じる。)
(彼女は何と言った?自分で言えるうちは、どん底ではない…と?)
(そんな事は、自分でもわかっている。)
(自分よりも不幸な人間は、それこそ掃いて捨てるほど存在する。)
(容姿こそこの日本の地にそぐわないが、ほのぼのと暮らしていた4人家族が3人になっただけの事。)
(たった、それだけの事だけれど。)
(それでも、失ったものは絶望に叩き落されてしまうほど、大きいものだと信じている。)
(それが、大切な家族、というもの。)
そう。
じゃあ、あなたは「本当にそうなった」人ってこと?
だから、そうやって口を噤んでいるの?
あなたから見たら、わたしはさぞかし甘ちゃんなことでしょう。そんなこと、自分でも解かってるわよ。
だけどね、そのものの価値ってのは、その本人が判断すること。
違うかしら?
あなたにとっては、そうでないと思うけれど…
わたしにとってはね、今がどん底だと思いたいぐらいの、大切な、大切なものだったの!
(搾り出した最後の声は、泣き声になっていたかもしれない。)
(今が真昼間であったなら、北峰にも、唇をわななかせ、トリガーにかけた指は目に見えて震えるのが、見て取れたに違いない。)
だから…死ぬのは怖くない、なんて、言わないでよ。
自分以外を死なせなくても、自分が死んでしまったら、そこでおしまいだよ。
(段々と小声になったその言葉は、彼女の所に届いたのだろうか。)
(夕闇の向こう、彼女が微かに微笑んだ気がした。)
(本当に微笑んでいたとしても、その意図は全くわからない。)
覚悟……?
(気が付けば、彼女はゆっくりとその歩みを進めて、自分との距離をじわじわと縮めている。)
(その姿は、間合いを取っているわけでも、隙を窺ってわけでもなさそうな)
(疑いなく、真っ直ぐな歩み。)
(しっかりとした足取りで、しっかりとした瞳で、真っ直ぐこちらへ歩いてくる。)
(右足に重心をずらし、バランスよく背もたれを倒していき、地面に着地。)
(ベンチの座面から転がり落ちるバイオリンケースを蹴り上げる。)
(高く空へと舞ったケースが、その手に落ちてくる前に、右手に構えたP7をホルスターへと仕舞い込み)
(左手で、落ちてくるケースを受け止める。)
曲芸、大成功っ
(倒れたベンチを挟んで、北峰にニッコリと笑いかける。)
…拍手でも、してみる?
なんてね。
(ヨレたグロスの事を思い出し、少し恥ずかしそうに微笑んで、手の甲で唇を拭う。)
これが、わたしの答え。今回の所は、負けたわ。
ただ、負けただけよ?わかる。
諦めたわけではない。
(強い輝きの戻った瞳で、じっと北峰を見据える。)
>>388 ………否定はしない、肯定もしないけれど。
自分で自分の事すら、よく分かっていないのだから。
(自分の奥深くに居座る黒い記憶を呼び起こして、視線を僅かに伏せ)
分かってても止められない時はあるし、価値についても否定していない。
ただ、それを知る事は、と思うだけで。
……そう、大切なもの……誰にでも何かしらはある。
そして、失ってしまえば取り戻すことは難しい…。
―――復讐して、満足はしても必ずそれまでとは違う。
きっと………。
(嫌でも静かな空間なのだ、ちょっとした声の様子はやはり分かって)
(彼女もまた、ある種似たような人間なのだろうとなんとなく思われた)
(最後の部分は、彼女にというよりも自分に言い聞かせるものだったが――)
でも、誰かがきっと覚えてくれている…それは、嬉しい事。
むしろ………私は死に場所を探しているのかもしれない。
(復讐という言葉はもしかして自分にとってただの「理由作り」ではないのだろうか)
(ただ、失った者の側にいきたいだけなのかもと考えて)
(どことなく、それがしっくりと来る自分が存在していて不思議な気分になる)
そう……殺す覚悟。
それを私に撃てればそれで終わり。
生きていたら教えてあげる。
それくらい出来なければ、あいつを殺す事なんて出来ない。
(見据えたまま、一歩、また一歩と更に歩み寄って)
(その銃口に向けて、より致死率の高い距離へと近づいていく)
(刹那、彼女が動き始めて)
(瞳に映る彼女の変化を捉えながら、最後のバイオリンケースを受け止める所まで見て)
(既に間近に迫っていた自分は只、目を僅かに見開くしかできないで)
(倒れたベンチを挟んではっきり表情が分かる距離で見つめる形になり)
……………え、と。
(微笑みかけられ、軽い言葉をかけられても今までの状況から上手く反応できずに)
(ただ、視線を向けたまま小さく首を傾げて)
………………そう。
諦めてくれれば一番いいのだけれど。
………なら、負けたついでに一つだけ。
私は、もしかしたら貴女が追っているかもしれない相手と手合いするかもしれない。
恐らく、私は今の所死ぬ可能性もそれなり。
そして――生きていても死んでも、貴女は巻き込みたくないと思ってる。
………だって、こんなに可愛いんだもの。
(やや眉を寄せながら、蒼い瞳を見つめたまま)
(その光る瞳に普段あまり叩かないような軽口を乗せて返事をして)
(自分が言った事に驚いたように、唇に手を当てごまかすように唇を拭った手を思いだし)
(ワンポイントの刺繍の入った白いハンカチを差し出して)
………そういえば、貴女から名乗り、聞いてないよね?
(名前くらいは、知っていたけれどなんとなく言わせてみたくなり)
(誰かが覚えてくれているのは、嬉しいこと。)
(そう言ってもらえたことに、なんとなく自分の気持ちを見透かされたようで)
(気恥ずかしいような、腹が立つような。)
(少し考え、小さく首を振る。)
(いや、自分の心にまで嘘をつくのやめよう。)
(嬉しい…わたしの大切な人も、掛け替えのない尊敬する父も、そう思っていてくれただろうか。)
(だとすれば、本当に嬉しい。)
(バイオリンケースを受け止める、ずしりとした重み。)
(この中に得物が入っていなければ、くるりと一回転でもして、さらにポーズも決めるところだが)
(この重たさでは、なかなかそこまでは出来なかったが、その動作は彼女を呆気にさせるに十分で)
(お世辞にも落ち着いているとは言いがたい自分と比べて)
(冷静沈着な様子に映っていた彼女の表情が、少し驚いたような色を見せてくれた。)
(ちょっと、満足。)
ふふ、諦めないわよ?
わたし、結構しつこいんですもの。
(可愛らしく首を傾げる彼女の姿に、思わずこちらも、動きをあわせて首を傾げてしまう。)
…死ぬ、可能性ね。
それはわたしにも十分ありえること。
そりゃ、もちろんそうならないように、最善は尽くすけれどね。
わたしの家族を、もうこれ以上悲しませたくないもの。
(突然、彼女らしからぬ言葉を投げ掛けられる。)
か、か…可愛いって!
(本当にそれは、そのような軽口を彼女が叩くとは、想像もしていなくて)
(悔しいことに、かなり動揺した様子を見せてしまう。)
わ…わたしのほうこそ…あなたのこと、すごく綺麗だと思っているわ。
羨ましいもの。
そんな北峰さんに「可愛い」だなんて、言われるなんてね。光栄だわ。
(差し出されたハンカチと北峰の顔をブルーの瞳が何度か往復し)
(少し悩んだ様子を見せるが、遠慮がちに、手を伸ばして受け取る。)
あ…ありがと。
(可愛らしい刺繍の部分を避けて、手の甲のグロスを拭い取り、そのハンカチを自分のポケットに仕舞う。)
今度、学校ででも返すわ。ちゃんと、洗って。
名前…
(視線を宙に漂わせ、困った顔、本当に困った顔を見せた。)
久遠ゆりか…
(そう言いながら、胸ポケットから小さな紙片、名刺のようなものを取り出し、北峰に渡す。)
(その紙には、「ゆーりあ あれくせーえぶな くどりゃふつぇわ」と、馬鹿丸出しの丸文字で書かれていた。)
……舌噛まずに読めたら、わたしのこと「ユーリャ」って呼んでいいわよ。
(なんて、押し付けがましいことを言いながら、倒れたベンチを蹴り、器用に元へと戻す。)
それじゃ、栄光ある勝者は、哀れな敗者のお願い聞いてくれるかな?
(ニコっと、笑いかけ)
今度、カラオケでもご一緒しましょうね?
【バトル、まではいかなかったけれど…わたしのほうは、この辺で〆かな。】
【もし、やり残したことがあれば、遠慮なく言ってくださいませ。】
【2時になってしまいましたが、わたしはまだ元気なので、北峰さんが続きを入れられるなら見届けさせていただきます。】
【どうでしょう?】
>>390 (なんだか、自分の事を少し勘違いされていないだろうか)
(――確かに、落ち着いている方だとは思うし喋りも抑揚があまりないと思う)
(ただ、基本的な中身自体は年頃のそれなりであり感情が全く無いわけではないから)
………これはまた、難題。
今までそういう人とあまり当たったことがないから。
(同じ仕草をしていても、やはり見る人の大半は自分を選ばないんだろうなと考えながら)
(一つ小さく息を吐いて、落ち着くように)
私は能力の容量が切れると死んだも同然だから。
もしかしたら馬鹿力なんとかが出るかもしれないけれど。
………家族、か。
(自分には既に肉親と呼べる存在はこの世には一人として存在せず)
(言うならば、天羽都を中心とした寮の人達がそれに該当するのかもしれなかった)
……思っていたことが、つい。
だって、私とは正反対だから……少し羨ましい。
(彼女にとってはどうかは分からないが)
(自分にとっては、可愛らしいと表現するに足る彼女が羨ましくあり)
(間違ってもそう表現されないだろう自分と比べてしまう)
(――からかい半分か、言われた事はある気がしたが、きっとからかわれている姿が、なのだろう)
……………私が、綺麗……?
(きょと、と思わず耳を疑い止まってしまって)
ただ、色白で………髪が黒いから、そう見えるだけ…じゃないかな。
そういう冗談は、良くないと思う……。
(困った様子で視線を左右に泳がせ、かっと頬が朱に色づいてしまって)
(最後には、視線を伏せ気味にしてしまう)
どうもいたしまして。
まだ手を洗うにも冷たいから。
(手の甲を拭き取り、仕舞うのを見ていて)
…ん、待ってる。
(そのまま、こくりと頷いた)
……………?
(名前を言うのに何をそんなに困っているんだろう、と思っていると)
(何か胸ポケットから取り出すのが見えて)
(受け取ると、その紙には明らかに知っている名前とは違う名前が独特の――というべき文字で書かれていて)
(つまり、きっと彼女の本当の名前なのだろう、推測するに東欧系だというまでは名前からは分かった)
(彼女の髪や瞳の色も、これで説明がついてしまう形だろうか)
……………んん、それじゃあ。
(何回かその文字を見直して確認し、口の中で舌を動かして覚えると)
(紙片を見ながら、抑揚のない声で発音する)
「ゆーりあ あれくせーえぶな くどりゃふつぇわ」
……一発なんてつまらなかった?「ユーリャ」。
(どうも満面の笑顔というのは自発的に作れなく、軽く微笑む程度しかできないが)
(それでも、伝わってくれるだろうか)
できる事なら、なんでも。
(その笑みに小首を傾げて)
……………私でよければ。
……気の効いた物は歌えないけれど……笑われそう…。
(眉を僅かに寄せるものの、それは拒否ではなくて今までの経験上自分の選曲センスに自信がないから)
(それでも、少し以上は選曲センスはともかく好きな歌に関して彼女はどうなのだろうかというのは興味があって)
(そのまま、こくりと首を縦に振った)
―――…寒いし、帰りましょう。
飲み物くらいはおごってあげるから。
…服、気をつけないとね。
(そんな事を言いながら、公園から立ち去ろうとしていた)
(既に日は落ち、街灯が照らす中二つの陰は公園から姿を消して――日常へと帰っていった)
【私が言い出しておきながら、バトル回避の流れでごめんなさい…。】
【やり残し…ではないけれど、ハンカチ含め学内でまた会いたいのはあるかな。】
【…今気付いたけれど、先に【】の返事だけ書いた方が良かった…重ねてごめんなさい。】
【公園イベントはとりあえず、これにてひとまず。】
【長くなってしまったので二分割……です。】
【見届けましたー。】
【いえいえ、こちらこそ初ロールにお付き合いいただき、拙い点も多かったと思います。】
【ありがとうございました。】
【【】返事も、大丈夫です。どうぞ、お気になさらずに。】
【そうですね。次回は学校でハンカチをお返ししなければ。】
【楽しみにしております。(と、お辞儀)】
【それでは、おやすみなさいませ。】
ありがとうございました。
スレをお返しいたします。
【お待たせしてごめんなさい。】
【こちらも久しぶりだったから拙い部分も多かったと思う。】
【私こそ、ありがとう。】
【まさか分割になるほど長くなるとは思っていなくて…。】
【うん、私も楽しみにしておく…近いうちに、また。】
【それじゃあお付き合いありがとうございました。】
【おやすみなさい。】
【スレをお借りしました、お返し致します。】
【迫水先輩をお待ちしてます】
【ロールにお借りします】
(穏やかに晴れた日曜の午後)
(まだまだ冬の直中ではあるものの、窓を閉めて冷たい外気を遮断すれば)
(ガラスを通り、差し込む日差しは暖かくて、優しくて)
(窓際で横になった頭の下には、津綺子の柔らかな太股)
(完全に無防備な体勢で耳朶を預け、心地よいくすぐったさと恋人とのスキンシップを楽しむ)
……ん……
(耳かき特有の気持ちよさに、自然に唇から満足の溜め息が漏れて)
(すぐ目の前にある少女の膝頭に微かな吐息を当てる)
【お待たせ】
【少し確定してるけど、こんな感じで、よろしくお願いします】
明日から、学校ですね…
(夜は退魔に、朝はトレーニングにと二人で過ごす充実した週末)
(それももう半日ほどしか残っていない)
(疲れを癒すための休息をかねて日曜の午後は直の部屋で過ごす)
(綿棒にオイルをたらし、慎重に直の耳に差し入れる)
動かないでくださいね……?
(直は眠っているのか起きているのか、規則正しい呼吸を膝頭に感じさせて)
(じっと頭をこちらの膝に預けている)
痛くないですか?
(ひとしきり耳の穴をオイルでぬぐった後、今度はシーブリーズを綿球につけてオイルをふき取る)
(メンソールの刺激に、直がみじろぎした)
【こちらもちょっと確定ぎみですが…】
【改めてよろしくお願いします】
んん……
(メンソールの冷たい刺激に肩がブルッと震える)
…もうちょっと奥…あ、そう…そこ…
(心地よさに蕩けた、甘まえるような声で、痒いところを津綺子に伝え)
(生まれてから20年弱。何故か耳かきだけは苦手で、自分一人では上手くできなくて)
(実は、一人暮らしを始める前までいつも母親に頼んでいたことを思い出し)
…………、…………
(懐かしさ、恋人の母性、耳かきの快感、午前中の疲労、冬の暖かな日差し、止まったような時間の流れ)
(様々な要素が溶けて混ざりあい、ゆっくりと訪れた睡魔にそのまま身を委ね)
(目を閉じると、深く長く、規則的な寝息を津綺子に聞かせる)
あ、ごめんなさい、冷たかったですか?
んー…もうすこし、奥……
(綿棒を耳かきに持ち替え、直の声にあわせて痒いところを探り、丁寧に掻く)
(耳を傷つけてしまいそうで、いっそう慎重に)
(まるで難病の手術に挑む外科医のような真剣さで)
直さん……?
(ふと気づくと”患者”もしくは”まな板の上の鯉”は、静かに寝息を立てていた)
(手を伸ばして耳かきをテーブルの上に置く)
(直を動かさないように、そっと気遣いながら)
(精悍ながら無防備な横顔に見入り、ふと笑みを漏らす)
(いつも直がしてくれるように、ゆっくりと髪を撫で、頭蓋の形を確かめて)
どこか一つぐらい、嫌なところがあってもいいのに。
(まつげの先、耳の複雑な曲線まで仔細に見入って)
(そんな細部まで、なぜこんなに胸を騒がせるのかと)
(数瞬、あるいは数分の、深い深い眠り)
(微かな囁きと頭を撫でる優しい感触)
(それを味わわないのは勿体ないとばかりに無意識が訴えかけてきて、あっさり目を覚ます)
………
(津綺子の太股に頭を預けたままで身体を転がして仰向けになって見上げれば)
(自分の顔を覗きこむように見つめる、愛しい恋人の目と向き合うかたちになり)
………津綺子……
(そっと、呟くような小さな声で愛する者の名前を呼び)
(腕を持ち上げて、恋人の頬に触れ、持てる限りの愛情を込めて、撫でる)
(不意に直が目を開け、こちらを見上げる)(
ごめんなさい、起こしちゃいました?
(目が会うと、心臓がとくん、と大きく鼓動する)
(どれほど一緒にいても、その視線を捕える瞬間は胸が高鳴る)
(伸びてきた手がほほをなでる)
(それだけで、何も言えずにただされるがままになって)
(しばらくうっとりとその手の感触に酔う)
お疲れですか?
もう少し、お寝みになる?
(やっとそんなどうでもいいことを口にして、ずっと直の目に見入っている)
(頬を撫で、短い髪からのぞく耳を指先でなぞり)
(アゴのラインから、首の腱までゆっくりと感触を確かめて)
(恋人の鼓動を手の平に感じながら)
いや、大丈夫…すごく気持ちよかったし、暖かいしね
目を閉じたら、寝ちゃった
ね、反対もお願いできるかな?
(手を離すとそのまま身を捩り、少女の腹部に向いて反対側の耳朶を晒す)
(目の前には、呼吸に合せて動く服)
(微かに漂うのは、さわやかな石鹸の香り)
(はっきりと分かる腰のくびれに手をかけて、身体を固定する)
(耳元から首筋へ、敏感な部分を直の手がなぞっていく)
(顔を赤らめ、くすぐったさと心地よさをこらえる)
お疲れなら、無理しないで。
それじゃ、反対側も。
じっとしててくださいね?
危ないから…
(たとえ鼓膜を突き破ってもすぐに治ってしまうのはわかっている)
(けれど、愛するものに一瞬でも苦痛を与えたくない)
(こちらを向いている直の頭上に屈みこみ、そっと綿棒を動かす)
痛くないですか? 大丈夫……?
(ウエストに直の手がかかると、思わずびくっと身を縮めて)
危ないですってば……
(どきどきしながら、また顔を赤らめる)
もういたずらしないでくださいね?
もう少しですから……
(オイルで耳の穴をふき取り、それからシーブリーズでオイルをふき取って)
……さあ、きれいになりました…もっと掻いて欲しいところはありますか?
ん…ふ…んん…
(再び訪れる快感に溜め息を漏らしながら、普段よりもずっと大人しく恋人に身を委ねる)
…ん、ありがとう…もう大丈夫、すごく気持ちよかった…
(腰に回した手に軽く力を込めて)
(頭を津綺子の太股のつけ根まで移動させると)
(小さい子供が甘えるように、額を腹部にこすりつけて)
もう少し…このままで…
(わずかに熱を帯びた吐息が、布地を通して津綺子の肌に振りかかる)
(腰を引き寄せられるように直の手に力が入って)
(お腹に額を押し付けられる)
もう…直さん。
(今清めたばかりの耳をちょん、とつついて)
(暖かい部屋のなかで、直の息の熱さを感じると、じわり、と手のひらが汗ばむ)
(直の頭をまた撫でながら、少しづつ早くなる鼓動を悟られないように)
眠いなら、お布団へどうぞ。
このままじゃ、風邪を引きます…床の上は冷えますから。
(静かに語りかける声にも、甘さとわずかな震えが伝わって)
…ね?
