舞台はとある学園、人ならぬ『力』を得た少年少女たちの物語である。
彼らはその力の存在に惑い悩みつつも、同じような『力』を持つものたちと、時には敵として、
時には味方として対峙しながら 力を合わせて様々な奇怪な事件に挑み、その闇を暴いていく。
【ルール】
・煽り、荒らしは華麗にスルー。
・民間人やその他能力を持たないキャラハンの参加も可能です。
・スレの性質上、強姦や特殊プレイも可ですが、きちんと相手の了承を得ましょう。
・いくら戦闘モノだからとはいえ、険悪な展開はやめましょう。(相手の了承なく妖魔を殺害など)
・最強設定は勘弁してくださいお願いします。
・能力は使い魔、サーヴァント、念、核金、魔術、法術、変身など基本的になんでもありです。(強力すぎなければ)
・名無しさんは一般生徒、怪物で襲ったりなどがいいかもしれません。
・本校は幼等部から高等部まで有しており、留学生との交流も盛んです。
テンプレ
【名前】(読みも)
【年齢】
【性別】
【身長】
【3サイズ】
【容貌】
【能力】
【希望】
【NG】
【弱点】
【備考】
前スレ 【異能】黄昏の学園 2【異端】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1206981977/l50 避難所 【異能】黄昏の学園避難所【異端】その2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5556/1210422658/l100
【名前】真賀樹 漸 (まがき ぜん)
【年齢】 17歳
【性別】 男
【身長】 175cm 65s
【容貌】銀縁眼鏡(伊達) 短い髪(白) 華奢な体型
詰襟の学生服。冬場は蒼いロングコートを着用している。
探索時には暗視ゴーグルやリュックサックを装備する。
【能力】 特殊武器の使用
■傀儡糸(攻撃・探索用)
ミクロンサイズの糸。頑丈で切れ難く、人間の身体なら簡単に切れる 鋭さも有している。
部屋の内部の調査などにも使える。 高熱・火に弱く、燃え易いのが弱点。
■小型フィールド発生装置(防御用)
身体の周囲に電磁場を発生させる装置。個人レベルで携帯できる武器はまず通用しない。
連続持続時間が短く、スイッチを入れないと作動しない。使用時間30分以上を超えるとバッテリー
が切れて充電しないといけないなどの欠点も抱える。
■E・グローブ(攻撃・捕獲用)
一見頑丈そうな手袋。人体から発生するエナジーを充填・増幅し電気に変換できる。
締め具合・緩め具合で出力を調節できる。最大出力で大型動物なら一撃で昏倒させられる。
充填時間が最低でも30分必要。 一度の充填で最大出力で六発までしか放てないなどの欠点も抱える。
■銃器の使用(戦闘補助)
【希望】 戦闘・雑談・強姦・和姦
【NG】 排泄・グロ・薔薇行為・死亡など
【弱点】肉体的には少し鍛えた程度の生身の人間
【備考】
世界各地に散らばる超古代文明の痕跡を辿り、その有り得ない超技術を独占している集団の に所属している
トレジャー・ハンター。その集団は得た「遺物」の技術を転用し、武器・兵器として転用している。
彼自身は「糸」と「見えない盾」、「E・グローブ」を所持し、それらを使って探索・戦闘する。
今回はこの土地のある遺物の捜索のためにこの学園に転校してきた。普段は大人しく教室の片隅で
読書をしているので、あまり存在感はない。表面を取り繕う程度の演技はできるが、根は冷淡で鬼畜。
目的の為なら誰を犠牲にしようと厭わない。尚、「オカルト的なモノ」に対して根深い憎悪があり、異能者は
基本的に嫌い。だが、目的の為ならそれすら利用する柔軟性も持つ。長年の「相棒」に掛けられた呪いを
解く秘宝を探し出すのが、彼にとっての最優先事項である。
【前スレの容量が480KB超えそうなのでスレ立てしてみたよ】
【ではロールに戻るとするよ】
スレ立てありがとうございます。
このスレでもよろしくお願いします。
【名前】伊織津綺子(いおり つきこ)
【年齢】17
【性別】女
【身長】167センチ
【3サイズ】85−57−83
【容貌】ショートカット、目もと涼しげなアジアンビューティ
背が高めで、きりりとした雰囲気
【能力】電気を起こし、放つことができる。
稲妻を起こして攻撃するほかに、微弱な電流で治療行為なども可能。
【希望】NG以外ならなんでも。言葉責め歓迎。強姦のプレイ内容については要相談
【NG】濃い百合、スカ、グロ、妊娠 後に影響が残るほどの怪我
【弱点】放出する電力量に比例して、体力の消耗がある。
自然現象の雷と同じぐらいの電力放出で、10分程度気絶することも。
【備考】高等部所属。陸上部のエース。
クールに見えるが、恥ずかしがりなだけ。育ちはいいが謙虚で努力家。
家は由緒ある武門の家柄だが、本人は特に武道をたしなんでいるわけではない。
厳しくしつけられたので、少し頭が固いところもある。
妖魔に殺された兄の死に責任を感じている部分があり、その原因を突き止めたいと思っている。
>>1スレ立てお疲れ様です。
【名前】宝樹仍未(たからぎ・よみ)
【年齢】17
【性別】女
【身長】165cm
【容貌】おっとりとした表情とキャラメル色のウェーブロングヘア 全体的にスレンダーな体型で、落ち着いている印象
【能力】指輪(※備考参照)の力で右手を妖刀に変える。
指輪は妖魔の血を好んでいるため、人にばれぬよう夜中に魔物狩りに彷徨いている。
指輪の能力は妖魔の存在を感じると発動し、使用中は度が過ぎると
意識を半分のっとられ、やや狂った性格になる。
【NG】妊娠,切断,大スカ,死亡
【弱点】防御力に欠ける,戦闘となると理性が上手く働かずに隙が増えることがある
【備考】
高等部三年にして生徒会副会長。
中等部の頃に学園の裏山で拾った古い指輪と共生・・・というより呪われており、右手薬指から外れない。
呪いを解く方法を探しているが、なかなか見つからない。
※絵師さんに描いて頂きました→
ttp://www.100gazou.com/sinzou/bbs.cgi?check_img=295&type=jpg 【希望】戦闘or共闘,エロール,雑談ロール(NGでなければOKです)
【前スレに戻りますねえノシ】
おっと口が滑った。
ついでにこっちも滑っちゃったぁ!
(宛がっていた触手が、ズルリと津綺子の膣内に入り込む)
(少し力を込めて処女膜を貫いて、ニチャニチャと奥まで挿入させる)
うはっ、すごい締まるよぅ!
が、我慢が…でき…うふっ!
(触手が津綺子の胎内で射精を開始する)
(無慈悲なまでに大量の精液がとめどなく…)
うひゃひゃ〜!
射精しちゃっぞぅ!
ボキは元人間だから妊娠しちゃうかも〜!
これ、5分くらい止まらないからねぇ!
(ついでに手足に絡み付いていた射精の先端もペニス状に変え、津綺子の全身に白濁を発射する)
(スリットを上下していた触手が、ぴっちりと閉じた花弁を押し広げた)
い、いやあぁぁっ!
(津綺子は全身をこわばらせて悲鳴を上げる)
(ズルリ、と膣口に触手の先端が押し込まれる)
やめてぇえっ! 入れないでっ、お願いっ!
(触手が分泌する粘液が挿入を助け、津綺子の内膜をめりめりと引き剥がしながら押し入ってくる)
……っ……うっ!
(ざりっ、とすさまじい痛みとともに、純潔の証が傷つけられた感触があった)
(ぎゅっと閉じた目から涙があふれだす)
いや……抜いて……早く抜いてよっ……!
(切れ切れの声で、それでも絶え入るような抵抗を試みた)
(触手は津綺子の最奥に達し、子宮口をこじ開けると射精し始める)
やめて、出さないで、出しちゃだめえっ!
(胎内に熱い射出を感じ、それを少しでも抜き去ろうと体をよじる)
(四肢に絡みついていた触手が、それぞれの先端から同じ体液を噴き出し始めた)
な、なに……!
(青臭い化け物の精液に、津綺子の全身が汚されていく)
(股間からも胎内に収まりきらない精液が、津綺子の血とともにあふれだしてきた
はふぅ、射精が止まらない〜!
(異形は満足そうに全ての触手から射精し続ける)
(だがそれに反比例して次第に異形の体が小さくなっていく)
あ、あれれ?
体が、ボキの体が縮んでいく〜!
(触手も小さくなり津綺子を掴む力は弱まって不本意にも開放してしまう)
な、何故だ!?
あの魔術士の奴、ボキを騙したな!!
ダメダメだぁ、意識が…消え…。
(異形はさらに縮まり、触手も失い、普通のナメクジになってしまった)
【こちらはこれで閉めます】
【時間オーバーですいませんでした】
(どれほど長い間、化け物の体液を浴びていただろうか)
(ふと、手足を拘束する力が弱まってきたのを感じた)
くっ…こ、この……っ!
(意志の力でもう一度触手をふりほどこうと、手足をばたつかせる)
(抵抗するまでもなく拘束が解け、化け物がどんどん縮んでいった)
魔術士ってなんなの!
いったい、誰がこんなことをっ…
(力の入りきらない体で化け物をにらみつけるが、化け物はもう見えないほど小さくなってしまった)
(汚物にまみれて濡れた床に横たわる)
いつか、こんなことになると思ってたわ……
いったい何が起こっているの、この学校に……
魔術士って、誰……
(のろのろと体を起こし、呆然とシャワールームを見回す)
(もう、この先ここへ一人で来ることは絶対できないだろうと思いながら)
【最後は急がせてしまったようで申し訳ありません】
【今日はお相手ありがとうございました】
【終始リードしていただき、楽しくロールできました】
【これに懲りずに、また声をかけてやってくださいませ】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
10 :
議論告知:2008/05/19(月) 17:08:49 ID:6Lph25fa
【名前】裏宮 空吾 (うらみや くうご)
【年齢】18歳 高校三年
【性別】 男
【身長】 185cm
【容貌】 ドレッドヘア・筋肉質な体格・サングラス
制服の前を開けて、Tシャツを見せている。
【能力】
・空間に関する法術
衝撃破などによる攻撃、空間断裂による防御、空間転移など用途は
多岐に渡るが、一度に二つの事は同時にできないという欠点も抱える。
【希望】ノーマル・和姦・責めなど
【NG】 猟奇・切断・薔薇・汚物など
【弱点】体力・肉体的防御力の低さ
【備考】
一見体格の良いレゲエな男に見えるが、空間を操る空法師の末裔。その特殊な能力は
血筋に起因する。「空」を操る者の心得として、常に中庸である事を叩きこまれている。
本人としては平穏な学生としての生活を愛している為、それを守る為に最近の騒動の調査
とその根源の根絶を目的として動いている。ちなみに「空」の力を操る為大量の生命力を法力
に変換しているので、見掛けより打たれ弱いという必然的な弱点を抱えている。
逆説的に言えば、大量の生命力を貯蓄する為に強靭な肉体が必要とも言える。
【プロフ投下落ち】
【トリップを変更いたします】
【これからはこのトリップでよろしくお願いします】
初めましてー。
早速だけど、自己紹介させてもらいますね?
【名前】御崎 藍華(みさき らんか)
【年齢】15
【性別】女
【身長】158
【3サイズ】81/53/78
【容貌】肩にかかるまでくらいの下ろした黒髪と藍色の瞳
柔和な顔つきで、何処かのんびりとした雰囲気を漂わせている
【能力】刀剣類への特殊な力の賦与『恵光の波動』
火水風地の四大属性の力を始め、切れ味の強化や硬質化など一定の変化をもたらす事が出来る
属性の力を賦与する場合、それぞれに対応した元々の根源が必要となる
自身が用いる武器だけでなく、他者の武器へも力を賦与する事が可能
刀剣の扱いに関しては、代々生家に伝わる瞬華皇剣流を学んだ事もあってかそれなりの経験を持つ
『恵光の波動』は御崎家の女性が受け継ぐ一子相伝の秘法、今代で藍華の前に男子の出生が続いたため継承が危ぶまれていた
【希望】特になし
【NG】スカ、グロ、猟奇など
【弱点】日頃の鍛錬があるものの未だ脆弱な所がある身体的防御面、首筋に触れられると弱い
【備考】中等部の三年生、所属する部はなし
普段は、取り立てて変わった様子のないごく普通の学生生活を送っている
幼い頃から妖魔や生家の敵対者からその力を狙われ続け、剣術含め身を護る術を得て襲い来る者達と対峙している
カムイ転生早っw
【私は転生なんかしてないよ?】
【そんなわけでちょっとだけ待機してみるね♪】
17 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:52:12 ID:EDvHFrab
IPつなぎなおしてまで自演ごくろうさんw
避難所に男が来てたからガッツいてんだろうが、もう帰ったよ。
羽瀬川=水瀬=カムイさん
【プロフだけ投下、一般人もありだったよね。】
【名前】山本翔子(やまもと しょうこ)
【年齢】14 (中等部二年生)
【性別】女
【身長】156
【3サイズ】 80.59.81
【容貌】 普通の女の子 髪型はポニーテール
普通に可愛らしいが美少女というわけではない。
【能力】 無し(一般人)
【希望】 雑談、純愛、強引、怪異の陵辱
【NG】 残虐、死亡
【弱点】 普通の人間の為 怪異等にはまるで歯が立たない。
【備考】どこにでもいる普通の少女。
その為学園の怪異にはまったく気がついていない。
【おやすみ〜ノシ】
個性皆無ワロタw
人が待機してるところへ割り込みってどうなの
カムイは断りもなしに落ちたよ。
相変わらず勝手落ち常習犯だ。
キャラサロへ帰れよ糞が。
【名前】 郡 太一朗 (こおり たいちろう)
【年齢】 16歳
【性別】 男
【身長】 168センチ
【容貌】 はねっけのある癖の強い髪型。少々垂れ目。
髪・瞳とも黒。中肉中背。青と黒のチェック柄のバンダナを額に巻いている。
【能力】 無呼吸の瞬き −ゼロ・ブレス−
集中力を高めて、感覚を鋭敏に研ぎ澄ませる。
そのことにより、相手の攻撃を見極めたり、(他者から見れば)高速の連撃を与える。
発動している間は過度の集中のため、無呼吸になる。制限時間は3〜5秒ほど。
【希望】 基本的には何でも。
【NG】 ウホッ
【弱点】 能力発動時は無呼吸になるため、酸素濃度の低い場所では制限時間が縮まったり、
あるいは、能力自体が発動できなかったりする。
また、能力発動後は酸素を取り込むため、隙が大きくなる。
【備考】 高等部所属。家族構成は父・母・姉の四人暮らし。部活動は無所属、委員会は見た目に寄らず図書委員。
性格はテンプレ的な正義漢。ただし、バカで女には弱い。
特に武術には興味がないのだが、ある日【能力】を得たと同時に
街に異変が起きつつあることを知り、独学なりに学ぶことにした。
今のところ、得物は家の倉庫から見つけた特製のサバイバルナイフ。
特製と言っても、やたらと頑丈なだけ。で、破魔能力もなければ、殺傷能力もそれなりにしかない。
数学が大の苦手。
>>1スレ立てお疲れ様。
折角だから待機もしてみるぜ? …まぁ、こんな時間だから人が来るかどうかは心配だけど。
【やっぱ、この時間帯は難しいかー、撤退撤退】
>御崎らんか
須佐乃水琴とほとんど設定が一緒なんですけど
初待機だぜ。女の子の待機を期待してたなら、悪い、勘弁してくれ。
だがそこは寛大な心で許してもらいてぇ。そんでもって、変な意味じゃなくて
俺に興味があったり暇だったりするなら気軽に声かけてくれよ。
プロフは
>>11を参考にしてくれよな。
【名前】御法川醍醐(みのりかわ だいご)
【年齢】 18 高等部三年
【性別】 男
【身長】 178センチ 75キロ
【3サイズ】 いらなくない?
【容貌】 短髪を軽く茶髪にしているほかは、一見品行方正。
常に服装には気を使い、誰の目から見てもビシッと決まって見える。
決まりすぎていてかえって怪しく見えることも。
【能力】召喚士。呼び出す能力は超一流だが使役する能力がいま一つ。
最近学園を騒がしている魔物の何割かは実はこいつのせいw
【希望】日常ロール、戦闘、エロール
【NG】後遺症が残るような怪我、死亡、スカ系プレイ
【弱点】呼び出す能力は超一流だが従わせる能力がイマイチ。
召喚には呪文と印が必要な為、口や手を封じられると召喚できなくなる。
敵が女だと、よほどひどい目に合わない限り反撃しない。
【備考】生徒会長。ケンカっ早いが親分肌で人望はある。
すべての女性は皆美しいと本気で思っているので、
生徒だろうが教師だろうが女に対しては挨拶代わりにくどき文句。
口が上手いので相手を言いくるめるのは得意だが、
軽いという評判も広まっているのでナンパの成功率が高いとは言えない。
>>26 よう、俺で良かったら遊ばねえか?
女の子がいいなら退くが。
俺の方は構わねえけどな。
そっちがいいなら遊ぼうぜ。
で、どうするかな。三年同士で術師同士だから、
個人的な面識があっても不思議じゃないが。
それとも無難に初対面って事にしておくかよ?
普通、3年間も同じ学校に通ってりゃ、名前と顔ぐらいは互いに知ってるだろ。
俺が召喚士だってことをお前さんに知られてるのは構わねえが、
そっちの設定としちゃどうなのよ?
そういう技は隠しとくもんじゃねえの?
まあ、普通は隠しておくんだろうが、生業からすっと戦いの場で
出会っててもおかしくねえかなと思ってさ。あんたが相手なら
知られても、そのまま普通に過ごしてそうだな、俺。
それじゃ、互いに面識はあるが能力については知らなかった、ってことでどうだ?
シチュは共闘でも日常ロールでも。
んじゃあ、軽く共闘って事にしておくかい?
俺は騒動の調査の一環で夜の街を徘徊してるけど、
そっちも似たような理由で出歩いてて、それで遭遇ってのは?
それでいこうか。
合わせていくから書き出し頼むぜ。
(街外れの林道を走る。リズミカルに疾走する。体力作りのモットーに従い)
(今日もドレッドヘアを揺らして走る。けど、今日はほんの少しだけ理由が違う)
えっと、この辺だったか。何処ぞの鬼の首塚は。
(最近、この街の様子がおかしい。生まれ育った街だから、という理由だけでは)
(ないが、此処最近、それを感じている。それは明確な数値として計れるものではなく)
(人間の生存本能に起因する感覚が感じ取っている、災厄の前触れのようなものか)
ふぅ、勘弁してくれよな。
俺は平和ってニ文字が大好きなんだぜ?
(ぼやきつつ、鬼の首塚へと向かう。もし明確な何かが起こっているなら、街の各所に封印)
(された物の化が復活しているかも知れないと思ったからだ。何もないならそれに越した事はない)
【こんな感じでよろしく頼むぜ】
(予備校の帰り、街外れの林道を一人で登っていく)
(今日は木の精霊でも呼び出してやろうかと思いながら)
(少し開けたところから、街と学校を見下ろした)
なあ、何が起こってるんだ? この街に。
(思わず独り言が口をついて出る。年寄りか俺は)
ん……?
(少し上の方から、何かがいる気配がした)
(野犬でもいるのかと、薄暗い宵闇の中、目を凝らして斜面を見上げる)
【こっちもこんな感じでよろしく】
(六百年ほど昔、ここらで暴れていた鬼がいた。それを退治した侍がいた)
(刎ねられた首は、ここに葬られた。その伝承は、地元では割合有名だった)
ふふーん、コイツは困ったねぇ。
(サングラス越しには何も見えない。だが、空間を操る術師という血統であるが故)
(見えなくても感じ取れる。遠くにいる誰かの存在を。人が一人。その上方にもう一人)
(或いは一匹というべきか。件の鬼か、或いは近年よく見かける化生の類か)
―――天狗抜け。
(誰も巻き込まないと決めた時、彼は空間を渡っていた)
(空間を捻じ曲げ、物理的距離を超越して、その妖気の近くに出現していた)
(そこにいたのは・・・・・・・・ビンゴ。倒壊した石碑から抜け出した黒い鬼が、いた)
(血生臭い空気。咀嚼する音。喰われているのはこの神社の神主か)
ちょっと、不味いかな。
けど、やるしかねえか・・・・・・・・・
(彼は背中に流れる冷や汗を感じつつも、戦闘態勢に移行する)
(この林道の上の方には、ちょっとした神社があって、首塚だのと呼ばれている古い石碑がある)
(何で首塚なのか知ったこっちゃねえが、いずれなにか由来があるんだろう)
……で、そこになんかいるかも知れねえと来たら、
見に行きたくなるのが人情ってもんじゃねえか。
(俺はまた独り言をぶつぶついいながら曲がりくねる林道をショートカットして、斜面を駆け上がった)
(藪があって、ちょっと手間取っちまったが)
…血…の臭い、か?
(境内に踏み込んだとたん、むっとする臭いと「何か」が動いているのが見えた)
(男のものらしいシルエットが一人)
(そして、おそらく人ではない何かのシルエットが一つ)
おい、お取り込み中か?
(俺はとりあえず人間の男に見える人影に声をかけた)
(緊迫した時間が流れる。もっとも緊迫しているのはこっちの方で)
(鬼の方は、新らしい餌が来た、と程度にしか思っていないらしい)
食欲旺盛だな。てか、なんで身体が戻ってんだよ。
首塚じゃなかったのかよ?しかも俺を喰う気満々と来たもんだ。
ジーザス。俺はゲイに偏見は持ってないけど、物理的に食われるのは、
流石に――のーせんきゅー・・・・・・・――だっぜっ?
(境内に入り込んだ誰かが声を掛けた時。それは戦闘開始の合図となった)
(鬼が突進して来た。彼は再び空間を渡り、鬼の背面に回り込む)
空烈!
(叫び声と共に、手が空を薙ぐ)
(空間が裂け、副次的に生じた鎌鼬が鬼の背を切り刻む)
(だが、鬼の頑丈な皮膚は、軽く裂けただけ留まった)
・・・・・・おぅ、大して効いてねえや。尻捲くって逃げた方がよかったかもな。
(だが。誰かが来た以上そうするわけにもいかない。逃げれば次の餌はその人だ)
(そして鬼が吠える。大気が震撼し、一瞬怯む。それを目掛けて弾丸のように突っ込む鬼)
(俺が声をかけた瞬間、人じゃない方が立ちあがった)
……でかい……鬼、か?
(俺が間抜けなことを言ってる間に、鬼はもう一人に突進していった)
おいっ、逃げろ!
(俺が言うまでもなく、そいつは「逃げた」……突然その場から消え、鬼の背後に現れる)
(そこで俺にもそいつの顔が見えた)
お前……裏宮か!?
(同じ学校の同級生、ラテン系のノリがいい裏宮空吾だ)
なにやってんだ、こんなとこで!
(お互い様ってやつだ)
(とりあえず、ダチがピンチなら手を貸すのが男の仁義ってもんだ)
(俺は神社の御神木に駆け寄り、幹に指で印を描いて呪文を唱えた)
聖なる力を宿せし樹精よ、あなたの眷属を呼ぶ力を与えたまえ。
樹木の精霊よ、ここなる聖木を拠り所として、我の元に来たれ。
ドリュアデス!
(呼吸を整えて木の幹に手を押し当てる)
(いきなり何本もの枝が生え、動物のようにくねりながら鬼に向かっていった)
(俺の目には少女のような樹木のニンフが、木の枝を鬼にからめていくのが見える)
裏宮っ、どいてろ!
(俺の呼びかけがあいつに聞こえたかどうか)
会長さんかよ!
どうしたこんな時間に!またナンパか?
(我が学園きっての変わり者にして生徒会長・御法川醍醐)
(全ての女性は美しいと広言している、なかなかのナイスガイなのだが)
(今、この状況に置いては何の意味も成さないプロフィールだった)
(しかし――こんな返事を返せるのは、何処からか伸びた枝が触手のように)
(鬼の身体を絡め取っているからで・・・・・・・これは精霊魔術というものか)
オッケー。流石は我が高校のトップスターだ。
けど、ここは俺に任せてくれよな。
(体力と精神力の消耗を、軽口を叩くことで誤魔化す)
(両手の掌を合わせて、真言を唱える。これは精神集中の為の儀式である)
反転!
(一部限定で、重力場を反転させる。鬼の身体がふわりと高く舞い上がった)
(触手ごと宙に浮き、高く高く――上空100メートルの地点で術式を閉じる)
(落下する鬼の身体。鬼は絶叫しつつ一気に落ちてくる)
止めは任せていいかい、会長さんよ?
(落下地点を予測し、そこから離れて声をかける)
お前をナンパはしねえから安心しろ!
どいてないと、怪我する……
(警告しようとした俺の目の前で、裏宮がお経?を唱え始めた)
裏宮、お前……
(俺は顔色が変っていたはずだ)
(背筋をいやな汗が伝い落ちる)
(俺がただの同級生だと思っていた男は……)
坊さんだったのか?!
坊主が神社で何やってんだ。
坊主がいるのは寺だろう!
(指を突き付けて間違いを糺してやったが聞いちゃいねえ)
(いきなり鬼の体が途方もない高さに舞い上がる)
(と、空の高いところから鬼の悲鳴が聞こえ、どんどん近付いてきた)
(つまり、鬼が落ちてくる)
任せるって、いきなり人に振るなよ!
……ドリュアデス、汝の最も鋭い切っ先をもて待ち受けよ!
(鬼の落下地点と思しき地面を破って巨大なとげがブスブスと生える)
(鬼が落ちてきた)
(俺は目をつぶって顔をそむける)
…っ
(ぎゃあああっ、と人間離れした叫びをあげて鬼が棘の上にまともに落ちた)
(さすがにまともに見る気はしねえ)
ドリュアデス、ごくろうさん、帰っていいぜ。
ああ、実は俺・・・・・・
って、そんなわけねーってよ。
(割合あっさりと流す。他に突っ込むべき点はあるだろうに)
(そこだけ注目されても、何というのか、困る。リアクションに困る)
おお、ジーザス・・・・・・・
(生徒会長の呼び掛けに応じ、地面から巨大な刺が生える)
(その出現地点は丁度、鬼の落下地点だった。当然の帰結として・・・・・・)
(鬼の絶叫が響き渡る。顔を背ける会長。だが彼はそのシーンを網膜に焼きつけた)
(自分でやったことの結末は、ちゃんと見届けるべきだと思ったからだ)
――終わったかよ・・・・・・・よぉ、会長さん。
お疲れ様。なんつーか・・・・・・ま、こういう事もあるわな。
(この結末の事を言っているのか、それとも自分たちの事を言っているのか)
(果たしてどちらなのか、自分でもよくわからなかった。鬼の屍に近づく。それはブスブスと)
(煙をあげて、塵へと還ってゆく。残ったのは、異様な形をした鬼の頭蓋骨だけだった)
(ドリュアデスを追儺し、俺はなるべく鬼の方を見ないようにしながら裏宮に近づいた)
(鬼の方は、見る間に煙になって消え、後には頭がい骨らしきものが残る)
ふん、最期はきれいなもんだ。
お前もお疲れさん。
どうやらとんでもねえ奴じゃねえか、お前。
突然消えたり現れたりすんのは、特異体質かなんかなのか?
(体質じゃねえだろ、と心の中で自分に突っ込んでおく)
ここで何やってたんだ。
あの鬼は、お前が呼び出したのか?
(召喚されたものじゃないのは見当がついたが、かといって他に適当な言葉が見つからねえ)
(裏宮自身が人間じゃねえって可能性もある)
(その鬼の頭蓋骨を手に取って、どうしたものかと思案する)
(また同じことの無いように、きっちりと処分するべきなのだろうが)
詳しい事は企業秘密だ。
ま、会長さんが魔物使いだとは、俺も知らなかったがな。
(別段企業でもなんでもないが、彼をまともに相手にすると疲れる気が)
(するので適当に流しておくことに決定した。適当にもほどがある)
あん?ちっと世の為人の為、そして主に俺の平和の為、地道な調査活動をだな。
(お前が呼び出したのかと問われ、怪訝そうな表情を浮かべる)
おいおい、勘弁してくれよ。俺には会長さんみたいな芸当はできないぜ。
こいつは元々あそこの塚に埋められてたんだ。
そんで、気になって調べに来たんだが、一足遅かったようだ。
(サングラスを外し、倒壊した石碑と食い散らかされた神主を見て、やるせなさそうに言う)
会長も御同業なら気付いてるんだろ?最近、この街が妙に騒がしいって事をよ。
元々、この街はこういう事が昔からあったけどよ、ここ最近は特にそうだ。
俺は正義の味方でも兵隊でもねーけど、この街は結構好きだからな。
だから、俺は俺なりにこの騒動の事調べて、根を絶つつもりだ。
(もう一度サングラスを掛ける。見掛けはともかく、彼は真っ当な正義感を持ち、自分で)
(できる精一杯の事をやっている。能力を別にすれば、ただ、それだけのことなのだ)
【そろそろ〆でいいかい?】
【初ロールって事で上手くやれた自信がねえな。悪い】
(裏宮の視線の先に、食い散らかされた遺体があった)
(いやなもん見ちまったぜ。犠牲になってしまったご遺体に手を合わせておく)
調査活動、か。
俺はここに住んでるわけじゃねえが、ガキの頃からずっとあの学校に通ってたからな。
第二のホームタウンだ。
妙に騒がしいのは、まあ、その、なんだ……
(実は俺も少々面倒なのを呼び出しちまったことがあるにはある)
根を断つ、か。頼もしいじゃねえか。
俺だって、こんな目に合う人が出るのは嫌だからな。
何かできることがあれば、力貸すぜ。
(俺はもう一度、食われた人を見て言った)
【そんじゃ、次のレスもらったら俺はその次で締めるわ】
【こっちは楽しんでるぜ。気にすんなよ】
そうかい。なら同士ってことだな。
(ふっと微笑する。中庸である事を定められている時分だが)
(だからと言って誰かと共に歩むことに異存があるはずもなく)
いずれ、ちゃんと話をしよう。今は後始末つけないとならねえ。
幸い、俺の家はこういうのには慣れててな、任せておいてくれ。
何とか騒ぎにならないようには、しておくぜ。
(神主の死自体は隠蔽できないし、するつもりもないのだが)
(彼の遺族にどう説明したものか。毎度のことだが辛かった)
会長さんは、先に帰っておけよ。本当に物騒だからな、最近は。
(ひらひらと手を振って、野良猫か野良犬のように追い返そうとする)
【そう言ってもらえると助かるぜ】
【じゃあ短いがこれで〆だ。またよろしくな】
ああ、話をしようじゃねえか。
お前の知ってることを、洗いざらい聞かせてもらうぜ?
そして聞いた以上は、俺はお前に肩入れする。
家……か。
お前、家族ぐるみでこんなことやってやがんのか。
この街にお前ん家みたいな家系があるってことは
ここんとこ続く怪異と案外無縁じゃねえんじゃねえの?
ご遺体は、俺にはどうすることもできねえや。
頼んだぜ。
(俺はもう一度ご遺体の脇にひざをついて、軽く手を合わせた)
(しっかり見てやらなきゃいかん、と思った)
そんじゃ、お先に失礼させてもらうわ。
明日、生徒会室に呼び出してやるから、そのつもりでいろよ。
(かるく笑って裏宮に手を振る)
(それから惨劇の現場に背を向けた)
【そんじゃこっちもこれで締め】
【お疲れ。おもしろかったぜ。またやろうな!】
【見届けたぜ。ああ、俺でよければまたやろうぜノシ】
【名前】清水 和也 (しみず かずや)
【年齢】17
【性別】男
【身長】161
【容貌】黒髪で小柄、常に黒い手袋を着けている。(戦闘時は手袋を外す)
瞳の色は灰色
【能力】両腕の上腕義手、4種類のカードを腕に挿入することにより能力が変わる。
■ノーマルアーム
普段、和也が使用してる義手、
腕時計型の制御装置により制御している、解除することにより発動。
常人より数倍の腕力と破壊力を持つ。
カードを挿入することによりすべての制御を解放し
高エネルギーを直接叩き込む
■ナイトアーム
カードを挿入することで発動
手刀の構えをすることにより高周波振動を発し、あらゆる物を切り裂く
掌を構えると重力波を発生し防御の役割を果たす。
■スイングアーム
手の甲よりワイヤーを発射し、遠くへ移動したり相手を捕獲する
又、応用として鞭としても使える
■ショットアーム
両手から圧縮された空気砲を撃ちだす。
ただし、一発撃つ度にチャージが必要。(威力を抑えれば連射は可能)
【希望】戦闘、雑談、和姦
【NG】 排泄・グロ・凌辱
【弱点】両腕以外は生身の部分なので弱い
カードは一回しか使えないので同じタイプは2度使えない。
【備考】
ロボット工学で有名な両親の間に生まれ、その実験ミスにより親と
両腕を失う。祖父の発明した義手を取り付け、五体満足?な生活を送る。
(義手の能力に関しては祖父の趣味らしい)
高等部2年に所属し、部活は入っていない。義手が機械むき出しなので
目立たないように常に長袖の制服と手袋を着けている
最近学園に起きる怪事件まきこまれて以来真相が知りたく事件を嗅ぎ周っている。
【プロフ投下落ち】
(雨あがりの路地を、小柄な人影が独り往く)
(買い溜めしておいたジュースの貯蓄が、消えた)
(今日は午後から雨という事もあり、帰りに補充する為の買出しを)
(怠っていた事が主な原因である。だから柊鈴音は、独り歩く)
あめあめふれふれ♪って何考えてそんな歌を・・・・・・
(コンビニ袋をぶら下げ、水溜まりを避けて歩く。帰ってから着替えていないので)
(学校指定の制服のままだが、私服を見せる相手もいないので、問題はない)
(無味乾燥な毎日。繰り返される任務。義体兵であれ脳味噌は人間であり、退屈を覚える)
――ったく、ウザイわね。毎日毎日・・・・・・
(だから、時折こんな事をする。足の裏で人間の顔をした獺のような生き物を踏みつぶす)
(夜の公園。この街の各所に出没する特異生物――通称妖魔を殺す。特に害もないような)
(そんな小物を踏み潰して殺す。できるだけ苦痛を与えて、その断末魔を堪能しながら)
(幼い顔に愉悦の笑みを浮かべながら、次の獲物を探す。殺して探す。次々に殺す)
(その行為に耽溺していたから、第三者の接近に気付かなかった)
【名前】柊 鈴音 (ひいらぎ りんね)
【年齢】 15歳/高等部一年
【性別】 女
【身長】 150cm程度
【3サイズ】 所謂ツルペタ体型
【容貌】 童顔・目付きは鋭い・ロングのストレートヘア
普段は制服を着ている。戦闘時はスクール水着の上に
黒いマントを羽織る。そして頭にはウサ耳を装着する。
【能力】 悪魔使い
【希望】 雑談・交流・ラブロール・和姦・戦闘・その他
【NG】 スカ(大)・隷属・洗脳など
【弱点】 エネルギー切れ・神聖の強い攻撃
【備考】
政府公認の特殊機関《神魔総合管理局》が開発した、高性能義体兵の試作品。
脳味噌以外が特殊な素材で構成されている。妖魔や異能者を捜索・監視・確保・
殲滅する為にこの学校に潜入した。悪魔と契約し、その力を使う事により
戦闘する。義体兵としての身体能力も高い。死後、契約の代償により彼女の魂は
地獄に落ちることが確定している。エネルギーは食事でも代用可能だが効率は悪い。
故に基本、生体バッテリーの交換で済ませるが、甘い物は好き。
【プロフの投下忘れてたわ、ごめんなさい】
雨は嫌いだ、でも雨上がりは好きだ。
(ぴしゃぴしゃと足音をたてながら、少しはしゃいで路地を歩く)
(濡れたコンクリートの匂いはあまり好きではないけれど、雨上がりならばそれもない)
(だからその日、霧原朱音は上機嫌で歩いていた、肩からバッグを提げて)
毎日雨上がりだったら、私にとっては最高なんだけどなぁ。
毎日、虹も拝めるし。まあ今は夜だけど。
(空を見上げて、かけ始めた月に呼応するように目を細めて)
(そんな彼女は今日も今日とて制服姿、短めのスカートからすらりと足を覗かせて)
(だがそれでも、ただ歩いているのは退屈だった)
何か聞こえるね……いい声だ。
(耳に微かに響いてきたのは、断末魔)
(常人より幾分かはよくなっていたその聴覚が、異形の叫びを捉えていた)
(雨上がりの湿った空気の中に、少しずつ鉄臭さが混ざり始めた頃)
見つけた。
(新しい玩具を見つけた子供のように、目を爛々と輝かせていた)
(異形の宴の中心で、殺し続けていたその少女を)
なあ、そんなちっぽけなもの殺してつまらなくないの、あんた?
(呼びかけた)
―――何、お前?
(殺戮の快感に濁った眼が、闖入者を捉える)
(その眼は義眼でありながら、その人間の本性を明確に表している)
(つまり、自分の為なら他人の犠牲を良しとする、怪物の本性を)
(この幼い顔をした少女の肉体は贋作であり、その精神には悪魔が宿っている)
(それが原因なのか本人にもわからないが、ともかくこの少女は悪びれた風もない)
楽しくはないけど、長い夜の暇つぶしには最適ね。
(その声はいつも通り尖っているが、この状況にしては落ち着いている)
(何故なら、少女は一目で看破したからだ。眼前の長身な女性も、自分の為なら他人の)
(犠牲を良しとする、怪物の本性を宿している事を)
何より、殺しても誰も文句言わないのがいいわね。
で、お前は何?混ざりたいなら遠慮しなくてもいいけど。
(その口元が、笑みを形作っている。凄惨な宴には、或いはこの上なく相応しい笑みだった)
通りすがりの女子高生。っていうか、制服見る限りは同じ学校の生徒、かな?
(半ば狂気の混じった視線を心地よく受け止めて、彼女は笑う)
(異形の殺戮を目の当たりにして、尚笑う)
なかなか良い趣味してるよ、こんな事が暇つぶし、なんてね。
それになかなか話も分かる。こんな楽しいこと、独り占めするのはずるいよね。
(無造作に歩を進める、その途中に這っていた妖魔を踏みつぶして、尚進む)
(踏みつぶして飛び散った血飛沫も、靴底にこびりついたその亡骸も完全に意識の外で)
(目の前の少女の酷薄な笑みとは対象に、まるで友人に向けるような笑みを向け)
でも、私はこんなのには興味ないんだ。言ったよね。
こんな殺して、つまらなくないの?って。私にとってはつまらない。
私が興味あるのは、あんた。
(目を丸く見開いて、口角を吊り上げて)
どうせなら、楽しいことしようよ。私とさ。
(その目は黒く透き通り、興味と狂気を纏わせて)
ああ、そういえばそうか・・・・・・・
(今更気づいたように、呆けた声を出す)
(自分が誰と話しているのかすら、わからない状態だったらしい)
楽しい事は独り占めするものよ。みんなで仲良くなんて気持ち悪いでしょ?
けど、お前とは少しだけ気が合いそうね・・・・・・・
(長身の女性が歩く度、潰される矮小な生き物と、その断末魔)
(やはり、彼女は一目で看破した通りの存在だったらしい)
(少女の笑みの質が変わる。契約を迫る悪魔のような、優しくて卑しい笑顔に)
暇つぶしにはなるっていったでしょ?
それより面白い事がてっとり早くできるなら、そっちをするだけよ。
私、面倒な事は嫌いなのよね。無駄に電力消費したくないの。
(その言葉とは裏腹に、少女は笑い続けている)
(その纏った狂気に触発されたのか、じんわりと魔力が発動する)
(黒い瘴気を纏い、その背後に契約した悪魔がうっすらと浮かび上がる)
(破壊衝動に火が点くのも時間の問題と思われた。だが―――)
――お前も飲む?
やり合うにしろ何にしろ、急ぐ必要もないでしょ?
(コンビニの袋から、甘い飲み物が詰まったペットボトルを取り出して放り投げる)
そうでもないよ、もしかしたら、誰かと一緒にやったほうが楽しいかも知れない。
ほら、トランプだって一人じゃソリティアくらいしかできやしないだろ?
(あくまで気が向くのなら、という話だが)
(気の合わない人間と一緒になどというつまらないこと、彼女は絶対許しはしない)
面白いこと言うね。私と気が合う?いや、ほんと。あんた面白いよ。
(ぱちぱちと軽く手を合わせて、くっくとくぐもった笑いを漏らして)
でも、やっぱり私とあんたは違う。だからこそ面白いのも道理だけど。
私は、自分の楽しみのためには妥協しない。どれだけ手間がかかろうとね、やりたいことはやるだけさ。
……でも、どうやらあんたは、それだけ好き勝手やるほどの余裕がない、のかな?
(電力、とどうにも目の前の少女には似つかわしくない言葉が漏れた)
(それでも、同じく常軌を逸したものならばそれもある意味当然と受け入れて)
(何か、この世のものではない何かが肌をなぞる。冷や汗が一筋頬を伝う)
(楽しい時間を過ごせそうだ、バッグの中に手を差し込んだところで)
……ああ、それも悪くないね。
(視線は逸らさず、その場を覆う緊張を解くこともせず)
(放り投げられたペットボトルを片手で掴むと、器用にその蓋を親指一本で外して)
なかなか親切じゃないか。あんた。
(一口、口を付けた)
独り遊びが好きなのよ、私は。
それに、周りに合わせるってのが苦手でね、私は。
(一匹狼というわけでもないが、自分のペースは大事にしたい)
(彼女としては、誰かに話を合わせたり、相手の都合に付き合うのが嫌だった)
お前ほど面白くないと思うけどね。マトモじゃないわよ、お前。
(それはお互い様だと確信しつつも、だが皮肉気な口調は崩さない)
ふん・・・・・・そっちほど暇人でもなければ奇特でもないわよ。
それに、BADENDが確定してるのにへらへらしてられる程暢気でもないわ。
(自分の魂は地獄行きが確定している。悪魔と契約した時点でそれは決定していたのだ)
(だから、楽しいと感じる事も滅多になければ趣味も自分の時間も他人との交流も一切合財)
(が果てしなく空しいと感じる。それを埋める為の代償行為が、この妖魔殺しだ)
決闘の前に差し入れする風習がどっかの国ではあるそうよ。
国じゃなくて、マフィアだったかしら?敵に塩を送るって奴?
(自分も取り出して、お気に入りの甘い飲み物を啜る)
んくっ・・・・・・ぷはっ・・・・・で、結局お前は誰?
退魔師でも妖魔でも異能者でもない。数値がおかしいのは確認できたけど。
(そうしている間にも義眼は、相手の体温やその他諸々のデータを計測している)
私は――そうね。悪魔憑きって言えば通じる?
なるほどね、独り遊びもまあ面白い。でも、一緒に遊んでみるのも面白いんだよ。
私の実経験からすると、ね。馴れ合いかも知れないけど、それはそれで楽しかったりするのさ。
(普通に学校に通っていれば、それなりに仲の良い友達というのもできる)
(昼の彼女は普通の少女、他愛ない遊びに興じることもある)
(そして、それすらも退屈とは感じていない彼女であった)
そんなことはない、あんたが自分をどう思っていようが私はあんたを面白いと思う。
大切なのは、あんたの考えじゃなく私の主観。
(傲岸不遜に言い放つ)
何だか意味深だけど、だったらそのBADENDがくるまでずっと、その場その場の退屈しのぎを続けるの?
それこそ私には想像もできないな、退屈しのぎじゃなくて、面白いことをしようよ。
人生、ポジティブに行かないと。
(大凡その場の空気に似合わぬその言葉、その言葉を紡ぐ彼女はその場に馴染んでいるようで)
それとも、見つからないのかい?あんたにとっての楽しみってのが。
折角こんな楽しい力を持ってるんだ、目一杯楽しんでから逝かないと、損だとは思わないか?
へぇ、そりゃまた何とも大儀な風習だこと。
そんなことして足下掬われて、叩き潰されてりゃ世話ないだろうけどね。
(一口だけ口を付けたペットボトル、その中に並々と注がれた無色の液体を楽しそうに眺めて)
私?だから私はただの女子高生。ああ、そういえば自己紹介してなかったね。
霧原朱音、二年生だ。
悪魔憑き?……ふぅん、そういうのも本当にいたんだね。
別に驚きゃしないけど、興味は更に増したね。あんたのこと、もっと知りたいよ。
(自らを覗き込む義眼、こちらからもそれを見通してやろうとでも言わんばかりに覗き込み)
(そんなやりとりをしてる背後、蹂躙されるだけだった妖魔の群れが形を成す)
(それは生存本能の強さ故か、それとも復讐の念の為せる業か)
(妖魔の集合体である巨大な異形が、それぞれ二人の少女の背後に沸いて出た)
【そろそろラストだ、お互いに一発ずつ蹴散らして終わらせるとしよう】
ふん、何処の国の独裁者様よ、あんたは。
(ニヤリと笑う。その徹底した傲岸不遜さは、ある種の爽快感すらある)
(人間の事など、珍妙な生き物だとしか思っていないような、そんな態度)
(常識と知性を備えながらも、明らかに常識の埒外にある彼女は果たして何者か)
(お互いに対等な位置にいないなら、どんな感想を抱かれようと構わない)
(だから、彼女は珍しく笑った。相手を人間とすら思っていないのだから)
いずれ派手に散るわよ。その前にどいつもこいつも道連れにする予定よ。
だから今は、その時が来るまで地道にストレス発散するだけにしておくわ。
生憎、首輪付きだからね、私は。
(前向きとか、建設的とか、そんな言葉ほど虚しいものはない)
(だから、一人でも多く道連れを。だから、その為に今は静かに)
んぐ・・・・・・んん・・・・・・ふぁっ・・・・・・
知らないわよ、そんなの。叩き潰す自信があるんでしょ、きっと。
(言外に、自分もそうなのだと告げて、ぐびぐびと甘い飲み物を痛飲する)
――名前晒すなんて、お前馬鹿?自己紹介しろとも言ってないけど。
(勝手に自己紹介をする彼女に、不審そうな眼差しを向けるが、考えてもみれば)
(相手は異星人と同じ程度には常識というものが通用しないという事を思い返して)
柊 鈴音。一年よ。
嘘だと思ってくれても構わないわよ、名前も、悪魔のこともね。
(偽りの眼球と、異様なる感性を備えた瞳が正面からぶつかり合う)
――ふぅ、いいところで水を差すわよね。空気読めってやつ?
(増大する妖気と、アラームを鳴らす自分の精神。だからそれに従い、魔力を発動させる)
はあぁぁぁぁぁああ !!
(禍々しい爪を纏い、その集合体に一撃を食らわせる。悪魔の力を纏った一撃が存在ごと抉り取る)
【了解。そっちほど美麗な文章書けなくて申し訳ないわ】
私は、私の独裁者さ。私の意志以外に私を動かすものはない。
どんなきまりも、社会通念も、私の意にそぐわなければ従う必要はない。
そういうこと。……ふふ、笑ったね。てっきり、笑うことのできない人形か何かかと思ったけど。
(冗談めかして肩を揺らせば、夜の湿った空気に僅かに髪が揺れ)
(相手もまた、自分と同じように知性を持った怪物なのだと理解した)
(同じように笑ったのだから、と)
(ならば尚のこと面白い、もっと知りたいと思ってしまった)
それじゃあさ、私が死ぬまであんたも死ぬんじゃないよ?
全部道連れにするんだろ。だけど私はまだまだ死ぬのは嫌だ。死んだら何も楽しめない。
だから、私が人生を思いっきり謳歌して、大笑いしながら死ぬまであんたも死ぬんじゃいよ?
(見ようによっては気遣いとも取れるその言葉)
(もちろん意するところは全て自分の都合)
そういう奴ほど、足下掬われそうな気がするんだけどな。私は。
(ペットボトルに口を付けずに、やれやれと軽く頭を振って)
馬鹿で結構、人の評価を気にして生きるほど暇じゃない。
少なくとも、闇の中ではね。
(その不審そうな視線すらも心地よいものとして受け止めて、大きく両手を広げて)
ヒイラギ リンネ。
(名前と言うより、一つの記号としてその言葉を呟くと)
覚えたよ、よろしくね。
(全てを見通すようなその目に、茶目っ気混じりにウインクを一つ投げかけた)
……さて、おあつらえ向きに武器はここにある、か。
(顎を開いて襲い来る異形に、ペットボトルを放り投げた)
(スイッチは入れられた、それはもう清涼飲料水ではなく、彼女の武器)
………。
(ペットボトルが内側から食い破られる。溢れ出たのは無数の鋼の水弾)
(機関銃の斉射のように、無数の弾丸が異形の身体を抉り、穿ち、突き抜ける)
(それでもまだ異形の生命活動が停止していないと見るや)
(地面に溢れたその液体が、水溜まりをも巻き込んで水の槍へと変わって異形を刺す)
(濁った水の針山に串刺され異形がその動きを止めると、槍もまた本来の姿を取り戻し、水溜まりに還る)
………面白いね、あんた。本当に。
(同時に二体の異形が消えた、その中央には二人の少女)
でも、今はだめだ。……ほら、また降り始めた。
(空から降り注ぐ雨粒、それに向かって顔を顰めて)
雨は嫌いだ。またいつか、星空の下で会おうじゃないか。
またね、ヒイラギ。
(刹那、辺りに濃密な霧が垂れ込めると、彼女の姿も消えていた)
【では、今日はこの辺りで〆としよう。また次の機会に相手を頼む】
(躍り出て牙を剥く水。無害だったはずの甘い飲料水は、獰猛な威力を持つ)
(水の散弾と化して、異形の集合体に叩きこまれる。抉り、穿ち、貫く)
(槍と化した水溜まりが異形に止めを刺す。これは水を操る異能か?)
そっちこそ、面白い芸を持ってるじゃない。
マジシャンになったら大人気かもよ?
(異形を葬った、更なる異形な魂を持つ二人の少女が対峙する)
(軽口を叩きつつ、ぎちりと緊迫した空気を発散する)
(それを掻き消すように、空から銀糸のような雨が降る)
逃げる気?ふん、別にいいけど・・・・・
(途端に、水使いからやる気が削がれた。同時に、こちらもやる気を無くす)
(突如生じた濃霧の中に消える異形なる独裁者を見送って、自分も踵を返す)
また、買わないとね・・・・・・面倒だな・・・・・
(立ち止まり、自分から放り投げたペットボトルを見つめて、再び歩き出す)
(コンビニエンスストアは、こういう時便利だと思う。けれど、コンビニの明かりは)
(この寂しさを消す役に立ちそうはなかった。その寂しさの原因については、考えたくなった・・・・・)
【こっちもこれで〆。お疲れ様。お相手感謝するわね】
【そういうわけで、こっちに移動っ。しばらく待機してみるぜ?】
【名前】媛名 葵(ひめな あおい)
【年齢】18歳
【性別】 女
【身長】170cm
【3サイズ】 スラッとした体系だが、胸が小さめ
【容貌】腰下までのストレートな黒髪。黙っていれば淑やかそうにも見える。
【能力】“剣糸(けんし/ソードストリング)”
日本刀と糸などの暗器を得物にすることから、組織内で“剣糸”の名を持つ狩人。
異能はないが、その運動能力・動体視力・反応速度は常人を大きく上回る。
※ 日本刀は≪弐式(にしき)≫という名の霊剣、特殊な糸は拘束・切断などが可能
【希望】雑談、戦闘、エロール など
【NG】スカトロ、妊娠、死亡、極端に過激なグロ
【弱点】精神干渉・魔術的攻撃。痛覚は多少鈍いが、再生能力などは有していない。
扱う武器の問題上で、両手を使えなくされると弱い。純粋な力比べにも同じく。
【備考】本性は≪深凪(みなぎ)≫という非合法組織から派遣された異形狩り。
狩るのは基本的に、彼女が組織の定義において“異形”とみなした存在だが、
今回は“学園の異能者”の調査を命じられ、三年に編入。彼らを探っている。
外見や丁寧な口調とは裏腹に、口を開くと人を喰ったような発言が出ることもしばしば。
普段はあまり感情を強く表情に出さないが、きちんと感情の起伏は存在している。
“自称”平和主義者。ただ“剣糸”として敵には容赦なく、組織の命令に忠実。
NGワードは無い胸に関すること。現代文と銃器が苦手らしい。
【
>>1 スレ立て、お疲れ様でした。(一礼)
いくらか調整と変更をさせていただき、プロフィールを投下させて頂きます】
【こんばんは…と、言うわけで名乗り出てみたの、ですけれど……
宜しければお相手、立候補させていただけても、宜しいでしょうか?】
>>65 【ああ、こちらで良ければ是非。
…このまま、誰とも会えないのかとも思ってたところだし。
で……シチュはどうしようか? 前回が戦闘ロールだったから、今回は日常ロールで行こうかと考えてるんだけど】
>>66 【私も手元が滑ったら(危ない)いけないと思ったのですけれど、
この時間帯だと、流石に出られる人もそう、でしょうし……ちなみに、リミットどのくらいでしょう】
【ええ、そうですね。鬼ごっこでもよかったのですけれど。
日常でしたら…そう、ですね。学生らしく勉強してみる、とかでしょうか…?
もし案がおありでしたらお聞きしたいです。隠れ選択肢で危ない方向でも構いませんよ?色々】
>>67 【…………ダガーはのーせんきゅー。
気を遣わせて悪かったな。んー…眠気次第ってところか。明日は休みだから、制限自体はないんだけど】
【鬼ごっこは朝方にかけても終わりそうにないからなぁー…うんうん。
そうだな。それじゃ試験に向けて先輩に勉強を教えてもらうとか、そんな感じかな。
…隠れ選択肢とか色々というのが気になるけど、この間の『デート』をするっていうのもいいと思うけどな。
先輩の場合、十中八九、危険な臭いがするけど】
【あら、残念です……気を、とかでなくて私の時間が幸運にあっただけで
お相手させてもらえるのはとても嬉しいですから、後輩さんこそ気にしない、ですよ?リミットも了解です】
【ですね。決着つかなさそう、ですし。
じゃあ、今回は学校かもしくはどちらかの家で試験勉強で、お願いできますか?
デートは次にでも。十中八九は危険な方で考えていたなんて、そんなことはないですよ、ええ。
……ええっと、ほら、これだって一緒に勉強だって立派なデートです?書き出しは、いかがしましょう?】
【ごめん、ちょっと席を外してた…急用で。
それじゃ、こっちから書き出させてもらってもいいか?】
【あら…急用、大丈夫でしたか?
…それでは、いつも申し訳ないですけれど書き出し宜しくお願い致します。
眠気の限界とか、急用、なんてときはご遠慮なく仰ってください。】
>>71 【ごめん、急に呼び出されたから、断り入れられなくて…
それじゃ、よろしく頼むぜ?】
(試験――、それは学生が普段いかに自らの仕事に
身を入れているか試される場であると同時に、学力を伸ばすための指標である)
………ああ、くそ、やっぱり難しいぜ。
(そうぼやく彼も例外ではない。近づく学力試験のために、勉強を行っているのだ。
とはいえ、あまり勉強が得意ではない彼があがいたところで結果は見込めない。
そこで、彼は助けを求めた――、そう自分より学年が上の先輩に)
(放課後の空き教室。その机に教科書やノート、参考書を並べて彼は格闘していた)
…あー、本当、数学だけは苦手なんだよなぁ。
数字に計算、記号に、図形。…あー、公式を覚えるだけでもやっとなのに、
応用問題となったら余計に頭が混乱しちまうぜ…。先輩、よろしく頼むぜ?
(ううっと唸りながら、シャープペンシルをかちかちと言わせて、ちらりと彼女を見る)
(放課後。教科書の英文に目を滑らせながら、彼女はそこにいた。
理由は一つ、人気のない空き教室で数学と格闘している青年がそれだ)
(困ったような唸り声、シャープペンシルの音、それから頼む声。
それらが順次に聞こえた後に、彼女はようやく英文から顔をあげる)
………ちょっと、待ってくださいね。
(太一朗と机を挟んで向かい側から、問題を覗き込むようにして。
幾らか問題に目を通して思案した後に、彼女は手近なルーズリーフにペンを滑らせる)
―――…ここが、こうです。この公式を、ここで使って、
そうしたら、ここの比が出ますから、次にそれを代入、して…――
(図形と数字をいくらか書いてみせながら、その視線は紙と太一朗の間を往復する)
……じゃあ、この続きは自分でやってみて下さい。
というか、公式覚えないことにはどうしようも、ないですよ?
(じっと、漆黒の瞳で少し咎めるような視線を送りながら、彼女はそう囁く。
とはいえ、数学でなく現代文という教科に関しては彼女も人の事などいえないのだが)
【いえ、御気になさらないで下さい。それでは、こちらこそ宜しくお願いします】
>>73 ……うう、先輩がいてくれなかったら、どうなることかと思うと、
ぞっとしちまうぜ……。
(てきぱきと問題を解いていく彼女に、尊敬の念を抱きながら、
彼女の回答を聞いて、なるほどと唸ってしまう)
ああ、サンキューな、先輩っ!
……なるほどなるほど、ここからはこの式を使って……っと。
(途中まで出来あがった式を、次から次へと変化させながら、問題を解いていく)
……まあ、それはそうなんだけどさ。
数字と記号が並んでて、それを幾つも覚えろってなったら、ちょっとなぁ…
覚えきれないって言うかなんていうんか…
【ごめん、遅くなっちまったorz】
(ぱたん、と英語の教科書を閉じると頬杖をついて解いていくのを眺める。
戦闘で感じた限り、ではあるが頭の回転は速い方に思える彼は、一定のヒントを与えれば
すらりすらりと解いていくのだから、教えている方も何となく面白い)
数学は、ある意味じゃ習ったことしか出ないですから、
とりあえず、公式を暗記して慣れてしまえば大丈夫ですよ。現代文と違って。
(小さく言葉を付け加えたのは彼女なりに現代文の試験が憂鬱だからかもしれない。
けれど、そんなことわずかも顔に出すなんてことはせずに、彼女は続けた)
丸暗記、じゃなくて公式の意味を理解するといい、なんて話は聞きます。
身体で覚えてみるっていうのも、効果的だとか。
(そうして数式を見ているのにも飽きたのか、
今度はそれを解いている方の人物を観察しながら、ペンをくるりと回した)
【いえ、私は大丈夫なのですけれど…こ、後輩さんこそ大丈夫ですか?
何か大変なご様子なら、後日とかまたいずれ、とかでも本当に大丈夫ですので、
そこは、本当に遠慮なく仰ってくださいね?】
【】
>>76 ……そうかねぇ。
俺にとっちゃ、数字が色々変わるだけで、もう頭が痛くなっちまう…。
現代文の方が、まだいいって。物語を読んで、その前後に続く言葉とかを
考えりゃいいんだし…漢字や慣用句も日常で使う範囲内だしなぁ。
(むぅと唇の上でシャープペンシルを弄びながら、唸って)
……公式の意味、ねぇ。
まあ、確かにそれが一番なんだろうけど、それが出来たら苦労はしないって。
身体で覚えるって……体育の実技じゃあるまいし、どうやって?
(流石に、些かその言葉は理解しがたく、はてと首を傾げて)
【も、もう大丈夫だと思う…これ以降30分以内に応答がなかったら勝手に落ちてくれ…
あまり、そっちに迷惑かけたくないし…】
ここに関してはつくづく合いませんね、後輩さんと私は。
古文漢文はまだいいのですけれど、現代文ってなると、駄目です。
こう、答えがはっきりしてないと申しますか、曖昧というか……。
(どこか漆黒の瞳を遠くに向けたのちに、“まあ、それは別で”と付け加え。
相手が小首をかしげたのをみると、もう一度ペンをくるりと回してみせた)
身体で覚えるっていうのは、もうひたすらに問題を解いたりとか、
暗記するときに何かしらの刺激を加えてみる、とかですよ。
(これを覚えるときは人差し指をぎゅっと握ってみたり、軽く抓ってみたり、とか。
一つの公式を指差した後に、そんな言葉を付け加えると自分の指を握る素振りを見せて)
それで、次の公式を暗記するときは私にじゃれつかれながら暗記してみる、とか。
(じっと相手の目を見つめて、小首をかしげてそんな戯言を吐き出す。
ただ、どうにもその漆黒の瞳には相手をからかおうという魂胆が見え隠れしていた)
【…そう、ですね。それではお言葉に甘えて、どうしても眠気なときは
一言入れて失礼させていただこうと、思います。でも、本当にそんなに気にしてないですから、
どうかお気になさらないで下さい。私だって、急用とかいうときは、ありますから】
んー…まあ、そうだな。
現代文って曖昧だからこそ、面白いところがあるし。
色んな回答が、その人によって出てくるわけだし…本来はテストに向いてないのかもなぁ。
(どちらにしろ、勉強自体は苦手なんだけど、と付け加えて)
ああ、なるほど。そりゃ結構いけるかもしれねぇな。
前者は兎も角、後者は反応でぽんっと出てくるかもしれないし。
……まぁ、どちらにしろ覚えるには違いないんだけど。
(暗記苦手なんだよなぁ…とぼやいて、かりかりとシャープペンシルをノートに走らせて)
じゃれつく……って。…そう来ると負けられないな。
(この先輩のことだ。この言葉の裏には何かあるに違いない。
直感的に悟ると、気を引き締めて次の問題に取り組む)
【ああ、そうしてくれるとこっちも助かる。…や、本当にごめんorz】
まあ、前者に比べて後者は楽な分、付け焼刃なのですけれど。
テストまでそう日数もないことですし、覚えるのが先決ですね。
(再び頬杖をついて、ノートに書かれていく文字に目をすべらせる。
そうしてそこから目をそらすことなく、じっと計算式を目で追いながら)
……あら、潔く負けてくださったらじゃれつけたのに。残念です。
(そんな言葉を吐き出して、小さく肩をすくめて見せた)
じゃあ、代わりに、間違ったりつまったりしたらペナルティ、とかどうです?
これもある種、刺激になっていいんじゃないかって、思うのですけれど。
(くるりと頬杖をついていないほうの手で先の鋭いシャーペンを回し、
伺うようにして、漆黒の瞳が相手の目を覗き込んだ。
どうにも、普通に教えるのにも少々と飽きてきたらしい)
う…確かにあまり贅沢は言ってられないかもなー…。
とりあえず、とにかく問題をこなして行って、公式は覚えていかなきゃな。
(ノートの文字に視線を滑らせていく彼女を眺めながら、軽く溜息を零して。)
……潔くって。本当に残念なんだかどうなんだか…
先輩って本当、冗談なのか、そうじゃないのか分からない時があるからなぁ
(やれやれと苦笑をこぼしながら、軽く肩を竦ませる)
うっ…結構ハードルが高くねぇか?
でも、それぐらいしないと、覚えられないか……。
ん、まあ、それじゃそれで行こうか。まともにやっていても時間がかかるしなぁ…
…ものはためしってことで!
まあ、後輩さんの場合は頭の回転は良い方だと思いますし、
慣れてしまえば、数1・Aくらいならきっと大丈夫だと思いますよ。
(それなりに飴も与えながら、目は相手の綴る数式を眺めて
時折、滑り落ちてくる黒髪を耳にかけなおしながら、不意に視線を上に戻した)
まあ、個人的には冗談と取られようが本気と取られようが、
楽しければそれはそれで、どっちでも良かったりするのですけれどね。
(そんな風に嘯いた後に、“デートのお誘いは本気でしたけれど”と付け加えるのは仕様だ)
ちょっとくらいハードル高めの方がいいのですよ。
はい、じゃあものは試しということで――…これから最後まで、
解答が間違ったり、どうしても解けなくなったりしたら後輩さんの負けです。
もし、全答したら……そう、ですね。何か、奢って差し上げます。
(餌ぐらい、つっておきましょうと小さく目元を緩めた)
…先輩がそう言ってくれるなら、大丈夫かも…?
まあ、とにかくやっていきながら、覚えていくしかねえか。
やらないよりは、遥かにマシだろうし…幾ら数学と言っても。
(シャープペンシルの頭で額を掻きながら、問題に取り組みつつ)
……先輩、言葉で油断を誘うのはなしにしよーぜ。
(彼女なりの冗談だとは理解しているのだが、やはり動揺してしまうのは仕方が無く)
応えておいてなんだけど、本当にハードル高いよな。
…まあ、そうだな。それじゃ駅前のハンバーガー屋でセットを奢ってもらおうか。
ちょうど、今日はハンバーガー食べて帰ろうと思ってたところだしなkっ。
さて……それじゃ、取り組むとするかっ!
(次のページを開いて、新しい問題に取り掛かり)
えーっと……此処は、この式を変形させて、こっちの式に代入…っと…?