(できるだけ体を屈めて、直の耳元に唇をよせて語りかける)
(優しく頭をなでられながら、密着した額に恋人の早くなる鼓動を感じつつ)
ん……
(津綺子の囁きに軽く答えるが、その身を起こすことなく)
(再び仰向けになると、すぐ間近で視線を合せ)
じゃあ、津綺子と一緒に…
(津綺子の後頭部に手を添えて、自分からも軽く頭を持ち上げ唇を重ねる)
(明るい午後の日差しの中、ついばむような甘いキスを繰り返し)
津綺子…
(名を呼びながら、手探りで窓にかかるカーテンを引くと)
(弱められた日差しが二人を包みこむ)
(直は膝の上でまた寝返りを打って、まっすぐにこちらを見つめる)
(なんのてらいもない表情で、一緒に、と口にされると、耳元まで熱くなる)
(ちゅ、と軽い音を立てて唇をついばまれ、ぼーっとして何も考えられなくなる)
(カーテンを引かれて部屋が陰り、直の表情にも甘い影が落ちる)
(本当に、一つぐらい嫌いになれるところがあればいいのに)
(胸の中でそうつぶやき、もうすっかり"男”の視線を向ける恋人に)
(まるで魂を抜かれてしまったかのように、上の空でうなずいて)
(すっと、身を寄せ、首筋に顔を埋め、肩に腕を回す)
【と、レスを貰ったところで申し訳ないけど、そろそろ限界が近付いてきてるみたいなんだ】
【凍結をお願いします】
【解凍は、直近で土曜の夜。その後は日曜、火曜になりそう】
【そちらの都合を教えて貰えるかな?】
【気づくのが遅れてごめんなさい】
【土曜日の夜で大丈夫です】
【お時間はまた伝言していただけますか?】
【こちらはかなり融通が利くとおもいます】
【承諾ありがとう。時間は金曜か、遅くても土曜の夕方までには避難所の方へ】
【申し訳ない。限界を突破しそう】
【今夜はここまでで、お先に失礼させて貰います】
【今夜はお相手ありがとう。この次もよろしくお願いします】
【おやすみなさい】
【遅くまでお付き合いありがとうございました】
【ご連絡お待ちしてます】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
【ロールの解凍をさせてください】
【迫水直先輩をお待ちしています】
【同じくロールの解凍にスレをお借りします】
>>407 (弱められた日の光は、室内の全てを甘い色に染め上げて)
(陰影を濃くした恋人の表情は照れているように見える一方で)
(何かを期待しているようにも見えるのは、自分勝手な思い込みかもしれないが)
…………
(津綺子の作った腕の輪に首を通すと、その腰を支えながらゆっくりと立ち上がる)
(磁力でも発しているかのように、視線をわずかも逸らさず)
(向き合った体勢のまま、寝台へジワリ、と移動する)
(シーツを整えたベッドには昨夜の睦み合いの痕跡を見出だせないが)
(恋人の首筋に残る赤い花は記憶を呼び覚ます切っ掛けとなり)
(少女の肢体を組み伏せるように、ベッドへと優しく押し倒す)
【お待たせです】
【まずはこんな感じでよろしくお願いします】
(青年の膂力はこちらの体をふわりと持ち上げ、悠々と運んでしまう)
(ゆっくりした動作は重さに耐えているのではなく、あくまでこちらを優しく扱うためで)
(その証拠に、視線もはずさず、無理な体勢でも余計な力みもなく)
(そっと寝台に横たえられた)
あ……
(もうこちらの四肢を絡めとり、直はその体の重みを預けてくる)
(ため息と同時にためらいの声が漏れて、一気に心拍数が跳ね上がる)
(昨夜も彼の厚い胸の下で、何度快楽の頂を極めたことか…)
(点々と愛撫の後を散らす首筋に、また直の熱い吐息を感じ)
(全身の神経がざわざわと期待にざわめき始める)
【改めまして、今夜もよろしくお願いします】
(重心をずらして重みから恋人を解放すると脇に寄り添い)
(首の下に腕を差し込んでそのまま肩を抱き寄せ、更にお互いの身体を密着させる)
…………
(胸隔の中の自分の鼓動と、布地を通して伝わる恋人の鼓動)
(二つの生命の証を感じながら、こんな穏やかな日がずっと続けばいいのに、と願いつつ)
(首を傾ければ、すぐそばに愛しい人の顔)
津綺子…大好きだよ…
(思いを充分に伝える言葉が見つからず、シンプルな台詞に精一杯の思いをのせて)
(津綺子の額にかかる柔らかな前髪に唇を寄せる)
(こちらを組み伏せていた直は、体の上から降りて隣に添い寝するような姿勢になる)
(苦しくもないのに、大きく深呼吸してしまうのは恋人への思いに胸が潰れそうだったからで)
(抱き寄せられると素直に寄り添い、スエットの胸に鼻先を埋める)
(直の匂いに深く満たされるような思いでいると、愛しい声で愛を告げられる)
私も。
(顔を上げ、声の主を見上げれば、額にその唇を受ける)
私も、直さんが好き…。
(同じ言葉を返しながら、自分の体を押し付ける)
(直のトレーナー一枚を羽織っただけの体に、自分よりもわずかに高い体温が伝わって)
(素足が直の足に触れると、スエットの感触が心地よい)
大好き。
(もう一度、自分の気持ちをかみ締めるように、そう告げた)
(己の体にしなやかに絡み付く肢体は、わずかな力で折れてしまいそうなほど細くて、小さくて)
(その体で夜毎に繰り返す退魔業の厳しさを思うと、胸が張り裂けそうになる)
(彼女に傷ひとつ負わせてなるものかと思うのは何度目か。日に日に決意を新たにし、自分に言って聞かせる)
(愛の言葉と共に恋人の体温が伝わる。布地を通してもまだ柔らかい膨らみを感じながら)
(肩に回した腕を使い、津綺子の体を自分の胸の上に押し上げる)
大好きだよ…いつでも、いつまでも、君のことを大切に想ってる
(胸に抱えた頭を撫でる手つきは変わらないが)
(普段とは逆に、恋人の体重を体に受け止める)
…………ゴメン……
(津綺子の腹部辺りに自分の欲望を押しつけいるを自覚して)
(謝罪の言葉が口から漏れる)
(これからの行為に期待しているのか、「そこ」は熱を帯び、少しずつ血液を集中しはじめていて…)
わ…!
(すい、と今度は体の上に乗せられてしまって)
(胸郭の上に乗せられた頭を、そっと撫でられると心なしか心音がいつもと違って聞こえる)
(こちらの体の重みが申し訳なく、じっと身を固くしていると)
…え…?
(照れくさそうな謝罪の声)
(お腹の下にひときわ固く膨らんでくるものは、直自身の欲望をあらわす器官)
(”それ”に満たされる自分の部分を思い、同調するように内部が脈打って)
(直の足の上で、素足をすり合わせ、もじもじし始める)
(スエットの上から、直の心臓と思しきあたりに唇を押し付け、吐息の熱さを伝えて)
ん…
(布を通して暖かく湿った吐息を肌に感じると、自然に唇から軽い呻きが漏れる)
(そんな津綺子の動きを拘束するように腕を回して抱き締め)
(自分の胸板の上で柔らかく形を変えて潰れる恋人の胸の感触を確かめつつ)
(津綺子に伝える心臓の鼓動と同調した熱い塊は、益々硬く立ち上がって)
(腰を捩り、押しつけ、こすりつけ)
(もじもじと動く足の間に膝を割り入れて、ゆっくりと左右に拡げていくと)
(津綺子の下半身は、彼女の恋人の股間を跨ぐような形になる)
ん、う……
(腹部に感じる固いしこりは、もう直のほうからしっかりと押し付けてきていて)
(腰を動かし、腹筋にこすり付けてその形をくっきりと認識させる)
は……
(小さく息を吐いて膝を割りこむ直の足に抵抗するそぶりもむなしく)
(青年の下半身をまたぐような姿勢になってしまい)
(彼の怒張は恥骨の下にある)
ん、や……あ……
(身をよじってせめて敏感な部分を遠ざけようとすればするほど)
(ふっくらとした恥丘を固い幹にこすりつけることになってしまって)
(その中に息づく肉芽が萌し始める)
(抱き締めていた両腕を滑り下ろし、いっぱいに拡げた指で恋人のお尻を捕まえる)
(足が拡がった為にトレーナーは捲れ、裾から薄い下着がはみ出して)
(その布ごと半球に指先を食い込ませていく)
(手の平で身を捩る動きを妨げ、より腰を持ち上げて剛直を押しつけると)
(ふっくらとした丘の間に割り込み、ショーツごと襞の内側に擦りつけて)
(更に、捕らえた恋人の腰をより卑猥な感じで振らせると)
津綺子、分かる?津綺子に俺のが当たってるよ
もうすぐ中に入っちゃうかもね…
う……
(お尻をつかまれた瞬間、恋人の胸の上で拳を握り締め、身を固くする)
(広げられた足の間に食い入るように押し付けられる剛直に、膨らんだ肉芽をぐりぐりと刺激されて)
ん…あ、ぁう……
(喉から漏れる声を無理やり飲み込んで、唇を噛む)
直さん、そんなこと……言っちゃいや……
(愛しい声で挑発する恋人に、息も絶え絶えに抗議して)
(淫らな反応を押さえ込もうと)
(津綺子の儚い願いを聞き入れるように、浮かせていた腰を沈めて)
そうだ…津綺子、着替えは、ある?
このままだと、たくさん汚れちゃう…
(そんな気遣いの言葉とは裏腹に、その小さな布の下へと指を差し込んで)
(わずかに綻んだだけの花弁の間に指先を押しつけ、形をなぞり)
(ゆっくり両側へ拡げ、その内側に隠れたレースを探り出す)
もう、溢れちゃいそうになってるよ
(直の腰が離れると、詰めていた呼吸を大きく吐き出して)
今日はそんなに遅くならないうちに家に戻るつもりだったから…
(着替えはない、と告げながら、彼もそれを知っているはずだと思い)
(ショーツの足口から滑り込んでくる指先に、言葉の裏の意図を知る)
あ、だめ……
(制止もむなしく、ぴたりと閉じた肉の裂け目をなぞり、押し開き、探り出す)
直さん……っ
(懇願するような視線で恋人を見上げる)
(愛しい青年の優しく、こちらをいたわるような視線にぶつかり)
(そのしぐさとのギャップに混乱させられて)
だから……ゆび……そんなこと、したら……
(もっとしてほしい、もっと快楽を与えて欲しい)
(乱れる自分は見せたくない、いつも一番整っている姿を見せていたい)
(いつものように相反する欲求に引き裂かれて、言葉を失ったままわなないているばかり)
着替えないのか…じゃあ我慢しないとね
(そう言葉で言うものの、内側の粘膜を、指で確かめるように這わせ)
(染み出してくる蜜をすくい、戻すように内膜にこすりつけて)
指はダメ?ならこっちならいいのかな…
(再び腰を浮かせて幹を押しつける)
(花弁が拡がり、その上端の芽が顔を出しているであろうことは承知の上で)
(殊更そこに強く当たるように腰をひねる)
(恋人の願いを聞きいれた素振りを見せながら、更なる刺激を与え、その性感を揺さぶり)
(抵抗をしめす理性を確実に削りとっていく)
(優しく噛んで含めるように我慢しないと、と言って見せる一方で)
(指先は巧みに入り口を這い回り、肉欲を煽る)
ねえ、お願い、もう…
(もう止めて欲しいのか、もう他のことをしたいのか)
う、直さん、だめ、です……
(再び固い幹が押し付けられたときには、もっと激しく反応して)
くぅ……う……んんっ……
(必死で引き締めていた入り口が震え、じわじわと愛液が漏れ出しはじめる)
(借りたトレーナーの下で胸乳が張りつめてくる)
(直の腹の上で身もだえしながら、それでも体を離してしまうことは出来ず)
(体を覆う布を引き剥がして、思うさま犯して欲しいと)
(理性が次第に後退し、肉の欲求が膨れ上がる)
【…トラブルでしょうか?】
【大丈夫ですか?】
【ゴメンなさい!ウトウトしてしまいました】
【こんな状態なので、凍結をお願いできますか?】
【凍結了解です】
【次回は土曜の夜…ですけど、大丈夫ですか?】
【お疲れなら先へ延ばしてもいいですけど】
【お気遣い、ありがとうございます】
【土曜で大丈夫です。時間は今日と同じくらい…22時でお願いします】
【では、今夜はこれにて、お先に失礼させてもらいます】
【最後、お待たせしてしまって申し訳ありませんでした】
【お疲れ様です。おやすみなさい】
【こちらは楽しくやらせていただいてますので】
【どうぞお気遣いなく…】
【今日もお相手ありがとうございました】
【連日ですが、明晩もよろしくお願いします】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
さて、それじゃそろそろ私もこっちに出てみよう。
まずはテンプレ〜
名前:天宮 常露(あまみや ところ)
年齢:16
性別:女
身長:148cm
体重:48kg
3サイズ:81/61/79
容貌:至って平均的な体型、僅かに茶の混ざった黒のボブカット。
赤いアンダーフレームの眼鏡をかけている。
能力:糖を熱に変える
たとえば飴玉を巨大な熱球に変えて打ち出す、砂糖水を一瞬でお湯に変えるといった単純なものから
炭水化物を分解して糖を抽出し、それを熱に変えることも可能。
しかし、構造が複雑なものだと分解するのに時間がかかってしまう。
原理は本人にすら不明。基本的には手持ちのお菓子を駆使して戦うことが多い。
性格:甘いものが大好きで、甘いものはみんなを笑顔にしてくれると信じて疑わない。
基本的にはみんなの笑顔のため、なんていう甘い理想のために頑張っている。
希望:戦闘でも雑談でも・・・まあ、そのエッチなことでも、大体相手はするよ。
NG:あんまり、痛すぎるのとグロすぎるのは勘弁ね。
弱点:甘いものが無ければ能力が発揮できない。炭水化物からの抽出はおおよそ戦闘には適さないほど隙が大きい。
……さて、と。
あんまり待ちぼうけしすぎるのもアレだし、先約あったんだね、ここ。
いや、ちょっと上のレスくらい見ようや、私。
ん、今日はこれでひっこむかな。また来よう。
譲ってくださってありがとう。
解凍予定といっても、スレの予約というわけではないんですが
今夜はありがたくスレを使わせていただきますね。
迫水直先輩をお待ちしてます。
【解凍のためにスレをお借りします】
>>426 ほんとにダメ?じゃあ、やめる?
(言葉だけは優しく津綺子に従いつつ、指先は容赦なく動き続けて)
(潤みはじめた蜜壺の入口を浅くかき回し、秘めやかな音を立てさせる)
お願い、何かな?遠慮なく言っていいよ
津綺子のお願いなら、何でも聞いてあげる
(ふっくらとした花弁に指を滑らせ、新たな刺激を期待して震えている真珠に触れる)
(纏ったベールの上から形をなぞり、転がすように撫でさすり)
(唇を噛み締め声を殺す恋人に、我慢しなくていいのだと言葉を使わずに伝える)
(片手で恋人の下半身を捕らえた状態で、空いた片手をトレーナーの下へ)
(指を背骨に沿ってくすぐりながら這い上らせて、探り当てたブラのホックを外す)
【天宮さんに感謝を捧げながら】
【こんな感じで今夜もよろしくお願いします】
あ、だって、替えが…ないから……
(浅い部分への巧みな刺激に、一番深い部分まで痙攣しながら反応して)
(体はもっと求めているのを隠そうともしない)
お願い…こんなに、いじわる、しないで……
(細い声で羞恥に震えながら、あいまいな懇願を口にすると)
(恋人の指先が肉色の真珠に触れる)
あ……!
(びくん、と背をそらせて高い声を上げ、熱い粘液をあふれさせて恋人の指をぬらす)
や…だめ、直さん…そんなことしたら……わかってるのに……っ!
(自分から足を広げ、陵辱者の愛撫をもっと受け入れる姿勢を見せながら)
(そんな自分に恥ずかしさも高まっていく)
んんんんっ……
(直の手が背筋を這い上がっていくと、そこから羽箒でくすぐられるような快感が広がっていく)
(ブラの金具がはずされた瞬間、支えを失った乳房がはじけるように震えて)
【改めまして、今夜もよろしくお願いしますね】
替えがないのに、染みちゃいそうだね…
(溢れ出した蜜を指に感じつつ、更にゆっくりと突起を転がし)
(タップリと蜜を塗り込んでから薄い膜をめくり、真珠の丸みをなぞる)
津綺子、起きて…
(背中に回した腕で津綺子の肩を押し、優しく体を起こさせる)
(腰に跨がらせたままの姿を下から見上げ、締め付けから解放された胸の膨らみが、厚手の布の下で揺れるのを楽しみ)
(やがて、トレーナーの裾を下から上へと持ち上げて、ジワジワと津綺子の全てを空気に晒させていく)
もっとよく見せて…隠したらダメだからね
(津綺子の行動の先回りしておいて、徐々に露になる恋人の肌と肢体を眺める)
あぅ…そこは…弱い、の……
(もう十分に感じてしまっているのを、ようやく告白しながら)
(それでもまだ、慎みを捨てきってしまうのをためらって)
(体を起こされると、はしたなく濡れそぼった部分が直の怒張の上にぴったりと押し付けられる)
(ひくひくする大陰唇の痙攣を、そのまま太幹に伝えて)
(下から見上げられる視線に晒されながらトレーナーをめくりあげられ)
(素肌にまで直の視線を焼かれるほどに意識して)
(カーテンで弱められていても午後の日差しは明るく)
(肌のきめまで浮かび上がらせて、弾む膨らみまでさらけ出されると)
(外気に触れた乳首が色濃く熟して固くなる)
ねえ、そんなに見ないで……恥ずかしい……
(それでも、直のすることを止めることはできずに、むしろ体は待ち望んでいて)
(ついに告白した津綺子に頬意味かけて、満足げ頷き)
やっと素直になったね…じゃあ、ご褒美をあげないと
(丘の感触を布越しで幹に感じながら、より深く咥えさせようと腰を浮かせ)
(ショーツの下で顔をだした肉の粒に刺激を与えていく)
(同時に、既にタップリと蜜に塗れた指先を、蜜壺から離れた窄まりに押しつけて)
(蜜を塗り付けながらそこの皺を数えるようにくすぐる)
ほら、津綺子、ここも好きだよね…
どっちの穴でイくのが好き?