……そんな、私は油断とか誘ってるつもりはないですよ。
ちょっとだけ後輩さんが混乱して問題解けなくなったら、楽しいなって。
(相手が動揺した風を見せると、それに満足したように目を細める)
ハードル下げてください、って請わなかった
後輩さんは本当に男らしいなって私は尊敬致します。
(彼女も彼女で、高いなとは思っているようだが、
特に請われなかったので、まあいいか、程度に思っているらしく)
はい、お約束致しましょう。
まあ…全部を自力で解けたらの、話ですけれどね。
(彼が問題を解く様をどこか楽しそうに眺めながら、彼女はそう伝える。
それから机の上に腕を置いて、その上にこてん、と頬を置く。
少しばかり悩んでいる素振りを見せれば、それはそれは楽しげに黒い瞳が細まった)
>>84 それって結局同じことじゃねーかっ!?
……そもそも、苦手な数学でチャレンジしようっていうのが無謀だよなぁ。
ああもう、こうなったらやってやるっ、やってやるさっ!!
…どこまで出来るかは分からねぇけどなっ!
(やぶれかぶれと言った感じで、シャープペンシルを走らせていく。
だが、そう簡単に行くわけもなく、すぐに行き詰まってしまい)
…ありゃ? ええと、ここからどうやって進めればいいんだ…?
んー…ここの式を間違えたか? …それとも、こっちか?
(ハンバーガーが遠のく、そう感じながらも、頭を悩ませてうーんと唸り)
細かいことを気にしてはなりません。
何事も心意気が大切なのですよ。頑張って下さい、後輩さん。
(まさに破れかぶれといった様を少し下の方から眺めながら
じぃっとシャープペンシルが徐々に動きを鈍らせていく様を観察する)
(それはまるで獲物が声をあげるのを今かと待ち構える肉食動物のごとく、
彼女は当分、何も言わずに、じっと相手を見つめていただけだった)
―――降参、しちゃいますか、後輩さん。
(相手のノートの数式を確認するように数秒間外れた視線が、相手に戻る。
彼女は指先でとんとん、と机を叩いて相手の注意をこちらに引いた後に
それと同時に甘い唆しの言葉を投げかける。表情は変わらずも、声音は楽しげに)
………む、んん。
く、ぅ………ここで降参するのは簡単だけど、何だかとても悔しい気が…!
とは言え、何回やってもこれ以上進めないし…ああ、もうっ!
(考えれば考えるほど、ぐるぐると数字と記号が頭の中を巡り)
だぁぁぁぁっ!
ああもうっ、数学ってのは何でこう難しいんだっ?
……はぁぁ、先輩、よろしくお願いします。
(髪を掻き毟ったあと、大きく溜息をつき、少し躊躇ったのち、
両手を挙げて降参のポーズを取る。かくんと肩を落としてやれやれと呟き)
やっぱりいきなり数学でチャレンジっていうのは無謀だったんだよなぁ…
―――…はい、了解致しました。
(かかった。とでもいうように、普段あまり強く表情を浮かべない貌に、
どことなく嬉しげな色を浮かべて彼女は降伏申請を承諾した)
(少しだらしなくしていた姿勢をきちんと戻して、改めてペンを取り直す)
……計算式は、間違っていません。
さっきの応用問題でお教えした形式の部分も、ちゃんと解けています。
――…ですが、問題は此処。こちらは、この公式じゃなくて、こっちを使って下さい。
(できるだけ教科書や参考書と比較するようにして、解法を伝えながら、
シャープペンシルを滑らせて、悩んでいた部分に解説を加えてゆく)
苦手教科というのもあるでしょうけれど…まあ、これはちょっと意地悪です。
出題の仕方がひねくれてると言うか、大抵の人は躓くところだと思います。
(やんわりとそんな言葉を付け加えたのち、黒髪が少し揺れる。
それは“―――で、糸と刃物でしたら後輩さんはどちらがお好きですか?”
そんな物騒な問いかけをしたのちに、彼女が小さく小首をかしげたがゆえだった)
【ごめん…そろそろ眠気が…orz
凍結にしてくれるか?】
【私も、いまこくん、ってなったので次でお願いしようかな、と…丁度良かったです。
時間の方は、休日は16時以降、平日は21時以降なら、多分大丈夫なので
後輩さんさえよろしければ、ご都合のいい日を避難所にて教えて下さったら幸いです】
【では、本日はこんな…朝、方ですね、もう…。
とりあえずこんな時間までお付き合い、ありがとうございました。】
【それじゃ、またあとで予定を確認して避難所にでも書かせてもらうぜ】
【こちらこそ付き合ってくれてありがとう!
それじゃ、お疲れ様っ。おやすみ……でいいのか。またなっ!】
【はい、了解致しました。
それでは、また後日に……とりあえずは、お休みなさいませ。】
【
>>1 スレタお疲れ様です。
プロフの投下と少し待機です。】
【名前】芽衣(メイ)
【年齢】18
【性別】女
【身長】160
【3サイズ】84.58.83
【容貌】比較的に色白、金色の瞳、艶々な黒髪を腰まで自然と下ろしている。紺の浴衣を着衣。
【能力】変化
※手持ちのビー玉を何らかの物に化かす能力。
ただし能力を扱った後は霊力が弱まるため耳が狐耳へ変わり尻尾が生えてしまう。
自分自身を変化させることも可能だが、今の未熟なままでは使えないんだとか。
【希望】強姦
【NG】グロ、汚、切断
【弱点】物理
【備考】霊獣の狐を似た力を持つ。元々は人間だったらしいが本人自体がそれ以外の過去の記憶を持っておらず手掛かりすら虚空に消えている。
性格は落ち着き払っているのを通り越してぼけーっとしている。
普段から抜けており無防備。時たま学園から姿が消え、何かしらあったらしいが暫くすると普段通りの顔で再び現れるとか。
ちょっぴり光り物好き。ポーチに入った能力用のビー玉も半分は趣味。
【では、落ちです。】
いくら土曜日でも、昼日中にプレイしたかったら、待機したらageるスレを利用した方がいいと思うよ。
連日連夜、とは私も暇なものだ。
まあ、その暇を紛らわせたいからここに来ているんだけどね。
とりあえず、面白い何か、誰かを待たせて貰おうかな。
丁度、仕込みもしておきたかったしね。
(バッグの中から取りだした、何か赤い液体が半分ほど注がれたペットボトル)
なかなか、来ないもんだね。
(いつのまにやら、ペットボトルに一杯に赤い液体が注がれていた)
日が悪いのか、私が悪いのか。どちらにせよこのままじゃあつまらないな。
……まあ、もう少しは待ってみるさ。
今回のスレで、テンプレ出してたっけ?
……ああ。そういえば、向こうに落としたきりでこっちには出していなかったな。
というか、向こうで始めて出てきたのだから今まで落としていなかったのも当然だ。
だが、そのまま済ませるというのもあまりいいはなしではない、か。
というわけで、今更ながら出しておくとしよう。
【名前】霧原 朱音(きりはら あかね)
【年齢】17
【性別】女
【身長】178cm
【3サイズ】89/58/81
【容貌】切れ目に長い黒髪、丈を詰めたスカートの制服。常に薄い微笑を浮かべている。
【能力】
・液体操作
自身の体液を混合した液体を自由自在に操ることができる。
例:超硬度の液体を纏って武器や鎧にする。濃密な霧を作って視界を遮断するなど。
この効果の影響下にある液体は触覚を持ち、その水が触れているものを自身も感じることができる。
また、液体を操作するには自身の体液をある程度以上の濃度で混合する必要がある。
つまり、大量の水を同時に操ることはできない。
【希望】責めるも良し、責められるも良し、楽しければ何でも大丈夫。
【NG】つまらないこと。
【弱点】水が無ければ戦えない。最悪自身の体液をそのまま使用することになる。
【備考】
水を媒介とする未知のウイルスに冒され、液体操作の能力や身体能力の向上と引き替えに理性を破壊されてしまった。
そのため自己の欲求には非常に忠実な存在となってしまったが、それを隠して日常生活を送る程度の狡猾さと知性は持ちあわせている。
普段は少しだけ優等生な学生だが、夜ごと外を出歩いては自らの興味を満たすもとを探し求めている。
それは戦いかも知れないし、肉欲であるかもしれない。
そもそもにして、日常を演じていることすら彼女にとっては興味深いことだから、なのかもしれない。
そして、興味に忠実な自分を自覚しつつ止めるつもりもないのが彼女である。
……まあ、新参はこんなもんか。
ふふ、また来るよ。ここは面白い場所だから。
興味が失せるまでは、私はここに来続けるよ。
だから、その時は誰かに会えるといいな。
【さてさて・・・ちょっと早いですがレス待ちといきましょう】
【前スレのロールの続き。レス投下して仍未待ち】
僕は最初からそのつもりで予定組んでたよ。
今更帰るって言われてもね。途中でやめていいのかな?
(彼は仕事に対していつも懸命だが、こういう遊びに関しても手を抜かない)
(きっちりと弄絡して、彼女を愛玩動物として侍らせるつもりなのだ)
身内が死んだら悲しむものじゃない、普通はさ。
それとも、家族仲が上手くいってなかったりする?
(乳首が硬く尖って自己主張してきたことを指で確認する)
(だが、仍未はまだ快楽に溺れる事を拒んでいる。気持ちが昂ぶっていないのだ)
んっ・・・・・・硬くなってきたよ、仍未の乳首。ピンク色で可愛いね。
ちゅっ・・・・・・・こりこりして、ちゅっ、なんか楽しいね。ぢゅっ・・・・・・・ちゅっ・・・
(だから軽く乳首を舐めて、言葉で指摘して羞恥を煽る。唇で吸い、舌先で転がす)
(執拗に音を立てて吸い上げ、時折軽く歯を押し当てて、刺激を与える)
気にしてないよ。誰だっていつかは親と死別するものだし、それが少し早かっただけさ。
多少、途方に暮れたのは本当だけどさ。これからどうやって生きていこうってさ。
(身内が死んだら悲しむのが普通と言っていた口で、気にしていないと言う)
(その瞳に悲しみの感情は含有されていない。それは昔に乗り越えた事だからだ)
そんな時、師匠が僕を引き取ってくれてね。両親の古くからの知り合いだって言ってさ。
その人の娘さんが、僕の相棒。二つ年上の、僕にとってのお姉さんみたいな人かな。
・・・・・・続きはベッドでしようか。
(彼女の上から退いて、デジカメを忘れずポケットに入れ、膝と背中に腕を回してひょいと)
(抱き上げる。寝室への扉を開いて、ベッドへと移動する。全裸の彼女をベッドに横たわらせる)
(ベッドの横には各種大人の玩具が揃っていた。予定を組んでいたというのは、冗談でも何でもないらしい)
・・・そんな予定は聞いてませんっ。
やめ・・・っ・・・って――も・・・もう・・・好きにすれば良いでしょう・・・!
(ここでやめれば今後協力が得られなくなる、かもしれない)
(彼はそれを分かった上でわざと聞いて来るのだろう――
始めから、こちらは不利なことを知っている上で――)
あなたには関係の無いことです、こちらの家庭のこと・・・なんて、ひっ・・うぁ・・・あっ!
楽し・・・のはっ・・・、貴方だけ・・・でしょうっ・・・?
わたしは・・・こんなの、楽しくなんて・・・ひゃ・・あ?!歯・・・立てないで下さ・・・っ・・
(意思とは裏腹に、身体は与えられる快楽を素直に受け入れ、甘い声を漏らしている)
(それに加えて彼の言葉の一つ一つがこちらの羞恥を煽るものだから
これと言って何も言い返せず、逃げ出せず、弄られるまま)
――・・・そ・・・そう・・・なの?なら・・・良いけれど・・・。
それで、相棒っていう子が・・・呪いに・・・・・・え?
ちょっ・・ちょっと!歩けますから離し・・・――
(彼の腕の中、咄嗟のことに少しじたばたとしながらもたどり着いたのは寝室)
・・・・・・悪趣味、ですね・・・、本当に。
(ベッドの横に置かれた物にはとても視線を向けられず、気まずそうにそっぽをむく)
【すいません・・・!急用で少々席を外していて遅くなりました;】
【今日も宜しくお願いします】
全く無関係ってわけでもないんだけどな。
またひとつ、キミに対する理解を深めたじゃないか、これで。
(徐々に愛撫に対する反応が顕著になってゆく彼女の身体)
(甘い吐息を漏らし、声には嬌声が入り混じり始めている)
仍未も楽しめばいいのに、素直にさ。乳首はこんなに硬くなってるのに。
左の乳首も弄って欲しいの?弄って欲しいならお願いしないとね。
(弄った右の乳首はこれ以上ないほど充血して勃起している)
(弄っていない左の乳首との差は歴然としている)
悪趣味って言われてもね・・・・・・
これがいいって言う人もいるわけだし、仍未だって気にいると思うけどな。
ほら、お尻突き出して。少しひんやりするけど、気持ちいいから。
(用意した道具の中からローションの瓶を取って、掌に垂らして塗りつける)
【こちらこそよろしく】
【返しやすいよう、短くするように努力するよ】
う・・・んっ・・・どうせ理解を深めるなら、落ち着いて話した方が良いです。
こ・・・これは貴方が触るから・・・!
(自分の両胸を見れば、彼の言うとおりその差がはっきりと分かる)
ばっ・・・! ばかなこと言わないでください・・・!
だれが弄って欲しいなんて・・・そんなことっ・・・言うものですか・・・・・・
(始めは大声で否定するものの、その声は次第に小さくなっていく)
そう・・できれば、気に入りたくないですけれどね・・・。
ひ・・・ん、んう・・・冷たっ・・・うう。
(ベッドの上、恥じらいながらも四つん這いになり尻を向けて
何をされるのかと、不安げに後ろを振り向く)
(ローションの冷たさに、溜まらず小刻みに腰が震え、声を漏らす)
こういう時の方が本音が出やすいからね。
それに、身体の方は正直だからね。本当は弄って欲しいんじゃない?
(その反応からするに、快楽を求める自分を否定しきれない状態なのだろう)
(あともう一押し。もう一押しすれば陥落するに違いない。だから焦らない)
んー、いいアングル。写真撮りたいくらいだよ。
仍未のお尻、きゅっとしてて可愛いね。アソコもぴったり閉じてるし。
(素直に四つん這いになった仍未の尻と、その間にある花弁を見つめる)
(その臀部に丁寧にローションを塗り広げてゆく。ゆるゆるとした液体が万遍無く)
(塗りつけられてゆく。そして、尻肉を割開いて菊門を露出させ、そこへ指を挿入する)
綺麗だね。仍未のアナル。またビーズ入れてあげようか。
ほら、少し力抜いて。ここにも塗ってあげるからさ。奥の奥までね。
(言葉通り、潤滑油を可憐な菊門を解してゆく。指を抜き差しして、開拓してゆく)
っ・・・う・・・く・・・そんな、こと――――ちょ・・・ちょっと、だけ・・・です。
ちょっとだけ、しかっ・・・、思ってません。
(自分は何を言っているのだろう、と思い、恥ずかしくなる)
(キャラメル色の髪をふわりと揺らし、また視線を逸らす)
んっ・・・。こんな状態で褒められても・・・あまり嬉しくないですが・・・
(声をも震わせながら、ぬめる感触、そのじんわりと
広がっていく快感を堪えるように息を飲む)
ひっあ・・ぐ・・・?!や、やだあっ・・・抜いてっ・・・抜いてったらぁ!
(未だ特に弄ってもいなかった菊門に異物感が走る。突きだしていた腰が少し高くなる)
(それが彼の指だとすぐにわかり、必死に声をあげる)
ああ・・・そんなこと言われてもっ・・・力、いっ・・・んっ、く・・・ふっ・・・。
(潤滑油を交えて解されていくにつれて、菊門が緩やかにひくつき、
まるで指に絡むかのように収縮と弛緩を繰り返す)
ふーん、ちょっとは思ったんだ。
してほしいなら素直に言えばいいのに。
そうやって隠すのは、根が厭らしい証拠だよ。
(適当な心理分析をして、羞恥を煽ってみる)
まだダメだよ。きっちり解しておかないとね。
(少しずつ解してゆく内に彼女も感じ始めたのか、指に絡みつくその)
(感触を味わい続けながら、ローションを足しながら指先を出し入れする)
きゅっきゅっと締め付けてくるよ、仍未のアナル。これなら、僕のを入れても
もう大丈夫かな?それとも、またビーズ突っ込んでほしい?今度は全部入るかも。
(適度に菊座を解した後、指を抜く。ポケットからデジカメを取り出して、接写する)
それとも、今度はこっちを可愛がってほしいのかな?
好きな方を可愛がってあげるから、ちゃんと答えてね。
(今まで放置していた花弁に、ローションと腸液で濡れた指を這わして、答えを迫る)
く・・・う・・・、素直に言うのだって十分厭らしい・・・でしょう?
(最もだと思いながらも、出るのは強がりの言葉)
(しかしそれも、長くは続かないのだろう)
だ・・・だって、苦しいん、だ・・ものっ・・・。ひ・・・いっ、はっ・・・はあ・・・。
(苦痛を表す息づかいにも、次第に快楽の色が見え始めてくる)
(留守になっている花弁までも、滴るローションに濡れて既にヒクヒクと動きを見せている)
あふ・・・あん・・・んう・・・、だ、だめですそんなのっ・・・入るわけな――んあぅっ!
(指が抜かれると切なげに一声)
(菊門は、物欲そうに、カメラのレンズに向かって小さく口を開けている)
こっちって――んんっ・・・は・・・あ・・・ふう・・・ぬるぬるして・・変な感じ・・・っ
(花弁に刺激が加わり、両腿をくすぐったそうにすり寄せる)
――――・・・り。 ・・・お尻・・、っ・・・・もっと・・・触って欲しい・・・、です。
(声を震わせ、答える)
(その表情は今にも泣き出しそうな、そんな顔で)
おや、素直になったじゃないか。
そうか、やっぱり仍未はこっちの方が好きだったんだ。
(今にも泣きそうな顔でおねだりすね彼女に「堕ちた」と確信する)
(もう、彼女はこちらの言い成りだろう。「弱み」と「快楽」によって)
アナルは敏感だから、一度覚えると病みつきになるんだよね。
(花弁を指で開いて、レンズを向けてシャッターを切る)
(彼女の肢体や秘部が、少しずつ記録に残されてゆく)
じゃ、リクエストにお答えしないとね。
さ、力を抜いて・・・・・・全部入るかな、今日は。
(秘部の撮影を切り上げて、傍らに置いてあったアナルビーズを菊座に捩じ込む)
(ローションのお陰か、或いは前戯のお陰か、以前よりスムーズに挿入される)
あ、凄い、余裕で入るね。どう、気持ちいい、仍未?全部入ったよ。
(微妙に球の大きさが違うそれが、直腸に全部埋め込まれてゆく)
よ・・・余計なことっ、言わないでください。
どっちかと聞かれたから、答えたまでです・・・から。
(静かなシャッター音、先程から気になっていた音がまた聞こえ、
思わずシャッターを切る彼の方を振り向き)
ね・・・ねえ、そのカメラ、本当に変なことに使わない・・・ですよね?
さっきから、たくさん撮っているみたいだけれど・・・。
(自分の露わになった姿が記録に残されているのだ。気になるのは当然のこと)
ふ、んあ・・・!またっ、入って来・・・て、っ・・・はあっ、ああ・・・!
んっ・・・は、う・・・んっ・・・きもちい・・・い、ですっ、これ・・・。
(つかえることなく挿入されるビーズ)
(シーツを巻き込みながら拳を握って、その感触に耐える)
おやおや、ならどうしてこっちを選んだのかな?
ちょっと普通じゃないよ、こっちを選ぶのは。
(まだ完全には心は折れていないらしい。だが、羞恥心が)
(完全に失せても興醒めなので、これはこれで構わない)
ん?使わないよ。長い夜の暇潰しには、使うかもしれないけどね。
ああ、キミも見たいなら、プリントアウトしておくけど。
あは、やっぱり気持ちいいんだ。
もっとよくしてようか。ほら、こうやって抜き差しすると・・・・・・・
(痛みにも似た快感を堪える仍未を見ていると、やはり追い詰めたくなる)
(ズズズと半ばまで引き抜いて、またゆっくりと押しこんでゆく)
(丸いビーズが菊門を抉って刺激を与え、直腸を埋めてゆく)
どうだい?もっと凄いのが欲しいなら、バイブでも僕のペニスでも入れてあげるけど。
(こちらも痛いくらいに張りつめている男根を抱えているが、それでも選択を委ねる)
(相手が自分の意志で選んだ、という事実が彼女を追い詰める要素となるのだ)
そ・・・それは・・・っ・・・だって――
(こっちの方が気持ちいいから、と、そう素直に言ってしまえば良いものを、
理性がそれを食い止めようとする。答えてしまえばもう戻れないのだ)
・それだけなら、良いんだけれど・・・。
えっ?い・・・いえ、わたしは結構です。
自分の痴態なんて・・・見ても面白くありませんもの・・。
ひ・・ぐっ・・・う・・・いたっ、あ・・ぁあ・・・!
こんなっ・・・痛いのに・・・気持ちいい、なんて・・・っ、おかしいですっ・・・はう、ううっ。
(球体が直腸を擦るたびに、苦痛が走る)
(それを快感に変換してしまう自分に、屈辱を覚える)
・・・っう・・・ひくっ・・・うう・・・――
入れ・・・・・・・・・――入れて・・・欲しい・・です・・・。
こんなのじゃ・・・なくって、あ・・・貴方のっ・・・。
(ベッドに前腕をついて顔を下げ、絞り出すような声で、ねだる)
(潤んだ瞳からなぜ涙が溢れるのか分からなかった)
こっちの方が気持ちいいから、だよね?
ふふ、素直になりなよ。誰だって気持ちいいことは好きなんだし、
恥ずかしがる事はないよ。ねぇ、アナル好きの宝樹仍未ちゃん。
(執拗に言葉で精神を追い詰める。人を追い詰めるのは、実に楽しい)
そうかな?よく撮れてるから、インターネットで全世界に配信・・・・・・
というのも考えたんだけど。自分で見たくないなら、他の人に見せてもいいよね?
(追い討ちをかけるような言葉。実際にその気はなくとも、それが可能である事が)
(相手にもわかっているので、効果はあるだろう。実に愉快だった)
痛いのに気持ちいいなんて、やっぱりMだね。
こんな厭らしいMなアナル好きは、ちゃんと躾けないとね。
(完全にビーズを引き抜いて、責めから一時解放する)
(だが、ジッパーを下して勃起した自分の性器を晒して、菊座に押し付ける)
了解。ちゃんと気持ちよくしてあるよ。こっちに入れるのは久し振りだから
なんだかとってもドキドキするな。じゃあ、いくよ・・・・・・・・んっ・・・・・・
(片手で位置を固定して、解れた菊座に力強く挿入する。膣とは違った感触が)
(性器を締め付ける。腰を掴んで躊躇なく腰を突き入れる。性器が根元まで銜えこまれた)
ふぅっ・・・・・・流石にキツイ・・・・・・けど、気持ちいいんだろ?
(ゆっくりと腰を揺らして、勃起した男根で直腸を擦って蹂躙する)
っ・・・う・・・――や・・・やめ・・・・・・。
(遠慮の無い言葉責め、頭の中で彼の言葉が繰り返される)
(抵抗するにも術が無く、弱々しく拒絶の言葉をもらすことしかできなかった)
(そもそも事実を言われているのだ、どう否定できるだろうか)
ちょ・・・ちょっと!始めと答えが違っているじゃありませんか・・・っ。
――言うこと、聞きますから・・・お願い・・だから・・・それだけはやめて下さい・・・。
う・・・んあっ・・・あ、ああ・・・っく!
(ビーズが抜かれたのもつかの間、硬く勃起した肉棒が
そこに付けられ、中へと推し進められ、両の手でシーツを握り、苦痛に耐える)
はあっ、ああ・・・!こ、壊れ・・・ちゃいそうでっ・・・んんっ、んあっはあう・・・――っ・・・っ!
(ビーズとは比べものにならないモノが躊躇なく突き入れられる。
表情を痛みに歪め、開いた口からは喘ぎ声があふれ出す)
(肉棒を咥えたそこは、痙攣するかのようにひくひくと蠢く)
うーん、別に脅迫してるつもりもないんだけど・・・・・
そうだね、どうせだから、僕の愛玩動物になってもらおうかな。
(更に深みに嵌る宝樹仍未に、憐みにも似た感傷を抱く)
(僕と関わったのが運の尽きだねと、他人事のように考える)
ああ、いいよ。凄い・・・・・締め付けだ!
んぅっ、いい具合だね、仍未のアナル・・・・・
食い千切られそうだ、よっ・・・・・うっ・・・・・ふっ・・・・・
(苦痛の入り混じった嬌声が二人だけの部屋に響き渡る)
(締め付けを振り解くかのように、掘削機のように強く強く腰を振る)
もっと、もっと啼いていいよ、んっ、仍未、キミの啼き声はもとてもいい・・・・・・
(それは快感を求めているというより、相手に苦痛を与えている、そんな動きだ)
(彼女がMと仮定するなら彼はSである。だから容赦なく精神的にも肉体的にも)
(彼女を追い詰めて、その行為と彼女の反応こそを愉悦とする)
(性器が直腸の中で更に硬度を増して、膨張してゆく。ごりごりと擦りまわし)
(突きあげ、更に追い詰める。限界が近づいても、行為に腐心する)
ああ、んっ、そろそろ、出すよ。
仍未の直腸で、ぶちまけるよ。くっ、ああっ・・・・・・んんっ・・・・・・!
(限界を告げ、言葉でその事実を認識させて、実行する)
(限界を迎えた男性器が、白濁を彼女の排泄器官の中に吐き出す)
【調子に乗ってたら文が長く・・・・・orz】
【そろそろリミットだし、締める方向に】
はっ、ふうぅ・・・!あぐっ・・・はああ!
やだっ・・・いやっ・・・なのにぃっ・・・っ・・・いいのっ・・・なかで擦れてぇっ・・・!
(与えられている刺激は苦痛だけのはず)
(それを全て快感へと変換し、よがる。彼女はそこまで堕ちてしまったのだ)
(汗で、涙で、口からだらしなく伝う唾液で、髪の毛が濡れ、
しかしそんなことは最早どうでも良いとなかりに、与えられる刺激に乱れ続ける)
(本能のままに乱れる様は、まさに動物のようで――)
――えっ?な、何っ・・・ふ、あ、ああ、っ、何か熱いのがっ・・・くっあ、あああっ?!!
(彼の限界を告げる言葉を理解したかしないかのうちに、
肉棒が直腸内を広げ、そこに熱い白濁が、瞬く間に放出される)
(上半身をベッドに倒し、臀部だけを突きだした状態で、果てる)
【すいません、こちらも遅く・・・;】
【ですね・・・そろそろ締めといきましょう】
はぁ、なかなか良かったよ・・・・・
(暫く余韻に浸り、まだ鎮まっていない性器を引き抜く)
(ポカリと口を開けた菊座から、ドロリとした液体が零れ落ちる)
んー、ああ、そう言えば、プレゼントがあったんだ。
これで、仍未は僕の愛玩動物だね。はい、これつけて。
(軽く達して果てている彼女を横目に、玩具の中からひとつ取り上げる)
(チョーカーにも見える首輪を、背後から彼女の首に嵌める)
これはM女御用達の店で注文した首輪なんだけど、チョーカーって
言い張れるから、普段から付けてても大丈夫。よく似合ってるよ、仍未。
探検の時は相棒、ベッドの上では愛玩動物。
最高だね。こんな可愛いペットができるなんて、ラッキーだな。
(彼女にとっては、呪いの指輪を拾った時以来の不運だろう)
【首輪を装備させてみた。今では反省している】
【じゃあ、こっちはこれで〆という事で、お疲れ様、今日もありがとう】
ふ・・・はあ・・・う・・・うう・・・――んんっ・・・!
(肉棒が抜かれ、絶頂後の脱力感と倦怠感がのしかかる)
(ぐったりとしているのをお構いなしに、彼はまが玩具に手を伸ばしている)
こ・・れは――?
(拒む体力も残っておらず、そのまま装着されたものを彼は首輪と言う)
えむ・・・?チョー・・・カー・・・?――っ!!
こっ・・・こんなプレゼント、わたし要りませ――
(言うことを聞く、と。つい先程、勝手に夢中で答えたことを思い出す)
(つまり、断れるはずなどなかったのだ)
勝手に人をペット扱い、しないでくださいっ。
っぐ・・・外せないんじゃ・・・指輪と同じじゃない・・・。
(と独り言を呟く。呪いが二重にかけられた気分だった)
(もっとも、半分は自分でかけたようなものだのだが――続く?)
【・・・本当に反省してますか?と問いただすのはまあ避難所で】
【こちらも締めです。ありがとうございました。ではノシ】
新規参加希望です!
よろしくお願いしますっ!
【名前】四月一日 雪香(わたぬき ゆきか)
【年齢】16歳(高等部1年)
【性別】女
【身長】161p
【3サイズ】バストはEカップ。
ただし残念ながらお腹に多少のお肉が・・・
【容貌】少し垂れ目で、頬を赤らめている。
目が隠れてしまうくらい前髪の長い茶髪のセミロングシャギー。
明るい面が出ている時は前髪を頭の上でピンで留めている。
暗い面が出ている時は前髪を降ろして目を隠す。
【能力】自分の身体・自分が手にした物で痕(傷痕・痣・キスマーク)
をつけた生き物の部分を意のままに操る事ができる。
(例・人の右腕に痕を付けると、その右腕は意のままに操れる。)
(顔もとい頭に痕を付ければその人を意のままに操れる。)
その痕が無くなるまで効果は続くが、痕が薄くなるにつれて操り難くなる。
【希望】雑談、エロール、戦闘共闘
【NG】ハードスカグロ、死亡
【弱点】多少身軽ではあるものの、身体能力はあくまで平均的かそれ以下。
飛び道具など自分の手から離れた物で傷をつけても操れない。
【備考】明るくてよく笑いテンションが高い時。
テンション低くて静かで暗くて口数が少ない時。
この2つの面を持つ。
この2つがあまりにも違うため、まず同じ人とは思われない。
そして、この2つは唐突に切り替わるため、いつ・何故・どれくらい切り替わるのかは
本人にも分からない。
(授業中や友達・クラスメイトと話している時はほとんど明るい面が出ている)
能力は生まれつきのものでそれに気が付いた時は愕然とした。
それからは人を傷つけないように気をつけているが、絡まれた時等には遠慮容赦なく使う。
学園に入って妖魔の存在に気付くが、特に何をするわけではなく
ただ襲われれば戦い、気に入る妖魔がいたら傷をつけて操り配下にしようとのんびり思っている。 万が一のために折り畳みナイフを常備している。
【落ち・・・というか】
【避難所にいかせていただきます!】
退魔スレへお帰りください
待機します。
プロフは
>>4ですのでよろしくお願いします。
【名前】山田剛(やまだたけし)
【年齢】18歳
【性別】男
【身長】196cm 120kg
【容貌】スキンヘッドに筋肉ムキムキボディ。普段は制服姿。
【能力】常識を超えた怪力
【希望】戦闘・エロール・レイプ
【NG】死亡
【弱点】計算
筋肉の鎧に身を包む強力の学生。
特殊な力はなく、あくまで彼の引き起こす現象は筋肉によるもの。
性欲の塊で女を見るとすぐにエッチしたがる。
よろしく頼むぜ!
おっと、このトリは使われてたようだな。
#山田ってトリだったんだが変更するぜ!
トリ変更したってそのプロフじゃ逃げられるに決まってんだろ
てかガッツキは氏ね
伊織さんは落ちちまったのかい?
俺はこのまま待機してるぜ!
緊張せず気軽に声を掛けてくれよな!
おいおい、避難所でコソコソされても困っちまうぜ!
俺はちゃんとした新規参加なんだがなぁ。
エロい野郎キャラは禁止なのかい?
何だったらロールはバトルでも良いんだぜ?
山田はあちこちのスレをエロレスで荒らし回る
悪質なコテです
スルーしてください
ったく、スルーだなんだって風当たりがキツイな。
>>129 おぅ、よろしく頼むぜ。
バトルでもやるかい?
男同士でエロールする趣味はアンタにもないだろ?
>>131 そういう趣味はないが
バトルという気分じゃないんだ・・日常なロールでいいか
こうバッタリあったって感じで
133 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:24:25 ID:ywY/Hcnx
だから荒らしじゃねーし。
避難所で愚痴ってる名無しの方がよっぽど荒らしじゃねーの?
>>132 んじゃ日常でいいや。
なんかアイディアがあったら書き出しを頼めるかい?
135 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:27:21 ID:ywY/Hcnx
翔太 ◆08m4elzWR2 : 2008/05/16(金) 19:30:07 ID:VSZ1M+b1 AA んじゃ俺のチソコ入るな^^.
136 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:29:57 ID:ywY/Hcnx
(学園の昼休み、和也は校庭片隅のベンチに座り)
(呆けていた)
暇だな・・・
(すると近くにいる屈強な男に目がいった)
【こんな感じでよろしく】
138 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:34:37 ID:ywY/Hcnx
コテ平 ◆08m4elzWR2 - 2008/02/11(月) 14:57:20.61 ID:gGEU982U0-19. 精液の量が尋常ではない.
139 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:36:38 ID:ywY/Hcnx
山田剛 ◆08m4elzWR2
【能力】常識を超えた怪力
【希望】戦闘・エロール・レイプ
性欲の塊で女を見るとすぐにエッチしたがる。
>>137 【おいおい、ベンチの近くに居るって勝手に決定ロールされると困るんだがな】
【俺の考えてた行動がとれねぇじゃんかよ】
【避難所の荒らし名無しが本スレにまで出てきやがったし今日は破棄にしねぇか?】
【こりゃまともにロールできる状況じゃねーわな】
【そうですね。破棄にしましょう】
【本当にすいませんでした。】
142 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:41:07 ID:ywY/Hcnx
レイプ強制プロフのガッツキはレイプスレに引っ込んでろ
清水は空気嫁
気にすんな。
誰にだって失敗はある。
じゃ、またな!
また日を改めて頼むぜ!
【先ほどは突然落ちてしまって申し訳ありませんでした】
【落ち宣言なしでご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします】
【お詫びのみで失礼いたします】
ID表示有りなのになんでNG登録しないで相手してるんだろう
これだとなんの意味もないなぁ
【…少々、早いですけれど、解凍の為に待機させて頂きますね。】
【>>後輩さん
……とりあえず、何か大事に巻き込まれていらっしゃらないと、宜しいのですけれど…。
申し訳ありません。この度はこちらの判断で、これで失礼させていただきますね。
今後のことについては、一言でもあちらに入れてくださったら、幸いです。】
【それでは、長く場をお借りしてしまって申し訳ありませんでした。これで、失礼致します(一礼)】
【さて……では、今しばらくはこの場を借りさせて貰おう】
【時間が時間、どうなるかはわからないがね】
【時間ないけど約束と打ち合わせだけでもしておくかい?】
【明日とか明後日ならできそうなんだけど・・・・・・】
【なるほど、それも面白そうだ。次の機会が楽しくもなる】
【私としては、今ここで退屈そうに待ち惚けているよりはずっといい】
【じゃあ、どういう話にしようかな?】
【夜中徘徊してるキミとばったり遭遇して腹の探り合いとか】
【妖魔か人間をアレしてるキミを目撃とか。まあ、発端はこの程度か】
【キミが洞窟とか神社に近づくとは思えないしね】
【そうだなぁ、私は興味が向けば何処へだって行く】
【動く理由が明確かつ単純だから、とてもとても動きやすいわけだ】
【しかし、こうして考えるとどの提案も魅力的だ……】
【人をアレしちゃうと、その時点で敵対フラグが立っちゃいそうだけどね】
【それでもいいなら構わない。それが嫌だというなら……まあ、ありがちなところで共闘とかにもなるのかな?】
【うーん、ならそっち方面で遭遇でもいいけどね】
【僕は人殺しだからという理由で戦ったりしないよ】
【正義の味方でもなんでもないしね。そのまま語り合うかも知れない】
【利害関係の発生しない話し相手っていうのも、偶にはいいかもね】
【でも、最初の遭遇くらいはそこそこオードソックスに行こうか】
【それに、何かしらやってるところに来て貰った方が、色々とやりやすそうだしね】
【ただそうなってくると、犠牲者には犠牲者で何か理由が必要だ。私がそいつをつまらないと思うような、ね】
【……そうだな、私がいつものように一人、ふらりと夜を歩いていると】
【いかにも柄の悪そうな奴らに絡まれてしまったわけだ。最初は面白そうだと思っていたが、小悪党の相手は思ったよりもつまらなかった】
【そこに丁度通りかかったあんたは、不運な彼らの末路を見届けてしまう】
【……と、ちょっとしたあらすじを考えてみたが、どうだろうね】
【問題ないよ、こっちにはね】
【平然と見ている僕に興味を持った、という始まりだね】
【さて、今から少しやって凍結か、それとも日を改めて】
【やるか・・・・・明日と明後日は20時以降から空いてるね】
【どうしよう、キミに任せたいけど】
【納得して貰えたようで何よりだ、ならばそういうことで行こう】
【つまらないものを見せられて、私は少し飢えているだろうから】
【うまいこと楽しませておくれ、そしてあんたも楽しんでおくれ。できればだけどね】
【そうだね……私は明日も明後日も問題はない。とりあえず明日ということにしておこう】
【そして……試しに一つ二つ進めてみて、それから明日に向けて調整していくことにしようか?】
【そっちに見合う文章が書ければいいけどね、こっちは】
【じゃあ、今日少しやって、明日再開ってことで】
【書き出しは頼めるかな、その流れだとそっちの方が自然だし】
【了解、少し待っていてくれよ】
……退屈だねぇ。
(と、呟くと、それに答えるかのような声が、三つ)
(電灯の明かりが暗がりを照らし、その真下に立つ4人の男女)
(夜の空気はほどよく湿っていて、なぜか彼女の回りは殊更に空気が湿って感じられた)
「だから、オレ達が楽しませてやるってさぁ」
「そうそう、俺達いい店知ってるんだぜ」
「それに、こんなところで一人で突っ立ってたってつまんないじゃん?」
(夜の街には、この手の輩は少なくない。もちろんそれは、あらゆる異形が跳梁跋扈するこの街でも同じ)
(昼の彼女であれば、こんな言葉にも興味を持ったかも知れない。だが、今は夜)
(夜の彼女が求めるものは、尋常ならざる何か)
やっぱり、つまんないわ、あんたら。
(だから彼女は、バッグから取り出したペットボトルの蓋を開け、口を付けた)
(それに対して男達が何かを言い放とうとした刹那。夜闇に三つ、風を斬る音が響き渡った)
(鋭い水の刃に首を裂かれ、息と鮮血を漏らしながら倒れる三つの人であったもの)
(そして、意識は次なる訪問者へ)
(湿った空気に含まれた水滴の一つ一つは既に彼女の支配下)
(つまり、そこに踏み入れたものは皆須く彼女の察するところとなっていたのだった)
(組織が運営するサイトで情報を交換し、古文書と地図の解析をする)
(小休止に缶コーヒーを飲み、相棒の痴態を納めた画像を見て心を癒す)
(けれど、些かやる気が起きない。仕事に集中した反動だろうか)
(しかし、寝るにはまだ早い。徹夜に慣れている身としては尚更だ)
コンビニ、便利だよね。
(かくして、彼はコンビニエンスストアに足を運ぶ)
(雑誌と缶コーヒーを十本ほど購入し、店を後にする)
(街灯と雑踏。街を見ながら悠然と歩く。暇潰しを探している若者)
(飲み屋に繰り出そうとしている中年たち。水商売風の女性とすれ違う)
退廃の色っていうのは、何処の国も一緒だよね・・・・・・・
(一人、呟く。誰もその言葉を聞くことはない)
(静かに、幽霊のように静かに音もなく歩く)
(ふと、視線が移動する。そこで展開されていた、在り来たりな風景)
(それが殺戮の宴に移行するのに、さして時間は必要なかった)
おや、大変そうだね。
ま、手伝うまでもなかったようだけど・・・・・・
(一部始終――踊る水が不埒な男たちの首を切断するを目撃してから近づく)
(殺戮の現場を見ても、彼の白石の表情は動かない。いつも通り、冷やかな眼差しを)
(女性にしては長身の部類に入るだろう彼女に向けている。彼にとって、殺人は忌避すべき)
(ものではなく、あくまで日常に組み込まれた在り来たりな事象に過ぎないのだ)
ああ、手出しは無用さ。こんなつまらないことに他人を巻き込むほど、私は悪趣味じゃない。
(果たしてどのような声をかけられるだろう、幾通りも予想はしていたが)
(その時かけられたその言葉は、彼女にとって最も喜ぶべきものだった)
(それをあたりまえのこととして受け入れている声。それは、すなわち彼女の考えとも同じだった)
(つまらないものが、彼女の前に立つことは許されない)
(そしてそれは彼女にとって当然のごとく、その声の主に対する興味がわいた)
(この状況を何事もなく見届けたその男に、非日常的な何かを感じ取った)
こんばんは。あんた、面白いね。
(だから彼女は、まるで親しい友人にするかのように手を挙げて、笑って見せた)
あんた誰、って聞こうと思ったんだけどさ。
こういう時は、自分から自己紹介をするのが礼儀とも言う。
私は霧原朱音、見ての通りの女子高生だ。よろしくね。
(警戒している素振りすら見せずに、つかつかと歩み寄ってその手を差し出した)
【日付が変わるね。続きは火曜日でいいかな?】
【20時以降には顔出せるけど、そっちは?】
【問題ないよ、そのくらいの時間に顔を出すようにする】
【明日を楽しみに待たせて貰うよ】
【了解。お疲れ様】
【また明日よろしくねノシ】
>>162 (吹き出る鮮血が地面を濡らす。頸動脈を断たれたようだ。手当しなければ)
(数分で死亡確定する。だが、この白い髪の少年は、手当をする事もなければ)
(救急車や警察を呼ぶこともしない。ただ、いつもと同じ冷淡な双眸で近寄ってくる)
(女性を見つめているだけだ。その親しげな顔。親しげな態度。そして異質な雰囲気)
――キミほど、ユニークな人間じゃないけどね、僕は。
(背中に冷や汗を掻きながら表情は崩さず、眼鏡の位置を直す)
(彼にとって殺人も異能も、恐怖の対象ではない。問題は底の掴めぬ異質さの方だ)
(彼女の異質さは、「こうあるべき」はずのものが明らかに「そうではない」事に起因する)
(まるで違う星の生命体と対峙しているような感覚がある。故に警戒する必要がある)
・・・・・・真賀樹 漸。至って平凡な高校生だよ。
コーヒーでもどうかな。微糖でよければ、だけど。
(その差し出された手に、素直に握手を返す程彼は自分を過信していない)
(代わりに、缶コーヒーを差し出して握らせる。同時に、いつでも糸を出せるように袖口に)
(忍ばせて地面に垂らしておく。警戒を怠る事は、自殺の準備と同義である彼は知っている)
どうだろう?僕、警察とは仲悪いんだよね。
何処かに移動しない?ゆっくり休める場所でさ。
(至って平凡な、まるでナンパしているような風情で提案する)
【レス投下して待機】
【すまない、待たせたね】
【こっちも今し方戻ったところで、ちょっと準備に時間がかかりそうなんだ】
【よければ、あと20分くらい待って貰っても構わないかな?】
【問題ないよ、慌てずどうぞ】
【今戻った、これから返事を書かせて貰うよ】
【今夜もよろしく、ね】
【お帰り。よろしくね】
(その手に握られた缶コーヒーの感触と、地面に落ちた細い何かの感触は同時に訪れた)
(するすると垂らされた糸が触れる大気中の微細な水滴、その一つ一つの感触を区別できるほど繊細ではないが)
(それでも、そこに何かがあると言うことだけは察知した)
(だからこそそんなことなどおくびにも出さず、すぃ、と目を細めて)
あはは、助かるよ。私、ブラックは苦手なんだ。
(コーヒーを介して繋がっていた手と手が離れ、そのラベルを見てまた一つ、笑みを深め)
マガキ ゼン。……ふぅん。覚えたよ、よろしく。
(やはりその言葉は、名前ではなく何か記号を読むかのようで)
(そもそもにして、名前自体が人を区別するための記号に過ぎないのかも知れないけれど)
あはは、はは。みんなそういうんだ、夜の私に出会った奴は、みんな。
不思議だよねぇ、何が違うんだろう?私と、あんたと。
(目の前の相手も恐らく、同じく異形、それでもやはり自分とは違う)
(そして、あたかも自分が特異であるような口ぶりに、首を傾げて呟きながら)
(考えるような素振りをしながら、ゆっくり歩を進める。円を描いてぐるぐると)
(時折、血だまりを踏みしめ足音に水音が混じる)
そうだな、折角面白そうな事に巡り会えた。立ち話というのもなんだろうね。
それに、何時までもここにいると、つまらないことになりそうだし。
……で、何処か行くあてでもあるのかな?
(言葉が通じるという事は結局どういう事だろう。眼前の相手がこちらの名前を)
(認識したのは間違いないが、まるで記号でも読む様な発音である事に齟齬を抱く)
(ますます解せない。故に表面上は平坦に、その裏側では注意深く行動する)
さてね、僕は心理学者じゃないから解説できないし、詩人でもないからそれを
抽象的に表現する事もできない。即物的に判断するなら、僕は男でキミは女。
キミは特別で、僕は平凡だってことかな。
(違和感。警報が頭の奥で鳴っている。だが、それを意図的に無視する)
(本能は理性で押さえつける事ができる。それが人間。彼は興味を持っていた)
(眼前の、恐らく場合によっては致命的に危険な女性に)
そうだね・・・・・
キミの部屋か、ラブホテルかな。いい場所知ってるんだけど
(露骨に誘っている様な台詞と、反比例するような相手を探る様な視線)
(この物言いに、普通なら呆れて去るのが普通。だが、相手は「普通」ではない)
(それ故の誘い。悪い癖だとわかっている。君子でなくとも危うきに近寄らないのが処世術)
(それでも危険な事に首を突っ込んで真相を知りたがるのは、根は冒険家である証拠か)
(本能は抑えられるが、好奇心や探究心は抑えられないのが、冒険家の最大の特徴だろう)
私が特別、か………。
(どれほど異形を秘めたものでさえ、揃って彼女を特異と呼んだ)
ならば、それはそれでいいだろう。私は特異だ、認めよう。
……でも、さ。嘘はよくないな。あんたの何処が平凡だって?
平凡ってのはね……こういう、つまんない奴らのことを言うんだ。
(使い古していらなくなった、そんな玩具を見るような目で、三つの躯を一瞥してから)
あんたも特異なんだよ、まさか、認めてない訳じゃないんだろう?
(それが自然であるかのように、この猟奇事件の場に足を踏み入れた)
(そして、臆することなく自分に接するこの男)
(彼が彼女に抱いたように、彼女も彼に興味を持っていたのだった)
(ただ違うことがあるとすれば、彼女の興味は退屈しのぎにも似たものだったのだが)
しかし、私が女であんたが男であることは間違いない、か。
……ふふ、ふ。だからこそそんな言葉も冗談じゃあなくなってくるんだよね。
(考える、彼が自らを特異と称したのならば、それを警戒しないはずもない)
(だとして、こんな誘いを持ちかけてきたのは何故か。考える)
(答えは程なく見つかった、恐らく彼も、何かしら押さえきれない興味を持っているのだろう)
(その対象は、恐らく自分。そう考えて笑みを深めて)
……面白い、ね。いいよ、行こうか?私の部屋。
ふふ、誰かを部屋に呼ぶなんて、随分久しぶりだな。
(ならばこちらも誘いを一つ。自らの領域への招待)
(伸るか反るか。その答えを期待してまた、目を細めて笑った)
おや、僕の何処が特異だって?
期待に添えなくて悪いけど、僕にキミのような芸はないね。
ついでに言うなら、口下手で、キミのような美人が苦手でね。
だからこうしてるだけで緊張するから、そんな目で見ないでほしいかな。
(嘘八百を並べ立てる。ここまでわかりやすい嘘だと、逆説的に相手の)
(言い分を認めているのと同義であろう。しかし、彼は基本的に素直ではない)
(彼が彼女に臆さないのは、単に殺戮現場に慣れているという事と、変わった人間と)
(対峙するのにも、仕事柄慣れているというだけだ。異能も異才もないのは本当である)
悪いね、気の利いた台詞のひとつも浮かばなくて。
だからナンパしても成功した試しがないんだ。
(そして相手の反応は、ある意味想定した範囲であった)
(そして自分の部屋に招く、という行為に隠された意味は――)
おや、いいのかな?ふふ、悪いね。
けど、いいのかな。僕は結構悪い男でね。油断しない方がいいよ。
(適当な言葉を連ねながら、思考を順序よく組み立てる)
(勝負で負けない為の鉄則は、相手の得意なフィールドで勝負しないことだ)
(なら、この誘いに乗る事は自分の心臓を地面に晒すのと同義だ)
(しかし、虎の穴に入れば――という言葉もある。ハイリスク上等で勝負に出る必要もある)
理由は簡単さ。私が興味を持つに値する相手だった。
私が特異だって言うのなら、その私が興味をもったあんたも……同じって事。
(それはあまりにも身勝手な論理だった)
(だが、それを唱えたのは人なる異形。自らの言葉を疑う余地すら見せず)
ははは、あはははは……はは、は。
(矢継ぎ早に並べられる嘘を断ち切るように、甲高い笑い声を響かせて)
いや、やっぱりあんたは面白い。面白いんだけどさぁ……。
つまんない嘘、つくんじゃないよ。
(僅かに怒気すらはらませて、低く重い声を浴びせる。瞳はぎらりと危うい色を帯び)
(彼女にとって怒るべきものは何か、喜ぶべきものは何か。それは彼女にしか分からない)
(彼女が、類するものなき異形なればこそ)
そうだな、確かにそれは減点だ。あんたには、しっかり私を楽しませて貰わないとね。
(僅かな苛立ちが混じる声)
(問答にも飽いてきた、いくら興味を持ったといえど、つまらない言葉の応酬だけでは満足できなかった)
(仕掛けるか、と仄かに殺気を纏わせて、大気に潜む水滴達が震え始めた)
(その、緊張が破れる刹那)
……そう、来るんだね。
(どうやら失望せずに済みそうだ、自然口元も緩んでいて)
もちろん、それも承知の上さ。私もそこまでガキじゃあない。
それに、油断できないのはお互い様……だろう?
(問答を繰り返す内、先程垂らされた糸の位置を探り続けていた)
(大気に震える水滴が、ようやくその位置を割り出して)
(問答に集中していたその隙に、先程3つの命を奪った水の刃がそっとその糸を断ち切らんと迫った)
(それはあくまで、ちょっとした脅しのようなものではあったが)
(怒気を孕む声。だが彼は動じない。自制心を失った方が相手に)
(流されるのが勝負の鉄則。故に彼は相手の平常心を奪う事から始めた)
(怒りは緊張を生み、時に平時の実力を発揮させない事もあるのだ)
(相手が異質であれ、怒りという感性があるならそれにつけこみ、流れを支配する)
(事は困難にしても、こちらにある程度寄せる事は可能なはずだった)
(苛立つ彼女。ギチリと歪む空気。さて、此処が勝負の場面か否か)
(彼女が水でこちらを探っているのと同時に、自分も糸で周囲の挙動を探っている)
――悪戯にしちゃ、性質が悪いね。
(彼は表向きの平静を崩さず、言ってのける。内心は安堵の吐息で充満している)
(つまり、彼女が仕掛けるの同時、こちらも仕掛けている。断たれた糸は三本。残った)
(二本が彼女の首と右腕に巻きついて、蜘蛛の糸より細く日本刀より鋭いその存在感を主張する)
さて、この状態ではどっちが早く仕掛けられるかな?暗殺っていうのはね、一撃で決めないと意味がない。
遊びの一撃は相手を警戒させるだけさ。相手を無力化したなら話は別だけどね・・・・・・
(キリキリと、少しずつ締め上げる。その気になれば、頚椎を切断し、倒れ伏した男たちの後を追わせる事も可能だ)
――テストはこの程度でいいかい?じゃあそろそろキミの部屋に行こうか。
(相手が本気で仕掛けてくる前に、糸を巻き上げて拘束を解く)
(賭けごとでも何でもそうだが、引き際が肝心。必要以上に煽るとこちらがご破算だ)
(一つ、糸を断ち切ると同時に迫った二本の糸)
(一本の糸を断ち切るために注意を向けていた彼女は、それに気付くのが僅かに遅れた)
(恐らくその遅れは致命的なもので、二本の糸は狙い違わず右手と首に巻き付いた)
(皮に食い込み、肉を裂こうとするその糸の存在を確かに感じながら、彼女は笑った)
くく、くはは。あはははっ!!
(きりきりと、その首を断たんと糸が迫る。久々に感じる痛みと、死という感触)
(ぷつ、と皮が裂けたが、流れるはずの血は流れずに)
私としては、悪戯で済ませなくてもいいんだけどさ。
(痛みという名の現実に、少しずつ彼女のスイッチも入っていく)
(戦いの高揚感、それを求める彼女へと)
さっき、あんたは私を特別だと言ったね。そんな特別な奴が、首を落としてそれで死ぬと思うかい?
そんな特別な奴の首を、そうそう簡単に落とせると思うのかい?
(もちろん、首を落とされて生きていられるはずなどない。それは分かっているのだが)
(それでも表情を崩さない。狂気すら感じられる笑みと、その奥に隠された純粋な好奇心に)
(怒気は早々に払いのけられ、恐怖すら、興味の前には霞んでみえた)
………残念。
(元のように戻った糸の軌跡を残念そうに見送って、僅かに裂けた首筋にそっと手を這わせた)
(薄く裂けた傷跡を塞ぐように、血のリングがそれを覆う)
(液体を操る媒介は彼女の体液、ならばもちろん、その血の流れも自由自在)
(こうして塞いでおいたのならば、すぐにでも瘡蓋となり、元の肌へと戻るだろう)
(その程度の再生能力は、彼女の身体が持ちあわせていた)
じゃあ、おいでよ。いつもだったら面白くもない場所だけど。
あんたが来るなら、少しは楽しい場所に変わりそうだ。
(言葉だけを残して歩き出す)
(20分ほども歩いただろうか、市街地を離れた閑静な住宅街)
(この時間ともなれば大抵は家族の賑わう家々の中、唯一灯りの点らぬ家)
(その前で立ち止まって、鍵すらかけない扉を開けて)
どうぞ、いらっしゃい。
(家の中は、不気味な暗がりに満ちていた)
さてね。頭部を切り離されて生命活動を継続できる生き物は存在しないからね。
ま、キミがアメーバーみたいな原始的な生命体なら話は別だけど。
(冷や汗を掻きつつ、わざわざ相手の問いに答える余裕を演じる)
(相手の血が流れない事を不審に想いつつ、それを頭の隅に留めておく)
賭けとしては悪くないと思ったよ。少なくともこっちのリスクはない。
仕留められなくても、時間稼ぎにはなるだろう?それに、特別だろうが凡俗だろうが
死ぬ時は死ぬ。なら試すのも悪くないんじゃないかな?
(薄い氷の上を歩くような、そんな感覚。だが、彼にとってはそれが日常)
(この世界は危険に満ちている。それは地雷原と同義であり、油断をすれば)
(あっという間に致命傷になる。その瀬戸際を見極め、自分の欲望を満たすのが)
(彼の生き方であり、トレジャー・ハンターとしての在り方だ)
・・・・・・細胞の再生率が正常じゃないね。それとも、血流操作の一種かな。
(瞬く間に傷を塞ぐ彼女に、可能性を幾つか列挙してみる。現時点ではどちらとも判別できない)
(彼女の後を追い、歩きだす。さて、自分が何の為にこんな事をしているのかわからなくなってしまった)
(或いは彼女も手駒として使えるか?可能性は未知数。飼い慣らせる自信は、まだない)
お邪魔します。
家族の人はいるのかな?それとも独り暮らし?
(警戒しつつ、それでも自然な動作で靴を脱ぎ、足音も立てず暗い家にあがる)
それもまた、あんたの常識だろう。
……まあ、私だってそんな物騒な常識は持ちあわせてないんだけど。
(先を歩きながら、振り向きもせずに話す)
(先程から握ったままだったコーヒーを思いだして、プルを起こして口を付け)
そうだね、確かにさっきのあれじゃ、先手を取られたのは私だったかも。
逃げるにしても追うにしても、面倒なことになってたかもしれないねぇ。
(少なくとも、あのまま死ぬことはなかっただろうと考える)
(糸があのまま首を断とうと迫るなら、切り口から溢れた高圧の血の刃がその糸を裂いたはず)
(そんな仮定の妄想は、先手を取られた悔しさを紛らわすための代償行為?)
(不意の自問も、答えは見いだせなかった)
………当てて御覧よ、そのうちもっと見せたげるからね。
(後ろ髪に手を当てる、髪が一房消えていた)
(糸による攻撃の最中、断ち切られてしまったのだろう)
(伸ばした髪は気に入っていただけ、少しだけ残念だった)
(それでも、後ろを歩く男との楽しい時間を考えると、必要経費とも割り切った)
いないよ、ちょっと前に死んだ。
まあ、面白くもない家庭だったし、別にいいんだけどね。
ただ、家の中は少しだけ広く感じるよ。
(電気をつけて現れたのは、何の変哲もない家の中)
(ただ、一つだけ違うものがあるとするなら、それはあまりにも希薄な生活感)
(かつてそこで数人の、今そこで一人の人間が暮らしているような痕跡など、まるで見られなかった)
(唐突に制服の上着を脱ぎ去って。下に着ていたシャツまで脱ぎ捨てて)
(ソファーに腰掛け足を組む、豊かな胸と、それを押さえる薄紅の下着を隠そうともせずに)
……こういうこと、しに来たんだろう?なら前振りはいいじゃないか。
(面白そうに口元を歪めて、軽く首を傾げて誘った)
よく言うよ。僕だって退屈だからってナンパしてきた相手を斬り殺す様な
常識は持ち合わせてないね。それに、常識なんて言葉は、時代の生んだ共同幻想さ。
だから、キミみたいなのを相手にするなら躊躇なくって事にしてる。
もっとも、結局は殺さなかった僕の言える台詞でもないけどね・・・・・・
(振り向かず話す彼女の口調に、何処か悔しげな響きを感じ取ったのは気のせいか)
ま、何にしても死体の処理の手間とか考えたら、殺さずに正解か。
日本の警察は、アレで結構優秀だからね・・・・・・
(足跡から追跡されたら厄介だなと考えて、何処かで靴を処分する事も考える)
ふーん、そうか。僕も両親いないよ。
僕が十歳の頃に、どこぞの遺跡の中でトラップには嵌ってね。
(相槌を打ちつつ、相手が興味を示しそうな単語を混入させておく)
(遺跡、トラップ・・・・・・通常の会話では使われない単語だ)
――積極的、だね。そういう事考えなかった言えば嘘だけど。
(案内されるまま、生活感のない居間に通される。まるで引越したばかりのような空虚さ)
(その空虚さに逆らうように、生命力を主張する少女のあられもない姿。特筆すべきは)
(紅い下着に覆われた乳房の質量感だろう。男なら、特殊な趣味でもない限り吸いついてみたい)
(と願わずにいられない。そして、彼の守備範囲は限りなく広かった。だが、そこで油断しないのも彼だ)
前振りは重要だよ。デリヘルでもソープでもないんだしさ。僕が女の子とこういう事するのは親睦を深めて
より相手の事を理解する為なんだ。それに、雰囲気がないと、盛り上がらないタイプでね、僕は。
(誘いにも構わず、対面のソファに座る。緊張した風情もないが、油断もしていない)
キミは結局なんなんだい?
(根本的な問い掛け。突き詰めるなら、それに興味があってここへ来たのだ)
別に、ナンパが気に入らなかったわけでもないし、あいつらが悪いわけでもないさ。
ただ、つまらなかった。それだけだよ。理由はそれで十分なんだ。
よくよく考えてみたら、常識なんてそもそも持ってなかったかもね、私は。
(楽しみを追求することが絶対。そんな価値観に常識が伴うはずもない)
(とっくに気付いているはずのことを、今一度声に出して)
警察、ねぇ。そういうのに追われるのって、きっとつまらないだろうね。
(少なくとも彼女が求めるのは、無数の追及の手よりもたった一つの特異な存在)
(だからこそ、その追及をかわすための手段は用意してあった)
(現場や靴底にこびりついた血痕も、元を辿れば血という液体)
(夜が明けたならその液体は、何処か人目のつかないところに消えているだろう)
へーぇ、やっぱりあんたも何かと物騒な生き方してるんだね。
遺跡……ってさ、まるで何かの映画みたいだけど。
ええと……なんの映画だったかな?
(その言葉にあっさりと興味を示して、思い出そうと首を傾げる)
(確かに見たことはあったはずだが、思い出せなかった)
……でしょ、だったらそういうことでいいんじゃない?
少なくともこうして溺れたら、その一時はつまらないことを全部忘れられる。
だから、私は嫌いじゃないよ?
(あたかも無防備さを装うように、ソファーにその豊かな肢体を投げ出した)
(しっとり汗ばんだ肌も、スカートの裾から覗くほっそりとした脚も、そして何より強調された二つの脹らみが)
(その全てが、目の前の相手へ誘いを投げかけていたけれど)
……変なの、大抵、こうしたら迷わず飛びついてくると思ったんだけど。
あんたも、そういうのには積極的だと思ったんだけど。
(拍子抜けといった感じの表情は、少なくともそういう行為に慣れていることも示していた)
(だが、そんな表情もまた、他とは違う彼という存在を意識してか興味の喜色に染まり)
私?………私、か。
何処にでもいる、平凡な女子高生……だった気がする。前は。
(もうそのころの記憶が随分とおぼろげになってしまったが)
人間、なんじゃないの?私も。
(軽く頭を振りながら、はぐらかすような言葉を投げかけて)
宝探しの映画じゃないか?僕はそういうの見ないけどね。
トレジャー・ハンターって言えばわかるかな?端的に言えば、
遺跡荒らしなんだけど。実際には沈没船を引き上げて金塊狙ったり。
或いはどこぞの将軍家の埋蔵金探したり、ね。
(言外に自分の正体を明かしつつ、缶コーヒーのタブを開ける)
(微糖コーヒーで喉を潤しつつ、思考を整理してプランを練る)
情欲に流されるのは嫌いじゃないけど、溺れるのは本位じゃないね。
ミイラ取りがミイラ、なんて洒落にもならないだろ。
(無防備に、誘うように、ソファに身体を投げ出す少女。女子高生にも関わらず淫婦の)
(ような態度。彼の視線は舐めるように少女の身体を這っているが、同時に怜悧な観察眼も)
(持ち合わせている。罠の有無を確認せずして秘宝に手を出さないのと同じことだ)
ふふ、期待はずれかな?美人局に引っ掛かりそうになった事があるからね。
その時はどうにかなったんだけど、それ以来慎重派になっちゃったのさ。
(缶コーヒーを半分ほど飲み干して、テーブルに置く)
人間か。だとしたらキミは異能・・・・・
いや、多分肉体に起因する能力だから、特異体質というべきかな。
それで?キミは酷く退屈してる様に見えるけど、これも退屈凌ぎの一環かな?
(退屈、平凡、特別、興味、好奇心・・・・・・・彼女との会話から抜きだされ生みだされる単語)
(彼女は退屈している。それは確定している。それを埋める何かを探しているという事もだ)
ああ、そういえばそうだった。宝探し。
子供の頃、そういうのに憧れた……っけ、なあ?
(薄く目を開いて、不思議そうに首を傾げた)
(思い出せない違和感を、さしあたり目の前の興味で埋めようとして)
トレジャー・ハンター。……なんか、面白そうな仕事だね。
その手の遺跡には罠が付き物だし、沈没船となるとそれこそ大分大がかりだね。
埋蔵金、なんて。よくよくテレビで聞くような………ああ、そんな話だね。
(思い出せないことを考えようとするとのは気分がよくない、大きく頭を振って)
そっか、案外冷静なんだね。……じゃあ、このやり方は止め、だな。
着替えてこよう。
(身を起こしてそのまま立ち上がり、躊躇いもなくスカートを落とす)
(下着に手をかけ……ようとして一度止めて、冗談っぽく笑いかけて)
(かけてあったナイトガウンを身に纏って、もう一度ソファーに腰掛けた)
なかなか大変なんだねぇ、あんたも。……やっぱり、面白い人間は面白い経験から生まれるのかな。
……羨ましいね、ちょっと。
(今の自分になってから、さほど多くの経験をしているわけでもない)
(それ故に、自分は退屈しているのだろうか。だとしたら、この男がその退屈を消してくれるだろうか)
(伏し目がちに、相手の一挙手一投足に注目を寄せていた)
……もちろんさ。私の人生は、退屈との戦いなんだ。
私がこの世に生まれた時から、あるいはその前から。私はずっと退屈だったんだ。
(異能としての自分が目覚める以前。平凡な家庭の、平凡な学生であった頃)
(そんな自分も、全てに退屈していたのだろう。だから今の彼女は貪欲に、退屈を紛らわす何かを求めているのだ)
(それを知らずにいる、過去の自分を忘れている。それが、時折彼女を苛んでいたりもした)
【さて、今夜もリミットだけど、どうしよう】
【明日、水曜日の20時以降は今日同様に空いているよ】
【それ以降は日曜日まで、多分空いてないね】
【こちらもそれで問題ないよ】
【また明日、今日と同じ時間にお願いするよ】
【了解、今夜もお疲れ様】
【濃いロールを堪能させてもらってるよ、またよろしくね】
【こちらこそだ、楽しかったよ】
【また明日、よろしく頼むよ。それじゃあね】
【どうやら明日は先約があるようだ】
【流石にそれを邪魔するわけにもいかない、明日はひとまず延期としておこう】
【次の機会は……今すぐに決めるのは少々難しいな。近い内に向こうに伝言を残させて貰うよ】
【とんだ早とちりもあったものだ】
【上の発言は忘れて欲しい。……いや、本当に迷惑ばかりかけてしまってすまない】
【明日も、楽しめればいいと思う】
>>183 実際は、興味や憧れだけでできる職業じゃないけどね。
場所によっては、土地の持ち主や国に金を払わないといけないし。
そういうのが嫌なハンターは、必然的に国家権力とは仲悪くなるわけさ。
遺跡の探索にしても同じさ。進入禁止なのを承知で踏み込まないとならない。
だから、僕もあんまり国家権力とは仲が良くないんだよね・・・・
(彼の台詞には一切の誇張がない。国家権力の追求をかわすのが、彼の様な)
(非合法の世界の住人にとって、とても重要になってくる)
おや、着替えるのか。残念だな。
裸で迫られたら、流石に理性を保てる自信がないね。
(こちらもニッと唇の端を吊り上げて、彼女の悪戯を軽く流す)
そこそこはね・・・・・・ま、実際は死にもの狂いで生きてきただけだよ。
楽しくないって言ったら嘘になるけどね。色んな国の色んな場所を巡ってきたよ。
(ゆるやかに笑う。今度は偽りのない、穏やかな本当の笑みだった)
(自分の辿ってきた道を思い返して、自然と浮かんできた笑みである)
ふぅん・・・・・・僕にはわからないね。この世界には、楽しい事が沢山あるのに。
その気になれば、気軽に海を越えられる時代なんだよ、今は。
見たいものを見に行けばいい。行きたい場所に行けばいい。
(自分にはやるべき事があり、その次にやりたい事がある。退屈や倦怠を感じている)
(暇などありはしない。時折息抜きをする事もあるが、それも楽しい事には違いない)
もし、何がしたいかすらわからないなら、僕がそれを提供できるかも知れない。
(ここが勝負を掛けるべき場面だった。実際、表面上ほどこちらに余裕があるわけではない)
(彼女の気が変わったら、やり合わなければならない。そして糸しか所持していない現状で)
(彼女とやり合って勝てる公算は限りなく低いと断言できる。だからこそ、弁舌に頼るしかない)
【今夜もレスを投下して待機】
はは、そりゃあそうだろうね。やりたいと思ったことがそのままできるほど、この世界は容易くもない。
普通に考えたら、勝手に人の土地だの建物だのに踏み入るんだ。軽く不法侵入だね。
別に、それが悪いってわけでもないけど。面倒だよね、それも。
(考えてみた。トレジャー・ハンターとしての日々と、その合間の身を隠す日々)
(まず間違いなく、前者の方が日は長い。一時の楽しみのために雌伏の時を経る)
(それも嫌ではなかったが、それを生業路するのは、やはり退屈も過ぎるだろう。そう考えた)
そうなったらそうなったで、私も溺れてみるだけさ。
まあ、今はこうして話をするのも楽しいからね。それでもいいとは思ってる。
(冗談交じりに肩を揺らして、ソファーの上で頬杖を付き)
羨ましいね、そうやって、思いだして笑える思い出があるってのは。
……こればっかりは、私にも真似できることじゃあない。
(軽く頭を振りながら、羨望とも取れる眼差しを向けて)
だが、それだけこの世界には面倒も多い。
見たいものを見るためにも、行きたいところに行くためにも、ね。
それに私はまだ学生だ。私にとって、学校という場所はただ退屈な場所じゃない。
(昼の彼女にとってはと、その言葉には付け加えなければならないけれど)
(ただの学生としての他愛ない日常も、昼の彼女にとっては楽しみなのだから)
あはは……それは、本当に魅力的な提案だね。
一体、何があるんだろう。あんたみたいに面白い奴なら、きっと退屈はさせないだろう。
興味は、あるよ。
(薄く浮かべていたままの笑みを僅かに深めて、身を乗り出した)
(目と目を合わせて、その距離を近づけて。相手の何かを読みとるようにじっと目を見つめ続けた)
(恐らく相手にも見えるだろう。黒々と輝き、それでいて何処か人形のような瞳が)
じゃあ、教えてよ。
(囁いた)
【今日もよろしく頼むよ】
ふふ、まあ、基本的に非合法な商売だからね。
けどね、困難の末に秘宝を手に入れるその瞬間は、その全てが吹き飛ぶよ。
時代の流れに埋もれた、有り得ざる「遺物」を手にしたその刹那にね。
(掌を開いて、何かを握り締める仕草をする)
(浮かぶのは、不敵なトレジャー・ハンターとしての表情)
こういう雰囲気は嫌いじゃないよ、僕もね。
(警戒は緩めない。油断はしない。けれど、会話と雰囲気を楽しむ)
(緊張の上に成り立つ和やかさ。一見矛盾しているが、それは時に成立する)
そういう記憶には事欠かないからね。まあ、良い事も悪い事も同じ程度には
あったと思うよ。どんな事も、いずれは思い出になるものさ。出会いも別れも、
怒りも悲しみも、誰かに思いを寄せた日々もね。
(大切な相棒と共に駆け抜けた日々。それは何物にも代えられない記憶)
(だからこそ、彼は相棒の呪いを解くためにこの街の闇を奔走している)
何、簡単な事さ。僕の仕事の手伝いをしてほしい。もうわかってると思うけど、
僕はトレジャーハンター。この街に眠る遺物を求め、海の向こうからやってきた。
(怜悧な双眸が、その好奇心に満ちた瞳を見返す)
(乗り出す仕草はまるで子供の様で微笑ましいが、しかし何処か違和感は拭えない)
(それでも、平静を保つ。ポーカーフェイスは、時に自分を守る手札にもなるのだから)
この街には遺物が多い。そして、それを守る迷宮や守護者もね。一人で踏破するには
少しばかり手間が掛る。迷宮はともかく、守護者を倒すのは僕一人には手が余る。
だから、頼りになる相棒を探しててね。キミに対する報酬は、充実した時間でどうかな?
(結局、彼が出せる手札は、これひとつしかない。相手の関心を引き、こちらに引き込む)
(それが叶うなら良し、最悪でも、この場から無事に帰れればいい)
【時間が掛ってごめんよ、こちらこそよろしく】
そうか、ようやく分かったよ。
(不意に立ち上がり、背を向けて)
私に欠けていたもの、私を退屈させていたもの。
それはきっと、達成感という奴だ。その場その場の退屈しのぎで、ただただ楽しみを求めていた。
そんな、刹那主義的な人間に、達成感なんて得られるはずはなかったんだな。
(窓に向かって立ち、薄膜のカーテン越しに空を眺めて)
だが、その大きな達成感を得るために必要な多くの時間を、面白くもないことで埋められる人間でもなかった。私はね。
だからこそ、そういうのとは無縁で、これからもそれなりに楽しく生きていくんだと思ってたよ。
(振り向いて、とてもにこやかな笑みを見せながら)
だからこそ、その場その場の記憶しか残らない。残せない。
きっと、今やっている退屈しのぎなんて、一月後には覚えていないはずだ。きっと。
そこが、私とあんたの違うところ、なんだろうな。
(そして、もしかしたら目の前の男が自分の望むものを与えてくれるかも知れない)
(そんな、淡い期待を抱き始めた。素直にそれに従えるほど、不用心にはなれなかったが)
乗った。あんたが求めるものがなんなのか、それを詮索するつもりはない。
でも、楽しい宝探しができるってなら、それに乗らない手もないさ。
(未知の迷宮、秘宝の守護者。何とも心の躍る響きに目まで輝かせて)
(その上、そこに至るまでの面倒ごとくらいは、向こうで相手をしてくれそうだ)
(となればただ、自分はその宝への道を拓けばいい)
(果たしてそんなことの果てに、自分の求めるものは見つかるだろうか)
(それでも、ただ毎日刹那の楽しみを追い求めるよりは、よほどマシだった)
人は、何かを追い求めている時が一番輝いている。
在り来たりな言葉だけど、それも真理さ。
怠惰に過ごした一年と、目標を立てて過ごした一年は違うだろう。
刹那的に生きるのが悪いとは言わない。けどね、それでは何も残らない。
達成感も充実感も、大切な人も、その思い出もね。
(どうした事だろう。まるで、普通の人間の様に語りだす少女)
(雨上がりの空を思わせる、眩しい笑顔。それは先ほどの印象とはまるで異なる)
突き詰めるなら、人間が本当の意味で持てるのは記憶だけさ。
だからこそ、人は懸命に生きて、何かを成し遂げて、そして死ぬ。
(自分も立ち上がり、彼女に対して少しだけ間合いを詰める)
(愛し合うにも、憎み合うにも、微妙な距離感)
最後の瞬間に満足できたなら、きっとそれはよい人生だったんだろう。
(自分にそれができるのか、わからない。けれど、悔いを残す気はない)
(ならばこそ、外道に身を堕として尚突き進む。自分の求めるものの為に)
――そうか。ならキミと僕は今日から相棒だ。僕はキミを利用する。目的の為にね。
その代わり、キミは僕を利用する。退屈凌ぎの為にね。願わくば、その果てにキミが大切な
秘宝(おもいで)を手に入れられるように――よろしく頼むよ、朱音。
(少し躊躇したが、一歩、一歩間合いを詰めて、そして手を差し出す。契約を迫る悪魔のように)
さあね、私には今のあんたの言葉を裏付けられるだけのものがない。
それが正しかったか間違っていたかは、自分で決めるさ。これからあんたに付き合っていく内にね。
別に、誰かに何かを残したい訳じゃあないけどさ。それでも、自分に何も残せずに終わるのは、つまらないからな。
(ただただ、面白い物事だけを追い求めていた今までとは、何かが違う)
(そんな予感がしたから、賭けてみようと思えた)
(理由はただ一つ、信じられる。彼女がそう思ったから。そして、それ以外の判断基準を何一つとして持たなかったから)
何時死ぬのかなんて、さっぱりわからないけど。
(そもそもにして人とは違うのであろうこの身体に、人らしい死が与えられるのかも疑問だったが)
それでも、その時くらいは楽しく逝かせて貰わないとね、わざわざ死んでやる価値もない。
結局、自分の生き方が何だったのかって答えも、その時にならないと出てこないってのは……酷い話のような気もするけど。
(近づいてくる、その歩みは止まらなかった。目を細くして、その動きに注視して)
(今なお、その場の興味を埋めることでしか退屈を紛らわす術を知らない)
(それでも、この出会いが、この男がそれを変えてくれるのなら。悪くはない、そう思った)
相棒、か。……まるっきり信じられたわけでもないけどさ。
こうやって利用し合う間柄ってなら、悪くない。
(差し出された手に僅かに目を見開いて、笑みを消す)
楽しませてくれよ。そのためになら、どんな道でも拓いてやるさ。
頼んだよ。………。
(僅かな逡巡、目を伏せ、その瞳が再び開かれた時には)
漸。
(恐らく始めて名前を呼んで、その手を握って笑みを浮かべた)
(それは楽しみを表したものでも、穏やかな笑みでもなく。獲物を目の当たりにした狩猟者の如く)
(それから始まるであろう戦いに、心を燃やす者の笑みだった)
信頼なんて言葉は、後から付いてくるものさ。
だから、今はそれでいい。契約とは、そういうものさ。
勿論、ちゃんと楽しませてあげよう。死ぬほど後悔するかも知れないけどね。
(ニッと唇の端を吊り上げて笑う。それは悪党と呼ばれる人種特有の笑み)
(けれどそれは、燃え盛る様な生命力を秘めた、野性的な笑みでもある)
(相棒も、同種の笑みを浮かべている。その笑みだけは信用できると彼は思った)
(結ばれた手と手。交わされた契約。それは信頼ではなく打算と欲望と)
(それぞれの利益の為に交わされた、傲慢な程に身勝手な契約)
(それでも、共に往くと決めたこの瞬間、二人は繋がった)
で――どうしようか、これから。まだ探検の準備は整ってないし。
親睦を深める為、僕の思い出話でも聞くかい?
何なら、このままベッドインしても構わないけどね。
(服を羽織ったとは言え、その肢体の魅力は半減していない)
(むしろ、男の劣情をそそるには十分であろう。無論、彼としてはどちらでもいい)
(冒険に関する話をするのも、SEXに励むのも同じ程度には楽しいからだ)
死ぬほどの後悔なんてのは、つまらない死に方をした時だけでいい。
少なくとも今のところは、私はあんたと共に往く。私がそれを望む限りね。
ずっと先を行けとも言わないさ。必要ならば、あんたの前に立ってやる。
(結んだその手に力を込めて、離す)
(その手にまだ残っている、握った手の感触を刻むように軽く手を握り。そしてまた開き)
(その手が触れ合った瞬間から、何かが変わり始めたのを感じた)
(退屈との戦いであった日常は、探求の日々へと)
(刹那の楽しみを求める彼女は、心に何かを刻もうとする彼女へと)
そうだね……あんたの話も聞いてみたい。溺れてみるのも悪くない。
でも、私にしたいことができた。私の話を聞いてほしい。
そして、一つだけ頼まれて欲しい。
(この際だから、と身を乗り出して囁いた)
今すぐにわかる事じゃあない。それでも、もしも分かるなら、調べて貰いたいことだ。
私には、その手の伝手はないもんでね。気が向いたらで構わないけど。
(利用できるのならば、早速利用してしまおう)
(随分と不躾な頼みではあったが、断られるならそれでよし、万が一受け入れられるなら……それもまたよし)
いい心がけだ。そのくらいの気概でないと、相棒に選んだ甲斐がない。
必要なら僕が進む。必要ならキミが進む。共に往くとしよう。
(何かが、変わった。彼女の印象が、初見の時より変化している)
(異星人と対話していた様な感覚が薄れ、人間と話している様な安心感がある)
(或いは、その程度にはこちらが彼女の事を身近に感じるようになっただけなのか)
(答えはわからないし、明確に出す必要があるとも思えなかった)
キミのしたいこと・・・・・?
ふむ、キミの話か。構わないよ。とても興味がある。
(そもそも、それが彼女に接近した理由の発端であった)
僕に調べられる事ならね。内容を聞こうか。
それによって返答が変わる。少なくとも、キミより情報収集は得意のはずだよ。
僕自身にわからなくても、ネットで知り合いに調査を頼むって言う手段もある事だしね。
(一度ソファに戻って、身を沈める。気分を切り替え、彼女の話を聞く為に姿勢を正す)
それで、僕への頼みってなんだい?
(瞳の色が真摯になる。それは探究者の眼差し)
(思考を整理して、持ち得る知識を総動員できる準備を整える)
ありがと、漸。私は、あんた会えてよかったと思うよ。
だから、私はあんたを死なせはしない。あんたが死んだら、私はまた元の退屈な日々に戻ってしまう。
それは、流石に勘弁だ。だから、死なせない。あんたも死ぬんじゃないよ。いいね?
(やはりそれでも、優先したのは自分の都合。結果として、そんな言葉になっただけ)
(その感情はなんだろうか、色恋からは遙かに遠く、庇護欲というにもまた違う)
(答えは見いだせなかったが、それでも自分でそう決めた。その思いだけは、きっと変わることはないはずだ)
私があんたに頼みたいことは一つだけ。私が死んだ理由を、調べて欲しい。
自覚がない上に、いまいち記憶もおぼろげな話なんだが……どうやら私は、一度死んだらしいんだ。
(自分自身でも半信半疑ではあったが、少なくとも周りはそう言っていた)
(今の今までそれを公言したこともなかったから、知るものなどほんの一握りの事実)
去年の……そう、確か秋もそろそろ終わる頃、だったかな。
その日、私達一家は文字通り倒れてしまったんだ。そして家族はみんな死んで、私だけが目を覚ました。
あんまりそのころのことは覚えてないけど、原因は感染症だかウイルスだか、そう言うものらしい。
(淡々と語り続ける、時折言葉が途切れるのは、忘れかけた記憶を掘り返しているからで)
(あくまでその口調は他人事のように落ち着いていた)
結局、その時に私も死んでいたんだ。目が覚めてからの私は、こんな人間になってしまったんだからね。
(水を操り、自分の楽しみ以外の全てを無価値と見なす、そんな存在に)
別に、それが嫌だというでもないし、言ってどうにかなるわけでもない。
それに、今はこういう自分も悪くないと思える。……だが、知りたくてね。
何が私を変えたのか、そして、何故私だけが変わったのか。……調べて、くれるかい?
(それもまた、純粋な興味の延長線上)
(故の彼女、それは、きっともう誰にも変えられはしないだろう)
了解。その期待に添えられるよう努力するよ。
(苦笑する。死ぬつもりはないが、そんな風に言われるとは思わなかった)
(押し付けられる彼女の言葉と想い。それは恐ろしく利己的な言葉である)
(けれど、当たり障りのない善意の言葉よりは、確かに響く)
――ふむ、一度死んだ――と?
(彼女の説明を聞き、眉宇を寄せる。それは実に奇妙な話であった)
病原菌に、ウィルスね・・・・・・
(眼を閉じて、思考の引出しを開けたり閉めたりする。取り出したひとつの情報)
古代の遺跡に潜って、謎の病気で死ぬハンターの話は知っている。
その正体は、その時代に猛威を振った病原菌だったらしいね。
遺跡の呪いの正体の半分はこれだと言われている。残りの半分はオカルト的な、
所謂超常現象の類だ。後者だったらお手上げだけど、前者なら多少調べられるだろう。
(眼を開く。淡々とした表情に戻った彼女の瞳を見つめる)
――人を一度死なせて、能力を与える細菌か。話を聞く限りで判断するなら、人為的に造られた
可能性も考慮する必要がある。少なくとも既知の細菌にそういう類のものはないだろうし。
なるほど、それについて調べておくよ。少し興味が湧いてきた。
(冴えわたる思考が瞳を怜悧なものにする。彼は冒険家であり、探究者であった)
なら、それでいい。楽しくやろう。相棒。
(軽く拳を握って、こつんと相手の胸を突く)
(結局、自分を楽しませることのできる人物の死は望むところではなく)
(そうして楽しむ自分の死は、結果的には退屈しのぎの終焉なのだ)
(故にある程度までは、自分の命を軽く見ることもできた)
あくまで私が感じたことだ。死んだ、というのもね。
でも、私が信じられるのは私が感じたことだけだ。
(見つめる視線をさらりとかわして、再びソファーに身を預け)
それに、段々忘れてるんだ。私がこうなる前のこと。
忘れきる前に、私の体験として記憶できたことはいい。それならまた覚え直して私の記憶にできた。
たとえば、それまで通ってきた学校のこととか、ね。
だが、完全に過去になってしまったことは、どんどん忘れてる。理由はわからないけど。
(それが、少なからず面白くはなかった)
どうにも私の場合は、その手のウイルスとやらの中でも、相当質の悪いものだったみたいだね。
そんなもんに魅入られるなんて事自体、面白いことではあるんだけど……腑に落ちない。納得できない。
それが何故か、何故私か。それを解明しないことには、自分がなんなのかもわからない気がしてね。
そうか、調べてくれるか。助かるよ。
(目の色が変わった、それを察して彼女も満足そうに目を細め)
だが、働きには対価を支払わなければならない。それに、相棒には少しくらい、私のことも教えてもいい。
(そう言って、首に作られた血のリングへと手を伸ばす、そこから一筋、赤いリボンが零れ出た)
(それはリボンを象った血液、その端を摘んで床に垂らして軽く振るう)
(するとそのリボンは手のひらの中で球体へと変わる、その後も目まぐるしく変化は続く)
(そして最後に床に落ち、小さな血痕となってカーペットに染みこんだ)
液体操作、分かりやすく言えば、そんなところかな。
(それでもいくつかの重要な要素は隠したままで、非常に端的に言葉を告げた)
記憶が――そうか。それは難儀だね。
自分の生きた証拠だもの、記憶っていうのはさ。
(例えば自分ならどうだろう。自分の立場に置き換えて考えてみる)
(時間の蓄積が少しずつ消えてゆくのだ。それはぞっとしない状況だろう)
(しかも、その理由すらわからないと言う。なら誰を恨めばいいかもわからない)
――何故、何故、どうして、どうして・・・・・・・
納得したいわけだ。なるほどね・・・・・・・・・
(小さく呟く。誰だって、言うだろう。「どうして自分だけが」と。その台詞を言わない)
(人間は、多分存在しない。どんな人生を送っていようと。けれど――)
自分の証を奪われるのは、命を奪われるより辛い事だろう。
知った風な事しか言えなくて申し訳ないけど。
(けれど、他に言うべき言葉があるのだろうか、この様な体験をした相手に対して)
ほほう・・・・・・なるほどね。血流操作の方だったのか。
(目撃した彼女の能力。彼がつけた傷から流れる血が、彼女の掌で踊る)
(そして、数十分ほど前に目撃した水を使った攻撃を思い出す)
けど、それが全部ってわけでもないよね。あの時、キミは水を使った。
恐らくは、血を媒介とした液体操作も、能力の範疇なんだろうね。
――血液、血液か。できれば、その血のサンプルを取って調査したいところだけど。
(それは当然の論理の帰結と言える。その血に未知のウィルスが含まれているのだろうから)
まあ、ね。久々に会った友達のこととか全部忘れてたりすると、色々と面倒だし。
また0から新しく積み上げていけ、ってことなのかもしれないけど。
一々そんな手間かけてなんかいられないからね。
(過去の記憶が消えること、それ自体にはそれほど執着はない)
(ただ、現実に即してそれで困ることがある、不便な思いをすることがある)
(それをつまらなく思っていることが、目下彼女にとって一番の懸念事案だった)
そういうことだろうね、別に私じゃなくてもよかったはずなんだ。
誰も助からなくても、よかったはずなんだ。
(それは、どこまでいっても不思議、という域を出ない思いだった)
(しかしそれでも、執着する理由としては十分だった)
……いいさ、それならこれから作ることだってできる。
そう言うものを作れそうにもない日常を、それなりに楽しみながら送り続けるだけなら考えもしたけど。
これからは、あんたがその機会をくれるんだろう?なら、それでいい。
(あたかも挑発するかのように、軽く笑みを投げかけた)
ご明察。この血で、私は水を操る。色々便利で、使い道も多い。
それなりに重宝してるよ。
(その推論の正確さと、それでもまだ全てが明かされてはいないことにも安堵して)
(軽く手を打ち鳴らしながら頷いた)
ああ、そういうことならいくらでも用意してるさ。持っていきたければ持っていけばいい。
(部屋の隅に投げ捨てていたバッグを開くと、中には赤い液体が注がれたペットボトル)
(その中身は彼女の血液、より大量の液体を操る時に使う、いわば奥の手のようなもの)
(それを渡した時点で、手の内はほぼ明かしてしまったようなものだが、それでもいいと考えていた)
(だから、そのペットボトルを投げ渡した)
何故生き残った、か・・・・・・・
キミの望んだ解答が出るかどうかはわからない。
案外、物凄くつまらない解答が出る可能性だってある。
けど、それがキミにとって執着に値する事なら、調べるにやぶさかじゃない。
(眼鏡をクイッと掛け直して、彼女を見据える)
(未知の細菌の保菌者。学者なら是非とも手に入れたいサンプルだろう)
(生憎と彼の専門から些か外れているので、献体として提供しようとも思わないが)
――そういう事、だね。覆水は盆に返らないというけれど。
また新しく水を注げばいいって事に気づければ、それに越した事はないよ。
キミとのハントはどんなハントになるか、とても楽しみだよ、今からね。
(その笑みに負けない、不敵な笑みを返す)
確かに、液体っていうのは使い勝手がいいね。
(投げられたペットボトルを受け取る。それを眺めてから、コンビニ袋に入れる)
出血多量には注意しようってね。もしそのウィルスがキミを選んだのなら、
そう簡単に死ねるはずもないだろうけど。辛いところだね、その辺は。
確かに受け取ったよ。とは言え、信頼できる人間を探して送りつけて、その調査結果が
出るのに、多分数か月は掛ると思うね。その辺は了承しておいてもらいたい所だよ。
(これで用事は済んだ。ソファから腰を上げて背中を向ける)
じゃあ、今夜はこの辺で失礼しよう。
また近いうちに――いや、明日の夕方にでもこっちに伺うよ。
【こっちはこれで〆、だね】
【三日間お疲れ様。濃いロールをありがとう】
ああ、頼むよ。さしあたってこれから色々と忙しくなりそうだからね。
そうなってくると、きっと失うものより沢山のものを得られるはずだ。
だったらついでに、私のルーツもはっきりさせておきたいと思ってさ。
期待してる、任せたよ。
(見据える視線に答えて頷く、託すべきものは全て託した)
(後はただ、いずれ出るはずの結果を待つだけ)
(それがいかなるものであろうと、知ることができればそれでいい)
だけど、零れたものを補うのはそれなりにしんどい。
しっかり、利用させて貰うよ。私を知るために、そして私を満たすために。
だから、待ってる。でも私はそれほど気長な方じゃないんだ、早いところ、面白い話を持ってきてくれよ?
(両手を広げて、深くソファーに身を預けて)
ご心配なく、それには一度懲りてる。どれだけ抜けばぶっ倒れるか。
どれだけ抜けば、活動に支障をきたすか。私の体が覚えてる。
(ペットボトルの液面が、答えるように波打って)
やっぱりそれなりに時間もかかるか……まあ、それは仕方ないとしておく。
だから、ちゃんと結果を見せてくれよ。……頼んだ。
(背を向けた相棒に向かって、ほんの僅かな信頼と、とても大きな打算を込めて言葉を投げかけた)
それじゃ、お休み。明日を楽しみにしておくよ。
(その後ろ姿が夜の闇へと消えていくのを見送って)
……面白くなってきた、ね。
(小さくほくそ笑み、その姿が家の中へと消えた)
【では、こちらもこれで〆とさせてもらう】
【楽しかった、また機会があればよろしくたのむ】
【ご苦労様、また次の宵に会おう】
【失礼して、解凍の為に待機させていただきますね】
【ごめん、お待たせっ。……それじゃ、急いで前回の続きを書き出すぜ。
今日もよろしく頼むな、先輩】
>>88 ……ん、こっちの公式?
ああ…すっかり失念してた。そういや、こっちの公式も出てきてたなー…
(がりがりとシャープペンシルの頭で額を掻きながら、言われたとおりにペンを進めて)
ったく、何で同じジャンルで公式がふたつもみっつもよっつも出てくるんだよ。
…でも、なるほどな。そっちの公式でやれば、案外あっさりと解決できるんだな?
(むぅ、と唸りながらも、ペンを進めていくとようやく回答が出てきて)
……基本問題ならまだしも、その応用となってくるとなぁ。
ぱっと閃けばいいんだろうけどさ―――。
…は? ちょっと待て。何で、そこで糸と刃物が出てくるわけだよ!?
(俺には無理だな、と答えようとしたところで、物騒な彼女の言葉が耳に入り、ばっと顔を上げる)
結局、数学って閃くか否か、っていうところがありますから。
こればかりは繰り返して覚えるしかない、と私のクラスの数学担当教師が言っていました。
(正しい解答が出てきたのを見つけると“お疲れ様です”と付け加えて)
…ほら、どうせ身体で覚えるなら“強い刺激”の方が効果的でしょう?
私も私なりに、後輩さんが悩んでいる間、精一杯考えてみました。
(顔をあげた彼に対して返したのはいつも通りに表情の薄い貌。
けれど、さも“いい考えだ”とでもいうように
その唇から吐き出された言葉は、とんでもないものでしかない)
やっぱり、“多少”は痛いくらいの方が、身体はよく記憶するんじゃないか、って。
(小さく首をかしげて、まるで“どうでしょう?”と軽く提案してみせるように。
ただし、その内容が軽く提案していいものかどうかは、物凄く考えものである)
(手に持っていたシャーペンの先が何度か机に打ちつけられ、カツ、カツと乾いた音をたてた)
【こちらも少々お待たせしてしまいました…っ。こんばんは、後輩さん。
それでは、改めましてこちらこそどうぞ宜しくお願い致しますね。】
はぁぁ……、まあ、結局のところそれだよな。
どの学科にしても、繰り返して覚えるしかない…と。
つまり、それが勉強ってことになるんだろーなぁ…
(やれやれと溜息をつきながら、ずるりと椅子の背もたれに寄りかかって)
……あのな、先輩は明日俺を絆創膏やらガーゼやら、そんなものに塗れさせる気か。
これは“多少”どころじゃねーだろっ!?
…すっごく、痛いに決まってるじゃんかよっ!
(ああもう、と項垂れて肩を落とし――、ふと顔をあげる)
そーいや、先輩って、三年生だよな? そろそろ進路とか考えておかないといけねーんじゃねえの?
まー……『異形』やら先輩の組織やらで、それどころじゃないんだろうけどさ。
そんな、大丈夫です。ちゃーんと手加減いたしますよ?
―――もう、結構いい案だと、思ったのですけれど…。
(視線を伏せて、少しばかり残念そうにするのは半分本気で半分仕様だろう。
そんな素振りをみせていた彼女の視線が、相手の言葉にふとあがった)
そう、ですね。進学も就職もしないですが、
とりあえず、学校にいる以上は形だけでも決めなければならないのですけれど…。
「異形」を狩っている組織に既に就職済みです、なんて流石に言えませんから。
(珍しく少しだけ疲れたような溜め息を吐き出して、小さく肩をすくめてみせる)
……でも、やっぱり無難に大学進学、とかにしておくのがいいのでしょうか。
大学受験はテスト落とせば逃げられますけれど、就職となると色々と面倒ですから…。
あの……後輩さんは、やはり幼稚園とかから学校に行かれているのでしょう?
大学にも、行かれるつもりなのですか?
(何故か少しだけ躊躇った様子を見せてから、漆黒の瞳で相手を見つめて)
……それで、明日学校休まなきゃならねーなら、
それって本末転倒なんじゃねえか……?
(訝しげに彼女の様子を眺めながら、息をもらして)
ま、……そうなるか、やっぱり。
先輩ぐらい頭が良いなら、結構より取り見取りだと思うんだけどな。
大学にしろ、就職にしろさ。…だから、ちょっと勿体無いなぁとか思ったりさ。
(ふいっと肩を竦ませて、微苦笑を浮かべて)
就職すると、確かに色々と面倒くさそうだな。
ん、まあ、ごく普通に幼稚園から高校までこうして通ってるわけだけど。
……んー…そうだな。まだ一年だから具体的な進路を決めてるわけじゃないけどさ。
将来なんて、まだ漠然としか想像できないしなー。
(あはは、と苦笑しながら頭を掻いて。もっとも、学力が追いついていれば、だけどなと付け加えて)
……じゃあ、何か痛くないのを考えることに致します。
(とりあえず「何かする」は覆らない大前提のようで。
吐息とともに、何にしよう、なんて言葉を吐き出してみせる)
そう仰って下さるのは嬉しいですけれど、
数学とかが好きなだけで、全体の成績はそこまで高くないですよ、私。
……国語と現代社会が、ものの見事に足を引っ張っていますから。
(“物理とか生物とか英語とかは、大丈夫なのですけれど”と何処か遠い目で呟いたのちに)
―――…大学、行ったらよろしいと思いますよ。
(苦笑して頭を掻く青年に、何を思ったのか珍しく少しだけゆるやかに笑って)
後輩さん、何だかんだ言いながらもヒントあげたらちゃんと解いてくれますし、
さっきも申し上げましたけれど、頭の回転も、十分に速いほうだと思います。
ちゃんと二年間勉強なさったら普通に大学くらい行けるでしょう?
(これは素直な評価なのだろう、からかった様子もなくそう淡々と続けて)
―――…せっかく、行ける選択肢があるなら、選ばないのは勿体無いです。
(就職なんて大学終わってからでも、できますよ?と、
思わずそんな言葉を返したのは、おそらく無意識の元で芽生えた相手への羨望ゆえかもしれない)
それこそ、先輩は要領が良さそうだから、
勉強すれば、すぐに吸収していきそうな気がするけどな。
(スポンジが水を吸うように、と付け加えて、首を捻り)
ん……そうかな。
まあ、それも先輩が教えてくれたからだし、何とも言えないけど…
折角こうして苦労して勉強してるんだし、それもいいかもしれねぇな。
それに、そのうち…自分の将来の目標なんてものも出来るかもしれないしさ。
…そうだな、そうかもしれない。
でも、先輩だって大学に行けない事はないんだろう?
それとも、やっぱり…『組織』っていうのは、『そういうところ』なのか?
(ふとした疑問をそのまま口にして。……何となく、大学生活の彼女の様子を想像してみた。
きっと、それは―――)
楽しいかもしれないぜ? もし、行けれるなら、だけどさ。
…後輩さんがやりたいことを見つけて、それをなされるのが重畳でしょうね。
(“まあ、そんなことを申し上げながらもテストは待ってくれませんけれど”
わざとらしく現実に引き戻すような言葉を付け加えて、わざとらしく相手をみやって)
―――大学に、ですか?
(少しばかり目を見開いてから、それこそきょとん、とした様相を見せ)
……そう、ですね。考えたこと、ありませんでした。
私にとって、こうして“学校に通う”のは、…基本的に仕事の延長です。
『この学園にいる“異能”という存在を調べる』―――以前、申し上げたように
それが、私がここにいる理由。だから、“観察対象”がいない“大学”に行く必要はありません。
(先ほど、ゆるやかな笑みを小さくも浮かべたはずの顔からは表情がまた消えて、
淡々と機械的に、言葉を紡ぐ。あの、初めて出会った朝と変わらないような単調さで)
……でも、そうですね。だから、仕事で行く機会がありましたら良いのですけれど。
(彼女は、きっと自分の中に生まれた“日常”に対する羨望になど気づいてすらいない。
だからその言葉も何故か浮かび上がってきた願望を、何と無く口にしてみただけなのだろう)
……うぐ、そうだった。
テストさえ、テストさえどうにか乗り切れば……ッ!
(目の前の障害を乗り越えないとな。と、大きく溜息をこぼして)
ん……やっぱりそうか。
(少しだけ寂しそうに呟きながらも、どこか納得した様子でもあり)
まあ、何だかんだ言って、まだ俺は先輩のこと、あまり知らないからな。
…だから、あまり強いことは言えないけど、そうだな。
たまには、寄り道をしてみたっていいんじゃないか? …そのなかで新しい発見があるかもしれないし。
ま、単純に、先輩と同じ大学に通うのも面白そうだって思ったのもあるんだけどな?
(からりとした笑顔を浮かべながら、シャープペンシルを回して)
きっと、先輩にも面白いと思えることが、見つかるんじゃねーのかな…これは、俺の直感だけどさ。
寄り、みち…。
(相手の言葉を繰り返すように口の中で転がした後、瞳がゆっくりと伏せられて)
まあ、何にしろ寄り道できるもできないも、上の…私の「飼い主」の一存です。
私に決定権などありませんし、私も別に決定権が欲しいとは思いません。
(自分が“そう”であることに疑問を持たないのは、“そう”であることに満足しているから)
(前にすべり落ちてきた黒髪を自然な動作で耳にかけながら、彼女はそう言い切る)
―――…でも、確かに楽しそうです。後輩さんと、同じ大学に通えたら。
(ただこの時、確かに相手の言葉に対して彼女の中で「何か」が揺らがされたのだろう。
だから彼女によって“想像でしか在り得ない”将来に対しての感想は、小さく目元をゆるめて口にした)
……ただ、後輩さんの勘は悪い方によく当たると仰っていたので、少し不安ですね。
(そうして、そんな感想を口にしてからようやく彼女は、相手の言葉に、
自分の中で「何か」が揺らがされたのに気づく―――…それを誤魔化すのにそんな言葉を吐き出す。)
(何故、“自分の中の軸”が相手の言葉に揺るがされたのだろうと、ただ不思議に思いながら)
『決定権』に、『飼い主』……ねぇ。
(ぽつりと呟く。それが必ずしも、繋がっているとは限らない。
少なくとも、こうして彼女がこうして自分に勉強を教えてくれていることは、
彼女自身の『決定』なのだから。釈然としないまま、彼女の言葉に耳を傾ける)
まあ、そもそも先輩のレベルの大学に、俺が行けるかどうかっていう話だけどな。
それでも……、やっぱりその『寄り道』は多分楽しいものになるんじゃねーのかな?
上手くは言えないけどよ。…何も人生きていくうえで、目的や目標なんてひとつとは限らないんだしさ。
……うぐっ、まあ、その通りだけど。
でも、やっぱり、折角先輩学校に着たんだからさ。そういう方向も考えておいてもいいと思うぜ?
―――……え、と。
(相手の言葉に耳を傾けていると、自身でも分からぬうちに何かが揺らがされる。
ただ、何が揺らがされているかが理解できない。…理解が、できないのだ。
彼女にとって相手の言葉は、今まで考えもしなかった世界をいきなり突きつけてくる手と同じだから)
まあ、考えるだけなら、実際問題は別として……そう、ですね。
(だから戸惑ったように僅かだけ視線を彷徨わせて、途切れがちになりながらも曖昧な言葉を返す。
自分にとって一つだった世界が、実は幾多もあったと知らされたような気分だった)
(―――ただ、知らない世界に対して彼女が先立たせるのは、好奇心よりも恐怖だ)
(相手の言葉を認めるということは、彼女にとってすなわち、今の自分を否定するに等しい)
……まあ、そんな夢見ごとは良いのです、今日は。
(だから、やんわりと逃げ出した。悟られないようにと、どこかぎこちない平然を装って)
(そうして、ゆっくりと相手の頬に手を伸ばす。これ以上、自分を言葉で揺るがして欲しくなくて、だから――…)
―――で、痛くない罰ゲームを、思いついたのですけれど、私。
(無理矢理にその話題をひっぱりだした。思いついたのは、嘘ではなかったから)
ま、選択肢は多ければ多いってことで。
それだけ可能性は広がるんだからな。…少なくとも、俺はそう思うぜ?
(特に根拠があるわけではない。だが、だからこそ、そう断言して)
もちろん、先輩が言うように先輩の『組織』とやらは、話を聞く限りじゃ
一枚岩というわけではなさそうだし……現実的には難しいのかもしれねぇけどな。
それでも、考えておく分にはいいんじゃねえのかな。
もしかしたら、その『選択肢』を選ぶことも、この先あるかもしれねえからな。
夢見事…か。俺はそうは思わないけど…先輩にとっちゃそうなのかもな。
(こればかりは、彼女の意思に則る。事実として、自分は彼女のことを詳しく知っているわけではない。
故に、それ以上のことは言えないし、言ってはならないのだと感じた)
けど…ま、そういうのも未来のひとつってやつだよ。
……は? え、まだ、それ続いてるのかよっ!?
や…つーか、いつの間にか『罰ゲーム』が主体になってきてないか?
(うぐっと押し黙り、色々とどのような『罰ゲーム』が出されるのか思案して)
――――…≪深凪≫が、どうこうじゃ、ないんです。きっと。
(絞りだすような本当に小さな呟き。『組織』が、とそういった相手の言葉に
思わず口から飛び出した言葉はあまりにも小さく、すぐに空気の中に溶けた)
まあ、曲がりなりにも、貴方は“観察対象”ですから、
『組織』については、あまり詳しくお話を、したくないのですけれど――
…とりあえず、そういう「組織」どうこう、は抜きにして
“選択肢”としては取っておこうと思います。未来の、一つとして。
(あまりにも真っ直ぐに。純粋に、相手の言葉が自分の世界を広げようとする。
それを本当に受け入れるのは大変だけれど、言葉だけで受け入れるのは簡単だから、
彼女は、そう“誤魔化して”から、伸ばしていた手でそっと、相手の頬を包んだ)
(それに応じ、机の上に身を乗り出すようにして、詰められるのは身体的な距離。
漆黒の瞳は獲物をみつけた獣のように、真っ直ぐに相手の瞳をみつめたままで)
続いてますよ。罰ゲームが主体なんて気のせいでしょう?
私が主体にしたいのは、あくまで『私が楽しめること』ですから。
(まったく、「勉強」という主体がどこへ飛び去ってしまったのかは全く謎である)
―――…えっと、逃げるなら今のうちですよ。痛くないのは、保障いたしますけれど。
ま、どうするかは結局のところ、誤魔化されちまったな?
…でも、まぁ、あと一年はあるんだ。
考える時間はそれなりにあるってことだろ。
(そう、笑いながら口にして、シャープペンシルの頭を指先で押し込んで)
それなら、今どうこう決める話でもないしな。
……ああ、そういうことにしておいてくれよ。
先輩がこれからどうするのか、それはそれで楽しみに見てるからよ?
もしかしたら、俺の進路設計にも役立つかもしれねぇしさ。
(冗談っぽくそう笑い、かちかちとシャープペンシルの芯の長さを調節し)
………って、先輩?
(頬に触れられると、きょとんとした様子で相手を見つめ返して、徐々に頬が火照る)
あのー…なんつーか、恥ずかしいんだけど。
え、そういうことなのかよっ!?
ちょっと、待て! 何をする気なんだッ!
……逃げるならって、先輩らしくもない。 逃げても巧妙な口撃で、相手を陥れるのが先輩のくせに。
(何気にさらりととんでもないことを口にしながら、ううっと唸り)
(“自分がどうするか”など決まりきっている。
決まりきっているはず、なのに――確かに頭によぎったのは“どうしようか”という迷い。
本当に決まりきっているのなら浮ぶはずもない“それ”を振り切るように、目を伏せて)
………ええ。これから一年、ちゃんと私のこと見ていてくださいね。
(そんな“冗談であるはずの言葉”を吐き出してから、肩をすくめてみせた)
えっと……恥ずかしいなら、十全です。
照れてくれなかったら基本的に罰ゲーム的要素が減っちゃうので、どうしようかと。
(触れた片手から伝わってくる熱は徐々に上がっている気がした。
その状況のまま、少しばかり近い距離でも彼女は涼しげな表情を緩めることはなかったが、
相手がさらりと口にした“とんでもないこと”を引き金に、少しだけ作り笑みに染まった)
――――あら、後輩さんは何気に私のことをよくご存知ですね。
では、私って“そういう”先輩ですので、何されても、諦めるが十全だと思うのです。
……それに私は、ちゃんと言いました。
(ぐっと、潔く、更につめられるのは距離。吐息が感じられる程に顔を近づけて、
それから少しだけ笑って見せた。“これ”には、もしかすると少し個人的“私怨”が込められているかもしれない。
相手に非はないが、“自分を揺らがしてくれたお返し”と“つい今滑らせた言葉に対するお返し”と)
―――逃げるなら、今のうちだって。
(言い終わるのが速かったかもしれない。
否、もしかしたら彼女の唇が素早く相手の唇に触れた方が速かったかもしれない)
(頬においていた手を、相手の肩にすべらせて、そのまま強引に、彼女は“奪った”のだから)
ま…先輩には色々と教えてもらわなくちゃならないことが、たくさんあるからな。
――“異形”のことにしろ、勉強のことにしろ…さ。
(ニッと口の端を吊り上げながら、笑みをこぼして、そう答えて)
…先輩、ひきょーだぜ、それは。
曲がりなりにも、美人なんだからそういうことをされると意識せざるを得ないというか。
(どうしたらよいものかと、世話しなく視線を泳がせて困惑しながらも、軽口を叩き)
これは確かに罰ゲームだ……うん。
そうかなー…むしろ、知らないことの方が多いけど。
それにこれだけ、いろんな意味で印象の強い人って、そうそういないしよ。
(はぁぁ、と大きく溜息をついて、そう呟く。よくよく考えてみれば、自分はこの人に翻弄されてばかりだ。
今この瞬間においても、そう。だからこそ、彼女を知れる部分もあり)
まあ、引っ掛かったもんは仕方がねえからなー……恥ずかしいのは分かっただろ?
つーか…ここ教室だから、いつ人が来るかも分からないから、そろそろやめた方がいいんじゃ――ん?
(事態を把握するのに、数秒かかった。
そのやわらかい感触を感じると同時に、彼の思考回路全てがシャットダウンされる。
一体何が起こったんだ。そう思考を繰り返すばかりで、目の前の彼女を目を丸くして見つめる)
あ――、あの、先輩……?
えー…っと、今のはもしかして………きす?
(そう言葉にして、初めて、今先ほどの一連の流れを理解する。と、同時にぼんっと顔が真っ赤に染まって)
(そっと離れてその後。目を丸くしてこちらを見つめる相手を見つめ返して――
“この頃の高校生は、このくらいじゃそんなに動じないだろうか”
と少し後悔した途端に耳に入った言葉。みるみる赤くなる相手の顔)
(思わず、笑みを深めた。想像していたのよりも、上々の効果だったから)
―――はい、正真正銘に。
ごちそうさまでした、とか言った方が宜しいのでしょうか…。
まあ、というわけで罰ゲーム終了です。
(机の上に身を乗り出したままなので、幾らか近い距離でそう答えを返して
肩においておいた手を潔く話せば、ゆっくりと身体を戻して距離をとった。)
…ほら、約束どおり、痛くなかったでしょう?
(赤くなっている相手をよそに、
こちらは特に表情を変えることもなく、小首をかしげてみせて)
………!
(ぽかーんと口を開いたまま、何かを言おうとするが、
ぱくぱくと口が動くだけで、声のひとうも絞り出すことができなかった)
(どうして彼女がこのような行動に出たのか、それがまったく理解できずにいて)
いや、な、何で…こ、これが罰ゲームなのかよっ!?
う…いや、そりゃ、痛くはなかったけど………!
(相手の発言になんら可笑しいところはない。
むしろ、動揺している自分がおかしいのではないかと思うほど、相手はとても落ち着いていて)
あ、あ……え、いや、…………。
……女って、一体…?
(がばりと、火照る顔を隠すように手で多い指の隙間から恨めしそうに彼女を眺めて)
うう、数学よりももっと難しいな……こりゃ。
後輩さんが、痛いのは駄目だと仰ったので私は頑張って考えさせて頂きました。
ある種の“刺激”になって、かつ『私が楽しめること』は、何でしょうか…って。
(“そうしたら、「これ」に辿りついたわけです”と、涼しげな表情のまま答える)
(彼女にとってしてみれば、“仕返し”としては上々すぎる結果なのだろう、どこか満足げに)
数学と女の人を比べる時点で、まだまだ駄目ですね。
ほら、私は女の中でも後輩さん曰くは「いろんな意味で印象の強い人」らしいですし、
不慮の事故だとか、軽いイジメだと思って、良い思い出にしてください。
(指の隙間からこちらを覗いている相手に見えるように、大仰に肩をすくめてみせて)
(確かに仕返しは成功だ。大成功といっても過言でない成功だ)
(だが、相手が狼狽えたのを見つければ黙っていられるような愛らしい性格でもない)
(慰めているのかからかっているのか分からない言葉をかけて、ふと…表情を変えた)
それともそんな軽いのじゃ―――……物足りない、でしょうか?
(甘い睦言のような囁きを装った、“追加口撃”を加えてみせる)
(さっきと同じ状況を装うために、わざとらしくゆっくりと、身を乗り出して距離をつめて…)
……なんて。さて、そろそろ暗くなってまいりましたし、
この頃は、とても物騒ですから、真っ暗にならないうちに帰りましょうか。
(“ね?”、と。念押しするように小さく首をかしげてみせた)
………うぐ。
本当に、先輩らしいというか、なんというか―――。
(文句は言いたいはずなのに、どうしてだかそれが出てこない。
やはり相手が相手だからだろうか。がくりと項垂れて溜息をこぼして)
ったく…、本当に印象が更に強くなっちまっただろうがっ。
ああもう………、一応言っておくけど、初めてだったんだぜー?
(どういう風に反応したらよいのやら。まったくもう、と釈然としない様子でぼやいて)
………は?
い、いやいやいや! 先輩っ、そ、それはっ……!
(再び、顔を赤くし、先ほどの直後だろうか下手に想像してしまい激しく狼狽する)
って……冗談かよ。
いや、まじで心臓に悪いからやめてくれ……本当に冗談かどうか分からないんだから、先輩は。
(恨めしそうに呟きながら、彼女の言葉につられて窓の外を眺める。既に日は落ちて薄暗くなってきていた)
あ、ああ……まあ、今日のところはありがとう…と言っておくべきなのか?
勉強はまだまだ教えてもらわなくちゃならねーし……ま、今度もよろしく頼むぜ。
(やれやれと、鞄のなかにノートや筆記用具を片付け始めて)
…それじゃ、せいぜい先輩が襲われないように、エスコートさせてもらうぜ。
【そろそろ締めに入るかっ】
あら、「ここ教室だから、いつ人が来るかも分からないから」とのことでしたので、
これ以上のことをしてしまうのは、さすがに危ないかなって、我慢しただけで、
もしかすると、今回は冗談じゃなかったりするかもしれませんよ?
(溜め息をついたり、激しく狼狽したり、恨めしげな呟きを零したり、と
目まぐるしく変わっていく相手の様をじっくり堪能したらしく、忍び笑いを零して)
――…いいえ、後輩さんのお役に立てたなら至極光栄です。
数学なら、私でお役に立てる分はお手伝いしますから……どうぞご遠慮なく呼んで下さい。
(自分も、唯一鞄の外に出していた勉強道具である英語の教科書と筆記用具を鞄に直しつつ
薄暗くなってきた窓の外の風景を見つめながら、からかうようにそんな言葉を吐き出したが)
(相手の“エスコート”という言葉を聞くと、きょとん、とした様相を呈し…)
つい先ほど襲った方に、エスコートされるのも少々と心配ですけれど、お言葉に甘えましょう。
(“ちゃんと、守ってくださいね”なんて、小首をかしげてみせ)
―――あと、「ちゃんと勉強頑張った分」と「曲がりなりにも美人」が嬉しかったので、
もともとは全答のご褒美だったつもりですけれど…特別に、先輩が奢ってさしあげます。
(“初めてを奪ってしまったお詫びも兼ねて”と、そんなわざとらしい言葉を付け加えて、鞄を持ったのだった)
【とっても遅くなってしまって申し訳ありません…っ】
【こちらはこれで一応〆、で大丈夫でしょうか?本日は、本当にありがとうございました。】
【結構眠気が来てるから、このレスは後日書いておくぜ。
本当、付き合ってくれてありがとうっ! …まあ、また機会があればよろしく頼むぜっ。
それじゃあ、お疲れ様。楽しかったぜ、おやすみっ!】
【了解です。本当に、こんな時間までお付き合い有難うございました。】
【私の方こそ凄く楽しかったです。はい、機会がありましたその時は宜しくお願いしますね。】
【後輩さんこそお疲れ様でした。それでは、お休みなさいませ。】
【さてさて・・・こっそりと待機してみましょう】
【リミットは18時です】
【落ちますねえノシノシ】
>>229 …こ、これ以上って、先輩、あんたな…っ?!
(相変わらず、笑みを絶やさない彼女の言葉に顔を赤くしたまま、
ぐっと言葉を飲み込んで、仰け反ってしまい)
……はぁ、まあ、そうさせてもらうさ。
さっきの話じゃねえけど、これから先、自分の進路ってのは
どうなるか分からないからな。俺にしろ、先輩にしろさ。
そういう意味でも、出来るだけのことはやっておかないと…
(さて、と言葉を切ると、鞄を手に持ち机の椅子を中に押し込む)
――だ、だから、そういうことをさらりと言うなよなっ!
…ああ、まったくもう。それもこれから先輩にからかわれるネタになるんだろうなぁ。
(うー、と唸りながら恨めしそうに眺めたあとで、大きく溜息をついて)
本当に、先輩には敵わねぇよ……やれやれ。
(せめて、その仕返しとしてたくさん注文してやろう。そう思いながら、教室をあとにした)
【遅くなったけど、この間のレスの返しということで。ほんと、付き合ってくれてサンキューな!】
【名前】須佐乃 水琴(すさの みこと)
【年齢】17
【性別】女
【身長】170cm
【3サイズ】88-63-90
【容貌】黒の長髪、顔色は少し不健康。若干釣り目気味、近眼のため眼鏡着用。
表情や雰囲気は緩め。姿勢は良い。「おつとめ」の際には黒コート。
【能力】武術と「勁」。体内に循環する霊的な力、及び物理的な運動力を操る技能。
陰勁は身体能力を高め、陽勁は外側へ影響を及ぼすことができる。
武装は長尺の日本刀で、刀身への化勁を施すこともできる。
【希望】雑談、エロ、戦闘は(キャラ的に)消極的 百合可能
【NG】 特殊なプレイは事前にご相談下さい 猟奇妊娠の類はNG
【弱点】遠距離攻撃 朝
【備考】高等部2年生、帰宅部。多少マイペースなきらいがある普通の学生。
暢気。夜型のためか遅刻・居眠りも多い。一人も誰かといるのも嫌いではない。
学校生活では「輪の一部」、昼食を食べる相手には事欠かない程度。
禍祓いの血族で、代を重ねるにつれて力が弱まるなかに生まれた天才児。
血の使命に恭順な父親に過酷な訓練と実戦を強要され、戦士として成長し、
同時に、あまりに強烈な夜の戦いのせいで、現実をそうと実感しにくくなる
精神障害を患う。生活に支障はないが、かっとなったりすると顕著。
家は道場のある古風な屋敷。「武術」側面は門下生も多く、
そこそこ活気もあるが、水琴は門下生ではない。
というわけで、ちょっと待機ね。
や、やっぱあたしじゃダメ…!?
というわけで待機解除するよー。
【名前】笹原 雫(ササハラ シズク)
【年齢】14歳
【性別】 女性
【身長】 144p
【3サイズ】 秘密(発展途上とだけ)
【容貌】 肩辺りで揃えた黒髪。瞳は左目が蒼で右は黒。ただ、能力の為か、左目には医療用の眼帯をつけている
頭にはヘアピンが一つ。首には鈴がついたチョーカーをつけている。
【能力】蒼い目(左目の事)で見た対象を完全に凍らせる事ができる。
凍らせる物、度合い、範囲等は自由に決められる。ただし、左目の視界にあるもの限定。
【弱点】視界の外だと、能力は一切使えない。視界を目隠しや目潰し、暗闇で封じられた場合も同様。
【希望】 雑談、エロール、NG以外なら何でも。
【NG】 死亡、切断、スカ
【備考】中等部所属の女子。性格としては、おとなしめな性格。少し他人と話すのが苦手らしい。
いつも、昼休みは図書室で本を読んでいるような生徒。
だが、夜になると、時々、折りたたみ式の木刀を片手に化け物を狩っているような不思議な少女。
どうやら、誰かを探すためにそんな事をしているようだが、詳細は不明。
また、力を使いすぎると、何かに乗っ取られるため、なるべく力は使わないようにしているらしい。
【投下のみです】
【名前】隙屋 量子(すきや・りょうこ)
【年齢】17(高等部2年)
【性別】女
【身長】161センチ
【3サイズ】78、55、80
【容貌】黒髪のおかっぱ、眼も黒。夜型なので、いつも眠そう。肌が白いのが自慢。
夜間外出時には、黒いレインコートを着用。装備は刃渡り20センチの刺身包丁。
【能力】名前は『クオンタム』。
連続で最大一分間、幽霊のように、非実体化することができる。
発動中は何者の攻撃もすり抜けて受けつけないが、こちらからも何にも触れることはできない。
一度使用すると、使用時間の倍の時間を置かなくては再始動できない。
(一分使用なら待ち時間は二分、三十秒使用なら一分、一秒使用なら二秒、といった具合)
非実体化中は、身につけているものも非実体化するが、手放せば実体化するようだ。
【希望】雑談、戦闘、エロール
【NG】スカ系、後遺症が出たり見た目に残るような暴力、妊娠など。
【弱点】日光に弱い。非実体化中にこれを浴びると、頭痛とめまいを合わせたような苦痛に襲われる。
月明かりや蛍光灯は平気。苦痛の原因になる波長の光が含まれていないためであろう。
よって、能力を使用できるのは夜間に限定される。
ただし、大きな炎の発する光や、ある種の電磁波兵器でも同じようにダメージを受けるようだ。
また、精神系の魔術攻撃や、魔を払うような術にも影響を受ける。
【備考】普段は、物静かで読書が好きな普通の少女。
一年前、他人の異能を目覚めさせることのできる能力者と遭遇し、異能に目覚めた。
それによって自分が特別な人間だと思い込み、他人の命を虫けらのように扱うようになった。
具体的には、夜な夜な強盗、殺人を繰り返しており、能力を使って証拠を隠滅し続けている。
自分の力を目覚めさせた人物をいつか殺害し、唯一の「特別な人間」になりたいと思っている。
自分の通う学校に、たくさんの異能者たちが集っていることは知らない。
もし、異能者と遭遇したりすれば、自分の特別性を守るため、これを殺害しようとするだろう。
【や。こんな感じの私が登場だ】
【誰か、気が向いたら話しかけてくれたまえ。……そんな長くも、いられないかもしれないが】
>>240 【や。遭遇したね】
【よろしければ、お相手願えないだろうか?】
【平日のほうが当たりくじという不思議……】
【是非是非。状況はどうしよう?】
>>242 【夜だったら、私は通りかかるキミを狩るために、夜道に立つだろう】
【昼間だったら、うーん、どうしようか……】
>>243 【傾向的には、夜のほうが関わりやすい…のかな。】
【夜から昼、ってのが、おきまりのパターンっぽいけどね】
>>244 【確かに、夜パート昼パートなら、夜からの方がやりやすいかな】
【何せ、問答無用で「攻撃」という接触ができるからね……(ニヤリ)】
【希望がなければ、夜で……襲われてもらえるだろうか……?】
【ん、わかった。じゃあ、書き出しはお願いできる…かな?】
【了解した。しばしお待ちあれ】
(私にとっては、この街は狩り場だった)
(狙いをつけ、撃ち殺し、肉を食らうべき獲物は、人間であり人間であり人間だった。
人間が、同じ仲間であるはずの人間を狩るなど、本来許されざるべきことだろう。
だが、私はそれに罪悪感を感じない。
人が、牛や豚や鳥を食べるように……人以上になった私は、それを捕食する権利があるのだ)
(青白い街頭の光の下に、私はじっと立っていた)
(制服の上に、黒いレインコートを着込んで。じっと、誰かが通りかかるのを待っている)
(このごわごわしたビニールの上着の下には、一本のよく研がれた刺身包丁)
(私は今、「強盗」をはたらこうとしている)
(しかもそれは、高い確率で「強盗殺人」になることだろう。私はできれば、犯罪が行われたという
事実すら、誰にも気付かれたくはない……口は、封じねばならない)
(そして私は、今までにも何件もの「強盗殺人」を、なかったことにしてきた)
(今回も、きっとうまくいくだろう。それだけの力が、私にはある)
――誰か、来ないかな……?
(そう呟いた、次の瞬間――何者かの気配が近付いてくることに、気付いた)
【じゃあ、よろしく】
(水琴にとっての夜は、忌むべきものでありながら、現実だった。
死に肉薄することで、自らを確認する。それが出来ない昼が、
まるで夢か何かのように思えて、よほど印象に残らない限り、
曖昧にしか記憶できなくなっている。そうなって久しい)
……やだな、もう……ん?
(曇り空の下では、人工灯は非常に助かるのだが、
雨上がりであることと、季節柄、既に小さな羽虫や蛾がたかりはじめている。
煩わしい、と露出した腕を振りながら、片手に長細い包みを握りしめて歩く。
黒い服を好むのは――基本的に、返り血を隠すためだ。
腕を出していては意味もない気がするが、暑さばかりはどうにもできない。
そこで――)
不審者、かな?
(光を吸収する黒を身につけた自分を、殊更皮肉るような、
真っ黒の分厚い影が街頭の下に見えた。思わず失礼なことを口走るほどに、
それは異常な姿であったと言える。 …確かに、梅雨入りはしているが――)
(私が見つけた獲物は、女……それも、少女だった)
(私と、年頃は同じくらいか。学園の制服を着ている。
もしかしたら、同じ学年で、顔を合わせたこともあるかもしれない。
薄暗がりなので、相手の顔はほとんど見えないが、顔は見られないように気をつけねば)
(まあ、どうせ殺してしまう相手だが、念には念を、だ……)
(向こうも、どうやら私に気付いているようだ……こちらの様子を窺っているのが、感じられた)
(彼女の位置は、私の間合いより若干遠い。仕方ない、こちらから歩み寄ることにしよう)
(俯き加減で、顔が影になるようにして……のそり、のそりと……地面に落ちた蛾を、踏み潰しながら)
(すでに、懐から包丁は抜いている。近付き……その先端を、まるでポケットティッシュでも配るみたいに、
淀みない動きで――彼女に、突きつけた)
こんばんは。素敵な夜にお会いしましたね、お嬢さん。
単刀直入に言いましょう……死にたくなければ、お財布を置いていってくださいな?
(わざとらしい低い声を作って、彼女に言う)
(もしこれで、相手が私を男だとでも思ってくれれば、僥倖なのだが)
【ゴメン、間違えた……黒い服で、制服ではなかったんだね……】
【私のそう書いちゃってるくだりは、無視してくれ。すまない】
"素敵な夜"ぅ?
……ちょっと、同意できないなぁ……蒸し暑いし。
(柳刃包丁と呼ばれる、細長い刀身の切っ先は、
血脂で錆びるどころか、むしろ美しく磨かれていて、
人工の冷たい光を浴びての輝きは、思わず一歩引いてしまう程。
野暮ったい動きをしたレインコートの影の、つま先から
はみ出た蛾の翅が、まだ小さく動いているのも不気味だった)
お金……中旬まで、ちょっと危ないから、な……。
120円くらいでいい?すぐそこの自販機で、缶か水なら買えるでしょ。
(恐懼にかられるべきなのだろうが、しかし水琴は、
怖じることが出来なかった。
自然に受け答えして、ジーンズのふくらみに手を伸ばすのを躊躇う。
フードの奥のうつむきがちの顔を、眼を眇めて凝視しようとしながら、
いつでも対応できるように、先程虫を払った手は、体の横に。
強盗に襲われた女子高生ではない。命を狙われたモノとして、
然るべき行動が、いつでもとれるように……こちらもまた、常の人間ではない。
心拍は落ち着いている、ということがわかる程度に神経が研ぎ澄まされる)
【いや、気にしないで。わかりにくかったと思うし】
120円か。愛しい人とデートをするには、やや物寂しいな?
(く、く、く、と、フードの陰で唇を歪めて笑う)
それにキミも、自分の命の代金が120円だというのは、ちょっと悲しいのではないかね?
(冗談めかして言いながら、彼女との距離を詰めていく)
(包丁の刃は、彼女の心臓を向いたまま、動かさない)
(街頭の光がその表面を移動して、青白く、なめくじのように輝いた)
(靴底からは、潰れた蛾がポロリと、濡れた地面に落ちる――やれやれ、今日は虫に縁があるようだ)
いや、安心してもいいんだよ。君が本当のことを言っていないということは、間違いないと思ってる。
今、ジーンズのポケットを触ったね? そこに財布があっても、私は驚かない。
(近付き、近付き……一歩ごとに、顔はどんどん伏せていく)
(二人の距離は、すでに二メートルを切っている……歩幅としては、最短で、一歩だ)
(相手の表情も、もうよくわかる。なかなか綺麗な子だ。そして、意志の強そうな眼)
(私を前にして、動揺している様子も、恐怖している様子もなく、落ち着いて迎え撃とうとしている――。
そんな風に見える表情なのが、少々気に食わなかったが……)
まあ、キミがそのポッケの中のものを見せてくれたら、私は嘘をついたことは許そう。
さ、生きて帰りたくば、素直にそれを渡したまえ……私に向かって、放るだけでいいよ?
(この言葉は、嘘だ)
(持っているとわかったのだから、後は殺して奪えばいい)
(笑顔で言い終えた後、私は彼女が何か行動を起こす前に……彼女の胸に向けたままの包丁を――)
(素早く、前進させた!)