(問い掛けで津綺子の理性を犯し、ジワジワと支配を拡げていく)
(明るい日差しに色合いのコントラストをうつしだす乳房に手を伸ばし)
(下からすくい上げ、手の平で包み込むようにしながら、尖った先端を捕らえ)
(絞るように乳肉の形を潰し、突き出した果芯を指先でしごく)
ん、あ、直さんの…すごい……
(スエットの中でも形がはっきり伝わるほど、直の欲望が熱く感じられる)
(すっかり張り付いて、その部分の形をくっきり浮かび上がらせる下着越しに)
(食い込むほどにその勃起を押し付けられ、内膜がそれを求めて蠢くのが)
(入り口にまで伝わって)
はぁ……だめ……クリ、は……っ
(恥丘をかき分けて顔をのぞかせた肉芽を勃起で押しつぶされる)
(そこから鋭い快感が全身に広がって)
(背をそらせればむき出しの乳房が弾みながらツン!と上を向く)
あぁ、や、感じ……る…っ
(肉芽を勃起で、乳首を指先で刺激され、絶頂を求めて身もだえする)
(さらにもう一つの肉門…桃の間で固くすぼまった部分をくすぐられれば)
お尻、だめ……そこもされたら……あ…
(入り口の痙攣はびくん、びくんと大きく不規則になり)
(熱い蜜がとめどなくあふれて)
イっちゃう……っ!
(最初の絶頂へと上り詰めていく)
いいよ、イっちゃって…一回イったら、もっと気持ちいいことしてあげるからね
(思うままに恋人の肉体に快感を与え、痴態をさらけ出させ)
(続く行為への期待を煽り、駆り立てる)
(突き出した真珠へより強く押しつけるため、津綺子が浮き上がるほどに大きく腰を突き上げ)
(人差し指はアナルに、親指は肉壺の入口に、同時に浅く侵入して両方を隔てる壁を擦り)
(上を向いて弾む乳首を強く摘み、きゅっ、とひねって)
津綺子、イって!
(絶頂へ向けて駆け上がる恋人に、最後の一押しを与える)
あ、いや……直さんが見てるのに…っ!
(愛しい青年の視線に全身を晒しながら、胸元まで桜色に染めて)
(固く怒張うぃた直自身へ、自分からクリトリスを押し付け)
(くなくなと腰をうごめかせて)
だめ…感じちゃう……
(直の腹筋に手をつき、背をそらせて乳房を突き出す)
(同時にヒップもひろがったまま後ろへ突き出されて)
(人差し指でまさぐられる菊門も、獣のように晒しだしたまま)
(恋人の指に両方の穴を犯されて、あられもない声を上げ)
イイ…イク、イキ…ますっ……!
(ぎゅ、と菊門と花園の両方を引き絞り、陵辱を加える指を締め付けて)
(乳首を固くしこらせ、張り詰める乳房を震わせて上り詰める)
う……あ……あぁ……
(緊張がゆるみ、ゆっくりと直の体の上に倒れ伏して)
(大きく息をつきながら、子宮が熱く疼くのを感じている)
(恥骨のしたでは、直自身が固く脈打っていて、早くそれが欲しくて)
(胸に温かい吐息を感じながら、倒れてきた恋人を優しく包むように抱き締める)
(短めの髪に指を絡ませて頭を撫で、荒い息を労るように背中をさする)
…津綺子…気持ちよくイけたかな?
(それでも言葉だけは肉欲を煽るように恋人の聴覚に刺激を与える)
(少女をコロンと脇に転がして、自分の体を起こすと両脇に膝をつく)
(上を向いた津綺子の視線の先には、股間が大きく持ち上がったスエット)
…………
(恋人の視線を意識しながら上を脱ぎ素肌を晒し)
(続いて下を下着ごと引き下ろす)
津綺子…俺のも、気持ちよくしてくれるかな…?
(勃起の根元を押さえて、樹液を滲ませる幹の先端を恋人の口元へ近付けていく)
(抱きしめられ、髪を優しくなでられていると、それだけで恋人への思慕があふれるようで)
(背中をなでられる手にうっとりしながら、青年の汗のにおいを胸いっぱいに吸い込む)
そんなこと、聞かないで……
(たった今、激しく達した行為を思い返す言葉に、まだ満たされていない部分が反応する)
(そうして体の奥にくすぶる性欲をあおっておいて、直はこちらを横たわらせ)
(今度は自分の肉体を誇示してみせる)
(こちらがどれほど求めているか、わかった上で、さらに火をつけるように)
(上着を脱ぐと、彫像のような肉体が現れる)
(ため息をついて、愛しい者の裸体に見ほれ、下半身がむき出されると息を呑んで)
あ……
(こちらに向けて赤黒く膨れ上がった亀頭が樹液を滴らせている)
(夢中でその根元をつかみ、頭を起こして唇を寄せ)
んちゅ…っ
(鈴口に吸い付き、あふれるものを吸い取る)
(くびれのあたりの形を確かめるように舌で探り)
(亀頭全体を口の中に収めて、舌で上あごに押し付けるようにしながら)
(手は柔らかく幹を握り、上下に動かす)
(もう片方の手で袋ごと二個の胡桃を包み込み、ゆっくりと転がす)
ん…くぅ…
(敏感な先端に接吻が施されると、そこから生まれた快感が電流のように腰骨を叩き)(続く激しくも丁寧な口唇奉仕が、呻きとともに身体をピクンと震わせる)
ぁふ…んん…つき、こ……ちょっと、待って…
(崩れそうになる膝に力を入れて、恋人の口内に収まった勃起を引き抜くと)
(津綺子に体重をかけないようにしながら、ゆっくりと腰を落としていく)
(上を向いても崩れを見ない双球。その二つの膨らみが作り出す豊かな谷間へ自分の幹を押しつけて)
ね、口じゃなくて、ここで…お願いできるかな?…
(恋人の手を取ると、その手で乳房を両側から寄せあげて、勃起がスッポリと埋まる)
え…?
(待って、という制止の声とともに、味わっていた美味を取り上げられてしまう)
(自分から口での奉仕を求めておいて、最後までしないうちにそれを取り上げてしまう直の意図がわからず)
(呆然と見上げるうちに乳房の間へ、熱い勃起を挟み込まれて)
あ、あの、どうすれば……?
(アダルト映像にもゲームにも縁がない津綺子にはセックスのテクニックはほとんど知識がない)
(胸に挟みこんでみる、などという発想はさすがに自然には沸いてでなかった)
(手をとられ、乳房の両側から自分で膨らみを寄せるように促され)
(窮屈そうに寄った乳房の間から、エラを広げたカリがのぞいているのを見下ろして)
(なんとか恋人に快楽を与えようと、さらに胸を押し付けて圧力を加えてみる)
あん……っ
(乳房を自分で揉んでいるようなもので、乳肉への快感と同時に)
(胸の真ん中に挟まっている剛直の形が、乳腺を刺激する快感も覚えて)
(もっとその快感をむさぼりたくなり、胸を上下にゆすってみる)
あぁ、あ……こんなの……初めて……
(夢中で胸を上下させる)
(これは直の肉棒をつかったオナニーも同然で、新鮮な快感に全身が震える)
(事前の知識があったことは恋人にも言えない秘密)
(知識の源は津綺子の手の届かない棚の奥)
ん…ふぁ…くぅっ…
(柔らかな感触に包まれた己自身は絶えず全体が擦られて)
(自分で乳房を揉みしだき快感を得る津綺子の姿に、視覚からも刺激を受ける)
あ、ん…津綺子…すごい…
(はじめての快感に膝か崩れる。それでも恋人を体重で押し潰すのだけはなんとか堪えて)
(ベッドの縁に手をかけて、ゆっくりと腰を前後に揺すり乳房を犯していく)
(拡がったカリが押しつけられる乳肉をこそげ)に
(先端から溢れる樹液を谷間に塗り付けて、ヌルヌルと滑り)
(その助けを借りて少しずつ腰の速度が上がりはじめる)
【避難所へ一時退却】
【スレをお返しします】
【こんばんはっ、ネタはあんまりないけど待機するね。今日は解凍ロールの予定は無いかな?】
【プロフはたしか
>>215あたりだった気がする】
【さすがにこの時間じゃ厳しいかなぁ……。今日はこれで落ちるねっ】
451 :
イモちゃん ◆ySGU.kgukQ :2009/02/24(火) 09:46:46 ID:1xTqLh2t
【迫水先輩をお待ちしてますね】
【ロールにスレをお借りします】
【
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1232975341/91からの続き】
(喘ぎながらも口ごもる恋人に問いの答えを察して)
津綺子…自分で、してるんだね?
(気付いた事を恋人に伝え、羞恥を煽るネタにして)
は、ぁ…ん、ちゅ……んん…
(自分で吐いた吐息ごと肉芽を吸い込み、纏った薄膜を舌でめくると)
(むき出しになった頂点に舌先を当て、体内に押し戻すように転がす)
(花弁を左右に拡げていた指先はそのまま内側に滑りこんで)
(蜜を溢れさせる欲の中心部を浅くかき混ぜ、卑猥な音を奏でさせる)
(震える太股、切羽詰まった恋人の声。いずれも限界を訴えてきて)
はぁ…津綺子、イきそうだね…いいよ、イって……っ!
(突起を吸い、ついばみ、津綺子を絶頂の高みへと押し上げて)
(恋人が絶頂に達しても責める手を休めず、震える真珠を舌で持ち上げると、甘く歯を当ててしごき)
(ヒクついて窄まろうとする肉壺を指でかき分け、内膜をめくり)
(極みに達した津綺子に更なる快楽を与え続ける)
【お待たせ&こんな感じでよろしくお願いします】
……っ…あ……!
(直が自分のしていることを言い当てると、全身稲妻に打たれたように震え)
(ふるふると愛液のしずくを滴らせて)
ご……ごめんなさい…そこは、直さんの……なのに……
(腰が浮き上がるほどのけぞって、体中を羞恥と快感に震わせながら)
あぁ、直さん、もっと……
(指先が花芯に埋まると、たまっていた粘液がとぷりと流れ出て)
もっと、欲しい……直さんが欲しいんです……っ
あ、すごく感じるっ……直さん、もう、イキそう……!
(恋人の指先が、知り尽くした肉ヒダを刺激し、愛撫する)
(固くしこった肉芽が、いっそう敏感になって、たちまち上り詰め)
あぁ……イイ…っ
(喉をそらせてかすれる声をあげ、全身硬直させて息を止める)
(最初の絶頂が全身をしびれさせ、やがてぐたりと力を抜いて)
直さん、恥ずかしい…から…もう、見ないで……
(もっと太く固いものを求めて震えている花びらを見せつけながら)
(顔を覆ってしまう)
【こちらもよろしくお願いしますね】
そう?もっと見てたいんだけど…津綺子のお願いなら聞いてあげないとね…
(そう言って視線を外すと、恋人の胎内に指を残したままで寄り添うように身体を並べる)
(緩やかにかき混ぜ、殊更に粘った水音が出るように指先を軽く曲げ伸ばしする)
津綺子、恥ずかしがらないで…手で隠しちゃったら津綺子の顔が見えないよ
(見え隠れする耳元に囁きかけながら、首の下に自由になる腕を差し入れ、肩を抱いて)
(手の平に柔らかな刷毛に似た恥毛の感触を感じつつ)
(指の根元でクリトリスを押さえ、優しく確実に快感のポイントを刺激して)
(しどけなく拡がった津綺子の素足に自分の足を絡め)
(いきり立った欲望を恋人の腰骨に押しつける)
(恋人の体が寄り添うのを感じ、顔を覆ったまま、その胸に顔を埋めて)
私……あんなに……
(恥ずかしい性癖を知られてしまったこと)
(あまりにもはしたないおねだりをしてしまったこと)
(明るい室内で、直の目の前に淫らな部分を広げ、浅ましい状態を見せてしまったこと……)
やっぱり…私には無理……
(まだ繋がってもいないのに、今までにないほど激しく達してしまったことで)
(羞恥を通り越して罪悪感すら感じる)
顔なんて見せられない。
(清潔なシャワーソープの香りがする恋人の胸に額を押し付けたまま)
(いやいやをしながら細い声で訴える)
(体の熱を冷まさないように絶えず柔らかく刺激され続けている)
(声を殺して身を固くしているのは、羞恥のためばかりではなく、再び高まっていくのをこらえているためで)
(洗い立ての部屋着の中から直の欲望を感じると、直の指先にまた熱い滴りが)
そうか…ん、分かったよ…無理はしないで
(恋人の声に羞恥以上の何かを感じ、胸に預けられてきた頭を労るように撫でる)
(髪を手櫛で梳き、頭蓋に沿って撫で、優しく慰める)
いきなりは無理でも、少しずつ、慣れていこう?
ね、津綺子…
だから、少しだけ意地悪しちゃうよ…
(頭頂部に語りかけながら、刺激を少しずつ緩めていく)
(熱した欲を冷まし、しかし冷えきらないうちに淡い刺激を与え)
(指先に捕らえた滴りを柔毛にこすりつけて濡らして)
(時々、忘れていないよ、と言うように珊瑚色の真珠をくすぐっては)
(足を絡めてお互いの身体を密着させ、声を堪える恋人の耐久力を試す)
だって、あんな私を見ても、平気なの…?
(ようやく顔を上げて聞いてみる)
(平静を装う声は、興奮と動揺に震えて)
私、自分があんなふうになるなんて、思ってもみなかったのに…。
(意地悪するという宣言に、はっと息を呑む)
(熱を持った愛撫は弱められ、体の火照りだけが取り残されて)
あ……や…ただ、し、さん……
(やめて、と言おうとしてその言葉は出ない)
(体中でその意思を拒否している)
は…あ…はぁ…ぁ……ん……
(ため息が吐息交じりのあえぎ声になり、そのあえぎ声が高まって)
(厚い胸にすがりついていた指を離し、直の股間に伸ばす)
だって、いやらしいことしてるんだもの、いやらしくなって当然だよね?
逆に。いつものままだったりしたら、変だよ
(津綺子の不安げな問いに、意識してくだけた表現を使い)
普段の津綺子もいやらしい津綺子も、どっちも、俺の大好きな津綺子に代わりはないよ
(ようやく上げた顔に向けて、とびきりの笑顔と欲情を宿した瞳を見る)
(喘ぎが高まるに連れて、ヒダを探るような動きで熟れた果実を割り)
(溢れる果汁を指先にすくい取り、こすりつけ、突起をなぞる)
ん、ぁ…津綺子、じかに…
津綺子の手で、触って…しごいて
(腰を浮かせるように盛り上がった股間を押しつけて)
(手本を見るように、恋人に要求を告げる)
(直のあからさまな言い方に、いっそう顔を赤らめながらも)
(その笑顔に胸の中のわだかまりは溶けていって)
こんな私は、直さんだけしか知らないの…
直さんが教えてくださったんだもの…こんなこと、全部。
(目をあげ、軽く下唇を噛んで何かを思い切った表情をして)
いやらしい私は、直さんにだけ見せている私だから。
直さんが私をそんなにいやらしくしたんだもの…。
(その腕に抱かれて、またも喘ぎ声を高くしていき)
(愛しい者と繋がりたいという、体の奥からの声を無視できなくなって)
(恋人の要求に、駆り立てられるように服の中へ手を入れる)
あ、すご…い…
(すでに反り返っていきり立つ陰茎が指先に触れる)
(手繰り寄せるように根元から撫で上げ、中身を逆に搾り出すように、手のひらに力をこめて撫で下ろす)
(滴る樹液が手を汚し、淫らな音を立て始めて)
うん、分かってる
(額に唇を押し当てて、ちゅ、と音を立てて離し)
だから、俺だけには、いやらしい津綺子を見せて欲しい
えっちしてる時は、いやらしい、悪い子になって
は、んん…津綺子…もっと、強く
エラの縁とか、一番先を、指で…
(触って欲しいところを口に出して、伝える)
(触り方の指導だけでなく、要求の仕方も教えるように)
(熱く脈打つ茎は、トロトロと樹液を吐き出し、恋人の手の動きを助ける)
(お互いの欲望を、パートナーの手に委ねて、お互いの性感を昂ぶらせていく)
(溢れた粘液が手を汚し、淫らな音と欲情の香りを漂わせて)
(ためらうことなく、津綺子の胎内に、ヌルリ、と指を侵入させて)
(周りと感触の違う、ザラついた天井を摩擦して、ゆっくりと出し入れを開始する)
こう…ですか……?
(敬愛してやまない恋人の要求に嬉々として応じる)
(握り締める手の握力をわずかに強め、長い幹をしごき)
(もう片方の手で鈴口を押さえたり、そこから指を滑らせてくびれの形をなぞったりする)
直さんのも…、いっぱいあふれてる……
(トロリと絡みつく樹液を指先にまとわせて、反り返るようにエラを貼る亀頭を愛撫し)
(幹をしごく手はいっそう激しく、きつくしてゆく)
んうっ……!
(一瞬、奉仕の手が止まる)
(恋人の熱い指先が内部に滑り込んできて、敏感な部分を刺激しながら、ゆっくりと出入りする)
あぁ……直さん、そんなことしちゃだめ……
直さん、に……してあげられなくなる……
(その指の主が開発し、磨き上げてきた媚肉がビクビクと脈打って)
(それが男根ででもあるかのように、青年の指を締め付ける)
あっ!くぅ…ん、津綺子、すごく、上手…気持ちいいよ…
(敏感な部分をしなやかに刺激され、絡みつく細い指にしごかれ)
(口から快感の喘ぎが漏れ、背筋が、ピンと伸びる)
は…ぁ…津綺子がしてくれてるから…たくさん、出ちゃうよ
ね、津綺子…もっとして…今度は、下の…タマ、も…
(快感に震える声で、更に卑猥さを増す要求を告げ)
だって、津綺子が俺のにしてくれるんだから、お返ししなきゃ…
津綺子も、気持ちよくなって
(津綺子が快感に酔い、不定期になる勃起への刺激も、緩急となり、快感が増す)
(潤いを確認して、指を揃えて2本目を侵入させる)
(バタ足のように胎内で交互にかき混ぜて、天井への刺激も強くなり)
(締め付けて抵抗を試みる肉壁をかき分け、拡げて、柔らかくほぐしていく)
だめ!手で…出す、なんて……
(出す、という言葉も口にするのを一瞬ためらって)
(それでも、夢中で思いを告げずにいられず)
だ…す、のは、私の……中に……。
(求める言葉を口にすれば、欲望によじれる内膜がビクビクと痙攣する)
(幹をしごく手を休め、柔らかな袋を手探りで愛撫する)
(その中で固く息づく二つの塊を握りこみ、手のひらと指先で転がして)
(濡れそぼる亀頭を指先でつまむようにくすぐりながら)
(男らしい線を描く頤に熱い息を吐きかける)
はうっ……
(そのあごと耳の線が交わるあたりに、吐息交じりの声を上げて)
(二本の指が花芯をまさぐる感触に耐える)
うう……う…っ……!
直さん、もう許して……私の中に、ください……!
(ついに最後の慎みを捨てて交接をねだる)
くっ!ふぅ…つき、こ…
(睾丸をヤワヤワと揉まれ、転がされ、同時に先端をくすぐられれば)
(余裕が吹き飛び、口から溢れるのは途切れ途切れの吐息だけ)
んん…ちゅ…ぅ…
(頬ずりするように寄ってきた恋人の首筋に吐息を吐きかけながら)
(唇を押しつけて強く吸い付き、愛の証を刻み込む)
あぅ…あ、く…うぅ……っ!
津綺子、俺も…津綺子の中に…いくよ…入れるからね…
(身体を起こして恋人に覆いかぶさり、夢中になりながらも迷うことなく)
(滾り、そそり立った剛直の先端が、待ち受ける恋人の花芯を捕らえて)
ん、あ……く…んぁぁぁ…っ!
(巻き付く粘膜を全て引きずり、押し込んでしまいそうなほどに勢いよく刺し貫く)
う……
(首筋に熱い息を感じてきゅっと肩をすくめる)
(ゾクゾクするほどの快感を与えながら、直の唇がそこへ押し付けられ)
(軽く疼くような痛感とともに、愛し合った印を刻む)
(ふいに直が身を起こす)
(追い立てられるように切迫した動きで、滾る雄芯を)
(自分の指でとろかせた花芯へと、押し付け、押し込んで)
あ、直さんっ……う、ああっ……あ、すごい……っ
苦し…い……
(入り口から一番狭いところを、広がったカリが押し広げて)
(息苦しささえ感じるほど、肉穴いっぱいに太い勃起が埋め込まれる)
(そのままの勢いで、充血して疼く子宮口を突き上げて)
きゃあ…あぁぁっっ
(腰から全身へ、激しい快感が身を貫く)
直さんの、が、欲しかった…の……あ、うれし…いっ……
(言葉をとぎらせながら、愛するものと繋がった悦びに腰を振って)
(トレーナーに包まれた胸をそらし、若い膨らみを弾ませる)
あ、くっ!………は、ぁ……っ!
(脳内で火花が散り、意識が漂白されるほど熱い粘膜に襲そわれて)
(動けば呆気なく暴発しそうな快感に、息を飲み、目を閉じて、必死に射精を堪える)
はぁ…入ったよ…すごく、気持ちいい…
俺も、津綺子が欲しかった…
(波がおさまり、息をはきながら、語りかける)
(快楽を求めて自然に揺れる恋人の腰を、下半身の体重で押さえ込み)
津綺子、俺のを、全部感じて
今から、津綺子をイかせるからね…
(一撃目とは逆に、ゆったりとした動きで押し拡げ、こすりつけ)
(サオとカリでヒダを丁寧にめくりあげ、余すところなく刺激して)
(腰を回しピッタリとくっついた鈴口で、子宮口を開かせるかのようにグイグイと抉り)
(支えのない、豊かな乳房が身体の動きに合せて弾むのを見つけ)
(裾から手の平を滑り込ませて捕まえて、揉みしだき、絞りながら頂点の芯を指先で弾く)
【長引いていて恐縮ですが、今夜はここで凍結をお願いしたく…】
【解凍は金曜、土曜のどちらでも】
【】省きます
そうだね。時間もだいぶ遅くなってるし
ここまで長いロールになった以上、締めもしっかりとしたい感じ
と言うわけで、凍結了解
直近だと金曜かな?その後は多分日曜、火曜が大丈夫かと
…金曜でお願いしよう
時間は…22時以降ならば
先週から夜更かしが続いているし、お互い無理はしないようにしようね
こちらも【】は省きますね
凍結ありがとうございます。
こちらも記憶封印後の最初のロールですから、丁寧にしたいと思ってますので
長くお相手いただいてますが、どうぞよろしくお願いします。
連日になりますが、金曜日の夜22時でお願いできますでしょうか。
レスを用意しておきますので。
お気遣いいただいて恐縮です。
どうぞそちらも体調とリアル優先で、ご無理なくお付き合いいただきたく。
今日も楽しかったです。いつもありがとうございます
お疲れ様でした。おやすみなさい。
了解。金曜の22時。とりあえず避難所に
こちらこそ、いつも楽しませて貰ってありがとう
今夜も楽しかったよ
では、今日のところはこれにて
お疲れ様。おやすみなさい
スレをお返しします
【久しぶりに、少し待機を】
【プロフは
>>4です】
【誰もいないようなので】
【微妙にノープランだが立候補してみようかと・・・・・】
【こんばんは(ぺこり)】
【yes、わたしも同じくノープラン、です】
【…どうしましょう?またほのぼのしてみますか?】
【確かそっちはチョコ買ったロールがあったけど】
【その帰りにばったり会ってみるかね?】
【ちなみにこっちはケーキの材料の買い出しの帰りなんだけど】
【共闘路線もありっちゃありだけど】
【ん、それに乗らせていただきたいです】
【実は、あの日着てたのがいただいたセーターという(脳内)設定だったりしたので】
【書き出しは、どうしますか?】
【むぅ、ではその路線でいきませうよ】
【ふむふむ、その辺はわかり申した】
【こちらから書き出して見るので、乗ってみてもらいたい】
【了解です】
【では、よろしくお願いします(ぺこり)】
(二月は恋する乙女たちに聖戦の季節である。そして男たちにとっても、自分自身が)
(それまでに立てたフラグや好感度の成果を知る季節でもある。どちらにとっても重要な)
(儀式であり、大事な日である。そして紅裂拓兎にとっては――――)
ちぃ、面倒な。あーあ、買い漏らしは・・・・・・ないな。
(チェックリストと買い物籠の中身を照らし合わせ、頷いてレジへと向かう)
(代金を清算し、チョコケーキを作る為の材料を抱えて店を出る)
(紅裂拓兎にとっても、二月は大事な日である。己の主である幼女にチョコケーキを)
(作り、贈呈――否、奉納――とも違うか――ともかく、そういう日なのだ)
(家庭料理は作れても菓子は専門外なので、同じく契約者という立場にある時宮美也と)
(の共同作業となる。何故にチョコケーキなのかと問うても無駄だ。苦労して作った物に)
(こそ価値があるという悪魔の王らしくない台詞が返ってくるに決まっているからだ)
――――♪――――♪ん?
(鼻歌など歌いながら帰路についていると、評判の洋菓子屋の前が賑わっていた)
(この店には時折ケーキを買いに行くが、ここまで賑やかである理由はひとつしかない)
(「いやいや楽しそうでいいねぇ、俺も喜んで贈れる相手がいたらなぁ」と胸中で漏らして)
(店の前を通り過ぎる。紅い姿が何事もなく店の前を通り過ぎて―――)
(無事にチョコレートを買い終えて、そのチョコレートはとても美味しくて)
(六花は満足感に満ち溢れながら、次の用件を思い浮かべる)
(すなわち、「お手紙を書きたい」と)
(そのための便箋かカードを買いたい、と)
……さて、と。どこで、買えるかな。文房具屋さん、は、たしか……
(伊織津綺子の背中を見えなくなるまで見送って、頭の中に地図を広げる)
(記憶に相違なければ、彼女のの行った方向と逆のはず)
さて、がんばらないとっ。…………ん?
(まだ、先ほどまでいた店の客の出入りは激しく、周囲には女性が数多くいたが)
(その向こうに、見覚えのある色を見つけた)
(冬の、落ち着いた色合いの中ではあまりに目立つ――赤、だ)
――紅裂さんっ。
(すぐに、思い出せた)
(去年の暮れに、倒れているところを助けたあの学園の生徒)
(妙な魔力の持ち主で、六花の正体を容易く見抜いた)
(本人曰く、“悪いひと”で、それ以上に“変なひと”だ)
(そして、今六花が紺色のプリーツスカートとともに身に着けているセーターを、くれた)
あ、お久しぶり、ですっ。
お身体はもう、だいじょうぶ、ですか?
(六花はすぐに、駆け寄って声をかけた)
(チョコレートの包みを収める紙袋を、携えて)
(この間は楽しかったなぁ、また遊園地行きたいなぁ)
(いや、遊園地でなくても何処でもいいんだけど)
(ああ、何ならチョコでも作って贈ってみるのもいいかも知れない)
(最近は逆チョコというモノもあるらしいし――などと愉しい事を考えて)
(己を鼓舞していると、背後から魔力を感知した。別にそれはいいのだが)
んー?おお、ああ・・・・・
えーっと・・・・・・し・・・・・島田ちゃんかぁ。久し振りだぁね。
二ヶ月ぶりかね?俺ぁこの通り無駄に元気だとも。
(背後から声を掛けられて、グギンと腰を回してみた。下半身の位置はそのままに)
(上半身が柔軟に背後を視認した。関節の可動範囲を極限まで広げるとこれくらいの)
(芸当はできるようになる。゛島田六花゛。一見幼い少女に見えるが、その正体はゴーレム)
(魔術師が土塊から作り上げた創造物である。去年の末に、助けてもらった事がある)
(その際のお礼として、今彼女が着ている象牙色のセーターを贈った)
んぁ?島田ちゃーん。島田ちゃんよ。その袋ってあの店のじゃない?
もしかしなくてもチョコでも買ったのかね?誰に送るのさ?
(彼女の抱えている紙袋を見て、評判の洋菓子屋の事を察する)
(バレンタインも近いし不自然でもないが、ゴーレムたる彼女の素性を知っていれば話は別だ)
良かった、あれから全然、会えなかったので……
(器用に上半身だけで振り返って、六花の声に答えてみせる彼に、少し目を丸くしたものの)
(元気そうな様子に、表情が綻ぶ)
……あ、これ、ありがとうございました。
とっても気に入って、着させてもらってます。
(首を傾げて、セーターの肩の辺りをつまむ)
(あの程度のことでここまでのお礼が返ってきたことに、これと手袋の包みを見たときは)
(かなり驚いたけれど、それでも素直にそれを喜び、受け入れられた)
(六花も、前とは変わってきたかもしれない)
……は、はいっ。ついさっき、買ったところで……っ。
(流れとしては何ら不自然ではないのに、その紙袋のことに触れられて)
(六花はぴくりと肩を跳ねさせた)
……あ、ぅ、えと……その、お、おともだち、に、あげる、つもり、で。
(伊織津綺子には問われなかった“贈る相手”)
(まさかここで問われるなんて、予想外もいいところだった)
(彼は、六花がヒトでないことを知っている)
(変だと、おかしいと思われなければいいけれど)
(六花は知らず顔を紅潮させて、ふるふると首を振った)
……べ、紅裂さん、は。お買い物の、帰り、ですか?
(下げた目線の先、彼も買い物袋を提げているのに気付く)
(中に見えるのは、ココアパウダー?)
んん。一月中は何かと忙しくてね。
(具体的には街のあちこちを破壊して回っていた。ちなみにこの場合の破壊は)
(特殊な磁場にある封印や結界を破壊して、大地のレイラインを乱した事を指し示す)
ん、そっかそっか。いやいや、命を助けられた礼にしちゃ粗末な物だけどさ。
気にいってくれたならおじちゃんも嬉しいよ。似合ってる似合ってる。
(こちらも、いつもと大差のない笑みを浮かべて応じる。無慈悲な殺戮者が浮かべる)
(虚ろな笑みは、しかしこの場合に限って言えば愛玩動物に向けるそれに近かった)
お友達ねぇ。ふぅん・・・・・・
そっか、島田ちゃんにも付き合いはあるもんな。
そういう友達は大事にした方がいいね。だって友達だもん。
(答え辛そうな雰囲気を漂わせ、それでもたどたどしい返事が返ってくるのを聞いて)
(紅い男はそれ以上追及せず、至極普通の話題として扱い流した。人とゴーレムの間に)
(果たして友情は生まれるのか?深遠なる命題と言える。人間はしゃべる人形を愛せるのか)
(と問うのと同じことだからだ。しかし、その深遠なる命題に紅裂拓兎は興味がなかった)
(何故なら、この世には人間以外のイキモノがいて暮らしている事を、既に知っているからだ)
(言葉が交わせて情が通うなら、まるで問題がない。そう考えているからだ)
おう。ケーキ作るのよ、これから。
チョコケーキって作った事ある?俺も守備範囲外なんだけどさぁ。
いやいや、この季節になると、一週間前から催促する人が五月蠅くてねぇ。
そういう島田ちゃんはどうするの?このまま帰って決戦当日に備えるの?
(大きな通りを横切る横断歩道の前で立ち止まる。赤信号。排気ガスと排気音)
(こういう場所に来ると、矢鱈と文明の利器たる車が憎くなるのは何故だろう)
そ、でしたか……年の始め、ですものね。
(うん、と頷いて答える。その言葉の本当の意味に、思い至れるはずもない)
(六花の耳にも届いていた――少し前に起きた、大量死“事故”の犯人が)
(目の前の、彼であることにも)
いえ、いえっ。粗末だなんて、全然っ。
ほんとうに、ありがとうございました、なのです。
(こうやって、お互い持ちつ持たれつ、なのも、いい)
(きっと、その繋がりはもっと、広がっていくだろうから)
(純粋に、そんな無邪気なことを、考えていた)
は、はいっ。大切な、おともだち、ですから。
……これからもずっと、おともだちでいたい、です、から。
(それ以上追及されなくて、ほっとした)
(――――どうしてだろう)
(別に、隠さなくてはいけない訳ではないのに)
(ひどく恥ずかしくて、少し後ろめたい)
(ヒトはヒトでないものを“友”とすることができる。それは知っている)
(だから、ヒトでないものがヒトを“友”と考えても、いいはずなのに)
(分からなくて、頭の中がぐちゃっとなって、思考が止まる)
ケーキ、ご自分で作るのですかぁ。
(見掛けによらず、の内容に、六花は少し驚きを隠せない)
……えと、お料理は、やったことなくて。
お菓子作りも、姉様が変に張り切って作るって言ったの、みんなで手伝ったことしか、なくて。
わたし、不器用だから、あんまり役に立てなかったのですけれど。
(思い出すのは、楽しい日々の記憶)
(それは続く言葉に、すぐに流れてしまう)
あなたに作ってほしいって、わざわざ言ってくれるのですか。
なんだか、うれしいですね、そういうの。
(彼の事情も知らず、羨ましげに微笑む)
(誰かに必要とされる。それは、真に六花が望むことだ)
……ん、と。あと、文房具屋さんで、お手紙を買おうと思ってまして。
あっちに、ありましたよねっ。
(道の向こう、遠く目を凝らすと看板が見えた)
ふむふむ、幸せ者だぁね。キミも、その人も。
ずっと友達でいたいと願うなら、強くその気持ちを持ち続ける事だよ。
人と人の繋がりは儚い。些細な事で壊れる。
(あの日の出来事。純粋な気持ちで人助けをしようと思ったあの日に、紅裂拓兎と)
(クラスメイトたちの薄い繋がりは断たれた。終わりはというものは、呆気ないものだ)
だーかーらーこーそっ!強く強く想い続ける必要があるんだね。
片方からの想いが途切れたら、そこで終わっちゃうから。
大事なのは、変に引け目を感じないこと。わかった?
(軽くその頭を叩いて激励とする。ゴーレムであるという事に引け目を感じて、想いを)
(止めてしまう――などと、ありきたりな事が、この少女にもあるかも知れないから)
んん。俺ぁちょっと手伝うだけ。クッキーくらいなら作れるんだけどなぁ。
・・・・ふむふむ。共同作業はアレはアレで。上手く行ってる間はいいけど、一度リズムが狂うと
ぐだぐだだからなぁ。船頭多くしてなんとやらさね。まとめ役が有能なら作業効率も上がるけど。
(信号が青に変わる。同様に信号待ちしていた者たちと共に横断歩道を渡る)
いや、「そろそろバレンタインよね。期待してるからね」なんて一週間続けて言われたら
嫌でもやるしかないじゃん?むしろ俺たちに最初から拒否権はないのであった。ちゃんちゃん♪
(誰かに必要とされる事を、自分の存在意義とする人もいる。その考えを否定するつもりはない)
(何故なら、自身もまた世界の破滅の為に必要とされた手駒だからだ。ただ、問題は必要として)
(くれた存在が、無邪気で奔放で、尚且つ遊びという概念を大事にし過ぎる存在だったというだけだ)
手紙ね。そもそもバレンタインってそういう行事だっけ?
くふふ。いやー、ラブレター付きとは本格的な。
興味本位で聞くけど、どんな人なんだぁね、その人は?
(横断歩道を渡り切った地点で、言葉通り興味本位で尋ねてみた)
強く……強く。
(それは、六花が創造主を想うように)
(同じくらいに思い続ければ、ずっと彼と、友達でいられるだろうか)
(絶対に、壊したくない――もう、目の前から失いたくは、ないのだ)
……わ、は、はいっ。
(頭を軽く叩かれて、ぱちぱちと目を瞬かせる)
(気を遣って、くれたのだ。励まして、くれたのだ)
(――そう、変わらない。少なくとも、六花の気持ちは)
ふふ、姉様は、「ちゃんと分量量っとったらだいじょうぶ」ー、なんて言ってたんですけど、
やっぱり途中でぐちゃぐちゃになっちゃって。
妹に、得意なこがいたから、なんとかなったのですけれど。
(笑って話しながら、横断歩道を渡る)
(だいじょうぶ――ちゃんと、笑えている)
そのひと、それだけ紅裂さんからのプレゼント、楽しみなのですよ。
……それに、そんなに嫌そうには、見えませんもの。
(道化た口振りに、何となく「楽しげ」な雰囲気を感じ取る)
お手伝いでもきっと、楽しいですよ?
(何人かでわいわいと、その“誰か”のために、頑張るのだろうから)
お世話になってるひとへの、お礼とか……違うの、ですか?
(先ほども確認したけれど、やはり何か間違って覚えているのだろうか)
(尋ねようとするが、その次に耳に入った言葉に、それは一瞬にして吹き飛んだ)
ら、ららら、らぶれたー、なんか、じゃ、ないのですッ。
たた、ただ、お礼の、気持ち、とかっ……わっ!
(手を振ろうとして、紙袋を取り落としかける)
(寸手のところで、間に合った)……はぁっ……え、えっ?
(さっきは聞かれなかったので、安心しきっていた)
(短刀直入に問われて、固まってしまう)
(それでも何とか、言葉を絞り出そうとする)
…………ぅ、え、えと……とてもあったかくて、優しい、ひとで……
実はまだ、何回かしか、会ったことないのですけれど。わたしを、助けてくれて。
知らないことばっかりだったわたしに、いろんなこと、教えてくれて。
それで、それで……いっしょにいたら、とてもしあわせな、ひと、なのです。
(言葉にすると、また頭が「ぐちゃっ」となって)
(再び固まってしまった)
望むってのは、それ自体が方向性。強く願うことで、それが実現する。
お互いの想いの向きが揃っているなら、それが両想いなんだとさ。
まーあ、これは俺の友達の受け売りなんだけど。
(く、く、く、と笑う。その友達の笑い方を真似して)
(前向きなのは良いことだった。少なくとも健全な方向性で想いを抱き)
(続けるなら、深い後悔をすることもないだろうと――魔人はそう願った)
なんと大雑把な。まーあ、楽しそうで何よりだけどよ。
俺の知ってる奴なんか「分量だけ量ればいいってもんじゃない。火加減水加減
は言うに及ばす器具の種類、材料の品質にまで拘りなさい」とか説教喰らわすんだぜ?