(財布はある。その中には当然、ジュース一本だけで終わる程度の金額ではないが、
一般的な女子高生の金銭感覚からしたら、微妙に心許ない金額しかない。
渋って、譲歩して、ようやくの120円だったのだが、滑ったかな、と心中で自嘲する)
そうだね、120円じゃあ、どこにも行けないね。
……ちゃんと、働こうよ。まだ――若いんだしさ。
あたしだって、渋々バイトして貯めた金なんだし、素直に渡したくないよ。
(影の下で歪んだ唇の形も、その下の顎のラインも、
どことなく線が細そうな印象を受ける。白い肌は、少年、少女と言ってもいいくらいだ。
しかし凶行に及んでいるというのに、一切の罪悪感も見て取れない、
自信と言うべきか。相当"やってる"な――と、さらに瞳を細めた。
"強盗"の、譲歩とも言える要求に、顔を上げた瞬間、切っ先がぶれながら加速した)
―――うそつき。
(心臓の動きは乱れなかった。腕の動きは上着越しに見えなかったが、
刃自体の動きに先んじて、跳ねた手の人差し指と中指が、
強盗に手の甲を見せる形で、挟んで止めた。
同時、腰のひねりで、剣道部院の使うような革張りの、
通常よりも少し長いものが逆手に、側頭部へ振るわれた。
竹や木の重みではなく、金属の重量での加速は、
間違いなく直撃の"軌道"である。即死しない程度の加減はしていたが、
それは致命的な、認識の誤りであったかもしれない。
"当たる"と)
(「刺さる」というのが、私の抱いた感想だった)
(私の繰り出した直線の軌道は、彼女の胸、その内側の心臓まで、一秒もなく達するはずだった)
(仕損じたりはしない……こんな、いかにも普通の少女、といったような少女に)
(自分の「殺すつもりの一撃」が、避けられるはずはない、と――信じていた。一瞬だけ)
……………………!
(彼女は、止めた)
(避けるのでも、受けるのでもない。止めた。二本の指で、刃を挟んで!)
(映画でもあるまいし、そんなことが人間に可能なのか?)
(いや……実際そうされたのだ。認めなければならない)
はっ!?
(驚いている暇はなかった。風を切る音――いや、気配を感じた)
(飛んでくる! 何か、私を打ちのめすものが!)
(それを理解したコンマ一秒未満の間に、私はとっさの行動を取った)
(避けるわけでもない。受けるわけでもない)
(ぴくりとも動かなかったが……私は彼女動揺、彼女の攻撃を食らわずに済んだ)
(彼女には、何が起こったかわかっただろうか?)
(彼女の振り回した、その長いものが……私の頭をすり抜けた、と……正常な眼なら、わかっただろう)
(私は、さっと地面を足で蹴り、彼女から距離を取った)
(彼女に捕えられていた包丁の刃も、すでに開放されている……私の頭を、彼女の武器がすり抜けると同時に)
(大きく息をする――落ち着け、私)
……なるほど? 腕に覚えがある、というわけか?
痴漢だとか引ったくりだとかいう連中は、その場ではり倒してしまう自信がある、とかいう感じかい?
その包みも――弓かね? それとも、薙刀? ――どうせ、武器だろう?
もし、使う気があるのなら、遠慮なく使うといい。もちろん、その暇があればだが。
(「そしてもちろん――ただの人間だろうキミが武器を使ったところで、私には勝てないが」)
(心の中でそう呟き、私は再び、少女との距離を詰めていく)
(それと同時に、水琴もぎょっと眼鏡の奥の瞳を見開く。
そうまで唖然たらしめたのは、それこそ物理的に有り得ない奇跡を
目の当たりにしたからだ。直撃の軌道が空振りに終わり、
振り抜いた姿勢から、右手から左手に投げて持ち替える)
最近の幽霊は、お金をほしがるんだね?
墓場で運動会するのも、もう飽きた、って?
(実像である筈なのに、まるで蜃気楼を殴ったかのような異常事態である。
それこそ伝え聞く「幽霊」のように。近頃は、そういったものは随分減ったらしいが。
軽口を叩きながらも、油断はない。「霊」を捕らえる方法は、
むしろ自分の血族が、長きにわたって積み上げてきた道なのだ)
……張り倒すだけで済めばいいけどね。
今日は誤報だったやら、先を越されたやらで……平和に終わると思ってたけど。
(竹刀袋の釦留めの口を、指で弾いて開く。
そこからは皮の、しかし一般的でない蛇革の物体が這い出る。刀の柄である。
指を柄に絡め、鯉口を切りずるりと這い出したのは、肉厚の刃であった。
ステンレスなどではない。それこそ近世に希有な傑作であった、が、
それでも物理法則に縛られた金属であることには変わりなかった。
ベルトに竹刀袋ごと鞘を吊し、左足をゆっくり前に……上段に掲げられた円弧の刃が、
意趣返しのように鈍く、光の滴を垂らして)
お金と力は、誰でも欲しがるって、こないだ読んだ漫画に書いてあったよ。
運動会? ふむ……幽霊の運動といえば、「とり殺すこと」かもしれないとは、思わないのかな?
しかし、幽霊にたとえられるとはね――幽霊、幽霊ね。
……幽霊と戦ったことはあるかい、お嬢さん?
人間のつわものではない、触ることもできない、幽霊とは?
(ざり、ざり、ざり、と、濡れた地面を踏む足音が響く)
(ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、―――――――――――)
(途切れる、足音。レインコートの立てる、がさがさという音も、消える)
(彼女は気付いているだろうか? 私の、この変化を?)
――おや? 物騒なものを持っているね、ずいぶん?――
――それが、せめて模造刀であることを祈りたいが。――
――残念ながら、本物臭いね……こわい、こわい……ふ、ふ、ふ。――
(トランシーバーを通したような、やや不明瞭な声)
(急に人間らしい声を失った私が、刀をかまえる少女に向かって、近付いて……)
(近付いて……近付いて……近付いて……)
(くっついた)
(――――――ざり、ざり、ざりっ)
(足音が、戻った)
(それが響いている場所は――彼女の背後!)
(「キミの体をすり抜け、背後を取った! こんな奇襲をされたことはあるまい?」)
(「そして、その巨大な獲物――背後にいる私に反応する速度で、振るうことができるのか?」)
(そもそも――自分の体を通り抜けられて、動揺しない人間がいるだろうか?)
(そんな、超常現象になれている人間など、いるのだろうか――?)
――いくら鍛えていても……人間では、人間を超えた者には――勝てないよ。
(包丁の先端を、振り下ろす――狙いは、首筋!)
(怖じもせず踏み込んでくる相手には、流石に感服するしかない。
手をすり抜けた刃などから見るに、自分の体を、
まさに蜃気楼のようにしてしまえる筈だ。
だがしかし、刃物にも適用されるならば、こちらの首を掻き切るに、
能力を使ったままでは無理なのだろう。
せめて正体がわかればと思うが……)
あんまり出したくないんだよ、これ。
おまわりさんに見つかると大変だから……。
(人形のように、完璧な上段の構えのまま動かない。
目の前を、レインコートの影が通り抜けていく様を、見る――というよりも、
体をすり抜けていくという奇怪な光景に、流石に肩は跳ねる。
だが、先程鞘を振るった、未熟さ故の油断を繰り返すことはない。
"人間を超えた者"や、"超えている者"の圧倒的な力を、
知恵と業という搦め手で伏せてきた卑小な歴史は、煩わしいが事実なのだ。
足音が戻った瞬間――)
――――ふッ!
(ほぼ密接される距離だからこそ、足音と刃の風切りだけで相手の姿勢は視認できる。
刃に身をさらすほぼ捨て身であるにも関わらず、とった行動は、
身を捩り、肩をレインコートの胸にぶつけた――ただそれだけ、である。
だが、両足が地面に食いつき、腰の捻りから肩の流動という運動量のコントロールは、
その肩の打撃すら全力で殴った威力と同程度まで向上せしめる、俗に言う"寸勁"の応用である)
(あと、ほんの一センチだった)
(彼女の首筋に、するりと刃を滑り込ませるには、それだけの距離を進められればよかった)
(そして、私には、首筋を引き裂き、頚動脈をぶった切るところまで見えていた――)
(それが、はかない幻だと気付いたのは、五秒以上後である)
(動揺だろう、びくりと跳ねた少女の肩を、愉快に見下ろして)
(刃を振り下ろし……まさに予定のビジョンをみるのと同時に……)
(胸に、何かが響いた)
――――あッ…………!?
(肺の中から、空気が一瞬で追い出される)
(肋骨を伝わる振動は、まず背骨に伝わり、そこから両手、両足、頭蓋にも伝達する)
(そのエネルギーの流れは、私の体に対して前→後ろ)
(体全体が、後ろ方向へ引っ張られる……強烈な打撃は、押されるより引っ張られるイメージで、
私の体を吹っ飛ばした)
……が、あうっ!
(背後の塀にぶつかり、よろめく……何とか、倒れずには済んだ)
(だが、精神が……転んでいた)
(転げ、立ち上がろうとすると、手に力が入らずまた転んでしまうように、心は揺らいでいた)
な、なんだ、キミは? その冷静な一撃はなんだっ!?
私をなぜ恐れない? 自分の体をすり抜ける幽霊に対して、なぜ普通に対処できる?
恐れるものだ、誰でも! どんな強者でも、無垢な子供でも、私の力を眼にすれば恐怖した!
みんな私に背を向けて……その背を、私は刺すことができた!
まさか貴様、慣れているのか? 幽霊に? いや……異常な力の持ち主に!?
(睨みながら、再び包丁を構える。闘争心は、もう折れかけていたが……彼女の答えを聞くまでは、
逃げることも、追い討ちをかけられてやられるわけにも、いかなかった)
(一撃を放った直後、肩に重い衝撃を感じる。
他者に打撃を与えるのも、斬り伏せるのも、こうして重たい感触が暫く残る。
そして、先程頸動脈を捕らえかけた風も。
怖くない、筈はないのだ。その業を放つ一瞬だけ酷く冷静でも、
こうしてどうにか危地を脱したと見るや、心拍は五月蠅いほどに弾んでいる。)
……怖くない、筈ないでしょ。
でも、ね、そこで――殺されたくないって、思った奴がいたんだろうね。
あたしはそんな厄介なものを継いだだけだよ。慣れたくて慣れたわけじゃない。
……それと――その、異能?って言うのかな。
人に害を与える者は討つべき、って……言われてるから。
(脱力した腕は、どうにか刀を取り落とさずには済んだものの、
わめきたてる相手の動揺に対して、こちらの胸は未だに揺らいでいる。
だが脳内の、どこか冷静な部分が、討たねばと手に力を込めさせるのだ。
夜に慣れた部分は、眼鏡の奥の瞳を不気味に輝かせる。
ゆらりと傾いた体に長い黒髪が垂れて)
……覚悟しな。
(不安を取り除くために、一刻も早くこの夜から逃れるためにと、
強烈な踏み込みは、雷のような音を立てた。そのまま腕が伸ばされる。
刃の横へ体を滑り込ませ、胸ぐらをつかもうとする"手"は、
果たして「実体」だけだろうか?同じ轍を踏もうとするだけかと言えば、否だ)
い、異能……? 慣れた……? う、討つべき?
(彼女の言葉は、私にとって衝撃的だった)
(それを信じるとしたなら……彼女の周辺には、異能――私のような超能力か――に対処するための
集団があり、それは受け継がれていく「役目」なのだ)
(しかも、彼女の腕前……それは、下手な武道家を、軽くしのぐものだ)
(もし、彼女がその集団の中で、上位陣でないとしたら? まだまだ多くの、異能狩りがいるとしたら?)
――――ひっ――――!
(今度は私に、彼女が「幽霊」に見えた)
(私のように、遊びで狩りをしている幽霊ではない。とり殺すことを仕事にしている「幽霊」だ)
(少女の、長い髪……そのつややかさは美しかったが――美しさが、より恐怖を、かき立てる)
よ、寄るなっ!
私は、狩られる側じゃあないぞ! 調子に乗るな――ずっと私は、狩る側だ!
覚悟など――永遠に、しないっ!
(相手の動きは、素早かった。姿がにじむほどの速さで、私に手を伸ばしてくる)
(包丁で攻撃できる速度ではない! 殴られる? つかまれる?)
(どちらもごめんだ! 時間は経っている……能力は、再び発動させられる!)
―――――『クオンタム』。
(名を呼んで、能力を発動させた)
(私からも、迫ってくる彼女に向かって踏み出し、お互いの体をすり抜ける)
(さっきと同じだ……だが、問題は再び、私が彼女を攻撃する気がないということだ)
……とりあえず、わかった……キミが、私と同じ、人を超えたところにある人だ、ということは。
そして、私と同じ起源で、人を超えた者ではない、ということも……。
……『ザ・リンクス』と言う名に、心当たりはないだろうね? そういう能力者を、狩ったことは?
(慎重に、後ずさりしながら聞く。もはや、彼女に関わるべきではないと判断したのだ――少なくとも、今は)
(逃げるべく、少しずつ距離を取る)
……あたしが、どうやってあんたを討とうとしたか覚えてない?
あたしは覚えてるよ。夜、討ったやつ、全部。
でも、いちいち名前は聞いてない。さっきもそうだったでしょ……?
(相手が、動揺をあらわにしている、ということに冷静になった頭が気づけば、
むしろこちらに余裕が出てくる。正常な思考を失えば、
人間は獣よりも不安定になってしまう。さっきまでの自分がなりかけていたように。
何より――、一瞬、透明になった筈の指先に、"触れることが出来た"。
掴むでもない、擦れるでもない。ただふれあっただけだが、
その能力の一端を捉えることが出来た――。
当然のようにすり抜けて、背後へ回った相手に向き直り、
迎え鞘に刀を納めると、幾度か指の開け閉めをして確認し…)
夜見た顔は、忘れないよ。
――そんで……あんたはまだ"狩る側"なんでしょ?
何、逃げ腰になってるの。 ……あたしはまだ許すなんて言ってないよ。
なら、これから狩られないように、"討つ"。あたしは、あんたが"怖い"から。
死にたくないなら……財布を差し出すより簡単。
持ってるもの捨てて、色々吐いて貰えばいいよ――"強盗"の邪魔はしないよ。"まだ"ね。
それにもう、逃げられるとは限らないよ――"掴めそう"だもの。
(指先に集中する。それ以外は無防備になるということだが。
外見にはなんら変化なく、とられるぶんだけ距離を詰める。
攻撃も防御も犠牲にすれば、動きを封じることは出来るかもしれない――
好機に力を取り戻した好奇の瞳が眼鏡の奥に。
もうすぐ夜が明けるのだと期待するように、にじり……)
名前を聞かない? ……そうか……まあ、それでもいいか……。
(息を整える。短く、早く、それを長く、遅くにしていく)
(彼女は冷静だ。恐ろしく冷静だ。仕事人としての冷静さが、感じられた)
(この手の相手は、危機に陥れば陥るほど、冷静になるものだ……)
(私は、彼女の言葉を信用した。「怖い」――彼女は私を恐れている)
(だから、こんなにも冷静なのだ……相手を、確実に殺すために)
もしかしたら、と思ったんだ。もし、『ザ・リンクス』を、そちらさんが殺していたら……。
私のすべきことが、ひとつ減っていたから。
(ゆっくり、言葉を選んで、吐き出していく)
(速度を落としてしゃべるのは、心を落ち着かせるものだ)
いいことを教えてあげよう。今、私の言った能力者に、注意したまえ。
そいつは、私にこの力をくれた……幽霊になれる力を。
そして、今も、この世界の誰かに――特殊な能力を与え続けている。そういう力、らしい。
私の目標は、二つある。ひとつは、お金を集めて、遊ぶこと。
もうひとつは、『ザ・リンクス』を殺し、私が唯一の異能者になることだ。
そして今、三つ目の目標ができた。
唯一の異能者になれても――それを狩ろうとしている者がいたのでは、面白くないな?
(そうだ、私は「狩る側」だ……)
(狩り手を討とうとする者を、こわがってどうする? それでは、狩られる側と変わらない)
(少なくとも、彼女を恐れていては――先はない!)
掴めそう、だと――ふむ、妙なことを言う……。
(慎重に、三度、近付いていく)
(今度は、余裕はない……確実に、殺す)
(非実体化する、私の力――それを発動させたまま彼女に接触し、彼女の体内で、包丁を実体化させる)
(そうすれば、避けることも、防御することもできない。
慣れ、不慣れは関係ない……どっちにせよ、非実体の私に、触れられはしないのだから)
(彼女の指先が、何か眼に見えないものを扱うように、動いている)
(それを注視しながら、私は彼女の目の前に立ち)
…………やはり、覚悟するのは――キミのようだよ?
(包丁を、そっと、彼女の胸に入れた――)
(あとは、手放すだけで、彼女を絶命させられる)
(最後の一撃は、きっと有効なはずだ――今までも、そう思ってきたが、今度こそ……)
最初のひとつだけしか、わからないよ。
……普通に戻りたい、とは思わないんだね。
進んで、こんなやばいことに首突っ込んで……何が、楽しいんだろうね。
(三つの目的を聞いても、何かの原因になりかけている者の話も。
いずれ自分に"おはちが回ってくる"ならば、という考えに、
消極的にしかいられない。だがどこか、吐き捨てるように、
相手の声高な理想を否定した。
恐い、と評した相手と、同じ世界に立っていることはそもそも異常なのだ。
それをどうこうしたいわけではない。逃げるために迷い込んでいる。
……だからこそ、理想や、進んで飛び込む者に、自分はいらだちを覚えるのか)
遊ぶなら、こんな物騒じゃないことにしたい。
楽しかったら、昼のことでも覚えていられるから――。
快楽主義なんてのも、気楽に、普通なほうがいいに……決まってる。
(しかし、脱力した動作から、無駄のない転撃は、決して普通の動きではない。
理想を求めるにつれ理想からかけ離れて、術を極めた肉体は、
極めて冷静にその手首を掴んだ。
肉体という概念よりひとつうえの、霊的な――陽の化勁がされた手は、
ある意味剥き出しの部分を遠慮なく握りしめ、胸から刃を抜くような挙動をとる。
そうする、と決めてからの集中には恐れはなかった。それこそ――尋常ならざる怪物のように)
(彼女に触れられた――それを、感じた)
(あり得ないことだった。幽霊となった私には、誰も接触できない)
(なのに、私は彼女の存在を肌で感じたのだ……いや)
(彼女の指先から放たれる、エネルギーを!)
お、お、お……おおおおおおおおおおっ!?
(掴まれた手首に、私はそれを感じ……それが、流れ込んでくるのを、感じた!)
(回転するミキサーの刃に触れたような! 高圧の電線に触れたような! 強力な振動と衝撃!
苦痛という苦痛を全て混ぜたような、恐るべきエネルギーが、私の体の中で、暴れまわる!)
(「こ、これは何だ? ダメージを受けている? か、体が言うことを聞かない! バカな!
ゆ、指が動かない……これは……包丁を手放せない!」)
(手放せないどころか、手首はゆっくり動かされ、彼女の胸から、包丁は抜けていく)
(非実体のままなので、彼女の胸には、傷ひとつない)
(幽霊に等しい私のヴィジョンが、グニャグニャと揺らいでいるのを感じた)
(強い風に吹き散らされようとしている、ろうそくの炎に、その姿は近い)
(「つ、つまり、彼女の手から、非実体の私に作用できる、何かの力が出ていて……。
私は、それに掴まれた上、散らされつつあるのか? 彼女は、彼女は、そこまでできるのか!?」)
(私の「揺らぎ」は、どんどん大きくなっていく)
(これが、原形をとどめなくなると、どうなるのか? いや、そもそも……そこまで、私の体力はもつのか?)
(この苦痛! めまいと吐き気が、同時に頭の中に渦巻いている。
もし、このまま意識を失ったら? 能力が、自動的に解除されたら? 彼女は私を、どうするだろう?)
(彼女の言葉から、すでにそれはわかっている……彼女は、私の目的を一切、認めていない)
(そして彼女は、討つ者だ……彼女なら、その仕事を冷静にこなそうとするだろう)
く、…………うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!
(狼のような、遠く、重く響く叫び)
(それは、恐怖より、それから逃れるための必死さが迸らせた叫びだった)
(ぶよん、という、ゼリーのような触感を後に残して、私は彼女の手を振りほどいた)
(限界だった……ふらつき、倒れこむ……民家の、塀に対して)
(そして、その塀を、すり抜けた……そこでちょうど、能力が切れた)
はあ――……はあ――ッ……残念、だが……今日の狩りは……ここまでだ……。
(塀越しに、向こうにいるであろう彼女に、呼びかける。塀は高い……追っては、これないはずだ)
120円は、次会った時に頂くよ……その時は、今度こそ、キミを狩る。
楽しみにしているがいい……キミは、キミの仲間たちは……新たな敵に、出会ったのだ。
(言い捨てて、がさりがさりと庭木を掻き分けて逃げていく)
(負け惜しみでもあったが、そうでないところもあった。彼女のような敵がいることに気付いたのだ。
それは収穫だった。討ち手たち……そして、私に触れる、何かの能力)
(「次は、油断をしないし、対処もしてみせる……覚悟しろ。やはり狩られる側だ、キミたちは……」)
(ふらつきながら、逃げていく。その心の中にあるのは、敗北感でも、怒りでも、闘争心でもない)
(「あの獲物は綺麗だったな」という……とても場違いな「感想」だった)
【とりあえず、どうだろう、遅くなってきたし、きりよく私側は、ここで終わらせてしまったが……】
【よかったら、次のキミで、完全に締めてもらいたい……】
【今、眠ぽだが……相当、楽しめた……それだけは、言っておきたい……】
(肉、ではない。可視の非実体に触れたことは初めてだったが、
霊体の刃の部分が胸から離れ、それを外側に固定してみれば、
少なくとも――尋常ではない感触であることは冷静に確認できた。
陽の側面で天才的な術を要する彼女は、一時的に手だけ、
等しいそれを得たのだが――その異様さには、言葉を失うほかない)
ッ………。
――仲間、なんて……いないよ。
(豆鉄砲を撃たれた鳩のように、絶叫に驚いて身を竦ませる。
それも相まって、容易く逃れられてしまえば、振り払われたように
二、三度、背後にたたらを踏んだ。
塀の向こうに逃げられてしまえば、飛び越えて逃げることは苦ではないが……
こちらもまだ、相手が本格的に多向かう場合の対処など考えついても居ない。
ただひとつ、塀の向こうに吐き捨てて……だが、あの特徴的な気配は忘れようもない。)
……お父さんに、聞いてみるかな。
(ああいうモノに、どうやって相立ち向かえばいいのか。
望むところではないが、死ぬのは恐い。生きたいわけではないが。
決して笑わず、冷酷に、だが的確な教えを施す父親に、
久しく期しながら……対して重く沈む胸中のまま、竹刀入れの蓋を閉める。
とりあえず、暑い――鼓動がようやく"正常"になれば、
酷く喉が渇いていることに気づいた。
そこでまずは自販機へ歩みつつ、ポケットから財布を取り出した)
【いや……うーん、毎回言ってる気がするけど、強引でごめんっ】
【滑り出しがこんなでよかったかな……こちらこそありがとう】
【避難所で言ってたネタをやってはみたけど】
【これはエロいほうにも使えるかな……?と、とりあえず、次があればまったりいきたいね!】
【楽しかったよ。おやすみ!お疲れ様ー】
【見届けた】
【いや……むしろ、望んでいた以上の滑り出しだ……】
【ふ、ふ、……もしえっちいことをするなら、夜パートかな、それともお昼に知り合おうか?】
【うん、私も、楽しんでもらえたなら、嬉しいよ……おつかれさま、おやすみ……】
久し振りに早く帰って来れたので待機してみるよ。
プロフは
>>2を参考に。雑談でもロールでもオッケーだよ。
【まだいらっしゃいますでしょうか?】
はい、こんばんは名無しさん。
僕に御用ならいつでもどうぞ。
【ではプロフィールを投下しますので少々お待ち下さい】
プロフィール?
ああ、わかったよ。では楽しみにしてるね。
【名前】式部 栞(しきべ しおり)
【年齢】22歳
【性別】女
【身長】162cm
【3サイズ】B85/W56/H86
【容貌】艶のある腰まで届く長い黒髪で、前髪はぱっつん。瞳はどこか憂いを称える澄んだ黒。
普段から白衣のデザインのワンピースを着ており、肌は透き通るように白い。
【能力】ヒーリング:両手を翳すことで他人の怪我や病を癒すことができる。
ただしこの力は本人の治癒時間を早めるだけであり、
本来治らない怪我や病までは治すことはできない。
また能力を使うと栞自身の体力て精神力を酷く消費してしまう。
【希望】雑談・戦闘支援・和姦・レイプ
【NG】スカグロ、死亡
【弱点】能力以外は普通の人間
【備考】
学園に新しく赴任した若き保健医。
子供の頃に能力に目覚め、人を癒す仕事に進んだ。
あどけなさの残る笑顔は、少女がそのまま大人になった感じ。
いかなる生徒とも、真剣に向き合うことを信条としている。
学園の変異に多少気付いているが、どうすることもできずに悩んでいる。
【よろしくお願いします】
【このプロフィールでご希望されるシチュがあればおっしゃって下さい】
【教師キャラで保健医という事なので、保健室に行って】
【癒してもらう→能力に感づく→腹の探り合いという流れが最適かと】
【解りました】
【では書き出しをお願いしてもよろしいでしょうか?】
本当に、何というか、疲れた・・・・・・・
(疲労困憊と言った風情で階段を降りる。白皙の表情に疲労が満ちている)
(この学園に来てから休む事無く活動してきた代償が回ってきた)
(疲労に軋む身体を引き摺って、保健室を目指す。ちなみに授業中だったが)
・・・・・すみません、少し休ませてください。
(ノックしてから保健室のドアを開ける。身体が資本であるトレジャー・ハンターも)
(この怪異渦巻く街での探索と戦いに、根本的な休息を必要としていた。慣れない学生生活)
(を送ることにより、精神的にも摩耗していたのかも知れない。ともかく彼は疲れていた)
【じゃあ、こんな感じでよろしく】
は、はいっ!
(梅雨の雨音の心地よさにに、ついうとうとしていると)
(授業中だと言うのに誰かが訪ねて来て)
(思わず椅子から立ち上がって、入って来た男子生徒と目が合ってしまう)
えっと…休むって、気分でも悪いの…?
(少し気まずい思いをしながら精一杯の笑顔で生徒に尋ねてみる)
【今夜はよろしくお願いします】
(疲労しているとは言え、普段と変わらない怜悧な眼差しが、眼鏡越しに)
(その保健医を見据える。確か、新しく赴任してきた保健医のはずだった)
(記憶が確かなら月曜日の全校朝礼で紹介された、名前は式部栞という若い女性)
ええ、少し疲れてしまいまして。少し横にならせてください。
最近、根を詰めすぎたようです。勉強しなくちゃならない事が多くて。
(ぎこちない笑顔。表情から察するにうたた寝の最中に起こされたのだろう)
(だが、彼には関係ない。善良な、勉強で疲れた生徒を装っている)
勉強疲れ…?
だったら許してあげるわね。
ベッドは空いてるから好きなところをどうぞ?
(彼は授業をサボって来たという感じではなさそうだと思い)
(快く三台あるベッドを提供する)
横になったら、疲れの取れるおまじないをしてあげるわね?
(消毒用のエタノールを手を散布して手を擦り合わせながら男子生徒を見て)
ところで、貴方のお名前は?
助かります。
(短く礼を言って、上履きを脱ぎベッドに腰かける)
(学ランを脱いでハンガーに掛けておく)
お呪いは好きじゃないんで遠慮しておきます。
怪しげな民間療法も拒否します。
僕は先祖代々熱狂的な科学の信奉者です。
(さらりと爽やかな笑顔で告げて、静かに横になる。ある事情によりオカルト的な事は)
(倦厭している盗掘屋の少年であった。先祖代々云々は当然嘘というか、冗談だ)
(彼の先祖もまた盗掘屋であり、遺跡の探索を専門としていたらしい)
二年×組の真賀樹 漸です。
(カッターシャツのボタンを外して胸元を緩め、横になる)
一応、これでも医学は勉強してるから安心して欲しいな…?
(頼りにならないのかなと思いながら苦笑を浮かべてベッドの脇に椅子を置いて座る)
漸君…?
変わった名前だね?
(そう言いながら漸君の額にそっと手を延ばす)
(僅かに残ったエタノールのひんやりとした心地よさを伝達させるために)
それはそうでしょうけどね。
(面倒だなと思いつつも顔にも声にも出さないようにする)
真賀樹と呼んでくださいよ、先生。
生徒と慣れ合おうとする教師は舐められますよ。
(若いのだから仕方ないのだろうが、教師は厳しいくらいで丁度いいと思う)
(下手に慣れ合うのは、教師にとっても生徒にとってもデメリットが大きい)
・・・・・・冷たいんですけど。別に病気じゃないんだから、薬とか必要ないですよ。
(触れられるのが鬱陶しいので、その手をさり気無く払っておく。無遠慮に触れられる)
(のは、余り好ましくない。自分から触れるのなら別段構わないのだが)
あっ…!
(手を振り払われて思わず驚きの標準を見せる)
(親切の押し売りだったかもしれないと反省しながら)
ごめんなさい、真賀樹君…。
(手を引く間際に漸君に手を翳してヒーリングの力を使う)
んっ…。
(反動として襲う痛みに表情を歪め、それを悟られまいとすぐに背を向ける)
(疲れ程度ならこれで十分だろうと思いながら)
…気分が良くなったら、教室に早く帰るようにね?
(平静を装いながら、自分の本来の席に戻り、机に向かう)
―――――
(彼女が退くと同時に、スッと、疲れが抜けた感覚がした)
(それは不自然な程に、不自然な程の、癒された感覚)
(有り得ないと理性が告げる。本能は理解している。その根源を)
(つまり、あの保健医が何かしたのだろう。物理的に有り得ない方法で)
少し休んだら帰りますよ。それより先生、先生の方こそお疲れのようですが。
やっぱり、この学園での勤務は辛いですか?この学園、生徒数が多すぎますからね。
(会話。それは相手を探る為の行為。何気ない会話から相手の本質を手繰り寄せる)
それに、最近この周辺では妙な事件が多い。迂闊に夜歩きもできませんよ。
先生はどうです?何か変わった事を見たり聞いたりしませんでした?
えっ、真賀樹君…?
(振り返り、急に饒舌になった生徒に戸惑いを感じながら)
(せっかくのコミュニケーションなのでと思い)
私が知っているのは噂程度のものよ?
不思議な生き物を見たとか、怪しい人が学内にいるだとか、
後は…魔法を見た、とか…。
(椅子に座ったままベッドで横になっている生徒に語って)
でもそれが、どうかしたの…?
(ふと思い、そう質問してみる)
噂程度、ですか。僕もよく耳にしますね。
例えばウサミミとスク水姿の変質者とか。
通り魔も最近多いみたいですね。また強盗殺人があったとか。
(新校舎、旧校舎地下迷宮、裏山、神社仏閣、公園・・・・・・・・)
(場所を問わず現れる怪異。不可思議な現象。そして妖魔)
(何より、この学園に集まる多種多様な異能者たち。ならば彼女も・・・・・)
いえ、物騒ですよねって話です。
僕のクラスでも護身術を習う人が増えますし。
学校側でも、部活を中止して下校時間を早める方針にするとか。
(それは会議を盗聴していて耳に挟んだ事なのだが、それは言わない)
先生はこの学園に赴任が決定して、不安はありませんでしたか?
変質者や通り魔…?!
そんな…殺人だなんて…。
(まだ情報に疎く、初めて知る事実に驚きを隠せず)
(思わず真賀樹君の元に歩み寄って)
部活を中止って、そこまでだったなんて…。
不安も何も、私は教頭先生の強い推薦でこの学園に赴任したの。
だから、何も知らされてなかったから…。
(もしかしてヒーリングの能力を持っていたからこそ)
(この学園に赴任するよう仕向けられたのではと疑問を持ち始める)
…真賀樹君も、護身術とかしてるいのかしら…?
それとも…何か特別な力があるの…?
(思わず特別な力という言葉を不用意に発してしまう)
何も知らなかったんですね、先生は。
(この反応から察するに、彼女は少なくとも特別な情報源は)
(持っていないのだと判断する。もし演技なら大した役者だ)
そうですか・・・・・・推薦、ですか。
何を考えているんでしょうね。教頭先生は。
(この学園の教師たちの情報はまだ集まっていない)
(早く弱みを握り、背後関係を洗い出す必要がある)
(特に学園長などのトップたちについては、早急に)
そうですね。逃げ脚には自信がありますよ。
それにしても、先生?変な漫画に毒されてませんか?
特別な力なんてあるわけないでしょ?超能力だの、霊能力だのを
使える高校生なんて、今時冗談にしても笑えませんよ。
(ビンゴ。彼女は特別な才能を有している。ならばこの身体の癒され具合も)
(納得できる。それもヒーリングと呼ばれる能力だろう)
【すみません、急用で落ちなくてはいけなくなりました】
【凍結をお願いしてもよろしいでしょうか?】
【ああ、ごめん。次来れる予定がわからないから】
【破棄でいいかな?あんまり長く待たせるのもどうかと思うし】
【わかりました】
【ではまたいずれ改めてお願いします】
【失礼しました】
【なんか調子悪くて文章が練れなかったよ、ごめん】
【また次の機会があったらよろしくね】
【名前】志筑 桜(しづき さくら)
【年齢】 17
【性別】 ♀
【身長】 156cm
【3サイズ】 86 56 87
【容貌】 髪:黒髪ショート 目の色:澄んだ赤
ボーイッシュな元気っ子
基本は学生服か軽装 鉢巻を着用している
【能力】
限りなく速く走る事が出来る
魔力によって赤い半透明な球形の、極めて強固な障壁を作ることが出来る
【希望】 雑談 戦闘 エロール等
【NG】スカ・グロ
【弱点】
構築した障壁は水に弱く、水属性を帯びた攻撃に極めて弱い
雨の日は戦闘能力のほとんどが奪われる
【備考】
高等部二年 負けず嫌いな陸上部
誰とでも仲良くしようとし、誰とでも一線を引いて付き合う性格
生まれ持った膨大な魔力を全て速く走るためだけに使っている。
最高速度は音速を軽く超え、攻撃は障壁を張ったまま相手に突進し、叩き付けるのが主な攻撃手段
魔力による飛び道具も使えるが、不得手で威力はあまりない。
力試しに夜な夜な化け物を狩っている
参加&待機〜
|-`)
時間帯が悪いと思うよ
【よっ、まだいるかい?】
【反応、遅れました。申し訳ない。まだいらっしゃいます?】
【お、よかった】
【俺も落ちようとしてたとこw】
【後一時間ぐらいだが、軽く雑談でもどう?】
【把握ですw】
【あ、俺のプロフ
>>27な】
【なんか希望のシチュでもあるかな】
【合わせてくから書き始めてくれてもいいぜ?】
【まだこのスレの雰囲気になれてないので出来ればこちらが合わせてきたいなーとw】
【そうか…っつっても、学年も違うしあまり接点なさそうだな】
【二人目の陸上部員だし、こっちから部活を見に行くか】
【そんな感じでいい?】
【ん、了解です】
【あ、二人目だったんですかw】
【おいおい、参加するスレがどんなとこなのか読んでないのか?】
【現行スレぐらい読んでから参加しちゃどうだい。合わないとこかもしれないぜ?】
【
>>4に同級生のエースがいるよ】
【一通り目を通したつもりでしたが、見落としてました、申し訳ないです】
【ご親切にありがとうございます】
【今日はどうする?】
【簡単に自己紹介程度のロールでよけりゃ、始めようか?】
【そうですね、軽く雑談気味にお願いします】
【了解。んじゃ、ちょっと待ってて】
確かにね、陸上部はわが校への貢献度が高いのは認めますよ。
それと予算配分は別でしょう。
だいたい、おたくはOBも多い。生徒会予算なんかいらないぐらいじゃないですか?
…わかりました。今日にでも拝見します。
(と俺は陸上部顧問の先生とのうっとうしい約束を果たしにグラウンドに来た)
(部活動費の予算配分の時期には、あちこちの部活を見て回らなきゃならねえ)
(それも楽しみっちゃ楽しみだけどさ)
ねえ、君、部長いるかな。
(と、とりあえず可愛い女子部員に声をかける)
1,2,3,4、っと。
あー、ストレッチめんどくさ…。
・・・え?部長?
あたしは見てないなあ。
(見慣れない人から声をかけられ、不審そうに返事をする)
って、あ、生徒会長さんじゃないですか。
ウチの部長に何かようですか?
(部長にも顧問にも用事はある)
(が、そんなしちメンドくせえ用向きは、女の子の顔を見たとたんにふっとんだ)
(女の子の目は赤い…白眼が充血してるんじゃなくて、瞳孔が赤い)
部長にも用があるっちゃあるんだが、キミにも興味あるな。
名前聞いていい?
(俺はスニーカーのままグラウンドへ踏み込んだ)
(顧問か体育の先生に見られたら、怒鳴られるかも知れねえが)
(瞳の赤い女の子と話をするチャンスに比べたら、そんなもん屁でもねえや)
どんな用か教えてもらえれば後で伝えておきますよ?
へ、あたし?
高等部2年、志筑、桜です。
影のエースとは私のこと!
・・・反則技使えば私の方が絶対速いし・・・。
(ぼそっと最後にかすかに呟く)
えーっと・・・みどり・・・かわ・・・だいすけ先輩でよかったんですっけ。
あれ?何か違う?
(恐る恐る生徒会長を見上げる)
ふうん、志筑くんか。
どうして今日までキミに気づかなかったんだろうな。
もっとも、キミの方でも俺のことなんざ、てんで気にしちゃくれてねえみたいだが。
(俺は頭をかきながら苦笑する)
俺の名前を覚えてないようじゃ、キミに伝言頼んでも心もとないな。
もう少し、俺のことを知ってもらう方がいいような気がするんだが。
…というより、俺はキミのことをもっと知りたいんだ。
練習なんざ、うっちゃっといて、少し歩かない?
(俺は目顔でグラウンドの外を示す)
【すいません、合わないみたいなんで破棄させてください】
【参加は取り消します】
生徒会長って人沢山覚えるからしょうがないんじゃないんですか?
よくわかんないけど。
・・・あれ、やっぱ違いました?
自信なかったんですよね。
(同じように頭を軽くかいて笑ってごまかす)
あ、いいですね。
私も練習めんどいからさぼりたかったんですよ。
…生徒会長同伴なら言い訳なんとでもなるし
…練習しなくても私速いし
(聞き取れないような小さなこえでぼそっと呟く)
【そうかい。ごめんよ】
【そう言わずに、また気の合いそうなやつがいたら話しかけてやってくれ】
【じゃ、おやすみ】
【・・・あれ?トリバレしちゃってる?】
【
>>314は私じゃないです】
【なんだこれ? 鳥バレ? なりすまし?】
【トリ変えておきます・・・】
>>318 【トリバレによるなりすましだと思います・・・多分】
>>317 【とりあえず、ID変わらないうちに鳥変えた方がいいな】
【なんだか締まらねえことになっちまったが、今日の話はなかったことにしておこうか】
【俺もリミットだし、改めて仕切りなおした方がいいだろ】
【前のトリは#しずきせんせだとか確かそんな感じ・・・】
【うーん・・・まさかのトリバレでちょっとあせってますけど・・・続けれますか?】
>>321 【そうですね、 了解です】
【今日は色々有難うございました】
【また今度ぜひお願い致します】
【短くてごめん!】
【これからよろしくな】
【んじゃ、おやすみ】
【いえいえ、こちらこそバレるようなトリつかって申し訳ないです】
【おやすみなさい ノシ】
【何度もすいません】
【トリップをこちらに変更します】
【私が一番ロールよりもむしろ調教とか陵辱とかされたいですね。。】
【では、おやすみなさい】
327 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 10:33:04 ID:6FipaWQB
それじゃプロフに調教陵辱キボンって書いとけよ。
事前に条件提示しないで後出しで○○されたいって言われても
相手はそれこそエスパーじゃないんだからわかるわけない
「保健医」みたいなありえない職業をでっちあげて
相手の了解も取らずに能力発動するガッツキ女に
最強プロフ提示しときながら
一番ロールがしたいわけじゃないと抜かす赤目
さすが中二病患者のスレだな
【名前】ボブ・如月(ぼぶ きさらぎ)
【年齢】18歳
【性別】男
【身長】188cm
【容貌】髪は黒のドレッドヘア。瞳も黒。
ビシッと決まった学ラン姿でいることが多い。
【能力】マーシャルアーツを極めた、肉体凶器。
【希望】雑談、戦闘・レイプ
【NG】死
【弱点】特になし
【備考】日本語を流暢に話す謎の黒人留学生。
苗字は偽名。
異形を倒す事に生き甲斐を感じている。
素行は悪いが風紀委員を務めている。
【よろしく頼む】
【待機します】
【プロフは
>>4です。よろしくお願いします】
こんばんは。
23時までならロールできるけど。
学園内で再会ロールでもしてみるかい?
こんばんは。
それでお願いします。リミットも了解しました。
書き出しはどうしましょう?
ご希望があれば合わせますから、書いてくださいますか?
そうだね・・・・・
@学生食堂で再会
A放課後の校舎で再会
B放課後のグラウンドで再会
再会のシチュとして考え付くのはこの程度かな。
この中でやりやすいのを選んでくれたらそれに合わせて書き出すよ。
では2番で行きましょうか。
書き出しお待ちしてます。
会議室はオッケー・・・・・・視聴覚室も回ったし・・・・・
職員室へはちょっと無理かな・・・・・・
(黄昏時。或いは逢魔ヶ時。校舎を徘徊する白と黒の少年)
(彼は今日も情報収集に励んでいた。具体的には学校の各部屋に盗聴器を)
(仕掛けている。それを使って生徒や教師の情報を収集し、弱みを握るつもりであった)
(弱みを握るのは、校内で使える手駒を増やすためである。必要な事の為なら何処まで)
(も手段を選ばないトレジャー・ハンター。その名は真賀樹 漸)
そろそろ、今日は引上げるかな。
(リストのチェック項目を確認して、それをポケットに仕舞いこんで歩き出す)
(白い髪以外はまるで特別な部分のない、何処から見ても平凡な生徒である)
…ありがとうございました。失礼します。
(小教室の一つから津綺子が出てくる)
(今日は進路指導の日に当たっていたので練習は休んだ)
(進路、将来、そういうものへの漠然とした思いを抱えて夕暮れの校舎を歩く)
(早く家に帰るのは気が重かった)
(前方の一室から見知った生徒が出てくるのが見えた)
真賀樹くん?
(小走りに駆け寄り、声をかける)
こんにちは。
真賀樹くんも進路指導?
おや・・・・・キミは・・・・・・・
(束の間、脳内のデータを検索する。骨格、眼、唇、髪型、声)
(該当者は一名。名前は――伊織津綺子。電撃使いの異能者)
伊織さんじゃないか。久し振りだね。
キミは進路指導だったのか。そういえばそんなのもあったよね。
(偶然知り合いに会った風情を装う。完全なまで普通の生徒に見える)
ああ、折角会えたんだし、少し話せないかな?
用事があるなら、無理にとは言わないけれど。
(口元に微笑すら浮かべながら問う。しかし内心では相手を探る事を目的としていて)
(更に言うなら可能なら利用できないかと考えていたりもする。さらに可能なら彼女の)
(弱みを握って手駒にできないかと計算している。しかし表面上億尾にも出さない)
用事なんかないわ、お付き合いします。
(家にすぐに帰らなくて済むと思うとホッとして、間髪をいれずに返事をしてしまった)
(そこで少し考える。順番が逆だ)
……進路指導じゃないなら、何をしてたの?
(真賀樹漸には、どうしても得体のしれないところがある)
(簡単に気を許していい相手だとは思えないが)
(それでも前回、あれほど危険な出来事に協力してくれたことを思えば、悪人だとも思えなかった)
(津綺子はそれほど人づきあいが得意と言うわけでもなく、人を見る目はむしろない)
また宝探し?
(ぐるりとそのあたりを見回すしぐさをして、ようやく少年の顔色をうかがった)
そう、ありがとう。
お茶ぐらい御馳走するよ。
(自販機のある場所を目指してゆっくりと連れだって歩く)
ん?いや、何。この学校って広いからね。
ちゃんと部屋の場所とか覚えないとと思い立って。
(しれっとしらばっくれる。悪事をしていた事など億尾にも出さない)
(この手の嘘や方便を口にする事に、罪悪感も何も感じていないのだ)
宝探し?何のことかな?
(゛まだ゛完全には素性を明かしてはいないので惚ける)
(とは言え、完全に隠し切れるものでもないので、打ち明けてもいいとは思っている)
それより伊織さんこそ、最近どうなの?この街も学園も、色々と物騒だよね。
例えば強盗殺人とか、スクール瑞樹姿の怪人とかね。
もしかして、伊織さんも首を突っ込んでたりするのかな?
(自販機に辿りついて、何がいい?と問いかける)
それじゃお言葉に甘えて、ご馳走になるわ。
(素直についていく)
真賀樹くんは高等部からなの?
私も中学までは違う学校に通ってたから、付属上がりの子みたいに詳しくなくて。
(ここまでは漸の言うことを全く疑っていない)
(だが、宝探しについてとぼける漸を見て、警戒心が頭をもたげる)
宝探しじゃなかったかしら。なにかを探していて、あの化け物に遭遇したんでしょ?
(だが、簡単に話題を変えられてしまった)
スクール水着の女の子は……都市伝説というか、学校の怪談みたいなものだと思ってる。
だって、いくらなんでも……。
でも強盗殺人はシャレにならないわ。
数少ない目撃証言は「消えた、見えなかった」ばかりだなんて。
もしかしたら、この前あなたが追いかけられていた、ああいう化け物の仕業じゃないかと思う。
首を突っ込みたくなんてないけれど、生徒が犠牲になってるんですもの、無関係ではいられないでしょう?
…ありがとう、「カテキン緑茶」がいいな。
うん、二年の最初から編入してきたんだけど。
ふーん、そうなんだ。ま、あちこちから人が来てるみたいだし。
むしろ小学校から一貫して通ってる人は、地元の人くらいなのかな。
ああ、覚えてたんだ?まあそんな感じだけどさ・・・・・・・・
今日は別件だよ、校舎の中で探検しても宝物なんてあるわけないじゃないか。
(硬貨を投入して希望のドリンクを購入。それを彼女に手渡す)
都市伝説ね・・・・・・テケテケとか人面犬みたいな?
それにしては、奇抜すぎるというか。何かの見間違いだとは、僕も思うけど・・・・・・
(流石のトレジャーハンターも、まさかその人物が実在しているとは考えてはいなかった)
透明人間だったりしてね。知ってる?光の屈折率を変化させて姿が消えたように見せられる
服は何年か前に開発されてたんだよ。テレビでもやってたよ。案外、それを民間の人が
開発して・・・・・・・なんてことはないか。
(それが異能であれ技術であれ、自分には直接関係はないので現時点では問題視していない)
ふうん・・・・・・そうか。それは特殊な能力を持つ人間としての義務だと考えてるの?
(一瞬、眼鏡越しに怜悧な視線を向けて、それでも偽りの和やかさを装って問いかける)
(テケテケ、人面犬と聞いて、少し笑った。津綺子にしては珍しい)
(真賀樹漸という少年は、人心を懐柔する力もあるらしい)
プールの水がひとりでに噴水になった、なんて噂もあったわね。
そんな服が本当にあるんだ。いくらぐらいするんでしょうね?
(素直に透明服の話に感心する)
(自分が同世代の子と比べても世間が狭いのは承知している)
義務……そうね、こんな力がある以上、他の人にできないことをするのは義務だと思う。
だれだってそう考えるんじゃないのかしら?
自分が何かすることで、困る人が少しでもいなくなるのなら……
(そこで不意に言葉を切り、頭を振って)
ううん、違うな。
そんなご立派な動機じゃない……。
私が何もしなかったために誰かが犠牲になったら、自分がすごく悪いことをしたような気になるから。
悪い人になりたくないだけなのよ。
いい子でいたいだけ。
(それから苦い緑茶をぐっと一口飲みほした)
プールが噴水にね。なるほど。
大道芸人が練習してたんじゃない?
(薄く笑いながら、それが出来そうな女性を思い出す)
(しかし、まさかとは思う。暇潰しにしては捻りが無さ過ぎる)
コストはよく知らないけど。
ゴテゴテしてて、着心地はよくなさそうだね。
(科学技術の進歩は留ることを知らない。超古代文明の遺物すら解析し)
(その技術を模倣をする事はできる。やがてそれを超える物も生み出せるだろう)
ふぅん・・・・・・意外、かな。まるで自分の能力に罪悪感を感じてるみたいだね。
正直、馬鹿げてるとしか言えないね。そんな事する必要もなれば責任を感じる必要なんて
何処にもないのに。この世界で、毎日どれだけの人間が死んでると思ってるんだ、キミは。
(その日の糧すらなく飢え死にする人間。その屍の上で成り立つ生活を、実感として彼は知っている)
それを知った上で罪悪感を感じるなんて、致命傷だよ。
いい人とか、悪い人とか、そんな単純な二元論じゃなくてね。
(自分もドリンクを購入して、しかしまだタブは引き起こさない)
罪悪感、かな。
なんでこんなことができるのかわからないから……。
真賀樹くんだっていろいろ、他の人ができないことができるんでしょうけど
それは真賀樹くんが努力して身につけた力でしょう?
私が電気を起こせるのは……なんというか、いつの間にかできるようになっていただけで
自分が頑張って身につけた力じゃない。
それなのに、下手すれば、人を死なせることだってできる。
世界中の人の死に責任を感じるなんてことじゃなくて……
私が行動していれば、死なずに済んだ人もいるかも、という出来事が起こるのが辛い。
(片手を持ち上げ、顔の前にかざす。指先にぱちぱちと火花が散る)
(ふと、深夜に魔犬狩りをした少年のことを思い出す)
異形狩りのアルバイトをしてる下級生がいるの。
ある日l、どこからともなく指令が来るんですって。
彼だけじゃなくて、他に何人もその指令を受け取っていて、早いもの勝ちで魔物を仕留めれば
あるひ銀行口座にアルバイト料が振り込まれてる。
魔物が出るのを知っていて、そんな行動を起こしている人もいるのよ。
お金で人に命をかけさせることがいいか悪いかは置いといても
何かしようと言う人は私だけじゃないってことみたい。
生憎と、異能者の苦悩なんて僕には理解できない。
ただ、それがキミの中から生まれた力なら、それはキミのものさ。
手足を扱うのに理由が必要なのかな?そして人間はその気になれば
あらゆる方法を使って人を殺せるよ。そんな考え方は、滑稽だよ。
(だから大したことはないと、彼は言っているのだ)
似たようなものだよ。通り魔に出会う確率、交通事故に遭う確率、妖魔に出会う確率・・・・・
世界は地雷原さ。程度の差こそあれみんな地雷原を目隠しで歩いている。生きるっていうのは
そういうものだよ。人によって自覚があるか無いかの差かあるだけで。
だったら、キミが死んだ人間に対して責任を感じるのは、ある意味傲慢だよ。
キミはそれを背負えるほど大した人間なのかな?ただ偶発的に電撃を操れる程度の人間が。
(鋭い目で火花を見つめながら、発せられる声に含まれる怜悧さ、冷やかさ)
(まるで相手を静かに遠回しに責めるような、そんな口調である)
――この国の退魔機関か。首輪と鎖を嫌うフリーの者を手駒にするには、最適な方法だね。
この国の鎮護の為には、在野の異能でも使う必要があるって事か。
(彼女の説明を聞いて、自分の持ち合わている情報と照らし合わせて何か納得している)
それはどうでもいいさ、僕が知りたいのはキミ自身のことだよ。
使命感だけでドラゴンと戦う勇者は早死にするよ。
ね、どうして、キミは戦っているの?
(その声はまだ穏やかさを装っているが、その質問の真意は途方もなく深く暗いものが含まれている)
【えっと、よいところなんで凍結お願いできるかな?】
【明日の21時頃から空いてるけど・・・・・・無理なら他の日でも】
【凍結了解です】
【明日の21時でしたら、今のところ大丈夫】
【なにかあったら避難所の方に連絡いれます】
【今後の展開にご希望なども、よかったらそちらへ伝言くださいね】
【ありがとう。明日はよろしく】
【何かあったら避難所の方に書いておくよ】
【じゃあ、今夜はありがとう。失礼するよ】
【お相手ありがとうございました。お疲れ様でした】
【おやすみなさい】
>>344 (手足を扱うのに理由が必要か、と問われて、まじまじと漸を見返す)
電力を発する、ということが、手足を動かすことみたいに必要不可欠な能力だ、ということ?
…瞬間的に放電するだけなんだもの、発電機の代わりにすらならないわ。
戦いたいとか戦おうとか、自分から思ったことはない。
戦わなくてはいけない、と思ったことはあっても、
だからと言って誰か敵を探してまで戦ったりはしない。
私は……出会うのよ。
なぜか、ああいう魔物たちに出会ってしまうの。
妖魔が近くにいるのを感じるし、それを感じたらなんとかせずにいられない。
私が何もしなくても、やつらは私の近くで誰かを…あるいは私自身を襲う。
その時、逃げるか戦うか、私は戦う方を選んでるだけだわ。
(ふと自嘲的な笑いをもらして)そう、私は傲慢なのよ。あなたの言うとおり。
こんなことができるというだけで、自分は特別な存在なのだと思ってる。
(その表情から笑みが消え、内心の葛藤を伺わせない冷たい視線が宙をさまよう)
私が自分から戦う相手を求めたことはないけれど
遭遇した魔物から逃げずに戦っているのは、そんな自分を罰するためかも知れない。
異形の存在に傷つけられ、穢され、いつか殺されるために。
(静かに目を閉じる。みるみるその人形じみた顔に苦悶の表情が浮かび、そのまましばらくうつむいていた)
違うね。僕が言いたいのは、それをどう扱うかは自分次第ってことさ。
キミの心がけ次第で、それは命を奪う凶器にも、命を守る盾にもなる。
そして、それをどう扱うかについては誰も文句を言えないし、責任もとれない。
罪も罰も責任も全部自分で負うしかないのさ、結局は。
(その視線を平然と受け止めて、微妙にズレた事を言う)
・・・・・・少なくともキミの中に理由はないというわけか。
守るものも、遂げたい目的も、信念も誇りも・・・・・・・
(戦う理由はないと彼女は言う。ただ、その場面に遭遇して選択を迫られ)
(逃げるという選択肢を選べないと。要するにそれだけの事なのだと)
――くだらないよ。悲劇のヒロインを気取りたいわけか。
(彼の口調が少しずつ厳しいものになる。彼はそういう人間は嫌いなのだ)
あるいはマゾヒズムと言うべきか。自分で自分を痛めつける事に躊躇いがあるから
誰かに、その苦痛を与える役割を代行してもらいたいわけか。
(腸が煮え返る気分だった。内罰的思考というのは、彼のもののひとつである)
(反省は必要だが、それに対して罰を与えたいと考える事に意味はないと知っているからだ)
けどね、そんな事に意味はない。意味は――ないんだよ・・・・・・
(彼の手が伸びて、その俯いた横顔に触れそうになって、手を引っ込める)
――そんな事をするくらいなら、誰かの為に何かをしたらどうだ?
(糸を巻きつけて殴りつけたい気分を堪えて、それだけ言う)
【×彼のもののひとつである】
【○彼の厭うもののひとつである】
【酷過ぎるので脳内で修正しておいてね・・・・・orz】
悲劇かどうか知らないわ。
こんなことができるようになったのは、何のきっかけもなく、覚えている限り小さい頃からなんだから。
人と違っていることに何のこだわりもないと言えばうそになるけど……
自分が望んだわけでも、誰かに罰として与えられたわけでもないから
ただこの力を制御して、うまく使うことを考えるしかない。
だいたい、ヒロインを気取りたければ、みんなに言いふらしてるわ。
私はこんなことができます、何度も化け物に遭遇してますが
がんばってやっつけてます、って。
どういうわけか、そんなことを言いふらすことができないの。
それもこの前あなたが言ったとおりね。
(顔をあげて、急にサバサバとした表情で)
「そんなことを言ったら、頭がおかしいと思われるよ」って。
(ふう、とため息をついて、また表情を変える)
普通の高校生活、普通の日常生活、そういうものを失う勇気もないのに
どうして私は妖魔から逃げないでいるんだろう。
他人の評価じゃなくて、自分が自分を許せるかどうか、だから。
そうね、私もあなたと同じように「そうしたいからそうしてる」にすぎないんでしょう。
あなたは宝物を探して、それを手に入れたい。
私は……自分が嫌いな自分になりたくない。
言えるはずもないだろう。集団の中では右に倣えが暗黙の了承。
人と違えばそこから弾きだされる。独りになるのは嫌だろうね。
一人で生きていく術を知ってるならとかもく、キミには無理だろう。
いや・・・・・学生という身分の内は、本当の意味で生きていく事なんてできないよ。
(トレジャー・ハンターとして生きている自分と違い、異能であれ一介の学生でしかない)
(彼女が、普通の生活を棄てる事などできるはずもない。他に居場所がないのだから)
やりたいことをやっているのは同意するけど・・・・・・
僕とキミでは致命的に違うところがあるね。それがなんだかわかるかい?
(少し冷静さを取り戻し、いつの淡白な偽りの口調に戻って問いかける)
僕は自分の為になる事をやっているけれど、キミは自分の為にすらなっていないというところさ。
内省なき人間に成長も進歩もなく、自分の人生の当事者にすらなれない。
永遠の傍観者にしかなりえない。けどそれも程度の問題さ。
(答えを待たず。彼は自分の意見を述べる。当初の目的は、何処かへと消えていた)
人間は自分の為に生きるのが正しいし、美しい。
正義のヒーローが誰かを助けるのは、誰かを守れる自分が好きだからさ。
翻ってキミのやっている事にプラスはない。何処まで行ってもマイナスでしかない。
ならばキミはずっと自分の事を好きになれないだろうね。
(結局飲まなかったドリンクを缶入れの中に投入する)
正しい、美しい生き方?
(それを聞いて漸を見返す。視線には少し強いものが宿っている)
(それまで漸の繰り出す論理に翻弄されていたアイデンテティが、ようやく定まり始めた)
あなたにしては珍しく視野の狭いご意見ね。
何が正しく何が美しいのか、あなたが定めた通りではない人生だってあるはずよ?
私は自分のやっていることが正しいことなのかどうか、そこまで自信はもてないけれど……
正しくありたい、という気持ちだけは曲げたくないの。
たとえ独善にすぎなかったとしてもね。
(勢いよく立ちあがり、大きく伸びをする)
私がバーに挑むのは、それが好きだから。
努力して、自分の力を少しでも伸ばしていって、何かを乗り越える。
私は天才でもなければ特別な身体能力があるわけでもないから
私の記録は私の努力の成果でしかない。
自己満足だけれど、少しでも高いバーを越えることは、すごい喜びなの。
電力を操る能力なんて、気がつけば出来るようになっていたことだもの。
いくら化け物をやっつけようが誰かを助けてあげようが、達成感も満足感もありゃしないわ。
それをしなかったことへの罪悪感はあってもね。
なぜ妖魔や魔獣がやってくるのか、なぜ私がこんな力を持っているのか、その答えが得られるなら
明日私が犠牲になったっていい。
あなたは自分のためになることをしている。
そのために、きっと人を傷つけたり他人のためにならないことをするのは平気なんでしょう?
それをあなたは美しく正しいというのね。
それはら美しい生き方も、何かを得て人生の収支をプラスにすることも、興味ないわ。
それを偽善だというなら、その通り。
そうとも、何が正しいのかなんて判定基準は自分の内側にしかない。
ただ、人間っていうのは脆い生き物でね。だから確固たる判定基準を
持てないから、周囲の意見に流される。自分の面倒を自分で見れないのさ。
(面白くもなさそうに、彼は言う。彼女が何か悟った風なのがつまらないらしい)
(もう少し詭弁を駆使して翻弄したかったのだが、こうなっては何を言っても無意味だろう)
はぁ、つまらないね。けどこれで覚悟が決まっただろう?
僕はね、うじうじしてる人間は嫌いなんだ。女の子がうじうじするのは特にね。
ガタガタ悩んで愚痴吐いて、悲劇のヒロイン気取るより、何かを真っすぐに求めてる人間の
方が数段好ましいよ。少なくとも僕個人としてはね。今のキミはとても美しいと思うよ。
(言葉の内容とは裏腹に向けられるのは冷淡な眼差しと声。それは敵意にも似た何かを秘めた表情)
僕は僕の為に生きている。僕が宝物を探すのも、その為に誰を犠牲にするのも、相棒に生きていて
欲しいと思うのも、全部僕のエゴで僕が背負うべきこと。その代償は踏み倒す気でいるけどね。
(眼を閉じて薄く笑う。自嘲した様子でもなく、外道の盗掘屋は不敵に笑う)
(困難に挑む時、彼は笑う。それが生甲斐なのだとばかりに、彼は不敵に笑う)
僕の邪魔は誰にもさせない。邪魔するなら排除する。それが僕の選んだ道だから。
さて、そろそろ帰った方がいいかな。このまま話してても、喧嘩になりそうだから。
喧嘩になってもいいけど、今のキミを倒すには装備が足りないからね。
(眼を開けて、全ての感情を内側に仕舞いこんで、偽りの微笑を浮かべる)
(こうして彼は盗掘屋から、白い髪をしているが他に目立つ部分の無い生徒に戻る)
(美しい、と言われて、また警戒心が頭をもたげた)
(称賛を口にしながら、漸の視線は冷えている)
……あなたのいう、美しいとか正しいって、よくわからないわ……
(戸惑ったように視線をそらし、小さく呟くように言った)
あなたのやっていることを批判するつもりはないの。
そう聞こえたならごめんなさい……。
私のことを嫌いなのね。うじうじした偽善者だから?
(それからもう一度目をあげた。相変わらず困惑したような表情)
私はあなたのことが嫌いじゃないわ。
あの時、あの鎧兜の化け物をやっつけられたのだって、あなたが助けてくれたから
…私は感謝してるの。
あなたは自分のことが大事で、エゴイストだと言うけれど
それならあの時、私に化け物の始末を押し付けて逃げることもできたでしょう?
そうしなかったんだから、良心だってあるはずだわ。
(このあたり、津綺子の人を見る目は甘い)
(喧嘩、と聞いて心底驚いた)
ケンカなんかしないわよ。少なくとも、嫌いだからって理由だけで、誰かに危害を加えたりしないわ。
それに……私はあなたが嫌いじゃないから。
どうやら、私は嫌われちゃったみたいだけど。
それは僕がわかっていればいいことさ。
ただ、僕がそう思っただけだからね。
(彼には彼なりの美学や正しさがあり、そしてそれは決して他者に)
(理解できる類のものではない。彼も説明して納得させるつもりもない)
(確実なのは、彼女の行動指針が定まった今、今後敵としてぶつかる可能性も)
(出てきた事だ。それをどうするのか、平坦な表情の下で考えを巡らせている
多少、誤解があるようだけど、別に嫌ってはいないよ。
僕は自分の為に懸命に生きる人間が好きなんだ。だから今のキミは嫌いじゃないよ。
(それにしても、彼女は甘い。甘過ぎる。平穏な国で育ったにしても平和すぎる考え方だった)
(あの時、任せて逃げなかったのはあれを始末しなければ今後の活動に支障があると判断したからだ)
(そして二人で戦えば多少勝率はあがるだろうと、分の悪い賭けをしたに過ぎない。成功したから今の)
(自分たちの会話が存在するわけだが、それについてわざわざ語る必要を彼は感じなかった)
極悪人にも良心はあるよ。それを向ける相手が少ないだけでね。
キミは、少し人を見る目を養った方がいい。いずれ足元を掬われるだろうからね。
(自分でも余計としか思えない助言をする。言外に自分は悪人だと主張しながら)
(この助言を与える事で自分に対する警戒心が低くなれば、全て計算通り。打算とも言うが)
ふふ・・・・・・なら仲良くするかい?今度デートでもしようか。
ま、僕も何かと忙しいけど、考えておいてよ。
(じゃあね、と軽く告げてその場を立ち去る)
(予想より、抽象的で精神的な会話になったが、彼は良しとする事にした)
(今回の会話で、彼女を利用できるようになればそれが最善。最悪でも敵にならなければ)
(それに越したことはない。かくして、二人の二度目の会話に幕が下りた・・・・・・・・)
【今回はこれで〆。二日間ありがとう。またよろしくね】
自分のために懸命に生きる人間が好き、か。
わかるような気がするけど……
(なぜ素直にその通りだと言えなかったのか)
(漸の言葉は全くその通りだと思ったのに、なぜか彼の言葉は、自分と違う辞書に書かれている気がする)
ねえ、あなたが何を考えているのか、私にはわからないけれど
……でも、きっと何か考えて……
(そこでぐっと言葉を飲み込み、ひとつ覚悟を決めたような顔で続けた)
…たくらんでいるんだろう、ってことぐらいはわかる。
というより、今わかったわ。
人を見る目を養った方がいいのはあなたの言うとおり。
確かに私には知らないことやわからないことが多すぎるけれど
何も見えないわけじゃないし、何も聞こえないわけじゃないわ。
あなたは何をしようとしているの?