料理以外は何もできない引き籠りの根暗女の癖によー。
(けらけらと笑い少女の話に耳を傾けながら、こちらも身近な人の事を話す)
あっはっは。毎年毎年楽しみにしてるわけだぁね。
うーん、まーあ、こっちはこっちで色々あんのよ。
(世界を滅ぼす為の組織。内実は物凄くアットホームだったりするその事実に)
(もういい加減違和感を感じるのも慣れた。違和感を感じなくなったら色々終わりだろう)
ん?あー、それも間違いではないけど。
日本だと女性が男性に好意を伝える日・・・・・って側面が強いかね。
・・・・・ほほう。なるほど。やはり齟齬があったか。
まーあ、その解釈も間違いではないから、安心していいよ。
(慌てふためき荷物を落としかける少女に、しみじみと納得する)
ははん。なるほどなるほど。傍に居たら幸せ、か。
本当に御馳走様って感じだわね。その幸せな彼に、伝えておいてくれ。
(穏和に笑っていた紅い男が、不意に眼を細めて、静かに告げる)
――人間もまた土塊に過ぎない。大事なのはそこに吹きこまれる神の息吹なんだってな。
故に、人に作られた人を愛するのは間違いではない、とね。
じゃあ、俺ぁこっちだから。頑張ってくれ。ほな、さいなら。
(真剣な顔つきは泡沫のように消える。店の前に到着した)
(これ以上は邪魔になるだろうと思い、別れの言葉を告げる)
(勿論、その幸せな彼が自分の知っているオープンなオタク少年だと知る由もない)
(あの日決別したあの少年と、紅い魔人の道が再び交わるのは、まだ先の事だった・・・・・)
【では、この辺で〆ますか】
【見届けますのでじっくり書いてください】
……んぅ、なんだか、難しいのです……
(思わず、こめかみの辺りに指を当てて首を傾げてしまう)
(つまるところ――『願えば、叶う』ということ、だろうか)
(喉を鳴らすように笑う彼を見て、思う)
…………がんばって、みます。ずっと、おともだちでいられるように。
(もうひとつ頷いて、朗らかに笑った)
へ、へぇ……でも、それだけこだわれるなら、きっとおいしいものが、できるのでしょうね。
食べてみたいなぁ、そのひとの作ったもの。
(それだけの想いを懸けて作るのだ。それが籠った料理が、おいしくないはずがない)
……もぅ、そんな悪口言ったら、だめなのですよっ。
(小さく咎めながらも、そんな砕けた会話ができるのが、楽しかった)
なんだか、紅裂さんのおともだちは、面白いひとが多いのですね。
とっても、良いことなのです。
(話を聞くだけで、六花にはそう感じられた)
(その認識は、根本的に間違っているのだけれど)
……べ、つにその、好意、というのが、えと……“そういうの”、じゃなきゃだめと、
いうわけでは、ありませんよね……
…………はい、安心したのです……
(再度確認が取れて、胸を撫で下ろす)
(何か納得したような顔をされる理由は、分からなかったけれど)
ご、ごち……?
(何の言い回しなのか、と首を傾げる)
(ただ、魔力循環器――『心臓』が、暴れているようだった)
(そして、入れ換えたように表情を変えた彼に、どきりとする)
――神の、息吹……?
(それは、ヒトの魂を指していることは、何となく理解できた)
(ならば、ヒトに造られたモノ――つまり、六花のこの土の器に宿る魂は――)
……あ、ぇ、あ、はいっ、がんばりますっ。
(不意に別れの挨拶を告げられ、物思いに耽っていた意識が無理やり引っ張り上げられる)
さ、さよなら……
(……あっさりと言ってしまった彼の背中に、六花は手を降るしかなく)
(もう、目的の店に着いていたと気付くのは、しばらく経ってからのことだった)
【こちらも、これで】
【うっかり長々と書いてしまってごめんなさい…ひどく、お待たせしてしまいました】
【ありがとうございます。とても、楽しませていただきました(ぺこり)】
【見届けた―♪】
【ういうい、こちらこそ増長になり過ぎた感も】
【愉しかったのでまたよろしくお願いしますね。ではこれにて】
【はい、お疲れさまでした。おやすみなさいませ(ぺこり)】
【では、スレをお返しします(ぺこり)】
【ネタがあるわけではないけど、待機させてください。】
【プロフィールは、
>>333に。】
【時間的には、午前2時ぐらいまでです。】
【立候補宣言】
【邂逅・共闘などがベターかね】
【】外しますね。
えっと…では、邂逅かな。
一応、初対面ですし。
学校のどこかで出会うか、町か…
何か、やりたいネタあります?
んー、ノープランだからな。
むしろそっちが何かとやり合ってる所にお邪魔した
方が話は早くて済むかも知れない。
わたし的には、最初は紅裂先輩のこと、悪人認識はしたくないのですね。
わたしが何かとやりあっていて、
負けそうになっているとこで、助けに入ってくれる的な?
それだと、先輩のキャラ的にあり得ないのかな?
それとも、逆に先輩が何かと戦いを楽しんでいる最中に、
わたしが助けに入るという名の、邪魔をしに来る。とか。
ふむふむ、それは構わないけど。
んー、場合によりけり。
異形と戦っている人が負けそう→乱入して楽しむ。
人と人がやりあってる→観戦して愉しむ。
俺がやってて乱入って流れでも可だけどな。
それでは、
>異形と戦っている人が負けそう→乱入して楽しむ。
の、方向性で。
悪人認識したくないのは、まだわたし自身、人間に攻撃が出来ないんですよね。
まだ、そこまで成長していないというか…
では、この流れなら書き出しは、わたしからでしょうか?
先輩の方に、何か欲しい舞台設定があれば、
ご指示下さるか、そちらで書き出しお願いします。
今回はそちらの書き出しに合わせてみたいと思うので。
特に舞台設定の希望は無とし、という事でよろしくお願いされたい。
承知。
では、しばしのお待ちを…
(「売り出し中」の看板も多く立ち並び、建売り住宅の群れがまだ新しい、町外れ。)
(ぽつぽつと、定期的に街灯の立つアスファルトの路上を、白くふわりとした人影が走っている。)
……っ
(ハァハァと激しく息をつきながら、時折後ろを振り返り、とにかく一心不乱にその姿は走る。)
な…な、なぁんで、虎なのよーっ
(白い影、久遠ゆりかの数メートル背後には、黄色味がかった明るい茶色に黒い縞模様。)
(がっしりとした体躯が動くたびに、豊かな筋肉の隆起が見える。)
(日本の、住宅地の、アスファルトの上に居るには、あまりにも不似合いなその姿は、見紛う事なき、虎。)
(ただ、普通の一般的な虎よりも、体は二まわりほども大きく。)
(今にも噛み付かんと開いた赤い口からは、黄ばんだ長い牙が二本生え、獣特有の臭い涎を散らしている。)
(すでにどこかで一戦交えてきたのか、虎模様の毛皮からは、数箇所血が流れ)
(それでも、まったくダメージを感じさせない素早さで、四本の肢はしなやかにアスファルトの上を跳ね、追いかけてくる。)
くっ…
(白いレースのワンピースの裾を翻し、マンションの建設予定地…のように見える場所に、飛び込む。)
(鉄骨の山の陰に素早く隠れ…こういう時だけは、自分の小ささを嬉しく思う…)
(空になったマガジンを外し、バッグから素早く弾丸が詰った新しいものを取り出し、装着。)
これで…最後。
こんな、タフなお方が居るなんて…聞いてないですわ…
(自分の、絶対にしてはならない油断と、愚かさを悔い、小さく溜息をつく。)
(ざりざりと、四肢が砂利を踏む音。くぐもった唸り声。)
(感づかれないように息を止め、お守りを握り締めるような気持ちで、愛用のP7のグリップを握る。)
お願い…お父様……守って…
【お待たせいたしました。】
(いつしか戦いを愉しむようになった。戦いを好むようになった)
(世界の敵になると決めた時から、悪人になると決めた時から)
(己自身をそう成るように造り替えた。だから戦い続け、殺し続けた)
(向上するのは至難の業でも、堕落するのは簡単だった)
(地獄の入口を垣間見る様な苦痛を、心のどこかで求めていたから)
(切り結ぶ刃と拳の中でなら、孤独を感じなくて済むから)
(なんという――どうしようもない矛盾回路)
どれだけ生きれば 癒されるのだろう ♪
(口ずさむ、歌。紅いコートを翻して、空虚な住宅街を歩く)
(人の数が少なく、まだ清潔さを保っているが故に寂寥に満ちた区画を歩く)
(こうやって一人歩いていると、本来的に此処に棲んでいたモノたちの怨嗟の声が)
(聞こえてくるようだった。踏みつぶされ、蹂躙され、荒されて、最後には存在を抹消された)
(人と自然共存することは難しい。自然の中でしか生きられないモノたちの事も考えれば)
本当の喜びが知りたいだけ♪
(歩く。歌う。カツカツカツカツ。怨嗟の声を聞きながら、紅裂拓兎は笑う)
(こんな静かで、月明かりの眩しいいい夜には、歌が足りない。綺麗な歌が聴きたい)
(代わり感知できたのは―――激しい闘争の残滓。二つの気配の主が残したソレが)
(まだ空気中に残っている。それを辿って、歩く。カツカツカツカツ靴音を響かせて)
私は心配です 私は心配です♪
(マンション建設予定地。そこは既に土壇場となっていた)
(残弾は、マガジンの13発と、チャンバーに残った1発。)
(今までさんざ鉛弾を喰らっても、どれだけ血を流しても、その巨体は自分を追いかけ、走ってきた。)
(これで倒せなかったら、お父様と再会だわ。)
(そんな事を思いながら、目を閉じる。)
(身を守る為、隠れる為のその鉄骨の山は、自身を隠してくれると同時に、虎の姿をも自分の視界から消す。)
(虎…と、呼ぶしかないその動物っぽい…異形の足音に、全神経を集中し、耳を澄ます。)
……
(違う、音が聞こえる。)
(歩く音…それと、これは−)
…う、た?
(それは、楽しそうにすら聞こえる、歌声と靴音。)
(この町外れには、まだほとんど住んでいない筈。)
(だとすれば、どこかから紛れ込んだ、酔っ払いなのか。)
(大丈夫、こんな暗闇の工事現場に、入ってくるわけがない。)
(表の通りを、通り過ぎていくだけだろう。)
(ふと、いけないことを考えてみる。)
(あの歌声、響く靴音、アイツが気が付かないハズ無い。)
(きっと、気を取られるに違いない。)
(その隙をついて、後ろから頭を狙えば…)
(一際、歌声が近くなる。)
嘘…っ
(その歌声の主は、砂利の山が築かれ、建材が山積みになったこの場に、肢を踏み入れたのだった。)
(ありえない。)
もぅ…っ
(タンッと、茶色のショートブーツの足を踏み鳴らし、鉄骨の山頂へと飛び上がり)
(工事現場に入ってきた姿を、視界に捕らえる。)
逃げてくださいっ!!
(己の叫び声と同時に、虎…らしき者の咆哮が響いた。)
(砂利の山。鉄骨の山。破壊され、埋め立てられ、新しい物が造られる場所)
(天には月。地には人と獣。長い牙を持つ虎模様の生き物)
(日本にいるはずのない虎がそこにいても、この街に限って言えば不思議ではない)
(それは虎の形をしたナニカであって、中国の密林にいる虎ではないからだ)
サーベルタイガーは、もう絶滅したはずだよな。
(親しげに笑いかけるその顔に緊迫感は皆無。むしろ楽しそうですらある)
(戦っていたのか、あちこちから血を流しているが、その傷が却って闘争心を)
(増大させているようだ。手負いの獣ほど厄介な生き物はないと狩人は言う)
(グルル・・・・・唸って虎がこちらを向いて、牙を剥いている)
フン、やる気か?オーケーオーケー。
最近すっかり身体が鈍っててよ。精々踏み台になってくれや。
(掌を突き出して魔力を集約し、珪素にて短剣を生成する。どう考えてもこの小さな刃では)
(頑丈な毛皮と分厚い脂肪を突破して傷を与えられるはずもない。だが、それは普通の考えだ)
――――!
(頭上から「逃げてください!」の声が降りかかるのと、虎がこちらに跳びかかってくるのと)
(水晶の短剣を投げつけるタイミングが、全て一致した。投擲されたナイフは空中で粉雪のように)
(砕け散って、その粒子は虎の呼吸器官に侵入した。委細構わず虎に噛みつかれる)
(長い牙が首筋を抉って―――そして鮮血を吐いて倒れ伏した)
(侵入した珪素の粒子が、虎の内臓器官で暴れ回り、食い破ったのだ)
(視界に飛び込んできたその姿は、赤い、赤い印象。)
(彼が突き出している腕を素早く見やると、小さく煌めく、刃物のような物を持っている。)
(そんな小さなもので、敵うわけが無い。)
(どう贔屓目に見ても、たとえばこの人が、唯一で至高なナイフの使い手だったと、しても)
(あれでは、普通の虎だって、倒せやしない。)
(キラキラとした刃は、自分の持つ無骨な銃と見比べたら、美しくさえ思えて)
(自分の叫び声と同時に、虎の後足が踏み切り、体が宙を飛ぶ。)
(あの男が、殺されてしまう。)
(咄嗟に銃を構え、赤い男に飛び掛る虎の後頭部に、照準を合わせ、引き金の指に力を入れた瞬間)
(もっと、美しい光景を目の当たりにする。)
(確かに、ナイフのようなものを投げたはずなのに、その形は空中で飛散し)
(表の道路から射し込む、微かな街灯の明かりを受け、キラキラとしたものに、姿を変える。)
(まるで、粉雪のような、無垢な輝き。)
(その小さく輝くものは、虎の顔面に吸い寄せられ、消えてしまい)
(赤い彼が、噛まれたと、思った瞬間)
(その彼の姿よりも、赤く鮮やかな鮮血が、飛沫となって飛び散る。)
(気が付けば、赤い男の足元には黄色い巨体が横たわり)
(そのしぶとい命の最期を告げる痙攣で震え、虚ろな目を瞼で閉じるところだった。)
なに…今の?
(呆然としながら、呟く。)
(あまりの出来事に、銃をしまうことすら、忘れて。)
…あなたは、一体、誰なの?
つまらんなぁ。
所詮は獣。知恵がないから負ける。
(ドクドクと首筋から血が流れる。流れる血が紅いコートを更に紅く染める)
(大気に触れた血はやがて黒くなる。そう。真紅ではない赤茶色の髪と同じ様に)
(鋭く長い牙に触れられた箇所に触れて、珪素繊維で傷口を強引に塞ぐ)
(後は再生能力に任せればいい。止血をしたのは、余計な消耗を避ける為だ)
(剣歯虎はと言うと、吐血した後も暫く呻いていたが――野生特有の生命力も)
(内臓を食い破られれば長くは持たず、やがてうっすらと瞼を閉じて絶命した)
あん?おーい。なんか言ったか?
俺ぁ英語なんざ生まれてこの方勉強したことないんで、日本語でオーケーだZO。
(ふと、上を見上げると、鉄骨の山の上に少女が月明かりを背に立つ尽くしていた)
(異国の血を感じさせる容姿だった。纏められた金色の長い髪が月光を浴びて美しく輝いている)
(服装の所為もあって何処か、人形じみた雰囲気を漂わせている。)
(多分、この虎と戦っていたのは、この人形じみた少女なのだろう。その証拠は、手に持った拳銃だ)
(軽やかに鉄骨の段差を越えて、少女の前に立つ。その少女の瞳は―――とても蒼かった)
おー、アナタニホンゴわかりまーすか?
(この調子は毎度のことである。変人。明確なまでに、変人だった)
(虎が絶命する様子。赤いコートが、血に染まる。)
(一つ間違えば、死に直結したその場面でも、どこか楽しそうな様子の赤い姿。)
(それは、狂気なのか。それとも、本気なのか。)
(自分の小さな呟きに、赤い彼が軽く応えたような気がしたが)
(まだ、動揺する余地すらなく、ただただ呆然と、赤い彼の姿を見つめ続けた。)
(鉄骨の山肌を、軽やかに登り、自分に近づいてくる赤い姿。)
(不意に、奇妙なイントネーションで語り掛けられ、唇を開く。)
日本語は…わかるわ。
(と、ぼんやりと答え)
…あ、あなた、一体、何者ですの?
(自分の容姿には、些かそぐわない、流暢な日本語を披露する。)
ちょっと…今、ヤツに…あの、虎みたいなのに、噛まれたんじゃない…の?
(次第に、思考回路が繋がっていく。)
(ぼんやりとした口調から、普段の調子に戻り始め)
ちょっと、見せなさいよ。
ひどく、血が出ていたけれど…応急処置だけでも、しなきゃ。
黴菌でも入ったら、どうしますの?
猫の噛み傷ってのはね、侮れないのよ?
(白いワンピースに血が付くのも構わず、少し強引に、彼のコートを引っ張り)
(流血していた箇所を見ると、そこには、まだ新しい血がこびりついているだけで)
(まだ片手には、銃を握り締めたまま、疑いの視線で彼を見上げる。)
……あなた、人間?
(狂気を承知の正気。正気を装った狂気)
(どちらにせよ、この世界に生きていくには必要なことだった)
(狂気でなれければ耐えられない、この世界は)
(正気でなければ生き抜けない、この世界で)
(どちらが正しいとか、今はどちらなのかとか、問う事自体が愚問)
あらまあ。日本語が上手ですわねー。
(にこやかに、虚ろな笑みを浮かべて褒める。予想以上に流暢なイントネーションは)
(生粋の日本人だと言われても信じてしまいそうだった。彼女の容姿さえ見なければ)
何者って言われてもなぁ。実に深遠なる問い掛けだが答え辛いものが・・・って、
ぬぉ・・・・・おいおい、引っ張らんでも。平気、平気だってば。傷の治りは早い方なんだぜ。
(不意にコートを引っ張られて傷口を見られるが、そこは既に強引に塞いである)
(外見からは自然に治った、としか見えない現象であろう。彼女の疑問も尤もな話しだ)
人間ですが、何か?
世の中には回復魔法ってものがあるんですよ、おぜうさん。
(道化た台詞で応じる。実際、傷を癒すための術式は世界に存在する)
(RPGのように、瞬時に体力が回復したり、傷口が綺麗に消える類のものではないが)
でさ、なんで虎に追っかけられてたのさ。
俺ぁちょっとこの近くに用事があって、その帰りに寄ってみたんだけど。
いやいや、俺がいてよかったねー。言わば救世主と言っても過言ではない。
(悪い事をする為に来た、とは言わない。彼女の銃口が火を吹きそうだったから)
(緊迫した雰囲気を漂わせる彼女の、その空気を砕く為、軽薄な言葉が口から滑り出る)
(にこやかな笑顔で、日本語を褒められるが)
(その賛辞の台詞は、微塵も本気で無い事が、彼の表情から見て取れ)
…だ…もの…
(本当に小さな小さな声で、呟き。)
(これでは、聞こえなかったかと、思い直して息を吸い込み)
日本育ち、だものっ!
(と、今度は大きな声で、言い放つ。)
(何度経験しても、この空気の違和感には、気恥ずかしいやら腹が立つやら)
(勿論、その空気は、自分の容姿が作り出しているものであり)
(また、こんな容姿では、日本人で無いと思い込まれるもの、無理は無いと重々承知していたし)
(そもそも、血統的には、純然たるロシア人なのだから、仕方が無い話で…)
回復魔法って…
そりゃあ、何かの達人とかなら、わからなくもないけれど…
悪いけれど、あなたは全くそんな風には見えないですし、むしろ…
(軽薄なチャラい男…と言う言葉は、微かに心の端に引っかかっている淑女のたしなみで、飲み込み)
それに、傷口が無いわよ。
そんなの、ゲームの世界じゃあるまいし、ありえないわ。
もしかして、わたしのこと、馬鹿にしていらっしゃるの?