(デートでも、と軽い様子を装ってその場を去る少年を、割り切れない思いで見送る)
(魔獣などとは違う、敵だとか悪だとかそういう存在ではない、……危険な人物)
(なぜ彼をそんなに危険だと感じるのかわからないまま、漸が捨てた飲まないままのドリンクが気になる)
いったい……なぜ……?
(なぜそんなものがそんなに気になるのか)
(津綺子自身もわからないまま)
【なんだかお考えになっていたのと違う展開だったみたいですね……】
【うまくレスを読めなくてごめんなさい】
【これに懲りずに、またよろしくお願いします】
【凍結含め、長いロールお疲れ様でした】
【お相手ありがとうございました】
【ひっそりと待機してみましょう。詳細は
>>5にあります】
【立候補してみるぜノ】
【あら、こんにちは〜ノシ】
【何かご希望の流れはありますか?】
【同学年なので、お互いのことを知っていてもおかしくはなさそうですけどねえ】
【そうだなー、会長とは出会ってるから、その関連で話をしようと】
【呼び出されて生徒会室に行ったはいいが会長はいなくてあんたと】
【雑談って手もあるな。俺のが提示できるのはその程度だけどそっちに何か希望は?】
【会長さんとはこのスレの始めの方でロールなさっていましたね】
【その流れで大丈夫です。出会う場をどこにしようかで少々迷っていたので助かりました】
【書き出しはこちらからで宜しいでしょうか?よければ書き始めますので〜】
【ああ、よろしく頼むぜ】
(放課後、空もほんのりと赤みを帯び始めたころの、何の変哲も無い生徒会室)
(窓から外を見れば、陸上部を始めとした運動部員達が部活に励む姿や
家路を急ぐ生徒の姿が視界に飛び込んでくる。そんな時間に――)
(生徒会室に一台備え付けられているPCの前に座る、女生徒が一人)
ふう・・・これでおしまいっと。
(作業が一通り終わったのか、とんっと軽快な音をたててEnterキーを押す)
(やがて画面が暗転し、電源がきれたことを示す)
・・・っと。夢中でやっていたら、もうこんな時間に・・・。
さっさと支度して帰らないと。
(席を立ち、近くに置いていた鞄を手に取る)
(日が暮れるにつれて物騒な事件に巻き込まれる確立が高くなることは
十分理解しているからこそ、余計に帰り支度を急ぐ)
【遅れてごめんなさいね・・・ではこんな感じで宜しくお願いします】
(放課後のことだった。長いドレッドヘアーにサングラスというレゲエ風の)
(男がリズミカルな足取りで階段を昇り、廊下を歩いていた。目指すは生徒会室)
(先日――この学園の生徒会長と「夜の領域」にて出会い、お互いの素性を知った)
(今回は、詳しく話をする為に生徒会室へと足を運んだのだが・・・・・・・)
チィース・・・・・・あれ?副会長だけかい?
我が校のトップスターは留守なのかよ?
(ドアを開けるも、生徒会室にいたのは女性一人。副会長の宝樹仍未だけだった)
(熱狂的な女性信奉者の生徒会長・御法川醍醐の姿は何処にもない)
やれやれ、まさかまたどっかでナンパでもしてんじゃねーだろうな。
(肩を竦めつつ、何となく部屋に足を踏み入れる)
【おう、よろしくな】
――――っ?!
(ノックの音一つ無く、突然生徒会室の扉が開いた。驚いた顔で、その方向を見る)
(ここ最近は、短期間にうちに色々あったせいだろうか)
(些細なことにもビクビクしてしまう癖がついたような気がする)
え、っと・・・?裏宮・・・さん?
(ドレッドヘア、サングラス、Tシャツ、そして全体的に鍛えられている印象の筋肉質な身体)
(そして同学年なのだ。それほど面識は無くとも、この目立つ姿はよく知っている)
ええ、今日はわたしだけ。
会長さんなら、どこかに出かけましたけれど、何かご用だったかしら?
今日はとくには、裏宮さんの話は聞いていませんけど・・・?
くす、今頃学校か、それとももう街に出て、ナンパでもしているのかもしれませんねえ・・・会長さんのことですから。
(鞄を閉じ、彼の話を聞く。どうやら会長に用があるらしい)
うーん・・・戻ってくるかは分かりませんが、よかったら、ここで待ちますか?
ああ、ちょっと用事がな。
会長も話がしたいって言ってたんだけど、忘れてんのか?
(放課後まで待たず、昼休みに捕まえておけばよかったか)
(落ち付いて話ができる時間を狙ったのが裏目に出たようだ)
(今更何を言っても後の祭りのだが、言いたくもなる)
成功した場面見た事ねーけどな。もう少し空気っつーか、雰囲気読めればよ。
アレはアレで、悪い男じゃねーとは思うんだがな・・・・・・・
(出直そうとするが、ここで待ってみてはどうかと言われ、素直に従う事にした)
少しだけ待たせてもらうよ。けど副会長は早めに帰った方がいいんじゃねーか?
最近、何かと物騒だしよ。この前、近くで強盗殺人があったばかりってこともあるし。
こういう事が続くと、その内下校時間が早くなりそうだな。
(近くにあった椅子を引っ張ってきて、腰を落ち着ける。出てきた話題は最近この街で)
(起きている事件のひとつ。彼もこの街の守護役の一人として、事態の鎮静に向かう気はあるだが)
忘れてたのかも・・・っていうより、途中で可愛い子でも見つけて、それについて行ったとか――
ん・・・まあ、冗談ですけど。
(冗談と言ったものの、あの会長ならあり得ない話でもないか、と思い、呆れたように笑う)
ええ、悪い人ではないのはよく分かるんですけど・・・ねえ。
実際、ああいう性格が結構皆さんから好かれているんじゃないかとも思いますし。
――あ、いえ、わたしのことは気になさらないで。暗くなってから帰ることなんてよくあることですから。
それに――ほら、今日、当番なんです。気にしないで、ゆっくりしていって良いですよ。
(向かい側に座ると、ポケットから「生徒会室」と書かれた小さな
プレートがぶら下がっている鍵を取り出し、指で摘んで彼に見せる)
んー・・・それにしても、裏宮さんの言うとおり、最近物騒なこと、増えてきましたよねえ。
なかには怪物が出た、なんて噂も聞きますし・・・。
下校時間も見直されて、それから先生方も見回ったりするようになるのかしら。
(自分も被害者であり、そして魔物を狩る存在ではあるのだが、そこは伏せて語る)
(もちろん、彼がこの街を、学園を護るために活動していることは知るはずもなく)
好かれてるというより、珍獣扱いかも知れないが。
そんな事気にする人じゃねーか。遠くで見てる分には楽しいし、
そういう意味では人気があるのかも知れないなぁ・・・・・・
(実に身も蓋もない事を言う。そして何気に失礼な発言でもある)
―――左様ですか。女の子にそういう役を任せるってのもどうなんだろうな。
(会計と書記に任せればと言いそうになったが、そう言えば他の役員については)
(名前を知らないし、姿を見たこともない。ある意味学園の七不思議かもしれない
怪物ね。こんなご時世にそんな事言われてもな。
(自分はそれらの存在を知っているが、表向き信じていないという態度を装っている)
けど、下校時刻が早まったら部活してる連中は迷惑だろうな。
新しい都市伝説のひとつなんだろうけどよ、多分。副会長はそういう、なんつーのか
都市伝説は信じてる方かよ。一昔前にも、なんかそういうの流行ったじゃんか。
今は、ウサミミにスクール水着の怪人とかも徘徊してるらしいがよ。
(その噂を知った時には耳を疑ったものだが、単なる変質者と断定できないのが怖いところだった)
ち・・・珍獣?
く、あははっ・・・それは言い過ぎじゃないかしら?
(酷い言われ様についつい腹を抱えて笑ってしまう)
(本人が聞いたら、どんな反応をするだろうか。今この場に会長が居なくて良かったと思う)
当番は日替わりですから、ね。わたしだって、生徒会のメンバーですし
わたしだけやらなくていいなんて、そういう訳にもいかないでしょう?
ん、でも、心配してくださってありがとう。気をつけて帰るから、大丈夫ですよ。
(礼を述べながら、目を細め、柔らかな笑顔を彼に向ける)
(外見によらず、結構優しいところもあるのだなと、そんなことを考えながら)
そうねえ・・・夏の大会も近いでしょうし、部活の時間が削られたら困るでしょうね・・・。
――あら、そう言う裏宮さんは信じない口かしら?
わたしは、そういう噂って、結構嘘じゃないんじゃないかって、思いますけれど。
は、はあ。ウサミミに・・・水・・・着・・・?
(――それは初耳だった)
う・・・んと、それは怪人っていうより、変質者の類ではないのかしら?
(首を傾げる。ウサミミのスクール水着姿を怪人と判断して良いのか、迷ったためだ)
おっと、うっかり口が滑っちまったぜ。
会長には内緒にしておいてくれよ。今度何か奢るから勘弁してくれや。
(サングラスの位置をくいっと直しながら、こちらも唇を笑みの形にする)
あんまり遅くならないようにな。本当に物騒だからよ。
アレだな。こういう時は彼氏のひとりでも作って送ってもらえばいいじゃね?
知ってるか、結構モテるんだぜ、副会長って。俺のダチも「いいよなぁ」とか言ってたし。
最近はチョーカーなんぞつけてるから「誰からのプレゼントだ」とか言ってる奴もいるし。
実際は自分で買ったんだろ、それ?なかなかイカしてるじゃん。
(冗談めかして言いながら、ふと気になった事を訊く。以前、彼女はアクセサリーなど)
(つけてはいなかった。それが最近、チョーカーをずっと付けたままなのが少し気になった)
そりゃそういう読み物は嫌いじゃないけどな。娯楽としてはだけどよ。
いくらなんでもそういうのが実在するなんて、荒唐無稽に過ぎるだろ?
(あくまで表向きは、普通の学生として振舞う。そんなものは無いと、主張する)
(彼は平穏で退屈な生活を愛していた。だから、知っていても信じないと口にする)
似たようなもんだろ、実際。その恰好で何してんのかまでは知らないけどよ。
怪物とかも、そういうイカレた誰かの悪戯かも知れないし、なぁ?
(口ではそう言うのもも、彼は同じ領域で生きる存在だろうと見当をつけている。ただ退魔師の類に)
(しては趣味が悪過ぎて、その真意が掴めない。いずれその怪人と出会う事もあるのだろうか?)
あら、本当ですか?
ふふっ、それじゃあ、珍獣発言については無かったことにして、楽しみにしていますね。
(唇の前に人差し指をたて、「内緒にしておいてあげますから」と一言)
か・・・彼氏、ねえ・・・。
もう、料理じゃないんだから、そう簡単にできるものじゃないんですよ?
そんなこと言ったって、わたしは何も奢りませ――――・・・っ?!!
(「チョーカー」と聞いて、一瞬にして表情が固まる)
(反射的に、手で首元を覆い隠して)
あっ・・・えっと・・・これは・・・その・・・――
(明らかに取り乱している。なんと説明したら良いのか。嘘を言おうにも良い嘘が浮かばない)
これは・・・っ・・・な・・・なんでも、ないんです。
(視線を逸らし、首を左右に振る。これ以上触れてほしくない、とばかりに)
たしかに、実際にはそういうのって、アニメや漫画の世界だけの話でしょうけど、
でもそれじゃあ、どうして噂が流れるのかしら・・・。
(否定する彼の姿は、まるで、存在は理解していても受け入れない――と、不思議とそういう姿勢に見えた)
・・・まあ、所詮は噂ですから、信憑性はないですけどねえ。
ひょっとして、そういう集団が面白がって噂を広めているのかしら?
うーん・・・何にしても、よく分からないことばかりですね。
(溜め息混じりに、そう呟く。噂といえど、事は現実に起こっているのだ)
(ただ、それを他人に口外いていないだけなのだ)
【そういえば、お時間の方、大丈夫でしょうか?】
まー、そりゃそうか。
巡り合わせってもんもあるだろうし。
俺も、なーんかそういうのとは無縁っつーか。
(女性と縁がないというわけでもないし、付き合った事もあるが)
(燃える様な情動も、胸が苦しくなるような感覚も味わったことはない)
(きっと、本気の意味で誰かを好きになった事がないからだろうと漠然と思う)
うん・・・・・・・?あー、なんか悪いことでも訊いたか、悪い。
(チョーカーの事を指摘されて、とてつもなくうろたえているのを見て首を傾げる)
(何か不味い事を聞いてしまったのだろうか。何の変哲もないチョーカーに一体)
(どんな意味が隠されているのだろうか。別の意味で気になってしまった)
そりゃ、愉快犯が流してるんだろうよ。
何でもいいから面白おかしく世界を盛り上げようとしてるんじゃねーか?
ま、通り魔だのなんだのは本当に物騒だとしてもよ。怪物は有り得ないだろう。
(実際は。人の口に戸は立てられないと言うのが正解だろうか)
(それでも、日常から逸脱した場面ならともかく、今は普通の学生でいたい)
(彼にとって、学生としての日常と空法師としての生活は、できれば分割したいものであった)
っと、いよいよ暗くなってきたな。やっぱり戻って来ないか。
(窓越しに空を眺めて、今日はもう引き上げることにした)
(生徒会長は、明日の朝一に捕まえるとしよう)
また明日にするか。副会長もそろそろ帰った方がいいんじゃねえか?
【丁度だな。そろそろ時間だし、これで〆でいいかい?】
ん・・・こういう話をするものだから、てっきり誰かとお付き合いしているのかと思いましたけれど。
それなら、会長さんと一緒にナンパでもすれば良いんじゃないかしら?
でも、もう3年だし・・・卒業してからでも、いくらでもチャンスはあるでしょうけどねえ。
――い・・・いえ・・・、ごめんなさい、わたしが勝手に慌てただけですから、裏宮さんは何も・・・!
ええっと、とにかく気にしないで、ください。ただのアクセサリーみたいなものですから・・・。
(無理矢理に、話題を終わらせようとする)
(これでは余計に怪しまれるではないかと、後々反省することになるのだが、今はこれが精一杯だった)
そ・・・そうねえ、通り魔は現実に起こったことですし、先生方にも対策をとってもらいたいところだけれど。
案外、通り魔が捕まれば、噂も治まったりするのかも。
(続けて「そうだったら良いんだけれどね・・・」と呟きながらも、事件が治まることは無理に等しいことは分かっている)
(あくまで、願望の意を込めて、そう呟いた)
んー・・・大分日も暮れてきたし・・・今日はもう帰った方が良さそうですねえ。
明日の朝、もし会長さんに会ったら、裏宮さんが探してたって伝えておきますね。
そうだ、このまま帰るのなら、外まで一緒に行きません?どうせ同じ方向ですから。
(鞄を手に取り、立ち上がる。外はもう薄暗くなり、運動部員の声も少なくなっていた)
(生徒会室の扉を開け、二人でその場を立ち去っていく)
【ではこちらもこれにて締めますねえ】
【遅レスにお付き合いいただきありがとうございました;】
【見届けたぜ、お疲れさん】
【こっちこそありがとな。またよろしく】
【はい、こちらこそまた機会があればよろしくお願いします。お疲れ様でした】
【それでは落ちますねえノシノシ】
【テンプレを投下して待機だ】
【よく見れば、こっちにテンプレをおいていなかった気がするのでね】
【名前】霧原 朱音(きりはら あかね)
【年齢】17
【性別】女
【身長】178cm
【3サイズ】89/58/81
【容貌】切れ目に長い黒髪、丈を詰めたスカートの制服。常に薄い微笑を浮かべている。
【能力】
・液体操作
自身の体液を混合した液体を自由自在に操ることができる。
例:超硬度の液体を纏って武器や鎧にする。濃密な霧を作って視界を遮断するなど。
この効果の影響下にある液体は触覚を持ち、その水が触れているものを自身も感じることができる。
また、液体を操作するには自身の体液をある程度以上の濃度で混合する必要がある。
つまり、大量の液体を同時に操ることはできない。
【希望】責めるも良し、責められるも良し、楽しければ何でも大丈夫。
【NG】つまらないこと。
【弱点】液体が無ければ戦えない。最悪自身の体液をそのまま使用することになる。
液体しか操ることができないため、気体や固体に対しては力が及ばない。
【備考】
水を媒介とする未知のウイルスに冒され、液体操作の能力や身体能力の向上と引き替えに理性を破壊されてしまった。
そのため自己の欲求には非常に忠実な存在となってしまったが、それを隠して日常生活を送る程度の狡猾さと知性は持ちあわせている。
普段は少しだけ優等生な学生だが、夜ごと外を出歩いては自らの興味を満たすもとを探し求めている。
それは戦いかも知れないし、肉欲であるかもしれない。
そもそもにして、日常を演じていることすら彼女にとっては興味深いことだから、なのかもしれない。
そして、興味に忠実な自分を自覚しつつ止めるつもりもないのが彼女である。
【まあ、そうそううまくいくものでもないか】
【今日のところは引き上げよう。では、またね】
【こんばんはっ。しばらく待機してみるぜ?】
【こんばんは、ロール希望よ】
【できれば日常ロールを】
【おっ、こんばんは。…日常ロールか。
やっぱり学校内で偶然出会うっていうのが一番いいか。】
【同じクラスっていう手もあるわよ、一年同士だし。中間テストの点が悪くて数学の補習を】
【受けるとか、そんなのも考えたけど・・・・ああ、でも勉強を教えてもらった上で補習とかに】
【なったら先輩に何されるかわからないわね、そっちは】
【同じクラスの方がやりやすいな。
ん…そうだなぁ。単純に
俺が課題を忘れる → 居残りさせられる →偶然教室に残ったそっちが話しかける
…って感じでいいんじゃねえか? 話しかけるきっかけは何でもいいし】
【じゃあどっちも居残り組ってことでいい?】
【私は任務続きで課題やってなかったってことで】
【書き出しは・・・・・・どっちでもいいけど、どうする?】
>>384 ああ……ったく、何でこうも課題を出すかよ…?
毎日毎日飽きねーな…先生たちもよ。
(がりがりと頭を掻きながら、ノートにシャープペンシルを必死に滑らせていた)
(課題を忘れた彼は、居残って教師の配ったプリントの問題を必死に解いていた。
このプリント一枚で課題を忘れたことを帳消しにしてくれるのは有難いが、
それでも、彼にとって勉強というものは、あまり得意なものではなく、苦戦していた)
あーあ……本当に、こんなのやってられるかっつーの。
でも、やらないといつまで経っても帰らせてくれねぇしなー……しゃーねえか。
(ぼやきながらも、問題を一問ずつ解いて行く)
【それじゃ、こんな感じで書き出してみたぜ?】
はぁ・・・・・・
(――放課後、柊鈴音は教室の机の上でプリントと向き合っていた)
(数学の課題をやっていなかったので、居残りである)
(いつもは鋭い双眸が、やや厭世感を宿して無機質な数式を眺めている)
ったく、この程度の数式が何の役に立つって言うのよ・・・・・
(ボヤキながらひとつ数式を解き、溜息をつきひとつ数式を解く。探索任務。戦闘。暴走)
(そしてメンテナンス。彼女の日常は概ねこれらの単語で説明できる。必然的に学業に費やす)
(時間は減る。彼女は義体兵だが学生でもあるのだった。先日、安全装置を無理やり外して戦闘を)
(行った結果、より精密なメンテナンスを行う嵌めになった。彼女はメンテナンスが嫌いなので行うと)
(精神的に疲れる。普段はそれでも課題などはやっているのだが、今回は疲労感の方が勝り、放棄した)
――ねぇ・・・・・数学ってなんの役に立つの?
(息抜きがてら、隣の隣りの席で同様にプリントと格闘していたクラスメイトに声を掛ける)
(確か名前は郡太一朗だったはず。酔狂にもバンダナを頭に巻いているので名前だけは知っている)
(ただ、こうやって直接話しかけるのは初めてだった――ような気がする)
(――柊 鈴音は一匹狼的生徒であり、正直クラスでは浮いている存在だった)
……あん? なんだ、柊。
お前も居残り組みか……珍しいな?
(ふいに話しかけてきた少女に顔を向けて、軽く首を捻る。
同じクラスになって数ヶ月が経つが、彼女とはあまり接したことが無い。
せいぜい、クラスの用事で話しかける程度ぐらいだろうか)
そんなこと、俺に尋ねられてもなー…
俺がここにいる時点で、分かると思うか? 分かってたら、こんなに苦労はしねえって。
(軽く肩を竦ませて、再度問題に取り掛かる)
(しかし、驚いた。彼女が自分から話しかけてくることなど、殆ど皆無に近いからだ。
それにこんな無駄口を叩くようなタイプにも見えない)
女には色々あんのよ。男と違ってね。
どうしても調子が悪くて仕方ない時とか。
(思わせぶりな台詞で返して、コツコツとシャープペンシルの先で)
(数式を叩く。ちなみに彼女の頭の出来は、そこまで悪くない)
(特筆するべきほどの出来でもないが、中の中程度には勉強はできる)
ふん、それもそうね。
けど、こんな無味乾燥な数式を操るなんて、精神の荒廃に繋がると思わない?
何かの役には立つんでしょうけど・・・・・・高校生の勉強で必要なのかしら・・・・・
(別段数学が苦手というわけでもないが、身体が義体と化してから、理数系だの)
(工学系だのに拒否感を覚えつつある。仕方のないこととは言えるが・・・・・・)
・・・・・ね、卒業したら大学?それとも就職?
(暫く黙ってもうひとつ数式を解いて、再び問う。誰かとこんな風に話すのも久しぶりだった)
(元より、女という生き物は会話が好きで、相手は基本的に誰でもいいのである)
何だよ、それ……
(呆れたように、頬杖をつきながらそちらを眺めてため息)
男だとか、女だとか、関係あるのかよ?
(とはいえ、あまり課題提出率のよくない彼が言える台詞でもないのだが)
そこまでは思わねぇけど、やりたいとは思わねぇな。
…まあ、勉強すること自体に意味があるって言われたらそれまでだけど、
高等数学を使うところって、そうそうないと思うけどなー…偏見かもしれねぇけどさ。
(ふぅとため息をこぼしながらも、間違えた箇所を消しゴムで消し)
…ん? あー…まだ具体的には考えてねーけど、
今のところは進学するつもりだぜ。
男にはわかんないか・・・・・月に一度のあの日よ。
(義体である彼女に生理はないのだが、そう言っておく)
全く、男は楽よね。腰振って出したら終わりだもん。
ま、あんたに経験があるかどうかまでは尋ねないけど?
(ニヤニヤと笑いながら眼を細めて嘲弄する)
それは勉強するって事に意義を見出した人の台詞よね。
実際、その分野を志望する人には必須だし、楽しいんでしょうけど。
(途中まで書いた式を修正して、書きなおす)
(あとひとつでプリントが終わる)
・・・・・マジ?一体なんの勉強するっていうの?
(些か驚いたように眼を丸くする。少しばかり意外な答えだったからだ)
それとも、就職するまでの時間稼ぎでもするつもり?
ま、そっちの方が有り得そうだけど・・・・・・よし出来た。
(プリントをざっと見なおして、これでいいかチェックする)
――あ、あのな!
そういうことはさらりと言うなっ! …お前、言ってて恥ずかしくないのかよ?
(そこでようやく何を言っているのか理解して、かぁっと真っ赤になり)
ったく……性質が悪い冗談だぜ。
まあ、少なくとも苦手意識は持ってねえよな。
とは言え、やっぱり楽な勉強っていうのもなかなか無いと思うな。
いくら、そいつが勉強が好きだからと言って、それが楽とは限らないし。
…んー、俺は本が好きだからな。
もう少しそういう物語とかの勉強やりたいと思うから、とりあえずは文系の大学だな。
お前の言うとおり、具体的にやりたいことが決まってないっていうのもあるけどな。
(同時にこちらもプリントの最後の問題を解き終えて、大きく背伸びをする)
はぁぁ〜…あーあ、疲れた……。
やれやれ、これでようやく家に帰れるってもんだぜ。
あら、意外と初心よね?
もしかしてなくても童貞なのかしら?
わかったわ、みんなには言わないから安心して。
(意地の悪い笑みを浮かべる。悪魔と契約した影響なのかは定かではないが)
(基本的に彼女は悪意の人間である。興奮した時にはそれが顕著になる傾向がある)
(それを考えれば、この程度の発言はまだ可愛らしい方である)
苦労しない道なんてないわ。何処の世界でも一緒でしょ、きっと。
楽な道選んだつもりでも、結局その道で苦労しなくちゃならないのは同じだし。
だったら、少しでも楽しいって思える道を行った方がマシでしょうね、多分・・・・・
(そして自分の道には一筋の光明すらなく、地獄行きが決定している)
(進路、将来、未来、人生設計・・・・・・・まるで遠い異国の国の言葉であった)
へぇ・・・・・・なるほど。好きな事があってなによりだわ。
行動指針があるだけマシでしょ。それに、まだ卒業まで時間あるし。
他の道を見つけることも、かるかもしれないでしょ?
(そう言って立ち上がり、何となく彼のプリントをチェックする)
こことここ、検算ミスってない?それとここも・・・・・・
(彼女の無機質なまでの白い指が間違いを指摘する)
(ついでに義眼のセンサーで彼をチェックしておく――異常あり)
―-じゃあ、私は先に失礼するわね。
(言うだけ言って、プリントを提出する為に教室を出る)
(廊下を歩きながら考えていた。彼も異能者である可能性が高い。ならば・・・・・・)
・・・・・残念ね。貴方の進路は、研究室の培養槽の中になるかもね・・・・・・
(少しだけ胸がチクリと痛んだが、彼女はそれを無視して歩き続けた)
【これで〆ってことでいいかしら?】
【最後に伏線張っておいたけど・・・・・・】
どっ…………!?
言われてたまるかっ、つーか、からかうなぁぁっ!
(何だか、最近からかわれることが多い。
…もしかしなくても、からかわれやすいタイプなんだろうか。
そんなことを考えながら、真っ赤になって怒鳴り)
……そういうもんだな。
それでもやっぱりいつかは道を決めなくちゃならないんだよなぁ。
どうせ苦労するなら、自分のやりたいことをやりたいもんだな!
(うんうんと頷きながら、筆記用具を片付け始めて)
まぁ、その通りだな。
何にしろ、まだ時間はある。それまでじっくりと考えてみることにするさ。
どういう結果が出るかは分からないけどな……ん?
げっ…本当だ。うあー…また計算しなくちゃいけねーのかよ。
(頭を抱えながら、片付けようとしていた筆記用具を再び出して、ため息をつきながら問題を解き始める)
ああ……それじゃまた明日な。
(ひらひらと手を振りながら、彼女を見送り)
………にしても。
(教室を彼女が出た後、ぽつりと呟く)
さっき、一瞬だけ――。
(彼女に見られた瞬間、違和感を覚えた。それが何なのかは分からないが…)
――まさかな。この「勘」、外れてくれたらいいんだけど。
(悪い予感がする。こういうときに限って、自分の勘というものはよく当たるものだ)
杞憂だと良いんだけどな――。
【あいよ、お疲れさん! それじゃまた機会があればよろしく頼むぜ。
付き合ってくれてありがとうな?】
【こちらこそ、ありがとう、またよろしくね】
【早く帰れたので一時間程度待機】
【プロフは
>>2を参照に】
【あら……こんばんは、です。】
【もし宜しければ、お相手に立候補させていただけませんか?】
【了解了解。さてネタは以前雑談で話したもの+αを考えていますが】
【具体的にはまた屋上で出会って話す→別れる→遺跡の出入り口で遭遇戦】
【と、こんな感じで。増長過ぎると感じるなら昼パート無しでもいいですが】
【では、お言葉に甘えて例のネタに乗せていただけたらと。】
【こちらは昼パート有りでも無しでも、どちらでも大丈夫なので
真賀樹さんの方に問題ないのなら、その流れでまったくと問題ないですよ。十全です。】
【えっと……書き出し、如何いたしましょうか?こちらも、どちらでもです。】
【ではこちらから書き出して見るので、暫しお付き合いをよろしく】
【了解です。それではお言葉に甘えて、お待ちさせていただきますね】
(軽やかな足音を立てて階段を昇る。駆け足で階段を昇りつつ足音を消す)
(のは平地より難易度が些か高い。これも修練の一環と思い彼は昇る)
(どんな状況で役に立つかわからないが、技能を高めるのは必要だった)
――ふぅ・・・・・・いい天気、だね。
(屋上への扉を開けて、頭上に広がる青空と対面する。今日は晴天)
(今夜ハントに出掛ける事を考えれば、雨の方がよかったかも知れないが)
(青空の下、昼食を摂るのは嫌いではない。一階から一気に駆けあがった為乱れた)
(呼吸を鎮めつつ、ゆるりと屋上を闊歩する。何処で食べるとしようか)
(適当な場所に腰を落ち着けて、昼食用に購入したパンや御握りを広げる)
(クラスメイトと昼食を食べる予定――が、彼女に急用が入ったらしく)
(「先に行ってて」と言われ、言われるがままにその場所へと向かう)
(響くのは、自分の足音。そういえば…と、あの白髪の青年のことを思い出す)
(今のところ“自分の仕事”の範囲には関わっている人物だとは断定できないが)
(あの眼差しに宿る怜悧さと、不思議な技能は、少しばかりひっかかる)
(そんなことを考えながら、ゆっくりと、屋上の扉を開いた)
―――…あら、お久しぶりですね。
(ほんの僅かに、目を見開く。視界に写ったのは、自分の思考を占めていた人間で――)
(この出会いは幸か不幸か、決まるのは後々のことになるのだろうけれど、と)
(そんな考えを頭によぎらせながら、彼女も適当な場所を見つけて腰を降ろした)
宜しかったら、少しばかりご一緒してもよろしいですか?
(“友人を、待たなくてはいけなくて”と、そう付け加えて小首をかしげる)
――ああ、どうも。媛名先輩、でしたっけ?
(振り返って、一瞬だけ動きが硬直した。それは素人には看破できない程度の)
(僅かな硬直。彼女――媛名葵という女性には独特の雰囲気があり、それはある一定以上の)
(訓練された人間のみが纏える雰囲気である。そしてそれを周囲に悟らせず、溶け込む術を)
(心得ている人間であろうとも推察している。ある意味、自分に近しいが、決して同類ではない相手)
(警戒は必要だが、殊更に警戒して逆に勘ぐられてもこちらにとっての致命傷に繋がる可能性が、ある)
ええ、そうですか。ご自由にどうぞ。
(偽りの穏やかさを装った笑みを浮かべ、奨める)
(相手がこちらを探りにきたわけではない、と判断したからだ)
いい天気ですね。こんな日は屋上で食べるのも悪くないですね。
(偶然出会った知り合いに掛ける言葉としては、平均的な台詞を述べる)
(サンドウィッチの包装を開けて、白いパンに挟まれた薄い肉と野菜を齧る)
(ゆっくりと咀嚼し、嚥下する。それは食べ物をキチンとエネルギーに変換する為に必要な行為)
(それと同時に、自分が生きて食を満喫していると実感するための儀式でもある)
あら、覚えていただけていたようで光栄です。
(殊更に笑顔を浮かべはしないものの、敵意が無いの装う為に目元を僅か緩めてみせる)
(こちらの目には穏やかに“見える”笑み―――作り物だとしたら相当だと思う)
(敵には回したくないタイプ。もしも、敵に回ったなら、容赦など加えられない)
(相手の言葉につられるように空を見上げながら、そんな風に思う)
本当に。この時期にしては、なかなか良い天気ですね。
(空の青は目に痛いほど。晴れ渡ったその果てしない空間をみつめながら)
(なんら日常的といって差し支えないような言葉を返した。きっと彼は)
(“危険対象”であるなら、少なくともそれを簡単に気づかせるような)
(そんな一筋縄でいくような人物ではないと、そう見るくらいの目は持っているつもりだ)
こういう晴れの日が続くとよいのですけれど…。
何でも、近頃はとても物騒だそうですから。どうせなら、せめて晴れの日に死にたいものです。
(冗談を装って、自らの“領域”に少しばかり近づけた話題を持ち出す)
(お弁当の包みをひらきながら、目線は漸に向けることはせずに、肩をすくめてみせて)
ええ、女性の顔と名前は覚えるのが得意でしてね。
先輩の様な綺麗な人と知り合える機会は、少ない事ですし。
(冗談めかして言いながら、女好きの軽薄な男子生徒を装う。侮ってもらっていた方が)
(こちらとしてはやり易い。下手に危険人物として疑われるより、余程簡単なことだった)
(敵意がない風を゛装っている゛彼女の目を見れば、擬態は必要であった)
なるほど・・・・・・そういう話はよく聞きますね。
強盗殺人に、スクール水着姿の怪人物。怪獣を見たって人もいるくらいですし。
僕も転入してきてから随分経ちますが、なかなかに不思議な街ですね、ここは。
(メモ帳を片手に広げて、包装を解いた御握りを齧る。適当に聞き流す振りをしつつ)
(相手がさらりと零した危険な領域な単語に反応してみる。相手を探るならこちらも)
(ある程度手札を晒す必要があると、彼は経験則として知っているからだ)
僕のクラスでは転校した人も何人かいる事ですし。
護身術習う人も増えているみたいですね。先輩は何かやってますか?
(今夜の予定を確認して、必要な物や足りない物を脳内に列挙する)
(同時に、相手の身辺事情に探りを入れる。あくまで世間話を装いつつ)
あらあら、真賀樹さんはお上手です。
残念ですけれど、手持ちがお弁当くらいしかないので褒められても何も出ませんよ?
(女好きの軽薄な後輩と、それを軽くいなそうとする先輩)
(傍から見ればそんな構図にも見えるだろう、なめらかな会話をしながら)
(こちらも少しだけ気を引き締める。あまり気を緩めてしまうと、
この相手には、深く“感づかれる”と思うのは杞憂じゃないはずだから)
強盗殺人とか、猟奇殺人とか、スクール水着のお話は聞いたことありますが、
怪獣、というのは初耳ですね。もはや、七不思議レベルの域にも思えますけれど。
(頬に手をあてて驚いたように。まるで何事もない一般人の反応を返してみせた)
貴方も、転入なされてきた方なのですね。
実のところ、私も三年に編入させていただいたのですよ。
(こちらもいくらか“自分”というものを晒しながら、“お仲間ですね”などと言い切って)
――あら、物騒とは聞いていましたがそんなに物騒なのですね。
私は、一応は簡単な体術は護身術として教えられましたけれど……、本当に
そんな機会に遭遇してしまったなら、きっと役に立たないと思いますよ。
(お弁当をひらいてみたは良いものの、友人を待つか待たないか少し迷いながら
とりあえずもう少しばかり待ってみることに決め、手に持っていたお箸を直す)
あはは、こうして一緒にお話できるだけで嬉しいですよ。
コンビニの御握りも、美人な先輩と一緒なら美味しく食べられます。
(演技を続ける。演技をする上で肝心なのは、役になりきることだ)
(だから、今の彼は゛美人な先輩に軽口を叩くナンパな男子生徒゛の役だ)
(自己暗示にも似た演技。そしてその片隅には、それを観察する冷静な自分を配置する)
ええ、都市伝説にしても荒唐無稽すぎますね。人面犬や口裂け女の方がまだ信憑性が
ある気がしますね。怪獣に比べれば、ですが。
へぇ・・・・・そうなんですか。奇遇ですね。
(転入生――何処から来た?個人なのか、組織なのか。また判別ができない)
(組織絡みだとすれば、神魔総合管理局か、或いは深凪か。断定するには材料が足りない)
体術、ですか。そういえば先輩ってスリムでカッコいい体型ですよね。
(体術などと生易しいレベルの技能で収まる範疇なら、障害にならなくて助かるのだが望み薄だろう)
・・・・・そうですよね。一番簡単で確実な護身術は、大声で助けを求めるか逃げるか、ですしね。
君子は危うきに近寄らないという諺もありますし、夜歩きは止めた方がいいでしょう。
(その危険に自ら接近し踏破し秘宝を得ている盗掘屋としては、これほど白々しい台詞もない)
何にしても、早く平和な街になるといいですね。
(自分のやっている事は、その平和を乱す要因になっている。その自覚はある)
(だが止めるつもりはない。そして今夜は、この近隣でも最大規模の遺跡に突入する予定だった)
(正史に刻まれる事のない遥か昔、この地方を治めていた王の古墳に彼は訪れる予定だった)
(本来ならもう少し早く訪れるつもりだったのだが、様々な事情が重なって突入する時期が先延ばし)
(になりっぱなしだったのだ。主な原因としては、彼が寄り道や道草をし過ぎたというのが実情だが)
もう…そのように言われては、思わずと本気にしてしまいますよ。
(表情はあまり変えずとも、困ったような素振りでそう言ってみせる。
後輩の軽口に困惑する女子生徒というのは、こんなものだろうかと思いながら――)
(これがお互いに演技だとしたら、相手の本性を見たときは本当に滑稽だろうに)
(“奇遇ですね”、とそう言った彼という存在を見極めたくて、ゆっくり視線をそちらに送る)
……褒めて、いただけるのはとても嬉しいです。
まあ、所詮はただの女子高校生ですから、殺人鬼に立ち向かっていくなんて馬鹿はできませんし
そう、ですね。なるべく夜遅くならないようにしたいとは、思っているのですけれど……。
(一番最初の言葉に、少しばかり間があったのは、体系について触れられるのが
あまり好きではないゆえに。たとえば純粋な褒め言葉だとしても、勘繰る自分がどうしてもいるから)
(それでも、何事も無い風に“気にしてない”と自分に言い聞かせて、話を続ける)
(“受験生、ともなると流石に遅くなることも多くて”、なんて付け加えたのはいかにもな言葉だ)
……本当に、早く平和になるといいのですけれど。
(ほう、と小さくため息を吐き出してそういったのは少しばかり本心かもしれない)
(ここはただでさえも、何かが“おかしい”場所なのだ。土地にしろ、住む人物にしろ。)
(しかも、この頃はその“おかしい”土地を更に崩す輩まで現れた様子だった―――)
(その“土地を乱す存在”だけが原因とは決して言わないが、異形の異常発生の一端ではあるだろう)
――――…ですから、本当に余計なことはしてほしくないものです。
(零すように、零れた言葉。その“土地を乱す存在”が立ち寄りそうなところを)
(夜な夜なにいくらかと訪れなければならないという仕事が増えたゆえの、不満だったのだろう)
(狐と狸の化かし合い――この状況は正にそれだ)
(馬鹿馬鹿しいという感情を握りつぶし、演技を続ける)
誰だってそうですよ。漫画のヒーローならともかく、そんな事をする必要は誰にも
ありませんからね。それに、先輩は女の子なんですし、危ない事しちゃ駄目です。
そうですね、彼氏でも作って送ってもらうのがいいと思いますよ?
(在り来たりな会話を続ける。体型のことに触れた瞬間、相手が僅かな硬直を示したのは)
(何故だろう。頭の片隅に留めつつ、至極平均的――だろうと思われる言葉を連ねる)
――ま、僕らがどうこう出来る問題じゃありませんし。
専門家の人たちにお任せしましょう。一般市民の権利でしょう、それは。
(専門家――退魔師や、それに類する存在。自分の様な人種にとっては敵に回したくない存在)
(だが、立ち塞がるなら排除せねばならない相手でもある。今の自分に選択肢は少ないのだから)
(そして、彼の聴覚は零れる言葉を拾っていたが、それに対しては聞かなかった事にした)
・・・・・・御馳走様。お先に失礼しますね、先輩。
(話の合間に食事を終えて、後始末を済ませて立ち上がる。これ以上の収穫は望めないと判断)
(要注意人物のリストに記載された「媛名葵」の危険度が少し増した。結果としてはそれだけだ)
(彼はそのまま屋上を立ち去る――それでも、数時間後の再会は、流石に予想してはいなかった)
ええ、正義の味方でもなければ、それが生業でもなければ
そんなことをする必要はないのですし……あら、ご心配ありがとうございます。
(そう言いながら、自分は近頃に出会った“どの二人”を思い浮かべたか)
(それを認識する前に頭から追い払って、形式的な態度でお礼を述べてみせる)
彼氏になって下さる方がいる確率は、おそらく怪獣さんと出会う確率並みに少ないでしょうけれど、
まあ、怪奇現象にしろ殺人事件にしろ、何事も早く解決されるといいですね。
(自分が零した言葉など、相手には聞こえていないだろう、そうして聞こえていたとしても
適当に誤魔化せばいいと―――少しばかりの油断。それがあだになるかは、何れ知れるかもしれない)
はい、お会いできて嬉しかったですよ。また、機会がありましたら。
(そんなことを言って相手の背を見送る。近々会うことを予期していたわけでなく
形式的な挨拶だったのだが―――その機会とやらがすぐ近いだなんて思うわけもないのだから)
……このまま、晴れてくれると宜しいのですけれど。
(―――今日は確か、“まだ安全な乱されていない土地”を、それも大きなものを訪れる予定だった)
(晴天なのに、何故か夜には雨が降り出すのではないかと、
そんな訳の分からない感覚が身体をざわめかせるのを感じながら、
彼女は足音のない彼であるはずのない誰か――おそらく友人が、あがってくる足音を耳にした)
(そうして僅かな再会の予覚もないままに、過ぎるのは時間)
(日はいつもと同じようにくれて、そうして迎える―――狩人としての、夜)
(――午後から天気が崩れ、夜には雨が降っていた)
(欝蒼と茂った雑木林を潜り抜ける。道なき道を踏破する)
(月光すら届かぬであろう深い森の中、装備で身を固めた盗掘屋が往く)
(この森の奥に、古墳への入口がある。それは既に確かめてある)
(獣の様に静かに、狩人のように慎重に、彼は獣道を進む)
(雨音が、足音を消してくれる。水が、痕跡を流してくれる。彼には好都合だった)
(身体を濡らしながら歩くこと一時間。暗視ゴーグルが、その古墳への入口を捉える)
(ついでに言うなら、人影も捉えた。列挙される可能性の中で、確率の高い物を順に浮かべる)
(@遺跡の守護者A土地の護人B同業者――@かAだろう。さて、こちらから仕掛けるか)
(藪に潜みつつ、糸とE・グローブを確認する。この雨だと電磁フィールドを張っても、いつもより)
(更に短時間しか効果を発揮しないという事も、頭に刻んでおく)
どうも、こんばんは。
(そして彼は用意を整えて、彼女の前に姿を現す)
(数時間振りの再会。彼は昼間とは装いを異にしており、眼元は暗視ゴーグルで覆いわれている)
(月光すら届かぬ深い森。雨粒が身体を濡らすのを感じる)
(あんなに晴天だったのに、と小さく零した言葉は雨音にかき消されて)
(その身に、雨を受ける。傘など、手を塞ぐものを“この土地”で持つなんて出来ない。
気を抜けばきっと簡単にこの世と別れを告げられる―――異形相手にしろ…別に、しろ)
―――…こんばんは。
(真っ黒な、黒髪。漆黒の、瞳。服すらも闇に溶ける黒―――)
(動きやすそうな服に身を包んだ彼女は、深い帽子を被り長い髪をしまっている)
(身を偽ることなど、この状況でこの相手を前にして、それほど無駄なことはないだろう)
(ただ、この時に彼女はまだ“認識していなかった”。目の前の人物が、彼であると)
こんな雨の日に、こんなところにいるのは、あまり推奨できない。
迷い込んできた風でもなさそうだが、お引取り願って素直に従ってくれそうにもないな。
(皮手袋にぐっしょりと雨水が染み込んでいるのを感じながら、何度か手を握っては、ひらく)
(口調は、昼間とは違う。別にそんなのは気分だったり、したのだけれど)
(――――…あの時、身体にひろがったざわめきは雨だけに対するものでなかったと今更に思った)
(相手の姿を観察する。闇に溶け込む、黒尽くめの女。まるで亡霊の様に見える)
(人間である可能性は高いが、人の形をした別の何かという可能性も捨てきれない)
(だが、それは脇に置いておく。イレギュラーなどいくらでも起こり得るのだから)
ああ、そうか・・・・・・
生憎だけど、そこの王様の墓場に用事があってね。
(冷やかな言葉。この少年の本質を凝縮したような、冷たい声色)
(雨の中では、細い糸は見切られる可能性がある。小型電磁フィールドの起動準備を済ませる)
(ニ挺拳銃はまだ抜かない。E・グローブの電圧は調節してある。足元はそこまでぬかるんでおらず)
(踏み込んでも支障がない。身軽に動く為、背負ったリュックは降ろしてある。要するに――)
無益な戦いは避けたいところだけど、そうもいかないよね、お互いに・・・・・・・
(お互いに戦闘態勢は整えており、どちらもお互いを昼間出会った人物だと認識していない)
(仮にそれが認識できたとしても、今回の戦いを避けられたかどうかは微妙なところだが)
(お互いにやるべきことは自覚している。それが対立する以上、どちらも引かないだろう)
まあ・・・・・丁度墓でもあることだし、都合がいいかな。
(凝縮する殺意。指揮者の様に振るわれる指。そして解き放たれる斬烈の糸)
(都合三本の糸がそれぞれに殺戮の意図を宿して、黒い女に迫る)
(足下を薙ぐ一閃。袈裟切りの一閃。そして空竹割りの一閃)
(雨を切り裂き、細い細い殺戮の糸が命を欲して忍び寄る)
(知っていたような、気がした。底冷えするような、冷たいこの声音を――)
(けれど、それに関しての思考を巡らせる前に先立つのは、“いかに戦うか”の思考)
(相手が戦闘態勢を取ったのは―――こちらへ攻撃をしかけてくるという意思の表示に他ならない)
まあ、ね。この偉大な墓にどっちの死体が埋められるのかって言う点では、
どうにも、意見が食い違うそうな気がするのは、たぶん気のせいじゃないんだろう――…けど…っ!
(足下を薙ぐ一閃に気づけたのは、雨だったからというのが大きかったかもしれない)
(言葉をどうにか続けながら、飛びのいた後に安心する暇など無い)
(糸を使う自らなら、次の手は少なくとも小休止じゃなく、追撃だと知っているから――)
(皮手袋をしていない片手で、すばやく取り出したのは暗器)
(投擲して、葬るべきは目の前の氷のような殺意の出所―――“土地を乱す、人”)
(“媛名 葵”という存在を、夜にあまり持ち込みたくなくて。
気まぐれに変えてしまった口調が、余計に互いを認識させにくくさせていたなら、それも運命だっただろう)
(二本のダガーの切っ先が、雨の中、その切っ先を向けて相手へと投げられる)
(それは相手の糸の一本が彼女に襲い掛かり、それを避けようとした拍子に帽子が零れ落ちたのと同時だった)
【さて、僕の方はそろそろリミットだね】
【木曜日と金曜日は恐らく20時以降に空いてるけど】
【土曜日と日曜日は時間がとれるか未定、だね】
【そちらの都合はどうかな?】
【了解です。私もそろそろで……お、終わらせられませんでした、ね。】
【土日はちょっと私も都合が悪いので、金曜か木曜。貴方のより都合が良いほうでお願いできますか?】
【時間の方は、こちらは20時半くらいからなら大丈夫かと思われます。】
【…本日もどうにもペースをあげられず申し訳ない限りではあったのですけれど…】
【緊張感のあるロール、とても楽しかったです。お相手、改めて有難う御座いました。(一礼)】
【じゃあ、木曜日で――終わるといいと僕は思います】
【時間についても了解しました。ありがとうございます】
【それはお互い様なので言わないように】
【なかなか、緊迫感がありましたね。ではまた明日よろしくお願いします】
【ですね、結果よければ全て良しという無茶なこじ付けを致します。】
【では、明日の20時半に、再びとお相手宜しくお願い致しますね。】
【本日はこれにて失礼を。改めて、楽しいロールをありがとうございました。】
【それでは、お疲れ様です。おやすみなさいませ。(一礼)】
>>414 (雨が降る。冷たい雨が降る。シトシトと雨が降る)
(足元を狙った一閃は避けられた。予想通り、普段より見切られやすい)
(だが、視界の悪さを考慮すれば、素直に避けた相手の体術を称賛するべきだろう)
(しかし、褒めてばかりもいられない。多少体勢を崩しつつも投擲された暗器)
くぅっ・・・・・・
(そのひとつが、避けようとした左肩を抉る。何とか苦痛の声は噛み殺す)
(だが、お陰で空竹割りの一閃の軌道が崩れてしまう)
(もうひとつが、暗視ゴーグルを固定していたベルトを掠める。だらりと垂れるゴーグル)
(邪魔だとばかりにゴーグルを取り払う。裸眼は暗さに慣れていないので、順応するのを待つ)
(袈裟切りの一閃は避けられて、空竹割りは不発に終わる)
(電磁場を張る余裕もない一瞬の攻防戦。相手は素顔を晒し、自分は肩を抉られた)
(判定では相手の勝ち。だが、まだ戦闘は継続中)
――ああ、なんだ、キミだったのか・・・・・
こんな時間に何してるんです?媛名先輩。
(突き刺さったダガーを引き抜き、油断なく距離を取りつつ問う)
(その露になった双眸は、眼鏡越しに見るより更に怜悧で酷薄だった)
(眼が暗さに順応し、相手の素顔が判明しても、彼は少し驚いただけだった)
(その可能性は考慮していた。敵対する可能性を、だ。確率は低いと見積もっていたが)
(それが現実となっただけであり、だから驚愕するまでには至らなかった。それだけだ)
【時間ですのでレス投下して待機してます】
(体制を崩しながらも、投擲したダガーは相手の右肩を抉った)
(そのおかげで、相手の最後の一線の軌道がずれた。
そのうち体勢を立て直す。もしも、最後の一線の軌道がずれなければ、などとは考えたくも無い)
(――――糸を扱う者としては羨望を感じる。自分は、あそこまで多様に糸を“曲げ”られない)
(だが、体勢を立て直してから行ったのは次の一撃の為の構えではなく)
(―――飛び出そうになった声を押し殺すこと。カチリと、自分の中で歯車がかみ合ったように)
(すんなりと、今の状況を理解した。ひっかかりはこれだったのだ。自分は、あの声を知っていた)
………それはこっちの台詞だ。そっちこそこんな時間に―――…ああ。
“貴方”には、“こちら”ほうが、正しいですね。改めまして、こんばんは。
(素顔を晒したのと同時に、帽子の下から零れ落ちたのは長い黒髪)
(雨に濡れてしまうそれを少しばかり厭わしそうに、自分の視界から退けながら彼女は言う)
――――そうですね、何をしているかと問われれば、
厄介な存在を、止めに参りました。困るのですよ、これ以上に“荒らされる”と。
(皮手袋をした右手。そうして再びと、暗記を取り出した素手の左手)
(こちらを見る相手の双眸は、眼鏡越しから感じられた怜悧さとは比べ物にならず、
それでいて酷く冷たい。この身を濡らす、雨すら温く感じられるほどに―――)
【こんばんは、お待たせいたしました】
【それでは、改めまして今夜もよろしくお願いいたします。(一礼)】
こんばんは。まさかこんな時間に出会うなんてね。
どうせなら、もっと色っぽい状況で会いたかったものだよ。
(軽口を叩きながら余裕を装う。抉られた左肩は苦痛の信号を送っているが、敢えて無視)
(拳銃弾が貫通した時の事を思えば、この程度の損傷は計算に入れなくてもいい)
(引き抜いたダガーを舌先で舐め、附着した己の血を舐めとる。鉄の味がした)
なるほど、やはり退魔師の類だったか・・・・・・
(相手の台詞を聞き、納得する。いずれそんな相手が現れると、己を狩りに来る者が来ると)
(この街での仕事を始めてから何処かで予想していた。それが彼女だったというわけだ)
繰り返すのもなんだけど、僕の邪魔をしないで欲しいかな。
そこの王様の墓に用があってね。人命が懸ってるんだ。だから引く訳にもいかないんだよね。
(この後に及んで偽りの穏やかさを装いつつ、二本の糸が地面を這っている。半分は彼の技量であり)
(半分は糸の性能だ。目的は相手の拘束。殺すのが困難なら動きを封じる。殺すのはそれからでもできる)
どうか、ここは素直に退いてくれないかな?
キミが何に対して義理立てして、どうして此処を守っているのか、わからないけど・・・・・
(何より――彼は外見の怜悧さと裏腹に、少しだけ躊躇したのだ。彼女の殺害を)
(偽装でしかない学生という属性が、思ったより自分に影響を及ぼしているのかも知れない・・・・・)
(ふと、彼はそう思った。それが致命傷に繋がると感じつつも)
【はい、こちらこそ】
あら…退魔師、だなんてそんな大層なものではありませんよ。
(そう呼ぶのならばきっと、あの月の似合う娘の方がよっぽど相応しい。
自分は――“自分達”はそのように呼ばれていいような存在では、ない)
残念ですけれど、そのお願いはお聞きできません。
大切な後輩の、それも真賀樹さんのお願いなら、私は聞いてあげたいのですけれど――…
(地面を這う、糸。その動きに、肩をすくめてみせた彼女が気づいた様子は無い。
彼女は糸を扱う人間であるけれど―――否、だからこそ“糸”が地面を這うだなんて想像しない)
(“遺産(デバイス)”と。彼女の組織でそう呼ばれる代物を相手が所持していることなど、知らないのだから尚のこと)
私は、別にここを守っているわけではありません。
ですから、この中の宝にも、墓にも興味が無い。それそのものはどうにでもなさってください。
―――ですけれど……問題は、その宝を守る守護者を貴方が呼び起こすことです。
あまりそれを好ましく思うことはできません。この街は、ただでさえ揺らいでいるから。
(いつでも投擲できるようにと、ダガーを握る片手に力を込める)
(そのダガーは、刃先とは反対の先端に指が一本くらい通るような穴を持ち――…そこに通されているのは、彼女の糸)
素直に退けたのなら、苦労など致しませんのですけれどね。
………少なくとも、すんなりと許すことはできません。それが、私の仕事だから。
(“貴方こそ退いて下さいませんか?”と、そんな言葉を吐き出して小首をかしげる)
(普段ならばこんな会話すら交わさずに、彼女は狩りの為に疾走を始めているのだけれど――)
(―――…僅かに手を震わせるのは、戸惑い。何を戸惑っているのか、本人には理解が出来なかった)
ま、確かに分類する事には何の意味もないか。
今の状況を考えればね・・・・・・
(時間稼ぎの会話。糸が這う。彼女の足元まで。肩の出血はそこまで酷くはない)
(だが楽観もできない長引けば、ハントに影響が出る確率が高い。ならば彼女を殺害した後)
(死体を処理して出直した方がベターか。だから、温い感情は今すぐ殺すべきだった)
ああ、やっぱりそうだったか。
最近、風水とか龍脈とか簡単に勉強したんだけど・・・・・・・
要するにそこにある遺物を僕が移動させる事により、防衛機構たる守護者が起動して。
ついでに言えば強力な力を持つ遺物が無くなる事により、土地の結界とやらが崩れる、と。
(今なら、この感情を殺せるから。殺せるはずだった。呪いに蝕まれているリンダの事を想えば)
(自分にとって、この世界に彼女に勝る宝物は存在しない。たった一人の最後の家族なのだから)
そうすると、土地に封じられた魔物が蘇るという寸法か。厄介極まりないね。
(相手のダガーを見つめ、こちらも引き抜いたダガーを片手で弄ぶ。ナイフの扱いには慣れていた)
(会話を続けながら、この状況を打破するプランを模索し続ける。殺害・捕縛・洗脳・・・・・・・・)
言っただろ?人命が懸ってるって。そしてこの奥にそれを打破できる鍵があるかも知れないんだ。
可能性が零ではない限り、僕はそれを諦める事ができない。例えそれがこの街の崩壊に繋がっていてもね。
利己的と言いたければ言えばいい。外道と謗るなら好きにしろ。僕は覚悟できている。
(相棒は――リンダは、そんな方法を望まないだろうが、それでもいい。彼女にも謗られる覚悟はできている)
キミに――仕事で立ち塞がっている程度のキミに・・・・
僕を――俺を止めるだけの強い理由はあるのか?なければ――そこを退け!
(かつてない程に強い口調。双眸に宿るのは強い意志。怜悧な仮面を脱ぎ棄てた彼は糸を舞わせる)
(その糸は意志ある生き物のように、彼女の身体を絡め取って捕縛せんと襲いかかる)
……正直に申し上げてしまえば、もうこの街は既に“崩れ”かけています。
もう、滑り落ちるのを留めるには、少しばかり手遅れでしょう。
(“異形の大量発生”、そうしてそれに伴う“異能者”出現―――そうしてあの学園)
(それら全ての異変が、この青年が荒らした所為だとは決して言えないが一端ではあるだろう)
だから、本当は貴方を見逃しても、なんら問題はないのでしょう。
(ただ、もう手遅れならばこれ以上かき乱されたも何ら支障は無いはずだ)
(それでも、それを理解していても、彼女が“乱す存在”を狩る為に此処にいるのは)
しかしながら―――…私にはそれができません。“飼い主”に忠実であるのが、“猟犬”ですから。
――――つまり、答えは否だと受け取って宜しいのですね。
貴方にも様々な理由がおありでしょう。私にはそれを否定する資格も、
あざ笑う資格も持ってはいません―――…けれど、それに関わり無く自分のしたいことをする権利は有しています。
(“つまり、どんな理由であろうと自分の仕事を妨害する理由にはならない”と)
(彼女は言外にそう伝えて、目を細める。表情を映さない、完全な狩り人としての貌)
ならば、私も貴方にお尋ね致しましょう。
貴方がそこまでして手に入れたいものは、助けたい命というのは――…ッ!
(相手の叫びを皮切りに、足を踏み込む―――)
(けれど、その瞬間に気づいた“感触”。足に絡みつくのは、異様なまでの殺意)
(慌てて飛びのいてみせるが、明らかに足に絡みついている感触があった。もう、遅い)
(それならば攻めに転じるまで。手がふさがれなければ、自分はいくらでも猟犬で在ることができる)
(せめて、この状況の打開の糸口でも見つけ出そうと、手に持っていたそれを再びと投擲する)
―――本当にそれだけのことを行う価値があるほどのもの、なのですか…?
(ダガーと共に飛ばしたのは、問いかけ。少しばかり、声が震えた)
(絡め取る感触。二本の糸は狙い違わず相手の足を捕らえた)
(そして躊躇する理由も義理も、彼の中には等しく存在しない)
(糸を撓らせ絡ませ、相手の機動力を削ぐ――だが、相手も猟犬と名乗るだけはある)
(投げつけられた問い掛けとダガー。持っていたダガーの刀身でそれを弾く――つもりが)
(衝撃が強すぎて、思わずダガーを落としてしまった。そして相手のダガーが彼の頬を裂く)
――愚問だね。言っただろう?覚悟はある、と。
キミが猟犬なら、僕は生粋のトレジャー・ハンターだ。
(ここで初めて、彼は自身の口から素性を明らかにする)
そこに求める物があるなら、たとえどんな障害であろうと踏破してみせる。
僕がそう決めた、僕自身の契約だ。神だろうと悪魔だろうと覆す事の出来ない契約だ。
(それは森羅万象に挑むがごとき強い口調。神も魔も、今の彼を従わせる事は出来ないだろう)
そして、その行為に価値を問うのは無意味だよ。僕は自身が決めた僕のルールに則って動いて
いるだけだからね。それを誰かに説明することに、意味を感じない。僕は僕の助けたい命を助ける。
例え他の誰を犠牲にしてもね・・・・・・・それだけさ。
(流れる血を拭う事もせず、彼は告げる。傲慢だが、それ故堅固なる自身の行動原理を)
――まだやるか?ならもう殺すしかないね・・・・・・
(糸の締め付けを強めて、相手の機動力を奪おうとする)
(自分の身体をしめつける糸。殺意を伴って絡みつく意思。)
(それが確かに自分の動きを鈍らせているのを感じながらも、彼女は歩みを止めない)
(足が動く限りに疾駆を。しかし、途中で動きが止まり、歩みも止まる――もはや動くのは片手。)
(けれど彼女は無表情ながらその瞳を楽しげな色を孕ませた。右手の指先は、まだ動く―――)
――――誰かにとっての至上が、誰かにとっての至上とは限らない。
(相手の答えに、彼女はそう呟く。そんなことは、知っている――それこそ、痛いほどに)
貴方の言葉はとても傲慢です。利己的です。しかしながら、私はそれを否定できない。
……私だって、それが“仕事”だというなら、行うでしょうから。
(大多数の命が潰えるのすら厭わずに、“命令”が下ったなら同じ事を行うだろう。
誰に正しく諭されようと、どれだけそれが悪辣であると罵られようとも)
貴方にとって大切なものが、私にとっても同様に価値あるものだと限らないように
私にとって大切なものが、貴方にとっても同様に価値あるものだとは限らない。
それをご存知である貴方なら、分かるでしょう?
“まだやるか?”だなんて、その問いかけこそ、無意味だと。
(相手にとっての“守りたい命”は、自分にとって“飼い主からの命令”に等しい)
(だから、自分の命の為に、命令に少なくとも“自ら逆らう”ことなど、決してするつもりは無い)
(失敗が許されるからといって、やすやすと命令を放棄するつもりなんてない。)
――――…まあ、殺されるつもりも、毛頭ありませんけれど。
(まだ、右手の指先が動くのならと――――彼女は、指先を躍らせる。“糸”を扱う皮手袋の右手)
(先ほど投擲したダガーには糸が括り付けられていたのだから……彼女と彼の間には、
彼が扱う以外の一線の糸が、確かに存在している―――そうして、それは相手の手を指先を拘束しようと、蠢いた)
(こちらの拘束が緩むか否かは正直なところ、賭けだ。しかも、かなりと分が悪い)
(まだ動く。強い意志と力を宿して、彼女は動く。彼女が戦うのは゛仕事゛だからだ)
(彼女にとって゛仕事゛とは、それほど重いものだという確かな証拠だろう)
(そして、彼女の瞳はまだ勝負を捨ててはいない。まだ、そんな色をしている)
(足は糸で縛られて、動きは封じられ、それでも、尚。その執念に舌を捲く想いだった)
なら、もう語るまでもない――かっ・・・・・・・?
(その時、彼は違和感を感じた。微細だが、決して無視のできない感覚的な知らせを)
(しかし、それに従って動くには状況が悪過ぎた。そして遅すぎた)
くぅっ・・・・・・まさか、キミも、糸・・・・を・・・・・?
(指先に絡みつく細い感触。それは自身が繰る糸と似た感覚を持っていた)
(特別な視力も感覚も有さないが故に、それを見極めるのが遅くなった)
(E・グローブ越しにとは言え、その糸は自分のそれと同様に、指を容易に切り落とすだろう)
(反射的に振り解こうとして、相手への拘束が緩む。それは彼女相手には致命傷だろう)
(拘束が緩んだ。神様というヤツがいるのなら今日くらいは感謝してやってもいい)
(明らかな幸運を見逃すほどに、彼女は死にたがりではない――…まだ緩く、
糸が絡み付いているのを感じながらも、相手の方へと疾駆する―――唯一不運なのは、
今現在彼女が使っている糸が、拘束用であり、相手を切り裂ける程の鋭さを有していないことだ)
―――…ええ、語るまでもありません。
(最後の一本。忍ばせた暗器を手に、彼女は相手の目を見つめたままに駆けた)
(それこそ得物を捕らえた猟犬のように。その身体に牙を突きたてるために)
貴方にとっての契約が“その大切な命を助ける”ことならば、
私にとっての契約は、“飼い主”に忠実な猟犬であること―――…それ、だけ。
(あと数歩のところまで距離をつめて、首筋にナイフを付きたてようとして―――
震えたのは、声。相手の喉元に噛み付こうとした牙が、一瞬だけなりを潜める)
だから、要らない…っ。
(何で、こんなときにこんなことを思い出すのだろう)
(そんなものは要らないのに、なんでこの時にあんな会話を、自分の軸をぶれさせる会話を――)
―――“寄り道”なんて、要らない。楽しい、“日常”なんて要らない…ッ。
(相手を殺そうとした手が止まった理由を、彼女は理解できなかった)
(“真賀樹 漸”を「剣糸」として狩ってしまったなら、“媛名 葵”として、
あの青年が示した選択肢を、考えることすらできなくなりそうな気がして怖かっただなんて)
(そんな感情、彼女には理解できなくて―――止まった動き。明らか過ぎる、隙)
(交錯する運命の瞬間。DeadorAlive。どちらかが生き、どちらかが死ぬ)
(この世界において平等である数少ないものがあるとしたら、それは命の数だ)
(一人につき一つの命。一度死んだ者は蘇らない。彼の両親や師匠のように)
(だから諦めたくなかった。最後の家族の命だけは。それがやり方が非道だと理解していても)
――ああ、何もかもが不要過ぎる・・・・・・
(喉元に突きつけられた刃。同時に相手の腹部に向けられた銃口)
(彼女が駆けだした瞬間、彼は拘束を振り解くのを諦めた)
(そして拳銃を抜いた。それであの速度相手では、相討ちに持ち込むのが精一杯だった)
(否――この状況からなら、相手の身体能力が勝る。ならこちらの負けだろう)
(だというのに、彼女は何処か辛そうな顔をしていて。それは決して勝利者の顔ではない)
――どうした?このままなら僕を殺せるよ。
(苦しそうに吐き出される言葉に、彼の眼が感情の色を無くす)
(能面の様な表情で、彼は問う。寄り道をしたのは、日常を楽しんだのは、何も彼女だけではない)
(徒労だと、わかっていた。それを堅固で傲慢な行動指針で隠そうとした。けれど、それもいつしか揺らいでいた)
(学生としての生活。奔走する日々。相棒のこと。クラスメイト。出会った異能者。見つけた秘宝)
(時に刃を交え、時に共に立ち向かい、時に他愛のない会話をし、そして吐息と肌を重ねた)
殺さないのか?殺せないのか?
(ずいと一歩進んで、自ら白刃に喉を晒す。ツゥッ・・・・・と、血が垂れる)
(痛い。けど、それ以上に虚しさがある。自分は何を至上として動いていたのか)
(今なら、何もかも放棄して殺されてもいいと、彼は本当にそう思った)
・・・・・全く、甘いな、僕たちは。
非情になりきれないのなら、最初から関わらなければいい。
それでも、人との接触を捨てられない。人の間で生きる。だから、人間なんだる・・・・・・
(彼は小さく零して、拳銃を降ろした)
―――……殺すのなんて、容易いのに。
(それならば何故この手は震えるのか。それならば何故この手は止まったのか)
(相手が自ら晒した首筋。突き刺さる感触―――流れる血など、何度見たことか)
殺せ、ますよ。殺せなきゃ、猟犬ではありませんから。
殺す必要があるならば、猟犬として獲物を狩らなければ、ならないから。
(自分に言い聞かせるように、そうは呟いても、どうしても手は動こうとしない)
(銃口が向けられている。自分が何よりも忌み嫌うものがこちらに向けられている)
(それだというのに、その身体は逃げすらしない。固まったように動かなくて。)
(―――…理解ができない。頭が割れそうに痛い、苦しい、おかしくなりそうだった)
―――…なら、私はずっと、知らければ良かった。
人とあんな風に関わりあうことなんて、知らなかったら、良かったのですね。
(下げられた銃口。混乱する思考、揺らされる自身、擦り切れるのは精神力)
(完全に表情を消したままに、そう呟いて見せても、声が震えるのはどうしても止められなかった)
…………甘いです、私達は本当に。
(からんと、ダガーが音を立てて落ちた。その変わりに首筋へ向かうのは手刀)
(殺害よりも意識を奪うことに長けたそれがもしも当たったならば、相手の意識を奪うだろう)
――へた・・・・・・くそ・・・・・
(生憎――というか、彼の反射的な回避運動が事態を悪化させた)
(崩れ落ちながらも、彼は意識を微かに繋いでいた)
ああ、全く・・・・・・どうしてくれるんだよ?
今なら殺されてもいいと・・・・・本当に思ってたのに・・・・・・
(自分は弱い。本当は知っていた。正道を貫く意志も意地も持てない)
これじゃ、諦められない・・・・・また、キミと戦う事になるかも知れない・・・・
(地面に倒れ伏しながら、呻きながら、そんな事を今更確認する)
今度は、絶対に手加減出来ない・・・・・・それでも、いいのか・・・・・・?
(ごろりと、なんとか仰向けになる。いつしか雨は止んでいた)
・・・・・面倒事が嫌なら、今のうちに殺すことだね・・・・・・
(空は見えない。欝蒼と茂った森が天を覆っている。雨雲に閉ざされているなら)
(夜空が見えたとて同じ事だろうが、なんとなく寂しかった・・・・・・・)
僕らは、甘くて、弱い・・・・そんな僕らだから、後顧の憂いは断つべきだろう?
【誤字脱字が目立ち始めた今日この頃、そろそろ意識が危ういです】
【そろそろ〆の方向に向かわせてください。なんとか〆ますので】
―――…貴方が無駄に避けるから悪いのですよ。
(倒れこんだ相手の身体。それでもまだ意識は繋がれていて)
(その反射的な回避運動には賞賛を素直に送ろう。この場合は良いとは言えないだろうが)
……殺されてもいい、なんて思われたら、
殺したくなくなってしまいます―――…わたし、天邪鬼みたいです。
(震える声が、次第に落ち着いてくる。無表情のままに、相手を見下ろして。
もう、何も考えない。もう、何も要らない―――今日のところは命令を“遂行”した)
(“相手に場を荒らさせないこと”が今回の任務なら、“今日のところは”確かに遂行した)
―――…諦められないのならしがみつきなさい。
そんなことを仰って、本当は諦めたかったのだというのなら、勝手に諦めなさい。
今度、もしも再び貴方が私の“仕事”を邪魔なさるというのなら、またお相手しましょう。
……“今日の仕事”は、これで終わりです。
(確かに、本来なら今後の憂いは断ち切っておくべきだ。それが、本来だ。けれど―――)
わたし、面倒ごとは嫌いじゃないようです。
(いつもの学校で見せるような自分をつくって、そうして目元だけで笑って見せた)
(膝を折って、相手の前髪をかきわけると、額に触れて……そっと撫ぜて)
――――おやすみなさい、良い夢を。
(それだけ言うと彼女は立ち上がる。あの状況であの遺跡に挑もうなんて
馬鹿なことをするわけもない――止めた。命令には、背いていない…決して。)
(そう自分に言い聞かせてから彼女は背を向ける。濡れた重い身体を引きずって―――)
(空をみあげた。雨はやんだ、けれど月は見えなくて)
(――――何故か分からないけれど、無性に、あの月の似合う娘に会いたいと思った)
【こちらも同様にでしたので、いささか強引ながらこれで〆で…】
【本当にこの度はお付き合いありがとうございました…もう、何と、言ってよいやら、ですが…っ】
【……申し訳なさと感謝が入り混じるってこの状態ですね…本当にお疲れ様でした(一礼)】
・・・・・・ったく・・・・・女っていうのは、どいつもこいつも・・・・・
(やるせなさそうに吐き出す。この状態では、悪態を吐く程度しかできない)
(相手は無表情。多分自分はつまらなそうな顔をしているだろう。漠然とそう思う)
――はぁ、どうにも、上手くいかないものだね・・・・・・
この街に来てから、どうにも何か狂ってるんだよね、僕・・・・・
(嘆息する。一瞬、大きく揺らいだのは事実だ。明日になれば、多分またいつもの)
(傲慢で利己的な盗掘屋に戻っているだろう。人間というのは、存外現金にできている)
(切り替えの早さもトレジャー・ハンターには必要な感性である。一度失敗しても、また挑めばいい)
――左様ですか・・・・・・ならもう何も言わないけど・・・・・
(頭を撫でられるに任せる。その手が離れるのを、少し寂しく感じたのは何故だろう)
(こんな事をされたら、彼女を敵として認識できなくなりそうだった)
――おやすみ、先輩・・・・・また、屋上で・・・・・
(多分、もう聞こえていないだろうと思いつつ、去りゆく彼女に呟く)
(残された彼は、立ち上がろうとして――止めた。精神的に途方もなく疲れた)
(ああ、本当に――今日は厄日だ。喉と肩から血を流しつつ、彼は眼を閉じた)
【どうにも調子に乗って文章量が・・・・・・】
【こちらこそ、すみません。そしてお付き合いありがとうございました】
【これに懲りてなければ、また付き合ってくれるとありがたいです。おつかれさまでした】
【文章量についてはもう、むしろこちらが御免なさいですので…言いっこ無しで】
【それもまたこちらこそ、です。改めまして、本当に本日は有難う御座いました。】
【それでは、これで失礼を。お休みなさいませ。】
【こんばんは。しばらく待機してみるぜっ】
【やあ、こんばんは。相手、お願いしてもいいかな?】
【こんばんはっ。もちろん! よろしく頼むぜ?
…で、シチュエーションはどうしようか?
戦闘ロールをするなら、土砂降りの雨の日にやってみたいなーとは
漠然と考えてるんだけど】
【ああ、こちらこそよろしく】
【土砂降り……となるとちょっと厄介だね】
【私としては戦いにくいことこの上ない】
【でも、そういうのもたまには面白いか。それじゃあどういうシチュエーションで行こうか?】
【や、水を使うなら雨が降ってるほうがいいかなーと思って。
正直に言えばどうでもいいんだけど……】
【…んー、一番妥当なのは、化け物退治の後にやりあうって言うのかな】
【あはは、私は雨が降ってると逆に戦いにくい類の使い手でね】
【でも、土砂降りの中戦うというのは絵として悪くない】
【それじゃあこういうのはどうだろうか。ある日私は化け物とであった】
【それ自体は、この町では珍しくない。だけどそのときちょうど雨も降っていた】
【本降りになる前に片付けはしたが……そこにあんたが訪れた】
【ただ問題があるとすれば、その化け物の本体は人間で、地面に倒れている姿はただの人にしか見えなかった】
【……とでもいった感じでどうだろうか?】
【ん、それじゃそれで行こうか。よければ書き出しお願いしてもいいか?】
【了解したよ、それじゃあ、書かせてもらう】
(夜、人気のない河川敷で。降り始めた雨がだんだん雨足を強めてきたころ)
雨は嫌いだよ、濡れるのも、嫌いだ。
(霧原朱音は走っていた、ぱしゃぱしゃ足音を立てながら)
早く帰ろう、今日はもうだめだな。
(傘もないから、体は濡れるばかり。制服も水で張り付いて、うっすら肌が透けていた)
………。
(すれ違ったのは、身の丈3mほどの異形の巨人。今まで姿すら見えなかった巨躯が突然姿を現して)
(小さな岩ほどもある大きさのある拳を振り上げていた)
はぁ、今日はついてないね。こんなときに出くわすんだから。
(その拳が振り下ろされる刹那、振り向いて。バッグから赤いペットボトルを引き抜くと)
(そして駆け出す、一秒遅れて、彼女のいた場所を拳が打ち抜いていった)
私はさっさと帰りたいんだ、失せろっ!!
(振りかざしたペットボトルから赤い刃が零れ出て、巨人の胸を打ち貫く)
(苦悶の悲鳴が轟く中、無慈悲に、冷徹にその刃を研ぎ澄ませ)
煩い。
(その刃を真上に振り上げる。巨人の頭を吹き飛ばして、赤い刃が宙に放たれた)
(そしてそれは、そのまま地面に落ちるとただの血痕となり。雨に打たれて薄れていった)
……さ、帰ろう。
(息絶えた巨人には興味の欠片すら見せず、踵を返して去ろうとする)
(その背後で、巨人の体が人の大きさへと縮んでいったことさえも、そして新たな来訪者がいることさえも知らず)
――俺の勘は、悪い時に限って当たる。
それは『能力』に関係なく、物心ついた時からそうだった。
それが分かっているのなら、その『悪いこと』が起きないようにすればいいじゃないか。
…そういう意見もあるだろうが、そう簡単にいかないのが世の常ってもんだ。
アクシデントというものは、予想外のところから飛び出してくるからこそ、アクシデントなんだ。
それをどれだけ気をつけて回避しようとしてもしようがないじゃないか。
そして、その『勘』はこの日もしたんだ。
(雲行きの悪い天候を見計らい、出かけていた俺はさっさと家路を急ぐことにした。
傘を持ってきていなかった俺は、徐々に振り出していた雨に濡れながら本降りになる前に帰宅しようとしていた)
(だが、そのとき悪い『勘』がした。……こりゃ、家に着く前に雨に降られるかな。そう思いながら、河川敷の傍を通る)
(瞬間――、醜いとも気持ち悪いとも言える奇声が耳をつんざく。幸か不幸か、雨が本降りになる前だったからこそ、聞き取れた)
……なんだ?
ここんところ、物騒なことに巻き込まれ続けてるからな……。
(だが、先ほどの奇声は十中八九ただ事ではない。止せばいいのに、首を突っ込んでしまうのが俺だった。
河川敷に降りると、そこには予想通りというか、凄惨な光景が広がっていた)
(首を吹き飛ばされた人の死体。そして、その死体から離れていこうとする人影。
――常識的に考えて、これが『正常』だとは思えないだろう。だから、俺はその人影を呼び止めた)
……おい、そこのアンタ、待てよ。
よければ、この状況…アンタに説明して貰いたいんだが?
(雨の音にも掻き消されない声が聞こえた)
(雨はしとどに体を濡らしていたがら、濡れた髪を一度かきあげて)
………。
(わずかに考える。後ろに転がっているのはおそらく巨人の死体)
(それを見たものの反応としては、これはまあ正常の範囲内だろう)
(驚き慄くことがなかっただけでも少しだけ感嘆する)
(それでも、今は早く家に帰りたかった。雨は嫌いだし、濡れるのも嫌いだから)
(多少なりとも声の主に興味はあったが、それだけだった)
先を急ぐんで、それじゃ。
(振り向きもせず、つまりはその背後で何が起こっていたのかを知る由もなく)
(そして彼女は駆け出した。早く戻ってシャワーでも浴びよう、そんなことを考えながら)
………。
(少なくとも、この死体に何らかの関係があるのは確かだ。
考えたくはないが、目の前の人影が殺人者という可能性もある。
――ただ、学校内で人の形をした『異形』を目にしたこともあるため、
無条件で目の前の人影を『殺人者』と判断するには、少々不安が残る)
(だからこそ、声をかけたのだが―――)
って、ぇえええっ!?
ちょ、ちょっと待てよ! 無視かよっ!
(さらりとそう言い退けて駆け出した人影に、唖然としながらも我に返ると慌ててその人影を追いかける)
ちゃんと説明してくれねぇと、こっちだって納得できないだろうが!?
つーか、逃げるなっ! 説明しろぉっ、こんちきしょう!!
(その声の主は、どうやら自分を追ってきたようだ)
(しばらくそのまま走ってみたが、どうにも引き離した気配はしない)
(このまま家まで走りきるのも面倒だ……だから、足を止めて振り向いた)
(ぐっしょり濡れた制服姿で、濡れた髪を纏わりつかせて立っていた)
説明する必要なんてないだろ。あれを見たならな。
(大分走ったおかげで、もう姿は見えないが。おそらく目の前の男は巨人の死骸を見たのだろう)
(そうして追いかけてきたのだとすれば、それはよほど好奇心が強いのか……もしくはこの男も尋常ならざる者なのか)
邪魔だったから殺した。他に言うことなんてないよ。
じゃあね、私は雨が嫌いなんだ。
(彼女が言う「あれ」は、巨人の死骸のはずだった)
(だが、男にとってはそれは人の死体。ならば、事情も変わる)
……それとも、あんたも私の邪魔をするの?
(もう一度振り向いて、わずかに強い口調で言い放った)
(邪魔をすればどうなるか、そういう意味を言外に匂わせて)
(決定。――少なくとも、あの死体に関わったのは事実らしい。
嘘をついているという可能性もなくはないが、此方を試しているという目的がない限り、
そんな自分を不利にさせるような情報は与えないだろう。…そうだとしたら、よほどの正直者か、馬鹿かだ)
正直、判断に迷うが――、俺にはアンタに聞くことがある。
邪魔をしようとは思わないが、それを聞くまでは帰すことはできねぇな。
まあ、いいじゃねえか。雨の中のデートって言うのも、なかなか洒落てるじゃねーか。
(にっと口の端を吊り上げる。
その語気からして、このまま行けばリスクの高い展開が待っているのは目に見えた。
だが、此処で引かなければ何か有力な情報が掴めるかもしれない)
さて、どうだ? …正直に話してくれる気にはなってくれたか?
(どうやら認識を改める必要がありそうだ)
(おそらく目の前の相手は、ただの好奇心旺盛な男というわけではない)
(少なからず、この手の事には慣れている。そう考えるとさらに興味も沸いてきたが)
(ただ、それでもそのとき彼女が最優先するべきは帰ってシャワーを浴びること、それだけだった)
あたしの道を塞ぐって事が、あたしにとっては邪魔なんだよ。
それに、話すことは全部話したはずだけど?あれを殺したのは私。
理由は家に帰る邪魔をしたから。それじゃあ不満だっての?
(雨足がさらに強くなり、声すら遮るほどになる)
(それがまた腹立たしく、声には苛立ちが混ざり始めていた)
それに、私は雨が嫌いなんだ。デートをするなら屋内で頼むよ。
………もう一度だけ聞くよ。あんたは、私の邪魔をする気かい?
(無造作にバッグの中に手を突っ込んだ。手で探るとそこにあるペットボトルの数は三本)
(一定量の体液を混合させた液体を操る能力だからこそ、こんな雨の日にはこうでもしなければ戦えない)
(軽く口をつけたり血を流したりしただけでは、あっさり雨がその体積を増してしまうのだ)
(……もちろんそれは、ペットボトルの中になみなみ蓄えられた血を用いたとしても同じこと)
(つまり、長くは戦えない)
……そりゃまた、シンプルな答えだな。
悪いが、それで納得出来るのは今の世の中、そんなに多くはいないぜ?
そんなシンプルな理由で、人を殺せるほど人間は単純に出来ていやしない。
『人を殺す』ってのはそれだけ力の要ることだからな。
(もっとも本当に彼女が『殺人鬼』なら、その定義は当てはまらないのだが)
今帰るのと、何があったか話して帰るのも、そう変わりはしないだろ?
…現にお互い、びしょ濡れみたいだしな。
(苦笑を浮かべながら自分のシャツを見る。いまさら傘を差したところで意味はないだろう)
だから、言っているだろ? …『何が話したか教えてくれ』って。
邪魔をするつもりはない。けど…そうだな。結果論だけで言えば、アンタの邪魔をしてることになってるな?
(ポケットに忍び込ませていた短剣に手を伸ばす。……さて、どうしたものか。このままでは平行線をたどるばかりだ)
別に、誰かに納得してもらいたいわけじゃあない。
私にとっては、それで説明がつくっていうだけさ。
……人を殺した覚えはないんだけどね、今日は。
(彼は人を殺した、と言った。その言葉だけがひっかかる)
(かといって、人を殺めたことがないかと問われれば否とは答えない)
全力で走りながら、悠長に話していられるだけの余裕があんたにあるなら、確かに変わらないかもね。
いまさらこれ以上濡れるも何もないけど、私は一秒も早く家に帰り着きたいんだよ。
(首筋にぺっとりと張り付いた黒髪を手で払って)
そして、これは何より大切なことだ。私にはあんたに事情を説明する理由もつもりもない。
……そう、邪魔するんだね。
(すい、と目を細める。目の前の相手が邪魔者ならば、もはやこの手を止める理由はない)
じゃあ……あんたも失せろ。
(す、とバッグの中から手を抜き去る。その動きと同時にペットボトルを放り投げ)
(くるくると宙を舞うペットボトルが内側から食い破られて、無数の赤い散弾となって男に迫る)
(これで死ぬならそれでよし、もしもだめなら……残りは二本)
(戦うとなれば、心もとないことは否めない)
……アンタが事情を話してくれたら、すぐに終わるんだがな。
ま、そりゃ、こっちの勝手な解釈だが―――
(それでも目の前の人物をこのまま解放するわけにはいかない。
事情がどうあれあの死体と関わっているのは事実だ。…此処で逃せば、最悪の展開も考えられる)
(もっともそれも可能性の話だ。しかし、彼女から聞き出せる情報は有益であるに違いない。
少なくとも、この状況を知るという意味では、だが)
――なっ…!?
(まさかこの距離から仕掛けてくるとは思わなかった。
想定できていたことではあるが、いきなりペットボトルを投げてそこから凶弾が降り注ぐとは
流石に想像できなかった。咄嗟に飛び退いたものの、弾丸の幾つかは脇腹を掠めたり、足を強打する)
ぐっ……容赦がないな、アンタ……、物騒だってよく言われないか?
(言葉では軽口を叩きながらも、激痛が走りその表情には余裕がない。
痛みを堪えるためにしゃがみこんで、相手の一挙一動を鋭く観察する。見抜けっ…次の相手の行動を!)
その気はない、と言っただろう?
あんたの都合がどうあれ、今の私にとってはさっさと家に帰ることだけが重要なんだ。
(雨足が強くなっていた。この声も届くかどうかもわからない)
(ばしゃばしゃと雨粒が体を叩く。憂鬱そうにため息をついて)
ちぇ、仕留め損ねたか。
(小さく舌打ちして、もう一度バッグの中を手で探る)
(ほんの一瞬降り注いだ赤い雨が晴れた後には、相変わらずの雨と男の姿)
(その顔は苦痛にゆがんでいたが、それでもまた動く。そして話している)
さあ、そういえばそんなことも言われたかもね。
(一挙一動を見透かされながら次のとった行動は、一歩。踏み出した)
(そしてまた一歩、何事もないようにゆっくりと、男に向けて歩き出す)
ああ、別に逃げてもいいよ。私は、あんたに興味なんてないんだからね。
(命を懸けることになるであろう戦いの最中にあっても、彼女の顔には一片の緊迫感もなく)
(ただ、気だるそうな顔を浮かべているだけだった)
(望まぬことをやっている。それは、彼女にとっては退屈極まりなく、耐え難い痛苦であったのだから)
……やれやれ、平行線だな。
本来なら此処まで意固地にやることじゃねえんだろうが……。
まぁ、このまま引き下がるには骨折り損だからな。
せめて――、何か、聞き出すまでは、俺は帰らねぇぞ?
(苦笑する。そう考えてみればさっさと解放して、自分も帰ればいいのだ。
そうすれば、何もなかったことに出来る。あとは警察なり何なりが動いてくれるだろう)
(だが、それは同時に言い様のない後悔を残しそうな気がする。自分から自分を辞めたようで。
……だから、俺は馬鹿で単純なのか。ほとほと自分の無鉄砲さには呆れてしまう)
ああ、そうしたいところなんだがな。
ただ俺の考えている『最悪な展開』になることだけは回避したいんでね。
せめて、アンタがその展開を選択しないということを確認しない限りは、それを辞めることもできねぇ。
だから――正直に話してくれると、助かるんだけど……なっ!
(河川敷。もちろん、そこは河原もあり、大きな石がごろごろと転がっている。
それを掴み、鋭く目の前の人物に投げつける――と、同時に動く。勝負は、次に彼女が仕掛けてきた、その瞬間だ)
だったら退けばいい。つまんないプライドとかのせいで終わっちゃう人生なんてさ。
つまらないことこの上ないと思わない?……っていうか、話すことなんてもう何もないはずなんだけどね。
(事実そのとおり、死骸が異形のものであったなら)
(でも、そうではなかったことが事態をややこしくしているのだが、それを彼女は知る由もない。)
(おまけに最後のつぶやきは、雨に紛れて消えてしまって)
じゃあまず、それが何なのか聞かせて欲しかったね。
最悪の展開、ってのはさ。何なんだよ。……まあ、もういいけどね。
あんたを潰して、私は家に帰るんだ。
(言葉を放ったその刹那、石がひとつ飛んでくる。反射的にペットボトルを抜き放つと、その底から一筋赤い刃が零れ出る)
(それはペットボトルの外壁を切断し、狙い違わず石へと向かっていく)
(切り裂かれたはずのペットボトルからは、なぜか一滴の液体も零れることはなく)
……へっ!?
(そして走り出した彼女の眼前には、何事もなかったかのように石が飛んできた)
(放たれた赤い刃は極薄かつ最小。慣れた感覚で最低限のものだけを放っていたのが仇だった)
(石を切り裂くはずの赤い刃は、雨を吸い取りただの血液へと変わっていた)
(ただの血液に石を切り裂く力などあるはずもなく、とっさに首を巡らせ避けるも)
(見事その石は彼女の側頭部を捕らえ、その衝撃に二、三歩その足がよろめいた)
(だから、雨の日は嫌いなんだ。と考えながら)
(そのわずかな隙は、間違いなく致命的だった)
つまらないことを出来るから人間なんじゃねーか?
無駄なことや余計なことが出来るからこそ。…ま、俺はそういうタイプの人間なんだよ。
無駄と分かっていても、危険だと分かっていてもな。
……もし、アンタがあの『人間』を殺したとしてだ。
あの殺し方は常軌を逸している。その仮定が正しければ、被害は広がるかもしれない。
…そうだろう? ただでさえ、物騒な世の中だ。
ここでアンタを捕まえておかなきゃ、それこそ無駄な被害が出る。
その被害の中にゃ、俺の家族や友達も含まれる可能性だってある。
…まあ、俺はそういう『不安』を取り除きたいだけの、我侭野郎なんだよっ。
――BINGO!
(まさか当たるとは思わなかった。これはただの時間稼ぎかつブラフだ。
どのような攻撃にしても隙というものは生まれる。それが大きければ大きいほど、有利になる。
彼にとってもそれは例外ではなかった。リミットは3秒から5秒。それまでにこの距離を縮められるだろうか。
――否、縮めてみせるッ!)
――――――01秒。
(息を止めた瞬間、自身の感覚が鋭くなるのが自覚できた。
目にするもの…とは言っても、真正面しか集中できていないが…全てが止まってみえる。
が、それを気にするほどの時間は今はなかった。この数秒間の間に、彼女との距離を縮める!)
――――――02秒。
(大雨に降り注がれながら、さらに駆ける。泥濘に足を取られそうになるが、そこは集中してミスらないようにする。
一挙一動、この数秒間にミスがあってはならない。ミスが起これば、それはすなわち集中力の途切れ。
ミスが起これば、隙が出来るのは今度はこちらの番だ。そうなれば、命取りになるのは目に見えている)
――――――03秒。
(短剣をポケットから取り出す。刃はこの暗闇のなかでも鋭く光沢を放つ。
順手に構え、狙うは――彼女の首元。もちろん殺すつもりなど元からない。
ただ、『それが次の瞬間に出来る状態』にはしておかなければならない。
つまり、このリミットを超えるまでに、首元へこの刃が届けば―――)
――――――04秒。
(俺の目的は、達成されるッ………! 一か八か……賭けだ!)
――――――タイムオーバー
じゃあ私は人間じゃないな。私にはつまらないことはできない。
そういう生き物なんだ。どうやら私はね。
逆に、それが面白ければどんな事だってする。……どうにも、私とあんたは決定的に違うらしいよ。
(言葉を放ちながら小さく頭を振って)
あれが人間に見えるってなら、まずその目を取り替えてきたらどうだ?
……まあ、確かに人っぽい形はしてたかもしれないけどさ。
(おそらくサイズは規格外。とも思っていて)
なるほど、それがあんたの不安なんだ。……ああ、そういうことか。
確かに危険かもね、あんたの友達や家族が私にとってつまらない人間だったら。
そして、そいつらが私の邪魔をしたら。……起こりえないわけでもない、か。
(理屈はわかった、聞きたかった事は聞けた。そして、それはなんら彼女の行動に影響しない)
(だからこそ今は、目の前の男を潰すことだけに意識を集中させていた)
(側頭部を強打した石が、彼女の視界の大半を塞ぐ。それは一瞬)
(石が重力に惹かれて落ちる。ごとりと鈍い音が響く。これも、多くの時間を要することではない)
(頭に加えられた衝撃が、脳を揺らして体をぐらつかせる。思いのほか、立て直すには時間がかかり)
(そして、痛みが顔を歪ませる、降りしきる雨が、苛立ちをより助長させる)
(それら全てを処理し終えたときにはもう、致命的な時が過ぎ去っている)
(つまり、刃は首元へと迫っていた)
っ!!く……はっ!?
(刃が肌を切りく感触、切り裂かれた喉から空気が漏れる感触)
(一通りそれらが通り過ぎた後で、ようやく痛みがやってきた)
(喉笛を切り裂かれ、噴出したのは赤い血液。ただ違っていたのは、その飛沫がそのまま無数の矢と化して降り注いだ)
(真下の男を串刺しにしようとでもいうように。ただそれだけが、違っていた)
(時間切れ。それをそうだと意識する間もなく、致命的なミスを犯してしまった。
――そう、『その後のことを考えていなかった』のだ。
この『能力』に大きな穴があることは自分自身が一番理解していたはずだったのに)
……嘘、だろっ…!?
(『能力』を使った直後は、派手な運動は出来ない。判断能力も鈍る。
それら全ては『能力』で消費した酸素を取り込むためだ。これは何度も経験していることだというのに、
それを配慮していなかった時点で、ミスが起こるのは自明の理だ)
――うぉ、ぉ、ぉ、ぉ、ぉおおおおっ!
(苦悶の声と共に、ふらりと横に倒れる。出来るだけ遠くに。
だが、力の尽きた彼に、そこまでのことが出来るわけがなかった。鋭い矢が逃げそこなった脚部に叩きつける)
………ぐぁ、ぁぁぁぁ……!!
(声にならない声を漏らして、必死にその痛みに耐える。
激痛に苦悶し、歯を食いしばる。浅慮――それが引き起こしたのが、この有様だ。
それでも、相手の姿を追い求める。せめて、その姿を脳裏に焼き付けておこうと)
【そろそろ締めようか。】
(それはあくまで苦し紛れの反撃だった)
(傷をつけられれば血が流れる、すなわち傷とは彼女にとっては砲台程度の意味しか持たなかったのだが)
(それでも、これほどの深手を負ったのは初めてだった)
(常人であれば、反撃の手立てすらなく文字通り、喉を笛のように鳴らして息絶えていたことだろう)
ぁ……っは。く、ふぅ。ぐぅ。
(目を血走らせ、喉を押さえて蹲る。ふらふらと立ち上がった時には首の傷は赤い膜に覆われていた)
(切り裂かれた気管も、頚動脈も。全てを血液が形成し補った)
(それゆえに、彼女はその命を終えずに済んだ)
(だが、痛みまでもが消えるわけでもない上に、急ごしらえの気管では滞りない呼吸が行えるはずもない)
はぁ、はぁ、はぁ……っ。今日は、最悪だっ!
(喉の奥から搾り出したような声)
(むき出しの喉にも雨があたって、赤い血の膜もだんだんとその機能をなさなくなっていく)
(これ以上、この場にとどまり続けることは生死にかかわる)
(こんな状況でも頭は冷静に、そんなことを考えていた)
まぁ、いい……か。あんた、もう動けない、よね。
邪魔、しないでよ、ね。……私は、もう、帰るよ。
(途切れ途切れに言いながら、よろよろ帰路を辿る)
(止めを刺そうか、とも考えたが。もはや今は何よりも、この雨をしのぎたい)
(家に帰りたいという、その思いが強かった)
(そして息苦しそうにしながらずっと、家までの道を歩き続けたのだった)
(その姿を、誰にも目撃されなかったのは不幸中の幸いだろうか)
(だが、その日彼女と対峙した男は忘れないだろう。彼女が同じ学校の制服を纏っていたことを……)
【では、私はこれで締めさせてもらう】
【楽しかった。そちらも楽しんでくれたのならば嬉しく思う】
【では、また会おう】
……。
(どれくらい気を失っていたのだろう。すっかり身体は冷えていて、風邪を引きそうだった。
激痛はいまだ走るが、歩けないわけではない。ずるずると足を引き摺りながら家路を往く)
………ったく、何も分からなかったじゃねえか…っ。
くそっ…俺って、どうしてこうも爪が甘いんだよ…。
それに―――
(自分の右手を眺める。ひとつ違えば、自分が彼女を『殺していた』。
いや、もちろんそれはただの可能性であり、たやすく彼女は殺されまい。
ただ、正体の分からない人間…本来、関係もないかもしれない人間を殺してしまうところだったかもしれない。
あの時、ぎりぎりで短剣をとめようとした。…だが、技量が拙いばかりに、その切先は喉元まで達していた。
もし、もう少しでも強く突き刺さっていたのなら。きっと、後悔していただろう)
――俺って奴は本当に未熟だな。
これじゃただの危ない野郎だろうが、くそったれ!
(今になって恐怖が身にかかる。今まで危うい橋を渡っていたのだ、と。
苦笑とも自嘲とも取れない笑みを浮かべて、自分の足をこぶしで叩きつける。激痛が、今は、慰めになっている気がした)
もし、あいつが本当に関係なかったら…今度会うとき、謝らないとな。
(再開するときはそんなに遠い未来ではないかもしれない。
同じ学校の生徒だということは分かった。あとは……今度こそ、事情を聞くだけだ)
【お疲れ様っ、楽しかったぜ。
今度機会があるときは学校で…ってことになるのかな。
じゃ、次回もあればよろしく頼むなっ、おやすみっ!】
【こんばんは、誰か来てくれるといいのだが待機します。】
【あまり長々と待たせるのも気が引ける】
【が、連日というのもまた気が引ける】
【どうするべきかとも考えたが、他に相手がいないのであればお願いしたいところだ】
【俺でよければよろしくお願いします。】
【どういう内容にします?】
【そうだね、私は今までずっと夜ばかりだったから、そろそろ昼の私もやってみたいとは思う】
【そういう私の要望も踏まえて、何かそちらで希望があるならば聞かせて欲しいな】
【うん、昼間ってことだからバトルってのはまず難しい】
【日常みたいでいいですか?お互い授業をさぼっていて偶然出会うてのは?】
【そうだなぁ、授業をサボっていくところとしては、定番は屋上か保健室】
【そういえば昨日、私はひどい手傷を負っていてね。私には休息が必要だった】
【だからその日は授業をサボって、という言い方には語弊はあるが】
【私は保健室で寝ていたわけだ。そこにあんたがある意味正しい保健室の使い方】
【つまりはサボって寝るためにやってきた。というのはどうだろう?】
【もちろん、あんたが保健室で授業をサボるような人間でなければまた別のことを考えるけどね】
【まぁ保健室と屋上、どちらを選ぶとしたら屋上ですね。】
【保健室が希望ならそれに合わせます。で、書き出しはどっちがします?】
【ああ、ありがとう。まあちょうど折り良く保健室の先生はいなかった、ということにして】
【今回は、そちらに書き出しを任せてもいいだろうかな?】
【あんたが保健室にやってきたときには、私はすでにベッドで伏していた、ということで】
し・・失礼しま〜す
(小声で保健室のドアをこっそり開き、まるで泥棒のように)
(周囲を見渡す和也、現在この時間帯は授業中つまりサボリである。)
(普段は屋上でサボるのだが、前日の雨で地面が濡れているため)
(やむなく保健室を使おうと試みたのである。)
いませんね・・っとそれじゃどこで休もうかな・・・
よし!ここにするか。
(誰もいないことを確認するとホッと撫でおろし)
(保健室に入ると周囲を見渡す。休めそうな場所を探す)
(するとちょうどベットを見つけそこへ向かおうとする)
【遅くなってしません。】
【ではよろしくお願いします。プロフは
>>50です。】
(最悪な昨日から一晩過ぎて。首の傷もある程度には塞がって。どうにか耐え難い息苦しさはある程度緩和されていた)
(そういうわけで、今日も今日とて彼女は学校へ行く。だが、やはり傷を負った体は正直だった)
(体育の時間、少しばかり運動を始めた途端に息苦しさが再発、結果抱え込まれるようにして保健室へとやってきたのが前の時間)
(おおよそそれから40分余り、彼女はそこで伏していたのであった)
………すぅ。
(そしてそこに訪れた男が一人)
(微かな声は聞こえたが、どうやらそれもまだ彼女の眠りを妨げるには足りないらしく)
(小さな寝息を立てている、首筋に赤い線の一筋走った女性が一人)
(カーテンを開けた先には伏していた)
(そのときの時間が体育であったということで、いわゆる体操服姿という奴であったことは特記しておいてもいいだろう)
(ベットまでたどり着くと軽い身のこなしでベットに乗り込む)
(そして和也は大の字に横たわり天井を見上げる)
なんか初めてだなここでサボるの・・も
(初めて行った行為に少し胸を弾ませたが、部屋中かすかに)
(消毒液の匂いが鼻をくすぐり、そんな思いが薄れていった)
(この匂い天井の色、昔自分が両親と両腕を失ったことを知った日)
(の景色と匂いが似てる気がし、昔のことを思いだそうとしていた)
・・・・・・なに思い出してるんだ・・ここ来るの失・・
(和也は思い出そうとした記憶を振り払い)
(横に転がると隣のベットに不自然な程の盛り上がりに気が付き)
(言葉を失う)
なんだこれ?誰か寝てるのか?
(まどろむ意識の中で考えていた)
(そろそろ寝るのも飽きた。体もずいぶんよくはなってきた)
(だが、何かきっかけが欲しかった。こうして寝ているのもまあ、悪くはなかったのだから)
………ん、ぅ。
(すると、ちょうど隣で声がした。どうやら誰かがいるようだ)
(そして声まで聞こえてきて、それが軽く耳を擽る。そろそろ起きてもいいだろう)
保健室ってところは、授業をサボる以外にも来る目的はあるってことだよ。
(ベッドの中から声を放って。そしてゆっくり体を起こし)
でもまあ、少し眠って体調もよくなったか。やっぱり昨日の今日じゃあ無理をしすぎたようだね。
(軽く深呼吸して、息苦しさがないのを確認してから呟く)
(そこで初めて、隣のベッドの方を向き)
やあ、おはよう。
(肩にかかった髪を払って、体操服姿の女性が軽く笑って手を上げた)
(盛り上がりを暫く眺めていると急に崩れ)
(黒い髪の女性が現れ、笑みを浮かべた。)
(和也は突然のことで目が点なり、冷静を取り戻すと慌てて起き上がり)
(彼女の目線を合わせ挨拶を返す。)
お、おはよう。
(良く見ると布団からでてる体操服から見ると)
(どうやら彼女は自分の様なサボリではなく、ここの利用者のようだ)
先客がいたとはな・・・
ごめん起こしてしまって、スグに出ていくよ
(ばつの悪いを顔し、彼女に謝罪するとベッドから出ようとする)
何驚いた顔してるんだい?保健室で病人が寝てるってのは。
まあそれなりに珍しいかもしれないけど、予想できないことじゃあないだろうに?
(なぜだか思いのほかあわてているような様子に、面白そうに目を細めて)
でもまあ、サボりに来たのに先客がいた。おまけにそいつはちゃんとした用で来ていた。
ともなれば、多少後ろめたさを感じるのも止む無し。かな?
(大きく伸びを一つして、ベッドの上で胡坐をかくと)
いやいや、気にすることはない。そろそろ寝るのも飽きてたところさ。
逆に今は、話し相手の一人も欲しい。だから、少し付き合っていっちゃあくれないかな?
今から教室に戻るってのも、微妙だしね。
(時計を見ながら呟く、そろそろ授業も半分といった時間)
(確かに、いまさら戻るのもどうだろう)
ああ、自己紹介が遅れたね。私は霧原朱音。二年生だ。
(女性が時計の方角を見るとそれに続け同じ方向を見る。)
確かに・・・微妙だな。
いいよ、対して話上手じゃないがそれでもいいなら。
(そして彼女の提案を受け和也はそれに乗った)
(彼女は霧原朱音と名乗り、学年は2年と言うが)
(どこの部かわからないが体操着の模様の色を見ると和也と同じ)
(高等部らしい)
俺は清水和也、アンタと同じだ。
それにしてもなんでまた保健室にいたんだ?
体調が悪いと言うのはわかるのだが・・・
(こっちも自己紹介をし、桐原の様子を見る。)
(体操着を見たとこを途中で抜けたということは詮索できるが)
(外は初夏ながらもさほど日差しも強くない・・そういうことに疑問)
(を感じ訪ねた)
ありがとう、助かるよ。
このままだと、ずいぶん退屈しそうだったからね。
(くす、と小さく笑みを零して)
そう、清水君か。同じ学年だったとはね。しかしどうにも見覚えがないな。
まあいいさ、こうして知り合ったのも何かの縁だ。よろしくね。
(昼の彼女は擬態する。少し変わってはいるが、それでも普通の範疇の一学生に)
(だからこそ普通に名を呼んで、普通に握手を求めた)
ああ、ちょっとさっきの時間に倒れてね。どうやら昨日、無茶をしすぎたのが原因らしい。
あの大雨の中出歩いてたんだからね、ある意味自業自得、かな?
(とは言うものも、こうして対面している彼女には熱があるような感じもなく)
(至って正常には見えている。果たして何が原因だったのかと疑問も浮かぶかもしれない)
あぁ・・こっちこそよろしく霧原
(年中冬服だからわりと目立つのだが)
(面等向かって見覚えがないという言葉に内心苦笑いし)
(手袋のまま握手をする。)
大雨ね・・・傘もささないでか?
随分無茶な事をしたな・・・・・ん?霧原その首筋赤くなってるぞ。
(霧原の答えにいささか疑問に感じたが、なにか訳があるんだろう)
(解釈し、触れないことにし握手した手を引いた。)
(その時彼女の首筋に何かを見つけそれを指摘しる。)
(結局、学園生活といえども自分の興味の赴くほうにしか進まない彼女である)
(その先に立つ者でない限り、多少目立っている位では覚えることもしようとしないのだった)
(なので今、ようやく彼女の中に清水和也の名前が刻まれた)
(そして握手が交わされると、なにやら奇妙な違和感を感じてわずかに目を細める)
(それはほんの些細な違和感で、少なからず感覚の強化されたこの身でなければおそらくわからなかったであろうもの)
(何かが、違う。握ったその手に、そう感じた)
(興味は感じたが、それをすぐさま表には出さず、表情も極力変えぬまま)
ちょうど外に出てたときに降り始めてね。おかげで全身ずぶぬれさ。
そりゃあ、風邪の一つもひくというものだ。
(あきれた様子で小さく肩を竦める)
(少しだけ名残惜しかったが、その手を離して)
ああ、これかい?ちょっとしたおまじないってやつ。
首に赤いマジックを塗ると、その日の勉強運が上がるんだってさ。
雑誌でやってたのを見て、ついね。
(それはこの日何度も聞かれた質問。まさか直接その首に触れて、それが血であると確かめるものもいないから)
(今日一日、それでどうにか誤魔化してこられたのであった)
へぇ・・変わったまじないだな。
こんなこというのもなんだが、あまりアテにしない方がいいぞ。
アテにしすぎるとロクなことないから
(質問の答えを聞きまじないを否定するような発言をする。)
(その時学園内にチャイムが鳴り響いた。)
(どうやら授業が終わったようだ)
少ししか話してなかったがもうこんな時間か?
ごめんな霧原。なんか質問ばっかな会話で
(チャイムが鳴り響くと時計の時刻を見る。)
(もう少し、会話力があればと思い霧原に軽く下げ)
(ベットから降りた。)
【すいません、中途半端ですが】
【そろそろ限界なので次で〆ますね;】
ああ、わかってるよ。気休めみたいなもんさ。
でも、こんな目にあうって事は、案の定逆効果だったのかねぇ。
(小さく苦笑し頭を振って)
……ん、そろそろ授業も終わりか。次の授業には出ないとな。
(チャイムの音に立ち上がり、別にふらつくこともない、と一度自分の体を確認してから)
意外と、時間がたつのってのは早いもんだね。
まあ、おかげで退屈がしのげてよかったよ。感謝してる。
そろそろ私も行くことにするよ。君も、あまりサボりが過ぎないようにね。
(そして、悠然と部屋を後にする。扉をくぐって一度顔を出し)
ああ、そういえばさ。君、なんだか面白い手してるよね。
今度、もう少しじっくり見せてもらいたいな。それじゃ。
(言葉だけを残して、去っていくのであった)
【了解した、こっちはこれで〆させてもらうよ】
【次回への布石も張りつつ、今日はこれでお疲れ様】
(霧原は一足先に保健室を後にし、和也は身体を伸ばし)
(それを見送った)
ああ、この後の授業は受けるつもりだから・・・
(そして軽く腕を回そうとすると)
(霧原は去り際に自分の腕について指摘し和也は)
(思わずそれを止めた。)
oO(まさか気付かれた?・・・・いや、まさかな
(さっきの握手で義手のことがバレてしまったのかと)
(頭をよぎったが、思いすごしだろうと判断しその場を去った。)
(その後、二人の正体が知られるのはまだ遠くない話である。)
【以上です・・相手してくれてありがとうございます。】
【駄文で申し訳ありません;これで失礼します ノシ】
【参加希望】
【名前】千堂暁(せんどうあきら)
【年齢】17歳
【性別】男
【身長】180cm
【3サイズ】無回答
【容貌】赤茶けたやや長めの髪に険しい目付き。筋肉質なガタイにだらしなく着崩した制服を纏う。
【能力】気の使用による身体能力、五感、代謝の強化。ある程度は非実体との攻防もこなす。
【希望】戦闘、雑談、エロ
【NG】スカ、グロ、同性愛
【弱点】至近距離での戦闘以外には対処する手段が少ない。
【備考】自己中心的。協調性にも乏しく以前から学園内では所謂不良生徒だった。
力を身につけてからは不良としての地位は更に揺るぎないものとなる。
その力で今まで以上に好き勝手に生きることと、その自由を貫くために更なる力を手に入れることが目下の目標。
【とりあえずプロフ投下だけで】
【折りを見て避難所にも行こう】
【さとと…動いてみないことには始まらねーしな】
【参加早々で図々しいたぁ思うが待機してみる】
図々しいと思うのに参加するの?
名無し妖魔でよければ相手するぞ。
>>485 【お、そうか?こっちは相手探しに来てる立場だからな。有り難い】
【こっちも戦闘から入った方がやりやすいしな。お願いするよ】
487 :
妖魔:2008/06/15(日) 21:32:35 ID:Z9TIfKwP
【よし、じゃあやるとしよう】
【で、使える妖魔はこんな感じだな】
【@悪霊鎧武者A斬り裂き魔B食人鬼】
【この中から好きなのを選んでくれ、それを使うから】
>>487 【感謝するよ】
【そうだな…その中ならBの食人鬼とやってみたいな】
489 :
妖魔:2008/06/15(日) 21:38:53 ID:Z9TIfKwP
【了解了解。Bだな。書き出しはどうするか。
【俺からやってみてもいいか?】
【それで合わないようなら、遠慮なく破棄と言ってくれよ】
>>489 【ああ、書き出しはそちらの好きなようにしてみてくれて構わないよ】
【破棄の辺りはお互い様だ。そっちも遠慮はいらないよ】
【じゃ、書き出しよろしく頼む】
491 :
食人鬼:2008/06/15(日) 21:49:18 ID:Z9TIfKwP
(繁華街。若者の溜まり場として賑わっているクラブハウス)
(しかし、今夜は別の意味で盛り上がっていた)
(ゴリゴリ・・・・・ぐちゅっ・・・ぐちゅっ・・・・・)
(骨を噛み砕く音。肉を咀嚼するし嚥下する音)
(鬼が――いた。巨大な身体を返り血に染め、禍禍しい角を生やし)
(強靭な肉体で獲物を狩り、凶暴で貪欲な牙で獲物を食らう)
ぐふっ・・・・まずい・・・・まずい・・・・・
(不味いと繰り返し、それでも食らう。胃袋に収めたのは、既に二十人)
(屠られて放置されたのは十人。それもいずれ胃袋に収まるだろう)
>>491 (夜の繁華街。ある種の人間には危険で、またある種の人間には心地良い世界…そしてその心地良さはだいたい別の種類の人間の危険や犠牲を糧に成り立っている)
……どうもシケてんな…誰とも連絡つきやがらねぇ。
クソが…!
(彼は…千堂は他人を犠牲にしてこの世界での快楽を貪る側の人間だった)
(そして今夜も繁華街を練り歩く。同じような仲間と連絡を取り、気の毒な犠牲者を効率よく探すために)
(しかし、連絡がつかない。まだ彼は気付いてなかった…その仲間達は人ならざる者の犠牲になり、苛立って仲間の溜まり場であったクラブへと向かう自分もまた獲物と見なされることを)
………なんだ、こりゃあ…?
(程無くして着いたクラブ。防音の重い扉を開けるとそこには溢れる音と光の洪水)
(…そして血、肉、内臓…それらの散乱する中にそびえる鬼の背中だった)
493 :
食人鬼:2008/06/15(日) 22:07:08 ID:Z9TIfKwP
(むせ返るほどの血臭が充満する室内)
(狂気の芸術家が作り上げたかのような、酸鼻なる世界)
(その中心に居座る鬼。天性の捕食者にして狩人だ)
(振り返り、新たなる「餌」を発見した。立ち上がる)
ぐふぅ・・・・まずそうだな・・・・
でもちっとも食い足りねえ・・・・踊り食いにしてやるよ・・・・
(千堂暁が自分の優位性と特権性を疑っていないように)
(この鬼もまた、自分の優位性と特権性を疑っていない)
(つまり、自分以外はすべて自分の餌であり玩具であるという事を)
(肥大した腹を擦り、巨腕と巨躯を動かして、重鈍な動きで獲物に迫る)
>>493 なにやってんだよ、マヌケが…。
(一瞥した先にあった手足も首もあらぬ方向に捩じれた人であった肉塊を見てポツリと呟く)
(千堂の仲間であった人間…友情ほどではないが情の欠片くらいは持っていた相手への彼なりのたむけの言葉だった)
食う、だ?上等だテメー…。
(そうしてる間にも迫る鬼の言葉に険しい瞳を一段と鋭くする)
(やや意味合いこそ違え、捕食する側である自分にはその言葉はこれ以上ない挑発)
やってみやがれ!このデカブツがぁ!!
(駆け出す速度は人間のそれをやや越えていて)
(鬼の巨大な腕を掻い潜ると腹部へと右の拳を打ち込む)
495 :
食人鬼:2008/06/15(日) 22:19:52 ID:Z9TIfKwP
ぐふうっ!?
(鈍い動きを掻い潜って放たれる、素早い動きからの打撃)
(それは食事を終えた腹には、響く攻撃だった)
(だがそれは、鬼の動きを止めるに留まった)
捕まえ――たっ・・・・・・!
(懐に跳び込んだ獲物を両腕を使って抱きしめようとする)
(もし捕まれば、人間など人形の様に潰されるだろう)
>>495 見掛けまんまに鈍い野郎だってか?
(あの速度に自分の拳の破壊力。それが人間の顔であれば熊かなにかに叩かれたように吹き飛ぶだろうがさすがに勝手が違う)
(大して動じぬ様に続けて攻撃をしようと構えたところを巨大な腕が被さる)
ぐ、おぉ…!
(両腕は確かに千堂を捕らえた。鬼自身もこの小さなややイキのいい獲物が食べやすい肉団子にでもなったのを想像したろう)
(しかしまだ潰れてはいない…鬼の腕を掴み歯をギリギリと食いしばりながら必死で抗っている)
(圧倒的な体格差。明らかに分が悪いが辛うじて即死は免れていた)
【ちょっと用事があるので凍結か破棄でいいですか】
【凍結可なら、避難所に解凍日を書いておきます】
>>497 【了解した。それじゃ凍結でお願いしよう】
【いいところですみません】
【では、また後日よろしくお願いしますノシ】
>>499 【いやいや、相手してくれて感謝する。楽しんでいるよ】
【それじゃ、また後日】
【落ち】
501 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 22:38:49 ID:isd2qSee
仲間に混ぜてよ
入りたければ勝手に入れば。
いいキャラ作ってわかりやすいプロフ書けばいいロール相手がくる
勝手な奴やダメキャラハンは、無視されるかケチョンケチョンにされるだけ
【名前】五百磐・舞・エスダート(イニワ・マイ・エスダート)
【年齢】16(高等部1年)
【性別】女
【身長】160cm
【3サイズ】83/58/84
【容貌】普段は野暮ったい黒縁の眼鏡をかけ、長い髪を三つ編みに結った地味な文学系少女。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿。本来の姿は外国人の母の血を色濃く受け継いだ
波打つ亜麻色の髪と紺碧の瞳を持つ年齢に似合わない妖艶さをもつ容姿。
【能力】魔女術。俗に黒魔術と呼ばれる類のもの。
箒に乗って飛行したり、下等な魔物を使役したり、四元素を操って敵を攻撃したり。
【希望】雑談・バトル・エロールは異性相手なら攻め受け両方、同性相手は受けのみ。
【NG】スカやグロ。死亡、妊娠など後に大きな影響を与えるもの。
【弱点】効果の大きい魔術を使うには、長い呪文詠唱などそれなりの下準備が必要で時間がかかる。
身体能力はごく普通の女子高生、魔術が使えなければてんで弱い。
性行為に関して、男が相手なら精気を吸い取り自分の力に変える事が可能だが
同性が相手だと同一属性(陰・月)の為それが出来ず、防戦一方。
【備考】北欧の魔女と日本人のサラリーマンの間に生まれたハーフ。
「舞」という名は隠し名である本名の当て字で、本当の字は魔女の習性として明かさない。
普段は魔術のかかった黒眼鏡で、瞳と髪の色彩と魔女の妖性を隠している。
大人しく温和な性格を装っているが本質は傲慢で皮肉屋でプライドが高く゛力゛を得るに貪欲。
学園一帯に感じる不可思議な「力場」を解明して、あわよくば自分の手中に納めようと
夜な夜な学園や街を飛び回っている。
ひさかたぶりに待機でもしてみましょうか。
【はい、初めまして。こんばんは。】
【ロールでもだろう。プロフは
>>2だね】
はじめまして。
お相手いただけるなら喜んで。
さて、あなたに希望やアイデアはあるのでしょうか?
希望としては秘宝争奪戦辺りかな。オカルトアイテム狙いのキミと
遺物狙いの僕が出会ってバトルとか。色仕掛けで弄絡してくれてもいいわけだけど。
色じかけが通用する相手とも思えませんが。
奪い合いになるか、あるいは互いに利用価値を見出して強力するか。
そのあたりはやってみないことには・・・ですね。
書き出しはどうします?
その辺は流れ次第ということで。
言いだしっぺだし、僕の方からやってみるよ。
だから少し時間を頂戴ね。
(半分の月が昇る夜空。星が瞬く。午前一時を半分回った頃)
(今夜も、この街の闇を徘徊する狡猾な盗掘屋・真賀樹 漸)
―――なるほど。こういう仕掛けか。
(複雑な手順を踏み、漸く頑丈な扉の鍵を開けることに成功する)
(その重い扉を慎重に押し開く。中には闇が蟠っている)
(某所にある某カルト教団の所有する建物のひとつに、彼は侵入していた)
(この教団が所有している不思議な宝玉の事を知り、奪取を決めたのは三日前)
(盗掘屋というよりは泥棒の行為だが、彼に背徳感も罪悪感もない)
(必要なことをしている――ただそれだけだった)
さて――守護者のひとりでもいると思ったけど・・・・・・
(慎重に糸を垂らし、周囲の闇の中の様子を探る)
(この部屋に、宝玉があることは事前の調べで分かっている)
(ちなみに守衛や警備員や警備システムは実力で排除した)
(殺してはいないが、彼らは生涯後遺症に悩まされるだろう)
【お待たせ】
(トレジャーハンターが建造物に浸入を果した後、また別の夜を歩く者がそこに立ち入っていた)
(昼間の虚像を脱ぎ捨て、真実の夜をゆく魔女が)
おかしい。
・・・静かすぎる。
(後暗いところがあり、他人の生死などに何の配慮も持たない集団のこと)
(おのが゛宝゛を守るためなら、敵たる侵入者を排除する手段など問いはしまいだろうと)
(罠や待ち伏せに備えて゛盾゛、魔力でもって屈服させた下等な妖魔を先に歩かせるが)
(猫の仔一匹、出てこない。静か過ぎる建物を見回しながら柳眉をひそめ)
(しかし目当ての場所まで辿りつけば、その疑問は払拭された)
・・・なるほど、先客でしたか。
(生きた盾とされた妖魔は、先客のただならぬ気配に怯んで立ち竦み)
(絶対服従を強いる女主人たる魔女に慈悲を乞うて卑屈な眼差しを向ける)
・・・誰が立ち止まってよいと言いました?
盟約において命じます。゛進め゛。
(魔力でもって支配された哀れな従者に逆らうことは許されず)
(妖魔は魔女の繊手が指し示した方向、先客のいる方向へと歩みよって行く)
(その安置室は不思議な空間だった。一片の光も差し込まない部屋)
(暗視スコープですら見通せない、ある種の異質さが感じられる闇)
(経験的に、これは遺跡の奥にある闇と同質だと彼は感じた)
(その方面の感覚に恵まれた人間なら、結界の類だと看破できただろう)
――オカルト的な何かだと、僕の手に負えるものじゃないね。
(少なくとも、彼にはその方面の知識も技術もない)
(周囲に張り巡らせた糸は何も捉えない。部屋の隅にすら、糸が届かない)
(この状況を打破する方法を経験の引出しから模索する)
――っと、守護者かな?
(だがその時、糸が何かを捉えた。それは魔女の遣わした妖魔)
(事情を知らない盗掘屋は、その糸でその妖魔を絡め取り、絞りあげる)
(哀れな遣い魔の悲鳴が闇に響く。キリキリと締め上げて、一気に四肢を切断した)
(魔の暴力でもって肉体、精神のみならず知覚もふくめ全てを支配した下僕の゛目゛を通して)
(魔女は先客の姿を捉えた。しかしその姿をじっくり観察する暇など、あればこそ)
(使い魔の断末魔が耳に届くよりも早く、魔女は下僕の末路を悟る)
(一切の視界のきかない闇も魔女の知覚を妨げはしない。この場に濃密に漂う)
(魔の力を介せば目で見、耳で聞き、肌で触れるよりも明確に事象を知ることが出来るのだから)
結末は予測済みでしたが、それにしても早すぎる。
わざわざ支配の手間をかけたのです、最後くらいは役に立ってみせなさい。゛゛爆けよ゛。
(魔女の゛命令゛に従い、四肢を?がれてのたうちまわる哀れな妖魔が゛爆ぜた゛)
(白光とともに血肉が飛び散り、四散する)
(壁に、床に、そして部屋中に張り巡らされた゛糸゛に)
(切断した感触と、断末魔。そして――)
―――――!?
(一瞬、世界が白く染まる。暗視スコープを装着していた彼は閃光弾を)
(浴びた時のように屈めて丸まる。それは人間の本能的な行為である)
(爆散した妖魔の血肉を浴びた、彼の糸と彼の身体)
(それでも、妖魔の来た方角に糸を伸ばす。その糸は遺物の技術を応用し)
(現代の科学で再現された魔性の糸。彼の手足の様に動き、時に蛇のように這い)
(そして見えない対象物を探索する、もうひとつの触覚でもある)
――そこにいるのは、誰だい?
(暗視スコープを外し、眼を閉じてその方向に問いを投げかける)
(その間にも、彼はそこにいるだろう誰かに向けて糸を伸ばす)
――――早いですね。
(白光が弾けてから時をおかず、先客の゛糸゛が向かって来る)
(一般に゛犯罪者゛は強い光と大きな音を恐れるものであり)
(無明の闇から閃光に目を灼かれれば、体は硬直するものである)
(それにも関わらずの、速攻の反撃)
(身体能力的には並の少女と変わらない魔女に、即座に対応することなどかなうはずなく)
(トレジャーハンターの放った糸はたやすく魔女の四肢に絡みついた)
(このままでは哀れな下僕と同じ運命を辿る―――)
゛さがりなさい゛。
(しかし魔女は眉ひとつ動かさずに゛命じた゛)
(魔女の゛命令゛に従い、妖魔の血を浴びた゛糸゛が魔女を解放する)
(゛魔゛の力もて゛支配゛されし下僕は、その血の一滴、肉の一切、骨の一欠までもが゛主゛のもの)
(トレジャーハンターが゛糸゛を部屋に巡らせ探索し、おのが゛領域゛を広げるのと同じに)
(魔女は支配した下僕の生命をもって、この場の支配権を獲得せんとなしたのだ)
人に・・・レディに名を尋ねるのなら、まずは自分が名乗るのが礼ある態度というものでしょう。
(全ての゛糸゛に妖魔の血肉が付着したわけではく、全ての拘束が解かれたわけではない)
(しかし魔女は唇を三日月に吊り上げ、まだ幾重かに糸をまとわりつかせたまま)
(悠然と歩を進めて先客の前に進み出た)
(黒い闇に隠され、姿を捉えられずとも足音と気配で位置と存在は察知されるかもしれないのに)
(糸は確かな感触を伝えてきた。その感覚からして対象は女性)
(身体の輪郭からして小柄。教団の関係者だと推察したので、このまま締め上げて)
(こちらに引き寄せ、当面の状況をどうにかして打破する算段だった。だが――)
―――!?
(彼は声もなく驚愕する。糸が自分の意思に反して、彼女を解放した)
(彼女の言葉「さがりなさい」の一言に従ったかの様に)
(この様なことは、今まで一度もなかった。故に混乱する)
(この教団の関係者なら、恐らくは魔術師。だが、この教団の教祖自体は宝玉の力に)
(頼った、独学で魔術を齧った半端者だという情報を得ていた。故にこの状況と情報が食い違う)
これは失礼・・・・・僕はゼノ・ギルバート。ゼノと呼んでもらいたい。
この教団の秘宝に用事があって此処へ足を運んだ。
(よく使う偽名のひとつを名乗る。彼の外国での通り名でもある)
それで、貴方のお名前をお聞かせ願いたい。声から察するに、とても魅惑的な女性だと
確信しているんだけど。是非、お近づきになりたいものだね。
(糸はまだ数本彼女の身体に絡んでいる。軽口を叩いて心を落ち着けつつ、その時を待つ)
(伸るか反るか、その瞬間を。近づいてくる。ゆっくりと、彼女が。闇の中を恐れる事もなく)
お上手ですこと。
(軽やかな笑い声と共に足音が近付く)
(一定のリズムを刻み、近付いた分だけ響く足音も大きくなって彼我の距離を伝える)
そう紳士的な態度で尋ねられれば答えないわけにはいきませんね。
なによりもあなたには、お礼を言わねばなりません。
ゼノさん、私の名は゛マイ゛とお呼びください。
(魔女であれば日常からして゛真名゛を名乗ることはない)
(ゆえに名を教える事にも゛偽名゛を伝えることにも抵抗なく伝えた)
(真実の名で一部であるとはいえ゛仮゛の名を)
(唇には笑みを浮かべ、泰然と足を進めトレジャーハンターの前まで進み出る)
(距離はすでに手を伸ばせば触れられる程に近くまで)
まずはお礼を言わせてください。
あなたが先に゛面倒なこと゛を片付けておいてくださったおかげで
私は労をわずらずに、ここまで参れました。
損失が、あのような小物一つ。―――全く重畳です。
けれど困りましたね。私がこんな場所まで足を運んだ目的もあなたと同じ。
このつまらない場所で、興味をひくものといえば゛これ゛くらいのものでしょう。
(゛困った゛と言いながらも、笑みは絶やさず)
(――どころか、その喉がくつり、と鳴った)
マイさんか。詩的で素敵な名前だね。
(一歩一歩縮まってゆく、彼我の距離。偽りの穏やかさと、その裏に秘めた緊迫感)
(一線を超えれば、それは瞬く間に敵意として変換され、身体を動かすだろう)
・・・・・・へぇ、お礼?僕が何をしたんだろう。
(糸から伝わる感触を確かめつつ、反対の手はいつでも拳銃を抜ける態勢)
(言葉は相手の探り、同時に相手の注意を余所に向ける為の手札のひとつ)
(会話も突き詰めるなら駆け引きであり、一種の戦闘行為である)
・・・・・なるほど。キミも宝玉を狙っていたのか。
(そして漸く感じ取れた相手の気配。手を伸ばせば触れられる距離)
(この距離からでも仕掛けられるが、まだその時ではない)
同業ではないな。魔術師の類か。なら納得もいくけどね・・・・・・
(未熟な魔術師に、一宗派を掲げられるだけの魔力を与える宝玉)
(その道に通じた人間なら、それを欲しても不思議ではない)
――で、どうするんだい?どうしてもというなら、譲るにもやぶさかじゃないよ。
どうにも僕の技術じゃ、この闇の中からお宝を探し出せそうもないし。
(何より、目的の宝玉が自分の望んだ力を持っているという確証はない)
(此処は、下手に矛を交えるより、次の機会を狙うのが定石だった)
あらあら。そんなに褒めてくださっても何もお返しできませんよ?