(すっかりと本調子に戻った頭の回転は、スラスラと、おしゃべりが過ぎるほどに唇を動かさせる。)
(話の矛先が自分に向き、思わず慌てた様子を見せてしまう。)
そ…それは…よく、わかんないわっ
わたしだって、散歩していただけなんだから。
気が付いたら、追いかけられていたんですもの。
(こんな深夜に、女の子が、一人で)
(売出し中の住宅が立ち並ぶ、誰も居ない場所で、散歩。)
(銃を、片手に。)
(…無理がある。)
・・・・・近所迷惑ですよ、お嬢さん。
あー、わかったわかった。道理でネイティブな発音だと。
うん、俺が悪かったよ。飴玉やるから許してプリーズ。
(大きな声で叫ばれて、ちょっと耳がキーンとなった)
(触れてはいけない部分に触れたらしく、全身から怒気を発している)
(もしかして――もしかしなくても気にしているのだろうか)
(ポケットにねじ込んでいた飴玉を三つほど取り出して、空いている手に握らせる)
馬鹿にはしてないけどなぁ。
まーあ、この世には常に理解の及ばぬ神秘が存在しているわけだけど。
自分の知っている事が世界の全てではない、って事は知っといた方がいい。
種も仕掛けも――ありますよってね。
これが何なのかわかれば、俺がどうやったのかはわかるんじゃねえの?
(掌の上にキラキラとした粒子を纏わせて、そして掌を握り締める)
(これが珪素だと理解して、その上で珪素繊維で傷口を塞いだのだと推察しろ)
(――などと、我ながら無理難題にもほどがあった。つまり最初から説明する気はないのだ)
ダウト。その銃がなければ信用したかも知れないけど。
つーまーり。あんたは狩人か、それに類する人間だってことだ。
(誰もが指摘するだろう事を指摘して、ビシッと人差し指を突きつけた)
(犯人はお前だ、とでも言いたげな態度だった)
くふ、まーあ、なんでもいいけど。そっちの事情詮索する気はないし。
何にしろ、夜歩きには注意した方がいい。
この街の夜は、一人で歩くには危険すぎる。
(指を下ろして、それらしいことを言って注意を促した)
【そろそろ時間ですかね、そちら。〆に向かいますか】
(近所迷惑、の言葉に、思わず自分の両手で口を塞ぎ)
(この住宅地が、まだ殆どが空き家なのを思い出し、赤い男をジロリと睨みつける。)
あめ?
(左手に3つ、コロンと転がる甘いものを見て、ほわっと笑い)
…っ、こんな…子供騙しな……ば…馬鹿馬鹿しい…
わたし、子供じゃないんだからっ
(笑顔になってしまった自分に気が付いて、しどろもどろになりつつも吐き捨てるように言う。)
(掌を覗き込み、見つめる。)
(赤い男の掌では、ごく微細な何かが漂い、キラキラと輝く。)
(先ほどの、虎の前でも舞っていた、あの美しい何か。)
(不思議に思いながらも、その美しい姿には素直に見とれ)
(よく喋る唇を、ポカンと半開きにして、首をかしげる。)
…つまり、この…綺麗なのは、タネも仕掛けもあって、とにかくあなたは…
う……え、と…
(やはり、わからない。)
(銃を指摘され、すでに遅しとは解かっていても、つい慌てて上着の中に突っ込み)
(ホルスターのホックの、ぱちんという小さな音の後、再び上着から右手を出す。)
狩人。…ま、そんなところ……かも、ね。
(詮索する気は無いと言いきられ、安堵の表情を浮かべる。)
あなたこそ、気を…
(そこまで言いかけて、口を噤む。)
ま、あんなに強ければ、心配することでもないですわね。
(フリルとレースてんこ盛り、装飾過多のスカートをふわりと靡かせて)
(鉄骨の山から、一気に地上へと、飛び降りる。)
とりあえずのとこ、助けてくれてありがとうございます。
(ぺこりっとお辞儀。)
(くるりと踵を返し、建設現場から出て行こうとして、出入り口付近でまた振り返る。)
お…おやすみなさいっ
(また、ぺこっとお辞儀。)
【それでは、わたしは次で〆】
子供はみんなそういうのよねー。
まーあ、いいじゃん?その内嫌でも大人になるんだからさ。
(実に楽しかった。なかなか聡明な口ぶりだが、根底的な部分で)
(どうしようもなく甘いというか、抜けているというか。殺伐とした世界)
(には似つかわしくなく、何より拳銃が似合っていなかった)
(慌てて拳銃を隠す動作にも、何か愛嬌があって楽しい)
(多分、長生きはできない―――別に構いはしないけれど)
おーう、帰ったら手洗いとうがいと歯磨きを忘れんなよ。
宿題はやんなくてもいいけどさ。じゃあな。
(もうこれ以上ないくらい子供扱いをして、お辞儀するフリルとレース塗れの)
(少女に軽く手を振って別れの挨拶とする。少女の姿が消えた後、自分も鉄骨の上から)
(飛び降りて、虎の屍を見つめる。その周囲には、雑霊たちが漂っていた。まだ暖かい亡骸に)
(潜り込むつもりなのか、或いは虎の魂を食うつもりなのか。前者の場合はゾンビ化して徘徊する)
(可能性があり、被害者が出る公算が高い。だからというわけでもないが――水晶の柩に閉じ込めた)
かくして、また怪奇事件が発生したわけか。俺らの所為だけどな。
(ぶらぶらと歩きだして、ゆっくりと住宅地を離れてゆく)
(乗ってきた単車が怪物によって破壊されたのは、計算外だった)
(だから散歩するような歩調で帰路を辿っていたのだが――それがひとつの出会いに繋がったの)
(だから、世の中何がどう転ぶかなどわからない。だから、紅裂拓兎はまた歌いながら歩いて行った)
【では、こちらはこれで〆、お疲れ様でした】
(もしかしたら、あの赤い男は、わたしを子供だと思っているのでは、ないのだろうか。)
(子供はみんなそう言う…までは、冗談ととれた。)
(でも、手洗い、歯磨き…宿題まで言われると、その疑いが確信めいたものになってくる。)
(ぽてぽてと、足を進める帰り道。握らされた飴玉を見つめ、唇を尖らせる。)
…失礼しちゃいます、わ。
(包み紙を開き、一粒、口へと放り込む。)
(甘い味が広がり、走り疲れた、緊張疲れした身体に、優しく染み渡った。)
(なんと言うか、変な人だった。)
(初対面の人に向かって、変と言うのも憚られ、黙っていたが)
(本当に、変、だった。)
(何よりも、戦うことが楽しそうで、狂気の目を嬉しそうに輝かせ)
(自分を助けるというよりも、ただ戦いたくて、あの虎に向かっていったあの人。)
わたし、もう高校生なんだから…
今度会ったら、ちゃんと、言っておかないと。
(今度会う機会が、あるのか無いのかは、解からなかったが)
(ただ、少なからず、異形に慣れたあの様子だと、また何時の日か会えるのは必至に思えた。)
(実際、その時は、そう遠くない未来なのだが…)
(また会えた時には、あの綺麗なの、見せてもらいたいな。)
(なんて、呑気なことを考えつつ、カリカリと、飴を噛む音をさせながら)
(真新しい住宅地の闇へと、紛れ込んで行った。)
【これで、〆です。カッコイイのが思いつかなかった。ごめんなさい。】
【わたしのほうが2時までと言っておきながらの時間オーバー、申し訳なく…】
【お付き合い、ありがとうございます。お疲れ様でした。】
スレをお返しいたします。
ありがとうございました。
【見届けたー】
【お疲れさまでした】
……非常に、微妙な時間帯なのですけれど、失礼してそろっと待機させてください。(一礼)
プロフは
>>108、参考にでもしていただければ幸いに存じます。
【こんばんは(ぺこり)】
【遅い時間に遅いひとがやってきました】
【お相手よろしいですか?】
【こんばんは、島田さん(一礼)】
【喜んで、お相手させてくだされば幸いに存じます。お声をかけていただき、とっても嬉しい限りです】
【と、シチュ……なのですけれど、パッと思いつくのが】
【1.以前の通りに、中庭あたりでチョコマフィンで釣る (ほのぼの方面)】
【2.狩り対象のゴーレム誤認事件、ということで軽めに戦闘 (物騒方面)】
【くらい、なのですけれど……何か、他にありますればお聞きできれば重畳です】
【1でしたら、時間軸はバレンタイン手前にしておいて、その方面に……という手も十全と】
【そうですね、この時間から戦闘となると夜がかなり深くなりそうなので】
【1かな、と】
【お互いの素性を出していなければ、次の機会に2、というのもできそうですし】
【承りました、それでは1でまいります】
【あ、このような時間ですし、眠気やら何やらのときはどうぞ十全と仰られて下さいっ】
【都合次第で、一気に〆るなり何なりを、できたらと思いますので(一礼)】
【で、したら……こちらで大量のチョコマフィンを持っているところから書き出し、がいいでしょうか?】
【他に何か盛り込みたい方面などあれば、それも加えて書き出させていただければと思います】
【了解ですっ】
【内容はそれで、あとはお任せします】
【お待ちしております。よろしくお願いします(ぺこり)】
(この時期にしてはいくらか暖かい、珍しい陽気の日であった)
(その暖かさの所為か、女の溜息は白くならぬまま、ただ困ったように零れただけ)
……まったく、私にこれをどうしろと仰られるのでしょうか。
(中庭のベンチに腰をかけて、白い紙袋をみつめる)
(少し大きめのそれの中にころころと沢山転がっているのは、非常に甘いにおいのするチョコマフィン)
(普段であれば普通に喜ぶところだが――魅惑の甘味、であれども流石に量が多すぎる)
でも、早めに消費してしまわないと、悪くなる……のでしょうか、マフィンって。
(白い紙袋の中身をじっと見つめながら)
(ん?、と唸るように小首を傾げると、つられて黒髪が揺れたのだった)
【それでは、このような感じで……それでは、今夜は宜しくお願い致します(一礼)】
(それは2月も半ば近くの、晴れた午後)
(昨日まではひどく空気が冷えていたのに、今日は暖かくて、気持ち良くて)
(そろそろ春も近いと思うと、気分も上々で)
んー、んんー♪
(つい鼻歌でも歌いたくなるというもの)
(学園指定の紺色のジャージに身を包み、六花はてくてくと校内を散策していた)
ん、んんー…ん?
(中庭を抜ける渡り廊下に出たとき、どこからかふわりと甘い匂いが漂ってきたのに気付く)
……いい、におい……チョコレートっ。
(美味しそうな気配にはどこまでも敏感な六花であった)
(手摺りから身を乗り出して下を見ると、中庭のベンチに長い髪の女生徒が)
(白い紙袋を抱えて座っているのが見えた)
…………う。
(なんだろう。全く関係ないにも関わらず、その中身が気になって仕方ない)
(知らず、中庭の彼女へ熱い視線を送っていた)
(誰かに分けることができればいいのだけれど、どうしたものだろう)
(あの人は甘いものが好きだっただろうか、と頭の中で知り合いの嗜好を思い浮かべる)
………ん。
(そこで、不意にとても熱い視線を感じて顔をあげた)
(異形狩りであるがゆえ、この女は視線やら気配やらにはどちらかといえば敏感な方であるが)
(今回は何やら、自分がよく感じ取る視線や気配とは違う――悪意、殺意ならぬ、それに少し戸惑って)
………ジャージ? 園芸部の方、でしょうか。
(視線の先にいるのは、どこかあどけないさまの残る顔つきの、愛らしい少女)
(学園指定のジャージを着ているのだから、この学園の生徒であるのは明白なのだが、
頭の片隅で、何か違和感に近いものを覚えたのは……どうして、だったのだろうか)
(ともかく、その少女の熱視線を真っ直ぐと受け止めながら小首をかしげてみせた)
(だが、不思議がっていたのもそれまでの話)
(小首をかしげた女の頭にひとつ考えが浮かんで――その少女に向かって、ちょいちょいと手招きをした)
(あれだけ見つめていれば、相手に気付かれないほうがおかしいというもの)
――――ひえっ。
(目が合った)
(数秒固まったのち、小さく声を上げて手摺りの陰にしゃがみ込む)
(が、もはや手遅れである。否、手遅れなどという以前の話であるが)
……う、ぅ……
(そろそろと顔を覗かせると、彼女はこちらを見上げて小さく手招きをしている)
………………?
(まさか、気に障ってしまっただろうか)
(びくびくしながらも、それに従って一度校舎に入ると)
(階段を降りて、中庭へと駆けていった)
…………あ、あの、えと。
(自分を呼んだ女生徒は、長い黒髪も艶やかな、穏やかそうな空気を纏っていた)
(来たはいいが、何と言えばいいのだろう)
(『あなたの持ってるおいしそうなものが気になって仕方ありませんでした』などと)
(正直に言えるほど、六花の面の皮は厚くはない)
(むしろ、小心者だというのに)
(手を下のほうでもじもじとさせたまま、俯いてしまった)
(ぴょこんと消えて、ぴょこんと現れる茶色の髪を持つ少女)
(自分の手まねきが通じたのかこちらへ駆けてきてくれたその様を見ながら、
まるで小動物を見ているようなときめきを覚えてしまった自分を叱咤しつつ、目元をゆるめる)
……初対面なのに、お呼び立てしてしまって申し訳ありません。
(手を下にしてもじもじしながら、俯くのはジャージ姿の可愛らしい少女)
(名前も知らぬ――が、そのジャージに書かれている「島田」という姓が、そのジャージからうかがえた)
(そこでふと、「島田という人のジャージが紛失した」という話を聞いたような聞いていないような)
(そんな曖昧な記憶が蘇ったのだが、それが彼女なのだろうか――まあ、この時は置いていくことにしよう)
もしも、お忙しくなければ、でありますけれど。
(そんなことを考えながら、紙袋の中から一つマフィンを取り出す)
少しばかり、おやつにお付き合いくださいませんか?チョコマフィン、お嫌いじゃなければ。
(ゆっくりと小首をかしげて、問いかける)
(二月頃の空気の中に、一瞬にして甘やかな匂いがふわりと広がった)
や、ぁ、い、いえっ、申し訳ないなんて、そんなっ。
……わたしこそ、あんなにじーっと見たりして、失礼を……
(柔らかく微笑む彼女と、びくつきが治まらない六花)
(この立ち位置、失敗をして創造主に(笑顔で)叱られる時の構図を思い出し)
(ひとり勝手に畏縮してしまう)
………………え?
(かさり、と紙袋が音を立て、そして彼女の手にはチョコチップがまぶされた)
(ココア色のマフィンがひとつ)
おや、つ?……え?え?
(たまたま見かけたひと(の持っていたお菓子)をじーっと見ていたら)
(そのひとがそれを分けてくれるという)
(あまりに都合のいい流れに六花はきょとんとしてしまう)
で、でも、そんなっ、そんなおいしそうなもの、いただくなんて申し訳なくっ。
忙しくないし、だいすきですけれどっ……あっ、そうじゃなくてっ……
(初対面の相手に対する礼儀と遠慮、そして甘い香りに誘われた本音がごちゃごちゃになって)
(余計に頭の中は混乱して、あわあわと、支離滅裂なことを口走るのだった)
(――ちなみに、視線はマフィンに釘付けであった)
はい、おやつです。
3時のというには、少しばかり時間が過ぎていますけれど。
(事なげに言いきって、今度は反対側に小首を傾げた)
(目の前の少女がきょとん、とするのも当たり前であるのだろうが、
この女はそんなことを特に気にした様子もなく、手にしているマフィンをさらに近づける)
いいえ、むしろいただいて下さる方が私は嬉しく存じます。
……んと、その、“色々と”あって。 非常に大量のマフィンを手にしていたのですが、多すぎて困っていて。
(「色々と」と告げる時に、少しばかり視線がさまよったものの)
(女は甘い匂いで誘惑するように、少女の視線を引き寄せるマフィンをゆらーりと振ってみせる)
(「誘惑の為」という名目のもと、この少女の一挙一動を見ているのが楽しくてそんなことするのは秘密だ)
だから、私は貴方が私の隣にお座りになって、
私と一緒におやつをして下さると、とても助かるのですけれど、いかがでしょうか。
(かなり突拍子もない申し出ではあるのだが、
そんなことはお構い無しなようで、女の顔には完璧な笑みが携えられていた)
(前々から突拍子もないことをいう性格ではあったが、作り笑顔を覚えてからはそれも少し厄介なったかもしれない)
(あくまで笑顔で、かつ平然と六花を誘惑――もとい、勧誘してくる彼女)
(故意にかは分からないが、見せつけるようにさらにマフィンを六花に近づけてきたりして)
あ、あぅ……
(六花の理性は、食欲に負ける寸前であった)
……い、いろ、いろ?
(どのような事情になればそんなことになるのか)
(確かに、紙袋の中にはまだまたたくさんのマフィンが詰まっているように見える)
(そう、すらりとした彼女がひとりで食べきれるとは、思えぬ程度には)
(彼女が、六花の如く外見に釣り合わぬ胃袋を有しているならば、話は別であるが)
(彼女は大量のマフィンを持っている)
(それは彼女には食べきれない)
(食べなければ、マフィンは傷んでしまう)
(誰かが、食べるしかない)
(彼女は、その“誰か”を探している)
(――六花は、その願いに応えるべきである)
(そんな、多分に打算の織り込まれた理論によって、ヒトに仕えるゴーレムたる六花の思考回路は判断を下す)
は、はいっ。喜んでっ!
(頬が緩みそうになるのを堪えながら、六花は大きく頷いた)
……いろいろ、です。ええ、まったくと色々ありまして。
ほら、もうすぐバレンタインだとか近いでしょう?まあ、色々なのですよ、色々。
とても美味しいですよ? 私も教室でひとついただきましたので、味の方は保証致します。
(結局は「バレンタイン」がどう関わるのかさえ他人には分からない色々な事情により、
手元にめぐってきてしまったらしい紙袋の中身を痛む前に消費すべく、女の勧誘は続いた)
(そうして、彼女が“陥落”してくれれば、こちらの笑顔も深まったのだった)
(まるで幼い子供のように、大きく頷いてきた彼女を誘うように、ベンチの隣を叩く)
お受け下さって、嬉しいです。
ほんとうにどうしようかと困っていたところで、とても助かります。
(膝の上にマフィンの袋をおいて、とりあえず差し出したままのマフィンをひとつ勧めながら)
あ、飲み物……缶のカフェオレならあるのですけれど、
少しばかり放置しておりましたので、もう冷たく、なってしまっているかもしれません。
他のものが飲みたいなら、わたし、そこの自販で買って参りますけれど……ご希望などは?
(“私もどうせならコーヒーが飲みたいですし”、と結局は自分の都合であることを告げながら、小首をかしげた)
……ば、ばれ……
(その単語に、図らずも反応してしまう)
(昨夜は、チョコレートに添えるメッセージを考えていてなかなか眠れなかったりしたのだ)
(――ともかく)
(つまり、バレンタインのために練習か何かで作ったものを、貰ったのだろう。そう考えた)
(なぜこんな量になったのかは、想像もつかないが)
で、では、失礼しますっ。
(完全に“陥落”した六花は、彼女が示した隣のスペースにおずおずと腰掛ける)
(彼女のひとつひとつの所作に、品が感じられた)
いえ、こちらこそ……ほんとうに、ありがとうございます。
……ん、いただきます。
(差し出されたマフィンを両手で受けとると、深々と頭を下げる)
(近くに来れば来るほど甘くほろ苦いチョコレートの香りは強くなって)
(早く齧りつきたくて仕方ない)
…………え、飲み物、ですかっ?
(声に我に返ると、笑顔で小首を傾げる彼女)
……あ、あっ、わたし、自分で買いますからっ。
じゃあ、いっしょに行きましょうっ。
(勢いでそう言うと、六花はすっくと立ち上がった)
【すみません、少し呼ばれておりました】
(―――「バレンタイン」)
(確かにそのひと単語に反応した少女もまた、自分のクラスの女生徒のように心浮かれる何かがあるのだろうか)
……バレンタイン、か。
(ぽつりと小さく呟いた言葉は、困ったような響きを帯びて、すぐに空気に溶けた)
あらあら、そのように畏まられなくても。
(マフィンひとつで深々と頭を下げてくる彼女は、
どうにも純粋だとか天然だとか呼ばれる性質なのかもしれない)
(まるで愛らしい子犬を連想させるような挙動の少女に対して、
多少は失礼なことを考えながらも、すくっと立ち上がった少女の手を軽く掴んで、動きを制す)
いえ、せっかくです。お食べになられていらしてくださいませ。
……先ほどから、視線がマフィンに一直線でありましたし、はやくお食べになりたいでしょう?
(すっと目を細めて口にしたのは、少しばかり意地悪な物言いなれど)
(こうでも言わないと彼女はひかないだろう、と判断したからでもある――おあずけさせるのは、忍びなかった)
私が買って参ります。その間に貴方は私の為にひとつでも多く、マフィンの消費を。
お金が気兼ねするとい仰られるなら、そうですね――…
(ふと、考える仕草をしながら思った。先ほど、「バレンタイン」という単語に反応した彼女を)
……私のおやつに付き合って下さる親切な貴方の心を悩ませる、
「バレンタイン」について、少しお聞きしても? たとえば、どなたかにあげるのですか、とか。
――あげるなら、それはどういう気持ちで、あげられるものなのでしょうか、とか。
(“どうお答えになるか、帰ってくるまでに決めておいてください”、と勝手な言葉をひとつ)
(ただ、その問いを発した時の彼女の表情は、女性らしい好奇心よりも少し悩みを抱えた表情であって)
……はい、というわけで。ココアでよろしいですね?
(ただ、その表情も一瞬のこと)
(すぐに前と同じ表情にもどると、答えも聞かずにすくっと立ち上がって、歩みを進み始めてしまった)
【あら、大丈夫ですか?こちらは十全とですので、どうぞおかまいなく、です】
………………?
(「バレンタイン」という言葉に、自分とは違う、しかし明確に何か思うところがあるらしい彼女)
(むしろ、何を思うのか、というのが分からないというような、そんな雰囲気が感じられた)
……え、で、でも……
(手を制するように取られて、六花は戸惑ってしまう)
(マフィンを貰ったうえに、飲み物まで買いに行かせるなど、そこまでして貰うのは忍びない)
…………っ。
(彼女の言葉はまさに図星であった)
……わ、かり、ました。
(けれど、優しさと、有無を言わせぬ強さの色が織り込まれたその声に、従うほかなかった)
(六花はこくりと頷くと、再びベンチに座ったのだった)
は、はいっ。
(ひとつでも多く食べるのが、彼女のため)
(六花にかかれば訳はないが――それでも、ほどほどに抑えておくべきだろう)
(そんなことを考えていると、彼女から交換条件が提示される)
……えっ、えっ?
(その内容は、条件とするにしては変わったもので。やはり、首を傾げざるをえなかった)
(ほんの一瞬窺えた彼女の表情も、胸に引っ掛かるものがあった)
よ、よろしいのです。よろしく、おねがいしますっ。
(答えると彼女は踵を返して自販機のほうへ向かう)
どうして、わざわざ……?
(それを見送りながら、六花は柔らかなマフィンに口をつけた)
……ん、おいしい。
(誰が作ったのかは知らないが、ココアの濃さも甘さの加減もちょうど良く)
(これを貰えるひとは、きっと喜ぶだろうと思うのだった)
(いくらか、勝手な条件を出してしまって、彼女には悪いことをしている)
(――自分でもらしくないと思うような問いかけをしたことを自覚しながら、女は自販機のココアとコーヒーを手に取った)
(……「好き」という感情が分からない、わけじゃない、はずだ)
(ならばどうして、自分は「それ」を「そう」であるとすることが、出来ずにいるのだろうか)
……まあ、今はお待たせしている場合ではありませんね。
(あとでまた、考えよう。彼女にも勝手な問いかけをしてしまったのだから)
(そういう風に考えをまとめると、少女を待たせている方へと足を戻したのであった)
お待たせしてしまって、申し訳ありません。
(温かいココアを片手に、先ほどベンチへ座っていたところへと腰をかけなおす)
(彼女が口にしているマフィンはちゃんと減ってくれているようで、ともかく甘味地獄は免れたと安心する)
……お口にあいましたようで、十全でありました。
(はい、とココアを差し出して、小首を傾げる)
(口には出さぬものの、それは、勝手なココアの対価――問いの答え――を尋ねているような、ものでもあった)
(もぐもぐとマフィンを食んでいると、両手に缶を持って彼女が戻ってきた)
いえ、待って、なんて。
(答え、食べるのを止める)
(その時には、すでに2つのマフィンが六花の腹の中へと収まっていた)
はい、とても、おいしいのです。
これ作ったひとにも、ありがとうって伝えてください。
(温かいココアの缶を受け取り、彼女が座り直すのを見ながら)
(これは先ほどの質問に対する回答の催促なのだろうと、ぼんやりと感じていた)
……わたし、が、チョコレート――手作りじゃなくて、買ったの、ですけれど――渡したい、のは。
……おともだち、です。ここの、学園の、ひとで。
(まず、「誰かに渡すのか」という問いへの、答え)
(つい先日――そう、その渡すべきチョコレートを買った日にも、同じようなことを、聞かれた)
……それで。わたし、そのひとに、いろんなものを、もらったから。
ほんのすこしの時間、なのに。それがとても、うれしくて。
だから、ほんのすこし、でも。そのひとに、返したくて。
ほんとうは、小さなチョコレートだけじゃ、足りないくらい、なのです。
だけど、じゃあどうすればいいか、とか、良く分からない、から……
せめて、その小さなチョコレートに、いっぱいの“ありがとう”を込めて、
――そのひとに、渡したい、の、です。
(これが、二つ目の回答)
(言い終えて、これで良いのか、というように、彼女の黒い瞳をまっすぐ見上げた)
承りました。申し伝えておきましょう、きっと喜ぶと思います。
(そんなやりとりをしながらも、目の前の少女はちゃんと自分の意を受け取ってくれている)
(純粋で無垢――そんなイメージを受ける彼女の言葉を、ただ静かに聞きいていた)
(ほんのすこしの時間に、そのひとにたくさんのものをもらった)
(だから、ほんの少しでも、そのひとにおかえしをしたい)
(――「ありがとう」、の気持ちを込めたものとしてチョコレートを、気持ちを、送りたい)
(真っ直ぐに自分を見つめてくる、少し色素の薄い瞳を、女はどこかきょとん、として見返した)
(少しして、ふっ、と思わず表情を緩め――それから、小さく肩を震わせて笑った)
……なるほど。
ああ、もう。そういう、素直な気持ちでいいのですよね、うん、そう、ですね。
(まるで憑きものが落ちたようなそんな様相で急に笑い出した彼女は、そんな言葉を呟いて息を吐く)
変なこと、お聞きしてしまってすみません。
お答え下さって、ありがとうございます。きっと、その「ありがとう」は、その方に伝わるはずです。
(こんなにも真っ直ぐで、こんなにも無垢で、こんなにも優しい思いが伝わらないわけもない)
(自分の悩みを簡単に吹き飛ばしてしまうほど、純粋な答えをくれた彼女にそう告げる)
まったく、貴方にそのように想われている方は十全と幸せ者でありましょう。
――そうして貴方は、お好き、なんですね、その方のこと。
……ああ、えっと、深い意味じゃなくって……なんというか、人としてというか、大切な方として、というか?
(自分でも言っていることが分からなくなったように、んん、と唸って首をかしげた)
(六花はずれている)
(自覚はある。創造主の工房にいた頃から、同じゴーレムである妹たちとも)
(微妙な、ほんの僅かな、しかし根本的な差異を感じていた)
(この街に、ヒトの世界に紛れ込むようになってからは、尚更だ)
(単純で、幼く、無知で)
(だから、この思いがヒトに受け入れられるものかどうかが、心配だったのだが――)
……素直、ですか?
(それは、杞憂だったようだ)
(六花の思いを、彼女は認めてくれた)
(それどころか、六花の回答は、彼女にとって、恐らく――良いもの、だったらしい)
……他のひとにも、そうやって、言っていただきました。
きっと、伝わるって。わたしも、伝えたい、から。伝わるように、がんばる、の、です。
(いろんなひとが、六花の気持ちを応援してくれている)
(だから、頑張る。何より誰より、六花のために)
――えッ!?あ、あの、えとっ……
…………そ、そう、です、はいっ。とても、尊敬していると、いうかっ。
(言いながら首を傾げる彼女に、何故かわたわたと慌ててしまう)……は、ふぅ。
(まずは落ち着かなければと、大きく息を吸って、吐いた)
――あの。あなた、も。だれか、渡したい、ひとが?
(ああいう質問をしてくるということは、つまりはそういうことなのだろう)
(これも純粋な疑問で、尋ねた)
(六花という少女に在る根底を、葵は知らない)
(葵が感じたのは「ゴーレム」も「ヒト」も変わらぬ、ものだったのかもしれない)
……ん、素直っていうか。
まっすぐ、でしょうか。伝えたいって気持ち、裸のまま、偽らないでいらっしゃるから。
(彼女にとっては眩しいくらいの純粋を、少女は備えているようにみえる)
(そうして、それは傍でみていてとても心地よくて、心からの応援をかきたててくるのだ)
はい、がんばってください。
ついでに、「これからもずっとずっと宜しくお願いします」くらい、申してしまえばいいのです。
(要らない知恵をつけくわえながら、また彼女は小さく肩を震わせた)
あらあら、そのように慌てられなくても。
ふふ、そういう反応をなされますと、なにやら恋心を抱いているのかと邪推してしまって――…、…っ。
(わたわたとした少女の反応を見つけた女の目が、楽しげに細められたのもつかの間)
(次に返ってきた逆の問いかけに、その目を思わず丸くしてしまい――らしくもなく、少し、顔に熱を感じた)
……ああ、いえ、その。
ん、まあ、そうですね。うん、わたしも、伝えたいって、思いました。ありがとう。
……ともかく、こう、何事もなく、あげちゃえば、いいですよね。
(こんなにも素直でない自分では、「ありがとう」は伝わらないかもしれないけれど)
(どさくさにでも、渡すことにしよう。
自分も『あの人』にいっぱいのものをもらった。だから、お返ししたいと思った――きっとこれは、目の前の少女からの感化だろう)
【もう、こんな時間で…っ、お時間の方、大丈夫でしょうか?】
【特に問題なければ、そろそろ〆を視野に入れ始めようかと思うのですが、いかがでしょう】
……嘘を。嘘を、吐くのは、苦手、なのです。
(隠すことも、偽ることも、六花は好まない)
(ほんとうは思いのありのままを、すべて相手に伝えられたら、とさえ思う)
(けれど、そうする訳にはゆかない)
(それだけでは、六花の望むしあわせを得られないからだ)
(微妙な綱渡りをしながら、六花は生きている)
(それはたぶん、ヒトも変わらない)
ふふ、ありがとうございます。
……ん、わたしも、これからもずっとずっと、おともだちでいられたら、って、思ってますけれど……
(何故そこで笑うのだろうと、六花は首を傾げた)
ち、違いますよぅ。……けど、大切な、おともだち、なのです。
(少し熱くなった頬を押さえながら、呟く)
(そして、反対に問い返すと、今度は彼女が呆然とする番だった)
(誰かに向かって言い訳するような口振りに、六花は可愛らしさを感じていた)
(たしか、この前会った伊織津綺子にも、同じような感覚を覚えたのだ)
――きっと、伝わるのです。あなたの気持ち、そのひとに。
(それは――彼女たちが、“恋”をしているから、だろうか)
(笑いかけながら、そんなことを思い浮かべた)
……あ、えと。お名前、聞いてもいいですか?
(再びマフィンを齧りながら、問いかける)
わたしは、島田、六花です。6つの花で、りっか。
【わたしはまだ、だいじょうぶです】
【では、その方向で】
……隠し事、じゃないのですよね。ただ、伝えられないことなだけで。
すべてをさらけ出すのって、すごく、大変で――勇気のいることじゃないかと、思うのです。
それに、すべてをさらけだしても、それがそのまま、幸せにつながるわけじゃ、ないときもあるから。
(少しばかり苦々しそうに言葉を呟いたように感じられた少女に向って、そう零す)
(≪深凪≫の異形狩りという側面をもつこの女自身も、何故そんなことを思ったか自覚できないままであったようだけれど)
……おやおや、『お友達』でいいのですか?
一緒にいたいって、きもちは、ときに、お友達を凌駕してしまうこともあるかもしれません。
(目を丸くさせられたことに対しての仕返しだろうか、そんな揶揄をしてみせながら)
――「ありがとう」が伝わると、いいのですけれど。天然で鈍感なのですよね、その人。
かといって、貴方のように私は素直になれるような、性質でもありませんから……困ったものです。
(柔らかく笑いかけてくれる少女に対して、言い知れぬ安堵をおぼえて、ふっと息をついた)
媛名 葵です。 愛媛の媛に、名前の名、向日葵の葵で、「ひめなあおい」。
――島田、六花さん、ですね。
雪の異称だったりするのですよね、りっか。 ふふ、貴方にお似合いの綺麗で、愛らしい名前だと思います。
名づけられた方は、十全なセンスをお持ちだったのでしょう。
(穢れなく白い雪――涼やかな氷の結晶のように透明な彼女には、似合いの名だと思う)
(こんな風に想った事を真顔でさらっと言ってしまうのは、癖だったり、ときおり仕様だったりするのだけれど)
(彼女の言う、通りだ)
(すべてを晒け出す勇気は、覚悟は、少なくとも、今の六花にはない)
(知ってほしい、という思いよりも、知られること、その先にあるものへの恐れのほうが、まだ強い)
(それを解決するのは時間なのか、別の何か、なのか)
(それとも、解決なんてされないのか)
(まだ、今の六花には分からない)
わたしは、今で十分、ですよ?
これ以上、なんて全然、想像もつきませんもの。
(少し意地悪な口調の、彼女の言いたいこと、というのはうっすらと分かる)
(けれど、六花は自分自身をその仮定に当て嵌めることができない)
(それは何故なのかも――感覚的なもの、としか言いようがなかった)
プレゼントだけじゃだめかもしれなかったら、お手紙でも、言葉でも、良いと思うのです。
わたしも、そうするつもり、で。
あなたの大切なひとだったら、きっと、分かってくれますよ。
(勝手な発言かもしれなかった。けれど、胸を張ってそう言えた)
(何故なら、“伝えたい”と、思っているから、だ)
――ひめな、あおい、さん。媛名さん。
あ、それ知ってるひとは、はじめてなのです。
わたしの姉様がつけてくれた、わたしだけの名前、なのです。
(名前と、それをつけたひとを誉めてくれたのが嬉しくて、表情が緩む)
(それを隠すように、マフィンをまたひと口、齧った)
……貴方は、「幸せ」になる方法を、よくご存じでいらっしゃる。
(「これ以上は想像つかない」という六花の言葉を聞いて、柔らかく目を細めた)
(自分は、これ以上は彼女の気持ちには立ち入れないと知っているから、ひとつだけ頷く)
貴方が幸せなら、それでいいのですよ。 きっと、『お友達』も幸せなはずだから。
(形なんて、きっと、なんでもいい。想われていることは、決して辛いだけのことじゃないはずだと、“思いたい”)
………ん、う、んん。
(「言葉」とか「手紙」と言われると、一気に難しい顔になった)
(気恥かしそうに視線を彷徨わせたのは――「意識」をしてしまうと、自分が全く動けなくなるのを知っているから)
(しかも、日頃の自分の言動が自分の言動なだけ、どうにも、と感じる部分もなしきに非ずなのであろう)
ありがとうございます。 ともかく、お互いに頑張りましょう、ですね。
(だからちょっとだけ誤魔化すようにそんな言葉を吐きだした)
このまえ、現代文の小説にでてきたのですよ、「六花」。
……ふふ、それは十全です。名前は、とても大切で尊いものだとおもうから。
(自分の名前も、自分にとってはかけがえのない「義兄」のつけてくれた大切なもの)
自分の名前、好きでいることって、大切だと思うのです――…っ、と。
(そのとき、不意に携帯の着信音が、柔らかな空気を割った)
(携帯を取り出して相手を確認した女は、出ることもせずにぷつ、と通話終了ボタンを押した)
……すみません。こちらからお誘いしましたのに、少しばかり用事が入ってしまって。
マフィン、宜しかったらまだたくさんありますので、いくらか貰って下さいませんか?
はいっ、たぶん、あなたがそうしたいってやりかたで、いいと思うのです。
(手紙を書くのは苦手なのだろうか。六花も得意な訳ではないが)
伝わればなんだって、良いのですからっ。
はい、お互いにっ。
(気合いの入った、小さなガッツポーズ)
(このポーズもたびたびやっている気がする)
へぇ、そうなのですかぁ……
(ならば、その授業を受けたひとはみな知っているのか)
(些細な豆知識としてたまに自慢したりしていたが)
(どうやらそれも一部の学生にはもはや通用しないらしい。少し残念だ)
みんな、そうですよね。
名前って、いちばん最初にもらえる、そのひとだけのものだから――ん。
(不意に、電子音が鳴り響く)
(その源は彼女の携帯電話で、素早くそれを受けた彼女は短い通話を終えるとこちらを向いた)
いえ、用事でしたら、仕方ないのです。
(遠慮がちに手をぱたぱたと振る。が、続く言葉にその手が止まった)
……いいの、ですか?