(穏やかに、他愛のない言葉を応酬しながら相手を探り意識を張り巡らせる)
(交す言葉は偽りに満ちていても、声音、呼吸、視線、手指の動き)
(体の全てで嘘をつける者は多くなく、それが可能な者であるならば)
(それはそれで相手の゛力量゛を図る金秤となる。交す言葉に意味はなくとも)
(言葉を交す意味はある)
さて、゛同業゛と言われるましても。
あなたの゛職分゛がいかようなものかは私には知りかねます。
けれど、そうですね・・・。あなたの予測の通り。
畏をもって゛魔゛に触れ、゛魔゛の意を測り、゛魔゛の威をしろしめす者の末席を汚す者です。
おや。気前の良いことですね。
ここまでたどり着くのに、決して小さくはない労力をはらったでしょうに
宝物を前にして「譲ってもいい」とは。
・・・では気前が良く、正直なあなたに私から一つ提案があるのですが。
ははは。
こうしてキミに知り合えただけでも、実に幸運だよ。
顔が見えないのが残念で仕方ないよ、本当に。
(偽りの言葉。交えるのは言葉の裏に隠した刃)
(身体は弛緩している。それはいつでも最善・最速・最短の動きを可能に)
(する為には必要な予備動作。必要以上の緊迫感は力のロスに繋がる)
(同様に、相手も無駄な力みも何もない。糸から伝わる振動がそれを示している)
(必要なら力を解き放つ覚悟がある事も、お互いに酷似している)
――やはり魔術師か。
どうにも、そういう人たちとは縁があるね。
ちなみに僕の職業は、トレジャー・ハンターだよ。
(素性を明かす。この発言はプラスにならないが、マイナスにもならない)
然したる苦労もしなかったけどね。この程度は朝飯前だよ。
(肩を竦めて、しれっと言ってのける)
(遺跡を踏破することを考えれば、この程度の建物の警備網を)
(潜り抜けるのは、知った庭を歩く程度の難易度でしかなかった)
へえ、提案ね。どんな提案か、凄く興味があるんだけど。
ふふふ。゛顔の見えない女゛こそが最も美しいものと言います。
今宵はあなたの想像の内で、美しい女とされたまま去りたいものですが・・・。
(偽りの笑いと戯れの言葉。その裏にあるのは打算と検分)
(この男はいつでも私を殺せる気構えがある、と悟る)
(過剰な力みも緊張もなく人を殺せる、まるで作業の様に)
(いったい、どれ程の修羅場をくぐってきたのやら)
けれども、そうもいかないようです。
明かりの元に晒された私が、あなたを失望させないことを願うばかりです。
(結論――。今この男を敵に回すのは得策ではない)
(少なくとも、ここにある゛宝゛にそこまでの価値は見出せない)
簡単な提案です。
私も正直に白状しますと、魔力による障壁の向こう側にある
゛防御゛を崩すのは難しいようなのですよ。
(宝玉を守る防壁は魔女の領域たる゛魔゛のものと、領域外である゛科学゛のもの)
(二段構えの構造になっていたのだ)
(魔力障壁の奥に探査の意識を伸ばして知った事実を告げて)
協力しませんか?
私が魔力障壁を解除しますので、その次の防御はあなたがなんとかしてください。
成果は山わけといきたい所ですが、宝物は一つしかありません。
そこで、この宝玉の半分ほどの価値のあるものを何かしら私が提供しましょう。
もちろん、逆でも構いません。――――いかがです?
(この問いこそが魔女のしかけた最大の姦計)
(さて、相手はどう答えるか・・・。魔女の碧眼が闇の中で細められる)
なるほど。それも真理だね。
(もっともらしく頷く演技。平常心を心がける)
(不安も気負いも緊張も、何もかも押し殺す)
(完全に消すことはできなくても、それを目指すことはできる)
大丈夫。キミの声を聞けば、少なくとも失望せずに済むという確信は持てる。
キミはとても僕好みの声をしているからね。
何よりも、僕たちとても気が合うって予感がするんだ。
(まるで口説いている様な、そんな台詞。状況を考えなければ、だが)
(そして彼は、常に自分の状況を忘れてはいない)
へえ・・・・・それが本当なら、キミの魔術には期待していいかもしれないね。
少なくとも、それを判別できる程度に実力は有してしいるという事だから。
(思案して、状況を踏まえ、そして決断する。ここは賭ける場面だった)
いいよ、それに乗ろう。偶には共同作業というのも悪くない。
そうだね・・・・・・僕としては、キミと楽しい一夜を過ごせればそれでいい。
僕たちは男と女。夜の共同作業なら、そっちの方が数等マシというものだよ。
(彼は魔女の姦計に薄々感づきつつも、それに乗る決心をした)
(いざとなれば、奪取した宝玉を掠め取ることも、頭の片隅に浮かべて)
【悪い、リミットだよ。明日も早いもので】
【次はいつ頃来れるかな?僕は平日の20時過ぎは大抵空いているけど】
【では明日、というか今日の20時でいかがでしょう?】
【もしくは金曜日の21時からでも】
【それにしても本日は、ひさかたぶりだったせいかお待たせしすぎてしまって申し訳ありませんでした】
【了解。では今日(火曜日)の20時頃からでよろしく】
【僕も速度速いってわけじゃないから、気にしないで】
【むしろ文章のクオリティが低くて迷惑かけてる気がして申し訳ないよ】
【では、今夜はこれで。ありがとう。またよろしくね】
【わかりました。それでは今夜20時に】
【これでクオリティが低いと言われてしまったら私はどうしたらよいものやら・・・】
【こちらこそお相手いただいて感謝します。それでは私もこれで落ちます】
【一時間ほど待機するぜ】
【プロフは
>>11を参考に】
【こんばんは。まだいらっしゃいますか?】
【ああ、いるぜ】
【こんばんは、ロール希望かい?】
【よろしかったらお相手お願いします】
【プロフは
>>4です】
【了解だぜ。】
【臨海合宿のネタ、ここで使ってみるか?】
【他のネタでもいいけどな、共闘でもなんでも】
【一足早い夏休みですね】
【臨海学校で出会うということでお願いできますか】
【なりゆきでバトルでもエロールでも、そのあたりはおまかせします】
【よろしければ書き出しをお願いしたいです】
【んじゃ、書きだしてみるぜ】
【少し時間をくれ】
【よろしくお願いします】
(毎年恒例の臨海合宿――三年連続で参加を希望した俺)
(夏休みに突入するニ週間前に、申請は締め切られた)
(今年も大勢の参加希望者が貸切バスに揺られ、あの海へと)
ひゅー、今年も来たぜぇ。
(部屋に荷物を置き、自由時間の昼間が来て、海に出る。日差しが眩しい)
(班割りが決定したのは夏休みの一週間前。団結式が行われたのが修了式の後)
(彼――空法師・裏宮空吾は六人の班で唯一の三年生である)
(受験が控えているので、三年生の参加者は全体の割合からすると少ないのだ)
みんな楽しんでるな。
(自分は海の家で貸し出しているデッキチェアを引っ張り出し、パラソルの下で寛ぐ)
(水着の少女たちをサングラス越しにぼんやり眺めつつ、平和を満喫する)
【同じ班ってことでいいか?】
(去年は参加させてもらえなかった臨海合宿に、今年は半ば強引に参加した)
(両親はいい顔をしなかったが、ようやく遅すぎる反抗期である)
(陸上部のコーチもいい顔をしなかった)
(だが、家とフィールドしか知らない生活から、足を踏み出さなくては、と思った)
(バスの中で携帯が鳴った)
(別のバスに乗っている同級生からである)
うん、六班になった。班長は裏宮空吾っていう先輩で……知ってる?
…そうそう、そのレゲエ?っぽい人。
え?話してみたらそんなに怖い人じゃないみたいだけど。
(ただでさえ大柄な上に、グラサンでドレッドヘアの最上級生は目立つ)
(よく知らない下級生の中には、なんとなく彼を恐れているものも多い)
(部屋に荷物を置いて早速海へ出る)
(パラソルの下にいる班長に声をかけた)
あの、先輩は泳がないんですか?
【同じ班にさせていただきました】
【よろしくお願いします】
くあぁぁ・・・・・
(暢気な欠伸。鍛練を経た肉体にオイルを適当に塗りつける)
(平和な時間。退屈な日常の挟間にある特別な日常)
(それもまた平凡な時間の中に埋もれる。だがそれでもいい)
んぁー?別に泳ぐのは明日でもいいだろ?
折角二泊三日なんだ。受験前の最後の息抜き、させてくれよ?
(サングラスをクイっと直し、近寄って来た少女――伊織津綺子だったか?)
(なかなかに端正な顔立ちで、スタイルもよさそうだ)
(――だからと言って即座に彼女に対して、邪心を抱くわけではないが)
キミらは安心して泳いできなよ。
ちゃんと留守番してっからさ。
(もう一度暢気な欠伸。全身隙だらけである)
(外見と相反するような、大型の草食獣のような牧歌的な雰囲気すらある)
先輩が泳がれるんでしたら、私が荷物を見ていようかと思ったんです。
受験でお疲れなんですか…?
(たくましく躍動的な表情は、どうみても疲れているようには見えない)
もちろん明日も泳ぐ時間はずいぶんあるそうですけど、
岬の方へ行くエクスカーションもありましたよね?
(班での団体レクリエーションが確かそんなことだったと)
準備もしておかないといけないかな、と思って……
あの、先輩、オイルお背中に塗るお手伝いしましょうか?
んー?まあな。
キミも苦労するぞ、来年の今頃にはな。
(苦労してるのは妖魔退治も行っているからであり)
(勉強自体はそこまでやっていないのだが、それは言う必要もない)
生真面目だねぇ・・・・・伊織さん、だったか?
別に気にせず、友達と遊んでてもいいんだけどな。
(別段、自分は責任感が強いわけではないと思う)
(ただ、年功序列とは言え班長になったのなら、最低限度果たすべき)
(役割を果たすのは当然と考えたまでだ)
お、いいの?ラッキー。
女の子のオイルマッサージなんて、初めてだぜ。
はは、コイツは役徳だな、班長になってよかったぜ。
(割合現金な反応を返して、オイルを手渡してうつ伏せになる)
(鍛えられた後背筋がうねっている。全ては空法師に必要な鍛錬の成果だ)
たっぷりと濡ってくれよ。
マッサージもしたほうがいいですか?
陸上部ですから、スポーツマッサージは多少心得があります。
(上級生からオイルマッサージ、と言われれば、全く素直にそうするべきだと思いこむ体育会系)
(丁寧にオイルを両手に伸ばしながら)
夏休みは受験生にとって天王山、て言われますけど、
二泊三日、海に行ったからって進学できなくなるものでもないでしょうし……
心身ともにリフレッシュするのはいいことかも知れないですよね。
(空吾の広い背中に丹念にオイルを塗りこめ、筋肉の流れに沿って軽く圧力を加えながら伸ばしていく)
(自分の将来はどうなっているのだろう、と漠然と思いながら)
先輩、部活はなさってないんですか?
何かスポーツはなさってるんでしょう?
(周りの男子高校生と比べても、各段に体の出来がちがう)
(よほど厳しい鍛練をしているのだとは、見当がついた)
・・・・・・冗談――だぜ?
普通に塗ってくれればそれでいいってよ。
(素直にマッサージした方がいいかと問う後輩に、冷や汗タラリ)
(コロリと騙されるタイプなのかも知れない)
普段から地道に準備してれば、そこまで苦労しないんだろうけどな。
おっ、いい感じだな。ひんやりしてて気持ちいい・・・・・・
なかなか、ツボを心得てんな。
(その適度な力加減に呻く。その細い指が這う感触が心地よい)
部活――?してないぜ。
ランニングとか筋トレはしてるんだけどな。
なんつーか、趣味?ストレス解消にもなるしダイエットにもなる。
(鷹揚な態度で嘘をつく。本当のことなど言う必要はない)
ところで、キミは何の部活してるんだい?
(巧妙に話の矛先を逸らす為、質問をする。何も問われたくないなら)
(こちらから質問して相手に何も言わせない、という手法は有効なのだ)
(はじめはゆっくりとやわらかく撫でていた手に、次第に力を入れて押したりしながら)
家の者がいろいろと武道を嗜んでおりますから、
家でもマッサージをさせられることが多いんです。
亡くなりました兄にも、よく……
(亡兄のことに触れ、そこで言葉を切った)
(なぜこんなにするすると心のうちを話しそうになってしまったのか)
趣味のダイエット……ですか。
(そんな半端な鍛え方ではないのは容易に知れる)
(だが、それ以上立ち入ったことを聞くわけにもいかず)
私は陸上部なんです。ハイジャンプの中学記録を持ってます。
まだ破られてないんですよ。
(やはりまた津綺子にしては珍しく、自慢がましいことを言ってしまった)
(裏宮空吾の話術というか、全身からかもし出される雰囲気には、何かしら警戒心を解いてしまうものがある)
(背筋にそって、指先を食いこませながら)
この頃、学校の、周りでも、いろいろと、いやな事件が、多い、です、し。
物騒、ですよ、ね
(空吾の筋肉は厚く、本気で力を入れないと、しっかりツボに入らない)
(リラックスしに来ている高校生の背中を、そこまで本気でほぐす必要もないわけだが)
(やる以上は真剣である)
くぉ・・・・・な、なるほどね・・・・
通りで、いい指使い・・・・・おぉっ・・・・・
(力加減が増して、呻き声を噛み殺すのに苦労する)
(「兄」という単語。こちらからは何も詮索しない)
陸上部、かぁ。ハイジャンプってあれか?
こう、ダッシュして跳ぶわけか?にしても、中学記録?スゲエなおい。
(素直に感心を示す。まるで子供様な無邪気さであった)
じゃあ、陸上部のホープってわけかい?悪いな、こんなことさせちまってよ。
(夏の陽気に似つかわしい、無骨な笑みを浮かべる)
あ、そこがいい・・・・・むぅ、侮れなんな、お主。
(力が増す。呻く。ツボに指が入ったらしい)
だなぁ・・・・・・あそこは俺の地元なんだけどよ、ここ最近は酷いな。
キミも、放課後は早く帰るようにしろよ。
(地元で起きる怪異な事件。その根を断つ方法はまだ見つかっていない)
ありがとよ、もういいぜ。なーんかスッキリした。
お礼に俺もキミに塗ってやろうか?
(ズレたサングラスを直しつつ、冗談じみた台詞。多少テレ隠しも含まれている)
走り幅跳び、です、ね……
(空吾が関心を示してくれたので、少し嬉しい)
でも、高校記録は、なかなか……
まずは、インター、ハイに、出場、するの、が、目標、で……
あ、もうよろしいですか。
(空吾の背中を軽くマッサージするだけでも、気がついたら汗だくになっていた)
先輩のお宅は学校の近くなんですか?
あの町は、昔からあんな事がよくあるんでしょうか。
(そんなはずはない)
(だが、地元だというなら、自分の知らないことを何か知っているかと思い)
(少しでも話を聞きたいと)
(塗ってやろうか、と言われていきなりその場に正坐)
いえ、先輩にオイルを塗っていただくなんてとんでもない!
下級生ですから自分でします!
(動揺のあまり、指先にかるく放電して火花が散る)
あつっ……
はあ、いえ、何でもありません!
(実は空吾の背中を押している間も、おそらく無意識に低周波を発していたらしい)
インターハイは・・・・・・夏か?
野球は甲子園目指すけど、陸上部は何処を目指すんだ?
んー?興味あるの、そういうの?そうだな・・・・・
昔から神隠しだの、幽霊を見ただの、そんな話はあるけどな。
まあ、強盗殺人だの怪人だの怪物だのに比べれば可愛いもんだよ。
(あの土地は、そういう因縁話には事欠かない。そしてそれを陰で葬って)
(来た退魔師にも。だが近年、その怪異が表沙汰になるほどになってきた)
そりゃそうだわな。
(無論冗談で有り、冗談でしかないので了承されても困る)
(何かバチッという音がしたが――気にしない事にした)
うーん、気分爽快。ありがとよ。
ジュースでも買ってくるから、何がいい?
(正座している後輩に笑い掛けて、自分のバッグから財布を取り出す)
たいてい東京ですけれど、最近はいいグラウンドがあちこちにできましたから
全国大会もいろいろなところでやるようになってきました。
(ときっちり正坐したまま丁寧に答える)
興味があるというか……兄もこの学校に通っていましたし……
(ちょっとズレた返事をしたが、少し考え直して)
ええ、興味あります。そういうの、大好きなんです!
(思いきってオカルト好き少女になりきってみる)
(全然キャラが違うので、傍からみると不自然極まりない)
ジュース、ですか?
(先日もジュースをおごられたな、と頭の片隅でちらりと考えながら)
緑茶の、なるべく苦いのをお願いします。
(遠慮して断るのを忘れている)
へぇ、そうなんだ。今度、場所調べて見学でもしてみっかな。
キミも夏の大会には出るんだろ。応援しに行ってもいいか?
――なるほどね。趣味が多いのはいい事だ。
郷土資料館に、そういう本が何冊か置いてあるぜ。
(その不自然な反応に、何か齟齬感)
(何か、危うい領域に話が転ばないだろうか、と)
(漠然とした予感がした。この手の予感は当たるのが相場だった)
了解。渋い趣味してんね、キミ。
(砂浜をビーチサンダルで踏みしめながら、海の家へと赴く)
(さて、このまま変な話にならないだろうなと、考えながら)
(もし、その領域の話に踏み込んだのなら、どう対応するべきか)
(思い切って、彼女の素性を詮索するべきだろうか?思案する)
(この平和な時間を壊したくはなかったが――――)
ほい、お待たせ。
(暫くして、緑茶のペットボトルを都合二本購入して、一本を手渡す)
それにしても、みんな元気だよな。特に一年生とか。
初日から飛ばしてバテるのは、大抵慣れてない一年生なんだよな。
(自分もグビリと緑茶を一口。苦くて美味い)
(飲み物を買いに行く空吾の背中を見送りながら)
私、放電できるようになったのは、もしかして家でしょっちゅうマッサージさせられたから?
(独り言を言いながら思わず手を見る)
(そんなことがもちろんあるはずもなく)
(空吾が戻ってきた)
(立ちあがってびしっと気をつけの姿勢で)
ありがとうございます。
かえってお気づかいいただいて申し訳ありませんでした。
(一礼して緑茶を受け取る)
直射日光に当たるだけでも、かなり体力を消耗しているんですよね。
普段体を使ってないと、そういうことも感じないんでしょうけど。
(空吾と並んでまた腰を下ろし、一緒に下級生をながめながら)
ちゃんとスポーツドリンクとかをきちんと取って、休憩しながら泳がないと
海には波も潮の流れもあるから……
(くどくどと、教師のような口調になっていることに気づいて)
す、すみません、つい気になってしまって。
ずっとこんな風に、何もない毎日が続くといいのですけれど……。
学校に戻ったらまた、誰かが犠牲になるんでしょうか……。
(オカルト娘を装ったのに、怪異現象を憂いているようなことを言って)
なぜ、あんな事件が続くのか、先輩は考えたことありませんか?
体育会系だな、おい。
もう少し気楽にやれないもんかね。
俺の前では、もっとフレンドリーな態度でいいぜ。
(言いつつも、そういうキャラなんだろうと納得しておく事にした)
ふむふむ、参考になるな。
体育教師か、保健体育の先生にでもなるか?
(苦笑。何というのか、生真面目で体育会系で、利発な少女だ)
・・・・そうだな・・・・・何もないのが一番いいよな。
(そんな毎日が何物にも代えがたい。命の遣りとりをしているからこそ)
(そんな凡庸な毎日こそが尊いのだと、彼は実感として知っている)
さあ、な・・・・・・考えた事はあるけどよ。
――伊織さんは、それに首を突っ込むつもりなのか?
なら、止めておいた方がいい。興味本位ってのが、一番危ない。
(サングラス越しの双眸が、隣の少女を射抜く。彼女が何者であれ)
(危険に近づくのなら、止めるのは人として当然の義務だ)
【凍結か〆でいいかい?そろそろリミットなんで】
すみません、性分なもので……。
(気楽に、といわれて、余計にかしこまる)
(サングラスの奥から、こちらを射抜くような視線が返ってくる)
……あなたは……
(この男は、おそらくその原因に近い事実を知っている)
(そう直感した)
興味本位ではなく……兄が亡くなっているんです。
事故だと聞かされましたが、私は兄が……
(そこでさすがに言葉を切った。本当のことを言えば頭がおかしいと思われるよ、と)
(真賀樹漸の警告が脳裏をよぎる)
兄が、妖魔に殺されたことを知ってます。
(そう告白して、サングラスの奥の空吾の目を見つめ返した)
【では次のレスをいただいたら、その次で締めさせてください】
ふん、そうか・・・・・・
(一瞬、退魔師としての側面を覗かせる。
(彼女の言葉。兄の死。妖魔という単語)
(――どうして、よくない予感だけは当たるのか。人生は儘ならない)
仇討ち、報復、復讐・・・・・・
馬鹿らしい、と笑い飛ばすのは簡単だが、な。
(やれやれと肩を竦める。だが口は笑ってはいない)
あの街には、そもそもそういうもんが封印されていた。
魑魅魍魎の類がな。だがそれはあの街に限ったことじゃない。程度の問題だ。
最近、その封印が解かれつつあるらしい。原因は何個かあるらしいがな。
ま、俺に出来るのは当面、害を成す連中を黙らせることだけだ。
こんなことしかできないけどな、それでも俺の育った街だ。
(一瞬、彼女のペットボトルが消える。それは彼の手の中に出現した)
何より、俺は平和な世界ってのが大好きだから。
(また消える。次の瞬間、ボトルは彼女の胸の谷間に出現した)
もし、何かあったら俺のとろこに来いよ。
手伝えることなら手伝う。だから、無理はすんな。
(パチリと指を鳴らす。またペットボトルが消え、次の瞬間には彼女の頭の上に乗っていた)
悪い、俺は先に戻ってるぜ。
(会話を一方的に打ち切り、踵を返して浜辺を後にした)
【駆け足だが、これで〆だ。今日はありがとな】
封印……「されていた」?
(空吾の語ることは、半ば予想したことであり、半ばは想像を絶する事実であった)
魑魅魍魎が本当に存在して、しかもそれを封印する力を持った人がいる、と……
先輩もその一人なんですか?
(だが問いには答えがなく、突然手の中のペットボトルが消える)
あっ……
(それが空吾の手にあったのは、単に手品か何か、仕掛けのあることに見えたのだが)
冷たっ……!!
(さらに突然、自分の胸の間に挟まっていたときには、もう認めないわけにいかなかった)
先輩は……異能者なんですか……
(あわてて胸を抑えると、もうペットボトルはなく、それが頭の上に乗っている)
先輩、もう、困らせないでください!
(そのまま空吾は浜辺を去る)
(後姿を見送りながら、おそらく彼の大きな背中に負っているものは、もっと大きく重いのだろうと思い)
(少し申し訳ない気持ちになった)
【それではこちらもここで締めにいたします】
【今日はお相手ありがとうございました】
【少し早いですが続きを投下して解凍待機します】
>>521 ふふっ・・・。
(問いかけの形として投げた幾重の意図を絡ませた姦計に)
(トレジャーハンターが出した答えを聞くと魔女は先程までとは種類の違う笑いを漏らす)
あはははっ。
(それは刃を隠した駆け引きの見せ掛けな゛笑い゛ではなく、本心から湧き出るもの)
さてさて。゛私゛を高く見てくださっていると思っていいのでしょうか?
共に楽しむ一夜を過ごすなら、それは゛報酬゛とはなりえませんのに。
(宝玉を明け渡すかわりに魔女の差し出す品を受け取るなら、それは相手に゛魔術゛の)
(少なくない知識、目利き、何よりも感知する力がなければならない)
(よって、こちらを選ぶなら「魔術に対する技術がない」と言った言葉が嘘であると確かめられる)
(逆を選ぶのなら、これだけの魔力を秘めた宝玉、半分の価値とはいえ)
(生半可な品は差し出せないから、取引の品は゛それなり゛の物になるはずで)
(そんな品も、それを入手する手段も限られている。゛品゛によっては)
(この油断のならない相手の前歴や素性を手繰り寄せる゛糸゛にもなったかもしれない)
(狙いに気付いたのか、あるいは元来の慎重さからか魔女の狙いであった゛物品取引゛は)
(あっさりとかわされてしまった。――――面白い。本当に面白い、と思う)
では、協力して障害を打破しようという私達は、もう゛お友達゛ですね。
(だが魔女の姦計を見透す、その怜悧さが逆に思考を縛る゛糸゛にもなりえる)
(思考戦へと意識が向かえば、゛邪魔者の排除゛という短絡的な選択が遠くなる)
(問いに隠した狙いの最大の目的は達せられた。ならばそれで良しとしようと考え)
この邪魔な結界を解く前に・・・。
そろそろ、この縛めを外していただけませんか? 動き難いんですよ。
(諸々の目論みを隠して笑いを滲ませた声とともに、未だに゛糸゛の絡まる腕を動かした)
お友達ね。実によい言葉だ。
いつまで続くかわからないが、そういう関係もいい。
(人間関係に絶対はない。裏切り出し抜き利を得ようとするこの関係も)
(またタイトロープを渡る様な危うい物だと彼は承知している。だが、全てを)
(承知した上でなお、賭けなければならない状況もある。少なくともこの魔術的結界)
(を解く技術がこちらにない以上、相手の申し出を蹴るという選択肢はない)
おっと、すまないね。直ぐに解くよ。
(見えない糸を巻き戻す。ついでに、自分の意志に反した糸を切断しておく)
(もし万が一の時に備える必要は、いつでもある。不確定要素など幾らでもあるが)
(それを限りなく排除する努力は怠ってはならないし、彼はできない)
じゃあ、そちらのお手並みを拝見といこうか。
(視力は無論のこと、感覚器官にすら影響を及ばす闇)
(それは教祖が仕掛けた結界を、宝玉自体が増幅している結界である)
(宝玉はかなり強力なアイテムであり、教祖本人にすら扱いが困難である為)
(必要な時以外はこの部屋に安置しているという事情があった)
【お待たせ、今夜もよろしく】
終わりがあるからこそ、あらゆる物事は愛おしい・・・。
有終の美を飾ればこそ、意味も意義も生まれようというものでしょう。
永遠に枯れない花など、醜悪なだけです。
・・・とはいえ、私とあなたの゛友情゛は可能な限り長く続くと思っておりますよ。
あなたは中々に面白いお方ですからね。
(元より信頼も情動も存在しない空虚な絵空事の言葉でしかない)
(しかし言葉の内に、ほんの僅かに真実が宿る。この男を面白い、と思うのも)
(少なくとも゛今は゛敵対したくないと思うのも、本当の事ではある)
(善意などは欠片もなく、皮肉と打算に裏打ちされるものでしかなくとも)
ええ。それではまずは・・・私が゛役割゛を果たすといたしましょう。
(四肢を束縛する糸から解放された魔女は、悠然と歩を進め)
(トレジャーハンターの横を通り過ぎる)
(その足元で魔女の゛武器゛である妖魔の血肉が踏み躙られて湿った音を立てる)
(いつでも相手を゛殺す゛対処がなされている、それは魔女も同様であった)
ああ・・・。本当に素晴らしい゛力゛・・・。
あのような小物には分不相応というものです。
これだけの゛力゛を、こんな稚拙にしか扱えないとは冒涜に等しい・・・。
(闇の結界、その中心部に程近い゛力゛の凝った部位に手を触れ)
(その刹那だけは、背後で油断なく目を光らせるトレジャーハンターの存在すらも)
(脳裏から押しやって恍惚と呟く)
フ・ヨット・ヘー・ヴァハ・ヘー・・・。
光の下に忍ぶもの、深淵より手を伸ばす在意よ・・・。
(魔女の詠唱が進むに従って、超常の闇が薄れていく)
(時間にしておよそ3分程か。この場にわだかまる゛闇゛は、ただ無明であるがゆえの)
(゛自然現象゛にしかすぎないものに変わって行った)
(何よりも宝玉の納められてた台座の周囲に明滅する機器のグリーンランプの小さな明かりが)
(それを示していた)
【こちらこそよろしく】
(相手の挙動を見守りつつ、事態の変化に備える)
(とは言え、この状況では彼にできるのはその程度だ)
(この゛闇゛が、彼の研ぎ澄まされた感覚器官や直感を鈍らせてるからだ)
(いつでも殺す準備と覚悟を秘めつつ、それでも゛闇゛の中で行われるそれに)
(対する注意も怠らない。片手で握手して反対の手で刃を隠し持っている状態だ)
――――――ほぅ・・・・・・
(独特の韻律を持った呪文が唱えられる)
(その度に、゛闇゛が薄れてゆく。その度に、感覚が明瞭になってゆく)
(彼が小さく感嘆の声を上げたのはその為だ。時間にして三分は経過した頃――)
これで、終わりかな?
(結界が解かれたと感じたのは、゛闇゛が普通の闇に変わってからだ)
(露になった宝玉が鎮座する台座。その周囲に備え付けられた電子機器)
お疲れ様。じゃあ、次は僕の番だね。
少し――静かにしててほしいな・・・・・・これって結構神経すり減るんだよね・・・・・
(魔女の輪郭を彼の視覚が捉える。だが今は何も言わず自分の役割に専念する)
(糸が機械を這い、精密検査を行う。防衛機構が働かないように、細心の注意を払い糸を繰る)
(人間離れした集中力を発揮し、額に汗を一筋垂らし、巧妙に機能を把握し解除に努める)
――――ふぅ、これでいい。もう無力化したよ。
(彼がそう宣言したのは、三分後の事だった。袖で汗を拭う。現代技術で再現された古代の糸は)
(現代の防衛装置を見事に無力化した。機械に破損した様子はなく、変化はランプが消えている事のみ)
(宝玉の放つ゛力゛を中心に、細い糸を寄り合わせるように作り上げられたいた闇の結界は)
(術者の腕の未熟さを表して、歪に繋ぎ合わされた目の粗い織物さながらに)
(そこかしこに抜け目があった。その隙間から術式を解除していけば)
(結界の術具として使われた宝玉に傷をつけられい分、時間がかかるが゛作業゛は単調だった)
私の領域はこれで終わりです。
次はお任せしますね。
(「静かに」と言われれば、頷きひとつだけを返し)
(身を覆い隠していた魔術の闇が晴れ、目が慣れれば、あるいは科学的な機器をもってすれば)
(姿が浮かびあがる通常の暗闇の中、波打つ亜麻色の髪をゆらし)
(黒いローブに包まれた小柄ながら肉感的な体を滑るように後ろに下げて)
(トレジャーハンターの作業を見守る。かかった時間は同程度か機械の防壁も解除されたようで)
――――お疲れ様です。
(相手がかけたのと同じ言葉を、同じ温度で返し)
さて・・・。先程の゛分け前゛の件はいかがいたします?
あなたと゛楽しい時間゛を過ごすのは、やぶさかではありませんが・・・
初対面の男女が親睦を深めるには、ここはいささかムードに欠けます。
――これが宝玉か。
なかなかいいアイテムだとは、思うけど・・・・
・・・・・・僕にはやっぱり、使いこなせないみたいだね。
(自然な動きで宝玉を手にとって、怜悧な眼で検分する)
(その力は門外漢である彼にも感じ取れるほどのものだったが)
(予想通りというべきか、これを使いこなすことはできないと判断した)
それもそうだね。
(何気ない動作で宝玉を投げ渡す)
ま、楽しい時間を過ごすのはまた会った時にする事にして・・・・・
報酬の代わりと言っては何だけど、キミに訪ねたいことがあるんだ。
(魔術師、祈祷師、呪術師・・・・・・)
(ツテとコネを駆使して対面し、相棒の解呪を乞うた)
(或いは、呪いを解く方法を尋ねた。だが、答えは芳しくなかった)
キミは、呪いについて詳しいだろうか?
もし、強力な呪いを解く方法を知っているなら、それを教えて欲しい。
(彼女はどうだろう?絶望と失望に耐える覚悟を決めて、僅かな希望に縋る)
(その声は怜悧で、だが、僅かながら震えていた。何かを失ったかのように)
ご自身に使いこなせなくても、持っていく場所に持っていけば
誰にとっても便利に使える゛道具゛に変えてくれるでしょう。・・・それでも?
(魔術の闇は消失したが、魔女の目となり耳となる)
(この場に存在する゛魔゛の力は薄れることはない。その中心である宝玉が健在である限り)
(宝玉の゛力゛を介して魔女はトレジャーハンターの様子を伺う)
もちろん、こんな品を扱い場所など限られているし、それを知る者も限られていますが・・・。
そういえば、このところ宝を目当てにか、この地に眠る御所を荒して回り、
この地に眠る゛力゛をかき乱す輩がいるらしいのですが、
そのような者にならばともかく゛善良゛な一般市民には、知るよしもないでしょうしね。
(暗闇の中で目を光らせ、かまをかけてみた)
さて・・・。
呪い、と一言に言っても様々な種別があるのですよ。
詳しく聞いてみない事には・・・、物によっては実際に目で見て確かめない事には何とも言えません。
ああ・・・ですが・・・
どのような呪いにも対応する、最も簡単で最も確実な手段ならありますが。
(痛みをこらえるように震える声。表面上は冷ややかながらも、これまでになく感情的な様子)
(いっそ゛人間らしい゛とすらいえるその様に、奸計と隙の両方を視野にいれ答えを返す)
キミに恩を売っておいた方が得だからね。
何より、こういうのは専門家に任せた方がいい。
(この辺の切り替えの素早さは、商売柄必要な感性である)
へぇ、物騒だね。困った人もいるもんだよ。
そんな事したら、この街が大変なことになるだろうね。
(十中八九、それは自分のことだろうと察しているが、しれっと恍けてみせる)
(確かに、悪いことだと自覚しているが―――それでも諦められないことは、ある)
・・・・・・へぇ、本当かな?
(心臓が跳ねる。相手の手に乗ってはならない。跳びかかればこれが自分の弱みだと)
(看破される恐れがある。この魔女相手に、注意してし過ぎるということはない)
(言葉の刃を交わらせていれば、その程度のことは容易に察する事が出来る)
古代遺跡の呪いなんだけどね、それは。・・・・・・ああ、秘宝を手にした時にね、
トラップは解除したと思い込んで、油断してたんだ。
(それでも、どんな些細なきっかけでも、掴まずにはいられない)
(それが魔女の姦計なのだろうと、頭の冷静な部分が理解していても)
あらあら。恩を売られてしまいましたか。
いずれ高くつかないとよいのですが。
(投げ渡された貴重な宝玉を手でもてあそびつつ、他愛無い言葉をかわしながら)
(裏では少しでも相手の言葉や表情、動作の裏側に隠された真意を測ろうと観察する)
ええ。本当に困ったものです。
御所を守護すべく配された守護者は術令の枷から解き放たれて街を闊歩しております。
在るべき場所から在るべき゛力゛溢れた物が失われれば、それは地の気の乱れとなって
目に見えない均衡を崩して、ありうべからざる事態を生み起こします。
間接的な巻き添えで命を落とした人も一人や二人ではないでしょう。
・・・本当に困ったものです。
(困った、と言いながら、その紅唇が楽しげな三日月を描いているのは最初の邂逅と同じであった)
古代遺跡の呪いですか・・・。それは厄介ですね。
古(いにしえ)のものは術式の継承そのものが途絶えてしまっているケースが多いのです。
術式が解明できないとなれば、解除も難しくなります。
まあ、そのような呪いの場合に唯一、と言っていい対処法も無いではありません。
憑代(よりしろ)・・・。分かりやすくいえば゛身代わり゛です。
誰かに、その呪いを肩代わりさせるのですよ。
・・・呪いの力と解呪を行う術者の力の差によって必要な憑代も変わっていきますが。
簡単なものなら人形、最高は゛人゛。
肩代わりする対象に近ければ近い程、それは高度な憑代となります。
男なら男、女なら女、年の頃に生まれた日、場所・・・。
・・・あるいは・・・。
(悠然と、非人道的な事柄を語っていたが、続きを口にしかけて顔が歪み、声が揺れる)
(まるで何か゛痛み゛をこらえるかのように)
ふぅん・・・・・・そうなんだ。
傍迷惑だね。何を考えてそんなことしてるんだか。
(単に自分のエゴを優先しているだけだが、それは言わない)
(それにしても――自分のやった行為の代償について、もう少し正確に把握して)
(おく必要がある。何気ない風を装いつつ、その方面の資料を漁っておくことにした)
(あらゆる感情を噛み殺し、泰然たる態度を取り続ける)
確かに、古代遺跡だからね。
そういうものが残されているケースは、非常に稀だよ。
(彼女の説明を聞き、絶望感が胸を蝕んでゆくのを感じる)
(だが、それでも毅然とした態度は崩さない。覚悟は、出来ていたから)
――憑依(よりしろ)?肩代わりさせるって・・・・・・そんな事ができるのか?
いや、確かに人形はそういう儀式に使われるとは言われているが・・・・・・
(だが、一筋の光明が見えた時、彼はいつもの平静さを崩してしまった)
(人形にするのか、或いは人間にするのか。後者は非人道的だが、今更それを躊躇う)
(必要はないし、またそれを躊躇するには自分は罪を重ね過ぎている)
――或いは・・・・・・どうした?
(彼女の様子に異変が起きて、彼は戸惑う。何があったのかわからないので)
(助けようにも何もできない。ただ手をこまねいて見ているしかできない)
と、確かに一部の者達には迷惑なのでしょうが。
その゛乱れ゛が思わぬ利を産む事もあるのですよ。
ちょうど今夜、私があなたの先行のおかげで労をわずらわずに済んだように・・・。
(明確な手がかりは得られなかったが、これ以上のカマかけは無駄だろう)
(そう簡単に手札を明かす相手とも思えない。機嫌を損ねてもつまらないし引きどころだ)
・・・それに自分で自分の身命も守る事のできない゛弱者゛なぞ、どうろうが関係ありません。
(まるでそれが忌まわしい化け物であるかのような口調で゛弱者゛を切捨てる)
(この話題を締めるための方便のつもりだったが、幾分、実感がこもりすぎた)
性別、年齢、顔形、生い立ち、あらゆる酷似形・・・。あるいは・・・あるいは・・・・。
(トレジャーハンターが見せた唯一の゛隙゛らしきものを)
(えぐり探るために紡いでいた言葉であった筈なのに、いつしか魔女は自身の゛闇゛に)
(捉われ、戸惑うトレジャーハンターの様子にも質問にも思考が行かなくなっていた)
゛家族゛。その血の繋がりの近い者。
父と息子、兄と弟、姉と妹・・・・。
――――・・・・母と、むすめ・・・。
(最後の言葉を口にしてから、しばらくこみ上げてくる激情を押し殺すように俯いていたが)
・・・失礼。見苦しい所をお見せしました。
(2、3秒程の間をあけてから上げた顔は、平静なものであった)
(元から白い顔がいくらか青ざめてはいたものの)
――――ああ、そういえば・・・呪いに関わる゛秘法゛の話しも聞いた事がありました。
真偽のほどは定かではありませんが。
(気を取り直そうとして話題を翻す)
――なるほど。
物事は一面からのみ見ても実像は見えない。
全体を把握すれば、メリットが勝ることもあるという事か。
(虚ろな言葉。この会話には大して意味はない)
同感だね。この世界は弱肉強食の原理で動いている。
何より、この世界は地雷原だ。慎重に動かない者にも責任はある。
(傲慢な理論。それに縋る。そういう行動指針でなければ、目的は遂げられない)
――親類縁者の方がいいって事か。
残念だな。その人には血縁者は存在しない。
親も兄弟も、何もいない。他を探すしかないか・・・・・・
(相棒とは家族と呼べる関係だが、それは概念としての関係だ)
(血縁はなく、そして相棒もまた天涯孤独の身である)
いいや、いい。
是非、その話を聞かせてくれ。報酬はその話までで充分だ。
(彼は踏み込まなかった。魔女が見せた明確な隙。それを突くのは簡単だったが)
(彼の美学がそれを許さなかった。話の続きを促す)
ええ、本当に。
自分の立つ地面に埋まるモノに気づきもせず、考えようともしないで・・・。
自分で獲得したわけでもない与えられた平和に安穏として、いざ有事となれば誰かに縋る・・・。
「お前は強いのだから、弱い我らを助けろ」と。
全く、度し難いものです。
(傲慢かつ冷酷な言葉であったが、それを口にする魔女は憤懣やるかたない、と言った様子で)
(まるで、今この場にいない゛敵゛に憤るように早口に告げる様は、どこか幼い)
血は水よりも濃い・・・等という諺が、この国にありましたね。
それはそれで良かったのかもしれません。人間を・・・血縁を憑代にせねばならない程の
呪いならば、憑代の辿る末路は推して知るべきでしょう。
はたして近しい者の屍の上に為されてた救済を喜べるのか、と考えれば。
少なくとも、虚ろな希望と忍びより絶望の狭間で苦しむことだけはなくなるのですから。
こんな昔話があるのですよ。
――――昔々、神の怒りに触れて全身が腐り崩れていく呪いに侵された男がいました。
その男の息子が自らの身を憑代として父を救います。
まあ、その後いろいろとあって、死に瀕した息子の前に、話しを伝え聞いた神巫が現れ
呪いをかけた神とは異なる神よりつかわれし゛秘法゛で持って息子の呪いを解いて救う。
・・・めでたし、めでたし、という訳です。
その神巫を眠る墓所が、この地のいずれかにあるとか・・・。
゛神゛の呪いを解く程の゛秘宝゛・・・。
そんなものが本当にあったとしたら、人の為す呪いなど児戯にも等しい・・・そうは思いませんか?
最も、゛ただのお話゛である可能性の方が遥かに高いのですが、ね。
さてお名残惜しいですが、今宵の逢瀬はここまでにしておきましょうか。
うるさいのが此方に向かっています。
(漸く侵入者と異常に気づいた教団のものが、この場に向かってきている、その気配を捉えて)
・・・では、友愛の証と約束の手付けに・・・。
(歩みよった魔女の顔が、トレジャーハンターの顔に近付く)
【次あたりで〆ようかと思います】
ああ、この世界は混沌だ。
それを自覚した上で生きている者が、果たしてどれだけいることか。
(彼にとって世界は地雷原であり、煮え立つ混沌でもある)
(危険もあれば、望む物も存在する。だからこそ、いま彼は動いている)
正義のヒーローでもあるまいし、そんな言葉に耳を傾ける必要もないだろう。
牙を研ぐことを忘れた獣は、牙のある獣によって狩られる。それだけさ。
(その憤慨は、誰に向けられたものなのか。盗掘屋にはそれを知る術はない)
それを承知で助けたいと願うのは、多分傲慢だろうな。
(いつしか、彼は普段の口調に戻っていた。思った以上に心が揺らされたらしい)
所詮、人は自分のエゴの為にしか動けない。
だから、そのツケは僕が支払うべきなんだろうが、ね。
(相棒はこんな非道なやり方を良しとしないだろう。そんな人間だからこそ、彼は自ら)
(外道に堕ちてまで助けたいと願うのだが。世の中は、本当に上手くいかない)
――神の・・・・・・異なる神の力で相殺するというわけか。
神巫の墓所が――なるほどね・・・・・・・心当たりは、幾つかある。
(彼女の話と自分の持ち得る情報を組み合わせ、ひとつの進路を確定できた)
(それだけで、今回の邂逅は意義のあるものだったと言えるだろう)
かまわないさ。少しでも可能性があるなら、それを求めるまでだ。
(闇の中で彼の眼が輝く。それは困難に挑む覚悟を決めた、トレジャー・ハンターの眼)
ああ、そうみたいだね・・・・・・
今夜は、ありがとう。会えてよかったよ。
(場が正常に戻った今、彼の聴覚も接近者に気づいた、それでも礼は言っておく)
(最後の台詞だけは、本心である。それもまた、自分の利益に基づく発言ではあったが)
――はは、それは謹んでご辞退申し上げる。
(ツイッと自然に距離を取り、魔女から離れる)
(この魔女に、呪いでも掛けられたら、それこそ洒落にならない)
今度は楽しい時間を過ごそう。
(暗視ゴーグルを拾って、一目散に部屋から脱出する)
(暫くして格闘音が続いたがそれも直ぐに止み、教団の建物の中に静寂が戻った)
(――結局、彼は一人として殺さず、だが、適度に団員を痛めつけて、その建物を後にした)
【こっちはこれで〆、だね。ありがとう】
【少し調子が出なくて、うん、ごめんね。また機会があったらよろしく】
―――あら、それは残念。
(気のない口調でそう言うが、距離を取られれば追いはしない)
(元々、駆け引きの一手と少しばかりの戯れにすぎないのだから、執着も不興もない)
ええ。ではまたいずれに。
身勝手な欲と譲れない願いとを抱えて夜と闇を駆ける方。
いずれ月の光の善導の元、再会することもあるでしょう・・・。
(おそらくもうこの言葉を聞いてはいないだろう、駆け去って行く背中に歌う様に声をかけた)
(――――今宵、魔女とトレジャーハンターの邂逅がもたらしたものは何であったか)
(姦計と偽り、駆け引きと打算に満ちた言葉の応酬の中に)
(どれだけの偽りと真実があったか、虚実の中にひそむ真実が意味するものは・・・)
また・・・いずれに。
あなたがこの街の夜を往くのならば。
(魔女の発した言霊の幾つかは相手を揺さぶり、だが魔女もまた自身の口にした言葉で)
(おのが闇と向き合うはめになった。――――まるで呪いと呪い返しの術式のようで)
(魔女は密やかに世界と己を嘲る笑みを浮かべた)
(嘘と真実を織り交ぜて言葉を弄ぶ魔女の口から出た事柄の真偽を拾うのは)
(あるいは砂漠の砂に埋もれた遺跡の秘法を探すに等しいのかも知れない――)
【では、こちらもこれで〆ます】
【こちらこそお待たせしてしまって申し訳ありませんでした】
【次回はもう少しスムーズに進めたく思います】
【そして私が今宵、口にした事の真偽がいずれであるかの是非は】
【そちらの今後にお任せしたいと思います】
【それではお付き合いいただいてありがとうございました。お相手に感謝しつつ落ちます】
【誰もいない…参加するなら今のうち…】
【そんなわけで今日は雑談で待機しまーす。プロフィールは
>>19だよ】
【ここにいられるのは11時半位かな?じゃあ始めてだけどお願いしま〜す】
568 :
名無し生徒:2008/06/21(土) 21:45:13 ID:pQ/2oohx
【名無しでもよければ】
【本プレイのネタになりそうな雑談とか試してみますか?】
>>568 【そうっすね…。相手だったら大歓迎だよ】
【雑談試して見ましょう。書き出しお願いしやす】
570 :
名無し生徒:2008/06/21(土) 21:54:45 ID:pQ/2oohx
【では、さっそく】
【なんか怪異の影響を受けてそうって感じでやってみますね】
(クラスメートの男子生徒が話しかけてくる)
ねえ、山本さん、あんな夜中に出歩いてどこに行ってたの?
あんな遅くで女の子一人じゃあ危ないよ。
【それじゃあ短い間ですがマッタリと…。】
(男子生徒に話しかけられ)
ん〜コンビニっ!新発売のスイーツが出たから買いにいってたの。
まあ夜中っていってもお化けが出るわけじゃないし…変な人に気をつければ大ジョブ大ジョブ
(周囲の闇を気に留めることなく、身を案じてくれたクラスメートに話しかける)
572 :
名無し生徒:2008/06/21(土) 22:10:24 ID:pQ/2oohx
それならいいけど……なんか、少し様子がおかしい気がしてさ。
もしかして夢遊病かとかおもっちゃったよ。
でも……でもうちの学校というか街って、何か変な事件がよく起きたりするじゃないか。
それに、時々、転校する子がいてさ。
なんか、暴行されて学校にいれなくなったとか噂が流れたりするし。
やっぱりあんまり夜に出歩くのは、よくないよ。
あ〜たしかにぼーってしてるかも…。
変な音って言うか…キーンて音がたまに聞こえたりするからね…。
まあ意識はしっかりしてるから平気だけど…。
変な事件?初耳だけどどんな事件があるの?
転校が多いとか、暴力事件があるっているのはたまに聞くけど…。
私は良く分からないからさ〜。
ま。出来る限り気をつけないとね…。
でも折角二人だけだから、ベンチで一緒にスイーツ食べようか。
変な意味は無いけどさ、怖い事件とか聞くと…ね。
574 :
名無し生徒:2008/06/21(土) 22:30:00 ID:pQ/2oohx
よく分からない化け物を見たとか、しばらく行方不明になってたらいきなり帰ってきて、その間の記憶がないとか……
人の力じゃあ壊すのが不可能なものが壊れたり、とんでもないものが切断されてたりとかさ。
霊感が強いなんて自慢してた女の子が、夜の学校に侵入して暴れ回ったりとか……
そんなことが、けっこうあるんだよ。
え、僕と?
う、うん。喜んで。
え、あそこのベンチ? 物陰のちょっと寂しい場所にあるけど、冷やかされるのもイヤだから、ちょうどいいかな。
じゃあ、いこうか。
(促されるままについていく)
化け物?記憶喪失?
人の力で壊れそうに無い物が壊れたり、ぶった切られたり?
れーかん強いって子が、真夜中の校舎でおお暴れしたりしたって…どうなってるの?うちの学校??
(良くPTAとか出てこない物だな〜。)
(内心ここまで騒ぎになっているのに大人の介入が無いのはなんでだろうかと思う)
しかもそういった事が結構あるって…まるでお化け屋敷のアトラクションかゲームの世界だね…。
(あまりの事で生返事を返すのがやっと)
うん私正直ちょっと怖くなったから…せめてだれか一緒にいて欲しくてね。
勘違いして襲ったりしたらやだよ。
(ちょっと寂しい物陰のベンチに移動する)
576 :
名無し生徒:2008/06/21(土) 22:51:00 ID:pQ/2oohx
でも、話半分だと思うよ。
ライトノベルが好きな生徒が面白半分に噂作って流してるって言っている人もいるし。
(あんまり不安がるので、安心させるように言った)
襲うって。やだなぁ。そんなことしないよ。
あ、これがおすすめのなんだ。
じゃあ……
(すすめられたスイートを口に入れる)
【締めはどうしましょうか?】
【何事もなく終わるか、ホラー風に不吉な終わり方するか……】
話半分…まあそれだったらいいんだけどね、そんな訳の解からない変なもんがうろうろしてるっていうんだったらじゅーぶん怖いのに。
冗談だったら冗談でそういったジャンルが好きだったらドージンでも書けばいいのにさ。
そんな不安にさせる噂流されて迷惑だしね。
(ほっとしたかの様に見えるが少しナーバスになって来ている)
そう言う噂は結構皆と話するけどね。
私はまだ付き合ってる人いないから適当に合わせてるだけど、××君とキスしたとかそんな話でも盛り上がるしね。
それじゃ一緒に食べますか。
(女の子の話の好みを言いながら、自分で買ったスイーツを手渡しつつ自分も食べる)
【そうですね。ホラータッチな終わり方でやってみましょう】
【でも今回は直接襲われたり犯される事を示唆するのは抜きで、怪異が見ているって感じで】
578 :
名無し生徒:2008/06/21(土) 23:15:40 ID:pQ/2oohx
(キスしたとかって)
(もしかして、誘われてる? さっきも襲うとかキワドイこと言われたし)
(ドキドキしながら、横目で翔子を見ながらスイーツを食べて話をする)
(自意識過剰だよな、と自分に内心で苦笑している)
あ、もうこんな時間だ。
じゃあ、また明日の学校で。
……もしまたおすすめのおいしいのあったら、誘ってくれると嬉しいな。
……あれ、気のせいかな?
(いきなり妙な視線を感じて周囲を見たが、誰もおらず首をひねる)
あ、何でもないよ、じゃあね。
(もし翔子に誘われたら、あまり用心せずにホイホイとついていきそうな様子であった)
【では、これで終わりますね。ではでは】
(あらら…顔赤くなってる)
(トシゴロの男の子ってこんな位の事でどきどきするんだな。)
(本当は私の友達同士でベットインしたった話も知ってるけど…ここじゃあね)
(そんな話をして私が誘ってると誤解されて襲われたら話になんない)
(少年が赤くなって照れてると翔子は思い、女の子の生の話は女の子だけ…或いはもっと親しい男としようと心に誓った)
ああそうだね、一緒にいてくれて嬉しかったよ。
じゃあまた学校でね、それと美味しいスイーツまた良かったら食べ行こうよ…誘ってくれるんだったらさ。
今度はもっと明るい所とか友人連れになると思うけどね。
……ん?ここには君と私しかいないよね?
変な気配を感じたんだけど…。
(少年とほぼ同じ位に視線を感じて、翔子も周囲を見渡す。)
誰もいないよねやっぱり…それじゃまた!君と仲良くなれて嬉しかったよ。
(少年の熱っぽい視線を感じながらも、スイーツ友が出来ご満悦の翔子)
(だが翔子と少年の座っていたベンチが異形のものへと変化する事には全然気がつかなかった)
【それじゃこっちもこれで落ちるよ。始めて楽しかったっス。】
【少しの間だけ待機・・・・・・】
【プロフは
>>52を見て】
【落ちるわね】
【静かな夜…ですが、失礼して待機させていただきますね。】
【プロフィールは
>>64。参考にでもしていただけたら、幸いです】
【待機しようと思ったら先客が】
【こんばんは。ロールでもどうでしょう】
【こんばんは。何やら静かな夜なので、どうかな…と思っていたのですが】
【お会いできて嬉しいです。私で宜しいのでしたら、喜んで。】
【さて…前回の約束、というか帰り際の台詞に乗っ取って?屋上、でしょうか?】
【今回において方向性とか何かしらのご希望があれば、仰っていただければ幸いです。】
【それは僕も考えてたよ、屋上で再会というのは】
【戦いから二日後、昼休みか放課後の屋上にぶらりと訪れた】
【僕は、先にいた先輩と出会う→適当に雑談――というのはどうだろう】
【了解いたしました。それでは、前回お昼でしたので…】
【放課後の夕暮れ時にでも、屋上でお会いしてみましょうか。】
【私が先にいるので、私から書き出し、の方が宜しいでしょうか?】
【問題なければ、次から書き出させていただけたら、と思います。】
【問題ないよ、どうかそれでお願いします】
(この時期ともなれば、夕暮れ時になるのも随分と遅い)
(まだ夕日が明るく空を染めているような、そんな時間に屋上へと足を運ぶ)
(高いその位置から見渡せるこの街は、この目で“見る”だけなら、平和そのものだ)
――――まったくと、喜劇です。
(ふわりと、風が黒髪をさらってゆく)
(その風に乗せるように呟いた言葉は、多分誰に向けたものじゃない)
(フェンスに乗りかかるようにして体重を乗せれば、特有の金属音が耳に入った)
(何の意味も、なく、この場所に来てしまった―――夜には、仕事がある)
(だから、そろそろこの学校から立ち去らなければならないのだと、
そう理解はしているのだけれど、何故か、この場所に来てしまった自分)
(まったく、自分でもこの頃の自分の行動は理解が出来ない。そう思うのと同時に溜息が、零れ落ちた)
【お待たせいたしました。】
【それでは、改めて本日もどうかよろしくお願いいたしますね。(一礼)】
(――二日間。それは王の墓を巡る争いから過ぎた時間であり)
(媛名葵との戦いで受けた傷を癒す為に使った時間でもある)
(頬の傷は゛組織゛が配布している傷薬で殆ど目立たなくなっていた)
(何でも、細胞の再生効率を励起させる成分が配合されているとか)
(同様に首の傷も薄っすらとした跡しか残っていない。問題は肩の刺し傷だ)
(こちらは流石に二日で問題なしというわけにもいかず、まだ動きに違和感がある)
(だが、切り傷も刺し傷も子供の頃から慣れている彼は、そろそろ次のハントに向かう気でいた)
――誰かと思えば、媛名先輩でしたか。
(彼が屋上に来たのに理由はない。彼女に会える気がした、などと)
(そんなことは露とも思っていない。だが結果的に邂逅したなら何を言っても意味がない)
(足音もなくその人影に近づいて、ダガーを投擲されても対応できる距離で止まる)
ああ、先日はどうもお世話になりました。
その後、調子はどうですか?
(全く皮肉を含まない爽やかな口調と、爽やかな笑顔)
(それが逆に痛烈な皮肉となっているという、巧妙な腹いせ)
(白い髪と眼鏡が夕日を跳ね返し、彼を異質な存在の様に見せている)
(黄昏時の魔法――とは、些か情緒的過ぎる表現か)
【こちらこそ、よろしくお願いします】
―――…あら、真賀樹さん。ごきげんよう。
(声が聞こえた瞬間、身体が小さくだが強張ったのを認識した)
(「屋上で」なんていう再開の言葉がこうも早く現実になろうとは、予想もしていなかった――)
(否、予想をしていなかったといえば、それは嘘になるだろう。予想は、していた)
(けれど、それを願いはしていなかった。だから、振り返らないままに挨拶を投げかける)
(振り返ることもせず、夕日が染め上げる街を眺めながら聞くのは相手の言葉)
(何時もは足音で距離を測るのだが、足音の無い彼には、それも通用はしない。)
(先日の一件もある。そこまで近いところにも、来ないだろう―――)
こちらこそ先日はとてもお世話になりました。
そう、ですね。雨の中で身体を濡らしたのが悪かったのか、少しばかり喉が痛いくらいで
あとは何も問題ないですよ。真賀樹さんこそ、如何ですか?
(それから、ゆっくりと振り返る。予想通り、というべきか)
(彼はダガーを投擲しても、対応できるような距離を保って立っていた)
―――特に、肩の具合など。ちゃんと、動きます?
(黒髪を揺らして漸を見た彼女は、紛れも無く、二日前の夜の“媛名 葵”に他ならない)
(ただ、その言葉には相手の皮肉に負けず劣らずのものが込められているのは、言うまでも無い)
(彼女と出会いたかったのかと、自問しても答えは出ない)
(彼女との対話には最早メリットも何もない。明確な敵対関係が既に)
(出来上がっているのだから、対面すればそれこそ問答無用だろう)
(だが、学校で、この校舎で戦うのは憚られた。選択肢の枠を不明瞭な感情で)
(狭めるのは愚かな行為だとわかっていても―――些か緩んだのかも知れない)
女性が身体を冷やすのはよくないですからね。
大したことがなくて何よりですよ、先輩。
(偽りの仮面。偽りの言葉。交わるのは意味のない言葉)
――そうですね。仕事に赴くには多少難儀ですが・・・・・・後二日もすれば問題ないでしょう。
女の子をベッドの上で悦ばせる分には、今日にでも大丈夫なんですがね。
最低8ラウンドまでは平気でしょう。生憎、相手の都合がつかないみたいでして。
(相手の皮肉を受け流しつつ、冗談を交え、戦う分には平気だと言葉の裏に滲ませる)
それはともかく、ひとつ聞きたい事があるんですが・・・・・・
どうして――あの時殺さなかった?
(振り返った相手の顔を見返しつつ、冷徹な盗掘屋の口調に戻りつつ、問う)
(あの時は、死を覚悟した。少なくとも、相手にはそれが出来たはずだった)
……真賀樹さんも、大事じゃないようで何より。
(皮肉をさらりと受け流し、冗談まで交えて返された言葉。そうして彼が滲ませた裏の意)
(それを読み取ると吐き出した言葉は本気か偽りか――もしかすると、前者、かもしれない)
―――…まったく、本性は何やら、やんちゃなご様子で先輩は驚きです。
(交えられた冗談に対してそんな言葉を返しながら、小さく肩を竦めて見せる)
(偽りだらけだった会話。それ少しだけ罅を入れるような“真実”は、他の言葉より少しだけ浮いた)
(しかしながら、そんなやり取りも束の間のこと。投げかけられた質問)
(夕日を跳ね返す白い髪と眼鏡の所為か、じっくりと目に収めた彼は、
どこか異質な存在のように思える―――異形なら、敵だ、と。声が聞こえた気がした)
……殺して、欲しかったのですか?
(問いかけに問いかけを返すのは、ズルイ行為かもしれないことは承知している)
(あの夜と同じ“冷徹な口調”。背をゆっくりと、フェンスに預ける)
(―――あまり、揺らさないで欲しいのに。)
(だから、こんなにも早い再開は望んでいなかったのだと。そうは、口にしないけれど)
(黄昏時の色に染まった二人。誰も彼も判別のできなくなる時間)
(それでも二人はお互いにお互いを認識していた)
(一人は狩るべきと敵として。一人は排除すべき障害として)
質問に質問を返すのは、マナー違反だよ。
キミには殺す理由も、殺せる腕もあった。そして僕はキミに負けた。
僕がそれをどう思うかなんて、その前提の前には何の意味も成さない
(そう、だから命を拾った以上、この問いかけにもそれほどの意味はないのだろう)
情けを掛けたつもりなら、失礼極まりない話だ。
それとも、キミの仕事に対する想いとは、その程度だったのか?
(抉る様な言葉は、しかしそのまま自分にも跳ね返ってくる。彼女を殺す理由も手段も)
(彼にはあった。拳銃を使わず戦いを挑んだのは、結局自分の何処かにある甘さ故だ)
――キミは、どうして、僕を殺さなかった?
(彼にとって殺しは忌避するものではない。日常に組み込まれた有り触れた事象のひとつだ)
(だが、彼は殺しを望んでいるわけでも、喜んでいるわけでもない。彼はトレジャー・ハンターであり)
(決して殺し屋でも殺人鬼でもない。殺さず排除できれば、それに越したことはない)
(それでも、殺す覚悟も殺される覚悟も、彼の中には存在する)
――――情けなど、かけていませんよ。
別に、仕事を放棄したわけでもありません。私は、きちんと任務を遂行した。
(さらに背に体重を移動させれば、フェンスが軋む音がする)
(“キミの仕事に対する想いとは、その程度だったのか”という相手の言葉)
(ざわり、と。相手のその言葉に身体の中で“何か”がざわついた気がした)
何故かと理由を問われるなら…
(目を閉じる。ざわめいたのは何という感情か、自分は、知らない)
(自分だけに訪れる暗闇の中で、彼女は考えた。殺さなかった、理由は何か――)
(―――そんなもの、考える必要もなく、決まっているのに)
―――必要が、無かったからです。
“あの時”の私の任務は、遺跡を荒らされることによって場が乱されるのを“阻止”すること。
別に、貴方を――場を乱す盗掘屋を殺害しろ、なんていう命令(オーダー)は下っていません。
(「命令」には、従った。そうでなければ、彼を逃がした理由など一つ。)
(“狩る必要”なんて、なかったから―――それ以外に何がある、と自分自身に言い聞かせながら
彼女は、瞳をあけた。入り込んでくるのは、光。一瞬だけ視界がぼやけて、戻る。
それから、顔をあげて相手を見据えた。漆黒の瞳は、少しも揺れずにただ漸を見つめた)
――逃げ口上の戯言だろう、それは。
(彼女の唇から吐き出される言葉を、一言で斬って捨てる)
僕はあの遺跡を諦めたわけじゃない。同様に他の遺跡もね。
僕が求めるものがこの街にあるのは、確かなようだし。
(それは、ある魔女から聞い神巫の話と、彼の持つ情報を統合した結果)
(導き出された一筋の光明。それを辿るのは彼にとって当然と言えた)
僕はこの命がある限り、この街の暗部に挑み続ける。
誰よりも大事な相棒を助けると決めた、僕自身の契約を果たす為にね。
(間合いを詰める。自ら定めた安全領域を外れ、危険領域へと足を踏み込む)
その為なら、誰だろうと犠牲にするし、この街がその結果どうなろうと知ったことじゃない。
(そう、自分に言い聞かせる。そういう行動指針がなければ、自分の目的は遂げられないから)
それでもキミは、任務を遂げたと言い張るか。
なら、それでいい。次にやり合う時、キミの屍が晒されるだけだよ。
(情けなど排除しよう。些か学生気分に浸り過ぎた。次は容赦しないと、心に決める)
(間合いが詰まる。気づけば、手を伸ばせば届く距離だ。この距離は彼にとって危険すぎる)
(それでも糸を垂らすこともなく、眼鏡を外して怜悧な双眸を晒す。覚悟を決めた盗掘屋の眼だ)
キミに、僕が止められるか?
(短く冷淡に、宣戦布告をする)
(“逃げ”だと、一言で斬られれば―――どうしてか、反論の言葉は浮かばなかった)
(そんなのは、反論するまでもないからだと、思考を打ち切って、意識を相手に向ける)
諦めては下さらないだろうとは、思っておりました。
ですが、“諦めて欲しかった。止めて欲しかった。”なんて…――
(音も無く、踏み込まれる足。詰められるのは、身体的な距離)
ありきたりな言葉を、私がかけるつもりがないことくらい…貴方も察していらしたでしょう?