(彼女の言う通り、紙袋の中にはまだまだマフィンが残っている)
(手の中の食べかけのマフィンと彼女を交互に見て、六花は大きく頷いた)
【わたしは次くらいで】
……私、これでも実は教室でお昼とか休み時間に4つほどいただているのですよ。
通学カバンの中にだって、まだいくつか残っておりますし。
もちろん、貴方がよければのお話であるのですけれど――…と、ありがとうございます。
(六花が大きく頷いてくれたのを見れば、安堵したように息をつく)
(もちろん、マフィンを紙袋ごといくつか手渡したこの時は、
この小柄な少女がマフィンをぺろりと平らげてしまうなど、夢にも思っていなかったけれど)
それでは、私はこれで失礼させて頂きます。
――一世一代の、お友達への「告白」、頑張られて下さいませ。
いずれ、また機会があったら貴方の結果報告も兼ねて、おやつをご一緒できれば幸いです。
(ベンチから立ち上がって一礼をすれば、黒髪がさらりと零れおちた)
(まるで陽だまりのように温かな気持ちをくれる彼女と、これでつながりが切れるのは寂しく思い、
いつになるか分からない再会の約束を、勝手ながらお願いすることも忘れない)
それでは、お付き合いありがとうございました。また、お会いできましたら。
(そうやって笑ってから、ゆっくりと背を向けたのだった)
(自分は昔よりもだいぶん「自分の感情」の名づけができるようになった)
(けれど“心”も、“相手に接している自分の態度”も、“相手の行動から受ける些細な動揺”も、
胸の中にあるのは「好き」という感情だと主張しているのに、口に出せない思いがあった)
(そんな自分の中の矛盾をかき乱していた――「バレンタイン」というイベント)
(傍から見れば馬鹿げているような悩みを解決に導いてくれたのは、一人の少女だった)
(ともかくいつもの自分らしく、さらっと渡してしまおう)
(少女のように素直な形は取れないだろうけれど、
言葉じゃなくて、甘いものに形を変えて――「ありがとう」を送る為)
(伝えられなくなってしまうかもしれない、その前に)
(――もう一人の、自分に沢山のものをくれた人と、刀を交えてしまう前に)
【それでは、いくらか失礼しながら、こちらはこれで〆にさせていただきます】
【このような時間まで、お付き合いありがとうございましたっ……〆を見届けて、失礼させていただければと思います】
【……ごめんなさいっ】
【うとうとしてしまってました…orz】
【本当に申し訳ない、です】
【ちょっと頭が回りそうにない感じなので】
【最後のレスは後で置きレスにさせていただいでもよろしいでしょうか…?】
【重ね重ね申し訳ありません…】
【…本当に、とんだ失礼をしてしまいました】
【何度謝っても足りません。本当に申し訳ありません】
【こちらも一度落ちさせていただきます】
【失礼いたしました】
>>543-
>>544 【―――ッ! こ、こちらこそ、申し訳ありません…ッ(深々と一礼)】
【すっかりと気持ちよく夢の中でありました……と、置きレスの方承りました】
【こちらこそすっかりお待たせしてしまって、ですから……どうぞ、私の方はお気になさらないでください】
【それでは、改めましてお相手ありがとうございました。すっかりしっかり、和ませていただきました】
【また後日、お礼の方を改めて言わせて頂ければ、とても幸いに存じます(一礼)】
【こちらは、一応次スレを立ててから、失礼することさせていただきますね】
547 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 14:52:29 ID:dShijscY
乙
そんなにいっぱい、もらってらしたのですか……
(何個か食べてまだ持っていて、それでこれならば、普通の食欲の持ち主には)
(きっと手に負えないのだろう)
(――あまりに美味しそうに食する六花に気を遣ってくれたのかもしれないが)
ありがとうございます、ほんとうに、うれしいのですっ。
(感謝の言葉とともに、お辞儀をして紙袋を受け取る)
(再びその中を覗いてみると、チョコレート色のマフィンは中にまだたくさんころころしていて)
…………ふふっ。
(六花は夢のようにしあわせな気持ちになるのだった)
はいっ、ほんとうに、ありがとうございましたっ。
(立ち上がって丁寧にお辞儀をする彼女に、同じように立って返す)
……こ、こッ!?
…………が、んばります、けれどッ……
(なんだか、からかわれているような)
(彼女は至って真顔だから、その真意は掴めないけれど)
……媛名さんも、その、大切な、かたに。「告白」。がんばって、くださいね。
(そう返すのが、精一杯だった)
はい、わたしも、また会えたら、うれしいのです。
(そして、去る彼女の背中に、もう一度頭を下げた)
(夜の澄んだ空気のような、透き通った綺麗なひと、だった)
(――深夜の資料室。部屋の用途の割には綺麗に掃除され、整頓されている)
(六花は狭い部屋の隅で、パイプ椅子に座ってまたマフィンを齧っていた)
こんなお菓子、わたしにも、作れるかなぁ。
(そういえば、以前会った天羽都は、料理が得意だと言っていた)
(調理部の見学にも誘ってくれていたし、今度何か教えてもらえないか頼んでみようか)
(すぐには上手くはならないだろうが、簡単なものくらいは、できるようになるかもしれない)
――――あ。
(そんなことを考えているうちに、あれだけあった紙袋の中身は空っぽになっていて)
ん、ごちそうさま、でした。
(六花は礼儀正しく、手を合わせるのだった)
【1レスお借りします】
【遅ればせながら、これで〆とさせていだだきます】
【媛名さんには、もう一度謝罪と感謝を】
【それに、次スレまで立てていただいて…】
【本当に、ありがとうございました(ぺこり)】
【では、スレをお返しします(ぺこり)】
【紫一久くんをお待ちしてます】
何をしたなんて、まるで俺が悪人みたいな言い方だな?
(軽く、本当に気軽く肩を竦める)
(それこそ、まるで友人と話しているかのような雰囲気で)
別に、何もしてないさ。何かするつもりもない。今は
あまり迫水 直に気軽に暴れられても困るからな。あれはなかなか処理に手間取りそうだ
・・・今は
(わざと、何度も、今は、という節を強調してやる)
(その感情を少しでも波立たせようと。少なくとも、今抜けられる訳には行かない)
ああ、知ってる。なかなか哀れな最期だった
(冷酷な言葉を選び、装い、容易く切り捨てるように言い放つ)
痛みに顔を引きつらせて死んで行ったよ。しかし、最後まで涙も命乞いもしなかったな
しかも俺から、大切なものを奪っていった・・・・・・だから惨殺してやったんだが
お陰で最期の言葉も聞けなかった。残念と言えば残念だな
・・・・その兄だって、お前さえいなければまだ健全満足に生きていたかもしれないのにな
(誘うように、ちらつかせるように言葉を呟き)
・・・・・クク
(その瞳に怒りを見、またその両手に集うエネルギーを嗅ぎつける)
(同じく電流をその手に置く者である以上、臭いで分かるのだ、電気は)
止めておけ。お前に俺は殺せない
心中する気か?・・・それはつまり、あの哀れな獣を野に放つという事か
(顔をさらに近づける。それこそ、キスでもしようかという距離にまで)
できまい、お前には。愛し合っているんだろう?
(仮面越しに、嘲るような風を含ませ)
・・・ックク・・・・そうだ、そうだな
その感情はお前を否応なく縛り付けるんだよ、伊織。伊織津綺子
弱い。嘆かわしく弱い
【では、今宵もよろしく】
直さんは、あなたなんかに簡単に”処理”されたりしないわ。
(軽蔑の笑いを鼻先に乗せて、劣勢から言い放った)
(パートナーがどれほどの妖魔を食らってきたかを見ているからこそ)
(自分が手も足も封じられているというのに、余裕の台詞が出た)
(……兄の最期を聞くまでは)
兄さんがあなたから何を奪ったか知らないけど
今度は私があなたからすべてを奪ってやるわ!
(両手は闇の中でオゾン臭を漂わせ、プラズマを閃かせる)
(すんでのところですべてのエネルギーを放つ寸前)
……っ!
わ…たしが……?
(お前さえいなければ、といわれれば、瞬時にエネルギーは収束する)
(そこへ直を妖魔に変じる可能性までちらつかされては、動揺はいや増すばかり)
(いまや完全に仮面の男の一言一言に翻弄されていた)
私が死ねば……”あの人”は、人の心を失ってしまうかも知れない。
どうせ私を殺すのでしょう?
だとしたら同じことよ。
お前を道連れにせずにおくものですか!
(一瞬、周囲の空気にプラズマが走る)
(稲妻の後のオゾン臭を漂わせて、全身を震わせながらエネルギーを集中する)
【こちらこそ、よろしくお願いします】
俺から・・・?
俺から、すべて?
言っているだろう・・・・そんな事は不可能だ、と!
(威圧するような、強圧的な叫び)
(激しい電光への若干の焦りを押し隠すように)
・・・・ハ、ハッ!
(笑った)
(心の底から嗤いが漏れた)
(なんて、愚かで、弱い。やはり兄のような強さは持ち備えないか)
(所詮は女だ)
矮小だな伊織ィ!殺されるからと言ってとっとと諦め自ら死を選び取るか!
良いだろう、お前がそうするのならそれもまた・・・・だが!
お前の火力で果たして俺を焼き尽くせるか!?
(そう言うと同時、空いていた左手を、その白い首筋へ)
(瞬間的に力を込め、絞める)
(意識を一瞬でも奪えば、力は拡散する筈だ)
(――少なくとも、この場で死ぬのは紫の本意でもない)
(力が抜けたその瞬間に、もう一撃鳩尾に膝をねじこみ)
(刀を左手に持ち替え、右手を背後に飛ばして樹木の枝を掴む)
(そのまま巻き上げ、引き上がり、塀の上へと立つ)
まあ、急くな・・・・別に今すぐ殺すなんて、誰も言っていないだろう?
そんなの、俺も面白くないし、なあ?
できるかできないか、私のエネルギーを浴びてから同じことを言ってごらんなさい!
(怒りが今までにないほどの力を発し)
(その怒りがすべての判断を誤らせた)
あぐぅ…っ
(首を絞められ、目の前がかすんだ)
(とっさに片手分を目標も定めずに放電する)
(至近で落雷の轟音がして、破砕音が響き渡ったが、どこに落雷したのか確認できなかった)
ぐっ、げほっ、げほ……
(男が飛び去った次の瞬間には跳ね起きて反転し、膝を突く)
(首をさすりながら咳き込み、涙目で樹上を見上げる)
わ…たし…は…今すぐ、殺してやるっ…
(強がったが、放出したエネルギーが強すぎて、すぐには充電できなかった)
・・・・・ハ
全く、とんだ暴れ者だ
周囲への被害を考えろよ。異形じゃあるまいし
(刀を再び右手に持ち替え、伊織 津綺子に刃先を向ける)
(右手を飛ばせば、即座にその身体を打ち抜ける方向だ)
ククク・・・・・そうか、そんなに兄が大切だったか?
成る程確かに、お前の気持ちはよく分かる。
大切な者を奪った者を殺したいと思う気持ち、痛いほどよく分かるぞ?
・・・・しかしだな、伊織。だからと言って今の自分を疎かにする姿勢は誉められん
殺す価値がない。分かるか?
(刀の向きは動かさず、道路に再び着地する)
(軽く顎を上に、侮蔑の様子を隠しもしない)
殺す、殺すと喚くだけならガキでもできる
むしろ最近は誰でも言うな?殺す、殺す、殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す、と。莫迦の一つ覚えのように
・・・だが、現実問題。お前に俺を殺せるか?
(言って、悠々と歩き始める)
(身を守るでもなく、ただ刀の切っ先を向け、近づく)
(妙な動きをすれば、即座に肩の一つでも貫いてやる心算だ)
そう、人を殺したことはあるか?
まさか人一人殺した経験もなく、仇を討てるなど思ってはいまいな?
・・・憤怒の感情は今のお前のように心を揺るがす
揺れる心で討てるほど、お前の兄の仇は弱くないぞ?
…黙れ……
(刀を向けられ、咳が止まった)
(なぜか恐怖よりも怒りよりも、憤りが全身を支配していた)
(理不尽な暴力への憤り、理不尽な運命への憤りが、誇りを取り戻させている)
…黙れ。
(すい、と立ち、頭上を見上げる)
(長広舌をふるいながら仮面の男が飛び降りるのを)
(微動だにせず目で追う)
(男が近づいてくる)
(目を閉じ、ぎゅっと顔をゆがめて)
黙れええええぇぇっっ!
(立ち尽くしたまま、全身にプラズマが閃いたかと思うと、仮面の男に向かって稲妻が走った)
・・・・はは
(嗤う)
(肩を竦め、やれやれ、仕方ないな、と)
一つ良い事を教えてやろう
・・・今俺が持っているこれは、お前の兄の遺物だが
(身を屈め、こちらをじっと見つめ)
(憎悪にその目を滾らせて、両手に電光を漲らせて)
(少女らしからぬ表情を眺め)
(・・・・勝ち誇る、ように)
・・・お前を穿つ牙でもある
(走る稲妻に向け、右手を、右手に掴んだその刀を、諸共に放った)
(刀は稲妻に触れるや否や、その刀身に電撃を吸い)
(それを留めたまま勢いを殺さず、飛ぶ、飛ぶ)
(そしてそれは、伊織 津綺子の顔面横僅か2cmを通り過ぎ、地面に突き刺さった)
(ばちりと音がして、歩道が焦げる)
・・・・・クク
なるほど、威勢が良いじゃないか。今のを受けていたら流石の俺も意識くらいは失っていたかな
(嘘や冗談ではない、本心だ)
(今まで幾多の電気系能力者を殺してきた紫にとっても、伊織 津綺子の火力は驚異的に思えた)
(だが、火力だけだ。伊織 津綺子は、弱い)
(再び右手を巻き上げる。勢いよく、伊織のすぐ横を閃く刃が飛んだ)
・・・・・さてさて、伊織
ご自慢の爆発的電力も、お前の兄さんによって打ち消された訳だが
(伊織の目の前で歩みを止める)
・・・・どうする?
まだまだ無駄な抵抗を止められないかね、愚かにして元凶たる妹君
(どおん、と地鳴りがするような音がして、刃が帯電する)
(そのままわずかにこちらの体を掠めて、青白いプラズマをまとい、地に着き刺さる)
はぁ……はぁ……
(肩で息をつきながら、求めてきたことの答えが、ほぼ明らかになったのを感じる)
あなたは……最初から私を殺すつもりだったのね?
兄は巻き添えになった…でなければ…私の、代わりになった……
(兄が死んだとき、自分は中学に入学したばかりだった)
(古くからある名門女子校だったが、高校は兄と同じところへ行こうと、そのとき決意した)
(兄の死の真相を知りたい、兄がしていた二重生活の一端を明らかにしたいと)
ちょうどそのころ、私の能力は飛躍的に増大した。
そのことと関係があるのね。
(仮面の男から自分が奪ったものとはなんだろう?と津綺子は考える)
私の発電量が増したのは、あなたの電力を奪っているから…なんていうことじゃないのを祈るわ。
無駄な抵抗かどうか…試してみないとわからないこともあるわよ。
さっきから言ってるでしょう?
(もう一度ぐらいは電撃できそうだ)
(仮面の男からすべてを聞き出したいとは思ったが、脅迫も晦渋も得意ではなった)
(祈るような思いで脳裏に恋人を思い描き、ありったけのエネルギーを指先に集中させていく)
抵抗をやめてほしかったら本当のことをおっしゃいよ。
あなたはなぜ、私を殺そうとするの?
ああ・・・そうだな
(思い出す、三年前。まだ自分が無軌道で、負けの痛みを知らなかった頃だ)
・・・・そうだ。人違いだ
彼は正しく清廉潔白、清く正しい異形狩りだっただろうな
ただ少し、運がなかったというもの
・・・・・さて、お前の能力増大の事は知らん
(言葉と同じく、知ったことか、とぶっきらぼうに肩を竦める)
その頃、初潮でも迎えたか?
性徴と共に能力が成長する事もままある・・・おっと、ギャグじゃないぞ
クク
(若干、嘲るような色を含んで、笑う)
無駄、無駄、無駄。無駄だ。お前が正面から来るばかりでは、お前の電撃は届かんさ
さっきから言ってるだろう?
(口調を真似て同じような言葉を返し)
別に抵抗を止めて欲しい訳じゃない
いや、むしろ精一杯抵抗しろ。そうでないと、意味がない
・・・殺す理由か
(ぴたり、表情を仮面の下で無にした)
・・・・・単純明快
電撃の異能は、存在するだけで俺の存在を脅かすからだ
分かるか、生まれながらにして能力に恵まれた女
天才は努力を容易く追い越す。努力の価値を脅かす
・・だから努力は、天才を潰さねばならない
(――だが、それも)
(過去に積み上げてきた既成事実の上での理屈に過ぎない、のだが)
・・・・さて、とりあえず色々話ができて楽しかったぞ、伊織
これでもお前には恋い焦がれていた
(そして、スッと刃を伊織 津綺子の白い首筋に当て)
・・・倒れろ
(電流を流す。出力は、気を失う程度)
(念を入れて、伊織自身の電撃耐性も見ておくべきだろう、と判断した)
そうね、兄は心正しく、志は高く清く……強い異形狩りだったはず。
(実際のところ、陽太郎が異形を狩っていたのかどうか、確実なことは知らない)
(ただ、あの死に様と家から刀剣が一本失われていたことを考え合わせるに)
(状況証拠は限りなくそろったと言っていい)
けれど、妖魔の何たるかを知らなかった。
運がなかったんじゃない、無知だったのよ。
何も知らないのにどんどん夜の世界にのめりこんでいって…
(涙が流れていたことに、そのとき気づいた)
(気づいたことはもう一つ…陽太郎は、するべきことをして殺されたのではない)
(無謀な傾倒の挙句に、自滅したのだ)
恵まれた?! 能力に恵まれた、ですって?!
くれてやれるものなら、こんな力、みんなあなたにくれてやるわ!
普通の人間でいられるなら、なんでもする!
断言してもいい、私を殺したってあなたが唯一絶対の存在になれるわけじゃない。
今もこの世のどこかで、電撃体質の子が生まれているわ。
私が生まれたように。
今も、これからも、あなたは存在を脅かされ続けるのよ!
……っ!
(首筋に鋭い痛み……そして全身に駆け巡る苦痛)
っ…ぁぁぁあああっ!!
(がくがく、と壊れた人形のようにその場にくず折れ、全身を痙攣させた)
(首筋から全身に火花が走り抜ける)
う……あぁ…あ……
・・・フン
(もし紫が臨戦体勢でなければ、唾の一つでも吐いていただろう)
勝手に感傷に浸るな
気色悪い
・・・・・ッッ!!
(伊織の言葉に、目を剥いた)
(電流の流れを若干変えてやり、気絶できず、全身を痛め付けるようにしてやり)
(更に僅かに刃を首筋に滑らせる。薄らと赤い線が走り、血が滲み、垂れる)
は、はは!
はははハハハハ!!
(倒れかけた伊織を前に刀を放り捨て)
(空いた右手で顎を掴み、引きずるように立ち上がらせる)
(無表情の仮面で激昂を押隠し、再び間近に顔を迫らせた)
それこそが!それこそが恵まれし者の傲慢だぞ伊織ィッ!
貴様にその能がなければ、アレと肩を並べる事もなかったはずだ!
それにすら気付けないか、グズがッ!!
それだけではない!
(紫の激昂は終わらない。紫は許せない)
(切望した物を持ちながらそれを不要と言い放った、伊織が)
貴様はその異能がなければ何もできないただの小娘だった!
やもすれば異形に食われ!犯され!尊厳を余す所なく蹂躙され!
挙げ句物言えぬ肉塊と化すしかなかったかもしれない貴様が!!
言うに事欠き、異能を不要だと!?
(顎を掴んだ手を首に滑らせ、ぎりぎりと絞め上げながらその身体を持ち上げる)
自惚れるなよ、異能を持っただけの、女が!
異能を持たず、力を持たない者などクズに等しいッ!!
(言い放ち、伊織を再び地面に放り投げる)
ああ、そうだ、そうだとも!
(刀を取って再び伊織に馬乗りになり、先程の切り傷に刃を当てる)
(先程と違うのは、その刃が小さく怒りに震えている所か)
お前を殺し、まだ足りねばまた殺す!
殺す!殺す!殺す殺す殺す!
俺が地上に唯一になるまで、俺は殺し続ける、あぁっ!!
(息を荒げ、声を枯らし)
(心の底からの怒り――いや、そう言った感情を抜きにした絶叫を続けた)
(少し経ち、息も刀も落ち着かせ)
・・・だが、だがな、伊織
お前を殺す理由は、それだけじゃない
お前をすぐに殺さない理由も、ある