(普段ならば危険信号が脳内で鳴り響くのだろうが、この時ばかりは違った)
(それは、相手が攻撃の素振りを見せなかったからか。それとも、晒された双眸に。
確固たる決意を宿した双眸に―――不覚にも、一瞬だけ魅入ってしまったからなのか)
―――それが、その時の私の仕事なら、“止めてみせましょう”。
(けれど、譲れないものなら、自分にだって存在する―――それだけは、曲げられない)
(宣戦布告は、受け取った。ただし、それはどこまでも“命令”を基準においた条件つきで)
………上の方には、“場を荒らしていたものは適度に痛めつけて放置した”と報告致しました。
その後、飼い主から猟犬に下された命令は――――“待て”、なのですよ。
飼い主はどうにも、今後の様子を見てから、猟犬をどう動かすか決めるつもりのようです。
(手を伸ばせば届く距離。そっと、手を上げる―――けれど、触れはしない)
(あの時に触れた額に、触れるか、触れないかの距離を保って、彼女の手はそこで止まった)
今後、貴方の行動によっては“待て”が“狩れ”といった内容に変わるかもしれません。
――――まあ、どうなろうが、私はそれに従うだけなのは、ご存知かと思いますが。
―――はっ。
そうこなくてはね。今はキミはとても美しい。
(唇の端を吊り上げて笑う。゛止めてみせる゛と断言した彼女は、とても美しかった)
(彼女が葛藤しつつ、それでも断固たる覚悟を決めたのがわかったからだ)
いいだろう。なら僕は、全力でキミを含む全ての障害を踏破しよう。
(そんな相手だからこそ、こちらも相応の態度を示さなければならない)
忘れない事だね。僕は非才の身だが、人間の欲望(エゴ)が生みだす力は時にどんな
魔術や異能よりも強く、そして狡猾だという事をね。猟犬は確かに強い――が・・・・・・・
獣は狩人に狩られる定めにあるんだよ。僕はハンティングは得意だからね。
(彼女の腕が動いて――だが、それが刃を持つ事もなければ、こちらに触れることもない)
(彼は、それを払いのけることもなく、引き寄せることもなく、眼鏡で眼を隠しただけだ)
・・・・・・些か、喋り過ぎたようだね。そろそろ、僕は消えるとしよう。
少なくとも、学校にいる間は戦う理由もない。また、機会があったら・・・・・
(張りつめた空気が薄れる。彼の方が一方的に解除したのだ)
(ふっと彼女から身を離す。そのまま踵を返して、彼は無音でその場を立ち去ろうとする)
(この場にて、二人の契約が結ばれた。゛向かい合う時が来るなら全力で゛という無言の契約が)
ああ、よかったら今度デートでもどうかな、ひめ先輩?
いい店知ってるんだよ。お互い忙しいだろうけど、考えておいてね。
(立ち止まり、振り返り、口に出したのは゛女好きの軽薄な後輩゛としての台詞)
(何処までが本気で、何処までが冗談なのか。或いは本人にすら把握できていないのかも知れない)
(ともあれ、何枚もの仮面を被り続け、盗掘屋は今日も学生としての時間を過ごした・・・・・・・)
【切りがいいからこちらは〆るとするよ】
【今夜はありがとう】
猟犬を、狩る、と―――そう、仰られるのですね。
(あの日に見た揺らぎは、何処へ行ったのかというほどに…泰然たる態度)
(彼は自分のことを美しいと言ったが、自分に言わせれば彼のほうがそれに相応しい。
相手の不敵な言葉に、珍しく、無意識のうちに唇が笑みの形を作っていたことに気づいた)
(眼鏡で隠れた相手の、眼。その行動を合図とするかのように彼女の手も、戻る)
……ええ、またの機会がありましたら。
(交わしたのは、無言の契約。それは言葉を介さずとも確かに結ばれた。)
(それをしっかりと感じながら――彼女は、相手の背中を見送って目を、閉じ……)
―――は、い…?
(唐突に振り返った相手の口から飛び出た、呼ばれたこともない“ひめ先輩”という呼称)
(それと、与えられたその内容に瞠目してから、いくらかきょとん…とした表情を見せた後、
ああ、と思った。いつも自分が他人にしてみせる振る舞いの威力を改めて認識する)
申し出は、とても光栄なのですけれど―――…デート、先約があるんです。
まあ、先約といっても、私が勝手に申し上げているだけで、きちんと改めて申し込んだら
受けてくれるかどうかも、分からないような、そんな代物なのですけれど……。
(頬に手を当てて、困ったような溜息。それは紛れも無い、「日常の所作」)
―――…自分の日頃の言動を省みますと、どうにも、受けてくれなさそうな気もするので
その時には慰めついでに、そのお店に連れて行ってくださると、とても嬉しいです。
(“基本的に、美味しいものは好きですよ”と。)
(どこまで本気かは知れない言葉に対しての返答を、こちらも冗談めかして返してみせた。
この“学生”としてのやりとりならば、これで間違っていないはずだ。それに、嘘は無い)
(真賀樹 漸、という青年の背中を見送りながら、彼女は口の中で言葉を転がした)
(「貴方を殺さなかったのは、私が出来れば“人”を殺したくはないからだ」と。)
(彼に言わせれば“甘い”だろうその言葉は、空中に出でることもなく――再び飲み込まれた)
【遅くなってしまいましたが、こちらもこれで〆です】
【本日はお付き合い有難う御座いました。楽しかったです。】
【また機会がありましたら、その時はよろしくお願い致しますね。それでは、お休みなさい(一礼)】
【見届けたよ。お疲れ様】
【また機会があったらよろしく。おやすみノシ】
【さて、今日はこっちに待機していくことにしよう】
【確か、プロフは
>>99だったはずだな】
【最近でずっぱりなんでどうしようかと思ったけど】
【僕でよければロールしてみない?】
【ああ、構わないとも。そろそろ頃合だとも思っていた】
【一応ネタは大体固まっているとは思うけど、どういう風にやろうかね?】
【邂逅の次の日に、旧校舎の遺跡に潜るか】
【或いは発情したキミにキミの家で襲われるとか】
【どちらがキミとしては楽しそうかな?】
【そうだねぇ、私はどちらも面白そうだと思うけど】
【ただ、あんたは最近遺跡がらみの動きが多すぎる。偶には別のことをしたっていい】
【……とは、思うんだけどね。私も遺跡とやらに潜ってみたい。今のところは、こっちの欲求のほうが強くてね】
【と、いうわけで頼めるかい?】
【了解了解。旧校舎地下迷宮の描写は、きっちりとしておきたかったから】
【今回はそれでいこう。じゃあいきなりだけど、突入したシーンからでいいかな?】
【よければ次から書き出すよ】
【ああ、我侭聞いてもらってすまないね】
【では、お願いしよう】
(――――××学園の園旧校舎。その地下は迷宮となり、数多の怪物が徘徊し)
(秘宝を守っている。地下迷宮の存在を知る者は少ないが、それを知る者は)
(その危険な領域へと赴き、秘宝を求めて、知力と体力を駆使してそれに挑む)
じゃあ、今から突入するけど・・・・・・準備はいいかい?
ここから先は、まともな世界じゃないって事だけは頭に叩きこんでおいてね。
(用務員室の畳をひっくり返し、その下に大きな井戸が穴を開いている)
(ここが迷宮への唯一と言っていい出入口であり、そこには数本の縄と梯子が垂らされている)
(それは、かつてここに挑戦したハンターの名残であり、現在挑戦している彼を地下へと誘う梯子である)
異能だろうがなんだろうが、ハントっていうのは大変だからね。
(先日知り合い、組むことになった少女――霧原朱音に言う彼は既に暗視ゴーグルを被り)
(各種装備を身に着け、道具の入ったリュックを背負っている。これが彼のハンターとしての姿である)
(目の前の畳がひっくり返されると、そこに現れたのは古井戸)
(辛うじて底が見えるかどうか、といったほどの深さの井戸を目の前にして、霧原朱音は小さく笑った)
準備、といえるほどのものかどうかはわからないがね。
私に必要なものは、全て携えてきたつもりだよ。
(そんな重装備の男とは対照的に、彼女はいつもの制服姿でそこにいた)
(ただやはりその背には、小さなリュックを背負っていたが)
(中身はただのペットボトル。わずかな赤みを帯びた液体がなみなみと)
(大抵のことはこれで事足りる。だからこそのこの装備ではあるのだが)
……どうにも、あんたと比べると頼りなさが漂っているよねぇ。私は。
確かに仕掛けとかそういう面倒ごとは大体任せる、とは言ったけど。
本当にこれだけでよかったのかい?まあ、一学生にそろえられる程度のものがどれだけ役に立つのかもわからないけど。
(あきれたように言う彼女。たとえこんなときにでも、その姿には一切変わりはないのであった)
(唯一つ、彼女の周りを薄く霧が纏っていることを除いては)
ま、そこまで複雑に入り組んではいないからね。
問題は、通路が狭くて足元が悪くて、ついでに光源が少ないんで、
普通に歩くのにも結構神経使うってことかな。
(畳を部屋の隅に立てかけ、進入路へと足を入れ、井戸の縁に着地する)
んー、ま、下手に重装備して身軽さが失われたらそっちの方が大変だしね。
慣れてないと、体力の消耗が普段より激しいし、それでいいよ。
(彼は彼女の軽装に対してコメントして、慎重に縄梯子へと足を掛け体重を預ける)
(地下までは約三十メートルであり、そこから先は大広間が広がっている)
(その大広間から四方八方に洞穴があり、そこから迷宮が広がっている)
(彼は既に三つの迷宮を踏破し、三つの秘宝を入手していた)
じゃ、まずは行ってみようか。
行動に勝るものはない。ともかく、頼りにしてるよ。
(何処まで本気で言っているのか定かではない盗掘屋は)
(軽やかな身のこなしで地下へと潜っていった。彼はするすると梯子を降り、大広間に到着した)
(どの国のどの時代の様式かもわからぬ造形をした大広間。そこは薄暗いが、微かに何処からか)
(光が差し込んでいるようであり、肉眼でも辛うじて何かがそこにあると認識できる程度だった)
それは普通に大変だね。ま、足元がお留守にならないように行くとしようか。
(ふわ、と足元の霧が濃くなった)
(その霧を構成する水滴の一粒一粒は既に彼女の支配下にあり、つまりは触覚を有するということで)
(まあ、ある程度は役に立つだろう、というわけでめぐらせているのであった)
別に、このくらいで参るほどヤワじゃあないんだけどね。
これでいいってなら、そういうことにしておくよ。
(続いて、縄梯子に足をかけ手をかける)
ん……意外と揺れるな、これは。
(井戸の中とはいえ、縄梯子はそれなりに揺れる)
(おまけになれないこととあって、少しは苦戦していたらしい)
(ついでに言えば、今日の彼女は制服姿。つまりはスカートというわけで)
(きっと、下からのぞけば素敵な光景が見えることだろう。それはともかく)
さくっ、と降りたいところだけど……こんなところで無駄遣いするのも考え物だ。
ゆっくり降りるとしようか。……しかし、だんだん雰囲気出てきたねぇ。
(空気が変わり始めたのを感じて、縄梯子に手をかけながら自然笑みがこぼれてしまい)
(そして、彼が地下に降りてからたっぷり2分ほどの時間をかけて、彼女も地下へと降り立った)
さすがに暗いね、この上足場が悪いとなると、確かに苦戦はしそうだ。
(暗がりの奥に何かが見える、目を凝らして見つめながら)
さすがに、明かりの一つくらい自前で用意してくるべきだったね。
――うむ、これはいい。
(上を見上げ、荘厳な雰囲気すら伴って、一人呟く。当然というかなんというか)
(暗視ゴーグルにてその楽しい光景をきっちりと網膜に焼きつけて脳内に保存している盗掘屋だった)
(彼はこういう部分でも抜け目がない。・・・・・・単にスケベなだけとも言うが)
(その光景が終わる頃、彼女は降りてきて、暗さに関してコメントする)
洞穴の中はもう少し暗いね。明るい場合もあるんだけど、外からだとわからないからね。
(大広間の壁面にある幾つかの洞穴を指して言う。迷宮への入口だ。外からではどんな構造をしているのか)
(予想できず、経験的にひとつの洞穴ごとに特色があり、クリーチャーの種類も違う)
ランタンくらいならあるけどね。片手が塞がるのも考えものだし・・・・・・
ちょっと型が古いけど、予備のこれ使ってみる?最初は嵩張ると思うけど、慣れれば平気だよ。
(リュックの中から予備の暗視ゴーグルを取り出して、彼女に差し出す。彼が昔使っていたゴーグルでもある)
何か面白いものでも見えたかい?
(呟きを耳に留めて、相変わらずなペースで縄梯子を降りる)
(未経験者を先行させるわけにも行かないし、これは起こるべくして起こった必然である)
この上まだ暗くなるって?そりゃあ大変だ、下手すると何も見えなくなりそうだ。
……ある程度進んだところで、こっそり隠れてやり過ごしてさ。それだ後は一人で戻れば。
そうすれば、こういったところのことをろくに知らない私だ、多分生きては出られないだろうね。
(内心だけで危惧すればいいことを、あえて口にした)
(実際そうされると、おそらく打つ手はないのだろう。それでも言ってみた)
ま、そんなことにはならないように願いたいけどね。
(暗がりの中で、くくと肩を揺らして笑った)
いいのかい?おぉ……これぞまさしく探検、って感じだねぇ。
(渡された暗視ゴーグルに興味津々と言った様子で、しばらく弄繰り回して装着した)
確かに見える!これはいいね。一体どこで買えるんだい?こういうの。
(おもちゃを与えられた子供のように喜んで)
(あたりをきょろきょろ物珍しそうに眺めている)
ああ、とても素敵なものがね。
いい眼の保養になったよ。これだけでもキミと組んだ甲斐があったね。
(平然とした態度を崩さず切り返す。この程度は彼にとってジョークの範疇である)
(荒くれ野郎と商売女に囲まれて育ってきた彼には、気にするほどの事でもない)
・・・・・・なるほど、その手があったか。けど、そんなことするくらいなら化け物から身を
守る為の盾にした方がまだ有意義というものだから、安心していいよ。
(軽やかな態度で言ってのける。別の意味で安心できない内容ではあるが)
これでも、最低限度の仁義はあるつもりさ。少なくとも、陥れるつもりの人間をわざわざ
こんな場所にまで引っ張ってくるほど酔狂でも暇人でもないことは、断言できるよ。
それは組織からの支給品だよ。僕が昔使ってたやつ。まだ現役で使えると思うけどね。
日本でも、それっぽいのは割合売ってるみたいだね。相場はよく知らないけど、
安いのでもノートパソコン程度の値段だったような・・・・・そろそろ行こうか?
(子供の様に喜ぶ彼女に、このままでは埒が明かないと判断し、催促する)
――今日は、この洞穴に行ってみるか。
(幾つかある洞穴から適当に選び、今回はここを攻略すると決める)
へぇ、そりゃあ羨ましい。
でも……特にたいしたものは見えないけどね。あんたにとっては、価値のあるものだったのかね?
(ゴーグル越しに眺めているが、これといって面白いものは見つからない)
(多分、彼にとっては面白い何かがそこにはあったのだろうと考えて)
(少し残念だったが、それ以上の追求はやめることにした)
……そうかい、どこまで信用できるかって話もあるけど。
まあ、最初くらいは良い目を見せておくれよ。そうしたら、私が使えるところも見せてやるからさ。
(背負ったリュックを軽く揺らして)
それはつまり、最低限度の仁義しか持ち合わせていないわけだ。
それ相応の扱いは覚悟しておけ、そういうことだろう?望むところさ。
(先を歩く彼に、にやりと笑って言葉を放った)
ああ、問題なく使えてる。視界はきわめて良好だ。
(これだけ見えているのなら、足元にだけ注意を払う必要もない)
(するりと再び彼女は霧を纏い)
やっぱりそういう専門の店とかで探さないと見つからないんだろうね。
ああ、そういえば今はネット通販、って手もあったか。
(と、本気で購入を検討し始めていたところ)
………ああ、そうだったね。うっかり気をとられていたよ。
しかしずいぶん道が分かれてるね……どこまで潜ったんだい、あんたは?
(無数に開いた入り口の一つ一つを眺めつつ)
ま、口に出せる程度の信用度なんて、紙切れと同じだよね。
今後、よい関係を築けると僕としてもありがたいよ。
(少なくとも、背後から斬りかかられない程度の信頼性は確保したい)
(と胸中で呟く盗掘屋だった。何度かそういう経験をした身としては切実である)
こう見えても紳士なんだけどね、僕は。女性相手でベッドの上に限定されるけど。
野外プレイというのも割と好きなんだけど、虫よけスプレーが必須だからね。
ま、お望みのプレイがあったらいつでも言ってくれ。応えられるよう努力するから。
(卑猥な冗談を言って、雰囲気を緩和させるよう努める)
いい時代になったもんだよね。昔はこんな装備なかったし、松明かランタンが
必須アイテムだったんだよね。お金があれば、ネットで何でも買えるし。ナイフでも拳銃でも
僕が踏破したのは三つだよ。生憎と、他にも行くべき場所があってね。
ここだけに専念してるわけじゃないし。何せ確実に化け物がいるとわかっている場所に
何の準備もなく踏み込めるほど、僕は能天気じゃないよ。だからキミがいてくれて助かったよ。
(この部分だけは何の計算も打算もなく、彼は真実を述べてる。助かったというのも本当である)
(暗い洞穴に足を踏み入れる。二十メートルの暗闇を踏破し、やがて壁にぶつかった)
【さて、今夜はそろそろ凍結でいいかな】
【明日と土曜日の20時以降は、空いてるけど、他の日は未定だね】
まあ、そういうことだね。お互いに信用は、まだできないだろう。
でも、私の楽しみのためにはあんたが必要だ。
必要なものを意味もなく壊すほど、私もまだ狂っちゃいない。まだ、ね。
(心底楽しそうだ、と言った様子で)
(そのいつか、が来るのかどうかはまだ定かではないが)
(奇妙な確信はある、この体を流れる血潮が、いつかそれを訴えだすだろうと)
ははは、そりゃまたなんとも実用的な紳士だことで。
しかし、そんなことを言われるとなおさら信用いかなくなりそうだけど。
そうだな……この探検が最高に楽しく終わったら、考えておくさ。
そのときは、精一杯歓迎してあげるよ。
(後ろに続きながら、小さく肩をすくめて)
私には、その昔っていう時代がどんな時代だったかよく覚えてないんだけどね。
とりあえず、今はいろいろと便利になってる。それでいいさ。
この中で、三つか。
(無数に広がる洞穴に)
……先は、まだまだ長そうだねぇ。今日はなんとか、四つ目を攻略したいところだけど。
へぇ、やっぱり居るんだ。そういうの。
(戦いの予感がすると、思わず小さく身を震わせて)
ああ、任せておきなよ。化け物の相手は、化け物がするもんだ。
(そしてやがて、一度その歩みが止まった)
【それじゃあ明日、20時ってことでいいね】
【楽しみにさせてもらうよ。それじゃあまた】
【了解。今夜はお疲れ様】
【また明日よろしく】
【さて、では今日も待たせてもらおうか】
(危険な生き物と接する時に、心得なければならないこと)
(それは油断しないことと、心を許さないことに尽きる)
(彼女――霧原朱音は本質的に危険な生き物である)
(細心の注意を払いつつ、それでいて平静を装い弱みを見せないよう留意する)
――どうにも、その化け物たちは、この遺跡を残した者たちが作った代物らしくてね。
多分、既存の生き物の遺伝子を組み替えたり、掛け合わせたり、改造したりしてるみたいだ。
その技術だけとって見ても、大したものだよ。今の技術じゃアレほど見事な改造は無理だろう。
(その叡智(テクノロジー)の結晶たる秘宝。期待感はある。故に彼はこの遺跡に挑むのだが)
またか・・・・・ちょっと待ってね。
(よく見ると、その壁は石板となり、文字が刻まれている。攻略した三つの洞穴も似たような石板があり)
(それを解かなければこの先には進めなかった。壁に刻まれた暗号を大雑把に解読し、幾つかの小さい)
(四角の石を移動させるカチリと音がして解除終了。重い音を立てて壁は左右に広がっていった)
おいおい、またこれはとんでもないね・・・・・・
朱音、気をつけて。どんな生き物が出るかちょっと予測できたから。
(中はほんの少しだけ明度があり、暗視ゴーグルを介してならはっきりと物が認識できた)
(入口から一歩踏み出すと、そこはアマゾンを思わせる原始的な原生林が広がっていた)
【レスを投下するよ、今夜もよろしく】
へぇ……それまた大層なことだ。
しかし、それだけ凄い技術が残されてるかもしれないってなら、もっと大々的な調査が組まれてもよさそうなもんだけどね。
いくら化け物が出るからって、手がないわけじゃあないだろうに。
……それとも、まるっきり人知の及ばない怪物でも潜んでいたりするのかな?
(ゴゴゴ、と擦過音を残して開いていく扉に向けて呟いて)
まあ、そんなことをされた日には私らの楽しみがなくなるわけだから、これは歓迎すべき事態なんだろうけど。
(目の前にゆっくりと広がる光景に、にぃ、と口元をゆがめた)
これまた、ずいぶんと洒落た迷宮だ。……風が吹いてきてるね。
どこか地上にでも繋がってるのか、それとも私らには及びもつかない何かが、ここにあるのか。
(どちらでも考えうる、歓迎すべきはもちろん後者)
遺跡って言うからさ、よくあるゲームのダンジョンみたいなのを想像してたけど。
ま、いずれにせよ注意しとくに越したことはなさそうだね。
(鬱蒼と茂る原生林、葦の高い草も多く見て取れる)
(これでは、自慢の霧も無駄だった。何せ風まで吹いている。あちらこちらで草木が動く)
(そんな動きをいちいち感じ取るのは煩雑だし、そんな中で迫る敵の動きだけを感じ取れるほど器用でもなかった)
(それゆえに、不意にその霧は掻き消えた)
この迷宮の存在自体、そこまで知られてないからね。
五、六年ほど前挑んだハンターが、消息を絶ってから誰も挑んでないよ。
元々、日本自体そこまで注目度は高くないんだよ。それだけに何が残ってるから
わからないって部分もあるんだけどね。だから僕がこうして挑んでるわけさ。
(彼女の言うように、人知の及ばない化け物か神秘があるのだろう)
(危険度と比例するように期待感は増す)
どうやって育ってるんだ、この植物は?
水分はともかく、太陽も必要だろうし・・・・・・・これも古代の叡智という奴か。
(風の流れる方向へと進むことにする。恐らく通路なり何なりがあるはずだ)
僕の後について来て。足元にも気を付けてね。蛇とか毒虫がいるかもしれないし。
(進む度、草木を掻きわける作業に迫られる。リュックから鉈を取り出して、バサバサと薙ぎ倒す)
(こういう場所では、得意の糸は活用できない。それも踏まえるなら素早くここを抜け出るべきだった)
(暫く単調な作業を繰り返し、漸く森から抜ける。そこは森の中にある湖だった)
おお、明るい。
(外と変わらない明度となり、不要になった暗視ゴーグルを外す)
(それを待ち構えていたかのように、湖から何かが這い出す。それは子供ほどの体格のある蛙)
(一匹二匹三匹・・・・・・・・十匹十二匹十三匹・・・・・・次々と増えていく。ケロケロと合唱する)
――戦闘開始、だね。
と、いうことはだ。今がチャンスってわけだね。
こんなとんでもない場所、いずれは誰かが知るだろう。あんたが知りえたようにしてね。
そして、厄介な連中がかぎつけてくる前に片っ端から暴いてしまおうじゃないか。
それまでは、私もずっと退屈せずに居られそうだ。
(この遺跡がどれだけ深く広がっているのかはわからない)
(だが、広間で見えた道の数、そしてその一つ一つにこれだけ広大な遺跡が広がっているとするのなら)
(それはきっと、途方もないスケールの退屈しのぎになることは間違いなかった)
もしかしたら、育ち方自体上の植物とは違ったりしてね。
普通の植物のようにも見えて、実は全部苔か何かだった、とかさ。
(あらかた切り開かれた道を、後ろに続いて悠然と歩く)
ほんと、用意がいいねぇ。
(ばっさばっさと草をなぎ倒しながら進む姿に、感心したような声を上げた)
(視界を遮らんほどの高い草木。それに覆われたこの場所)
(確かに奇襲をかけるにはうってつけとも言えるだろう、だからこそそれなりに注意を払って後に続いていた)
……どのあたりなんだろうねぇ、ここは。町の。
(急に明るくなった視界にまぶしそうに目を細め、ゴーグルを外す)
(湖面にぷかりと泡が立つ、それに続いて這い出してきた巨大な蛙)
こう……なんだ、手のひらサイズでも十分気味が悪いってのに。
このサイズだとそれすら通り越して笑えて来るな、逆に。
(リュックから後ろ手にペットボトルを取り出して、双剣よろしく両手に構え)
ああ、これでこそってやつだ。でも、最初の雑魚くらい、さっさと片付けないとな。
(その刹那、大凡20にも届こうかという数の蛙が一斉に跳んだ)
(その巨躯に見合うほどの跳躍を見せ、降り注ぐ異形の群れ)
(それを見上げて、彼女は笑った)
さぁて……行くよ。
(上空めがけて構えたペットボトル、その底から鈍い音とともに打ち出された無数の水弾)
(その弾丸は逃げ場のない空中で蛙たちを次々に捕らえ、貫けないまでも弾き飛ばして叩き落していく)
(それでもその攻撃を免れ、頭上まで落下してきた蛙めがけて)
せ……ぇぇぃっ!!
(ペットボトルを食い破り、その手に握るは水の双刃。目前に迫った蛙めがけて、その刃を叩き付けた)
(高圧にして極薄の刃を直接受けた蛙は、今度ばかりは両断されて彼女の背後にどさり、と落ちた)
深き者にも、水棲人類にも似てるけどな。
――その亜種か同類項だろうけど。
(異様な蛙。現存するどんな蛙とも違う蛙を前にして呟く)
(何より異様なのは微妙に哺乳類――人間の特徴も備えていることだろう)
(それに挑むのは未知なる細菌に犯された少女――霧原朱音。跳びかかり振り注ぐ)
(蛙の群れに対し、放たれるのは水で形成された弾丸。それに討ち落される蛙たち)
ほう、芸が細かい。こっちも負けてられないな。
(水刃を形成し、舞うようにして刃を振るう。その水圧にて切断される巨大蛙)
(負けじと、こちらも微細な糸を操り、ある者を絡め取り、ある者を切断し、ある者を貫く)
所詮は蛙。単調な攻撃だね。けど気をつけて。
(頭上に降り注ぐ蛙たちを防ぎ、残りの蛙も同様に首を断ち切る。ピクピクと痙攣し屍を晒す)
(蛙が瞬く間に増えていく。それを埋めうわせる様に、湖から次々と這いいずる蛙たち)
(ケロケロと合唱。それはまるで、魔術の呪文の様な韻律を持っていて――)
――多すぎる・・・・・・なっ?
(横一列に並んだ蛙たちが口を開く。そこから高水圧にて放たれる水鉄砲)
(反射的に電磁フィールドを展開。人間を薙ぎ倒すに足るその攻撃を辛うじて電磁場が防いだ)
ち、ジリ貧だな。もしかしてどっか装置を解除しない限り、無限出現ってことはないか?
(拳銃を抜き放ち、次々と弾丸を叩きこむ。一匹二匹に仰け反るが、形勢を覆すには足らない)
しぶといねぇ……動きはたいしたことなさそうだけど……っ!?
(水弾に打ち落とされて地に落ちた蛙がまた、動き出す)
(倒した数だけ湧き出てくるように現れる蛙に、わずかに焦りのような表情が浮かんだ瞬間に)
(意趣返しとばかりに高圧の水弾が迫り来る)
(しかし、それは全て目の前で弾けて消えた、薄い電磁の膜が彼女を護っていた)
……芸が細かいのはお互い様だろ。
(両手を寄り合わせて駆ける、特大の水の刃を形成し、横一文字に切り裂いた)
(しかし、それでも湧き出る蛙は止まず)
ほんと、キリがないよね。確かに、何か仕掛けがありそうだ。
もっとも、いっそのことこいつら放置してさっさと先に行く、ってのもありだけど。
幸い、動きはそれほど早くはなさそうだ……ぐっ!?
(再び二つに分れた水の刃で迫る蛙を叩き伏せた。その刹那、視界に飛び込む赤い影)
(それは首を狙って迫り、首を逸らせて避けるも薄皮一枚切り裂いていった)
ったく、本当に厄介な……。
(それは、舌。鋭く、そしてしなやかに、その刃は次々に撃ち抜かれた)
ああ、もう鬱陶しい!仕掛けがあるならさっさと解いて来い!ここは私が何とかするっ!
(延々と敵をなぎ倒すだけというのは、命がかかっているといっても退屈だった)
(耐えかねて怒声を発する。そして取り出したのは、純粋な赤い液体の注がれたペットボトル)
(それを放り投げると、空中で爆散。無数の水の槍となって蛙の体を貫いた)
(もちろん、それで全ての蛙の動きを止められたわけでもなく、いまだに湖からは新たな蛙が湧き出ているのだが)
あーゆー水弾を撃つってことは、さ。体の中に水を蓄えてるってことだ。
それなら、私にはこういう戦い方がある。
(言葉と同時に、赤い槍を受けた蛙の体が膨張した)
(そしてその体を食い破って突き出る無数の槍。それに貫かれた蛙からもまた、槍が生える)
(次々に蛙が撃ち抜かれ、沸き出でてまた撃ち抜かれる)
(その血が完全に薄まるまでは、そこでは延々と異形の殺戮が繰り返されていた)
……早く、しなよ。
(大量の液体の同時操作は、少なからず負担をかけているのだろう)
(彼女は、額に汗をにじませていた)
そっちと違って、自前じゃないからね。
(軽口を叩ける内はまだ余裕がある。だがそれもいつもで続くか)
(攻撃と防御。攻勢と守勢。両者が目まぐるしく入れ替わる)
(特大の水刃が蛙の群れを薙ぎ払う。周囲に異臭が漂い始めた)
(蛙の屍から漂う血臭だ。それが蛙たちを更にヒートアップさせる)
ったく、古代人ってのは本当に悪趣味・・・・・だなっ!
(357マグナム弾が次々と蛙の群れに叩きこまれる)
(食らった蛙は仰け反り、だがまた立ち上がろうとする)
(一発では死なない。反動を殺しつつ、引き金を引き続ける)
(それでも水鉄砲と、鋭く伸ばされた舌が、二人を追い詰めてゆく)
保障があるわけじゃないけど――了解したよ。
(仕掛けを解いて来いと怒鳴る彼女は、新たな攻撃パターンを繰り出した)
(空中から降り注ぐ水の槍。貫かれた蛙が膨張し、爆発する。それが繰り返される)
(連続する爆発。連鎖する爆発。屍が屍を生む。まさに殺戮ウィルスの本領発揮だ)
(その間に彼は、リュックを下し、彼女の切り開いた活路を突進する。目指すは湖の中)
(それは自殺行為にも見えただろう。だが、彼には彼なりの考えがある)
―――――――・・・・・・・・・・・・・・・
(無駄のないフォームで入水し、水を掻き分けつつ潜ってゆく)
(浅いように見えて、湖はそれなりに深かった。水の濁りが薄いのが救いである)
(もし仕掛けがあるなら、それは湖の中という事になる)
(浮かび上がってくる蛙たちとすれ違い、深く深く潜ってゆく。酸素ボンベもなくここまで)
(驚異だが、それを知る者はこの場にいない。そして彼はそれを見つけた)
(限界が近づいているが、それでも彼は持ち前の冷静さを発揮し、その装置を破壊した)
戻ってこなかったら、私はさっさと逃げさせてもらうよ。
……まあ、ぎりぎりまでは待ってやるけどさ。
(すれ違う彼に、そっと囁いた)
(薙ぎ払った草が今までの足取りを教えてくれる、逃げるとすればそこを通れば何とかなるだろう)
(という、非常に打算めいた思いと裏腹に、願っていた)
(この冒険がまだ続くことを、彼が、戻ってくることを)
しかし……そろそろこっちも、限界かな。
(爆発の連鎖が次第に収まってくる)
(無数の蛙の体液を巻き込み、力の根源である血液が薄れる)
(それでも無数に湧き出る蛙。一人でこの数に囲まれれば、四方から水弾に撃ち抜かれるか)
(舌に刺し殺されるか、いずれにしても生き延びる見込みは薄い)
(仕留め損ねた一匹が放った舌を、辛うじて槍で断ち切って)
……へぇ。
(ひたすら殺して殺して、気づけば蛙の数も減っていた)
やってくれたね、あいつ。
(それは一瞬の気の緩み。勝機が見えた。それゆえの)
(最初に感じたのは衝撃、そして次にズドン、という重い音)
(痛みがきたのはそのわずかな後。脇腹を、真っ赤な舌が貫いていた)
か……っふ。ざまぁ、ないね。
(まるで勝ち誇るように、蛙の鳴き声が木霊する。ただ一匹、彼女の体を貫いている蛙を除いては)
(そして、止めとなるであろう舌が放たれるその刹那)
でも、まださ。残念だけど、私も化け物なんだ。
(脇腹を貫いた舌を握り締める。ぞぶ、ぞぶぞぶという肉を切り裂く嫌な音が響き)
(次の瞬間、彼女の体を貫いた蛙が破裂した。赤い槍を伴って)
(それは四方に飛び交い、最後に残った蛙を貫き消えた)
(彼女の体を流れる血潮は、全て武器。ならばその舌を貫き、蛙の体を貫いて)
(そのまま再び、爆発の連鎖を起こしただけのこと)
(ようやく静かになった湖の側で、蛙の舌を引き抜いた)
(浮上する。肺の空気を少しずつ吐き出す。頭がガンガンした)
(守護者の発生装置は破壊した。少し惜しかったかも知れないが、あの大きさの)
(装置を持ち運ぶ手段がない以上、愚痴っても仕方ない。頭を切り替える)
(発生は止めたと言え、まだ相当な数の蛙が残っていたはずだ。果たして彼女は)
(生きているのか、それとも死んでいるのか。或いは言葉通り逃げ出したか)
ぶはぁっ・・・・・・・
(彼が水面から顔を出す頃、戦闘は終了していた)
(倒れ伏す相棒と、蛙の屍の山。急いで水辺に泳いで陸地に上がる)
朱音、しっかり――くっ・・・・・・
(声を荒げるのを堪え、リュックに駆け寄る。彼女の身体が常人と違うとは言え)
(この負傷を負って平気ということもあるまい。素早く手当の用意をするべきだった)
この程度で死ぬ玉じゃあるまい。少し染みるが我慢してろ・・・・・・・
(各種道具を取り出し、服の一部分を鋏で切り裂いて傷口を検分する)
深いな・・・・・・これでも治せるか?一度戻った方がいいかもしれないな。
(焦る気持ちを押さえこみ、努めて冷静な口調を装う。彼女の血流操作がどの程度まで有効なのか)
(詳しい事はまだわからないので、血を拭い消毒液を振りかける等、一般的な応急処置しかできない)
(細胞の再生率を向上させる成分の含まれた、特殊な薬を塗りつける。彼もよく使う薬だ)
(多少構造に違いがあれ、彼女も人間には違いない。ならば効果はあるはずだ)
ふ……ぅ。
なんとか、やったようだね。お疲れさん。
(駆け寄った彼に、いつものように笑って彼女は言った)
(撃ち抜かれた傷からは一滴の出血もない、つまりは、まだ大丈夫ということ)
私はこのざまだ。あれだけ言っておいて私がこれじゃ、どうにもしまらないねぇ。
(くす、と小さく苦笑めいた笑みを漏らして)
人並みの心配なら要らないよ。……化け物が、このくらいで死ぬもんか。
時間はかかるだろうけど、治せない傷じゃない。っ……はぁ。
(体の内側に薬を塗りつけられる感触、痛みもあるし、当然良い感触ではない)
(顔をしかめて苦痛に声を漏らして、それでも処置が終わるとその傷に赤い膜を纏わせて)
まだ、動けるさ。先を急ごう。
こんなところで、私のミスのせいで引き返すなんて、私は許さないよ。
(制服を脱いで、血塗れた部分を破って捨てて)
(腹をぐるっと巻いて縛った。やはり、そこに染み出る血液はない)
(しかし、これで上半身は下着一枚となってしまい)
……それなりに、暖かいのだけが救いかね。はは。
(体は動くし、頭も働く。何の問題もなかった)
そっちもね。
随分と殺したもんだ。よく耐えきれたね。
(傷口からの出血は収まっている。そちらも大したものだと言えた)
(それでも、あの大きさの傷口からするとダメージが皆無なはずもない)
ならいいんだけどさ・・・・・・これでも相棒のことは大事にしてるつもりだからね。
(溜息をつく。向こうが大丈夫と言っているなら、これ以上は無用のお世話というものだろう)
(自分で血を止めれるなら、絆創膏も包帯も必要ないだろう)
せめて、これを着てくれ。何というのか、眼のやり場に困る。
誘惑するなら、もう少しムードのある場所でないと、ね。
(くだらない冗談を交えつつ、リュックから着替えを差し出す)
(LサイズのTシャツだが、上半身ブラのみよりは格段にマシだろう)
(実際、そんな恰好で傍に居られても困るのは事実であった)
ま、キミがその気なら、僕もこのまま続けるよ。
(引き返す気がないなら、このまま進むだけだ。リュックを背負い直す)
(二人は湖を迂回して、森の中の開けた一本の道を進む。幸い、怪物は現れなかった)
(暫くすると、切り揃えられた巨大な石が積み重なった場所にでる。まるで巨人が作った階段だ)
ロッククライミング・・・・・・は、経験無いかな?この上が目的地だと思うけど。
(ザーっと上から水の流れる音がした。滝でもあるらしい。ザイルとハーケンを駆使して、登山開始)
(近づくと石段にはそれなりに凹凸があり、昇るのにはそこまで苦労せずに済んだ)
相性がよかったのさ、あいつらと私はね。
水を扱って、私に勝てるわけがないだろう?
(目を伏せたまま、傷口に手を当てる)
(傷口からは常に焼け付くような痛みが襲ってくる。それでも、今は前に進みたいと思う)
(生命の危機は脱したのだから痛みごときに歩みを止めるわけにはいかない)
そう言ってもらえる、ってことは。私もまだまだ利用価値がある、ってことだろうね。
せいぜい捨てられないように、お役に立つとしましょうか。
(こんな状況でも、面白そうに彼女は笑う)
ああ、そりゃあすまなかったね。
あんたみたいなのが相手だし、この手の遠慮は無用だと思ったんだけど。
しかし、そういうことならありがたく拝借しようかな。
(そそくさとシャツに袖を通す、直接肌に風が当たらない分、幾分かは心地よかった)
そうしておくれ、ここで止めたら私はあんたを恨んでやるよ。
(ずいぶん中身の減ってしまったリュックを提げて、時折ふらつきながらも後に続く)
(注意が散漫になってきているのがわかる。今襲われたらどうなるか。考えたくもなかったが)
(少なくとも、まだ自分には戦う力が残っている。だから前に進み続けた)
さすがにそれはねぇ……しかし、意外と短かったね。
ちょっと、今の状態で上るのは酷だ。だから、私は楽をさせてもらうよ。
あんたはそのまま、頑張って上っておくれ。
(登山を始めた様子を真下で眺めながら、声を張り上げ呼びかけた)
これで最後だ、ってなら。出し惜しみする必要もないよね。
(その石段の頂上めがけてペットボトルを放り投げる)
(一本、二本。それは石段の頂上を穿つ水の楔と化して)
(そして、残りのペットボトルの中身を空けると、打ち込んだ楔めがけて伸ばす)
(人一人支えてしまうほど強靭な、水の梯子を形成して、それを掴む)
それじゃ、お先に上で待ってるよ。頑張れ〜。
(後は勝手に、水の梯子が巻き上げられて体も上がる)
(その途中、すれ違う彼ににこやかに言葉を残して)
(唯一つ、忘れていることがあるとすれば、上ったからには降りなければならない)
(そのことを、まるで考えていなかったということだ)
本当なら、ここで引き返すところだけど。
キミに恨まれたくないからね。精々気をつけてよ。
(流石に彼女の足取りが重い。これ以上の戦いは命を失う危険がある)
(ハントには常にそれが付き纏うが、だからと言って引くべき時に引かないのは)
(愚かな選択でしかない。だが、彼女の希望に反するのは、今後の為にも避けるべきだった)
(今後があれば――という前提が第一であるのだが、それは考えない事にした)
洞窟内の迷宮全部合わせると、とんでもない規模になると思うし。
それを考えれば、ひとつひとつはそこまで長くないとは思うけど。
確かに他の洞窟よりは短かったね。その分、戦闘が大変だったけど・・・・・・
(そんなことを言っていると、彼女は能力をフル活用して水梯を作り、先に上がってしまう)
――無駄遣いするなよなー、帰りが大変だぞー。
(こちらは地道に登りつつ、そんな在り来たりな台詞を口にした)
(頂上まで昇ると、そこにはまた水溜りがあった。その中に得体の知れない何かが泳いでいる)
(水溜りの中央に陸地があり、台座があり、何かが乗っている。秘宝に違いない。だが、問題は)
(その周囲を泳いでいる、巨大な何かだった。ザパンと水飛沫をあげ、ソレが跳ねる)
えっと・・・・・・・何・・・・?
(もう一度それが跳ねて、着地する。それは見上げる巨大なキマイラ)
(犀の頭部。ゴリラの胴体と四肢。亀の甲羅。複数の尻尾)
ど、どこまで悪趣味なんだ、古代人・・・・・・?
(流石に頭を抱えて呻く盗掘屋。だが、その出来の悪い合成獣は、猛然と襲いかかってきた)
わかってるよ。自分の体がどういう状態かってことくらいね。
でも、退けないのさ。駆り立てるんだよ。何かがね。
(重くなる体、鈍くなる動き。強くなる痛み)
(その全てに相反して、心の中で駆り立てるものが強くなる)
(興味が、欲求が、欲望が増していく)
参ったねぇ。
(水の中でうごめく正真正銘の怪物)
(水を貫き耳を劈く咆哮とともに、飛び跳ねた)
やあ、漸。遅かったね。
(ようやく上ってきた彼に、ちょっと困ったように苦笑を浮かべて)
ありゃあ、なんだい?なんというか、作った奴のセンスを疑うよ?
……しかし、宝もすぐそこだ。ここは私も、全力でいかせてもらおうかな。
(手を天にかざす、すると足元から彼女の体を水が包み込んだ)
(水梯子を象っていた水が、石段を這って彼女の元までたどり着き)
(赤みを帯びた水が彼女を包む。それは、超硬度の水の鎧)
残念ながら、人に使ってやれるほど便利な力じゃないんだ。
そっちはそっちで、しっかり生き延びてくれよ?
(広げた両手に鋭い刃を形成し、襲い掛かってきたキマイラめがけて走り出す)
(さすがに今日は力を使いすぎている。おまけに傷まで負っている)
(限界は近いが、ここで退けるはずもない)
なんていうのか、物凄い寄せ集めだね。
あれで生物としての成立してるのが、ある意味凄いけど。
(これも古代人の叡智の結晶なのか。それと戦わなければならない)
(こちらとしては、その悪趣味さ加減と面倒くささを感じるだけだが)
ま、宝があるならこっちも退くわけにはいかないからね。
(E・グローブの電圧を最大にまで引き上げる。最悪、殺せなくても行動停止させて)
(その間に宝を奪取すればいい。全て手札を切る時が来たのだ)
心配いらないって。それより――
(水の鎧を纏う彼女に、こちらは拳銃を取り出して、いつでも撃てる準備をしておく)
(相手は巨大で、獰猛で、そして頑強だ。相棒は水の刃を形成して斬りかかる)
(それを補佐するため、二挺拳銃が咆哮する。的がでかいので当たりやすい)
まともにいくな!隙間を狙え!
(巨大な敵を相手にする時、頑強な皮膚や装甲は狙わず、端末部分や隙間を突くのが)
(人間のやり方である。例えば爪先や指。或いは髭などを潰し感覚を潰す)
(眼球や口、或いは額を狙うのは相手が弱ってから、止めを刺す時だ)
(銃撃が、僅かだがキマイラの注意を惹く。当然、弾丸は皮膚で止められたが)
(時間が稼げれば充分だった。次手の布石として、糸を垂らして這わせる)
だが、いかにも、って感じはしないかい?
なんとも王道って奴でさ。でも、王道だって悪くない。
そもそもにして、普通じゃありえないようなことなんだ。
(最悪のコンディションの体調とは裏腹に、目だけは爛々と輝いて)
(だが、長引かせることもできない。そこまで体力が持ちそうにもない)
じゃあ、やるよ。……頼んだよ。
(濡れた足跡を立てながら、キマイラへと駆けていく)
(応じて相手も、目の前の矮小な存在を蹴散らそうと迫り来る)
了解、っとぉ!
(振り下ろされた巨大な拳を跳んでかわして、そのまま眉間を狙う)
……っ!くぅっ。
(しかし相手も化け物、首をめぐらせ犀の角でその刃を受け止めた)
(そのまま頭を振り払って、迫る彼女を弾き飛ばした)
(追撃のために振り上げた拳を銃弾が阻む、隙は小さい。だが十分だ)
助かった。これで……どうだっ!
(案外、息はあってるのかもな。などと思いながら、水の刃を延ばして木を貫く)
(そのままそれを支柱として、空中で体制を整えて)
(角も視界も届かない、完全な死角から飛び込み、刃を振り上げた)
(狙うは後頭部、その一撃は確実のその怪物を捉える……はずだった)
なっ!?ぐっぅあぁぁっ!!
(ぎょろり、と後頭部に開いたのは巨大な眼。古代の叡智に死角はない。そういうことのようだ)
(さすがに驚いた、それでも刃を振り下ろそうとした彼女の体を、伸縮自在の無数の尻尾が縛り付けた)
(そしてそのまま振り回し、地面めがけて投げつけた)
(なすすべもなく地面に叩きつけられて、追撃の拳がそこに迫っていた)
【ごめん、今日で終わると思ったけど見通しが甘かったよ】
【また凍結頼んでいいかな?】
【了解した、ちょっと予定は未定だから、決まったら連絡するよ】
【了解。その時はまたお願いするよ】
【じゃあ、今夜はお疲れ様ノシ】
【軽く待機してみるぜ】
【プロフは
>>11だったはず】
【これで落ちるぜノシ】
641 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 20:40:06 ID:onstl0ng
要領オーバー?
>>634 (秘宝を守る守護者。それは現代に伝わらなかった古代人の叡智の結晶)
(防衛機構たる怪物たちの遺体ひとつでも持ち帰れば、生物学者が挙って)
(それを求め仕組みを暴こうとするだろう。だが、今の彼らにとって最優先なのは)
(目先の宝と自分たちの命である。守護者と略奪者たちが喰らい合う)
(怪物の攻撃を躱し様放った一撃は、堅固なる角にて阻まれる。弾かれる相棒)
(振り被られた鉄鎚の如き一撃は、銃弾にて阻止される。その間に体勢を整える相棒)
朱音!くそっ・・・・・!もう少し我慢してろよっ・・・・・・!
(相棒のトリッキーな動きから死角を突いた攻撃は、しかし驚異の機能にて阻まれる)
(恐るべしは古代人の叡智。現代人の発想ではそれに抗う術すらないというのか?)
(だが、彼とて遊んでいたわけではない。十数本、彼が一度に操れる限界の魔糸が)
(その見えざる驚異を秘めて怪物に着実に迫っていた)
調子に乗るなよ、出来そこないの怪物が・・・・・
(変幻自在とはこのことか。堅固な甲羅と角、そして触手の如き尻尾)
(幻想的な世界からそのまま来訪したかの様な怪物に、突け入る隙はないと思われた)
人間をあまり見くびらないことだ・・・・・・
所詮お前は人間に造られた物。ならそれを壊すのも、人間の仕事というわけだ。
(だが、冷淡に告げられる盗掘屋の言葉が、それを覆した。爪先に、指に、甲羅の中に、尻尾の付け根に)
(身体の隙間という隙間、端末という端末に鋭く見えない糸が絡み付き、その動きを戒めている)
(力比べして怪物に勝てるはずもない。だが、肉体の構造上どうしても脆い部分は存在する)
(彼はそれを突いた。無論、相棒が決死で挑み、時間を稼いでくれたから可能な攻撃ではあったが)
時間が稼げたよ。ありがとう、朱音。
これで終幕だ。コイツを優しく眠らせてやれ。
(咆哮し、足掻いて、戒め解こうとするキマイラ。ギチリと、糸が撓る)
(複雑に絡んだ糸は簡単には解けない。しかし、このまま放っておけば解かれる可能性もある)
(だが、その時間を与えるつもりはない。相棒に止めを刺すように指示する)
【ロール解凍だよ】
………。
(地面に叩きつけられる衝撃は、思っていたほどさしたるものではなかった)
(硬度と弾性、相反する要素を併せ持つ液状の鎧が、その衝撃のほとんどを減算していたのだ)
(それでも肺の奥から空気が押し出され、体はわずかに軋みを上げた)
(少なくとも今日、彼女は二度は死んでいる)
(脇腹を貫かれて一度、そして地面に叩きつけられて一度)
(それでも尚死なず、そして立ち上がるのはその身に宿った異形の業が故)
(だから彼女は立ち上がった、ゆらゆらと揺れながら、厚い水の鎧を纏って)
とんでもないな。こいつも、そして、漸。あんたもだ。
(四肢、という言葉で表現できるのかどうかも定かではないその異形)
(いたるところに絡みつき、その動きを封じる鋼線。その技量に感心したように唸り)
やはり、私はちょっと地味かもな。
(す、と手をかざす。体を覆っていた水の鎧が姿を変えて、彼女の手の上に集結する)
だが、残念だけど。私は優しくはないんだ。
(そして手をかざしたまま、ゆっくりとキマイラに近づいて)
派手に、逝きな。
(手のひらの上でゆらめく水球を、キマイラの頭上に放り投げた)
(刹那、迸る巨大な水の杭。超高圧で、さらに圧倒的な質量とともに放たれた)
(それは、頑強な表皮や堅牢な亀甲さえも無視して食い破り、頭頂から腹部までを串刺しにした)
(そして、その杭が無数の薄刃となり、キマイラの体を千々に切り裂き迸る)
濡れるのは好きじゃあないが、こういうのなら悪くもない。
(弾け飛ぶ巨体、当然のごとく肉片や返り血が舞う)
(それを一身に受けて、頬に張り付いた肉片をこそげ落として、凄然と笑みを浮かべた)
……ああ、そういえば。シャツを駄目にしてしまったね。悪かっ……ぁ。
(そのまま相棒の方を振り向いて、その体が崩れ落ちた)
(死んで当然の攻撃を受けながら、彼女は立ちあがった)
(その身体に宿る未知なるウィルスが、安楽な死を許さないのだろう)
(それが救いなのか地獄なのか、彼にはわからない)
(わからないが・・・・・・多分後者なのだろうと、察することはできた)
(そして終焉の時は訪れる。水球が舞い、鋭き水の剣と成りて怪物を貫く)
(その巨大な剣が破裂して無数の刃と成り、その強靭なる身体を切り刻む)
(壮絶な戦いに相応しい、壮絶な幕引き。残ったのは無残に飛び散った怪物の屍)
(返り血に塗れた彼女が、凄絶な笑みを浮かべていた。果たして、この場にいた怪物は)
(一匹だったのか二匹だったのか。彼は血塗られた糸を切り落として溜息をついた)
全く・・・・・どうしたものかね。
(今更だが、とんでもない相手と組んだものだと思った)
しっかりしろ。お宝を前に死ぬ奴があるか。
シャツくらい幾らでもあるから気にするな。起きろ。
(それでも、駆け寄って助け起こすことは忘れない。それが彼の定めたルールだから)
(一方はズブ濡れで、一方は血塗れ。今回は・・・今回もか?とんでもないハントになった)
(リュックからタオルを取り出して、顔を拭ってやる。流石に服を脱がすのは憚られた)
………。
(抱き起こされた彼女は、ぴくりとも動かず眼を閉ざしたままだった)
(それに対して相棒は、少しくらいは心配するかとも思っていたが、どうにもそんな様子は見えず)
(しかたない、と言った様子で彼女は眼を開けて)
ほら、こういうのもお約束じゃあないかね?ようやく手に入れた宝、しかしその代償は大きかった。
ってさ、結構ありがちじゃないかね?何はともあれ、おつかれさん。
(顔をぬぐう手と交差させて伸ばした手で、軽く彼の胸を小突いた)
これでようやく最後の最後、かな。
さて、お宝とやらを拝ませてもらうとしようじゃないか。
確か、あの泉の中央……だったよね。
(ふらふらと立ち上がって、おぼつかない足取りで宝へと向かう)
(長い髪はすっかり血に染まり、わずかに色濃くなって濡れた毛先から、ぽたりぽたりと血が垂れた)
(泉を目前にして、振り返り)
ほら、行こうよ。漸。こういうときは、二人並んで宝に手を伸ばすもんだろう?
(それ自体はただの誘い。しかし、その先にあるのは破滅か絶望か)
(いずれにせよ、まともな予感を感じさせないその手が、彼に向かって差し伸べられた)
・・・・・そういうバッドエンド調なのは嫌いだよ。
いつでも最後はハッピーエンド。それが僕の基本。
ともかく、お疲れ様。正直、助かったよ・・・・・・
(こちらも冗談めかしているが、呪いに蝕まれている゛相棒゛を持っている)
(彼としては、切実な願いであった。無論、それを彼女が知るはずもないが)
ああ、あの中央に・・・・・・
(広大な水溜りの中央に位置する台座。その台座に鎮座する秘宝)
(これを手に入れて、持ち帰ればMissionCompleteだ)
別にいいけどさ・・・・・触れる前にはトラップの有無を確認してくれ。
最後の防衛機構が残ってないと、断言できないからね。
(その誘いに、彼は躊躇なく乗り、手を取った。どの道、まともな生活とは無縁である)
(リンダの呪いを解くと決めてから、外道に堕ちてでも突き進むと決めた)
(だから、彼は破滅と絶望を予期しつつも、脚を止める事だけはできない)
(二人で、湖を渡る。腰まで水に漬かりつつ、それでも進む)
宝玉か・・・・・中で炎が燃えてるね・・・・・
(陸地に上がり、台座の上にあるそれを認識した時、彼はそう言った)
(掌の乗る程度の、水晶か何かで出来たような球体)
(どのような原理なのか。その中で炎が形を変え揺らめき、燃えている)
ここの迷宮にある秘宝って、よくわからないのが多いんだよね。
けど、キミは退屈せずに済んだだろ?
(手を取り合っている゛相棒゛に向けて、珍しく屈託のない笑顔を向ける)
お約束、ってやつだよ。フィクションの中のお約束を、ノンフィクションで体験できるなんて素敵じゃないか。
でも、この手のドラマの主人公が絶対に生き残る、というのもお約束だ。
だからこそ、視聴者は安心して観ることができる。
(大凡その場にそぐわない話題を切り出しながら、からからと笑う)
(この場合、主人公とはどちらなのだろう。最後まで生き残ることを確約されたのは、どちらなのだろう)
(少なくとも今は、この物語の主人公はただ一人ではないことを祈っている)
ふぅ……結構冷たいね、ここの水は。
……傷に染みるよ。
(傷を覆った血の膜も、同じく液体である水の前ではその力を減算されていく)
(自然脇腹に手を当てて、ゆっくり湖を渡った)
ああ、いかにも、って感じの代物だ。
(炎を内包した宝玉、存在自体が超常現象ともいえるその宝を前に)
一体誰が、何の目的でこんなものを作ったんだろう。
それを考えてみるのも面白い。わけのわからないものだらけだってのなら、もしかしたら……。
(言葉を切った。自分の体の中を流れているウィルスも、もしかしたらこの場所で生まれたのかもしれない)
(そう考えると、どうにも不思議な気分になった。そしてわずかに感じた)
(何かが、もっともっとずっと奥から。何かが彼女を、彼女の中にある何かを呼ぶ声を)
ああ、すばらしい体験をさせてもらった。
……楽しかったなぁ。
(唐突に、とても無防備にその宝玉へと手を伸ばし、掴み取った)
(直前の警告さえ無視して、手中の宝玉と、さらにその中で揺れる炎を眺めてみたが)
(刹那、その宝玉から溢れる炎、それは見る間に彼女の腕まで纏わりついて)
ぅ熱っつ!……うぅ、さすがは古代の叡智って奴だ。びっくりだ。
(驚いた表情で、悪びれる風もなくさらりと言ってのけた)
(不思議と、その腕には火傷の一つもなかったのだが)
どうせお約束再現するなら、ジープに乗って夕日の荒野を突き進んで
笑いながらエンドの方が、それっぽいけどね。何せトレジャーハントだし。
僕にしてもキミにしても、主役の器じゃないとは、思うけどね。
(盗掘屋と殺戮ウィルスの保菌者。主役よりむしろ敵役の方がぴったり当て嵌る)
(気がしてならない。明日無き二人という路線もあるが、それはそれでどうかと思う)
・・・・・ていうか、アレで死んでない方がどうかしてるけどね・・・・・
(やはり怪物か。あの傷を負って歩ける方がどうかしているのだ)
この遺跡を作った連中は・・・・・・多分何かの実験してたんじゃないかな?
この宝玉にしろ、あの守護者たちにしろ、あの装置にしろね・・・・・・
(動物の遺伝子を組み合わせた守護者たち。この迷宮に存在する植物)
(何より、この宝玉自体が何か大きなパズルのワンピースの様な気がしてならない)
(この街で起きている怪異や、出現する妖魔も、この迷宮とは無縁ではない気がする)
――そういうオチか。だから言っただろうに。
慌てるなんとかは貰いが少ないんだよ。火傷はしなかった様だけど。
(フライングした相棒に冷やかに告げて、落した宝玉を拾う。それを水の中に漬けてみた)
あー、なるほど。この場所が水だらけなのは、これを封印するって意味もあったんだね。
(暫く水に漬けておき、炎がこちらまで侵食しないと確認した時、彼はリュックから袋を取り出し)
(その中に詰める。念のため、水も少し入れておく。これで帰るまでは安心のはず、だが)
さて、帰ろうか。帰って僕の部屋で御馳走食べて、酒でも飲んでそのままキミとベッドイン
しようと思ったけど・・・・・その傷じゃどうしようもないか。
(本気ではない口調で告げて、袋をリッュクに詰める)
(それでも、その顔は達成感に満ちいてた)
(誰かと組んでハントを達成する喜びは、一人では味わえない)
ああ、そういうのもいいねぇ。そういえばあんた、運転できるのかい?
だとしたら、今度ドライブとでも洒落込みたいね。
(夕日の荒野は難しいだろうが、それでも色々走ってみるのも面白そうだった)
そうかな?案外いけると思うんだけど。確かに万人受けはしなさそうだけどさ。
(少なくとも、彼女は自分を主人公だと思ってはいるようで、小さく肩をすくめながら)
自分でもびっくりだ。ここまでめちゃくちゃやられたのは初めてだよ。
なんだかさ、さっき叩きつけられたときから肩の具合もよくなくてね……ん?
(ぐる、と肩を回すと、鈍い痛みが走った。なぜか片方の肩にだけ)
(不思議そうな顔をして考える、いくらこの体でも、おかしくなった関節がすぐに元に戻るはずもない)
(だとしたら、原因は……?)
へぇ〜ぇ、こりゃあいいや。
(彼女は、小さくほくそ笑んだ)
しかし、えらく熱くて痛かったよ、さっき掴んだときさ。
(何度か手を握ったり開いたりして)
……なかなか、考えてるねぇ。でさ、それを持って帰ってどうするんだい。
なんだか、面白いものみたいだけどさ。
それもいいが、今の私には休息が必要だ。帰ったらすぐに眠らせてもらうよ。
多分、2、3日もすればまた動けるようになるさ。それまではちょっと、学校も勘弁だな。
(傷の上から手を当てて、少しだけ困ったようにつぶやいた)
(2、3日といっている時点で、あからさまに常軌を逸しているのだが)
(それでも幸せそうに、満ち足りた笑みを浮かべていた)
だけど、帰ったらまず最初にシャワーを浴びないとな。
(血まみれのままで、途方にくれたように笑って言った)
ああ、ジープでもセスナ機でも船でもね。
夏になったら、海でも行ってみるかい?
(彼は職業柄、あらゆる乗り物の操縦方法に精通している)
(これらは修練の結果であり、特別な才能を持っているわけではない)
B級アクション映画だね、どう考えても。
(どうでもいいことだが、彼は華より実をとるタイプである)
・・・・・その割には元気そうだね。
何か、いいことでもあった?
(その笑顔を不気味に感じたのは、気のせいか?)
(此方にとって不都合がなければ、それでいいのだが)
んー・・・・僕が探してる物じゃなさそうだしね。
暫くは眺めて愛でて・・・・・・その後は・・・・・
知り合いか誰かに、精々高値で買い取ってもらうさ。
欲しいなら、キミにあげてもいいけどね。初ハント記念にさ。
(最後のフレーズは本気である。少なくとも、彼が真に欲している物以外なら)
(別段誰が所持しようと構いはしないのだ。それが良い物であれ悪い物であれ)
それもそうだね。打ち上げはまた今度にしよう。
お寿司でも焼き肉でもなんでもいいよ。
その後は、キミのその魅惑的な身体をじっくり探索させてもらうとしよう。
(またリュックから着替えのTシャツを取り出し、差し出す)
(この状態では、学校から出た時点で不審者扱いされるのが関の山だろうから)
【ごめん、電話に出てて遅れたよ】
【そろそろ〆、でいいかな?】
はっはっは、そりゃあいい。それだけできれば、ほら。あれだねぇ。
洋上に浮かぶ島、そこに潜む古代遺跡……だなんてことも、できそうな感じがするねぇ。
そういうネタは、そっちに入っちゃこないのかい?
(そういうことをさらりと言ってのける彼に、さすがは私の相棒だ、と感心しながら)
だったとしても、あいにくこっちはノンフィクションだからね。レベルが違う。
こんなに面白いことはないさ。
ああ、すごいいいことがね。
(一瞬のことだったが、それでもこの秘宝の力の片鱗を垣間見た)
(おそらくは何かしらの癒しをもたらす力だろう)
(それにしては妙に痛くて熱かったが、それでも肩の具合はよくなった)
あんたが一体何を探してるのか、後で聞かせてもらいたいところだけど。
まあ、それはいいや。宝をもらうってのも、悪くはないとは思うけど。
どうやらね、私には……宝よりも、宝探しの方が重要らしい。だから、それは好きにしなよ。
(便利なものだとは思った。だからといって、別に欲しいとも思わなかった)
まあ、何はともかく。今のところはさっさと帰ることを考えよう。
……しかし、本当に用意がいいよね。助かるよ。
(やはり見られているのも気にもかけずに、新たなシャツに袖を通した)
(そして辿る帰り道、並んで歩く、帰り道)
本当に、今日は楽しかったよ。ありがとう、相棒。
(不意に優しげな声色で、笑みを浮かべてそう囁いた)
【ああ、大分長丁場だったが、これで終いだな】
【私の方はこれで終わりにする、最後は任せたよ】
んー、そうだね・・・・・
この近辺の海じゃ、そういう情報がないな。
沈没船も海賊の隠し財宝も、期待できそうにないし。
(冗談じみた問いに、真剣に考えて答える)
ま、そうやって楽しめるのはいいことだよ。
へぇ・・・・僕の事情に興味があるんだ?いずれ、ちゃんと話すよ。
(最初、彼女と契約を結んだ時、彼が何を探しているのかは尋ねないと言った)
(それが、どうした心境の変化か。良い事なのか悪い事なのか、判断できない)
じゃあ、これは僕が預かるよ。それにしても、今回は戦闘がハードだったね。
(その秘宝の力を実感しなかった彼は、その宝玉が自分の求めている)
(物に近いと言う事に、現時点では気付いていない)
基本だよ、基本。次はキミも着替えは用意しておきなよ。
(そう言いつつ、しっかりと着替えシーンは網膜に焼きつけておく)
(お互い、ちっとも恥じらいがないのが傍から見ててシュールだった)
・・・・・こっちも助かったよ。ありがとう、相棒。
(彼女の口から滑り出た言葉。優しげな表情。それはまるで普通の人間の様で)
(だから、こちらもそれに相応しい真摯な言葉と、穏やかな表情で応じた)
【お疲れ様、長い間ありがとう】
【またの機会によろしく】
653 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 10:41:20 ID:Jn77zWrA
654 :
名無しさん@ピンキー:
こっちも最後まで使いなさいよ